決算委員会 第4号
- 発言数
- 268 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/11/10
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 昭和六十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中総務庁、文部省所管及び会計検査院所管について審査を行います。 この際、総務庁長官、文部大臣及び会計検査院長の概要説明、会計検査院の検査概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ───────────── 昭和六十一年度総務庁関係歳出決算の概要説明 昭和六十一年度における総務庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和六十一年度の当初歳出予算額は、一兆七千四百五十一億八千百八十八万円余でありましたが、これに予算補正追加額七億千九百万円余、予算補正修正減少額四億二千七百十八万円余、予算移替減少額八百五十六万円余、前年度からの繰越額千八十四億五千五十二万円余、流用等増加額四億七百九十二万円余を増減いたしますと、昭和六十一年度歳出予算現額は、一兆八千五百四十三億二千三百五十九万円余となります。この予算現額に対し、支出済歳出額は、一兆七千八百五十五億二千九百四十一万円余、翌年度繰越額は、六百八十七億六千三百五十三万円余、不用額は、三千六十四万円余となっております。 最後に、翌年度繰越額と不用額について御説明いたしますと、翌年度繰越額は、恩給費でありまして、これは旧軍人遺族等恩給の請求の遅延及び履歴の調査確認に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 また、不用額は、赴任旅費等を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 昭和六十一年度決算総務庁についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十一年度総務庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ───────────── 昭和六十一年度文部省所管決算の概要説明 昭和六十一年度文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算の概要を御説明申し上げます。 まず、文部省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額二十億八千四百六万円余に対しまして、収納済歳入額は三十六億三千九百十三万円余であり、差引き十五億五千五百七万円余の増加となっております。 次に、文部省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算額四兆六千二百八十一億六千九百三万円余、前年度からの繰越額六十三億七百九万円余を合わせた歳出予算現額四兆六千三百四十四億七千六百十三万円余に対しまして、支出済歳出額は四兆五千九百四十五億六千十万円余であり、その差額は三百九十九億一千六百二万円余となっております。 このうち、翌年度へ繰り越した額は三十五億五千三百三十五万円余で、不用額は三百六十三億六千二百六十六万円余であります。 支出済歳出額のうち主な事項は、義務教育費国庫負担金、国立学校特別会計へ繰入、科学技術振興費、文教施設費、教育振興助成費及び育英事業費であります。 次に、これらの事項の概要を御説明申し上げます。 第一に、義務教育費国庫負担金の支出済歳出額は二兆三千八百五十億二千九百万円であり、これは、公立の義務教育諸学校の教職員の給与費等の二分の一を国が負担するために要した経費であります。 第二に、国立学校特別会計へ繰入の支出済歳出額は一兆八百三十六億七千百十七万円余であり、これは、国立学校、大学附属病院及び研究所の管理運営等に必要な経費に充てるため、その財源の一部を一般会計から国立学校特別会計へ繰り入れるために要した経費であります。 第三に、科学技術振興費の支出済歳出額は五百四十億七千三百七十四万円余であり、これは、科学研究費補助金、日本学術振興会補助金、文部本省所轄研究所及び文化庁研究所等に要した経費であります。 第四に、文教施設費の支出済歳出額は三千五百七億五千七十二万円余であり、これは、公立の小学校、中学校、特殊教育諸学校、高等学校及び幼稚園の校舎等の整備並びに公立の学校施設等の災害復旧に必要な経費の一部を国が負担又は補助するために要した経費であります。 第五に、教育振興助成費の支出済歳出額は五千七百九億九百八十七万円余であり、これは、義務教育教科書費、養護学校教育費国庫負担金、学校教育振興費、私立学校助成費、社会教育助成費及び体育振興費に要した経費であります。 第六に、育英事業費の支出済歳出額は八百四億六千七百八十八万円余であり、これは、日本育英会に対する奨学資金の原資の貸付け、財政投融資資金の利子の補填及び事務費の一部補助のために要した経費であります。 次に、翌年度繰越額三十五億五千三百三十五万円余についてでありますが、その主なものは、文教施設費で、事業の実施に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 次に、不用額三百六十三億六千二百六十六万円余についてでありますが、その主なものは、義務教育費国庫負担金を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 次に、文部省所管国立学校特別会計の決算について御説明申し上げます。 国立学校特別会計の収納済歳入額は一兆七千四百一億六千百四十一万円余、支出済歳出額は一兆六千七百十億二千八百七十八万円余であり、差引き六百九十一億三千二百六十二万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、国立学校特別会計法第十二条第一項の規定により百四億五千七百三十六万円余を積立金として積み立て、残額五百八十六億七千五百二十六万円余を翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 次に、歳入につきましては、歳入予算額一兆六千八百七十九億四千七百四十九万円余に対しまして、収納済歳入額は一兆七千四百一億六千百四十一万円余であり、差引き五百二十二億一千三百九十一万円余の増加となっております。 次に、歳出につきましては、歳出予算額一兆六千八百七十九億四千七百四十九万円余、前年度からの繰越額七十億五千百万円余を合わせた歳出予算現額一兆六千九百四十九億九千八百四十九万円余に対しまして、支出済歳出額は一兆六千七百十億二千八百七十八万円余であり、その差額は二百三十九億六千九百七十一万円余となっております。 このうち、翌年度へ繰り越した額は五十一億九千九百七十四万円余で、不用額は百八十七億六千九百九十七万円余であります。 支出済歳出額のうち主な事項は、国立学校、大学附属病院、研究所、施設整備費及び船舶建造費であります。 次に、これらの事項の概要を御説明申し上げます。 第一に、国立学校の支出済歳出額は九千六百七十六億九千五百六十六万円余であり、これは、国立学校の管理運営、研究教育等に要した経費であります。 第二に、大学附属病院の支出済歳出額は四千三十六億九千六百八十九万円余であり、これは、大学附属病院の管理運営、研究教育、診療等に要した経費であります。 第三に、研究所の支出済歳出額は一千百十六億六千二百八十二万円余であり、これは、研究所の管理運営、学術研究等に要した経費であります。 第四に、施設整備費の支出済歳出額は一千四百二十五億三百四十万円余であり、これは、国立学校、大学附属病院及び研究所の施設の整備に要した経費であります。 第五に、船舶建造費の支出済歳出額は十八億七千八百八十七万円余であり、これは、国立学校における実習船の代替建造に要した経費であります。 次に、翌年度繰越額五十一億九千九百七十四万円余についてでありますが、これは、施設整備費で、事業の実施に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 次に、不用額百八十七億六千九百九十七万円余についてでありますが、その主なものは、国立学校で、職員基本給を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 なお、昭和六十一年度予算の執行に当たりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力したのでありますが、会計検査院から不当事項九件の御指摘を受けましたことは、誠に遺憾に存じます。 指摘を受けた事項につきましては、適切な措置を講ずるとともに、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。 以上、昭和六十一年度の文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ、よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ………………………………… 昭和六十一年度決算文部省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十一年度文部省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項九件、意見を表示し又は処置を要求した事項三件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号七号から一五号までの九件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、公立文教施設整備事業等において、補助金を過大に受給していたり、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたり、補助事業で取得した財産を目的外に使用したりなどしていたものであります。 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。 その一は、義務教育費国庫負担金の算定の基礎 となる産休等補助教職員に係る共済費に対する国庫負担の適正化に関するものであります。 義務教育費国庫負担金の算定の基礎の一つである長期給付負担金及び追加費用に係る共済費は、法令の規定に基づき、公立学校共済組合の組合員である公立の義務教育諸学校の教職員について都道府県が負担する経費であります。北海道ほか二十二都府県の臨時的に任用される産休等補助教職員に係る共済費に対する国庫負担の状況について調査いたしましたところ、地方交付税の交付団体のうち岩手県ほか五県においては、法令上組合員資格を有しない産休等補助教職員を公立学校共済組合に加入させ、その者に係る共済費を負担してこれを国庫負担対象額に計上しておりました。また、地方交付税の不交付団体であります東京都ほか三府県においては、公立学校共済組合に加入していない産休等補助教職員に係る共済費についても国庫負担対象額を算定することとなっているなど交付団体に比べて均衡を欠く算定方法となっておりました。 したがいまして、文部省において、地方交付税の交付団体である都道府県については、都道府県が共済費について法令に適合した取扱いを行うよう指導するなど所要の措置を講じ、また、地方交付税の不交付団体である都道府県については、共済費に係る国庫負担対象額の算定方法を適切なものに整備し、もって共済費に対する国庫負担の適正を期するよう改善の処置を要求いたしたものであります。 その二は、医学部附属病院に係る電気税及びガス税の納付に関するものであります。 電気税及びガス税は、地方税法等によれば、直接教育又は学術研究の用に供する電気及びガスに対しては課税することができないとされております。大阪大学医学部附属病院に係る電気税及びガス税の課税の対象となる施設の使用実態と当該施設における電気及びガスの使用状況について調査いたしましたところ、非課税の対象とすべき診療施設等が課税対象に含まれていたのに、大阪市が決定した課税対象の範囲をそのまま受け入れたことにより多額な税額を納付しておりました。 したがいまして、大阪大学において、附属病院の施設について課税対象又は非課税対象の把握に努めてそれを明確化し、大阪市と折衝するなどして納付税額の適正化を図り、もって経費の節減を図るよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。 その三は、その二と同様、医学部附属病院等に係る電気税の納付に関するものであります。 神戸大学医学部附属病院等に係る電気税の課税の対象となる施設の使用実態と当該施設における電気の使用状況について調査いたしましたところ、非課税の対象とすべき診療施設等が課税対象に含まれていたのに、神戸市が決定した課税対象の範囲をそのまま受け入れたことにより多額な税額を納付しておりましたので、神戸大学において、附属病院等の施設について課税対象又は非課税対象の把握に努めてそれを明確化し、神戸市と折衝するなどして納付税額の適正化を図り、もって経費の節減を図るよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 その一は、地域改善対策高等学校等進学奨励費補助金の経理に関するものであります。 文部省では、地域改善対策事業として高等学校等生徒等に奨学金等の給付又は貸与を行う都道府県及び指定都市に対して地域改善対策高等学校等進学奨励費補助金を交付しております。京都府ほか二十四府県及び名古屋市ほか六指定都市について本件補助事業の実施状況等を調査いたしましたところ、京都府ほか十七府県及び京都市ほか五指定都市において、受給の条件を欠いている者に対する奨学金等の給付又は貸与が補助事業として取り扱われ補助金算定の基礎となっていたため、国庫補助金一億三千七百二十五万余円が過大に交付されており、本件補助金の経理の適正化を図る要があると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、文部省では、日本育英会等関係機関に関係都道府県及び指定都市の審査確認に対する協力方を要請するとともに、関係都道府県及び指定都市に対し、通達を発して、奨学金等の受給条件を審査確認するための関係資料及び方法を具体的に示して審査確認を十分行わせることとするなど本件補助事業を適切に執行するための処置を講じたものであります。 その二は、公立の小中学校等の校舎等整備事業に係る積雪寒冷地域の指定に関するものであります。 文部省では、公立の小中学校等の校舎等整備事業を行う地方公共団体に対し、公立学校施設整備費補助金を交付しており、この補助事業では、積雪寒冷地域に所在する公立の小中学校等に係る校舎等の必要面積の算出に当たって所定の補正を行うこととされております。北海道ほか十八府県管内の積雪寒冷地域において五十八年度から六十年度までに四百七十九事業主体が実施した公立の小中学校等の校舎等整備事業二千六百五事業について積雪寒冷地域の積雪寒冷度を調査いたしましたところ、三重県ほか七府県管内においては、積雪寒冷地域として指定された地域について積雪寒冷度が指定の基準に達していないため積雪寒冷地域に該当しないのに補正を行って校舎等整備事業を実施しているものが、五十七事業主体の百十五事業で見受けられました。また、秋田県ほか二県においては、積雪寒冷地域の指定後、格別の気候変動は見受けられないのに指定区分が変更され、変更後の指定区分に従い補正を行って校舎等整備事業を実施しているものが、五事業主体の七事業で見受けられました。これらにより国庫補助金九億九千七百五十万円が過大に交付されており、積雪寒冷度の詳細な調査を行って積雪寒冷地域の指定を適切なものに改めるなどの要があると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、文部省では、各都道府県に対し、通達を発し、積雪寒冷地域の指定区分の変更、取消し等所要の改訂を行って、指定を適切なものに改めるとともに、補助金交付申請書等の審査に当たっては積雪寒冷地域及び指定区分の確認を十分行うこととし、また、都道府県等に対して指導し、周知徹底を図るなどの処置を講じたものであります。 その三は、外国製医療機器の購入に関するものであります。 各国立大学等では、医学部及び附属病院等において医学等の教育研究の用に供するため、外国製医療機器の購入額が毎年度多額に上っております。山形大学ほか十大学が六十、六十一両年度中に購入契約を締結したX線診断装置及びたん白質構造解析装置について、購入契約に当たっての予定価格の算定方法について調査いたしましたところ、これらの大学では、近年の円の対米ドル為替相場の大幅な変動や政府の輸入促進政策による関税率の改定があるにもかかわらず、これを考慮することなく、五十七年又は五十八年以降ほとんど改定されていない業者公表価格を基礎とし、これに他の大学が同種機器を購入した際の値引率等を参考にして予定価格を算定し、毎年ほぼ同程度の価格で購入していたため購入額が約一億五千七百万円割高になっており、外国為替相場の変動等を考慮した適正な予定価格の算定方法に改善する要があると認められました。 この点について当局の見解をただしましたところ、文部省では、国立大学等に対し通知を発し、購入契約を行う際の予定価格の算定に当たっては、原則としてプロフオーマインボイス等の書類に基づいて輸入原価の把握に努めることとし、これらの書類の入手が困難な場合においても他の適宜の方策を講じることとし、外国為替相場の変動及び関税率の改定を予定価格の算定に反映するための処置を講じたものであります。 なお、以上のほか、昭和六十年度決算検査報告に掲記いたしましたように、義務教育費国庫負担金の算定の基礎となるへき地手当等に係る級別等の指定の見直しについて処置を要求いたしました が、これに対する文部省の処置状況についても掲記いたしました。 以上をもって概要の説明を終わります。 ───────────── 昭和六十一年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算に関する説明 昭和六十一年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千三百六十八万余円に対しまして、収納済歳入額は二千四百五十七万余円であり、差引き八十八万余円の増加となっております。 収納済歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千二百四十三万余円であります。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百五億四千八百六十三万余円から、補正予算額二千八百十三万余円を差し引いた予算現額百五億二千五十万余円に対しまして、支出済歳出額は百二億五百五十万余円でありますので、その差額三億一千四百九十九万余円を不用額といたしました。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費九十一億五千六百七十七万余円、検査旅費五億九千八百十六万余円となっております。 以上、簡単でございますが、昭和六十一年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。 ………………………………… 昭和六十一年度決算会計検査院についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十一年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ─────────────
○中村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡島正之君。
○岡島委員 千葉県の大政治家であります石橋文部大臣、さらにまた、水野総務庁長官に対して御質問を申し上げることを大変光栄に存じます。相撲でいえば私の方は幕下三段目でありましょうから、横綱、大関に胸をかりるというような、そんな自覚で御質問申し上げますので、答弁はひとつ簡潔にお願いし、また御指導を願いたいと思います。 まず初めに、石橋文部大臣にお伺いをいたしますけれども、大臣は、文教政策につきましては、党内におきまして屈指の精通した政治家だ、こういうように私どもは認識しております。また、これまで多くの実績を持ってこられたことで有名でありますけれども、その大臣が教育についての理念をどのようにお持ちになっておられるか、いわば石橋大臣の教育観というものをまず最初にお伺いいたします。
○石橋国務大臣 お答えをいたします。 大分お褒めの言葉をいただきましたが、残念ながらそうではありません。一生懸命に今学んでいるところでありますから、よろしくお願いをいたします。 理念あるいは改革ということでございますが、教育は、人づくりを通じてあすの社会を創造する営みであると認識をいたしております。しかも、一日たりともゆるがせにできない国政の重要課題であると考えております。 文部省におきましては、これまで、いわゆる臨教審の答申を踏まえながら、生涯学習体制の整備、徳育の充実などの教育内容の改善、そして教員の資質の向上、さらに、高等教育の個性化あるいは高度化、教育改革に関する各般の施策を進めてまいったものでございます。 また、これらの施策を推進をいたしながら、中長期的視点に立って我が国の教育制度のあり方を検討することが重要な課題であり、現在、いわゆる中教審で新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について諮問をいたしておるところでございます。後期中等教育を中心といたします課題、あるいは生涯学習の基盤整備に関する課題、精力的な御審議をいただいているところでございます。 私は、今後の教育改革を推進するに当たりまして、特に心の教育を充実する必要があると考えており、豊かな心を持ったたくましい青少年の育成を期して、一人一人の個性や創造性、社会性を伸長する教育を、学校、家庭、そして社会を通じて充実してまいりたい、こんな考え方でいるわけであります。
○岡島委員 先般、文部省、石橋大臣が発表いたしました教育白書の中におきましても、教育が国政上の最重要課題だという位置づけをされておりますから、そういう意味において、今具体的にいろいろとお話がございましたが、さらにひとつ的確にお取り組みを願いたいと思います。 そしてまた、何としても今教育改革の問題が大きな課題であるわけでありますけれども、これは決して我が日本だけではなくて、世界の主要国におきましても今教育改革の時代だということが言われております。また、それぞれの国におきまして国家民族の興亡の最重要課題だという、そんな認識がありますけれども、ただ、容易でない道だという、そういう認識はあるわけであります。 フランスにおきます教育基本法案、あるいはまたイギリスの教育改革法案、さらにまたアメリカの各州におきましても教育改革の実情等懸命な努力をされておるわけでありますけれども、我が国におきましても、御承知のとおり五十九年、臨教審が発足して、これまで四次にわたる答申を広範多岐にわたって示し、また教育改革の大綱が提案をされておるわけでございますけれども、それに基づき政府は、今お話にもございましたが、生涯学習体制の整備を初め、具体的な施策を明示されておるわけであります。 そこで、日本の教育のいわば頂点に立っております文部大臣でありますから、今も幾つかのお話がございましたが、これからの我が国の教育改革に臨むいわば基本的な姿勢といいますか、あるいはまた意気込みといいますか、そういうものを改めていま一回お話を賜りたいと思います。
○石橋国務大臣 ただいま申し上げたわけでありますが、特に私の考え方といたしますと、子供たちの発達段階に応じてまず心の教育、心の教育ということを一番土台に据えたいと考えております。そしてさらに、いわゆる高等教育ということに相なりますと、その土台の上に立って学術、そして学問、専門的な分野あるいは国際性でありますとかいろいろなことについてのいわゆる学術、学問ということを充実してやっていかなければならないのだ、こんな考え方でおりますので、よろしくお願いいたします。
○岡島委員 いずれにいたしましても、我が国の教育改革は今実現に向かって第一歩を踏み出したばかりでありますから、また、これからは具体的には国の財政事情等も踏まえまして幾つかのハードルを越えていかなければならないわけでありますけれども、そういう意味から考えますと決して平たんな道ではないだろう、こう思っております。今国民の各段階の学習ニーズにこたえていくというそういう社会の建設というものも一つの課題であり、さらにまた文化の薫り高い、国際社会に貢献するような社会もつくっていかなければならないわけでありますから、そういう意味におきまして、石橋大臣のより積極的な教育改革に臨む心からの期待を申し上げる次第であります。 続きまして、幾つか小中学校の問題について、具体的な問題の内容についてお伺いをいたしてまいります。 まず初めに、かねてから四十人学級の問題がいろいろと出されておりましたが、学級編制と教職員の定数の問題についてお伺いをいたします。 御承知のとおり、第五次の学級編制及び教職員定数の改善計画が五十五年から平成三年、十二年計画で進行しておるわけであります。こういう中で、まず最初には学級編制の問題でありますけれども、これは全体的には六〇・五%の達成だ、こういうことを言われておりますし、また小学校では四年生まで、あるいはまた中学校では一年生はそれぞれ実施をされている、学級編制の問題については今そういう状況だということを伺っておりますが、これからの見通し等についてお伺いをいたします。
○倉地政府委員 定数改善計画のことでございますが、現状につきましては今先生が御指摘あったとおりでございます。 私どもといたしましては、平成二年度概算要求におきまして改善計画の第十一年次分といたしまして、四十人学級につきましては、児童減少市町村以外のその他の市町村内の小学校は五年生まで、それから中学校につきましては第二学年までそれぞれ四十人学級を実施することといたしまして、八千百九人の改善要求をしているところでございます。 それから、教職員定数の配置改善でございますけれども、これにつきましても五千百九十一人の改善要求をしておりまして、四十人学級分と合わせまして計一万三千三百人の改善要求をしている次第でございます。 私どもといたしましては、今後とも十分努力いたしましてこの計画の達成に努めてまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○岡島委員 学級編制はそういう意味で進んでおられるということでございますけれども、次に、これに伴って教職員の定数の問題があるわけであります。平成元年では五〇%である、こういうように聞いておりますけれども、これが果たして計画どおり進むのかどうか。特にこの中で事務職の問題、これは二八・五%、あるいはまた養護が四一%、栄養職が三九・五%と、教員の方の達成率は六一・七%でありますからこれは可能だろうと思いますけれども、全体を含めて現状五〇%でありますから、これが計画どおりあと二年間でいくのかどうか、この辺についてひとつ率直にお伺いをいたします。
○倉地政府委員 先生御指摘になりましたように、現在定数の配置率の改善は五〇%の進捗率でございます。そういうことでございますので、私どもといたしましても、平成二年度の概算要求におきましては、ぜひこの改善率を高めたいということで、六三・五%になるような要求をいたしている次第でございます。 私どもといたしましては、大変厳しい現状にあるということを十分認識しているわけでございますけれども、今後とも十分努力してまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○岡島委員 いずれにしても平成二年、三年で全体計画を進めなければならないわけでありますから、そういう中で、特に教員の問題は大丈夫だろうと私は思いますけれども、学校事務職、養護、栄養職員、これらの問題についてはひとつ計画どおり進むようにお願いを申し上げたい、このように思うわけであります。 次に、初任者研修の問題についてお伺いをいたします。 御承知のとおり、臨教審の第二次答申によって、六十二年、六十三年、いわば試行的な形でこれまで研究がされてまいりました。平成元年には小学校で本格実施となったわけでありますけれども、この本格実施をこれまでされてまいりましたが、各都道府県の教育委員会等において、その実施状況の中で何点か指摘されておる問題もあるようであります。 そういう中で、文部省としては、これまで初任者研修を本格実施した経過の中でどのようにお考えになっておるか、またこれからの対応についてどうされておられるのか、それらの問題についてひとつお聞かせを賜りたいと思います。
○倉地政府委員 初任者研修の問題でございますが、平成元年度から小学校におきまして御指摘のように本格実施をしているところでございます。五月一日現在の初任者研修の対象者は約一万三千人でございまして、指導教員は九千百人程度になっている次第でございます。各都道府県、指定都市におきましては、おおむね法律の趣旨に沿った研修が行われているというふうに私ども考えている次第でございます。 ただ、指導教員につきましては、後補充の非常勤講師について若干当初におきましては未配置の学校も見られたわけでございますけれども、その後ほとんどすべてにおいて非常勤講師の配置も行われたというような実態でございまして、ある程度問題だといえばこの非常勤講師の確保の問題ではないかというふうに考えておる次第でございます。 今後ともこの非常勤講師の確保につきましては遺漏のないよう十分指導を徹底してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○岡島委員 今、指導教員が九千百人というお話がございました。特にまた非常勤講師の問題で今のお話を伺いましたが、私どもが聞き及ぶ範囲におきましては、これは特に非常勤講師の処遇の問題もあろうと思いますけれども、いずれにしても経験の豊かなそういう指導教員の応募者が極めて少ないということを伺っております。そのことについてお聞かせいただきます。
○倉地政府委員 先ほども御答弁で申し上げましたように、非常勤講師の確保につきましては、ことしの本格実施の当初において一部の学校に配置されないというような実態がございまして、私どもも各都道府県を指導いたしましてその確保の徹底を期した次第でございます。 御指摘のように応募が少ないと申しますか、なかなかそういう方々を発令するまでに至らない実態もあったわけでございますけれども、私どもといたしましては、今後退職される教職員の方々などに早目に教育委員会の方から声をかけると申しますか勧誘すると申しますか、そういうことを行っていただきまして、この問題についてぜひ適切に対応していただくよう現在でも指導を続けているところでございまして、今後とも一層その指導の徹底を期してまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○岡島委員 そのほか、指導教員の三人配置校の問題がいろいろと話題になっておりますけれども、これについて文部省は今の実情についてどのように認識されておるのかお伺いします。
○倉地政府委員 私どもといたしましては、一人配置校、それから二人配置校、三人配置校ということで予算の積算をしているわけでございまして、一人配置校には非常勤講師を採用し、指導教員を確保するなり後補充に充てるなりということを考えているわけでございます。また、二人配置校、三人配置校につきましては、教員定数一人を確保して後補充なり指導教員に充てるなりということをしているわけでございますけれども、各都道府県の実態は、ややもすると三人配置校よりも二人配置校、一人配置校が多いという実態がある次第でございます。そうした点で予算積算上の問題と実態に若干の乖離があるということもあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ各都道府県の実態も考慮しながら、かつ、予算上の問題も勘案して適切にこの事態に対処してまいりたい、そのように考えているところでございます。
