内閣委員会 第2号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/08/29
会議録
○吹田委員長 これより会議を開きます。 この際、新たに就任されました国務大臣及び政務次官の方々から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。内閣官房長官森山眞弓君。
○森山国務大臣 このたび官房長官を拝命いたしました。 内閣官房及び総理府本府の事務を担当することになりました。誠心誠意職務の遂行に当たってまいりたいと考えておりますので、委員長初め皆様方の格別の御指導と御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○吹田委員長 次に、総務庁長官水野清君。
○水野国務大臣 このたび総務庁長官を拝命いたしました水野清でございます。 私は、社会経済情勢の変化に対応した総合的かつ効率的な行政を実現するため、総合調整官庁として総務庁が果たしております役割を十分認識し、各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。 委員長初め委員各位の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○吹田委員長 次に、北海道開発庁長官阿部文男君。
○阿部国務大臣 このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました阿部文男であります。 北海道は、豊かな国土資源に恵まれ、我が国において最も開発可能性に富んだ地域であり、青函トンネルの開通や新千歳空港の開港など新たな発展基盤の整備も進み、国土の均衡ある発展に重大な役割を果たすことが期待されております。 私は、我が国の長期的な発展に貢献する力強い北海道の形成を目指して、第五期北海道総合開発計画の推進に全力を尽くしてまいる所存であります。 委員長初め委員各位の御指導と御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○吹田委員長 次に、防衛庁長官松本十郎君。
○松本国務大臣 このたび、新内閣の発足に際しまして防衛庁長官を拝命いたしました松本十郎でございます。吹田委員長初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。 現下の厳しい内外諸情勢の中にあって、国家存立の根幹をなす国の防衛という大任を担うことになりまして、その責務の重大さを痛感いたしております。 私は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、日本国憲法に従い、国民各位の御理解のもとで、着実な防衛力の整備と日米安全保障体制の信頼性の維持向上に最善を尽くしてまいる所存でございます。 我が国の防衛政策を推進し、私に課せられた重責を果たしていくには、この分野に精通しておられる委員長初め委員各位の御支援が不可欠でありますので、今後ともなお一層の御指導、ご鞭撻を賜りますようお願いをいたします。 以上、簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
○吹田委員長 次に、内閣官房副長官藤本孝雄君。
○藤本説明員 このたび内閣官房副長官を拝命いたしました藤本孝雄でございます。 森山官房長官を補佐いたしまして職務に精励してまいる決意でございますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻をお願いいたします。(拍手)
○吹田委員長 次に、北海道開発政務次官野沢太三君。
○野沢説明員 このたび北海道開発政務次官を拝命いたしました野沢太三でございます。 阿部長官のもとで北海道開発推進のため全力を尽くす決意でございます。 委員長初め委員の皆々様の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げましてごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いします。(拍手) ────◇─────
○吹田委員長 次に、公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。 まず、去る四日の一般職の職員の給与及び週休二日制等についての報告並びに給与の改定についての勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。内海人事院総裁。
○内海説明員 ただいま御指名のございました総裁でございます。 この前行いました人事院の勧告並びに報告につきまして、御報告を申し上げたいと思います。 人事院は、去る八月四日、国会と内閣に対し、公務員の給与及び週休二日制等に関する報告並びに給与に関する勧告を提出いたしました。本日、その内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことに厚く御礼申し上げます。 以下、その概要を御説明いたします。 まず、初めに、勧告の内容について御説明をいたします。 公務員の給与の改定に当たりましては、人事院は、従来から社会経済情勢の動向、各方面の意見等を踏まえながら、民間賃金との均衡を図ることを基本として臨んできております。本年も、民間賃金の精密な調査はもとより、民間企業の経営努力についても調査するなどさまざまな角度から検討いたしました。 本年の職員の給与を取り巻く諸情勢を見ますと、ほとんどの民間事業所において給与改定が行われており、官民の給与の間には相当の較差が生じていることが認められますほか、同じ一般職の国家公務員である四現業の職員についても、中央労働委員会により民間賃金の動向を重視した仲裁裁定が行われており、これらの諸事情を総合的に勘案しました結果、本年も従来どおり職員の給与について所要の改定を行うことが必要であると認め、勧告いたしました。 本年も四月時点における官民の給与を精密に調査し、相互の給与を厳密に比較いたしましたが、その結果、官民の給与の較差は金額で八千七百七十七円、率で三・一一%であることが判明いたしました。 この較差の配分につきましては、俸給に七千六百六十八円、手当に六百六十七円、この改善の手当へのはね返り四百四十二円といたしております。 まず、俸給表については、民間の配分傾向等を考慮して、初任給を中心に若年層にも配慮しつつ、全俸給表にわたって金額の改定を行っております。なお、指定職俸給表につきましては、諸般の事情を考慮し、行政職と同程度の改定にとどめていますが、同俸給表については、従来から参考としている民間企業の役員給与との間に引き続き差が認められるとともに、公務部内における均衡にも配慮する必要がある点を踏まえ、今後、相応の改善を図るよう引き続き検討を行っていくことといたしております。 次に、手当につきましては、民間における支給状況等を考慮し、通勤手当及び期末・勤勉手当について改善を行い、その他医師の初任給調整手当についても改善を行っています。 具体的に申し上げますと、通勤手当について、交通機関等利用者の運賃等相当額の全額支給限度額を九千円引き上げ、三万円に改定し、あわせて交通用具使用者についても所要の改善を行っております。 また、期末・勤勉手当につきましては、民間のボーナスの年間支給自分との均衡を図るため、六月期の期末手当及び勤勉手当の額をそれぞれ〇・一月分増額することといたしております。 さらに、公務における単身赴任の実態、民間における単身赴任者に対する措置の状況等を考慮し、赴任を契機としてやむを得ず単身で生活することとなった職員等を対象として、新たに単身赴任手当を設けることといたしております。同手当の支給月額は、基礎額を二万円とし、距離に応じて月額最高一万八千円を加算することといたしております。 以上が勧告の概要でございますが、このほか、かねて問題が指摘されてきました調整手当の支給地域について、地域の民間賃金、物価及び生計費等の実情に応じて適正化を図るよう見直しを行うこととしております。その際、見直しにより支給地域の指定を解除する場合等には、所要の経過措置を設けることとし、また、今後は、定期的に支給地域区分を見直すことを考えております。 実施時期につきましては、本年四月一日からといたしております。なお、単身赴任手当の新設及び調整手当の支給地域の見直しについては、平成二年四月一日からといたしております。 今回の報告の中では、公務員の完全週休二日制の実現についても言及いたしております。 民間における労働時間短縮、週休二日制の進展状況、土曜閉庁の定着状況等から、公務における完全週休二日制について、国全体の労働時間短縮の計画期間内における速やかな実現に向けての検討をさらに積極的に進める必要があることを述べております。 そのため、完全週休二日制を念頭に置いた業務執行体制についての検討が必要であり、特に交代制等により勤務する職員については勤務体制等の大幅な見直しが必要となることから、実地に即した問題点の把握と対応策の検討のため、週四十時間勤務についての試行をできる限り早期に実施する必要があるとの認識をお示しいたしております。 これにあわせて、長時間の超過勤務について、総実勤務時間の短縮、職員の健康・福祉の観点から、これを短縮する必要があるとの認識をお示しし、各関係者に改善のための努力を求めております。 ところで、公務員は、その職務のいかんを問わず、また、その勤務場所のいずれかを問わず、全体の奉仕者として中立、公正にその任務を尽くすことが求められていますが、ここ一、二年ごく少数の職員、特に、一部の管理、監督の任にある者に非違行為が見られ、国民から厳しい指弾を受けるに至りました。まことに遺憾なことであります。ごく一部の者の犯した不祥事ではありましても、その結果は公務員全体に対する国民の信頼に大きな影響を与えるものであり、今回、報告において公務員倫理の高揚の必要性について特に指摘し、公務員諸君に対しても注意を喚起することといたしました。 本院は、今回の勧告に当たっても、公務員の勤務条件について、中央・地方を通じ広く各界との意見交換を行いました。表明された意見を見ると、業務の合理化、効率化や行政サービスの向上に一段と努めるよう指摘する意見が見られる一方、民間給与との均衡により公務員給与を決定する現行の方式については適切なものと評価する意見が多く示されております。また、公務員の週休二日制については、国全体の労働時間短縮への流れを促進するためにも、国民の理解を得ながら完全週休二日制の実現に向けて積極的に検討を進めるべきであるとの意見が多数を占めております。 以上、給与及び週休二日制等に関する報告並びに給与に関する勧告の概要を御説明申し上げました。 人事院勧告は、申し上げるまでもなく、労働基本権制約の代償措置として行われるものであり、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき行うものであります。 本院といたしましては、職員に対し適正な処遇を確保することは、その士気を高く保持し、職場の労使関係の安定に寄与するとともに、公務に必要な人材を確保し、ひいては将来にわたる国の行政運営の安定に資するものであると考えます。 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割及び職員が行政の各分野において真摯に職務に精励している実情に深い御理解をいただき、何とぞこの勧告のとおりに早急に実施していただきますよう衷心からお願いを申し上げて、報告を終わります。 ─────────────
○吹田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口健二君。
