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116回国会参議院1989/12/01

科学技術特別委員会 第3号

発言数
39
登壇者
8
会派数
4
開催日
1989/12/01

会議録

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、核融合エネルギーに関する件について、本日の委員会に、日本原子力研究所理事吉川允二君、核融合科学研究所長飯吉厚夫君、大阪大学レーザー核融合研究センター長中井貞雄君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、核融合エネルギーに関する件を議題といたします。  本日は、本件について参考人の方々から御意見を聴取することといたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  参考人の方々には、御多忙中のところ貴重なお時間をお割きいただきまして、当委員会に御出席を賜りまことにありがとうございました。  当委員会は、科学技術振興対策樹立に関する調査を進めているところでございますが、本日、皆様方から核融合エネルギーに関する件につきまして、それぞれ忌憚のない御意見を承りまして本調査の参考にいたしたいと存じている次第でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  お一人三十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  これより参考人の方々から御意見を承ります。  まず、吉川参考人にお願いいたします。吉川参考人。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) 吉川でございます。  私の御説明に関しましてお手元に資料がございまして、「核融合研究開発の概要」というものと「原研における核融合研究開発の現状」と二つの資料を使いながら御説明申し上げたいと思います。  最初の資料は、核融合全般に関する御紹介ということのためにつくっております。  核融合は、広い意味の原子力の一つでありますが、全く新しい原理に基づいている原子力であり、新しい可能性を持っている原子力であるというふうに思っております。その原理と申し上げますのは核融合でありまして、星や太陽のエネルギーが、あの膨大なエネルギーが核融合から出ているということは大体三十年前ぐらいから明らかになってきたわけであります。  それをどういうふうにして使えるようにしていくかということを御説明いたそうと思っておりますが、これの一ページを、こういう絵が書いてございますが、お開きいただきたいと存じます。  要は、太陽では水素が燃えてヘリウムになるという核融合反応でありますが、地上ではその重い仲間、重い水素である重水素、三重水素、ここにございます玉ころが二つついておるものと三つついておるものを非常に温度を上げますとお互い同士が勢いよく、しかも回数多くぶつかってくれて、その結果これはくっつき合いましてヘリウムというもっと重い原子核になります。このとき非常に大きいエネルギーが出るわけでありまして、石油のタンクローリー一台分が一グラムのエネルギー源である燃料から出る、莫大なエネルギーが出るわけであります。  下の方は、御承知と思いますが核分裂でありまして、これは中性子がウランというだんごがくっついたようなものにぶつかって、これが壊れるときにエネルギーが出るというのが普通の原子力で、既に実用化しておるわけでありますが、一つの違いは、核分裂生成物というものがウランの場合には出てまいりまして、これは取り扱いに注意しながらやる必要があるわけでありますが、核融合の場合にはそういうものは出てこないわけであります。ただし、放射能が全く出ないわけではなくて、この中性子という白丸が炉をつくっている材料を放射化いたしますので放射能のことを扱う必要はある。しかし、そんなに厄介なものは出てこないというのが核融合の特色であります。  それからもう一つは、これはガスを燃やすわけでありまして、ちょうどガスストーブやガスバーナーと同じで燃料口を閉めてしまえば簡単にとまってしまうわけなんで、燃料口の制御は極めて容易であるということが大きな特色であり、そういう意味で安全性あるいは環境保全性が非常に高いという意味で希望を持たれておるわけであります。それが一つ大きな可能性であります。ところが、現在の段階というのは開発の途中でありまして、やはりこれが実用化するまでには相当時間がまだこれからかかる。しかし、開発はこれまで順調に進めさせていただいておるという状況にあるわけであります。  問題は、ガスであります。重水素、三重水素の原子核を勢いよくぶつけるために、非常に高温にして勢いよく多数回ぶつけてやる必要があります。どんな温度が必要かといいますと、大体一億度が必要であるということでありまして、それをどうやって壁に当たらないように浮かしてやるか。これは、熱が逃げないように熱を閉じ込めておく技術というのが非常に重要になってくるわけであります。  その原理が二ページにございますけれども、要は磁場閉じ込め、熱を閉じ込めるわけでありますが、これは磁気浮上、リニアモーターカーの磁気浮上の原理を使いまして磁力線で押さえ込んでおくという原理であります。こうすれば壁に直接さわらないで済むということであります。これは磁場閉じ込め。それから、一番下に慣性閉じ込めという方式がございますが、これは小さいペレット、粒子を圧縮しながら閉じ込めていく方法でありまして、私ども原研はこの一番上にありますトカマク型というのを担当しており、先生方から見て右側におられます飯吉先生がヘリカル型というのを担当しておられ、一番下のレーザー型は左におられる中井先生が詳しく御報告申し上げると存じております。  それから三ページは、現在の状況を一ページでまとめればこうなるであろうかということでありますが、「我が国における核融合研究開発は、トカマク型装置を中心にして、」、先端でありますが、「そのプラズマ特性を」この炉心のことを、熱を出すガスのことを言っておりますが、「年々向上させ、核融合の分野で世界の第一線に並んでいる。」、これは核融合の特色でありまして、日本はまさにトップグループの中の、しかもその中の重要な一員となって世界の中で推進に励んでおる。  日本原子力研究所におきましては、大型装置、これはトカマク型でありますが、臨界プラズマ試験装置JT60が一昨年、六十二年の秋に当初の目標の領域に到達いたしております。私どもは、これから次の段階に進むということについて検討を始めております。  一方、文部省におきましてはヘリカル型に重点を置いておられまして、慣性核融合あるいはミラー型などの基礎的な研究も着実に進展しているということでございます。  それから、最後でございますが、国際協力というのは非常に重要でありまして、その一例といたしまして、日本、アメリカ、ヨーロッパ、ソ連の四極の協力による国際熱核融合実験炉、これはこの次の段階の装置でありますが、ITERというものの概念設計を進めておるというのが代表的なものでありまして、日本もこの中の一番重要な役割を担っておるわけであります。  いろいろな方式が大体どういう状況にあるかということで、ちょっとデータが古い点もありますけれども、四ページをお開きいただきたいと思います。  横軸は、炉心のガス、プラズマの温度でありまして、一目盛り十倍という対数目盛りでありますが、右に行けば行くほどいい。それから縦軸の方は、ローソン数という難しい言葉で書いてありますが、燃料密度とさっきの熱の閉じ込め時間、ですからどれだけよく閉じこもっていられるかということで、上がいいわけであります。したがって研究は、トカマクの研究でありますとピンクで塗ってありますが、五〇年代から一九八〇年代の最後、現在まで着実に進んでおるわけでありまして、十年当たりで、この絵で言いますと三センチか四センチごとにとんとん進んできておるわけであります。右上に並んでいるピンクの四つ星が現在の状況でありまして、日本やアメリカ、ヨーロッパの装置を示しておるわけであります。いよいよ核融合の最後の目標は、その先に「自己点火条件」と書きました曲線の部分が目標でありまして、この趨勢でいきますと、あと数年後にはこれを実現できるという状況まで行くということが見えるわけでありまして、現在そのための設計の研究などをいたしておるわけであります。  ほかの方式に関しましても示しておりますが、ヘリオトロンというヘリカルの方式でありますと一九八六年でこういう点でありまして、最近新しい点が出ているかもしれませんが、そういう状況であるわけでございます。  それから、五ページにありますものが現在日本全体としてどういう体制で進んでおるかという資料でございまして、文章にございますように、科学技術庁、通産省、文部省及び民間企業において進められております。左に黄色で示してありますのが担当省庁でございまして、実際の研究はピンクで示しておりますように、日本原子力研究所、あるいは文部省の核融合科学研究所、あるいは各大学、大阪大学の方で進められているというのが現状であるわけであります。  最後に申し上げておきたいのは、核融合はよく先端技術の塊であるとか強力な推進力であると言われておりますけれども、超電導とか粒子ビームとか高周波とか耐熱材料とかいろいろなものが核融合において開発され、あるいは開発されたものが核融合で産業レベルで使えるようになるというような意味で核融合が先端技術の強力な推進役になっているということを申し上げたいと思っております。それが六ページに絵として書いてございます。  さて、私は、全体に関する報告をここで終わらせていただきまして、原研における核融合研究がどういうふうになっているかということを申し上げたいと思います。  日本原子力研究所は核融合をどういう考えで進めておるかと申し上げますと、トカマク型という現在一番先端を進んでいる高温を出す方式、それを使って核融合まで持っていく、それに必要な技術は総合的に、全面にわたって開発をしようと思っております。したがって、一億度のプラズマをつくるとか超電導磁石であるとか加熱のための粒子ビームであるとか、あらゆる技術を全部総合的に判断できるように開発を進めていくというのが私どもの方針であるわけでありまして、そういう意味で現在世界の中でも最大の最も総合的な研究所の一つであるというふうになっておるわけであります。  ということで、私のお話は、この一億度という炉心の、さっきプラズマと申し上げましたが、燃料ガスの開発がどういうふうに進んでいるか、それが現在順調にいっておりますので、その次の段階をどういうふうに考えているか、それからその次の段階には、現在までの技術よりさらに進んだ核融合炉のための技術の開発が必要であります、その技術の開発がどう進んでいるかという、その三つのことをお話し申し上げたいというふうに存じております。  さて、この「原研における核融合研究開発の現状」という資料の一ページをお開きいただきますと、「JT—60計画」というのがございます。副題として「世界の四大トカマク装置の一つ」と書いてございますが、先ほどちょっと名前を出しましたが、ヨーロッパのJET、アメリカのTFTR、ソ連のT15というような装置と並ぶ世界最大の装置の一つでありまして、実際はヨーロッパのJETという装置が最大、私どもは二番目に大きい装置でありまして、現在成績としてはJETに次ぐ成績を上げておるということでございます。  この装置はどういう経緯で建設されたかといいますと、この文書に書いてありますが、昭和五十年七月に原子力委員会の策定されました第二段階核融合開発計画の主装置として一億度というような将来の核融合炉の炉心のプラズマ、科学的な意味でそれができるという見通しを立てようではないかという計画を立てられまして、そのための装置として建設をされたわけであります。現在、当初決められました目標領域を二年前に達成いたしまして、さらにすぐれた成果を得るための研究あるいは改造を進めておるというところが現状でございます。  その内容については後ほど申し上げる点がございますが、一ページの下にございますように、JT60より少し大型のECのJETに匹敵する成果を上げておるわけであります。それから研究に関しましては、ヨーロッパのJET、アメリカのTFTRにない特色を持つ研究計画を持っております。