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116回国会参議院1989/12/07

社会労働委員会育児休業問題に関する小委員会 第2号

発言数
6
登壇者
3
会派数
2
開催日
1989/12/07

会議録

小野清子自由民主党

○小委員長(小野清子君) ただいまから社会労働委員会育児休業問題に関する小委員会を開会いたします。  育児休業問題等に関する件を議題とし、育児休業制度をめぐる経過と現状について此村専門員から報告を聴取いたします。此村専門員。

此村友一参議院常任委員会専門員(社労)

○専門員(此村友一君) 調査室の此村でございます。  それでは、お手元の「育児休業制度に関する経緯と現状」という資料を中心に御説明いたします。  なお、今回育児休業法案に関する参考資料を作成いたしまして、既にお手元にお届けしてございます。同じものをきょうこちらにお配りしてございますが、これは場合によれば若干御参照をいただく機会があるかと思いまして置いたわけでございます。  「育児休業制度に関する経緯と現状」の目次をちょっとごらんいただきますと、最初は休業法案提出をめぐる動き、それから次に現行法の内容、三番目は就労と育児に関する状況、育児休業制度の実施状況、それから次には育児休業に関する施策というような順番で御説明をいたします。  最初のページをおめくりいただきまして、1でございますが、これは表になっております。  先生方御案内のとおり、最初は育児休業につきましては育児休職とかあるいは育児休暇、こういった名前でごく一部の企業で実施をしていたわけでありますが、昭和四十年代以降、ちょうどそのころに労働力不足が深刻化いたしまして女子の職場進出が本格化したころでございますが、その四十年代以降になってから育児休業の問題が強く取り上げられてきたわけでございます。例えば、電電公社等が四十三年五月から実施をいたしました。それからだんだんと各企業において実施をしてきたような状況でございます。  国際的には、ちょうどその今の表の一番上に一九六五年六月のILOの総会において採択されました勧告の名前が載っておりますが、この百二十三号条約、これがやはり一九六〇年代に入りまして国際的に必要性が叫ばれたその一つの成果として勧告ができたわけでございます。そういう中で、それ以降の国際的な動きといたしましては、例えばその下の教員の地位に関する勧告、さらに七二年十二月の国際婦人年設定の宣言、これは一九七五年、昭和五十年を国際婦人年とすることを宣言したものでございます。あとずっとその右の欄に書いてございます各計画の採択でありますとか、差別撤廃条約、さらに二ページを見ていただきますと、ILO関係の条約、勧告が挙げられているわけであります。このような国際的に、これはいずれも育児休業に関係の深い条約、勧告でございます。  例えば、大変恐縮でございますが、先の方の二十八ページを開いていただきますと、これは女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、ここでは、「親が家庭責任と職業上の責務及び社会的活動への参加とを両立させることを可能とするために必要な補助的な社会的サービスの提供」、こういうことを条約では明記をいたしております。これは日本が批准しているわけであります。  それからまた、具体的に育児休業との関係が非常に明確なILOの勧告がその下に挙げてございます。この(2)の勧告におきましては、雇用条件の中の二十二項の(1)に「両親のうちのいずれかは、出産休暇の直後の期間内に、雇用を放棄することなく、かつ、雇用から生ずる権利を保護された上、休暇(育児休暇)をとることができるべきである。」というようなことで、育児休業に関する国際的な条約、勧告あるいは行動の積み重ねがそこに出てきたわけでございます。  それで、もとの年表にお戻りいただきまして、国内の問題として考えますと、昭和四十七年六月に勤労婦人福祉法というものが成立をいたしたわけでございます。この法律は、我が国におきまして育児休業の必要性を認めた最初の法律とされております。この法律の条文が現在の男女雇用機会均等法に受け継がれているわけでございます。  それからそれ以後、例えばその左側に昭和五十年四月に育児休業奨励金制度が発足いたしましたし、さらには昭和五十年が国際婦人年であることに伴いまして、五十年九月に婦人問題企画推進本部というものが閣議決定されました。そういったような全般的な動きがいずれも育児休業をめぐって進められてきたわけであります。  