予算委員会 第12号
- 発言数
- 420 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1989/06/13
会議録
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) まず、理事会における協議決定事項について御報告いたします。 質疑を行う時間は本日十三日一日間とすること、質疑時間総計は百四十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党・護憲共同それぞれ三十八分、公明党・国民会議二十二分、日本共産党十六分、民社党・国民連合十一分、新政クラブ・税金党、サラリーマン新党・参議院の会及び二院クラブ・革新共闘それぞれ五分とすること、質疑順位及び質疑者についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) この際、政府からリクルート事件の捜査結果に関する報告を求めることといたします。谷川法務大臣。
○国務大臣(谷川和穗君) いわゆるリクルート事件につきましては、東京地方検察庁は、昭和六十三年九月八日、楢崎弥之助議員から、株式会社リクルートコスモスの取締役社長室長であった松原弘らに係る贈賄事件の告発を受けて捜査を開始し、同年十月十九日以降、株式会社リクルートの本社等数カ所の捜索を実施して証拠書類を押収するとともに、同年十月二十日、松原を贈賄申し込みの事実で逮捕して取り調べた上、同年十一月十日、同事実により同人を東京地方裁判所に公判請求いたしました。 その後、東京地方検察庁は、株式会社リクルートコスモスの未公開株式譲渡問題を中心として、日本電信電話株式会社、労働省、文部省及び政界関係につき、鋭意、所要の捜査を遂げるとともに、刑事事件として取り上げるべきものについて順次その処理を行い、本年五月二十九日をもって捜査を終了いたしました。 処理の内訳は、公判請求をした者十三名、略式命令の請求をした者四名、不起訴処分に付した者四名であり、ほかに刑事事件として訴追するに足る犯罪の嫌疑を認め得るものはありませんでした。 捜査処理の具体的状況につきましては、引き続き政府委員から報告いたさせますが、本事件は、その内容が複雑かつ多岐にわたっておりましたため、捜査は約二百六十日の長期間に及び、その間、捜査に従事した検察官は五十二名、検察事務官は百五十九名、取り調べた参考人の数は延べ約三千八百名、捜索場所は約八十カ所、押収証拠品は約九千点に上っております。 申し上げるまでもなく、検察は、個人の基本的人権の保障を全うしつつ、刑罰法令に触れる疑いがある事案についてその真相を明らかにする使命を負っておりますところから、本捜査に携わった検察官においては、厳正公平、不偏不党の立場を堅持しつつ、法律の定める手続にのっとって事案の解明に当たり、法と証拠に照らして適正な事件処理を行ってきたものでありまして、その結果、これから御報告いたしますような捜査処理に至ったものであります。
○委員長(初村滝一郎君) 根來刑事局長。
○政府委員(根來泰周君) 引き続きまして、捜査処理の具体的状況について申し述べます。 第一は、日本電信電話株式会社、NTTでございますが、関係についてであります。 東京地方検察庁は、NTTの企業通信システム事業部長であった式場英が、株式会社リクルートが回線リセール業を展開するに当たり、NTTから提供を受ける高速ディジタル回線等で構築する通信ネットワークのコンサルティング、設計、建設、保守等につき好意ある取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨のもとに、昭和六十一年九月三十日ごろ、リクルート社の代表取締役社長であった江副浩正及びファーストファイナンス株式会社の代表取締役社長であった小林宏から、店頭登録後値上がりが確実であって一般人の入手困難な株式会社リクルートコスモスの未公開株式を、店頭登録後に見込まれる価格より明らかに低い一株三千円の価格で五千株を取得した事実、及びNTTの取締役で東京総支社長及びデータ通信事業本部長を歴任した長谷川寿彦が、式場と同様の趣旨のほか、リクルート社が営むRCS事業に使用するクレイ・リサーチ社製スーパーコンピューターの調達及び技術支援等につき好意ある取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨のもとに、同日ごろ、江副及び小林から前記コスモス社の未公開株式を前記の価格で一万株取得した事実につきまして、本年二月十三日、長谷川及び式場を日本電信電話株式会社法上の収賄罪で、江副及び小林を同法上の贈賄罪でそれぞれ逮捕し、本年三月四日、これら四名をそれぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。 続いて、NTTの代表取締役社長であった真藤恒が、同人の秘書村田幸蔵と共謀の上、江副及び小林から、長谷川と同様の趣旨のもとに、前記コスモス社の未公開株式を前記価格で一万株取得した事実につきまして、本年三月六日、真藤及び村田を同法上の収賄罪で、江副及び小林を同法上の贈賄罪でそれぞれ逮捕し、同月二十七日、真藤、江副及び小林をそれぞれ東京地方裁判所に公判請求し、村田につきましては、本年五月二十九日、起訴猶予処分に付しました。 第二は、労働省関係についてであります。 東京地方検察庁は、労働省職業安定局業務指導課長であった鹿野茂が、職業安定法改正に伴う就職情報誌の発行等に関する法規制の検討等に関して便宜な取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨のもとに、リクルート社の専務取締役であった位田尚隆らから、多数回にわたり遊興飲食、ゴルフ招待旅行等の接待あるいはゴルフクラブ等の供与を受けた事実につきまして、本年二月十七日、鹿野を収賄罪で逮捕し、本年三月九日、東京地方裁判所に公判請求いたしました。 続いて、労働省の職業安定局長や事務次官の職にあった加藤孝が、鹿野と同様の趣旨で、昭和六十一年九月三十日ごろ、江副らから前記コスモス社の未公開株式を前記の価格で三千株取得したとの事実につきまして、本年三月八日、加藤を収賄罪で、同日及び同月十日、江副と共犯関係にあったリクルート社の取締役であった辰巳雅朗及び同社社長室次長であった小野敏廣をいずれも贈賄罪でそれぞれ逮捕し、同月二十八日、加藤、江副、辰巳、小野をそれぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。 第三は、文部省関係についてであります。 東京地方検察庁は、文部省の初等中等教育局長や事務次官の職にあった高石邦男が、リクルート社の行う高等学校生徒向けの進学・就職情報誌の配本に関して高等学校の教育職員が回生徒の名簿を収集提供するなどの便宜を与えていることについての対応及びリクルート社の事業遂行に有利な同会社役職員の教育課程審議会等文部省所管の各種審議会、会議の委員等への選任につき好意ある取り計らいを受けたことの謝礼等の趣旨のもとに、昭和六十一年九月三十日ごろ、江副及び小林から、前記コスモス社の未公開株式を前記価格で一万株取得した事実につきまして、本年三月二十八日、高石を収賄罪で、江副及び小林を贈賄罪でそれぞれ逮捕し、本年四月十八日、これら三名をそれぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。 第四は、政界関係についてであります。 東京地方検察庁は、昭和五十八年十二月二十七日から同六十年十二月二十八日までの間、内閣官房長官であった藤波孝生議員が、江副らから、国の行政機関において、リクルート社が行う大学等卒業予定者向けの就職情報誌の発行、配本等の事業遂行に有利ないわゆる就職協定の趣旨に沿った適切な対応をするよう尽力願いたい旨の請託を受け、その報酬として、小切手合計十七通、額面金額合計二千万円を受領したほか、さらに同六十一年九月三十日ごろ、前記コスモス社の未公開株式を前記の価格で一万株取得した事実につきまして、本年五月二十二日、藤波議員を受託収賄罪で、江副を贈賄罪で東京地方裁判所に公判請求いたしました。 また、衆議院の文教委員会あるいは予算委員会の委員であった池田克也議員が、江副らから、これらの委員会において、国の行政機関に対し、同協定に協力するとの各省庁人事担当課長会議の申し合わせ遵守を徹底するよう質問し、あるいは実効性のある同協定の早期取り決めなどにつき、適切な対応策を講ずるよう質問してもらいたい旨の請託を受け、その報酬として、小切手合計二通、額面金額合計二百万円を受領したほか、合計五百万円の振込送金を受け、さらに、昭和六十一年九月三十日ごろ、前記コスモス社の未公開株式を前記の価格で五千株取得した事実につきまして、本年五月二十二日、池田議員を受託収賄罪で、江副及び小野を贈賄罪で東京地方裁判所に公判請求いたしました。 さらに、安倍晋太郎議員の私設秘書であった清水二三夫及び宮澤喜一議員の公設秘書であった服部恒雄が、昭和六十二年中において、江副から、それぞれ、各議員の政治活動に関する寄附として、五千万円の振込送金を受け、あるいは額面金額合計五千万円の小切手を受領して、同一の者に対する法定の制限額を超える寄附を受けた事実、並びに加藤六月議員の公設秘書片山紀久郎及び同議員を支持する政治団体である城山会の会計責任者坂巻正芳の両名が、共謀の上、昭和六十一年度及び同六十二年度の城山会の収支報告書に、パーティーによる収入を記載せず、あるいは虚偽の記入をしてこれを自治大臣に提出した事実につきまして、本年五月二十九日、これら四名につき、いずれも政治資金規正法違反で東京簡易裁判所に略式命令を請求し、同日、同命令の発付を受けました。 なお、政界関係における以上申し上げた事実以外の事実に関する捜査結果について付言いたします。 その一は、受託収賄で起訴した藤波議員及び池田議員に係るものを除くコスモス社の未公開株式の譲渡に関する贈収賄罪の成否についてであります。 昭和五十九年十二月に行われたコスモス社の前身である環境開発株式会社の未公開株式の譲渡につきましては、その中に三名の国会議員に係るものが含まれておりますが、この未公開株式の譲渡は、店頭登録の一年十カ月前になされたものであって、贈収賄罪の客体たる財産上の利益に当たるとは認定し得ないため、同罪の嫌疑は認められませんでした。 昭和六十一年九月に行われたコスモス社の未公開株式の譲渡につきましては、その中に藤波議員及び池田議員を除く十一名の国会議員に係る合計十万株の譲渡が含まれておりますが、捜査収集した証拠に基づいて検討を加えた結果、クレイ・リサーチ社製のスーパーコンピューターの導入、就職情報誌の発行等に関する法規制、いわゆる就職協定の存続遵守、安比高原の開発等、当時のリクルート社及びその関連企業の事業遂行上の懸案事項が、関係の国会議員または国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるか、あるいは抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められないなどの理由により、贈収賄罪の対象となるものは認められませんでした。 その二は、政治献金関係についてであります。 リクルート関係の政治献金につきましては、コスモス社の未公開株式の譲渡やいわゆる。パーティー券の購入も含めて、同株式の譲渡に関係する国会議員に係るものを中心に、政治資金規正法違反の嫌疑の有無について所要の捜査を行い、また、日本電信電話株式会社の管理職員が拠出したいわゆるボランティア資金からの政治献金につきましても、同様の観点から所要の検討を加えましたが、略式命令の請求をした前記四名以外に同違反として訴追するに足るものは認められませんでした。 最後に、コスモス社の未公開株式の譲渡に係る証券取引法違反の事実につきましては、これに関与したリクルート社の取締役社長室長であった間宮舜二郎、コスモス社の取締役財務部長兼経理部長であった館岡精一及び小野を逮捕いたしましたが、本年五月二十九日、起訴猶予処分に付しました。 また、川崎市前助役小松秀煕に対する収賄被疑事件につきましては、横浜地方検察庁において、所要の捜査を行った上、本年六月二日、不起訴処分に付しました。 以上がリクルート事件の捜査結果についての報告であります。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより順次質疑を行います。本岡昭次君。
○本岡昭次君 私は、まず初めに、宇野総理の政治姿勢について伺います。 宇野政権は、中曽根、竹下政権が金権腐敗、汚職のリクルート事件と公約違反の消費税強行によって国民の支持を完全に失い、政治運営も行き詰まる中で、自民党の政権のたらい回しによって誕生した政権であります。 このような政治不信、政治危機のもとで誕生した政権の責任者である宇野総理は、みずからに課せられた責務をどのように認識されているか、まず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 仰せのとおり、前内閣はリクルート事件の責任という意味で総理みずから辞任なさいました。その後の内閣でございますから、当然リクルート事件に端を発しました政治不信というものを、何としてもこれを払拭するという最大の使命を私は負っておると存じます。 したがいまして、この内閣といたしましては、まず今後こうした事件が起こらないためのその根本を十二分にえぐり出し、そしてそのためには我々として政治の大改革を前進させたい、このように私は考えておる次第でございます。それが我が内閣に与えられました最大の課題である、かように私は申し上げておるわけであります。
○本岡昭次君 私は、総理と少し考えを別にしております。私は、宇野総理が今直ちになすべきことは次の二点であると、こう思うのであります。 まず一点は、今もお話にあった中曽根、竹下政権のもとで起こったこのリクルート事件の全容を国民の前に明らかにすること。そしてこれにかかわった政治家が議員辞職を初め、厳しい政治的道義的責任をとる、そのことを抜きにして政治改革というものはあり得ない、こう思います。 次に、消費税の問題でありますが、消費税は反対だ、撤廃しろという声が国民の多数を占めているわけでありますから、あなたのおっしゃっているように、国民の声に謙虚に耳を傾けると言うならば消費税を撤廃するという問題に対して具体的に検討に入る、この二点であると思います。 もし、これが宇野政権でできなければ、社会的に言われているように、文字どおり竹下院政のもとの政権であり、中曽根亜流の政権であると言われても私は仕方がないと思うのでありますが、どうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 法的なけじめと申すものは、過般中間報告も行われましたし、ただいま法務大臣によってそのことは国会に報告されました。これは衆参両院においてなされたことでございます。 その次に、個人的な問題になりますが、竹下前総理は辞任をし、中曽根元総理は、一般的には派閥の長をおやめになるのかというような推測がございましたが、それを飛び越えて自民党を脱党する、そしてその責任を皆さん方の前に明らかにすると、このようにされました。それ以上のこととなりますと、私は次のように申し上げなければならないだろうと思うんです。 リクルート事件に関係した方々は、法の責任の有無にかかわらず、一応国民に対しましても議員であるという名誉をもってそれぞれが対処されるべきである。これが、本岡委員も御承知のとおり、もうぎりぎりの線じゃないだろうか。私からあんたはバッジを外しなさいとか、そういうことはなかなか私の権限から申し上げましてもできる話ではございません。したがいまして、これは御本人あるいはまた選挙区の方々とのそうした御相談によるものであるということは、過般も私御答弁したようなことでございます。 それがリクルート問題に関する御答弁でございます。 もう一つの消費税、これに関しましては前内閣が本当に心血を注いでつくられた新税制であると私たちは思いますし、また、それは将来の高齢化社会に備えなければならない、そのためには必要欠くべからざる新しい税制である。しかし、新しい税制であるだけに国民にはなじみも薄かろう、そのために戸惑いもあるだろう。いろいろなことを私たち耳にいたしております。だから、定着するように私たちは考えていきたいと存じますが、改革法案の中にもはっきり免税制度等に関しましては、これは見直しということが書かれておりまするし、一年ほどやった後の話ということになりましょうが、やはりいろんな声があることを私たちも十分承知しておりますから、その声に謙虚に耳を傾ける、これが政府の態度でなければなりません。 だから私は、来年五月を待たずして、いろんな声に耳を傾けた結果、どうすればいいかということも当然我々としても考えなくちゃならないと思いますから、政府税調に直ちにひとつ勉強会を開いていただいてはどうですかということをこの間大蔵大臣を通じましてお願い申し上げておるというのが現状でございます。
○本岡昭次君 総理もけさの朝日新聞の世論調査をごらんになったと思います。今のような総理の政治姿勢、リクルートあるいは消費税に対する対応の仕方、やはりそれが明確に反映していると思うんです。内閣支持率が二八%、不支持四四%、歴代内閣最近のスタートのうちで最悪の状態であると、こういうことでして、政治改革も何と六五%の人が期待をしていないと、こうおっしゃる状態を本当にどう考えておられるのか。 また、総理府の世論調査を見ても、国民の三人に二人が今の国政に民意が反映されていないと答えている。これが民主政治下の国政と国民のあるべき状態かと、私はこう思うんですが、総理はどうお考えなんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 世論調査に対しましては、私は謙虚にこのことを受けとめなければならないと、かように思っております。やはり国民の声は大切にしなければなりません。また、その声にやはり我々は十二分なる反省もいたしつつ努力をすることにおいてこの支持率が上がり、また不支持の率が下がることを私たちといたしましても今後の目標にいたしたいと思います。 行革というよりも、政治改革はできないだろうと、こういうふうな一般的な数字も私は見せていただきました。あるいはそれは我が内閣の発足時において党内で、いや基盤が浅いとか薄いとか狭いとかいろんな議論があったということがあるいは印象として深く残っている面も私はなきにしもあらずだと思うのであります。 今日、幸いにいたしまして党の役員も決まりましたし、内閣も決まりましたし、また、いろんな会合におきましても全党一致いたしまして、どうしてもやはり与党として自由民主党は政治改革をやっていこうという熱意に燃えております。そうしたことがわかっていくならば、国民の方々もある程度そうした面におきましても理解を示していただけるのではないだろうか。そのためには我々がやはり不退転の決意で政治改革を断行する、これが大切であろうと、私はかように考えまして、そうした世論調査の結果を尊重しつつ、ひとつそれにこたえなければならないという気持ちで今後も改革前進内閣としての本領を発揮していきたい、かように思う次第であります。
○本岡昭次君 総理の見ておられる国民の姿ですが、非常に甘く見ておられると私は思います。国民の三人に二人、六四%が今の国政に民意が反映されていないということは、国民の政治に対する信頼が大変損なわれているという悲しい現実なんです。 総理は、所信表明演説の中で、民主主義の原点に立ち戻り、国民の納得する政治をという意味のことをおっしゃいましたが、そうしたもの全体を総合すると、この政権交代を機に衆議院を解散して、そして総選挙によって国民の信を問う、民意のあり方を問う、これが民主主義の原点、それ以外の何物もないと私は思うんですが、あなたがそれをお避けになるからこういうふうな実態になると思うんです。いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 民意が反映されておらないという中には、今、委員が御指摘になられました解散も民意であるというふうな意図もあろうかと思います。また同時に、議会そのものがもう少しく議会としての機能を発揮して、大いに仕事をしてはどうかということにつきましての強い要請を求める民意もあろうかと、私はこう思います。それはまあいろいろありますが、政府といたしましては、やはり重大なこれは一つの世論調査であると、こういうふうに私は受けとめなければならないと思います。 そこで、解散するかどうかというお話になるわけでございますが、やはり今解散するとなれば、今日の政治改革の中には、私は、公選法の改正も政治資金規正法の改正も、さらには政治倫理の問題も、すべてが包含されておると思います。私は、そうしたひっくるめての政治大改革をやることが今日まず民意に沿うゆえんではなかろうか、それをやりたい、こういうふうに思っておりますので、今のところ解散に関しましては全く考えておらないということであります。
○本岡昭次君 消費税の問題について、消費税を直接、問題にする観点と、リクルートに汚れた自民党の手で、ぬれ手でアワでぼろもうけをする人たちがなぜ庶民にこのような増税をするのかという一つの問題点の指摘も非常に強いんです。 それと同じように、政治改革をやらなければならないというその道筋は、リクルート事件というものが大きく横たわっているわけでありまして、そのリクルート事件に汚れた自民党がみずからの手で政治改革をする、これは国民は信用しない。やはり選挙によって新しく選ばれた議員の手によって、その内閣の手によって政治改革ということでなければ、それは国民は信用しませんよ。結局、臭い物にふたをしていくということの手法しかないのではないか。だから、あなたに対しては政治改革はほとんど期待をしていないという結果になるんじゃないんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいま申し上げました政治改革案なるものは、既にこの国会にも出されておることは御承知賜っておると思います。つまり、リクルートの事件を二度と起こすまい、その反省の上に立ちまして前内閣では有識者会議なるものを設けまして、その提言がございます。その提言には七つある。我々自民党といたしましても、それをもとにいたしまして、そしの改革大綱というものを立てました。しかし、そのもとはやはり第三者による、言うならば国民の民意に基づくところの七項目であります。 これは、やはりどうしても私は実現に移したいと、かように存じておりますが、七項目のうちの三項目は、政府に課せられた使命でございます。これに関しましては既に、私は初閣議以来いろんな立場におきまして全員申し合わせまして、そのことを実行に移しております。 あと残り四項目は、大まとめにいたしますると選挙法の改正であり、同時に政治資金の改正である。つまり、金権体質の政治ではいけない、これをひとつ、国民の方々からも指摘されますから、そのもとは選挙である、政治資金にも不明朗の点が多い、だからこうした面を改めたい、こういうことで既に選挙法の改正法案とそして政治資金の改正法案は、議員立法でございますが、自由民主党がこの国会に出しておるわけでございます。だから、ひとつその御審議を私は賜りたい。もちろん、各野党にもいろんな法案の準備がなされておると思います。やはりそれを国会におきまして真剣に御討議賜りたい。そして、でき得べくんば今国会で成立まで持っていっていただきたい。これが内閣といたしましての最大の願いでございます。 だから、そういうことがまだ実行に移されておらないということを国民の方々が非常に指摘されておるのじゃなかろうか。我々としては、まず隗より始めよ、だから自由民主党も、また我々内閣も、そのように身を清め、心を改めて出直します、よろしくということをそうした法案に盛り込んでおるわけでございますから、その点もお考え賜りたいと思います。
○本岡昭次君 身を清め、心を改めとおっしゃいますけれども、今のリクルート疑獄に対する政治的道義的なけじめのつけ方、これはだれも納得していないし、国民的な合意も得られていないわけであります。それを抜きにして政治改革はあり得ないと私は言っているわけでありまして、そこのところは絶対に、今の総理のお考えは納得できません。 そこで、そういう問題に関連する質問に入っていきますが、法務省の最終報告を今聞かせていただきました。法務省の最終報告は、私たちが今まで求めてきたリクルート疑獄の全容解明というものにほど遠く、国民が求めていた疑惑解明ということにも全くこれはこたえておりません。この「捜査処理の具体的状況」云々と書いてありますが、私の見る限り余りにも抽象的過ぎます。後ほどこのリクルート全容解明のために私は総理並びに各省庁にいろいろとお伺いをしてまいりますが、その前に、この報告自体について若干伺います。 まず第一点ですが、これは、ページ数ぐらい打っておいてもらわぬと中身の議論ができへんですよ、不親切ですね。後ろから二枚目のところにこういう項目があります。十万株の譲渡が国会議員等になされた。そして、それは「リクルート社及びその関連企業の事業遂行上の懸案事項」というものがスーパーコンピューターとか就職情報誌の発行、就職協定あるいは安比高原というふうに四つの項目がありますね。そこに「等」と、「安比高原の開発等」とあるこの「等」は、そのほかにもまだリクルート社関連企業の事業遂行上の懸案事項があったのかなかったのか、この「等」というのは何なのか。 それからまた、その後の行も、「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められないなど」、今度は平仮名で書いてあるのでありますが、この「などの理由」の「など」というのは、これもまだほかに、贈収賄罪の対象という問題から考えて、何かほかに理由があったのかどうかということ。 それから、次のページの「略式命令の請求をした前記四名以外に同違反として」と、「以外」という言葉ですが、これは恐らくそのほかも取り調べた方があるからこう書いてあるのでありましょうが、それは一体何人で、どういう人たちで、具体的に何であったのか、まずそのことについてお伺いいたします。
○政府委員(根來泰周君) まず第一点の、報告書にございます「安比高原の開発等当時のリクルート社及びその関連企業の事業遂行上」という中の「等」という言葉でございますが、これはいろいろほかにもございます。しかし、国会でも御議論になったものは、ここに書いてあります安比高原とか就職協定とか、そういうことが中心に御議論になっておりますので、全部ここに掲げるということになると、刑法的な判断をするに際して余り必要のないことを掲げなければなりませんので「等」という言葉を入れたというふうに御理解いただきたいと思います。 それから次は、「株式譲渡との間に対価関係が認められないなどの理由」というのがございます。これは御承知のように、贈収賄罪というのは構成要件的にいろいろの構成要件がございます。対価関係が必要である、あるいは職務に関して必要である、あるいは御本人が認識していたかどうかとか、いろいろ問題がございます。そういう問題をひっくるめて書いたわけでございまして、これはいろいろ詳しく書くと内容にわたりますので、「など」という言葉で表現させていただいたわけでございます。 それから、第三番目のお尋ねでございますが、「略式命令の請求をした前記四名以外に同違反として訴追するに足るものは認められませんでした」という「以外」という言葉でございますが、これはさきの方に書いてありますように、「未公開株式の譲渡やいわゆるパーティー券の購入も含めて、同株式の譲渡に関係する国会議員に係るものを中心に」いろいろ調べましたと、またNTTのいわゆる報道されているボランティア資金についてもいろいろ調べましたと、そういうものをひっくるめてそれ「以外」というふうに表現しているわけでございます。
○本岡昭次君 そのほかにもいろいろあるけれども書けなかったと言うんですから、そのほかいろいろあるのを全部書き上げて提出していただきたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) その件につきましては、先ほど委員が仰せになりました捜査資料の全容の内容を提供するということにつながりますので、それぐらいで御勘弁いただきたいと考えております。
○本岡昭次君 勘弁できるかできないか、また後でやりますけれども、それはちょっとおいでおいで、それでは十一人の国会議員が合計十万株の譲渡という問題にかかわったと書いてあるんです。その十一人、私は名前を挙げることはできますが、私が名前を挙げても仕方がないわけでありまして、この十一人がそれぞれここに書いてあるリクルート社等の事業遂行の懸案事項のどれにかかわって、そしてかかわったけれどもそれがどの理由によって贈収賄罪の対象にならなかったのかという問題を出していただかなければ、国民はこれは全くわからぬわけです。その点はどうですか。
○政府委員(根來泰周君) よく御質問の内容は理解できるわけでございますが、私どもは衆議院でも申しましたけれども、私どもの立場といたしまして、灰色と言われていることに余り口出しをしたくないということでございます。要するに、そのことを全部説明いたしますとやはりそういう議論につながるものでございますから、そういう点については極めて慎重に対処したいと考えております。
○本岡昭次君 いや、灰色は口出ししたくないと言うんですね。どうもへんてこな言い方ですね。あなたが口出しをしなくてはならないように我々がする以外にないわけですよね。 そこで、少し聞いていきますと、「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」というところで、贈収賄罪の対象にならなかった人を、今までのこの問題を論議した経過からは、これは中曽根元総理がスーパーコンピューター、就職情報、協定、安比、これ全部にかかわってくる。また、加藤六月元農水大臣もこの安比という問題でストレートにかかわってくる。そのほかの方もいろいろあるわけですが、少なくとも私が言いました加藤六月元農林水産大臣また中曽根元総理、このお二人が非常に具体的なんでありますから、今私の言いましたその項目に該当するということを最低ここで明らかにしていただきたいと私は思いますがね。
○政府委員(根來泰周君) 個々にいろいろ申し上げますと、またこれはいろいろ誤解を招くわけでございますが、少なくとも中曽根証人が国会で申された件がございます。それについては私どもは否定するわけにはまいらないわけでございますし、その点について申し上げますと、内閣総理大臣の職務権限というのは国の行政全体に及ぶわけでございますから、そういう意味では抽象的な職務権限があったことは否定するわけではございません。
○本岡昭次君 そうすると、加藤六月元農林水産大臣はどうですか。
○政府委員(根來泰周君) 加藤元農林水産大臣の件につきましては、この国会において御本人からも、あるいはその関係者からも何もお話がないわけでございますから、私の方から申し上げるわけにはまいりません。
○本岡昭次君 口出ししたくないと、こうおっしゃるわけで、だからといって私がこの国会の大事な予算委員会、国民が皆どうなることかと見ている状況の中で、そうですがと次々と質問を続けていくわけにいかないのでありまして、少なくともここに書き上げてあるこの部分については、この場で最低明らかにできるはずであります。ぜひともしてもらいたい。でなけりゃ、私は質問を続けられない。
○政府委員(根來泰周君) 先ほどから申しましたいわゆる国会議員のお名前でございますが、どうして私が申し上げないかと申しますと、巷間、灰色高官ということをいろいろ議論されております。灰色高官というのは、刑事責任が認められないけれども政治的にあるいは道義的に責任のある者と。あるいはそのある者というのは国会議員というふうに解釈されているわけでございます。そういうことについて政治的道義的責任があるというのは、非常に抽象的な内容でございます。 したがいまして、このリクルート問題につきまして、具体的にそれではどういう方が政治的道義的責任があるのかという解釈はだれがするかという問題に立ち入るわけでございますが、それは国会がお決めになることでございます。ですから、国会がその基準をお示しになれば、私どもも法令の範囲内で十分検討さしていただくと申し上げているわけでございます。私どもが国会議員に対してこの方が灰色議員であるというようなことを申しますと、いわゆる行政機関が国会の上にあって、その国会議員の名誉を害することになるわけでございますから、それはひとつ国会の方で十分お決めいただきたいと申し上げているわけでございます。その辺、十分御理解をいただきたいと思っております。
○本岡昭次君 私は、何も灰色議員を特定せよとか、政治的道義的責任の基準を示せとかちっとも言っていないんですよ。この報告をされたそこに書いてある文言に該当する人は十一人のうちだれかと、こう言っているわけで、その人が灰色であるとかないとか、政治的責任、道義的責任があるからどうのこうのと私は一言も言ってない。勝手に彼がそこにこだわっているので、言ってないわけですよ。私は、ここに言ってある人を、十一人をそれぞれ当てはめてくれと。まず中曽根元総理、加藤六月元農林水産大臣、これははっきりしているからどうかと言っているんですからね。ああいう答弁で逃げるということは、私は次の質問を続けられませんから、ちょっとはっきりさせてください。
○国務大臣(谷川和穗君) 本日私が報告をいたしました経緯につきまして、一言ここでちょっと御説明を加えさしていただきたいと存じます。 実は、法務省といたしましては、従来から起訴をいたしてない方々の捜査の書類につきましてはこれを公にしないことを原則にいたしておるわけでございます、その内容については詳しくは申し上げませんが。しかし本日は、参議院予算委員長から捜査処理についてその報告をいたせということでございましたので、私どもといたしまして法令の許す限りにおいてできるだけの努力をいたして報告を取りまとめた、そして御報告をさしていただいた次第でございます。 なお、当然刑事事件はもう既に捜査が全部完了いたしております。それ以外の問題といたしまして、先ほどお話がございましたような政治的道義的取り扱いになりますと、これは国会から新しい御要請がありました時点で私どもとしては作業をしなきゃならぬ、こういう立場でございますので、その経緯について御報告をさしていただく次第でございます。
○本岡昭次君 いやいや、私は何も道義的政治的責任を追及するからどうのこうのとか、灰色議員を特定せよとか何も言っていないわけですよ。ただ、この報告、今もできるだけ報告をされたとおっしゃるからそれをよく読ましていただくと、どうしてもそこのところが解明されなければ具体的でも何でもないということで、それを明らかにしていただけませんかと、こう言っているだけで、それが勝手にそちらの方は灰色議員を特定するとかどうとかいってやっているわけで、私は納得できませんね。今の大臣も結局同じことじゃないですか、こんなもの。
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。
○本岡昭次君 先ほど私が質問したことについて答えてください。
○政府委員(根來泰周君) 先ほどの報告の中にあります六十一年九月の国会議員十一名の名前については、現在のところ答弁を差し控えたいと考えております。
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
○政府委員(根來泰周君) 国会議員十一名の方あるいはその周辺にリクルートコスモスの未公開株式が譲渡されているのでございますけれども、その十一名の中で既に国会で御本人が申された点については私どもは今ここで申し上げても差し支えないと思いますのでその点についてまず申し上げまして、その余についてはいろいろ御協議いただきたいと思うわけでございます。 まず、前総理大臣の竹下登氏が平成元年の四月十一日に衆議院の予算委員会で御答弁になっております。その件がこの十一名の中に入っております。これは、竹下前総理が直接もらわれたという趣旨ではございませんが、その周辺に株式の譲渡が行っておるということでございます。 それから、宮澤喜一元大蔵大臣が六十三年の十二月一日、参議院の税制特別委員会で御本人がおっしゃっております。その点についてこの十一人の中に入っております。 それから、先ほど申しました中曽根康弘元総理大臣が平成元年五月二十五日の衆議院の予算委員会で証言されております。この方の周辺に行ったのがこの十一人の中に入っております。 それから、平成元年の二月十四日に衆議院の本会議で塚本三郎議員が申されております。その点についてはこの十一人の中に入っております。 その余の点については、現在のところ答弁を差し控えたいと思います。
○本岡昭次君 今の、その程度と言ったら怒られるかしれませんけれども、それを時間をかけて答弁いただいたということ、まことに残念であります。 そこで、私は今のような答弁を求めたわけではなくて、「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」ということの中で贈収賄罪の対象にならなかったという人、またもう一つは「職務権限外の事項」であったという人が、十一人のうちそれぞれがどうなのか。中曽根さんはどうなのか、竹下さんはどうなのか、宮澤さんはそのどちらに入るのかということ。そしてまた、それは「リクルート社及びその関連企業の事業遂行上の懸案事項」となっている、この四つですね、そのほかにもまだあるようですが、そのどれにそれではかかわったのかということ。そういうことを明らかにすることが国会の責務としてあると思うんですね。そのことをここで私がやろうとしても答えないと言う。 しかし、それでは予算委員会なり国会の権威の問題にかかわってくるわけでありまして、これを予算委員長としてどう裁くのか、ひとつその裁きを私に聞かしてください。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの件については、聞けば聞くほどもっともであります。したがって、理事会において協議したいと思います。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。 ただいまの件につきましては、理事会において協議をいたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。
○本岡昭次君 それでは、ここでもうこれ以上審議しても進みませんから、理事会の方で、今言いました国会で明らかにする基準、そういうものを詰めて、そして国会でそのことを明らかにしていくということについてやっていただけますか。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの件につきましては、理事会に諮って協議をいたします。
○本岡昭次君 私の言ったことを諮って理事会で是か非かをやるんですか。それとも私の言ったことを理事会でやるんですか。そこの問題でしょう。
○委員長(初村滝一郎君) それは、こういうことの発言があったよと、これを体して理事会で諮るということ。
○本岡昭次君 それは、あなたも聞けば聞くほどもっともだというふうに肯定していただいたんだから、あなたの責任において私は御信頼申し上げて預けます。そういうことがこの国会の権威に、予算委員会の責務が果たせるようにやっていただきたい。はい、預けます。 総理も今のやりとりを聞いておられたと思うのですが、このリクルート疑獄というのは、動いた金額の大きさ、そして用いられた手法の複雑さ、関与した政財官界の有力者の数の多さ、その影響を受けてゆがめられた政策、行政の広がりなど、空前の規模と深刻さを持った大疑獄事件なのであります。それだけに、国民の怒りと政治不信の拡大は当然のことであります。これは初めから申し上げているとおりであります。そこで、国権の最高機関たる国会が一日も早くリクルート疑獄の全容を解明して、そして政治的道義的責任を明確にする、そのことがみずからの権威と信頼を回復することになる、国会にも自浄作用があった、このように信頼を回復してもらうことであると私は思うのですよ。 そういう意味で、総理が強い指導性をそのことについて発揮されるのかどうか、できるのかどうかということがもう一つのかなめになってくる。この委員会で、今、委員長が預かってくれましたけれども、その問題はあるにしても、一体総理がそれに対してどれだけの強い指導性を発揮していただけるかどうか。裂吊の気合いを持ってやるというのは、それこそ裂吊の気合いということが出るんでしょう。どうぞ。
○国務大臣(宇野宗佑君) きのうも衆議院ではっきりお答えいたしましたが、今のは、いろいろと問題になりましたことを、これはひとつ参議院の予算委員会の理事会で御議論賜りたいと思います。 政府側はどうなんだということになりますが、今、資料発表をいたしましたのは、委員長の要請によりまして政府側として御協力申し上げたということでございますが、新しい要請に対しましては法令の許す範囲内におきまして御協力、そうしたことを検討したいと、かように思います。
○本岡昭次君 これからのことにしておきましょう、時間が大事でございますから。 それで私は、事前に関係各省庁にリクルートに関係した諸問題についてそれぞれ調査したことがあるだろうから、それについてこの場で報告するようにということを求めておきましたので、それを順次今から報告を求めたいと思います。 法務省の関係は先ほどありましたけれども、改めて私はここで申し上げておきます。 リクルート社等から未公開株や金品の提供を受け、あるいは接待等を受けた政治家、公務員及びその秘書、家族など、関係者の全氏名を法務省は明らかにする責任があると思いますが、いかがですか。