○岡島委員 いずれにいたしましても、来年から中学校の本格実施が始まるわけでありますから、そういう意味で、初任者研修のこの制度自体がひとつ実のあるものになるように十分な対応をしていただきたい、このように思います。特に、非常勤講師の指導教員等につきましては、能力や地位にふさわしいいわば処遇というものをしながら、しっかりとした対応を進めていただきたい、そのことを特にお願いをしておきます。 次に、管理職の待遇改善の問題についてお伺いをいたします。 先ほど大臣のお話の中にありましたが、七日に「我が国の文教政策」として、平成元年度のいわば教育白書が大臣より発表されたわけであります。学校教育をめぐる諸問題がこの中で具体的に指摘をされております。そういう中で、生徒たちが生き生きと学習する場としての学校、そしてまた教育活動のできるそういう学校をつくっていくためには、何としても校長あるいは教頭等の果たす管理職の役割が極めて大きい。そのことはとりもなおさず、学習指導、生徒指導もありますけれども、さらに、地域との一体感、地域との連携というものを考えますときに、そういう意味で管理職の情熱なりあるいは能力といいますか、そういうものが非常に大きい。教育白書にもそう書いてありましたけれども、私も常にそういうふうに考えているわけであります。 ところが一方、待遇面でこの問題をとらえてまいりますと、やはりこれから改善が必要である、そんなことを実は感じます。一般教員に現在支給されております教職員の調整額は、管理職になりますとこれが削られていくわけでありますから、退職時等を考えますと一般教員よりも極めて不利だという、そんな意見すらも実は一部にあるわけであります。そういう状況の中で、一部の都道府県においてはすぐれた教員が管理職を敬遠するという風潮すら生まれているという、そんなことを私どもは聞いておりますので、待遇改善の措置を至急するべきであろう、こんなふうに思っております。 文部省、平成二年の概算要求ではかなりこの問題についての積極性を示しておられるようでございますけれども、管理職の待遇改善の問題、また実情、そういうものについて見解をお伺いをいたします。
○倉地政府委員 私ども、近年、学校におきます管理職の職務と責任は大変増大しているというふうに考えているわけでございます。特に、特色ある教育課程の実施でございますとか、いじめ、登校拒否などの諸問題に対する対応、先ほども御質問がありましたけれども、初任者研修の実施などという点について、そうした点が一層増大しているというふうに考えているところでございます。 そうした重大な責任に対応するように、校長と教頭の給与の改善を図りたいということで、本年におきましても、管理職手当の支給率を引き上げると同時に、最高到達俸給月額を引き上げるように、人事院に対しまして文部大臣名で要望をしているところでございます。また、先ほど御指摘もございましたけれども、平成二年度概算要求におきましても、管理職手当の増額につきまして必要な経費を予算要求しているところでございます。 今後とも校長などの管理職の待遇改善に十分努力してまいりたい、さように考えているところでございます。
○岡島委員 いずれにしても、学校運営というのは管理職の能力あるいはまた情熱、そういうものによって左右される、私はこう思っておりますから、少なくとも校長、教頭の皆さんが積極的に現場で意気込みを持ってやっていけるような、そういう体制、環境というものを文部省当局はひとつさらにさらに拡充をしてほしい、そのことを特にお願いをしておきます。 また、それと関連いたしますけれども、私はこの前も決算委員会でちょっと言いましたが、管理職の若手登用の問題、この問題につきましてもひとつ積極的に取り組まれ、能力のある者がどんどん教育の現場で活躍できる体制というものをひとつおつくりいただきますことをあわせてお願いを申し上げます。 それでは次に、登校拒否の問題についてお伺いをいたします。 八月に文部省が発表いたしました学校基本調査の中で、学校嫌いの長期欠席五十日以上の子供が小学校で六千二百八十五人、中学校で三万六千百人、四万人を超えておるという数字が発表されました。四十一年に調査が始まって以来最高であります。これは、中学校におきましては十年前の三倍、そしてまた小学校では二倍、こんなふうに言われておりますが、まずこの登校拒否の現状についての文部省の認識といいますか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○石橋国務大臣 登校拒否の問題、まことに大変でございます。今委員御指摘のとおりの実情でございますけれども、文部省といたしますと、従来から指導資料の作成配付あるいは教員研修の実施、そして教育相談体制の充実、このような施策に努めてきたところでございますが、今後とも、将来の我が国を担う心豊かでたくましい青少年の健全育成を図る、そのような観点に立ってこの問題の解決に努めてまいる所存でございます。 なお、詳細は政府委員から答弁をさせます。
○菱村政府委員 登校拒否につきましてはいろいろなタイプがございまして、どういう理由で起きるのか、その原因等につきましてはかなり難しい問題があるというふうに認識しております。一つは学校生活に起因するものもございます。教師との人間関係ないしは生徒間の人間関係ということが理由になりまして学校嫌いになっていくというタイプもございます。それから、最近は無気力と申しますか、何となく登校しないというようなタイプもふえてきておりますし、また、登校はしたいんだという登校の意思はあるのですけれども、不安などの情緒的な混乱がございまして登校できないでいるというようないろいろなタイプがございます。したがいまして、学校での指導のあり方とか家庭内の問題とか、さらには学校、家庭、社会、さまざまな要因が複雑に絡まって生ずるものというふうに考えているわけであります。 したがいまして、この問題の解決のためには、いろいろな立場でいろいろな方々が連携協力して対応しなければならないというふうに考えておりますけれども、学校は教育の専門機関でございますので、この問題につきましてはまず学校が積極的に中心となって対応していかなければならない。そしてその対応につきましては、ただいま大臣から御答弁がございましたようないろいろな施策をとっているというのが現状でございます。
○岡島委員 現状認識を深刻にされていくことが大事だろうと思いますし、また、今大臣初め対応策のお話もいろいろございました。いわば登校拒否の問題というのは高学歴志向の中の病理現象だとさえ言われておりますけれども、いずれにしてもその内容はさまざまであります。行かないのではなくて行けない、あるいはまた行けないのではなくて行かないといういろいろな理由があるようでありますけれども、いずれにしても、このことについては、私は学校と親との密接な連携の中にいろいろな問題の解決を図っていかなければならないということも大事だろうと思いますので、ひとつ積極的に取り組み、この数字が年々増加していくようなことだけは絶対避けてほしいということをお願いしておく次第であります。 その次に、先ほど大臣も冒頭に言われましたが、生涯学習の問題について今いろいろと具体的な政策の展開がされておりますけれども、その中で一つだけこの機会にお伺いしたいのは、自然の生活へのチャレンジをさせようということで、文部省が去年打ち出しましたフロンティア・アドベンチャー事業というのがございます。ことしは二年目に入っていくわけでありますけれども、現在四十一の都道府県と七市で実施がされている、こういうことでありますけれども、この事業の今の状況あるいはまた成果、そういうものについてひとつお聞かせを賜りたいと思います。
○横瀬政府委員 ただいま委員御指摘の自然生活へのチャレンジ推進事業でございますが、これは別の名前をフロンティア・アドベンチャー事業ということで、昭和六十三年度から国庫補助事業として開始したところでございます。 この事業の目的は、青少年が心身にわたる豊かさあるいはたくましさを身につけて自然に深く親しむ、あるいは児童・生徒同士の人間関係を深くするというような心を養うということで始めたものでございますが、その効果は極めて高いというふうに言われ、認識をされているところでございます。 それで、実際にこの事業についての地方公共団体あるいは子弟の参加を希望する父母の数というものも非常に高い事業になっておりまして、これを大いにこれからも充実をさせていきたいというように考えている次第でございます。
○岡島委員 各都道府県単位でこれが行われておりますけれども、社会教育の大きな一環としてさらにその効果を上げてほしいと思いますけれども、私どもがいろいろ伺っている範囲の中におきましては、現在都道府県を対象の補助事業でありますけれども、これをひとつ市町村単位までやったらさらに内容として充実するし、またその範囲も拡大するだろう、こういう意見もありますので、このことにつきましても御検討を賜りたいと思います。 特に、この間、実は私はこの問題を取り上げる前にいろいろと調べましたら、大臣の地元であります房総半島の十泊十一日という事業があったわけでありますが、これは千葉県の教育界の中にいろいろな意味で非常に話題を投げかけた、こういうことでございますから、その意味において、このフロンティア・アドベンチャー事業について大臣のさらにさらにひとつ積極的なお取り組みをこの機会にお願いをしておく次第であります。 次に、公立文教施設整備の問題につきまして一、二お伺いをいたします。 施設整備は教育の環境づくりの中で最も大切な一つの仕事でありますけれども、生徒の急増地域がだんだん減ってきまして、いわば急増のピークが過ぎたわけでありますから年々これから縮小されるというような感じがあります。しかし人口の過密地帯、あるいはまた市町村がそれぞれ教育内容の充実に向かって施設整備を進めている中で、文部省としては、公立文教施設の整備につきましてはさらに積極的に支援をすべきだろう、私はこのように考えております。特にまた、御承知のとおり生徒数が減少いたしまして余裕教室が各地に出ておるわけでございますが、この余裕教室の整備改善、あるいはまたこれが生涯学習との兼ね合いの中で学校開放という問題とも関係をいたしますが、そういう面から考えまして、公立文教施設のこれからの整備拡充というのがさらに大事だろうと思いますので、これについての御見解をお伺いいたします。
○倉地政府委員 余裕教室の問題でございますが、将来の児童生徒数の変動を見込みましても、普通教室として使用されない教室につきましては、私どもといたしましては改造などを行いまして、各学校の実態に応じての話でございますけれども、特別教室でございますとか多目的スペースへ転用した方が適切ではないかというふうに考えている次第でございます。また、さらにその上でも余裕があるということであれば、地域への開放ということも積極的に考えていくべきだというふうに考えているわけでございます。 こうしたことから、大規模改造事業といたしまして、余裕教室を活用して新たに特別教室や多目的スペースに活用する場合の改造工事を対象といたしまして補助金を支出しているところでございます。また、六十二年七月には既存施設の有効利用の方法に関する手引書も作成いたしまして関係者に配付するなど、その有効利用の促進を図っているところでございます。また、公立文教施設整備費の補助金につきましては、私どもといたしましても、今後とも十分その確保に努力してまいりたい、そのように考えているところでございます。
○岡島委員 次に、帰国子女の教育の問題についてお伺いをいたします。 海外の在留邦人あるいはまたそれに伴っての海外で教育を受ける子女が増加しておりますけれども、この人たちが帰国をされますのは年間約一万人を今突破をいたしておるわけであります。 帰国子女の子供さんたちは、日本と異なった文化、社会、教育環境、そういう中で暮らしてきたわけでありますから、日本へ帰ってまいりましてもいろいろな苦労をされているという実態があるわけであります。そういう中で、帰国子女の編入学の問題、そしてまた、特に話題になりますのが、高校の入学の問題等がいろいろあるわけであります。それらの問題についてどのように対応されていくのか、そしてまた、特にこのことのお答えを賜りたいのは、指定校が今それぞれあるわけでありますけれども、指定校がありましても教師の人数が足らない、あるいはまた専門的な教師がおらないという実態の中で、この帰国子女の教育の問題というのはいろいろな話題を投げかけておりますが、それらの問題を含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
○倉地政府委員 帰国子女の高等学校への入学、編入学の問題でございますけれども、文部省といたしましては、昨年の十月に学校教育法施行規則を改正いたしまして、第一学年の四月以外の時期におきます入学、編入学を可能とするなどの措置を行ったわけでございます。さらに、各都道府県教育委員会に対しまして、高校への帰国子女の受け入れの促進ということにつきまして通知を出し、指導したところでございます。 その主な内容でございますが、編入学試験の実施回数を各学年を通じて多くすること、帰国子女の編入学の特別定員枠を設定することなどについて配慮をするよう求めたものでございます。 それから、指定校の指導教員などの問題でございますけれども、私どもといたしましては、帰国子女受け入れ校への海外経験教員の重点的配置などを指導しているわけでございまして、それらのことを通じまして十分そうしたことにつきましても対応してまいりたい、そのように考えているところでございます。
○岡島委員 いずれにいたしましても、帰国子女の問題というのはこれからまだまだいろいろな問題が出てまいると思いますけれども、今の段階からそれについての対応をしっかりしていただきたいということを特にお願いをしておきます。 次に、高校教育の問題について二点お伺いをいたします。 先般、六十二年度の公私立高校の中途退学の状況が実は発表されました。中退者が十一万三千三百五十七人であります。中退率は二・一%だ、こう言われております。九四%の進学率でありますから、その中の二・一%ということになりますから、数字の上では小さいという感じがいたしますけれども、五十八年の二・四%から少なくなっている、こう言われておりますが、しかし、実数では十一万台で減っていないわけであります。そういう意味で考えますと、計算いたしましても一校千人の高校が百校つくれる、こういうことになるわけでありますから、いわば教育的な浪費だという意見すらも生まれているわけであります。これはこれからの文教政策の大きな課題だろう、私はこう思っておりますけれども、この実態についてどのように考え、またこれからの対応についてどうされるのか、あるいはまた、特にこの中で注目すべきは、低学年の中退が多いということは中学校の進路指導に一つの問題があるのではないかということ、あるいはまた、私はかねてから提唱しておりますが、職業高校の見直しの問題というもの、あるいはまた職業高校全体の位置づけというもの、そういうものを含めた中でとらえていかなければならない、そんな感じすらいたしております。 いずれにしても、この中途退学の問題は文教政策の中の高校教育の大きな課題である、こう私は認識しておりますが、これについての御見解を賜りたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 残念ながら、ただいま委員御指摘のとおりの中途退学者の数あるいはパーセントであります。そこで文部省といたしますと、従来から、高等学校に一たん入学した以上はすべての生徒がその高校を卒業することができるように、大変難しいことでありますが、中学校や高等学校における指導の充実に努めているところであります。 なお、詳細については政府委員から答弁をいたさせます。
○菱村政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、この問題は大変大きな課題であるというふうに認識しております。 中学校では登校拒否という形であらわれておりますが、高等学校は義務教育ではないということで退学していく場合が多いわけでございます。しかし、せっかく入りまして年間十一万人もの子供たちが途中でやめていく、特に御指摘のように低年齢の段階で、低学年の段階で中退していくということは大きな課題でございますので、私たちもこの問題については真剣に取り組まなければならないというふうに考えているところでございます。 中退の事由をいろいろ調べてみますと、進路変更によるものが三割で最も高いわけでございまして、これは中学校の進路指導にも問題があるのではないだろうか。入ってきたけれども途中で進路を変更したいということでございますので、この辺は中学校との関連もあろうかというふうに思います。それから、次いで多いのは、学校生活ないしは学校の授業に不適応を起こしていくという問題がございます。九四%もの進学率でございますのでいろんな子供が入ってきている、それに対応した本当に楽しい授業といいますか、楽しい学校生活が送れるようになっているかどうかという観点もやはり考えなくてはいけない。それから、もちろんそのほか家庭の事情とか問題行動とか、いろいろ事由はございます。 文部省では、従来から、この問題に対しましては、先生御指摘のように、まず中学校における進路指導というものをしっかりしなければならない。子供たちの能力、適性、進路、興味、関心、そういうものに応じました適切な指導を中学時代でやらなければならないというふうに考えております。それから、高等学校に入りましたらやはり入学時の適切な適応指導ということがまず大事だろうと思います。これは、特に先生も御指摘になりましたように、低年齢、低学年の段階で中退をしないように、まず入った段階での適応指導、それから高校に入りましても、その学校生活、授業というものが子供たちにとって魅力のあるものでなければならない、そのためには教育課程の編成とか学業指導の充実ということが重要であろうというふうに考えております。 それから、万やむを得ず中退いたします者、これはいろいろ事情がございます。場合によっては家庭の事情でやめざるを得ないという子供もいますので、そういう子供に対します就職あっせん、そういう問題も学校としてはやはりやっていく必要があろうということで、今いろいろな観点に立ちまして、教育委員会等を指導しているところでございます。 なお、高等学校全般のあり方につきましては今中央教育審議会で御議論をいただいているところでございますが、この高等学校の中途退学の問題等もその改革の御検討の中では十分視野に入れていると申しますか、御検討いただくということになろうかと思います。
○岡島委員 いずれにしても、中学校の進路指導の問題、高校の低学年の授業内容、また教師の取り組む姿勢、いろいろな問題があるわけでありますけれども、大きな文教政策の課題であるということは間違いないと思いますから、ひとつその対応を十分関係のそれぞれが連携をとりながら図ってほしい、こう思います。 次に、高校の生徒減少の問題で簡単に二点お伺いいたします。 御承知のとおり、今生徒数が減少しておりまして、平成元年の生徒数から十年たつと恐らく七〇%減になるだろう、こう言われておりますが、そういう中で、一つは、いわば公立高校の改編の問題というのが出てくるだろう、こう思います。それらについてどのようにお考えか。それともう一つは、私立高校の問題が出てくるわけでありますが、これは大きな経営の問題とも重なってまいります。しかし、私学の皆さんがこれまで高校教育に取り組んでこられた積極的な姿勢というものは高く評価をされ、またそれなりの効果を上げているだろう、私はこう思っておりますけれども、この生徒数の減少に伴って取り組まなければならない私学、特に高校について文部省としてはどういう姿勢で対応されるのか、このことをお伺いをいたします。
○菱村政府委員 御指摘のように生徒数が減ってまいりますので、それに伴いまして高等学校の再編成というのは各県の大きな課題になっておりますし、今後なっていくであろうというふうに考えております。 私立は別にしまして、公立学校の場合に限って申し上げますと、高校再編に当たりましては、先ほど先生もちょっと御指摘がございましたが、職業教育のあり方をどうするかということも一つの大きな課題になろうかと思います。普通科、職業科という形で現在分かれておりますが、そして子供たちの進路志向としてはどんどん普通科に流れております。しかし一方では、産業界におきます職業教育への要請というのは強うございますし、多様な子供たちが高等学校に入っておりますので、その子供たちの能力とか適性とか進路とかを考えますと、やはり普通教育だけでいいのだろうか、職業教育というものを今後どういうふうに考えていくのだろうかというようなことが再編の一つの大きな視点になろうかと思います。 それから、高等学校を魅力あるものにしていくという観点からは、やはり同じ普通科でありましても、特色のある高等学校づくりというものがこれからいよいよ重要になってくるだろうと思います。そういうことで、各県で既にいろいろ特色ある高等学校、新しいタイプの高等学校というようなものをつくることにいろいろ御努力いただいているわけでありますが、今後ともそうした観点からの対応が重要になってくるだろうと思います。 いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、高等学校教育のあり方につきましては、今中央教育審議会で御審議いただいておりますので、その御審議のまとまりました段階で、またそれを受けまして改めて各都道府県に指導していきたいというふうに考えております。
○野崎(弘)政府委員 私立高校の関係につきまして、お答えをさせていただきます。 委員御指摘のように、今後十五歳人口が全国的に急減いたしますことはそのとおりでございますが、このことにつきましては、既に私立幼稚園につきましても同じような事情があったわけでございますけれども、特別の措置を講じていないということが一つございます。 それから、今お話ございましたように、相当長期間にわたりまして減少傾向が続くというようなことから、そのような長期的な対策を講ずることが適切であるかどうかというような問題もございます。また、都道府県におきます財政措置との整合性、こういうようなことを考えますと、なかなか急減のための特別措置を講ずるということは難しい課題ではないかな、こう思っております。 ただ、現在の私立高等学校の経常費の助成措置、これは国からは都道府県に対して助成をしているということでございます。その目的としますところは、各都道府県の助成水準の維持向上、そして、各都道府県間の助成水準の格差是正を目的として実施しておりますので、都道府県が経常費助成の増額を図る場合には、これに応じまして国庫補助も増額が行われる、こういう仕組みになっておりますので、私どもとしては総体としての補助金の確保ということに努めていくことが基本的に重要なことだ、このように考えております。
○岡島委員 いずれにしても、高校の生徒数の減少の問題はこれまた難しい問題でありますし、特に今私学の問題のお話がございましたが、幼稚園もそうでありますが、幼稚園では三歳児の入園補助の問題等が今話題になっておりますし、そういう面での解決ができるだろうと思いますが、高校につきましてはかなり関係者はそれぞれ頭を痛めておるわけでありますから、難しいことはわかっておりますけれども、さらにひとつ御検討を賜りたい、このように思います。 次に、日中の文化交流の問題について若干お伺いをいたします。 中国の天安門事件が六月四日に起きまして以降、日中間の渡航が自粛されたわけでありますが、九月二十五日にこれが解除されました。九月二十八日から十月三日まで、日中青少年交流使節団が奥田敬和先生を団長として全国から百五十名参加をして実施をされました。私もたまたまその一員として参加をさせていただきましたが、その際には、海部総理あるいはまた石橋文部大臣からメッセージをいただいてまいったわけであります。これは、日中の青少年交流センターというのが今北京の郊外に、日本から約百一億、中国は四十何億ですか、全部で百五十億の施設をつくる計画が進められております。天安門事件でこれの進行が今おくれているわけでありますけれども、その施設等を見てまいったわけでありますが、その際中国で何人かの要人とお会いをいたしましてお話を伺いました。例えば、万里全人代表の常務委員長あるいはまた王震国家副主席等の皆さんとお会いいたしましたが、その際共通して言われましたのは、日中の文化交流が大事だということを特に強調されておりましたし、特にまた日本の技術開発についての協力体制、このことについて大きな期待をされておりました。これまで文部省は、文化交流につきましては日中間、いろいろと積極的に取り組んできたわけでありますが、文部大臣として、これからの日中文化交流の問題についての取り組みの姿勢といいますか、そういうものについてお伺いをいたします。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 ただいま委員御指摘のとおりでございます。御承知のとおり、日中両国はいわゆる一衣帯水の関係にあり、古くから深い関係を有しております。最近は、特に日中平和友好条約の締結を契機といたしまして、教育、文化交流も目覚ましく進展をしておりますが、今後一層交流、協力を進めてまいりたいと考えております。そのような中にあって、これからの問題、今抱えている問題、これを十分認識をいたしまして進めてまいりたい、こう思っております。
○岡島委員 ありがとうございました。 特に、またこの機会に文部大臣にお伺いいたしますのは、その際に李鉄映という向こうのきっと文部大臣だろうと思いますが、教育主任の方とお会いをいたしましたら、日本の教育について非常に大きな関心を持っておられ、みずからも日本に行っていろいろと勉強したい、こういうことを言っておられましたし、特に、その際、これからの日中の教育交流という問題を考えて石橋文部大臣の訪中を強く要請、歓迎するというそういうお話がございましたが、それについて大臣のお考えをお伺いいたします。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 まことにありがたいお話で、ぜひそうしたいなと私も考えておりますが、ただ、現在ちょっとあのような形が出ておりますので、そして中国を取り巻く国際環境等がありますので、その時期につきましては慎重に検討をいたしたい、こう思っております。
○岡島委員 もちろんそういうことだろうと思いますが、ひとつ大臣就任中に訪中をされることを期待いたします。 時間だという通知がまいりましたので、学校のコンピューター導入の問題、それから芸術、文化、スポーツ振興の問題、これは省きます。 あと、総務庁、水野長官に一点だけお伺いいたします。 行政改革の問題でありますけれども、水野長官が、就任以来極めて積極的に行政改革に取り組まれておられますことは、私ども十分承知をいたし、また高く評価をいたしておるわけであります。長官の姿勢の中には、行政はいつ、いかなる時代におきましても、社会経済情勢に対応して簡素であり効率的でなければならないという一つの信条が私はうかがえますけれども、そこで、これまでの行政改革に取り組まれた成果そのものについてどのようにお考えであるのか。同時にまた、海部内閣におきまして、国民の声にこたえていく行政改革に取り組む長官の決意、「対話と改革」をスローガンにしております海部内閣でありますから、そういう中において行政改革に取り組む長官の姿勢というものをあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○水野国務大臣 岡島先生の御質問に対してお答えを申し上げます。 行政改革の問題は、御承知のとおり大平内閣の際に一般消費税を導入したいということで、昭和五十四年に総選挙をおやりになりました。これが裏目に出てなかなか難しい、こういうことに相なりました。そこで、まず、歳入をふやすことも大事であろうが歳出を減らしていこう、そういう考え方に内閣が基本的に変わってきたところからスタートしております。 大平さんの後、鈴木さん、中曽根内閣、竹下内閣と続いて行財政改革が進み出したわけでございますが、この七、八年の間にどんなことが起こったかということを総括的に申し上げますと、国鉄、電電公社、専売公社、この三公社の民営化は御承知のとおりであります。いろいろございましたけれども、この民営化は非常に大きな成果であったと私は思います。 特に、国鉄がJRにかわって、清算事業団には大きな赤字が残っておりますけれども、分割されたJRはそれぞれ黒字に転換し、しかも片方で大変サービスがよくなってきている、これは御承知のとおりであります。 あるいはNTTの問題につきましては、NTTと日本航空の株式を売り出したことによりまして約十一兆円の歳入が図られております。そのおよそ半分近くのものは赤字国債の発行、その減額に使われました。また片方では、今日、約三年にわたる日本経済の好況を迎えておりますけれども、その大きなてこになったNTT資金というものによりまして、公共投資、社会資本の整備に大いに使わせていただいた。これは大きな成果であったと思うわけでございます。 日本航空も完全民営化になってサービスが大変よくなり変わってきた、こう私は思っております。 また公務員の問題でございますが、公務員はこの数年間に約三万人の純減をいたしました。これはなかなかできないことでありますが、ともかく達成をしたということは大きな成果であったと私は思います。 時間がないようでございますから少し飛ばさせていただきますが、その次に行財政改革の機構の問題でありますけれども、私が今おります総務庁というのは、行政管理庁とかつての総理府の大半が一つになった役所でございまして、これが一番大きいわけでございますが、そのほか地方に、管区にいろいろなお役所がございました。特に運輸省関係は陸運局、海運局というのがございましたが、こういうものを中心にして再編成されてきたことも御承知いただけると思うわけでございます。 さて、過去のことは一応そういうことでございますが、海部内閣になりまして私が総務庁長官になりましたときに、海部総理から、要するに「対話と改革」を標語として前進をしていきたい、こういう話で、その改革の中に行財政改革というものを引き続いてやりたい、こういうお話があったことは、恐らくマスコミからもごらんになっていただけると思います。 そこで、今何をやっているか、こういうことでございますが、新行革審の中でいろいろ御審議をいただいている最中でありますから余りこちらから口を差し挟むことは差し控えたいわけでございますけれども、まず第一に、国と地方の関係、御承知のとおり四全総の中にも出ておりますけれども、東京を中心とする東京圏に一極集中でいろいろなものが集まり過ぎております。これをどういうふうにして逆の、地方に活性化をもたらすかということについて、具体的ないろいろな案について、これは行革審の方にいろいろ御検討、御審議をいただいている最中であります。 そのほか、戦後数十年の間にいろんな公的規制というものが加わってまいりました。この中には今日極めて必要なものも残っておりますが、その時代時代では必要でございましたけれども、今日必要でないものもたくさんあります。それが、あるいは日米経済摩擦の中でいろいろ指摘されるような問題も出てきていることは御承知のとおりであります。そういうものにつきまして、やはり行革審に一つ一つ点検をお願いいたしまして、必要なものについて近く勧告をしていただく、こういうことに相なるわけでございまして、大体、全般的には来年の四月の半ばごろまでにこの問題を御審議いただいて、さらに新行革審の問題というのは来年の四月で一応法的なあれが切れてしまいます。その後さらにポスト新行革審というものについてどういうふうに考えていくか。これは、行財政改革というのは終わりはないわけでありますから、引き続いてそういう体制をきちっと法的に整備をしておかなくちゃいけない。その問題も踏まえまして、ただいまいろいろと御審議をいただいている、こういう最中であるわけでございます。 どうぞ、ひとつよろしく御理解のほどお願い申し上げます。
○岡島委員 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。 それぞれ適切な御答弁をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。
○中村委員長 次に、小川国彦君。
○小川(国)委員 最初に私は、災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さんが取り組んでおります災害遺児育英制度の問題につきまして、文部省の考え方を文部大臣あるいはまた関係局長から御答弁を願いたいと思います。 きょうは、くしくも石橋文部大臣も千葉県の御出身であり、水野総務長官も千葉県の出身、私も千葉県の出身でございますが、国政の中では、郷土の同士の立場を超えて、ひとつ前進的な御答弁をお願いしたい、こう思うわけでございます。 最初に、災害遺児育英問題につきましては、私もその問題に取り組む関係者の一人として、国会の中でも竹下内閣の小渕官房長官に質問をさせていただいて、この問題への政府の積極的な取り組みを要請してきたところでございます。 災害遺児につきましては、病気とか自殺、あるいは自動車事故以外の原因で親が亡くなる、あるいは重度の後遺症を持った方々のその子供たちを災害遺児、こういうふうに定義づけまして、具体的には航空機、船、鉄道などの事故、地震、風水害などの天災、労働災害、火災、溺死、中毒、圧死、ガス爆発、通り魔殺人、こういう非常に広範囲な災害を受けられた方々の遺児を、交通遺児と同じような条件で高校あるいは大学への進学が進められるように、こういうことで交通遺児の皆さんが災害遺児育英運動ということで取り組みを始めて、そうして、街頭であしながおじさんの募集あるいは街頭募金、こういうことでこの資金をまず自分たち若者の手でつくろう、それから国の補助なり助成なり援助を受けていこう、こういう青少年の非常に純粋な運動の取り組みからこの運動が進んできているわけであります。 こうした災害遺児の高校進学を進める運動について、文部大臣としてはこの趣旨をどういうふうに理解されているか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 まず、今委員御指摘のお話のありました若い人々の熱情には感謝を申し上げる次第であります。そしてまた、これも委員御指摘のとおり、いわゆる災害遺児、交通事故等の問題についてはきちっとしたものがありますが、たくさんお話をしていただいた関係についてはまだ育英制度ができておりません。そこで、昭和六十二年十二月の与野党の党首会談を受けて、与野党の実務者による協議、いわゆる与野党専門家会議、これが昨年の五月以来行われておりますことを承知をいたしております。そこで、この協議の場で災害遺児の育英奨学を目的とする新たな財団法人を設立するという案も出されております。関係者の皆様方による検討の速やかな結論、これをまず御期待をいたしているところでございます。
