運輸委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1989/11/09
会議録
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に二木秀夫君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) この際、江藤運輸大臣及び森田運輸政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。江藤運輸大臣。
○国務大臣(江藤隆美君) 私は、海部内閣の発足に際して運輸大臣を拝命いたしました江藤隆美でございます。 今国会におきまして、運輸委員会の開かれる機会に一言就任のごあいさつを申し上げます。 運輸は国民生活と密接しており、豊かで活力ある社会を築き上げていくために期待される役割はまことに大きいものがあります。 私としては、運輸行政の基本であります安全の確保に万全を期しつつ、運輸をめぐる多くの課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力をいたす所存でございます。 特に、国鉄改革の大きな課題である国鉄清算事業団職員の再就職対策や長期債務処理対策には真剣に取り組んでまいる必要がありますし、新東京国際空港の完全空港化も一日も早く実現しなければなりません。また、物流に関しては、事業の活性化、輸送の安全の確保等を図る必要があり、貨物自動車運送事業法案及び貨物運送取扱事業法案を提出しておりますので、早期成立をお願いいたします。 いずれにせよ、運輸関係諸問題の解決には、何と申しましても本委員会関係各位の御理解と御支援を賜らなければなりません。重ねてよき御指導と御助言を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のごあいさつといたします。(拍手)
○委員長(中野鉄造君) 森田政務次官。
○政府委員(森田一君) 私は、海部内閣発足に際して運輸政務次官を再任されました森田一でございます。 運輸行政には、ただいま大臣からお話がございましたように問題が山積をいたしております。これらの問題について全力を挙げて大臣を補佐してやってまいりたいと思いますので、委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からよろしくお願いを申し上げる次第でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手) ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、従来どおり運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中野鉄造君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告を願います。鹿熊安正君。
○鹿熊安正君 鹿熊安正でございます。 第一班の委員派遣について御報告申し上げます。 派遣委員は、中野委員長、瀬谷委員、喜岡委員及び私鹿熊の四名でありまして、去る九月五日から七日までの三日間、山形、新潟両県における鉄道事業、空港及び港湾の現状とこれらの整備状況等について調査を行ってまいりました。両県の県庁におきまして、県、運輸省地方機関及びJR東日本の支社などからそれぞれ説明を聴取した後、山形県におきましては現在建設中のミニ新幹線の車両基地のほか、庄内新空港の建設地及び鼠ヶ関マリーナなどを視察し、また新潟県におきましては整備拡充中の新潟港、改修工事中の新潟空港及び建設中の北越北線の工事現場などを視察いたしました。 まず、山形県における運輸事情について申し上げます。 山形県は、平成四年に開催予定の「べにばな国体」に向けて、県勢発展の基盤となります高速交通施設の整備に全力を挙げております。県土面積は全国第九位の広さを有しながら、東側に奥羽山脈、中央部には出羽山地が横たわるなど地理的条件の悪さから本県の交通網は極めておくれた状況にありますが、山形県にとりましては、この整備こそ二十一世紀を展望しつつ進めている山形テクノポリス計画達成のためにも急がなければならない事業とのことであります。以下、現在県が中心になって推進している交通施設整備の三大プロジェクトについて申し上げます。 第一は、新幹線直行特急の建設であります。