予算委員会 第7号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1989/10/19
会議録
○越智(伊)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、指名により、私が委員長の職務を行います。 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁澄田智君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智(伊)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ─────────────
○越智(伊)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島源太郎君。
○中島(源)委員 質疑に入ります前に、昨日発生をいたしましたサンフランシスコを中心といたしました地震災害に関しまして、広範な地域に災害、被災が出ておりますし、また、多くの方々が痛ましい災害に遭われておるようであります。この際、心からお見舞いを申し上げます。 つきましては、昨日、外務大臣から当委員会に緊急の御報告もしていただきました。当然のことながら、その後被災現地と密接な連絡、連携をおとりになり、また対策上も、救援その他できますことは対策を立てておられると思いますが、その点で改めて御報告いただく点があれば伺っておきたいと存じます。 〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕
○中山国務大臣 今お尋ねのサンフランシスコ地域における大地震につきまして、この地震災害において亡くなられましたアメリカの方々、また、けがをされた方々に政府といたしまして心からまずお見舞いを申し上げたいと存じます。 今回の地震につきまして、外務省が入手いたしましたこれまでの情報を整理して御報告を申し上げたいと思います。 地震は、マグニチュード六・九、震源地はサンフランシスコ南八十キロメートルの内陸部と発表されており、カリフォルニア州の当局の発表によれば、死者の数は二百七十名以上、負傷者も六百五十名以上と、甚大な被害が生じている模様でございます。 今回のサンフランシスコ地震に際しまして、邦人保護に外務省としては全力をただいま挙げております。ちなみに、サンフランシスコにおきます長期滞在者、永住者、旅行者、全体で約一万一千人程度がおられると見込まれておりまして、この邦人保護のために、旅行会社のうち現地に支店を出している会社、また企業とも連絡、連携を昨日来緊密にいたしておりまして、安全確認をされたものは、大手旅行社の手による旅行者千二百名、また現地に関連会社を持っている会社約百九十のうち百十社が安全を確認されております。 なお、現地におきましては、依然市内電話回線が寸断されておりまして安否の確認は完了いたしておりませんが、総領事館がサンフランシスコ市内及び震源地に近いサンフランシスコ南部隣接地域の邦人多数に問い合わせを現在まだ継続中でございます。また、オークランド海岸付近のハイウエー崩壊事故による、この事件に巻き込まれた邦人がいるかどうか、現在ハイウエーパトロール、現地警察に照会中でございますが、まだ被害者が出たという報告には接しておりません。 なお、NHKに依頼いたしまして、NHK国際放送、ラジオによりまして、二時間ごとに、この被災に遭われた邦人の方がおられた場合には総領事館または総領事公邸に連絡をしていただくようにラジオを流しておりますし、衛星放送を通じましても、この準備をただいまNHKが行っておるという状態でございます。 在外邦人保護は外務省として極めて重要な任務でございますので、さらに一段の努力をいたしたいと考えております。 現在までに政府といたしましては、昨日米国政府に対し、必要があれば我が国として医療協力等の面で緊急の援助を行う用意がある旨伝達をいたしております。なお、米国政府よりは、感謝の意を表明されておりますとともに、被害状況の確認後、日本側にお願いする必要があれば改めて連絡をよこされるということに回答がございました。 なお、昨日、外務省の職員三名を邦人の安否及び災害状況の確認のために米国へ向けて出発させることを決定いたしました。 なお、柳井駐サンフランシスコ総領事よりアグノス・サンフランシスコ市長に対しまして、我が国としてできるだけのことは協力いたしたいという旨の通達をいたしております。 なお、海部総理よりブッシュ大統領に対し、また、外務大臣よりベーカー国務長官、カリフォルニア州知事及びサンフランシスコ市長に対し、お見舞いを申し上げております。 以上でございます。
○中島(源)委員 ありがとうございました。 このサンフランシスコは、我が国と太平洋を挟みまして産業的にも非常に交流が多い、また、人的交流も多いところでございます。この救援その他の対策につきましては早急に万全を期していただきますようにお願いを申し上げ、同時にまた、一方におきまして、この災害は不幸なことではありますが、この災害から学ぶべき災害対策は数多いと思うわけであります。幸か不幸か我が国も地震多発国でございます。各災害に対しまして、ここから学ぶものを多といたしまして、関係各省庁一層国民の生活、生命を守るために万全を期していただきたい、これを御要望申し上げておきたいと思いますが、各省庁からお聞きするのは、それぞれ各省庁あらゆる意味で関連をなさっておられますでしょうから、恐れ入ります、総理から取りまとめ御決意を伺っておきたいと思います。災害対策の問題です。
○海部内閣総理大臣 アメリカで今起こっておりますサンフランシスコの地震による被害者の皆さんに心からお見舞い申し上げますとともに、ブッシュ大統領初めアメリカ全国民の皆さんに日本の全国民の御同情の気持ちをお伝え申し上げております。 同時に、我が国は古来より大きな地震を経験し、その体験、研究一切を踏まえて、都市防災化の推進、防災体制の強化及び防災意識の高揚、地震予知の推進ということを基本といたしまして、防災対策の推進にきょうまで全力を傾注してきたところでありますが、このたびの地震については、多くのとうとい人命が失われている大地震でありますので、その実情を十分調査する一方、既に本日そのための人も三名ほど行く手配ができておりますが、今後の地震対策の一層の充実を図るよう関係各省に対して指示をいたしたところであります。
○中島(源)委員 次に入ります。 去る十七日に、我が党の浜田幸一委員から、真剣な質疑の中で証人招致の要望が出されまして、そして委員長の御指示によりまして理事会で諮らせていただいたところであります。 我が党からは、この証人喚問は、積極的にただすべきところはただすためにぜひ証人喚問をしていただきたいということを御提案を申し上げ、また、その中で社会党さんからも参考人としての御指示もいただいた方々につきましても、改めて、お呼びするならば証人としてお呼びをいたし、そしてただすべきところはしかとお尋ねをいたしたいという積極的な提案を申し上げたところでありますが、残念ながら理事会におきましては、これは平行線をたどっております。 したがって、昨日行われるべき予算委員会が本日に遅延をいたしましたことはまことに残念でございますけれども、しかし一方におきまして、この問題は徹底的に究明をすべきであるということについては各党一致をいたしておりました。来る三十一日、十一月一日の両日、これに関します集中審議が行われることが決定をいたしたということは一歩前進であると思いますが、どうか各党一致した究明の意欲を委員長もお酌み取りをいただきまして、今後の委員会運営にさらによろしきを期していただきたいということをしかとお願いを申し上げて、質疑に入りたいと思います。
○中尾委員長 中島源太郎君の御意見に対しまして、委員長としてもさらにその決意を固めまして、理事会におきまして取り計らわれましたように遂行することをお誓い申し上げます。
○中島(源)委員 ありがとうございました。 本日は、日銀総裁にわざわざおいでいただいております。昨日も時間をとっていただいて恐縮至極に存じます。 まず、日銀総裁にお尋ねをいたしたいのでありますが、去る十月の十一日、我が国の公定歩合が〇・五%引き上げられました。たまたまと申しますか、時期的に一番近い時期に西ドイツ連銀の公定歩合が十月六日と申せばいいのか五日と申せばいいのか、五日決定、六日実施と思いますが、一%引き上げられた。 まず、この点についてお尋ねをいたしておきたいのですが、私どもはいろんな経済指標の読み方があると思いますけれども、西ドイツにおきましては、一方でGNPの伸びが四%後半に乗せた、一方で消費者物価指数が三%を超えた、これを一つの、黄色信号と申しますか赤信号に通じる一つの過程として一%の公定歩合引き上げを行った。いろいろな、それだけに限られた指標ではないと思いますけれども、そのように感じ取ってよろしいかどうか。 時間もありませんので引き続き伺いますが、たまたま十一日に我が国の公定歩合が〇・五%引き上げられましたけれども、これは西独、ECと我が国とはやはり土俵が違いますので、直接のリンクはなかったと思うわけでありますが、とすれば我が国の〇・五%の利上げは一体どのような観点を主にしてこれを引き上げられたのか。 その二点について、まず伺いたいと思います。
○澄田参考人 お答えを申し上げます。 お答えの都合上、勝手でございますが、今の二点を逆な順序で申し上げさせていただきたいと思います。 我が国の公定歩合の引き上げは、最近の我が国をめぐる内外の情勢のもとで、金融政策の適切かつ機動的な運営を確保するために行ったものでございますが、その事情を若干敷衍をいたしますと、以下のようなことになるかと思います。 第一に、我が国の国内経済でございますが、個人消費、設備投資、この両者を中心に堅調な景気の拡大が続く中で、製品の需要供給、それから労働の需要供給、これが引き締まってきております。殊に人手不足が目立っている状態はよく御承知のとおりでございます。一方、金融面でもマネーサプライが依然高目の伸びを続けておりますし、それから企業金融も緩んでいるという状態が改まっているわけではないわけでございます。 第二に、ただいまお話のございました欧州各国の金利の引き上げがございました。また、為替相場が不安定な地合いを続けている、こういう状況でございます。 第三には、以上のような状況のもとで、物価面におきましては目下のところ物価の上昇テンポが目立って加速するというようなことは避けられている状態でございますが、しかし、先ほど申しました需要供給の引き締まり、こういうような点から需給、それから輸入コストが上がっているというようなコストの両面から上昇圧力が強まっている、こういう状態でございます。 第四に、我が国の市場金利は、今申し上げましたような動きを反映いたしまして、五月の前回公定歩合引き上げ以降におきましても短期金利を中心に上昇傾向が続いている状態でございます。 以上のような状態を総合判断いたしまして決定したものでございます。私どもといたしましては、今回の措置が今後とも物価の安定を確保しつつ内需中心の持続的な成長を図っていく上に資するものである、こういうふうに確信をして、また期待をしているものでございます。 第一のお尋ねの西独の状況でございますが、おっしゃるとおり、ことしの前半四%をかなり上回る経済成長をいたしまして、西独としては景気がほぼ限度いっぱいの過熱状態である、こういうような認識をしているところでございます。物価の上昇は、西独の場合は三%を若干上回る、これは消費者物価でございますが、そのくらいのところでございます。卸売物価はもう少し高い状態でございます。我が国の消費者物価とほぼ同じぐらいの上昇率でございますが、我が国の場合は消費税の実施がございますので、それによって上乗せされた上昇分というのが四月以降あるわけでございまして、それを比較考量いたしますと、我が国の方が物価の上昇率はかなり西独に比べるとまだ低いところにあるのではないか、こういうふうに感ずるわけでございます。我が国の物価は、もちろんそういう意味で警戒を要するものでございますが、西独の場合に比べますと状況が違っている、こういうようなことがあると思います。 以上のようなことを総合いたしまして、片や一%、片や〇・五%、こういうようなことになったわけでありますが、〇・五%の引き上げ幅というのは、今言った西独等の状況等も勘案をいたしまして、そして国内の物価、景気、そして我が国の内需拡大を持続する必要性、こういうようなものを総合的に判断をいたして、あのような引き上げ幅を決定した次第でございます。 以上でございます。
○中島(源)委員 ありがとうございました。私自身も〇・五%の引き上げは時宜を得たものだというふうに感じております。 ただ、今おっしゃった中に、やはりマネーサプライ、通貨供給量は割に高水準で推移しておる。それから一方で、後で伺いたいと思いますが、労働力不足、これが全般に産業面、特に中小企業に一つの問題点を投げかけておる。これは長期に見ていかないと、もちろん短期的に結論の出るものではありませんが……。 もう一つは、その一方で為替レートがあろうと思いますね。十月十一日に引き上げられましてからまだ日も浅いわけでありますが、もちろん直ちにそれによって為替レートが、針がどちらに振れたということは現在捕捉できません。しかし、たまたまと申しますか、その後十三日に、いわゆる十三日の金曜日、MアンドAを中心に株が暴落をいたしまして、そしてドル安に針が振れた、円高に針が振れたということでありますが、これは短期、一過性のものであろうという予測どおり、急激に回復をいたしました。ところが、一昨日ですか、アメリカの貿易収支、国際収支が発表されまして、貿易収支の赤が百億ドルを超えたということで、また再びドル安に振れました。ただ、これもやや回復して、第三の問題としてサンフランシスコ、不幸な災害が起きまして、またドル安に振れておりますが、たまたまこの三つの波が引き続き来まして、ドル高、ドル安と、こういう針の振れ方をしておりますが、これがもし平静に戻ったときにどの辺に針が振れてくるであろうか。これはもちろん予測はいたせませんが、しかしこの針の振れ方によっては、そして今御指摘のマネーサプライ、それから労働力不足、これは短期に解決できるものでもありませんので、この推移によっては再引き上げもあり得るのではないかなというような感じを私ども素人はしないでもない。 これはお尋ねする範囲ではありませんので、ひとつ総裁には今後の金融政策を運用なさる上で、どのようなスタンスで今後これをしかと見、そして金融政策を行っていかれるか、総裁のスタンスをここでお述べいただきたい、こう思います。
○澄田参考人 私どもといたしましては、これからもこれまで同様、物価の安定の確保ということを基軸に据えまして、そして物価の安定しているという、そういう基盤のもとに内需の持続的な拡大を図っていく、こういう目的のもとに政策運営を図っていく所存でございます。現在の状態から見まして物価の上昇圧力というものが高まっている、こういうことも十分見据えまして、そして慎重な政策運営をやっていかなければならない、こういうふうに心がけているところでございます。そして目下のところは、五月に引き続きまして去る十一日に行いました公定歩合の引き上げの効果の浸透していく状況というものを見守っていく段階である、かように考えておる次第でございます。
○中島(源)委員 ありがとうございました。総裁、結構でございます。 今のお話からも関連をいたしますが、人手不足の点も含めまして中小企業の問題、これはやはり避けて通れないものであります。 そこで、時間がありませんので、こちらからちょっと御提案を申し上げたいのでありますが、中小企業というのは言うまでもなく事業所数の九九・三%を占める、あるいは全従業員四千万人おられるわけでありますので、御家族もし二人とすれば八千万人近い方がこの中小企業で家計を支えておられるということになりますと、中小企業の基盤が揺るげばやはり全産業の基盤が揺るぐ、そして国民の大多数の生活の基盤が揺らぐということであれば、やはり国政の中での重要施策は多々ありましょうけれども、その中でも最重点というふうに考えていただいてもいいものではないか。したがって、それを中心にお聞きするわけでありますが、特にその中で中小小売商の方々のあり方であります。 これは一見して物品販売業というふうに一面では見られる面もありますけれども、しかし、今地方の町づくり、この中核をなすものではないか。つまり家並み、町並み、商店街のたたずまいというものは、ミニ東京を全国に蔓延するのでなく、その地域地域の特色ある、その町その町の雰囲気を醸し出すには欠かしてならない分野だと思いますし、ある意味では文化的な一つの町づくりの中核をなすものである。その方々の努力に負うべきものは、町づくりと同時に、その地域住民の方々と一番密接に行動していらっしゃる、そこで中小小売商の方々の今後の御努力に対して引き続き応援をしていただきたいということは事実でありますが、一つここで申し上げたいのは、輸入促進の問題であります。中小小売商の方々も、いわゆる輸入促進の祭りとしてインポートフェアなどというものも全国で既に五十カ所行われておりますし、また来年も十五カ所か二十カ所行っていく。地域住民に一番密接な中小小売商、まさに専門店化しておられるこの方々が積極的に輸入品を扱うということで、輸入の促進には最も大きく貢献できる部門であると思っております。 一つ確かめたいのは今の大店法の運用でありますが、大店法を改正する御意思は当面ないということは伺っておりますが、この運用について、多少運用面についての改正をしていこうかという御意見も伺っております。それはそれで結構でありますが、万が一にもこれが輸入促進とはリンクされたものではないでありましょうね。これは法的に申しましても、大店法のあり方は少なくとも中小企業の事業機会の確保、これが中心でありまして、まさに大店法の運用は通産省さんおやりになっていると思いますが、どうかこれからも町づくりの中核である中小企業のあり方、そして輸入促進の面であれば中小企業の小売商の方々に負うべきところは今後とも多いものであろう、こういう根本的なスタンスを持っていただいて間違いないのではないか、こう思いますが、いかがでございますか。
○松永国務大臣 ただいま中島先生から、中小企業問題に大変お詳しい先生でありますので、いろいろな御提案を兼ねての御質問をいただきました。先生おっしゃるとおり、中小企業は我が国の経済社会発展の源泉とも言うべきものでありますから、その振興のために最大限の努力をしていくというのが私どもの務めであると思っております。中小企業の振興のために我々の果たすべき役割は何かといえば、中小企業の自主的な努力を前提としつつ、中小企業の有する能力と可能性を十分発揮できるような環境整備をしていく、こういうことであろうかと思うのでありまして、そういう基本的な立場に立って今後中小企業の環境変化への適切な対応を促進するとともに、活力ある中小企業の育成に努力をしてまいる所存でございます。 それから、先生から中小小売商についての話がございました。御指摘のとおり、中小小売商、言うなれば町の顔であるわけでありまして、中小小売商が活気を呈している町が活況のある町だ、こういうふうに私どもも認識いたしております。そして、中小小売商の人たちが、それぞれお客さんを集めるためにいろんな催し事もしていただく。いろんな施設もつくっていただいている。それが全体としての町の活性化につながるわけでありますから、その意味で中小小売商、特にまじめに努力している人たちが形成していただいておる商店街、その商店街を魅力ある商店街にするように、私どもいろいろな助成措置を講じてまいりたい、こう考えておるわけであります。 なおまた、大店法の関係についてお触れになりました。 御承知のとおり、日本の大店法、これは大規模小売店の出店に対して許可制ではなくして届け出制にしておる。そして従来からの中小小売商との間の衝突を最小限にとどめながら、同時に消費者のニーズにこたえて、いろんな商品が展示されるような、そういう状態にしていくのも、これまた消費者の選択の幅を広げることになりますからやらなきゃならぬ措置でありますけれども、しかし、それはあくまでも努力をする中小小売商、商店街、そういったものと両立できるような形で大規模小売店の出店もやってもらいたいものだ、その両立を図る接点がこの大規模小売店法のいわゆる調整制度だ、こういうふうに思っておるわけでありますが、そういうことでこの法律はできておると思うのでありますけれども、その運用が余りにも結果的には制限的ではなかったかな、出店しようとした場合に、長い場合には七年も八年も十年もかかるなどというのは、これはどうも消費者のニーズにこたえるゆえんではない、こういったこと等がございまして、いろんな方面の御審議を経た上で、いわゆる「九〇年代流通ビジョン」というものが定められました。その「九〇年代流通ビジョン」の精神に沿って、大店法の枠組みは存続させながら、同時に運用の面で合理的な運用がなされるようにやっていきたいということで、鋭意政省令等の改正作業をしておるところであります。 なお、中小小売商等で、外国のすぐれた商品を輸入していただいて、そしてそれを消費者に渡していただくことによって消費者の生活の質の向上が図られますと同時に、また輸入拡大につながり、大きくは貿易不均衡の是正につながるということで、その面でも大いにひとつ工夫を凝らして政策を進めてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○中島(源)委員 ありがとうございました。 本日はこの中小企業問題にとどまりますけれども、どうか今の商業問題も、小売商業の事業機会の確保、これもうたわれておる点でありますので、どうかその点をお忘れのありませんように御配慮をいただきたい。 それからまた、労働力不足についてはきょうは御質問申し上げませんけれども、これも避けて通れない問題であります。そして総理、これは各省にわたる問題でありまして、例えば労働省、法務省あるいは通産省さんその他各省にまたがります。どうか、日銀総裁も言われておった経済指標の中の一つにもにらんでいかなければならぬのが労働力不足でございますし、どうか今後一層各省御協力いただいて、この地域住民並びに産業界のためによろしき方法を求めて、行政に万全を期していただきたい。これを御要望申し上げまして、きょういろいろ質問お出ししておってお聞きできない面は失礼でありますけれども、関連の佐藤信二君にお譲りをしたいと思います。 以上でございます。
○中尾委員長 この際、佐藤信二君から関連質疑の申し出があります。中島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤信二君。
○佐藤(信)委員 昨今、地球規模の環境問題ということで、アルシュ・サミットを初めとして数々の国際会議において論議されております。まさに本問題というのは地球全体の問題、特に人類全体、否この地球に生息するあらゆるものにとっても大事な問題であると思いますが、総理の御認識をまずお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 地球環境の問題は人類の未来にとっても大変大きな影響を及ぼす問題でありますし、特に人間の生活が豊かになってくる過程において、工業化とかそういったものとの間で起きてきた環境問題でありますから、人類の英知によってこれは未然に解決をしていかなきゃならぬ大事な問題だと心得ております。
○佐藤(信)委員 今おっしゃったように、環境破壊というものにはフロンガスの問題、温暖化、酸性雨、熱帯雨林の破壊、砂漠化あるいはまた野生生物種の減少等いろんな問題があって、どれ一つとってもみんな危険がいっぱいだ、実はこんな気がするわけでございますが、きょうはその中において温暖化という問題についてお聞きしたいと思うのです。 本年の一月三十日に気象庁の気候問題懇談会、その中の温室効果検討部会というところで報告がございました。それによると、長年にわたって我が気象庁が観測してデータを分析した。そういうことで、この大気中のC02、二酸化炭素が現在と同じ増加率でふえ続ければ、西暦二〇三〇年までには現在の約二倍の濃度のC02になる。すなわち、一九八五年には三四五ppmであったものが二〇三〇年には約六三〇ppm、こういうことになるということなんですね。そしてこの大気中のC02というものは、太陽光を通過するものの地表から赤外線を吸収して、その結果気温が一・五度から三・五度上がるだろう、そうなると異常気象というものが発生して、洪水だとか干ばつ、こういうものがあるというわけですね。そしてさらに、こうした中において熱効果によって海水が膨張して水位が二十センチから一メートル十上がる。さらにそれがどんどんどんどん進んで、もし北極と南極が解けることがあると、北極の方はこれはまあ氷が浮いているんですから問題ありませんが、南極大陸が解けると約八十メートル水位が上がる、まさに日本列島が沈没してしまう、こういうことになるわけですが、実はこの今申したことの信憑性について気象庁にお伺いしたいのですが、いかがですか。
○菊池政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在の状況で温室効果気体がふえ続けますと、二〇三〇年には地球の平均気温が一・五度から三・五度上がるということでございまして、これはモデルによる計算結果でございます。したがいまして、ある程度精度に問題はございますけれども、現在世界の各国、日本とアメリカとイギリスでございますけれども、そこで発表しておりますモデルの計算結果によりますと、その範囲におさまるということでございまして、かなり確度の高いものであるというように思っております。
○佐藤(信)委員 今おっしゃるように大変権威がある報告だということですから。そしてこのいわゆるC02がなぜふえるかというと、言うまでもなく今使っている化石燃料の大量使用ということが大きな影響がある、かように言われているわけです。そしてこの化石燃料というと、言うまでもなく石油、石炭ということになって、しかも石炭をたくと今度は酸性雨というふうな問題も実は出てくるわけなんです。ですから、この温暖化に対して、いち早く内閣でも関係閣僚会議をおつくりになって御検討なさっているようでございますが、この政府の対策ということについて、運輸省と通産省と環境庁にお聞きしたいと思います。