○政府委員(根來泰周君) 捜査資料の公開につきましては法律の制約がございます。また、もともと犯罪にならないものを公開するということについてはいろいろまた異論がございます。 そういう点で、いろいろ検討はさせていただきますけれども、現在のところ私は消極に考えております。
○本岡昭次君 大蔵大臣に伺います。 リクルート社等の未公開株の発行、割り当て、譲渡に関し証券取引法違反、証券業協会の内規違反あるいは有価証券取引税、所得税、贈与税などの課税状況について調査をされていると思いますが、その結果の報告を求めます。
○政府委員(角谷正彦君) リクルート問題に対します大蔵省の措置のうち、いわば証券行政に関連する問題についてお答えさせていただきます。 この証券行政にかかわる問題といたしましては、現に生じている事案につきまして証券取引法違反について厳正に対応するという問題と、このような事案の再発防止を図るためにどのような改善策をとったらいいか、こういう二つの問題があるわけでございます。 まず、現行証券取引法上の問題につきましては、五十九年十二月に行われましたリクルート社によりますリクルートコスモス株の売却、それから六十一年九月の第三者割り当て先からのいわゆるリクルートコスモス株還流株といったものの売却、この双方につきましてそれぞれ調査いたしました結果、これらの行為が証券取引法第四条にいうところの有価証券届出書を提出した上で行うべき売り出し行為に該当すると、こういう認定をいたしました。 それに基づきまして私どもといたしましては、リクルートコスモス社に対しまして所要の有価証券届出書の提出を求めるということといたしました。あわせまして、これらの違法行為に対する行政上の対応といたしまして、リクルートコスモス社に対しまして当分の間、大体三年程度を予定しているわけでございますけれども、公募によりますところのリクルートコスモス社の資金調達を自粛させる、こういう指導をしているわけでございます。 それから、六十一年九月のリクルートコスモス社の株式の譲渡人の中には、いわゆるリクルートコスモス社等の役員等がございます。しかも、これらの取得しました役員につきましては、その役員の持ち株につきまして本来有価証券届出書に記載すべきところが記載漏れになっている、いわば虚偽記載になっている、こういった事実がございました。そういったことにつきましても、あるいは公開一定期間前に役員がこういった持ち株を取得するといったことは証券業協会の内規に違反する行為である、こういったこともございます。こういったことにつきましても、それぞれ調査の上、証券業協会等におきましてしかるべき措置をとると同時に、大蔵省といたしましても有価証券報告書等につきましてこれを訂正させる、こういった措置をとったわけでございます。 それから、再発防止策についてでございますけれども、これにつきましては証券取引審議会不公正取引特別部会におきまして、株式公開制度の改善について検討をお願いいたしました。その報告を踏まえましていろいろな改善策につきまして、これは本年四月から既に実施に移しているところでございます。 以上でございます。
○政府委員(伊藤博行君) 税の関係について御答弁申し上げます。 株式の譲渡に関します一般的な課税関係でございますけれども、まず、有価証券を他人に有償で移転させました場合には、相対取引の場合を含めまして有価証券取引税が課されることになっております。 それから、個人が株式を譲渡したときの所得税の関係でございますけれども、これは先生御案内のように、本年三月までの譲渡益につきましては原則は非課税、ただし一定の場合には課税ということで、具体的には年間三十回以上、あるいは六十二年までは五十回以上、それから株数については一定の株数以上というような条件がございます等々で、特定の場合に限って課税という建前になっております。 それから、贈与税というお話でございますけれども、これは一般的には贈与税の発生というのは極めて希有なことかと思いますけれども、可能性の議論といたしましては、本来の時価よりも著しく低いというような場合にはケースによっては贈与税のかかってくる場合もあり得ようかと思います。 以上が一般的な法律関係かと思いますけれども、私どもといたしましては、国会での御議論あるいは新聞等々で報道されておりますようなことも含めまして資料の収集に努めております。そういったものの集積結果が申告されております申告書との対比で問題があれば、適時適切に対処していくということでやってきておりますし、今後ともそのような格好で対処してまいりたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 きょうの報告を聞きましてまた改めて追及させていただきます。 労働省に伺います。 就職情報誌の法規制問題について、リクルート社あるいは政治家からの要請、陳情等の内容、あるいはまたリクルート社寺から株、金品、接待等を受けた者の氏名及び労働省としての措置、そうしたことについての報告を求めます。
○政府委員(齋藤邦彦君) まず、第一点の法規制の検討過程におきましてリクルート社を初めとします関係業界からの要請、陳情等でございますが、五十九年の五月に全国求人情報出版協議会、それから同年八月、日本就職情報出版懇話会から、それぞれ法的規制を含む法改正が行われることのないような要望がございました。これにつきましては、いずれも当時の業務指導課長及び担当の課長補佐が対応したようでございます。 それから、第二番目に政治家の話がございましたが、政治家の件につきましては、この検討の過程におきましてどういうような検討を主としておるのかというお問い合わせが若干の国会議員の方からあったということは承知しておりますが、詳細につきましては、記録等がございませんので、よく判明しないということでございます。
○政府委員(若林之矩君) 今回の問題が明らかになりましてから労働省として関係者から事情聴取を行ってまいったわけでございますが、その結果、加藤元事務次官がリクルートコスモス社の未公開株三千株の譲渡を受けたこと、鹿野元課長がリクルート社から接待等を受けたこと、事務次官交代に伴いまして六十二年十一月に新旧両次官その他の幹部職員がリクルート社幹部と会食したということが認められるわけでございます。 この新旧両次官その他の幹部職員がリクルート社の幹部と会食したことにつきましては、企業との接触につきまして慎重さを欠く行為でありましたので、大臣より、事務次官に対する文書による厳重注意を行いましたほか、他の幹部に対しましても厳しい注意を行ったところでございます。 労働省といたしましては、省内に直ちに綱紀の保持に関する委員会を設置いたしまして、服務規律に関する点検、調査を行うなどによりまして、綱紀の厳正な保持の徹底を図っているところでございます。
○本岡昭次君 文部大臣に伺います。 この就職協定とリクルート社について、文部省のかかわり、文部省の各種審議会などに江副氏などリクルート社の役職員を委員として選出した経緯、そしてこのリクルート社から株、金品、接待等の提供を受けた者の氏名、それから文部省としてとった措置、その報告を求めます。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま委員御質問の就職協定の問題の経緯についてまず申し上げますが、大学等の卒業予定者の就職活動は、学生の最終学年の学習に支障を与えずに秩序ある形で行われ、かつ学生が適切な職業を選択する公平な機会が得られるようにすることが望ましいわけでございます。このような観点から昭和二十八年度以降就職協定が申し合わされてまいっております。この申し合わせば、当初昭和四十七年度まで大学側のみで申し合わせという形で行われていたところでございます。昭和四十八年度から六十二年度までの間は、就職協定は大学側の機関である就職問題懇談会と企業側の機関である中央雇用対策協議会とでそれぞれ別個に決定をされていたわけでございます。 文部省といたしましては、大学側の就職問題懇談会の世話役として大学側の意思の取りまとめを行うとともに、企業側の検討機関との意見の橋渡しを行い、両者の意思疎通が円滑に図られるための調整役を努めるという形で就職協定に協力をしてきたところでございます。 なお、お尋ねの昭和六十一年度協定に対するリクルート社の関与が問題とされているわけでございますが、私自身、当時の文部省の関係者に話を聞いたわけでございますが、協定の決定に関して問題とされるような事実はなかったと承知をいたしております。 なお、委員御質問の今回の一連の問題、不祥事に関しまして文部省としてとった対応でございますが、私も、この問題が文部省の文教行政に対する国民の皆様方の信頼を著しく損なうという結果になったということを深く反省をいたしまして、この信頼回復を図らなければいけないと努力をしてきたところでございます。私自身、省内これまでのいろいろな経緯を十分調査をいたしまして幾つかの対応をしてまいりました。 一つは、四月の二十日付でリクルート社関連の接待の不祥事にかかわる関係者につきまして懲戒処分を一名行いました。二名の戒告処分を行っております。なお、そのほか、社会通念上社交儀礼的範囲内ではございましたけれども、リクルート社との関係のつき合いのあった職員に対して、これは九名でございますが、厳重注意の処分を行ったところでございます。 なお、このこととの関連の中で、文部行政の信頼を回復するために、この際人心の一新を図るという観点から、大幅な幹部の人事異動を行ったところでございます。 なお、前中島文部大臣の時代に服務に関しての委員会が昨年の十二月に設置をされていたところでございますが、これをことしになりまして四月の二十日付で改正をいたしまして、服務規律委員会を設置いたしまして、これに職員の分限及び懲戒に関する調査を行うという任務も持たせて、この委員会を機能させているところでございます。 もう一つお尋ねのございました、各種審議会に江副氏ほかリクルート社の役職員が委員として選任された経緯と理由、選任に関与した者の氏名、役職という御質問でございますが、江副氏につきましては、専修学校生徒に対する修学援助に関する調査研究会、これは大学局長の委嘱でございますけれども、これに就任を、これは昭和五十四年のことでございますけれども、一年間にわたって委員を委嘱いたしております。それと、大学入学者選抜方法の改善に関する会議につきまして、これも大学局長、後に文部省の組織が御承知のとおり改組されまして高等教育局長になったわけでございますけれども、この委員をお願いいたしております。それと学校法人運営調査委員、これは文部大臣の任命でございまして、高等教育局の所管でございますけれども、この調査委員もお願いをいたしております。教育課程審議会でございますが、これは文部大臣の任命でございまして、初中局の所管でございますが、この委員をお願いいたしました。それともう一つ、第二国立劇場の設立の準備協議会の委員をお願いいたしておりまして、これは文化庁の長官の委嘱でございます。最後に、大学審議会の委員もお願いをいたしておりまして、これは文部大臣の任命でございまして、高等教育局の所管でございます。 そのほか、リクルートの社員の方々にも、これかなり詳細にわたりますけれども、かなりの部門につきまして、リクルートの関係の社員の皆さん方にそれぞれの調査会等に所属をしていただいていることは事実でございます。 以上でございます。
○本岡昭次君 また後ほど文書で全体の報告を求めることにしていきたいと思います。 それでは、郵政大臣に伺います。 一九八五年から八七年にかけての日米貿易摩擦において、日米両政府間で協議されたスーパーコンピューターの政府調達問題の協議の経緯と内容、特にNTTからリクルート社に転売された二台のスーパーコンピューターについて経緯と内容の報告を求めます。 なお、関連として外務省、通産省等も報告があるようですからお願いをいたします。
○国務大臣(村岡兼造君) リクルートの問題に関連しましてNTTの真藤前会長など元役員が逮捕、起訴されるような状況になりましたことはまことに遺憾であり、NTTを監督する立場として厳粛に受けとめております。 郵政省としても、問題発生以来、NTTに対し事実関係の調査を指示し、また綱紀の粛正について指導を行ってきたところでございます。 NTTにおきましては、これを受けて、社内に調査委員会を設置して事実関係の把握に努め、綱紀の粛正策及びその徹底について措置をとってきたところでございます。今回の事件に関連してさまざまな問題点を指摘されたことを踏まえ、今後適切な業務執行を行うことによって一刻も早く国民、利用者の信頼を回復し、我が国の主幹的電気通信業者としての責務を果たすよう、二度と起こらないよう適切に指導してまいりたいと思っております。 スーパーコンピューターにつきましては、事実関係でございますので事務当局から説明させます。 以上であります。
○政府委員(塩谷稔君) お尋ねの点についてお答え申し上げます。 まず、最初のお尋ねでございますが、一九八五年から八七年にかけての貿易摩擦におきますスーパーコンピューターの関係でございますが、これは昭和六十年、昭和の年号で答えてまいりますが、六十年一月の日米首脳会談におきまして、電気通信を含めました四分野の市場開放問題を検討します次官級協議、いわゆるMOSS協議を設置することが合意された次第でございます。 このうち、電気通信分野のMOSS協議でございますが、これは六十年の二月以降開始されたわけでございますけれども、この場ではスーパーコンピューター等の資材調達問題は議論されておりませんで、電気通信事業法制定に当たりましての政省令などが協議されたということでございます。 それから、スーパーコンピューターの調達につきましては、導入手続におきます一層の透明性を確保するということ、あるいは無差別な競争の機会を確保するために、六十二年七月十六日開催の第十回アクションプログラム実行推進委員会でスーパーコンピューターの導入手続が決定されまして、私ども郵政省といたしましても、決定内容をNTTを含む関係機関に通知しております。 それから、リクルートに行きました二台のスーパーコンピューターの関係でございますけれども、まず一台目でございますが、NTTから私ども報告を受けているところによりますと、NTTはユーザー、リクルートもそうでございますけれども、ユーザーからのシステム設計などの求めに応じまして、これに関する機器の調達、設置工事あるいは各種試験まで業務として行っておりまして、RCSと言っておりますが、遠方からコンピューターを利用するサービス、これの設計・建設受託契約ということで、スーパーコンピューターをNTTが買って工事を施してリクルート社に転売したということでございます。 商談の経緯といたしましては、六十年の秋に、当時の山口常務に対しましてリクルート社からスーパーコンピューターの購入を含めたシステム設計・建設等について協力依頼がありまして、その後技術面、制度面での実行可能性の検討を開始するとともに、リクルート社と事務打ち合わせを行って、六十一年三月、リクルート社から機器の手配依頼書を受領して、五月にクレイ社と購入契約を締結したということでございます。 最後、二台目でございますが、これは六十二年の四月にNTTの方にリクルート社から話があり、同様な事務的な折衝を経て、六十二年の六月上旬にリクルート社からコンピューターシステム設計受託工事の一環として機器手配の依頼を受けて、六十二年六月末にクレイ社との間で購入契約を締結したということでございます。リクルート社とのこの設計・建設契約は六十二年十二月に締結して、機器の引き渡しは六十三年二月に行っているということでございます。 以上、取りまとめて御報告申し上げました。
○政府委員(内田勝久君) 先生ただいまお尋ねの日米間で協議されました通信機器、スーパーコンピューター等の政府調達問題の協議の経過につきまして、外務省としての御報告を、お答えをいたしたいと思います。 若干ただいまの郵政省からの答弁とダブるところございますが、昭和六十年一月の日米首脳会談を受けまして、電気通信、エレクトロニクス、林産物、医薬品、医療機器につきまして一層の市場開放、市場アクセスの改善を目指すいわゆるMOSS協議が開始されることになりましたわけですが、電気通信の分野のMOSS協議では、通信機器等の基準とか認証の問題を中心として協議が行われました。 他方、この間アメリカ側からは、議会、業界等の保護主義的な圧力あるいは市場開放等の要請を背景といたしまして、調達手続の一層の改善の必要性が主張されたわけでございます。 このような中で、我が国政府機関によるスーパーコンピューターの政府調達に関しては、既に当時から、ガットの政府調達協定というものによりまして内外無差別の原則に基づく調達が行われてはおりましたけれども、米国政府は、なお日本のスーパーコンピューターの政府調達の手続は不透明であるということを理由といたしまして、昭和六十一年度後半ころからこの問題を取り上げるようになってきたわけでございます。この問題は、その後エレクトロニクスMOSSのフォローアップの会合の場で協議が行われていくことになるわけでございます。協議は主として実務者レベルで行われましたが、かつ閣僚レベルにまで上がりまして、我が国のスーパーコンピューターの導入の手続の透明化を図るということを目的として、両国政府間で精力的な協議が行われました結果、八七年七月に我が国といたしましてスーパーコンピューターの導入手続の透明化を図ったいわゆるスーパーコンピューター導入手続というものを決定いたしまして、これを同年、八七年の八月から実施に移したというのが協議の経緯でございます。 以上でございます。
○政府委員(鈴木直道君) スーパーコンピューターの導入手続の透明性を図るための日米間の協議には通産省も参加いたしましたが、内容は外務省から報告ございましたのと全く同様でございます。
○本岡昭次君 あと、建設省と農水省と自治省ですから、御辛抱願います。 建設大臣に伺います。 リクルート社とかかわってきたのが川崎駅西口再開発の問題、それから多摩ニュータウン建設の問題、それから武蔵浦和駅西口の環境開発等々があるんですが、それについて調査したことについての報告を求めます。
○国務大臣(野田毅君) 事実関係についてでありますので、事務当局から御説明いたさせます。
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。 川崎駅西口再開発地域のかわさきテクノピア特定街区約三・三ヘクタールは、明治製糖の川崎工場の跡地の再開発でございまして、リクルート社も地権者の一人になっております。特定街区の決定は、川崎市が決定権者でございまして、川崎市が神奈川県知事の承認を得た上で昭和六十年五月十四日に決定をいたしております。 その決定の中での内容でございますが、このプロジェクトの容積率は六四〇%となっておりまして、このプロジェクトの空地の割合が五〇・一%という数字から見まして、私ども建設省が持っております計画標準から見てもこの容積率は妥当であるというふうに考えているところでございます。
○政府委員(望月薫雄君) 私の方からは多摩ニュータウンにおきます土地処分について答弁させていただきます。 多摩ニュータウンの豊ケ丘地区というところの二万一千五百平米を昭和六十二年の五月に住宅・都市整備公団からリクルートコスモス社に譲渡いたしました。これにつきましては、昭和六十年の三月に改正されました新住法の施行令に基づいて処分したものでございますが、具体的には六十一年の十二月に住都公団の方から建設の指針あるいは譲渡予定価格、これを明示いたしました上で民間事業者を公募いたしたものでございます。その際に十二社の応募があったわけでございますが、住都公団におきましては、業者選定委員会を設けまして、慎重に審査した上でもって、リクルートコスモス社が適切である、こう判断して処分したと承知いたしております。 また、この処分価格でございますが、これにつきましては、新住法によりまして時価を基準にする、こういうことになっておるわけでございます。公団におきましては、鑑定機関二社の鑑定をとりまして、適正に評価したというふうに承知いたしております。この土地の処分代金は、昭和六十三年の四月までに全部払い込まれております。 なお、この土地は、その後昭和六十三年の十二月からことしの一月にかけまして最終需要者、いわゆる市民に対して譲渡されたわけでございますが、この譲渡価格の決定に当たりましては、新住法上利益を一切計上できないということになっておりまして、そういった意味で全体を通じて新住法等に基づきます適正な手続を踏んで措置がなされたものと理解いたしております。
○政府委員(湯浅利夫君) リクルートコスモス社が武蔵浦和駅前において取得した土地につきまして、同社から浦和市に対しまして地方税法第六百三条の二の規定による特別土地保有税の免除の申請が出されたわけでございますが、浦和市といたしましては、この免除申請に基づきまして、同市に設置されております特別土地保有税審議会に付議をいたしまして、この審議会は現地調査などを行った上でこの土地につきまして特別土地保有税を免除することが適当であるという答申を出しまして、浦和市はこの審議会の答申に基づきまして特別土地保有税を免除したと承知いたしております。 この免除処分に対しましては住民監査請求が提出されまして、浦和市の監査委員の監査が行われました結果、特別土地保有税審議会は、現地調査、書面審議の結果、免除対象土地として取り扱うことが妥当である旨の答申をして、それを受けて浦和市が子別土地保有税を免除しているという事実認定を行いますとともに、監査委員の判断といたしましても、この免除が適正な判定の結果によって行われたものと認められるというふうにしているところでございます。現在、免除処分の取り消し等につきまして訴訟が提起されておりまして、係争中であると伺っております。 自治省といたしましては、市町村の個別の課税関係につきまして調査する立場にはございませんけれども、以上のとおり市の方から説明を受けているところでございます。
○本岡昭次君 農水大臣に伺います。 岩手県安比スキー場開発計画について、リクルート社とのかかわりについての報告を求めます。
○国務大臣(堀之内久男君) 安比高原スキー場の開発については、いわゆる第二安比の事業主体の変更及び安比視察の際のヘリコプター契約について御議論があったと承知をいたしております。 一番目の事業主体の変更については、当初予定していた事業主体から事業断念の申し出があった後、地元岩手県及び松尾村の強い要望を踏まえ、慎重に検討した上で、所定の手続を経て行われたものであります。 二番目のヘリコプター契約については、所定の手続を経たものの、結果として、民間借り上げに便乗したことは軽率であり、遺憾に存じております。 なお、この件については、事務次官から林野庁長官に対して厳重に注意したところであります。 国有林野は国民共通の財産であり、今後とも、より一層の適正な管理に努めていく所存であります。
○本岡昭次君 最後に、自治大臣に伺います。 リクルート社が政治家及び政治団体に行った寄附、大量のパーティー券購入などについて、政治資金規正法上どのような対応をしたのか、報告を求めます。
○政府委員(浅野大三郎君) 実は、自治大臣所管の政治団体は四千七百ほどございまして、そのすべてを調べることが物理的に困難であるということを御理解いただきたいと思います。これまで特定の名前を御指定の上、私どもが調査させていただいたものはあるわけでございますが、大体リクルート社という名前の記載は出ていなかったというふうに記憶しております。
○本岡昭次君 今まで延々と関係した各省庁がリクルート疑獄についてどれほど積極的にかかわったかということを私は聞きたかったのであります。そしてまた、最初から申し上げておりますように、リクルート疑獄の全容を解明するというのは大変なことであると思います。今、各省庁から聞きましたけれども、それは私は、何も納得して聞き流したわけじゃないわけで、これからきょうの報告に基づいてさらに一つ一つ詳細にただしていく必要があると考えておるわけであります。 それにしましても、最大の問題は、国政調査権というものが法の趣旨どおり十分発揮できるのかどうかということなのであります。私が一議員として今のように質問しましてもあの程度の中身しかわからない一わけでありまして、問題の本質はもっと別のところに隠されているわけで、国会は調査権を通して隠された部分を公開していくということでなければならぬわけであります。 そういう意味で、委員長にお願いしたいのでありますが、国会法第百四条に基づいて、関係する各省庁全体の政府報告というものを、我が党も具体的に提出してまいりますので、それを国政調査権において公開し、提出されるよう私は要請をしたいと思います。
○委員長(初村滝一郎君) わかりました。理事会で協議をして処置いたします。
○本岡昭次君 いま一つの問題であります。 これは五月二十五日、参議院抜きで行われた衆議院の中曽根一証人喚問の問題であります。 衆議院の証人喚問でその疑惑とするところが解明されておれば、それはそれなりに問題はないと言えるかもしれません。しかし問題は、参議院を外されたということ、参議院の証人喚問という要求が無視されたということ、そこのところが決定的に私は納得できないのであります。 しかもなお、衆議院での証人喚問の中身を見ましても、リクルートコスモス株の譲渡の経過、性格、使途、また政治献金等政治資金規正法上の関係、全く不明確のままであります。さらに、藤波元官房長官と中曽根元総理大臣との間における職務権限の問題、あるいはまた審議会委員の選任、江副氏との関係、スーパーコンピューター購入問題など深く疑惑が残されたままであります。 したがいまして、私は、改めて中曽根証人喚問を本参議院において、特にこの予算委員会において行われるよう、これについても委員長に要請しておきたいと思います。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの本岡君の申し出につきましては、既に理事会に要請書が出ております。したがって、理事会において協議をいたします。 本岡昭次君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 休憩前に引き続き、本岡昭次君の質疑を行います。本岡君。
○本岡昭次君 消費税の質問を行う前に、政治倫理問題を若干お伺いしておきたいと思います。 私はここに、宇野総理大臣の選挙公報、三年前の衆議院選挙の選挙公報を持っております。ここに「政治倫理」という項がございまして、「一切の不正と不道徳を許さない厳正な政治倫理の確立」、このように「私の公約」として記されてあります。選挙以後今日まで三年近く経過をしようとしているわけでありますが、この公約の実現に向けて総理も努力をされてきたと思いますし、これからも政治倫理の確立に向けて努力されると思うのでありますが、この点についての所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) お読みになったとおりの公約を私はいたしております。前回だけではなく毎回いたしております。そして、政治家としてその公約どおり私はやってまいってきております。
○千葉景子君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。千葉景子君。
○千葉景子君 ところで、政治倫理にかかわりまして、現在、宇野総理と女性にかかわる問題が国内ばかりではなくて国際的にも大変大きく報道されております。総理は、この問題については私的なことで、公の場で答えることを差し控えたいという態度に終始をされておりますけれども、これは既に国民からもあるいは国際社会のルールからも納得されないところだろうと思います。 そこで、まず第一点なんですが、宇野総理が総理として推挙された第一の理由というのはやはり清潔な人である、こういう点だったと思うんですね。ところで、清潔であるということは、別に神様みたいなのを指して言うわけではありませんけれども、金銭の問題ばかりではなくて、人間としてクリーンかどうか、あるいは他人の人格やあるいは人権を守り、不道徳はないか、こういうことがやはり問われる問題だというふうに思います。当然、女性の人格とか人権にも正しい認識をお持ちになって、それに基づき行動をされているかどうか、こういうことが問われているわけですね。選挙公約でもそういうことをうたわれている。また、総理府に置かれた婦人問題企画推進本部の本部長という立場にもあられるわけです。 だとすれば、総理をめぐる報道というのは、こういう総理としての適格性があるかどうか、そういうことに疑義が呈せられているわけですから、やはりこの際、その事情を国民の前にあるいは世界に対しても明確に説明すべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど申し上げましたとおり、私は、政治倫理というものを大切にしてまいっておりますし、今後もこれを一番大切にしなければならない、当然のことでございます。 特に私は、政治倫理ということにつきましてはさらに次のように考えております。社会的倫理もあれば、またその人の得ているところの身分、そうしたところからいろいろと慎重を期さなければならない、守らなければならない公的倫理がある、これを私は今回も政治倫理の高揚ということの一番大切なことにいたしておるわけでございます。そのためには自分自身の倫理も守っていかなければなりません。私は、さような意味合いにおきまして人倫にもとるようなことはないと、かように申し上げていいのではないかと思います。 特に、千葉さんから女性に対してはどうかというお話でございますが、私は、かつて女性を軽べつしまた侮べつしたこともございません。ましてや男女同権の今日であります。私は常に崇拝をしてまいっております。
○千葉景子君 仮にそういうお立場であるとすれば、今、報道されているような内容は事実に反する、極めて総理の今度は人格を侵すような結果にもなるわけですけれども、そういうことに対して、それでは総理としては何らかの措置あるいは反対の態度、報道に対する抗議、そういうことはなさっていらっしゃいますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今おっしゃったことが非常に御迷惑をおかけしておるということに対しましては私は遺憾だと、かように思っております。 私のことでございますから、この問題に関しましては公の場でいろいろと申し上げることは私は避けたい、かように思っております。
○千葉景子君 先ほど申しましたように、これは公の、私的な問題ではなく、総理としての適格性の問題でもある。さらに現在、日本の国際性というのが非常に求められている。総理は外相の経験もあり、国際性をやはり認められて総理にもなられた。今後サミットヘの対応などもございます。こういうあいまいな態度では、今、国際社会の中ではやはり信用をなくしていくと言わざるを得ないと思います。それは、国民にとっても日本の国民性あるいは日本人の倫理観、そういうものを問われるという意味からも総理の責任というのは大変大きいというふうに思うんですね。 いろいろアジアの女性に対する性の搾取、こういうものが世界からも批判されている中で、またこういう報道がされるということは、世界から見ても日本というのはそういう国なのか、こうとられざるを得ない、そういう側面があると思います。 この際、はっきりと事実があるかないか、そして今後のサミットに向けて、あるいは国際社会に対してどういう対応をとられるのか明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) サミットを初め大切な国際会議がございます。これは国と国という一つのお話し合いでもございますが、やはり人と人とのお話し合い、このことは私外務大臣当時、十分心得ております。 したがいまして、そうした問題が国際的にとやかく言われておるというふうな今の御指摘でございますが、私といたしましては、サミットはアジアから出る唯一の国であり、同時に先進国の唯一の国である。それを代表するわけでございますから、それにふさわしい努力は今後続けていきたいと、かように考えております。
○本岡昭次君 それでは、まず、消費税の実施後の現状について伺ってまいります。 消費税が実施されましてから早くも二カ月半が過ぎました。総理や大蔵大臣あるいはまた自民党の方々は、混乱も予想したほどでなく順調に推移しているといった認識を持っておられるようであります。しかし、それは政府・自民党の皆さんがこの永田町でとらえておられる感覚でありまして、消費者も、税務署の代行機関のようなことをさせられている事業者の皆さんも、怒りと不満をうっせきされておられるのが現状であるというふうに私は思います。既に消費税の構造的欠陥が露呈しており、物価上昇、便乗値上げ、下請いじめなど深刻な事態が生じておるのであります。 自民党の強行採決で成立してきたこの過程、また消費税実施後の現状、これは総理はどのように認識しておられますか。改めてこの場でお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) もう本岡委員も御承知のとおり、消費税は前内閣が本当に政治生命をかけておつくりになった税法であり、同時に我々といたしましても、高齢化社会がもう目の前に来る、そうしたために一番よい税法ではなかろうか。つまり、直接税は痛税感を伴うが、間接税は、所得を一応ポケットに入れる前にお支払いしてポケットに入れるというふうな税金でございますから、したがいまして痛税感なし、そういうふうなことで出発いたしました。しかし、やはり我が国の社会にはこれはなじみの薄い税法でございます。したがいまして、事業者の方にも、また消費者の方にもともどもに戸惑いがある。そうしたことは私は否定できない、かように思っております。だから、例えば免税点の問題に関しましても、この改革法の中に、免税点に関しては一年を経た時点においてひとつ見直そうということもはっきり書かれておるわけでございますから、いろんな面においてやはり私たちは国民の声に謙虚に耳を傾けたい、こういうふうに私は考えておる次第でございます。 さような意味で、やはり今いろんな問題があろうが、来年の一年たった五月ということを待たずに直ちにそういう勉強会を始めていただいたらどうであろうか、私はこのことを大蔵大臣にお願いいたしました。大蔵大臣からも政府税調にそのことが伝わっておる、私はかように考えます。間もなくそういう勉強会を始めてもらえるのじゃないかと私も思っておりますので、そうしたことを通じまして、さらに国民の方々にも十二分なる御理解を賜ると同時に、そうしたいろんな声も私たちは吸収してまいりたい、かように考えています。
○本岡昭次君 一つの問題は物価上昇でありますが、政府は四月の時点で、消費税における物価上昇は今後大きくならないだろうというふうにおっしゃっておられました。しかし、公定歩合も引き上げなければならぬということになりました。また、総理府の調査によりますと、五月の東京都区部の消費者物価は前月比で〇・六%、前年同月比で三・三%それぞれ上昇をしています。消費税の転嫁が進むにつれてやはり上昇していると私はこれを見ているんです。四月の全国の上昇率も、今年度政府経済見通しでは二%というふうにおっしゃっていましたが、それを既に上回って二・四%というふうになっている。やがてこれが五月、六月とずっと続くとどうしても消費税が物価を押し上げていくという状況がさらに増していくのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 消費税は値上げをしたとき一回限りの上昇にとどまる性質のものでございます。したがいまして、四月の東京都区部を見ますと、全体で一・四%前月に比べて上がっております。ただ、そのうち生鮮食料品、これはいろんな変動がありますので、これを除きまして、しかも除いた後で季節調整いたしますとちょうど一・二%でございます。これはたまたまでございましたが、しかしいろいろの値上げの状況を見ますと、値上げを見送った今後で上げるであろうという人もおるだろうと思って、それは我々は小売業者の小さい方々の二割ぐらいかなと、店舗数で言って。これは通産省の調査、それから経企庁の調査、それから東京の商工会議所の調査、いずれもそういう初めの四月に全部上げ切っていないという、二割ぐらいは残しておるといいますから、五月にどれぐらい上がるのか、こう見ておりましたら〇・六でしたね、今おっしゃるとおり。そのことはしかし、三月の二月に対してどれぐらい上がっておったか、つまり消費税のないときにどれぐらい上がっておったかというのを見ますと、やはり〇・五とか上がっておりますので、なるほど積み残した人も少しは上げたかもしれぬけれども、それほど大きい影響ではないなと。ですから、私の認識ではほぼ上げ切っておるなと、そう思っております。 ただ、東京都区部の対前年同月比が三・三%であることはよく承知しております。したがってこの消費税の問題は、まあいわば五月で恐らくもう私は出切ったと思っておるのでございますけれども、別の要因でいろいろ上がることはもう御案内のとおりでございます。いろいろな為替レートの関係、あるいは原油価格がこの前まではずっと下がっておったのが今ずっと上がってきておるという問題、あるいは労働力は非常に需要が緊迫しておるわけでございますので、そういったものからして賃金が上がっておるとか、いろいろなコストアップの要因があるわけでございますので、そういうものであろう、こう見ております。 しかし、三・三%という数字、全国平均では二・幾らでございますけれども、この物価の上昇率というのを見ますと、先進国の中では一番まだ安定している。一番低いところにありますから、これだけ長く景気が続いて、そうして各国みんな景気は拡大基調にあるわけでございますが、ほかのところは例えば五%というようなのがアメリカとかカナダ型であるとか、それからもう九%ぐらいいっているのがEC型であるとか、いろいろ見ますと、日本の対前年同期比もかなり先進国の中では落ちついておる。ただしかし、為替の関係とそれから原油の関係はやはり注意を要する。公定歩合を上げたというのもひとえに予防的な措置として上げさせていただいたのでございます。 今後とも物価につきましては、景気を長く続ける必要があると思っておりますので、我々は注意して適宜適切の措置をとってまいりたい、このように思っております。
○本岡昭次君 物価問題は、我々は平均の数字をもって論議をします。しかし、消費税という問題にかかわって実際に起きている問題は、やはり逆進性という問題にかかわる格差が増大しているというところをやはり総理も大蔵大臣もしっかり見ておいていただかなければならぬと思うんです。それは所得の高い人と所得の低い人の中で、消費税で物品税を廃止したということがどういうふうに実際の生活に影響してくるかということなんです。 だから、高級品あるいは奢侈品というふうなものの物品税が低くなってきた。しかし、その恩恵を受ける層と受けない層、そして全然今までそういうものにかかわりがなかった層で消費税の三%をもろに受ける層、つまり生活保護世帯とか身体障害者、精神障害者の皆さんとかあるいは年金生活者でありますが、だからそういうふうにして所得の高い者と低い者が対照的な状態で格差が増大しているというところをしっかり見ていただかないと、物価の全国平均という数字のところだけで見たときは実体を見失うということになる。そこのところを特に私は強く政府に申し上げておきたいんです。
○国務大臣(村山達雄君) 物品税の話が出ましたので、物品税は、我々がずっと見ておりますと、所定のとおり引き下がっております。 そこで、物価の読み方でございますけれども、やはり自動車であるとか耐久消費財でございますが、これは何年に一回した買わないわけでございます。それはしかし物価の指数の中に既に組み込まれておる。御案内のように、一万分で計算してあるわけでございます。したがいまして、やはり生活全体としては物価指数で足りるんじゃないかと思っております。問題は、一律三%がいいかどうかというところにあるんだろうと思うわけでございます。そういう意味で、やはり物価というのは物価指数の操作の中ですべてがウエートとして計算されておるわけでございますから、我々が見るときはやはり物価でいいんじゃないかと思っております。 ただ、おっしゃるように、この消費税は消費額に比例するわけでございます。したがって、消費額といいますと所得の高い方ほど消費額は多くなります。したがって、消費税の額は所得の多い人が払うことは当然でございますけれども、所得に対する割合という面から見ますと、それはどうしても所得の低い人は、例えば消費は八割やるとか、それから高い方は六割ぐらいしかやらぬ、こういうことでございますので、所得に対する率で計算しますと、これはいわば率は所得の多い方が低いわけでございます。それがいわゆる逆進的と言われているものでございます。 もちろん、御案内のように、税というものは、今大体国税、地方税合わせまして五十ぐらいあります。それぞれ短所、長所がございますので、その組み合わせをやっているわけでございます。税体系が逆進的であるかどうかというのは一つの税ではないのでございまして、我々は全体の租税体系としてどうであるかと。それから、所得再配分の問題になりますと、これはもう当然のことでございますが、歳出まで入れて計算しなければならぬということでございます。今度の逆進性の問題は、実は歳出でもう全部手当てをさせていただいている、こういうことを申し上げているわけでございます。
