予算委員会 第6号
- 発言数
- 277 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1989/05/10
会議録
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。 平成元年度一般会計予算、平成元年度特別会計予算、平成元年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(初村滝一郎君) 理事会の協議決定事項について御報告いたします。 本日の総括質疑は、自由民主党六十分、日本社会党・護憲共同六十分とすることと決定いたしました。 —————————————
○委員長(初村滝一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成元年度総予算三案審査のため、本日、日本銀行総裁澄田智君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(初村滝一郎君) それでは、これより総括質疑を行います。対馬孝且君。
○対馬孝且君 まず最初に、竹下総理の政治的基本姿勢をひとつお伺いいたしたいと思います。 総理、あなたは先ごろ退陣声明をされましたが、退陣を決意するに至った原因並びに経過について明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 去る四月二十五日、私は退陣表明をいたしたわけでございます。そのときに「国民の皆様へ」という談話を発表いたしましたので、それをまず読み上げさせていただきます。 リクルート問題に端を発する今日の深刻な政治不信の広がりは、我が国の議会制民主主義にとり、極めて重大な危機であります。 私は、このような事態を招いたことに関し、政府の最高責任者として、また自由民主党総裁として責任を痛感するとともに、特に私の周辺をめぐる問題により政治不信を強めてきたことについて、国民の皆様に深くおわび申し上げます。 政治に対する国民の皆様の信頼を取り戻すために、私は、みずからの身を引く決意を固めることといたしました。 しかしながら、国民生活にとって極めて大きな意味を持つ平成元年度予算は、今日に至るもなお国会審議の見通しが立っておりません。私は、全力を尽くして新年度予算の成立を図り、その実現を待ってみずからの決意を実行に移す考えであります。 国民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。 このことが、総合して申しますならば、私の、心境のすべてでございます。
○対馬孝且君 今、総理からリクルート問題を含めて退陣の決意が表明されました。私は今の総理の退陣の決意をお伺いいたしまして、特に総理が、今申しましたようにリクルート問題、政治不信が広がり、我が国の議会制民主主義にとり重大な危機だと、こうあなたは訴えました。 私はこの責任を痛感すると述べたが、しかし総理、その翌日に憲政史上かつてない衆議院段階におきまして予算案の自民党単独採決が強行されました。総理は議会制民主主義を何と心得ているのか。この暴挙は政治不信を一段と深めたと、私はこういうふうに考えますが、この点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も議会人でございます。そして、議会の構成というものにつきましては、最大限少数意見等の開陳の場を多くし、そしてまた最終的には多数決原理が働くという、そういう原則は承知いたしております。しかしながら、国会そのものの動きにつきまして、行政府の立場からこれにコメントすることは今日までも控えさせていただいておるということでございます。
○対馬孝且君 総理はコメントを控えさせてもらいたいと言いましたが、あなたはやっぱり政府の最高責任者でしょう。間違いありませんね。かつまた、自民党総裁であることも間違いありません。そういうことであれば、おのずから、私に言わせますと、議会制民主主義の危機だとこうあなたが言う限り、やっぱりああいう暴挙は、むしろ総理・総裁としてあの事態を回避する、そういう姿勢をとるのが当然でありませんか。もう一度お伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、私は内閣総理大臣として行政府の長にあることは事実であります。そして、今までも国会の動きに対する行政府からのコメントということは、自由民主党総裁の立場から言えと言われたといたしましても、それは差し控えさせていただいて今日に至っておるところであります。 ただ、議会人の一人として、いわば単独採決というもの、そうしたものが好ましいものであるというふうには私自身も決して思っておりません。
○対馬孝且君 好ましいものではないという答弁ですが、いま一度お伺いしますが、総理が言う先ほどの退陣の決意に至った中で、我が国の議会制民主主義にとり極めて重大な危機だと、この認識は、総理、どういう考えですか。どういうふうに具体的に考えますか。
○国務大臣(竹下登君) やはり政治不信というものが根底にありまして、議会政治そのものに対する不信感が広がっておるという事実認識をいたしておるところでございます。
○対馬孝且君 政治危機、かつてない民主主義の危機だ、国民の総意でしょう、今。その国民の怒りに対して、深く受けとめて総理は議会制民主主義の危機だと、こう今言っているわけですから、そうだとすれば、ああいう暴挙がたとえいかにあれ、むしろ総理・総裁として、しかも常日ごろ所信表明の中でも総理は言っているじゃないですか、私は議会の運営について、話し合いで、そして思いやりで、気配りして議会の調整能力というものを大事にしていきたいとあなたは所信表明でも言われています。 その考え方に立ったとするならば、どうしてああいう事態を避けることができなかったんですか。避けるべく努力をしましたか。
○国務大臣(竹下登君) 私が議会政治のあり方について述べておることは、今、対馬委員が御指摘なさったとおりでございます。されば審議拒否があったからどうなったとか、そういうことを私自身がコメントいたしますよりも、事実国会に議席を置く私自身の反省も含めて、お互いがやはり反省の原点に立つべきものであるというふうに思っております。
○対馬孝且君 審議拒否というのは、これは中曽根証人喚問、しかも話し合いを行っている中で単独強行でしょう。これは憲政史上ないんですよ。しかも野党から審議に応じましょうと言っているじゃないですか。それは明確に申し上げておきますよ。 したがって私は、まあ時間もあれですから、総理に申し上げたいことは、少なくとも民主主義の政治危機だという言葉でなくて、国民に行動をもって示すとするならば、単独採決というのは少なくとも総理・総裁としてあの事態を避ける決断をすべきであった。このことは極めて遺憾であるということを申し上げておきたいと思います。 そこで、私は竹下総理に次の問題を明らかにしてもらいたいことを明確に問います。 竹下総理は記者会見の中で、我が国の議会制民主主義の危機であると今も申し上げましたが、あなたは最高指導者であるわけですから、そうだとするならば、リクルート事件というのは、退陣したからこれはリクルート事件の終結ではない。むしろ国民はもっと明確にリクルートの徹底解明をすべきであるというのが八三%の世論の声であります。そういたしますと、総理、あなた自身がリクルート徹底解明に対して、どのような認識を持ってこれから対応されるのか、所信を明らかにいたしてもらいたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず私自身、私の辞任表明がリクルート問題に対するけじめであるという考えには立っておりません。私自身の政治生活のあり方についての一つのけじめであるとはいたしましても、リクルート問題そのものに対するこれがけじめであるなどという思い上がった考えは全くございません。 そこで、具体的にいかがかと申されますならば、いつも申し上げておりますように、四点の問題があろうかと思っております。すなわち証券取引法上の問題、税法上の問題、刑法上の問題、そしていつもその土台ともなるべきいわゆる政治道義の問題、この四つに分けられるのではなかろうかと、このように考えております。 特に私どもが心していかなければならないのは、四番目に申しておりますが、政治不信の根源になったわけでございますから、これを改革するためにもすべての土台になる政治道義の問題、これにいかにして襟を正すかということが一番大事であると思っております。
○対馬孝且君 今、総理は、今後のリクルート疑惑解明に対して、特に政治的道義的問題を含めてこれからも解明に当たるという答弁でありましたが、一番問題はやっぱりあなたにまつわる疑惑、もちろん中曽根証人喚問問題、安倍幹事長その他の多くの自民党議員を含めての疑惑解明がいまだに残っております。 したがって私は、今、総理が言われましたようにそういった考え方があるとするならば、この問題について今後も積極的に具体的な解明、解決に当たる、例えば三点セットの問題を初め、そういう考え方をお持ちかどうか明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる政治道義の問題につきましては、一つは、国会の調査権というものがあろうかと思います。いま一つは、やはり倫理綱領に基づく自浄能力の問題であろうと思っております。 自浄能力の問題につきましては、可能な限りみずからが解明しこれを明らかにすべきであると思います。国政調査権の問題については、これは国会そのもので自浄能力を含め努力されることでありますが、最大限の協力をすべきである、こういう考え方の上に立っております。 いわゆる三点セットというお話でございますが、用意をいたしましたが、議まとまらず受け取っていただく状態になっていない、こういうことでございます。
○対馬孝且君 これは当予算委員会ではもちろん何回も同僚議員からも言われておりますけれども、むしろ総理が積極的に国会の場で解明するものはするということがあるわけですからね、これは我々が言うよりも前に具体的に積極的なこの疑惑解明に乗り出す、この決意がなければならないんじゃないかと私は思います。 今後もその解明に全力を尽くす、また協力をすると、こういう態度でありますか、もう一度それをはっきりしてください。
○国務大臣(竹下登君) 国会自身が自浄能力も含め、この問題について国政調査権の範囲においてこれを解明されることに対して協力を申し上げることは当然のことである、このように思っております。
○対馬孝且君 国会全体ということよりも、あなたがやっぱり総理・総裁としてのリーダーシップをみずからとる、この決意で私は臨んでもらいたい、このことを申し上げているわけですから。 そこで私は、具体的に入る前に、中曽根証人喚問問題についてお伺いをいたします。 あなたは中曽根証人喚問問題についてしばしば、これもいわゆる言語明瞭意味不明でありますけれども、国会でお決めになることであります、行政府の長としては避けさせてもらいたいと。これは率直に申し上げて国民はわかりません。最高責任者であればあるほど、むしろその問題についてはきちっとリーダーシップをとって明確に国民に対して言明をする、このことを今国民が求めているわけであります。 それで、中曽根証人喚問問題は、もうかれこれ証人喚問問題が出てから半年有余になります。そこで、中曽根証人喚問問題について私は総理の考え方をもう一度お伺いしますが、あなた自身が退陣という決意をされた。しかも自民党の総裁である、国政の最高責任者である。そうだとするならば当然、中曽根前総理に対して、証人喚問に応ずるべきである、一日も早く疑惑解明を積極的にすべきだという、総裁としての説得あるいはそういう行動をとるべきではないか。この点についてお伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、私が一般論として具体的な証人喚問の問題については国会そのものがお決めになることだと申しておりますことは、我々国会に議席を持つ者にとっては国会そのものの権限としてわかる話でございますが、一般国民の皆様方には、国会そのものが決める問題だといっても、なるほど御指摘のような印象があろうかと私も思います。 しかし、やはりこれは正確にお答えするならば、まさに証人喚問の問題そのものは国会においてお決めになる問題で、行政府の長たる私からこれはああすべきだ、こうすべきだと言うべきことではない。これは筋として御理解いただけることだと思っております。 そこで、今の対馬さんのお話は、一方、君は自由民主党の総裁ではないか、いわば党の総裁としての立場もあるではないか、そうなれば、前総理とはいえ、党員としての立場からそれに対して国会に協力をすべきであると言うべきではないか、こういうお話ではなかろうかというふうに思っております。この問題については報告を受けたばかりでありますが、昨日の安倍幹事長・中曽根前総理との会談において安倍幹事長に一任をされたというところまで承知をいたしておるところであります。
○対馬孝且君 いや、私が言っているのは、国政の責任者でもあるということをだめ押しして言っているわけでありますが、今何か自民党の内部の幹事長一任云々という話がございましたが、そこでこの問題に関しまして、中曽根前総理大臣が造船疑獄問題にちなんで昭和二十九年二月二十二日、一応このやりとりがされております。この報告をひとつしてください、通告してありますから。内閣参事官に通告してありますよ。予算委員会のやりとりについて、通告してあります。
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
○対馬孝且君 これは中曽根前総理大臣が大造船疑獄事件のときに、二月二十二日、予算委員会でやりとりが行われている。この事実をひとつ私は報告してもらいたい、こう言っているんだ。これは会議録があるでしょう。
○委員長(初村滝一郎君) だれに報告せいと言っているんでしょうか。
○対馬孝且君 ちゃんと言ってあるじゃないか。法制局長官もしくは官房長官に、何のやりとりをしたのか、質問したのか言えと言っているんだ。答えは簡単じゃないか。
○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと退席いたしておりまして申しわけありません。 ただいまの件につきましては、大変申しわけありませんが、昨日の段階で事務当局から、先生からそのような御質疑をいただくということについてお聞きをいたしておりませんので、大変申しわけありません。
○対馬孝且君 きのうわざわざ追加したんだから、おかしいじゃないか。私はちゃんと通告してありますよ。改めて追加したんだから。
○政府委員(味村治君) 昭和二十九年二月二十二日付の衆議院予算委員会の会議録におきまして、当時の中曽根議員が質問をされているわけでございます。 その質問は、若干読み上げますと、 保全経済会の問題にしても、あるいは殖産金庫の問題にしても、あるいは造船の問題にしても山積しておる。この議会政治の危機を議会みずからで切り抜けて、議会みずからが粛正してこれを解決しなければ、議会政治は没落するのであります。この危機をだれが乗り切るか、国民一般にやらせるわけには行きません。官僚にやらせるわけにも行きません。政治家が議会を中心にしてこの問題を解決する以外に、議会政治と民主主義を救う道はないと思うのであります。 こういう御質問に対しまして緒方国務大臣が、 時局はきわめて重大であります、できるだけ政局を動揺させぬように、日本再建のために各般の施策を強硬に推進して参りたい、今日御審議を願っております二十九年度の予算案——日本の経済自立が日本の独立を完成する上に一番中核的な問題であると思いますが、この経済自立を達成いたします第一歩といたしまして、この予算の審議あるいは今回あまた御審議を願っております重要法案を、一日も早く実現いたすべく万全の努力を払って参りたい、 こういう御答弁がございまして、さらに中曽根議員が、 今日の問題は、法案の問題であるとか議会手続の問題ではありません。御存じのように、この国会をとりまくすべての社会に、議会否認の思想が横行して来ているのであります。 若干飛ばしまして、 そういうときにあたって、司直の手が延びて、これが司直の手によって判断を受けるまでは、このまま政治が継続されるということをお考えになるその考えが、私は今日の国家の災いをなしている考えだと思うのであります。 若干飛ばしまして、 政治というものは、道義であるとか倫理であるとか、そういう線で動いておらなければ国民を指導するものにはならないはずであります。逮捕状の線で政治が常に動いておるというのであれば、これは検察庁にすべて政治をまかせればよいということになります。これでは政治の価値もなければ存立の意義もありません。 こういう御質問をなさったということでございます。
○対馬孝且君 今、法制局長官が読み上げましたのが、中曽根前総理が堂々と発言をして、議会制民主主義の危機、みずからの道義的究明、そして国民の解明の負託にこたえる、こういう立派なことを言っているじゃないですか。そういう立派なことを言っておいて、いまだに証人喚問にも応じない、検討しているという先ほどの総理の発言ですけれども、これ自体が問題ではないか、私に言わせれば。まさに今日の国家は同じ状態ですよ。予算案以上に、当時の疑獄事件の解決は最重要課題であると言っているでしょう、明確に。 総理、このことはどのような所見を持ちますか。
○国務大臣(竹下登君) 実は私は、この問題につきましては、対馬委員の、こういうものを前提としての御質疑があるということを私は承知いたしておりましたが、実は今ちょっと懸念いたしましたのは、全文を読むのが親切かどうかと思って懸念をいたしておりましたが、私なりに線を引かせていただいておりましたものを先ほど法制局長官から読み上げたわけでございます。これは立派な意見である、このように私も思っております。
○対馬孝且君 総理は、立派な意見ですと言うなら、あなたは総理大臣として、自民党総裁としても、中曽根前総理に向かって、こういう言行不一致の発言をしてはだめだと、きちっとやっぱりここで物を言う。あなた自身が退陣を決意したわけでしょう。重大な危機で決意したのであれば、当然これだけのことに対して、これは国民に向かって、国会に向かってきちっと整理して物を言っているんだから、今と同じでしょう。予算の審議が問題だから重大な決意をしたと言うが、それ以上に今国民はリクルートの徹底解明、そして政治の信頼回復、これなしにはもはや今日の政治は信頼できない、ここにあるとするならば、これは何も遠慮することないんだから、あなたは最高責任者なんだから、前総理よりあなたの方が権限を持っているんですから、堂々とやっぱり説得して直ちにこれにこたえるべきである、こういうことを言うべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私の考え方を一つ述べさせていただきますならば、当時の緒方国務大臣の考え方にもございますが、とはいえ私自身、今予算というのはまさに国民生活の血液とも申すべきものでございます。したがいまして、私自身がこの決意をいたしましたのも、「平成元年度予算は今日に至るもなお、国会審議の見通しが立っておりません。私は全力を尽くして新年度予算の成立を図り、その実現を待ってみずからの決意を実行に移す考えであります」、こう述べましたのは、やはり予算というものが国民生活の血液であるという考え方に立って、あえて言わせていただいたわけであります。 従来から私がいつも言っておりますのは、もののふの進退はある日ある時突如として決すべきものであり、一たび言の葉に上れば威令これ行えなくなる、こういうことを何遍か言ったことがございます。しかし、今回の場合は時期を切って私は予告したわけでございますから、私自身は釈然としませんでした、本当は。しかし、やはり予告であろうと、それはある日ある時突如として申すべきであるということで、このようなことを申させていただいたわけであります。 したがって、予算についての考え方は、この際の中曽根委員と今の私の考え方とはこれは違います。しかしながら、全体の文脈として言われておること、これは私は、そのときの中曽根委員の立場が野党であったとか与党であったとか、そういう問題は別として、政治家の見識としてやっぱり正しいことをおっしゃっておるというふうに思っておるわけでございます。 現在、政党政治でございます。だから、中曽根議員が、前総理が安倍幹事長に白紙で一任されたという経過を申し上げたわけでございまして、その考えに従って、恐らく各党間の話し合いで物事は行われるでございましょうから、一任された点で幹事長としての御判断があるであろうというふうに思っております。
○対馬孝且君 今、総理はいろいろ言いましたが、これは正しいものである、こう言う限りは、正しいものであるならば正しいことについては行動をもってやっぱり国民に示す、これが今何よりも国民から求められている、こう私は申し上げているわけです。 しかも、まだ言っているんですよ、物騒なことを。物騒という言葉は、私は端的に今言いますけれども、ちょっとここのさわりの部分だけ私は読ませてもらうと、こういう言い方でしょう。こういう民主主義の危機あるいは疑獄、腐敗、こういう問題を本当に国政の場で解決をしなければ、極右や極左が場合によっては吉田総理大臣、時の総理大臣をぶつ刺すかもしらぬ、こういう事態、こういう不穏な動きもございます、こう言っているんですよ。このぐらいのことを言っておいて、自分のことになったら全然出てこない、これはどういうことですか。とこが私は問題だと言っているんです。 このことで時間をとっておるわけにはまいりませんけれども、私はあえて総理に、正しいものだという理解は同じであると言っていますが、このことに時間をとるわけにはいきませんが、この問題について、先ほど安倍幹事長に一任をしたと言うが、我が参議院の予算委員会においても中曽根前総理の証人喚問を強く私は要求し、この予算委員会開会中に実現することを強く求めておきます。この点は総理大臣の所見があればお聞かせ願います。
○国務大臣(竹下登君) これは、いつも言うようでございますが、国会の今対馬さんのそれこそ御意見、これをもとに国会でお決めになることで、そこに一つの——国会で任命された行政府の内閣総理大臣の発言の限界というものはやはり国会でお決めになるべきことだ、これは御理解をいただきたいと思います。
○対馬孝且君 今さらそれを言ってもらっても困るのでね。やはり問題は、先ほどから何回も申し上げますように、いずれにしましても、当参議院の予算委員会開会中にこの参議院の場で、堂々と先ほどの言った正論を吐いているわけですから、この実現方に総理・総裁として強く努力することを申し上げておきます。 それでは、同僚議員からのリクルート問題の各論について関連質問を行いますので申し上げます。
○委員長(初村滝一郎君) それでは、関連質疑を許します。矢田部理君。
○矢田部理君 同僚の対馬議員からリクルートの問題に対する総理の基本姿勢を伺いました。それを前提にしてリクルート各論をやりたいと思います。 総理は先般退陣声明を出されました。これでリクルートは一件落着ということであってはならないのでありまして、やめれば終わりということではなくて、依然として全容解明については総理として重大な責任を持っているという認識を私は問いただしたいのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申し上げましたように、政治家としての私個人のけじめということではあろうかと思いますが、これがリクルート問題全体のけじめであるというような恐れ多いことは一向考えておりません。
○矢田部理君 そこで、退陣声明の記者会見に関連してでありますが、政治不信は議会制民主主義を危機に陥れているということを述べた後で、特に私の周辺をめぐる問題により政治不信を強めている、こう述べておられるわけですが、総理のどんな問題、いかなる対応が政治不信を強めているのでしょうか。もう少し具体的な御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 特に、私の周辺をめぐる問題により政治不信を強めてきておることについて、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。すなわち私の周辺において、まず第一には、いわゆる普通人に容易に手に入りにくい株式が取得され、これが売却されて利益を得ておる、これがやはり私は政治不信をより強くした一つの理由であると思っております。
○矢田部理君 問題は株だけではないのでありまして、先般これまた衆議院の予算委員会で釈明をされましたが、莫大な政治献金、けた外れのパーティー券の購入などもそれに当然入ってしかるべきだと思いますが、その点の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私は、政治資金規正法あるいはパーティー券問題につきまして、その違法性の問題を論ずるという立場に立って申し上げようとは思っておりませんが、いわば社会通念上の金額として私自身にもあるいは私の周辺にも庶民感覚と大いに乖離があるということが、やはり大きな不信の原因の一つであると思っております。
○矢田部理君 そういうことで空前の大疑獄事件に総理自身もあるいはその周辺もかかわっておられる。のみならず、巨額の政治献金が総理周辺に来ておる。このことが政治不信の大きなポイントであるというだけではなしに、それに対する総理の対応が極めてまずい。 一つ一つ伺ってまいりますが、総理の周辺に一万二千株、総理を目指して来ております。このことに関する事実関係、購入の経過、その後の売却の状況、売却益の帰属など、ほとんどと言っていいほど総理は説明をされておらない。いろんな持って回った言い方をされるが、事実関係を明らかにしておらない。そのことを前回の補正予算の審議でも私は指摘をしたのでありますが、今日までこの株の売買なり購入をめぐってどういう事実関係を総理はお調べになり明らかにできたのか、ここでもう一度明確に述べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私なりに整理いたして今まで申し上げてきておりますのは、一つは、いわゆるリクルートコスモス社の未公開株を取得しこれを売却したという点につきましては、いわば俗に言われる三点セットと申しましょうか、株式売買約定書、それから金の出と入りの問題等につき整理をいたしまして国会へお持ちをしたということがまず一つでございます。 それから次が、いわゆるパーティー券購入の問題でございます。これにつきましては、それぞれ、きょうちょうど持ってきておりませんが、衆議院に四月の十一日でございましたか、整理して申し上げたところでございます。 それからさらに、亡くなりました青木君名義の五千万円の借入金、これにつきましては、六十二年中に青木氏が五千万円の借り入れを行い、これを返済したということは、私はその後の報告で承知いたしております。
○矢田部理君 一つ一つ伺っていきたいと思いますが、株購入と売却に絡む三点セット、それだけでいいかどうか、私はまた別の意見を持っておるわけでありますが、総理、この程度の資料を出すか出さないか、もううんざりするほど私ここで実は議論せざるを得ないわけですね。国民の目から見れば、もういいかげんにせいということになってきているのではないでしょうか。 先般、衆議院の予算委員会の理事会で小沢官房副長官が袋に入れてお持ちになったそうです。見せるのは見せるが写しは渡せない、写してはいかぬと、こんなばかな出し方がありますか。株の売買約定書などというのは、そんな秘密の資料ではありません。お金の出し入れももう明確になっているわけであります。問題は、それが真実かどうかが問われているのでありまして、どうしてここに出せないんですか。あんな程度のものを一国の総理がひらひらさせて、見せるかのような見せないかのような、こういうポーズをとってきたことが実は国民の政治不信を増幅させているんじゃありませんか。お出しなさい。ここに出していただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私が出て御説明しようと思っておりましたが、小沢内閣官房副長官が御説明に伺ったことは事実でございます。お預けもいたしますと。 ただ、小沢副長官がそのとき申しておりましたのは、少なくとも私的経済行為の問題がコピーされて全国へ出回るというようなことの慣例はつけたくない。どうぞお持ち帰りになっても結構でございますが、いわばコピーをとって全部明らかにする、例えば銀行名もありましょうし、そうしたところは国会議員の良識でこれは見たって自分は忘れてしまうとおっしゃっていただける方もございましょうし、そういう気持ちで申し上げたわけでございますので、実物を持ってお帰りいただいてまさかそれをコピーして配るような方はいらっしゃらないわけでございますから、実物をお持ち帰りいただいた方が一番いいのじゃないかというふうに考えたわけでございます。
○矢田部理君 私が衆議院から受けた報告は、見せることは見せる、しかしコピーは渡せない、見たらすぐしまってしまう、こういう閲覧だけを認めると、紙芝居みたいな話なんであります。こんなやり方であなたできますか。ここへ出せますか。それじゃ出していただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 他院と申しましょうか、本院からいえば他院の理事会のやりとりというようなものを私は本院で触れようとは思いません、実は私は理事会に出ていないものでございますから。 しかし、私が申しておりますのは、皆さん方を信用して実物を見せてちゃんと預けておくわけでございますから、それで私なりにその三点セットの問題は、矢田部さんがおっしゃいますように、それじゃ売買約定書を、いやこれこれと、それも私はわかります。しかし、少なくとも三点セットというものが一応の合意でございましたから、それをお持ちして、そこで結果としては矢田部委員が今おっしゃったようなことであったかもしれません、私は理事会へ出ておりませんが。しかしながら、理事会等で御協議いただくことは一向私はそれを拒否するものでもございませんし、いつでも理事会等にお持ちして結構だと思っております。