こういったことの詳細につきましては、実は本日お手元にございます参考資料にございますので、また後ほどごらんいただくといたしまして、結局私どもといたしましては、この育児休業についての節目というものは、一つには先ほどお話いたしました四十七年六月の勤労婦人福祉法の成立、それから第二番目は、ちょうど真ん中よりちょっと下のところにございます、よく御存じの学校と施設の職員の方々を対象にいたしました育 児休業法案が五十年に成立をいたしました。その問題が一つです。  それから、あとは二ページを見ていただきますと、五十七年の五月ごろから各党におかれまして育児休業法案の動向ないしは法案が発表ないし提出をされてまいりました。六十年の五月には男女雇用機会均等法が成立をいたしております。その後、育児休業法案、これに関連する各草案なり提案がいろいろと相次ぎまして今日に至っているわけであります。  それで、一応いきさつとしてはそういうことを念頭に置いていただきまして、あと具体的に現行法の内容等につきまして御説明をいたしたいと思います。  なお、四ページに参考までに育児休業法案はこれまでどういうものが提出されたか、それから提出者、時期について一覧表がございます。それをごらんいただければ幸いでございます。  次に、五ページから御説明いたします。  育児休業に関しましては、現在二つの体系と申しますかシステムがございまして、一つは御案内の特定職種に関する育児休業の法律、それが「現行法の比較」の右の方に書いてございます。それから左の方には、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律、いわゆる男女雇用機会均等法が左側にございます。  右側の方からまず御説明いたしますと、この法律につきましては、いろいろとそのできましたバックがございます。ベビーブームでありますとか、その他のいろいろなことを原因といたしまして女子教員の比率が上昇してきた。しかし、核家族化の進展とかゼロ歳児保育施設の不足等から、出産、育児のためにやむを得ず退職せざるを得ないような方々が少なくなかった。そういったことから、女子の教員の方々から育児休業の創設が非常に強く主張されたということでございます。さらに、これも御案内のとおり、ユネスコの教員の地位に関する勧告、これが出産後一年以内の無給休暇の保障を提唱いたしました。そういうようなバックがございます。ちょうどそのころ、看護婦さん、保母さんにつきましても育休の必要性が指摘をされたという状況がございました。  そういったことをバックにいたしまして、昭和四十二年の五月以降、日本社会党からこの関連法案、教育職員の育児休暇法案が提出されております。その後いろいろと紆余曲折がございまして、それは省略させていただきますが、昭和五十年の六月、衆議院に五党共同の提案で特定職種に係る育児休業法案が提案をされまして、全会一致で五十年七月に成立し、五十一年四月から施行されたわけでございます。  内容は十分御承知かと思いますが、もう一度簡単にざっとお話をいたしますと、五ページにございますように、もともとこの法律は、これらの職種の方々の職務の特殊性ということを考えまして、人材確保の困難性、そういったようなこと等にかんがみまして、その身分を持ったままでの職務からの解放あるいは勤務の継続を容易にする、出産、育児に伴う離職の防止とか、そういうようなことを目的といたしまして定められたものでございます。対象労働者というのがございまして、国公立の義務教育諸学校等の女子の教育職員の方、それから国、地方の運営する医療施設等の看護婦、保母等で、一歳に満たない子供を養育する方を対象にいたしております。職種なり区別は八ページに分けて書いてございます。国公立の学校で、施設で言えば幼稚園等、職種は教頭、教諭等、それから医療施設等はここにございますので、それはごらんいただければよろしいと思います。  それから、この制度につきましては、「請求」というところがございますとおり、任命権者に対して許可を申請することができる、こういう申請行為を前提にするわけであります。しかしながら、任命権者は、後ほど出てまいります臨時的任用が著しく困難な事情がある場合を除き許可しなければならない、このように定められておるわけでございます。  なお、ちょっと申し上げるのを忘れましたが、この法律は国立及び公立を対象にいたしておりますけれども、それでは私立についてはどうかと申しますと、その上から三段目のところにありますように、私立の義務教育諸学校等につきましては、この法律に規定する育児休業の制度に準じた措置を講ずる努力義務が定められておるわけでございます。これは当時の解説書等によりますと、民間に強制することは困難視されたために努力規定にとどまった、かように伺っているわけでございます。  