文教委員会 第3号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/16
会議録
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十五日、高桑栄松君、久保亘君及び安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として中野明君、田渕勲二君及び渕上貞雄君が選任されました。 また、本日、杉元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) この際、西岡文部大臣及び町村文部政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) このたび引き続き文部大臣を拝命をいたしました西岡武夫でございます。 国政の基本である教育、学術、文化、スポーツの担当大臣といたしまして、みずからに課せられた役割と責務を十分認識し、文教行政の充実発展のため決意を新たにいたしているところでございます。 委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。 よろしくお願いいたします。
○委員長(杉山令肇君) 町村文部政務次官。
○政府委員(町村信孝君) このたび文部政務次官を拝命いたしました町村信孝でございます。 微力ではありますが、大臣を補佐いたしまして、全力を尽くして教育改革の推進を初めといたしまして我が国の教育、学術、文化、スポーツの振興に努力をしてまいる所存でございます。 委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭健、御協力を心よりお願い申し上げわす。ありがとうございました。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 まず、文教行政の基本施策について西岡文部大臣から所信を聴取いたします。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) 第百十四回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。 それに先立ち、まず一言おわびを申し上げます。 先般来の一連の不祥事により文部省に対する国民の皆様方の信頼を著しく損なう事態に立ち至っていることは、まことに遺憾であり、国民の皆様方に心からおわび申し上げる次第でございます。 文部省といたしましては、このたびの事態を極めて深刻に受けとめ、全職員ともに深く反省し、今後、かりそめにも国民の皆様方の疑惑や不信を招くことのないよう、綱紀の粛正について一層の徹底を図る決意でございます。 特に、国民の皆様方の期待にこたえるべく教育改革に取り組んでいる今日、文部省としては、職員一同、服務規律を一層厳しく保持しつつ、全職員が全力を傾注して職務遂行に邁進し、誠実かつ着実な文教行政の推進を通じて、文部省に対する国民の皆様方の信頼回復に努めてまいる所存でございます。 教育は、我が国が二十一世紀に向けて創造的で活力ある文化国家として発展し、世界に貢献していく基礎を築くものであり、我が国の将来は、究極のところ、教育の成果に帰するものであります。このため、今日、教育の現状における諸問題を見据えつつ、社会の変化や文化の発展を踏まえ、日本人としての自覚に立って国際社会の中でたくましく活動できる個性豊かな青少年の育成を目指した、教育改革の積極果敢な推進が強く求められております。 政府といたしましては、既にこれまで、中央教育審議会の答申やさきの臨時教育審議会の答申及びこれを受けての教育改革推進大綱を踏まえ、生涯学習体制の整備、道徳教育の充実など教育内容の改善、教員の資質の向上、高等教育の個性化、活性化など各般の施策の推進に総合的に取り組んでまいりました。さらに、時代を切り開く独創的、先端的な学術研究の振興、社会教育活動の拡充、国民の文化、スポーツに対する関心にこたえる文化施策の充実、生涯スポーツ、競技スポーツの振興についても特段の努力を傾注してきたところであります。 今後より一層、教育改革担当大臣として、課せられた役割と責務を十分認識し、教育、学術、文化、スポーツの充実発展に寄せる国民の皆様方の要請に的確にこたえる教育改革の推進に全力を傾注する決意でございます。 そこで、まず、教育改革の推進に当たって、中長期的展望のもとに改革の方向を明らかにする必要があると考えている課題の幾つかについて申し述べさせていただきます。 敗戦後、既に四十有余年を経過いたしました。時代も昭和から平成へと移り、まさに時代の転換点を迎えております。我が国のすべての制度が見直しを迫られている今日、教育制度も例外ではあり得ません。 現行の教育制度は、発足以来四十年を経過し、この間、教育の機会均等の理念のもとに、教育の量的拡大と教育水準の維持向上が図られてきたことは大きな評価を受けております。しかしその反面、時代の進展とともに、我が国の教育は、今日、さまざまな問題点や限界を指摘されていることも事実であります。 さきの臨時教育審議会の答申においてもこのような教育の現状と教育に求められる時代的要請を考察し、さまざまな提言が行われたわけでありますが、さらに同審議会答申においてなお多角的な調査研究を要するとされた、中長期的展望に立った教育にかかわる諸制度の見直しや改革に積極的かつ柔軟に対応していくことが必要であると考えております。 特に、今日、学校教育については硬直的な側面があること、受験競争の過熱化や偏差値偏重の弊害、学校への不適応などが指摘されており、これらは生徒の個性の多様化が進む後期中等教育を中心に顕在化しております。 後期中等教育機関としての高等学校教育については、制度創設当時の予測をはるかに超えた九〇%以上の進学率に達し、創設当時の趣旨と現実に乖離が見られ、そのあり方が問われております。 さらにこれに続く高等教育についても、その大衆化に伴う問題や一般教育のあり方、さらには生涯学習の観点からの高等教育機関の整備等の諸問題を解決していくことは極めて大切なことであります。このため後期中等教育の改革とこれに関連する高等教育の課題についての総合的な検討が必要であると考えております。 また、これらに関連して、国公私立全体を通じた教育財政のあり方と私立学校の振興方策についても改めて検討する必要があります。 次に、大学入試制度は、高等学校教育から義務教育、幼児教育にまで大きな影響を与え、その改善は今後の教育改革推進に当たって避けて通ることのできない重要な課題であります。 もとより、入試について最善の方途を見出すことはなかなか難しいことでありますが、最善に向けて不断の努力を払うことが肝要であります。その場合相当の時間をかけた準備期間を置いて改革を行うことが必要であるとの認識を前提としつつ、さらに、中長期的な課題としてより抜本的な改善方策を模索し、探究する必要があると考えております。 さらに、これらはいずれも生涯学習の理念のもとに検討する必要があり、その理念の確立と全体的な生涯学習の基盤整備を図ることが重要な課題であります。 