文教委員会 第4号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/20
会議録
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る六月十六日、中野明君、田渕勲二君及び渕上貞雄君が委員を辞任され、その補欠として高桑栄松君、久保亘君及び安永英雄君が選任されました。 また、去る十七日、二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として杉元恒雄君が選任されました。 また、昨十九日、柳川覺治君が委員を辞任され、その補欠として坪井一宇君が選任されました。
○委員長(杉山令肇君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 先日提案されましたこの法律案につきましては原則として賛成でございますが、内容についていろいろと深めていきたいと思いますので、最初にまず国立大学共同利用機関の創設された理念、これをお伺いしたいと思います。そして、今日に至るまでの経緯といいましょうか、整備の状況あるいは発展の状況などについてお伺いをいたします。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御承知のとおり、大学の共同利用機関は学術研究の進展に伴いまして、個別の大学の枠を超えて全国的な視野、観点に立ちまして研究者を結集して研究の実施が可能な組織をつくらなければいけないということが、昭和四十年代の当初から論議がございまして、昭和四十六年に新しい形の機関として設けられたものでございます。その後、高エネルギー物理学研究所を初め十四機関十六研究所が設置をされているところでございます。 大学共同利用機関は、全国の大学等の研究者が共同してそれぞれの分野の研究を推進する場として、また特色ある施設設備や資料の共同利用の場として、それぞれの分野において先端的な学術研究を推進しており、学術研究の発展に大きく貢献している機関として国の内外から高く評価されているというふうに認識をいたしております。
○粕谷照美君 最終的に国の内外から高く評価をされているというふうに認識をしていると大臣の認識をおっしゃったわけでございますけれども、私もこの国立大学共同利用機関が果たしてきた役割、それからその評価についての大臣のお考えをお伺いしたいと、こう思ったのですが、今それをまとめておっしゃったわけでございますね。わかりました。 それでは次に移ります。 今回のこの法律改正というのは、提案理由を拝見いたしますと、「国立大学共同利用機関について、国立大学を中心とする共同利用の機関から、広く大学の共同利用の機関に改めるとともに、これを大学共同利用機関と称することとする」、こうなっているわけであります。まず、国立大学共同利用機関はどの程度国立大学の研究者が中心となっているのか、この参加状況についてお伺いしたいと思います。なぜかなれば、この国立大学共 同利用機関の国立を取ってしまうわけですね、今度の法律改正は。したがって、取るというからにはその意味があるのだと思いますので、まず国立大学の研究者が中心となっていたのかどうなのか、その辺の数字なども含めて御報告をいただきたい。
○政府委員(川村恒明君) このたびお願いをしております法律改正、ただいま御指摘がございましたように、国公私立大学に広く開かれた組織として法律上の位置づけを改めたい、こういうことでございます。 その前に、こういう共同利用機関という組織ができた経緯につきまして、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、ちょっとその経緯を若干補足させていただきまして御理解をいただきたいと思うわけでございますけれども、先ほど大臣から申し上げましたこういう共同利用の必要性というものが昭和四十年代の初めから随分盛んになってきた、そういう学術研究上のニーズにどうやって対応するのか、仕掛けとしてどういう仕掛けがいいのか、いろんな形が考えられるわけでございます。 それで、共同研究の必要性自体というものは既にかなり前から必要性が言われて、最初のそういう形の取り組みというものは、実は文部省の文字どおりの直轄の研究所をつくる、いわゆる所轄研といわれる方式がございました。これは御案内のとおりに、例えば昭和二十四年に遺伝学研究所というものを文部省の所轄研究所でつくった、あるいは統計数理研究所というものを所轄研究所でこさえたというようなことがございます。 こういう文部省の文字どおりの所轄、直轄の研究所ということになりますと、そこで研究される方はこれはおのずから文部省の職員だけだということになるわけでございます。それでも一つの学問の発展に対する共同利用型の芽生えでございましたけれども、そういう方式からさらに発展をしてもう少し幅を広げたいという形になると、次は国立大学の附置研究所だけれども、これをなるべく共同利用の、例えば全国共同利用の機関にする、小さく言えば学内の共同利用機関にするというふうな対応があるということで、そういう仕掛けも次に三十年代から始めたということでございます。 しかし、学問が発展してまいりますと、さらにもう一回り大きな、先ほど大臣が申し上げましたような形での研究の仕掛けが要るということで、四十六年に、当時としては非常に画期的なことでございましたけれども、高エネルギー物理学研究所をつくる。日本の核物理学、素粒子物理学というものは理論面では戦前から物すごい高いレベルになって、湯川先生でございますとか朝永先生のようにノーベル賞をもらわれる方まで出たけれども、実験物理の方は装置がないために全然進んでいなかった。そういう大型のものをつくろう、こういうことになってまいります。そうしますと、従来の所轄研方式でございますとか大学の附置研方式ではどうしてもおさまり切らない。それは研究者の広がりが、その時点では国立大学がもちろん中心でございましたけれども、若干でも公私立の方もおられる。そんな形でこの共同利用機関という仕組みを構想した、こういうことでございます。 でございますので、昭和四十六年に高エネルギー物理学研究所が創設された当初から公私立の方の参加もぜひしていただきたい、広く門戸は開放いたしますということでやってきたわけでございますけれども、現実的にはその分野の研究者が、特に高エネルギー物理学の場合はその当時ほとんどが国立大学に集中しておられたというようなこともあって、公私立の方の利用というものははかばかしく進んでいなかったわけでございます。その後、共同利用機関はおかげさまで順次整備が進みまして、現在十四機関十六研究所ということになったわけでございますけれども、そういう共同利用機関の整備とともに私学の方の利用も漸次進んできている、こういう状況でございます。 そんなことでございまして、ただいまの公私立の利用状況はどうかということでございますけれども、その共同利用機関は共同利用機関として専任の教職員組織を持つのは当然でございますが、外部から来られる方というのは、やり方としては一つは共同研究員という方式がございます。もう一つのやり方としては、客員部門に客員の教授、助教授としてお迎えをするという、大きく分けてこの二つの方式があろうかというふうに思っております。そこで、その共同研究員、つまりこの共同利用機関がみずから主催をして研究を企画し実施をする、そこへ共同研究員として参加をするという者の数を見ますと、昭和六十三年度では受け入れた者の実数が五千七百九十人でございます。五千七百九十人の内訳は、国立大学の教官が二千七百十九人でございますから約半分近い、四七%ぐらいになりましょうか、そんなものでございます。それから、公私立の先生方は九百三十人ということで約一六%ほど。それ以外の方も若干ございまして、それがまた二千百四十一人、三七%、こんなことでございまして、現時点ではやはり国立大学の教員がかなり多い数を占めている、こういう状況でございます。 それからまた、もう一つのやり方として、客員部門にお迎えをする、こういう方式があるわけでございますけれども、現在共同利用機関で六十三年度の客員の教員の数が全部で二百十三人でございます。二百十三人で、その所属を見ますと、国立大学の教員が併任として来られているというのが百四十五人でございまして、これが六八%ぐらいでございます。ですから、過半が国立大学からの編入。それから、公私立大学からは三十三人ということでございまして、約一六%という状況でございます。こんなことで、公私立の数がまだ少ないわけでございます。 いろんな原因があって、共同利用機関というのは性格上自然科学系の機関が多い、公私立大学の場合はどちらかというと分野としては文科系の方が多いわけでございますから、そんなこともあろうかと思っておりますが、今回のこの法律上の位置づけを改めることをお認めいただければ、さらに一段とまた公私立の先生方の参加も多くなるのではないかと期待をしているところでございます。
○粕谷照美君 詳しく御説明をいただいてありがとうございました。 私が持っているのは、その一年前の資料なんですけれども、大体国立大学が五一・八%、公立が三・七%、私立が一二・六%、その他が三一・九%、こうなっているのですが、その他と十把一からげに言われてもちょっと困りますので、その他というのは一体どういう内容になっておりますでしょうか。
○政府委員(川村恒明君) その他というのはいろいろございまして、大学院の院生というのもございますし、それから民間の研究者でございますとか、民間の研究機関でございますね、それとか、特殊法人がまた研究機関を持っておるというような方がございます。それから、つまり国立大学あるいは私立大学の教官を退官した、職業としてはどこかの非常勤講師ぐらいをやっているという方で、しかし研究はなお続けたいというような方が見えるというようなこともございます。そういうものがその他ということでございます。
○粕谷照美君 各省庁からというのもあろうかと思いますし、民間というのもあるわけですが、そういう内容の分析というのはないのですか。
○政府委員(川村恒明君) 申しわけございません。私どもの方で整理をしておりますのが、大学は国公私立とこうやりまして、それ以外はその他で今一括して申し上げましたけれども、国立の試験研究機関それから公立の試験研究機関、例えば農事試験場とかそのたぐいでございます。それから特殊法人、民間の研究所、それから先ほど申しました大学院生とか名誉教授とか、そういう分類でございます。
○粕谷照美君 純粋民間の方々がここに研究に参加をできるという、何といいますか法的には「その他」に入るわけですから構わないのだと思いま すけれども、基準というものがあろうかと思うんです。それはどういう原則のもとに受け入れ態勢をとるわけですか。
○政府委員(川村恒明君) ただいま申し上げました共同研究員という仕組みにしてもあるいは客員部門の教官にしても、これを受け入れるに当たってはそれぞれの共同利用機関において運営協議会等で研究テーマを決め、こういうレベルのこういう研究者を入れたいという大まかな基準を決め、個別具体の審査をして受け入れる、こういうことでございます。 でございますので、そこに参加される方は、そこで予定をしている共同研究に十分に参加できる人、それだけの能力のある人、こういうことでございますけれども、現実の姿としては、これは共同利用機関というのはやはり純粋の基礎研究の機関でございますので、そういう基礎的な研究ができる人ということで実際は運用されているわけでございます。でございますから、民間と申しましても、実態としては例えば財団法人の癌研究所でございますとかいうことで若干数が限られておるということでございまして、これを企業のいわゆる開発研究をやっている研究者の場合は、テーマも違うし取り組みも違う、その基礎研究というものに対する対応が違うのでほとんど入ってこれない状態だというふうに御理解いただければよろしいかと思います。
○粕谷照美君 その点はよく了解できました。 それでは次に移りますけれども、去年の七月、朝日新聞の「論壇」に早稲田大学の並木美喜雄先生が投稿していらっしゃるわけであります。その見出しが、「国立研究機関の差別をなくせ」というのと「私大関係者締め出す運営は改善を」と、こういうふうに書いております。これは局長もごらんになったかと思いますけれども、文部省、これごらんになったと思いますが、なっていらっしゃったらコメントをいただきたい。
○政府委員(川村恒明君) 昨年の朝日の「論壇」を私どもも拝読をいたしました。 この共同利用機関に対する期待というものが民間の方から非常に強いんだなということを改めて痛感をいたしましたけれども、同時に、ちょっと内容的にはやや古いことが多うございまして、今回の制度改正で解消できること、あるいはもうそれ以前に既に運用上の問題として改善を図っていることが大部分でございます。で、この並木先生御心配の点は、そういう意味では基本的に解消されているんじゃないか、また少なくとも今回の法律改正でお認めいただければ、これで全面的に解消されるであろうという感じは持っております。 ただ、やはりこういう研究というものの実態上、その仕組みの問題と同時に、やはり個々具体の運営の問題というのは常につきまとう話でございますから、ここで指摘された個別の話は別として、個別の運用の問題についてできるだけ国公私立平等にしていくということがやはり大切だな、そういうことに対して私学の方が非常に強い期待を持っておられるんだなということを痛感をした、こういうことでございます。
○粕谷照美君 その感想は私は正しいと思います。 ちょうどそれよりも二カ月ほど前になりますけれども、やはり今度法律改正を文部省が検討したというのが記事に載っておりました。同じ早稲田大学の理工学研究所長さんは、「これまでも私立大の研究者は共同研究に参加するなど日常的にはあまり不都合はなかった。」と、こういうふうに言っているわけで、同じ大学の先生方でも評価というのは分かれるものだということを感じたわけですが、しかしこの研究所長さんも、法制上難しい問題がたくさん残っていると、こういうことを指摘して、法律を直してほしいという意見を出していらっしゃるわけであります。これに関しては、いろいろなところで文部省としても対応をとられたと思いますけれども、具体的にどのようなことが私学あるいは公私立の研究者の方々にそういう差別感を抱かせるような原因であったか、問題点は何かということについて御報告をいただきたい。
○政府委員(川村恒明君) ただいま先生御指摘の点は、先ほど申しましたように四十六年、制度ができてからのいろんな経緯があるわけでございます。 当初は、先ほど申しましたように、実態としても研究者は国立大学にしかおられなかったということもあってほとんど問題がなかったことなんですが、だんだんそれが問題になって運用上の改善を図ってきた。これは四十六年に制度ができて、古い話でございますけれども、公私立の方が使えない、最初のころは確かにそういうことがございまして、例えば、先ほど私は客員部門のことを申し上げました。客員部門の教授なり助教授なりというところに私立の方が参加できるというのは、ただいまは当然のことでございますけれども、これは実は昭和五十一年に初めてそういうことを認めた。昭和四十六年から五十一年まではそもそも客員部門も国立の人だけよというようなことがあったから、それはぐあいが悪いというので五十一年にそういう制度改正したし、これはつまらないことですけれども、そこへ来られる人に名称として、客員教授という名称もちゃんと使えますよ、公私立の人も来た以上はちゃんと使えますよというふうなこともしてきたわけでございます。しかしそれ以降、その共同利用機関が整備され、また公私立の方が、研究者がだんだん多くなるにつれていろんな問題が出てきたわけでございます。 このことにつきましては、今回の改正に至った直接の動機は、御案内のとおりに臨教審の答申でございます。臨教審の答申でそういうことが指摘されたわけですけれども、今先生御案内のとおりに、一体どういう問題が個々具体にあるのかということで、実はその後、私どもの方で答申をいただきましてから調査協力者会議というものをお願いをいたしまして、問題を整理をしていただいたことがございます。 若干時間をとって恐縮でございますけれども、そこで公私立の人から見た不都合な点というのが何点か指摘がございまして、例えば一番目としては、この機関の運営に当たる評議員とか運営協議員とかいうふうな組織が設けられている、そういう評議員、運営協議員の組織とか、そういうものを初めとする機関の管理運営全体が国立大学にどうしても重点が置かれているのではないかというような点が一つございます。 それからもう一つは、これはあれでございますけれども、共同利用機関である以上、公私立の教官、研究者が主体となってそこのすぐれた施設設備を使って研究を行う、つまり公私立の先生方による自主的な研究というものが実は従来は運用上認められていなかった、そういうものができない、ですから公私立の人はあくまでも機関の方で計画をするその共同研究というものに参加をする、あるいは客員部門に入るという形でしがなかった。しかし、そういう大型の加速器でございますとか、立派なものを使ってみずから主体的に研究するということが必ずしも従来の仕組みでは認められていなかったというような点。 それから三番目には、これはやや実態の問題になるわけでございますけれども、そういう共同利用機関が主催をする、企画し立案をする共同研究に参加をするというときに、国立大学の先生方はそういう研究に参加するに当たってあらかじめいろんな形でウオーミングアップと申しますか、事前の準備をされる。ですからその計画が出たときに、ぽっとそこへ参加しやすい。ところが、公私立の場合はどうしても事前の準備というものが、公私立大学の運営の実情等から見て十分でない場合が多い。だから参加する場合の立ち上がりが、国立から来る人は非常に立ち上がりが早いけれども、公私立の人は立ち上がりが遅くて、せっかくの共同研究に参加できないんじゃないかというふうなこともございます。 そうすると四番目に、そういう共同利用機関でこういう共同研究をいつからやるよ、それにはこういうレベルのこういう研究者がこういう範囲でやるよというような、共同利用に参加するためのそういうシステムそのものとかそのノーハウは十 分に情報が得られないんじゃないかというようなことが指摘されております。これは先ほどの国立の大学に重点を置いた考え方ということと裏腹になるわけですけれども、公私立の人にとってはそういう共同利用のシステムやそのノーハウについて情報を得る手段が不十分であるというような点がございます。 それからまた五番目に、その客員部門、先ほど申しましたけれども、現実に客員部門の教員になることが難しいし、またその客員部門の教員として採用された場合に、公私立の方は非常勤扱いになるわけでございます。国立大学の人は併任で参加をするというようなことがあって、これは併任と非常勤というのでは扱いが違って不公平ではないかというふうな御指摘がございます。この点はちょっと後ほど時間があったら申し上げますけれども、私ども若干異論はありますけれども、現実問題としてはそういう身分の取り扱いの差がある。 そういうようなことが今回具体の問題としては指摘をされたということでございます。
○粕谷照美君 調査研究協力者会議は確かにそういうことを言っているわけですね。そうすると、文部省としてはその研究協力者会議が言っていることについて、この点については私どもは異論があると先ほどおっしゃいましたけれども、じゃ、その異論があるとおっしゃらなかった部分については全面的に認めていらっしゃるわけですか。その辺のお考えをお伺いしたい。
○政府委員(川村恒明君) 先ほど申し上げたようなことでございまして、ケース・バイ・ケース、それぞれの問題に対応したいと思っております。 またちょっと時間をいただいて恐縮でございますけれども、一番目の運営が非常に国立大学に偏っているという点はおっしゃるとおりだと私どもも思っております。でございまして、そうすると評議員というのはその機関の管理運営に関する重要事項について審議をする、これは外部の方が参加される機関。それから運営協議員というのは、これは半分がその機関の職員、半分は外部から来る人、具体の運営について協議をする機関でございます。こういった機関を、やはり現在は評議員とかそれから運営協議員というのはいわば独任制の機関でございます。会議体になっていない。独任の機関で、一人一人が独立をして仕事をするという建前になっております。実際は評議員会、運営協議員会でやっておりますけれども。でございますので、これを改めるためにはまず評議員会なり運営協議員会という会議体に再構成をする。同時に、その評議員会なり運営協議員会の構成員に必ず公私立の方が入るということを制度上明確にしてはどうかということを考えております。これは今回の法律改正をお認めいただければ、それに伴って、省令段階の問題でございますから、省令段階でそういう措置をすることが適当であろうかというふうに思っております。
○粕谷照美君 ちょっとその点について一つ。そういたしますと、この法律が通りますと今度は省令で御不満な点を十分に受け入れるようにしていきたい、こうお考えのようでございますけれども、それでは一体どのくらい入れていったらよろしいのか、こういう問題点が逆に言えば出てまいりますね。それはどういう機関でどんなふうにして相談をして決められるのですか。
○政府委員(川村恒明君) おっしゃるとおり、そうすると例えば公私立の人が半分以上かどうかというふうな議論になるわけでございますけれども、これはそれぞれの機関の性格によって、その学問分野によって、実態によってさまざまではなかろうかということでございます。ですから、私どもとしてその数をそこまで明確に決めるというよりも、その参加資格としてそういう公私立の研究者の方が必ず入るということにし、あとはそれぞれの機関の自主的な判断にゆだねることが一番適当ではないかというふうに思っております。
○粕谷照美君 二番目の、公私立大学の研究者が主体となってその研究計画に基づき機関の施設設備等を用いて行う共同研究を実施することが困難であるというのだから、これは困難でなくしなければならないわけですね。そうしますと、今度は機関としてやりたいというところに参画をしていただくんじゃなくて、研究者が主体となるというようなことをやらなければならないというふうに思いますが、その辺はどういうふうに今考えていらっしゃいますか。
