決算委員会 第6号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/11/22
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 昭和六十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として日本中央競馬会理事長澤邉守君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ─────────────
○中村委員長 次に、農林水産大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明、続いて、農林漁業金融公庫当局の概要説明、会計検査院の検査概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ───────────── 昭和六十一年度農林水産省決算概要説明 昭和六十一年度の農林水産省の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 まず、歳入につきましては、収納済歳入額は一般会計において三千百四十二億九千八百五十一万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において七兆一千九百八十七億六千二百十三万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において六千九百二十三億三千七百三十八万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において一千二百九十四億九千九百三万円余、漁船再保険及漁業共済保険特別会計各勘定合計、森林保険特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計及び国営土地改良事業特別会計の総合計において四千六百四十億五千九百八十九万円余となっておりまして、一般会計の収納済歳入額の主なものは、中央競馬会法に基づく納付金であります。 次に、歳出につきましては、支出済歳出額は一般会計において三兆一千八百四十六億七千九百二十一万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において七兆一千六百九十億二千五百六十一万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において六千七百七十五億一千二百三十八万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において五百十六億五千三百八十三万円余、漁船再保険及漁業共済保険特別会計各勘定合計、森林保険特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計及び国営土地改良事業特別会計の総合計において四千八十九億一千六百三十八万円余となっております。 次に施策別にその主なものにつきまして、御説明申し上げます。 第一に、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策等の推進に要しました経費は八千七百四十億七千八百十一万円余でありまして、土地改良事業の推進につきましては、農業の土地条件の整備と用排水施設の近代化を通じて、生産性の向上を促進し、水田のはん用化と畑地基盤の整備を図り、農産物の需給の動向に即した農業生産の再編成を推進するため、国営かんがい排水事業を実施いたしましたほか、都道府県営、団体営の各事業に助成いたしました。また、水資源開発公団の実施する事業に助成いたしました。 農用地開発事業等の推進につきましては、農業構造の改善の方向に即して、主産地の形成を図りつつ農業経営の規模拡大を図るため、国営農地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営、団体営の各事業に助成いたしました。また、畜産を基軸とする大規模な農業開発を推進するため、曲辰用地開発公団が行う広域農業開発事業及び畜産基地建設事業に助成いたしましたほか、畜産主産地形成基本調査及び畜産基地建設調査計画を実施いたしました。 さらに、飼料基盤に立脚した大家畜経営の安定的発展を図るため国営草地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営の草地開発事業、道営草地整備改良事業及び団体営草地畜産基盤総合整備事業に助成いたしました。 また、国営の干拓事業を引き続き実施いたしました。 農村の総合的整備の推進につきましては、農業と農村の安定的な発展を図るため、農業生産基盤の整備と併せて農業集落の整備を図る農村総合整備事業に助成いたしました。 なお、土地改良事業の進度の促進を図りますとともに、国営土地改良事業を効率的に実施するため、従来の一般会計における国営土地改良事業の都道府県負担金(受益者負担部分を除く。)に財政投融資資金を充てることにより事業量の拡大を図りました。これに伴い、従来の特定土地改良工事特別会計を改組・拡充してすべての国営土地改良事業の経理を行うこととし、特別会計の名称を、国営土地改良事業特別会計に改めました。 構造政策推進体制の整備につきましては、土地利用型農業の経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、地域の実情に即した構造政策の方向づけを全国段階及び都道府県段階で組織的に行う構造政策推進会議を設置して、構造政策推進のための幅広い運動を開始いたしました。また、地域ぐるみの土地利用調整活動等を展開し、農用地の有効利用等を推進する地域農業整備促進事業に助成いたしますとともに、農地の貸し手農家へ農地流動化奨励金の交付等を行う農用地高度利用促進事業に助成いたしました。さらに、構造政策上必要な農地関係の各種情報を収集及び分析し、随時的確に提供し得る体制の整備等を図りました。 経営規模拡大対策の推進につきましては、農地の流動化の促進による中核農家の経営規模の拡大、農地の集団化等を促進するため、農地保有合理化法人の土地買入資金等に助成いたしましたほか、農用地利用改善団体が農地の改良、荒し作り地の改善等を実施するのに必要な資金を無利子で貸し付ける事業を新たに実施いたしました。また、農業・農村整備計画の策定、農村地域への工業導入等の諸施策を市町村等が総合的かつ機動的に実施するための農村地域農政総合推進事業に助成いたしました。なお、農村地域への工業導入については、農村地域工業導入資金融通促進事業、農地の利用調整等に必要な経費に助成いたしました。 農業構造改善事業の推進につきましては、最近の農業を取り巻く諸情勢に対処するため、新農業構造改善事業後期対策の中で、地域農業の組織化の促進、土地基盤及び近代化施設の整備、環境整備等農業構造の改善に必要な事業に助成いたしました。また、新農業構造改善事業前期対策の継続事業等に助成いたしました。 農業後継者対策につきましては、次代の農業を担う優れた農業後継者を育成確保するため、農村在住青年等の就農意欲の向上を図る農業後継者育成モデル地区設置事業に助成いたしました。 また、農村青少年に対する実践的研修教育を強化するため、道府県の農民研修教育施設(県農業者大学校)の整備の推進等に助成いたしますとともに、農村青年による農業後継者地域実践活動推進事業及び民間の農村青少年研修教育団体事業に助成いたしましたほか、農林水産省農業者大学校において研修教育を実施いたしました。 このほか、畜産総合対策において、生産意欲や向上心の強い経営の担い手の円滑な参入の促進等を図るため、地域畜産活性化パイロット事業に助成いたしました。 農業後継者育成資金等の融通につきましては、農業改良資金において、農業後継者育成資金の貸付けを拡充して実施いたしますとともに、農林漁業金融公庫資金の総合施設資金において、農業後継者等に引き続き資金の融通を行いました。 第二に、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開に要しました経費は五千八百六十六億七千九百三十七万円余でありまして、水田利用再編対策につきましては、第三期対策の最終年度として、農産物の需要の動向に即した総合的な食料自給力の向上を図るため、米から麦、大豆、飼料作物等への転作等を総合的かつ計画的に推進することとし、転作等を実施した農業者に水田利用再編奨励補助金を交付するとともに、転作の推進活動を強化するため、都道府県等に水田利用再編推進交付金を交付いたしましたほか、転作条件を整備するため水田利用再編対策推進事業に助成いたしました。 また、転作の促進とその定着化を図るため、水田利用再編対策関連事業に助成等を行いました。 新地域農業生産総合振興対策につきましては、生産性の向上等を図りつつ、需要の動向に適切に対応し得る農業生産構造を確立するため、地域の自主性と創意工夫を活かしつつ、都道府県及び市町村の策定する農業生産の総合的な振興計画に基づき実施する小規模な土地基盤の整備、生産機械・流通施設の整備、地力増強、生産組織の育成等の諸事業に助成いたしました。 水稲につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、先導的稲作技術改善特別事業及び水田作総合改善モデル地区設置運営事業により稲作技術水準の向上と技術指導の拠点づくりを進めましたほか、新たに地域的なまとまりの下に、大幅な生産コストの低減を目指す広域型事業について水田作総合改善モデル地区設置運営事業の中で助成いたしました。また、大規模乾燥調製貯蔵施設等の基幹施設の整備を行う米麦等大規模乾燥施設等整備事業及び米のばら出荷施設等の整備を行う米麦品質向上物流合理化事業に助成いたしました。さらに、稲作生産の省力化、安定化を図るため、農業改良資金制度を拡充し、生産方式改善資金の一環として稲作省力生産安定資金の貸付けを行いました。 麦につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、集団麦作の促進、共同利用施設等の整備、表層排水対策の実施等の簡易な土地基盤の整備等を総合的に推進いたしますとともに、大規模産地及び中小規模産地のそれぞれの実情に即したばら調製保管出荷施設等の整備を行う事業に助成いたしました。また、生産性向上阻害要因の克服による生産の高位安定化を推進するため、地域麦作改善モデル事業に助成いたしました。 なお、飼料用麦について、その流通の促進を図るため、飼料用麦流通促進奨励補助金を交付いたしました。 大豆につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、単収及び品質の向上等を図るため、大豆を組み込んだ輪作体系の確立、省力機械の導入、共同利用施設の整備等に助成いたしました。また、近年開発された新技術を現地で実証する大豆新技術体系定着化促進事業等に助成いたしました。 てん菜につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、小規模な土地基盤の整備、共同利用施設の整備、省力機械の導入等に助成いたしました。 さとうきびにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、省力機械施設の導入、小規模な土地基盤の整備、高能率収穫作業機械のモデル的実証展示等に助成いたしますとともに、優良種苗供給のための原苗ほ等の設置事業に助成いたしました。さらに、さとうきび生産の基礎となる優良な原原種の生産・配布を行いました。 特産農作物につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、小規模な土地基盤の整備、共同利用機械施設の導入、流通施設の整備、種子馬鈴しょ対策等に助成いたしました。また、茶、こんにゃく等について、需給の安定等を図る特産農産物生産流通安定対策事業等に助成いたしました。さらに、優良な馬鈴しょ原原種及び茶原種の生産・配布を行いました。 そばにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、そば流通安定化対策事業に助成いたしました。さらに、新品種の普及奨励等を図るそば総合改善対策事業に助成いたしました。 ハトムギにつきましては、農業新技術実用化促進事業において、生産から流通までの一貫した高度な新技術の実用化に助成いたしますとともに、ハトムギに続く新たな作物の探索、調査に助成いたしました。また、流通の円滑化のための新作物契約改善推進事業に助成いたしました。 なお、茶原種、馬鈴しょ原原種及びさとうきび原原種の生産・配布につきましては、茶原種農場、馬鈴しょ原原種農場及びさとうきび原原種農場等を再編成した種苗管理センターにおきまして実施いたしました。 養蚕につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、広域的な生産流通施設の整備、桑園基盤の改良整備、省力新技術の導入等を行う養蚕産地総合整備対策事業に助成いたしますとともに、高生産性一貫技術体系を装備した経営モデルの実証展示等を行う高生産性養蚕経営モデル事業に助成いたしました。 果樹につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、果樹農業振興基本方針等に基づき、生産から流通・加工にわたる諸対策を総合的に実施いたしました。うんしゅうみかんについては、需給の均衡を早急に図るため、他作物への転換等に助成いたしますとともに、土地基盤、生産施設の整備に助成いたしました。かんきつ及び落葉果樹について、産地の統合的な条件整備に助成いたしましたほか、生産性及び品質の飛躍的向上を推進するための拠点となるモデル団地の設定に助成いたしました。また、地域特産果樹産地の育成を図るため、土地基盤、生産流通施設等の総合的整備に助成いたしました。さらに、パインアップルについて、優良系統種苗の供給、生産機械、出荷施設等の導入による産地体制の整備に助成いたしました。このほか、果樹の健全種苗の安定的供給を図るためのウィルス無毒化施設等の整備に助成いたしました。また、果汁用うんしゅうみかん等の生産者の経営安定等を図るため、財団法人中央果実生産出荷安定基金協会を通じ、加工原料用果実価格安定対策事業、うんしゅうみかん計画生産出荷促進事業及びみかん転換農家経営維持安定資金等利子補給事業に要する資金造成に助成いたしましたほか、国産果実等の需給調整、需要拡大を図るため、果汁消費促進特別対策事業、果樹緊急特別対策基金事業に助成いたしました。さらに、最近における主要果実の供給過剰傾向に対処して、他の果樹への転換後の栽培管理の合理化、高品質果実の生産等の推進により、果樹経営の規模拡大等を志向する中核的な果樹農家の育成を図るため、農業改良資金において、果樹栽培合理化資金の貸付けを行いました。 花きにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、花き産地への情報の提供、新品種等の原種苗の導入、栽培技術の指導、消費者に対する栽培知識の普及等を行う拠点的な総合施設の設置に助成いたしましたほか、地域の実態に即して、土地基盤整備、生産・出荷施設の導入等による産地体制の整備等に助成いたしました。 野菜につきましては、野菜指定産地の計画的な整備育成を図るため、野菜指定産地の指定を進めるとともに、新地域農業生産総合振興対策の一環として、野菜指定産地整備型、指定野菜都市近郊産地整備型及び地場野菜生産団地育成型から成る野菜集団産地育成事業に助成いたしました。また、施設野菜生産における施設野菜作経営の安定を図るため、施設野菜省エネルギーモデル団地設置対策事業に助成いたしました。さらに、気象災害、地力の低下、病害虫等によって変動しやすい野菜の作柄を可能な限り安定化させ、国民の消費生活及び野菜作農家経営の安定を図るための野菜作柄安定総合特別対策事業、野菜の品質向上と新野菜の安定供給を図るための野菜需要高度化対応総合モデル対策事業、野菜優良種苗の生産及び供給の安定を図るための野菜優良種苗生産安定対策事業、加工原料野菜の安定供給を図るための加工用トマト等緊急生産流通合理化対策事業、端境期における野菜の供給を安定させるための野菜端境期平準出荷モデル対策事業、広域流通加工の合理化を図るための野菜広域流通加工施設整備対策事業並びに野菜作の生産性の飛躍的向上を図るための野菜高度生産流通システム化事業に助成いたしました。 畜産総合対策につきましては、安定的な畜産の振興を図るため生産性の向上等経営体質の強化、畜産物需給動向への的確な対応及び大家畜生産の振興合理化に重点を置いて、整合性のとれた総合的な畜産施策を展開することとし、次の事業に助成いたしました。 地域畜産総合対策につきましては、市町村振興計画に基づき、畜産経営技術の改善向上の推進及び公共牧場の効率的利用の促進を図るため、畜産経営技術改善活動推進事業に助成いたしました。また、飼料作物等の生産振興及び生産利用の効率化、土地資源の有効利用による地域畜産の振興等の促進を図るため、飼料基盤整備事業、飼料生産利用効率化事業、地域畜産集団牧場整備事業及び自給飼料生産振興対策推進事業に助成いたしました。さらに、肉用牛生産の振興等を図る肉用牛等振興施設整備事業、畜産経営環境の保全、家畜ふん尿の土壌還元利用等の促進を図るための畜産環境対策事業並びに基金造成により肉用繁殖雌牛等の導入を図るための家畜導入事業資金供給事業及び肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に助成いたしますとともに、中核的担い手の育成・確保及び粗飼料多給による低コスト肉用牛生産の振興を図るための地域畜産特別対策推進事業に助成いたしました。 広域畜産総合対策につきましては、都道府県段階において、家畜市場の再編整備、産地における食肉センター等の整備を行う広域畜産流通施設等整備事業及び家畜改良施設、飼料分析施設、家畜衛生施設等の整備を行う畜産技術向上施設整備事業に助成いたしましたほか、畜産物の需給の円滑な調整及び流通消費の改善を推進するための畜産物需給調整流通消費改善対策事業並びに家畜生産利用技術の改善、飼料作物優良品種の選定・普及等の推進を図るための家畜生産利用技術・飼料作物種子改善等対策事業に助成いたしました。また、畜産関係地域指導機関による指導体制の整備強化及び濃密かつ重点的な指導を行う畜産経営技術特別指導事業の実施に加え、新たに肉用牛生産経営技術の自主的な改善の推進等を行う肉用牛生産経営技術改善事業に助成いたしましたほか、実用化促進体制の整備を図る畜産新技術実用化促進特別対策事業に助成いたしました。さらに、農業協同組合及び畜産関係団体の組織等を活用して推進指導等を行う広域畜産総合対策推進指導事業に助成いたしました。 家畜改良増殖事業につきましては、優れた品質の畜産物の生産に資するため、乳用牛・肉用牛・豚・鶏及び馬について計画交配、能力検定等により優良な種畜・種鶏の作出・選抜等を行う家畜改良増殖対策事業及び家畜改良増殖推進事業に助成いたしました。 家畜衛生対策事業につきましては、病性鑑定等に利活用するための家畜衛生菌株の収集保存を実施する家畜衛生菌株保存事業に助成いたしますとともに、沖縄における牧野ダニ等の清浄化を推進する沖縄家畜衛生特別事業及び畜産農家等による家畜の衛生管理の推進等を行う自衛防疫強化総合対策事業に助成いたしました。 畜産高度生産技術実用化促進事業につきましては、近年における畜産生産技術開発の進展に対応して、牛の受精卵移植技術及び豚の凍結精液利用技術の実用化を図る牛の受精卵移植技術利用促進事業及び豚凍結精液実用化確立事業、良質粗飼料を主体として未利用飼料資源を高度に利用したコンプリートフィールドの調製利用技術の実用化を促進する地域飼料資源高度利用事業、未利用木材資源の飼料化技術の確立、有効利用を促進する木質系飼料実用化技術促進事業並びに家畜ふん尿の発酵・浄化処理技術の確立及び実用化を促進する家畜ふん尿処理利用新技術実用化事業に助成いたしました。 畜産基盤の整備等につきましては、畜産基地建設事業に助成いたしましたほか、畜産主産地形成基本調査及び畜産基地建設調査計画を実施いたしました。また、飼料生産基盤の整備拡充を図り、畜産経営の安定向上に資するため、国営草地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営草地開発事業、道営草地整備改良事業及び団体営草地畜産基盤総合整備事業に助成いたしました。さらに、畜産主産地の畜産物の生産の合理化を図るため、公社営畜産基地建設事業に助成いたしました。また、畜産経営をめぐる環境汚染問題に対処するため、都道府県営畜産経営環境整備事業及び団体営畜産経営環境整備事業に助成いたしました。 流通飼料対策につきましては、麦作振興及び飼料自給度の向上を図る観点から、国内産飼料用麦について、その流通を促進するため、飼料用麦流通促進奨励補助金を交付いたしました。また、外国産飼料用麦の買入・保管及び売渡し並びに大麦及び輸入飼料穀物(とうもろこし及びこうりゃん)の備蓄を行いました。さらに、国際的要因に基づく配合飼料価格の大幅な変動が畜産経営に与える影響を緩和するため、社団法人配合飼料供給安定機構に対して価格差補てん原資の造成について助成いたしました。 家畜伝染病予防対策等につきましては、家畜の伝染病の発生を予防し、そのまん延の防止を図るため、家畜伝染病予防事業を実施いたしましたほか、動物検疫所における動物・畜産物の検疫等、動物医薬品検査所における動物用医薬品の検査等を実施いたしました。 種畜牧場における家畜改良増殖及び畜産生産技術の開発・普及等につきましては、畜産総合対策とあいまって、肉用種雄牛の産肉能力後代検定による選抜、乳用種雄牛の後代検定による選抜、豚の系統造成と造成された系統の維持・増殖、鶏の改良、牛の受精卵移植の実用技術の開発及び草地利用による大規模経営技術の実験展示等を行いましたほか、飼料作物優良品種の増殖用もと種子の生産配布を行い、優良飼料作物種子の供給確保を図りました。また、各種の畜産技術の研修を行い、畜産技術者の養成及び畜産技術の普及・向上を推進いたしました。 農業改良資金につきましては、農業者の自主的な創意工夫を活かした本資金の活用を積極的に推進するため、生産方式改善資金の中に新たに稲作省力生産安定資金及び畑作技術合理化資金を設けるとともに、野菜生産高度化資金及び畜産振興資金の内容を拡充いたしました。 また、農業改良資金の貸付金の財源に充てるため、一般会計からの繰入れに加えて、日本中央競馬会の特別積立金のうち百五十億円を、農業経営基盤強化措置特別会計に特別納付いたしました。 農業機械対策につきましては、農業機械の適正な導入と効率利用を推進するため、農業機械利用技能者の育成、修理整備体制の充実、高度機械化体系の実証、農業機械作業の受委託を推進する新農業機械銀行の育成、中古農業機械の広域的な流通施設の整備等を総合的に行う農業機械高度利用促進対策事業に助成いたしました。また、農作業の安全を確保するため、農作業の安全指導等を行う農業機械化対策推進事業に助成いたしました。さらに、農業機械化研究所及び同研究所の業務を承継した生物系特定産業技術研究推進機構に出資いたしますとともに、研究事業に要する経費を助成いたしました。 肥料及び農薬対策につきましては、肥飼料検査所において、検査及び取締りを行いますとともに、同検査所の検査体制の強化を図りました。また、肥料の需給及び価格の安定を図るため、肥料の需要調査、硫安、尿素等の生産費調査等を実施いたしました。 このほか、生物活性利用等の基礎技術の応用により新肥料の生産に必要とされる基盤技術の開発を図るため、民間部門における共同研究を促進する新肥料開発基盤技術開発促進事業を新たに実施いたしました。 さらに、農薬については、農薬検査所において、農薬残留等についての検査及び調査研究を行うとともに、農薬の製造業者等に対する指導取締りを実施いたしました。 農作物の種子対策につきましては、優良種子の安定的、効率的生産を図るため広域種子生産団地育成パイロット事業に助成いたしますとともに、大規模、高能率な種子生産団地を計画的に育成いたしましたほか、原原種ほ、原種ほ等の設置、都道府県採種管理事業、原原種・原種生産体制整備事業等に助成いたしました。また、農作物生産改善対策推進事業において、広域の種子生産流通体制を整備するための種子需給調整推進事業に助成いたしました。このほか、ハトムギ等新作物の優良種子を確保するため、原種ほの設置、種子の検査等を行う新作物優良良種子流通整備事業に助成いたしました。 種苗対策につきましては、種苗法に基づく品種登録制度の運営及び指定種苗についての種苗検査、新品種の適正普及促進対策等を実施いたしました。また、最近におけるバイオテクノロジー等の技術開発の進展とこれに伴う国際的新品種開発競争の激化等の状況に対応するとともに、農業の生産性の一層の向上を図るため、品種登録に係る栽培試験、種苗の検査、優良な原原種、原種の生産及び配布、遺伝資源の継代保存及び増殖等の種苗関係業務を一体的、総合的に実施する種苗管理センターを設立いたしました。 さらに、民間部門における育種及び種苗増殖についてのバイオテクノロジーの実用化を促進するため、組織培養による種苗の効率的な生産技術の共同研究開発に助成いたしました。 植物防疫対策につきましては、病害虫防除員等の設置、指定病害虫の発生予察事業の実施及び病害虫防除所の運営に係る基礎的経費について、都道府県に植物防疫事業交付金を交付し、都道府県の自主性を活かしつつ事業の効率的、弾力的な運営を図りました。 また、植物防疫総合推進事業において、イネミズゾウムシの特別防除、航空機による共同防除、かんきつかいよう病の完全防除技術の実証展示、農薬の残留実態調査、施設栽培に係る新農薬散布技術の実証展示並びに土壌くん蒸剤の安全な使用方法及び効率的な防除技術の開発に助成いたしましたほか、新たにウィルス病、土壌病害虫等を対象として高度技術を導入した防除法の確立及び利用促進を図るため、高度防除技術推進特別対策等に助成いたしましたほか、情報収集・伝達の迅速化等による発生予察の高度化を図るため病害虫発生予察高度化特別対策事業に助成いたしました。 また、的確な農薬毒性評価体制を整備するため、農薬慢性毒性試験事業に助成いたしました。 このほか、生物由来の農薬の実用的な生産に向けて必要とされるバイオテクノロジーの導入、実用化を図るため、新農薬開発のための細胞培養等共通基盤技術開発事業に助成いたしました。 さらに、沖縄、奄美群島等に発生しているウリミバエ等の防除のための特殊病害虫特別防除事業(沖縄)及び奄美群島等特殊病害虫特別防除事業に助成いたしますとともに、枝枯細菌病のまん延防止等を図るための特殊病害虫緊急防除事業に助成いたしました。 このほか、引き続き、検疫体制を整備する等植物防疫所の機能の強化を図り、新技術の導入等により植物の輸入検疫を円滑かつ的確に実施いたしました。 土壌保全対策につきましては、適切な土壌管理を行うため、土壌環境調査事業に助成いたしました。また、診断技術の指導並びに土壌及び作物体の診断を行う地力増進診断指導事業並びに土壌改良資材の表示の適正化、農業の自然的生産環境に関する情報システム整備を行う土壌保全対策管理事業に助成いたしました。さらに、新地域農業生産総合振興対策において、地力増強事業、不良土壌改善対策事業、地力培養モデル地区設置事業等に助成いたしました。また、土壌汚染の防止のため、農用地土壌汚染対策計画の策定に資するための現地試験等に助成いたしましたほか、小規模公害防除対策事業及びカドミウム汚染米発生防止対策事業に助成いたしました。 国際花と緑の博覧会の開催準備につきましては、昭和六十五年に大阪府下鶴見緑地を会場として開催される「国際花と緑の博覧会」の準備のため、財団法人国際花と緑の博覧会協会が行う博覧会開催準備事業に助成いたしましたほか、必要な調査等を行いました。 第三に、バイオテクノロジー先端技術等の開発・普及と農林水産情報システムの開発・整備に要しました経費は一千百二十四億六千四百八十六万円余でありまして、農林水産業・食品産業等におけるバイオテクノロジー先端技術開発の推進につきましては、二十一世紀を見通したバイテク育種の推進(バイテク育種二〇〇〇年)といたしまして、細胞操作、組替えDNA技術等を活用し、高度耐性育種、特定成分育種等に関する研究を行うバイテク植物育種に関する総合研究に着手いたしました。 また、国の地域農業試験場等との連携の下に、都道府県試験研究機関の共同研究によるバイオテクノロジー手法を用いた地域の生物資源の改良・活用技術の開発を図る地域バイオテクノロジー研究開発に着手いたしましたほか、遺伝子の構造解析及びその発現機構の解明、細胞融合等の基盤的技術の開発等を引き続き行ってまいりました。さらに、これらの研究開発の基盤となる遺伝資源の総合的な確保、利用を推進するため、遺伝資源・情報の管理利用システム(農林水産ジーンバンク)の整備等を推進いたしました。 食品産業等に係る技術革新プロジェクトの推進といたしましては、産・学・官の連携の下に民間の活用を活かしつつ、これら分野でのバイオテクノロジー先端技術の積極的な開発を図るため、新たに、新肥料開発のための生物活性利用等基盤技術の開発を行う民間の共同研究に助成いたしましたほか、国におきましても、作物根、土壌微生物、土壌間の相互作用の解明等を行う根圏環境の動態解明と制御技術の開発に着手いたしました。 民間の技術研究に対する支援体制の強化につきましては、農業機械化研究所を改組し、生物系特定産業技術研究推進機構を設立し、同機構により、農林水産業等に係る民間の技術研究に対する資金の安定的供給、関係機関との連携のあっせん等を行いますとともに、併せて農業機械化の促進のための試験研究、検査等を実施いたしました。 大型プロジェクト研究につきましては、長期的視点に立って、生物資源の効率的利用技術の開発に関する総合研究(バイオマス変換計画)、近海漁業資源の家魚化システムの開発に関する総合研究(マリーンランチング計画)及び農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究(グリーンエナジー計画)を推進いたしました。また、地域農業の振興と土地利用型農業の生産性向上のため、超多収稲の品種開発、安定多収栽培法の確立を図りますとともに、転換畑の重点作物を基幹とする土地利用高度化のための総合的技術開発等及び作物・家畜の生育診断・予測等のための情報処理技術の開発を推進いたしました。さらに、国土資源と環境保全のための技術開発といたしまして、農林水産業のもつ国土・環境保全機能の維持増進に関する総合的な研究を推進いたしますとともに、長距離移動性害虫の被害を的確に回避するための移動予知技術の開発を推進いたしました。このほか、技術水準の高位平準化を図るための大型・体系化技術の開発に必要な素材技術及び技術需要に迅速に対応するための新技術の開発を促進いたしました。 国際研究協力の推進につきましては、熱帯農業研究といたしまして、アフリカの食料問題等に対処した技術開発を推進するため、アフリカ緊急海外研究調査に着手いたしましたほか、半乾燥、乾燥地域における主要畑作物の天水利用型栽培技術の開発に関するプロジェクト研究に着手いたしました。また、先進国等との国際研究交流といたしまして、新たに、バイテク育種に関する国際研究に着手し、バイテク育種に関する先端的研究者の派遣及び受入れによる共同研究を実施いたしました。 都道府県の試験研究等に対する助成につきましては、都道府県の試験研究機関が共同して、バイオテクノロジー手法による地域の生物資源の改良・活用技術の開発を行う地域バイオテクノロジー研究開発促進事業及び広域にわたる技術問題の解決を図る地域重要新技術開発促進事業を新たに実施いたしますとともに都道府県試験研究機関の行う低コスト稲作技術の開発、国産材の需要開発、水産増養殖用初期餌料の培養開発等の特定研究開発等促進事業を引き続き実施いたしました。また、品種改良、土壌肥料等に関する指定試験事業を引き続き実施いたしましたほか、沖縄県における試験研究機関の施設等の整備及び奄美群島における農業試験場の施設整備を引き続き行いました。さらに、大学及び民間の試験研究機関を対象とした農林水産業特別試験研究(応用研究)を引き続き推進いたしました。 試験研究機関の運営改善等といたしましては、農業生物資源研究所における遺伝資源研究体制を整備拡充したほか、作目別試験研究体制の強化を図るとともに、野菜試験場及び茶業試験場を統合して、野菜・茶業試験場を設立いたしました。また、研究用施設・機械の整備等といたしまして、家畜衛生試験場及び水産工学研究所の計画的整備を図りますとともに、引き続き、農林水産生物遺伝資源管理施設等の整備を推進いたしましたほか、研究用機械の計画的整備を図ってまいりました。さらに、試験研究の円滑な推進を図るため、試験研究機関の運営経費を確保するとともに、研究計算及び研究情報流通の効率的推進を図るため、農林水産研究計算センター等の整備を行ってまいりました。 農業新技術実用化促進事業につきましては、水田作における複合経営及び低コスト栽培技術体系を確立・定着化させるため、ハトムギ、大豆等高位平準化技術の確立及び作物全体利用並びに地力増進等の技術開発に助成いたしますとともに、新作物導入のための探索、そば高能率生産技術及びもみがら等農業副産物の多目的利用技術等の開発に助成いたしました。 また、牛の受精卵移植技術及び豚の凍結精液利用技術の実用化を図る家畜生産新技術実用化促進事業等に助成いたしますとともに、家畜のふん尿処理技術実用化事業及び木質系飼料実用化事業に助成いたしました。 