専門的になりますが、ダイバータとか高周波電流駆動というような研究を進めるという特色を持っている装置でありまして、しかもこれらの特色というのは、将来の核融合装置にとって極めて重要であるということの認識が国際的に高まっておりまして、そういう意味でも研究装置としてもすぐれた成果をおさめているところでございます。  時間が限られておりますので、二ページをお開きいただきまして、その電流駆動というなかなか難しいことについてお話し申し上げたいと思いますが、核融合装置と申しますのは磁力線を使って粒子を閉じ込めるわけであります。  ちょっとOHPを使わせていただきますと、JT60という装置は、これは写真でございまして資料についておりますが、ちょっと英語で恐縮でございます。  ここに人間がおります。これが一・五メーターぐらいでありますので、この装置の高さは十五メーターぐらいあります。この直径が三十メーターぐらいあるということで、実験装置としては極めて大きなものであるということがごらんいただけるかと思います。つまり、核融合炉の炉心に必要な一億度を出すということのためにこれだけの大きい装置になっておるわけでありますが、この装置の運転の仕方といたしまして、ここにありますコイルに、巻き線でありますが、電気を流して必要な磁力線をつくるわけでありますが、そのコイルに電流を流したときに、ここの、これが一億度になるプラズマという部分でありますが、ここにこういう方向に電流を流すわけであります。  それで核融合の熱を出すためにはこの電流がずっと流れておる必要があるわけでありますが、トカマクといいますのは非常に性能が上がるわけではありますけれども、この電流を普通の、一番最初に考えました原理では永久に流すことができないというのが一つの限界であるわけでありまして、現在私どもが進めておりますのは、この電流を高周波、つまり電波で流して追いやる。風で吹き流しを流すようにこの中に電流を高周波で流すというのが非常に重要な研究課題になっておるわけでありますが、そういうこともできるようになった装置であります。  二ページに戻らせていただきまして、JT60はこの電流駆動に関しまして世界のベストデータを常に出しておるわけであります。この絵でございますと、だいだい色の点にこれから電流駆動の効率を高めていくという計画でございます。アメリカ、ヨーロッパの装置でありますと、このPLT、ASDEXというような装置にありますように、縦軸が効率でありますけれども、JT60に比べたらまだ大分低いということでありまして、私どもはこれをさらに成績を上げていきまして、この絵でありますと一番右上にあります核融合次期装置、これに必要な効率まで持っていきたいというふうに考えております。  また難しい話で恐縮でございますが、JT60は現在目標を達成した後、実験を停止して、さらに性能を高める改造を開始いたしております。三ページをお開きいただきたいと存じますが、このJT60の実験は現在停止いたしておりまして、改造工事に入っております。どういう改造かと申し上げますと、本体の大部分はいじりませんで、内側にありますこの部分だけを取りかえようという改造計画であります。その内容が三ページに書いてございますけれども、左側にあるような丸い断面から右にあるような縦長といいますか、ラッキョウのような断面に切りかえていくというのが現在の改造でありまして、これはこれから先JT60を次の段階に進めるために重要な予備的な段階であるというふうに考えておるわけでございます。  ということで、JT60は国際的にトップクラスの成果を出しておりまして、さらに性能を高めるための改造に入っておるということでございますが、その次の段階をどう考えておるかということを四ページを使って御説明申し上げたいと存じます。  次期大型装置ということでありますが、これはJT60より一段高い目標を持っております。つまりJT60は、一億度というような温度をまず出してみて、それが扱えるかどうかを確認する。確認したわけでありまして、その一億度の温度の部分に核融合燃料であります先ほど申し上げました重水素、三重水素を入れまして、今度は本当にエネルギーをたくさん出してみようということでございます。でありますから、これはむしろ実験装置というよりも核融合実験炉と言うべきものであろうかと思います。できますれば世界で最初の本格的な、本当の核融合炉になる、そういう段階に入るということでございます。  四ページに絵がございますけれども、人間が下の方に小さくかいてございますが、これが一・五メーターぐらい、全体として高さ二十メーター、直径二十メーターぐらいの大きなドームに入ったような核融合炉になるわけでございます。ここにございますように、名称といたしましては核融合実験炉、英語ではFBRという名前で呼んでおりますけれども、ここにおいて本当に核融合エネルギーを出していく、それとともにそのエネルギーを出すために必要な核融合炉の技術を開発するということが目標になります。つまり従来のJT60は、非常に大きな装置でありますけれども、あくまで科学実験装置であります。核融合実験炉の段階から工学試験炉になるわけでありまして、こういう大きな核融合全体の開発にぐっとジャンプをするということになるわけでございます。  この装置の建設は、現在日本全体として確定しているわけではございませんけれども、私どもとしては二十一世紀の初めにはこの装置の運転段階に入りたいというふうに思っているわけでありまして、これによって先端技術を結集し、あるいは国際社会への貢献ということにも役立てていきたいというふうに思っております。そういう意味で一九九〇年代前半の着工を目標としておるということでございまして、原子力委員会の六十二年度に出されました長期計画にもそういう方針が打ち出されておるわけでございます。  一方、次期大型装置、核融合実験炉相当の計画といいますのは、日本と並んでおりますアメリカ、ヨーロッパ、ソ連も当然考えるわけでありまして、そういう装置の計画を自国計画として持っておるわけであります。そういうことで、では四国が協力したらどうかというような話がゴルバチョフとレーガンとのジュネーブにおける会談で起こってまいりまして、その話し合いが進んだ上で次段階装置の設計を四国の共同でやろうという話がまとまっております。  五ページをお聞きいただきたいと思いますが、かなり時間かかりました。そのジュネーブ会議は六十年十一月でございましたけれども、それ以降、技術者、政府レベルの話が進みまして、六十三年三月に四国が合意をいたしまして、六十三年の四月から共同設計を三年間ということで行っております。これは設計だけでありまして、建設まで共同でやろうということが決まっているわけではございませんけれども、四国のトップレベルの設計者十名を西ドイツのマックス・プランク研究所、これはミュンヘンの近くでありますが、そこに派遣して、四十名による設計チームが年間半年設計を行うということで三年間、三回行うということで設計を進めております。  それとともに、設計の費用ということだけでなくて、国際協力による実験炉、ITERという名前でありますけれども、これに必要な技術開発、RアンドDと書いてありますが、それを年間十ミリオンドルでありますから十四億円ぐらい出すということでRアンドDの技術開発も一緒に進めておこうということでありまして、これは私どもとしては、原研で行っておりますFERの検討にも役立っておるわけでございます。これは私が最初に申し上げました二番目の私どもの任務であると思っております。  それから三番目の任務は、繰り返しになりますけれども、核融合炉のために必要な新しい工学の開発であります。従来の実験装置と違いまして、核融合炉になりますとエネルギーも大量に発生いたしますし、中性子も発生いたしますので、それに特有の技術開発をどうしても行う必要があるという意味で核融合炉工学の技術の開発が大事である。これが六ページに書いてございます。  皆様方の御援助を受けまして核融合の開発はおおむね順調でございまして、現在核融合炉に必要なコンポーネントの一段階前、それの半分とか三分の一とか、そういうレベルでの開発が順調に進みました。ここに例として、超電導磁石、トリチウム燃料、プラズマ加熱技術というふうに三つだけ挙げてございますけれども、超電導磁石に関しましては最終的な核融合実験炉の三分の一ぐらいのものが既に試験を終えております。  それからトリチウム燃料。トリチウムは、先ほど三重水素と申し上げたものを英語で言いますとトリチウムということで、燃料でございますが、これは放射能を持っておりますので扱いは注意を要するということでございまして、これに関しましては将来の実験炉に必要な能力を持っているコンポーネントまで開発が進みまして、これは現在日本で製作を完了いたしまして、アメリカに輸送中であります。国際協力ということで、日本とアメリカの協力ということで、日本のつくったコンポーネントをアメリカのロスアラモス研究所で試験するという国際協力の一例でありますけれども、そういう協力も進んでおるということでございます。  それからプラズマ温度を上げるための加熱技術、これは先ほど粒子ビームなどと申し上げましたが、そういう技術も大幅に進歩をいたしております。ただ、今度は核融合炉レベルの技術開発ということで、さらに今達成したものをレベルを上げていくという必要がありまして、現在小規模ながらそこに進む方向に研究を進め成果を上げつつあるというのが現状でございます。  七ページには、私どもが核融合を推進していく上でやりました先端技術が、いろいろ色が塗ってありますけれども、具体的な例として書いてございます。どういうところに利用されておるかということで、たくさんありますので電子ビーム溶接というのを申し上げますと、これは日本の大電子、電機メーカーがJT60の製作のためにつくりました電子ビーム溶接でありまして、これは核融合のために使われると同時に、いろいろな産業技術のために使われております。聞くところによりますと、去年日産自動車が同じものを購入したというふうに聞いております。  それから超電導磁石。現在、超電導磁石の大型で磁場が強いものは、核融合が最大の推進力になっておりまして、一番大きい一GJ、これはちょっと専門的な言葉で説明は省略いたしますけれども、これは核融合が開発したものであります。  それからパルスコイル、これは磁場でありますけれども、磁場の強さを時間的に変えられるような超電導磁石でありまして、これは電力利用があるのでありまして、電総研、電子技術総合研究所も開発しておりますが、最大のものは私ども原研で開発しました、三十MJと書いてありますけれども、これは世界最大のコイルであります。  それから、粒子ビームと書いてありますが、粒子ビームは、核融合自身が開発して産業界で使われるようになった核融合がまさに自分で生み出した技術でありまして、これは二十MW、メガワット、百万ワットの二十倍であります。これも世界最大でありますが、イオンビーム、素材処理などに使われております。いろいろ市販されておりますけれども、私どもが見ますと、私どもが昔開発したものと同じようなものが市販されておるわけであります。  電力技術に関しましては、直流遮断器等々といろいろのものが開発され、直流送電などに使われておるということでございます。  最後のページでまとめさせていただきますと、先ほど申し上げましたように、原研では炉心プラズマというのが第一の研究課題でありまして、非常に高温なものの熱閉じ込めあるいは加熱については科学的にも技術的にも見通しがついております。  それから二番目は、上に関係しておりますけれども、さらに性能を上げようという先端的研究というのをいろいろやっておりまして、先ほども申した電流駆動も一例でありますが、そのほかに、いろいろ御説明するのは省略させていただきますが、それについても着々と進展いたしております。  それから三番目の次期大型装置というものは次の課題でありまして、その設計研究を進めておるということでございます。  それから四番目は、先ほど御説明申し上げましたけれども、次期装置のための炉心工学技術の開発が着実に進んでおるということで、一番最初に申し上げましたように、核融合炉の実現を目指す必要な技術開発あるいは科学的研究を全面的に原研としては推進したいというふうに考えております。  以上でございます。  ありがとうございました。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。  次に、飯吉参考人にお願いいたします。飯吉参考人。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) それでは引き続きまして、私の方は、文部省の大学関係の核融合研究について核融合科学研究所を中心に御説明したいと思います。  