○政府委員(川村恒明君) おっしゃるとおりでございまして、そういう公私立の先生方が自主的な研究計画を立てて、その研究計画に基づいて共同利用機関の施設設備を利用して行う。これはすべての共同利用機関にいきなり全部ということではございません。そういうふうに非常に外部からの利用がしやすいし、またぜひしたいという幾つかの例えば大型の装置がございます。例えて申しますと、高エネルギー物理学研究所で申しますと、放射光の実験施設というものがそういうものでございますし、それから岡崎の分子科学研究所でございますと極端紫外光実験施設といったものがそういうものでございます。そういうものを使って公私立の先生方がやりたい。 従来はこの運営の仕組み、予算でございますとかそういう仕組みにおいてそういうものは一切予想していないし、認めていないわけでございますので、これからは予算上そういうものについて、これは予算の積算の問題になろうかと思いますけれども、そういう自主研究のための予算というものを計上する。もっとも、この点も議論のあるところでございまして、公私立の方がやってきてこの施設を使うわけですから、そうすると、当然外から来た人はお金を払ってもらわなきゃいかぬということになるわけですね、国の施設を利用するという関係になるわけですから。従来の共同利用機関がみずから主催する共同研究に参加する分には、これは機関としての主催事業ですから公私立の人が来ても自分でお金を払うということにならないわけですけれども、自主的な共同研究というのは場合によってはそうやって参加される方に若干の経費負担もしていただかなきゃいかぬのではないかということがございます。今私がちょっと例示として申し上げました放射光の実験施設なんかは、金を払ってもぜひ使いたいという人は非常に多いわけでございますので、その辺研究者の負担にならないように配慮しながら、少なくとも制度として外部から来た人、今申し上げたような公私立の方々による自主的な研究というものを制度として、これは予算計上の問題として進めていきたい、こういうことでございます。
○粕谷照美君 そうしますと、先ほど局長が御答弁なさいました三番目と一緒になるわけですね。結局、自主性を認めようとするからにはやっぱり予算的な措置がなければどうにもならない、こういうことになろうかというふうに思います。特に国立大学の研究者の場合に、準備的な研究費が大学に予算措置されるけれども、公私立はそれがない。最初のところからもうハンデがついておるというこの指摘に対しては一体公私立はどのような努力をすればいいのか、組織がその辺の面倒を見るのか、その辺はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(川村恒明君) これは大変難しい問題でございまして一その機関が共同研究を企画する、こういうテーマでこういう分野の研究をしたい、国立の先生も参加する、公私立の先生も参加する、そのときにウオーミングアップをどこまでやってくるかというのは基本的にはその研究者の問題でございます。その研究者がウオーミングアップをするについて、国立大学の場合でございますと、実は来年あるいは再来年に予定されているこういう共同研究に参加したいということで、しかしまだ参加していない、その準備段階の研究をしたいということで各国立大学から予算の要求がある。そういうものを我々個別に対応しながら、それじゃ事前の準備研究としてこういうものが必要であろうということで、必要に応じた研究費の計上などをする。あるいは国立大学の予算としては計上しないけれども、例えば科研費なんかでそれを措置するという対応が可能なわけでございます。 それじゃ、それは公私立の方はどうか。公私立の方は基本的にはそれぞれの公私立大学で研究者がこういう研究をしたいということについて、大学としてそれを認めるか認めないかということが基本だろうと思います。そこのところが現在の私学の財政状況等を見ると、国立も大変厳しいわけですけれども、私学もそういう研究条件については大変厳しい状況にあって、なかなか研究者が思うように大学としての予算措置が進まないということがあるのではなかろうか。私どもできるだけそういう場合には事前に科学研究費の補助金の要求をしていただきたい、科研費で対応できる分はしましょうということにしておりますけれども、やはりその基本のところの親元の大学での財政状況なりそういう研究に対する対応の姿勢ということがございまして、この点はにわかに一朝一夕に解決をするということは必ずしも容易ではないのではないかというふうに思っております。
○粕谷照美君 確かにそのとおりだと思うんですね。研究者個人個人に任せてもどうにもならない部分というのがあろうかと思います。 文部大臣といたしましては、こういうようなことについては、例えば大学そのものに対する協力要請というものが必要になろうかというふうに思いますけれども、これから何か努力をされる御決意はおありでございましょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 局長からるる御説明を申し上げましたような経緯で今日に至って御審議をいただいているわけでございますが、委員御承知のとおり、これまでは国立大学の共同利用機関というふうに名称もなっておりましたし、その目的が国立大学における学術研究の発展に資するということが大前提で、もちろんそれについては応用動作等はあり得たわけでございますけれども、その看板をまず書きかえるという心理的な意味での今回御審議をいただいております名称の変更等についての意味が非常に大きいと思います。 したがいまして、この法律を成立させていただきました暁には、これからの文部省としての課題は、例えば、これは省内でも議論をまだ積み重ねたわけではございませんけれども、私学助成に対する助成の内容についても、こうしたことを前提とした予算の組み方というようなものも検討しなければいけない課題ではないであろうかなと、委員の御質問を拝聴いたしておりまして、そうしたことも今思いめぐらせているところでございます。
○粕谷照美君 法律を変えたはいいけれども、後に大きな課題が何か残っているような感じがしてならないわけでありますけれども、もう一つ、客員部門の教員になることが大変難しい。また客員部門の教員として採用されても、国立大学の教員の場合は併任だけれども、私大の場合は非常勤扱いとする、この辺のところについては、局長はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(川村恒明君) ちょっとその問題の前に一言、今の大臣の御答弁を補足させていただきます。 私学の研究費の問題は今大臣から御答弁申し上げたようなことでございまして、現在でも若干経常費助成の中でそういう補助ができる仕組みにはなっている、研究者がそういう研究をしたいというときに。ただ、現在では非常に予算的な枠が少のうございまして、これは昭和六十二年度に結果として補助した額でございますけれども、経常費助成の中で二億七千万ばかりしかないわけでございます。ですから、これは今大臣から御答弁申し上げましたように、経常費助成の中の枠取りの仕方としてこの二億七千万というものをもう少しきちんとしたものにするかどうかということがこれからの課題だというふうに考えております。 それから、今の身分の問題でございます。国立大学の方が客員部門に来るというのは、共同利用機関は国立の機関でございますから、同じ任命権者のもとで所属する機関が違うだけだからこれは併任で来るというのは当然のことになるわけでございます。それに対して公私立の場合は、任命権者が全く違いますから、こちらへ来るとすればその本体の方をやめてくるかどうかだと。やめるということはこれは現実性のない話でございますから、その客員部門というのは、本来非常に学際的な部門あるいはその研究所で賄い切れないような他の分野の人に来てもらうということでございますから、公私立の人に来ていただくということになれば、身分の扱いは国立大学側の扱いとしては非常勤ということにならざるを得ない。本籍はそちらに、本体の雇用関係はそちらにあって一時来てもらう、こういうことでございます。ただ、こちらの方へ来ていただいた場合に、客員部門の教員になった場合に、その方は先ほど申し上げましたように客員教授なり客員助教授という名称はもちろん使えますし、部門当たりの積算校費でございますとか、あるいは研究旅費というものはこれは自由に使える。それは公立から来た人と全く同じでございます。 それで、なおかつ申し上げれば、私学の方が見えますと、非常勤でございますから非常勤講師手当が出るわけです。それはその機関から非常勤講師としての手当を支給するということでございます。しかし、国立の方が併任で来ると、これは全く同じ任命権者の中の併任だけでございますから、併任で来た方に対して非常勤講師手当を支給するということはしないということでございまして、その意味では、手当の額だけを見れば私学から来た人の方が非常勤講師手当が得られるという点においては、国立よりも条件はいいのかというふうに思っているわけでございます。
○粕谷照美君 そういう場合もあるということを私学の方々は御存じなかったわけではないだろうと思いますけれども、それでもなおかつ差別感があるというのは、お金の問題ではないというふうに私は受けとめているわけであります。 結局、でもこういうことになりますと、今度はそこのところへ行きましたら、機関における共同研究に参加する研究者というのは、私学だ、公立大学だ、国大だという所属の別がなく同等に扱われるべきである、こういう考え方に立てば私はこの調査研究協力者会議が分析した部分というのは非常によくわかるんですが、そういうことを目標として今度法律改正に踏み切っているわけでございますか。
○政府委員(川村恒明君) おっしゃるとおりでございまして、ちょっと失礼しました、私先ほど申し上げましたのは、客員部門の方へ来る場合の併任であるとか非常勤の差別があるということを申し上げました。本来のと申しますか、一番メーンであるところの機関が主催をする、企画し立案をする共同研究、これに参加する方はひとしく国公私立の別を問わず平等でございまして、それはひとしく共同研究員という肩書のもとに参加される。そこで使うお金もそのプロジェクトに積算されているお金を国公私立の身分のいかんを問わず共同研究員として使用するわけでございますから、そのことにおいては従来から国公私立の別はないであろう。ただ、先ほど先生が御指摘になりましたように、そこへ参加するときのウオーミングアップの差というのがあって、実際にはなかなか私立の人が入り切れぬというようなことがあるわけでございます。ですから、今回の法律改正をお認めいただきますれば、私どもとしてやらなきゃいかぬというふうに思っておりますのは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、一つは管理運営の仕組みとしての評議員会とか運営協議員会の問題と、それから私学の方の自主企画プログラム、自主研究というものを新しく認めるというその二つが当面の課題ではなかろうかというふうに思っております。
○粕谷照美君 これはもう御説明を伺えば、大体私学あるいは公立大学の研究者の方々の満足とは言わないけれども納得がいかれるといいますか、御理解をいただけるような条件をこの法律が通ることによってつくり上げられる、つくり上げていくということがわかりましたけれども、大臣、本当にそういうふうになったのか、なっていくのかということを調査あるいは追跡をするといいます か検討していく機関、こういうものが必要になろうかというふうに思いますけれども、文部省としての対応はどういうように考えておられますでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりに、この法律にまさに魂を入れていかなければいけないわけでございまして、それが文部省としてのこれからの学術研究についての基本的な姿勢として貫かれるという中で、今委員御指摘の実態が保障されるという方向に文部省の行政としてこれを進めていかなければいけない、このように考えているわけでございまして、具体的な仕掛け等についてどういう考えかということについては、私自身今のところ具体的な案は持ち合わせておりませんが、局長から御答弁をさせていただいてよろしければ局長から御説明をいたさせます。
○政府委員(川村恒明君) ただいま大臣から御答弁がございましたとおり、まさに魂を入れるということがこれからの、形をつくっていただきまして魂を入れるということでございます。やはりこれはそれぞれの機関の性格にもよりますし、今申し上げたようなことが直ちに進むということでは必ずしもないかもしれない。しかし、名実ともにこれが大学全体に開かれた機関とするということについて、やっぱり私どもとしてもそれなりにフォローアップをしていかなきゃいけないのだろうと思います。ですから、例えば先ほど申し上げました私学の研究者による自主プログラムというものをこれからどうやって予算上の制度としていくのか。それは機関それぞれによって必ずしも一律でございませんから、そういう機関の実態を見ながらできるだけそういうプログラムを予算的にもふやしていく。またその際に、ちょっと私申し上げましたが、私学の人がせっかく参加しようと思ったらばか高い参加費が要るというのではこれはまた困ることだから、その辺は全体の様子を見ながらなるべく研究者が参加しやすい条件を整えていくということではなかろうかというふうに思っております。
○粕谷照美君 先ほどから局長の答弁をお伺いしますと、やっぱり予算というものが物すごくこの成否にかかわってくるなという感じがしてならないんです。 その予算についてでございますけれども、直接今の法律に関係あるというわけではありませんが、学術会議が四月二十日ですか、総会を開いてそこで勧告をしたといいますか、緊急提言を行った。この内容を御存じでしたら御報告いただきたい。
○政府委員(川村恒明君) ただいま御指摘がございましたように、日本学術会議がことしの四月二十日に総理大臣あてに緊急提言をされました。「大学等における学術研究の推進について——研究設備等の高度化に関する緊急提言」と、こういうことでございます。いろいろ長い文章で御指摘がございますけれども、要すれば、今日我が国の科学技術は文化、経済等社会全体の発展に大きく寄与しているけれども、その原動力になっているのは大学における学術研究や人材の育成ではなかったか。これから日本がさらに世界の中で文化国家として発展していくためには、人類の福祉増進に波及効果の大きい基礎研究を充実していくことが必要だ、そうするためには基礎研究を中心にやっておるところの大学における学術研究というものをさらに活性化することが大切であるということでございまして、大学等における学術研究を活性化することで、特にこの際研究設備等の充実を図るべきであるということでございます。我が国の研究経費において、国費の負担割合を引き上げつつ、基礎研究を重視してこれを推進する観点から、国立学校特別会計予算、私大助成及び公立大学補助の各予算について格段の増額を図る必要があり、その際、特に研究設備の整備充実を図るべきである、こういうことが内容だというふうに承知しております。
○粕谷照美君 総理大臣にこれを提言をされているようでありますけれども、文部大臣はこれ知らぬ顔をしているわけにもいかないと思うんです。総理から何かお話があるなり、あるいは文部省自体としても深刻にこのことを受けとめなければならないと思うわけです。とにかく学術研究の財政基盤は憂うべき状態にある、こうしているわけでございますから、その辺についての大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり極めて重要な問題でございまして、今日我が国が科学技術の面におきまして、文化、経済、社会生活の向上発展に大変大きな寄与を基礎的な部分でして、それが原動力になってきているわけでございますが、その基本のところは大学等における学術研究と人材の育成であったわけでございます。これから我が国が、国内はもちろんでございますけれども、国際社会の中で文化国家として十分な役割を果たしていくためには、特に基礎研究を一層充実させていくということがまさに緊急重要な課題であるというふうに考えているわけでございます。 この基礎研究を主体とする大学等における学術研究にもっともっと力を注いでいかなければいけないということにつきましては、日本学術会議から御指摘があったことと私どもが考えておることは全く同じでございますので、さらに一層の努力をしていかなければいけない、このように受けとめている次第でございます。
○粕谷照美君 文部省としては、基礎研究と言われましたけれども、我が国の研究費の実態というのはそんなに学術会議が指摘するほど悪いというように考えていらっしゃいますか、どうですか。
○政府委員(川村恒明君) 大変予算のとり方というのは難しいわけでございますが、試みに総務庁でやっておられます科学技術研究費で見てみるわけでございますけれども、そうしますと、六十二年度で我が国のそういう科学技術の研究費の総額が大体十兆円、九兆八千億ぐらい、こういうことでございます。それで、九兆八千億の中で大学なんかが使っている部分が約二兆円、一兆九千億余りでございます。ですから、研究費総額のうち大学で使っている部分が全体の約二〇%でございます。それから、民間企業で使っている部分が六兆五千億ぐらいでございましょうか、全体でいえば六六%、三分の二ということでございます。それから、あとは国立や地方の試験研究機関といわれるところが一兆四千億ぐらい。こういうことでございますから、日本の研究費をこういう形で見ると、民間が負担している部分がかなり多いということは事実であろうかということでございます。その研究費自体の額の多さでいえばアメリカはかなり多うございまして、全体で十八兆円ぐらいでございます。日本が十兆円と申しましたけれども、十八兆円ぐらいということで、日本は国別でいえば次の第二位ぐらいになっているところでございますが、ただいま申しましたように、研究費の中で民間の占める比率が高いということは事実ではなかろうかというふうに思っております。
○粕谷照美君 局長も、そうしますとやっぱり大学の基礎研究に対する研究費の配分が非常に低いということを認めていらっしゃるわけでありますが、文部大臣はいかがですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 局長から御答弁申し上げましたとおりで、それに尽きているわけでございますが、この基礎研究の分野につきましては、毎年文部省といたしましてもこれを、かなりと申しましょうか、最重点の予算獲得の目標にしている項目でございまして、そういう意味ではまだ大いに、例えば科学研究費にいたしましても、若手研究者の養成というような問題にいたしましてもまだまだ足りない、もっともっと予算を確保していかなければいけない分野である、このような認識をいたしております。
○粕谷照美君 局長にお伺いしますけれども、先ほど総額で言えばアメリカは十八兆、日本は十兆で世界第二位だ、こういうふうにおっしゃった。それじゃ、大学の基礎研究においては世界的に第二位の、このくらいの地位にあるわけですか。
○政府委員(川村恒明君) ちょっと、これデータ が若干違って、数字がやや不正確でございますけれども、先ほど我が国の研究費総額が約十兆円、九兆八千億と申しました。その中でいわゆる自然科学、ほとんどが自然科学でございますから、自然科学に使われている研究費が約九兆円でございます。十兆円のうち九兆円が自然科学、残りが人文、社会科学、こういうことでございます。その中で見ると、基礎研究の占める比率というものが一兆二千億ということでございまして、全体の一四%ぐらい。それからいわゆる応用研究が二兆一千億で、これが全体の二四%、大体四分の一ぐらい。それから開発研究費というのが五兆四千億ということでございますから、六二%ぐらい。だから、日本の約十兆円の研究費の中で大きな部分を占めるのが、一番大きな部分は開発研究費。実際的な応用技術に結びつくような開発研究が多くて、基礎研究の部分が一四%ぐらい、こういうことでございます。 そういうことで見る限りは、基礎研究が非常に圧迫されているではないかということでございますけれども、大学の研究費の状況を見ると、大学の研究費というのはかなり多くの部分がいわゆる基礎研究でございます。大学の研究費というのは半分以上が基礎研究に使われておって、先ほど申しました多い民間の方の研究費が開発研究の方に回っている、こんな状況でございます。 全体の研究費で基礎研究費の割合というものを性格別に国際比較してみますと、日本の場合は基礎研究費がただいま申しましたように一四%ぐらいと申しました。日本の場合一四%でございますけれども、これがアメリカなんかでは一二%ぐらい。さらにイギリスではそれの半分ぐらいで六%ぐらいでありますとか、逆に大陸系の国のフランスとかドイツでは二〇%ぐらいと、国によってばらつきがありますけれども、基礎研究の占める比率というものを国際的に見た場合に、必ずしも低い方ではない。今申しましたように、アメリカやイギリスなんかよりははるかに多いというような状況でございますので、一概に基礎研究が非常に圧迫されているということは言えないであろう。 ただ、繰り返して申しますけれども、先ほども申しましたように、研究費全体の中で民間の研究費が非常に多い、その非常に多い民間の研究費というものは開発研究の方へ流れているというのが実態で、そことの比較において大学の基礎研究というものがいささか見劣りをするのではないかという御指摘があるのではなかろうかというふうに思っております。