○松永国務大臣 お答えさせていただきます。 先ほど総理から話がありましたように、地球環境保全は極めて大事な事柄だと、こう認識いたしておりまして、関係閣僚会議等を通じて政府一体となって施策を推進しなきゃならぬ、こう思っておりますが、通産省としては、経済成長と地球環境保全を両立させる、技術力を使って両立させるという方向でこの問題の解決に取り組んでまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○志賀国務大臣 お答えいたします。 基本的にはただいま通産大臣からのお答えどおりでございますが、同時に、地球の温暖化のメカニズムがどういうことで起きているかを、なお慎重に今見きわめようという調査研究を強力に進めているところでございます。また、それだけにはとどまらずに、実施可能なものから順次早急にこの対策を行っていく、これが肝要だと思いまして、そのような方向でもやっておるわけでございます。また、具体的に温暖化対策に資する公害対策の徹底あるいはまた省エネルギーの普及開発などを行う、これの対策を行っておるところでございます。 また、国際的に協調して、具体的な温暖化対策の内容や実施手順につきましては、現在、気候変動に関する政府間パネル、これは御存じのIPCCといっておりますけれども、これにおいて検討が進められておるところでございます。環境庁としても、このIPCCにおける検討に協力をし、温暖化に関する枠組みあるいは条約づくりに積極的に貢献をしながら、各国との協力関係においてこれの対策を実行に移していきたい、こういう方向でございます。また、我が国におきましても、IPCCにおける検討を踏まえて二酸化炭素等の排出抑制また植林の促進等の対策を進めていく、こういうことでやらせていただいておるわけでございます。
○佐藤(信)委員 通産省の方は、今の産業、いわゆる経済成長、あとは国民生活に大変影響がある問題だから、これは技術の開発、そういうものでもって勉強していこうということだし、それから今の環境庁の方は、いろいろ抑制もあるが、もちろん外国との交流と、こう言われたわけです。私、さっきお聞きした中で運輸省と言ったのは、実は運輸省はやはり一番大事な気象庁でもって、そのような観測の結果によってこういう問題が非常に大きくクローズアップされたということを御認識になっていただきたいという意味で申し上げたわけでございます。 そこでお聞きしたいのは、今おっしゃるように、もう一国ではこれはどうしようもない問題なんで、やはりあらゆる国々が集まって英知を結集する、またあらゆるそうした手段を講ずるということが必要だと思うのです。そこで、環境庁にお聞きいたしますが、国際協力ということ、これは具体的にはまずどういうことを言われるのでしょう。ちょっとおっしゃっていただきたいのですが。
○志賀国務大臣 お答えいたします。 御案内のとおり、国際間には国交のあります国とない国とがございます。そこで、非常にこれは微妙な問題でございますけれども、ただ事環境問題に関しましては、国交のあるとないとにかかわらず、公害を規制しなければならないという実務面では全く必要不可欠のことでございますから、こういう点では、いわゆる外交交渉とは違った別の枠組みの中でできる限りこの十全を期してまいりたい、かような考え方を持っておるわけでございます。 さればこそ、私ども環境庁といたしましては、過般の国会議員レベルによる東京での議員フォーラムがございました。このフォーラムに台湾からも国会議員が来ておりました。そのことにつきまして大変関心を持ってこれを注目をしておったわけでございます。
○佐藤(信)委員 今長官がいみじくもおっしゃいましたが、国交がある国、これは問題がないわけです。国交がない国についてお聞きしようと思っていたのです。それは今言われた台湾の問題でございます。 そこでお聞きしたいのは、一応議員レベルとか民間レベル、これはもちろん問題ないのですが、いわゆる政府主管の国際会議、例えばことしの九月に地球環境保全に関する東京会議というのがございましたね。これの成果を踏んまえるということを総理もおっしゃっていますが、この会議には中華民国、台湾の者は参加できたのでしょうか、できなかったのでしょうか。
○志賀国務大臣 この会議に先立ちまして、台湾の参加希望がございました。しかし、実際問題といたしまして、台湾からの出席希望者は公務員でございましたので、極めてこの点微妙なものでございますから、台湾の方にその点は御遠慮を願った、こういうことでございます。
○佐藤(信)委員 実は何も論議をするわけじゃありませんが、御存じのように台湾というところは日本の後を追って著しい経済成長を遂げているわけです。その反面、環境汚染ということでは、かつての日本のように実はなっているわけですね。そこで今、台湾としても非常な深い反省のもとに、何とかやはり環境の保全、そしてまたそのことは中華民国政府の責任なんだ、こういうことで一生懸命に努力しようとしておるのですが、何をおいてもこの問題においては後進国だ、後発国だ、こういうことで、環境保全の政策決定をする、それからまたハイテクを利用するということもどうしていいかわからない、こういうことで我が国なんかにもお願いに来ているだろうと思うのです。 確かに国交はありません。ありませんが、やはり総理もことしの所信表明の中でもって「空気や水には国境はありません。」そのとおりだと思うのです。まさにこの問題を解決するためには「国際的な英知の結集が極めて重要であります。」ちょっと少し飛ばしますが、我が国としては「持てる知識経験や技術力、研究開発力を駆使して、世界的問題の解明と解決に貢献するとともに、発展途上国への協力を進めてまいります。」そして、さっきの「東京会議の成果をも踏まえ、」と、こう言われたのです。ですから、ぜひこの点は改善していただきたいと思うのです。改善していただきたい。 総理がここまでおっしゃっているのですから、まさにおっしゃるとおりに、空や水には国境がない。しかも、地球儀を見ると、日本の南の方に台湾という地域があります。ここが汚染された場合には、これがどこに来るか。季節風に乗って、海流に乗って日本に来ることは間違いがないのです。現に今、次元は低いのですが、台湾最大の都市の台北は下水道の普及率が何と七%、そのために淡水川というのが汚染しております。その水が流れて、そして台湾で捨てるビール瓶が沖縄の与那国には着いているという事実がある。これはビール瓶だからいいですが、これが空だったらどうなるか。そういうことですから、確かに外交上問題があるとおっしゃいますが、まさにこれは先ほど総理にお聞きしたように地球的規模、まさに人類全体の問題なんですから、国交がある、ないなんというような区別はしてもらいたくないし、この点の善処をお願いします。
○遠藤(實)政府委員 御案内のように、一九七二年の日中国交正常化以来、我が国と台湾の関係でございますが、これは非政府間の関係ということで維持してきております。それで、環境分野に限りませず、日本政府主催の会議に台湾当局者を招くということは適当でない、こう考えているわけでございます。 他方、地球環境問題のように、グローバルな性質、かつ、先ほど御指摘になりましたような水あるいは空気に国境がない、こういったグローバルな対応が必要になるという側面もございますので、こういった問題につきましては、今後必要な場合には、先ほど申し上げましたような日台関係の基本的な枠組みを踏まえつつ、台湾からの何らかの参加につきまして、その可能性について検討いたしたい、こう考えております。
○佐藤(信)委員 時間がないのでこれ以上申したくありませんが、ただ、申し上げたいのは、国交がないから政府の役人はいけないと言うが、なぜ政府の役人が必要かといったら、台湾地域の行政をつかさどっているのは実は政府の役人であって、民間人じゃないのです。ですから、その人たちを呼んで、会議でこの重要性というものを認識させないと、台湾からの公害発生というものが防げないだろう、こう思うのです。ですから、このことはやはり国交がある、ないとは別問題だと思う。そうした小さい視野に立ったら地球的環境問題の解決にはならない、このことを申し上げておきます。 そこで、時間もございませんから急ぎますが、今お話しのように、この問題は大変大きい問題です。そして、この二酸化炭素、C02の発生というもの、日本ではどういうふうな発生源になっているかというと、御存じのように電力が二七%、一般産業が三三%、運輸が二三%、こういうことで、もし国際会議その他でこの発生量、C02を減らせ、こういうことになると、実は大変なことになるだろうと思うのです。そして一番問題なのは、エネルギー利用全体の削減ということにつながる。そうなると、エネルギーというのは、言うまでもなく国民生活や人類にとって衣食住と同じように大切なものです。 そこでお聞きしたいのですが、今、日本のエネルギーの消費というか需給の見通しというもの、これは一昨年ですか見通しを立てられましたが、大幅に狂っている、こういうことですが、この見通しについて、また、今通産省のエネ庁が総合エネルギー調査会においてこういう課題を投げかけて御検討と聞いておりますが、その状態を簡潔にお願いしたいと思います。
○山本(雅)政府委員 今先生御指摘のように、現在持っております長期計画は、二〇〇〇年まで年率一・三%の伸びというように算定しております。しかし、最近エネルギーの需要の伸びは非常に著しくて、一昨年、一九八七年は四・八%でございました。昨年、一九八八年は五・七%になっております。したがいまして、一・三%と想定したものがその二倍あるいは三倍になるというような大変な伸びを示しておりまして、果たして今後どのような形になるかというのは至急見直そうということで、今御指摘の総合エネルギー調査会で鋭意検討をお願いしている段階でございます。 したがいまして、今後経済成長が仮に四%というような形でまいりますと、エネルギーのいわゆる経済成長との弾性値が、現在〇・三と想定しておりますが、それが既に一を超える状態になっておるものですから、今後どういう形になるか、関係者の英知を集めて需要の想定をしていただいておりますが、どうしても今までの想定よりも伸びざるを得ない、こういうような状況かと考えております。
○佐藤(信)委員 よくエネルギーの確保、エネルギーセキュリティーということが言われます。そこで、ちょっと古いのですが、六十三年、昨年の十一月二十一日の読売新聞の記事に非常に興味があることが書いてあります。日本とアメリカのエネルギーセキュリティーに関する意識調査というものがしてあるのです。日本は御存じのように資源小国で、ほとんどない。その国の我々国民がこのエネルギー問題について非常に不安に思うというのが八・二%、少し不安だというのが四三・一%、合わせて五一・三%が不安かもわからぬな、こう言っているのです。ところが、アメリカの場合には、御存じのように産油国でありエネルギー資源が豊富ですが、ここの国では非常に不安だという方が二九・七%、約三〇%、少し不安だというのが四一・七%、合わせて七一・四%の者が不安だと言っているのですね。資源のある国は七〇%の人が不安だという、資源がない日本は半分だという、これはおもしろい数字だと思うのです。 そして、その中でエネルギーで最も大事なというかクリーンなものは何といっても電力ということになるわけなのですね。きょうは時間がございませんから余り深く申すことはできませんが、この電力の安定供給ということに対して余り真剣に考える方がいないという現実なんです。そして、今申したように資源がないわけですから、どうするかといったら、まず一番いいのは電力、そのエネルギーの主体である電力に関しては省エネというものを徹底的に進める必要があります。これは、中にはもっとやればいいじゃないかと言う方がいますが、日本は御存じのように二回の石油危機によって世界で有数な省エネ国になった。これ以上一体日本の経済規模からいってできるだろうかという問題がある。そしてまたもう一つは、やはり熱効果等の利用のいわゆるコジェネレーション、こういうものをもっと取り入れろと言います。これもやはり限界があって、今の電力にかわるだけの余地はない。 そして、じゃ新しいエネルギー、これを研究開発すればいいじゃないか。一生懸命通産省、エネ庁なさっているようでございますが、世界的にいっても太陽の光とか風力、地熱、水素、いろんなことを言われますが、なかなかこれは前進しない。燃料電池もそうです。これは一日も早い解決がいいだろうと思うのです。 そして、今の電力源ということになると、水力があり、石油があり、石炭があり、原子力がある。今申した新エネの中、一部は地熱なんか使っていますが――大変おくれましたが今の天燃ガス、LNG、こういうものがあるのですね。そうすると、今の既存の中では、一番資源のない国として活用できるというのはやはり水力だろう。これが一番問題ないだろうと思うのです。しかし、それはその中においても、もう既に日本じゅうダムをつくって、ほとんど余地がない。あと実は二千万キロワットぐらいしか余地がない。今後一体どうすれば日本のエネルギー、その中における主力の電力が保てるかというのが実は大きな問題になるだろうと思うのです。その中で、やはりエネ庁なんかは基本的にベストミックスということを言っているのですね。あらゆるものを使っていこうじゃないかということだろうと思うのです。このベストミックスというものに対する将来の見通しというものがおわかりでしたら、簡単に言えば、どれをどういうふうな依存をしていくんですと、こういう数字がありましたら教えていただきたいのです。エネ庁、どうぞ。
○山本(雅)政府委員 今御指摘のベストミックスというのは、私どもエネルギー政策の基本的な課題でございます。今まで石油への依存度をできるだけ下げていく、その石油への依存度がほぼ二割下がっておりますけれども、その二割下がったものを何で補てんしたかといいますと、LNGで約一割、原子力で一割でございます。したがいまして、将来ともこのベストミックスを進めていくためには・どうしてもLNGとか原子力というものに頼らざるを得ない。それをどういう割合でどう持っていくのが一番いいか、基本的には我が国のエネルギーのセキュリティーを念頭に置きながら将来の姿を考えなければならないというように考えております。
○佐藤(信)委員 そうすると、結論からいうと、あらゆるものを活用していくけれども、どうしてもやはり足りない分は、特に日本のように豊かな生活というもの、こういうものを期待される場合にはどうしても原子力、こういうものがまず入ってこないわけにはいかないというのが結論だろうと思うのです。 しかし、一方では、やはり原子力というものの安全度というものに対して非常に不安をお持ちの方がいると思うのです。私は、この問題を実は私なりに勉強して、確かに原子力発電というもの、その安全性というものが現在では日本は非常に進んで、いまだ一件も事故がない。しかしどういう事態が起きるかわからない。だけれども、今のような生活水準を保っていって、より高い生活を望めば、どうしてもエネルギー、電力の削減はすることができない、これは避けて通れない問題だろうと思うのです。今までややもすると、通産省においても、またこの原子力発電賛成と言われる方々は、経済的な面を言われました。コストが安い。私は、これからのエネルギーというものは余り経済性、もちろん大事でしょうが、経済性よりかやはりそうした安全性というものを優先すべきである。だからやはり安全にはどんどん金をかけてもらいたい、こう私は思うのです。 そして、御存じのように、原発があれば、それの後の処理、特にまた核燃料サイクルという問題、これが実は出てくるわけなんです。今、この問題として青森県の六ケ所村が予定されております。これは御存じのように長い歴史があって、みんなここはいいなと思った。ところが今非常にやはり地元で問題になっています。この人たちの言い分を聞いてみると、やはりこれがなぜ青森、一ローカルの問題なんだろうか、これはまさにエネルギーセキュリティーからいって、またベストミックス思想からいって、日本全体の問題じゃないだろうか、何でこれを青森だけに、というのが切実な気持ちだろうと思うのです。 そこで、実はお願いしたいのは、この問題はまさに通産省だとかエネ庁だけの問題じゃなくて国全体の問題なら、内閣全体として取り組んでいただきたい。そして、青森の人たちの切実な気持ちは、やはりある意味では、これは大変失礼かもわからぬが、何かやはりごみ捨て場に青森をしたんだ、これじゃ青森の未来がないんだ、もっと明るい希望が持てるような政策をお願いしたい。例えば、原子力結構です、安全ならばやはりそういう捨て場だけではなく、原子力研究所みたいなものでもって、原子力立県だ、こういうふうにして将来のビジョンをつくってもらいたい。もっともだと思うのです。ですから、このことは総理、最後に、どういうふうにお考えか、一言お願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○海部内閣総理大臣 今お取り上げになりました青森県の核燃料サイクルの施設の建設につきましては、今アメリカとかイギリスとかフランスに頼んでおります核燃料サイクルの施設を自主的に行おう、それを建設しようということでありますから、我が国の将来のエネルギーにとって極めて大切なものであります。そういうごみ捨て場とかいうような気持ちでは決してございません。今申し上げたように、我が国の核燃料サイクルを自主的に確立するためのものでございますから、そのためには、やはり研究所とか、それに付随する施設とか、政府を挙げての問題でございますから、むしろ国を挙げての問題でございますから、前向きに検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤(信)委員 以上で終わります。
○中尾委員長 これにて中島君、佐藤君の質疑は終了いたしました。 次に、野呂昭彦君。
○野呂委員 私は、まず冒頭に、過日本委員会で不破委員が発言をされました中で、政府は六十五歳以上の人口と二十から六十歳の人口の比率で、今は六人で一人のお年寄りを支えているが将来は二・三人で一人を支えると言っておるけれども、将来の就業者人口比率は変わらないのだから、これは高齢化社会が来ても心配ないではないか、厚生省の宣伝しているのはまやかしであるような趣旨の発言がございました。これに対して、はっきりと私の方からこれは政府の見解をただしておかなきゃならない、このことを冒頭申し上げておきたいと思います。 それで、確かに就業者人口比率は昭和六十年で四八・〇%が平成二十二年で四七・七%、これは変わらないものであるかもしれません。しかしながら、だからといって負担がふえないというような印象を与えるような発言は極めて遺憾であります。就業者人口比率は変わらなくても、高齢者の人口は急速にふえるわけでございます。これは、人口とすれば平成二十二年には昭和六十年対比で約二倍になってまいりますし、そして老人医療費あるいは年金というものを見ても、年金では現在の六倍から八倍がかかってくる。あるいは医療費においては、老人の医療費というのは若い人の五倍くらいかかっておりますし、また入院では八倍くらいかかっておる。こういう実態から、将来、二十年後には約九倍にもなるだろう、こう言われておるわけであります。 そして、就業者人口が変わらないといいましても、実は人口の年齢区分の対比で見ても、いろいろと御指摘のようなこともあるでしょうが、しかしながら、就業者人口比率で見ても、決して就業者の人が全員税の負担をしておるという実態ではなかったわけであります。消費税はそれを薄く広くということで全体的に負担する、こういうことにもなっておりますが、こういう意味からいきますと、私は、不破氏の発言につきましては、費用の側面も全く考えないで、まじめな議論を撹乱するようなことがある、このことを指摘をしておきたいし、政府のきっちりとした見解を求めておきたいと思います。
○中尾委員長 野呂君、どなたの答弁がいいですか。
○野呂委員 厚生大臣に。
○戸井田国務大臣 野呂委員御指摘のとおり、総人口と就業者数の比較だけで将来の高齢化社会に対する負担を見るということは、その一面だけで、大きな高齢者という大変負担のかかる人たちに対する実態を見落としているのではないかなというふうに私も考えます。 そして、御承知のように、お年寄りの場合には、まず第一に医療費もたくさんかかります、今お話がありましたように。大体生まれてから亡くなっていく人生八十年の中で、本当に最後の医療というものが全体のほとんど七〇%以上を使っているわけでありますから、そういうことを考えてみても、お年寄りというものは、大変そういう意味でのケアを我々は財政的にしていかなければならないという使命に燃えているわけでありますし、また、年金の問題一つとりましても、今世界の年金の開始年齢というものは大体六十五歳というのが平均で、中には六十七歳というのもあります。しかし、そういう中で日本の国は六十歳から今支給をしておりますが、その長生きをする寿命というものは世界で一番長くなっているわけでありますから、年金の開始が早くて、一番長く支給しているということから考えるというと、やはり所得の面でも大変な負担をしていかなければなりません。 しかし、こういった大変な負担をしていく、あるいは六人で一人だとか二人で三人だとかいうようなことを余り強調し過ぎて、お年寄りの人に何かおれたちは生きていたら迷惑がかかるんじゃないかというような考え方を持たしてはいけない。そういう意味で、我々はその負担をどうやって賄っていくんだということを真剣にむしろ考えていくべきである。そうなってくるというと、やはりお年寄りの実態というものの一面だけを見てやっていったのではいけないのではないか。 それからもう一つは、医療の面でも、御承知のとおり、これからは寝たきりでなく本当に元気老人をつくろうというわけでありますから、退院してからのリハビリなりいろいろな意味でのサービスということも必要です。すべてお年寄りの、その一面というものでなく、実際にお年寄りを健やかにしていくためには大変かかる面というものを真剣に見ていかなければいけない。お年寄りが豊かな生活をしているのを見て、初めて若い世代というものが将来に夢も持ち希望も持つわけだ、こういうふうに思います。よろしくお願いいたします。
○野呂委員 そういう観点から、これはしっかり我々は考えていかなければならない、こう思っております。 さて、きょうは与えられました一時間という時間の中で、幾つかの項目、できるだけお聞きをしてまいりたいと思っております。 まず、総理は御就任以来大変真摯な態度で政治に取り組まれておりまして、国民の方に向かってしっかりと物を言っておられる、そういうことに私ども大変ありがたく思っておるところでございます。そして、総理がさきの所信表明演説で申された中で軸になっておりますのが、「公正で、心豊かな社会」の実現、そして、今の話にもありましたが、高齢化社会を展望したとき、大変なものでございますが、それについては安心して暮らせる福祉社会の実現の必要性、こういうことを御指摘もされておるところでございます。 確かに、これから考えていかなければならないこの高齢化社会は大変なものでございます。年金の問題につきましては、所信表明の中でも関係法案の早期成立を強く訴えておられました。同時に、医療というものは、高齢化社会をとって考えたときにも大変大きな問題でございまして、医療のことについては時間の関係で所信の中で多くを触れていただくことができなかった関係もございますので、総理に、「公正で、心豊かな社会」の実現のために、これから豊かな長寿福祉社会にふさわしい医療というのはどうあるべきなのか、まずこのことについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 世の中が非常に激しいテンポで変わっておりますから、高齢のお方が人口の比率でずんずんとふえていくということは野呂委員も御承知のとおりと思います。百歳を超える方が三千七十八名という大台に入られる。私は、そういうときに、ただ単に長生きをしていただくというだけではなくて、よく長寿福祉社会と申しますが、生きがいを持って喜んでいただけるようなそんな社会をつくっていくのが将来に向かってはあるべき社会の姿だ、こう思います。 したがいまして、医療の問題については、高齢者医療に対してどのような対応をしていったらいいか、やはりそれぞれの方々にふさわしい医療を提供するのが一番いいわけでございますから、そういったことで、安心して暮らしていただけるような制度、仕組みをつくると同時に、元気で健やかにお年を召していただくための予防医療、医学というものの発達も大切でしょうし、それから、不幸にして病におかかりになった方にはなるべく御家庭とかあるいは自分の望まれる自然と接触しながらの療養ができるような制度を考えるとか、いろいろな角度で、それぞれの立場に応じて大切な問題点が出てくると思っております。 私は、我が国の医療は量的には欧米諸国と比べても遜色のない水準に達していると思っております。しかしながら、今後の高齢化の場合には、いろいろな病の構造の変化、医学及び医療技術の進歩、国民の健康に対する意識の高まりなど、医療をめぐる環境を整備するとともに、やはり具体的には治療に偏重ぎみがあった今までの医療について、さきに申し上げましたように、予防とかリハビリとか周辺サービスとの総合化を目指すとともに、保健、福祉などの関連諸施策との連携に重点を置いていく、社会全体の仕組み、社会全体のあり方の中から、みんながそれぞれの力を合わせて御高齢の皆さんのためにいい医療体制を築き上げていく、このことが大切であろうと考えております。