それから、次に六ページをごらんいただきますと、この休業中の身分がどうなるかということでございまして、この育児休業の期間中は身分は保有するが職務には従事しない。これは身分並びに職務専念義務の関係で申しますと、公務員法の休職者と同様にしたということでございます。しかしながら、女子教育公務員等は育児休業を理由として不利益な取り扱いを受けることはない、不利益取り扱いの禁止がございます。  それからまた、育児休業の期間についてはこれは給与は支給されません。無給が原則でございます。ただし、育児休業の許可を受けた方については法律等の定めるところによりまして必要な給付をする。これは、身分の保有に伴う共済組合掛金の負担というものは継続いたしますので、できるだけ育児休業に伴う負担を軽減する必要がある、このような観点から、人事院勧告に基づきまして一般職職員の給与法の改正が行われまして、当分の間、育児休業期間中は俸給月額に共済組合の掛金率を乗じた額、こういう育児休業給が支給されることとなった次第でございます。  あと七ページには、この期間の給与あるいは期末手当、退職手当関係の調整規定の内容が書いてございます。  さらに、臨時的な任用という規定がございまして、任命権者は業務の円滑な実施に支障がないと認めるときを除き、この期間を任用の期間として教育職員あるいは看護婦等を臨時的に任用するものとする。これは、やはり当時の説明によりますと、育児休業を十分活用し得るように、さらに育児休業終了後不利益を受けることなく職務に復帰し得るように、また職場としても業務に支障を生ぜしめないように、こういうような配慮があったと言われておるわけでございます。  以上が、五十一年に施行になりましたいわゆる特定職種関係の育児休業法の内容でございます。  実は、この法律が成立いたしましてから若干いろいろ改正案、改正意見というものが出ておりまして、例えば期末勤勉手当の支給に関し、さらには適用対象を事務職員等に及ぼすというような案が提出されまして、その他臨時的任用をやめるとか、そういうような内容の改正法案も提出されておりましたが、まだ成立に至っておりません。ただし、文教委員会におきましては、特にその有給の問題、有給にするようにという点、それから事務職員への拡大につきまして、今後調査検討して適切な結論を得るように努力する、こういうことを昭和四十七年に申し合わせておられるといういきさつはございます。  以上が特定職員の問題でございます。  男女雇用機会均等法につきましては、もう御案内のところでございますが、教育職員等とは異なりまして、労働者全般を対象にするということでございます。ただ、そこにございますように、これは国家公務員、地方公務員には適用がされておりません。  この雇用機会均等法は条文が九ページにございます。これをちょっとごらんいただきますと、育児休業の普及に関しまして事業主において、「必要に応じ、育児休業の実施その他の育児に関する便宜の供与を行うように努めなければならない。」、こういう努力義務がございます。さらに雇用機会均等法の段階で新しく入りましたのが二項でございまして、その中身は「国は、事業主に対して、」、準用規定でございますから真ん中を省略いたしますと、この育児休業に関しまして「助言、指導その他の援助を行うように努めるものと する。」、こういう努力義務が入っているわけでございます。  したがいまして、現在二つの体系があると申し上げましたが、一つの特定職種のものにつきましては、これはやはり非常に具体的な育児休業に関する請求権を規定したものでございまして、その線で現在動いておる。もう一つの男女雇用機会均等法につきましては、特に育児休業について国の助言、指導、援助に関する努力義務というものがございます。したがいまして、現在政府におかれまして実施しておられます各種奨励金等、育児休業対策の根拠は左側の方に全般的なものとして存在をしておる、かように考えられるわけでございます。  以上が両方の体系の説明でございますが、ちょうど国家公務員、地方公務員の問題について制度を御説明いたしましたので、それでは現在どういう実施状況になっておるかということをごらんいただきたいと思うのでございます。  少し先の方でございますが、二十六ページをお開きいただきます。  横長の表になっておりますが、「特定職種育児休業法の施行状況」、これは国家公務員の関係でございまして、過去五年間の特定職種育児休業の状況を記載したものでございます。育児保有者と申しますのは、注にございますように、当該年度中に一歳末満の子を有するに至った者、育児休業者といいますのは同じ年度のうちに休業許可を受けた人、そういうことで割り算をしていますので育児休業率がそこに出ておるわけでございます。