○小川(国)委員 ちょっと聞き漏らしたのですが、新たな財団法人の設立というのはどういう関係者による財団法人の設立でございますか。
○坂元政府委員 お答えいたします。 既に、この問題の経緯につきましては、先生も各党専門家会議のメンバーのお一人としまして十分御承知のところだと思いますけれども、専門家会議が六十三年の五月に設置されまして、その後何回か会議が持たれてきたわけでございます。先生も御承知のとおりに、昨年の九月に第六回の各党専門家会議が持たれまして、その席で、当時の橋本自由民主党幹事長代理が出席いたしまして、日本船舶振興会に新たな財団をつくってもらって事業実施を要請するというようなことについて、提案がなされたというふうに私ども聞いております。その後、橋本幹事長代理などが船舶振興会にその旨を要請したと聞いておりますが、その問題について各党に意向を打診したところ、最終的には各党の合意は得られなかったというふうに聞いております。その合意が得られなかったということの理由の一つとして、今先生がお話になりました災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さん方が必ずしも賛成ではない、批判的であるというようなことも一つの原因であったというふうに私ども承知をいたしております。 いずれにしましても、そういうようなことがございまして、昨年の十二月三十日に第八回の災害遺児各党専門家会議が開催されて以来、その後開催されていないというのが今日まででございます。 ただ、私どもといいますか、日本船舶振興会は善意で災害遺児のための奨学事業をやっていこう、ただ、その場合に、すべての関係者の方々から賛同が得られる形でやりたいということで、災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さん方が必ずしも船舶振興会が事業を実施することについて賛成していないというようなこともございまして、災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さん方に対して船舶振興会の真意というものをいろいろ説明しておる。現在、災害遺児の高校進学をすすめる会と日本船舶振興会が書簡によっていろいろと意見を交換しておるという現状であるというふうに私ども理解しているところでございます。
○小川(国)委員 ちょっと、今の御報告の経過には、私ども取り組んできた経過とは違う点があるのであります。 すなわち、昨年の九月に現在の橋本龍太郎大蔵大臣が、当時は大臣ではなかったわけでありますが、各党の専門家会議にお見えになって、この問題の処理を私に一任してくれないか、中身はございませんでただ一任してくれ、こういうお話があって、私どもは、この問題については、各党とも、当時の竹下首相と各野党の党首が全部そろった党首会談の中で、国が助成なり補助なりの予算措置をする、こういう建前で進んできているので、我々はその方向に基づく作業を今政府側と話し合っている状況である。したがって、専門家会議からいきなり橋本さんに一任してくれと言われても、各党の党首、それから書記長、政審会長等も、それぞれこの問題については予算委員会等で質問等をいたしてきて、答弁を得てきている。そういう経過がございますので、我々、その当時、自民、社会、公明、民社、四党の関係者の中では、これはもう一段政府部内において、この災害遺児の育英制度については政府が責任を持ってこの問題の対処をしてもらいたい、こういう意向を終始その席では申し上げてきた経過がございます。その点は私は文部大臣にもそのように御理解を願いたいと思うわけであります。 この問題の経過を振り返ってみますと、昭和六十二年の十月三十日に文部省と災害遺児の高校進学をすすめる会の初会合があって、文部省は、災害遺児の育英奨学事業の実施形態(案)として交通遺児育英会の事業範囲を拡大して実施する、そして新たに財団法人を設立して実施する、その他、公益信託による実施とか任意団体のままで実施とかそういった提案をするということで、すすめる会の希望に沿って前向きに考えると約束をされたわけであります。その後六十二年十一月二十五日、文部省との第二回会合で、すすめる会は、交通遺児育英会で実施するのが理想、こういう回答を文部省にいたした。さらに六十二年十二月二十四日の党首会談で、全野党の党首から災害遺児育英制度の六十三年度実施及び予算措置要求をいたしまして、竹下首相が私に任せてほしい、その当時宮澤大蔵大臣は予備費で検討、こういう回答まで出されたわけであります。そして、政府窓口を文部省から内閣官房内政審議室へ、こういうようなことがなされているわけであります。 こういう経過、さらにまた六十三年の二月一日には、衆議院の予算委員会で山口社会党書記長から竹下首相に対して質問し、竹下首相は、党首会談において各党から出た問題でまさに共通認識になっておるのではないか、やはり入学期の始まる四月一日――というのはことしの四月一日のことを言っているのですが、ということを念頭に置きながら、御要請に沿う形で鋭意検討を進めていく、こういう答弁をされたわけであります。また六十三年の二月十七日、衆議院の予算委員会では、やはり坂口公明党政審会長の質問に対して、阿部文部省高等教育局長が、文部省としては、交通遺児育英会から災害遺児の事業をやりたいと申請が出れば、当然前向きに検討する用意はある、こういう御答弁をなすってきた経過がずっとあるのですね。 これで見ると、これはあくまで政府予算で対処する、こういう考え方で終始経過をしてきているというふうに理解をするわけでありますが、この点について文部省の認識は、この経過を十分理解されているとは思うわけでございますが、この経過をどういうふうに認識されておりますか。
○坂元政府委員 お答えいたします。 災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さん方との六十二年の段階でのやりとりについては、ちょっと私、今資料をこちらに持ってきておりませんので必ずしもつまびらかではございませんけれども、私どもの基本的な考え方としまして、御承知のとおりに、文部省としまして、現在一般的に経済的な理由で進学が困難な者について、一般的、包括的な援助措置を日本育英会を通じて行っているわけでございます。したがって、いわゆる災害遺児のみについて国の施策として特別の措置を講ずるということになりますと、災害以外の事由、すなわち主たる家計者が病気したとかあるいは離婚などによって経済的な理由で進学が困難になった人との均衡上の問題が生ずるのではないかということで、なかなか国費によってそれを進めることが難しいというのが基本的な私どもの認識でございます。 先生も御承知のとおりに、専門家会議の審議の過程の中で、昨年の六月二日の第四回の専門家会議のところでも、公営競技関係団体からの援助を求めて交通遺児育英会に災害遺児育英を実施をしてもらうことが各党によって一応合意されて、そして、文部省が同会の意向を打診したらどうかというふうに合意されたと私ども承知いたしております。それにつきまして私どもが交通遺児育英会に意向を打診したところ、交通遺児育英会は、公営競技団体からの財政援助では所要の金額が期待できないなどの理由で、専門家会議の案は引き受けることができないという回答をいただいたというふうに承知をいたしているところでございます。
○小川(国)委員 その各党によって合意されたという内容の理解が、文部省の認識がちょっと異なっているのではないかと思うわけであります。六十三年五月二十五日の第四回の与野党議員懇談会では、政府案として、六十三年度より交通遺児育英会を窓口に災害遺児奨学制度を実施する、それから財源は国庫補助せず、公営競技団体から一千万ないし二千万の助成を要請をする、こういう提案。この政府案に対して野党側は、財源問題については、公営競技団体からの助成ということについては私どもはこの席でどうこう申し上げることはできない、これはそれぞれの党に持ち帰って検討をいたします、こういうことでございました。しかし同時に、政府側が、すすめる会の皆さんにこの案をお話しする、それはそれで結構でございましょう、こういう経過があったわけでございますね。ですから、この点については、私ども当初の段階でそういう提案がなされたということは存じているわけでございますが、そのことが同意をなされたということではない、この点は御認識をいただきたいと思うのでございます。
○坂元政府委員 ちょっと私の説明が舌足らずで恐縮でございますが、恐らく、先生が当然その席に出席しておって、関係者の一人であったわけでございますので、先生のその御説明が正しいのだろうというふうに思います。先ほどの答弁についてやや修正させていただきたいと思います。 それから、公営競技団体からの援助の金額の問題ですが、一千万ないし二千万円を目途とするというのは、六十三年度の援助については一千万円ないし二千万円を目途とする、六十四年度以降についてはまた別途引き続き援助が得られるよう努めるということで、六十四年度以降の金額については、必ずしもそこで一千万円ないし二千万円ということで政府側から案を出しておるというふうなものではないのではないかと私ども理解いたしております。一千万円ないし二千万円はあくまで六十三年度の援助だということで、政府・与党の提案じゃないかというふうに理解をいたしております。
○小川(国)委員 その後段のところは私ども十分確認されてないところでございます。 なお、六十三年四月二十二日の衆議院決算委員会で私が当時の小渕官房長官に質問をいたしました。その中で小渕官房長官は、窓口は文部省、それから交通遺児育英会の制度の中で考えられないかという方向でほぼまとまりつつあるが、財源問題についてまだ結論を得ておらず甚だ申しわけないと思っている、街頭募金で集められた学生たちが制度をもうスタートさせた、腰を上げない政府の遺児対策に抗議する形で見切り発車したということで、政治に携わる者として内心じくじたるものを覚える、行政ベースで検討すると、社会保障制度の中でやるべきだとか他の遺児との比較論とかいろいろ出てくる、しかしどこかでこれを断ち切るには政治的判断、決断が必要である、政党間の話し合いをただ見守るということではなく、政府としても何らかの決断をしていかなければならないこともあろうかと思う、こういうことで政府の方も、各党間の話し合いを見守るということだけではなくて、何らかの決断をしていかなければならないという意思を既に昨年の四月に表明をされているわけです。 それから一年有余たっている現在において、私どもは、これの従来経過から見ると、政府窓口は文部省である、それからその主体は交通遺児育英会である、こういうふうに考えますと、この間において政府が積極的な話し合いの努力を重ねられて、何といってもこの運動を進めてきているのは災害遺児の高校進学をすすめる会の、いわゆる交通遺児の皆さんが全国で街頭募金をしたりあしながおじさんを求めたり、そういう若者の大変な御苦労の中でやってきていることがその発端になっているということを考えますと、その青少年の気持ちを政府が十分酌み取って交通遺児育英会との話し合いを続け、またすすめる会との話し合いを進め、政府として、当初考えておったような政府の予算の中での、宮澤大蔵大臣が予備費での支出を検討というふうなことも答弁されてきたわけでありますから、政府の財政における助成、援助というものを考えていただきたい。先ほど御答弁の中では、その他制度との比較があるということをおっしゃっていられるわけでありますが、確かにその他さまざまの制度はございます。しかし、それでは現実にこういう遺児の問題の解決がなされ得ない。本当に安心してその費用で高校生活を送れる、大学生活を送れるというには、現状の政府の制度では不十分である、今の交通遺児育英会の制度がこの制度ならば、交通遺児の皆さんも安心して学業に専念できる状態をつくっていただいているんだ、だから自分たちと同じ状態を災害遺児の皆さんにもぜひつくってやりたいんだ、政府の制度よりも一歩進んだ、現実に対応できる、就学ができる、そういう状況をつくりたいという熱望からやっておられるわけでありまして、そういう点では、文部大臣や文部省当局においてもいま一歩これを前進させるような、もう二年越しの政府間との問題でございますから、解決へのお取り組みを願いたい、こういうふうに考えますが、いかがでございますか。
○石橋国務大臣 ただいま小川委員の御指摘によって、その経過、その考え方、いろいろな点が明らかにされたと私も認識を新たにいたしておるところであります。 その中において、いずれにいたしましても育英制度でありますから、これは文部省が主になってやっていかなければならないな、こう思います。そしてまた、災害遺児各党専門家会議、この会議も厳然としてあるわけでありますから、できる限り早くこの関係について結論を出していかなければならないな。それはかわいそうな子供たちのことであります。それを頭の中に入れて、できる限り早く専門家会議の皆様方の御意見もまとめていただくように、また文部省としても一生懸命にやっていきたい、こう考えます。
○小川(国)委員 専門家会議とおっしゃいましても、与野党の議員が四名集まりましても別に財源を持っているわけじゃございませんで、この予算措置、財政措置の問題は一にかかって政府の問題なんです、最終的には。しかも災害遺児の高校進学をすすめる会の皆さんの要望も、その予算規模も、これは十分政府が認識しているところでありまして、私どもが集まっても、最終的に要望することは政府においての財政措置というところに尽きるわけでありますから、それはやはり財政措置のできる政府側がこの点にもう一歩踏み込んだ考え方を示していただきたい、私はこういうふうに思いますが……。
○石橋国務大臣 何か事の出始めのときに幾らかそごがあったようであります。いずれにいたしましても、今委員御指摘のようなことでありますから、できる限り早くということで考え方を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○小川(国)委員 政府がそういう姿勢で取り組んでくださるということを強く要望申し上げて、この点の質問を終わりたいと思います。 それから、総務庁長官がお見えになっていらっしゃるわけでありますが、長官には後ほど所見をお伺いするということで、総務庁の中の行政監察局の皆さんに、首都高速道路公団に対する行政監察の状況について概要をお伺いしたいと思うわけであります。 総務庁の行政監察局では、昭和六十一年七月に「高速自動車国道等の管理運営に関する行政監察結果報告書」というものを出しておられます。それからまた、六十一年七月に、それに基づく勧告というものをなされております。それから、さらに六十三年三月はそれに対する勧告、回答、その後の改善措置状況対照表というようなものも出されているわけでありますが、私も、首都高速道路公団の運営のあり方というものはいろいろな面で改革していかなければならないということを痛切に感じているわけであります。 首都高速道路公団に関する六十一年七月の指摘の中で、料金収受体制の問題がございます。これは、首都高速道路公団における料金の受取所ですね、料金の収受業務というのを外部に委託しているわけでありますが、その委託先の組織とは別に、公団に現場管理組織として首都高速道路公団の営業管理所、これが十九カ所設置されているわけです。この現場管理組織にはおのおの公団職員が配置されておりまして、料金所において委託先が収受した料金の日々の点検・審査、毎月一回の定期検査、ほぼ月一回の臨時検査、交通管理及び道路管理業務、こういうものの一部が行われているわけでありますが、これに対して行政監察局は、「委託業務の確実な励行については、①料金所における具体的な料金収受要領の指示、②委託先での内部牽制体制の確立、③収受料金に不足額を生じた場合の賠償義務、④収入金についての動産保険の適用義務等により担保されているので、検査・監督の在り方及びその体制について簡素合理化の余地が認められる。」こういうふうに指摘をしているわけでございます。 確かに、私どもも現場に行ってみたりいたしますと、本社管理部営業課というのがあり、その下に営業管理所がある。ところが一方、受託会社があって、料金計算所が同じ箇所数あって、そしてその出先として委託料金所がある。こういう二重構造になっておりまして、これはやはり国の行政のあり方としても簡素化をなし得るところがあるのではないか。公団の管理部で本来その業務を行えば、委託会社は要らないであろうと考えられます。また、委託会社でやっていくのであれば公団の管理部門の方はまた別な部門の仕事をしていただく、そういう合理性ある措置がとれるのではないかというふうに思うのですが、この二重構造の点についてはどういうふうに御判断をなすっているでしょうか。
○鈴木(昭)政府委員 六十一年の勧告におきましては、確かに営業管理所の配置について見直しを勧告いたしておりますが、二重構造そのものについてはそのときの指摘では特段申しておりませんが、ただ、その営業管理所の配置がさらに合理化することによって、例えば統合・縮減というようなことができるのじゃないかという観点からの勧告をいたしておるところでございます。
○小川(国)委員 この点の二重構造の問題については、何か御検討はなすった経過はあるのでございますか。
○鈴木(昭)政府委員 当時いろいろ検討はしたものと思いますが、現在私どもの手元に残っている資料によりましては、二重構造そのものについての指摘はこのときの勧告ではいたしておりません。
○小川(国)委員 私は、この点は行政監察の内容が、指摘と改善結果も見ておりますが、まだ不徹底ではなかろうかというふうに思うわけです。委託料金所でもって揚げたお金は料金計算所に来て、それで受託会社に行くようになっているわけで、この会社システムだけで一応集金体制というものができているわけですね。現行の社会体制から見ると、委託したところが今の監督業務のようなところは最終段階できちっと料金が入るかどうか、ここのところが掌握されればいいわけで、そこを考えればこちらの本社管理部営業課の組織というものは考えなければならぬ。また、あるいは本社管理部の営業課というものが本来機能を発揮するならば委託会社は要らないのではないか、こういうふうにも考えられるわけですね。そういう点は、やはり御調査なすっておって当然気づかなければならない問題点ではなかったかと私は思うのでございますが、いかがでございますか。
○鈴木(昭)政府委員 営業管理所におきましては、委託している先の料金所等の検査とか監督等を行っているわけでございまして、その当時、そういう観点からのいろいろ検討も行っておるようでございますが、これにつきまして二重構造そのものが、そういう監督とか検査等の体制そのものが要らないというところまで結論に至らなかったということでございます。
○小川(国)委員 非常に単純な言い方で言えば、この料金所で集まったお金が、最終的に回数券の回収状況とお金の回収状況、そういうものがぴしっと掌握されればいいわけでありまして、そういう点では、私ども、これからやはり行政監察局がこういうところをごらんになったらそういうところまで目が届かないといけないのじゃないか、こういうふうに思うわけですね。 それで、実質改善されたのは、料金所の出先が二つが一つになったというだけの改善結果を見ておりますが、こうした二重構造があるとすれば、ほんの一部を解決しただけで全体を見てないのではないか、こういう感を深くするのですが、いかがですか。
○鈴木(昭)政府委員 営業管理所で行っておりますのは、いわゆる審査あるいは定期検査あるいは臨時検査等、その委託先の監督等に関する事務でございまして、営業管理所という形で残すのがいいのかどうかという御議論はいろいろあろうかと思いますが、そういう事務自体は必要だったという当時の判断だったと思います。
○小川(国)委員 当時の判断にしても、私は先ほどから繰り返して申し上げているように、料金の集金がきちっと確実に最終的に掌握されているということであれば、高速料金の回数券をもらったものを一々審査したり定期検査したり臨時検査したりそうしなくても、料金の収受さえきちっと最終確認ができれば、十九カ所も、三十七人の営業所を持っていらっしゃるのです、一方また受託会社は十八カ所の料金計算所を持っているのですね、その出先に委託料金所が百十一カ所ある、百十一カ所からのものを、もうちゃんと民間で料金計算所があって受託会社へ来るのですから、受託会社へ来たところを、公団はそこを検査すればもうそれで十分なんじゃないですか。そうじゃなかったらその受託会社は資格がないわけでしょう。早く言えば、本社に業務を委託して、その業務の営業所がやって、その出先の徴収所があって、それを中間段階を役所が見なくても、受託会社の最終帳簿をきちっと見れば、そこで監督なり検査なり審査なりはもうできると考えてよろしいのじゃないですか。
○鈴木(昭)政府委員 いろいろ御議論はあろうかと思いますが、当時もいろいろ検討したものと思いますけれども、やはり審査とか今お話のあった定期検査、臨時検査という体制は必要でございますし、そのための営業管理所そのものの存在を否定するというような結論には至らなかったということだろうと思います。
○小川(国)委員 僕から言えば、ちょっと行き届かない監察ではなかったのかと思うのですが、もう一つ、駐車場の経営管理体制の問題について伺います。 首都高速道路公団は、高速自動車国道等の建設及び管理を行うほか、自動車駐車場を経営しております。首都高速道路公団は東京都内に五カ所、私の調べたときに合計二千百四十五台収容を設置しているわけです。これら駐車場における料金徴収及び場内巡視等の現場業務は、公団が外部委託を行っているわけです。首都高速道路公団は委託先の監督、設備保全等の業務のための出先機関として駐車場管理部というものを設置しておりまして、この駐車場管理部というものが果たして必要な存在なのかどうなのか。 一方、公団の駐車場の利用台数は、周辺の一般駐車場の整備が進んでいること等から全体として下降傾向にありまして、管理コストも上昇している。このため、近年欠損が生じ、公団は料金値上げを行うなど、これら管理する駐車場の経営をめぐる環境には厳しいものがある。したがって、建設省は、公団の駐車場管理体制の縮減等経営の合理化を行うよう指導する必要がある。こういう勧告を出されましたが、この点についてはどのような措置がおとりになられたのでございますか。
○鈴木(昭)政府委員 先生御指摘の勧告によりまして、首都高速道路公団の方におきましては、オフィスオートメーション化等によりまして職員の縮減を行っております。
○小川(国)委員 私は首都高速道路公団の駐車場を何カ所か見て回ったのですが、これも駐車場管理部などというものが一体必要なのかどうかと思うわけですね。 都内に何カ所か、この首都高速が持っている駐車場がある。そこにはまたそれぞれの委託管理会社があってそこの管理を行い、集金業務あるいは管理業務を行っている。これも委託会社から本社にその報告なりをすればいいわけであって、そこへわざわざ出先に駐車場管理部などというものをつくって駐車場の管理会社の監督をやっているわけですね。これは、もし公団の駐車場管理部そのものが自分たちで管理をするならば、その委託の管理会社は要らないはずなのです。委託の管理会社がやるのならば、駐車場管理部なんて要らないのです。そんな限られた台数のところに管理会社を置いて、また駐車場管理部などというものを置いていたら、そう言っては大変失礼なのですが、都内の五カ所に二千百四十五台収容の場所に、委託会社がちゃんと管理して最終集金さえきちんとすれば十分なのではなかろうか、あるいは駐車場管理部がみずからそこを管理して集金をすれば委託会社は要らないのではないか、これも二重構造になっていると思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○鈴木(昭)政府委員 駐車場管理部におきましては、先生御指摘のとおり、いろいろ委託会社に対する指導あるいは修繕が必要な事項の関係の事務とかいうことをやっているわけでございますが、当時もいろいろ検討いたしましたけれども、駐車場管理部そのものの存在については私どもとしては結論を得ず、要員の合理化という形での指摘になったものでございます。
○小川(国)委員 お役所同士でやるわけでございますからなかなか徹底したことができにくい点は私どもわかるのですが、やはり先般来、この首都高速道路公団の五百円から六百円に値上げしたという形の中にはさまざまな問題点を含んでいる、本当に値上げする必要があったのだろうか、こういう問題があるわけですが、またその中の一つに、こういうところの経営改善というものがもっと徹底して行われていたらさらに経費の節減はできるのではなかろうか、値上げをしないでも済んだのではないかという一因が私はここにもあるような気がするのです。 私は、これは何も公団職員の合理化を言っておるわけではなくて、公団が本来持っている機能の中でできるところを委託会社に頼んでいる、これはやはり二重構造になるのではないか、公団の管理部なら管理部というものがあれば、わずか二千百四十五台で――大体駐車場というのは、いかにして人を置かずにできるだけ効率的に駐車料金で黒字にしていくかということを考えるのが本筋だと思うのですよ。だから、ここは経営内容も民間から比べたらもう非常によくないと思うわけで、こういう点は、私はこの二点ほどを取り上げましたけれども、今後行政監察局がこういう問題の監察に取り組まれるのであれば、やはりこうした全体構造というものをしっかり見きわめる必要があるのではなかろうかと考えます。水野総務庁長官、今の私の質疑をお聞きいただいておりまして、今後の行政監察のあり方としてこういう点をどういうふうにお考えになるか、御所見を伺いたいと思います。
○水野国務大臣 ただいま監察局長が御答弁申し上げましたことにつきましては、私も細かいことはあえて申し上げませんが、前回監察をやりましたのが五十九年の四月から九月の間でございます。それから約五年がたっているわけでございまして、日本の高速道路のいろいろな経済的な要因であるとかあるいは日本経済に占める地位とか、いろいろなものも大きく変わってまいりまして、この際、時間もたっておりますので監察をする必要があるかと、かように思って今のお話を聞いておったところであります。幸い事務当局でも今年度の第四・四半期、来年の一月からでございますが、道路に関する幅の広い行政監察を行いたいと計画をしているようでございまして、その中で特に道路三公団の業務運営の合理化、効率化などについても、ただいまの御指摘もあり調査をいたしたい、かように思っているわけでございます。
○小川(国)委員 大臣の御説明で一つのそうした取り組みの方向というものがわかりましたが、局の方としては、今大臣が言われた道路に関する幅の広い監察というものは、部門的にはどういう点をお考えになっているか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木(昭)政府委員 来年一月からの監察を今考えておりまして、ただいまちょうど計画を立てているところでございます。したがいまして、その具体的な中身については今申し上げるような段階ではございませんが、いずれにしましても、国道あるいは都道府県道等々の地方道あるいは高速道路等々の建設あるいは管理等の問題について調べることになると思いますし、その際あわせて、先ほど大臣が申しましたように、道路三公団等の業務運営の合理化、効率化についても検討してみたいと考えております。
○小川(国)委員 そういう機会に、今私の指摘申し上げた点なども十分ひとつお取り組みいただきますよう要望申し上げたいと思います。 以上で終わります。
○中村委員長 次に、上田哲君。
○上田(哲)委員 文部大臣にお伺いをいたしますが、小中学校の日の丸、君が代の問題、先ごろの調査によりますと、君が代を歌いなさいという指導に対して三割から四割が歌っていないという結果のようであります。この数字についてどのようにお考えですか。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 まず国旗の掲揚については九〇%以上ということであります。御指摘のとおり、君が代、国歌のことにつきましては今お話のあったとおりでありますが、片方は一つは形式的なことになると思いますが、いわゆる国旗、日の丸を上げればいいということですね。片方は指導してそして歌うこと、つまり指導するということがまず一つあるということがあります。もう一点は、君が代という言葉そのものについてのいろんな見解の相違があるではないかな。でも、私どもは君が代という言葉、これは憲法で規定されておりますいわゆる天皇は象徴、国民合意の上に立った象徴の天皇であるという意味で、やはり指導して、歌ってもらうように指導していきたいという考え方であります。
○上田(哲)委員 文部大臣の認識は、そうした数字が出てくるという理由は君が代の「君」というところにあるというふうにお考えですね。
○石橋国務大臣 今申し上げましたように、二点あると思います。一点は指導の問題、一点はいろいろな考え方の相違があったではないかな、こういうことです。
○上田(哲)委員 大臣は、君が代の「君」とは何だ、何を指しているというふうにお考えですか。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 私どもといたしますと、いわゆる君が代、国歌のことでありますけれども、憲法にございます、先ほども御答弁いたしたとおりの天皇に対する考え方、そのような考え方を持っておりますので、君が代は国歌であるという考え方に立って定着をさせていきたい、こう思っております。
○上田(哲)委員 お聞きしていますのは、君が代がそのように歌われていないという理由は、君が代の「君」というものへの認識だというふうにお受け取りしますので、その「君」というのは一体何を指すのか、そのことです。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 先ほど一番先に申し上げましたとおり、何か国民の中に今までの君が代に対する考え方が私どもの考え方と異なる部分もあったではないかな、こう思う節もありますけれども、私たちといたしますと、どこまでも憲法の趣旨、国民の合意によってでき上がった天皇であるという考え方、それによって君が代を斉唱することを定着をさせたいという考え方でございます。
○上田(哲)委員 お伺いしたいのは、君が代というのが天皇の代という意味ですか。
○石橋国務大臣 どこまでも国民自体、こう考えております。
○上田(哲)委員 重ねてお伺いするのですが、そうすると、「君」というのはだれを指すのですか。
○石橋国務大臣 お答えします。 なかなか哲学的なことにまで踏み入るようでありますが、私は、君が代というもの、「君」というもの、それはすなわち国民全部を意味している、こう考えております。
○上田(哲)委員 そうすると、国民全部を意味していると思わない人がいるから歌わない、こういうことになるわけですか。
○石橋国務大臣 そうだけではないと思います。各小学校、中学校あるいは高校、それにおいての従来の流れの中からさらに指導のやり方、指導の方法、ここにやはり一つの問題点がありはしないかな、こう考えております。
○上田(哲)委員 先ほどのお話によると、「君」というのは国民全体である、こういう解釈、認識を示されたわけですが、そうとはとらない部分がこれほど大きい数字になっているのだという見方もあるわけですね。そういう中で、一〇〇%歌わせるようにしようという文部省の方針というのは無理があるというふうにはお考えになりませんか。
○石橋国務大臣 私は、お言葉を返すようでありますけれども、無理はないと思っております。やはり指導をしていくべきである、こう思います。
○上田(哲)委員 では、後の議論にいたします。 会計検査院、私は会計検査院が大いに頑張ってもらいたいという立場で申し上げるのでありますが、会計検査院は、国家資金を使用した行政機関や団体を対象として行う業務でありますから、実際には一般国民が直接の関係を持っていない、その意味ではその存在すら十分に知られていないというところがあると思うのですね。その意味では御苦労だと思いますけれども、きょうは絞って、海外検査の問題についてお尋ねしたいのであります。 率直に言うと、会計検査院の海外検査体制というのは大変微弱であるというふうに認識をしておるのでありますが、どのようにお考えでしょうか。