○田口委員 私は、まず冒頭に水野総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 ただいま、本年度の人事院勧告につきまして、人事院総裁の方から概要の御説明がございました。給与担当大臣であります総務庁長官としてのこの人事院勧告に対する基本的な姿勢と申しますか、対応について、まずお伺いをいたしたいと思います。
○水野国務大臣 お答え申し上げます。 給与担当大臣といたしまして、従来から、労働基本権制約を受けておられます公務員のお立場を考えまして、代償措置としてございます人事院勧告制度を尊重し、公務員の良好な労使関係の維持、職員の士気、生活への影響などを考えながら勧告が完全実施されますように最大限の努力を尽くしてまいったことは御承知のとおりでございます。 今年度、八月四日の勧告の取り扱いにつきましても、従来と同様の基本姿勢に立って、国政全般との関連を考えながらできる限り早期に完全実施するように努力をしていくつもりでございます。
○田口委員 ただいま、水野総務庁長官から、基本的な姿勢について御答弁ございました。中でも、早期完全実施について努力をしたい、こういうことでありますから、私は、そのことをまず冒頭に強くお願いを申し上げておきたいと思うのですが、ただ、若干の今日の状況といいますか考え方を申し上げてみますと、人事院勧告制度が発足をして随分長い歴史的な期間があるわけであります。私自身も、一九六〇年から今日までいろいろな形でこの人事院勧告というものに関係をしてまいりましたが、これまでの歴史を振り返ってみますと、ある時期にはこの勧告の実施時期が値切られる、こういう時期もありましたし、あるときにはせっかくの勧告が未実施に終わる、こういう時期もございました。また、せっかくの勧告の率を政府そのものが内容を改変する、こういう年度も実はあったわけでありますが、最近の状況を見てみますと、一九八六年から大体完全実施、こういうことになっておるわけでありまして、四年間連続の完全実施でありますから、ほぼこの問題は定着をしたというふうに私も大変喜んでおるわけであります。 残りましたのは早期実施の問題ですね。私は、本委員会でもたびたびこの問題を取り上げて政府の御見解をただしたわけでありますが、過去の歴史を振り返ってみても、八月に人事院勧告が行われる。勧告の仕組みからいって、四月現在時点における調査の問題であるとかあるいはその後の追加補正等の問題を考えれば、勧告の時期をそんなに簡単に繰り上げて六月や七月というわけにはまいらないと私は思っております。したがって、当然八月に勧告が出されるわけですが、それが実際に法案として国会に提出をされ、国会審議を経て通過をするのは毎年十二月なんですね。これはいつの時期をとってみてもそういう結果があらわれてきておるわけであります。私は、昨年の八月の本委員会の中でも重ねてそのことを強く主張してまいりましたけれども、昨年度の場合も、国会を通過をしたのが十二月二十一日ということになるわけです。長年にわたってこの人事院勧告の早期完全実施を公務員労働者は要求し続けてきておるわけですが、いまだにこの問題が解決できないでおるわけです。そのことを総務庁長官、そして引き続いて官房長官にもきょうおいでをいただきましたのでお尋ねをしたいと私は思うのです。 今私が考えておる最大のネックは何かといったら、閣議決定なんですね。毎年の例を見ましても、大体閣議決定が行われるのが十月後半なんです。昨年私は、本委員会で当時の小別官房長官にもお尋ねをしたのでありますが、勧告が出てから給与関係閣僚会議を三回から四回行ってそして閣議決定になるんだ、こういうお話なんですね。しかし、今日の日本の経済状況とか国家財政の状況から考えてみて、なぜ給与関係閣僚会議を三回も四回も開かなければならないのか。私はそんな必要はないと思うのです。今年度の場合には、勧告後にもう既に一回給与関係閣僚会議が開かれているわけですね。私も、少なくともあと一回ぐらいで結論を出して早急に閣議決定をし、そして国会はまだ開かれておりませんが、開かれるとするならば早期に次の国会に給与法の改正案を提案をする、こういう措置をとらなければ、早期完全実施の実現はできないと思っておるわけです。この点について、まず総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
○水野国務大臣 ただいま田口先生のお話もございましたように、八月四日に人事院勧告をいただきました。直ちに八月七日、これは前の内閣の最後でございますが、給与関係の閣僚会議を開きまして、第一回目の検討をしたばかりでございます。内閣がかわりまして私も新任として担当大臣となったわけでございまして、ただいまお話ございましたようになるべく早期に実施をしたい、かように思っておりますが、なお国政全般の諸問題を考慮に入れまして、関係閣僚会議を今おっしゃいましたように三回ないし四回やっておりますが、ことしはなるべくそれを縮めて実施に運びたいとは思って、考えておる最中でございます。いましばらくお時間をいただければありがたいと思っております。
○田口委員 それでは官房長官にお尋ねをいたしますが、今話が出ております給与関係閣僚会議の座長というお立場だろうと思っています。先ほど私申し上げましたように、新しい海部内閣が発足をして、新しい森山官房長官が誕生されたわけですから、従来のような方針ではなくて、ことしは、今水野総務庁長官もおっしゃられたように、給与関係閣僚会議をなるべく短くして、私の言い分からすればあと一回でいいと思っているのですが、早期に閣議決定をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○森山国務大臣 人事院勧告の取り扱いにつきましては、政府としてはこれまでも人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立ちまして努力をいたしてまいったところでございます。それは先生の御指摘にもありましたとおりでございます。 今年度につきましても、先ほどお話のございましたように、八月七日に早速給与関係閣僚会議が開催されておりますが、国政全般との関連を考慮いたしまして、勧告の完全実施に向けて誠意を持って検討を進めていきたいと考えております。今後、御指摘の点を踏まえまして十分誠実に最大限の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○田口委員 ぜひそのような努力を続けていただきたいと思います。 きょうはお忙しい中をせっかく官房長官においでをいただきましたので、ちょっと内容的にほかの点に移るわけですが、御日程の関係もあると思いますので、まずそのことを実は御質問をさしていただきたいと思います。 いわゆるベトナム難民の問題ですが、私の地元であります長崎県には、ことしの五月二十九日に北松小値賀町に百七人のベトナム難民が漂着をいたしました。それからわずか三カ月余りの間に、昨日の新聞報道によれば、また北松宇久沖で二百三名の難民を発見したというふうに書いてありますので、これを加えますと、もう既に八件一千百名以上の難民の方が長崎県の五島列島を中心に実は漂着をしているわけです。そこで、地元でも今大変問題になっておるわけでありますが、漂着したその地域の自治体では、当然人道上の問題がございますから、難民の公民館への収容であるとか、衣類や食料品の配付だとか、地元主婦らによるボランティア活動としての炊き出しの問題とか、あるいは乗船をしてきた船を焼却する、この焼却代だけで百万くらいかかるそうですね、いろいろな出費が今強いられているわけです。私は、難民の受け入れというのは決して自治体の固有事務でも委任事務でもない、当然国がなすべき仕事だというふうに思っているわけです。 そこで、そういった関係自治体ではこのことで非常に困惑をしているわけです。私は、それらに要する経費については当然国が負担すべきであるというふうに考えております。このことについて、あと関連をしてたくさんありますが、関係省庁の方にまたお尋ねをしますが、この経費の負担について政府としてはどのようにされようとしておられるのか、このことをまずお尋ねをいたしたいと思います。
○森山国務大臣 この件の費用につきましては、鋭意検討を行いました結果、食料とか衣服とか医療とか輸送あるいは船の焼却、先生御指摘のようなさまざまな経費がかかっているわけでございますが、このようなものにつきまして町村が支出いたしました費用につきましては、原則としてUNHCR、国連難民高等弁務官事務所が負担するということになっておりまして、この件についてUNHCRとの話し合いがついたところでございます。ですから、UNHCRができるだけ速やかに具体的支出をしてくれますように督促いたしてまいりたいと考えておりますし、実は先般、長崎県の知事さんからも同様の陳情がございまして、早速この経緯を御説明し、市町村が負担しました費用の補てんにつきましては、UNHCRと協議を重ねた結果、従来合意されていたボートピープルへの食料、衣服、医療及び輸送に要した費用に加え、難民船の焼却に要した費用等についても原則国連難民高等弁務官事務所が負担することで了承を取りつけましたというお返事を今お出ししようとしているところでございます。
○田口委員 ただいまの御答弁をいただきましたので、国が責任を持ってこれらの経費については負担をするというふうに確認をいたしておきたいと思っております。 それでは官房長官、お忙しいようですから退席をされて結構だと思います。 そこで、今せっかくベトナム難民の問題に触れましたので、引き続いてこの問題をちょっと二、三お尋ねをし、その後、人事院勧告の問題についてさらにお尋ねをしておきたいと思います。 そこで、本来ならば今官房長官にお尋ねをすべきだというふうに思っておるのですが、日程の関係もありますので、法務省ですか、いわゆるインドシナ難民受け入れについて日本政府としての基本的な方針、それから今日までの受け入れの実情等について、まず御説明をいただきたいと思います。
○股野説明員 お答え申し上げます。 我が国は、インドシナ難民の救済につきまして、人道的問題に関する国際協力並びにアジアの安定確保という見地から、数次にわたる閣議了解による対策を進めてきているところでございます。これらの閣議了解に基づきまして、インドシナからボートピープルが我が国に到着した場合は一時庇護を与えるためにその上陸を許可してまいっております。これまでに本件許可によりまして上陸を認められた者は、昭和五十年以降合計で一万七百六十三名でありまして、このうち本年の上陸者は、八月二十八日現在で一千九百九名となっております。
