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116回国会参議院1989/11/17

決算委員会 第4号

発言数
301
登壇者
43
会派数
6
開催日
1989/11/17

会議録

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  この際、原田建設大臣、渡部自治大臣、阿部北海道開発庁及び沖縄開発庁長官から発言を求められておりますので、順次これを許します。原田建設大臣。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) この八月に建設大臣を仰せつかりました原田昇左右でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  改めて申し上げるまでもなく、建設行政の基本的な使命は、住宅・社会資本の整備等を通じて国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現することにあります。建設省としては、こうした基本的な要請にこたえると同時に、内需主導型経済成長の定着を図るため、住宅・社会資本の計画的かつ着実な整備を推進していかなければなりません。  特に、今後の建設行政の推進に当たっては、国民一人一人が心にゆとりと安らぎを感じることができるような地域づくりを目指して、地域活性化のための基盤づくりとあわせ、地域の個性と創意工夫を生かした潤いのある緑豊かな美しい町づくりを積極的に推進してまいる所存であります。  今後、このような基本的な考え方に立って所管行政を強力に推進してまいる所存でありますので、委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 渡部自治大臣。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 去る八月に自治大臣、国家公安委員会委員長を命ぜられました渡部恒三であります。何とぞよろしくお願いをいたします。  決算委員会の委員各位におかれましては、かねてより地方自治行政並びに警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼を申し上げます。  申し上げるまでもなく、地方自治は我が国の民主主義の根幹をなすものでありますが、最近の地方行財政を取り巻く環境は極めて厳しいものがあり、また今後、ふるさと創生の推進、国、地方を通ずる行政改革の推進、地方財政の健全化など多くの課題を抱えております。  また、国家社会存立の基盤である治安の維持につきましても、内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を低下させることなく国民の安全を確保していくためには今後一層の努力が必要であります。  私は、今後ともこれら地方行財政の諸問題の解決と治安の維持に最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げ、私のごあいさつといたします。

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 阿部北海道開発庁及び沖縄開発庁長官。

阿部文男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(阿部文男君) このたび北海道開発庁及び沖縄開発庁長官を拝命いたしました阿部文男であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。  まず、北海道については、豊かな国土資源に恵まれ、我が国においても最も開発の可能性に富んだ地域であり、青函トンネルの開通や新千歳空港の開港など、新たな発展基盤の整備も進み、国土の均衡ある発展に重要な役割を果たすことが期待されております。  現在、北海道を取り巻く情勢には、農産物の輸入自由化、炭鉱の閉山など厳しいものがありますが、このような状況を打開し、地域の活性化を図るためにも、開発基盤の整備と産業振興開発を一層積極的に推進していかねばなりません。  私といたしましては、我が国の長期的な発展に貢献する力強い北海道の形成を目指して、第五期北海道総合開発計画の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。  次に、沖縄の振興開発については、昭和四十七年五月、沖縄が本土に復帰して以来今日までの間、国、県及び県民各位の努力によりまして社会資本の整備は大きく前進し、本土との格差は次第に是正されるなど、沖縄の経済社会は総体として着実に発展したものと存じます。しかしながら、水の確保の問題など、生活、産業基盤の面でもなお一層の整備を要するものが多く見られるとともに、産業振興や雇用の問題など、解決を要する多くの課題を抱えております。  私といたしましては、県当局及び県民と一体となって、第二次沖縄振興開発計画に基づく諸施策を鋭意推進し、平和で明るい活力ある沖縄県づくりに邁進する所存であります。  委員長初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 委員の異動について御報告いたします。  去る十五日、木庭健太郎君及び池田治君が委員を辞任され、その補欠として常松克安君及び高井和伸君が選任されました。  また、昨日、大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として森暢子君が選任されました。     ─────────────

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 昭和六十一年度決算外二件を議題といたします。  本日は、建設省、自治省、警察庁、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、住宅金融公庫、公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。     ─────────────

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 私は、変動する人口の動向とその対策について所轄省庁の御所見を賜りたいと思います。  まず、変動する人口の動向とその対策についてでありますが、近来、世界の人口は急増しつつあります。しかし、その中で西欧並びに我が国の出生率は減少し続けているということは御承知のとおりであります。人口動態調査によりますと、昨年の出生率は百三十一万四千人と最低を示したことは御承知のとおりでありますし、また合計特殊出生率も史上最低の一・六六というふうな状態に減少しております。このような趨勢が続けば、人口は減少の一途をたどり、我が国の経済社会または国民生活に多大の影響を与えるということは皆様御承知おきのとおりだと思います。  政府は、この人口問題につきまして積極的かつ真剣に取り組むべきではないかと思っております。我が国の人口の減少傾向の要因、今後の見通しについて御所見を賜りたいと思います。

横尾和子厚生省大臣官房政策課長

○説明員(横尾和子君) まず出生数の減少の要因でございますが、さまざまな要因を考え得るわけでございますが、大きく二点認識をしております。一点は、いわゆる出産適齢期というふうに言われてまいりました二十歳から三十四歳の女性の数そのものが減少したこと。第二点は、これは男女ともでございますが、未婚率が高まっていることが直接の要因ではないかと思っております。なお、今後の出生数の見通しにつきましては、さきの厚生省人口問題研究所の将来人口推計によれば、今後は、これまでのような減少ではなくて持ち直すのではないかという前提で推計をいたしております。  それから、お尋ねのどういうふうに厚生省として考えておるかという点でございますが、この点につきましては、子供の数が減少するということは、高齢化社会の負担の問題も含めまして、経済的にも社会的にも大きな影響を与えるという問題と、その少ない子供数という社会の中で育つ子供自体にもさまざまな影響を与えるということで、私どもとしても大変重要な問題というふうに考えているところでございます。具体的な取り組みの方向といたしましては、何とか家庭に対する支援ということをいたしまして、子供を産んで育てる ことがしやすい方策に十分に取り組んでいきたいというふうに考えております。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 少産化と長寿化の激しい人口の変動の中で今後一層御努力を願いたいと思うのでございますが、まず第一に、世帯をつくるとき、世帯形成時における条件の整備が私は第一条件としてあると思います。昭和四十年代の末から未婚率の上昇や晩婚化が激しくなっております。その要因としては、種々挙げられますけれども、大都市における土地の高騰、住宅条件の悪化。速やかに土地基本法を制定し、住宅事情の改善を図り、若者が結婚しやすい環境づくりをしていただくこと。それから、農業政策の失敗から将来展望を開けない農村地域での深刻な嫁不足ということがあるかと思います。この点についてお伺いしたいと思います。  第二には、教育費の負担増並びに児童手当の拡充などについてでございますが、未婚率の上昇とともに夫婦間の出生率も低下しておる。理想の子供数を三人から四人にしながらも現実には二人となっております。児童手当の拡充、教育費の軽減、育児休業制度の普及、さらに保育施設の充実等によって抜本的に改善すべきではないかと思われます。  第三点としましては、家族形成の変化によるものでございますが、子育ての経済環境は改善されたが、一方、父親の長距離通勤、長時間の労働、はたまた妻の仕事と出産、育児の両立の難しさ等々がございます。長期好調による経済大国日本は、相変わらず長期労働がその裏では続けられております。速やかに西欧先進国並みの労働時間の実現を図り、週休二日制の実施を完全に行う等、女子の再雇用の制度化を図るべきではないでしょうか。また、高齢化が進む中で、年老いた親の介護の中心的役割を担う女性の重い負担を軽減するため、介護休暇の法制化等充実すべきではないかと思います。  第四に、人口問題においての教育研究水準の向上でございますが、我が国は、人口関係の教育、研究について大学等の高等教育の機関でこれを行っているところが諸外国より少ないように思われます。ある大学においては、二〇〇九年から死亡率が出生率を上回り、そしてまた、出生率が昨年のように一・六六というふうな状態が続けば、日本の人口も九百年足らずにして一億二千万人がゼロになるというふうな指数を出している大学もございます。政府はこの問題を国民的な論議の中心として国民一人一人が対処していくような方法と予算措置を講じてはいかがかと思いますが、御所見を賜りたいと思います。

横尾和子厚生省大臣官房政策課長

○説明員(横尾和子君) 厚生省に関連するお尋ねについてお答えを申し上げます。  まず、夫婦の理想子供数と実際に生む子供との差が相当大きくなってきたという点で、育てやすい環境整備をという御指摘でございますが、そういう観点から、保育所対策の充実等、子供の健全育成の対策に取り組んでいきたいと思います。  第二に、老親の介護問題が働く婦人の生活に大きな問題を投げかけているという御指摘につきましては、この点についてもお話のとおりでございまして、大いに施策を進めていかなければならないと考えておりまして、そうした対策の充実に努めているところでございます。  第三点に、人口関係の教育あるいは研究体制の充実という御指摘があったかと存じますが、その点について当省といたしましては、人口問題研究所を中心に研究の充実に努めてまいりたい、かように考えております。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 次に、警察庁にお伺いしたいのでございますが、広域犯罪が非常に多くなっておるようでございますが、それに伴う広域捜査の問題、それから最近の交通事情の諸問題について伺っていきたいと思っております。  平成元年版の警察白書では、広域捜査力の強化として、警察庁の広域捜査指導官室の設置、都道府県警察における広域機動捜査班の設置等が記述されておりますが、まず、広域捜査というのはどのような場合に言われているのか、また指揮監督の系統はどういうふうになっているのか、根拠となる法令はどういうふうなものでございますかをお伺いしたいと思います。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 広域捜査ということについて法律に規定があるわけではございませんが、捜査の実務上広域捜査という言葉を使っております。これは、複数の都道府県の地域におきまして発生しました事件、あるいは複数の都道府県の地域にわたり捜査を必要とする事件、これも広域事件というふうにとらえておるわけでございますが、このような事件に対して行います捜査活動を広域捜査というふうに称しているわけでございます。  こういう捜査活動を行う根拠でございますが、これは警察法の六十一条に、「都道府県警察は、」犯罪の捜査に「関連して必要がある限度においては、その管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。」という規定がございまして、この規定に基づきまして所要の捜査活動を行っているところでございます。  また、広域捜査を行う場合の指揮系統がどうなっているかというお尋ねでございますが、これは事件の態様によりましても異なるわけでございますが、通常、一つの都道府県警察の指揮下に他の都道府県警察の捜査員が入って行われる場合と、それからそれぞれの都道府県警察が所属の捜査員をそれぞれ指揮監督し、お互いに連絡協調を図りながら行われる場合というふうな、大きく分けまして二つがございます。具体的事件におきましてどのような方法をとるかというのは、その都度関係の警察が協議をして効果的な方法を選択するというふうにいたしておるわけでございまして、必要な場合には、その間の調整につきましては管区警察局または警察庁が行っているというのが状況でございます。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 平成元年版警察白書で触れられておりますが、盗難自動車の犯罪利用が非常にふえておりまして、昭和六十三年度によれば、五十四年の一・七倍となっているそうでございます。移動の足として自動車が使われるのは当然と思いますが、自動車を窃取後別の犯罪を起こし、数県にわたって逃走した場合広域犯罪であるということは間違いないとは思いますが、広域捜査の問題になるかどうか、お伺いしたいと思います。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 御指摘のように、最近盗難自動車を使用しまして第二次犯罪を敢行するという事例がふえておるわけでございます。  典型的な例を一つだけ御紹介さしていただきますと、本年四月に宮城県で検挙した事例でございますが、この犯人は、盗難自動車を使いまして、金融機関に猟銃を持って押し入りまして強盗を敢行しておったわけでございますが、四国、北陸、東北というふうな非常に広い範囲で同種の犯行を繰り返しておったということでございまして、この事件は関係の警察が連携をとりまして検挙に至っているわけでございます。  したがいまして、このような事件につきましては、単にその発生した県だけの捜査でなく、関係するすべての県の警察が十分な連絡をとりながら共同して捜査に当たるということで、まさしく広域捜査の事例だろうというふうに思います。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 去る十月十一日の夜、愛知県豊橋市で小学校二年の少女小林美幸子さんが誘拐され、自宅に一千万円の身の代金要求の電話があったということは御承知のとおりでございます。直ちに豊橋署は対策本部を設置して捜査に入ったところ、十二日の昼前、静岡県の浜松市に入っておった不審な車を発見し、新聞によりますと、百台を超える車両やヘリコプターまで動員して、両県警が捜査を行ったそうでございますが、せっぱ詰まった犯人が逃走中少女を殺害したという痛ましい事件がございます。このことで、新聞の報道によりますれば、追跡失敗がその中で六回もあったというふうに報じられております。まことに残念なことだと思いますが、そのことについて原因、反省点、その他の改善策についてお伺いしたいと思います。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) お尋ねの愛知県豊橋市におきます少女を対象としました身の代金目的の誘 拐事件につきましては、事件の発生後愛知県警察に捜査本部を設置いたしますとともに、広域事件に発展する可能性も考えまして、隣接します静岡、長野、岐阜、三重の各県の警察に対しましても捜査体制をしくように依頼して捜査に当たったところでございます。  犯人からの電話によりまして、身の代金を浜松駅前のスナックに持参するようにという要求がございまして、愛知県警の捜査員及び静岡県警の捜査員がそれに対応したわけでございます。その後、鉄道の沿線で警戒活動に従事しておりました捜査車両が不審車両を発見しまして、この車両の追尾あるいは捕捉という展開になったわけでございます。その過程におきまして、捜査員がこの不審車両を数回にわたりまして発見している状況があるわけでございますけれども、それらのすべてにつきまして捕捉が可能であったという状況ではございませんで、したがって必ずしも追跡失敗六回ということにはならないわけでございますが、最終的に、たまたま袋路になっておるような団地にこの不審車両を追い込んだわけでございますが、この際に相手方の車両が捜査員の車両に車をぶつけまして、強引に逃走を図りまして、そのために捕捉することができなかったということでございます。  結果的に被害者を無事に救出することができなかったわけでございまして、この点につきましては、私どもとしましても厳しく受けとめておるところでございます。  そういうことに至りました反省あるいは今後への教訓でございますけれども、幾つかあるわけでございます。一番大きな問題は、この不審車両を追い込んだ団地の周辺あるいはそのほかの場所につきましても若干あるわけでございますけれども、局所的に無線が通じない、いわゆる不感地帯であったという問題がございます。したがいまして、このような不感地帯につきましては、無線の通信連絡をどういうふうにやっていくかというのが今後の課題でございまして、不感地帯でありましたために愛知、静岡両県警間の通信連絡が必ずしも十分に行えなかったのではないかということを反省しているわけでございます。  今後このようなことのないように、無線の不感地帯に備えました通信機材の使用訓練、また隣接します県境におきますこの種の実践的な訓練というのを重ねまして、今後この種の事件の起こりました場合に備えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 この五月、警察庁は、事件に強い警察を確立するため、総合対策委員会を設置し、総合力を発揮できる初動広域捜査等の整備を図ったと言っております。いろんな問題から国民の信頼を回復するために今後どのように警察行政を進めていかれるのか、御決意のほどを国家公安委員長及び警察庁の方に承りたいと思います。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 広域重要事件が増加の傾向にあるということは御質問の冒頭にもお話がございましたが、私どもといたしましてもそれに十分な対応策を講じていかなきゃならないというふうに考えておるところでございます。  そこで、本年の五月に警察庁に広域捜査指導官室を設置いたしますとともに、各部道府県警察にも広域機動捜査班を設置するなどいたしまして、広域捜査体制の強化に努めているところでございますが、さらに本年五月以降、事件に強い警察確立のための総合対策委員会を設置いたしまして、この中で、特に重要凶悪事件等への的確な対応、人事、教養制度等の改善、国民の理解と協力の確保の三点につきまして、最近の犯罪情勢等にかんがみ施策を盛り込んだ指針をまとめたところでございます。これらの施策につきましては、先般の全国警察本部長会議におきまして、これを各部道府県警察に示達をいたしましてこの趣旨の徹底を図ったところでございます。  今後とも、事件に強い警察の確立を図りますための諸施策を計画的かつ積極的に推進してまいりたいと考えております。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 言うまでもありませんが、警察の使命は善良な国民の皆さん方の平和な暮らしを守っていくことであります。したがって、今刑事局長からも答弁がありましたように、いかなる犯罪が起こってもこれを早期に検挙、解決するということが国民の皆さんに御安心を願うことでありますから、したがって、悪に対して強い警察というものをつくって、早急に国民の皆さん方の期待と信頼にこたえるように督励をしてまいっておるところでございます。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 次に、交通対策についてお尋ねしたいのでございますが、時間も余りありませんので簡単にお答え願います。  第二次交通戦争とも言われまして、私の住むこの首都圏でも大変なことが毎日新聞に出ておりますが、これに対して道路の整備、自動車の規制、歩車道の整備等々があると思います。特に首都高速道路は、高速と書いて、あれは高く速やかに走ると書いてありますが、この間タクシーの運転手に聞きましたら、いやこれは高いところを走るから高速道路であって、速く走るから高速じゃないんですというふうな答えさえ出ているような渋滞ぶりでございますので、これら解決のためにいかような御方針であるか。これは警察庁になりますか。たくさんあるのでございますが、お答えを願いたいと思います、非常に抽象的ですが。

関根謙一警察庁交通局長

○政府委員(関根謙一君) 交通渋滞対策についてのお尋ねでございますが、警察庁といたしましては、関係の機関、団体等と緊密な連絡を保ちながら、当面の施策といたしまして、交通管制センターの高度化を図ることにより、ドライバーに目的地までの渋滞状況や所要時間等を知らせて、ドライバーの自主的な判断により走行経路や時間調整等をしてもらい、あるいは鉄道等他の交通手段を活用していただくことを促す等、ドライバーみずからの判断によりまして交通総量の削減を図るべく総合的な交通情報システムの構築を図ること等を考えております。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 次に、私は三十数年埼玉に居住しておりますので、地元の市民からの要望がありましてこの問題を取り上げお尋ね申し上げるのでございます。  埼玉は御存じのように首都圏でございまして、大変な人口増、住宅増がございます。住宅地の中にいわゆるラブホテルの建設がされ、住居環境が、また教育環境が損なわれる例が非常に多うございます。風俗営業法の第二条では、「専ら異性を同伴する客の宿泊の用に供する政令で定める施設」は風俗営業として取り締まりの対象となる、こうなっておりますが、この政令、施行令においては回転ベッドそれから天井の鏡、特殊な設備を備えたものに限定されています。つまり、こういう特殊な装置さえなければ明らかにラブホテルであっても取り締まりの対象とならない。警察庁はなぜこのような施行令をつくったのか、お伺いしたいと思います。

森廣英一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森廣英一君) お尋ねの「専ら異性を同伴する客の宿泊の用に供する」設備、施設と申しますのは、主観的に認定しますと大変難しいものですから、法律におきまして、政令で構造や設備を決めて定めなさい、こういうことになっておるのは御指摘のとおりでございます。そこで、当時のモーテルとかラブホテルとか休憩用レンタルルームとか、俗に言われておりましたものの実態を研究いたしまして、先生がお尋ねのような特殊な構造を持つものをラブホテルの定義にいたしたわけでございます。  その趣旨でございますけれども、これはやはり何といいましても、主観的な認定に流れないように、客観的に認定できるようにという意味と、もう一つは、普通のホテルが対象にならないようにというふうな配慮からそういった特殊な構造を持ったものを定めたものでございます。これは、昭和五十九年当時の実態を研究いたしまして、典型的なラブホテル等の構造設備を基準にして定めたものであるということでございます。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 この施行令は、法第二条第四項第三号の趣旨から見ても極めて不適切なものではないかと思われます。警察庁、まずこの実態を把握すべきで、すなわち、施行令から見れば風俗営業で はないが実態は異性同伴であるという施設が埼玉県ではどのくらいありますか。把握しておられますか。

森廣英一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森廣英一君) 外観や設置場所がラブホテルと類似するホテルというのは、定義が定かではございませんので厳密な意味での調査というのは困難ではございますが、そういう外観上似ておるなというようなものがどのぐらいあるか、埼玉県の実態に照らして見ますと、県下で百件近いものがあるというようなふうに俗に言われておりますけれども、何分にも、今申し上げましたように、法律の定義に当てはまらないけれども似ておるものということでございますので、厳密な調査はしておりませんので、御了承いただきたいと思います。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 厚生省は旅館業法の所轄省でありますが、実態等調査はできないものでございましょうか。また、教育環境の面から文部省はこの実態を見られてどういうふうな御所見か承りたいと思います。

丸田和夫厚生省生活衛生局指導課長

○説明員(丸田和夫君) お答え申し上げます。  いわゆるラブホテル等に対する規制としましては、旅館業における善良な風俗を保持するために、五十九年の八月、生活衛生局長通知におきまして、都道府県知事は、旅館業法施行令の委任を受けまして、旅館業に係る施設の構造設備基準としまして、施設の外観、広告物等は、周囲の善良な風俗を害さないよう意匠等が著しく奇異でなく、周囲の環境に調和することとか、あるいはフロントは利用者の出入りを容易に見ることができない囲いを設けないこと等、こういうことを定めることができるようにしております。これらに適合しない場合は旅館業の許可を与えないことができる、こういった規制を行っているところでございます。  それで、こういった基準に適合する施設につきまして、先生御指摘の、それらが専ら異性同伴で宿泊の用に供する旅館、ホテルであるか否かの判断につきましては、いわゆる当該施設の利用実態まで立ち入った調査をしなければならないということになりまして、その実態調査に一定の基準を設けて行うということは非常に実務的には困難な面がございます。しかしながら、私どもといたしましては、都道府県等からいろいろとその実情について聞いてまいりたいと思っております。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 厚生省、文部省、警察庁の三省庁が協力して実態を調べて、その実態を把握して国会に報告することをお願いいたします。それは答弁はよろしいです。  次に、私は東北地域の振興開発についてお尋ねします。時間がありませんので、簡単にお答えを願えれば結構だと思います。  私は宮城県の生まれでございますから、東北開発についてより一層の関心を持っているところであります。いつまでも東北が奥の細道的な感覚でとらえられているのではないかということで残念に思っている一人でございますが、昭和六十一年の十月に行われた東北開発株式会社の民営化に伴って、民営化されてからと民営化以前とどういうふうに東北開発のいろいろな整備事業が違うのか、そういう点を承りたいと思います。

野沢達夫国土庁地方振興局長

○政府委員(野沢達夫君) 東北開発株式会社につきましては、昭和六十一年十月に民営化されました。それにつきましては国会で法律によりまして処理してまいったわけでございますが、当時、最終的には、民間部門のいろいろの事業を整理しまして、新しい民営の東北開発株式会社についてはセメントを中心にして実施していく。工業団地等については地域振興整備公団で実施されてきておるところでございます。仙台北部中核工業団地等につきましてはその後造成が進み、昨年度から公募を開始するということで、東北開発の一翼を担う東北会社の業務というものは円滑に進捗されていると認識しております。

