予算委員会 第10号
- 発言数
- 315 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1989/05/16
会議録
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。 平成元年度一般会計予算、平成元年度特別会計予算、平成元年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 理事会の協議決定事項について御報告いたします。 本日の総括質疑は、日本社会党・護憲共同五十四分、公明党・国民会議二十四分、日本共産党二十三分とすることと決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより総括質疑を行います。及川一夫君。
○及川一夫君 まず、具体的な問題に入る前に、総理のお気持ちをただしたいのでありますが、とにかく私自身、今、どんな気持ちを持ちながら、どんな思いを持ちながらどこまで総理の御意思をただしたらいいのか、率直に言って戸惑いを感じております。 世界的には、中ソ会談の内容が恐らく本日午後あたりには知らされるでありましょうし、米ソのデタントの条件がある。中ソ会談に対してはブッシュ大統領がソ連封じ込め政策を中止する。そして、恐らく明らかになるであろうソ連自体がアジアの軍縮問題について提案されるというような動き、さらには七月にはサミットも開かれる。こういう国際的な条件を考えただけでも大変な情勢に我々は立たされている。大いに論議をしなければいけない。 ところが、総理は退陣をされる、退陣されるのはやむを得ませんけれども、一体どうなるんだということについても政治的な日程等々明らかになっていない。こんな中で一体何を我々は議論をしたらいいのかということに戸惑いを感ずるんですが、国民の政治不信に対するそれこそ答えとして総理はどんな考えを今持っておられるのか、率直にお聞きしたい。
○国務大臣(竹下登君) 私が「国民の皆様へ」ということでお示ししましておるとおりの気持ちでございます。したがいまして、今は私としては予算を通過、成立さしていただいた時点で辞任という行為を実行に移しますと、こういうことを申し上げておるわけでございますので、行政に停滞があってはなりませんから、私なりに予算審議等に対して誠心誠意、今、行政府の立場としての務めを果たすということが、現時点における私に課せられた務めであろうというふうに考えておるところでございます。 いろいろお互い政治家としての一つの、お言葉の中にもありました、戸惑いを感じておる、あるいはお気持ちをただしたいというふうな御表現に対しましては、大変私なりに打たれるものがございます。
○及川一夫君 この予算委員会が始まって以来全くお答えは変わりません。したがって戸惑いはこれからも続くのかもしれませんけれども、時間の関係もありますから前に進めたいと思います。 その前に、緊急ということになりましょうか、けさ警官二名が殺されたことが報道されました。一体これはどういうことになっているのでしょうか。昨日の我が党の山口書記長に対する暴力の問題もございました。法治国家として大変ゆゆしき事態だというふうに思いますが、国家公安委員会委員長、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂野重信君) お答えいたします。 けさ午前二時五十八分ごろでございますが、警視庁の練馬警察署の中村橋派出所の警察官二名が何者かに刺殺されたという事件でございます。一人は派出所の中で、一人は歩道上で倒れておったということでございますが、詳細は今調査中でございまして把握しておりませんが、いずれにいたしましても、警察官二名が刺殺されるということはまことに重大な事件でございまして、警視庁において一日も早く犯人を検挙するように全力を挙げ七捜査しておる状態でございますが、先般の社会党書記長の問題とは全く関係ないことだと私どもは承知いたしております。 今のこの事件は、とにかく早く犯人を検挙して事実を調べたい、かように思っております。
○及川一夫君 関係ないというふうにおっしゃられたのはそのとおりかもしれません。ただ、冒頭申し上げましたように、政治に対する信頼がないという意味では、それとなくやっぱりつながりがあるのではないかという思いがいたします。 いずれにしても、不幸な事態だし、再びこういったことを起こしてはなりませんから、ぜひとも絶対的な措置をとっていただくようにお願いをしておきたいと思います。 そこで、私は消費税の問題について入りたいというふうに思います。 まず、大蔵大臣にお聞きすることにはなるのでしょうが、とりわけ厚生大臣が、消費税を廃止してその後の財源は一体どうなるんだと、五兆四千億穴があくがだれもそのことについて言及をしないと、私流に言えば無責任ではないかというふうに聞こえるような御答弁をされました。僕は情けないと思います。別に自由民主党や政府だけに財源問題があるわけではありません。野党といえども、それに対しては責任を持たなければいけない。もう再三申し入れをしている。ああするこうするということを申し入れているにもかかわらず、そういうことなのでありますが、大蔵大臣、いかがですか、野党の財源問題というのは全く具体的な内容を持たないで、ただ消費税に反対をしているだけですか、お聞きします。
○国務大臣(村山達雄君) 恐らく委員のおっしゃっているのは四党共同提案の問題であろうと思います。これの税制改革案というのを拝見いたしますと、非常に抽象的で、具体的にどうするのかというのが何も出ていないわけでございます。物価調整減税をやるとか、それから低所得者に対しては非常に厚くやりますとか、こういうことが一つ前提にある。それから総合課税を徹底的にやりますとか、これはやっぱり準備のかかる問題でございます。 それで一方、年金の方で言いますと、今の基礎年金の国庫補助三分の一を二分の一にいたしますとか、それから保険料の持ち方を、今折半でございますけれども、使用者三分の二にして、そして勤労者は三分の一にする、そういうことができるかできないか、国民の合意がどうして求められるか。言ってみますと、要するに歳出はずっとふやしますよ、それから歳入の方は減税しますよと、こういうことを言っている。それから、抜本改正とか土地税制。土地税制についても具体案は何にも出ていないわけでございます。 こういうことを考えますと、それはやりょうがありましょうけれども、これだけでは今政府がやっておる、提案している案のかわりになるというところまではまだ固まっていない、このように承知しております。
○及川一夫君 大蔵大臣、そういうことをおっしゃる前に、今行われている消費税が公約違反、やらないと言いながらやった、そのことに対して我々社会党、野党は問題点をついているわけであります。もっともっと国民と相談をして、納得ずくでやらなければいけないという前提でありますから、大蔵大臣から言えば抽象的な案だと言うけれども、我々から言えば具体性を持たす内容を含めて我々は国民と相談をしたい、こういうことでありますから、そこがもう決定的に違うということだけ指摘をしておきたいと思います。 そしてまた、成長率の問題含めまして、いずれにしても三兆、五兆、来年度も二兆円は自然増収が図られるような状況の中で、何で消費税だけが先行するのかということでありますから、要するに我々としては、財源問題に対して確実な見解を持っているということを私は申し上げておきたいというふうに思います。 それと同時に、大蔵大臣は一兆三千億の減税問題について、減税をしたということ、それも奥さん方考えてほしい、こう言われている。しかし私は、減税額と減税感とは違う、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) もうしばしば申し上げているように、今度の税制改革、その中における所得税、住民税の減税というのはかつてないほど大幅であるわけでございます。年収八百万円の標準世帯で二割の減税、これはなかなかいまだかってなかっただろうと思うのでございます。もちろん、三百万とか四百万になりますれば減税の割合はもっとはるかに高いわけでございますから。 ただ、委員がおっしゃいます減税感がないんじゃないかという点について、恐らく御本人は源泉徴収でございますからよくおわかりだろうと思いますが、奥様が御存じになっているかどうか、それを心配しておるのでございます。何といっても源泉徴収でございまして、天引きいたすものでございますから、やはり痛税感がないということは事実でございましょう。直接税でありながら痛税感が割と少ないというのは、源泉徴収のせいではないか。それから、間接税でありながら消費税は逆に外税方式をとっております。だから、逆に間接税であって何か痛税感というものが日常のお買い物をなさるときにあるな、このことは委員と同感でございます。
○及川一夫君 私は、減税といえばたとえ数字上月に五百円でもあらわれてくれば減税に違いないんです。しかし、減税感ということになると、今どき月々五百円ぐらい一千円ぐらいの減税であったとしても、これは野党も賛成をしている。野党も修正要求をしてつくられた減税ですから、減税そのものに我々は意見は別に反対とかそういうものはないわけです。もっとやれぐらいの気持ちの方が強いわけです。 しかし、千円とか五百円というぐらいで果たして減税感というものを感ずるだろうかと、ここが問題なんです。だから、一千八百万から二千万ぐらいになると、おおむね年間で十二万五千円ぐらいですよ。月に一万円は減税額としてあらわれるわけですよ。これは確かに減税感があるでしょうね。しかし、五百万とか四百万とかの年収のところでは、とんとんとか、むしろ間接税の方が多いということになるわけですから、これを減税減税と言って、一兆三千億減税したんだから減税感を含めて考えてもらわにゃいかぬとどんなに大蔵大臣が言っても、なかなか通用しない。 ですから、減税の高さにもよるということをはっきり受けとめてもらいたいというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 日本の、我が国の所得税というのは、改正前もそうです、改正後もそうでございますが、非常に累進構造の強いものでございます。課税最低限は世界で一番高い、改正前も。今度はもっと高くなったわけです。したがって、低所得者の方は初めから納めている税金が少ないわけでございます。非常に少ないわけですね。これは恐らくもう世界最低でございましょう。だから、納めている税金が少ないわけでございますから、減税率が高くても減税額がそんなに多くならないことは、これは当然なのでございます。初めからそうなっているわけでございます。 ですから、額で幾らでなければ減税感が出ないと、こう言われても、もともとそういうふうに仕組まれているものでございますから、私は必ずしもそうは思いませんですけれども、いろんな負担感というものをいろいろ聞いてみますと、まあ委員がおっしゃったようなことをおっしゃるなら、初めから納める税金が少ないから、まあ三百万ぐらいのところは八割ぐらいの減税になりましょう、八割九分ぐらいになっているところもあると思います。しかし、それだからといってその額がそんなびっくりするほどの額にはならない、もともと納税額が少ないからだと、こういうふうに思っております。
○及川一夫君 まあ決定的な違いがあることがわかりました。やっぱり永田町の論理と庶民生活との関係というのは、全く感じが違う。それは数字合わせというものですよ。もともと所得税は累進性があるわけでしょう。少ない人は少ないなりに税を負担してもらう、多い人は多い人なりに負担してもらう、それで共同社会を営んでいこう、助け合っていこうというのが税金じゃないですか。したがって、減税があるかないかは、自分の生活自身を水準にして、基準にしてあったかないかということを考えるのが当然のことじゃないですか。それまで否定するようなあなたの論理というのは通用しませんよ。 いずれにしても、この問題は消費税問題でさらに集中審議もあるようでありますから、そちらの方にひとつ回したいと思います。 それで、私はここでぜひ明らかにしていただきたいというふうに思うのは、物品税の還付問題であります。一体この制度、制度というか大蔵省が指導されている内容について、そのねらいを含めてお話しいただきたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 消費税の導入に伴いまして廃止されました物品税の課税対象物品で、消費税の適用日、これは本年の四月一日でございますけれども、その前日段階、三月三十一日段階で市場に流通しております物品税の課税済みのもの、これにつきましては、四月一日以降に移出されます物品との間に税負担のギャップが生じてまいります。 御案内のように、物品税につきましては、特定の物品でございますけれども、相当の率で課されておりました。で、消費税導入後は一般的な三%ということになりまして、三月三十一日を境にしてその負担関係に大きな変化が生じております。その課税済み物品が消費者の段階にまで到達して消費されたという状況になりますれば、それはそれでもう済んでおるわけでございますけれども、流通段階にとどまっておるというものにつきましては、いまだ消費されておるという格好に相なりませんので、その間の物品税の負担と消費税の負担との調整を図るという必要はございます。そのための調整の手段といたしまして、物品税法の第二十八条の第一項に基づきます戻入控除制度という制度によりまして、その間の調整を図るということにしたところでございます。
○及川一夫君 その周知の方法はどうされましたか。
○政府委員(伊藤博行君) これは対象となる方々が物品税の取り扱い事業者ということでございますので、基本的には物品税が課される各種物品を取り扱っておられます業種団体等を中心にしての広報活動ということで、この制度の趣旨を徹底しておるところでございます。
○及川一夫君 何か頒布されたものはありますか。
○政府委員(伊藤博行君) 一般的な根拠と申しましょうか、PRのベースといたしましては、私どもの長官通達という形で各国税局長あての通達を出しております。「消費税の導入に伴う物品税等の課税済流通在庫品に対する税負担調整措置について」という表題での通達を出しておりますし、同じ趣旨をもう少しわかりやすくした格好でのパンフレットというものを製造者あるいは販売業者等々に多く配付いたしまして、この制度の適用についての遺漏なきを期するようやっておるところでございます。
○及川一夫君 申請の状況はどうなっていますか。
○政府委員(伊藤博行君) 本戻入につきましては、三月三十一日現在の流通段階での在庫品のいわば逆流、そのメーカーへの逆流でございます。その申請は、通常の場合には、物品税の場合移出後二カ月後に申告するという建前がございますので、一般論で申し上げますならば、五月末に出てくるというのが原則でございます。ただ、戻入手続は別に二カ月でなきゃいかぬということではございませんので、その後の申請もあろうかと思いますが、そういう意味では現時点でどの程度戻入手続がとられているかという具体的な数字は、現状ではまだ把握しておりません。
○及川一夫君 そこで、この問題をめぐって業界の中で相対立する意見があることを御存じでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) 具体的に先生の御質問がどういう御趣旨で言っておられるのか、ちょっと承知しておりません。
○及川一夫君 ここに、私の手元に書留内容証明郵便物ということで内容証明の実は文書があるわけです。これはあるメーカーに小売業者があてた内容でして、内容的には一つには、還付手続等に関してメーカーの姿勢を問うということなんであります。つまり不公正ではないか、本当に還付を受けたものが消費者まで還元されているのだろうかどうだろうか、途中でそれこそ自分のものにしてはいないだろうか、あるいは新製品という名において便乗値上げをしている、問題ではないか、こういうことが実は書かれているわけでありますが、これについてはお感じになりませんか。
○政府委員(伊藤博行君) 具体的な御質問の御趣旨をあるいは正確に把握したかどうか存じませんけれども、今のお話は、想像で申し上げますと、一つは還付手続の問題とは別個の値決めの問題をおっしゃっておられるのじゃないのかなという感じがいたします。 物品税の還付といいますのは、先ほども申し上げましたように、卸なり小売なり流通段階あるいはメーカーも含めてですけれども、消費者にまで到達してない課税済み物品の中に入っておる物品税を還付する、戻すということでございます。これは業者間の取引でございますので、しかるべく小売業者のところにあるものであれば各種流通段階を通ってメーカーのところへ行く、メーカーに対してその申請された額が税務署から還付されていく。したがって、その部分に関しては明らかに額の還付は行くだろうと思います。先生おっしゃっておられるのは、そういった還付されたものを含めての最終的な値決めがどうなっていくのかということかと思います。 これは私どもは、物品税の引き下げによって生ずるものは原則として消費者に還元すべきであるという一般的な行政指導をやっておりますけれども、その部分が適正かどうかといういわば妥当性の議論の範囲の話であろうかと思います。その問題と戻入制度が適当かどうかというのはちょっと別個の問題なんじゃないかと思いますけれども、先生おっしゃる値決めが適正に行われるべく関係当局として努力しておるかという点につきましては、私どももそういった方向での指導はやってきておるつもりですし、今後とも引き続きやってまいりたいというふうに考えております。
○及川一夫君 ここで、理事会でお諮りをいたしました資料を配付させていただきたいというふうに思うんですが、よろしゅうございますか。 〔資料配付〕
○及川一夫君 今、資料配付をいたしました。 それで、まず国税庁に、大蔵省でも結構なんでありますけれども、物の値段には、一つには仕入れ価格、それからメーカーがいう希望ないしは標準価格と言われるもの、それに小売価格の三つがあるということについては確認できますか。
○政府委員(伊藤博行君) 一般的には仰せのとおりだと思います。
○及川一夫君 それで、物品税がかけられるのは仕入れ、要するに蔵出しですね、ここにクーラーの場合でしたら二〇%ということでかけられると受けとめていますが、それもよろしゅうございますか。
○政府委員(伊藤博行君) いわゆる二種物品につきましては、メーカーからの蔵出し段階で蔵出し価格に対してかけるということで、仰せのとおりかと思います。
○及川一夫君 その小売業者が蔵出しとして受けた品物が三月三十一日で売ってない、それには二〇%の税金がかかっている。しかし、四月一日からは三%の消費税である。したがって、二〇%の物品税を入れたまま売るわけにはいかない。そこで、品物をメーカーとの間で出し入れをして三%かけられるような状態にして売っていかなきゃならぬ。そこに着目をして国税庁としての還付ということを考えられた、こう受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(伊藤博行君) 仰せのように、三月三十一日以前に蔵から出たものにつきましては物品税がかかっております。それがまだ消費者段階まで到達しないもの、いわば流通段階にありますものについては物品税を背負った格好で在庫の状態にありますので、それを一たんメーカーに戻し、そして裸にした上で消費税が新たにかかるようにするというのが本制度の目的でございます。
○及川一夫君 その蔵出しのときに、いろんな品物がありますから、物品税のパーセントも違う。そういう意味で、蔵出し段階でかける物品税というのは、還付する際には何%というふうにお踏みになっておるんですか。
○政府委員(伊藤博行君) これは、それぞれの物品ごとに物品税率は異なっておりますから、当該物品に課せられた物品税相当額ということでございます。
○及川一夫君 私が把握している点では、国税庁の指導ということになるんですかね、大蔵の指導ということになるんでしょうか、主税局ということになるんでしょうかね、七、八%ということで御指導なされて還付請求を出すようにということが行われているようにお聞きするんですが、いかがですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもの実務ベースでは、あくまでも課された物品税をお返しするということですので、在庫になっている商品によって、物によりまして物品税率は異なりますから、それぞれの商品が背負っておる物品税そのものをお返しするということで、七とか云々というようなことではございません。今お話しの蔵出し価格の二割というケースであれば、その二割相当額をお返しするということでやっております。
○及川一夫君 そうするのが正しいと思うんですが、実際にそれをやりますとメーカー段階の元値が割れてしまうということでメーカーの側は余り歓迎をしない、したがって、そこは総合的に七、八%ぐらいということで御指導なさっているんじゃないでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) たびたび繰り返しになって恐縮ですけれども、私どもはあくまでも蔵出し価格にかかった物品税をお返しするということでございますので、二割の課税率のかかる物品でありますならば蔵出し価格の二割というものをお返しするということでやっております。
○及川一夫君 私も多少足で歩きまして実際にやっている方々からお聞きした話ですから、食い違ってはおりますけれどもそういう問題点が一つあるようであります。したがって、この段階でどのぐらいの物品税の還付になるかということは正直言ってわかりません。わかりませんが、クーラーを一つ例にとって、三十万円という前提で実はこの物品税の還付の仕組みというものを考えてみたわけであります。 その結果、問題点は三月三十一日前と四月一日で、本来三十万円を前提としてこういう形で小売価格が決まるということになれば、仮の物品税、問題点はあるんですが、二万四千円というものが還付されるわけですから、四月一日以降はそれを計算すれば、右側の一番下ですね。小売業者、消費者、消費者と二つになっておりますが、その後段の十六万というような数字で売られていなければ、いわばこの二万四千円という還付金というのは消費者に還元されるんじゃなしに、小売業者とかあるいはメーカーがそれこそ還付をされて終わってしまう、消費者には還元されない、こういう実態が起きて、先ほど申し上げましたようなメーカーに対する抗議質問書みたいなものが出ているわけなんであります。こういう事態は考えられないでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) 今、先生からちょうだいしました仕組みの図を拝見しておりますと、小売価格十八万円というふうに値づけがされておりますが、これが事実上の実売価格ということで、そのベースにある物品税が二万四千円というのが蔵出し価格に対して二割ということであれば、四月一日以降のいわば理論計算値というのは、おっしゃるような十六万六百八十円というのがあるべき姿だろうというふうに思います。 私どもも実際に各省でのいろいろな調査等を通じて現状がどうなっておるのかなということに大いに関心持っておるわけでございますけれども、一つ一つのケースということまでは承知しておりませんが、マクロ的に見た大きな流れとしては、この絵でおかきいただいておりますように、言うなれば物品税が課税されている状況での小売価格の動きと、それから消費税に変わった後の価格の動きとでは相当差がございます。中には四月一日に先立ってある意味で先行した値下げをしておる物品もあるようでございます。そういう意味で、お話にお言葉を返すようで恐縮ですけれども、大筋としては物品税の還元は十分消費者価格に反映しておるんじゃないのかなというふうに一般論としては言えるんじゃないかと思います。 もちろん、個々具体的なケースでどうかということになりますと、あらゆるケースを承知しているわけじゃございませんけれども、私どもとしても先ほど申し上げましたように、この絵で示されたように物品税が下がった部分については消費者に還元できるような方向での行政指導、私どもだけではなくて、関係各省の御協力も得ながらやってまいりたいというふうに考えております。
○及川一夫君 私も小売業者とかメーカーの方がすべて悪さをしているということを申し上げているつもりはないんです。ただ、現実にこういう抗議文が出ているということは、私が御説明をしたような悪の部分ですね、言葉で言うなら悪の部分がある、つまり還元しない場合と還元をした場合と二つの形が市場にある、業者段階にあるということが明確に言えるということになるわけでありますから、こうなりますと、前回まで出ているように物品税が下がった下がったと言うけれども、下がったという感じがしないという国民の感じ方ですね、こういったところに問題点が隠されているんじゃないか、こんな気がしてならないわけであります。 したがって、今後私はこのことをチェックすることも考えてほしいし、同時にまた、大蔵省は還付金として一千六百億ほど予算は組んでいるんだけれども、果たしてこれで間に合うのだろうか、こういうことを許したら恐らく相当オーバーをするんじゃないかというような感じがして実はならないわけでありますけれども、その点についてはいかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 物品税収につきまして還付の額でございますけれども、通産統計それから自動車統計月報等を利用いたしまして各品目ごとの在庫状況というのを推計いたしました。それに基づきまして、全体としましておおむね一カ月分弱ぐらいの在庫があるように推計されますけれども、それにそれぞれの物品についての物品税の税率を乗じまして、そして戻し入れの控除額千六百七十億円というように私ども見込んでおります。 計算に当たりまして若干のむしろ余裕と言ってはあれでございますが、過小にならないようにそこは気をつけて計算してございますので、そういうことはないと私ども思っておりますけれども、いずれにしても五月末に行われます物品税の戻し入れにかかる申告状況等につきまして注意深く見守っていきたいと考えております。
○及川一夫君 もう一つ、これはメーカーに対する抗議の内容があるわけですが、問題があります。その問題点を明らかにする前に、新製品というのは、これは通産省になろうかと思うんですが、一体どういうものをもって新製品と言うのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) 大変ある意味では難しい御質問でございます。企業がある新種の製品を売り出す際にそれを新製品というふうに言うことがあるわけでございます。特に新製品とは何かというようなことにつきまして法令上定義があるわけではございません。 しかし、私どもこれまで新製品として売り出されておりますいろんな品物についてある程度の分析をして見ますと、やはり幾つかの特徴があるものを新製品というふうに言っているわけでございまして、例えば品質とか性能等が従来のものに比べてすぐれている、あるいはデザインとか形、色合い等が従来のものと異なる、あるいは消費者にとって使いやすい、いわゆる利便性というものでございますが、こういったような点で、少なくとも今までの品物に比べて新しい特徴がある、そういったものが新製品と言われておるんじゃないかというふうに考えております。
○及川一夫君 ずばり言って、本体は同じ、それに付加装置というものをつけたら新製品になりますか。
○政府委員(児玉幸治君) 付加装置というのが何かということでございますけれども、例えば家電製品等の場合にはいろんな形で、例えば温度のコントロールでございますとか急速冷凍の性能でございますとか、あるいはにおいを取ります脱臭とか、そういったことで従来のものとは違った非常に新しいすぐれた性能を持っている製品を市場に導入することがあるわけでございまして、先生のおっしゃる付加的というのはあるいはこれのことかもしれないのでございますけれども、私どもそういうふうなものがつけ加わっておりました場合には、そういったものを新製品と考えても別におかしくないんではないかと思っております。
○及川一夫君 自動車業界ではいかがなものでしょうかね、例えば自動車にラジオがついていなかったらラジオをつけたと、それで新製品になりますか。
○政府委員(水野哲君) 自動車でございますけれども、いわゆる新型車とかあるいはフルモデルチェンジされた自動車、こういったことで性能や機能の向上を目的としまして意匠とかあるいはボディー構造とかエンジン等、こういうものの全面的な変更を行った場合、これが一般的に新製品と認識をされて市場に受け入れられておる、こう思っております。
○及川一夫君 ラジオの場合だよ。