○田口委員 本年で一千九百名というただいまのお話ですが、先ほど申し上げましたように、長崎県だけで、今年五月以降、私の調べたところによると一千百名を超えておるわけです。大変異常な事態だと思うのですね。今、余りにも抽象的な言い方なのでちょっとわからなかったのですが、そういう異常な状況がことしに入って続いてきているわけです。マスコミなどの報道によれば、海上にはまだ十隻以上のそういう難民を乗せた船が五島列島を目指して航行中であるなどという話も聞いているのですよ。そういう問題に対して、今あなたが御説明になったような考え方で今後も対処をしていかれるのか。 とりわけ、けさ私は新聞を見てびっくりしたのですが、その難民を乗せた船の中にいわゆるベトナム国籍を持たない人、ほかの国の人が含まれておったとか、まだ余り詳細にはわかっていないようですが、こういう問題についてはどうお考えになっておられるのか。これからの方針と、それから今私が申し上げましたいわゆるベトナム国籍以外の人たちが乗船をしておる、こういう扱いについてはどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○股野説明員 ただいま委員御指摘のとおり、本年に入りましてインドシナからのボートピープルについて新しい状況が出ておりまして、特に長崎県の関係者側にはいろいろな意味で大変御負担をおかけしておるという状況も起こっておるわけでございまして、我々法務省当局としましても、この対策について今鋭意検討を進めている状況でございます。 このボートピープルにつきましては、従来の我が国の受け入れにつきまして、洋上を漂流しているボートピープルをそこを通過した日本ないし外国の船舶が救助してこれを日本で受け入れる、こういう状況で対処してまいりましたが、最近の状況は、ボートピープルが直接日本の領土あるいは日本の近海に到着するという状況でございまして、その意味で新しい状況が出ております。 これに対する対応策を今検討中でございますが、これに関連いたしまして、本年の六月にジュネーブでインドシナ難民国際会議が開催をされまして、このように難民の流出が本年日本について顕著にふえているという状況がございますが、これはベトナムの近隣の諸国についても同様の状況が見られますので、このボートピープルの流出を抑止する、こういうための一つの国際的な協力というものがこの会議で検討をされました。その検討の一環として、本当の意味での難民という性格を持った者とそうでない者と選別する、そういう審査を行うことについてこの会議で合意をされたという経緯がございます。 この合意を踏まえまして、法務省当局としましては、今後この合意に沿った形でのボートピープルについての対処ぶりを今改めて検討いたしているところでございます。その検討の中において、我が国に到着をしましたボートピープルについて、今後仮上陸許可を一たん与えまして我が国の領土に上陸をさせた上で本格的な上陸審査というものを実施する。この結果難民性が認められる者については、従来どおり一時庇護のための上陸を許可するということにしますが、他方、難民と認められない者については、入管法の定めるところにより退去強制手続等の手続を進めて、当面入国収容所に収容するという方針を一つ考えて、これについて検討を行っております。これは、ただいま申し上げましたジュネーブにおける国際会議の合意を踏まえた検討でございます。 こういう中で、ボートピープルについて、難民といってもいわゆる難民条約に基づく難民としての性格を持っていると認定される者についての従来どおりの受け入れ方と、加えて、別途、難民条約に言う難民という性格を持っていないと考えられる者についての区分けした対処ぶりを今考えているところでございます。これはベトナムから来る難民について考えているわけでございます。 同時に、ただいま委員御指摘の問題が発生しております。これは、ベトナムから来たと称しておりながら実はベトナム人ではなくて中国人が先般到着したボートピープルの中に入っておったという事実でございます。本件につきまして目下調査中でございますが、まず五月二十九日、美良島に到着しましたボートピープルの中で少なくとも二名が中国の福建省在住の人間であるということが判明をいたしました。これはボートピーブルとして従来受け入れてきた方針に合致しない人間でありますので、これについては一時庇護のための上陸の許可を取り消して、改めて不法入国の該当の容疑で現在入国管理局に収容をいたして調査を進めておるという状況でございます。この二名に関連して、さらにほかにも同じく中国人であると考えられる人物がこのボートピープルの中に入っておりますので、引き続き入国管理当局において審査を継続している状況でございます。 こういう状況については、これも新しい状況でございますので、我々としては、ボートピープルの中で真にベトナムからの難民という性格を持った者とそうでない者とをきちんと区分けした対応をする必要性を感じている状況でございまして、そういう意味での対処ぶりを策定するよう現在検討を急いでいる状況でございます。
○田口委員 いずれにしても、インドシナ難民の問題というのは今異常な状況が続いておるわけでして、これに対する政府の対応というのは非常に立ちおくれておると私は思うのです。例えば、長崎県のある漂着をした自治体の町長さんは、早速関係機関に連絡をしたけれども全然音さたもない、翌日か翌々日ぐらいになってようやく海上保安庁の船が入ってきたと非常に憤慨をしておるというような実例もあるわけですね。長崎県知事が出した要望書、陳情書の中にも、これらの問題については洋上において対処をしてもらいたい、実はこういう要望もあるわけですから、この問題についてはぜひとも早急に具体策を講じていただきたい、ひとつこのことを申し上げておきます。 もう一点具体的なことでお尋ねをしたいと思うのでありますが、これら難民を一時受け入れる施設として、長崎県大村市に難民一時レセプションセンターというのがございますね。私は、八月の十八日の日に現地に行っていろいろお話を伺ってきたわけです。このセンターは定員が二百名です。ところが、八月十八日現在で収容されている方は四百四十七名ですから、定員の倍以上になっているのです。テレビなどの報道によれば、収容されたその日にはとても間に合わなくて、中庭にテントを張ってそこで仮泊をした。私が参りましたときにはそうでもなくて、大きな集会室に収容されておった、こういう状況であります。これは直接そこで聞いた話ではないのですが、そのセンターの食堂の定員は百名以下だというのですよ。ですから、定員の二百名が収容されたとしても、食事は二回に分けて給食をしなければならないというのです。定員の倍の四百になったらどうなりますか。一回の食事を四回に分けて食べさせなければならないわけですね。三食ですから十二回です。これは一体どうやって対応しておるのだろうか。これからもふえることはあっても減ることはないのだろうというふうに状況としては判断しているわけです。一時収容施設について、拡張なり新たに新設なりそういう御計画があるのかどうなのか、このことをお尋ねしたいと思います。 関連をして、同じ八月の十八日でしたが、長崎港外にあります高島町、炭鉱閉山の町でありますが、そこの炭鉱住宅を法務省ほか関係の係官が調査に入ったという新聞記事も出ているわけです。これは何か高島にそういう一時的な収容施設を設けるという計画があるのかどうか、その辺もあわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○股野説明員 ただいま委員御指摘になりました大村の難民一時レセプションセンターの収容状況でございます。ただいま収容定員が二百名のところをはるかにそれを上回る人員が収容されているという状況を御視察いただいたというお話を伺いましたが、現在もそういう状況が続いております。相次ぐボートピープルの到着によりまして、従来の体制の中ではこれに対応するだけの十分な施設の用意がございませんでして、そういう状況下で大村の難民一時レセプションセンターで収容定員をはるかに上回る人員を収容せざるを得ない状況に直面しているということは事実でございます。その結果、ただいま委員御指摘のように、例えば給食の問題を含めまして宿泊施設の問題でやむを得ずテントを使用しなければならないという状況にも直面いたしております。私どももこういう状況を一刻も早く改善したいと望んでおりまして、そのための一時レセプションセンターの施設の拡充ということについて鋭意検討をいたしているところでございまして、ぜひその検討を急いで対処ぶりを確立したいと考えているところでございます。 また、ただいま委員御指摘のございました法務省係官が高島町を訪問したという件でございますが、これは、難民の到着が相次ぎまして、大村の一時レセプションセンターがこのように収容定員をはるかに上回る人員を収容しなければならないという状況がございます関係上、早急に当局側として施設の拡充を検討する必要に迫られているわけでございまして、その検討の一環として、参考となるいろいろな情報を当方としても入手したいという観点で、その参考にさせていただくために係官が高島町を訪問したということでございます。しかし、具体的に今後どういう方途によってレセプションセンターを拡充していくかということについてはなお引き続き検討中でございますので、具体的なことについては何ら結論をまだ得ておりません。しかし、まず大村にありますセンターそのものの施設の拡充ということを最も急ぐべきであろうと考えて現在検討を急いでいるところでございます。
○田口委員 大村のセンターを早急に拡充するというのが一つの基本的な考えだろうと思うのですが、鋭意検討ではこの問題というのは解決しないのですよ、もう早急に結論を出してもらわないと。 それから、高島は参考に見ただけであって具体的なものはないのですね。これは、私は地元の町長とも話をいたしまして、高島鉱の閉山の問題は六十一年からずっと私もかかわってきた経過がありますから、それはひとつはっきりさせていただきたいと思うのです。参考に見ただけで別に高島に一時収容施設を設けるという考え方はないわけですね。そこのところ、どうですか。
○股野説明員 まず施設の拡充についての検討、これは早急に結論を出して実施するということが大事でございますので、そういう意味での検討を急いでいるということでございまして、対策はぜひ急ぎたいと存じております。 それから、高島町の係官の訪問につきましては、ただいま委員御指摘のとおり高島町について何ら具体的な考えは今持っておりませんで、あくまで参考として係官が訪問をしたということに尽きるわけでございます。
○田口委員 それでは、以上でもってベトナム関係の質問を終わらせていただきまして、本題の人事院勧告の問題について幾つかお尋ねをいたしたいと思います。 私も八月四日に出された勧告をいただきまして一わたり拝見をしたわけでございますが、率直に言っていろいろ問題点がございます。とりわけ期末・勤勉手当が各〇・一カ月今回の勧告によって増額された。たしか十一年ぶりではなかったかなというふうに思います。そのことは結構だと思いますが、私は、官民比較からいくと〇・二カ月分というのはやはり低過ぎるのじゃないか、もっとこれを上げてしかるべきではないか、こういう考え方も持っておりますし、その他幾つかまだまだ不十分な点もあるのではないかというふうに率直に言って感じているわけです。 その中で、週休二日に関連をして週四十時間勤務制の試行という新しい提言が出てきていますね。私は、週休二日を将来展望した中での一つのステップであり、前進をした人事院の考え方だというふうにこれは評価をしたいと思うのです。ところが、これを拝見してみますと、非常に抽象的なことで、何を言っているかわからないのですよ。今後これは恐らく総務庁でも具体的な検討に入られると思うのですが、まず人事院としてはどういうことを頭に浮かべてこういう交代制職場における四十時間試行問題について提言をなされたのか、中身を少しお知らせいただきたいと思います。
○大城説明員 職員の週休二日制につきまして、人事院としては国全体の労働時間短縮の計画期間内における完全週休二日制の速やかな実現に向けて、そのための条件整備を計画的に進めていく必要があるという考え方で来ております。その際に、現在土曜閉庁を実施していない部門等における交代制勤務等の職員につきましては、週四十二時間勤務制による弾力的な形態の四週六休制、これを現在実施しているわけでございますが、これらの職員につきましては、完全週休二日制へ移行するということにかんがみます際に、週四十時間勤務制を試験的に組むことによりまして現行の勤務体制等につき大幅な見直しを行う、そういうことによって完全二日制へ移行する条件を整えていくということが必要であろうかというふうに考えているわけでございます。 いわゆる閉庁方式をとっております職員につきましては、その閉庁を実施している週においては既に週四十時間、つまり完全二日制が実現したときの週当たりの勤務時間が実現しているわけでございますから、その限りにおいて、完全二日制を実施したときの問題点等がそういう閉庁方式を実施することによって明らかになってくる。しかし、こういう交代制等の職員につきましてはそういう形が現実に行われていない。したがって、完全二日制へ向かうに当たりましていろいろな問題点がある。そういうものを克服するためには、試験的に完全週休二日制に見合う週四十時間勤務制を実施してみるということによりまして実地に即した問題点の把握と対応策の検討が進められることになるという考え方で、今回、週四十時間勤務制の試行を提言したという趣旨でございます。