五十九年度から六十三年度について見ますと、大体トレンドといたしましては休業率は上がってきておる、それが一つと、もう一つは、教育職員に比べますとその他の職種においてはやや低目になっているというように一般的には見受けられる、それが一つの傾向ではないかと思います。  次に、今度は地方公務員の方でございますが、「地方公務員特定職種育児休業の状況」、これは昭和六十三年度でございます。六十三年度における各学校等あるいは医療施設、社会福祉施設、こういう施設の別、さらに経営主体別に分けた表でございます。これでいきますと、育児休業率は全部の合計でまいりますと八〇・二、それから施設別に申し上げますと、義務教育諸学校等におきましては八九・〇%、医療施設は五四・〇、社会福祉施設等は七〇・二、かように相なっております。それから経営主体別に見ますと、これはどの施設並びに合計におきましても大体概観して言えることは、都道府県あるいは指定都市レベルとそれ以外のグループとは違うといいますか格差があるといいますか、県と指定都市が高くて市町村は低目に出ておるということが言えると思うのでございます。  以上が国立、公立の現在の特定職種に関する育児休業法の実施状況に関する数字でございました。  あといろいろあるのでございますが、恐縮でございますが各種の統計調査を簡単に御説明いたしたいと思います。  まず最初は、就労と育児に関する数字でございます。  十二ページをお開きいただきます。  「妊娠又は出産による退職者の妊産婦に対する割合の推移」これはもうごらんのとおりの状況といいますか意味合いでございまして、産業計でいいますと三十五年が三八・九、それから若干上がり下がりがございまして最近においては三割程度で落ちついておる、卸売・小売業、飲食店は高目に出ておる、建設業も高目に出ておるという感じがございます。なお、今私の手元に総計だけ持っておりまして、六十三年の産業計は三一・四となっております。大体三割程度ということで現在は決まっておる、こういう感じでございます。  それから十三ページをお開きいただきます。  これは、既婚の女子労働者の希望就労パターンがどういうものかということでございまして、休業制度などが完全であったとしたならどういうような働き方を生涯を通じてしたいか、こういう問題いに対しまして答えたのがその一番上の欄に並んでいるものでございまして、就職して休業制度、保育施設を利用しながら働きたいという方が圧倒的に多くて六八・一%、次は子供が生まれたら施設等に頼らない、家事・育児に専念するという方が二三・五%。ただ、業態別に見ますと、金融・保険業においては働きたいという方が割に高い。それからまた二十五から二十九歳のランクの辺は七九・三%と割合に高い傾向が見えているわけであります。  それから十四ページをお開きいただきます。  これもやや似たようなあれでございますが、これは既婚女子労働者の就労継続に必要な条件あるいは制度ということでございます。ここでは育児のために休める制度、これが四四・二%、看護のために休める制度、これが三六・二%、あとちょうど真ん中の方に週休二日制、さらにその左に、都合のよい時間帯に勤務時間を自分でずらすことのできる制度、これが三二・四%、こういうような傾向が出ておるわけでございます。  次のページをお開きいただきます。  「女子の離職理由の推移」ということでありますが、これは結婚とか出産・育児、これを理由とした離職理由が全体でどういうパーセントを占めておるか、こういうことを見るものでございますが、そこにごらんいただきましたように少しずつ減ってきておる、だんだん結婚ないし出産・育児というものが減っておる、こういう数字が出ておるわけでございます。  以上が就労等に関する統計でございます。  それから、その次の十六ページからは「育児休業制度の普及状況の推移」ということでございます。  育児休業制度の普及状況につきましては、これは昭和四十六年は二・三%でございましたが、漸次上がってまいりまして、昭和六十年が一四・六%、六十三年は一九・二%、女子労働者数で見ますと二三・五というふうに括弧内に入っております。一九・二はこれは事業所単位でございます。なお、この中で目立ちますのは、サービス業が顕著に五十六年のあたりから四割に達しているわけでございますが、これには一応教育が含まれております。なお、公営事業所が入っておりますので、それには先ほどの特定職種の育児休業法の影響が入っている、かように思われる次第でございます。  それから次は十七ページ、ここからは労働省が特に育児休業に着目いたしまして育児休業制度実態調査というものを行っております。これは育児休業を実施しておる企業、その中から統計処理をして千企業選んだ、それがこの(3)以下、割に数がございますが、その調査でございます。  