○政府委員(水野哲君) ラジオも、革命的に新しいのができますとこれはまたいろいろ議論があるかとは思いますが、通常はラジオはオプションの範囲内と思っております。
○及川一夫君 つまり、型が変わらないということは、同じ機械でどんどん生産できるわけですね。エアコンの場合にも、そういうことがあるのにもかかわらず、先ほど何となくそれは新製品にひっかかるようなお話があるけれども、業界ではそういうものを新製品とは言わないわけですね。にもかかわらず、それを新しい製品であるということで四万円から五万円、メーカー段階で要するに値上げをされてくる、そして希望価格とか標準価格が変わらない、変わらないというよりむしろそれを値下げしているということがあるものですから、今度小売業者が全く利益がなくなってしまう、こういうことがあって、このような要するに不満というか抗議というものが出てきているのであります。 一体、これは正当性があるかどうかということになると、自由民主党の先生方の中でも分かれるかもしれませんけれども、通産大臣、いかがですか、これは。
○国務大臣(三塚博君) それぞれ担当局長が説明いたしましたように、新製品は新しい製品、モデルが違ってスタイルがよくなるとか内装ががらりと変わるとか格好いいとかということで、なるほど前のやっとは違ったなというから付加価値に銭を払う、こういうことだろうと思うのでありますが、まるっきりモデルが同じでちょこちょこと直したものは新製品だとは言えませんし、やっぱり革命的な斬新さというものが新製品でありましょうし、革命的な性能がそこに付与されたと、高品質ハイファイなんというのはそういうものであるようでありますが、商売人じゃありませんものですから、この辺でやめておきます。
○及川一夫君 商売人でありませんからというところが本音だろうと思うんですね。ですから、この問題については業者間同士の議論というのは、もう四六時中体験の中でやっているわけですから、やはり問題が出ているということは私は重視をしてもらいたい、こういうふうに思います。 同時にまた、消費者への還元という問題について、正直言って私たち余り知らなかったわけですよ。それがいろんなパンフが配布をされている。なるほどやってみたら、大蔵省から通達で出ている。一体、附則と通達とはどういう関係があるんだとかいろんな議論になるんですけれども、少なくともこれだけの消費税をやるについては、当然のこととして消費者にも全部あからさまに周知すべきじゃないか。それがどうもされているように思えない。だから、業者間だけの議論になっていて、適当に結論が出てくるのかもしらぬ。損をするのは、ばかを見るのは全部消費者ということになりやせぬか、こう思うので、この辺について大蔵省として私は責任を持っていただきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほど来申し上げておりますように、物品税の還付というのは、すぐれて税負担の調整という問題でございます。 この点につきましては、先ほど先生のお話の中にもございましたように、消費税と物品税との負担の調整を図るということで御理解いただいておるかと思いますが、その問題と後半に出てまいりました物に対する値決めの問題というのとちょっと異質の、次元の違う分野だろうと思います。ただ、私どもとしては、同じものであって特に他に事情に大きな変更がない場合には、物品税の値下げが消費者価格に反映するような方向での行政指導といいましょうか、PRなり広報なりというものをやっていかなきゃならぬと思っておりますし、これまでもやってきたつもりですけれども、今後とも、なお引き続きそういった面での努力を続けてまいりたいというふうに思います。
○及川一夫君 次に入りますが、日米貿易摩擦の問題について、前回も出ておりましたけれども、一体この日米間、あるいは日本とECの関係もそうなんですが、通産大臣、これは本当に何が我が国として問題だと思っておられるんですか、どうしてこんなにもめるんでしょうか。そこをどう通産省としてお考えになっているんでしょうか、受けとめているんでしょうか。
○国務大臣(三塚博君) 日米経済摩擦の根底にあるものは何かと、こういう率直な御質問でございますが、いら立ちの最大のポイントは、ふえ続ける貿易残であります。収支残、これが大きな原因でありますことは事実でございまして、対米全体の貿易収支を商務省統計で、通関ベースでありますが、見ますれば、一九八六年、対世界で千三百八十三億ドルのアメリカは赤字を出しておるわけで、赤字を持って出たわけでありますが、そのうち対日は三九・八%、五百五十億ドルというのが日本が輸出をいたしたものによって生じた対日赤字であります。一九八七年は、千五百二十一億ドルのうち五百六十三億ドルですから、これは若干減りまして三七%になりました。一九八八年は、千百八十七億ドルのうち五百二十一億ドル対日赤字でありますから、四三・九%、四四%ということに相なりました。 我が国が、対米貿易黒字減少計画、片や輸出大国から輸入大国へと、こういう転換を図りまして相当努力をいたした結果がただいま申し上げた数字であり、一九八九年に入りますと、一、二カ月でありますけれども、四五・二というような黒字増高が明確に見られたところに、米国側の貿易収支に対する大いなるいら立ちがありましたということが率直な原因だろうと思いますし、もう一つは、MOSS協議その他で合意をいたしましたのにもかかわりませず、そのときはありがとうございましたということに相なりましたのにもかかわらず、事後、シンボリックイシューとして、スパコンでありますとか、それからテレコムでありますとか、半導体でありますとか、以下こう並べられるということは、言うなれば我が国の貿易慣行に不透明、不公正があるのではないかという点が指摘をされる。私どもの方は一生懸命やってオープンにしておるのでありますが、歴史の違いと民族の違いと生活慣行の違いがさようにさしておるのかなと思います。 ただ、象徴的なのは、日本語が完全にワシントン、アメリカで英語になっておるのが、談合でありますとか系列でありますとか、根回しでありますとか行政指導と、こういうことに象徴的にあらわれておるのかなと思います。
○及川一夫君 不満解消に防衛費を分担すればそれで解消されるとは私は思いません。むしろ後段の方で申されたことが私も同様に感じているわけですよ。 そこで御質問申し上げますけれども、新聞紙上では不公正物品という意味で対象にされるのが、あるときには五十四品目あるいは三十二品目、あるいは二十二品目という形であらわれるわけですよ。米国が不公正品目だというふうに思っているのは一体どのぐらいあるんでしょうか。きのう英語版でもらったんだけれども、すぐ訳すわけにはいかないから間に合いませんでしたけれども、はっきり答えていただきたいと思います。
○政府委員(佐藤嘉恭君) ただいま委員御指摘の点につきましては、恐らく二つの点があろうかと思っております。 一つは、米国の通商代表部が諸外国の貿易障壁に関する報告書を発表しております。この諸外国の中には残念ながら日本も含まれておるわけでございますが、そこで出てきている項目が三十二であるとか三であるとか、これはちょっと数え方によって若干の異同はございますが、そのことが一つでございます。 それからもう一つの問題は、電気通信分野におきます問題でございまして、これはいわゆる通商法に定めております日米間で何らかの約束事があって、それがなかなか守られていないということをアメリカ側は言っておるわけであります、その問題を解決してほしいと。具体的にはいわゆる第三者無線というものと、それから自動車電話というものでございますが、その問題が解決されない場合にはアメリカ政府としては若干の対抗というか報復措置をとらざるを得ない。そこで、いわゆる報復の対象製品というものの候補リストとして五十四品目の物を掲げたというのが実情でございます。 したがいまして、ただいま委員御指摘の品目数で一体何がアメリカとしてねらいどころなのかというのは、それぞれの発動されている条項が違いますものですから、それによって私どもも対応を考えていかなければならない、こういうふうに御理解いただければと思います。
○及川一夫君 郵政省側がこの際、反論文書を出したという記事が載せられているんですが、代表部の報告書に対する反論書は出しましたか。
○国務大臣(片岡清一君) 反論書といいますか、私たちはMOSS合意につきまして、合意を結んで以来、昭和六十年以後でございますが、非常に誠実にアメリカとの話し合いを守ってまいりましたにかかわりませず、今回、包括貿易法の中の電気通信条項の中でMOSS合意について違反しておると一方的に判定をされたことは非常に遺憾でありまして、これについて我々は今まで十分アメリカ側に対して誠意を持ってこの合意を守ってきたことの事実を事務次官を派遣して十分説明をいたしておるにもかかわりませず、今日のような状態になっておるのであります。 今後の立場といたしましては、我々はもうどこまでもやはり誠意を持ってやってきたんだということの事実を認めてもらって、そしてその後の問題については外務省並びに関係機関と十分連絡をとりながら対処していきたい、かように思っておる次第でございます。細かい問題については事務方から御答弁を申し上げることにしたいと思います。
○及川一夫君 自動車電話の話だけじゃなしに、報告書全体ですから、記事を見ますと日本側ということになっている。日本側ということになると政府になる、政府の担当ということになると外務省ということになるのかもしれませんが、外務省としてまとめて何か反論書を出された記憶はございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 今のところはUSTRが先ほど局長が説明いたしましたような品目を発表したり、さらには報復として五十四品目を発表したという段階でございます。せっかく決まった問題に関して今さらこんなことはおかしいとただいま郵政大臣が申されたとおりでありまして、我が国としては誠実に交渉結果を踏まえてきたのでありますが、もしそれ米国が、にもかかわらずガット提訴というふうな手段に訴えることがあるならば、我が国といたしましてもそれに応じましてやはりガットに提訴する以外ありませんよと。 だから、USTRのただいまの貿易障壁の問題に関しましてはある程度の期限がございますから、そうした期限内にいろいろと話し合う機会もございますので、十二分にそこで今申しておりますような趣旨で話を進めていきたい、かように考えております。
○及川一夫君 要するに、反論書というスタイルのものは出してないということですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) USTRの報告書に関しましての基本的な考え方は、ただいま外務大臣から御答弁があったとおりでございます。 私どもといたしましては、日本のとってきた措置あるいは現にとろうとしている措置等につきましては、きちんとアメリカ側に理解を求めなければならない立場でございます。同時に、日本の政策あるいは措置について理解がいかないままに万が一にもガット違反といったような措置がとられる場合には、日本政府といたしましても、アメリカも同様に加盟国でありますガットの場におきまして問題の解決を図ろうと、こういうことで外務大臣その他通産大臣のレベルにおきまして申し入れを行ってきたわけでございます。 ただいま委員が御指摘になりました何らかの反論書を出したか出さないかの点でございますが、これは反論といったたぐいのものと理解いただくよりは、アメリカの報告書でございますから、アメリカ側が正しい理解をそれぞれの項目についてしていただくことが必要だと、そういう趣旨でこの輸入の問題であるとか、あるいは政府調達の問題であるとか基準・認証の問題でございますとか、あるいは半導体その他個々の分野の問題につきまして、日本政府としてはこういうことを考えておりますということを各省からの御意見を取りまとめて、私ども出先で事務的な形で提起をしていると、このように御理解いただければありがたいと思うわけでございます。
○及川一夫君 それは後ほど出していただけますか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) この点につきましては、私どもとりあえずは行政府当局という立場でアメリカ側に問題を指摘しているということでございますので、その概要については御報告をする用意がございますけれども、個々の細かい分野というのは、なお今後の問題ということもございますので、その辺は御理解をいただければと思います。
○及川一夫君 我々自体も、事態を認識しませんと国民的なコンセンサスというのはなかなか得ることができないという意味で申し上げておるわけですから、ぜひその辺は御配慮いただきたい。 同時に、問題指摘の中に規制緩和という問題がございますね。これは各省いろいろ規制する内容を持っているんでしょうけれども、どうでしょう、これをつかさどっているのは総務庁だと思うんですが、この規制緩和の問題について今後どう扱われていくのか、経済摩擦の関係を含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(金丸三郎君) お答え申し上げます。 規制の緩和につきましては、委員も御承知のように、昨年十二月、行革審におきまして答申がございました。それを受けまして、十二月の十三日、政府としてその推進要綱の閣議決定をいたしております。実際に規制をしそれを緩和するのは各省でございまして、私どもの総務庁は、行革審の答申を受けてその要綱を各省がどういうふうに推進をしておられるか、これをフォローアップするのが使命でございます。 現在、各省で規制緩和についていろいろ推進に努力をしていらっしゃるところでございますけれども、御指摘のように日米間の摩擦等もございますので、行革審では問題が問題でございますので、小委員会を設けましてこの規制緩和の検討をなさったのでございます。この小委員会はまだ続いておりますが、近く小委員会を再開いたしまして、さらに今後の事態に対処すべく、どのように規制緩和をさらに進めていくか、そしてできるだけ早く行革審としての結論を出していただきまして、それを待って政府としても対処してまいるようにしなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
○及川一夫君 この問題の最後になりますが、自動車電話、周波数の割り当て問題、これは通産大臣と郵政大臣とのお答えが違っているというか、意味でとらえようとするととらえられるんですけれども、とにかく我が国は一つですからね。一体この辺はどうなんですか。周波数割り当ては絶対にできない、やらないということですか。
○国務大臣(片岡清一君) この周波数の問題について、別に他の省との意見の違いは私はないと思うのですが、この問題は私の方が専管の問題でございますので……。 これは既にMOSS合意によって決められた問題については、関西方面、その他東北、北海道の問題については今年の七月からモトローラの方式によって行われていくということが実現するわけでございまして、それ以外新しい要請については、既に私の方は周波数については全部割り当てが済んでおりまして、もう物理的にできないわけでございます。そういうことでございますから、その問題については、どうも向こうの要望に沿いかねるという実情にあることは事実でございます。
○及川一夫君 ないからできない、ごもっともであります。しかし、マスコミというか、新聞の評価によると、お手並み拝見という、そういうふうに言える評価でございましてね。しかも過去にはKDD問題で――第二KDDですな、二社でなければいけないと、こう言ったのがいつの間にか三社になっていますね。その責任はだれもとろうとしない。こんなことですから、よもやKDD的な扱いにならないでしょうねということだけ確かめておきたい。
○政府委員(塩谷稔君) 周波数の割り当ての点につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございます。 以上でございます。
○及川一夫君 大臣の言っていることがどっちに向いているかわからぬなと思うからお聞きしたんですが、まあいいです。これは先行きの問題でしょうが、もしKDD的になったら、食言とは言いませんが、やっぱりちょっと対応の仕方に、貿易交渉のあり方の問題について私は意見を持っているんですが、時間の関係があってそこまでは進めませんけれども、そういうことを抱えているということだけはぜひ御理解をいただきたいと思います。 そこで、農業問題でありますけれども、まず第一に、農政審議会の企画部会の報告書がございますが、その内容と扱いについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 今回の報告は、農政審議会の小委員会におきまして、六十二年の二月以降二年有余にわたりまして検討されました。ここで各界の有識者の皆さん方からいろいろと御意見をいただいたわけでありますけれども、この報告は、現在、米の生産、流通、消費、これをめぐりまして状況が大きく変化する中で、当面する諸問題に的確に対応するため、制度の基本的役割は維持しつつ、市場原理がより生かされる仕組みとするよう、今後の米政策及び米管理についての方向づけをされたものであると考えております。 政府といたしましては、今後食管制度の基本的役割を踏まえ、報告の方向に沿って十分検討の上、条件整備を図りつつ逐次具体的施策を展開していきたい、このように考えておるところでございます。
○及川一夫君 農水省としては、これは評価していると、こういう前提に立っておられますか。
○国務大臣(羽田孜君) さようでございます。
○及川一夫君 ということは、生産調整という問題や米価の値下げというものが先行しているというものではないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(羽田孜君) このたびの報告の主なポイントでございますけれども、これは国内自給を基本とするということ。また二番目として、需給及び価格の安定を図るという制度の基本的な役割を維持すること。そして三番目としましては、多様化した需要に対応した生産、流通が行われるよう改善を図り、市場原理がより生かされる仕組みとするということでありまして、価格を初めからそういうふうに引き下げるとか、あるいは生産調整、これを強化していくとか、そういったものではないということであろうと思います。
○及川一夫君 ということであれば、とりわけ農畜産物価格政策の問題として、価格の引き下げというものについては、例えば米の問題では、これ以上行われたらそれこそ今でも農家がつぶれているのにますますつぶれがひどくなると、こういうことがあるんですが、一方的に少なくとも価格というものを、値下げというものを先行させるというようなことはしないというお約束をいただけますか。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 農産物の価格政策につきましては、それぞれの農産物の需要動向あるいは生産条件などを的確に反映し、その運用を図る観点から、所定の価格算定方式、これに基づきまして価格の決定を行っているところでございまして、当初から引き下げを前提としているというものでは本来ないわけであります。現在、我が国農業にも国際化の大きな波が及んでおり、このような中にあって、足腰の強い農業の実現を図るとともに、国民の納得の得られる価格での食糧の安定供給を図っていく、こういうことも重要であろうと考えております。 しかし、このためには価格政策の運用に当たって構造政策との密接かつ有機的な連携というものが必要であろうと思います。また需給実勢、これを適切に反映させていくということ、あるいは消費者及び実需者のニーズに合った品質での農産物の生産を誘導するとの観点にも留意していく必要があろうと考えております。このような考え方をもとにしながら、これからも価格政策というものに対して適切に対応していきたい、かように考えます。
○及川一夫君 お答えになるときれいになるんですけれども、やはりこれまた農民の皆さんは額面どおりには受け取っていないのが現状だろうと私は思いますね。 したがって、最後に私は申し述べなきゃならぬことがございますが、その前に、しからば農業用生産資材の問題として、とにかく今はこの生産資材を買うことによって借金が要するに大きくなっていっている、そういう事態にあるわけでありまして、そういった点では、農協の皆さんの対応の問題であるとかということもございますが、政府としてこの生産資材の問題について、引き下げのために何らかの方法をとるというようなことはお約束できませんか。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 農業の生産性向上、このためにはやっぱり生産資材というものは非常に重要な位置を占めるんではなかろうかと思っております。そのためには、やはり供給、そしてまたその利用、こういったものをうまく組み合わせていくということが必要であろうと考えております。その意味で、今日まで生産資材につきまして、供給の面の価格につきましては、引き下げるようにメーカーの皆さん方にも協力を要請し、そして皆さん方も協力をしてくださったというふうに思っております。 そういう意味で、私どもは今後とも関係者に対して価格を引き下げるように指導してまいりたいと思いますし、また機械等の場合には、これを利用する場合にもっと有機的にうまく使ってコストを下げることを努力していただくということをやっていただきたいと思います。また肥料等につきましては、価格安定臨時措置法の廃止を含めまして、一層の競争条件、これを整備したいと思っておるところであります。 以上であります。
○及川一夫君 これはちょっと通告していませんでしたけれども、農水省の考え方でよろしいんですが、例えば政府としての努力の中に、細かい問題かもしらぬけれども、一体農機具に車検なんというのは必要なのか、これがまた結構大きな声になってあらわれてきておるわけですね。これは運輸省の問題ということになるんですけれども、農水省としてはいかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 この問題につきましては、特に北海道の方の皆さんからも農業組織等を通じながら私どもよくお聞きいたしております。ただ一方では、運輸省としまして、交通安全上の問題、こういったことがありまして車検というものが今必要とされておる。しかし一方では、事故が起こる場合でも道路で起こるのは非常に少ないんだ、むしろほとんど圃場で起こっていることなんだから車検はいいじゃないかというような声も実はあることもよく承知しておりまして、この点は関係省庁とも十分これから話し合いをしていきたい、かように思っております。
○及川一夫君 気持ちはわかりました。したがって、車検などは要らないというふうに私は聞こえる。それで結構だと思うんですよ。もともと事故を起こすといったって、あの農耕機具を運んでいるあれが起こすんじゃないですよ。別の方から来るんですからね。それで、別にやられるだけの話ですからね。だから、こういうのは非常に観念的だと思うんですよ。車は何でも車検がなきゃいかぬみたいな、それなら三輪車にまでやれというふうに言いたいぐらいですよね。ですから、そういうことを含めて、ぜひ、今、羽田農水大臣、何か私の質問の中で一番いい答えはこれじゃないかなというふうに思っておりますから、ひとつよろしくお願いいたします。 最後に、これは要請しておきたいんですが、御答弁の中にも国際という問題が出てくるんですよね。必ず出てくる。自由化には反対しょう、これ以上やりません、こう約束はされるんだが、ただ、しかしという意味で、国際情勢が厳しい、そんな甘ったれたことはできないんですよというのが必ずつくんだよ、これ。ここが僕はやっぱり問題なんですよ。国際的な条件がどうあるかということは私も知っています。その限りでは私も容認できる。だけれども、それを超えて農民の生活をどうするんだ、日本の食糧安全という問題についてどうするんだ、そういう国際情勢ということについて言う前に農民とのコンセンサスをどう図るかということがなければ、どんないいことをやっても、国際的な理由にしたって私は受けとめることはできないということになることをぜひひとつ御理解いただきまして、私どもの対馬委員にお答えになった、自由化については認めないよという筋道を守っていただきたいというふうにお願い申し上げて、終わります。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 国際的には難しいという言い方をしているんじゃなくて、ウルグアイ・ラウンドの中で例えば米等についてどのようにあれしていくんだという御質問等がございます。そういう中で、国際的にはいろんな国が日本に対して市場開放を求めておるということでありますけれども、しかし我が国としては、米というものが農業の中に占める地位ですとか、あるいは国民の主食であるということ、自給率が非常に下がっているということ、こういった中でこれは難しいんだよということを私たちは説明していかなきゃならぬだろうと。ただ、何というんですか、いわゆる各国の困難な問題を、例えばアメリカなんかの場合にはウェーバーですとか、あるいはECなんかの場合には農業共通政策にかかわる課徴金の問題等がございます。こういった問題を全部テーブルにのせるよ、おまえのところの米も議論をしてほしいというときに、これは絶対にいやですよと言うことはガットの加盟国として、主要国としてそれはなかなかできない。 しかし、今申し上げたようなことで、米の日本の農業の中に果たす役割とか、あるいは食糧の中における米の地位ですとか、こういったものをきちんと私たちは説明していきたいということを実は申し上げておることを御理解いただきたいと思います。
○及川一夫君 終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で及川一夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、千葉景子君の質疑を行います。千葉君。
○千葉景子君 けさの新聞報道等によりますと、リクルートの問題の捜査につきまして一つの進展状況が報道されているところでございます。中曽根前総理の事情聴取もあり得るというような報道がなされておりまして、国民の目から見れば、これまでの捜査の状況を踏まえまして、これでいよいよ本丸へ近づいてきたのではないか、こういう思いを強くするところでございますが、そこで若干お尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、過日、検察が衆議院の第一、第二会館の面会証について調査をしたということが報じられておりますけれども、この事実はお認めになられますね。
○政府委員(根來泰周君) 従来から捜査の内容について申し上げていないわけでございますが、事、国会の議員会館のことでございますので、そういうことは十分御承知のことと思いますのであえて否定する立場でございませんので、御了解願います。
○千葉景子君 否定されないということでございますし、受けた側で調査があったと認めているわけですから、これは当然お認めになられるところだというふうに思います。 これは、当然議員会館の面会証ということになりますと、捜査の対象が政治家を対象として新たな進展を迎えているのではないか、こういう裏づけになるものでもあり、私どもでもそう受けとめているところでございますけれども、この面会証の調査、どういう目的で、あるいはどういう人を対象にして行われたものなのか、この事実関係をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) そういう仰せになりますと、大変恐縮でございますが、任意で御協力いただいたものでございますので、特に被疑事実という記載もございませんし、申し上げる立場でございませんので、ひとつ御了解いただきたいと思います。
○千葉景子君 しかし、議員会館ということになりますと、ここには一般の人が事務所を構えているわけでもありませんし、当然政治家が、議員が事務所を構えているということになりますので、捜査の内容としては議員にかかわることだというふうに受けとめてよろしいですか。
○政府委員(根來泰周君) 重ねて恐縮でございますが、ひとつお許しいただきたいと思います。
○千葉景子君 内容等はまずともかくとしましても、別にリクルート社のことを捜査するのに議員会館に来られるということはないと思いますので、当然政治家にかかわる部分だということ以外には考えられないんですけれども、その事実でもお認めになりませんか。