○田口委員 いや、説明の趣旨はよくわかるのですよ。ところが、具体的に浮かんでこないのですよ。例えばどういう交代制職場でどういう形だったら試行はできるのだろうか、そういうのは全然描いていないのですか、どうですか。
○大城説明員 交代制等の職員と申しましても実態が非常にさまざまでございます。閉庁による四週六休を基本といたしておりますけれども四週六休ができないところ、あるいは四週六休ということにはなっておりますけれども土曜の閉庁はできない、土曜日も開庁してそこを交代制でやっているという部門、さまざまな部門があるわけでございます。そういうさまざまな部門について同一の形で完全二日制へ向けての勤務体制を組むということはなかなか難しいわけでございますから、それぞれの職場において完全二日制に見合う勤務体制を実行すればどういう形になるか、これは先生も御指摘のようにさまざまな形がありまして、画一的にどういう場合にどうだというふうに言うことが非常に難しいわけでございます。私どもとしては、完全二日制に向かう際にさまざまな職場でいろいろな工夫がなされる必要がある、そのときにどういう形態があるかということは、各省の職場の実態を踏まえて、それぞれの職場で完全二日制に見合う週四十時間体制を組むとすればどういう交代勤務が考えられるか、その際にどういう問題点があるかということを具体的に検討する、それがまさに試行の意味だということで、抽象的な言い方で御理解がなかなか難しいかと思いますが、さまざまな形態があり得る、その工夫をしていただくという意味が込められているものでございます。
○田口委員 まだわからないのですよ。総務庁、どうですか。今人事院の方からこういう提言があって、土曜閉庁が実施困難な職場で、交代制勤務職場というのがまさにそのとおりなのでありますが、四週六休で現実に交代制勤務を組んでいる、では、今の体制の中で四十時間で試行できるのだろうか。どうも疑問でならないのですよ。せっかく人事院が提言をしているわけですから、これは努力してもらわなければいかぬと思うのですが、総務庁としては見解はどうですか。何か具体的なものがありましたらひとつお願いしたいと思います。
○勝又説明員 今回人事院から提言されましたいわゆる試行につきましては、今後人事院においていろいろと具体的な方法等について御検討がなされるだろうと思うわけでございますが、この問題は単に職員の勤務条件だけの問題ではございませんで、業務運営の問題、能率の問題に深くかかわるものでございますので、私どもといたしましても、まず政府部内において十分検討いたしたいとは思っております。 ただ、具体的にどのような形になるかということにつきましては今のところ全く白紙でございまして、当面は事務的に、人事院とも相談しながら、関係省庁間において、例えば人事管理運営協議会あるいはその幹事会などの場を通じまして事務的に研究をしてまいりたい。ある程度方向性が出た段階で関係閣僚会議を開きまして、結論と申しますか今後の方針を確定いたしたいと思っておるところでございます。現在どういうイメージがあるかということになりますと全く白紙でございます。
○田口委員 大変重要な問題なので、せっかくの人事院の提言でもありますし、週休二日制への移行へ向けて総務庁としても十分協議をしながら取り組んでいただきたい。同時に、これはそこに働いている人の労働条件にとって大きな影響を受けるわけでありますから、当然労使の問題としてこの問題についても十分関係団体と協議を進めていただきたい、このことを私は申し上げておきたいと思います。 そこで、週休二日に関連をして今大きなネックになっているのは医療関係職場と学校関係ですね。きょうは時間がありませんから文部省来ていただいておりませんが、人事院として学校五日制についてどういう考えを持っておられるか。これは、文部省じゃないわけですから人事院としての考え方で結構ですが、ひとつお願いしたいと思います。
○大城説明員 私どもは職員の勤務条件という面から主として考えているわけでございますが、そういう点から考えますと、学校につきましても本来的には閉庁方式による週休二日制、つまり学校五日制という方向に向かって検討が進められることが好ましいと考えておりまして、そういう検討を文部省にいろいろお願いしているということでございます。
○田口委員 次に、本年度勧告の中で新たに単身赴任手当が新設をされました。二万円から最高三万八千円まで距離によって加算をされてくるわけですね。私は単身赴任の問題はたしか昨年の本委員会でもいろいろ論議をしたと思っておりますが、この問題の基本的な解決は、いろいろな、人事面であるとか教育の問題、宿舎の確保の問題、こういうさまざまなことを総合的に考えていかなければ解決しない問題です。単身赴任手当の支給というのも一つの前進面であると思っているわけです。ただ、私は、この手当が新設をされたために単身赴任問題についての総合的な検討とか取り組みがなおざりになってくるのじゃないか、これをちょっと心配するわけです。そういうことはないと思いますが、見解をいただきたいと思っています。 それからもう一点、直接単身赴任手当とは関係がないかもわからないのですが、従来からの旅費規程の中の赴任旅費ですね。これは随分長い間改定されておらないのじゃないかと思うのですね。ですから、公務員で任地に赴任をする場合に家族も一緒に行くわけですから、この赴任手当が非常に低いということによって単身で行ってしまうとか、こういうケースもあり得るのではないか、こういう考え方もあるわけですが、この赴任旅費についての改定の考え方はないのかどうか、これもちょっとついでにお聞きをしておきたいと思います。
○菅野説明員 第一点の単身赴任手当の創設が単身赴任を助長することにならないかという御質問に対しましてお答えいたします。 単身赴任は、職員の心身面に与える負担とかあるいは公務能率に及ぼす影響などを考慮すれば、まず単身赴任を減少させるための努力が必要であることは言うまでもないところでございます。昨年の勧告の際にその点を指摘いたしまして、各省の協力のもとに、その減少につきまして取り組んできた次第でございます。例えば、各省ヒアリングの際、あるいは人事管理官会議、各省連絡会議等々を通じまして徹底を図ってきたところでございます。 しかしながら、すべての単身赴任をなくすることは不可能だということでございまして、現にやむを得ず単身赴任をしている職員が相当の経済的負担を負っている実情があることやあるいは民間企業におきまして単身赴任者に対する措置が相当普及している状況等を踏まえまして、これらの単身赴任の経済負担の軽減のために給与上の措置が必要であるということで、今回勧告の中に盛り込んだ次第でございます。 手当の新設に当たりましては、帯同赴任者との均衡についても十分吟味いたしましてその手当額を決定いたしております。また、手当は単身赴任の経済的負担の一部を補てんするにすぎないということや、さらに単身赴任者の負担は経済的負担にとどまらず、精神的、身体的負担等も大きいということから、手当の新設が単身赴任を拡大することにならないように考えておるわけでございます。 なお、今後とも単身赴任の減少努力は続けていきたいと考えております。先生御指摘のように、単身赴任については単に手当の新設にとどまらずあらゆる方策を講じていかなくてはならない。例えば、今挙げられました赴任旅費の問題もございます。それらを関係機関とよく連絡を取り合って今後とも引き続き検討を続けていきたいということでございます。
○田口委員 今の点でもう一点お尋ねをします。 来年四月一日からこの単身赴任手当が支給開始になるわけです。これは私の個人的な考え方かもわかりませんが、こういう手当が新設をされる、将来にわたって改定財源の中で手当の比率が高まっていくのではないか、そうすると、それは本給分であるとか他の手当にはね返ってくるのではないか、こういう気もちょっとするのですが、その辺はどうでしょうか。
○菅野説明員 単身赴任につきましては、先ほど申し上げましたように、現今の受験戦争や高齢化の進展等という社会状況が背景となりましてそういうような単身赴任というものが生じたわけでございます。そして、そこに単身赴任者の経済的負担というものが生じておるということでございます。それで、民間企業におきましても、多く別居手当の名称で賃金上の措置を講じておるわけでございまして、これらは、現在民間企業実態調査を通じて官民比較の算定基礎として把握されております。そういうことから、今回の単身赴任手当のうちの一律定額部分、二万円の部分でございますけれども、これらにつきましては、較差の配分の問題として措置させていただいたわけでございまして、この点御理解いただきたいと思っております。
○田口委員 時間がだんだんなくなってきましたので、最後に一点。さっきちょっと忘れておりましたが、学校週休二日制の問題ですね。これは一体、文部省と人事院との間で具体的な話し合いというものが行われておるのかどうか、これをちょっとお聞きしておきたいと思うのです。
○大城説明員 学校関係の週休二日制につきましては先ほど申し上げましたような状況であるわけでございますが、いろいろ教育課程の問題、児童生徒の生活の問題等がありまして、閉庁が実施できないという状況になっております。その中で、私どもとすれば、職員の勤務条件の観点から、やはり学校週休二日制を進めるという方向に努力していただきたいという意味の話し合いを文部省とはしておりますし、今回、先ほど申し上げました週四十時間制の試行に関連いたしましても、学校部門についての御検討を文部省にお願いしたい、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
○田口委員 以上で終わります。 ありがとうございました。
○吹田委員長 次に、井上和久君。
○井上(和)委員 人事院勧告というのは、言うまでもなく国家公務員の労働基本権の制約に対する代償措置であります。民間では、ほとんどがベースアップあるいは給与改定というのが春から夏にかけて行われております。そういう意味で、先ほども議論ございましたように、早く実施をされることが大事だというふうに思います。ともかくも、全国五十数万の公務員の生活に直接関係するものであります。速やかに完全実施されるべきであると考えます。臨時国会の時期がまだ明確ではございませんが、臨時国会召集後には速やかに人事院勧告に伴う関連法案を提出されるようお願いいたしたいと思いますとともに、ぜひこれを完全実施をしてもらいたいと思います。まずはこれについての御決意を賜りたいと思います。
○森山国務大臣 人事院勧告の取り扱いにつきましては、政府といたしましてはこれまでも人事院勧告制度尊重の基本精神に立ちまして対処してきたところでございます。今年度につきましても、国政全般との関連を考慮しつつ、勧告の完全実施に向けて最大限の努力をしていきたいと考えております。 また、今年度の人事院の給与勧告の取り扱いにつきましては、引き続き給与関係閣僚会議を開催いたしまして検討を進めることにいたしておりまして、現段階において閣議決定、法案の提出時期等については何とも申し上げかねる次第でございます。