私の資料といたしましては、この「核融合科学研究所」というパンフレットを中心にお話ししたいと思いますが、一応参考資料として、「核融合科学研究所(仮称)設立と大型ヘリカル装置計画」、こういう一文をつけておりますが、主としてパンフレットと、それから発言要旨がお手元にあろうかと思います、それに従いまして御説明をしたいと思います。  本年、平成元年の五月に、我が国の大学における核融合研究をより一層発展させるために、名古屋大学のプラズマ研究所を改組転換いたしまして、それに京都大学のヘリオトロン核融合研究センター、それから広島大学の核融合理論研究センター、この一部を統合いたしまして、新たに大学共同利用機関といたしまして核融合科学研究所が発足したわけでございます。まだ半年足らずの研究所でございますけれども、それに至るまでの経緯を若干御説明しておきたいと思います。  我が国の核融合研究全般を考えてみますと、従来から、ただいま御説明ありました吉川先生の原子力研究所、科学技術庁傘下の研究所とそれから文部省の我々大学関連で核融合研究が推進されているわけでございます。  核融合研究というのは、加速器であるとか宇宙であるとか、そういったサイエンスの中でもビッグサイエンスの一つに位置づけられているわけでございますけれども、加速器などの場合は物質の究極の真理を探求する、こういうことになっておりますけれども、核融合研究というのはあくまでも出発点はエネルギー開発でございます。新しいエネルギー源を開発する、そういう立場から研究が進められておりまして、そういう意味では非常に新しい学問のスタイルであろうかと思います。  したがいまして、基礎的な物理工学的な研究と実用へ向けた開発研究、この二つが非常に車の両輪のような役割をしているわけでございまして、どちらに重点を置くかでございますけれども、私ども大学では基礎的な部分、要するに学問的な体系化というようなことも含めた核融合理学、工学の広範な研究を行っているわけでございまして、一方、科学技術庁、原研の方は実用化に向けてまっしぐらにという、そういう二つのスタイルが共存して、ある意味では世界の中でもユニークな研究の進め方が行われておりまして、大変成果が出てきていると私どもは考えておるわけでございます。  その中で大学は、原研サイドがトカマクというある一つの方式を決めてそれに向けて開発研究を進めているのに対して、核融合の実用に向けてはいろいろな可能性というものがございますものですから、多岐路線といっていろいろな方式をパラレルに研究して原理検証をしよう、こういうことで進んできたわけでございます。  その一つが京都大学のヘリオトロン方式といって、これは我が国独自で開発した方式でございますけれども、そういうヘリオトロン方式とか、そのほかに後でお話がございます大阪大学のレーザー核融合研究センターにおける慣性核融合、それから筑波大学にプラズマ研究センターというのがございますが、そこのミラー型、こういうもの、それから、この新しい研究所ができるまで日本のプラズマ物理の中心でございました名古屋大学のプラズマ研究所ではトカマクを含めた基礎研究が行われてきたわけでございます。ところがそれぞれに約百億近い予算を投入して研究が進められてきまして、それぞれにかなりの成果を出してきた、そういう事態になりまして、さらに次のステップをどういうふうに進むかということが大学の中におきまして非常に大きな問題になってまいりました。  そういうところを受けまして、昭和五十九年から、それでは大学のこれまでの研究成果をもとに今後どういうふうに発展させていくかということを専門家を交えて検討が行われたわけでございます。  その結果が、昭和六十一年に文部省の学術審議会の報告として、「大学における今後の核融合研究について」ということでまとめられました。その骨子を申し上げますと、大学における次期大型装置というのはヘリカル系でいきましょう、それを全国の英知を結集して岐阜県の土岐市に建設しよう、こういうことでございます。それから、新大型計画の推進母体としては、新たに大学の共同利用機関を設置して推進するのが望ましい。三番目といたしまして、その新大型ヘリカル以外の研究、今まで多岐路線でいろいろ研究が行われてきたわけでございますけれども、今度選ばれた大型ヘリカル方式以外の方式については、慣性核融合、ミラー型も含めて既存装置の活用等により引き続いて推進をする、こういう三つの骨子の結果になったわけでございます。それを受けてこの五月に核融合科学研究所が発足したわけでございます。  核融合科学研究所の活動内容について次に御説明いたしますが、このパンフレットの五ページをお開きいただきたいと思います。核融合科学研究所は四つの大きな任務を持っておりまして、一つはただいま申し上げましたように大型ヘリカル装置を建設して高温プラズマの実験を行うということ。それから核融合のプラズマ現象というのは非常に複雑な興味のある研究対象でございまして、最近の発達してきたスーパーコンピューターを使って、実験だけじゃなくて理論的な解析も非常に貴重なものになっておりまして、その理論の研究。これが研究面でございますけれども、そのほかに、開かれた共同利用研究機関として全国の研究者に大型設備を開放いたしまして共同研究を積極的に推進する。それから、大学院の教育に先端的な研究環境を開放して若手の研究者の育成に努める。最後に、国際協力を積極的に行って研究交流を推進する、こういう役割を持っているわけでございます。  研究所の組織といたしましては六ページにございますけれども、管理部、技術部のほかに、研究組織といたしましては大型ヘリカル研究部というのがございます。現在、所員は全体で百六十名程度でございますが、その約半数が研究者でございまして、その研究者の約三分の二がこの大型ヘリカル研究部で現在計画中の、後で御説明いたしますが、大型ヘリカル装置の建設に関与しているわけでございます。そのほかに四つの研究センターをもって一つの研究所を構成いたしております。  次に、発言要旨の三番でございますが、研究所の今申し上げました中枢装置である大型ヘリカル装置の概要を御説明いたしたいと思います。  先ほど吉川先生の方から御説明がありましたけれども、高温のプラズマを磁場で閉じ込めるという仕掛けは同じでございます。それから、トカマクと同じように、ドーナツ型のプラズマを閉じ込めるという点でも同じ方式でございます。ただ、トカマクではプラズマの中に大きな電流を流して閉じ込め磁場を発生するという先ほどの御説明でございますが、ヘリカル方式ではプラズマの中に電流を流さないで、三ページと四ページをちょっと開いていただきますとここに装置の概念図がかいてございますが、ピンクの部分がドーナツ状のプラズマの状態でございまして、その外側に青いらせんのコイルがございます。これはマグネット、磁石になっておりまして、これによって磁場を発生してプラズマを閉じ込める、こういう方式でございます。ですから、トカマクと非常によく似てはおりますけれども、プラズマの中に大きな電流が流れていない。流れているかいないかというのが両者の違い、簡単に申し上げますとそういうことになります。そういう電流が流れていないために、将来実用炉になったときに定常運転という、これは石炭ストーブのように一度燃料を入れてやれば後はずっと燃え続けるという、こういう定常運転の炉になるという可能性を持ったシステムでございまして、この定常運転ということが将来の実用炉にとって非常に必須のものであるという私どもの考え方でこのヘリカル方式の研究を続けているわけでございます。  現在、計画している大型ヘリカル装置は、プラズマのドーナツの直径が八メーターで、四万ガウスという大きな磁場を超電導マグネットで発生する世界最大規模の超電導システムになるわけでございます。  目標としておりますプラズマの諸量といたしましては、先ほど吉川先生の方から御説明ありましたけれども、臨界プラズマという、そういう一億度という温度を直接ねらうのではなくて、そのプラズマパラメーターでは約数千万度のプラズマを発生することを目標としておりますけれども、先ほど来説明しております定常運転のための必要な基礎的なデータをこの装置を使って確立するというのが研究の目標でございます。既に本年度予算で超電導マグネットの技術開発を進めておりまして、約数年の年月をかけて建設をするという計画になっております。  このヘリカル方式というのは、京都大学でヘリオトロンという研究がもう三十年の長い期間にわたって研究が続けられておりますが、そういう意味では我が国の独自のアイデアによるプラズマ閉じ込め方式ということでございます。それをさらに発展させてこの大型ヘリカル計画を建設しよう、こういうことになっておりまして、一応ヘリカル方式の中では世界で一番先端を走っているということでございます。  このヘリカル方式に関しましては、外国では西ドイツ、アメリカ、ソビエトそれからスペイン、オーストラリアなどで研究が行われております。特に西ドイツにおきましては、マックス・プランク研究所におきましてこの私どもの大型ヘリカル計画と非常に類似の研究が検討されておりまして、実験計画の実施の検討が詰められているという段階でございます。  なお、この大型ヘリカル装置は、岐阜県の土岐市に既に約五十ヘクタールの土地がございまして、七ページをお開きいただきますと建設地の写真がございます。まだ何も建っておりませんけれども、来月から第一番目の建物の建設が開始されるということになっております。その建設プランを一つだけビューグラフでごらんいただきます。  これが私どもの全体プランでございまして、トータルの面積は約五十ヘクタールございます。ここに大型ヘリカル装置建設の建物を予定いたしておりまして、このあたりが研究棟とか会議室などがございますが、第一番目の建物と申しますのは、超電導マグネットの実験棟が来月から建設が開始される、そういう計画になっております。  以上が、大体私どもの核融合科学研究所の現状でございますが、最後に、その核融合開発をぜひ国家的プロジェクトとして推進していく必要があるということの私の考えを若干述べさしていただきたいと思います。  核融合の開発研究というのは、人類のいわゆる恒久的なエネルギー資源の開発研究でございます。これは海水の中から燃料を取り出せるということでわかりますように、燃料資源としては非常に豊富にございます。また、我が国は資源のない国と言われておりますけれども、この核融合研究が実用になれば、周囲は海で覆われているわけでございますので一躍資源国になるわけでございますが、先ほど吉川先生のお話にございましたように、何分にも技術的に非常に困難ないろいろな問題を抱えておりますけれども、着実に研究が進んでいるわけでございます。  エネルギー問題というのは最近の地球環境の問題もございますけれども、いずれにしても現在世界の人口が着実にふえておりまして、これは二十一世紀になりますと約百億近くで大体落ちつくんではなかろうかというふうなことも言われておりますけれども、そういたしましても現在約五十億の倍ぐらいの人口を養っていかなければいけない。そのときに現在の化石燃料に頼ることはどうしてもできない。新しいエネルギー資源を開発しないといけない。そうすると、こういう豊富なそういう今の多量なエネルギーを供給するエネルギー源としては太陽エネルギーか核融合かというチョイスしかないんではないだろうかというふうに考えます。  もちろん原子力はございますけれども、原子力はもう既に実用になっておりまして、これが安全性の問題で今後さらにより高度なものになっていくことは十分考えられますけれども、それだけでは十分でないということになりますと、どうしても新しいエネルギー資源を開発しないといけない。我が国はエネルギーを非常に豊富に使っている国でございますが、同時に非常に高いエネルギーの技術力を持っている国でございますので、こういう新しいエネルギー源の開発というのはどうしても高い技術力のある国でないと開発できないわけでございますので、そういった意味からも、我が国が国際的にも長期的なエネルギー開発を着実にナショナルプロジェクトとして推進していく必要があることをぜひ御理解いただいて、今後の核融合研究の御理解、御支援をお願いしたいと思う次第でございます。  以上でございます。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。  それでは次に、中井参考人にお願いいたします。中井参考人。

