予算委員会 第11号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/05/17
会議録
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。 平成元年度一般会計予算、平成元年度特別会計予算、平成元年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 理事会の協議決定事項について御報告いたします。 本日の総括質疑は、民社党・国民連合二十二分、新政クラブ・税金党三十二分、二院クラブ・革新共闘三十二分、サラリーマン新党・参議院の会三十二分とすることと決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより総括質疑を行います。柳澤錬造君。
○柳澤錬造君 冒頭にお聞きしておきたいのは、けさの報道によれば、リクルート事件でもって藤波元官房長官、池田代議士がいよいよ取り調べを受けるということのニュースが報道されておったわけです。いよいよリクルート事件が核心に入ったという感じを受けるんですけれども、それについての状況、今後の進展のぐあいについて法務大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(高辻正己君) 東京地検がけさから池田克也、藤波孝生両代議士の取り調べを地検本庁等において行っていることは承知しておりますが、被疑事実の有無とか内容等、その具体的な事柄については捜査の内容にかかわることでありますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 さらに、お尋ねの中に、今後どういうふうな進展を見るのかというお話がございましたが、これは検察は、毎度申し上げておるとおりでございますけれども、不偏不党の見地から厳正公平に捜査を行った結果、本日の措置を講ずるに至ったものと承知しております。 今後とも、法と証拠に照らし適正に対処するものと心得ております。
○柳澤錬造君 総理、これは非常に大事なことだし、国民がみんな関心を持っていることですから、この件について総理としてどういう御見解をお持ちなのかもお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私は、広義な意味においては行政府の長としてこれは指揮監督下にあると、指揮権とかいう問題は別といたしまして、広義にそういう立場にあるわけでございます。したがって、今日までお答えしておりますことは、検察が厳正、適切な調査あるいは捜査をも含めてやることを確信しておりますというお答えをしてまいりました。 今の時点に至りまして私自身が感じておりますのは、信頼してきた検察でございますから、厳正、適切な捜査が行われておるであろうということを今もなお確信し、厳粛にこの事実を受けとめるべきものであると、このように考えております。
○柳澤錬造君 法務大臣、きょうはその程度しかお答えできないと思うんです。 ただ、このリクルート事件が日本の国内をどれだけ騒がせたかということはもうおわかりのとおりで、したがって国民の期待を裏切ることのないような、今も総理がおっしゃいました厳正、適切な調べができるような進め方だけはやっていただきたいということを希望しておきます。 じゃ、今度は外交問題に入りまして、これは最初に総理、私は、日本の総理は何といってもアジアをもっと回れという意見を持っていた方なんですが、この間のゴールデンウィークにASEAN諸国をお回りになったわけです。総理がお回りになって総理の御所見をお聞きするのもどうかと思うんですけれども、総理がお回りになってどういう感じをお持ちになったか、総理なりの評価をどういうふうになさったかということをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) このASEAN歴訪というのは、かねてから相手方にもお知らせし、そしてお互いがスケジュールを確認し合っておったことでございます。しかしながら、私自身がその前にいわば辞任の予告をいたしましただけに、若干考えなきにしもあらずでございましたが、三十分ぐらい熟慮いたしまして、やはり外交政策の一貫性、継続性ということからして、お約束をしておる歴訪のスケジュールはこなすべきだという結論に到達いたしまして、既定方針どおり行かせていただいたわけでございます。 私の口から申し上げるべきであるかどうか、今、先生の御質問もそういう気持ちもあったかと思いますが、自己評価をいたしますならば、私は行ってよかったということを率直に感じておるところでございます。
○柳澤錬造君 これは今度は外務大臣の方に。 もう私が言うまでもなく、ソ連のゴルバチョフ書記長が中国に来て、きのうは鄧小平さんと首脳会談をやっておるわけです。三十年ぶりの中ソの和解ということで言われておるわけですけれども、中ソの和解ということは即国際情勢の大きな変化だと思うんですよ。これが国際情勢にどういう変化を与えるか、それに伴って、じゃ日本にはどういう影響がくるのか、その辺に日本の政府として、外務省としてどういう分析をなさって、今後どういうふうな外交の展開をしようとしているか、その辺を少し詳しく御説明をいただきたいと思うんです。
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般、ゴルバチョフ書記長、シェワルナゼ外相とも定期会談ができましたし、帰途、銭其深中国外相とも意見交換ができました。 特に、銭其深外相とは、さきに李鵬総理がお越しになったときと、さらには弔問外交、さらにはパリというふうに、ことしになりまして四回意見交換がなされておりますし、またソ連の外相とも昨年十二月から三回なされておるというふうに、かつての日中、日ソに見られなかったような、しばしば出会っておるというふうなよい結果を私はもたらしているんじゃないかと思います。 その中において、当然中ソの首脳会談が三十年ぶりだということはまことにめでたいことであると私は評価いたしまして、両外相並びにゴルバチョフさんにもそのことをお伝えしました。そして、アジアはもちろん世界の安定のためにもひとつ成功をなさるようにお祈り申し上げますと。今後はひとつ隣国といたしまして、ソ連と中国とも私たちはより一層、世界の暖流が流れ始めたと見られる今日であるから、そうした面においても十二分にお互いが立場を尊重しながら交流を深めることは必要でございましょうという感想を私は抱いているような次第でございます。 そこで、双方から聞きましたが、一九五〇年には中ソは同盟関係にあったが、そういう同盟関係には戻りませんよと双方が言われます。なおかつ、その後は大変な対立、敵対状態にあったが、そういう時代にも戻らないんですと。とにかくやはり我々は仲よくなりましょう、いわゆる国交正常化をいたしましょう、そして善隣友好の実を上げたい、こういうようなお話でございまして、第三国の利益を阻害することはありません、だから日本との関係とかいろんな問題をこれによって阻害することはありません、このように言っていてもらえます。 また私たちも、日本の極東政策あるいはまた世界に対する外交政策は全然変わりなく従来どおり続けていけばよいと考えておりますが、さらに一歩深く突っ込むとするのならば、今回の中ソの三十年ぶりの和解というものは、国内においてペレストロイカ、グラスノスチをソ連は推進中である、また中国においては開放改革政策を推進中である、そういう国内問題がございますから、当然国際的な環境を整えておくということは必要であろう、それにはやはり、七千キロの国境を持っている両国でございますから、そうした意味で関係を回復するということは必要であろう、こういう意図が当然両国にあってしかるべきである、私たちはこのように考えております。 さすれば、そういう国際的環境を整えられた後の国内政策の充実、それに伴う近隣諸国への外交的配慮というものもまた新しい面が展開されてもよかろう、かように思いますから、我々といたしましては、そうしたことも期待しながら従来どおりの基本方針に基づいて外交は展開すべきである、かように考えております。
○柳澤錬造君 日本の外交がこれからどうなるかという乙とももうちょっとお聞きしたいのですけれども、時間がなんですからこれは別な機会に譲ることにいたします。 次には、防衛庁の方にFSXの問題で、これは総理も聞いておいてほしいのだけれども、現在自衛隊が使っている支援戦闘機F1は、これは国産のものなんです。それが古くなったから後のをといって、それで一昨年のときに、私はそれは当然国産でやれと随分言ったんだけれども、防衛庁は頑固一点張りに共同開発だ共同開発だと言って、それで最終的には、これは昭和四十五年七月十六日に防衛庁長官決定で決めていることなんです。「装備の開発及び生産は、主として民間企業の開発力及び技術力を活用してこれにあたらせる」ということが一つ。それからもう一つ大事なことは、「防衛の本質からみて、国を守るべき装備はわが国の国情に適したものを自ら整えるべきものであるので、装備の自主的な開発及び国産を推進する」と言っている。何でこれをほごにしてまで共同開発に踏み切ったのですかということなんです。 それで、そういうことで日米政府が合意したが、その後でもってアメリカ側から、議会筋からのいちゃもんがついた。そのときの対米交渉のあり方は何ですか。余りにも情けない。お粗末過ぎませんか。そんなにまで言われるのだったらば、それじゃ共同開発はやめた、自主開発いたしますと何で言わなかったのか、この点はっきりしてく、ださい。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先生御指摘のように、昭和四十五年に防衛庁長官決定で「装備の生産及び開発に関する基本方針」というのが生まれまして、これを基本にしながら、これから国の守りのために非常に重要な装備については、自主的に開発するとか、あるいは国産ですべきものであるとか、あるいはまた民間企業のいわゆる開発力だとか、あるいは技術能力を十分活用すべきだということは既に決定してあるわけでございまして、こういう点をも十分踏まえながら、当時、開発をする場合に自主開発をすべきか、あるいはまた共同でやるべきか、あるいはまた現有機を転用した方がいいのか、あるいはまたアメリカの主張のいわゆるアメリカ機の導入をすべきかということがいろいろ議論されたのでございます。 当時、柳澤委員からも、ぜひ自主開発すべきだ、それが四十五年の決定にも従うことであるからぜひそれはすべきだという主張をも私たちは十分承っておったのでございます。しかし最終的に、やはり日米の安保体制を堅持していく、あるいは信頼性を将来とも向上させていく、それから共同でいわゆる有事の折に対応するとすればやはり共同開発が至当であろうということで六十二年の十月に、そしてまた六十三年の六月にいずれも首脳会談で意見の一致を見て、そして六十三年の十一月に、御承知のように、交換公文とMOUの締結に至ったわけでございます。それを基本にしながら三菱重工とゼネラル・ダイナミックス社との間で技術援助等の締結をいたしてその批准を待っておった。 ところが、レーガン政権からブッシュ政権にかわった、このことで、また防衛と貿易はリンクしないというような考え方で貫かれてきたことが最近の貿易インバランスの関係で、こういうことが、特に航空機についてアメリカの議会あるいはアメリカ政府内でも批判の声が出てまいりまして、アメリカからクラリフィケーションの要求があったわけなんです。それに対して私たちの方も日本としてのクラリフィケーションを主張いたしまして過般合意を見たわけでございまして、結局きょうアメリカの議会で共同開発に合意するという旨の議会側の意思が決定されたようでございまして、これから自主開発というその精神をも十分生かしながら、決められたこの共同開発を有効に進めて、そうして最もいい支援戦闘機をつくるように努力をしたい、こう考えております。
○柳澤錬造君 長官、一度共同開発に決まったのだから私もあきらめておった。政府間で合意したものをアメリカの議会がいちゃもんをつけたわけでしょう。それなのに何で日本から向こうへ交渉に行かにゃいかぬのですか。文句があるのならあつちから来いと言うんですよ。 それで、通産大臣にも聞きたいのだけれども、政府間で合意したものにアメリカからいちゃもんをつけられて文句が来るならば、それだったら防衛庁、そんなものごちゃごちゃ言っていないでいいから御破算にして、日本の航空機産業はそれだけの技術があるのだから自主開発やれと、何で通産省はそういうことを言わなかったのですか。
○国務大臣(三塚博君) これは、私ども航空機産業を主管する立場でありまして、それなりの関心を強く持っておりますことは御案内のとおりであります。しかしながら、建前論を言うわけではございませんが、防衛当局、外務当局の専管として本問題が、ただいま防衛庁長官が言われましたような経過の中で協定が相進み、国会の承認を得るということに相なったやさき、柳澤委員の言をかりますれば、アメリカ国会がいちゃもんをつけた、こういうことであります。 国会はそれぞれその国の国民代表でございまして、国会議員の発言というのはお互い議会人としてそれなりの重みのあるものだなというふうには受けとめます。さはさりながら、時に全員が正鵠を射ている発言だとはマスコミの皆さんもとっておらぬわけでございまして、さようなときにこそ政府が明快な見解を示しつつ、というよりも、本当は議会指導者がそういう明快な見解を示しつつ対応するのが議会制民主主義の立場かなとは思いますけれども、しかし私は、政府の一員でございます関係から本問題に対する感懐は持っております。 しかしながら、貿易インバランスの上に立つ担当大臣といたしまして、日米両国は極めて重要な同盟国家でございますから、このことはお互いの協調と理解の中で乗り越えることが大事ではないのかと、こういうことで先般渡米いたしました折も申し上げさせていただきました。我が国の議会政治の中における政府の立場というものは、議会から強い問題提起、反論が出ましても、慎重な最終判断の中で国際協定を結びました際は、何回も何回も懇切丁寧にその理解を求めて、そのように議会の各位の協調を得ておるのが我が国の立場である。議会制民主主義とは違った大統領制と国会という、完全にそういう直接選挙のアメリカ国会にそれが通用するかしないかはお国の判断ではありますがと、このことだけは実はしかと申し上げさせていただいたつもりであります。 民間航空機産業は共同開発の中で極めて感謝されつつ順調に進んでおるわけでありまして、支援戦闘機の分野における本問題は、本院の審議でも申し上げたのでありますが、この分野が日本に技術移転の中で振りかわるのじゃないか、アメリカの優位性が振りかわってこちらになるといういら立ち、そのインバランスの中におけるいら立ちの延長線上にありましたことでありますので、鎮静化を待つというのも、これは平和国家を国是とする我が国の一つの基本的な姿勢かな、これは竹下首相の就任以来の基本姿勢でありますから、その閣僚としていちずにこのことを守ってやってまいりました。
○柳澤錬造君 話がまとまりかけてきているんですから、これ以上それを壊すようなことを言おうとは思わぬ。しかし、このことでもって議論するならば、日本から向こうへ行く必要はなくて、アメリカ側から日本に交渉に来るべき性格ですよと、その辺ぐらいきちんとしてください。 それから通産大臣、今言われたこと、私は認める。しかし、アメリカの雑誌ですらも、FSXを日米共同開発をしたことによって日本の航空機産業は十年から二十年進歩がスローダウンするだろうという、そういう見方までされているわけで、情けないと思いませんかと言うんだよ。だけれども、きょうはそこまでにしておきます。 次は、これは外務省と法務省へお聞きするんだけれども、北朝鮮日本人妻の問題、前にも国会で取り上げてきたんですけれども、なかなか進展を見ない。政府は十八富士山丸の問題は熱心におやりになって、これも解決しなければならないことです。しかし、日本人妻の方はもう三十年になるんです。私が言わなくてもおわかりだと思うんだけれども、もう三十年間もやっていることなんですから、もうちょっと私はこれをやっていただきたいと思うんです。 それで、これは総理にも聞いておいてほしいと思うんだけれども、昭和三十四年の八月にカルカッタ協定ができて、それからあちらへ移るのがその年の十二月十四日から始まったんです。五十九年七月二十五日までに百八十七回、その間九万三千三百四十人が日本から出ていっているんです。その中に日本国籍を持った日本人というのが六千六百七十九人いるんです。そのうちいわゆる日本人妻と言われているのが千八百三十一人おるわけです。この三十年間、この人たちで里帰りした人が一人もいないんですよ。どういうことですか。もう少しやっぱりやっていただきたいと思うんだけれども、その辺についてこれは外務省と法務省両方にお聞きするんだけれども、いかがなんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 北朝鮮の日本人妻に関しましては、もう既に議員連盟も発足していただきまして、非常に熱心な運動を展開していただいております。私たちも北朝鮮に対しましては、ことしの総理の施政方針におきましても、私の外交方針におきましても、政府間レベルの接触を我が方はひたすら望むと、こういうふうな新しい見解を発表いたしました。 特に、昨年でございますが、シェワルナゼ外相が日本を訪問されまして、帰りに北朝鮮へ寄るが何かありませんかと、そういうような親切な照会もありましたから、私は、十八富士山丸のことはもちろんでございますが、この問題もそのときお願いいたしておきまして、パリでその旨いろいろと回答いただいたのでございますが、ちょっとまだかたくなな面がありますねというのが概説して申し上げる北朝鮮の姿勢でございます。したがいまして、何とか今私たちは北朝鮮がもう少しく国際的な場に出てくれることを希望しつつ、日本との間の直接政府との接触もこいねがっております。 幸い、先般社会党もお行きになられまして、そうしてこの秋にはいろいろと考えるところもあるというような面もございますから、したがいまして、もしそれ自由民主党等々を中心とした政党の使節団が行けるような事態になれば、ある程度関係改善は進むかなと、その間にもできるだけ各国との間においての接触を保っておるというのが現状でございます。 だから、この悲惨な問題でございますから、人道上の問題としてやはり私こいねがわくは北朝鮮に、今日は米ソも対話の時代、さらに中ソも仲直りをされた時代、その中ソも北朝鮮に対して国際社会に出ることをアドバイスされている時代であるし、我々も敵視することなく、ぜひとも政府間の接触を望みたい、こういうことをこうした機会にも私は願望として申し上げておきたいと思います。 以上でございます。
○国務大臣(高辻正己君) 北朝鮮の日本人妻の里帰り問題は、外務省のお力に頼るところが極めて大きいところでございまして、法務省としては、ただいま外務大臣がおっしゃいましたような御努力を重ねて、その実現が一日も早くできることを専ら期待しているような次第でございます。
○柳澤錬造君 これは総理、数字を申し上げるので聞いていただきたいんです。 今、外務大臣言われたように、日本政府が努力しているのも私は認める。しかし、考えてほしいんです。在日朝鮮人、日本におる北朝鮮人が北朝鮮に行ってまた日本に帰ってきている。それが六十一年には五千百八十四人いるんです。六十二年には六千四百九十一人もいるんです。それから今度は、北朝鮮におる人たちが日本に来てまた向こうへ帰る、その便宜を図ってやっているのが六十一年が千六百九十人、六十二年が二千百八十一人。これだけ日本政府が何でそれをしているかといえば、人道的立場でと言ってやってくれているんです。その同じことが何で北朝鮮の政府に、この日本人妻に対してやれないのか。何でそのことが北朝鮮政府に、外交というものは相互主義じゃないんですか、私たちが向こうへしてやっていることと同じことをどうしてやらせることができないんですか。それほど日本政府の外交というのは意気地なしですかということなんです。そこはどうなんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 結論といたしましては、第三国を通じて日本政府の意向を伝えている段階であって、直接伝えるということになればこれは結構なんでございますが、それが全くできない。したがいまして、お互いに相互主義だということは向こうも知っておるでございましょうが、なかなかそれが実現し得ないというのが現状でございます。非常に残念なことであります。 だから私は、やはり政府間でいつでも話し合いしますから、ぜひともそうした対応に応じてくださいということをきょうもこの場を通じて北朝鮮に訴えておきます。
○柳澤錬造君 これはっきりしてくださいよ。話をするならいつでもできますよと言いながら、日本政府では、日本におる北朝鮮人を年間五千人も六千人も向こうへ帰してまた入れているんです。こちらがそれをやって、何で北朝鮮の政府に同じことがやれないんですか。そのことをだれか答えてください。
○政府委員(長谷川和年君) ただいま外務大臣が委員にお答えになりましたように、日本政府は日本におります北朝鮮人の本国帰還あるいは一時帰国等を認めておりますが、先方からの出国に関しましては先方の政府が決定することで、いろんなルートを通じまして、外務大臣が御答弁されましたように、第三国を通じて日本側の希望というのは伝えておりますが、まだ先方から積極的な反応、具体的な反応というのはないというのが事実でございます。
○柳澤錬造君 答弁にならぬと言うのだ。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの問題でございますが、昭和三十九年十一月九日でございましたが、私は内閣官房副長官を拝命いたしました。北朝鮮の日本人妻の里帰り問題は、そのころからもとより問題になっておりました。私自身、その後失脚されましたけれども朝総連の最高幹部の方とお会いをいたしまして、初めていわゆる北朝鮮に対する墓参、したがって受け入れの再入国の問題は、当時の外務大臣は椎名悦三郎先生、法務大臣は石井光次郎先生でございましたが、私が調整役をさせられましたので、初めて墓参をこちらが認めることにしたわけです。そのときにもう、今、柳澤さんがおっしゃった気持ちが私にもあったわけです。こうして最初はたった二人でございましたけれども、そうしたことが日本人妻の里帰りに相互主義的感覚からつながるではないかという大変な期待感が率直に申しまして私にありました。その気持ちは今でも持ち続けております。 したがって、今日までとったことといたしましては、先ほど来外務大臣からお答えがあったとおりであるし、私自身も、昭和三十二年以来の青年団長同士で友人でありました呉学謙外交部長、今、副総理でございますが、この人を通じてこの問題について依頼をして、そしてそれについて今の呉学謙副総理はそのことは伝えたという報告も実は受けておりますが、これは残念なことでございますけれどもいまだ実現の運びに至っていない。その後、日本社会党の深田さん等からも、これが行っていらっしゃる回数が一番多うございますが、たびたび本当は連絡はいただいておりますが、しかし残念ながら、今日それの実現の運びに至っていない。 いま一つは、国会でも日本人妻自由往来促進議員連盟もできております。したがってこの問題は、その方々とも連絡をとりながら、なお一層あらゆる手法をもってその実現に努めなければならぬということを感じておるところでございます。
○柳澤錬造君 法務大臣、五十六年七月十七日に当時の奥野法務大臣が閣議でもって発言をしておるわけだけれども、あれから八年たってまだそれが実現しない、そういうことについて法務大臣としての御見解をお聞きしたいんです。
○国務大臣(高辻正己君) 御指摘のように、昭和五十六年七月十七日の閣議に法務大臣が北朝鮮に渡航したいわゆる日本人妻の里帰りについてという件で報告をいたしております。 この報告の内容は、法務大臣あてに朝鮮人の夫と一緒に北朝鮮へ渡航した日本人妻の里帰り実現について意見書が何か提出されたというようなことで、現状を報告されたようなことでございます。 その報告の有無にかかわらず、日本人妻の里帰りにつきましては、先ほど来お話がありますように、できるだけ速やかにその実現が図られるように今後も努力を重ねていくべき問題だと思っております。当面のいろいろな外交面の措置は、これは外務省にひとつお願いをしなきゃならぬと思っております。
○柳澤錬造君 総理、さっきアジア局長が言ったのは、あんなものは答弁じゃないからね。私の質問に対する答弁じゃないことはおわかりだと思う。 それで、総理が今も言われたように、日本人妻自由往来促進議員連盟、これは昨年できて、私もそのメンバーの一人で役員もやっている。ですから、もうあれこれ先ほどお話ししたんですから、外務大臣にもお願いをして、それで総理からぜひリーダーシップを発揮していただいて、何らかの閣議決定をしていただいて、そしてそれに基づいて日本政府としてどういう方向でもって向こうへアクションを起こすかだけれども、日本人妻がこっちへ帰れる、里帰りのできるようなそういうことの何らかの方法をとる、そういう閣議決定をして、行動を起こしてくれませんか。そのお約束だけしていただきたいんです。
○国務大臣(竹下登君) 議員連盟の方と協議をしつつということはお答えをいたしましたが、ちょっと今、閣議決定ということについて私もすぐお答えする用意がなかったわけでございますけれども、閣議決定というのはちょっと……。
○柳澤錬造君 それをやらなきゃ動かないんです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる閣議決定というものになじむ問題かどうかについては、もう少し勉強させてください。
○柳澤錬造君 それじゃ、総理、これはぜひ考えてください。そして、やはり政府が挙げてこの行動をとるような方法をとっていただきたい。 次に、政治の正常化。 私が言いたいのは、政治改革政治改革と総理も言われるんだけれども、今の日本の政治からいうならば、政治改革ではなくて、今の日本の政治は不正常なんだから正常化させることがまず第一だと思う。そういう点で、議会制民主主義の徹底と私が言いたいのは、何だかんだ言ってもやっぱり与党は強行採決をしない、野党は審議拒否をしない、せめてこの二点ぐらいは与野党が合意をして国会運営、議会政治をやらなかったならば、民主政治は育たないんですよと。総理が内閣をなにした最初の代表質問でも私は質問した。しかし、総理は肝心なところを外してお答えにならなかった。お答えにならなかったから、去年の税制改革のときにもう一回言ったわけだけれども、そのときも肝心な点は外した答弁しかしないんです。 ですから、そういう点でもって私は今の総理の心境をもう一回お聞きしたいんです。それだけのことをおやりになる決意がないんですかどうですかと。
○国務大臣(竹下登君) たしか昭和四十四年、昔話ばかりして申しわけございませんが、一番いわゆる強行採決のはやった一はやったと言うとおかしゅうございますが、多かったときでございます。私は国会対策副委員長をしておりまして、そのときに申し合わせた言葉を今でも覚えております。強行採決は慎む、審議拒否は慎むと。そして一週間しますとまたちゃんとそれを行いまして、またその明くる日にそういう申し合わせをして、本当にあれが議会制民主主義の苦悩であったのかなということを自分なりにいつも思い出しております。 したがって、強行採決を慎む、審議拒否はしない、このことは当時でもすぐ申し合わせができたのでございますから、あるべき姿であるというふうには今でも思っております。 ただ、行政府の立場にありますと、審議拒否したあなたが悪いとか、あるいは強行採決したあなたが悪いとか、本当は強行採決の定義がございまして、随分それも勉強したことがございます。単独採決、強行採決、そして乱闘まがいの物理的抵抗があるなしというような定義を区別して与野党ともに話し合ったことがございますけれども、基本的にそういうものは、あなたの審議拒否、あなたの強行採決という立場にはございませんが、何回も申し合わせしたことがございますので、そのことは正しいことだと今でも思っております。