まず最初は、実施企業における育児休業制度実施年。これはやはり五十年以降、ここではずっと五十年から五十四年、五十五年から五十九年と書いてございますが、五十年以降の実施企業が、これ全部足しますと八七・四%になる。また、傾向といたしましては、大規模ほど比較的早く実現をしておるということがここで出ております。  それから次が十八ページでございますが、育児休業制度の導入理由ということでございます。  これは複数回答でございまして、一番多いのは六七・六%、女子労働者の福祉の向上、勤労意欲の向上を図るため。次が既婚女子労働者の定着を図るため。それから三番目が専門職、技能者など特定労働力確保対策のため。こういうふうに相なっておるわけでございますが、これを産業別に見ますと、繊維工業におきましては労働者の要望についての対応が目立っております。それからまたサービス業は四八・六、医療業は七六・四でございまして、特定労働力確保対策のためというものが目立っておるというのが特徴でございます。  次のページをお開きいただきます。  これは育児休業を利用できる期間、実際に利用できる期間がどれぐらいかということでございまして、やはり圧倒的に多いのは、ちょうど左から二つ目にございます満一歳に達するまで。これが七八・七%ということになっております。ただ、 業態といいますか産業別に見ますと、電気機械器具製造業あるいは卸売・小売業、飲食店について見ますと、これは六割強という状況がございます。また、規模別に見ますと、九十九人以下、これは満一歳に達するまでというのが八割強ある、こういう状況でございます。なお、子が満二歳に達するまで、満三歳に達するまでというのは、両方合わせますと七・五%、こういう状況でございます。  それから次が、育児休業期間中の保険料相当額を超える賃金支払いの有無、これは労働者負担分の問題でございますが、その相当額を超える賃金支払いがあるかどうか。これは無給が九五・六というふうに非常に高いわけでございますが、ただ教育関係について見ますと有給が一二・七というふうにちょっと高くなっております。  次が育児休業の取得率でございます。二十一ページでございます。  これは、現実に昭和六十一年度中に出産をいたしました女子労働者のうち、育児休業を取得した人の割合であります。これは取得率は四三・二%というふうになっております。ただ、卸売・小売業、飲食店、これが比較的低い状況でございます。さらに、医療業あるいは社会保険・社会福祉、この辺を見ていただきますと、業種によってかなりの差がある、こういうような状況が見られるわけでございます。  それから次は、育児休業利用者がどれだけ取得しておるか、一年の育児休業をしておるかどうかという現実の取得期間でありますが、この中で見ますと、ほとんどが十二カ月未満で、九六・四%に相なっております。そういうような状況でございます。それから、特に給与のところで見ますと、有給の場合に十二カ月以上が一七・七%というふうに、平均より給与がある場合は高い、こういう状況がございます。  それから、次のペーパーは省略いたしまして、ごらんいただきましたらわかると思いますので、その次の二十四ページ以下は、実際に育児休業を導入した効果がどうであるか、いわば評価でございます。これにつきましては、調査産業の規模計でいきますと、効果ありというのが七二・八%ございます。効果なしが二五・八%。その導入した効果というのは何かといいますと、平均でいいますと女子労働者の定着がよくなった、これが四八・〇、その次が特定労働力の確保に役立った、その次が企業への信頼が高まり、職場のモラール向上に役立った、こういうような順番に相なっております。ただ、これは規模別に見ますと、女子労働者の定着がよくなった、千人以上におきましては五五・二と割合に高い数字になっております。それからまた小規模の場合、二百九十九人以下で見ますと、特定労働力の確保に役立ったというのが割に多目に出ておるわけであります。  それから今度は、導入によって問題点が生じたかどうか、こういう問題でございます。これはその次のペーパーでございますが、そこでは問題点ありとする企業は一番上にありますように五六・七%。生じた問題点は何かと申しますと、代替要員の確保が困難だというのが五三・三%、さらに休業者の復職後の代替要員の処遇に苦慮するというのが二六・九%でございました。特に業態別といいますか産業別に見ますと、サービス業におきましては代替要員の確保が困難というのが六二・二%に達しております。このような状況がございます。  以上、表ばかり続いて大変失礼いたしましたが、育児休業制度に関する現状を示す統計資料について御説明したわけでございます。  