菅野壽日本社会党・護憲共同

○菅野壽君 東北開発計画に対して関係省庁の今後の地域発展のための努力を期待し、これで質問を終わらしていただきます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私は、建設省並びに関係省庁に対し、下水道整備にかかわる諸問題についてお伺いしたいと思います。  今日我が国は経済的には欧米先進国に匹敵するほど発展を遂げるに至っております。しかしながら、国民の日常生活に深くかかわる生活環境の整備等の社会資本の充実については大幅に立ちおくれているのが今日の現状であります。その結果、私たちは生活のゆとりや豊かさの実感を持ち得ない、このようなことにもなっているわけであります。  そういう中で、とりわけ下水道は国民が健康で安全、快適な生活を営む上で必要不可欠のものと言われております。さらには、国の文化のバロメーターであるとも言われておるようなことであります。そういう中で、建設省におかれましても第六次五カ年計画を来年度達成する目前にあり、その普及率は六十二年度現在指定都市では八四%と高率を占めているものの、中小地方都市では大幅に立ちおくれまして、全国の普及率は三九%にとどまっております。まさにその整備の促進が求められているところと思います。  そこで、第一に、第六次五カ年計画、この目標達成見通しについてお伺いしたいと思います。次に、大まかで結構でありますが、日本の都市人口ランク別下水道実施状況について御説明をいただきたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) お答え申し上げます。  第六次下水道整備五カ年計画の達成状況でございますが、現在下水道整備は、昭和六十一年度を初年度といたしまする第六次下水道整備五カ年計画に基づいて実施しているところでございます。進捗率でございますが、六十三年度末の五カ年計画の進捗率は六八・一%、平成元年度予算によります進捗率は九一・二%となる見込みでございます。今後とも引き続き下水道事業の推進に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  さらに、地域別にこれを見てまいりたいと思いますが、殊に人口五万人未満の中小都市への着手は約四分の一ということで立ちおくれておりますし、また普及率も七%と極めて低い水準にございます。  以上でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私が最初に伺ったのは、第六次五カ年計画の目標達成事項の中に、四四%を目標とする、このようになっておると思うんですが、その普及率との関係において、今日その可能性は十分なのかどうかということであります。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 四四%の普及率を目標としているところでございますが、六十三年度末では四〇%でございます。四二%ぐらいにまではいくのではないかというふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 できる限り目標の四四%を達成できるように一層の御努力をお願いしたいと思います。  次に、今御説明がありましたように、下水道未整備地域、そこに居住する方々は今日六〇%近くの方々かおるわけであります。そのような方にとっても、トイレの水洗化の急速な推進や公共用水域における水質の保全を図ることに対する要望は極めて強いものがあります。そういう中で、今日、下水道のほかに、下水道事業計画区域以外の地域では、下水道類似施設であります、し尿処理施設、農業集落排水施設並びに合併処理浄化槽、このようなものの普及が急速に進められ、またこのほかにも住民がみずから設置してきた単独し尿浄化槽、このようなものの普及が大幅に伸びているわけであります。これらの下水道類似施設や単独し尿処理浄化槽、この普及状況、さらにはこれらの施設の設置と下水道との効率的な調整はいかなる方法で図られているのか、御見解をいただきたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 下水道事業を実施する場合におきましては、当該地域の自然的、社会的、経済的条件というものを十分に勘案した上で、生活環境の改善、浸水の防除、公共用水域の水質保全を図るためのその地域に通した整備方式を採用するように指導してまいっているところでございまして、そのランクに応じまして私どもは、流域下水道というような大規模なものから公 共下水道、そういうもの以外にも特定環境保全公共下水道というものを五十年に創設しているところでございます。また、千人未満の小規模の地域を対象とする公共下水道というものを六十一年に創設するなど、いろいろなタイプを用意して下水道推進に努めているところでございます。さらに、この下水道整備を長期的な視野に立って計画的、効率的に実施するために、下水道の処理構想マップというものを六十年度から策定するように指導しているところでございまして、ここでは、下水道を集合処理する地域については行い、その他個別的なものについてはその他の方法でやるというマップをつくった仕分けをしていきたいということでございます。  なお、ついでながら申し上げますと、建設省といたしましては、長期的には、二十一世紀初頭におきましては、市街化区域の全域、それ以外につきましては、密居する地域、集居する集落というものについて対象としていこう、散居の集落につきましては、今ほどございましたような他の手法でやっていくということになろうかということでございまして、最終的には普及率は九割程度まで引き上げる考えでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ちょっと私の質問と答えが合っていないと思うんですが、もう一度確認いたします。  今日の下水道類似施設と言われるもの、これが一体どのくらいの人口に対しての普及率になっているかということ。それからもう一点は、これら下水道類似施設と下水道との間の効率的な調整がどのような方法で具体的になされているのか。この点についてお答えをいただきたいわけであります。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) この調整の方法につきましては、実は行政監察でも本年指摘を受けているところでございますが、これにつきましては、結局地方公共団体の中でのいろいろな調整ということが一番今の状況ではベストであろうというふうに考えておりまして、地方公共団体に対して、先ほど申し上げましたような思想で対処することを調整しなさいということで指導してまいってきているところでございますし、これからも一層そういうことを進めてまいりたいと思います。  なお、普及率につきましては、単独浄化槽が主体でございまして、これがこういう地域の三〇%を占めておりますが、そのほか合併浄化槽等でそのうちの三%ぐらいを占めているという状況でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この点についてはさらに後ほどまた伺っていきたいと思います。  先ほど御回答にもありましたように、本年総務庁の方より下水道に関しての行政監察に対する報告並びに勧告などが出されております。その中で触れられていることでもありますが、下水道全体計画区域内で、しかも下水道事業計画区域に近接した地域や、さらには下水道事業区域内においても下水道類似施設が整備されている現状にあって、またこれら類似施設においては、耐用年数未満で処理施設が廃止され、下水道に接続されているものもあるということでありまして、このことについては各新聞などにおいても、下水道整備に二重投資の税金のむだ遣いが多い、このような厳しい指摘があるわけであります。  そこで、このようなことが発生してしまう原因はどこにあって、また効率的な下水道の整備を図るという視点から今後どのように改善されるべきであるものなのか、御回答をいただきたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 流域下水道のことに関連してそういう問題が起きてくるケースが多いのでございますが、流域下水道が計画されている地域のうちで、特に住宅団地の開発等によりまして下水道の早期普及が望まれます地域におきまして、先行して公共下水道等の終末処理場の整備を行っている地域があることは事実でございまして、このような地域におきましては、流域下水道の整備の後にこれらの施設を廃止する場合も現実にございますが、これらの施設の廃止に当たっては管理の効率化、水質保全上の効果あるいは施設の耐用年数というものを総合的に勘案して処置をとってきたところでございます。  また、下水道類似施設につきましても、早期の水洗化要望にこたえるために下水道が計画されている地域において設置されているものでございますが、下水道整備が済んだ後は、管理の効率化、水質保全上の効果等を勘案いたしますると、これらの施設を廃止して下水道に接続することが適当である場合が多いと考えているところでございます。  この問題につきましては、従来より地方公共団体の関係部局間において十分に調整するように指導に努めてきたところでございますが、今後ともそういう、先ほど申し上げました下水道エリアマップ等の作成を通じて一層の調整を図るように地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それではこの点について厚生省の方に伺いたいと思います。  行政監察勧告によりますと、今回の廃止の対象になった施設、多分に厚生省所轄の地域し尿処理施設などに見られているわけでありますが、厚生省の方では今回この指摘に関してどのような御所見をお持ちでしょうか。

坂本弘道厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(坂本弘道君) お答えいたします。  今の、地域し尿処理施設等の付設後その地域に下水道が普及して耐用年数未満で接続しているものがあるかという御指摘でございますが、厚生省所管のもので、あるという事実はございます。こういうことに対して今後どういうふうにしていくかということでございますが、なるべくそういうことのないように指導もしておりますし、今後もそのように気をつけたい、かように考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 今回の行政監察の指摘、先ほど申し上げましたように、マスコミなどにおいても大きく取り上げられている点でございますから、効率のいい下水道の普及を図るという視点からぜひとも省庁の間において調整を図り対策を講じていただきたいと思います。  問題は、私は、今回のこの行政監察の指摘の根本的な原因は、単に省庁間の調整とか厚生省における努力、指導、このようなことではないのではないだろうかと思うわけであります。これらの行政監察の指摘の背景には、そもそも大規模流域下水道の整備には完成まで事業期間が長期にわたる、監察の中にも指摘がありましたが、完成までに五十年以上かかる市町村が十八市町村あった、五十年以内が二町村あった、二十年以内が五町村あったと言われております。これほどの長期間が完成までにかかる。末端の市町村ではまさに流域下水道の幹線管渠の到来まで気の遠くなるような期間を待っていなければならないわけであります。ここに私は大きな問題があるのではないだろうかと思うわけであります。  国民の下水道普及に対する強い要望、そして水質保全に対する熱望、これらは一日も早い段階で現実的に解決を図っていかなければならない問題だと思うわけであります。そういう意味で、ここに問題があるのではないだろうかと思うわけでありますが、建設省の方の御見解をいただきたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 基本的には、下水道に対する国民の御要望にこたえるために、ニーズというものに対応するのに、それに一気におこたえするのはなかなか難しいということがございます。でございますが、五十年というお話がございましたけれども、実際にはもっと縮めるように努力をしているところでございますけれども、これらの要望にこたえて、先ほどちょっと申し上げましたように、二十一世紀初頭には全体の九割というところに持っていくように予算的にも努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それでは厚生省の方にもう一度伺いますが、いわゆる下水道類似施設の一つであります地域し尿処理施設ですね、これは完成までに平均して何年ぐらいかかるでしょうか。そしてま た、コスト的には処理人口一人当たり幾らぐらいでできるものでしょうか。

坂本弘道厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(坂本弘道君) 完成までの年限でございますが……

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 平均で結構です。

坂本弘道厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(坂本弘道君) 平均大体二年ぐらいかかるんじゃないか。  それから一人当たりという御質問でございますが、今の合併処理浄化槽が大体八十万円ぐらいでございますので、コミプラと言っております今の地域し尿処理施設ですね、これも大体そんなものじゃないかと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 そうしますと、今のお答えにありましたように、下水道の普及を熱望している国民にとっては、二年間の工事期間でできる、しかも費用的にも今述べたようなコストでできるということになれば、どうしても下水道類似施設に対する期待というのはますます高まっていくのが私は当然だろうと思うわけであります。そういう意味で、むしろ行政監察の指摘の正しい解決は、一つには下水道事業区域の過大、広大なものについては区域そして下水道整備事業の見直し、それから事業の分割、縮小、こういうことを思い切って今行う時期にあるのではないだろうかと思うわけでありますが、御見解をいただきたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 下水道と下水道類似施設でございますが、私どもは、下水道は御案内のとおり、雨水、汚水を排除することで安全で快適な居住環境、都市環境の形成及び公共用水域の水質保全を図る面的な公共の基盤整備でございまして、主として便所の水洗化を目的として点的な整備を図るために設置される下水道類似施設とはその役割、機能が基本的に異なるものであるというふうに認識をいたしておりますが、下水道整備を行うことが非効率となります散在集落等の一部の地域を除きまして、将来的に地域の居住環境の改善及び水質保全ということを効率的に図るためには、下水道として一元的に整備を行うことが基本的な対策であろうというふうに認識しております。  個々の問題につきまして、先生御指摘のことで御意見を踏まえながらやる必要はあろうと思いますが、基本的なスタンスはこういうところであろうというふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 基本的スタンスはまさに御見解のとおりで私もよろしいと思うんです。ぜひともその点は御努力を願いたいわけでありますが、さらにあわせて、過大、広大な事業区域、これなどについては区域の見直し、また下水道整備事業の見直し、事業の分割、縮小、このようなことも一層御努力をお願いしたいと思います。  さらに、早急な下水道の整備が求められていることは先ほど来御回答をいただいてきたとおりでありますが、過渡的なつなぎ措置として小規模な処理施設の設置を新たな事業方式として認めていくとか、段階的施行などの事業実施方法の見直しを行うとか、このようなこともこれから必要ではないだろうかと私は思うわけでありますが、この点についてはどうでしょうか。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) いろいろな社会的、経済的条件というものに対応したタイプの下水道につきましてのメニューをふやすように努めてきたところでございまして、先ほど申し上げましたように、千人未満の規模に対応する簡易な公共下水道の制度を六十一年に設けたところでございます。なお、流域下水道につきましても、これまでの考え方をさらに弾力的に行います、私どもはフレックスプランと申しておりますが、そういう供用をできるだけ早める仕組みをやろうとしているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それでは次の質問に移りたいと思います。  下水道整備の目的の一つが、まさに公共用水域の水質の保全にあることは言うまでもないわけであります。しかるに、過日の行政監察によりますと、下水道からの放流水についても調査対象施設中規定どおりの水質検査を行っていない施設が六六%あった。かつ、水質検査を実施した結果、水質汚濁防止法等の基準値を一三%の施設が超えていた事実、そしてまた合流式施設の中には降雨時などは未処理のまま放流している、こういうふうなことが指摘をされているわけでありますが、このようなことは本来水質の保全を目的とする下水道の放流水ということから考えますと考えにくいことなんですが、どのようなことからこのような結果が発生するに至っているわけでしょうか。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 公共用水域の水質を保全するために、下水道終末処理場からの水質検査について適正に行うことにつきましては、これまでも各下水道管理者について強く指導してきているところでございまして、全国の大多数の処理場における放流水は基準値をクリアしているところでございます。しかし、御指摘のとおり、下水道に関する行政監察において調査対象処理場百六十六施設のうち基準値を超過していたものが二十一施設あり、その原因を調査いたしました結果、一つにはエアレーション、滅菌剤の投入量調整等の運転操作ミス、降雨時に処理能力を超える下水量が流入した、エアレーション施設等の機器の老朽化等により十分に機能していない等でございました。これらの施設の多くはその後改善対策が講ぜられているところでございますが、まだ十分でないものもございます。  そのため建設省においては、今後とも、水質検査体制の強化及び処理能力向上のための施設の拡張等について予算措置を講じていきながら、基準値内放流についての指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それでは厚生省にもちょっと伺いますが、下水道類似施設についてもこの行政監察は、未検査施設や水質基準超過放流があったということが指摘されているわけでありますが、まさに、先ほど来述べましたように、水質検査の結果、遵守が極めて強く求められているわけであります。  問題は、これから、先ほど来御回答ありましたように、下水道未整備地域において、小規模な合併処理浄化槽の普及が大幅に増大するだろうと、このようなことが予想されるわけであります。そういう中で、これからの水質検査がなお一層難しい施設に対してどのようなお考え、また指導などをしていく考えがあるか伺いたいと思うわけであります。

坂本弘道厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○説明員(坂本弘道君) 御指摘のとおり、合併処理浄化槽が本来の性能を発揮するためには、適正な維持管理というものが極めて重要でございます。これまでも国庫補助が行われますものにつきましては、ちょっと細かくなりますが、昨年から市町村の補助金交付に際しましては、保守点検、清掃についての契約書の写しを添付させるとか、水質の法定検査についても検査依頼書の写しを添付させる等の措置を講じてきております。また、浄化槽の保守点検を行う浄化槽管理士というのがございますが、これを対象に合併処理浄化槽に関する知識及び技能の向上を図るための特別講習を今年度から実施することにしたところでございます。  以上のような措置に加えまして、法定検査の受検の徹底を含めまして、浄化槽全体の適正な維持管理の推進を図るために、平成二年度より、行政、関係業界、住民の皆様の三位一体となった浄化槽の総合的な適正管理システムの構築についてのモデル事業を実施したい、このようなことで所要の予算要求をしておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ぜひとも頑張っていただきたいと思うわけでありますが、岡山県などにおいてはこの種施設に対しての検査システムが極めて理想的に行われている、このようにも聞いておりますので、そのような点も参考の上に一層の御尽力をお願いしたいと思います。  下水道放流水の基準オーバーの点について環境庁にお伺いいたしますが、環境庁においても総務庁の行政監察報告は承知していると思います。このように水質汚濁防止法との関係で見ますと、極めて問題のあるところかと思いますが、環境庁の御所見を伺いたいと思います。

奥村知一環境庁水質保全局水質規制課長

○説明員(奥村知一君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のとおりの総務庁の監察結果につきましては承知しておるところでございます。環境庁といたしましては、下水道等の施設整備というのは、御指摘のように、公共水域の水質の保全のために非常に重要な大きな役割を果たしておるという一面もありまして、その整備の促進とともに、しかしなお処理水質の維持というのは当然に非常な関心を持って取り組んできておるところでございます。  今回の総務庁からの行政監察結果に基づきます勧告につきましては、今申し上げましたように環境庁といたしましても承知しておるところでございますが、勧告の趣旨を踏まえまして関係省庁において適切な対応がぜひ図られることを期待しておるところでございます。  なお、言うまでもありませんけれども、環境庁では、水質汚濁防止法等に基づきます公共用水域の水質保全を図る観点から、排水規制の徹底等の厳正な法の運用を図ってまいる所存でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ありがとうございます。  次に、下水道の処理水の有効利用についてお伺いいたします。  下水道整備によりまして終末処理場において処理される下水道処理水は極めて増加をしております。水質の向上が極めてよいということからも再利用が今求められておりますが、この再利用に関する実施状況はどのようになっておりますでしょうか。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 再利用は年間の処理水のおおむね一%程度でございまして、量にして年間八十三億トンという程度でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 極めて低い率だと思います。来年度の建設省の下水道に関する重点施策などを見ますと、下水道処理水の有効利用を図っていきたい、このようなことが強く主張されております。そういう関係で現実的にそのような施策を考えた場合に、この再利用の方法ですね、可能性があるのかどうか伺いたいと思いますが。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) 下水道処理水等の合理的利用を推進するために、来年度は、新たに開発をしていく地域に発生する下水道というものを対象にいたしまして、第三セクターを設けまして、それを処理、再利用する事業を下水処理水循環利用モデル事業ということでやっていきたいというふうに考えておりまして、具体的なプロジェクトを念頭に置いて今予算要求を行っているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 都市部においても、またある場合には農村部においてもまさにこのような処理水が重要な水資源としてこれから把握されていかなければならない、このような時期にあろうかと思うわけであります。そういう意味でより一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。  最後に、今後下水道の整備を図り普及させる地域は、先ほど冒頭での御回答にもありましたように、人口五万人以下の都市では普及率が七%、こういうことにあらわれておりますように、これからは人口密度の低い地方都市に、地方の市町村に整備が動いていかなければならない、このようなところにあらうかと思います。これまでの流域下水道計画そのものを前提とした場合に、まさに幹線管渠はますます長くなりまして、完成までには極めて長い年限がかかってしまうことが予想され、かつまた建設費についても膨大にならざるを得ないと思うわけであります。そういう意味で、このまま流域下水道計画事業を維持することは、人口密度の低い地方都市に対しての普及を図る上では非効率であって、しかも中小都市において財政的にも支え切れない、こういう現状にもならざるを得ないものかと思われます。  そういう中で、再来年度はまさに七次五カ年計画がスタートするわけであります。この計画作成に当たっては、流域下水道事業を維持しつつも、新たな対策、とりわけ地域や自然条件を応用したような各種の下水道事業方式を容認いたしまして助成していく、このようなことを検討する必要があろうかと思うわけでありますが、最後に建設大臣のこの点に対する御所見を承りたいと思います。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 種田委員の御指摘のように、確かに下水道の普及率、特に中小都市には低い状況でございまして、例えば人口五万人未満の中小都市は下水道事業への着手が約四分の一とおくれております。普及率も七%と非常に低率であります。我が国が世男に冠たる経済大国になって、一人当たりの所得も世界で一番高い方になっておるというのに、こういう状況はまことに嘆かわしい次第でありまして、私としても、委員御指摘のように、国民の本当に快適でしかも安全な生活を確保する上にぜひとも下水道の早期整備をやっていかなきゃならぬ、こういうように考えておるわけであります。  それには、平成二年度で今度の下水道整備五カ年計画が終了するわけでございますが、引き続いて地方の中小都市の下水道の整備促進に重点を置きたいし、浸水に対する安全度の向上も図りたい。先ほどおっしゃったように、高度処理の実施による水質保全対策を強化していかないと、水質についていろいろ問題があるようでは大変心細い話でございますので、ぜひともその辺に重点を置いて計画的に下水道の整備を積極的に図りたい、こういうように考えております。ぜひとも御指導をお願いいたします。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 次に、海岸の浸食とその対策について質問を移らさせていただきたいと思います。  自然状態を保持したままの海岸、まさに生物の生息の場であると同時に、私たちに生活の安らぎを与える憩いの場でもあるわけであります。その海岸が今全国的に随所で浸食の脅威にさらされておって、自然海岸保全という点から考えましても極めてゆゆしさ事態に至っているわけであります。特に最近テレビ等マスコミにおいてもこのような状況が大々的に報道されるに至っております。  そこで、現在日本においていわゆる天然海岸というのはどのぐらい保全されておりまして、その経年的な経過はいかようになっているか、まず最初にお伺いしたいと思うんですが、建設省、環境庁、どちらでも結構でございます。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 海岸浸食の経年的変化ということで過去からの状況を御説明させていただきますと、建設省は、昭和五十四年に新旧の地形図の比較によりまして、過去七十年間の汀線変化、海浜線の変化でございますが、これを調査した結果によりますと、過去七十年間に全国で浸食面積は約一万二千ヘクタールと推定しています。地域的には日本海側や北日本の太平洋側で顕著でございますが、浸食の傾向は全国的であると推定しております。特に浸食が進行している海岸につきましては、地域特性に応じまして浸食対策専業を実施しているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 その点も伺いたかったわけですが、もう一つ伺いますが、現在日本において自然もしくは天然海岸と言われるものはどのくらいの割合で存在しておるのでしょうか。

小原豊明環境庁自然保護局保護管理課長

○説明員(小原豊明君) お答えいたします。  昭和五十九年度に環境庁が実施いたしました自然環境保全基礎調査によりますと、人の手が加えられていない、自然の状態が保たれている、いわゆる自然海岸と私ども呼んでおりますけれども、それは北方領土を除いた我が国の海岸総延長約三万二千五百キロのうちの五七%を占めているという結果が出ております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私は、建設省の統計資料、また六十三年十月二十二日に掲載されました日経新聞の記事を今見ているわけでありますが、その記事によりますと、天然海岸は一方二千三百六十九キロ、割合にしまして三六%である、このように報じられており、かつ経過的には、三十五年度調査では五二%あったものが四十年代には四〇%前後にまで低下し、今日では三六%まで落ちてしまった、このように新聞に報じられ、かつ建設省発行の「海岸統計」によりましても、率からいいますとどうも三六%が正しいかにも思われるわけなんです が、建設省の方からこの点について御見解をいただきたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 先生が今読み上げられました数字は、私ども建設省で公表した数字だろうと思います。「海岸統計」というものに載せておるわけでございますが、我が国の海岸、一応私ども三万四千三百二十五キロとしておりますが、そのうち、まず背後地に人口、資産等重要な防御するべきものがあるものとして保全すべきもの、これを一万六千四十七キロ、その他の海岸の中でも道路や鉄道等の敷設に当たりまして造成されました海岸等がございますので、それらを除きましたものを一万二千三百二十一キロと、先ほどおっしゃったように、私どもでは自然海岸という形で公表しておるものでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 そうしますと、いわゆる建設省で言われるところの自然海岸、天然海岸ですか、これは率としては三六%がやはり正しいということになるわけですか。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 基本的には、自然海岸という言葉からそれぞれのイメージがあるかと思いますが、私どもが自然海岸と申し上げておりますのは、一切防御の必要がないという形で計上したものでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 先ほど建設省の方の御回答にもありましたが、海岸浸食が進んでいる。問題は、この原因についてはなかなか難しいかと思うんですが、大まかに言って主要な原因はどういうところにあると思料しておりますでしょうか。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 海岸浸食の原因につきましては、地球規模の、地殻の移動等もあるでしょうし、いろんなことが原因すると思います。また、波浪、潮流などの海象条件、あるいは海底勾配、あるいは海底の地形地質条件、土砂供給の変化などの自然条件に加えまして、海岸における人工構造物の設置などによる複雑な要素がさまざまな形で絡んでおりまして、その機構を十分に解明することはなかなか困難だろうと思っております。私どもは、それぞれの現地の実情に応じまして各種の対策を実施するようにしているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 そうしますと、各地の現状の一つとして、私の地元であります茨城県の鹿島灘、ここにあります鹿島海岸、大野海岸、大洋海岸などがあるわけなんですが、この海岸地域は昭和五十年ごろから侵食が顕在化して、その後最近まで浸食の度合いは激しくなる一方であったわけであります。そして、保全対策も余り効果を上げることなく、住民生活そのものにも脅威が与えられるような状況にもありました。そういう意味で、鹿島灘における海岸浸食の原因としてはもう少し具体的に絞れるものがありましたらば御説明願いたいと思うわけであります。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 鹿島灘と特定されてお尋ねでございますが、やはり地域活動、それから自然的要件その他複雑なものが絡んでおりまして、現在の我々の調査した範囲内でも一つの原因に特定することはできないと思います。私どもは、それぞれの実情に応じまして極力浸食をとめるように対策をとることが現状では一番いい方法であるというふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私の方でいろいろと少ない知識の中で学んだことによりますと、一つには、海岸地域への砂の絶対量の供給が少ない、このことが大きな原因だろうとされております。さらには、灘の広い砂浜地域に人工の鹿島港という港ができた、このことも大きな影響を与えているんではないだろうか、このようにも思われるわけであります。そういう中で浸食が発生し、今日対策もとられているわけであります。  私は、極めて注目すべき対策として、今とられているヘッドランド工法というものに関しては強い興味を持っているところであります。このヘッドランド工法は、今日まだ世界でも類例のない工法であって、今までの工法が、海の持っている力に対抗するというような形での海岸保全の措置がとられたのに対して、むしろ海の持っているエネルギーをうまく受けとめまして、そしてその中で海岸の養生を図ろうというふうな工法であります。問題は、この工法はまだ世界でも類例がないという工法でありますので、これからの成功に関する心配があるわけであります。建設省の方でも十二分に研究をなされた上でこの措置を指導しているものと思いますが、その点に関する御見解をいただきたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 海岸浸食に対する工法は、我々も海岸事業に取り組んで以来各種の工法を試みては、また予算制約の中で実施してきたわけでございます。  先生御指摘のヘッドランド工法につきましては、人工的な岬という形で大規模な突堤を浜辺に建設することによりまして砂の移動、流出を抑え、砂浜を安定させようとする工法でございます。これによりまして突堤の間には安定な砂浜が確保されることから、浸食対策とあわせて景観並びに浜辺の利用にも適した工法であると考えております。これらにつきましては、建設省土木研究所、またそれぞれの研究機関の研究によって進めているところでございまして、今後もこの効果を見ながら、有効であればなお一層各地でも進めてまいりたいと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 問題は、このヘッドランド工法の完成の予想図は書かれているんですが、いつ完成するのかというその目標が設定されていないところに難しさがあるんだろうと思います。さらに、このヘッドランド工法を成功させるためには、もう一つ重要な問題といたしまして、ヘッドランド工法を施行した人工岬の間に砂浜を養生させなければならないわけであります。その場合に、砂を養生するに当たって極めて重要な問題があるのは、既に見解が表明されておりますように、海に漂砂といいまして流れている砂があるわけであります。その砂をうまく海岸に引き寄せる、このようなことが極めて重要だと言われております。その場合に、このヘッドランド工法を行っている岬と岬の間にどのような種類の砂を投入していくかということがこれまた重要な課題だと指摘されております。  問題は、鹿島灘の場合、現実に今どのような砂がどのような規模で投入されているのか、おわかりならば御説明いただきたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 基本的に砂浜の保全ということは重要でございますから、我々、先生がおっしゃいましたような漂砂が適切に所定の場所にとどまるように各種の工法を研究し、現在のところは研究段階の一環として試行的に実施しているところでございます。さらに、お話しのように、砂をわざわざどこかから運んできて投入するということも一つの工法かと思いますが、それらの砂につきましては、地域で適当な砂がある場合にということにもなろうかと思います。基本的にはやはり、漂砂の移動を適切にとめるということを主眼として実施しているところでございます。  なお、鹿島海岸におきましては、昭和六十三年度で約二万立米を確保しております。これは緊急養浜ということで甚だ異例な措置ではございますが、地域の実態からこういうことを実施したわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 鹿島灘にヘッドランド工法を用いて海岸を復元するとすれば、約百万から百五十万立米の砂を投入しなければならないとも言われております。そういう中で、これは運輸省の方に伺いたいと思うんですが、鹿島港の中でしゅんせつされた砂がかなりこれまで投入されていると思います。問題は、その砂の漂着率が悪かった。ここはどのようなことが原因だったのか、わかっていれば教えていただきたいと思います。