○柳澤錬造君 総理、今のは去年の本会議答弁と全く同じなんです。私が聞きたいのは、過去の感想とか何かでなしに、少なくとも今の国会のあり方ではいかぬ、これからどうするんだという将来に向かっての総理の決意を聞きたくて本会議でわざわざお聞きをしたんだけれども、核心の答弁が聞けなかったわけだ。今も同じことを言われた。ですから、そういうことは決意してやったってだめな場合もあるかもわからぬ。しかし、少なくとも一国の総理として、日本の民主主義を守るためにこうしなきゃいけないんだといって、そのぐらいの決意を持ってやっていただきたいと思うんです。それだけ申し上げておいて、次には中曽根前総理証人喚問。 私は、ことしのこの国会というのは中曽根前総理に振り回された国会だと思うんです。あの人が証人喚問に出ないと言ったがゆえに、衆議院では予算の審議もできない、最後は自民党強行採決もすれば憲政史上初めてのああいうこともやった。それでいろいろな問題が、まともな審議ができない状態でしょう。ただ、けさ新聞を見ましたら、中曽根前総理も証人喚問に応じるというふうなことを言われたようですから、ここまで来たら、じゃ中曽根前総理がいつ証人喚問に応じるんですか。その辺の点をせめてこの予算委員会で明らかにしていただきたいと思う。
○国務大臣(竹下登君) きのうまでお答えしたことは、証人喚問そのものは国会でお決めになる問題である。そして、中曽根前総理は自由民主党の幹事長たる安倍晋太郎君に対しましてそれを一任しておられるということを承知しておりますということを申し上げておったわけでございます。きのう、安倍幹事長にかわりまして橋本龍太郎幹事長代理が中曽根前総理とお会いをして、そして、正確には今記憶しておりませんが、今おっしゃったと等しい趣旨の御発言があったというところまでは私も承知をいたしておるところでございます。
○柳澤錬造君 総理、中曽根前総理が証人喚問に応じると言ったから、もうその前のところはやめちゃって、だったらいつと今聞いているわけで、よく考えていただきたいのは、十二日にここでもってうちの抜山議員が証人喚問でやったときにも、今言ったように総理は、それは国会のことだから行政府の長である総理がとやかく言うことはないと。その考え方、認識というものは本気で総理そう思っているのか、どうですか。だったら、中曽根前総理の証人喚問をというそれはだれに聞くんだ。予算委員長に聞くんですか。それとも自民党総裁をここへ参考人で呼んでお聞きをしなくちゃいけないんですか。少なくとも国会の予算委員会でその問題について聞こうと思ったら、それはだれに聞けばいいんですか。
○国務大臣(竹下登君) 今のお話というのは、私も素朴に何回も心の中で繰り返して自問自答したことがございます。私の三十年来の経験からいたしまして、自由民主党というところは機関決定で、したがって総裁機関説でございます。それが行政府の立場になった場合は、票を入れたか入れないかは別として、少なくとも国会で指名されて行政府を任されておるという立場に立った場合には、国会の運営なり国会の問題なりにコメントしてはならないと、政策論争は何ぼやってもよろしゅうございますけれども。それは三十年間私も守り続けてまいりました。 したがって、総裁であることは間違いございませんけれども、やはりそこのところの節度というものは私が国会議員である間はそれを守り続けていこうかなと、三十年間私そのことを考え続けてまいりまして、今日もその区別だけはきちんとしておるわけでございますので、やっぱり守らせていただきたいものだと思っております。
○柳澤錬造君 そうすると、総理、今の総理のようなお考えは前からよく私聞いているが、その考え方を敷衍していくと、立法府の国会に行政府の政府が法案を何十本も毎年出すわけだけれども、これは行き過ぎじゃないですか、予算は別として。あとのことは、法律をつくるのは立法府の仕事なんだから立法府に任せておけばいいことで、あれやってくれ、これやってくれと言って出すのは政府でしょう。議員立法なんかはごくわずかで、言うならばアメリカ方式になるわけだ。 ですからその辺が、法案は行政府である政府がわんわん早くやってくれと言って立法府に干渉するんですが、そのことはおかしいとは思いませんか。
○国務大臣(竹下登君) それも、三十年間私も自問自答してきたわけでございます。立法府にありました私が思ったことです。今じゃございません。立法府が一番偉いわけですから、じゃ、さようしからば、立法府にありました場合、本当にそれだけの立法能力があるかなという自問自答もしてまいりました、率直に言って。本来は今おっしゃる考え方は私はいいことだと思っておりますし、野党の先生方がお考えなすっても、時に行政府がお手伝いして初めて立法の形態が整うことも率直に言ってあると、私の経験からしてそう思います。要綱ぐらいまではきちんとおつくりになって、立法作業ということになるとお手伝いすべきであると私は今でも思っております。 そういうことになるのが私も好ましいことだと思いますけれども、現実問題として、それらの意思を総括したものをいわゆる政府提案の形で立法府へお願いしておるというのが現実でなかろうかというふうに思っております。
○柳澤錬造君 総理、これだけははっきりしておいてください。ここに中曽根前総理はおらないんですから約束せいと言っても難しい点があるけれども、しかし中曽根前総理が証人喚問に応じなかったがゆえにこの国会がどれだけ混乱をし、めちゃくちゃになったかというのはおわかりのとおり。それがやっと証人喚問に応じると言ったんだから、だったら予算案がこの参議院でもって議了する前にここに出てきていただかなきゃ意味がない。だから、予算が議了する前には必ずここに証人として出るように私としては努力をいたしますというお約束だけここでしてください。
○国務大臣(竹下登君) そこが行政府と立法府の私のけじめでございまして、それだからこそ……
○柳澤錬造君 逃げだ。
○国務大臣(竹下登君) 逃げとは絶対に思っておりません。私は、かねてからそれは三十年守ってきましたから。要するに、立法府と行政府のそこにやっぱり節度というものがあって、理事会というようなものも、これは法律には書いてございませんけれども、従来機能しておる。そういうところで、すなわち国会そのものでお決めになることであって、私からコメントすべきものではないというふうに、これは三十一年になりましたが、もう少し守らせていただきたいと思います。
○柳澤錬造君 この点は予算委員長にお願いしておきます。せっかく中曽根前総理が証人喚問に応じると言ったんだから、言った以上は予算がここでもって議了する前にここへ証人として出てこなければ意味がないんだから、これはぜひ予算委員長、理事会でもって御協議をいただいて実現させてください。 それから次には、これも総理に聞くしか仕方がないらしいんだけれども、内閣総理大臣の任期はだれが決めたんですか。
○政府委員(味村治君) 憲法上、内閣総理大臣につきましては任期はございません。
○柳澤錬造君 そんなことを聞いているのじゃないんであって、余計なところへ出てこないでいいですよ。 内閣総理大臣の任期というのは、自民党で二年と決めているでしょう。私が言いたいのは、国会議員が選ばれて、国会議員の中で総理大臣が選ばれるんだから、そういう点からは自動的に内閣総理大臣の任期は四年であるべきだと思う。しかし、これは時間がないからそんなことは言わないが、今の法制局長官が言っているようなことを聞いているんじゃありません。 それから次には、リクルートでこれだけ事件が騒がれてなにしたら、その利益について社会還元すると言われたんだけれども、これはどういうことですか。私は少し国民を愚弄していると思うんです。リクルートでもっていろいろああやってお金をいただいた。余り一人でたくさんいただいてこれは申しわけない、それじゃ少し国民におすそ分けしてやろうと言ったのであれば、これは国民は歓迎して拍手をしてくれると思うんです。これだけ事件が騒ぎになって、あんなにも金をもらったといって大騒ぎになって、だから社会還元して少しでもそごうというのは、私はやはり少し国民を小ばかにしたやり方だと思うんだ。だからそういうふうなことはとるべきでないし、そういうことは不見識な態度だと思うんだけれども、総理のお考えはいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も、元来そういう意思があれば黙ってやるべきだと思いますが、国会というのは質問のあるところでございますので自分の考えを述べることも間々ございますが、本当は黙ってすればいいことだというふうにいつも思っております。したがって、きょうの新聞で見ましたが、渡辺自由民主党政調会長の坊ちゃんが黙って社会還元をしておられた、黙ってやるべきだな、新聞に出なきゃなおよかったなというふうに思っております。
○柳澤錬造君 余り揚げ足を取るようなことを言うつもりもないですからなにですがね。 それからもう一つは^自民党の一年生議員が何人か集まって、年間の経費が約一億一千八百万円もかかるんですって新聞に公表しました。あれも言うなれば、私に言わせたら愚かなことで、余り国民をばかにしなさんな。年間の歳費は一千万そこそこでしょう。それを一億一千八百万と言って、あと九割、一億の金をどこかから集めるか何かしなきゃならぬことなんで、国民はだれもそんな一億一千八百万も金を使って国会議員をやってくれなんということを頼んじゃいない。だから、そういう点でどんなつもりでああいうことをしたのか、まことに国民を小ばかにしたことですよということを、私は自民党総裁としての竹下総理に申し上げておきます。 それから次には、時間がなくなったが、これは大蔵大臣の方にいろいろあるんだけれども、一番の点は消費税の弾力的運営ということはどうなったんですか。昨年の十一月十六日にうちの当時の大内書記長と安倍幹事長でもって約束をして、それが本会議で私聞いておったら、当時の大蔵大臣の答弁が不明確だったから、また再度言って十一月二十四日に安倍・大内会談を持って確認をしている。要するに、わかりやすく言うならば、半年間の延長に等しいような効果の出るようにすることで大蔵省に指示をすると約束してくれた。ところが現実には、このことについて大蔵省は指示について何にもしていないけれども、どういうことだったんですか。どういう指示をしたんですかということをはっきりしてください。
○国務大臣(村山達雄君) この弾力的運用については、税革法の中に与野党が協議してもう既に入っているわけでございます。その趣旨は、要するに国会を通ってから導入までの間に期間が少ないから納税事務が困らないような措置を講じなさいと、こういう趣旨だと聞いております。したがって、税革法の中に、この期間は広報それから相談それから指導、それを主にしてやりなさいということが入りました。それを受けまして、必要と思われる措置七項を入れておるわけでございます。 その主なものは、もう既に御案内だと思いますが、四月導入前に出しなさいという書類は九月末まででよろしいということ。それから納税時期は、法人について言いますと、四、五、六の決算期のものはいずれも九月までに納税すればよろしゅうございますと、個人については二月末ではなくて、この三年間は三月末でよろしいということ。それからいろんな細かい記帳の問題等については、現在の記帳方法でよろしいどか、あるいは導入前に既に事実上売買契約が履行されたと思うものについては消費税を納めなくてもよろしゅうございますという取り扱い、こういったものをすべて出しているわけでございます。それを出すことによりまして、我々が見るところ納税義務者の方も非常に落ちついてきたと、こういうことでございますので、今後この趣旨に沿ってさらにこの弾力的運営をこの法律の趣旨に従って運用してまいりたいと、こう思っておるところでございます。
○柳澤錬造君 それは活字に書いたもので、具体的にこの意味はこういうことなんだよということを下へおろして各税務署へ知らせてやらなきゃいかぬ。それが何もされていないんです。それを、具体的にこういうことを意味しているんだよということをやってやらなければ、だれに聞いても知らない。だから、弾力的運営というものをあれだけ議論して約束したにもかかわらず、何も効果が出ていないんです。
○国務大臣(村山達雄君) 今私の申し述べたことは、既に法律、政令、それから通達、これが全部出ておりまして、業界の方には全部周知徹底方を図っておるところでございます。
○柳澤錬造君 だから、それは活字になったことだけだと言うんだ。その活字の解釈についてまだそのほかにあるじゃないかと、何でそのことをはっきりしてやらなかったのか。
○国務大臣(村山達雄君) 今言っておりますのは、これが設けられた趣旨はこういう意味であって、そうして活字にされた意味はこういうことでございます、そして活字にされたことに従って具体的に指導しておりますと、こういうことでございます。
○柳澤錬造君 それじゃ、安倍幹事長とうちの大内書記長で約束したことは否定するんですか。違うですよ。
○国務大臣(村山達雄君) 我々の聞いているのは、その結果があそこの十七条の第二項に出ておる。そしてそのことを受けて具体的な措置として七項目を決めたと、こういうふうに聞いているわけでございます。
○柳澤錬造君 答弁にならぬ。活字に書いたことを言っているだけなんだ。活字に書けないこともあったんだ。まだそのほかにもあるんだ。はっきりしなさい。
○国務大臣(村山達雄君) もちろん幹事長がお約束したということを書いているんだろうと思います。それは公党の約束ですから、どういうことになっているのか我々わかりませんが、当然その趣旨を踏まえて弾力条項が法律改正され、それからそれに基づいてまたほかの法律なり政令あるいは通達が出ていると我々は理解しているわけでございます。
○柳澤錬造君 幹事長は大蔵省に指示すると言っている。さっきみたいにわかりやすく言えば、もう過ぎたから今言うんだが、四月一日からだけれども、言うなら届け出書や何かを九月三十日までにやればよろしいというそういうぐあいでもって、実質的には九月三十日までに届けを出せば、そこは十月一日から適用になるわけだ。そのことについても認めている。そういうことについて合意したんですよ。税金を納める、あれもこれも法律改正しなければできないですよ。しかし、これもはっきりと二月末じゃなくて三月末で結構ですということについては、この話がついている。しかし、これはまだ先だから、本来ならばこの国会にそれを出きにゃいかぬわけだった。それで、そんなことを言っておったってしようがないけれども、ただ、はっきりしておきたいのは、幹事長は大蔵省に約束したことを指示してないんであって、そうであるから、大蔵省、大蔵大臣がおかしいんだ。 次に、これは外務大臣かしら、この間の五月八日の新聞に出ておった、一九六五年に米空母のタイコンデロガが艦載機、水爆をおっことした。あれについて、これは大変重大な事故だし、また場所が場所だ、沖縄のあんなところですから。その辺で外務省の方でおつかみになっていることについて若干御説明をいただき、今後の対策もお聞かせいただきたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) あの事故は八一年に発表されたんでございますが、そのときには大陸から五百海里というふうな漠然たるものでございました。それが今回、改めて明らかになった次第でございます。だから私は、日本政府といたしましても我が国領土に近いところでもあり、当然重大な関心を有しておりますということを申し上げ、なおかつアメリカの方は、直ちに九日に従来のそうした核に対する日本国民の格別の感情につきましてアメリカは深い配慮を払ってまいりましたが、今後もそうしたことに変わりありませんというふうな報道官の談話を発表されました。そしてその後、先週末に追加説明として三つの点がアメリカにおいてペーパーで明らかにされたわけであります。 それは既に公表いたしましたが、安全装置が幸いに外れるようにしておりませんから、核爆発並びにその核爆発の起爆剤である高性能爆薬の爆発も起こっておりません。これが第一点。 第二点は、現在の環境におきましても、また未来におきましても、そうした核爆発並びに高性能爆薬の爆発は懸念に及びません。 三番目は、核物質は溶解並びに沈殿しましたと。このことを申し入れてきたわけでございます。 私は、これは重い一つの重さを持っていると、こういうふうに思っておりますが、しかし、日本政府としてもやはり地域住民の方々の懸念はもちろんのこと、非常な不安があるわけでございますから、みずからこの点は解明しておかなければならない、そして国民並びに地域住民の方々の不安を解消したい、こういう気持ちで一昨日、政府関係省庁の専門家の会議を開きました。そしてそれぞれ持ち帰ってもらいまして、そこで十二分に、アメリカの今申し上げました追加的な説明についてさらにこの点をもっと照会しなさい、この点の方をもう少し詳しく知ったら不安は除去されるでしょうという点を研究してほしい、検討してほしいというふうなことを申し入れた次第でございます。 関係省庁は、主なところは、外務省はもちろんでございますが、科学技術庁、水産庁、環境庁、さらに海上保安庁等々のところから専門家に集まってもらって、ただいま持ち帰って鋭意検討しておるという段階でございます。
○柳澤錬造君 それで外務大臣、アメリカへ言ってくださいよ。何かさっき通産大臣もそうでしょう、日米両国の関係はと、いい意味で言っている。と言っておきながら、これは公海上だからといって今まで一言も知らせないなんてそんな失礼なことありますかと。それで、それをアメリカへ言ってほしいと同時に、放射能漏れのそういうことで日本政府独自でもって何か調査していますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 一般的な問題で、今回の事故ではなく、それも含まれるかもしれませんが、科技庁長官が非常にこの点に関しましても関、心を持っておられますから、科技庁長官の方から。
○国務大臣(宮崎茂一君) お答えいたします。 科学技術庁は、日本近海におきまして、例えば原子力を推進力とする艦船の入出港がございますので、そういった点でずっと継続的に放射能があるかどうか調査いたしておりますが、過去二十年間、そういう異常値は認められておりません。 しかし、今回の事件は五千メーターの深いところに原子核自体が海水にさらされているということで、いまだ科学技術庁として経験いたしたことがない問題でございますので、慎重に検討いたしておりますし、また専門家の間でもいろいろ意見がございます。ですから、疑問点を今調整をいたしまして外務省にお願いをすると、そういう段階でございます。
○柳澤錬造君 ありがとうございます。 それで、沖縄の人たちもそれは心配していますから、やっぱりいろいろ調査をして、その心配がないならない、どうだといってそういうことを明らかにしてあげてほしいと思います。 それから最後、これは外務省かしら、難民の各国別の受け入れ数を多い順番から日本に来るまでちょっとここで発表してください。総理に聞いてほしいんだ。
○政府委員(遠藤實君) 御質問はインドシナ難民についてということであると理解いたしておりますが、国連の難民高等弁務官府の資料によりまして、本年の三月現在でございますが、これを受け入れ国の順序でいきますと、一位が米国、これが七十一万四千、それから二位がカナダで十二万一千、それから三位がオーストラリア十一万七千、フランスが四位で十万八千、それから西ドイツが二万三千、それから六位の英国が一万七千、七位の香港が九千、八位のニュージーランドが八千、スイスが八千、オランダが六千、ノルウェーが六千、日本が六千五、それからベルギーが四千、デンマーク、スウェーデンそれぞれ三千、それで十五カ国でございます。
○柳澤錬造君 総理、おわかりですか。総理が国連に行って「世界に貢献する日本」という演説をしたんだけれども、それに見合った状態かどうかということですよ。 それで、きょうここでなにしたいのは東京入管のあり方ですよ。 法務大臣は行かれたって聞きましたけれども、もうただごとではない。私は犬猫とまで言わないけれども、あれが人間を扱う姿か。しかも、あそこへ来るのはみんな外国人なわけだから、不法残留であろうが何であろうが。だから、そういう点でもって、これは総理、ぜひ聞いてほしいけれども、そういう外国から来た連中が入管に行って、国営暴力団と言っているんですよ。それで、あそこへ手続に行って三時間から待たされて、廊下やなんかその辺にみんなたむろしている、少なくともまともな外国人に対する、人間に対する扱いじゃない。 それで、これは法務大臣の方に申し上げたいんだけれども、韓国の朱秀玉さん、どうして出してあげてくれないんですか。夫の牧さんというのはぜんそくでもってぎつくり腰で働けないで、何とか早く出して看護してほしいと言っているんだけれども、結婚のあれを疑ったりなにしたり、そんな資格が何であるのかと。 それからもう一つ、これもラオス難民の張金蘭さん、六十歳で心臓病でもっていつ発作が起きるかわからない状態で入管であんなことをさしておく。それで、長男の方はもうこの間出してくれたんだけれども、これは結婚したら、これもまたいちゃもんをつけて、ああだこうだ今やっているわけだ。これらについて法務大臣の方から御見解を聞いて、もう少し人間愛というか、それで扱ってほしいと思うんです。
○国務大臣(高辻正己君) まず、東京入管のことについてお話がございました。せっかくの御発言でございましたので私から一言言わしていただきたいと思います。 東京入管の業務量、これは柳澤先生よく御存じのとおり、近年急速に増加しまして、審査窓口の混雑は私も見てまいりましたが、これは恥ずかしいと思うほど目に余るものがございます。法務省としては、この事態の改善を図るために従来から業務運営の効率化であるとか、所要の体制の整備等に努めてきたところと承知しておりますけれども、なお、関係当局の御協力を仰ぎながら審査員の確保、施設の拡充等、審査体制の整備に向かって一段の努力をしてまいりたいと思います。どうか御支援のほどをお願いしたいと思います。 それから、具体的な事例を掲げてのお話でございましたが、在留特別許可を与えるかどうかにつきまして、人道的な面が考慮されるべき一面であることは柳澤先生がたびたび仰せのとおり、私も全くそのとおりだと思いますが、ただこの在留特別許可を与えるかどうかが問題となる事案は、もともと退去強制事由に該当するものでございますので、人道的な見地からの配慮を行った上でも、なお退去強制の制度を実効的に運用する必要があることとか、特に他の事案に与える影響、これは言いかえれば平等取り扱いに及ぼす影響と言ってもいいと思いますが、そういう点を考慮する必要があるさまざまな事由によって在留特別許可を与えることができない場合もある。 御指摘の事案が果たしてどういうわけでそうなったかということは、必要があれば当局からお答えをさせていただきますが、恐らく今申し上げたような関係で、やはりこれだけを特別に扱うわけにいかないというような事情があって、そのような結果になったことと私は承知しております。そのように御了解いただければ幸いでございます。
○柳澤錬造君 時間ですから終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で柳澤錬造君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 民間サラリーマンのもらう厚生年金ですが、これが六十五歳支給になるという案が打ち出されました。その主たる理由が年金財政上の問題であろうと思いますが、その辺のことをかいつまんでまず説明してください。
○国務大臣(小泉純一郎君) 将来の人口構造を展望いたしますと、年金受給者の数はこれから三倍ぐらいにふえます。なおかつ長生きの時代になっていますから、昨年はもう百歳以上が二千六百人を超えている。受給者が三倍ぐらいにふえ、もらう期間も長くなる。かといって、保険料を負担する世代の人口はほぼ横ばい、ふえない。 そういうことを考えますと、このまま六十歳の支給でいきますと、保険料の負担は三〇%を超えてしまう。これは大変なことだということで、将来どんなにふえても二六%ぐらいの負担に抑えなきゃいかぬtいうことになりますと、給付水準あるいは保険料負担、支給開始年齢、この三つをよく検討しながら、時間をかけて、給付水準は現役の給料の七割程度を維持する。なおかつ保険料の負担も急激に上げない。現在一二・四%を二・二%程度引き上げる。そして、支給開始年齢を六十歳から六十五歳ということを二十二年かけてやっていこうということですから、私はこれをやらない限りは、給付水準を引き下げるか、あるいは保険料を倍近く上げるかという選択をとらなきゃならない。それはもっと国民からの抵抗を受けるんじゃないか。 結局のところ、今のような、政府が提出しております、給付水準を維持して、そして二十二年の長い準備期間を置いて、徐々に六十歳から六十五歳に引き上げていくのが一番妥当な、また理解を得られるような現実的な案じゃないかということで、現在提出してお願いしているわけでございます。
○野末陳平君 つまり、負担と給付と支給年齢、この三つのバランスの上に立った財政を構築するためにはやはりどこかに手直しが必要だということで、わかるんですが、つぶれそうな国鉄共済を厚生年金が抱えるという、これもまた財政を苦しくする事情になっていますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 鉄道共済も公的年金の一つであります。そして、国鉄から民間の会社になった。当然、旧国鉄以外の就業構造の変化によって年金の受給者と現在のいわゆる保険料を負担する世代は非常にアンバランスになっている。これはやっぱり共同で支え合っていくのが年金制度を維持する方法じゃないかと思いまして、鉄道共済の自助努力を強く求め、それでもなおかつ無理な部分はお互い支え合っていこうということで措置しているわけでございます。
○野末陳平君 それでは、この六十五歳支給の具体的なスケジュールを聞いていきたいと思うんですね。 六十五歳支給ということになるのは現在幾つの人で、それは平成何年になるということか、まずこの辺のことから細かく説明してもらえますか。
○政府委員(水田努君) 今回の改正案によりますと、まず男子の方は、ことしの四月一日現在で四十二歳以下の方、生年月日で申し上げますと、昭和二十一年四月二日以降にお生まれになった方から六十五歳支給となります。六十五歳支給が実際に開始されますのは、平成二十三年四月一日以降になります。 女子の方について申し上げますと、ことしの四月一日現在で三十七歳の方、生年月日で申し上げますと、昭和二十六年四月二日以降にお生まれになった方から六十五歳となります。女子の方について六十五歳支給が実際に開始をされますのは、平成二十八年四月一日以降になります。
○野末陳平君 それだけ聞いていきますとまだずっと先のことのように見えますが、しかし、それまでに段階的なスケジュールもあるわけでして、今のは四十二歳以下ですね、この方は六十五歳からとなりますが、それよりも上の年齢の人は、年齢別に、いつごろ何歳で年金がもらえるようになるのか、平成何年ごろ、簡単にそれを説明してくれますか。
○政府委員(水田努君) お答え申し上げます。 男子の方で申し上げますと、ことしのすべて四月一日現在での年齢で御説明をさしていただきたいと思いますが、五十一歳以上の方は現行どおりの六十歳でございます。五十歳から四十九歳の方は六十一歳になります。それから、四十八歳から四十七歳の方は六十二歳でございます。四十六歳から四十五歳の方は六十三歳になります。四十四歳から四十三歳が六十四歳となります。先ほど申し上げましたように、四十二歳以下の方は六十五歳になります。 女子の方は、今申し上げたことのすべて五歳後から引き上げとなるわけでございます。
○野末陳平君 つまり、今までどおり六十歳から厚生年金がもらえるのは五十一歳以上の人で、現在四十二歳以下の人は六十五歳と、その段階は幾つか刻まれている、こういうスケジュールだと思いますが、確かに高齢化社会を迎えまして年金財政が深刻になるのはこれはもう常識なんです。ただこの場合、大蔵大臣、この消費税によって税収もこれからどんどんふえていくだろうと思われるんですが、その辺はどんなふうにこの年金財政に組み込まれていって役に立つんであろうか、こういう素朴な疑問を持ちますが、これについてはどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 消費税は、これは増収をまず望んでいることではないということでございます。これは高齢化社会に対応するためには違いはございません。そしてまた、この年金の問題も今度の改正案も、高齢化社会に備えている。ただ、一般会計とこことのかかわり合いは、御案内のように、基礎年金に対して三分の一の国庫補助をする、こういうことでございます。