以上のような諸課題については、既に大学審議会などさまざまな場で個々の検討が進められてきておりますが、さらに総合的な観点から検討を行うため、先般、中央教育審議会を再開し、新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について諮問を行い、改革の方向及びその実現の手順、方法について審議をお願いしたところであります。 以上、中長期的な展望を要する課題について申し上げましたが、以下、当面する主要な事項について基本的な考え方を申し述べさせていただきます。第一は、生涯学習の振興についてであります。 今次教育改革においては、学校中心の考え方を改め、学歴社会についての誤った認識の弊害を是正し、生涯にわたる学習活動の成果が適正に評価される生涯学習体系への移行を図ることが重要であります。 このため、文部省では、生涯学習基盤の整備充実を図るため、国、地方における生涯学習推進体制の整備を進めるとともに、新たなメディアの活用等による多様な学習情報の提供、放送大学の整備、専修学校教育の振興など、すべての国民各位に対する学習機会の提供に努めるほか、社会教育活動の一層の振興に取り組んでまいる所存であります。 第二は初等中等教育の改善充実についてであります。 これからの初等中等教育においては、生涯学習の基盤を培うとの観点に立ち、自己教育力の育成を重視し、児童生徒の発達段階に十分配慮しつつ、基礎、基本の徹底、個性を生かす教育の充実を図ることが重要であり、学習指導要領の改訂等を通じ、教育指導の改善充実に取り組んでまいる所存であります。 特に、道徳教育については、児童生徒の人間形成に重要な役割を果たすものであり、学校と地域社会とのより密接な連携を図りつつ、その一層の充実に努めてまいります。 また、学校教育における国旗、国歌の取り扱いについては、その意義を理解し、それらを尊重する心を育てる指導の徹底を図ってまいる所存であります。 さらに、四十人学級を初めとする教職員定数改善計画の着実な推進など教育条件の整備や教科書制度の改善、幼稚園教育、特殊教育の充実などに積極的に取り組んでまいります。 学校教育の中心の課題は、教員の資質とその熱意にあります。そのため教員の資質、能力の向上について、養成、採用、現職研修の各段階を通じて、総合的な施策を講じてまいります。あわせて、学校における校長を中心とする責任体制の確立を図り、活力と規律のある学校運営の推進に努める とともに、特色ある地方教育行政の展開を図るため、教育委員会の活性化を図ってまいる所存であります。 第三は、高等教育の充実についてであります。 大学を中心とする高等教育については、教育研究の高度化、個性化、活性化等を図る観点から、大学設置基準の大綱化、簡素化を図るとともに、大学院の充実と改革、大学の教育研究や組織運営の活性化等、今後の社会の変化等を見通した高等教育のあり方と基礎的研究を重視する施策の推進に積極的に取り組んでまいる所存であります。 大学入試については、当面、大学入試センター試験の円滑な実施や国立大学の受験機会の複数化など、関係者の格段の努力を促しつつ、改善に向けて着実な推進を図ってまいります。 さらに、国立学校の整備については、努めて精選しつつも、学問の発展及び時代の進展に即応した教育研究の推進に必要な措置を講ずることといたしております。 第四は、私学の振興についてであります。 私立学校は、それぞれの建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を実施しており、我が国の学校教育の普及充実に多大の貢献をしてきたところであります。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続き教育研究条件の維持向上に努めてまいる所存であります。 第五は、学術研究の振興についてであります。 今日、我が国は、独創的、先端的な学術研究を通じて国際社会の発展に真に貢献し得る国家となることが従来にも増して強く求められております。 このため、科学研究費の拡充と制度の改善、若手研究者の育成、国立大学共同利用機関を改編する等の共同研究体制の整備、学術情報システムの整備など、研究基盤の整備拡充に格段の努力を払ってまいります。 さらに、加速器科学等の重要基礎研究や民間等との共同研究の推進等を図ってまいる所存であります。 第六は、体育、スポーツ、文化の振興についてであります。 国民が心身ともに健康で明るく豊かな人生を送るためには、健康に関する基礎的な知識、態度を身につけるとともに、生涯にわたって日常生活の中で積極的にスポーツに親しんでいくことが極めて重要であります。このため、現在、保健体育審議会において二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について、中長期的な計画の策定も含めて検討を進めているところであり、今後とも健康教育の充実を図るとともに、国民のスポーツ活動の振興のための諸施策の一層の推進に努めてまいります。また、国際競技会における競技力の向上を図るべく、国立スポーツ科学センター(仮称)の設置計画の推進等、諸般の条件整備に努めてまいります。 また、文化の振興については、現代舞台芸術振興のためのセンターであり、国際文化交流の拠点である第二国立劇場の敷地整備工事の着手や、国際的視野に立った意欲的な芸術活動の推進や国民文化祭の開催等、地域における文化活動の奨励を図るとともに、ふるさと歴史の広場事業を初めとする文化財の公開、活用を図るための施策を推進いたします。また、知的所有権に対する世界的な関心の高まりの中で、社会の進展に応じた著作権制度の改善を図ってまいります。 第七は、教育、学術、文化、スポーツの国際交流の推進についてであります。 まず、留学生の受け入れについては、二十一世紀初頭における十万人の留学生の受け入れという長期的展望に立ち、国民各界各層の幅広い協力を得つつ受け入れ体制の整備充実を着実に進めてまいる所存であります。また、研究者交流等の拡充を図るとともに、外国人に対する日本語教育については、日本語教育施設の質的向上に努めるなど、その一層の振興を図ってまいります。 あわせて、増加の一途をたどっている海外で学ぶ子どもたちについて、国際性の涵養を図るという観点からも、海外における教育の充実や帰国後の受け入れ体制とその貴重な体験が十分に生かされるための条件整備に努力してまいる所存であります。 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べさせていただきました。 文教委員各位の一層の御指導と御鞭撻、御協力をお願い申し上げる次第でございます。 ありがとうございました。
○委員長(杉山令肇君) 次に、平成元年度文部省関係予算について、町村文部政務次官から説明を聴取いたします。町村文部政務次官。