○野呂委員 そこで、政府も既に今日までいろいろな取り組みをしてきていただいておるわけでありますし、また、我々国会の中においてもその議論を進めてきております。今総理の方からのお話にもありましたように、私どもは、今後こういう中で、施設整備のあり方についてもどうあるべきかとか、あるいは治療偏重を正した中で健康づくりだとか予防といった問題についてもどうしていくかとか、あるいは在宅と施設のあり方あるいは福祉との連携、そういったことをどう展開していくか、私どもがいろいろと果たさなければならないその役割があるわけであります。 それで、そんなときにいつも議論の分かれ目になりますのが、あるいは議論が国会の中でもかみ合わなかったりというようなことが起こってまいりますのは、例えば公の果たすべき役割というのはどの辺にあるのだろうか、あるいはまた、その医療のコストの問題でいくと、余り高過ぎても困るけれども、かといってもちろん安ければいいというものではないというような問題もありますし、また議論を進めてまいりますと、その中には、医療とはそもそも本質的に何なのか、こういった理念にも実は触れてくるようなことがあるわけでございます。 厚生省もいろいろな取り組みの中でそういった考え方が出されてはきておるわけでありますけれども、今、将来に向かって例えば来年も老人保健法あるいは医療法あるいは健康保険の問題、そういったものを議論をしなければならないときに、やはりその議論の基本となる、基本的なスタートになるこういった問題について、私はきちんとしておくということが今日求められておるのではないか。そしてそういうふうな中で、だれでも必要なときに必要な医療を受けられる、そういう体制をつくっていかなければならないと思うわけであります。 そこで、あれは昭和四十七年ごろでございましたか、厚生省が医療基本法というのを提出をされたことがありました。それは残念ながら議論されずに廃案になってしまったというようなことでございますけれども、私は、今こそこういった理念をきちっと法の中にもやはり示して、そして国民的コンセンサスを得ながら今後の医療の議論、取り組みをしていくべきではないか、こういうふうに考えておりまして、これに対しまして厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○戸井田国務大臣 医療の理念をしっかりとして、そして医療の基本的な基本法をつくったらどうだろうかというお話でございましたが、確かにそういった意味で、最近の医療を取り巻く環境というものが、やはり一つの理念を、しっかりしたものを持っていくということも大切なことだと私は思います。 そして、現在は、医療機関については一つの医療法があって、病院あるいは診療所の取り組み方等については、医療法を通じていろいろな、時に応じて改正をしてきておりますし、またそれを担当する医師の問題については医師法というものもあり、あるいは歯科医師法というものによってその基本が決められているわけであります。 しかし、今お話しのように、医療を取り巻く環境というものは非常に大きく変化をしてきておる、そういうことから考えてまいりまして、私は、一つには今ちょうどそういう意味では転換期に来ているのではないかというような感じもいたします。それで、来年度は御承知のとおり、今お話ありましたように、福祉との関連、あるいは今総理からお話ありましたように、日常の健康管理から予防あるいはリハビリ、そういった面で非常に幅広く検討していかなければならない、そういう意味で医療法の改正を来年度は提案をいたそうというふうに思っているわけであります。今お話しの点については御意見を非常に理解もできますので、よく検討してみたい、かように思っております。
○野呂委員 いろいろな医療関係法はあるわけですけれども、それぞれを基本理念で結びつける、そういったものがやはり必要ではないか。そういう意味合いから、ぜひ御検討をお願いを申し上げておきたいと思います。 それから、たくさんの課題について申し上げることができないのでありますが、実は高齢者の対策の中で、医療について言えば、今やはり一番大きな問題になってくるのは老人医療費、大変な勢いでふえておるわけでありますけれども、この費用の負担をどういうふうにするのか。どれくらいのサービスをすることによってどれくらいの負担をするんだ、あるいは負担の場合にも税と、そして社会保険料のその負担の割合はどうあるべきなのか、こういった問題が大変いろいろと心配をされておるわけであります。既に、例えば老人医療費の国の、あるいは公の負担というものについても、現在三〇%が公の負担になっておりますが、それを五〇%にふやすべきだ、こういうふうな議論も一部から出ております。政府はこういった老人医療費の負担のあり方についてどのように考えておられるのだろうか。 そしてもう一点、今私はこの医療を考えたときに、これから多分最大の問題の一つになってくるのがマンパワーの問題ではなかろうかなと思っております。これは何も医療に限らず福祉全体でありますけれども、どの先進諸国におきましても、実はマンパワーの確保と質の向上ということが今や大変大きな問題になってきておるわけでございます。寝たきり老人だとか痴呆老人、こういったものもどんどんふえてまいります。これは施設サービスの上でもそうでありますし、あるいは在宅医療とか在宅介護、こういった面から考えてもそうであります。それから、先ほど総理が述べられましたように、これからの中では健康づくりにおいて予防というものに対してどうやっていくんだ、健康増進施設とかそういった面からもやはりマンパワーがまた求められておるわけであります。今現在でも、急速な高齢化の勢いでマンパワーの供給がもう既に間に合わなくなってきておる、こういう心配も指摘をされておりまして、今後こういった問題にどう取り組まれていくのか、お答えのできる範囲でひとつお願いを申し上げます。
○戸井田国務大臣 老人医療の負担の問題についての御意見でございますが、確かに公費負担分の問題については、私ども党の中ではちょうど医療基本問題調査会の中間報告の中でも、今お話がありましたように、数字は挙げておりませんけれども、公費負担の問題について触れているところであります。それは、御承知のとおりに、社会保険としての仕組みの中から、さらにお年寄りの部分についてはすべての保険者がお互いに支え合っていこうということで、六十年の改正のときにいわゆる按分率というものでお互いにお年寄りを支えようというふうな方向に来たわけであります。しかし、この問題は今老人保健審議会の中に政府としては諮問をいたしておるわけで、現在私は、その当時は医療基本問題調査会長でございましたが、厚生省の方で政府側でありますから、その答申を待って詳細検討していきたい、こういうふうに思っております。 それからマンパワーの問題は、これからの老後を健やかにしていくためには、どうしても今までの医療の範囲から出て、在宅介護の問題その他いろいろな意味で非常に重点的に取り組んでいかなければならない大きなテーマだと思います。具体的な問題でありますので、事務局からお答えさせていただきたいと思います。
○仲村政府委員 具体的な数字についてお答えを申し上げたいと思います。 大臣からただいま御説明ございましたようなことで、いろいろの職種の確保というのは非常に重要な問題だと考えておりますが、例えば看護婦につきましては、平成六年までに九十三万五千人ということで、現在七十五万人でございますが、増員を図るように努力をしてまいりたい。あるいは理学療法士、作業療法士でございますが、現在一万人でございますが、平成七年までに約二万人という目標を立てております。それからホームヘルパーにつきましても、現在五万人とする整備目標をつくっておるわけでございますが、そのほか健康づくりの問題でも、これは認定制度でございますが健康運動指導士というふうな制度もつくりまして、現在八百人でございますが、これも逐次ふやしていくということで、御指摘のようなマンパワーについては非常に需給見通しが難しい面もございますけれども、精いっぱいの努力を重ねてまいりたいと考えております。
○野呂委員 マンパワーの問題では、量の問題、量の確保といいますか、それも大変大事なことでありますし、そしてもちろん質の向上も大事でありますし、特に私心配しておりますのは、例えば福祉の分野と医療の分野、そのバランスも十分とりながら今後制度の整備を図っていただきたい、このことをお願い申し上げておきます。 ちょっとテーマを移らさせていただきますが、医療とともに大事なことは年金であります。 今国会では年金法案がさきの国会から継続をされておりまして、二十一世紀の将来を見据えたときにどうしてもやっていかなければならない改正内容でございます。また、受給者の期待が大変大きくかかっておりますので、私ども何とか早期に成立を図っていきたいわけでありますが、きょう私が今から御質問申し上げますのは、年金の中でも特に共済年金のことでございます。これは改正案のことではなくて、現行制度の中で何とかしていただきたいな、こういう実はお願いを申し上げたいわけであります。 昭和六十一年の四月に年金の大改正が行われたわけであります。この改正も極めて意義の大きな改正であったということは私も評価をいたしております。ところが、共済年金につきまして、実は裁定がえを受けた人たちの中で大変な不利益をこうむられた方々がおるわけであります。それはすなわち、共済年金の受給者の中で裁定がえということが行われまして、年金の相当額が減額になる。実際には、減額にならずに従前額を保障するという形で来てはおるわけでありますけれども、実は私はきょう、ちょっとこの図表を用意してきましたので、皆さんに見ていただきたいのであります。実は六十一年の改正で大変気の毒な例が発生をいたしておる一つの典型的な例を申し上げたいのであります。 AさんとBさんという人がおりまして、同じころに公務員になりまして、大体同じような能力を発揮していただいて、ちょうど同じころに御両人ともやめたわけであります。ところが、やめたのが、国家公務員だとすれば共済に移行する前でありますから昭和三十四年以前、あるいは地方公務員でしたら昭和三十七年以前ということになるんですが、この恩給期間の間に公務員になってやめたというようなこのAさんとBさん。 ところがこのAさんが、大体同じような給料をもらって同じような退職金でやめたんですけれども、Aさんというのは人望が高くて、実は町や県から特別職として、あなた、済まぬけど世の中のために一年ぐらい働いてくれぬか、こういうことで、例えば学校の先生であれば町の教育長などになるというふうなことが起こったわけであります。ところが、このときには既に年金制度は共済制度に移行をされておる。そこで、実はこのAさんとBさんのもらう恩給年金額というものを見ていきますと、大変な矛盾が起こってきたわけであります。それがこの昭和六十一年の大改正の前と後と比較して図でかいてあるわけでありますが、昭和六十一年前ですと、実は共済年金には、共済年金と恩給と両方とかかっておる人たちについては恩給方式と通年方式の選択がきいたわけであります。そして、Aさんは恩給方式でこの額をもらっておった。ところが、Bさんは当然この余分に勤めておる共済期間の勤務期間はないわけでありますから、それより少し少ない恩給をもらっておった。 ところが、今回この六十一年の大改正でどうなったかというと、恩給だけの人は恩給制度のままで恩給をもらえるということになりましたから、まあ恩給が少しずつ年間上がっていけば、このラインでBさんは自分の恩給がもらえるわけであります。ところがAさんは、この大改正によりまして通年方式しか選んではだめですよということになったのですよ。したがって、そうなりますと、実はAさんは通年方式のこの額で計算したのが自分の額に達するまでは、これはもう頭打ちで、従前額保障のまま横に移行し、そしてようやくこちらが追いついてきたところでやっと少しずつ上がってくる。こちらのこの図がこういうふうに段違いになっておりますのはなぜかといえば、これは平成元年度で実は年金の再計算ということによって上げたわけですね。これは五年ごとに行われますから上がるわけですが、こういう方式になってしまったわけです。 しかも気の毒なことに、AさんとBさんのこの給料の差というのは、大体私はモデル的に、三百万円ぐらい恩給をもらっておる人たちを前提に調べてみますと、この差は多分一万円ない、五千円あるかないか、こんなものであったろうと思います。ところが何と、こういうふうに全部通年方式の新共済の方式に移行されますと、この差額は、多い人では三十万とか四十万、ひどい人は五十万ぐらいの年間もらう額の差が出てくるのであります。私、ここに幾つかの事例を持っていますが、一番ひどいのでは大体五十五万円ぐらいの差額が出てくるのですね。こういうことが実はこの六十一年の改正で行われたわけです。 どうですか、委員の皆さん。私はこれは、制度の改正の趣旨、根本理念は理解するとしても、こういったアンバランスが残ったということは、これは私は政治として配慮がきいていないのではないだろうか、こういうふうな気がするわけでございまして、実は大蔵大臣、共済関係はやはり国家公務員の共済が中心でありますから、ぜひひとつこういった点について、これは気の毒ではないだろうか、お考えをひとつお聞きしたいわけであります。
○橋本国務大臣 今委員が御指摘になりました問題点は、まさに前回の大改正の際に、自由民主党の中において法律案を検討いたしましたときにも随分論議になりました点であります。しかしそのとき、委員も含め党は、御承知のようにこれを提出することに踏み切り、そして可決をすることに踏み切ってまいりました。 と申しますのは、既裁定年金のうちで、確かに委員がおっしゃるようなケースというものは論理的に当時から予測し得るケースであったわけでありますけれども、そのとき皆がそれなりに、不満を残しながらも合意をいたしましたのは、実際に現に受けておられる年金額が減額をされるわけではない、その水準は維持されるという点に救いを見出したことが一つ。それ以外に、社会的にいわゆる官民格差というものに対して大変厳しい世論があったことが一つ。こうした点が非常に強かったように私は記憶をいたしております。 そのほかにも、一般方式について通年方式に裁定がえをしました中には、昭和六十一年の制度改正により現役公務員などの将来受けるべき年金給付について給付水準の適正化を図りましても、なおかつ掛金負担を大幅に増加させざるを得ない状況にあることから、現役公務員と退職者との間の給付水準のバランス、給付と負担のバランスを図る必要があった。こうした点も御承知のようにございました。 そういう意味では、確かに通年方式による年金の額というものが据え置かれる期間がある程度あることは事実でありますけれども、これは大変委員の御指摘には反する言い方かもしれませんが、言いかえると、実はより有利な年金がその間継続して受け取ることができるという言葉も、民の立場から物を見る方々からは出てくるわけであります。そうなりますと、民の立場から見れば、有利な年金額に対して、さらに委員の言われるような、例えばスライド等を考える、救済措置を講ずるということについて、果たして世論が納得されるものであるかどうか。この辺については私は、なかなか従来からの論議を振り返ってみました場合には困難なことではなかろうか、そんな感じがいたしております。
○野呂委員 これは私は、大蔵大臣が減額、実減額はないじゃないかとか、あるいは官民格差というそういった議論から踏まえてどうだ、世論がどう受け取るだろうか、あるいは現役とのバランスがどうだ、こうおっしゃっておられて、それはそれなりに私は、その表現は理解もできるのであります。しかしながら、やはり私は、これぐらい明らかな矛盾というのは、同じように勤めておった人が、請われて、例えば私がさっき言いましたように、教育長をやりたくないけれどもやってくれと、一年やったのですよ。一年やったために、実はやらなかったらBさんと同じ額が保障されたのに、世の中のために余分に尽くした人が逆にこういうふうに減額、実際に差が開いていく、これはやはり公平の観点から、世代間とかそういった問題以前に、これは済まない問題ではないかな、こういうふうに私は思っております。 そこで、これはもう何としてでも、これは今の世代間の問題とかそういった全体のことについては私は理解をしながらも、やはりこういった細かいところの不公平というものをいかに直していくか、これこそ私は、理屈だけの制度ではない、やはり血の通った政治として対応できるという、そのことではないだろうか、このことをぜひお願いを申し上げておきたいわけであります。 そこで私は、今大蔵大臣が官民格差という問題を御指摘になりましたので、逆にその問題から一つの問題を提起いたしていきたいと思います。 それは、いわゆるいつも問題になっております旧軍人等の恩給受給資格欠格者の問題でございます。実は、恩給をもらう資格のない、年数の少ない軍人さん、この人たちは公務員になれば、これは軍歴が通算されて共済年金がもらえるのですね。ところが、厚生年金や国民年金ではこれは通算されない、こういうふうな事態になっていますね。どうしてですか。
○戸井田国務大臣 これは大変な私どもも問題だというふうに考えておるわけでありますが、共済年金制度は恩給制度を引き継いできた制度でありますので、恩給の対象となる軍歴期間を通算するのは当然だと思います。しかし、厚生年金制度であるとか国民年金制度というものは、自分たちが積み立てて、そして社会保険料を拠出して、その要件に基づいて給付を受けるという関係でありますので、この問題、我々も党にいる時分にいろいろな意味で努力をしてきたのですが、御承知のとおり、恩給欠格者に対しては、この間平和祈念事業特別基金が成立をいたしまして、旧軍人に対する名誉に何とかこたえていきたいということであります。
○野呂委員 実は、この問題は政府はもう何度も繰り返して、この問題には結論が出ているのだ、こういうことを言ってきておるわけであります。その根拠になっておるものは何なのかといえば、昭和五十七年の四月に総理府の総務長官に委嘱しましてつくりました軍歴通算問題に関する報告、それから昭和五十九年十二月の官房長官の私的諮問機関であります戦後処理問題懇談会、この報告なんであります。そしてその中で、今厚生大臣も触れられましたが、恩給制度の後身というものが共済制度であって、そして厚生年金や国民年金はサラリーマンを対象とする一般的社会保障である、だから加入者の拠出というものが前提であって、これは問題が違うのだ、こういうふうな言い方をしてきたわけであります。そしていつも出される、さっき申しました報告書二つ、例えば五十九年の十二月の戦後処理問題の報告書でも、いわゆるその後の新しい事実だとかまたは状況の変化がないという中で、こういう結論を出しておるのですね。 ところが、私が指摘を申し上げたいのは、状況は今や一変しようとしてきておりますね。それは何だといえば、今回提出をされております鉄道共済の救済の財源調整法なんですね。これはどういうことかといえば、要するに厚生年金から鉄道共済とそれからたばこ共済に大変大きなお金を、合わせて千四百九十億、そのうちの厚生年金は拠出が千百四十億というのですね。それで、今まで盾にとって、恩給の後身が共済なんだ、そして厚生年金や国民年金、サラリーマンや一般国民を対象にした年金制度とは違うのだということを言ってきたのですよ。だから恩給の軍歴を持った人は共済につなげられるのだけれども、そのほかの人は絶対に恩給法の壁があってだめですよ、こう言ってきたのですね。ところが、壁だ、壁だと言っておるけれども、年金は今や統合しようという形に向かって整備が進んでおるわけであります。そしてその中で、気の毒にも大変財政が難しくなった鉄道共済を助けんがために、民間のサラリーマンたちの年金制度である厚生年金から金を出そうというわけでありましょう。まさに今ここで、この恩給、共済というものと、国民年金やあるいは厚生年金というものは一つの枠の中に入ってきたわけですよ。そして相互に関係をより深めながらお金の面でも行き来をしようとするときになったのであります。にもかかわらず、この恩欠問題について、これは制度が別であります、これは公務員だけしかつなげないのですというのでは、大蔵大臣が先ほど触れられた官民格差の議論を逆の面から見ればより助長する、国民から見れば甚だしく理解がよりいかなくなるような状況ではないかな。 このことについては、これは私は非常に残念なのは、恩給の欠格者のところをどこで扱ってくれるのか、これも非常に問題があるのですよ。厚生省なんかは、もともと厚生省の厚生年金や国民年金とはもう制度が違うのですから、だからっなげてくださいということも困るけれども、これは厚生省の立場ではそんな、だめですよ。じゃ総務庁の恩給局がこれは責任を持てといったって、恩給局は資格のある人たちはしっかり守っていくけれども、そんな資格のない人は私たちの行政の範囲じゃありませんと、こうほうるわけであります。ところが、そうしたら総理府あたりがちゃんとしてくれるのかといったら、いや、もう今までに既に処置が済んでおることです。これじゃ私ども自民党の中でもいろいろ議論しておったって、受けてくれるところがないですね。しかも状況は今まで説明しておったときとは全く違いますよ。そういう意味で私はその辺のお取り組みをどなたに聞けばいいのか、委員長、指名してください。
○中尾委員長 この関係者については、総務庁長官、まず御意見を参考までに述べていただいて、そして示唆することが適当かと思います。
○野呂委員 委員長、これは総務庁に聞いても……。
○中尾委員長 石川恩給局長。――まず答弁させなさい。
○野呂委員 いや、もう時間がありませんから、私、御指摘だけにとめまして、ひとつぜひこれは海部総理、そしてこれは財源の問題からいけば大蔵大臣にもそうでありますし、ぜひこの点についてお願いを申し上げておきたいと思います。 それで、年金のことでもうあと少し伺っておきたいと思いますが、それは年金課税のことでございます。 実は昭和六十二年に、これは所得税法改正によりまして、従来の税の区分が給与所得区分から雑所得区分というのに変更になっておるのですね。これはどうして変更になったのですか。
○尾崎政府委員 御指摘のとおり、六十二年の九月の税制改正におきまして変更になったわけでございます。 その変更は、公的年金等の所得区分を、従来の給与所得から公的年金等に係る雑所得に変更いたしました。さらに、公的年金に適用される控除といたしまして、老年者年金特別控除、それから給与所得控除、この二つが従来適用されていたわけでございますが、それにかえまして、新たに公的年金等控除というのを創設いたしました。あわせまして老年者控除、これは年金の受給者だけではなくて、すべての方に適用になるわけでございますけれども、それを二十五万円から五十万円に二倍に引き上げるというような改正をいたしました。 なぜこのような改正をしたかと申しますと、まず、従来適用されておりました給与所得控除でございますけれども、これは勤務関係を前提として、その勤務に伴う経費を概算的に控除する、それから他の所得との負担調整を図るという趣旨であったわけでございますけれども、年金については必ずしもそのような事情にないと認められたこと、それから給与所得控除に加えて七十八万円の老年者年金特別控除が認められておりましたが、このような公的年金に対する控除は、公的年金と他の所得との負担調整を行うという観点のほか、このような控除の仕組みを通じて老年者に対して税制上の配慮を加えるということでありました。 しかしながら、公的年金の給付水準と申しますのは、受給者間でかなり差がございます。それから、公的年金の受給者の中には他の所得が相当の水準にあるという方も認められます。したがいまして、公的年金であるがゆえに一律に多額の定額控除を設けるということは問題があるということでございました。そこで新しく公的年金等控除というものをつくりまして、そこに一本化いたしたわけでございます。
○野呂委員 今のお答えでは、高齢者に配慮を加えながらいろいろな控除制度も変えてきたんだ、こういうことでございましたが、実は雑所得になったために、大変困ったケースが生じております。 それは、ケースによって住民税がふえたりとか国民健康保険税がふえて、全体ではお年寄りにとって負担がふえたんだ、こういう指摘がたくさんあるのですね。 今大蔵省の方は、大蔵省でつじつまを合わせた配慮がちゃんとあるのかもしれませんけれども、どうも地方税とのバランスにおいてそういった配慮が欠けておったのかな、こういうケースがあったのですか。
○湯浅政府委員 住民税につきましては、ただいま国税の所得税の関係と同じ扱いでございますので、先ほど国税の方で御説明になったのと同じ扱いでございます。そういうことで変わりはないわけでございます。 今御指摘の問題、恐らく国民健康保険税の問題ではないかと思うのでございますが、国民健康保険税につきましては、所得割を計算する場合に総所得金額から基礎控除だけを適用するという、いわゆるただし書き方式を採用している市町村がたくさんあるわけでございます。この市町村の場合には、先ほどの御答弁にありました老年者控除が適用されないということで、公的年金等に係る所得者につきましては、年齢や収入の多少によりまして税負担が増加するという場合が想定されたわけでございます。そのために平成元年度の税制改正におきまして、関係省庁とも協議しながら、このただし書き方式による国民健康保険税の所得割額を算定する市町村の場合には、年齢六十五歳以上の被保険者の公的年金等に係る所得につきましては、この公的年金所得に係る所得から十七万円を控除するという制度を新しくつくりまして、従来よりも不利にならないような、そういう措置を講じたところでございます。
○野呂委員 それで、もうそういうケースは起こりませんね。ちょっと確認します。
○湯浅政府委員 これは所得の多寡によりまして多少の、これは所得の種類を雑所得に移したわけでございますから、所得が多くなってまいりますと給与所得控除を受けられないという問題がございますので、多少の動きは出てくるのじゃないかと思います。しかし、そういうものをなるべく不利にならないような扱いということで、今回こういう控除制度を設けたわけでございます。
○野呂委員 ひとつしっかりやっていただきたいと思います。 それから雑所得になりまして、年金収入だけなのに、今度は確定申告をしなければいかぬので税務署へ行かなきゃならぬというような不都合をかなり訴える人がおるのですよ。これは、やっぱりこんなことでは困るなということと、それから大蔵大臣に一つお願いでございますが、この雑所得の雑というのは、まことにこれまで御苦労をされてきた御老人が、実は給与と言われると何か自分たちが正当に受け取れるという区分の中に入っておった。ところが今度は雑所得になったので何か世間の片隅に追いやられた、何かごみみたいにして扱われているのじゃないかという、実はそういう意識の指摘がありまして、これはちょっと、年金受給者というのはもう今既に受給権のある人が二千万人を超えておる、あるいは老齢者の受給者だけでも千三百万人を超えておる。こういうことでかなり多いのですね。これはちょっと考えていただいた方がいいのじゃないか、このことをちょっと申し上げておきます。短く答えてください。