それで、国においてどういうような施策をこれまでとってきたか、現在どういうふうなことをやっておるかということでございます。それが二十九ページ以下にあるわけでございます。  5の「育児休業に関する施策等」ということでありますが、(1)の「育児休業に関する施策」ということで、昭和五十年に国際婦人年ができ、婦人問題企画推進本部ができたわけでございまして、その後この本部において国内行動計画、さらに国内行動計画の後期重点目標を決定いたしまして、そこで育児休業制度についての奨励措置の拡充でありますとか、それから特に二番目の国内行動計画の重点目標においては、次代を担う健全な子供を育成するという責任は男女で負うということが必要だ、こういう観点も踏まえて長期的に検討するということになっております。  なお、政府そのものの施策ではございませんが、政府の審議会におかれまして昭和五十九年三月に婦人少年問題審議会が建議を出しております。これは、我が国における普及率も一割強にすぎないこと等を考慮すると、現段階では全企業に本制度の実施を強制することは困難である、当面、行政側の積極的な指導、援助等により本制度のなお一層の普及を図ることが先決であるということが言われております。ただ、この問題につきましては、そこにございますように、「行政指導では普及は進まないので法制化すべきである」、こういう少数意見がございました。  あと、西暦二〇〇〇年に向けての新行動計画等の内容は、そこに書かれておるとおりの状況でございます。  次のページに移っていただきまして、現在、育児休業制度普及策はどんなことをやっているか、これは大体コンパクトにまとまっております。要するに育児休業奨励金の充実ということで、一般的な各企業に対して、事業主に対しまして、育児休業者が生じた場合における奨励金を出しておるという制度がございます。  (2)は特定職種の育児休業利用助成給付金でございまして、これは看護婦准看護婦あるいは助産婦、保健婦、そういった方々について育児休業利用助成給付金を出す、こういうような制度があるわけでございます。  奨励金の支給状況につきましてはその次のページにございますが、年々伸びてきておるわけでございますが、これはお読みいただければ幸いに存ずる次第でございます。  最後に、諸外国の育児休業に関する規定が三十二ページにございます。これは実は労働省の方で非常に御努力いただきましてまとめられたものをそのまま拝借したわけでございますが、簡単にこの内容を要約いたしますと、期間につきましてはいろいろとございます。一年、二年、三年あるいは産後一年というのもございますし、各国においてさまざまな状況がございます。  それから休業中の手当の問題につきましては、これは特徴がございますのは、全般的に休暇の問題は労働法制の中で規定をされておる、しかしながら給付につきましては社会保障系統の法制で規定されている場合がしばしばあるようでございます。  例えば一例を申しますと、フランスにおきましては休業中の手当は無給とありますが、これは労働法典では無給となっているわけでありますが、社会保障法典では、三子以降について月二千四百八十八フラン、こういうようになっております。そういうようになっておりますが、まだ十分わからない部分があるそうでございまして、無給とあってもそれが必ずしも手当が出ていないとは限らないそうでございます。  それから、一番の問題であります費用負担の問題でございますが、「休業中の手当の費用負担者」というのが一番右にございます。これも各国においてさまざまでございまして、全額国庫を初めとして、基金をつくる、それから疾病保険団体負担とか、それから社会保険給付の中でやるとか、そういうふうなものがございますが、やはり使用者負担と政府負担、それからまた政府負担だけ、そういったもののミックスした形がここにあらわれているかと思うのでございます。  以上、大変駆け足いたしましたが、最後に、一番最後のページをごらんいただきたいと思います。  これは、参議院の国民生活に関する調査会が報告を提出されましたごく簡単な要約といいますかその抜粋でございますが、先生方は御案内と思いますが、多少長いものですから前の方をちょっと 省略してありますので、それを念のために申し上げますと、要するに、諸外国では早くから育児休業とか親休暇制度が法制化されていることを挙げておられます。それから、終わりの方には、育児休業や女子再雇用は普及、促進、充実が不可欠である、しかし、そのためには国の施策だけでは不十分で、企業の問題解決に向けてさらに官民一体の取り組み、労使双方の積極的な協議促進を図るべきである、そういう趣旨のことがこの要約の前と後ろにございますので、その点を補足をいたしまして、大変急ぎ足でございましたが、私の説明を終わらせていただきます。