○野末陳平君 ただ、この消費税そのものを導入するときに、高齢化社会への対応だということなんで、今の大蔵大臣は増収を図ったものじゃないと言うものの、国民の受けとめ方では、年金はまさに高齢化社会の問題ですから、ここに消費税は必ず役に立つであろう、役に立つのであれば、いろいろ苦しい年金財政事情も少しはそこで楽になるといいますか、六十五歳支給だってそんな急がなくてもよかろう、そういう感覚で受けとめている人の方が、サラリーマン圧倒的なんですね。 そんなわけでして、ちょっと今のお答えだと別々に考えられて、基礎年金だけでお話しになりますと、消費税は、じゃ、ほとんど役に立たぬ、こういうことになっちゃいますかね。
○国務大臣(村山達雄君) 高齢化社会における歳入の安定という問題からいいますと、この消費税というのは最も安定している収入であろう、こういうことでございます。 それから社会福祉関係、これが随分ふえてくるでありましょうから、やはり一般の社会保障経費というものはずっと伸びていく、これに充てるということにおのずから、消費税を充てるとかなんとかいうことではありませんけれども、全体の歳出はその方に重点がいくであろう。 ただ、年金の方は違う原理で、年金数理で計算いたしていることは御案内のとおりでございまして、やはり給付とそれから保険料の関係を年金数理に合わしてやる、こういう原則でやっておるわけでございますので、どちらも高齢化社会の安定をねらったものである、こういうふうに考えております。
○野末陳平君 ただ、そういうふうに説明をしていきますと、じゃ、基礎年金にもっと消費税による税収を充てればとか、いろいろな考え方が出てきますから、必ずしもそういう簡単な説明では、今回六十五歳支給を聞いた民間サラリーマンが納得しないだろうと思うんですよ。 別の角度から聞きますけれども、じゃ、消費税は、福祉に関するお金はふえていくだろうとおっしゃいましたが、具体的に消費税は高齢化社会のどんな対策に主にお使いになるのか。具体的にメニューが出ていませんね、今まで。漠然としか言われておりませんね。もうちょっと、じゃ、説明してもらえますか。年金という具体的なメニューは出たけれども、そちらにはどうも直接役に立たぬ。一体どっちの方に役に立つか。何に使うんですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは、やはり高齢化社会に向けての負担の公平という面が非常に大きく出ているわけでございます。それから副次的な問題として、やはり安定収入という問題であるわけでございます。ただ、これを社会保障の目的税にしないというところ、問題はそこにあるわけでございます。それからもう一つは、基礎年金に対しては国庫補助は三分の一ですよ、こういうことを言っているわけでございます。 そこで、もし今、少し立ち入ってお話ししますと、基礎年金を変えて補助率を上げるということになりますと、その問題は、本来給付とそれから保険料という、言ってみますと受益者負担金的な論理で貫いておるその年金のところに、一般の納税者の分、負担が全部入るということでございます。 この問題は、やっぱり大きく根本的な考え方の変革になるであろうと思います。論議になるということはあり得ると思いますけれども、今のところはそういうことでございます。
○野末陳平君 財政面だけからいろいろ言うと難しくなりますが、少なくも年金をもらうと、それを当てにした老後を構築するという民間のサラリーマンにとっては突然、寝耳に水といいますか、六十歳から六十五歳までと支給年齢の引き上げという計画が出されますと、今の雇用状況などすべてを考え、老後の経済計画などの準備も考えて、これはもう驚きますよ。夫婦そろって不安になるのは当たり前ですからね。 そんなわけで、どうもこの提案は時期尚早というか、唐突過ぎた。もうちょっと、消費税のときと同じで、理解を求める時間を持ってからやるべきだったという気がしてならないんですがね、総理、いかがでしょうかね。もちろんこの六十五歳支給だけで、今回の年金法案反対とか賛成じゃありませんよ。少なくともこの支給開始年齢の引き上げが余りにもショックを与え過ぎて、不安を呼び過ぎた、こう思っているんですが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私なりに記憶を呼び戻してみますと、昭和五十四年の暮れの、国民福祉充実のためには安定した財源が必要である、がしかし、財政再建に関する決議案ということの決議文を各党の皆さん方と当時大蔵大臣でありました私とで考えたときに、五十九年というものが財政再建の最初の目標でございましたから、赤字国債脱却を目指す。それ延びてまいりましたけれども。そのときに五十九年を目指して福祉目的税という、コンセンサスとは申しませんが、そんな感じで議論をかなり詰めておったと思うのであります。 そのときにも、今度は、たまたま田中正巳先生がいらっしゃいますが、一方、田中さんを中心にして、各党の方に年金問題を本当にもう一夏かけて議論をしてもらいまして、そのときにも今日のことは予測がされておったと私は思うのであります。 かれこれ考えてみますと、まさにその五十九年にいわゆる消費税、今で言えばこれが入っておって、そうして今日の時点で、今、小泉厚生大臣から申しております内容のものが提案されてというのは、タイミングとしては結構じゃないかなという議論を五十四年のときにしておりました。 しかしながら、数理再計算の時期とかいうことを考え、そして当時は、昭和七十年、年金一元化とかいうことを言っておりましたが、そうしたことを考えると、まさにおっしゃるようにタイミングが、十二月二十四日に消費税が可決されて、そして四月一日から実施され、この国会で、この六十五歳というのはあらかじめ予告しておくわけでございますけれども、これが出たということになると、最初は多くの人が、今まで既得権のある人までが六十五歳で引っ張られるんじゃないか、こんな印象まで与えたというタイミングは、私は、おっしゃるとおりのタイミングに結果としてはなったなと。 しかし、きょうのような質問をしていただきますと、一生懸命で答えます。そして、国民の皆さん方になるほどと言っていただけるようになるだろうなという期待を込めながらお話を聞いておったということでございます。
○野末陳平君 まさにそのタイミングをミスることが政治の失敗というか、次から次へと嫌なことを出していくのはやはりまずい。その辺が僕の言った時期尚早ということなんですね。 角度を変えて、じゃ、公務員の共済年金の支給開始年齢を聞きたいんです。 共済年金は、今、五十七歳支給でもって、これが六十歳になっていくという、まだ民間の厚生年金とは格差があるけれども、六十歳支給というこのスケジュールが完了するのは平成何年になっていますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 公務員の支給開始年齢、現在五十七歳ですが、平成七年に六十歳になります。そして、厚生年金と同じように、平成二十二年に六十五歳に一緒に持っていくというスケジュールでやっております。
○野末陳平君 とすれば、なぜ同時にそういう案もきちっと打ち出してないか。法律が違うというものの、民間だけが何か六十五歳で、公務員の共済年金の方はどうもまだ決まってなさそうだというふうに受け取れてしまいますね。だからそういうところも、ただでさえ官民格差という問題というのは、まだ格差は事実あるし、また一面で誤解もあるんだけれども、こういう一番老後の問題にかかわる部分で、その辺をはっきり説明しないで、民間だけに財政上六十五歳支給はやむを得ないということを打ち出されるのも非常に政治的にまずい、こういうふうに思うんですが、厚生大臣、どうなんですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) まさに野末議員御指摘のとおり、急に六十五歳になると誤解している方がいまだに多いということで、これはよくこれからも広報していかなきゃいかぬなと思っていますが、むしろ唐突に出すということじゃなくて、六十五歳になるのは今から二十二年後ですよということをやっぱりしっかり理解していただかなきゃならないと思います。これが逆におくれて出しますと急に準備をしなきゃならない。むしろ、これから十年かけて六十一歳になる、二十二年かけて六十五歳になるというごとですから、準備期間は長い、それだけに、政府も企業も個人もその対応が出ていくという意味において、私は今の時点に出した方がより国民に親切じゃないか。決して唐突に出したんじゃなくて、これから六十歳から六十五歳になるのは二十二年後ですよ、そのための準備期間を設けるということでぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○野末陳平君 ですから、私もテレビ中継のあるここの場でもって政府の説明の足りないところをわざわざ聞いているわけですよ。だから、唐突に出したんじゃなくてずっと先のことですよと言うけれども、そういうずっと先のことですという説明すらも十分でないような受け取り方をされているわけだから。 さっきの共済年金だって、六十五歳にする、いずれ民間と足並みをそろえるというのは、法案化もできていて提案されているわけですか。
○政府委員(小粥正巳君) 先ほど厚生大臣からお答えをいただきましたけれども、大きな方向としましては、お尋ねの国家公務員等共済組合の年金につきましても、六十五歳までの支給開始年齢の引き上げの問題は、厚生年金の場合と同じ方向で避けて通れないものという、こういう認識をしております。その趣旨は、御案内かと存じますけれども、ことしの三月に被用者年金の支給開始年齢の引き上げについて閣議決定をいたしましたが、その中でもその旨述べているとおりでございます。 ただ、国家公務員等共済組合につきましては、国家公務員のほかに、御案内のように、NTT、たばこそれからJR各組合を含めております。それぞれの職域におきましてその就業に関する制度、運営等の問題もいろいろございます。 それからまた、国家公務員につきましては、国はいわば直接の雇用者の立場に立っているということもございますので、あくまで厚生年金との整合性を図る観点から、厚生年金と同様の趣旨の措置を講ずるように対処していく方向でございますけれども、それに伴いますさまざまな問題点を現在関係者の間で検討委員会等を設けまして検討しているところでございます。 したがいまして、先ほどのお尋ねのように、共済年金につきましての支給開始年齢引き上げの法案を現在既に提出しているということまでには至っておりませんけれども、大きな方向はその方向であると考えております。
○野末陳平君 ですから、公務員関係は方向でしょう、その認識はあると言うけれども。民間サラリーマンについてはもう法案に盛り込んで提案されているでしょう。そこだけだって距離があるでしょう。一緒にしてくれないとやはり公平感は生まれないと思いますね。その辺のやり方がどうも下手というか、特にこの場合は老後の問題ですから、年をとる人の気持ちを無視しているような気がしてしようがない。 ついでに、官民格差の問題でもう一つ言いますと、例の退職手当です。 これもまだ相当差があるんですが、東京都の局長級の退職手当はどのくらいになっているか、かなりの額と聞いているけれども、自治省、知っているところで発表してください。
○政府委員(芦尾長司君) 東京都の局長クラスの退職手当のお尋ねでございますが、最近の都の公表数字によりますと、昭和六十三年七月退職者に係る平均支給額でございますが、四千七百四十万。昨年より二百四十万円低くなっております。 なお、東京都の全知事部局の職員の平均支給額は、六十二年度でございますが、二千四百五十六万円ということになっております。
○野末陳平君 普通の人も含めては二千万円台で、ちょっと偉くなった局長になると四千万、五千万に近いという数字が出ていて、これは東京都が公表しているわけですけれども、これもやはり勤続年数が三十年から四十年の間が平均ですから、民間から見れば相当高いレベルだと。ただし、以前に比べれば是正の努力の跡が見られるからその点はいいけれども、これでよしとするレベルではまだないとも思いますね。 東京周辺の自治体で似た例を、幾つかわかる範囲で簡単でいいですけれども、教えてください。
○政府委員(芦尾長司君) 東京周辺の自治体の実際に支給されました退職手当の額でございますが、現在私どもが把握いたしております公表数字によりますと、六十二年度中の平均支給額でございますけれども、国立市で二千二百五十六万円、国分寺市で二千百七十八万円というふうになっております。
○野末陳平君 これは平均になっておりますから、役付の偉い人はまた結局はさっきの東京都と同じぐらいのレベルだろうと思うんですが、要するにこういう数字は一般の人たちにまだ十分にはわかっていないんですね。公表はしているけれども、電話で聞けば教えるかというと教えない。公表しているといったって、小さい字でほんのちょっとしか書いてないから目に映らないが、やはりこういうものも情報の公開として十分にすべきだ。 自治省は、指導はしていると思うんですけれども、まだ一般には知られていない数字だと思うんです。そういうところの認識はどうですか。
○政府委員(芦尾長司君) 自治体の給与の公表につきましては私どもかねてから強く指導をいたしてまいっておりまして、現在大部分の市におきましてはそれは進んできておると思いますが、これからも、そういうことでございますので公表につきましては努力をさせてまいりたいというふうに思っております。
○野末陳平君 今までの答えをまとめますと、要するに、地方公務員の場合ですが、役付のかなりの人で四千万円から五千万円、一般の人を含めた平均でも二千万円以上である、こういう数字が出ましたね。 じゃ、ここで労働省に聞きますけれども、民間の方は一体どのくらいになっているかという、これがどうも、私もいろいろデータを聞いたりするんですが、権威のあるものがないんです。残念なんですがね。労働省が本来そういうものを持っているかなと思ったりするんですが、大体民間の退職手当金のレベルはどの程度のものでしょうかね。
○政府委員(若林之矩君) 最新の労働省の退職金制度支給実態調査によって、昭和六十年の一年間に……
○野末陳平君 六十年。
○政府委員(若林之矩君) はい。六十年、これが一番新しいのでございますが、六十年一年間に三十五年以上勤続し定年によって退職した男子労働者に支給されました退職金額を見ますと、三十人以上の企業平均で千六百二十九万円でございます。 これを企業規模別に見てみますと、千人以上で千七百七十一万円、百人から九百九十九人で千三百三十九万円、三十人から九十九人で八百七十四万円となっております。 これを学歴別に見てみますと、大卒では二千百八十万円、高卒の管理、事務、技術職で千八百七十八万円、高卒の現業職で千四百十四万円、こういうふうになっております。
○野末陳平君 六十年という数字と、それからかなりばらつきがありますから、これだけを見て民間はどのくらいだ、だから比較してどうだということを言うのは乱暴だと思いますね。思いますけれども、企業形態あるいは学歴によって、やはり先ほどの地方公務員のよりはやや低い、あるいはかなり低い、こういう数字は出たと思うんですね。 そこで、これはいわゆる民間から見れば差があってはいけないことであって、公務員の待遇は民間準拠ですから当然同じがいいと思うんですが、まあその辺はいろんな給与体系の事情がありますからあえて言いません。いわゆるこの退職手当を縮めて民間と公務員を近づけたい。それには民間をぐっと上げるのが一番いいんでしょう。しかし、公務員をさらに下げるべきなのかもしれない。その辺について労働大臣と自治大臣に、それぞれ今後の方向なども聞いておきたいんですけれども、どうですか。
○政府委員(若林之矩君) 民間の退職金についてのお尋ねでございますけれども、御承知のとおり、民間の退職金は、賃金と並びまして労働条件の主要な部分でございまして、関係の労使が十分に交渉を尽くして決めていくことでございまして、その中で決定をされていくということでございます。
○政府委員(芦尾長司君) 地方公務員の退職手当でございますが、国家公務員の退職手当に準じて定めるというふうにされております。一方、国家公務員の退職手当につきましては、その水準を民間企業の退職手当との均衡を図りながら定める、こういうことになっております。したがいまして、地方公務員の退職手当が国家公務員の退職手当を上回るということになりますと、結果として民間企業の退職手当との均衡を失してしまう、そうして支給されることになりまして、これは適当ではございません。 最近の地方公共団体の退職手当の状況でございますが、先ほど御指摘もいただきましたが、是正努力を進めておるわけでございまして、その支給率は相当是正をされてきております。先ほどの都でも条例改正を既に終えておりまして、局長クラスでは本年度から、それから一般クラスも平成四年度から国並みになるということになっております。 しかしながら、いまだ一部の団体で国の支給率を上回って支給しておる団体も見受けられるわけでございます。今後とも引き続きその是正方につきまして指導を行いまして、国民の納得が得られるものにしてまいらなければならないというふうに存じております。
○野末陳平君 民間は、ここのところ景気がいいせいもあってかなり待遇もよくなっていることは確かなんですね。ですけれども、私の見るところ、どうしても官の方が民間よりも恵まれているかのごとき印象がいまだにあるんですね。それもそろそろ是正しなければいけないというものの、官民格差と言われる実態というものがはっきりしていないというところに一番問題があろうと思うんです。そういうときに厚生年金だけ六十五歳支給、こういうふうに言われますと、やはりこれはかなりショックを受けるであろうし、それからパンクの鉄道共済を何で民間が抱えなきゃならないかという単純な不満だって当然あるわけですね。 ですから、この六十五歳支給というのは自民党の方で何か法案を少しいじっているようなこともあるでしょうけれども、なおこれをサラリーマンに理解してもらえるような説明とその努力が厚生省からなされなきゃならないんで、ただ六十五歳支給を打ち出したというのは、これは乱暴だと思うんですよ。今後どういうふうにしますか。それだけ説明しておいてください。
○国務大臣(小泉純一郎君) 確かに、もう来年から六十五歳になるんじゃないかという誤解を受けた面が一部にあったものですから、自民党内でも議論をいたし、年齢の方は別に定める、発射台は後にするという形で、いずれまた国会で決めていただかなきゃならない。 しかし、ようやくきょうみたいな議論を重ねていくうちに、この法案がことし通ったとしても、男性の場合は五十一歳以上の人、女性の場合は四十六歳以上の人は依然として六十歳から支給されるんですよというのがおわかりいただいた。本当に六十五歳になるのは、現在、男性の場合だったら四十二歳以下の方ですよ、女性の場合だったら三十七歳以下の人が六十五歳になるんだということをできるだけ時間をかけて、あらゆる場を通じて御理解いただくような方法をこれからも鋭意とっていきたいと思いますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。
○野末陳平君 次に、消費税、さっきもちょっと触れましたけれども、消費税のこともやっておきますね。 まだ二月もたっていないわけですけれども、大蔵省がこの消費税を実施してみて、どの点が予想と違ったか。これはいい意味でも悪い意味でも、かなり私自身も違うところがあったんですよね。大蔵省としてはどこがまずかったかという意味の見直しというか、そういう気づいた点を、ポイントを列挙してほしいと思うんですがね、大蔵省から、事務方がまずね。
○政府委員(尾崎護君) 消費税が実施されまして一月余りになるわけでございますが、価格への転嫁の状況、それから実際の売り場等での精算時における事務処理の問題、それから消費者物価等の物価動向、それらの点いろいろと実施前に心配されたのでございますが、おかげさまで全体として見ますと、おおむね円滑に実施されてきているというように考えております。 しかしながら、先ほど来のお話にございますように、高齢化社会を控えての今回の税制改革の趣旨、それから所得税、住民税の大幅減税等につきまして必ずしも十分理解されていないというような状況もございます。特に、日々の買い物をしておられます主婦の方々、消費税に直接接せられるということから、消費税に不満や煩わしさを感じておられる方も多くあろうかと存じます。 そういうようなことを考えまして、今後とも税制改革全体の趣旨でございますとか、大幅減税の詳細でございますとか、いろいろと広報に努めてまいりたいと存じておりますし、問題点と言われておりました便乗値上げ的な動き、それから転嫁の円滑化、そういうようなことにつきましても、関係省庁とよく連絡をして問題が生じないように努力をしてまいりたいと考えております。 ほかに、その問題点として指摘されておりますことといたしましては、よく言われますことに免税点の問題、簡易課税の問題等、特に事業者の事務負担の軽減のために設けられました措置につきまして必ずしも消費者の方の御理解をいただいていないという点もございますので、そのような点につきましても、今後説明に努めてまいりたいというように考えております。
○野末陳平君 ちょっと立場が反対なんだよね。消費者が理解していないんだということばかり言うけれどもね、そうじゃなくて、消費税そのものにもう欠陥というものがはっきりある、これが一般の主婦にもわかりかけているという、そこが問題なのと、それからさっきのあなたの答弁は、減税だ何だ、わかってくれないとか言ったって、自分たちの努力不足と、それから説明下手を棚に上げてね、そんなばかなことを言ったって通用しないよ。 僕が言ったのは、これやってみて、一体どこがまずかったのかという見直しのポイントをとにかく言ってほしいということだけだったんで、いかにも見直しのポイントは、むしろ消費者が理解してもらえてないからまだこれから努力するみたいな、ちょっとピントがずれていると思うんだ。 では、僕言いますけれども、とにかく一年目で、すなわち来年度の税制改革でぜひともこれだけは消費税について手直しをしておかなきゃならないという点があるのかないのか、あるとすればどういう点、それをちょっと言ってください。
○政府委員(尾崎護君) 何分にも我が国で初めての新しい税でございますから、現在いろいろと問題点が指摘されておることはよく承知しておりますし、その問題点の中には本当に今後手直しをしていかなくてはいけないものもあろうかと存じます。 しかしながら、始まったばかりでございまして、特にその事業者の納税に関することにつきましては弾力的運営等もございまして、まだ実際には始まっていない状況でございますので、実際にそれらのことを現実に実施をしてみて、実際の納税の状況等を見まして判断していく事柄ではないかというように考えております。
○野末陳平君 もちろん僕も素人じゃないんだから、そんな今すぐどことどこを直せ、何年目に直せなんて乱暴なことは言っていませんよ。当然、納税の実態を見たり、それから反対反対という声があるけれども、その反対もよく聞いてみるといろんな反対があるから、どれが本当に制度を直さなきゃならない反対か見きわめてやらなきゃいけないけれども、しかし、消費税を実施する前と実施した後からも、全然大蔵省の態度なんて変わっていないんだよね。はっきり言って、自分たちのつくったものはいいんだという前提から入っているんだよ。それで消費者に、おまえたち理解できないからという、押しつけがましいそういう反感が一番消費税に拒否反応を示しているわけですから、その辺の庶民の機微もわからないで、そこへ役人が出てきて答えたって僕は納得しないよ、はっきり言って。 一言言っておきますよ、午前中の時間もないようですからね。この選挙の結果いかんでは廃止の可能性だってなくはないというぐらいのそういうムードもあるんだ、一部に。だから、せめて早い時期に、見直しのスケジュールとは言わないけれども、見直しすべき点はこことこことここなんだということをやはり政策立案した当局がきちっと示して、理解を求めるというぐらいのきめ細かい努力、あるいはこれをサービスと言うべきか、これをしなきやまずいんじゃないんですか。 あなたみたいに、まだ理解が行き渡ってないからと。じゃ、理解をしたらもうこれでいいという話になったら、理解できない庶民がおかしいみたいだから、冗談じゃない。日々、お金を出したり入れたりするんだから、あなた方よりよっぽど消費税のおかしな点というか、足りない点を知っていますよ。 ですから、それについて大蔵大臣答えて、それで、午後から具体的なおかしな部分の指摘に移りますから。
○国務大臣(村山達雄君) いろいろの点が指摘されておりますが、一番大きな点は、やはり免税点の問題、簡易課税の問題、限界控除の問題、そのことは恐らく消費者が払った消費税が国庫に入らないんじゃないかと、こういう問題が中心であろうと思うのでございます。 これは何度も申し上げましたように、厳密な意味の公平とそれから事務負担のその両方を考えまして、どちらかというと事務負担の方に重点を置いたということなんです。この問題は、しかし、競争場裏でありますので、それらの人たちがどのような値決めをするか、ここにかかってくるわけでございます。それらの人がどのような、コストアップの分は当然やるだろうと思いますが、そうでなくて差額の〇・六%に相当する分あるいは法定マージンとそれから実際のマージンの〇・六彩に相当する分、これが実際は値決めによってどうなっているのであろうか、そこが最後のポイントになるのでございます。そのことがわかってまいりますのは納税してみないとわからない。それから、簡易課税の選択も九月まで延ばしているわけでございます。ですからその辺で、果たして消費者の方がけしからぬけしからぬと言っているのがどうなるのか、その辺に中心の問題があると思っております。その辺をじっと見詰めながら、そして必要があればやはり速やかに改正するということは当然なことだろうと思います。 ただこれは、全納税者についてやはり一巡しないとわかりませんし、また公平でもないわけでございます。したがいまして、三月決算の法人が一番おくれるわけでございまして、これの納税が五月になります。だから、それまでもずっと検討はしてまいりますが、最終検討の仕上がりというのは来年の五月ぐらいになるのじゃないか。その上で、今の実情を率直に冷静に判断して直すべきものは直すと、こういうことではなかろうかと思っております。
○委員長(初村滝一郎君) 野末陳平君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時二分開会
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。 平成元年度総予算三案を一括して議題といたします。 午前中に引き続き、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 午前中消費税のことをちょっとやりましたが、重複するところもありますが、具体的に細かいことを一つ一つやって消費税の問題点をきちっとしていきたいと思うんです。 実にこれは小さな話で、しかし税というのは小さいところが一番大事かもしれませんが、主婦などの間に素朴な疑問がある。その一つですが、例えば銀行に行きまして、振り込みの手数料というのがあります。これは三万円以上になりますと収入印紙を張るわけですが、この場合の収入印紙と手数料、三万円ちよい超えたぐらいでいいんですが、どうなりますか。
○政府委員(尾崎護君) 送金の種類によって若干値段が違ったように記憶しておりますが、三万円を境といたしまして三百円の差が生じたと存じます。
○野末陳平君 何の差が。どうやるか、ちょっと振り込みでやってごらんなさい。振り込んで、どういう手数料がかかって、収入印紙幾らで、消費税幾らかやってごらんなさい。
○政府委員(尾崎護君) 銀行に参りまして振り込みをするというときに手数料を払います。その手数料の値段が三万円を境にいたしまして変わっておりまして、それでちょっと正確に記憶しておりませんが、例えば三百円と六百円というように三万円を境に三百円の差が生じます。それは私どもといたしましては、手数料の差でございますが、なぜその差が生じるかといいますと、銀行といたしましては三万円を超える分につきまして印紙税を納めるという問題が別途あるということでございます。
○野末陳平君 具体的に言わなくて悪かった。四万円送金したとしよう。同一銀行の本支店間でいいとすれば、手数料幾ら、収入印紙幾ら、消費税幾らか。
○政府委員(尾崎護君) ちょっと間違えまして、印紙税分が二百円でございますので、四百円と六百円ということであろうかと思います。手数料でございますから、それにそれぞれ三%のものがかかりますので、六百円といたしますとそれに十八円乗っかるということでございます。六百十八円を払うということでございます。