堀井修身運輸省港湾局計画課長

○説明員(堀井修身君) お答えいたします。  鹿島港のこれまでの例えば航路でありますとか、あるいは泊地のしゅんせつの土砂につきましては、ほとんどが鹿島港の中の土地造成あるいは外港部に土地造成をやっておりますが、そういうものに使われておるところでございまして、特に海浜部に投入をしたというようなことはございません。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 これは社団法人全国海岸協会が発行している「海岸」という雑誌でありますが、これ によりますと、実際、しゅんせつ土砂がナンバー1からナンバー4のヘッドの間に投入されている。投入されてきたものの、六十二年度投入量が四万立米でありまして、その砂がいわゆる砂の粒径が小さいために養生浜をつくるに適する砂と言えない。そういうところから付着率が少なくなっているんだと。それに対して、これからは波崎漁港拡張に伴う航路掘削砂、これは砂の粒が大きい、砂の付着率がよろしい砂であるというところから、これを今後はしゅんせつし投入していきたい、このようなことが報告されておるんですが、このことはそうするとどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 先ほど申し上げましたように、ヘッドランド工法によってできました突堤の間に何とか砂を定着させたいということが主眼でございます。その一環で、他でしゅんせつしたものを投入した結果、先ほどおっしゃいましたように、四万立米投入したが粒径が細かかったこともあるいは一つの原因かもしれませんが、大幅な回復に至っていないというのが実情でございます。今後は、養浜砂を、現地の砂の粒径とほぼ同等の砂の存在する箇所で、なおかつ、ある意味で砂を取り除く必要のあるような場所を選定するなど各種の検討を図りまして、回復の効果の程度を見ながら事業を実施してまいりたいと考えております。  なお、平成元年には一応一万七千立米を予定しております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私としては、先ほど述べましたように、人工の力でもって浸食を防止しつつも自然の大きな力をかりるという、すなわち今回のヘッドランド工法によれば、漂砂の連続性、こういう力をかりて、しかも砂が持っている、砂が砂を呼ぶというこのような力に関しても依拠しようとする、こういう視点で、やはり自然の浸食に対しては自然の力をできる限り応用しながら対策を練っていくことが極めて重要かと思われます。  ちなみに、漁師の方々によりますと、砂には雄砂と雌砂があって、何ぼ雌砂を入れても砂は付着しないんだ、雄砂を入れることによって初めて雌砂が寄ってくるんだ、こういうふうなことまで言われております。そういう意味で、これは漁師仲間の話かもわかりませんが、そのような言い伝え、また自然の力、そのようなものをもぜひとも考慮しながらこれからの浸食に対する対策をお願いしたいと思うわけであります。  時間が参りましたので、途中ですがこれで終わらせていただきたいと思います。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 会田でございますが、よろしくお願い申し上げます。    〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕  災害が発生するたびごとに建設省初め各省庁におかれましては御努力願っていることに敬意を表して、建設省に一つだけお伺い申し上げます。  その一つは、河川、特に一級河川の中で、川の流れの中に私有地があって、それが往々にして災害を生む要因になっていると感じております。したがいまして、一級河川の中の私有地の面積がどのようになっているかお伺いいたします。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 現行河川法におきましては、河川区域内にも私有地が存在することを認めておりまして、現に一級河川あるいは二級河川等にも私有地が存在しております。私どもの調査によりますと、一級河川の指定区間外区間、いわゆる直轄の管理区間でございますが、その中に存在する私有地は面積比でほぼ五分の一程度、二万二千ヘクタール程度でございます。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 それでは、私有地の問題でございますから、活用されている私有地、全く活用されていないで水の流れを阻害しているだけに存在している私有地、これがおわかりになったらお聞かせ願いたいんですが。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 私有地についてそれぞれの先生がおっしゃいました機能別に、河川の流通を阻害しているかどうかという観点で調査をしたことはございませんが、支障のあるものについてはその都度極力取り除き、あるいは取り除くために用地所有者とお話し合いを進めて買収する等、河川工事が実施できるように努力しているところでございます。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 実は大変建設省を初め先ほど申し上げた各省庁にお世話になったんですが、十三号台風、十七号台風で災害が生じたときに、実は一級河川の中に私有地がございまてし、その私有地は登記されているのみでございまして、全く私有地としては活用されておりません。この私有地の存在があるために水の流れというものを大変阻害して、堤防決壊の大きな役割を実は果たしているということがわかりました。したがいまして、この河川の中において全く活用されていない私有地、それを建設省として河川改修のためにどのように一体整備しようとしているのかお聞きしたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 河川区域内の民地の取り扱いでございますが、先ほど申し上げましたように相当大きな面積が存在するわけでございます。これらに対応する仕方としては、できるだけ買収していくことが基本ではございますが、財政問題あるいは治水整備の必要性等の比較において決めるべきものだと思っております。  現在我々の対応方針としては、まず河川工事を施行するに必要な箇所について、築堤、据削等の河川工事を施行する場合に直接必要な土地はすべて買収しますし、その他堤外民地の中でも、河川工事により新たに河川区域内の民地となる土地については河川管理上必要な土地から買収する、そういうような順番で進めてまいりたいと考えております。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 それでは一例を申し上げます。  ある一級河川、町の中を流れている川でございますけれども、上流は改修がすべて終わっておる、下流も改修がすべて終わっておる、その中間の約八百メートルのみ私有地、いわゆる活用されていない私有地があるために改修されていなくて、大水が出ますと常に堤防決壊のおそれありと指摘されて問題になっているところがございます。こういう場合は、地方自治体あるいは県当局がお願いをすれば、建設省といたしましては早急にそういう河川の整備はすると受け取ってよろしゅうございますか。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 今先生のおっしゃったようなケースについては、我々としても最優先で実施すべきものだと思っておりますが、いずれにしても土地所有者の御了解をいただくということが最重点課題でございますので、また関係機関を指導いたしまして用地取得に努め、その上で事業実施を図れるように努力してまいりたいと考えております。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 それからもう一つ関連をしてお伺いしますが、国道並びに国道にかけられている橋梁、これと関連をいたしまして、増水になった場合にいわゆる流れをとめる一つの役割というのも実際に十三号、十七号台風で明らかになったことがございます。こういう点につきまして、全国的に見れば、そのような災害を防止するんではなくて逆に災害を生むような国道あるいは橋梁、こういったものをどのように把握されているかお聞きしたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 河川にかかっている橋梁は、一面で見れば、道路交通上極めて重要な施設でございますから、その都度、架設するごとに治水に支障のないように河川管理者と道路管理者が協議しながら建設してきたものでございますが、やはりその技術基準がその時代時代によって必ずしも現状に比べれば適切でないものもあろうかと思います。そういったものにつきましては、それぞれの道路管理者、河川管理者が協議しながら改築に努めているところでございます。  全体の数字については現在手元にございませんので、御了承願いたいと思います。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 どうぞこの問題につきましては、私も、災害あるいは二次災害という非常に大きな問題を抱えているわけでありますから、今後とも積極的に提言をし、お願いしていくことを申し上げておきます。  では二つ目に、列車事故とその対策について運輸省にお伺いいたします。  実は、国有鉄道がJRになりまして二年半になりましたが、列車事故というのが依然として減りません。昭和六十二年度九百二十七件、六十三年度九百件、平成元年度、これは運輸省でも御承知のとおり、常磐線のような、レールのないところに列車が突っ込む、あるいは今度は、同じ常磐線でございますけれども、レールの軌道間隔が上下線で狭くなっておる、こういうようなことがある。まことにゆゆしき問題だと私も痛感しております。  過日私は社会党の常磐線の事故調査の一員として行ってまいりました。その調査をしてみて、感想は、これは単なる常磐線の問題だけではない、これはJRになって余りにも黒字というものを意識して要員を削減しているところに問題が出てきたのではないかという感じを持ってきました。その意味では、この要員不足というのが決定的に事故を減らせないという原因になっているのではないのかという気がしてなりません。したがって、無理な要員ということについて再検討する考え方がありや否やお聞きしたいわけでございます。

高重尚文運輸省大臣官房国有鉄道改革推進部保安課長

○説明員(高重尚文君) お答えいたします。  鉄道事業者が他の交通機関との競争に打ち勝って生き残るためには、事業の合理化あるいは効率化を行うことが必要であるということは理解するわけですけれども、鉄道の基本は安全の確保でございますから、安全の確保を最優先させた上で効率的な事業運営を行うべきであるというふうに考えております。JR各社もそういう観点に立って、要員の配置についても、会社の責任のもとで、必要な業務量等を勘案し、安全性を損なうことなく、それに見合った要員を各部門に配置しておるというふうに聞いております。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 合理化も効率化も結構でございますけれども、安全を抜きにしてはどうにもならないというのが私の意見でございます。その意味でお聞きしたわけでございます。  減らない、だんだん質が悪くなっていく、このことは、これは地方自治体に住む者にとって、国民にとってこれほど危険なものはございません。何としても安全を求めなければいけない。しかし、安全でなければ乗らなきゃいいわけでありますけれども、乗らなければ生活はできない。絶えずそういう心理的なものを含めまして生活しているわけでありますが、これは国民にとりましても、ゆゆしき問題でございます。とりわけ地方に住む者にとっても大変な問題でございます。したがって、本日は自治大臣がいらっしゃるわけでございますから、これは地方に住む者にとって、JRの安全というものは徹底して追求していかなければならないと私は思っているわけでありまして、自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 今いろいろお話を聞いておりましたけれども、人の命は地球より重い、これはいかなる問題にかかわらず我々政治や行政に携わる者の基本的な哲学でございますから、今運輸省の方からの答弁もあったようでありますが、安全第一に考えて、さらにまた合理化、効率化に努めておる、そういう考えであろうと存じます。

会田長栄日本社会党・護憲共同

○会田長栄君 先ほど私申し上げたとおり、この種の事故の問題は、今日JRが二年半過ぎまして、単に常磐線の問題だけではない、これは全国的に今後あってはならないことでありますが、恐らく起こるであろうという感想を持ってきたわけでありますから、合理化、効率化は結構でございますが、最も重視しなければならないのは安全でございますから、これは運輸省におかれましても、どうぞ今後ともその点を第一義にとらえましてやってほしいということをお願い申し上げます。  同時に、地方の者にとっては乗らなければ生活できないという観点でありますから、これは運輸省の問題だというのではなくて、そういう人々の気持ちも代弁して、自治省といたしましても積極的に取り組んでほしいということをお願いして、私の質問を終わります。    〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕

喜岡淳日本社会党・護憲共同

○喜岡淳君 自治大臣及び自治省の皆さんには、三割自治を脱却して、地方自治百年にふさわしい地方自治建設のために大変御苦労さまでございます。  ふるさと創生問題についての質問をさしていただきたいと思います。  今、例のふるさと創生一億円事業というのがやられております。いろんな建物を建ててみたり、イベントをやってみたり、村おこしの特産品づくりとか報道がされております。いただいた資料を見せていただきましたけれども、あるところではひとり暮らしのお年寄りのおうちへ必ずお昼の温かい食事を届けに行く事業をやっておるとか、あるいはお年寄りの人が発作の病気に見舞われた場合は、ペンダントのボタンを押せば一発で緊急通報ができるんだ、こういう通報体制をとってみるとか、非常に地道な取り組みが行われておるというふうに聞いております。また反対に、マスコミを騒がしておりましたけれども、淡路島の方では金塊を購入してみたとか、あるいはふるさと事業を市町村に周知徹底するために、福島県におきましては、県の職員がふるさとおじさんに扮して紙芝居をやりながらあめ玉を配って歩くとか、税金を使ってこういうことが一方では行われておるわけです。  こういういろんな取り組みが行われておりますけれども、自治大臣の御所見について一言お尋ねをしたいと思います。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) いろいろ参考になるお話を承りまして、ふるさと創生事業、全国おおよそ三千三百の市町村で、今御指摘の問題等いろいろ含めてみずから考え、みずから行動を起こそうということで大変活発に行われております。おおよそ七〇%近い市町村で今いろんなソフト面、ハード面の計画が進められておるというふうに聞いておりますけれども、これは非常にいいことでありますので、これからさらに継続して進めてまいりたい、こう考えております。

喜岡淳日本社会党・護憲共同

○喜岡淳君 おおよそ七〇%ぐらいの自治体で取り組まれておるということでございました。自治省の方からいただいた資料を見ましても、決定が八月現在市町村約四五・八%ということになっております。これが九月議会などを経て七〇%ぐらいにふえたのかと認識をいたしますが、私は選挙区は香川県であります。十月現在、四国の場合を言いますと、決定を見ておるのは香川県三五%、これは昨日のファックスの結果であります。高知県は二八・三%、これは十月十三日現在であります。徳島県の決定は三市十二町、三〇%、愛媛県は十月二十日現在二十七市町村、三九%、こういう数字も一方ではあるわけであります。もちろん、一億円の使い道が完全に決まったのか、あるいはその一部の使い道が決まったのか、どれをもって決定というのか、いろいろあると思いますけれども、いずれにせよ、大臣がおっしゃった七〇%というのは私は数字として高過ぎるのではないかという認識を持っております。  そこで、例えば四国の場合で言いますと約半分以上はまだ決まっていない。どうしてこの一億円事業がなかなか市町村で決定しないのか。いろんな理由が考えられるだろうと思います。一つの理由は、このふるさと一億円事業というのが非常に唐突に降ってわいてきたような話だったと言う町長さんもかなりいらっしゃるわけです。それから、地方交付税の上に乗せられた一億円でありますが、使い道はふるさと創生事業にやはり使うんだと、地方交付税でありながらも使い道が決められているという問題もあるのではないかと思うわけですね。それから三つ目に、この一億円というのは毎年毎年もらえるものなのか、あるいは選挙のない年はもらえないのだろうか、いろいろな疑問もあるわけであります。さらに四つ目の疑問としては、一億円というのではちょっと大きな事業をするのには足らない、したがって踏ん切りがつかずに基金に回しておこう、こういった戸惑いも 市町村の中にはあると思うわけです。  こういういろんな理由があってなかなか数多くのところで決定しないのではないかと思いますが、それについては自治省の皆さんどうでしょうか。

芦尾長司自治省大臣官房総務審議官

○政府委員(芦尾長司君) ただいま決定率の問題につきましてお話がございました。私どもは、一応八月末で四六と言い、それから十月で今大臣七割というふうに御答弁申し上げましたけれども、おおむね十以内に検討項目が決まっておるものも含めまして、そういうことで今のような率を申し上げておるわけでございます。  そこで、今どうしてそういうことで決定しないのか、未決定のところがあるのかということでございますが、実は私どもも九月末で今調査中でございますけれども、そこでもよく分析してみたいと思うのでございますが、私どもが町長さん、村長さんの方からいろいろお話を聞くところでは、住民の方々の意見が非常に多く出てきて、それを選択する中でやっぱり時間がかかっておるということが一番大きな理由のような気がするわけでございます。そういうふうにお話を聞くわけでございまして、そのこと自体は、住民の方々それぞれが自分たちの地域づくり、村づくりに御熱心になっておられるなというふうに私ども見ておるわけでございますが、町村の議会も九月議会があり、また十二月議会がある。そこでまた決定率も上がってくるだろうというふうには見ておるわけでございます。

喜岡淳日本社会党・護憲共同

○喜岡淳君 地方自治体の中では、一体どのようなイベントをすればいいのか、たくさんの声があるから整理するのに時間がかかるというのは確かにおっしゃるとおりだろうと思います。ただそれだけで決定率が低いというふうに思わないんです。逆に私は、決定率何%とおっしゃいますけれども、この数字は多過ぎる数字だと思います。なぜなら、これは平成元年の自治省の資料でありますけれども、市町村の決定状況のグラフがここに記載をされております。この決定というものは一体どのようなものを決定と定義づけしておるか。いかなる事業をするか。いろいろなアイデア、「候補を概ね十以内に絞って検討中の場合を含む。」と書いておるわけです。こんなもの決定じゃないですね。十項目も挙げてまだ検討中なんです。こんなものを決定の中に入れておるわけですから当然数値は高くなるというふうに思っております。  そこで自治大臣に御質問をさせていただきますが、新聞で例のふるさと一兆円問題というのが報道されております。一億円問題についても今多くの問題が出されておるわけですが、今度は一兆円をやろうという構想を発表されたようでございますけれども、大臣、どういう構想なのか、時間の都合がありますので簡単にお願いいたします。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 竹下内閣のときに始めたこの一億事業、これはいわば全国の市町村の自治体で、ひとつおれの村を、おれの町を日本一の町にするためには、あるいは若者たちが定住してくれるためには、高齢者が安心して暮らせるふるさとにするためにはどういう町づくりがよいかと、過去の歴史を振り返り、また現在の自分らの置かれている町や村の条件を考えてプロジェクトを立ててもらいたい、そういう考え方。ですから、いわば私は竹下内閣の時代に行われたこの一億事業はふるさと創生の種まき事業であった。これが今芽を出しつつある。しかし、さっき委員からも大事な話がありましたが、一億円で終わってしまうのか、その後続くのかということで全国の市町村に戸惑いがある。  私は全国いろんなところをシンポジウムで歩いてみましたけれども、これはすばらしいことなのでぜひ続けてもらいたいという、ほうはいたる御意見をお聞きいたしました。したがって、せっかく自治体の皆さんがこの一億円でやる気を起こしたわけですから、これにひとつ花を咲かせなけりゃならない。花を咲かせるのが海部内閣の内政の柱だ。そのために平成二年度から地域推進事業、これはソフトで三千億、またハードで二千億、これを新規事業としてやりたい、こう考えておるのです。また、前の内閣の時代に行われたふるさと創生財団とかいろんな既存の事業、システムがございます。これらを活用して五千億ちょっと超すかなと。一兆三百億程度かなと。これを三年間は継続していくということになれば、これは全国の市町村の皆さん方のプロジェクト計画、青写真というものがつくりやすくなるのではないか。  そういうことで、海部内閣の内政の柱としてこのふるさと創生をやろうとしておりますので、御協力をお願いします。

喜岡淳日本社会党・護憲共同

○喜岡淳君 今度は自治省の事務局としての事務担当側の御意見を教えていただきたいと思いますが、「官庁速報」、平成元年十一月八日号、これを読みますと、一兆円構想とは別に、約六千億円に上るふるさと創生基金の創設を含め、今後さらに検討するとしているということが自治大臣の和歌山での発言に関して報道されておりますが、自治省としてはこれについてはどこのあたりまでの御議論をされているのでしょうか。

芦尾長司自治省大臣官房総務審議官

○政府委員(芦尾長司君) その基金の話につきましては、私ども事務的にはまた詳細に詰めておるわけではございません。

喜岡淳日本社会党・護憲共同

○喜岡淳君 時間の関係で最後の質問になりますが、この一兆円構想の問題について自治省の中では、この六千億円のふるさと創生基金については余り議論がまだできていないということでございますが、私の疑問の一つは、この新聞報道がもし正しいとすれば、この六千億円に上るふるさと創生基金の原資は昭和六十三年度の自然増収がはね返ったものとして使われておるという理解をいたしております。昭和六十三年度の自然増収が地方税にはね返ってきて、その剰余金として六千億円できたものをふるさと創生基金に充てるんだと。あるいは、今一億円事業が行われましたが、これだって、昭和六十二年度決算によって自然増収が発生した結果、それが地方税の剰余金としてふるさと一億円事業に使われた。このふるさと創生基金をこれからも向こう三年間、平成四年度までやるとすれば、これは実は自然増収との関係を抜きにして議論はできないのではないというのが一点であります。  それからもう一つの質問は、平成四年度と区切られておりますが、ここにもう一つ世間の人が疑惑を持つ理由が存在いたします。一億円専業が行われたのがちょうど参議院選挙を取り巻く年度の中で行われた。今度は、まあ一月か二月か知りませんけれども、衆議院選挙がいずれ行われるであろう。しかし、消費税の見直し案が出せずに自民党は厳しいのではないかということが報道されておりますし、これは常識的な見解でございましょう。しかも、三年後には参議院選挙が当然行われるわけであります。したがって、このふるさと創生事業の中には参議院選挙、衆議院選挙、もう一度参議院選挙と、ちょうどそれで平成四年度まで来るじゃないか、こういった問題も指摘されております。  こういった選挙の絡みが言われないような、やはり地方交付税は地方の自主的な財源でございますから、税金が余まったのであればほかの使い方、有効な使い方、例えば地方交付税率の引き上げとか、あるいは地方財政を健全化させる方向で、しかも恒久的な安定財源として活用する方法もあるかと思いますので、今度の一兆円論議についてはこのような観点も踏まえた御検討をいただければさらに充実するものになるかと、そういうふうに思いますので、以上で私の質問は終わりますが、御答弁だけお願いいたします。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 二つありますが、財政上の問題、自然増、これは地方財政の健全化を念頭に置いてこれから検討すべきものと私は考えておりますが、政府委員もおりますから、必要であれば詳細説明をさせます。  それから選挙の話は、申しわけありませんが、これは大変なお間違いでありまして、戦後四十五年、いろいろ問題がありますけれども、その中で、第一次産業、いわゆる農林水産業、これが第二次産業の急速な発展の中に著しく国際競争力を 失ってきた。そのために、第一次産業を生活のあるいは地域の経済基盤としておった地方が過疎になり、また一方大都会は過密化して交通渋滞あるいは地価の暴騰、こういうものをもたらした。言うならば、今私どもがやろうとしておるふるさと創生は、そういう大都会の過密による地価の暴騰あるいは交通渋滞、そういうのを解決して中堅サラリーマンの皆さん方もマイホームの夢を持てる、また過疎の農業や水産業や林業で、これは寂しくなっておる町村に再び豊かなにぎわいを取り戻す、こういう意味で国民が待望しておるものであります。  したがって、このふるさと創生を高らかに掲げて、海部内閣の内政の柱にしておるわけで、結果として次の選挙に我々の党が勝たせていただくことになるかもしれませんが、そのことはいわば、野党の皆さん方が消費税反対を強くおっしゃって選挙に有利になるのではないかということで、さきの参議院の選挙でお勝ちになられたのと同じような意味であって、一切批判される理由にはならないと存じております。