○矢田部理君 そうしますと、総理の御見解は、当予算委員会の理事会に物を出します、それからもちろんコピー等も出します、ただ見せるだけでなくて、はっきりさせますという約束ができるわけですか。
○国務大臣(竹下登君) コピーの問題というのは、それこそ理事会で議論していただければ結構だと思いますが、私の考え方は、私経済にわたるものをコピーしてばっと配るということは、やはり国会の調査権の中で避けるべきものじゃなかろうかなという考えを持っているわけです。しかし、お見せすることは一向構いませんし、お預けしても結構でございます。それをコピーしてばらまかれる方がいらっしゃるというふうには思っておりませんし、紳士の方ばかりでございますから、お見せするのも一向に、お預けしても結構だと、こういうふうに思っております。
○矢田部理君 今、理事間の御協議をいただきまして確認的に申し上げたいのでありますが、理事間の協議では、総理の手元から三点セット、青木さんの分三点、それから福田さん名義の分三点、いずれも当予算委員会の委員長に提出をする、委員長がお預かりをする、そしてその後の処理については理事間で協議をするということになったわけでありますが、持ち帰ることなく委員長にお預けをするということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) そういうお決めで結構だと思います。
○矢田部理君 そこで、当リクルート事件をずっとやってきておりまして、どうも政治と株とお金との関係がさまざまな話題を実は呼んでいるわけです。公開に当たって一もうけする。昔、中曽根さんが殖産住宅でおやりになりました。仕手戦や株価操作に絡む政治銘柄ができる。こういう一連の状況がさらに政治に対する不信を増幅していると思うのですが、総理御自身として株を通じてお金を集めたことがほかにありますか。総理ないし総理の関係団体、政治団体などで株の購入や売買に絡んでお金をつくったことがありますか。集めた政治資金を株式とか有価証券等の購入に回して運用をしたことがありますか。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) まず一つは、いわゆる政治資金を株式の売買に活用したことがあるかと、これは私が政治資金を扱っておる責任者じゃございませんが、私はそれはないだろうと思います。それから、政治資金の中へ株式の売買益を繰り入れたと、これも私はないというふうに思っております。 ただ、今おっしゃいましたように、日本の株式市場の急速な発展の中で何々銘柄とか言われた経験は、私も大蔵大臣をしておった当時ありまして、それを一生懸命せんさくしてみましたが、なかなか出どころにはたどり着けませんでした。
○矢田部理君 政治と株との関係については、しばしば黒いうわさなどがつきまとって絶えないのであります。 ひとつ、ここで一つの事例として申し上げたいと思いますが、中曽根さんがおつくりになった世界平和研これは総理はどんな御関係でかかわっているでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 正確に日にち等は覚えておりませんが、平和研というものができて、これに対して協力をするということを閣議口頭了解でございましたか、ちょっとそれは後から調べて正確に申さしていただきますが、そういうことをいたしまして、そうして現在その平和研の活動がその団体のみならず、国政遂行上益するところがあるという観点から、人の派遣と申しますか出向をさしておる、こういう現状であると思っております。
○矢田部理君 財団設立の申請書を見ますと、総理は総理大臣の資格で設立代表者になっておられますが、そのとおりでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) その後、理事の選任とかいろいろございましたが、今のことはちょっと確認を、今聞かれましても、すぐお答えしてもし間違っておったらいけませんので、後から調べて御報告さしていただきます。
○矢田部理君 財団ですから、基本財産といいましょうか、というものが当然必要なわけでありますが、これについてはどの程度の規模のものを想定されておったのでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) それは、私も記憶をたどってみましても正確でございませんので、ただ最初の認可に至るまでは何人かの方の拠出に基づいておったなという記憶はございますが、最終的な目標、規模でございますとかということについては、今定かにいたしておりません。
○矢田部理君 これは登記所にある資料でありますが、二百二億というふうになっておるんですが、そういう御記憶はありますか。
○国務大臣(竹下登君) 正確なことは後刻、それは資料もあることでございましょうから、ただ、どの段階で二百二億であったかということについては、私も定かにしておりません。
○矢田部理君 世界平和研の問題は、役人の出向の問題その他を含めて、あるいはまたリクルート側からも相当の拠金がなされるのではないかというような指摘などもあって、幾つかの問題をはらんでいるのでありますが、ひとつ株との関係できょうは指摘をしておきたいと思います。 この財団の初年度及び翌年度の収支予算書を見ますと、集めた二百二億を全部有価証券購入支出に充てる、恐らく株式の購入、場合によっては転換社債等の購入などを含めて、まさにその運用で利益を生み出していく、こういうのが予算の基本になっておる。 総理もかかわっておられるわけですが、こういうあり方、ありようが非常に問題になっているんじゃありませんか。特に大蔵大臣なども入っているわけでありますが、政治の中枢におられる方は、前から出ておりますように、内部情報もとりやすい、インサイダー的要素もある。だから、政治と株との関係をきちっと断ち切ることが今度のリクルートの一つの教訓だと私は思っておるわけでありますが、中曽根さんの目玉とも言うべき世界平和研、そして総理も中心的にかかわっている平和研がこういうやり方をやっていること自体を私は問題にしなきゃならぬと思うのですが、総理の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今度の問題が一つの教訓を示したという考え方は私にも理解できるところであります。したがって、有識者懇談会等で政治資金のあり方等についてそのような議論が出ておったことも事実でありますし、昨日、後藤田委員会に私からお願いした中にもそのような意見も入っておったと思います。 ただ、今のいわゆる財団の資金運用という問題について中身を正確に知りませんし、また二百億が既に現存しておるという状態でも恐らくなかろうというふうに思いますし、それについては、今そういう財団の性格が、資金運用の中において、あるいは国債の運用とか定期預金とかにとどめるべきだとかいうような意見も、あるいは矢田部さん、お持ちかもしれませんが、そこまで正確に把握をしておりませんので、それについての感想を述べることは、きょうのところはそれだけの準備ができておりません。
○矢田部理君 やはり特に政治の中枢にある方は情報が集まりやすいわけだから、株とか転換社債とかというものは一切断ち切る、ここがやっぱりきちっとしませんと今度のリクルートの教訓は生かせない。まして、この中心的な財団がそういう方向で全体の資金運用をやるということ自体は、やっぱりこれは厳しく改めていただきたいというふうに私は思っているわけでありますが、いずれにしても、これは予算書そのものでありますから、そういう指摘を私はしておきたいと思います。 次に、政治献金の問題に移りたいと思いますが、先般、衆議院の予算委員会で総理の政治献金等の状況について報告がありました。これをずっと一覧してみますと、内容は六十年からになっております。そして、六十二年までのものになっておりますが、五十九年以前はこれは全くなかったんでしょうか。それから、六十三年は一切これまたないのでしょうか。その点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 六十年以前、これは私も、時々後から違っておったじゃないかと言われますから慎重に答えざるを得ませんが、恐らくおつき合いはなかったのじゃないかと思っております。六十三年度につきましても、もう既に政治資金規正法の報告を出した後でございますが、なかったではないかと思っております。
○矢田部理君 少し心もとない返事、答弁なのでありますが、としますれば、六十一年に何と四千万円ですね。六十二年度になりますと、これは献金などはありませんで、パーティー券だけであります。岩手の分を含めて言えば、何と八千万円です。どうしてこの二年だけに、かくも巨額のお金の動き、パーティー券の購入があったのでしょうか。そこはどう説明するのですか、総理として。
○国務大臣(竹下登君) ちょっと今資料を持ってきておりませんが、いわば私とのかかわり合いとでも申しましょうか、できたのが六十年であったから、そこから始まったのではないかなと。ただ、私も今ちょっと気になりましたのは、私の後援会、企業、個人を含めて四千ぐらいたしかあると思いますので、その中で一口月額一万円というようなところにもしあったとして、うそをついておってはならぬと思うから慎重に申し上げたわけでございますが、私とのかかわり合いが深くなったのが恐らく六十年という以後ではないかというふうに思っておるところでございます。 それから、パーティー券が六十二年でございましたか、これは私自身、当時自由民主党幹事長でございましたので、幹事長がパーティーをやるのはおかしいという批判も出まして延期いたしておりましたら、政情がいろいろ激しくなりまして、延期しておる間にだんだん購入していただく人の数がふえたということは事実でございます。非常に政情が激動したとでも申しましょうか、そういう環境にあったと思います。
○矢田部理君 一つ一つまた政治資金規正法との関係では後刻伺いますが、この幹事長を激励する夕べ、お金はどのぐらい集まったんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは私の政治団体であります長期政策懇話会の方で仕切りましたから、要するに必要経費を除いたものが十二億ぐらい入ったのじゃないかなと思っておりますが、これも正確に調べればわかりますけれども、今ちょっと漠然としております。
○矢田部理君 政治資金報告などを伺いますと、十一億幾らというお金が出ております。恐らくそれが相当するものと思われますが、そのうち、たしかコスモス社三千万、リクルート本社二千万、岩手の方は除いてでありますが、比重としては随分大きいのじゃありませんか、六十年ごろ突然お知り合いになったというか、お知り合いになったにしては。何かこの時期、総理と密なる関係があったのではありませんか。そう見るのが常識なのでありまして、ですから、この辺はどう説明するのかということ。ただ知り合ったから持ってきた、しかし現に六十二年になると政治献金は一銭もない、六十三年になるとパーティー券も含めて全部ゼロになる、私は少し異常な感じがするわけでありますが、それはいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 相手側様と申しましょうか、第三者の意思をそんたくして申し上げるのは私はちょっと適当ではないというふうに思いますが、一般論といたしまして、お国のためによかれかしと、私どももそうでございますが、そのような形で、ギブ・アンド・テークというようなものを求めないで出し、受けるというのが一番好ましいことであるといつでも思っております。
○矢田部理君 もっと不自然なのは、それだけリクルート側からいろいろな形でお金が動いておりながら、先ほど総理から御説明がありましたように、この同じ六十二年に青木さん名義で五千万も借りておる。借りておるのかどうかは真実はわかりませんが、お金が青木さんに行っている。仮に御説明のように借金だとすれば、リクルートは金貸しじゃありませんから、銀行でもないのにそこからお金を借りなきゃならぬような特別何か事情があったのでしょうか。何のために借りたお金でしょうか。そこを明確にしていただきたい。
○国務大臣(竹下登君) この使途につきましてはつまびらかに今いたしておりません。が、いわゆるパーティーの準備等で金が要ることもございましょうし、あるいは延期するたびに返却問題が出てきまして、そういうものの整理の別勘定が必要であるとかいうようなことを聞いたことはありますけれども、これは使途は何にしたかということは私が今明らかにお答えする立場にはございません。いずれにしましても、これも返済しておることも事実であるというふうに承知しております。
○矢田部理君 これは四月の二十二日に新聞で報道されることになったわけでありますが、その朝、総理のところに青木さんが行かれて、これにかかわる説明を総理にされているはずでありますが、もうちょっと詳しい内容を報告できませんか。
○国務大臣(竹下登君) 借りて返済をしたという事実の報告を受けました。そこのところに、私どもの政治団体の金を扱っておるのと庶民生活とのいわゆる乖離の問題があるということを私も今日痛いほど知らされておるわけでございますが、それが何に使うためという説明は承っておりません。
○矢田部理君 総理は以前に、株は二千株しかない、リクルート関係からの献金は一切ないと、去年の十月でした。それから私どもの指摘によって一万株が出る。さらには多額の献金、パーティー券問題が話題になる。先般は衆議院でこれですべてかと言ったら、またこれですべてであるとも言われた。にもかかわらず、その舌の根も乾かないうちにまたまた五千万円の、借金という形式であったかどうかは知りませんが、随分妙なところから借金したものだと私は思うのでありますが、これは一体どういうことになっておるんですか。 宮澤さんが随分食言を重ねました。その申し開きができないままおやめになったのでありますが、この辺の全体については、株の疑惑も含めて、全面的に総理として報告を受けていなかったとか、相手方の御意向についてはそんたくする立場にないとかということではなしに、明らかにすることを国民は求めており、リクルート解明のやっぱりかぎになっているというふうに御認識になりませんか。
○国務大臣(竹下登君) 七月上旬に青木伊平氏のことについて明らかになっております。それから十一月九日に、これは青木伊平氏からの報告を受けて福田勝之氏名義の分が、これは事実、日本社会党の調査に基づくものと符合しておるということでございます。それから四月十一日に政治献金、パーティー券というものが明らかになって、四月二十二日に青木氏の借入金という経過で来ております。 したがって、それがいわば非常に後追いではないかと言われれば、私もそのとおりだというふうに思っておりますが、一括して私がそれらを明らかにする努力が欠けておったとおっしゃれば、そのとおりだと思っておりますが、なかなか実際問題として調査するということは難しい点のあったことも事実でございます。
○矢田部理君 そう大きなお金でなければ、総理・総裁という立場、あるいは大臣、幹事長という立場からいえば、逐一知っているというわけにはいかぬことも私も了解できますが、少なくともやっぱり一千万単位のお金あるいは数千万の動きということになれば、しかるべき報告もあるだろうし、江副さんにお会いすれば、ああ、あれはありがとう、パーティー券をたくさん買ってくれてありがとうというお礼も言わなきゃならぬかもしらぬ。ただごと、人ごとではないはずなんでありまして、青木から報告がなかったとか、その点については聞いておらなかったとかというのは少しく弁解のような気がいたします。 そこで、時間の関係もありますから政治資金規正法との関係について伺っておきたいと思うんですが、先般の衆議院の釈明で、六十一年に四千万お金が来ているのです。政治献金をする方の側の問題でありますが、資本金との関係で限度額がある、総量規制があるというのは御存じですね。それを超えているという認識はなかったんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 実は私自身、内閣総理大臣になる前からでございますけれども、一切、これは私と青木君との関係でございますけれども、私事にわたることでございますが、金を一銭も持たないで私は行動をすることにいたしております。したがって、その間の区分は明確にして今日まいっておりますが、青木君自身も私に対して、政治資金関係で細かく報告するようなことは率直に言ってございませんでした。ただ、最終的な届け出については、各団体ごとの届け出書は必ず持ってきて、かなり詳しく説明をしてくれておったことは事実でございます。したがって、私も若いころには政治資金の会計責任者をやっておったこともございますが、いわゆる拠出側の資金枠について、あなたのところは欠損法人ではないかとか、あなたのところは枠を超えているんではないかとかということを問いただした経験は実は私もございませんでした。 今度、一連した問題の中に、今後の政治資金の取り扱いについて、お互いそうしたことも念頭に置くべき問題であるというふうに感じたことは事実でございます。
○矢田部理君 これは十億以上五十億以下とか、五十億以上とかという仕分けになっているわけですね。五十億以下ということになれば、政治団体に渡せるお金の総額は七百五十万です。ですから、それを超えるようなお金を受け取るに当たっては、当然のことながら資本金が五十億を超えているかどうかというようなことは、調べたり、聞いたり、判断したりするのが受け取る側の常識、あるいは政治資金規正法の求めているところというふうに思うのでありますが、もし仮に、知っておってそういうものを受け取ったということになれば、ともども政治資金規正法違反に問われなきゃならぬと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる拠出側の企業の内容あるいは資本金等をその都度確認しながらということにすべきだというお考え方は、私も今次の問題等を通じてそのようにすべきだと実は思っておりますが、私の経験から今日申しますと、拠出側の財務の問題等について一々問い合わしたりしたことは私自身はなかったな、こういう反省の上に立っておることは事実でございます。
○矢田部理君 自治省に伺いますが、リクルート社、六十一年でありますが一千万、リクルート情報出版社一千万、リクルートフロムエー社、これまた一千万、都合三千万来ているんですが、それぞれの資本金との関係で、これは当然限度額オーバー、政治資金規正法違反になると思いますが、その点どういうふうに理解をされておるか。また、違反の場合にしかるべき処置をとらなきゃならぬと思いますが、どんな処置をとられているか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、資本金について申し上げますが、現時点の資本金しかわかりませんでしたので、それをもとにして申し上げますが、リクルート社が二十二億三千万円でございます。それからリクルートフロムエー、これが六億円でございます。それからリクルート出版、これが恐らくリクルート情報出版という会社だと思いますが、これが一千万円でございます。 したがいまして、寄附の限度額は、これは政党等ではなくて、その他の政治団体の場合でございますけれども、リクルートの場合は七百五十万円、それからリクルートフロムエー、リクルート出版の場合は三百七十五万円と、こういうことでございます。 なお、法律違反がありました場合に、政府、行政当局として講ずる特別の措置というのは決められておりませんが、違反については罰則はございます。
○矢田部理君 罰則があるということになりますと、捜査当局の関心事にならなきゃならぬわけでありますが、法務省ないし警察庁としては、これについては何か処置をしておりますでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) 具体的案件につきましては、どういうふうにするかということについて従来から申し上げておりませんので、その辺御理解いただきたいと思います。
○矢田部理君 これは明々白々たる事実なんですよ、一千万というのは。今、自治省が言われたように七百五十万が限度なんですから、この程度の資本金で一千万出せるわけはないんでありますから、当然これは捜査としてきちっとすべきだ。これは警察がやるのか検察がやるのかは知りませんけれども、どうですか。
○政府委員(根來泰周君) 従来から具体的案件について申し上げていない理由は、こういう席で、その事実がいかに明白であっても、それを犯罪であるとかないとかを申し上げることについて、私どもとしては非常に僣越の限りでございます。やはり、捜査機関が証拠に基づいて捜査をして、その上で申し上げることでございますので、従来からそういう問題について一切意見を申し上げないことになっております。 また、法務省といたしましては、そういう具体的な案件について捜査をするとかしないとかということについては、従来から御議論になっておりますように、指揮権との関係がございますので、こういう国会では申し上げないことになっておりますので、その辺御理解を賜りたいと思います。
○矢田部理君 献金をする側と同時に、今度は総理にかかわるわけでありますが、受け皿の方、これがまた大変問題なわけですね。 改めて指摘するまでもなく、受け皿は一政治団体百五十万円です。少なくとも百万円を超えた場合には、百万円超でありますが、明らかにして届け出をしなきゃならない。届け出がないところを見ると受け皿にこれまた大変問題があるということで、何か新聞記者等の記者会見といいますか質問に対して、多くの団体で受け入れたというふうに説明をしておるようでありますが、幾つの団体で幾らずつ受け取ったのでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 今ここで正確に数はわかりません。新産業経済研究会、長期政策総合懇話会等恐らく十数団体であろうと思っております。
○矢田部理君 私が調べましたのでは、自治省に届け出をしている政治団体は八つしかないんです。 地方で届け出をされている団体は幾つありますか。
○国務大臣(竹下登君) 長期政策総合懇話会というのは四十団体ぐらいございますが、東京で一括しておるものが大部分で、あとは支部的な感じになっております。その地方の選挙管理委員会へ届けられておるものは幾つかございますが、正確に何ぼということを、これももし間違っておるといけませんので、三つか四つあるんじゃないかなと思っておるところでございます。
○矢田部理君 これは、衆議院における総理の釈明の段階から、どんな受け方をしたのか、そんな受け方をしていいのかという内容の問題もありますが、かねてから問題になっておるのでありますから、私はこういう手法で脱法——脱法しましたと言っていいんでしょうね、これは。脱法行為ですよ。八つしかないんです。 それから、中央に届け出をしておって地方の支部というのは、これは中央のかかわりになるわけでありまして、それは一つと数えるのが筋だと私は思うのであります。そうなってみると、幾つの団体で幾らずつどんな方法で受け入れたのか、これは今後の政治資金規制の関係を考える上において極めて重要だと思うのでありますが、明確にしていただけませんか。
○国務大臣(竹下登君) 恐らく百万以下で分散して受けているではないかということだろうと思いますが、私は、私の経験からしますと、拠出側の方がそれを好まれることも多々今まであったというふうにも記憶いたしておるところでございます。 しかし、いわばそれらが政治資金規正法上どのように措置されたかということに対して、私自身違法行為があるとは思っておりませんが、そういう、どういう名前のところでどうされたかということについては、私なりに調査はしてみようとかねて思っておるところでございます。
○矢田部理君 これだけ世間を騒がしている政治献金問題、後ほどパーティー券の問題もありますが、どんな受け入れ方をしたのか、これは内部ならばすぐわかることですよ。どうして明らかにできないんでしょうか。そういう手口なり手法がまさに政治不信、それに対する信頼を弱めていくということになるんじゃないかと思うんで、本予算委員会の総括中に調べて出していただくというわけにいかぬでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 努力はいたしてみます。事実私も、かつて若いころでございますけれども、政治資金規正法の届け出団体の会計の責任者になっておったことがございますが、努力をいたしますということに本日のところとどめさしていただきます。
○矢田部理君 関連でありますから、そろそろ締めくくらなきゃならぬ時間になりました。 総理、違法ではないと言いながら、パーティー券の問題もそうです。パーティー券の問題は、どちらかというと政治資金規正法はしり抜けになっている。そのためにパーティー券方式で巨額の政治資金を集める。もちろん自治省見解などがありまして、出席可能な常識的な数字を超えたものはやみ献金的な疑いが強いとも言われているわけでありますが、そういうやみ献金類似のお金を総理は集めておられる。本来違法であるが、幾つかの団体に区分けしてしまえばとりあえず違法性だけは免れるという脱法方式でこれまた巨額の資金を受け入れている。さらに株だ、会費だということで、さまざまな形で膨大な資金づくりをされておることが今の政治を非常に国民から離したものにしてしまっている。 違法でなけりゃいいんですか、総理。まさに政治資金規正法の抜け穴を教えますみたいな、抜け穴教室みたいなことを総理はおやりになっておる。これではだめなのでありまして、そこを本予算委員会中に明確にしていただきたいことが一つ。 それから、株の問題も含めて先ほど三点セットをお出しになるということにはなりましたが、やはり総理として真相解明にもっと真剣な姿を示すことが、自分がおやめになるというだけではなくて、もう一つの大きな責任を果たすことになるだろうと私は思っているのでありまして、その点特に注文を申し上げ、総理の一言御見解を伺って、私の関連を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 刑法上の問題になるならぬの問題の議論は別といたしまして、今回の問題で、やはり政治資金のあり方、それに伴う政治資金規正法そのものの問題が大きな教訓になったということは、私も同じ意見で持っております。 私も、今言われてみますと、いろんなパーティー券等一生懸命お手伝いしたこともございます、率直に言って。しかし、それらについてもやはり本当にお互いそういう認識があってやっておったんだろうかなという反省も含めて、私も可能な限りのいわゆる自浄作用が働くように身を引き締めて対応すべきである、これは私の進退の問題とは別の問題として真剣に取り組むべき問題であるという問題意識は十分に持っておるつもりでございます。
○対馬孝且君 まだリクルート問題を含め政治改革問題もございますけれども、時間の関係がありますので、それでは消費税の問題に関しましてこれから質問に入りたいと思います。 かねがね我が党の同僚議員、私もここで申し上げましたが、消費税問題については基本的にこの法律の性格が問題である、つまり、欠陥法案だということをしばしば指摘をいたしてまいりました。また、極めて不公平を拡大する税制でもあるということも指摘をいたしてまいりました。したがって我々は、一貫してこの問題について、昨年来消費税反対の立場で国会の場で進めてまいりました。これを基本にいたしまして私は申し上げたいのでありますが、結果的に消費税が導入されまして約一カ月ちょっとたちました。 これを見ますと、この間の日経新聞等でも明らかになりましたように、四月二十七日の調査では、現在の消費税廃止希望は五七%、過半数であります。さらに見直しをすべきであるというのが二八%、合計して八五%の国民は、まさにこの問題については廃止または見直しをすべきである、こういう主張がありますが、この点についての認識と、またこの税制の欠陥問題についての今日の認識をどう受けとめているか、大蔵大臣にお伺いします。