○野末陳平君 今のはちょっと手数料計算がケースによって違うからいいとして、六百円と仮にして、収入印紙を含めて送金する場合六百円だと。その中には収入印紙代が二百円入っているわけですから、手数料に三%というのはこれはわかりますと、これは振り込む主婦が言うんですよ。だけれども、印紙税、二百円の収入印紙、この二百円にも三%かかって合計で六百円に対して十八円というのはどうもおかしい、税の上に税がかかっているんだから二重課税で、これはちょっと変じゃないかと言うんですが、これはどうでしょう。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のような疑問が私どもの方にも寄せられたことが何回かございます。あくまで手数料、サービスの対価であります手数料に対して消費税がかかります。印紙税は消費者の方が納めておられるのではなくて、その取引について納税義務者が銀行でございますので、あくまで消費者に対する銀行のサービスの販売額であります六百円を基準といたしまして消費税をかける、消費税分をさらに上乗せをしていただく、そういうことでございます。
○野末陳平君 そういう説明を聞いても主婦は、手数料はわかる、だけれども収入印紙はこれは別なんで、これは収入印紙税ですから、これを含めてサービスだと言われても、やはり税金にまた三%かかっているのは不思議だというか疑問だと。ここが今の説明で果たして納得できたか、きょう帰って奥さんと相談してみてください。つまり僕の言うのは、疑問だと、こういう疑問をいっぱい日常生活で抱かせるような税金はこれはまずいんだと、説明ができなければまずい、こういうことを言っているんですよ。 そこでこの問題については、要するに手数料プラス収入印紙、これも税金、合計額に三%乗せている。これが大蔵省の説では全体がサービスだと、印紙を張るサービスみたいに聞こえるけれども、それは違うだろうと、これが普通の立場。だから、そういうところがしっかり説明できないでいろいろな問題を抱えたまま導入しているわけですから、これは僕思うんだけれども、見直ししなければいけないと思うね。税法の問題じゃないね、これは。だから、手数料だけにするのか、どっちでもいい、手数料の改定を要求するのもよしで、これはどうですか、やはりやるべきじゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) 確かに銀行側のコストというものを考えてみますと、印紙税がそこに関係しているということはあろうかと思いますが、あくまでサービスの対価の決め方といたしましては、三万円を境にして四百円と六百円というように決められているということでございます。例えばお酒を例にとって考えてみましても、酒の小売価格について見ますと、消費税をかけます。そのコストの中にはほかの流通経費でございますとか、そのお酒本体の価格でございますとか、それと並びまして酒税とか、あるいは輸入品でございますと関税でございますとか、そういうものが入っているわけでございます。混然一体とした諸コストが全部集まった最終段階の販売価格を基準といたしまして、それに消費税をかけるという形になるのでございますから、確かに分類してみると何か税金が中に入っているという問題はあろうかと思いますけれども、あくまで最終的な小売価格、それが課税標準になるということでございます。
○野末陳平君 こういう細かいことを言い出すと切りがなくて時間がむだなんでやめますけれども、何を言ってもちっとも率直に認めないんだね。非を認めろと言っているんじゃないんだよ。疑問がある点についてやはり検討するぐらいな素直な態度が欲しいと僕は思っているんだ。その点があなたの答弁ははっきり言って一般の人から見れば腹立ってしようがないよ。僕だって腹立つよ。第一あなた、まじめに、まじめというか、まともに手数料のことでわからないじゃない。わかっていないということは何も知らないんじゃない。主婦だけじゃないけれども、一般の人の日常生活で消費税がどうなっている、その具体的な事例まで即答できないようで税を考えるというのは、やっぱりこれ自体がおかしいという印象を持つよ、僕は。そこを言いたいんだよ、大蔵大臣。だから、こういうものもやはり素朴な疑問をたくさん抱かせている。 ほかにもあるんですよ。例えば、建てかえや何かのときの請求にも、はがきを四十一円で一万枚買ってほかのサービス手数料を入れて請求する場合、その四十一円も含めた額に三%かけて請求しているとか、もういっぱいあります。タックス・オン・タックス、ガソリンもそうですね。だからこういうのを一々取り上げたら切りないが、この疑問も早く何とかしないでほっておくという手はないんじゃない。あの態度どうです。
○国務大臣(村山達雄君) この問題は本当に一般の方々にはなかなかわかりにくい点だろうと思います。ただ、どのタックス、タックス・オン・タックスと言われているんですが、そのもとの下積みになっているものが既に価格を形成している、こういうものにつきましてはかけるという建前になっておりますので、委員のおっしゃることもよくわかりますけれども、実際問題はなかなか難しいんじゃないか。しかし、検討を重ねていくということは大事なことであろう。 現にいろいろな問題がありまして、徴収義務者の分、軽油引取税その他は外したわけでございますし、それからまた、料理等飲食税の関係も特別徴収だということで外しております。そういう理由の立つものについてはできるだけ常識的にしようと思っているのでございますが、やりますと、なかなか固定資産税はどうだとか、印紙税はどうだとか、酒税はどうだとか、いろんなことがあるので、今後検討を続けていくということで、やはり現在の段階では対価をなすものについてはやはりそれをすべて含めてそれは対価である、こういう仕切り方をしているということだけ申し上げておきます。
○野末陳平君 どうも納得できないけれども、なれてくればそれもしようがないと思うのかもしれませんが、まあ問題だとは思っていますが、もっと基本的なことをやはり聞いておきます。 この間も指摘しましたけれども、やはり免税業者を三千万円というところで引いたというのは、現実に三千万円以下の業者のいろいろな反応、意見を聞いてみますと、これはまずいですね。なぜかというと、消費者から何か冷たい目で見られて、納税義務者でもないのに値上げたけして消費税分を取っちゃって、つまり懐に残っちゃって、悪く言えば猫ばばで、そういうふうに疑われている。事実、懐に税金分が幾らか残ることはあっても、それならばいっそのこと三千万円という線を引かないで、一千万ぐらいにしてもらって納税した方がよっぽどいいという反応の方が強いですよ、それは僕が聞いた範囲ですから。だから、僕自身は三千万ではどうかなと思っていましたので、これは免税業者は一千万以下という方が業者にとっても、それから消費者にとってもまあまあそれならばと納得できるラインじゃないかと思いますが、大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 今その問題がもう既に民間でもいろんなことを言っていることもよく承知しております。一千万という案を出したところも既にあります。我々もその点を十分検討してまいりたい。 免税業者について言いますと、結局はその値段は需給で決まるわけでございますし、そして採算をまた考えていることも確か。そこで消費税の仕組みがどうなっているか。実はこの三つを考えてそれぞれ値決めをされるだろう。場合によりますと、全然コストアップの分も転嫁しないで、そしてやはりシェアを広げようという方もあるいはあるんじゃないか。小売店で二割は全然上げていないというような点、それからそうでなくて、自分のところは非常に競争上有利だとか、そういったことで上げているところもありましょうし、それからずっと今まで価格を据え置いたのでこの際上げさしていただこう、いろんな方が出てくると思っております。そういったことは、先ほども申し上げましたように値決めの状態、納付の状況、そういうものも調べまして、今の三千万円が果たしていいかどうかということを十分検討してまいりたいと思っております。
○野末陳平君 まあ見直しの対象として当然検討しましょうね。 それから、これが三千万が一千万ぐらいになりますと、例の一時もめた個人タクシーの問題などもすっきりするのね。要するに、三千万という線を引いたがゆえに個人タクシー業者のああいう値上げが必然性がないようなことになりましたが、一千万だったら彼らも納税義務者になりますからかえっていいんじゃないか、そういうことも考えております。 それから次に、この三千万と関連して六千万円までの限界控除、これも果たして必要だったか。逆に三%あるいはそれ以上の転嫁をしちゃったら、もう非常にこの人たちは有利な商売というか、もうかる商売、やりやすくなってそれはそれでいいけれども、わざわざ税で限界控除というものを考えて設定した、これは初めの意図はどこにあったか知りませんが、僕は要らなかったという気もしたりするんですが、これについての反省というか、これについての検討は大蔵省はどうですか。ありますか、何か。
○政府委員(尾崎護君) 限界控除につきましては、三千万以下免税事業者、これは事業者の納税事務の軽減に配慮してつくったものでございますけれども、三千万円を超えた途端に税負担が大きく変わる。その三千万根っこからすべて課税対象となりますので、そこの急激な変化をなだらかな変化にするように工夫をしたものでございます。 したがいまして、限界控除の問題はかなり免税点をどうするかという問題と絡んでくる問題でありますけれども、当然のことながら免税事業者についていろいろと検討が行われる場合には密接に関係している問題でございますので、一緒に検討の対象になってこようかというように考えます。
○野末陳平君 何しろ事業者の中にも六千万円以下ぐらいの業者が一番主婦と接触するチャンスも多いし会話もありますから、やはりこれも目立ってくる欠陥かな、検討しなきゃいけないと思いますね。 それから、午前中大臣のお答えから出ました簡易課税ですね。これはやはり一番この消費税の不透明さを象徴するような仕組みですね。主婦がもうほとんどわかっちゃったということはやはりこれはまずいと思いまして、わかりにくいんじゃなくて欠陥がわかっちゃったんだから。これ、転嫁は三彩してもいい、だけれども納税は売り上げの〇・六%でいいんだよ、かなり残ることもあるだろう、残ったらもうけにもなれば、それは税の対象だがコストの分としてもらっていてもいいとか、しかし同時に、預かり金として半年なら半年運用だってできるじゃないかtかいろんなことがありまして、これは消費者にとってはちょっとたまりませんね。自分が負担した消費税幾ら幾らがそのまま絶対に全額国庫にいかないんだ、一部しかいかないんだと、もうはっきりしていますから、だから払いながら疑問に感じる、こういうのが買い物の実態のようですね。 ですから、これはもう当然手直しをしなきゃいけないと思うんですが、ひとつ今度の九月末までに届け出してもらったら二年間はこの方式でやってくれとお願いするわけですからね。二年はこれは手つかずにいて、三年目から、幾ら早くてもですよ、三年目から直すことになるのかなと。先ほど午前中の大蔵大臣の御答弁では、来年の五月ぐらいまでには何とか一応の結論は出るにしても、それがすぐ税制改革に反映してもかなり先ですからね。どうもそんなことを考えると、欠陥のまましばらくの間はこれで何年か続くんじゃないか、それでいいのか、そういう悪いものをなれさしていいのかということですね。そんなわけでこの簡易課税の見直しも急ぎたいと思うんですが、これについてのお考えをお願いします。
○国務大臣(村山達雄君) 簡易課税も同じような趣旨で設けられたわけでございますが、一般に高過ぎるという話があります。これはやはり法定のマージン率と実際のマージン率との差額についてどういう値決めをするのか、そこを安くしてやろうというのか、ここはやっぱり値決めの問題と当然絡んでくるわけでございます。そして選択状況がどうなるか、高いという、そのことで事によるともうけ過ぎる、こういう批判があることはよく承知しております。ですから、これもやっぱり検討せにやならぬ、あるいは検討事項のうちの一番大きな点かもしれぬ、こういう認識を持っております。 二年間の問題は、これは何とかなるんじゃないかなと思っております。ただ、これは今いつということは言いませんけれども、改正はあるとすればすぐというわけにはなかなかいかぬのでしょう、やはり準備がありましょうから。だから、そういう点も考えて、その必要があればできるだけ早い機会にできるように、それから公平に、こういう観念でやはり検討作業は急ぐことになるだろうと思います。
○野末陳平君 過ちは改むるにはばかるなかれですから、過ちかどうかは別として、欠陥とわかれば早急に見直してほしいと思うんですよ。 もう一つだけ消費税についてただしておきますが、例の三彩の税率ですね、僕個人の感触では、このままでずうっと十年ももつだろうというふうには思えない。やはりある時期この税率を直すような議論が出る、あるいはそういう事態が来るかもしれないとか、そういう不安も持っているわけです。そこで、この税率ですが、五、六年は三彩でもつ、あるいはそれで絶対いくべきだと思っているんですよ、個人的に。どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) これはもう本当に議論の末に、五%議論あり、三%議論あり、いろいろな点でやってついに三%に踏み切ったわけでございます。そしてまた、一遍決めた、これだけ苦労して決めた税率でございますので、なかなか改められぬということも事実だろうと思います。 単一税率にしたということは、言うまでもなくやはり簡単にしたいということと、経済に対して中立性という問題と、それから複数税率にすると非常にこれは複雑な制度になるということはもう御案内のとおりでございます。そしてまた、複数税率にするときに何を複数で加重税率にするかという問題も、これは詰めていきますと大変な問題になってくる、こういう問題、三つぐらい問題があると思っております。 したがいまして、この三%という問題は、実際問題としてはよほどのことがない限り、例えば所得税の減税の財源にやってこれを上げますと、ヨーロッパでしょっちゅうあるわけでございますが、そういうときにでも問題になるんだろうかな、こんなふうに、これは何とも言えません、個人によっていろんな考えがありましょうから、そんなときに問題になるんであろうか。しかし、それにしても、この複数税率でやりまして帳簿方式ということになると、課税技術が非常に難しいことはもう大体御案内のとおりでございます。
○野末陳平君 ですから、複数税率の構想は大臣の頭にないようですから、まあそれはそれで安心ですが、しかしこの三彩はやはりできるだけこれでいかなきゃいけないと思うんですよ。現にもうこれが数年先には上がるんじゃないかという不安を持っている、あるいはそれを言う人もたくさんいます。 ですから、どうでしょうかね、その不安を解消するためにも三%でいくという、安易な税率アップはしないということを、何か策を示すというか、歯どめなどといいますが、何かここらで国民を納得させるそういういい手はないものでしょうかね。やはり上げないよという一言が欲しいような気がするんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 竹下総理は、後代を縛るわけにいかぬので竹下内閣の続く限りはやらないと、こう言っているわけでございます。 私もこの間、希望的観測であるけれども、大体二十一世紀ぐらいまで普通の状態であればやれるんじゃないか、このようなことを言っているわけでございます。そして、この最後の担保は、やはり国民の代表である国会が決めるんだ、そして国会は当然のことであるが、国民の意思を反映して決めるであろうというようなことを、いろんなことを言って、これは変わりませんよと、これはこのままいくのが筋ではなかろうかというようなことを暗に出しておるわけでございます。実際問題としてこれを変えるということ、そういう問題も考えられないし、やはりできるだけ長く続けるべきであろう、最後は国民の意思だと、こういうことを申し上げているわけでございます。
○野末陳平君 それでいいと思うんですが、大蔵省当局は大減税と、大減税というか中減税か小減税か、とにかく今後のまた減税と引きかえに税率アップなどを考えるかもしれないので、あえてそれを抑えておきたい、こう思ったんですね。 税金ばかりやっていますとちょっとかた苦しいですけれども、不公平税制とかまだやりたいんですが、ちょっと途中で別のテーマを入れてみたいんですね。 出入国管理法の改正案についてですけれども、不法就労の外国人労働者の部分がどういうふうに今度の法案で変わることになっているか、そこだけちょっと説明してください。
○国務大臣(高辻正己君) 今期国会に提出いたしました出入国管理及び難民認定法の改正案は、我が国に入国する外国人の数が近時著しく増大するとともに、その活動が多様化し、さらに不法就労を行う外国人も急増するという最近の情勢に対処し、外国人の出入国、在留の管理を適正に行うことを目的とするものでございます。 その主な内容としては、一つには外国人の在留資格の拡充整理、二つには入国審査基準の明確化と入国審査手続の簡易迅速化のための規定の新設、さらには不法就労を行う外国人にかかわる雇用主やブローカーに対するところの処罰規定の新設等を盛り込んでおります。 まことに大ざっぱな内容の御説明でございますので、その細目について御指示があれば所管局長から説明させていただきます。当大臣としては、このような内容の入管法改正案が審議される日を待ち望んでいる次第でございます。
○野末陳平君 その改正のポイントは一応もっともなんですが、やはり最後のところの雇用主の問題、今の国の立場では罰則があってしかるべきだと思うんですが、さて、そのままで果たして今後国内の人手不足とそれから国際社会における日本の将来を考えるときに、こういう姿勢をどこまで通していけるのかという、非常に微妙な、かつまた難しいところだと思うんですね。 そこで、あえて聞きますが、技術者については、技術者の受け入れ状況というのは大体どういうふうになっているんですか、これは。
○国務大臣(高辻正己君) 専門的技術、技能、知識などを有する外国人の労働者につきましては、その受け入れが我が国経済社会の活性化、あるいは国際間の人的交流の拡充に資するものであるという観点におきまして、さらにこれに対する具体的な需要、職場の適格性等諸般の状況を勘案しまして、適当と考えられる者についてその入国を認めております。法務省としては、これらの技術を有する外国人の受け入れの適正化、円滑化を図るために、先ほど申し上げた外国人の入国、在留の基本的な枠組みである在留資格の見直しを含むところの改正案、出入国管理及び難民認定法の改正案を今国会に提出しているところでございます。
○野末陳平君 この技術者という具体的なところがもう一つはっきりしないんですけれども、看護婦さんとか土木建設の現場で働くような職人さんも技術者として認めるんですか。
○政府委員(股野景親君) ただいまのお尋ねの点でございますが、技術者といってもいろいろな概念ございますが、例えば資格試験を通って一定の資格を持っているような者、こういう者は技術者ということが考えられると思います。個々のまた事案についてどの範囲で技術者と認定するかという点は、今後の具体的な法改正に伴います検討作業の中で検討をいたしてまいりたい所存でございます。
○野末陳平君 さて、だからこれからが問題なんですね。つまり、今国内は人手不足が大変なものですから、仕事はあるけれども人手がないんだという、しかもまた技術者になろうとする若い人もなかなかいないという、そういう現場もたくさんありまして、そこで単純労働についても、いずれ自由化というんですかね、これは避けて通れない問題だという気がするんですね、僕は。 だから、労働大臣の立場から、いろんな現場を御存じでしょうから、この問題はどうお考えになりますかね。つまり、あくまでも外国人労働者、これは単純労働原則禁止、これで我が国はきましたけれども、果たしてこれずっと続けていけるものやらどうなのか、その辺のお考えはどうなんでしょうね、労働大臣。
○国務大臣(丹羽兵助君) ただいま先生の単純労働者の需要と申しますか、ニーズが高まってくる、これに対応して外国人の単純労働者を受け入れる場合、また受け入れなくちゃならぬようなときには、労働省、特に労働市場というものに大きな影響を与えるんだが、それはどんなことを考えておるか、どう思うかというお尋ねのように拝聴いたしましたので、お答えをさせていただきたいと思います。 国内での労働力の確保対策については、労働省として種々の努力を行っておるところでありますが、事業主も労働条件の改善等により労働力の確保に努めるべきである、事業主自身ももっと労働条件というものの改善というものに思いをいたして、うんと労働力というものを確保するように事業主も考えてもらわなくちゃいかぬと、私どもも努力しておりますけれども、事業主にその反省を求めていきたいと思っております。 そして、こういうような努力なしに、外国から外国人のニーズだニーズだといって単純労働者の導入を行えば、これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、我が国労働者の労働条件の向上だとか、あるいは雇用構造の改善をおくらせる要因になる、そういうことになってしまいますので、雇用労働市場を初め経済社会全般にわたって、今も先生のおっしゃいましたように、多様な影響をもたらすことがこれは想像できるし、懸念されますので、私どもは外国人の単純労働者の受け入れについては、しょっちゅうちまたで言われておりますように、開国論もありますれば封鎖論もございますけれども、従来どおり私どもは十分十分慎重な態度でいきたいと、こういうように考えております。
○野末陳平君 ということは、原則禁止というのは当分続けるということであろうと思うんですが、現実にもう正確なところ何万人なんだかわかりませんけれども、日本全国いろんなところで目立つわけですね。サービス業から土木建設までもうはっきりたくさんいますね。ですから、現実とそれから法律が乖離していくばかりで、そこにまたかえっていろんな問題も出ていますね。 そこでお聞きしますが、これを原則禁止を変えていって、単純労働についてある一定の条件はつけるものの、認めていくことに近い将来なっていったらどういう心配が一番あるんですか。先ほどのお答えちょっとありましたが、どういう点が非常に懸念されて、一番大きな懸念は何で、原則禁止が続くのかという、そこがちょっとわからないので。僕自身はそんな簡単にやれるとは思ってないんですよ。だけれども現実にこれが大きな労働市場の問題になっているから、それであえてお聞きするんですがね。
○国務大臣(丹羽兵助君) 重ねてのお尋ねでございますので申し上げますが、先ほども申し上げましたように、そういう一般労働者を無制限に入れるなんというようなことになりますれば、御指摘のように労働市場だけの混乱じゃない、雇用労働市場をもちろん初めといたしましていろいろな影響がございますけれども、労働市場だけじゃなくして経済社会全般に大きな混乱を来すおそれがある、私どもはそう考えておりまするので、決して拒否したり拒む必要はないと思いますけれども、十分考えてこれはやらなくちゃならない問題だと、こう思っております。
○野末陳平君 これはやはり総理のお考えを聞いておきたい気がしますね。やはり実情に合わせてもう少し柔軟な考えをまとめるべき時期に、国際社会のリーダーとしての日本はそういう責任ある立場に来ているんじゃないかなと、また、だけどそう簡単にはいかない、今の労働大臣の御答弁のとおりですから。だけれども、いつまでもかたくなに原則拒否の姿勢を貫けるかどうか。それがまた別の国際間の何か日本が批判を受けることになりはしないかとかいろいろ心配をしているんですが、総理大臣のお答えをお願いしたい。
○国務大臣(竹下登君) 例えば、法律を提出するまでの間に、やっぱり今おっしゃったようないろいろな問題があるからというので、内閣の内政室、それから官房副長官等が間へ入ったとでも申しましょうか、調整をしまして今度の法律になったわけです。したがって、今おっしゃったような問題点をいろいろ議論した上の提出とこうなったわけでございますが、今おっしゃったような問題点は、将来の問題としてあり得るということは私どももそのとおりだと思っております。
○野末陳平君 引き続きいろいろと実情を見ながら自分自身でも考えてみたいと思っているんですが、もう時間がなくなりましたので、一番時間を割きたいことが終わりになってしまいましたが、毎年予算委員会で不公平税制あるいは税の不公平といいますか、そういう問題についてしつこく質疑を続けてきたんですが、どうでしょう、大蔵省の感触としては不公平税制はもうかなりなくなって、今後早急に検討すべきようなものはもうないということなのか、まだまだあると、これとこれとこれが早急にけりをつけるべき不公平の問題だと、こういう認識なのか、どちらなのか。その辺を具体的に、時間がもう短いですけども、答えてほしいんですがね。
○国務大臣(村山達雄君) 一つは資産所得の問題でございますが、資産所得のうちキャピタルゲインと利子の問題、これは一応それなりの手当てをして、将来、総合課税にいけるかどうか、こういう問題、これが残っておりますが、大体方向としてはいい方へ行ったんじゃないか。土地税制が残っているのじゃないか。土地税制は今度は基本法ではっきりいたしますけれども、利用についての公共性、値上がりについての受益者負担を求めるというこの考え方ですね。これを税の上で国税、地方税を通じてどういうふうに展開していくか、これは残っていると思います。 それから、いわゆる所得課税の分野における不公平税制の問題、これは随分詰めておりますけれども、本来が所得課税でございますから非常に難しい問題だ。今度の消費税という問題がありますと、赤字法人であろうが宗教法人であろうがみんな負担していただくことになるわけでございますが、しかし所得課税の面から詰めるという問題はある限度あるのじゃないかと思っております。みなし法人、これは方向は恐らくはっきりしているであろう、もう余り異論がない。これはこの間、延期しただけだとこういう話でございますから、その問題は決断の問題じゃないか、こう思っております。 一番大きなのはやっぱり土地問題でしょうか。
○野末陳平君 あと、世論で常に話題に出てくるという意味で、税の不公平を言うときには、これは土地に関連していますが、農地の宅地並み課税、それから赤字法人、意図的に借金をふやしていきながら事業拡大のいわゆる意図的な赤字法人、それから宗教法人の問題とか、そういうのがありますが、それらについてのお考えをじゃ最後に聞かしておいてください。これが不公平だと、僕はかなり不公平な面があると思っていますけれどもね。
○国務大臣(村山達雄君) 赤字法人の問題につきましては、要するに意図的なものというのをどうしてそれは抑えるのかという問題に尽きるのだろうと思うんです。もう既にこの問題については土地の買い入れによる即時損金算入がございましたから、こういったものは手当てするとかいろいろとやっているわけでございます。普通でありますと、大きな開発、研究をやるとか、あるいは大きな投資をやって減価償却の関係で赤字になるとかそういうのでありますが、意図的なものがもしあるとすれば、その点はさらに研究する必要があるのじゃないか。 それから宗教法人、公益法人の問題でございますけれども、やはり公益部門に属する金融収益ですね。例えば利子とか配当、それを課税できるだろうかというところが一番詰めていくとそうなるわけです。そうすると、財団法人あるいは学校法人、これがもう全部波及するわけでございます。その場合に、そうでないねらい撃ちするものだけ理屈が立つか立たぬか。それで、実はその問題もあるが、公益法人については実際の調査が進んでいないというところがありますね。もしそうでなくて、収益部門と公益部門のその間にもしかおかしな経理区分をやっておった、意図的な経理区分をやったとすれば、それは直さなくちゃいかぬ。そこの調査がまだ進んでいないというところに実際上の問題があって、理論上の問題はさっき言ったようなことでなかなか難しいのじゃないかと、こういうことを言っているわけです。 それから、赤字法人の問題について、例えば任意的な支出――交際費で赤字になりましたと、四百万円の交際費を認めたがゆえに赤字になった、こういうもの、それを意図的にやっているものと、これもうんと使って一生懸命事業に励んだが結果として赤字になったというものをいかにして区分するか、なかなか難しい問題。つまり任意で赤字になっている、意図的に赤字になっているというものをいかなる基準によって判断するか、その判断基準が非常に難しいという、まあそんなことでございます。