○粕谷照美君 大変少ないのだという学術会議の声にこたえるような局長答弁になっていないですね。事実をただ報告しただけであって、ちっとも心の痛みなんか感じてないような感じがしますよ、私は。 それで、問題はたくさんありますけれども、そんな少ない額で科学技術立国と我が国が言われているんですから、いかに日本の研究者は大きな犠牲というか努力を払って、非常に優秀であるかということが逆に言うと認められたことになる。そんなことに甘えていてはいけないのでありまして、やはりきちんとした基礎研究の拡充の体制というものを文部省としてはとるように心から要望をしておきたいと思います。 さて、先ほど質問ちょっと忘れたんですけれども、外国人の受け入れの問題なんですけれども、この態勢というのはどういう現状になっておりますでしょうか。
○政府委員(川村恒明君) 共同利用機関の問題としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、共同利用機関として外国人の受け入れが幾つかの態様がございます。 一番基本的には、かつてこの国会で御審議をいただきまして成立を見ました外国人の任用法という法律がございまして、外国人の方を日本の正規の教育公務員として採用することができるということでございまして、ちょっと今手元に数字を持っておりませんけれども、そういう形で正規の専任の教員として参加をするというタイプが一つございます。 それからもう一つは、客員としての参加でございますけれども、外国人の場合には特に外国人客員部門というものを設けております。もちろん一般の客員部門に参加していただくこともいいわけですけれども、外国人の場合に旅費の問題とかいうこともございますので、普通の客員部門よりも多額の予算を計上した客員部門というものを別途つくりまして、ここへ外国人の方に参加していただくという態様がございます。 それから三番目の態様といたしましては、先ほどお答え申し上げましたような機関が主催する共同研究に共同研究員として参加するという態様があり得るわけでございます。この場合は現実問題としては外国からやってきて共同研究に参加するというのはなかなか困難でございまして、現に国内の一般の大学等におられる方が参加するというケースが若干あるかというふうに思っております。 大体そういう三つの態様で外国人の参加が進められているということでございます。
○粕谷照美君 一応国立大学共同利用機関に関する質問はこの辺で終わりまして、ぜひ内容的に充実をするということとあわせて、充実をさせるための組織の検討、システムの検討、こういうものを十分皆さんの意見を吸い上げるような形でやっていただきたいし、それを後追いする調査、この法律が生きるような体制というものをきちんと持っていただきたいということ、あわせまして、何といっても予算というものをきちんととっていただかなければならない、来年度予算に向けての文部大臣の決意もお伺いして、この部分に関する質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 先ほど来局長からお答え申し上げましたように、文部省といたしましても委員御指摘の問題については十分な認識と決意を持って今後取り組んでいかなければいけない、このように考えているわけでございますので、また委員各位の御指導もいただきながら、この法律成立の暁にはこの精神が生かされるように十分な努力を続けてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○粕谷照美君 それでは、この法律改正のもう一つの柱であります短期大学部の併設及び廃止の中の秋田大学に医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することにしたという部分についてお伺いをいたします。 これは、どういう基本的な考え方のもとに併設することを提案されておりますか。
○政府委員(坂元弘直君) 先生も御承知のとおりに、最近の医学、医療の進歩発展、それから人口の高齢化等に対応するため、いわゆる従来からの看護婦の養成についてもう少し幅広い知識と高度の技術を有する看護婦の養成、それからそういう幅広い知識と高度の技術を有する看護婦の養成を増員するということが求められているわけでございます。 そういう観点に立ちまして、逐次昭和四十一年から私ども、国立大学の医学部に附属されております看護婦養成のための専修学校の短期大学レベルへの切りかえを行ってきているわけでございます。そうすることによりまして供給する看護婦の資質の向上を図ってまいりたいという観点から、併設する専修学校を廃止いたしまして短期大学に切りかえてまいりたい、そういう考えでございます。
○粕谷照美君 看護婦さんが非常に足りないんですね。随分養成されているように思いますけれども、病院あたりでは引き抜きが始まったり、特に国立で養成された看護婦さんなんかは高給で引き抜かれるなんというお話なんかも耳にしておりますし、そして四週六休なんといいましても、看護婦さんあるいは病院部門については四週六休が的確に作用していないのではないかと思われるようなこともたくさんあるわけでありますが、看護婦の需給計画、それと養成というものを、厚生省がこれは考えることだと思いますけれども、養成の部分につきましては文部省としては非常に大き な関与をしているわけですから、その辺はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(坂元弘直君) 看護婦の養成につきましては、私ども文部省が所管しております養成機関というものは、大学、短期大学あるいは高等学校、それから大学に附属しておるいわゆる専修学校等が私どもで所管しておりまして、それ以外のいわゆる専修学校で養成しておる部分につきましては厚生省が所管しているわけでございます。 先生御指摘の先般、本年の五月でございますが、厚生省が発表しました看護職員需給見通しによりますと、昭和六十三年度には看護職員は全国で約六万五千人不足している、そういう数字を示しております。 どういうふうにしてこの不足を補っていくかという手だてでございますが、厚生省の一つの考え方として、いわゆるナースバンクに登録しておる看護婦さん、言いかえれば看護婦であった人がいろいろな事情でその後職を離れたという人でございますが、このナースバンクに登録しておる看護婦さんの、元看護婦さんといいますか、この人たちの再就職をさらに促進していく。厚生省の試算によりますと昭和六十三年度でこの再就職者というのが一万一千人になっておりますが、これを平成六年度には二万四千人、言いかえれば倍以上再就職していただこうという計画と、それから今後短期大学等、専修学校を含めまして、養成機関を卒業する新規卒業者につきましては毎年少なくとも四百人程度の養成力を増強していく、そうすることによって平成六年度には需給が均衡する、そういう需給見通してございます。 ちなみに、私どもが所管しております学校、特に大学、短大につきましてここ数年間の趨勢を申し上げますと、昭和六十年度の大学、短期大学の養成機関数は国公私立合わせまして六十一で、新卒者の養成人員は三千七百二十人でございます。それが平成元年度、本年度、四年の間にどうなったかといいますと、養成機関数はこれは私立の短期大学がかなりふえておるわけですが、十八ふえまして七十九養成機関数になっておりまして、養成数は五千百七十八、差が千四百五十八人の増加というふうになっております。これはグロスの増加でございまして、秋田大学で申し上げましても、専修学校を切りかえて短期大学にするわけでございますので、ネットの増加数は千四百五十八ではなくて大体千三百弱であろうかと思っております。そうしますと、短期大学等での養成数は、六十年度から今年度までの傾向値を見ますと、大体年間三百人強ふえているわけでございます。 ちなみに看護婦養成の機関として先ほど専修学校等も含まれておるというふうに申し上げましたが、文部省が所管しております大学、短期大学等の養成数とそれから専修学校の養成数との割合は、トータルでございますが、学校で養成しておる数が七千、専修学校等で養成しておる数が三万でございまして、大体二〇%と八〇%、一対四でございます。その一の部分、二〇%の部分が大体年々三百人ずつ増しておるという傾向でございますので、来年度も私立で看護婦養成のための短期大学をつくっていくという希望を持っておるところもかなりございますので、今のところ私どもとしましては、新卒者四百人程度の養成力を増強するという考え方は、平成六年度までに何とか専修学校を含めまして全体として毎年四百人程度の増員はできるんではないかというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、厚生省とも十分連携をとりつつ、より高度な看護婦の養成という社会的需要を踏まえまして私どもとしても努力をしていきたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 専修学校を卒業した生徒よりも短期大学を卒業した生徒の方が優秀な看護婦であるという認定は、学歴制度だけでは私は考えられないと思います。しかし、教育内容も十分に充実をしていくという意味では、看護婦さんの質の向上といいますか、結局は国民のところにはね返ってくるわけでありますから賛成するわけですが、今御報告をいただきました再就職が昭和六十三年度は一万一千人だった、これをいずれ倍増にして二万四千人にしたいという、これ、ちょっととらぬタヌキの皮算用になるのではないだろうか、こういう感じがしてなりません。それはなぜかというと、看護婦さんの労働条件というのは実に厳しいからです。ILOなんかにいきますと看護婦さんの労働時間は週四十時間だと、こういうことが言われている中で大変厳しい勤務条件を強いられているというふうに思います。国立大学附属病院の勤務条件の改善についてはどういうようにお考えになっておられましょうか。
○政府委員(坂元弘直君) 今先生が御指摘の、看護婦さんの勤務条件が大変シビアであるということと、そういう観点と、それから看護婦さんの立場というのは、患者に対する療養上の世話、それから診療の補助を業務とするいろんな職員がいるわけですが、その職員の中核的な役割を看護婦さんが果たしておる、そういう役割の重要性というようなことにかんがみまして、私どもも年々看護婦の配置の改善に努めているところでございます。 ちょっと資料が古くて二年前で恐縮でございますが、昭和六十二年度現在で百床当たりの看護婦数は四十七・六人でございます。全国の病院の平均は百床当たりの看護婦数は三十四・三人でございまして、民間が悪過ぎるんだと言われればそれまででございますが、国立大学の看護婦の要員の増員につきましては私どもとしても年々努力しているところでございます。しかも、近年、いわゆる医学の進歩に伴いまして、従来不可能とされておりました手術や高度治療が可能となったこともありまして、国立大学附属病院に重症患者の割合が増加してきているわけでございます。したがって、なおさら看護婦さんの業務が高度化し、大変シビアなものになっておるというようなこともございますので、私どもも今後とも看護婦要員の整備を重点的に図ってまいりたいというふうに考えておりまして、平成元年度、本年度におきましても放射線部要員と病棟要員の確保を中心にいたしまして六十六人の増員を行ったところでございます。今後とも、財政状況が厳しいということはございますけれども、私どもとして看護婦の増員につきましては努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 ますますの御健闘を心から期待をいたしまして、本当に国民から期待をされる条件というものをきちっとつくり上げていただきたいということを要請いたしまして私の質問を終わります。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、坪井一宇君が委員を辞任され、その補欠として柳川覺治君が選任されました。 —————————————
○林寛子君 私は、きょうは実は賛成法案でございますし、もう既にこの法案に対して同僚の粕谷委員からも細かい御質問がございまして、質問をしないでおこうかと思いましたけれども、御存じのとおり、西岡文部大臣が大臣に御就任されましたのが昨年の十二月の二十七日でございまして、通常国会が開かれましたけれども、残念ながら私たちは大臣の所信すら聞かしていただくという機会がございませんでした。大変残念でございました。また、その所信に対する質問も当然できませんでした。 しかも、西岡文部大臣という、今まで私ども自由民主党の中に西岡先生という文教関係に関しては大変理想と理念をお持ちの方と私は拝察しておりました方が文部大臣になられましても、それに対して私たちは何も時間がいただけなかったという残念な状況にございましたし、また大臣の所信の冒頭にもございましたように、文部省という日本の教育全般にわたって若い人たちが理想と理念に燃えて教育を受けなければいけない、また将来日本の国をしょって立つ子供たちというその理想のもとに文部行政があるわけですけれども、その中で大臣が所信でおっしゃいましたように、国民すべてに文部省の信頼が失墜するような事件に発 展し、なおかつ、俗な言葉でとばっちりを受けてと言うと失礼かもしれませんけれども、その連帯責任というような形。また連帯まではいかないんでしょうけれども、文部省の国民に対する信用を回復するために身を切り骨を削るような痛みをされたということは過日同僚議員からもお話がございました。 私は、そのような中できょうは限られた時間でございますけれども、どうしても質問さしていただきたいと思いましたことは、そのような信頼をなくした文部省あるいは文部行政そのものが、将来の日本の文部行政のあり方というものについてどのように理想像をお持ちなのであろうか。冒頭に申しましたように西岡先生という文教行政に携わっていらした国会議員としての長い経歴の中で大臣という席にお着きになって、言いにくいこともおありだろうと思いますけれども、この失墜した文部省の信頼というものを国民とともに取り戻すために文部省の理想と夢というものをぜひ西岡文部大臣にお聞きしておきたい。と申しますのは、正直申し上げて私は今度改選議員の一人でございまして、果たしてこの文教委員会で二度と質問ができるかどうかわからないという立場でもございます。これは入試と同じように試験を受けるわけでございますから、試験に通ってこなければできませんので、改めて日本の文部行政の今後あるべき姿、また西岡先生が文部大臣として御就任になって、日本の文部行政はこのようにしていきたいという壮大な夢とロマンがなければならないと思います。その一端を吐露していただければありがたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 かねてから林委員いろいろと私自身も御指導いただき、あるいは御示唆をいただきながら、我が国の文教行政を推進するに当たって与党の議員の立場から取り組ませていただいたわけでございますが、今回文部大臣に就任をいたしまして、振り返ってこれからの我が国の教育、どこが重要なのかということを大臣という立場で考えてみましたときに、やはり一つは臨時教育審議会、臨教審で指摘をされておりますいろいろな分野、教育の分野における課題、宿題、提言、ほとんど問題点は網羅されているというふうに私は考えております。 臨教審につきましては、いろいろな御議論がございますけれども、そういう意味における臨教審答申の意義は非常に大きなものがあると私は認識をしているわけでございまして、それを今度は具体的個別にどう問題を解決し、その理想に近づくべく努力をしていくかということがこれからの文部省の大きな課題である、使命であるというふうに考えているわけでございます。 もう教育の重要性につきましては、今さら私からるる申し上げるまでもなく、林委員かねがね御主張になっておられる、とにかく教育があって初めて国家が成り立つわけでございますし、最近の教育をめぐるあるいは学術研究をめぐる国際環境というものを考えますと、我が国が国際社会の中で貢献できる分野もまた教育、学術研究、文化、各般にわたる部面である。最近も各国からいろいろと教育、文化担当の大臣の方々が日本を訪れられ、文部省を訪問されるわけでございますけれども、その際特に義務教育について、日本の今の教育政策をぜひ勉強したいというようなお話もあるわけでございます。 そうしたことを通じて痛感をいたしますのは、我が国のこれからの義務教育のあり方というものについては自信を持ちつつも、やはり時代の、社会の大きな変化の中における義務教育のあり方というものをもう一度再検討しなければいけない。これは制度の面におきましても、精神的な面におきましても、もちろん精神的と申しますのは教育内容という問題も含めてのことでございますが、非常に重要な事柄であろうと思います。特に、最近の子供たちの心身の発達というものが非常に一昔、二昔前とは異なってきている、そういう状況のもとにおける現在の学校制度全体が果たして対応できているのだろうかというようなことも含めて検討を迫られているのではないか。 もう一つは、やはり高等教育のあり方ということについて、文部省として真剣に考えなければいけない多くの問題を含んでいるのではないか。と申しますのは、確かに新しい教育制度のもとにおきまして四十年経過をいたしまして、量的な拡大という点においては非常に大きな成果をもたらしたと思います。ところが、一方におきまして質的な面における高等教育のあり方というものが今ここで改めて問われているということも否定できない事実でございまして一そうしたこと等々、文部省としては一つ一つ問題にこたえていきつつ、もちろん教育改革という問題は、改革という言葉を使いますとそれがあたかも年じゅう文部省が改革にばかり取り組んでいてひとつも落ちつかないのではないかというような印象を与える嫌いなしとしないわけでございますけれども、私自身は、あらゆる制度がそうでありますように、その時代時代においてその制度を、抜本的かあるいは手直しかは別といたしまして、常に刷新していかなければいけない、そういう宿命を制度というものはそれ自体持っているというふうに考えるわけでございます。 そういう意味からも、教育の改革という問題は不断の努力を必要とする課題である。その課題の中心的な問題が今申し上げたようなところにあるのではないか。そうしたことを踏まえまして、既に審議をしていただいております大学審議会、そしてことし四月の二十四日に発足をしていただきました中央教育審議会、第十四期の中教審におきましてもそうしたことを個別にあるいは包括的に諮問をいたしまして、今御審議をいただいているところでございます。 教育の重要性というものを十分認識し、そしてその行政を担当する文部省としての役割、責任の重大さというものを改めてかみしめながら、大胆に、しかし着実に文教行政を進めてまいらなければいけない、このように考えておる次第でございます。
○林寛子君 限られた時間の中でございますから、壮大な夢とロマンをと言っても申しわけないことだと思いますし、事実参議院のあり方自体も私は疑問を持っておりまして、参議院の審議の仕方というのは、参議院の任期六年ということを考えれば、まさに教育問題という長期なものは必ず参議院でもっと審議され、参議院先議がたくさんあって、そして教育の基本的な改革という専門的なことは長時間フリートーキングを持って参議院で審議されてもいいのではないか、そういう基本的なものを、審議のあり方も含めて参議院改革をしていきたい、しかも教育問題は参議院に集中して審議してしかるべきだということを考えておりますので、あえて大臣に質問要項も差し上げないままに理想論をお願いしているわけでございますけれども、その審議のあり方自身もフリートーキングでもっと、ここにお並びの委員の先生方は現場あるいは専門家も含めてそれぞれの地位をお持ちの委員でいらっしゃいますから、参議院の文教こそフリートーキングでそれぞれの先生の体験あるいはそれぞれの先生方の理念というものを吐露していただいて審議していく場にしたいということも、私はきょうは最後のつもりでございますからあえて言わせていただき、お願いしたいと思います。 それから、今大臣がおっしゃいました中のいわゆる義務教育それから高等教育ということも含めまして、実は御質問したいこともたくさんあったんですけれども、私は一母親としましても今日の日本を考えますときに、これほど豊かで、そして戦後これだけの発展をし繁栄をして、自由と平和と安定が世界に誇れる日本である、私はありがたいと思っております。そして、これだけ豊かになった日本なのに今の子供たちや若者たちには、これだけの豊かさと、そしてこれだけの平和というものの中になぜ世界一すばらしい若者や子供がいないんだろうか。御存じのとおり、新聞、テレビ等々を拝見しましても、本当に今の青少年問題というものは、今の日本の国力と豊かさ、そういうものと比例をしているんだろうかという疑問を持 たざるを得ない昨今であるわけですね。そして、これだけの青少年問題、私ここのところを見ておりましても子供の問題がたくさんございます。本当に事件だけ拾っておりましても私の胸が押しつぶされるのではないかと思うような事件が多々発生しております。 少し拾ってみましても、受験体制に押しつぶされた中学生による家族殺人。差別と選別のふるいにかけられました上に、学校の管理体制というものについていけないということで、そこからはじき出された少年たちによる凶悪な殺人事件。あるいは、無職の少年グループによります高校生の軟禁あるいは監禁、拘禁といいますか、その殺害事件。それから、神奈川藤沢の暴走族による新聞記者の殺傷事件。また、これは青少年といいますか、むしろ昨今連続して未解決の幼女の誘拐あるいは行方不明事件あるいは殺害事件等々、もうそういう青少年と幼女の事件を聞いておりましても胸の痛むことばかりで、なぜこれだけの物の豊かさ、私たち主婦からいえば戦後の生活の便利さ、生活水準の向上、それらの中でなぜこのようになってしまったんだろうか。 私、教育評論家の能重真作先生という方、前にこの文教にも参考人で来ていただいたことがあるんですけれども、その方の御意見を文部大臣にちらっとお聞きいただきたいんです。 子供の事件は、形としては他者への際立った攻撃ですが、子供達はそうすることで自己自身を決定的とも言えるほどに破壊しているのです。このような自己破壊的な行為に走る子供に共通するものは、周りの人々に大切にされない「疎外感」であり、未来に希望が持てない「未来閉塞感」であり、充実した「いま」がもてない「空疎感」です。 子供たちに言い知れぬ寂しさを感じさせ、子供から夢と希望と、そして充実した「いま」を奪った者は、ほかならぬ私たち大人です。という能重先生の発言を私聞きまして、そのときに本当にそのとおりだと。 私たちは、家庭的にもあるいは社会的にも学校教育的にも、それらすべて大人の責任であると言わざるを得ないだろうと思うんです。そういうものは私たち少なくともこれからの教育というものを考えるときに、まあ大変理想論で申しわけないんですけれども、そのように子供というものは親を初めとする周りの人たちから大切にされて、そして夢と希望があふれた充実した日々を保証される、また保証されなければならないと私は思っております。あるいは経済の繁栄も科学技術の発展も、すべてより豊かな人間社会の実現のために今まで私たちは努力してきたわけでございます。それなのに、豊かな物質社会を実現したと言える現代に、なぜみずからの命を断つ子供や、あるいは他者に危害を与える子供たちがふえてきたのだろうか。それはやっぱり本来の人間性というものが、教育するあるいは教える、家庭においても母親が子供へのしつけの中においても人間性というものがどこか置き忘れられた昨今ではないんだろうか。その人間性を取り戻す、それを子供たちに教える場が少なくとも家庭、学校、社会においてこれから充実されなければいけないじゃないだろうか。そういう一つの気持ちを持っているんですけれども、それに対して大臣の何か所感があれば伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいまも林委員からお話がございましたことにもうすべて尽きているのではないかというふうにお聞きをいたしまして思ったわけでございます。 現在の物質的な豊かさの中における教育というものは、今まで大きく申しますと人類全体が経験したことのない一つの未踏の世界であろう、そういうことをヨーロッパの国々、アメリカそして日本もまた味わっているのではないかということを感ずるわけでございます。その中における教育のあり方というものがまさに問われている。 委員御指摘のとおり、家庭、社会、そしてこれは文部省の基本的な責任になるわけでございますけれども、学校教育の場における教育力というものをどうやってつけていくのかということが私どもに課せられた大きな課題であるというふうに考えるわけでございまして、そういう点からも文部省として、新しく学習指導要領等におきましても、その目標として豊かな心を持ったたくましい精神、そして個性を大切にするという、そして創造力を持つという、そういう子供たちを育成していかなければいけないという方向を打ち出しているのもそういうところにあるわけでございまして、大変難しい困難な課題に文部省としても行政をお預かりしているという立場から直面しているというふうに認識をするわけでございます。そういう意味において文部省もある意味では今こういう状況のもとで悩みに悩んでいるというのが偽らざる心境でございまして、いろいろと御教示をいただければ幸いでございます。