○本岡昭次君 また議論は別のところでさせていただきたいと思います。大蔵委員会でまたやります。 そこで、もう結論の方へ行きたいと思います。前段をやっておりますとどうもだれますので。 それで、総理も最初に見直しということでお話しになりました。勉強会を早く開いてくれと今要請しているところだと、こうおっしゃいましたが、見直しという問題なんです。 見直しというのは、実施をして相当長期間要して、そして問題が出てきて見直すという論議というのは私もわかるんです。しかし、消費税問題については私もうこの予算委員会で三度目の質問なんですが、実施する前からやっぱりそれに似たような答弁が出てくる。そして、実施するや否やすく見直しになってくる。地方の選挙へ行っても、自民党系の方は遠慮がちに右肩の方に消費税見直しなんというようなことを書いて選挙をやっておられる。一体これどういうふうになっているのか。実施してすぐ見直しなんて、随分これはむちゃな話だなと、こう思うんです。それなら初めから実施しなければいいという議論にこれははっきりなってくるんですよ。 今の段階で見直し見直しとおっしゃいますけれども、一体何をそれでは見直そうと思っておられるんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 税制改革法第十七条第三項に既に見直し規定が入っておるのでございます。ですから、この前の税制改革特別委員会で与野党の合意に基づきまして、我々が例えば免税とか簡易課税というのはこういうわけで入れましたと言っておりますけれども、野党の人たちは、君たちが考えたように作動するかどうかは実施状況を見ないとわからないから見直し規定を入れようじゃないかと。与党も、もちろん初めてのことでございますので、謙虚に伺ってそれじゃ入れましょうと。 それで、見直し規定を見ますと、要するにそこのところは、納税者の――事業者ですね、事務負担がどれぐらいなのか、どれぐらい経費がかかるのか、そういったことをよくやりなさい、それから、どれぐらい値上げしたんですか、転嫁の状況がどうなのか、コストの分だけ免税点以下の人が上げたのか、それとも三%上げたのか、いっぱいいっぱい上げたのか、その辺の状況もよく見て、そして一方、公平という観念から言われているわけでございますので、納税者の公平という点から見直す点があるかないか、こういった点を勘案した上所要の措置を講じなさいともう規定に入っておるわけでございます。 そこで、これが一巡いたしますのは来年の五月ではございますけれども、既にそういうことがありますので勉強はしておいた方がよろしい、この十七条第三項の要請にこたえるためにはどういうチェックポイントを置いてどういう点をチェックしたらわかるであろうか、この点は今から勉強しておいた方がよさそうだと、こういうことでございますので、税制調査会を早く開いていただいてそのチェックポイントをまず勉強していただく。それから、最終の申告は九月になります。そこまで出ないとなかなかわかりませんけれども、今からもうどこの点をチェックするかということだけははっきりしておいた方がよかろう、これだけやかましい問題でございますので。そういうので勉強をしていきたいと、こういうことでございます。
○本岡昭次君 チェックをしたいというその観点ですが、これは免税点、それから簡易課税、そして限界控除、中小業者のいわゆるみなし課税というんですかね、特別措置。それから何か内税と外税とあるけれども、できれば痛税感をなくするために内税にしたいとおっしゃっている。痛税感があるからこれは税金というものの一つの意味があると私は思うんですが、その痛税感をなくするために内税なんと言うたら、国民をだましだまし知らぬうちに、だれかが言った、鳥の羽を何か痛くないようにむしるように税金を取るものだなんという名言を吐いた人が昔おられましたけれども、そういう考え方というのはやっぱり国民をだましだまし税金を取るものだという思想につながると思うんですよ。 だから、今言った中小業者に対する特別措置とそれから内税、外税のこの問題、こうしたことが現に見直しの観点の中に、大蔵省の中にあるんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 主たる問題は、やはり免税点、それから簡易課税、限界控除、こういった点が多く野党の人たちから御指摘を受けて、それであの規定が入ったわけでございますが、しかしこの帳簿方式というのは日本は初めてですね、付加価値税方式の中で。それから、帳簿方式というものは、これは非常に所得税、法人税の書類を使えばそのまま大体事が済むと、こういうことでやっておりますが、果たしてそうであるのかどうか。それから、今の売り上げの方が全部課税でない場合、非課税の分が五%を超えておりますと仕入れの方を案分しなくちゃなりません。これがどれぐらい手間がかかるのか、こういった問題もやらねばなりません。 それから、内税か外税かという問題は、これは別にどっちでなければならぬとは言っておりません。適正な転嫁をしなさいということを言っているだけの話です。ただ、これは必要があったら消費者にわかるように、取引の相手方に税がわかるようにしなさいという念のための規定は入っておりますが、強制すべきものではございません。内税か外税かというのは専ら事業者と消費者の便宜の法則によって決まるのであろうと、こう思います。ですから、取引の中で、どういうふうにやってみたが、どちらが便宜かと。便宜という言葉は広い意味でお考え願いたいと思います。 ちょうどきょう、フランスの付加価値税の大家が昼間やってきました。これはデンマーク、フランスが最初に二十年前に入れたわけですね。それで、あそこは複数税率を用いております。内税と外税の関係も聞いてみました。あんたのところはどうなっているのかねと言ったら、大体事業者の間では全部外税だと。それから対消費者の関係では、一部のものを除いては大体内税になっております、一部のものは外税になっておりますと、そういう話でございました。これは恐らく事業者とそれから負担する消費者の間の双方の便益からいたしまして、二十年たってそういうふうに定着しておる、こういうことを言っておりましたので、なるほどそういうものかなと、こう思って参考までに聞いておったということでございます。
○本岡昭次君 問題は、私もこの場で言いましたけれども、四千八百億の税が国へ納まらない、結局消費税という仕組みを利用してその業者がもうけることができる結構な税ではないか、あるいはまた売り上げに〇・六あるいは〇・三掛けて簡単に出せる非常に簡単な税制だと、帳簿方式だから伝票のように一々書かなくともいいんだというふうにして、売上税のときの問題をあなた方はカバーしてこれを実施した。見直すとなったらそこをまた見直す。業者の人にしてみたら頭をなでられて、しばらくしたらどんとどつかれる、こんなけしからぬ話は私ないと思うんですよ、全く。この中小業者というものをあなた方は消費税を導入するために手玉にとった、それしか言いようがない。しかも、先ほど最初に言ったように、実施して二カ月半たったといっただこの時点で、もう既にそのことをやらないかぬということは、これは消費税を廃止するというところからスタートすることの方が、よりこれはもう国民的な要望にこたえられると思うんです。 そこで、国民の声に謙虚に耳を傾けるということはずっと総理おっしゃるわけで、その国民の声が一番よく出てくるのは選挙であります。七月二十三日に参議院選挙が予定をされておりますが、ここでは恐らく消費税が争点になるでしょう。自民党は見直しとおっしゃるかもしれぬ。そのほか、いやこれを廃止をしようというところもある。そこで国民のこの消費税に対する意向というものがわかるわけですね。その結果がはっきりして、消費税はやっぱりやめてもらいたい、廃止してもらいたいという声が多数であるということがわかった段階でも今のような論議をされますか、総理。
○国務大臣(村山達雄君) これは、消費税を導入した経緯でございますが、売上税を六十二年に提案いたしまして、そして非課税のものを五十一項目つくって、これの方がやはりいいんじゃないかとやってみましたら、非常に不公平になったということは、もう御案内のとおりでございます。ほとんどもう実務にたえないというぐらい煩雑になりました。そこで、今度はどっちかというと執行がスムーズにいくようにということで、今の消費税ということで我が党も全部これに賛成いたしたのでございます。そういうことで、御案内のような経緯を経まして通ったわけでございます。 これは問題は、四十年来の実は租税体系の改正であるわけでございまして、これからの高齢化社会をにらんで、そして総体的に稼得者が少なくなる、働き手が少なくなる、そういう時代を迎えるわけでございますので、所得に対する課税にだけ頼っているということは、結局平たい言葉で言えば、月給取りが大変なことになる、こういう発想でやっているわけでございます。したがいまして、所得、資産、消費の間にやはりバランス感覚を持って、そうして全体の税として公平を保っていくと、こういうことでございまして、長寿社会になったときにやはり負担の配分というものは、その一国の経済社会の活力に非常に影響することは、各国の例を見りゃよくわかるわけでございますので、これがいわば歳入構造における一つの礎である、こういうふうに考えてやっているわけでございますので、通ったことからいいましても、それから現在の状況からいいましても、廃止するつもりはないということだけははっきり申し上げておいていいのだろうと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今、大蔵大臣からお話がありましたとおりに、所得、消費等々のバランス、資産とのバランス、これは常に我々は考えていかなければなりません。 特に、十四、五年前でございますが、今日のサラリーマンの方々、非常にその当時いわゆるクロヨンというので問題がございました。私が、失礼でございますが、サラリーマン減税を始めようということで、自由民主党の税調がそれに呼応していただきまして、そうして初めてサラリーマン減税、いわゆる幾らまではどれだけの控除というふうな制度ができたのでございます。その当時、私じっと見ておりまして、やがてサラリーマンの納められる源泉所得の方が法人税を上回るような時代が来るかもしれぬよと、こういうふうに申し上げておきましたが、確かに今日源泉所得の占むる割合は非常に高いものになっております。だから、大蔵大臣が申されましたとおりに、やはり所得、資産そして消費というこの三つの面における課税というものは常にバランスを考えていかなければならない。かようなことを思いますと、我々といたしましても、今日の消費税がその役目を果たしてくれるものであると、かように考えております。 ただ、消費税は、先ほども申しましたとおりに、これは高齢化社会のため、また国際化日本のため考え抜いた税法であるから今のところ私は撤廃ということは考えておらない。見直し点をいろいろと議論すればよいので、そうして定着を図っていきたいと、かように考えておる次第でございます。
○本岡昭次君 七月の参議院選挙でこの問題の一応の決着を私たちはつけなければならぬと、こう思っておるわけで、参議院選挙において国民の意思は消費税廃止となっても今お二人は、いや断固として続けていくんだと、こうおっしゃるわけで、そういうことが果たしてできるのかどうか。私は、そういう政権なり政府というものはますます国民の意思から離れて、あなた方自身がそのことによって政権を放棄せざるを得なくなる。また、我々はそれに対して頑張っていかなきゃならぬということをより強く私は決意いたしました。 それで最後に、この問題で資産、所得、消費ですか、その問題のバランスということを今おっしゃいましたけれども、それでは一体資産課税の問題、資産性課税の問題を、バランスをとるように政府がどれだけ積極的に今やっておられるかということですよ。税制調査会の中でも、三つの引当金問題であるとか、あるいはキャピタルゲインのところでどうするとか、いろいろあなた方はおっしゃっていても一向に手がつかない。有価証券のこの問題についても、そこに莫大な金が動いていても、そこには分離課税の一%の問題しか手が入っていない。なぜ早く納税者番号制度というところに一歩近づくような具体的な手だてをやらないのか、そこだけをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 資産課税につきましては、言ってみますと資産の移転課税、それから資産の保有課税、それから資産から生ずる所得課税と三つあるわけでございます。今、問題にされたのは恐らく資産所得、やはり株の値上がりとか、土地の値上がり、こういったものからくる所得課税の問題に触れられたのだろうと思います。 土地につきましては、これはもうずっと税が先行しまして、いろいろな超短期のキャピタルゲインに対しては重課するとか、あるいは相続税におきましてもループホールをなくすとか、法人税におきましても、借入金でいきなり使う見込みのない土地を買った場合には損金算入の時期を延ばすとか、いろいろな手だてをやっておるのでございますが、何と申しましても、やはり土地基本法というものがはっきりして、そしてあのように土地の利用については公共的な制限があるんだという思想、それから、値上がりした場合には社会に還元するのが当たり前のことではないですかと、こういう思想ですね、これがやはり国民に浸透してこないときにどんな税制をやっても私はだめだと思っているのでございます。土地基本法がそれと関連いたします各種の施策が行われるときに、税も同じような見地に立っていろいろの点を見直していけば、これは効果があるんじゃないかと、こう思っております。 所得課税については、おっしゃるように、今度キャピタルゲインについては原則課税にいたしました。申告分離と源泉分離にいたしました。それで利子は六十二年の九月の改正でこれはもう比例税率でやったわけでございます。 それから、両方とも附則が入っておりまして、その総合課税のあり方を検討せよと、こういうことでございますので、何といってもその執行の体制を整えなきゃならぬわけでございます。それがいわゆる納税者番号と俗に称されるものでございますが、これを既に関係省庁十三省庁ぐらいで今検討を始めております。 問題は、税のためだけの番号であっていいのか、その場合に年金の番号まで一緒に使ったらどうか、あるいは人口政策上の番号にそれが使えるのかどうか、こういう問題もやはり考えていかなければならぬ。そしてまた、税調で指摘されましたように、プライバシーの保護はどうやって納税者番号をつくったときに保護されるのか、それもあわせて検討をやっていけ、こういうことでございますので、今、鋭意この問題を詰めている最中でございます。 利子所得でございますと、六十二年でございますから、あと二年ちょっとぐらいの間には結論を出さなくちゃいかぬな、しかしやはり慎重に、大事なところでございますので慎重にこの問題を詰めていきたいと、かように考えておりますので、この問題もやはり相当詰まってくるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○本岡昭次君 納税者番号の問題のときには、私は前提条件として、やはり情報公開という問題を一方持ち込んでおかなければ、国民の側のすべての情報が政府に明らかになって、政府のやっている行政の方は全然わからぬ、こういう問題ではだめだと思うんですね。だから、プライバシーと情報公開その両方があって、そして納税者番号ということを私は申し上げておきたいと思うのであります。 そこで、最後に外交問題について若干申し上げておきます。 まず、中国でありますが、中国の現在の情勢と今後の見通し、政府はどのように認識されておりますか。
○国務大臣(三塚博君) 現在のところ中国情勢は、鄧小平、楊尚昆、李鵬ラインが主導権を握りまして、事態が一応収拾される方向に向かっていると見ております。 今回の事態が中国の内政にいかなる影響を及ぼすかにつきましては、今後開催が予定されております四中全会、中国共産党第十三期中央委員会第四回全体会議の結果等を含めまして事態の推移を見詰める必要があろうかと考えております。
○本岡昭次君 北京では数千人とも数万人とも言われる死傷者が出ている、そのほかの主要都市でも抗議運動が続き犠牲者が続出しているという報告があります。政府は中国政府に対して、武力弾圧とこれ以上の犠牲者を出さないよう、いかなる方法と内容で意思表示をいたしておりますか。
○国務大臣(三塚博君) 学生、市民など多くの人命が失われるという中国の今般の痛ましい事態はまことに遺憾であるわけであります。かかる我が国の立場は、七日、既に外務事務次官より在京の中国大使に対しまして明確に申し入れをいたしたところでありまして、その際、事態のこれ以上の悪化を望まないとの観点から、中国政府の自制を強く求めたところであります。
○本岡昭次君 いや、具体的にどのように自制を求めたのですか。
○国務大臣(三塚博君) 既に本会議におきまして宇野総理より、憂慮というのは、まさに人道上の見地を第一にいたします、生命と財産を守り抜いていかなければなりません人民軍がその国の国民に鉄砲、銃口を向けるようなことがあり、なおかつ死傷者を出すということは人道上の見地から許しがたいことであると、こういうことで人道上の見地を強く表明させていただき、一方において、負傷者に対する医療品等の援助、御要望がありますればいつでも対応いたしますと、こう申し上げたところでありますが、御要求はございません。 さて、そのほかの対応ということは、委員は恐らく経済協力等々の点をいかがするか、こういうことであろうかと思うのでありますが、経済協力は本来その国の国民の幸せの増進のためにあり得ますものでございますから、事実上中止をいたしておりますプロジェクトはございますが、平静に戻ることに相なりますれば、計画はそのまま進めてまいるというのが我が国の基本的な立場であろう、これも総理が申されたところであり、今まさに平静に相なりますことを重大な関心を持ちまして注視をいたしておるというのが我が国の立場であります。
○本岡昭次君 平静になるというこの問題であります。そのために、学生や労働者、文化人など民主化運動のリーダー、活動家に対する一斉逮捕というものが全国的に進められている。日本におる中国の留学生もビザの問題あるいはパスポートの問題等々のことで悩んでいる。我々の中にスパイがいて、我々自身もこちらで拉致されるのではないかという心配が私たちのところにも一つの声として来るというふうな事態にもあるわけです。このような強権行使が民主主義と基本的人権の一層の侵害であるということをやっぱり明確にしなければならぬと思います。 中国も国連に加盟をしているわけでありまして、国連の精神が人権、人道というものをどれだけ重要視しているかということはこれは十分わかっているはずであります。これをやめさせるよう、二国間でもあるいはまた国際的な立場でも、日本が隣人としてそれこそ具体的な行動を起こすべきではないかと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 大切な隣国でございます。だから、大切なればなるほど私たちもその隣国に対しましてやはりアドバイス、そうしたものが大切だと、私はこう申しておるわけであります。ただ、一時的な感情で言葉が粗野になったりあるいはまた言動がそれに伴ったりということは、やはり私たち本当に隣国だけに十分に慎重を期したい、これが私の考え方でございました。 したがいまして、銃口を向けられたときには、今、外務大臣が言いましたとおり、きちっとした対応をしたつもりでございます。だから、留学生の問題もこれは人道上の問題でございますから、十二分に我々といたしましても配慮し、個々の問題としてケース・バイ・ケースで考えてあげなければならないだろうと、かように思っております。 そうして、やはり隣国でございますから、私たちはきのうも申し上げておるわけでございますが、平和だった天安門のあの広場から一日も早く戦車もまた兵隊さんも影をなくして、そして中国がやはり国際社会の中の一員として頑張っていただける日が早いということを私は望むものでございます。 ちなみに、昨日、在中国の日本の大使から書簡が届いておりますが、今回の日本政府の措置は非常に適切でございましたと、おかげで邦人の方々も、無事帰国希望者も帰られましたし、また今後の問題につきましても十二分に話し合えるスタンスを保っておりますから、そうした点におきましても私たちは今後本当に慎重に対処してまいりたい、こういうふうな手紙をちょうだいいたしておりますので、そうしたことで今後も対処してまいりたいと、かように思っております。
○本岡昭次君 フィリピンの問題について二、三聞いておきます。 フィリピンヘの多国間援助計画の具体的な中身を教えていただきたいと思います。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御質問のフィリピンに対します多国間援助構想でございますけれども、これは昨年来世銀を中心にいろいろ検討してまいりましたけれども、この七月上旬に東京で最初の援助国会議を開催することにいたしておりまして、その目的は、世銀を初めといたしまして、関係国際機関、それから日米等の主要援助国がアキノ政権の国づくり、さらには経済再建策に対しましてみんなで一致して協力していこうと、こういうものでございます。
○本岡昭次君 それでは大臣の答弁みたいなものじゃないですか。規模、内容、参加国、負担分、今後のスケジュール、示してください。
○政府委員(松浦晃一郎君) それではもう少し具体的に申し上げますが、会議は七月の三、四、五日と東京で開催することにしておりますが、これは世銀が国別にいろいろな協議グループをつくっておりまして、その一つにフィリピン協議グループというのが従来からございます。それを拡大いたしまして今回会議を開催いたしまして、今、世銀が関係国に声をかけておりますが、先生御質問の参加国がどのくらいになるかという点に関しましてはまだ全部確定しておりませんで、私どもの見るところ、日本のほかアメリカ、オーストラリア、カナダ、ドイツ等は参加すると思っておりますけれども、まだ最終的な国の数はわかっておりませんが、恐らく十数カ国になると思っております。そのほか、世銀が主催でございますので世銀が参加するのは当然でございますが、アジア開発銀行等国際機関も参加すると思っております。 それから、各国がこの場でどういう援助を約束するかということでございますけれども、これは今各国でまさに検討している点でございまして、私ども日本につきましても、五月の初めにさかのぼりますが、当時の竹下総理がASEAN訪問の最後にフィリピンを訪問されまして、その時点でアキノ大統領に対しましてこの多国間援助構想に基づきますフィリピンの支援につきましては十分なる貢献を行うという意向を表明されておられます。右を踏まえまして私ども今、事務的に検討しておりますけれども、通常の二国間の経済協力の枠の中で対応することにしておりまして、まだ具体的に結論は出しておりません。
○本岡昭次君 いろいろとお尋ねしたいことはありますが、一つだけ絞ってお尋ねします。 今、アキノ政権の支援という言葉も出てきましたが、やっぱりフィリピンの今、国内問題の最大の問題、アキノ政権の最大の問題というのは農地改革だと思うんですね。恐らく日本の援助もそれにかかわってくると思う。ところが、地主優先のプログラムであるという批判が多くて、やはり金を投入しても、日本じゃないが土地転がしあるいはまた汚職といったところにその金が集まってしまって、結局、援助が貧しい土地なし農民のところに行かない。そして、その農業を自立させていくというところにかかわって具体的な支援にならない、こういうことの問題が指摘されているのであります。 したがって、このフィリピンの援助に対しては、今私が言いましたような問題にかかわっていけるように、その条件設定あるいは責任ある措置、そういうものをやっていただきたいということを強く私は求めておきたいと思います。これは外務大臣から答弁いただけますか。
○国務大臣(三塚博君) フィリピンの農地改革法が成立いたしまして、自作農民を育成する目的で農地改革が進行してまいりました。その間、委員御指摘のような批判なども出ておりましたことも承知をいたしておるところでありますが、我が国といたしますれば、この援助の基本は、御指摘のように、自作農民の自立促進などが最大のポイントでありますことにかんがみまして、国際的な支援が適当な分野において世銀などとの国際的協力の枠組みのもとで適切な援助効果が上がることを期するということで、今後の農業、農村開発に資する協力という意味の明確な目的が達成されますように万全を期してまいる決意であります。
○本岡昭次君 今後、私たちも十分それについては監視をさせていただきたいと思います。 それでは最後に、総理の外交姿勢という問題にかかわってお尋ねをして終わります。 総理の所信表明には、外交の基本政策というところにかなり多くのスペースをとっておられます。その中に、「世界に貢献する日本」あるいはより大きな国際的責任と役割を果たさなければならない歴史的転換期を迎えているというふうに表明されています。 戦後の日本を振り返ってみますと、自分たちに火の粉が降りかかるときのみ国際問題には積極的になりますけれども、自分たちで国際的な行動に積極的に出るとか、あるいは国際的ないろんなルールを自分たちでつくっていくとかいうことはほとんどやっていなかったのではないかという反省をするときに、私は総理のその表明は言葉の上ではそのとおりだと賛成なんであります。 そこで、それでは一体これからの「世界に貢献する日本」といったらどういう日本なのかという問題で、私は、人権、人道の分野で「世界に貢献する日本」でありたいと思うし、経済ということを中心に進めてきたその面からも批判を受けた日本が、やはり人道、人権というものに大きく世界の皆さんから信頼を受けていくところに転換する。転換というのはそこの転換ではないかというふうに私は思うんですが、私の思いと総理の思いが一緒なのか違うのかという問題を最後にお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 非常によい御指摘でございまして、私は全く同感でございます。 したがいまして、今日までは資源小国の日本、ただ技術改良に生き経営改善に生きてきたと言ってもよい日本でございますが、幸いにして諸外国の理解と協力のもとに強大な経済国家になりました。だから、経済国家日本はまず軍事国家になりません、こういう宣誓のもとに今ひたすら経済協力に力を入れております。 今日では、幸いODAは世界一の規模というふうになりまして、それぞれ受益国からは高く評価されております。しかし、これだけだと単に経済だけであるということになります。したがいまして、当然さらにやはり私たちは汗をかかなくちゃいけないと、かように思います。汗をかくためには、世界に今、カンボジアを初め、さらにはついこの間までのアフガン、さらには中東のイラン、イラク、そしてアフリカにはアンゴラ、ナミビアというふうな問題がございます。ここにやはり国連の派遣する平和維持軍とか――軍と言うといささか抵抗を感じますが、平和維持、そのための要員派遣、こうしたことも今後積極的にして汗をかかなくちゃいけないと、かように私は思います。 それからのすべては、そこに大きな人道という問題がある、人権という問題もある。こうしたことにやはり日本が先駆けてこそ日本の本当の真価というものが評価されるのではなかろうか、かように思っておりますので、ODAの拡大は今後もやってまいりまするが、そうした地域紛争への要員の派遣、特にこれは軍人ではありません、民間人をお願いしております。さらに、そうしたものを通じましてのやはり人権、さらには人道上への貢献、こうしたことは今後の日本の大きな外交の一つの責任になっていく、それを心得て我々も前進したいと、かように思います。
○本岡昭次君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で本岡昭次君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、下条進一郎君の質疑を行います。下条君。
○下条進一郎君 このたび総理は、まことに厳しい政治情勢の中において自民党の輿望を担って総理の重職を引き受けられたわけでございます。また、国民も今、政治不信の中に非常に動揺しているときでございます。 こういうときに、やはり私たちは日本の政治、これは日本だけの政治ではございません。世界の国民が注目している。日本の政治が一刻も早く安定してもらいたい、こういうことは私は非常に大きな問題として取り上げていかれなければならない課題だと思いますが、この問題についてやはり日本国民の信頼をかち取ることは並大抵のことではないと思います。信頼を失うのは瞬時でございます。リクルート問題等々によって多くの国民の政治不信が渦巻いてまいりました。これからは真摯な気持ちで政治信頼をかち取る、そしてまた、世界の中における平和国家の日本の信頼をまた世界においてかち取る、こういうことの大事な使命を総理は持っていらっしゃると思います。 総理のこの新たなお気持ちでの政治信頼回復についての御所信を最初に承りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 御指摘のとおり、リクルート問題は確かに我が国における政治というものの信頼を全く失墜せしめたと思います。したがいまして、政界はもちろんでございますが、特に我々与党・自由民主党は国民に対しまして反省の念を新たにしなければならない、かように私は存じております。 したがいまして、私たちに与えられましたまず第一番目の課題は、そうした信頼を回復するために何をなすべきであるかということでございますが、やはりリクルート問題を根絶するという決意に立ちました以上は、まず私たちみずからの金権体質、そうしたものがあらばこれと我々はグッドバイをするべきである、そのためには相当思い切ったメスを振るわなければならない。かように存じてまいりますと、まず政治の大改革をやっていきたい、そのためには選挙法あるいは政治資金、さらにはまた国会議員みずからなる倫理問題、そうした問題もたくさんございましょう。さらに私は、議長さんがきのうもちらっと申されておったと承っておりますが、やはり国会の改革も議長さんのあっせんでそれぞれの党が真摯になって取り組まなければならない問題であろうと、私はかように思っております。 いずれにいたしましても、私たちはまず民の声というものを常に恐れながら、我々はその民のために働くという、そうした気持ちで今後新しい政治が生まれること、そのために私は献身いたしたいと、かように思っております。
○下条進一郎君 ただいまの総理のかたい御決意、ぜひその立場で徹底的に政治改革をやっていただきたいとお願いいたします。 具体的な問題といたしまして、今、国民の多くはそういう基本的な問題については当然皆納得しておりますけれども、この間起こりましたリクルート問題についてのいわゆる庶民的なけじめの問題、これは自民党におきましても、リクルートのけじめ小委員会ということで、一つの方針をお出しになったわけでありますが、これは当然新聞等に出ております。 それについて、我々永田町の中ではこういうことかなというような気持ちもあると思いますけれども、国民の中には、そんなことでいいのかな、あれでけじめはついたんだろうか、もっとしっかり政治家は襟を正すべきじゃないか、会社において専務や役員があるいは問題を起こした場合に社長はどうなんだろう、そういうことの非常に素朴な、要するにけじめの問題のあり方、こういうことでいまだに不透明な疑義を持つ人がかなりおります。こういうことについて総理はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) やはりそこに、国民一般の方々と、あるいは永田町と申し上げてもいいかもしれませんが、その乖離があるというふうに私たちも反省をしなければならないと、かように考えております。 一応、司法上の問題といたしましては、今朝来法務大臣からの御報告もございましたが、一つのけじめはつけました。しかし、国会はまだだよという声もございますから、その声はこの予算委員会において、また理事の方々の問題として議論をされることでございましょう。それに対しましても、法務大臣からも私からも、我々は法令の許す限度においてそうしたことに対して御協力することを検討します、こういうふうに申し上げておるわけでございますから、そうした面でひとつこの問題の一日も早きけじめを私たちといたしましても考えておるのでございます。 やはり、まだまだけじめは残っておる。ということは、政治改革というものも一つのけじめである、この改革をすることにおいて初めてリクルート事件というものに対して政界も反省しこのような新しい手を打った、そのような法律をこしらえた、内閣もこのような挙に出た、そういうことも含めて私は大きなけじめではなかろうか、かように存じますので、今後私たちはまだまだそのけじめのために本当に汗を流さなくちゃいかぬ、かように思っています。この点は、今、下条委員の御指摘どおりであると私は思います。
○下条進一郎君 今、総理のお言葉の中に、はっきりしたこれからの取り組み方について非常に突っ込んだ御答弁もございました。そういうお気持ちでぜひやっていただきたい。 この夏、もう来月は参議院の選挙でございます。そういたしますと国民は、その政治改革の今おっしゃった基本的な問題、これは時間がかかると思うんですね、それでは納得しない。その前に、まだしっかりやらないと胸の中へつかえた、うっせきした政治に対する不信あるいは不満、こういったものが解消いたしませんとこれはなかなか大変なことになるということで、今の率直な御意見を具体的にしっかり処理していただきたい、このようにお願いする次第でございます。 次は、消費税でございます。 この消費税につきましては、いろいろな場所においてるる質疑が行われたりあるいは議論が行われてまいりました。私は、この消費税がこれだけの大きな問題を起こしておるという原因は方々にあると思いますけれども、諸外国で見ますと、消費税を導入するのは、大体法案ができて二年ぐらいPRの期間を置いてそれで周知徹底した上で施行するというのが多いのでありますけれども、今度の消費税は、四囲の状況もありましたでしょうが、昨年の十二月の二十四日に法案が成立いたしましてこの四月一日に施行したと、実施したこの期間が非常に短い。法案ができてから印刷をする、印刷してそれぞれの説明の期間は商工会議所や税務署に参りますまで二カ月ぐらいたっているんですね。そうすると、実際に説明が行われたのは三月ごろなんです。 三月は、税務署においては確定申告の時期ですからがちゃがちゃになっている。しかも、その説明がメーカーと卸と小売という、要するに事業者の方の単位の説明が中心でございます。したがって、一番払うべき立場にある消費者、これに対する説明が非常になおざりになっている。これが私ば今回のあらぬ摩擦を起こした原因の一つである、このように思うわけでございます。 さらにまた、プレゼンテーションがうまくない。国税庁の方おられますが、あの資料を見てもマクロの資料が多いんですね、九兆何千億の減税したと。兆のお金をさわったことがあるのは大蔵省だけですよ、これは。我々はさわったことはない、庶民は。そういたしますと、実際の減税というものをもっと消費者の立場でわかるように言わなきゃいかぬ。給与所得の説明はかなりございますけれども、事業者の所得の減税の規模なんというものはトータルじゃなくて個々の階層別の説明をしなきゃいかぬ。私もいろいろな方とお目にかかる場合には、例えば平均の家庭、夫婦に子供二人という場合の事業所得の場合は、おととしとことしを比べれば、おととしは約十四万円です、今度は七万円でございます、半分なんです、五〇%の減税になっている、こういう説明をしますと、ああそうですかと、こういうことなんですが、そういう資料はほとんどわかりやすく出回っていない。 しかも、この減税問題につきましては、今は事業所得の話をいたしましたが、給与所得の場合は、今は御承知のように、ほとんど振り込みなんですね。振り込みでございますと、一体減税でふえたのか給与の昇給でふえたのか、これはわからないんですね。たまたま月給がこうなったと、そうなりますとその月給についてお父ちゃんの方はふえたと言ってにこにこして黙っておるわけですけれども、毎月お父ちゃんからお母ちゃんに幾ばくかの家計費を渡す、これは変わらないんですね。そういたしますとその主婦は、買い物に行けば、一定額の今までの家計費の中で、消費税三%はどこに行っても取られる、小銭が要る、頭にきちゃうと。こういうことになるわけですから、全体の説明が私は不十分じゃないか。そういう説明の点についてはもう少しこれは突っ込んだやり方ができないかどうかと思いますが、大蔵大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(村山達雄君) 広く薄く課税するという問題は、実はもう十年方やっているわけでございます。ただ、具体的に案が固まりましたのが去年の暮れでございましたので、おっしゃるように、少しやはり期間が短いなという感じがいたしまして、いわゆる弾力条項を入れまして事実上は九月まで納税事務についてはよろしいと、こういうことにしたのは御承知のとおりでございます。そして、どの辺がPRがまずいかということも、今、下条委員がおっしゃったとおりだろうと思います。 何といっても、やはり消費者に対して非常に理解が薄いという問題。それから事業者の万もありましょう。申告された人は、もう随分安くなりましたなと、私はことしの三月十五日税務署に行きましたら随分安くなりましたと言っておりました。しかし、申告しない人はこれはわからぬのでございます。そして、家計の話は一体奥さんとだんなさんの間にどういうことになっているのか、これがなかなかわからぬのでございまして、いろんなケースが考えられます。したがって、奥様方にもよくわかるようにPRしたいと、こう思っております。 具体的な計画は今どんどん進めておりますが、詳細につきまして必要があれば事務当局の方でこれからのPR、今やっていること、こういったことを御説明させてもよろしゅうございますが、今どんどんやっております。
○下条進一郎君 それでは、その点についてもうちょっとお尋ねいたしますが、この減税ですね、減税のやり方が今の場合、申し上げたように給与所得の場合は振り込みの中へ入ってしまうと減税が幾らあったかわからない。おっしゃったのは、事業所得の場合幾らに下がったかというのは確定申告すればわかるわけですね。それがお父さんしかわからない。こういうことでございますから、この前、年末で減税したときには戻税方式をやったことがありますね。私は、手続はこれは国税庁や税務署は大変だと思いますけれども、やっぱり減税は戻税方式で別途きちっとやる、欲を言えばその戻税は奥さんのところへ届けるぐらいやれば、今度のこんな問題は起こらなかったと思うんです。まあ例えでございます。 それからまた、もう一つPRの問題ですけれども、このPRの問題は、テレビでいわゆる政府の窓口で消費税の問題なんか説明しておりますが、これは非常にかたいんですよ。ですから、お茶の間の一番奥様方がごらんになる時間にこれをもう少し、例えば漫才師とかみ合わせながらとか、何かつい聞いてしまえばちゃんと消費税のことがわかる、うん、こんなものかなと、アメリカへ行ってみてもヨーロッパへ行ってみてもみんな払っているじゃないかと、こういうようなことのわかりやすいPRをもっとやっていただきたいんですが、大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 今のPRの方は実務家から説明さしてもらいますが、戻税方式、おっしゃるところは恐らく、大改正があっても改正前の税金でずっと源泉徴収をやり、年末調整も全部済まして、そして減税の効果、改めて計算して税務署から還付したらどうかと、こういうことだろうと思うのでございます。 これは大変な手数をとることはもう当然でございます。しかも、家庭というものは一日も早い減税効果をみんな期待しているわけでございますので、だから早い段階で源泉徴収のところから始めるのがやはり減税のありがたみはわかる。額がよくわからない、こういうことなんですね。もし改正前でやって減税は全部税務署を通じて還付するということになりますと、手数がどれくらいになるか。普通の還付事務、医療費の還付事務だけでも税務署の人員が足りないということは御承知のとおりでございます。ですから、その減税効果がよくわかるようにするには別の方法でやるよりしようがないかなと、こう思っておるのでございます。 それじゃ、事務方から。今一生懸命やっております。
○政府委員(尾崎護君) 税制改革の全体の姿でありますとか、所得税減税についてでございますとか、どうも私どもの広報が不十分だという御指摘をいただいておるところでございますが、御指摘の点なども含めまして、例えば現在給与収入別の減税額でございますとか、いろいろ個別に具体的にわかりやすい身近なものになるように工夫を凝らしておりまして、そのようなチラシをつくりましたり、またそのチラシを利用して説明会で御説明をしておりましたり、またマスメディアを利用してそのようなものを広報するように努力しております。 御家庭におられる皆様の見やすい時間にわかりやすい形で広報するようにという御指摘でございましたが、その御指摘も踏まえまして、今後とも一生懸命努力をしてまいりたいと存じます。