○政府委員(根來泰周君) これは十分御理解いただいていることと存じますけれども、捜査の密行性といいますか、どういう内容で捜査をしているということになりますと、やはり関係者の耳にも入ることでございますし、また関係者の人権にもかかわることでございますので、今までこういう場所で申し上げることはお許しいただいておりますので、ひとつその辺は十分御勘案いただきまして、差し控えることをお許しいただきたいと思います。
○千葉景子君 個々の政治家はだれかと言っているわけではありませんので、その点について法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(高辻正己君) 刑事局長から申し上げたとおりでございますが、その中身については、お話の中にありましたように、議員御自身に御賢察を願いたいと思います。
○千葉景子君 御賢察を願いたいといいますと、それでは政治家にかかわるものだというふうに私は確信せざるを得ません。 昨日、検察首脳会議が開催されておりますが、これは事実ですね。
○国務大臣(高辻正己君) 世に検察首脳会議と言われているような会議があったことは報告を受けております。
○千葉景子君 ここの首脳会議におきまして最終的な詰めなどがなされたというようなことも報じられておりますけれども、この会議においては、さきに事情聴取を受けたとされている藤波、池田両議員の在宅起訴についての決定がなされたとか、あるいはさきの面会証で確認をされている政治家にかかわるような問題を含めて詰めの検討がなされたというようなことも聞いておりますけれども、この会議の内容等はいかがでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) 大臣がただいま仰せになりましたように、検察の中で会議が行われたことは事実でございます。これは報告によりますと、報告といいますか聞いたところによりますと、捜査を担当している地検が高検、最高検にこれまでの捜査経過を報告した、説明したというふうに聞いております。 ただ、一部新聞に報ぜられておりますように、そこで事態が変わったとか、あるいは一定の結論が出たとかいうふうなことは一切ないように聞いております。
○千葉景子君 どのような検討がなされたかということをなかなか明らかにしていただけませんけれども、よく最近、さきに事情聴取を受けた池田、藤波両議員、こういう形で与野党一対一で捜査は決着をされるんでないか、こういうような話もちらほらしているところなんですけれども、まさかこういう一対一、バランスをとって均衡よくというようなことで捜査が終着をする、終局を迎えていると、こういうことでは決してなかろうと思いますが、いかがですか。
○政府委員(根來泰周君) 先生も専門家でいらっしゃいますから、こういうことを申し上げると大変失礼でございますが、検察庁は、そういう政治的なこととかそういうことは一切抜きにして、証拠によって事実を確定しているわけでございます。 結果的にはどういうふうになるか、その仕上がりはわかりませんが、いずれにせよ、一対一とかそういうようなことは一切考えておらずに、ただ、重ねて申しますが、証拠の認定で犯罪の成否を論じているわけでございますから、その辺十分御理解いただきたいと思います。
○千葉景子君 このリクルート問題というのは、国民の目からも、あるいは明らかになったことからも、政権汚職であるということが明確になってきている。そうなりますと、一対一というようなバランス論とか均衡論、こういうようなものでは国民は決して納得をいたしません。 やはり、検察の捜査が本件の本質を的確にとらえて、そして厳正に行われること、これを国民も期待しているわけで、今、これに反するような決着ということですけれども、行われるようなことがあれば、検察の威信ということも損なわれてくるのではないかというふうに思います。こういう点をよく承知、認識をされた上で対処されると確信をいたしますけれども、法務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高辻正己君) かねがね申しておりますとおり、検察は不偏不党、厳正公平に事に当たるように私は前々からその点を強調しております。検察自身も、ただいま刑事局長が申しましたように、専ら証拠に基づいて刑事責任を追及することになりますので、結局は仰せのようなことと一致することになると思いますが、そのように御了解願いたいと思います。
○千葉景子君 それでは厳正な、国民が納得できる捜査を期待いたしまして、次の問題に移りたいと思います。 若干消費税の問題について質問をさせていただきます。 消費税は実施されまして五十日ぐらいが過ぎておりますけれども、依然として国民の間には消費税に対する反発が厳しい。四月中旬に共同通信社が行った世論調査でも、反対が八二%、賛成がわずか五%ということでございます。 この内容を見ますと、政府みずからも、中小事業者の納税事務の簡素化などのために取り入れられた帳簿方式あるいは免税点、限界控除制度、簡易課税制度などによって、消費者が支払った消費税のかなりの部分が国庫に納入されない、事業者の懐に入ってしまうという、こういう欠陥があるということ自体もお認めになっているところなわけですね。その上、事業者に対しては、消費者にとっては最大の味方といいましょうか、独禁法、これも形骸化してまで消費税の円滑な転嫁の道を開く消費税カルテルと、こういうことも認めている。 こうなりますと、この税の負担者としての消費者というのは、いろいろな意味で非常に今納得がいかない気持ちを持っているわけです。とりわけ、消費税カルテルなどを含めて、便乗値上げに対する不安、これは消費者の中にも非常に大きく今広がっている。経企庁の物価ダイヤルとか、公取のカルテル一一〇番、こういうところにも便乗値上げについての苦情が大変多いというふうに報じられております。 そこで、まず経企庁について、さきに便乗値上げ回避のために所管官庁にさまざまな御指導などをなされているということですけれども、その後の結果等について御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(愛野興一郎君) 委員御承知のように、経済企画庁は物価を担当する省庁でありますから、言うなれば消費者の側に立ち、国民生活の側に立つ省庁であります。 そういう観点から、経済企画庁の物価局、国民生活局、物価ダイヤル、物価モニター、それから都道府県の県民生活課の物価ダイヤル、物価モニター等と緊密に連絡をすると同時に、公正取引委員会あるいは関係省庁に、便乗値上げではないかと言われるいろんな要因を、経済企画庁で解決できる分は解決をし、そして、この関係省庁が管轄をしておる面につきましては、関係省庁並びに公正取引委員会で指導また助言、また適正な措置をとっていただいておるわけであります。 現在のところ、東京都区部の、先般から申されておりますように、四月の消費者物価を見てみますと、大体適正に転嫁をされておると同時に、便乗値上げ監視の効果があったものと思われますが、なお中小サービスの一部においてそういう傾向が見られますので、今後とも厳にそういったところを、警戒を緩めることなく、この体制で行きたいと考えております。
○千葉景子君 その中で特に飲食業あるいは理美容業、それからクリーニング等について、便乗値上げの疑いが大変大きいということで、それぞれの所管官庁におかれてもそれなりの御指導なり対応策を講じていらっしゃると思いますけれども、それぞれ経企庁、それから厚生省、農水省になるのでしょうか、担当の所管官庁の対応についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(古川武温君) 厚生省からお答え申し上げます。 消費税の導入につきましては、消費税の仕組みの周知、あるいはその徹底、適正な転嫁、便乗した不当な値段の引き上げがないようにということで、消費税の導入の前から再三にわたって指導してきております。事務次官通牒、課長通牒あるいは各種の会議等を通じて行ってきたところであります。 四月一日の消費税施行後につきましては、経済企画庁あるいは厚生省にいろいろの苦情が寄せられておりますので、厚生省といたしましても、各県を通じまして、その実態等を調査したところでございますが、経済企画庁等とのお話をいただきながら、各業界に改めてそうしたことのないように指導してまいっております。 また、今後ともこういうふうな不当な便乗値上げが行われることのないよう、関係業界に対する指導をしてまいりたいと思っておりますが、消費税転嫁等の状況等を正しく調査しながら事に当たりたいと思っております。
○政府委員(渡辺武君) 農林水産省でございますが、お答え申し上げます。 今、厚生省からお話がございましたようなことでございまして、私たち農林水産省といたしましても、消費税の導入の前から関係団体に対しまして、消費税につきましての円滑な、かつ適正な転嫁ということを指導するにあわせまして、便乗値上げが行われることのないようにという点も加えまして、繰り返し指導を行ってきたところでございます。 しかしながら、消費税導入直後におきましては、一部の事業者に関してではございますけれども、便乗値上げではないかという趣旨の消費者からの問い合わせなり苦情なりが私たち農林水産省の方にも直接参りましたし、経済企画庁の物価ダイヤルを通じても参ったということで経済企画庁から御連絡もいただいたわけでございます。したがいまして、直ちに私たちといたしましては、関係の団体に対しまして、いやしくも便乗値上げと受け取られるような行為を行わないようにということで、改めて指導をいたしたところでございます。 便乗値上げの今後ということもございます。私たちといたしましても、常日ごろ物価の動向につきましては監視を怠らないような体制をとっておりますわけでございますけれども、そのような中で、この便乗値上げが今後とも行われるということのないように、関係業界に対する指導につきましては適切に対処してまいりたいというように考えておる次第でございます。
○千葉景子君 経企庁長官も、先月の二十八日には、消費税が定着するには行政がやはり消費者の側に立って、一年間価格監視体制を緩めないことが必要だというようなことも御意見として述べられているわけです。そういう意味では、消費者にとってもぜひその監視体制を厳しくしていただきたいと思います。 そこで、消費者保護を充実するためには、いわゆる消費税カルテル、これが二年間認められるということになっておりますけれども、これは既に転嫁がスムーズに行われたとか、そういう状況を見ながら、必要がなくなった場合には早くこれをやめるとか、これを短縮するというようなことも考えていくべきではないか。さもないと、このカルテルがむしろやみカルテルなどを是認していくような、そういうおそれもあるということが懸念されるわけですが、この消費税カルテルについて今後はどういうふうに取り扱っていく方針か、お聞きをさせていただきたいと思います。公取委員長、いかがですか。
○政府委員(梅澤節男君) 今回のいわゆる特別のカルテルにつきましては、いろいろ功罪、御議論があるわけでございます。 ただ、今日までの状況を見ますると、例えば表示カルテルを通じまして、これ消費者に対しましても一新しい価格表示の慣行を今後定着する上で、あるいはまた市場競争力の弱い中小企業者の転嫁を円滑に行う上で、あるいは逆に事前に届け出されるカルテルでございますので、実施前にいわゆる便乗カルテルが多発するという懸念をある程度抑止する役割を私は果たしてきたと考えております。 ただ、おっしゃるように、政策カルテルを通じて一般的に言われることは、そういったカルテルが逆にカルテル体質を温存させるという意味で弊害があるということは言うまでもないことでございます。したがいまして、競争政策の観点から申しますと、今回の特別法による所期の目的が十分達成されれば、ということは、要するに新しい税が我が国の市場のメカニズムに混乱なく溶け込んでいくという目的が達成された場合には、なるべく早く独占禁止法の例外的な事態が解消されることが望ましいということは言うまでもないわけでございます。 ただ、消費税が実施されましてまだ一カ月余でございますので、今回の特別法の期限の改廃等について議論するというのはまだ私は時期が早いのではないか、もうしばらく事態を見た上で、ただ基本的にはなるべくそういった特別の事態が解消されるということが望ましいということは申すまでもないということでございます。
○千葉景子君 ところで、今回の消費税の導入で懸念されているのは、下請に対するいじめといいますか、そういうものに結びつくのではないかということが懸念をされているところなんですね。公取でも、これについてのガイドラインをつくりまして指導されているというところですけれども、公取でこれまで調査されたことで、いわゆる下請いじめあるいは下請法違反、こういうようなことにかかわるような問題がなかったかどうか、そして、それに対してどういう対処をなさっているかどうか、それについてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) まず、現在までの状況を申し上げますと、消費税が実施される前、つまりことしに入りましてから今日まで私どもの委員会に個別の苦情が出てまいりましたのが約百件ございます。内容は、親事業者から値下げを要求されたとか、あるいは消費税の転嫁を受け入れることが難しいと言われたとか、あるいはアンケートによる調査を受けたとかいった件でございますが、これらにつきましてはその都度親事業者に対してこれまで改善措置を講じてまいっております。 それから、三月の下旬に資本金三千万円以上の親事業者に係ります下請事業者、これを四分の一無作為抽出いたしまして調査をいたしました。その結果を見ますると、およそ下請事業者の約四分の三につきましては既に三月中に消費税の転嫁につきまして親事業者と話がついておるということでございます。残りの四分の一は四月以降に交渉が持ち越されておるわけでございますけれども、これについては今後私どもでトレースをいたします。 それから、今月に入りまして資本金一億円以上の製造業者全事業者、それから下請事業者を対象といたしまして、これは中小企業庁と連携してやるわけでございますが、調査をいたします。それから、七月になりますと今度は資本金三千万円以上のところに対象を広げまして、とにかくそういった不当な損害、不利益を下請事業者が受けないように、これは一年がかりでずっと監視をしてまいりたいと思っております。
○千葉景子君 下請企業の場合は、親企業に対してはやはり弱い立場にあるということもあり、なかなか直接にその苦情等を公取なりに申し出るということも少ないかと思います。また、申し出たことによって何らか圧迫が加えられるということも考えられるわけですので、これについては苦情のみならず実態をいろいろな形をもって十分に把握をしていただきたい、そういうふうに思います。 とりわけ、免税業者と取引しても支払い税額控除を認めるという消費税の仕組みのもとでは、親企業は、下請企業からの物品購入に当たっては、下請企業が消費税を上乗せしたら免税業者から購入するから取引をやめるというようなことで、泣く泣く転嫁を見送って従前の価格で取引をするというようなことも考えられるわけですね。こういうような場合は、下請法にもやはりその趣旨からして抵触してくるというようなことも考えられますので、ぜひ今後も企画庁あるいは公取は対応策を十分に講じていただきたいと思います。 とりわけ今回の消費税というのは、税の中立性ということを基本理念にしておりますけれども、それに反するようなケースが間々あるというふうに私も聞いております。そうなりますと、全く基本理念を損なう事態が起こっているということになりますので、今後十分に対応を考えていただきたいと思いますが、企画庁、公取、もう一度その辺についての御確認をお願いいたします。
○国務大臣(愛野興一郎君) 委員言われるように、息長く物価を計画どおりに進ませていかなければならぬわけでありますから、少なくとも便乗値上げであるとか、あるいは物品税の廃止をその価格に適正に影響をさせない問題であるとか、こういった問題は厳にこの体制を続けていきたいと考えております。 なお、不公正取引の問題は公正取引委員長のマターであると思いますので、私の分野だけお答えいたします。
○政府委員(梅澤節男君) まず、やみカルテルによって不当な価格の引き上げが行われないように監視体制を緩めることなく、またそういった事態が生じましたら厳正かつ迅速に対処をいたします。 それから、御指摘の下請法の規定が遵守されますように、これもきちんと監視をし、不当な事態があれば是正措置を講じてまいります。
○千葉景子君 是正につきましては勧告等の措置をとられるというようなことになりましょうか。
○政府委員(梅澤節男君) まず、カルテルにつきましては、事案によりますけれども、証拠上明らかな事実があるものにつきましては、当然勧告といいますか排除措置を講じます。疑いのあるものについては警告、指導等をいたします。 下請法につきましても、それぞれ排除命令を最終的には講ずるわけでございますけれども、ほとんどの場合、親事業者に対する指導ということでこれまでも事態の改善を見ておるわけでございます。
○千葉景子君 ちょっとここで切らしていただいて……。
○委員長(初村滝一郎君) 千葉景子君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。 平成元年度総予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、千葉景子君の質疑を行います。千葉君。
○千葉景子君 タイコンデロガの水爆落下事故につきまして一、二点御質問いたします。 まだ落下事故の後の横須賀入港については確認がなされていないということですけれども、神奈川県の基地対策課で発表している記録によりますと、タイコンデロガはその後、昭和四十七年、一九七二年にも横須賀に入港しているという事実が確認をされておりますけれども、この点について外務省としては確認をされているか。そしてそのときには、やはり同じように核の搭載の疑いも強いわけですけれども、事前協議の申し入れなどがあったかどうか。その点についていかがでしょうか。
○政府委員(有馬龍夫君) 神奈川県の御指摘の記録にそのような記述があることは私ども承知いたしております。しかし、その際事前協議がございませんで、したがいまして、核の持ち込みはなかったということでございます。
○千葉景子君 これまでの御答弁を聞いておりますと、ほとんど米国政府の言っているままということで、これでは国民の主権あるいは国としての主権が全く全うされていないという感がいたします。国民が核に汚染されても構わないというような感すらするわけでございます。 そういうことを踏まえても、横須賀市でもきょうの発表で核廃絶都市宣言をする、あるいは大和市などでも決議がなされている。非常に今この問題については、国民そして神奈川県民なども大きなこれから活動を展開をしていきたいということですけれども、ぜひこういう事態を踏まえて、これまでの御答弁のようなことに終始することなく、やっぱり国民の安全、こういうものを踏まえて対処していただきたいと思いますので、その点について厳格なお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) 横須賀市長、きょう午後面会を求められております。十分にお話を聞きたい、かように思っております。
○千葉景子君 それでは、次の問題に入ります。 現在、地球的環境危機、こういう問題に対してオゾン層保護などを初め我が国も積極的な対応をしようと活動を開始したところでございますけれども、そういう中で大変問題になろうという事件がございますので、それについて御質問をさせていただきたいと思います。 マレーシアのペラ州イポー市郊外のブキメラという地区にエイシアン・レア・アースという会社がございます。これは三菱化成が現地資本とともに設立した会社ですけれども、ここではすずのくず鉱からとれるモナザイトを化学処理してイットリウムという希土類金属を生産している。これは半導体とかブラウン管などに不可欠な材料なんですけれども、この精製過程で放射性物質のトリウム、これを含んだ廃棄物が出る。それを環境にばらまいているということで、周辺住民に大変問題が起こっている。いろいろな流死産の増加、皮膚や呼吸器の病気、子供にいろいろな障害があらわれるということで、住民の不安が強まっているということが報告をされております。そこで、まず三菱化成とARE社について確認をしたいと思いますが、通産省、このARE社の設立時及び現在の三菱化成の出資の割合とそれから役員の数など確認をしていただきたいと思います。
○政府委員(畠山襄君) 三菱化成からエイシアン・レア・アース社へは日本人がとにかくそこに二人おられる、全体百七十人でございますけれども、二人おられるということでございます。 それから資本関係は、一応表面は二八%の出資ということになっておりますが、そのほかに向こう側の、マレーシア側の出資をしている法人にさらに出資しているのがございますので、それを足し合わせますと実質三五%の出資ということでございます。六五%はマレーシア側が持っておると、こういうことでございます。
○千葉景子君 ここで生産をされているレアアースなんですけれども、マレーシアから日本に輸出されているレアアース、それのうちこのレア・アース社で生産している部分はどのくらいになりましょうか。
○政府委員(畠山襄君) あるいは御質問の意味を取り違えているかもしれませんが、このエイシアン・レア・アース社が生産しておりますもののうち二割ぐらいが日本に来ていると承知いたしております。
○千葉景子君 そのうち三菱化成が輸入している部分というのはどのくらいの割合になりますか。
○政府委員(畠山襄君) その二割の部分は全量三菱化成が輸入していると承知いたしております。
○千葉景子君 ところで、このレアアースなんですけれども、これは先ほど言ったモナザイト鉱石から抽出、精製をしておりますけれども、この中からトリウムが大量に出る。このモナザイト処理について国内での監督関係をされているのは科学技術庁だというふうに思いますが、これについての日本国内での規制はどんなようになっておりましょうか。
○政府委員(村上健一君) お答え申し上げます。 我が国におきましては、モナザイト鉱石などのトリウムにつきましては、通称原子炉等規制法と申しておりますが、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規制を受けまして、核原料物質というふうになっておりまして、トリウム量で九百グラムを超え、かつ個体の場合は一グラム当たりの放射能の量が三百七十ベクレル、これは古い単位でいきますと〇・〇一マイクロキュリーでございますか、このものについては内閣総理大臣に対して使用の届けを行うことになつております。この場合、具体的な規制といたしましては放射線レベルに着目いたしました管理区域、それから使用施設の周りに周辺監視区域等の設定を行うこと、それから管理区域に出入りします従事者の被曝管理を行うこと、それから放射性廃棄物の廃棄の方法などにつきまして技術上の基準が定められております。そのことによりまして従事者や一般公衆の安全が図られる、こういう仕組みになっております。
○千葉景子君 現在、国内でこのモナザイト処理が行われているんでしょうか、それとも行われていないのでしょうか。その実態はどうなっておりましょうか。
○政府委員(村上健一君) 現在、我が国におきまして、先ほど御説明申し上げました届け出を行って希土類の抽出をモナザイトから行っている事業者はございません。
○千葉景子君 多分、これは我が国でも大変規制が厳しい、また環境汚染問題ということが取りざたされることから、今現在は行われていないというふうに考えられるところなんですけれども、そうなりますと我が国では厳しいものが、マレーシアというところにむしろ企業進出をされて行われている。先ほども、マレーシアでARE社が生産するその二割、そしてそれを全部三菱化成が輸入をしているということなんですけれども、このマレーシアで問題が起こっているという事態についてはどのような把握をなさっているでしょうか。これは外務省、通産省などがこの実態を調査あるいは把握していらっしゃるのではなかろうかと思いますけれども、その点についてどのように把握されていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(長谷川和年君) マレーシアでこの問題が起こっておりますことにつきましては、現地の大使館からも報告がございました。また、関係者が昨年現地の大使館に陳情に参りまして、関係者の言い分も聞きまして、この言い分というのを国内の関係者に伝達したところでございます。 また、我が方としましては、結局進出企業の問題は、現地法人としてマレーシアで活躍しておられるということでございまして、この企業に関する一切の規制とか、こういったことにつきましては、マレーシアの政府あるいはマレーシアの関係当局、このもとにあると承知しているわけでございます。
○千葉景子君 どういうふうに把握していらっしゃるか、内容。
○政府委員(長谷川和年君) 内容につきましては、関係者から聴取をしまして、このブキメラの工場の状況、それから廃棄物をどういうところに廃棄しているか、工場内、工場外ニカ所に廃棄する場所があると承知しております。それから、例えばマレーシア政府側ではこの廃棄物の問題につきまして関係者についていろいろ聴取をしたり、あるいは第三者である国際原子力機関(IAEA)から専門家等を呼んでいろいろと調査をしたと、このようなことも聞いております。 一般的に、このようにこの工場における廃棄物の管理とか、あるいはマレーシア政府側の対応について現地の大使館を通じて、あるいは関係者から聴取をしているというところでございます。
○政府委員(畠山襄君) 今の外務省の答弁と大体似た内容でございますけれども、訴えております住民が数名ございまして、その訴えておられる方の言い分によりますと、ARE(エイシアン・レア・アース)社が依頼をしたローリー業者が今おっしゃったトリウムを不法投棄をしたんじゃないかと、それから現在でも高いレベルの放射線が出ていてそれで付近住民に対して身体的な影響があるということを原告側は主張しているわけでございます。 訴えられた会社の方は、マレーシア政府の原子力許可庁などの指導を受けて、過去にその不法投棄したもの、これは全量を回収済みであるということを主張しておりまして、工場の操業、貯蔵、それから運送等につきましては、マレーシア政府の許可を受けてその基準値の範囲内で操業をしているんだということを主張しているわけでございます。 それぞれの主張についての評価は、何分係争中のものでもございますので、私どもの評価は差し控えさしていただきたいと思います。
○千葉景子君 はっきりした事実関係の御確認をされているのかどうかわかりませんけれども、これについては我が国からも公害調査団を組んで弁護士が調査に行ったり、大学の先生が調査に行かれたりということで、極めて廃棄物の処理について、あるいは貯蔵などについてずさんな管理がなされているということが明らかになっております。野積みにされていたり、あるいは子供でも家畜でも入るようなところにドラム缶で放置されていたり、あるいは工場に女性が何らの防備もなく働いていたりとか、そういうことが明らかになっている。そしてまた、廃棄物が流れ出した土の除去、そういうこともいまだにきちっとなされていないということがございます。そういう中で今一たん操業が差しとめられたという経過もあるんですけれども、さらに本格的な訴訟が展開されているというのが今の実態です。 そこで、我が国の埼玉大学の市川教授等の調査によりますと、ここでは自然放射能をはるかに超える放射線量が測定されている、これは現在のことですけれども。それから、ここで働いていた母親にさまざまな障害を持った子供が生まれている、死産とか流産が多い、子供にもさまざまな障害が多い、あるいは血液中に鉛の濃度が極めて高い、こういうことが調査として把握されているんですけれども、こういう被害が生じているということについては確認をなさっていらっしゃいますか。外務省、通産省、いかがでしょうか。
○政府委員(長谷川和年君) ただいままでに本件に関して公判が六回ほどございまして、一回から四回までは原告側の言い分を聴取する、その後は被告側の言い分を聴取する、そういうことだと承知しておりますが、いずれにせよ本件につきましては、今マレーシアの国内において訴訟が係属中でございますので、当方としてこれにつきましてコメントすることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○政府委員(畠山襄君) 原告側は委員御指摘のようなことを言っておりますし、また訴えられた方は、そこはもともとすず鉱石がとれる場所でございまして、したがって、その放射性物質、自然放射能といいますか、そういうものがもともと多い場所であるというようなことを主張しているようでございますが、いずれにいたしましても今係争中でございますので、私どもとしてどちらに加担をするというような評価は今差し控えさしていただきたいと思います。