○林寛子君 先ほど大臣のお話の中にも、改革をし続けることによって、それが果たしていいのだろうか、また、時代によって改革していかなければいけないというお話もございました。で、私はきょういろんな立場の皆さん方、それから今改革というお言葉の中にございましたように、入試問題、いわゆる入試制度のあり方ということだけに絞ってちょっと伺いたいと思います。 と申しますのも、戦後、国立大学の入試というものに関して、御存じのとおり昭和二十二年から二十九年までは進学適性検査、私はこの組でございますけれども、三十八年から四十三年までが能検テスト、それから五十四年から本平成元年までが共通一次試験、そして平成二年から新テストいわゆる大学入試センター試験、共通試験だけでもこれだけ変遷してきたわけですね。そして、各大学の試験におきますと、昭和五十四年までは一、二期校制いわゆる二校受験でございます。そして五十四年から六十二年までが一校のみの受験。平成元年までがA、Bグループ分け、いわゆる二校受験。そして平成元年からA、Bグループ分けと分離分括方式の二本立て、いわゆる二校受験。そのように入学の共通試験というものも主婦から見れば、あるいは子供から見ればくるくる猫の目のように変わる、こうおっしゃるんですね。変わるのばいいけれども、その変わるときは大学の立場が先に立って、入学者をいかに間違いなく選ぶかということばかりに気をとられている。あるいは逆に受験生それぞれが自分の志を遂げたいという仕組みを考えてくれないという御不満もあるわけでございます。 また、私どもはこの問題と裏腹に、全国に五千五百の高校があって、そして四千ぐらいの学校から共通一次試験を受けていたわけですね。けれども、その生徒というのはいわば全体の学生の一五%くらいなんです。短大では六割あるいは私大で四分の一の学生はいわゆる推薦入学しているんです。そうしますと、高校生全部がねじり鉢巻で勉強しているというわけではないんです。国公立の入試に関心が集中し過ぎているんではないんだろうか。また、この一五%のことばかりをやたら議論しているんではないか。そしてこの先一九九二年からは十八歳の人口が激減するわけです。長い目で問題を考えていかなければ、競争したくても一九九二年からは競争しなくてもどんどん大学に入れるという時代が来るんですね。そうなったときには逆に学生の学力の低下という方が今度は心配になるんじゃないか。そういう長期の問題というものもぜひ示していただきたい。 それと、現在三十六万人と言われる浪人学生の問題。もっと大学をつくればいいという意見もありますけれども、なぜ浪人をするのかといえば、それは日本の社会の中でよりよい大学を選択したいという問題がある。また半面、定員割れの大学も出ている。 国公立、私立を問わず、大学とは、あるいは入試とはという根本をもう一度文部省は考え直していかなければいけないんじゃないか。また、共通一次の導入のとき、あるいは複数化のときでも国立大学協会が教師の意見を吸い上げる機会がほとんどなかったという声も一部には聞かれるわけでご ざいます。そのように入学制度のあり方一つとってみても、一般の学生、父兄の間には、なぜ国立大学は一つしか受けさせないのか、あるいはいや二つだと。そういうことばかりなぜ言っているんだろうかという率直な意見もあるということをぜひお考えいただいて、今後の文教行政の中の大きな柱を出すとともに国民の声を聞いていただきたい。 そして私は最後になりますので、先日大臣が再任をされましたときに、近く大学入試の抜本改革案を諮問したい、その中で大学入試制度の抜本的改革を諮問する前にアンケート調査結果をまず発表するが、その結果を十分省内で協議し、追加諮問したい、こうおっしゃっているんです。私はそれを大変ありがたいと思いまして、入試制度などについて高校生、父母、教師に対するアンケート調査を実施、その結果を見て両審議会に改めて諮問する、こうおっしゃった。それは大変ありがたいことだと思いまして、大臣の姿勢として、いわゆる生徒、両親、学校、教師、それらの意見をすべてアンケート調査をとってからとおっしゃったことに対するお答えもいただき、将来への希望を伺いながら質問を終えたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、大学入試の問題がなぜ問題なのかということは、一つは委員も御指摘がございましたように、大学へ進学しない子供たちも巻き添えにした形で大学入試の問題が大きな問題となっているというところが一つの大きな問題点であると思います。 もう一つは、大学の入試制度というものが高等学校、中学校、小学校、極端な場合には幼稚園における教育まで大きな影響を与えている。このことは実は先日行われました国立大学協会の、国大協の全国の国立大学の学長の皆さん方の会議の場でもお話を申し上げたわけでございますが、大学の入試というものは今日まで大学側の立場から、これは当然大学の自治であるという範疇の中で議論をされてきた。しかし今日、大学入試がどこに問題があるかといいますと、今申し上げましたように、大学の自治とはいっても、大学が行っているところの入試制度というものが高等学校から幼稚園に至るまでのそれぞれの教育というものまでを巻き込んでしまった形でいろいろと大きな社会的な問題になってきている、ここに問題があるんだと思います。 もちろん、この入試の制度につきましては、これは大学のいろいろな個性のある大学がたくさんできなければいけないわけでございますし、それぞれのレベルというものも、当然格差も現実には存在するという中で、最終的な究極の入試制度はこうであるというようなものはもちろん永遠の課題であろうというふうに私は思っているわけでございますけれども、少なくとも今指摘をしました問題について、文部省としてもきちっとした答えを少なくとも国民の皆様方の前にお示しする必要があるのではないか、よりよい改革の、改善の努力を進めていくという努力をしていかなければいけないのではないか、このように考えているわけでございます。 ただいま数字的には専門の皆さん方の機関にお任せをいたしまして集計を急いでいただいているわけでございますが、大体今月中には最終的な数字が明らかになろうかと思いますが、初めての試みとしまして、高等学校の生徒二万人、父兄五千人、進学指導の先生方三千人、合計二万八千人の方々を対象とした問題意識についての意識調査というものを世論調査という形で今実行しているところでございますが、そうしたものも非常に大きな参考として、大学入試の改革についての具体的な御議論を中教審そして大学審議会、両審議会においてやっていただきたい、このように考えているわけございます。 さらに加えて申し上げますと、その際に高等学校、中学校、小学校、幼稚園、それぞれの学校段階の皆様方の御意見も十分承れるような、例えば専門委員というような形でお願いをするというような形で参画をしていただくとか、そういうような工夫もこれから両審議会の会長とも御相談を申し上げながら進めさせていただきたいと考えているわけでございまして、大学入試の問題は、確かに特にここ三年ばかりの間いろいろな御批判が強く寄せられているということを文部省としても責任を痛感しているわけでございますので、特に焦ってここ一、二年でどうしようということではなくて、少なくともきちっとした今考えられる最善の方向というものを、文部省としても答えを出していく責任があるのではないか、このように考えまして取り組んでいるところでございますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○委員長(杉山令肇君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高桑栄松君 それでは、早速質問をさせていただきますが、西岡大臣は大変教育に一見識をお持ちの大臣でおられまして、何か先生と意見を交換する機会があったらと思っておりましたけれども、きょうは余り時間がありませんので、もし再び議席を与えられて出てまいりましたら改めてまた論議をさせていただきます。 しかし、本日は第一スピーカー粕谷委員、第二スビーカー林委員で、女性優位の委員会でございまして、ようやく男性が三番目に今あらわれたというわけで、さっき私ちょっと数えてみたんですけれども、男性が九、女性が、今三ですけれどもあと二人いらっしゃって五人だったんです。十四分の五ですから、パーセントで三割超すんですね、この委員会は。女性議員の数は参議院で八・七%というから、圧倒的にこの委員会は女性優位なんですね。女性によってようやく支えられているのが文教委員会ではないかということでございます。 冗談はさておきまして、本日のテーマでございますが、国立大学の共同利用機関、国立を外して大学にする、私も国立研究機関にもおりましたし、大学の職にももう三十年以上もおりまして、いろいろと隘路とか、いい点というのは余り気になりません。まずい点が大変気になるのでございますけれども、この国立というのを外してという看板がえのようでありますが、大変私はこれはいいと思うんです。今、国立優位ということはございませんし、むしろ創意工夫ということは私立の大学なんかでは大いに奨励されているんではないかということで期待をしているわけでございまして、この法律そのものは大変私は歓迎する立場でございます。 それで、ただ国立研究機関におった関係で、先ほど午前中の質問にもありましたけれども、客員研究員ですか、そういう制度でということで、これは案外必ずしもだれでもなれるかということではないようでありまして、恐らくこれについてのそれなりの予算というものが計上されるとすれば、客員研究員にも予算的な措置での定員があるのではないか。 それから、よく言われますのは、光熱水料、実験材料等々についてはだれがどういう形で負担するかといったことがあろうかと思います。一つは科研費のことで伺いたいんですが、科研費を持っている場合には科研費を投入すればそれでいいのかということが一つあります。もう一つは、科研費を申請するときに、よく測定器具、機械、薬品等を購入するのがあるわけですが、この研究所のこの機械を使うという前提で科研費の申請ができるのか。私は、主としてそういった経理上の取り扱いと、客員研究員にしてもそれなりの予算上の措置があるのか、科研費との関連、こういったことを伺いたいと思います。
○政府委員(川村恒明君) 御指摘の点は二つある かと思います。 一つは、客員研究部門の件につきましてその運営ということであろうかと思いますけれども、客員の研究部門と申しますのは、その名前のとおり、ここには専任の定員は張りつけませんで、先ほど来申し上げておりますような、国立であれば併任、あるいは私学から見える方ならばその非常勤のポストを、チェアーを用意するということでございまして、専任の定員はございませんが、ただ研究部門として独立をしておりますから、いわゆるその講座当たりに匹敵する、研究所で申しますところの部門当たりの積算校費なり研究旅費というのは、普通の部門と全く同様にこれを計上するということでございます。ですから、その客員の教員に発令された方が研究を進められる際には、第一義的にはただいまの当たり校費なり当たりの旅費を使っていただくということになるわけでございます。ただ、それだけでは十分ではないんじゃないかというのは今の御指摘のとおりで、それは一般的な事柄でございますけれども、研究をされる際にそういういわゆる積算校費的なパーヘッドの研究費のほかに科研費等を使うということは、それはその研究者の御判断でございまして、その科研費を申請されて、それが採択されれば科研費も使える、こういうことでございます。 それからもう一つ、科研費の関連で設備を入れる、その科研費で設備を購入するということは、それは研究の遂行上必要だと認められれば当然それはあり得るわけでございますが、ただ、今御指摘のようなこの部門のために、あるいはこの研究所の設備として買うんだということは、科研費の制度から見ればやや本道を外れたことでございます。結果として、その研究所でそれを使うということは当然あろうかと思いますけれども、科研費というのは本来研究者個人あるいは研究グループに対する、その人たちの研究活動に対する補助金でございますから、その個人ないしグループの研究活動のために必要な設備を導入するんだというふうに御理解をいただきたいと思っております。
○高桑栄松君 今のはそれとちょっと違ったんです。 というのは、そこにある施設を使うということを科研費の申請の条件にしてもいいかと、それが一つ。すると、その部分だけ費用が要らないというか、そういう意味です。 もう一つは、客員研究員というのはそれ相当な業績のある人だと思うんです。例えば大学院を持っている教授ですと大学院学生がおりますので、大学院学生を一緒に連れていってそれを使えるか。これ、私がいた某、某と言ってもだめですね、国立公害研究所でございますが、大学院生を連れてくるというのは非常にむしろ面倒でした。だけど、目をつぶったという、そんなの言っていいのかな、目をつぶったのを言わぬ方がよければ消してもらいますけれども、そういうことです。 それからもう一つは、研究業績を発表するときに、大学院生が入れない、ですから研究所の名前使えない、こういうようなことありまして、結構やはりうるさい制約があるんですね。ですから、これはかなり自由な研究を妨げるんじゃないか。それから大学院学生を教授が指導者として連れてきて研究を一緒にする立場で使う場合には、若い人と研究者との意見交流ができまして非常に活性化されていくというメリットがあったわけです。そういうことを期待して、私がいたところではそれを何とかやらせましたけれどもね。それについてどうでしょう、この施設と。
○政府委員(川村恒明君) 失礼をいたしました。 先ほどのまず設備の点でございますけれども、研究者がその研究活動を展開する際に一定の施設設備があることが前提になる。そういうある一定の与えられた条件のもとでさらに一層の研究をしたいということで科研費の申請をされるわけでございます。その科研費の申請の前提として、その研究所の設備があるということは、それをその条件とするほどではありませんけれども、当然の前提として科研費を申請されるということはあり得ることだと思っております。 それから、第二点の大学院生の件でございますけれども、これは共同利用機関が大学院とどういうかかわり合いを持つかというやや基本の問題になってくるわけでございまして、共同利用機関として大学院のかかわり合いの持ち方に三つの態様があろうかと思っております。 一つは、昨年御審議をいただきまして成立を見ました総合研究大学院大学の構成員となるということでございまして、その研究部門がその大学院の研究科の組織体となっている場合は、それは本来の学生をそこで持つということになるわけでございます。 それからもう一つは、一番多い形でございまして、これはこの制度が始まって以来、他の大学院の教育に協力をすることができるという規定がございまして一これは他の大学院から教育の委託を受けるということでございます。委託を受けて教育をするという場合は、ただいま先生御指摘のように、ほかの大学院その委託を受けた委託元から院生がそこへ来て一緒に研究をするということはあるわけでございます。 ただ、そこにおける大学院の教育というのはあくまでも委託をした方の大学院の御判断になるわけでございますから、御指摘の学位の問題でございますとかいうことになると、委託をした元の方がそれを判断をするということではなかろうかと思います。 それからもう一つのやり方としては、これは共同利用機関全部ということではございません。宇宙研等の幾つかの研究所では東京大学の教官を併任いたしまして、東京大学の大学院の授業を担当するというやり方があるわけでございます。これは共同利用機関の方の専任の教員がいる場合の話でございますから、仮に御指摘の点が客員部門にかかわることだとすれば、それは先ほどの一番目ないし二番目の形で大学院生を受け入れることになるのではなかろうかというふうに思っております。