さらに、バイオテクノロジーの活用等による木材成分の総合利用の促進、間伐材を利用した木材の新規用途開発実用化等に助成いたしましたほか所定の事業を実施いたしました。 協同農業普及事業につきましては、普及職員の設置、農業改良普及所の運営等の事業の基礎的経費について、協同農業普及事業交付金を交付いたしました。 また、地域農業の体質強化を図るため、最新の情報処理技術等を活用した高度な営農診断と指導を行う地域営農診断指導高度化事業に新たに助成いたしました。 さらに、高度な技術の実証及び定着化を促進するため活動等を総合的に行う高度営農技術実証普及特別事業に助成いたしました。 また、技術革新時代における普及指導水準の向上を図るため、特定技術緊急導入対策に助成いたしました。 このほか、農村地域生活診断・充実対策事業に引き続き助成いたしますとともに、重点作物の普及定着に資するため、新地域農業生産総合振興対策において、先導的農家育成確保対策に助成いたしました。 さらに、農業経営基盤の強化を図る農業経営改善総合指導活動事業に助成いたしました。 また、普及情報センターによる情報活動及び農家、農村生活に関する調査研究活動に対して助成いたしましたほか、農業改良資金においては、技術導入資金及び農家生活改善資金の貸付けを、沿岸漁業改善資金においては、生活改善資金の貸付けを引き続き行いました。 蚕業技術の普及指導等につきましては、蚕業技術指導所及び蚕業改良普及職員の配置の適正化を推進いたしますとともに、蚕業改良普及職員の設置、蚕業技術指導所の運営時の普及事業の基礎的経費について、蚕糸技術改良普及事業交付金を交付いたしました。また、蚕の薬害予防対策等の実施につき助成いたしました。さらに、繭検定の集中合理化を進めるための検定施設の整備等に助成いたしました。 畜産経営技術の普及指導につきましては、畜産総合対策において、畜産農家の組織化と畜産経営技術の改善向上活動を推進いたしますとともに、肉用牛生産経営技術の自主的な改善の推進等を図るための情報システムの整備を行いました。さらに、中央畜産研修施設において、各種の畜産技術の研修を実施いたしますとともに、国の種畜牧場において、草地利用による大規模経営技術の実験展示等を実施し、畜産新技術の普及を図りました。 農林水産情報システムの開発・整備につきましては、農村地域におけるモデル的な情報システム化の推進につきまして助成いたしますとともに、システムの高度利用対策を実施する等農村地域等の情報化等の推進を図ってまいりました。 また、科学的かつ迅速な営農診断と指導を行う地域営農診断指導高度化事業を新たに実施いたしますとともに、作物の栽培及び家畜の飼養管理を支援する情報システムモデル事業等に助成いたしました。 食品産業等に関する情報システムの開発・整備につきましては、情報処理技術の急速な進展に対応して、食品の生産、流通、加工及び消費における情報システムの開発・整備のための事業に助成等を行いました。 統計情報システムの開発・整備につきましては、新データべース管理システムに基づき、統計データの蓄積、プログラムの開発等を行うとともに、本省と地方農政局等とを結ぶオンラインネットワークの円滑な運営を通じ、情報処理の効率化、迅速化を図ったところであります。このほか、農業情報システムの開発研究を行うとともに、生鮮食料品流通情報サービスを実施いたしました。 農林水産情報システムの開発・整備につきましては、林業情報システム化対策事業ほか森林資源情報の全国的な情報管理システムの開発を実施いたしました。 水産業に関する情報システムの開発・整備につきましては、沿岸・沖合漁業等の漁況海況予報事業を実施いたしますとともに、短期的漁場形成に関する予測等を試験的に実施する漁況海況情報高度利用開発試験を実施いたしましたほか、人工衛星が自動観測し送信する海洋のデータを情報化し、これを漁業に活用するためのデータの収集・解析・提供に至る一連のシステムの実用化試験を実施いたしました。 また、新たに、海洋観測衛星MOS—1の利用システムの調査・検討を実施いたしました。 統計情報の整備につきましては、農作物統計調査、農林経済統計調査等各種統計調査を実施いたしますとともに、農林水産業の生産、流通、消費等の各分野の実態を把握いたしました。また、農業構造の現状と動向を明らかにするために実施いたしました一九八五年農業センサスにつきまして、農業事業体調査及び農業生産組織調査の集計・公表等を行いますとともに、第八次漁業センサスの準備研究に着手いたしました。さらに、生鮮食料品流通情報サービスの円滑な運営を通じ、引き続き、生産者、流通関係者等に、卸売市場の市況、産地の状況等を迅速かつ的確に提供いたしました。このほか、統計調査等における新技術の開発等のため、面積調査の近代化のための開発研究、乳肉複合経営農家の生産費調査方法の開発研究等を実施いたしました。 第四に、活力あるむらづくりと農林漁業者の福祉の向上に要しました経費は二千二百四十七億四千三百五十二万円余でありまして、農業・農村整備計画の策定の推進につきましては、構造政策の推進による農業の体質強化と活力豊かで定住条件の整備された農村地域社会の形成を一体的に進めるため、農業及び農村の整備を図る上での総合的かつ先進的な地域計画である農業・農村整備計画の策定を推進することとし、これに助成いたしました。 農山漁村の総合的整備の推進につきましては、農業と農村の安定的な発展を図るため、農村の在住者が豊かで安定感のある生活を享受できるよう生産基盤、生活環境等農村地域の総合的な整備を行う農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業及び農業集落排水事業に助成いたしました。 また、山村等の振興につきましては、山村振興法に基づいて指定を受けた振興山村を対象として、就業機会の確保、高齢者の生きがい対策、生活環境の整備等を総合的に行う第三期山村振興農林漁業対策事業に助成いたしますとともに、来るべき国産材時代に備えて森林を適正に管理し、林業を活力ある産業として育成していくため、国産材主産地形成対策事業に助成いたしました。また、地域林業及び山村の整備育成を図るため、林道網の整備と併せて生活環境の整備を総合的に行う林業地域総合整備事業に助成いたしました。 漁村につきましては、漁港施設の整備と併せて、漁業集落における生活環境の整備を行う漁業集落環境整備事業に助成いたしますとともに、新沿岸漁業構造改善事業の一環として、漁業集落の環境条件を緊急に整備する漁村緊急整備事業に助成いたしました。 また、地域漁業の振興を図っていくため、適正な操業の実現、水産資源の維持増大、就業機会の増大、生活環境条件の整備等を総合的に推進する沿岸地域活性化緊急対策事業等に助成いたしました。 過疎地域等の振興につきましては、農山漁村において、農林漁業の振興、農林漁業関連地場産業の育成、高齢者対策の推進、生活環境の整備等を総合的に行う新農村地域定住促進対策事業に助成いたしますとともに、農村地域定住促進事業の継続事業に助成いたしましたほか、地域改善対策として、農林漁業の振興に必要な農林漁業生産基盤の整備、農林漁業近代化施設の導入、畜産団地施設及び食肉流通の近代化施設の整備に必要な事業に助成いたしました。 農業移住につきましては、啓発相談、教育訓練等に助成いたしますとともに、農業移住者に対する援助資金に対する利子補給等に要する経費について助成いたしました。 健康の増進と婦人・高齢者対策につきましては、協同農業普及事業の一環として次の施策に助成いたしました。 地域健康生活対策特別事業及び地域型食生活推進対策事業に引き続き助成いたしますとともに、中堅農家の健康の維持・増進を図るため、中堅農家健康推進対策特別事業に引き続き助成いたしました。 また、農村婦人のグループ活動を助長する農家生活改善技術等普及推進事業及び婦人農業従事者の役割の開発と地位の向上等を促進する農村婦人役割開発促進事業に引き続き助成いたしました。 さらに、社会経済環境の変化に対処し、農村のもつ多面的な機能の回復を図りつつ、農村型の長寿社会に向けて、ゆとりと潤いのある快適な環境づくりを行う農村地域トータルライフ向上対策事業に新たに助成いたしました。 このほか、農村の高齢化の急速な進展に対応し、農村高齢者役割向上対策事業に引き続き助成いたしました。 農業者年金制度につきましては、農業経営の近代化及び農地保有の合理化を図りますとともに、農業者の老後の生活の安定に資するため、農業者年金基金が行う農業者年金事業、離農給付金支給業務並びに農地等の売買及び農地等の取得に必要な資金の貸付けの業務に助成いたしました。 第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格の安定に要しました経費は四千九百八十一億二千七百十八万円余でありまして、日本型食生活の定着促進と消費者対策の推進につきましては、総合的な食料消費対策の推進を図るため、各種媒体を通じて食料品に関する知識の提供等を行う事業に助成等を実施いたしました。 また、消費者対策につきましては、規格表示の適正化を図るための農林物資規格表示制度(JAS制度)の運用の充実、JAS制度の普及促進及びJAS認定工場の品質管理担当者を対象とする講習等を実施するとともに、新たに、新食品等の品質表示の適正化のため、品質表示のガイドラインの設定・普及を図りました。さらに、消費者の啓発を図るための情報提供、苦情処理体制の整備等を推進いたしますとともに、一般消費者の食生活改善を誘導するための啓発事業、消費者、生産者、食品関係事業者との対話機会の確保を図るための事業等を総合的に行う食生活改善実践モデル事業及び食と緑の博覧会を開催するための実行体制の整備等を図るための食と緑の博覧会推進事業に助成いたしました。 農水産物の消費の拡大につきましては、我が国の風土に適した米食を中心とした日本型食生活の形成、定着を図ることを基本として、米の消費の維持拡大を図るため、食糧管理特別会計において、地域の実情に即した地域米消費拡大対策事業、学校給食への米飯導入を計画的に推進するための学校給食用米穀の値引売却等を実施いたしました。 牛乳の消費の安定的拡大を図り、酪農の振興と児童及び生徒の体位・体力の向上に資するため、学校給食用牛乳供給事業の財源として畜産振興事業団に交付金を交付いたしました。 さらに、果実につきましては、うんしゅうみかん果汁の消費の拡大・定着を図るため果汁消費促進特別対策事業に助成いたしました。 また、原果汁の品質の向上、コストの低減、新製品の開発等により果汁の消費の拡大を図るため、新地域農業生産総合振興対策において、果実加工施設の高度化に助成いたしました。 野菜につきましては、野菜流通業者に対する啓発等事業に助成いたしました。 水産物につきましては、その消費拡大の一層の推進を図るため、テレビ放送やパンフレットの配布等を行う事業のほか、魚食普及関係の資料の展示等のためのシーフードセンターの整備、魚食普及のための共通教材等を全国的に常時提供し得る魚食普及ステーションの設置等を行う事業に助成いたしました。また、家庭外消費用水産物流通促進パイロット事業及び水産物鮮度管理流通パイロット事業に引き続き助成いたしました。 さらに、魚介類に含まれる栄養成分の食用利用化を図るための加工処理及び量産化技術の開発等を行う事業を実施いたしますとともに、最大の未利用たん白質資源であるオキアミを原材料とする食品の普及・定着化を図るための事業に助成いたしました。 米麦管理制度の運営につきましては、食糧管理制度の運営の円滑化を図るため、食糧管理特別会計の調整勘定へ必要な調整資金を、国内米管理勘定へ過剰米処分損失補てん金を繰り入れいたしましたほか、沖縄県産米の売買事業を行う農業協同組合等に、沖縄県産米売買業務損失補てん等交付金を交付いたしました。 畜産物の価格安定につきましては、酪農経営の安定的発展を図るため、加工原料乳生産者補給金交付事業の財源として畜産振興事業団に交付金を交付いたしました。また、牛肉の価格安定を図るため、畜産振興事業団が価格安定制度を実施するのに必要な資金の一部について出資いたしました。さらに、肉用子牛価格安定基金の交付準備金の造成に助成いたしました。また、鶏卵の計画生産の推進等について指導いたしますとともに、卵価安定基金の補てん準備金の造成に助成いたしました。 野菜の価格につきましては、最近の野菜の需給の動向にかんがみ、重要な野菜について生産出荷団体が主体となって作付けから出荷に至る過程を通じ有効に需給調整を行う重要野菜需給調整特別事業に助成いたしました。また、野菜供給安定基金が行う指定野菜の価格補てん事業について、指定消費地域の拡大、交付予約数量の増加等事業の拡充を図りましたほか、指定野菜に準ずる野菜等について都道府県段階の法人が行う価格補てん事業に助成いたしますとともに、対象出荷期間の拡大等事業の拡充を図りました。さらに、端境期等における野菜価格の高騰に対処するため、野菜供給安定基金が行う野菜売買保管事業に助成いたしますとともに、夏期における野菜の供給安定を図るため、夏期野菜低温流通特別実験事業に助成いたしました。 果実の価格の安定につきましては、加工原料用果実価格安定対策事業の資金造成に助成いたしましたほか、うんしゅうみかんの需給調整を図るため、生産、流通、加工及び消費にわたる需給安定対策に助成いたしました。 大豆及びなたねの生産農家の保護につきましては、生産農家の所得の安定を図るため、販売の数量及び方法を調整して販売事業を行う生産者団体等を通じ、生産者に交付金を交付いたしました。 砂糖及び甘味資源作物等の価格の安定につきましては、てん菜及びさとうきびの価格支持のための国内産糖の買入れ及び売戻しに伴う売買差額の補てんに充てるため、蚕糸砂糖類価格安定事業団に交付金を交付いたしますとともに、同事業団の業務運営の経費に助成いたしました。また、沖縄本島に比べて生産条件等に格差のある離島の分みつ糖製造事業者に助成いたしましたほか、沖縄産含みつ糖の価格差補給事業に助成いたしました。 繭及び生糸の価格安定につきましては、繭糸価格安定制度を適正に運用いたしますとともに、蚕糸砂糖類価格安定事業団の生糸在庫及び負債を整理するための特別の勘定の欠損金を補てんするため、蚕糸砂糖類価格安定事業団在庫生糸特別処分損失補てん交付金を交付いたしました。 第六に、食品産業の振興と流通対策の推進に要しました経費は百七十六億七千百五万円余でありまして、食品産業対策につきましては、調査、広報、技術、運営の指導等の事業に助成いたしますとともに、食品産業における技術の開発を推進する新技術開発事業及び新技術実用化促進事業、民間企業の技術共同開発により基礎的で大型の技術開発を推進する重点技術共同開発推進事業、先端的技術の食品産業への応用を推進する革新技術導入開発事業、柔軟に多品種の生産に対応し得る効率的な製造システムを開発する食品産業FAS開発推進事業、食品産業バイオリアクターシステム開発事業、中小の食品製造業における技術者等を対象とする食品産業人材育成促進事業及び食品産業技術情報活動事業に助成いたしました。また、国産農水産物を原料とする新製品の製造設備等のリースによる導入を推進する特定農水産物加工利用増進等事業に助成いたしましたほか、農水産業サイドと食品産業サイドの連携を強化し、地域農水産物の生産、加工、流通の各プロセスを有機的に結びつけることにより、地域農水産物の加工利用を促進し、地場産業の振興を図るため、地域農水産物を原料とする新規食品の開発、施設の整備、技術の向上、情報の収集・提供、原材料の安定取引の推進等を行う地域食品振興対策事業に助成いたしました。 また、食品工場環境保全対策推進特別指導事業、地域外食産業近代化促進モデル事業、外食産業国産食材開発利用推進モデル事業、外食産業経営改善推進事業及び外食産業総合調査研究事業に助成いたしました。 食品流通の効率化につきましては、卸売市場整備基本方針及び同整備計画に基づき、三十四都市の中央卸売市場(五十市場)の施設整備事業及び十五都市の地方卸売市場の施設整備事業に助成いたしました。また、新しい商店街区の形成、販売手法の開発導入等に必要なマスタープランの策定を行う食料品商業活性化推進対策事業に助成いたしますとともに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、食料品卸小売業者の経営診断、教育研修等を行う生鮮食料品等流通改善促進事業に助成いたしましたほか、食品物流の効率化を図るため、食品物流効率化システム開発事業に助成いたしました。さらに、食品の品質管理、表示の改善、需給及び価格の安定、流通の合理化並びに食品の安全性の確保を図るため、食糧事務所職員による食品の生産・製造・流通段階における巡回点検指導を実施いたしましたほか、国民金融公庫の生鮮食料品等小売業近代化資金貸付制度を拡充いたしました。 畜産物の流通加工の合理化につきましては、畜産総合対策において、家畜市場の再編整備、産地における食肉センター、食肉高度加工施設等の整備、食鶏産地格付包装流通センターの整備等を内容とする広域畜産流通施設整備事業に助成いたしました。また、畜産物の需給の円滑な調整と流通消費の改善を図る観点から、畜産総合対策において、肉畜鶏卵の生産出荷調整、小売店における食肉の適正表示販売の指導、生乳需給調整及び生乳計画生産の推進指導、牛乳販売店の経営合理化指導等の事業に助成いたしました。 野菜の流通加工の合理化につきましては、広域にわたる野菜産地に出荷及び加工の中核となる施設を整備する野菜広域流通加工施設整備対策事業に助成いたしましたほか、野菜の周年需要の進展に即応して、野菜端境期平準出荷モデル対策事業に助成いたしました。 果実の流通加工の合理化につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、選果施設、長期貯蔵施設等の整備に助成いたしました。 農林水産物の輸出振興につきましては、農林水産物の輸出産品の可能性調査等を行いますとともに、うんしゅうみかんの検疫条件の緩和を図るための事業に助成いたしました。 第七に、国際協力の推進と食料の安全保障の確保に要しました経費は四十四億三千五百四十五万円余でありまして、国際協力の推進につきましては、開発途上国の農林水産業生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、これら諸国の農林水産業開発に対する協力を一層推進することとし、引き続き海外派遣専門家の養成研修及び海外からの研修員の受入研修を実施いたしますとともに、アフリカ地域の食料農業事情に関する緊急実態調査等を実施いたしましたほか、新たに中華人民共和国の畜産についての技術協力に関する調査を実施いたしました。さらに、国際農業関係機関を通じる協力として、国際連合食糧農業機関(FAO)に準専門家を派遣いたしましたほか、食糧安全保障調査のための拠出等を行いました。また、国際稲研究所、国際半乾燥熱帯作物研究所及び国際熱帯木材機関に拠出を行いましたほか、新たに国際協同組合同盟の行うアジア諸国の農協組織の育成強化のための研修事業に拠出を行いました。 さらに、引き続き社団法人国際食糧農業協会が行う調査普及事業に助成いたしましたほか、新たに同協会がFAOの実施している「飢餓解放キャンペーン」と連携して行う我が国非政府機関の援助の推進を図る事業に助成いたしました。また、民間団体が行うアセアン諸国等の中核農民の我が国農家での実地研修に助成いたしましたほか、引き続き海外食糧農業情報の整備、開発途上国の農協指導者等の研修、農用地開発公団の技術情報の収集、海外農業開発事業の事前調査等に助成いたしました。さらに、ソヴィエト連邦、大韓民国及び中華人民共和国との間の技術交流を実施いたしましたほか、民間団体が行う中華人民共和国との間の農業分野における技術交流に助成いたしました。このほか、国際協力事業団を通じる農林業開発協力事業及び関連施設の整備事業に対する投融資事業等を実施いたしました。 農林水産物の輸入の安定確保につきましては、主要輸出国との間で緊密な情報及び意見の交換を行いましたほか、国際食糧農業情勢に関する情報収集及び調査分析等を行いました。 備蓄対策の推進につきましては、大豆、飼料穀物及び木材について、国際需給の動向に対応して、供給及び価格の安定を確保するため、各公益法人が行う備蓄対策事業に助成いたしました。 第八に、農林漁業金融の充実に要しました経費は一千六百三十三億二千五百六十五万円余でありまして、農林漁業金融公庫資金の充実につきましては、農林漁業の経営構造改善、基盤整備等に必要な資金の確保を図りますとともに、農業基盤整備資金の貸付対象事業の拡大等の融資内容の充実を図りました。この結果昭和六十一年度の貸付決定の総額は、五千二百二十六億一千七百五十二万円となりました。また、農林漁業金融公庫の業務の円滑な運営に資するため、一千四百三十四億三千二百万円を同公庫に交付いたしました。 農業近代化資金及び農業信用保証保険制度の充実につきましては、農業近代化資金の昭和六十一年度の貸付実績は、二千六百十億三千三百九十九万円余となり、既貸付金を含めその利子補給等に助成いたしました。また、農業者等の農業経営等に必要な資金の融通の円滑化を図るため、都道府県が行う農業信用基金協会に対する出資について助成いたしましたほか、農業信用保険協会に対して融資業務を行うのに要する資金及び保険準備資金に充てるための資金を交付し、保証保険機能の充実強化を図りました。 第九に、森林・林業施策の充実に要しました経費は三千三百十二億二千六十九万円余でありまして、森林・林業、木材産業活力回復緊急対策の推進につきましては、我が国の森林・林業、木材産業をめぐる厳しい情勢の中で、合板等の関税問題に関連して講ずることとされた「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」に基づき、その推進に努めてまいりました。そのうち木材需要の拡大推進緊急対策としまして、木材及び木造建築物の良さを普及・啓発するため、木造建築物普及促進のシンボルとなるモデル木造施設の建設等に助成いたしました。 また、木材産業体質強化緊急対策としまして、合板製造業及び製材業の新分野への事業転換、生産設備の合理化等の促進に必要な設備資金等に対する利子助成を行うために必要な資金造成等に助成いたしました。 さらに、間伐等林業活性化緊急対策としまして、要間伐森林を緊急に解消するため、間伐の事業量の拡充、間伐に必要な作業道等の整備を行いますとともに、森林組合、森林整備法人等が間伐を円滑に推進し得るよう事業運営資金の借入れに対し利子助成等をいたしましたほか、森林空間の総合利用の促進を図る事業等に助成いたしました。 林野公共事業の推進につきましては、第六次治山事業五箇年計画に基づき、治山事業を実施し、特に保安林機能強化事業を拡充し、除伐、本数調整伐等を新たに実施いたしますとともに、治山事業に要する経費の財源を国有林野事業特別会計治山勘定へ繰り入れいたしました。 また、水源林造成の円滑な推進を図るために必要な財源を森林開発公団に出資いたしました。 林業生産基盤の整備充実につきましては、民有林林道の開設・改良に助成いたしますとともに、新たに林道網緊急整備事業に助成いたしました。また、林道網の整備を主体とし、併せて生活環境の整備を総合的に行う林業地域総合整備事業等に助成いたしましたほか、森林開発公団が行う大規模林業圏開発林道事業及び特定森林地域開発林道事業に助成いたしました。 また、民有林造林事業として、森林総合整備事業等に助成いたしますとともに新たに針葉樹中心の造林から広葉樹を含めた多彩な森林造成への展開を図るためのぬき伐り、植え込み等を行う広葉樹林整備事業に助成いたしました。 林業経営の活性化につきましては、地域林業の組織化のための活動の推進、林業生産基盤及び林業経営近代化施設の整備、山村地域の環境条件の改善等を総合的に実施する新林業構造改善事業に助成いたしますとともに、新沖縄林業振興特別対策事業に助成いたしました。 また、地域林業整備育成対策事業及び、苗木の需給安定を図るための優良種苗確保対策に助成いたしましたほか、林業就業者の育成確保等を図るため、高度な技能を有する林業従事者の育成、通年雇用の促進等に資する林業従事者就労活性化対策事業を新たに実施いたしますとともに、林業後継者の育成確保対策等に助成いたしました。さらに、森林組合の育成を図るため森林組合活動強化対策事業等に助成いたしました。 山村振興と森林の総合的利用の促進につきましては、林業、林産業が重要な地位を占めている集落において、特用林産物の生産振興を中心とした総合的な集落振興を行う林産集落振興対策事業に助成いたしました。 また、国土緑化思想の高揚を図り二十一世紀を目指した緑づくりを推進するため全国植樹祭の開催、森林浴等森林の多目的な利活用促進のためのモデル計画の作成普及等に対し助成いたしましたほか、入会林野等高度利用促進対策事業に助成いたしました。 森林機能の維持増進と間伐対策の推進につきましては、森林に対して木材供給だけでなく、国土の保全・水資源のかん養機能等その有する諸機能の高度な発揮の要請に対応するための新たな森林整備指針の設定等に必要な総合的な調査を実施いたしますとともに、森林計画制度の適正な運用、保安林整備等の推進及び林地開発許可制度の適正な運用を図りましたほか、森林保全管理対策に助成いたしました。 また、間伐対策の推進を図るため、地域の主体的な取組の下に、森林整備計画に沿った間伐の計画的・集団的な実施から間伐材の流通加工、利用開発の促進に至る総合的施策を実施するための間伐促進対策事業等に助成いたしました。 さらに、松くい虫被害対策等として引き続き特別防除、伐倒駆除、特別伐倒駆除等の各種防除を実施いたしますとともに、スプリンクラー等による新たな防除方法の導入等幅広い被害対策を推進するための松くい虫被害対策促進事業を新たに実施いたしました。 木材需要の拡大と木材産業の体質改善につきましては、木材利用等に関する技術開発、市場調査等の事業を実施いたしましたほか、木材の需給及び価格の安定を図るための木材備蓄対策等に助成いたしました。 林業金融の充実につきましては、林業改善資金の貸付事業に対する助成及び国産材産業振興資金の貸付けを行いますとともに、林業信用基金に対して保証出資を行い、林業金融の円滑化を図りました。 林業技術の高度化につきましては、林業技術の改善と林業経営の合理化を図るため、林業普及指導事業に助成いたしますとともに、試験研究の充実を図りました。 海外林業協力の推進につきましては、開発途上地域等からの我が国への木材の供給の安定化に資するため、東南アジア等における森林の適正な開発及び森林造成を推進するとともに、造林資金協力を円滑に進めるための調査等に助成いたしました。 国有林野事業の改善につきましては、「国有林野事業の改善に関する計画」に即した国有林野事業の経営改善と併せて、国有林野事業における造林、林道及び林道災害復旧事業に要する資金の一部並びに治山事業に要する資金について、国有林野事業特別会計へ繰り入れいたしますとともに、職員の退職手当に係る利子に対する繰り入れをいたしました。 第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要しました経費は二千六百二十三億五千四百五十五万円余でありまして、漁業生産基盤の整備につきましては、第七次漁港整備長期計画に基づき、沿岸・沖合漁業の基地を重点として漁港施設を整備いたしますとともに、快適な漁港環境を形成するための漁港環境整備事業及び漁港施設の整備と併せて行う漁業集落環境整備事業に助成いたしました。さらに、第二次沿岸漁場整備開発計画に基づき、魚礁の設置事業、増養殖場の造成事業、沿岸漁業の保全事業及び沿岸の広域な海域において漁業生産力の積極的活用を図る海域開発基幹事業に助成いたしました。 我が国周辺水域の漁業振興につきましては、新たな観点から二百海里水域の開発の展開を図るため、水産業を核とした沿岸・沖合域の総合的な整備開発を図るための条件等に関する調査・検討事業に助成いたしますとともに、つくり育てる漁業の推進を中心とした漁業開発を促進するための新技術導入事業に助成いたしましたほか、漁況海況データの収集・解析による短期的漁場形成に関する予測、人工衛星情報の活用システムの実用化試験等を行う事業に助成いたしました。また、栽培漁業の推進を図るため、国の栽培漁業センターにおける施設整備及び種苗生産等の技術開発を推進いたしますとともに、県が行う栽培漁業センターの施設整備、栽培漁業の技術開発等について助成いたしましたほか、栽培漁業事業化促進事業に助成いたしました。また、我が国河川を母川とするさけ・ます資源の計画的な造成を図るため、国営さけ・ますふ化場の放流事業、施設整備を推進いたしましたほか、民営増殖施設、さけ・ます通路等の整備事業及び本州における放流事業に助成いたしますとともに、さけ・ます資源の質的向上を図るための調査等を実施いたしました。 さらに、沿岸漁業における適正な漁場利用と漁業経営の改善を図るための沿岸域計画営漁推進事業及び沿岸地域活性化緊急対策事業に助成いたしますとともに、我が国周辺水域における漁業・漁場のより適切な管理による資源の合理的な利用・管理を図るため、沿岸域漁業管理適正化方式開発調査を実施いたしました。また、沿岸漁業の構造を改善するため、生産条件の改善、漁村環境の整備等を総合的に行う新治岸漁業構造改善事業、第二次沿岸漁業構造改善補足整備事業及び新沖縄県水産業構造改善特別対策事業に助成いたしますとともに、地域漁業の振興を図っていくための沿岸地域活性化緊急対策事業に助成いたしました。また、内水面漁業の総合的な振興を図るため、内水面振興対策事業等に助成いたしました。また、漁業と遊漁との漁場利用の調整・適正化を図るため、遊漁者の啓発等の事業に助成いたしました。また、漁場利用協定の締結等の促進、遊漁者及び釣り船業者の組織化の指導、漁場利用調整を行う事業に助成いたしました。さらに、引き続き、漁業調整委員会等の運営について交付金を交付いたしますとともに、漁業関係法令遵守意識の醸成等を図るための研修、啓蒙普及事業に助成いたしましたほか、沿岸基幹漁業の操業実態、経営状況等の調査を実施いたしました。また、水産資源保護のため保護水面管理事業等に助成いたしました。 さらに、我が国漁業水域制度の適正な運営、沿岸及び沖合漁業取締体制の整備等を図りました。また、我が国周辺二百海里水域内の漁業資源量を迅速かつ的確に把握するための調査を実施いたしました。また、沿岸漁業等の生産性の向上及び経営の近代化を図るため、普及職員の設置等水産業改良普及事業の運営に要する基礎的な経費に交付金を交付いたしますとともに、漁業後継者対策事業等に助成いたしました。 さらに、水産業改良普及事業の効率的運営を図るため、普及活動に必要な水産業改良普及情報事業を実施いたしました。また、沿岸漁業の振興及び生産性の向上を図るため、沿岸漁業改善資金の造成等に助成いたしました。また、漁業者の老後の生活の安定を図り、漁業の担い手の確保に資するため、漁脇系統が自主的に実施する漁業者老齢福祉共済の運営に助成いたしました。 水産業経営対策の充実強化につきましては、本格的な二百海里体制の定着に伴う海外漁場の制約の増大、水産物需要の伸び悩み等内外の厳しい諸情勢に対処して、自主的かつ計画的に減船等漁業生産構造の再編整備を図ろうとする中小漁業者に対し、特定漁業生産構造再編推進事業に助成いたしますとともに、滅船に伴い必要となるとも補償資金等の融通を行いました。また、漁業経営が困難となっている中小漁業者等の経営の再建又は安定を図るため、漁業者の自助努力と関係機関の支援協力を前提とする漁業経営再建資金の利子補給に新たに助成いたしますとともに、引き続き、漁業経営維持安定資金、漁業用燃油対策特別資金等の利子補給に助成いたしましたほか、漁業近代化資金、農林漁業金融公庫資金等の融通を行いました。 さらに、中小漁業者等の漁業経営等の改善に必要な資金の融通の円滑化を図るため、都道府県が行う漁業信用基金協会に対する出資について助成いたしますとともに、中央漁業信用基金が保証保険業務の円滑な実施を確保するために必要な資金を出資いたしました。また、漁業協同組合の育成強化を図るため、都道府県が行う漁協経営指導強化対策事業等に助成いたしますとともに、漁業経営の悪化に伴い経営不振に陥っている漁業協同組合の信用事業の整備強化を図るため、漁協信用事業整備強化対策事業に助成いたしました。さらに、漁業経営の体質強化を図り、新たな技術体系を確立するため、漁業省エネルギー等新技術開発事業等に助成いたしました。 水産物の消費、価格及び流通加工対策につきましては、産地における流通加工体制を整備するため、水産物流通加工拠点総合整備事業に助成いたしますとともに、国際規制の強化、多獲性魚の生産増大等水産加工業をめぐる原料事情の変化に対処して、水産物の加工の促進と安定的供給等を図るため、水産加工施設資金及び水産加工経営改善強化資金の融通を行いました。また、水産物の価格安定を図るため、漁業生産者団体等が主要水産物に対して行う水産物調整保管事業について、財団法人魚価安定基金の資金造成に助成いたしました。さらに、水産物の消費拡大を推進するため、外食向け水産物の潜在的な需要の開拓を図り、水産物素材の安定的供給システムづくりを行う家庭外消費用水産物流通促進パイロット事業、魚食普及のネットワーク化等により魚食の普及・啓発を図る水産物食生活合理化促進事業、水産物鮮度管理流通パイロット事業等に助成いたしますとともに、魚介類有効栄養成分用技術開発事業を実施いたしました。 資源開発と海外漁場の確保につきましては、海洋水産資源開発センターが行う新漁場、新資源開発事業等に助成いたしましたほか、海外漁場における我が国漁業の操業の円滑化に資するための海外漁場操業対策事業に助成いたしますとともに、海外漁業協力事業に必要な資金の造成等を行いました。