持永堯民自治省財政局長

○政府委員(持永堯民君) 財政上の問題で六千億というお話があったわけでございますが、これは地方税ではございませんで、六十三年度の国税三税の増収に伴います地方交付税のはね返りが六千億あるということでございます。  この問題につきましては、ことしの補正予算でこれをどう扱うか、あるいは平成元年度の国税がどういう形になっていくのか、また補正があるかないかということもございますので、六十三年度の剰余金に相当する分と本年度の税収の影響がどう出てくるかという、全体としてこれを考えていく必要がある。  一方、これをどういう扱いにするかということにつきましては、いわゆるいろんな財政需要、新しい財政需要、例えば給与改定の問題とかそういうこともございます。それから、御指摘ございましたような健全化ということで、例えば借金がありますからそれをどうするかという問題もございます。もろもろのことを総合的に考えていく必要があると思っておりまして、まだ現段階ではどういうふうに扱うということを決めているわけじゃございません。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 私は、瀬戸大橋の通行料金の問題について質問をいたします。  瀬戸大橋は世紀の大事業ということで華々しく登場したわけでございますけれども、残念ながら通行台数は予定の半分を割るというふうな状況がございます。そこで、瀬戸大橋の車両の通行台数と料金収入について、昭和六十三年度と今年度の、わかる範囲で結構でございますから、予定と実績についてまず御説明をお願いしたいと思います。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) まず交通台数でございますが、瀬戸大橋につきましては、計画交通量といたしまして二万四千九百台を考えておりました。六十三年度の実績でございますが、交通量は一万八百二十三台でございます。実績と計画の比率は四三・五%でございます。  なお、収入等の数字につきましては、本四公団の方から数字を発表させます。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 料金収入につきましては、六十三年度五百十九億一千九百万を見込んでございましたが、実績は二百四十六億八千六百五十六万でございました。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 今年度は。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 平成元年度は、料金収入は二百六十八億二千七百万を見込んでございます。  四月から九月までの実績を申し上げますと、料金収入は百十五億三千三百二十三万円でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 今言われましたのは、最初に言われました予定は九月までの分でしょうか、どうでしょうか。年間ですか。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 予定は年間でございます。予定は年間二百六十八億余でございますが、四月から九月までの六カ月間の実績、こういうことで申し上げますと、実績は百十五億三千三百二十三万円ということでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 もう一遍その点をお調べいただきたいと思いますけれども、どちらにせよ予定に比べて非常に低い利用率になっておるわけでございます。これは利用者側あるいは橋をつくった側でお考えが違うかもしれませんけれども、利用者側に立ちますと、利用ができない理由として通行料が高過ぎるということを言われております。私も六百九十三社を対象に、これはトラック業者を対象にしましてアンケート調査をいたしましたけれども、同じような結果で、料金が高いために通行できないということを大部分の方がおっしゃっておったわけでございます。客観的には、立派な橋だからこれはもう少々高くても当たり前だというふうなお考えがあるかもしれませんけれども、利用者側に立てば料金が高過ぎるということが一般の世論ではなかろうかというふうに思うわけでございます。  その点についての公団の御認識をお伺いしたいと思うわけでございます。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 利用されます主として地元地域に割高感がある、料金が高いということがあることは私ども重々承知いたしておりますけれども、瀬戸大橋の交通量が少ないということについては料金の問題そのものかということにつきましては、私どもとしては現段階で、関連する高速道路網、これは四国側の高速道路網、それから中国側の高速道路網、こういうものの整備の進展がまだ十分進んでいない、そういうようなことが一点ございます。  それから物資を輸送する輸送業界の問題でございますけれども、橋を前提とした輸送体系、そういうものに移行するのに時間がかかる、こういうことから利用交通量が少ない、そういうふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 通行料が高過ぎるという声も相当強いということは御認識なんですね。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) そういう声が多いということは私ども認識いたしております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 昨年の十月七日に建設大臣が道路審議会に採算確保の方法について諮問をいたしております。これに対して、ことしの八月十日に中間答申が道路審議会から出されております。採算性の見通しとして、明石海峡大橋、来島大橋は完成までに長い年月と多くの困難が予想されること、交通量が計画の半分程度となっていることからして、今後高速道路網の整備、開発効果が増加することを見込んでも、三ルート全体の交通量の見直し結果に徴すれば、通行台数は計画を下回るものと見込まれ、本州四国連絡道路事業について計画どおりの採算性の確保は厳しい見通しとなっているという指摘をしておるところでございますけれども、計画よりもどれくらい下回ることが見込まれておるんですか。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) ただいま交通量が伸び悩んでおるということについては申し上げましたので、そのことについては改めて申し上げませんが、今後高速道路網がこの周辺に展開されるということになりますと、瀬戸大橋を利用する時間短縮効果というものが、従来のフェリー、国道三十号を通るそういうコースと比べまして非常に大きく出てくる、こういうことも考えられますので、その関連する高速道路網の整備、高規格幹線道路網の整備に伴いまして交通量は次第に増大いたしまして、結果としては三ルートの全体の償還期間内の交通量という意味では、現在の非常に低い水準から逐次回復いたしまして、計画を一割程度下回るものと、そういうふうに見込んでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 答申は、当面緊急の方策として関連道路網の整備の促進が必要であるという指摘をいただいておるわけでございますけれども、建設省におかれましてはどのように対応されるのか。私とすれば、もう超重点的におやりいただきたいと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 本州四国連絡道路は中国、四国地域の開発基盤として非常に重要な計画 でございます。  今お話がございました瀬戸大橋の料金問題につきまして、建設に多額の費用を要したこと、あるいは従来のフェリー利用に比べて随時性、確実性それから快適性、こういうものを含めました多大のメリットがあることを勘案して決めたものでございます。したがって、他の有料道路と比較しても料金の水準は穏当なものと考えておりますけれども、例えば一度に支払う料金額について、高速道路との比較から地元に割高感があることや、それからその料金の割高感から利用交通量は計画を下回っているのではないかという御意見があることも承知しております。瀬戸大橋につきましては、採算性の確保と利用の促進を図ること、これについて大きな課題でございますので、これらを踏まえまして道路審議会に諮問をいたしました。先ほどお話がございましたように、この八月十日に「本州四国連絡道路の整備と採算性の確保についての中間答申」がなされたわけでございます。  採算性の見通しにつきましていろいろ御指摘がございます。先ほどから本州四国連絡橋公団の方でも説明がありましたように、瀬戸大橋の利用後の実態を見ますと、中国地方あるいは四国地方の高速道路の整備がまだ立ちおくれておる、あるいは橋を前提とした輸送形態に移行するには時間を要するとか、あるいはいろいろなほかの諸問題を含めまして交通量が半分ぐらい予測を下回った、こういうようなことを述べております。しかし、この問題を含めまして、私ども建設省といたしましては、採算性の確保という観点から資金コストの引き下げを現在要求しているところでございます。  それからまた、先ほどからお話がありましたように、この四月から本州四国連絡橋公団では割引をいたしておるわけでございますが、この割引拡充の効果とか瀬戸大橋の利用実態、こういうことで各種の調査を今行ってきておるわけでございまして、引き続きこれらの問題について調査検討をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 私が質問しているのは、関連道路網の整備の促進を全力を挙げてやっていただきたいということでございまして、大臣から一言、最重点事項として、緊急事業としてやるということをおっしゃっていただきたいと思います。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 委員御指摘のとおり、瀬戸大橋の利用交通の拡大を図るには、高速道路を初めとする関連道路の整備が極めて重要であります。そのために、本四間の物流の拠点である京阪神地区及び四国内の主要拠点と本四道路とを連絡する山陽自動車道、中国横断自動車道、四国縦貫、横断自動車道等の高速道路の整備を重点的かつ緊急に進めていく所存でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 重点的に強力に実施をお願いしたいと思います。  次に、割引制度の普及拡充でございますけれども、四月一日から実施されておりますが、どのような結果でございましょうか。ごく簡単で結構でございます。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 割引の拡充による交通量が増大したかどうか、こういうことのお尋ねでございますけれども、割引拡充前というのは、橋が開通して約一年ということでございまして、供用直後に大勢の観光のお客様も殺到した、こういうような要因もございまして、その後に割引の拡充を行ったということでございますので、その割引の拡充後の時間も十分にまだ経ておりません現在、いろいろ解明に努力をいたしておりますけれども、明確に把握するには至っていないというのが現状でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 同じく答申の引用でございますけれども、対策として、通行料金引き下げについては引き続き検討することが必要であるということが明記されておるわけでございます。料金引き下げについて調査研究などの検討をしていただいているのかどうか、その点はいかがでございましょうか。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 料金問題に関しましては、今回の答申に述べられておるとおり、採算性に与える影響等もございまして、総合的に勘案していくことが必要と考えております。したがいまして、本年四月から拡充いたしました割引の効果の調査分析を行うとか、それから瀬戸中央自動車道の利用実態等の把握に努めているところでございまして、こういうことを検討いたしながら、引き下げについてはどういうことがあるのかということも検討の中に入ってくるものとは考えておりますが、現在のところまだはっきりと検討が進んでいるというところまでは申し上げられない段階でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 中間答申で、料金引き下げの検討を続けてするということが書いてあるわけですけれども、検討しているんじゃないんですか。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 料金引き下げについての検討も利用促進の中の一つであるとは認識いたしております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 道路整備特別措置法の施行令の五条を見ますと、本州四国連絡橋公団は、ほかの道路公団等も同じでございますけれども、料金の額の算定の基礎に著しい変動を生じたような場合には、遅滞なく必要な措置をとらなきゃいかぬという規定があることは御存じと思いますけれども、この措置をとるかどうかはこれは別の問題といたしまして、採算性確保のためにどうしたらいいかということを早急に検討することが必要であるということは答申全体の流れであるというふうに思います。ですから、料金引き下げについてどうするかという検討をしていただけますね。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) 料金を引き下げるということは一台当たりの収入は減るということでございますので、引き下げて、引き下げに上回る交通量の増がある、こういうことが確信が持てるということであれば引き下げるという選択はあり得るわけでございますけれども、これまで有料道路を長年、本四公団としては歴史は短いわけですけれどもやってまいりまして、料金、主として引き上げをやってまいったわけでございますけれども、引き上げた割には交通量は減らない。逆に言うと、これは引き下げた場合には交通量もそれほどふえないというようなことがこれまでの経過ではございますので、採算性の確保という観点から見ますとこの問題は難しい方になるわけでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 私が言うのは、そういうふうに決めてかかってはまさに答申の趣旨に反するわけですから、料金引き下げがどうかということを、どうかということですよ、料金引き下げをするということ、その前にどうかという検討は必要だと思うんですけれども、その検討はしていただけるわけでしょう。これは中間答申に従ってもらうというだけなんです。

岡田哲夫本州四国連絡橋公団理事

○参考人(岡田哲夫君) いろんな勉強をいたしておるところでございます。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 中間答申に書かれておりますことで、先ほどからお話がございましたこの瀬戸大橋の利用促進策といたしまして、いろんな原因があってその結果として数が必ずしも多くなかった。しかし、その原因として例えば関連道路の整備というのがございまして、先ほど大臣が御表明されたとおりでございますが、そのほかのいろんな利用の促進策であるとか、さらに経費の節減、こういう問題もございます。  いわゆる本州四国連絡橋は、巨額の投資あるいは早期整備の必要がございますものですから、有料道路としての整備を進めておりますので、採算性の確保ということも非常に重要な問題でございます。その観点で、利用の増大ということは大変重要でございますので、先ほど申し上げましたように、関連道路の整備を初めとします諸施策を講じましてこの利用の促進を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 私の質問しないことにどんどん局長さんがお答えになるんですけれども、もう一遍、局長さんとして答申を尊重する気があるのかどうか、それだけでいいです。もうほかは何も言わぬでもいいですから、答申を尊重するかしないか、それだけはっきり、五秒でいいですから言っ てください、簡単に。聞きもしないことを延々と言われたら困りますから、時間がなくなって。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 八月十日にいただきました答申には、一生懸命この意を体して頑張っていきたいと思っております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 次に、中小建設業の育成の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  日本では、中小の建設業が建設業全体の九九・数%を占めておるということで、建設業の前進のためには中小規模の建設業の保護育成ということが非常に大事であるわけでございます。そういった観点から質問させていただくわけでございますけれども、中小建設業の保護育成について一層御努力をいただきたいと思いますが、どういうふうな施策をなさっておられるのか、どういう御方針なのか簡単に御説明をお願いしたいと思います。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 委員御指摘のとおり、我が国の建設業の九九・二%を占める中小建設業者でございますので、その経営基盤を強化し育成振興を図ることは建設業全体の健全な発展にとりまして極めて重要でございます。このため、従来より、中小企業近代化促進法に基づきます業種別の近代化計画の策定とか、中小建設業の共同化の推進の施策を講じておるわけであります。また、公共工事の発注に当たりましては、発注標準の遵守、共同請負制度の適正な活用等によりまして、中小建設業者の受注機会の確保に努めております。さらに、本年三月策定した構造改善推進プログラムというものがございますが、これに基づいて、企業の経営基盤の強化を図るための経営指導、経営後継者の研修等に取り組んでおります。  今後とも引き続きこれらの施策を推進して、中小建設業の育成、強化に努める所存でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 公共工事の分離、分割発注という御方針を一層強めていただきたいというふうに思います。  中小企業が中間マージンを取られないで元請に参加できるように、公営住宅が数棟発注されるような場合には、棟ごとに発注することも考慮いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) お尋ねの分離発注、分割発注の件でございますが、私ども毎年度公営住宅の建設事業の実施につきましてその年々の方針を通達いたしてございます。その中の「事業の適切な執行について」という項目の中で、「事業の執行に当たっては、中小建設業者に対する受注機会の確保に配慮すること。」ということで各事業主体に通達を出しておるわけでございます。したがいまして、あとは各事業主体の判断になるわけでございます。  お尋ねでございますので、若干実態を調べてみましたところ、町村営の非常に戸数の小さな、言うなれば地方の住宅でございますけれども、分離発注という形で、つまり躯体とか設備とか外構とか、そういう工種別に、工事の種類別に分けて発注するというのがほとんどとられているようでございます。それから棟が数棟にわたる場合には、もちろん御指摘のようにそれを分けて分割しているというふうに実態をも把握をいたしておるところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 それから、昨年の五月二十七日の中央建設業審議会の第三次答申に基づきまして建設業の構造改善が進められておるわけでございますけれども、その中で、元請・下請関係合理化指導要綱の改定ということが進められておるというふうにお聞きしております。  そこで、要望を申し上げたいんですが、代金の支払いに関してでございますけれども、支払い期限を適正な期限にしていただくこと。特に当月分の労務賃を当月分に払っていただくこと。工事に要する資材代金は、下請代金の期日より前には決済させないこと。よく建設業界で慣例となっておりますけれども、当月分の支払いの幾分かを次の月に回すというふうな悪い慣例を許さないこと。そういったことを配慮いただきたいと思うわけでございます。  それから一括下請禁止ですけれども、これについては、発注者が認める場合にはよろしいんだという取り扱いがありますけれども、原則的にあるいはもう全面的にこれは禁止する、合理的な理由がない限りは禁止するというお取り扱いにしていただきたいというふうに思います。  それからまた、代金の決定につきましては、対等な立場で適正に決定できるようなことを御配慮いただきまして、また下請が何段にも重なることで非常に弊害が起こっておりますけれども、重層下請の廃止という方向で元請・下請関係の近代化を進めていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○政府委員(望月薫雄君) 先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、建設業の実態というのは大変中小企業が多い。そういった中でこれから建設業全体が本当に健全に振興、発展するためには、元請・下請の関係というのは極めて重要なテーマである、こう認識しています。とりわけ、今お話しのように、昨年の中央建設業審議会からもその面を含めての構造改善対策の強化という御答申をいただいていまして、私どももこれは構造対策を進める上で非常に根幹的なものである、こういうことで受けとめさせていただいております。  おっしゃったように、元請・下請間の関係というものは、一言で言うと責任分担関係を明確にする、こういったことが最も基本であるわけでございまして、私どもそういった観点からお話のような一括下請の禁止を徹底する、あるいはまた下請代金の支払いの適正化、さらにまたもっと言えば元請・下請の契約関係の近代化などなどの問題がたくさんございます。そういった観点から、五十三年に決めております元請・下請指導要綱というのがございますけれども、これを全面的に見直そうということで現在取り組んでいる最中でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 次に、下請台帳の整備ということが進められておりますけれども、一番下の層の下請まで常時明記するように、そしてこれが工事現場ですぐわかるようにしていただきたいと思うわけでございます。官公庁が工事現場の調査に入られても、実際には下請にどんな人がおるかわからぬというふうな状況に現在なっておりますので、そのようにお願いしたいと思います。  もう一つ要望でございますが、元請・下請構造改善協議会を設置するということでございますけれども、中央だけでなくて地方にも、そしてできるだけ細かい単位に進めていただくようにお願いをいたします。そして、これがいわゆる施工の向上とか責任分担の明確化という側面だけではなくて、下請業者の地位の向上の方向にも取り上げていただきますように、そして中立的な権威のある委員長を配置していただくとともに、全建総連などの小規模業者の団体の代表も委員に加えていただきたいというふうに思うわけでございます。  以上要望さしていただきますけれども、何か簡単な御意見もいただきたいと思います。

望月薫雄建設省建設経済局長

○政府委員(望月薫雄君) 台帳の整備、大変重要なことでございますので、私どももこれは是が非でも進めていきたいということで取り組んでいるさなかでございます。とりわけ、技術者の専任制だとか、一括下請の禁止だとか、代金の適正な支払いなどなどを具体的に担保していくためにはこれは非常に重要なものである、こう考えておるところでございます。  お話しのように、その関係で協議会という点でございますけれども、何分にも大変広範にわたる分野でございます。私どもとしましては、施工責任範囲だとか価格決定など具体的なルールづくりというものがぜひこの元請・下請関係では大事でございまして、そういったものを協議する場として、現在、元請・下請関係のみならず行政部局関係者等を含めた協議会を考えておりまして、とりあえずは中央レベルの協議会の場というものをまず進めさしていただきますが、順次地方におきましてもそういった場を設置していただきたい、そういう方向で指導していきたい。その間においては、中小建設業者も含めて幅広く委員に御参加を 賜りたい、こう考えておる次第でございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 次に、地方公務員の方の労働時間について質問をさせていただきますけれども、地方公共団体の業務量がだんだんと増加しているにもかかわらず、職員の方は増加しにくいという一般的な傾向が一つございます。  国の場合には、例えば六十二年八月六日、六十三年八月四日、本年の八月四日というふうに人事院勧告におきまして超過勤務労働について勧告があり、また一昨年の十月には超過勤務労働を減らしていくという閣議決定もなされておるわけでございますけれども、地方公務員の場合は超過勤務労働についてどのような御指導をなさっておるのかお尋ねをいたします。

滝実自治省行政局公務員部長

○政府委員(滝実君) 地方公務員につきましても国家公務員とほぼ同様な格好で指導をいたしておりまして、特に最近におきましては、土曜閉庁につきまして閣議決定がされたことに伴いまして、その中でも超過勤務の圧縮ということを一つの項目とされているわけでございますけれども、こういった閣議決定の趣旨を地方団体にお流しする、こういうようなこと等を含めまして、国に合わせたやはり勤務時間の短縮という観点からの趣旨を徹底しておりますし、今後もさようなことで一層の時間短縮に努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 地方公務員の大部分の方が超過勤務労働を命ぜられる根拠でございますけれども、労働基準法の三十三条の第三項がございます。「臨時の必要がある場合」に残業を命じるということになっておりますけれども、これは残業を命じ得るという根拠であると同時に、「臨時の必要」という一つの要件がなければ残業を命じることができないという意味で、公務員の方を保護する、やたらに残業命令を出すことができないように制限をする趣旨もあるというふうに思うわけでございます。この三十三条三項の「臨時の必要」をどのように解釈をされるのか御説明をいただきたいと思います。それからまた、この条項の趣旨についても御説明をいただきたいと思います。

滝実自治省行政局公務員部長

○政府委員(滝実君) 三十三条第三項の問題は御指摘のような趣旨かと存じます。地方公務員につきましては、労働基準法の第三十三条第三項に基づいて、それを根拠として時間外勤務を命ずることができる、こういうようなことだろうと思うのでございますけれども、その際に、御指摘のように「臨時の必要」というのが条件になっているわけでございます。したがって、あくまでも当局側として職員に超過勤務を命ずるというときには、やはり時間短縮という前提のもとに「臨時の必要」というものを一つの背景として超過勤務を命ずる、こういうふうに考えております。  しかも、その労働基準法の三項には具体的な文言の表現がないのでございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、いたずらに超過勤務を命ずることができるわけではございませんで、その趣旨から申しまして必要最小限度、こういうような運用になっておるというふうに理解をいたしておるところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○一井淳治君 時間が参りましたので、今後完全週休二日制の実現に向けて一層前進していただくこと、そして職員の健康、福祉を守るために十分な対応をしていただくことを要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十六分休憩      ─────・─────    午後二時開会

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和六十一年度決算外二件を議題とし、建設省、自治省、警察庁、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、住宅金融公庫、公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 私は、国土政策並びに住宅・社会資本の整備に関しまして、国土庁を初め関係の省庁にお伺いいたします。  第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総、これが昭和六十二年の六月に策定されまして以来、その計画実現に向けてさまざまな政策努力をいただいております。その結果、地域経済は内需主導の景気拡大が続く中で全般的に大変好転しております。また、幹線交通体系の整備などが進んで、全国は一体化していく兆しが見えてきました。東京圏のみならずその他の地域においても新たな発展の可能性が確かに出始めております。しかし、こういう状況があるにもかかわりませず、東京へのあらゆるものの一極集中は依然として続いております。我が国の本格的な国際化が進み、経済社会のソフト化傾向が強まる中でのことですので、その対応がなかなか難しいでありましょうが、近年の大都市での地価高騰の状況とか、それからもたらされる弊害の大きさを考えますと、何としても土地問題の根本的な解決を急がなければなりません。  その際に、国土政策の観点から東京一極集中の国土構造の是正が大変に重要になってまいります。地方における魅力ある定住を促しながら、とりわけ農業、林業の厳しい情勢下に置かれた農山村での地方活性化も図りながら、多極分散型の国土を形成していくことが必要だと考えます。差し迫った大きな国土政策の課題と思えるこれらのことにつきまして、国土庁長官の御所見を初めに承りたいと思います。

長瀬要石国土庁計画・調整局長

○政府委員(長瀬要石君) ただいま先生から御指摘がございましたように、今日の国土構造をめぐります基本的な問題は、東京圏への一極集中にあるように思われるわけでありまして、一極集中を是正しながら多極分散型の国土形成を図りますことが国土政策上の最も重要な課題でありますとともに、ただいま先生から御指摘がございましたように、土地問題に対する基本的な対応といたしましても重要な課題である、このような認識を持っているところでございます。  このため、政府といたしましても四全総に基づきまして、地域の創意と工夫によります地域主導型の地域づくりを基本といたしまして、その基盤となります交通通信体系の整備等を図っていく、これを車の両輪といたしまして対応しているところでございます。  特に、地方圏の重点的な整備という点に関しましては、一つには、地方都市の整備を進めることによりまして集積を高めていくということが重要でございますし、同時にまた、ただいま御指摘がございましたような、国土の広大な空間を占めます農山漁村地域につきまして、これらの多面的な機能をどのように発揮していくかということも課題でございますし、そういう中にありまして、全国一日交通圏の構築というようなことを目指しまして、基盤整備をすることを通じまして国土の均衡ある発展を図っていくことが重要だと考えております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 多極分散型国土の形成に向けて北海道開発をどう進めていらっしゃるのか、長官にお伺いしたいと思います。

阿部文男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(阿部文男君) 委員御承知のように、北海道は広大な面積を有しており、我が国で最も開発の可能性の富んだ地域として多極分散型国土の形成に大きな役割を担うことが期待されておるのであります。現在、第五期北海道総合開発計画に基づいて、産業の振興開発を初めとする各般の政策を推進しておりますが、これからは特に人的な交流や物的な交流の拡大を図っていくことが重要と考えております。このためまず、欧米に近いという北海道の有利性を生かしまして、北の国際交流拠点の形成を目指し、新千歳空港の整備を促進するとともに、国際エアカーゴ基地等の構想を推進してまいる所存であります。  次に、昨年三月に開通いたしました青函トンネルを本州と北海道を結ぶ大動脈としてこれを有効に活用するとともに、懸案の新幹線問題について もこれから前向きで努力してまいる考えでおります。また、全国に比べまして整備水準が低い状態にあります高規格幹線道路網の整備を促進するとともに、拠点となる空港を整備してまいります。また、私は、北海道開発を進める上で人づくりが重要な課題でありますから、高等教育機関の充実を図って、すぐれた人材の育成、確保に努めてまいる必要があると思います。  以上のような考え方に立ちまして、今後我が国の発展に貢献する力強い北海道づくりに努力してまいる所存であります。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 北海道は内地の大都市から遠いし、人口と産業はその規模が小さい上に広大な土地に散在している。加えて不況産業も抱えておられるというところでございます。どうかひとつ北海道の振興に対して御努力いただくよう御期待申し上げます。  次に、沖縄の開発整備も我が国の国土の均衡ある発展という上から極めて重要な課題だと思っております。四全総では沖縄は国際的規模の観光保養地域を目指すことになっておりますが、利用者の増大による水不足やあるいは交通混雑、こういうものに不安が感じられるわけでございます。水資源開発と道路整備の現況と今後の方向といったものについて長官の所見をお承りしたいと思います。