○国務大臣(村山達雄君) 消費税が適用されましてから約一カ月になるわけでございます。その間、一つは転嫁の問題がどうなっておるのか、それから第二番目には、売り場における精算事務が具体的にどうなっておるのか、それから消費者物価にどういう影響を与えているのか、そういう点に今中心を置いて検討しているわけでございます。 一つは、転嫁の問題につきましては、おおむねやはり消費税法あるいは税革法が予期したような転嫁が行われつつある、こういうふうに認識いたしております。 それから、精算事務につきましても、現場に行きましたり、いろいろの推進本部の報告を聞きましても、おおむねいっているようでございます。ただ、つり銭なんかの問題で多少問題がある。 それから、第一点のその転嫁の問題については、まだ値決めを決めかねている人が若干おる、こういうふうに判断しております。 それから、消費者物価につきましては、東京都区部の物価が出ております。それからまた、個別的に調べました通産省の調査あるいは企画庁の調査、こういうものを見ておりますと、転嫁の方は、企画庁それから通産省の調べましたのは、大体転嫁のやり方でございますが、これはおおむねスムーズにいっておる、こういう答えが出ております。 それから、物価の方でございますが、東京都区部の物価が対前月総合で一・四%値上がりになった。つまり、それがもし消費税の作用であるとすれば、一・四%前月に比べて上がっておるわけでございます。ただ、これは生鮮食料品を含んでおりますので、生鮮食料品を除いた季節調整済みの上昇率で言いますとちょうど一・二%となる、これは企画庁の方の報告でございます。で、企画庁の方でどれぐらい値上がりになるであろうかという予測をいたしましたが、これがちょうど一・二%でございまして、ちょうど一致しているということでございます。これはたまたまでございましょう。まだまだ、この一カ月限りではまだわかりません。 それから、前年同月比で二・六%上がっている。しかし、東京都区部の上がり方は、全国に比べますと大分上がり方がきついということは、三月の前年同月比をそれぞれ見てみますと、全国では一・一、それから東京都区部では一・七でございますから、ちょうど〇・六差があるわけでございます。全国の分は今月の末にしか出ませんが、仮に〇・六というものを引いてみますと、これは引くことがいいかどうか別にしまして、引きますと、ちょうど二%になるわけでございます。これまた経済企画庁が予測いたしました今年度の消費者物価上昇率は、この消費税の影響を含めて二%と、こういうので、これもくしくも一致している、こういうことでございます。 しかし、これは物価でございまして、まだ全部の人が値決めを決めたわけではございませんし、季節がありますから、今後やはり五月分を見ていく、それからずっと見ていきませんと、本当にたまたま合ったというだけでございまして、我々はこれで大丈夫だということを、この物価の上昇率の計数からは直ちには論断できないと思います。 むしろ、通産省なりあるいは企画庁が調べました値上げの問題ですね、これが物品税等と関係のないものにつきましては、これは通産省でございますけれども、おおむね三%以内におさまっておる。それから、物品税と関係のあるものについては、ずっとみんな下げておる、こういう答えが出ております。物品税と関係のないもので三%を上回っているというものがたった一つあったそうでございますが、それを見ておりますと、これはバーゲンセールをその前の三月はやったと、そういうものだけが上がっておる、こういう答えになっております。したがいまして、値上げその他はまずまず予定したところに行っておる。それから、消費者物価に与える影響も、最終的にはなお今後慎重に検討する必要がありますが、まずまずいいところに行っておると思っております。 ただ、ここはそこまでの話でございますが、奥さん方になかなか不満が多いということはよく承知しております。よく聞いてみますと、やはりこの税制改革全体の意味、あるいは所得税、住民税で非常に安くなっているということがなかなか御理解していただけない。御案内のように、もう平均いたしまして、サラリーマンの全体の平均をとりますと五万一千円安くなるという、計算上出ておるわけでございますが、そういうことがなかなかおわかりにならない。むしろ、ごく簡単に申しますと、奥さん方は、だんなさんがもらったものは税引きでもらうわけでございますから、これは手取りがふえたのは税制改正のおかげだとはなかなか受け取らぬかもしれぬ。だんなさんがよく働いてくれたと、こう思っておるかもしれませんが、しかし今度は、消費税になりますと、これは内税でございますと物価が上がったということになりますが、適正転嫁のために外税にしておりますから、今度は奥さん方は、まるで直接税を取られたような感覚が当然出てくるだろうと思うんです。 ですから、奥さん方の心理で言うと、全貌がわからないと、手取りが余計になったのはだんなさんの働きのせいだとか、あるいは外税になっておりますと、払うのはこれは消費税のせいだと、こういう感覚を持つのはある意味で当然かもしれぬ。そう思いますので、我々はこれから全力を挙げまして税制改正の意義、それから消費税の本当の持っている意味をPRしてまいりたいと思います。 それから、見直し等の問題でございますが、これはもう今度のやつは事務負担を少なくするためにやったのでございまして、ぎりぎり公平という問題も考えましたけれども、そこに簡素という問題で事務負担を少なくしようということでございまして、これは最初からの政策判断の問題でございました。ただ、野党とのお話で見直し規定が入っておりますので、それは率直に検討してまいりまして、直すべきものであれば直すことにやぶさかではございませんけれども、これも慎重に見てまいりたい、このように思っております。
○対馬孝且君 今、大蔵大臣の消費税後の認識を聞きましてちょっと唖然としました。 大蔵大臣自身が現場を調査したことがありますか。
○国務大臣(村山達雄君) 行きました。
○対馬孝且君 どこへ行ったんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 上野のあそこへ行きまして、それで現場をずっと見せてもらいました。一つは税込み、それから一つは外税の関係、両方見てみました。いずれも的確にやっておったと思います。
○対馬孝且君 今、大蔵大臣の消費税後の認識を聞いて、実態認識が全く逆であります。主婦ももちろん、国民は怒っております。私は北海道ですが、これは物価調査を北海道消費者協会、道庁、中小企業家同友会も、私は二日間にわたりまして全部調査してきました。全然違いますよ、この認識は。 一つ申し上げますと、まず、今日の物価問題が、先ほどあなたは、全く政府の御都合主義のように、一・二を逆算してつじつまを合わせた答弁をしていますけれども、そんな実態認識になっておりませんよ。むしろ物価は逆に、北海道の場合でも二・六%から二・七%上がっている。しかも全国的にもそうで、今あなたが認めている、東京都区部の場合も。しかもこれからですよ、私も商店へ行って聞いたけれども、一カ月ぐらいは余裕を見て、模様を見て、六月あたりから本当に転嫁を検討しようかなと。全体ではまだ四割です、これを実際にやっているのは。こういう認識は全然逆じゃありませんか、これ。どうですか、その点。
○国務大臣(村山達雄君) 先ほど申しましたのは、東京都区部の物価について分析したところを申し上げたわけでございます。これは通産省の調査でございますが、三月二十七日と四月六日の実売価格六十品目について調べました。対象は小売店が五百三十店、そのうち価格変化について申しますと、物品税の廃止に関係のない品目四十品目、これが二・四%の上昇でございます。本来であると三%上げてもいいわけでございますが、これが二・四%。それから物品税廃止品目二十品目、これが四・七%の下落でございます。 それから、消費税導入、物品税廃止の価格への反映でございますが、百貨店、スーパー等はすべて実施しておる。一般小売店も八割近くで消費税の上乗せを実施しておる。それから、調査した商品価格、約二千五百四十例の八五%で消費税の上乗せ及び物品税の廃止の反映を実施しております。ですから、これで言いますと一五%の人がまだ、さあ上げようか上げまいか、あるいは最終的に上げないのかもしれませんが、とにかく価格の変化はなかったと、こういうことです。 それから、三%超の値上げは一例であった。それは三月価格がバーゲン価格であったためである。それから、まとめの段階で、小売段階では消費税の適正な転嫁と物品税廃止の価格への反映が進んでおりますと、こういうことでございます。私も最終的に断定しなかったことはもう当然でございまして、しかしこれを見る限り、まずまず順調に溶け込みつつあるということだけは言えるだろうと思います。 また、企画庁の方の調査も同様でございまして、これも同様の答えが出ておりますので省略させていただきます。
○対馬孝且君 まず、総務庁の四月二十八日の物価の上昇趨勢、企画庁は今出ましたが、その趨勢を発表してください。総務庁、企画庁両方。
○政府委員(勝村坦郎君) 四月の東京都区部の消費者物価指数の動きでありますが、先ほど大蔵大臣が答えられたとおりでございます。 総合指数といたしましては、前月比一・四%の上昇、前年同月比では二・六%の上昇となっております。ただ、生鮮食品を除きまして、季節調整をいたしましたものでは、前月比一・二%の上昇という状況でございます。 なお、多少これを分けて考えてみますと、物品税等の廃止等に関連します一般商品につきましては、前年同月比で六・四%の低下となってございます。その他の一般商品につきましては二%台の上昇になっている、大体こういうような状況でございます。
○対馬孝且君 総務庁。
○委員長(初村滝一郎君) 今、両方をあわせて答弁したんじゃないですか。
○対馬孝且君 実態認識は、もう全然把握の違いが基本的にあります。 一つは、私の調査は、また全体的な流れとしては、今、大蔵大臣が言っていますけれども、まだこれから物価に転嫁をしようかという階層は六割、実際に行っておるのは四割。これからやろうかというのが六割ですよ。 その認識が基本的に違っているのと、それからもう一つの問題を言いますと、いわゆる物品税の下がるべきものが下がっていますか。下がったら、本来なら一五%でしょう。家電製品あるいは自動車、とりあえず暫定で六%。下がるべきものが、現実にこれは私が調べた——日経新聞に出ているじゃないですか、これ。この統計が全部出ていますよ。これ見たらどうなっていますか。最高下がったので七から八%じゃないですか。平均は五ないし六%でしょう。本来一〇%近く下がるべきものが下がっていないんだよ、これ。これは日経新聞に、化粧品から始まって雑貨、全部出ていますよ。これを一々読んだら時間がないから私は申し上げませんけれども、あえて家電製品とか自動車とか、本来、今まで物品税として高額に扱われたものが下がっていないというのがこの日経新聞の発表じゃないですか、これ。実態認識が違うじゃないですか。時間がないから午後からやりますけれども……。
○国務大臣(村山達雄君) 詳細は政府委員の方から言わせますが、税率はもちろん移出段階の税率でございますので、それを直さにゃならぬということは当然なことでございます。また、自動車につきましては暫定税率六%が盛られている、そういうところを調整せにゃなりません。 私も、下がるべきものが完全に下がっておるかどうかという点は、なおこれから大いに指導の必要があるのではないかと考えておりますが、しかし、下がっておることは事実でございます。その詳細は政府委員から言わせます。
○政府委員(勝村坦郎君) お答えをいたします。 ただいま委員御指摘の物品税率は、大蔵大臣が答えられましたとおり、蔵出し段階の税率のものがほとんどでございます。蔵出し段階、つまりメーカーから流通段階に参りまして、流通段階のマージンが一定額であるという前提に基づきまして、従来政府は、どの程度各物品税関連品目が下がるはずであるかという計算をいたしております。 これは、既に各種のパンフレット等で広くPRをしておりますので御承知のとおりかと思いますが、二、三の例を申し上げますと、小型乗用車、これで六・七%程度の低下になる見込みでございまして、それが四月の東京都区部の消費者物価の調査で申しますと六・四%の低下となっております。それからカラーテレビ、これは五%の低下見込みでありましたが、実際には八・〇%の低下というふうになっております。その他いろいろございます。 時間の関係で省きますが、ほぼこの見込みに沿った形での低下が実際に行われている。もちろん端数等で細かい相違は当然ございますが、基本的には大体見込みどおりの低下幅になっているというふうに判断しております。
○対馬孝且君 実態認識の問題は大きな違いがありますので、午後から私再質問いたします。
○委員長(初村滝一郎君) 対馬孝且君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を再開いたします。 平成元年度総予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、対馬孝且君の質疑を行います。対馬君。
○対馬孝且君 先ほどの消費税問題に引き続いて質問いたしますが、まず私は、便乗値上げの傾向についてどういう特徴が実態把握をされているか、これをまずお聞かせ願います。便乗値上げの実態についてお聞かせ願います。
○国務大臣(愛野興一郎君) 便乗値上げにつきましては、委員午前中の御質問のように、東京都区部も地方も、中小の商品、サービスに便乗値上げがないかどうかという警戒感が消費者にあるわけでありまして、それは必ずしも便乗値上げでないものもあるわけでありますけれども、台所や生活に密着した生鮮食料品であるとか、あるいは理美容とか、そういうものが地方も都市も同じような 物品に見られるわけであります。 そういうわけでありますから、経企庁は関係省庁と緊密に連絡をとって、そうしてこの便乗値上げがないように指導監視態勢を今後ともずっと息長く続けていって、そして大蔵大臣が言われました、物価が今日の状況でありますから、それを今後持続できるように努力をしていきたいと考えております。
○対馬孝且君 個々の物品の実態についてちょっと便乗値上げの内容を示してください。
○政府委員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 ただいま大臣申しましたとおり、何がどの程度の便乗値上げであるかということを確定するのは非常に難しい場合がございます。ただ、消費税の導入という時期を境にいたしまして、ほかに確たる理由がないにもかかわらず三%をかなり超えるような物価上昇があった場合は、便乗値上げのおそれがあるということで対応しているわけでございます。実際に四月の東京都区部の消費者物価指数が出まして、三%をやや超える価格上昇があるものということで調べてみますと、これは大体従来から「物価ダイヤル」等で便乗値上げがあるのではないかという苦情が出ておりました一部のサービス業、特に外食、理髪その他のようなところである程度の上昇が見られるという事実はあるわけでございます。 例えば外食というところで数字を見てみますと、四月は前月比三・六%の上昇になっておりますが、これはそのうちどの程度が本当のコストの上昇であって、どの程度が便乗であるかということを見分けるのは難しい面もございますけれども、ほかの多くの商品が三%、あるいはそれをやや下回る上昇にとどまっているという状況から判断いたしますと、一部に便乗値上げ的な動きがあるいはあったのではないだろうかというふうに考えているところでございます。それらにつきましては、ただいま大臣もお答えしましたように、関係各省と協力をいたしまして、これ以上そういった動きが広がらないようにということで厳に対応しているところでございます。
○対馬孝且君 そういう抽象的なことでは国民は納得しないんだよ。端的に言うと、これは北海道の物価調査の結果として五百十一件、四月二十七日現在、そのうちの五〇%は便乗値上げですよ。 具体的に言いますか。理美容の関係五十八件、レストラン、牛乳、新聞代、クリーニング、パン・菓子等、こういう問題が全部これは何%上がっておると思っていますか。多いのは一〇%ぐらい上がっているんだよ、現実に。最低も七%からずっと、これありますよ。これは私、調査してきたから申し上げるんだが、そういう抽象的な経済企画庁が把握をしているから国民の皆さんは怒っているんだよ。端的に言うけれども、私は今、主婦の皆さんの声を率直に聞いてきた。率直に申し上げますよ。こう言っているじゃないですか。 物価問題は、今日の状態は非常に我々生活実感には統計数字なんていうのは問題ではない、乖離がある。今回の場合は、日常の奥さん方の朝夕の買い物は全部消費税がかけられ、三年後、五年後買うような、例えば自動車であるとかぜいたく品であるとか、そういうものは三年、五年後だと。毎日の食生活、毎日の生活の日常品は全部上がっているじゃないか、腹立たしくて一円の金を何かばらまいて投げ捨ててきたという例もあると、こういう怒りの声が訴えられているんですよ。 こういう声が何で出てくるか。つまり、言うならば実際の低所得者の方々が本当に三%かけられている。しかし高給取りの連中は、そういう高級酒を買った連中にしても、比較的下がったと。レートは下がっていないという例もあるけれども、この差がだんだん開いていっているんですよ。こういう認識について大蔵大臣はどう考えますか。
○国務大臣(村山達雄君) 我々もかねてから「物価ダイヤル」の苦情については聞いておりまして、その点を調べてもらったのでございますが、経企庁からの報告ではやはり一部の業種に限られておるということが一つでございます。 それからもう一つは、一部の業種であっても、そのまた一部のところである。業種が限られておって、その業種でもまた一部の人に限られておりますと、こういうことでございます。しかし、それもやはりほうっておくわけにはもちろんまいりませんので、所管省を通じてそれの指導方をいたしているところでございます。 問題は、やはり消費者、役所の方も参りますけれども、消費者の方でしっかり見て、そうするとそういうところは競争場裏からおのずから自然に脱落していくこういう形で、やはり大作業でございますので、みんなで適正転嫁ということを努めてまいりたい、こう思っております。
○対馬孝且君 それは、個別品目によっては便乗値上げがあると今大臣も認めていますが、むしろそういう主婦なりあるいは国民の懸念の声が高まっている、むしろ不安が先行しているんだということを指摘しておきたいと思います。 せっかく日銀の総裁が参考人で来ていただきまして、大変きょうはありがとうございました。二、三問ちょっと総裁にお伺いしたいんでありますが、第一の問題は、今もやりとりがございましたように、消費税が実施されて一カ月有余になるわけでありますが、どうも最近の物価動向というのは、政府見通しの一・二、先ほども申しましたが、平均でまいりますと二・七という傾向になります。地域によっては三・六あるいは四%という一部に内容によってはありますけれども、そういう懸念が今非常に国民が心配しております。やがてこれがインフレ懸念になっていくのではないか、こういう心配もしております。したがって、日銀総裁として今後の物価動向あるいは見通しなどについてどのようなお考えを持っているか、お伺いをいたしたいと思います。
○参考人(澄田智君) お答えを申し上げます。 私ども、その任務とする通貨価値の安定、物価の安定という見地から、常に物価の情勢については細心の注意を払っておるところでございます。最近までの指標等から見る限り、これまでのところ全体として物価の基調に大きな変化があらわれたというところには至っておらないと、そう見ております。また、今御議論がございました消費税の導入による物価への影響という面につきましても、総じて見れば消費税の価格転嫁はまず円滑に行われている。そうして一方、物品税の改廃によって値下げされている品目というものも少なからずあるわけでございます。こういうようなところから、まずは今の状態においてはリーズナブルな状態ではないかというふうに見ておるわけでございます。 とは申せ、最近の経済情勢は製品、労働需給が一段と窮屈になっております。そうしてまた、これまで物価安定に寄与してまいりました為替でありますとか、あるいは原油の価格でありますとか、そういった要因がここへ来て変化をしておりまして、そういう要因が効かなくなってきているということも事実でございます。したがいまして、今後の物価の動向には十分警戒しなければならない、こういうふうに考えております。したがいまして私どもといたしましては、予断を持つことなく今後の物価情勢に対して目を凝らして注目をしていかなければならない、そういうふうな態度でおるところでございます。
○対馬孝且君 今後の物価動向には警戒をいたしてまいりたいという、やっぱり先行きの不安が一応言われておるわけであります。 そこでお伺いしますが、今もちょっと触れられましたが、最近の傾向を見ますと政治不信が加わって円安傾向が長期化をしてきているのではないかという懸念があります。また、日銀も景気拡大と物価の安定を両立させたいという要因がはげ落ちてきているという指摘も新聞ではございます。加えて公定歩合の引き上げがあるやに報道されておりますけれども、この件に関しまして、景気回復と公定歩合の関連を含め、また景気の動向についての総裁の考え方をお伺いいたしたいと思います。
○参考人(澄田智君) 今も申し上げましたとおり、今後の物価情勢に対しましては十分に注意をして、予断を持つことなく今後の情勢を注目していかなければならない、そして必要とあれば必要な対応をしなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。 ただいま御指摘になりました経済情勢でございますが、経済情勢は御承知のとおり内需すなわち設備投資と個人消費を中心に極めて順調な拡大を続けております。そして、これは企業の収益あるいは家計所得の増加等にもよって裏づけられておるものでありまして、こういう循環過程は順調で、かつしっかりしたものであると、こういうふうに思っております。 ただ、その前提条件としては物価の安定が確保される限りこういう情勢は続く、こういうふうに思うわけでございまして、そういう点からも物価の安定確保のために我々としては十分注意をして、そして必要な場合には必要な対応をしていかなければいけない。景気の方はそういうことさえしっかり行われれば十分今後も景気は持続をしていく、そういうふうに考えておる次第でございます。
○対馬孝且君 今も総裁からございましたが、公定歩合の引き上げその他がここ数カ月来、あるいは今後の動向として考えられますか。もしもそれが答弁でさましたらお願いしたいと思います。
○参考人(澄田智君) ただいま今後の物価情勢には予断を持つことなく十分目を凝らして注意をしていかなければならない、そして必要な場合には必要な対応をとらなければならない、こういうふうに申し上げました。 これ以上申し上げますことは、やはりいろいろ思惑等が生じますし、影響もございます。したがって、これ以上の具体的な発言は御勘弁いただきたい、かように存ずる次第でございます。
○対馬孝且君 日銀総裁の一応の考え方というものよくわかりました。 それでは大蔵大臣に、今も今後の物価見通しの動向、景気の動向、インフレ要因を申し上げましたが、先ほども触れましたように、同僚の本岡議員が三月にここであなたに質問して、逆進性がむしろ解消されている方向にある、解消されたというような答弁になっていますが、それは変わりありませんか。
○国務大臣(村山達雄君) 景気とかそれから物価動向につきましては、今、日銀総裁と同じ認識を持っておるということを最初に申し上げます。 それから、逆進性の問題でございますが、消費税そのものが所得に対して逆進性であるということは否定できません。これはもうはっきり、所得に対して逆進性を持っておるということは、否定できないわけでございます。 第五分位と第一分位の割合を比べてみますと、その消費税の負担額におきましては、第五分位は大体第一分位のほぼ二倍弱である、額は多いわけですね、もちろん。しかし、所得に対する負担率ということからいいますとそこは逆進的になりまして、第一分位の負担率を一といたしますと、逆に第五分位の負担率はその七掛けぐらいである、つまり負担率で三割ぐらい少ない。俗に逆進的というのは負担率の関係を言っておるわけでございます。そういう意味では、これは本来やはり逆進性を持っているということは否定できない。 しかし、我々が言っておりますのはそうではなくて、今度の税制改正全体を通じて逆進的になっているのか、あるいは累進的になっているのか、こういう話なのでございます、やっているのは租税体系の問題でございますから。そうすると、所得税、住民税の方では今度の改正によりまして、従来は第五分位の第一分位に対する負担率が六・五倍でございましたが、今度は二十五倍になるわけでございます、負担率は。これは大変な累進的になるわけでございます。 それで、総合してどうなるかという問題は非常に難しいのでございますが、所得税の税収が十八兆あるわけでございます。それから住民税の税収はその約四割あるわけでございます。そうすると大変な額の問題です。それから、消費税の方はどうかといいますと五兆四千億という話なんですね。だから片方が三割ぐらい逆進的になる、片方は六・五倍から二十五倍になる。税収は圧倒的に所得税、住民税が多いということになれば、常識的にやはり累進構造になったと言わざるを得ないだろうと、私は常識的のお話を申し上げておるのでございます。ただ、消費税というものは、それはそれ自身逆進的であるということは今申し上げたとおりでございます。
○対馬孝且君 時間もありませんから、私はパネルでちょっと。(資料を示す) 大蔵大臣はこの前の、今もそうだけれども、逆進的傾向が縮まっている、解消しつつあるという認識なんだよ。ところが、そうでないんです、これ。これをはっきり見てください。これはテレビの関係もありますけれども、まず私は、これわかりやすくいって減税比較を出したんです。第一分位というのは低所得者、第五分位というのは最高高額所得者でしょう。これでいくと四万九千円ですよ、これは現在の減税のあれでいくと。そうすると、第五分位が二十一万五千円ですから四・四倍ですわ、減税額でいくと。それから収入額でいくと、これは御案内のとおり第一分位が三百十四万円、第五分位が七百九十一万円ですから、これは結果的にここにありますように二・五倍になるわけだ。この事実が客観的な事実なんですよ。そういうマクロ的なことじゃなくて、国民全体の立場に立った場合にこういう問題がある。それなのにあなたは、逆進性が客観的に解消する方向にあるという答弁をしておるんだが、一番わかりやすいのはこれですよ。勤労者世帯の場合、税制改正前の第一分位低所得者が三百七万八千円ですよ。第五分位が六百八十九万五千円で約六百九十万、改正前。これは二・二倍でしょう。しかも改正後、今度は一番大事なことは可処分所得なんだよ。可処分所得とは収入から社会保険、税金を差し引いたものでしょう、それが国民の生活費だから。それが改正後、改正前をこれで見ますと、同じ二・二ですよ。これは何も縮まっていないんだよ。解消も何もしていないんだよ。 大蔵大臣自身がそういう感覚を持っているから、今回の誤った税制、欠陥税制みたいなことになるんだ。私はこれ確信を持って申しますよ。こういう数字に反論があるならしてもらって結構だと思うんだよ、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 私ちょっとそのパネルを見れなかったのでありますが、累進的、逆進的という定義でございます。ですから、普通……
○対馬孝且君 定義の問題じゃないよ。これは可処分所得で……
○国務大臣(村山達雄君) いや、定義で決まるわけでございます。それは所得に対する負担率なのでございます。負担率がどれぐらい、第一分位と第五分位で負担率が何倍になっておりますかということを俗に税制の方ではそれが累進的であるか、逆進的であるかと、額ではないのでございます。率でございます。だから、そこをよくひとつ。 それから、消費税につきましても同じことでございまして、収入に対するその負担率の話で、その率と率で何倍になっておりますかと。その倍数が伸びておりますか、縮まっていますか、そこなのでございます。額ではございません。 今、それは私ちょっと目が悪くてわかりませんが……
○対馬孝且君 わかりやすく額で率を出したんだよ。
○国務大臣(村山達雄君) いや、率を出すには額から出さなくちゃいかぬわけでございます。それは当然でございますので、最後は率ではかるわけでございます。
○対馬孝且君 これはそういう説明にならないんだよ。 なぜ私がこれを出したかというと、これはあなた、今の税制改革法の中で減税というものと可処分所得との関係を出しているんだから、国民が何ぼ税制改革で入りましたか、消費税を何ぼ払ったですかと、そのトータルが国民に何ぼ入ったかということなんだ、大事なことは。これが国民生活の基本なんだよ。そうじゃないでしょう、この前はそういうことは言っていないじゃないか。 そこで、私が言うのは、その基本が間違っているという考え方を指摘しなきゃならぬのは、今度の改正というのは食生活とかサービスとかのものは、これは全部自動的に三%上がるわけだ。そうでしょう。ところが、比較的低所得者の方々というのは、例えば自動車であるとかテレビであるとかあるいは冷蔵庫であるとかというものは、これは二年に一回とか三年に一回とかになるわけだ。そうでしょう。だから、高給者の場合は高級品とかぜいたぐ品をそれはすぐ買えるでしょう。そういう実感というもの、消費税を導入したことによって結果的には低所得者の弱い層が消費税の負担率で犠牲になっていると。この基本に立つならば、やっぱり可処分所得というものは何ぼ生活が楽になったか苦しくなったかということの基本じゃないですか。あなた、そういうごまかしを言ってはだめだ。
○国務大臣(村山達雄君) 所得総額に対して負担率がどうなったか、それで今度の場合には所得税、住民税、それから消費税を入れて計算する、こういうことなのでございます。先ほど申しましたように我々の計算では物価が大体一様に上がる、こういう形になるわけですね。間接税でございますから、三兆五千億がなくなりましてそれで五兆四千億が出てくる。ネット増税二兆ですと。そういう形で物価が上がっていく。それで、その前提としては、第一分位から第五分位まで一律な物価の上昇である、これは仮定でございます。そういうことで先ほど御説明したわけでございます。 ですから、額で言いますと、もちろん第五分位の方が消費額は多いわけでございますから消費税の額は二倍弱納めますが、所得に対しましてはやはり率は少ない。そういう意味で三割引きぐらいの率になるであろうと。今度は逆に所得税、住民税の方で言いますと、課税最低限の引き上げ、これは実は平成元年度からやるわけですね。それから六十三年度は、所得税は税率だけです。今年度この課税最低限が上がってまいります。それから住民税の方は、御案内でございましょうが、税率の軽減、これは今年度からやってまいります。それから、課税最低限の諸控除の引き上げは平成二年度からでございます。私が申し上げておるのはその三年間にわたる所得税、住民税の減税が行われた後の平年度でお話し申し上げているわけでございます。減税の方はずうっとならしてやっておりますから平年度でございます。それとの比較で今やっているのでございます。ですから、それは可処分所得ではないのでございまして、あくまでも分母は総所得でございます。