また、諸外国との漁業交渉に必要な基礎資料を得るため、各種水産生物の資源調査を実施いたしますとともに、各種条約・協定の遵守及び安全操業の確保を図るため、遠洋、北洋漁業の指導監督及び取締りを実施したほか、各国との漁業協定を実施するために必要な助成等を行いました。さらに、我が国北洋さけ・ます漁業の操業の確保と日ソ間の漁業協力を一体的に推進するため、さけ・ます漁業協力事業に助成いたしました。 漁業災害補償制度及び漁船損害等補償制度につきましては、共済掛金及び保険料の一部に助成いたしますとともに、漁業共済団体の円滑な事業運営を図るために必要な資金の貸付けを行う中央漁業信用基金に補給金の交付を行いました。 漁場環境保全対策等につきましては、赤潮対策として、珪藻赤潮によるノリの品質低下を未然に防止するための珪藻赤潮被害防止技術開発試験等を実施いたしました。また、漁業公害対策として、水銀・PCB等による魚介類汚染状況調査、重要貝類の毒化対策調査等を実施いたしましたほか、漁場環境保全総合対策事業等に助成いたしました。 さらに、原因者不明の漁場油濁による被害漁業者の救済を図るため、財団法人漁場油濁被害救済基金に助成いたしました。また、漁場環境影響対策として、浅海域における大規模開発による漁業影響監視のためのモニタリング手法確立調査及び発電施設に係る大量取水に伴う影響調査を実施いたしましたほか、漁場環境容量等検討事業に助成いたしました。 さらに、魚病対策として、指導者育成、研究等を行う魚病対策総合センター事業を実施いたしますとともに、防疫対策の実施及び関連の機器整備等を行う魚病対策補助事業等に助成いたしました。また、機能的な漁業無線施設の実現を図るための漁業用無線施設の整備事業に助成いたしました。 また、試験研究の実施につきましては、国の水産研究所等の調査研究の充実を図るとともに、都道府県水産試験場の機器整備、組織的な調査研究の推進等総合的な育成のため助成いたしました。 第十一に、その他の重要施策に要しました経費は二千八百六十六億五百九十三万円余でありまして、海岸事業の推進につきましては、第四次海岸事業五箇年計画を策定し、これに基づき、海岸保全区域における事業を実施いたしました。 農業災害補償制度につきましては、農作物共済、蚕繭共済、畑作物共済、家畜共済、果樹共済及び園芸施設共済に係る掛金国庫負担金等として九百四十六億七千四百八十五万円余を農業共済再保険特別会計へ繰り入れいたしましたほか、農業共済団体事務費等として五百四十七億六千八百九十六万円余を支出いたしました。 災害金融の円滑化につきましては、天災融資法に基づく災害営農資金等の利子補給補助として十九億三千百二十三万円余を支出いたしました。 災害対策公共事業につきましては、台風、豪雨等により被災した農地、農業用施設等の災害復旧事業について所定の事業を実施いたしました。 エネルギー対策の推進及び農業団体の整備につきましては、所定の事業を実施いたしました。 最後に、各特別会計の事業につきましては、食糧管理特別会計において、国内産米麦、輸入食糧及び輸入飼料の買入れ、売渡しの事業を実施いたしました。 国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定において、「国有林野事業の改善に関する計画」に即し、国有林野事業の経営改善を計画的に推進しているところであり、事業運営の能率化、経営、管理の適正化、収入の確保等の自主的努力を基本とし、これと財政援助とによって、国有林野事業の自主的経営の確立を図ることとし、立木及び素材の売払いのほか、造林事業、林道事業等の生産基盤の整備を実施いたしました。 治山勘定において、森林の有する公益的機能の維持増進を図るため、荒廃山地の復旧及び防止事業を重点的に推進いたしますとともに、防災林造成事業、保安林整備事業、地すべり防止事業等を実施いたしました。国有林野内治山については、その公益性にかんがみ二百五十六億七百九十二万円余を一般会計から繰り入れて実施いたしました。 農業共済再保険特別会計につきましては、農業勘定において、農業共済組合連合会等に対する補助金及び交付金、六十一年産水稲・麦等の風水害等異常災害の発生による再保険金により、支出済歳出額は二百五億四千三百三十一万円余となっております。家畜勘定においては、農業共済組合連合会等に対する交付金、乳用牛・肉用牛等の死廃及び病傷事故による再保険金により、支出済歳出額は二百四十五億六千六百二十二万円余となっております。果樹勘定においては、農業共済組合連合会に対する交付金、りんご等の風水害等異常災害の発生による再保険金等により、支出済歳出額は三十五億七千二百三十万円余となっております。園芸施設勘定においては、農業共済組合連合会に対する交付金、雪害等の発生による再保険金により、支出済歳出額は十八億六千五百八十九万円余となっております。 その他、漁船再保険及漁業共済保険、森林保険、農業経営基盤強化措置及び国営土地改良事業の各特別会計といたしましては、それぞれ所定の事業を実施いたしました。 以上、昭和六十一年度の主な事業の概要につきまして御説明申し上げました。これらの事業の執行に当たりましては、いやしくも不当な支出や非難されるべきことのないよう、常に経理等の適正な運用について、鋭意努力をしてまいりましたが、昭和六十一年度決算検査報告におきまして、不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じております。指摘を受けた事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後とも指導監督を一層徹底いたしまして、事業実施の適正化に努める所存であります。 なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 昭和六十一年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十一年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号四一号から四七号までの七件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、補助の対象とは認められないものに補助金を交付していたり、補助の目的を達していなかったり、補助事業で設置した施設を目的外に使用していたり、工事の契約処置が適切でなかったりしているものであります。 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。 これは、鶏卵価格安定対策事業の実施に関するものであります。 農林水産省では、鶏卵生産者の経営の安定を図るとともに鶏卵の需給と価格の安定に資するため、社団法人全国鶏卵価格安定基金及び社団法人全日本卵価安定基金が事業主体となって実施している鶏卵価格安定対策事業に対し、五十年度より毎年度国庫補助金を交付しており、その交付額は六十年度十三億千六百七十六万余円、六十一年度十三億千六百七十六万余円となっております。 この事業は、農林水産省が定めた事業実施要領等に基づき、基金が鶏卵価格の異常低落時に、基金に加入している鶏卵生産者に価格差補てん金を交付するもので、国は、この事業に補助することにより農林水産省が別途実施している肉畜鶏卵生産出荷調整指導事業による鶏卵の計画生産の一層の推進を図ることとしております。そして、この事業の対象となる鶏卵生産者は、採卵鶏を常時百羽以上飼養している者で、千羽以上を飼養している場合には、計画生産を遵守している者となっており、その生産する鶏卵の全量を農業協同組合等に委託販売し、基金加入に当たっては、鶏卵の生産予定数量の全量を契約することとなっております。 また、価格差補てん金は、加入生産者等の積立金及び国庫補助金により造成した交付準備金を財源として、鶏卵の各月の標準取引価格が基金が定めた基準価格を下回った場合、その差額の九〇%に相当する額に、当該月の販売実績数量又は契約対象数量のいずれか少ない方の数量を乗じて得た金額を加入生産者に交付するものであります。 今回、北海道ほか十八県における六十、六十一両年度の加入生産者延べ五千十六人、価格差補てん金交付額五十五億三百八十八万余円について、その契約状況及び価格差補てん金交付状況等について調査いたしましたところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられました。 すなわち、 (一) 計画生産を遵守していない加入生産者延べ九百十九人 (二) 鶏卵の生産予定数量の全量を契約していない加入生産者延べ二千三十三人 (三) 生産した鶏卵の全量又は一部を農業協同組合等以外に販売している加入生産者延べ二千六十八人 (四) 価格差補てん金が過大に交付されている加入生産者延べ千十三人 となっておりました。 このほか、各基金別に都道府県ごとの各月販売実績数量の合計が契約対象数の合計の一〇五%を超えたりなどした場合、当該基金の加入生産者には価格差補てん金を交付しないこととなっておりますが、これに該当しているのに価格差補てん金が交付されているものもありました。 このような事態は、国が定めた事業実施要領等に沿わないものとなっていて、計画生産の推進に寄与しておらず事業が適切に実施されているとは認められないものであり、これら不適切な事態について、重複している加入生産者分を除いて集計いたしますと、加入生産者は延べ四千九百八十人で、これらの者に対する価格差補てん金交付額は五十四億二千五百四十四万余円、これに係る国庫補助金相当額は約十億二千五百万円に上る状況であります。 したがいまして、農林水産省において、本件事業を見直し、本制度への加入及び価格差補てん金の交付についての審査体制を強化するなどして、価格安定対策事業としての計画生産の推進を図るとともに、補助事業の実施の適正を期するよう改善の処置を要求いたしたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 その一は、農林漁業金融公庫における自作農維持資金(災害資金)等の貸付けに関するものであります。 農林水産省では、災害により農作物等に損害を受けた農業者、沿岸漁業者等に対して、自作農維持資金(災害資金)及び沿岸漁業経営安定資金(災害資金)の貸付けを農林漁業金融公庫に行わせております。 この資金は、自作農維持資金融通法等の規定に基づき、いずれも災害により農作物等に損害を受けた農業者等が農地、漁船等の経営上必要な資産の売却等をしなければ、その経営の維持に必要な資金の調達が困難な場合に市町村長が証明する災害証明書、都道府県の認定等に基づいて貸付決定を行い、受託金融機関又は漁業協同組合等を通じて借入希望者に貸し付けられるものでありまして、貸付対象の範囲は、今後の経営の続行が可能な程度の経営再建費及び農作物等の減収額のうち他の制度金融、共済、補助等では補てんされないものとされており、貸付限度額は原則として百五十万円となっております。 今回この資金の貸付けについて検査いたしましたところ、 (一) 貸付けの対象者とならないものに貸し付けているもの (二) 貸付限度額を超えて貸し付けているもの (三) もともと平年以上の収入を上げていて減収が生じていなかったり、災害時には減収が予想されたもののその後の作況、市況の変化等により減収が生じなかったり、実際の減収額が災害証明書に記載された額より少なかったりなどしているため、所要額を超えて貸し付けているもの (四) 農業共済、漁業共済による補てんあるいは天災資金の融資等があるのにないこととしていたり、これらの補てん等が災害時に見込んだ額以上に行われるようになったりしたなどのため、所要額を超えて貸し付けているもの など災害資金の制度の趣旨に則さない貸付けとなっておりますものが、自作農維持資金につきまして延べ五千三百八十農業者等分約三十億四千八百万円、沿岸漁業経営安定資金につきまして二十八漁業協同組合等(転貸先延べ千五百四十二漁業者)分約十億六千万円、計四十一億八百万円見受けられた状況であります。 この点について当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、六十二年十一月に通達を発し、都道府県等の関係各機関において貸付けに関する審査、相互の連絡等の業務が的確に実施されるようにするとともに、貸付け後の減収額、農業共済等による補てん、天災資金等の融資の実績により公庫が所要の措置を執ることができるよう制度の整備を図ることとする処置を講じたものであります。 その二は、土地改良事業における換地業務に関する国庫補助金の経理に関するものであります。 農林水産省では、都道府県等が事業主体となって実施する換地処分を伴うほ場整備事業等について、換地業務に要した費用に対して国庫補助金を交付しております。 この換地処分は、土地改良法に基づき、ほ場整備事業等の工事前の区画の土地と工事後の区画の土地とを法律上全く同一のものとみなすことによって、その間における権利の帰属関係を一挙に確定するための制度であります。 今回青森県ほか二十四府県及び管下市町村等が実施した換地処分を伴うほ場整備事業等で、五十年度から六十一年度までに工事が完了した五千四百六十八事業について、換地業務の実施状況及び国庫補助金の経理を調査いたしましたところ適切でない事態が見受けられました。 すなわち、この五千四百六十八事業の七千六百四十三換地工区のうち、六百三十八換地工区の事業を実施した三百五十二事業主体においては、すべての換地業務が完了したとして国庫補助金の全額の交付を受け、補助事業等実績報告書を提出し、国庫補助金の額の確定を受けておりますが、実際は換地処分登記がなされておらず、その経理が著しく適切を欠いていると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、六十二年十一月に換地業務の適正かつ円滑な実施を図るため換地業務指導等要領を定め、経理の適正化を図ることとする処置を講じたものであります。 その三は、畜産振興事業団の補助による畜産特別資金利子補給事業の実施に関するものであります。 農林水産省では、畜産物の価格安定等に関する法律に基づく指定助成対象事業の一環として、農業協同組合等の融資機関が畜産経営の改善安定等のために必要な低利資金を畜産経営者に融通した場合、社団法人中央畜産会に農業協同組合等への利子補給を行わせることとし、これに必要な資金の全額を畜産振興事業団に補助させております。 そして、中央畜産会では、五十六年度から六十一年度までの間に、利子補給の対象となっております酪農経営負債整理資金及び肉畜経営改善資金に係る利子補給金を畜産経営者延べ一万九千六百三十四人分として百六十二億五千九百九十四万余円交付しておりますが、今回、このうち北海道ほか二十三府県における三百五十二農業協同組合等に交付した利子補給金九十四億五千五百十八万余円に係る畜産経営者五千四百十九人について調査いたしましたところ、利子補給の対象となっている畜産経営者が経営を中止しているのに、その後も引き続き利子補給金が交付されているものが三百八十一人分あり、これらの者の経営中止後の利子補給金交付額一億九千百七十九万余円は不適切となっており、ひいては畜産振興事業団の補助の目的に沿わない結果になっていると認められました。 このような事態を生じているのは、農林水産省において、利子補給の対象となっている畜産経営者が経営を中止した場合の取扱いについて明確な方針を示していなかったことなどによるものであると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、六十二年十月に、事業実施要綱等において、経営中止者については利子補給金の交付を行わないようにする旨の改正を行うなどして、利子補給金交付の適正化を図ることとする処置を講じたものであります。 なお、以上のほか、昭和六十年度決算検査報告に掲記いたしましたように、地区再編農業構造改善事業の効果、農業機械の導入に対する補助及び増養殖場造成事業の実施について、それぞれ意見を表示いたし又は処置を要求いたしましたが、これらに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。 以上をもって概要の説明を終わります。 ───────────── 昭和六十一年度農林漁業金融公庫業務概況 昭和六十一年度における農林漁業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げます。 国においては、生産性の高い農林水産業を実現し、国民の需要に応じた農林水産物の安定供給を図ることを基本として諸施策が展開されました。 こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。 昭和六十一年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は、六千五百億円を予定いたしました。 これに対する貸付決定額は、五千二百二十六億千七百五十二万円となり、前年度実績と比較して百七十四億五百二十二万円余の増加となりました。 この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと 一、農業部門 三千六百七十二億七千八百六万円余 二、林業部門 五百六十四億七千四百六十五万円余 三、水産業部門 八百五十八億七千二百九十九万円余 四、その他部門 百二十九億九千百八十万円余 となりまして、農業部門が全体の七十・三%を占めております。 次に昭和六十一年度の貸付資金の交付額は四千四百七十億八千二百九十六万円余となりまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金三千九百七十七億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金二百八十億円、並びに、貸付回収金等二百十三億八千二百九十六万円余をもって充当いたしました。 この結果、昭和六十一年度末における貸付金残高は五兆千七百二億七千六百一万円余となりまして、前年度末残高に比べて百三十八億四百三十六万円余、〇・三%の増加となりました。 貸付金の延滞状況につきましては、昭和六十一年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は三百三十六億八千百九十四万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百七億八千百五十一万円余となっております。 次に昭和六十一年度における収入支出決算の状況について御説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額四千二十二億二千八百八十六万円余に対し四千四億七千四百八十六万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額四千九十三億九千二百五十七万円余に対し三千九百七十四億七千三百三十九万円余となり、支出に対し収入が三十億百四十七万円余多くなっております。 最後に、昭和六十一年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は五千七十七億二千九百七十三万円余、借入金利息等の総損失は五千七十七億二千九百七十三万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。 これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、昭和六十一年度決算検査報告におきまして、農業基盤整備資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。 以上が、昭和六十一年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 昭和六十一年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十一年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項九件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号一〇八号から一一六号までの九件は、農業基盤整備資金等の貸付けが不当と認められるものであります。 この資金貸付事業は、農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありまして、農業基盤整備資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや報告がなされていたり、借入者から貸付対象施設の処分についての申出がなされていたりしているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付対象とならない事業に貸し付けていたり、貸付金額を過大に算定していたり、貸付対象施設の処分に伴う貸付金の繰上償還の措置を執っていなかったりしているものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、自作農維持資金(災害資金)等の貸付けに関するものであります。 農林水産省では、災害により農作物等に損害を受けた農業者、沿岸漁業者等に対して、自作農維持資金(災害資金)及び沿岸漁業経営安定資金(災害資金)の貸付けを農林漁業金融公庫に行わせております。 この資金の貸付けについて検査いたしましたところ、貸付限度額や所要額を超えて貸し付けているなどしていて、制度の趣旨に則さない貸付けとなっておりますものが、自作農維持資金につきまして延べ五千三百八十農業者等分約三十億四千八百万円、沿岸漁業経営安定資金につきまして二十八漁業協同組合等(転貸先延べ千五百四十二漁業者)分約十億六千万円、計四十一億八百万円見受けられた状況であります。 これらの事態が生じましたのは、農林水産省における都道府県等の関係各機関に対する指導、監督が十分でなかったことなどによりますが、農林漁業金融公庫においても、貸付けに当たっての関係各機関との連携及び審査が十分でなかったことによるものと認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、農林漁業金融公庫では、農林水産省の通達等を受けて関係各機関との連携強化を図るとともに、審査体制の整備を図ることとする処置を講じたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 ─────────────
○中村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。魚住汎英君。
○魚住委員 おはようございます。きょうは、農林大臣初め日ごろそれぞれの所管におきまして一生懸命頑張っていただいておる皆さんに御質問をさせていただくわけでありますが、日ごろの御労苦に心から感謝を申し上げたいと思います。特に優秀な農林大臣、私は尊敬しておるわけでありまして、きょうはどうぞひとつすばらしい御答弁がいただけるようにお願いを申し上げておきたいと思います。 まず最初に、私どもが今住まっております熊本県でありますが、全国で七十七の活火山があるわけでありますけれども、その活火山の活動の中で特に阿蘇山が大変活発な活動を今日やっております。そのようなことに基づいて、国土庁においていろいろと全国七十七カ所の降灰対策、それぞれ独自なものが確立をされておると思いますが、どのようなものがあるかお知らせをいただきたいと思います。
○床井説明員 政府の降灰対策は、主として活動火山対策特別措置法に基づいて実施されております。具体的には、市町村が行う道路、下水道、宅地等の降灰除去事業や教育施設等における空調設備等の降灰防除施設整備事業への補助、防災営農施設等整備計画に基づく事業に対する補助等の対策がとられております。
○魚住委員 具体的なメニュー等についてもお伺いをしたいわけでありますが、一応今のお話の中に総括されると思いますので、農林大臣及び農林省にお伺いします。 阿蘇山は、昭和四十九年、五十四年に続き、本年も七月から大変活発な活動をしているのは御承知のとおりでございます。その中におきまして農産物の被害が大変大きなわけでありますし、また農林漁業者だけではなくて中小企業、特にまた地域内に済むいわゆる地域住民の健康の問題でありますとか学校、児童生徒の問題でありますとか、いろいろな人たちが大変な被害を受けておるわけでありますが、農林省におきまして農林漁業関係の被害の状況がわかっておればお聞かせをいただきたいと思います。
○川合政府委員 今委員から御指摘ございましたように、阿蘇中岳は本年七月、四年ぶりに噴火いたしまして以降、噴火回数三十数回を数える活動を続けております。このため、熊本県阿蘇郡を中心しとして降灰による農林漁業関係の被害が発生しております。 現在までに判明しております被害額は、県からの報告によりますと、熊本県は約五億三千万円、宮崎県が約四千万円、計五億七千万円となっております。被害の内訳は、野菜などを中心とした農作物被害が五億二千万円、シイタケなどの特用林産物が五千万円ということになっております。このほか畜産関係、内水面漁業関係にも影響が出ているという報告を受けております。
○魚住委員 それだけの被害を把握しておられることに対して、当面の緊急対策としての生活資金、営農資金等の手当てが必要であろうかと思います。各種制度資金の所要資金枠の確保でありますとか、既に借り入れておる農林漁業公庫資金等の制度資金の償還条件の緩和でありますとか、それらの指導をすべきだと思うわけであります。とりわけ、年末を控えておりまして、予定をした収入というものが得られない、そういうような生産農家にとっては大変な打撃であることは今お話があったとおりであるわけでありますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○鹿野国務大臣 被害農業者等に対します制度資金といたしましては農林漁業金融公庫の自作農維持資金等がございまして、これら資金の融資枠が確保されますように適切に対処してまいりたい、このように考えておるところであります。 また、既に貸し付けをいたしておりますところの資金の償還条件の緩和、ただいま先生が申された問題等々につきましては既に関係方面に対しまして指示したところでありまして、この趣旨の徹底が図られるよう十分指導してまいりたい、このように考えております。
○魚住委員 ぜひ早急な対策をお願いしておきたいと思います。今も申し上げましたように、もう年末もすぐ目の前であります。特に越年資金等についての困窮度というのははかり知れないものがあろうかと思います。そのようなことで、ぜひひとつ迅速に、しかも確実に今御答弁がありましたような形で対処していただきますようにお願い申し上げたいと思います。 次に、農業共済金の早期支払いを指導するとともに、降灰防止のための雨よけ施設等についても、現在は園芸施設共済の対象に入っておりませんが、聞き及びますところによれば検討がなされておるということのようでございますが、状況をお知らせいただきたいと思います。
○塩飽政府委員 お答え申し上げます。 七月以降の阿蘇火山活動によります降灰による被害に絡んでの共済金の支払いの問題でございますけれども、養蚕関係あるいはビニールハウスによる経営の関係で、私どもの方の関係の共済関係団体におきましてその被害状況を調査をしていただいているわけでございます。できるだけ早くこの被害の的確な把握をやっていただきまして、農家が期待をされております共済金の支払いができるだけ早く行われるように私どもも関係の共済団体に指導をお願いしているところでございます。御案内のように制度はきちっともうでき上がっておりますので、被害状況さえ把握できれば、できるだけ早く共済金の支払いができる体制がございますので、そういうことが実行に移されるように共済団体に対する指導に万全を期したいと思います。 それから、雨よけ施設についての関連でございますけれども、園芸施設関係では、現在は共済の対象となります施設は、その施設内の農作物の成育条件を一定の施設によりまして調節し、管理し、栽培ができるような施設ということになっておりまして、具体的にはプラスチックによるハウス栽培あるいはガラス室によるハウス、そういったものが対象になっておるわけでございまして、先生の方からお話のございました雨よけ施設は現在では対象にはなっていないわけでございます。私どもも、雨よけ施設が全国でかなり出てきているという実態も承知をいたしておりますが、共済対象とするかどうかについては、先ほど申し上げたようなガラス室等に対する取り組みとの関連もございますので、栽培の実態あるいは保険の需要、被害の発生態様などを十分調査させていただきまして、今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○魚住委員 施設園芸の場合、当地域においての施設は今お答えをいただいたもの以外のものがほとんどであります。非常に生産性の低い地域でありますから、特に今お答えのありましたプラスチックでありますとかガラスでありますとか、これは恒久的な施設ということでもちろん課税対象の枠も違いますし、そういうようなことからいたしまして、現在の制度自体が果たして万全なものであるかというようなことは、ここで論議をするまでもなく御承知のことだと思います。ぜひひとつ実情にかんがみて共済の枠内に入るように御努力をいただきたい、要望を申し上げておきたいと思います。 次に、火山活動は今後とも継続をすると思われますので、活動火山特別措置法の規定に基づく防災営農施設整備計画を策定し、ビニールハウス等の被覆施設や野菜洗浄機等を整備する降灰防止降灰除去施設等整備事業や、降灰地域土壌等矯正事業をやってほしい、こういう要望がたくさん出ておるわけであります。いかがなものでございましょうか。
○片桐政府委員 先生御指摘の活動火山対策特別措置法第八条の規定に基づきます防災営農施設整備事業につきましては、火山活動がある程度継続するというふうに見込まれるとともに、また火山活動による農作物の被害が一定の基準以上に達している場合に実施するということにいたしている次第でございます。 阿蘇火山はことしの七月から活動が活発化して、現在もなお活動を繰り返しているという状況にあるわけでございますけれども、農林水産省といたしましては引き続き被害状況の掌握に努めるとともに、熊本県とか関係市町村等とも連携をとりながら、今後の阿蘇火山の活動の状況を注意深く見守っていきたい、必要に応じてこの事業を発動することにしたいというふうに考えている次第でございます。
○魚住委員 七月からこういうような実際の活動のもとに被害が出ておるわけでありますから、もう既に五カ月たつわけであります。県の方といたしましても近々国に対して陳情等があろうかと思うわけでありますけれども、何よりも基礎数字は把握をして、その上に立った防災並びにその他の援助体制というのができていくのは当たり前でありますが、もう私何度も申し上げるわけですけれども、ぜひひとつ健やかな越年ができるようにとの御配慮でやっていただきたいと思うわけであります。 続いて、降灰影響により他作物への転換が極めて困難である、こう思われますし、そういうようなことからいたしまして、水田農業確立後期対策の転作等目標面積の軽減は講じられないものかということをお尋ねいたしたいと思います。
○松山政府委員 水田農業確立対策の後期対策の転作等目標面積の配分につきましては、一定の基準に基づきました上で算定をいたし、生産者団体とも協議、調整を行いました上で、実はきのう配分を行わせていただきました。ちなみに、熊本県の目標面積は二万四千五百二十ヘクタールという数字でお示しをきせていただきましたが、六十三年の転作等の実績との対比で申し上げますれば、一千ヘクタール程度低い数字に相なっております。これから、県から市町村あるいは市町村から農家へと目標面積の配分が進むわけでございますが、その場合、農業団体と十分協議して一緒に行うという仕組みに相なっております。私どもといたしましては都道府県知事なり市町村長なりが、御指摘がございましたような地域の実態も含めながら、適切な配分が行われることを期待いたしておる次第でございます。
○魚住委員 降灰ですべての作物がだめになる、そういう中で水田をどうだ、こうだという話をしても始まらないわけでありますが、やはり今の農作物の現状から見て一番安定的なということになりますと米作ということになるわけであります。そういうようなことからいたしまして、ぜひひとつ特別なおぼしめしをもちまして県ないし市町村を御指導いただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、今後の天候次第では土石流等の災害も予測をされるわけでありまして、これを未然に防止するため第七次民有林治山事業五カ年計画に基づいて治山事業の積極的実施を講ずべきであると思いますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○鹿野国務大臣 阿蘇地域の治山事業につきましては、第七次治山事業五カ年計画、これは昭和六十二年度から平成三年度まででございますが、それに基づきまして計画的に実施をいたしておるところであります。 今回の阿蘇火山活動に伴う降灰による土石流災害の未然防止につきましては、降灰の堆積状況等を踏まえて必要な治山事業をこれからも実施してまいりたい、このように考えております。