○野末陳平君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で野末陳平君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 まず、私は冒頭に、本日午前、リクルート事件に関係して中曽根内閣の官房長官であった藤波氏に対する事情聴取が開始されたと報道されておりますが、中曽根前総理に指名されて成立した竹下内閣総理大臣の所感をまずお伺いいたします。
○国務大臣(竹下登君) 喜屋武先生、中曽根前総理に指名をされた竹下登と、こういう前提でございますが、やはり私今のお話聞きながら、広く言えば私は行政府の長として検察に対して指揮監督の立場にあるわけでございます。したがって、検察が厳正に対応するであろうということを信じて今日来ておりますので、これについて検察が厳正、適切に対応しておるものという答えをするのが私の義務であろうと思ったわけでございます。
○喜屋武眞榮君 何かしら屋台骨が次々崩れ落ちるような感じを持つわけでありますが、今後の捜査の見通しについて何か報告がありましたら法務大臣、承りたいと思います。
○国務大臣(高辻正己君) 今後の見通しはどうかという御質問でございますが、この点については先ほども申し上げましたが、検察においては不偏不党の見地から厳正公平に捜査を行った結果、本日の措置に立ち至ったことでございますが、今後とも法と証拠に照らし適正に対処するものと心得ております。
○喜屋武眞榮君 この問題にも関連しておりますリクルートの問題、今や国民の最も重大関心を持つ政治台風の一つであるわけですので、その疑惑の解明、リクルート疑惑の解明を速やかに正しく国民に示してもらいたいことを強く要望いたします。 次に、農政の問題についてちょっと触れますが、かいつまんでひとつ外務大臣と農水大臣にお尋ねしたいのですが、アメリカ側からの米の自由化要求並びに米提訴について政府はどのように対応しておられるか、外務大臣、農水大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 昨年いろいろな摩擦が日米間にございました。その中で、米国の精米協会が米に関しましても三〇一条提訴というようなことをいたしたわけでございますが、当時のシュルツ国務長官に、実はサミットが行われましたトロントにおいて日米外相会談がありましたので私はそこで次のように申し入れております。 竹下内閣ができてから十二品目あるいは公共事業、科学技術協定、いっぱい摩擦があったが、全部処理してまいりました。そして最後に^いろいろ農水省も御努力されまして牛肉・かんきつ類の問題も一応片づきました。なおかつ米にまでまだやるんですか。こういうことをしておりますと、日米間の親善関係に大きなひびが入ると私は思う。だから、これは速やかに、二国間の問題ではなくして、多国間の問題として取り上げるべきだと思うがいかにというふうな話し合いがなされまして、正式には東京で七月に改めて日米外相会談が行われたときにこのことを確認し合いました。 その結果、御承知のウルグアイ・ラウンドがなされておりまするから、このウルグアイ・ラウンドで日本も、参加国は九十五カ国でございますが、これらの国々がすべての食料の問題について議論をしようというテーブルを設けた場合には、そのテーブルの上に米という問題も出しましょう。ただし、日本といたしましては米は基礎食糧である。また過般、農水大臣が申されましたように、やはり安全保障という観念も十二分にこれは考えてもらわなければならない問題であるということで、ついこの間ジュネーブで一応四月に次官クラスの会議が行われました。このとき、短期、長期と二つに分かれたんですが、短期におきましては保護水準の凍結、長期におきまして今申し上げました安全保障、そうした言葉を入れることに成功した。だから、まだまだ問題がございましょうが、二国間においてはこれは議論しない、こう いうふうになっております。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 ウルグアイ・ラウンド――ウルグアイのプンタデルエステで会議がありますちょうどそのころ、アメリカのRMAから米の問題について三〇一条で提訴されたということであります。そして、ちょうどそのころは中間選挙でありましたけれども、十月にヤイター通商交渉代表は、この問題は今、外務大臣からお話がありましたように、二国間でということよりは多国間、ウルグアイ・ラウンドが今始まっているところであるからそういったところで話し合うべきであるということでこれを却下されました。しかしその後、昨年再び実は大統領の今度は選挙を直前にして、やはりこの問題が提訴されましたけれども、この直前に再びヤイター通商交渉代表は、これは多国間の中で話し合うということになっておる問題であるからということで、これをさらに却下したということであります。 この間、我が方としてとり続けてまいりましたことは、各国の困難な問題、こういった問題がガットのラウンドのテーブルにのせられる、そういうときがあって、そのときに米も議論しましょうということであれば我々は議論することにやぶさかじゃございませんということをずっと従来から申し上げてまいっておるところであります。 私どもといたしましては、もう先生も御案内のとおり、やっぱり米というものが国民の主食であるということ、そして稲作というものが各地域において経済的にも大きな役割を果たしておるということ、それから稲作そのものが国土保全的な大きな役割を果たしておるということ、こういったことから非常に重要な作物であるということで、もし議論があるとするならば日本のその立場というものを存分に申し上げていきたいというふうに考えておるところであります。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいのが、主食用の米輸入を認めないとした方針ですね、この方針を今後も堅持するかどうかという政府の見解を農水大臣の方から。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 これはまさにウルグアイ・ラウンドで各国の持ちます困難な問題、これはアメリカの場合ですと十四品目にわたりますところのウエーバーです、それからまた、ECが農業共通政策で持ちます可変課徴金ですとかそういった問題、こういう問題について議論をするということでありますから、今私どもがこれが認められないとかいうことについて申し上げる立場じゃないと思います。 私どもは、日本における、先ほど申し上げました米あるいは稲作、こういった立場をきちんと申し上げていくということ、これが必要なことであろうと思っておりますし、また今外務大臣の方からもお答えがございましたように、今度の中間レビューにおきましても、こういった中で私たちがこの安全保障の立場を申し述べましたところ、いろんな議論はありましたけれども、こういったものについてやっぱり留意すべきであるということが認められたということで、私たちは議論をする足場、足がかりというものをきちんと得ておるというふうに確信をいたしておるところであります。
○喜屋武眞榮君 もう一つ念を押してお聞きしたいことは、農政審議会が食管改革の報告書をまとめておりますね。今回のこの報告書が食管制度の根幹を変えることになるのかどうか、これもまた重要な問題だと思いますが、農水大臣、もう一遍お聞きします。
○国務大臣(羽田孜君) 今回の報告は、農政審議会の小委員会におきまして六十二年の二月以降二年余りにわたりまして検討の上、各界の有識者の衆知を集めて取りまとめていただいたものでございます。 この報告は、米の生産、流通、消費をめぐる状況が現在大きく変化する中で、当面する諸問題に的確に対処するため、制度の基本的役割、いわゆる食管の根幹といいますか、これは維持しつつ、市場原理がより生かされる仕組みとするよう今後の政策及び米管理について方向づけを行ったものというふうに考えております。 そういう意味で、政府といたしましては、今後、食管制度の基本的役割を踏まえながら、報告の方向に沿って十分検討の上、条件整備を図りつつ、逐次具体的に施策を展開していきたいというふうに考えておるところであります。
○喜屋武眞榮君 次に、時間いっぱい沖縄の問題を中心にお尋ねしたいと思います。 まず第一点は、水爆搭載機水没事故の問題、特に沖縄の立場からどのようにこれを受けとめておるか、こういうようなことについて、沖縄はいわゆる核抜き本土並みで復帰を果たしたわけですが、実は復帰後も絶えず米軍による核の持ち込み、その疑惑に直面しており、特に今回の沖縄近海における水爆水没事故の問題は、県民のかつてない不安とかつてない怒りはまことにはかり知れないものがあります。 そこで私は、今日までいろいろな立場から論じられましたが、まず冒頭に総理の認識を、そして次々と外務省、関係省庁、すなわち運輸省、科学技術庁、環境庁、防衛庁、水産庁からそれぞれの所管における今後の対応及び対策について述べていただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 累次御説明をいたしてまいりましたが、今回の水爆が航空母艦から落ちたというがごとき事故はまことに遺憾な事故であり、我々政府といたしましても重要な関心を抱いております。そのことはこの情報が入りましたときに既に明らかにいたしました。 その結果、米国といたされましても、直ちに核に対する日本国民の格別の感情があるということに対して十分理解しており、今後もそうした面においては格段の配慮をして従来どおり誤りなきを期す、こういうふうな発表がございましたし、また八一年に一応この問題が発表されております。そのときは米国の内外で三十二件こうした核物質の事故が起きておりますが、その当時も基準がございまして、その基準に従えば二件だけ、これは欧州の方でございますが、二件だけはこの基準を超えるものであるからやはり海水が汚染されたとして公表をしたが、他はその基準に達しておらないから一応公表をしなかった、なおかついろんな機密もある、こういう説明も受けました。 しかしながら、やはり今、喜屋武委員が申されましたとおり、地域住民の方には大変な不安を与えておる、また国民も大変な不安を覚えておる、そうしたことに対して政府も事の認識をきちっと確認しておかなければなりませんから、米国に照会をいたしまして先週末に追加説明がなされた。これはペーパーによってなされまして、ワシントンで行われたわけでございますが、三点ございます。 安全装置は壊れておりません。だから、核爆発もあるいはまた核爆発を起こすところの高性能の火薬の爆発も起こらなかった次第です、これが第一点。第二点は、現在もまた将来にわたりましても核爆発、また高性能火薬の爆発はございません。第三点は、いわゆる核爆弾でございますから、核物質は溶解そして沈殿しました。したがいまして、環境に与える影響はありません。 こういうような追加説明を受けまして、我々といたしましてもこれは重い報告である、こういうふうに考えておりますが、しかしやはり日本政府にもそれぞれエキスパートがいるわけでございますから、早速その日に関係省庁のエキスパートに集まってもらいまして、ただいまこうした追加説明を受けたが、これについてまだもう少しくここを照会してほしい、ここの説明が足りない、いろんなことがあるだろうから早急に各省庁においてひとつ御検討を賜りたい、こういうことでただいま喜屋武委員が申されました各省庁においてその検討が鋭意始められておるという段階でございます。 もう一度繰り返しますが、私たちといたしましても重大な関心を持ってやはり国民の不安を除去したい、これが政府の基本姿勢でございます。
○国務大臣(宮崎茂一君) 科学技術庁は、私自身原子力委員長を兼ねております。今回の事件、外務省から御報告を受けまして早速専門的にどうなんだということで検討いたしております。 今回の水爆が海中におっこちた。アメリカ政府の発言によりますと、核物質が海水に直接触れている状態である、そして五千メーターぐらいの深いところにある、こういうことでございまして、私ども今まで定期的に日本近海の放射能を測定いたしております。それはいわゆる原子力を推進力とする艦船が港に出入する、それに伴って放射能がどうかと、非常に浅いところの放射能でございますが、この検出は過去二十年間異常値はございません。 しかしながら、今回のものは非常に違っておりまして、初めて経験する問題でございまして、いろんな面でいろんな学者の意見が出ております。それを取りまとめまして、今、外務大臣のお話しのように、もっとアメリカに説明を要することがあるかどうか、その点を検討いたしておる次第でございます。 以上でございます。
○政府委員(野尻豊君) 海上保安庁の立場からお答え申し上げます。 海上保安庁としましては、今、外務大臣からお答えがありましたように、一昨日開かれました外務省が主宰します関係省庁の会合に担当官を出席させまして、状況の把握等に努めております。 実は、海上保安庁におきましては従来から放射能の調査をしております。ただし、この調査というのは降下性の物質、つまり死の灰についての調査でございまして、今回起きたような事案についての調査は全く未経験であります。 しかしながら、海上保安庁といたしましても本件については重大な関心を持っております。したがいまして、今後関係省庁から必要だと認められれば当然私どもも調査に協力してまいりたいというように考えております。
○国務大臣(青木正久君) 放射能による環境汚染については、従来は公害対策基本法等に所要の規定がなく、原子力基本法その他の関係法律によるとされているため、環境庁はこのような問題に携わってこなかったわけでございます。 しかしながら、今回の事故につきましては、汚染に不安を感じている住民の気持ちも十分理解できますし、環境庁としても重大な関心を有しております。さらには、環境汚染問題も地球規模で考えなければならない世の中になってきておりますので、これまで環境問題で蓄えてまいりました知見で対応できるものがあれば適宜協力をしてまいりたい、こう考えております。 以上でございます。
○政府委員(日吉章君) 防衛庁といたしましても、一昨日外務省において開催されました関係省庁の会合に担当者を出席させまして、外務省から従来の経緯、それから米御説明の内容について説明を受けたところでございます。 今後関係省庁の方から御要請がございますれば、私ども防衛庁といたしまして可能な範囲内でできるだけの協力はさしていただきたい、かように考えております。
○政府委員(田中宏尚君) 水産庁といたしましても、一昨日外務省から各種の説明を受けましたとことを初めといたしまして、いろんな事実関係についての情報の収集に従来から努めてきておるところでございます。 今後も、関係各省庁と連絡を密にしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○国務大臣(竹下登君) 最初、外務大臣から詳しくお話がありましたとおりでございますが、一昨日この会議を外務省で招集していただいた。これが可能な限り、沖縄県民の皆様のみならず、あるいは日本国民だけでなく、そうした人々の不安を除去するように役立つべく最善の努力をいたす、このことに尽きると思います。
○喜屋武眞榮君 今、それぞれ関係省庁から述べてもらいましたが、緊密な連絡提携、このことを強く要望いたします。 沖縄県民はもちろんでありますが、日本国民、いや世界の人類に納得のいく措置を速やかに講じてもらうよう努力してもらうことを強く要望いたし、そして私は冒頭に、沖縄県民はかつてない不安と怒りを持っておると、こう述べましたが、その心情を、怒りをこのように、沖縄県民の心境は、核をまくらに、爆弾を抱いて、毒ガスを吸うて暮らしておる沖縄県民、哀れ、悲しくわびし、この言葉に尽きます。忘れぬでもらいたい。 次に、沖縄の現状認識について。実は一昨日、五・一五と申しますが、十五日に沖縄は復帰十七年目を迎えた。ちょうど私は二年前、この予算委員会で当時の中曽根総理に沖縄の現状についての認識を伺いましたが、そのとき総理はこう述べておられる。産業の振興、失業、基地等、諸般の問題がまだあると述べられ、多くの面において本土との格差が依然として解消されていないとの認識を示しておられます。あれから二カ年たちました。現在沖縄は復帰十八年目に入っておりますが、竹下総理からも、まず沖縄の現状についての認識を、振興開発、基地、戦後処理のこの観点から、具体的な項目を含めてお伺いいたします。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいましたように、五月十五日、私もよく記憶しております。私はそのとき内閣官房長官といたしまして沖縄復帰記念式典の司会をさせていただいた。これは、政治家にとって最大の私は光栄であったと今思っております。 したがいまして、今日までいわゆる振興計画に基づいてもろもろのことが行われてまいりました。途中には海洋博もございました。しかしながら、現実、数字等で見ます限りにおいて、それぞれの格差というものが存在しておることは事実でございます。 私ども子供のときには、いわゆる本土類似県というと、私の島根県が実は沖縄といつも比較対照される人口規模でございました。今ははるかに沖縄の方が人口は多くなっておりますけれども。したがって、本土類似県という立場から、私は統計が好きなものでございますから、今でも随分統計等をとらしていただいておりますけれども、やはり私は、この沖縄というものに対しては、沖縄開発庁というものを設置したあの原点というものが一つあって、そして振興計画というものに各省庁が総合力を発揮して当たっていくべきものであると。産業、開発等についてはそういう私の基本的な考え方に立っております。 そして、いま一つ喜屋武委員から教わったことは、小指の痛さを知らないかと。これも喜屋武語録の、私が政治家として聞いて、永遠に忘れがたい一つの言葉でございます。それが、問題は、おっしゃったときの小指の痛さとは多少形態は違っておりますけれども、いわゆる基地というものが存在をしておるところに対する、沖縄県民の皆様方のもろもろの問題というようなことについては十分認識を持っておるつもりでございます。 さらに、当時の行われましたもろもろの具体的戦後処理というような問題につきましては、若干の記憶はございますけれども、きょう整理してお答えするだけ――間違うといけませんので、これは、戦後処理の具体的問題の一つ一つについては、事務当局からでもお答えさした方が正確であろうと思います。
○喜屋武眞榮君 竹下総理は、いちずに小指の痛みは全身の痛みとおっしゃる。申し添えておきます。小指の痛みは心臓の痛みであると、こう受けとめていただきたい。 そこで、今、第二次沖縄振興開発計画、もうあと三年残っておりますが、平成元年度予算に一億九千万円の沖縄振興開発総合調査費が計上されておりますことは、申すまでもなく、第三次沖縄振興開発計画の策定を念頭に置いておられるものと解釈しておりますが、そう理解してよろしゅうございますか、総理。
○国務大臣(坂元親男君) お答えをいたします。 沖縄は、復帰以来、社会資本の整備を中心に大きく前進し、本土との格差は次第に縮小されるなど、沖縄の経済社会は総体として着実に発展をいたしておりますす。しかしながら、水の確保の問題を初め、産業振興や雇用の問題など、解決しなければならぬ問題がたくさん残されておることを承知いたしております。 沖縄開発庁といたしましては、二次振計の後期の残された三年の期間、二次振計に沿って沖縄の振興開発に全力を傾けてまいる所存でありますが、これとあわせて、今年度予算案において、沖縄振興開発総合調査費が新規調査費として計上されたところ、これに基づき、今後ポスト二次振計に向けた検討を開始するために、これまでの振興開発の実績等について調査検討を行うべく準備をいたしていく所存であります。 次期振興開発計画につきましては、その結果や沖縄県の検討を踏まえて判断してまいりたいと考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、沖縄は歴史的にも世界に通用する独自の文化を形成してきております。東南アジア、中国、香港、台湾はもちろん、発展途上の国々との国際交流がますます重要になってくる状況の中で、沖縄の持つ文化と横とのつながりを重視する柔軟な思考はますます評価されてよいと自負しておりますが、総理、特に先般竹下総理はASEAN諸国を訪問されたのでありますが、その新鮮な感覚と申しますか、新鮮な心でひとつ結びつけて語ってもらえば幸いだと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私も毎年お伺いいたしておりますが、総理大臣になってからはお伺いいたしておりません。が、確かにこの文化というものは、なかんずく芸能というものを見たときに、私はまさに沖縄特有の文化というものが伝承されておるということをいつも感じております。 それから、ASEAN地域との問題につきましては、我が国の中では最も気候等がASEANの方に近い位置に存在しておるわけでございますので、あるいはASEAN等からのいろいろな研修員の受け入れとか、そういうことに適切な役割を果たすのではなかろうかというようなお気持ちでのお尋ねでございましたら、私もそのように考えております。
○喜屋武眞榮君 沖縄の世界に誇る数々の文化についても申し上げたい、質疑を交わしたいんですが、時間の関係で次に移ります。 次に、昨日五月十六日、沖縄県では、学術会議の勧告を契機にして問題を検討してきた有識者から成る懇話会から、沖縄における地域型研究機関基本構想が知事に提言されておる。地理的、社会的、文化的、国際的環境からも、これを踏まえた沖縄振興の観点からも、地域型研究機関の沖縄への設置は、日本の将来の発展とその方向を考える上でも大変意義深いものであり、今後地元の意向を十分踏まえた開かれた研究機関の設置が実現しますよう要望したいと思いますが、関係省庁の見解を伺いたいと思います、文部省、総理府、沖縄開発庁。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま委員から御指摘のございました点につきましては、文部省といたしましても、昭和六十二年に日本学術会議が提言をされました地域型研究機関の設置ということについての意見を踏まえて沖縄県において懇話会が設置をされて、昨日その答申が行われたということを承っております。 この問題につきましては、沖縄県の方からその内容等につきまして具体的な御提案があった時点で文部省といたしましては真剣にこれに取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。
○国務大臣(坂元親男君) お答えをいたします。 沖縄県は、亜熱帯地域を初め、南方地域の自然、文化等を国際的、学術的に研究する総合的な地域型研究機関の設置を図るための具体的な構想を検討するために懇話会を設け、昭和六十三年二月以降検討を行ってきましたが、先生御指摘のとおり、沖縄における地域型研究機関基本構想が昨日沖縄県知事に対し提言されたところであります。沖縄県におきましては、このように我が国唯一の亜熱帯地域である沖縄の地域的、地理的特性等を生かした国際的な研究機関を沖縄に設置しようと検討されることは非常に有意義なことであると思っております。沖縄県としては、今回提言された基本構想に基づいて、今後その設立主体、具体的な研究領域、中核となる人材等についてさらに検討を行っていく考えであると聞いております。 沖縄開発庁といたしましても大きな関心を有しておるところでありまして、今後の沖縄県の検討を見守ってまいりたいと思っておる次第であります。 以上であります。
○政府委員(船津好明君) 日本学術会議は総理府の特別の機関でございますが、勧告の主体でございまして、この勧告の実現を期待するものでございます。 地域型研究機関は、地域の方々の具体的な要請やあるいは地域の特色を考慮して設置されることとなっておりますので、地元におきます勧告実現に向けての御熱意、御努力に対しまして敬意を表するものでございます。 以上でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、沖縄の気候風土あるいは地理的位置、環境という観点から、地球環境の立場から熱帯林の問題が最近大きくクローズアップされております。特に開発途上国の七〇%に及ぶマングローブ林は、森林資源としてだけでなく、海や陸の生態系、土地保全機能ともかかわった総合的観点から評価されるべきであり、その国際協力による研究が強く望まれておりますことは申し上げるまでもありません。 ところで、日本におけるマングローブ林と呼べるものは沖縄にしかなく、それも沖縄においてもわずか四平方キロと少ないが、南の諸国との関連で考えれば、我が国がマングローブ問題に取り組み、その生態系協会の本部が沖縄に置かれる意義は極めて大きいと思います。 〔委員長退席、理事遠藤要君着席〕 受け入れ準備を含めて、関係省庁である文部省、外務省、沖縄開発庁の見解をお伺いいたしたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) 国際マングローブ生態系協会が、UNDPの資金援助を得て、そしてユネスコが昨年五月二十四、二十五日、タィにおいて開催されたマングローブ保護民間専門家の会合で、世界のマングローブ関係専門家の交流を図るために設立が決定されたということは承っておりまして、今のところこれは政府機関ではないと承知いたしております。また、本協会本部が我が国に置かれるか否かは、公式に情報を得ておりません。 しかし、今おっしゃることは私たちは大変意義のあることだ、かように考えますから、いずれにいたしましても、今後関係各省庁と十分連絡をとりまして対応を決めていきたいと考えております。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま外務大臣からお話がありましたとおりでございまして、文部省といたしましては、現在関係者の間でその設立の準備が進められていると承知をいたしております。 具体的な御要請があった段階で、非常に有意義なことであると考えておりますので、国際交流という観点からも沖縄にそのような民間の学術機関の本部が設置されるということは非常に歓迎すべき課題であると考えておりますので、具体的な御要請があった時点で積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(坂元親男君) お答えをいたします。 沖縄は、我が国唯一の亜熱帯地域でありまして、東南アジア諸国等との接点に位置し、経済、文化等の諸般にわたり国際交流を深めてきた歴史的経験を有するなど、我が国が広く国際社会に協力していく場として好ましい条件を備えておるところであります。 先生お話しの国際マングローブ生態系協会につきましては、沖縄県においてその本部の誘致に積極的に取り組んでいると聞いております。沖縄は、我が国の南における国際交流拠点として位置づけられているところでありまして、このようなマングローブの研究活動の場としても我が国において重要な役割を果たし得るものと考えられるところであります。 沖縄開発庁といたしましても、この問題について大きな関心を有しているところでありまして、沖縄県と関係方面の連絡を十分にいたしまして、御期待に沿うように努力をいたしたいと思っている次第でございます。
○喜屋武眞榮君 こうして次々と問いますと、私のまた胸に響くのは、沖縄は宝の島と位置づける、平和のメッカ、文化のメッカ、資源のメッカと位置づけるわけですが、悲しいかな、基地の島、悲劇の島。ですから、沖縄は極楽と地獄の、言葉の表現はこれは妥当でないかもしれませんが、私はそうずばり言います。極楽と地獄の抱き合わせの島、これが沖縄です。その地獄の様相を一日も早く払拭することによって、パラダイス沖縄が人類的にクローズアップして宝の島になるということを私は信じておるから申し上げるんです。 どうか、地球環境の立場から沖縄をみんなで理解し、愛し、そして地獄の沖縄を一日も早く払拭してもらう努力を要望いたしたいのですが、竹下総理、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 喜屋武委員が沖縄そのものの方でございますから、沖縄に持っていらっしゃる考え方というものはやはり大事にすべきことであると思っております。