○中村会計検査院長 近年、経済協力という関係の問題が非常に大きくクローズアップされてきたわけでございますが、そういう点を加えまして、私どもも六十一年の十二月にこの海外経済協力の関係を担当しております外務省、それから海外経済協力基金、それから国際協力事業団、この三つの分野を一つの課に統一いたしましたが、さらに六十二年の十二月には、このODAの関係を主体とします外務検査課というものを新設いたしまして、私どもとしてはその充実に努力しているところでございます。もちろん予算あるいは各人の研修にも力を入れているところでございます。
○上田(哲)委員 力を入れているというのはいいのですけれども、実際に伺ってみると、実地検査施行率というのは八%程度と大変低いように承っておるのですが、これはいかなる理由に基づくことでしょうか。
○中村会計検査院長 おっしゃられるとおり、私どもの検査対象は四万百カ所ばかりございますが、その八・二%を実際に検査しております。ただ、例えば本省とか本庁とかいったそういう主要な機関につきましては、私どもは四〇%を超えるような施行率を持って検査をいたしております。 そういう点はございますし、またさらに書面検査というものがございまして、現在検査を受ける各省庁あるいは団体等からそれぞれ書類を受け取っているわけでございますが、その計算書が二十三万冊、それから証拠書類が六千八百万枚という数に上っておりますけれども、そういうものを検査しておりまして、私どもとしては常に財政全般、会計処理全般を見詰めている、そういう体制はとっているつもりでございます。
○上田(哲)委員 院長の立場では、人が足りない、予算が足りないとは言いにくいと思いますけれども、やはり大変手狭だろうというふうに思います。特に最近ODAの問題が論議されたり、そういう立場から、大事な国家資金、税金がもとでありますから、しっかり見ていただかなければならない分野だろうと思います。ぜひ御努力をいただきたいと思うのです。 そういう中で、ひとつ例を取り上げたいのですが、JICAの取り扱い分で会計検査院がお調べになって出てきたことで、最近も非常に話題になっている海外航空運賃の問題が摘発されたといいましょうか、指摘されたといいましょうか出てきたと思います。大変これはむだな金が使われていたということが明らかになったようでありまして、私どもが伺っているところでは、六十二年度六億八千五百万円のむだな金といいますか、普通にやればこれだけの金が要らなかったところを、むだに使ったという数字が出てきている、非常に重大な問題だと思うのですね。これは事実ですか。
○中村会計検査院長 御指摘のとおりでございます。 六十二年度におきまして、JICAにおきましては百二十三カ国から研修員を受け入れておりまして、その金額も相当な額に上っているわけでございますが、またこちらからも相当数の専門員を派遣する、こういうふうな形でやっておりますが、その航空運賃の支払い方法のいかんによりましてはかなり差が出てくる。特に六十一年、二年ということで、この当時は円高が非常に進んだときでございますので、したがって、円高を考慮したような買い方をしたとすれば相当の額が節減されたのではないか、こういうふうな指摘をしたわけでございます。
○上田(哲)委員 よくわからないのですけれども、つまり、私の理解しているところでは、JICAの仕事として外国からたくさんの研修員を受け入れる、この人たち、これは研修員と呼ばれるのですね、それから、日本から被援助国といいますか対象国に向かって職能専門家を派遣する、この人たちが行ったり来たりするわけで、この場合外国から来る人が四千百八十人の研修員、それから長期専門員、日本から派遣している技能者、指導員、この人たちが帰ってきた数が四百五十三人、この人たちの旅費が大変高い無造作な航空運賃を支払って、その総計が六億八千五百万円むだ遣いしたということになったというふうに理解をするのですが、それでいいですか。
○中村会計検査院長 そのとおりでございます。
○上田(哲)委員 どうしてこういうことが出てきたのか、もうちょっと詳しく説明をしていただけますか。
○疋田会計検査院説明員 お答えいたします。 私どもが指摘いたしましたのは、JICAで日本支払い方式、こういうことで日本で円貨で航空賃を支払っていたという点について指摘したわけでございますが、その発生原因といたしましては、日本支払い方式によります航空賃が、近年の為替相場が非常に円高で動いていたということを反映していないということが背景になっているわけではございますけれども、事業団におきましても、航空賃の支払い方法について明確な基準が設けられていなかった、このようなことが主な発生原因ではないかと考えております。
○上田(哲)委員 こういうずさんなことが行われるというか、不注意なことが行われることの根底には、JICAだけの問題じゃない、今日の日本の外国旅行の運賃全体の問題にかかわってくるわけですね。つまり、それは国民一般の常識なのですけれども、同じところへ行くのに日本で切符を買うと高い、外国から買えば安い、これは常識なのですね。これは何遍か議論もされているし、是正をする、こう言っているのですが、どうも役所の言い方は、いや、そうでもない、実際には同じだ。何遍聞いても私はよくわからないのだが、外国のA地点から日本のB地点に来る料金というのはどの航空会社の飛行機に乗っても同じである、こう言うのですね。運輸省に聞いてみます。同じなのですか、同じでないのですか。
○荒井説明員 例えば東京―ニューヨーク、東京―ロサンゼルス、向こう発、こちら発、日本の航空企業のほかアメリカの航空企業、韓国の航空企業が飛んでおりますが、それぞれが普通運賃、ファースト運賃、エコノミー、そういうランクがございます。認可運賃にいたしますと、普通運賃については一路線について日本発については同一の運賃を適用しております。向こう発は向こう発の運賃を適用しております。 先生御指摘の、実勢はばらばらじゃないかとおっしゃる点は、実態にはそのようなことはあろうかと聞いております。多分、各航空会社が、競争力の弱い航空会社が特に安売りだとか割引を出しておる実態があろうかと思っております。
○上田(哲)委員 粗ごなしの質問をしておいたので、かなり素直に答えてくれたと思うのですね。僕はその素直なところは認めますが、公式なこれまでの答弁は、いや、同じですというふうに言っていたわけですよね。ところが僕が言いたいのは、実勢が違う、全くどこかの官費旅行なんかで額面どおりやるのだったらどうか知りませんけれども、実際に大多数の人々が払っている航空運賃というのは決して同じではない。その意味では日本の方が明らかに高いという実態は認めますか。
○荒井説明員 実態でございますが、ちょっと御説明に時間をいただきたいと思いますが、普通運賃でございますと、六十年から円高が進行いたしまして、例えば東京―ロサンゼルス三十五万円、東京―ニューヨーク、日本発四十九万円でございました。現在、それぞれ六万円、九万円のここ三年間値下げを行っております。あるいは、ロンドン、パリは八十一万円という日本発の運賃でございましたが、二十一万円のここ三年間の値下げを行っております。これはビジネスクラスの運賃でございます。 その結果、東京―ロサンゼルスで比べますと、日本発の方が若干安い状況になっております。ロンドン発は、日本を一〇〇といたしまして向こうは九五・五%ぐらい安い。東京―パリにいきますと、日本発一〇〇に比べまして、向こうは一〇二と若干高い状況でございます。ビジネスクラスの運賃はそういう主要国では是正されてきたと思っておりますが、そのほかのエコノミークラスにつきましていろいろ安い運賃が出回っている状況にあろうかと認識しております。
○上田(哲)委員 そういう答弁だと思いますけれども、そうであってもなお日本の方が高いというのが実勢なんですね。だから、そこはそれ以上言いませんが、きょうはこれが主ではないから一つだけ聞いておきたいが、この実勢の開きを完全に解消できるかということになると、非常に難しいのだろう、やはり現実実勢の問題としては日本から買う方が高いということは認めざるを得ないだろうという点はどうですか。
○荒井説明員 先生御指摘のようにいろいろ事情がありまして、行政がなかなか値下げに力及ばない、困難があることは事実でございます。ただ、運輸省といたしましては、日本発の運賃をできるだけ値下げして利用者に回すように今後強力に指導していきたいとは考えております。(上田(哲)委員「難しいということですか」と呼ぶ)難しいと思います。
○上田(哲)委員 素直でいいですよ。これはそのとおりなんです。 そこで、話を戻しますけれども、そういう実態があるのですね。だから私は、単に為替の問題だけではない。為替問題だけで話をつけてしまうのは努力が一つそれてしまうと思うので、そこだけはしっかり押さえておきたいわけです。行政当局も努力すべきだし、といって今の日本から買うと高いぞ、老いた両親に孝行するためにはわざわざ向こうへ行って買って封筒に入れて送ってくるという話すら現実に存在しているわけです。だから、ここのところは、もう一遍繰り返しますけれども、為替の問題というだけにしてしまっては困るぞということを一つ押さえておきたい。 さてその上で、今回のJICAの問題というのは、これまでのといいますか、今の国際航空運賃の支払い方式には三つある。一つは、日本支払い方式というので、日本で航空会社に航空運賃円貨で支払って、その航空会社から通知を受けた旅行開始国にある航空会社が航空券を発券する。これでやったらまさしく為替の問題で不利益をこうむるという最大の形になる。第二に、第三国支払い方式。第三国にある航空会社に航空運賃をその国の通貨で支払って、その航空会社から通知を受けた旅行開始国にある航空会社が航空券を発券する。それから三番目に、現地支払い方式。日本から送金して、旅行開始国において航空運賃をその国の通貨で支払い、航空券を旅行者に交付する方式。この三つだというのですね。 ここで問題となる六億八千五百万円ものむだ遣いが行われたことの理由は、今言った三つのうち一の方式をずっととってきたために生じたことであるというふうに理解していいわけですね。
○疋田会計検査院説明員 仰せのとおりでございます。
○上田(哲)委員 現在はこの二と三の方式でやるように指導もし、なっている。六十二年度の当該事案についてはこの二と三がどういうふうになっているのですか。
○疋田会計検査院説明員 研修員の受け入れの場合と派遣専門家の場合で若干違うわけでございますが、JICAの出先機関がある国などから我が国に研修員を受け入れるとかいう場合には、現地に現金を送りまして現地で購入するということも行われておりますし、それからJICAの現地事務所のないようなところにつきましては、第三国PTA方式で航空運賃を支払う、そういうような、実情に応じてしかもより安い航空運賃の支払いが行われるようにということで、経済的な航空運賃の支払い方法が行われることになっているというように承知いたしております。
○上田(哲)委員 つまり、六十二年度は本来ならばそんなにかからなかったのに六億八千五百万円余計使ってしまったということでしょう。元来ならばもっと安く節約できたのに、実にのほほんと使ってしまったということですね。もう少し詳しく言うと、六十二年度の場合は、さっき申し上げた受け入れ研修員四千六百八十五人のうちJICAが航空運賃を負担したのは四千百八十名で、これをさっき申し上げた第三国の支払い方式でやるのだったら十五億九千八百三十九万円余りで済むところを、日本方式でやったものだから二十一億九千三百二十二万円余りを払ってしまった。それから、専門家の場合は、帰国者が全部では七百八十二人いて、日本の支払い方式の該当者が二百三十一人いて、その同行家族二百二十二人を入れて四百五十三人。これを第三国方式を使えば九千四百十七万円余りで済むところが、一億八千五百十三万円余りを払ってしまった。したがって、その合計が、六億八千五百万円余計に支払ってしまったというのが実態なんでしょう。
○疋田会計検査院説明員 結果として、今委員のおっしゃいました六億幾らの金が、もう少しきめ細かく航空賃の実情を反映した形できっちりとした基準をつくって支払い方法を決めていれば、それだけ節減できたのではないか、そういう考え方で指摘したものでございます。
○上田(哲)委員 ですから、私が今申し上げた六十二年度は六億八千五百万円という金が今のような形でやれば当然浮くべかりしものを、そのままのほほんと使っちゃったということでしょうと申し上げているのです。
○疋田会計検査院説明員 委員御承知のとおり、昭和六十年ごろから急激に円高が進んでまいりまして、六十一年、六十二年非常に円高になりまして、六十二年でほぼ定着した、そういうような状況になってきたわけでございまして、その間細心の注意を払って経済的な航空賃の支払い方法について配慮がなされていたならば、約六億円余りの経費が節減できたのではないか、こういう趣旨で指摘をいたしております。
○上田(哲)委員 物の言い回しだから、結局これだけの金を使っちゃったわけでしょう。私はこれはちょっと――例えば普通の民間会社だったら幾つか関門があると思うのですね。大体普通の旅行者がみんなこんなことしていないのにこんな形でというのはちょっと信じがたいわけで、この辺に対外援助といいますか、あるいは税金の使い方といいますか、そういうものの基本的なルーズさがある、そこにこそ問題があると思うのですよ。六億八千万という金も大変な金だけれども、しかし総額でいうとまさしく二十何億という金でしょう。飛行機の翼だけで二十何億使っているのだから、その二十何億のうちの七億近くという金がむだであったという話は、これは税金を支払う側からすると援助とは何だったのかという話になりますね。 そこで一つ伺いたい。今答弁されている方は使った人ではないのだから、そういうものを使っては困る、けしからぬぞということをやってくれた人だから、そういうことですっきり答えていただきたいのだけれども、こういうずさんなことをやっている神経というのかやり方というのか、あなた方は一体どういうふうに分析をされましたか。
○疋田会計検査院説明員 私ども、この指摘をいたしますに当たりましては、外国から受け入れました研修員四千数百名あるいは派遣専門家、その家族四百数十人、こういった方々の航空賃を詳細に積み上げを行いまして、その結果、検査報告に掲記したような指摘事項となったわけでございまして、やはり経費節減ということで、より慎重に十分に検討した上で予算を執行していただきたい、そういう感じがいたしております。
○上田(哲)委員 それはおっしゃるとおりなんで、それは当然会計検査院の職務だし、それでいいんですけれども、あなた方がこういうものを、摘発という言葉に当たるかどうか知りませんけれども、調べた。端緒があって、調査して、こういう結果が出たわけですね。この結果については、当然会計検査院の所感というか総括がつかなければなりませんね。これはけしからぬ話ですよ、これはもともと税金なんですから。そういうものはけしからぬのだということをどういうふうに理解をされ、あるいは今後反映されるように考えておられるのか。 後から一つずつ、捕まえてきた、捕まえてきたという話をし、しかもこの話はそんなに国民に出てこないのだから、国民は知らないのですから、冒頭に申し上げましたように、会計検査院の存在だって国民には非常に薄いわけですからね。それを一生懸命努力してくれている皆さんに御苦労さんという立場で私は申し上げているのだが、せっかくそういうふうにやってくれた話が表にも出ない、あるいは具体的な反省の指摘として弱いということになると困るのであって、これはかばい合いじゃないのですからね。本当ならここへJICAを呼ぶ方がいいのですけれども。 そんなことを平然とやっているということは、私たちからすると九牛の一毛ではないか、氷山の一角ではないか、こういう気がしてならないのですよ。そういう認識を、こんなずさんなことがどうして行われるのかということをどうお考えになっているのかというところをひとつ伺いたいのです。
○中村会計検査院長 この経済協力の問題につきましては、先ほども申しましたけれども、世間で大きくクローズアップされております。私どもとしましても、それを踏まえて、今後とも充実させていきたいと思います。 効果といいますか、検査の効果をどういうふうにして確保していくか、こういう問題を一般的にお答えさせていただきますと、私どもはいろいろな形で指摘はしておりますけれども、例えば不当事項というふうな形で指摘いたしますと、果たして是正処置が行われたかどうか、この点は必ず確認しております。それから同時に、こういう同種の事態がほかでもないだろうか、そういう再発の防止措置ができているか、こういう点についても、私どもはいろいろと資料をとり、検討させていただいております。それから物によりましては、懲戒処分の要求をするという構えをとっておりますので、そういう形でもやっておるわけでございます。 それと同時に、こういう事態につきましては、私どもは、例えば検査報告の内容を要約した「会計検査のあらまし」とか広報誌の「けんさいん」というものをお見せしまして、国民の皆さんにその辺の御関心を持っていただくという点にも十分考慮を払っておりますが、何よりも今先生が御指摘くださいましたように、国会において私どもの問題が御審議を受けるということが、私どもについては、その実効性を確保するという面で非常に大きな力があるのではないか、こういうふうに考えております。
○上田(哲)委員 そうすると、この問題は、今、場合によっては責任を云々ということがありましたけれども、この場合は、最終的にはどういう処理になったのですか。
○中村会計検査院長 実は私ども、検査の結果の指摘の態様にはいろいろございまして、今、不当事項ということで例を申し上げたのでございますが、このJICAの件につきましては、実は私ども処置要求という格好で出すつもりでおりました。将来に向かってひとつ是正処置をとってほしいということでございまして、こういうものにつきましては直接責任を問うという形にはしておりませんで、あくまでも将来に向かっての改善ということに力を入れているということでございます。
○上田(哲)委員 結果的にJICAとしては、この後何らかの具体処置をとったわけですか。
○疋田会計検査院説明員 私どもの指摘に対しまして、事業団におきましては、六十三年十一月に「国際航空運賃の支払方法に関する基準」を明確に定めまして、為替相場の動向等に適切に対応するための処置を講じられたわけでございます。
○上田(哲)委員 院長、航空運賃の問題というのは、さっきも運輸省からも答弁を求めましたけれども、努力はしてもなかなか実勢も埋まらないという問題もあって、国民の不満も一つそこに向けられていることも加味していえば、これはJICAだけの問題ではなくて、いろいろこうした問題はあっちこっちにあるんじゃないかという気もするんですね。その辺をどうお考えか。そしてJICAだけの問題じゃなくて、この航空運賃問題は、検査院としてはもう少し羽を広げてといいますか、徹底的にひとつやってみるということになるのではないでしょうか。
○中村会計検査院長 おっしゃるとおり、私どもとしましては経済協力の問題につきましても従来から大きな関心を持って検査してきたところでございますけれども、今後はさらに重点を置いて検査をしてまいりたいと考えております。 それと同時に、先ほどちょっと御指摘がございましたような八・二%というふうな実地検査の施行率が低いではないか、こういう問題もございますけれども、私どもとしましてはその点は検討しまして、研修をするとかあるいは検査の効率を高めるような形、例えばコンピューターを十分に駆使するとか、いろいろな形でもって検査の十全を期したい、こういうふうに考えております。
○上田(哲)委員 事務当局、院長の決意を受けて、私はこの航空運賃問題は決してここだけじゃないと思うのですよ、全体は八%という残念な数字もありましたけれども、この問題について広くやってみるというのは、やはり一つ国民の理解を得る道でもあると思うのですが、その決意はありますか。
○三原会計検査院説明員 お答えいたします。 先生おっしゃるとおりでございまして、私ども昨年、ただいま先生言われましたような航空運賃の問題が出たものでございますので、検査対象の中からこの外国の航空運賃をたくさん使っているところにつきましては、このような問題がないかということを部内的に連絡いたしまして、一応それぞれのところで見ているところでございまして、この今回の指摘を踏まえまして、それぞれの国の機関あるいは団体においては今後は十分注意していくのではないか、このように思っております。
○上田(哲)委員 決意を買っておきたいと思います。 そこで、幾ら頑張っても手狭である、予算が足りないということがあるわけだし、八%ということは、何遍も繰り返しますけれども、大変つらいことだと思います。これは拡大してもらわなければならない。そのためには、毎年不当な事態が後を絶たないという実情からしても、会計検査院としては各省庁の内部での監査がもっと徹底して行われなければならないということだろうと思います。こういう問題についての御見解を承っておきます。
○中村会計検査院長 おっしゃるとおり、私どもが財政執行、会計処理の隅から隅まで目を通すということは、これはなかなかできるものではございません。したがって、そういうものを補うということになりますと、それはやはり内部監査にゆだねなければならない、こういう点が多々あろうかと思います。したがいまして、私どもは、内部監査の充実ということにつきまして非常に大きな関心を持って、従来も研修その他を通じましてその点の強化といいますか、その点を私どもとして努力してきたところでございます。
○上田(哲)委員 非常に地味なお仕事だと思いますけれども、大事な仕事でありますから、民主主義の根底の一つであるというふうに考え、四権分立という言葉すらあるわけですから、その重責をひとつしっかり自覚していただいて、もう一つは、せっかくの調査を、きょう私は一例を述べましたけれども、国民は知らない。大いにひとつ国民にも、当然国会にもですが、大きく報告をしていただいて、こうした問題についての目を開かしていただきたい。大いに頑張っていただくことを申し上げて、終わります。
○中村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ────◇───── 午後一時一分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡部行雄君。
○渡部(行)委員 最初に文部大臣にお伺いいたしますが、日本は最近経済大国としては世界一とかいろいろ言われておるようですが、スポーツになるとどうも、いろいろな国際大会に出て余りにも不振が続いておるわけでございます。一体これはどういう原因によるものか、私は根本的にこの問題を掘り下げて考える必要があると思うわけですが、ひとつこれに対する御見解をお願いしたいと思います。
○石橋国務大臣 委員御指摘のとおりで、私自身も実は残念だな、こう思っております。 そこで、スポーツ政策につきまして、私どもといたしましてもスポーツ振興をきちっと図っていかねばならないな、こういう考え方でございます。そしてその振興方策でございますが、これは保健体育審議会、ここにお諮りを申し上げて、今精力的な検討を行っているところでございます。この答申を踏まえてスポーツ振興のための諸施策を推進していきたい、こう考えております。
○渡部(行)委員 そこで、最近の日本体育協会に出されている補助金を見てみますと、昭和五十七年ごろからどんどんとこう下がってきて、六十三年まで相当下がってきているわけです。平成元年度は若干、五億円ちょっとふえたようですが、予算上こういう措置がとられてきたというのはどういうことでしょうか。
○前畑政府委員 お答えをいたします。 先生御案内のとおり、この補助金もいわゆるシーリングがかかっておる補助金でございまして、大変私どもとしても残念なことではございますが、そういう関係で若干ずつ下がってきております。しかしながら、ただいま先生御指摘ございましたように、六十一、六十二、それから六十三にも増額をいたしておりますし、平成元年度にもさらに増額をしたわけでございます。来年度、平成二年度の概算要求に向けましても、特に選手強化費、選手強化事業に対する補助を重点的に増額要求をいたしておるところでございます。
○渡部(行)委員 この数字はそうするとでたらめですか、六十、六十一、六十二も増額したと今お答えになりましたが。
○前畑政府委員 大変失礼をいたしました。 六十、六十一を比較いたしますと、六十一は若干減になっておりますが、厳しいシーリングの中で六十一、六十二がほぼ横ばい、六十二から六十三へ向けて増額、六十三、平成元年度も増額、こういう状況になっております。
○渡部(行)委員 もちろん、予算だけでこの問題は片づけられない問題でありますが、しかし、どうも日本人の体力がないのかということを考えますと、そうだとも言い切れない。なぜかというと、柔道なんかではやはり金メダルを取ったりしているし、ほかの種目でも、いいのはいいが悪いのはうんと悪い。そうすると、一体どこに問題があるだろうか。 この間読売新聞に出ておったのですが、ジョイナーとルイスの朝食のメニューを比べて出ている。結局「食事が決めた?!金メダル」という見出しで出ているわけですよ。私も思うのですが、スポーツというのはやはり筋肉とトレーニング、そしてその筋肉を養う食事というものが有機的に関連してこれを最も合理的に結びつけていかない限り、私はトレーニングだけで問題解決にはならないと思います。しかも、それは青年期にだけやったってどうにもならないんで、本来ならばもうお母さんの腹に入ったときから栄養の問題を考えるなり運動の問題を考えるなりするくらい気を使う必要があるだろう。結局、子供のころから大体系統はわかるわけですよ。スポーツマンの人はスポーツウーマンの方と結婚するし、そういうところに目をつけて、その素質を見抜いて、運動と食事と筋肉との相関関係をやはり指導していく、そして、日常全国民にもそういう指導をしてその重要性を訴えていく必要があるだろうと思うのです。 それから次には、各種スポーツごとにそれぞれ要求されるトレーニングとそれに合った食事のメニューをセットしたマネージメントをする人を早急に育成する必要があるのではないか。そうでないと筋肉の合理的な強化ということがなかなか難しいと思うのですよ。 それから三番目は、もっと選手層を厚くする。特に、日本人の体型というか体質というか、体全体に合ったスポーツは何だろうか、そういうものをとりあえず考えて、そういうスポーツを日常遊びながら楽しめるようなシステムを考える必要があるだろう。 昔は柔道、剣道は、正課の中に入って必ずやらせられたものですが、これはスポーツだけ考えているととんでもないんで、私は、あの武道という昔やったものはその人間の魂を鍛えた、そこにほかのスポーツとは比べられない、何といいますか根性というか、迫力というか、度胸というか、そういうものを形成していったと思うのですよ。そういうこれからの日本の国際人として育てていくためにはどういう人間像をつくるか、それをやはり体育の面からも検討する必要があるのではないか。 それからもう一つは、先ほども言いました予算の効率的な使用によってどう効果を挙げるかということです。これは、各国どのくらい金を使っているか私は調べたいと思ったのですが、なかなかそのデータがないようですので、それは私は今までそういうことを調べておかなかったというこの姿勢には驚きました。これではやはりスポーツが本当に振興されるはずがないのです。韓国なんかはあの小さな国ですばらしい成績を短時間でやり遂げておる。東ドイツもしかりであります。あるいはニュージーランドなんかは、わずか三百三、四十万の人口の中であのラグビーが世界一である、オールブラックスのあの姿を見ただけでも私たちは胸が打たれるわけです。 しかるに、日本のスポーツは何でしょうか、このありさまは。もっと私は深い検討が必要だと思うのです。そして、スポーツマンにはもっと国際的な感覚を植えつける方法を考える必要があるのではないか、これについてひとつ御答弁をお願いします。
○前畑政府委員 大変有益な御示唆をいただきましてまことにありがとうございます。たくさんのお尋ねでございますが、順不同になることをお許しをいただきたいと思います。 諸外国に比べて、日本がいわゆる国際競技大会における競技力が相対的に低下をいたしておる一因といたしましては、ただいま先生からも御指摘ございました栄養面等を含めた科学的な選手強化方策の面での立ちおくれというのが指摘をされておるところでございます。そこで、私どもといたしましては国立のスポーツ科学センターといったようなものを設立をいたしまして、医学、栄養学あるいは運動生理学等を含めた総合的な科学的な選手強化ということについて取り組んでまいりたいと考えておるところであります。 それから、予算の効率的な使用ということにつきましての御指摘がございましたが、例えば、それは先般も新聞紙上で取り上げられておりますが、オリンピックの特別強化指定選手の活動費というのを私どもの補助事業で日本体育協会が行っております。それにつきまして、例えば栄養補給食品の購入には充てられない、あるいはマッサージにも充てられないというような指摘がありましたが、これも直ちに関係方面と相談をいたしまして改善をいたしたところでございます。 なお、武道についてもお尋ねがございましたが、私どもといたしましては、御指摘のように、国際理解を深める、そしてまた我が国の文化と伝統を尊重する態度を育成するという面から武道の教育が大変有益であると考えておりまして、今回の学習指導要領の改訂では「格技」という名称を「武道」と改めたところでございます。ただ、これも御指摘ございましたが、若干最近の学校教育の中では柔道、剣道等が技能習得に重点が置かれている嫌いもございますので、この点につきましては、単に技を競い合うだけではなく、御指摘のございましたように、心身両面にわたる鍛錬、それによる人間形成という点に重点を置いた指導に取り組むべきであろうと考えておる次第であります。
○渡部(行)委員 時間がありませんので、石橋文部大臣に最後にお伺いをしますが、このスポーツの振興はこれから文部省の中でどういう位置づけをしながら図っていかれるのか。例えば、私は国の予算のつくり方に非常に問題があると思うのですが、マイナスシーリングだというと一律全部同じようにマイナスにしてしまう、こういうやり方は小学校の生徒が算術で割るようなものであって、全く意味がないと思うのですよ。やはり国の重点事業は何だ、国の重点政策は何だ、そこだけはほかの予算を削ってもやらなくちゃならない、そういうことでいかなければならないと思います。そこで、大臣は今後文部行政を進める上でこの問題をどのように推進していかれるおつもりかお聞きいたします。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 まことに力強い御意見を拝聴いたして、私も同感であるわけでありますが、残念ながら内閣の一員としてこのような予算編成の方針、これにはやはり従わねばならないのだ、こう考えております。でも、いわゆる文教の中において、昔から私どもよく学び、よく遊べ、よく遊べという解釈はいろいろありますが、とにかく学問、そして体力、そして心、この三つが一番文教の基本であるな、その中のスポーツ、体力づくりということでありますので、これからも委員の御指摘のような考え方に沿って努力をいたしてまいる所存です。
○渡部(行)委員 それでは次に移りますが、スポーツというのは国威の発揚につながるものですから、それは十分心していただきたいと思います。 そこで次は、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約第百二十七条によって、加盟国はすべてこの条約について教育をし、そして不慮の損害とかあるいは災難に遭わない、そして平和国家をつくる、こういうことでこの加盟国全部が一つの捕虜条約に対する教育の義務を負っているわけでございます。ところが、これは日本のどの教科書を見ても、あるいは自衛隊の中でもこの問題は教育されていない。条約というのは、私から言うまでもなく、憲法によってこれは守られなければならない、尊重されなければならないというふうになっているわけですから、少なくとも第百二十七条で各国が約束されていることでございますから、この点についてもっと本気になって取り組む必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、どうでしょうか。