○政府委員(町村信孝君) 平成元年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成元年度の文部省予算につきましては、文教は国政の基本であるとの認識に立ち、二十一世紀を担う青少年の育成を目指した教育改革をさらに積極的に進め、教育、学術、文化、スポーツの諸施策について、その着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は四兆六千三百七十九億二千九百万円、国立学校特別会計予算額は一兆九千百二十二億六千三百万円となっております。 以下、平成元年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、生涯学習の振興に関する経費であります。 人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するため、生涯学習の基盤を整備充実するとともに、ふるさとづくり、長寿対策等の推進を初めとする社会教育の拡充を図ることといたしております。 まず、生涯学習の基盤の整備充実につきましては、地域における生涯学習に取り組む体制の整備を図るとともに、新たなメディアの活用等による多様な学習情報の提供、放送大学の整備、専修学校教育の振興、青少年、成人、婦人など各層に対する学習機会の提供に努めるほか、地域における社会教育活動の拠点となる公立社会教育施設の整備、社会教育主事、社会教育指導員等の養成確保に努めることといたしております。 また、ふるさとづくり、長寿対策等の推進につきましては、家庭、地域の教育力の活性化、ふるさと学習、自然との触れ合い促進、高齢者の生きがい促進や民間の社会教育活動の振興を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。 さらに、青少年に豊かな生活体験の機会を提供するため、国立少年自然の家の計画的な整備を進め、山口県徳地町に第十二番目の少年自然の家を機関設置するとともに、長野県高遠町に置く第十三番目の少年自然の家の設立準備を行うことといたしております。 このほか、国立オリンピック記念青少年総合センターについては、施設の総合的整備のため実施設計に着手することとし、所要の経費を計上いたしております。 第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、いわゆる四十人学級の実施について、小学校は児童減少市町村以外の「その他市町村」内の学校の第四学年まで、中学校は新たに児童減少市町村以外の「その他市町村」内の学校の第一学年に着手することとして、それぞれ施設余裕校について実施することとしたほか、教職員配置についても所要の改善を行うことといたしております。 次に、教職員の資質の向上を図るため、初任者研修制度を小学校について本格実施することといたしております。また、新たに養護教員、特殊学級担任教員に対する研修を実施し、新規採用教員等研修の充実を図るとともに、免許外教科担任教員研修、教員の海外派遣、教育研究グループ補助、教育研究団体への助成などを行うことといたしております。 教育内容につきましては、その改善について、教育課程審議会からの答申をもとに学習指導要領 等の改訂を行い、その趣旨の徹底を図るため講習会を行うとともに、新学習指導要領等の内容を解説した指導書の作成を行うことといたしております。また、学校におけるコンピューター利用のあり方等についても引き続き研究を行うことといたしております。 教育方法等につきましては、その改善充実を図るため、引き続き総合的な調査研究を推進するほか、教育機器を利用した教育方法開発のための特別設備の助成等を行うことといたしており、また義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。 次に、児童生徒の問題行動や登校拒否、高校中退などの学校不適応の問題について適切に対処するため、新たに学校不適応対策事業を実施するとともに、児童生徒の健全な育成に資するため、自然教室推進事業の拡充を図るほか、引き続き生徒指導推進校の指定、生徒指導担当教員の研修等の各般の施策を充実することといたしております。 道徳教育につきましては、児童生徒の豊かな人間形成を図る上で極めて重要な役割を担っていることにかんがみ、学校と家庭、地域社会とのより密接な連携及び奉仕的体験、生活体験等を通じての道徳的実践力の育成強化のより一層の充実を図ることといたしております。 〔委員長退席、理事林寛子君着席〕 幼稚園教育につきましては、保護者の経済的な負担の軽減を図るための幼稚園就園奨励費補助を行うなど、一層の振興を図ることといたしております。 特殊教育につきましては、心身障害児の理解認識の推進、特殊教育就学奨励費の充実など、その施策の振興に努めることといたしております。 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、中国等帰国孤児子女教育研究協力校を拡充するなど、帰国子女受け入れ体制の整備を図ることといたしております。 さらに、児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、学校給食につきましても、豊かで魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設、設備の整備を図ることといたしております。 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について所要の事業量を確保するとともに、大規模改造費補助の高等学校等への適用及び情報教育に対応するための補助対象工事費の拡大等の補助制度の改善を行うこととし、これらに要する経費として、二千四百三十九億円を計上いたしております。 なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、英語教育の充実、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第三は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、昭和六十三年度に対して三十三億円増の二千四百八十六億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助については、大学院最先端装置、情報処理教育装置の整備を図ることとし、昭和六十三年度に対して六億五千万円増の八十億五千万円を計上するとともに、研究設備等整備費補助についても、昭和六十三年度に対して三億五千万円増の十七億五千万円を計上し、教育研究の推進に配慮いたしております。 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、昭和六十三年度に対して二十億円増の七百五十五億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二億五千万円及び財政投融資資金からの借入金二百三十八億円を計上し、自己調達資金と合わせて六百億円の貸付額を予定いたしております。 第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、大学院の充実と改革につきましては、先端科学技術大学院の創設準備、大学院最先端設備の整備充実等を図るため、所要の経費を計上いたしております。 また、国立大学の整備につきましては、秋田大学に医療技術短期大学部を併設するなど、教育研究上緊急なものについて、整備充実を図ることといたしております。 附属病院につきましては、教育、研究、診療上特に必要性の高い分野及び社会的要請の強い分野について、診療科、救急部等を新設するなど、その充実を図ることといたしております。 なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。 次に、育英奨学事業につきましては、平成元年度から奨学金貸与人員・貸与月額をふやすなど、その改善を図ったところであり、政府貸付金七百二十五億円、財政投融資資金三百三十七億円と返還金とを合わせて、千六百五十七億円の学資貸与事業を行うことといたしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。 第五は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創的、先端的な研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるため引き続き拡充を図ることとし、昭和六十三年度に対して三十七億二千万円増の五百二十六億円を計上いたしております。 次に、学術研究体制の整備につきましては、国立大学共同利用機関について、これを国公私立大学の研究者が共同で利用する大学共同利用機関に改編するなど、共同研究体制の一層の整備を進めるとともに、核融合科学研究所の創設、すぐれた若手研究者の育成に資するための特別研究員制度の拡充、大学と民間等との共同研究の充実など各般の施策を進めることといたしております。 また、重要基礎研究につきましても、加速器科学、宇宙科学等の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として五百五十四億円を計上いたしております。 第六は、体育、スポーツの振興に関する経費であります。 まず、国民の体力づくりとスポーツの普及振興につきましては、広く体育、スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設及び学校体育施設の整備に要する経費として昭和六十三年度に対して六億円増の百七十五億円を計上いたしております。 また、学校体育につきましては、学校体育指導の充実強化に努めるとともに、学校体育大会の補助についても所要の経費を計上いたしております。 さらに、生涯スポーツ推進の観点から指導者の養成確保、幅広い国民のスポーツ活動の助長等、生涯スポーツ関連諸施策の一層の推進に努め、たくましい青少年の育成と明るく活力ある国民生活の形成に資することといたしております。 このほか、競技スポーツの振興につきましては、日本体育協会の行う事業のうち、選手強化事業について拡充を図るとともに、スポーツ科学の推進を図るため、国立スポーツ科学センターの基本設計に要する経費を計上しております。さらに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財の整備、活用の推進に関する経費であります。 まず、芸術創作活動の推進につきましては、舞台芸術の創作活動に対する助成、芸術祭、芸術家研修等を行うための経費のほか、民間等の協力も得て、国の内外において意欲的な公演を実施する芸術活動の特別推進事業を拡充することといたしております。 また、新たに映画芸術の振興について、映画鑑賞全国ネットワークの構築等の諸施策を実施することといたしております。 さらに、文化の普及につきましては、こども芸術劇場等を実施するとともに、国民文化祭については、新たに青少年・アマチュア文化グループの国際交流促進のための経費を計上することといたしております。また、中国引揚者や外国人のための日本語教育等につきましても所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財の整備・活用の推進につきましては、新たに「ふるさと歴史の広場」の整備に着手するなど史跡の整備、公有化を促進するほか、国宝、重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査等を進め、また、天然記念物の保護及び食害対策を進めるとともに、国立劇場の事業を充実するなど、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。 また、かねてより準備を進めてまいりました第二国立劇場の整備促進につきましては、実施設計を完了するとともに、敷地整備工事に着手することとし、そのための経費を計上いたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流、協力の推進に関する経費であります。 留学生交流については、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、国費留学生受け入れの計画的整備、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の整備、教育指導体制の充実等留学生に関する事業を大学等はもとより民間団体など各方面の協力も得ながら積極的に推進することとし、そのために要する経費として二百三十二億円を計上いたしております。 さらに、外国人に対する日本語教育の充実を進めるとともに、ユネスコを通じた教育協力、国連大学への協力等についてもその推進を図ることといたしております。 次に、学術の国際交流、協力を推進するため、諸外国との研究者交流、特に次代を担う外国人若手研究者の受け入れを拡充するとともに各種の国際共同研究、拠点大学方式等による発展途上国との学術交流の促進を図ることといたしております。 また、文化の国際交流についても、新たに、諸外国のすぐれた芸術家等を招聘し、我が園芸術創作活動の発展を期するとともに、遺跡保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。 第九は、教育改革の総合的推進等に関する経費であります。 ただいま御説明いたしましたように、教育改革の着実な推進を図るため所要の経費を計上いたしておりますが、このほかに、教育改革の実施に関する調査研究の経費を計上するとともに、政策形成、調査機能の充実に資するため、国立教育研究所を改組、再編するなど教育改革の総合的推進等のため所要の経費を計上いたしております。 以上、平成元年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。 何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○理事(林寛子君) 以上で文部大臣の所信及び平成元年度文部省関係予算の説明聴取を終わります。 —————————————