○尾崎政府委員 所得税法上、所得の種類を九種類定めておりますが、それに該当しないものはすべて雑所得ということでまとめております。実質的には、今回の改正によりまして、夫婦六十五歳以上の場合、課税最低限が二百四十一万八千円から三百一万八千円に大きく上がっていることでもございますので、名よりも実ということで御理解いただきたいと思います。
○野呂委員 もうあと残された時間がわずかでございまして、私はあともう一点、リゾート関係について御質問を申し上げたいので、今からリゾートの方の質問に移らせていただきます。それで、ずっと総括して関係大臣に御質問を申し上げたいと思うのであります。 リゾート政策につきましては、これは総理の言われた「公正で、心豊かな社会」の実現ということからいけば、経済的な豊かさというだけでなくて、やはりおっしゃっておられるように、生活の充実感、文化的豊かさ、生きがいを求めておる、これは総理の所信表明の言葉でございますが、そういった社会へ仕組みを変えていく中で、実は国土政策の上からも私は大変大事なことであると思います。そして、国民に豊かなライフスタイルの一つのステージを与える、それを国民的ストックとしてつくっていくのだ、これがリゾートであろうかと思うのです。リゾート法ができまして、私は、一つの余暇というものに関する画期的な法律であったと思います。そして地域開発とか地域振興の上でもメリットは大きいわけでありますけれども、実は、そうは言いながら、大変今過熱ぎみが心配されるのですね。 それで、国土庁が例のリゾート法、総合保養地域整備法、それに基づいて今承認をやっておるわけでありますけれども、その承認箇所が、今現在承認しておるところだけで十月の当初、五日現在で十七あるわけでありますね。それから、基礎調査を提出して、これからひとつ承認していただきたい、こういう手続をしておるものが全部で十九あるのですよ。これはどうもちょっと需要を供給がオーバーしていく、この心配はないんだろうか、こう心配をしております。 特に、ある調査機関等で試算をいたしておりますけれども、西暦二〇〇〇年のリゾート市場というのは今の五・五兆円の約倍に近い十兆円ぐらいだろうと言われておりますが、そのペースで今後ふえていくとしても、今国が承認をしておる規模でいきますと、まあ大体二十カ所から二十数カ所が限度ではないだろうか、こう言われております。そうしますと、もう今現在十七承認しておって、これ全部これから承認するんですかね。しかも、この承認地以外に実はリゾートの開発というものはどんどんほかでも進められております。そういう意味ではこの需要と供給について国土庁のお考えをひとつ承っておきたいと思います。お答えは後で一括して、恐縮ですが、お願いを申し上げておきます。 それから、実はゴルフ場がリゾート開発で大変問題になっております。特に農薬問題でございます。今全国で相当数のゴルフ場があるわけですけれども、国民にとりましては飲料水の問題あるいは川や海の汚染等の問題からこの問題に大変不安を持っておりまして、これについてどういうふうな対応をされておるのか、関係省庁にお伺いをしておきたいと思います。 さらに、リゾートについて既に承認をされたところが十七もあるわけでありますけれども、これらについては積極的に整備をお進めをいただかなければならない。特にこれは民活でありますから、国としてはその支援策をどんどん打ち出してもらわなきゃならぬわけであります。 例えばNTTの特定民間施設に対するところの無利子融資も、今は例えば一号から四号というふうな細かい決めがありまして、宿泊施設とか交通施設に対するものは認められていないわけであります。そういったものとか、例えば、これからお願いも申し上げていきたい中には、地方公共団体や第三セクター等に特定施設の用に供する土地を売却した場合に、いわゆる譲渡所得の特別控除制度、こういったものもぜひ設けてほしいというのがやはり行政側で地方で先頭に立っておる人たちのまたお願いでもあるわけですね。いろいろありますけれども、そういった点についてどういうふうに考えておられるのか、これの支援策もお聞きをしておきたいと思います。 それからもう一点、江藤大臣に、江藤大臣は航空運賃の問題について、大変雑談の中で私どもいろいろお話を伺っておるのですが、航空運賃が非常に高いのですね。リゾートでも実はこのコストの問題、特に交通料金のコストの問題が大変問題でございまして、宮崎へ行くのに往復五万円かかって、家族五人でちょっと別荘があるからリゾートへ行きますといったって二十五万円かかったのじゃ、これは庶民からほど遠い話になりますね。それから、団体割引なんというのもありますけれども、これも実は大変格差がひどいのですね。そういう意味では、ひとつこういったものについてどう考えておられるのか、これもお聞きをしたいわけであります。 そのほかいろいろあるのですが、今お聞きしたことを答えていただくだけでもその分が時間オーバーになりますので、私は以上でやめさせていただきますが、自由時間、あるいは労働時間の短縮の問題、あるいは余暇基本法といったバカンス法をつくったらどうだとか、サマータイム制はどうなんだ、こういった問題もいろいろあります。これはやはりそういった問題についても十分また政府としてお取り組みをいただきたいとお願い申し上げます。
○石井国務大臣 余暇事業の見通し等につきましては、大変難しい問題でございますが、二十一世紀を展望いたしました場合に、やはりリゾートの地方の期待というものもまことに大きいものがございます。既に承認を受けたところは、大変ありがたい、こういう気持ちがあろうかと思いますが、今基本構想を出して懸命に努力をするという姿勢を出しておるところに対しましては、国土庁としてやはりそれなりに検討をしていかなければいけません。 時間がありませんので多くを申し上げられませんが、それらの問題をも十分踏まえて、地域の活性化のために、また二十一世紀の余暇のためにもひとついいものをつくっていきたいと思っておりますし、その制度につきましても、いろいろ御指摘がありましたが、十分その意を酌み入れて拡充策をとっていきたい、そう思っております。
○江藤国務大臣 航空運賃につきましては、国際運賃を少しこの前下げまして、私は任命されてからすぐこの問題に取り組むように指示しておるわけです。したがいまして、南北格差というのが一つあります。それからキロ別の料金格差があります。それから、もう一つは割引率についていろいろと、例えばシーズンオフでしたら個人割引をもっとふやすべきではないかという議論やら、たくさんあります。それらの問題について早急に結論をつけるように今鋭意努力しておりますから、いずれ御報告できることがあると思います。
○野呂委員 お願いします。 終わります。
○中尾委員長 これにて野呂君の質疑は終了いたしました。 次に、野坂浩賢君。
○野坂委員 私は、冒頭に、サンフランシスコの大地震で死亡された皆さんに対して弔意を表し、負傷者及び災害をお受けになりました皆さんに心からお見舞いを申し上げます。政府もできるだけの措置をされますように御要請を申し上げて、質問に入りたいと思います。 質問は三、四点ございますが、時間がありませんので、簡にして要を得た御答弁をぜひ要望しておきたいと思います。 まず初めに、女性閣僚であります森山官房長官に敬意を表しながら、消費税についてお尋ねをいたします。 十一日に予算委員会で質問がありました後を受けて、十二日の午前、記者会見をされております。それは、消費税問題について「海部首相が公約している思い切った見直しが、必ずしも大幅な見直しを指すとは限らない」、こういうお話をされておるわけであります。新聞にはそう書いてあります。したがって、この真意、考え方は一体どういう意味なのか、御説明いただきたい。
○森山国務大臣 お答え申し上げます。 その記者会見のときには「思い切った」「思い切って」あるいは「大幅」、いろいろな表現を使われているが、その意味は違うのかというふうな質問があったかと記憶しております。で、日本語として考えました場合、「大幅」と「思い切って」というのは意味が違うのではないかということを申し上げた次第でございまして、その内容こそが問題なのではないでしょうかというふうに申した次第でございます。
○野坂委員 私はもっと追及したいのでありますが、特に敬意を表して、次に移ります。 今、森山長官からは「思い切った」と言っているけれども「大幅」ではないと。で、「思い切って」というのがこの間論争がありました。例えば八月の五日、八月の九日、九月十三日、九月三十日、大胆な見直しとか、思い切った見直しとか、思い切っての見直しとかいろいろありますけれども、今の心境ですね、総理大臣の今の心境は「思い切って」なのですか、「思い切った」なのですか、それを余り追及しませんから、正直にどちらをおとりになるのか、はっきりしてもらいたい。簡にして要を得た御答弁をいただきたい。
○海部内閣総理大臣 私は、党の総裁選挙に候補者として推薦されたときに書きました公約広報も、それから政府税調に参りましてお願いしましたときのものも、過日の所信表明演説で本会議で申し上げましたときのものも、この間取り出してよく調べてみましたけれども、やはり見直すべき点は思い切って見直すと、それが言葉で書いてあるのです。 それから、この間「て」か「た」かということで大分ここで御議論いたしましたが、僕はむしろてにをはの問題よりもお聞き願いたかったのは、国民の皆さんに御理解いただき定着をさせるために、どこをどう見直したらいいかということを今いろいろ各界の御意見を聞いておるわけでございまして、今お示しになりましたのも、私もこの間ビデオをちょっと見直してみたのですけれども、人の意見として入れて、私のときに大胆な見直しをせよという御意見もありますが、どこをどう見直したらいいかということについては慎重に皆さんの御意見を聞かなきゃならぬが、ただ反省すべき点は、消費者の立場といいますか、形を変えて言えば皆さん全部消費者であられるのに、消費者の意見というものに耳の傾け方も少なかったように私は感ずるとか、いろいろなことを申し上げておるわけですよ。ですから、結論は大幅とか小幅とか幅の問題なんかはまだどこをどうするかということが決まっておらぬわけでございまして、それは国民の皆さんの御意見をよく聞いて思い切って見直していこうというのが今の率直な心境でございます。
○野坂委員 茨城県の補欠選挙等から見ると随分トーンダウンしてきました。(発言する者あり)こっちがトーンダウンしておると言っておるんですから。 それでは、見直すということは、広辞苑を引いてみますと「もう一度見て誤りを正す。」となっていますね。もう一度見て誤りを正す。誤りを正すのです。だから、この消費税というものは不備である、欠陥がある、こういうふうに認識してよろしいのですか、総理大臣。
○海部内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますが、私どもは消費税だけをとらえてやったんじゃなくて、税制改革の中で今回の税制改革は正しいものだ、いいものだ、こう思って御提案をし、成立させていただいたのですけれども、しかしそこにいろいろな問題が含まれておった。そのために、世論の最近の調査を見ましても、見直しをしてほしいという御要望が非常に多くなってきておるということも、これは事実ですから、その声には謙虚に耳を傾けなければならぬということでありまして、初めからこちらが欠陥だと思って、あるいは誤りがあると思って出しておるものではございませんし、誤りがあるからというのではなくて、国民の皆さんの御理解をいただいて、やはり理解と協力がなければ定着してまいりませんから、そういう角度からいろいろ考えていこうということでございます。
○野坂委員 要を得た御答弁をいただくようにお願いしておりますので、余りてにをはをつけないでいただきたいのですが。私は消費税について聞いておるわけですから、その他税制全般についてというのじゃないのです。消費税に絞って聞いておりますから、そういう点を十分頭の中に入れてください。 それでは、不備はなし、完全無欠なものであったと考えておる、こういうふうに聞いていいですか、考えを。
○海部内閣総理大臣 国民の皆さんの側からの御意見を謙虚に受けとめて、だから今は完全無欠なものであったというような、そんな受けとめ方はしておりませんから、謙虚に見直すべきは見直していきますと、こう申し上げておるわけであります。
○野坂委員 そうすると、今の国民の声というものは免税点の引き下げとか、あるいは簡易税額票の問題、限界控除の問題、たくさんありますね。 そういたしますと、具体的にお尋ねしましょう。総理大臣は、小学校や中学校や高等学校が使う画用紙ですね。画用紙があります。それは一枚幾らだか知っておられますか、一般的なもの。わかりませんか。
○海部内閣総理大臣 最近私自身が買ったことありませんからわかりませんが、画用紙もいろいろあろうと思います。(野坂委員「幾らだと思いますか」と呼ぶ)よくわかりません、正直に。
○野坂委員 文部大臣はどうですか。――わからぬならわからぬと早く言って、抽象論ではなしに具体論で。
○石橋国務大臣 ただいまのことにつきましては、よく存じ上げておりません。
○野坂委員 わからぬのですよね、庶民の心は。はっきりしておる。 例えば一般の画用紙というのは二十円なんです。小学校の生徒が、中学校の生徒が図画の時間の前にみんな画用紙を買いに行くのです、購買部や近所のお店屋さんに。二十円で一枚買うと二十一円くれと言うのです。二枚買うと四十一円くれと言う。三枚買うと六十二円だと。そういうことになっておるわけですね、四捨五入その他の関係があって。一年生や二年生はまことに不思議な顔をしておるのです。嫌だなと、一枚買うと一円高いし二枚だと同じだと、これが消費税かと、こう言っておるのですよね。そういうことなんです。 さらに聞きますけれども、大蔵大臣にお聞きしますけれども、総額表示方式というのは、本体の価格と消費税と総金額と三つ書かれたものを総額表示方式というのでしょうか。
○橋本国務大臣 私は必ずしも言語学に詳しくございませんけれども、少なくとも手元にその商品を引き取る時点で、自分が幾ら支払うか、それが総額であり、その中において税額が幾らであるか、あるいは本体価格が幾らであるか、そのいずれか、あるいは双方か、それを表示されるというふうに理解をいたしております。
○野坂委員 この予算委員会で大蔵大臣は、総額表示方式でいこう、こういうことを私は考えておる、こうおっしゃっておるのですね。これは自民党税調の中でいろいろ議論がありますが、総額表示方式というのは決まりということになるのでしょうか。総理大臣、いかがですか。
○橋本国務大臣 私は、お尋ねがありましたときに、どういうお尋ねでありましたか忘れましたが、外税とか内税とかという御議論ばかりではなく、要は消費者が自分の求めたい商品を手元に引き取るために幾ら支払えばよいのかが正確にわかることが必要ではなかろうか。一方、便乗値上げ等を警戒して外税を従来主張してきた経緯もあるわけでありますから、そういうものを防ぐとすれば総額表示が望ましいのではないかと私は思う。しかし、これは表示の問題であって法律上の問題ではないということを申し上げております。
○野坂委員 あなたは総額表示方式の採用に前向きの姿勢を国会審議で初めて明確に示したと書いてありますね。私も聞いておりましたからそのように理解しております。これは消費税法の改正をやらなくてもできる、こういうふうな御認識ですね。
○橋本国務大臣 私は、表示の方式については現在も内税とも外税とも決められておらないわけでありまして、要は消費者の方々が利便がどうか、また業者の方々がどうか、その相対の中で決していくべきものであると思いますから、今後ともに法律で強制すべき事項だとは考えておりません。
○野坂委員 それでは、消費者の声を聞くということでありますが、消費者の声というのは、例えば非課税を多くせいあるいは廃止をせいと。あなたが見直ししよう、見直ししようと言っておるものですから、圧倒的に消費税廃止が七三%もあったのですね、参議院選挙のころは。今は見直しというのが約五〇%になろうとしておるわけですね。ところが、あなたが見直しと言うのはさっぱりわからぬ、中身は。何にもわかってない。極めて幻想を振りまいておるとしか言えないですね。 その場合は、例えば金額でいくと、あなたのお考え、気持ち、いつもあなたは気持ちのことばっかり言われますからね、具体的に欲しいのですが、消費税は五兆九千四百億円だ、こういうふうにやったときには、国民の声は下げろという声が圧倒的に多いですから、その場合は三兆円にしたいと思っておりますか、二兆円ですか。きのうも菅君が質問をして、それが下がった場合はどうなるかという議論がありましたけれども、きょうは時間がありませんから多くを申し上げません。三兆円程度にしたいと考えておりますか、どの程度にしようと考えておりますか、言ってください。
○橋本国務大臣 私は今政府税制調査会に見直しをお願いを申し上げております。自由民主党の税制調査会もまた独自に勉強を続けていただいております。その作業を私どもは、特に政府税制調査会には我々がお願いをして検討していただいておるわけでありますから、一体どの部分を見直せという結論をお出しになるのか、現時点において全く我々としては想定をいたすわけにまいりません。したがって、その金額がどうなるのか等々については、現時点においてはお答えいたしかねる次第であります。
○野坂委員 私が見通しを申し上げます、政府にかわって。 政府税調は、テレビ、新聞でも報道されておりますように、大蔵省は見直しは最小限度にとどめるべきだという意見を持っておるが、それを尊重して党の税調ができるまでは出さない、したがって出た場合についてはコメントをする、これが記者会見で述べられた。あなたはきのうもその前後ではいろいろ言われておりますけれども、内容を簡にして要ということになれば、そういうことに集約できるのですよ。だから、政府税調は見通しとしてはやりませんと私は明確に言っておきます。 だから、私は総理大臣に聞きたいのは、あなたは、思い切って見直す、こう言った。思い切った見直しをする、あるときには大胆な見直しをする、こう言っておる。それをこのごろになって思い切ってということになれば、具体論でいけとおっしゃったから五兆九千億は三兆円ですか、四兆円ですか、二兆円ですかと聞く。それなれば、生鮮食料品あるいは教育費、医療費に関係する消費税は、あなた自身としては思い切って廃止をしたいとお考えですか、それともどうしようと考えておられますか、言ってください。
○海部内閣総理大臣 てにをはにこだわるわけでは決してありませんけれども、正確に御理解いただくために、私はいつも思い切って見直しをいたしますと言い続けてきたと言いました。そして、先生、また今大胆に率直に見直す――それは違うんです。それは、そういう意見も全体の中で、代表者会議でありましたけれども、そういう意見を全部踏まえて私は思い切って見直します、こう言っておるのですから、初めのときから決して変わったり後退したりしたわけではございません。 それから、見直しをして定着をさせていただかなきゃならぬわけですから、また、私が独断と偏見でああだこうだと一人で決めて物を言っても、国民の皆さんの中にそれが定着しなかったり、お認めいただけなかったのではどうにもなりませんから、政府税調や党税調や各省のいろいろなところで意見を今いろいろ伺っておるさなかでありまして、御意見を聞いて、そしてそこできちっと決めて、そこから見直すべきところをきちっと決めたら、これを見直します、こう決めていくんでありまして、見直しの努力とか熱意が決して衰えたわけでも何でもございません。このことだけは御理解いただくとともに、今具体的に幾らだどうだと言われても、どこをどうするかということを今一生懸命検討しておるさなかでありますから、今金額について申し上げることはお許しをいただきたいと思います。
○野坂委員 気分だけで、何にも具体的なものは考えておりませんということを言っておるのですよ、あなたは。総理大臣としては、党の総裁として、内閣の総理大臣として内閣を引っ張らなければなりませんね。リーダーシップをとらなければならない。思うだけで何にも具体性はない。これを称して、幻想を振りまく総理大臣、こういうことになるのですよ。 言うなれば、あなたのおっしゃっておるのは、見直しじゃない、手直しだということじゃないですか。手直しというのは、広辞苑では、ちょっとだけつついて直す、こう書いてあるのですよ。そうじゃないですか。見直しですか、手直しですか、どうですか。見直しということになると誤りを正すということになりますが、手直しはちょっとだけつつくと書いてあります。どっちでございますか、はっきり言ってください。
○海部内閣総理大臣 私は見直しをしたい、こう申し上げ続けてきました。 そして、ここで言葉の解釈だけでやろうというのじゃなくて、税制全体の中で定着をさせていきたい、御理解をいただきたいということで申し上げておるのでありますから、手直しというようなことは考えておりませんし、言ったこともございません。
○野坂委員 私は、誤りを正すのはやぶさかでない、こういうふうにあなたは言うと思っていたのですね。見直しというのは誤りを正すということになっておるのですから、そのとおりやってください。だから、誤りがあるんですから、不備、欠陥がある消費税については手直しではなしに大胆に見直しをしてもらいたい、こういうことを言っておるのですね、あなたは。我々は、消費税は廃止をして、改めて二年間十分議論して、あるべき姿の税制というものを明らかにして国民の理解と納得を得るということの方がはるかに国民的ではないかということだけをちゃんとあなたに申し上げて、頭の中に入れておいてもらって、これから対処、善処されるように要請をして、時間がありませんから次に進みます。 次は、パチンコ疑惑。(発言する者あり)まあ黙って聞けや。君のときは何にも言わずに聞いておったんだ。 パチンコの献金あるいはパーティー券の購入、こういう問題については新聞なり週刊誌は随分と書き立てて、国民は重大な関心を持つという状況になってまいりました。先ほどもお話があったように、中島源太郎さんが、パチンコの疑惑問題については徹底追及をして全容を解明する必要があろう、こういうふうな御意見を開陳をされました。そのとおりだと私も思います。 そこで、また恐縮でありますが、森山長官に御登場いただきたいと思いますが、十月十三日の閣僚の懇談会で、昭和五十九年から六十三年までの間、全遊協、全国遊技業協同組合連合会といいますか、ここから政治献金、パーティー券の購入など受けたことがあるかどうか、全閣僚は調査をして自主的に発表してほしい、一週間後には公表したいと思っておる、こういう意味であります。その中で、閣僚の中ではその調査について消極的な態度をとる閣僚もあったわけでありますが、政治倫理の確立を最優先課題としておる海部内閣としては、その姿勢を正す意味において調査することにした、こういうふうに新聞では報じております。したがって、この内容について御公表をちょうだいをしたいと思いますが、今、十三日からちょうど一週間になりましたので、お話をちょうだいをしたいと思います。
○森山国務大臣 十月十三日の金曜日に閣僚懇談会におきまして申し合わせました内容は、今先生がおっしゃいましたように、パチンコ業界からの寄附及びパーティー券について、昭和五十九年から六十三年までの間、各閣僚が自主的に調査をしていただきたい、それが適当ではないでしょうかという申し合わせをいたしたわけでありまして、できれば一週間ぐらいの間に調べておいていただきたいというふうに申し上げたわけでございます。 発表のことについては、特段そのとき決めてございませんで、ただいままだ調査を進めているところでございますので、その進みぐあいによりまして考えたいと思っております。
○野坂委員 じゃ、公表するということはやらないというわけですか。
○森山国務大臣 やらないというふうに決めたわけではございませんが、まだ調査中でございますので、その進みぐあいを見てというつもりでございます。
○野坂委員 いやいや、発表するかどうかですよ。
○森山国務大臣 発表のことについてでございますが、調査がまとまりましたところで考えたいというふうに考えております。
○野坂委員 時間がありませんので、海部総理、あなたは六十年の五月に祝賀パーティーとして三十万もらっていますね。それから六十年の七月にも十五万円もらっておりますね。どうですか。
○海部内閣総理大臣 これは私もそのような記事を見ましたので、私の事務所の者に調査させております。
○野坂委員 まあ全容解明のために私たちは委員長に協力をして、まず内閣が、自分がもらったのがわからぬと。もうたくさんもらい過ぎて、あっちからこっちから。リクルートでは千四百四十万円をおもらいですし、そしてここからも四十五万。私が調べておるのは、森山長官、あなたもおもらいですよね。ないと思っておったけれども、六十一年の六月に二十万、六十三年の四月には十二万と、こういうことになっております。あと閣僚の名前を全部挙げてもいいのですが、それを確認してもいいのですけれども、時間がありませんから。資料はありますから、もらったという。新聞ではありません。もらったのがありますから、ちゃんと内閣として全容解明をして、政治倫理を最も重大視をする海部内閣としては公表すべきだということだけは申し上げておきたいと思います。そういうことを申し上げておきますので、しかと胸にとどめおいていただきたいと思います。総理大臣、いかがですか。
○森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、現在調査中でございますので、進みぐあいによりまして考えさせていただきます。