○魚住委員 農業関係の被害者というのが一番多い。それに関連して、林業にいたしましても水産業にしましても同じような被害が発生しておることは、それぞれのお立場での御答弁でわかったわけでありますが、ぜひひとつ的確に被害の状況を把握されまして、このような状況がいつまでも続くとは考えられませんけれども、こういうような人間の英知でははかり知ることのできない状況であるということをしっかり肝に銘記していただいて、先ほど申し上げましたように適切なる措置をお願い申し上げたいと思います。 次に、自治省にお尋ねいたしますが、各市町村はこの降灰による対応のために大変な負担増になっておるわけでありますが、それらの負担増につきましては、特に特別交付税の増額配分等の措置を講じてほしい、こういうような要求があるわけでありまして、各市町村今までなかったような本年の災害でございますので、私自身もその実情をよく知っておるわけであります。現在考えておられます措置があれば、またなお今後そのような適切な措置があれば、お尋ねをいたしたいと思います。
○山口説明員 お答えいたします。 火山活動によりまして被害を受けた地方公共団体につきましては、降灰除去事業などさまざまな財政負担が生ずるものと見込まれておる次第でございます。 そのうち災害復旧事業に該当しますものにつきましては、地方債につきまして他の事業に比べ高い充当率を適用し、その元利償還につきまして普通交付税に算入するという仕組みをとっておるところでございます。また、これ以外の地方負担につきましては、県の方からよく事情を聞きまして、それぞれの団体の財政事情、そのほか諸般の情勢を勘案しながら、それぞれの財政運営に支障が生じないよう特別交付税の配分などを通じて適切に対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○魚住委員 次に、学校施設関係も通常の学校活動ができずに困っております。特に、校舎等が閉め切られておる、こういうことで普通の状態とは大変違うわけでありますが、学校関係の防除施設整備事業なりなんなりでいろいろな事業があろうかと思います。また学校の施設の中でも、校舎、プールそして運動場、いろいろなものがあるわけですが、それらについて、現在制度があればお知らせをいただきたいと思いますし、状況を踏まえてそれらに対処するお考えがあるかどうかもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○伊田説明員 お答え申し上げます。 火山の降灰対策といたしまして、公立学校の施策といたしましては、学校施設の不燃堅牢化、それから降灰防除施設の整備、それから降灰除去事業に対しまして関係法令等に基づきまして国庫補助を行っている次第でございます。 まず学校施設の不燃堅牢化でございますが、木造建物の鉄筋化の問題でございますけれども、活動火山対策特別措置法に基づきまして、整備計画の中で、不燃堅牢化を図る必要がある公立小中学校の建物の改築につきまして二分の一の国庫補助をしております。それから降灰防除施設の整備の関係でございますが、同じく特別措置法に基づきまして、降灰防除地域の指定を受けている地域の公立の学校、小中高等学校等でございますが、これらにつきまして降灰防除事業、すなわち校舎や体育館の窓枠を取りかえたり、それから空気調和設備の取りつけをしたり、そういう事業でございますけれども、こういう事業に対しまして同法に基づきまして国庫補助を行うこととしている次第でございます。 それからさらに公立学校におきます降灰の除去事業、すなわち校舎、校庭に降りました火山灰を取り除くための事業につきましても一定の助成を行うこととしている次第でございます。 それから今御指摘ありましたプール等の関係でございますが、公立の小中学校等の水泳プールを降灰から守るために上屋の整備を行ったり、それからプール内の降灰を除去するためのプールクリーナーというのがございますが、プールクリーナーの購入に対しても一定の助成を行うこととしている次第でございます。 文部省といたしましては、このように学校教育の円滑な実施を確保するために、火山の降灰に対しましていろいろな施策を行っている、そういうことでございまして、今後とも適切に対処していきたい考えでおります。
○魚住委員 まだそのほかに、健康対策でありますとか中小企業対策でありますとか、一番最初に申し上げましたように、そこに住む地域住民のそれぞれの立場というものが大変困窮の状態にあるということをぜひ御認識をいただきまして、それぞれのお立場で最善の努力をしていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、農林大臣及び農林水産省にお尋ねをいたしますが、私は農林水産省組織関係法令集、こういうのを持って、読んでみましたら、農林大臣調査役という役職をポスターに書いて盛んに使っておられる方がいらっしゃるわけでありますが、どこの関係法令を見ましても調査役という職名はないように思うのですが、実態はいかがなものか、お知らせをいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 お答えいたします。 農林水産省職員の職名につきましては、農林水産省の設置法とかあるいは設置法に基づきます政省令で規定されているわけでございますけれども、御指摘のように大臣調査役という職名はございません。
○魚住委員 そういうような職名はないということでありますので、それで私は了解をするわけでありますが、そのような形であちらこちらで、いわゆる組織を挙げていかにも農林省の意向を受けてと、こういう形で一般の有権者の方からとられるような活動がなされておるということはまことに遺憾であると思います。これは議論を深めていけば官位詐称なりなんなりというような形になるのじゃないか、こう思います。私はここでそういうようなことを取り上げて申し上げようとは思いませんが、ぜひひとつ皆さん方の方で、そのような省ぐるみで一人の人間をというような形での選挙運動等があるとすればこれはまさに忌むべきことでありまして、その辺のことをしっかりわきまえて今後に処していただくように御要望を申し上げておきたいと思います。 いずれにしましても、公と私の使い道を間違えたそういうような姿勢で政治に臨むということであれば、これはまたまさに国民を冒涜するものであり、その組織を冒涜するものである、私はそう思います。具体的な名前を申し上げるのはここでは差し控えますけれども、現に何代か前の農林大臣、まだ今現存しておられるようでありますが、その方の調査役という立場であちらこちらにポスターが張ってあったり、また省を挙げての応援であるというような形で有権者の皆さん方に誤解をされる、こういうような形になりますと、本来の農林省の役目自体がまことに曲解をされ、せっかくまじめにやっておられる皆さん方の姿勢すらも疑われる、こういうようなことになるわけでありますから、どうぞひとつお気づきの点があれば指示をしていただき、なおかつ、具体的に組織を挙げていろいろな指示がなされておることも仄聞をしておるわけでありますけれども、そういうようなことがあるとすればひとつ戒めもしていただきたい、こういう要望を申し上げて、時間でございますので終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○中村委員長 次に、小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、最初に、中央競馬会が岡山市の新福町場外馬券売り場の設置の問題についてどのように対処されているかということについて、中央競馬会の理事長並びに農林水産大臣に質問をいたしたいと思います。 現在、岡山市におきまして新福町と千日前と場外馬券売り場について二カ所併設という話がございますが、これは事実でございましょうか。
○澤邉参考人 岡山市の新福町に場外馬券の発売所を設けることにつきまして、いろいろ混乱を来しておりますことを私ども非常に憂慮しているところでございますが、ただいまお尋ねの二カ所設置する案につきましては、今問題になっております新福町は、五十九年ごろから要請がございましてその話が進んでおったわけでございますが、六十一年になりまして、市内の中心部でございます表町にも場外発売所をつくりたいという要望が地元から出てまいりましたが、当時新福町が先行して話が進んでおりましたために、また場所が狭くて交通条件についても難があるということでお断りをした経緯がございます。 その後、御承知のように新福町がいろいろもめておりまして、設置につきまして地元が対立をしておるということがございまして、両地区の誘致者その他関係者から、新福町だけではなしに、表町と同時に併設をすることによって新福町の交通問題等の緩和にも役立つことでもあるので、併設について考えてほしいという要請が参りまして、私ども、当時二カ所つくらなければいかぬといった問題もございましたけれども、新福町がああいうような状態にもなっておりますので、もし両者において話し合いができ、また地元の方の御了解も得られるということならば検討できるのではないかという御返事を申し上げたわけでございます。 したがいまして、そのような抗争が地元にはあるということでございますが、私どもとしては地域の調整ができるという前提で、その段階で考えていきたいというふうに思っているのが現状でございます。
○小川(国)委員 私どもは、現状一つの新設をめぐって紛糾しておりますときに、さらに交通渋滞の問題とかあるいは従来却下された経過があるものがなぜ急浮上をしてきたのか、ここのところには多少疑問を持っておるわけでありますが、当面この問題については今後の推移を見守るということにいたしまして、現在、新福町の予定地につきましては、業者が農水省の承認もないのに一方的に工事を進めているわけです。中央競馬会として許可のない売り場の建設は中止させるべきではないか、こういうような思うのですが、中止の勧告はしておられるのでございましょうか。
○澤邉参考人 新福町におきます場外発売所の譲致者であります株式会社日隈がたしか昨年の十月ごろから着工に入っておりまして、現在は建物の躯体といいますか、外側まで来たというような段階に来ておると思っております。私どもとしましては、その前から一たん地元町内会の同意を得ましたものの、その後市議会で、六十二年の五月でございましたか、反対決議がございましたので、そういう事態でございますので着工は好ましくないということで、数次にわたりまして再三注意をいたしておりますが、誘致者は、建築確認も得たことであるので、自分の判断で、責任でやるのだということで工事を昨年の秋以来続けまして、先ほど言いましたような現状に至っておるわけでございます。 私どもといたしましては、地元の調整を得るためには工事を着工するということは好ましくないという考えは、今でもそのように考えておりますけれども、ただ、私ども、建築そのものを差しとめるという権限はございませんので、何回も注意をいたしておるところでございまして、今後もそのような注意は続けてまいりたいというふうに思っております。
○小川(国)委員 その御注意は文書でなされておりますか、口頭でなされておりますか、それから何回行われておりますか。
○澤邉参考人 文書でもやっておりますし、口頭でもやっております。口頭を含めますと何回というのは今正確にお答えはできませんけれども、七、八回は文書と両方含めますとやっておると思います。
○小川(国)委員 文書の趣旨はどういうような御趣旨でございますか。
○澤邉参考人 地元で紛糾して対立が続いている現状において、なるべく円満に地元の同意をとる、調整を終わるということのためには、現在調整の事前に建物を着工するというのはかえって地元調整を難しくするのではないだろうか、また、つくってみてもむだになるかもしれぬよ、これは誘致者側の話でございますけれども、そういうときの責任も持てないことでもあるし好ましくないという趣旨で文書を出し、また口頭で注意をしておるところでございます。
○小川(国)委員 新福町の場外馬券売り場の設計書は中央競馬会から出されたものと伺っておりますが、この点は事実でございますか。
○澤邉参考人 ほかの例でも同じでございますけれども、誘致者が地元調整を整えていただいて施設をつくっていただけば、市場調査はもちろんやった上でのことでございますけれども、私どもとしましては進出をしたいと思うということから話が始まるわけでございますが、その際、しからば、もし調整が終わった場合にはどういうような建物をつくったらいいのかということは、特殊な建物でございますから、私の方で基本設計をした上で、これは専門の業者に頼むわけでございますが、それを誘致者にお渡しをする、大体こういうものをつくっていただければ、地元調整が終われば私どもは進出することを考えてもいい、こういう趣旨で、その段階で基本設計書を渡しております。 そうしますと、誘致者においては実施計画、実施設計というものを専門の設計業者に頼んで発注をしてつくる。しかし、実際に建物を建築する場合には基本設計だけあるいは実施設計だけでは無理でございますので、実施設計をつくった設計会社が工事の途中で協議をしながら具体的な細部の設備、内装等を決めていく、その段階で私どもも当然協議を受けながらやっていくわけでございます。そういう協議は設計業者も私どもも現在一切やっておりませんし、現状のままで続く限りやるつもりもございません。
○小川(国)委員 その設計書は、いつごろどこから渡されたのでございましょうか。
○澤邉参考人 話が出ましたのは五十九年でございますけれども、その後やや進んだ段階、六十年の段階で私の方から株式会社日隈に基本設計書を渡しております。
○小川(国)委員 それは、担当者はどこでございますか。
○澤邉参考人 私どもに場外調査室というのがございますから、そこがみずから基本設計書をつくったというよりは、専門の業者に相談しながら基本設計書をつくったものを手渡しておる、こういうことでございます。
○小川(国)委員 その際、何らかの契約書とか口頭の約束とかそういうものが交わされたという事実はございますか。
○澤邉参考人 そういう契約書というのは一切ございません。先ほど申しましたように、地元調整が終われば、そしてまた私どもの期待する建築物が完成すれば、私どもが進出することを考える用意がある、こういうことは口頭ではもちろん言っておりますけれども、契約書を取り交わすというようなことは一切しておりません。
○小川(国)委員 そうすると、条件としては地元調整が終わるということと期待する建物が完成すればということと二つある、こういうことでございますか。
○澤邉参考人 そのほかまだ警察協議とか交通問題、治安問題、いろいろございますのでそれだけではございませんけれども、おっしゃる点も終わらなければ最終的に設置の承認を農林水産省に提出するまでには至らない、こういうことでございます。
○小川(国)委員 そうすると、地元調整が終わればということが一つと、期待する建物が完成すればということになりますと、地元調整が一方で進んでいる中でまた期待する建物が完成すればということになると、地元が紛糾している状況の中で建物の完成を認めていくということになりませんか。
○澤邉参考人 建物完成といいますのは躯体ができるだけではだめでございまして、特殊な建築物でございますから、中の内装をどうするかとか、あるいは発売の窓口をどういう格好にするのかとか、場所をどこに置くのかとか、幾つ窓をつくるのかとか、こういうことは基本設計で概略のことはありますけれども、細部は施工監理の段階で施設会社、私ども、それから誘致者というのが相談をしながら決めていくのが例でございまして、それができない限り私どもの期待する建物が完成しない、建物自体はできても、私どもの使い勝手のいい、我々の期待するものができ上がるはずがない、こういうふうに思っておるのです。
○小川(国)委員 しかし、地元調整が暗礁に乗り上げている現状の中で建物の建設が進められていくということは、やはりこれは非常にゆゆしい問題じゃないかというふうに思うのですね。本来なら地元調整ができて協議が整って円満に解決した、こういう段階で工事の建設、着工を認めるならまだしも、地元が大変混乱している状況の中で一つの建設の着工、進行を認めていくということは、やはり役所のあり方として非常に好ましくない、こういうふうに考えるわけですね。 それから、もし地元調整ができなくて、地元の岡山市議会の反対決議があり、地元町内会の過半数の反対があり、これができないという事態になったときには、今度は建設を認めてきた中央競馬会に対して業者の側から損害賠償の訴訟が起こっても、それを認めてきたという当事者の立場に立てば損害賠償の責めに応じなければならない、こういう事態も発生しかねないと思いますが、そういう事態をお考えになっていらっしゃるのかどうか。
○澤邉参考人 先ほどもお答えしましたように、私ども、建築を進めることが望ましいと思ってないので何回も注意をして繰り返してきたわけで、また、他の場外発売所を建築する場合も、今おっしゃいましたように警察協議まで終わって申請して承認が終わってから着工するというのが普通でございます。そうでなければ業者としても非常にリスクがあるわけです。したがいまして、私どもとしては、今回の件につきましては、誘致者に対しまして工事の着工を見合わせるようにということを何回も注意をしているわけでございますけれども、ただ私どもの権限といたしまして建物の着工、建設自体をとめる権限はございませんので、そういう今のような事態になっておるわけでございます。 できた場合にどうなるか、損害賠償を請求されるのではないかということは、相手がどう考えているかは別といたしまして、私どもはそういう責任はないというように考えております。
○小川(国)委員 いかなる状況があっても、損害賠償請求の訴えを起こさせるような瑕疵なりそういう言質を与えるような、あるいは訴えの素因となるような状況は中央競馬会側にはない、こういうふうに判断してよろしいですか。
○澤邉参考人 そのように考えております。
○小川(国)委員 しかし、万一そういう事態が起こった場合は、その辺の対処はきちんとできるのでございますか。
○澤邉参考人 私どもその辺はちょっと問題点だと思いまして、慎重に責任を問われないようにということを念頭に置きながら、工事をやめるときにも先ほどお答えしましたように一つの理由として、もし仮につくってもリスクは我が方は一切負わないよということは何回も繰り返し伝えておりますし、その意図ははっきり、相手は賛成するかどうかは別として、我が方の意図は伝わっていると思います。
○小川(国)委員 それは文書でなされておりますか。
○澤邉参考人 文書でもそういう趣旨のことを書いております。
○小川(国)委員 これは農水省の方にも伺いたいのですが、そういうように地元調整が整わない段階の中で、しかもそういうものを進めていっても使わない場合のリスクは当方としては負えない、常識的には、地元調整ができない限りは中止すべき案件の内容であるにもかかわらず強行している業者に対して、農水省として何らかの指導とか監督とか中止命令を出すべき段階ではないか、こういうふうに考えるのでございますが、大臣、いかがでございますか。
○岩崎政府委員 先生ただいま御指摘がございましたように、地元の調整が十分行われていないという段階でございますので、私どもといたしましては、競馬会の方から申請が出されるような状況でもないし、また申請が出されましても承認できる状況ではないということは明確に申し上げているところでございます。また、工事中止の問題につきましても、競馬会を通じまして指導するようにということで、競馬会の方にも十分再三にわたりまして指導している、こういう段階でございます。
○鹿野国務大臣 現在のような状況のもとで建設工事を続けても承認されるような事態にないということは明確に申し上げられるところでありまして、工事の中止についてさらに強力に中央競馬会を指導する考えであります。
○小川(国)委員 大臣から、工事の中止についても競馬会を通じて強くやっていただける、こういうことでございます。それについては、そういう大臣の決意というものが十分競馬会を通じて現地に徹底するように、よりそれを深めていただきたい、こういうふうに考えます。 特に、私ども今までの経過を振り返ってみましても、中央競馬会では地元の同意について、地元町内会長の印、これは賛成の判ですね、それから地元町内会員の過半数の同意、地元町内会の機関決定、これはまあ賛成なら賛成ですね、そういう三つを挙げているようでありますけれども、現状その新福町内会ではもう町内会が分裂しておりまして、いろいろな訴訟が起こっており、将来にわたってもう正規の町内会が成り立ち得ない、こういう状況にあるというふうに私ども判断できるわけです。ですから、地元の同意とか調整というのはもう全く困難ではないか。 〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕 それから、自治体である岡山市議会の反対決議があって、昭和六十年十二月に建設の話が持ち上がってからもう満四年目を迎えるわけであります。これ以上現地の住民を苦しめるようなことはないようにすべきではないのか。特に、最近、この反対運動をやっている市民の方々に脅迫電話がかかっている。うちに火をつけるとか通勤に気をつけいとか子供に注意せよとか、そういうような非常に脅迫的な言辞が、十月十日から十二日、十三日、二十四日、二十五、二十八、二十九、十一月三日、こういうふうに、反対運動をしている市民に大変な言動の脅迫電話が一カ月近くも続いている。市民をこういうような状態にまで追い込んでいる実情というものは、これはもう中央競馬会も農水省も、極めて憂慮すべき事態だというふうに御判断をいただかなければならないんじゃないか。 そういう意味で、今大臣から、中止の措置について強く競馬会を指導する、こういうお話をいただいたので、私どもも、それが具体的な成果を上げるということを強く期待したいと思うわけであります。特に、調整ということを言われるわけでありますが、新福町内会の地域のコミュニティーというものは、私も現地へ参りましたけれども、完全に破壊されております。 それから、今理事長のお話しの地元の同意ということがございましたが、現実には地元の同意というものは、その署名の内情についてもいまだ公表されておりませんし、それには当該地域に居住していない人々が入ったり、あるいは地域を拡大して本当の地元というふうな範囲外の人が入っていたり、皆さんの方が自信を持って町内の同意を得たということを表明し得る材料は現存していない、こういうふうに私は思うのですね。 そういう中で、中央競馬会は場外馬券売り場を設置するな、あるいは株式会社日隈は建物を建てるな、岡山市長は建築確認を取り消せ、こういう訴訟がなされていたり、また日隈の方からは、反対する地元の市民六人に対して一億円の損害賠償が出されているわけです。反対する市民に業者が損害賠償を求めるというのはもう全く異常な訴訟でございまして、これ一つをもってしても、極めて非常識な訴えがなされているというふうに考えるわけであります。 私どもは、中央競馬会の競馬というものは、国民に楽しんでいただける、そういうレジャーとしての、健全娯楽としての競馬、こういうことで競馬場なら競馬場の中で皆さんがそのレースを楽しみながら馬券を買われるのを、これはこれで結構だというふうに思うわけですが、その外の場外馬券売り場で券を売る、これだけの場外馬券売り場の設置の問題で、こういうように地域の住民をこんなに苦しめたり悩ませたりしていいものだろうか。国の公共施設といいながら、いわばこれはレジャー施設じゃないのか。そういうものの設置について、住民をこれ以上苦しめることがないように、大臣みずからこの混乱にピリオドを打つ、こういう考え方も大臣自身にもお持ちになっていただきたい、私はこういうふうに思います。この点について、もう一度ひとつ大臣の所見を伺いたいと思います。
○鹿野国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、これから引き続いて中央競馬会を指導してまいりたい、このように思っております。
○小川(国)委員 農水省としても中止の指導の姿勢には変わりない、これを一貫して強く中央競馬会に指導していく、こういうふうに理解してよろしいですね。
○鹿野国務大臣 工事の中止について、さらに強力に中央競馬会を指導する考えであります。
○小川(国)委員 最後に、地元調整といいましても、これはなかなか現実には、先ほど私が繰り返して申し上げたように、地元の町内会はもう完全に二つに分裂をしてしまっている、町内会の行事から運動会からさまざまの地域の行事が、こうした国の中央競馬会の場外馬券売り場の強行ともいえるような設置の方針のために、大変地域住民が混乱している。これはやはり中央競馬会としても農林水産省としても、国の行政なり政治のあり方としては反省しなきゃならない点だというふうに私は思うわけです。やはり国民のためのレジャー施設であれば、それが地域の人たちに喜んで歓迎されて、そういう中で進められるならまだしも、そういうものがこうした地域の住民の混乱と反目と対立と、あげくは訴訟問題まで引き起こしている、そういうような実態、こういうようなこと。 さらにまた、その設置のために業者が地元の市議に多額の現金の贈賄申し込みをしたり、あるいはまた、地域にコミュニティーハウスをつくるということで、いわゆる賛成が得られたら地元に提供するという、まあいわば利益誘導ですよね、こういうようなことも行ったりしておりまして、これは少なくも、国の機関の施設の建設が、こういうように出先の業者によってこういうようなことが行われていくということは全く好ましくない、こういうふうに考えますが、この点についてはどういうふうに御判断なされますか。
○澤邉参考人 この問題をめぐりまして地元で深刻な対立紛糾が起こって大変憂慮すべき事態だという認識は、私どもも同じように持っているわけでございます。これは何とか円満に解決する方法はないだろうかということで、いろいろ検討もいたしておるところでございます。 しかし、いずれにいたしましても、これは誘致の段階で地元が二つに割れたということでございまして、私ども、最終的に設置を決定する前の段階での地元からの誘致、これは全国的に各地から誘致の話が数たくさん来て、まあある意味では応接にいとまがないくらいが現状でございます。そういう中での一つの地元での対立関係が起こったということで、先ほど御指摘ございましたように、裁判まで起こして争っている問題でもございますし、また、地元の同意をした町内会、その反対の分裂した町内会もあるわけでございますけれども、私どもの伺っているところでは、その町内会がその町内を代表するものだというような扱いを受けておられるということであり、また、その町内会の同意をされた町内会としては、同意をしたんだから早く進めるべきではないか、こういう声も依然としてあるわけでございます。 そういう中で、地元のそういう対立関係を私どもが外から、勝った、負けたというようなことになるような判断をするというのはいかがなものであろうか。やはりこれは地元の自治的な問題として、誘致をどうするかという問題として解決をしていただければというふうにも思うわけでございます。しかし、当初の案だけでもまいりませんので、いろいろもう少し円満に歩み寄りができるような案はないものかというようなことを、いろいろ探っているところでございます。
○小川(国)委員 今のお話の中で、地元の町内会が同意をされたというような経過を述べられているのですが、これはもう私どもも、現地に参ったり詳細に町内の賛成、反対の署名の実態というものもお聞きしております。この中で出された賛成署名というものは極めて問題の多いもので、これは競馬会自体が今それを公表するということは不可能な状況のものだと思いますが、これは公表できるものでございますか。
○澤邉参考人 私ども、町内会から当時同意書をいただいております。その過程においてどうだったかということは、私どもはそこまで知り得ないところでございますので、正式の文書としていただいている限り町内会として少なくとも当時同意をいただいておるという事実はあるわけで、その後町内会が分離したという事実はございますけれども、それの撤回について特別なお話もございませんし、むしろ同意した限りは早く責任を持って進めるべきではないか、こういうようなお話も町内会からございます。それは別といたしましても、市議会において反対決議が出たということ、これは大事に受けとめなければいけない問題でございますので、その決議自体が変更ないしはまた新しい決議が行われるとかということでなければ、今のままである限り、私どもは、町内会がどうこうということもございますけれども、それ以前に市議会の現在ございます決議、六十二年の五月でございましたか、そのときの決議がそのまま現在存続しているわけでございますから、そのような事態が続いている限り私どもとしては設置の承認を申請するような状況にはない、こういうふうに判断しております。
○小川(国)委員 同意書の根底になっている過半数の賛成者の名簿というものは公表できるものかどうか、それが一つ。 それからもう一つ。中央競馬会が、これはうわさでございますけれども、現地において市議会の反対決議をひっくり返すような誘導的なことをされている、そういうことが私どもの耳に入っているわけでございますが、その点は、中央競馬会が市議会の決議を変えるような指導をなすっているとか、そういうことをなすっているようなことはおありになるのかどうか。
○澤邉参考人 今申しましたように、市議会の六十二年の反対決議が今のまま続いている限り、私どもとしては設置の承認の申請を農林水産省に出すという段階には至らないわけでございますので、それが変わらなければ動きようがないよ、こういう話はしておりますけれども、積極的に私どもが市議会対策をやっているということは毛頭ございません。
○小川(国)委員 それから、今答弁から漏れております同意書の裏をなす署名ですね、その名簿は提出できるのでしょうか。
○澤邉参考人 これは町内会の自治の問題でございまして、私どもが出す出さないということは申し上げかねるというふうに思います。
○小川(国)委員 やはり同意書の根底は、たまたま会長自身が独断で、住民の意思を完全に反映した形の同意ではない、しかもその場合に、その同意書につけられている賛成署名の中に先ほど申し上げたような拡大した地域の人たち、あるいは実質そこに居住してない人たち、こういう人たちも入っているということなので、そこに同意書の問題点があるわけですが、そこのところが公表されませんとその同意書自体の効力も極めて疑わしい、こういうふうに考えざるを得ないのですね。だから同意書とその同意の裏づけをなす賛成署名というものは一体のものだ、こういうふうに考えるわけでして、この点については、同意書の裏をなす賛成署名の署名者の名簿というものも競馬会におありになると思うのですね。そういうものを公表して初めて地元の同意が成り立っていると言えると思いますが、この点もう一遍確かめておきたいと思います。
○澤邉参考人 私どもは、だれが賛成でだれが反対だったかという、町内会の同意の意思決定の段階での内部の議論の経過なり内訳なりということは逐一伺っているわけではございませんし、そのような名簿もいただいておりません。これはあくまでも町内会の自治の問題で、町内会が出されれば私どもとめるつもりも毛頭ございません。私どもの方が権限を持ってどうこうしろという立場にはないと思いますので、正式の文書で同意書が出ており、それは正規の手続をとっておやりになったと思いますし、その後町内会において、新しい分裂した町内会があるということもございますけれども、それが特に問題になったという話も伺っておりませんので、私どもとしてはその段階では同意があったものというふうに理解せざるを得ないと思います。
○小川(国)委員 私は、その同意が行われた日に現地の自治会の会場にも行っておりまして、何人の方がその会場に入ったか、それはもう多数の町内の人たちが中へ入らないで反対をしている中で、地域外の人まで含めて、しかも先に機動隊というのですか警察官も入って、混乱の中で行われたものでして、その同意書自体にも極めて問題があったというのを私も現場で確認しているわけです。 このことについてはこれ以上議論をしてもいかがかと思いますが、先ほどから大臣なり理事長がお答えくださったように、工事の中止についての厳重な勧告をしていただく、そういう中で平静裏にこの問題が一日も早く解決されるように、これは大臣あるいはまた理事長それぞれの取り組みをお願いしまして、この問題に対しての質問を終わりたいと思います。 次に、農政の問題で今一番大きな焦点となっておりますのは、食糧自給率の向上に対する政府の考え方でございます。 去る十一月十七日に参議院の農林水産委員会では全会一致で自給率向上の決議をされました。これは私は非常に画期的なことであろうと思います。この「農業政策の拡充強化に関する決議」の三項目目に、「食料自給率は、その重要性にかんがみ引き上げること。」こういう参議院の農林水産委員会の決議がなされたわけであります。これに基づいて農林水産省としては現行の自給率を数字の上で具体的にどこまで引き上げるのか、そのお考えをお示しいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 私ども、ただいま、西暦二〇〇〇年を目標といたします農産物の需給の長期見通しを、農政審議会の中に小委員会を設けまして御検討をお願いしているところでございます。私どもはその作業の前提といたしましては、経済情勢とか需給情勢等を、消費の動向とか一定の条件のもとでの需要の見通し、それからまたそれに対応した生産の見通しをつくるということにいたしておるわけでございますけれども、生産の見通しにつきましては、単純な予測ではなくて、今後における技術革新の展開方向あるいは担い手の動向、それらの動向を見きわめまして意欲的なものとなるようなものとして策定していただくよう検討をお願いしているところでございまして、そういう中で需要、供給との、需給といいますか、そういうものが明らかにされるということになっております。