○対馬孝且君 そういう説明では国民は理解しませんよ。 問題は、国民の生活がこの税制導入によって楽になったか苦しくなったかということがやっぱり基本なんだから、これは可処分所得以外ないじゃないですか、あなた。総収入から税金と社会保険を払ったその残りが可処分所得なんだから、それが結果的に私の指摘しているこういう結果になっているんじゃないですか。この実態は認めますか、否定しますか、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 私は目が悪いのでそれを見てもちょっとわかりませんので、後でまた見せていただきます。
○対馬孝且君 この実態を認めますかと聞いているんです。
○国務大臣(村山達雄君) いやいや、またそれを見せていただいてから連絡させていただきたいと思います。
○対馬孝且君 いずれにしても、これが国民の実感であります。後でそれはお見せするしないは別にして、見てもらって結構だけれども、これは大蔵省の数字でもってはじいた数字なんだから。その点を私は明確に申し上げておきます。これが国民の実感なんだ。というよりも、国民が今訴えているこの消費税の導入の怒りはそこにあるんですよ。 それから、もう一つお伺いしますけれども、今、消費税の実態というのは、外税と内税でどういう状況になっていますか。
○国務大臣(村山達雄君) 流通段階——製造者から卸までの段階ですね、ここはほとんどもう外税になっておると思っております。中にはごく一部内税があるかもしれませんが、それぐらいの割合であろう。それから小売段階、サービスを含めてでございますが、大きいところ、百貨店であるとかスーパーであるとか、こういったところはほとんどもうやはり外税になっております。 問題になりますのはやはり小売の小さいところでございまして、これは内税になっておるところと恐らく半々ぐらい。しかし、生鮮食料品のようなもの、これはもう日々値段が違うわけでございますから、これは当然内税で税込みでもってやらざるを得ないだろうと思っておるのでございます。私は、先般アメや横丁に行ったときも両方見ましたが、そのとおりになっておりました。大体そういうことになっておるだろうと思います。
○対馬孝且君 一般論的にそうかもしらぬけれども、今、国民が一番やっぱり問題にしているのは、消費者として物を買いに行って、外税か内税かということで何ぼ消費税が取られているのかわからないということだよ、これ。それが今この税制、消費税の仕組みなんですよ。そこが今問題になっているわけだ。例えばスーパーへ行って、百円のジュース、これが百円だとすればこの百円には免税業者としては仮にかけないとする、スーパーは小さいスーパーでね。ところが、ほかの物品にはその分を逆に今度は転嫁して、生活必需品の洗濯用品とかそういうものについてはかけてもいい、トータルでかけてもいいんだ、こういう仕組みになっているわけでしょう、今。ところが、一番国民が怒っているのは、買った物に対して税金が何%取られているかということがわからない、これはけしからぬではないか、こういう仕組みはやっぱり欠陥だ、こう言っているわけですよ。この点どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは税革法にも書いてありますように、できるだけ消費者にわかるようにすることが望ましい趣旨のことは書いてあります。それは外税ということでございます。しかしながら、これは実際は競争場裏でやっているわけでございます。競争場裏で、市場の原理でございます。したがいまして、生鮮食料品で外税で書けといったってこれはもう無理に決まっておるわけでございます。そのときそのときの、毎日毎日値段の違うものを買ってくるわけでございますから、そのたびに外税で出すということは無理でございます。それはやはり、物価が上がったときに従来同じようなやり方で値決めをしているわけでございますので、そういうことは無理であろう。それからまた、そうでなくても小さな業者の方は免税業者もおりますし、いろいろありますけれども、それを全部外税で書けということを強制することは、これは市場原理からいって無理であろうということでございまして、それで今出しているわけでございます。 それから第一、その値決めというのは、適正というのはいろいろありますけれども、そこは競争原理でございますから、中にはサービスして自分たちの今までの利益の中からこの際ひとつやろう、今まではどっちかというと少数精鋭主義でやっておったけれども、これからは薄利多売にしようという人もあるだろうと思うのでございます。市場というものは恐らくみんなそういうものであろう、日々そうやっておるわけでございますから、そこはやはり市場原理に任せていくということが基本であろうと思うわけでございます。 ですから、税制改革法の十一条におきましても強制はいたしていないのでございます。現在の物品税でも同じように、これは消費者に外税にして知らせなさい、こう言っておりますけれども、実際はこれは訓示規定でありまして、物品税が幾らであるかというようなことは何も言ってないわけでございます。ですから、そこはやはり市場原理というものがどういうふうに市場で働くかということを考えていかないと非常に形式的になりましょうし、それがこのやはり消費税というものの持つ性格。 ただ、これが日本では初めてであるだけに、税制改革法という異例の立法措置をとりまして、そしてこの意味はどういう意味であるか、適正転嫁とはどういう意味であるか、過剰転嫁はいけませんとか、いろんなことを言っているのでございますが、この立法形式は恐らく日本が初めてでございましょう。それだけ慎重にやったわけでございますけれども、やはりそこは市場原理で最終的には決まってくるということが基本にあるわけでございます。
○対馬孝且君 それは税の仕組みの欠陥なんだよ、これは。本来、どれだけ消費税が上がったかということを国民がわからなきゃいかぬでしょう。それは市場原理の問題じゃないですよ。そのために一定のカルテル行為を認めたわけでしょう。何のためにカルテル行為を認めたんだ、それじゃ。やっぱり物価上昇の安定というものを基本にしたから、若干、当面カルテル行為はやむを得ないという、公取の本来やるべきことじゃないことをやったわけでしょう。 問題はそこなんだ。そういうことについて、この税制の持つ欠陥なんだと私は指摘しているんですよ。市場原理でなくて、三%上がった税金が自分の買った物に本当にかかっているのか、かかっていないのかということがやっぱり問題なんだから、これはあえて言わせてもらうならば、この前のあんたの答弁でも、こんな税金が取られて、四千八百億も我々消費者から取った金が国庫に入らない。これ自体だって問題でしょう。これは大変な問題ですよ。今国民がそれを怒っているんですよ。我々から税金取っておいて国庫に入らないんだと、四千八百億も。こういう問題自体が問題だということを今国民がみんな怒っているんだよ、これ。だから私は、そういう問題を見直すべき、見直しというよりも基本的に考える時期に来ているんじゃないか。これは欠陥です。これをやる前から欠陥だと我々は言っていたんだ。その点はどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 二つの点でお答えしたいと思います。 やはり最初の問題は、税がどれだけかかっているかわからない、内税にした場合。これは理由はさっき申したとおりでございます。 ただ、この人が課税業者の場合は、その百三分の三をこの人はいずれにしてもこれを基準にして税金は納めにやならぬのだということだけははっきりしておりますから、概算すれば百三分の三を掛けたものが税金であると消費者の方はお考えになってもそう違いはないだろうと思います。 それから第二点は、免税点の問題、簡易課税の問題でございます。 これはしばしば申し上げておりますように、やはり売上税の経験からいたしまして、納税義務者、つまり事業者に余りにも負担をかけ過ぎる、そのためにこの前の売上税というものが失敗した、これがもう共通の意見であったわけでございます。そしてまた、考えてみますと、小さな人にこの徴収、納税義務を負わすということは、やはりそれだけにコストはかかるわけでございます、当然でございますけれども。そのコスト、これをそのままほうっておきますと、今度は消費税そのものではなくて消費税の納税義務者になるためのコストアップがあってこれを転嫁する、こういう問題があるわけでございますので、そのことは今度は消費者も、消費税ならわかるけれども、そのコストまで上げられちゃたまらぬ、こういう要求も当然出てくるわけでございます。それは各国ともそういう意味で免税点、簡易課税制度あるいは限界控除制度というのを持っておりますけれども、ただ額が、日本の場合は中小企業者、零細企業者が多いということで、三千万とか五億とかというのが多過ぎるじゃないか、こういうことで言っているわけでございます。 ですから、その点はそれらの人が実際はどんな値決めをするのか、自分の懐に入るような値決めをするのか、あるいはやはり、さっきも申しましたように競争場裏でございますから、そこのところはそうならないように実際のマージン、自分の本当に負担する分だけしかやらないか、ここは市場原理が決定するわけでございます。税の方は、今の制度は一応さっきも申しましたようなことでつくりましたけれども、最終的にこの税がどういうふうに機能したかという問題については、やはり免税業者なりあるいは簡易課税業者がどういう値決めをしたか、そして最終的にどういうことになっているのか、この辺を考えないとにわかには出てこない、こういう問題でございます。 しかし、この問題は重要な問題でございますので、やはり見直し規定が入っております。我々もそのことはよく承知しておりまして、そしてこの点は考え過ぎだ、政府の考え過ぎじゃないかと、今の制度が。提案した、通りました制度が少し簡素とかあるいは納税事務の負担を考え過ぎた、考え過ぎじゃないかということを指摘されておりますので、そういう点を十分今後の値決めの状況、納付の状況、定着の状況等をはかりながら、率直に反省し、所要の措置を講ずべきものがあれば講じていきたい、このように考えておるということを申し上げておきます。
○対馬孝且君 時間がまだたくさん残っておりますけれども、問題が数多いほどある、たくさんあります。一応、反省点を含めて、見直し条項の中で結論的には見直していきたいという意味の大蔵大臣の答弁ですが、私はこれ時間がないからあれなんだけれども、簡易課税制度、それから免税業者の三千万円以下、あるいは限界控除制度、このこと自体がやっぱり問題点だと言うんだよ。これを洗い直さなきゃだめなんですよ、基本的に。時間がないから私もう申し上げませんけれどもね。 私が率直に申し上げたいことは、去年の自民党税制調査会の地方説明会というのを去年の六月二十七日、北海道でやっているんですよ。このときに自民党さんの加藤六月税制副会長が何を言っていますか。業界からかなりの不満が出たときに、いや売上税と違って皆さん業者がちゃんともうかるようにやりますから、消費者には気の毒だけれどもと、ちゃんと言っているじゃないですか。私これ持っていますよ。大体根本的にそういうところから発想した今回の税制改革であるからこういう欠陥を生んでいる。私はそのことを指摘しなければなりません。 時間もありませんから、最後に総理に、今までのやりとりを聞いておって、総理自身としても大蔵大臣の経験者であり、税制のベテランですけれども、この欠陥を、性格をもう一度やっぱり基本的に考え直して、この税制は数多く問題があり過ぎると。それは拙速に国民の声を聞かずにあえて強行した、もうちょっと時間をかけて討議をする、そういう問題についてどのような現時点において考え方を持っているかお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 基本的には、いつも申し上げておりますように、所得税等の大幅減税と加えて税制改革をしてよかったと、国民の皆様方に将来評価していただける時期があることを確信しておるからこそ今日に至っておるわけでございます。 そこで、具体的なお話がございました。 もともと物価というものは、いわゆる公定価格とかそういう形でない限りは、これは自由経済場裏におきましては需給のバランス関係において決まっていくものでございます。税が価格を決めるのじゃなく、物価そのものの基本は、あくまでもこれは自由競争原理の中で需給関係がこれを決めていくというものであろうかと思っております。そうして今、欠陥税制というお言葉でございましたが、いわゆる免税点、簡易課税制度等々についての御議論がございました。これはまさに本院において私の計算でいうと九番目の懸念というような形で御議論をいただいた問題である。そして、その懸念について今いい質問をしていただきまして、いい答えをしました。これをテレビを通じて国民の皆さん方がなるほど、さすが国会だとおっしゃっていただけることを私はきょうの問答を聞きながら感じとらしていただきました。ありがとうございました。
○対馬孝且君 これは総理大臣は逆でありましてね、総理。これを聞いて、いかに数多い欠陥か、こんなものはあしたからでも廃案にしてしまえ、こういう国民の怒りが逆に高まつだ。逆ですよ、これは。国民の受けとめ方は、先ほど原点として言ったように、低所得者の弱い方々はみんなこの消費税で犠牲になっている。一部の高額所得者だけが、特定の者だけが一応この恩恵にこうむる。この矛盾はますます深まったという確信ですよ、私ははっきり申し上げます。この点だけははっきり申し上げておきます。我が党としてはいかなることがあってもこの税制の性格的な欠陥、それから法律の持つ矛盾、それから不公平の拡大、最後までこの問題については廃案をこれからも要求することを申し上げて、私の税制問題の質問は一応終わりにします。 それで、農業問題につきまして一、二ひとつお伺いをしたいと思います。 総理並びに農水大臣に、今日の農業政策に果たして本当に自民党あるいは政府に対して農家の皆さんが信任を持って負託をしているかどうかということについて、私は今日は信任されていない。その結果があの福岡選挙であり、千葉選挙であり、各地方選挙の今回のあらわれは、単に消費税、物価だけではありません、農民の怒りが今日のああいう結果を招来している、こう私は思っています。これに対する考え方をひとつ農水大臣と総理にお聞きします。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、私ども報道等あるいは農村部を回りますときに、今農村の中におきまして一つの不安といいますか、そういったものがあるということを私どももよく承知いたしております。ただ、この問題は、一番のやっぱり何といっても大きな問題というのは、いわゆる農産物十二品目に係る問題あるいは牛肉・かんきつ、こういった問題につきまして自由化をせざるを得ないそういう中にありまして、これは交渉事でございますから、どういう事情でどんなふうな措置がなされているのかということはなかなかこれが末端まで行かなかったというのが事実でありましょう。そういう中でこれに対する不安があったということ。 それともう一つは、今、自由化をするとするならば予算的にはこういうことをしましょう、あるいは国境措置としてはこういうことをいたしましょうというような実は対応をしておりますけれども、これがまだ時間的な経過の中で末端まで行っておらない。そういう中で一体自由化になったらどうなっちゃうんだろうかというやっぱり不安があることは事実だと思います。 それともう一つは、例の奨励金ですとかあるいは価格問題ですとか、国際化の中にあって消費者の皆様方にもやっぱり理解をいただかなければいけない、そういうことのために国としてはいろんな支援をしておりますけれども、しかし表面的な価格は下がったりしておるという中で、大丈夫なのかなというやっぱり不安があるということだろうと思っております。 しかし、我々はそういった問題に対しましては、やはり本当に足腰の強い、しかも国際競争力もつくようなこういう農業をつくり上げなければいけないということで各般の施策をとっておることも、先生にもこの前来お話を申し上げているとおりでありまして、私どもはただ単なる農政不信ということじゃなくて、本当にやっぱり理解をしていただく、そのためにさらに我々のとっております措置について理解をいただくための努力をしてまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(竹下登君) 詳しくは農水大臣からお答えしたとおりであります。 今日、自由化等の問題の中にいわゆる不安というものがある、これに対してはこれからとらしていただく、あるいは既にとった施策等を十分に理解いただくと同時に、さらに今申しておりました足腰の強い農業というものの育成に万全を期さなければならない、このように考えております。
○対馬孝且君 農水大臣、総理からも今お答えありましたが、足腰の強い農業政策ということを強調されました。私はなぜ農民離れかというと、やっぱりオレンジの自由化、畜産物の自由化、私も北海道でありますけれども、非常に最近はそのことに対する不安というよりも怒りですよ、率直に言って。信頼できないと、これが。率直に私申します。私が言うんじゃなくて、私もお会いしていますけれども、農民の声です。 そこでお伺いしますが、第一に、農畜産物の、今も話が出ましたが市場開放、特に牛肉・オレンジ、つまり言うならば政府が農民に対する約束を破ったではないか、ここですよ、今率直に声が出ているのは。だから信頼できないと。これが今農民離れになっているんですよ。だから、自由化の問題でこれから一番大きな問題は何かというと、我が国の農産物の自給率は言うまでもなく三〇%強であります。極めて先進国の中では低いものであります。そういたしますと、やっぱり問題は、これからの米の自由化という問題は一体どうなるんだろう、どんなことがあっても米の自由化は阻止してもらいたい、これは今、日本全国農民の本当の切実なもうとにかく声であります。その確信をはっきり農水大臣なり総理から確たる答弁を求めたいと思うんですが、私は具体的に申します。 米について、ウルグアイ・ラウンドの今後の交渉で政府は一体何を守ろうとしているのか、これが大事なところです。つまり、輸入数量は国が決めるのか、あるいは米市場開放するのはやむを得ないという考え方なのか、あるいはこのことが何もかにも自由だというのか、この考え方を明らかにしてもらいたい。確たる答弁をひとつ農水大臣と総理から求めたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず、我が国のウルグアイ・ラウンドに取り組みます交渉の姿勢でございますけれども、今度のウルグアイ・ラウンドというのは、まさに今までずっとガットが進んできた、このガットの進んできた中で、規律ですとかあるいは規則ですとか、そういったもので公平性といいますか、公正を欠いているものがあるじゃないかということもあります。そういうことを正す。そして、きちんとした貿易のルールをつくり上げるということが一番の主要な問題であろうと思っております。 そういう中で、我が方といたしましては、特にこの間の中間レビューの際に主張いたしましたのは、いわゆる食糧安全保障という問題であります。この基本的な考え方は、我が国は今先生から御指摘がございましたとおり、世界最大の輸入国になっておると言っても差し支えないと思います。これはもう御案内のとおり、畜産等を進めるために飼料穀物を相当やはり輸入しているという中で、自給率が実は非常に大きく下がっている。それだけに、大きな輸入国に実はなっておるというのが現状であります。 ということは、これは畜産やそういうものを進めていくためには、こういう飼料穀物等が安定して入ってこなきゃならぬということであります。ですから、輸出国は輸入国に対してきちんと輸出することをやはり約束してもらわなきゃならぬということ、これが安全保障の一つの考え方であります。 それと同時に、今御指摘のありました穀物自給率が三〇%ということでありますけれども、私たち日本人が今そんなに天候に対して気にしているかといいますと、さほど気にしておりません。というのは、今私たちは主食である米、要するに、あなたの主食は何ですかと日本人の場合に聞かれたら、九〇%の人が米だと答える。よその国の場合には、豆だとか、あるいは肉だとか、あるいは芋だとかと答えるのでしょう。ですから、日本の場合には、特別なそういう概念、主食という概念を持っておる。この主食について三〇%も転作するぐらいの力を持っておるということでありますから、今、穀物自給率が三〇%であるにもかかわらず、世界じゅうの天気を気にしないで済んでおるというような現状であろうと思っております。 そういう意味で、私ども安全保障の中の一つのあれとしては、こういった日本の主食であるもの、こういったものについて自給することを国際的に理解させる、これがやはり私たちがこれからウルグアイ・ラウンドの中で主張していくものであり、そして安全保障というものが書き込まれたということは、その足がかりというものを私たちがっかむことができたというふうに確信し、こういったものを大切にしながら議論を進めていきたい。そして、皆さん方が不安というものなく、営々と生産にいそしめるような体制というものをつくっていきたい。また、これが消費者のためであるというふうに確信をいたしております。
○国務大臣(竹下登君) 農水大臣からきちんとしたお答えがあったとおりでございます。そもそも、いわゆる貿易の自由化とは何ぞやと。世界、地球上に生存する人類が、安価にして良質なものをどの地域からでも自由に交易し得る環境をつくることである。これは私どももよく知っております。 しかしながら、事これがいわゆる国民の主食であるというところからして、今言いましたいわゆる安全保障の問題これは本院でも決議いたしましたいわゆる農業生産、地域社会、国土保全等、多方面あるいは文化の面もあるんだと、さらに今度の中間レビューの際に、フードセキュリティーでございますか、この食糧安全保障の問題が一項書き込まれたということは、まさに私は今、農水大臣が申し上げたとおりであろうというふうに考えておりますので、基本的に本院または両院においてそれぞれ御決議をいただいておりますものが背景にあって、したがってウルグアイ・ラウンド等におきましても、このフードセキュリティー、これをやはり基本的に踏まえて対応すべきものである、このように考えております。
○対馬孝且君 つまり、食糧の安全保障、セキュリティー、三〇%云々ということを申し上げましたが、要は、今、農民の皆さんがはっきりここで再確認求めたいことは、いかなることがあっても米の自由化はしない、それがもちろん両院の決議でもありますけれども、今後の交渉においてもその態度を一貫して堅持をする、これは確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘のございましたとおり、参議院におきましても、あるいは衆議院におきましてもこの問題につきましての決議がなされております。私どもはその決議を踏まえまして、基本的に米については自給するのだということを国際的な理解を求めていきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
○対馬孝且君 今、確認しましたが、まだ価格政策の問題あるいは土地政策の問題等もございますけれども、時間がありませんので、改めてまた質問することにします。 それでは、最後の質問になりますが、米空母のタイコンデロが艦載の水爆B43搭載機の水没事故に関する問題をお伺いをしたいと思います。 今、日本国民は極めて重大な関心を持っておるというよりも不安であります。しかも、各地方議会ではそれぞれ決議が集まっています。こういう状況を踏まえて、時間もありませんから、限られた時間でありますので、まず日本政府はこの事故をいつ知ったかという問題、それから、この後事実の経過はどういう経過になっているか、まずこれを冒頭お伺いします。
○国務大臣(宇野宗佑君) 一九八一年の米国防省から出されました文書において、今おっしゃった事故が一九六五年に起こっていたということを承知いたしております。その後、それは公海上のことであると非常に抽象的な発表でございましたから、その後これが我が国近海において行われたというふうな報道がございましたので、米国防省に今照会中でございますが、わかったことを申し上げます。 一九六五年に、米空母タイコンデロガから一個の核兵器搭載のA4航空機が海中に滑り落ち、パイロット及び核兵器とともに水深一万六千フィート以上の海底に沈みましたと、およそ四千八百メーターでございます。一九八一年には陸地から五百マイル以上離れたところで起こったとしておりましたが、これはアジア大陸を基点としたものでありまして、より正確には沖縄の北東約二百マイル、琉球諸島の直近の陸地の東方約八十マイルの公海上で発生したというのが今日までの確認した事実関係でございます。
○対馬孝且君 外務省が知っておったということを今外務大臣がお認めになりましたね。それに対してどういう対応をすぐとられたのですか。それが問題だし、この核爆弾、水爆が回収されたか否かという実態がまだこれは明らかでないわけですね。この問題はどうですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 現在のところ核兵器は回収されておりません。 同時に、私たちが知りましたのは、一九八一年の、先ほどの国防省の報告によって知ったものであるということでございます。そして、それが沖縄並びに琉球地方の直近の陸地に近かったところで起こったということでございます。 そこで、回収されておらないが、大丈夫なのかということは当然我々の関心事でございますから、爆発、放射能漏れの危険はないかと、こういうふうに国防省に照会をいたしております。米政府は、環境に脅威を及ぼすものではない、核兵器は貯蔵、取り扱い及び輸送において作動せず、安全性が確保されるよう設計されているとしているが、本件につきましては、政府といたしましても重大な関心を有しておりますから、なお一層詳細にわたりまして米側に事実関係等を照会中であると、このように御理解賜りたいと思います。
○対馬孝且君 いや、照会中であるというのはわかるけれども、問題は沖縄沖の二百マイルでしょう。しかも、これは海域ですからね。そんな、四千八百といったって海の底でしょう。これはやっぱり海流ですから、流れ流れてどういうふうになっているのか。そういう問題は国民にとって、我々日本という島国に住み、海に育つ者として、生活している者にとっては大変なことでしょう、これ。どこかでバーンとなったら、いつどういうことになるんだと。そういう状態が、アメリカの今の話聞いても、米国はそういう心配はありません、その対策をやっておりますからと、それを日本政府はそのまま信頼するんですか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 私は、やはりそうしたことに関しましては照会をして、きちっとした答えを得たい、かように考えております。その答え次第によりましては、当然日本といたしましても重大な関心を訴えなければならない、かように思っています。
○対馬孝且君 重大な関心を持っているということはわかるけれども、照会をしてこれから対応するのはわかるけれども、こういうことがあってはならないし、また我々は絶対国是として非核三原則は守るべきだと。これは一貫して我が社会党はこれまで非核三原則 持ち込まず、つくらず、このことを基本に今まで主張してきました。 私も二、三年前にニュージーランドへ行ったんだ。しかし、ニュージーランドは立派にこれは守っていますよ、非核三原則は。アメリカに対して、持ち込んでいるか、搭載しているかしていないかをきちっと是非を確認をする。当時のロンギ、今も首相でありますが、私も直接お会いしました。非核三原則は絶対国是の原則であるという一つのニュージーランドの考え方。 政府は、日米安保条約第四条の随時協議制の積極的活用云々ということを言われるが、当時私も質問したことがありますけれども、時のアメリカ海軍のラロック少将、これあたりは搭載をしていると。そのイエス、ノーを日本政府は確かめたことがあるか。今まで何回言ったってそれはないじゃないですか。だから、現実にこういう問題が起きたときに、私に言わせれば、非核三原則の空洞化である、空洞化のあらわれが今日の状態にあらわれてきている、これがやっぱり重大な事態に発展しかねない状況ではないかと、やっぱり今我々国民の重大な関心であります。 この問題について、非核三原則を含め、従来どおり単なるアメリカに照会をするという程度なのか、一切国是としてこの非核三原則の基本に立って、搭載の是非、核搭載の問題についてイエス、ノーの事前協議の確認をきちっと迫る、この態度をきちっとすべきだと思いますが、いかがですか、この点について。
○国務大臣(宇野宗佑君) 我が国は非核三原則がございますし、もうこれは過般も総理が国是であると申されておる重大な原則でございます。その前に、安保条約を改定いたしましたときにも、岸・ハーター会談で、今御指摘のありました事前協議という問題に関しましても厳重に両国間におきましてそのことが守られております。したがいまして、事前協議等々は非核三原則前におきましても当然なさるべきものであり、またアメリカからはそうした場合には事前協議をする義務があった^発議権はアメリカにありと、こういうことはもう累次私がこの議会におきましても御答弁申し上げておるとおりでございます。 したがいまして、そのとき、その間にそうしたものがあったのかどうかということに関しましては、これはいつもアメリカは装備に関しましては一切申しません。また、公海上のことでございましたから、私たちが知る由もなかったのでございますが、今回のこうした事故が明らかになりましたときに、これはもう少しく確認したいと思いますけれども、ワシントン時間九日、米国防省のハワード報道官は、米側は核兵器に関する日本国民の特別な感情を承知しており、日米安保条約及び関連取り決めのもとでの義務を誠実に遵守してきておる、今後も引き続き遵守する旨述べております。 こうしたことは、日米安保体制の円滑な運営に関しましても、従来から私たちがきちんと対処してまいったものでございます。ただ、このような事故が報告されましたとおり海洋上であったということは大変残念なことであると私は思いますし、したがいまして、当然その地方において環境問題に著しい影響を与えているか与えていないか、こういう問題もあります。だから、そういう問題に関しましても、私たちはさらにこの事故の問題に関する確認を急ぎまして、その結果に基づいて判断をしたい、こういうふうに今申し上げたところであります。