○下条進一郎君 それから、消費税の見直しの問題、先ほどお話が出ましたけれども、やはり取引高税から始まって大平さんのときの一般消費税、この二年前の売上税と幾つかの経過を経て今度選択されたのがこの現行法の消費税でございます。やっぱり一方を立てれば一方立たず。売上税のときには割合に精緻なものを求めて複雑になった。これは公平になった部分は大変あったと思いますけれども、その失敗の上に、今度は簡素を旨とすると帳簿方式だと、いろんな点がございます。そのために、やはり公平という問題がどうしてもなじまない部分が落ちてきたというところが私はあろうかと思います。 そこで、大蔵大臣の御答弁の中にもありますが、来年の五月をめどにというようなお話がございますが、やはりこれだけ見直し規定があるということは、日本に初めて導入したからこそまだなじみにくいということでありますし、今のような一方を立てれば一方立たずというような選択の問題がありますし、そしてそのほかいろんな点で見直しの必要のあるものも出てきた。 こういうことで、法律として実施するのはそれは来年になるのかもしれませんけれども、先ほどおっしゃったような政府税調の問題等を活用されて一刻も早く検討されると。検討される場合には、ただ時間をかけて検討するのではなくて、もう来月参議院選挙なんですよ、その意味においてやはり問題点をクローズアップして、政府は慎重にこの問題は検討していると、いわばこういう方向にその一つのめどを立てながら進めておるとか何らか出ませんと、来年五月まで待ってくれ、これでは一般の善良な消費税を理解している国民までよそ向いちゃう。 そういう意味で、ひとつ大蔵大臣のしっかりした御答弁をいただきたいのであります。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃるように、今度の消費税を含む税制改正は四十年来の懸案でございますし、とりわけ消費税は広く薄くということで、しかもそのやり方は帳簿方式でございますから、世界の付加価値税体系の中で初めてのものを日本が導入したわけでございます。しかも、やってみましたら、ほとんど外税方式でやっておる。ほかの所得税、住民税の減税はよくわからないというような、こういう局面でございます。参議院選挙がなくってもこれは早くやらなければならないと思っております。 問題点は、既にもう明らかでございますので、チェックポイントを決めまして、そして税制調査会の方にもうどんどん勉強していただく。それで、九月になりますといよいよ納税の実態がわかってきます。値決めをどうしたかということがわかってまいります。免税点とか簡易課税の選択もそこで行われるわけでございますから、話がうま過ぎる結果になっているのか、それは競争場裏においてうまくこなされておるのか、言われるような不公平はないのかどうか、あるいはあるのか。 こういう点はチェックポイントさえはっきりしておけば明らかだろうと思いますので、この税が定着するためにこれから鋭意勉強さしていただき、そしてまたそのことをやはり広報でお知らせし、何らかの形で政府も懸命にこれの定着に努力しておるということを知ってもらうことも大事なことではないだろうか、こんなふうに考えておるところでございます。
○下条進一郎君 そういうことで大蔵大臣もお考えのようでございますが、私は、くどいようでございますけれども、そういうこれからの検討を、やはりタイムスケジュールをわかるようにしていただきたい。それからまた、その中身も、例えば今おっしゃったような問題点もありましょうし、あるいはこれはもともと物品税というものになじんでいたわけですよ、それが今度の消費税になると非常に抵抗がある、そういう問題との絡み合いですね。 要するに、消費税を導入するときには、製造者は売上税からスタートしたらどうかという議論があったわけですよ。カナダがそうでございますね。そういうようなプロセスからやればこういう問題は起こらなかったということも中にはあるわけでありますから。そこに、それじゃ現在導入してしまったところの消費税について、そういうことを今後どうするか。あるいはヨーロッパの二段階、三段階の税率というものが既にあるわけでありますから、そういうことなどを含めて、やはりいろんな問題が町でたくさん出ておりますから、それを整理して本当に慎重に検討していただきたい、お願いいたす次第でございます。 それから今度は、外交の方にちょっと転換さしていただきます。 日本は、原爆を受けた唯一の被爆国であるし、また、憲法は平和憲法である。こういうことで、平和を唱える、平和を主張するという非常な信念を一億二千万の国民が共通に持っておるわけでございます。また、それだからこそ世界に対して平和を訴える説得力もある、このように考えておるわけでございますが、最近、いろいろな形で世界の中の動きが変わってきておる。 例えば、アメリカとカナダの間では国境関税の問題等もだんだんと障壁を低くしていく、あるいはヨーロッパにおいて一九九二年までにいわゆる経済統合を図ろうと。しかも、この間、日本商工会議所の調査団が行った結果が最近報告されておりますけれども、それを前提としていろんな日本に対する障壁がかえって高くなるであろう、こういう懸念すらあるわけでございます。 それでは、日本はアジアの中においてどういうスタンスをとるのだろうか、こういう問題があるわけでありますけれども、日本としてはいわゆるアメリカ大陸におけるそのアメリカとカナダの水平的な共同体の意識、あるいはヨーロッパにおけるやはり各国の水平的な共同体の意識というものがあるにもかかわらず、アジアにおける日本というものはそういう組み合わせをやる国はいない。むしろ兄貴分として経済協力をする国は周辺にたくさんあるというところで考えますと、非常に孤立化という危険があるんじゃないか。 一方、アメリカとソ連の間は軍縮その他の考えでさらに協議がだんだんと進んでいくといった場合に、さて日本は、平和国家平和国家と言いながらも、ひとりでは平和国家の実現はできませんから、そういう意味において、世界の中における日本としてどういう外交政策を基本的に持つべきか、まず外務大臣の御経験豊かな総理からひとつ伺っておきたいと思いますが、あるいは外務大臣でも結構です。
○国務大臣(三塚博君) 現下の我が国の直面する諸問題に極めて的確な御指摘を賜ったわけであります。 世界経済、御指摘のように、ベーカー新通商体制、九二年ヨーロッパ統合、フォートレスヨーロッパになる懸念があるのではないかと世界が息を詰めて見ております。そういう中で、アジアにおける日本、まさにアジアの一員であります。そういう点から、アジア・太平洋の経済協力圏の中で日本が果たすべき役割はどうあるべきかということで、政府を挙げて真摯な努力を展開いたしておりますことはおわかりのとおりであろうかと思います。 そういう中で我が国はどう生きるべきか、まさにそれは平和国家を国是とする我が日本でございますから、通商をその国是として行う。通商は四海波静かでありませんと繁盛してまいりません。そういう意味で、世界平和をもたらすためにはどうあるべきかという観点に立ちまして進めなければならぬわけでございまして、既に外交方針として打ち出しております三本の柱がございます。平和へのための協力、ODAの拡充及び国際文化交流の強化を三本柱とするというのが日本外交の基本方針。さらに、これを拡大する形の中でサミットの重要なテーマになると言われております環境問題等、地球的規模の問題に我が国がイニシアをとり積極的に参加をしていく、こういうことの中で世界国家日本の役割を果たしていくということが国際信用を得る面におきまして重要な問題であろう、こういうことであります。 まさに、我が国は先進民主国家の一員でありますから、そういう中における使命をどのように果たしていくか。我が国は体制のいかんを問わず人類的な規模に立ちまして、これに協力をしてまいるというのが我が国の国是であるということは前内閣、現宇野内閣、外相経験者として既に二年余、基本問題を体しながら世界を歴訪し、理解を求めてきたところであります。 外務大臣としてもさような方向で、総理の指針をしかとその中心に据えながら平和国家日本、国際国家日本、なるほど大変な国家に相なったなという信用を得るべくここまで来ておるわけでありますけれども、さらにここまで行くように頑張ってまいる、こういうことであります。
○下条進一郎君 そういう外交方針のもとで、それでは七月十四日からパリの郊外のアルシュで開かれますサミット、この問題は我が国がこのような世界の中での大きな役割を果たす重要な会議である、このように思っておるわけでございます。 そこにおきまして、日本とも大変関係の深い保護貿易あるいは累積債務問題、ただいま外務大臣からお話がございましたところの地球環境問題、こういう問題がそれぞれ主要なテーマとして論ぜられるわけでございますけれども、これに対する宇野内閣の対処方針、これを承りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般、パリでプレサミットと言われるOECDの会合がございました。参加国は二十四でございますが、参加国二十四のGNPの二割を日本が占めておるということにおきましても、いかに我が国の役割が大きいかということが申し上げられます。なおかつ、米国と日本だけでございますと、世界のGNPの今度は三七%であろうと、こういうふうに推測されますから、やはり日米はしっかりと手をつないでいかなくてはなりません。 〔委員長退席、理事遠藤要君着席〕 同時に、前内閣からさようでございますが、日米の距離と米・欧州の距離と、今度は日本と欧州の距離も同じようにしたい、これが今の新しい外交方策でございます。 幸いなるかな、世界はこの七年間好況の状態が続いております。しかしながら一方におきましては、やはり北海油田あるいはアラスカ油田のタンカーの大事故等々でそうした原油問題もございますが、一部いろんな意味でのインフレヘの影が忍び寄りつつある。これをどうするか。当然まだ先進国といえども貿易上のインバランスがある。これをどうするか。三番目には、インバランスがあるから三〇一条のごとき超保護主義的な政策も生まれ出てくる。これをほうっておいてはいけない。世界は戦後自由主義ということにおいて、自由貿易においてうまく伸びてきた。だから、あくまでもこれをやはり拡大しなくちゃいかぬ。その中において環境問題これあり、さらには地域紛争これあり、さらにはまたODAこれありといったようなことで、やはり先進サミット参加国が果たさなければならない役割はもう本当に数え切れぬほどあるわけでございます。 それらをお互いにやはり西側陣営として語り合っていきましょう。西側陣営ががっちり組むことが世界の安定につながり、繁栄につながる。これが一応私たちの考えておるサミットの大きな枠組みでございます。その中において常に日本がやはり今日まで果たしてまいりましたのは、インフレなき持続的内需拡大というやつでございまして、これはおかげさまで議会の御協力も得まして本年度の予算も先般成立いたしましたが、そうした中にも十分盛り込まれておるということでございます。 だから、我々といたしましては、今後やはりインフレであるとか、為替レートであるとか、日本単独の問題、まだまだ難しい問題があるかもしれません。そうしたことをもやはり西側陣営との協調、共同作業、そうしたことを通じましてひとつ安定を図っていきたい、かように思っております。
○下条進一郎君 大変大事な時期でございますので、ぜひ総理にもそういう趣旨で頑張っていただきたいと思います。 次には、中国問題でございます。 しばしば既に取り上げられておりますけれども、本当に無垢の市民が武力によって命を失うということにつきましては、まことに言葉に出せないれんびんの情というか同情の念に駆られるわけでございます。 日本人というのは、何というか、非常に正義感が強い国民だと思います。そういう意味において、一般市民からいうと本当に気の毒だと、やっぱり自由主義はいいなという端的な気持ちが随分あるわけで、そして、ああいう若い学生諸君が自由主義を求めて運動しても結局今の段階で成功には至らなかったけれども、いずれ世界の波は自由化という方に行くだろう、そして、いずれ我々と同じような気持ちで彼らも幸せな道をつかむことができるだろうということを願う者がかなり多いように考えられます。そういうことを随分聞きます。 したがって、ああいう事態になりましたこの問題について、大変失礼でございますけれども、宇野内閣の対処方針は少し手ぬるいと。アメリカは武器輸出禁止を考えておるんじゃないか、あるいはヨーロッパは経済協力をいろいろと慎重にするという態度に転換するんじゃないかと、こう言われておりますけれども、日本と中国の関係はその他の国とは違うという御説明は伺っておりますものの、こういう事態にもっとはっきりして胸のすくとまではいかなくても、やはり日本人の一般の気持ちに即したような形で何かはっきり態度を表明していただけないかという声があるわけでございます。特に若い人にそれが多いんです。 そういうことにつきましてどういうふうに考えていらっしゃるか、総理でも外務大臣でも結構でございますが、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御指摘、御批判、私どもよく承知をいたしております。さはさりながら、そういう中で日中間の歴史の歩みを大事にしながら、慎重の上には慎重を期したというのがそこにあります。 今、後段御指摘のように、米国を初めヨーロッパの幾つかの国が武器の援助を禁止する、これは当然なことだと思うんです。我が国は平和国家でございますから、武器輸出禁止三原則、これを踏まえておりますし、当然そうでなければイの一番に武器輸出はやめますというのが我が国の立場であったわけです。それはまさに人道上の見地という憂慮宣言の中にすべて含まれておるわけでありますが、そういう点なども踏まえつつ中国の動向、まさにそれは内政問題ではありますけれども、しかし、さはさりながら人道上の問題が惹起をいたしますことは極めて遺憾と、こういうことで強くその自制を求めるという内閣談話、官房長官から明言をする、総理から本会議を通じまして明確に物を申さしていただく、こういうことでございまして、決して強弁をするつもりはございませんけれども、私どもの立場は、隣国中国、日中という関係の中でベストな選択を選ぶということですべての情報を集めつつ対応をしてまいったということでございました。 先ほど総理から言われましたとおり、中国大使から正式に大変日本の対応は事宜を得て、感謝にたえないという意味の言明があったということを聞きまして、我が国の政府の判断が間違いなかったかなというふうに思っておるわけでありまして、さらなる御理解と御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げます。
○下条進一郎君 そこで、それでは経済問題であります。 中国と日本の経済関係、これはだんだんと緊密になってまいりました。既に地下鉄の建設とか下水道あるいは上水道の建設、そういう生活部門にかかる経済協力をやってまいったわけでありますが、こういう事態でこの協力は今後どうなるのか、そういう点の問題があるわけでありますが、この点について外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。 経済問題につきましては、事実上ああいう状態でありますから、ストップをしておりました事業がございます。これは平静を保つことによってその状態を慎重に見きわめますけれども、スタートを切られるものと期待をいたしておるわけでありますし、さらに十四の調査プロジェクトは事実上これは停止ということにいたしておるわけでございまして、大プロである地下鉄プロジェクトも、やはり落ちつきまして、なるほどと言われる状況でございませんと――既に一部の方を残しまして我が国の邦人の各位が帰国をいたしておりますなどの措置もとらさしていただきましたことにかんがみまして、重ねて一日も早い平静が戻りますように期待をいたしておるというところであります。
○下条進一郎君 基本的な方針はそういうことだと思いますけれども、私は、やはり共産圏との貿易というものは、外務省なり通産省なり、やはり相当きめ細かな情報とそれから指導というものを民間の貿易業者にやっていただきたい、ここでお願いするわけでございます。 この紛争が起こる前でも大変に惨めな気の毒なことが起こっておるわけです。例えば、テレビのユニットを製造してそれでLCを組んできてこれを輸出している。ところが、向こうの外貨事情が今月は悪いということで向こうの港で陸揚げが認められない、それで泣く日本の貿易業者がいる。こういうことは普通の自由圏では考えられないことなんです。それはもう材料を買い、そしてそれによって製品をつくり、船賃を払って送っても陸揚げが認められない、ただ外貨事情だと、こういうことがある。正常の状態ですらこういうことがあるわけでありますから。これは泣き寝入りなんですね。ですから、そういうことのないようにふだんでもやっていただきたいし、なおさらこういう紛争の時期については、外務省、通産省は本当にきめの細かい情報をとって、日本の貿易業者に、泣くことのないように、御指導をしていただきたいとお願いする次第でございます。 それから、経済問題全般的な問題になるわけでありますけれども、日本の立場というのは先ほど総理からお話ございましたように、自由圏において大変大きな経済力を持ってきたということでありますが、さて目を転じてみますと、国際社会におけるいろんな交渉あるいは国際会議における日本の立場というものは、地位は上がってもまだまだ十分に評価されない部分で必要以上に摩擦が起こっている面がないかどうか、こういう点を私はひとつ考えてみなきゃならないと思うわけでございます。 例えば、ガットの問題がしばしば論ぜられておりますけれども、ガットはいわば日本は後進国というか、後から入った加盟国でございます。ですから、日本が入る前にアメリカは農産品その他についてウエーバーをもらって、それでそれは自由化しなくて済むということになっておるにかかわらず、アメリカよりはさらに経済力の弱かった時期でありながら、日本が入ったときは後であったということだけで、このウエーバーもあるいは別な形で言えばハードコアも認められない形で入って、それを根っこで自由化していないからけしからぬ、こういう議論が正々堂々と国際会議の場でやられる、これは私は随分不公平だと思うのですよ。 ですから、私は、不平等条約というのは昔聞いたことがあるけれども、ガットはまさに不平等条約である。その不平等条約に対して日本ももっとやはりイコールフッティングということで、この場において主張すべきは主張すべきである。そうでないと、農産品問題についても、あるいはその他の自由化の問題についても、私は不当に日本だけが火の粉を浴びて孤軍奮闘しなけりゃならない。私もガットのジュネーブのパレ・デ・ナシオンの事務局に何回か参りましたけれども、もう本当に全部敵ですね、あそこに入っている国は。だから本当に大変だ。総理にいたしましても外務大臣にしても、あるいは通産大臣、農水大臣にしてもあの場に臨まれることはえらいことだと私は思ってお察しするわけでありますが、しかしやはりそれぞれ立場におられる方々は、日本の産業を守る、あるいは農業を守る、こういうことでこれからやっていただきたいと思うのであります。 そういう意味において、特に農業問題、これはもう米の自由化なんてまたおかしなことを言っている向きがあるようでございますが、これは絶対許されない。米は日本の農産品の基本であり、これは食糧安保という立場からいっても絶対許されないわけでございますので、その点について、総理はしばしば会議に参加されたり、また御意見があるようでございますので、ひとつお考えを承らさしていただきたいし、あるいはまた総理でなければ農水大臣でも結構でございますが、御回答をいただきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま委員御指摘のとおりでございまして、これからのガットの新しい交渉に当たりましては、ウエーバー品目等により除外されておりますアメリカの農産物もひっくるめまして今後の新しいガット規則並びに規律の策定を通じて、そして農産物貿易秩序の形成を図ることが最も重要であると考えております。 さらに、御指摘の米の自由化問題等におきましても、米は日本国民の主食であり、また米作が日本農業の基幹であるということも十分御承知のとおりであります。そしてまた、稲作農業というものが果たしている役割というものは極めて大きいわけでありまして、国土保全あるいはまた自然環境保護という重要な役割を果たし、また地域経済にも大きな役割を果たしているところであります。 したがって、これからのガットにおける米の交渉に当たりましても、それぞれ各国が抱えております農業の諸問題、特にアメリカ等のウエーバー等の品目をひっくるめてともに議論することにおいては私ども日本もやぶさかでない、こういうような姿勢で臨んでまいりたいと存じております。
○下条進一郎君 大いにそういう点で頑張っていただきたいと思いますが、今、日本の農家は、この前の十二品目の自由化の問題あるいはまた牛肉・オレンジ、そしてまた今度は米が何か危ないんじゃないかという心配等々ありまして、しかも減反だ、そしてまた今度の米の算定方式がどうだこうだということで、踏んだりけったりという気持ちをみんな持っているんですね。これは恐るべきことで、農業をぐらつかせたら、これはもう国の政治の基本がぐらつくわけですよ。 そしてまた、日本人の一番のまじめな人たちの集団でございます。そういう人たちに対して、ここで内閣が新たになったわけでありますから、新農水大臣から、この農家の皆さんに対して、こういうふうにやるから心配ないぞ、ひとつ農家の夢と、それから農業政策の基本的な一つの考え方をここではっきり表明していただきたい。お願いいたします。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま委員御指摘のとおり、農村においては農政に対して非常な不信が起こっていることも事実であります。したがって、私どもといたしましては、この農村の信頼回復に最大の努力を傾けていかなきゃなりません。 御指摘のとおり、一昨年来、牛肉・かんきつを初め農産物十二品目等の自由化をやらざるを得なかった事情があるわけでありますが、これもぎりぎりの線で選択をいたしました。そして二国間においてあのような交渉をいたし、そして決着を見た段階であります。そして我が国といたしましても、昨年来畜産二法を初めそれぞれの対策を講じて、将来の畜産あるいはかんきつその他農産物の経営に支障を来さない対策を講じてまいったわけでありますが、しかし、なかなか農村に対するこれのPRあるいは説明が不足しておる、こういうことも事実であったろうと考えております。 しかしまた、農村においては、あれだけ自由化しないと言っておった牛肉・かんきつを自由化した、こういうものに対する不信、そして将来に対する不安、こういうものも大変大きいわけでありますので、私は、米の置かれておる立場というものを考えますときに、かんきつ・牛肉とはもともと立場を異にする農産物であります。先ほども申し上げましたように、米は国民の主食である、そして農業の基幹をなしておる、そして米に対する感情というか、日本国民の感情は特別なイメージを持っておることも事実でありますから、そしてまた稲作の果たしておる状況、これは国土保全、自然環境の保全という多面的な役割も持っておるわけであります。このような状況を踏まえまして、今後の米の対応については農民の信頼というか不安を解消する方向で、私ども今後のガットにおける交渉においてはそういう強い姿勢をもって進んでまいります。 特に安全保障上から申しましても、我が国は大変食糧の自給率も低いわけでありますので、幸いことしの四月のガットの合意においては安保という問題も取り入れていただいておりますから、そのような日本の置かれておる立場等も十分主張しながら、今後の米の対応においては万遺憾ないように取り組んでまいりたいと存じます。
○下条進一郎君 それで、そういう農業で、例えば北海道は大変広い地域で、またしかも農業地域でございますけれども、ここでは米の大幅な生産調整あるいはまた自由化問題、その他農産物価格の低落等で非常な打撃を受けている地域の一つだと思います。新たに長官になられた北海道長官から、今後の対策等についての御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(井上吉夫君) 北海道農業は、下条委員御指摘のとおり、今大変厳しい状況のもとに置かれております。都府県平均の十二倍、一戸当たり約十二ヘクタールという経営面積を持つ我が国の最も大規模な土地利用型農業地域として、今後さらに生産性の向上を図り、国民食糧の安定供給のためにさらに大きく北海道農業に期待をすべきだと思っておるわけでございます。昨年六月に閣議決定されました第五期北海道総合開発計画におきましても、規模の有利性を生かした低コスト、高品質生産に加えまして、さらに集約的な作物やあるいは加工食品の供給力を兼ねた総合的な食糧食品供給基地としての発展を図ってまいりたいものと考えている次第でございます。 このため、経営体質の強化あるいは基盤整備のさらなる推進、経営規模の拡大等、生産組織の育成やあるいは流通体制の整備などを中心として、北海道の農業がさらに大きく前進するように頑張っていきたいと思っております。 これらの対策につきましては、農林水産省等関係省庁と十分の連携をとりながら、北海道農業が、そして北海道地域が大きく発展するための重要な柱としての北海道農業の推進のために頑張っていきたい、このように考えております。
○下条進一郎君 ひとつそういうことでしっかりやっていただきたいと思います。 農水大臣にお尋ねいたしますが、間もなく米価決定の時期でございます。先ほど来るる農業の政策等についての御所見を承りましたけれども、農家は、先ほど来、非常に厳しいという言葉に尽きるわけでございますけれども、そういう点で、いつの時期にどのような形で御決定されるか。農民の多くは、もうここまで苦しい状態に追い込まれたんだからぜひ据え置きにしてもらいたいという声も非常に強いのでありますけれども、そこらの御感触を、発表できる範囲においてで結構でございますが、御回答なり御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 米価決定の時期についてのお尋ねでありますが、このことは与党の方からも強い要請を受けておる次第でございます。したがって、私どもなるべく早くその方針を決定して御回答申し上げたいと思いますので、いましばらく時間の余裕を賜りたいと存じております。 さらに、生産者米価の決定に臨んでの方針もお聞きになりましたが、生産者米価につきましては、稲作の一層の生産性の向上を図り、農業経営の安定を確保しつつ、国民の理解し得る価格での安定供給を行うとの観点に立ちまして、米価審議会の意見を聞き、食糧管理法の規定に従いまして適正に決定をしてまいりたいと存じます。 〔理事遠藤要君退席、委員長着席〕
○下条進一郎君 適正に決定していただきたいということは当然でございますが、重ねて恐縮でございますけれども、農民に失望を与えないように、また、これから生産意欲が起こるように、そういうことでひとつ御決定をいただきたいと思います。 次は、経企庁長官にお尋ねしたいと思いますが、今、岩戸、イザナギと申しますか、が続きまして、景気が割合に順調に来ている、こういうことでありますけれども、この間久しぶりに公定歩合を〇・七五上げた。これはある意味では景気を冷やすということになりますし、そういう意味でさらにまた労働需給も大変今緊迫しておると。有効求人倍率なんかも長野県ですら二倍を超えている、もう工場誘致はできない、こういうことになっているのはある意味ではうれしい悲鳴ではありますけれども、経済の安定的成長を図る上においては一つのネックになっておると、こういうことだと思います。 そこで私は、経済成長で非常に大事なことはやっぱり基本は持続的な安定成長であるし、同時に物価の安定だと。これがなくして経済成長はできない。そういう点からいいますと、私は、けさの発表にもありましたように、米ドル対日本の円が百四十九円を超えておる、これは恐るべきことであると私は思います。つい先日までは百二十円ちょっとでありました。だから、それからいえば一ドルに対して三十円絡みの円が下がってしまった。これは日本の政治と日本の経済の象徴ですよ。その価値が三十円下がったということで、これは政治経済の評価が国際的に下がったと見ても過言ではない。そういう意味で、日本にそういう大きな問題があると同時に、国内の経済政策として基本である物価安定ということがこれから非常に懸念されることになってきたんじゃないか。 今、原材料のほとんどを輸入に頼っている日本経済、しかも輸入促進のために、最近の貿易統計をごらんになってもわかります。そちら専門でございましょうが、製品輸入はもう半分になってきたと。こういうような輸入形態になった日本がこの円高から円安に振れて、しかも急激に振れて幅も広いということは、まさにいろいろな面でぎくしゃくしたことに相なるであろうと思います。一番早い話が、これはたしか百二十五円で計算したんだと思いますよ、この電気料金は。これまた電気料金を上げなきゃならなくなる。ガソリンも上げなきゃならない。みんなこうなったらこれは国民生活がえらいことになる。これはさっき大蔵大臣が御説明になった消費税による物価高の影響どころじゃなくなってしまうわけです。 こういう点で私は、政治の中と、また特に経済政策のかじ取りというのは大変大事な時期に来ておると思いますけれども、どのような対処をされるか、経済企画庁長官からお伺いします。
○国務大臣(越智通雄君) 下条委員から経済運営そしてまた為替、物価の問題についての御質問がございましたのでお答えさせていただきます。 経済専門家でいらっしゃる委員よく御存じのとおり、ここ二年ばかり日本の経済は大変いい成長を遂げてまいりました。六十二年が成長率五・二、それから六十三年が四・九。これはやはり設備投資並びに個人消費、いわば内需主導型で今日まで参りまして、本年平成元年度は四・〇の成長を考えておりますが、これまた御存じのとおり内需では四・七、外需のマイナス〇・七の寄与度で依然として内需主導型の経済運営をやっておりますが、今のところ設備投資、個人消費に関しましては、つい最近出ました日銀の短期観測、短観でもこの基調に変化はない、このように私どもも認識いたしております。 ただ、おっしゃいましたように、為替と原油の関係が実は昨年の暮れがターニングポイントになりまして逆転いたしております。為替で言えば百二十円そこそこのものが、おっしゃいましたように百四十八、九円まで今日なっている。原油の方も昨年暮れがバレル十二ドルぐらいだったと思いますが、今日、OPECの方がバレル十ハドルぐらいのものを一応のめどとして、守れるかどうかはちょっと問題ありますけれども。こうした問題が、突発的ですぐ戻れば別でございますが、持続すればするほど我が国の経済、殊に物価の方に悪い意味で影響を与えてくると大変心配いたしておりますが、物価そのものは、今、イザナギ景気等のお話がございましたが、既に二年続いた好景気が多少物価に影響しまして、去年の十月から実は対前年同期比が一%台に乗っております、その前は全部〇・何%でございましたが。それが六カ月続きましたところが、四月に消費税の導入ということで全国で二・四、前年同期比でございますが、五月がどう出るかまだよくわかりません。消費税の分は一時期ということもございますけれども、ずれ込んで上がっている分もございますのでよくわかりませんが、東京都区部が三・三と出ておりますが、これはかなりレベルも高いし、こういうときの変動の幅も大きい数字でございますので、そのままにとるわけにはいかない。しかし、多少やはり二・四よりは上がるかなという感じは持っておりますが、しかし、いずれにしましてもまだその程度の水準でございますと、物価の安定基調が崩れたというふうには考えておりませんので、まだ警戒信号ではない。ただ、留意しておかなきゃいかぬ、注意を払わなきゃいかぬと、このように思っているわけでございます。 そして為替の方も、大蔵大臣の御所管かと思いますが、基調として上がってきた上に、今日大変投機的なと申しますか、一時的なファクターが加わったのではあるまいか。天安門事件その他のことがやはりこれはドル買い円売りにつながっているところもございまして、そうしたものに対しての対処は日銀等がいたしてはおりますけれども、いましばらくドル高と申すべきかと思いますが、ドル高傾向をしっかり見定めなきゃいかぬ。その状況によりましては、適切かつ機動的な運営をいたしまして、当初目標でございました四%の経済成長を何としてでも達成できるように運営してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○下条進一郎君 今の経企庁長官の御説明は、現状としてはそういうことだと思います。例えば消費動向を調べれば、百貨店の売り上げなんかは三月は買い込みで非常にふえたけれども、消費税の反動で今度は四月が下がった、しかし五月はまたぶり返したと、そういうことですから、三、四、五を平均いたしますと前年比、ところによって違いますけれども、七、八%増なんですね。ですから消費は、百貨店売り上げはそれの一つの典型でございますから、堅調であるということでありますが、私が心配しておりますのは、そういうような円安がさらにまだ続くようであれば、これから先行きそういうせっかくの堅調なベースが崩れてくると大変だ。要は、私は慎重な経済政策と同時に、やはり政治の安定ということで総理にしっかりやっていただきたい、こういうことをお願いする次第でございます。 それから、そういうさなかにやはり一番影響を受けるのは、産業の中でも中小企業でございます。こういうような非常に変動の激しい中で、輸出関連はいいと思いますけれども、また中小の業界、特に輸入に関連するところはあっぷあっぷしてくる、こういうことになるわけであります。そういう意味で、とかく中小企業に対する手だては通産省としては随分やっていただいておるわけでありますけれども、まだまだ手ぬるい。特にこういう激変のときには、まだまだいろんな要望がたくさん出ておりますけれども、そういう点について通産大臣の御専門でいらっしゃいますが、温かい施策をひとつお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 専門家の下条委員にお答えを申し上げます。 最近の中小企業の景況は、輸出や内需拡大を背景といたしまして、全体としては堅調でございます。しかしながら、一部の輸出型の産地や輸入品との競合が激しい業種等においては困難に直面をしていることは現実でございます。また、大企業との間には多くの面で格差があることは御案内のとおりであり、円高の定着、技術革新、情報化の推進、国民ニーズの多様化高度化等、中小企業は依然厳しい環境の中で苦労をいたしております。このような状況を踏まえまして、我が国経済社会の基盤である中小企業が当面する厳しい環境変化に的確に対応ができますように、また健全な発展を遂げることができるように、中小企業の構造転換対策の推進、中小企業の経営基盤の充実、小規模企業の自主的な、自立的な発展の推進等のいわゆる中小企業対策を強力に進めてまいりたいというふうに考えております。
○下条進一郎君 そこで厚生大臣に伺いますのですが、そういうさなかでやはり弱者救済ということがまた非常に大事でございます。ことしの消費税導入に伴いまして、それぞれ弱者救済の措置が行われましたけれども、これは一年限りなんですね。そういう意味において、これから先どういうような財政的な弱者救済の措置を講じられるか、その点を伺いたいと思う次第でございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の税制改革においては、障害者とか老人、母子家庭等のいわゆる社会的弱者の方に対しては消費税における配慮として福祉サービスの非課税、寝たきり老人、障害者、母子家庭等に対する所得控除の大幅な引き上げ、公的年金等控除の導入等による年金に係る控除額の大幅な引き上げ等、税制面でも配慮がされていると私は思っております。 一方、所得が少なくて所得税等の減税の恩恵に浴せず消費税の影響を受ける層のうち、生活保護世帯や老人、障害者、母子家庭等に対しては、昭和六十三年度補正予算において老齢福祉年金、特別障害者手当、児童扶養手当等の受給者、高齢低所得者等の方々等を対象に、臨時福祉特別給付金を支給するとともに、平成元年度予算においては消費税導入等の国民生活の動向を勘案して生活扶助基準を引き上げるなど、歳入歳出面でもできる限りの対策を講じております。 また、平成元年四月分から年金については物価スライドを行うほか、十月分からは実質改善を実施すべく、今改正案を提出しているところであります。 また、平成二年度以降については、消費税導入による影響分を含め物価上昇はすべて平成二年度の物価スライドに反映されることになっております。 いずれにしても、今後ともこのような措置については、社会的弱者の方々を初めとする国民の皆様の御理解を求めるとともに、福祉の充実について努力をしていきたいと思っております。
○下条進一郎君 前内閣にふるさと創生の一つの夢がありまして、それによっていろんな計画を実行されてきたわけでございます。地域の特性を生かした地域振興策、第四次全国総合開発計画、そういうものをそれぞれ手がけてこられたわけでありますけれども、そういう新しい発想、いわゆるふるさと創生の構想は、私は宇野内閣においても承継されてしかるべきである、こう思うわけでありますが、それの今までの進捗状況と、これからどういうふうに処理していかれるか、あるいは継承されるのかどうか、その基本方針をまず承りたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 後から自治大臣から詳細いろいろと話があろうかと思いますが、私といたしましては、やはり大切な政策である、しかも国土の均衡のとれた発展のために、三千三百の市町村、さらには四十七の都道府県、これらを対象として、何かいいアイデアを起こしなさいと、こういうことでございますから、私はやはりこの国土が本当に皆が、地方の方々が自分のアイデアで自分の地域を興そうということにつきましては、大変喜んでおられるという話を耳にいたしております。だからぜひ継承いたしまして、これが全国で大きな成果を上げるように期待するものであります。
○国務大臣(坂野重信君) 今、総理がお話しになったとおりでございまして、私も再任に当たりまして、総理から特にふるさと創生をしっかりやってくれという指示があったところでございます。 例の一億の「自ら考え自ら行う地域づくり」の構想でございますが、これは各市町村で盛んに今勉強中でございまして、地域住民の意向を取りまとめながら、大体何とか七月中には中間報告を取りまとめたいと思っております。それによりまして明年度以降も引き続いて、交付税の活用であるとかあるいは各省所管の公共事業等の予算を投入さしていただきまして、ことしだけで終わるということでは困るわけでございますので、ぜひこれは続けていきたいと思っております。 自治省としては、単独事業のふるさとづくり特別対策事業というようなものも展開しておりまして、例えば下条先生の地元の、これも例えですよ、次のオリンピックに備えて九十メートル級のジャンプ台というようなこともふるさとづくり特別対策事業としてもう自治省は既に採択して進めつつありますし、その他ふるさとづくり財団、民間の活力を活用するためのそういう財団というような方式もとっておりますし、あるいは数カ市町村が集まって基金をつくってやろうと、いろんなことがございますが、もうこれは自治省だけではございません。官房の中にふるさと推進対策連絡会というものもできておりますし、また、今後総理、官房長官等の御指示を得ながら総合的にひとつこの事業を展開してまいりたいと思っている次第です。
○国務大臣(野中英二君) ふるさと創生論というのは、御存じのとおり、「自ら考え自ら行う地域づくり」でございまして、国土庁といたしましては四全総、いわゆる一極集中、東京集中を排除いたしまして多極分散をいたしたいと、こういうことの四全総をつくり上げたわけでございますが、その基本的戦略の一つといたしまして、豊かな地域づくりを推進していく、そして同時に、その基盤となる交通、通信あるいはデータ通信、もしくは情報、こうしたものも整備していきたい、こういうふうに考えておるところでございまして、この地域づくりの相互間の連携を密に各省庁の援助を得てやっていきたいと思っておるわけでございます。 今、大変ふるさと創生で下条先生から激励を受けましたが、昨日も国土審議会におきましても激励を受けたところでございます。今後とも国土庁といたしましては、豊かな地域社会の形成を目指してこれから諸施策を一層積極的に推進してまいりたいと思っております。
○下条進一郎君 そのことに関連いたしまして総務庁長官に伺いたいんですが、地方の時代と言われて随分時間がたっておりますが、それがなかなか進まない面は、まあ相当努力していただいておるんですけれども、やはり権限が中央官庁に集中している。地方の分権というか、地方に権限を移譲し、行政の簡素化というものに絶えず努力していかなきゃならない、こういうことだと思うんですね。例えば、本省があって地方に局がある、その下にまた出先がありますけれども、一体どのくらいの権限があるか。非常に権限が少ない。何か大事なことはみんな本省へ来なきゃならない。そうすると、やはりその行政の機能からいってもどしても都会の一極集中になってしまう。こういうことがありますので、私は極力、まあ清新な大臣でございますから、この機会にやはり一極集中をそういう面からも多極分散に持っていけるようにやっていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 下条委員御指摘のとおり、地方の時代というものを名前だけでなくて実質においても実現していく上からも、それからまた、国と地方を通ずる行政の簡素化あるいは地方自治を尊重する、そういった観点からも、国と地方の機能分担というものは本当に幅広く検討していかなくちゃならぬと思います。とりわけ、身近な事務は極力身近な地方公共団体でやっていただく、これが基本でなくちゃならないと思うのでございます。従来からもそういう方針でやっておりまして、臨調あるいは旧行革審の答申等をちょうだいいたしまして、政府としては行政改革を随分進めてまいりました。 具体的に申しますと、たしか国、地方の機能分担の適正化に関しまして臨調、それから旧行革審の答申で指摘されました事項が全体で二百九十九項目ございます。これは本年の三月現在でそのうち措置されていないものは六項目でございまして、これまでのところは政府各部で随分やってまいった、こう思うのでございます。 しかしながら、まだまだこれで十分だというわけではございませんので、本年度の、平成元年度の行革大綱においてもこれを進めることにしておりますし、また、昨年十二月に総理の御指示といいましょうか、御依頼がございまして、新行革審の中に国と地方の関係についての小委員会を設置しております。これは瀬島会長代理に委員長に就任していただきまして、非常に精力的に御審議いただいておりまして、大体中央の官庁その他のところの意見のヒアリングが終わりまして、現在地方へ出向きまして、地方の公共団体とか関係方面の御意見を精力的にお聞きしているところでございますし、当庁といたしましても、行政監察局の機能等を生かしましていろいろお手伝いしておるところでございます。その行革審の答申というのが年末ぐらいにちょうだいできると思っておりますので、そういったものも踏まえながらさらに一層推進してまいりたいと思っております。 いずれにいたしまして五宇野内閣は改革前進内閣でございまして、その心は政府はスリムに、そうして国民は豊かにというふうに承っております。ともかく、そういった意味で、国、地方を通じて行政全体をいかにむだのないものに、しかも効率的なものにしていくか、これがまず基本だと思います。それを踏まえて極力国から地方へ権限を移譲していこう、そういうことで前へ進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○下条進一郎君 結構な御趣旨でございますからぜひ実行していただきたいと思います。 それから、先ほど国土庁長官の御答弁にございましたように、いろいろ高速交通網等の整備、これは大変大事なことでございます。例えば東海道新幹線はもうあれ以上「ひかり」はふやせない、満員でございますね。そういう点で、私はやはり新たな見地から高速交通網の整備については見直しをしなきゃならない。これについては、従来財政上のいろんな制限がございました。赤字国債発行を終えるまではだめだとかいろいろございました。 私は、これは大蔵大臣に伺うんじゃなくて、運輸大臣と建設大臣に伺いたいと思うんですよ。そして、やはり中央リニアモーターの建設だとか、あるいは新幹線をもう一本通す問題だとか、あるいは高規格道路の建設だとか、こういうことをしっかりやらなければ、とてもとても日本じゅうに動脈が通ってあのふるさと創生の実際の実が上がらない。そういう意味において運輸大臣と建設大臣にそれぞれ積極的な御意見をおっしゃっていただいて、よく大蔵大臣の耳に通るように説明していただきたいと思います。