中井貞雄大阪大学レ−ザ−核融合研究センタ−長

○参考人(中井貞雄君) 大阪大学の中井でございます。  資料といたしましては、B4の「レーザー核融合 現状と展望」と書いた要旨、それからOHPのコピーといたしまして、同じタイトルのA4のカラーゼロックスのとじたもの、それといま一つ、私どもの研究センターの要覧がございます。  では、発言要旨に従いまして説明させていただきます。  発言要旨の一番上には、「化石燃料の枯渇、地球環境の悪化により無尽蔵でクリーンな核融合エネルギーの開発が人類の文化的生存にとり、重要な課題となってきた。」と。特に昨今の環境問題を乗り切るというふうなことでは、抜本的対策というのは核融合をおいてないんではないかと研究に携わる者としては思っております。  その次に、核融合の方式には物理的にもあるいは技術的にも全く異なる二つの方法がございます。その一つが磁場閉じ込め核融合で、ただいま吉川さん、飯吉さんが御説明された分でございます。私どもがやっておりますのは慣性閉じ込め核融合。どうして慣性閉じ込めというかというのは後で御説明いたしますが、現在はしーザーを使って核融合を行っておりますのでレーザー核融合という名前で呼ばれております。  レーザー核融合でございますが、レーザー核融合では、重水素、三重水素、これは核融合燃料でございますが、これをガス状のプラズマにして磁場で閉じ込めるというのが磁場核融合でございます。私どもの方は、ガス状では使いませずに、これを冷却しまして固体にいたします。冷却固化し、球状のペレットというものをつくります。この非常に小さな球状のペレットに周りから非常に強力なレーザー光を集光投射いたします。そういたしますと、表面が加熱されまして燃料表面にプラズマが生成します。このプラズマが球対称的に噴出する。外向きに球対称的に噴出いたしますと、外向きに噴出しますから反作用は内向きに向かいます。球対称的に膨張いたしますからその反作用はすべて球の中心に向かいます。そういう形で燃料球全体を圧縮いたします。そうしますと、圧縮されることによって温度が上がり、密度が上がります。そうすると一挙に核融合反応が起こる。核融合反応の速度というのは密度の二乗に比例いたしますので、密度が上がると、それの二乗に比例して反応速度が上がります。ですから、一挙に核融合反応が起こる。  一挙というごく瞬間に起こるという意味は、燃料が膨張してなくなるよりも早く核融合反応が起こる。膨張によって雲散霧消してなくなるという時間は何で決まるかというと、その物の慣性で決まるわけでございます。物には、いつまでも静止しているものは静止する、動いているものは動き続ける、そういう慣性力というのがございます。圧縮して高温、高密度にいたしまして、それが慣性によって静止している間に核融合反応が一挙に終わってしまう。そういうことでレーザー核融合のことを慣性閉じ込め、こう申しているわけでございまして、要するに、平たく言えば閉じ込めはしないのであるということでございます。自分自身の物の性質に基づいて、静止している間に核融合反応を起こしてしまうということでございます。  その辺のことはOHPの一ページ、図1というところに書いてございますが、一番左の端、燃料ペレット、ブルーの色で示されてございますが、それに周りからレーザー光を当てます。そういたしますと、表面だけに高温のプラズマができて、中は加熱されないままの状態です。高温の状態が表面だけにできるというのがここのポイントでございまして、中まで熱くなってしまいますとこれはだめなのでございます。といいますのは、磁場閉じ込めと基本的に違いますので、ちょっとその辺の説明をOHPでさせていただきます。  これがレーザー核融合と磁場閉じ込め核融合を対比して示したものでございまして、先ほど来御説明がありましたように、コイルに磁力線を流してガス状のプラズマを閉じ込める、これが磁場閉じ込めでございます。  私どもの方は、燃料ペレットに周りからレーザーを照射してこの燃料ペレットをさらに圧縮する。もともと固体密度ですから非常に密度が高い。それをさらに圧縮加熱するということで核融合反応を起こすわけでございます。  先ほど来ロケットという話が出てまいりますが、ロケットといいますのは、類推はこういうことでございまして、ロケットというのは、こうロケット本体がありまして、後ろに噴煙を噴いて、ロケット本体はこちら向きに飛んでいきます。レーザー核融合の場合は、ロケットが球対称に配置されていまして、噴煙をすべて外向きに噴き出す。そうしますと、ロケット本体は内向きに進みます。そういうことで内部を圧縮する。先ほど言いました全体が熱くなったらだめだというのは、ロケット本体まで熱くなったらだめで、噴煙の部分だけが熱くなって噴き出す、内部は冷たいまま圧縮によって温度が上がるということでございまして、これを爆縮と申しておりますが、燃料を爆縮によって高温、高密度にするということでございます。  その次、要旨の第三番目の段落でございますが、今のような原理からいたしまして、レーザー核融合研究の推進には、ハイパワーレーザーの開発というのが技術的には必須の要件でございます。現在私どもの方で用いております激光XII号といいますガラスレーザーは、一九八三年に、完成時世界最高の出力と性能を持って完成いたしました。「以来六年間、関係当局の適切な御支援のもと」と書いてございますが、これだけの世界最大のレーザーを定常的に動かすということになりますとそれなりの手当てが必要でございまして、マンパワーといたしましても予算的にも必要でございまして、六年間定常的にこの規模のレーザーが動いてきたということは世界的にも非常に大きな技術的な完成でございます。  そういうことで、レーザー核融合の基礎である先ほど来説明いたしました爆縮の物理に関しましては、画期的な成果を挙げ、世界のトップレベルを走ってまいりました。この成果に基づきまして爆縮性能を向上させ、十兆個の核融合中性子の生成と、ごく最近には固体密度の六百倍という超高密度の達成というふうなことで、これはいずれも世界記録でございますが、六年間の研究のプロセスでは、その都度その都度世界の最先端の記録を出してきております。  レーザー装置のその構成、仕組みというのは図2にございますが、図2の左上のところに発振器というのがございます。ここからレーザー光線が射出されます。その発振器から出てきたレーザー光線は非常に微弱なものでございますが、レーザー光線としまして非常に質のいい光ということが言えます。それを——その次にロッド型増幅器とあります。これは光を増幅する装置でございます。その光を光のままで増幅する、どんどん強くするわけでございます。強くすると同時にレーザービームのビームの口径を大きくいたします。ビームの口径を大きくしてさらに増幅するということを繰り返しまして、最終的には激光XII号のレーザービームのその口径、ビームの直径は三十五センチでございます。それを波長変換いたしまして、赤外光、赤で書いてございますが、ガラスレーザーの赤外光を、二倍高調波と言っていますが、グリーンの光あるいはブルーの光に光の色を変えまして波長を短くいたします。そしてレンズで集光して燃料ペレットに当てる。激光XII号は、こういうビームが十二本ございまして、大きさは、これは人の形がかいてございませんのでわかりませんが、発振器を出まして右下のターゲット核融合燃料ペレットに当たるまでの全長は三百メーターでございます。  その次の図3に、激光XII号のレーザー光を増幅する部分が写ってございます。ちょっとゼロックス写真で汚ないものですから、これで。  これがレーザーの増幅部でございます。レーザー光は向こうからこのパイプの中を伝搬しながらやってまいりましてどんどんどんどん強くなります。同じようにこのパイプの中を伝搬してくるということでございます。伝搬してきたものが最終的には、これが核融合チャンバーでございまして、直径二メーターございますが、それに四方八方からビームがやってくる。この部分で光を赤外光からグリーンに変えておりますので、これ全体の色調がグリーンに見えておりますが、これはその波長、光の色を変えたものが散乱してグリーンに見えております。  以上がレーザー装置でございますが、研究の進展状況につきましてその次、要旨の四番目の段落に書いてございます。  レーザー核融合の科学実証に必要な核融合点火、ブレークイーブンを実現するプラズマ条件というのがございますが、この核融合点火ないしブレークイーブンといいますのは、これは燃料にレーザーを投射いたします。投射したレーザーのエネルギーと核融合で発生したエネルギーと比較いたしまして、投射したレーザーのエネルギーに等しいだけの核融合エネルギーが出るというのがブレークイーブンでございます。これは自分のことは自分で稼ぐという親離れしたという状況に対応するかと思いますが、エネルギーの収支バランスが成り立ったという点でございます。その点で物理的には核融合点火というのが起こります。  この核融合点火と申しますのは、核融合をレーザーで開始いたしますが、レーザーで開始した核融合が自分自身で自分自身の燃料を加熱して燃える、その燃えるための条件でございます。それが核融合点火。これはレーザー核融合での科学実証と我々申しておりますが、そういう科学実証の条件といいますのは、温度が五千万度、それから圧縮するプラズマの密度が五百から千倍、これは五百から千倍の圧縮と書いていますが、固体の重水素から出発いたしまして、固体をさらに五百倍ないし千倍に圧縮いたします。それから圧縮された燃料の密度と半径の積でございます。これは大きさでございます。大きさが〇・三グラム・パー・スクエアセンチメーター、要するに密度が一グラムとしますとその半径が〇・三センチという、密度と半径の積でございます。これは燃料の大きさと考えていただいたら結構かと思います。温度、密度、それから密度と半径の積という、こういう条件が必要でございます。  それに対しまして、現在どれだけの値が達成できているかと申しますと、温度では五千万度を優に超えて一億度というのが達成されております。密度に対しましては六百倍というのが達成されておりまして、ほぼそのブレークイーブン点火に必要な条件が達成されております。ただ、密度、半径積というのは〇・一グラムで、これは目標値の〇・三グラムに対してほぼ三分の一。これは燃料の大きさでございますから、使用するレーザーのエネルギーを上げれば大きくできる。ですから研究として難しい、あるいは物理的に解明すべき問題というのは、温度を上げることと密度を上げることでございまして、その物理の基礎に関しましては、ほぼ目標を達成したという状況でございまして、あと燃料の大きさを大きくするということが必要でございます。  その辺のところが図の5、6、7、8というところに書いてございまして、図5でございますが、これは左側に点火条件、それに対しまして右側に達成値が書いてございます。密度と半径の積、密度掛ける半径の値以外のところはほぼ点火条件を満たしております。これが二十キロジュールまでのレーザー、激光XII号で達成されておりますので、この値からレーザーエネルギーを百キロジュールにいたしますと、核融合点火あるいはブレークイーブンの達成というのが可能であるという見通しが得られるようになってまいりました。  爆縮というのは、先ほどから何回も申しておりますが、爆縮の様子を図6に示してございます。図6は燃料ペレットにレーザーを照射した結果起こる爆縮の過程を高速のこま撮り写真で撮ったものでございます。最初のペレットの初期径というのがその左下のところに数値で書いてございますが、ペレット初期径四百九十四ミクロン、ほぼ〇・五ミリでございます。それにレーザー光を投射いたします。そうすると、爆縮、圧縮が開始しまして、順次時間を追っていくに従って燃料球が小さく圧縮されている様子がわかります。四つ目のこまに最大圧縮の時間が写っております。その後膨張する。この最大圧縮のときに核融合反応が一挙に起こるわけでございます。これはちなみにこのカメラの、エックス線で撮っておるカメラでございますが、カメラの露出時間といいますのは八十ピコ秒、一ピコ秒というのは一兆分の一秒でございますので、八十ピコ秒というのは一兆分の八十秒ということになりまして、これは現在の高速カメラの最高の値ではないかと思います、こういうイメージとして撮れる写真としましては。