○小川(国)委員 大臣はこの決議のときに、「ただいま我が国農業政策についての多方面にわたる御決議がありました。事柄によりましては、実態から見ましてその実現が難しいものもあると考えられますが、我が国農業を取り巻く諸情勢を踏まえ十分検討した上で努力してまいる所存であります。」ということを答えられております。大臣は、難しいものもあるが実現に努力すると答えておられるのですが、自給率の向上についてはこの難しいものの中に入るのかどうか、この点ちょっと御説明いただきたい。
○鹿野国務大臣 農政にかかわる者といたしましては、自給率が今日低下をしておるという中で何とかこの辺で歯どめをかけたいな、こういうふうな気持ちを持っておることは偽らざるところでございます。しかし、現実的に今日の我が国の生産構造あるいは国土条件の制約等々ということを考えますと、今長期見通しを策定すべくやっておるところでございますが、なかなか難しいところがあるのではないかな、こんなふうに考えておるところであります。 〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
○小川(国)委員 今大臣が答えられましたように、衆参両院において何回となくこの問題は取り上げられまして、歴代の農林水産大臣は自給率引き上げの必要性というものは答えているわけですね。今大臣も自給率低下に歯どめをかけたい、こういう気持ちを率直に述べられたわけでありますが、八六年の農政審に対する諮問を見ますと、市場開放に対応する緊急方針の性格が非常に強いもので、自給率の向上については触れられていなかった、こういう経過があるのです。これは、諮問に当たって農水省が自給率向上についての要請なり考え方というものはここに求められていなかったのかどうか、この辺の農水省の方針を簡潔に伺いたいと思います。
○鶴岡政府委員 農業生産では、私が申し上げるまでもなく、与えられています国土条件、土地条件の中で、消費者の需要に対応して消費者が納得できる価格で国内で供給できるものは極力供給するという姿勢で、国民の食糧を安定的に供給するということが基本でございまして、言葉としてのことはともかく、できるだけ国内の生産力を生かして、国内で安定的に供給するものは供給するという姿勢でいろいろ御論議願うようなことでお願いしたわけでございます。
○小川(国)委員 私ども社会党でも現時点で三〇%の穀物自給率をともかく六〇%に高めようという提案をしておるわけであります。農水省首脳の中ではこれに対して批判の意見を述べられたということも承っておりますけれども、ならば、政府の方において、現状三〇%を下回って二八から三〇と言われるこの穀物自給率を四〇なり五〇に高めていくという、数字の上でこれを明示する方針はおありになるのかどうかですね。
○鶴岡政府委員 穀物の場合に、大別しまして食用穀物と飼料用穀物になろうかと思います。やはりどこの国も、先ほど申し上げましたように自然条件に適したものをまず第一に考えていくということが政策の基本であろうかと思います。そういうことからいたしますと、日本の置かれておる立地条件、アジアモンスーン地帯の中の一角を占めておるわけだろうと思いますけれども、まず米がベースではないかと考えております。米につきましては、国内で供給することを基本とするという対応で現在考えておるわけでございます。また次の、食用の麦につきまましては、これは春先の菜種梅雨とかいろいろな気象条件その他のことから必ずしも適作ではないわけでございますけれども、品種の改良とかあるいは生産性を上げていくというふうなことで日本の小麦として一番適しているかと思います日本めん用について極力高めていくという方向で、食用穀物につきましては日本に与えられた条件の中で最大の努力をしていくつもりでございます。 ただ、飼料用穀物につきましては、これは畜産の振興——消費生活の急激な変化といいますか食生活の高度化というようなことも言われたわけですけれども、それに対応してできるだけ国内で畜産物の供給をいたしたいということで政策を展開してきたわけでございます。ただ、その場合に、国民の納得する価格といいますかできるだけ安い価格で供給するということからしますと、コストの大宗を占めます飼料について極力安いものを確保していくという必要性から、輸入穀物の安定的な確保によりまして畜産の発展を図ってきたわけでございまして、日本の置かれておる土地条件その他から考えまして、飼料用穀物については、今後とも安定的な輸入の確保によりまして畜産の振興を図っていくということが基本ではなかろうかと考えております。
○小川(国)委員 どういう状況を想定してもいいのですが、農林水産省として、今官房長が述べられた諸条件を勘案しながらも、数字において残念ながら、穀物自給率にしても、食糧のカロリー自給率にしても、主食の自給率にしても、あらゆる面の自給率が大きく落ち込んできている、こういう状況の中で穀物自給率を数字の上でどこまで持っていく、こういう考え方を、今現在あるいはこれからいつ明示することができるのか、今現在はおありになるのかどうか。
○鶴岡政府委員 長期見通しにつきましては、年内にまとめたいという方向で今作業をお願いしておるところでございます。ただ、穀物の自給率につきましては、先ほど申し上げましたように、主食用穀物と家畜の腹を通して我々国民に供与される飼料用につきましては、分けて考えていくのが適切ではないかと考えておりますことを申し添えさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 食用農産物の総合自給率は昭和三十五年には九一あったものが今、六十二年で見ると七一、穀物自給率が昭和三十五年で八二あったものが今三〇、それから供給熱量の自給率で昭和二十五年に七九あったものが今、六十二年で見ると四九、こういう低下した状況の数字、少なくとも六十二年の現状というものがあるわけですね。だから、これから十年後ないし二十年後に、では農水省としてはこの数字をどこに持っていくのか、そのための国民的な合意を得ながらこれらの自給率達成の方策というものが農水省の中で示されなければならない。ですから、私は数字でおありになるのかどうかということをもうこれで三回お尋ねするわけですが、ここのところをひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 自給率の低下の問題でございますけれども、これは事実低下しているわけでございますが、これは食生活が急激に変化している、ほかのヨーロッパ諸国等の食生活を見ましても、穀物の摂取量あるいは食肉等の摂取量の変化が少ないわけでございますけれども、日本の場合には、その間、御指摘にあった年間の人口の増加も先進国とは違うような動きをしていますし、その間の食糧消費の動向というのもでん粉質が減少し食肉消費がふえている、食生活が大幅に改善された、向上したという結果が今日の状況になっていると思います。そういう向上した食生活を前提にやっていく場合には、先ほど申し上げたような姿勢になるのではないかと私ども思います。ただ、自給率自身につきましては、先ほど言いましたように、年内に策定します長期見通しの中で幾ら供給するかというのは明らかになるということを申し上げさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 残念ながら大臣、今まで聞いた中でおわかりのように、数字においてどこまで持っていくのかという目標を政府自身が設定しないと、これは農民の不安もあり、あるいは食糧に対する国民の不安もあるということですから、やはり大臣としても、これは率において、数字において明確に示されるような大臣としての指導ある態度というか、そういうものを強く望みたいと思います。
○鹿野国務大臣 いずれにいたしましても、今長期見通し策定をいたしているところでございまして、そういう中で需要、生産の見通しが出されていくわけでありますから、そういう中で国内生産体制がどうなるか、このような形も出てくるもの、こんなふうに思うところであります。
○小川(国)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○中村委員長 次に、三野優美君。
○三野委員 私は、今から特に林野庁に対して、国有林野の売り払いについてお尋ねしたいと思うのですが、とりわけ私の地元の香川県綾歌町における国有林野の払い下げの経過、並びにその取り扱いの例について少しお尋ねしたいと思うのです。 まず最初にお尋ねしておきたいのは、香川県綾歌町栗熊西外で、売り払い面積約二百三十七町歩、これが当時の綾歌町長二神町長の申請によって昭和六十年三月一日の払い下げ申請があり、同三月二十日に第一回の売り払い。これは高知営林局長は前の松田長官であります。第二回目が昭和六十一年三月五日申請、三月二十日売り払い。既に退職しましたが、小沢業務部長が当時の高知営林局長。第三回目が昭和六十二年十一月四日申請、六十三年三月十七日売り払い。当時の局長は、今村高知営林局長。これについては、私が今申し上げた経過について相違ありませんか。
○甕政府委員 ただいまお尋ねの香川県綾歌町所在の国有林の売り払いの経過でございますが、面積約二百三十六ヘクタールにつきまして、用途が森林公園ということで、綾歌町土地開発公社に売り払いをしておりますが、その売り払いの日付等の経過はただいまお話のあったとおりでございます。
○三野委員 そこで、第一回目は、今私が指摘したように、六十年三月一日に払い下げ申請が出され、三月二十日に売り払いがなされた。これはその間約二十日間。第二回目が、六十一年三月五日に払い下げ申請、同三月二十日に売り払い、十五日間。この間にこれだけの国有財産を払い下げするに当たって、事務的に何ら支障なく行われましたか。もちろん用途廃止その他の手続があるのですが、わずか十五日、二十日間で一切の事務が滞りなくできましたか。
○甕政府委員 この国有林の売り払いにつきましては、たしか五十九年の春ごろからこの売り払いの話があったようでございます。それに基づきまして、これを三回に分けて売り払うといった話し合いが現地の営林局と町の方との話でまとまってまいりまして、第一回、第二回、第三回、こういうように分けて処分をされたというふうに記録をされておるわけでございます。 そこで、ただいま第一回、第二回が非常に短い間に処理されているということにつきましては、そういった話し合いを踏まえましての処理が行われたのではないかと思います。また、ちょうど年度末でございますので年度内処理、こういうことで、この日付の関係は一般のケースに比べるとあるいは短期間に処理しているということはあろうかと思いますが、事務手続は適切にと申しますか、支障なく行われたというふうに考えております。
○三野委員 長官もさすがですね。申請から十五日間、二十日間の払い下げの期間というのは一般的に早過ぎると今お認めになりましたね。私の聞くところによると、正式申請が出る前に既に用途変更の手続が行われておったのではないですか。事務的にはできるはずがないのです。事前の話があったとしても、正式申請が出てから所要の手続をするのが役所の事務の通常のやり方でしょう。申請が出る前に既に用途の変更がなされていた、こうしか考えられないのですが、そうでしょう。
○甕政府委員 先ほど申し上げましたように、本件はいわば三回に分けて処分をするという全体のもくろみが事前にあったわけでございまして、それに従いましてこういった処理がなされておる、年度内処理ということで早急な処理が図られた、こういう事実であろうかと思います。したがいまして、国有林の処分に当たりましては、これは一般論でございますけれども、その所在する地域で適当なものを公共団体が公益的なものに使いたいということに対しましては、積極的に応じましてこれを活用するという方針をとっております。したがって、本件につきましても、国有林野管理審議会というものがございまして、こういったものを処分していいかどうかといったような適否をあらかじめしておるわけでございます。したがいまして、事務手続としての用途廃止というのは、第一回の例で申しますと、三月一日の申請書が出ましてから三月十二日に用途廃止をいたしまして、三月二十日に契約をしておる、こういうことでございます。
○三野委員 余り調子がよ過ぎますな。一日に申請が来て、それから、用途は何に使われて、地域にどういう影響をもたらすのか、これが他の周辺に対して影響があるのかないのか、あるいは目的に通した活用ができるかどうかということを審査するのに、わずか十五日間でなされたという。そんなにスピード速く営林署は何でもやっておるのですか。ほかのことについては、申請しても、いつまでたっても返事がないというのが慣行なんですが、これは事前にやっていたという話さえあるわけなんですね。やはり役所というのは、あくまでも正式に払い下げ申請が出て、それから所要の手続によって順次やる、こういうことがなければならない。それが二回ともこの期間、二十日間、十五日間にこの用途変更の手続を全部やりましたか、これをもう一遍確認しておきたいと思います。 それから第三回目は、昭和六十二年十一月四日に払い下げ申請があって、売り払いは同六十三年三月十七日と、約五カ月間かかっているわけです。一回目、二回目は十五日、二十日でやってしまったのだけれども、三回目は事慎重に約五カ月にわたって審査をしているわけなのですが、その理由もあわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○甕政府委員 繰り返しで恐縮でございますけれども、本件につきましては、全体の構想なり処理の仕方なりは、この第一回の売り払いが始まる前に全体として営林局と町との間で話が煮詰まってきておりまして、それを踏まえての処理であるということを御理解いただきたいと思います。 それから、用途廃止の手続でございますが、第一回は先ほど申し上げましたように申請がありましてから用途廃止の手続をとっております。第二回はその買い受け申請書がありましたのを受けまして直ちに用途廃止の手続をとっております。 それから第三回目でございますけれども、これがただいま御指摘のように前の二回に比べますと契約までの処理の日数が余分にかかっております。これにつきましては調べてみますと、この三回目の際に、ちょうどこの売り払いの土地に接続する林道につきましても買い受け要望が出されまして、これを一括処分しようということになったわけでございます。したがいまして、その用地の境界画定等に時間を要した、こういうこともありまして、ほかの二回に比べますと時間はかかっている、こういうような状況でございます。 また、この三回目の際にも申請がありまして、契約を結ばれるまでの間にこの用途廃止の手続、これは当然踏むべき事務上の手続でございますが、行っております。日付を申し上げますと六十二年の十月一日でございます。——失礼いたしました、これは買い受け申請書が出される前に当たりますが、用途廃止の手続をとった。これは一連の手続の中でこういった売り払いを予定した処理をしておるということでございます。
○三野委員 さて、三回目は申請が出る前に既に用途廃止をして待っているわけだ。申請は十一月四日。十月一日に用途廃止をして待っているわけだ。役所というのはそういう事務的な処理をするのですか。幾ら話があっても町なり開発公社から正式に申請がなければ、役所としては正規の申請があったものと考えることはできないはずだ。その前に用途廃止して待っているわけね。そういうことあるの。そういう点からいうと少し急ぎ過ぎているのではないのか。しかも第三回目に限って約五カ月間という慎重な対応をした、これについては林道その他があった、こう言うのですが、では私が申し上げましょう、第三回目は昭和六十二年十一月四日に申請があり、約五カ月後の昭和六十三年三月十七日に払い下げをしているわけね。その前に、第一回、第二回に払い下げを受けた綾歌町の山林約二十三町歩について、昭和六十二年六月二十九日の綾歌町議会において日本ゴルフ振興の子会社であるレオマ、大西一社長と賃貸契約を提案して承認されていますね。レオマは他の民有地と合わせまして、レクリエーション施設、ホテルその他をやろう、こういうことにしているわけです。いわば第二回目まで払い下げを受けた部分をあなたのところとの契約を無視して、契約違反をして、レオマと十年間に及ぶ賃貸契約を結んで金銭授受があった。その後の第三回目は十一月四日に出されて、あなたのところは極めて慎重に時間をかけて検討したという時間的な経過があるわけであります。どうですか。そういうことはおおよそ察知されて、現地には高知営林局もあるし高松営林署もある、あの付近の事務所もあるでしょう、慎重にならざるを得なかったのじゃないですか。
○甕政府委員 まず用途廃止の事務処理でございますけれども、これは正式申請があってからなされるという場合も当然一般にございますけれども、本件のように具体的な方針が決まっておるといったものにつきましては、そのレールの上で申請を待たずに用途廃止をするということは間々あることでございまして、本件に限らずそういった処理をした例はございます。 それから、ただいまの第三回の売り渡しの間に綾歌町が第三者に無断で賃貸借をしたということは、御指摘のとおり、私どもといたしますと、後になってわかった話でありますけれども、まことに遺憾な事実がございました。それにつきましては所要の是正措置をとらせた、こういうことでございます。
○三野委員 時間的な経過から言うと何かおかしいことがある。第二回が済んで、その間に既に第三者に転貸しをしている。これは十年間だ。事実上売買なんですよ。そこで第三回目が後日出てきた。慎重に慎重に検討した。そのときの総務部長は、国有財産ですから、国民の財産を処分するに当たっては慎重に慎重に検討しました、こう言っているわけです。せざるを得ないでしょう。にもかかわらず、第三回目が、またこの綾歌町開発公社とレオマとの関係を無視して払い下げが行われていった。 もちろんこれは用途廃止その他がありますから、当時の林野庁長官なりあるいは農水大臣にも相談したと思うのですが、六十一年から六十二年にかけての当時の農水大臣はどなたですか。
○鶴岡政府委員 本当は覚えておくべきことなのですけれども、今急に言われても正確に思い出せません。ちょっと調べて御報告します。
○三野委員 お調べになってください。こういう経過があったときに、高知営林局長から当時の林野庁長官なり農水大臣に、あるいはその筋から高知営林局に対して何らかの相談があり、何らかの示唆があったのかどうか、これもひとつ聞いておきましょう。
○甕政府委員 この時間的な経過について御指摘がございました点でありますけれども、これは先ほど申し上げましたような事情で時間がかかった、その間第三回の契約も行われ、現実にその売り渡しの事務処理も終わったわけでございますけれども、私どもとして御指摘の町が第三者に転貸したという事実がわかりましたのは、その後六十三年の五月になってからでございまして、そういった事実がわかったので、それを踏まえた何らかの慎重な検討を行ったのではないか、こういう御指摘につきましては、先生のおっしゃる事情とは違っておるということを申し上げさせていただきたいと思います。 そういったことで、この手続の関係におきましての事務処理は事務的に行われておるというふうに私ども引き継いでおりますし、その間、具体的にお話のございました外部と申しますか、どこかから何か話があったのではないかというような事実は確認しておりません。
○三野委員 もうこれはあなたも御存じのとおり、昭和六十三年四月に綾歌の町長選挙が行われ、五月二十四日に二神町長から井原現町長に交代をいたしました。そして六十三年の五月ないし六月ごろに地元から高知営林局に通報があり、この不法事実を知って現地に当時の杉本総務部長ほかが指導に入りましたね。杉本総務部長は、第三回目については、国民の財産を処分するのだから、慎重の上にも慎重にと考えて時間をかけて検討したという言葉が出ているわけです。しかも、その直後に不法に転貸しされていることが通報があって、直ちに杉本総務部長ほかの者が現地に指導に入った。どういう指導をされましたか。そして、昭和六十二年の十一月には綾歌祭りがあり、これは二神町長時代です。同林野のレジャーランドの完成予想の模型が出されて、町ではいろいろなうわさが出た。これも耳にしていませんかね。 いずれにしても、町長交代に伴って通報があって、直ちに指導に行ったが、どういう指導をされましたか。売買契約に基づいて処理する指導をしたのか、そうではなしにそのまま転がしていくことで指導したのか、それを聞いておきましょう。
○甕政府委員 先ほど申し上げましたように、この国有林野が無断で第三者に賃貸をされている、こういう情報で現地の営林局がそういった事実を知りましたのが六十三年の五月でございますけれども、六月に営林局署の職員が現地の町役場に出向きまして、そこでその事実関係をただしたわけでございます。 町の当局は、その際買い受けた国有林野の一部を、お話にも出ておりましたが、株式会社レオマというところに賃貸するといったような契約を六十二年の七月に締結したという事実を認めたわけでございます。そこで、契約書によりますと、国の承認を得ないで第三者に賃貸等をしてはならぬということでございますから、その席で直ちに、町に対して速やかに、こういった契約違反の事実は解消するようにということを強く指導をしたというところでございます。
○三野委員 解消するということは、契約に基づいて、契約違反だから営林署が買い戻す、ないしは町がそのまま県民、町民のための森林公園として実施する、そういうことの確約を得たのですか。その確信を持ったのですか。持ってそのまま契約を続行したのですか。それともそういう不安があったけれども、なおやったのですか。それを聞きましょう。
○甕政府委員 こういった契約違反の事実がありますと、これは契約書の上でいろいろ違約金でございますとか、解除でございますとか、いろいろ規定もございますが、こういったことは直ちにそれを発動するという性格のものでは一般にないわけでございまして、私どもとしては、公益的な目的で町の要望を受けて売った林野でございますから当初の所期の目的に供されるように、すなわち第三者とのそういった転貸といった違約の事実は解消して当初の目的に供されるようにすべし、こういう指導がまず第一でございます。その第一の指導をその際行ったということでございます。 なお、これはこの後の話になりますけれども、仮にこれがもとに戻されるとかいろいろ是正されていく、または一部また変更する、こういった経過をたどるわけでございますけれども、この違約の事実というものに対してはきちんと、違約金についてはちょっと後になってでありますけれども、きちんとした処理はいたしておるところでございます。
○三野委員 さて、当初の申請どおり履行するためにレオマとの十年間の契約は白紙に戻しなさい、そして森林公園として市民に開放するためにやりなさい、こういう指導をしたのですね。それは間違いないですか。
○甕政府委員 そういった指導を加えまして、これが現実には、綾歌町におきましてその後土地賃賃措契約を第三者との間で合意解除をする、それからまた同時に、売買予約の契約もございましたのですが、これについても合意解除をする、こういう是正措置がとられたところでございます。
○三野委員 では、もとの申請どおり十年間の賃貸借及び売買契約については破棄しなさいということで、それはそのままの指導に基づいて町は応じる、あるいは円滑に今後もそれが運営できるという確信を持って指導しましたか。それで合意しましたか。
○甕政府委員 ただいま申し上げましたように、本件につきましては、その売買の契約について第三者との間で国に無断で行った契約については、これははっきり解除するということで、ただいま申し上げたような措置がとられたわけでございますが、町としては、その際同時に、その中の一部につきましてさらにこれをレクリエーションと申しますか、レジャーの用地として活用したいということは希望としてございまして、それでその希望の分につきましてはこれは後ほど一定の仕切りをした上で一部解除いたしまして町の要望の一部は国としても認め、地元の振興といったような観点からこの一部活用といった措置をとったという事実はございます。
○三野委員 さて、そこで、もともと森林公園で出発したものが違法で転貸しあるいは売買予約契約までしてそれを戻しなさい、しかしその時点で既に一部についてはいわゆる解除申請を出して転売してもいいというところにずれ込んでいるでしょう。その時点であなたのところは、契約を解除しなさい、同時に、用途指定の解除申請を出したならば売ってもいいですよというところにずれ込んでいるでしょう。そこでは全く一体になって、国民の財産が、当初申請があり町民が考えた以外の方向に行くことについて手をかしているじゃありませんか、そうでしょう。それは認めますか。岩手の安比高原とどこが違うのですか。
○甕政府委員 この違約状況を解消させるということで、賃貸借契約の合意解除を町が行いましたのが六十三年八月でございます。それから、売買予約契約もくっついておりましたので、これもいろいろ論議があったのでございますけれども、やはり合意解除させるということで、これが現実に解除になりましたのが十一月でございます。それで、先ほど申し上げましたように、その間、町としての要望がございましたので、用途指定の解除の当否をめぐりまして、これは慎重な検討をする必要があるということで、実は翌年にかけましてその検討を行ったわけでございます。それで、現実に綾歌町の方から計画の変更なり指定期日の延期承認申請なり一部解除承認申請なりが出てまいりましたのは一月十九日で、営林局が二十日に受理をしておる、こういう経過でございます。
○三野委員 あなたの言われるとおり、一月十九日に用途指定の解除の申請をしたわけです。そして、三月八日に高知営林局より、さっき言ったこの不法な契約に対する違約金一億五千六百万円を三月二十四日までに支払えという命令書が届きました。三月二十日にこの命令書が来たものですから、井原町長、土岐議会議長ら町開発公社理事が高知営林局に、一部用途の指定解除、森林公園からの解除が認可になるのかどうかという確認に行っているわけですね。そのときに高知営林局はどう言ったのですか。いや、もう既に用途指定の解除は本省から高知に来ています、こう言う。余りに早いじゃないですか。うまくできていますね。できています。こう言っている。どうでしょうか、認可になるでしょうかなりませんか。と言っているわけです。 まずは、三月二十四日までに支払う違約金一億五千六百万円が納付されていない時点で、既に用途指定解除の認可が東京からおりてきている。その一億五千六百万円というのは違法な処理をした分に対する違約金ですね。それがちゃんと納まってから、これは問題があるのですよ、問題があるけれども、納まってから、ではこれからどうするかという相談をするならばいいけれども、そのときに、違約金さえ納まっていない段階で、いや東京からはもう用途指定の解除が来ているよ、と言う。聞きに行った方がびっくりしているのですね。あなた、これはどう説明するのですか。
○甕政府委員 先ほど申し上げましたように、一月二十日にこの一部解除申請等の書類を営林局が受理をしておりまして、その段階で、今後の処理等についてはこれまでの検討結果を踏まえて方針を立ててございました。そこで、この用途指定の解除申請については、林野庁との間で、言うなれば林野庁と高知営林局との内部手続として必要な手続は進めておるわけでございます。それで、ただいま林野庁から来ているとお話ございましたのは、恐らく三月十八日に林野庁が用途指定一部解除申請を営林局に対して承認をしております。それで、現実に営林局が、これは営林局長の権限でございますので、そういった承認をしておりますのは三月二十二日でございます。 また、お話の中で一点、違約金の納入が済まないうちにそういった解除の承認を行うのはおかしいじゃないか、こういう御指摘についてでありますけれども、違約金の納入は三月二十日にこれがなされておりまして、国と相手方との関係について申しますと、三月二十日の違約金納入を受けまして、三月二十二日に営林局長が相手方に対してこの承認を行っている、こういう経過でございます。
○鶴岡政府委員 遅くなりましたけれども、先ほどの質問にお答え申し上げます。 六十一年から六十二年にかけまして在任されました大臣でございますけれども、六十一年初めから六十一年七月二十二日までが羽田孜大臣でございます。それ以降六十二年十一月六日までが加藤六月大臣でございます。それから、六十二年十一月六日以降が佐藤隆大臣でございます。
○三野委員 局長、私が聞いているのは、この違約金というのは不法な処分に対する違約金でしょう。我々素人で言えば罰金みたいなものですね。それが入っていない段階で既に本省から用途指定の解除の許可が高知営林局へ来ている。もう届いていますよ、と言っている。そんなことがあっていいのですか。これは問題がある。問題があるけれども、百歩譲ってたとえそうであってみても、ちゃんと納入され、それが確認されてから、用途指定は本省の認可が要るはずですから、高知営林局が本省に照会して、こういう経過があるがいいのかといって出されるものでしょう。いや、もう既に来ています、こんな子供だましみたいなことを言ったって、それは国民は納得しませんよ。こういう事実があることを申し上げましょう。 そして、町の開発公社は三月二十日、一億五千六百万円を国庫に振り込み、これは違約金ですね、続いて三月二十九日に、実質開発二十三町歩に対する評価差額金四億六千万円を国庫に振り込んだ、こうなっていますね。時間の関係で続けますが、この日にちは間違いないだろうと思うのです。 そこで、三月二十日に、この違約金一億五千六百万円と評価差額四億六千万円、計六億一千六百万円の捻出のため、再び町はレオマと、二十年分の賃貸借契約金として七億二千万の再契約をしたわけですね。いいですか、一たん解除したけれども、また七億二千万円の再契約をした、この事実はどうですか。この処理の仕方についてあなたのところは一回見過ごしているわけですから、再びこういうことがあるかないかなどということはちゃんと調査をしてやっただろうと思う。この事実をお認めになりますか。どうですか。
○甕政府委員 先ほど申し上げましたように、本件の一部用途指定の解除を検討いたします段階で、どの程度のものにするか、これは当初六十二年に転貸いたしました面積は百二十九ヘクタールでございましたけれども、この際は二十三ヘクタール、それからこれは売り払いということではなくて貸し付けでいくのだとか、そういったいろいろ今後の活用の姿につきまして条件をつけてこれを解除するというようなことをやっておりますので、解除の正式手続を受けまして町がこのレオマというところと契約をして、そういった賃貸借契約に基づく使用料と申しますか、それを収入にした、こういう事実は私どもも承知をしております。
○三野委員 そうすると長官、あなたのところは、いわば当初森林公園というもので、安い価格で申請をして、県民、町民のためということで開放して、そして、それが裏でレオマに一回、二回分が十年間ということで賃貸借契約し、一方においては売買契約がなされ、それを正常に戻しなさいと指導しながら、続いてまた一部用途変更をして、指定解除しながらこれがレオマに転売されるということの一連のスケジュールは承知の上でおやりになったのですね。あなた、これが合法だというのであれば、すべて承知の上でやったわけですね、町と相談をして、そうでしょう。
○甕政府委員 当初、町が国に無断で転売をした、こういったことが後からわかりましたので、その是正措置はきちんととるということでございます。この点に関しましては、町が国の指摘に対し厳しい反省、陳謝等の文書も出てまいりましたし、違約状態が解消される、違約金も払う、こういうことで区切りがつけられたということが一つございます。また、全体の中で二十三ヘクタールは用途が解除されましたけれども、残りの大部分の森林は森林公園として所期の目的に供されるということが確実な状況があるわけでございます。また、もともと国がこういった森林の売り払いを行っていくにつきましては、地域の振興、こういった観点があるわけでありまして、県の当局がまた大変心配をいたしまして、知事さん以下これを支援される、私どもに対しても強く要請がある、こういうようなことも、全体を勘案いたしまして、この一部解除については私どもも十分検討の上やむを得ないということで認めたものでございます。
○三野委員 そうすると、営林局は、当初一回、二回目に契約したこの契約条項というのは全く無視して——契約違反した場合には原状に復して返すということになっているわけだね。そういうことがまず第一義的にされているわけだね。他の財産でもみんなそうですよ。契約違反であった場合には必ず原状に復して返します、その間の一切の損害は要求しません、これが通常のことでしょう。この契約書は一切無視しちゃって、向こうがなすままに、それにあなたのところもおんぶしながら、レオマなりあるいは土地開発公社の意のままに動いていったわけですか、国民の財産を管理するあなた方は。地元の新聞はしばしばこの問題について、疑惑あり、問題あり、こう指摘しているわけです。 七億二千万で再契約したのはいつ知ったのかちょっと教えてください。
○甕政府委員 解除に基づいて第三者にこれを賃貸するということ自体は、これは当初から私どももわかっておったわけですが、七億二千万でかくかくということでそれが行われたということは、その直後に知ったところでございます。