○対馬孝且君 今、外務大臣から答弁がございましたが、私はやっぱり今日まで日本政府が非核三原則の国是に従ってアメリカ政府にイエス、ノーの答えを、きちっと態度を堅持してやっていなかった、このあらわれが今日の現象を生んでいるということを私は率直に今肌寒い感じをいたしております。やっぱり今後は非核三原則をきちっと守って、エンタープライズの問題、横須賀の問題あるいは佐世保の問題がございましたけれども、これからもきちっとこのことを基本に守って実行するということを事前に確認できますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 常に非核三原則は守っております。それは我が国のため、また我が国民のためであります。また、そのことが相互の信頼性を高めるゆえんであります。このことは今後も守ってまいりたいと思います。 また、事前協議云々は、あくまでも米側からそのことが事前に通告される義務あり、このこともがっちりと米側に守ってもらいたい、かように思っております。
○対馬孝且君 日本側から事前協議でイエス、ノーを確かめるということが基本なんですよ。それがなくしてこれからだって守り得ないでしょう。 その点を含めて、最後に竹下総理大臣のこの問題に対する受けとめ、今後の非核三原則の基本姿勢などを含めてこの問題の扱い、今後の対策、またこれからの取り組みを総理大臣にお伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 今、事故の問題につきましては、外務大臣からお答えがあったとおりでございます。非核三原則、これは我が国の国是でございます。これはきちんと守るべきものでございます。 そして事前協議というものも、これも今日までたびたび議会の場でも議論をいたしておりますが、アメリカ側に事前協議の発議権と申しますか、あるわけでございますから、それを信頼しつつ、それが誤りないことを今後の同盟関係の中でも信じていきたい、このように考えます。
○対馬孝且君 時間が参りましたので、いずれにしてもこの問題は極めて我々の非核三原則の基本の問題でありますから、また事実関係、今までの政府の対応、相当質問ございますけれども、時間の関係で一応これで終わりますが、特にこの問題については速やかに確たる事実関係を確認をして、国民に対する明確な態度をとることを強く求めまして、私の質問を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で対馬孝且君の質疑を終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(初村滝一郎君) 次に、田沢智治君の質疑を行います。田沢君。
○田沢智治君 私は、自由民主党を代表いたしまして質問を行います。 まず第一に、竹下総理は昭和六十二年十一月に就任以来、我が国を取り巻く厳しい内外の諸情勢に熱心に取り組んでこられ、一年半という在任期間ではございましたが、昭和天皇の大喪の礼、税制改革など、竹下内閣に課せられた重要な課題を誠実になし遂げ、世界の平和と国民福祉の増進のために中身の濃い充実した実績を上げられましたことに対し、心から敬意を表するものであります。 特に税制改革はシャウプ税制以来の大きな課題であり、歴代内閣がその必要性を訴えつつすべての国民の理解を得るに至らなかったのでございますが、総理は持ち前の粘り強さを発揮し、みずからつじ立ち説法を行うなど、国民の理解と協力を求めつつこれをなし遂げ、内政に強い竹下総理の面目躍如たるものがあったと私は思うのであります。 特に苦手と言われた外交についても順調にこなし、総理に就任されるや訪米し、さらにトロント・サミットや中国を歴訪するなど、十一回に及ぶ歴代内閣第二位の実績を上げられ、各国首脳外交を展開して、平和外交を基調に「世界に貢献する日本」の役割を十分に果たしたものであると私は思うのであります。 特にその中で、近年竹下内閣のもとで初めてアフガニスタンヘのソ連軍撤兵を見守る国連視察団に要人を派遣して、これまで財政面のみの協力であったのに、国連の平和維持活動に人的な面も含めて協力し、取り組んだことは多くの国々も歓迎したのであります。ODA、政府開発援助の拡大なども行い、国際的評価を高めたことは日本の将来に大きく貢献したものと思うのであります。 また、去る四月二十九日より五月七日までASEAN五カ国を訪問され、アジア重視の日本の外交に誠意を示され、各国も大歓迎してくれたと報道されていますが、総理の所見をお伺い申し上げたいと思うのでございます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに私が在任中十一回の外国訪問がございました。このことは一竹下登という意味ではなく、日本国というものが世界から各方面で期待されておるその証拠であろう、このように感じておるところであります。 私が「世界に貢献する日本」ということで三つの柱を立てました。平和への協力、これはまさに今御指摘がありましたが、アフガニスタンに文民を派遣する。確かに国連活動等に対して特別拠出、このようなことをしてまいりました。しかし、積極的に要員の派遣というようなことには従来ややもすれば消極的であったことも事実であります。一例を挙げますならば、ペルシャ湾の問題等になりますと、掃海艇問題というのは別の角度からこれは我が国の政策として派遣しないということもあったわけでございます。したがって、今後やがてイラン・イラク問題でございますとか、カンボジア問題でございますとか、そうした中でやはり特別拠出金のみでなく要員の派遣ということも十分継続していかなければならない課題だと思います。 それから、ODAにお触れになりましたが、ODAというものは訳せばやっぱり援助という言葉になりますけれども、私は一貫して申し上げてまいりましたのは、あくまでも経済協力であって援助ではない。援助といいますと何か一方的に助けるという感じを与えます。そのことがひいてはアジア全体の平和あるいは世界の平和につながるゆえに、あくまでも協力という言葉を使って今日に至ってまいりました。また、文化交流等につきましても、例えば留学生問題等、今日逐次皆さん方の御意見を聞きながら拡大に努めておるところであります。 私の外国訪問としては最後になりました先般のASEAN諸国の問題でございますが、辞意表明後の外遊という形でございますので率直に言って私自身熟慮をいたしました。しかし、我が国の外交の継続性また一貫性ということからやはり日程どおり訪問すべきであるという考え方に基づいて訪問を完了したわけであります。 それぞれ我が国に対する信頼の高まりの中で首脳会談等有益なものを行ったという判断に立っております。なかんずくサミットが開かれます。我が国はアジアにおける唯一の参加国でありますだけに、ASEANの皆さん方の意向等、これをサミットへ参加される後継者の方に正確にお伝えする任務も私にあるだろう、このように考えておるところであります。
○田沢智治君 そこで、竹下総理はこのたびみずからの決断によってその座を去ることになったのでございますが、私たちは心から惜しむものでございます。特に、政治改革について全力を挙げて取り組むという決意新たなるお心があったるがゆえに、なおさら総理といたしましても心残りがあるのではないだろうか。 在任期間を振り返り現在の心境と国民にここを訴えたいんだということがございますれば、その辺の御心境を訴えていただきたいと思うのでございます。
○国務大臣(竹下登君) 過去一年半にわたりますこの竹下内閣を振り返ってみまして、いろいろ御評価があろうかと思っております。これは民族悠久の歴史の中にしょせんは竹下内閣などというものは歴史のほんの一こまにすぎない、このように思います。しかし、私はそれだけになお残された期間、いわば国政なり行政なりに停滞があってはならぬと一生懸命これに全力を注がなければならないと思っております。 辞意表明後の心境とでも申しましょうか、それは元来私は感情の振幅が大体ない方でございますし、それはやはりそのときどきみずからを顧みて冷静であればよかろう、このように考えておるところでございます。 ただ、私が辞任の予告ということになりましたその際、平成元年度予算を一日も早く成立さしていただきたい、その願望を、そして期待感を持っておるということはこの際重ねてお願いをしたいと思います。まさに、国民の血液でございます予算のことをくれぐれもよろしくお願いをいたしたいわけであります。 それから政治改革の問題でございます。私はたびたび政治改革を緒につけたいと申しました。その緒につけるとはどこまでか、いろいろ自分なりに考えてみましたが、有識者懇談会の意見がちょうだいできましたので、それを整理整とんいたしまして、まずは自由民主党の中の後藤田委員会へ昨日これを基礎にして考えをまとめてもらいたい、そしてそれは、短期、中期、長期のものもございましょう。それらは当然国会全体の問題として法律を伴うもの等お願いしなければならないであろうと。まず与党の考え方をまとめ、そして各党との協議のもとに、私はほんのこれを昨日差し上げたばかりでございますが、実りある成果が短期、中期、長期の中で出ることを期待しておるというのが今日の現状でございます。
○田沢智治君 ただいまの御心境を伺いますと、国民福祉の向上のために何が何でもこの平成予算を成立させたい、そのために我が一身をささげても国民が幸せになればいい、世界の平和のために尽力できればいいんだというような政治家としてすばらしい気概が私は感じられたのでございます。 私たちもこの平成予算は何が何でも、今日、日本の経済が世界の中に冠たるものになり、国民が充実した幸せを求めていくとするならば、一日も早く成立さして日本全体が幸せになると同時に「世界に貢献する日本」を位置づける、ここに新たなる日本の出発点になってこそ、みずからが他を助け、他によって助けられ、助け助けられる関係の中で、すべての国々が幸せになるとする日本人の生き方があると私は確信しております。 そういう意味で、我が自民党も野党の協力を得て、予算委員長を中心に、遠藤自民党予算委員会筆頭理事も含めて、一生懸命努力することをお約束いたしたいと思うのでございます。 ところで、最近の外交課題を見ますと大変大きな問題が山積していると思うのでございます。この連休中に各大臣が精力的に世界の平和のため、日本の安全のために努力されておる姿に接しまして、私はまず宇野外務大臣に、五月三日、第九回日ソ外相定期協議でモスクワへ行き、北方領土返還を基調とした日ソ平和条約締結への努力をなされたと聞いておりますので、その内容と、ソ連国民にも訴えたというお話もございますので、ひとつそういうような御感想を含めて今後の見通しについてお話を承りたいと存じます。
○国務大臣(宇野宗佑君) 五月三日、第九回日ソ外相会談がモスクワで開かれました。これは、昨年の十二月、八回目を東京でやったことに続いて、半年目に早くも次の外相会談、非常に私はその意味でもよかったと思っております。 つまり、過去二年半ばかり休止状態にありました外相会談は、昨年から活気づいてきたわけであります。というのは、米ソの対話という時代を生み出しました。だから、私たちも今日、日ソという大国間において平和条約がないということがそもそも不自然である。大切な隣国同士でありながらそうしたことをやはり克服しなくちゃいけない。こんなことでワーキンググループをつくりまして、モスクワの外相会談までにワーキンググループも三月、五月と二回にわたって歴史的あるいは法的な見解を双方で述べ合っております。 私といたしましては、今回はシェワルナゼ外相並びにゴルバチョフ書記長とも会談をすることができました。シェワルナゼさんとは三時間、三時間という六時間に及んでの会談であり、またゴルバチョフさんとは、まあ四十分ぐらいかと思っていましたが、お互いに話が弾みまして一時間半というふうなことになりました。その間私は、竹下総理のメッセージを読み上げまして、やはり今日の日ソ間を大切にして、そして生まれつつある萌芽を摘み取ってはいけない、こういうふうに申しました。これに対しましてゴルバチョフ書記長は、やはり大きな木に育てあげましょうということを冒頭に申し述べております。 私からは五つの問題を提案いたしました。 一つは、日ソ平和条約を交渉することが大切である。これはもちろん、領土問題が解決したならば我々は日ソ平和条約を結ぼうではないか、そういう私たちの原則を踏まえたものであります。 二番目は、そのためには双方は信頼関係を確立しようではないか。お互いに色眼鏡をかけて見合うというような時代ではないよ、はっきりやろうじゃないかと。 三番目は、実務関係を促進しようではないか。今日まで十ばかり既に協定が両国の間においては結ばれております。直近では渡り鳥協定なんというようなやつもありますが、今回私は環境が大切でございますから環境協定、もしソ連にその準備があるのならばいつでも応じましょうということを新しい提案として申し述べました。 四番目には、もちろん人的交流でございます。 五番目は、それらを踏まえまして、それらのすべてとして、やはり首脳間の交流というものがしばしば行われるということが大切である。日米間においては首脳間の交流が非常に盛んであり、また日ECにおいても盛んであり、日中においても盛んである。そういうような例を例示いたしまして、以上、五つを申し述べたような次第でございます。 もちろんその間、領土問題が中心的な課題でございましたので、私といたしましては、棚上げ論はまかりならぬ、また百七条という国連憲章に基づく敵国条項、これを適用するがごときは全くもって国際法上ナンセンスも甚だしいと、それほど相当な言葉を用いまして、相手の出方に対し我が方の態度を示しておきました。しかし最終的には、九月にももう一回寄りましょう、それまでに次官クラスを開きましょう。そしてゴルバチョフは、ことしは忙しいが私は日本を訪問するという必要性を十分知っております、だからひとつ来年初頭においてそういう具体化を進めていただいてよいのではないか、また領土問題という困難な問題に関しましては、わきに置かずに今後両国においてこの問題も検討しましょう。その結果、シェワルナゼきんが私の帰国後記者会見をしておられますが、有意義な会談であった、そしてお互いの芽を育てていかなければならぬ、こういうような感想を漏らされております。 領土問題はなかなか平行線で難しゅうございますが、私はもうはっきりとモスクワの記者会見で申しました。ソ連の方の言われておるところの歴史的さらには法的根拠というものは極めて私はこれは妥当でないと思っておる、日本の方が正しいと思っておる、いずれこれははっきりとやりますというふうなことを申し述べまして、お互いにひとつ今後もそうした努力をしながら実りある結果を得るように頑張ろうではないかというような状態で帰ってまいったというのが、日ソ外相会談のあらましてございます。
○田沢智治君 ただいま外務大臣のお話を承りまして意を強くいたしたのでございますが、北方四島は日本国有の領土である、これはもう当たり前のこと。当たり前のことが国際信義に通じないというような国際情勢では、真実の世界の平和は私は絶対に確立できないと思うんです。中国は香港を返還するについて九十九年、日本はまだまだこれから努力しなければならない。私は思うに、中曽根前総理もこの問題について大変心を砕いて、退任後もみずからがモスクワへ行き、向こうの首脳とも会い、ヨーロッパ先進諸国も回って日本の正当性を主張してきている。そういうような客観情勢というものをやはり醸成する必要性があるのではないだろうか。そういう意味では、アメリカに対しても御依頼し、自由諸国陣営の一環として日本の正当性を裏づける国際世論の形成というものも大切ではないだろうか、こう思うんですが、外務大臣いかがでございますか。
○国務大臣(宇野宗佑君) 大切なところの御指摘であろうと思います。 当然、歴史的な見解の開陳におきましてはヤルタ協定、これをソ連は重要視しますが、私たちは拘束される覚えはありません。また私たちは、カイロ宣言によって領土拡大を図らないという当時の関係諸国、この関係がポツダム宣言の中に盛り込まれておるわけですから、むしろソ連はそれを遵守してそして北方四島より撤兵すべきである、こういうふうに申し上げておりますが、今申し述べました国際史的な面から考えましても、やはりアメリカあるいはまた英国その他諸国の国際法的な立場における支援というものは大切でございます。 〔委員長退席、理事遠藤要君着席〕 その点、我々といたしましては、外相会談が行われるたびにそういうお話も申し述べまして、国際世論の盛り上がりということにも重々注意をいたしております。 なおかつ、ペレストロイカ、グラスノスチの時代でございますから、率直に申しまして、日本外務大臣もテレビ出演せいというのは初めてのことでございますが、私も女性アナウンサーのインタビューを受けまして、そして先ほどから申しました我が国の原則等を事細かに、かつ簡略に申し述べておいた次第でございます。一億人ぐらい見ただろうというふうなことでございますから、そうしたことを、一回ではわかりがたいと思いますが、総理の論文もソ連の新聞に載りました。私のインタビューもソ連の「国際生活」というのに載りました。そのほか相当いろんな文献が開放されております。中曽根前総理のいろんな考え方も載っております。そうしたことで、今後は与野党を通じて議会の方々がソビエトの議会と交流をしていただくことも大切なことであろう、また学者同士でいろんな議論をせられることも大切なことであろう、かように思いまして、やはり我々はあらゆる機会に日本の正当性を主張していきたい、かように思っております。
○田沢智治君 この問題は国連をかけなければならない問題でございますので、恐縮ですが総理の所見をお願いできればと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど宇野外務大臣からお答えがあったとおりでございますが、その中にもございましたように、まず竹下内閣になりましてから土井委員長の訪ソ、それから中曽根前総理の訪ソ、それから前後三回にわたりますところの外相会談等々がございました。私の論文につきましてもノーカットで掲載をされております。これは、私はいわゆるグラスノスチというもののあらわれだろうというふうに思っておるところであります。 したがいまして、そうしたいわば変化というものも十分見きわめながら、先ほど宇野外務大臣からもお話がありましたように、ヤルタ協定とか敵国条項とかいろいろな領土問題に対する意見がございます。それらと我が国の考え方というものを、濃密にお互いが議論をし合い、そしてそれが単なる政府ベースだけでなく、各界各層の交流の中で理解が深まることによって、私は平和条約締結へのもろもろの基礎が整うではなかろうかということを期待しながら今後とも粘り強くこれに対応していきたい。次の総理大臣の方もその考えであろうことを私は確信し、一兵卒となってもその方針に従って努力しなければならない、このように考えております。
○田沢智治君 ただいま総理の決意を伺いまして大変意を強くいたしました。特に、北海道の皆さんもそういう意味で大変関心を持ち、一日も早く返還されることを望んでおると思いますので、全力を挙げてこれに取り組んでいただきたいということを希望してやみません。 次に、青木環境庁長官にお尋ねいたします。 長官も、大変お休みの中、地球を取り巻くオゾン層の破壊防止や温暖化現象、酸性雨対策、そして地球環境の保護等、人類共通の課題について米国首脳と会談されたと聞きます。この問題は、人類の将来の運命にかかわる問題でございますので、これまた真剣に取り組むことによって日本は世界の中の日本であるという位置づけができると思います。その会談の中でいろいろお話しされたということを聞いておりますので、どうか国民にわかりやすくお話を承りたいと存じます。
○国務大臣(青木正久君) お答えいたします。 私、三日と四日ワシントンにいまして、第九回の日米環境合同企画調整委員会、いわゆる日米環境会談に出席してまいりました。アメリカ側からは環境保護庁のライリー長官が出席しました。会談の内容は、オゾン層破壊防止、あるいは地球温暖化のような地球環境の問題を初め、両国に関係のある問題につきまして率直に意見を交換いたしまして、日米協力の合意をつくったわけでございます。 特に焦点となったのは地球環境でございまして、中でも温暖化の問題につきまして、私といたしましては、第一に、日米が協力してリーダーシップを発揮すること。二番目は、今、アメリカを中心とするIPCCの流れと、フランスを中心とするハーグの流れがございます。これを合流させまして、いずれは国際的合意として取りまとめること。第三番目は、共産国あるいは途上国を含めまして世界が一致してやること。そういうことを申し上げまして、ライリー長官の賛同を得たわけでございます。 また、相前後して開かれましたヘルシンキのウィーン条約、モントリオール議定書の第一回締約国会議は石井環境政務次官に出てもらいまして、これも合意を見たわけでございます。オゾン層の破壊防止のためにフロンをなるべく早く、遅くとも今世紀の末までに全廃することを中心とする合意を見たわけでございます。 環境問題、特に地球環境は、かけがえのない地球、我々の住んでおる地球でございますので、手おくれにならないように世界じゅうで協力をしていかなくちゃならないと思うわけでございます。 特に日本といたしましては、これらの先頭に立ちまして地球環境保全のために邁進しなければならないと痛感をした次第でございます。 以上でございます。
○田沢智治君 人間が真に幸せになるためには、人間だけが幸せになることを考えては私はならないと思うんです。物の中に心を見出していくという物の見方に立つことが二十一世紀に生きる人間の生きざまであろう。生きとし生けるものがお互いに助け合って、そして地球を守り宇宙を守っていくという中に立って、人間も生きとし生けるものから守られるという結果を生んでいく、こういう因果関係をきちっと心に入れて、そういう世界観を持って、日本は環境問題に取り組んでいくということは大変ありがたいことであり大変うれしいことであります。どうか環境庁長官、そういう姿勢で臨んでもらいたいことを希望いたします。 また、三塚通産大臣もアメリカへ行かれたということを聞いております。新通商条約のもとで米国政府は日本の市場が閉鎖的であるという不満を表明して、今後の日米経済摩擦の動向と和解、大変この問題が大きいかと存じます。 そういう意味で、行かれて米政府の方々とお話をなされた中でどういうことを感じ取り、日本が今後どういう施策を展開しなきゃならないかを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) 竹下首相が、四月二十五日、予算成立の時点で身を引くというまことに劇的な退任表明があったわけでありますが、連休に入るに当たりまして、総理から、みずからASEANに参りまして自分の日本国総理としての使命を果たす、諸君も決められた日程に従いましてそれぞれ責任を果たすように、こういうことでありましたものでございますから、使命感と勇気を持ちまして、当初から日程を組んでおりましたわけでありますが、アメリカに参りました。 私は、交渉事に参るということで参ったのではございません。経済大国日本国の通商産業大臣として、既に一月末から一週間ヨーロッパ諸国、EC本部なども訪問をいたし、貿易国家、通商国家日本、そして平和国家を国是とする日本の態度を、竹下内閣の一員としてお話をし信頼関係を築いたと自認いたしております。 最大の同盟国であるアメリカ合衆国に二十九日から出かけたわけであります。同時にカナダ、こういうことであったわけでございますが、参りました時期があらしの吹きすさぶワシントン、こういうことになるわけでございまして、破格にも、トップしか会わない、また外務大臣しか会わない大統領が、通産大臣が来ておるのではぜひ時間を取ったので会いたいということでお会いをいたしました。以下、スコウクロフト補佐官、安全保障担当であります。ベーカー国務長官、ブレイディ財務長官、そして通産大臣のカウンターパートでありますヒルズ代表、モスパッカー商務長官、ワトキンズエネルギー省長官、この辺とお会いをいたしたわけでございますが、一貫して米政府の代表が懸念を表明いたしましたのは、日本国との同盟関係は不変であり一番大事な関係である、この前提は変わらず。さはさりながら、今日の経済摩擦は寒心にたえない、こういうことであります。 FSXにおきまして日本政府のとられました英断に対しては深く敬意を表する、引き続きこれと同様の決断を賜りますようにと、こういうことであります。さすがブッシュ大統領はトップでございますから個別の話はいたしませんでした。以下、今申し上げました方々は全部その前置詞という形で、自動車、通信関係、それとスーパーコンピューター、それと半導体という形で何とかこれのチャンスの公平を、あるいはアンフェアと言われる分野がありますのでこれの問題を、通産大臣でありますから言えば何でも通ずるだろうと、こういうことであったのかなと思っております。 これに対して私は、我が国は自由貿易国家、そして輸入大国を任じて内需拡大を基本方針として全力を挙げておるところである、よって個別的な問題についてはそれぞれ高級事務レベルで詰めて行うことがよろしいのではないか、閣僚同士は基本的な枠組みについて話し合うということでございません、個別問題で深い谷に落ち込んでしまうのではせっかくの両国関係が心配である。このように申し上げたのであります。大方賛成を得たのでありますが、しかしシンボリックイシューとしてこの三つをひとつお願いしたい、こういうことであります。 テレコムだけ申し上げておきますと、これは郵政省大変な努力の中で、また外務省大変な努力の中でMOSS協議の中できちっと協定が結ばれた、合意をいたしたものでありますけれども、新たな提案としてシンボリックイシューとしてこれが出されておるというところに日米貿易のいら立ちがあります。言うなれば、当年度でありますけれども、黒字が減るという計画がふえる結果になるということを踏まえてのいら立ちかというふうに思うわけであります。 そんな点で、幾ら友人でも勝ちっ放しでありますとこれはよろしくありません。その辺のところはやはり対人間と対国家も同じかなという感触を持ちました。そういう点で、しかしながらこれはそれぞれのパートパートにおいて煮詰められる問題であるわけでございますけれども、大事な米国との関係でありますから、この関係は大事にしつつ、理解を求め協調していくということではなかろうか、こんなふうに感じた次第であります。 カナダは大変関係が一番いい。向こうの方は若干黒字でありますものですから問題はございません。
○田沢智治君 そこで片岡郵政大臣、電気通信分野は郵政省が担当しておりますし、大変事務次官がお骨折りをしてMOSS合意に基づき対応してこられたというふうに私は理解しておるんですが、今回の厳しい制裁措置を含む米国の要求をどう受けとめられて、どのような対応策を考えておられるのか。日本の国内においてもかなり関心が高いと私思うのでございますので、大臣からそのような内容についてお伺いをさせていただきたいと存じます。 〔理事遠藤要君退席、委員長着席〕
○国務大臣(片岡清一君) ただいま三塚通産大臣からこれらの、私の方の関係も含めて御報告がございましたように、ただいま田沢委員からお話しのように、やはり私の方の関係がかなり大きな問題になっております。 今、三塚大臣からお話がありました三つのシンボリックな問題という中の一つになっておりまして、これらの問題について非常に問題があるということを伺いましたので、ゴールデンウイーク前に私のかわりに私の方の事務次官を派遣いたしまして、今までMOSS合意について日本側は非常に誠実に守ってきた、そのことをよくお話ししまして、そして何とか違反行為があるという認定に至らないように努力してまいったのでございますが、残念ながら五月四日にMOSS合意の違反があるというような指摘を受けて、非常に心外に思っておる次第でございます。 ところが、この指摘につきましても、どういう点が問題なのかはっきり向こうが申さないのでございますが、我々がいろいろ事情を聞いてみますと、昭和六十一年にMOSS合意を最初に結んだわけですが、その中の大きな問題として一つの分野として電気通信があったわけです。その中で自動車電話の問題がございまして、その自動車電話の問題で、アメリカ側にモトローラという自動車電話の機器をつくっておる大きな会社がございます。この会社の主張でいろいろ努力をいたしまして、そのとき安倍外務大臣、それからシュルツ国務長官、この間でいろいろお話が交わされまして、それが一月でございますが、結局その後四月において、お互いに技術的なものを相談しながら、一応自動車電話のうち東京と名古屋圏についてはこれはNTTの方式でやろう、そして関西方面についてはモトローラという会社の方式を使うということで話が決まりまして、その後さらに向こうの要望もございましたので、東北地方‘さらに北海道地方も加えまして向こうの進出の状況に便宜を与えるようなことを講じてまいったのでございます。そして非常に円満に進んでおったところが、今回突如としてそういうMOSS合意違反であるという認定を受けて、非常に当惑をいたしたわけでございます。 そこで、今、モトローラが結局東京、名古屋についても進出したいという意見のようでございますが、これを認めるということになりますと電波の周波数を割り当てなければならぬわけですが、それがもう既に満杯で、ないのであります。そういうことで、その事情についても私の方の次官が向こうへ行きまして十分話をしてまいったのですが、いまだにどうもいい状況にないことを非常に残念に思っております。 これからも通産省それから外務省、いろいろ十分御意見を承りまして、そしてお互いに何とかうまくこの問題が解決つくように最善の努力を郵政省としては尽くしていきたい、かように思っておる次第でございます。