○野坂委員 この状況を見ると、パチンコ隠しみたいな感じすらしますね。 ちょっと申し上げますが、社会党も十三日にパチンコの疑惑を解明するために書記長が記者会見をして、その内容を、社会党の問題については九名で八百二万円もらっております。パーティー券を含めてもらっております、こういうことを申し上げております。その際、疑惑として新聞はこのように出していますね。自民八十四人に一億一千六百万円。みんなこういうことを書いてあります。どこにも書いてありますね、新聞に。 そして、きのうも随分言われたじゃないですか、おとといも。週刊文春問題、週刊現代もありますし、週刊ポストもある。みんなこのごろ、全容解明の問題についてやるべきだ、やるべきだというふうに。特にあなたの、海部総理大臣の顔等を見れば、こんな顔をしていますよ。怒ってむつっとしています。こういうことだけは申し上げておきますが……。これは我々もやったんですから、今委員長を含めて全部の各党の皆さん方が全容解明に全力を挙げると言っておる。それならば、ここまで言われたのなら、自民党も政治倫理、政治改革、このことを随分言われておるわけでありますから、国民の期待にこたえるために全容を解明をされたらいかがですか。それらについては総裁としては、これらの問題については自民党総裁として全容の解明、自民党は公表するということを約束していただけますか。いかがですか、海部さん。
○海部内閣総理大臣 国会でこの問題が取り上げられ、各党間でいろいろ御議論いただいておることもそのとおりでありますし、また、この委員会でこのように具体的な問題としてお取り上げいただいておるのでありますから、双方で徹底的に御議論をいただいて、この真相解明に御努力をいただくことは結構なことだと思います。
○野坂委員 だから党として公表もされますかと言っておるのです。きのうも総裁としてという話が何遍も出た。だから総裁としてあなたは公表しますかと言って聞いておるのです。
○海部内閣総理大臣 これは国会の場でそのことを明らかにしようという、そして承れば集中審議も設定されておるということでありますから、この国会の場でおやりいただくのが、各党の代表が御議論を願ってわかりやすく真相解明いただくのが前進になるかと思いますし、内閣としては官房長官が申し上げたとおりでございます。
○野坂委員 私は、自民党は公表されますか公表されませんかということを聞いておるわけです。内閣としてでなく総裁としてです。――だからどうなんですか、自民党総裁として。(発言する者あり)
○中尾委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 答弁しなきゃいかぬ、答弁を。総裁に聞いておるのです。
○海部内閣総理大臣 ここは行政府の長としてお呼び出しをいただいて答えるところで、自民党総裁として呼ばれて、総裁として答えるところではありませんし、むしろ最高の機関である国会で各党の代表の皆さんがお話し合いを願ってお決め願うことでございますから、それは各党のお話し合いの中で、自民党は自民党としての態度表明をしていただいたら結構かと思います。
○野坂委員 私は、普通であればちゃんと座っていますけれども、答弁が気に入らぬ、こう言って座っていますけれども、今回は整々と粛々として進めなければならぬので、あえて次に入りますが、政治資金規正法二十二条の五は、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」こういうふうに書いておることは、既に皆さんがよく御存じのとおりであります。そこで私が申し上げたいのは、だれが、例えばその二十二条の五には、もちろん韓国人の皆さんあるいは大韓民国居留民団というのは、いわゆる外国人及びその外国の団体、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか、事務当局。
○浅野(大)政府委員 外国人といいますのは、日本国籍を有しない方というふうに考えております。
○野坂委員 非常に明確でありまして、日本国籍を有しない、韓国人もそうだし、あるいは居留民団もそうだということが明確になりました。 そこで私は聞きたいのは、この十月十七日の朝日新聞にもありますが、民団寄附さらに数名ということの中で、鈴木善幸元首相ですね、大変我々の大先輩で、大長老で、与野党のともに尊敬されておる方でありますが、あえて申し上げざるを得ませんので、お許しをいただきたいと思うのです。韓国籍の社長が経営する岩手県内の三つのパチンコ店から計三百万円の献金を受けていることがわかった。これが一つ。戸塚進也代議士、この方も静岡県の民団から百万円の寄附を受けたということがあります。これは事実ですか。まだありますよ。
○浅野(大)政府委員 あらかじめ調査をするようにという御連絡がありましたので、私の方といたしましては、まず自治大臣に届け出られております指定団体、これは私どもが所管しておりますから直ちに作業ができますので、それにつきまして昭和六十一年分、六十二年分及び六十三年分の政治資金収支報告書を調査いたしましたが、ただいまお挙げになりました二人の方につきまして、その報告書の寄附者の名称欄に在日朝鮮人総連合会、在日本大韓民国居留民団あるいはこれらの略称と思われるような名称の記載はございません。 それから、あと都道府県の選挙管理委員会の所管に関するものにつきましては、現在照会をいたしております。
○野坂委員 あなた方は非常に手回しよくお調べになるのですけれども、今私が申し上げたように、一昨日の午後五時ごろにお電話を差し上げて、特定をして御調査をお願いをしました。だから、県の選管でも岩手県と静岡県、そして普通の政治資金と違った場合と、選挙のときの陣中見舞いという格好ですぐに出しておるということが明らかでありますから、その点も付して、あなた方のところに政府委員室を通じて御連絡を差し上げたわけです。いまだにわからないということについては極めて遺憾であります。もしこれが私が言ったとおりであるとすれば、政治資金規正法の違反であるということになりますか。
○浅野(大)政府委員 政治資金規正法の規定につきましては、先ほど委員からお話もあったとおりでございますが、その具体の事実関係につきましては、やはりその事実を特定して法律を当てはめないといけないと思いますので、私が事実を詳細に承知しておるわけでもない段階で、それがどうである、こうであるということはちょっと申し上げかねるところでございますので、御了解いただきたいと思います。
○野坂委員 十分それらについて、私はできるだけ短期間に、国民の期待にこたえるためにも調査をしてもらいたい。そういうことでないと、おとといのお話のように、いや、国会議員とあるいは取材記者とやらしてみなければわからぬ、これもニュースソースだから、これも鈴木さんなり戸塚さんに出てもらわなければならぬ、あるいは深谷さん等にも出てもらわなければならぬというようなことになりがちでありますから、証人をしてお互いに呼ぶということになると、短絡的にそういう重大なことを我々はやってはならぬとも考えておりますので、十分御調査をいただきまして、この委員会に御報告をちょうだいしたいということを委員長に申し上げておきたいと思います。
○中尾委員長 この件については、もう既に当委員会の理事会で詰めておりますから、そのことを御承知おきください。
○野坂委員 最後に、朝日ジャーナルにもいろいろ書かれております。極めて信憑性がありますが、特にこの遊技業協同組合というのは、八四年の二月、八六年の一月、そして八六年の六月というふうに、それぞれ臨時に会費を徴収しております、全国遊技業協同組合連合会は。(発言する者あり)それでは新聞ではないところを申し上げますが、全国遊技業組合連合会会長松波哲正氏の署名入りでそれぞれ各県支部に出されております。内容は、参議院選挙に向けて早急に、六月までに職場支部を設置をせい、自由民主党職場支部の設置について。そして、設置申請書、自由民主党職域支部規約、支部役員一覧表等は既に送られて、入党申込書と一人三千円の党費ということが明確にされながら全部出されておるわけであります。そして参議院の当初は、例えば下稲葉さんあるいは久世さんあるいは松浦さん、そういう方々のために当初目標割り当て三万人について四万九千五百人の党員がつくられました。そしてそれの内容については、いわゆる党費の立てかえ分として払われておるというのがあります。第一回は九千八百万の会費を集めて、都道府県遊連に約七千万円落として、そして党費の立てかえ払いをやる、こういうことになっております。第二回は、継続しておらなければ党員としては認めないと言われて、再び継続党費立てかえという格好でやられておりますが、これらは第三者とその党員とという格好で、立てかえ払いは問題にならぬからといって逐次説明がされておりますけれども、それらは私たちは一括して極めて疑惑が多い。そういう点については寄附金になるのではなかろうかというふうに考えるわけですが、この点はいかがですか。
○浅野(大)政府委員 具体の事実については私は承知しておらないわけでございますが、そういうことで、立てかえということが何を意味するかということも必ずしも私としてはわからないのですが、ただ一般的に考えますと、立てかえというのはだれか債務を負っている人がある。あるものを払わなければいけない。払うその人が、債務を負っている人が払うかわりに別の人が払うということであろうと思いますが、そういうものであるといたしましたら、党費を払う義務がある人のかわりに党費を別の人が払ったということ自体は、政治資金規正法上特段の問題はないのじゃないかとは思っております。
○野坂委員 中身をさらに申し上げますと、前にやめた人、入っておる人が二重になったりいろいろしておりますが、それらについて立てかえ払いをし、払っていないから継続をしていない、その継続資金という格好で金が還流されておるわけです。そういうことになると、本人は入ったのか入っていないのか知らぬのです。そして、それは遊技業協同組合連合会各県本部がみんな一括払っておる。まことに我々には考えられないような事態が起こっております。 私はさらに質問をしたいのですが、総理にこの際お願いして、あなたは政治倫理の確立、政治改革、こういうことが旗印でありますから、そういう不鮮明で、業者との癒着で立派な自民党が疑われるというようなことになったらいかぬでしょうから、それらについては政治改革の場で、あなた方の法案には出ておりませんから、きちんとそういう点については整理してもらう。このことの方がむしろ政治改革を進める上に非常に重要ではないか、こういうふうに思いますので、そのように措置していただけますかという一点だけを聞いて、私の質問を終わりたいと思うのです、これについては。
○海部内閣総理大臣 私は、政治活動と政治資金の問題を、透明度を高めて、許されるものと許されない疑惑に絡むものときちっと区別をしていけということは、先生のその御発言の御趣旨だと、こう受けとめます。ですから政治資金でも、今いろいろともらったろう、もらわなかったろうという御議論がございますが、政治資金規正法に基づいて届け出ていらっしゃるなれば、それはまた通常の政治資金になろうと思います。それによっていろいろなことがあったとか不正行為があったとかいうと、初めて問題になってくるのではないでしょうか。 今の御指摘の党員の問題も、その人の党員になってほしいという気持ちにこたえて何がしかの者が党員になるということは、これは通常の政治活動の支援行為であって、そういった党員によって支えられておるということは、どこの党でも同じではないでしょうか。違いますか。そして、いろいろなことがございますから、いろいろな実態については、私は当時その党の担当におりませんでしたから事情をつまびらかにいたしませんが、一般論で言うと、そういう支持者が集まって党員になって、何がしかの党費を払ってくださるんだ、それが背景であったと思いますので、一度私もそういったことを考えて、政治倫理確立のために、そういったところで許されるものと許されぬものをきちっと区別していく必要があるとおっしゃるなれば、それは一つの御指摘でございますから、承って、そのようなことを私自身がよく研究し、考えてみます。
○野坂委員 パチンコ問題はこれで終わろうと思うのですが、政治改革を旗印とするために、不明確な点については明確にするということはお話しいただきました。 問題は、党員になっておるらしいけれども、おれは知らぬ、党費は一銭も払ったことはない、みんな立てかえ払いだ。だから私はそれは寄附金じゃないですか。本人も知らぬし、払った者はほかの者が払ったというようなことについては極めて不明確であるから、党員になったら党員の任務がある、そのための党費を払う。何も知らぬ、選挙のときだけ海部俊樹を入れればいい、こういうようなことではだめじゃないですか。だから癒着その他が起きますから、この辺は明確にしてもらいたいということだけを明確にしておきます。 次に、米の輸入自由化問題についてお尋ねをいたしますが、米の輸入自由化という問題については、過去五十五年以来三回の決議がされております。どのような事態が起ころうとも米の自由化は行わない、市場開放はしないということを端的にお尋ねをしますが、総理大臣は明快にお答えをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、衆参両院で御決議があることもよく心得ております。そして、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいる考えでおります。
○野坂委員 本会議であなたは、自給率三〇%というのはどうかという質問について、自給率についてはその都度状況も変わってきたので明確に言えないという御答弁がありました。今の自給率は二九・八%です。これからはもっと下がります。それについては、自給率は引き上げる意向なのか、手放しでそのまま置いておくつもりなのか、自給率は上げようと努力されるかどうか。我々は既に、いろいろ自民党からは批判がありますが、自給率六〇%を目標に全力を農政の中で挙げたいと考えております。
○鹿野国務大臣 自給率につきましては、御案内のとおりに、昭和三十五年は穀物自給率も八二%のときもあったわけであります。しかし、今日は御承知のとおりに三〇%、こういうことであります。 なぜそうなったか。やはり消費動向も変わってきた、このようなことから米の消費が減りまして、そして畜産物を食べるようになった。畜産を生産するに必要な飼料穀物というものは、どうしても国土の制限等から、国内ではなかなか難しい、外国の方から、輸入に依存せざるを得ない、そういうような形で自給率が下がってきた、こういうふうなことであります。ですから自給率は、そのときの経済情勢なりあるいは食生活のいろいろな動向によって変動するということもあるわけでありますから、なかなか自給率がどうというのも難しいところがあるわけであります。 しかしながら、私どもといたしましては、二〇〇〇年には需要と生産はどうなるのかというふうなことも、今長期見通しを策定しようと努力をいたしておりますので、おのずと自給率も明らかになってくるわけであります。その際においては、やはり自給率が下がってきておる中において、何とかこの辺で歯どめをかけたいな、こんな気持ちで取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○野坂委員 ちょっと待った。自給率は歯どめをかけたいというお話ですけれども、穀物自給率は上げる努力をするのか、そのまま歯どめをかけたいというのか。上げる努力をあなたはしますか、しませんか、はっきりしてください。
○鹿野国務大臣 一概に米を食べてください、あるいは畜産物を食べてください、おそばを食べてください、このように国民の皆様方にお願いをするというふうなところには限度があります。ですから、なかなかその食生活まで規制をするというわけにはいきませんので、その辺のところは、私の気持ちとすれば何とか歯どめをかけたい、こんな気持ちだということを申させていただきます。
○野坂委員 私は、あなたの答弁については不満であります。極めて残念、これで農水大臣かと考えております。 そこで、あなたに聞きますけれども、あなたは農水大臣就任以来、青森県を歩いたり富山県を歩いたり、いろいろ歩いておられます。農民の声をじかに聞きたいというその姿勢だけには敬意を表します。それだけですよ。その中で、あなたは記者会見で最後にいつもこう言っています。減反はこれ以上は無理という声が強く、農家に限界感が強かったので、これに対処、対応したい、こう言っています。それならば、減反は今よりも拡大をしない、これよりも下げてはならぬ、歯どめをかけるということであれば、現在は七十七万ヘクタールプラスですね、緊急需給対策によって八十三万ヘクタールを現実にやっておるわけです。これ以上に拡大はしない、こういうふうに明言してもらいたい。いかがですか。
○鹿野国務大臣 私どもは、全国のいろいろな生産農家の人たちから話を直接生の声としてお伺いをいたしております。その中で、いわゆる水田農業確立対策の後期対策につきましては、やはりもう減反は限度いっぱいだよというふうな話をお伺いいたします。ですから、そういうふうな稲作農家を中心とするところの気持ちは、私どもも十分承知をさせていただいておる、こういうことであります。 しかし、現実として、ではどうするかという問題はまだ決めておりません。ただ、需要が減退をしておる、生産力は上がっておるというふうな事情のもとで、やはり米の需給ギャップというものは拡大が見込まれるというふうな中において、何とか消費拡大をしていきたい。そして需要に合ったところの米の計画的な生産というものを図りながらやっていくということを考えた場合には、需要調整努力というものが相当必要ではないかな、こんな気持ちを持っておるわけであります。 いずれにいたしましても、作況の問題等もございますし、またこれからのいろいろな問題等を決める場合には、具体的なものを決める場合には関係方面とも十分協議をして決めていくということでありますので、私どもの基本的な考え方だけは申し述べさせていただいたということであります。
○野坂委員 時間がありませんから端的に言います。 あなたはいつも二十一世紀の農政、長期展望を盛んに言われますけれども、現実に今あることを私は聞きます。 八月十五日に米の作況指数は一〇一ですね。一つ一つ聞くと長くなりますから。九月の十五日も一〇一ですね。十月十五日の作況指数で後期対策を決めるのですね、農水省はいつも。これが基準になるのです。いいですか。そうなれば一〇一から動かないというのが見通しなんです。朝日新聞は、先週の土曜日に九十三万ヘクタールになるんではないか。言うなれば需要、在庫、あなたがおっしゃったような生産性、生産性は上げろとあなたがおっしゃいますから、農民は一生懸命頑張って去年は単収二キロ上がった、おととしとさきおととしは三キロ上がった。こういう情勢からして九十三万ヘクタールということを出したのです。あなたは自給率は歯どめをかけるということになれば、減反をすれば自給率は明らかに低下しますよ。だから、歯どめをかけるのなら、関係団体と話し合うということは、関係団体という農協中央会を中心とする農協団体は、おととい会議を開いて面積拡大は絶対にやらない、こういうことを明言をしていますね。決議をしておる。それを受けて農業団体とお話しになるのですが、今の十月十五日の作況指数は一〇一として、これで減反面積の拡大はやらない、こういうふうに明言できるではありませんか。今しかない。今答えてください。
○鹿野国務大臣 お米をもう少し食べていただく、消費拡大ということになれば自給率が上がるというふうなことになってくるわけであります、一つ取り上げてみましても。ですから、そういうふうな中でどういうふうな後期対策をやるかというのは、やはりこれから消費拡大というふうなものを一生懸命やってもらうということも含んで、そしてまた同時に、作況というふうな問題も、正確なるところの作況がどうなるかということも見定めなければならないわけであります。しかし、私どもといたしましては、過去二度の過剰米というふうな状態を招いて、そして大変な財政負担を過去において招いたというふうなことも忘れてはならない。こういうふうなことでいるわけでございまして、総合的な判断からこれから詰めてまいりたい、このように考えておるところであります。
○野坂委員 時間が参りましたのでこれで終わらなければなりませんが、総理大臣にも聞いていただきたい。農水大臣には特に聞いていただきたいのですが、今外国からの米輸入はやらない、市場開放をやらない、これは内閣の命運をかけてもやらない、こういうふうにおっしゃった。しかし農水大臣は、減反は限界であるということを承知をしながら、それについては極めてあいまいな御答弁である、需要拡大と。しかも、在庫量は今百五十万トンなんです、上限は。適正在庫百万トンといいながら百五十万トンが上限なんです。来年の十月は百三十万トンになる計画なんです。そうすると、四万ヘクタールは減反を少なくしなければならぬというのが数字的な根拠なんです。だから、そういう意味を含めて、十分これからの農業、食える農業にするために、後継者が不足するという状態がないために努力をしてもらわなければならない。 それと、十年前にやった農業の割り当てについて、いわゆる減反の割り当てというものは七項目ありました。例えば湿地帯あるいは基盤整備の進んだ状況、都市市街化問題、これらで七項目ありましたが、その後、後継者問題等を含めて十項目になりました。しかし、十年前とは新たな段階に突入しました。だから改めて、面積の割り当てはいわゆる耕地面積全体で、平均をしてやる、その状況を。こういうふうな点についても十分お考えをいただいて、先ほど言った抜本的な見直しをしていただくように強く要求をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○中尾委員長 これにて野坂君の質疑は終了いたしました。 次に、高橋一郎君。
○高橋(一)委員 私は、きょう、総理初め所管大臣に国土政策と大都市整備についてお伺いしたいと思います。 世界の富の一割以上を生み出し、一人当たり国内総生産、先進国第一位を占めるに至った我が国が、国際政治、国際経済、国際社会で果たすべき役割は極めて大であります。こうした国際的責務と役割を果たしていくためには、既存の大都市圏のみならず各地方が適切に機能と役割を分担し、国土全体の均衡ある発展を図っていかなければならないことは言うをまちません。その場合においても、やはり長い歴史を通じて蓄積したメリットを持ち、我が国経済の牽引車としての機能を果たしてきた東京及び東京圏は、今後とも重要な役割を担っていかなければならないと思います。 昭和六十二年に策定された第四次全国総合開発計画は、東京一極集中を是正し、多極分散型の国土を形成していくことを目標とし、関西圏や名古屋圏、地方圏等、全国土における諸機能の分担を目指しております。その中で、東京圏の役割と今後の都市計画の方向について、「東京圏は、我が国の首都としてのみならず、金融、情報等の面で世界の中枢的都市の一つとして、我が国及び国際経済社会の発展に寄与する。そのため、国際金融機能等の都心部での展開に伴う要請に対応し、都心部及び東京臨海部の総合的整備を進める。また、都心部に集中しがちな業務機能等を圏域全体で適切に受け止めるよう、業務核都市等への諸機能の選択的分散等」を推進すると述べているわけであります。二十一世紀に向けての東京の役割、東京圏の位置づけを的確に示しているものと言えます。 しかるに、近年、我が国の国際化、情報化の急速な進展は、国際金融機能を初めとする諸機能の東京への一極集中を促進させ、異常な地価高騰など新たな東京問題を生み出しております。一方で、東京と地方との経済力格差が拡大する状況が重なったため、東京にはこれ以上投資する必要がないといった極端な意見も出ております。 しかし、これは我が国全体の発展、国際的な観点から見ても適切ではありません。世界の中での我が国の責務と役割を十全に果たしていく上で、世界都市としての東京の役割が非常に大きいことは前に申し上げたとおりであります。過度の集中に伴う東京問題の解決のためにも適切な機能分散が必要ではありますが、かといって、東京の衰退は日本の衰退を招きかねません。 さきの本会議で総理は所信表明演説において、国土の均衡ある発展のかぎは、東京への一極集中の是正と地域の活性化にあると述べておられます。これは、東京への一極集中に伴う過密の弊害を是正し、第四次全国総合開発計画及び昨年制定された多極分散型国土形成促進法の趣旨を強力に実施していこうとされる決意と受けとめ、私も全く意を強くするところであります。二十一世紀に向けて我が国が国際社会での役割を果たしていくためにも、多極分散型の国土形成を進め、東京圏と地方との調和のとれた発展を図ることがぜひとも必要であります。 そこでまず、国と地方との関係及び東京と他の地方との関係をどう考えられ、どのように改革しようとされているのか、総理にお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 大変規模の大きな高い次元に立って、しかも東京で毎日、毎日を暮らしておいでになる委員の御意見でございます。私の考え方は、今御質問の中で既にお触れいただきましたように、東京がこれから果たしていかなければならない、国際的な金融のセンターとして、あるいは国際的な情報の中心として、国際的な都市としての機能、役割を十分果たさなければならないという面と、もう一つは、最初御指摘の日本の首都としてこれがますます活力を持っていかなければならないということになってまいります。ですから、一極集中の弊害が出て、東京が都市としての機能を果たすことが難しいようないろいろな弊害が出ておる問題は、地方に分散するとか、地方が活力を持つ、地方が活性化するという政策的な誘導によってそこは解消しながら、東京が国際的な役割を果たしていかなければならぬためには、一層の都市機能の確保を図っていかなければならぬことも御指摘のとおりだと思います。私は、それらの都市の機能と地方の活性化という二つの政策目標をしっかりと立てながら、今後東京にはますます頑張っていただきたい、このように思っております。