○高桑栄松君 私が特に関心を持っていた点を今お伺いしました。大体そういうふうにいくんだなと今了解をいたしました。 次は、去る二月十五日の参議院の代表質問で、教育関連のところで五つの項目を私は質問をいたしました。大学入試の問題、それから入学期の問題、それからいわゆる大管法、大学の運営に関する臨時措置法、それからもう一つはリクルート事件関連でございます。それから五番目が国際学会の問題、この五つを質問させていただきました。きょうは時間の都合もありますので、いわゆる大管法、大学の運営に関する臨時措置法について質問をさせていただきたいと思っておりますが、この前の大臣の御答弁は限られた時間でお互いに質問をし答えられただけで、その後のやりとりがございませんでしたので、もう少し詰めてみたいなと思っております。 と申しますのは、大学紛争のころは大臣は衆議院議員でおられまして、この立法にもかかわっておられた、文教委員でおられたということであります。私は昭和四十五年から五十一年まで、あの大学紛争の真っ最中に医学部長で、非常に表現をドラマチックに言えば骨身を削りましたし、そういうことで大管法には恨みは数々ございまして、これでひとつお話をしたいということであります。 私が学部長になる前からでありますが、大管法が出て、大学の運営に関する臨時措置法という名前はもう私の頭にはなくて、全部大管法、大学管理法であるというふうについこの前まで頭に入っていました。法律を詳しく聞かせてもらったら大学運営臨時措置法ということで、何かちょっと省略するのに面倒ですね、大運法みたいな、何か運なんていうのが入るようでございますが。そのときに私たち教授側は、学生にはこの法律が上がってきたという段階で、あなた方は大学の自治を放棄するのかときつく詰め寄られまして、ほとんどの教官が返事できなかったです。大学の自治、大学の自治と言いながら、あなた方は法律が通ったらこれに抵抗しないんだな、放棄するんだなと。 そうしたら大学はどうするんだ、あなた方やめるのか、こういうことを言われまして、学生担当の三役の一人の教授が——私、平教授てしたけれども、彼は今やめたら妻子を路頭に迷わせるようなことを言いましたら、冷やかされたんです。教授であります、医者は食えるとかと言われましてね。なるほど聴診器持てば大学教授の倍以上給料もらえたんですから、それはそうだったんでしょうが。 しかし、そういう時代に、大管法というのがいかにも大学紛争を鎮静化させたということがあったと思いますが、現場の私たちにはこんなに困ったことはなかったわけです。大学の自治を捨てるのかどうかという迫られ方をしました。やっぱり教官は教官、教育者としてのプライドがありますから、納得できない法律のもとでその言うことを聞くということは潔くは思いません。潔いというよりも、やっぱり賛成できないんだもの、それは。 ですから、そんな経過で、私は何人かの後で昭和四十五年から医学部長をさせられましたが、私の前の部長は三カ月で、三十六時間監禁を受けて、冬の三月に雪の中へ突き飛ばされて、ふらふらになってドクターストップで入院いたしました。その後が私、何人かを飛ばしてやらされたんですが、もうほかの人はみんな体力続かないなんか言われまして、体力で部長が勤まるなら千代の富士連れてくればいいじゃないかと、私はいつもそう言っていたんですが、大学ですから千代の富士というわけにいきませんものね。やっぱり大学のそれなりの論理というものがあるわけでありまして、その論理を妨げたのが大管法であったと私は思うんです。 ですから、私幸い大管法は無関係、六カ年の間警察力は一回も導入しないで、すべて論陣を張って団交というものを切り抜けてきました。まあ少し大げさに言わして——大げさって、まあそのとおりですけれども、百戦百勝いたしました。これは、学生は圧倒されたんじゃなくて納得したと思っております。それはこの前の二月十五日の代表質問のときに申し上げたんですが、私は大事なところで考えたことは、いつも存在理由ということだったんです。レーゾンデートルです。大学は何のために存在するのか、大学の教授というのは何のために存在するか、医学部は何のために存在するのか、学生は何のために存在するんだと、私はその大学の存在理由を引っ下げて、そして論争に臨みました。したがって、全共闘と言われる新左翼過激派集団と自治会と言われるいわゆる民青系でありますけれども、その二つの集団と毎週のように団交をやっておったわけです。私はどちらへも論理は加担いたしません。それはもう私自身の存在理由。もう一つ言えば個の確立。大臣は耳新しい言葉かもしれませんが、いっか機会がありましたらお話しさせていただきます。自分の論理というものを展開してまいりました。 ですから、参議院の改革に関しても私はそうでないか、存在理由というものをよく考える必要がある。そして、一人一人の個の確立が重要だ、これが私が言いたかったことでございます。 話はちょっとそれましたけれども、私は大管法に恨みは数々あると申し上げたのは、今の学生が無気力だ、今の若者が無気力だと言われたのは、あの大管法によって若者の批判精神というものが奪い去られたのではないか。これはもう私が最も今も恐れていることです。今も尾を引いているのではないか。あのときの思いが大変つらい思いであった。ということでございますが、しかし、この大管法、大学の運営に関する臨時措置法の成立経過は、強行採決に次ぐ強行採決であったように私は聞いておりますが、簡単にこの成立の経緯をお話し願いたい。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員から先刻御指摘がございましたように、私当時、衆議院の文教委員会の委員をいたしておりまして、大学の運営に関する臨時措置法の成立に当たって取り組んだ者の一人でございます。そういう経緯もございましてただいま委員から御質問があったのであろうと思いますが、十分委員御承知のとおり、当時全国の大学、大変な紛争の状況が全国を吹き荒れていたわけでございまして、多いときは大体七十数校の大学が紛争でまともな教育、研究ができないという状況になっていたわけでございます。 このときに実は二つの考え方が当時ございました。それは、当時と今日とでは客観的な情勢も違うわけでございますけれども、依然として同じ状況であるというのは、現在の大学におきましても大学の運営に関して、委員も御承知のとおり、教育公務員特例法という法律の中での読みかえ規定等を用いまして、現在の大学のいわゆる運営管理に関する規定が定められているわけでございます。問題が起こらないときには大して痛痒を感じていなかったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全国の大学に紛争の火の手が広がる中でどうにも手がつけられないという状況になりまして、それを根本的にどういう形でおさめるのかということについて、制度そのものについて、大学の本来の運営のあり方についてこの際考え方をまとめたらいいのではないかという考え方と、いや、あの当時の状況は大変なものがございましたので、とにもかくにも今の大学の紛争状況というものをおさめることが先決である、そのためには、かなり非常手段であるけれども、特別の臨時的な措置の法律をつくるべきであるというふうに、考え方が二つございまして、結論としては、昭和四十四年の八月七日に制定されまして、その施行は八月十七日になったわけでございますけれども、委員御指摘の大学の運営に関する臨時措置法という形で緊急に対処する手だてとして法律が制定をされたということになったわけでございます。 その中身について一点だけ申し上げますが、大学の運営に関する臨時措置法については、高桑委員が恨みは数々あれどというお話でございましたが、そしてまた大学の自治に関して不当な介入、不当という言葉をお使いになりませんでしたけれども、そういう意味合いのことを今お述べになられたわけでございますが、大学の運営に関する臨時措置法と申しますのは二段構えになっておりまして、第一段としては、あくまでも大学の自治のもとで紛争を収拾してもらいたい。それがどうしてもできない場合に、半年ということを定めまして、それでもだめな場合になお三カ月という猶予期間を設けまして、九カ月経過してなおかつ大学の教育研究というものが保障されないという状況が続くのであればという形の二段構えになっておりまして、第一段のところでの措置としてはあくまでも大学が自主的に大学の紛争を収拾してもらうということを前提とした立法措置を行ったということでございます。 幸いなことに、大学の運営に関する臨時措置法は制定をされまして一度もこれが具体的に動かないうちに大学紛争は収拾するということになりまして、そういう意味では一回もこれは運用されませんでしたけれども、当時の大学の紛争の状況を振り返ってみますと、その制定の役割を十分果たし得たというふうに考えているわけでございます。
○高桑栄松君 なぜ発動されないで済んだかというのはいろいろ見方があると思いますが、私は、現場の人間としては、管理者側としては、いつ警察力、機動隊を導入するかということでしたから、これはかなりな決意が要りましたけれども、だからそういうことによってやっぱり学生もおどかされたでしょうし、先生も困ったということであったと思いますが、ともかくこの法律は昭和四十四年八月七日に成立をしましたから、五年の時限立法でありますから正確に言うと昭和四十九年八月六日に終わっているわけです。そして、私が去る二月十五日に質問をいたしましたときに、大臣はこういう答弁をしておられます。紛争抑止機能を考慮すると対案なしに廃止はしがたいと会議録に載っています。紛争抑止機能とおっしゃったんで、二月のことですけれども、つい最近の中国の北京広場を思い出して、抑止機能とおっしゃったが、何を考えておられるのかな、これは何を想定して紛争を抑制しようとされるのか、ここがちょっと わからない。そして、現在をそう見ておられるんだろうか、こういったことと、もう一つ、同じ答弁の中に、廃止措置を講じていないので今日も存続しているんだという、何かうっかりしていたみたいな話が載っているわけでありますが、この辺はどうでしょう。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 後段の方からお答え申し上げますが、私が参議院の本会議でお答えを申し上げましたのは委員御指摘のとおりでございます。その場合に申し上げましたのは、少し言葉を添えて申し上げますと、この法律は御指摘のとおり時限立法になっているわけでございますけれども、特にこの法律は「五年以内に廃止するものとする。」という文言で条文が結ばれているわけでございます。これはうっかりしていたという意味ではないわけでございまして、廃止の措置を国会の意思の決定としてやっていただく、また政府の提出いたしました法案でございますから、政府として五年以内にこの法律についての意思を明確にするという意味でこの立法の措置が行われたと申し上げたわけでございます。ただその場合に、この法律を廃止するということをやる場合には、先ほど御答弁申し上げました中で二つの考え方があるということを申し上げたわけでございますが、大学の運営のあり方についてやはり根本的に検討を加えて、それを対案として、当時の紛争の真つただ中にありますときには、少なくとも五年もあればその間にみんなで知恵を出し合ってそうしたものをつくったらいいのではないかという思いがそれぞれの胸の中にもあったと思いますし、法案を提出しました文部省の当局の方にもあったというふうに私は今思い起こしているわけでございますけれども、そういう意味での措置をとれないまま、あるいは別の言い方をいたしますと、とる必要がないといいましょうか、その必要性に迫られないまま今日に至った。そのことがよかったか、悪かったということについては議論があるところであろうと思いますが、そういう状況で今日この大学の運営に関する臨時措置法が法律としては存在をしている。しかし、その法律で定めているところの廃止の措置はとちれないという状況で現在存在している、そういう経緯であったということでございます。 それから、初めの方の抑止力、抑止するということを申し上げた意味は、少なくともあの当時の昭和四十年代の前半から半ばにかけましての大学紛争の状況と申しますのは、現在ではとても想像ができない中で人の今も軽んじられるというような事態が再々起こっていたということも事実でございます。そういう状況の中で教育研究というものが平静な、しかも自由な環境の中で行われるという大学が本来持っているその目的を達成できないでいた、それについてやはり何とかしなければいけないんだということでありまして、この大学の運営に関する臨時措置法の中で述べておりますのは、少なくとも大学の管理運営について責任を負っておられる学長を中心とするそれぞれの学部の学部長の先生方等々が大学を平常な平静な姿に返すための手だてというものをこの法律によって整えたということでございます。そういう意味で私は抑止的な役割を果たしてその所期の目的を果たすことができたのではないかと、そういう意味で参議院の本会議でお答えしたつもりでございます。
○高桑栄松君 どうも言葉がやっぱりイメージを呼ぶものですから、抑止力なんというと核の傘下で抑止力と。これは文部省傘下で教官はぬくぬくと暮らしていけばいいのかと、そういう何かイメージが連想されるものですから、ちょっと気になったんです。西岡さんの何というかな、青年将校時代の言葉が出たのかなと思いましたけれども、そう思って聞いておりました。 ただ、これは廃止というのは政府が提出した提案なわけですから、当然政府が収拾すべきものだろうと私はそう思っているわけです。ですから、五年以上たって、なに五年以上どころか二十年たちました。ちょうど二十年ですね。大変な年限をほうっておいたんじゃないか。私はやっぱり怠慢という言葉を使わしてもらいたいと思いますが、この後もうちょっと詰めてみますから。 ところが、この附則の第五項ですね、これ。だんだん法律を勉強してみるとおもしろいことが書いてあります。「五年以内に廃止するものとする。」というその理由、これはおもしろいことを書いているんですね。答弁に載っておりますが、五年以内に最善の努力を尽くして新しい理想の大学をつくるべきであると考えていますと。そこで、これは西岡大臣に責任はないと思うんですけれども、当時の文部大臣だろうと思います。坂田さんでしたね。あの人を呼んできて聞いた方がいいかもしれない。新しい理想の大学というのはどういうイメージで言っているのかが一つあるんです。そして、そういうことを言って今日までほうっておいたというのは、二十年たっても新しい理想の大学はできていないし、つくろうともしなかったのではないか。これが答弁要旨にあるんです。どんなふうにお考えでしょうか。私は理想の大学をつくるべきであると考えるというのは、べきであるといったって、目指してとかなんか言えばいいですが、理想なんというものは永遠に到達できないんだと思うんです。だから文学的表現だったと言えばまあそれっきりです。しかし、二十年という年月が長過ぎるということなんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 当時、坂田文部大臣があの大学紛争の吹き荒れる我が国の教育界を鎮静化させる、平静に戻すというために全力を挙げてこられたわけでございまして、当時の坂田大臣の胸のうちを私が今この場でお話を申し上げる立場にはないわけでございますけれども、私がそんたくいたしますに、先ほどから御答弁申し上げておりますように、当時の大学のすさまじい紛争の状況というものを思い起こしてみますと、やはりこれは何とかしなければ日本全体が大変なことになるんだという感じを私自身も受けていたわけでございまして、それを何ら手をこまねいてできないでいた。それは文部省自体もそうでございましたし、国会自体もそういう状況にあったわけでございます、当時でございます。そういう中で、このままの状態がなお続くとすれば、これは大学が崩壊するだけではなくて日本の社会全体がおかしくなるんだという思いを込めて、当時坂田大臣がそういうような御答弁をされておられたのではないだろうかというふうに、私は今振り返ってみて感想を申し上げたわけでございます。
○高桑栄松君 今、突然坂田さんだなと思い出したんですけれども、今の何かいろいろと政界の動乱状態のときに、やっぱりあの人がクリーンイメージで挙がってきておりましたね。クリーンか何か出ていましたものね、坂田さん。今、何の脈絡もありませんが、ちょっと思い出したわけです。 私は医学部長でしてね、確かに西岡さんが言われたように国会も荘然としておられたかもしれませんが、現場を持っておる私たちは本当に大学は崩壊するのかなと、本当にそう思いました。ですから、私が何人か追い越して部長をさせられたときに何カ月もつかと、みんなそう言っていましたから、病院の院長、先輩にあいさつに行ったら、ベッドをあけておくからいつでも入院してもいいとかと言われてがっくりして帰ったのを思い出しております。 そういうときに私は私の論理をひっ提げてとお話をいたしましたが、私が本当に今でも残念だと思うのは、若者の権威とか権力に対する批判精神ですね。これは、副交感、交感神経と二つで、子供のときには副交感が優位なんです。それが二十ぐらいになりますと交感神経優位になるわけです。両方を守りと攻めに例えれば、交感神経は攻めの方です。夜寝ているときは副交感神経優位、起きると交感神経優位になる。したがって、二十を過ぎますと交感神経が優位になるから、その青年たちは別な意味で言えば攻めの立場、つまり権威とか権力に対する批判精神があるわけです。これは私、社会をきれいにしていくのに一番大事なものだと思うんです。 それから、学問の世界では、権力、権威の教授に逆らってでも新しい学問をクリエートしていく、創造していく、そういう社会を活性化するのに、青年の批判精神というものは文化の発展に一番大事だと思っているんです。問題なく私たちはあと何年かすればその人たちに世代を譲るんだから、私は教授のときにそう思ったから、君たちは二十だ、あと二十年たてば四十だ、日本をしょっていくのは君たちではないか、だから、おれたちは言うことは全部言うから批判をするんだったらしなさいと、こういうことで論争してまいりました。 だから、こういう批判精神を、私は大管法を背にしょって大学の先生方がやっぱりいたけだかになったということもあり得たと思うんだ。そういうことがあったんで、今の大学をレジャーランドと心得てもう遊ぶ、本当にしようがない。大学が何の存在理由を持っているのか、ひょっとしたらつぶれた方がよかったんじゃないかと思うぐらいであります。 だから、大学の若者の批判精神を圧殺というか、抑圧してしまったというのは、大学の持っていた大事な機能の一つが失われたなと私は今思っているんです。今の教授方に聞いてもみんなやっぱり残念がりますね。今の学生は何にもアクティブでない、全部受け身だということを言います。それは私は悲しいことだと思っています。我が国の将来に対してもそう思っています。 そこで、もう一つ臨時措置法に関連をしてちょっと承りたいんですが、ことしの三月二十八日の朝日新聞によりますと、二月十一日の朝日にもあったが、新学習指導要領が二月十日に発表されまして、内容は「国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」となっております。西岡文部大臣は新聞記者会見に答えて、この指導に従わない者は処分の対象になる、こういう発言をしておられるんです。これはそういうものなんですね。つまり、国歌を斉唱するよう——私は言葉じりを今とらえているんですから、中身ではない。国歌でも何でもいい。まあ、何でもいいはおかしいですけれども、「するものとする」、これに対して違反した者は処分の対象だと、これはそれでいいんですね、そういう文言が使われておるわけですが。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 それには当然手続が伴うわけでございまして、今委員お尋ねのことにつきましては、幾つかの前提はもちろんつくわけでございます。
○高桑栄松君 いや、私は「するものとする」というものが強制力を持っているかどうかということを聞いているんです。 これは、もとへ戻りますと、大学運営臨時措置法は「五年以内に廃止するものとする」です。今これも掲揚するものとする。違反していれば処罰するということで言っておられますので、大学運営臨時措置法も「廃止するものとする」、同じ文言を使っております。処分の対象になるとすれば大臣がその相手かなと思って今聞いているわけです。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 今の御質問の問題につきましては、実は「するものとする」という文言を使ったということについての最終的な文部省としての判断を率直に申し上げますが、御承知のとおりに我が国には私立の学校もたくさん存在をし、公教育を担当していただいているわけでございます。その場合に、公教育の中において国公立の特に義務教育の場と私立の義務教育の場におきましてはそれぞれ若干、例えば入学式や卒業式等のありようが異なる場合がある。その場合においても、今の国旗、国歌の問題について、それを掲揚する、斉唱するということについて命令する権限が私立の学校等の教職員に対しても、この場合は、地方の場合に知事部局等が、学事課等が行うということがその場合にあり得るのかという議論をしたところでございます。その場合には、やはりそういう強制ということは行わない場合がある、その含みを持たせて「するものとする」というふうに決定をしたというのがその真相でございます。
○高桑栄松君 私は法律専門家でありませんので、これは私がそう思っていたわけじゃないので、林修三先生の「新版・法令用語の常識」というのがあるんです、日本評論社でございます。その中で、法律用語で使われる「するものとする」というのは何かという意味がばっちり書いてあるんです。それは、しなければならないということだというんです。そうするということである。それを省や庁やその長官、大臣に、すべきであるという義務規定をつけるのは甚だどぎつい表現であるから「するものとする」としているが、これはしなければならぬのだと。つまり大臣が、国旗掲揚のときに違反者は処分の対象であるとおっしゃったのは、「するものとする」という林修三先生の法解釈によると、ぴったりそのとおりなんです。それでいいんです。それで、臨時措置法は「五年以内に廃止するものとする」、すべきであるのにしなかった。これは処分の対象だ。坂田道太さんは五年後はいなかったんでしょう。五年後の大臣は処分の対象で、それを承継する義務があれば、西岡文部大臣はこれを廃止しなかった。これからなさるならいいですよ。過ちを改むるにはばかるなかれ。それは、私は評価いたします。評価するけれども、廃止しないというのであれば、これは法令違反ではないか。処分の対象になると御自分がおっしゃったんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 先ほど国旗、国歌の問題について「するものとする」という用語を用いたことについてはお答えを申し上げたとおりでございまして、私自身は、この「するものとする」という法律用語の林修三先生の著書も読ませていただいておりますけれども、これはいろいろもちろん議論はあり得ることであろうと思いますが、国旗、国歌の問題に関する限りにおいては、先ほど私が御説明をいたしましたような意味で学習指導要領の文言は決定をしたわけでございまして、そのことと大学の運営に関する臨時措置法のところで書かれているものと同じ議論で御質問いただきますと、若干ニュアンスが違うのではないかと困惑いたしております。
○高桑栄松君 いや、要するに「するものとする」という法解釈がこうだということを申し上げて、処分とおっしゃったのが、これは取り上げると大変コントラストが出るなと思って申し上げたんですが、私はやっぱり廃止すべきだと思って申し上げているんです。 そして西岡さんは、昭和四十四年六月二十七日第六十一国会の衆議院文教委員会で二つのことを言っています。それは、法案の提出を含めて全く納得がいかないとあなたは反対している。この大管法は反対、もう明快に反対しています。もう一つは、最後までこういった法案なんか出さない方が賢明だと言っているんだ。だから、坂田さんは賢明でないと言っているんです、あなたは。それをあなたが今やめないという手はないじゃないかと申し上げているんです。あと五、六分しかないので簡単にひとつ、やるかやらないか言ってください。
○国務大臣(西岡武夫君) これは今私、文部大臣という立場でこれまでの歴代文部大臣の御判断というものも十分尊重しなければいけないわけでございますし、今文部省といたしましては、大学の運営に関する臨時措置法に対応するような対案というものを具体的な形では、率直に申し上げまして持っておりません。そして、今の我が国の大学が置かれている状況というものを考えますときに、一日たりとも猶予ならないという切迫した事態であるというふうに考えておりませんし、これに対する対案というものを当然出さなければ文部省としての責任を果たし得ないと考えますので、せっかくのお尋ねでございますけれども、これに対して今文部省として廃止の法律を提出する考えはございません。