○田沢智治君 しっかりひとつやってください。お願いいたします。 羽田農林水産大臣も渡米されたと承っております。特にヒルズ代表との会見の中で日米間の農業貿易の最大の課題である米の市場開放問題を含めてお話しされたと伺っておりますので、お聞きをいたしたいと存じます。
○国務大臣(羽田孜君) 実はこのたびの私の訪米は、ヤイター農務長官が長官につかれたということでございまして、かねてから話し合いをしてきた仲であるということで、互いに余り大きな問題がないときにいろいろと広く農政問題を話し合いたいということで、主は実はヤイターさんであったわけであります。 ただ、御母堂様に不幸があったということで、ちょうど私どもが着いたときに亡くなられたということでございました。そんなことで後日時間をとり合ったわけですけれども、その間にヒルズUSTR代表ともお話をいたしました。この点につきまして、これも、ここの段階もお互いがやっぱり知り合っておくことが重要である、そしてこのところ牛肉・かんきつですとかあるいは十二品目の問題ですとか、懸案の問題は一応クリアされておるということであり、日米間の農業関係というのは非常にうまくいっておるということが基本で、それと同時に、先ほどもちょっとお話ししましたように、ウルグアイ・ラウンドに対して我が国として、大輸入国である我が国、大輸出国であるアメリカ、これがやはり補完的な一つの立場にもあるだろうということ、そしてお互いにそれぞれの歴史とか背景というものは自然的な背景が違う、こういうものも配慮しながらウルグアイ・ラウンドというものを進めていこうという実はお話し合いをいたしたところであります。 その中で、米につきましては、従来から御答弁申し上げておりますように、今度のガットが、これから進む中にありまして、各国の困難な問題、例えばアメリカですと十四品目等にかかわりますウエーバーの問題あるいはECの農業共通政策、こういった問題を全部議論する、そのときに日本の米についても貿易について議論をしてほしいというようなことがあったときに、我が方としてはこれは拒否するものではありません、我が方は我が方の立場を述べましょうということで実は話し合いをしてまいったということであります。 そして、これから我が方といたしましては、先ほど他の委員に申し上げましたように、日本の自給率というのは、一億二千万も抱える日本の国で三〇%の穀物の自給率、しかしこれは飼料穀物なんかが入っての三〇%であるからまだ国民も安心していられますけれども、これが米の市場の開放まで行われて非常に自給率が下がっておるとなったら、それこそ世界じゅうの天気をみんなが毎日毎日気にしながら生活しなきゃならぬということでありまして、単に生産者が困るというだけではなくて消費者も食糧に不安を持たなければならないということ。こういう事情なんかについてもその背景をよく細かく御説明を申し上げ、そしていずれにしてもこれはウルグアイ・ラウンドの場で議論すべきであろうということであります。 以上であります。
○田沢智治君 今、羽田農林水産大臣のお話を承りましたが、日本は二千数百年にわたって農耕民族の基礎の中で今日の立派なる技術をもつくってきた。ですから、米を守るというのは日本の基本的な物の考え方であって、何人といえどもこれを理解してもらわなければいかぬと思うんです。そういう意味では、昨今、農協青年部が農業政策の将来性に大変不安を感ずるということで大きな関心を持ってきているということは、私は大変ありがたいことだと思うんです。 日本という国の実態から見たときに、日本の農業を守ることは、国際社会の中で日本の農業を理解してもらわなければ本当に守ったことにならない。ちょうど明治維新の実態から見れば、勝海舟という者は政敵なんだといって坂本竜馬がこれを切りに行ったわけです。しかし、彼は勝海舟という者に接して、すばらしい男だ、この男を抜いてあすの日本はないといって彼に帰順したわけです。私は、羽田農水大臣はまだ若いんだから、青年部の幹部を連れて世界を回って、日本の農業を国際的次元で理解をしてもらえるような努力をともにして汗を流したとすれば、彼らにもあすいかに生きるべきか、どうすれば我々の考えがわかってもらえるのか、我々がどう対応したらなおいいのかということがわかってくれると思うんです。 そういうことが本当の政治をする根幹であると、私はこう確信するんですが、総理、いかがですか。そういう姿勢の中でこういう問題に対応していく日本の内閣にならないといけないので、自民党の政権というものは権力の政権じゃない、民衆のための政権であるということを位置づけるには、そういう姿勢で努力していくということに私はなるのじゃないだろうかと思うんですが、総理のお考えと農水大臣のお考えを聞きたいと思うんです。
○国務大臣(羽田孜君) 大変御示唆に富んだお話をちょうだいしましたことにまずお礼を申し上げたいと思います。 今、青年部の人たちを含めまして農業批判があるということ、私ども実は身につまされておるところであります。先ほどもお話し申し上げましたように、交渉というものは本当に一つずつ全部さらけ出しながら申し上げることができればよろしいんですけれども、残念ですけれどもそういったことができなかった。そういう中に本当の理解というのはなかったと思います。しかし、私自身も実は政府の交渉についていきましたり、あるいは東京でもすぐそこにいながらずっと見守っておりましたけれども、これは本当に夜を徹しながら我が国の農業というものを訴え、ただし国際的なやっぱりルールの中で私たちはやっていかなければならないということで、今度の結果はぎりぎりの選択であったということであります。 ですから、そういったことをこれからも農業関係者の皆様方にも理解をしていただく、これをまず私たちはやっていきたいと思う。それと、今御指摘があったように、やはり国というのは少なくも国民の食べる食糧というものを安定して確保しなければならない。特に日本のように一億二千万人もある国、この国が食糧に常に不安であったということでは相ならぬというふうに思っております。 私は、ちょっと調べてみたんですけれども、例えば今、日本は三〇%の穀物自給率ということを申し上げました。一億二千二百万であります。その次の国というのは一千四百五十万のオランダであり、あとはイラク、サウジアラビアというふうに実は砂漠の国ということであります。もちろん飼料穀物という、また食生活ががらりと変わったという点はありますけれども、しかしこれが今の日本の現状であるということです。そして、そういう中で本当に足腰の強いものもつくっていかなければいけないということでありますから、今の御指摘があったことは本当にありがたいことでありまして、今、農協の幹部の方々あるいは地方の幹部の方はどんどん世界の農業を見るために視察に出かけていただいております。 これからの日本の食糧あるいは地方を背負っていく農業指導者たちが世界を回るということは非常に重要なことでありますから、私どももその組織の皆さん方とも話し合いながら、それを具体化するためにまた考えてまいりたいと思っておりますので、ぜひこれからもお教えをくださいますことをお願いして答弁といたします。
○国務大臣(竹下登君) ただいま農水大臣からお答えをしたとおりであります。 まず、国際国家としての位置づけの今日、ルールの上に立ってお互いの交渉事は相手にいかに理解を求めていくか、こういうことであろうと思います。ただ演説をするだけで交渉事が解決するものではもとよりございません。そこへもってきて、今おっしゃいましたいわゆる農家の後継者の皆さん等がそれこそ実態を知るために外国へ出かけていくことも一つの方途ではなかろうか、こういう御意見でございます。 確かに、私が国会へ出ました昭和三十三年は外国旅行者の数が四万八千人でございました。今七百万を超え、間もなく千万という目標にしておりますが、ヨーロッパの諸君にこの間その話をしましたら、あなたのところ少ないねと。それはそのとおりです。陸続きでございますから、隣へ行くのはいとも簡単ですから、国民の大体三分の一は海外旅行をしておる、こういうお話でございました。何分オーバーシーという、海を越えるという状況はございますけれども、そういうことにおいて外から見た我が国の立場、外から見た我が国のあるべき農政、こういうことに対して理解が深まっていくということは大切なことであろうと思います。そしてまた、昭和三十三年と申しますのは保守合同後初めての総選挙でございました。そのときに、十年後には恐らく野党になるだろう、そのときいかに復原力を持つかが君たち若い者の努力だということを先輩から言われました。それに何の抵抗も感じていませんでした。結果的に、今日長い間与党としての立場にありました。そして、それはやっぱり国民のための政治ということを先輩諸賢が行ってこられた結果だと思います。 今、政治不信というものが長期政権の中にこれがまた出てきたり、大きな要素として考えますときに、本当に解党的な出直しというようなつもりで政治改革にも一層力を注がなければならぬ、このように考えます。
○田沢智治君 たびたび総理、申しわけございませんでした。 私は、今回の経済摩擦問題で各大臣が精力的に日米貿易摩擦に当たられるということも大事じゃないかとも存じますけれども、現実に、アメリカだけでも貿易問題の中から半導体とか機械工作機器、知的所有権の問題、米の問題、FSX問題までに及ぶ広範多岐にわたる問題が山積しております。そして、アメリカだけの例をとってみると、ヒルズ通商代表という統一した窓口を持ってすべてのそういう問題に対応していく。日本は各省庁が、ばらばらという表現は私は使いたくはございませんけれども、縦割り的な折衝の仕方をしておる。また、EC諸国からもこういう問題が当然出てきますし、東南アジアからも出てくるというような経済摩擦そのものは、今や国際的な次元ではもう回避できないのが日本の姿であろうと、こういうことを考えたとき、ちょうど昭和五十三年に福田内閣が牛場大臣を対外経済担当相として任命して、この人が窓口になってそういうような問題を整理整とんして、経済摩擦の解消と国際社会の中の日本の地位の回復に努力した。これは成功した例でございます。 そういうことを考えてみると、将来の内閣にこういうような構想も必要ではないだろうかと、こう思うのでございますが、総理の所見が例えればと、こう存じます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに縦割り機構という問題はございます。 一例を挙げますと、かつて日米航空問題のときに、私は大蔵大臣でございましたが、私に対して当時レーガン大統領、ブッシュ副大統領から要請がありまして、帰ってみましたら安倍外務大臣、三塚運輸大臣、後藤田官房長官が待っていらして、その問題を共同して解決に当たったことがございます。したがって、我が国の機構の中でも十分お互いが総合的判断の中に立ってやれば、このことは私は可能であるということを自分なりに経験の中から感じたわけでございますけれども、牛場さんのあのとき果たされた役割というのはまだ記憶に新しいところであります。したがって、それらの考え方というものは貴重な意見として私どもは承るべきものだと、このように考えております。
○田沢智治君 次に、リクルート問題への国民の大きな批判もございます。当然政治改革をも断行しなければならないという決意を与党・自民党も持っております。この問題について触れたいと思うのでございます。 民主政治の基本は、やはり主権者である国民から選ばれた国会議員が、国家、国民の平和と繁栄を図るために心血を注いで政治を行うところにその使命の全うができるものであると私は確信しておるんです。真の民主政治は、平和国家の健全な発展、国民福祉増進を図ることであり、それゆえ民主政治の基本には、国民から選ばれた政治家により高い倫理観が求められ、正義なくして正道なしとする基本的な哲学を持たなければならないと思っております。 その意味において、今回のリクルート事件は戦後の政治疑獄の中でも政官財三つどもえの様相を呈するという意味では悪質な事件であると認識せざるを得ないのであります。もとより、官界、経済界等においても、政治家が深く反省するとともに、お互いに反省し合いまして、二度と再びこのような不祥事を起こさないために必要な措置を講じていかざるを得ない、そうすべきである。そのことが国民におわびするゆえんではないかと私は思っておるのでございますが、総理の所見をまず伺いたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) その考え方は全くひとしくいたしております。やはり政治倫理綱領、本当に読んでみればみるほどこれは立派なことが書いてあります。したがって、みずからをそれに照らした場合に、少なくとも私は政治倫理綱領にもとる点が多々あるなといつも自戒しております。むしろ、質問をなさる方は全部立派だと、こういう考え方で対応すべきものだと思います。体制側はそういう精神でないといかぬといつも思っておるわけでございますが、それこそ正義なくして正道なしとおっしゃいましたが、そのような考え方でもとより私ども、そしてお互い国会議員という地位にある者は政治倫理綱領を絶えず拳々服膺していくべきものである、そのための自浄能力を付与するためのいろんな法律的な問題の整備も必要であろうというふうに考えております。
○田沢智治君 総理の真摯な姿勢に対して、国民も理解を漸次していただけるものと私は思うのでございますが、私はこのような不祥事をなくすためには、やはりその真相を明らかにして国民に全容を知らせるということも大事だと思います。幸いにして現在、検察庁が総力を挙げて捜査し、NTTルート、労働省ルート、文部省ルートを解明され、政界ルートにも着手していると聞くが、法務大臣、そのとおりであるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(高辻正己君) 東京地検は、大体御存じのことと思いますが、現在、これまでに起訴した事実以外の事実につきまして、鋭意捜査を継続しているところでございます。できる限り速やかにかつ厳正に捜査を遂げるため、終局の努力を傾注しているところでございますが、その捜査の対象とされている者がどのような立場の者であるか、現在においてどのような立場の者であるかは、せっかくのお尋ねでございますが、申し上げられません。この点は御了承を賜りたく存じます。
○田沢智治君 ただいま法務大臣より、捜査が進行中であるから何とも言えぬというお話でございますが、国民の多くはいつごろまでにその全容が究明され内容が明らかになるかと大変期待していると思うんです。今後の見通し等について、法務省より見解を例えればと思うんですが、刑事局長より例えればと存じます。
○政府委員(根來泰周君) ただいま大臣が御答弁いたしましたように、昨年来リクルートコスモス社の未公開株式をめぐる諸問題につきまして検察庁がいろいろ検討した結果、ことしの二月十三日にリクルート社あるいはNTT関係者について強制捜査を行って、順次事案の解明に当たってきたところでございます。そして、四月十八日に前文部次官であります高石氏を起訴しまして今日に至っているわけでございますが、なお残された問題があるわけでございます。その残された問題について、先ほど大臣が答弁いたしましたように、連休も返上いたしまして努力を傾注しているわけでございますが、何分捜査というのは水ものといいますか、流動的なところがございます。 したがいまして、いつ幾日ごろに終わるということは確定的に申し上げることはなかなか困難でございます。しかしながら、大臣が申し上げましたように、できるだけ速やかにかつ厳正な結果を得るように努力を傾注しておりますので、もうしばらく時間をかしていただきたい、日時を要するものではないかというふうに考えております。
○田沢智治君 私は、民主政治を擁護する自由民主党所属の政治家といたしまして、政治倫理の確立と政治改革を実行してこそ、国民に対するおわびのあかしにしなければならないと思っております。 神仏は、精進せずうまいことをしようとする者を御照覧されて、その実態をこの世に示し、人間らしく生きる道を厳しく戒めてくれるということを、今度の実態を見て痛感しているものであります。その意味において、私は私なりに新聞等を整理して、今回のリクルート事件の主要献金等を調べてみますと、リクルートコスモス社非公開株の還流が七十六万株、政界、官界、財界八十三人に譲渡されている。うち政治家は、自民党が十三人、社会党一名、公明党一名、民社党二名の計十七人である。この株譲渡益は約四億八千万円強と言われております。また、リクルートによる政治献金、パーティー収入、顧問料、講演等々の実態を見ますと、四十人に上っておる。その金額は三億三千万円強。合計八億が関係国会議員及びその周辺に配られているということが言われております。 以上は政治家個人に対する献金等でありますが、これ以外にもリクルート関係会社から既存政党に対する献金状況はどうなっているか、自治省及び検察庁の方から、もしわかれば御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(浅野大三郎君) 昭和六十年分から六十二年分まで三年分につきまして、自治大臣に提出されております各政党の収支報告書につきまして、その寄附の内訳の中にリクルートあるいはリクルートコスモス、こういうのがあるかどうか調べましたけれども、一切ございません。
○田沢智治君 ただいまの報告を聞きますと、政権政党自民党がリクルートから直接政治献金を受けていないということは、私たち自民党を愛する者にとって救いであると私は思っておるのです。 リクルートが政治家を金で牛耳ろうとした意図は那辺にあるかは存ぜぬが、善意の配慮として受けた政治家にとっては、これによる政治的な制裁、被害ははかり知れないものがあると思います。株の譲渡や政治献金の内容、形態は千差万別であるほか、職務権限の有無の問題など複雑な様相を呈しており、それゆえ再発防止のために我々はきちんとした対応、その教訓を生かしてその内容を整理して、単なる経済行為や政治献金だったのか、それとも何らかの職務権限に関係した違法性のあったものなのか、株購入資金や譲渡の経緯について政治家本人が何らかの方法で釈明し、その責任を明らかにしてけじめをつけその責任をとるということは、国民に理解を求める一つの方法ではないだろうかと私は思っておるのですが、総理の所見があれば伺いたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 今、御意見にございました、政治家がそのかかわりを国会の場において釈明して責任を明らかにすべきではないかと、こういうお尋ねでございます。これは御意見は御意見として私は十分承るべきものであるというふうに考えます。やっぱり私自身、この問題をめぐる政治上ないし道義上のけじめというものは、自浄能力の問題を含めまして、結果的には一人一人の政治家がみずからの判断においてやるべきことであろうというふうに思います。 今、千差万別とおっしゃいましたが、確かにその中身、内容については千差万別だろうと思います。したがって、最終的には一人一人の判断にゆだねるべきものでございますが、こうしたいわば疑惑が一般的に論評されないような、その前の政治改革というものでその根を断ち切るのが本当ではなかろうかと、このように考えます。
○田沢智治君 そこで一つの提案でございますが、株売却益について社会還元を具体的に示すことが政治家としての姿勢を正すことにも通ずるのではないだろうかと、総理はそういうような考えも一つの考えだなということをお話しされていると承っておりますので、その辺のところを総理はどうお考えになっておられるか、お聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 先月末ちょうだいいたしました、先ほども申しました有識者懇談会の提言にもその種の提言がございます。 いかにしても公開直前の、結果的には値上がり確実な、値上がり確実を期待される株の譲渡を受け売却をしておるということでございますので、それはそれぞれ個人によってケースは違うにいたしましても、今おっしゃったような方向で対応をしてはいかがかということを私は話しておるというのが現状でございます。
○田沢智治君 申すまでもなく政治家の使命は、きょうよりあす、世界の平和と国民福祉の増進に励むということでありますし、その精神的支柱は、力こそ正義にあらず、誠実をたっとび、道義を重んじ、社会正義を貫くことにあると私は思います。その理念に立脚して、リクルート問題を教訓として国民に信頼される議会制民主主義を確立することが一つの作業として大切な時期に来ている。そのために、昭和六十年に衆参両院みずからが決定した政治倫理綱領を踏まえた政治倫理法の実行を徹底させ、健全な議会制民主主義の確立に向かって政治改革を推進しなければならないと思います。 その意味で、去る四月二十七日、総理の諮問機関である政治改革に関する有識者会議から、緊急に講ずべき措置として閣僚等の資産の公開の改善強化ほか六項目にわたって緊急提言があり、中長期的に改革すべき事項九項目の提言があったと思うのでございます。総理はそれを受けましてどういうようなお考えを持たれたか、お聞かせください。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいましたように、資金公開等を含めての七項目の緊急に講ずべき措置、それから中長期的に改革すべき事項、これが九項目と、こういうことで御提言をいただいておるわけであります。 私といたしましては、私の在任中にできることについては改革していくことはもちろんですが、法律改正を伴うもの等については自民党主党において検討をお願いするとともに、次期総理にも熱意を持って抜本的政治改革に取り組んでいただくよう強くお願いしたいと考えておりますという趣旨のこれについて発言を申し上げて、その提言をちょうだいいたしたわけでございます。したがいまして、この提言に対しましては確かに短期、中期あるいは長期と、こういうふうな区分けができるかとも思います。したがって、これにつきましては今、行政の責任で直ちにできるもの、そして法改正等々を分けまして、精いっぱい努力し、また次の総理大臣の方にこれを引き継ぐべきであると、このように考えております。
○田沢智治君 ただいまの決意を承りまして、大変力強く思うのでございます。速やかに各政党間で協議すべきものは協議していただいて、今国会を延長しても法改正が必要なものであれば必要な措置を講じ、国民の信頼にこたえていくというようなことが大事であると私は思います。 総理、もし野党側の協力が得られない面があるとするならば、与党・自民党だけでもその実行を公約して、来るべき参議院選挙に臨むべきであると思うのでございますが、総理の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この提言は、政党内閣でございますので、私が自由民主党の幹事長並びに政治改革委員会の後藤田会長に対して、これをもとに改革してほしいと申し上げました。そして、この点については与野党の協議も行われるでありましょう。もしということなしに、私は与野党の協議は濃密に行われていくであろうという期待と確信と両方を持っております。
○田沢智治君 そうあってほしいと私も願っております。ぜひそういう意味で与野党相協力して、政治改革は国民の願いでありますので、願いを実現しない政治家は政治家として資格はないと、私はそう思いますので、大いにその実益を上げてもらうよう努力をしていただきたいと存じます。 国民にとって、政治資金をどのようにわかりやすく国民に示していくかと、こういう問題があるわけでございますが、現在、収支報告書の記載義務のある寄附の額を現行の百万円を下げるとともに、支出の透明度を高め政治資金の出入りをもう少し明らかにして国民にわかりやすくしたらどうだろうかという意見もございますが、自治省、こういうような問題についてどうお考えになられるか、お聞かせください。
○国務大臣(坂野重信君) 田沢委員御指摘のとおりに、政治資金規正法というものは、そもそも政治資金そのものをガラス張りにしようというのが本来の目的でございますから、今おっしゃいましたような、例えば百万円以下をどうするとか、この枠というものを検討し直すというようなことも政治資金の透明度を高めるという意味からいって一つの改善策と思いますので、これは検討に値すると思う次第でございます。 ただ、御案内のとおりに、政治資金規正法はただ締めるだけではぐあいが悪いわけでございますので、出と入りと両面から十分な検討をやはり加える必要があると思う次第でございます。
○田沢智治君 選挙を初めとして政治家という立場を維持するには異常にお金がかかり過ぎる、このため多額の資金集めをしなければならないのが現実のようでございます。これは与野党を通じた共通の悩みでもありましょうと私は思います。 先刻、マスコミでも報道されたように、自民党の議員のうち、一年間で秘書、事務所経費や連絡、通信、交通費などを合わせて平均一億円以上かかると言われている人もおりました。いずれにせよ、人件費を含む日常の政治活動にかかわる経費は、与野党を問わず議員一人当たり三千万から四千万ぐらいは必要とされるのであろうと私は思います。特に自民党議員においては、中選挙区の関係で同僚議員との競合があり、それ以上かかるのが実情であろうと存じます。このような多額の資金が必要となることが政治家と一般国民との意識のずれを生む根本原因であり、企業や各種団体から資金協力を仰がざるを得ない理由でもありましょう。 そこで、西ドイツや米国で行われているような選挙活動などへ支出している国庫補助について、その実態を自治省から説明があれば承りたいと存じます。
○政府委員(浅野大三郎君) 米国におきましては、大統領の選挙運動費用について大統領選挙運動基金による公的な補助の制度がございます。これは納税者が納税をされるとき指定をいたしまして、一ドルをその基金に払い込んで積み立てるというものでございます。 それから、西ドイツは政党の選挙運動費用について補助制度がございます。これは、総額は有権者総数に五マルクを乗じて出しております。例えば一九八七年の有権者数でこれを計算いたしますと百八十一億円ぐちいになるわけでございますが、これを総額といたしまして一定の要件を満たす政党、例えば全国的に〇・五%以上得票があるとかその他がございますけれども、そういう要件を満たす政党に対して補助をいたしておるということでございます。
○田沢智治君 総理、我が国においても、議会制民主主義を発展させるために必要な国庫補助について国民の理解を求め検討する必要性が私はあると思うんです。そのかわり不正なる政治献金は一切受けない、企業や各種団体からも極力そういうものは受けないというような一つの枠組みを決めながら、堅実でガラス張りで、しかも内容ある安定した政治活動ができるような仕組みを検討すべきだろうと思うのでございますが、総理の所見があれば承りたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 私も、この提言にもちょうだいいたしたわけでございますが、政治活動には多額の金がかかる面と、一つはかける面がありはしないかということであります。私は、やっぱり国民すべてが性善説であって、我々が性悪の立場に立ってみずからをむち打つべきだという議論を吹っかけてみましたが、——吹っかけたじゃございません、そういう議論をいたしてみましたが、やはり我が国のあしき慣行があることも否定できないというような有識者会議の提言を結果としてはしていただくようになりました。なるほどなというふうにも思うわけでございます。したがって、そうした面における選挙活動そのものに対する公費負担の問題と、今度は政治活動に対する公費負担の問題と二つに分かれてくるのではないかというふうに思います。 選挙活動に対する公費負担というのは、今もポスターの掲示場の設置を初めといたしましてずっとあります。そして今度は、政治活動に対する公費負担というのも、これも交通、通信費でありますとか、あるいは二名の秘書の給与でありますとか、そういうものがございますが、元来、政党というものは、やはり公権力がそこに介入することだけは避けなきゃならない問題だと。したがって、私は、そういう公権力の介入がなくて、それが政党の自由な判断で使われていき、しかもそれによって個々の政治活動が活発化される背景となるという考え方で公費受け入れの政党法というような問題についてもやはり検討をすべきではなかろうか。これは短期とおっしゃっても、すぐ君どう考えているかと言われても、こういうものですとは言えませんが、私自身も今までに随分勉強してまいりましたけれども、そういうものを真剣にお互いが考えるべきときではないかという考え方でございます。