こういうふうにレーザーによる爆縮というのがほぼ我々が理論的に予測しているとおりに起こっているということがつかまえられました。  その次のページには、最近の核融合、爆縮プラズマの記録が上昇してきているということを示しております。左側は、横軸が年度、一九七四年から始まっておりますが、縦軸が核融合発生中性子数でございます。核融合反応が起こりますと中性子が出てまいりますので、どれだけの核融合が起こったかということは中性子の数を数えることによって評価できます。これで核融合の結果発生したエネルギーを評価することができます。一番新しい記録では、十の十三乗、十兆個でございます。このときの温度は一億度に達しております。  それから、密度を上げるという方向では、右側のグラフでございますが、これはなかなか実験的には難しいのでございます。核融合で中性子を出すより密度を上げる方が難しいものですから、その横軸の年度はかなりおくれてございます。八二年あたりから記録があらわれていまして、その後ずんずんずんずん進んでおりまして、ことし六百倍の圧縮というのを達成いたしました。この値は、アメリカの記録が現在固体密度の百倍から二百倍でございますので、六百倍の圧縮を達成したというのは非常に大きな記録の上昇でございまして、せんだってのアメリカの物理学会に招待されまして、この結果を報告してまいりました。これでレーザー核融合に対する見通しが立ったというふうなことが言えると思います。  それで、レーザー核融合の総合的な性能ということに関しましては、こういう密度とか温度とか中性子とかいうものに関しましてそれらを総合した値としましてペレット利得というものがございます。これは先ほど言いました投射したレーザーのエネルギーと核融合で発生したエネルギーとの比でございまして、その比が一のところがブレークイーブンでございます。これまでどういうプロセスでペレット利得が上昇してきているかというのを示すのが図8でございます。  一番最初のころは一九七四年からプロットされておりますが、レーザー核融合の最初の日米セミナーが一九七二年に京都で開催されました。そのときは、まだレーザー核融合というのが研究として世に出てきた当初でございまして、そのときに、私は今も覚えておりますのですが、伏見先生がその日米セミナーの冒頭で、レーザー核融合というのは新しい方式の核融合である、ダークホースであるが、これが将来ホワイトホースになるかどうかは君たちの努力次第であるというふうなことをたしかおっしゃったと記憶しておりますが、それがダークホースからだんだんだんだん上へ下がってまいりまして、ブレークイーブンの線にこのぐらい近づいてまいりました。投射したレーザーのエネルギーのほぼ百分の一程度の核融合エネルギーが出る。先ほど来御説明いたしましたように、爆縮実験の成果が着実に出ておりまして、これまでの物理実験あるいは物理的に解明された状況を考慮しますと、百キロジュールのレーザーでブレークイーブンを達成するということはほぼ間違いないというふうに確信できるところまで参りました。  その次の図9でございますが、これは今のペレットゲイン、ペレット利得とは若干異なる核融合の総合的な評価の図でございまして、横軸がイオン温度で、十keV、十のところは一億度でございます。縦軸がプラズマの密度と閉じ込め時間の積でございまして、十の十二乗から十六乗までございます。この値は、nτというのは、先ほどの磁場閉じ込めにも出てまいっておりますが、私どものところのレーザー核融合では、nが、密度が極端に高い。nが非常に大きく、そのかわりτが非常に小さいということで、n、τの積としては磁場閉じ込めとほぼ同じ値ということになるのでございます。  グリーンの色で書いてあるところがこれまでの実験成果をプロットしたものでございまして、これまでの実験成果で予測いたしまして、ブルーのところというのがブレークイーブンあるいは核融合点火の領域でございますが、これがブルーの百キロジュールのレーザーでほぼ達成できるであろうという見通しでございます。さらにもう一段上に核融合炉の条件というのがございますが、これは実用炉ではこの領域にいくということで、百キロジュールで科学実証が可能であるということがこれまでの実験結果で評価できます。  その次に、その百キロジュールのレーザーがどのように技術的に建設可能なのかどうかということでございますが、その次のページは、現在の激光XII号が入っております建屋と、その建屋の中に配置してあります激光XII号のレーザー装置を示しております。  これは同じ写真でございますが、これが私どもの現在のレーザー核融合研究センターの実験棟でございます。グリーンで書いてありますこの部分が、現在の激光XII号でございます。現在の激光XII号の一つのビームを二つに分けます。そうしますと、現在の激光XII号というのは、十二本のビームがございますので、十二本のビームが二十四本になります。二十四本のビームそれぞれにブースターアンプといいますか、最終増幅器を増設することによって二十四本のビームで百キロジュールのレーザーシステムができるということで、現在の激光XII号の技術の延長上に百キロジュールというのは建設されるわけでございまして、二十四ビームは最終的にはこのターゲット、この部分にレーザーを集光しまして核融合反応を起こすわけでございます。  これに必要な技術といいますのはハイパワーレーザーの最先端技術でございまして、一番大きな問題は、口径の大きな三十五センチのレーザー光をその光のままで増幅するという増幅器でございますが、これはほぼ開発が終わっております。  それから、先ほど言いました爆縮の効率を上げるために必要なレーザーの光を変える、赤外からグリーンとかブルーに自由自在に光の色を変える、そのために必要な波長変換素子でございますが、これは単結晶でございます。特殊な光の波長を変えるための単結晶でございまして、このサイズで原子が整然と結晶成長に従って並んでできているというそういう大きなもので、これも世界最大の単結晶でございまして、私どもの方の大学で開発をしたものでございます。  さらに、大口径のレーザー光を自由自在にガイドいたしまして燃料ペレットに集光照射するという光の耐力の非常に強い光学素子、しかも大口径の光学素子、こういう技術が必要になりまして、それぞれに関しまして関係企業あるいは企業ができないものは大学でやるというふうなことで準備を整えております。  その次は、要旨に従いまして最後の段落でございますが、レーザー核融合研究の進歩は非常に目覚ましい、かつまた先端技術としても大きな期待の寄せられているレーザー技術ということでございまして、レーザー核融合は世界的に非常に大きな展開を見せようとしております。ヨーロッパでは、これまで各国がそれぞれに小規模なレーザーを持って研究を行ってまいりましたが、最近に至りまして日米の研究成果、あるいは研究の進展に刺激されまして、ECとして連合して、百キロジュールというレーザーの建設の計画が検討されております。  米国では、現在稼働中のノバレーザー、これは私どもの激光XII号よりも大きなレーザーでございますが、それからオメガレーザー、これはロチェスター大学にございます。このレーザーの増強改良を進めるということで、現在進めております。  それと並行いたしまして、出力がメガジュール、——といいますのは百キロジュールの一けた上が一メガジュールでございます。出力がメガジュールのレーザーの建設ということを標的にいたしまして、LMFと書いてございますが、ラボラトリー・マイクロ・フュージョンという計画を、これは現在レビュー作業でございますが、アメリカの国会の要請を受けた科学アカデミーと米国のエネルギー省、DOEでございます、この二つのところで並行して進めております。エネルギー省のレビュー作業の報告は、ことしの五月に第一歩といいますか、中間報告が出ました。科学アカデミーのレビュー作業の報告はせんだって終わりまして、来年一月の十五日に出るということでございます。これは、メガジュールという現在我々が目標としておりますレーザーのさらに一けた大きなレーザーをつくって、ペレット利得を一挙に核融合炉をつくるのに必要な条件に持っていこうという野心的な計画でございまして、そういうものを米国は進めているというふうな状況でございます。  そういうバックグラウンドといたしまして核融合炉に関しましてのいろんな検討も進められております。  これは私どもの方が概念設計として行いました核融合炉、千里一号というものの概念図でございます。この部分で燃料ペレットにレーザーを当てて核融合反応を起こします。ここで発生したエネルギーを流体に与えまして、リチウムなんでございますが、流体を加熱しまして熱交換して、さらにもう一段熱交換して発電所に持っていく。レーザー装置はこちら側にございまして、レーザー装置から光だけをこう送りまして、その核融合チャンバーに光を導きます。こういうことで、レーザー装置とその核融合炉そのものとをセパレートしておけるというのもレーザー核融合炉の非常に大きな特徴でございます。それと、この部分が非常にシンプルに丸くて、レーザー光をただ四方から入射するだけというような、非常にシンプルな構造になるということも、レーザー核融合の実現性に関する非常に大きな特徴でございます。  同じようなことをアメリカにおきましても設計はやっておりまして、この部分がレーザーのビルディングでございまして、これはアメリカのローレンス・リバモア研究所の概念設計でございます。レーザー光を送りまして、その反応リアクター、核融合反応炉にレーザー光を導きます。向こうからもこう導く。この部分を拡大したのがこれでして、レーザー光が入ってこの部分で核融合反応を起こして、周りのブランケットがその熱エネルギーを受け取るというふうなデザインになっております。そういうことで、レーザー核融合に関しまして、世界的に非常に大きな展開を見せようという状況でございます。  以上で説明を終わらせていただきますが、アメリカのレーザー装置の写真でございますが、これはノバというアメリカの現在世界一、激光XII号が世界一でできましたのですが、その四年ほど後にできまして、これができてからこれが現在世界一のレーザーで、激光XII号は世界二位でございます。三番目はずっと落ちますので、私ども世界最高級といつも言っておりますが、現実はこちら側が三倍程度大きなレーザーでございます。ただ、爆縮実験に関する記録は私どもの方が先行しております。  それから、アメリカのロチェスター大学というところでやっております、これは大学でやっておるレーザーでございますが、そのオメガというレーザーでございます。これは四、六、二十四ビームのレーザーでございます。  最後に、これは日米の核融合予算の推移でございますが、資料を取りまとめますと、我が国の磁場核融合の予算と慣性核融合の予算とを同じ上下の目盛りでプロットしてございます。アメリカの磁場核融合の予算の年次推移と慣性核融合の年次推移をやはり同じ尺度で上下に目盛ってございます。こちら側の円とこちら側のドルとは一ドル百五十円で長さをそろえてございます。そういうことで比較いたしまして、アメリカが慣性核融合に非常に大きな力を入れているということがおわかりいただけるんではないかと思います。  以上で私のレーザー核融合に関する説明を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) 速記を起こしてください。  それでは、これから質疑を行います。  質疑のある方はお手をお挙げください。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 三先生には、大変に難しい最先端の技術の内容をわかりやすく御説明をいただきまして、本当にありがとうございました。にもかかわらず、まだまだなかなかわからないわけでありまして、大変に幼稚な質問を申し上げるかもわかりませんけれども、二、三お尋ねをさせていただきたいと思うんです。  まず吉川理事さんに、さっきお話しになりましたアイターというのですか、イーターというのですか、国際協力で今核融合の実験炉の設計をされておるということなんですが、これは実験炉ができる自己点火条件というのですか、そこまでまだ行ってないわけですね、密度だとか温度とかいう条件が。そういう段階で設計はどういうふうにしてできるのか。  