○千葉景子君 しかし、日本ではかなり厳しい規制がなされている、日本ではもう行われていないことがマレーシアで行われてこれだけの被害をもたらしているということなんです。そういう意味では、係争中とはいえ、日本の企業が進出をしてこういう健康被害などを出しているということはまさしく公害輸出と言わざるを得ないわけですね。こういうことで反日感情、こういうことも今高まっているということが調査でもあるいは現地でも報告をされております。 そういう意味では、こういう問題について厳しく対処していく必要があるのではないかと思いますけれども、この日本企業が海外に進出する場合のいろいろな公害規制などについて所管をし、あるいはそれについて規制をしているような今までの法体系、法制度、こういうものがございますでしょうか。それについて通産省、外務省等でそういうものにどう対処をされているか、ございましたらお答えいただきたいと思います。
○政府委員(横田捷宏君) 御説明申し上げます。 海外に進出いたします日本企業の現地での活動、こういうものにつきましては先ほど外務省の方からも御説明ございましたように、進出先の法律、規制を重視するということが当然であるわけでございますが、我が国の中の対応という面では進出先国内での活動に関する法律的な直接的な規制はございませんが、民間経済団体におきまして、現地での経済社会との調和を図るという観点から環境問題も含めまして、自主的に海外投資行動指針を策定しておられるわけでございまして、通産省といたしましてもその指針の遵守方を要請しておる、こういうことでございます。
○政府委員(長谷川和年君) ただいま通産省から御答弁があったとおりでございますが、先ほども申しましたとおり、マレーシアに進出しております企業につきましては原則としてマレーシアの関係の法令に従いまして行動しているわけでございます。 もう一度繰り返しになりますけれども、日本から海外に進出する企業につきましては海外投資行動指針というのが策定されておりまして、我が国としては現地の投資環境を尊重して、あるいは環境保全だとかあるいは現地のいろいろな習慣、慣習等を尊重して、企業の自主的判断においていろいろ行動するということで私はきちんとやっておるんではないか。御指摘のとおり、日本から海外には相当企業が進出しておりますが、こういった進出企業は現地においてはいわば客人として行動するわけで、それなりに現地のこういった情勢については十分配慮する必要があるんではないかと思うわけでございます。 ただ、先ほどから御指摘の裁判の問題につきましては、現在係争中なので私どもとしてもコメントすることは差し控えたいと存じます。
○千葉景子君 裁判は係争中とはいえ疑わしい事態が起こっているわけですから、少なくとも政府としてきちっとした調査をする、あるいは外交上の問題があれば三菱化成などをしてきちっとした健康調査あるいは実態調査などを行わせる、まずそういうことに努めるべきだと思いますが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(横田捷宏君) 日本の企業あるいは合弁企業が相手国で当該国の経済社会との調和を図りながら円滑な活動をする、これは大変重要なことでこれからもますます重要になってくると思うわけでございますが、その意味で、御指摘のとおり企業が進出に先立ちまして現地の実態を十分調査をし、またいろいろな環境問題も含めました観点からの検討をされまして当該国との調和ある発展を図る、こういうのが非常に大事だということは御指摘のとおりだと思っております。 ただ、これが規制という形になってまいりますと、その国での主権の行使という観点でのいろいろな法制度、規制があるわけでございますので、ここに日本が相手国内での事業活動に対しまして一方的に関与する形で規制に入っていく、こういうのはいささかいかがかということを申し上げている次第でございます。
○千葉景子君 一方的にやれなどとは私も申しておりませんで、場合によっては三菱化成などについて現地調査、実態の調査をやらせて報告をさせるというようなことをすべきではないかと言っているんです。その点についてもう一度お伺いしたいと思います。
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、いずれにしましても国際社会の中で我が国が関与した現地法人なら現地法人がそういうトラブルに巻き込まれるということは全く好ましいことじゃございませんので、本件は係争中でございますが、一般論としては、やはり親企業なりを通じてそういうことに巻き込まれないよう適切な配慮をするよう適切に指導をしてまいりたいと思っております。
○千葉景子君 トラブルに巻き込まれるのではなくて、トラブルを巻き起こしているのが日本企業だと、そういう認識でいていただきたいと思うんですね。そして、少なくともこういう健康被害などが起きているということであれば、政府としてもマレーシア政府と協力をして、別に一方的に押しかけていけとは言いませんけれども、協力の上健康調査をする、あるいはそれに対する何らかの医療協力などをする、そういうことも考えてよろしいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(長谷川和年君) マレーシア政府の対応でございますが、ARE社の操業に関しましては当面問題はないと考えている模様でございまして、マレーシア政府としても現在係争中の裁判の結果待ちと、そう承知しております。 先ほどちょっと申しましたが、安全性に関しましてARE社の周辺の住民の方々の一部から不安感があったために、これを取り除くためにマレーシア政府としても説明に努め、先ほどちょっと言及しましたが、IAEA、国際原子力機関の専門家に依頼して現地調査を行った、私どもが承知しているところでは、このIAEAの調査の結果は危険性を否定するものであった、そう承知しておりますが、いずれにしてもマレーシア政府の態度というのは現在行われている裁判の結果待ちと、そういうことであると承知しております。
○千葉景子君 先ほどの水爆の問題でも今度アメリカ政府、この問題でもマレーシア政府、被害を受けるのは日本国民であったりあるいはマレーシアの国民の人々であったり、そういう実態をぜひ認識をしていただきたい。そこに暮らしている人間の生活あるいは健康、権利というものを十分に考えて対処をしていただかなければいけないと思います。 総理大臣も環境については大変積極的なお考えをお持ちで、そしてさきのASEAN歴訪の折にもここのマレーシアにも立ち寄られたということですけれども、今後国内法で企業進出についての行動基準あるいはこういう環境保全、これを破壊しないようなそういう防止策、こういうものを考えていく必要があるのではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。これは現在ないわけですから、関係官庁というのは多岐にわたろうかと思いますけれども、それぞれの立場で御回答あるいは今後の取り組み方などについて御認識をお伺いしたいと思います。
○政府委員(横田捷宏君) 地球環境問題の進展という中で、将来の取り組みにつきまして国際的な条約等の可能性も含めた議論が始まりつつあるようでございます。 そういう全体の流れの中での対応というものは、当然のことながら私ども通産省といたしましても積極的に参画し論議に加わっておるわけでございますが、このような個別の具体的な企業活動に対する法制、規制の問題ということに相なりますと、先ほど来るる申し上げておりますけれども、そういう全体の国際的な進展の中で、それぞれの国の主権の行使として法律上の規制等を図っていかれる。これに対しまして、日本の関係企業が国際社会の調和、あるいは発展途上国への協力という観点も含めて積極的に協力をしていく。こういう対応でやってまいるという意味でございますので、経済団体の現在の投資行動指針の一層なる徹底等々にさらに努めてまいりたいと思っております。
○政府委員(松田堯君) 林野庁でございますが、熱帯地域には世界の森林面積の約半分の森林が賦存してございます。それぞれの国におきます急激な人口増加によりまして焼き畑移動耕作が非常に多くなってきている、あるいは過放牧、薪炭材の過剰採取等が原因になりまして、北海道と九州に匹敵する約一千万ヘクタールの森林面積が毎年減少していると、こういうFAOの報告があるわけでございます。 このような熱帯地域におきます大規模かつ急激な森林面積の減少に対しまして、これまで森林の保全、造成に資するための専門家の派遣、研修員の受け入れ等の技術協力や資金協力を実施してきたところでございます。また、FAOあるいはITTOへの資金拠出等を行いまして熱帯地域等の森林保全関係事業を支援してきたところでございます。 今後とも、国内関係機関と連携を図り、国際機関と協力しつつ、熱帯林の保全、造成及び砂漠化防止のための一層積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 厚生省、環境庁。
○政府委員(杉戸大作君) 厚生省では、企業進出ということではございませんで、産業廃棄物の国際移動、そのような産業廃棄物について所管をいたしておりますので、その立場から説明申し上げますが、既に厚生省では昭和六十年三月に産業廃棄物の国際移動の適正な実施につきまして通知をいたしまして、必要な指導を行っておるところでございます。 これまでは、日本は島国でそういう地理的な特性もございまして、産業廃棄物についての海外搬出という事例はほとんどございませんが、これから国際化時代を迎えまして、そのような搬入、搬出の事例も増加をしてくることも予想されますので指導しておるところでございますが、その内容としては、都道府県等において越境移動が行われる場合は、あらかじめ産業廃棄物の種類と量、それから国外に搬出して処理をする理由、さらに相手国における処理方法、それらを把握して適正な指導を行う、そのような指導を行っておるところでございます。 またさらに、産業廃棄物の国際移動について、近年のヨーロッパとかアフリカ等におきまして、有害な廃棄物の国際間の不適切な処理、これを契機にいたしましてUNEPとかOECDなどで国際移動の管理についての検討が行われておりまして、厚生省ではその策定作業にこれまで積極的に参加をいたしてまいりました。そして、この三月に有害廃棄物の移動についての事前の承認を必要とするといったような内容の、これはバーゼル条約と申しておりますが、それが採択されたところでございまして、これからこの条約の実施に向けて国内体制の整備について関係各省と協力して検討をしてまいりたいと存じております。
○政府委員(安原正君) ただいままでに外務省あるいは通産省の方から御答弁があったとおりでございまして、我が国の企業が海外に進出いたします場合、その活動に伴って環境へのかかわり合いが生じてくるわけでございますが、進出先の環境保護の方針に従いまして、できるだけ問題のない企業活動をやっていただくということが当然望ましいわけでございます。そういう考え方はOECDの基準でも明確にされているわけでございます。したがいまして、海外進出に際しまして我が国の企業としまして進出国も含めた国際的なコンセンサスにのっとった対応をしていただきたいということでございます。 ただ、そういうことで開発途上国の事情もございますので、そういうコンセンサスづくりは容易ではございませんが、関係の国際機関等でいろんな取り組みがなされる場合に、我が国としてもそれに積極的に参画していくべきものと考えております。 通産省の方からお話がありましたように、我が国の産業界では経済界が自主的に海外での投資行動基準というのを定めておられますので、その内容の充実を期待したいと考えております。
○千葉景子君 これまでの御答弁から見ますと、これまではこういう問題に対しての一貫した対処の仕方というのがなされてきていないというのが実情ではなかろうかというふうに思います。 今後、日本がやはり国際的な環境保全に寄与していく、環境問題というのはやはり一国だけではなく全体のレベルを保全をしていかない限りこれは実現は不可能なわけでございますから、経済で協力することは別として、公害でその国に協力をするというようなことは今後ぜひなくしていただきたいというふうに思うわけです。 総理はマレーシアも訪問をなさいました。そして、五月十二日の閣議では地球環境保全に関する関係閣僚会議、こういうものも提唱されまして、今後我が国の地球環境保全について積極的に取り組んでいかれようとしておられます。また、環境庁が主体になりまして、六月には東京でアジア地域国際環境シンポジウムなども開かれるということですけれども、やはりまずこういう提唱をするには、口だけではなくて、被害が起こっていればそれについてのまず救済、原状回復、そういうことを図った上で進みませんと、また口だけ、あるいは言っているだけと言われかねないというふうに考えられます。 そういう意味では、ぜひ総理にも積極的に、おやめになるかもしれませんけれども、内閣一体性のあれがあるそうですから、それを引き継いでいただいて、この環境保全について確固たる御努力をいただきたいと思います。環境白書にも国際活動の際の環境配慮を徹底していくということもございますので、最後に総理のこれに対する御見解を伺って、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一九七〇年でございますか、昭和四十五年、我が国の国会においては公害国会というものがございました。したがって、そのとき、いわゆる産業開発と環境問題をどう調和さすかと随分長い議論をしたわけでございますけれども、それが今、先進国の中でも地形的に海に囲まれておるという恵まれた態勢にありますだけに取っつきやすかったわけでございますけれども、確かに国内的な問題では先進国中におきましてもなお進んでおる状態にあるというふうに、私どもは諸外国へ行きますとそういう評価がされておるわけでございます。 しかしながら、今やっぱりそれは国内問題として取り上げることなく、一つは、先ほどもおっしゃっておりましたオゾン層の問題とか温暖化の問題とか熱帯雨林の問題とか、そういう地球規模の問題と、もう一つは、産業進出として出かけていったものが、きょう個別問題を中心にして御議論いただいておりますような問題を起こしてはならぬというようなふうに環境問題が発展してきたと思います。したがって、日中平和条約十周年ということを記念いたしまして、日中の間の友好環境センターというものをつくることに先般李鵬さんとも合意したところでございます。 そこで、我が国のこの環境問題、地球規模の環境問題の取り組み方になりますと、確かに今、ちょっと表現が適切でないかもしれませんけれども、リーダーとは、地球環境を語らざるリーダーは知性と教養と良心なき者であるというふうな、ある種のいいムードでございます、それは。しかし、それがいわゆる産業開発と全く相反するものになってはいけないという点も私も各地を回ってよく感ずるところでございます。したがって、今青木長官の方で計画されておるのが、先生も今御指摘なさった六月のアジアの閣僚会議でございますね。参加がまだ二カ国決まっておりませんでしたので、私の方からお勧めしてまいりましたから御参加いただけると思っております。 それからその次が、今度は学者の方を集めましてUNEPと共催にいたしまして大会議をやろう、こういうことでございます。とかく我々政治家の議論になりますと精密さを欠くことがございます。例えば、私自身も議論しておりましても、熱帯林と熱帯雨林の区別はどうか、あるいはブラジ ルの二酸化炭素が日本へ到着するのに何時間、何日かかるかなんということになりますと私どももわかりません、率直に言って。だが、したがって、政治家の議論ももちろんいいが、やっぱり地道な学者の知見を集めて、それから今まで本当に、細々ながらと言っちゃ表現悪いのですが、UNEPが、日本が最大の拠出国ではございますけれども、いろんな研究をされてきた、そういうものを持ち上げることによって全体の体制というものを国際的に、世界的にリードしていく、その先進国の一つとしての役割を果たさなきゃならぬというふうに思っております。 それから、今おっしゃいましたマレーシアへも行ってまいりまして、やっぱりマレーシアで話が出ましたのは熱帯林、いわゆる焼き畑の問題でございました。確かに、私が申しておりますのは、今までも協力しておりますけれども、伐採した跡地の植林とか造林とか、そういうことを日本が今協力しておるわけでございますが、基本的にはそれはわずかなもので、次から次へと山を焼きまして、そうして数年間そこで収穫をして次へまた移っていく。だから、そういう農業をしなくてもいいような豊かな国づくりをする方が本当は、私どもが協力しております植林とか、植林は資源の再生産にもなりますから、それよりも大事だと、こういうようなお話もございました。 そして今、個別問題としてまさに御指摘なさった問題につきましては、これは政府――政府とおっしゃいましたが、やはりそれぞれの国の主権があるわけでございますから、そういうものを二国間で話しするときには政府対政府の話になっていぐわけでございますけれども、おっしゃいましたように閣僚会議をつくらせていただきました。まだ一回も開いておりません。できたばかりでございますが、これらの会議がその機能を発揮いたしまして、そうした問題についてもそれぞれの対応策がなされますことを心から私も期待をいたしておるところでございます。 したがいまして、国際会議、条約に関するもの、二国間の問題に関するもの、それから国内法に関するもの、なお、私はいつも申しておりますように、進出企業のお方は言ってみればよき企業市民となってくださいということも、精神的にはそういう背景を踏まえて申し上げておるところでございます。後の内閣にもこの閣僚会議が十分に生かされますようお伝えしようと思っております。
○国務大臣(青木正久君) 総理の御答弁で尽きていると思いますけれども、一言つけ加えさせていただきます。 地球規模の環境、本当に世界じゅうの関心を集めているわけでございまして、オゾン層破壊防止の問題、温暖化、砂漠化、熱帯林と多岐にわたっているわけでございます。日本としては経済力とそれから技術を十分活用いたしまして、国際社会に、世界に貢献する日本としての役割を果たさなくちゃならぬと、こう考えているわけでございます。 先生が一国じゃだめだと申されましたが、そのとおりでございまして、日本だけでは地球環境は保全できない。そこで私も今月の初めにワシントンに行きまして、環境保護局のライリー長官と会談をしてまいりました。三月にはいわゆる環境サミットで、各国の環境のリーダーと意見を交換してまいりました。また、国際会議がたくさんございますので、石井政務次官がロンドンのオゾン層破壊の会議、それからヘルシンキの第一回の締約国会議に出席してまいりました。ただいま現在は、ケニアのナイロビでやっておりますUNEPの管理理事会の会議で事務次官が出席をして意見を交換しているところでございます。 こうしてやっぱり世界の意見を全部集約いたしまして、世界が一体になってひとつ地球環境を保全しょう、これが必要だろうと思うわけでございます。かけがえのない地球でございます。本当に世界が協力をして地球環境を守っていく、その最先端に日本も立っていきたいと、こういう決意をしているわけでございます。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で千葉景子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、本岡昭次君の残余の質疑を行います。本岡昭次君。
○本岡昭次君 フィリピンの国立航海技術訓練所に関連して、電報が外務省からフィリピン大使に発出されていますが、その電報にある経緯、そして現状とは一体何か、明らかにしていただきたい。
○政府委員(松浦晃一郎君) お答えいたします。 我が国が協力いたしまして拡充しましたフィリピンの国立航海技術訓練所の活動は、八六年の七月に開始されましたけれども、海運不況が長引いたこと、それから同じ年の二月にフィリピンで政権交代がございまして、その混乱で行政事務が停滞したことなどによりまして、当初期待したほどの受講者が集まらず、八六年には受講者は延べ六十五名しか集まりませんでした。 一般的に我が国が協力しておりますプロジェクトにつきまして、外務省として問題があるものについては相手国政府に申し入れてきておりまして、本件につきましても種々フィリピン政府に対し働きかけを行っていた経緯がありますが、個々の外務省と大使館のやりとりにつきまして、対外的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 我が国の協力の対象になりましたこのフィリピンの国立航海技術訓練所は、そもそも七八年にイメルダ夫人の出身地でございますレイテ島のタクロバンに、フィリピン唯一の公的な船員の再訓練機関として設立されておりまして、船員の再訓練のための協力を行っておりましたが、船員の資質につきまして国際基準を強化するための国際条約つくりが進められておりました当時の国際的な状況にかんがみまして、フィリピン側はその拡充につきまして、中曽根総理のフィリピン訪問を前にいたしました八三年一月に外交ルートを通じて正式に日本政府に要請してまいりました。この訓練所につきましては、マニラから離れた遠隔の地にあるという事情にもございましたけれども、イメルダ夫人からの協力の要望があったことも踏まえ検討したことは事実でございます。 この訓練所は、現存する唯一の船員の公的な再訓練機関でございますし、外国船に就業するフィリピン国民の就業機会の増大、それから船員による外貨収入を通じたフィリピン経済への好影響等の意義もある案件であると判断されましたので、中曽根総理のフィリピン訪問時に前向きの検討をする旨の方針をフィリピン側に表明いたしまして、その後、事前調査等所要の調査を行った上で協力することにしたものでございます。 この訓練所に対します我が国の協力につきましては、政権移行後もアキノ大統領から、フィリピンの社会経済開発の促進に資するものであるとして高く評価する旨の書簡を受け取っております。八六年二月の政権交代後のフィリピンの行政機能がその後回復するにつれまして、アキノ政権といたしましても、この訓練所はフィリピンにおきます唯一の船員の公的な再訓練機関であるということもございまして、また船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約がフィリピンにおきまして発効したこともございまして、この訓練所の活用に本腰を入れてきております。そのため募集活動の強化、実施体制の整備が進みまして、昨年は受講者が延べ六百二十六名を数える等、実績は着実に伸びてきているところでございます。
○本岡昭次君 この問題については後日の機会に改めて質問さしていただきますが、この際、総理、外務大臣に一問ずつ伺っておきます。 まず、外務大臣にお伺いします。 このプロジェクトは、今の答弁にもあったように、イメルダ夫人の強い要請によって、政治的というよりも恣意的に決定された援助であったと私は思います。それがゆえに、その失敗を取り繕うためフィリピン政府に対して内政干渉まがいの指示をしなければならなかったという点について、ODAのあり方として十分な私は反省が必要と思いますが、御見解を伺いたい。
○国務大臣(宇野宗佑君) ODAは南北の間にある人道上の考慮、これがまず第一点、第二番目は、やはり南北は相互依存の関係にある、そうしたことで相手方の自助努力を援助しますと、これが私たちの従来からとってまいりました方法でございます。したがいまして、前の内閣のこととは申せ、そうしたことも十分考えてやっていただいたとは思いますが、結果的にはあるいはまずいことがあったと考えられる面もなきにしもあらず。しかし、現代の内閣のアキノさんは、ありがとうございます、それを活用したいと思いますと、こういうことで私は活用されることは非常にうれしい便りであったと思っております。 私もASEANの首脳とはもうほとんど全部お目にかかりましたが、やはり民生の安定、これが一番ですと、そのためには経済の拡大、そして政局の安定を図りたい、政治が常に安定するということが民生の安定だと、こういうふうに言っていらっしゃいますから、十分その点は考慮していきたいと思います。 もし、過去にいろんなことがありましたら、もちろんこれは反省して、そしてやはり新しい立場で国際平和に貢献する日本、ODAにおいても文化交流においても貢献する日本という本質をさらに世界の方々に評価をしていただくべく日本が努力をしなくちゃいけないと、かように思います。
○本岡昭次君 総理にお伺いしておきたいと思います。 このような援助のあり方、と言えばいろいろ中身を申さなければなりませんが、時間がありませんのでこういう言い方をしておきます。こうした援助をなくしていくためにも国際開発基本法というふうな新しい法律の制定などの抜本的な改革が政治改革と同様必要だと考えるのですが、政府としての考えを示していただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 経済協力基本法の制定というのは、前々から随分国会でも議論がございます。そして、中西珠子先生でしたか、もし間違っておったら変えますが、要綱をちょうだいしたこともございます。で、この経済協力の今おっしゃいます一つの精神をうたうという、これは私も実際問題いいことだし可能だと思うのであります。ただ、経済協力の実施そのものになりますと、主権の存するところ、相手国側の政府に対してどのような協力ができるかというような立場になりますと、法律に書き込むことがなかなか難しい点はあるなと、率直にそんな程度の勉強はいたしました。 したがって、今、閣僚会議を充実しながら、今のところ既存の制度、仕組みの中で御指摘を受けているような点を改善してやった方が現実的ではなかろうかと。したがって、精神訓示規定的なものは考えられるが、具体的な点について経済協力基本法の制定というところまでは、私の今日の時点におきましてはそこまで踏み込んでいないというのが現実の問題でございます。これからもこの問題については、閣僚会議はもとよりですが、国会等との議論をよく聞いてそれで対応すべきものであろうというふうに考えます。
○本岡昭次君 最後に、熱帯林と国内林業の問題について、これは総理と農林水産大臣に伺います。 最近、熱帯林の減少が国際的に見て大きな問題となっております。熱帯林の減少は、住民の生活の場の破壊、土壌の侵食による耕地の減少、自然動植物の絶滅や地球的規模の二酸化炭素の増大など極めて深刻な影響をもたらしています。 そこで総理、この際、輸入木材に一定の比率の課徴金をかけ、国際熱帯木材機関、いわゆるITTOに拠出し、発展途上国の森林保全、育成に使用できるような国際基金制度を設けることを世界各国に提案してはどうかと思いますが、いかがですか。 、
○国務大臣(竹下登君) 私も実は山林地帯の出身なものですから、随分この点について勉強さしていただいたことがございますが、いわゆる今先生おっしゃいましたこの課徴金の問題ということになりますと議論がまた多岐にわたることになりますが、きょうの段階、いわゆる課徴金、そしてトタの国際基金制度ということになりますと、これは御指摘の点は十分踏まえて、御意見として承って、検討をさしていただきたいということにならざるを得ないのかなと、きょう質問通告を受けながらそのように考えておったところであります。 ただ、熱帯林の保全等の地球環境の保全は大変重要でありますし、先ほどもちょっとお答えをいたしましたが、我が国はたくさんの、今は製品輸入になっておりますけれども、かつてはそれこそ原木輸入等によって戦災復興もいたしました。我が国はそれに対して後のいわゆる造植林等については二国間ベースではかなりやってきてはおりますが、本当の熱帯雨林の保護をするためには、いわゆる伐採というよりも焼き畑農業しなくても済むようなそれぞれの国に力がつくような経済協力をするのが本当じゃないかなと。しかし、今おっしゃった問題は、したがってこの本部を我が国へ誘致しまして、国際熱帯木材機関というのを誘致して――横浜にございますけれども、それて我が国の国際機関の本部というのはそう数がございませんから大事にして、そこで学者の方を呼んだりいろいろ議論をして問題を詰めておるわけであります。したがって、いわゆるこのITTOに拠出するというオール国際と二国間と、そういうものをどう調和さしていくかと、考え方としては私とほぼ同じような考え方だなと。 ただ、課徴金ということになると、また議論は別の角度からしなきゃいかぬなというような感想を申し述べるにすぎなかったわけでございますが、その趣旨を体してこれからも多国間の、二国間の、そしてもう一つ、最近申しておりますが、国内の緑の基金制度もまた必要かなというようなことを総合的に考えさせていただきたいと思っております。