○田沢智治君 ぜひ、そういう問題も含めて政治倫理の確立を実効あらしめ、実益を上げるという意味におきましては環境整備が必要ではないかと私も思いますので、継続的な次元の中で大いに研究をしていただきたいと存じます。 次に、消費税関係について二、三お伺い申し上げます。 去る四月一日より消費税が実施され、一カ月以上の経過を経て特に大きな混乱がないようでありますが、私もこの連休にデパートや地元商店街に買い物に行きながらその実感を味わいました。確かにテレビを初めとする家電製品やウィスキー類、宝石類などは値下がりしていますが、日常生活必需品等を買うごとに、なれないせいもあって、消費税が魚を買うについても、あるいはお菓子を買うについても、おはし一本を買うについても、ネクタイを買うについても全部かかるというような意味では違和感を持ったことは事実であります。しかし、消費税を導入した目的は、給与所得者層の大幅減税を実行し重税感をなくしたり、戦前、戦中、戦後にわたって青春時代を戦争で失い、敗戦時の言語に絶する鞍難辛苦によく耐えて今日、経済大国日本を築いてこられた方々が現在高齢者になっております。こういう人たちを初め、自後高齢化を迎えるすべての国民に、一生涯を通じて憲法の規定にある文化的な生活を保障するために、長期的に安定した財源の確保が必要となり消費税の導入を行ったと、今までの説明の中で私はそう理解し、国民にもそう理解していただかなければならないんじゃないだろうかと、こう思うのでございますが、総理、大蔵大臣、そケいう考えでいいんですか、お聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(村山達雄君) 今、委員がおっしゃいましたそういう点も大事な点でございます。いずれにいたしましてももう四十年たっわけでございまして、その間、産業構造、就業構造は変化いたしております。また、所得水準も非常に均質化し、また向上しておるところでございます。また、消費についての価値観が非常に変わってきておる。しかし、改正前の現行法を見ますと、余りにも所得課税に偏しておる。それで、将来を展望しますと、所得者の数が相対的に少なくなって、そして高齢者を初めそれ以外の人がたくさん出るということでございますので、どうしてもその所得者の中でも特にガラス張りになっておる勤労者に負担が非常にかかっておる、このことはどうしても直さないと不公平感が直らないと。かたがた、日本の消費税は個別消費税でございまして、価値観からいって合わない。しかも、消費の過半数はもうサービスになっておる。こういうことを考えましたときに、我々が今考えておるような税制改正は絶対に必要である、こういうことを考えてやらしていただいたのでございます。 言いかえますならば、広く薄く、所得者だけに課税するのでなくて、やはりもっと広い角度で今度のような広く薄くやった消費税を補完税として入れてくるということは大変な意味があるであろう。また、法人税にしましても、十年前は恐らく世界で実効税率が一番安かったのが、いつの間にかもう最大の負担になっておる。これも考えにゃいかぬ。また、資産課税につきましても、資産所得に対する課税、あるいは資産の移転に関する課税、あるいは資産の保有に関する課税、こういったものを総合いたしまして、所得、消費、資産に関する安定的なバランスのとれた税制に直さなくちゃならぬ、こういうことであるわけでございます。 消費税は、実はその一つの中核をなすわけでございますので、確かに面倒くさい、こういう感じがあると思いますけれども、やはりこれはそれなりの意味を持っております。そして、それぞれの階層に対しまして、それぞれネット減税になっておるはずでございますし、また住民税を納めないような人たちにつきましては、それぞれの歳出措置を講じまして、それぞれ手当てをしているところでございますので、何とかひとつ御理解いただいてこの税制が定着し、それで将来、本当によかったと、こういう日本の税制になることを期待しているところでございます。
○国務大臣(竹下登君) たしか十八世紀の税制学者でございましたか、カナールという人が、新税はいつの時代にでも悪税である、されどそれが国民生活に溶け込むことによって良税と化すと。これは私は税制の基本的論理ではないかというふうに思っております。 しかも、今、消費税として国庫へ入りますのは外国から来る通関のものだけで、これから国庫へ入るのは九月から始まうていくと。そこで、今の場合、それを負担される消費者の方にとってはまさに新税でございます。これが国民の習慣の中に溶け込むことによって、私は源泉徴収制度が一番広い範囲に適用され、それが完全に機能しておるのも日本人の事務能力がすぐれておるからであると思いますだけに、必ずよかったと評価していただける時代があるという確信のもとに、これからもそれこそ積極的な広報と親切な相談と適切な指導、この三つで対応しなければならないと思っております。
○田沢智治君 そこで、大蔵当局にお聞きします。 今回の税制改革によって給与所得者層別の減税額、年収三百万から一千万でもよろしゅうございますが、消費税負担額の収支の試算をわかりやすく具体的に説明をしてください。
○政府委員(尾崎護君) 標準的なサラリーマン世帯といたしまして、夫婦子二人という世帯をとりまして、有業者が一人、つまり片働きであるという前提を置きたいと思います。それから、所得税、住民税の減税額といたしまして、六十三年十二月の改正による減税額だけとりたいと思います。御承知のように、六十二年の九月にも大きな減税をしておりますが、その分は外して考えたいと存じます。それから、消費税導入による負担増は、他方で物品税等の廃止がございますので、その分を調整して織り込んだ数値を用いて御説明させていただきたいと存じます。 給与収入三百万円の場合でございますが、所得税、住民税の減税額が四万円となります。それに対しまして、消費税導入によります負担増は二万五千円でございまして、差し引き一万五千円のネット減税となります。給与収入四百万円で申しますと、所得税、住民税の減税額が六万七千円、消費税導入による負担増が三万円でございまして、ネット三万七千円の減税と相なります。五百万円では、減税額が八万五千円、消費税導入によります負担増が三万七千円でございまして、ネット四万八千円の減税。六百万円では、減税額が十一万九千円、負担増が四万一千円でございまして、ネット七万八千円の減税ということに相なります。
○田沢智治君 今のお話を承りますと、かなりの減税効果が出ている。これは悪税じゃないんだということを大蔵省は言いたいのではないだろうかと思います。 次に、逆進性についていろいろ総理も配慮をしなけりゃならぬということで御心配を当初からされておったのでございますが、現在、今度の予算を含めて、生活保護者世帯や年金生活者、所得の低い層への救済措置はどういうようになっているか、わかりやすくこれまた説明してください。
○政府委員(小粥正巳君) 今回の税制改革によりまして、ただいま主税局長から御答弁申し上げましたように、一般的には大幅な減税超過ではございます。しかし、今お尋ねのように必ずしも直接税の減税の恩典を受けない方々、いわば真に手を差し伸べるべき人々に対する施策につきましては、簡単に御説明さしていただきますと、まず先般の六十三年度補正予算におきまして、老齢福祉年金、特別障害者手当等の受給者など、いわば真に手を差し伸べるべき方々に対しまして、消費税導入等の影響の激変緩和等を目的とじまして臨時福祉給付金、これはお一人一万円というレベルでございますが、臨時の給付金を支給する等の措置を講じたところでございます。 また、現在御審議をいただいております元年度予算におきましては、生活保護に係る生活扶助基準につきまして、消費税導入等の生活動向を勘案しながら適切な引き上げ、具体的に申しますと、標準三人世帯でございますが、四・二%アップを行っております。このほか、老人や障害者の方々に対しまして、在宅福祉施策の大幅な拡充を図るなど、真に必要な施策についていろいろと配慮を行っておるところでございます。 それからなお、公的年金でございますけれども、まず本年四月から特例の物価スライド〇・七%アップでございますが、これを行っております。また、十月から財政再計算に伴います年金額の実質的なかなりの給付改善を行うこととしております。 さらにつけ加えますと、消費税導入等によります今年度、元年度の予想されます物価上昇分につきましては、この物価上昇の実績が出ますと、来年度予算におきまして物価スライドによる給付改善に反映されることになるわけでございます。 概略を御説明申し上げました。
○田沢智治君 ただいまの大蔵省のお話を承りますと、逆進性についてはかなり配慮をしながら今後もこれは続けていってもらえると思うのでございますが、そういう意味では税制のバランスというものを大変配慮されているのではないだろうか。国民はテレビを通してよくお聞きいただいておると思いますので、どうかその辺のところも深く理解をいただきながら、いかぬものはいかぬということは結構だと私は思っております。 ただいまの説明を聞くと、今回は減税を先行させ、また家計費の増減税収支は減税超過となる見込みであると理解いたしました。 また、従来の税制のひずみを是正し、公正簡素な税体制を確立して、現行の給与所得者層の重税感を除去し、大幅減税をなす財源、それとやがて来る二十一世紀へ、高齢化社会に備えて、安定性のある財源確保のために、いわば福祉保障前払い的な税制であると私は勝手に認識するのでございますが、そういうようなニュアンスでとらえた方がよりわかりやすいんじゃないだろうかと私は思うのでございますが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) たしか昭和五十四年の十二月、本院で決議をちょうだいいたしましたその文言そのものを記憶してみましても、国民福祉の向上のために安定した財源が必要であるというのが大前提になっておりました。税制を構築していくためにそれが大前提になっておったということは事実でございます。 ただ、今日いわゆるこの新税は目的税ではないと、一般財源そのものでございますが、この高齢化社会を迎える現状においては、田沢委員のような御認識というものもあってしかるべきだというふうに思います。
○田沢智治君 ぜひそういうような次元で、お年寄りも安心して生活ができるんだと、そのために安定的に長期的に財政を確立するためにこういうことをやらざるを得なかったんだというように、私もそう理解をしております。 ただ、消費者側から見たときの消費税実施後の懸念の一つに、先ほど対馬委員よりお話がありましたとおり、便乗値上げやインフレにならないかと心配する。既に一部のクリーニングとか喫茶あるいは飲食業、美容など日常生活に直結している分野においても便乗値上げが行われていると報道されていますが、他を含めて便乗値上げの実態について、これは経済企画庁ですか、御説明をいただきたいと存じます。
○国務大臣(愛野興一郎君) 経済企画庁は、消費税のスタート前から消費税が消費者の皆さん方に定着をいたしますように、各都道府県の県民生活課と連携をし、そうして物価相談窓口あるいはモニター等の活動を活発に展開いたしたわけでありまして、その結果、午前中大蔵大臣が申されましたように、東京都区部の四月の消費者物価が一・四%、季節調整値を除いて一・二%と、あと対前月比ですね、経済企画庁の試算どおりになったわけであります。 そして、これは中小商品の一部に便乗値上げの懸念や、あるいはあるのではないかという消費者の不安があったわけでありまして、この日本全部がそういうあれではないわけでありまして、まさに一部であったわけであります。その結果がこういう結果にもなったわけでありますが、これが他の物品に波及しないように、そしてまた、今や自動車も国民の足でありますから、物品税を廃止された分は廃止された影響がぴしゃっといくように、今後ともこの体制を堅持しながら、公正取引委員会を初め各省庁と緊密な連携をとりながら、消費者の皆さん方のために経済企画庁は努力をしていきたいと考えておるところであります。
○田沢智治君 ぜひ、便乗値上げによって国民が困るようなことをしないように、万全を期していただきたいと存じます。 次に、日銀総裁、恐縮でございます。お忙しい中。 日本銀行は四月二十四日、四月上旬の卸売物価を消費税実施後初めて発表をされました。その内容を見ますと、国内卸売物価が三月下旬に比して一・七%上昇し、輸入物価などを加えた総合卸売物価も一・五%上昇している。しかも、いまだ消費税の実施をしていない業界がかなりあると私は聞いております。 そういうような次元で今後すべての業界が実施したとするならば、卸売物価や消費者物価への影響がどういうようになるのか。また、日本だけが生きられないのでございますので、アメリカの景気の動向とか世界の経済の動向というものによって日本も支配されると思いますが、そういうものを勘案なさられながら、今後の物価の上昇とそれからインフレ警戒の必要性も私はあるのではないかと思うのでございますので、そういうものを含めて今後の動向と見通しについてお伺いいたしたいと存じます。
○参考人(澄田智君) お答えを申し上げます。 物価の今後の動向、あるいはそれには消費税の影響ということも当然に入るわけでございますが、現在の状態から見まして、全体として物価の基調に大きな変化はないように思っております。また、消費税の導入による物価への影響という面についても、先ほども企画庁長官のお話もございましたが、整々と価格転嫁がまずはなされておって、また一方、物品税の改廃に伴い、値下げされた品目もあるわけでございまして、全体を通じてまずリーズナブルなものにとどまっている、かように感ずるわけでございます。 しかし、今後の物価ということになりますと、日本の現在の景気は極めて堅調でございます。内需中心の景気として腰の強い景気でございまして、そうしてその結果、製品需給あるいは労働需給がかなり引き締まってきている、これもまた事実でございます。 それから、従来は経済の成長と物価の安定を両立させてまいりました要素、例えば為替相場、これが円高方向であったというようなこと、また原油価格が下がっていたというようなこと、こういうことの要因が変わりつつある。現在はそういう要因がなくなってきている、こう言わざるを得ないというような状態は、何としても我々警戒を怠れないところである、こういうふうに思うわけでございます。 したがって、私どもといたしましては、足元の基調は大きな変化はないとは思っておりますが、今後の物価動向については、予断を持つことなく、いわば目を凝らして十分注意をしていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○田沢智治君 日銀総裁、結構でございます。ありがとうございました。 日本の経済というものは、今、日銀総裁がお話しされたように、しっかりした施策を講ずるならば、すばらしい発展をする可能性はあるのではないかと私は理解をさせてもらったのでございます。それゆえ、政治がしっかりした枠組みをして国民の負託にこたえていくということが肝要なる条件であるというふうにも思うのでございます。 事業者側から見た懸念事項は、まず消費税分が円滑に価格に転嫁できるのか、また納税事務負担の軽減措置が実際に機能するかどうか、こういうような点について大変心配をなさられる方々が多うございます。通産大臣、政府の機関としてこういうような問題に対してどのように対応してきているのか、ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三塚博君) これらの問題につきましては、政府機関と相連携をとりながら万全を期さなければならぬという基本方針の中でやっておるわけでございまして、特に巷間言われますように、アンケート調査など、昨今はなくなりましたんですけれども、それらを通じての転嫁という、言うなれば、弱い者いじめということが本院におきましても御指摘をいただいたところであります。 本件につきましては通産大臣名をもちまして、各企業別二万六千件と心得ておりますが、これにさようなことがあってはなりませんと、格段の御注意のほどを、こういう趣旨のメッセージを送りまして、その後また各通産局を通じ、また本省も中心となりまして、その伝達、問い合わせなどがありましたならば直ちに実態調査をし、代表者をお呼びいたしまして、かくかくしかじかであり、このことは弱い者いじめの最たるものである、こういう御注意をいたしてまいったところでございまして、ほぼただいまのところではそれが鎮静化しておるのかな。ただ、自分が言いますと、親元が、自分が、A会社が苦情を言ったのではないかというので除外をされる心配がございますので言えません、こういうことで実態調査に若干のうらみがございますけれども、なおかつ注意力を喚起いたしまして、さようなことで対応いたしておるというところであります。
○田沢智治君 なれない消費税でございますので、いろいろな意味において問題点が出てくるのではないか。そういうものに対して政府は、謙虚に国会の意見も聞き、国民の意見も聞いて、それなりに対応していくという姿勢を示すべきであると私は思うのでございます。 そこで、総理、大蔵大臣にお聞きしますが、消費税法には見直し条項がございます。この見直し条項について、その重みをどのように受けとめておられるかお聞かせをいただきたいと存じます。
○国務大臣(村山達雄君) 税革法の十七条第三項に、与野党協議の結果入ったわけでございます。これはやはり、今度の消費税の基本構造の一つといたしまして、納税者の事務負担をできるだけ排除しようというようなことから免税点あるいは簡易課税制度を設けた、それに対する一つの危惧であろうと思っているのでございます。そういう意味で、最後の事業者の方にはよく配意しているけれども、それが結局どう機能するかは値決めによって決まるんだけれども、もしその値決めのいかんによっては結果的に便乗値上げになる場合が免税者にはあるであろうし、また簡易課税者についても同じ問題が出るかもしれぬ、こういう憂慮のもとに十七条第三項が入れられたことはよく承知しているのでございます。 したがいまして、この消費税が漸次これから九月、十二月、来年の三月、それから最後は法人の三月決算の五月というので一巡するわけでございますので、ずっと途中の経過を見ながら最後にそれらのものを総合的に分析して、その結果、直すべきものは謙虚に直していく、しかしそれまではやはりずっと子細の分析を必要とするであろう、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 大蔵大臣からお答えがあったとおりでございますが、見直し規定が入ったということそのものが、あのときは各党の話し合いの中で入ったわけでございます。したがって、それは十分重いものとして受けとめなければいかぬ。 私は、税法が上がるまでは大蔵大臣でありました。したがって、今、村山大臣からもお答えがありましたように、この決算期を繰っていきますと、三月決算というのが来年あらわれてくるのが五月、こういうことでございます。その間の実態をよく見詰めるべきであるというふうに思っておりますが、まさに国会の話し合いの中で入った条項であるということは重く受けとむべきものである、このように考えます。
○田沢智治君 ただいま総理、大蔵大臣から見直し事項は重い、国民のためにこの税制改革をやったんだから、国民からいろいろな意見が出たりあるいは便乗値上げが横行したり、納めた税が国に納められないような問題もあるとするならば、一年後にその実態をつぶさに調査研究しながら見直しを考えてもいいというように私は理解いたしたのでございます。どうか、そういうような次元の中で、一つでも多く国民の意見にも耳も傾けるんだということを大いに国民に理解していただくということは大事なことであろうと私は思いますので、そういう姿勢でぜひ臨んでいただきたいと思うのでございます。 関連質疑として志村委員より御発言をお願いいたしたいと存じます。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。志村哲良君。
○志村哲良君 同僚委員の質問に関連をいたしまして若干の質疑をさしていただきます。 まず、総理にお伺いをいたします。 一九四五年、IMF・世銀が確立されました。いわゆるブレトンウッズ体制が確立されたわけであります。二年後の四七年には、これを補完する目的をもちまして国際貿易機構、ガットが発足をいたしたわけであります。これにアメリカの軍事力をあわせまして、いわゆるパックス・アメリカーナが確立したものであろうと考えております。 だがしかし、近年私は、先ほど来通産大臣、郵政大臣の御答弁にもございましたが、日米あるいは日欧諸国における貿易の摩擦あるいはこれにかかわるいら立ち等々がまことに激しく厳しいものがあります。これは、申し上げましたパックス・アメリカーナの揺れ動きに、あるいは機能不全に大きく起因をしておるものではないかと実は考えておるものであります。 このような状況の中で、総理は、一九八五年、時の大蔵大臣といたしまして、プラザ合意の取りまとめに大変な御尽力をなさったわけであります。この合意をもとにいたしまして協調介入の声明が発表されましたし、引き続き日本、アメリカ、西ドイツ通貨当局による介入が行われたわけであります。声明発表当時はたしか二百四十円何がしでありました円相場は、八七年の二月には百五十円台になりました。実は、当時、このことに関しまして、国会内外で諸々たる論議が起こったものでございます。本院の予算委員会あるいは本会議等におきましても、時には具体的な数値を挙げまして、ここまで円安のための誘導をすべきではないかというような質疑が行われたことも記憶に新しいところであります。当時の竹下大蔵大臣は、そのたびごとに、後世史家の批判にまつのみでありますと、まことに謙虚な答弁を繰り返されておりました。だがしかし、このプラザ合意の評価に関しましては、今や、後世の史家をまつまでもなく、この合意こそ人類の英知と国際協力が史上まれに見るほど見事に発動し、我が国におきましてもこれが内需を中心とした安定成長への出発点となり、さらに対外不均衡の調整をも通じまして世界経済の安定にも寄与する、まことに歴史的な評価を受けるに至っておると申すことができる現在であります。身近には円高差益の国民生活への還元問題等々もあるわけでございます。 このような経緯を踏まえ、竹下総理にはいろいろな思いもあることと存じますが、これらに関しまして総理の忌憚ない御所見をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 大変難しい問題でございますが、端的な表現でもってこれに答えよということは難しい問題でございますが、一通り、短い文章でございますから、プラザ合意の抜粋を読み上げてみます。 「大臣及び総裁」、これは日本で言えば澄田日銀総裁のことであります。 大臣及び総裁は、為替レートが対外インバランスを調整する上で役割を果たすべきであることに合意した。このためには、為替レートは基本的経済条件をこれまで以上によりよく反映しなければならない。彼らは、合意された政策行動が、ファンダメンタルズを一層改善するよう実施され強化されるべきであり、ファンダメンタルズの現状及び見通しの変化を考慮すると、主要非ドル通貨の対ドル・レートのある程度の一層の秩序ある上昇が望ましいと信じている。彼らは、そうすることが有用であるときには、これを促進するようより密接に協力する用意がある。 抜粋すればそれだけのことになろうかと思います。 これは一九八五年、昭和六十年九月二十二日でございます。別に為替問題につきましては閣僚会議があるわけでもございませんし、総理が大体相場を決めるものでもございませんし、事実私も、どれぐらい合意されたことが市場に影響を与えるかという確たる自信を持っておったわけでは率直にございません。ただ、ちょうどこの二十三日が日本は旗日で休みでありまして、その間飛行機に乗っておって、地球は回っておりますから、ほかの国の通貨の変動を見て対応するという幸いに恵まれたことは事実であります、我が国の市場といたしましては。たしか二百四十二円であったと思うのでありますが、それから急激な円高になりました。 そして大体、よく演説なさっておるのを聞いておりますと、このような円高不況時にあって政府は一体何をしておるかと、こういうことでございました。事実、原材料がすべて安くなるという計算なしの輸出産業のコスト計算もあるいはあったかもしれません。しかし、急激なこういうことにふなれでございますから、そういうことを私とかく批判しようとは思っておりません。それよりも、もう一つ前の一九七一年、昭和四十六年にいわゆる三百六十円の固定相場がなくなりましたときは、まだ国会の議論の中でも、あなたは円高円高と言うが、いつ千円になるかというような議論があったことがございますから、それから見れば随分変わってきておることも事実でございます。 したがって、やっぱり日本人の賢明さがそれに対応したから構造調整等ができてきたではないかと。当時キッシンジャー博士が、自国の通貨価値を上げたらみずから偉大なる誇りに思うべきだというような話がありましたけれども、そんな大それたことを考えたこともございませんが、今後とも適切なファンダメンタルズが市場に反映されていくことを期待し、まさにこの間、村山大蔵大臣はG7にいらしてまたいろいろ合意をされておりますが、したがって、その際、政策協調あるいは適切な共同行為というようなものでファンダメンタルズが適正に反映されることがこれからも望ましいことであろうと。あの当時、後世の史家これを評価するというのは、ほかに言いようがなかったから言っただけの話でございまして、先を見通したほど肩を怒らかして言ったわけじゃございません。
○志村哲良君 ありがとうございました。 次に、大蔵大臣にお伺いをいたします。 既に先ほど同僚議員の質問にございましたし、総理、大蔵大臣から克明な御答弁がありました。重複する点があるかと存じますが、非常に肝要な問題だと存じますので、お許しを願いたいと存じます。 このたびの税制改革に関しまして、私は既に多くの地域住民の皆さんと率直な会話を数多く交わしてまいっております。その中で、高齢化社会が超高齢化とも称されるほど急速に進んでおります現在、給与所得者に大きな負担を強いる現在の直接税中心の税制を改め、所得税、住民税の減税あるいは場当たり的に積み上げてきた物品税の廃止、中小企業を中心といたしました法人税の減税、不公平税制の是正、消費税の導入等、改革の大義に関しましては大方の御理解を深めていただくことができたと考えております。 ただしかし、率直に申しまして、消費税の仕組みの中にはまだまだ検討を要する数々の問題があることも事実でございます。もしこの内容を完璧であるとしたならば、やはり傲慢のそしりを免れないものであろうと考えるものでもございます。弾力的な運用期間の設定もあることでございますから、この期間を通じまして広範な経験を集積する中で、さらに国会におきまして冷静な検討、審議を重ねることが極めて肝要であろうと存念をいたすものであります。その結果、手直しをもし必要と認める場合には、ためらうことなくそれを行うことこそがこのたびの税制改革をさらに一層実り多いものにすることになるのではないかと、また後世の評価にもたえ得るものになるのであろうと考えるものであります。大臣の御所見を拝聴いたしたいと存じます。
○国務大臣(村山達雄君) 今、志村委員のおっしゃったのは全くそのとおりだと思っております。我々も全体の税制改革の構想は、今、志村委員の述べられたとおりでございまして、必ず将来日本のためになると。それも、高齢化が急速に参っておりますので、効果は必ず早く出てくると思っておりますが、しかし、その中で消費税の仕組みに関しましては、やはり与野党の中で、十七条第三項に見直し規定が入っておる。で、これは簡素という問題にするか、公平という問題をぎりぎり詰めていくか、そこの選択の問題であったわけでございまして、それで与野党合意の結果、あのような見直し規定が入っておりますので、我々は今度の消費税が直すべき点はいささかもないなどという、そういう傲慢なことは思っておりません。 謙虚に、今度のものがどのように定着するか、また直すべきものはどのような点にあるか、今後その分析を通じ、また国民の皆様のお話に率直に耳を傾けながら必要な是正をとるべきものはとってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○志村哲良君 大蔵大臣のまことに真摯な御答弁に心から敬意を表するものであります。 次に、農水大臣にお伺いをいたします。 近年、農産物十二品目の問題に始まり、牛肉・かんきつ問題、さらには米問題等、我が国の農産物貿易に関しガットとの関連が重要な問題となっております。ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける農業改革に関する交渉においては、我が国といたしましてははっきりと主張しなくてはならない点があるであろうと実は考えております。既に大臣はこれらの諸問題に関しまして、農村を守り、日本農政を発展させるために大変な御努力を払っておられます。 以下、先ほども同僚議員の質問に既に御答弁がございましたが、以下、その主たるものに関し、大臣の御所見を伺うものであります。 一つには、ガットルールの公平性に関してであります。 冒頭にも申し述べましたように、ガットの成立が昭和二十二年であり、我が国の加盟が昭和三十年であるという経緯に基づくものではありましょうけれども、それにいたしましても、アメリカのウェーバー、ECの可変輸入課徴金制度等々、全く既に現状にそぐわず、このようなものが存在すること自体、ガット自身の信頼性を損ねるものではないかという実は気がいたすものがございますが、これが第一点であります。 次に二つ目には、食糧生産に携わる農業は、工業のように単なる市場原理にゆだねることはできないものであるという事実に立ちますと、特に農業の持つ安全保障の役割、国土、環境保全等の多様な役割も十分に配慮いたさなくてはならないものであるという認識が極めて肝要であるという点に関してであります。このことをウルグアイ・ラウンドに参加する参加国がしっかりと確認することからまず出発をすべきではないかと考えるものでございますが、この二つに関し、さらに今後の農業交渉に臨む政府の姿勢について、農水大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘がございましたとおり、今日のガット、これの変遷をたどってみますときに、やはりその加入のときの条件ですとか、そういったものがおのおの違っておるという問題がございます。 御指摘のございましたように、アメリカにおいては十四品目の物をウエーバーで持っております。しかし、貿易交渉のときには、みずからがウェーバー持っているものに日本はそれをウェーバーで守られておらないということになりますと、それを、これは平気でという言い方はあれでございますけれども、やっぱり自由化を求めてくるという現実があります。これに対しては私どもきちんと説明というのはなかなか国内ではできない。しかし、ガットの場に行きますと、これが一つのルールとしてあるということではやっぱりガットの信頼性というものが問われるということになろうと思います。 このほかに、ガット加入議定書なんかがありましょうし、また今、ECの農業共通政策でありますところの輸入課徴金、特にこれが可変性があるというようなことについても、これがそれじゃほかの国はこれから新たに取れるかというと、これは新しく取ることはできないという現状からいったときに、この規律ですとかあるいは規則ですとか、こういったものについて新たに公平性を求めていくということをしていかなければならないであろうと思っております。 それから、御指摘がございましたとおり、農業には確かに食糧を確保するという一面があるわけでありますけれども、非農業的なもの、いわゆる環境保全、水の涵養とか、特に日本なんかのように山岳国である場合にこういった面があるということ、これらについてもきちんとやっぱりガットの場で理解してもらわなければならないんじゃなかろうかと思います。 それと、先ほどもちょっと申し上げましたように、日本は最大の輸入国であるということであります。そのためには、輸出をする側も自分の都合によって輸出を規制するなんということがあってはならないということがありますから、ここらあたりもきちんと詰める必要があろうと思っております。 それと、先ほど来申し上げておりますように、これだけの多くの国民を抱える日本の国としましては基本的な食糧、これについてみずからが自給できる、このことについても、今、輸出国だけに偏っていてはおかしいと思いますし、私はこの議論をいろいろと聞いておりますときに、どうしても農業政策にまで踏み込んできておるというところがあります。こういった点についても我が国の立場、あるいは自給が非常に低くなっている国の立場、こういったものも各国にやっぱり理解をされながら、そういうものが含まれた一つの新しいガットの規則づくり、これのために我が国としては積極的にこのガットの場に出て主張をしていくべきであろうというふうに確信をいたしております。