○菱村政府委員 条約などの国際法につきましては、従来から社会科を中心に教えているわけでございますが、小学校、中学校、高校と、子供たちの発達段階がいろいろでございますので、その発達段階に即して指導するということになっているわけでございます。 そこで、国では学習指導要領で学校で何を教えるべきかという項目を定めているのでありますが、これは国の基準としては非常に大きな、大綱的な基準と申しておりますが、教授する中身の大要を定めているにとどまっているのであります。したがいまして、例えば現行の高等学校の学習指導要領では、社会科の「現代社会」の中で国際法と国際政治の特質を教えるとか、国際法の意義と国際政治について教えるということになっているわけでございますが、個別的な個々の条約名を挙げてこれは教えなさいというような指導要領の決め方にはなっていないのであります。 ただ、教科書によりましては、国際法ないしは条約を教える際にどういうものを教えるかというのは教科書の執筆者の執筆方針によるわけでございますが、御指摘の点につきましては、例えば高等学校の「現代社会」のある教科書では、国際法の役割につきましてずっと述べておりまして、その中で、戦時国際法の中で捕虜を虐待してはならないというような条約が定められているということに触れているのもございます。 いずれにいたしましても、御指摘のように、国際的な相互依存関係が緊密になっている今日、国際法と申しますか条約などを教えることの重要性というものはいよいよ必要であろうと思っておりますので、今後ともその指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 触れてあるのは、捕虜を虐待してはならないという一言で片づけられる問題じゃないですよ。これは、捕虜になったときの権利を主張することを単に教えるということではないのです。しかし、これを知らないと捕虜になったときに物すごい損害をこうむるわけです。いわゆる捕虜としての権利の主張ができない、どんなに虐待されてもそれに従わなければならない、抗議できない、こういうこともあるのです。 そしてまた、もっと基本的なことは、戦争で人の生命を奪いながら、一方でこの条約によって人権の尊重ということを主張しておる、非常に矛盾した話のようでございます。しかし、この問題を深く追求していくならば、やがて戦争そのものについての矛盾に突き当たるのです。そして、それが平和と人権、自由の問題に必ず思想的に発展していく。これが世界平和の一つの大きな力になると私は思うのです。そういうことを考えれば、この条約の勉強というのは大変重要なものであるわけです。 ところが日本では、戦前、捕虜になるということは絶対男の恥であり、それは死んでもなってはならないという教育を受けたのです。そこで、あのシベリアの捕虜やその他の人たちが言語に絶する過酷な待遇に甘んじなければならなかった。こういう歴史的経過を考えるときに、文部省はこの辺についてなおさら真剣に取り組む必要があろうかと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 委員の御体験から生まれた全く適切な御意見を拝聴いたしました。 そこで、国際化がますます進んでいく中にあって、国際理解あるいは国際協調、この教育はまことに重要なことであると考えております。特に国際条約についても、このような視点に立って、生徒の発達段階に応じて今までも社会科を中心に指導を行ってまいったところでありますが、今の委員の御指摘、実際問題大変なことであったというような形の中において、生徒の心身の発達状態に応じての国際協調、あるいは国際条約というものをさらにやっていかねばならないなと考えております。
○渡部(行)委員 発達状態に応じてと言われますが、この中の難しい問題はそれでいいでしょうけれども、戦争というものについて考えさせる、人権というものについて考えさせる、つまり戦争をしながらも人権というものの大切さを考えておるのがこの条約なんです。だから、そういう意味では人間形成の基本に触れていかなければならないわけです。そういう点では、私は、小学校一年生や二年生にこの条約の問題を教えろとはもちろん言いません。しかし、少なくとも中学以上くらいにはある程度段階的に教える必要があるのではないかと思います。いかがですか。
○菱村政府委員 御指摘のように、平和の大切さ、戦争の悲惨さというようなものは学校で十分教えなければならないと思っております。先ほど申し上げました文部省の学習指導要領でも、小中高を通じまして、平和的な国家社会の形成者としての必要な国民的資質を養うという観点から、平和、戦争、安全というような問題は従来から教えておりますし、それから人権の大切さにつきましても、小中高の段階で繰り返し教えておるわけでございます。 ただ、先生が御指摘の千九百四十九年のジュネーヴ条約そのものをどの学校段階で教えるかということにつきましては、いろいろ御議論があるところであろうと思います。先ほど申し上げましたように、文部省では、指導すべき事項については大綱的な基準を決めるにとどめておりまして、これはすべての領域にわたってそうなんでございますけれども、国際法の問題につきましても、国際法の意義は教えるように規定しておりますが、個々の条約、どの条約を教えるべしということは特に決めてはいないわけであります。 また、同条約の御指摘の第百二十七条でも、「できる限り普及させること、特に、軍事教育及びできれば非軍事教育の課目中にこの条約の研究を含ませることを約束する。」ということになっておりまして、従来の解釈はいろいろあろうかと思いますが、まずこれは一般住民中に広く普及することについて選択的に定められておりますし、それから各国の赤十字社によってこうした措置がとられること、さらには一般公衆に対しては新聞、ラジオ等で周知させるなどということが、従来からこの条文の解釈として言われておるようでございますので、初等中等教育の中において特にこの条約を教えなければならないかどうかにつきましては、なお論議があるところではないだろうかと考えております。
○渡部(行)委員 時間がありませんから、これはもっと深く掘り下げたいと思いますけれども、ただ、みずからしなければならないとして取り組むのと、文章を見てどこか逃げられるところはないかなとそこを探しながら開始する態度とでは全然違うのです。今の答弁を聞いていると、何かやらなくてもいいのだみたいな、選択するのだからこっちの勝手だと言わんばかりの答弁で、これは非常に問題がありますから、後でいつか機会を見てやりたいと思います。 そこで次に、医科大学において医療酸素の取り扱いをどのように行われているのか、また、実際の取り扱いと事務手続との間に問題はないのかどうか、これについてお伺いします。
○坂元政府委員 医科大学の医療酸素につきましては、各大学がそれぞれ大学の医療に必要な範囲内で、必要な形態で購入しているわけでございます。例えば、液体酸素を使っているところもありますし、酸素ボンベを使っているところもございます。それらの医療用酸素につきましては、例えば、液体酸素はかなり蒸発点が低いものでございますので、温度変化によって気体の体積が減少する、あるいは酸素ボンベの場合には、当然のこととしまして終わりの方は残さなければなりません、残して新しいものに切りかえなければなりませんので、その使用不能残量もある、あるいは液体酸素供給時のロスもございます。それから、配管の保守点検を行う場合にもロスが出てくるわけでございます。 保険診療請求上は、医療酸素につきましては購入単価を十円で除して点数を算定する、言いかえれば購入単価で保険請求をしろというように規定はされておりますが、今申し上げましたような、価格が液体酸素と酸素ボンベで違う、同じ病院でも診療科によって液体酸素を使うところと酸素ボンベを使うところがあるということ、それから、取り扱い上やむを得ず酸素供給方法に内在する問題点もあるというようなことで、保険単価の請求に当たって、その単価を把握する場合に大変難しい問題を抱えておるというのが実情でございます。 私どもとしましては、事務処理をする場合には、法令にのっとった適正な単価によった保険請求をするよう、従来から指導しているところでございます。
○渡部(行)委員 液体酸素と酸素ボンベの違いはわかりますけれども、いずれにしても目減りをする、いわゆる蒸発したり、そういうことで完全にその全量を使い果たすことができない。そうすると、結局、使ったものの値段は買い入れたときの値段よりも若干下げなければ正当とは言えないと思うのですね。同じ値段で申請しろと言われても、実際買い入れた全量を一〇〇%使わない場合に、この買い入れ価格で申請すれば物すごい損をすることになると思うのですよ。 そうした場合、中には大体二〇%を掛けて請求するとか、いろいろそれぞれ考えられているところもあるらしいのですが、そういう点は会計検査院もただ指摘するだけでなく、実態を手続上はっきりできるように指導すべきだと思うのです。 こういう問題が出てくるというのはどこに原因があるのか、会計検査院からお聞きします。
○白川会計検査院説明員 お答えいたします。 先ほど文部省の方から御説明がありましたように、この医療用酸素については容器の問題、それから先ほど先生が御指摘になりましたようにロスの問題、誤差の問題、いろいろございまして、私どもとしましては、公的医療機関の検査をした過程でいろいろ問題があると考えられたわけですけれども、今のところは問題点を整理中でございますので、会計検査院の見解としてはまだ発表する段階に至ってないということで御了解いただきたいと思います。
○渡部(行)委員 そこで、こういうものも報道で明らかになっているのです。 私立医科大学に対する補助金について、十の大学で昭和六十一年から六十二年の二年間に十一億円の不当請求がなされていた、これが会計検査院から指摘されたというふうに報じられたのですが、この内容をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○野崎(弘)政府委員 お答え申し上げます。 お尋ねの件につきましては、会計検査院より日本私学振興財団あてに照会があった件かと思うわけでございますが、その内容は、私立大学におきます医学部附属病院に勤務する職員のうちには医事課に所属する職員がおる、この職員は外来の予約や受付など、教員や学生の教育研究とは直接関係のない、医療の周辺業務に主として従事している者がおる、これらについては、私立大学等経常費補助金の算定の基礎となる専任職員に含めているのは適切とは認められず、これらの医事課に所属する職員を除くことに改め、補助金の適正な配分に努める要がある、こういうような照会があったわけでございます。 この文書を受けました日本私学振興財団におきましては、慎重に検討の結果、医事課の職員につきましても医学部の教育研究に欠くことのできない附属病院を運営していくために絶対的に必要な職員であるわけでございますが、そういうことで今まで補助金の対象になってきておるわけでございますけれども、私立大学等の経常費補助金の総額が抑制されているというような現状を考慮いたしますと、会計検査院が指摘しました専任職員相当数を補助金算定基礎から除くということにいたしまして、これを会計検査院に回答し、文部省としてもこれを了承した、こういうことでございます。 それで、御指摘の十一億円というのは、不当支出ということではございませんで、今の会計検査院の指摘するような考え方に立ちまして、医学部を有する私立大学を設置している学校法人のうち十法人に対しまして、昭和六十一年度と六十二年度の補助金交付額を修正計算する、まあ計算をしてみるとそれが十一億円になる、その監査額が十一億円になる、こういうようなことと思われるわけでございまして、あくまでも計算の数字でございます。いわゆる過大交付というようなことではないと私どもは承知しております。
○渡部(行)委員 また、そのほかにこういうのもあるのですね。 私立大学に国から補助金を出している、補助金は研究費や教育費の名目で出しているが、それを人件費に回している、このことについて会計検査院が改善を求めた、こういう情報もあるわけですが、これについて、今議論された問題についてもあわせて会計検査院の方から答弁をお願いいたします。
○澤井会計検査院説明員 最初の問題につきましては、先ほど文部省から説明がありましたとおり、私ども検査を実施いたしました。そして、私学振興財団の方では是正措置をとられたところでありますが、私どもはその是正の内容や、それから計数の確認を今急いでいるところでございます。 それから、後段の問題につきましては、私学の補助につきましては検査をいたしておりますけれども、今先生が御指摘のようなことにつきましては最近特に取り上げたようなことはないと記憶しております。
○渡部(行)委員 これは皆、会計検査を実施したその翌日、こういう形で全部出ているのですね、記事になって。私たち国会議員が質問すると、これは検討中で今明らかにすることはできません、こういう答えが返ってくるのですが、しかるに、この新聞を見ますとほとんどその中身がある程度出ておる。わかるように出ている。とすると、これは内部機密が外に漏れるということになりませんか。外に漏れるということになれば、これは大変なことですよ。検査院長、十一月の五日、六日、七日、八日と出ているのですよ。毎日出ていると同じでしょう。これは皆、まだ報告になっていない検討中のものなんですよ。そうすると、会計検査院の中に漏らす人がいるのか、あるいは報道関係の方が検査場に行って、検査を受けた人たちからどういう指示を受けたかを聞いてやるのか、その辺についてはどうなんですか。国会議員にも報告できない、答弁できない事項がこういう形で外に漏れるということについて、院長はどういうふうに考えておりますか。
○中村会計検査院長 私どもの決算検査報告と申しますのは、言うまでもないところでございますが、決算とともに内閣が国会に提出するということになっております。したがいまして、不当事項等の問題につきましてはその検査報告の中で明らかにする、これがあくまで建前でございます。 したがいまして、今おっしゃられたような事例が漏れているということにつきましては、私も甚だ遺憾であると思っておりますが、今御指摘の中にはまだ私ども三人の検査官会議に上がってきてないというものもございます。そういう点を踏まえますと、やはり、私どもの検査におきましては相手方の信頼という点もございますので、検査上の過程において検査で知り得た知識を漏らすということは厳に慎んでいるところでございますので、どこから漏れたかということはわかりませんけれども、私どもとしてはやはり、最初に申し上げましたように、内閣から国会に提出する、こういう段階で初めて明らかにするというのが建前になっているわけでございます。
○渡部(行)委員 一つの報告事項として報告書をまとめてやるのについては私も理解します、今の御答弁。しかし、各省庁ごとにやって、その中からいろいろな情報として出てきた問題について、しかもそれに会計検査院がかかわっているとすれば、そのことについて聞かなければならないでしょう。これは国会議員として当然の責任ですよ。その責任にこたえるのがあなた方の役目でしょう。国民から選ばれた代表ですし、あなた方は国民の税金で養われているわけなんですから、基本はすべて国民なんですよ。したがって国民に対して言いわけのできるようにしなければならない。悪いところはこういう点があったけれども、これはこういうふうに勧告をしておいたとか、あるいは修正の指導をするとか、いろいろなやり方があるでしょう。ただ、私は報告書みたいにきちっとまとまったものとして要求しているのではないのですよ。いかにしてそういう各省庁にできたいわゆる不当、あるいは不正の事件をなくしていくか、その原因は何だ、それをどんどん追及していって、本当にみんなが一丸となって原因をなくすように努めるのが我々の務めじゃないでしょうか。 そういう点で、院長はどういうふうに考えますか。何でかんで報告書にならなければしゃべられないというならば、何も毎回の決算委員会に院長以下検査院が出席する必要はないのですよ。その点どうですか。
○中村会計検査院長 先ほども申し上げましたとおり、新聞に報道されている中にはまだ私自身が知らない事柄も含まれておりまして、私はやはり、国会にお示しするという以上は、計数はもちろんでございますが、内容についても確定するといいますかしっかりした内容のものをお示しする、これが私どもの義務であるというふうに考えております。そういう意味におきまして、私どもとしては最善の努力を尽くしているわけでございますので、その点をひとつ御了解いただきたいと思います。
○渡部(行)委員 時間が参りましたので終わります。どうもありがとうございました。
○中村委員長 次に、草川昭三君。 〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。 会計検査院の方の質問を前半と後半にちょっと分けて質問をいたします。 そこで、まずODA関係の検査について検査院にお伺いをいたします。今、海外経済協力、援助問題についていろいろな問題が指摘をされていますけれども、会計検査院として、今さまざまに新聞報道にも出ている問題があるわけでありますが、この海外経済援助についての検査の状況と今後の取り組み方についてお伺いしたい、こう思います。
○中村会計検査院長 国際化の進展に伴いまして、この経済協力の問題というのが非常に大きくクローズアップされているということは申すまでもないところでございますが、私どももそういう状況を踏まえまして、六十一年十二月には、それまで二つの課でやっておりました外務省、海外経済協力基金、国際協力事業団、この三つを一元化しまして一つの課にまとめたわけでございますが、さらにその一年間の実績を踏まえまして、六十二年十二月には外務検査課を新設いたしました。そして、毎年相当の力を注いで今日に至っておるわけでございまして、予算の関係を見ましても、六十一年に四百万、六十二年に八百万、六十三年に一千万というように旅費の増額にも力を入れているところでございまして、経済協力の問題につきましては今後とも私どもとしては力を入れてやっていきたい、こう考えております。
○草川委員 今予算上も漸次増加をしている、二千万になったということでございますが、御存じのとおり、案件は非常にたくさんあるわけでありますので、案件全部をフォローアップするというのはなかなか大変なことだと思うのですが、平成二年度の予算要求に対する取り組みはどのようになっているのか、お伺いします。
○中村会計検査院長 先ほど六十三年度が一千万円と申しましたが、細かく申しますと一千五十万円でございます。 平成二年度におきましてはまだ概算要求の段階でございますが、今年度は一千九十七万円となっております。私どもとしましては、そういう形で毎年予算の増額を要求いたしまして中身の検討を行っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○草川委員 ちょっと私、数字の取り違いをしておりまして、今一千九十七万ですか。わかりました。 問い三でございますが、問題は援助の適正な実施の確保ということになるわけですが、検査は常に援助後でありますから、おのずから限界があると思うのですね。その意味で、事前のフィージビリティースタディーというのですか、事前調査、本当はこの段階における検査があれば事前チェックができる、また効果の測定というのも予測できるわけであります。検査院の立場から言うならば、常に事後でありますから、私が言ったように事前の審査というのはなかなか困難だとは思いますけれども、過去の実例からいくならば、今は案件発掘あるいはまたフィージビリティースタディー、そこが一番問題があると思うので、その根本にまでさかのぼって検査対象を広めるべきではないだろうかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○疋田会計検査院説明員 お答えいたします。 フィージビリティースタディーはプロジェクトの効果を確保するという点で非常に重要な役割を果たしているものであると私どもも認識いたしておるところでございます。しかしながら、先ほど委員御指摘のように、私ども会計検査院は会計経理が実際に行われる前に検査を行うという、いわゆる事前検査の方法は従来からとっていないところでございます。一方、ODAの検査対象は非常に莫大なボリュームに上っておりまして、私どもといたしましても、大規模な施設でありますとかあるいは機材を対象とするプロジェクトに重点を置いて検査を実施しているところでございます。 プロジェクト検査におきましては、その援助の効果が発現しているかどうかといった有効性の観点からの検査が主体となっておりまして、検査の過程でいろいろな疑義が出てまいりました場合には、フィージビリティースタディーが行われているものにつきましてはその段階にまでさかのぼって検査を実施しているというのが実情でございます。 それからまた、プロジェクト検査の準備段階といたしまして、フィージビリティースタディーが行われたものにつきましては、極力その内容を十分に検討することにいたしております。
○草川委員 極力検査をするといっても、その段階では各省庁あるいはまた事業団のところにあるわけでありますから、なかなか難しい問題があると思うのです。 例えば、こういう事例を出したらどういう答弁になりますかね。病院建設事業というものがあるとします。これは中東を含めて低開発国にかなりの病院建設が行われておるわけでありますが、私どもがそういう国を訪問しましても、かなり大型の病院建設が行われております。あるいは現地の国も大型の近代的な病院を要求する。ところが、何年か後に行ってみると、それがもう兵舎になっているとか、大型の医療機器というのが全然使われてなくて、壊れているという例を私どもも数々散見するわけですよ。現地のドクターなんかとお話をすると、実は我々はこんな大きな病院は要らないんだ、日本に援助を求めたいのは田舎の小さな診療所なんですよ、そしてガーゼだとかナイフだとか、そういう本当に診療所的な医療器具が欲しいんですよ、大型のCTスキャンなんていうのはとてもじゃないけれども要らないと、こう言うわけですよ。ということになりますと、そもそもこの案件自身について問題がある、こうなるわけですが、そこに検査院が関与できるかどうか。それを私どもとしては伺いたいわけであります。援助したこと自体にまで検査院はくちばしを入れてもいいというのが私の意見なんですが、その点はどうですか。
○疋田会計検査院説明員 個別のプロジェクト自体の是非につきましては、私どももいろいろな角度から検討を加えた上で、最終的な判断をすることにいたしております。 もし仮に、今委員御指摘のように病院を建設いたしましたものが、それがほかの用途に使われている、あるいはほとんど利用されていない、こういうような事例がございまして、なぜそうなったのかというような原因をいろいろ追及していきました結果、もし仮に我が国援助実施機関の側に主な原因がある、こういうようなことで施設がほとんど利用されていない、あるいは他の目的に使われているというような事態がございましたら、当然私どもとしては指摘することになる、このように考えております。
○草川委員 ぜひ、そのような問題について取り組んでいただきたいと思います。 医療用の問題の検査については、先ほど御質問もあったようでありますので、ちょっと時間の関係を見ながらもう一回後で質問をしたいと思います。 そこで、今度は文部省にお伺いをしたいわけでありますが、まず文部省関係の中で特に質問をしたいのは、国立大学あるいは国立の研究機関が調達をするスーパーコンピューターの調達実績がどのようになっているのか、こういうことをお伺いしたいと思います。その中で、特に東京工業大学のスーパーコンピューターを購入した問題について若干質問をいたします。 あらかじめ文部省の方からもスーパーコンピューターの調達実績の数字をいただいておりますけれども、ここで改めて、主な十五の大学、研究機関、ここでどういう形でスーパーコンピューターというものの調達が行われているのか、お伺いをしたいと思います。
○川村政府委員 お尋ねのございました国立の大学あるいは大学共同利用機関等におきますスーパーコンピューターの調達でございますけれども、現在そういうところに入っておりますスーパーコンピューターは全部で十五大学あるいは研究所で十六台でございます。一つの大学で二台入っておるところがございますので、全部で十六台でございます。 これらは基本的にはいわゆるレンタル契約で導入するということになっております。それから、ほとんどのものがそうでございますけれども、一つだけ、東京工業大学にございますスーパーコンピューターは、昭和六十二年度の補正予算でいわゆる買い取り、購入をいたしたものでございます。 以上でございます。
○草川委員 今答弁がありましたように、大阪大学、岡山大学、九州大学、京都大学、東京大学、大阪大学、名古屋大学あるいは東京工業大学、東北大学あるいは国立天文台、その他核融合科学研究所、岡崎国立共同研究機構、宇宙科学研究所、高エネルギー物理学研究所等の研究所十五のうちに、東京工業大学は日本CDCのETA10、二十七億四千九百万ですか、ここだけが購入をしているわけですね。あとはほとんど、富士通、IBM、日本電気、日立、こういうところからレンタルになっておるわけでありますが、レンタルのメリットと購入のメリットはどう違うのか、お伺いします。
○川村政府委員 コンピューターを使う立場から申しますと、レンタル、購入、いずれにしろ使えればいいわけでございますけれども、若干そこには相違がございまして、まず財政的な問題で申し上げますと、購入の場合はこれを一括購入をする、でございますから単年度の財政負担が非常に大きいということがございます。それに対してレンタルの場合でございますと、コンピューターの場合は、メーカーにより、機種により若干異なりますが、通常は大体四年から五年でレンタル契約をするということでございますので、財政的な負担という点では、これの方は少なくとも単年度の負担は少なくて済むというようなことがございます。 さらに、コンピューターで申しますと、一台レンタルで導入をする、あるいは買い取りをする場合に、四年ないし五年たって、それじゃコンピューターを使うのをやめるかということになると普通はそうはならない、次にということになるということで、レンタルなんかで導入しますと、その期間が終わったときに、次にそれよりもまた若干性能のいいものを順次導入していくというようなこともございますので、そんなことをいろいろ考えまして、通常の場合はレンタルで導入をするということになっているわけでございます。
○草川委員 特に先端技術が発達をする、その中でもスーパーコンピューターという特別のコンピューターの位置づけ、こういうことを考えると、当然のことながら、他の大学が購入をしておるようにレンタルで購入をするというのは、実は財政的な問題以上に現場では歓迎するのではないか、こう私は思いますね。 今申し上げましたように、十五の国立大学なり研究所の中で、東京工業大学だけが六十三年の五月三十一日に導入をし、しかも二十七億四千九百万円、こういう補正予算まで組んだのにはそれなりのいきさつがあったと思うのでありますけれども、そのいきさつをこの際明らかにしていただきたいと思います。
○國分政府委員 東工大のスーパーコンピューターの購入の経緯でございますが、先生御指摘のとおり、これは六十二年度の補正予算で行ったものでございます。 この補正に至ります背景といたしまして、六十二年の五月に経済対策閣僚会議におきまして緊急経済対策というものを定めまして、「内需を中心とした景気の積極的な拡大を図るとともに、対外不均衡の是正、調和ある対外経済関係の形成に努めることが急務となっている。」というようなことから、例えば輸入の拡大ということで、当時総額十億ドル規模の政府調達による追加的な外国製品の輸入を行うというような決定が背景にございまして、このようなことから、東工大でかねて導入を検討しておりましたスーパーコンピューターについて補正を組んで購入をした、こういう経緯でございます。
○草川委員 その間の経過は本来は外務省にお伺いをすべきだと思いますが、今もお話がありましたように、六十一年の十二月に米国の方から通商法の発動、それからMOSS会議、あるいは日米次官級会議で、貿易摩擦解消のため、今答弁があったような経過があるというようなことであったわけでありますけれども、問題は、スーパーコンピューターというのは、アメリカの中でも御存じのとおりクレイ社のスーパーコンピューターもあるわけでありますし、それからまた東京工業大学が購入をしたCDCというコンピューター会社もあるわけでありますが、これは広く日本にも呼びかけコンピューター導入をしたのか、あるいは官報にごく一部掲載しただけの手順で、実際上は米国のCDCという会社を特定して購入を決めたものか、そのあたりをもう一度詳しく説明をしていただきたい、こう思います。
○國分政府委員 東工大におきますスーパーコンピューターの導入でございますが、先生ただいまお話ございましたように、官報に入札公告を行いまして一般競争契約によったものでございまして、三社が応札いたしましたが、東工大の要求条件に合致し、かつ、最低価格を入札した日本CDC株式会社が落札した、こういう経緯でございます。
○草川委員 通常、国立大学なり国立の研究所が二十億とか三十億近い、この場合は二十七億でございますけれども、こういうのをレンタルでなく直接購入をするという場合には、どの程度の発注までに至る事前の協議期間が必要なのでしょうか、お伺いします。
○國分政府委員 これは、各大学におきます教育研究の状況、また、それぞれの学内の置かれた状況によっていろいろ事情が異なりますので、一概にいつからということは申しかねるかと思うわけでございますが、東工大の場合には、学内の仕組みとしてシステム導入委員会というものを設けたのが六十二年の五月でございます。以後、学内に物品購入等検討委員会を設置したりして、導入する機器の具体的な内容の検討に入ったというふうに承知いたしております。
○草川委員 六十二年の五月に物品購入の検討委員会が開かれた、こういうことになりますと、通常、かかる大型スーパーコンピューター等を買う場合には半年くらいの手続が必要だということが言われておるのですが、本件の場合は非常に短かった。短い理由は、これは国際的な影響があったのかどうか、お伺いをいたします。
○國分政府委員 先ほどの答弁、若干舌足らずであったかと思うわけでございますが、六十二年の五月にシステム導入委員会において導入計画を決定、学内の手続としてはそういうふうになっていますが、関係部局におきましてはそれまでの間いろいろ検討してきた、こういう経緯があるわけでございます。そして、たまたま、先ほど申し上げました緊急経済対策というようなことから大型の補正を組むというようなものとちょうど合致いたしまして、東工大でこのスーパーコンピューターの購入に至った、こういう経緯でございます。
○草川委員 大体私の今の質問の裏と同じでありますが、六十二年の五月末というのはちょうどベネチア・サミットの直前であるわけでありますし、日本の政府としても対外経済摩擦あるいは今言われましたような緊急輸入というものにこたえなければいけない、こういうプレッシャーというのですか、圧力がかなり東工大あるいは文部省にあったのではないかと推察をするわけでありますが、その点はどうですか。
○國分政府委員 これは見方によるわけだろうと思いますけれども、私どもは、東工大でそういう導入の計画というものがかねて検討され、先ほど申し上げましたような導入委員会において導入計画を決定したというような背景を踏まえまして、たまたまそういう時期にうまく合致いたしましたのでそれに補正を計上した、こういうことでございます。
○草川委員 大変いい答弁だと思うのです。東京工業大学としてはかねてから希望していた、たまたま時期が合致をした、それで政府の方も予算をつけてくれたので喜んで買った、こういうことですね。 では、今買われたCDC、日本CDCですね。この名前は日本CDC、ETA10、こういうことでありますが、このETAという、実際上ソフトをいろいろとつくってくれる周辺の問題、周辺機器と言った方がいいのでしょうかソフトと言った方がいいのか、私は必ずしも正確なことを申し上げませんから、おたくの方で現状に合う答弁をしていただきたいのでありますけれども、その会社とどの程度話し合いをして購入をしたのか、改めてお伺いをします。
○川村政府委員 先生御案内のように、コンピューターという機械、非常に大きなハードの機械でございますけれども、これを動かすためには今御指摘のソフトというものがなければ動かないわけでございます。 それで、そのソフトも、大きく分けますと、いわゆる基本ソフトという、機械自体を単純に動かすというためのソフトと、それからさらに、それを実際の計算に応用するための応用ソフト、両方あるわけでございます。 この東工大で購入いたしました御指摘のETA10という機械は、その意味で、ほかの機械と若干仕掛けが違うものですから、ソフトが十分ないとなかなかその性能を予想どおりには発揮できないということでございます。そういうことでございますから、この機械の発注に当たりましては当然仕様書というものをつくる。その場合に、ユーザーである東工大の方とメーカーの方とで十分話し合いをするということでございまして、ユーザーの方の希望する、これだけの性能を発揮できるようにきちんとしたソフトをつくってもらいたい、大学の場合は主として基本ソフトの整備をきちんとやってくれということでございまして、アプリケーションソフトの方は、これは大学の研究者がまさに自分の研究に合ったソフトをつくるわけでございますから、そういう形でユーザーの方とCDCの方で話し合いをして決めていく、こういうことでございます。