小野清子自由民主党

○小委員長(小野清子君) 以上で報告の聴取は終わりました。     ─────────────

小野清子自由民主党

○小委員長(小野清子君) 次に、育児休業法を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に委員会で聴取いたしておりますので、本小委員会では改めて法案要綱に沿った内容の説明を発議者糸久君から聴取いたします。糸久君。

糸久八重子日本社会党・護憲共同

○糸久八重子君 それでは、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の四会派提出の、いわゆる四党共同育児休業法案の内容につきまして、発議者を代表して私から、既にお配りいたしました法案要綱に沿って御説明させていただきます。  若干の字句の修正がございますが、読んでいく中で御訂正をいただきたいと思います。  まず第一は、目的規定についてであります。  この法律は、育児休業について最低の基準を定めて、子を養育する労働者に育児休業を保障するとともに、育児休業をする労働者に対して育児休業手当を支給すること、この二つの制度を設けることにより、その労働者の負担の軽減と継続的な雇用の促進とを図り、もって労働者の福祉の増進に資することを目的とするものといたしております。  第二は、定義及び適用関係の規定についてであります。  その一として、この法律において「労働者」、「使用者」または「賃金」とは、それぞれ労働基準法第九条から第十一条までに規定する労働者、使用者または賃金を言うものとすることといたしております。  その二として、この法律は、一月以内の期間を定めて雇用される労働者については適用しないものとすることといたしております。この法律は、原則として全労働者に適用されるものでありますが、後ほど触れますように、労働者が育児休業請求日から一月以内に育児休業をすることは必ずしも保障されていないこと、かつ、掛金負担があることを考慮して講じた措置であります。  第三は、育児休業に関する規定についてであります。  その一として、労働者は、その子が一歳に達するまでの期間のうち、一つに、共働きであって他の一方が育児休業をする期間、二つに、他の一方が家事専従等のときでその子と同居していると通常考えられる期間、この二つの期間を除く期間について、その子を養育するための休業、つまり育児休業を請求することができ、使用者はこの請求を拒んではならないものとすることといたしております。  ただし、他の一方が家事専従等の場合であっても、その者が病気等やむを得ない事由によりその子を養育することができない期間及び産後八週間・産前六週間、多胎妊娠の場合は十週間でございますが、これらの期間については、育児休業を請求することができることといたしております。  要するに、父または母のいずれか一方は、一歳に満たない子の養育に専念できるように措置いたしておるわけであります。  その二として、労働者は、一歳末満の子が二人以上ある場合、つまり双子を出産した場合等には、他の一方が家事専従等の場合である等の期間についても、育児休業を請求することができるものとすることといたしております。  その三として、育児休業の請求は、一の期間を定めてしなければならず、特別の事情があるときを除き、一回に限るものとすることといたしております。  その四として、使用者は、労働者が特別の事情がないにもかかわらず育児休業を始めようとする日からさかのぼって一月以内の日に育児休業の請求をした場合は、育児休業の始まる日を育児休業の請求のあった日から一月以内の日で労働者の請求に係る日よりも後の日とすることができるものとすることといたしております。  要するに、特別の事情がない限り、育児休業の請求を受けた日から一月を限度として、使用者に、育児休業の開始日をおくらせることができるという、いわば限定的時期繰り延べ権を認めることといたしておるのであります。  第四は、育児休業の期間の変更に関する規定についてであります。  その一として、労働者は、先ほど第三の中で御説明いたしましたこの法律における育児休業の対象期間の範囲内で、育児休業の期間の延長を請求することができ、使用者はこの請求を拒んではならないものとすることといたしております。  その二として、ただいま御説明いたしましたような育児休業の期間の延長の請求に関する規定にかかわらず、使用者は、労働者が特別の事情がないにもかかわらず延長されない場合に終期となる日からさかのぼって一月以内の日に延長の請求をした場合には、その請求を拒むことができるものとすることといたしております。これは、先ほど御説明いたしましたような限定的時期繰り延べ権に対応する措置であります。  その三として、育児休業の期間の延長の請求については、第三の育児休業に関する規定についてその二及びその三として御説明いたしましたような規定、つまり双子等の特例規定や請求を原則として一回に限る等の規定を準用するものとすることといたしております。  その四として、労働者は育児休業の期間の短縮を請求することができ、使用者はこの請求を拒んではならないものとすることといたしております。  その五として、ただいま御説明いたしましたような育児休業の期間の短縮の請求に関する規定にかかわらず、使用者は、労働者が特別の事情がないにもかかわらず請求どおりに短縮された場合に終期となる日からさかのぼって一月以内の日に短縮の請求をした場合には、終期となる日を短縮の請求のあった日から一月以内の日で労働者の請求に係る日よりも後の日とすることができるものとすることといたしております。これも、先ほど御説明いたしましたような限定的時期繰り延べ権に対応する措置であります。  なお、育児休業は、育児休業中の労働者が産前の休業を始めたとき、もしくは出産したとき、育児をしていた子が死亡したとき、または双子等の場合を除いて他の一方が家事専従等となったときは、終了するものとすることといたしております。  第五は、この法律違反の契約に関する規定についてであります。  この法律で定める基準に達しない育児休業について定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準によるものとすることといたしております。  第六は、不利益取り扱いの禁止及び原職復帰に関する規定についてであります。  その一として、使用者は、育児休業を理由として、労働者に対し解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとすることといたしております。  