○高桑栄松君 それでは、先ほどの西岡さんの発言をそのまま私の発言に言いかえさしてもらいますと、この法律を廃止しなければ全く納得がいかない、これが一点。もう一点は、最後までこういった法案にこだわる大臣はやっぱり賢明ではないと思いますから、私は廃止すべきだと思っているん です。 私の経験でいきまして、私はみずからの体験でございますから、第一線で学生とぶつかった人間です。第一線というのは師団長のように見えますけれども、一兵もいない師団長なんです、学部長というのは。そして監禁されるんですから、それをやってきた人間といたしまして、私は要らないと思います。要らないような教官が欲しいということもありますけれども、みんなはその気でやってきたんだから、大管法なんかがあるから安心したんじゃないかと思うんです。子弟の教育は信頼の上に成り立っている。もう嫌になるほど学生に言われ、我々もそれにどうこたえるかということでした。ですから、そういう信頼関係を全くなくしてしまうような大管法は、私は反対です。この臨時措置法はもう二十年たちましたよ、やめた方がいいと思うんです。つくるなら新しくつくった方がいい、そう思います。 最後に、時間がなくなって思うようにいくかどうかわかりませんが、リクルート汚職事件に関係した、いや関係じゃない、被告である江副という人が大学審議会の二十名しかいない委員の中の一人に選ばれたということは、私は大学の教授を二十四年してきました、文部省の大学設置審議会の専門委員も六年かな、医学視学委員も九年やってきましたその私が自分で自分を評価して、仮に私が普通の教授になっておっても二十名に到底お呼びがないと思うんです。そして、江副という人が彼のキャリアから見てどうして大学の改革や研究や教育を論ずる、そういうキャリアがどこに出てくるのか。それともう一つは、教育課程審議会の委員だった。これも小中高の教育ですよ。すると、彼は小中高大学と全部を通じて日本を代表する委員であったわけだ。政策に影響を与えるような委員であったわけだ。そして、税調の委員でしょう。税金は、彼は得意中の得意なんでしょうから、それはそっちの方のキャリアはあるかもしれない。しかし、少なくとも教育関係に、たかがじゃないな、どうも時々口が滑りそうになりますが、東京大学の教育学部を出たからといって、それが小中高大学の教育を論ずるその資格があるとは、私はどう考えてもわからない。これを任命されたときの文部省の根拠とする事項はどれとどれとどれを評価したか聞きたいということであります。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 当時、江副氏に対する評価というものはいろいろあろうかと思いますが、少なくとも大学審議会の委員に江副氏を任命いたしました当時の文部大臣の最終的な御判断としては、企業人であって、大学あるいは学生、そして就職、こうした問題について少なくともその事情に詳しい、その分野においてはかなりその事情に精通しておられる一人の人物であるというふうにだれもが評価されておられたであろうと思うわけでございます、今日の時点はまた別かもしれませんが。そういう視点から、これからの大学のあり方等を考えるときに、社会とのそういう接点等も十分配慮しながらいろいろなことを考えていかなければいけない、そういう意味で、一人の大学審議会の委員になっていただくにふさわしい人物であるというふうな判断が行われたものであろう、私はこのように考えております。
○高桑栄松君 それでは、ちょうど時間ですので、最後の質問をさせていただきます。 リクルート汚職事件関連で元次官が起訴された。これはそういう証拠があったんでしょうが、あと局長クラス三人やめさせられたというふうに思っているんですけれども、これは公務員として違反行為があったのかどうか。ないとすれば、何のためにやめさせられたのか。私は全部の方をよく知っているわけじゃありませんが、その三人のうちの一、二は私の専門の医学教育関係で古くから知っている人もおりまして、この人たちはやはりしっかりしていたと僕は思っているものだから、本当に公務員としての違反行為があったのか、ないとすれば何のためにやめたのか、あるいはやめさせられたのか。大臣は「泣いて馬謖をきった」と言われて、新聞に載っておりますけれども、泣いて切ることはないんじゃないか。怒って切ればいいんであって、切ったと言うからには、やはり何か不正があったんでないか。不正がないのにやめたとすれば、もろもろ何十人もそういうふうな形で、犯罪が証明されないからといってそのまま生き残っている人いっぱいいるわけですからね、いや、いっぱいいるようですよ。文部官僚が公務員としての違反行為がないのにどうしてやめさせられたんだろうか。僕はやはり違反行為ということをまず第一に挙げてもらわなければ納得できないな。文部省の人はやはり気が小さいわ、大体が大きなこと言わぬもの。いや、聞いていなくていいんですよ、文部省の人は。気が小さい人たちですから、上から何か言われれば嫌だと言えなかったと思うよ。それは権力者の側の論理ですよね、何も補佐しなかったというのは。私はそう思うんです。やはり官僚機構の中で、下の人たちは抵抗の限度があると思うんだ。だから、法律違反、公務員としての恥ずべき行為が本当にあったのか。ないんだったら、なぜ切ったのか、西岡さんのような侍がどうして切ったのかというのが私はやはり気になるんです。どうでしょう。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の幹部職員三名の辞職は、公務員として違反行為があったということではございません。人心一新を図ったという一点に尽きております。
○高桑栄松君 どうもありがとうございました。
○佐藤昭夫君 まず、国立大学共同利用機関の運営の問題についてお尋ねします。 最初の国立大学共同利用機関として高エネルギー物理学研究所設置の際に、七一年三月二十五日の当院の文教委員会で、「研究者の自主性を尊重し、学術研究の自由を阻害しないようじゅうぶん留意を要する。なお、大事については、所長の意見を尊重するなど研究者が学術研究に専念できるよう配慮する」という附帯決議も行ったところでありますが、今回改正される大学共同利用機関についてもこの観点は尊重されると理解してよろしいか。
○政府委員(川村恒明君) 今回法律改正をお願いしておりますのは、この共同利用機関の法令上の位置づけにつきましてお願いをしているわけでございまして、その管理運営の仕組みその他につきましては、従前と全く同様というふうに御理解をいただければと思います。
○佐藤昭夫君 ちょっと終わりの方が聞きにくかったんですけれども、この附帯決議の精神は、今回の国立が取れたこの大学共同利用機関についても運営上のそういう基本的観点は尊重されるのかという、ここを聞きたいんです。
○政府委員(川村恒明君) 御指摘のとおり、この四十六年に参議院の文教委員会でいただきました決議の精神というものは、この大学共同利用機関につきましても当然尊重されるべきものであるというふうに承知しております。
○佐藤昭夫君 当時、政府も高エネ研について「この研究所は特定の行政目的というよりは、むしろ学問研究そのものを対象といたしておるという意味におきまして、大学付置の研究所に似た性格を持っております。」と述べ、「管理の区分なども一応付置された大学の管理下、言いかえますと、大学自治といいますか、そういう範疇に入ってまいる」と答えているのであります。すなわち、大学附置の研究所はいわゆる教特法の完全適用を受ける、それに似た性格を持っていますということを答えているんですが、しかし法律上の仕組みは研究者や所長の意向に反して不利益処分が行われ得る余地を残す法律上の仕組みになっています。 そうした点で、この際、学問の自由、大学の自治が何よりも保障されなければならない点で、大学附置研究所と変わらないように共同利用機関についても不利益処分について教特法を完全適用するということを明確にすべきではありませんか。
○政府委員(川村恒明君) 国立大学共同利用機関は、設置の当初以来、学術研究を主たる目的とする機関であるという位置づけで参っておりまして、その点は現在も変わっていないわけでござい ます。ただ現在、ただいま御指摘のございましたいわゆる教特法の適用問題につきましては、これまた昭和四十六年に制度ができて以来、いわゆる教特法の準用を受けるという位置づけにしてまいった、こういうことでございます。具体の準用のところを見ますと、主として不利益処分に関する部分、教特法第五条の本人の意に反する転任でございますとか、六条の降任あるいは免職、九条の懲戒といったような規定は準用していない、その他の部分は準用するという仕分けでまいっているわけでございます。 先生ただいま御指摘の点は、そういう学術研究をする大学と変わらない機関であるならば教特法を全面適用すべきではないかということであろうかと存じておりますが、これは制度ができたとき以来の一つ議論のといいますか、そういう御議論があったわけでございます。御理解いただきたいと思いますのは、制度ができたときに、一つは教特法の問題というのがございまして、教育公務員特例法というのは、その第一条に掲げられておりますが、「この法律は、教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基づき、」決めるんだ。つまり、教育を通じて国民全体に奉仕するのが教育公務員だ、教特法自体がこういう位置づけになっているわけでございます。でございますので、専ら研究を目的といたしておりますところの大学共同利用機関でございますとか、文部省あるいは文化庁の所轄研究所というのは教特法そのものは適用はしない、ただし、可能な範囲でこれを準用するということでまいってきた、こういうことでございます。 大学共同利用機関につきましては、昨年御審議をいただきました総合大学院大学の構成要素となるということになりまして、その限りにおいてはこれは大学でございますから、その部分につきましては教特法は全面適用になるわけでございますけれども、その研究機関としての位置づけにおいては、先ほど申しましたように、教特法一条の理念とややずれるところがあるのではないか。でございますから、全面的にこれを適用するのは必ずしも適当ではないんじゃないかという四十六年以来の考え方で今回も参ってきたわけでございまして、そういうことで今後とも進めていくのが適当ではなかろうかというふうに思っております。
○佐藤昭夫君 今の答弁で、少なくとも人事や処分に関する問題については教特法の準用をするというこの点は、答弁としてしっかり確認をしておきたいというふうに思うわけですけれども、いずれにしても、国立大学と兼務で共同利用機関に来ている教官と兼務でない形で来ている教官とが、そういう学問の自由に深いかかわりのある運営上の問題について法律上の条文として差があるということは私は余り好ましくないというふうに思いますので、ひとつこれを機会にそこをどう法律上改善するかという問題を宿題としてよく検討してもらいたい。 時間がありませんので、これだけ続けているわけにいきませんから、次へ進みます。 そこで、次の問題は国立大学と研究機関の基礎研究費の問題であります。粕谷議員からもいろいろとありました。この研究費の不足のために学術専門書や定期刊行物の購読をやめることを余儀なくされている深刻な事態を私も直接聞いています。国家公務員労働組合連合会、このもとには国立大学もありますし国立の研究機関もある。そこを含めての労働組合でありますけれども、この国立研究機関アンケート調査によりますと、学会への参加状況は、学会参加六千六百九十回、それを公費出張で参加したのが千五百六十七回、私費で参加というのが五百七十二回、費用が高く参加をあきらめたというのが五百七十一回、こういう実態になっているわけであります。この四月の学術会議の勧告については、粕谷さんからもありましたとおり、大学の学術研究の財政基盤の現状は甚だ憂慮すべき事態にある、こういう事態を見過ごしていては悔いを後世に残すことになると勧告でも述べているわけであります。 そこで第一の質問は、この九年間、国立大学の教官当積算校費などの基準的経費が据え置かれてきております。この国立研究機関の人当研究費及び学会旅費、これは七六年以来据え置かれたままでありますけれども、諸物価の上昇もあり、光熱水費も上がる、交通費も上がる、こういう中でむしろ事実上後退をしているということで、予算上長期間にわたり基礎研究費を据え置いておるのはなぜですか。
○政府委員(川村恒明君) ただいまのお尋ねにお答えする前に、ちょっと先ほどの点でもし誤解があるといけませんので、申しわけございません、申し添えさせていただきます。 この共同利用機関の職員は教育公務員特例法は適用にはならない、準用になるということを申し上げまして、その準用になるのはすべての条文が準用になるわけではなくて、先ほど申し上げましたような不利益処分にかかわる部分、意に反する転任でございますとか降任、免職等は準用されない、それ以外の採用、昇任の方法でございますとか任期、停年とか、そういったものは準用になる、こういう仕分けでございます。それは従来と同じでございますので、念のため申し添えさせていただきます。 それから、ただいまの研究費の問題でございますけれども、国立大学の場合に、御指摘がございましたような教官当たり積算校費でございますとか教官研究旅費といったものが昭和五十八年度以降据え置きであるということはそのとおりでございます。ただ、大学の研究費というもののあり方で、これはいろんな大学の研究費のつけ方があろうかと。私どもが学術研究全体を進める中で、積算校費、積算旅費といった、言うなればパーヘッドの研究費、そういうふうな研究費と、もう一つはそれぞれの研究者の研究の実績、業績に応じた研究費と二つの積算の仕方があるわけでございます。それ以外にも、特定のプロジェクトを推進する必要がある場合に特定のプロジェクトの研究費をつける、あるいは国際的な交流をやるために必要な経費をつけるというふうな、いろんな多角的な手法でもって研究費の充実を図っていくということが肝要ではなかろうかというふうに思っております。 ただいま御指摘のようないわゆるパーヘッドの研究費というのは、五十八年以来同額でございますけれども、そういう研究実績に応じた、業績に応じた研究を助成するためのいわゆる科研費——科学研究費の補助金でございますけれども、例えばこれを見ますと、昭和五十八年には三百九十五億でございましたものが、元年度には五百二十六億ということで、相当の増額を図っていただいておるというようなことがございまして、私どもとしては、文部省の学術研究の予算を全体として見ると、昭和五十八年では文部省関係の予算はおおむね三千億ほど、三千五十何億計上しておりましたが、元年度予算では約一千億増の約四千億、これは人件費を除いた研究費でございますけれども、そういったことで、総体としては研究費につきまして充実の度が図られているというふうに承知をしております。
○佐藤昭夫君 この積算校費に代表される基礎研究費はこの九年間確かに横ばいだけれども、研究実績に基づく科研費などはふやしておるということですけれども、しかし、例えばノーベル賞クラスのああいう福井教授などの研究がある一時期にはそれほど目立った実績が表に出ていなくてもそれが長い年月を通して花開く、こういう議論は当委員会でもしばしばあったところですね。 大体が政府の予算全体見たときも、八九年度予算見れば、防衛関係費が五・九%増、ODAが七・八%増、片や文教、科学技術振興費は一・八%増だというこの偏り。防衛関係費とODAとを合わせると文部省の予算総額を上回るという現状になってきているわけです。そこの論はさておいて、しからば聞くんですけれども、この基礎研究費の横ばいのもとで大企業の技術開発研究、これに向けての補助金はどういう状況になっていますか。
○政府委員(川村恒明君) 私ども文部省といたし ましては、大学等の研究者の研究を振興を図るそのための補助金なり何なりをしておりますが、大企業の研究というものに対しましては、私ども補助その他の制度は持っておりません。ただいま御指摘のように、これはいわゆる応用開発研究と申しましょうか、技術開発のための経費でございますから、これがもしそういう関係の国の予算が計上されているとすれば、むしろ通産省等の他の省庁ではなかろうかと思っております。
○佐藤昭夫君 大臣、あなたは閣議の一員ですから、その一員として閣議として予算を決められたので御存じのはずだと思うんですが、念のためにお聞きします。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘の点につきまして、その内容については大変申しわけありませんが、私も内容をつまびらかにいたしておりません。
○佐藤昭夫君 お答えしますと言われたから、答えがあるかと思ったら答えがなかったので私から申し上げましょう。 例えば日立製作所など大企業十村、ここへの技術開発補助金を見ますと、これは超電導とかバイオの関係の先端技術ですけれども、とにかく一九八二年度に比べて八九年度が三二・二%ふえているんです。それから文部省の管轄、これはもうよく御存じのはずなんです、産学協同予算。これは一九八八年度八十九億千八百万、一九八九年度百二億九千四百万。対前年一九・四%の伸びであります。それから、民間団体などとの共同研究の実績及び予算。一九八三年度五十六件、六十六人、六億七千五百万。一九八八年度三百九十件、五百五十五人、二十五億八千三百万。こういうふうに数字が雄弁に示すように、大学の基礎研究費はずっともう九年来横ばいということで抑えながら、大企業の研究開発補助金、それから文部省の中でもそういう企業との共同研究、産学協同研究、ここは現に予算はふえているんですね。だから、おかしいじゃないかということが当然出てくる。 一九八三年の文部省の学術国際局長の通知以来、この民間との共同研究というのは著しく進行して、今申し上げたとおり、約七倍にふえているわけであります。また、文部省の産業界などとの研究協力の推進予算百億四百万円、これが八九年度の数字であります。大阪大学を例にとると、奨学交付金、受託研究経費、共同研究の総額二十一億六千六百二十九万四千円。同大学の科研費二十六億七千百五十九万円に匹敵する額だ。また、東京農工大学、企業からの受け入れが工学部の二億一千四百万円は教官当たり積算校費の一億五千万円の二倍に達している。しかも、これを今度は国立大学の中でこう見ると、同じ国立でも四〇%以上は旧七帝大が占める、こういう姿になっているわけだし、産学協同の大部分はいわゆる自然科学分野の研究費ということに偏っているわけで、人文、社会も含めた全分野の研究を促進するという、そういうものにはなってない。 そういった点で、文部大臣、この際、全分野の基礎研究を前進をさせるという点で、科研費などに依存をするのではなく、今こそ基礎研究とも言うべき積算校費そのものを増額をさせるという、このことに大きく力を入れるということを文部省として考えるべきじゃありませんか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘の基礎的な積算校費等を充実していかなければいけないということは、文部省といたしましても当然努力をしなければいけない大きな課題であるというふうに考えております。 同時にまた、委員御指摘でございますけれども、大学が主体になって行うということを前提とする限りにおいて民間の企業との共同の研究というものも、これからの我が国の将来のことを考えますと、これも積極的に進めていかなければいけない課題であるというふうに認識をいたしております。
○佐藤昭夫君 どうも答弁が物足りないんですけれども、つり合いのとれた発展を目指すという点で、ある分野はどんどん伸びている、そういう点で、この基礎研究とも言うべきここに力を入れるべきじゃないかということをもっと重視をしてもらう必要があると思うんです。 さらに論すべき問題あるんですが、もう時間がありませんので、一般会計からの繰り入れ率の改善の問題について尋ねたいと思います。 この国立学校特別会計を発足させた際に、大蔵省主計局長と文部事務次官との間の覚書、この特別会計は、国立学校の充実と整備の促進のためのものであって、独立採算を目的とするものではなく、授業料の値上げを意図したものではないというふうに確認をし合ってきているんですが、発足当初八二・一%あった繰り入れ率、これが八九年度にはついに五九・七%と五〇%台まで落ち込んできているわけであります。この特別会計への繰入金一兆一千四百八億円の九二%が人件費である。したがって、教育研究にかかわる施設設備費、いわゆる物件費の八九%は病院収入や授業料収入などの大学の自己収入で賄われるという形になっているわけであります。 しかも、この物件費は今回の消費税の課税対象で、増額分の相当部分が消費税による支出増を来すということで、一般会計の繰り入れ分の当年度増額分三百八十一億円は人件費の増額分三百九十五億円にも満たないという姿になっているわけでありますけれども、ここへ加えて、この五月十五日に文部省が国立大学の事務局長会議に示した文書によると、「平成二年度国立学校特別会計予算の取扱い」ということで、「先端科学技術分野における人材養成や義務教育諸学校等の教員の資質向上などの社会的要請に適切に対応するための大学院の整備、充実、再編」と、いうならばそういう大学院などいわゆるプロジェクト的重点配分、これを従来にも増して強調をしているということであります。 こういうことでは、先ほど来言っていますような、すべての大学がつり合いのとれた、大学間においても、それから分野別にもつり合いのとれた大学の教育研究の発展のためにやっぱりこの際よくよく検討してみるべき問題があるんじゃないか。そのための一つとして特別会計の繰り入れ率、これを当初の八〇%に戻せばその額は一兆五千億という点で、そういう基準的研究費も大幅にふやせるし、授業料も軽減できるし、定員削減もやめられるし、定員外職員も改善できるということで、文部省、文部大臣、お尋ねしますが、当面の大学対策のひとつ中心問題としてこの繰り入れ率改善の問題をよくよく検討の俎上に上せるべきじゃないかということについて大臣の所見をお伺いいたします。