○高橋(一)委員 大都市と地方とがともに均衡ある発展を遂げていくためには、地域の総合的な行政主体である地方自治体を重視する、これは大事だと思います。地方自治体がそれぞれ創意工夫を凝らし、自主性を持って効果的に施策を遂行できるよう地方分権を推進することは、多極分散型国土形成のために必要なかぎと言ってもいい問題だと思います。そのため、政府みずから、国から地方への権限と財源の移譲を断行することが必要だと思われます。 現在、新行革審において、国と地方間の機能分担のあり方について審議されておりますけれども、その改革の本旨とするところは、地方自治体の役割と責任を確立し、国土の均衡ある発展と地方の活性化を図ることにあると思います。したがいまして、新行革審においては、まず、国から地方への権限移譲の問題を最重要課題として審議が進められるべきであります。とりわけ、さきに地方制度調査会が答申した十六項目に係る国の許認可権限を速やかに地方に移譲すべきだと思います。ですが、仄聞しますと、これらの十六項目につきましても関係各省は極めて消極的のようでありまして、私どもは非常に遺憾であります。第二次臨調以来政府が主導してきた行政改革は、国鉄民営化を初め未曾有の成果をおさめてまいりました。この名誉ある行政改革路線を引き継ぎ、歴史に残る改革をさらに進めるために、政府に対して国から地方への権限移譲についての政治的決断を求めたいのであります。 ところで、現在新行革審は、いわゆる三十万人以上の市の政令指定都市化の問題、すなわち、都道府県と市町村間の権限調整について検討されているやに聞いております。しかし、地方自治体相互間の権限調整の問題等、地方制度それ自体のあり方に関する問題は、地方制度調査会の検討にゆだねるべきだと思います。この際、政府は、国土の均衡ある発展と地方の活性化を図るためにも、行政改革の原点に立ち戻り、地方分権の本義に沿って、国から地方への大幅で実のある権限移譲を積極的に推進すべきであると考えますが、総理の御見解はいかがでございましょうか。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、国と地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方自治の尊重という観点から、また多極分散型国土形成等の観点からも、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるように、国・地方の役割分担及び費用負担のあり方について幅広い検討が必要だ、こう考えております。現在、新行革審においてこのような見地から、国と地方の機能分担、費用負担のあり方、その他関連する問題について御審議をいただいているところであり、年内に予定されているその答申を待って一層積極的に改革を進めてまいりたいと考えております。
○中尾委員長 関連して、総務庁長官水野清君。
○水野国務大臣 ただいま総理からお話がありまして、私は重ねて申し上げることも少ないわけでございますが、地方の人口もいろいろあります。先ほど委員が御指摘になりました三十万都市あるいは五十万都市、これを準政令都市化したらどうかというような御指摘もございました。こういうことも含めまして行革審の方でただいま御審議をいただいている最中であります。私どもは、やはり将来、各省庁のいろんな利害関係もございますから、調整する意味においても、今ここで私どもが余り強くその内容について行革審の方へ御要望するとかそういうことを差し控えて、結論をいただいて、それをもとにして将来に向かって対処したい、かように思っております。
○高橋(一)委員 そこで私は、自主財源について質問に入りたいと思います。 各地方自治体が地域の実情を踏まえて地域の総合的行政を自主的に進めていくためには、国から地方への権限移譲を行い、これの財源的保障を確実に図るとともに、地方の自主財源を充実強化することが何よりも必要であります。 そこでまず、国と地方との財源配分や税財政制度の現状についてお伺いいたします。 租税における国と地方との配分状況について見ますと、昭和六十二年度決算では、国税、地方税合わせた租税総額は約七十五兆円であります。その内訳は、国税分が約四十八兆円、地方税分が約二十七兆円となっており、その比率では六四対三六と国税が約三分の二を占めます。しかし、国税分は、地方交付税、地方譲与税、国庫支出金という形を通じて国から地方に対して約二十一兆五千億円が交付されており、これを調整した実質的な配分比率は、逆に地方六四、国三六で地方が多くなっております。 地方団体は、高齢化や国際化の進展、地域経済の活性化など社会経済の変化に対しつつ地域づくりに取り組んでおり、その役割は増大が著しく、かつ多様化しております。これを自主的、安定的に進めるためには、自主財源の確保が何よりも望まれており、その方法としては、必要な財源は地方税で賄うということを基本とすべきものと考えられます。 こうした観点から、先ほどの税の配分状況を見ますと、税源が国に集中し過ぎていると言わざるを得ません。今後、地方団体への権限移譲を行い、真に我が国が二十一世紀に向けて自主的、自律的な地方自治の体制を築き上げていくためには、国が吸い上げた税を地方に配分していくというシステムを改め、税の形式的配分と実質的配分とが近くなるよう、税源そのものを地方団体に移譲する方向で検討をしていくべきではないかと考えますが、所見をお伺いしたいと思います。
○渡部国務大臣 高橋委員御指摘のとおり、地方自治体が自主財源、地方税で賄える自主性を持つことが望ましいことは当然でありますけれども、御承知のように、現在地域格差といいますか、地方自治体それぞれに非常に大きな地域による経済格差がございます。いかなる方法によっても財源の生み出せない地域というのが過疎地域の中に非常に多い実態も、高橋委員御承知のとおりでございます。将来は、ふるさと創生が実現して、四十七都道府県、三千三百市町村、自主財源によって、地方税によって賄えるような地方になることが望ましいことではありますけれども、現状においての経済格差というものを考えますと、やはり当分地方交付税によってこの補完制度を進めていく、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○高橋(一)委員 税源の移譲の問題は難しい問題だと私自身もわかります。しかし、現行税制上の諸問題で是正が図れないというふうなことでありますと、例えば租税特別措置の整理合理化とか地方税の非課税措置とか課税標準の特例措置の整理改廃等が必要だと思われます。この点について所感を求めますと時間の制限がありますから、次に進みたいと思います。 私は、次に、国庫支出金についてお尋ねしたいと思います。 税の配分のうち地方への交付額の約半分を占め、十兆円を超える国庫支出金、特に国庫補助金については、いろいろと改善すべき点があると思うので、この点について伺います。 国庫補助金は、全国的に一定の行政水準を確保するとともに、特定の行政目的を推進、奨励する役割を果たしている面がありますが、一方では、地方自治体の自主的な財政運営や資金の効率的な活用を阻害しています。事務の煩雑化を招いています。といった問題がたびたび指摘されております。したがいまして、国と地方の行政の効率化を図る上からはもちろんのこと、何より各地方自治体が地域の実情を踏まえた施策を行うためには、補助金の交付における国の承認範囲の縮小とか基準の弾力化を図るべきであると考えられます。また、地方の事業として定着した補助金は、税源の移譲をも含めて地方の自主財源として配分を見直すことや、地方交付税に組み入れて一般財源化を行うことが望ましいと思います。これまでも徐々にはこうした方向で改善がなされているということは理解しておりますけれども、私どもにとってはいかにも遅い、こういう感じがいたします。この点について御所見はいかがでございましょうか。
○小粥政府委員 国庫支出金等補助金の行政におきましての役割につきましては、ただいま委員から御指摘をいただいたような重要な役割を担っているわけでございますけれども、一方でまた、お尋ねをいただきましたような交付手続の簡素合理化などが強く求められていることは、私どももよく承知をしております。この点につきましては、補助金等の所管省庁におきまして、それぞれその行政目的との関係をよく吟味しながら、行財政改革の一層の推進を図るという見地に立ちまして、引き続き簡素合理化を推し進めるべきものと考えております。 なお、私ども財政当局といたしましても、毎年度関係各省庁で構成されております補助金等適正化中央連絡会議におきまして補助金等の事務の簡素合理化を関係各省庁にお願いしているところでございます。現に、これもお尋ねがございました統合化、メニュー化、これにつきましても、例えば元年度予算においても具体的に取り上げさせていただいております。今後とも関係各省庁におかれて手続の一層の簡素合理化を推進していただきたい、私どももまたよく努力をしていきたいと考えております。 それから、もう一つお尋ねがございました一般財源化の問題でございます。地方公共団体の事務として同化定着化したと認められますものあるいは人件費補助等につきまして、これは累次の臨調答申、行革審答申等を踏まえまして、関係各省庁におかれましては特に五十八年度以降積極的に一般財源化を推進されたところでございます。現に元年度予算におきましても、御承知のとおり義務教育費国庫負担金とあわせまして公立養護学校教育費国庫負担金の恩給費につきまして一般財源化が行われたところでございます。 財政当局といたしましても、御指摘をいただきましたように、引き続き事務事業の性格、地方への事務としての同化定着化の状況を見きわめながら、国・地方を通ずる行財政の簡素化、地方公共団体の自主性の尊重等の観点に立ちまして、予算編成の作業を通じながら、そしてもちろん関係各省庁の御協力を得ながらその推進が図られますよう、御指摘に従いまして努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○高橋(一)委員 次に私は、東京の都市整備と財政問題等に移りたいと思います。 これは、昨日、不幸にもサンフランシスコ地震が起きまして、あの災害を見てまた切実に私ども東京に住む者の肺腑をえぐるような気持ちもございますので、お聞き取りいただきたいと思います。 国土の均衡ある発展のためには、地方の活性化とともに、東京など大都市の整備を図ることが二十一世紀に向けて重要な課題であると申し上げました。そこで、次に東京を例にとりながら、大都市の実情と財政上の諸問題について伺います。 東京一点集中といった場合、しばしば東京が経済的にも文化的にも地方より恵まれているとみなされがちであります。しかし、都市サイドから見ると、地価高騰や生活環境の悪化など東京の暮らしにくさは相変わらずとの声が多いのでございます。 事実、各種の統計を見ましても、東京は恵まれているとは言えないのです。住宅、例えば持ち家住宅率は全国最低であり、一住宅当たり延べ面積も六十一・七平方メートルと最低、また最低居住水準未満世帯の割合は、全国一一・四%に対して都は一七・七%。公園は、一人当たり公園面積全国五・二平方メートルに対し、都は三・六平方メートル。道路の混雑は言うをまちません。 このように、東京を千二百万人の人間が住む生活都市として見た場合、ネックとなっているのは都市基盤整備のおくれであります。国土の均衡ある発展を目指す上からは、住環境を中心とした東京特有の問題を同時に今ここで解決しておかなければ片手落ちになってしまいます。まさに現在は、新しい東京づくりの改造期に来ていると言えると思います。 東京につきましては、四全総の中でも、「我が国の首都としてのみならず、金融、情報等の面で世界の中枢的都市の一つとして、我が国及び国際経済社会の発展に寄与する。」と位置づけられております。そのためには、混雑の著しい道路の整備など交通網を充実するとともに、市街地再開発事業などを積極的に促進する必要があります。しかし、そのためには膨大な事業費が必要となることは言うまでもありません。 そこで、その例としてお伺いいたしますが、建設省では各種社会資本整備のための五カ年計画を立て、これに基づき事業執行しているはずですが、この諸計画では東京都地域の事業費をどの程度と見込んでいるのか、お伺いしたいと思います。 この御答弁は後でいただきまして、次に時間の関係で進みます。 東京の財政需要が多大であるのは、今後整備すべき事業量の多さもありますが、東京特有の問題もあります。その代表は、地価が余りにも高いために用地取得費が手の届かないほどに高いことであります。このため、道路、橋梁など建設事業費に占める用地費の割合は、全国都道府県平均では一五%程度で推移しておりますけれども、都は最近では五五%にも上がっております。加えて、都には毎日横浜市の人口にほぼ相当する三百万人もの昼間人口流入があり、これは他の大都市も同様であります。それによる交通需要や水道、下水道、ごみ処理などの供給処理施設に対する需要もまことに大きいものがあります。 一方、東京と地方とを比較する場合に、しばしば税収が東京に集中するなど収入面の地域格差が広がっていることを一部から強調する向きがあります。しかし、需要面に着目しますと、今申し上げたような要因により、財政需要にも、首都として大都市としての東京は、他の地域に比べ格段の差があるのもしっかりと見ていただかなければならないと思います。その結果、よく言われる都の最近の税収の大幅な増加などは、地価高騰によってそれに伴うコストがそれ以上に上昇して食いつぶされているのではなかろうかと思います。 東京を初めとした大都市は、その特有の財政需要を抱えているということについてどう認識されているか、お伺いしたいと思います。
○牧野(徹)政府委員 先生御指摘のとおり、私どもは、社会資本あるいは住宅について各五カ年計画をつくって事業を執行しております。そのうちの道路、治水、公園、下水道及び住宅の各五カ年につきまして、最近三年間の合計数字だけ申し上げます。 六十一年三千二百三十億、六十二年三千三百七十億、六十三年三千九百六十億、これが直轄補助事業でございます。それ以外に、首都高あるいは住宅・都市整備公団で、若干ばらつきはありますが、毎年二千六百億程度仕事をしておりますので、合計六千億以上の事業を実施しておるわけでございます。
○高橋(一)委員 東京の都市整備は、何といっても投資のための財源の確保であります。ところで、東京の投資的経費を見ますと、他の団体とは大きに異なっておりまして、他の団体は国庫補助事業が約七割、単独事業が約三割ですが、都の場合は補助二割、単独八割と逆転しています。つまり、都の都市整備は、都税などの自主財源による単独事業によって進められているわけであります。 ところが、現実には、東京都に対しては地方交付税の不交付を理由として、義務教育費国庫負担金など国庫支出金の抑制措置が講じられており、これに国庫補助負担率の引き下げ措置などの影響額を加えますと、二千億円以上が減額されていると推計されております。 さらに、新行革審をめぐる最近の新聞報道によりますと、なお一層の財源の抑制が検討されているやに聞きます。もし仮に自主財源が抑制される事態になりますと、都の町づくりの進捗に大きな影響を与えることになるのは必至であります。町づくりがおくれることは、国内的にも国際的にも極めて重要な役割を果たしている東京の活動基盤を低下させ、日本の発展に大きな懸念を残しかねません。 きのうのサンフランシスコ地震の深刻な災害に照らしても、東京の地震対策のおくれている現状から見ましても、東京の町づくりを進めていくためには、国の支援、財政面ではもちろん、都市づくりの面での制度の整備などを進めるとともに、その財源についてもきちんと保障していくべきであります。 一つの震災対策を例にしましても、江東区、墨田区あたりの避難広場は、隅田川の両国橋を渡って皇居前広場になっていること自体を見ても、東京にもし地震が、きのうのサンフランシスコのようなのがあったら大変な事態になるということをよくお考えいただきたいわけであります。 私の住んでいる中野坂上近辺は、新宿の中央公園あるいは明治神宮に指定されていても、もう新宿の中央公園には都庁舎も建ち、空き地はそんなにありません。どこに都民は逃げろというのでしょうか。これだけの公園の保有率もなく、震災対策もプアな首都東京で、先生方自体だってもし地震があったときどこに逃げるのですか。皇居前広場まで逃げ切れますか。可燃物を満載にしたあの自動車の数珠つなぎ、そして各家には可燃物がありという、大正十二年の大震災のときのまきと炭の状況とは違う。人口も違う。木造家屋が鉄筋になっただけにすぎない。しかも可燃物は鉄筋の家の中に格納されているということをよく御理解いただきたいわけであります。 財源についてのきちんとした保障をしていくべきだということを再度申し上げまして、以上についての御所見を伺います。
○持永政府委員 先ほど四全総についても引用されたわけでございますけれども、四全総におきましても、東京の国内的あるいは国際的な役割というものを非常に重視をいたしておりまして、そのために都市の整備が必要であるということも書かれているわけでございます。今お話がございましたが、東京はかなり多くの部分を単独事業でもって都市整備を進めておるわけでございますが、いずれにいたしましても、都市づくりが計画的に行われますように単独事業あるいは補助事業含めまして必要な財源を確保していく必要がある、このように考えております。
○高橋(一)委員 建設大臣、御所見はございませんか。
○原田国務大臣 高橋委員のお話のように、地価高騰というのは大変な負担になっておるわけでありまして、何とか土地を有効に利用して公共施設を整備するということを考えなければならぬのじゃないかと思います。そういう意味では、空中とか地下を利用するということになりますが、公共施設と一体に地下とか空中のあいておるところを利用しようじゃないかということで、本年の六月に成立いたしました道路法の改正で、空間を利用して道路と一体に建築物を建てるというようなことができるようになりました。例えば東京の外郭環状道路でいいますと、埼玉県の和光地区で、道路のふたかけの上を活用して住宅団地とか商業地区、商業施設とか駐車場の施設を一体的に整備するというようなことを計画しておりますが、こういうのをもう少し考えていくということは大事じゃないかと思います。 それから、地下利用では、首都高の中央環状線の新宿線ですが、これは山手通りの地下部を利用して首都高の整備をやっていこうということで今工事を計画しておるわけでありますが、こういうことも含めて、さらに大深度地下ということの利用も含めて今後考えていくことが大事ではないかと思います。もちろん災害対策の面も十分配慮していかなければならぬと思います。
○高橋(一)委員 私は、時間の都合上、質問通告しました国の行政機関等の移転問題については後日に譲らせていただきたいと思います。 以上、私は、今後の我が国にとって、国と自治体、大都市と地方とがともに役割を分担し、ともに発展していくことが重要であり、これがこれからの国土政策、経済政策の基本であるべきであるという基本的な立場に立って質問してまいりました。 一方、二十一世紀に向けて我が国が国際社会で果たすべき政治的、経済的役割がますます増大していく中で、東京が我が国のみならず世界に対して果たすべき役割を十分果たし得るようにするためには、一極集中の是正と同時に、東京の世界都市としての整備を進めていくことが我が国全体の発展のためにも極めて重要であり、国家的事業として強力に推進していく必要があることを強調したいと思います。 そして、きょうは初めて質問に立たせていただいた御好意に感謝しながら、質問の時間の制約がありますので原稿にまとめて御質問しましたが、将来私も議席が確保できましたら、もっとアトホーム的な立場で討論に臨んで、皆様方とともに大都市政策について理解を求めたいと思います。どうもありがとうございました。
○中尾委員長 この際、二田孝治君から関連質疑の申し出があります。高橋君の持ち時間の範囲内でこれを許します。二田君。
○二田委員 質問を許可していただきまして、どうもありがとうございました。御礼申し上げる次第でございます。 この間、海部総理とともにアメリカに随行させていただきました。本当にいい経験をさせていただいたと思いまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。そしてまた、一番最初に着きましたサンフランシスコが今大震災に見舞われている、心を痛めるところでございます。あの美しい町が地震のために崩壊していったかと思いますと、本当に残念に思うわけでございます。そして、総理もあそこで大変すばらしい演説をした、そしてまた、たくさんのお友達をつくったと思います。あの町がああいう大震災に遭われまして、ただいまの御心境と日本としてお助けすることがあるならばやってほしい、そんなようなことをまずお聞きしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 私のこの前の訪米のとき、最初に行きましたのがサンフランシスコで、サンフランシスコの市民の皆さんから温かく迎えていただき、あの橋も実は皆さんと一緒に渡った橋でありますから、非常に心痛む思いでニュースを見ております。 被災者の方には心からお見舞いを申し上げますとともに、アメリカ全国民に対して御同情申し上げるとともに、私からもブッシュ大統領にもお見舞い電を打ちましたが、その中で、日本として御協力できることがあったら何なりと言ってもらいたい、できるだけ協力をしたい。それから、外務省の方から手配をいたしまして、きょう既に三名の、医師を含む地震関係の専門家も現地に飛びまして、情報の収集をしたり、我が国の、地震多発国でありますから将来に対して何か参考になるようなことがあるのか、お手伝いするならば何をしたらいいのか、そういったことを現地へ行って話を進めておるところでございます。 いずれにしましても、大変心痛む出来事でございます。
○二田委員 ただいまの御答弁を聞きまして大変安心いたした次第でございます。温かい思いやりというのは政治の原点だと思いますので、なお一層の被災者に対する手厚い援助ができますならばやってほしいと思います。 私ども、社会党さんが十二月十日解散だと言うものでございますから、よく選挙区を歩き回らなければいけない状態になっておるわけでございます。解散じゃなくて、選挙ですか。そういうようなことになっておりますので、余りしてほしくないわけでございますけれども、そういうような風が多少ずつ吹きつつあるわけでございまして、方々歩いておりますとやはり消費税のことを多く聞かれます。 その中で、今回の消費税の導入につきましては、私どもも賛成をいたし、ぜひ国の将来のためにやらなければならぬのだという確信を持ってやっておるわけでございますけれども、もちろん所得税のサラリーマンの重税感を払拭しなければいけない、そして間接税の分野でも、個別間接税は消費の多様化、サービス化に対応し切れないような状態になっておる、このゆがみ、ひずみを是正するためにはどうしてもやはり消費税の導入が必要であった、そしてまた高齢化のためにも必要である、こういう説明をして歩いておるのでございます。前段の部分につきましては私どもも随分納得できるのですけれども、ただ、たった一つ、自分で言いながら、私どもまだ新人でございますので、納得できないなと思うことを率直にお伺いしてみたいと思うわけでございます。 それは何かといいますと、よく老人クラブとかそれから若い人のところに行っても言うわけでございますけれども、今後高齢化に伴いこの消費税の導入というのが必要であるという説明が、大体三番目か四番目に必ず参ります。その場合に、普通のことは言えます。二〇〇〇年には何人が何人を支えなければいけなくなるんだ、二〇一〇年には何人が何人を支えなければいけないのだ、そして、二〇一〇年にはもう二・七人ぐらいで一人を支えなければいけなくなるのだ、こういうことを言うわけでございますけれども、そうするとよく出てくる質問は、そういう高齢者の方々に対しても一つ大きな負担を課すことになるのじゃないか、そしてまた若い方たちは、私どもが今苦労してやっていることがまた年とってもやっていかなければいけなくなるのじゃないか、その疑問を出された場合にはなかなか答えづらい部面がございますので、どうかひとつ大蔵大臣、この機会に、私どもが理解しやすいように御説明をお願い申し上げたいと思います。
○橋本国務大臣 大変難しい御質問でありますけれども、私はよくこういう話を申し上げております。昭和三十八年、ちょうど老人福祉法が生まれました年、日本には百五十三名の百歳以上の御老人がおられました。それから十六年たちまして昭和五十四年、ちょうど私が厚生大臣に在任しておりましたときの同じ九月一日現在、日本には九百三十七名の百歳以上の方がおられました。この十六年間に百歳人口は六倍にふえました。しかし、例えば昨年の敬老の日、日本にはたしか二千六百六十八名、百歳以上の方がおられたと思います。本年の敬老の日、公表された数字は三千七十八名でありました。この一年間に、三十八年から五十四年までの十六年間かかってふえた百歳人口のほぼ半分の方がふえておられます。これは決して百歳だけのことではなく、かつて昭和三十五年から五十五年ぐらいまでの間は、年平均、八十歳以上の方の増加は五万人程度にとどまっておりましたが、今六十一年から六十三年の間をとりますと、年平均約十六万人、毎年八十歳以上の方はふえておられます。 これだけ実は高齢化のピッチは非常に速いものがありまして、今までのように給与所得者に偏った税制では、今でさえ悲鳴が上がっておりましたものが到底もち切るはずがない。これは、若い方もお年寄りも含めてお互いがお互いを支え合う仕組みを今のうちに用意しておかなければいけないのではないか、そして同時に、所得と資産と消費にバランスのとれた税制をつくっておかなければいけないのではないか。そういうことで今回の税制改革が行われた。消費税だけではございません、税制改革全体が将来を眺めて組み上げられているものだということをぜひ御理解をいただくように御協力を願いたいと思います。
○二田委員 その前に、やはり将来百歳になった人も八十五歳になった人もひとしく税というものを負担をしていかなきゃいけなくなるということになるわけでございますけれども、では、そうなった場合に所得のない人にも同じくやはり負担感というものが非常に強くなっていくんだ、ここのところを私どもは大変言いづらいわけですよ。これは率直な話として申し上げているのでございますけれども。その辺はどうなるのか。ある論によりますと、それはまた社会政策上で別途にやらなきゃいけない、こういうお話なんでございますけれども、では、今なぜこの税制の改革の必要があったのか、そしてそれが何ゆえに高齢化に対処していくことができるのか、この辺の問題だと思うのでございますけれども。