○草川委員 大変専門的なことになるので私も不十分かもわかりませんけれども、スーパーコンピューターの場合、クレイ社のスーパーコンピューターとCDCとでは編成内容が違うわけですね。クレイ社の場合は、例えば本体の中に並列的に大きな演算ができる、水道でいうならば大きな圧力がかかって速く答えが出てくる、こういう機能というものを内蔵しておるわけです。 ところが、日本CDC、ETA10というのですか、これは並列的に外へ並べる。この私の表現が適当かどうかわかりませんけれども、八台並んで、そしてそれが連結をして高速演算ができる。アウトプットというのですか外へ出てくる、速く演算ができる、こういうシステムだと私は聞いております。 ちょっとこれは素人の言い方ですが、わかりやすい表現で言ったので間違いがないと思うのですが、問題は、その八台並列に並べて高速演算ができるソフトというものが残念ながら組み込まれていない。ですから、今東京工業大学の場合は一台ずつこのコンピューターが動いている。こういうことだそうでございますが、その点をおたくの方からもう一度、私の言葉を補足しながら現状を説明してください。
○川村政府委員 ただいま御指摘がございましたように、CDCの機械はクレイ社なんかとは違う仕掛けでございます。 御指摘のように、若干専門用語で恐縮でございますが、CPUと言っております中央演算装置、コンピューターの中心になって実際に計算をするCPUという演算装置が、この場合は八台並列に並んでいるわけでございます。でございますから、いわゆるSIMDという形式でございます。通常の場合はそうではございませんで、SISDと言われておりますけれども、中央演算処理装置自体は一台ないし二台で、その二台の機械が逐次処理をしていく方式ということでございます。通常、クレイ社等で使っておりますのはそういう逐次処理方式の機械であるのに対して、このCDCの機械は中央演算処理装置、CPUが八台同時並列に並ぶということでございます。 そこで、この八台の機械が役割分担をする。一つの計算をするときに、一つ計算したものを次の機械へ移すのではなくて、それを同時並行でやれるというところに特色があるわけでございます。でございますから、この機械がきちっと八台同時に動きますと、普通の形のスーパーコンピューターよりもはるかに高速に大量の計算ができるという特色があるわけでございます。 この東工大で購入いたしましたCDCもそういう仕組みでございますから、そういうふうに動かす仕掛けが当然基本ソフトとしてはついているわけでございます。ただ、ここの場合に、基本ソフトの部分がいろいろな形に適用できるような、基本ソフトという種類が必ずしも十分でない。もちろん、ある一定のパターンの計算についてはこの八台が同時並列で動くわけですけれども、ちょっと特別な計算をする場合に、この八台を同時並列で動かすのが大変に難しいということになっている。 今、先生から、東工大の場合にその八台が同時並列で動いていないではないかという御指摘がございましたけれども、その八台が同時に動いていないということは若干正確ではございませんで、動かす場合もあるわけでございます。しかしそうしないで、この機械は、同時に分割をして、通常の逐次処理方式のような形で一台ずつCPUを分離した形で動かすことも可能である。この両方ができますし、また、その八台同時処理をするというのはケースとしてもそれほど多くないということがございまして、現在その両方の形で使われているという状況でございます。
○草川委員 では、もう一回私の方から。八台同時処理をするソフト、すなわちその仕様書はあらかじめ日本CDCと話し合いをしたのかどうか、お伺いをします。
○川村政府委員 この契約に当たりましての処理の仕様書の基本的な条件としては、ソフトのことについては基本のところだけを書いてございます。でございますから、その機械のどこまでをソフトとして入れるかというのは、実際のユーザーとメーカーの方の話し合いで決まっていくというふうになっております。
○草川委員 今の答弁で非常に落ちているのは、せっかく二十七億もかけて現金を払って購入をしたわけでありますから、パーフェクトというのですか、完璧に稼働するソフトをつけて、しかもそういう仕様を東工大は要求したと思うのでありますから、それが稼働していないとそれはおかしいでしょう。常に一〇〇%の稼働ができておりますよ、しかしそんなにたくさんの演算をする必要はないので、ただいまは個々に運転をしておりますよという、そういう答弁ならわかりますよ。そうではないでしょう。本来ならば八台同時に使えるのだけれども、ただいまのところはそうではございません。使うこともあるけれども、使わない場合の方が多いというような趣旨の表現の答弁でしょう。 しかも、もう一つ聞きますけれども、そういう仕様を話し合いをした日本CDCという会社は、今はもうないのでしょう。あるのですか。そこをお伺いします。
○川村政府委員 後段の方からお答えを申し上げますと、この契約の対象となりました日本CDCでございますが、CDCという会社は現在もございます。ただ、このCDCはスーパーコンピューターのハードを製造するという部門からは撤退をした、それで現在はその仕事をしていない、こういうことでございます。 それから、前段の方のソフトの問題でございますけれども、おっしゃるように、このCPUの八台並列方式というのはほかにない方式でございまして、これを使いこなすためのソフトというものは大変難しい。実は、大学の場合は、これはぜひ御理解をいただきたいわけですけれども、逐次処理方式の機械にしろ並列処理方式の機械にしろ、そういう機械をどうやって自分の研究に合わした使い方をするか、そのソフトを開発すること自体が研究の一部になっているわけでございます。でございますから、先ほど申し上げましたように、仕様書においてソフトについては基本のことしか触れていない、あとは研究者がやるのだということを申し上げまして、そういうソフトを開発すること自体がまた一つは研究者にとってもメリットがあるということでございます。でございまして、CDCから最初つけてきたソフトではごく特定の計算しかできないけれども、それを大学の研究者がさらに自分の研究に都合のいいようにいろいろなソフトを現在組み立てて使っている、こういうことでございます。
○草川委員 全然答弁にならぬと思うのですね。金を払って現金で買ったのですから、一〇〇%のフル能力の機械をなぜ買わなかったのかという平易な質問にしましょう。ところが、今の文部省の答弁は、実はそうではない、八〇のものを買っても、後で我々が研究をすれば、そのこと自身が研究開発に役立つからいいのではないか、こういう答弁ですね。だったら八〇%の金を払えばいいのですよ。一〇〇%の二十七億の金を払う必要はないわけですよ。だから私は、どういう仕様なのかと初めに聞いたのです。ここらあたりに、我々が聞くところによると、さまざまな日米貿易摩擦の背景これあり、そして緊急輸入という問題もこれあり、たまたま東工大も欲しがっておるので、じゃそこへ一台予算をつけよう、これはいわゆるリースではないよ、レンタルではないよ、現金の補正予算もつけましょう。そういうことで、非常に急テンポでこの問題が進んだところに最後の詰めの問題があったのではなかろうか、そういうことを指摘をしたいわけです。 そこで、日本CDCというのは、会社は残っておるかもわかりませんけれども、東工大と約束をした後の、肝心のソフトのメンテナンスというのですかアフターケアというのですか、それをやらなければいけないのに、ソフトの方はもう撤退している。これは私はきょう通産省に電話をかけて聞いたんだから。通産省いわく、ソフト関係については撤退をしておりますよというのだから。きょう私はここへ通産省を呼んで聞こうと思ったのだけれども、時間の関係があるから、あらかじめ、通産省さん、日本CDCはどうなっておりますかと言ったら、設備投資が過大のために日本におけるソフト関係は撤退をしました、こういう話ですから、実際のことを言って、東工大は今困っているのでしょう。困ってないのですか。お答え願いたいと思います。
○川村政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、この会社自体はございますし、現在その会社がメンテナンスを引き受けているわけでございます。 そこで、先ほどのことの繰り返しで大変恐縮でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように十五大学、研究所等十六台入っているところで、そのスーパーコンピューターを使いこなすということは、研究者にとってこれがまさに研究でございます。ですから、これは別にCDCでなくても、ほかの機械であっても、クレイ社ならクレイ社あるいは富士通なら富士通という会社が用意をするソフトをベースにしながら、さらに研究者がいろいろなソフトをそこへつけ加えていくわけでございます。それでさらにその会社にとってはソフトの種類がふえるというような関係があるわけでございまして、このCDCの場合も、当初の与えられた計算、八台並列の部分はあるが、それをさらに別の形で使っていこう、そういうソフトを開発するわけでございます。そういうふうに、大学なんかにコンピューターを導入しますと、そういうことで研究者がまたどんどんソフトをつくってくれるというところがメーカーにとってはまた魅力になっているというような点があるわけでございます。 そんなことがございますので、この機械は、東工大にとっては、これを導入して現在研究者も大変喜んでおりますし、その稼働時間数も、現実のコンピューターとしての稼働時間数を見ると、最初導入した当時はまだまだそれにふなれでございましたし、あれでございますけれども、だんだんとふえてきているという状況でございます。
○草川委員 私は、この背景は、外務省あるいはまた文部省いろいろとあるわけですが、実際、昭和六十一年の暮れから六十二年、経済摩擦が大変激しいときに、党主導というのですかね、与党の方が非常に先行して、日米間の摩擦解消のためにいろいろと努力をしていた背景があると思うのです。与党ですから、それは与党なりの責任があるわけでありますから、緊急輸入をしよう、そして強い支援のもとに補正予算も組まれたものだと私は推察をいたします。そのことがいいとか悪いとか私は言っておるのではなくて、そういう緊急輸入の場合に、かかる二十七億を超すスーパーコンピューターの選定に当たっては、私はもう少し時間を持ちながら、買うなら買うということを言えばいいのですから、あるいは予算計上をしたなら予算計上をしたということを言えばいいわけですから、もう少し落ちついた、現場の声あるいは研究所の声というのを文部省は聞いてやる気はなかったのか。私は、仕様書の問題等については最後の詰めをもっとパーフェクトに、完全にしておけば、今日我々が指摘するような点はなかったと思うのですよ。それを経済摩擦だ、やれ緊急輸入だ、予算をつけた、早くせい、せい、こういうことになったから今日のようなことがあったのではなかろうか。また、現実に最初の契約より納入期限は二カ月か三カ月おくれたのではないですか。その点はどうですか。
○國分政府委員 東工大のスーパーコンピューターの購入の競争入札の件については、先ほどお答え申し上げたところでございますが、契約自体は六十二年の九月二十八日に行われまして、翌年、六十三年三月二十二日を納入期限、こういうふうになっておったわけでございます。ただ、中央処理装置、メモリーボードに配線ミスがあったということ、それから中央処理装置内の液体窒素密封ボードの一部に瑕疵があったというようなことから、契約の相手方でございます日本CDCから納入期限の延長要請が東工大に出されまして、東工大でこの要請を検討しました結果、やむを得ない事情と認めまして、会計法令の定めるところによりまして、予算を翌年に繰り越して、しかも遅延損害金を徴収しまして、納入期限を六十三年五月三十一日まで延長し、その日に納入された、こういう経緯でございます。 〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
○草川委員 いずれにしても、三月の予定の納入というのが五月にずれ込んだ、こういうことですよね。 それで官房長は、先ほど東京工業大学の方はかねてからこのスーパーコンピューターの購入意向があった、時宜に適した話だったから乗った、こういう話ですね。逆に大学当局にお伺いをすると、例えばスーパーコンピューターについてはクレイ社がいいのかあるいはここにあるCDCがいいのか、東工大はかなり事前からそれこそ調査をしておったに違いないはずですよね。そこでCDCという話が出てきた。入札の場合にCDCが本当に適切にクレイ社あるいはその他日本の国内と競争して、仕様書についての事前の打ち合わせをしておったら、私は今日のようなことはなかったと思うのです。今文部省の方から答弁がありましたけれども、そんなことはない、そんなことはないというようなことを言っておりますが、私はこの入札にはかなり無理があったと思うのです。ですから、官房長の方は、大学は事前から希望していた、ちょうどいい時期だったというのだが、だったら、今私が長々と質問をしているような問題点というのは生まれなかったはずなんですよ。しかも、先ほど来、日本CDC社、これは今後も何か仕事が十分あるような、活躍をしておるようなことを言っておみえになりましたね。いずれにいたしましても、それはコンピューター会社でいろいろな動きはしますが、国際的な評価は、スーパーコンピューターの場合はアメリカの場合は圧倒的にクレイ社でしょう。その後、事実日本はクレイ社の方が多いわけでありますから。リクルート問題であれだけクレイ社のことについては国会でも議論になっておりますから、我々でも十分承知をしておるわけであります。 この東京工業大学のCDC、ETAというスーパーコンピューターの購入という問題は、いずれにいたしましても日米貿易摩擦解消の一環として購入をしたということなので、それはやむを得ないとしても、ただ、何でも買えばいい、こういうことでは問題だと私は思うのですね。そういう点について私は、ぜひ文部省あるいは日本の国全体の問題としてこれは反省してもらいたいものだと思います。 ついでながら、この問題はもう時間が大分たちましたのでこれで終わりますが、国立大学のコンピューター導入、これはもういろいろと日米貿易摩擦の中でも出てきておるわけでありまして、会計検査院の調査でも、最大の場合は八六%も幅がある。いろいろとこれは大学が、これはスーパーコンピューターじゃありませんが、例えばちょっと古い話ですけれども、六十年度の国立大学が導入したコンピューターのダンピング例、メーカーのダンピング例は、値引き率というのは五六%とか七六%とか、ひどいところになりますと八八%というような値引き率がある。これで日米貿易摩擦の中で非常にアメリカ側が怒って、これは非関税障壁だというような言い方をして、今のような話になっていったわけでありますね。 これは会計検査院にひとつお伺いをいたしますけれども、日米構造協議でも今問題になっておるわけでありますが、国立大学等におけるコンピューターの導入や、先ほど来のいわゆるソフトの一円入札等の問題もあるわけでありますけれども、ソフトの開発についても不当な値引きというのが行われております。今いろいろな例を申し上げたわけでありますけれども、こういう値引きが行われるというのは、安く引き受けても、後で芋づるのように、周辺機器だとか周辺ソフトとかいろいろなものの購入というのが今度はひもつきになるわけでありますから、最初は損をしてもトータルな意味では得になればいいというのが、提供側というのですかメーカー側の考えではなかろうか、私はこう思うのです。こういういわばひもつきの取引となる結果、俗に言う「ただほど高いものはない」、こういう例もあるわけでありますけれども、結局高いものや性能の劣るものを導入する結果にならないとも限りません。したがって、検査院としても、このような点に配慮して、長期的な視点から検査を行う必要があると思うのですが、その点はどうお考えになるか、お伺いをします。
○澤井会計検査院説明員 コンピューターの購入やレンタルの状況につきましては、従来から、一件の問題としてではなくて、システム全体の経済性、効率性ということにつきまして検討してまいりました。こうした大型のコンピューターになりますと、導入して定着するまでには相当長時間を要しますので、その判断を簡単にすることは難しいことかと思います。 そこで、今後のこの種の検査におきましては、ただいま委員の御指摘のありましたように、長期的観点から行いまして、検査の一層の充実を図っていきたいと思っております。
○草川委員 では、ちょっと話題を変えて、総務庁もお見えになっておられますので、総務庁、警察庁、そして文部省、こういう関連する問題を取り上げたいと思います。 近年、交通事故というのは非常にふえまして、死者がふえた。一万人を突破したということが既に発表されておるわけでありますし、第二次交通戦争と言われた問題が今我々世の中に出てきているわけでありますが、この第二次交通戦争と言われている原因を総務庁、警察庁はどのように受けとめておみえになるか、両省からお伺いをしたいと思います。
○滝藤説明員 警察庁の方からお答えをいたします。 先生御指摘のとおり、昨年交通事故の死者数一万人を超えまして、五十年以来十三年ぶりということでございまして、本年もまことに残念でございますが、昨年を上回る状況で推移しておりまして、悪くしますと、ことし一万一千人の方が亡くなるというような事態になるのではないかと大変憂慮しているわけでございます。 その原因についてでございますが、一般的に、絶対的な保有車両の増加あるいは私どもが扱っております免許保有者の急増、さらにはガソリンの消費量の増にも象徴されますような社会経済活動の活発化といった原因、いわゆる量的変化があろうかと思います。そのほか、道路交通情勢の質的な変化、例えば生活時間帯が夜間へ大幅にずれ込んでいるというようなことでありますとか、余暇時間の拡大あるいは高齢化社会といったような、もろもろの原因がその要因になっているのではないかというように考えております。
○加美山政府委員 お答えいたします。 我が国の道路交通事故による死者数は昭和四十六年以降減少を続けておりましたが、若者とか高齢者の事故の増加等によりまして五十五年以降増加の基調にございまして、昨年は死者数が十三年ぶりに一万人を超えたわけでございます。本年に入りましても増加傾向は続いておりまして、十一月一日には昨年より十七日も早く九千人を突破しまして、まことに遺憾ながら、昨年に引き続きまして、このような情勢ですと一万人を突破するのではないかと憂慮しておるところでございまして、これはまさに第二次交通戦争とも言うべき厳しい状況と受けとめて諸対策を推進しているところでございます。
○草川委員 警察庁にもう一回お伺いをしますが、今、事故の原因は自動車の保有台数の増加あるいは増加に伴う免許取得者の増加傾向というような趣旨のことをおっしゃっていますけれども、実際上は、免許保有者の数がふえる、すなわち新しく免許を取った未経験者がふえるために事故がふえるのか、あるいは自動車の保有台数の増加に伴うものか、どちらにウエートを置いておみえになるのか、お伺いをします。
○滝藤説明員 先生御指摘のどちらだということでございますが、私どもとしましては、明確に、例えば計数換算をいたしましてこれがこうだからということではございませんで、お互いが相互に事故増加の要因にもなっているだろうということで申し上げている次第でございます。
○草川委員 私は、いろいろな統計を調べてみると、先ほど来から言われておりますように、交通事故の発生件数というのは、四十五年は七十二万だった、五十五年は四十七万、これが六十三年には六十一万、こういう感じでどんどんふえてきておるというものと比例をしますと、やはり車の保有台数の増加、四十五年当時は千八百万台ですか、これがもう六十三年、六十四年ときますと五千五百万台になってくる。ですから、車の増加あるいはまた車を買いたいという人もたくさんふえてきておりますね、先ほど来の答弁でも、経済的な社会環境も違った、こういうことでございますから。これだけ車がふえてくると、いかに警察行政が、取り締まりをするとかあるいはまた信号をたくさんつけるとか路線帯を明記するとか、いろいろなことをやっておみえになるわけですが、それでは追いつかぬのではないだろうか。その追いつかない問題こそを、日本の交通安全の総合庁として、これは警察行政よりもどちらかというと総務庁が考えなければいかぬことではないだろうかと思うのですが、総務庁はどのように受けとめておられるのか、お伺いをします。
○加美山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、交通事故防止は警察庁のみで十分対応できるというものでもございません。私どもとしましては、交通安全の総合調整をする立場から、警察はもとよりでございますけれども、関係省庁一丸となって、力を合わせて総合的な対策を進めて、事故防止に当たろうということで対応してまいっておるわけでございます。 政府といたしましては、このような厳しい情勢に対応するために、総務庁長官を対策本部長といたします交通対策本部におきまして、昨年八月に交通事故防止に関する緊急総合対策を立てまして、また九月には高齢者の交通安全総合対策、そして本年七月には二輪車の事故防止に関する総合対策をそれぞれ決定いたしまして、国民の交通安全意識の高揚、高齢者交通安全対策の推進、若者を中心とした二輪車事故防止対策の推進、あるいはシートベルトの着用の徹底、安全な道路交通環境の整備、交通指導取り締まりの効果的な推進等の諸対策を、関係省庁の緊密な連携のもとに強力に推進しているところでございます。
○草川委員 ぜひ強力にやっていただきたいのですが、これは警察を責めるのも酷だと思うのですけれども、私はよく駐車場問題を言うのですが、駐車違反が非常に多過ぎる、だから警察ももっと取り締まれ、こういうことだけでは今日の自動車の増加数に比して駐車場の絶対数が追いつかない、場所がありませんから、これはもう幾らやってもどうにもならないような現状にあるわけですね。ですから、今総務庁が関係省庁と言いますけれども、これは日本の基本的な四全総の問題であり、全国の総合計画の中で、車がふえていくのだから駐車場というのはもう絶対的に必要です、あるいは大型のビルができる、ビルに対しては駐車場の絶対確保です、あるいはまたその周辺の道路はもっと広くしなければいけないという形で先取りをしませんと、今のようにもう膨大な量で、かなりのスピードで車がふえていくのに対するその行政というものはほとんど後追い、そして事故の減少だけに追われてしまう、こういうことを考えていただいて、ぜひ対応を立てていただきたいと思うのですよ。これは要望です。 そこで、今たまたま二輪車の問題が出ましたのでお伺いをいたしますが、二輪車の問題はここの交通安全特別委員会等でも私自身も何回か発言をしておりますけれども、文部省にお伺いをいたしますが、最近高校生の二輪車運転教育に関する調査研究をやりたいというような趣旨のことが言われておりますが、私はこれは非常に結構なことだと思うのです。 今まで、若い人たちがメカに大変興味を持つけれども、持たしてはいけない、乗らしてはいけない、そして免許証を取ってはいけない、がんじがらめの教育というものがあるわけでありますから、残念ながらみんなあきらめて放棄をする。しかし中には、メカに対する興味が非常に強いものですから、無免許運転をするとか、そういうものについつい黙って乗ってしまうとかいうような事例が山積をしたわけですね。そういう子供というのは、メカに興味を持ったがゆえに大変な処分がされる、一生を台なしにするというような事例もあるわけです。 だから、これだけの先進工業国家ならば、もっと大胆に若い時代からメカに興味のある人にはどんどん教育をする、そういう機会を与えるべきだ。またそういう教習所があってしかるべきだ。残念ながら日本のそういう教習所という対応は非常に少ない、自動二輪を教習する場所はほとんどない、このことを私はかねて主張してきたわけであります。そういう点で私は、今回の文部省の工業高校における二輪教育のカリキュラム化というのですか、とりあえず調査をするということのようでございますが、これは遅きに失した感じもあるわけでありますが、この点文部省はどのように考えておみえになるのか、お伺いをします。
○前畑政府委員 お答えをいたします。 先生にただいま御指摘いただきましたように、学校における交通安全教育というのは、生涯にわたって交通安全教育の推進を図るという視点が大事でありますので、運転者教育という面にも目を向けるべきではないかと考えておるところであります。 従前は、二輪車の安全運転の実技教育という面につきましては、学校のいろいろな規制の中で、二輪車に乗車する生徒に対しまして、課外において警察等の協力を得ながら実技講習会等を実施してきたということでありますが、私どもが来年度概算要求で考えておりますことは、御指摘のとおり、それを学校教育の中に取り込むことによりまして、授業を受ける生徒、交通安全教育、運転者教育を受ける生徒の意欲も一段と高まるのではないかということで、特に工業高校あるいは農業高校等授業内容に自動車運転あるいは原動機等々の関連のある科目を持っておるところをまず取っかかりにして、どのようにやることができるかということについて研究をしてみようと思うわけであります。 ただ、そういった生徒に対するモチベーションということを考えますと、それが何らかの意味で免許取得に結びつくということが望ましいわけでございますが、この点につきましては、警察庁等関係のところとも十分相談をする必要がありますので、とりあえずは調査研究委員会を設けたり、あるいは自動車教習所等の意見を伺ったり、あるいは工業高校等における考え方を聞いたりということで、いわばどのように取り組むことができるかという研究をしてみたいということでございます。またよろしく御指導賜るようお願いいたします。
○草川委員 そこで、もう一問答弁をお願いしたいわけですが、文部省の方も、新しく工業高校なり農業高校でそれなりの教育課程を持っておる場合に限って門戸を開こう、門戸というよりはそういう機会を与えようという考えのようでございますが、これはいずれにしても、若い人たちの気持ちというのは我々よりはもっと強いものがあるわけでありまして、将来は普通高校にもそういう機会を与えてもいいのではないか。持たすな、乗らすな、取らすな、こういうことは、イソップ物語ではありませんけれども、旅人のマントを脱がすために北風を吹かせることだと思うのです。それよりは、もっと大胆に教育をする機会を与えて、そして本当に小集団的な教育の機会を与えていく、好きな人には徹底的な教育を与えていくという中で、初めて私は将来に新しい展望が開けると思うのです。 これは私自身の体験でございますけれども、若い暴走族の連中と話をして、白バイ隊がやっているスネーク走行、足場板を斜めに並べて白バイ隊は物すごい超スローなスピードでスネーク走行というのをやるわけですよね。やってみろ、こう言うと、暴走族の大半は、あんなことは簡単だからやれると言うのですが、一回乗らしてみたら全部ひっくり返るわけですよ。いかに白バイの方々がスネーク走法ということを成功させるには大変なテクニックが要るか、そして物すごい長期間の訓練が要るか、初めてそれがわかるわけですよね。そこで、今まで自分たちがただスピードを上げて満足をするということがいかにつまらないことだったかということがわかるわけですよね。今はたしか、私が今申し上げているのは、ビデオなんかでメーカーがそれなりのそういう訓練をやっておりますから、私はそういうように、本当に若い連中とひざを突き合わせてハイテクニックということを教えていく、そういう中で、今のスピード狂にあこがれる若者の教育というのは転換できると思うのですね。 そういう意味で、私は、単に工業高校だとか農業高校だけではなくて、将来は私どもが申し上げたような方向で文部省は考えていただきたいと思うのですが、その点はどうですか。
○前畑政府委員 先生御指摘のように、高等学校の生徒に運転者教育を充実して行うということを考えますときには、それが、できれば正課の学校教育の中に位置づけられて、そして高等学校の単位に取り入れられる、あるいは免許取得の際の何らかのメリットに結びつく、こういうふうなことがあることが、生徒の意欲あるいは習得の達成の度合いにも大きな影響があろうかと思っておるわけであります。 現実的に工業高校、農業高校と申し上げましたのは、それを正課教育に取り入れることの可能性の大きさということを考えたわけでございますので、とりあえずのところは工業高校等を対象として、その可否を、あるいはどういうふうに教えるか、何を教えるか、さらには自動車教習所に対しましてもどのように協力を得ることができるかということをまず模索をしてみたい、検討してみたい、こういうことでございますので、御理解いただきますようにお願いいたします。
○草川委員 時間がございませんので、それは要望を申し上げておきたい、こう思います。 そこで、自治省、厚生省、総務庁にお伺いをいたしますが、救急体制の問題について二、三質問をいたします。 交通事故に伴う救急医療あるいはまた交通事故に伴わない救急患者の搬送、こういう問題については今日的には非常に重要な課題になっておりますし、それなりに学界でも大変な話題になっておるところです。そこで、救急隊員を所管をするのは自治省でありますが、いわゆるパラメディックというのがあります。パラメディック的な医療行為を行う救急隊員の育成、これがアメリカなんかでは今非常に高度な専門的な訓練を経て適用されている、育成をされている、こういうことが言われておりますが、その点どのように考えられているか、お伺いをします。
○木挽説明員 お答えいたします。 救急隊員の行います応急処置につきましては、昭和五十三年に制定されました救急隊員の行う応急処置等の基準におきまして、その原則が定められているところであります。しかしながら、救命率の一層の向上を図るためには、救急隊員が行います応急処置の範囲を、例えば今先生お話のございましたアメリカのパラメディック並みに拡大すべきとの御意見もございます。今後、関係機関の御意見も聞きながらそのあり方について検討をしていく必要がある、かように考えております。
○草川委員 今度は厚生省にお伺いをしますが、今の自治省の答弁にもありますように、救急隊員の育成という問題についてはいろいろな問題が残っているわけでありますが、特に私が指摘をしましたパラメディックということになりますと、医療法との関係もあるわけでありますからそう簡単にはできない点がある、これは十分承知をしております。そういう上に立って、厚生省の方は、パラメディックというようなものを育成するよりは、ドクターカーというのですか、ドクター自身が車に乗って救急現場に駆けつけるあるいは救急患者の搬送に同行する、こういうことの方がいいのではないだろうかという意見もあるようでありますが、厚生省の評価はどうか、お伺いしたいと思います。
○澤説明員 お答えいたします。 厚生省としましては、本年九月に救急医療体制検討会を発足させまして、二十一世紀に向けた救急医療体制のあり方について検討を始めたところでございます。 同検討会においては、救急搬送のあり方に関する問題も重要な検討項目となっているわけでございます。また、医療機関に対しまして現在の救急医療の実態調査を行うこととしているところであります。 今後、この検討会での検討結果やこの実態調査の結果を踏まえまして、医師の指示なく一定の医療行為ができる準医師的な資格制度、いわゆる救急士、パラメディックの制度や、特別の資格制度を前提とせず救急車に医師が同乗するいわゆるドクターカーの制度を含め、我が国に合った制度を検討してまいりたい、そのように思うわけでございます。
○草川委員 厚生省の方は検討会で今のような答弁があったわけでありますが、自治省の方も、先ほどの答弁もあるわけですが、それなりに研究をしている。ところが、自治省の方の検討会には厚生省は参加していないのですか、その点お伺いします。
○木挽説明員 お答えいたします。 現在、本年度から私どもでは救急業務の将来像を考える懇話会といういわば研究会を発足いたしまして、救急業務の将来のあり方についていろいろな角度から議論をしようということにいたしております。このメンバーは、救急医療関係の先生方あるいは医師会の方々に入っていただいております。先生御指摘のように、厚生省の方にはメンバーには入っていただいておりません。
○草川委員 ぜひこれは厚生省、自治省あるいはまたその他の諸官庁を統括する総務庁一体になって、救命救急あるいは救急医学の教育機関の不足をどう補っていくのか、まだ問題を指摘しておりませんけれども、そういう体制について連携をして頑張っていただきたい、こう思います。 この件については、最後になりますが、長官に、今いろいろ交通事故の死亡者の問題とか、あるいは救急体制というのがより充実をするならば事故者の救助ということもあるわけでありますが、総務庁の長官としてどのように今後救急問題あるいは交通事故対策等を考えられるのか、お伺いをしたいと思います。
○水野国務大臣 救急の問題は、実は総務庁が直接関与をしていないのでございますが、交通事故が多発し、死亡者が非常にふえているということについては非常に重大に考えております。 先ほど来政府委員が御答弁申し上げましたが、ことしに入ってからももはや昨年より十七日も早く九千人を超えて、まことに残念ながら、昨年の一万人をもしかしたら超えるかもしれぬという状態を、先ほど委員の御質問もございましたが、非常に厳しく認識をしているわけでございます。 そこで、これまでやってきたことを申し上げるわけでございますが、交通対策本部としましては、昨年の八月に交通事故防止に関する緊急総合対策、九月に高齢者の交通安全総合対策、ことしの七月に二輪車の事故防止に関する総合対策、こういったものをそれぞれ決定して各省に呼びかけまして、ともかく内閣が一致してこの問題に当たっているわけでございますが、先ほど来政府委員が申し上げましたように、いろいろな経済情勢であるとかあるいは老年、高齢者の事故の問題であるとか、あるいは若年の二輪車の問題であるとかが次々と起きて、なかなかこれだけでは不十分だ、一体いかにすべきかということについて今重大に考えているわけでございます。 救急車の問題につきましては直接私どもは関知しておりませんが、事故に遭った人たちが病院に運ぶ前に命を落とされるということが多いわけでありまして、これも一つの委員の御指導、今御質問のありました問題も非常に大きな問題だと思いまして、検討に加えさせていただくつもりでございます。