○理事(林寛子君) 次に、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) このたび、政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約、いわゆる実演家等保護条約の締結に伴い必要となる国内法の整備を図ることを目的とするものであります。 実演家等保護条約は、昭和三十六年にベルヌ同盟、ILO及びユネスコが中心となって、著作物を公衆に伝達する役割を果たす実演家、レコード製作者及び放送機関の国際的保護を図ることを目的として作成されたものであります。我が国は、昭和四十五年の現行著作権法制定の際、この条約を参考として国内的には著作隣接権制度を導入しましたが、同条約の締結については見送った経緯がございます。その後、著作隣接権制度は国内において定着し、また国際的にも締約国が主要先進国を中心とする三十二カ国に増加していること、近年における我が国の国際的地位等を考慮すると、我が国がこの条約を締結し、著作隣接権の国際的な保護の充実を図ることは極めて意義があることと考え、今国会において別途その締結について御承認をお願いしているところであります。 この条約の締結により我が国が負うこととなる義務は、他の締約国における実演家等の権利者に対し、条約に従って所定の保護を与えることであり、今回の著作権法の一部改正の趣旨は、同条約上の保護義務を果たすために必要な規定の整備を行うことにあります。 次に、本法律案の内容について申し述べます。 第一は、著作権法による保護を受ける実演、レコード及び放送に、実演家等保護条約により我が国が保護の義務を負うものを追加することであります。 現行の著作権法は、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約により保護の義務を負うレコードを除き、外国で行われた実演、外国人をレコード製作者とするレコード、外国人である放送事業者の放送等については保護の対象としておりませんでした。このたび、我が国がこの条約を締結することに伴い、同条約により保護の義務を負う実演、レコード及び放送を新たに保護の対象として加えることとしております。 第二は、著作隣接権に関する規定を、国内に常居所を有しない外国人である実演家についても適用することとすることであります。 現在は、国内に常居所を有しない外国人である実演家については、著作隣接権による保護が与えられておりませんが、実演家等保護条約の締結により実演家の国際的な保護の仕組みができることから、これらの外国人である実演家についても著作隣接権による保護を与えることとしております。 このほか、商業用レコードの二次使用料に関する規定を我が国に対して適用しないこととしている締約国の商業用レコードについては、二次使用料に関する保護を与えないこととする等、この条約が認める相互主義の原則に基づいた措置を定めることとしております。 最後に、施行日等についてであります。 この法律は、実演家等保護条約が我が国について効力を生ずる日から施行することとし、所要の経過措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案を提案いたしました理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○理事(林寛子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 最初に、大臣の所信表明及び予算について質問をいたします。 まず最初に、大臣が文教各般の問題を審議する前に「一言おわびを申し上げます。」という言葉からごあいさつが始まりました。この「一言おわびを申し上げます。」は、先般来の一連の不祥事によって文部省に対する国民の信頼を著しく損なう事態に立ち至っていると、こういう言葉から始まっておりますけれども、私も大臣がおっしゃるように、リクルートに絡む一連の不祥事件に文教行政に対する国民の不信感はもうきわまっていると、こう考えております。文部省の信頼感は地に落ちているわけであります。大臣はこのことに対して、いわゆるもうけじめがついた、文部省としてのけじめがついたというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。あるいは、つけたとするならばそのけじめとは一体どういうことを具体的に説明をしていただけますでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、先ほど私からも申し上げましたように、今回のリクルート事件にかかわる一連の不祥事が文部省に対する国民の皆様方の信頼を著しく損なう結果を生じたということについて、まことに申しわけないことである、このように考えております。文部省といたしましては、この問題を深く反省をいたしまして、私自身もこれを厳正に文部省省内等、調査等もいたしまして、その結果として、文部省とリクルート社とのかかわり等も十分調査の上で、関係者の処分を既に委員御承知のとおり行いまして、さらに、この際文部省の人心一新を図るということも必要であると考えまして、大幅な人事異動も行い、新たな決意で文教行政に取り組むという体制を整えたところでございます。 また、昨年十二月に設置をされておりました服務調査指導委員会を改組いたしまして、これは四月二十日に改組いたしまして服務規律委員会を設置いたしまして、これに職員の分限及び懲戒に関する調査を行うという任務を持たせまして、この委員会を機能させているところでございます。こうした一連の措置をとりましたことによりまして、文部省としては今回の一連の不祥事についてけじめをつけた、このように考えております。 これからは、着実に誠実に文教行政を進めるという中で信頼を回復していかなければいけないと決意を新たにしているところでございます。
○粕谷照美君 大臣はこれでけじめをつけたと、こうおっしゃいますけれども、私どもはけじめはついていないのではないか、こういうふうに考えているのであります。文部大臣が三人の幹部の辞職を含む人事異動をやり、九人に厳重注意処分を与えた。これは文部省が、文相が幹部に詰め腹を切らせただけではないだろうか、こう考えております。 私どもは、文部省というのは利権とは非常に遠いものだ、関連が少ないところだというふうに考えておりましたけれども、今までもこの文教委員会の中でもたびたび指摘がありましたけれども、私大だとかあるいは財団だとかの認可あるいは助成金、こういうものでもしばしば教育関係者と文部省官僚との癒着の事実が指摘をされているわけであります。文部省自体として、今服務規律委員会を発足させて綱紀を粛正するというふうにおっしゃいましたけれども、例えば文部省の調査についてだって、文教委員会で調査をしましたという御報告をいただいたことについても、私たちは非常になまぬるい調査であった、こういうふうに思わないわけにはまいりません。 予算委員会でもって文部省に対して、就職協定に関する省内及び審議会等での検討の経過と内容、あるいは就職協定に関するリクルート社または政治家等から受けた陳情、こういうものをずっと挙げまして、一切の資料を出すようにと、こういうふうなことを言っているわけですが、文教委員会ではそういうことがちっとも明らかにならなかった。どうも問題点をはっきりさせるということを逃げていたのではないか、こんな感じがしてならないわけであります。 で、その服務規律委員会の機能が私はきちんとしていくということは非常に大事なことだと思いますけれども、例えばこういうことについてはお話をなさったでしょうか。退職直後の選挙出馬、このことについては一体どういうふうに理解をしていくのか。あるいは、選挙に出馬しますよという決意を固めてぎりぎりまで勤めていって退職をするという形、こういうものについてはどういうふうに考えていらっしゃるか。私学への天下りというのが随分ありますね。