○喜屋武眞榮君 次に、戦後四十四年、復帰十八年歳月を経ておりますが、いまだに沖縄の戦後処理が十分なされておらない。その中で、きょうここで取り上げたいことは、一つ、不発弾の処理、二つ、遺骨の収集、この不発弾の処理と遺骨の収集事業に対する予算とその対策、このことについて承りたい。(「沖縄県知事を呼んできてやったらどうだ」と呼ぶ者あり)
○理事(遠藤要君) 私語をお慎みください。
○国務大臣(坂元親男君) 不発弾の問題についてお答えをいたします。 沖縄は、さきの大戦において我が国唯一の地上戦が行われた激戦地でございまして、現在もなお不発弾等が発掘され、まだ多くの不発弾等が地中に埋没しているものと推定されております。これをできる限り処理し、住民の安全を確保することが何よりも重要であると考えております。 このため、平成元年度予算におきましては、情報収集の積極化、広域探査発掘等の新たな事業の実施により不発弾等処理対策を抜本的に充実強化を図ることといたしまして、予算確保を大幅に引き上げました。一千六百四十二万円から一億三千八百四十七万円といたしまして、これら事業を効果的、計画的に推進していくことといたしております。 なお、具体的な事業内容等につきましては政府委員から説明を申し上げますので、よろしくお願いをいたします。
○政府委員(手塚康夫君) 戦後処理問題といたしまして不発弾処理の問題、これは大変大きな問題というふうに我々も理解しておりまして、ただいま大臣から御答弁いたしましたように大幅な予算の増を図ったところでございます。 その中身といたしましては二点あります。 一つは、情報収集の積極化、これを図るべきである。と申しますのは、今は情報収集は情報を寄せられるのを待っているわけなんです。座して待っているわけですが、なかなかこれは限度がありますし、だんだん当時おられた方はお年を召してくるということで、これはむしろ県の方が積極的に出かけていって、ある年齢の方にはお聞きするという情報収集をやろうではないか、それが一点でございます。 それからもう一つは、処理の方法ですが、従来は点的方式と申しまして、情報がございますとそこのところの百平米ですね、十メートル四万程度をほじって探すという方法をとっていたわけです。ただ、それではやはり問題がありますので、確度の高い情報がありましたら一定の地域をローラーをかけるように全面的に掘り起こして探す、そういう方式を取り入れようではないかということで、今回大幅な予算増額を図っているところでございます。
○政府委員(花輪隆昭君) 沖縄の遺骨の収集についてのお尋ねでございます。 沖縄におきまする戦没者は十八万六千五百人というふうに推定されておりますが、沖縄県民及び沖縄県当局の協力を得まして今まで重点的に取り組んでまいりました結果、これまでに十八万三千四百九十六柱、パーセントで申しますと九八%を超える、こういうところまで収集に努めてまいったところでございます。残された御遺骨につきましても、その所在が明らかでないというふうなものもございましてなかなか一〇〇彩収集というのは難しい面もございますが、事柄の重要性にかんがみましてでき得る限り今後とも収集に努めてまいる、こういう考えをいたしております。 なお、本年におきましても、有力な情報を得られた地域がございますので、これらの地域につきまして遺骨収集を実施してまいる、こういう予定でございます。
○喜屋武眞榮君 私が、核をまくらに爆弾を抱いてと申し上げた言葉が単なる虚飾でないということはだんだん御理解いただけると思います。 そこで、今の不発弾の問題で一つどうしても腑に落ちないことがあります。それは、従来、米軍基地内で処理しておった米国製五インチ砲弾の処理。五インチ砲弾の処理は基地内で処理しておった。ところが、それが一昨年から現場で直接処理をする方法に変更されたために、その時点においては地域の交通規制、住民の避難、甚だしきは一部落全員が退避するという状況がいまだに続いておる。したがいまして、学校関係も授業中止、学習活動に、経済活動に、県民生活に大きな打撃を与えておるのが現状であります。前はやっておったんだから、基地内で処理しておったんだから、このことを政府は一体どのように今受けとめておられるのであるか、まずそれをお聞きして、基地内での処理方法に戻して、県民生活への影響をせめて最小限にすべきであると思うが、政府の見解を承りたい。
○政府委員(日吉章君) お答え申し上げます。 沖縄におきます不発弾の処理につきましては、関係省庁と沖縄県による合同会議の決定を受けまして、昭和四十九年度から陸上自衛隊第一混成団特別不発弾処理隊というところが行っておりますので、その関係上、私の方からお答えを申し上げたいと思います。 委員ただいま御指摘の米国製の五インチ砲弾でございますが、これは艦砲弾でございまして、弾種といたしましては小型砲弾であるわけでございます。したがいまして、かつては発見された場合には、小型砲弾であるということで、ただいま委員御指摘のように、現場で回収いたしましてそのまま基地内にあります一時保管庫まで搬入いたしまして、そこで信管除去というような方法をとっていたのは事実でございます。 どころが、昭和六十二年の三月に米国から新たなる情報が入手されまして、それによりますと、この五インチ砲弾のうちの特殊信管が装着されているものといいますのは、小型弾ではございますけれども、わずかな衝撃で爆発する危険性が高いということ、かつ基地へ搬入いたします場合には、その搬送におきましても危険性は伴う、こういうことがわかりましたものでございますから、地域の住民の方々には非常に御迷惑をかけるわけでございますけれども、急速私たちはその処理方法につきまして関係機関とも御相談をいたしましたところ、やはりこれは地域住民の生命、財産の確保ということの方が重要であろうということで、六十二年五月以降、この砲弾を発見いたしました場合には、発見現場で信管除去の措置をとることにいたしまして今日に至っているわけでございます。 発見現場で信管除去の措置をとりますものですから、場合によりますと交通規制をいたしましたり、住民の方々に避難をしていただくというようなことで、県民生活に影響を与えているということはもう重々承知しているのでございますけれども、やはり生命、財産を第一に考えるべきではないかということでやっているやむを得ざる措置でございますので、よく御理解賜りたいと思います。
○国務大臣(坂元親男君) お答えを申し上げます。 不発弾の処理に際して交通規制や住民避難など、県民生活に影響が出ていることは御指摘のとおりでございます。 しかしながら、先ほどの防衛庁の答弁のように、特殊信管装着の五インチ艦砲弾については、わずかな衝撃で爆発するおそれがあるなど、基地への搬送にも危険が伴いますので、このために地元住民の生命、財産の安全を確保することが最優先課題であると考えておりますので、発見現場で信管を除去、現場処理しているところでありますので、この問題に対する御理解をいただきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 困ったものですね。理解してくれということはあきらめてくれということなんだが、どうもそういうわけにはいきません。いかがですか、あきらめてくれという意味なんですか、どうですか。もう一遍。
○政府委員(日吉章君) 非常に残念ながら、現在の不発弾処理の能力から考えますと、やはり現場におきまして処理をするということが最も安全であろうというふうに考えられますので、その点は確かに地域住民の方に御迷惑をおかけいたしますけれども、もしそれを基地の方へ一時搬入する過程におきまして事故が起こりますれば、これはかえって御迷惑をおかけするといいますか、取り返しのつかないことになろうかと思いますので、その点はよろしく御理解を賜りたいと思います。
○喜屋武眞榮君 水かけ論になるかもしれませんが、あきらめるわけにはいかないというのが沖縄県民の心境であり私の心境であります。 科学技術においても日本は世界に優位である、そして特に地震学においても世界に優位であると言われております。そういケ科学技術に視点を当てるならば、そのことは、解決する努力をするということさえも言えないところに宝の持ちぐされが、また情けない政治姿勢があると私は決めつけたいんです。 と申しますのは、遺骨の中に含まれておる、あの学童疎開の対馬丸がいまだに海底に眠っておる。それをどうしても、どんなことがあっても対馬丸を引き揚げなければ、これは心の問題、魂の問題、この心を大事にする日本政府でなければ、日本国民は、日本政府は浮かばれぬということなんである。そのように私は魂の問題を、特に沖縄は祖先崇拝が強いどよく言われておるんですが、またそう自負しておりますが、祖先を大事にする、祖先のお墓を大事にする、遺骨を、亡きがらを弔う、このことが軍靴で踏みつけられて海底に眠っておると、たびたび私は対馬丸の引き揚げを何回か何回か追及しております。四カ所その沈んだ場所があるということまでは引き出しておりますが、四カ所のうち、どれであるかということがまだ、それが水深の、今までの質問では科学技術がそこまで進んでいないという立場から逃げておられた。ところが、もう既に水深六千メーター以上を探り当てる科学技術を持っておるでしょう。 その点、今までそういう形で断ってこられたわけですが、特に遭難学童のあの対馬丸を引き揚げることに対して、前向きの姿勢で検討してもらうことを確約してほしい。返事を求めます。これは厚生省と環境庁でしょうか、技術的には科学技術庁でしょうか。
○国務大臣(宮崎茂一君) 対馬丸の件につきましては、私も存じ上げております。 終戦のもう最後に、沖縄県から学童の方々が疎開をしようという途中で、鹿児島県の悪石島の北東においてアメリカの潜水艦に撃沈された、こういうことでございまして、その後も喜屋武委員の御要請があったということはよく存じ上げております。 これは科学技術の問題でもございますが、厚生省が主管でございますので、厚生省の方の御意向を十分承ってやりたいと思っております。今「しんかい六五〇〇」というのが六千五百メーターまで調査できると、こういうお話がございましたが、最近六千五百メーターまでできるような「しんかい六五〇〇」という潜水艇をつくりました。これは今訓練中でございまして、だんだんとそこまで訓練をしてまいるわけでございます。ただ、対馬丸の件につきましては、どこに沈んでいるのかと、そういったところで、地点を捜すという点にやはり相当な困難があろうかと思います。技術的に全然不可能だというようなことではございませんが、何と申しますか、厚生省と一緒になって、やはり今お話しのような熱意の問題であろうかと思っております。遺族の方々、また沖縄県民の方々の御期待は、非常に私ども身につまされて、何とかしたいという気持ちはあるわけでございます。
○政府委員(花輪隆昭君) 遺骨収集の立場から若干御説明をさせていただきます。 沈没船船舶内の遺骨の収集でございますけれども、従来、これは遺骨が人目にさらされる、あるいはそのことによりまして遺骨の尊厳が著しく損なわれるというふうな状況にございまして、技術的にも引き揚げ、収集が可能という場合に実施してまいっております。これは、海上におきます死没者は海の中で安らかに眠っていただく、海自体が安眠の場所であるというふうな従来からの考え方に基づいて実施をいたしているわけでございます。 対馬丸につきましては、船体が水深八百メートル以上の深海にあるというふうに推定されているわけでございまして、その引き揚げ、あるいは八百メートル以上の深海からの遺骨の収集そのもの自体は、これは現在でも技術的には不可能であろう、非常に難しい問題であるというふうに考えておるわけでございます。 そういうふうな状況でございますので、援護局の立場といたしましては、このような船舶の沈没による遭難者につきましては、洋上からの慰霊巡拝を実施するということで、六十二年におきましても、南西諸島海域には対馬丸を含めまして百三十二隻の沈没艦船があるわけでございますが、全国からの関係御遺族の参列を得まして、海上によりまする慰霊巡拝を実施いたしましたというふうなことでございます。 〔理事遠藤要君退席、委員長着席〕
○喜屋武眞榮君 何かしら一縷の希望が、日差しが差したような気がいたします。今までは、厚生省関係では、やってあげたいけれども金がない、予算の問題だという形で逃げておった。科学技術庁としては、今までは技術的な立場から無理だということであった。ところが、技術的にも希望が持てる。我が国は世界に優位の経済大国だと外に向かって胸を張っておるではありませんか。ならば国民の、しかも戦後処理の問題を再優先すべきではないかと私は言いたいんです。この点から、どんなことがあっても、金がないとか、技術的にということはもう言えなくなった現時点でありますので、前向きで検討してもらうことを強く要望いたします。総理、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 専門的な知識があるわけではございません。私も、今の喜屋武委員の質問に対しての答弁を聞きながらおっただけのことでございますが、戦後処理という観点からしても、そのことには重大関心を持つべきだという認識は持たしていただきました。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたい。いわゆる思いやり予算と米軍住宅の問題です。 まず、一つ、那覇防衛施設局の調査の進捗状況はどうなっておるか。二、いつごろ発表されるつもりか。三、調査の結果は政府の施策にどのように反映させるつもりか。きちっとした答えを防衛施設庁に求めます。
○政府委員(池田久克君) お答え申し上げます。 沖縄に駐留する四軍の家族の住宅の問題につきましては、米軍の施設だけでは間に合いませんものですから、民間の方々の御協力を得て現在手当てをしております。特に、昭和五十九年以来は、先生御承知のように、米軍と沖縄の方々が御一緒になってやってまいりました。しかし、最近に至りまして、住宅が非常に著しく建造されております。また、時の経過によって非常に古くなったようなものもある。そんなわけで、貸し家組合等でいろいろ陳情もございまして、国会でもいろいろ議論もございましたけれども、我々としては、この実態をまず調査してみる必要があるだろうということで、昨年の十二月に、私、部下に命じまして初めて調査をやらしてみました。その結果でございますけれども、これはあくまでも内部の調査でございますが、全体で約七千戸ぐらいの民間の貸し家があることがわかりました。貸し家組合が約五千と言っておりますけれども、ちょっと多いようでございます。 そして、その中身をさらに調べてみますと、米軍が使っておるものもありますし、あるいはアメリカ人以外の外国人が使っておるものもありますし、日本人が使っておるものもあるようであります。結局、余っておるのはどうも千数百戸が空き家のような状況でございます。 今、いろいろ状況を申し上げましたが、こういう数字が果たして正確かどうか、念査する必要もありますし、また空き家の状況がどういう理由でそうなっておるのか、そういうところもさらに継続して調査する必要がございますので、さらに時間がかかる。引き続き調査を継続するようにさせているところでございます。
○喜屋武眞榮君 今、初めて調査という、初めてという言葉を言いましたが、私はこれまでに三回もこの問題を追及して、三度目の正直といいますか、やっとみこしを上げて調査に踏み切ったという、こういうスローの対応に対して激しい怒りを感ずるんです。と申しますのは、日本政府のやることなすことは、米軍には思いやりで沖縄県民には冷淡である。どこに思いやりの心を向けておるかというところを私は厳しく問いたいんです。 さらに言わしてもらうならば、沖縄の犠牲は、基地問題を初め被害はすべて日本政府のアメリカに対するいわゆる対米従属姿勢、ここに根本の過ちがある。過ちと言えば語弊があるかもしれませんが、隷属性、アメリカにはへいへいとまともに心を向けて、基地の問題にしましても対応を最優先している。国民の切実な要望に対してはこのような態度である。このような態度に対して、私は黙っておくわけにはいかないということを強く感じておるんです。防衛庁長官、この喜屋武の怒りをどう受けとめますか。
○国務大臣(田澤吉郎君) アメリカ軍が沖縄に駐屯しているということは、日本の、そしてまた極東の平和と安全を維持するために貢献しているということは、喜屋武委員既に御承知のとおりでございますが、日本全体の在日米軍の基地は百五でございまして、沖縄が四十三でございます。全体の面積の七五%が沖縄にあるわけでございますから、それだけでも大変な御負担をおかけしているわけでございます。 殊に、どうしても即応態勢をとってまいるためには練度を向上させていかなければならないというので、訓練を随時してまいらなければならないわけでございますので、そういう点からいいますというと、キャンプ・ハンセンでの何回かにわたる事故だとか、その他いろんなことがございまして、沖縄の皆様方には大変御迷惑をおかけしているというような状況も私しばしば就任してから聞くものでございますから、したがいまして、過半も沖縄へ参りまして、沖縄のスミス少将あるいはデービス中将らといろいろ懇談もしました。また一緒に沖縄全体をヘリコプターでございましたが視察をいたしまして状況を見たのでございますが、私たちとしては、できるだけ沖縄県民の感情あるいは風土あるいは文化等を尊重した立場で在日米軍の皆さんに、練度を深める訓練はしなければならないでしょうけれども、沖縄県民の感情というものを、また風土というものを常に忘れてはいかぬということを私たちは強調してまいったわけでございまして、今後もただいま御指摘の点については十分心して在日米軍に申し入れをし、そして是正をさせたい、こう考えております。
○喜屋武眞榮君 日米関係をよくパートナーシップと聞くわけですが、上下関係にパートナーシップはあり得ぬはずです。対等の立場に立って前向きで話し合うところに真のパートナーシップがあるでしょう。そこから平和は生まれる、こう私は思うんです。 といいますのは、貸し住宅業者が、土地を奪われて仕方なく生活を支えるために貸し住宅を金を借りて、これも政府の要望によってつくった。いつの間にかそれが基地内に高級宿舎が次々と建てられて空き家になる。今度は米軍の、あと六年で家族、部隊が今の二倍になると宣言しておりましょう。それが思いやり予算で約束されておるとアメリカは言っておるんですよ。何たることでしょう。そして一方でこのように協力を頼むといって協力させておいて、後はこういった投げやり的なこと、とんでもない錯誤ではありませんか。 こうですよ。これは昭和六十一年三月三十一日の予算委員会で私に当時の防衛施設庁長官は、「日米合同委員会施設小委員会において言うべきことは言い、貸し住宅組合の皆様の主張も十分その中に盛り込んで調和を図ってまいりたい」と答弁しておる。しかし、その後のいきさつは、例えば平成元年度に百十一億円の予算を計上して、合計四百二戸の住宅を沖縄県内に建設すると決めた本年二月十五日の日米合同委員会における合意事項等を見ると、言うべきことを言うどころか、米国の責任分担要求は有無を言わさず受け入れる日本政府の姿が浮き彫りになっておる。米軍には思いやりであっても沖縄県民には決して思いやりではない施策は直ちにやめるべきであり、貸し住宅業者の窮状は見過ごすわけにはまいりません。基地内の住宅建設をやめてでも、そのための思いやり予算を貸し住宅業者の救済用に充当するなどの措置を早急に講ずるべきだと喜屋武は思いますが、防衛庁長官、いかがですか。
○政府委員(池田久克君) 昭和六十一年の予算委員会で当時の防衛施設庁長官がそのようにお答えしたことは事実でございます。 我々といたしましては、米側のまず住宅状況をかいつまんで申し上げますと、全体で一万数千戸欲しいと、こう申しておりまして、米軍自身が持っておるのが大体七千戸ぐらいでございます。その中にはいわゆる御指摘の日本側が経費で負担したものも含めてございます。したがって、差し引き数千戸がまだ不足していると、こういう状況でございます。 そして、貸し家の状況については、先ほどちょっと申し上げましたけれども、貸し家自身がどんどんふえていることは事実なんです。米軍が借りる場合は、米軍の管理事務所というのがございまして、そこが中に入りまして貸し家組合なんかと話しております。それは、そこに登録した人が契約するんですけれども、約三千八百戸契約しておりますが、これは大体うまくいっている。問題は、それ以外のところがどんどん貸し間がふえておって、先ほど貸し間の状況を申し上げましたが、この辺が正確じゃございませんので現在調査をしているわけであります。 一方、我々が米軍に施設を提供している件につきましては、御指摘のように今年度四百戸お願いをしてございますけれども、これは米軍の要請がかなり大きいわけであります。しかし、その中でぎりぎりどうしても必要なものを折衝してつくっております。三百とか四百というのはそういう姿勢でございますけれども、なお先生の御指摘もございますから、そういう点も踏まえまして貸し家とのバランス等も考慮しながら今後の米側との折衝に臨んでまいりたい所存でございます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 今、施設庁長官の御説明のような現状にございます。したがいまして、きょう喜屋武先生からの御指摘もございますので、特にこの問題については十分米側とも話し合いしながら、また沖縄の現状をもよく把握しながら今後に対応してまいりたいと、こう考えますので、御理解のほどをお願いします。
○喜屋武眞榮君 もう一言言わしていただきたいことがございます。 いついかなる場合でも、我々の人間関係、対話関係、しかも国民との対話においては建前と本音を使い分けないということが最も大事ではないでしょうか。真実は一つだ。建前と本音を使い分けていくところに政治の乱れがあり、汚れがあり、腐れがあると私は思います。 次に、沖縄の厚生年金の本土との格差是正、これも今当面、現在沖縄の勤労公務員を中心として大きな問題になっておりますことは、沖縄の厚生年金の加入者は本土の加入者に比較して大変な不利益をこうむっています。これは、沖縄の本土復帰に先立ち一九七〇年に沖縄独自の厚生年金制度が発足したが、一九四六年から二十三年間の空白によって生じた本土との年金格差が放置されたままとなっておる結果であります。その是正に関する請願が今日まで、これもたびたび繰り返されましたが、やっとやっと衆議院において前国会において全会一致で採択されており、また本年二月二十七日、年金審議会から厚生大臣に提出された意見の中で、「沖縄県における厚生年金の受給者については、復帰時の措置が必ずしも十分でなかった」と、「これを是正するための適切な措置が講ぜられるべきである」と述べられております。 政府においていかに是正する方針であるのか、これもはっきり答えていただきたい。まず、総理にその基本的な問題。
○政府委員(水田努君) お答え申し上げます。 復帰前に沖縄県に創設されました厚生年金は、復帰時に本土の厚生年金に通算措置を講じますとともに、その当時におきまして社会保険のシステムで最大限の特別配慮をいたしたところでございます。すなわち、本土の厚生年金は本来二十年加入期間を要するということになっておりまして、中高年齢加入者に対する特例措置として四十歳以降は十五年でいいと、こういうことになっておりますが、沖縄の方々につきましてはさらにこれを短縮いたしまして、四十五年の一月一日に四十歳を越えられた方につきましては本土の十五年のところを年齢に応じまして四年から十四年まで短縮いたしております。しかも、四年から十四年の加入期間でありましても定額部分につきましては二十年分の満額ベースでお支払いをし、賃金に比例してお支払いする年金につきましてはその実加入期間でお支払いすると、どういうことになっております。 その結果、例えば六十二年度の新規裁定で見ますと、確かに先生の御指摘のとおり、沖縄の方がそれ以外の本土の方より賃金水準が低かったこと、加入期間が短かったことによりまして、本土の方の約三分の二の年金額になっているということは御指摘のとおりでございまして、この点の是正措置を講ずるようにという今御指摘の請願の採択であるとか、あるいは年金審議会の諮問の際の答申の中の指摘がありまして、私ども鋭意研究をいたしておりますが、やはり社会保険システムという基本の枠組みの中で既に最大限の配慮をいたしておりますことから、そういう点のいろいろな問題点のあることは十分承知はいたしておりますが、これ以上の是正措置を講じてまいりますことは私どもなかなか困難ではないかと、このように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 基本的な問題であることは申し上げるまでもありません。このようなもろもろの問題が落ちこぼれ、あるいは未処理にあるということは、何のためにこの問題が起こったかと言うと戦争のためでしょう。戦争がなければそんなことはなかったはずです。戦争はだれがやったか。国がやったんでしょう。ですから、一切の格差は、あるいはもろもろの起こる問題は国の責任において処すべきであるという、この基本的な態度。総理、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も今思い出しますのは、昭和四十六年の議論であったと思うのでございます。 本院においても、また衆議院においても、いわば四分の一世紀以上、異民族の支配下にあったということから生ずる諸問題について、これを是正するというので沖縄返還の際のもろもろの問題を聞かされて、それでいわゆる保険システムというものの中で最大限の措置をしたという記憶を呼び戻したわけでございます。その後の問題につきましては、残念ながら私は存じておりませんでした。今の質疑応答の中で問題点というものを初めて知らされたということが、率直な私の知識でございます。問題点として私なりに勉強させてもらうことであろうという感じを持ちました。
○喜屋武眞榮君 それでは最後に、総理にお尋ねします。 国民は今、政治家への不信を募らせ民主主義のあり方を問うておる、これは承知しておられると思います。では、その政治不信の原因はどこにあると竹下総理はお考えでしょうか、お聞きしたい。
○国務大臣(竹下登君) 私がこの予算が通過したらその職を辞したいという旨の予告をいたしたわけでございますが、その際にも、いわゆる政治に対する信頼の回復ということの一助ともなればと考えたからでございます。したがって、政治不信はこれがあるからだという一つの点で申し上げるというのはなかなか難しいことであろうと思います。
○喜屋武眞榮君 総理も辞任を表明される。そうして今、後継者を選ぶために連日御苦労しておられます。 これは余計なお尋ねかもしれませんが、総理という地位は国民にとって、また私たちにとって重大な関心事でありますので、なぜ後継者選びに困っておられるんでしょうか、率直にお尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) 私自身、去り行く者でございますので、いわば後継者と申しましょうか、新しい内閣首班につきまして私なりの意見は一切申し上げないという立場に立っておるわけでございます。したがって、後継者選びに苦心しておるかということでございますが、その立場に今ございませんので、私からとかくのコメントをすることはできません。
○喜屋武眞榮君 率直に申し上げますが、今、国民世論を私なりにはしょってとらえて申し上げますが、中曽根前総理の喚問とそうして総選挙を決断されることが日本の民主政治が健在であるかどうかの一つのバロメーターだと考えますが、いかがお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 解散権がどこに帰属するかというようなことは私も十分承知いたしておりますが、今、私自身が辞任を表明した今日、解散というようなことは全く念頭にございません。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で喜屋武眞榮君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、青木茂君の質疑を行います。青木君。
○青木茂君 質問の本体に入ります前に、十六日未明起きました東京都内の警察官の殉職でございます。本当にまじめに働いて忠実に職務を遂行する人たちがああいう形で命を落とさなければならないということについては本当に庶民の立場として心が痛む、謹んで哀悼の意を表しますし、また御遺族にも心からお悔やみを申し上げるわけでございます。 そこで、警察関係の方に伺いますけれども、国民はああいうことに対する怒りとそれから不安、いつかまた起きるんじゃないかとおののいている。これに対して、捜査と申しますか、どうなっていますか。