○橋本国務大臣 今委員が前段でお話しになりましたので、その点は省略をいたしましたけれども、昭和五十年代を思い出していただけば、国民の間にだんだん税制に対する不満が高くなっていった経緯は委員も御記憶のとおりであります。そして、それはまさに、シャウプ税制というものがスタートをいたしました時期から日本の社会構造、経済構造の変わります中で、給与を中心とした所得に対する課税が税の中心を占めることに対し、国民の中に重税感が生じた。また、個別の物品税の持つ欠陥の中でさまざまなひずみ、ゆがみという声も上がるようになり、国際社会の中でも、これは貿易摩擦を起こす一つの原因として物品税が追及されるような事態になった。こういう状況の中で、五十年代の後半になりますと、税制改革を求める声そのものが国政に対する要望の最大のものになってきた。そしてそれにこたえて、所得税、法人税、住民税等の減税と同時に、問題の多かった物品税の廃止に踏み切り、あわせて広く薄い消費税というものを採用したということでありまして、今委員御自身が御指摘になりましたように、税制はそれぞれ一つずつの特色があり、それぞれの問題点があります。 消費税だけをお取り上げになりました場合には、委員が御指摘になりましたような問題点も確かにございます。ですから、税制全体と社会保障政策を組み合わせて考えていただきたいというのはその点でありまして、本年度の予算におきましても、例えば生活扶助基準につきましては、消費税導入によって受けるであろう影響額よりもかさ上げをした生活扶助基準を設定しておるわけでありますし、現在御審議を国会でお願いをいたしております年金関係につきましても、またそれに連動する各種の手当につきましても、消費税影響による物価の引き上げを吸収してなお余りの出るような金額を算定しておることを御理解をいただきたいと思うのであります。
○二田委員 時間がありませんので、消費税の問題はこのぐらいにしておきたいと思います。 次に、私、ちょっと農政の問題を以下お聞きいたすわけでございますけれども、いつも疑問に思っていることからまず尋ねたいと思います。 それは、平成二年度以降の生産者米価ということでございますけれども、この買い入れ米価の時期につきまして、私ども、よく地域回りをしておりますと、なぜ作付をしてから生産者米価というものを決定しなければいけないのか。もう田んぼに稲をつけた後に、それから米審が始まり、いろいろなことがありまして、そして生産者米価が決定されるわけでございますけれども、こういう点を、御存じのとおり農業というのは自然に非常に左右される産業でございます。とするならば、やはりある程度の計画を持っていかなければいけない。そういう場合に、作付をして終わった後に生産者米価が決定されてくるのでございまして、その年がどれくらいとれるかということはこれはわからないわけでございますけれども、こういう点を今後ひとつ手直しできないものでしょうかと思いましてですな。ときどき秋田弁が出ますから御勘弁をお願い申し上げたいんですけれども、この点をお尋ね申し上げたいと思います。
○浜口政府委員 生産者米価の決定の時期でございますが、結論的に申し上げますと、現在の生産者米価、生産費補償方式と言っておりますが、この前提になりますデータの時期に左右されるということでございます。先生おっしゃったように、なるべく作付の前にというようなことで過去にいろいろな経緯がございますが、現在のところ、この生産者米価の特にデータの点は、五月現在といったようなものをもとにしまして当年度の決定ということを考えておりまして、そういったことから考えますと、大体出来秋を見まして七月前後、そういうような経過になっているところでございます。先生の御提起の問題ございますが、現在のような生産費補償方式ということを前提にいたしますと、そのデータの関係から現行のような姿になろうかと思います。
○二田委員 この点は、私にまだ異論のあるところでございますけれども、後ほどまた別途に協議するといたしまして、このくらいにしておきたいと思います。 昨年の生産者米価が決定されますときに、新算定方式というものが導入されました。そして、その新算定方式に基づきまして米価が決定されたわけでございますけれども、各般の事情から据え置きというようなありがたい御決定を得たわけでございます。ところで、そのときに一つの覚書があったわけでございますけれども、それには、「来年度以降の米価算定に当たっては、今回の各般の論議にかんがみ算定方式につき更に検討をしていくこととしたいと考えております。」こういう内容があったわけでございます、これは米審等の話だと思いますけれども。それで、では平成二年度の米価の算定方式というものはどういう方式で今考えていくのか。新算定方式、すなわち一・五ヘクタール以上を青天井として考えていくのか、これはまことに実情に合わないわけでございますけれども。それとも、また別の生産費の要素のとり方の算定方式というものをお考えになり、それを討議していくことができるのかどうなのかということをお示し願いたいと思います。
○浜口政府委員 ただいま先生のお話にもございましたように、元年産の生産者米価につきましては、六十三年六月の「生産者米価算定方式に関する米価審議会小委員会報告」というものを踏まえまして、一・五ヘクタール以上層を対象とする新算定方式に基づきまして二・五五%の引き下げ諮問を政府として行ったところでございますが、政府・与党間の調整の結果、据え置きとされたわけでございます。 ただいま先生御質問の来年度以降の米価算定方式につきましては、これまた既に先生お話のあったところでございますが、今回の各般の論議にかんがみましてさらに検討をするということになったところでございます。私どもといたしましては、二年度の米価につきまして、それまでの間に十分今回の米価決定をめぐる経緯等を踏まえまして検討いたしまして、この算定方式を決めていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○二田委員 では、一つ確認しておきますけれども、あながち今年度の米価算定方式ではやらないというふうに解釈してもよろしゅうございますか。
○浜口政府委員 ただいまお答えいたしましたように、今後検討するということでございますので、改めて算定方式というものを検討していくということになろうかと思います。
○二田委員 時間がありませんので簡単にお伺いしておきますけれども、その与党と政府の確認事項の中に「構造政策等の積極的な推進を図る。条件が不利な中山間地域について、国土保全等の観点も踏まえつつ、地域活性化のための具体策を検討し、実施に移す。」こういうふうに書いてあるわけでございます。私どもも一緒になって勉強しなければいかぬわけでございますけれども、これについての今年度の概算要求というものを具体的に教えてください。
○鶴岡政府委員 中山間対策につきましては、従来からやっております山村振興とか過疎対策等の施策のほか、平成二年度におきましては、新たに立地条件に応じました多様な農地でありますとかあるいは山林の整備等、あわせて農林道でありますとか生活環境施設等の総合的な整備を図るための予算を第一に要求しております。それからまた、活性化ビジョンの策定でありますとか、農産物の直販所あるいは宿泊施設、都市生活者等との交流促進施設でありますとか、農林水産業の生産基盤や生活環境施設の整備等を通じた地域の活性化による総合的な特別対策事業を第二の柱として要求しております。それからまた、良質米でありますとかあるいは特定野菜あるいは花卉、特用林産物などの産地形成を図るためのマーケティング活動、あるいは栽培技術の普及指導、生産地基盤の整備等を柱といたします産地形成活性化モデル事業というのを三番目の柱として要求いたしております。さらに、立地条件に応じまして農業技術や地域特産物の栽培技術等の導入、定着のための資金の創設等を要求いたしまして、あわせて中山間地域の活性化を図っていきたいというような考えでやっております。
○二田委員 額については。要望額。
○鶴岡政府委員 一番目の中山間地域農村活性化総合整備対策事業が約五十七億円、次、二番目の活性化ビジョンの策定その他直販所の施設……(二田委員「総トータルでいいですよ、一つ一つ読まなくても、時間がないですから」と呼ぶ)約百六十億程度でございます。
○二田委員 その場合には、昭和六十三年度について幾らふえていますか。特段の配慮をするということですから、ふえてなければいけないはずなんですよ。
○鶴岡政府委員 この約百六十億が新しい事業になろうかと思います。
○二田委員 了解しました。 次に、水田農業確立後期対策についてお伺いいたします。 私は方々歩いておりますと、今度よく農業の実情を知っている鹿野農水大臣がなってよかったなという声をよく聞くわけでございます。だから、よもや今度は減反なんということはふやさないだろうなという声もまた一方でたくさん聞きます。ところが、この間のたしか十月十五日の朝日新聞じゃなかったでしょうか、あれに九十三万ヘクタールが確定したという記事が一面の半分ぐらい使って出ているのですよ。これは皆さん大変失望しましたね。私どもも選挙運動がやりづらくなって大変でございます、こういうこと言って怒られるかもわかりませんけれども。そこで、私は不思議に思うのですよ。国会にも全然諮ってない、議員にも話してない、そういうことがなぜ新聞社にわかって、だれが話すのか、だれが漏らしてくれるのかというようなことですね。こういうことをだれがリークしているかということをひとつ農水省から教えてもらいたい。
○鹿野国務大臣 私ども、過般の新聞報道のとおりに後期対策を確定したという事実はございません。詳細につきましては事務当局から答弁をいたします。
○松山政府委員 まさにこれから詰めていく話でございまして、大臣からお答え申し上げたように全くそういう事実はないわけでございます。私どもとしましては、こういうことではいかぬということで、即刻事務次官の方が記者会見で、そういう事実はないのだということを明らかにいたしますと同時に、私から当該新聞の編集責任者に対しまして、非常にセンシティブな問題でもあるので取り扱いは厳に注意してほしいという申し入れをした次第でございます。
○二田委員 ところが、一たん載ったことでございますので、それは新聞社で訂正記事を出してくれればいいのですけれども、なかなか出してくれないという問題もあるわけでございますから、少し農水省の方でもこの種問題については取り扱いを十分に慎重にお願いを申し上げたいと思います。以上でございます。 それから、いろいろな米の問題につきましては、大変農業の原点に立ち返って検討してみる必要があると思うのです。今は、長い二千キロ以上ある日本列島の中に同じ政策をとっているということが、やはり農政上の行き詰まりの一つの大きな原因なのですよ。ですから私は、米のできる地方には米をたくさんつくらせる、そして良質米を生産していただく。そして野菜がいいところには野菜をたくさん作付していただく。その他の作目がいいところにはたくさんそっちの方にその他の作目を作付していただく。それが国土のむだ遣いにつながらない一つの大きな政策だと思うのです。 そういった場合に、やはり米の問題に参りますけれども、現在の減反の割り当てというのは画一的に各県に配分になります。各町村にまた画一的に配分していく。そして地域においてはお互いに補償金を払いながら、共補償という制度をとりながら減反をしていく、大体一反歩四万から五万払っておりますけれども。そういうのが今の減反の消化していく状態なのでございます。ですから今度は、この転作というものを一地域に限ることなしに、もっと広い立場から見ていかなければいけないのじゃないか、すなわち全国的な共補償というものもひとつ考えてみる時代に来たのじゃないか、こう思うわけでございますけれども、具体的に申しますと、ある地方から――質問時間が終了いたしましたという紙が参りましたので簡単に話しますけれども、もっと転作、そしてまた水田確立対策というものを流動的に考えることができるかどうかということを大臣の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○鹿野国務大臣 稲作を担ってもらっておるところの地域、担い手層によって米の生産の大宗が担われるということが大変重要なことだ、こういうふうに考えております。
○二田委員 それでは、質問時間が終了いたしたようでございますので、まだ聞きたいこと、四つか五つ残っていたのでございますけれども、以上をもって終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○中尾委員長 これにて高橋君、二田君の質疑は終了いたしました。 次に、玉置一弥君。
○玉置委員 連日にわたって長時間委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。時間が少ないようでございますので、お許しをいただける範囲内で御質問をいたしたいと思います。 実は、災害遺児の奨学制度ということでございますが、六十二年の十二月に竹下総理が、予算措置を含めて検討する、こういうお話を各野党との党首会談で約束をされました。以来、私ども担当としてこの問題に取り組んできたわけでございますが、実態はどうもはかばかしくない、こういうことがございましたので、きょうは全体の姿を浮き彫りにしながら、どこに問題があるのか、また政府はどういう姿勢でこの問題に取り組んでいかれるのか、この辺を明確にしていきたいと思います。時間がないので、大体こちらからいろいろ説明を申し上げまして、これについて政府の態度、考え方というものをお聞きをしたいと思います。 まず災害遺児ということでございますが、これは交通遺児育英会の調査あるいは文部省等の調査、いろいろございますけれども、これが大分浮き彫りにされてまいりました。 まず、災害遺児とは何かということになりますと、ゼロ歳から二十歳までの子供さんで、特に自動車事故以外の事故に遭われた両親、親を持っている、そういう形でございまして、親がおられないとかあるいは再起不能になっているとか、そういう状態のことをいうということでございます。例えば鉄道事故あるいは自転車の事故あるいは階段から落ちるとかあるいは建物に挟まったとか、いろいろなのがあるのですけれども、そういうようなことをいうということでございます。 そこで、交通遺児育英会の方と文部省の方が共同で調査をされました。これで推定をいたしますと全国に約六万五千人、こういう災害遺児と言われる方々がおられるということでございまして、その六万五千人の中で父親が死亡されておられるところが九四・二%、それからこの家庭の母親の平均勤労月収が十万二千円ということでございまして、一九・〇%が生活保護世帯となっているということでございます。それから就学希望、これは逆に言えば奨学金希望でございますが、八五%の方が奨学金を希望されている、こういうことでございます。それから、どういう状況の中で事故に遭われたかということを分析をいたしますと、仕事中の労災事故が五七・四、仕事の行き帰りで八・六、仕事中でなかった方が三〇・九%ということでございまして、おおよそ大体母親が大変な苦労をされて子供を育ててきている、こういうことが統計調査上出てまいりました。 そこで、我が国のこの災害遺児等に係る奨学金制度がどういうものがあるかということでございます。本来でございますと各省に聞くのですが、時間がないので私が今までやってきた問題でございますから、まず状況だけを御説明申し上げたいと思います。 それぞれあるわけでございますけれども、この奨学制度について給与方式と貸与方式、いわゆるもう上げてしまう方と貸しておく、この二種類がございまして、この給与方式をとっておられるところは労災補償保険制度、それから船員保険制度、国家公務員災害補償制度、地方公務員災害補償制度、これが支給方式。それから貸与方式でございますが、世帯更生資金、母子福祉資金、寡婦福祉資金、日本育英会による奨学金の貸与、これだけあるわけです。ほかにもございまして、ほかの方は各省庁にございます現業部門、こういうところ、あるいは警察、農林省、そういうところが個々に自分たちでこの育英会を結成をして自分たちで奨学事業を行っている、こういう実態でございます。 そこで、まずお伺いをいたしたいのは、総理にまず現状、今申し上げましたように各制度が乱立をしております。で、よく見るとかなり大まかな網しかない、こういう状況でございますけれども、突然でございますが、この奨学制度ですね、災害遺児に対する奨学制度、今申し上げました実情についてどういうふうに把握をされ、また竹下総理が野党の党首会談で予算措置までを約束されたんですが、実際には非常に難しい状況でございましたけれども、この件についてどういうふうなお考えを持っておられるか、お聞きしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 ただいまお触れになりました災害遺児育英制度の創設につきましては、一昨年暮れの与野党党首会談を受けて、昨年五月以来与野党の実務者協議というのが重ねられ、先生もそのお一人として熱心に御参加いただいておったと承りました。そして、この協議の場では、災害遺児の育英、奨学を目的とする新たな財団法人を設立するという案も出されておりまして、その方向で解決の努力がなされている、今努力中であると私は報告を受けております。 なお、それ以外の各省庁における災害育英関係制度の問題につきましては、御指摘のようにいろいろと各種の事業がなされておるわけでありますけれども、それぞれの事業が十分活用されることによって教育の機会が確保されるものと期待をいたしております。
○玉置委員 今お話がございました災害遺児の問題の中で、昭和五十九年九月に災害遺児の高校進学をすすめる会というのができまして、これは交通遺児の皆さんが恩返しということで始められたものでございますけれども、こういう方々が、六十二年から募金運動を開始をいたしまして寄附金を集め、その寄附金をもとに今回の災害遺児の高校進学のための資金をつくろう、こういうことでございまして、昨年の状況では大体二億二千万ぐらい集まっている、こういうことでございまして、その後もいろいろ運動を続けていただいております。また、あしながおじさんの制度というのがございまして、これは交通遺児育英会が中心になりまして、そういう資金を集め、これを災害遺児の方にも充てんをしていこう、こういうことでございますが、私どもがこういう方々から依頼を受けて動き始めたわけでございますけれども、実際に、今話がありましたように一年半がかり、あるいはもうほぼ二年でございますが、二年間かけてなかなかこれといった制度の確立ができていないというのが現状でございます。今申し上げましたように、各役所でそれぞれ問題があったあるいは災害の多い部署につきましては、既にその役所の方々が独自でやっておられますけれども、今回のように全般的な災害について、いわゆる特定されない災害、この部分についての災害遺児に対する奨学制度というのは非常に手薄になっている、こういうことでございます。 そこで問題は、今までしかかりでございました、この交通遺児が進めておりますいわゆる奨学金制度、この問題をやはり早く決着をつけないと次の段階に進めない、こういうふうに思います。そこで、これは文部省の管轄だと思いますが、今現在までの状況の中で、いわゆる交通遺児が進めてまいりました高校進学のための会ですけれども、これが企画をいたしました災害遺児制度、この制度設立についてどういう状況になっているのか。それから、私ども中間報告までしか聞いておりませんけれども、船舶振興会に事務局をお願いして新しく制度を設けよう、こういう話が片方でございましたし、この育英会の方では、むしろ交通遺児育英会の方が事務局として受け持つのだというのが途中で反転をして出てきたという問題がございまして、決着がつかないままに片やスタートをしてしまっている、こういう状況でございますが、今状況はどうなっているのか。また、ただいま笹川さんのやっておられます船舶振興会がどういう形でこの事務局を担当し、資金的にどういうバックアップをしていくのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○坂元政府委員 お答えいたします。 災害遺児の高校進学をすすめる会が自主的に事業を行っておるということは私ども承知はいたしておりますが、何分任意団体でございますので、その詳細については私ども現在把握いたしておりません。 それから、船舶振興会が災害遺児のために育英、奨学を目的とする財団法人を設立してもよいという意向を持っておることは、先生も御承知のとおりでございます。ただ、今申し上げました災害遺児の高校進学をすすめる会の方では、必ずしもそれについては賛成はしていない、そういうこともございまして、今船舶振興会の方と高校進学をすすめる会と二、三度にわたりまして書簡の交換をして、そして船舶振興会としてはこういう考え方で災害遺児のための奨学財団をつくりたいという考え方であるが、それでも皆さんは反対なのであるかというようなことを投げかけている最中でございまして、それの返事はまだ船舶振興会の方には届いていないというふうに私ども承知いたしております。その辺のことが解決されれば、船舶振興会としてもどうせやるならば皆さんから喜んでもらう形でスタートさせたいという気持ちのようでございまして、もう少しそういう高校進学をすすめる会の人たちとの話を進めていきたいというような意向のようでございます。私どもも船舶振興会に極力早くスタートさせてくれるようにお願いをしているところでございます。
○玉置委員 今まで、たしかことしの二月ぐらいに、今の船舶振興会の方が事務局を持った制度ともう一つは交通遺児育英会の方が事務局を持った制度、こういうふうな二つの種類が出てまいりました。経過はいろいろあるのですけれども、一時は交通遺児育英会の方に断られて、やむを得ずいろいろ探した結果、船舶振興会がやりましょう、こういう話になったということでございますが、途中からまた話が変わってきて、交通遺児育英会がやろうという話になってきた、こういうことなんですね。周りの方々が船舶振興会より交通遺児の方がいいんだということを言っておられる、そのままになってしまっているというのが今文部省の方から回答があった結果だと思うのです。 ですから、このまま置いておきますといつまでたっても両方の制度がスタートできないということでございますし、交通遺児のやっておられます方が昨年から募集をして、ことしからたしかもう一年生が入学していると思うのです。そういう方々については十分な資金が本当に充当できるのか、あるいは将来にわたって制度が続けられるのか、こういう心配もあるわけです。 それからもう一つは、昨年もいろいろ問題になりましたけれども、今申し上げたように、これだけのいろいろな制度が横並びでありまして、この一つだけに予算をつけることはできないというのが大蔵当局のお考えだと、大蔵大臣、思いますが、本当言うと、網の目がこんな粗いものはよくないと思うのですね。それで、生活保護世帯の方が非常に多い状況の中でやはり国として、今高校進学というのはもう九八%を超えるような進学率でございますから、むしろ国民全体の問題として、ごく当然の権利として考えていかなければいけないと思います。 そういう面で、政府としてこの制度をまず統合していく気があるのかないのか、それから、統合するために予算措置が当然必要でございますが、現段階での予算措置として何らかの対策がとれないのか、その辺を含めてお考えをお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 予算措置の話はちょっと別にさせていただきまして、制度の統合という委員の御指摘は私はわからぬではありません。ただ、この災害遺児をどうして支えていくかという一つだけでも、既存の団体のエゴイズムと言っては恐縮でありますけれども、エゴイズムが事態の解決をおくらせている状況は、御苦労いただいております中のお一人である委員がよく御承知のとおりであります。そうしてまた、ある意味では、それぞれの制度がそれぞれの目的、沿革、対象というものを異にしておりますだけに、私は、財政当局の立場として考えるならば、必ずしもこれを一元化する必要性というものを考えてはおりません。むしろ、せっかく各党が合意をし、数年越しで話し合い、一つの解決策が目の前にあるわけでありますから、既往の団体の利害得失からこの問題を議論するのではなく、災害遺児に一番スマートに手を伸ばしていける、そのためにどうすればいいかという視点にもう一度返って関係者がお考えをいただけないものかと胸を痛めております。
○玉置委員 時間が来ましたので終わりますけれども、今の状況からいきますと、給付が極端に各制度間で違うという問題もありますし、それぞれ制度を維持されている方がかなりの負担をされているわけでございます。そういう点を国としてやはり見直していっていただきたい。それから、今申し上げました災害遺児の制度、このものが本当に早くスタートできるようにぜひ文部省が主導的に乗り出していただいて解決をしていただきたい、かように思うわけでございまして、最後に文部大臣に御答弁いただいて、終わりたいと思います。
○石橋国務大臣 いずれにいたしましても、かわいそうな子供たちのことであります。そこで、できる限り実情を把握をいたしまして、そして問題点を整理をし、早急に事を処理したいという方向で一生懸命にやりたいと存じます。 以上です。
○玉置委員 終わります。