こういうことについては一体どう考えていくのか。あるいは、公務員として株の売買というもの、まあ家庭の主婦でもやるような時代でありますから、株を買う、売るというようなことについてはそう厳しいものがないと思いますけれども、こういう未公開株を買うなどということについては一体どうなのか。あるいは、企業からの接待ゴルフ、宴会、それからゴルフ会員権の特別購入、こういうようなものについての自粛などというようなことについてはお話し合いをなさったのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員ただいま御指摘のまず立候補等の問題でございますけれども、この問題は委員も既に御承知のとおり、これは政府全体の大きな課題でございまして、文部省の固有の課題ではございません。この問題についてはどういうふうな対応をすればいいかということにつきましては、予算委員会等でもいろいろと議論があったところでございまして、文部省限りにおいてこのことについての方針を出すというところに至っていないというのが現状でございます。これはもう委員十分御承知で、また現状については御理解をいただけるところであろうと思います。 それから公務員と未公開株の問題、あるいはいろいろな、文部省もこれから積極的に私自身は社会との交流を進めていかなければいけないと考えているわけでございますが、その過程の中で生じてまいりますいわゆる俗に申しますところのつき合いの仕方というものについて、きちっとしたやはりけじめを持たなければいけない。こうしたことにつきましては十分規律委員会におきまして検討をし、その方針を定めているところでございまして、これまで起こりましたようなことが再発しないように十分な体制を整えているところでございます。 〔理事林寛子君退席、委員長着席〕
○粕谷照美君 私学の天下りなどということはどうでしょう。例えば、私ども帝京大学に行きまして理事長といろいろお話ししたわけですね。で、高石理事長の件については、文部省は話ししなかった、強要しなかったと、こう言うんですけれども、そういうお話が具体的にあった、そうすると、やっぱり監督官庁でありますからだめだとはなかなか言いづらいということを具体的に直接私はこの耳で聞いてまいりました。 それから、余り投書とかなんとかということを取り上げたくはないんですけれども、独協大学の教職員組合ですね。私学は文部官僚に支配されているという、こういうニュースを出しまして、具体的に文部省からだれだれを採ってくれないかという話があると、こういうふうに出しているわけですね。この辺のところはいかがでしょうね。例えば帝京大学に行きましても随分大勢の人たちが文部省から入っているわけですね。何か第二の職場みたいになっているんですね。その点についてのお話。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の具体的な学校名を挙げての御質問でございますけれども、まず一般的なこととして申し上げますが、委員も既に御承知のとおりに学校がそれぞれの学部学科等を増設したりいたします場合に、あるいは学校自体がいろいろな教育の分野を拡大するというときに、私自身もいろいろな相談を率直に申し上げて受けることがございます。そのときに一番問題になりますのは、意外にそういう分野の人材が不足しているという、これは一般的なことでございますけれども、面があるということを、私はそうしたことを通じて痛感をするわけでございます。 こうしたことを前提として考えますと、確かに今具体例として御指摘のございました帝京等は、私も具体的な数字を拝見しまして、随分たくさん文部省の出身の方が行っておられるなということを感じたことは事実でございますが、これは文部省が特に天下りを強要したとかということではないわけでありまして、当該の学校法人から要請があって初めて文部省としてはそうした適切な人材を適切に御紹介するということはあり得ることでございまして、それがたまたま今回のような形で、一般的から申しますと、ちょっと多いのかなというような感じを持たれて、いろいろと疑問を持たれたということについては、これは否定できないところでございますけれども、文部省として私学を文部省の天下り先であるなどということを考えたことは全くないわけでございまして、私自 身、私学振興助成法を立案いたしました当時の責任ある一人といたしまして、そういう形で文部省と私学との関係が構築されているということは全く考えていないところでございます。
○粕谷照美君 私は疑惑を国民が持たないようなきちんとした姿勢が必要だということを申し上げているのでありまして、今、大臣おっしゃるように、そういうことは私も十分承知しておりますので、いやしくも監督官庁をかさに着たようなやり方というものは以後一切慎んでいただきたいということを要請しておきます。 続きまして、帝京大学、この間の新聞を見ましたら、四億円ですか、助成金を減らされたという記事が載っておりましたけれども、何かこれは問題があったのでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えを申し上げます。 私学助成につきましては、これまでも私学助成についての配分の基準、助成金の配分の基準というものの手直しを行ってきているところでございますが、今回、今委員御指摘の具体的な減額があったということにつきましては、配分基準に基づいた結果としてそういう数字が出たというふうに私は報告を受けておりますし、具体的に私自身もその経過を十分見ているところでございます。特に委員の御指摘の意味は、今回の一連の問題の懲罰的な意味で減ったのかというお尋ねではないかと思いますが、そういうことではございません。
○粕谷照美君 その点は了解をいたしました。 続きまして、先日、私ども社会党の文教委員が大臣にお会いしまして、福岡県のパーティー券問題に対する申し入れを行いました。そのとき大臣が、どうも議事録を読んでみたけれども、うその答弁をしているようではない、つまり竹井教育長がうその答弁をしているようじゃないというようなことをちらっとお話しになったのを、私耳にとめて、非常に気にしているわけなんですけれども、それ本当でしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 たしか委員が文部省へお訪ねをいただきましたときに、私がお答えをその中で申し上げましたのは、あの時点において、当時の福岡における委員会での答弁について、うそのことを申し上げているのではないというふうに、議事録を見る限りにおいてはそのように認識しているということをお答えしたことは事実でございます。