○国務大臣(坂野重信君) 詳細につきましては局長から答弁させますが、お尋ねの問題につきましては、警視庁において現在全力を挙げて犯人を検挙すべく捜査中でございます。また、担当大臣たる私といたしましても、事件の社会的な重要性にかんがみ、しかも住民の皆さんに不安を与えてはいけないということで、重大な関心を持って捜査を督励している真っ最中でございます。 また、警官の士気沈滞ということがあっても困りますので、殉職警官に対しましては、弔意の表明とか遺族に対する対応につきましては、できる限りの尽力をしてまいりたいと思います。
○政府委員(中門弘君) 今回の事件につきましては、昨日の午前三時少し前でございますが、警視庁の練馬警察署中村橋派出所におきまして、勤務中の三十五歳の小林巡査部長と三十歳の山崎巡査の二名が何者かに刃物でそれぞれ数カ所刺されまして死亡したという事案でございます。 本事件の現場の状況でございますが、山崎巡査が刺されましたときの状況は現時点では明らかでございませんけれども、小林巡査部長につきましては、目撃者の話等から判断いたしまして、派出所のわきで犯人と格闘となりまして小林巡査部長も刃物で数カ所刺されましたけれども、これにひるむことなく、逃げる犯人にけん銃三発を発射いたしました後、派出所まで引き返し、非常ベルを押して本署に電話しようとしたところで力尽きたという状況でございます。 警視庁におきましては、この事件を一一〇番通報によりまして認知をいたしまして、すぐ広域緊急配備等の所要の初動措置をとるとともに、即日、練馬警察署に刑事部長を長といたします百五十名から成ります特別捜査本部を設置いたしまして、現在現場付近の聞き込み捜査、現場におきます採証活動の徹底、また犯行手口の分析等からの捜査等々、強力な捜査を進めているところでございます。極めて悪質、重大な事件でございますので、警視庁におきましては一日も早く犯人を検挙すべく全力を挙げて捜査に取り組んでいるところでございます。
○青木茂君 しっかりやってください。 どうも本当に最近陰惨な事件というのが多発していて、平成の幕明けがどうも暗いんですね。別に政治そのものと関係があるということじゃございませんけれども、政治が国民から遠く離れてしまったというのは非常に残念な、しかし紛れもない事実でございます。これを国民の側に引き寄せること、それはやはり私は、竹下現総理あるいは中曽根前総理の決断にかかっていると思います。その点について改めて総理の御心境を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 政治不信の高まり、私は辞任の際も申し上げましたが、なかんずく三十有余年にわたっての長期政権というものの我が党に対する国民の皆様方の感じというものをひしひしと感じております。それだけに、私自身がその職を辞するということも国民の皆様方に政治を近づけていく、小さい出来事であるかもしれませんが、一つの身の処し方であろうと思ったから決意をいたしたわけでございます。
○青木茂君 いや、小さくはない大きな身の処し方ですね。前総理にもその旨よろしくお伝えをいただきたいと思うわけでございます。 それから、きょう突然の新聞報道によりますと、我々の仲間である国会議員の方が二人何か取り調べを受けられておる。とにかく国民の代表を取り調べるんだからはっきりした容疑がなければおかしいんじゃないか。どういう容疑でこういう事態になったのか。これは法務大臣、御説明願えますか。
○国務大臣(高辻正己君) 東京地検がけきから池田克也、藤波孝生両代議士の取り調べを地検本庁等で行っていることはただいま仰せのとおりでございますが、その取り調べ内容等につきましては、捜査の内容にかかわる事柄でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、今申し上げられることは、検察当局が不偏不党の立場において厳正公平に捜査を行い、事案の解明に努力を傾けられるであろうということでございます。
○青木茂君 私は、取り調べの中身、これは言ってくれといったって無理な話だと思いますけれども、理由ですね、理由はやっぱりはっきりさせておかないと、マスコミの皆さんが勝手に書いちゃって、それが流言飛語であるかどうか知りませんけれども、かえってよくないのじゃないかと思うわけなんですよ。だから、そういう意味において、支障のない限り言うべきことはやっぱりはっきり言って、いやしくも社会に流言飛語を与えないようにということを思うんですけれども、重ねて法務大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) 従来から申し上げておりますように、任意の取り調べということ自体申し上げていないわけでございますが、本件につきましては、報道機関の探知するところになりましたので国会に御報告しているわけでございます。 ただいまおっしゃったように、被疑事実の要旨といいますか、あるいはどういう理由で呼んでいるということにつきましては、これはいろいろ調べの結果判明することでございますし、またいろいろ、参考人であるかあるいは被疑者であるかということも含めまして、こういうことで呼んでいるということになりますと、御本人の名誉にもかかわりますので、従来から申し上げないことになっております。いずれ話が確定してきますと申し上げる機会もあろうかと思います。
○青木茂君 それはよくわかるんですけれども、かえってそこら辺がぼやけてくると、私は憶測が飛び交って御本人たちの名誉にかかわってくるのじゃないかという心配をしているんですけれども、まあ時間があれですから、法務大臣、最後に私の心配についての御見解を伺っておきたい。
○国務大臣(高辻正己君) 御心配は御心配としてわからぬわけではございませんが、今、刑事局長から申し上げたとおりのこともまた考えなきゃなりませんので、その辺は御了察を願いたい。
○青木茂君 仕方ございませんね。 それじゃ、質問の本体に入りたいと思います。消費税、というより税制改革を中心といたしましていろいろお伺いをしたいんです。 まず、外務省に伺いますけれども、外務省では何か在日外交官に対しまして消費税の免税カードですか、免税票か何かを発行なさっていらっしゃるという話を聞いておるわけなんですけれども、これは事実なのか、どういうものなのか、ちょっと御説明をいただきたいんです。
○政府委員(藤井宏昭君) 御説明申し上げます。 一般に消費税などのいわゆる間接税につきましては、外交政策の任務の遂行をより一層円滑にするという趣旨から、欧米初め各国におきまして相互主義に基づきまして外交官などに対しまして税が免除されておるわけでございます。我が国におきましても、相互主義に基づきまして消費税を免除するということを租税特別措置法の八十六条で決めておるわけでございます。 具体的には、外務省から免税カード、これはそれぞれ六種類ございますけれども、そういうカードを発給いたしまして、その発給を受けた外国外交官あるいは外国公館などは国税庁長官の指定いたします事業者に対しまして、これは大体千ぐらいになりますが、その事業者に対しまして免税カードを提示の上、店頭におきまして免税購入が可能になるというシステムでございます。
○青木茂君 大変それは結構なことだと思いますよ。 と同時に、そういう方法があるんだから、もう最大の難点である逆進性ですね、それをカバーするためにもどうでしょうかね、例えば年金生活の方であるとか身障者の方であるとか老人家庭、母子家庭、そういうようないわゆる社会的弱者と、所得税はほとんど納めてないという方に対して、同じような免税カードの発行の思想というものは生まれてきませんかね。これは大蔵大臣ですか。
○政府委員(尾崎護君) ただいま外務省から御答弁ございましたように、外国公館等に対する免税の制度は国際慣行に基づきまして相互主義のもとにとられている特別の制度でございます。 今、先生御指摘のようなことを、仮にそれに準ずるものとしてつくるということになりますと、これは外国公館等に対する免税の場合、特定の事業者が指定されておりまして事務手続もしっかりしておるわけでございますけれども、一般的なものに広げますとなかなか特定のところに指定するというわけにもいかないということになってまいろうかと思います。そうしますと、これは事業をなさる方々にとって大変な負担をかけるということになるわけでございまして、適正な執行の確保という点から大変困難な問題を含んでいるというように考える次第でございます。
○青木茂君 技術的な問題はさることながら、逆進性解消という一つの私は有効な方法だと思いますね。クレジットカードの指定店は非常にたくさんあるんだから、似たような方法をとって、とにかく犠牲になる方をどこかで救済するということが僕は政治だと思うんだけれども、大蔵大臣の御見解はどうですか、やってみませんか、これを。
○国務大臣(村山達雄君) 消費税というのは、もうよく先生御案内でございましょうが、そもそも非課税制度をできるだけ少なくして広く薄くやろうということでやっているわけでございます。したがいまして、逆進性という問題は所得に対して、収入に対して逆進的な面があるということはよく承知しておりますが、その点については税体系全体でひとつ考えていただきたいということで、所得者につきましては所得税、住民税の減税、それから本当に弱者に対しましては別の意味で歳出で対応しているのでございます。 したがいまして、初めから用途免税というものを考えていない税でございますので、また二重の意味で用途免税を起こすということは初めからこの制度になじまないというふうに考えるわけでございます。
○青木茂君 庶民レベルからしてみますと、僕は、税制改革全体というより消費税本体の中における逆進性のカバーということになると、この弱者に対する免税カードの発行というものは非常に有効な方法だと思うけれども、そういう発想が出てこないから僕は国民から政治が遊離してしまうのじゃないかと思うんだけれども、どうですか総理。
○国務大臣(竹下登君) それは百も承知の上でお話なすっておるわけでございますが、税制そのものから議論した場合には、いわゆる消費一般可能な限り薄く広くというところにそうした用途免税的な発想はまず存在しない問題ではなかろうかと。だからこそ、税制改革全体の中といま一つは歳出の中においてこれをカバーするというのが私はやっぱり正しいあり方だろうと思って、昨年の十二月二十四日に成立させていただいたということでございます。
○青木茂君 私は、消費税そのものの懸念の一つを解消するためには、消費税本体の中において逆進性カバーが行われるのが正しいと思いますけれども、水かけ論ですから次へ進みます。 今度の税制改革におきまして、所得税関係の矛盾、不合理、不公平、そういうものがもうほとんど改まらないままに消費税に突っ込んだというところがあるんです。これは数え上げれば切りがないんですけれども、例を一つとってみますと、不労所得と勤労所得のアンバランスが非常に目立つ。 そこで、まず大蔵省に伺いますけれども、勤労所得の課税最低限はどれだけですか。
○政府委員(尾崎護君) いつも代表的なものとして申し上げております夫婦子二人、有業者一人ということで、子供二人のうち一人は十六歳から二十二歳の年齢に当たるというように仮定いたしまして、給与所得者の課税最低限は三百十九万八千円でございます。
○青木茂君 次に、所得は配当所得のみであるという仮定の課税最低限はどれぐらいになりますか。
○政府委員(尾崎護君) 同じような家族構成で配当所得だけを得ているというように仮定をいたしますと、所得税がかからない限度額は七百四十二万七千円となります。
○青木茂君 額に汗して働いて得た所得の課税最低限、税金がかからぬでもいい限度が三百十九万であって、配当所得といったらいわば不労所得ですよ、不労所得の課税最低限がその二倍以上の七百四十二万円と、これは税を考える上において極めておかしいんじゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) これは配当税額控除制度でございますが、先生よく御承知のとおり、法人税と所得税との負担調整に関します基本的な仕組みがございまして、そのために所得税のかからない限度額を計算いたしますと今のようになるわけでございます。 給与所得は企業から申しますと給与の支払いでございますが、これは損金でございまして法人税がかからないわけでございますけれども、配当をする場合にはこれは法人税を払わなくてはいけないということになります。先ほどの七百四十二万七千円で申しますと、実は法人税を四百八十九万七千円、それに該当する法人住民税まで加えますと五百七十四万五千円の税負担が実は法人税の段階であるわけでございまして、それを所得税の段階で調整をいたしますために、結果的に所得税のかからない限度額というのが先ほど申しましたような数字になるわけでございます。したがいまして、しょっている税ということになりますと、今申し上げましたように五百七十四万五千円ということになります。 仮に七百四十二万七千円の給与所得者というのを考えてみますと、同じような条件のもとで所得税が三十六万八千円、それから住民税が三十三万三千円かかりまして、七十万一千円のこれは所得税の負担ということになります。
○青木茂君 結局、二重課税の排除という意味ですか。
○政府委員(尾崎護君) さようでございます。国によっていろいろなやり方はございますが、このような調整をするのが通常でございます。
○青木茂君 これは法人というものをどう考えるか、実在の一つの経済体と考えるのか、個人の集まりと考えるのかということの差だと思うんですけれども、実在でなしに個人の集まりだという思想に立脚しているわけですね。大蔵省、いかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 法人実在説、擬制説という大変長い論争があるわけでございますが、とにかく調整を要するものだという考え方に立っているわけでございます。強いて分けますと、御指摘のように擬制説の方に近いやり方でございます。
○青木茂君 これはプロテスタントとカトリックの神学論争みたいなものだから、やり出したら切りないからやめます。 そうすると、個人で見れば、いわゆる株主レベルにおいて法人の中で納税をいわば代行してもらっている、それからその不足分を個人レベルで総合して配当控除をやるという考え方ですかね。大蔵省、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 最終的な所得の段階で税負担の調整を図るということでございますから、先生の御指摘のようにお考えいただいても、そういう考え方もあろうかというように思います。
○青木茂君 出てきた結論はとにかく二重課税の排除だと、これは非常に強く我が国の税法においては意識されているというふうに伺ったわけでございますけれども、その二重課税ということになりますと、所得税の段階において税金を納め、つまり所得の段階において税金を納め、消費の段階においてまた納める、これは二重課税じゃないですか、個人レベルから考えてみたら。
○政府委員(尾崎護君) 課税のベースをどこに求めるかという話でございまして、所得を基準にして課税をするというやり方、それから資産を基準にして課税をするというやり方、それから消費を基準にして課税をするというやり方、三つの課税ベースのとらえ方があるわけでございますが、それぞれに特質がございまして、これを非常にバランスよく組み合わせていくことが、税制としてよりすぐれたものになるのではないかというように考えております。 個人の懐で考えてみますと、所得という形で財布に入ってくる、そこで担税力を見出すというやり方もございましょうし、現実にその所得を消費することによっていろいろサービスなり物品なり、そこからいろいろ消費による享受を得るというその段階に担税力を見出すということもあり得るわけでございます。例えば非常にお金持ちで蓄積があってたくさん消費をしているけれども、所得としては特段今ないという方もいらっしゃるわけでございまして、その辺を考えてそれぞれバランスよく課税の負担を求めていくと、そういう意味でございます。
○青木茂君 消費をベースにして担税力を求めるということならば、私は所得をベースにする担税力というのは全く補完的なものでなくてはいけないと思うわけなんですよね。そうすると、今度の税制改革を見てみますと所得税減税は、本当は所得税というのは、あれだけの消費税取ったら所得税は限りなくゼロに近くならなきやおかしいわけなんですよ。それから見ると非常にまだ減税の幅というものは小さいんじゃないかと思うんですけれども、大幅減税になりますか、あれが。大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 税には幾つかの目的がありまして、言うまでもなくやはり負担の公平ということが一番大事だと思います。そうかといって、余り徴税費がかかるのもこれは結局また税でいただかなけりゃならぬので、やはり余り徴税費のかかるのもいかがなものであろうか。それから、経済に余り影響のあるというのも困るとか、いろんな観点、あるいは将来の経済成長にできるだけ影響を少なくするとか、いろんな目的でやっているわけでございます。そういうわけでございますので、税はいろんな側面から担税力を求めてやっております。 一口に所得、消費、資産と申しますけれども、日本で申しますれば、大体国税で二十五種類ぐらいの税目、地方税で同じように二十五ぐらい。五十ぐらいの体系でもってやっているというのは、そういうところを求めているわけでございます。世界各国を見ましてもいずれもそういうことでございます。そして、経済が発達してまいりますと、やはり所得課税が基本であるというこの原則は変わらないのでございます。消費課税あるいは資産課税、こういったものを一つの補完税として組み立てておるのでございます。 今回のあれは、かつてないほど我々から言えば大幅な減税であろうと。六十二年九月の改正で所得税、住民税で二兆二千億、それから昨年の抜本的税制改正で三兆三千億、五兆五千億という減税を全体の税制改正のスキームの中でやらしていただいた。これは恐らく戦後最大の減税規模であろうと思います。 一方、消費税の方は、何遍も申し上げますが、五兆四千億でございますが、八つばかりの間接税を実は埋没させていますし、またほかの八つは一部吸収しております。それが三兆四千億でございますから、間接税全体としてのネットの増収というのは二兆でございます。したがいまして、やはり大幅な減税であり、そしてそれは全体の改正、今度の改革の構想の中で組み立てられたと、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○青木茂君 大幅な減税とおっしゃいますけれども、国民のレベルから見ますと、億だとか兆だとかいうお金で物は考えないのですよ。家計簿のレベルでしか物は考えない、あるいは給料袋の厚さの部分でしか考えないのですよ。だから、そういう意味、その面から大幅な減税であるかどうかということが私は一番問題だと思います。 資料を配付してください。 〔資料配付〕
○青木茂君 今、お手元にお配りをいたしました表の一ですね、これは大蔵省が「税制改革の家計の負担に与える影響」というのを資料としてお出しになりました。それを全部やったら時間がとても足りませんから、年収五百万クラスに的を絞りまして年額とそれを十二で割った月額で表示をしたものですね。この資料については間違いございませんかな。
○政府委員(尾崎護君) 基本的にはおっしゃるとおりでございます。 二つほど申し上げたいのでございますが、一つは、月額の方の差し引きはこれマイナス四千円であろうかと思います。それから、「増税(消費税)」というように表示してございますが、私ども家計収支の計算をいたしましたときには、消費税とそれからほかの間接税の減税分を差し引きましたネットの数字ということを頭に計算いたしております。
○青木茂君 そのとおりです。最後のところの月額のところは当然マイナス四千円ですね。大変失礼しました。訂正してください。 そこで、これで見ますと、年収五百万円、月収にして四十一万六千円、それの消費支出二十八万五千円、この中身が一体どういうものなのかということを我々は追跡していかなければならないんじゃないか。 ここで、しばらく総務庁の方とのやりとりが続きますけれども、まず総務庁にお願いしたいんです。 月の方がわかりやすいから月でいきましょう。月収四十一万六千円、それからそのうちの消費支出二十八万五千円、この中で例えば家賃は幾らと計算されていますか。
○政府委員(田中宏樹君) お答えいたします。 前段部分の前提が少し違いますので、私どもの数字に直して申し上げます。といいますのは、五百万円というのはぴたりでございませんで、私ども五分位ということで五つに分割しました第三階級が先生がおっしゃる五百万のクラスに当たると思いますが、これが四百四十四万円から五百二十八万円の収入の方がこの第三分位、ちょうど真ん中の階級でございます。これの一カ月の家計収支を見ますと実収入で四十万三千二百十七円、それから税金とか社会保障とかいいます非消費支出を除きます三十四万二千五百十六円がいわゆる可処分所得で、これが使えるわけでございますが、このうちいわゆる生活費であります消費支出は二十六万八千七百三十九円を支出しておりまして、残り七万三千七百七十七円が黒字、いわゆる貯蓄というのがこの階級の姿であろうと思います。 その場合の、おっしゃいました民営家賃でございますが、年間で勤労者世帯で申し上げますと七万六千七百十二円支出をしております。
○青木茂君 大蔵省が資料として出されたのは有業人口一名ということの家計収支で、その有業人口一名で見る限りは私の提出いたしました資料と同じですね。大蔵省、そうですね。
○政府委員(尾崎護君) 先生のお示しになりました単位の数字でございますと同じと考えて……。
○青木茂君 どちらにいたしましても大差はないから。 総務庁の方に聞きますけれども、今おっしゃったのは年間ですか、もう一回。
○政府委員(田中宏樹君) 年間の数字でございます。 なお、この勤労者世帯の民営家賃の比率と申しましょうか、シェアと申しましょうか、ちょっと申し上げますと、実はこの勤労者世帯のうち持ち家が六五・八%でございます。それから今、民営の借家にお住まいの方が一六・五%でございます。その一六・五%の方の金額を申し上げたわけでございます。
○青木茂君 年間九万というと十二で割ったら幾らになるのか、えらい小さな金額になる。 そうすると、こういうことが言えますね。もし月に九千円ぐらい以上の家賃を仮に払ったとするならば、消費税はそれだけふえると、これは言えますね。――じゃ、僕が言いましょうか、時間がつぶれるから。いいですか、月間九千円なら九千円の家賃がここに計上されているある家庭があって、それ以上の五万だ、六万だという家賃を払ったとしたら消費税はふえるわけですね。
○政府委員(尾崎護君) 支払い額がそれだけふえるわけでございますから、消費税相当の負担額もふえるということになります。
○青木茂君 次に、教育費について伺います。この試算の中で教育費は幾らと見込んでおられますか。
○政府委員(田中宏樹君) ただいま申し上げました第三階級での勤労者世帯の教育費でございますが、年間で十五万二百十円でございます。
○青木茂君 月で割ってください。
○政府委員(田中宏樹君) 一万ちょっとでございます。
○青木茂君 その中で、非課税であるところの授業料を除いた部分はどれだけですか。
○政府委員(田中宏樹君) 授業料等が十一万二千四百六十二円でございまして、授業料等を除く教育費は三万七千七百四十八円でございます。
○青木茂君 月間。月は。
○政府委員(田中宏樹君) 十一万の方は約一万弱だと思いますし、授業料を除く教育費の方は三千円ちょっとかと思います。
○青木茂君 いいですか、家賃については、自宅も借家もひっくるめての平均統計だから低い数字が出るんだと、こういうふうに今御説明ですね。ところが、教育費については減税計算のときに高校か大学生一人を計上しているわけですよね。もう平均ではないんです、減税計算のときは。減税計算のときは大きくそういうものを計上して、減税額を大きく出しておいて、今度は消費税の課税対象は、大学生と中学生の家庭も赤ん坊二人の家庭も、もう就職しちゃった子供二人の家庭もひっくるめての平均統計で出してくるからこういう数字が出てくる。いいですか。子供二人であって、そのうち一人が高校生か大学生であるという家庭で、授業料を除く教育費総額が今、月に幾らとおっしゃいましたかな、三千円だ四千円だということは現実問題としてありますか。それ以上使えばやはり消費税はふえるわけです。 ここで文部省に伺いますけれども、高校生、大学生で父兄が負担するところの教育費は大体月、大ざっぱな見積もりでいいですから、どれぐらいになっていますかね。
○政府委員(佐藤次郎君) お答え申し上げます。 昭和六十一年度の保護者が支出した教育費調査によりますと、これは幼稚園から小学校から高等学校までの家計負担の調査でございまして、私立高等学校で申しますと五十八万八千円、公立高等学校で申しますと二十八万四千円。私立幼稚園で申しますと三十二万五千円、公立幼稚園ですと十七万二千円。小学校で見ますと、公立小学校の場合が十七万八千円。公立中学校の場合二十一万九千円。 以上でございます。
○青木茂君 今の文部省の試算でおわかりのように、実際かかっている教育費は、税制改革の家計に与える影響、この計算の課税対象ベースに比べると十倍ぐらいになっているわけなんですよ。そうすると、実際の額だけ教育費を使えば、今の話じゃないけれども、当然消費税はそれだけふえてくるわけなんですよ。 じゃ次に、少し細かいことになり過ぎて恐縮ですけれども、サラリーマンが散髪に行きますな。散髪に行ったところの散髪代というのは、これは頻度計算でお願いしましょうか。何カ月に一度ぐらいの散髪なんですかね。
○政府委員(田中宏樹君) 昭和六十一年の勤労者世帯の散髪料の購入数量、いわゆる回数でございますが、一世帯当たり年間三・四回、年間収入五分位階級の第三階級で三・八回でございます。これは家計簿に、私どもは家計簿を調査対象家庭に配りまして、それに記入をしていただいて回答してもらっているその記入の回数でございまして、実はこの中に小遣いは別枠で出ております。 したがいまして、小遣いから普通私どもといいましょうか、私どもは小遣いから散髪代を払っておりますが、そういたしますと、その分は多分入ってきていない。したがいまして、子供さんかなんかが特別お母さんに頼んでもらったものがこういう数字に出てきている、こういうふうに思われますが、いずれにせよ、全世帯の平均の数字であることを御理解願いたいと思います。
○青木茂君 それならば、サラリーマンの小遣いはどれぐらい第三分位で見込んでいらっしゃいますか。
○政府委員(田中宏樹君) 同じく六十一年の数字で申し上げますと、勤労者世帯の小遣いでございますが、年間で三十六万九千百六十九円でございます。月に直すと三万円でございます。
○青木茂君 それは世帯主だけということなのか、家族全体の小遣い額ですか。
○政府委員(田中宏樹君) 家族全体の小遣いでございます。
○青木茂君 散髪代が、それは小遣いに入っている人もあれば入ってない人もあるでしょうけれども、家族全体の小遣いが三万二千円ですか、これはもう皆様方の感覚で考えてもらうよりしようがないんですけれども、民間の平均統計で言えば五万から六万という数字が出ている内容のものなんですよ。だから、それ以上小遣い使ったとすれば当然それだけ消費税はふえると、まずこれ念押しておきます。 もっと細かいこと。総務庁さんね、タクシー代どうなっていますか。
○政府委員(田中宏樹君) ただいまの勤労者世帯の六十一年の数字で、交通費というのが年間で七万千九百四円でございまして、うちタクシー代が七千三百八十一円でございます。
○青木茂君 年間で七千円ですね。そうすると、月に直したらどういうことになるの、これは月で五百幾ら以上使った人は消費税はもっとふえると、こういう計算になってしまうんですよ。今、ワンメーター四百八十円ですからね、そういう計算になってしまう。 じゃ、こういうことを繰り返しておってもしようがない。最後に冠婚葬祭費はどうなっていますか。
○政府委員(田中宏樹君) 冠婚葬祭費は勤労者世帯で、年間でございますが、一万六千五百九十七円でございます。 ただし、これは御自分のうちで法事その他を主催した金額でございまして、御香典その他、ほかの方に出しますものは交際費で贈与という品目に別に入っておりますので、自分のうちで主催された分だけでございます。
○青木茂君 すべて最後にはただしがつくわけ。これ一々聞いておったら皆様も煩わしいし、時間が幾らあっても足りませんから、これぐらいにしておきますけれども。 今度は、政府の方で税制改革に当たって物品税の下がった分があるということを盛んにおっしゃるけれども、例えば電気冷蔵庫で見た場合、家庭の購入頻度、どれぐらいですか。何年に一度ぐらい買いますか。