○政府委員(坂元弘直君) 大臣がお答えになる前に私からちょっと数字の概要について御説明申し上げます。 確かにただいま委員御指摘のとおりの事情はございますけれども、国立学校特別会計の歳入は一般会計からの繰入金、今問題になった繰入金のほかに、授業料収入等の学生納付金、病院収入、それから最近とみにウエートが高くなってまいりましたのが財産処分収入、これは統合移転等を行いまして、その跡の土地を処分して収入源とするものでございますが、そういうものをもって充てられているわけでございます。 確かに繰り入れ率は、先生御指摘のとおりに、国立学校特会が始まった当初から比べますと年々漸減してきたということは事実でございます。国の財政状況が大変厳しいということもあるわけでございますが、ただ、今先ほど先生が数字で挙げました平成元年度の一般会計からの繰入額は一兆一千四百七億という数字でございますが、これは対前年度に比べますと三百八十一億の増でございます。ところが、文部省全体の一般会計は六百十三億しかふえておりませんで、四兆五千七百億が六百十三億しかふえておりませんで、一・三四%の増でございます。一般会計よりの繰り入れ、国立特会に繰り入れる額は三・四六%の増になっているわけでございます。 文部省の一般会計全体が厳しい中で、私どもとしては先生が御指摘のいろいろな国立大学の基礎研究の推進、これも総合的な観点から私ども推進 しなければいけないと思っておりますが、推進等についてはそれなりに努力はしているつもりでございます。一般会計一・三四%増の範囲内で四十人学級とか私学助成を前へ進めているわけでございまして、そういう苦しい中でも特別会計について額とすれば三百八十一億、三・四六%増したということについての御理解をいただきたいと思います。 それから先ほど、事務局長会議で来年度の概算要求の取り扱いについてということについての文書についてお触れになりましたけれども、私どもは来年度も今の財政状況を考え、かつまた財政当局の言っているところなどを勘案すると相当厳しい概算要求基準が設定されるんではないか、それに対してどういうふうにそこを打破するかというので、現在いろいろと省内で大臣を中心にしていろんな知恵を出そうということで検討している最中でございますが、いずれにしても大変厳しい概算要求基準の中であっても、社会の進展あるいは真に必要な分野についてはこれをゆるがせにするわけにいかない、前へ進めさせなければならないというふうに考えているわけでして、そうなりますとどうしても各大学でいろいろな工夫をして、事業全体を見直して仮にスクラップすることができるものがあったらばスクラップをして、そのかわり真に必要なものを要求してきていただきたいというようなことをお願いしたところでございまして、国立大学全体の教育研究を前へ進めていくためにいろいろ御工夫をお願いしたいということをこの間の事務局長会議で文書でお願いしたところでございます。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま高等教育局長からお答え申し上げたことで尽きているわけでございますが、委員御指摘の点につきましてはより一層努力をしてまいりたい、このように考えております。特別会計でございますので、何か新しい知恵はないだろうかと、今局長からもお答え申し上げましたように、省内で平成二年度の予算の概算要求に向かって取り組んでいるところでございます。
○佐藤昭夫君 終わります。
○勝木健司君 国立学校設置法の一部を改正する法律案につきましてはおおむね賛成でありますから、時間があれば最後の方で数点御質問申し上げたいというふうに思います。 前回の文部大臣の所信表明、また予算の概要の説明等を受けまして、数点ほど御質問さしていただきたいというふうに思います。 午前中、林先生からもありましたけれども、最近の青少年の問題でありますけれども、女子高生のコンクリート詰め殺人事件、また湘南海岸での暴走族による撲殺事件等々の凶悪犯罪というものが続発をいたしておるわけであります。 その原因とか背景には、やはり子供の教育環境をめぐるさまざまな社会の変化というものがあるんじゃないか。それらが複雑に絡み合って今日の病理的な現象というものを発生さしているんじゃないかというふうに考えるわけでありますけれども、文部省としてこういう現象というものをどのように認識されておるのか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、最近の子供たちをめぐってのいろいろな痛ましい事件が起こり、また青少年の間の犯罪等も非常に凶悪化しているという状況を、教育を担当いたしております文部省といたしましても非常に憂慮し、また胸の痛みを覚えるわけでございます。 委員御承知のとおりに、最近の社会全体が、本来持たなければならない教育力とかあるいは家庭における教育力、こうしたものが非常に衰弱をしている。こうしたことは、もちろん学校教育の現場におきましても、私どもといたしましては反省をしなければいけない課題でございますし、物質的に豊かな社会における教育のあり方というものがまさに今我が国におきましても問われているということを考えますときに、文部省といたしましても、より一層そのことを自覚して教育の振興のために尽くしていかなければいけない、努力を続けていかなければいけないと痛感をいたしている次第でございます。
○勝木健司君 こういう対策について、決して容易なものじゃないというふうに思うわけでありますけれども、青少年の心の豊かさとか、あるいはたくましさというものをいかに取り戻していくのかということで、生命のとうとさなりあるいは働くことのとうとさなどなどを含めまして、いわゆる人間性の回復というものをやっぱり施策の中で生かしていかなければいけないんじゃないか。そういった意味では、ボランティア活動なり勤労奉仕活動、そういう体験活動なりあるいは自然生活の体験活動の推進などは有効な一つの手段じゃないかというふうに思うわけであります。 そこで、今回は自然教室推進事業についてでありますけれども、今年度百校ふやして千五百七十校とされるわけでありますけれども、今後のそういう自然教室推進事業の具体的な計画というものを教えていただきたい。 それとあわせて、こういった体験活動の期間は現在のところ一週間程度というふうに伺っておるわけでありますけれども、そのカリキュラムを含めた中身とか、あるいは回数も含めてもっと長期間にわたるものが必要になってくるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘のように、子供たちの豊かな人間形成を図るということは大変重要であると思っております。 それには豊かな自然環境の中で集団宿泊生活を通じまして、人間的な触れ合いとか自然との触れ合いを深めるということからこの自然教室推進事業をやっているわけでございますが、現在、平成元年度におきましては、対象校を百校ふやしまして千五百七十校としておりますし、金額につきましても六億七千万円に達する額を計上しております。 これは昭和五十九年度から実施しておりますが、当初四億、千校でスタートいたしましたのを年々充実してまいりまして、今日では先ほど申し上げましたような学校数それから金額になっているわけでございます。私どもとしましては、子供たちの心身ともに調和のとれました人間形成を図るという点で大変有益な事業だと考えておりますので、今後ともこの自然教室推進事業につきましては充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、御質問にございました期間が一週間程度では短いではないか、もう少し長期間にわたってやったらどうかという御指摘でございますが、確かに長期間にわたってやるのも教育的には意味があろうかと思いますけれども、ただ、これは学校を離れまして、自然の中で教科等普通のいわゆる授業を実施しようということでございますので、一、二カ月にわたります例えば長期のことを考えますと、カリキュラムの実施という面ではいろいろ問題があるわけでございます。 例えば子供たちが一、二カ月にわたって学校を離れてこうした自然の中で学習を続けるということにつきましては精神的にも肉体的にもいろいろ疲労がございましょうし、また、昨今の安全確保の問題もいろいろ厳しい状況にございますし、それから保護者の方々もいろいろ長期の授業につきましては御懸念もあろうかと思うわけでございます。また、教員の勤務上の負担の問題もございますし、いろいろな課題がございますので、当面私どもは現在やっております一週間程度の授業としてその充実を図ってまいりたい、このように考えております。
○勝木健司君 精神的肉体的疲労というのはわからぬでもないわけでありますけれども、そういう精神的肉体的にもそういう疲労に耐え得るような青少年の教育、子供の教育というものが必要じゃないかというふうに思うわけであります。 それから校内暴力等、児童生徒の問題行動や登校拒否あるいは高校中退等が大きな社会問題となっておるわけでありますが、文部省が発表され ました昭和六十二年度の公私立高校における中途退学者数の状況によりますと、五十八年度の二・四%をピークにわずかに減少して二・一%となっておるわけでありますけれども、実数は依然として十一万人台ということで横ばいだということであります。こういう中退、いわゆる教育的浪費とも言える中退ということについて文部省としてどのように認識をされておるのか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(菱村幸彦君) 高等学校の中途退学者は、御指摘のように二・一%、数で十一万人を超えるわけでございますが、まあ徐々ではございますが、最近四年間連続して若干減少している傾向にございます。しかし、そうは言いましても大変多数の中途退学者が生じておりますことは、私ども大変残念なことだというふうに考えております。 高等学校に一たん入学しました以上、すべての生徒が高校を卒業できるようにするということが望ましいと考えているわけでございます。文部省としましては、従来からこの高校の中退問題に関します基本的な対応といたしまして、中学校におきます進路指導の充実を図りますとか、高等学校へ入りましたときの適切な適応指導をする。さらには、今生徒が非常に多様な実態になっておりますので、子供たちの多様な実態に応じましたカリキュラムを実施していくというようなことが大事である。そして、子供たちが高等学校に入って本当に充実感を味わう、魅力のある授業を受けるというその学業指導の充実ということが大事であるというふうに考えているわけでございます。 この高校生の中退問題につきましては、ただいま申し上げましたような視点、観点に立ちまして、各都道府県の教育委員会にいろいろお願いをしているわけでございますが、引き続きまして、その指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 いわゆる落ちこぼれと言われる子供たちはやっぱり学校あるいは教師にとって頭の痛い存在だというふうに思うわけでありますけれども、本当は一番温かい手を差し伸べてあげるべきところであります。にもかかわらず、子供の将来に傷をつけないための教育的措置である、そういう名目で中退に追い込まれる子供たちがいるというのが実態じゃないかというふうに思うわけであります。これにつきましても文部省はどのように考えておられるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(菱村幸彦君) 御指摘のように、高等学校におきましていろいろ問題を起こした子供たちに対しまして、懲戒というのはちょっと厳しいということで、退学処分にはしないけれども自主退学を勧めるということがあるということは私どもも聞いているところでございます。 文部省としましては、たとえ問題行動を起こしたこうした子供たちに対しましても、一たん高等学校に入学した以上、すべての者がその学校を卒業することができるようにしていただきたい。教師はそういう教育指導を最大限にしていただきたいということを願っているわけでございます。問題行動でもなくて、学習のおくれがちな子であるとか学校に不適応を起こしている子供たちにつきましてこうした自主退学を勧めるということはまずないと思っておりますが、こうした子供たちに対しましても高等学校教育に適応し、そして充実した高等学校教育を送って卒業できますように、今後とも各学校におきまして一層の御努力を期待したいというふうに思っておりますし、その方向で私どもも指導を充実してまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 教育的浪費の解消のための一つとして、新規事業の中で確かに学校不適応対策の推進というものを挙げられておるわけでありますけれども、具体的に何をどのようにされようとしておるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(菱村幸彦君) 本年度の新規事業としまして、学校不適応対策事業の予算を計上いたしております。これは、今日子供たちが登校拒否ないしはただいまの高校の中退とか、いろいろ問題がございまして、こうしたことが大きな社会問題となっているわけでございます。こうした学校不適応に対処するというためには、もちろん学校だけではなくて、家庭はもとより地域を挙げましてその施策を総合的に進めていくということが大事であると考えております。今年度の新たに計上いたしました学校不適応対策事業といたしましては、ただいま申し上げましたような観点に立ちまして三つのことをしたいというふうに考えております。 第一は、学校不適応対策の協力者会議を文部省に置きたい。そして、学識経験者等の協力を得まして、この問題につきまして広く総合的な観点から適切に対処するという方策を検討していただきたいというふうに考えているわけでございます。 第二に、この学校不適応対策につきましての全国連絡協議会を開催したいと思っております。各都道府県におきまして、こうした問題につきましてはいろいろなお取り組みをいただいているわけでございますが、学校関係者、関係機関、保護者が参加いたしまして情報の交換を行いましたり、地域に根差した連絡体制活動をどうしたらいいかというようなことを協議する場にしたいということでございます。 第三は、学校不適応対策の総合推進事業といたしまして、八県に研究委嘱をしたいというふうに考えております。これは都道府県にやはりこの不適応対策の委員会等を設けていただきまして、その委員会の助言のもとに登校拒否とか高校中退の問題につきまして、学校と家庭と教育センターなどの関係機関が協力しまして、相談をしたり、治療体制を整えたり、啓発活動を行ったり、いろんな連携体制を確立していきたい。こういう観点から各県にモデル的に研究委嘱をしていきたい。 こうしました三本の柱でもちまして、当面この不適応の問題に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○勝木健司君 次に、国際交流についてお伺いをしたいというふうに思います。国際交流、協力の推進ということで、今後ともますます外国人に対する日本語教育の充実あるいは海外日本人子女に対する日本人学校等、日本語教育の充実が求められてくるわけでありますけれども、現在の海外における日本語教育の実態についてお教えをいただきたい。また、海外あるいは国内における外国人、また帰国子女を含めました日本語教育についての問題点については、どのように文部省として把握されておるのか。また、その対応についてもお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(川村恒明君) 日本語教育の件でございますけれども、最近の対日関心の増大等に伴いまして、国の内外で日本語を学びたいという外国人が大変ふえているわけでございます。 その中で、海外での日本語教育の問題につきましては、これは主として外務省ないし交流基金が御担当でございまして、その詳細の資料を持ち合わせておりませんので御容赦をいただきたいわけでございますけれども、国内におきます日本語の教育につきましては、これは毎年文化庁等で調査をしながら、その実態把握に努めておるということでございます。 一番最近のデータで申しますと、昭和六十二年現在、国内で日本語教育を行っている機関が約五百機関、四百九十六機関といっております。五百機関で、その中で半分ぐらい、二百四十一が大学で留学生の日本語教育なんかをやっている。その残りの二百五十五機関というのがいわゆる日本語学校と普通言われている一般の日本語教育施設でございます。そこで、その二百五十五機関で日本語を勉強している外国人の数が約三万五千人ぐらい、三万四千五百四十八人というような状況でございます。 それで、先ほど申しましたように、こういう日本語を勉強したいという外国人の方が非常にふえているということと、それからその学習目的も非常に多様になっている。単に日本の大学で勉強するというだけでなくて、技術習得を目的にするとか、あるいは一般的に日本の事情を知りたいとか、 いろんなレベル、内容、関心の方向がまざってきている、こういうことでございます。やはり現時点で問題は、こういう人たちのニーズに的確に対応できるような質の高い日本語学習の機会を設けなければならない。それにもかかわらず、新聞等でも報道されておりますが、非常に日本語学校が乱立をする、そこでの質が非常に悪い、あるいはいろんなトラブルを起こすというようなことがございます。これからの国際化社会の中で、こういう日本語の教育機関の質的な充実を図ることが第一であろうということでございます。私どもとして、いろんな手だてを通じてこの日本語の教育施設の質的な充実をこれから進めていきたいということでございます。
○勝木健司君 海外における日本語教育の実態、そしてまた海外日本人子女に対する日本人学校の実態等々を後ほどまた資料等々でお教えいただきたいというふうに思います。 日本語教育の振興ということで新規に日本語学校協会への助成をされるわけでありますけれども、この協会の位置づけなりまた具体的な活動についてもお教えいただきたいというふうに思います。
○政府委員(川村恒明君) 平成元年度の予算におきまして、御指摘のとおり日本語教育振興協会という団体に対して若干の助成をしようということで予算を計上しているわけでございます。この日本語教育振興協会というのは、実は先ほど申しました数多い日本語学校につきまして、その日本語学校の関係者でございますとか、あるいは有識者によって本年の五月の九日に正式に発足をしたという組織でございます。当面はこの日本語学校の中で五十三の日本語学校がこれに参加をしているわけでございますけれども、この団体は日本語教育機関の質的な向上を図る、そのための自主的な規制団体である。 この団体の一番主な事業としては、昨年の暮れに文部省の方の協力者会議でまとめていただいた「日本語教育施設の運営に関する基準」、そういう基準を個別の日本語学校に当てはめていきまして、内容的にこれが充実しているかどうかという判定をする。そうやって自主的に民間の間でそういう基準を用いて判定をして、そういう基準に適合すると認められたすべての日本語学校を包含していこうということで発足をした団体でございます。でございますから、そういう民間の日本語教育施設の、言うならば自主的なみずからの水準向上を図るための団体であるということでございます。 そういう日本語学校協会の性格上、日本語教育施設の質的向上を図るにはやはりこういう民間の自発的な努力によって、自主規制でもって進められるということが一番これは望ましいことであるということで、先ほど申し上げましたような若干の補助金をそこへ計上させていただきました。これからこの団体が行います。そういう審査事業を援助したり、あるいはその審査の結果を世界各国に情報提供する、そんな事業のお助けをしていきたいと、こういうことでございます。
○勝木健司君 留学生の受け入れ態勢についてお伺いしたいと思いますが、留学生宿舎の確保ということで、新たに社員寮提供促進センターへの助成ということが挙げられております。そこで、現在社員寮を提供している企業は何社あって、何人の留学生が今入居しているのか明らかにしていただきたいということと、社員寮というのは本来その企業の従業員の福利厚生施設としてのものであるというふうに思うわけでありますが、これについてどのように文部省は考えておられるのか、そしてまた社員寮を企業が提供しやすいようにするために具体的に何をしていこうとされておるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(川村恒明君) 現在留学生にとって一番大きな問題の一つが、優良な宿舎を確保する問題でございます。現在留学生の約八割近く、七七%が民間の下宿、アパートに入居しているということでございまして、留学生向けの宿舎を確保したいということがかねてから私どもの大きな政策課題でございました。 御指摘のございました社員寮の提供の問題でございますけれども、かねてからそういう状況の中で民間企業がボランタリーな事業として少しずつやっておられたわけでございますけれども、ことしの四月に経済同友会を中心に財団法人留学生支援企業協力推進協会という財団法人が設立せられたわけでございます。この団体はそういう社員寮の提供を主たる目的とするということで、私どもはこの財団法人が例えばその社員寮を一部留学生向けに改造するといったときの費用を援助する、あるいは入居した留学生の健康管理について要する経費の一部を補助するというふうなことを考えて、そういう事業に対して援助をしたいということでございます。 現在その社員寮に入居している留学生の数でございますけれども、ことしの三月末現在で二百二十四人ということになっております。それで、これはかつて通産省でお調べになった数字でございますが、その社員寮というのは全体に首都圏と関西圏合わせると大体六万室ぐらいあるわけでございますね。六万室ぐらいあるが、社員寮というのは本来これは社員のための福利厚生施設でございまして、そのほとんどは言うまでもなくその社員が入っている。その中で空室というのが平均するといつも大体五千室ぐらいあるのかなという感じだそうでございます。社員の転勤その他のために必ず空室は要るわけでございますから、これが全部使えるというわけではない。でございますので、この財団法人としては、当面のところ約千室ぐらいは留学生のために開放ができないかということで、先ほど申しましたように現在入っています者は二百二十四人でございますけれども、これから平成元年度、二年度へ向けて徐々にその事業を拡充していきたいということでございますし、私どももこういう宿舎問題の重要性にかんがみまして、今後とも積極的にこの団体の活動を援助してまいりたい、こういうことでございます。