これは山形県、JR東日本等が出資する第三セクターの建設によるもので、現在の奥羽本線の福島—山形間に新幹線並みの広軌道レールを敷設し、いわゆるミニ新幹線によって、上野—山形間を乗りかえなしの所要時間二時間四十分程度で結ぶという構想であります。総事業費は、車両建造費を含め四百七十三億円規模の事業でありますが、既に昨年八月に起工式を終え、目下平成四年夏の開業に向けて順調に工事が進行中であります。この実現により東京圏との距離は今までより約三十分短縮され、県の社会、経済、文化等各分野に与える影響は極めて大きいものと思われます。 第二は、庄内空港の建設であります。この事業は、県中央部にそびえる出羽三山などのために高速交通網の空白地帯となっている庄内地域に県第二の新空港を建設し、首都圏、関西圏との人的・物的交流を活発にすることによって、庄内地域の産業経済の振興と住民の生活文化の向上を図ろうとするものであります。総事業費二百五十億円、二千メートルの滑走路を持つ第三種空港として平成四年四月の開港をめどに造成中であります。現在、庄内地域から近くの山形、秋田、新潟の既存空港はもちろん新幹線あるいは高速道路などへのアクセス時間はそれぞれ三時間を要する実情にあり、早期完成が望まれております。 第三は、東北横断自動車道酒田線の建設促進であります。既に村田—宮城川崎間、山形—寒河江間が開通しましたが、平成三年中には村田—寒河江間五十二・七キロがすべて開通することにより山形市と首都圏が高速道路で結ばれることになります。さらに、将来寒河江市から酒田市までの全線百五十六キロが完成いたしますと全県土からのアクセスは飛躍的に向上し、県の総合開発は一層促進されることになるわけで、その完成が待たれております。なお、山形県からは、これらプロジェクトの早期実現について特段の配慮を求める旨の強い要望がありました。 次に、山形空港についてでありますが、本空港の乗降客数は昨年において約五十万人と前年比二・六%増、また取扱貨物量も年々増加の傾向にあり、県からは東京便の増強ほか大阪便の完全ジェット化、名古屋便及び福岡便の開設など、全国主要都市との航空路線の開設を求める運航拡充の要望がありました。 港湾の整備状況でありますが、酒田港につきましては、冬期の風浪対策のための第一線防波堤の整備が急務であること、また、数少ない避難港である鼠ヶ関港は、避難船収容増強策として沖合に新堤防を建設中でありますが、同港の一体的施設として平成二年度の完成をめどに鼠ヶ関マリーナの建設が進められており、これらの整備促進についても要望がありました。 次に、新潟県における運輸事情について申し上げます。新潟県は上越新幹線上野—新潟間の開業を初め、関越自動車道及び北陸自動車道など高速道路網の整備により、県内各地はもとより首都圏、大阪圏との交通は飛躍的に拡大されております。十年前に比べ、旅客輸送量は乗合バスにかわって自家用乗用車による輸送割合が急速に伸び、全体の六割を超えており、また、貨物輸送量も鉄道輸送が減って自動車によるものが全体の九割を占めるなど、全体として著しいモータリゼーションの進展が見られます。一方、高速道路の整備は高速バス路線の拡大をもたらし、新潟交通などの民間各社が十四区間百二十一便を連行中で、昭和六十二年度の輸送人員は県内輸送で二百二十七万人、新潟—東京間が十五万人と急増を見せているのが特徴的であります。 次に、新潟空港の整備状況についてでありますが、同空港は開設以来六十一周年を迎え、現在では札幌、仙台、名古屋及び大阪の各空港を結ぶ国内定期路線のほかハバロフスク、ソウルへの国際定期路線を有し、また北京、上海、グアムなどへのチャーター便が発着する日本海側沿岸地域における国際線の拠点空港ともなっております。近年乗降客数は着実にふえて昨年度は約四十七万人弱となり、さらに、今年七月末現在で見ても対前年度同期比で国内線で一六%、国際線では五九%の著しい伸びとなっております。このような状況を背景に、本年度から現在の二千メートル滑走路を二千五百メートルに延長する拡張整備事業が始められているのでありますが、新潟空港が新東京国際空港を補完する日本海側における首都圏の空の玄関口として重要な役割を果たしていくためにも、本事業の早期完成が望まれるところであります。 次に、港湾関係、特に特定重要港湾である新潟港の整備状況について申し上げます。新潟港における昨年の取扱貨物量は二千三百九十万トンでありますが、各種高速交通体系の整備に伴い企業の進出が急速に伸びてきており、同時に関東圏との結びつきも一段と強まっておりまして、今後、日本海側の玄関口として流通機能面に果たす役割は極めて大きくなるものと思われます。