阿部文男自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(阿部文男君) 沖縄における水自情は気象的、地形的条件からも極めて困難な状況にあります。委員も御承知のように、水資源の開発は沖縄の振興開発にとって極めて重要な課題であります。復帰以来、沖縄本島において、昭和六十一年度までに北部に福地ダム等五つのダムを完成させてきましたが、なお水供給の不安定な状況が続いておるのであります。このため、現在、漢那、瑞慶山、羽地の三つのダムの建設を積極的に推進するとともに、将来の水の需給を展望し、本島北西部の河川においてダム等を建設するため北西部河川総合開発事業の調査を鋭意進めているところであります。なお、離島については、ダムの建設、海水の淡水化等多角的な水資源開発を進めております。今後ともこれらの水資源の開発に積極的に取り組んでまいる所存であります。  また、沖縄における陸上交通は専ら道路に依存しており、道路整備が県民生活や産業活動に与える影響は極めて大きいものがあります。復帰後重点的に道路整備の促進を図ってきましたが、依然として全般的に道路網の密度が低く、広幅員道路が少ない等の状況にあり、道路網の整備は引き続き重要な課題であります。このために、第一に、高速交通基盤を形成するために沖縄自動車道と那覇空港を結ぶ那覇空港自動車道の整備。二つ目には、本島中南部を中心とした都市周辺の混雑の緩和を図るために、特に西海岸道路の整備。三つ目には、地方部及び離島の振興を図るため幹線道路の拡幅、生活に密着した市町村道の整備、リゾート開発を支援するための道路の整備、離島の架橋等、以上に重点を置いて道路整備を積極的に推進しておるところであります。     ─────────────

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) この際、石井国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。石井国土庁長官。

石井一自由民主党国土庁長官

○国務大臣(石井一君) 国土庁長官の石井一でございます。  本日は土地基本法及び国土利用計画法の一部改正案の衆議院での審議の最終の日に当たりまして、長い間席を外しまして心よりおわびを申し上げる次第でございます。  おかげをもちまして、両法案につきましては、つい先刻衆議院本会議におきまして御採決をいただき、参議院に送付される運びと相なったわけでございます。皆様方の今日までの御支援、御理解に対しまして心から御礼を申し上げる次第でございます。  なお、一日も早い成立をお願いいたしたいと考えておりますので、今後両法案を参議院におきまして御審議いただくわけでございますが、この点に関しましてもよろしくお願いを申し上げたいと思います。  今後、政府一体となりまして総合的な土地対策をより一層充実し、国民の負託にこたえてまいりたいと念願をいたしております。そのほかにも種々の懸案を抱えておりますが、豊かで住みよい国づくり、地域づくりに向けて誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。  委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。  ありがとうございました。     ─────────────

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 次に、九州地方の整備に関連しまして、ことし発見された佐賀県の吉野ヶ里遺跡についてお尋ねいたします。  この遺跡は県営工業団地の造成予定地内で発見されたものでありまして、古くからの邪馬台国論争に新たな火種を提供し、わずか五カ月の公開期間中に全国から百万人以上の考古学ファンが現地を訪れました。  そこで、文化庁に、吉野ケ里遺跡の考古学的、歴史学上の意義をどのように評価しておられるのかまずお伺いいたします。あわせて、史跡指定の方針についてもお聞かせいただきたいと思います。

大澤幸夫文化庁文化財保護部記念物課長

○説明員(大澤幸夫君) 御説明を申し上げます。  先生ただいま御指摘のとおり、ことしの初めに佐賀県において吉野ケ里遺跡が発見されたわけでございますけれども、吉野ケ里遺跡からは弥生時代の大変大規模な、環濠集落と言われてございますけれども、大変大規模な環濠集落あるいはまた墳丘墓、当時の基制、お基のあり方を示す墳丘墓、そういった遺構とか、あるいはまた、報道もされてございましたが有柄の銅剣を初めといたしまして貴重な遺物が数多く顕出されたわけでございます。これら出土いたしました遺構なり遺物から見まして、この遺跡というのは弥生時代の中期から後期にかけての歴史的な発展過程を示す上で、あるいはまたその当時のいわゆる国のありざまを示すものであって、これまでの発掘調査、ほかの例に比べましても大変重要な意義を有するものであるということで、多くの関係する専門分野の方々から評価がなされていると承知をいたしているところでございます。  こうした状況から、佐賀県におきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、当初計画をいたしてございました開発の区域を大幅に見直しをいたしまして、遺跡の重要部分については積極的に保存するというお考えを示されたところでございます。また、佐賀県の教育委員会といたしましては、ただいま進めてございます周辺部分の発掘調査の成果等を踏まえまして、近い将来国の方へ史跡指定の申請の手順をとる御意向を有しておると聞き及んでいるところではございます。したがいまして、文化庁といたしましても、県からのそういった申請が出てまいりましたならば、文化財保護審議会の方にお諮りをいたしまして、史跡として指定するという点について鋭意検討をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 大変重要な文化財であり民族の遺産、現時点ではちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そういうふうな大事な保存に値すべきものであるだろうというような感触を得たわけでございます。文化庁におかれましても早急な保存にお力をいただきますようお願い申し上げます。  さて、九州は、四全総の中で地域振興の重要な柱として、歴史的文化遺産を活用した観光、保養地づくりを目指すことになっております。まさに吉野ケ里遺跡がその大きな拠点になり得るだろうと私は考えております。今お話がございましたように、吉野ケ里遺跡は、近畿ではこれまで見ることのできなかったような弥生時代の中後期の大環濠集落であります。しかも、そこには宮室、楼観、城柵、邸閣といった当時の倭人の世界をほうふつとさせるものが発掘されておりますし、日本における国の成り立ちの状況を明らかにすることのできる具体的な史料をたくさん持って今に姿を あらわしておるわけでございます。そこで、建設省にこの文化財の活用の問題についてお伺いいたしたいと思います。  吉野ケ里遺跡は、文化財としての単なる保存にとどめることなく、この保存された遺跡を活用して国の成り立ちを後世に広くまた親しみやすく伝えることが重要であろうかと思います。さらに、これを地域活性化なりあるいは九州振興の重要な拠点に活用しようという期待も高まっておるわけでございます。こうした意味で、吉野ケ里遺跡の保存、活用のために周辺地域を含めて公園化すべきではないでしょうか。また、公園化する場合は、文化庁から今お聞きしたようなこの遺跡の重要性にかんがみまして、事業手法としてはロの国営公園として実施していただけないものでしょうか。この点についての建設省の御所見を承りたいと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) お答え申し上げます。  吉野ケ里遺跡につきましては、単に文化財としての史跡の保存にとどまらず、遺跡の有効な保存、活用を図るためには周辺地域を含めまして都市公園として整備を図ることが必要であるというふうに考えているところでございます。  また、御指摘の都市公園法第二条第一項第二号ロに規定する国営公園につきましては、「国家的な記念事業として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため閣議の決定を経て設置」されるものでございますが、吉野ケ里遺跡を当該国営公園として整備することにつきましては、現在遺跡の調査を初め周辺地域を含めまして総合的な整備計画の検討が佐賀県においてなされているというふうに伺っております。これらの結果を踏まえまして、文化庁、佐賀県等関係機関とも御協議の上検討をしてまいりたいと思います。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 よろしく御検討のほどお願いいたしておきます。  次に、地域振興を図り多極分散型国土を形成するためには、これまでの長官からの御所見にもありましたように、高速交通網の整備など基盤整備が必要不可欠でございます。特に一万四千キロメートルの高規格幹線道路の整備が重要と考えておるわけでございますが、現時点では四千六百キロメートルぐらいしか供用されていないということで、これに対する早期整備の声が強いわけでございます。その点についての御所見を承りたいと思います。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 多極分散型国土を形成しまして、また魅力ある地域振興を図るために一万四千キロメートルの高規格幹線道路の早期整備が重要でございます。  この高規格道路の整備は、地方都市あるいは地方と大都市間の交流の活発化を促しまして、沿線地域の産業、観光を発展させ、就業機会の増加、人口の定着等をもたらすなど、地方の振興、活性化に資するものと考えております。このため、昭和六十三年度から発足をいたしました第十次道路整備五カ年計画におきましては、高速自動車国道の年間供用ベースを従来の二百キロメートルの水準から二百五十キロメートルの水準に上げ、さらにまた一般国道の自動車専用道路を早急に年間百キロメートルの供用水準を実現して、合わせて年間三百五十キロメートルと、従来のほぼ二倍に近いスピードで整備をしたいと考えております。このような考えのもとに、第十次道路整備五カ年計画の最終年度の平成四年度までに六千キロ、西暦二〇〇〇年までに約九千キロの供用を図り、二十一世紀初頭までには一万四千キロメートル全線の完成を図る考えでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 これは要望になりますけれども、高規格幹線道路の整備を初めとして都市部、地方部ともに道路のネットワークを整備していくことが今お話にもございましたけれども、これからの活力ある地域社会、均衡のとれた国土の発展に欠かせないわけでございます。しかし、それにつきましてもその財源、いわゆる道路特定財源の確保が大事でございますので、その辺につきましてもひとつぜひ頑張っていただきたいと思います。  それから、時間の関係で治水の問題にちょっと触れさせていただきたいと思います。  毎年全国各地で水害が頻発して、とうとい人命や財産が失われております。このことはまことに遺憾に感ずるわけでございます。また、生活水準の向上とか生産活動の拡大などによりまして水需要が増加し、しばしば水不足に見舞われております。沖縄はことしも水不足の心配をされていると聞いておるわけでございます。このようなことでは真の豊かさを味わうのにはほど遠いものがありますし、また地方の活性化の足を引っ張っておるのも実情でございます。さらに、潤いと安らぎを与える水辺環境の整備や、中枢管理機能が集積した東京のような大都市の重要な河川では、道路で言えば高規格幹線道路というようなものの河川版でしょうが、スーパー堤防の建設というのも大事でございます。  こういった新しい要望にもこたえていただきたいわけでございますが、我が国の自然的な、社会的な条件が非常に厳しいことで、なかなかそういった施設の整備は進まないわけでございます。五カ年計画に基づいての、計画的なというよりも、積極的なこの面での御努力をひとつお願いしたいと思います。特に今の五カ年計画の中には調整費の弾力的運用ということが盛り込まれておるわけでございますが、その辺も使っての治水事業の推進について建設省の御所見をひとつ承りたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○政府委員(近藤徹君) 治水事業の重要性につきましては、先生の今のお言葉を体して今後も前向きに進めてまいりたいと思います。  現在の第七次五カ年計画は、昭和六十二年度を初年度として現在三年度を迎えているわけでございますが、今後、この所期の目的を達成し、計画どおり河川の整備状況の水準を上げていくためになお一層の努力が必要と考えておりまして、先生御指摘のように、五カ年計画の中に計上されております調整費の弾力的充当を図るよう関係機関と折衝してまいりたいと考えております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 大都市での住宅対策についてちょっとお伺いしたいと思います。  近年の大都市地域の地価高騰によりまして東京圏の住宅価格が高くなりました。中堅サラリーマンにとってはマイホームの取得が非常に困難になってしまっております。マンションでも年収入の七倍、一戸建てだと七・五倍もするそうで、とても手の届かない高値であるわけでございます。まじめに努力する者が一生懸命働いても住宅を取得できないとなれば、大きな問題でございます。大都市の住宅問題の解決はまさに差し迫った政治的課題だと考えますが、このような状況に対処するため建設省としてはどのような対策を講じようとしておられるのか、伺わせていただきたいと思います。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) 近年の地価高騰によりまして住宅価格が上昇をいたしまして、大都市の中堅勤労者の住宅取得が困難化していることは先生御指摘のとおりでございます。私どもも住宅政策として大きな問題と認識しておるところでございます。この点に関しましては、昨年の六月に閣議決定いたしました総合土地対策要綱がございますが、これに基づきまして総合的な土地対策、住宅対策を進めております。  住宅対策面につきましては、住宅金融、税制の拡充によります住宅取得の促進でございますとか、公営公団等の公共住宅の供給促進等の住宅供給対策を中心といたしまして積極的に展開をいたしているところでございます。さらに加えまして、大都市地域におきまして住宅宅地供給を強力に推進したい、こういうことから、都県の境界を越えました大都市圏の広域的な住宅宅地の供給方針を策定いたしましたり、あるいは市街化区域内農地、工場跡地、国公有地といった、これから住宅を建設する用地として使えそうな土地につきまして、より有効利用の促進をするためにどういうことをなしたらよいかというようなことを内容といたします新しい大都市の住宅宅地政策を現在建設省を挙げまして検討しているところでございま す。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 最後に大臣にお伺い申し上げたいと思いますが、経済大国日本にふさわしい本当にゆとりのある生活実感が味わえるようにするにはいろいろなことが大事でございますけれども、とりわけ私は住宅・社会資本の整備が必要だろうと思います。今お伺いいたしますと、北海道も九州も沖縄もやはり社会資本・住宅整備については大変熱望しておられるように私は感じておりますが、この点についての御所見をひとつ賜りまして、終わりたいと思います。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 陣内委員御指摘のとおり、内需主導型経済構造への転換、定着を実現することによって豊かさを実感できる国民生活を実現することは、我が国経済の目下の最重要課題であると考えております。その達成には住宅・社会資本の一層の充実が必要でございまして、今後とも我々といたしましては、公共事業の確保、拡大に努め、地域経済社会の均衡ある発展にも留意しつつ、各所管の五カ年計画に基づきまして社会資本整備の着実な推進を図ることが大事だと考えております。同時に、公的住宅供給の推進、税制、金融措置の拡充等によりまして住宅建設の促進にも努めてまいりたいと考えております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 終わります。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 私は、国土庁並びに自治省所管事項につきまして、若干お伺いいたしたいと存じます。  まず最初は、多極分散型国土形成ということの実現についてであります。多極分散型国土形成といい、あるいは国土の均衡のとれた発展といい、全国の地域あるいは国土政策の悲願であるわけでありまして、特に私ども、明治維新をやり日本の近代化をやった土地でありながら、長い間過疎県、貧乏県というと鹿児島県、余りうれしくないところでございますが、それだけに政治の光をこの過疎後進地域に当ててほしい。おまえたちの生まれたところが悪かったから、おまえたちが住んでいるところが悪かったから人並みのこともできないという国土政策であってはいけない。地方ではいわゆる自立自行の努力で、国に頼る前にまず自分たちが地方で何ができるかということでやってきているわけでありますが、なかなか現実は厳しいものがございます。  また、国の国土政策におかれましても、全国総合計画あるいは新全総、三全総、先ほどの四全総と、いずれもやはり東京一極集中を避ける、あるいは大都市からの企業人口の分散を図っていく、こういうことが国土政策の基幹であったはずであります。また、この線に沿いましていろいろのものが皆様方のお力で、若干ずつでありますが成果を上げつつある。しかしながら、どうしてもまだ、特に最近におきましては東京への人口集中、こういったものが逆に進んでおる。ことしの三月の自治省の住民登録人口におきましても、三大都市圏を除く三十九県のうちの実に十七県が人口が前年よりも減っておる。その中の五つの県が九州である。あとは東北であり四国であり山陰である。  こういうことでございますが、これまで四十年近くこういう国土政策の展開を図ってまいりまして、端的に申しまして、これだけ一極集中を避けよう、多極分散をやろう、定住圏をやろう、あるいは均衡のある国土発展をやろう、まことに美しい我々にとっては胸の躍るような言葉でありますが、それがなかなか現実のものにならないという原因はどこにあると国土庁では把握をしておられますか。まずそれをお聞かせください。

石井一自由民主党国土庁長官

○国務大臣(石井一君) 御指摘の問題は、均衡ある国土の発展を目指す国土政策の中でも最重要の問題だと認識をいたしております。また、東京の一極集中というものが大変な病める土地の価格を形成し、そして庶民の手の届かないところへ住宅が行ってしまった、そういう深刻な事態も生じておるわけでございます。  そういう意味で、政府といたしましてはあらゆる施策を推進しておりますけれども、しかし今委員の御指摘のとおり、水は高いところから低いところへ流れるというような状況で、一極集中というものに必ずしも歯どめがかかっておらないということに反省もいたしておるわけでございますが、多極分散型国土の形成を図るために、また四全総を名実ともに実現いたしますために、一つは地域主導の地域づくりということを推進いたしております。竹下内閣のときにスタートいたしましたふるさと創生という問題もその一貫でございまして、今形を変えつつ、自治省を中心に鋭意地域の個性ある地域づくりということに努力をいたしております。また、国土庁におきましても、リゾート法等を策定いたしまして、地域に活性化を与え、二十一世紀の展望を踏まえて、乱開発でなく、秩序あるリゾートの開発というものを進めておる次第でございます。  なお、もう一点、四全総の主軸になっております政策はいわゆる基盤となる交通、情報、通信等の整備という問題でございますが、このことに関しましても、過疎地域の声を伺ってみますと、まずどうしても交通だ、この機関をまず最初に十分考えていただきたいという声が非常に強いわけでございます。最近新幹線網が大分広がってきておるわけでございますし、鹿児島へもいずれという気持ちは持っておるわけでございますが、財政的な制約もあるでしょう。しかし、工業再配置法等の施行後、例えば南東北と申しますか、北関東の周辺には相当の工場が立地するようになりました。また、上越新幹線の影響と申しますか、新潟県におきます工業の張りつき、人口の定着というものも自覚ましいものがございます。  今後、一つは地域の主導的な英知をまとめていただくという施策、同時に政府一体となりまして交通機関等の基盤整備というふうなものを拡充することによりまして、これらの総合的な政策の中に、時間は多少かかるかもわかりませんけれども、東京一点集中を多極分散の方向へひとつ努力してまいりたい、こういう考え方で国土政策を進めてまいりたいと考えております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 大臣から私がお答えをいただきたいと思う点につきましても触れていただいたわけでございますが、大臣はよく鹿児島にもおいでいただきまして、実情を御存じでございますが、実情を知っていただく意味であえて申し上げますと、鹿児島と東京の間が飛行機の運航の距離で千百キロございまして、ここは大体一時間半で飛んでおります。鹿児島は昔から国際化が非常に盛んなところでございまして、今香港に週六便定期便が飛んでおりますが、鹿児島と香港の間は約二千百キロございます。これも大体二時間半から三時間弱で来れる。鹿児島市と熊本市の間が百五十九キロありまして、これが何とJR九州の特急という名の汽車に乗りまして三時間八分かかります。まことにあべこべの話であります。  これは一例として申し上げたわけでありますが、九州は沖縄を含めまして八県ございますが、九州の中でお隣の県に行くのが一番遠い、東京、大阪に行くより遠い、この話をすると皆さんぽかんとした顔をされる。それくらい日本の交通というのは、みんなお江戸へ集まっておりまして、横がないわけです。でありますから、私、九州知事会長をやっておりまして、九州知事会をどこでやるのがいいか、東京でやるのが一番いいというのが皆さんの御意見です。  新幹線の必要性も申し上げたわけでありますが、高速道路網にいたしましても、九州のいわゆる背骨であります九州縦貫道、これは大変なお世話になりまして、ようやく九州縦貫自動車道は博多から出まして鹿児島へ参ります。これも熊本県の八代と人吉の間がようやくこの十二月に開通する。人吉とえびのの間というのはいまだに通らないという状況であります。いわんや横断道、東九州自動車道、西九州自動車道、いずれもこれから手がついていく、これから完成をするという状況でございますので、ただいまいみじくも大臣の方から、四全総、多極分散型国土形成あるいは地方分散というものを阻む原因の一つとして、高速道路網の整備あるいは通信網の整備のお話がございましたが、ぜひこれを国土庁とされましても、関係省庁と一体となられましてリードをしていただき ましてお願いを申し上げます。  次は、過疎問題でございます。  限られた時間でございますので、過疎地域につきましてるる申し上げることはやめますけれども、昭和四十五年に第一次過疎法ができ、昭和五十五年に第二次の過疎法ができました。これが来年の三月で期限が切れようとしております。全国三千三百の市町村の三分の一、千百余りが過疎市町村、こういう状態でございまして、これらの過疎市町村でもまた、先ほど大臣からもお話がございました地域活性化のためのいろいろの事業をやっておりますが、残念ながら大部分の過疎市町村では依然として人が去っていくということでありまして、かつての過疎の進行の時代におきましては、なるほど若い者が出てまいりますけれども、ある程度残っておる者にも若い層がおりまして、社会減を自然増で細々ながらカバーしてきた。ところが、生産年齢人口がだんだん上がってきまして、今日におきましては社会減プラス自然減というまことに深刻な事態になっておりまして、私ども、このままいくとあるいは地域コミュニティーが崩壊するという危険すらもあるんじゃないか、こういう気持ちでございます。  過疎市町村、いずれもまた新しい過疎立法を目指して、これまでの経過が議員立法でございますけれども、その主体となっていただきますのは国土庁であり、自治省でございます。  そのようなことで、この二十年間の過疎対策の成果の反省の上に立って、ここをどうしてもやりたいという点につきまして心強い、力強いお言葉をいただければ大変ありがたい。国土庁長官、自治大臣、それぞれ御所管の中で過疎市町村の人々に力を与えていただけますようなことをおっしゃっていただければ大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

石井一自由民主党国土庁長官

○国務大臣(石井一君) 鎌田委員の仰せのとおり、過去二十年間、過疎に対します対策として議員立法においていろいろの施策を行ってまいりました。そうしてそれはそれなりに、市町村の道路の整備でございますとかコミュニティーの施設あるいは生産基盤やら生活環境の整備等についてかなりの成果を上げたというふうに自負いたしております。現に、人口の減少率というものも著しいときに比べてかなり鈍化しておるというのも最近の傾向ではないかと思いますが、しかしながら反省すべき点も大変多く残っております。例えば東京とか都市部に比べまして若人の人口というのが何か十七年もおくれておるというようなデータも出ておりますし、どうしてもやはり過疎地域が老人だけの社会に変わってきてしまっておる。どうして若人を引き戻すのか、こういうふうな観点に立ちまして、二十年を経た後に過疎法が失効いたしましたときに、新たな角度から、また四全総等にもありますいろいろの精神を踏まえて新しい地域に活性化を与えるという観点からこれに取り組んでいかなければいかぬというふうに認識をいたしております。  そこで、地域の活性化を配慮しつつ、例えば若人の定住を促進するような産業振興、雇用確保のための施策はどこにあるだろうか。お年寄りが生き生きとして暮らしていけるような高齢者関連の施策なり対策をもっとふやしていかなければいけないのではないか。地域の自然等を生かした地域間交流のための施策、それからまた広域的な見地からの事業、さらに加えたいのは都市と農村との対話の中に新しい視点で過疎地域を見直していく。  例えば、私のように都市に生まれて都市に育った人間でございますと、先般の参議院の選挙にほとんど九州を回りましたが、どこへ参りましても自然の美しさというものに大変魅力を感ずるのでございます。お互いがお互いの魅力を持っておりながら、それをそのように感じないというところに問題があるわけでありまして、都市との有機的な結びつきという中から均衡ある発展、過疎対策に対する新しい視点というのがあるんじゃないかと私は思うのでございますけれども、今後新たな過疎対策を関係各方面の御意見を伺いながらまとめていきたい、そういう気持ちでございます。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 今鎌田委員から御指摘があったように、過疎と過密の問題、これは内政上の最大の課題であると思います。  振り返ってみますと、戦後四十五年、我が国の進んできた道はおおむね間違いがなかったと思いますけれども、第一次産業の農林水産業と第二次産業と言われる工業の間に大きな格差ができてしまいました。技術立国、貿易立国、工業立国としてひた走りに道を歩んできて今日のすばらしい豊かさはでき上がったわけでありますけれども、一方、今第一次産業の農業の生産高十兆円というような数字は、工業と比べますと、トヨタ自動車一社の売り上げ七兆円、先般大騒ぎになったパチンコの売り上げ十兆円というようなものと比べますと、農林水産業を長い基盤にしてきた山村地帯の過疎というものは、この中から反省して新しい二十一世紀の地域づくりというものを考えていかなければならない。  百二十年前は幕末、鎌田先生の薩摩と私の郷里の会津などは幕末五強の一つに数えられて、戦争までやったわけです。今自治省の調査を見ますと、先生の鹿児島県も私の郷里の会津もほとんどが過疎の村になってしまっておるのであって、新しく今度各方面で御努力を願って、来年おつくりいただく過疎法はそういった反省に立って、今国土庁長官からもお話がありましたように、産業の地方分散を促進するとか情報化社会をつくり上げていくとか、それから文化と芸術の地方をつくっていくとか、幅広く使われるような考え方に立ってやっていただきたいと私ども熱願し、また自治省としてはこれに対応できるように過疎債の枠の拡大に努力をしてまいりたいと思いますので、大先輩である鎌田先生の御協力を賜りたいと思います。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 ただいま両大臣から御答弁をいただきましてありがとうございました。  この過疎対策は、関係省庁も非常に多いわけでございますが、御指摘になりましたように、過疎地域におきまして支配的でございます農林水産業の生産性を高めていくとか、あるいは一・五次産業等の地域活性化のための産業とかあるいはリゾートとか、いろんなことをやっていかなければいけないわけでございますが、そのような中で、特にこれは要望にとどめておきますが、ふるさと創生事業、これもやはり非常にいいきっかけを与えてくれております。あれを契機にして、自分たちでやはり考えて、国に知恵を出してもらうんじゃなくて、自分たちで知恵を出して頑張ろう、こういう引き金になった意味では非常に大きな効果があったと思いますし、あるいはまた例のふるさと財団の低利融資事業、こういったもの等につきましても非常に皆さんが知恵を出すきっかけになっておりますので、こういった面でのひとつ拡充もあわせまして、財政面におきまするエンカレッジと申しますか、支援、力づける、こういった仕組みというものを今後とも拡充方をお願いを申し上げる次第でございます。  それと、過疎地の皆さん方というのは、お互いに非常に交流をしながら知恵を求め合っておる、いい知恵があればそれをもらいたい、こういうことで非常に熱心でございますので、やはりそういった面での失敗した例、成功した例、そういった事例の情報の交流といったものも必要かと存じます。  与えられました時間があと十分でございます。大変短い時間で恐縮でございますが、次にお伺いいたしたいのが大震火災対策あるいは火山対策でございます。  先般、サンフランシスコでああいった地震がございました。特に私どもはああいった埋立地域での液状化ということの怖さというものを、これは前にも新潟地震等でもあったわけでございますが、サンフランシスコの地震、あるいは国内におきましても、近くは長野県西部地震を初め日本海中部地震とか宮城沖地震とかいろいろの地震の経験がございます。  私が昭和四十八年に消防庁長官をさせていただ いておりましたときは、関東震災五十周年というときでございました。そのときには非常に世上の関心が盛り上がりまして、空から火を消す航空消火艇というものを消防庁の予算につけていただきました。これのテストをやるとか、あるいは地震に耐える防火水槽をつくる、あるいは自主防災組織をつくる、東京都の各区に避難緑地を確保する、こういった一連の措置が行われたわけでございますが、特に南関東地域は直下型の地震の巣であると言われておるわけでございますし、一遍関東震災クラスの地震でも出てまいりますと、その惨害というものはまことに想像を絶するものがあるのではないかと思います。  そういった意味で、かねがね国土庁は防災局を中心とされ、自治省は消防庁を中心とされまして、大震火災対策については用意おさおさ怠りないところであろうと思いますが、サンフランシスコ地震の体験等も通じましてこういったことに今後特に力を入れてもらいたい。消防力の強化等も含めましてひとつお答えをいただければありがたいと思います。