○井上(和)委員 今回、我が国政府の初の女性の官房長官、森山長官が就任をされたのであります。女性が就任されたからというので改めて申すわけではないのでありますが、私は常々感じておりましたが、大臣あるいは省庁の局長クラスの方のもとに諮問機関がたくさん設置をされておるというふうに聞いております。その委員に女性の方の参加というか、委員に任命されている人が男性に比べて非常に少ないというふうなことも聞いておるわけでありますが、女性の意見をしっかりと取り入れるということが大変大事なことでもあると思いますので、そういうことを含めまして現在どのぐらいの率で女性の方が参加をされておるか、また、これを今後どういうふうにされていこうと思われるか、この点について官房長官に御所見を伺いたいと思います。
○森山国務大臣 先生御指摘のとおり、審議会におきます婦人委員の数をふやしていきたいという努力をここ十年余りしてまいったところでございますが、昭和五十年、ちょうどこの運動が始まりました最初の時期には、審議会の中に占めます婦人の委員が二・四%でございました。しかし、努力の成果が少しずつ実ってまいりまして、ことしの平成元年三月三十一日現在では六・七%というところまで参っております。しかし、さらに努力を進めまして、一〇%の目標を達成したいと考えている次第でございます。
○井上(和)委員 官房長官、ありがとうございました。以上で結構でございます。 さて、今回の勧告の中で、公務員の完全週休二日制について「国全体の労働時間短縮の計画期間内における速やかな実現に向けて、更に積極的に検討を進める」よう勧告をされております。民間においては週休二日制を実施している事業所がふえてまいりました。完全週休二日制をとっている事業所の割合は二五・四%、こういうふうに伺っております。国といたしましても本年一月から土曜閉庁方式によりまして四週六休制を実施しております。これをさらに一歩進めて、国が民間を先導して完全週休二日制の導入を検討すべきであると私も強く思うわけでありますが、これにつきまして総務庁の考えをお伺いいたしたいと思います。同時に、各省庁との検討あるいは協議というものが行われておるかどうか、この辺についてもお教えいただきたいと思います。
○水野国務大臣 最初に私からお答え申し上げますが、ただいま井上委員のおっしゃったように、完全週休二日制の導入については政府も各方面と協議をして今やっている最中であることは御承知のとおりであります。 御承知のとおり、先進国として労働時間の水準をなるべく短縮していきたい、これは国全体として考えていることでもございます。労働時間の短縮を推進していく中で、特に公務部門、公務員の問題については、週休二日制による労働時間の短縮は御承知のとおり大分進んでまいりました。問題は、民間の中で金融機関などは大変先行しておりますが、なかなか中小企業なんかがまだ進んでおりません。 昨年の五月二十七日に閣議決定をされました「世界とともに生きる日本」という経済運営五カ年計画がございますが、この中で「業務の一層の効率化等を図りつつ、国民の合意を形成し、完全週休二日制を実現するよう努める。」というふうにもうたってございます。この中の「国民の合意を形成し」というところがある程度問題でございまして、余り官ばかり先に二日間休みますと、地方へ行くと、井上委員も御経験があると思いますが、中小企業ではまだ日曜日働いているようなところもあります。日曜日は休むのは当たり前でございますが、土曜日いろいろなところへ行きましたら、我々は働いているのにお役所はもう休んでしまっている、けしからぬという、公務員の給料は全国的にはまだ民間より低いわけでありますが、地方へ行くと公務員の方が給料が高いというところもありまして、そういう批判をまだ若干受けております。そういう意味で、国民の合意をまとめながら、半歩前進、半歩前に出てといいますか、一歩前に出て、完全週休二日制を早く実施したい、こういうふうに考えている最中でございます。
○勝又説明員 公務員の時間短縮に当たりましての各省との連絡協議の状況について補足的に御説明申し上げます。 これまでの四週六休制の実施あるいは土曜閉庁の導入に当たりましては、各省庁の官房長を構成員といたします人事管理運営協議会において事務的にいろいろ検討を進めてまいりまして、一定の段階で週休二日制・閉庁問題関係閣僚会議において必要な協議、調整を行ってきたところでございます。 また、今般人事院の報告におきまして提言のございました、特に交代制勤務職員に係る四十時間勤務制の試行、これにつきましては、当面は今申しました人事管理運営協議会ないしはこの幹事会を中心といたしまして事務的に検討を進めたいと考えておりますが、一定の段階が参りましたらこれも関係閣僚会議を開催いたしまして結論を出していただくということになろうかと思います。 その他実質的な時間短縮につながります年次休暇の使用の促進につきましては、夏場その他適切な時期におきますまとめどりなどの計画的な使用を推進いたしておりまして、これにつきましては、私ども各省庁に通知いたしますとともに、先ほど申しました人事管理運営協議会の場を通じましていろいろと御要請申し上げております。 さらに超過勤務の縮減、これにつきましても、いろいろと関係省庁と研究会を重ねまして検討を進めておる、こういう状況でございます。
○井上(和)委員 次に、労働省にお伺いをいたしたいと思います。 我が国経済は、GNP規模におきまして世界でトップの、まさに経済超大国と言われるようになりましたが、しかし国民は、経済大国にふさわしい豊かさを享受しているとは言えない。実感として依然として国民生活に豊かさを感じないと言われております。経済力と国民生活の実感との間にギャップがあるということであります。 先ほどお話にもありましたが、昨年の五月、政府は「世界とともに生きる日本」と題する経済五カ年計画を閣議決定されました。その中で具体的に三つの課題を掲げておられます。その一つに、「豊かさを実感できる多様な国民生活の実現」というのがあります。これは、今までの経済計画の中でいわゆる国民生活の問題というものが経済計画の重要課題として取り上げられたということがなかったのではないか、こういうふうに思いますので、その意味からいいましてこれは大変いいことではないかというふうに思います。豊かな国民生活を実現するために土地と住宅問題、さらには労働時間の短縮、内外価格差の縮小等が挙げられております。 そこで、きょうは、時間の関係もありますので、この労働時間の短縮という問題につきましてお伺いをいたしたいと思います。 経済五カ年計画の中で大事な構造調整政策の具体策として、この労働時間の短縮がありますが、五カ年計画期間中に週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間千八百時間を達成する、こういうふうになっております。また、昨年の六月に閣議決定をされました第六次雇用対策基本計画に基づきまして一九九二年度、平成四年度までに達成する目標を決められておるのであります。しかし、労働省の勤労統計調査によりますと、六十二年度の年間総労働時間は二千百二十時間となっております。そして、労働時間短縮のために改正をされた労働基準法施行後の六十三年度の年間総労働時間は二千百十時間でありまして、ほとんどこれは短縮をされていないのであります。一九九二年度までに年間千八百八十時間にするには、年平均しまして六十時間ずつ短縮しなければならないわけでありまして、昨年のペースから見ると計画期間中の目標達成というものは極めて困難ではないか、こういうふうに言わざるを得ないと思うわけでありますが、労働省は、この点についてどのように認識をされておられるのか、また、どう対策を講ずるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○諏訪説明員 先生御指摘の点でございますが、年間総実労働時間を千八百時間程度に向けできる限り短縮するという目標の達成は容易なことではないと思っておりますけれども、昭和六十三年度の労働時間、年度の労働時間について見ますと、景気の拡大を反映しまして所定外労働時間は前年度に比べまして六時間増加しておりますが、改正労働基準法の施行に伴いまして所定内労働時間は二十六時間減少するという状況で、千九百十二時間と、過去最低となっております。総実労働時間では二十時間ということで、年度でございますけれども二千百時間と、着実な短縮傾向が見られるところでございます。 労働省としましては、今後ともこうした動きを着実なものとしたいということで、年間総実労働時間の千八百時間程度への短縮に向けまして、完全週休二日制の普及促進というものを基本に、中小企業に対しますきめ細かな指導、あるいは労働時間の短縮と申しますとやはり国民的コンセンサスの形成が必要だということで、各般の施策を推進しているわけでございまして、このような施策を積極的に推進することによりまして、目標の達成は不可能なことではないと現在は考えております。
○井上(和)委員 かつて政府は、昭和五十四年八月に新経済社会七カ年計画及び第四次雇用対策基本計画、これを閣議決定いたしまして、我が国の労働時間の水準を六十年度までに欧米主要国並みの水準に近づけるとしてきましたが、これが計画倒れに終わったという経緯がございます。政府はもっと実効ある施策を強力に推進しなければ千八百時間という目標は達成できないと考えるわけです。五十年代に入ってほぼ横ばいであるというふうな認識を持っておるわけでありますが、この時短が進まない要因は、先ほど若干触れられましたが、基本的にどこにあるのか、これをどう解決していくことが大事か、それに対しての取り組みをもっと詳しく伺いたいと思います。
○諏訪説明員 我が国の労働時間は、先ほど御指摘のように、高度成長期には週休二日制というのが非常に普及したということもありまして大幅に短縮したわけでございます。五十年代に入りまして、短縮のテンポというのは鈍化しております。この原因としましては、生産性向上のテンポの鈍化とか企業の減量経営ということが大きいというふうに考えております。 時短の進まない要因でございますけれども、週休二日制の普及のテンポが一番の問題であります。企業が週休二日制を実施しない理由というのは、関連企業とか取引先との関係、あるいは同業他社が余り実施していない、こういう理由を挙げているものが多くなっております。特に中小企業につきましては、経営基盤あるいは取引先である親企業の発注方法等に影響されるといった問題があるということで時短が進みにくい、これも一つの要因になっている。それで、業種によりましてはその業務の実態等の特性から時短を進める上で困難が多いというふうに私どもは考えております。 このために、労働省といたしましては、従来から地域別あるいは業種別の集団的な取り組みを推進するということを基本に置いてやっておるわけですが、特に本年度から企業系列といったものも集めまして集団的な指導をやっておくというようなことを中心に施策を展開しておるところでございます。