特に東港区は工業開発の拠点、物流・エネルギー基地として整備が進められており、昨年には既設のナホトカ航路に加えて東南アジア航路、韓国航路が開設されたのでありますが、今後一層、船舶の大型化と貨物のコンテナ化に対応した施設整備が図られることが必要かと存じます。一方、西港区は百二十年の歴史と伝統を誇る流通港でありますが、信濃川の河口港で土砂の堆積が激しいため航路のしゅんせつを行うほか、既存施設の機能の高度化を図るなどの再開発が計画されております。また、これにあわせて信濃川河口部の開発も計画されており、河口部にトンネルルートを建設して両岸を結び臨海部の発展を図ろうとしております。新潟西海岸は、近年著しい海岸侵食に悩まされておりますが、現在総事業費二百億円で潜堤、突堤、離岸堤及び砂浜を組み合わせた新しい海岸防護工法による工事を実施中であり、これによって臨海部開発の一環として人工海浜を造成し、新しいレクリエーション施設を建設する計画とのことであります。新潟港の整備につきましても、県から特段の配慮を求める旨の要望がなされました。 最後に、北越北線の建設について申し上げます。これは、JR上越線六日町—信越本線犀潟間五十九・四キロに総事業費千百億円規模で電化、高規格化の鉄道を新潟県を中心に設立した第三セクターによって建設しようとするもので、既に路盤工事の七三%は完成しているとのことであります。これによりまして豪雪地帯であります魚沼、頸城両地域の交通の確保と沿線地域の開発が容易となり、あわせて首都圏と北陸地方を結ぶ短絡線の役割を果たすことにもなりまして、その意味で地元の期待も極めて大きいものがあります。平成八年三月の完成を目指しているわけでありますが、これが完成いたしますとこの区間は時速百六十キロで結ばれることになり、東京と富山、金沢間は約二十分の時間短縮になるとのことであります。新潟県からこの建設予算についても特に重点配分されたい旨等の要望がありました。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(中野鉄造君) 次に、第二班の御報告を願います。田渕勲二君。
○田渕勲二君 第二班の委員派遣について御報告を申し上げます。 派遣委員は、片上理事、片山委員、小笠原委員及び私田渕の四名でありまして、去る九月五日から七日までの三日間にわたり、福岡・熊本・鹿児島県において、各県及び福岡市、北九州市、運輸省・国鉄清算事業団の地方機関、九州旅客鉄道株式会社等からそれぞれ管内事情を聴取いたしました。 また、福岡、熊本、鹿児島三県の空港施設のほか、空港を活用した臨空型の熊本テクノポリス、京セラ国分工場並びに福岡市営地下鉄、博多港ウォーターフロント開発状況、熊本市電、桜島の火山観測体制等について視察するとともに、九州新幹線の難工事区間とされる第三紫尾山トンネル工事の概要説明を聴取いたしました。 まず、九州地方の運輸事情について申し上げます。 全国のほぼ一割経済圏を占める九州地域は良港に恵まれ、古くから海上交通が発達している一方、近年では航空交通の発達が著しい地域であります。また、重要な産業の一つとなっている造船業は、円高等の影響で鋼船の建造実績が六十年以降激減していましたが、過剰設備の削減・集約化、世界的な好況の影響から、六十三年度後半以降、受注量、建造量ともに増加に転じております。航空需要についても順調な増加を示しており、九州地域の航空旅客数は六十三年で国内線が前年比五・二%増、国際線が同二一・九%増と、特に国際線が顕著な伸びとなっております。なお、特定地方交通線については、平成元年中に二十三線すべての転換が完了する予定であります。 次に、JR九州の六十三年度の決算の概要について申し上げますと、輸送量が国内景気の好調に支えられて、前年比三・一%増と堅調に推移したため、鉄道事業の営業損益は二百七十七億円の赤字にとどまり、経営安定基金運用収益二百八十三億円を加えた経常収支では三十億円の黒字となっております。しかし、九州横断道・縦貫道の整備による影響、高い人件費比率等の課題を抱え今後の経営環境は厳しい状況にあるとのことでありました。 なお、九州地域における清算事業団職員の再就職決定状況につきましては、平成元年九月一日までの間に千三百七十三人の再就職が決まりましたが、他の地域に比べて就職率は低く、九百六十二人の未内定者が残っているとのことでありました。 次に、空港施設の整備状況について申し上げます。 まず、福岡空港は、西日本における空の玄関口として重要な役割を果たしており、二千八百メートルの滑走路、エプロン二十八バースを有しております。六十三年の利用客数は千七十二万人、貨物取扱量は十六万トンに達するなど、近年、輸送量が増大しております。