○草川委員 大変ありがとうございます。 なぜ私が最後に長官にこのようなことを言ったのかといいますと、例えば交通事故ということに限定をしますと、事故があった場合の事故処理は警察ですね、そして患者の搬送は自治省、そして救命救急センターは、これからは厚生省ということになる。その間にある搬送業務というものの位置づけが、従来は消防庁にお任せしているわけでありますが、単に患者を運ぶというのを、これは単に患者を運ぶという言葉は非常に悪いので訂正をしますが、患者搬送というのは物すごい大きな位置づけになるわけですよね。ですから、ここは厚生省なり自治省なり、そしてまた事故処理でございますから警察がそこに入るというのは別だと思いますけれども、よほどこの患者搬送ということに力点を置いて対応しませんと大変なことになる。しかも、この事故が今度は高速道路になった場合はどうなのか、高速度道路に救急車が入れるような状況にあるのかないのかということになると、当然のことながらヘリコプターによる患者搬送ということも考えなければいけない。そうするとこれは運輸省にもなるわけですね。しかし、運輸省の航空法からいえば、これは事前にプランを出さなければいかぬわけですから救急体制には応ずるわけにはいかない、こういうことがもう目の前にあるわけでありますので、私は総合庁として総務庁の対応を強くお願いをしたい、こういう趣旨で申し上げたわけであります。 そこで、時間がどんどんたっていきましたので、ここで文部大臣にもお伺いをしたいわけでありますが、教育白書というものがつい最近発表されました。ひずみを生む受験競争だとか学校教育が画一化している、特に登校拒否あるいは高校中退も非常に深刻になっている、特に学校教育は制度や運営が硬直的ではないだろうか、指導法も画一的で記憶力中心の詰め込み教育の傾向が強い、受験競争の過熱化で教師、生徒、保護者が精神的にゆとりがない、だから登校拒否、高校中退問題が深刻化している、こういう大変鋭いというのですか非常に問題提起が行われているわけです。 そういう中で、私は先ほども二輪車問題等も打ち出しました、旅人のマントの問題も打ち出しまして、新しい教育としての三ない運動についての問題提起もしたつもりでありますが、ここで教育白書が指摘をしたことをどう解決していくのかという問題が非常に重要な問題になってきておるのではないか、私はこう思うのです。そういう点について文部大臣の見解をお伺いをしたい、こう思うのですが、どうでしょう。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、今度の白書、まさにいろいろな問題点の指摘、そしてまた反省をしたというのが大変な特色であろう、こう考えております。 白書のことは、全体は二部構成になっておりまして、昨年は生涯学習を特集して、ことしは一部で初等中等教育、そして今御指摘のような画一性の問題でありますとか、受験競争の問題でありますとか、児童生徒の問題行動のことでありますとか、そんなものを述べて、そしてこれを踏まえまして、今後の改善のための施策として、心豊かな人間の育成等を、そしてまた教育内容、方法の改善、学校運営の改善、入学者選抜制度の改善、教員の資質向上、このようなことについて述べているところでございます。また第二部におきましては、教育、学術、文化、スポーツにわたって、文教施策全般についてそれぞれの分野ごとに紹介をいたしているところでございます。 そもそも白書を発表するということは、現在の文教施策の現状について国民各位の御理解を深めたいというところに目的があるわけでありますが、ただいま御答弁を申し上げましたとおり、この内容のことについて改善すべき点はきちっとこれからやっていきたい、こういうことでございます。 残余は政府委員から答弁をさせます。
○菱村政府委員 何点か御指摘がございましたが、簡潔にお答え申し上げます。 教育の画一化の問題は、確かに最近そういう傾向があるということは指摘されておりまして、私どももそういう問題があることは十分認識しております。したがいまして、これからの教育は、みずから学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力、思考力、判断力、表現力、さまざまな子供たちの個性が生かされた教育が大事だというふうに考えております。そうした観点から先般学習指導要領の改訂を行いました。これからは、その新しい学習指導要領に基づきまして、自己教育力の育成や個性教育の推進ということで図ってまいりたいというふうに考えております。 それから、二番目の受験競争の過熱化等の問題につきましては、これも大変難しい問題でございますが、ただいま申し上げました個性教育の推進というようなことを図りますとともに、入学者選抜制度の改善を一層進めていきたいし、それから進路指導の充実というようなことも進めてまいりたいと思います。これらの点に関しましては、現在、中央教育審議会でも御検討いただいておりますので、その検討結果を踏まえて必要な措置を講じてまいりたいと思います。 また、登校拒否等の問題も深刻でございます。これらにつきましては、学校と家庭と社会が連携をとりまして取り組んでまいることが大事だと思っております。登校拒否につきましては、現在、文部省の中にも検討会議を設けまして、これからどのようにこの問題に取り組むかということを検討しているところでございます。
○草川委員 もう時間が来たのでこれで終わりますけれども、今教育白書の問題に簡単な時間で触れ、そして今大臣を初め答弁があったわけでありますが、私が指摘をしたように、事は簡単ではないわけです。我々も十分承知をしておるわけです。そういうことは大臣を初め文部省もしっかり把握をしておみえになるわけでありますが、ぜひ日本の将来を考え、この教育白書が指摘をしている教育の画一化、あるいはまた激増をしていると言っても言い過ぎではない子供たちの悩みの問題、こういうことをどのように解決をしていくか。特に、高校の中途退学者のアンケートですか調査が過日も新聞等で発表されておりますけれども、学校の中における原因の方が高校中退なりあるいは登校拒否の大きな理由になっているというようなことが触れられておるわけでありまして、ひとつ教育白書の問題点の解決のために当局がぜひ真剣な取り組みをしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わりたい、こう思います。 以上です。
○中村委員長 次に、大矢卓史君。
○大矢委員 まず、水野総務庁長官にお伺いをいたしたいと思います。 行政監察でございますとか行政管理、大変重要なお仕事をしていらっしゃるわけでございますけれども、私ども財政の再建に向けて消費税導入、また廃止、これらの中で私どもはもっともっと切り込んだ行政改革が必要ではないかということで、財政改革の中の一つの手順として、行政改革をもっともっとやっていただきたいというふうに考えておるのでありますが、先ほども御質問ございましたように、ODAの問題も含めて総務庁でやっていらっしゃるいろいろなお仕事の中で、私はこれからの行政改革に取り組む長官の決意と御姿勢を聞かせていただきたいと思います。
○水野国務大臣 先ほどもほかの委員の御質問で申し上げましたが、行財政改革の発端は、御承知のとおり、大平内閣の消費税、間接税の取り上げに際してのいろいろな諸問題から起こってきたわけであります。まず、増税をするよりはあるいは税制改革をやるよりは、政府の中にむだがないか、あるいは財政再建の問題としてさらにいろいろな補助金の整理とか、そういったことをやっていけるのではないか。また、そういうことをやるだけやって、国民の御信頼をいただいて、その上でどうしても必要ならば税制改革をやらせていただく、こういうようないきさつでスタートしたことは御承知のとおりであります。 大平、鈴木、中曽根、竹下の内閣の間でいろいろな経過がございましたけれども、重ねて申し上げるわけでございますが、国鉄など三公社の民営化をやらせていただいた、日本航空の民営化もやらせていただいた。また、公務員の純減ということ、公務員も生の人間でございますから、ただやめてもらうというわけにいかないわけでありまして、実際は自然に定年退職その他でおやめになる方がある、それに対する補充を抑えながら、少なくともこの数年間に三万人の国家公務員を減らしてきた、こういうことをやってきたわけであります。 また、行政官庁でも、過去のいろいろないきさつから必要なところもあり、むだなところもあるわけでございますが、この総務庁自身がかつての行管庁と総理府の二つの役所が一つになってできた。あるいは行政組織の中では地方ブロック機関の整理統合ということもいたしましたし、支所あるいは出張所等は六百四十四カ所も整理させていただいた。こういうことでありまして、この勢いはこれからもやっていくつもりであります。 片っ方で、先ほど申し上げました特にNTTの株の売却、日本航空の株の売却によりまして十一兆余りの歳入を上げていることも御承知をいただいていることだと存じます。これが国債の償還に充てられ、あるいは社会資本の整備になりまして、特に社会資本の整備は、今日約三年引き続いております日本の、未曾有だとかイザナギ景気以上だと言われておりますが、私はこの日本経済の繁栄の大きな刺激になってきたというふうに思っているわけでございます。この刺激がまた一つ返ってきて、税の自然増収とかこういったことが図られているわけでございます。 そこで、これから一体何をするかということでございますが、海部内閣に当たって、対話と改革ということで海部総理から強く要請がございまして、その改革の一つとして行財政改革を引き続いてやろうということで、私どもは今懸命に努力をしている最中でございます。また、民社党からのいろいろな御要請あるいは御要望をいただいておりまして、それも参考にさせていただいてこの行政改革をエンドレスにやっていこう、こういう意気込みでやっているわけでございます。現在新行革審の方で御審議をいただいているわけでありまして、何をやるかということは、私どもが直接手を突っ込むのではなくて、やはり行革審で民間その他いろいろ各方面からの御意向をいただいて、それを濃縮して、それを実施していく、こういうことで御審議をいただいているわけであります。 その第一にテーマとされておりますことが中央と地方の問題である。特に、四全総その他で指摘をされておりますように、東京及び東京圏に一極集中ということが起こってまいりまして、日本の国全体がいろいろ社会的な経済的なひずみが極端になっておりますが、この点からも地方の活性化ということを御審議いただいている最中であります。いずれ早い時期に、大体今年内あるいは今年度の第四・四半期の早い時期にこの問題は御答申をいただけると思います。それをいただければ、これをまた土台として私どもは行政改革に取り組ませていただくつもりであります。 それから、もう一つの問題は、公的規制の問題であります。日本の国は過去においていろいろ、酒、たばこの売り方あるいは大型店舗の問題であるとか、その他運輸関係の問題であるとかトラック便の問題であるとか、こういった問題が山積みされて社会的な一種の秩序となっておりましたが、これが国際化の時代になって、どうも日本と外国、特にアメリカとの間では非常に違和感が生じていることは、毎日の新聞でもごらんになっていただいているとおりであります。この辺の問題を踏まえて、公的規制の問題を第二のテーマとしてこれも新行革審で御審議をいただいている最中でありまして、今何をどうということは申し上げられませんが、いずれこれも御審議をいただくであろう、それに基づいて政府として、総務庁として鋭意努力をして、公的規制の緩和といいますか、あるいは廃止というような問題について努力をさせていただく時期が来るであろうと思っている最中であります。 最後に、新行革審でございますが、これの設置の法律的な問題が来年の四月に大体終わることになっております。そのポスト新行革審の問題ということについて一体どうするのかということでありますが、この問題についても新行革審の中で御審議をいただいております。私どもとしては今余り差し出がましいことを言ってはいかぬのかもしれませんが、これで行政改革が今年度で終わるということではまことにいかぬことでありまして、引き続いて行政改革をやっていけるような素地をつくり上げていきたい、また、そういう御答申が多分新行革審からもいただけるであろうと期待をしている最中でございます。
○大矢委員 確固たる御信念でこれからも続けていかれると思いますけれども、私ども大ざっぱに行政のあり方を見てまいりますと、今おっしゃるように、なるほど本体は逓減されていきますけれども、それが外へ出ていく、中央から地方へということでやりますと、本省の方はスリムになりますが、地方の方へ仕事を振っていって、それに金が伴わなければ地方がそれだけ負担がふえていくということ。全体的に仕事を減らしていく、またふえていったところには人の配置をしていくという、すぐに現状を全部つぶしてゼロからということにはまいりませんけれども、考え方としては、ゼロから積み立てていく中でどういうものが必要で、どういうものが必要でないのだということをおやりになる、それぐらいの気持ちでおやりにならないと、現状をどうやろうとも、やはり人は人でどうしても欲しい、仕事は仕事で欲しいということで、各省庁なかなかできません。そうなりますと、一律に何%減ということになると、せっかく仕事がふえ、そこへ人をやらなければならぬところも、また同じような規制になる。そして、今の官僚機構の中でトップの次官という方が大体五十五でこれまたおやめになって、その外郭団体、特殊法人へ行かれる。特殊法人へ行かれたら、またその五十五という若さでどんどん仕事を考えられる。そして、その行かれる特殊法人がなくなれば、またその次官のための特殊法人の下請をする特殊法人をつくって、そこへ次官が行かれるというように、本庁の方はスリムになっても、外へだんだん大きくなっていって、国民の負担が変わらないというようなことでは困るわけであります。 そういうことも含めて、一度勇断を持って、現実にはできないと思いますけれども、全部白紙の上で、どういうものが必要で、どういうものをこれからふやしていかなければならぬのか、どういうものを減らしていかなければならぬのかということをやっていただかないと、現状で何%抑えた、何%ということで平均してやっていくと、とてもじゃないが、実際に国民の側からすると、一生懸命で忙しいところもあるけれども、なぜあそこは遊んでいるのだというところが出てきますと、今大臣がおっしゃいましたように、これから新しい税金を御負担願うということについても国民はなかなか納得してもらえないということがございますので、これからでも、今おっしゃいましたような方針は方針として、この際根本的に考え直していただくということでお進みを願いたいと思います。 そこで、時間が余りございませんが、多くの問題をお尋ねするわけですけれども、大学の入試制度の沿革ですが、昭和五十二年に大学入試センターの設置がなされましてから、五十四年の共通一次、そして六十二年には教科と課目の減、そしてまた六十三年に大学入試センターの所管事務が改正になりまして、そしてまた来年度から大学入試センターの新しい試験が行われるようでありますけれども、これは、実際に受験をする者、そして受験をする子供を持っていらっしゃる親としては、そうしょっちゅうぐるぐる変わってきたのではどうしていいかわからない。そのために、逆に言うと進学のための産業が盛んになってくる。一体だれのための試験なのか。私学を今度加えたということでございますけれども、実際は、私学はもう既に推薦入学という形で四割までもが入学が決まっているのだという状態。受験者が高等学校で一生懸命勉学しながら受験ができるというふうに持っていくんだと言いながら、ますます逆の方向に行ってしまうという今の制度。そしてまたぶち当たるとまた変更、また来年やって、またその次に変更ということになってくると、一体何のための受験かわかりません。 そこで、これまでの経過は経過として、一体これからどうなるのかということも含めてお答えを願いたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 委員御指摘のように、猫の目の変わるようなことになりますと、まことに子供たち、高校生あるいは親御さんたち、大変なことだな、こう私も考えております。 そこで、この問題につきましては、当面は現行制度のもとで改善をやっていく、すなわち今決まっていることですね、国公私立大学を通じた大学入試センター試験について、来年度入学者選抜からということ、この問題は既に決まっているわけであります。そこで、その決められてある中において来年度はやっていきたいな、こう考えております。 また、国立大学につきましては、受験機会の複数化でありますとか学部定員を分割して試験を二回実施する、いわゆる分離分割方式でありますとか、こんなものをとってやっていきたい。 考え方の基本は、今決まっていること、来年度のことについて既に決まっていることは実施していくという考え方でございますけれども、そんなに何度も何度も変えていく考え方は基本的に持っておりません。
○大矢委員 やはり、当人はもちろんですけれども、そういう受験生を持つ親としたら、理解をしている間にもう制度が変わってしまう。だから、大臣そのものも、もしお子さんなり支持者の方、お孫さんなりに聞かれた場合に、今の制度がどうだということをはっきり理解できるように説明できるのかというと、たまたま大臣に就任されたからできますけれども、なかなか難しいと思うのですね。それがころころと変わっていくのですから、これはもう一体どうなるのか。当事者が一生懸命自分でそのことを勉強して、どれが一番いいんだという方法で対処していくしかないわけであります。当初の目的とは違う意味でぐるぐる変わっているような感じがしますので、これからもその点十二分に御検討願って、完全なものでこれがいいというならいいで結構ですから、それはやはり続けていくなら続けていく、そういうことでないと、先ほど申しましたように、だれかの仕事をつくるためにそういうセンターをつくっているんだということになったらこれはちょっと本末転倒だと思いますので、その点よろしく御検討願いたいと思います。 それから就職協定なんですけれども、これは、自民党が選挙で大変非難を受けられましたリクルートの問題を初めこれらが、労働省はもちろんでしょうけれども文部省も大変な威信を傷つけられたわけでございますが、その中にこの就職協定というのがあるわけであります。これが一体どういうぐあいであればいいのか、現状はどうなのか、今後どうするおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○坂元政府委員 お答えいたします。 大学等の卒業予定者の就職活動というのは、本来、学生の最終学年の学習に支障を与えず、しかも秩序ある形で、かつ、学生が適切に職業を選択する公平な機会を得られるようにするということが望ましいわけですが、このような観点から、従来から、大学側と企業側双方による就職協定が定められているわけでございます。大学側としても、以上のような観点から昭和二十八年度以降一貫して就職協定の申し合わせを行ってきているところでございます。 ところが、先生も十分御承知のとおり、本年度は企業の求人意欲が非常に高いということもございまして、協定に反する早期の就職・採用活動が行われてしまったということで、私ども大学側関係者とともに大変遺憾に思っているところでございます。 そういうようなこともございまして、大学側関係者と企業側関係者がわざわざ七月十九日に就職協定協議会を開きまして、改めて協定の遵守を決議したところでございますし、前文部大臣の西岡大臣も企業側の代表であります日経連の関係者とも会談し、来年度以降実効性のあるような協定をどうして結ぼうかということで意見の交換を行ったところでございます。 一部に、就職協定は必要ないではないか、もうここまで行ったならばノンルールでやらせたらどうかという意見もございますが、仮にそういう状態になりまして、一年生あるいは二年生の段階からつばをつけて企業が就職を、採用を決定してしまうということになりますと、その子供が、もう就職も決まったので大学で余り勉強しなくても一流企業に行けるということになって勉強を余りしなかった。その結果、企業が実際に卒業する年の秋に改めて成績を見たら成績が悪過ぎるからだめだというようなことになったらこれまた大変な事態でございますし、また逆に、一年生のときにはこういう企業に行きたいと思っておっても、二年三年たって改めてもう一回考え直してみると別の企業に行きたいというような進路変更をした場合に、それは契約違反であるというようなことで企業から学生が責められるという事態も生じてくるおそれもありますし、また逆に、現在は大変、数年間好景気が続いておりますけれども、また万が一景気が下り坂になったときに、一年、二年の段階でもってある企業で採用するということを約束しておきながら、四年の段階でそれはちょっと無理だということになりますと、その子供にとっては一生の問題になるわけでありまして、私どもとしましては、就職協定はそういう意味で必要であるという考え方でございます。 これにつきまして、実は一昨日八日でございますが、大学側の九団体で、これは短大、高等学校も入っておりますが、大学等九団体で構成しております就職問題懇談会でも議論がございまして、やはり今私が申し上げましたような観点から、就職協定は存続させる必要があるだろう。ただ、より実効性のあるものにするためには、今後よほど企業側の人たちと腹を打ち割って話していかなければいけないだろう。 従来のやり方を簡単に申し上げますと、大学側の就職問題懇談会と企業側の雇用対策協議会、これは日経連が事務局になっておりますが、雇用対策協議会の両者から代表を出しまして就職協定協議会というものを設けております。そこで積み重ねていった案を最終的に両者の代表者が出まして決定するわけでございますが、今度はむしろ逆に、両者の代表者、企業側の代表者、代表的な一流企業の三十人くらいの会長、社長等で構成されておりますが、その企業側の代表者と大学側の代表者が、最初にトップで、ある一定の方針なりある心構えを決めて、それから下におろしてくるというやり方をした方がいいではないかというような案も、就職問題懇談会、大学側の関係者の懇談会でも出されておりまして、今後、これらの案を企業側の窓口であります日経連とも十分ぶつけ合いまして、より実効性のある就職協定を来年度はぜひ決めていきたいと思っているところでございます。
○大矢委員 来年度はということですけれども、ことしは結局だめだった。日経連ももうさじを投げたということであります。先ほどの入試センターの問題は、大学を受けるときにそれはそれなりに高等学校でしっかり勉強してくださいということで決めたものでございますけれども、これまた私学の青田買いで怪しげになってきた。そしてまた就職のときになりますと、もう一年も前に行って話を決めておかないと、実際に学校に通知が来てこれだけの人を募集しますよということ、なるほど採用するのはそれだけの人数ですけれども、実際に現場に行ってまいりますと、例えば三十五名なら三十五名採用しますよと言われて行ってみたら、そのうちもう三十三名は内定しておった、あと二名だけの試験のために一般の人たちが参加しておるというようなことがあるわけであります。現実にそこはこの協定を守っておるところであります。守っておるところがそういう状態でありますから、これまた人生に門出をするその人たちが初めにけつまずいていく。大学側はいろいろな希望を言いますけれども、やはり受け入れ側がどういう形で受け入れていくのか、それがなければ、この合意を守っていこう、そして本当にすべての人にそういう就職についても機会均等に就職活動が行われるということでなければ、ただ単にそういうものをやっておくことがいいんだ、もし外したらどうなんだということだけでは済まないと思います。ことしはだめだったということですけれども、大臣いかがでございますか。
○石橋国務大臣 お答えいたします。 いろいろな問題点があると思います。また困難なこと、これは果たしていかがかなと思われる点がいろいろ出ると存じます。でも、就職協定をやらなかった場合一体どうなるかということを考えてみた場合、私はやった方がいいという考え方で ございます。その中において、ただいま政府委員からも答弁があったわけでありますけれども、なお、さらに突っ込んで企業側、大学側との間に立って研究をしていきたい、こう思います。
○大矢委員 これは生涯その企業に勤めていこうということでありますし、ただ単に一年そこに勤めるということでないのです。そういう就職については一生を左右する問題ですから、決められたら決められたで決められたように実行してもらわなければなりませんし、今私が言いましたように、額面とその内容が違うというようなことをやって、実際はその企業は決められたとおりやっておったんだということではないと思いますので、その点も十二分に事後調査をしていただいて、日経連では守らなかった企業を公表するということまで言っているのですが、守っていただけないようでありますけれども、そこまで踏み込んでいくということでこれからも御検討願いたいと思います。 そこで、もう一つお聞きしたいのですけれども、学校法人、これがなかなか各学校で問題があるところがございます。その学校法人を認可をされて、そしてその寄附行為、それを決定して運営をされるわけであります。そこで私も、学校というのは何だろうか。例えば大学なら大学で一人の篤志家が土地なり建物を寄附をして学校をつくっていく。基本財産があるわけですね。ですから、それならそれで、創設者としてのその人の功績があり、その人が経営者となってやっていく。しかし、今見ておりますと、国の方の補助でございますとか、また私学の場合に、その学生が納める授業料、それによって学校がだんだん大きくなっていく。そういうことになりますと、会社で言うならば株主はその卒業生である。それに対して学校法人にその卒業生が関与していく。それはなるほど、評議員という中で学校法人の中に何人か入れなさいよという指導もしていらっしゃるようでございます。しかし、その入れられる評議員の人たちが一体どこで選ばれるのか。いわゆる卒業生は卒業生で認知をされたその組織で選ばれるのか。そして、その組織を維持していくために、学校の授業料を生徒から取ると同じように、やはりその費用を学校法人が労働組合の組合費のような形で前もってそれを預かってそこに充当していって、その卒業生が自分たちのお金でつくった学校がこれからも発展していくように協力していくということは必要だと思いますが、ただ表面づらを見ておりますと、理事会が評議員会を選び、評議員会が理事会を選ぶという形の中で、両方ともがだんごになって一つの方向に進んでいく。お互いに立場が違い、やはり理事会は理事会の仕事、評議員会は評議員会の仕事、監事は監事の仕事としてありますけれども、そこいらのことをもう少し整理をして指導していただく、学園が一人の人が頑張って混乱になるというようなことのないように指導していただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○野崎(弘)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、私立学校は学校法人が運営しておるわけでございますが、学校法人は一人の経営者が運営するというわけでございませんで、理事会を構成し、その理事会にはまたさらに評議員会というような組織もつくって、多くの意見が反映されるような形で運営されているわけでございます。学校法人は、運営として自主性が尊重されなければいけないということで、それぞれの運営の仕方というのは学校法人で考えていただく。先生の御指摘のような運営の仕方をする学校法人、当然これはあってしかるべきかと思っておるわけでございます。 現在の私立学校法の考え方は、先生からお話ありましたように、学校の卒業生を評議員に加えなければならない、こうされておりまして、さらにその評議員のうちから何人かの理事を加えなければならないということで、そういう形で卒業生の意見が経営に反映されるシステムということになっているわけでございますが、具体的にどのように卒業生を参加させていくかというのは、これはやはり学校法人それぞれがお考えいただくのが最善の道ではないか、このように思っておるわけでございます。もちろん、私どもとしましては、学校法人が問題が起きないように適正な指導というものは重ねていかなければならないと思っておりますけれども、基本的にはやはり学校法人のそれぞれの判断によるもの、このように認識しております。
○大矢委員 そのことにつきましては、これからも何か理事者が独裁で物事がやられるような一応組織になっているわけですから、それをやはりお互いに理事会は理事会、評議員会は評議員会としての仕事ができるような形で御指導願いたいと思います。 時間がございませんので、次に文化行政のことで少しお聞きいたしたいのですけれども、日本の文化というのが、これまたまだまだ文化行政全体についてこれから振興していかなければならぬではないかということでございます。その中で私は、外務省は外務省でODAの関係ですべてのことを知っていなければならぬと同じように、やはり文化庁ですから、日本の文化にかかわることはすべて物事を知っておいていただきたい。そして、それに基づいて必要な予算というものを要求していって、そして本当に大衆が求めておるものをこれからも伸ばしていただきたい。 ですから、まずハードの面で、劇場等、国立劇場もやっていらっしゃいますし、おのおのの市町村なり、国なり、ほかの省庁でつくっておられるものがあるわけでございます。ところが、それらはおのおの思い思いにつくっておりますから、それがダブったり重なったり、いろいろな喜ばしいこともございますけれども、あるわけでありまして、資料を要求いたしますと、公立の文化会館の運営状況の資料というのは文化庁の方でお持ちでございますけれども、肝心の国立の方の施設についてはここにはないわけであります。それはほかのホール年鑑というもの、また音楽年鑑というものを見てくださいということで、お持ちでないわけであります。そういうものもやはり全部持っていただいて、どういうことをやっておるのか、どういうことに目が向いておるのかということで、もっともっと文化を振興していただきたい。 そういうことでないと、まず第一に、現状というものをつかんでいただかないとどうにもならないわけでありますけれども、大臣に御就任になって、そしてこのことに前向きで取り組んでいただいて、これからも次の大臣、その次の大臣もそういう方針でやっていただくということでなければ、過般私が予算委員会で見ておりますと、前の文部大臣さんが、自分のときにどういう行政をしておられたか知りませんけれども、国立劇場のあり方についてお聞きしたいというような質問要項がございました。それで、そのことについては文部大臣が直接お答えになるということで、そういう内輪の話は内輪の話にしていただいて、もうそんなことを質問するとか答えるとかじゃなしに、いいと思うことはどんどんやっていただきたいと思いますので、文教行政非常に大変なことでございますけれども、文化行政についても文部大臣が非常な決意で取り組むということだけをお聞きをしておきたいと思います。
○遠山政府委員 文化行政につきまして御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 御指摘のように、文化行政と一口で申しましても大変広範なものを含んでおりまして、文化庁がやっておりますものが中心ではございますけれども、各省でも関連のことをやっておられるわけでございます。 例えば文化関係の施設といいましても、先生御指摘のように、国立、公立の文化施設ということで文化庁が直接把握しておりますもののほかに、各省庁におきましても関連のものもあるわけでございますが、私どもといたしましても、そうした関連のものについても、現状をつかみ、必要な情報については今後より十分に把握してまいりたい、また、その総合的な判断の上に立って文化行政を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大矢委員 中島前大臣が質問をされようとしておることを大臣、何か事務当局知らないですけれどもお答えになろうということですから、この際、私からも、そういう国立劇場のところで高等学校の演劇祭をやったらどうだということのようでございますが、いかがですか。