○政府委員(田中宏樹君) 百世帯を単位にしてはじいていまして、五回でございますので、百で五でございますから五%、何年に一遍になりましょうか、百世帯で五世帯が買う、こういうことに相なっております。
○青木茂君 それはちょっとおかしいな。二十年に一回になるかな、それだと。何かちょっとおかしいような気がしますけれども、少なくとも毎年買ってないということは、これで明らかですね。 電気洗濯機はいかがですか。
○政府委員(田中宏樹君) 電気洗濯機は七回でございます、百世帯で七回。
○青木茂君 今の総務庁との一問一答でおわかりのように、大蔵省がお出しになりました税制改革がサラリーマン世帯に与える影響、この基礎になる数字、特に消費税計算のベースになるところの数字、それは以上のようなものなんですよ。つまり平均統計というものは死んでいるんです。死んだ数字なんだ。実際の家計簿は生きて動いているんですよ。その生きて動いておる家計簿というものを考えて消費税額を計算しなければ、差し引き減税だ減税だと言ったところで私は全く始まらないことだと思うわけなんですよ。 そこで、これは大蔵大臣にちょっと念を押しておきたいんですけれども、差し引き減税だというPRをこれから大々的にやろうというふうにおっしゃいましたけれども、こういうものを使って減税だ減税だとおっしゃられると、これは国民を欺嘱することになる。だから、こういうものをお使いにならなくて、ちゃんとした説明をしていただきたい。PRとおっしゃいますけれども、それは税金ですからね。変なPRをやられたら壮大なる税金のむだ遣いになってしまう。我が物と思えば軽し民の金では困るんです。ここのところをちょっと大蔵大臣、私は、はっきりここで正確なデータというのか、生きたデータでもってPRをやっていただきたいということをお願いしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 家計調査は平均的な数値としてあらわされておりますので、おっしゃいますように、そこだけとりますといろいろ妙な感じも受けるわけでございますけれども、しかし学齢期の子供だけを考えますと、例えばミルク代というようなものもその家計の中に、支出の中に入っているわけでございまして、いろんな家計の分を全部足し合わせて平均するとそういうことになるという意味でございます。 問題は、むしろ先生からいただきました資料にございます消費支出の総額でございまして、これが各家庭によって何に使うかということは区々でありますけれども、五百万円の給与収入の方が消費支出として三百四十三万円使う、これが常識的な数字でありますと、それをもとにして計算する消費税の額も常識的な額になるわけでございます。 具体的に、私どもどのように計算したのかということをちょっと御説明させていただきますと、まず家計の消費支出から、消費税の対象とならない結婚の祝い金でありますとかお香典でありますとか、そういうようなものを除きました。それから、先ほど申しましたように、消費税の税収とそれからほかの間接税の減税分、その調整をいたしまして、そして消費税のネットの負担増というものを計算したわけでございます。こういう方法によりますと、収入五百万円、消費支出三百四十三万円という家計におきますネットの消費税の負担増は、年間約三万七千円ということになるわけでございます。
○青木茂君 それがおかしいんです。 もう一回申し上げますよ。実際、家庭の人たちが考えるのは、それぞれの買い物の中で自分は一回消費税をどういうふうに負担したかという生の問題を負担感として感じるんです。今の計算は、その計算の中に家庭の数値というのはマクロの計算方法を入れちゃっているわけなんですよ。仮に二十八万五千円以上に消費がかかるとすれば、消費性向というのか、収入に対する消費の割合を高めるでしょう。あるいは電気冷蔵庫だとか電気洗濯機という高額商品を買い控えるでしょう。あるいは貯蓄をおろしてきて使うでしょう。いろんなことを生の家計はやるんですよ。その中で消費税の負担というものを出してくるんだから、余りしゃくし定規というのかな、そういうもので出してきて、それでこれだけ減税になりますよということは大変おかしいということを申し上げておきます。 時間がたってまいりますから、次の問題に入っていきたいと思います。 まず、平成元年度の消費税額は幾らと見積もっていらっしゃいますか。
○政府委員(尾崎護君) 一般会計の税収で三兆六千百八十億と見積もっております。
○青木茂君 これは結局消費税の大きさなんですね。そうなってくると我々が困るのは、消費税というものを定義する場合、国民が払った三多の間接税のうち、国庫へ入るものを消費税と定義すると、こういうことになりますか。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の税収は、御承知のように、譲与税として地方に分けられるものもございます。大体、ただいま私どもの計算の基礎となっております課税ベースが百九十八兆円というふうに見ておりますので、その三%といたしますと六兆円弱というところでございます。
○青木茂君 私が聞いているのは、消費税というのは国民が納めた三%のうち、国の懐へ入るというのかな、入った部分を消費税と考えているのかということです。
○政府委員(尾崎護君) 消費税法の対象となります課税ベースは、地方に行く分も含めて全体でございますが、地方譲与税として地方に行く分を除きましたものが国税として入ってくるわけでございますから、国税で言う消費税ということで言いますと、まさにその国に入ってくるものということになります。その中から一部が交付税として再び地方に出るということに相なります。
○青木茂君 そういたしますと、国民が、しようがない、税金かかるので、もう国家にとって必要なんだと思って無理して、消費税だと思い込んで払った税金のうち、国に入らない部分があるんですよ、四千八百億円あるというふうに伺っておるんですけれども、この四千八百億円というのは一体何なんですか。消費税なのか、何が何だかわからぬ金になってくるんですよ。これは性格づけすれば何になりますか。
○政府委員(尾崎護君) 税収計算をいたしますときに、先ほど申しましたように、課税ベースを計算いたしまして百九十八兆円が課税対象となる額、あるというように計算しているわけでございますが、その計算のもととなりますのは、事業者の国内の付加価値額でございます。そこで、輸出分でございますとか純投資の分でございますとか、種々調整をしてまいりまして、その中で中小事業者に対する特例、免税点三千万円、それから簡易課税、限界控除、この三つの特例によりまして、どれだけ課税ベースが落ちるかということでございますが、免税点で八兆円、それから簡易課税で六兆円、限界控除で二兆円ということでございまして、全体で十六兆円課税ベースから外れるというように計算しております。御指摘の四千八百億円はこの十六兆円に三%を掛けた額でございます。
○青木茂君 今の話を聞きますと、帳簿制度に起因するものが計算上入っていませんな。つまり、免税業者から仕入れても、帳簿制度においては課税業者から仕入れる格好になって税金が安くなるわけですね。その分はこの計算には入っていませんね。
○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。 ただいま申し上げました十六兆円という中小事業者に対する特例として課税ベースから外しました額の中にはその分が入っておりませんが、冒頭申し上げましたように、一番もととなる事業者の国内付加価値額等を計算いたしまして二百四十九兆円と見積もっておりますが、その計算の過程におきまして調整をいたしております。
○青木茂君 私が伺っているのは、先ほど申し上げましたように、億だとか兆だとか総付加価値だとかということよりも――よろしゅうございますか、我々が消費税だと思って無理して納めたお金が国庫へ入らない部分があって、その総計を四千八百億円だというふうに計算なさっている。そうすると、この四千八百億円というのは一体何なのかということを伺っておるわけなんです。
○政府委員(尾崎護君) ただいま私が申し上げましたのは、課税ベースの計算の過程について申し上げたわけでございまして、十六兆円外したということは、そもそも税収という点から見ますと消費税の計算として入っていないということでございます。 ただ、先生のお尋ねはそういう意味ではなくて、消費者の方としては簡易課税業者に払うときも三%分自分が負担している、その三%分が丸々国庫に行っているはずである、それが計算上少し違うことになっていて業者の手元に残るのではないか、そういう御疑念についてお尋ねだと思いますが、そこはあくまで事業者の方々の納税の事務負担という点から考えまして、確かに計算の正確性、恐らく公平という点を追求していきますと、きちっと計算をされるというのが一番公平であろうかと思いますが、しかし非常に規模の小さい業者の方々に難しい計算を強制するのには限界がございますので、そこで非常に小さいところは免税にする、それからその次の段階の小さいところには簡単な計算を認めるという、いわばその公平とは違う簡素という面からぎりぎりの選択をいたしましてそういう制度を設けているわけでございます。 確かに、御指摘のように、そこにそごはあるわけでございますが、じゃ、それがどこへ行ってしまうのかという話になりますと、該当額が一部は御指摘のように業者の手元に残るかもしれませんし、その相当額を業者が、自由競争でございますから、その分値上げをしないということになっておりますれば、それは消費者の手元に残るということになるわけでございます。 いずれにしても、本来きちっと全部計算したら国庫に入ってきたであろうという額がそれだけ減るということで、税収の見積もり上は外してあるという意味でございます。(「名前は何てつけるの」と呼ぶ者あり)
○青木茂君 本当にネーミングは何なんですかね。 それから、事務負担を軽減するということは、それは大変なことだからわかりますよ。わかるけれども、事務負担を軽減するコストをなぜ消費者が払わなきゃならないのか、そこのところが全然わからないんですよ。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の実施に当たりまして、事業者と消費者の間に新しい値決めが生ずるわけでございます。一番単純に考えますと、いわゆる三%分だけ転嫁をする、その分だけ価格が上がるという形で新しい値決めが行われることになるわけでございますが、税だけではなくて、ほかのコストということも当然事業者の方はお考えになるだろうというように思います。非常に小さな業者の方々にきちんとした計算をさせるということになりますと、恐らく御自分の手に余るということになろうかと思います。 例えば、月百万の売り上げを上げている小規模な業者のことを考えてみますと、仕入れが八割といたしますと、二万四千円仕入れが税をしょっているわけでございますから、仮に三彩上げますと三万円と二万四千円の差額の六千円、その分が確かに問題になってくるわけでございますけれども、この方にきちっと計算をしろということになりますと、恐らくだれか人を一人雇うとかあるいは税理士さんにお願いするとかということになります。そうしますと到底六千円では済みませんから、その分の負担を消費者に転嫁をするということになりますと、かえって消費者にとりましても負担がふえるというようなことにもなるわけでございまして、税金分ではなくてそのほかの事務手続に伴いますコストというものを考えますと、どこの国でも行われておりますように、小規模業者に対して配慮をしていくということは、コストの、その価格に与える消費者の負担という面からもプラスになる面があろうかと存じます。
○青木茂君 全くよくわからないですね。 いいですか、私が伺っているのは、いろんな点においてそれは事務もおかかりになるでしょう。いろんな計算の機械も入れなきゃならぬでしょう。しかしながら、それは銀行の低利融資にするとか財政補助にするとか、別な方法があるんであって、それを丸々、かかるから消費者にぼおんとかぶせるんだ、消費者負担のもとに事務の軽減をやるんだ、こういう発想というものが、余りにも気配りの面において事業者の方に気配りが行き過ぎちゃって消費者の方になさ過ぎるんじゃないか。ここに僕は、本当に、この消費税をめぐる大きな反発があると思うんですよ。事業者への気配りが大き過ぎて消費者への気配りが少な過ぎる。ここがなくならなければ本当に消費税はいつまでたったって賛成者は出ませんよ。どうなんですかね。
○政府委員(尾崎護君) 今度の税制改革の基本的な考え方といたしまして、公平、中立、簡素という三つの理念を掲げているわけでございますが、この消費税の納税事務手続というのは専ら事業者の方々が背負われるわけでございまして、やはりその事務手続に対する配慮というのは特別の措置として考えなくてはいけないということであろうかと思います。 簡易課税とか免税点とかあるいは限界控除につきましてたびたびの御指摘を受けておりまして、税制改革法自体が、これらの問題については消費税の定着の状況その他を見きわめながら見直しをすることが定められております。そういう趣旨に従いまして、現実に納税が果たされまして、申告納税が行われまして、本当に事業者の方々の事務負担がどういうことになるのかということもおいおいわかってくるわけでございますので、そういうようなことを考え合わせながら見直すということはあり得る話でございますけれども、しかし、そういう小さな業者、弱い業者、計算をして税務署に申告納税するのが大変だ、そういう方々に対する配慮が全く必要ないということでもこれはないんだろうと思いますので、要は、その実態を見きわめて、一体どこが最も納得し得る線かということを検討していくということではないかと存じます。
○青木茂君 おいおいわかってくるまでに消費者は三%ずつ払ってるんだから、これをどうしてくれるんだということ。 それから、もう一つ申し上げておきますけれども、小さな業者というお話が出ましたけれども、小さな業者ほど怒っているんですよ、この消費税については。そこのところを間違えちゃいけないんですよ。要するに、お役人が机の上で、局長や次官や大臣に気に入られたいためにデスクワークをやっちゃった。現場について、これはシャウプ税制とえらい違いなんだ。シャウプは現場に入り込んだんだ。現場のことを何にも考えぬでつくってしまったからこういう問題が出てくるんですよ。一番怒っているのは小さな業者なんですよ。 それでね、いいですか、日本の経済社会は売る側と買う側の信頼関係によって成り立っておったんですよ。何だかんだ言ったってそうだったんですよ。それが今度の消費税で、売る側は、転嫁できるんだろうか、買う側は、便乗値上げがあるんじゃないかということで、この信頼関係がこの消費税でずたずたにされてしまった。これはこれからの日本経済、日本の経済社会というものを考えるときに大変なんですよ。それがあるから事業者の方も反対しているんですよ。ここに対する御認識はございませんかね。
○政府委員(尾崎護君) この免税点の問題等については、現在のこの案を固めるまでに税制調査会等において非常に多くの議論がございました。それから、廃案になりました売上税のときの教訓というのもいろいろございました。同時にまた、中小企業団体その他の方々、有識者の方々の御意見等も伺いながらこのような線で固めていったわけでございますが、御承知のように、売上税のときは実は免税点一億円という高いところで定めておったわけでございますけれども、それを三千万円まで下げるというような措置を講じました。そのかわり、簡易課税の範囲を広くとる、限界控除制度を設ける、そういうような形で中小企業の対策を定めたわけでございます。
○青木茂君 とにかく、私どもが税金だと思って納めたお金が国庫に入らない、これは致命的な欠陥なんですよ。これを改めない限り、これは税制そのものがそれこそ国際的な評価を得られないんですよ。我々が税金だと思った金が国庫へ入らないということは、ある意味においては我々の財産権がそれだけ侵害されたということにもなるんだから、これはちょっと憲法の問題にもかかわってくる。これは法廷で言いますからいいですけれども。 もう時間があれですから、最後に値上げの問題について伺います。 便乗値上げがあるかなしかということがいろいろ問題になっております。この便乗値上げ問題については企画庁はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(勝村坦郎君) 便乗値上げの現状をどう判断するかというお答えでよろしゅうございましょうか。――既に三月ごろから先取り値上げ、実質は便乗的な値上げではないかというようなものがいろいろ指摘されておりましたし、特に四月になりましてからは、経済企画庁に設けてあります相談苦情受付窓口、物価ダイヤルと申しておりますが、それから地方公共団体等にそれぞれ相談窓口を設けてございます。大変な数の相談等の苦情がございまして、そのうち三割強は便乗値上げではないかという質問あるいは苦情でございました。 各省にもそういう情報は来ておるわけでございますが、それらを全部合わせてみますと、実際に便乗値上げではないかと言われているものはかなり特定の業種に限られております。一般の商品等につきましては、小売店で便乗値上げをしているというような苦情はほとんどなかったわけでございます。いわゆる中小サービス業、具体的に申しますと飲食業の一部、クリーニングあるいは理髪、それから新聞代、週刊誌その他、そういうようなサービス関係にほぼ限られているわけでございます。 この四月の東京都区部の消費者物価指数が発表になりまして、その内容をそれにあわせまして検討をいたしてみました。そういたしましたら、やはり全体といたしまして、消費者物価の中で三%を超えて上がっているものというのはほぼこういう便乗値上げの訴えがあった業種とかなり一致をいたしております。ただ、それも非常に高い上昇率があったということでは必ずしもございませんで、例えば外食という例をとってみますと、四月に三・六%の上昇でございます。これは三・六%という数字がなぜ出てくるか、これは解釈が難しゅうございますが、仮に業者の九割の方が三%の適正な転嫁を、値上げをなすったと、一割の方が三%を含めまして一〇%程度の値上げをなすったというふうに仮に想定してみますと、大体こういう数字になるわけでございます。 したがいまして、従来から特定業界のまたその中の一部の方々が安易な値上げをあるいはされているんではないかというふうに考えておりましたが、消費者物価の数字もほぼそれを裏づけるものになっているんではないか、こういうふうに判断しております。
○青木茂君 消費者物価のこの消費税による上昇率、経済企画庁、予想計算をなさっていらっしゃいましたね。それはどれだけですか。
○政府委員(勝村坦郎君) この計算は、あくまで消費税導入並びに物品税と間接税の廃止をあわせました影響ということで計算をいたしてございまして、初年度、つまり平成元年度では一・二%程度の物価水準の押し上げ要因になるだろうという想定を従来からしているところでございます。
○青木茂君 その計算根拠になりますものは、三%が完全に転嫁されて、それから物品税はいわゆる規定どおり下がる幅だけ下がったという仮定を置いているわけですね。それはどうですか。
○政府委員(勝村坦郎君) おっしゃるとおりでございます。
○青木茂君 そういたしますと、公共料金ですらまだ完全に転嫁され切っていない、民間のいろんなものでも転嫁されていないものはいっぱいある。物品税の方も下がり切っていない。そうなると、一・二というよりもっと数字は低い数字で現実は出なければいけないんですよ。それが一・二よりちょっと上と出たのは、その差額が便乗値上げということに理論上は私はなってしまうと思うんですけれども、そういう理論、成り立ちませんかな。
○政府委員(勝村坦郎君) 四月の東京都区部の消費者物価指数の上昇率は前月比一・四%でございますが、生鮮食品を除きまして季節調整をいたしますと一・二%という数字になります。これは全くたまたまでございまして、政府の予測の一・二%と数字としては同じ数字になっておりますが、これは全く機械的に内容が同じだというふうに考えているわけでは毛頭ございませんで、先生御指摘になったようないろいろな問題がなお部分的に残されているということは、我々も十分承知をいたしております。 したがいまして、五月、六月、あるいはさらに全国の数字というのがどういう形で出てくるかということは、今後とも注意深く見ていかなければなりませんし、またこれまで便乗値上げ防止対策あるいは物品税廃止等に伴います価格引き下げに対する種々の対策というのをとってまいりましたが、これは従来どおり全く緩めることなく今後とも持続をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。 ちなみに、今おっしゃいました便乗値上げで上がっているために、地方公共料金あるいは一部まだ転嫁が済んでいない方々のこれからの価格上昇というものが打ち消されて、それで一・二ぐらいになっているんじゃないかという御議論がございましたが、これは確かに理屈の上で申しますとある程度そういう要因はあろうかとは思います。 ただ、それじゃその便乗値上げ的なものでどれだけ四月の物価が押し上げられているのかということは、これは非常に判定は難しゅうございまして、なかなか数値としては出てまいりませんが、先ほど申しましたように、四月の段階で三%を超えているものだけを取り出しまして、その部分がどの程度四月の消費者物価に影響しているかという、これが全部便乗値上げたというふうには断定できないわけでありますが、仮にそういう計算をしてみますと、大体〇・二%ぐらいでございます。そのうち新聞の分が〇・一%ございますので、その他の分といたしましては〇・一%ぐらいかなと、これは全く目の子算でございますが、そういうふうに考えております。 それから、地方の公共料金のことにお触れになりましたけれども、この全国の消費者物価の中に占めます地方の公共料金、これのウエートは非常に小そうございまして二%ちょっと、たしか二・三多くらいだったと思いますが、と記憶しております。仮にこれが三%丸々上がりましても、その全体の影響は〇・〇六%でございますから、そのうち残された分が今後出てくるといたしましても、そのために今後の物価水準がかなり押し上げられてくるというようなものではないだろうというふうに考えております。
○青木茂君 実際の国民生活は、物価が何%だとかどうだとかいうことで国民生活は営まれていない。物価というのはあくまでも統計数値なんですね。実際にあるものは価格なんですよ、個別のですね。 それで見た限りにおいて、私、一つデータをここに持ってきたんですけれども、これはプライバシーがありますからお店の名前は外しますけれども、資料としてあれしましたね。これは三月三十一日までのメニューです。そしてこっちが四月一日からのメニューなんですよ。これを比較していただきますと、一番高いウニどんぶりが千円から千五百円ですよ。――これは笑い事じゃないですよ、そうなっちゃっているんだもの。イクラどんぶりが千円から千三百円、一番安いかけが三百五十円から四百円。こういう状態の中で消費者は暮らしているんですよ。消費者はまさにこういう状態の中でのたうち回っているというのが現実なんです。 だから私は、政治というのは楽観論でやっちゃいけないと思うんですよ。大したことない大したことない、大丈夫だと、うまくいっているうまくいっているということでなしに、その悪くいっている部分を注目しながら、悪くいっている部分をどうやって正していくかということで真剣に突っ込んでいくのが僕はやっぱり政治だと思うんだな。 そうしますと、この物価問題においては、将来十分予想されるところの後追い値上げをどういうふうに監視されますか、これからの値上げ。
○政府委員(勝村坦郎君) これからの監視体制でございますが、これは先ほど申し上げましたとおり、従来の監視体制を全く変えることなく今後とも持続をいたしてまいりまして、具体的に申しますと、我々企画庁が直接やっております物価ダイヤルあるいは物価モニターによります全国的な調査、それから都道府県に依頼をしております物価安定対策事業による調査監視、これらはいずれも従来どおりの、従来と申しますかへ三月、四月どおりの体制で今後とも持続をいたしてまいりますし、それから、今後とも追加的な便乗値上げと考えられるもの、あるいは物品税の引き下げに対応して一度下げた価格がまた少しもとに戻ってくるとか、あるいは昨日御議論がありました新製品の発売等で価格の動きがおかしくなるとか、そういうことが絶対に起こりませんように、関係省庁あるいは公正取引委員会と従来以上に強力に政策を推進してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○青木茂君 とにかくこれは真剣にやっていただかないと、役目だからしようがないとか、いいかげんなことじゃ後追い値上げというのは実際問題として後を絶ちませんよ。下手するとタックスインフレーションになりかねない要因をはらんでいるということ。 あと、実は七分欲しかったところだけれども、三分ですね。 昨年の十月でございますか、ワシントンDCで世界のタックスペイヤーズの会議がございまして、そこで各国の代表が各国の税法を説明し合っていろいろ批判を仰ぐという会議だったんです。私が日本の税制改革というものを説明したときに、各国の代表から一致して出た意見というものをここで読み上げますから、もう時間があれですけれども、お答えのできる範囲内でお答えをいただければ大変ありがたい。ただ、最後に私に三十秒ばかり残しておいていただきたいということです。 「一、付加価値税導入の可否はともかく、これと所得税の累進度緩和を同時にやり、資産課税を現状維持にすることは金持ち優遇にならないか」、これは主としてEC諸国から出た質問でございます。 それから、「二、直接税を減税するなら、優遇措置をカットして、課税ベースをひろげるのが常識、VATはその後だ」と、これは主としてアメリカから出た常識。VATというのは付加価値税ですね。 「三、付加価値税の前提として目的をはっきりさせるべきだ。その目的は複数ではなく、単数でなくては国民にはわからない」と。 この三つです。これをちょっと大蔵大臣と総理、御見解をちょうだいしたいんです。
○国務大臣(村山達雄君) 今の最初の点でございますけれども、所得税については税率を下げる、あるいは控除を上げる等のことをやっております。資産課税につきましては、キャピタルゲインは原則課税にするとか、それから前のことで、利子については適正化を図ったとか、あるいは社会診療報酬については上の方の者は特例措置をやめるとか、そういうことをやっているわけでございます。 同じように第二の問題につきましても、課税ベースを広げるということは、つまりそういうことであるということでございます。 それから目的でございますけれども、これはもう言っておりますように、消費税を入れたというのは、現行の間接税の諸問題を根本的に改正して、そして同時に租税体系として公平なものをつくっていって、そして安定した収入を福祉社会に向けて導入しましたと。 ごくつづめて言えばそういうことだろうと思います。
○青木茂君 これは十分議論しなきゃならない三つの問題ですけれども、時間が来てしまいました。 私だって外国人から日本の税法を悪くは言われたくはないんですよ、ささやかな愛国心を持っているから。しかし、どうも評判はよくないんです。 また、所得税や法人税の税率を下げるのならなぜ優遇措置を減らす努力をしないのか。これはブルッキングス研究所のペックマンという人の意見ですね。付加価値税はレベニューマシンであって、その導入が全体として減税だということはあり得ないと。これはウルフソンというスタンフォード大学の教授が言っております。 私がるるきょう申しましたように、今度の税制改革にはいろいろ問題点がある。その問題点をごまかしておる限りにおいては、今の税制改革反対の大きな流れというものは到底食いとめることはできない。もっと正直に国民に対して実情を、それこそ正しい意味のPRをして、そして批判を仰ぐということをやらない限り、政治不信のまま二十一世紀へ突入してしまいますよ。それだけは申し上げまして、質問を終わります。 どうも失礼しました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で青木茂君の質疑は終了いたしました。 これにて総括質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会