○三野委員 いわば、あなたのところは、もらったのは四億幾らですね。四億の差額金をもらっているわけ。四億六千万ですね、評価の差額金。これが七億二千万になってしまったわけです、いいですか。国民に与えたこの損害はどうしますか。一億六千万は、これは違約金ですから関係ありませんよ。この国民に与えた損害の責任は、だれがどうとるの。 そして最後に、これを聞いてもらって、これが正当であったのかどうか、どうするのかということを農水大臣に私は聞いておきたいと思いますが、この一連の問題で、高知営林局は、飯山町の建設業者あるいはその他の政治団体から再三の質問や抗議行動を繰り返されたためか、三月十四日電話で高知営林局の岡林管理課長に面会を申し入れられ、三月二十四日に会談することになっていたが、突如これを中止された、その事実と背景、知っていますね。 なお、時間の関係で委員長に申し上げておきます。今までの回答では私は納得できません。ぜひ理事会でも検討していただいて、さらに地元民なり国民が納得するような方針を出してもらうように特にお願いをしておきたい。
○甕政府委員 契約につきまして原状回復を直ちにすべきだという御指摘については、繰り返しませんけれども、直ちにそういうことになる前に、所期の目的が達成されるようにという指導をして、私どもとしては、大筋それは森林公園に供される、しかし一部解除があった、こういう点については厳正な審査をして、所定の差益金とか措置を講じまして、やむを得ないものと認めたということでございまして、これはおっしゃいますような損害というようなものではないというふうに思います。 それから、営林局とどなたかの面会云々といった件については、私は承知しておりません。
○鹿野国務大臣 事務手続につきましては、長官から御答弁を申し上げましたとおりに適切に行われたものと思っております。これからも適切に処理をしてまいりたいと思います。
○三野委員 もうこれで終わりますが、大臣、これが適切だという見解をあなたが出すようでは、第二、第三、同じようなことが起きますよ。あなたは本気になってこれは適切だと思っているの。地元では大変な疑惑があって、率直に申しまして、少し的外れだけれども、警察当局も動いているわけですよ。私は根拠なしに言っているわけではない、事件になるかどうかは別として。適切に行われているなんという、こんなことが、私は暴言だとおしかりを受けるかもしらぬけれども、このやり方はぐるになっていると言われてもしようがないと思いますよ。大臣、今のその回答はいただけませんね。もう一遍お答えいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 事務手続につきましては、ただいま長官からもるる御答弁申し上げましたけれども、支障なく行われたもの、私どもはこのように思っております。
○三野委員 冗談じゃない。委員長、これはもう一遍検討してください。終わります。
○中村委員長 次に、渡部行雄君。
○渡部(行)委員 まず最初に大臣にお伺いいたしますが、農政の今後の方向、そしてまた日本農業の将来についてどのようにお考えなのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 これからの農政を推進していく上におきまして、やはり農業というふうなものを魅力ある産業にしていかなければならない、創意工夫によって消費者のニーズにこたえてほしい、こういうふうな非常に強い要請もあるわけでありまして、またそこに意欲を持って取り組める、こういうふうな魅力もあるわけでありますし、また、国民の皆様方に対しまして安定した食糧供給をしていくという大きな使命感に燃えながら農業をやっていただくためにも、やはりしっかりとした産業政策を進めていかなければならない。 もう一点は地域政策。いわゆる農業をやっていく方々が、農業者の方々が住まわれるその地域というふうなものを、これまた魅力あるものにしていかなければならない。都会の人たちも農村に来られたときには、山村に来られたときには、ああ、いいところだな、そういうふうな、だれが見ても魅力のある農村、山村をつくっていかなければならない、そういう地域政策をやる。 こういう産業政策、地域政策、これを二本の柱としてやっていかなければならない。その中で、具体的には、農地の貸し借りなり、あるいは農作業によるところの受委託等々規模拡大を図り、構造改善を進めていく。そしてまた、しっかりとした担い手をも育成をしていかなければならない。また、今日の消費者のニーズも高度化、多様化している中において、そういう新しいニーズにこたえるために、新しい技術を活用したところの新しいものを生み出していく、普及もしていかなければならない。そういうふうな農業政策を進めると同時に、農村のあるべき姿としては、集落道なり、あるいは集落排水なり、あるいは農村公園なり、そういうふうな環境整備をやることによって、また就業の機会というふうなものを確保することによって地域の活性化を図っていく、こんなことを考えておるわけであります。 そのような意味から、将来というふうなものを見通しながら農業を営んでいただくことができるように、今日、目標年次二〇〇〇年、どのような形になるか、こういうふうな長期見通しを策定すべく作業にも取りかかっておる、こういうことでございます。
○渡部(行)委員 これはもう歴代の大臣が大体同じようなことを言っておられるわけですね。なるほど、言葉だけ聞いておると、魅力ある農業というと大変立派に聞こえます。 そこで、本音で私は話をしたいと思うのですが、今農業の後継者はふえているのでしょうか。それから、農業収入と農外収入と比べて、農業収入の推移はどうなっているでしょうか。また、約三分の一に及ぶ減反を強制されて、これで本当に農業が希望を持てる農業になるでしょうか。どんな企業でも三分の一操業を停止されたら恐らく倒産すると思うのですよ。この三分の一の操業停止は政府の政策によってなされているのです。農民自身の自発性によってやっているんじゃないのですよ。そして年々米の値段は下げられる、物価は上がる、労働者の賃金も上がる、農民だけがなぜその米の中に入っている労賃分までも下げられなければならないのか。 こういう一つの現実の方向を見詰めてみると、一体今大臣が言ったことを本気で信じていいだろうか、こういうふうに思うのです。しかもそのほかに、今度は外圧という厄介なものがかかっている。そういうことを考えると、私が農民なら、これはとてもじゃないがもう発狂するくらいの気持ちであります。そういう現実をどういうふうに見ておられるのでしょうか。
○鶴岡政府委員 数字的なことにつきまして、今手元に持っています資料で簡単に御説明させていただきます。 農業後継者につきましては、最近新規参入者が減少ぎみであるということは事実でございます。私ども何とかそれを確保していきたい。ただ、農外からの新規参入も、年によって振れはありますけれども、従前に比べて、ふえているといってももうわずかではございますが、ふえているというようなこともありまして、いずれにしましても、農業生産というのは、土地と太陽エネルギー、それから人ということの組み合わせで、水資源を受けました農地と人と担い手ということでございますので、現在ある基幹的な農家に土地を集積していく、あるいはそういうことによって生産性を上げていくというようなことで、後継者も含めてできるだけ確保していくというふうな施策をとっていきたいと思っております。 それから、農業所得の関係でございますけれども、これは平均的な数字でございますけれども、大体百万前後で、年による豊凶変動その他はございますけれども、こういうふうなことで推移しているのではないかと思います。 それから、農外所得を比べました農家の水準というのは、一般の勤労世帯よりは高いような水準にあるのではないかと……(渡部(行)委員「いや、農外所得と農業所得を比べているんだよ、勤労所得と比べているんじゃないよ」と呼ぶ)これは平均的な数字しか今ちょっと持ち合わせませんけれども、農外所得は約四百五十万前後、それから農業所得が百万前後というような格好になっているかと思います。
○渡部(行)委員 もう農業者じゃなくなっているのですよ。ほとんどが農外所得に頼らなければ生きていけない、この実態を本当に農民になった気持ちで見詰めていかないと、私は、いかにきれいな言葉で飾っても、農民からすれば、その言葉は逆にばかにされているようなふうにしか受け取れない、こう思いますよ。 そこで、まず転作奨励金は、見ているとどんどん減らされてきて、今ではこの後期の奨励金が三期時代の三分の一にまで減ってきているのですね。一体これは何をねらっているのか、何をやろうとしているのか、その真意をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○鶴岡政府委員 水田利用再編対策につきましては、単なる米の減反だけでなくて、水田の活力を最高度に生かす、それからまた、今後土地利用型農業につきましては、個人経営の規模拡大、そういうこととあわせまして、集団化といいますか、中核農家を中心に土地を集積し、経営規模を拡大し、機械効率を高めていくというような施策をとっておりまして、そういう方向に対応していくような奨励金体系を組んできているわけでございます。
○渡部(行)委員 本当にこれは、農林省のお役人の方の頭は私にはわからないのですね、どういう思考方法を持っているのかね。減反はもう今の農民はこれが限度で、これ以上やられたら農業をやめるしかないと言っているのですよ。どこに農業の活力が出てくるのですか、この奨励金までどんどんと下げてしまって。これは脱奨励金をねらっているのでしょう。結局、やがては奨励金も上げませんよと、こういうことでしょう。それでどうして農業の活性化ができるのですか。その部分をはっきり言ってください。
○鶴岡政府委員 今回の後期対策の決定に当たりましては、米の需給事情、その他いろいろな事情を考慮しながら、転作面積につきましては前期対策の水準を据え置いたわけでございます。それからまた、それを助長していきます奨励措置につきましても、先ほど申し上げましたように、全体として今後の水田農業の向かうべき方向へ向けての体系の改善ということが行われましたけれども、全体としての奨励金水準につきましては、今年度については前期対策をやや上回るようなものを確保して対応することにいたしております。またあわせまして、特に関連する対策として、土地改良についての支払い金額が特に増高している地域を対象としまして、土地改良負担金の償還の軽減対策、緩和対策でありますとか、あるいは平場地域に比べていろいろな問題が多い中山間地帯、これらは特に立地条件はほかにないところもあるわけでございますので、道路網の整備、情報網の整備によりまして逆にそういう特性を生かした農業とか資源を生かした対応ができるところについて中山間対策を特別に仕組むということで、全体として後期対策が円滑にいくような対応をいたしたいと考えております。
○渡部(行)委員 中山間対策というのも最近出てきた言葉ですが、中山間まで行かなくとも、今は平らなところでさえうまくいっていないんじゃないのですか。何で八十三万ヘクタールも減反させて、そのほかに今度山の方に入っていって開拓しなくちゃならぬのですか。そういう理屈が通るのですか。本当に私は農民をばかにしているんじゃないかと思いますよ。この八十三万ヘクタールだって、選挙が近づいてきているからようやくそのくらいに抑えていると言われておりますけれども、本当は九十万ヘクタールくらいやりたかったのでしょう。この八十三万ヘクタールの減反を今後九〇年から三年そのまま続けるのですか。その辺についてお伺いします。
○浜口政府委員 先生御指摘の減反面積、いわゆる生産調整の面積は、水田農業確立対策の前期の面積七十七万と、その後米需給均衡化対策のものを足しまして、現状実施しておる規模として行われております八十七万に三年間固定をしようということを、今回農林水産省として……(渡部(行)委員「八十七万、どっちなんだ」と呼ぶ)八十三万でございます、八十三万ヘクタールということで決めさせていただいたわけでございます。 この点につきまして、一部の報道において別の数字が出ていたことは事実でございますが、先生御指摘のような農林水産省がこういう数字を持っていたかということについては、私ども一切そういうことではございません。農林水産大臣を先頭にいたしまして、地域の方々の生の声、あぜ道の声を聞こうということで、私ども手分けをしましていろいろ各地の実情を聞いてまいりました。 それで、この八十三万ヘクタールの前提となります数字として私の方から申し上げさせていただきますと、これまでの米の需要の減退ということが一番大きな問題でございます。もちろん日本の主食でございますが、米離れといったものが若い人の間で出てまいっております。農家の方々が汗水流してつくられた米が、現実に国民に十分食べられていないという厳然たる事実があるわけでございます。具体的数字を申し上げますと、戦後自給が確立したといったような三十八年の段階で、一人当たり百十八キロ食べていたわけでございます。これが現在七十二キロという形で、畜産物とかそういったようなことから四割減になっております。そういう意味で、古来我が国の農民の方々が育成されました水田を維持しながら、その中で、あるときは主食である米をつくり、あるときは畑作物をつくる、いわゆる地域輪作農法といいますか田畑輪換をやろうというのがこの前期対策の考えでございまして、そういった考えを受け継いで、今触れましたような需給の見通しに立ちまして、八十三万ヘクタールといった数字を出させていただいたというのが今度の後期の考え方でございます。
○渡部(行)委員 この八十三万ヘクタールは九〇年、九一年、九二年、その後はどうなるのでしょうか。
○浜口政府委員 水田農業確立対策と銘を打ちました対策は三年前に発足をさせていただきまして、そのときに私ども農林水産省として決めさせていただいた点は、三年間で前期を行い、三年間で後期を行うということでございまして、ちょうど来年から三年間が出てまいります。 先生御指摘の、しからば三年後はどうするかという問題でございますが、この点につきましては、転作面積の実施状況、あるいは一番大きい問題は、先ほども触れさせていただきましたが、国民食糧としての米の位置づけがその段階でどういう形になったかというものを総合的に勘案をいたしまして、その後の対策を考えるという段取りになろうかと思います。私どもといたしましては当面三年間、明年から始まります三年間の中で水田農業の確立を目指して、米と米を取り巻く転作作物の地域的な営農形態を樹立していくことがまず緊要だというふうに考えているところでございます。
○渡部(行)委員 次に、政府はいろいろと補助金の見直しをしているようですが、この補助金体系を今後どのように見直すお考えなのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 転作助成金につきましては、一般作物につきまして基礎的に交付する部分と、さらに、生産性を上げていくとかあるいは集団化していくのを誘導するための部分に分かれておるわけでございますけれども、一般的に、集団的に対応するとかあるいは生産性を上げていくというような点に重点を置きまして、望ましい転作形態をとるものについては従来と同じような水準のものを確保するということで対応するようにいたしたいと考えております。
○渡部(行)委員 この生産性向上ということなんですが、私は生産性向上というのはたくさん生産できるということだと思っておったのですが、どうもそうでないようなんですね、農水省の生産性向上というのは。これは何ですか、コストを下げるということが生産性向上という意味なんですか、どういうことですか。
○鶴岡政府委員 私どもの農政の基本というのは、できるだけ土地の潜在生産力を高めながら国民の納得する価格で食糧を供給するということに主眼があるわけでありまして、そういう点で、国民の納得する価格で対応できるような方向での生産性を上げていくということに主眼を置いているわけでございます。
○渡部(行)委員 一方で減反させて米をつくらせないで、そして一方で生産性を上げるということは矛盾していませんかな。どうも言っていることとやっていることが非常に矛盾していると私は思うのですよ。これでは農業は決して魅力あるものになっていかないと思います。 そこで、この補助金体系の変更がこれからなされていくと、これはやはり減反政策にいろいろ影響を及ぼすと思うのですが、その点はどのように考えておりますか。
○鶴岡政府委員 先ほどの答弁でちょっと舌足らずだったかもしれませんけれども、生産性を上げていくというのは、転作する対象作物について団地化を進めていくとかいろいろな点での生産性を上げていくということで、一方で米を減らすことと矛盾するわけではなくて、水田の輪作体系を確立するという意味で、そういう方向で進めているわけでございます。
○渡部(行)委員 時間がありませんから、なるべく簡潔に要領を得た答弁をお願いします。 次は、食糧管理費が年々減らされてきておるわけですが、こういう一つの傾向として見た場合、これはやがて食管制度を見直すなり廃止するなり、そういう意図が含まれての食糧管理費の削減がなされているわけですか。その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○浜口政府委員 まず現状の問題といたしまして、先生御指摘の食糧管理費が減っているではないかという点でございます。その点は仰せのとおりでございまして、食管制度、数字のつかまえ方はいろいろございますけれども、一番のピークのとき、五十年の中ごろに約一兆円程度の食糧管理制度を農林予算の中に計上しております。現在のところ約四千億というふうな形になっておるわけでございまして、そういう意味では四割程度になっているのではないかという御指摘だろうと思います。 この分析でございますけれども、大きなところを申し上げますと、先ほど先生御指摘の水田農業確立対策、前の名前で水田再編と言われておりましたこの部分が一つございます。 それから、準食糧管理の関係で挙げられるべきは過剰米処理の部分でございます。これが一番ピークのときは約一千六百億円と言っておりますから、かなりの大きいものでございます。 それからもう一つは、食糧管理費の狭義の部分でございますが、俗に逆ざや解消と言われているものでございまして、国が買い入れる価格と国民の皆様にお売りする価格の間でかつては逆ざやが多うございまして、これが大体三千億程度ございました。そういったようなものの解消が、今回先生御指摘のような食管制度の減った原因でございます。 しからば、今後の問題として先生が御指摘になられた点、食管制度がどうなるのかという問題でございますが、この点につきましては農政審議会の報告というものをことしいただいております。この方向のものは大きく分けまして二つございまして、一つは、米は国の中で自給するということと相まちまして、食糧管理制度の根幹を維持するということを提言をなさっているわけでございまして、そういう意味では、私どもこの方向に従いまして十分対応していこうということでございます。 予算の関係からまいりますと、市場原理の導入というのをこの御報告の中で提言をされております。価格市場の形成という問題もございますが、私どもは、そういったものと食管制度の根幹ということ、特に国民に対する安定的供給という観点から考えますれば、予算の面に即していきますと、備蓄等々必要なものは必ず計上して、食管制度の特別会計及び食管制度を維持していきたい、そういうように考えているところでございます。
○渡部(行)委員 これはそういうこともあるけれども、政府の買い入れ米がだんだん少なくなっていることも相当影響しているんじゃないですか。そして現在、自主流通米という食管制度とは関係のないような米が非常に出回って、それが今米市場の約六割を占めておると言われているわけです。これは今後もどんどんとそっちをふやしていく、つまり今言われた米の市場の自由化を図っていく、そして政府は、備蓄米とかそういう特別な米だけを今度管理して、あとは市場原理に任せていく、こういうお考えですか。
○浜口政府委員 御指摘のとおり、現在政府が管掌をしております米の中には、昭和四十四年に導入をされました自主流通米という分野がかなり大きくなっているわけでございます。これは現在の米の需要状況といったもの、あるいは国民の各階層からの良質米志向といったもの、あるいは現在の流通の変化といった米、食糧政策、そういったものをめぐります状況の変化に対応するために行われたものでございますけれども、あくまでもこれは政府が管掌しております米でございまして、自主流通米と狭義の政府米ともども、政府のつくります基本計画のもとで管理をされているものでございます。 さらに、このものにつきましては、先ほど御指摘のような補助金体系の中で、良質米奨励金等々の援助措置といったものを自主流通米についても交付しておるわけでございまして、その両者相まちまして、自主流通米と政府米といったものを合わせて車の両輪のごとくしまして、政府管掌米を実行しているわけでございます。 しからば、今後どういうことを考えているかということでございますが、当面の姿といたしまして、流通研究会あるいは農政審の報告といったようなものから考えますと、六・四の姿というものが大体当面は適当だろう、こういう御提案をいただいております。私どもといたしましては、政府米におきます先生御指摘の備蓄の問題、広くは安定供給の問題、この場合は回転在庫というような形でやるわけでございますが、そういった政府の安定的供給の機能を十分勘案いたしまして、政府米と自主流通米、両輪相整いながら、今後の計画を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡部(行)委員 そこで、この自主流通米のほかに他用途利用米というのがありますね。この他用途利用米というのは、本来加工用原料としてつくらせるからということで、一般市場価格の政府買い入れ価格の約半値ぐらいで買い入れているわけですね。そうして実際には、これを加工用原料に使わないで古々米、こういうものと交換をして、それを加工用の原料に使っている。そして他用途利用米は一般の主食用の米として使っている。こういうことになれば、農民に対して詐欺行為になりませんか。あなたのつくった米は特別な枠の米だから半値で買いますよ、そしてそれはそのように使わないで、今度は自分たちの売れ残ったもの、古々米と交換して、古々米を加工用に使う、他用途利用米は今度は一般主食用として、一般に出回っている米と変わりなく使っている。これは余りにもひど過ぎるのじゃないか。もちろん価格の関係では、そのとおりいけばどっちも別に損をする者がいないのだからいいじゃないかという議論はされるかもしれないけれども、私の言わんとするのは、同じようにつくった米を、一方は当たり前に買って、一方は半分で買うということは、全体から見れば大変な値下げをして買っているということなんですよ。仮に自分がそうされたらどう感じますか。
○浜口政府委員 先生御指摘の点については、一つは、現在におきます、他用途米という形で農家の方が、やはり他作物の転作形態よりも米をつくりたいという意欲が一方ではある。その場合において、主食用といったもの以外の、例えばくず米とかいったものの中で米菓、そういったものをつくっているという実情がある。そういったもの、あるいは今も既に先生がおっしゃいましたように、それぞれの人たちが損をしないといったような問題があるという形で、他用途米の交換といったようなことが行われているわけでございます。 もちろん、先生の御指摘のような点については、買い入れ集荷をしております系統組織と農家の間で約款を結びまして、それが他用途米以外のものに交換する場合もあるべしといったような条項がございますので、手続的にはそういうふうな十分の形が行われているわけでございます。 ところで、数字の方を簡単に申し上げますと、他用途米全体の中で、約五十万トンと言われておりますが、政府が在庫をしております先生御指摘の古々米といったようなもので交換をする数量は、去年とことしといったような段階でございますが、約二十五万トン前後でございます。 そういったような中で、政府の立場はなるべく新米を供給しようといったようなことから、政府の持っております古々米を全農との間で契約を結びまして原則的に等価交換をして引き取ってもらっている、こういう形でございます。全農の方は、こういう等価交換で引き取りましたものを、先ほどのような他用途米という形で引き受けた者との間で交換をするという行為が行われているわけでございまして、そういう意味で、それぞれの状況に応じました、一つは主食以外の原料としての他用途米の機能、それと米をつくりたいという意欲の問題、さらに消費者の方々に、政府米におきます新米をできるだけ供給したいという、三者の意見のところの調整といたしまして、この一、二年の間で生み出された方式というふうに我々は考えているところでございます。 なお、農民の感情という形で、この点について値下げをされたというふうな意識があるということでございますが、その点については十分納得をした上での実行ということでさせていただいておりますし、この点については、我々も誤解のないような形で取り運び、進めたいというふうに考えているところでございます。
○渡部(行)委員 これは、さも三者で契約をしてお互いに納得していると言われておりますが、農民は全然知らないのですよ。本当に米をつくっている農民は、他用途米がそんなふうに使われているということは知らないのです。実際に行って聞いてみなさい、私の言うのが本当かうそか。私は農村を歩いて聞いているのですから間違いありませんよ。だからそういう点で、これは三者が喜んでやるならいざ知らず、農民だけ泣かせて済む問題ではないだろうと私は思うのです。 そこで、米問題というのはこれからのウルグアイ・ラウンドの中でも議論されるでしょうが、非常な矛盾を抱えているのですね。だから、そういう意味で、消費拡大などといって、給食にどんどんもっとふやせなんていっても、人間の胃袋、決まっているのですよ。今まで二杯ずつ食べたのを三杯食べろといったって無理だし、そんなことしたら体を悪くしてしまうのですよ。それぞれ要求に応じて食べているのです。ところが消費拡大、消費拡大と言いながら、現実には消費は減ってきているのでしょう。現実に減ってきているのを、そういうことでごまかしてはならないということなんですよ、私の言わんとするのは。 だから、それではどうしたらいいか。百五十万トン、とりあえず政府買い入れ米の中からもみで備蓄したらいいでしょう。もみで備蓄をすればそれほど味は落ちないですよ。古米くらいなら新米と大した変わりはないぐらいで、もみすりすれば食べられるわけですから、それを一つの制度として、百五十万トン備蓄制度として定着させていく。そして後は自由米にするなりいろいろして、農民が競争をしながらみずからの生産性を向上させていく。こういう自助努力というものも考慮していけばいいではないか。そして何も減反などということをさせないで、全部つくりたいものをつくれ、そして競争させるのですよ。それで、余ってどうしようもないものはODA資金で買い入れて、アフリカのようなところにどんと無償でくれてやればいいのです。日本が今ODA予算で世界一になったけれども、それでも物すごい批判のあるのはなぜかというと、ひもつき援助が多いからなんです。そうでなくて、無償援助をもっとふやさなければならないのです。 そういうふうに考えていけば、当然このODA予算、あれほどすごい予算持っているのだから、それで買って、ただで、無償援助という形でそれをやれば、日本の農民も喜ぶし、アフリカの人も喜ぶ。 とにかく私は、軍隊や捕虜生活の中で、本当に飢餓というものを経験したからわかるのですよ。そのときに、本当に腹が減ってどうにもならないときに、立派な新品の服をもらうよりも一切れのパンをもらった方がありがたいのです。忘れられないのです。それほど食べ物というものは人間の心に深く刻み込まれていくのですよ。愛情が刻み込まれていくのです。そういうことを考えたら、金でやらなくても米でどんとくれてやった方がいいと思う。 これは外務省と両方からお聞きします。
○茂田説明員 お答えいたします。 第一点の先生御指摘のひもつき援助の問題ですけれども、この点に関しましては、日本のODAにおけるひものついていない、いわゆるアンタイドの援助というのは最近非常にふえておりまして、現在では八〇%近くがひもつきではございません。そういう意味で、日本の援助がひもつきであるという批判が米国等で出されますけれども、これは実態を反映していないというように我々考えております。 それから、無償援助が日本の援助では少ないのではないかという点に関しては、そのとおりでございます。それで、日本の援助の場合には、円借款という借款の形態が非常に多いものですから、無償援助が少ないという形になっておりまして、我々は第四次中期目標の中で無償資金協力の拡充を図っていきたいと考えております。 それから、余剰米のODAとしての使用という点に関連しまして申し上げます。 日本は、前の余剰米処理期間中に、日本の米を食糧援助に使用したことがございます。ただ、日本の米を使用する際には、国際的な点でいろいろ問題がございます。国内的な点でも問題がございます。 国内的には一番大きい問題というのは、日本の米の国内価格が非常に高いということで、援助に用いる場合には、国際価格でこれを供与するということになるものですから、相当大規模な財政負担が生じてくるという問題がございます。国際的には、余剰農産物処理に関しましてはFAOで合意されました原則というものがございまして、ここでは、通常の農産物に関する国際貿易にそういう余剰農産物の処理が影響を与えないように配慮するということがございます。これは具体的に言いますと、例えば我々が余剰米を援助に用いる場合には、米の生産国、輸出国でありますタイ等との関係で協議が必要になるという問題がございます。これは、以前に行った場合にも、通常の輸出国というのは、日本がそういう援助で米を出すことについて、自分たちの貿易に阻害要因が来ないかということでいろいろな懸念が表明されたということがございます。さらにつけ加えますと、食糧援助というのは食糧援助規約に基づいて行っておりますけれども、この援助規約では、日本のように資金を供与して食糧援助を行う場合には、できるだけ開発途上国の穀物を利用することを一般的に目標とすべきであるということになっております。 そういうことで、余剰米の無償での食糧援助への使用に関しましてはいろいろ考えなければならない点がたくさんある、慎重に考える必要があるというふうに考えております。 以上でございます。
○浜口政府委員 食糧庁の方から、政府が買い入れて援助用とすることについて今外務省からお答えをいたしましたけれども、簡単に補足をさせていただきたいと思います。 一番考えなければいけないのは、米をめぐる国際の、いろいろな意味での、日本の米の市場を開放しろとかそういったような動きがやはり厳しさを増しているという認識でございます。したがいまして、そういう中で我が国が政府のお金を使って外国に出すんだというようなことをもし国際市場で行いますれば、そういう輸出をしているのであれば、援助という形であれ輸出をしておるのであれば、我が国の国内市場を開放しろという動きになって当然はね返ってくるような状況がますます高まってくるという認識が一つでございます。 それからもう一つは、やはり本質的に、米の市場というのは、ほかの農産物と同じ状況で比べてみますと極めて底が浅いということでございます。これは、小麦とかトウモロコシというのはある程度の国際市場というのがございます。しかし、米につきましては、中国を初めとしてかなり多くの生産が全世界で行われておりますけれども、米を実際に貿易という形で行うというのはわずかに三%前後でございます。そういう狭まった国際市場というようなことでこういう援助というものを行いますと、かなり大きなものになろうと思います。具体的に申し上げますと、余剰農産物を国際的に処理するに当たって、援助を受ける国の農業生産を阻害しないように配慮すべきだ、あるいは援助を受ける国への通常の商業輸出を行っている関係国への悪影響を及ぼさないように行う、こういうことを定めましたFAOの余剰処理原則との関係というのが一つ挙げられようかと思います。 さらに、米の国際価格と国内価格におきましては大きな格差がありまして、膨大な財政負担を余儀なくさせる点がございます。そういった点で多くの問題を含んでおりますので、援助等につきましては慎重に対応すべき問題だというふうに考えております。 もちろんヒューマニズムの考え方から、飢餓の国のことに関連いたしまして、民間ベースの援助というものがなされているわけでございます。わずかなことではございますけれども、水田農業確立対策においても、この場合におきましては転作作物の対象として取り扱わせていただいているところでございます。
○渡部(行)委員 時間が参りましたけれども、私は今の外務省と農林水産省の御答弁には満足できません。とにかく、何か非常に高利貸しのような商人と話し合っているみたいな感じで仕方ないんですよ。愛情のあるということが一つも感じられない。国際関係であれ国内の対国民にしても、愛情がひしひしと伝わってくるような政策をやってもらいたい。やる気があればやれるんですよ。私が初めて国会に出てきたときに年金の一元化をやりなさいと言ったら、やれないと答弁しているのですよ。それが今どんどん進んでいるのじゃないですか。やる気があるかないかなんだよ、問題は。そして、アフリカのあばら骨だけになっているあの小さな子供が餓死していく姿を黙って見ていられるのか。自分はたらふく食べて豚のように太って、そして、ああいうふうな惨めな状態を黙って手をこまねいて見ていられるのか。私はそこの辺の対応というのが一番大事だと思うのです。最後に大臣にお願いします。