○粕谷照美君 その後、私の方へ福岡の方から議事録が送られてまいりまして、それを読む限りにおいてはやはり私はうその答弁をしていると言わざるを得ないんですね。 我が党の質問については「パーティー券の購入等につきましては、私的な問題であり、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。」、こういう逃げの答弁をしているわけですが、共産党の議員の質問に対しては「部内の調査の結果、本県教育委員会にまとめて送られたこと、あるいはそれを受け取ったという事実はないとの報告を受けております。また、県下の市町村に働きかけたのではないかとの御質問でありますが、そのような事実は全くございません。」、こういう答弁をしているんです。これ議事録ですからね。これはうそじゃないんですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員ただいま御指摘の点につきましては、五月二十日に福岡県の教育委員会の委員長が談話として発表をされている中に指摘があるわけでございますが、ただいま委員御指摘の部分につきましては、教育長の議会答弁はうそとかということではないけれども正確さを欠いていたということはやはり認めざるを得ない、そういう意味で適切ではなかったという点と、そのことが県民の皆さん方の疑惑を招いたということについては、まことに残念であったと言わざるを得ないという談話を発表しておられるわけでございまして、私自身も、明らかにうそという形で教育長の答弁をとらえるよりは、正確さに欠けていたというふうに受けとめた方がまさに正確ではないかというふうに認識をしているところでございます。
○粕谷照美君 大臣がそういうふうにおとりになっても、私どもとしましては、これはもう正確さを欠いているなんというものではない、全く正確ではなかった答弁だというふうに考えているわけでありまして、それと同時に、非常にこの人は傲慢でして、私ども県会議員及び国会議員の調査団に対して大変な態度をとっているわけですね。こういう文部省からの天下りの人が県の教育長に居座るなんというのは、もうこれは許しておけないと本当にそのとき思いました。 それがもとなんでしょうね。この方は辞任をされることになりましたけれども、辞任したというのは、これは処分じゃなくて、御自分が辞任をしたということになりましょうが、追い込められて私どもは辞任をしたんじゃないか、こんなふうに考えているんですが、その後文部省、こういう方に対して何か特別な措置をとられましたでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の福岡県前教育長の辞任は引責辞職ということでございます。文部省といたしましては、五月九日付で文部省の大臣官房付というふうに発令をいたしまして、その時点で厳重注意ということを行ったわけでございます。
○粕谷照美君 厳重注意というのは、これは処分ですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 処分ということにはなりません。文部省の内部で、二度とこういうようなことを起こさないようにという意味で、上司から注意をしたということでございます。
○粕谷照美君 しかし、議会において正確さを欠く答弁をし、それを謝ることもしない。私は正確じゃない、全くこれはもう虚偽に満ちた答弁だというふうに考えているわけです、事実から考えてみますと。そういう方に対して、処分じゃありません、注意を与えたんだ、こんなことを言われますけれども、文部省が各県教育委員会に対して——小中高等学校の教師あるいは校長などに対する処分などというのは非常に厳しい。厳重注意なんというものじゃない、まことに厳しいものがあるんですが、身内に対しては大変やわらか過ぎるぐらいやわらかいですね。だから国民が信用しないんですよ。 そういうことも含めるわけですが、きょうは時間がありませんから、この部分についての質問を終わりますけれども、最後に簡単に、地方教育委員会の活性化をしなきゃならないとか、こういうことを言っているわけですけれども、文部省から地方教育委員会に対して出向する、こういう制度というものを廃止する、その点についてはいかがですか。お考えを伺います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 前段の部分で、これはもう委員十分御承知の上での御発言であろうと思いますけれども、今回の福岡県の前教育長の処分の問題につきましては、文部省といたしましては厳重注意ということを行いましたのは、何分にも福岡県の教育委員会に身分が属していたわけでございまして、その時代における行為について文部省といたしましてこれを処分するという仕組みにはなっていないわけでございますので、その点は十分御理解をいただいた上での精神的な意味での御発言であろうと思いますが、念のために申し添えさせていただく次第でございます。 教育委員会に文部省から人材を出すということにつきましては、これも委員十分御承知のとおりに、それぞれの教育委員会からの要請があって初めて文部省としては適任な人材を派遣しているということでございまして、そういう意味で、これをやめるという考え方は文部省としてはございません。
○粕谷照美君 何か大臣、用心してなかなか本当のことをおっしゃっていただけないんですけれどもね。確かに要請があるかもしれません。しかし本当に適任者が出ているのかどうなのか、ここもやっぱり問題ですね。 例えば、北九州教育委員会にあの高石さんが教 育長になって行っていますね。時代が違いますから、そのときは適任者だとおっしゃればそうかもしれませんけれども、そういう要素を持っている人をやっぱり出していくわけでしょう。この先回辞任なされました教育長にしたって、やっぱりそういう要素を持っているんですね。それで、厳重注意をされた方を文部省としてはその後どうされたんですか。おやめになったんですか、そのまま無職ということになっておりますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 五月二十日付で所管機関に転任させたところでございます。
○粕谷照美君 所管機関というのは一体何ですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 国立科学博物館でございます。
○粕谷照美君 だから、私たちは文部省のけじめなんというのは全くもう明朗ではない、きちっとしたものではない、こういうことを申し上げているわけであります。 時間の関係で、次に教育予算について伺います。 教育予算の概要説明を随分長いこと御提案いただいて、たくさんのことをやられるという決意はわかったんですけれども、言われたことと予算がきちんと合わなければ私は意味がないのではないか、こんな感じがするものですからお伺いいたしますけれども、文部省予算というのは、年々人件費のウエートが高くなって、逆に政策的経費が低下する一方で、もう文教の旗頭の文部大臣としては、長いことやっぱり一番問題点だというふうにお考えになっていらっしゃったと思うわけです。既にもう予算が成立したものを質問するわけにもいかないので、私は来年度の予算についての考え方も含めて、文教予算のあり方、基本的問題、こういうことについての大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりに、もう率直に申し上げまして、私といたしましても、文部省の予算編成を考えますときに、何しろ人件費が平成元年度で申しますと七七%を占めておりまして、そうした中で財政が非常に厳しいという状況で予算編成をするわけでございますので、なお平成二年度の今お尋ねでございますけれども、平成二年度の政府全体の予算編成についての基本的な方針は、やはり特例公債からの脱却と申しますか、特例公債をとにかくゼロにするということが当面の大きな目標になっております。このことが達成されませんとなかなか新たな予算編成の方針が出てこない。そういう状況のもとで平成二年度の概算要求にこれから取り組んでいかなければいけないという立場にあるわけでございまして、私自身もどういう工夫の余地があるかということで、今省内で鋭意その方策について取り組んでいるところでございまして、委員初め文教委員、これは与野党を通じてお力添えもいただきたいと考えているところでございますが、確かに結論的には委員御指摘のとおり、文教予算の人件費が非常に高いウエートを占めているという特性から厳しい状況になっているということは事実でございます。