それからまた、四カ国というか、日、米、欧、ソ連の技術者が集まられてそういう設計をやってうまくいっているのかどうかということをまずちょっとお尋ねしたいんです。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) お答えいたしたいと思います。  最初の御質問で、現在まだ自己点火条件へ行っていないときに自己点火条件のものを設計できるかという御質問だと思うんですが、こういうことです。  現在、臨界プラズマ条件に達しておる、目標領域に達しておるわけでありますけれども、その一億度クラスのガスといいますか、プラズマというものと、今度ITERクラス、次期装置はもっと大きくなるわけでありますけれども、そこの、専門的に外挿というのですが、予測は十分確実にできる、装置の大きさが倍になったときに、今まで得られた科学的なデータ、予測式がそこまで外挿できるはずだということは相当はっきりしているわけですね。そこで、急にプラズマの様相が変わるはずがないというのが物理的な中身に入ったときに明らかになってくるわけでありまして、今までのデータを装置の寸法を大きくした分だけ外挿してやれば十分予測できるというふうに考えております。  それから、二番目の御質問のITERという装置、これはどういうわけか英語読みのアイターでなくてラテン読みのイーターです。ITERというのは道という意味だそうなんで、勉強したんですが、そういう道という意味があるのでラテン読みしようというのが習慣になっていますが、ITERのチームがうまく運営できるかというのは、実は私どもも心配したわけであります。日、米、EC、ソ連、十人ずつ、西ドイツのガルヒンクにありますマックス・プランク研究所に集まるわけであります。ですからそれが自分自身の国益というのを余り出したり、自分の国の、おのおのの国に長所短所がありますから、それを表面に打ち出してくると必ずしもうまく運営できないんではないかということも心配があったわけであります。しかも、そこの議長は日本人であります。その全四十人の設計チームを率いているのは日本人でありますので、これはなかなか、日本人的な奥ゆかしさを、譲ったりしなきゃならないかということも心配したわけでありますが、現実は全くそうでなかったと思います。  つまり、四カ国を実際設計の本体のいろいろなコンポーネントに分けまして、しかもそれが四人集まってくる、そういうチームを十チーム編成いたしますと、むしろその四人のチームの方が団結心を出しまして、ほかのグループと議論したり、何とか勝とうとしたりすることがわかりまして、そういう技術者、科学者の国際チームの運営というのはなかなかうまくできるなというのが実際上私どもが発見したという結果でございます。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 ありがとうございました。  それで、次の段階ということになると、当然これは実験炉の建設ということになってくるんでしょうが、これは政治的な決定がどういうふうにあるかというのが大前提でしょう。もしそういうことがあれば、技術的には今のような方式で実験炉の建設へ進めるとお考えになりますか。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) 結論から申し上げますと、十分できると思っております。  私の話をちょっと申し上げましたけれども、JT60を建設するときに開発された技術というのは非常に高いわけでありまして、それからもう一つ、炉工学開発のために予算もちょうだいしておりまして、最終的に必要なものの大体三分の一程度のものは開発を成功裏に進めさしていただいておりますので、あと三倍というのは、もちろん大変でありまして十分注意する必要がありますけれども、今までの私どもの経験から申し上げますと十分可能であるというふうに思っております。ちなみにJT60という装置は、私どもがその前持っておりましたJFT2という装置の約三倍の大きい装置でございました。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 ありがとうございました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 じゃ幾つか質問させていただきたいんですけれども、常温核融合ということが実際には可能かどうかということについてどうお考えになるのか。そして、二十年以内に常温核融合発電が可能だ、こういうふうにおっしゃる外国の科学者もいらっしゃるわけですけれども、そういうような問題についてそれぞれの参考人の皆さんはどうお考えになるかということと、もし可能とすれば、今それぞれ進めていらっしゃる装置とか研究とか、そういうものがどういう影響を受けるんでしょうか。  それから二番目は、全部まとめて伺います、予算の問題なんですけれども、これがそれぞれの方式で核融合、実験炉に取りかかるというお話もありましたけれども、そういうところに行くのにこれからどれぐらいの予算が必要で、そしてまた研究者の数といいますか、質といいますか、そういうものは充足されているんでしょうか。  それから、先ほど飯吉参考人ですか、国家プロジェクトというお話があったんですけれども、これは今それぞれ別の機関、別の省庁といいますか、文部省や科技庁やそういうところで進められているんですけれども、これは統一的に進めるということについては必要はないのか、それとも別々でずっといらした方がいいのか、そういう問題が二番目です。  それから、核融合というものは、軍事利用ということについては全く無関係なのか、あるいは軍事技術についても魅力的な側面を持っているのかどうか。  以上、お伺いいたします。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) それではまず、常温核融合の全般的なことで私考えておりますのは、御承知かと思いますが、ポンズ、フライシュマンという人がまず発表しまして、それと全く同時に、同じ日にジョーンズという人が論文を出したわけでして、専門的には全く違う結果になっておりますが、ポンズ、フライシュマンは非常に大量の熱が出るよということを言ったわけでありまして、これはその後の追試がほとんどきかない状態であります。ほかの人がやりましてもその何倍、四倍とか八倍とか、極端な場合で百倍ということを言われますが、入れたエネルギーの何倍のエネルギーが出るかということ、いろいろあるんでありますけれども、そういう意味での追試は全くできていないわけであります。しかも、第三者チェックを許してくれない。つまり科学者であれば、自分のすることに自信があるならばぜひ一緒に立ち会って実験してくれと言うわけでありますが、それもさしてくれないという意味では、非常に言いにくい、なかなか難しい状態にあると思っています。  それから、ジョーンズ先生の方はずっと、何といいますか、内輪の話でありまして、熱が出るとも何にもおっしゃらないで、中性子が一秒間に〇・四個分ぐらい、ちょぼっちょぼっともうはかれるかはかれないかのぎりぎりの中性子が出る。だけれども、そのわずかな中性子は今までの理論で予測されたものの何けたも上であるという主張をされたわけであります。だから、理論的には、物理学というものの基本でありますとこれはむしろ驚くべきことでありまして、エネルギー利用ということは別として物理学者としては非常に興味があるという結果であります。しかも、そのレベルでの実験の追試というのは成功しているということを発表する人はかなりあるわけで、成功しないという人がむしろ多いんですけれども、あるわけでありまして、この辺の研究というのはさらにぜひ続けていただいて、本当に物理学がどういうものであるかということをぜひ明らかにしていただきたい、原研ももちろんやっておりますけれども、していただきたいと思っております。  それから、きのう、きょうあたり新聞をごらんになりまして、私、実は中を知っていたんですけれども、一つは名古屋大学の放電による核融合であります。それからもう一つは、大阪大学と近畿大学の共同の複数の電気分解核融合でありまして、特に大阪大学と近畿大学のは大変おもしろいと思うんですが、中性子の出方が非常に多いんですね。ジョーンズ先生はまあ一秒間に〇・四個、つまり二・四秒間に一個しか出ないということですが、先生のおっしゃっているのは、近畿大学、大阪大学の例は一秒間に一億個出るぞということで、十の八乗ですか、一億倍以上多いということで、なかなかおもしろい結果であるかと思います。いい点は、非常にたくさん出るわけでありまして、第三者チェックは非常にやりやすいんではないかと思います。一秒間に一個なんといいますと測定器の限界でありまして、ちょっと油断をする研究者はたちどころに間違える可能性を持っておりますが、それだけたくさん出るということは、追試なり立ち会い実験ということがやりやすいので、ぜひそういう方面の追試をしたいな、既にもう始めているところもあるように聞いておりますが、と思っております。  ちょっと長くなりますのでそれはその辺にいたしまして、では二十年後にどうなるかということは、正直に言ってわからないと思います。今、この全体の分野自身が第三者チェックが十分できない状況なんであります。科学的に信頼できる面も高いジョーンズ先生は、イエール大学はうまくいかなかったものですから、共同実験をやろうとしたんですが、どうもその結果が思わしくなくて、ちょっと結果が出ていないという状況であります。  ですから、本当にこれがどういう、どのレベルでの中性子が出ているのか、あるいは全く出ていないのか、それをまずはっきりしていただかないと、申しわけないんですが、二十年先どうなるかという御質問にはちょっとお答えしにくいというのが現実でございます。ということで、それが二十年後成功するとしたら現在の研究にどういう影響があるかというのはなかなかお答えしにくいわけでありますけれども、仮にポンズ先生のレベルが出たとしても核融合炉にするためには相当の技術的問題があるはずであります、いろいろ指摘できるわけです。ということで、やはり現在の核融合、主流となっております、正統派といいますか、磁場閉じ込めあるいは慣性閉じ込めというのはぜひさらに発展するように続けさせていただきたいというふうに思っております。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) 吉川先生と大体同じでございますけれども、私もこの常温核融合の問題は非常にセンセーショナルに取り上げられておると思うんですけれども、それは実際に熱が出たというポンズ・グループの発表、それとジョーンズ、もう一つのグループの、いや熱は出ないんだ、中性子がわずか出るだけだと、こういう二つの事実関係の違う、矛盾する結果が同時に出て、それが非常に混同されて新聞発表などに出ているわけでございます。  ぜひ御注意いただきたいと思うのは、その熱の発生の方、ポンズたちの実験が事実であれば、これは実用化に対して一つの研究を開始しなきゃいけないだろうというふうに思っておりますけれども、そのポンズたちの実験はその後、今もお話ありましたように、だれがやってもうまくいかない、同じ結果が出てこないということですので、我々専門家の方は何か化学反応というか、別の計測の問題とかいろいろな問題があるんだろうというふうに判断をいたしております。  それから、もう一つのジョーズたちの実験は、もともとエネルギーの実用化の実験をしようとして始めた研究でなくて、地球の中の地熱、火山のエネルギーとかそういう地球の中でいろんな熱が発生している。どうもその収支勘定が合わない。それでそのための実験に関連した実験をやっていたわけでございまして、エネルギーの発生が少ないんですけれども、地球規模の大きなシステムで 考えれば相当大きなエネルギーになる、こういうことがそもそもの実験の動機になっておりますので、その今の二つの実験を混同されないようにしていただきたいというのが一つございます。  それで、昨今行われている実験結果もやはり熱の発生は観測されてないわけでございますので、どちらかというとそれはやはりジョーンズの方のグループの実験に近いということと私どもは考えておりますので、それは実用には非常に遠いというふうに考えております。  以上でございます。