○鹿野国務大臣 国内産を政府が買い入れてそれを援助用とするということにつきましては、ただいま外務省、食糧庁長官から答弁をいたしたとおりでございまして、やはり国際協調の中で生きていかなければならない、このことも考えていかなければならないわけであります。また、ヒューマニズムというふうな考え方からは、民間ベースでそのような援助というふうなものがなされておるわけでございます。
○渡部(行)委員 終わります。
○中村委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 ────◇───── 午後一時三十分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。古川雅司君。
○古川委員 農林水産省に対しまして二、三質問をいたします。 初めから大臣に対してで大変恐縮なのでございますが、政府・自民党は、今後三年間の米の減反面積、いわゆる水田農業確立の後期対策を現行の八十三万ヘクタールに凍結することを決めた、なおかつ、減反助成金の総額を約百億円も増額をしたというふうに報道されているわけでございますが、これは農林水産省として、また大臣として、どのように理由づけをなされているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 水田農業確立後期対策につきましては、前期対策及び米の需給均衡化緊急対策の実績と経験を踏まえまして、前期対策の理念を継承するととともに、これをさらに発展させる、このような観点から生産者、生産者の団体の方々の主体的な取り組みを基礎といたしまして、いわゆる地域の条件を生かした水田農業をさらに展開していく、そして効率的な生産単位の形成を通じた生産性の向上を図っていく、それから地域の合意形成の促進等によりまして、いわゆる地域輪作農法といいますか、そういうふうな今日の水田農業を取り巻く情勢に適宜対応できる、そういうふうなことからいたしまして、質的向上なりあるいはそういう地域営農を基本としたところの地域輪作農法の面的拡大、こんなことを図ってまいりたい。こういう基本的な考え方のもとに、御案内のような基本的な施策というものを講じさせていただいたところでございます。
○古川委員 ちょうどここに広島県の庄原市から提出をされました要請書があるわけでございますが、これはもう御紹介するまでもございませんけれども、この中に「前期水田農業確立対策については、国の施策の方向に沿い、大変厳しい情勢の中で生産者・農業団体・行政が一体となって円滑な推進に努めてきた」と、その努力をうたっておりますし、「後期対策については、米の需給関係や農産物輸入自由化問題等から、従来より大幅な厳しい対策が打ち出される情勢」であった。その「大幅な転作は、地域農業あるいは地域経済に大きな影響を与えるとともに、水稲に変わる安定作物は、自然・土地条件等により定着し難い現状の中では、農家の生産・経営意欲は減退の一途をたどるものと憂慮されます。これ以上の転作面積の拡大は、農家の限界と考えられます。」以下続いているわけでございますが、こうした要請を受けたこのたびの措置であったというふうに判断をしてよろしゅうございますか。
○松山政府委員 後期対策の策定に当たりましては、私ども各方面からの御意見をいろいろと承りまして、慎重に検討を進めてきたところでございます。 今お尋ねの点は目標面積にかかわることかと思いますが、需給事情につきまして精査を行いました結果、需給均衡を図るという観点から、これまでどおりの八十三万ヘクタールということで三年間やるのが適当である、こういう結論に達したものでございます。
○古川委員 そこで、この減反の凍結につきましては、そういう関係者の強い要請もございましたし、厳しい現況の中で、一方では、こうしたいわゆる大盤振る舞いについて非常に信頼を寄せるという動きもございますし、一方ではまた、いろいろ不信感であるとか懸念が表明をされているわけでございます。 これもくどいようでありますけれども、まず第一に、消費者サイドで依然として、今後も高くてまずい米を食べさせられるのではないかという声が一つございます。さらには、まずい米がますますふえていく、いわゆる古々米等の備蓄が増加をしていくのではないかという懸念も一つこれあり、さらには、昭和四十六年以来、昭和四十年代、五十年代の二回、それぞれ七百万トンクラスの過剰米を抱えて、これは政府が買い上げるということで大変な財政負担にもなったわけでございますが、そういったことの懸念も一つございます。兼業農家においては歓迎されながらも、今後米作に専念をしていこうという専業農家の方からは非常に懸念と批判がまた募っているわけでありますが、今申し上げたような点。もう一つつけ加えれば、いわゆるガットのウルグアイ・ラウンドにおける議論の問題。日本の米の完全自給政策に対する風当たりが非常に強まっている中で、今回の措置が非常に批判を受けているということ。 今四点申し上げましたけれども、それぞれに対して農林水産省の御見解をお示しいただきたいと思うのであります。
○浜口政府委員 先生御指摘の、まず消費者サイドに立った場合、古々米といった良質米でないものを食べさせられるのではないかという懸念の問題が第一だったというふうにお聞きをしております。この点については、ことしの需給でございますけれども、去る十一月一日に平成二年度の米穀年度が発足したわけでございますが、その期間の期首の在庫が、大体精査を終わりましたところ百四十七万トンという数字でございまして、これはかつての過剰米といったような時代とは違った姿になっていることは事実でございます。さらに、その中で、七年ぶりにいわゆる古々米になったものが四十七万トンあるわけでございますが、この点につきましては、昨年と同様に一部、米のおせんべいであるとかその他、原料用に使う他用途米との交換というものを前提にいたしまして、約過半のものを全農に直接売り渡しをするという形で対応していきたいということでございまして、あと二十万トンの処理の問題というのがございますが、それぞれ消費者の方といいますか、あるいは流通の中での需要が多様化しております。一方では、良質米の志向というものがふえておると同時に、安くて量の多いものといったような志向もそれぞれの分野に出てきておりますので、そういった問題を見ながら十分入札等で対応していくべきであろう、そういう考えで今後十分慎重に対応して古々米の処理をやっていきたいというふうに考えております。この古々米につきましては、百四十七万トンのうちの四十五万トンでございますけれども、従来のような第三次過剰といったような懸念はないというふうに考えているところでございます。 もう一つは、最後に先生御質問になりましたウルグアイ・ラウンドの問題でございます。この点については、再三、大臣以下お答え申し上げておりますように、基本的に国内産で自給するという方針を堅持して対応していきたいと思っておりますが、ウルグアイ・ラウンド等におきまして既に概略の提案をしておりますが、基礎的食糧に基づくガットルールの改定問題というものを粘り強く説得といいますか、関係各国に訴えながら、日本の米の格別の重要性というものを説得をしていきたいということでございまして、詳細な問題を来るウルグアイ・ラウンドのジュネーブでの会議に提案するよう、今現在政府部内で調整中でございます。
○松山政府委員 まず、転作助成の問題でございますが、今回の後期対策の策定に当たりましては、転作助成のあり方につきまして各方面の意見を聞きながら見直しを行いました。その見直しのポイントは、望ましい営農に誘導していくためにどういう形の助成が好ましいか、こういう観点からの見直しを行ったつもりでございます。 御案内のように、転作の助成金につきましては、どういう形態の転作でも一律に支払われるいわゆる基本額というものと、それから、例えば団地的なまとまりを持っているものに支払われる団地加算、そういう幾つかの望ましいと思われる形態に誘導するための加算というものがございます。これまでの見直しにおきましても、できるだけ望ましい営農形態に誘導していくということで、加算を重視するという考え方の見直しを行ってきたわけでございますが、今回も基本的にはそういう考え方のもとに、前期対策の実績を踏まえた見直しを行ったわけであります。 具体的には一般作物、通常一般の作物の例で申しますと、基本額は従来二万円でございましたけれども、これを一万四千円に縮減する一方で、生産性等向上加算という幾つかの具体的な加算の総称でございますけれども、二万円でございましたもののほかに、新たに二万六千円の高能率の生産単位の形成を育成するための加算を設けまして、一番望ましい形態のものにつきましては従来どおり十アール当たり五万円の助成金が出る、こういう見直しを行ったわけであります。 大盤振る舞いという話も実はあったわけでございますが、そういう見直しの中で、助成金そのものといたしましてはなお細部の精査を必要といたしますが、ことし計上いたしております千七百億余のものが恐らく来年度当初では約二百億近く減額になるものというふうに考えております。 ただ、新しい水田農業確立後期対策のもとで、望ましい地域営農への誘導あるいは水田の多面的利用といったようなことを考えますときに、幾つかの点での条件整備を必要とするという判断がございまして、今回新たに設けました地域間調整を推進することも含めましたそういう意味での転作の誘導、あるいは水田を例えば農村公園のような形で都市の人にも利用していただくための条件整備だとか、そういう幾つかの条件整備のための特別対策費を緊急に講じることが必要であろう、これを今のところ三百億円予定しておるわけでございまして、内容としてはできるだけ前向きに金を使わしていただきたい、こういう観点からの見直しでございましたので、ひとつ御理解を賜りたいというふうに思っておる次第でございます。 なお、稲作のあり方の問題についてもお触れがございましたけれども、私ども、米の需要、良質米への志向を強めながらいろいろな形の需要が存在するというふうに思っております。 大臣からもお話がございましたように、今回の後期対策におけるポイントの一つは、やはり地域の条件に即した多面的な水田農業の展開を図るということでございますし、そういう意味では、需要の動向に即した稲作生産が行われるように誘導するとともに、生産性の向上ということを基本におきました対策の推進に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○古川委員 いろいろ御答弁をいただきましたが、大臣に再度お伺いいたしますけれども、こうしたいろいろな不信とか懸念がまだ非常に根強く残っておるわけでございます。一方では、非常に歓迎をされているわけでございますが、そうしたことはやはり衆議院の解散、総選挙を控えて、いわゆる消費税、リクルート、農政不信という三セットの解消のための思いつきではないか、こういうような指摘が非常に強いわけでございます。今回のこの措置によって、総選挙に対し非常に与党に有利であるということが強く言われておりますし、なかなかこれも否定しにくい指摘じゃないかと思うのですが、殊に総理の思惑から多いに外れた、農村議員に押し切られたというようなことも盛んに言われているわけでございます。これは今回の衆議院の解散、総選挙を前にしての緊急避難的な措置であったのか、今後も引き続いてこういう姿勢でもって米対策に臨んでいかれるお考えなのか、大臣としての御見解を一応伺っておきたいと思います。
○鹿野国務大臣 水田農業確立対策の後期対策につきましては、三年間どうするかというふうな問題につきまして、あらゆる角度から、私どもも、もちろん生産農家の方々からも直接生の声も聞かせていただき、また市町村の方々からも、あるいは生産団体の方々からも、消費者の方々からもあらゆる考え方を聞かせていただきながら、これからの後期対策はどうあるべきかというふうなことを基本的に、ただいま食糧庁長官からも答弁申させていただきましたとおりに、在庫水準の問題等々、これからの消費動向はどうなるかということも含めて精査をさせていただき、そして、これからの水田農業のあり方というふうなものにつきましても明確にそこに打ち出させていただいての、今回の私どもの後期対策の基本的な考え方でありますということを御理解をいただきたいと思います。
○古川委員 くどいようでございますが、大臣に重ねてお考えをお聞きしておきたいのでありますが、米対策については非常に困難な苦しい状況にあるわけでございます。非常に御苦労いただいているわけでございますけれども、こうしたいろいろ矛盾を抱えたこの問題について、今回の措置が果たして問題の解決に役立つのかどうか。問題の解決にはならない、本当に一時的なものであるという印象が非常に全体に強いわけでありまして、その点のお考えをお示しおきいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 先生御承知のとおりに、後期対策につきましては三年間どうするかというふうなことでございまして、そのような中で私どもも、この三年間はただいま答弁させていただいたような形で進んでいくもの、このような判断をさせていただいたということでございますので、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○古川委員 ほかに質問の通告をいたしております。時間の都合でこの問題についてはここで打ち切らせていただきます。 次に、これは昨年の九月六日の決算委員会におきまして、当時佐藤隆農林水産大臣でございましたが、私は、農水省が新規事業としてお進めになりました有機農業技術実用化事業についてお伺いをいたしました。たまたまそのときは、公正取引委員会から有機農産物の有機についての定義あるいは基準が明確でないという指摘があった時期でございます。佐藤大臣は私の質問を受けまして、これら有機農業全般について感想をお述べになった後で、その実態の把握をしてまいりたい、そういうことで取り組みを強化していきたいというふうに示していらっしゃいますが、その後一年間の間に有機農業のあり方、また、その進め方についてさらに大きな要請が届いております。その後、農林水産省としてどのようにお進めになってきたか、お示しいただきたいと思います。
○松山政府委員 いわゆる有機農業につきましては、多様化する消費者ニーズへの対応、あるいは手づくりで高品質な農産物の生産によります地域農業の振興といったような観点から、最近注目を集めているところでございまして、私どもといたしましても大きな関心を持ってこれに臨んでおるつもりでございます。 今お触れになりました六十三年度有機農業技術実態調査というのを実施いたしまして、その実態の把握からまず始めたということでございますが、さらに平成元年度におきましては、新たに有機農業問題を担当する室も一応つくらせていただくほか、省内の連絡体制も整備をさせていただいております。こういうことをやりつつ、さらに有機農業の栽培技術につきましての具体的な知見を得るための、有機農業技術実証調査事業というようなものもことしから実施をさせていただいておるわけでございます。これはいろいろな有機農業への現地の取り組みがございますけれども、そういうものをベースといたしながら、一つの農法的な観点からの現地での実証的な試みを行う、同時に、そういうことを通じまして、問題が生じましたときにどういう対応をしていけばいいのかといったようなこともあわせて検討しておく、こういう事業でございます。 平成元年度におきましては、現在全国六地区で水稲と野菜を中心といたしましたこういう実証調査事業を実施しておるところでございまして、私どもとしては、こういった具体的な知見をもとにこれから有機農業の問題にさらに取り組んでいきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○古川委員 大臣にも御所信を伺っておきたいと思うのでございますが、既にこれは昨年でしたか、農業白書にも初めてこの有機農業、自然農業の事例が取り上げられまして、非常に関心も高まっておりますし、特に安全な食糧を供給するという意味で、農薬とか化学肥料の使用、そういったことも絡めて、これは今後大きな課題になっていくと思うわけでございますが、どうもこの有機農業、自然農業に取り組む姿勢、展開が非常に遅いのではないかという感じがいたしますけれども、農政全体の中でこの点どういう位置づけをして今後進めていかれるのか、御確信のほどをお示しいただきたいと思います。
○鹿野国務大臣 先生今申されたとおりに、消費者の、いわゆる高度化、多様化というふうな中において、より安全なもの、よりおいしいもの、こういうふうなニーズがあるわけであります。そういう中で、ただいま農蚕園芸局長が申し上げましたとおりに、有機農業、それぞれ地域によっていろいろなやり方等があるわけでございまして、有機農業の実態というものがどうなのかというふうなことをまず調査をしていく、そしてそういうふうな実態を把握をしていかなければならない。そんな中でこれからの有機農業というものを位置づけながら、これからも取り組んでいかなければならないことではないか、このように考えておるところであります。
○古川委員 別の機会にまたお伺いをしてまいりますが、その位置づけそのものが非常に大事なことであって、どういう位置づけを具体的にしていくのか、今後の課題として残しておきたいと私は思います。 時間が迫まりまして最後になりましたが、昭和六十一年度の会計検査院からの決算結果、農林水産省に対しましても幾つかの指摘がございました。これは一々読み上げるまでもないと思いますが、大きなものとしては、一つに、農業施設の設置等に関する補助事業において補助の対象とならないもの、補助の目的を達していないもの等七件、国庫補助金一億四百五十九万円であった。二番目に、鶏卵価格の異常低落時に生産者に価格差補てん金を交付する鶏卵価格安定対策事業において、加入資格のない生産者を加入させていたり価格差補てん金を過大に交付しているものなどがあり、適切な措置が必要である。三番目に、圃場整備事業等の土地改良事業における換地業務で、業務が完了していないのに完了したとして国庫補助金八億一千百七十五万円全額の交付を受けていた。四番目に、畜産経営を継続して行うことが利子補給の前提であるのに、畜産経営者が経営を中止しているにもかかわらず、利子補給金一億九千百七十九万円が交付されていた。 こういう指摘事項があるわけでございますが、これは六十一年度でございます。これは適切にその後処理をしたのか、その後そうしたこれに類似するような問題は起こっていないのかどうか。一番目に申し上げた農業施設の設置等に関する補助事業の実施及び経理が不適切ということは、六十二年度の会計検査院の検査結果にも、金額は少なくなっておりますけれども挙げられております。そういったことも含めて、農林水産省としての対応あるいはそれに対する御意見を伺っておきたいと思います。
○鶴岡政府委員 農林水産省関係の補助事業等の実施につきましては、事業効果の十分な発揮を図るという観点、さらには事業の適正な推進を図るという観点から、かねて種々努力をそれぞれ担当部局でいたしてきているところでございますけれども、ただいま御指摘ありましたように、六十一年度決算報告を見まして、不当事項として七件、措置要求事項として一件等の指摘を受けたことはまことに遺憾に思っています。 不当事項七件につきましては、補助金返還などの厳正な措置を講じますとともに、今後の再発防止を図るため、関係部局及び県に対しまして通達を出し、市町村あるいは農林漁業の協同組合等に対する指導監督の徹底を図ってきたところでございます。 また、措置要求として御指摘されました事項につきましては、関係団体及び地方農政局長等に通達を発するなどして、指摘の趣旨に沿った改善措置を講じてきたところでございます。 しかし、また、先ほど先生御指摘のように、六十二年度にも同種のことが出ていることはまことに遺憾でございます。今後とも、私ども農林水産関係補助事業等の適正な執行を確保するよう一層の努力を行っていきたいと思っております。
○古川委員 この六十一年度の指摘とはこれまた別の問題になると思いますけれども、農業改良資金の制度運営にかかわる問題でございまして、これは昭和五十一年度決算検査報告以来完全に姿を消しておりますが、会計検査院としてはこれは十五年ぶりですか、また検査を進めているということでございます。これは、昭和五十九年度までは旧制度として農水省が補助事業としていた、その後六十年度から、都道府県の資金が大きくなってきたこともあって貸し付けの方式に改めた、こういった経緯がございまして、その自主納付の問題に絡むわけでございますが、これは大体どのぐらいの都道府県にわたって、金額的にはどのぐらいが問題になっているのか。 いずれにしても、これは貸付資金の効率運用を図る上で非常に大事な指摘だと思いますけれども、一度会計検査の指摘から外れていたものが今回またこうして問題化されているということ、これはどういう事情にあるのか、大変時間がなくて恐縮でございますが、簡潔にひとつ御説明をしておいていただきたいと思います。
○松山政府委員 御案内のように、農業改良資金制度は農業経営の改善発展を進める上で非常に重要な制度でございますが、御指摘のございましたように、昭和六十年度に制度改正を行いまして、資金の一層の活用を県間のバランスをとりながら行っていく、こういう観点での見直し改正でございます。 仕組みといたしまして、今お話しのございました、従来の補助方式から貸し付け方式に変換するということと、それから、既に交付されました補助金で余裕の出てきているものにつきましては自主的な納付を国にしてもらえるようにする、こういう形で、都道府県の資金需要に応じました全国的な資金調整を行う仕組みとして見直したわけでございます。 この制度のもとでどの程度の自主納付が行われておるかということをまず御報告したいと思うわけでありますが、六十年度から六十三年度までの間に三十二億八千二百万円の自主納付が行われまして、これを含めまして全体としての資金操作が行われておるわけでございます。 こういう状況でございまして、多くの県ではおおむね妥当な運営がされてきておるというふうに認識しておるわけでございますが、本年度、会計検査院の方で今いろいろと検査のお取りまとめをいただいておるわけでございますが、現場での問題指摘と申しましょうか、そういうことのあったものとして私ども承知しておりますものといたしましては、一部の府県で依然として余剰資金がかなりあるという事例が見受けられるわけでございまして、私どもといたしましても、そういう実態がありとすれば、これからどういうふうにこれを是正していくか、適正化していくかということが重要であろうというふうに思っております。 ただ、本件は、あくまでも都道府県の自主性に基づいて納付していただくという、そういう制度であるということは一つ頭に置く必要があるわけでございますが、今後、事態をよく見きわめながら、県間においてバランスのとれました適正な資金操作が行われるようにするという観点で考えていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○古川委員 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中村委員長 次に、大矢卓史君。
○大矢委員 ただいまも会計検査院の指摘について質疑がなされました。各決算をやっております中で、会計検査院の指摘事項については農水省が比較的多いのではないかと思います。ただ、いろいろな調査の仕方等ございますし、また、それだけそういうものが発見できたという内部的な努力もあろうと思います。その点について、この指摘に対する基本的な考え方は先ほどお伺いをいたしましたけれども、私どもから考えておりますと、指摘が多いということはそれだけ多岐にわたっておるのかなという考えもいたします。その点も含めて大臣いかがでございましょうか。
○鶴岡政府委員 私どもの補助事業は、直接やる直轄事業のほかに県営、県でやる事業でありますが、さらにまた間接的に市町村とか農協、漁協等、農林漁業者の団体が事業主体である事業もありまして、単なる施設、建物の設置等のほかに、いろいろ政策的な誘導というようなこともやっております。 先ほど申し上げましたように、補助事業の実施につきましては、その補助事業の目的を十分達成するとともに、しかも、その資金の使用につきまして適正、厳正にやれるような指導をやっておるわけでございますけれども、先ほど申しましたような補助事業が多岐にわたった仕組みになっている関係上会計検査院から指摘をされておるわけでございまして、私どもやはり基本的には厳正な執行ということを従来以上に努めまして、事業目的の達成あるいは資金の適正な使用ということに努めていきたいと思っています。
○鹿野国務大臣 農林水産省関係の補助事業に関する適正な執行の確保のためにこれからも努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○大矢委員 この夏の参議院選挙で、私どもも想像いたしておりませんし、自民党の方々も想像しておらなかった参議院でのあのような議席の異動がございました。それについては、俗に三点セットなり四点セットと言われておりますように、農業問題、これに対する不信が大きかったと言われておるわけであります。これは、私自身は余り農業のございますところではございませんので存じ上げておらなかったのですけれども、自民党の若手の先生方に言わすと、このままの形でいくと必ず参議院では大敗を喫するのだということをよく言っていらっしゃった。それが的中をしてしまったわけであります。その言われております農業問題について、結果的にこういうことになりました農業問題について、ただ単に自民党に対するイエス、ノーというのであるのなら別でございますけれども、政治自身に対して不信を抱くということになりますと大変なことになります。それにつきまして大臣の御所見を承りたいと思います。
○鹿野国務大臣 農林水産業は、私どもの国にとりましてまさしく源となるところの重要な産業でございます。そのような意味から、ただいま先生からも御指摘をいただいたわけでありますが、参議院選挙の結果というものを厳粛に受けとめながら、さらに私自身も、農林水産業というものの重要性を認識し、そして国民の皆様方にもそのようなことを御理解いただくべく、あらゆる機会を通して私どもの考え方を主張さしていただき、そしてまた、私どもも農家の方々に直接話も聞かしていただきながら忌憚のない意見交換をさしていただき、そしてさらに、農業者の方々にも意欲を持って取り組んでいただくことができるように、このような形で着実にこれからも農政を推進していきたい、そして手順を尽くすところは手順を尽くし、きめ細かい行政をやっていくところに対してはそういう配慮をもってこれからも努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○大矢委員 参議院におきましては、俗に言われておりますように、これから六年ないし九年になるのかどうなりますかは別にいたしまして、今後六年間は自民党の単独過半数というものが消えていった。そういう中での議会運営は——私は大変遺憾だと思いますけれども、今までは議会すべてがいろいろな問題で対立をしてきたわけでありますが、事農業問題につきましては、自民党から共産党に至るまで農業を守っていくという形でおのおの協力をしてまいりました。そういういろいろな議会運営、これからはすべてがそいういう共通のことを求めながらやっていかなければならない。そういうことで、この決算委員会も、既に申しておりますように中村委員長の指導よろしきを得て円満にやらしていただいておる、そういう中での委員会でございますので、今後はすべてにわたって、特に農業に関してはまたいろいろな問題について一致するものが多いわけであります。一部意見の相違のものもありましょうけれども、そういうことによって、これから六年ないし九年というような年月は、議会が混乱しないように私どもも努めていかなければなりませんけれども、現在の政権党である自民党さんが、いかにも政権党のそれを放棄したような議会運営をいまだにしているということは、私は非常に残念に思っております。 そこで、百九国会において、六十二年の七月二十九日でございますか、これまた農林水産委員会におきまして、当時の玉沢委員長の御提案によります「鯨類の捕獲調査の実施等に関する件」というのが全会一致で可決をされております。それらの経過、またそれをどのように踏まえて今日までこの決議について実施してこられたか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○京谷政府委員 捕鯨問題につきましては、御承知のとおり国際捕鯨条約がございまして、この条約に基づいて国際捕鯨委員会が設けられております。実はこの場におきまして、一九八二年に従来から行われておりました商業捕鯨のモラトリアム決議が成立をいたしまして、それまで行っておりました商業捕鯨が順次中断をされてきております。我が国につきましては一九八八年からこの商業捕鯨のモラトリアムに対応して商業捕鯨を中断しておりますが、いわばそれに身がわる形で調査捕鯨の継続を行っております。 実は、この調査捕鯨の継続につきましても、IWC、国際捕鯨委員会の場ではいろいろな論議があるわけでございますが、私ども、条約上加盟国に認められた権利であるという主張のもとに、若干他の国とともにこの調査捕鯨の継続を決めて実行をしております。過去二回にわたりまして調査捕鯨を実行し、三回目の調査捕鯨につきましては、ことしの十二月から来年の三月にかけまして実行すべく既に調査船を出航させております。 この調査捕鯨の継続実施に当たりまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、六十二年の七月に衆議院及び参議院の農林水産委員会で、この調査捕鯨の継続実施、また、それを足場にして将来商業捕鯨の復活なりあるいは沿岸小型捕鯨の継続についてさらに努力をするようにという御決議をいただいておるわけでございまして、私ども、この御決議の趣旨を体しまして、ただいま申し上げましたような調査捕鯨の継続を行い、来るべき国際的な論議に必要な資料の収集に当たっておる、こういう状況でございます。
○大矢委員 このときの決議にございますように、こういう調査捕鯨を行う目的は商業捕鯨を再開すること、これを目的にやるんだということであります。そしてそのために、「関係各国の理解を求めつつ、また必要とあらば国際捕鯨取締条約からの脱退をも辞さぬ覚悟で、」という非常な決意を国会は示しておるわけであります。そういうこととともに、休廃業を余儀なくされました漁業者及びその従事者に対して適切な対策を講ずるとともに、「沿岸捕鯨については、その存続のため」ということでありますから、これまた先ほど申しましたように各党は異論ございません。 しかし、農業問題にいたしましてもすべて政党段階とまた国民全体の意思というのがございます。そこでまたいろいろな運動をされる方が一部にあるかもわかりませんけれども、やはりこの捕鯨というもの、鯨肉というものが私どもの食文化にどのような貢献をしておるのか、そして今後どういう位置づけになるのかということも含めて、各国に対すると同様に国民世論をそれと一致させないと、ただ単に何か一部の業の人が、一部の好みの方がということだけになってしまって、国際的には一つの大きな運動に押されるというようになってまいりますので、その点国内に対してももっとPRをしていくべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、IWCにおける商業捕鯨の禁止の背景になっておりますのは、伝統的に鯨の肉を食べない方々の御意見、あるいはまた環境保護についての非常に過激な考え方を持った方々の御意見が、国際機関でのいわば多数決原理という形で決められてきた経過がございます。そのことにつきまして、私ども伝統的に食生活の一環として鯨の活用をしてきた者として、そういった一方的な考え方でこれを押しつけていくのはいかがなものであろうかということで、鯨そのものの資源状況なり、それぞれの国が伝統的な食文化を持っておるということを主張して理解を求めてきたわけでございますが、残念ながら多勢に無勢の状況で今日の状態があるわけでございます。 その対立関係というのは実はいまだに続いておるわけでございますが、その中にありまして、冷静な科学的根拠の収集を進めるために調査捕鯨を行い、また、それぞれの国の食文化の伝統を尊重していくという国際世論をつくり出すべく努力をしております。また、そういった努力を国内においてもさらに十分にして、国民的な支持を得た運動としてこれからの活動をしていく必要があるという御指摘、私ども全くそのとおりであろうかと思います。 国内での努力に不足する点もあるいはあろうかと思いますけれども、国際社会での理解を求める努力とあわせて、国内的な努力についても私ども今後力を尽くしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○大矢委員 そういう決意で今後とも臨んでいただきたいと思います。 そこで、この問題につきましてもそうでありますように、米の問題につきましてもやはり各党賛成をしておる、その中で国民とのコンセンサスが果たして得られるのであろうか、このような問題がございます。それにつきましても、やはりそれらのコンセンサスを得る中で日本の農業を維持していかなければ、ただ単に農民向けに、選挙向けにということで、先ほどの同僚議員の質問にもございましたように、ただ三年だけとかそういう短期の見方でなくして、一体これからの農業がどうあるべきなのか、特に私は市街化区域における農業、私自身は大阪市でございますから、そこにも農地も農業従事者もあるわけであります。そして、当初これが市街化区域になりました時点では調整区域も残すんだという話もございましたけれども、全体的に市街化区域にしたらいいじゃないかということでなったような経過もありますが、その決まりました都市計画、それは当然、向こう十年間たちますと、市街化すべきところを市街化区域として指定をしたということであります。しかしながら、それからもう二十数年になっておるわけであります。その間、いろいろなことで今現在も農業を続けていらっしゃるし、そして、なかなかできない農業の後継者が育ってきた方もおります。あるいは若い方が転職をされて家業を継ぐということで農業に専念をしてこられた方もいる。こんなことを言うとまたしかられるかもわかりませんけれども、そういう方々が、生活のリズムからすべてが農業従事者そのものになってこられた、そして一生この仕事にかけていこうということでやってこられたやさきに、お父様が亡くなって相続をしていく、これから農業をやっていくためにはそこに二十年という相続税の猶予がある、それがこれから一体どうなるのであろうか。御本人は、農業専門にやっているところでもなかなか後継者がないのに、仕事をやめてまで家の農業に従事してこれからもずっとそれをやっていこうとしていらっしゃる、生涯かけてその農業に従事をしていこうとする場合に、それは市街化区域というものに指定されたときからもう農業はできないんですよということの指導でやっていらっしゃったらまだとにもかくにも、もう二十年という時間がたってそれで後継者が育っていった、その中で今度相続をしていく、そして二十年間の相続税の猶予がある、それについて、また最近いろいろな動きがあるようでございますけれども、これについてお答えを願いたいと思います。