○国務大臣(山村新治郎君) 下条さんの私に対する質問は整備新幹線、それと中央新幹線、このリニア化ということだろうと思いますが、整備新幹線につきましては、国土の均衡ある発展、地域の振興開発等に資するものとして強い要望が各地からございました。また、一方で財源問題等につきまして慎重に検討するという問題がございました。しかし、おかげさまで今回財源措置等についての結論を得まして所要の法律案を御審議いただいておる最中でございます。この法律案の成立を待ちまして高崎-軽井沢間、この本格着工を行ってまいります。 そしてまた、今後の進め方につきましては、政府・与党の申し合わせに沿いまして、幹線鉄道の高速化の必要性、並びに国鉄改革及び行財政改革の趣旨を踏まえて適切に対処してまいります。 それとリニアの方でございますが、現在技術開発中、これは正式には超電導磁気浮上式リニアモーターカーということです。今後の技術開発の進め方の検討とあわせまして、今、新実験線、これが北海道、山梨、宮崎と三カ所候補地で、この中の一カ所に決めるわけでございますが、この調査を行っておる最中でございます。 そしてまた、中央新幹線、これは実は基本計画路線ということでございまして、この取り扱いにつきましては、これは東海道新幹線に係る輸送の状況、また、リニアモーターカーの技術開発の状況等を勘案しながら検討すべき問題というぐあいに考えております。
○国務大臣(野田毅君) どうも御支援ありがとうございます。 大蔵大臣もしっかりと聞いていただいておると思いますが、御指摘のとおり、何といいましても地域の活性化あるいは多極分散型の国土の形成という上におきましては、そういう高速交通網というものの形成がこれは不可欠でありまして、私どもも御案内のとおり既にこの前発表いたしたわけでありますけれども、二十一世紀の初頭には全国一万四千キロの高規格幹線道路を完成させたい。そして西暦二〇〇〇年のころにはこれを九千キロ、より近い短期的に見ますと、現在の第十次道路五カ年計画、これが平成四年度末でありますが、そのときにはおおむね六千キロ、現在四千五百キロ程度供用開始いたしておりますので、何とかこれを計画どおり、できればもっと前倒しでできればなおありがたいと思いますけれども、ぜひ全力を挙げて、御指摘のとおり早期事業推進に向けて全力投球していきたいと思っております。よろしく御協力をお願い申し上げます。
○下条進一郎君 ただいま運輸大臣及び建設大臣から極めて適切な御回答をいただきました。 私は、要は、この計画のタイミングを早めていただきたいと、こういうことだと思うんですよ。そうでなければ、せっかく国土庁長官おっしゃったような計画が緒につかない。その意味において、大蔵大臣は今即答をいただかなくて結構でございますが、特に強く大蔵大臣にも御要望申し上げておきますので、御検討いただきたいと思います。 それから、冬季オリンピック長野誘致の問題でございます。いささか自分の県のことで恐縮でございますが、これは日本に誘致するということでございます。 この間、六月六日の閣議了解をいただきまして、いよいよ本式に一九九八年に冬季オリンピックを日本に誘致する、場所は長野と、こういうことになったわけでございますが、時たまたま本件については大変な競争相手が出てきました。アメリカはソルトレークだ、ソ連はレニングラードだ、あるいはスペインだ、スウェーデンだ、こういう国がメジロ押しで競合しておりまして、九一年にこれが決定される、ロンドンでと、こういうことになっております。 私は、こういう問題はやはり国際社会の日本、それからまたスポーツ愛好国の日本ということでせっかく国民的な合意で閣議了解をとって決めていただいたことでございますから、ぜひこれを実現さしていただきたい。ただ、前には大変な障害がたくさんあるだろうと思うんです。 私は前に関係したことがございますんですが、アジア開発銀行の本店誘致問題これは一九六五年でございました。これは全くもう間違いなく日本へ来るだろうと思ったんです。どういうルートで思ったかと申しますと、日本にある関係国、加盟国の大使館に意見を聞きましたら過半数以上は日本支持だったんです。それからまた、加盟国駐在の日本大使館に電報で照会した。それも過半数は日本支持で、東京に間違いなくアジア開発銀行は来るだろうと思ったんです。ところが、いざふたをあけてみたらマニラにとられてしまった。こういうことがございます。それからまた、一九八二年に名古屋のオリンピックがだめで、ソウルにとられてしまいました。 こういう国際的な競争、ネゴ、これは大変に難しいけれども、またこういう経験を踏まえて今度はもう失敗ないように国を挙げてやっていただきたい。これはもう大変なことだと私は思うんです。ですからその意味において、これは一地方の、県の問題ではございません。国の問題でございますので、一応スポーツ担当の文部大臣から御回答をいただき、かつまた、これは国を挙げてということで、本当にもう各般の問題にわたりますから、担当相ですね、やっていただくぐらいの大事な問題だと私は思いますので、最後に総理の御回答、御所信をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員ただいま御指摘のとおりに、平成十年に開催されます予定の第十八回オリンピック冬季競技大会の開催地として長野市が立候補されましたことにつきまして、オリンピック憲章に基づきますところの国内手続として閣議了解をしたところでございます。 これからは、委員御指摘のとおり、大変競争の激しいという状況を私どもも十分承知をしているわけでございますので、文部省といたしましても関係省庁協力一致いたしまして、何と申しましても長野市が中心になってやっていただくわけでございますけれども、日本の国際親善、スポーツの振興という観点から申しましても大変大きな意味のあることでございまして、全力を挙げて協力をさせていただきたい、努力をいたしたいと、このように考える次第でございます。
○国務大臣(宇野宗佑君) この間、閣議了解事項として決定させていただきました。そしてその日、下条委員を初め、また知事さん、市長さんにお目にかかりまして、私もひとつ、この冬季オリンピックの実現のために全力を挙げることを申し述べましたので、懸命の努力を今後いたしたいと思います。 近く、サマランチ会長にもお会いする機会があるのじゃないかと思っておりますし、サマランチさん一人で決めるわけじゃありませんが、十分PRをしたいと、かように思っております。 先般も、WHOに無名の中嶋さんという人が立候補されまして、外務大臣だったんですが、非常にどうかなと思いました。しかし、全力を挙げまして世界の御協力を仰ぎましたところ、非常によい成績で初めて世界の機関の事務局長に座ることができたというような成果もございます。 今、そうした意味におきましても、全力を挙げさせていただきたいと、私はかようにここで申し上げておきます。
○下条進一郎君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で下条進一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(初村滝一郎君) 次に、塩出啓典君の質疑を行います。塩出君。
○塩出啓典君 それでは、公明党・国民会議を代表いたしまして、宇野総理及び閣僚の皆さんに質問いたしたいと思います。 宇野総理が誕生いたしましたのは、ごらんのように竹下内閣がリクルート問題あるいは消費税問題等で支持率は低下をし、どうにもならなくなった。そういう中で、政治の刷新を目指して生まれたのが宇野内閣ではなかったかと思うのでございますが、総理就任以来のいろいろな演説あるいはまた国会の答弁を通して、言葉は改革前進内閣と いうようなことを言われるわけですけれども、今までの竹下内閣あるいは中曽根内閣とはどういう点で違いがあるのか、そういう点がいま一つはっきりしないわけでございますが、その点はどうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 元内閣は別といたしまして、竹下内閣がリクルート事件の責めを負って辞職されたということは、もう明らかなところでございます。 その後の政治空白、これにつきまして、やはり空白は避けなければならないということで、たまたま私が選ばれたような次第でございますから、当然そういう経緯から考えました場合に、私はリクルート事件というものを一つの端緒として誕生した内閣である、こういうような自覚のもとにやはり今後臨まなければなりません。 そのためには、国民の望んでおられる金のかからない選挙のために全力を挙げる。いろいろ過般来申し上げておりますが、いわゆる政治の改革でございます。それは一にかかって、リクルート事件そのものの一つのけじめとして、ひとつ国民の方々の温かい信任を再び政界にお与えください、国会にお与えください、これが私の一つの大使命である、不退転の決意を持って臨みましたゆえんはそこにあると、このように御理解賜りたいと思います。
○塩出啓典君 今の御答弁でも、決意はわかるんですけれども、具体的にどういうことをやるのかという、こういう点が問題じゃないかと思うんですがね。 そこで、伊東正義氏は総理就任の条件として、報道で伝えられるところによりますと、三つの条件をつけたと。その中には、リクルート疑惑にかかわった実力者は総退陣しろと、そういうような三つの項目があったわけでございますが、自民党の中にもあるいはそれ以外にも、この三条件に賛意を表している人も非常に多いんじゃないか。宇野総理はどのようにお考えですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 伊東さんは、年次は私より若いのですが、しかし農林省の幹部のころから私とは非常にじっこんにいたしております。しばしば、内閣でも同じようなポストにつくということもございました。非常にじっこんの間柄でございますし、私はやはりよき先輩であると畏敬の念を持っております。だから、本当に伊東さんの大改革案というものは、一つの大きな理想像であろうと。まず、議員を辞職しなさい、派閥を解消しなさい、若手を登用しなさい、これは一つの大きな私は目標であり理想であると、このように考えております。 私といたしましては、やはり議員辞職、バッジを外せという問題に関しましては、その後の党内のいろんな事情等々を観察もいたしました。したがいまして、私自身といたしましては、この三つの問題に関しまして条件を付せずに入ったわけでございます。 ただ、派閥というものの今日の弊害を除去して、そうして派閥が解消できる方向に私たちはやはり持っていかなくちゃいけない。その努力を怠ってはいけない。これは私は一つの方針として持ちたいと思いますし、同時に若手登用、このことも必要でございます。若手というのはなかなか難しゅうございまして、年の若い方と年次の若い方、こうやってあるわけでございますが、伊東さんは恐らく年次も若く年も若い、そういう人たちということで考えられたのではなかろうか。 私は、派閥に関しましても、みずから離脱し、さらに閣僚全員に離脱してもらいました。四役にも派閥というものを離脱していただきました。だから、そうやって少しでも伊東さんの理想に近づけたいと思ってやったわけでございます。なかんずく若手登用に際しましては、思い切ってここにお並びのような若手の方々を、言うならば年功序列ではなくして、そして適材適所としてついていただいた次第でございますので、この内閣の平均年齢も相当下がったと。前は六十歳台であったが、それが五十歳台に下がった、こういうところにもあらわれているんじゃないかと、かように思います。 最後に、一番目の議員の問題でございますが、こうした方々に対しましては、法的な責任の有無にかかわらず、やはり自分たちの一つの議員としての誉れ、誇り、そうした問題を通じてそれぞれが対処していただきたいものであると、このように私は申し上げておる次第でございます。
○塩出啓典君 宇野総理は伊東さんの三つの条件については、議員辞職ということを除いてはこの精神は尊重したい、そういうお考えのようでございます。 そこで先月三十日、「リクルート問題に対するわが党の措置」というのを自由民主党が発表したわけでございますが、私はこれの内容はここで申しませんけれども、世論を見ましても大変これはなまぬるいと。これは自民党の党内の見た一つのけじめ論であって、国民の本当に望むけじめ論とは非常に遊離している、これでは私は宇野内閣の支持率も上がらないんじゃないか、このように思うんですけれども、その点はどうお考えですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 自由民主党の作成、決定いたしましたいわゆる改革大綱というもの、これは後藤田さんが党内の世論をまとめて、そして凛然たる態度で決めたと申し上げてもよいと思います。これはあくまでも有識者会議の提言というものを土台といたしております。有識者会議は、我々自由民主党員ではなくして、本当に日本を代表する有識者、この方々にお集まり願いまして現状をどうするか、政治改革をどうするかということでそれぞれ提言をしていただいたのですが、大ざっぱに分けまして七つあるわけでございますね。その七つのうちの三つが政府がやりなさいということでございます。 その内容は、それぞれ、配偶者並びに扶養親族に至るまで財産は公開しましょう、それは就任したときも辞任したときもそういたしましょうとか、あるいは全閣僚はいわゆる派閥、この弊害として、やはり全党的な、全国民的な立場で物事を見たいから離脱をする。幾つかのことをやりました。いわゆる三つに沿ったわけであります。私はこれはもう皆やってしまった、かように思っております。 だから、残るのが四つでございまして、その四つの中には細かく分かたれておりますけれども、例えば冠婚葬祭、これに対して本人並びに配偶者が行くのだったらいいが秘書が冠婚葬祭のいろんなつけ届けをするということはこれは罰則の対象である、厳しい罰則規定も入ったわけでございます。そういうふうないわゆる公職選挙法、あるいはまた政治資金規正法ともに、規正法では入るを鮮明にし、そして極力疑いの持たれないようにし、さらに出るを制する、公選法では。そういうふうなことが有識者会議から提言されておりますから、それをそっくりそのまま一つの大綱としてまとめた、こういうことでございますので、これに関しましては既にその大綱に従いまして、提言に従いまして公選法の改正法、そして政治資金規正法、さらには全議員財産公開だというような提言もございますから、それに従いましての法律立法、そうしたものが既にこの国会に出されておるわけでございます。 したがいまして、各党も同じようなそれぞれ案をお持ちでございましょうから、国民はそれを見ていらっしゃるわけですから、自民党も出た、他の野党の案も出た、そこで今、国会においては議論が始まった、こういう姿を私はぜひともやっていきたい。だから本会議におきまして、あなたは言葉だけだとおっしゃるが、それを私は申し上げたわけでございまして、やはり実行するがためには政府ひとりではできません。各党各会派の御協力をお願い申し上げる、こういうふうに私もあのとき本会議で申し上げましたので、決して空念仏を唱えておるわけではない、私たちはそういうことにひとつ全力を挙げてやりたい、そのためには政府・自民党はまず隗より始めよである、だから今のところ立法化を急いでおるというのは、隗より始めよというその精神なりあるいはまたそうした具体案を進める一つの姿である、こういうふうにぜひとも御理解を私は賜りたいと思う次第でごさいます。
○塩出啓典君 総理が今言われたのは竹下内閣のときに既に決まったことで、その問題については私たちも、きのうも我が党の市川議員が取り上げたようにいろいろ不十分な点もある、これは今後論議をしてさらに進めていかなきゃならないと思いますが、特に私が申し上げましたのは、いわゆるリクルートにかかわった人は党の役職を離脱するとか、あるいはリクルート関連株で得た利益を社会還元する、そういうことでお茶を濁すということは、私は国民から見ても許されないんじゃないか。それについてはどうお考えですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) リクルート関係者は一応役職を停止いたしました。決してそれはお茶を濁すことではございません。やはり自民党所属の国会議員として、一つでも多くの役職をこなしたいという意欲に燃えていらっしゃる方々ばかりでございますから、その停止ということは非常に大きなこれは処罰ではないか、私はかように考えます。したがいまして、選挙区の方々から見ましてもこれは大変なことになったというふうな感想を持っていらっしゃるのではなかろうか、かように私はまず思います。 二番目のリクルートで得たもうけ、利得、それをひとつ還元しなさいと、このことも有識者提言の中にもありますし我が党の大綱にもございます。現在私もそのことを自由民主党の本部の事務局長に照会いたしてあります。照会の結果、それらの事ごとはきちっと具体的に進んでおりますという答えをもらいました。だから、やっておるわけでございまして、決してお茶を濁してそれでしまいと、こういうわけじゃございません。次から次へと私は改革をやっていきたい、かように思っております。
○中野鉄造君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。中野鉄造君。
○中野鉄造君 私は、総理に国民の皆様方の赤裸々な気持ちを代弁いたしまして二、三お尋ねいたします。 総理は、今回のこのリクルート疑惑に対するけじめとして国民は今どういうことを求めていると認識しておられますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) やはり一言にして言えばけじめと。そのけじめを解散で示せと言う国民もいらっしゃると思いますし、あるいは解散をしても選挙自体が旧態依然たる選挙であっては何にもならぬ、だから思い切った大改革をしてから後にせよと言う国民もいらっしゃる。私はそうやって大まかに考えました場合にそのように思われます。なおかつ、やはり政界を通じまして、あなた方は国会議員である、あるいは政党人であるという立場に対する社会的倫理さらにはまた法的倫理、こうしたものを強く要請されておるのではなかろうか、したがいましてそれに対しましてもおこたえしていかなければならない、かように思っております。
○中野鉄造君 国民の感情というのは極めて直情的でそして素朴であるわけなんですが、今回のこの疑獄事件、これだけ大騒ぎして立件された人はわずか二人、あとの人たちは限りなく灰色でありながらもそれは不問に付された、こういうところに非常な怒りがあるわけなんです。法律では疑わしきは罰せずということが言われるかもしれませんけれども、いやしくも政治家である以上、疑わしきは罰する、こういう態度でなくちゃいけないと思うんですが、総理、いかにお考えですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今、私が社会的倫理あるいは法的倫理と、一つの政治倫理を分析いたしてお答え申し上げましたのも、国民から見た場合、一つの地位にある人、その人の倫理を問うておる、あるいはまた、一つのポストにあってそして幾つかの権利権限を持っておる、そうしたことに対する倫理を問うておる、そうした中に我々国会議員も含まれる、政治家も含まれる、こういうふうに私は解釈をして、だから国民はそれに対するところの一つのけじめを求めていらっしゃるのではなかろうか、かように私実は解釈をいたしております。したがいまして、今申されましたとおり、政界からたった二人検挙され起訴された、それであっていいのかという、あるいは国民はそういう素朴なものがあるかもしれません。 したがいまして、今朝来いろいろの議論を通じまして、立法府としてはどうするかという問題もございました。これに対しまして、私は、立法府は立法府でそれぞれ衆参の予算委員会でいろいろと理事会をなさることであろう、そこで結論が出ることでございましょうが、では我々政府の分はどうするかということでございますが、政府といたしましては法令の許す範囲内においてそうしたことに御協力するという、私たちは検討しますと、こう申し上げておるわけでございますから、そこら辺にどのようにがっちりと歯車を組み合わせるかということもございましょう。だから私は、それとプラスやはり改革の、政治資金規正法さらには国会における議長さんのあっせんでどのように我々もやっていくかという問題も入りましょうし、もういっぱいあると思うのでございます。せめて、具体的に有識者の提言でございました二つの法案が出ておるわけでございますから、それもひとつあわせやっていただけないものであろうか、こういうふうに私は考えておるような次第でございます。
○中野鉄造君 今おっしゃったような、これから先の政治改革、政治倫理の問題、これは当然です。そういうものは、今回のリクルート疑惑事件が起こっていようといまいと早晩これは厳しく私どもで審議をしていかなくちゃいけない、そしてその実現を図っていかなくちゃいけない。だけれども、先ほども申しましたように、今回起こったリクルート事件のけじめというものについて、まさに手ぬるい。先ほども質問がございましたように、役職をやめたとか、そういうことでそれでよしとするのと国民の皆さん方の感情とにはかなりの隔たりがある、非常にいら立たしさを国民は感じているわけなんです。本来ならば、李下に冠を正したその人たちは、もうみずからの良識をもってやめていかなくちゃいけない。ところが、今もってそういう気配はさらさらないかといって、だれしもあなたはやめなさいと、こう言うわけにもいかない、やはり国民が任命権者でありますから。そういうことになると、もうこの上はいたし方ない、これじゃ解散するっきやないじゃないかということで、国民の皆様方は速やかに解散総選挙をやってそして国民の信を問えと、こうおっしゃっている。私も全くそのとおりだと思うんです。 しかしながら、そこで気をつけなくちゃいけないことは、じゃ解散すれば直ちに今までのことがすべて清算され、そして生まれ変わった政治というものができるかというと必ずしもそうじゃない。過去の造船疑獄事件を見てもロッキード事件を見ても、そのたびごとに出直し解散総選挙をやってみて、そして何回やってみても、限りなくクロに近い灰色だと言われた人たちがまたぞろ上がってきた。そういうようなことの繰り返しであってはならない、こう思うわけです。ですから、私はここでひとつ総理に提案を申し上げて総理のお考えをただしたい、こう思うんです。 すなわち、今回の事件に関係したいわゆる灰色と目されている十数人の人たちがいらっしゃる。こういう人たちに対しては、少なくとも直近の選挙においては出馬自粛を勧告するとか、あるいは出馬を表明されても公認はしない、このくらいのことは公党として、あるいは政権党としてのせめてもの国民にとるべきけじめのつけ方ではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 非常に私は難しい判断を今求められていると、かように思います。 確かに、法的には、けさほども申されまして、十何名かはその職務に疑えばあるところにいらっしゃったと。しかしながら、対価の授受もなければ、あるいは請願を受けたこともない、よってこの人は全くシロだと、こういうふうな報告であったと私は思います。しかし、それでは国論がおさまらないということで、今後予算委員会における理事会がいろいろ議論なさる。これに対しまして政府の立場は先ほど申し述べました。 我が党も一つの懲罰規則がございまして、どういう人は立候補できない、どういう人は公認を与えない、いろいろございます。ここで一党の総裁たる者が、やはり我が党は民主主義の党でございますから、ここで自分の決意だけぽんと申し述べる、それがいいか悪いか、私もやはりそうした多少ちゅうちょする面がございます。 したがいまして、この大改革に臨みまして、我が党におきましても改革推進本部というのをつくることになっておりますから、今の大綱に従い、また中長期の問題に関しましてそこでひとつ議論しようということになっておりますから、本日はこういうふうな意見が出されましたということを申し上げることも一つの私としては提案になろうかと思います。そして、そうしたところで十二分に議論をしていただくということも、一つの今回の考え方であるということを申し上げておきます。
○中野鉄造君 総理は、我が国の近代政治史上まれに見る政治不信のさなかに幸か不幸か総理に就任されたわけなんですね。そして午前中の質疑の中でも、今私が第一に着手しなくちゃいけない、努力しなくちゃいけない課題は政治不信の打開であるということをここでおっしゃった。ですから、国民の皆様方は、今、宇野総理がこれから先どういうことをされるか注目の眼で見ているんです。すなわち、自分を総理に推挙してくれた党内のもろもろの人たちに対して気配りをするのを優先されるのか、あるいは国民の今の怒りに対してその気配りを優先されるのか国民は注視しているんです。どうかひとつこの点をよくよくわきまえてこれからその処置に当たっていただきたい、こう願うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 選挙に出るということにつきましては、やはりこれは国民の一つの権利でございます。そうしたことは憲法に明示されております。だから、やはり憲法という問題と、そして私たちのそれに対するいろんな今具体的に言われました対処方という問題もございます。やはり憲法を守っていかなければ、単なる一党のルールだけでいかがであろうかという面も私は確かにあると思います。しかも、有権者の声というものもございます。そこら辺は十分私たちもお互いに政治家として吟味をしなければならない、慎重を期さなければならない問題である、かように思っております。
○中野鉄造君 最後に、私は総理に要望しておきますけれども、総理は本会議の席でもよくしゃべり、あれだけの大見えを切られた。したがって、先ほど私が提案申し上げたこのくらいの勇断ができなければ、それこそ改革前進内閣ではなくて言行不一致の改革停滞内閣のそしりを免れませんから、ひとつそのつもりでやっていただきたい、こう思います。 以上で終わります。
○塩出啓典君 総理にお尋ねしますが、昭和六十年十月十四日に議決された政治倫理綱領、これは与野党でできた綱領でございますが、この第四項目に「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」、このようにあるわけでございますが、総理はこれをどう考えるか。このことは、結局疑惑を持たれたならば進んで解明をしろ、それが解明できない場合には議員をやめろと、私はそういうことじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) もう政治倫理綱領は私たちがみずから求めて制定したものでございますから、今、塩出さんがその解釈をなさいましたとおりであると考えます。
○塩出啓典君 けさもリクルート事件の捜査結果に対する報告が法務省から出されたわけでございます。事件の全容解明にはほど遠いと言わざるを得ない。また、午前中からいろいろその件についての質問があったわけでございますが、なかなか法務省はその解明を明らかにしようとされないわけでございますが、もし国会が正式にこういう点を出せ、そういうように決まれば、国会法の百四条あるいは刑事訴訟法の四十七条のただし書き等から見てこれは十分できる、このように理解していいんでしょうか。
○国務大臣(谷川和穗君) 検察といたしましては、既に刑事事件にかかわる捜査は全部終了をいたしております。 ただし、起訴をいたしませんでした書類につきましても、公判の開廷前にこれを公にすることはできないという大原則がございますが、しかし、国会の方で公益上の目的を持って手続をなさって、国政調査権に基づく御要請がございました場合には、私どもといたしましてはできるだけの御協力をさしていただきます。国会の方で刑事事件とは別個に政治的道義的な責任の有無について調査をいたしたい、それについてできるだけの協力をするようにという御要請がございましたときには、その時点におきまして、法令の許すところにおきましてできるだけの御協力をさしていただく覚悟でございます。
○塩出啓典君 今回のリクルート事件は大山鳴動してネズミ二匹とか、こういうようにある新聞にも書いてありましたが、やはり私たち庶民から見て大変理解しがたい点も多々あるわけでございます。例えば総理と官房長官、これは常にやっぱり表裏一体じゃないか。ところが、官房長官は起訴されたけれども、その当時の総理は起訴されない、あるいは秘書が何千万というお金をその議員の知らない間に使うとか、そういうようなことは私はなかなか感覚として理解に苦しむ、国民から見てもなかなか疑惑を持っている点じゃないかと思うんですが、宇野総理はどうお考えですか、そういう点は。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私は、やはりこの際、総理と官房長官というものは非常に親しい間柄であるが、この事件に関してはどこまで親しい間柄であったかという判断も要りましょう。私はそうした面の判断をする立場におりませんが、既に司法当局がそれを判断した、これを私は信じたい、かように思います。
○塩出啓典君 これは国税当局にもお尋ねするんですが、例えば今回の事件で起訴された人たちは皆リクルート関連株の購入を正規の経済行為ではなくして、いわゆるわいろと認定をしておるわけですね。ところが、起訴された人以外のそういう株の取引、そういうものはわいろにはならないにしても、これは職務権限がないために受託収賄罪にはならないにしても、何らかの税法上の処置はとれるんじゃないか、そういう点も非常に理解に苦しむところですけれども、それはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 一般的に申し上げまして、株式だけではございません、資産一般でございますけれども、値上がり益につきましては、現在の税法の建前からいきますと、譲り受けた人がその資産を譲渡して利益を得たとき、言葉をかえて申し上げますならば、実現した段階で譲渡所得として課税するというのが大原則でございます。 委員お話しの、その取得の段階で既に将来期待し得る未実現の値上がり益を課税の対象にすべきではないかというお説かと思いますけれども、現在の税法の考え方は基本的には今申し上げたとおりでございます。ただ、極めて例外的な場合におきまして、株式等の取引におきましてその譲り受けの段階における取得価額、これが時価より著しく低い場合、そういった場合には、その態様のいかんによりましては、場合によって贈与税等の議論が出てくる可能性はあろうかと思います。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、国会で御議論になりましたこと、あるいは新聞等々で話題になっておりますことを含めまして、課税上問題がありそうなことにつきましては資料の収集に努めてきておりますし今後とも努めてまいりたいと思いますが、ただ、いずれにいたしましても、申告された申告所得あるいはその他のものと集積されたものとの対比において課税上問題があるという場合にはしかるべく対処してまいりたい、このように考えております。
○塩出啓典君 大蔵大臣、今のような話は前から聞いているんですよ。だからそういう一般論を聞いているんじゃない。今これだけ国民が注目しているときに、じゃ具体的にほかの人はどうなんだ、国税庁ではもう問題はないのかあるのかという、そういう点をはっきり示すべきじゃないですか。いつまでたっても一般論で、調査します、慎重にやります、これではわからないじゃないですか。どうですか、その点は。
○国務大臣(村山達雄君) 今は資産の値上がり益にいたしましても、それから今例外的にあり得る贈与税、一時所得にいたしましてもすべて申告課税の方式をとっているわけでございます。ですから、こちらがまず発動するのではなくて、納税者の方が申告納税してくる、こういう仕組みになっております。その申告されたものが法律に照らしてみておかしいというときにそれを正していくということでございます。したがいまして、今の問題がどういうふうに申告されてくるか、これを見守っておる。そして、国会で論議の行われたことは貴重なる情報としてちゃんと集めておきますと、こういうお答えをしているわけでございます。
○塩出啓典君 いや、申告といってもこれはもう五十九年とか六十一年のことなんですから、当然申告がなされているわけですよね。今のお話はどういう意味なんですか。これから申告を待つというんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 御案内のとおりに、キャピタルゲインにつきましては今までは原則非課税になっているわけでございます。したがいまして、大口のものとかあるいは回数でもってやっているわけでございます。六十二年それから六十三年、平成元年度から初めて課税するということでございます。それから今の著しく低い対価で取得したという場合、その場合には贈与税あるいは一時所得の課税の問題がある、こういうことでございます。 したがって、それについての申告が恐らくその佳い価額でいった人は贈与税に該当するとか一時所得に該当するという観念はほとんどなかっただろうと思います、正直に言いまして。やはりそれはキャピタルゲインの課税であろうと、こう思っておったものでございましょう。態様によりまして現行法上もやはり贈与税あるいは一時所得として課税される場合があり得る、こういうことでございます。したがって、そのデータも本人がよくわかっているわけでございましょうから、どういうふうな申告をされてくるか、こういった点をよく見ておる、こういうことでございます。
○塩出啓典君 大変庶民の方から見れば、国税庁はできるだけ法律の解釈を拡大して税金を取ろうと。これは一概に悪いわけじゃない、一生懸命やっているからそれなりにそれは悪いことではありませんけれども、やっぱりそういう姿勢はだれに対しても同じようにやっていただかないと私は国民の疑惑を招くと思うんですよ。 そこで、これは委員長にもお願いいたしますが、今、国会議員と有権者との感覚、特に金銭問題において大きな感覚の差があるということが一つ問題になっておるわけでございます。そういう意味で、今こそ私たちは大地に耳をつけ、有権者の声も聞き、みずから国会を浄化する、こういう働きをしていかなきゃならない。特に、良識の府である参議院としての使命は大きいと思うのであります。そういう意味で、ぜひ当委員会におきましてもよく御検討いただいて、このリクルート問題解明のための必要な資料をぜひ本委員会としても法務省に要求するように委員長としても取り計らっていただきたい、このことを要望いたします。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの要請については、理事会において協議して善処いたします。
○塩出啓典君 次に総理にお尋ねいたしますが、消費税の問題ですね。これは公約違反であると、こういう点は総理としてはお認めになりますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) あのときは同日選挙でございました。そのときの総理が中曽根総理で、いろいろお話がございましたが、そのときの公約が今日守られているかというお話だろうと、私はこう思います。 我々は、一つの政党といたしまして、我が党の税調もさようでございますが、十分その点を吟味されました。つまり、元総理は投網を打ったような縦横十文字、そういうような大型間接税はいたしませんと、こういうふうに言っております。つまり、どこか一つベンチレーションがあると、そう申しましょうか、そういうような御趣旨でございますから、今回つくられました消費税におきましても、例えば簡易税額表とかあるいはまた免税点等々はそれに値するのではなかろうかと。だから、公約という線上から眺めました場合に公約違反ではない。しかしながら、中曽根内閣当時の税法、その流れの上に今日の消費税もあると、こういうふうに私たちは理解しております。
○塩出啓典君 あれだけ選挙のときにやらないと言ったそういう税制を導入したと。そういう点で、宇野総理も中曽根、竹下さんと同じように公約違反ではないという考えには私は非常に不満でございます。率直に公約違反の疑いもあった、そういう点は反省していると、そういうように率直に言う気持ちはありませんか。
○国務大臣(村山達雄君) 若干補足させていただきます。 昭和六十年の二月、予算委員会で総理が言明されております。六十一年の六月の選挙のさなかにまた言っておられます。要旨とするところは、投網をかける多段階式のものはやりませんというのが予算委員会の話でございます。ただ、そのときに、付加価値税はどうかねと、こういう質問に対しまして、矢野委員だろうと思います、当時書記長でおられましたが、それに対しましては、付加価値税といってもいろいろな形がありますと、こういう答えをいたしております。それから選挙のさなかでございますが、これは国民が反対し、また自民党員が反対するようなものはいたしませんと、こういうことを言っておるのでございます。 そこで、結局六十二年の売上税ではどうやったかといいますと、やはり投網をかけるようなと、これでありますから、非課税を実に五十一つくりまして免税点を一億にしたわけでございます。それで実施しようとしましたら、国会におきましてこれはかえって不公平だと。非課税にされた人がみんたそう言ってしまったのでござい費す。これは要するに、こういう付加価値税的な仕組みからくる当然の技術的結果だろうと私は思いますけれども、これは大変な不公平だと、こういう声が上がりまして、そこで今度の消費税というものを我が党は一年かけてやったわけでございます。 そして、その延長線上でこれなら国民に納得をしていただけるんじゃないかというものをつくりましたし、また政府税調も売上税の廃案になった経緯にかんがみまして、これなら大丈夫だろうというものをやはりつくっていただいたということでございます。そこで、去年の税制特別国会で、我が党が議席が多うございましたので通していただいた。 だから、もともとが、やはり元総理の発言の延長線上からずっときているということでございますので、その点を御理解いただきたいと思います。
○塩出啓典君 私の、公約違反ではないかということに全く答弁にはなっていないわけですけれども、これほど世論の反発を受け支持率も低下してきたと。そういう今になっても、なおかつ率直にそれを認めようとしない。総理、やっぱりそういうのは論弁だと思いますよね。これは重症ですよ、やっぱり。そのことを申し上げておきたいと思います。 それと、消費者が税金を払ってもこれが国庫に入らないのじゃないか。いわゆる簡易課税制度あるいは免税業者の問題あるいは限界税率の問題、こういう点は大体この法案を導入する前からわかっていたことで、大蔵省はこの法案を通すために法律の正確さを犠牲にしてこうしたわけですから、それは前もってちゃんとわかっていたわけでしょう、大蔵省としては。