○国務大臣(羽田孜君) 国内の方の問題についてお答え申し上げます。 最近における森林、林業を取り巻きます状況は、内需の拡大や関係者の努力によりまして、木材に対する関心の高まり等明るい一面も実は見られます。しかし、林業生産活動の停滞あるいは円高による国産材と外材との競合、こういう中でさらに厳しいものがあるというふうに思っております。 以上のような状況の中で、農林水産省といたしましては、造林ですとか、あるいは治山事業などの林野公共事業の計画的な推進をする、あるいは消費者ニーズに配慮した国産材生産等による木材需要の一層の拡大、また、低コスト林業確立のための林業生産基盤の整備、技術開発の推進、林業経営の活性化と山村振興等、各般の施策を推進しておるところでありまして、平成元年度予算におきましても所要の予算の確保に配慮しておるところであります。 また、国有林につきましても、六十二年の七月に見直した経営改善計画、これに基づきまして最大限の自主的改善努力を尽くすとともに、所要の財源措置を講ずることによりまして、現在鋭意経営改善を進めているところでございます。 今後とも森林、林業の重要性にかんがみまして、金融、税制を含めた総合的な林業振興施策、これを推進していきたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 質問しようと思ったら、答弁していただきまして、ありがとうございました。 それで、要望申し上げておきます。 私も不勉強なのですが、国内林業の問題では民有林においても国有林においても、要するに林業が業として成り立つのか成り立たないのかというふうなことが今は問題になっているところまで行き着いているようであります。そういう意味で、これからも国からの一層の大きな助成策を講じていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で本岡昭次君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、広中和歌子君の質疑を行います。広中君。
○広中和歌子君 まず、中ソ首脳会談が日本に与える影響について質問させていただきます。 目下、国際的な注目を集めているソ連のゴルバチョフ書記長の訪中、三十年来の中ソ関係の新しい展開が見られるわけですけれども、それが西側陣営に与えるインパクト、なかんずく中ソという東側の二つの超大国に地理的に最も近い位置にある日本がどういう影響を受けるか、それについてのコメントを総理並びに外務大臣からお願いいたします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 過般、ゴルバチョフ書記長とも私自身お目にかかり、また、シェワルナゼ外相ともお目にかかり、さらに銭其シン中国の外相ともお目にかかりました。それを総合して判断した方がよいのではないかと思いますが、結論を申し上げますと、日本の政策に何ら変化なし、また、日本の地位に何ら変化なし。我々といたしましては、三十年ぶりに中ソの仲直りが実現するということは、アジアの安定のためにも世界の安定のためにもまことに結構なことである、ひとつその成果を期待いたします。また、今後の成り行きも注目したいと思います。それが日本の立場でございます。 また、両国ともに、私たちの三十年ぶりの国交正常化というものは、決して日本の、つまり第三国の利益を阻害するものではございません、こういうふうに申しておられましたから、我々といたしましてはこうした地球の流れの中において、両国が手を結ばれることは結構なことである。それによって日本の政策が変わることはない。さらに、我々はアジアの安定のためにも、世界の安定のためにも努力しなくちゃいけない立場にいる、こういうふうに考えております。
○国務大臣(竹下登君) 外務大臣からのお答えに尽きるわけでございますが、私自身も李鵬総理ともお会いいたしました際、お互いの意見交換の中に、私の方で申しますならば、このことは大変に歓迎すべきことである、何分この三十年来の問題がここでいい方向へ行くわけでございますから、したがって天安門広場前の今の状態の問題は私もよくわかりませんけれども、それは別といたしまして、およそきょうは会談の内容も明らかになってくるでございましょう。そういうことを考えてみましても、アジアの平和そして世界全体の平和のためにいいことだなという評価をいたしております。
○広中和歌子君 ソ連の環太平洋地域への関心というのは非常に高まっているわけでございます。その中で、三十年ぶりに中ソが和解する、非常に結構なことだというコメントでございますけれども、ゴルバチョフ書記長は昨年十二月に国連総会で二年間に五十万人の兵力削減交渉を表明し、そのうち二十万をアジアから撤退させる、そういう大胆な提言をしています。今回の中ソ首脳会談では、当然兵力の撤退が議題となると思うのでございますが、それはアジアにおける緊急緩和に本当につながるのだろうか。そして、我が国の防衛戦略構想の変更はあり得るのか、防衛庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) 御指摘のように、米ソ間における軍備管理、軍縮というのが行われていますことは、私たちも本当に歓迎すべきことでございます。 今回の中ソ友好三十年ぶりの回復というのは、そういう意味では非常に歓迎すべきことだと思いますが、先生御承知のように、世界の国々の武装というものは国際緊張にあるわけでございますから、緊張緩和というのは一番重要だと思うのでございます。 そういう意味で、今後、中ソはもちろんのこと、米ソ間においても、あるいは米中間においても、それぞれ話し合いをして友好関係を結ぶことが緊張緩和に私はつながるものと思うのでございます。 したがいまして、そういう趨勢を私たちは望むのでございまして、しかし現状は依然としてやはり東西の力による抑止と均衡による平和というものは依然としてある。そして、軍事的には非常に厳しいものがあるということは、私たちは変わりはないものと、こう思っておるのでございます。
○広中和歌子君 次に、政治改革について竹下総理にお伺いいたします。 リクルート疑惑に絡みまして政治不信が高まる中、竹下総理は政治改革をみずからの手でやり遂げたいと、そういうふうに言われ続けていらしたわけですけれども、予算の成立を待って退陣することをついに表明されたわけでございます。目下、政権を引き継ぐ新たな総裁候補が決まらないまま政局は混迷をきわめ、国民は失望し切っております。 総理は、今後の政治改革、特に選挙制度、政治資金などはどういう方向に向かうべきだとお考えなのか。具体的に一票の格差の是正とか、定数是正、それから企業の寄附、そういったものについて、また自民党の政治改革大綱原案というのも出ておりますけれども、総理の理念並びに具体的な案、そういうものをお示しいただければと思います。
○国務大臣(竹下登君) 自由民主党、どこもそうでございますが、機関中心主義でございますので、いきなり私がかくあらんと、こういうような形で運営をいたしておりませんが、私の立場からは、先生も今御指摘なさいましたように、政治改革を自分の手でやり遂げたいとは恐れ多いことでございますので申しておりませんが、せめて緒につけたいということだけは申してまいりました。 そこで、政治改革に関する有識者会議というものをお願いいたしまして、私自身がお願いをして回って御承諾いただいた方によって何回も議論をしていただきまして、その提言というものを、まずは自由民主党で申しますならば後藤田さんが会長をしておる委員会へ提示して、これで今議論をしていただいておるということで、そのさなかにあるわけでございます。 そこで、今、選挙制度という言葉をお使いになりましたので、それについてどう考えておるかと、こうおっしゃいますと、選挙制度は中期的に改革すべき事項の中へ私は入れてお願いをいたしておるわけでございます。そこで、それには一つは選挙制度審議会というのがこれは政府の機関として今日あるわけでございます。 ところが、この選挙制度審議会というのは高橋雄豺先生という、大正四年の内務省ですから相当古い方でございますが、その方がお亡くなりになってからずっと休眠しております。ほかに理由もございますけれども。が、それに可能な限り、よく言われる第三者構成というような形でもって新しい内閣で任命していただいて、人選もぼちぼち始めておりましたけれども、これにひとつ作業を進めていただいて、そうしてやっぱりそこで決まったことは政党間の協議で絶対――絶対とは言いませんが、これは守ろうというようなことが一つは必要ではないかなと思っております。 それをどの時点までに具体的に改革が実現されるように希望するかと申しますと、明治二十三年の七月一日に第一回の選挙があったわけでございます。したがって、国会がたしか十一月でございましたか、だからちょうど来年が百年でございますから、この百年というものを機として改革が行われるような案、あるいは講ずべき事項等が出されれば一番好ましいなと、こう思っております。そのときに、なお、おつけ加えになりました問題につきましては衆参両院の定数のあり方と、こういうものでございます。これは一票の格差の是正、第三者機関による定数是正制度の新設ということに最終的にはなるであろうと思っております。 ただ、総定数が何ぼがいいかと、こういうことになりますと、それは各国を回りましても必ずしも人口規模によっておるものでもございませんし、市町村議会議員にいたしましても最低十二名になっておりますが、日本では六名に自主的にしておるところもございます。この問題等は、今のところ本則に書かれてあります四七一というようなものが念頭にいろいろ議論をなされておるというふうに承って、これは衆議院のことでございますが、承っておるところでございます。 それから、選挙区、選挙制度の問題は、政策中心の選挙の実現、公営選挙の拡大、秘書、事務所数のあり方、選挙違反に対する連座制を含む罰則強化、当選無効手続の迅速化と、こういうようなことを議論していただこうと。 それから、政治資金のあり方につきましては、やはり政治資金規正法附則第八条でございますか、について見直し規定もございますが、政党中心の政治運営という基本に立った個人献金、企業献金、労働組合等の献金のあり方というようなことで御議論をいただくのが一番適切ではなかろうか。申すまでもなく、その場合は透明性の確保の問題がございますから、この間来議論になっておりますように収支明細の公表、政治家一人当たりの政治団体の数の制限とか、それからさらには政党法、政党への公的助成のあり方というのもやはり入れるべきではないかなと。そのほか、本院で最も議論を尽くしていらっしゃいました参議院制度の改革等を含むことはもとよりのことでございます。 ちょっと長くなりましたが、大筋そんなことが念頭にあることを申し上げたわけでございます。
○広中和歌子君 大変に御丁寧なお答え、非常に前向きな取り組みだと期待申し上げておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、貿易摩擦についてお伺いいたします。 ブッシュ政権下、新しい政権になりまして日米間に再び貿易摩擦が起こっております。ふえ続ける対日貿易赤字を背景に、アメリカは通商法三〇一条の発動をちらつかせつつ、我が国の対応を迫っているわけでございます。日本の国民といたしましては、またか、日本は十分に既に譲歩しているではないか、アメリカはどこまで日本をたたけば満足するのか、もっとアメリカはみずからが競争力をつけたらいいんじゃないかといった思いはございます。 これまで、農産物自由化問題や米国の建設業者の日本参入問題など、アメリカとの交渉で成果を上げてこられた竹下内閣でございますけれども、今回の摩擦をどういうふうに受けとめていらしゃいますでしょうか、竹下総理にまずお願いいたします。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり私は、レーガン政権の際も、またブッシュ政権になりましてからも、これだけ大きな関係になりますならば、いろんな摩擦はあるだろう。しかし、それを大体共同作業で話し合いでやろうじゃないか。大体勝った、負けたができたときが一番悪いわけでございますから、軟弱外交と言われたときの方が平和であったという人もあります。要するに、勝った、負けた、敵だ、味方だと、それはやめてすべて共同作業で解決しようということを主眼に今日まで当たってきたわけでございますが、しかし、この今のアメリカのなかんずく国会中心のフラストレーションとでも申しましょうか、これは日米貿易のインバランスというものがやっぱり大きな要因であると思っております。 私自身がG5を行いました。あれも私は為替が――これは恣意的に調整てきるものじゃございませんけれども、あの共同認識というのが一つの成果をその貿易インバランスの問題だけについても幾ばくかは構造調整を刺激したりしてできたと思っておりますが、それにもかかわらず、依然として大幅でございますから、したがってこれにつきましては、やはり徹底的な相互理解を求めるための努力をしていかなきゃならぬ。先ほど例示としておっしゃいましたように、悪いから買うものがないじゃないかと、こういうような姿勢で対応していくべきではない。やはり相互理解を深める対話の中で、共同作業としてこれを解決していくという基本理念に立って対応していくべき問題であろうというふうに考えております。
○広中和歌子君 通産大臣のコメントもお願いいたします。
○国務大臣(三塚博君) 今、総理が的確に情勢分析をされたわけでありますが、私も先般四月末から五月初めまでワシントンにおりまして、いろいろ懇談をさせていただきました実感を申し上げますと、まさに一言で言えというならば、インバランスがふえ続けていく傾向にあるなと、それが一つであります。 それともう一つは、世界一を誇りましたアメリカ合衆国が振り返って足元を見詰めましたら、宇宙工業と航空機、スパコン、半導体も一位でありましたが、どうやら日本に追いかけられて並んだのかなという感じがFSXに見られる。あの共同開発という協定ができましたのにもかかわらず、それをそのままやりますと、そのハイテクが日本に盗まれ、日本が航空機産業の分野においても戦闘機の分野においても優位に立つ、逆に世界制覇ということになるのかなという、そういういら立ちがありましたことは事実であります。そういう中で私どもは、今、総理も言われましたとおり、ひたすら太平洋を挟む自由陣営の両国として理解を求めつつ、個別の問題は個別の問題として誠心誠意の中で理解を求めること以外にないのかな、こんな感じを持ちました。
○広中和歌子君 今回の貿易法によりまして、貿易法第三〇一条であらゆる権限がUSTRに譲渡されたわけでございますけれども、同時に例外も認められているわけですね。これは新聞報道によるもので、私は直接ヒルズさんから伺ったわけじゃないんですけれども、何かこぶしを振り上げてその手をおろしたくてしようがないというようなことも見えるような、そういう報道もされております。 ともかく日本の対応いかんによってはということがあると思うんですけれども、アメリカが日本に求めている譲歩は何か、どういうふうにこれから対応なさっていらっしゃるのか、お伺いいたします。そしてついでに、その譲歩はどこまで可能なのかということです。
○国務大臣(三塚博君) ただいまの御質問で、振り上げたこぶし、スーパー三〇一はまさに報復措置をてこに譲歩を求めるという議員立法であるわけでございますが、そういう中で両国関係は大事にしなけりゃならぬ。今、総理いみじくも言われました、軟弱外交といえどもそれが平和裏の中にフレンドシップが確立されるのであるならばと、こういうことであるわけでございますから、その一点に努力を重ねていくことで理解を求めるということなのでありまして、誠心誠意の姿勢がそこに認められるということでありますならば、ヒルズさんが議会証言をしておりますように、このことを断行しなければならないということには相ならぬ、また、ならないことの方が三〇一の目的にかなう、両国の関係にかなうであろうとも言ったわけですね。 そういう中で、しからばどうやればよいのかというところが大変難しゅうございますが、シンボリックな問題として提起をされましたのが、かねがね言われておるチャンスが平等でありません、不公平ではないのか等々の中でスーパーコンピューター、それから通信関係、電話、あるいは半導体ということで、以下木材とかソーダ灰ですとかヒルズさんは言われておりましたが、三つがそういうことであるわけでございます。 ですから、この象徴的なイシューについては、自動車電話は郵政の管轄でございますが、MOSS協議の合意において既に両国ともによくできました、向こうからもありがとうございますと言われておりましたのにもかかわらず、新たにそう言われても困るのではないでしょうか、こういうことで私もそのとおり申し上げたわけでございますが、さはさりながら、東京と名古屋を除いてということはいかにもチャンスが平等ではないのではないのでしょうか、こういうことであえて言われますものですから、帰りましたらしかとお伝えだけはさせていただきます、イエスかノーかは明確に――中間報告でもさせていただきますようにお伝えをいたします、こう申し上げたところでございますが、まさに、お話し合いをいたしますれば対話の中に必ず協調が生まれるでありましょうし、協調の中にめどがついてまいるのではないだろうか、このように思っております。
○広中和歌子君 大変乱暴な仮定でございますけれども、もしスーパー三〇一条をかけられた場合、日本の商品、三十四項目でございますけれども、一〇〇%の関税をかけられるわけですね。そうした場合、その結果それらの品目の輸出はどういう痛手を受けるのか、試算をなさったことがあればお示しいただきたい。
○政府委員(鈴木直道君) お話のございました三十四品目といいますのは、先月の末に米国通商代表部が貿易障害としてレポートされたものでございまして、今後日本に対して具体的に、いわゆるスーパー三〇一条として提起されるのは五月の末を予定しております。 それ以後、それが二国間の交渉テーマになり、一年後の交渉の結果として報復措置の議論になりますので、今おっしゃったような品目全体が報復措置にもちろんなるわけでもございませんし、今後どのような展開になるかわかりませんが、我々といたしましては、今後、日本に関しまして間違った議論が行われている部分については当然その誤解を解きますし、もちろん正さなくちゃならないものについては正していくというようなことで、今後も我々努力を続けていくということでございまして、具体的におっしゃったような計算はもちろんしているわけではございませんし、そういう形で報復措置があるとも想定していないわけでございます。
○広中和歌子君 今回のUSTR、米通商代表部の示した三十四項目を見る限り、スーパーコンピューターなどハイテク分野での競争力のある商品を対象としたものが中心でございます。つまるところ、アメリカは日本に対して、ハンディをつけてくれと要求しているような気がするわけでございますけれども、自由主義貿易を主張し続けてきたアメリカの足並みがここで非常に乱れている、そういうような感じがいたします。日本もかつては、発展途上の間は、西側世界の自由主義貿易体制の中で多くのハンディを認めてもらったといういきさつもございますから、この際、成り行きに任せるといったようなこともあるんじゃないか。 この週末、私たまたまアメリカに行ってきたわけですけれども、アメリカの雑誌など、ビジネスウイークなんか読みますと、日本の企業が個別にもう対応を始めているというようなことも伺いますし、政府がここであえて強力に調整を図るというような積極的な役割をお果たしになる必要があるのかどうか、お伺いいたします。
○政府委員(鈴木直道君) 御指摘のお話の中で、例えば日本の企業あるいはアメリカの企業が自由に競争している分野につきましては、アメリカも我々も、やはり自由な競争が基本である、こういう立場にございますので、あえてそういうものに対しまして介入をしていくというのは必ずしも適当ではないと思っております。 問題は、例えば制度みたいなものでアメリカから見れば不公平だと言われるような制度がございますれば、正すべきものは正していくというポジションが基本だと思っておりまして、長期的に考えますと、やはり日本が輸入を基本的には拡大して貿易収支の縮小に向かうというトレンドを示していくということは非常に重要ではないかと思っておるわけでございます。
○広中和歌子君 FSXにおけるアメリカ議会の一部の非常に神経質な強硬な反応や今回のUSTRの対応などを見る限り、ワシントンでは非常に政治的な発言が目立ちます。私もこの週末、C-SPANでもってある上院議員の対日攻撃を聞いていたのですけれども、同時に別の意見もあります。こうした保護主義的な動きが好ましくないという考え方は、行き過ぎれば結果として世界経済の縮小停滞につながるという考え方、これはもうアメリカの良識の中に隅々まである。これは、一九三〇年代の、一九二九年に始まった株の暴落をきっかけとした不況でございますね、それが保護主義によってさらに悪化したという、そういう苦い苦い経験のもとに、ですからアメリカとしては、マスコミの発言の中にも識者の発言の中にも、そして政治家の中にも、保護主義的な動きということは好ましくないという考えがあるわけではないかと思います。 こういう意見もありました。日本の黒字も、つまり日本がどんどん黒字をつくってくれて大歓迎だと言うんですね。アメリカに投資して国債を買ってくれたり工場をつくって雇用を創出してくれたりして、もしそういう形の投資であれば大いに結構だというふうな意見もあったわけでございます。それについて私は非常に複雑な思いをしたわけでございますけれども、通産大臣、どういうふうにお思いになりますか。
○国務大臣(三塚博君) まさに保護主義の傾向がありますれば、自由主義の原理原則を守り抜こうという流れもありますことは、広中委員、知米派でありまして、よく御存じであろうと思います。 〔委員長退席、理事遠藤要君着席〕 そういう中でありまして、私も国会議員の皆さんと懇談をしたときに、特に自由主義をもって任ずる数人の方は、私は今、先生御指摘のようなことでいくことの方がよろしいとは思うものの、なかなかもって、中間選挙後のアメリカ国会ということもあることでもあり、管理貿易、保護主義的な傾向というものがインバランスの中のいら立ちの中で、また、日米のハイテク競争の中におけるさようなものが、日本によってのみ込まれるのではないかという恐怖心に似た危機感まで持つに至ったということは大変心配をしておるところである、よって、自分たちの声が小さくなってきていることは否めない事実ではありますが、しかし私どもは冷静な議論の中でそのことをしっかりと行っていくつもりであるので、長い目で根気強い努力を貴国政府にもお願いをしたいところであると、こういうことでございました。
○広中和歌子君 こうした形で黒字をためて投資してあげるということ、それは一部歓迎され、また一部アメリカ人は怒っているわけですけれども、こうした形が長く続いていいわけはないわけで、短期的な政策、そして長期的な展望というものがぜひ必要だろうと思います。それについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木直道君) 一番重要なのはやっぱりマクロ経済政策だと存じております。現在、竹下内閣が実施しております内需中心の経済運営を継続的に持続し実施していく、それによりまして輸入拡大という傾向を今後とも続けていくということが一つでございます。 もう一つは、現在進んでおります海外投資の展開、これは為替変動の結果生まれているわけでございますが、特にアメリカを中心に投資が進んでおりますので、現地生産化という形で輸出が純減していくという形で貿易収支は改善していく、そういうトレンドが望ましいのではないかと、かように思っております。
○広中和歌子君 日本人の立場から見ますと、本当に一生懸命働いてよい物を安くつくってアメリカに売ってあげて、国内で黒字をため込んで、それを使い切れずに海外に投資する。国内では土地は高くて買えない。だから株とか土地資産のみが上がって、国民生活の質は向上していない。物価一つとっても、住宅は非常に庶民から遠いものになっている。食料とか公共料金は非常に高い。こういうことで、アメリカの立場は別といたしまして、我々国民の立場からいたしまして、今までの通商政策というのは本当にどこにいってしまうのか、国民のための政策はもっと必要じゃないかというふうに思います。 USTRの言い分の中に、日本の流通制度の複雑さとか、さまざまな規制の問題が挙げられているんですけれども、これをどう受けとめ、どう改善していくつもりなのか、経済企画庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(愛野興一郎君) 広中委員御承知のように、まず内外価格差の是正というものに私どもも取り組んで、そうして輸入商品が買いやすいようにするということを今後も講じていかなければならぬということが一つ。それから一連の市場開放措置を今日までも進めておるわけでありますが、規制緩和等々さらに積極的に進めていく。 今までやってまいりましたことを申し上げますと、我が国は、緊急経済対策、経済構造調整推進要綱、またアクションプログラム等によりまして、一応我が国としては誠心誠意努力をしてきたわけであります。流通の改善と言われますのは、いわゆる構造調整というふうに言っておるわけでありまして、今後もそれを続けていかなければならぬと考えております。
○広中和歌子君 御努力は大変に評価いたしております。しかしながら、まだこれからもうちょっとよくしていただきたいこともいろいろありまして、例えば輸入品の中で特に高い物がございます。なぜなんだろうかと私も非常に不思議に思っていたんですけれども、自社製品と競合する商品を輸入している輸入総代理店の品物が非常に高い。例としてウイスキーとコニャックがございます。同じように海外では非常に高級品であるところのリキュール類なんかは、日本では結構安いんです。ところが、ウイスキーとコニャックだけはどうも高い。おかしいじゃございませんかと前から思っていたんですけれども、新聞の報道によりますと、そういうふうに総代理店がメーカーであるといったような関係がある。 公正、自由な競争に目を配る公正取引委員会委員長に来ていただいておりますけれども、これまでこの事実を調査なさったことがございますでしょうか。また、今後なさるおつもりがあるか、お伺いいたします。
○政府委員(梅澤節男君) 輸入総代理店の制度でございますけれども、これはどこの国も、外国製品の参入を促進するという観点から、競争政策上も評価するということでこの制度を認めておるわけであります。ただ、必然的に販売独占を伴うものでございますからいろんな弊害が生じる。その弊害は、例えば再販価格維持とかあるいは並行輸入の妨害とか、そういうものは取り除いていくという形で対応しているわけです。 我が国もそれは全く同じなわけでございます。今たまたまウイスキー等をお挙げになりましたけれども、輸入総代理店の品物全部が高いというわけじゃなくて、今おっしゃったような品物も含めまして確かに内外格差が非常に大きい、あるいは流通マージンが大き過ぎるものがあるという指摘があるわけでございます。公正取引委員会は、従来、輸入総代理店につきましては、いろいろ実態を調査し、それなりの手を打ってきたわけでございますけれども、今般、税制の改革ももちろんあったわけでございます。したがいまして、本年度、再度輸入総代理店の価格政策なり並行輸入品の価格の動向、それから今御指摘になりましたメーカー輸入の実態が一体どうなっているのか。 それからもう一つ、私ども感じておりますのは、市場というのは需給関係で成り立つものでございまして、高い品物が売れておれば値段は下がらないわけでございますね。そういたしますと、需要者側、つまり我が国の消費者の選択といいますか、購買行動の特異性に起因するようなものがあるのかないのか。そういったものも客観的に把握をいたしまして、現行の輸入総代理店の認定基準というのがあるわけでございますけれども、もしそういうもので今の時点で手直ししなければならないということになりますれば、これは本年度中にでも手をつけたいということで、今事務局で作業の準備をしているところでございます。