○中尾委員長 これにて玉置君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森委員 まず最初に、短い時間でございますが、パチンコ疑惑に国民の関心も集まっており、国会も一日間とまりましたので、この問題について質問させていただきたいと思います。 まず第一に、外国人団体からの政治資金の提供について伺いたいと思います。 報道によりますと、ここに私どもリストを用意しましたが、十二名の政治家、返却や取り違えと言われるものを含めると十四名が朝鮮総連やあるいは在日韓国居留民団、民団から主として八六年同時選挙で選挙資金を受け取ったとされております。しかも、選挙運動費用収支報告書に堂々と記載されておるというように言われております。これは事実とすれば明白な政治資金規正法二十二条の五の違反であります。 そこで、自治省に伺いますが、担当者には事前に言っておきましたが、調査されたでしょうか。今、野坂議員の質問に一定のお答えがありましたが、選挙運動費用収支報告書というのは都道府県選管にあり、公式文書の照会手続が要るそうでありますが、公式文書の照会も含め早急に手続を行ってその事実の有無について報告されたいと思いますが、答弁を求めます。
○浅野(大)政府委員 御連絡をいただきましたので、自治大臣が所管しております政治団体につきましては、これは指定団体を指定しておられる方につきまして、昭和六十一年から昭和六十三年分までの政治資金収支報告書を調査いたしました。その中には在日朝鮮人総連合会、在日本大韓民国居留民団等の名称の記載はございませんでした。 それから、御質問でも言われましたように、選挙運動の収支報告書は都道府県選挙管理委員会が所管しておりますものですから、これにつきましては照会をしてみたいと思っております。
○正森委員 我々の調査によりますと、例えば長野県の場合には、のし袋に在日韓国居留民団長野県何々支部というように書いて、そして民団の役員が三、四名お届けするということをやっておりまして、ある幹部は、自民党には何十年も前から、民社党には十五年くらい前からそういう方ができていて、組織運営の任務としてやるものだと思っていた、こういうように言っております。 だから、これは偶然の事実ではないわけであります。これまで与党のある委員などが朝鮮総連の名前を挙げまして公安調査庁に対して危険な団体かというようなことを聞いて、そのように理解しているというようなお返事もあったようですが、事は危険な団体であるか危険のない団体であるかにかかわりなく、外国人や外国人団体あるいは外国人等が主流である、多数を占めているところから日本の政党、政治家が資金の提供を受けるということになれば、国の自主性が損なわれるということから決められているわけで、したがって、私どもは、それが朝鮮総連であれ民団であれ、そういう資金提供を受けたものがある場合には、二度とそういうことのないように事実を明らかにして今後の戒めにしたいということで質問しているわけであります。我が国の自主性を守る点で政治資金規正法二十二条の五がつくられているという点について、総理の御所見を承りたいと思います。
○浅野(大)政府委員 政治資金規正法には外国人等からの寄附の受領を禁止する規定がございますが、その規定の趣旨について申し上げますと、これは外国勢力の影響を受けるのを防ごう、そういう趣旨でございます。
○正森委員 私が申し上げたと同じ趣旨であるということを部長もお話しになったと思います。 我々の調査によりますと、選挙運動の資金だけでなしに、ほかにも多額の資金提供を受けた方がおられまして、中には三千万近い資金の提供を受けた議員もおられますが、我々の入手した一人によりますと、この方は大臣在任中に四回にわたって七百四十万円資金の提供を受けておられます。その内容もほぼわかっておりますが、接待費ということで御本人ほか十九名が接待を受け、車代も含めてあるときのごときは三百万円、これによって使われております。したがって、私どもは、こういう国民の疑惑を招く問題について全容を解明する必要があるというように考えております。 そこで、私どもは、全遊協の前理事長の松波哲正氏、同副理事長の柳勲氏初め関係議員の証人としての喚問をぜひお願いしたいと思います。理事会でもお話が出ていると思いますが、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
○中尾委員長 既に理事会で種々討議をしておりますから、理事会に再びかけたいと思います。
○正森委員 次に、私はリクルート事件と国税当局の対応等について伺いたいと思います。 リクルート事件は、御承知のようにいわばぬれ手にアワで株の譲渡を受けて、一万株の場合には伝えられておりますように二千二百万円余を短期間のうちに取得したということを言われているわけであります。それに対しまして課税関係がどうなっているのかというのは国民の重大な関心であります。 そこで、まず最初に検察庁に伺いたいと思いますが、これはどの公訴事実でも同じですが、例えば、日本電信電話株式会社の当時社長をしておりました真藤氏についての起訴状によりますと、「日本証券業協会に店頭売買有価証券として店頭登録されることが予定されており、右登録後確実に値上がりすることが見込まれ、被告人江副浩正らと特別の関係にある者以外の一般人が入手することが極めて困難である株式会社リクルートコスモスの株式を、右登録後に見込まれる価格より明らかに低い一株当たり三、〇〇〇円で」「職務に関して賄賂を収受した」というような、途中一部省略しましたが、そういう内容になっております。 それから、時間の関係もございますので申し上げますが、証券取引法違反で四名ほどが逮捕されたかと思っておりますが、その被疑者の小野敏広あるいは間宮舜二郎等の公表されました被疑事実によりますと、「昭和六一年八月末ころから同年九月三〇日ころまでの間、」にリクルート本社ほか二十六カ所で「電話その他の方法により、七四名の不特定多数の者に対し、右江副浩正が所有する株式会社リクルートコスモス発行の株券(合計六八万七、〇〇〇株)につき、一株当たりの売出価格を三、〇〇〇円、」云々というようになっております。つまり、検察は十分の証拠を持って認定したと思われますが、右譲渡された株式がリクルートの会社のものではなしに江副浩正が所有する株式であるということも認定しているわけであります。 同様に、国会に報告されました六月十二日の捜査報告によりますと、「処分保留のまま釈放した証券取引法違反事件の被疑者である小野敏広」等々を、これは「本年五月二十九日、起訴猶予処分に付しております。」こうなっております。起訴猶予処分というのは、私も法律家の一員でございますが、犯罪の嫌疑はあるけれども起訴に至らなかった者を起訴猶予というわけであります。したがって、これらの事実については認定はされたのでありましょうが、情状その他諸般の事情から起訴されなかったということになると思います。 以上、私は三つのことを申し上げましたが、まず検察庁に私が申し上げましたことが事実であるかどうか、答弁を願います。
○根來政府委員 今三つの点について御指摘がございましたが、そのとおりでございます。
○正森委員 そこで、国税庁に伺いたいと思います。 ここに昨年から参議院等で御審議がございました審議録を持ってきておりますが、それによりますと、江副浩正は証人として、例えば参議院の矢田部委員の質問に対して、譲渡をしたのは大体九月三十日であるという趣旨の答弁をされております。あるいは株の値段については、売れたのは、一株五千二百幾らで売れたんですけれども、その前に証券業協会に届け出をしなければならないんですね。その届け出について、四千六十円から五千二百七十円、三割の幅がありますのでそういう価格になったんですが、それについてはいつごろかという質問に対して、「四千五十円でございますか、」と、これは十円違っておりますが、「それについては、恐らく九月半ばごろにそういうふうな話があったのではないか、」というように記憶しておる、こう答えております。そうしますと、大部分の方が譲渡を受けました九月三十日には最低一株四千六十円であるということを譲渡者である江副氏も認識し、その後間もなく証券業協会等にお届けになった。つまり、明らかに時価より千円以上低いものについて譲渡を受けておるわけであります。そうすれば、一般的に個人の場合には贈与税、法人から受けた場合には一時所得もしくは雑所得と言われておりますが、検察官の被疑事実によってそれは江副個人であるということはもう既に認定されておりますから、贈与税がかかるはずであります。 私は、これらの点について検察当局がどう判断されておるか、また、国民のいろいろの気持ちにこたえて、国が課税すべき税額については厳正に対処される御予定がおありかどうか伺いたいと思います。
○岡本政府委員 お答え申し上げます。 今お話のございました起訴状であるとかあるいは被疑事実等におきまして、お示しのような記述があることは我々も念頭に置いて承知しているところでございます。 一般的に申し上げまして、今先生の御意見を前提にお話しさせていただきますと、個人が個人から資産を譲り受けた、そういった場合の課税の問題でございますが、我々税の分野におきましては、その資産の譲り受け後における値上がり益、これは譲渡して利益を得たときに課税される、これが原則でございます。したがいまして、ある資産を取得した段階で将来値上がりが確実だというようなものがございましても、値上がりが相当だと見込まれるものがございましたとしても、それだけで直ちに未実現の利益に対して課税するということはやっていないわけでございます。これが大原則でございます。 ただ、もっとも、極めて例外的といいますか、レアケースといたしまして、御案内のとおり相続税法七条がございます。あるいは、続けてその点に御質問があるのかもしれませんけれども、相続税法七条によりますと、著しく低い価額で譲り受けた場合にはみなし贈与という形で課税される、これは規定がございます。したがいまして、そういったケースに当たる場合には、当然贈与税が課せられる場合があるというふうに我々解釈しております。 なお、今後の姿勢も聞かれておりますけれども、従来同様、引き続き課税の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○正森委員 二点についてお答えになりましたが、私は、質問の前に事前に所得税課の担当者に来ていただいて伺っておりますから、今私がわざわざ質問の中でも言いましたように、一カ月、二カ月間後に譲渡したときに五千何百円で売れたから、その間の二千円に課税ということは言うておりません。譲り受けを受けた九月三十日に既に時価と離れておるということを、江副氏の証言等々に基づいて、少なくも千円は離れているではないか、しかも、それはわいろとして認定され得るようなものではないか、そうだとすれば、これはみなし課税ということになるのかもわかりませんが、課税の対象になるのは当然ではないかということを聞いておるので、質問についての疑問の余地はないと思います。 そこで、総理に伺いたいと思うのです。 私がこういうことを伺いましたのは、課税は厳正にしなければならないということですけれども、先ほど同僚委員からも質問がありました。画用紙を子供が買いに行くと、二十円でも二十一円になる。二枚の場合は四十一円だ、三枚の場合は六十二円だということで、きっちり子供も税金がかかるのですね。総理は、お父さんが減税されたからお小遣いを五%ふやせばいいではないかというような演説もされたやに承りましたけれども、しかし、それにしろ子供にもかかるのです。それなのに、短期間の間に、売買については融資まで受けて一千万円、二千万円もうかっておる、しかも、それは法律上十分にみなし課税がなし得るものであるのに課税されないということになれば、子供も含めて国民が、消費税なんて払う、そんなばかばかしいことできるかというように思うのは当然ではないですか。ですから私は、国税庁も、理論的には課税があり得るという答弁だったと思いますけれども、もっとはっきり、課税の対象になり得るものは当然課税して適正な処分をするということをお答えいただかなければ国民は納得しないと思いますね。御答弁をお願いします。――あなただったらもう簡単でいいよ。
○岡本政府委員 一つだけお断りさしていただきたいと思います。 今の、個人から個人で譲り受けるときの時価の見方、今先生からお話がございましたが、これは非常に難しい問題がございます。我々の個人間の贈与の場合にはそういう難しい問題がございますものですから、評価の基本通達を出しまして、それにのっとって評価をやっておるところでございます。
○正森委員 どういうわけか総理等からお答えがございませんでしたが、まず、厚生省に別の問題を伺います。 我が国の年金や医療費などというのは基本的には保険制度なんですか、それとも租税で賄うというように現状はなっているのですか。将来はいかがでしょう。
○加藤政府委員 お答えいたします。 我が国におきましては、原則として社会保険主義をとっております。将来といいましても、社会保険主義を主体といたしまして考えて、そのまま維持していくというのが基本のビジョンでございます。
○正森委員 保険という場合には、本人たちが保険料を払うんですね。
○加藤政府委員 保険料につきましては、地域保険におきましては御本人が払う、それから被用者保険におきましては使用者が折半で負担をするというのが今の大原則でございます。
○正森委員 ここに私は「わたしたちのくらしと税」というパンフ、あるいは「国民生活と政治」というパンフを持ってまいりました。これを見ますと、これは六年生の社会科資料ですが、「税はどう使われているか」ということで、主として消費税導入を目的として四百四十万冊配られているんですよ。私が国税庁の広報課に聞きましたら、在籍の生徒の七割の数を配った、こういうように言うているのです。 その第一ページにどう書いてあるかといいますと、「ゲートボールとお年寄り」という題で、お年寄りが楽しそうに昼間からゲートボールをやっておる。 「ねえ、明くん。どうして、おじいさんたちは、こんなに楽しそうに、みんなで、ゲートボールができるんだろう。」 こういう質問をさして、小学校六年生ですよ、それで夜になるとお母さんに尋ねた。 「お母さん、うちのおじいちゃんは、昼間、ゲートボールをしていたけれど、働かなくても、いいのかな。」 「おじいちゃんはね、若(わか)いころ、一生けんめい働いたのよ。今では、国から年金(ねんきん)というお金がもらえるの。だから、安心して暮らしていけるのよ。」 「へえ。そのお金は、お年寄りはみんなもらっているの。」 「そうよ。年金のほかにも、病気になった時には、お年寄りのための医療制度があって、やはり、国からお金が出るから、とても安心よ。」 次郎くんは、国がお金を出しているものについて、調べたいと思いました。 こうなっているのです。何ですか、これは。これを見れば、我が国の小学生は、おじいちゃんは昼間からゲートボールをして遊んでおる、年金も医療費も全部国から出している、結構な身分だなあ、そう思うじゃないですか。 しかし、今厚生省が言ったように、我が国の年金だって医療制度だって、保険制度じゃないですか。もちろん国も税金を出していますよ、一部は。だけれども、基本は保険じゃないですか。こんな我々の子供たちに誤った印象を与えるものを、いかに消費税を導入したいからといって、「小学校学習指導要領準拠」などと書いて、準教科書みたいに配っておる。もってのほかじゃないですか。中学生だって高校生だって似たようなものを配っているのですよ。 こういうようなことまでして、大蔵大臣、消費税を合理化しようなんというのはもってのほかだと思うのですね。あなた方が消費税をいいというように宣伝するのはいいですけれども、もっと正々堂々とやらにゃいかぬですよ。このことを私は指摘して、後でまとめて答弁を伺いたいと思いますが、ここに中央五紙にお出しになりました「もう一度、お話させてください。消費税について。」という橋本大蔵大臣のいいお顔の広報もございます。これは、「日本はもうすぐ、高齢化社会をむかえます。」時間の関係で読みませんが、今までこの委員会で再々論議になったことであります。 そこで、私はきょう資料を用意してまいりましたので、その資料を見ていただきたいと思いますが。――僕にもくれませんか、資料を一つ。肝心の本人がないから。時間がございませんので、わかりやすくするために、非常に失礼ですが資料を用意しました。 資料の1は、これは不破委員も質問されたことですが、私どもが、ここに書いてありますように昨年五月十七日、我々の機関紙に載せたものであります。これを見ていただきますと、高齢者人口というところを見ていただきますと、(B)分の(C)ですが、一九八五年五・九人で一人支える、それが二十五年たつと二・八人で一人、二〇二五年には二・三人で一人、まさに大臣が言うておられることが書いてあります。その一番右の(D)分の(A)、就業者数と全人口を見ますと、二・〇八というのは一人で二・〇八人を扶養する、これは変わりませんで、二十五年先は二・一〇人、二〇二五年も労働省の就業者数を延長しますと二・〇八人、ほぼ〇・〇幾らという差で、こういう数字で変わらないという点が出てまいるわけであります。これについては、もちろん本日、野呂委員その他から、たとえそれがそういうことであるとしても、お年寄りがふえれば年金もふえるし医療費もふえる、だからそういう点を考慮しなければいけないんだという主張がございました。それが恐らくあるだろうと思って、きょうの私の質問になったわけであります。 そこで、資料の2を見ていただきますと、これは「昭和六十年度国民医療費」で、厚生省統計情報部であります。厚生大臣に一々聞きたいんですが、時間の関係で伺いません。出所は、川口弘、川上則道「高齢化社会は本当に危機か」という本から引用しております。これを見ていただきますと、一九八五年度に確かにお年寄りにかかる医療費は若者よりは多いですね。一番右を見ていただきますと、ゼロから十四歳までは大体四万一千円ぐらいですね。それがお年寄りの場合は四十二万一千七百円、ほぼ十倍だ。これは野呂さんの言われたことに符合しております。こういうぐあいにふえるわけです。ただ、断っておきますが、お年寄りの医療費がふえる約四割以上はインフレによる増大であります。残り六割が需要者側の要因と供給者側の要因ということになっておりまして、お年寄り一人の医療費のふえる率、これは国民健康保険での平均よりもはるかに低いんですね。これは私は厚生省の役人を呼んで聞いておりますから間違いがありません。 そこで、そういうように医療費もふえるということを前提にしまして、次の資料3と資料4を見ていただきたいと思います。この資料3と資料4はどういうぐあいにして計算したかといいますと、こういうように医療費がふえる、年金がふえるので、今の状態でお年寄りの数がずっとふえていく、そうすればどれだけ負担が多くなるかということを昭和六十年十月一日の国勢調査、一九八 五年、これが中心ですので。それから、厚生省の将来人口推計、もちろん国民経済計算年報、昭和五十九年全国消費実態調査報告、これは総務庁の統計局であります。労働力調査、一九八五年、あるいは昭和六十一年賃金構造基本統計調査報告等々に基づいて学者が推計したものであります。 この資料3を見ていただきますと、これは一九八五年であります。これを見ていただきますと、一番左にはどういうぐあいに所得を稼ぐかという点が出ております。ゼロから十四歳はもちろんゼロですね。十五歳から二十四歳、なぜ分けたかというと、この間は高等学校や大学に行っている人が相当いるんですね。我々の調べたところでは五割をはるかに突破しております。そこでこれは特別にしました。そうすると、一〇〇のうち七・三は稼ぎます。稼がない人もおります。二十五歳から六十四歳は八九稼ぎます。六十五歳以上も稼いでいる方がおられて三・七稼ぎます。 上の欄を見ていただきますと、しかし消費支出はどれだけかというと、十四歳までは一一を消費します。十五歳から二十四歳は一三・四、二十五歳から六十四歳は六四・三、六十五歳以上は一一・三です。つまり、これの意味するところは、六十五歳以上は一一・三要るが、三・七は自分が稼ぐから七・六だけ二十五歳から六十四歳というところに負担をかぶせるということであります。同じように十四歳までは全部一一が扶養されます。十五歳から二十四歳までは、自分自身は七・三稼ぐけれども、六・一を、同じく高校生や大学生がおりますから負担してもらう。この高校生や大学生については文部省に事前に数字を聞いてあります。しかし、時間の関係で申しませんが、文部省がこういう点については相当詳細に調べております。 そこで、それが二〇二五年にはどうなるかといいますと、同じように左を見ていただきますと、十四歳まではゼロしか稼ぎません。十五歳から二十四歳までは六・七稼ぎます。六十四歳までは八四・三稼ぎ、六十五歳以上は人数もふえますから稼ぎが九・〇になります。ただし、今言いましたように医療費もふえる、年金もふえますから、消費については、上を見ていただきますと、六十五歳以上は二五・〇になります。つまり、一一・二倍ぐらいになるのです。しかしながら、九は自分が稼ぎますから扶養してもらうのは一六である。そして若年人口はどうかといえば、十四歳までは八・二。つまり、一一・〇から減るのですね、人数が減りますから。大臣も、女性の産む子供の数が減るということをNHKで言うておられました。それがあらわれているわけです。十五歳から二十四歳も一一・三ですが、六・七稼ぎますから四・六が扶養で、一九八五年の六・一に比べれば四・六ですから、相当数、一・五余り減るわけです。 そこで、それを全部総計いたしますと、お年寄りに対する生産年齢世代の負担は、約二・二倍に増大するけれども、自分自身も稼ぐから、実際上ふえるのは一六・〇だ。そして、若年が減るから、結局総計してどのぐらいになるかといいますと、一九八五年には生産世代は高齢者と若年で二四・七の扶養負担をしていたが、二〇二五年には合わせて二八・八、計算していただけたらわかります。扶養負担の増加差し引きは四・一にすぎません。このことは、生産年齢人口についてどれぐらいふえるかということを考えますと、一九八五年は八九から八四・三に減少する、自分の使うのがですね。そこへこの扶養負担のを入れますと、この間で六・四%自分の負担がふえるということになるのです。これは一人ですから、加重平均をいたしますとどれぐらいふえるかというと、これは一四・四、この間に生産の水準が上がれば十分にカバーできる数字であるというのがこの学者の意見であります。 私は、この学者の意見を金科玉条と言おうとは思っておりません。しかし、与党の先生が、医療費や年金の負担を入れればこれは大変だという意味のことを言われました。大臣の広報にもそういうのが出ておりますけれども、それらを入れましても、三十年ほどの間に一四・四の差を縮めるだけ我が国の労働生産性なりGNPが上がっていけばいいということになるわけでして、これは財政再計算による年金の改定もある程度含んでいるのですよ。そうだとすれば、お年寄りが来る、お年寄りが来るということを消費税導入の目的にするというのは適切でないのではないですか。説明が長くなりましたが、そのことを申し上げたいと思います。
○橋本国務大臣 大変興味深い御議論で、私ももう少し時間をかけて本来ならお話を伺い、また私の意見も申し上げたいところであります。そして、確かにこういう考え方も一つの考え方であるということを私は否定はいたしません。 ただ、例えば先日、不破委員も従属人口、すなわち年少人口並びに老年人口の数字を取り上げられたわけでありますが、従属人口は、今私は本年分を持っておりませんけれども、一番手近な一九八七年、昭和六十二年というものをとってみますと六四・一で、恐らくこれは最低でありましょう。確かに、昭和三十五年ごろ八四・三でありましたものが今六四・一ということは非常に下がっております。しかし、これから先、実は従属人口は上がってまいりますね、委員御承知のとおりに。そしてその中で子供の数、年少者の数は委員御指摘のとおり少ないわけですから、そうすると、その比率は高齢者がますます高く占めることになります。そうすると、委員が御指摘のとおりに、医療費におきましても、また児童の場合にはかかわりのない年金給付費にしましても、これは増大する要因になります。そして、就業者の総人口は確かにこういう計算をしてまいりますとほぼ横ばいという理屈も立つわけであります。見通しも立ちます。 しかし、そういう点を、委員の御指摘を全部認めたといたしましても、委員が御自身でお認めになりましたように、このままでまいりますと働き手の負担はふえるわけであります。重くなります。そして、従属人口で見ましても今後は上昇するだけではなく、例えばこれまで年少人口は年々減少をたどってまいりましたけれども、それでは教育費等のGNPに占める比率は減ったかといえば、減っておりません。むしろより高度化のためにそれだけの投資がなされているということでありまして、年少人口の減は必ずしも年少人口に対する投資の減とは結びつかないと私は思います。 そうなりますと、やはり年少人口と高齢者人口については公的扶養コストは完全に異なるわけでありまして、そうした点を考えてまいりますと、私はやはり今の委員の御意見を、またこの拝借した資料を仮に一〇〇%認めたといたしましても、働き手の負担がふえてしまうという事実は変わりがない、そういう感じをいたします。
○正森委員 時間が参りましたので、もっと細かく議論したいのですが、大蔵委員会その他別の場所にさせていただきます。 最後に一言だけ言わせてください。 総理、御答弁いただく時間がございませんでしたが、ボーボワールはこういうことを言うているのです。「老いた人たちに対して、この社会は単に有罪であるだけでなく、犯罪的でさえあるのだ。それは発展と豊富という神話の背後にかくれて、老人をまるで非人のように扱う。」「この都合のいい幻影を、経済学者や立法者は退役者が現役の者にとっていかに重荷であるかを嘆くとき、世間に流布する。彼らの言うことを聞いていると、まるで現役の者たちは未来の退役者ではないかのようであり、老齢者の世話を制度化することは自分自身の未来を保証することではないかのようだ」「人間がその最後の十五年ないし二十年のあいだ、もはや一個の廃品でしかないという事実は、われわれの文明の挫折をはっきりと示している」、これがボーボワールの言っていることです。 私は、こういうことにならないためにも、我々としてはいろいろ、お年寄りが肩を張って生きられるように措置していかなければならないということを申し上げ、若干時間が長引きましたが、終わらせていただきます。ありがとうございまし た。
○中尾委員長 これにて正森君の質疑は終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時五分散会