○国務大臣(村山達雄君) 何遍も申し上げておるように、ここのは仕組みの選択の問題であったわけでございます。非常に精緻に事業者の公平という制度の上のバランスというものに重きを置くか、事務負担に考慮して非常に簡明に簡素にやるか、実際は市場経済でございますから、どういう値決めをするかということによって具体的に決まってくるわけでございます。今言われているのはいわば仮定の話で、もしこうしたならば免税業者が三%値上げをしたとすれば○・六%得をするんじゃないかと、こういう話をしているのでございます。これは税ではなくて値上げという関係なのでございます。そうなるかどうかは実際を見てみなくちゃわかりません。それなら逆に、これだけの有利さがあるんだから、それは競争条件の中で生かそうという人もあるでございましょう。そこはやはり市坊経済でございますから、どういうふうにそこを事業者の方が選択されるか、結局値決めの実態を見ない限りわからないのでございます。 また、簡易課税につきましても、法定マージンと実際のマージンの差額についての三%という問題になるわけでございますが、これも同様でございましてどうなるのであろうか。我々は事務コストというものを非常に重く見、それから余りぎいぎいした、その制度上の公平というものもさることながら、やはり初めての帳簿制度による付加価値税でございますので簡素を選んだと、こういうことでございますので、このねらいが具体的に市場ではどうなるかというのは、今後の検討項目である、それを早速始めますと、こういうことを申し上げているわけでございます。
○塩出啓典君 宇野内閣も見直しをするとのお話ですが、こういうこの見直しの中に免税点の問題とか簡易課税制度、限界税率、そういうのは入っているんでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) それももちろん入ります。それから帳簿方式そのものというのも入りましょうし、あるいは仕入れにがかった消費税の、案分の話ですね、これもかなり難しい話でございますが、そういうものも入るでありましょうし、それからさっき言いました内税、外税という問題も入るでありましょうし、初めての試みでございますので、その辺を細かく詰めて、それでこれが定着するためには事業者、消費者双方の立場でいかなる方向に持っていくべきか、あるいはどういう点を見直して直すべきか、あるいは直さないでいいか、こういったところを広範にこれから分析してまいりたい、そういう意味で見直しをしたいということでございます。
○塩出啓典君 政府は非常にこの消費税の導入を焦ってそういう点で妥協した。だから中小業者から見れば、結局今言ったような免税点等の改正が行われれば、この法律を導入するときに公約違反をやり、そのときに業者に約束したことをまたここで破る、そういう二重のやはりごまかしである。そういう点で私は非常にこういうやり方はひきょうである。やっぱり税制改正というのは、そういうすべてを出してもっと論議をして決めていかないといけないんではないかと思います。そういう点は総理はそうお思いになりませんか。
○国務大臣(村山達雄君) 税というのは非常に現実的な問題でございますので、特に我が国になじみの薄い税でございますので、やはり一挙にすべてを、ある予見は持っておりますけれども、それがどうなるかということはかなり難しい問題である。 所得税が導入されましたのが明治二十年でございます。第一種所得税と言っておりましたが、今の法人税が導入されましたのがこれが明治三十二年でございます。その後、導入後いろんな改正が行われたことはもう御案内のとおりでございます。やはり経済が動き、それから、その後税制に関するいろんな考え方、こういうものはやはり蓄積の上に初めて成り立つわけでございますので、日本の所得税制、法人税制の変遷の跡を見ましても、税というものはあくまでも現実的で、多くの批判を受けながらだんだんいいものに仕立てて、そして国民生活にやはり定着さしていくという努力はいつでも必要だと思っております。 我々は、謙虚にやはり各方面の御意見を聞きまして、そして立派なものにしていきたい、これからの高齢化社会の基礎をなす税制でございますので、それだけ慎重な態度をとっていきたい、このように思っているところでございます。
○塩出啓典君 この消費税の導入は、高齢化社会への対応として導入されながら、最も打撃を受けておりますのは、そういう年金生活者とかいわゆる低所得者が打撃を受けておるわけであります。逆進性ということが問題にされてきておるわけでありますが、今度の税制改正でいわゆるトータル減税になったところと増税になった部分とあると思うんですけれども、大体どの程度が増税になったんでしょうか。これは大蔵省つかんでおりますか。
○国務大臣(村山達雄君) トータルで言いますと、二兆六千億のネット減税になっているということでございます。ですから、所得税、住民税の方ではずっと減税になります。そのグロスは三兆三千億でございます。そして間接税の方では、つぶした方が三兆四千億、それから消費税そのもので五兆四千億でございますから、間接税ではネット二兆円の増税になっております。それから法人税の方では、これは法人住民税と合わせて一兆八千億ぐらいの減税になっております。相続税では七千億の減税になっております。それから適正化課税でもって一兆二千億ぐらいの増税ということになります。それらを差し引きいたしますと、ネット二兆六千億の減税になるということを申し上げたわけでございます。
○塩出啓典君 いや、私が聞いたのは、個人個人に当てはめた場合に増税になる、いわゆる税金を払っていない世帯は増税になるわけですから、その比率がどれぐらいかということを聞いているんです。
○国務大臣(村山達雄君) 住民税を納めていない人、これはもう住民税まで納めていない人はそのままでいきますと消費税分はやはり間接税でございますから、ネット二兆円の増税になるわけでございます。それに対しましては歳出の方で手当ていたしておりますということをしばしば申し上げているわけです。生活保護者につきましては引き上げによる物価の騰貴が一・二%と言われておるのでございますが、元年度のところで四・二%の扶助費の引き上げをやっております。それから年金につきましても今まで五%が原則でございまして、物価が五%上がらなかったらやりませんというやつを、ことしは特例で〇・七%はやりますと。それから再計算の年でございますので、十月以降はもっとずっと上げてまいります。それから完全スライド制度は今度の年金が通りますと自後ずうっと続くわけでございますので、一年おくれで平成元年度の消費税を含めた消費者物価の高騰分は全部平成二年度の年金の増の方にアカウントしてまいります。そのほかに、六十三年度の補正予算で早目にひとつ安心していただこうということで臨時給付金を出しました。 それから、障害者等につきましては、障害者そのものの方は大変でございますけれども、その方を扶養している人につきまして、やはり寝たきり老人でありますれば八十万の控除から百二十万の控除にいたしました。それからまた、その人たちの医療費控除について対象をうんと広げました。また、今まで物品税との関係がありましたので、自動車を、最高二百万でございますけれども、借り入れればそれについて一番安い、三年間でございますが一・五%の金利でもって賄いますとか、それからいろんな利息であるとか、車いす、これは公費負担でございます。それである程度実費を徴収するわけでございますけれども、上がった分は全部公費でもって負担して、そして実費の方は今まで徴収しておった分は上げませんとか、いろいろの角度で、あらゆるところで税制を通じ、あるいは歳出を通じまして、本来所得課税と関係のない人についてもできるだけ手厚い方策を講じておるということでございます。 大体、免税点以下の人たちは約一千万ぐらい私はいるだろうと思っております。
○塩出啓典君 大蔵大臣、大変時間もたっておりますので、やっぱり要点だけ答えていただきたいと思うんです。要は私は、そういう今回の消費税で税金がふえるのは一千万世帯、そういう意味ですね、今最後にお答えになったのは。 宇野総理、今も大蔵大臣からお話ありましたように、今度の減税は二兆六千億のトータル減税なんですよ。ということは一人当たり二万円の減税だ、平均すれば。四人家族なら八万円減税してそれが平均なんですよ。ところが、そのような全体の減税でありながら、なおかつそのような所得の低い人たちが増税にならざるを得ないのかと、私はそういう点が非常に理解に苦しむわけですよ。その点はどう思いますか。
○国務大臣(村山達雄君) 何遍も申し上げておりますように、税というのはいろんな税の組み合わせによってできているわけでございます。ですから、消費税の非常にいいところもございますし、これは逃げようがないわけでございます。消費すればそのまま、所得の捕捉という問題は要らぬのでございます。そしてまた、消費に確実に比例するという意味、それから国にとりましては徴税費は非常に安く済みますと、こういう点。それから、今、外税でございますから非常に痛税感があるのでございますが、間接税というものは痛税感がないのが普通でございます。 所得税は、まさにそれとは別の要素でございまして、それは累進課税でやっておりますので、それなりの機能を持つわけでございます。そのかわりに事業者と給与所得者の間に捕捉のアンバランスがある、あるいは所得が分割できるかできないかというアンバランスを残しておる。こういう問題がありますので、やはり全体として租税体系が適当であるかどうか、これからの二十一世紀に向かっていかがであろうか、こういう点でやはり論じていただく。そして消費税というものもそれなりに定着さしていきたい、こういうことでございます。
○塩出啓典君 私は、そういう税理論をここで論議しておるわけじゃなしに、今回の税制改正でそういう逆進性がどうなんだということをお聞きしているわけでありますが、先ほどからも、あるいは今日まで言われてきたいわゆる臨時福祉給付金にしても一万円だ。これは先般、我が党の矢原議員が本会議で質問したように、家賃が三万円で年間三十六万円であれば、その家賃の三%分の値上がりしかないわけですから、あとの生活費の大半の消費税は全部赤字になっているわけですから、そういう現先をひとつ宇野総理もよく知っていただきたいと思うんですよ。 それともう一つは、納税コストの問題ですね。今回、消費税の導入でもう大変でした。三月の末、四月の初め、もちろん業種によって違いはありますけれども、もう今までの物品税の在庫を調べたりで、それは徹夜で大変でしたよ。そして勉強会をやる。けれども、勉強会をやってもなかなか担当者の国税庁の職員たちがよくわからない。そういう中で大変ないら立ちもあったわけでありますが、こういう消費税の導入に伴ういわゆる国税庁側のコストですね。それから納税者側もいろいろ計算するのに今までは三時で済んでおったのが四時、五時までかかる。人をふやさにゃいかぬ。そういうことになると、まさに労働時間短縮にも影響するわけでありますが、そういうコストについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) そのコストを考えたものですから、それがはね返っては大変だということで、やはり免税点の制度を設けたとか簡易課税を設けたのは実はそこにあるわけでございます。ですから、そこはぎりぎりの線をいっているということでございます。今はむしろ奥さん方が、外税でいっているところに問題があると思っているのでございます。もとより事業者の方でもこれでも足りないと言うかもしれません。しかし、各国から見ればかなり高いところに置いた、それが今批判の的になっている、こういうことでございます。
○政府委員(伊藤博行君) 若干補足させていただきます。 消費税自体のそれのみのコスト、徴税コストというのは、そもそも税目ごとの徴税費を出す必要がございますけれども、消費税の固有の徴税費というのを他の税目と区別して出すというのはなかなか難しゅうございます。その意味では後ほどまた総体として申し上げたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、この本税の執行につきましては、従来行われておりました個別消費税の廃止に伴う要因を活用するとか、あるいは税務行政全体の効率化、なかんずく機械化等を進めるということによりまして、可能な限り効率的簡素なシステムで対応してまいりたいということでやってきておるつもりでございます。 先ほど消費税の徴税費という御質問でございますけれども、計算上算定が困難でございますので、トータルとしてどうであるかという点で感触を申し上げてみたいと思いますけれども、実績が出ておりますのが、六十二年が決算値で百円当たり一円二銭でございます。平成元年度が全税目合わせまして若干少なくなりまして百円当たり一円一銭というふうに試算しております。そういった格好で可能な限り効率的な執行に努めてまいりたい、またそのようにやっておるつもりでございます。
○塩出啓典君 通産省、納める側のコスト。取る方じゃない、今度納める方の。
○政府委員(松尾邦彦君) 御案内のように、消費税の導入に際しましては、今、先生御指摘がありました帳簿方式、簡易課税制度の採用等簡素化のための一連の工夫が行われているわけでございまして、その意味で事務負担は相当程度軽減されているとは存じます。しかしながら、御指摘のように仕組み上の工夫によりましてもなお記帳事務やレジスターの設置、改変等の事務負担があるわけでございますが、一概にこれは業種とか業態、規模によりましてどのくらいというコストというのは正確な算定は難しゅうございますけれども、私どもといたしましては、何とかこの事務負担をできるだけ軽減したいと存じまして、記帳代行あるいは記帳機械化の推進、あるいはきめ細かい相談、指導体制の整備等を通じまして、財政、金融、税制面で総合的な支援措置を講じてまいっているところでございます。
○塩出啓典君 米国では付加価値税の導入を検討するときに職員が何人必要だとか、そういう点を検討して採用しなかったわけでありますが、我が国の場合は、徴税、納税者のコストも全然考えないでがむしゃらに導入した。税制というのはやっぱりそういういろんな面のコストを検討してやるべきであって、三%ではなかなか間接税、こういう付加価値税も合わないんじゃないか、このように言われておるわけであります。そういう意味で、私はこの際、こういうことを総合して勘案すれば、やっぱりもう一回もとに返して国家百年の大計を検討すべきだ。総理、どうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 累次大蔵大臣また大蔵省から御説明がありましたとおり、私たちといたしましても、将来の高齢化のためにこうした直間比率の改正によって極力納税者の痛税感というものを排除して、なじみの薄い税でございますからいろんな面で今見直ししようと、このことも大蔵大臣おっしゃいました。近くその勉強会も始まります。そういうことでございますから、私たちはそうした国民の御理解を仰ぎつつ、また声に耳を傾けまして直すところは直しつつ定着を図りたい、かように思っておりますので、私といたしましてはこれを撤廃せよということには賛同いたしかねるという立場であります。
○塩出啓典君 最後に、中国問題について二、三お尋ねをいたします。 私たちは、長年築いてきた日中関係が今回の事件でどうなるのか、大変行方を心配しておるわけでございます。竹下前総理も昨年訪中され、第三次円借款あるいは日中投資保護協定も発効しておるわけでございますが、今回の事件でどういう影響が出てくるのか、また、特に方励之氏の保護の問題をめぐって米国と中国が非常に対立をしておる、こういう緊張状態が生まれておるわけでございます。今後、国際社会において、西洋諸国としてもいろいろな行動が出てくると思うわけでありますが、そういう中で我が国としてはどういう姿勢で臨んでいくのか。 それともう一つは、やっぱり在日留学生が非常に彼らへの弾圧を心配しておるわけでありますが、そういう問題について我が国としてはどういう対応をするのか、これをお伺いしておきます。
○政府委員(長谷川和年君) 在日留学生あるいは在日中国人の方々でございますが、恐らくこういった方の一部には、今、国へ帰れば迫害あるいは弾圧されるかもしれないという危惧の念もあるかと存じます。こういった中国人留学生の方々から、中国の現在の情勢の変動を理由として在留期間の更新申請等があった場合には、既に政府としてもその考えを明らかにしているとおり、本人の申し立てあるいはその他の事情も勘案しまして、ケース・バイ・ケースで弾力的に対応する、こういうことにしておりまして、現在のところ十五名の方が滞日期間の更新を申請していると伺っております。 それから、今後の中国との関係、我が国の対応ぶりでございますが、今般、中国の一連のこういった事態が起きまして、これは一九七八年から中国は改革開放政策をとってきたわけでございますけれども、こういった過去十年余の改革と開放の努力が一気に信用を失った、そういうことではないかと思います。この結果、中国の対外経済関係にもマイナスの影響が及ぶことは避けられないと考えます。日中経済関係につきましても、既に一定の影響があらわれつつあります。 いずれにせよ、今後の日中経済関係一般につきましては、これを政府としてもいかに取り進めていくかにつきましては、中国の情勢の落ちつき先を見きわめつつ、ただいま委員が御指摘になりましたアメリカとかあるいはいろんな国ともよく協議をして、国際的な動向をも勘案して慎重に検討してまいりたいと思います。 また、経済協力につきましては、事態が完全に平静に復した後、先ほど外務大臣が本委員会でも御答弁されましたが、状態を慎重に見きわめつつこれを続行していきたいと考えております。
○国務大臣(三塚博君) ただいま長谷川アジア局長から現実の分析の上に立った答弁が行われました。 基本的には、日中極めて重要な関係であります。御党も、前委員長竹入先生以来、中国と日本の関係については議員外交ということで大変な御苦労をいただいた経過がございます。日本国民の中国に対して持ちます感情というものはそれなりのことでございますから、これを大事にしつつ、さはさりながら、生命と財産を守る人民軍が、国民の表明された行動、意思に向けて発砲するという事態は、極めて遺憾でありますと同時に、人道上の問題でございますから、本件については、引き続き政府としても遺憾の意を表明しつつ、その自制を求める。 ただいま話がありましたとおり、米国の方励之氏の問題、深刻な問題になりつつあることも理解をいたしておるところであります。スムーズにといいますか、円満に事柄が解決をされまして、米中関係がこれ以上デッドロックになり得ませんように、我が国も注視しつつ慎重に見きわめていかなければならない。時にそのことで必要がありますならばということもあり得るのかなと、こんなふうにも思っておるわけでございまして、議会の各政党の皆さんの御鞭撻を賜りつつ、国民各位の理解を求めつつ、今後慎重に対応するということで取り組んでまいる、こういうことであろうと思います。
○塩出啓典君 もう一つ、農業問題について御質問をしたがったわけでございますが、一点だけ。 これは御存じのように、異常気象、地球の砂漠化、人口増加、そういう点から食糧の将来は非常に心配をされておるわけでございますが、我が国の自給率は非常に低下しておる、そういう現状を非常に憂えるわけでございます。一方、農村においてはオレンジ・牛肉の自由化あるいは米価の切り下げ、そういう点で農民の意欲が失われておるわけでございますが、自給率の向上についてはどう考えているのか。特に私は、消費者と農村との連携、やはり消費者は安いだけではなしに、今安全なものを求めている。今、輸入食品はいろいろ放射能あるいは農薬汚染、そういうのが心配されておるわけでありますが、そういう意味でやはり消費者と生産者との連携を強化していく、消費者のニーズに合ったものをつくっていくという、こういう線を強化しなきゃならないと思うのでありますが、この点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま委員の御指摘の問題でありますが、我が国の食糧の自給率というものは大変低下しております。これは見方によっていろいろ違うわけでありまして、食用農産物総合自給率というのでは大体七一%、主食用穀物の自給率ではちょうど六八%、こういうことになっております。また、熱量自給率では四九%でありますが、普通よく言われております三〇%というのは、飼料穀物を含めた自給率が三〇%となっておるわけであります。これは、米の消費量が減少傾向で推移する一方、畜産物の消費量が非常に増加をいたしております。国土条件の悪い日本におきましては、その生産に要する飼料穀物の大部分は安価な輸入に依存していることによるものでございます。したがって、こうした輸入と多面的な国内生産とによって、我が国は豊かな食生活を享受し得るようになっております。一方、我が国民の主食である米の自給体制は十分確立されておるわけでありますが、反面また、野菜、魚介類といった我が国の伝統的な食生活の中心をなす食品についても高い自給率を維持して今日に至っております。 ただいま御指摘のように、国民のニーズといえば、価格だけではなくて、安全、衛生で品質の高い農産物というものを要求されておる、これも最近の顕著な傾向であると我々も理解をいたしております。したがって、今後とも国民の多様なそうしたニーズにこたえながら、そして生産の合理化あるいは近代化を図っていくと同時に、質の高い、そして安全な農産物の生産に取り組んでいかなきゃならぬと考えておる次第でございます。 しかし、何といっても土地の制約を相当受けておるところでありますので、この辺の国民の理解を得つつ、しかもまた、農業の果たす役割というものが、ただ農産物を生産するだけでなくて、国土保全あるいは自然環境の保全という重大な、多面的な役割も持っておるわけであります。そういう意味で、これからはすぐれた担い手の育成、あるいはまたバイオテクノロジー等の科学的な生産体制を利用いたしまして品種の改良、そういう多面的な問題も活用しながら、ただいま御指摘のような御要望にこたえていきたい、こういうように考えております。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で塩出啓典君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
○上田耕一郎君 まず、中国の重大事態について。 一九八九年の六月四日は、まことに胸の痛む、現代史における最悪の血の日曜日になりました。私ども共産党は、社会主義、民主主義を踏みにじった暴挙だとして糾弾しておりますが、政府は戒厳令までの学生運動をどういう性格のものと認識していましたか、まずお伺いします。
○政府委員(長谷川和年君) 胡耀邦前総書記の死去、これは四月の十五日でございましたが、これをきっかけに起こった中国の民主化要求運動は、先月の二十日には戒厳令の公布と、こういう事態にまで発展しました。この背景には民主化、自由化のおくれに対する学生の不満、それから昨年来のインフレ及び幹部の腐敗、不正に対する民衆の憤りがあって、これらが一つの力となって大きな広がりを見せたものと、そう思います。そのスローガンも、単なる民主化、自由化の要求から、反政府あるいは現在の指導部体制に対する批判にまで発展していったものと認識しております。 いずれにせよ、今回の中国の民主化要求運動は、中国が近代化を実現していく過程で生起してきた政治問題であると理解しております。
○上田耕一郎君 市民、学生の死傷者の数はどう推定していますか。
○政府委員(長谷川和年君) なかなか正確な数字というのは把握できませんが、六月四日の鎮圧の時点における中国の赤十字筋の話によりますと、二千六百人が死んだとされております。
○上田耕一郎君 私は、ここに北京大学の大字報に張られていたある女子学生の「お母さん、ごめんなさい」という壁新聞の日本語訳を持っています。入学するときお母さんが泣きながら、子供はあなた一人。問題を起こさないでね。学校ではどんな政治運動にも参加しちゃだめよ。あなたが反革命になったら私はもういられなくなってしまうと。そう言われた女子学生が、お母さんには言わないまま北京大学で民主主義と科学を愛するようになって、今度の運動に積極的に参加したんですね。そして、お母さんに、きょう私は泣きながらあなたにこの手紙を書いています。本当にもうあなたをだまそうとは思いません。お母さん、ごめんなさい。あなたの小薇、小さなバラよりというもの。この壁新聞は、その上に何も張られないでずっと張られていたというんですね。こういう学生を、今のお話では二千六百人という数字が出ましたが、虐殺したと。政府は死者の数を、学生わずか二十三人と発表しているんですね。そして今、逮捕、弾圧が始まっているわけです。 今、アジア局長は、日本の国内の在留留学生のビザの延長についてケース・バイ・ケースで対応すると言われましたが、もし中国政府がこのビザ延長禁止、こういう要請が来ても日本政府は毅然としてそれを拒否しますか。お答えいただきた い。
○政府委員(股野景親君) お答え申し上げます。 中国人の留学生等の日本における在留の問題になろうかと思いますが、これはその個々の事案に応じて、我々としてよくその本人の申し立てる事情等も勘案して個別にかつ慎重に対処すると、こういうことになろうかと思います。
○上田耕一郎君 国費の留学生もいるんですね。奨学金打ち切り、これに不安を持っている。外務大臣、どうも局長は慎重慎重と言うんですが、行政としてそういう場合どう対応しますか。 また、もし亡命の希望があったら、どう対応しますか。これをはっきり答えていただきたい。
○政府委員(股野景親君) ただいま御指摘の国費留学生等の問題についても、私先ほど申し上げましたように、個々の本人の申し立てる事情をよく吟味してこれに対処するということになろうかと思います。 それからまた、今後の中国の情勢の動きというものに関連して我が方がどう対応するかというのは、情勢をよく見ながら慎重に対処していくと、こういうことになろうかと思います。
○上田耕一郎君 外務大臣。
○国務大臣(三塚博君) 法務省入管局長のお話が基本的なスタンスであるわけでございますが、こういうときには余り仮定を設けてやらぬ方がよろしかろうと。我が国は人道を大事にするということを表明いたしておるわけでありますから、その時点になりますれば我が国らしい対応をしてまいります。
○上田耕一郎君 今の中国の政治体制は、鄧小平という軍を握っている個人が君臨している軍事支配体制で、社会主義の原則や共産党の組織原則とも全く関係のない反民主的体制なんですよね。 それで、その中国に対して、どうも日本政府は慎重慎重というわけでしょう。もうアメリカでは専門家が、日本が中国国内の安定化を理由に正常な経済関係を復活させようとすれば、国際的な努力を阻害するのじゃないかということを議会で述べている。カナダ政府は、中国大使召還という態度にも出たというんですね。この国際的人権問題、また中国政府に対して国際的に日本の態度が注目されているわけですね。今後どういう基本的なスタンスで臨むのか。これは首相にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 中国の現状、それは今、局長がお話ししたとおりでございます。私たちは、やはり慎重に対処したいとは言いますが、アメリカと中国、ECと中国、また日本と中国との関係は全く違う、これは私の深い認識でございます。 したがいまして、現在アメリカと中国との間ではいろいろトラブルが起こっております。これも初期のアメリカの多少いろいろと発言されたことが感情的にもつれたのではないかと。かく思いますと、一応日本との間におきましては、北京駐在の大使からも、我々の間はこうした騒動以前の状態が続いておりまして、今後も隣国としての話し合いはずっと継続できる状態にございますというふうな書簡を私あてに送られてきております。だから、日本はきちっと、中国に対しましてもやはりょき隣人ですから、よき隣人にはよきアドバイスをすることが当然だというので、銃口を向けたというがごときはまさに人道上容認し得ないと、こういうことをもうはっきり宣明したわけでございます。今後は、むしろ本当に我々の友人のアメリカとまた中国との間がおかしくなっておる、こうした状態ということは決してアジアの安定のためにも、世界の安定のためにも私は好ましからざることである。そういうふうなときにどうしたらいいかということも、実は私たちの脳裏に常に考えておかなければなりません。 また、既に日中平和友好条約十年という期限を昨年迎えまして、多額の経済援助もやっておりますし、あるいは合弁事業も随分と出ております。きょうなんかの一つの情報では、日中台弁事業は、あのような混乱の中においても整々と運営されていたというふうなことも私たち耳にいたしております。しかし、今回のこうした状態が日本に影響なし、そんなことは私は全く考えておりません。やはり相当な影響があるだろう。しかし、その影響が我々にも、また中国にもマイナス面で働かないようにしてあげることも必要だと、かように思っております。 だから、恐らく私たちの考え方、これを直接米国あるいは欧州の方々に申し述べれば、日本の立場は日本の立場としてあの人たちも理解するのじゃなかろうか、そういうふうに私たち思っておりまして、やはり中国が私から申し上げると国際社会で孤立化しないようにやってほしい、そのために、孤立化しないように私たちもアドバイスもしてあげたい、こういうふうな姿勢でしばらくの間は私たちも慎重に対処していきたいというのが私の考え方であります。
○政府委員(長谷川和年君) 失礼でございますが、事実関係だけちょっと補足させていただきます。 ただいま委員が、カナダが中国大使を召還とおっしゃいましたが、カナダ政府によりますと、これは単なる情報交換、協議のための一時帰国である、そうしておりますので、御参考までに申し上げます。
○上田耕一郎君 私が政府の慎重な態度に懸念を持つのは、前歴があるからなんです。つまり、中国政府に追随して、あの三百万人殺したカンボジアのポル・ポト政権、これを日本政府は支持したり緊急援助したりしてきたんですね。今、カンボジア問題の解決でこのポル・ポト問題というのは非常にネックになっているんだから、これまでの日本政府の態度を反省してきっぱりすべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(長谷川和年君) ポル・ポト政権でございますが、政府としてはポル・ポト政権が過去に行ったような非人道的政策は容認しておりません。ことし、前外務大臣であられた宇野総理が外交演説でもこの点ははっきりと言明されております。カンボジア問題解決のためにはこういった政策の再来を阻止するということが重要であるというのが政府の立場でありまして、先般、竹下前総理がASEAN諸国を訪問された際にも、この趣旨をASEAN各国の首脳と話されました。他方、我が国はベトナムのカンボジア侵攻、これは是認できない、こういう立場でございまして、従来からこれに対抗している民主カンボジア連合政府、これはシアヌーク派、ソン・サン派、クメール・ルージュでございますが、これと協力しつつカンボジア問題の包括的政治解決に向けたシアヌーク殿下及びASEAN諸国の和平努力を支持しておるところでございます。
○上田耕一郎君 やっぱり歴史を塗りかえちゃだめなんです。八〇年九月三日、伊東正義外務大臣は北京で記者会見して、国連のカンボジア問題でポル・ポト政権支持の多数派工作を四十数カ国の駐在日本大使に指示した、そういうことまで明らかにしているんですからね。これは歴史が明白にしている。 次に、リクルート事件の問題に移りたいと思います。 谷川法務大臣がきょう報告された中身は、あの巨大な構造疑獄のリクルート疑獄をこの上はないというほど矮小化したもので、灰色高官も隠されて、国民を愚弄するものだと我々は考えます。 お聞きしたいのは、あの中に藤波、池田両議員を除く十一名の国会議員に係る合計十万株の譲渡、そう認定されているんですね。根來刑事局長はきのう、これは秘書、親戚、身内も入っている、こう言われた。ところが、この十一名の国会議員の秘書、親戚など全部入れますと十一万五千株になるんですよ。なぜ十万株になるのか、これを説明いただきたい。
○政府委員(根來泰周君) けさほど来申し上げておりますように、この十一名の方々のお名前とかその内容については答弁を差し控えさせていただいているわけでございます。そして、その内容について後刻また理事会で御協議いただくというふうに承っているわけでございますが、十万株の計算は、私どもなりに計算した正確な数でございます。
○上田耕一郎君 私は名前を聞いているんじゃなくて数字を聞いているんだから、そのぐらい答えてくださいよ。
○政府委員(根來泰周君) 昨日衆議院でお答えいたしましたように、この十万株の中には秘書あるいは親戚名義で譲渡された分も含めております。含めて計算しておるわけでございますが、その詳細を申し上げると結局名前を申し上げることになりますので、ひとつ御勘弁を願いたいと思います。
○上田耕一郎君 報告は、スーパーコンピューター問題にも触れているんですね。これは国会でも何度も問題になってきた。これを立件できなかった理由は、職務権限内でも株譲渡との対価関係が認められなかったからなのか、職務権限外だったのか。これはどうですか。
○政府委員(根來泰周君) 捜査の手法といたしまして、ある者からある者に対してわいろが贈られたというふうなことを想定しました場合に、そのある者という贈り側の方の懸案事項がどういうものであったかということをまず頭に置くわけでございます。それで、当時のリクルート社及び関連企業はどういう懸案事項を持っていたかということについて調査したところ、この報告書に書いてありますように、スーパーコンピューターの問題とか安比の問題とか就職情報誌の問題が片やそういうふうにあるわけでございます。 それで、一方また、贈収賄ということを考えました場合に、こちらに国会議員というものを仮に置いた場合に、その国会議員とどういう職務関係にあるかということを多角的に調べるわけでございます。そして、多角的に調べた結果、どの事項についてもどの国会議員あるいは国会議員ということを仮に置いた場合に、その国会議員の職務との対比において考えますと、結局職務権限が全くない場合、あるいは抽象的には職務権限がありましても具体的に便宜を図ったことがないとか、あるいはリクルート社から働きかけがないとかというようなその具体的な動きが全くない。そういうことになると、その金品といいますか株式といいますか、それとの対価関係がないということで、全体的にわたって犯罪が認められなかった、こういう説明だと思います。
○上田耕一郎君 根來刑事局長は、午前中、中曽根首相の抽象的職務権限を認めたわけですね。根來さん、じゃ、スーパーコンピューターについても首相は抽象的職務権限はあったんですか。
○政府委員(根來泰周君) 総理の職務権限というのは極めて抽象的にいいますと広いわけでございますし、各省監督といいますか、各主任大臣を監督して各省の事務に及ぶということはもう定説でございます。ですから、スーパーコンピューターというものについて直接及ぶということでなくて、スーパーコンピューターに絡むいろいろの問題を想定した場合に、これは総理でございますから、いろいろの場合においてはあるいは抽象的な職務権限が認められる場合もあるし認められない場合もあろうと、こういうことであります。 これは、具体的にいろいろの場合を想定しないと、職務権限ということは判定できないということは十分御了解いただけることだと思っております。
○上田耕一郎君 根來さんは午前中、少なくとも中曽根証人が国会で申された点がある、それは軽視できないと言った。何を指しているんですか。
○政府委員(根來泰周君) これは、中曽根元総理が国会に証人として出席されまして、六十一年の九月にリクルートコスモスの株譲渡が中曽根証人の周辺にあったということを証言されておるわけでございますから、それについて私どもは否定するわけではありませんと、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○上田耕一郎君 先ほど出ましたように、首相の権限は抽象的と言ったけれども、まことに具体的で広範なんですね。中曽根元総理は何と二万九千株もらっているんですから、客観的には極めて、国民が巨悪ではないかと思うのは当然なんですね。 それで、刑事局長にお聞きします。中曽根元首相の事情聴取は行いましたか。
○政府委員(根來泰周君) これはもう従来から何遍も御質問ございましたけれども、ひとつ答弁は差し控えたいと思います。
○上田耕一郎君 中曽根さんの番記者がたくさんいらっしゃる。この方々の複数の証言によると、証人喚問の九日前の五月十六日、中曽根氏はホテルオークラで、十二時八分から午後一時二十分まで番記者は断られてしまったんですよね。で、二十分に出てこられた。この間、地下のレストランでだれかと会った形跡もあったといいます。 この日、約一時間余、検察が事情聴取を行ったんじゃないでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) だれを調べたかということは従来から申し上げていないわけでございますが、私の感じとして、そのときそういうことはなかったんではないか、そういうことを申し上げます。
○上田耕一郎君 事情聴取したことは否定しませんね。
○政府委員(根來泰周君) これは、繰り返して申し上げて恐縮でございますが、事情聴取をしたかしないか、肯定的にも否定的にもお答えする問題ではないと考えております。
○上田耕一郎君 肯定も否定も否定する。これは、これだけの問題で中曽根元総理を立件しなかったというと、当然事情聴取されたんだろうと思うんですね。 委員長、こういう問題、これは明らかにしてほしい。
○委員長(初村滝一郎君) ただいまの明らかにする問題については、理事会においてよく話し合いたいと思います。
○上田耕一郎君 次に、消費税問題に移ります。 新聞報道によると、ある竹下側近議員が、宇野後継決定には二人の間に消費税をつぶさないという密約があった、そう言っている。 竹下さんとあなたの間に消費税は絶対つぶさないという相談があったんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) そのような密約は一切ございません。
○上田耕一郎君 密約だから言わないわけです。 強行採決当時も、実施後二カ月たっても、あらゆる世論調査、日経でも五三%廃止ですよ。もう消費税反対、それから消費税廃止。共同通信で六五%です。圧倒的多数です。 総理は所信表明で、国民の皆様の声に謙虚に耳を傾けると言ったけれども、これが本当なら廃止の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) この税は、毎度申しておりますが、将来の我が国の高齢化のため、また国際化のため必要な税法でございます。したがいまして、国民の理解を得つつ定着するように努力しておるときでございますので、さらにその努力を続けたい、かように思っております。
○近藤忠孝君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。近藤忠孝君。
○近藤忠孝君 今の答弁を聞きましても、世論の多数に耳を傾けないであくまでも挑戦し続けるというのが総理の民主主義だと言わざるを得ません。 今も総理は、消費税は高齢化社会のためだと言いましたけれども、その高齢者が被害を受けて一番怒っているんです。そういう怒りやいろんな批判が高まっている中で、これは先ほど来問題になっております見直し論が出ておるわけです。 見直しの内容については、これは免税制度、簡易課税制度あるいは記帳問題だということです。これは中小業者のための制度だと大宣伝してきたのに、ここで見直しということは、結局これを縮小するか廃止するか。先ほどもこれは二重のごまかしたという指摘もありましたが、私はさらにこれは総理に聞きたいんです。 総理にお聞きしたいのは、二重のごまかしと同時に、これは結局中小業者のために設けたものを後退させるんです。中小業者に不利益をもたらすものだ、この指摘にはどうお答えになりますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 不利益をもたらすかもたらさないか、いろんな組み合わせがあろうと思います。 したがいまして、既に原案の中には、一回回ったときの明年五月に一応見直しますと、こうしたことが書かれております。それが今、近藤さんが御指摘になられました免税点であり、いろんな中小企業向けのお話だろうと、こういうふうに思います。まだそのほかにも、先ほど大蔵大臣からいろいろ指摘なさいましたけれども、消費者の立場に立ったもの、事業者の立場に立ったもの、いろいろございます。 だから、そうしたものに私たちは謙虚に耳を傾けて、決して中小企業を直ちに不利に陥れるということではなくして、よりよき税法として合理化していきたい、これが私たちの考え方で、その勉強会を今からやってくれと、こういうことでございますから、まだ結論が出ておりませんので、今の近藤委員の御質問にはお答えできない段階である。
○近藤忠孝君 今までの国会の議論を通じましても、方向ははっきりとこういうものを縮小するか廃止の方向、これを拡大するなんという議論は今までどこにもないんです。明らかにこれは中小業者にむしろ不利益になるということを指摘せざるを得ません。 それからもう一つは、帳簿方式の見直しなんですね。これは結局伝票方式に移るということです。ということは、列島騒然たる国民の反対の中で廃案になったあの売上税に戻ることじゃないのですか。
○国務大臣(村山達雄君) いや、そうではございませんので、帳簿方式というのは、これは付加価値税の形としては日本で初めてのわけでございます。これは中小企業とか大企業とか言わないで、伝票方式というのは非常にやはりコストがかかるということで非常な反対を受けたわけでございます。それで、所得税、法人税には非常に我が企業はなれております。したがって、所得税、法人税の資料で消費税の申告についても大体足りる。そこに着目して今度は帳簿方式にしたわけでございます。 ただ、帳簿方式にいたしますと余り難しいことはやれないことはもう事実でございます。それから、単一税率の問題が出てくるとか、あるいは非課税制度というものはつくらない方が、できるだけ少ない方がよろしいとか、そういう問題にずっと経理技術的に関連していくわけでございます。そういう問題も含めて、一体我々の意図したところはうまくいっているのかいっていないのか、そういった点を見たいということでございます。 もちろん、免税点、簡易課税方式、これはやはり事務負担を考えて、そして結局は競争場裏で値決めをするんだから、果たして消費者の方が言っているように、非常に事業者がこれでうま過ぎることをしているのかしていないのか、そういう点も十分今度の見直しでチェックを始めるわけでございますが、そういった点も明らかにしていきたい、こういうことなのでございます。 制度はつくったわけでございますけれども、実際の執行において実情がどうなっているか、これをチェックしたい、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 いつも質問にまともにお答えにならないんですが、帳簿方式の見直しということは伝票方式への移行ではないかというのが私の質問なんです。それは結局売上税に戻ることではないのか。こういうことです。