○広中和歌子君 別の例として、これも新聞で大分報道されましたけれども、航空運賃の格差についてお伺いいたします。 過去数年にわたって円建てによる格差は縮まったということを聞いておりますけれども、ちょっとその事実をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(林淳司君) お答え申し上げます。 昭和六十年の秋以降、円高が急激に進行したわけでございます。その時点から現在までの間に、これは路線によってそれぞれ違うわけでございますが、方向別の格差が非常に大きく拡大したということでございますけれども、これを逐次是正をしてまいりまして、例えばアメリカで申し上げますと、ロサンゼルスあるいはニューヨークといった路線では六十年の一月に対してことしの五月までの間に一二%の値下げをした。それからヨーロッパ――ロンドン、パリあたりは二三%の値下げをした、あるいはシドニーは一七%、香港、バンコク、シンガポールは一九%というのが現在までに値下げをした累積でございます。 その結果、方向別格差、日本発を一〇〇といたしますと、アメリカの場合が九〇前後、ヨーロッパで八八から六ぐらい、シドニーが九八、その他逐次是正をされてきておりますけれども、ただ東南アジアの地域につきましてはまだ一〇〇対六五とかあるいは六三といった国がございまして、これらについては昨年の九月に私どもが立てました一つの抜本的な格差是正の方針に基づいて、今年中に抜本的な格差是正を実施したいというふうに考えているところでございます。
○広中和歌子君 確かに円建てでは航空運賃は下がっているんですね。下げていただいております。しかしながら、ドルで見ますと、アメリカで買うドル建ての航空運賃、それは六十年来ずっと上がっているんです。詳しいことは覚えておりませんけれども、三〇%ぐらい上がっているんじゃないか。つまり、外国建ての航空運賃を上げてもらう形で一方では格差を是正しているというふうに見えるわけですけれども、これを競争政策上、公取の方ではどういうふうにお思いになりますか。カルテルにはならないのでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 詳細につきましては担当部長から御説明申し上げることになるかと思いますけれども、IATAの運賃協定というのは、競争政策の観点から見ますといわゆる国際価格カルテルの一種でございますから、従来からいろんな議論がございます。これは日本の国内にもございますし、外国でもいろいろ議論が行われておるわけでございます。 ただ、これは現実的なアプローチとしては、そういう議論はともかくといたしまして、私どもが考えておりますのは、仮に現実のそういったIATAの運賃協定に基づく料金体系の現行制度を当面是認するといたしましても、そういうことでありますればやはり航空利用客の経済的な不利益を生じないように、つまり方向別格差による不利益が生じないように一つの運輸政策の面で御検討をお願いしたいということを昨年運輸省の方にもお願いをいたしまして、現在運輸省の方でいろいろ御検討いただいているというふうに聞いております。
○国務大臣(佐藤信二君) 今のお話を聞いて若干誤解があるのじゃないかと思って答弁させてもらうわけでございますが、今うちの局長から申しましたように、まず国際航空運賃というのは国際的には発地国の通貨建てになっているということが大きな理由でございまして、このため、まず為替の変動や運賃の改定に伴い自国発と相手国発の航空運賃の間で相対的に差を生ずるということは、これはまず避けがたいことでございます。 そういうことで、また最近のように非常に大幅かつ急激な円高の局面を迎えましたら、どうしても日本発の運賃と外国発の運賃との間に、外国発運賃を実勢レートで円換算した場合との差が出てくる、こういうことでございますが、そういうことで、実は当省といたしましても国際航空運賃にかかわる方向別格差の是正というものは我が国が主体的にやっているわけでございまして、あくまでも日本発の運賃の値下げということに主眼を置いているわけでございます。そういうことで、相手方に対して値上げを強制しているということは一切ございません。
○広中和歌子君 それでは、結果として外国の航空会社が自発的に上げたといたします。 ただ、協定、IATAに入っていない国ではいまだに安い航空運賃になっているわけでございますけれども一輸入航空券というのがありますね。それを庶民としては利用している人がいるわけですけれども、最近それはまかりならぬということで禁止されました。これはだれがそういう禁止をする権限を持っているんでしょうか。航空会社なんでしょうか、それとも運輸省なんでしょうか、それともIATAの協定でそういうふうに決まっているんでしょうか。
○政府委員(林淳司君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、国際航空運賃というのは、為替が変動相場制に移行した以後は発地国通貨建て運賃主義、出発国が出発国の通貨で運賃を設定する、日本発の場合は日本の企業もあるいは外国の企業も全部同じ運賃、アメリカの場合も同様、こういうメカニズムになっておるわけでございます。そういうメカニズムの中では、A地点からB地点までという運賃は発地国の通貨で設定された運賃というものが実効あるものでないと利用者間に不公平を生ずる、こういうことでございます。 したがいまして、経由する場合でも、一たんそこで旅行が切れる場合にはその国の、発地の運賃で精算をし直すというのが、これが国際的な現在確立されたルールになっておるわけでございます。これは日本だけがやっておるわけじゃなくて、国際的なルールでございます。これについてはそれぞれ航空会社、これは国際的にすべての航空会社が運送約款でそのことを決めておる。その運送約款は、日本だけではございません、アメリカもヨーロッパもそれぞれの政府がその運送約款を認可しておると、こういう形でございます。
○広中和歌子君 官費とか公費でもって旅行する人はいいんですけれども、プライベートで旅行する者にとっては安い運賃というのは非常に大切でございます。 それから、外国の航空会社では、例えばマイレッジプランがあり、たくさん旅行する人にはボーナスとしてただで旅行できる、それを日本航空は今までやっていなかったのを最近始めたのでございます。しかしながら、外国人並びに外国の移民権ですか、それを持っている人はそれを使えるけれども、日本人は使えない。そういうふうに日本人に非常に不利になるようないろいろ制度が、制度というのか、システムになっている。我々庶民が、消費者がもっと利口になるということは非常に大切な必要なことでございますけれども、こうした一つの例をとりましても、何か日本の消費者は静かで声を出さない、そういうために損をしているという気がいたしますので、ここで声を上げさせていただきます。
○政府委員(林淳司君) 航空機を利用される方々ができるだけ安い運賃で利用したいということは、これはもう当然のことだと思います。 そこで、いろんな現象があるわけでございますが、その大きなものとして先ほど来いろいろ御質問いただいております方向別の格差、これはメカニズムとしては、為替が変動相場制である以上、そういう形でないとなかなか国際的にうまい運賃設定方式はないわけですけれども、しかし結果的に大きな格差がつくということは、これは旅客の不公平感というものが非常に大きいということで、私どもとしましては昨年の九月にこれについては抜本的な是正をするということで、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアに対しては日本との対比で一〇〇対一〇〇、すなわち格差をなくす、それから東南アジア諸国については一挙にはまいりませんので、当面一〇〇対七〇から九〇という水準まで格差を大幅に縮める、こういう抜本的な対策を各航空会社に指導いたしまして、現在逐次それを実施中、今年内にはそれを達成するという目標で進めておるところであります。 そういうふうに、まず普通運賃というものを基本的にできるだけ格差をなくすということが、やはりお客さんの不公平感をなくす一番の根本であろうと思うわけでございますが、同時にまた、いろいろな割引制度というものもございます。これについても国際的に同じような種類のものもたくさんございますけれども、これは会社によってまた違うものもあります。 日本の場合、従来から個人向けの割引というのが比較的少ないということが言われておりまして、そういう点について私どもとしてはやはり個人向け、団体だけじゃなくて、個人割引もできるだけ拡充するという方向で航空企業を指導しておりまして、逐次それも実施されつつあるというのが現状でございます。
○広中和歌子君 農水大臣にお伺いいたします。 農業の競争力ということを発言されて、大変頼もしく存じ上げているわけでございます。子供のころ、豊葦原の瑞穂の国、日本は土地は狭いけれども農業の効率は非常に高いということを聞かされてまいりました。それに引きかえ、一方、工業の方に関しましては原料もないし、ともかく非常に劣悪な条件であるけれども頑張らなきゃいけない。そういうことで現在来ているわけで、工業の方は生産性が非常に上がり過ぎちゃって、今むしろ摩擦を起こしている。一方、農業の方はどういうことになっているのか。私は都会育ちなもので農業に対して理解がないものですから、その点を御説明いただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 確かに、我が国農業は国土条件、これに制約されているのが事実でございます。そういうことで生産性の向上がおくれておるというのが現状でありまして、殊に土地利用型農業の生産性がおくれておるということが言えるんじゃなかろうかと思っております。しかしながら、そういう中でそれぞれの皆さん方が知恵を出しながら農作業の受委託、例えば田植えですとかあるいは稲刈りですとか、そういった作業の受委託というものを進めていくとか、あるいは後継者のおらない方が中核農家の方に賃貸で土地を貸しますとか、あるいは生産法人といったものを組織しましてコストを下げていく、そういうやり方の中で、土地利用型農業でも最近では積極的にコストを下げるためにそれぞれの皆さん方が努力されておるということがあります。それと同時に、一方ではバイオテクノロジーですとかエレクトロニクス、こういったものが農作業の中にもだんだん導入されてくるということがございます。 それともう一つは、小さいから、大きな農業というのは生産性は確かに高いわけですけれども、やっぱりいろんなニーズというものは出てきております。そういう中で、差別的は商品といいますか、そういう物を生み出すような努力もされておりまして、こういった物は高くてもいいよということで、市場なんかで相当の値段がついている現状があります。 それともう一つは、輸出なんというのはこれはおよそ無理な話であろうということであったわけでありますけれども、最近はナシですとかあるいはキウイフルーツですとか、またキノコですとか、こういった物が外国にも輸出されるようになってきておるということで、非常にきつい、厳しい環境のようですけれども、国際化の中で、自分たちも何としても道を開かなければいけないという中に創意工夫を進めていく人が非常に多く出てきておるというふうに思っております。 〔理事遠藤要君退席、委員長着席〕 そういうことで、私たちもそういった皆さん方の自主的な努力というものが実るように支援しなければいけないというふうに考えながら、今、農政もいろんな角度からきめ細かく進めておるところであります。
○広中和歌子君 最近、イスラエルに参りまして、イスラエルでは自然環境が非常に悪い中で農業を、自給自足しているだけではなくて輸出までしているんですね。だから何だろうと思うんですけれども、保護と競争力の間に反比例の関係があるのかななんて疑っちゃいたくなるわけです。一時的に得なようでも、長期的に見れば損をするというようなこともあるわけで、日本の農民が得をするような形での補助金の使い方というものをこれから大いに工夫していただきたいとお願い申し上げます。 次に、税制改革について御質問させていただきます。 今回の税制改革は、今まで所得に相対的に非常に重かった税制を所得、資産、消費に広く薄くということで、給与所得者の税の不公平感をなくし、そして減税を行っていくということでございますよね。ですから、給与所得者にとっては、減税が、消費税導入で消費税に払う支出を上回ると、そのような説明を受けたわけです。ですから、もしそうであれば多くの消費者というのは喜ぶはずですよね。それが給与所得者を含む国民の大多数が消費税導入に反対している。この不人気の原因は何だと思われますか。
○国務大臣(村山達雄君) 幾つかの原因があると思いますが、今度の税制改革が長期にわたっているということでちょっとわかりにくい、去年の改正の分だけでも六十三年分の減税それから平成元年分の減税それから平成二年度の減税と、こういうふうに逐次分かれていくものですから、なかなかわかりにくいというのが一つあるだろうと思います。 それから、もう一つは周知度でございます。消費税については、この前の税制改革国会であれだけマスコミが取り上げましたから、大体八〇%の人は消費税については大体わかったと。しかし、所得税、住民税の減税はどれぐらいの周知度かと世論調査で調べてみますと、二割ぐらいだということなんですね。それがわからないままにあるということが一つあるんじゃないだろうか。 それから、あえてもう一つ、これは私の感じでございますけれども、所得税、住民税の減税というのは大部分の人にとってはほとんど源泉徴収なんですね。ですから、それはどうしても直接税という感じよりも手取りで考えてしまう。だから、減税感というのが非常に少ないんじゃないだろうか。むしろ日本の源泉徴収は世界に冠たるものと言われているだけに、まるで間接税のような感覚で受け取っているかもしれぬ。 これに対して、今度の消費税というものは適正転嫁、それから消費者の方にわかってもらいたいというので、原則的に言いますと外税方式でやっております。したがって、日常、奥様がお買いになるときには、むしろみんな税金がわかるものですから、これは直接税的な感覚で、何か余計なものを取られていると、こういう感覚もあるんじゃないか。その上、手数が煩わしいとか、こういうことが全部総合的になって今のような世論ができ上がっているんじゃないだろうか。 これは私の考え方でございますので、今のような盲点をこれからできるだけあらゆるPRなりあるいは説明会なりを通じまして、やはり正しい事実の姿というものをよくお伝えするのが我々の任務ではないかと、こう思っておるところでございます。
○広中和歌子君 大蔵大臣の御説明は一応伺いましたけれども、私に言わせれば、免税点の導入とか簡易課税、そういうようなことの創設で商工業者への多くの妥協がなされたんじゃないか。それに対して一般消費者は不信感とか不快感を持っているんじゃないか、そういう気がするわけです。なぜすべて外税方式にしないのか、そのことについてお伺いいたします。
○国務大臣(村山達雄君) 二つの点のお尋ねでございましたが、免税点なり簡易課税というのは、しばしば申し上げますように、納税事務の関係を考えております。それから、このような制度をつくったとしても、果たして最終的にはどうなるかというのは値決めで決まるわけでございますので、その状況をしっかり確かめないと、結果がどうなっているかということはまだわからないということでございます。 それから、外税方式をとりましたのは、今度の税というもので便乗値上げがあってはいけない、やはりこれがしつかり適正に執行されているということを消費者の方に知っていただく方がいいであろう、こういうことで原則として外税方式が望ましいということを十条で書いているわけでございます。しかし、十条にも書いてありますように、ものによりましては外税方式のとれないもの、とろうとしたら大変な手数を要するものがあるわけですね。例えば生鮮食料品のようなもの、これはもう元値が一々違うわけでございますから、その日その日仕入れの値段が違ってきますから、毎日毎日計算しろといったってこれは無理に決まっているわけでございます。また、コインを入れてそこで売っております自動販売機のようなものであるとか、これもなかなか難しい。そういうことで、必要と認めたときは内税方式にしなさいと、こう書いているのは、初めから無理なものがある、それを強制することによってどれだけ大変な事務負担ができてくるか、こういうことを考えてやっているわけでございます。
○広中和歌子君 大蔵大臣、大変お優しい方ですけれども、どうも私はちょっと考え方が違うんですね。 生鮮食料品が毎日物の値段が違うとおっしゃいますけれども、だからそれに応じて値段をつけていくわけですね。買う方といたしましては、それを買った後一・〇三掛けてもらえば消費税が出てくるということで、非常に簡単なことだと思うんですね。そろばんでもできるし、今千円か二千円で売っている電卓でだってできる。その日の売り上げから三%分を仕分けすることは、商売をしようという人だったらだれでもできる。ちょっとばかにしているのじゃないかなと思うのでございます。それは非常に不可能である、厄介である、大変であるというふうに同情なさるのは、商売をしている人にちょっと失礼じゃないかと思うんでございますけれどもね。
○国務大臣(村山達雄君) 今ちょっとお聞きしましたら、税金の額をやらないで税込みで価格を示した方がいいということ……
○広中和歌子君 逆でございます。別に税金を幾ら払ったかということを消費者が知ることが必要だと。
○国務大臣(村山達雄君) それはあれですね。逆に言えば内税方式しかできないものというのはありますね、毎日毎日の仕入れ値段が違うものについて。
○広中和歌子君 それだってできるはずです。
○国務大臣(村山達雄君) それは大変でございましょう。私はこの間アメ横に行きましたら、やはりその日その日でみんな違うわけです、野菜にしても何にしても。そのときに値段を朝全部つけなさいと、これは大変なことだと思います。税金を全部それを書きなさい、これは大変ですね。だから、逆に言えば、内税方式であるなら消費者の方でそれは百三分の三入っておると考えていただければいいわけですね。
○広中和歌子君 ここのところは、ゆっくり後からお互いに考えさせていただくことにしたらよろしいんじゃないかと思います。 今回の税制改革が不人気な第二の理由というのは、資産と消費とそれから所得にかけると言った、それなのに消費にはかけたと、しかしながら資産には資産課税が不十分である、特に土地資産に関しては全く手抜きであるといったような気がするわけでございます。株、債券のキャピタルゲインも分離課税、しかも売買の一%だけ源泉で別ということで、大口のもうけに対しまして、もうけというか譲渡利益を得た人に大変甘いものになっているということでございますけれども、この点についてどう思われますか。
○国務大臣(村山達雄君) これも今二つの点で御質問がありまして、土地についてどうだと、こういうことでございますが、土地につきましては毎年の改正で可能な限りやっているわけでございます。抜本改正におきましても、その前におきましても、短期譲渡につきましては、これは思惑的な取引だということで非常に重課していることはもう御承知のとおりでございます。 それから、法人がやはりいろんな土地を先買いする、事業用に供するという理由で買っておる。例えば、借入金でもって買いますと、それに対する利子はすぐその期の損金にしているわけでございます。これがやはり法人の土地取得を誘発しているという批判が多うございますので、その分は繰り延べろ、原則としては買ったときからすぐやるのでなくて、据置期間を置きまして、それから四年間であと見るとか、そういうことで土地取得の誘因を断ち切っておる。 それから、相続税でも同じようなことをやらしていただいているのでございます。 ただ、我々は、土地についていつでも申し上げているのでございますが、やはり土地基本法のようなものがはっきりして、そして土地に対する公共性、特に利用に対する公共性のような国民的な合意ができないときにはなかなか難しいのじゃないかということで、土地基本法のようなものを我々は最初から早くつくってくれ、こういうことを言っておったのでございますが、今度はそれができるわけでございます。そういたしますと、税だけではございませんけれども、各省も全部それに関連して、土地が上がらないようにとそれをめぐるいろんな施策をやるに違いない。そういたしますと、税の方も、今後いろんなことが考えられますが、非常に効果を期待できるのじゃないかということで、今度は少し元気を出しているのでございます。 それから、キャピタルゲインの話でございますが、今までは原則非課税でございまして、そして反復継続してやるもの、あるいは一口で大口のもの、あるいは事業譲渡所得に類似するもの、こういうものだけに課税しておった。これは、昭和二十八年に実はシャウプさんは原則全部総合課税だと。私は当時その執行の任に当たっておったんですが、執行体制が、つまり取引がわからないで、したがって売買差益がわからないようなときに法律だけ先行するとどうなるかということなんでございますが、そのときは損は全部ほかの所得から引きます、こうなっておった。だんだんやってみましたら、もうけたときは逃げまくるわけです。損をしたときはみんな証券会社の証明書を添えて持ってくる。これは、私は完全に持ち出したと。たまたま取っ捕まった者はえらい目に遭ってしまうということで、これは少しこの執行体制が整うまでやめようじゃないか。そのかわりに現在の有取税のようなもの、こういうものをやってはどうか。有取税は二十八年に実施したわけですが、最初予算に計上したのはたしか六億円です。今はもう二兆円になっているわけでございます。 これは、今までの経緯をお話し申し上げましたが、今度原則課税ということでやりましたけれども、執行体制がまだ整っておりません。そこで、現行のところで可能な限りやりましょうということで、源泉分離課税それから申告分離課税、この両方の選択にしたことは御承知のとおりでございます。ただ、未公開株に関連するようなものについては申告分離課税、こういうことにいたしたのでございます。 ただ、これとても、せっかく原則課税になりましたので、将来は利子所得と合わせて総合の方に向かってはどうか、こういう御提言がありまして、それぞれ法律の附則でそのことを検討いたしましょう、こういうことになっておりますので、今後これらの所得を総合するやり方、つまり納税者番号にするか、あるいはほかに年金番号と併用するか、いずれにいたしましても検討を既に開始しておる、こういう状況でございます。
○広中和歌子君 大蔵大臣、本当にお伺いしたがったことを簡単にお答えいただきました。 納税者番号導入、そして総合課税、その環境でございますけれども、日本はアメリカと貿易摩擦を起こすぐらいコンピューターシステムは発達しているのでございます。この際そういうコンピューターシステムを駆使いたしまして、いわゆる総合課税に移行するということは、内需拡大にもつながることでございますし大いに御検討いただきたいと思います。 それから、今までかかっておりました物品税、それが非常に時代に合わないということで一律三%になったわけでございますけれども、庶民にとって必要な本当に不可欠な食料と、それから毛皮とか宝石とかそういうものと同じ三%にいきなりしてしまうというのはちょっと行き過ぎじゃないかなという気がするのでございますけれども、大蔵省の御見解をお伺いいたします。
○政府委員(尾崎護君) 物品税の対象となります。その物品の選び方が、非常に現在の社会の実情に合っていないということが一つの問題点でありました。 それで、それを課税ベースの広い間接税ということで、最初売上税ということで検討したわけでございますが、その際は五十一の項目につきまして非課税を設けたわけであります。そうしましたら、物品税のときに何を課税物品として選ぶのかというその選び方が難しいという話と似たことでございますけれども、今度は非課税物品として選んだものが果たして適当であるか、ほかのものとのバランスはどうであるかという議論になってしまいまして、これは極めて不公平であるという指摘を受けました。そこで、消費税につきましては税率も三%と低いことでございますので、極力例外は排除してつくったということでございます。 それに対しまして、先生御指摘のように、食料品とそれから高級な衣料品でございますとか装飾品でありますとか、そういうものを一緒にしてしまうのはどうかという御指摘でございますけれども、現実にそれではどう分けるかということを考えてみますと、例えば食料品といいましてもお米のような非常に基礎的なものもございますし、またキャビアやフォアグラのような大変高級なものもございます。高級な衣料、例えば毛皮といいましても大変高い毛皮もございますが、OLが一年間貯蓄して買える程度の毛皮もあるわけでございます。 そうしますと、例えば食料品を非課税にする、あるいは食料品の税率を低くしても皮のようなものを高くするということになりますと、変な話でございますが、例えば食い道楽、食道楽の方は税率が低くて着道楽の方は税率が高いというようなことになりまして、ちょうどゴルフに課税してテニスに課税をしないのはどうであるのかというような御指摘を受けておりましたのと同じようなことも起こり得るわけでございます。 したがいまして、そこは現実には客観的な基準を定めるということが非常に難しいということで一律の税率ということにいたしたわけでございます。
○広中和歌子君 エンゲルの法則というのを御存じじゃないんでしょうか。食料は、金持ちがいっぱい食べれば健康を害するということで罰せられるわけでございますから、大体幾ら所得が上がりましても食料に使う支出というのは余りふえないというのがエンゲルの法則でございます。 それはそれといたしまして、アメリカの場合ですけれども、衣料に関しましては例えば三百ドル以上は課税になっている。それ以下は非課税となっております。 先ほど土地について既にもうお答えいただいたわけですけれども、大蔵大臣は日本の土地にかかる税金でございますね、固定資産税というんでしょうか、あれが非常に安いということをお感じになったことがございますか。私は何も個人の持っている小さな土地について言うわけじゃないんですけれども、大口の土地については、最近のような土地資産の上昇が一年間のGNPを上回ったというような状況、それが果たして税収に反映しているかというと、ほとんどしていないんじゃないかと思うわけでございます。 アメリカの場合、土地資産の場合ですけれども、時価の一%が税率でございますが、日本の場合は平均して〇・一二%から〇・一五%だそうでございます。しかも、大都会、東京のようなもうしょっちゅう上がっているようなところでは、さらにその十分の一ぐらいの課税しかなされていないんじゃないかということで、ちょっと低過ぎるんじゃないかと思いますけれども、それについて大蔵省の方では検討なさいましたでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 土地の保有に関しましては、現在、固定資産税とか都市計画税とか、あるいは特別土地保有税という三つの税金が地方税として課税されているわけでございます。 そのうち、今御指摘の固定資産税という税は、家屋、土地、それから企業の償却資産というものを持っている者に対しまして、一定の評価をいたしまして、それで課税をするということになっているわけでございます。 この場合の土地の評価あるいは家屋の評価というものは、売買実例価格というものを一応基礎とはしておりますけれども、この中には例えば期待利益が入っているとか、あるいは買い急ぎだとか売り急ぎだとかというような不正常な要因もあるということで、売買実例価格というものを基礎にいたしまして一定の基準で評価をするということで、三年に一度ずつ評価をやっているということでございます。それに対しまして、税率が今一・四%でございます。ですから、通常の土地の評価額に対しましては一・四%の税金が課税されるわけでございますけれども、今御指摘のように地価の高騰しているところにつきましては、これはいろんな不正常の要因によりまして実際の地価がそれ以上高くなっているということになりますと、実際の地価に対する税率というものが、一・四じゃなくて、だんだん下がってくるということでございます。 それで、実際の地価に対して税率がどのくらいかというのは、これはなかなかわかりませんけれども、例えば国土庁でやっております地価公示というものを基礎にいたしまして、調査地点と固定資産税が課税されているところの評価額というものを全国で平均いたしますと、大体二割強でございます。ということは、一・四%の税率の二割強ということですから、実際の、地価公示に対しては平均的には〇・三%ぐらいの税率になっているのかなという感じがするわけでございます。 ただ、この固定資産税というのは、保有の継続というものを前提にして課税をするということでございます。毎年毎年課税をされるということでございますから、この場合の地価の評価というものは、単に売買価格というものをそのまま適用するということになりますと、これは大変な問題にもなるということでございますので、この辺は今後とも三年に一度の評価がえということを通じまして、適正に評価をしていくということで考えてまいりたいと思うわけでございます。