○鹿野国務大臣 今先生が申された東京などの大都市地域の市街化区域内の農地につきましては、昨年の六月に閣議決定いたしました総合土地対策要綱におきまして、市街化するところの農地、今先生が申されたように一生懸命立派に農業をやっておられる方もあるわけでありますから、保全する農地、こういうふうに振り分けをいたしまして、そして市街化する農地につきましては、いろいろと必要な都市基盤の整備を図ってそして宅地化を進めていく、これに応じて税制の面においても見直しをしていく、こういうふうなことになっているわけでございます。 農林水産省といたしましては、このような基本的な方向で努力していきたい、こういう考え方でおるところでございます。 〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
○大矢委員 これは、今また、十一月十八日でございますか、いろいろなことが新聞で報道されまして、今おっしゃるようなことが具体的に進んでいきます。そうなりますと、現在相続をしていらっしゃる方がたまたま制度によって農業が続けていけなくなるというふうになったら、どういうふうになりますか。
○片桐政府委員 ただいま大臣から答弁いたしましたように、市街化する農地と保全する農地とを区分するわけでございますけれども、この区分は、地域の住民とか地権者とか地方公共団体とかと十分相談をして区分をして、それで、保全する農地については従来の税制上の特例を継続する、それからまた、宅地化するものについては種々の宅地化に必要な事業を実施してこれを住宅地として利用転換をしていく、こういうような施策を展開していきたいということでございます。ですから、そういう区分をする場合に、ぜひ農業を続けたいという方は、その土地利用計画をつくる段階でいろいろ調整をしていただくという形になるのではないかと思っております。
○大矢委員 市街化区域というのは、当初申しましたように、十年間にはそういう市街化すべきところだということで、大阪市内でございますからなるほどもう周囲は全部市街化いたしております。しかしながら、今言いましたように、二十年という長い間の中でようやく後継者が育ってきた、そしてこれからもずっとやりたい。ところが、今おっしゃるように、たまたま残ったところになりますとそれは非常に結構でございますけれども、ここはやめなさいと言われた場合に、法律上、一体税法というのはどうなるのかということをお伺いいたしたいと思います。
○片桐政府委員 市街化すべき地域というふうに区分された農地についての固定資産税とか相続税とかいうものについての具体的取り扱いについては、これから検討されるものというふうに承知いたしております。
○大矢委員 大蔵省、いかがですか。
○大武説明員 ただいま鹿野農水大臣がお答えになりましたとおり、大蔵省としましても、負担の公平の観点から、土地対策要綱に沿いましてその見直しが必要だと考えているところでございます。したがいまして、先生の御質問の事項の取り扱いも含めまして、今後税制調査会で検討していただくべき事項だと認識しているところでございます。
○大矢委員 大蔵省は、税制という立場だけで物を考える場合もあると思います。しかし農水省は、農民というものを今日まで守ってき、これからも守るのだという立場でやってこられて、その二十年という経過措置も市街化区域の中で認めてこられた。そして今言いますように、なかなか後継者のないにもかかわらず、後継者を育ててやっていこうということで、現在もやっておられ、過去からずっとやってこられ、いよいよ相続になってきたときに、これから二十年間も、当然まだ若い方ですから、亡くなるまで自分は農業を続けていきたいという気持ちはあります。しかしもう二十年も前からそこのところは市街化区域だということになっております、そうなってまいりますと、その間の市街化区域に対するもっと親切な指導がなければ、一遍に方向が転換になったような形で、次から次にこういう見直しが出てきたときに、農民は、今までは政府のやることに、ああそうですか、そうですかということで黙々とついてきたけれども、その場になってやはりだまされたのだということになる。これは私がわかります範囲内ですけれども、そういう気持ちが、今度のことで非常に、やはり日本全国の農民が、米の問題にしても、こうしておれば、政府が言うとおりにした方がいいのだということでやってきたところが、土壇場になって、建前は建前ですけれども、しかし実際はこうならざるを得ないのだということになってしまうと、政治自身に対して物すごい不信感を持ってくる、そういうことが私は非常に残念でならないのです。 せっかく今日までやってこられたのなら、これから先もう本当に長期のものをおつくりにならないと、短期的に物を考えて、今言うように、まだわからないのだ、これから決めるから、決めたらそのときに考えるのだということでなしに、もっと農水省としては、既得権と申しますか、そういう権利の上でやる場合には、そういうものを十分に考慮して、そういう方たちが今までそういう一つの制度の中でやってこられたことがよかったのだということにならないと、今までやってきたことが全然、ある日突然ひっくり返ったということになりますと、ますます行政、政治に対する不信を抱かれると思います。私はその点十二分に考慮をしてやっていただきたいと思うが、大臣いかがでございますか。
○鹿野国務大臣 市街化する農地と保全する農地ということで振り分けをしていく、その地域の町づくりをどうするかということだと思います。そういう中で、今先生が申された、二十年間一生懸命やってこられたという人たち、農家の方々の話、考え方、市町村のこれからどうするかという考え方、その中でいろいろ話し合いが行われていく、そういう中で、市街化するということにおいて宅地化を進めていくのだというところについては税制の見直しがなされていく、こういうことでありますから、昨年決定をいたしました総合土地対策要綱の線に沿って私どもも協力をしてまいりたい、こういう考え方でおるところであります。
○大矢委員 ですから、宅地並み課税というのは、その時期その時期によってあると思いますよ。それはいいのですよ、そのときから出発するものですから。しかしそうではなしに、二十年間認められておる相続税についてどうなるのですかということを聞いておるのです。
○片桐政府委員 既に納税猶予中の農地もあるわけでございますけれども、そういう農地が市街化すべき農地というふうに区分された場合に納税猶予地の相続税がどうなるか、こういう問題だと思いますけれども、そういう問題につきましてもこれから具体的な内容について検討が行われるというふうに思っております。
○大矢委員 それは、具体的に検討するのは当たり前のことであって、農水省としてはどういう考え方でやるのですかということを聞いているのです。何も方針がない、そういうことがその場限りの農政だと言われるのです。私が知っていることだけでもそういうことなんですから、恐らく日本全国の農民の方々は、そういうことで今までは安心してついていったけれども、がけっ縁に来たらまた手を放されて、勝手にしなさいということになる。これが先ほど申しましたように、自民党に対する政治の不信ならいいのですけれども、政治全体の不信につながるようなことであったら困るのです。私はそういうことを申し上げておるのです。そういうことで、私の言っておりますことおわかり願ったと思うのでありますが、そういう線でこれから検討していっていただきたいと思います。 市街化区域の農業協同組合についてもやはり同じようなことが言えると思うのです。これは年々通常経費というのは上がってきます。しかし、それが本来の農業者としての活動でなしに、ただ単に土地だけしか動きませんし、そしてこれからは組合員が減ってくるわけであります。そうなりますと、将来この市街化区域の農協はどのような形で生きていったらいいのか。それに対して、私はかつて大阪府議会におりましたときに、農協が貸し出しをする、それを保証協会が保証をつけてやるということに保証協会の定款を変えさせてやりましたけれども、実効が上がりません。そういう中でみずから貸し出しをするとこれが焦げつく、その調査能力は、失礼ですけれども農協、単協には余りないわけであります。しかしそれが情実化しますと焦げついてくる。そういうことで、そういう機関も含めてやったらどうだということで、保証協会の保証も受けられるようにいたしましたけれども、なかなか進まない。やはり農協が生きていける施策というものをもっともっと真剣に考えていただかないと、農業がやれるところはやれるところなりの悩みがありますけれども、農業をやれないところはやれないところなりの悩みが出てくると思いますので、その点十二分に考慮をしてこれからの運営をしていただきたいということを申し上げて、最後に大臣の決意をお聞きいたして終わりたいと思います。
○鹿野国務大臣 農協の信用事業につきましては、従来から組合員の資金ニーズに即して適切に行うよう指導しておるところでございますが、今後ともこのような観点に立って引き続き指導していきたいと考えております。
○谷津委員長代理 次に、野間友一君。
○野間委員 まず最初に林産業、特に製材業について質疑をしたいと思うのです。 今、製材業界は未曾有の危機ということは既に御案内のとおりであります。しかもこれは外材の依存率の高さと直接かかわっております。調べてみますと、一九六〇年、昭和三十五年に木材の需給実績が、国産が八六%、外材が一三・九%、これが昭和六十三年になりますと国産が三〇%、外材が七〇%、こういう状況であります。世界じゅう探してもこれほど大規模な外材依存の国はない、こう言わざるを得ないと思うのです。 この中で、一方では我が国の林産業が非常に衰退をして過疎に一層拍車をかける、一方では環境保全の点で世界じゅうのいろいろな厳しい批判を受ける、こういう状況が出ておるわけであります。 そこで、まず初めにお聞きしたいのは、大臣に対してですが、林産業とりわけ製材業、この実態はどういう状況にあるのか、このあたりどういう認識を持たれておるのか、まずお聞きをしたいと思います。
○鹿野国務大臣 国内の製材業は、製材品の価格の低迷なりあるいはただいまお話しのとおり輸入の増加等から、長期にわたって不振を続けてきておるわけでございますが、このところ、内需拡大に伴う木材需要の拡大等も背景に、その経営は総体的には回復しておるわけであります。また生産性も向上しつつあるわけでございますが、全体として見ると、依然として零細な弱体な産業構造というふうな問題を抱えておるわけであります。 また、近年におきます内外の資源事情の変化等の中で、今後、国産材時代の到来に対応し、国内の人工林資源の活用なりコストの低減、またその安定供給が大きな課題となっておるわけであります。 このために、木材需要の拡大を推進するとともに、新しい分野への事業転換、生産設備の合理化等、製材業の生産性向上と体質強化を図るための施策を鋭意講じているところであり、これからも講じてまいりたい、このように考えておるところであります。
○野間委員 今一般的なお答えがあったのですけれども、特に私がお聞きしたいのは、外材の異常な形で依存しておる、それとのかかわりで製材業が一体どういうことになっておるのかということをじかにお聞きしたかったわけです。 調べてみますと、製材工場数の推移ですが、これはもう相当減っていますよね。昭和四十八年から六十三年まで、十五年間で約七千工場減っております。二万四千工場から一万七千工場、特にアクションプログラムですね、これは中曽根総理のときでありましたが、これを決めました。これは私も本会議の席上でも緊急質問したわけですけれども、関税率の引き下げ、これは逆だ、むしろアメリカ並みに引き上げるべきだ、こういうふうに強く主張したのです。このアクションプログラム、市場開放政策の中で、木材の完成品の輸入が猛烈にふえていますね。これも政府の答弁で約二・二倍ふえているというふうに言っておるのですけれども、まさしく異常なんですね。そういう中での製材業界の危機、こういうことになろうと思います。特にこの二年間で六百五十七工場減っております。これらについては休業あるいは転業、廃業、倒産すべてが含まれておりますけれども、大方と申しますかこれらの数字については誤りないと思いますので、まず確認を求めたいと思います。
○甕政府委員 私どもの手元にある数字もおおむね先生のおっしゃった状況かと思います。
○野間委員 農水大臣、お聞きのとおり異常な形で、これはいろんな形で淘汰されておるわけですね。それでも今なお一万七千六百三という工場、これが必死になって歯を食いしばって頑張っておるという実態であります。 需給の関係はどうかといいますと、需要は旺盛なんですね。ところが、製材業界ではずっと連続して、農水大臣も認めましたけれども、赤字という状況であります。需給関係からいいまして、需要はたくさんある、木もひいておるわけですね。ところがひけばひくほど赤字、なぜこういうようなことが現に続いておるのか、そのあたりどういうような理由なり原因を考えておるのか、長官にお答えいただきたいと思うのです。
○甕政府委員 ただいま大臣からも申し上げましたように、製材業の一般的な、また昔からの体質といたしまして、零細あるいは脆弱な産業構造が基本的には続いておるわけでございます。 先生御指摘の木材価格の低迷、それがまた木材輸入の増加と関係をしているという御指摘もあるわけでございまして、もちろんそういった面もあるわけでございますけれども、全体としては、木材需要の停滞でございますとか製材業自体の設備の合理化あるいは過剰設備の廃棄、こういった対応でこのところ対処をしなければいけないということで、特別の対策を講ずるとか等鋭意努力を進めてきておるところでございます。 この工場の減少数につきましては、先ほど先生からお話ありましたので繰り返しませんけれども、五十年代に約五千くらいの工場が減りまして、六十年に一万八千八百三十四が六十三年には一万七千六百三と、千二百余りの減少ということでございますけれども、直に輸入によってそうなった、こういうのも単純に言いがたいところでございますけれども、全体の需要なり生産構造なり、そういった態様を体系的にいたしまして、体質強化等を一段と進める必要があるのじゃないかということで、対策を今後も講じてまいりたいと思っております。
○野間委員 時間がありませんので、簡潔にお答えいただきたいと思います、いろんなことを一遍に言われますと大変なことになりますので。 では、一つの認識の問題としてお聞きしますけれども、原料高・製品安という事態がずっと続いておることはお認めになりますね。
○甕政府委員 よくこの世界では原木高・製品安という言葉がございます。それでまた、そういう実態もそのときどきによってあろうかと思います。ただ、もう一面としましては、製品のコストによって原木がそれだけ払えないということによって、原木の方にしわ寄せがいく、こういう実態もあるわけでございまして、状況によって国産材、外材によってそれぞれあらわれ方はあろうかと思います。
○野間委員 私は、何度も言っておりますように、外材の輸入との関係で聞いておるわけで、正確にお答えいただきたいと思います。 原木が円高の中で、円高になったときには全部現地でこれが吸収されてメリットがなかった。ところが、円高がどんどん進む、これが定着するということの中で、ずっとこれがじりじり上がりまして、向こうは上げてきまして、それで結局、日本の場合には、足元を見ながら売るわけですから非常に高い値段で買わされる。ところが一方では、そのアクションプログラム以降特に製品輸入がどんどん進んできた。こういうことの中で、向こうの方はコストが安いわけですから、それが足を引っ張って、結局国内で丸太をひいてこれを売っても採算がとれない、ずっと採算割れが続いておるわけですね。これは御案内のとおりなのです。 私もいろいろなところに聞きましたが、大体製材業者のコストの中に占める丸太の割合がかつては六割だった、製材コストが四割ですね、これでやっと採算分岐点、やっと何とか息をしてきた。ところが今では、申し上げたように丸太の割合が製材関係では七割にもなった、丸太のコストが。だから製材のコストが三割に下がったわけですよ。そうすると、これはひいてもひいても赤字なのだ、こういう状況です。しかも御案内のとおり、アメリカからどんどん製品が入ってくる。製品が足を引っ張りますから、安くたたかれても、赤字でも結局これを売らざるを得ない、こういう悪循環がどんどん繰り返されておる。 特に和歌山県で調べてみますと、現在三百九十八工場ありますが、うち八割が外材、これをひいておりますね。特に和歌山市は米材、これはカスケード系ですが、これが中心であります。しかも建築用が八四%、こういう状況ですけれども、聞きますと、もう五十八年からずっと原木の価格が上がって製品が下がっておる。青息吐息です、こう言っておりますよ。国産材が米材に追われる、今度は米製品に製材業者が追われている、どうしたらいいのか青息吐息だ。しかも、御承知のとおり和歌山では産地が和歌山市にありまして、御坊、田辺にありまして、新宮にありますから、地域経済に及ぼす影響はすごいのですね。それで何とかしろと。 私も林野庁にいろいろな施策を聞きました。聞いたけれども、いろいろな施策をとりながら、なおかつこういう状態が続いておるというところに、今の業界の深刻な窮状があるわけです。ですから、この際、実態を十分調べた上で、本当に金融あるいは財政、税制の上でやはり相当考えていかなければ、この国産材にシフトの問題、これもずっと後でしょう、これはいろいろな見通しの中で西暦二十一世紀になればシフトを国内産にしていく、いろいろなパーセントを私、知っておりますけれども。しかし今は、当面こういうような実態ですから、この実態を十分調べた上で、本当に製材業者が生きていけるような方途を講じていただきたい、私はこう思いますが、いかがですか。
○甕政府委員 先生がお触れになりました和歌山の件につきまして、特に最近は輸入材の価格問題が大きいように私どもも承知をしております。 これは、御承知のように輸入米材が大部分でございますし、しかも優良丸太ということでございますから、最近の資源の問題、さらに自然保護の問題等々絡みまして先行き不安もございまして、原料確保のための買い付けが非常に積極的に行われてつり上がってくる、こういう実態がございました。そこで、その製品の価格がなかなかほかの類似材種との競合から抑えられるといったことで、苦境にあるという実態かと思います。 そういったことも含めまして、私ども、内外の資源の状況の変化というものを今後的確に見通しながら、また、業界におきましても業界自身今後の対応方法をいろいろ考えていただくという中で、設備の合理化でございますとか事業転換でございますとか、所要の予算は用意しておりますので、今後的確な展開がなし得るように全力を挙げていきたいと思います。
○野間委員 どうも的確な答えではないのですよ。ひけばひくほど赤字が今現に続いておるわけです。これが地域経済に深刻に影響しておるわけだ。これはずっと続くわけですよ。丸太よりも製品輸入がずっとふえるでしょう。これからますますふえるわけですよ。そういう中で今の実態でいいのかどうか。これはよくないことは当たり前なのです。だから、この実情に即して、製材業者が生きていけるようなそういう方途を講じてほしい、こういうことなのです。
○甕政府委員 非常に厳しい現状でございますから、これを今後何とか打開していこう、これは業界自身においても御努力をされておる点でございますし、私どももそれに対するお手伝いをする予算等々は、厳しい予算の中におきましても所要額を確保いたしまして、今後の展開に少しでもお役に立つようにという努力をしておるところでございます。
○野間委員 どうも間尺に合わぬわけですね。靴の裏から足をかいているような感じがするのですけれども、本当に大変なのですよ。だから、実情を十分調べた上で、業界の要望をできるだけ聞いてほしい、もう切実な願いなのです。もう一度お答えいただきたいと思います。
○甕政府委員 業界ともよく連絡をとり、意思疎通を図って対処してまいりたいと思います。
○野間委員 時間がありませんので、たくさん申し上げたいことがあるのですけれども、農水大臣、こういう状況ですので、今も長官はあのようにお答えになりましたけれども、ぜひこういう窮状を打開するために大臣としてもせっかくの御努力をお願いしたい、こう思います。
○鹿野国務大臣 今、林野庁長官が申し上げましたとおりに、団体ともよく協議の上、いろいろまた努力をしてまいりたいと思っております。
○野間委員 では、次にお聞きしますけれども、スーパー三〇一の問題であります。 御承知のとおり、十七日から二十日まで日米の専門家会合が開かれたわけです。これは非常に理不尽ですね、包括通商法のスーパー三〇一というのは。木材製品に向こうは当てて理不尽な要求をしてきた。 新聞報道によりますと、例の構造用集成材についての関税分類の変更、これについては一五%から三・九%に引き下げる、この譲歩を政府は決めたやの報道もあるわけです。しかし、これは羽田農相以降、この問題が公になってから、断固としてこういう理不尽なことは受け入れられない、協議に応じられないという態度に終始してきたわけですけれども、その点に変わりはないのかどうか、新聞報道は誤りであるかどうか、あるいは今後の見通し等についても農水大臣の見解を聞きたいと思います。
○甕政府委員 ただいま日米の協議の点でございますが、これまでも農林水産省として申し上げておりますように、三〇一条のテーブルに着いて交渉するということは我が方としてはいたさない、実務家レベルによる技術的な問題の解決に双方が努力をすることが適当である、こういう考え方を持っております。そういうラインによりまして、今回も専門家会合を行いましていろいろ協議をしておる最中ということでございます。
○野間委員 そうすると、今までのこういう理不尽な要求、スーパー三〇一を背景にしたそういう協議には全く応じない、向こうの要求には応じない、こういうスタンスですか。
○甕政府委員 先方から提起されております問題も、ただいま先生お触れになりました関税分類の問題あるいは規格の問題、建築基準の問題等々、技術的な事柄にわたりますので、これは十分専門家の間の協議を通じて解決されるべきものである、三〇一といった報復を前提とした協議の場で、この話し合いといいますか協議を行うべきものではない、こういう態度でこれは変わっておらないわけです。
○野間委員 とにかく一をよこせ、一をよこすと二をよこせ、全部よこせというような理不尽な態度ですから、もう断固とした態度で望んでいただきたいと思います。 それでは次の質問に移りたいと思います。 今どこでも問題になっておりますいわゆる土地改良に関する国営事業ですね。この地元負担金、受益者負担、これは非常に高い、これの軽減をしようという要求があちこちで出ております。和歌山県のいわゆる紀の川用水、これも最初は二十八億円の国営工事でありましたけれども、工期がおくれる、八年の予定が二十年たってやっと国営事業が完成したわけですけれども、その事業費が百十五億円ですね。受益者負担としては大体十アール当たり初めは百五十円で始まったわけですが、ところが今は八千円、ピークで一万三千円以上というのが農家負担で、これは大変なことになる、一万三千六百十八円のようでありますけれども、負担がこうなるということで大変なんです。しかもこれは食糧増産計画の中での問題でありましたけれども、今は減反とか転作とかあるいは宅地の造成、いろいろな事情が変化しております。 粉河町というところがありまして、中津川の地域を調べてみますと、四十数戸の関係農家が事業を始めたとき、みんな米をつくっていたわけです。ところが二十五年たった今は、米をつくっているのはわずか二軒、こういう変化もずっと生まれておるということなんです。 このかんがい排水審議会企画部会中間報告を私、拝見しましたけれども、この中でも、いろいろなこういう農家負担の軽減、これは公平の原則で、公益性が非常に強い、農家に余り負担を強いるのは酷だということも踏まえて言われております。 そこで、農水省は、今度新たに平準化対策、これが今検討されておりますけれども、この具体的な概略についてまずお答えいただきたいと思います。
○片桐政府委員 土地改良の農家負担金の問題につきましては、昭和六十三年度、平成元年度、種々対策を講じてきたところでございますけれども、最近の厳しい情勢に対応いたしましてさらにもう一歩踏み込んだ対策を実施したいということで、現在検討を進めているところでございます。 平成二年度から実施したいというふうに考えておりますのは、負担金の償還が困難な地区に対しまして償還総額を増加させずに償還の平準化を図りたい、こういう考え方でございまして、その必要な助成措置を講ずるために必要な資金として、総額一千億円を五年間で造成するという考え方で予算要求を行っている次第でございます。 さらに、地方公共団体の県とか市町村の負担という問題もございますけれども、これも充実するという方向で現在自治省と話し合いを進めている次第でございます。
○野間委員 そこで、平準化対策について具体的にいろいろ基準を設けて検討されておりますが、その基準の中身についてお答えいただきたいと思います。
○片桐政府委員 平準化対策の具体的な中身につきましては、これから予算編成の中で決定していく予定でございますけれども、とりあえず私どもの考え方といたしましては、まず償還が困難な地区ということでどういう地区を対象にするか。自由化関連作物が多いとか、それからまた米の生産調整をやっているとか、事業費がかなり増高したというような地区について例えば十アール当たり三万円以上の償還をしているとか、それからまた一戸当たり二十万円以上の償還をしているとか、そういうような地区につきまして平準化対策を講じたいということを考えている次第でございます。
○野間委員 そのようですけれども、私は紀の川用水の関係で調べてみますと、間尺に合わぬわけですよ。大体これで救済されるのは皆無に等しい。例えば一戸当たり二十万円以上というようなことについても、救済されるのはほとんど、三けたになるかならないか。対象農家が五千数百戸ありますからね。それから、今三万円というような一つの基準を示されましたけれども、紀の川用水では一万三千六百十八円のようですね。そうするとこれは間尺に合わない。 これは特例措置も農水省は考えておられるようですけれども、特例措置については弾力的に、しかもそれは知事の権限でやられる構想だというふうに聞いておりますが、そのとおりですか。
○片桐政府委員 特別措置につきましては、今後いろいろ検討したいというふうに思っておりますけれども、とりあえず現在考えている方法といたしましては、例えば自由化関連作物の作付率が高いとか、それからまた維持管理費等が非常に高いとか、そういういろんな事情を勘案して、知事に決定していただくという考え方でございます。
○野間委員 それから、自治体側の負担軽減の問題について、これは中間報告にもありましたけれども、要するに起債を認めて、そしてこれを国が交付税で面倒を見る、こういうことですね。これは自治省と今詰めておられるわけですか。
○片桐政府委員 現在、土地改良事業の中で起債対象になっているといいますのは、防災事業等一部の事業に限られている次第でございます。 私どもといたしましては、さらに公益性の高い事業につきまして適債化をするように、現在自治省の方と話を進めている次第でございます。
○野間委員 若干、今の個人負担軽減の問題に戻りますけれども、いろいろ聞きますと、十アール当たり年額三万円以上の分だけ対象だということになりますと、これは温州ミカン十アール当たりの所得が、一九八七年の統計で七万四千三百二十六円ですね。所得の半分近くを土地改良事業の償還に充てる、こういう農家以外は救われないというのでは、全然救済になりません。米について言いますと、生産者米価、これは一俵一万六千七百四十三円、一・八俵分以上でなければ救済できない。非常に重いわけで、そこは実情に応じた基準にして、深刻な経営難にあえぐ農家を救済すべきだ。ですから、その点も十分お考えいただきたいと思いますが、いかがですか。
○片桐政府委員 比較的農業依存度の高い農家、それからまた比較的規模の大きい農家、こういう農家をできるだけ救済するという観点から、一戸当たり二十万円以上という基準をつくった次第でございまして、この基準を適用しますと、かなりの農家が対象になるのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○野間委員 特例の話もありましたから、時間の関係でこれはもうこれ以上触れませんけれども、ぜひ弾力的に知事の権限で、いろいろ構想があるように思いますけれども、それは実情に即してぜひお願いしたい。——これは局長が頭を下げておりますから、後でまたフォローしてやりたいと思います。 それから最後に、時間の関係で塩化ビニール等の産業廃棄物、廃プラスチック対策についてでありますけれども、これは今非常に深刻ですよね。付加価値の高い農作物をと、野菜とかあるいは花卉ですね、いろんな形で年々ふえております。和歌山でも随分とふえております。 これについて、実際には和歌山で言いますと、ここに新聞報道を持ってきましたけれども、処理するところがありませんから、大量のごみとして海に流してしまう。ところが漁船のスクリューに巻きつくとかで今非常に困っている。このことが処罰されたりしておりまして、それから山とか川とか谷にこれを捨てる。何とかこういうものを処理する工場をつくってくれという切実な要求が実はずっと続いているわけですね。 和歌山県でも日高郡というところの町村会、これも県に対して処理施設の補助、助成金を何とかお願いしたいという要請もこれあり、これは和歌山県で言いますと紀の川水域、それから南の日高郡を中心としたハウス栽培が盛んなところですけれども、特にこれからはハウス栽培、付加価値の高いものということでどんどんこれがふえていくのが実情でありますし、ぜひ処理施設を、県とか農業団体、農協等が要望した場合には、これに対して適切に補助金の要請にこたえるという姿勢を持っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○鷲野政府委員 御指摘のように、施設園芸の増加に伴いまして農業用の廃プラスチックの排出量が増加しております。これは法的には御案内のように産業廃棄物ということになりますので、排出事業者たる農家がみずから処理するべきことになっております。ただ、回収処理につきましては、排出農家が広域に分散している、あるいは排出されるプラスチックが土砂等で汚れている、それからまたオイルショック前後の資源不足時代と異なりまして、再生処理に非常にコストがかかって採算が悪化している等の問題がございます。このため、私ども行政として、円滑・適正な処理の推進を図るために、市町村レベルあるいは県レベルで広域的な回収処理を図るように指導をしているところでございます。 それから、処理施設の整備についての助成でございますが、昭和四十七年度から四十九年度まで補助を行いました。その後、融資と指導事業に切りかえておりましたが、諸般の要請等もございますので、本年度から、野菜集団産地育成事業の一環として、農協等が設置する廃プラスチック処理施設について国が新しく補助する道を開いたところでございます。
○野間委員 それでは、県や農業団体から上がってきた場合には積極的に対処していただけますか。
○鷲野政府委員 予算の限度がございますが、よく地元ともお話をしまして検討してまいりたいと存じております。
○野間委員 もう時間が参りましたので、最後に大臣、今二点ばかり、一つは農家負担の軽減の問題、それから廃プラスチックの処理の問題について、これは切実な問題ですから、今もそれぞれの所管の局長が答えましたけれどもぜひ積極的に御検討、善処していただきたいと思いますが、決意のほどを伺いたいと思います。
○鹿野国務大臣 円滑・適正な処理の推進に努力をしていきたいと思っております。
○野間委員 終わります。
○谷津委員長代理 次回は、来る十二月一日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三分散会