○国務大臣(村山達雄君) 今、税額方式、インボイス方式に移るということは考えておりません。また、したがってそれが売上税に直結するということでは全然ございません、仕組みが全然違うわけでございますから。
○近藤忠孝君 消費税が逆進性を持っているということは、これはもう政府も認めているところであります。貧しい者には限りなく重く、大資産家にはこれは気にもならないほど軽いものだというのが消費税の最大の欠陥でありまして、これが大型間接税の本質であります。 これは総理に聞きますが、この根本的欠陥は廃止以外に除去できないんじゃないか。どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 所得の多い人が消費税額は余計払うことになります。これはもう第一、私は言っているんです。消費税額は多いのでございます。ただ、所得に対する率で言いますと、これは低所得者の方が率は高いと、こういうことでございます。これは消費性向が違うからでございまして、逆進的という意味はそういう意味なのでございます。 ですから、所得税が累進的であるという意味は、所得の多い人が余計税金を払っているというだけでなくて、所得に対する税負担の率が高いということですね。それで、所得が高くなれば高くなるほどその負担率が高くなりますよと。消費税もそういうことでございます。 だから、単一税論というのがありまして、一つの税で全部賄えと、こういう議論も昔学者は随分論議したわけでございます。しかし、現実問題としては、所得税は所得税のいいところがありますし、消費税は消費税のいいところがあるわけでございますから、その組み合わせをどうするか、それが税制改革なのでございます。
○近藤忠孝君 その議論はこの間、五月十六日にやりましたね。私は具体的にこれを論破したつもりであります。 大型間接税は実施しないと中曽根総理が公約して、この公約を踏みにじって売上税、次いで竹下内閣が消費税を強行いたしました。国民に信を問えというのは、これは当然のことであります。既に三代の内閣となりましたが、それにもかかわらず解散は全く念頭にないと言うんです。これで民主主義と言えるのか。国会解散、総選挙を要求いたします。お答えいただきたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) リクルートに端を発しました私たちの内閣は、やはりリクルート問題にけじめをつけたいと、かように思っております。そのけじめが皆様から見ていただくと解散である、私たちはそのけじめはこういう体質を生み出した政治そのものの改革をやりたい、この差でございます。 したがいまして、現在その差によって私は解散は考えておらないということでございます。
○上田耕一郎君 次に、首相の倫理の問題について。 あなたは、国際的にも報道され、国会でも質問されたこの問題、女性に対する態度問題について答えを公の場では言わないと言って控えてこられました。 プライバシーの問題についての公の論議、この関係について有名な最高裁の判例がございます。法務省、説明してほしい。
○政府委員(根來泰周君) お尋ねの最高裁の判決というのは、月刊ペン事件という著名な事件のことだと思います。 御承知のように、月刊ペン事件というのは、月刊ペンという雑誌にある人の名誉を棄損するような事実を摘示したということで刑事事件になったわけでございます。 御承知のように、二百二十条には「公然事実ヲ摘示シ人ノ名誉ヲ毀損シタル者ハ其事実ノ有無ヲ間ハス三年以下ノ懲役」に処する、こういうふうになっておるわけでございますが、そういう対象でなったことにつきまして、最高裁の判決の趣旨は、私人の私生活上の行状であっても、それに携わる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度などのいかんによっては、その社会的活動に対する批判ないしは評価の一資料として、刑法二百三十条ノ二第一項にいう「公共ノ利害ニ関スル事実」に当たる場合があると解すべきである、こういうことで、原判決を破棄して原審に差し戻したわけでございます。 御承知のように、二百三十条ノ二というのがございまして、名誉棄損の事実がございましても、その事項が「公共ノ利害ニ関スル事実」に係るという一つのこと、それから目的が「専ラ公益ヲ図ルニ出テタルモノ」という場合には、もしそれが本当ならば名誉棄損罪が成立しないと。端的に申すとそういう解釈でございます。 したがいまして、この最高裁の判決は、「公共ノ利害ニ関スル事実」に当たる場合があるだろうと。その点もう少し調べ直しなさいということで原審に破棄したものと解釈しております。
○上田耕一郎君 この月刊ペン事件は創価学会の池田大作名誉会長にかかわる事件だったんですね。宇野総理は、この池田会長と比べ物にならぬほど公人なんですよ、日本の総理ですからね。ですから、個人の問題だから公の場で言わないという態度で押し通すことは、そのこと自体があなたの倫理を示すと思うんです。 今、刑事局長が言われたように、その批判が本当であるかどうかという、これ一つ問題なんですよね。だから宇野さん、報道されたことは事実なのかどうか、これはあなたお答えにならないといかぬ。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今朝来も申しましたが、やはり我々には社会的な倫理、そして公的な倫理、これございます。これはもう解釈は既に私が申し上げたとおりでございます。そうした中に個人的な倫理もございます。私は人倫にもとることはしたことないし、そして常に政治倫理も高く掲げて今日に至っております。そうした立場で私は、私のことは公の場で申し上げられませんと、こう申しておるわけでございますから御理解賜ります。
○上田耕一郎君 しかし、もうそれでは済まなくなっています。きょうは朝日の社説で「宇野首相と「女性問題」」という、こういうものも登場しています。最後にこう言っている。「首相の対応は、日本を代表する首相のイメージを落とし、国益を損なう結果になりつつある。かりに、いま首相が外国を訪問すれば、国会以上に」――私どもはまだ優しい方です、「この問題で質問ぜめに遭うのは確実だ。その姿を見たい国民がいるだろうか」というんです。 どうされますか、サミットへ行ってもし聞かれた場合。
○国務大臣(宇野宗佑君) これも午前中にお答えいたしましたが、外交の場に出ますときには、当然そのそばに、すぐそこに私の知っている人たちもたくさんいるわけです。そして、国と国とのおつき合いというものは個人と個人とのおつき合いが、それがすべてをあらわすということでございますから、私といたしましては、そういう今御指摘の問題に関しましても、私自身の努力をしていくと、かように申し上げておるわけでございます。
○上田耕一郎君 この問題は、既にあなたの私生活の些事ではなくて日本の首相、日本の政治の、日本の社会の国内的、国際的信頼にかかわる問題になっている。この問題提起が非常に重い意味を持つのは、日本の男性が金で女性を自由にするということに寛大だったと、そういう日本の社会全体の反省を問いかげている。これはまた国際的にも問われていると思うんですね。 ところがあなたは、公の場では言わない。じゃ、どこで言うのか。どうしても言えないんなら、これだげの問題になっているんだから、首相をやめたらどうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど来申し述べておりまするとおりに、国際的な問題は、私は今後努力していくということでございます。そして、私自身に関しましても、私自身のことは公の場で言うことはできません。今、首相をやめる気持ちはございません。
○上田耕一郎君 最後のところは声が小さくてよく聞こえなかったけれども、やめないと言われた。 あなたの政治資金について、じゃ、次に聞きます。 首相の指定団体は何と何ですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 内外政治研究会、竹帛会並びに国際経済調査会、三つでございます。
○上田耕一郎君 資料配付をお願いします。 〔資料配付〕
○上田耕一郎君 宇野総理は、今言われた三つの指定団体から宇野個人として寄附金を受け取っておられますね。八五年、八六年、八七年のその額は幾らですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 順番に申し上げます。 昭和六十年、すなわち八五年、内外政治研究会一千五十万円、竹帛会六百五十万円、国際経済調査会四千八百万円。六十一年、八六年でございますが、内外政治研究会二千八百万円、竹帛会七百六十万円、国際経済調査会四千万円。六十二年、八七年でございますが、内外政治研究会一千六百十万円、竹帛会二千五百万円、国際経済調査会一千万円。 以上でございます。
○上田耕一郎君 この三年度で五千万円から七千万円を超える寄附金を指定団体から受けられている。どういう使途でございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) すべて政治に使ったわけでございまして、一つは国会議員との交際費、一つは海外旅行等政治視察のための旅費、もう一つは資料購入等々に充てられております。
○上田耕一郎君 届け出はしてありますか、その中身について。
○国務大臣(宇野宗佑君) これは、指定団体に寄附しそれをまた本人へ還流するということでございまして、私の政治活動に必要な資金を政治団体から受けて使用と、これは法に従った措置でございます。
○上田耕一郎君 自治大臣、昭和五十五年に政治資金規正法改正が行われまして、そこで指定団体制度が生まれたんですが、その趣旨はどこにありますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 指定団体といいますのは、政治家がみずからの政治資金を取り扱う政治団体として後援団体の中から指定した、そういう団体でございます。これは、政治家個人が受けた政治活動に関する寄附はできるだけその指定団体を通じてこれを明らかにすることとしょう、それが趣旨でございます。
○上田耕一郎君 その改正は、当時の大林選挙部長の国会答弁によると、個人の政治資金の報告制度というのは我が国の歴史始まって以来全く今までなかったんだと。初めてなんです。それを明らかにするために指定団体ができて、「個々の政治家の金庫」だという答弁をちゃんとしていますよ。だから透明な金庫でなきゃいけない、指定団体というのはね。 さて、宇野総理はそこから寄附をもらってこれは合法的だと今言われた。確かにこの政治資金規正法には十九条六の一にそうなっている。これは一体、なぜ指定団体から受けた寄附は政党からもらったと同じように保有金から除外して収支報告をしないでいいということになったんですか。自治省、お答え願います。
○政府委員(浅野大三郎君) それは、昭和五十五年の改正の背景ということもあろうかと思いますが、政治献金をお受けになるような場合、とかく不明朗なものではないかというような問題があったわけでございます。先ほども御指摘になりましたように、政治家個人が受けた寄附というものを報告するという制度はなかったわけでございます。政治団体について報告制度があったわけでございます。ですから、政治家個人が受けたものでありましても政治活動に関する寄附はこれは明らかにしよう、そういうことで改正が行われたわけでございます。
○上田耕一郎君 当時、五十五年十一月二十六日、参議院の公選特で社会党の宮之原委員の質問に対して大林選挙部長はどう答えているか述べてください。
○政府委員(浅野大三郎君) 大変長うございますので要旨で申し上げますと、要は、政党からもらったような寄附とそれから指定団体から受けた寄附、そういうものは同じように考えよう、そういうものは出どころとしては不明朗なところではないだろう、そういう趣旨の答弁をしておられると思います。
○上田耕一郎君 この十九条の六の一というのはまことにおかしいんですよね。政治家の政治資金を明朗にしようというので指定団体をつくったわけですよ。だから、政治家はそこを金庫としてそこにお金をやって全部報告するわけですよね。 ただ、その中で唯一の例外がここなんですよ。指定団体から政治家が寄附してもらったら、キックバック、還流されたらこれは保有金から除外する、報告をしないでいいというんですよ。なぜかと聞かれて、これは信頼関係だと。だから、まさか私的に使うようなことは恐らく起こってこないだろう、もし私的に使えば信頼関係は壊れてしまう、個々の政治家の政治生命そのものの問題になってしまうでしようというのが大林選挙部長の答弁なんですよ。 それで私調べてみた、何で宇野さんはこういう報告をしないでいいものを、指定団体から寄附を毎年何千万円も自分でもらっているんだろうと。お配りしたように、私は閣僚を全部調べてみた、指定団体を。ここに資料があります。閣僚の中に宇野さんと同じように指定団体から寄附をいただいている方がいらしたら言ってください。――いらっしゃらない。皆さんゼロです、資料にあるように。宇野さんだけそういうことをやっているんですよ。一切報告はないんですよ。法律でそうなっているんだから報告しないでいいんです、除外例で。これが六千万円から七千万円ですよ。 自治省、こういうのは信頼関係とか政治生命にかかわるやり方だと思いませんか。予定していましたか、こういうことを。
○政府委員(浅野大三郎君) 政治家がその指定団体から受けた寄附についての処理、これは昭和五十五年の改正を行うときにもいろいろと議論されたところでございます。しかしながら、そこには立法技術上の問題がいろいろございまして現在のような制度になったということでございます。
○上田耕一郎君 答えていないですよ。予定していたか、おかしくないかというんです、七千万円も。はっきり答えて。
○政府委員(浅野大三郎君) その金額が、どの程度の金額がどうこうという議論は、私はあったかどうかそれはわかりませんが、しかし、とにかく今申しましたように、指定団体から受けた寄附についてはその使途を報告するという仕組みにはなっていない、そういう法案について審議がされまして、そのことについていろいろ議論がされた結果現在のような形になっておるということでございますから、議論されておるということでございます。
○上田耕一郎君 まことに巧妙な帳簿操作が行われている。 私、ここに三年間の宇野さんの政治団体の、これは国際経済調査会だけれども、収支報告書を持っています。ほかのも全部調べました。この金がどうなっているかというと、この寄附、例えば六十年の一月三十一日に二千八百万円中曽根派の上村さんから、新政治調査会から宇野宗佑に寄附が来ているんです。いいですか。同じ日に、宇野宗佑からこの国際経済調査会に二千八百万円寄附する。同じ日に、この国際経済調査会から宇野宗佑にまた寄附が来るんです。全部そうですよ、一々言いません。毎年五千万円、六千万円、七千万円、すべて中曽根派から宇野さんがもらうでしょう。それを指定団体に一度寄附するんです。同じ日に。また同じ日に自分に戻ってくるんですよ。そうしたら一切報告は要らぬのですよ、十九条の六で。帳簿操作じゃないですか。 それで、五十五年の改正は、大体政治家個人の政治資金が私経済か政治活動かわからぬ、それを明らかにしようとやったんですよ。何の報告もない。何に使ったかわからぬじゃないですか、あなたね、政治資金についても倫理観が全くないですよ。どうですか。何に使ったんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほど申しましたとおり、私も中曽根派の幹部でございまして、そしてよく新聞なんかに子分はいないと書いてありますが、確かに子分はおりません。しかし、いろいろ研究をする人たちはおられます。したがいまして、そうした人たちとの会合とか研修会とか、そうしたことに主として使ったということでございます。しかも、それも私が勝手にこしらえたルールじゃないじゃないですか。そのようにやるということでございます。だから、中曽根派との間におきましてもそういうような資金の交流があって、それが消えたとか消えないとかいう問題では私はないと思います。今、自治省が説明いたしましたとおりのそうした法律に合わせましてこのようなことをしておる。帳簿の操作というようなことではないと私は思います。 私自身は、そうしたことで多くの同志諸君と語り合いながら研究をしたと。三年間通じてのお話でございますから、一年間おおむね二千万、そうしたものが要ったということでございます。
○上田耕一郎君 まことにいいかげんな、またあなたの口だけの答弁です。何らやましいことがないんなら、何で指定団体、そのままそこで使って報告しないんですか。それをわざわざ自分のところに寄附をする、その操作をすべてやっておる。他の閣僚はだれもそんなことをおやりになっていないんです。皆さんちゃんと報告されております。あなただけなぜこういう帳簿操作をおやりになるんですか、理由をはっきり答えてください。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今申したとおりでございます。したがいまして、それ以上答えようがないわけです。今申したとおりであります。(「答えになっていない」「時間」「時間だよ」と呼ぶ者あり)
○委員長(初村滝一郎君) 時間ですよ。
○上田耕一郎君 はい、もう終わります。 私は、先ほどの首相個人の女性問題についても、首相の資格として、責任として言わなければならないのにおっしゃらない。また、この金の問題についても、こういうまことに奇怪な、これはもう脱法行為に近い、合法的とはいえ、帳簿操作をおやりになったという点で、あなたは総理の資格が、特に倫理的にないとそう私は思うので、あなたはもう首相をおやめになるべきだと、そういうことを述べて、質問を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で上田耕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(初村滝一郎君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
○山田勇君 まず、総理にお伺いしますが、今、国民が政治に求めている第一のものは何でしょうか。このことを的確に把握することが政治改革に取り組む第一歩であると考えます。総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 現在といたしましては、昨年来の最大の事件であったリクルート事件、これについてのより一層明確なけじめをつけてほしい、これが私は国民の方々の期待であろう、かように考えます。
○山田勇君 政治への信頼を回復する、私はこのことがすべての政治家に課せられた目下の急務であると強く考えるものでありますが、現実は政治不信を募らせる問題の続発であります。 昨年十二月、全国一万人を対象に行われた総理府の社会意識に関する世論調査がこの十日に発表されました。その中で注目されますのが、現在の世相は自分本位であり無責任であると考えている人が半数近くにふえ、これまでの調査の最高だということであります。 せっかくの経済大国となりながら、自分本位、無責任というような時代に進んでいくのであれば、何のための繁栄かと悲しくなるのでありますが、こんな調査結果を見て、一国の総理としてこれをどう受けとめ、なぜこうなったか、またどうしなければならないかという考えを総理からお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 経済大国の陰と申しましょうか、経済本位であって、やはりその陰には当然両輪のごとく付き添わねばならない良心的な面、それがややもすると失われがちであるということは私たちも時折指摘を受けておるところでございます。したがいまして、恐らく個々の問題になりますと、今、山田委員がおっしゃったようなことになろうかと私は思います。したがいまして、やはり金よりも心の問題ということをお互いにどのようなスピーチにおいても申し上げておるということが、今後我が国の政治におきましても社会においてもまた経済生活におきましても大切なことではないか、かように思っております。
○山田勇君 総理、リクルート事件をきっかけとして、政治家とお金の問題がこれほど国民の中に政治不信を蔓延させたことはないと思うんですが、このような政治危機の中で私が思い出すのは、昭和五十六年に亡くなられた市川房枝参議院議員のことであります。かつて私が市川先生と国会で席を同じくしていたころ、先生はいつも、特定の企業からの献金は癒着につながる、政治家は常に襟を正していなければならないと教えていただきました。御自身は、一般の個人献金、カンパという浄財によって政治活動、選挙運動を行い、出たい人より出したい人というスローガンで理想選挙を推進しておられました。もし市川先生が今のこのリクルートに汚染された国会をごらんになったとき、どう嘆かれるかと考えると、まさにじくじたるものがあります。 政治改革を裂吊の気合いで断行しようとする総理の決意を、改めて具体的に、ここをどうするということをはっきりとおっしゃってください。
○国務大臣(宇野宗佑君) 市川房枝さんの例を用いられました。今思い出しましても、本当に崇拝すべきお方でございました。我々もそうしたきれいな選挙をやりたいというのは、もう国会議員全部が考えておるところでございましょう。なおかつ、金がかからない方がいいと思っていらっしゃる方ももうほとんどであろうと私は思います。そういう面からも、政治に金がかかるから政治のすきをねらってあらぬ企業がつけ込んだ、こう申してもよいような例があるかもわかりません。そうしたことが国民から見ました場合に、何かそこら辺に癒着があるんじゃないかというふうな声になってくる。 だから我々は、あくまでも金権体質から脱出するということをまず考えていかなければなりません。そのためには、金のかからない選挙というのがもうプリミティブな方法ではないかと過般来私は申し上げておる次第でございます。 だから、かからないためには出をどうするかということにおきまして、今、自民党が出しております公選法の改正は、例えば冠婚葬祭におきましても、相当な厳罰をもってそれが縮小できるように試みております。また、選挙でございますから、あるいは政治活動ですから、入りの方の勘定もしなくちゃいかぬ。それが政治資金規正法でございます。もっとガラス張りにせよということでございます。 今、私いろいろとお話を承りました。私は、現在、これは法にのっとって会計責任者がやっておるというふうに報告を受けておりますが、しかし、もしこうしたことが悪いんだったら直したらいいと私は思います。さらにガラス張りにしていかなければならないと、私はみずからそういうふうに今考えております。 そういうことでございますから、二つの法案が既に我々の自由民主党から出されておりますので、まずこれを御審議願ってはどうであろうかと。もちろん各党もすばらしいいろんな案をお持ちでございましょうから、私は何もベストが自民党案だとは申しません。ひとついろいろと議論をするのが国会でございますから、この会期末までわずかでございます、ぜひともそれをやっていこう。そうしたことも一つでございますし、まず隗より始めよでございますから、我々閣僚も、先般来申し上げておりますように、ひとつ派閥を離脱しましょう、さらにはまた資産の公開もいたしましょうということを既に決定いたしています。これらはいずれも、自分で考えて、自分で都合よう考えたものじゃございません、有識者の提言というものを土台として考えたものであるということをひとつ御理解賜りたいと思います。
○山田勇君 資産公開は後ほどまた質疑いたします。 ところで、総理の後援会がリクルートから献金を受け、その後援会から総理に献金されていたことが明らかになり、これに対して衆議院本会議で総理は、その事実を認めながら、自分とリクルートはどこにおいても結びついている点はないと強く答えておられますが、後援会は宇野総理を支援するためにつくられており、その後援会から献金を受けている以上、リクルートと全く結びつきがないと言っても、これは世間で通用しないんではないでしょうか。リクルート疑惑の多くの議員が、妻がやった、秘書がやった、自分の知らぬことだと言っているのと同じではないかと私は思います。これはもう開き直りとしか受けとめられませんが、総理、いかがですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) この問題は、記者会見におきましても明らかにしましたし、この間本会議においても明らかにしましたから、もう山田さんにも十分おわかり願っておると思っておりましたらまた再質問、お答えします。 私の大学の同窓会の後援会がございます。これは、私の事務所を使っているわけでもなければ、また私の秘書がそこの何らかの役員をしている後援会でもございません。全く独自につくられております。そして、会員も百名から百四、五十名ではないか、かように考えております。そして、自発的に会長さんを選ばれたわけであります。その会長さんがリクルートの株をおもらいになっておったということでございまして、相当な財界人でございますから、それによって、未公開株でもうけたんじゃなくして、そのときは売っておらないよと、そして、ついこの間リクルート事件が出たから、これは危ない、下がるだろうというので売りましたと。私直接そういう話は聞いておりません。そういう話もその会長がいろいろと新聞で語っておられることを聞いておるわけであります。そして、その後援会は参加者それぞれが会費を納められます。だれのだれがしから幾らというんじゃありません。その後援会に会費が全部納められまして、そのうちから役員の運用によりまして私に今回はこれだけ、こういうふうに来るわけでございますから、したがいまして、私とリクルートの関係はどこを探しましてもございません。このように申し上げておるわけでございます。御理解をお願いいたします。
○山田勇君 閣僚の資産公開についてお尋ねをいたします。 中曽根内閣、竹下内閣に続いて宇野内閣も閣僚の資産公開をするようですが、これは何のため、どういう目的で総理、やられるんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) これは、もう既に相当古くから総理だけがやっていらっしゃったことが全閣僚に及ぶと。今回、私の内閣におきましては、特に配偶者並びに扶養親族、その資産も一緒に発表する、こういうふうになりました。前々内閣は、閣僚就任時点だけの資産でございましたが、やめたときも発表すると、竹下内閣はそのように決めた次第でございます。 いずれも倫理綱領におきまして公私混交を避けと、あのようなすばらしい言葉が私たちに与えられております。したがいまして、まずそうした政治倫理確立のためにも隗より始めよであると、私たちの資産はかくのごとしということを、常にこれをガラス張りとして発表するためである、こういうふうにお考え賜りたいと思います。
○山田勇君 官房長官にお尋ねしますが、閣僚の資産公開の基準はどうなっていますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 基準という正確なものはつくっておりませんが、要するに資産の全般を含むものを公表するということでございます。
○山田勇君 これは今後とも、こういう資産公開の基準的なものはもう一切つくらないでいこうということですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは山田さん御存じのように、閣僚が申し合わせによってやっておる段階でございます。したがいまして、それに一つの基準を設けるということではなくして、自発的に自分の全財産を申告すると、こういうことをとった方がより正確であろうということでございますので、そのようにいたしております。
○山田勇君 そうしますと、その申告がもし間違ったり虚偽の申告であれば罰則規定的なものは考えておられるんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはまさにその政治家の、閣僚の良心にもとるものでございます。したがいまして、これはどうしても道義的な責任ということが言われると思うのでございますが、そういうことのないように閣僚の間で資産を自分自身が総括して報告することを望んでおるというところであります。
○山田勇君 この資産公開の基本は、資産を定期的に公表することによって、閣僚がその任期中にその地位を利用して不正に資産をふやしていないかどうかわかるようにすることであります。議員の資産公開について自民党が議員立法で提出していますが、議員の資産公開法とは別に、閣僚の資産公開法をつくるぐらいの積極性が望まれるんですが、総理の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(宇野宗佑君) 全国会議員のもつくる以上は、やはり閣僚に関しましても当然そうした措置は必要だろうと、かように思います。
○山田勇君 これもいろいろ問題あると思いますよ、総理。まあ起承転結ですから、大臣就任で資産公開して、終わったときに資産公開。それはその間に悪いことをする大臣なんてまずいませんよ。だから、そういう意味でまたわけのわからないアングラマネーが動くんではないかという懸念を国民が持っているんで、それを法文化していくか、きちっとした罰則規定を設けていくかということが私は大事なことではないかと思います。単に大臣就任、資産公開をするというんでは意味がないと思うので、その点また総理、いろいろとお考えになっていっていただきたいと思います。 次に、高級公務員の立候補の問題についてお尋ねします。 今回の自民党の参議院比例代表区の立候補予定者を見ますと、余りにも多くの高級官僚出身者で占められているのに驚いたわけであります。官僚出身者が立候補するということ自体が悪いと言っているんではないです。その点は誤解をしないでください。高石元文部事務次官の例を挙げるまでもなく、とかくこの高級公務員の立候補と選挙運動については、在職中の関市天界や団体との関係が批判の対象となり、地位利用の選挙運動の疑惑を生じ、官界、財界の癒着という構図も考えられます。 立候補の自由の保障は尊重しなければなりませんが、職業選択の自由が保障されていても公務員の天下りが制限されているのと同じ理由で、高級公務員の選挙への立候補は離職後一定期間は制限されるべきではないかと思うんですが、総理の御見解を伺います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 御承知のとおり、就職に関しましては自分の所管していたところへ就職はまかりならぬと、また一定の期間がございます。特別を要するときには人事院の許可を必要とする、なかなか厳しいものがございます。これもまた、職業選択の自由だからと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、それだけ厳しいものが職業の場合にはございます。 片一方、やはりすぐに立候補するということについての是非でございますが、考えてみれば、憲法では立候補は自由である、そうしたことも言えますし、とはいえ、このような立候補者によってまたいろんな癒着云々ということが予測されたり、あるいは揣摩憶測を加えられるような余地を残すことがいいかどうか、非常に難しい問題だと私は思いますが、そうした意味で今回は、御承知のとおりに、久しくちょっと居眠ったままの状態でございました選挙制度審議会、これを間もなく新メンバーで発足してもらおうと、そうしたところにおいてやはり公正な御意見を求めてはどうであろうかと思います。 ただ、これは今、山田さんのせっかくのお尋ねでございますから、私の考え方を取りまとめたにすぎないかもしれませんが、私がここで断定することはできません。断定してしまえば、これは審議会の審議を拘束することになりますから、私はそういう意味で、例えばそうしたことも審議会にお諮りするかしないか、これも一つの話題だなと、このぐらいの程度でひとつ御理解願います。
○勝木健司君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。勝木健司君。
○勝木健司君 本日行われましたリクルート事件の捜査結果についての最終報告でありますけれども、私たちまた国民が強く求めている灰色高官と、か議員というものが明らかにされておらないということで不十分であるというふうに思います。灰色高官また議員の定義を明らかにした上で、再度刑事訴訟法四十七条のただし書き、そしてまた国会法百四条に基づいて全容を明らかにすべきだと思うわけでありますけれども、法務大臣、いかがでありますか。
○国務大臣(谷川和穗君) 刑事事件としての措置は全部終わらせていただきましたので、今お話のございましたただし書きによる公益上の御判断で、国会が国政調査権に基づいて御要請がございましたら、法の許す範囲においてできるだけの御協力をさせていただきまして、そして刑事事件外の政治的な、道義的な責任の有無について国会が御審議することに対してこちらは御協力を申し上げさせていただきたいと、こう考えておるところでございます。
○勝木健司君 ロッキード事件のときは、いわゆる灰色高官名が秘密会で明らかにされたわけでありまして、今回も同じような基準、つまり時効とかあるいは職務権限がない、あるいは軽倣などの基準であれば前回と同じような扱いをする用意があるかどうかお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(谷川和穗君) それは、国会でお取り決めになられる内容とそれから基準の問題であろうかと存じます。 ロッキード事件のときには、両院議長から刑事訴訟法の立法趣旨を踏まえて最善の協力をすることという御要望がございました。申し述べさせていただきます。
○勝木健司君 きょうの最終報告にあります職務権限がない者というのは何人いたのかということで、具体的にはどの点が職務権限外なのかということの内容についてお聞かせいただきたい。 また、抽象的な職務権限はあるが株譲渡との対価関係がない者ということでありますけれども、これは何人いたのか、抽象的な職務権限内とは一体どういう意味なのか、またどういう理由で対価関係が認められないのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(根來泰周君) 先ほども御説明いたしましたように、こういう事件を捜査する手法としまして、当時リクルートの会社がどういう懸案事項を持っていたかということをまず確定いたしまして、そうして、その懸案事項を遂行するために、端的に言いますと金品を使って運動する必要があったかということから調べていくわけでございます。そうしますと、この報告書に書いてありますように、幾つかの懸案事項がございまして、こういう懸案事項についてはいろいろ運動する必要もあったろうということで調べを進めていくわけでございます。 一方、その十一人の国会議員というのは、国会議員に直接その未公開株が渡ったという意味ではございませんけれども、捜査の手法としまして、十一人の国会議員についてそれではそういう懸案事項とどういう関係にあったんだろうかということを調べていくのが常道だと思います。そういうことになりますと、懸案事項の動きいかんによりましては、抽象的なその職務関係といいますか、そういう寿係も出てくる議員もいらっしゃったようでございます。 ただ、その職務関係というのは極めて微妙でございますので、いろいろこれは議論しないと、何人が具体的に職務権限がなかったとか、あるいは抽象的職務権限があったとかいう議論というのは極めて微に入り細をうがった検討が必要でございます。そこで、先ほどお尋ねにあったように、この十一人のうちどういう分類になるかということを申し上げると、かえってミスリードするようなことになりますので、ひとつお許しいただきたいと思います。 この十一人のそういう具体的な職務関係等を御説明することになると、やはり内容をどうしても申し上げないといかぬことになるわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、内容にわたって申し上げることは現在差し控えたい、そういう点については、今、理事会で御協議いただくということでございますから、その辺の答弁でお許しいただきたい、こういうふうに考えております。
○勝木健司君 いわゆる灰色高官の基準を決めて、国会法百四条に基づき今後当局に対して公表を含めて具体的な捜査の報告を求めるための与野党問の協議を早急に進めることを委員長に要請したいというふうに思います。
○委員長(初村滝一郎君) 御趣旨に沿うように理事会でお諮りいたします。
○勝木健司君 総理は昨日の衆議院の予算委員会で、今日ただいまあらゆる面でけじめがついたというふうに発言をされたというふうに聞いております。言語道断じゃないかというふうに思うわけであります。灰色の公表と衆議院解散、また総選挙がけじめにとって不可欠のものじゃないかというふうに思うわけでありますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私の答弁が、あるいは聞き間違いだったのか、私の答弁が不明だったのかいろいろ原因はあったと思いますが、一応私は組閣というものにつきましてはリクルート事件の一つのけじめをつけました、また法的措置、いわゆる司法関係、これも最終報告でございますから、けじめをつけましたと。それで終わりかと。しかしながら、解散がけじめだとおっしゃるし、私は二度とリクルート事件が起こらぬためにはやはり大改革をさせてほしい、私としてはそれがけじめだと、こういうふうに申しておりますので、もう何もかも終わったよというふうな印象にとられたかもしれませんが、私はここで改めてそうではないということを申し上げておきます。
○勝木健司君 最後に、衆議院においては中曽根元総理の証人喚問というものが実現したわけでありますけれども、本院では私どもの要求、国民の要求にもかかわらず実現をしておらないわけであります。結果として予算の自然成立という、参議院にとっては高い代償を払ったところでありますけれども、総理大臣の国政全体にかかわる人物が本院の証人喚問に出てこないということであれば、二院制を原則とする我が国議会制度のやはり否定にもつながるんじゃないかというふうに思うわけでございます。直ちに喚問に応じるように宇野総理として働きかけるべきであるというふうに考えるわけでありますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) これはいかに申されましてもオールマイティーではございません、総理大臣は。だから、総理が、たとえ友人であり先輩でございましても、そのようなことを申しましたら、これは大変でございます。だから、私はそのようなことはできません。これはやはりどういたしましても院のひとつ御決定ということが先決ではないかと、かように思います。
○勝木健司君 終わります。
○山田勇君 次に、消費税について質問をいたします。 この消費税は、昨年末ほとんど審議をなされないまま政府・自民党により強行採決された経緯があります。したがって、多くの問題を抱えたまま四月一日より実施されているのでありますが、大多数の国民は消費税廃止を望んでおります。特にこの逆進性、すなわち年金生活者のような社会的に弱い立場の人ほど税の負担を強く感じる、いわゆる弱い者いじめの税制であると考えるからであります。 矛盾点は、既にいろいろと指摘されておりますが、私が一番納得できないのは、消費者が税として払った分のすべてが国庫に入らないという点であります。それは、年商三千万以下の業者が消費税三%を徴収しながら、税務署には免税業者だと言えば、それで納めなくてもよいという点であります。大蔵省の言い分は、仕入れに税がかかっているので、業者の手元に残る消費税の額は非常に少ないので問題はないということですが、消費税を納めている庶民の立場から、到底一円の金でもそんな不合理な金は払いたくないというのが当然ではないでしょうか。 総理、政府は一体いつまで庶民の声を無視してこの欠陥消費税に固執するのか、総理、大蔵大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(村山達雄君) 今回の消費税は根本的税制改革の一環をなすわけでございまして、全体を見て消費税がどういう役割を果たすかということを御判断いただきたいのでございます。そして、所得課税のある人については、消費税がかかりましても、差し引き負担が軽減されるということは何遍も申し上げました。ただ、所得課税のかからない人については、これは税ではどうにもなりませんので、その弱者を抱えております納税義務者、こういう方にはやはり税制で対処しております。また、そのほかに、そういう弱者に対するいろんな年金であるとか手当てがございます。この歳出の方面で十分手当てしております。消費税の導入による消費者物価の値上がりというのは一・二%だと試算されております。あるいはもうちょっといくかもしれません。しかし、その辺をにらみまして、十分そういうものについては給付の引き上げその他をやっているところでございます。 それから、最後におっしゃいました免税点の話でございます。これは、やはり小さな納税者、事業者については非常に事務負担経費が余計かかると、こういうことでございます。それで、言うまでもなくその仕入れについてはかかっているわけでございます。ですから、普通が八掛けといたしますと、その売り上げの二割の三%でございますから〇・六%ぐらいが問題になるわけでございます。ただ、それも免税者でございますから、仮に三%上げたとしても、それは税金をぱっぱに入れたという意味ではございません。あくまでもそれは少しコストにかかった以上を値上げしたと。それを便乗値上げと言うのか言わないのかと、ここが問題なんです。ここが一つですね。それから、この人は果たして三%みんな値上げするであろうか。我々にはそうは考えられないんですね。やはり競争場裏でございますから、小さな方といえども当然経営戦略を持っておるわけでございますから、その有利さを、例えばもっと安くする方向に差額を使っていくとか、そしてお得意さんをふやすとか、それからまた、従来その町の同じ業種で非常に有利な人は、いっそのこと値上げをしないでお客さんをふやそうと、こういう人も中にはあるだろうと思います。同じようなことで、自由主義市場でございますから、我々の方で事務負担を考慮してやっておりますけれども、実際はどうなっているかというのは、この値決めがどうなっておるのか、消費税法上の地位をどういうふうに値決めで使っていったのか、これを調べないとわからぬわけでございます。 したがって、我々が言っているのは、もう初めから政策的に決めた、この制度は今御批判のように少し話がうま過ぎるんじゃないかということを消費者が考えるようなことをやっているかどうか、そこを調べたいと、こう言っているのでございます。 どうぞ、これは売上税の経験からいたしまして、事務負担をできるだけ少なくしてあげようと、こういう考慮に出たわけでございますので、しばらくひとつお待ちいただきたいと思います。