木村仁消防庁長官

○政府委員(木村仁君) 御指摘のように、先日のサンフランシスコ地域の大地震等の経験にかんがみまして、あるいは地域の液状化による建物の倒壊でありますとか、あるいは情報の混乱でありますとか、あるいは交通網の破壊、ライフラインの停止というようないろんな情勢が出てきております。そこで私どもといたしましても、地方公共団体、国を通じて現地調査をいたしまして、それに学んで多くの対策の改善を図ってまいりたいと考えております。  御承知のように、昭和四十年代の最後のころから大規模地震の問題が問題とされてまいりましたので、消防庁におきましても災害対策基本法に基づく地域防災計画の中で、例えば初期消火、延焼拡大の防止、避難誘導、応急救護体制の整備等を促進することを重点といたしまして、特に耐震性貯水槽、可搬式小型動力ポンプ、電源車等の特殊車両及び備蓄倉庫等の整備について補助を行う等、鋭意対策の整備に努めてきたところでございます。また、活動火山対策につきましても、昭和四十八年度以降、活動火山対策特別措置法に基づきまして、退避壕、退避舎、ヘリコプター着陸広場等の整備について補助等を含め、年々その整備に努めてまいりました。  全体としては、各地域においてこういった大震火災対策あるいは活動火山対策の準備が整備されてきたことと考えております。しかしながら、御指摘のように、南関東地域におきましては直下型地震がいつ起こるかわからないという情勢にあり、また東海地震もこれまたいつ起こってもおかしくないという情勢にある。さらに、最近では伊東沖の群発地震あるいは海中火山の爆発、あるいは桜島、阿蘇山等の活動の活発化等、さらに注意して対策を講じておかなければならない事態が進展しつつありますので、御指摘の諸点に十分な注意を払って、対策万般怠りないようにいたしてまいりたいと考えております。

石井一自由民主党国土庁長官

○国務大臣(石井一君) 地震多発国と申しますか、地震先進国という認識のもとに、従来から我が国におきましては、建築物、土木構造物、橋梁等をつくる場合に、常に耐震構造というふうなことを配慮いたしてまいっております。今回のロマプリータのマグニチュード七・一という地震が今東京で起こった場合に、どのような結果が想定としてできるだろうかということを国土庁でも研究をいたしたわけでございますが、我々がテレビで見ましたような、高速道路が崩壊したりというふうな状況は、これまで構造物の建築の過程において十分な注意をしておるので、あれだけの被害はなかったであろうと専門家はそのように申しておるのも事実でございます。  しかしながら、委員御指摘になりました液状化の問題、たくさんの埋立地がございますので、この問題は新しく問題を点検しなければいかぬと思いますし、ライフラインの障害でありますとか高速道路網等に関しましても再度の点検を、防災を担当しております立場としては見ていかなければいかぬのではないかというふうに思っております。  実は、今回のサンフランシスコの地震が国民の間では大変大きな注目度を集めまして、これまで四〇%程度の世論の地震に対する注目度が一挙に八〇%になったというふうな報道もございます。  それからまた、調査団を送るに当たりましても、実は昨日十六名から成る最も高度の専門家、しかもアメリカ側が特に要求を具体的にしました専門家を、十四機関からより抜きの技術者を送りまして、ともにこの厳しい試練を今後の教訓にしたいということで取り組んでおります。そのことによりまして日米の協力の実も実ると思いますし、今後の我が国の防災対策に資してまいりたい、そう考えております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 時間が追ってまいりましたので、あと要望にとどめたいと存じます。  我が国は地震国であり、地球上の火山の一割が日本にあるという災害国でございますだけに、国民がいかに経済的繁栄を満喫しましても、一遍災害が起こればすべてパアでありまして、結局もとのもくあみに返るわけでございますので、災害対策というものにつきましてはいやが上にも万全を期してまいらなければならない。特に、住民の皆さん方に情報を的確に与えると同時に、いかに安全に避難誘導をして生命を守ってあげるかということが大事であろうと思うわけでございまして、そういう意味でのやはり防災避難体制、これの充実に力を尽くしていただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。  大蔵省はとかくいつ来るかわからぬ地震のために予算はつけない。私も大変役人のときにそういうことで苦労いたしましたけれども、やはり来たらおしまいでございまして、そういう意味での消防力、防災体制の充実を含めまして、万全の体制を図ることが何よりも国民の福祉の基本であると存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  以上で終わります。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 何はともあれ、日々これ防災、防火、人命救助に尽力されまする大臣並びに諸官庁の皆様、まことに心よりその努力に対して敬意を表します。  はたまた、過日、川崎市におきましては、人の命を助けるがために夜中にもかかわらず救助に向かわれた方々がお亡くなりになられました。心から哀悼の意を表するものであります。とともに、後に残されましたる幼児が数多くいらっしゃると存じます。どうか今後とも御家族に遺漏のなきように御配慮を特に要望するものでございます。  私は、現場にこそ知恵があり、現場にこそその開かれる道あり、こういうふうな考えを一にいたしておりました。  実は、十月十八日のサンフランシスコ大地震のとき、午後三時三十四分、救命救急センターの日本医科大に山本助教授をお訪ねいたしまして、その現場を踏まえてまいりました。その中におきましては、たまたま一歳と二カ月の幼児がトラックのドアに激突いたしまして、レベル三〇〇、御存じでしょうな、消防庁は、DOA患者という立場におきまして担ぎ込まれました。医師団が六名、看護婦八名、太ももに即刻にメスを入れまして静脈、動脈を引っ張り出しました。余りにも幼いために普通の血管では及びがつかないわけでございます。よって緊急処置でございます。静脈、動脈を目の前で切り開いて、それを引き出して、輸血はするわ、心肺が停止しておるものですから。こういうふうな中で、冷静に対処しているんです。その山本助教授が表に出られまして、母なる人に、今心臓がとまったんです。大臣、そのときの子を持つ母の心からなる叫び、私ここで耳から離れません。また、そんな同じ声も出ません。  その母の心からなる叫びの中に今日の行政の谷間となる救急、救命、この問題に、私はこれより本会議あるいはまた予算委員会、あるいは大臣と直接、ありとあらゆる中で、六年間おのれの命をかけてこれに終始一貫取り組みたい、そういう決意でおるわけでございます。  またあるいは、その現場でございます第十七回日本救急医学会救急隊員部会学術総会にも参加いたしました。第一線に立つ救急隊員の声をこの耳に、多くの方の時には憤りにも似たような言葉をこの胸に抱き締めております。あるいはまた、それのみならず一般の方々、先ほどおっしゃいました地震だとか災害が起きるという恐怖心を持っていらっしゃいます。そして、報道関係におきましては非常な広範囲の中で報道しております。中でも、もう執念と思われるのは、三月からこの八カ月間、フジテレビにおいては「スーパータイム」、その中ではこの問題を一挙についていらっしゃる。大きく国民の皆さんの関心を惹起されたこのことの運動を大きく展開されることを心より期待するわけでございます。  その上に立ちまして簡潔に御質問を進めさせていただきます。  六十三年度の皆さんからいたださました資料によりますと約二百五十万回出動していらっしゃいます、救急車が。運ばれた方が二百六十万名。一日平均六千九百八十件。大臣、一二・四秒でサイレンが鳴っておるわけです、どこかの街角、どこかの村で。一二・四秒に一回救急車が人命救助のために走っておるわけであります。その中での構成比率を聞いてやってください。急病といたしまして四九・五%、百二十六万一千二百九十三件。交通事故、構成比率二三・三%、五十九万四千百二十四件。これはもう重傷あり軽傷ありいろいろ雑多でございます。  しかしながら、この中で見落としてはなりませんのは、満六十歳より以上の高齢の人たちが何と約三〇%含まれておるということであります。これは裏を返せば一人きりの方もいらっしゃいましょう。この老人という方は昔かたぎなものですから、売薬売薬で済まして、もう病気が重いのに辛抱して辛抱して、嫁さんや家族に心配をかけまいと辛抱します。そういうような経過もあるやに聞かされております。いずれにいたしましても、高齢化社会がここにひとつ時代から私たちは挑戦を受けているんじゃないでしょうか。この実態というものがここに鮮明としてあるわけでございます。  そしてまた、いま一つ大きく見逃してはなりませんのは、ゼロ歳及び乳幼児、この方々のパーセンテージが一〇%です。大臣、もう少し深い検討を消防白書は訴えておるのであります。何か。今日まで薬物は農村型でございましたけれども、この薬物が都市型になってきております。これはきょうの機会には使いません。全国の三百の事例、次の予算委員会でやります。全部ここに病院に担ぎ込まれた症状から、どんなものでどうあるか。この中のほとんどがゼロ歳児なんです。これは家庭における殺虫剤だとかあるいは防虫剤、あるいは中には間違って母親が仕掛けたゴキブリだんごを食っちゃって泡食ってDOA患者で運ばれることは多々ございます。  こういうふうな関係の中から質問をさせていただきたいのは、ちなみに今日までよく消防庁の方からこれは提示されます、言うならパラメディックの資格制度の導入の件でございます。アメリカへ消防庁の方が行かれてお調べになったそうであります。救急というのは第一報、それから搬送、それから医療、どれ一つ外しても助かる命も助からない。こんな搬送という問題、この中で少なくともお医者さんですら初見の第一報が物すごく、これから起こり得るその人の大きな事故の比率、あるいはそれに対することが大事だ。よって、日本においては五%だ。アメリカへ行くと何と二五%。  ちなみに例を裏づけて調査をいたしました。アメリカのデータを三市だけでありますが取り寄せて調べました。パラメディックが病院に運ぶ間の平均搬送時間。日本では消防庁がもう一生懸命になっていらっしゃる。尽力はわかります。五分以内ということを目標にしていらっしゃいます。ところがアメリカでは二十四分三十秒です。なぜか。発見したところでパラメディックで処置ができるからであります、日本みたいに忙しくピーポーピーポー鳴らして病院へは行かぬでも。高速は通らぬというのです。普通の道で結構だと。  こういうふうな状況の差異という中においても、これは非常に大事な制度導入を考えていただかなきゃいけない。すべての市町村もそれは一生懸命なんです。ところが消防庁さんの方は懇談会をやっていらっしゃる、パラメディック。ところが厚生省へいきますと、救急医療に対しては十年前に懇談会ありましたけれども、その十年間何にもないんです。研究はしていらっしゃいますよ、御尽力は。しかし、医師会、医師法第十七条とかいろいろ難しい越えねばならぬ問題ございます。人命に関することだ。避けがたい社会問題として今回おやりになった懇談会、これはドクターカーのような感じを受けざるを得ません、パラメディックのパの字の一字もございませんから。ここに書類ございます。全部あります。こういうふうな差異ある状況になっておる。  まずこの辺のところからパラメディック導入に関する御所見をお伺いしたい。六年間その一言一句を私は聞き取って、それに対してまた研究して、一生懸命になって提案いたします。どうぞ。

木村仁消防庁長官

○政府委員(木村仁君) 御指摘のことは、いわゆる救命率の向上を図りますために患者、傷病者を医療機関に搬送するまでの間の応急措置、いわゆるプレホスピタルケアを充実していく必要があるということであろうと存じます。その方法としてドクターカーの採用、救急隊員の行う応急措置の範囲の拡大、そしてさらに進んでパラメディックの配置というような幾つかの段階があろうかと思います。  このドクターカーの採用につきましては、ただいま御指摘がございましたように、研究会を設けて検討をいたしたのでございますが、専門医の確保が非常に困難であって、全国一律にこれを展開することには問題がある、そういうことで、むしろ現段階では救急隊員の行う応急措置の範囲を拡大していくような努力をすべきではないかという一応の結論に達しております。そこで、消防庁といたしましては、現在までのところ、救急業務に従事する職員に対して百三十五時間の研修時間を必須として義務づけているわけでございますが、さらに救急隊長に対する高度な専門的知識を修得させる特別の研修あるいは教育カリキュラムのあり方について検討を進めていく等、救急隊員の資質向上を図るための諸施策に力を入れているところでございます。  御指摘のパラメディック制度につきましても、さらに研究を進めてまいりたいと考えておりますが、当面はパラメディック制度の採用ということ、なかなかいろいろ問題がございますので、研究を重ねながら、事態におくれないように応急措置の範囲をできるだけ広げていくという努力を続けてまいりたいと考えているわけでございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 もう一度お尋ねいたします。  素朴に申し上げます。外国で可能な処置がなぜ日本ではできないのか。日本の一般の庶民の皆さん、そんな法規とか制度とか、医師法わかりゃしませんのですわ。それなら消防庁長官、全国回って、そう言って地域住民の不満に対して答えますか。袋だたきになりますよ、失礼でございますが。なぜ外国でできておるのに、フランスでもある、ソ連でも現実やっている。イギリスを調べますと、ちょいとそこへ薬をもらいに行くおじいちゃん、おばあちゃんの車さえ走っておるんです。よろしゅうございますか。人の命のとうとさは、午前中の大臣の明言ございました。一人の命は地球より重い。人の命にかかわっているんです。この辺のところが一般の方々からしますと、厚生省とか消防庁とか、もうちょっと仲ようできぬのかと。議論する場所がないじゃないかと。  私は、ここでもう大臣の英断によってしかるべき諮問をしてもらいたい。あっちゃの懇談会、こっちゃの四畳半でごちょごちょ、四畳半というのは失礼でございますけれども、そういうようなところでおやりになる段階はもう私は過ぎていると切実にお訴えをせねばならぬ。こういうような感じでおりますること、改めて別な角度から予算委 員会で事例を挙げて反論し、また御要請を申し上げます。  それはそれといたしまして、先ほど少し答弁の中で漏れましたけれども、高齢の方、ひとり暮らし、それからゼロ歳児の方々、こういう方々に対して――労働基準法を知っております。全部調べました。国家公務員、地方公務員、知っております。婦人警官さんは認められても、消防庁で、そんな隊員の中へ女性なんてそれはできません。そんなもの、十階以上、ストレッチャー担いで体力持ちませんやないか。こういうことをわかりながらも、あの短時間の中で手を握ってあげるなり、子を持つ母が、ゼロ歳児がいろんな部屋の中で倒れたときに安心が欲しいんです。そんな難しいことを抜きにしても安心が欲しい。女性の方が幼い子の手を握って、大丈夫だよ、大丈夫だよという声一つ、日本の行政は目の見える行政としてかけてやることはできないんでしょうか。もう少し温かい、血の中にしぶきとして温かさのある、行政の長として、大変なことではございましょうけれども、いま一度お尋ねします。女子隊員の養成並びにこの辺の糸口というものがあり得ないかどうか、難しさを、法的なことを知った上でお尋ねいたします。お願いします。

木村仁消防庁長官

○政府委員(木村仁君) 救急業務の中で、お年寄りとかあるいは幼児が搬送されますときに、男性よりは女性の方がかゆいところに心の配れるさめ細かな対応が可能になるであろうということは私どもも十分に承知をいたしております。もちろん男性の救急隊員も温かい気持ちでやっておることは間違いないのでございますが、その点御指摘のとおりであろうと思います。  現在、十三万人余の消防職員の中の女性消防吏員は約六百名でございまして、この数字さえがまだ非常に小さな数字でございます。さらに、委員十分御承知のとおり、深夜の勤務がまだ認められていないとか、あるいは仮眠室等の消防自体の施設、設備等が十分でないとか、また救急業務にかなりな力作業等が加わるために、できれば乗員みんなが力持ちの方がいいとかいろいろな事情がございまして、メリットは十分わかりながら現在の時点ではまだ女子が救急業務には参加していないということでございます。  私どもといたしましては、御指摘のとおりの需要もございますので、ともかく現在のいろんな制約の枠の中で各消防本部の実情等を勘案しながら検討していく必要があるというふうに認識をいたしております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 くどいようでございますが、もう一度申し上げます。  なぜこんなデータまで仰々しく広げてお見せしたか。ゼロ歳児という方はほとんど夜は寝ておるんです。夜歩き回る元気な子ってそうないんです。起きる時刻を今調査させております、何時ごろ起こしてどんな状況であったか。このデータに基づいて、裏づけ。ほとんど昼間であることは予想されるというアンサーをいただいております。でございましたら、一遍すぐに、きょう言ってあすなんて私言っておるんじゃございません。当然女子の養成をして、一日も早からんことの上において、少なくともこういう人、おじいちゃん、おばあちゃんということ、こういうふうなところに少しは突破口というものを、英断を――検討というたら大体十五ラウンドぐらい検討検討と聞かされて何もないんです。大臣、済みません、突然でございます、通告してございませんが、大臣のお気持ちを今の点についてお聞かせ願えませんでしょうか。申しわけございません。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 常松先生の人間愛にあふれた、また人の命を大事にする大変熱心な御質問、ただいままで拝聴してまいりました。  実は、私も自治大臣に就任して東京消防庁に救命の視察に行ったときに、そこで消防隊の皆さん方が、ここまではやれる、しかしここから先は医師法に触れるのでやれないというような説明を聞きまして、なかなか行政というものの難しさを痛感いたしました。応急処置が一分間おくれることによって命を失ってしまう、あるいは一分間早いためにその後長い生命が残されるというふうな問題もございますし、また今お話しの思いやりというか、人間性にあふれた、最後の最後まで人間としての温かい愛に包まれた行政というものを考えますと、女子隊員の問題等も耳を傾けなければならない問題であると存じます。  ただ、おしかりを受けるかもしれませんが、行政というものはその中で整合性というものがどうしても必要であります。したがって、これらの問題については消防庁だけで決めるわけにもまいりません。厚生省とも話し合いをしなければなりません。私もかつて厚生大臣等も経験しておりますので、ただいま初めてお聞きしたお話でございますので、先生のお気持ちを大事に大事に頭に入れながら勉強させていただきたいと思います。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 それでは次は角度を変えまして申し上げます。  第二番目は、救急救命センターで働いていらっしゃるすごいハードなことでございます。一般は三時間待って三分診療と言われますけれども、ここはそうじゃございません。三分で勝負して三時間が命がけ。そこのセンターへ行きますと、五班に分かれたことが、中には一番きついときは四十八時間メスを持ったままです。それが私たちの仕事ですと。感動しました。しかし、どうかひとつ国家的な見地の立場から要請を力ある自治大臣にお伝え願いたい、こう承ったことがございます。  なぜかといいますと、脳外科、麻酔科、内科、小児科、いろんな部門から熱意あるお医者さんは集まるんですが、帰ったときに、せっかく学んだ場所が医学というシステムの中で認められない。言うなら救急科という看板を書いてもだれも来やせぬと。ここに一つの大きな私は難しさがあると思うんです。耳鼻咽喉科にすれば、耳とのどと分けるという騒動も聞かされました。政審会長の坂口は医学博士、その間の事情は全部通暁いたしたつもりでございまするが、大学校の中において、所管はこれは文部省だと思いますが、救急科という科、このものが設置をされないことには、またせっかくためた財産が途中でさびてしまう、こういうふうな問題提起を実は受けて、私もなるほどと同意をしてきておるわけでございます。この大学の医学という制度の中で救急科。  あわせてもう一つ申し上げておきますけれども、国土庁長官お帰りになりましたから私も言いやすくて言わしていただきます。災害医療については私、心から憤りを持って次の委員会で国土庁長官に申し上げることがあります。  まず一つは、災害医療という講座は大学に一つもないんです。ところが、地震が起こるでしょう、起こるということを確信しておっしゃる。起こったときに電車はとまる、電気はとまる、何はとまる。災害医療という問題、この問題に通暁しているのはどこにいらっしゃるのかと。これは大臣ではありません。文部省に来ていただいております。その救急科設置。中でも申し上げておきます。東大に救急料というものができなければ断じてだめだそうでございます。あわせてお答え願いたいと思います。

小林敬治文部省高等教育局医学教育課長

○説明員(小林敬治君) お答えをいたします。  まず救急科の件でございますが、現在私ども、東京大学に救急医学の講座を設置すべく概算要求中でございます。ただいま先生から御指摘がございました点でございますが、大学の中で講座と救急科と人材を必要とするという点では、ほとんど選ぶところはないかと思います。  なぜ救急部はかなり大学の中にあるのに救急の講座がないかという点でございますが、これまで医学界の基本的な考え方として、長年にわたりまして、救急というのはほとんどあらゆる診療科に関連がある。先ほど先生御自身がおっしゃられましたが、さまざまな救急のパターンがあるわけで、これを一人の教授なり助教授なりという方がすべてを修めて、教育をし、研究をし、さらに実際の診療にタッチをするというのはなかなか難しい、こういうふうな考え方で、救急部の設置は急いでも救急の講座はなかなか大学自身がちゅうちょをしてきた、こういうふうな現状にあるわけでございます。  私どももそういう考え方に実はとらわれておったわけでありますが、今後の社会を見ましたときに、救急医学というものをこれから巣立っていく若い医学生の卵の方たち全員にかなりの程度まで教えたい、こういうふうなことからいたしますとやはり講座が必要だ。講座がどんどんとできてまいりますと、そこに教授やら助教授やらが当然必要になってまいりますので、そこでそういう専門家を育てる必要も出てくる、こういうふうに考えておるような次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 いろいろ言い回し、本当に大学講座を聞いているような感じで聞いておりますけれども、結論的に言ってつくらへんというんですか。

小林敬治文部省高等教育局医学教育課長

○説明員(小林敬治君) 現在の時点では、私ども救急部という実際の救急を担当するセクション、そこではもちろん教育の役割も機能も持っておるわけです、大学でございますので。それから、講座という形での教育を中心とした組織というものを中心に考えておるような次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 では立場を変えて申し上げます。えらい食らいついて済みませんですね。二十一世紀の高齢化、あるいはまた今後文化が発達すればするほど、都市が過密化すればするほどいろんな病気あるいは救急的なものが派生してくる状態の中で、文部省及び厚生省としては救急科という設置に対しては必要であろうと。医学の話は別ですよ。そちらとして認められるようなお考えはあり得るんですか、大学というとあかんとおっしゃるんですから。

小林敬治文部省高等教育局医学教育課長

○説明員(小林敬治君) ちょっとあるいは誤解をされている点があるかと思いますが、大学におきます講座と、それから診療科、中央診療施設というものの性格について若干申し上げますと、講座というのは言うまでもなく教育研究を中心にするところでございますが、診療科というのは、例えば内科とか外科とかそういうふうな縦割りになっておるわけでございます。診療施設である救急部というのはそれをいわば横割りにしたような施設になっておりまして、各診療科から常に協力を得られるという体制をとっておりますので、そういう性格上の違いがありますので、救急部という形でこれまで措置してまいりましたし、今後ともあと若干の新設校につきましては急いでそれをつくりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 じゃ方向を変えまして、私自身はいずれにしても今後とも救急料設置への必要性を訴え続けてまいります。  なお、もう一点、先ほどちらっと申し上げましたけれども、災害医学の講座をお持ちの国立大学はどことどことどこにあるんでしょうか。