その二として、使用者は、育児休業を理由として、その一の例外として育児休業の始まる日から育児休業の終了の日までに労働者を配置がえした場合には、育児休業の終了の日の翌日までに、原職または原職に相当する職に復帰させなければならないものとすることといたしております。  なお、この場合で、育児休業の終了の日の翌日までに原職または原職に相当する職に復帰させなかったときは、不利益取り扱いに当たるものとして処罰されることになっておりますことに御注意いただきたいと存じます。  第七は、育児休業の期間の取り扱いに関する規定についてであります。  育児休業の期間の二分の一に相当する期間は、退職金その他の処遇については、引き続き勤務したものとみなすものとすることといたしております。  第八は、監督関係の規定についてであります。  その一として、労働基準監督署長及び労働基準監督官は、労働省令で定めるところにより、この法律のうち育児休業に関する部分の施行に関する事務をつかさどるものとすることといたしております。  その二として、労働基準監督官は、この法律のうち育児休業に関する部分の規定に違反する罪について、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行うものとすることといたしております。  その三として、労働基準監督官等に報告徴収等及び立入検査の権限を認めるものとすることといたしております。  第九は、労働者の申告に関する規定についてであります。  その一として、労働者は、使用者にこの法律のうち育児休業に関する部分の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働基準局長、労働基準監督署長または労働基準監督官に申告することができるものとすることといたしております。  その二として、使用者は、ただいま御説明いたしましたような申告をしたことを理由として、労働者に対し解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとすることといたしております。  なお、船員及び公務員に係る監督等については、これらの者に関する現行制度を基本的に維持することといたしております。  第十は、育児休業手当の支給等に関する規定についてであります。  その一として、政府は、労働者が育児休業をする場合に、その育児休業をする期間について、育児休業手当を支給するものとすることといたしております。  その二として、手当の支給を受けようとする者は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に対し、支給の申請をするものとすることといたしております。  その三として、手当の日額は、労働基準法第十二条に規定する平均賃金の額に相当する額に百分の六十を乗じて得た額とするものとすることといたしております。  第十一は、返還命令等に関する規定についてであります。  その一として、不正行為により手当の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した手当の全部または一部を返還することを命ずることができ、また、当該不正行為により支給を受けた手当の額に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができるものとすることといたしております。  その二として、ただいま御説明いたしましたような不正受給の場合において、事業主が偽りの報告をしたためその手当が支給されたものであるときは、政府は、その事業主に対し、その手当の支給を受けた者と連帯して、手当の返還または納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができるものとすることといたしております。  第十二は、費用の負担に関する規定についてであります。  その一として、手当の支給に要する費用は、その三分の二に相当する額を労働者及び事業主がそれぞれ半額ずつ負担する掛金をもって充て、その三分の一に相当する額を国庫が負担するものとすることといたしております。  その二として、国庫は、毎年度、予算の範囲内で、手当に関する事務の執行に要する費用を負担するものとすることといたしております。  第十三は、掛金の徴収等に関する規定についてであります。  その一として、政府は、事業主から掛金を徴収するものとし、事業主は、掛金を納付する義務を負うものとすることといたしております。  その二として、政府が徴収すべき掛金の額は、毎年度、事業主がその雇用する労働者に支払う賃金の総額、つまり賃金総額に、手当の支給に必要とされる費用の予想総額の三分の二を賃金の予想総額で除して得た割合を基準として、労働大臣が定める掛金率を乗じて得た額とするものとすることといたしております。  その三として、掛金その他この法律の規定による徴収金の徴収については、労働保険の保険料の徴収の方法と同様の方法によるものとすることといたしております。  第十四は、報告の徴収等に関する規定についてであります。  労働大臣または公共職業安定所長に、この法律のうち育児休業手当に関する部分の施行に必要な範囲内において、報告徴収等及び立入検査の権限を認めるものとすることといたしております。  最後に、罰則及び関係法律の改正規定その他この法律の施行に必要な規定を定めることといたしております。  なお、この法律の施行に要する費用は、国庫負担分としては、平年度約四百四十億円の見込みであります。  以上でございます。  最後に、過般の社会労働委員会理事会におきまして、提出者側から、よく話し合ってよりよいものができるのなら、小委員会を設置してよく話し合ってはどうかと御提案申し上げたのを契機として、全会派一致で本小委員会が設置され、こうして共同法案が本小委員会の議題ともなるに至ったわけでありまして、この際、多くの労働者の切実な願いにこたえ、一日も早く全会一致、立派な法律が実現することとなりますよう、重ねて委員各位の御理解とお力添えをお願いいたしまして、私の説明を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

小野清子自由民主党

○小委員長(小野清子君) 以上で説明の聴取は終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会

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