○井上(和)委員 努力されておると思います。今お話にもありましたように、地域別あるいは企業別にとらえることも大事だと思いますが、特に私が知る限りにおきまして、今、日本の産業の中心になろうとしておりますサービス業関係の時短というのが極めておくれておるのじゃないか。非常に長く働いておるという思いもするわけでありまして、こういう意味からいいまして、ぜひ地域別あるいは業種別というようなことで時短を強力に推進をしていただくということが大事だと思いますので、引き続き努力をお願いしたいと思います。 ヨーロッパの諸国に比べまして著しく長い我が国の労働時間というものは、対外経済摩擦の要因ともなっております。完全週休二日制を初め、休日、休暇の増加によるところの生活の質の向上、さらにはワークシェアリングによる雇用の増大は、指摘するまでもなく我が国の大きな課題であると思うわけであります。 完全週休二日制の実施を事業所規模別に見ますと、規模が大きいほど普及率は高く、中小零細企業での普及率は低水準にとどまっておる、これは先ほどお話のあったとおりでありますが、このために総労働時間短縮に向けた企業経営上のノーハウ開発を支援し、その成果を普及することにより企業の計画的な取り組みを推進していく必要があると思います。 特に中小零細企業については、取引先企業や同業他社との関係、そういうふうな点で時間短縮が非常に進みにくいということは御指摘のとおりでもありますが、これらの点に十分に注意をされまして、まずは時間短縮の促進助成金というような制度をぜひ設けるべきだと思います。単なる指導だけでありますとどうしても進みにくいというのは事実であると思いますので、それに伴う例えば時間短縮のための時短促進助成金といいましょうか、こういうふうなものを支給して援助していくと、これが話だけでなく、指導だけでなく、具体的なものとしてどんどん進んでいくのではないかと思います。 また、国民休暇週間あるいはリフレッシュ休暇制度、こういうふうなものを法律でもってとらなければならないというような一つの義務づけみたいなものをぜひ行うべきではないかと思います。そうすることによって、より今までの指導が効果的になるであろうし、具体的な時短の推進になるのではないかと思いますが、このことにつきまして、これは労働省と通産省のお考えを伺いたいと思います。
○諏訪説明員 中小企業の時短を促進するための助成金の創設の関係でございますけれども、労働時間短縮を進めることが困難であるということをもって助成金を支給するといったような援助が適当かどうか。あるいは私ども、労働基準法の改正ということで取り組んでおりまして、労働条件の最低基準であるものを遵守させるために、基本的な問題のほかに、助成金支給の効果などいろいろ検討すべき問題がございまして、直ちに導入することは困難であるというふうな認識をしております。それで、中小企業に対しましてはきめ細かな指導、援助をあらゆる対策を通じてやっていきたい、こういうふうに考えております。 また、有給休暇、連続休暇の関係でございますが、私どもといたしましては、年次有給休暇の完全取得ということで、ゴールデンウイークあるいは夏の休みというもので民間企業に対しましていろいろ働きかけ、またそういう形で動いておりますけれども、労働基準法の上では年次有給休暇の消化ということをまず第一に考えてまいりたいと思っております。
○中村説明員 中小企業庁でございます。 中小企業の労働時間につきましては、例えば完全週休二日制の実施企業ですと大企業が三七%であるのに対し中小企業が四・六%であるとか、また労働者の平均労働時間が大企業が二千百に対して中小が二千百二十、これを所定内労働時間で比べるとさらに格差が開いて、大企業が千八百六十六時間に対して中小企業が千九百五十五時間というふうに格差があることは御承知のとおりだと思います。 他方、ゆとりある中小企業ということに関しては、労働時間の短縮が不可欠というふうに中小企業庁としても認識しており、また、中小企業が発展をしていくためには優秀な人材の確保が不可欠ということで、通産省としても中小企業の労働時間の短縮に向けての努力を進めさせていただきたいと考えております。 他方、中小企業が実際に労働時間を短縮しようとするとさまざまの障害があることも事実でございまして、例えば一番大きなのは取引先、お客との関係でございますし、次に大きな問題としては、その分コストが上がる、それをだれが引き取ってくれるのかという問題がございまして、競争相手もしくは海外との競争の問題等がございましてなかなか進めにくいのも事実でございます。中小企業庁としては、設備投資の促進、技術力の向上等、生産性を向上させていきつつコスト問題を克服し、また関係方面の理解を取りつけながら週休二日、短縮問題を進めていくことを期待しております。 通産省は、平成元年度、中小企業のためのものでございますけれども、改正労働基準法の啓蒙、普及とか労働時間の短縮のための予算に加え、都道府県が行う中小企業の指導事業に労働福祉事業というものを加えたところでございます。また、現在、中小企業庁内部に有職者による検討の場を設けて、今後どういうふうに行えば先生の御指摘にありました中小企業の時間短縮がうまく進むかということに取り組んでいっておるところでございます。 以上でございます。
○井上(和)委員 労働基準法を改正して年次有給休暇をとりやすいようにぜひやっていただきたいというふうに思うのでありますが、年次有給休暇、今のところ取得率が五〇%くらいだと言われております。だから半分ですね。そういうふうな状況でありますので、これはぜひそんなことのないように努力をしてもらいたいと思います。 それから、経済大国としての豊かさが実感できない、この要因でありますが、労働時間が長いということとともに賃金の問題があるというふうにも思うのです。我が国の労働分配率というのがヨーロッパ諸国に比較をしますと低下している、こういうふうに言われております。経済企画庁の経済白書を読ませていただきましたが、この部分について触れられている部分が随所に出ております。この近年労働分配率が下がっている現状というものを御説明願いたいと思います。
○土志田説明員 お答えいたします。 今年度の経済白書では、最近の動きといたしまして、日本経済の高度化、グローバル化、ストック化というようなことを中心にいたして分析をしております。高度化の中の課題といたしましては、やはり先生御指摘のように、経済力の大きさにもかかわらず見合った豊かさが実感できない原因といたしまして、長い労働時間というようなことを指摘をしております。さらに、同時に内外価格差の問題、高い物価水準というようなこと、さらにストック化の中では、住宅、土地問題というようなことを指摘をしております。特に今回の白書では労働分配率自身というようなことは直接には取り上げておりませんで、賃金、物価の決定が最近どう変わってきているか、全体といたしましては、どちらかといえば物価を安定させる方向に進んできているというようなことを指摘しているわけでございます。 今申し上げました労働時間につきましては、労働生産性の向上というのが非常に重要であるというふうに指摘をしておりまして、その点を今後の課題というふうに考えております。それが時短なり賃金なりに分配されていくことを期待しているということでございます。
○井上(和)委員 日経連は、労働時間の短縮というのがコストアップにつながるというふうに主張をしております。さらには、賃上げ抑制論を主張しているというふうに言われております。こういうところにも大きな原因があるというふうに思うのですが、経済企画庁が六十二年の六月に出されました「経済成長と所得分配」という研究の中で、労働時間の短縮はコストアップにならない、こういうふうに述べておられます。この中で、「労働時間一%の短縮は生産性を約〇・七%上昇させる」こういうふうに言われております。ちょっと長いのですが引用いたしますと、「労働時間の短縮は、労働生産性向上の成果配分として行う限りコストアップとはならず、コスト面から設備投資を圧迫することはないと考えられる。労働時間の短縮を生産性向上の成果配分として行えば、賃金コストは不変に保たれるのである。それどころか、労働時間の短縮は時間あたり生産性向上の効果を伴うため、労働時間短縮が成果配分として行われる限り、賃金コスト不変のままで一人あたり生産性を上昇させることさえ可能となるのである。」こういうふうにお書きになっております。これはすばらしい御意見でもあると思うのです。つまり、こう言いますと日経連の主張というものは正しくない、当てはまらない、こういうふうになるわけでありまして、私は、経済企画庁や労働省は経営者側にこのことを明確に主張して啓蒙してもらいたいと思うわけであります。 賃金コスト、労働時間の分析も含めまして、経済企画庁と労働省の方々にこのあたりについてお伺いをいたしたいと思います。
○諏訪説明員 労働時間の短縮というのは、基本的には労使の話し合いで進めていくということにあるわけでございますが、労働時間の短縮というのが余暇関連消費を中心とする個人消費の拡大等を通じまして内需を拡大させる効果を持つと考えられるということで、内需拡大効果についての試算を行い、いろいろ啓蒙、啓発をやってまいったわけであります。今後とも、労使の理解を得ながら時短を進めていくということにしていきたいと思っております。
○土志田説明員 先ほども申し上げましたけれども、マクロ的に申し上げますとやはり労働生産性の上昇が非常に重要であるということは、私ども経済白書でも述べておりまして、その点がまずあってそれが労使の交渉の中でどういう形で時短なりなんなりに実現をしていくかということではないかと考えております。そういう意味で、まずはいろいろな分野における生産性の向上ということを規制緩和あるいは設備投資の増強で進めていくことが必要ではないかというふうに考えております。
○井上(和)委員 ぜひそういうことで生産性の向上ということの重要性をしっかりと啓蒙していただいて、そしてこの分配率をぜひ上げていただくように努力を願いたいと思います。 時間が参りましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○吹田委員長 次に、塚田延充君。
○塚田委員 まず、宮内庁にお尋ねしたいと思います。 私たち国民にとって大変朗報でございますけれども、礼宮殿下の御結婚ということがマスコミを通じて報ぜられております。このことについて二、三お伺い申し上げたいと存じます。 まず、この礼宮殿下の御結婚問題の事実関係について簡単に御報告願いたいと思います。
○宮尾説明員 礼宮殿下といろいろ報道されておりますように川嶋紀子さんとの御結婚の話し合いが現在進められておりますことは、そのとおりでございます。
○塚田委員 御結婚ということになりますと、最初の手続は皇室会議においていろいろ決定されるわけでございますが、今皇室会議のメンバーに欠員が出ているというような状況もございますけれども、そういう欠員の補充なども含めて開催の時期についてどのようになっておられるでしょうか。
○宮尾説明員 まず、皇室会議のメンバーでございますが、これは皇室典範にも記載されておりますように十名ということになっております。ただいまの状況でございますが、皇室会議の十人のメンバーの中で皇族二人がそのメンバーの中に入っておりますが、お一人が現在欠けておるという状態になっております。したがいまして、宮内庁といたしましては、来月の五日に皇族である皇室会議の議員を、これは互選によって選ぶということになっておりますので、選挙によって選ぶ手続を現在進めておる段階でございます。 それから次に、皇室会議をいつ開くか、こういうことでございますが、皇室会議につきましては、皇室会議の議長である総理大臣にお伺いをいたしまして九月の十二日に開催をいたしたいというふうに予定をいたしておるわけでございます。現在その手続を進めようという状況でございます。
○塚田委員 御結婚に至りますまでの諸儀式また結婚の儀式そのものと天皇陛下の即位の礼との関係、特に前後関係などがどうなるのか、御説明いただきたいと存じます。