○勝木健司君 もう時間が来ましたので、最後に法案のことについて一点お伺いしたいというふうに思います。 大学の共同利用機関の関係でありますが、先ほど共同研究員の所属別分類ということで国立、公立、私立、その他ということでお伺いをしたわけでありますけれども、純然たる民間人、民間というのは何人、何%おられるのかということと、やはり大学の研究者に限らず、広く民間の研究者にも利用できる機関として位置づけるべきじゃないかというふうに思うわけでありますので、所見をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(川村恒明君) 大学共同利用機関におきます共同研究員の受け入れの状況でございますけれども、研究員としては大学の教官以外の方も何人か受け入れているわけでございます。共同研究員として六十三年度に受け入れました総数が五千七百九十人でございます。五千七百九十人の中で国立大学の教官が二千七百十九人、公私立大学は九百三十人でございますから、その他大学以外の者が二千百四十一人、約四割、こういうことでございます。 その他の者でございますけれども、その多くは大学をリタイアされたいわゆる名誉教授の方であるとか大学院生でございまして、民間の企業の研究者の数はこの六十三年現在で言えば全体で百二十人、全体の二・一%ぐらいでございます。これは民間の方から来られる共同研究員は年によって大変変動が多いわけで、その前年度で申し上げれば二百五十二人で全体の四・六%ぐらい、大体その辺のところで毎年増減をしているというふうに御理解をいただければと思っております。 それから、この共同利用機関を大学だけでなくて広く民間の研究者にも開放してはどうかというお話がございました。 近年の学術研究の発展ということを考えてみると、高度の学術研究と実用的な応用開発というものが非常に近接をしてきているという状況もございまして、民間でも非常に基礎的な研究が重視をされるということでございますから、そういう大 学共同利用機関の性格をいま一歩進めて民間にも開放したらというのも一つのお考え方であろうかとは思います。しかし、大学共同利用機関というのは基本的には大学と同様の学術研究を行う機関でございまして、その利用につきましては、当然のことでございますが、大学の研究者が中心となるということでございますので、そういう実情に即して考えれば、現在お願いをしておりますような形で大学共同利用機関として位置づけをさせていただくというのが最もふさわしいことではなかろうかと思っております。 ただ、そういう機関としての位置づけの問題は当然でございましても、それぞれの分野によって民間の研究者の方が入ってこられるということが研究の実を上げ、その研究機関の活性化にもつながるということであるならば、それは民間の方が入ってこられることを何ら妨げるものではございません。 先ほど申し上げましたように、現時点での数は必ずしも多いものではないわけでございますけれども、今後さらに開かれた機関としていろんな方が自由にここで研究をしていただくということに、今回の法律改正をお認めいただければ、そちらの方へ一歩また進んでいけるんではなかろうかというふうに思っております。
○下村泰君 ただいま審議中の法案は各委員の方が質問なさっていらっしゃいますから、私は障害児の教育問題に限ってお尋ねしたいと思います。 前に、大学入試センターの改正の折にキャプテンシステムを利用した大学情報を行うということで、ぜひ障害学生に役立つ情報を入れてもらいたいというふうにお願いしたことがございましけれども、その後どうなりましたでしょうか。
○政府委員(坂元弘直君) 確かに昨年五月でしたか、先生からそういう御指摘がございまして、その後、私ども早速大学入試センターと検討いたしまして、本年度の入学者選抜の概要について言いかえればことしの四月に入学した者でございますが、昨年十月からキャプテンシステムによる情報提供を新たに実施することといたしました。 この中で、特に身体障害者に関しては国公立大学の第二次試験において、一つは点字等による試験の方法、それから試験時間等の特例がどうなっておるか、あるいは補聴器等の用具の使用等がどういうふうになっておるか、それから、介護者の付き添いなどの実施などをどうするかというような、試験を実際に受けるに当たって配慮した内容につきまして情報を提供しているところでございます。 それからなお、来年度入学者選抜に係る分については現在準備の段階でございまして、さらに充実したそのソフトを入れたいというふうに考えているところでございます。 身体に障害のある入学志願者について、私どもとしましてはその能力、適性等に応じた学部等への進学の機会を広げ、受験の機会を確保するため今後ともこの大学入試センターにおける進路情報提供事業の充実にいろいろと工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
○下村泰君 大変これはありがたいことでございまして、この場で何度も何度もお願いをしてきたことなんですけれども、さまざまな障害を持った学生の受験への配慮については、少しずつではありまするけれども改善されてます。この流れは速くはございませんが、逆に流れるということはないように思えております。しかし、何でしたか、漢方薬のコマーシャルにありましたな、急には効きません、薄紙をはがすようにと。薄紙でも何でもいいから、とにかく前に進んでくれればいいと思っていますけれども、ここに至る障害学生の努力を思うと感無量の思いがします。 無論大学とかあるいは文部省の理解にも心から感謝をいたすものではありまするけれども、例えば今、大臣目をつぶって目の前にある書かれている文字が読めるかと言ったら、これ読めるわけありませんわな。ところが、現在我が国のやっておる——障害学生を入学させますね、入学させるまでは結構なんですよ。ところが、入学したその子供たちに対する態度がこれにやや近い態度なんですね。ですから、これでは何にもならない。目が見えない、耳が聞こえないなどの障害を越えて合格しても学ぶことができないというのは、これはもうこんなむごいことはないわけですわね。見えな いのに読めと。私らだって目をつぶっていて読めったってそれは無理です。それと等しいことを学生たちに強いている。 盲学生の情報センターということを私前に聞いたんですけれども、たしか前の古村局長さんでしたか。新局長御存じですか、この盲学生の情報センターというのは御存じですか、御存じありませんか。前にもこれお尋ねしたことがあったんですがね。盲学生情報センター。
○政府委員(菱村幸彦君) ちょっと私、ただいまのところ存じません。
○下村泰君 新局長は御存じない。 こういうのがあります。「「盲学生情報センター」設立募金趣意書」というのがある。これはもう活動しています、実際にここは。で、この盲学生情報センターというところは、じゃ、どういうことをするかといえば、例えば、 「視覚障害者にとってより適切な教育の場は」、「視覚障害児にとって盲学校や地域の学校の教育環境は」、「視覚障害児の在籍する盲学校や地域の学校での実践例は」、「視覚障害児・生徒の職業教育は」、「視覚障害学生の大学進学の際の入試および入学後の学習環境は」、「重度視覚障害児(者)の授産施設や働く場は」、「視覚障害者の求人・求職状況は」、「視覚障害者の雇用環境は」など、こういうニーズにこたえるべくこれは設立されたんです。一生懸命皆さん募金などをしてある程度集まったところが地上げ屋なんかに引っかかって、結局はまだできないんですよね。で、心ある方の提供による木造家屋の二階を安くお借りすることができて、今そこで仕事はしているわけです。ところが、本来はこれは国のやる仕事なんです、盲学生情報センターなどという仕事場は。ところが、これ、局長の方がまるっきりお知りでない。しかし、ここは今もう稼動しているんです。動いていることは事実なんです。そして、こういった盲学生に対していろいろの情報を与えている。出版などもいろいろ行っておる。任意の団体ですけれども、大変なんですよ、資金が。個人のカンパとかチャリティーコンサート、こんなことをやりながら一生懸命やっていらっしゃるわけです。 ちょっとほかに角度を変えますけれども、局長、ことしの春、何人の盲学生が大学を合格しましたか、国公立合わせて教えてください。
○政府委員(坂元弘直君) 視覚障害、聴覚障害、肢体不自由者を含めまして合計で申し上げますと——失礼しました。本年度じゃございませんて、これは昭和六十三年度の入学状況でございますが、国立大学で二十八人、それから公立大学で七人、それから私立はちょっと一年前で恐縮でございますが、二百九十九人という数字になっております。
○下村泰君 盲学生です。私の方は盲学生がとお聞きしたんですけれども、受験して合格しているのが全盲、弱視合わせて三十四人で、点字受験で三十七人受験して二十五人が合格していると、こういう数字です。 そして、私の知る限りでは、国公立大学で点字の教科書を保障している大学というのは東京都立大学と京都大学だそうです。ほかにどこか国公立大学で教科書を保障している大学ございますか、あったら教えてください、このほかに。東京都立大と京都大ですけれども。
○政府委員(坂元弘直君) それ以外、点字の教科書を使用しているところ、保障しているところというのは私どもも承知いたしておりませんが、京都教育大学ではソフトを購入いたしまして、教官と協力して点字教材の作製を外注で、全部じゃございませんが、順次行っております。それから、埼玉大学では授業中は教材をできるだけ音読するように、教材も早目に渡すように工夫しているようでございます。それから、これもちょっと具体的 な例ですが、東京大学では教官が授業の内容をカセットテープに録音して学生に渡すようなことをしているようでございます。
○下村泰君 とにかく、今そのお話を伺いましたけれども、入学者の多くは私立なものですから教科書まで手が回らない、これはもう大変な苦労をしているわけです。その学生たちがどういう苦労をしているかということは伺うまでもなく想像つくことと思いますけれども、先ほどの盲学生情報センターに頼んだり、ボランティアを探したりするわけなんですね、この点字の教科書をつくるために。ところが、大学の教科書ともなると小説や一般書と違って内容が難しく、ちょっと点訳を学んだぐらいじゃ打てないんだそうです。そこで、センターではそうした点訳者の養成も行っているわけですね、盲学生情報センターというところは。 そこで、ちょっと費用のことで伺いますけれども、大臣、京都大学の一般教科書の日本史五百ページのものを点字にすると何ページぐらいになると思いますか。クイズみたいで申しわけないけれども。わからなくたっていいですよ。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 不勉強で、私その数字はわかっておりません。
○下村泰君 それは私だって、これ調べるまでわからなかったんですから。七千八百ページになるそうですよ。日本史です。五百余ページのものを点字にすると七千八百ページ、目が回りますな、これは。とにかく平均言いますと十倍から十五倍のページ数になるんだそうです、点字にすると。じゃ一枚幾らかといいますと、点字にしてくださるのはボランティアですからこれはかかりませんけれども、紙代だけなんです。その紙代だけでも一枚が三円。京都大学の日本史は七千八百掛ける三でございますから二万三千四百円ということになるわけです。大変な費用がかかるわけですよ。もちろんこの費用は依頼者の負担になるわけですね。ただ、盲学生は奨学資金制度だとか国の助成金がありますから、わずかではございますけれども賄っていただけますから少なくて済みます。このボランティアの人たちの中には、会費を払って大変な作業をしている人もいるということなんです。 本当にリクルートの問題で一時まあいろんなことになりました。あの一株だけでも大変助かるんでございますけれども、こんな状態でやっているわけです。大臣、今までの私のお話を聞いてくださってどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘の点につきましては、文部省としてもやはりこうしたことに対してもっと関心を持ち、意を用いなければいけないということを、御指摘をお伺いしながら承っていた次第でございます。
○下村泰君 去年の十一月八日に私はここで、古村初中局長でしたかね、あの方はおやめになったんですね、やめさせられたのかな、私余り人の動きなんか気にしない方なんですけれども。それで、パソコンにある点訳のネットワークについて私は伺ったんですよ。そのことについて答えていらっしゃることは、こういうふうにお答えになっているんです。 IBMというところで点字のパソコンのネットワークつくりまして、一社があって、その端末がありまして、真ん中のところに点訳を入れておきますと周りのところでもって全部即座にできるわけですね。そういうシステムがあるから何とかならないかと申し上げたんですが、局長はこういうふうに答えているんですね。「そこのところはひとつ十分私どもでも何かそういったことが活用できる道があるのかどうかというのは検討してみたいと思いますが、」というふうに去年お答えになっているんです。それだけに、もうそれから何カ月かたっているんですから、文部省の方でもそういったような動きがあるかどうか、ちょっと伺いたいと思うんです。
○政府委員(菱村幸彦君) 先生の御質問の後、担当課におきまして検討を進めているようでございます。
○下村泰君 それじゃきょうは困るんです。それからどうかなったかという答えはまだ出てきませんね。
○政府委員(菱村幸彦君) ただいまのところ、いろいろ調べておりますが、まだ直ちに盲学校で十分利用できるような状態ではないようでございますので、今後それが活用できるということであれば積極的に取り組んでいきたい、こういう次第でございます。
○下村泰君 それは文部省の方の熱心さの度合いだと思うんですよ。と申しますのは、複数の関係者の話によりますと、行政の対応次第で十分教科書の点字ネットワークは可能だとおっしゃっておるんです。ところが、先々の方の、教育委員会とかなんとか、そういうところの兼ね合いがどうもごちゃごちゃしておるようですわね。こういう方は大臣は大変御熱心ですから、さんしょは小粒でびりりと辛いの口ですから、どうぞひとつ何とかして検討してみてください。できるだけ前へ進めてください。そのことに対してちょっとお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 努力をいたします。
○下村泰君 ありがとうございます。 それから、私もう一つ伺っておきたいんですけれども、五月の二十七日に、教師用に「色覚問題に関する指導の手引」というのがまとめられたそうですけれども、その内容をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(菱村幸彦君) 一般的に、色覚異常でありましてもほとんどの場合日常生活に不自由を感じることはないと言われておりますが、現在小中学校の生徒の中で四十二万人もの児童生徒が色覚異常であるというふうに言われております。そして、この色覚異常の子供の中には、学業生活のある場面では色の識別に困難を感ずると、最初将来の進路選択という面でいろいろ不安を覚えるというようなこともあるようでございます。 そこで、従来色覚に問題を持っております子供たちのうち、学習指導等で特別な配慮を要する指導ということにつきましては担当の先生等の工夫に任されていたわけでございますが、この問題につきまして先生方が十分な知識、理解が必ずしもないという例がいろいろ指摘されていたところでございます。そこで、まず学校の先生が色覚異常について正しい知識を持つ、それから色覚異常の子供たちの実態を的確に把握しまして学習指導や生徒指導、さらには進路指導等におきまして適切な指導を行うということが大切でございます。 文部省としましては、ただいま先生の御指摘いただきましたように、この「色覚問題に関する指導の手引」というものを出しまして全国の学校に配付いたしております。この中身は、先生が学習指導をするときないしは生徒指導をするとき、さらには進路指導をするときに留意すべきことを中心にいろいろ述べておりまして、色覚異常に関します基礎的な知識それからその扱い等につきましてのいろんな配慮事項を掲げている、そういうものでございます。
○下村泰君 前にも私、ここでやったことあるんですけれども、石原式というんですか、ペラペラめくりまして数字を言ったりそれから平仮名の文字を言ったりするのがあります。大体人間というのは、三秒見ているとある程度まで色弱の人でもほとんど色がわかるんですね。中に書かれている文字もわかるし番号もわかる。ところが、あの式にばっぱっとやられたんでは我々でも読めないことがあります。三秒というのは短いようで非常に長いんです。 皆さん、三秒というのはいつも私はこういうところでお話ししますけれども、単に頭の中で一、二、三というのは三秒じゃないんです。三秒というのはこのくらいの長さなんです。——これが三秒なんですよ。実に長いです。ですから、皆様方がテレビの中継をごらんになっていて、あのテレビの画面がすぽっと切れて、例えば十秒切れたとなるとこれは大問題ですよ。そのくらい長く感じるものなんですね。ですから、そういうふうにして 検査をなさってくださるならいいんですけれども、ペラペラ面倒くさがってぽんぽんやられたんでは、とてもじゃないけれどもついていけません。ですから、異常色覚を持ったお子さんたちにはより一層の心の配慮といいましょうか、担任の先生方のちょっとした温かい心遣いでそんなに精神的なショックを受けなくても済むんです。ですから、そういった配慮というのはまことに必要だと思います。そういったまた教育指導をなさってくださっていること大変結構だと思います。なおなお教科書その他にもうちょっと気を使っていただきたい。 私、前に申し上げたことがあるんですけれども、線引きのところですね。色と色の違うところに黒いものでひょいと差をつけてくださればわかる。ところが、色と色をそのままにしておくとどこがどこだかわからなくて時々錯覚を起こすというようなことがよくあるんですね、グラフやなんかでは。それをたしか一度申し上げたときに直してくださったようなあれがございました。今後どんなふうなお考えがございますか、ちょっと聞かしておいてください。
○政府委員(菱村幸彦君) ただいままず初めに御指摘をいただきましたこの色覚検査、石原式の問題でございますが、それにつきましてもここで取り上げておりまして、この検査は慎重にやらなきゃいけない。特に明るいところでやらなきゃいけないし、水平に置かなきゃいけないとか、二、三秒で判断してはいけない、全部でやりなさいとか、いろいろ学校におきます扱いにつきまして留意事項を述べているわけでございます。 それから、教科書につきましては、四年ぐらい前でございますか、この問題が指摘されましたときに早速教科書会社でつくっております教科書研究センターがあるわけでございますが、そこでこの問題を至急扱ってほしいということで、そこで直ちに検討されまして、教科書は今大体直っております。ですから、色が重なるようなところは線を引いて識別をはっきりするというような教科書に現在なっております。この問題につきましてはそういう観点から、いろいろな角度から文部省も取り組んでまいっております。今後ともなお足りないところがあれば十分これを踏まえて、この指導の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○下村泰君 先ほど盲学生情報センターのことにつきましては、大臣から心強いお答えをいただいておりますので、もうこれ以上は申し上げません。 なお、まだ時間があるようでございますけれども、各委員が大変御要望でございますので、ちょっと早目でありますが終わらせていただきます。
○委員長(杉山令肇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いまします。 国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、次の事項について特段の配慮を行うべきである。 一 高等教育に対する新たな時代の要請に基づき、大学、大学院の教育・研究体制のより一層の充実を図るため、財政措置を含め必要な諸条件の整備に努めること。 二 大学共同利用機関については、国・公・私立大学の共同利用の機関として実効があがるよう、教官・技術職員等の充実、研究経費の確保、その他組織的整備に努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(杉山令肇君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、西岡文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(杉山令肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) これより請願の審査を行います。 第三号義務教育教科書無償制度の存続に関する請願外十二件を議題といたします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(杉山令肇君) 速記を起こしてください。 それでは、第三号義務教育教科書無償制度の存続に関する請願は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第二二号学校図書館法の改正に関する請願外十一件は保留と決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化及び学術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会 —————・—————