○広中和歌子君 一つは、不公平という視点から固定資産税のことを申し上げているわけですけれども、株価の上昇なんか見ていますと、含み資産があるからといって株の値段が上がっているのを御存じでいらっしゃいましょう。ともかく、だから要するに、評価額というのが非常に少ないというのは事実でございます。 それからもう一つ、どうしてこういうことを私が申し上げるかというと、土地をもっと有効利用していただきたい。道路とか橋とかウオーターフロント開発、そういったような多くの公共事業によって、土地の値段というんでしょうか、評価額がどんどん上がってしかるべきであり、それが休閑地とは申しませんけれども、余り有効に利用されていないのであれば、むしろ税金をかけることによってふさわしい利用をしていただきたい。特に、東京とか大阪とか大都会におきましては、今必要なのは庶民の住宅でございます。職住接近。そういう住宅に供給できるような税制、そういうふうに変えていただきたい。用途指定の変更。都市全体の開発プランを立てた上でのやっぱり土地評価というものを、そしてそれにふさわしい税制の見直しが必要ではないかと思います。 それと同時に、各省にまたがる規制などについても意見を申し述べさせていただきたいんですが、今土地が高くて、道路とか鉄道を延ばしたいと思っても、本当にその土地取得で非常にたくさんの工費がかかってしまうわけで、それで地上権、地下権、そういうことについて抜本的な対策をとっていただきたい。 深度地下につきまして運輸大臣、どういうような検討をしていただきましたか。竹下総理は非常に前向きなお答えを去年の三月でしたか、していただいたわけですけれども、どういう対応がなされているのかお伺いいたします。
○国務大臣(佐藤信二君) 大深度地下を利用した鉄道整備の構想ということで、昨年の三月十五日、本予算委員会において広中委員から御提言、そしてまたその方に推進する、促進する方向というふうな御質問があったわけでございますが、その先生の御質問に対して、当時の石原大臣並びに竹下総理もお聞きになって大変卓越した御意見というものにいたく感激されまして、大いにそれをサポートしよう、こういうふうな発言があったと記憶しております。その後、昨年の六月十五日にまとめられました臨時行政改革推進審議会、行革審の「地価等土地対策に関する答申」でも運輸省の提案を配慮されまして、大深度地下の公的利用に関する制度の創設が盛り込まれたわけでございますが、運輸省といたしましてはこれに即しまして火災等に対する安全対策にも十分検討を加えながら所要の法案の整備を進めてきたところでございました。 しかし、行革審の答申というものをきっかけに政府部内で種々の公的施設の大深度地下利用構想というものが出てまいりましたので、こうした状況の中で大深度地下の公的利用のあり方、それを円滑に実施していくための法制度については現在内閣官房、内閣の内政審議室というものを中心に関係省庁間で調整中でございます。 運輸省といたしましては、今申したように緊急を求められている鉄道整備を進めるために、その大きな制約となっている土地問題を解消する有力な手段でございますので、こうした構想の一日も早い実現に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思っているところでございますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○広中和歌子君 深度地下の工費でございますけれども、それは地上の道路をつくる費用と比べてどのくらいになるのか、建設省も今のことを踏まえた上でちょっとお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 値段等のことは事務方から後ほど答弁いたさせますが、大深度地下利用、それぞれ省庁で考え方を提案していることは今も運輸省の方から言われたとおりでございますが、私どもも今後の大都市問題を解決する上においては何としても貴重な空間としてとらえているわけでございます。 しかし、そのためには公共利用というものを円滑にしていかなきゃならない、あるいは秩序あるものとしていかなければならない、さらに私権を軸とした調整手続、これをもって今後円滑な進め方をしていかなければならない。今、内政審議室で調整中でございますが、今後この調整をまって一日も早く法案を国会に提出したい、かように考えております。
○政府委員(三谷浩君) 道路と沿道の建物を一体的につくるという点でございますが、特に先生御指摘のように、大都会の真ん中では用地の買収とかあるいは代替地、こういうものが非常に難しゅうございますから、建物と道路を一体的につくろう、こういうようなことでいろいろ私ども建築物と道路を一体的かつ総合的に整備していくための、あるいは非常に良好な市街地を形成するための所要の法律、こういうものを実は準備して今国会に提出しております。 先ほど御下間ございました値段の点でございます。特に道路の場合は、地下を通ります場合は、これは条件にもよりますが、例えば排気の問題とかそういうことがございますから一概に値段をどうのこうのと言うわけにいきませんが、深いところを通る方が高いだろうというふうに考えております。
○国務大臣(佐藤信二君) たびたびどうも恐縮ですが、私の方の話でございますと、地下鉄の場合は現在敷いている地下鉄の工費が大体半分から三分の一でできるだろう、こういうふうな考えでございますが、それはあくまでも地上とか地下の浅い場合には土地の収用代が大変かかるというわけで、実は工法としては大変簡単でございまして、縦坑を二本掘ってそれを横につなければいいというシールド工法というものでございます。実は先日、東京でもってつくりました半蔵門線、これは大変工費がかかりまして大体一キロ三百億かかったわけでございますが、これをもし大深度でシールド工法でやりますと百億円でできる、こういうふうな試算でございます。
○広中和歌子君 大変期待が持てるお答えをいただきましてありがとうございました。私権の及ばない深度地下を大いに利用していただきたいと思いす。 最後に、新都移転ですか、首都移転とはあえて申しませんけれども、国会と官庁を移転さすということがもう東京の土地問題を解決する根本であるということで、この前四月に開かれました議員連盟の総会で堺屋太一氏が提案なさっている。そこに国土庁長官もおいでになったと思いますけれども、彼の提案の非常にユニークなところは、どこと決めないで関西と関東のその中間、それはつまり国の中央ということでございます。そこで坪十万円で五千ヘクタールの土地を提供できる地方自治体に申し出てもらってその中から決めようと。つまり、どこが適当だとか不適当だとかという議論になりますと大変政治的になりますので、むしろそういうようなことで申し出をしていただく。そして、しかも十年先をめどに、坪十万円ということになりますと十兆円で移転が可能だという私案でございますけれども、それについてのコメントを国土庁長官にお願いいたします。
○国務大臣(内海英男君) 大変大構想の話でございまして、一国土庁長官が返事をするような問題ではございません。 これは超党派の先生方で新首都問題懇談会、こういう形でできておる。金丸信先生が会長でもう十数年来検討してこれらた。先般その会合が久しぶりでございまして、私も出席をして堺屋太一先生のお話も承りました。大変ユニークな発想で大いに参考になると思います。大阪万博のときの土地の取得の問題であるとか、オーストラリアのキャンベラの首都を決めたときの状況であるとか、それからオタワの話を決められたときとか、ワシントンにアメリカの首府が決まったとき、こういったような状況を例に例えられまして、最初から決めておかないで、このくらいな土地でこういうものはないかということにすると競争して安く出してくるだろう、そうすると地上げ屋が介入するところもないと。大変参考になる貴重な御意見だったと思います。 東京のこの過密の状態からしまして、首都移転の問題はどうしてもこれから考えていかなきゃならない問題だという中で、日本列島の真ん中あたりのところがいいんじゃないかぐらいのことを言うと、真ん中あたりの知事さんやなんかが安い値段でうちの方へ来てくれ来てくれということになって、かえって安く土地が取得できるであろう、こういうような話で、大変ユニークで新しい発想で、私もずっとお話を聞いてまいったわけでございます。大いに参考にいたしまして、今後とも検討の課題にしたいと思っております。
○広中和歌子君 質問を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で広中和歌子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) 次に、近藤忠孝君の質疑を行います。近藤君。
○近藤忠孝君 総理に質問いたします。 消費税はスムーズに導入されているというこういう答弁が繰り返されております。確かに大変上手に、また円滑に転嫁をしている。転嫁に限って言うとそういうところもありますが、同時に転嫁できない、困難である、その転嫁に大変苦しんでいる、こういう部門もあります。 そこで総理、どういう分野が転嫁が困難あるいはできなくて苦しんでいるか、どういう御認識でしょうか。――総理、二回も指名したんだから、総理に。
○国務大臣(村山達雄君) 私の方から。 物価ダイヤルその他でおわかりのように、やはり下請業者であるとか、こういったところが一部困難のようだということを聞いております。それからもう一つは、やはりこれもはっきりはわかりませんけれども、免税業者の一部が、免税業者だから、コストアップなんかもう全然一般の人はわからぬから、あなたは値上げすべきじゃないというので困難のところが一部ある、このように聞いているところであります。
○近藤忠孝君 問題は、その一部がこれっぽっちの一部なのか、相当大きな一部なのか、大変問題だと思うんです。 そこで総理、転嫁できるところ、また上手にやっているところは大企業とか大変経済的にも力の強いところ。逆に、できないところ、困難なところは、今も大蔵大臣から御説明がありましたように零細企業、弱いところ。となりますと、現在でも経済力が大変違って対等の競争ができない。それが、消費税導入によって経済的な力関係の差がさらに拡大して一層そういう状況が強まるのじゃないか。こういう心配については、どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) だからこそそういう点がないように、下請の問題にいたしましても、それこそ積極的なPRと、そうして親切な相談と適切な指導ということを根を詰めてやっていかなきゃならぬという問題意識をしているわけでございます。
○近藤忠孝君 それが実際にできていないし、また国民が、政府は果たしてやってくれるんだろうか、むしろそういう不信も大変あるものですから、世論調査などを見ましても、もう大変的確にそれが出ています。 例えば、消費者の立場で三%の消費税の負担というのは大変大きい、こう感じておりますのは、これは朝日の五月一日の調査で七一%に達している。こういう状況を総理はどうお考えになりましょうか。 そしてさらに、これは日経の調査です。廃止すべきが五三%、手直しが三五%、このままでいいというのはわずかに一%。これは、やっぱり国民の方は大変的確に厳しい批判をし、そしてこれに対するむしろ反対の態度を明確に示しておるんですよ。 こういう厳しい態度に、総理はどうおこたえになりましょうか。
○国務大臣(竹下登君) いつも申しますように、後世の方々がやっぱり税制改革というものはやってよかったと言われることを確信し、また期待をしながら、それこそ今のような世論調査の結果が出ないように努力することが私どもに与えられた使命だと思っております。
○近藤忠孝君 私は、今の国民のこういう本当に的確な反応、それは必ず消費税を廃止させて、後世の人がよかったとか悪かったとかそんなことを言うチャンスがないような状況になるんだと、このように考えていることを証明したいと思います。 ところで、午前中の及川委員の質疑でしたが、物品税が消費税に吸収されて、本当はその分だけ、消費税との差額分だけ価格が下がるはずなのにそうなっていない、特にそれが、大企業が新製品といって従来とほとんど変わらないような製品を発売して、それで実質的に価格を引き上げている、そしてその税金分を横取りしていると、こういう指摘がありました。私も全く同感なんですが、経企庁はこういう事例をどの程度つかんでおりましょうか。
○政府委員(勝村坦郎君) お答えを申し上げます。 午前中も新製品についての御議論がございましたけれども、新製品とは何を言うのかというのはかなりあいまいな面があるわけでございます。通産大臣が言われましたように、真にイノベーティブなものもございますし、場合によっては見かけだけの新製品というものもあるわけであります。ただ、四月一日以降は、こういう新製品と称しまして売り出されるものにつきましては、いずれも物品税の負担というのは全くかかっていないわけでありますから、従来のほぼ同質の製品に比べましてかなり値段が安くなっていなければいけないはずであるというふうに考えております。 そのことは経済企画庁といたしましても、物品税関連の業界、家電とか自動車業界あるいは関連の流通業界等に対しまして、既に二月、三月の段階から業界に直接来ていただきまして、いろいろ物品税関連品目の値下げをきちんとしていただくということ、並びに新製品ということで消費者に対してあいまいな値づけをするようなことは厳に避けていただきたいということを強く要請してまいったところであります。 従来の我々の印象では、業界としてはかなり真剣に取り組んではいただいていると思います。また、そのときに業界から特にお話がありましたのは、いずれの業界も、これだけ競争が激しい中で新製品というようなことでいいかげんな値づけができるはずはないということを強調してもおられました。 ただ、現在の行政の対応といたしましては、この新製品は幾らであるべきであるというようなことを直接示唆あるいは指導するというようなことは不可能でございます。したがいまして、業界側に対しては、あくまで競争の中で物品税を負担しない新製品というものの値づけが十分妥当な形で形成されていくということが第一に肝要であろうと思います。 それから我々の経済企画庁は、消費者啓蒙、消費者教育という行政もいたしているわけでありますけれども、それを通じまして消費者に、新製品と申しましても、従来の製品と一体どこが基本的に違っているのか、値段がどれだけ違っているのか、あるいは物品税相当分の値下げと見なされるだけの価格変化があるかどうか、そういうことを十分判断しながら買い物をしていただきたいということを折に触れましてPRをいたしているわけでございます。
○近藤忠孝君 そうは言いますが、実際そういうものが大変出回っておるんですね。これは午前中も、新製品とは何かと。新しいすぐれた性能を備えているような場合であるとか、品質、性能、デザイン、利便性、そういうところで大きな変化があるという通産大臣からの答弁がありました。 私もこれ、家電についていろいろ調査をしてみました。その調査の結果に基づいて具体的に指摘をしてみたいと思うんです。 ここに三洋の冷蔵庫のカタログがあります。これは三洋の冷蔵庫でSR-40ZAという製品で定価は二十八万五千円のものです。ですから、物品税の廃止で二万五千円下がるはずの商品で二十六万円になるはずのものなんです。ところが、これを今買いに行きますと、この製品はほとんどないんですよ。そのかわりに、さっきから話の出ている新製品が、こちら側のものであります。これはSR-40XSBというので、これは二十七万円なんです。これ見てみましたけれども、もう性能も中身もほとんど変わりないんですよね。これはあらかじめコピーを渡してあります。 それで、先ほど通産大臣もおっしゃいましたよ、前のものと違うこと、革命的な斬新さ。革命と申しますと、自民党政権から共産党政権にかわるぐらいです。この二つの冷蔵庫を見ましても、どこに自民党と共産党の違いがあるんですか。大きさも色も、まあ赤と白とは違うけれども、全く変わりないんですよ、性能も。革命的変化、これ見つけてください、通産大臣。
○政府委員(水野哲君) 三点ほど革命的な違いがございまして、一つは、旧製品にはオゾンの脱臭装置システム、こういうものがついておりませんが、御指摘の新製品にはこれがついております。これは大変重要な機能でございます。 それからもう一つの違いは、旧製品はフリーザーの部分が、冷蔵庫の中が一体的に同一に冷えるわけでございますが、新製品はこれを幾つかの部屋に分割をいたしまして、選択的に温度が違うようになっておるようでございます。 それからもう一点は、急速冷凍温度というのがございますが、これがマイナス三十度Cからマイナス四十五度Cに強化をされております。 委員御指摘のように、これは本来といいますか、旧製品が物品税廃止に伴いまして二十六万円ぐらいになるわけでございますが、今の新しい機能がつきました新製品が二十七万円ということで、一万円ぐらいの差になって売られております。 そこで、このオゾンの脱臭装置のついたものとつかないものの他社の製品を比較してみますと、大体一万円ぐらいの差でございまして、ほぼ適切な価格かと存じております。
○近藤忠孝君 今の程度の差は、大体竹下内閣から伊東内閣かどうかわかりませんけれども、恐らくその程度の差ですよね、これ。同じ冷蔵庫の中のごく一部のそんなものでありまして、私はこの製造に関して一万円も、今言った機能を変えるのにそんなに差があるんだろうか。もともと同じ機械のベースでできておって、ほんのちょっと生産工程を変えればできるくらいなんだから、そんな一万円もの差が出てくるようなものではないと思います。 現に、私もこの調査に秋葉原へ行きました。そうしましたら、販売店は全く同じですよと言うんですよ。変わりませんよと、こう言っていました。大きさも機能も同じで、若干の違いは確かにあります、今言ったとおり。しかし、それは製造段階で一万円も違うんでしょうかね。これひとつこういう実態を調査してほしいと思うんだけれども、どうですか。
○政府委員(水野哲君) ただいまも御説明申し上げましたけれども、ほかの社の例で比較をいたしますと、やはりオゾン脱臭装置のみでございますが、これがあるかないか、この差を比較いたしてみますと、大体八千円から一万一千円、こういうことになっておりまして、ほぼ適正な価格差ではなかろうかというふうに考えております。
○近藤忠孝君 ただ私は、今まであった製品、これで十分足りておった人がやっぱり一万円余計に出さなきゃならない。今言ったオゾンの問題だって、別に望む人ではないかもしれないしね。そういう点で、今まであった製品を全部やめちゃって、新しい製品がばあっと出てきて、この系統ではやっぱりこれを一万円高く買わざるを得ないという、この辺が私は便乗値上げたと思うんです。 そして、これは三洋だけじゃないんです。他のメーカーも、また冷蔵庫だけじゃなくて、カラーテレビも洗濯機も軒並み値上げであります。これはメーカーが卸値を大幅に引き上げてくるから小売店は引き上げができずに大弱りと、こういう状況なので、やっぱり全体をもうちょっと詳しく調べてみたらどうですか。
○政府委員(勝村坦郎君) 確かに、今御指摘のいわゆる新製品につきましても、これが安易な形で扱われますと消費者の利害を損ねるということは御指摘のとおりでございますし、それから、ただいまちょっとお触れになりましたメーカーと流通機構との間でいろいろな摩擦があるという情報も確かにございますので、これらにつきましては、現在、通産省の方と相談をいたしまして、協力してこれから調査を進めていく予定にしております。
○近藤忠孝君 次に移りたいと思います。 政府は、消費税は逆進的であるということを認めておりながら、税制改革全体としては逆進性は緩和された、所得税、住民税としては累進的になった、あるいは各世帯でもトータル減税になっている、こういう答弁を繰り返してまいりました。しかし、これは国民の生活実態とは全く違うと思うんです。これは朝日の先ほどの世論調査でも、減税分を差し引いても増税感という人が六三%にもなっている。これが実態だと思いますね。 もう一つ不思議でならないのは、総理、今回の税制改革の目的というのは、垂直的公平よりも水平的公平、広く薄く、ですから垂直的公平を、要するに累進性、これを犠牲にしてでも薄く広くという、そういうのが今回の税制改革の目的だったはずなんです。ところが、それが実現して、その結果逆に逆進性が緩和された、累進性が強まったなんという、そんな結果が出ることじゃおかしいと思うのです。 それでお聞きをしたいのは、いつも村山さんが言っている第一分位と第五分位の比較ですな、あの計算の根拠と、この計算に使ったモデル、これは何だったのか、これをお示しいただきたいと思うんです。
○政府委員(尾崎護君) 計数について申し上げます。 勤労者標準世帯の年間収入を五分位階級別に見ますと、所得税、住民税額の給与収入に対する負担割合でございますが、次のようなことに相なります。 六十三年十二月の改正前でございますが、第一分位に当たりますものが収入三百十四万円、税額が六万二千円でございますので、税の負担率が二%ということになります。第五分位は収入が七百九十一万円、それから税額が百一万五千円でございますので、税の負担率が一二・八%ということになります。この第一分位の二%という負担率と第五分位の一二・八%という負担率の比率を見ますと、第五分位が第一分位の六・四倍になっております。大臣は六・五倍という数字をお使いになったこともございますが、六・四倍でございます。 それから六十三年十二月の改正後でございますが、第一分位は、収入三百十四万円に対しまして税額が一万三千円となりまして、負担率は〇・四%に下がっております。それから第五分位は、収入が七百九十一万円に対しまして税額が八十万円でございまして、第五分位の負担率は一〇・一%ということになります。この〇・四%と一〇・一%を比較いたしますと、第五分位の負担率は第一分位の二十五・三倍ということになっております。大臣はこれを縮めて二十五倍というように申し上げたかと存じます。 その数字をもとにいたしまして、この負担率で見る限り累進度が高まっているというお話がございました。こういうようなものもあわせて、消費税全体とあわせて考えてみれば必ずしも逆進性が強まったという話ではないという御趣旨であったかと存じます。
○近藤忠孝君 モデルは。使ったモデル。
○政府委員(尾崎護君) 使ったモデルは、勤労者世帯の家計調査年報の数字でございますが、勤労者標準世帯につきまして年間収入五分位階級別にとったものでございます。それでよろしゅうございますか。
○近藤忠孝君 片働き、子供が特定扶養控除を受ける世帯、これがモデルになっておりますな。
○政府委員(尾崎護君) さようでございます。
○近藤忠孝君 私は、計算はそのとおりだと思うんです、計算そのものは。ただ、モデルがいけないですよ、これ。このモデルは、まず勤労者世帯だけだということ、それから今のこのモデルは結局、妻については三十五万の配偶者控除と、さらに三十五万の配偶者特別控除が丸々受けられる。それから、子供についてはこれは三十五万プラス十万円の教育加算控除が受けられるわけですよね。これは上の方は別として、第一分位の三百万クラス、大体三百万クラスでこういう世帯というのはどれほどありますか。今言った家族というのは、全体の中でわずか四%ですよ。 大体、三百万クラスといいますと二十歳代、三十歳代、これは前の税制特別国会でも問題になりましたけれども、こんな三十歳代で高校生あるいは大学生の教育加算控除が受けられる、こんなのは十二か十三で子供を産まなきゃいかぬ。こんなものを片や低い方では使う。だから一番減税効果が大きいんですよ。ほとんど世の中にないような例で減税効果が一番大きくなるやつを一番低い方へ持ってきている。だから二十五倍でも三十倍でもなりますわ。こんなものは無意味な計算です。こんなもので累進性が強化された、これはとんでもないごまかしたと私は思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) それは、分布は分布でございます。それはまた別の話として、分布がどうなっているかというのはそういうこと。しかし、減税の効果はそういうふうに及ぶわけでございますから、それはそれなりの意味がある。それぞれ統計というものは、例えば片働きならどうだと。片働きは確かに減税効果は少ないというのは出ますわね。しかし、今度はよく見ればそれにしても共働きよりも税は安いと、総額で。減税割合は少ないけれども、しかし税額は安いとか。統計というものはあらゆる角度であっちからもこっちからも見ていくという性質のものであろう。それで、世帯をずっと見てみますと、やはり片働きの夫婦子二人と、これが全世帯の中で一番構成比が多いわけですね。だからそれは、そういう意味でとりましたと、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 私が申し上げたのは、減税効果が一番大きくなる、それを一番低い方にやるからこういう計算になるんで、あるいは共働き、あるいはもっと別の構成、特別控除がないような場合、これをやればこんな六・四倍から二十五倍なんかなるはずないんですよ。逆の結果になると私は思うんですよね。ですから、そういう意味で私は、比較にならないものを比較して、これは何度も何度も村山さん、この答弁を繰り返して、あたかも累進性が逆に強まったと、こんなことを言っているのは私はとんでもないことだと思うんです。 それで私は、やっぱりこれは具体的に言わなきゃいかぬと思うので、具体的な数字で議論をしてみたいと思います。 所得減税の階層別試算、これは六十一年と六十五年を比較し、手取り所得は各階層でどれほどふえているのか、そのアップ率はどれほどか、大蔵省、これを答弁していただきたいと思います。 資料を出してください。 〔資料配付〕
○政府委員(尾崎護君) 事前に近藤委員の方からお示しがございまして、このベースに使われております大蔵省の数字等につきましては、ここに記載のとおりでございます。
○近藤忠孝君 主税局長、私が言ったのは、手取りの所得が各階層でどれだけふえたのかというので、これは一枚目の、給与所得者が上の方、それから事業所得者が下の方、これで間違いないかということなんです。
○政府委員(尾崎護君) これは近藤委員の方で計算をなさった数字でございますが、多分これでよろしいのではないかと思います。
○近藤忠孝君 まず、給与所得者の方で見てみますと、三百万の人は手取りのアップ率は二・四%、だんだんふえていくに従って三・五、六・〇とふえていって一五・六、一億円の所得の場合は三七・七%と手取りのアップ率がふえていくんですよ。これは逆進性の問題からいったらどうなりますかね。それから、事業所得者の場合にも、三百万は五%だったのが、どんどん、七・三、八・四、ずっとふえていきまして、一億で五一・八%、五億で六二・四%。 所得がふえればふえるほど手取りのアップ率がふえるということは、これはどうして累進性が強化されたのか。逆じゃないですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは額であなたは計算されておるからこうなるのは当たり前の話ですね、額ですから。もともと小さな人は納めていても少額なわけですね。総所得の中に占める課税最低限の割合がどれだけであるか、それを引いたもの。つまり、少額所得者の方は課税所得はほんのわずかなんですね、課税最低限の作用は。それに低い税率がかかっております。したがって、初めから納めている税金が少のうございます。だから、全部まけたって、ゼロになっても、それはごくわずかでございます。これは減税額で計算されておるからこれでは出ないのでございます。 つまり、累進であるかどうかというのは、改正前後における負担率です、これは。それで皆さん、みんな所得でとっておりますから、それでとりますと、やはり減税割合は下ほど大変なことになっております。こうなるわけですね。だから、納めるべき、まける税金が初めからごくわずかですから、全部まけたって手取りで見ればこれは問題にならぬと、こういうわけでございます。したがって、国際的に見ましても、累進的であるかどうかというのは額で計算するのではなくて率でございます。 だから、例えば消費税でもそうですわね。確かに、所得に対してはある程度逆進的であるという意味は、やはり所得に対して負担率でもって計算いたしますと、大体上の方が七掛けぐらいであろうと、こういう計算が出るわけです。もしあなたのように額で計算するとなれば逆でございまして、二倍ぐらいやっぱり納めておるわけですね。そうすると、あなたの論理をもってすれば所得税の累進税率は二倍であると、こういうことになるわけです。だから、それは額ではなくてあくまで率で出すものでございます。