小林敬治文部省高等教育局医学教育課長

○説明員(小林敬治君) 国公私立を通じまして、災害医学という名称を持った講座は全くございません。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 といたしましたならば、この必要性の論議は全然ないのでございましょうか。

小林敬治文部省高等教育局医学教育課長

○説明員(小林敬治君) 災害医学という概念がどういうものかということでございますが、例えば普通に災害といいますと大きな自然災害のようなことを想定をいたします。その場合に救急医学がタッチをしなきゃならないのはベースとして当然でございますが、そのほかに都市構造だとか人の流れ、あるいはそうした自然災害時における社会的な人の動き、こういった非常に学際的と申しましょうか、多面的な研究教育の場ということに理解させていただきますと、これを一人の人間が教授なり助教授なりという形で担当するというのは大変難しいんじゃないか、こんなふうに考えておる次第でございます。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 じゃ一つの事例だけ申し上げて、次に大臣の方にお願いいたします。  アメリカの大地震のときに、現場で大腿部を切断いたしました、そしてその一命を助けたという事例がございます。彼はこれを称して、災害医療及び医学というような方面で、もはや既に論じられてきておるわけです。なぜかならば、サンフランシスコの地震は既に三十年以内に大地震が起こるといたしました。その辺のところは負傷者一万二千から二万名起こるであろう。それに対して、どこのベッド数をどうあげる、医者はどうする、ヘリコプターはどうする、いろんな角度の模様図は既にできております。その一環として、今回外務省と一緒に行かれました日本の救急医療のお医者さんが、アメリカと日本の制度を比べたら、アメリカではお手伝いすべきものはない。ないほど完備はしておる。それに反して日本はと憂いを持たれる御意見もあったわけでございます。後ほどまたそれをいろんな角度でお話しいたします。  今度は大臣でございます、もう時間がございませんので。  こういうような一連の、今お聞きいただきましたように、今厚生省ではスーパー救急救命というようなことで論議を物すごく研究熱心にやっていただいている。これは大臣が、こういうふうに時代に合わせよう、厚生大臣のときに御指令あったそうで、これは私も感銘して全文読ましていただきました。ところが、今縦割り的な行政がいろいろ多岐にわたっておりまして、これを何か一本化したところといいますか、そこで救急科の、救急科と申しますか、救急医学に命をかけていらっしゃる方々、あるいはパラメディックであろうとドクターカーであろうと、どうあろうとも、一日も早からんそういうふうな人たちの働き、研修の場所を全体のものとして救急中央センターと申しましょうか、こういうふうなものがここに厳然と措置されることが全国の救急隊員のまた士気の大きな鼓舞がそこにできるものである。  あえて私は病院とは申しません。医療もそうであるとしても、病院というと警察だ病院、消防というと消防署の職員だけに面倒見てもらうのかと錯覚を起きますから、そんなものではなくして、もっと大きな、きょう論議していただきましたこれをあわせて大臣の方から御示唆をちょうだいできればと、かように存じます。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 大変貴重な御意見を賜りました。私、不勉強で救急医学料あるいは災害医学料というものがないということもきょう初めて知ったわけでありますけれども、国会には幸いに常松学科がございますから、先生の御意見よくきょうお聞きいたしましたので、救急医療体制全体との整合性の中で先生のお気持ちを反映することのできるような工夫をしてみたいと思っております。

常松克安公明党・国民会議

○常松克安君 あと一分でございます。  私は地行の委員でございます。そこに新しく大臣が赴任されました。渡部先生です。即刻これを熟読させていただきました。私、委員である限り座右の銘として、この中から新しい政治はどうあるべきかつかんでいきたい、こういうような決意です。  この中でこうおっしゃっています。「コウゾウ、世の中の役に立てる人間になれ、他人のために涙を流せる男になれ、人様のために働ける人間になれ、思いやりのある人間になれ」、お母様のお言葉でございました。どうか外を見てください。曇り空。しかし大臣、この雲の上には太陽が輝いております、厳然と。どうかその太陽の光を温かく、命あっての物種ということはもう忘れてもいい時代なんでしょうか。どうかひとつ政治家渡部恒三大先生に一層の奮起を、救命医学に対する御支援をお願いしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

諫山博日本共産党

○諫山博君 横浜市の坂本堤弁護士が家族ぐるみに行方不明になっています。神奈川県警が公開捜査に踏み切ったと報道されています。坂本弁護士の所属している横浜法律事務所では、あれは失踪ではなくて拉致だという言い方をしています。  この事件の捜査状況を報告してください。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) お尋ねの事案につきましては、横浜市の磯子区に居住されております坂本さんという弁護士の方、それから妻と長男の一家三名の方が所在不明になっているという届け出が、十一月七日の日に、この弁護士さんの母親それから所属されております弁護士会の方から届け出がなされたわけでございます。  警察におきまして事情を聞くとともに、その後いろいろ捜査しました結果、自宅の新聞受けには十一月四日付以降の新聞が入っておるということ、その他状況をいろいろ捜査しました結果、十一月三日の夜から所在不明になっているのではないかということがわかったわけでございます。また、自宅の室内の状況から判断いたしまして、通常の外出あるいは家出等とはちょっと考えにくい不自然な状況であるというふうなことから、現在神奈川県警におきまして約百名の態勢によりまして所要の捜査を行っているところでございます。  これまでの捜査では、この弁護士の方が犯罪に巻き込まれていると直接認められるような材料はまだ入手に至っておりませんけれども、小さい子供さんを連れて御夫婦で家出をされるというふうな理由もないようでございまして、何らかの犯罪に巻き込まれた可能性も考えられるということで、先般十五日の日に公開捜査をいたしまして、聞き込み捜査や手配捜査など所要の捜査を現在推進しているところでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 坂本弁護士は、新興宗教団体のオウム真理教に入信した青少年の家族でつくっている被害者の会に協力をして、親の依願を受けて同教団との交渉の窓口役に当たっていた人です。坂本弁護士の自宅の周辺で坂本弁護士を批難するビラがまかれたこともあったそうです。自宅には血痕とともにオウム真理数のバッジが落ちていたとも報道されています。  この事件の背後関係をどのように見ていますか。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 現在所在不明となっております弁護士さんが、ただいまお話のございましたような宗教団体との交渉等の弁護活動をなさっておられたということは、警察の方でも承知をしているところでございますが、現時点では、そのことが今回の所在不明になられたということと関係があるのかあるいはないのかということについてはまだ判明していないところでございます。いずれにいたしましても、そういう点も含めまして幅広くいろんなことを考慮しながら捜査を行っているという状況でございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 オウム真理教というのは週刊誌などでも取り上げられたことがありますけれども、どういう団体ですか。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 一部の週刊誌に報道がなされていることは承知しておりますけれども、それがどのような団体かということにつきまして、私の方から現時点でお答えする立場にはないということを御了承いただきたいと存じます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 この事件は大きな組織的な背景のある事件ではなかろうかと一般に言われております。神奈川県警が公開捜査に踏み切ったそうですけれども、もっと広い範囲の広域捜査を行うべきではないかと思いますけれども、どうでしょうか。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 公開捜査を行っておるということは当然のことでございますが全国の警察にもこの家族の方の写真等の手配をやっておるわけでございますし、また全国の警察からこれに関連する情報等の入手にも努めるということで捜査を行っておるわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 公安委員長に要請します。  人権を守って活動している弁護士が、家族ぐるみで行方不明になる、犯罪の疑いが非常に濃いというのがこの事件です。坂本弁護士の所属している法律事務所では、各党に調査の協力をお願いしたいと言っております。日弁連も弁護士会として調査したいと言っております。こういう事件がいつまでたっても処理できないというのは、人権擁護上から見ても治安維持から見ても非常に重大です。この点について、早期に被害者の保護と事件の速やかな解決を要望したいと思いますけれども、そういう立場で警察を指導していただけましょうか。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 言うまでもありません。人間の命、これほどとうといものはないというのは幾たびか私がこの委員会でも答弁させていただいておるところでありますし、警察は国民の皆さん方の平和な、安全な暮らしを守っていく役所でありますから、ただいま刑事局長からも答弁があったように、今後努力していくものと存じております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 資料を配付してください。    〔資料配付〕

諫山博日本共産党

○諫山博君 いわゆるパチンコ疑惑というのは、自民党から国会に持ち出されました。衆議院では集中審議が行われましたけれども、参議院では集中審議は行われませんでした。国会での審議の内容について国民は非常に大きな不満を持っています。こういうことでうやむやにされてはいかぬというのが世論だと思います。  私はこの問題をいろいろ調査しましたけれども、パチンコ業界と政治家の癒着というのは、公表されているものに比べて非常に広範だというのが結論です。例えば、自民党、社会党、公明党、民社党、社民連、各党がパチンコ疑惑の調査結果を発表しました。私は、それを踏まえながら各都道府県公報の選挙運動に関する収支報告書を詳細に調査しました。過去十年間だけ調べてみましても、今お配りのとおりの政治献金が発見されました。整理しますと、パチンコ業界から献金を受けた政治家は、各政党が公表した以外、全遊連リストに載っている以外、一般のマスコミにも報道されていないもの、それが自民党三十七名、新自由クラブ三名、民社党四名、無所属一名、合計四十五名です。繰り返しますけれども、これは県公報には載っておりますけれども、世間一般では知られていない内容です。  この一部について私は自治省に調査を求めました。例えば、昭和五十四年の衆議院選挙のときに中曽根康弘氏が、群馬県遊技業協同組合から百万円を受け取った、こういう記載が群馬県報に書いてありますか調査してもらったら、書いてあるという回答が得られました。昭和六十一年の衆議院選挙のときに宇野宗佑氏が、滋賀県遊技業協同組合から五十万円の金を受け取ったという記載が滋賀県公報に出ていますかと聞きましたら、間違いないという回答です。昭和六十一年の参議院選挙時に中西一郎氏が、兵庫県遊技業組合連合会から百万円の献金を受けた、こういう記載が兵庫県公報にありますかと聞いたところが、間違いありません、こういう回答を得ましたけれども、自治省間違いありませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 間違いございません。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私は、もう一々繰り返すことはないと思いますけれども、こういうふうに県公報に明らかに名前が出ている人たちが、今申し上げましたように四十五名。これは党の発表にも出ていないし、世間一般からはそういうことはなかったと思われているのではなかろうかと思うんです。この新しい献金リストを見て、私は二つのことを指摘します。  第一は、パチンコ業界と政治家の癒着が非常に長期間で広範にわたっていたということです。もう一つは、自民党とか民社党は党の調査の結果を発表しましたけれども、これはまあでたらめと言っていいのではなかろうか。党としての自浄能力はあるのかということを私は疑いました。  そこで、外国人団体からの政治献金、これも調査しましたけれども、既に明らかにされている以外で、自民党五名、社会党一名、民社党二名、合計八名です。この点についても、三名の人について自治省に調査を要求いたしました。その調査の結果は、電話では回答いただけましたけれども、例えば昭和五十四年の衆議院選挙のときに天野公義氏が、在日本大韓民国居留民団東京荒川支部から三万円を受け取った。同じく天野公義氏が荒川韓国人商工会から五万円の献金を受けた。こういうことが東京都公報に記載されています。昭和五十五年の参議院選挙のときに名尾良孝氏が、在日本韓国居留民団埼玉地方本部から三十万円の献金を受けた旨が埼玉県公報に記載されています。昭和五十八年の参議院選挙のときに小林優氏が、在日朝鮮人福井県総連合会から二十万円の献金を受けたということが福井県公報に書かれています。 この事実は間違いありませんか。自治省どうですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) ただいまお示しになりました点について関係都県に照会いたしましたところ、そういう記載があるという回答をいただいております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 パチンコ疑惑では、外国人団体から政治献金を受けた政治家、これが政治家の名前が特定された。献金をした外国人団体の名前も特定して明らかにされた。そして今まで明らかになっただけでも、さらにきょうの調査を加えますと、朝鮮総連等から社会党四名、自民党一名、民団などから自民党八名、民社党六名、新自由クラブ一名、合計二十名です。外国人団体から政治献金を受けてはならないということは我々政治家の常識です。外国人団体から政治献金を受け取れば我が国の主権、政治の自主性が侵される、こういう立場で政治資金規正法でもこのことを禁止しています。  ところが、これは県の公報にちゃんと記載されているわけです。県の公報に記載されて、これほど事実が明確になっているのに、刑事捜査がされたのかどうかさっぱりわかりません。この点について警察庁の方から説明してください。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) 警察としては、御指摘のような事実を掌握していなかったものというふうに承知しております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 個人の手帳に記載されているとかそういうものだったら事実を掌握してないで通用すると思いますけれども、県公報ですよ。その点では、この問題を本気に取り上げる姿勢が警察にないのではないかと思います。  そこで、十月三十一日の衆議院予算委員会で自民党の山崎拓議員が、政府資料に、朝鮮総連が社会党の政治家に八百九十万円の献金をしたと書かれているが事実はどうか、こういう質問をしております。それに対して渡部国家公安委員長は、「警察当局においても事態を見きわめつつ厳正に対処する」、こういう答弁をされました。あの答弁から十七日たっております。事実はどうだったのか、事態をどのように見きわめ、どのように厳正に対処してきたのか、公安委員長の方から説明してください。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) そのことが刑罰法令に反するものであれば、当然処理されるものと考えております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 あなたの衆議院での答弁をかぎ括弧で引用しますと、「警察当局においても事態を見きわめつつ厳正に対処する」。だから、どのような事態が見きわめられたのか、どのような対処がなされたのか、これは衆議院で答弁した公安委員長から説明してください。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 一つの事犯が発見されて、そのことが刑罰法令に明白に違反するというものであれば、当然のこと警察当局においてこれは厳正に対処されるものと確信をいたしておりますけれども、その捜査内容をどうこうと言うことは国家公安委員長の範囲を超えるものであると考えております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 どうも今の答弁を聞いておりますと、「事態を見きわめつつ」と答弁されたけれども、見きわめる努力はされてないんじゃなかろうか。「厳正に対処する」と答弁されたけれども何一つ対処されなかったのではないかと思われますけれども、違うんですか。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 何度も答弁するようでありますけれども、この国においていろいろの事件が起こって、それが明確に事実関係において警察当局に確認され、それが刑罰法令に反するものであれば、厳正に対処されることは当然のことであります。

諫山博日本共産党

○諫山博君 自民党の山崎議員が質問の根拠にしたのはいわゆる政府資料です。この政府資料、私も持っています。ここに書かれていることが事実だとすれば極めて重大です。これは前防衛庁長官であった人が政府資料として国会に持ち出したものです。政府は犯罪の事実を知っているのに握りつぶしてきたのではなかろうかと思われるわけです。議員がどの政党であろうとどの党派であろうと、これほど事実が明確であるとすれば、やはり厳正に捜査をしなければ法の秩序は守れないと思います。  法務省の方では何らかの調査をされたんですか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 御質問の趣旨がもう一つはっきりいたしませんが、資料に盛られている中身を刑事的な意味で調査をしたかという御質問でしょうか。そういう御質問でしょうか。

諫山博日本共産党

○諫山博君 はい。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 私どもは、書かれておりますことが事実かどうかということについての調査はいたしておりません。

諫山博日本共産党

○諫山博君 政府資料、政府資料と随分今度の委員会で問題になりましたけれども、その政府資料というのはこれでしょう。ちょっと見せてください。(資料を示す)表題は「情報研究」となっています。――法務省は答弁できませんか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 先ほども確認いたしましたが、このいわゆる政府部内資料と言われておるものが部内の資料なのかどうなのかという点の調査、これは私ども、先般の集中審議の後に公安調査庁に法務大臣から調査の指示をいたしましたけれども、この中身、中に盛られておるといういわゆる献金の事実そのものについての調査というものは私どもはしておりませんと、こう申し上げておるわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私が聞いているのは、そこに書かれていることが事実かどうかではなくて、あなたが公安調査庁に調査を指示した文書というのはそのことではないかと言っているのです。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 私ただいま初めて見ましたのでよくわかりませんけれども、こういったものが山崎委員がお示しになったものの一部に入っておるのかどうか、私どもはまだ確認をいたしておりません。

諫山博日本共産党

○諫山博君 公安調査庁に法務省として調査を指示したそうですけれども、公安調査庁はどういう報告をしましたか。私の聞いたところでは、公安調査庁の長官が直接法務大臣に報告したということですけれども、どういう報告でしたか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 委員仰せのとおり、この政府部内資料につきましての調査の結果を公安調査庁長官から法務大臣に報告がなされております。  しかし、この調査の結果につきましては、たしか十一月八日でございましたけれども、夕刻、公安調査庁の方におきまして総務部長が記者会見をいたしておりまして、そこで次のように申しておるわけでございます。すなわち、報告の内容につきましては、公安調査庁が行っております調査内容、つまり業務の遂行上公表を差し控えるべきものと考えている。あるいは、今回の資料が公安調査庁の資料か否かについても、これをお答えすることは、すなわち公安調査庁の調査内容について述べることと同じことになるのでお答えすべきでないと、このような記者会見を行っておるわけでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 十一月八日の夜、法務省が新聞記者に発表したという内容が一斉に報道されています。例えば朝日新聞によれば、あれは怪文書ではない、政府部内から出たものであると確認したと。朝日だけではなくてすべての新聞がそう書いてあります。そうすると、法務省としては、公安調査庁に調査をさせた結果、あれは政府部内から出たものだと確認したということになりますか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) ただいまも申し上げましたとおり、公安調査庁が公表を差し控えるべきものであるという記者会見をいたしました。  その立場は、法務本省といたしましても、大臣以下理解できるという立場でございまして、したがいまして、同日の夜、法務本省におきまして記者会見を行った事実はございません。ただ、いわゆる新聞記者の取材と申しますか、そういったものが法務省の本省の幹部にあり得たことはあり得たと思います。そこでどのようなやりとりがあり、それをどのようなニュアンスで新聞記者が受 け取り、どのようなニュアンスで書いたかということは私どもの知ることではございませんが、記者会見というものは法務本省では行っておりません。

諫山博日本共産党

○諫山博君 記者会見が行われたのか、新聞記者が独自に取材したのか、そんなことは大したことではありません。要するに、法務省首脳の口から、あれは怪文書ではない、政府部内から出たものであると確認した、こういう流れだけは否定できないでしょう。  そこで、その文書はいわゆる内部資料じゃないと言えますか、あなたは。政府資料、政府資料ということが言われていますけれども、いわゆる政府資料というのはそれじゃないと言えますか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 先ほど来申し上げますとおり、今回の問題にされております資料につきましては、調査をしました結果、政府部内資料であるということを認めることも、あるいは否定することも、いずれにしても業務に支障を来すという立場で公表を差し控えるという立場でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

諫山博日本共産党

○諫山博君 新聞記者にはいろいろ説明しながら、国会では説明できないというのは何事ですか。  そこで、公安調査庁に聞きます。  公安調査庁では、調査第一部、調査第二部というのがありますね。調査第二部というのはどういうことをするところですか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 調査第二部の所管事項についての御質問でございますのでお答えいたします。  この調査第二部においては、破壊活動防止法第四条第一項第二号に定める政治目的をもってする騒擾、放火、殺人、強盗等の暴力主義的破壊活動を行った団体に関する調査に関する事務をつかさどっております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 調査第一部と調査第二部はどう違いますか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) お答えいたします。  調査第一部の方は、破壊活動防止法第四条第一項に定めるイからホまでの犯罪についての調査を主たる目的といたしております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 条文から離れて説明しませんか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) わかりやすく申し上げますと、調査第二部のメーンの調査対象団体と申しますか、調査の対象はいろいろございますけれども、朝鮮総連を含んでおります。

諫山博日本共産党

○諫山博君 結構です。  調査第二部の第一課は何を担当しますか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 調査第二部には第一課ないし第三課があったと思いますが、各課が所掌しておる詳細なことについては、内部の仕事の構成にも踏み込むことになりますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私が持っているいわゆる内部資料の中には調2―1という言葉が出てきます。これは調査第二部第一課という意味でしょう。否定されますか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) ただいまの資料をちょっと拝見させていただきたいと思います。(資料を手渡す)  なるほど調2―1というのが記載されております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 そんなことを聞いているんじゃないんです。聞いているのは、この資料は調査第二部の第一課がつくったのではないかということです。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 先ほど法務省の井嶋官房長が答えましたとおり、この資料が公安調査庁で作成された資料であるかどうかの点を含めまして、公安調査庁としては調査内容に踏み込む答弁は差し控えさしていただきたい。何となれば、今後の当庁の業務遂行上多大な支障が予想されるからでございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 これには水曜会資料という言葉が使われています。水曜会というのは毎週水曜日に開かれている公安調査庁の幹部の集まりでしょう。水曜会という名称の組織があるでしょう。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 当庁では毎週適当な曜日を選んでいろんな研究会、報告会を催しておりますが、当庁内部の仕事のことでございますので、答弁を差し控えさしていただきたい。

諫山博日本共産党

○諫山博君 水曜会というのが公安調査庁の幹部の会議だということは否定されますか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 否定も肯定もいたしません。そういうことにお答えできかねるということを申し上げております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 公安調査庁の調査第二部が朝鮮総連を担当しているということは言われました。この文書の表題は、「パチンコプリペイドカード導入をめぐる朝鮮総連の動向について」です。まさに朝鮮総連の動向について朝鮮総連担当の部課がこれをつくったというふうにしか思われません。あなたは職務上の秘密とかなんとか言って国会の中で答弁しませんけれども、なぜこれを自民党の議員に渡しましたか。自民党の議員には党利党略的に渡しながら、国権の最高機関である国会では説明できないというんですか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 自民党に渡したかどうかを含めて、要するに当庁の調査内容に踏み込んだ答弁は御容赦願いたいということを申し上げております。

諫山博日本共産党

○諫山博君 公安調査庁は、この政府資料を自分のところから出たものであるともないとも言いません。否定できるのかというと、否定もしません。しかし、今私が指摘したような経過から見て、公安調査庁が職権を乱用して一部の政党に党利党略的に流した。これはもう明白じゃないですか。こういうことで一部の政党に公安調査庁の資料が流される。もう言語道断です。公安調査庁は、自分の調査の結果を自民党に流す権限がありますか。

古賀宏之公安調査庁次長

○政府委員(古賀宏之君) 一般論としてお答え申し上げます。  当庁で集め、かつ分析した情報、資料、そういった内容について適当と思われるものについては、国政に寄与するという観点から、政府機関内部はもちろんのこと、国会議員の諸氏にも説明いたしますし、場合によっては既存の資料を置いてまいることもございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 今の発言は極めて重大ですけれども、その問題にはもう時間の関係で踏み込みません。  ただ、自民党の国会議員が、いわゆる政府資料をもとに特定の政党に八百九十万円の献金をしたと書かれているという追及をしているわけですよ。そして、私の持っているこのいわゆる政府資料を見ると、まさにそのことが書かれております。こういう問題がうやむやにされるということは民主主義の基本にかかわる極めて重大な問題です。  法務省、どういう経過でこの政府資料が自民党の議員のところに流れていったのか、その責任はどこにあるのか、この問題を厳正に調査して国会に報告してもらいたいと思いますが、いかがですか。  同時に、ここに書かれているとおりだとすればもうこれは極めて重大です。莫大な政治献金が外国人団体から政治家になされたということが書かれているわけです。この問題について厳正に捜査するということを、これは警察庁にも要求するし、法務省にはその経過の調査も求めます。  それぞれ答えてください。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 公安調査庁の役所の性格といったものは今公安調査庁次長が述べましたとおりでございまして、そういった中で今回私どもが既に大臣の指示を得まして調査をいたしました。その結果につきましては、残念ながら先ほど来御説明しております事情で、立場で御説明ができませんけれども、調査は十分いたしました。  その公安調査庁がやっております業務につきましては、私どもの外局ではございますけれども、法務省といたしましてもその立場を理解し、サポートするという立場でございます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 捜査はどうですか。

井嶋一友法務省大臣官房長

○政府委員(井嶋一友君) 捜査は法務省ではございません。

中門弘警察庁刑事局長

○政府委員(中門弘君) お尋ねの点につきましては、今後とも事実関係の把握に努めました上で対応してまいりたいと存じます。

諫山博日本共産党

○諫山博君 終わります。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 まず、交通事故死が近年急増する傾向にあり、一万人の大台を突破するような状況が続いていますが、このような状況の原因について御説明をお願いしたいと思います。

関根謙一警察庁交通局長

○政府委員(関根謙一君) 交通事故の原因につきましては、運転者の資質の問題でありますとかいろいろあろうかと思います。しかしながら、大きなところで考えてみますと、まず運転免許保有者数の増加ということがございます。運転免許保有者数が昨年末で五千七百万でございますが、ことしは恐らく五千九百万人を超えることになろうかと思います。また車両保有台数の増加ということもございます。ことし末で五千八百万台を超えることになるのではないかと考えます。さらに社会経済活動の活性化ということがございます。  以上のような交通量の量的な増大とあわせまして、国民生活におきます生活時間帯の夜間への移行、それからレジャー時間の拡大、高齢化社会の進展等に伴います道路交通の質的な変化ということも交通事故の増大の原因として考えることができようかと思います。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 交通戦争とも言われるこの事態を解消する具体策をどうお考えになっているか、御所見をお聞かせください。