このため、福岡県、福岡市から、今後の航空需要の増大や安全運航の確保に対応するため、エプロンの新設、誘導路の改良等の空港施設の整備促進につき特段の配慮を要望されました。なお、福岡県、北九州市からは、新北九州空港の早期実現及び北九州空港の定期便再開について要望がありました。 熊本空港は、三千メートルの滑走路、エプロン八バースを有し、六十三年の利用客数は百七十万人、貨物取扱量は一万五千トンに達しておりますが、霧による視程障害で欠航の多いのがこの空港の課題となっております。熊本県からは、効果的な就航率改善策の積極的推進とともに、大型機材の導入やターミナルビルの拡張計画に対応できるエプロン等の基本施設の整備、増加傾向にある航空旅客のための駐車場の整備等について要望がございました。 鹿児島空港は、三千メートルの滑走路、エプロン十五バースを有し、六十三年の利用客数は四百七十一万人、貨物取扱量は三万一千トンに達しております。鹿児島県からは、現行十三時間体制にある運用時間の延長、税関・入国審査・検疫業務の日曜日の実施、国際・国内航空路線の拡充強化等につき特段の配慮を要望されました。 次に、博多港のウォーターフロント開発状況について申し上げます。 博多港西部につきましては、五十三年に策定された博多港港湾計画に基づいて埋め立てが進められ、六十三年に百三十八ヘクタールの「シーサイドももち」、百十七ヘクタールの「西福岡マリナタウン」の用地造成が竣工しております。この埋立地と博多湾が接するウォーターフロントには、人工海浜と緑地が配置され、都市高速道路一号線や地下鉄一号線を利用すれば、JR博多駅、福岡空港等の主要ターミナルからおよそ二十分程度という絶好の位置にあるため、海に開かれた活力ある町づくりを目指す福岡市の新しいフロンティアとなっております。本年三月からは、「シーサイドももち」のうち七十八ヘクタールを会場としてアジア太平洋博覧会が開催され、本年九月、盛況のうちに閉幕いたしました。博覧会終了後には、福岡タワー等の施設を存置させるとともに、ダイエー・ホークスのフランチャイズとレジャー・ショッピングセンターを収容するツインドーム、市立博物館、中国・韓国総領事館、情報・業務施設、住宅等の建設が予定されており、東南アジアの拠点を目指して諸機能が複合、交流する新しい町づくりが推進されていくことになっております。 次に、桜島の火山観測体制について申し上げます。 桜島は、昭和三十年以来活発な活動を続けており、長期間降り続ける火山灰や火山礫の落下は住民の生活環境に重大な影響を与えております。このため気象庁は、桜島を特に精密観測火山として火山性振動観測装置五式、地殻変動観測装置一式を重点的に設置し、これらの観測機器による観測データはすべて鹿児島地方気象台に常時伝送され、二十四時間監視が行われております。一方、鹿児島地方気象台からは、目視及び監視用テレビによる遠望観測を行うほか、定期的に現地調査を行って、その結果を適時火山情報として発表しております。なお、鹿児島県からは、火山観測・研究について一層の充実強化を図ることを要望されました。 次に、整備新幹線鹿児島ルートの難工事区間の着工について申し上げます。 整備新幹線につきましては、今年度から北陸新幹線高崎—軽井沢間の本格着工と北陸、東北、九州新幹線の難工事部分の着手が決定されております。難工事推進事業は、従来のボーリング等の地質調査により、特殊地質の判明しているトンネルについて、まず小さい断面の横杭を掘削して技術的データを集め、さらに大きな本杭断面のトンネルを掘削することにより地質等の確認を行おうとするものであります。九州新幹線鹿児島ルートにおいては、全長約一万メートルの第三紫尾山トンネルが選定され、本年度は約五百メートルの横杭と約五十メートルの本トンネルの掘削が予定されており、本年七月に工事発注が行われ、現在その掘削のための準備として工事用道路の整備が進められております。 このほか、福岡県から、九州新幹線の整備促進、港湾の整備促進等について、熊本県から、九州新幹線の全線整備、天草空港の整備、熊本港の早期開港のための整備等について、鹿児島県から、九州新幹線鹿児島ルートの早期実現、鉄道活性化対策の推進、港湾の整備促進等について、また、福岡・北九州市からは、博多港の特定重要港湾の指定と整備促進、地下高速鉄道の国庫補助制度の抜本的改善、北九州港の整備等についてそれぞれ要望がありました。 以上、御報告を申し上げます。
○委員長(中野鉄造君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時五十八分散会