○志村哲良君 建設大臣にお伺いいたします。 君は太平洋を見たか、僕は日本海を見たいという言葉をお聞きになられたことがおありかと存じます。私は山梨県の出身ですが、この言葉は山梨を初め静岡、長野、新潟の各県におきまして県民の願いを込めた合い言葉となっております。四全総の交流ネットワーク構想を実現するため、国幹道を初めとする一万四千キロメーターの高規格幹線道路網計画が策定されております。その中に、先ほどの四県を結ぶ中部日本横断自動車道路が位置づけられております。 私は、このように地方と地方を結び合わせる道路、これこそまさに多極分散型国土の形成の根幹であり、内需主導型経済の確立には不可欠なものであると考えております。中部日本横断自動車道路の早期整備に寄せる関係地域の住民の期待はまことに大きなものがあります。整備の現状と今後の見通しについてお伺いをいたします。
○国務大臣(小此木彦三郎君) かねがね志村委員が、君は太平洋を見たか、僕は日本海を見たい、こういうスローガンを掲げて道路整備の熱情を傾けておられることに深い敬意を表する次第でございます。 そこで建設省といたしましては、多極分散型国土形成のため、二十一世紀初頭に一万四千キロメートルの高規格幹線道路網を完成させるという目標に向けまして、積極的にその整備に取り組んでいるところでございます。 本路線は、御指摘にありましたとおり、太平洋と日本海を関越自動車道と一体となって結ぶものであります。さらに、東名、中央、関越の各高速道路を相互に連絡する重要な路線であると認識いたしておるのでございます。 平成元年一月三十一日に開催した国土開発幹線自動車道建設審議会におきまして、来るべき二十一世紀にふさわしい交流ネットワークの基盤として、特に緊急性の高い本路線の増穂町と双葉町間を予定路線の中から基本計画区間に組み入れたところであり、さらに整備計画に向けての調査を推進するところであります。また、計画未策定の区間につきましても、基本計画のための調査を積極的に進めてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○志村哲良君 大変時間が超過いたしましたが、運輸大臣に最後にお伺いいたします。 年間一億人近い乗客を運び続けてきた東海道新幹線が我が国の発展に貢献してきたことは絶大なものがあったと考えております。反面、現在既に輸送力は飽和状態に近く、構造物の老朽化が進み、沿線地盤のひずみも進んでいると懸念をされておる状況であります。 このような状況に対処して、リニア中央エクスプレスを実現させますことは多極分散型国土の形成の根幹となるべきものでありまして、そのための実験線設置による技術開発の促進は焦眉の急であると思われます。これらに関しまして運輸大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤信二君) 今のお答えでございますが、超電導磁気浮上式のリニアモーターについては、昭和六十三年と平成元年、この二カ年の予定で実用化に向けての技術開発の進め方の検討だとか、それからあわせて新実験線に関する調査を実施しているところでございまして、その調査を進めるということに当たって、学識経験者等の意見を得るために運輸省内に超電導磁気浮上式鉄道検討委員会というものをつくりまして鋭意検討しているところでございますが、御案内のごとく、三月十日に開催した委員会でもってこうした新実験線の候補地というのを山梨と北海道と宮崎という三カ所に実は選定したところでございます。 それから、実はこの三地区を今から一カ所に絞るわけでございますが、その必要条件の対比ということで自然条件等の調査を進めておりますが、何といっても地元の協力と熱意ということがまず最大の条件になって、それが一本の線を決めることになろうと、かように考えております。よろしくお願いします。
○志村哲良君 どうもありがとうございました。
○田沢智治君 次に、住宅問題について質疑をいたしたいと思います。 国民が生活する上で欠くことのできない三要素、衣食住というものがあるわけですが、今日我が国の社会を見ますと、飽食時代の到来と言われるごとく、衣食は十分に足り過ぎるほど足りている、ただ一つ問題なのは住宅難であるというのが現状でございます。 核家族化が進んでいる昨今でありますが、我が国には古来から三世代同居という中で生活文化を築いてきた歴史がございます。それは、夕げのひととき、我が孫をひざに置き、親子孫三世代、家庭団らんができる環境で祖父母と同居することにより、若いうちからしつけ教育や生活の知恵を学び、また祖父母の死に直面することによって生命の尊厳さを悟り、そして老人を敬い、いたわり、思いやる心を持つというのが人間の自然の姿であると私は思っております。こうした相互依存によって安定した家庭生活が営まれ、その基礎の上に日本の文化ができ上がってきたのではないかと思うのでございます。 今日、暴走族と言われるような若者たちや、中学を卒業して間もない少年たちが、いとも簡単に人の生命を奪ったり、老人に対するいたわりの心が失われている現状というものを見るにつけ、三世代同居の必要性を私はさらに強く感ずるものであります。 昨今、住宅のコマーシャルなどで、三世代住宅と称するものをしばしば見聞きするのでございますが、核家族化の反省から同居が見直されているのではないかと思うのでございます。そういう意味で、総理の所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) この三世代同居の問題につきましては、御意見のとおりであると私も思っております。 たしかこの問題が起こりましたときに、私自身が二つのことを言ったことがございます。それは、「じいちゃん、ばあちゃんいらっしゃい、おうちが大きくなったから」、これが一つであります。もう一つは、「おまえも大人になったから、一緒におうちを建てようや」と、こういうことを申したことがございます。これは大蔵大臣当時の話でございます。 それが結局住宅政策上にも、公営、公団等の公的住宅の供給、住宅金融公庫の融資等について、これに積極的に対応してきた。特に、住宅金融公庫融資につきましては無抽せん体制、これの維持に必要な貸付戸数の確保と貸付条件の改善に努めてきた。それから、先ほど申しましたが、二世代承継償還という措置を講じたというところで、「じいちゃん、ばあちゃんいらっしゃい、おうちが大きくなったかち」というのと、「おまえも大人になったから、一緒におうちを建てようや」というのを今の政策の中で逐次実現に移しておる、こういうことではなかろうかと思っております。
○田沢智治君 私は、人間生まれたならば、必ず自分の家に住みたいというのは人間の本来の願望であろうと思うんです。愛国心というものは権力をもって押しつけてもだめです。その土地を愛し、その人を愛し、そのふるさとを愛していくという自然発生的な人間の情感の中に立って、物を愛し、人を愛し、国を愛していくというのが自然の姿であるのではないだろうか。そういうことを考えてみると、人間がやはり住んでよかった、ここに住みたい、お父さん、お母さんの跡を継いでみたいと言えるような、そういう政治的環境づくりというものが今の日本に何か失われているんじゃないか、足らないんじゃないだろうか、こういうことを思うのでございます。 そういう意味で、平地が少なくしかも一部の都市に人口が集中する傾向にある現状では、三世代が同居する住宅を取得するというのはこれは大変難しいと思うんです。総理が今お話しされたような、そういうことを実現していくということがこれまた人間にとって、日本人にとって、サラリーマンにとって大きな夢であるとするならば、その実現方を政策的にきっちりと位置づける必要性があるんじゃないだろうか。 先ごろ、都市開発協会が発表した調査を参考に、東京圏でマンションを取得しようとすると大体幾らぐらいかかるのかと私は調べたのでございますが、標準的な次元では八千七百万円に近い資金が必要であると、こう言われております。異常な土地の値上がりは国土法の活用等によって今日やや抑制されつつあり、一部に値下がりの傾向が見られるということは一つの政策として成功しつつあるんじゃないだろうか。なお、残念ながら高どまりしている現状、こういうことにさらにもっと徹底した政策が必要であろうかと、こう思います。 そこで、今後さらに地価を抑制し、値下がりをさせるために国土庁はどのような方策を講じようとしているのか、国土庁長官からお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(内海英男君) 先生のおっしゃるとおり、大変地価は高騰して、なかなか土地問題の解決ということは緊急な課題だと私どもも自覚をいたしておるわけであります。 したがいまして、御指摘のように、国土法の監視区域の機動的運用ということでそれに対応してまいったわけでありますが、参考までに、全国で四月現在で監視区域は一都二府二十八県、十一政令都市の二十三特別区に適用いたしております。 特に最近は、リゾートの指定というようなことを受けまして、リゾート地域に対して先行投資的な意味の土地の買いあさりというものも目立ってまいりましたので、リゾート地域あるいは地方の中核都市周辺あるいは鉄道の新線計画のある地域、こういったところに集中的な値上がり傾向が見られるというので、そういうところには早目に監視区域の運用を私の方からは、これは地方自治体の権限になっておりますものですから、要望をいたしておるわけであります。自治体の方で、なかなか固定資産税等の関係もあるせいかと思いますけれども、すぐにやらずに、少し固定資産税の上がったところでというような考え方もあるのかなと思うんですが、その対応が遅くなったところが値上がりをしておるというような傾向があります。 東京都の場合には、下がりましたのは、東京の中心は約百平米以上の取引については監視区域として届け出をさせるということにしておるわけでありますが、大阪、名古屋等が上がったというような新聞の報道もございましたが、あれは大体監視区域の適用が相当東京よりはおくれておりまして、三百平米以上の土地取引ということで、東京の三倍の土地取引に対して届け出をするというようなことを知事の権限でやっておられる関係もございますので、それ以上私どもは余り干渉できませんけれども、そういうところが今のところ値上がりを続けておる。 しかし、監視区域の機動的運用あるいは金融機関等に対する御協力、そういった面も踏まえまして、最近は徐々に監視区域の効果があらわれてきておる。さらに、政府としてこの機会に土地基本法というものを今国会に出しておりますが、これによりまして国民の土地に対する公共性の認識を深めていただく。さらに、国土法の一部改正も同時に提案をいたしておるわけでございまして、それによれば投機的取引につきましてはさらに土地対策という面で御協力を願わなければならぬというような規制を強める改正をいたしておるわけでございます。それらの施策を通じて今後は地価も徐々に抑制し、さらに鎮静し、さらに下がっていくというような努力を続けてまいりたいと思うわけであります。 したがいまして、今国会に出しております土地基本法並びに国土利用計画法の一部改正につきましては、速やかに成立できるように、この機会にお願いを申し上げておく次第でございます。
○田沢智治君 ぜひ効果あるような施策を展開して地価を抑制して、多くの人たちに喜んでもらえるような行政をしていただきたいと思います。 建設大臣、建設省は誘導居住水準を満たす世帯をふやすためどのような施策を講じておられるか、お聞かせいただければと存じます。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 狭いながらも日本の住宅の戸数というものが量的にはかなり充足されてきたと思うんです。 質的にはどうかといいましても、最近材木等がよくなりまして、柱にしても天井板にしてもなげしにしても、かなり安くていいものができるようになった。そういう意味では質が非常によくなったと思うんです。 この間もある新聞に、温泉旅館のおやじさんが、自分のライバルは温泉旅館とかホテルではない、お客さんの家だというんですね。家が個々に、全部ではないでしょうけれども、それだけ豊かになってよくなったということでございましょうけれども、残念ながら広いスペースがあるかというところが日本の住宅の場合の泣きどころだと思うんです。もっと空間のゆとりのある、できれば緑のある住宅というものをどうしても建設省としては供給していかなければならない。 そこで、建設五カ年計画の中で、誘導居住水準というものの目標を定めまして、西暦二〇〇〇年までに半数の世帯が、例えば都市型では三LDKの住居専用面積が九十一平米、あるいは一般的には三LDKS、これが百二十三平米、これを目標にしているわけでございます。これが達成できればいわゆるウサギ小屋と言われるような批判がなくなると思いますので、何とぞ御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
○田沢智治君 運輸大臣、住宅取得が困難である最大の理由は地価の高騰にあることは先ほど述べられたとおりでありますが、そのために大都市圏のサラリーマンはますます遠方に住宅を求める結果、通勤圏は拡大し、長時間化、混雑化が起きているのが実態であります。 こうした遠距離通勤者の苦痛を和らげるとともに、新たなる宅地供給を図るためにも通勤新線の建設を促進し、さらに在来線の輸送力の増強、駅舎の改善などの必要性が私はあると思うんですが、運輸省の見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(佐藤信二君) ただいま御指摘のとおり、東京圏を中心とする大都市圏では、居住地の外延化というようなことによって通勤通学に要する時間が増加しておりますし、また都心部に乗り入れる鉄道は依然として著しい混雑状態にあるということで、その改善を図るということが喫緊の課題になっていることは御指摘のとおりでございます。 そこで、運輸省といたしましては、このような状態にかんがみまして、東京圏においては昭和六十年七月の運輸政策審議会答申、高速鉄道網整備計画に基づき、今後とも鉄道新線の建設、複々線化というものを推進しております。このため、従来より特定都市鉄道整備積立金制度というものを実は設けまして、また各種の助成措置を充実強化するということによって都市鉄道の輸送力の増強ということを推進しております。 また、御案内のように、今国会には建設省また自治省と共同で、大量の宅地供給に資する鉄道の整備を図るため、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法案、いわゆる常磐新線法というものを提出しておりますので、一日も早い成立をお願いしたい、かように思っております。 また、遠距離通勤者の経済的負担の軽減ということで、所得税の非課税限度額というものを平成元年一月から従来の二万六千円というものを五万円という額にいたしまして、そうした負担の軽減を図っておるということでございます。 よろしくお願いします。
○田沢智治君 私なりに住宅政策について整備し、若干の提言を政府にお伺いいたしたいと思います。 当面、住宅問題についての目標を、月々現在の都心でマンションを借りられる程度の負担で、三世代にわたり住める耐久性のある質のよい住宅を確保するとした場合、最大の障害は地価の上昇であるから、まずその抑制に全力を挙げる前提に立って、第一に、現在の住宅金融公庫の融資枠の拡大と金利の大幅引き下げによる負担の軽減を検討すべきではないだろうか。現在の住宅金融公庫の融資金利は最低でも四・四%であります。例えば、返済期間が三十年で一千万円を借りるとすると、単純計算で月々返済額は五万円強となります。仮に、この融資金利を三%前後に下げればどうなるかというと、月々の返済を一万円程度減らすことができるわけです。約四万円の返済で済むことになるとすると、サラリーマンの方々は大変喜ぶと思う。一万円といえども年間十二万円になる計算でございますので、住宅ローンを抱える世帯にとっては大きな負担軽減となるし、ローンの返済総額を四百万円近く三十年間で減らすことができるわけです。もちろん、金利の引き下げは利子補給の急増を招き、現在実施されている住宅減税に加えて、財政負担が過大になるとの反論があるかと思いますが、経済の繁栄を支えている人たちが、狭くて遠い、そして決して満足とは言えない住宅でローンの重荷に耐えているようなことを放置していく政策は私はやるべきじゃないだろう。 その一方で、父祖伝来の土地を相続し、転売して巨額な不労所得を得ている現状は社会正義に反する。住宅政策について、もっと社会政策的な要素を加味した政策の位置づけを行うということが大切な時期になっているのではないだろうか。 この住宅政策については、竹下現総理が大蔵大臣その他のときに大変力を入れてつくったものでございますので、竹下内閣最後のお土産として、サラリーマンに三十年後、ローンを借りた場合これだけの家が建ちますよ、皆さんが家族と一緒に住めますよというようなお土産を残してもらいたいなという気持ちもあるのでございますが、総理のお考えもお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) ただいまのいわゆる住宅ローンの問題についての金利の軽減、これは委員もおっしゃいましたとおり、いわば利子補給に財政負担が伴う、いま一方、税制上の優遇措置がある、それらを調和しながら今の制度を打ち立てたわけでございます。 せっかくの御提言は、これは新しい内閣に当然伝えるべきだと思いますが、私自身、今それをここで決断し、田沢さん、やりましょうやという立場には残念ながらないというふうに申さざるを得ません。
○田沢智治君 大蔵大臣にお聞きいたします。 住宅供給の拡大である市街化地域の再開発、市街化区域農地の宅地化は既に何度か提案されているところでありますが、政府は思い切って遊休公有地の宅地化を図るべきじゃないか。私が調べましたところ、東京には二百八十五万平方メートルを超える遊休公有地がある。埼玉県、千葉県、神奈川県合わせますと約六百三十万平方メートル、二百万坪程度の遊休公有地があります。 これは、大小合わせて宅地に全部向くかということは言えないかと存じますが、また公共の施設等で使う目的で置いてあるのもあるかと思いますけれども、いずれにせよ、積極的に可能な限り宅地転用への努力、あるいは民間へ放出する努力、そういうものをなさっていただきまして、国民に希望を与えるような施策を前向きでやってもらいたいと思うのでございますが、大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(村山達雄君) 国有地は、いわば国民の共有財産であるわけでございます。したがいまして、その利用の方法、処分等については、やはり共有財産であるだけに慎重でなけりゃならぬと思っております。 したがって、国として使う予定のないもの、これはおっしゃるように、どういうふうに利用するかということは考えにやなりませんが、その場合にも、当然のことでございますけれども、地方公共団体であるとかあるいは住宅・都市整備公団であるとか、こういったところに優先的にやるのが筋であろう、こう思っております。そして、その地方団体なり公団が宅地をつくる、住宅をつくるということであるならば、やはりこれは優先的に利用して現在の地価問題の一助にすることが筋ではないか、このように考えておるところでございます。
○田沢智治君 時間が余りなくなりましたので、ODAの問題と国会改革等につきましては次回に譲らせていただきたいと思っております。 文部大臣、教育は国家百年の大計と申されるように、次代の青少年を育て、民族悠久の生命と文化をはぐくむ最も重要な課題であると私は思っております。 今日、我が国の発展もまた、明治以来先達者のこの教育に対する情熱のたまものであり、すぐれた教育制度の成果であるとも思います。二十一世紀を展望して、日本人としての気概、独自の文化を創造しつつ、誠実にして勤勉で礼儀正しい国際性を身につけた個性豊かな青少年を育成することが大切な課題であると私は思っております。 しかし、今日の教育制度の実態を見ますと、なかなかそういうような実態ではない。そういうようなこともございますので、昭和五十九年八月に政府は臨時教育審議会を発足させて、三年間にわたる審議の結果もろもろの答申をしたわけでございます。私は、いろいろな答申をしたのでございますけれども、教育というものは長い目で見なければならない。教育関係者だけでもいけない。広く国民の理解と協調を求めて推進しなければならぬという考えのもとに、新たに文部大臣に就任された西岡文部大臣はその道に対しても熱意を持たれておると思うのでさざいますので、まず大臣の決意の表明をいただきたいと存じます。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員ただいま御指摘のとおりに、教育の重要性、私自身もその責任の重大さを痛感しているところでございます。とれまでも既に文部省といたしましては、臨時教育審議会等において御提言のございました諸問題について、例えば教職員の初任者研修制度の導入であるとか、あるいはこれまた臨教審において御提言がございましたことに基づいて新しい学習指導要領を告示いたしまして、新たな、ただいま委員が御指摘のございましたような視点からの教科というものをこれから推進していくという考えでございます。 既に御承知のとおりに、第十四期の中央教育審議会も再開をさせていただきまして、大学審議会における審議と相まって、二十一世紀を展望した我が国の教育制度を確立するために全力を挙げて取り組みたいと、このように考えている次第でございます。
○田沢智治君 昨今の青少年の犯罪を見るとき、女子高校生を少年グループがリンチしてコンクリート詰めしちゃったという大変ショックな事件。社会的な弱者を襲い金品を取り上げちゃう。人間の生命の尊厳を見失い、この世の中の最高の価値は物と金にあるかのような風潮があるということは、私はまことに遺憾にたえないのでございます。人間の幸せを考え、青少年一人一人の命を大切にしていくようなやはり社会的教育環境をつくらなきゃ、私はこういう問題は解決しないと思うんです。 私は仏教者でありますので、仏教の教えに三草二木の例えというのがございます。大きい木は小さい木よりもまさるということはない。人間、大小によって区別、差別しちゃいかぬ。小さい草は大きい草よりも劣るということはないんだと。強い弱いによって人間、差別はないよと。野に咲く小さなスミレの花も美しければ、背丈の高いススキにも風情があると。ちょうど今ごろ野に行くと、小さなスミレの花を見て、ああ、きれいだなと心を奪われる、その真善美も真理。十五夜の月の光の注ぐ九月、背丈の高いススキの穂を見て、あの風情に美しさを感ずるのも、これ真善美の境地でございます。とするならば、生きとし生けるものの命を公平平等に、大切に育てていくということが人間の幸せを保障する教育の原点であると私は確信しているのでございますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、仏教者としての立場からの御意見というものに対して、私ども愚か者に対して一つの人生の指針を与えていただいたような感じで承っておりました。ありがとうございます。
○田沢智治君 文部大臣、教育の任に当たるあなたでございますので、一言御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 文部省といたしましても、学校教育の場を通じ、またこれから移行してまいります生涯学習社会という、そういう教育の場全体を通じて心豊かなそして個性のある、創造力のある、しかもたくましい精神力を持って、なお自己学習力、みずからを鍛えていくという力を持った子供たちを育てなければいけない。そのことが、ただいま委員御指摘のような人間像をつくっていくそういう目的にかなう施策であると考え、一つ一つ、大変時間のかかる問題でございますけれども、教育施策を文部省といたしましても進めていくという考えでございます。
○田沢智治君 私は、これらの青少年をできるだけ救済することによって青少年の犯罪が減少すると思います。なぜならば、学校を中退したり高校進学をあきらめた者であっても、一定の職についた若者の多くは、職場を通じて真の友人を見つけ、生きる喜びを得叱り、専修学校、専門学校など各種学校で学んだ知識や技術を生かして職場で働く喜びを知り、輝かしき将来に向かって羽ばたく決意をする。大学入学資格検定試験に合格し、大学への進学に向学心を燃やす青少年がいるということを考えてみれば、浪人青少年をなくし、社会的組織の一員に温かく迎え入れる仕組みを生涯学習教育体系の中で検討すべきときではないだろうか。 制度の改革ばかり新中教審にお願いするんじゃなくて、そういう内面的なものをも諮問していく努力というものを今後すべきであると私は思っておるんですが、文部大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員の御指摘、まさにそのとおりでございまして、今回の第十四期の中央教育審議会におきまして、これは仮称でございますけれども、生涯学習センターというものを全国のそれぞれの地域に重点的に整備をしていく。その生涯学習センターの、もっといい名前がないかなというふうに考えているところでございますけれども、役割の一つは、先ほど御指摘のございましたように、高等学校を途中で退学した子供たちが、今さら高等学校そのものに通うというのはなかなかできない、そういう子供たちが生涯学習センターで高等学校の卒業の資格を得るとか、そういうような仕組みもぜひ御検討をいただきたいということで、中教審の方にはお願いをしているところでございます。
○田沢智治君 最後に総理にお聞き申し上げたいんですが、私は、十三歳のとき横浜の大空襲に遭いまして、我が母をB29の直撃で亡くしました。そのとき、母の姿なき姿を見まして平和への決意をいたし、将来二度と再び戦争の惨禍が起きないような平和国家をつくりたいという願いを持って、今日縁あって政治家にならしていただいたのでございます。そういう意味で、私は私なりに真剣に平和というものに取り組んでいかなければならない、それが母に対する私の供養であると、こう思っております。 先ほど矢田部委員から、世界平和研究所について、その資金が株投機に使われているのではないかというお話がありました。私はその話を聞きまして、世界平和研究所の目的、使命、その内容についてはいたく私は関心を持っている一人でございます。間違ってもそんなものに、基金づくりに供していると、私はそう思っておりません。ですから、そういうことがないと確信しておるのでございますが、総理、何かおわかりになった点があればお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 正確な調査をいたしましたものを御報告申し上げようと思って半ば準備をしかかっておったのでございますが、矢田部さんが、まあ言ってみれば関連質問だから後日答弁もらえばいいということでございましたので、控えさせていただいたわけでございます。 各種認可法人というものの資金運用ということにつきましては、これは当然行政官庁が、例えて申しますならば定期預金でございますどか国債でございますとか、あるいはそれこそ信託でございますとか、おのずから投機的なところに運用するなどということはあり得ないことでございますので、その点は公益法人、認可法人の持つ性格として、御心配に至らない問題であろうというふうに考えております。
○田沢智治君 これをもちまして私の質疑を終わるわけでございますが、総理、一年半という、短いか長いかわかりませんけれども、大変御苦労をなされたお立場で、国民の福祉、世界の平和に貢献された総理がやめられるということに対し、私たち自民党国会議員は心から御苦労さんという言葉をお送り申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 以上で田沢智治君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 —————・—————