○近藤忠孝君 率の計算のインチキ性は先ほどお話ししたのです。 それから、大蔵大臣は税制は詳しいようだけれども、数学は余り強くないようですね。所得が低ければ、ほんのわずかふえたり減ったりしてもアップ率は、ちょっとふえればアップ率はぐっとふえるんですよ。そうでしょう。それはまさしくそうなんです。それが上へ行けば行くほどアップ率が大きくなったということは、これはやっぱり大臣の言うのとは全く逆のことであると思います。これはまた別の角度から説明したいと思います。 所得減税だけ見ましてもこういう金持ち減税ですが、消費税を含めた税制改革全体から見ますと、その姿は一層明らかになると思います。で、大蔵省の仮定計算では、消費税を考慮しても全世帯で減税という結論を出していますが、この試算の根拠の誤りは後で指摘をしますが、たとえそうだとしても、この減税は専ら第五分位、要するに上の方に大きく隔たりがあると思うんです。 そこで大蔵省、消費税と所得減税を合わせた税負担配分の移動、要するに減税はどの階層に配分されているか、これを計算するように依頼しておきましたが、私の方の計算したやつ以外に大蔵省から出てこないようです。二枚目の①、それがその配分を示したものであります。二枚目の①のこの数値に間違いないかどうか、御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(尾崎護君) 大蔵省の資料をお使いでございまして、その資料はこのとおりでございます。
○近藤忠孝君 じゃ、それに基づいて申しますと、所得の最も低い第一分位は、年収で見ますと全体の一二・三%であるのに、減税配分の方、これは七・三%。それから、所得の最も多い第五分位は、年収配分三一・〇%であるのに減税配分の方は四三・七%と多いんです。要するに今度の減税の効果は、上位二〇%の金持ちが減税効果のほとんどをもらっちゃっています。そういうことになりませんか。
○国務大臣(村山達雄君) これも同じことなのでございます。初めからもう、改正前から、それはその人たちがうんと納めている、額で言いますれば。それはそれだけの話でございます。だから、いつも申し上げますけれども、額で計算すればそうなるわけでございます。 もともと所得税というものは、初めから率で計算しておりますが、額は大きくなれば大きくなるほど、所得が大きくなれば大きくなるほどたくさんの税額を納めておる。それから、そうでない人は少ない税金を納めております。そこで、負担率というときは所得に対してどうなっておるか、その割合が。ここでその累進構造を見ているわけでございます。同じように、やはり減税しました場合には、減税率は、軽減割合は下ほど高いんですね。ところが軽減額は、絶対額はといえば初めから少ないわけですから、これはうんと少なくなる。あくまでも額をとる限りそうなるわけでございます。
○近藤忠孝君 私は、今回の減税の効果はどの階層が主にとったのかということを指摘しているんです。大臣は、先ほどから額の比較云々、それだけですけれども、それだけじゃないんですよ。私が言っているのは、これを見てください、今の表。年収配分が一二・三%であれば減税配分も一二・三%でこれはいいんですよ、それで普通なんです。ところが、逆に減っちゃっているんです。上の方は、年収配分が三一%なのに減税の方は年収配分より以上にもらっちゃっているんだから。要するに、元来上の方が負担しておった税金を今度は下の方が負担をするという、税が移動をしておることになるんです。 大臣、何度質問しても同じような答弁しか返ってこないので、もう次に進みましょう。 次に、大蔵省、同じような数字で、二枚目の二番目の表ですな。これは私は、大蔵省の数値は先ほど言ったような大変欠陥があるので、厚生省の所得再分配調査報告をもとにして同様の計算をしてみました。それが二枚目の二番目の数字ですが、この数字に間違いないかどうか。
○政府委員(尾崎護君) 厚生省の数字でございますが、私どもで確かめさせていただきましたところ、このとおりのようでございます。
○近藤忠孝君 全体に占める各階層の当初所得とそれから消費税の構成割合を比較したものであります。で、所得の低い第一分位、第二分位の階層は、当初所得の配分が第一分位三・四%、第二分位が一一・三%であるのに対して、消費税の負担割合の方は、第一分位が八・九、第二分位が一五・〇といずれも大きくなるんです、今度は税の配分の方は。要するに所得よりも消費税の負担割合が多くなる。それから、中間の第三分位と第四分位はほぼ同じ。そして、所得の最も多い第五分位の階層になりますと、当初所得が四四・二%であるのに消費税の配分は三四・七%と、これは一〇%も少なくなってくるんです。 負担能力に応じて課税をするというのが私は税の公平に関する基本原則だと思います。そのためには、少なくとも所得の構成割合に見合ったそれぞれの所得階層から税収を上げることがやっぱり重要だと思うんですが、しかし消費税はこのように低所得者に負担能力以上の税負担を課す。逆に高所得者の方は負担能力を大幅に下回る税しか課さない。これはもう明らかです、大蔵省が認めている数字に基づいてやっているんだから。 ですから、だれのための税制改革だったのか、これは総理答えてください。それから、応能負担の原則という税制の基本を崩す大改悪だったんではないのかという点について、ひとつ総理。
○国務大臣(村山達雄君) 中身の話でございますから、まず私からお話しします。 やはりあくまでも、今の当初所得の(B)の話でございますが、これは年金給付とかそういったものをみんな調整したわけでございますが、最後は全部額で出しておられるわけですね。だから、ごく一番わかりやすい簡単な例を言いますと、税率を何にもいじらないで課税最低限だけ仮に一万円なり二万円だけ上げたときに、その減税割合は累進税率構造を持っておる所得税ではどうなるかといいますれば、当然でございますけれども、その分は課税所得と総所得の関係、適用税率の関係で減税額が大きくなるのは言うまでもないので、その高い方ほど減税額は余計になります。それは初めからそういう仕組みでありますから。創設したときにそういうことでなっているわけで、高い方はより負担が多くなるようにしてある。減税すれば額はそれだけ落ちる、これだけの話でございます。今度は税率もいじっておりますから当然そうなるわけでございます。 そこで、改正が全体としてどうなっているかということは、ですからやはり率で見ざるを得ない。そして、消費税につきましては、何遍も申し上げておるように、消費に対しては比例的なのでございます、言うまでもなく三%ですから。ですから、高額所得者の方が消費額は多うございますから、大体五分位は一分位の二倍になります。ただ、所得に対してどうなりますかというと、その割合は逆進的になります、正直に申し上げて。 そこで、すべての税金が全部累進的でなければならぬかどうかというのは全然別問題の話でございます。それはすべての税というものは、あれでいきますれば、いろんな税がありまして、個人の所得税は累進課税になっております。それから法人税は比例税率になっております。消費税は消費に対して比例で、そして所得に対しては多少の逆進的になっております。税の目的というのは、何遍もおっしゃっているように公平ということが一番大事でございましょう。しかし、それは租税体系全体を通じて言われるわけでございます。 それで、特に今度の改正で我々が中心に考えておりますのは、所得の把握について、所得の種類によって非常に違いますと、このことを申し上げておるわけなんです。これは月給取りの方とその他の方では実質的にはかなり不公平ではございませんかと。それから事業所得の方、その他の方、これは所得分割を適法にやることができますと。そうすると、今の累進構造でございますし、給与所得の控除が働きますから適法に軽減できます。しかし、月給取りの方はこれを所得分割するわけにはまいりません。それを薄めようとしているのが配偶者特別控除というもので薄めているわけでございます。そして、全体として所得と消費と資産のバランスというものを考えていった方がいいんじゃございませんかと。これからの高齢化社会を考えたときに、働き手が相対的に少なくなるんですから、しかも不公平があるんですから、少し消費課税とか資産課税の方に移したらいかがでしょうか、こういうことを申し上げているわけです。 しかも、今度の消費税というのは、個別消費税の持っておる根本的な矛盾、サービスという、もう消費が半分以上を占めているが全部欠落している。そして、例えば物品税をとってみても、冷房のやつはほとんどかかっているが暖房にはほとんどかかっていない。一万五千円の毛皮はかかっているけれども百万円の結婚衣装はかからない。これでも結構ですということをなぜ言えるんだろうか。あるいはまた、いろんなあれにはかかっているがあそこにはかからない。こういうことを考えますと、公平という観念はやはり租税体系全体として考えるべきである、こういうことを言っているわけでございます。
○近藤忠孝君 大臣は質問にお答えいただくように、これは委員長からひとつ注意をいただきたいと思いますし、これは税制問題だからあなたに質問する以外にない。大変私は不幸なことだということを申し上げて、次の質問に入りますが、私が具体的に示したようなことで、やはり消費税廃止以外にないんです。
○吉岡吉典君 関連。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 十一日の質問でも簡単に触れたことですが、政党機関紙への課税問題です。 総理、政党や国民の政治参加、政治活動、これは議会制民主主義を支えるものとして、絶対にこれを国家権力が介入したり抑圧したりしてはならないものだ、こういうふうに考えます。総理の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 政党機関紙の課税問題は横に置いて、また村山大蔵大臣からお答えがあろうと思います。 今おっしゃった問題、政党活動というのは国家権力の介入する面を可能な限り避けるべきだという議論は、私も随分してまいりました。したがって、我が国に政党法がなくて、そうして今いわゆる公的助成の道についても、いろいろ議論が行われるのがそこのところへ帰一するという歴史は、私も承知いたしております。
○吉岡吉典君 この面は、現行の政治資金規正法で国民の浄財を基礎にした政治資金についても同じ原則を確認していると思います。 自治省、政治資金規正法第一条の目的はどういうふうに書いていますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 第一条ということでございますのでそれについて申し上げますと、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与すること、これを目的としております。
○吉岡吉典君 全部を読んでもらいたかったんですが、ごく一部分しか読まれない。 第一条は、要するに、政治資金の収支の公開により国民の不断の監視と批判のもとに置く、こういうことを基本原則としてうたっていると思います。そのことによって国民の政治の発達に寄与するんだ、これが第一条のうたっている原則ですね。 つまり、政治資金の公開により、国家権力の介入でなく、国民の不断の批判こそ民主政治発展のための不可欠の条件である。これが第一条の趣旨だと思います。総理は、この点お認めになりますか。
○国務大臣(竹下登君) これは今、おおむね、政治資金規正法の目的、第一条をお読みになりました。そのとおりです。
○吉岡吉典君 政治資金規正法の基本理念、第二条、これにはどのように書いてありますか、自治省。
○政府委員(浅野大三郎君) 基本理念でございますが、その一つには、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、政治資金拠出についての国民の自発的意思を抑制することのないように配慮すべきこと。それからもう一つは、政治団体や公職の候補者は、政治資金の収受に当たっては公明正大に行うべきこと、これを定めております。
○吉岡吉典君 今お読みになりましたが、もうちょっとつけ加えて言いますと、政治資金は民主政治の健全な発展を希求して拠出される国民の浄財である、こういう考え方に立ち、国民がその信念に基づいて浄財を政治献金することは、国民の権利として認めておる。第二条が、「いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように」と規定していることは非常に重要である。 つまり、国民のそういう政治資金の拠出に対して国家権力が介入するというふうなことがあってはならない、そういう基本理念をうたっていると思います。この点も総理お認めになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今の第二条基本理念、お読みになりましたとおりであります。
○吉岡吉典君 これはもう政治資金規正法上も認めなくちゃならない原理です。 そこで、次の問題ですが、政党の政治活動の中心は、政党の政策、これを広く国民に知らせる政策宣伝の活動であると思います。その言論活動の中心が機関紙活動である。国民が集会で政党の政策を聞く、あるいは機関紙を読んで政党の政策を知る、こういう活動。その中心になっている機関紙活動。これについて国家権力が介入するということ、それを抑制するというふうなことももちろん認められないことだ、こういうふうに考えますが、この点も総理、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 今、恐らく消費税を前提にして論理正しく攻めていらっしゃっているわけでございますが、国民が政党の機関紙を自由に購入することについては、一般の出版物の購入の場合と同様、表現の自由を保障した憲法二十一条の趣旨、目的に照らして、国政上十分に尊重さるべきものである。 しかし、消費税は、対価を得て販売される新聞等の出版物一般に対して課税されるものでありますから、特定の政党の機関紙であるがゆえに課税されるものではないということでございますので、表現の自由とかいわゆる政党活動に対する公権力の介入とかいう問題とは別の次元に置かれておる、こういうことであります。
○近藤忠孝君 今の総理の答弁の後半の部分はよろしいんで、その前半の部分までの答弁を前提に次の質問をしていきたいと思います。 まず、政治資金の種類、現行法上どんなものがありますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 収支報告なり会計帳簿をつける場合に、こういう項目に整理しなさいということを政治資金規正法は書いておりますので、一応その区分を申し上げます。 個人が負担する党費または会費、寄附、機関紙誌の発行その他の事業による収入、借入金、その他の収入。 以上でございます。
○近藤忠孝君 四つですね。三番目のものは、もっと正確に言いますと、政党の機関紙誌等の発行による収入、それから国民の機関紙誌等の購読料の拠出というぐあいに私は見るべきだと思います。 総理、いずれも、これは民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財です。拠出に関する国民の自発的意思を抑制してはならない。私はこれが現行法のやっぱり基本的な考え、また議会制民主主義の基本的な理念だと思いますが、もう一度確認してよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃる第二条は、読んで字のごとしということであります。
○近藤忠孝君 ですから、拠出に関する国民の自発的意思を抑制してはならないということは確認されたと思うんです。 そして、実際上そういう立場から、私は、税制上それなりの措置がとられていると思いますが、法人税法上の扱い、相続税法上の扱い、これを述べていただきたいし、これは大体非課税になっていますが、これを非課税にしている根拠は何か。
○政府委員(伊藤博行君) 御質問は、政治資金の法人税法上の扱い、あるいは相続税法上の扱いということでございます。 まず、法人税法上の扱い。 政治資金は、受け手についていろんなケースがあろうかと思いますけれども、一般的に、まず人格のない社団が受ける場合を想定いたしますと、これは政党に限らず、およそ人格なき社団に対する法人税の課税関係が適用されるということに相なります。人格なき社団に対する法人税の課税というのは、従来もたびたび申し上げておりますように、収益事業から生じたものに限ると。しからば収益事業は何かというのは、これは法人税法の施行令で具体的に三十三業種を限定列挙しております。したがって、それに該当する場合であれば課税になりますし、該当しなければ課税にならない。すぐれて政令上の、政令を含めての立法上の振り分けになっておるわけでございます。現状は、 一般的に三十三項目の中に入っておりませんので、その意味では法人税は課せられない。 それから、贈与税といいましょうか、相続税法の関係では、今申しました人格のない社団等が法人からの贈与によって取得いたしました財産、これは相続税法の第二十一条の三第一項第一号の規定によりまして贈与税の非課税財産となっております。それから、個人から受けた場合は、その受けた財産が政治資金に供せられるなど、公益事業の用に供せられることが確実なものにつきましては相続税法の二十一条の三第一項第三号に具体的な規定を置いておりますが、その規定によりまして贈与税の非課税財産となっております。それから、受ける人が政治家個人である場合には、一般的に雑所得に係る収入ということになります。したがいまして、その収入から政治活動のために支出されたものに残渣がありますならば、当然雑所得としての課税になるということでございます。
○近藤忠孝君 例えば、法人税について言いますと、元来課税対象になるべきなんだけれども、しかしその外形、贈与、販売収入にかかわらず、やはり政党はこういう献金の場合は法人税法上の収益事業に該当しないとして非課税にされている。相続税法上も元来対象になるけれども、しかし公益を目的とする事業の用に供することが確実だということで非課税になっているものだと思います。 そこで、パーティー収入の扱いはどうなっていますか。
○政府委員(伊藤博行君) パーティー収入につきましても、通常そのパーティーの行われます主催者が人格なき社団でありますならば、その法人税の課税関係は、先ほど申し上げましたのと同じような取り扱いに相なろうかと思います。
○近藤忠孝君 先ほど来の説明で、非課税ということになるんですね。 ところで、政党の機関紙、先ほど総理、先走って消費税の課税のことを言ってくれましたけれども、原則はやっぱり非課税なんですよね。この点どうですか。
○政府委員(伊藤博行君) 機関紙の場合の法人税法上の扱いは、これは若干性格が異なっております。一般的に、ダイレクトに非課税ということではなくて、出版事業は三十三項目の中に入っております。したがいまして課税でございますけれども、一定の条件を満たす場合には非課税になる場合もある。したがって政党機関紙というのも、一般論で申し上げれば、課税になる場合もあればそうでない場合もあるというふうに申し上げるのが正確かと思います。
○近藤忠孝君 要するに、政党の機関紙誌発行による収入とその支出に関する課税、結局これは法人税法上の収益事業に該当しないとして課税されない。ただ、先ほど言ったとおり、消費税は課税されるんですね。これもう村山大蔵大臣の答弁はいやというほどわかりましたので、もう衆議院で大分聞いていますから。 そこで、総理にお聞きしたいのは、寄附は、贈与税の対象でありながら非課税にしただけじゃなくて、これを推奨するための税制上の措置として、租税特別措置法で寄附支出者に所得税法上の寄附金控除措置さえ認めております。何千万から億単位のパーティーがありましても、収益事業でないとして課税されない。片や、国民が政党機関紙を購入し、その代金を払うことは、これは政治資金規正法上国民の政治資金の拠出で、民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることは明らかなんで、全体的に見ますと、やはり消費税も非課税にされてしかるべきではないか。これは税法上の話からいくともうわかっているんです、答弁は。事業であり、対価性があるからと、それはもう聞きたくないんです。 私が今言ったのは、ほかの政治資金全体から見てどうなのか、こういう提起をしておりますので、これはもう総理にお答えいただきたい。
○国務大臣(村山達雄君) これは少し体系の話をして御理解を得たいと思います。 税というのはいろんなものがあるわけでございまして、所得課税が基幹的な税でございますけれども、それ以外に流通税のようなものもあるわけでございます。したがいまして、基幹的なものについてはそういった点、特に所得課税、あるいはそれが所得になるというようなところではやはり普通の公益法人と同じように扱っておる。そして、出版業は収益事業に該当いたしますけれども、専ら公益のためにやっておればそれは非課税になりますという規定をわざわざ置いて、その結果として政党の機関紙については法人税はかからないと、こういうことになっているわけでございます。 しかし、税というものはたくさんあるわけでございまして、やはり消費税は消費税、そしてその納税義務者というのは経済的に言えば徴収義務者でございましょう。最終的にはその物なりサービスの消費者にかかるわけでございます。したがいまして、端的に言いまして国の特別会計も納税義務者になるわけでございます。また、そうすることがこの税の目的にかなうということになっているわけでございます。そして、最終的な負担者は一般会計といえどもやはり負担者になるわけでございます。そういうことからいいますと、やはり対価を得て、そして物を買った方、売った方にはやはり納税義務者になっていただくのがこの筋であると、こういうことになるわけで、別に思想に課税しているわけでもございませんし、民主主義に課税しているわけでもないわけでございます。 税は、全体の租税体系をできるだけ公平に、そしてまた余り徴税費がかからないようにいろんな観点で租税体系をつくっているわけでございますので、ひとり政党だけが独立だということはこの税に関してはいかがなものであろうか。現に例えば印紙税のようなものはあります。これについては政党であろうが何であろうが納めていただいているわけでございますから、そういった税の性質でひとつ御理解願いたい。別に思想にかけているわけでもありませんし、寄附にかけているわけでもございません。そういうことでございます。
○国務大臣(竹下登君) 赤旗に、端的に言いますと、消費税の問題は今御説明のとおりであるというふうに思います。 先ほど来ちょっと議論されて、昭和五十年にたしか政治資金規正法の改正がございまして、そのときのことを私も整理して今思い出してみたわけでございますが、目的は、いわゆる公明と公正を確保して民主政治の健全な発展を図る、それから基本理念の際に、今、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないよう運用しなければならぬと。抑制をしたわけですね、例えば限度枠とかいろんな基準等を設けまして。したがって、第二条というのはまさにいわゆる運用の基本理念というふうに整理整とんをただいましてみました。私の五十年のときのことを思い出してのことでございます。
○近藤忠孝君 大蔵大臣の答弁は、これは衆議院でも相当聞いていまして、それはもうそれ以上聞く必要はないんで、私は別な角度から、先ほど吉岡委員が前提問題を提起し、それに基づいてずっと違った角度で聞いてきたんです。 問題は、総理、これは税体系の整合性の問題。政治寄附が元来贈与税の対象でありながら非課税とされていると同じように、機関紙購読料の支出は一般的には消費税の対象であるけれども、政治資金支出の自発的意思を抑制することがないように非課税の措置をとることが、これは税体系上、また政治資金の性格から見て当然ではないか。これは法律論ではなくて政治論をしていますので、これに対して総理としてお答えいただきたいのです。
○国務大臣(竹下登君) あくまでも公正ということが第一条でうたわれ、第二条で、しかし現実問題としてこれは自発的意思を抑制しておる法律なんでございますから、したがって運用に当たってそういうことが適切にされなきゃならぬということが書かれてあるわけでございます。 元来、例えば政治活動に対して公権力が介入することは可能な限り避けるべきとか、そういう議論なら幾らでもいたしますけれども、税法上の結びつきにつきましては、やっぱりこれは何十回でも何百回でも村山大臣がお答えになった方がより国民の皆様方に適切に理解ができるんじゃないかと思います。
○近藤忠孝君 私が今問題にしておりますのは、同じ政治献金でありながら一方には課税し他方には課税しないというのは、これは国家による差別扱いではないのかと。課税することがこういう政治献金を拠出する――国民の浄財てすよね、それを拠出することの抑制にならないのか。大体、税というのはいわばそういう誘導的な面もあるし抑制的な面もこれは作用がありますから、私はそういうことを言っておるんですが、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 寄附金につきましては、個人の方はやはり公益的な寄附金についてはある限度を置きまして寄附金控除をやっておる。それによって、政党もまたその中に入っているわけでございますので、やはりそれは大いに奨励すべき、少なくともそれを何らかの出し方の側に税法上の恩典を与えるに値するようなやっぱり公益性を持っておるんじゃないか、そういう意味でやっているわけでございます。
○近藤忠孝君 総理、政党の機関紙収入が課税対象となることは、これは別の面からいいますと、国税当局が機関紙発行の収支の内容の調査などで、国家権力の政党への介入、抑制にもならないか、こういう問題もあるんです。そういう点では、これは政党政治と議会制民主主義の根本に関する問題でもありはしないか、こういう問題提起についてはどうお答えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 政治資金規正法も、そのいわゆる違反、二十万円の罰金とかいろいろなものがございますよね。したがって、政治資金規正法が存在しておることそのものが、いわゆる政治活動の自由というものに対して、どこかの角度から公権力が介入する可能性はあると。これはあるんですよ。だから、本来はまず政党法の議論をしていくのが妥当だなということは、かねてからの私の持論でございます。
○近藤忠孝君 しかし、総理、その抑制というのは、逆に、先ほど第一条、第二条に指摘されたとおり、国民の監視で公開するという、こういう規制ですよね。それによって、より国民の監視で公明にやっていこう、そういう意味の抑制なんです。 課税上の抑制というのは、片方に課税し片方に課税しないというのは、課税される方のいわばその拠出に対して抑制的作用が働くんじゃないか、こういうことを私は問題にしておるんですが、どうもおわかりになっておられないようです。これはやっぱり大事な問題で、続けたいと思います。 最後に申し上げたいことは、政党の政策によって政治が運営されるというのがやっぱり政党政治、議会制民主主義の基本であります。国民の政党機関紙の購読は、何よりもその政党の政策や活動を知るためのもので、主権者国民の極めて重要な政治参加の手段であります。これが税金によって抑制されてはならないと思います。これは単なる消費じゃなくて民主主義の基本だと思います。ここに課税する一方で、本来国民の浄財などとは言えない企業献金を認め、その上、これに非課税措置をとり続けるというのは金権政治優遇ではないか。まさに今、総理が批判されているところであります。本来の政党政治、言論活動抑圧になるんじゃないか。 このことについて、最後に答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) そもそも憲法にさかのぼって言論の自由ということになりますと、各種出版物に対しても課税されればそれは自由がそれだけ抑制される、こういう議論にもこれは続いていくわけでしてね、だからやっぱり政党法の問題が最終的にはお互いが議論してみるべき問題になりますけれども、私は今の問題は、政治資金規正法というものがあって、公開され、公正であって、抑制されないような運用というものがうたわれておって、そして税法上の問題とはちゃんと折り目、けじめをつけて、法人税の場合はこうなる、収益事業の場合はこうなる、そしていわば出版物に対して対価を求めるものはこうなると。さすが法治国家だから立派に法律ができておるというふうに私は思っております。
○近藤忠孝君 政党法の話がありましたけれども、これは逆の意味でまた政党抑圧になりますので、私はそういうことは反対であるということを申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で近藤忠孝君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十八分散会