○宮尾説明員 これは御承知のように、皇室典範の第十条には「皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。」ということで、皇室会議によりまして初めて婚姻の法律的要件というものが整うわけでございます。したがいまして、御結婚にかかわるその後の一連の儀式をどういうふうに、いつの時期に進めていくかということは今後の問題でございまして、まだその点については具体的に定まってはおりません。 それから御大礼との関係についての御質問でございましたけれども、明年予定されております即位の礼との関係をどうするかということにつきましても、これはただいまのようにまず皇室会議でその御了承を得た後、具体的にどういうふうにしていくかということを取り決めていくことになりますので、これもただいまここで具体的にどうなるのかということを申し上げる段階ではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○塚田委員 兄宮でございます皇太子殿下の御結婚問題との関係でございますけれども、従来皇室というのは秩序であるとか先例とかを重んずることが多かったと思います。そして今度の礼宮殿下の件に関しましては、マスコミなどを通じて伝わってくる天皇陛下の御意向としては、そういうことにはこだわらなくていいんだというような、大変民主的な開かれた皇室と受け取っていいような御意向が伝わってきているわけでございますけれども、それらとの関連において皇太子殿下の御結婚問題が今どうなっておるのか、御説明できる範囲内で御開陳いただけたらと存じます。
○宮尾説明員 皇太子殿下の御結婚の見通しということでございますけれども、これは私ども宮内庁といたしましてもできるだけ早い機会にそういう方向で実現できるようにいろいろな努力をいたしておるわけでございますが、ただいまここで具体的に申し上げる段階にはまだ至っておらないわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
○塚田委員 礼宮様の場合、まだ英国留学の期間が残っておられるとか、また、兄宮殿下との関連とか、いろいろございますけれども、最終的には御結婚というのは個人問題でございますので、ぜひ礼宮殿下の御希望を生かしながらしかも立派な国家行事として国民全体がお祝いできるような形に持っていってほしいという要望を申し上げまして、本件についてのお尋ねを終わらせていただきます。 それでは、本日の主案件でございます人事院勧告の問題に移らせていただきます。 このたびの人事院勧告につきましては、官公庁労働者であるとかその団体にとりましてはまだまだ賃金であるとか労働条件改善が不十分であるというような指摘もされていることは事実でございますけれども、週休二日制について非常に積極的な姿勢をとられたり、また、単身赴任手当の新設など、着実に官公庁労働者に対して配慮の厚みを増しているということは事実であると私は評価したいと思います。したがいまして、要はその完全実施を早く徹底させるということが重要だと存じます。 それでは、本件に関し具体的な懸案事項二、三点について質問したいと思います。 まず、完全週休二日制についてであります。その早期実現は、国民が精神的にも肉体的にも健康で文化的な生活を享受するための必須条件であり、いわば天の声でもございます。やや先行しておる感じのございます民間に対し、官公庁もそれに追いつく必要があること、同時に、それがまた大きなインパクトになって逆に民間の中小企業に完全週休二日制が普及することになるというような相互牽引の関係があるわけであります。したがいまして、官公庁における完全週休二日制の早期実現は、単に官公庁労働者のみの問題ではなく、全国民的な意義を持つと考えるべきでございましょう。 それでは、その具体的な検討をどのように進め、諸条件の整備をいかようにしてやっていくのか、スケジュールを含めて具体的にお示しいただきたいと思います。
○大城説明員 国の職員の週休二日制につきましては、これまで四週五休、四週六休と、段階を踏んで進めてきております。ことしの一月から閉庁によります四週六休制が実現して実施されているわけでございます。次の目標になると思われます完全二日制につきましては、国全体の労働時間短縮の計画期間内における速やかな実現を目標といたしまして、そのための施策を計画的に講ずる必要があると考えているわけでございます。民間における週休二日制、時短の進展状況、土曜閉庁の実施状況などを踏まえて、その実現に向けての検討をさらに積極的に進めたいと考えております。 その際問題になりますのは、いわゆる交代制等の職員、閉庁が実施されていない部門の職員の問題でございます。閉庁が行われている部門につきましては、その閉庁の実施過程で完全週休二日制実施の際の問題点の検証等が進められるというふうに考えられますけれども、交代制部門等においては、完全週休二日制に向けて業務体制等の大幅な見直しなどが必要になります。そういう問題点の把握あるいは対応策の検討を進めるためには、完全週休二日制に見合う週四十時間制の試行という過程を踏んで完全週休二日制の条件を整える必要があるだろうというふうに考えております。そういうことによりまして、試行の実施過程で的確な対応が進められることによりまして、あとは社会一般の情勢を見て完全週休二日制の実現を図るという運びになろうかと思います。そういう方向に向けて積極的に進めたいというふうに考えているわけでございます。
○塚田委員 次に、単身赴任者の問題でございます。 これにかかわる多くの問題がございますけれども、端的に三つの問題、帰宅旅費の新設と単身赴任旅費の改正、二番目に宿舎の改善、三番目に宿舎の二重貸与にかかわる宿舎費、以上のポイントを中心に解決のための諸施策を十分実施してほしいという要望が強いわけでございますが、いかがされる予定でしょうか。
○菅野説明員 先生御指摘のとおり、単身赴任に伴う問題につきましては、その背景、個別事情ともに複雑多岐にわたっておりまして、単身赴任者に対する援助措置を講ずるにつきましても、住宅問題であるとか健康管理、子弟の転入学問題等につきまして幅広くかつ多角的な調査検討を進めてきたところでございますが、今回の報告におきましても、総合的な検討の必要性を表明しているところでございます。 これらの問題につきましては、これまでも転入学手続の改善について文部省に対して申し入れを行うとか、また単身赴任者の健康管理のためのパンフレットを作成し配付するなどの対策を講じてきているところでございますが、先生御指摘のとおり、宿舎の二重貸与の問題、賠償金の話、赴任旅費の話等、単身赴任問題の側面だけから論ずるのではなくて、また、人事院だけでは解決できない問題でございますので、関係各省と連携をとりつつ幅広い角度からさらに検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、家族間のコミュニケーション不足の緩和のために帰宅に要する費用等につきましては、今回、単身赴任に伴う経済的負担の一部として生計費の増加を全体としてとらえまして、給与上の措置として既に手当の中の加算部分として措置することにいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○塚田委員 調整手当の支給地域区分につきまして今後定期的に見直すとしておりますけれども、何年ごとに見直すとか、具体的な規定を設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、官署指定及び支給率の見直しについての考え方及び時期等についてもお答え願いたいと思います。
○中島説明員 調整手当の支給地域の見直しにつきましては、一年間ぐらいかけまして任命権者側、労働団体側からそれぞれ意見を聞き、また、折衝を繰り返しまして、今回やっとそれを終えたわけでございます。そのまま申し上げますと、任命権者側も労働団体側も、ここらで一休みさせてくれというような雰囲気だと思います。したがいまして、私たちはそういうような声というものを尊重しなければならないということで、ここ数年は、見直す、次の手を打つというのはなかなか難しいのかなというふうに考えております。したがいまして、次はいつ見直すかということを確として申し上げるわけにいきませんけれども、今回設けました経過措置というのがございますので、経過措置というものが一応終わるころというのが次の見直しの時期になるのかなという感じを、私個人でございますが、持っております。したがいまして、今塚田先生がお話しになりましたように、支給率とか官署指定の見直しというのもこれはやらなければなりませんけれども、先ほど申し上げましたように、任命権者側、労働団体側の御意見というのもこの際尊重するというか、それにも耳を傾けつつ次の見直しの時期というのを探っていく、そういう考えでおります。
○塚田委員 時間がなくなりましたが、水野総務庁長官がお越しでございますので、ぜひ長官のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。それは行政改革の問題でございます。 行革の必要性につきましては、既に鈴木内閣、中曽根内閣時代から広く深く議論され、その結果として、各省庁予算のゼロまたはマイナスシーリング枠の設定、さらには三公社の民営化などが実現したことが一定の評価を得たということは認めざるを得ないと思います。私も認めるにやぶさかではございません。しかしながら、一方で行革はまだまだその緒についたばかりの段階にすぎないということも国民の認識であり、また、政府の最高責任者もそのような認識を再三にわたって表明したこともあるはずでございます。総務庁長官としてはこの行革をどう推し進めるか、これによりまして名長官として歴史に名をとどめるかどうかということになりますので、その辺の今後の展望について、ぜひ前向きの、また信念ある、実行力の伴う御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○水野国務大臣 行政改革につきましては、社会経済情勢が時々刻々変化をしております、それに伴って絶えず進めるというのが基本でございます。私は就任のとき、記者会見で行政改革はどうするのかというお話をいただきましたので、行政改革というのはエンドレスである、終わりがない、ここまででよろしいということではないというふうに思っておりますという就任のあいさつをいたしましたが、そのとおり今後も実施していくつもりでございます。 御承知のとおり昨年六月の行革審の意見にもございますが、臨調答申などの目指した行革の本格的な実現はまだ今後とも努力が必要である、かように思っております。このため、当面、規制緩和推進要綱や平成元年度の行革大綱の着実な実施に努めていくつもりでございます。さらに、行革審が現在審議をしていただいております項目は、国と地方の関係等に関する調査審議、規制緩和答申の実施状況の点検評価及び今後の課題を明らかにするための公的規制のあり方に関する調査審議、さらに最終答申に向けて行財政改革全般にわたる調査審議を精力的に行っておりますが、これらの動向を見きわめながら今後とも引き続き行政改革の全般的な推進を図っていくつもりでございます。 なお、海部内閣の発足に当たりまして、海部総理から、この内閣の目的としまして対話と改革に取り組んでいきたい、その改革の中には行政改革が入っているのだ、そういう強い意向でやるのでひとつよろしく頼みたい、こういう御下命もいただいておりますので、仰せのとおり一生懸命やっていくつもりでございます。
○塚田委員 与党である自民党も政治改革大綱を発表しまして、その中で「利益誘導型政治を生んでいるおおきな原因のひとつとして、補助金・許認可などの権限の中央政府への集中が指摘されている。われわれは、このような行政権限の中央偏重を思い切って改革し、地方分権を確立する。」と述べているわけでございますが、これは私たち民社党のかねての主張と同じでございます。そういう意味からも、ぜひ地方への分権を強化する観点からも行政改革をさらに徹底させてほしいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○吹田委員長 次に、柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 ことしの三・一一%の勧告は、消費税が導入されている、それから十月からは三%近くの共済年金の掛金の引き上げが予定されている、こういう公務員労働者の生活実態からして極めて不十分な水準であると考えますので、このことをまず指摘しておきます。 質問は、初めに初任給について伺います。 初任給は、長年にわたって民間より低い傾向が続いております。ことしは配分を厚くしておられますが、それでもまだ民間より低くなっております。今回の勧告を実施した場合に、初任給の民間との差額はどれぐらいになるのか、まずお伺いします。