○山田勇君 総理、どうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今詳しく大蔵大臣がおっしゃいました。同意見でございます。
○山田勇君 午前中から今まで各同僚委員がこの税金の問題を取り扱っています。しかし、お二方は依然としてこれはもう消費税を撤廃する気持ちはない。しかし、見直さなければならないということは総理も大蔵大臣もおっしゃっております。しかし、それ自体が私に言わすと欠陥だと、こういうことですね。四月一日ですよ、この消費税がスタートしたのは。もう二カ月余でどこかを手直ししなきゃいけない。税制で相談をして何項目かを直していかなきゃいけない。風船のこぶと一緒で、こっちのこぶを押さえればこっちへこぶが出る。だから、それはあくまでもう欠陥消費税なんですよ。だから、それはそれとして、言っても同じことですわ。撤廃するというようなことは、もう口が裂けても言われないと思いますが、国民のための税制改正に、たくさんの項目をもう一遍見直していってほしい、もうそれだけは総理と大蔵大臣に強く要望いたしておきます。 次ですが、厚生年金支給開始が将来六十歳から六十五歳、これももう内容は、総理、言いません、もう一分しか時間がないので。それは、マラソンでゴールインしてきて、ここがゴールですよといっているテープがばあっと向こうへいって、ゴールはもうちょっと先ですと言われたその選手の気持ちを考えてください。生活設計を立てて六十で退職、それで年金もろうてためたお金の金利とで細々と暮らそうというやさきに、六十歳にひょっと到着したら、ゴールがもっと向こうです、五メートル先、五年先。この五年間どうするんですか。それははっきりとこうこうしますということだけ言ってください。
○国務大臣(小泉純一郎君) ちょっと誤解があるようですのでお話しさしていただきたいんですが、ゴールが迫ったのに六十でもらえると思ったのが六十五歳になるというわけじゃありませんで、現在、男性だったならば五十一歳以上の人は、この法案が通ったとしても六十歳から支給されるわけです。女性の場合だったら四十六歳以上の方は、この法案が通ったとしても六十歳から支給される。二十二年かけて段階的に六十五歳に支給開始年齢を引き上げていこうということでありまして、その点ぜひとも誤解ないようにしていただきたいと思います。 そして、六十歳から六十五歳の間どうするか、これはもう政府挙げて今後六十歳代前半層の雇用をどうやって確保していくか。大体、今六十歳から支給されますが、平均的に、年金を受けようという人たちは六十二歳が多いわけです。ですから、今でも六十歳支給されているにもかかわらず、六十二歳から平均的に支給を受ける人が多い。なおかつ、今、日本は六十歳代の勤労意欲が非常に高い。こういうことから考えますと、急じゃない、二十年かけて、二十二年かけてこの雇用確保に向かって政府挙げてまた企業とか個人の努力をお願いするならば、必ずや私は六十歳代前半層の雇用は確保される。 また、六十歳から六十五歳までの間どうするかということと比べて、現在保険料と年金の給付を考えますと、大体モデル的な、標準的な年金は月額約九万円です。現在三十代四十代の人が親に十九万円仕送りするのは大変だと思うんです。しかし、大体三十代四十代の平均的な保険料は月額一万七千円です。ですから、一万七千円の保険料を掛ければ親が十九万の年金を受けられる。年金というのは世代間の契約ですから、そういう点を考えていただくならば、この年金制度というのは大変すばらしい制度でありまして、この年金制度を揺るぎない安定したものにしていくのが我々の務めだと思いますので、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○山田勇君 まあスライド制を取り入れたとかそう言うんですが、どこかにすき間があるんですよ。これは、僕も選挙ですから二度と相まみえることができないかもわかりません。しかし、相まみえることができたらゆっくりこれは臨時国会でやらせてもらいます。 それで、もう時間がないんで、さて、現在の政治課題の大きな一つ、東京一極集中排除ということであります。 その視点から、私は関西の復権、活性化を積極的に推進することが重要であると考えております。幸いいろいろなイベントが進行中であります。なかんずく関西国際空港の建設はその中核をなすものであります。国際化、情報化時代への対応として、その機能を十分に発揮できるような全体構想の早期実現が強く望まれているのでありますが、政府としてはこれをどう対処しているのか、お伺いをしたいと思います。第一点。 特に、この空港滑走路につきまして、現在の主要滑走路一本では、これは不測の事態など二十四時間体制の国際空港としては不完全であります。また、横風対策など、少なくともあと二本の滑走路の整備が必要であると考えますが、これは運輸省の方はわりかたあとの二本についての御理解はあるんですが、大蔵大臣、なかなかこれは渋い御返事だそうでございますが、これやっぱり僕は、安全性という面から、ぜひこれを考えていっていただきたいんです。これはもう塩川官房長官も地元でございますので、僕一人がこれ気張ってもしようがないことで、これはもう塩川さんにも責任があるんですが、何とかこれ、大蔵省、運輸省は物すごい理解があるんですよ。でないと、到底インターナショナルエアポートとしての機能はできません。だから、今、十六万回から二十六万回ぐらいにレベルを上げていく。全世界の飛行機会社が入ってくるんですから、そういう意味で、これも大きな関西の活性化、復権につながるもう最大のこれはプロジェクトだと思うんです。それも本来は、運輸大臣、空港なんていうのはもう国でやらないかぬことなんですよ。それを第三セクターつくって頑張っているんですから、大蔵大臣、これに対するひとつ予算を、いい返事をしていただきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 関西国際空港は、これはまあ国家的な一つのプロジェクトでございまして、大変な大きな事業だと思っております。第三セクターでやっておりますし、それで、あそこの竹内君は、私が運輸省の政務次官をやったときよく承知しておるのでございます。今度また亀井さんが会長になったようでございます。しかし、この問題は今、運輸省と本当に真剣に詰めておりまして、大事なものではあるけれども、しかしやはり効率的にしなけりゃならぬ、そういう観点から、絶えず緊密な連絡をとって検討しておるところでございます。
○山田勇君 運輸大臣、済みません。
○国務大臣(山村新治郎君) 運輸省の応援、ありがとうございます。 今おっしゃいましたとおり、ちょうど成田の空港も今四千メートル一本で十一万回ということでございまして、これからの日本がやはり世界の中の日本ということでどうしても必要な空港ということで、今、全体構想について検討をするための基本資料を作成することといたしておりますが、関西国際空港全体構想検討基礎調査費としまして昨年一千万、本年一千万ということで調査しておりますので、前向きに検討してまいります。
○山田勇君 どうもありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で山田勇君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、秋山肇君の質疑を行います。秋山君。
○秋山肇君 宇野総理には、政治改革前進内閣ということで、けさほどから各委員の質問にお答えをいただいておりますが、私もまず政治改革についてお伺いをいたしたいと思います。 六月十一日付の新聞の投書欄にこのような声が載っていました。「政府が行政改革をうたい文句にして、ずいぶん長い年月が過ぎた。国民の期待とは裏腹に出て来たのはリクルート疑惑であり、消費税であった。最近になって、またまた新しく「政治改革」なる新語が発場した。もういいかげんにしなさいといいたい。改革といっても中身のない、政府にだけ都合のよい改革なら、国民には百害あって一利なしである」、「暗いところで、私たち国民の手の届かないところで、政治献金だとか、わいろだとかがまかり通り、私たちには何が何だかわかりません」といった内容でした。これを投書されたのは大阪市に在住の四十代の会社員の方でしたが、私は、この方の言っていることは、現在国民の大部分の方が思っていることとほぼ同じではないかと思います。 総理、今、国民はリクルート事件のうやむやな決着と、総理が選ばれるまでのごたごたした政治劇や駆け引き専門の密室政治を目の当たりにし、一層政治不信に陥っております。このような現状をまずはっきり認識していただき、そしてこの国民の政治不信を取り除き政治への信頼を取り戻すためにも、国民に開かれたわかりやすい政治を実行することだと思います。 そこで総理、先ほどいろいろお答えをいただいておりますが、ひとつ取り組み方をしっかりとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今の投書をちょっと伺っておりますと、何か政府は何もしておらぬというふうな感じでございますが、今日までやはり行政改革、財政再建、これはもう相当やってきたということは秋山委員も十分御承知だろうと思います。 特に、なかなか難しかった国鉄、これも民営化、あるいはまた電電も民営化、さらには専売公社も民営化。その結果、国鉄が会社として黒字を出すというふうなことも国民から考えていただくと大変なこれは利益が還元されておる、こういうふうに考えてもいいんじゃないか。あるいはまた、NTTが電話料を引き下げたということも国民生活にとりましては大きな利益が還元されておるんじゃないだろうか。その間に、やはり少しでも利子がかからないように財政再建をやりまして、明年度になりますともうひとつ赤字公債脱却だというふうなことも迎えておるわけでございます。一つの政府でお考えではなくして、ずっと自由民主党の政府があります以上は、やはりどんどんとそうした面において相当な改革がなされつつ今日に来た、そのときに不幸にもリクルート事件が起こった、こういうことでございます。 私たちも、非常にこれは反省をしなくちゃなりません。したがいまして、そうした禍根を絶つために政治大改革をやろうというのが私たちの不退転の決意である。その内容に関しましては、もしお尋ねならばお話しいたしますが、過般来ずっと申し上げておりますので十分御承知かと思われますから。そうして、我々といたしましても今、リクルート事件のけじめをそうした意味でつけたいというのが私たちの考え方でございます。
○秋山肇君 これも新聞に出ておりましたけれども、日米の政治倫理の比較が出ております。日本は逃げ道が多い、アメリカは厳しい監視がされているということですが、このことは総理にも質問通告で申し上げておりますが、これに対しての総理のお考え、日米の差についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 日米間にはお互いに信頼関係が確立されておりますが、やはり大統領制である、我が国はそうではない。したがいまして、国会のあり方も、アメリカの下院はわずか二年が任期である、そういうふうなこと等大きな差がございます。 したがいまして、そうした差から出てくる問題もあるのではなかろうかと、私はこう考えておりますが、いずれにいたしましても、政治倫理という一つの観点に立ちました場合には、お互いがお互いの立場を尊重し得るような二国でなければならないと、かように思っております。
○秋山肇君 アメリカでは政府倫理法によって、百ドル以上の勤労所得、贈り物のほか、千ドルを超える価値を持つ財産など、議員本人だけでなく、家族も公開するなど厳しい監視があるのに比べ、日本では公開対象は閣僚、まあ先ほど議員にもということですが、逃げ道が多いわけです。今回の政治不信の根本はそこにあるわけですから、これに対して、具体的に先ほど自民党でつくられているということですが、総理のまた厳しいお考えですね、それをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 政府には選挙制度審議会、そしてまた与党の自由民主党には政治改革推進本部、これを設けまして、今後、今御指摘のような面も一つの大きな課題としてやっていかなければならないと、こういうふうに私としては思いますが、やはり審議会の方々はフリーな立場でお入り願いましてそこでやっていただくわけですから、私が最初から方針を示したり、またその枠を決めてしまうということはいささかどうかと思います。 ただ、私の経験によりますると、アメリカの方々にプレゼントする場合といえども、やはりそこできちっと価格が安いか高いかということを公に判定されまして、自分の物になるのか公の物になるのかというシステムがございます。 我が国におきましても、外務省におきましては、やはりいろんな各国の方々がお土産を持ってこられました場合には、判定委員会がございまして、これは個人の所有はだめでございます、これはひとつ所有していてもいいぐらいの物でございましょうと、そういうふうな厳しさがございます。やはりそうした厳しさというものはいろんなところで御検討賜ってしかるべきではなかろうかなと、かように思っております。
○秋山肇君 今回のリクルート事件の決着のつけ方、それに伴う政治家のけじめのつけ方がどうもはっきりしてない、すっきりしないということは国民がだれしも思っているわけですが、これが地方にも及んでいると思うんですね。 先日新聞に出ていたのは、秋田の阿仁町長が受託収賄の疑いで逮捕されて、その前の町長もそうだったということで、何か国がそうなら地方でも何やってもいいんじゃないかというような風潮だと思うんですが、自治大臣、この点についてどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(坂野重信君) お答えいたします。 御指摘のように、秋田県で町長さんの問題が起きております。地方公共団体の長の地位というものは大変重いものでございまして、公選によって住民の直接の信託に基づくものでございますから、その地位に伴って高い倫理観を持って実践しなければならぬわけでございます。したがって、その職にある者が地位を汚すようなことを行ったということはまことに遺憾でございます。 自治省としては、そういった住民の信託にこたえて、常に公正に職務を行うことを通じて住民福祉の増進に努めるよう機会あるごとに求め、しているわけでございます。
○秋山肇君 ぜひひとつ、我々国会議員が地方議員の方々の模範になっていかなければいけないというふうに思うんです。 次に、総理、政務次官が交代をされて、参議院の政務次官の方々は留任されておりますね。八日、九日、本会議で総理大臣がお答えになっている前に空席があったと思うんですが、あの点についてどうお考えですか。――ちょっとおわかりにならないようですから。私が一番前に座っていますね。それで、自民党の人は何か一番前は政務次官の席なんですが、二日間ともずらっと隣の席はあいていました。私の隣、吉川さんと吉村さんが二人いらして、その先ずっといらっしゃらない。
○国務大臣(宇野宗佑君) 具体的にお名前を今聞かしていただきましてわかったのでございますが、辞令交付のときにやはり忙しかったのでございましょう、地元にお帰りであったというふうに私は聞いておりました。
○秋山肇君 地元ですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 自分の地元です。
○秋山肇君 政務次官というのは副大臣で、私はここの予算委員会で、大臣がいらっしゃらないときに答弁を政務次官にかわって答えていただいたこともあるわけですね。ですから、選挙で忙しいから地元に帰られるという、総理大臣がそういうことを認められているということで、政治改革前進内閣であるなんていう大きな口がきけますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) たまたま、いつ幾日政務次官発令ということがまだ決まっておらないような段階もございましたから、その役所からすぐに帰ってもらったと、そういうふうになっている。国会欠席ということで、本会議を欠席されたということでございます。
○秋山肇君 いや、時間があれですけれども、今私が言いたいのは、私どもやっぱり国会議員というのは本会議に当然出席をする、まして役職を持っている方というのはほかの議員よりも率先して出るべきだと思うんですね。それを選挙運動に帰られているんだと、今、総理大臣がおっしゃっていたけれども、ほかの人たちは出ていて、それじゃ、政務次官は選挙区に行って田植えをしているのか田んぼの手入れをしていていいということを総理大臣が認めていて、それで政治改革前進内閣であるということは、これは私は口先だけの政治改革前進内閣であると言われても仕方ないと思いますが、もう一度御答弁をいただきたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私が辞令を発するときは官邸で差し上げます。そのときにはその辞令の時間に間に合われなかったということを私は聞いているわけで、したがいまして、私、個人個人のなにを知りませんから、その点はひとつまたこちらでお尋ねください。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で秋山肇君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、木本平八郎君の質疑を行います。木本君。
○木本平八郎君 私は、税制の基本問題について、税理論のエキスパートでおられる村山さんにいろいろお聞きしたいと思うんですね。 それでまず第一に、消費税はもちろんですけれども、もう所得税も日本の現状からいったら時代おくれじゃないかと思うんです。日本は世界一の大資産国になったわけですから、むしろ資産課税に移らなきゃいけないんじゃないかと思うわけなんです。その辺はまずどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(村山達雄君) 資産課税という場合に、三つの類型がございます。 資産そのものの移転に伴う課税、これは相続税が代表的なものです。それから、保有に伴う課税、固定資産税、それから特別土地保有税、こういうものが代表的でございます。それから、資産から生ずる所得の課税の話でございます。 恐らく、最近問題になっておりますのは、株が上がるとか、それから土地が上がる、そこで、譲渡所得にもっとキャピタルゲインをしっかりやったらいいんじゃないか、こういうことだと思います。その点は、御案内のように、今度、株については全部原則課税にしたわけでございますし、総合課税の問題については納税者番号の整備を待って検討いたしましょう、利子課税についても六十二年にいたしました。今、二〇%の分離課税でございますけれども、その総合課税についても同じように納税者番号でいきましょうと。 土地については、今まで随分やっておりますけれども、地価に対して有効な機能を果たしていない。これは、土地基本法が制定されてから、やはりほかの施策と一緒にやりたい、こういうことでございます。
○木本平八郎君 今おっしゃったキャピタルゲインですね、これは四百八十兆円あるわけです。GNPがわずか三百七十兆円なんですね。今のキャピタルゲインの四百八十兆円については、固定資産税が確かにかかっているんですけれども、日本の固定資産税というのは世界一低いわけです。まだ百分の一ぐらいしかかかっていないんですね、時価に比べて。日本に今ある資産は、もうどんどんたまりまして、今五千三百兆円あるわけです。厳密には五千三百三十八兆円あるわけですね。これだけの資産がありますよと、ちょっと考えても、一%だって五十三兆円あるわけでしょう。この資産保有税についてどういうふうに思われますか。
○国務大臣(村山達雄君) この保有税につきましては、税源としてはやはり収益から払う、こういう建前の税制でございます。それから、相続税のようなものは元本から払っていただく。したがって、今一・四%でございますけれども、なかなかこれでも収益から払うとなると大変な話になってくる、こういうことでございまして、これはやはり税全体の仕組みの中で論議しなくちゃならぬ、こういうことでございます。
○木本平八郎君 問題は、その資産が大したことないときはそれでいいんですよ。しかし、それは後から申し上げます。 それで、ちょっと大蔵省の主税局長にお聞きしたいんですが、今サラリーマンが払っている所得税は九兆三千億円ぐらいですね。これの基本になっている給与所得の総額は何百兆円ぐらいだったか、ちょっと教えてください。大体でいいです。
○政府委員(尾崎護君) 民間給与実態調査という国税庁の資料でございますけれども、給与の総額といたしまして百四十三兆円ということになっております。
○木本平八郎君 それで、消費税の元になっている分母、これは二百兆円ですね。今の所得税の分母になっているのが百四十兆円。それで、法人税その他いわゆる一億の国民が一年間に稼いでいる稼ぎが、GNPが三百七十兆円。いいですか。それに対してキャピタルゲインはもう四百八十兆円になっているわけですね。しかも、資産総額は五千三百兆円あるわけですよ。このバランスを考えた場合に、二百兆円――私、消費税がけしからぬと言って、けしからぬですけれども、二百兆円に一生懸命こうやっていて、それでこの百四十兆円、これはもうサラリーマンはみんなひいひい言っているわけですよ。で、三百七十兆円は法人税がそのようにかかっていますね。ところが肝心のその四百八十兆円はほとんど野放しだ。で、五千三百兆円、こんなにでっかい資産があるんですね。 このアンバランスというのは、これはやっぱり考え直さなきゃいけないと思うんですが、このアンバランスはどういうふうに思われますか。
○国務大臣(村山達雄君) 今のお話はGNPの中で、あるいはその元になる資産の中で、評価額で言いますと土地は大変なものでございます。 しかし、おっしゃっているのは所得課税でございますから、値上がりしたというだけでは所得にはならぬのでございます。それを売らなければ、実現しなければこれは所得になりません。したがって、キャピタルゲインというものはやはりそれを売却して実現したときの話でございます。それがキャピタルゲインとかあるいは利子所得とか、そういう問題として今とらえているところでございます。 保有課税の問題は、要するに保有課税というものは、いろいろの形で所得の源泉に企業が使っておりますから、あるいは個人が使っておってやっているとか、いろいろあるわけですね。これに対してはやはり税源は所得から払っていただく、こういう建前に、これを資産から課税いたしますと、これは経常的な財産税になるわけでございます。経常的な財産税を起こすべきかどうかというのは全然また別の範疇の問題でございます。
○木本平八郎君 いや、消費と所得とそれから資産にこうかけろと政府がおっしゃっているわけですね。やはり今、サラリーマンが一番大変な問題は何かといいますと、サラリーマンがかつては一枚岩だったわけです。それが資産を持っているか持っていないか、マイホームがあるかないか、住宅ローンを抱えているかどうかでこんなに差ができたんですよ。もう二極分化してお互いにけんかするようになっているんです。こういう状況を是正しなきゃいかぬですね。だから保有税というものはやっぱり真剣に考え直さなきゃいかぬと思うんです。 それからもう一つは、キャピタルゲインの四百八十兆円というのはこれはなんですけれども、私が今申し上げたのは五千三百兆円の方ですから、五千三百兆円も――一つ例を申し上げます。去年の予算委員会で言ったんですけれども、資産を二十兆円持っている会社がその年造船不況だったために一銭も法人税を払ってないんです。これはどう考えてもおかしいんですね、資産が二十兆円あるわけですから。この辺についてはどういうふうに思われますか。
○国務大臣(村山達雄君) それは所得課税でございますから、所得が赤字であればこれはかからない。しかし、保有課税であるところの固定資産税はもちろんかかっているわけでございます。それから、もしこの人がその資産を売却すれば、これはやはりそのときに清算所得としてかかってくる、こういうことになるわけでございます。
○木本平八郎君 これは今の税制上は正しいわけです。決して悪いことでも何でもないんですね。もうかってないから法人税を払わなくていいんですけれども、国民の側からすればやっぱり納得できないわけです。それから、土地でも何でも大きな資産を持っている人が例えば老人で年収がない、だから全然払ってないというんじゃ、そこはもう国民は納得できないわけですね。したがって私は、やっぱりそっちの方にも変えていくべきじゃないか。 それで、これはちょっとカテゴリーが違いますけれども、クウェートだとかモナコなんというのは税金がないわけですね、それだけの国家が収入あるから。国家に収入があれば、それはもう消費税だとかあるいは所得税といった、国民に負担させるというのはしなくてもいいし、するべきじゃないというのが税理論の基本だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) ですからいろんな種類の税があるわけです。例えば、赤字法人でたくさん留保を持っております、しかしその年は赤字でした、それは法人税はかかりません。しかし、今度の消費税は払っていただくわけでございます。赤字法人が半分ぐらいありますが、これは全部消費税を払っていただく、それから保有税も固定資産税を払っていただく。その固定資産税が安いかどうかという問題はまた別の問題でございまして、これは経常的な財産税ではなくて、税源を収益に求めておりますから、大体赤字法人でも保有税はかかります。しかし、建前として財産から取る財産税ではございません。これは個人の方の相続税の方で、日本の相続税は今度随分緩和いたしましたけれども、まだ世界で恐らく一番高い相続税だろうと思っております。 ですから、いろんな税体系はございますから、その辺を資産、所得それから消費、そういうところに配分して全体として公平を保っていきたい、こういうことでございます。
○木本平八郎君 ついこの間新聞に出ておりましたけれども、東京の株式市場に上場されている千社ぐらいの中で五百五十何社か何かがもう財テクで今稼いでいるわけです。私は商社マンですけれども、商社も今、売買取引で稼いでいるのなんて知れているわけです。それよりも、ディーリングだとか国際的なそういう財テク、そういったものでうんと利益を上げているわけです。銀行でもそうです。銀行でも貸出金利と預金金利の差額で稼いでいるというんじゃなくて、ディーリングやその他で稼いでいるのがよほど多いわけです。 したがって、申し上げたいのは、所得税というふうなことを皆さん――皆さんと言うと失礼ですけれども、思い込んでおられるわけです。サラリーマンも、それは払うのは当たり前だと思っているんですけれども、おっとどっこい、日本はとんでもない大資産国になっちゃった、したがって、サラリーマンが今まで国を支えてきたんですけれども、もうその時代は終わった、資産に肩がわりするときに来ているんじゃないかということなんです。その点をぜひ、大蔵省も余り何か変なことをやりたくないというんじゃなくて、積極的に国民のベースに立って、だれが一体国を支える力があるんだ、昔はだれであって今はだれがなっているんだというところを見直していただきたいと思うんです。 それで総理、最後にこういう考え方について御意見を承って、私の質問を終わります。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今お二方の問答を聞いておりました。私も非常に参考になりました。
○木本平八郎君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で木本平八郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。
○下村泰君 各大臣もきのうからきょうにかけての新聞で御存じだろうと思いますけれども、江東区の東雲にお住まいの野本綾子ちゃんというお子さんがいなくなった。これが埼玉県の宮沢湖霊園というところで無残なお姿で発見された。よもや本人でないことを願ったんですけれども、本人であると断定されました。 この江東区の東雲というところでは、四月からもう二十数件未遂事件も含めて起きているそうです。埼玉県の西部の方では、幼児誘拐殺人、失跡事件が二カ月ごとの偶数月に三件発生し、今度が下手すると四件目、こういうことになるわけです。 かわいい子供さんだとかお孫さんをお持ちの方々にとっては身のももよだつような話であり事実であり、私らでもこれは手をこまぬいて見ているしか手がないわけなんです。もちろん捜査陣は必死に捜査をなさっていらっしゃいましょうけれども、今やお子さんたちが遊ぶ場所もない。ですから、親御さんたちも大変な思いをしていらっしゃるわけですけれども、この子供さんに殊に関係のある文部省、厚生省、殊に事件に関係のある法務省、総理大臣、それぞれどういうお心でこの事件を見ていらっしゃいましょうか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) 法務省じゃありませんが、警察庁の方の関係、公安委員長からまず申し上げます。 御指摘のようなことでまことに残念でございます。埼玉県の余り遠く離れていないところで次から次にこういう痛ましい事件が起きておりまして、いたいけな幼女を殺害するという残忍かつ反社会性の極めて強い事件でございまして、国民の不安感を取り除くためにも、今、警察庁が中心になって、警視庁と埼玉県警が全力を挙げて早く犯人を検挙しようという、それが何よりも国民の不安を除き、また次のこういう事件を防圧するための最大の問題でございますので、この点につきましては総理も大変な関心を持っておられまして、総理の御指導を得ながら、一刻も早くこの事件を解決、検挙するように最大の努力を払っている次第でございます。 なお、警察としては、最近こういう凶悪犯が非常に出ておりますので、こういう事件に強い警察体制を何とかつくり上げようということで今努力している真っ最中でございます。 まことに残念至極に思っている次第でございます。
○国務大臣(谷川和穗君) 最近、幼児を対象といたしました凶悪な誘拐殺人事件が多発していることはまことに憂慮にたえないところでございます。 検察を所管いたします法務大臣としまして、この種事犯に対しましては検察が関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに、犯人の早期検挙に向けてできるだけの努力を傾注することが必要だ、こう考えております。 同時に、こういうような事件に対しては厳正な科刑の実現を図って、良好な治安の確保と法秩序の維持に努めることが最も大事なことだ、こう覚悟いたしております。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 既に、国家公安委員長また法務大臣からも御答弁がございましたように、文部省といたしましても、最近のいたいけな子供たちの痛ましい事故に対して、本当にもう何と申し上げていいか言葉を失っているところでございます。 今日まで文部省といたしましては、幼稚園、小学校等の登校時、下校時、災害あるいは今回のような事件等に備えて十分な対応をするようにということをそれぞれ教育委員会等を通じて強く指導し、また、その安全の確保のために努力をしてきたところでございますが、こうした現実の事態を踏まえまして、なお一層文部省としての行政を強化してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 御指名でありますのでお答えいたします。 最近の幼児殺人事件というのは、私も子を持つ親として本当に心から憤りを禁じ得ないわけですが、非常に残念なことに、自分の子供に対してもあるいはまた人の子供に対しても、人を信用しちゃいけない、疑えというのは大変憂うべき、悲しむべき事態だと思うんです。 今回、このような事件で子供を外へ出して遊ばせないというようなことになると、子供にとっても大変心配なことでして、私は、この事件に対して即効薬とか決め手というのはないと思いますが、できるだけ親御さんが子供に対して注意する、また近所の人もできるだけ付近の子供に対して気を配ってもらう、そして何よりも早く犯人を検挙してもらう、そういう面で、いろいろな面からの施策とよりきめ細かな大人の子供に対する配慮が必要ではないかと思っております。
○国務大臣(宇野宗佑君) もうごもっともな御心配でございます。 日本は非常に治安がよいと言っていながら、このような残忍な事件が続出をした。しかも、それが大体同じような地域において行われておるということに対しましては、私は本当に悲しい思いを抱いております。 もう憎むべきは犯人である、こういう気持ちでいっぱいでございますから、きょうも実はお昼に公安委員長に電話をいたしまして、ひとつ捜査陣を大いに激励しながら犯人検挙に全力を挙げてくださいと申したのでございます。 この点、下村委員と同じでございます。
○下村泰君 それぞれ各大臣、やはりショックを受けていらっしゃると思います。 殊に親として、あるいは、私も孫が二人おりますけれども、よそのおじさんに声をかけられたらにこにこ行っちゃいけないよとか、大人が子供に向かって人を信用しちゃいけないという教育、こんなばかげた話はないです、本当は。しかし、こういう事件が起きる以上はやむを得ないと思います。 さて、新内閣の冒頭にいつも私は質問をさせていただいておりまするけれども、宇野内閣といたしましては障害児者、こういう方々に対する対策をどういうふうにお考えでしょうか。まず、厚生大臣から伺わせてください。そして、総理大臣もお答えください。
○国務大臣(小泉純一郎君) 宇野内閣になりましても、障害者にできるだけ社会参加してもらう、また自立をしてもらう、そのような施策を推進して、障害者もまた健常者もともに社会を形づくる大事な構成員だという形でできるだけ社会に参加し、自立していただき、なおかつ在宅福祉等いろんな諸施策を進めていきたい、そういうふうに考えております。
○国務大臣(宇野宗佑君) もう、下村委員はいつも障害者の方々に対しまして格段の愛情をささげ、同時にまた、その施策のために一生懸命になっていらっしゃる。そうした姿に対して、私は本当に敬意を表したいと思います。 今、厚生大臣が申しましたが、ハンディを極力なくする環境をつくっていくことが大切なことである。そして、身体を備えた方々と同じように、経済であれ社会であれ、あらゆる面において参加をしていただいて活躍していただく、そうしたことを私たちはやはり期待しなければなりません。 具体的に、昭和五十七年には障害者に関する長期計画を策定したということ、また昭和六十二年には国連障害者の十年の後期において重点的に取り組む施策を決定し、その実施に積極的に取り組んでいきましょうと、現在、政府といたしましてもこういう方針のもとになお一層の施策の充実に努めているところでございます。
○下村泰君 どうぞひとつ、厚生大臣も総理大臣も、今御自分でおっしゃったお言葉を絶対忘れないようにお願いをいたします。念を押しておきます。 愚問かもわかりませんが、総理はなぜ総理に選ばれたとお思いになりますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) あの当時、選考基準があったのかどうか知りませんが、ひとつあなたが引き受けてくれなければ政治空白はなお続く、それで一身を党に預けてほしいという要請が四役からもたらされました。そういうことで、では我が身は不肖でございますがお預けいたしますという結果生まれたと私は思っております。
○下村泰君 それでは、総理の信念はどういうことなんでしょうか。それから、政治家としての理想はどういうお気持ちでございましょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 政治家にはいろいろ信念はございましょう。総理大臣になりました場合には、十二分に国民のサイドから政を見ていくということがやはり一番大切なことであろうと思います。 そして同時に、立法府との協調を図りながら行政府としての最大のサービスをしなければならない。そのときには、やはりおのれをむなしくして、私を捨ててやらなければならない仕事がたくさんあると。これが一つの、長々述べましたが、私のただいまの心境でございます。
○下村泰君 総理にひとつお教え願いたいんですけれども、民主主義、民主政治というのはどういう形のものを言うんでしょうか。
○国務大臣(宇野宗佑君) はっきりは覚えておりませんが、やはり民主主義の一つの原則は、国政というものは国民から負託されたものである、そしてその国政の権威というものは国民によるものであり、同時にその負託された国政の権力というものはこれは国民が選ばれた人たちにお預けしてあるが、そのメリットは国民が受ける。それはたしか憲法にそういうふうな条項があったんではないかと私は考えております。 そういう気持ちで、やはりこれは永遠不変の一つの哲学である、人類が懸命になって考えてあらゆる時代をくぐり抜けてやっと得た一つの制度が、また主義主張が民主主義である、かように心得ております。
○下村泰君 国会議員を初めとして、政治家というものはだれに対して責任を負い、だれのために政治を行うものかといえば、これは国民のためという答えが出てくるのは当然でございます。ところが、では、今の一般の国民の方はそういう目で見ているのかというと、これは全然見ていませんね。つまり国民の方は、自分たちのために今、政治家はやっておらぬ、下手すると政治家は自分たちのための政治をやっておるんじゃないか、こういう見方をしているわけですね。それが不信につながっているわけです。 実際のことを言って今の国民というのは、消費税にしろリクルートにしろ、あるいは年金にしろ農業にしろ、本当の国民の意思を表現する場所がない。そのために、本来ならば国会議員あるいは代議士という方々がいらっしゃるんでございましょうけれども、今申した、国民の目から見れば、その方たちが自分たちのことのみ一生懸命やっていて国民の方を見ていない、こういうような感覚が国民の間には今あるわけですね。ですから、どんなに調子のいいことを言っても国民の方は今信用していません。しかも、押しつけられた、自分たちが希望していない消費税に対しても国民はきちんと払っているわけですよ、ぶつぶつ言いながらも。ですから、むしろ実行しているのは、国民の方が民主主義を実行しているようなものです。 ですから、不信を受けている現在のいわゆる自民党が政権担当の党なんですから、自民党を指して言わなければならないことなんですけれども、その皆さんが、いろいろ御自分たちの体制を直して政治改革をとおっしゃるのですが、そのたびに何かどこかに制度の欠陥ということを言い出すのですね。こういう制度だからこうしかできない、この制度を直せばこうなるんだということしかおっしゃらない。ところが、それをつくっているのは人間でありしかも皆さんなんですよ。その肝心の根元の人間を見直そうとはしていない。制度の欠陥ばかりをついて、そのついている人間を見直そうとはしない。これじゃ幾らやったってだめなんですよね。しかも、そういう方たちが偉そうに政治改革云々を言っている姿は、むしろこっけいにしか見えないんです。ドン・キホーテみたいなものなんですよ。 ですから、いっそのことやはり解散をして、新しく出直さなきゃいけないというのが国民感情のすべてではないかと思います。 これを聞いておしまいにします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 非常に庶民派の下村さんとしての御意見、私はこれにも耳を傾けなくちゃならない、かように思っております。 しかし、我々といたしましては、そのために政治改革をやりたい、こういうことでございますから、今のところ解散は考えておらないというのが私のお答えでございます。
○下村泰君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十九分散会