中井貞雄大阪大学レ−ザ−核融合研究センタ−長

○参考人(中井貞雄君) 常温核融合に関しまして、せんだってアメリカの物理学会でアメリカの科学アカデミーのここ二、三カ月にわたるレビュー作業の報告、一時間の報告会がございました。  その結論を申しますと、フライシュマン、ポンズの実験というのは信用できない、その後の追試が同じ結果を出してないということで、あれは科学的には信用できない。それから、ジョーンズの中性子が出たという結果に関しては、その後の追試はそれに近い結果を出しているのがたくさんある、それは認められる。これは物理的に興味のある課題であって、エネルギー源というふうなレベルではない、そういう結論だったように思います。これは、常温核融合に関して私がせんだってから思っておりましたのとほぼ同じ結論だということで紹介させていただきました。  それから、予算、研究者の質、量はどうかという御質問でございましたが、レーザー核融合に関しまして言えば、非常に急速に進展している分野でございまして、レーザー技術そのものが非常に若い技術でございます。レーザー核融合も新しいプロジェクトとして成長しておりますので、その点に関しては御配慮いただきたいというふうなことでございます。  それから、国家プロジェクトとして統一統合すべきかというふうな御質問がございましたが、これは研究のそれぞれの段階によるんではないかと思います。  私どもの方のレーザー核融合に限って述べさせていただきますと、科学実証、ブレークイーブンまででございます、それまではやはり大学でやるべきだろうと思っております。それは、日ごろ大学の人的資源あるいは知能、これは専門的な技術でございまして、そういうものが非常に有用でございまして、大学の共同研究として我々実質的に非常に役立たせていただいております。そういうことで、これは大学の中にあって、科学実証まではそれの方がやりやすいと思っております。その先の実用炉、リアクターの技術開発という段階になりますと、これはまたそれなりの体制が考えられるのではないかと思います。  それから、軍事利用に関して御質問がございました。軍事利用でございますが、これもレーザー核融合に限って意見を述べさせていただきますが、レーザー技術というのは、SDIの中でもたびたび出てまいりますので、SDIと非常に密接な関係があるんではないかというふうにお考えだろうと思います。ただ、レーザー技術が軍事に直接関係があるかどうかというのは、これはレーザー技術一般として関係がある。コンピューターの高性能化というのは軍事サテライトに非常に必要なテーマのようでございますが、コンピューターの開発というのは軍事技術の開発ではない。それと同じ意味で、レーザー技術の開発というのは、軍事としてももちろん使えるでしょうけれども、産業技術あるいは科学技術というものであるというふうに考えます。  それともう一つ、もう少し直接的な区別としまして、SDIに使おうとするレーザーは、パルス幅が長くて大量のエネルギーを送るということが性能の開発の方向でございます。レーザー核融合は、時間的に長いエネルギーをペレットに当てても、これは全然意味をなしません。非常に短い時間に、瞬時に当てないと爆縮というのは起こせません。そういう意味で、具体的な研究開発の方向は全然違います。これは、レーザーに関しましての軍事あるいは軍事利用をSDIに限らせていただきましたけれども、そういうことでございます。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) まず、磁場核融合の方から御説明させていただきますと、御質問のありました研究者の数と予算のことでございます。  全般的に日本と外国を比べましてお話ししたいのは、日本の研究者の数が外国の同じ研究内容を持つ研究所の大体三分の一、場合によっては四分の一という非常に少ない数であって、そのかわりに産業界の協力をいただいて非常に効率的に進めておる。まあ日本人が倍働くということもあるんですけれども、そういう格好でやっておるわけであります。それで現在、私どもの日本原子力研究所の核融合は、約三百名の人がおります。次段階に行くとすれば、倍とはいきませんけれども、相当程度の増員は必要であろうかというふうに思っております。  それから予算的には、JT60の建設に当たりましては、土地も含めて二千億を超えるお金がかかっておりまして、次段階におきましてはそれの倍ぐらいのお金がかかるだろうと思います。予算枠は、JT60の段階の倍必要かというと、必ずしもそうでなくて、恐らく建設期間が長いでしょうから倍とはいきませんけれども、相当程度の増額をお願いしなきゃならないというふうに思っておるわけであります。  それから組織の件でありますけれども、今お話がありました中井先生のお話に大体近いところがありますけれども、JT60の建設をやってよくわかったのは、やはり日本原子力研究所のようなプロジェクトになれた研究所あるいは事業団というものでないとJT60以降はとても持っていけないんではないかというふうに思います。非常に時間的にも厳しい作業でありまして、指揮系統もありますので、何らかの意味でそういう形態の方が実際的ではないかというふうに思います。ただ、いろいろな専門的知識の意味では大学の先生方が非常に優秀な方がおられますので、それを結集するような格好で考えさせていただければというふうに思っております。  それから軍事利用に関しましては、磁場核融合は非常に少ないと思っています。普通あると思われているトリチウム、三重水素というのは、ある種の水爆に使われるということが言われておりまして、トリチウムは核融合炉の中では確かに燃料として生産すると同時に使っているわけでありますが、それをどこかに利用されるということがあるとしたらどうなるかということでありますが、アメリカでよく言っておりますのは、それが利用できるのは水爆をつくれる国だけであると。ところが、水爆をつくれるためにはまず原爆が必要でありまして、つまりトリチウムを利用するとしたら、原爆まで自分でつくるような国でなければそれを悪い意味で利用するということはあり得ないということで、そういう確率は、むしろそういう必要性は多分認めないであろうから、トリチウムを核融合で使うということは軍事的な意味での影響は非常に少ないだろうというふうに評価されております。  以上でございます。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) 私も二、三お答えしたいと思いますが、予算面と研究者の問題がございましたけれども、私ぜひここで申し上げておきたいと思うのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、二十一世紀の半ばぐらいになると非常にエネルギーの危機というか、新しいエネルギー危機、本当の意味の地球レベルのエネルギー危機がやってくるだろうというふうに予測をいたしております。そういう観点からいきますと、二〇〇〇年の早い時期に核融合の目鼻をつけておく必要がある、そうでないと不安でたまらないだろうというふうに思っております。そのためにはやはりもっと集中投資を核融合にして、ただし、集中投資するだけでなくて長期計画をちゃんと立てて、それから場合によっては自国だけで開発するんだという意気込みを持って開発すべきだ、私はそういうふうに思っております。  そういう意味では、大変最近エネルギー問題はひところより危機感が薄れてまいりまして、核融合を含めたほかの新エネルギーの開発についても、予算の手当てを含めて、少し国の投資というか、関心が薄くなっているということを私は大変心配しておりますので、ぜひそのあたりは御理解をいただきたい、それが第一点でございます。  それから、国家プロジェクトとして今科学技術庁なり文部省サイドでばらばらにやっているんではないかというような御指摘でございますが、これも私が冒頭で申し上げましたように、核融合というのは実用炉のエネルギー開発を目的とした研究でございます。真理の探求だけではございません。真理の探求というのは答えは一つ。ところが、技術開発研究というのは、答えは必ずしも一つではない。例えば、どんなものを見ていただいても、原子力にしても火力にしても、いろんな方式が現実に実用になっております。ですから、どれが本当に最終的にいいかというのは、一本に絞らなくても、その用途に応じて炉の違いがあっても構わないわけですね。ですから、そういうことを考えますと、一本に早い時点で集中するのがいいか、その辺は非常に問題がございます。  それと、よく私は核融合の開発研究を山登りに例えるんでございますけれども、とにかく頂上へ行かないといけない。それに直登で行くか、少し裏から回っても案外いいルートがあるかもしれない。登り方に幾つかの違いが、それは方式の違いに対応するわけでございますけれども、そういう意味では今トカマクを原研でやり、大学はそれを少しすそ野を広げながらじわじわと登っている感じでございますけれども、それはいずれにしても最終的に頂上に行かなきゃいけないわけでございますが、その行った先もそれぞれの炉の特徴があって、共存し得るかもしれないということもございます。どれか一本になるかもしれない。その辺は今後の開発をどう進めていくかということでございますが、そういう意味でもある程度競争しながらやっていくという、これも大事なことでございます。ですから、そういうことを考えますと、これも最初に申し上げました日本の核融合の進め方というのは、これまでは大変うまくいってきたんじゃないかというふうに思っておるところでございます。  それから、軍事利用に関しましては、磁場閉じ込めに関しては、これも吉川先生と同じでございます。磁場閉じ込めに関しては、軍事には関係ない、非常に薄いということは言えるかと思います。  以上でございます。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。  ほかに御質問ございますか。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 大変丁寧に教えていただいたんですが素人でよくわかりませんですが、今、慣性のレーザーの方もブレークイーブンに近いし、磁場の方のも臨界に近いと。しかし、次なる段階の実験炉に向けてもう進んでいらっしゃるということの情勢のようでございましたが、例えば今度実験炉をつくられるとされまして、それがやがて営業炉としてやれるというようなことに向けて年度を追っていくと、学際的ないろんな材質、その他の要素をトータルして、大体どの辺にいけば営業的に可能なのかどうか。  それから、例えば今度、FERでございますか、開発されるもの。それは熱交換をされて、例えば発電ということに使われるとすると、どのくらいの出力に相当するものになるのか。その建設費用というものは大体どのくらいということに相なるのか教えていただきたい。  それから、ちょっと細かいことみたいなんですが、超電導ということをよく聞くものですから、例えば現在のJT60で、常電導でコイルに電気やっていらっしゃるわけですね。これを超電導にして、超電導ですから冷却をヘリウムか何かでされる。こういう場合に、コスト面でどのくらい改善されるということに相なるのか。  それから、中井先生、ちょっとトリプル重水素でペレットをつくってやる、これはガス状にされるのも同じですが、そういう自然界にないトリプルなんかをつくったりすると放射線があるんですね、トリプルには。また、リチウムの溶液で中性子を受けて熱電導していくと、その中にまた放射線の問題が起こってくる。核分裂でやっておる発電とは違うんですが、核融合では放射能の管理については随分と違うということを伺っているんですが、最小限の放射能の管理について核融合ではどの程度どうなのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) 核融合の営業開始の時期ということでございますが、今私ども考えておりますのは、二〇〇〇年ぐらいにJT60の次の段階のFERクラスの運転を開始したいと思っております。これは先ほど申し上げましたように、科学段階から技術段階へワンステップ上がったわけで、むしろ技術試験炉であるわけであります。それ以降、じゃ発電までどのぐらいのステップがかかるかということになるわけでありますが、このFERクラスはまだ発電ということを本格的には考えてはいないんでありまして、その次の段階で発電を始めるだろうというふうに現在考えております。つまりFERの次の段階で発電の試験をしてみるということを考えております。そういうことを考えますと、営業時期というのは大体二十一世紀の半ばぐらいじゃないかというのが一般に言われておるわけでありまして、たしか六十二年の六月にOTA、オフィス・オブ・テクノロジー・アセスメントという議会の、アメリカは事務局が非常に技術力を持っておりますが、そこの評価によりますと、早い時期においては大体二〇五〇年ぐらいに核融合が電力の相当部分、シグニフィカントという言葉ですが、相当部分を供給することが可能であろうということで、大体そういう感じであるというふうに思っております。  それから、FERの発電あるいはそのコストということでございますが、先ほど申し上げましたように、FERでは発電の、何といいますか、技術的試験というのは、小規模の発電は技術的試験のために行うつもりではございますけれども、こんなことは考えられますけれども、電力供給という意味での発電までは考えておりません。FERの次の段階で本格的な発電をして、本格的な発電コストというものの評価が将来できるようなものに持っていきたい。専門的には原型炉というふうに呼んでおりますけれども、その段階になると思っております。  それから、超電導と普通の銅のコイルを使ってどういう経済性がということの御質問だと思いますが、JT60では、おっしゃるように銅を使ったコイルでありまして、このコイルは大変たくさんの電力を消費します。ですから、もちろん核融合炉では銅のコイルは使えないということで超電導を使うことを考えるわけでありますが、超電導のコイルというのは銅のコイルより一般的にコスト高です。私もよくは知りませんが、多分五〇%くらいコスト高になるだろうと思います。ただ、運転段階に入りますと、銅のコイルというのは相当大量の電気を使いまして、建設費相当の電力代を食う、何といいますか、数年間で電力代だけで出てしまいますので、長期的にはもちろん核融合炉では超電導に行かなきゃならないということで、長期的にそれは核融合炉のライフということを考えますと当然超電導磁石でなければならないということになるわけでございます。  それでお答えになっておりますでしょうか。

中井貞雄大阪大学レ−ザ−核融合研究センタ−長

○参考人(中井貞雄君) どのぐらいで核融合炉が実用になるかということでございますが、現在我々が百キロジュールのレーザーでブレークイーブン、臨界を達成しようというところでございます。これは一九九〇年代。メガジュールのレーザーを使いますとペレット利得が一〇〇というのが実現できる。これは今アメリカが、先ほど紹介しましたDOEあるいは科学アカデミーでレビュー作業をしているという段階でございます。これに十年。  それからその次、実際の、これは研究用でございますので、ワンショットオペレーションというか、繰り返し動作が必要ではございません。リアクターになるためにはレーザーの繰り返し動作が必要になります。こちらはメガワットのレーザー、こちら側は一パルス当たりメガジュールのレーザーというふうに違っておりますが、これは二〇一〇年です。  そうしますと、実証炉から実験炉への、要するに実用炉でございますね、実用炉の一番原型といいますのは二〇二〇年から三〇年、これは非常に順調にいってという話でございまして、予算措置、それから技術的なデッドロックというふうなものがうまくアレンジされた場合にこういうペースでいくんではないかと思っております。  それから出力及び経費に関しましてですが、出力に関しましては、臨界的な出力といいますか、これだけの規模でないと経済的に成り立たないという、そういうミニマムなサイズというのはレーザー核融合の場合はございません。ですから、十万キロワットの発電所あるいは百万キロワットの発電所というように任意に設計できます。  それからコストに関しましては、実験のコストと将来の炉のコストというのは、実験の装置の評価は我々しております、次期装置としましては。将来の発電所のコストというのは、まだちょっと確信を持って提示できるというような数字はございません。  それからトリチウムでございますが、現在我々核融合実験を既にトリチウムを用いて実験しております。具体的に中性子は発生しております。これは、レーザー核融合の特徴でありますが、燃料は非常に小さな、一ミリ以下の燃料ペレットの中にだけあって、それにレーザーを当てて核融合を起こすということでございまして、この燃料ペレットの中のトリチウムの量というのは、その燃料ペレットをどこかその辺にほうりましても、あるいは人が飲み込みましても害になるようなレベルの量のものではございません。もちろんきちっと管理したもとで使用しております。一番特徴は、その燃料ペレット、トリチウムの取り扱い施設で封入しまして、それを持ってきて実験するというレーザー核融合の特殊事情がございまして、既にトリチウムで核融合実験をやっているということでございます。  将来のリアクターでどうなるかということでございますが、これは磁場閉じ込めの場合も、慣性閉じ込めの場合もトリチウム技術というのは必要な技術でございまして、これは全く共通でございます。それから、リチウムでトリチウムを生産するということも全く共通でございます。  以上のようなことでよろしいでしょうか。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 大変基本的なことですけれども、四点ばかり伺ってみたいと思います。どなたでも結構でございます。  廃棄物処理の問題ですけれども、これは果たしてどの程度必要になるものか、もしそうならば原発のように大規模なものになるのか、この辺が第一点。  それから、第二点としては核融合発電、これが何年ごろに実現をするんだろうか。  第三点が、研究開発への産業界の取り組みですね。この取り組み状況はどんなものか、材料開発とかあわせてお答えをいただければと思います。  最後に第四点ですけれども、低温核融合、これが果たしてどう評価されているのか。内外の多くの研究機関でこの核融合反応を確認したという報告もあるようですけれども、将来の見通しとあわせてお答えをいただければと思います。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) まず、廃棄物処理の問題でございますけれども、普通、原子力で廃棄物処理と言っている場合は、燃料の燃えかすですね、灰の中に大量に放射性物質が含まれる、こういうことでございますが、核融合の場合には、原理的に灰はヘリウムになりますので、ヘリウムは放射性物質ではございません。  ただ、先ほど御説明がございましたけれども、中性子が出て、それで中性子は、これも熱にかえて電気にかえるわけですから、炉から出てくるときはもうエネルギーはなくなっていますから無害になって出てまいりますけれども、その炉心から中性子が出て、炉の外に出てくる間に材料によってはその中性子が材料を放射化する可能性があるわけです。ですから、放射化しにくい材料、しない材料を選ぶということが必要になってくるわけでございまして、核融合の研究で材料の研究がこれから非常に大事だというのは一つはそこにございます。  それで、一つの候補としては、例えばセラミックスとかああいった材料は中性子が当たっても放射化しない材料でございますので、そういうものが今後そういう大きな炉のシステムとしてどれだけ使っていけるか。それからニッケルとか特殊な金属は、そういう放射化が非常に少ない材料がございます。ですから、その辺の材料の選択と、今の廃棄物というのは、炉がシャットダウンした、炉がとまってもう要らなくなったときにそれは廃棄物になるわけでございますけれども、そういう観点から見たときに、核融合というのは技術開発によって解決し得る可能性が非常に高いというところが本質的に原子炉と核融合炉の違いというふうにお考えいただければよろしいかと思います。  それから発電の時期、これは先ほども、今のお二人の先生も言っておられましたけれども、私もほぼ同様な考えを持っておりまして、これから核融合が実用炉になるためにはあと二つの山を越えなきゃいけない。もう既に一つの山は越えるところまできているわけです。要するに、臨界条件、いわゆる科学的実証、これはもうほぼ間違いない。そうすると、今度は工学的実証。これは実際に発電をしてみせる次の実証、これがもう一つの山になります。それが、先ほどのFERとか、今、御説明がございましたそれと関連したところでございますが、それからさらに、今度それが実用炉として、経済的、安全性も含めてほかの火力発電、原子力発電とちゃんと競合して使えるかどうかという、そこの、我々はいわゆる経済的実証炉、こういうふうな表現しますけれども、そういうあと二つの山を越えないといけない。  それぞれが恐らく十年から十五年、これが先ほどから言っているどれだけ投資を国が覚悟を決めてやるかどうかということに関係してくるわけですけれども、十年から十五年あれば、私はそういうプロセスは踏めるだろうと思いますので、最低で約三十年というのが一つのめどになっているわけで二〇二〇年と、先ほどもそういう二、三〇年という説が出ておりましたけれども、これは、どれだけやはり長期計画をちゃんと立てて進めていくかという、まさにナショナルプロジェクトとしての一番大事なところではないだろうかというふうに考えております。  それから最後に、低温核融合については先ほど大体御説明したと思いますが、実用は大変難しいというのが現在の私どもの判断でございます。  以上でございます。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) よろしゅうございますか。補足的に産業界の……。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 研究開発の、その三点目ですね。