○中島説明員 月例給与で申し上げますと、高卒についてでございますが、民間の場合は調整手当一〇%地域十二万五千二十八円に対しまして、公務員の場合は十一万七千二百六十円ということでございます。ただ、月例給与では七千七百円ばかりの差がございますけれども、年間給与で見てみますと、民間が百七十五万五千円というものに対しまして公務員は百七十九万一千円ということで、ほぼ均衡がとれているといいますか、公務員の方が若干高いという状況でございます。これは、期末・勤勉手当、民間で言うボーナスでございますが、その支給割合が公務の場合と民間の場合と異なりますので、年間給ではほぼ均衡がとれているということになっております。大卒についてもほぼ同じようなことが言えるかと思います。 私たちは、そういう状況というものを前提にしながら、どのようにこの問題というものを理解し、これから対策を講じていくかということについてもよく考えなければならないというふうに思います。
○柴田(睦)委員 今、高卒の場合を数字を挙げておっしゃいましたが、大卒の場合、ⅠⅠ種の場合はどうなっておりますか。
○中島説明員 ⅠⅠ種の場合でございますが、公務員がおおむね十三万九千円でございます。民間が十五万九千円ということでございますので、そこに二万円ぐらいの差がございます。ただ、年間給で申し上げますと、これも若干、ほんのわずかですけれども公務員の方が高くなっておるという状況でございます。
○柴田(睦)委員 年間給ということを言われますけれども、毎月のものと期末・勤勉手当、これは民間は四月に入社した場合に公務員よりも率が少ないというのが実態で、二年目からまたふえるわけですけれども、そういう実態があるからそうなっていると思うのです。その点、給与を四月の段階で民間を調査するということを基礎にして引き上げが行われている。ここに期末・勤勉手当を入れて、一年目、最初の採用された一年間は多いというのは、期末・勤勉手当の問題についてもまた別途にこれは人事院勧告の対象になっているわけですから、これをごっちゃにしてやるというのは間違いじゃないか、間違いであるというように私は思います。 全般的にⅠ種の場合は民間よりも高くなっておりますけれども、Ⅰ種が高くなったというのは、去年格付を一ランク上げたからであります。ⅠⅠ種、ⅠⅠⅠ種も格付を上げれば今の差額というのは解消できるわけです。人事院の考え方からいうと、四月の初任給を民間と同じにしなければならないとは考えていないというような立場があるようでありますけれども、そういう立場に立つにしても、官民の比較が直ちに公務員の初任給にはならないということになるにいたしましても、公務員給与の大前提は官民比較であるということを人事院は常々強調してこられたところであります。そういう点から申しますと、ⅠⅠ種、ⅠⅠⅠ種の初任給が民間よりも低いという状態は、これは放置してはならない問題だと思うのです。そういう点から、Ⅰ種でやったようにⅠⅠ種、ⅠⅠⅠ種の初任給を格付、号俸を上げるというようなやり方も検討されて、少なくとも民間並みに早急に改善すべき問題だというように思うのですが、所見をお伺いします。
○中島説明員 年間給ではほぼ均衡がとれておるということを先ほど御説明申し上げましたが、そういうことを前提にして月例給与についてどのように考えていくかということは、これはよく慎重に考えてみなければなりませんけれども、私たちは今回、柴田先生よくごらんいただいたと思いますけれども、配分というのを初任給及び若年層のところに力点を置きまして配分をいたしました。その配分をいたしました結果、民間の初任給の引き上げ率よりも大きな引き上げ率というものを行っております。 なぜこういうことを行いましたかといいますと、公務全体としては民間との間で均衡がとれておる、しかし年齢層とかあるいはまた等級によりましては逆較差のところもある、それを徐々に私たちは解消していって若年層のところに配分していく、初任給のところに配分していくというのが公務の中の秩序としては最も穏当なやり方ではないかということで、今回そういう措置をとったわけでございますけれども、やはりそれ以外の議論というものもそれはありましょう。しかし、そういう議論をいろいろ御提案いただいて、どういう方法をとったときにどういう影響があるかということをよくよく考えながら、私たちは公務全体の秩序というものを考えながらいろいろな政策というものを選択していかなければならないのかなというふうに考えております。柴田議員の方でまたいろいろなお知恵がありましたら教えていただきたいというふうに思います。
○柴田(睦)委員 結論なんですけれども、初任給の月例給与というものも民間に近づけていくということの検討はするということなんですか。その結論をちょっと。
○中島説明員 先ほどかなり慎重な言い回しをしたわけですけれども、年間給与が均衡しておるもとにおいて月例給与を民間との対比においてどのようにするのが妥当かということは、これはよく慎重に考えてみなければなりませんが、今回私たちが行いましたような傾斜配分というのはやはり一つの方法としてあるのじゃないか。その結果、民間との間で月例給与において等しくするのがいいのかどうかということはそういう過程において考えるべき問題じゃないかというふうに考えております。
○柴田(睦)委員 次は、地域調整手当の支給地区分の見直しについてお伺いいたします。 人事院は、支給地区分の見直しについて国会の附帯決議を見直してほしいと今までの審議で何回も繰り返してこられました。私はこの附帯決議につきましては、スクラップを出さずにビルドだけで見直すことにその趣旨があるのだというふうに主張してまいりました。今回人事院は、附帯決議の見直しはなかった、附帯決議は残っている、そういう状態のまま支給地区分の見直しを提案してこられました。これは、附帯決議というものがあるという前提で、そしてまた、今まで言われたことを考えてみますと、一貫性を欠くのではないかと思いますが、この点はどうお考えでしょうか。
○中島説明員 この調整手当の見直しにつきましては、今まで国会でたびたび議論がございました。私もその議論を通じましていろいろ教えられるところがございました。柴田議員の御議論にも私は非常に啓発されるところがあったと考えております。特に、昨年三月三十一日の議論というものをよくよく振り返り、そしてまた、法律で定める民間賃金、物価、生計費が特に高いということで、そういう資料を整えてこういう状況になっていますということを内閣委員会の理事さん等にお話を申し上げ、その結果、私はおおむね見直すこと自体についてはまあやむを得ないという感触を得たわけでございます。 その理由は、やはり何といいましても附帯決議が行われましてから二十数年たっておる。しかも、その附帯決議をつけられたときに、法律の附則で、三年以内に人事院は調査研究をして国会と内閣に勧告するようにという法の附則がございますが、その法の附則との関連を附帯決議の「差し当たり」という言葉と関連させて読みますと、やはり今日なお附帯決議というものを重々しく受けなくてもいいのではないかという意見がございました。私は、そういう意見を踏まえまして、やはり相当年数がたっておりますので地域も変わっておる、その地域が変わったということを前提に法を適正に適用していくべきではないかということで、今回の見直しをさせていただいたわけでございます。
○柴田(睦)委員 それはお伺いいたしまして、次に見直しの基準の問題です。 見直しにつきまして、これまで人事院は独自に民調の積み上げによってやるということを言ってこられました。今回使った統計は、労働省の賃金構造基本統計調査、それと総務庁の物価統計と消費実態調査であります。それぞれ、これらがつくられた目的以外に使用したということになります。 労働省の統計では、都道府県単位までしか発表されておりませんデータを市町村まで拡大して使うというやり方をとられました。こうしたやり方というのは、統計の精度の点から見て問題があると考えますし、統計上の誤差や抽出方法、計算方法なども発表されていないわけであります。こうした問題の多い統計を使ったのは賃金という大事なことを決めるやり方としては問題ではないか。もっとみんなが納得できる合意が得られる、そういう調査に頼るべきではないかと思いますが、この点についてお伺いします。
○中島説明員 市町村別に産業別、企業別の賃金指数というものを出して私たちが結論を出したということでございましたら、今柴田先生がおっしゃるような御意見というのはあるいは当てはまるのかもわかりません。私たちはその点はよく承知しております。したがいまして、今回は市町村単位に産業計、規模計の数値を使った、しかも、各市町村というものを規模に応じて束ねるような努力もするとかあるいはまた三カ年の平均をとるとか、いろいろな工夫をいたしまして、数字そのものができるだけ安定的であるようにあるいはまた信頼できるものであるように工夫をいたしております。したがいまして、私たちがそういうような努力、工夫をいたしました結果、今回の見直しの結果というものをごらんいただきますと、私は非常に妥当な結果が出てきておるというふうに思います。
○柴田(睦)委員 時間が迫りましたので、最後に一問。 今回の見直し基準ですが、これは民間賃金、生計費、物価などの指数とされておりますが、このほかにも政令指定都市であるということや公務員の在勤者がいない地域とか、そういう要件も含まれております。そこで、この見直しの基準や要件をひとつ整理して明らかにしていただきたいと思います。
○中島説明員 支給地として指定するということは、その地域に存在する官署に国家公務員が勤めておるということが前提でございますので、まず国家公務員が勤めておる官署が所在しない市町村というのは支給地域として新たに指定する必要もございませんし、指定を継続していく必要もございませんので、既に指定しているところは指定を外していくという作業は機械的にさせていただきました。 そこで、それ以外の市町村というか国家公務員が現に在職しておる市町村でございますが、これはどういう基準で見直すかということにつきまして、私たちも非常に議論に議論を重ね、そして任命権者側にも職員団体側にもお示しして、それぞれ御意見を伺ったわけでございますけれども、法に定める民間賃金、物価、生計費が特に高いというときに、特に高いというのは一〇〇に対しましてどの程度を特に高いというかということでございますが、民間賃金については一〇一・五以上、物価、生計費につきましては、物価または生計費のいずれかが一〇一・五以上、その市町村については新たに支給地域として指定しようじゃないか、その基準を満たさないところはやはり取り消すべきだという議論が主流でございましょうけれども、そういう考え方を今回私たちはとりませんで、それを満たさないところでも、今申し上げました三要素のいずれか一つが一〇一・五以上ならばとりあえずここ当分の間支給地域として指定していくのが公務の中の秩序維持のためにいいのじゃないかということでそういう判断をいたしました。そしてその三要素の中のいずれもが一〇一・五を満たさないところにつきましては、原則としてこれを指定解除していくという方針で臨んだところでございます。
○柴田(睦)委員 では、時間ですので終わります。
○吹田委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十八分散会