関根謙一警察庁交通局長

○政府委員(関根謙一君) 事故対策についてお尋ねでございますが、警察庁といたしましては、関係省庁と緊密な連絡を保ちながら、交通事故防止に関する広報・啓発活動、それから若者や年寄りを中心とした交通安全教育、信号機や道路標識等の整備を中心といたします交通安全施設の整備、あわせて交通の指導取り締まり活動を引き続き強力に推進することとしております。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 次に、これも交通事故に関連する問題でありますが、最近の大阪市内の交通事情は悪化の一途をたどっております。もちろん大阪だけではなく東京初め大都市はどこでも交通渋滞、また駐車困難などにより都市経済にも大きく影響を及ぼしています。交通渋滞の解決策は、単なる局所の問題ではなく総合的、広域的な施策に取り組まなければならないと考えますが、そのためには政治、行政が強いリーダーシップを発揮しなければなりません。  本日はこういうことについて具体的に取り上げお聞きしたいと思うのですが、まず、大阪の交通渋滞は、路上駐車が市内道路交通の円滑な流れを阻害する大きな要因になっておるわけでございますが、これには駐車場の能力を増強すること、また既にある駐車場を有効に活用することなど、力を入れるべきことが考えられますが、具体的にはどうお考えでございましょうか。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 自動車交通にとっては、走行空間としての道路と、それから停止空間としての駐車場、こういうものが両方不可欠なものでございます。そういう意味で、道路行政の上で駐車対策は重要な課題ということで私ども認識しております。第十次道路整備五カ年計画の中でも重点施策として取り組んでおるわけでございます。もちろん、駐車場の整備を促進するためには、各都市において総合的な駐車場整備計画を推進する、それから整備事業の具体的な事業をやる、こういうことでございます。  それで、建設省といたしましては、非常に駐車場不足という観点から、平成元年度に国費の百十一億の無利子貸付制度を初め総額百六十億円の低利融資など、各種の助成制度を活用して駐車場整備を促進して、収容能力での駐車場能力の向上を図るということ、さらにその駐車場をうまく使っていただくという観点から駐車場案内システム、こういうものについても平成元年度において事業費五億円をもって七都市で整備を促進しております。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 同じく建設省にお尋ねしますが、道路が道路として効率よく使用されるためには、歩行者施設の充実を図ることも必要だと思います。道路の立体交差化を積極的に進めてはどうかと思います。また、歩行者の横断が交通渋滞の一因でもありますので、歩行者の安全という面からも考えなければなりませんが、その際、無理なく地下道、また高架橋に誘導する施設を検討することも考えなければならないと考えますが、その点はいかがでしょうか。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 御指摘ありましたように、交通混雑に対応するために幹線道路網の計画的、体系的な整備を進めていく必要があります。しかし、やはり整備に大変時間がかかりますものですから、当面の緊急対策ということで、信号交差点であるとかあるいは鉄道踏み切りなど著しい交通渋滞が発生している箇所についての立体化を実施しているわけでございます。今年度は事業費七百五十三億円で、新規事業着手箇所十八ヵ所を含めまして六十二カ所について事業を進めております。  それからもう一つ御指摘のございました大都市の都市商業業務地域については、自動車、それから駐停車、さらに歩行者、こういう交通がふくそうして著しい交通渋滞が発生しておりますので、地下鉄あるいは地下駐車場等の地下利用とあわせて地下歩道を整備し、歩行者の快適な通行空間の確保と、道路交通の円滑化を図る道路地下空間整備モデル事業を今年度から始めさしていただいております。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 次に、今建設省からお答えありました公共駐車場を積極的に整備すべきだと思うわけですが、それは都市再開発などによって高密度化が予想され、その際、あらかじめ駐車需要の増大を考慮して既存のターミナルや道路、公園等の地下空間や高速道路の高架の下の未利用の空地などを公共駐車場に整備する計画を推進すべきだと考えますが、その点いかがですか。  御承知のとおり、新しい建物、ビルをつくれば、それに対応する道路などはきちっと法律的に整備されます。しかし、ビルを建てることによって、駐車場の台数だとかそういうものは余り法文化されていない面もあります。それは部分的にはございますが。そういう意味で、行政指導的なもの、できれば法文化されてもいいんではないかと思いますが、いかがですか。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 確かに都市部では駐車場の用地の確保というのが用地費が増大いたしましたりして大変困難でございます。したがいまして、未利用地を活用いたしまして都市空間を有効利用した駐車場の整備というのも大変大事なことで、私どもも推進してまいりたいと考えております。特に、都市再開発により生み出されました空間は大都市の都心部では非常に貴重な空間でございます。現在、市街地再開発事業でも補助制度を活用いたしまして公共駐車場の整備を行ってきておりますし、また今後とも事業者との調整を図りつつ公共駐車場の整備を推進してまいりたいと考えております。  さらに、駅前広場あるいは公園の地下、高速道路下、こういうようなところについても、それぞれの施設の特性と限界を勘案して、駐車場として利用可能な箇所については、施設の管理者と調整を図りつつその整備を進めていく所存であります。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 公安委員長、大阪市は先日駐車場に対する非常事態宣言を発して、西尾市長を陣頭にすごい取り締まりを行いました。かなり道路が緩和したのも事実です。しかし、ハエと一緒で、追ったときはいなくなるんですが、ものの一日か何時間かすればまたもとへ戻ってしまうということで、商業地区機能という意味からもこれは非常に問題があるんです。  僕がこの問題を取り上げたのは、花と緑の万博がもう目の前に来ているんですね。七十カ国の参加国が来る。今の大阪の現状を見れば、もちろん花博の成功もおぼつかないというぐらい道路が麻痺をしております。そういう大きなイベント、プ ロジェクトがあるからこうしなさいという意味ではなく、もう抜本的にいわゆる駐車場問題とかいうことは考えていく時期ではないでしょうか。  先日NHKが大がかりな駐車場大討論会を開いておりました。いろんなアイデアが出てまいりました。失業対策的に老人の交通指導、アメリカが今やっておりますが、そういうような交通指導。そうしますと、警察庁の方としてはどの程度までの権限をその人に与えるのか、単なる整理だけで終わるのか、その人が交通事故を起こした場合どのぐらいのどういう補償をやらなければいけないとか、いろんな細かい点も出てまいります。  これはもうよくわかるんですが、例えば大阪市構想として、偶数と奇数日によって台数を乗り入れようかと、こう思うんですが、なかなか市長だけでは出しにくいんですな、政策としても。これはひとつ国が思い切ってそういうのを、短期間でもいい、花と緑の期間だけでもいい、そういうのを一遍やってみようじゃないかと、やってどうも効果が上がらなければこれはまた違う方法を考えようとか、一遍国がそういうことを発言してもらうと地方自治体としては非常に乗りやすい、また行いやすいということがあるんです。公安委員長、この辺でこの駐車場問題、これはもう一大阪だけの問題ではありません。大都市圏については経済効果にも非常に大きな影響を及ぼすぐらい問題化してきているはずです、もうこの辺で手を打たないと。  例えば、バス優先道路というものを確立して、少しでもバス路線に入った者は検挙する。これはもう厳しい罰則を加える。アメリカなんかそうですね。車いすの駐車場に一般車両を仮にとめていたら罰金は何十倍ですからね。何千ドル払わないといけない。そういう法律をつくって市民との信頼関係を確保していくということも必要な時期に来たのではないか。罰則ばかりが取り締まりのあれではありませんが、思い切った施策を今打たなければどうしようもない時期が来るのではないでしょうか。  大量交通輸送手段としてバス路線を完全に確保してやるとかなり自家用車で行く人も減ります。その実例が、先日、空港線という大阪の大動脈を一カ月ほどとめたんです。一日に九万台の減車があったわけですね。市内がその九万台減るだけでスムーズにいった実例もあるんです。だから、大量交通輸送手段を考えてやるとか、バス路線をもう最優先的に走らすと、おい、バスの方が速いで、ほなバスに乗ろか、それで自家用車を置くという事例もあります。今最も悪いのが、会社へ自家用車に乗っていって、それで会社の周辺に不法駐車をして、会社の営業車で営業に回る。これの繰り返しなんですね。だから、花と緑という国際的な大きなイベントを開催する大阪市に対して、何か行政的にこの期間だけでも、偶数、奇数の乗り入れを実行してみようじゃないか、モデルケースとしてやってみようじゃないかというのをひとつ国の方で御指示をいただければ幸いかと思います。  御答弁を聞きまして、私の質問を終わらせていただきます。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) ただいまの山田委員のまことに機微を得たお話を傾聴いたしておりました。私も、今内政上の大きな課題の一つが都市部における交通渋滞、また急激に自動車がふえたために、また初心者ドライバーがふえたために交通事故死が一万人を突破する、これは我々海部内閣が対処しなければならない内政上の大きな課題であると考えております。  これには、総理府また運輸省、きょう建設省おいでになっておりますが、また警察と密接な連絡をとって対処していかなければなりません。ハード面では、これは何といっても建設省に頑張っていただいて道路を大いに立派に整備していただくことでありますが、ソフト面では、これは私どもの方も、交通管制センターのコンピューター化とか、それから信号機の高度化とか、また道路交通法の改正をお願いして運転免許を厳しくしていくとか、あるいは今御指摘のボランティアの交通安全運動、やはりドライバーも国民全体も意識の向上というものが極めて大事なので、総合的に対策を立てていかなければならない。その中でも、今山田先生からお話があったバスレーンは必要に応じて実施しておるわけでありますけれども、今の御意見を承って、またそれぞれの役所と密接な連絡をとりながら交通安全、また交通渋滞の解消に向かって努力をしてまいりたいと思います。  大阪の場合は、特に今花と緑の博覧会を控えておるわけでありますから、これは建設省も大いに頑張ってくれておると思いますけれども、連絡をとって善処してまいりたいと思います。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 渡部自治大臣にまずお礼を申し上げておきます。厚生大臣のときにはいろいろと障害者のために種々の事項について大変温かい御回答をいただきまして、本当にありがとうございました。  まず建設大臣にお伺いしますが、厚生省の来年度の予算の中にこんなのが出ているんですね。高齢者世話付住宅、いわゆるシルバーハウジングですけれども、生活援助員派遣事業として、「高齢者世話付住宅に隣接するデイ・サービスセンターから、生活援助員を派遣し、生活相談、緊急時の対応、安否の確認、関係機関等への連絡等を行う事業を実施する。」、こうなっております。今のところ、実施箇所数が十カ所で各一人ずつを派遣する、こういうことになっております。これは大変結構なことだと思いますけれども、まだまだ数的には足りません。  そこで建設大臣にお伺いいたしますが、これから老人の方がふえればふえるほど老人障害そのものがふえてくる。お年になると右にあるものも左に動かせなくなるという状態があると思います。そうなりますると、いわゆる今まで我々の頭の中にあった障害者というものとは別に老人障害そのものがふえてくる。したがいまして、ケアつきの住宅の整備というのが緊急課題になると思いますが、建設大臣としての抱負をひとつ聞かせてください。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) 私からちょっと建設省がやっております現状をお話し申し上げて、また大臣に御答弁いただきたいと思います。  今のケアつき住宅のお話でございますが、住宅政策面におきましても、高齢者の方や障害者が可能な限り家庭や住みなれた地域で生活をしていくということで、現状のまま在宅で十分な介護を受けながらやっていくというようなことが非常に重要だというふうに考えております。したがいまして、実情は、厚生省の方でお考えいただきますそういう老人福祉対策的なものと建設省がやっております住宅対策とが合うということが非常に重要だろうと思います。これは六十二年度から既に発足しておる事業でございまして、かつ厚生省とも十分事前に勉強会を開いてやったものでございますが、シルバーハウジングプロジェクトという事業がございます。これは今のところ公的な住宅主体、つまり公共団体とか住宅・都市整備公団とか地方住宅供給公社が団地をつくる場合に、要するに日常生活上自立可能な高齢者単身世帯、あるいは高齢者のみから成っております世帯、あるいは高齢者夫婦世帯、そういった方々が主として入られる団地、小規模な団地になろうかと思いますが、そういうものにつきまして、段差の解消でありますとか、手すり、緊急通報システムの装置とか、埋め込み浴槽とか、高齢者の生活特性に配慮した設備、仕様とした住宅をつくりまして、それとあわせて、生活相談とか団らん室とか高齢者の利用に供するための施設も整備する。  と同時に、これから先が厚生政策、老人福祉対策との関連でございますが、入居高齢者に対する生活指導とか相談とか、緊急時の対応等のサービスを提供するライフサポートアドバイザーというのを住宅十戸ないし三十戸に一人配置をする、そしてこのライフサポートアドバイザーの住宅も建設省の方の補助金でつくる、こういうようなことにいたしまして、六十二年度から各公共団体にお願いをしてつくり始めております。これは公共団体サイドの地域地域の事情もございますし、その 理解も大変必要でございます。そういうことで六十二年度は五団地、六十三年度は六団地、それからことしは五団地ということで、全体で十六カ所におきまして計画を策定して随時やっております。今後とも、こういう公共的な住宅の供給に際して、こういうライフサポートアドバイザーがくっついた形のものをつくってまいりたいと思います。  それからもう一つ、地方住宅供給公社で、神奈川県の公社でございますが、既に終身居住という形で賃貸の家賃を一括払いまして、そのかわり安心して生涯そこに住めるという形で供給公社が賃貸住宅を供給しておりまして、その際に、今申しましたいろんなケアの関係は別途、子会社といいましょうか、別の第三セクターがサービスをするという形になりまして、先ほど申しましたものと少し、どういうんでしょうか、民間活用的な感じにちょっとなりますけれども、そういう賃貸住宅をこれからつくっていきたいということで、金融公庫から融資をすることにしております。したがいまして、これも公社でありますとか、それから平成二年度の来年度予算要求では、公団もこういうことをできないかということで要求をいたしておるところでございます。  そういうことで、今後とも福祉政策との連携を図りながらこういう施策を充実していく必要があるというふうに考えております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 今のでいいでしょう。大臣も同じですか。――しかし、この要望というのはますますふえるだろうと思いますので、ひとつ大臣はしっかり胸にとめておいていただきたいと思います。  それから、石原運輸大臣当時に予算委員会でも、内部障害の方も何とか運賃割引にならぬかというようなお話をしましたときに、我々の議員パスを返上してもやろうじゃないかという運輸大臣のお話でしたけれども、やっとそれがかなえられまして、十四日に運輸大臣が記者会見で発表したそうでございます、来年の二月をめどに実施すると。  ここでひとつ建設大臣にお願いしたいんですが、福永先生がたしか運輸大臣のときに、私やはり予算委員会で、身体障害者の方々が運転している車を何とかして有料道路をただにしてくれと。そしたら、ただは無理だと言うから、じゃ半額はどうですかって言ったら、半額ぐらいはいいでしょうと調子に乗っておしゃべりになって半額になったんですがね。これは大変よかったなと思うんですが、有料道路の方もせっかく運輸省の方でああいう発表をしているんですから、建設省の方もひとつ有料道路の方を半額というふうにいかないものなんでしょうか。

三谷浩建設省道路局長

○政府委員(三谷浩君) 有料道路の身体障害者割引制度についてちょっとだけ御紹介させていただきますと、五十四年六月から身体障害者手帳の交付を受けておられる下肢または体幹の不自由者がみずから自動車を運転する場合に、有料道路料金を五割引く制度が設けられたものであります。それから六十一年十二月からは、上肢機能障害者がみずから自動車を運転する場合についても割引措置の対象とすることで、適用範囲の拡大を行ったわけでございます。  この制度は、これらの肢体不自由者の方にとって自動車はいわば移動のための不可欠な足がわりであります。肢体不自由者の方が自動車を運転する場合に、ハンドル操作や各種装置の運転操作に困難が伴うために、一般道路より走行時間の速い有料道路を使うということが余儀なくされている実情にかんがみまして、これらの方々の社会的自立の一助として特に設けられたものでございます。それから、肢体不自由者の方々のドライバーが走行条件のよい有料道路を通行することが交通安全上も望ましい、こういう判断も入っているわけでございます。  今御指摘がございました内部障害者を初めといたしまして、肢体不自由者以外の身体障害者の方々がみずから運転する場合の割引対象範囲拡大ということについて、私どももいろいろ要望を受けております。いろいろ私どもも慎重に検討をしているわけでございますが、まず、本制度の対象範囲を内部障害者に拡大することにつきまして、内部障害者の方々にもさまざまな種類の障害をお持ちの方がおられ、この方々がどういうふうに有料道路を使っておられるか、あるいは日常生活、どのようにして他の身体障害者の方々がかかわっておられるか、それから基本的にはこの割引制度は、有料道路は私どもの制度では利用者の負担ということで償還制度が成り立っておりますものですから、対象範囲の拡大についてやはりほかの方々の利用者の理解と協力というものを入れていかなきゃいかぬと思っております。  いずれにいたしましても、要望がありますことは承知しておりますが、慎重に今検討しているところでございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 ひとつ大臣からも、もうちょっと色よい返事を出しておいてください。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 色よい返事ということでございますが、若干航空機とかあるいは電車へ乗る場合と違いますのは、そういう場合には一人一人の運賃が決まっておりますが、自動車の場合は、高速道路で料金所を通る一台当たりになっておるわけですね。したがいまして、三人乗ろうが四人乗ろうが一台当たりの料金になるものですから、身障者一人だけおれば全部ほかの人も半額になってしまうという、一台当たりの料金が半額になってしまうというようなことにもなりますので、これは相当慎重に、この制度の実施の面からいっても検討してもらわなきゃならぬと思っております。  もちろん、我々としても、身障者に対して温かい気持ちを持って接しなきゃならぬという気持ちは大いにわかりますけれども、今局長が答弁いたしましたように、いろいろ難しい事情もあるということもお聞きいただきたいと思うわけであります。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 しかし、首都高速あたりで百二十万枚も政官界あたりにただの券をばらまくくらいの高速道路公団の方に腹づもりがあるんだったら、このぐらいの金額は別にどうってことはないでしょう、実際のことを言って。しかも、私が言っているのは、健常者が運転しててそこへ内部疾患の人が乗っているんじゃない、内部疾患の方自身がハンドルを握っているものを半額にしろと言ってるんですからね。少し私と行き違っているような感じがするんですけれども、もう一回建設大臣答えてください。

原田昇左右自由民主党建設大臣

○国務大臣(原田昇左右君) 運輸大臣の方とちょっと違うということを先ほど申し上げたところでありまして、建設大臣といたしましては、まあお言葉もありますから、そういう御要望を頭へ置いて今後とも検討を続けていきたい、こういうように考えております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 よろしくお願いします。  さて、渡部自治大臣の方に矛先を向けたいと思いますけれども、ことしの六月なんですけれども、政見放送への手話通訳というものを取り入れてみたらどうだろうかということを申し上げた。もっともこれは何年も前から私はお願いをしている件なのでございますけれどもね。そのときのお答えというのが、  そのためには全国各地域で政見放送の内容を正確にお伝えできるような、そうした手話通訳者をどうやって各地域ごとそれぞれ確保できるかという問題、あるいは手話通訳を導入した際にテレビ上の画面処理をどのようにするか、あるいはその収録方法をどのようにするか、そういった制作上、技術上のいろいろな問題を抱えておるわけでございますので、そうした研究会の場で専門の先生方からいろいろな角度から御検討いただいて、現在どうした形で結論を見出すことができるかということを検討させていただいている段階でございます。 それからもう五カ月たったわけです。どういうふうに検討なさったか、その経過をちょっと発表してください。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 経過につきまして説明をさせていただきます。  第一点の、全国各地域で均質のレベルの高い手話通訳者をどう確保するかという問題につきまして、これは厚生省の方でいろいろおやりくださったわけでございますが、手話通訳士の試験という制度ができておりまして、その第一回の試験が行われるそうでございます。九月三十日が申し込み締め切りになりまして、十一月二十六日が第一次の試験、明年二月四日が第二次、これは実技の方だそうでございますが、その試験を実施するというふうに伺っております。そこで、私どもとしては、一つにはこの試験の実施の状況を注目しておるというところでございます。  それから、それはもう少し先になりますものですから、別途いろいろ検討が可能なものについてはそれなりの検討をやろうということで、たまたまことしの参議院議員の通常選挙の際には、これはある政党の方でございますけれども、手話通訳というものを政見放送の中にみずから導入されておやりになった方がいらっしゃったものですから、そういうもののビデオをこの研究会でみんなで見まして、いろいろと研究もしてみたわけでございます。  そのとき専門の先生方からいろんな御指摘がありましたけれども、例えば、やっぱり放送のためには事前に手話表現等について相当な準備をしておく必要があるのではないだろうかなというような御指摘がありました。それから、やはりどうしても話し言葉を手話で通訳するものですから、その間に省略でありますとかあるいは意訳でございますとか、そういうものが行われているということでございまして、そういうものをどう考え、どう評価していったらいいだろうかなというような御指摘。その他にもいろいろ御指摘ございましたけれども、余り長くなりますので以上二つを例として申し上げますが、そういうような御指摘もいただきながらいろいろと勉強させていただいておるというところでございます。今後さらに勉強を進めさしていただきたい、こう思っております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 今くしくもおっしゃいましたけれども、いわゆる手話通訳士制度というのがいよいよ発足して、十一月の、今月の二十六日ですか、そして第二次が来年の二月四日ということになって、内容を見ますと、これで手話通訳士がたくさんできるのかなと思うぐらい非常に厳しい内容なんですよね。そこまで来ているんですから、これは当然もう行われなければいけないことだと私は思うんです。  先ほどおっしゃいましたが、ある政党がやっぱり手話を使いました。  ただ、私も驚いたんですが、手話にも方言がある。その土地その土地にあるんだそうですよね。これは方言というと、すぐ渡部自治大臣は御自分が多少なまるからあれですけれども、私は実は福島県の郡山には半年兵隊でおりましたので、福島弁は下手すると私の方がお上手かもわかりません。ですから、各地方によって全部違うんですね。九州の方に行けば、寒いという表現はどうするかといったら、やっぱり体をこうするだけで表現できるんですね。じゃ、しばれるというのはどうするんだと言ったら、同じなんですよね。同じだけれども、ちょっと表現が違いますわね。しばれるという言葉は九州の手話をやっている方じゃ表現できないんですよ。そういう意外な隘路があるんです。  でも、今おっしゃったように、そうしたような研究が進んでいかれるならば、そしてこの厳しい関門を通過した手話通訳士が誕生するとなれば、当然私はもうこれからの選挙には手話通訳士というものがあってしかるべきだと思うんですが、ひとつ大臣の明快な御回答をお願いします。

渡部恒三自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(渡部恒三君) 下村先生のおっしゃるとおりで、選挙は議会制民主政治の基盤でありますから、立候補をする人の意思があまねく有権者の皆さん方に伝わるようにしなければならない、そういう努力をしなければならないのは当然のことであります。したがって、手話通訳を普及していくということもそのためには非常に大事なことでありますが、今選挙部長から答弁がありましたように、今すぐこれを実現するということはまだ物理的に不可能な状態にあるような報告を受けております。  これからどんどん優秀な手話通訳者もふえていくでありましょう。私も厚生大臣のときに一つだけ覚えて、まだこれを覚えているぐらいですから、次の別な大臣になってお目にかかるときは少しは褒めていただけるような努力をしていただくように、よく選挙部の方に伝えておきたいと思います。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 もう時間ですね。じゃ、ちょっとです、簡単ですから。  これもやっぱり自治大臣に伺いたいんですが、寝たきり老人がふえています。寝たきり老人に対する不在者投票ですね。障害者の方に対しましてはあります。ところが寝たきり老人のいわゆる不在投票、これが今のところ制度がはっきりしておらぬのですが、これはいかがでしょうか。どなたか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 確かに投票権の行使を阻害するような要因があります場合、それをどう除くかということは非常に大事なことだと私ども思っております。  ただ、よく御承知のとおりでございますけれども、戦後一回在宅投票というものが非常に広がって、そのときにいろいろ問題も起こったというような過去の経緯もございますものですから、やはり公正ということを十分考えなければいけない。そういう意味で、なかなか客観的に公正が確保される道というのが私ども今のところ見出せない状況にございますものですから、それで実現してないというようなところがございます。ひとつ今後ともなおよく検討をさせていただきたいと思っております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 一言だけ言わせてください。  その方たちもやっぱり国民の一人ですから、無視するわけにいかないんですから、よろしくお願いします。

千葉景子日本社会党・護憲共同

○委員長(千葉景子君) ほかに御発言もないようですから、建設省、自治省、警察庁、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、住宅金融公庫、公営企業金融公庫、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。  次回の委員会は十一月二十二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十五分散会

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