吉川允二日本原子力研究所理事

○参考人(吉川允二君) それでは、産業界の関係でございます。結論から申し上げますと、産業界の方が非常に御熱心であるということが私の印象で、恐らく皆さんもそう思っておられると思うんですが、やはり産業界からいいますと、結局、先端技術の塊であるという表現で申し上げたんですが、それが産業界から非常に優秀な方を核融合関係につけていただいている一つの原動力になっているかと思います。  例えば、JT60で巻きましたコイル、銅で巻くんですけれども、その設計というのは電動機なんかの設計よりもはるかに厳しい設計でありますので、それがすぐ普通の電力機器に反映できるということがあります。  先ほど申し上げましたように、厚い鋼材の溶接に電子ビーム溶接というのを使うんですが、それはすぐ発電機の製作に応用できる、また自動車の製作に応用できるということで、先端技術というものが先端であるとともに、日常の近くにある産業界の活動にすぐ影響できるということがあるようでございまして、二年ほど前に原子力産業会議に核融合における先端技術の波及効果という委託調査をお願いしたんですが、約一・五センチぐらいの非常に厚い御報告をいただきまして、いろいろな分野に核融合の技術が応用、波及しておりますし、逆に核融合の方がそういう先端分野から波及を受けている部分もありますが、産業界との関係は非常にうまくいっていると思います。現実に核融合でやっておられる方は、メーカーの中で非常に出世しておられるというのも私現実に見ておりますが、優秀な方を投じておられるというふうに思っております。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) ちょっとつけ足しさせていただきたいと思いますが、今の産業界の問題で私若干最近心配していることは、若い、いい技術者が製造業へなかなか最近は行かないで、むしろマネーゲームということじゃないですけれども、ソフトの方へ行く傾向がある。やはり、こういう日本の高度の技術力というのは、現場も含めた産業界の本当の物をつくる技術、それが日本をここまで支えてきているわけでございますので、そこを何とか手当てをしないと、せっかくの技術立国が質がとまってしまうじゃないかという心配をいたします。そのためにも、こういう新しい開発、高度の開発研究を続けていくということが一番大切でございまして、若い人たちは核融合であるとか、そのほかの新しいエネルギー源の開発というものが進んでいるメーカーに非常に夢を持って入っていくようなところがございますので、そういう意味も含めて、核融合の研究開発というものの産業界へ与える影響というのは、別の意味でも大変大きいんではないか、こんなふうに考えております。

中井貞雄大阪大学レ−ザ−核融合研究センタ−長

○参考人(中井貞雄君) レーザー核融合に関しまして、産業界の取り組みということで若干意見を述べさせていただきますが、レーザー技術は非常に若い技術でございまして、発展途上の技術でございます。レーザー核融合に使いますレーザーというのは、レーザー技術の中のトップ技術を集積して、かつ開発しながら進めるという性質のものでございまして、レーザーの発展とレーザー核融合の進歩というのは連れもって上がっていっております。  レーザー技術といいますのは、現在非常に大きな産業界からの需要がございます。レーザー加工というのは、加工の分野でどんどんどんどんこれまでの加工技術と置きかわっていっております。それから、半導体のプロセス、半導体のパターニングとか微細加工とかいう、そういうところにも光枝術がどんどん使われまして、その中心はやはりレーザー技術でございます。それから、新素材の開発とかあるいはエックス線レーザーを発振さすのにハイパワーのレーザーを使うとか、レーザーの科学技術あるいは産業技術への応用というのは非常に広く開けてまいりまして、それの牽引力といいますか、先端技術の一番の牽引力になるのがレーザー核融合というふうなことで、ヨーロッパ、アメリカ等もレーザー核融合を中心に据えて先端技術を引っ張っていくというふうな構想がございます。  あと、低温核融合と廃棄物は飯吉先生がおっしゃいましたので……。  炉の実用化の時期という御質問がございましたが、私は先ほど、科学実証までは大学でやるのが非常にやりやすいと申し上げましたが、国家プロジェクトとして統一的に検討をして、それでそれぞれの研究のフェーズ、役割に応じて体制はとり得るけれども、核融合全体として見たときには十分にその国家プロジェクトとしての整合性がとれているということが必要ではないかと思います。核融合のような、我が国だけではなくて、人類のためにというふうな、そういうプロジェクトに我が国がそれなりの貢献をするということが今非常に大事ではないかと日ごろ考えております。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。  他に御質問はございませんか。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 ちょっともう一つお願いしたいと思うんですが、中井先生に。  当委員会でも一度伏見先生と御一緒に激光ですか、の装置も見せていただきまして、きょうまたレーザー核融合の現状について詳しいお話をいただいたんですが、伏見先生がおっしゃるホワイトホースになりつつあるというふうな印象を非常に受けたんですが、トカマク方式と比べて率直に言って先生はどちらが実用化には早いとお考えになるか。  それから、トカマクの方は今国際共同研究をやっているわけですが、実験炉の設計なりを目指して国際協力でそれをやる。といっても、日本とアメリカがこれは一番進んでいるんでしょうから、あるいは二国間協力ということになるのかもわかりませんが、そういう可能性はあるのかどうか。ないとすれば、どういう原因でうまく進まないのか、その辺をちょっと教えていただきたいんです。

中井貞雄大阪大学レ−ザ−核融合研究センタ−長

○参考人(中井貞雄君) トカマクとどちらが実用に早いかというのは非常に答えにくい御質問でございます。実験のレベルが現在違います。トカマクが、JT60が、予算で実験のレベルを申し上げるのは失礼ですが、二千数百億で、私どもの方は百数十億でございます。ですから、炉に向かってどちらが早いかというのはもう少しお時間をいただきたいと思います。  それから、国際協力でございますが、レーザー核融合に関して国際原子力機関、IAEAでございますが、ここは非常にオープンにすべてのことをディスカッションしまして、研究上の協力も行われております。ただ、アメリカが国のポリシーとしてレーザー核融合はオープンにしない、すべてじゃないんですが、レーザー核融合の一部をオープンにしない、そういうところがございまして、アメリカとの間では日米協力というのは現在できません。どの部分がアメリカのそういうポリシーにひっかかっているのか我々にはわかりません。ただ、レーザー技術、これはクラシファイにかかっている部分ではございませんで、レーザー技術についてはオープンでございます。  以上のような状況でございます。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 飯吉先生にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど三方式、山へ登る道が違うだけだ、こういうお話でございましたが、ヘリカルという方式はどちらかというとやはり基礎研究というか、そういうところに重点があるような感じを受けるわけですが、他の先端技術への波及効果という見地から考えて、ヘリカルの特徴なり三方式の比較なり、もし教えていただけたらお願いしたいと思うんです。

飯吉厚夫核融合科学研究所長

○参考人(飯吉厚夫君) まず最初の、ヘリカルは基礎研究の要素が強いんじゃないかという御質問でございますが、実はこのヘリカル方式というのは定常運転という、ある意味ではトカマクが今これから解決していかなきゃいけない実用化に向けての課題の一つが定常化なんですね。それを、ヘリカルシステムは原理的に定常運転が可能であるというシステムでございますので、私どもは、実験炉はともかくとして、実用炉にはヘリカル方式というものの存在価値が非常に出てくるというふうに判断をしているわけでございます。ただ、研究のレベルが、これも中井先生とちょっと似たところがありますが、大学でやっております。大学というところは実用に向けてだけの開発研究でなくて、少し基礎的な物理の体系化とか、そういうことも含めた総合的な研究もしないといけない、そういうことがございますが、それで大型ヘリカルシステムというのは、ある意味ではトカマクのJT60よりも規模は小さなシステムになっております。大体数百億ぐらいの規模を私どもは今考えております。  ただ、その中に超電導マグネットを採用することになっております。これは二ギガジュールという、ある意味ではトカマクも今はまだ超電導マシーンというのは大きなものがないわけでございますから、大型ヘリカルができました段階ではトカマクを、超電導のマグネットという技術の面からいえば、抜くことになりますものですから、そういう意味で考えても、技術的な面でもコンパティティブなというか総合的な要素が非常に多いと考えておりますので、必ずしも基礎研究だけというふうには私どもは考えておりません。先端技術に関しては、そういう意味で超電導の分野で先端を行くことになるだろう、そういうふうに考えております。

岡部三郎自由民主党

○岡部三郎君 ありがとうございました。

中西珠子公明党・国民会議

○委員長(中西珠子君) ほかに御質問はございますでしょうか。——ほかに御質問もないようでございましたら、参考人の方々に対する質疑は、これで終了させていただきます。  この際一言ごあいさつ申し上げます。  参考人の方々には、大変お忙しい中を、本日は当委員会のために長時間非常に貴重な御見解をお述べくださいまして、また委員の質問に対して御懇切にお答えいただきまして、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして心から御礼申し上げる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会

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