○石橋国務大臣 ただいま文化庁次長から答弁をしたわけでありますが、私自身地方の首長の出身であります。そして事実上、その当時のことを考えてみますと、いわゆる公民館とかあるいは文化会館とかそんなものはほとんど全部文部省、文化庁所管であるべきだと私は考えておりました。ところが実際問題は、農水省でありますとかあるいは自衛隊に至るまで、防衛庁に至るまで、そのようなものを市町村にずっと持ち始めております。スポーツ施設等におきましては建設省関係もどんどん出てきている。そこで、さてなということを常日ごろから考えておりました。そして、それをだれが使っているかということは、縦割り行政の中においてこれは文部省だ、これは農水省だということでなく、使っているのは地方自治体の市町村民ですね、あるいは東京都で言えば区民であります。ですから、そのような箱物施設ができた中においてのいろいろな活用の仕方ということは、関係省庁とも相談をしながら、とにかく主は文化行政だという考え方で進めていきたいな、こう考えております。
○大矢委員 時間がございませんので、最後に会計検査院にお伺いをいたしておきたい。 関西国際空港にまつわります海土協の公正取引委員会の審判が下りまして、すべて終わったような記事でありますけれども、この中で公取が示しました海土協の俗に言われます八社、それが六社になっておるわけですね。そしてその合計額、これが千九百十九万立方メートルということになっております。 そこで、価格につきましては時間がございませんのであれでございますけれども、少なくともこの公取委員会が示しました数字と実際は違うと言われております。検査されました結果を御報告願いたいと思います。
○川崎会計検査院説明員 お答えいたします。 土砂の数量、価格等について検査したわけでございますけれども、今お尋ねの護岸築造工事に伴う土砂の数量についてでございますが、私どもが検査いたしました数量は約千九百万立方メートルであると承知いたしております。
○大矢委員 大阪府、兵庫県、和歌山県、岡山県、香川県、徳島県、幾らずつですか。
○川崎会計検査院説明員 土砂の数量につきまして、適正かどうか実地検査等において十分に検査いたしたところでございます。今お話しのような観点で、この数字の内訳については把握はいたしておりません。
○大矢委員 これは全くうそなんですね。ちゃんと調べてきたんです。調べてきて、この公取の数量と違っているんだ。違っているから今言えないのではないか。そういうことを、会計検査院たるものがせっかく調べてきて自分の資料を持ちながら言えないでいるというのは、こういう公取が業者が出してきた資料に基づいてこの立米というものを確認しているだけだということで、いかにこの公取の捜査というのがずさんであるかということです。 これのすべて終わりましたのが九月の十九日であります。そして九月の三十日、このとき現在で、全体の要りますと申しますか取れる土砂の量、これが大阪が五千万立米、兵庫県が五千七百万立米、和歌山が六千五百万立米、そして岡山、香川、徳島で五百万立米、それがこの三十日現在で、大阪府が二百万立米、兵庫県が五千四百万立米、和歌山県が五百万立米、そして岡山、香川、徳島が四百万立米、そういうことでありますから、この護岸工事に関してはこの数字よりも千九百十九万立米よりは少ないわけであります。少ないですけれども、その解決をした十九日、その三十日にはもう既に兵庫県へ海土協が五千四百万立米を納入しているわけですよ。だから、結果的にそういう五千四百万という数字が出るのが嫌さに、こういう千九百万ということで、公取がもうそれを承認したというような経過があります。その会計検査をしていただいて、金額についてはなかなか言えないと言いますけれども、千二十八円でお認めになって、この公取が示された千百三十円、それとの差額の百二円。千九百万でありますと十九億、五千四百万ですと五十四億、その金がどこかへ行っておる。そういうことで、いろいろとお聞きしましても、今会計検査院がせっかく調べられた数字にしてもそれをお示しにならないということでございますので、前の委員会でも申し上げましたように、委員長、改めて参考人の招致の件、よろしくお願いをいたしたい。 以上で終わります。
○中村委員長 次に、野間友一君。
○野間委員 今ちょうど芸術の秋と言われておりますし、文化の日もこの間過ぎたわけで、きょうは文化問題について私の方から質問したいと思います。 言うまでもなく、カルチャーというのはラテン語の耕すということですね。そういう点から考えますと、文化そのものは、要するに人間が自然に働きかける、そのことによって動物から脱して、そして人間として発展したという一つのあかしだと思います。だとするならば、文化そのものは人間らしい生活、これに欠かすことのできない非常に大事な問題だと思うわけであります。この点について海部総理も、衆議院の本会議の席上で、「すべての国民が文化、芸術、スポーツに親しみ、みずからの手で新しい文化をたくましく創造していける環境の醸成、基盤の確立に意を用いてまいります。」このように述べたわけでありまして、この言やよしと言わざるを得ません。問題はその中身であります。 そこで、まず文部大臣にお聞きしたいのは、こういう文化芸術の基盤整備の確立にどのような決意で取り組んでいかれるのか、決意のほどを示していただきたいと思います。
○石橋国務大臣 今確かに経済的基盤が大変盛んに大きくなってきているわけでありますけれども、また一方、国民の文化に対する関心は極めて高くなってきております。 そこで、国際的に考えてみましても、我が国が文化面で積極的に貢献することが求められているわけであります。芸術文化の振興は重要な課題であるということで、私はこの問題につきましては一生懸命に実現に向かってやっていきたい、こう考えております。
○野間委員 それじゃ、具体的に中身に入っていきますが、これは文化庁の所管だと思います。今決意、熱意を文部大臣は示されたわけでありますが、しかし、現実はどうかといいますと、経済大国と言われながら文化面では後進国、非常に貧困な文化行政、これが続いておるというのが今の実態だと思うのです。そこで、一体今年度の予算の中で文化予算の占める割合、一般会計の中でこれは一体何%で、具体的に金額的に幾らなのか、これを示していただきたいと思います。
○遠山政府委員 平成元年度におきます文化庁予算は、総額で四百九億四千五百万円でございます。これは国の一般会計予算の〇・〇六八%でございます。平成二年度の要求はさらにこれより多いわけでございますが、今年度の予算につきましては今申し上げたような中身でございます。
○野間委員 明年度は今より多いというふうにおっしゃいましたけれども、それは確かに概算要求では四百四十五億一千八百万円、しかしその率を見ますと〇・〇六六%、ことしよりも落ちるのじゃないでしょうか。
○遠山政府委員 御指摘のとおりでございまして、文化庁予算の概算要求額は四百四十五億一千八百万円でございまして、対前年度八・七%の増加となっておりますので、文部省全体の概算要求が対前年度一・七%増という中にありまして、文化庁予算の重要性にかんがみまして特段の配慮が払われたところでございますが、国の一般会計概算要求額に占める割合は〇・〇六六%となっております。
○野間委員 遠慮なさらずに言われたらいいのですよ。我々やはり文化予算をうんと伸ばしていかなければならない。今認められたように〇・〇六八から六六に概算要求でも減っておるわけですね。 そこでお聞きしたいのですけれども、外国との関係であります。例えばドイツ、スウェーデン、フランス、ここでは今申し上げたような国家予算の中に占める割合、比率はどうなっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○遠山政府委員 各国の一般会計予算のとり方、あるいは文化予算のとり方、なかなか難しいわけでございますが、私どもの調べました範囲で、かつ、円に換算いたしましてお答え申し上げたいと思いますけれども、フランスでは、国の一般会計予算が二十四兆五千三百七億円に対しまして文化関係予算が千九百四十一億円で、これは比率にいたしますと〇・七九%となっております。また西ドイツでは、国の一般会計予算の総額が十九兆六千百二十五億円に対しまして文化予算が二百七十九億円で、〇・一四%となっているわけでございます。西ドイツは連邦制でございますのでその面はあるかと思いますが、さらにスウェーデンにつきましては、総額が八兆二千四百八十八億円に対しまして文化予算が四百二十三億円でございまして、〇・五一%という数値になっております。
○野間委員 西ドイツについては〇・一四%と言われましたが、これは私は数字のとり方がちょっと文化庁は違うのじゃないかと思うのですね。 実は、芸団協という組織がありますよね。これからいただいたのですが、これは芸団協の「文化政策研究」、この中にあります。スウェーデンの場合には、これは国が一%、これはいろんな資料に基づいて出しておるわけです。それから西ドイツの場合には、これはドイツ連邦内務省の資料からということのようですが、これによりますと〇・五%、こうなっています。ですから、何か文化庁、西ドイツのとり方は違うのじゃないかと思うのです。 それにしても日本の場合には〇・〇六八%、来年はさらに率は減る。フランスの場合には〇・七九%、これは私どもの把握したのはもっと多い、〇・八%台だと思うのですけれども、それにしても多いわけでしょう。けたがうんと違うわけですよね。西ドイツは、今文化庁が言われた数字によっても〇・一四%でしょう、私は〇・五%と申し上げておるのですけれども。文部大臣、これは相当な乖離、開きがあるわけですね、今うなずいておられますけれども。こういうことなんです。 だから、海部総理が所信表明の中で文化の充実云々を言われ、それから今文部大臣も決意を述べられたわけですけれども、私は、実際と言われることとの間には相当な乖離がある、こう言わざるを得ないと思うのです。 文教委員会で国立劇場法の審議の際に、衆参の両委員会で附帯決議、これは我が党初め各党こぞって賛同してつけた附帯決議ですけれども、その第五項を見ますと、「我が国の経済力と文化予算との現状にかんがみ、長期的・総合的観点に基づいて、文化予算の大幅拡充に努めること。」こうなっていますね、これは衆議院。参議院の場合には「文化予算の大幅拡充に努めること。」こういうふうになっています。これを受けて当時文部大臣の西岡さんが、その趣旨を十分に留意して対処してまいりたい、こういう決意表明をされておるわけですね。ところが、ささやかな文化庁の概算要求でもこれとは全く逆に減っておる。絶対額はふえていますよ、いろいろな要素があります、物価が上がっていますし、それは当たり前なんです。そういうことでしょう。 この間、私どものところにも二千三百六十団体で構成されます舞台入場税対策連絡会議、これは入対連と略しておりますが、こういう方々から要請を受けました。この中でも要求として、せめて「国の予算の一%を芸術・文化に。」こういう要請があったわけですけれども、せめて私は外国というかヨーロッパ並みに〇・五%ぐらい思い切って予算をふやしていく。文部大臣、ひとつこのくらい決意をされたらいかがかと思うのですが、いかがですか。
○石橋国務大臣 まことにありがたい御意見をいただいて恐縮をいたしております。 〇・五%といいますと大変な金額です、たしか三千億くらいになりますか。今次長から答弁をいたさせましたが、平成二年度概算要求が四百四十五億ですから、この十倍近い金額まで一挙にはね上げるということはなかなか具体的には極めて難しいのではないかな、こう考えます。 委員御指摘のこと、私も何とか文化予算をふやしたい、そしてまた、そのもとになっております文教予算全体のパイ、これを広げていきませんと、なかなかそこに到達するのに困難だな。では、予算を一体どうやっているんだということになりますと、これはいわゆるシーリングという中において、閣内におります以上は、そのシーリングの中において予算を組まねばならないという立場にあるわけであります。しかし、考え方の基本は、内閣全体いろいろな重要な仕事が今たくさんありますけれども、私たちの立場は、やはりどの仕事よりも最も基本的で、しかも将来これをやらなければ民族の興亡果たしていかんということを考えてみますと、私たちの立場はやはり文教予算というものをふやしていく、パイを大きくしていく、その中において文化行政の予算もふやしていかねばならないのだ、こう考えております。
○野間委員 そうしますと、ああいう所信表明なり、それを受けた文部大臣の決意は空回りなんです。本当に人間らしい生活をするためにこれは不可欠なものでしょう。最初にも大臣はうなずかれましたけれども、そうなんです。ところが、外国との比較でもこれは物すごい乖離がある、けたが違いますからね。そういう点で、経済大国であっても文化面においては非常に貧困な行政だと言われるのは当たり前なんです。 そこで、順次お伺いしたいと思いますが、文化庁の予算の中で、芸術文化予算とともに文化財保護予算、この二つがあります。今年度を見てみますと、トータルで四百九億円、そのうち文化財保護予算が三百八億円、そうしますと芸術文化予算は百一億円、こういうぐあいです。このことについてもいろいろ外国との比較をしてみたのですけれども、円換算でイギリスが八百十億円、アメリカが三百三十五億円、フランスが二千億円でしょうか。私たちがいろいろ調べてみますと芸術文化予算が大体千三百二十五億円だと思うのですが、イタリアで八百八十四億円、西ドイツで百八十二億円、これは非常に疑問がありますけれども、一応文化庁の挙げられた数字を前提にいたします。ですから、この芸術文化予算、これは絶対額におきましても日本はわずか百一億円でしょう。これだけの違いがあるわけです。そして、これを国民一人当たりで大体計算してみたのです。そうすると、日本の場合には一人当たり八十二円、イギリスが千四百二十三円、アメリカが百三十七円、フランスが二千三百八十三円、イタリアが千五百四十三円、西ドイツが二百九十八円、こういうことです。ですから、あらゆる面から見てもこの芸術文化予算については劣るのが当たり前。数字が物語っておるわけです。 こういう国際比較の中で、いろいろな総論を文部大臣は言われますけれども、低いことをお認めになると思いますし、これを本当に上げなければ、文化国家日本とか、外国のことみたいにいろいろなことをリップサービスしますけれども、それは全く空虚なものだと言わざるを得ないと思うのです。一言いかがですか。
○石橋国務大臣 大臣としてどうかと言われますけれども、私自身が委員と同じような考え方でやきもきしていることは事実であります。しかし、先ほど言ったような枠の中で予算を編成しなければならないということについても御理解をいただきたいな、こう考えております。そこで、この芸術文化振興のための基盤整備を行おう、ことしじゅうにはその基盤整備を何とかして実現をいたしたい、こう考えております。
○野間委員 だから結局、我々が言います文化とか福祉よりも、軍事優先ということが今の予算の数字の上でも裏づけられておる。私たちは、逆に全く立場が違うと思いますけれども、軍事予算を削って回したらいいと思っております。 そこで、どれだけみんなが困りながら努力をしておるかということを、具体的に幾つか例を挙げて紹介したいと思います。 朝日新聞の去年十二月八日付の「論壇」というところで、ここでは児童演劇に関係しておられる佐々木潤平さんという人が書いております。日本児童・青少年演劇劇団協議会、これは七十を超える劇団が加盟しておるようですけれども、これに関係されておるわけです。その中で、こういうことを言われています。「我々児童演劇人の所得は、キャリア十年の中堅にしてやっと一般企業の高卒初任給なみという、驚くべき低水準にある。早朝八時から自分たちの手で舞台設営、午前午後の二回ステージを勤め、休む間もなく後片付け、その後劇団に帰ってけいこというケースもしばしばある。」この方々は、小中学校を対象とした演劇鑑賞教室、いわゆる学校を訪問する公演に依存されておるようですけれども、しかし、そういう苦労をしながらも、実際に肌に触れた熱演の感動が残っておるというようなことを書かれておられます。 それから、フィルハーモニーを見ましても、これも朝日新聞の去年三月三十日付の「社説」の中にありますけれども、大フィルでは「平均四十一歳の楽団員の平均年収四百四十万円」、練習場もない、「昭和二十五年にできた市営プールの観客スタンドの床下を使っていて、」「このままでは優秀な楽団員も確保できず、演奏水準も落ちてしまう。」こういう状況です。これは大フィルの場合です。 それから、例の昭和六十二年三月二十日の衆議院予算委員会で、俳優の江見俊太郎さんが来られて公述人として公述されました。私も予算をやっておりまして参加しておりましたが、びっくりしたのですけれども、これは芸団協加盟の方々ですが、「芸能実演家全体の年齢が四十六・三歳という平均で、芸歴が二十四・一年、」「この人たちの平均年収が三百二十三万円でございます。」「年間三百六十五日のうち二百五十日はきちっと仕事をしているわけです。あいているときは専ら自分の芸を磨くためのいろいろな準備をしている。通常の言葉で言うと、劇団なんかですと仕込み状態であるということでございます。」いろいろ窮状を訴えられております。ですから芸術家は食べられないわけです。そのために、言っておられますが、「公演のあいているときなんかは新宿あたりの酒場とかでバーテンみたいなことをやったりとか、女性も、女性の場合はバーテンというか、そういうところで働くことは割合避ける人が多いようですけれども、細々といろいろ人のお手伝いをしたりとか、あるいは原稿を書いたりとか美術関係の方の雑誌のいろいろお手伝いをしたりとか、さまざまでございます。」江見さん自身は、本業での収入が二百数十万円です。これは私は予算委員会の中で聞いて本当にびっくりしたのです。こういう状況の中で非常に苦労されておる。 こういう状況でしょう。ですから、芸術文化予算が百一億円という状況の中で、今本当に苦労されておりながら十分な演奏活動に専念することができない。これは将来を考えてみますと本当に寒けがするような、そういう思いを私はするわけです。 結局、イギリスの八分の一、イタリアの八分の一、フランスの十三分の一、こういうことであります。特に予算との関係でいいますと、民間芸術等活動費補助というのがありますが、全部で七億二千万円でしょう。しかも、これが日本の場合は六十四団体が補助の対象でしょう。六十四団体に、今申し上げましたいろいろな窮状を訴えられておる方々に対しまして全部でたったの七億二千万円、こういう状態でしょう。文化庁、これはそのとおりでしょう。
○遠山政府委員 民間芸術等振興費補助金は、我が国の芸術の水準の向上、普及を図るために、民間芸術関係団体に対しまして、これらの団体が行う芸術振興のための事業に要する経費の一部を補助するということで、昭和三十四年度から実施しておるものでございまして、いろいろな対象分野がございますけれども、現在のところは先生が御指摘のような額になってございます。 ただ、私どもも、これは非常に財政の緊縮ということで長年にわたって徐々に減ってまいったわけでございますけれども、昨今、そういう大変厳しい財政状況の中でございますが、芸術文化振興の必要性ということから、私どもの先輩もいろいろと工夫いたしまして、例えば最近では、昭和六十一年度から日米舞台芸術交流事業、あるいは昭和六十二年度から優秀舞台芸術公演奨励事業費、あるいは昭和六十三年度からは芸術活動特別推進事業、これは海外へ日本のすぐれた舞台芸術を送っていくばかりではなくて、国内のオーケストラのようなところにも公演の経費を出せるようにいろいろ工夫をいたしまして、これらを合わせまして今十二億六千七百万円となっているところでございますと、いろいろ工夫はいたしておりますが、トータルとしての状況は御指摘のような状況でございます。
○野間委員 弁解がましい言いわけはおやめになりまして、具体的にお聞きしたことにお答えいただきたいと思います。 今も認められましたけれども、民間芸術活動費補助は七億二千万円、これは六十四団体に対してですよ。イギリスの場合をちょっと調べてみますと、ここには二つの国立劇団があります。ナショナル・シアター、それからロイヤル・シェークスピア・カンパニーというのがあるそうですが、このうちでロイヤル・シェークスピア・カンパニーだけに対して十五億円も国からの予算が出されておるわけです。ところが日本の場合には六十四団体に七億二千万円、もうとにかく考えようがないわけですね。 実は、今ウィーンオペラが来ていますね。これは世界最高峰と言われていますけれども、十月の下旬から一カ月間、今東京でやっております。その中でただ一人の女性の団員と申しますか、メンバーがおるのです。実はこれがちょっと私の知り合いなのです。彼女はソプラノ歌手ですけれども、一九八四年に入りまして、四、五、六、七、八、九ですから六年目ですよ。そして、聞きましたら、十分オペラの仕事だけに専念して生活ができる、こう言っていましたよ。まだ六年ですよ。副業とかいろいろなサイドビジネスに全く無関係でそれに専念できる、これが本来のあり方なんですよ。私はそれを聞いて本当にびっくりしたのです、といっても当たり前のことでしょうけれども。これだけ貧弱な予算で今までの伝統的な芸術を継承し発展させる、あるいは文化を創造していく、芸術を創造していくということは、実際数字の上で本当に不可能なんですよ。だから、これは文部大臣、本当に本腰を入れてやってもらわないと、笑い物にされると私は思うのですよ。 いま一つ私が申し上げたいのは、最近盛んに出ております冠公演というのがありますね。いわゆる企業が金を出して演奏をやらせたりコンサートを開いたり、いろいろしておりますね。これも相当いろいろ問題があると思うのです。これはまさしく企業の営利活動としてやっておるわけで、私もいろいろな資料を見ましたし、ある新聞紙上でも具体的にその中身について内訳がありますけれども、ある劇団公演の例として、冠協賛金が三千万円入った、これは一体どこにどう使われたのか。これはもろにその劇団の中に全部収入になってそれで活動を支えるならともかくとして、ところが、この三千万円がどこへ消えたかといいますと、広告代理店手数料が四百五十万円、テレビなどの宣伝費が千五百五十万円、制作に直接組み込まれた分が一千万円、わずか一千万円なんですよ。しかも、これも中身をいろいろ書いてありますけれども、このメリットが果たして観客に直接出たのかというと、そうでないそうですね。こういうのがいっぱいございますけれども、こういう点からしても、文部大臣、民間の芸術活動費の補助は七億二千万円では全く貧弱なので、これは思い切ってふやしてもらう、このくらいは言えるでしょう。
○石橋国務大臣 いずれにいたしましても、芸術活動をやる場合の一番もとは、担い手であります国民みずからが主体的に進めていくことが一番肝要であろうと思います。そこまでいきませんと、なかなかオペラあるいはバレリーナが十分優雅な生活をやれるところまでにはいかないのだと私は思います。 そこで、各国の事実問題と比較をされながら委員のお考え方を述べられたわけでありますが、私も文相就任以来、我が国が単なる経済大国だけでなく、何とかして文化を大切にする国として、文化的に豊かで、心身ともに健康で、活力ある国民生活の実現とともに、文化によって国際的貢献を行う文化大国へ転換する必要があるという考え方。その中で、実は今回の予算委員会の中におきましても、委員各位の御質問等によって総理あるいは大蔵大臣、関係大臣の答弁が出たわけでございますが、ひとつ文化振興基金を設立いたしまして、いわゆる芸術、文化、そしてスポーツなどの振興のために――なかなか一年ごと一年ごとの予算の積み上げ方式でやっていってはとても日暮れて道遠しでありますので、この基金を設立して、そして、先ほど委員からもあるいは次長からも答弁があった芸術予算、年間百一億だということでありますが、基金をきちっとつくり上げて、その基金の果実の運用によって年間百億ぐらいのものがずばりと出せるようなことを考えているわけです。既に予算委員会において各委員、野党の皆さん方の御質問、もちろん与党は当然でありますけれども、大蔵、総理、もちろん私も含めての答弁でありますが、やることにおいてよろしいというゴーサインが出たと考えております。後は金目の問題だけでありますから、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○野間委員 今言われておりますのは、国会で論議されまして、御案内のとおり音楽議連というのがございますね、これは超党派でいろいろやっておるわけですが、ここでは国からせめて二千億の基金を出せ、これは超党派で要求があるのです。ところが、何でも、今文部大臣が言われた基金制度、これは新聞報道によりますと国は一千億しか出さない、こういういろいろな情報が伝わってくるわけですけれども、基金として大体一千億円くらいを今お考えなのでしょうか。
○石橋国務大臣 残念ながらここで数字を申し上げることははばからせていただきたいと思いますが、今答弁の中でも、何とかして政府資金をもとにいたし、さらには善意ある民間の方々の御寄附等もいただいて、まあ果実として年間百億くらいのものが出るようなことを頭の中に入れて、そして各省庁と折衝をいたし、また民間の皆さん方にもお願いしているところであります。
○野間委員 それをぜひうんと大きな金額で、やはり文化面で石橋さん、よくやってくれたという一つの実績を残してほしいと思います。 次にお聞きしたいのは、いわゆる子供劇場、親子劇場というのが全国にございます。私の和歌山でも、会員が大体六千三百人、組織が七つあるわけですね。これは補助金がないのです。ある自治体が一カ所だけ年間わずかな金を補助しておりますが、ないわけですね。これは国の制度としては親子劇場あるいは子供劇場には全くないと思う。今のところつけてないと思うのです。これはぜひつけなければならぬと思うのですね。実際に生の舞台、生の音楽とか生の芝居に接して子供がどんなに生き生きしているか、これらのことについては文化庁もつとに御案内のとおりで、私もたくさんの資料を持っておりますけれども、もうおじいさん、おばあさんも含めて、子供が舞台を見てやっと初めて笑ったとか、生の芸術に親しむということがいかに大事か、しかもこれが将来の人間の生活にどれだけ大事かということは、いっぱい記録があることはもう御案内のとおりであります。 そこで、私は、こういうところを補助対象にしろ、これは要求ですけれども、これは文化庁かあるいは文部大臣になるか知りませんが、ひとつお答えいただきたいと思います。
○遠山政府委員 御指摘の子供劇場、親子劇場といいますのは、すぐれた生の舞台芸術の鑑賞あるいは子供の自主的な文化活動を通じて子供を健全に育てるということを目的として、地域の住民の方が結成しておられるいわゆる鑑賞団体というふうに承っているわけでございます。 文化庁が芸術文化振興の観点から補助対象といたしておりますのは、芸術団体自体が行う公演事業でありますとかあるいは芸術関係の資料の整備の事業でございまして、個々の鑑賞者でありますとかあるいは鑑賞者の団体でありますとかというものをとらえて補助対象としてはいないわけでございますし、できないというふうなことはございます。しかしながら、子供劇場、親子劇場の全国組織であられます連絡会では、児童文化の向上のための児童文化資料編さん事業を行っておられまして、これに対しまして、文化庁としては工夫をいたしまして長年補助をいたしているところでございます。財政状況が大変厳しい折ではございますけれども、今後ともその予算の確保には努力してまいりたいというふうに考えております。
○野間委員 基金制度について文部大臣も言及されたわけですが、それは要するにみんなに見せたり聞かすという、お母さん方が中心になったそういう子供劇場、親子劇場、こういうところにも自治体では補助しているところがあるのですから、これはやはり一遍検討していただきたいと思うのですね。できるかどうか本当に前向きに検討してほしいと思いますが、いかがですか。
○石橋国務大臣 大変な御指摘でございますので、十分検討いたします。ただ、何といってもパイを広げること、これがどうしても私は先だな、こう考えております。
○野間委員 ただ以下は余計です。 そこで、この件についてもう一つ最後に、文化に税金をかけるのは一体何事か。これも今組織の中でもいろいろと、請願署名を私どもももらっておりまして、請願の紹介議員となっておりますけれども、消費税が三%、文化に一体何事か。こういうのもうんとみんなの中で声が起こっておりますし、署名も随分集まっています。私は、消費税はとにかく廃止するのは当然だし、今もちょうど廃止の法案の審議が始まったわけですけれども、これは文化をほんまに大事にするならやはり消費税は廃止する、文化に税金をかけないということは当然だと思うのです。このことを強く大臣にも訴えたいと思います。 時間がありませんので文化問題については以上にしまして、総務庁長官、水野さん、お待たせしました。若干の時間の中でお伺いしたいと思います。 ことしの九月十八日から十九日にかけまして、台風二十二号の接近で強い雨が降った。この中で、実は和歌山でも、小学五年生の女の子が増水した農業用の水路に転落して亡くなるという痛ましい事故がありました。同時にこれは、同じころですが、愛知県の一宮町、ここでも同じような事故がありました。両方とも共通しておりますことは、にわかに水かさが増してくる、そういう増水の中で用水路と道路が区別がつかない、道路がちょうど川になりますからね。それで過って用水路に落っこちて命を落とす、こういう痛ましい事故が起こっておるわけですね。この安全対策、これは非常に大事だと思うのです。 和歌山県でも、県の教職員組合とかあるいは和歌山市の教職員組合、これは和歌山の場合は市道なんですね。そこで県や市当局あるいは県教育委員会、市教育委員会に、通学路の安全の問題として、道路が安全交通のために十分整備されていたらこの危険を未然に防ぐことができる、こう指摘して、そのためにも、ガードレールを設置すること、信号機を設置すること、道路を拡幅する、街灯を設置するなど必要な措置をとることが必要だ、こういう要求をされておるわけで、私は当然の要求だと思います。登下校のいろいろな安全指導の手引等々を私は文部省からいただいております。 これを見ました。しかし問題は、施設の問題については、とりわけ交通安全施設等の整備促進、これが非常に大事なので、文部省としても、こういう痛ましい事故は二度と起こさないという立場から、施設の整備促進について関係各省にぜひ強い要望をしていただきたい、こう思います。 と同時に、これは総務庁が交通安全対策室を持っておられますけれども、この中で、単にこういう一過性の問題として受けとめるのではなくて、安全に登下校させていく、とうとい命を落とすことのないようにという点から、この点についても十分文部省の要望をお聞きになって、そして交通安全の施設等の整備を積極的に進めていただきたい、こう思います。 この点について文部省、文部大臣、それから総務庁長官にお聞きしたいと思います。
○前畑政府委員 お答えをいたします。 私どもの方で、今先生御指摘の問題は二つの問題として受けとめておるわけでございます。一つは、通常の状況における通学路の安全の問題、それからもう一つは、災害が発生した場合における避難経路の安全の問題ということでございます。 この点につきましては、先生が先ほどおっしゃいましたように、私どもかねてからいろいろな方法で指導いたしておりまして、そして常時点検をして、そしてまた、災害時の避難経路につきましては、災害が発生した場合の状況をも予測して点検をして、その結果に基づきまして、警察あるいは道路管理者等の関係機関に対して、安全施設の重点的な整備について働きかけるようにという指導もいたしておるところではございます。 しかしながら、御指摘のとおり大変痛ましい事故が発生したわけでございますので、私どもといたしましては、総務庁の交通安全対策室、警察庁、建設省、運輸省等と組織しております関係五省庁の会議というのがございますが、その場でも、必要に応じてさらに関係の御協力をいただくように努めてまいりたいと思っております。
○水野国務大臣 ただいま文部省の政府委員から説明がありましたように、私はその事件の現場とか地形とかがよく頭に入ってないのでございますが、いずれにしましても、台風のとき、集中豪雨の後なんかは道路と水路が区別がつかなくなってしまう、多分そういうところへ下校の女の子が落ちたのだろうと思ってお話を推察しておりましたけれども、これはなかなかどこの省庁ということが確かに区分がつけがたいわけであります。農業用水路ですと農林省の施設かもしれませんし、道路との境ですと建設省あるいは県の土木部の仕事かもしれませんし、また、登下校の通路の問題としては文教の仕事かもしれません。言ってみますと、各省庁の境にあるような、あるいはどこにも関係して、どこにも主導権がないというようなお話だと思います。 そこで、そういうことも含めてよく関係省庁で話し合いをして、そのことだけにかかわらず、いろいろな事例として今後検討させていただこうと思っております。
○野間委員 時間が参りましたので終わりますけれども、特に今新しい造成地がどんどんできるでしょう。道路は高くするわ、遊水地はなくなるわ、それからいろいろな新しい形の災害の事象がどんどん出ておりますので、ぜひ総務長官としてその点について大いに取り組んでいただきたいということを重ねて要望して、終わりたいと思います。
○中村委員長 次回は、来る十六日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十分散会