○粕谷照美君 そういう事実があるからこそ文部省としては一番苦悩して予算要求をなさっているんだというふうに思うわけであります。そうすると、何か理論的に大蔵省がそうだなというようなことをきちんと構築をするということが必要になるのではないかと思うわけでありますので、精いっぱい頑張ってやっていただきたいと思います。 それで、その中で基本的に文部大臣にお伺いしたいのは、義務教育費国庫負担制度というのがあります。文部大臣はずっとこれに関係をされて、今まで制度をつくるのに御努力いただいたと思うんですけれども、私はこれは堅持すべきものであると。基盤がしっかりしなければ上の方がしっかりしないというふうに思いますから、これについての大臣の考え方、それから第五次の学級編制及び教職員定数改善計画、これは計画などといってももう法律そのものでありますから、この法律と第四次高校教職員定数改善計画について、この進捗率がどうなっているのか、それから、これはきちんと法律どおりに完成をするという見通し、決意があるのかどうかについてお伺いいたします。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の義務教育費国庫負担制度につきましては、これを堅持していくということはもう文部省といたしましては当然のことでございまして、今後ともその考え方を変える考えはございません。よろしくお力添えいただきたいと思うわけでございます。 次の定数の改善計画でございますけれども、現在の平成元年度までの改善の進捗率につきましては、公立義務教育諸学校の第五次教職員定数改善計画につきましては、現時点で五五・四%、それから第四次教職員定数改善計画につきましては、これは公立の高等学校でございますけれども、六〇%という数字になっております。
○粕谷照美君 第五次学級編制のこの問題は、あと二年ですね。その二年間に残されるのが、そうすると四四・六%。あと二年で四四・六%、これできるんでしょうか。一体その見通しというのはどういうふうになっているんですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 率直に申し上げまして非常に厳しい状況にあることは認めざるを得ません。しかし文部省といたしましては、この残りの二年間で何としてもこの目標を達成いたしたいと考えておりまして、あらゆる知恵を出して取り組んでまいりたいと考えております。
○粕谷照美君 大臣のそういうふうにおっしゃることを信じて私どもも一緒に頑張っていきたいと思うんですけれども、どうも今までの経過から見ますと、私は今の大臣の言葉が何か慰めのような感じがしてしようがないわけであります。本気になってこれ頑張っていただくように心から要望をいたしまして、次に著作権の法律の方に移ります。 最初に法案の提案理由を伺いました。その提案理由の中に「著作隣接権制度は国内において定着」をした、こういうことを大臣が述べておられますけれども、私は、制度というのはたび重なる改定によって割合に前進をした、こう思いますけれども、しかし国民の著作権思想というものはそれに伴っていないのではないんだろうか。こういうことについての大臣の概括的なお考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 著作権についての認識でございますけれども、文部省といたしましても文化庁を中心としまして、今日まで著作権についての全体的な知識、考え方というものを普及していくという努力を積み重ねてきているところでございます。確かに委員御指摘のとおり、まだこれが十分に認識をされているというふうに言い切るところまではいっていないといううらみがなきにしもあらずでございますので、今後とも文部省、文化庁といたしまして努力を続けていかなければいけない、このように強く責任を感じているところでございます。
○粕谷照美君 文化庁としては、そういう国民の著作権思想というものを高めていくための努力、これはどういう具体的なことをおやりになっていらっしゃいますか。
○政府委員(遠山敦子君) 大臣がお答え申し上げましたとおり、制度としての著作権法のあり方というのはいろいろな面で整えられつつあるわけでございますけれども、先生御指摘のように、著作権思想が本当に普及しているかという点になりますと、なかなか十分でない面もあるわけでございます。このようなことから、文化庁といたしましてもいろいろな機会に著作権思想の普及ということに努力をしているわけでございますが、例えば関係者に講習会を開きまして、著作権講習会、一般向けと担当者向けなどをやったりいたしまして、広くその考え方をまずは指導者にお知らせする、あるいは資料をいろいろ発行いたしまして、それらの利用を通じまして著作権思想を普及するというふうな努力をいたしているわけでございます。また、よりわかりやすい形で今後若い世代に も著作権思想を普及する必要があるというふうなことから、今後ビデオの教材によって著作権の問題などをうまく映像によって伝えていく。そのようなことも考えておりまして、いろいろこれから努力をしてまいりたいと思っております。
○粕谷照美君 実演家等保護条約加入の条件整備について伺います。 現行法が制定をされましてから既に十九年が経過をしております。国会では著作権法の改正ごとにこの実演家等保護条約への早期加盟について附帯決議を行ってまいりました。しかも、この現行法は同条約の内容を既に制定のときから取り入れてきたという、こういう経過があるわけであります。したがって、今回やっとこの条約に加盟をするということは私どもは非常に喜ばしいと思う反面、大変遅かったのではないかと、こういうふうに言わざるを得ません。これまでこの条約に加盟をしなかった理由というものは一体どういうふうに考えたらよろしゅうございますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員が御指摘のとおりに、非常に遅かったということにつきましては、私もまさに同感でございまして、責任を痛感いたすところでございます。今お尋ねの点につきましては、我が国は昭和四十五年、現行著作権法の制定のときに、今委員から御指摘のございましたように、実演家等保護条約を参考として実演家等を保護する制度を初めて導入したわけでございますが、保護の対象はとりあえず国内において行われる実演等に限定することとして、この条約の締結については新たに創設されたこの制度を国内的に、また国際的にもどのように運用され、定着していくかを見きわめた上で判断するということに当時していたわけでございます。 この条約の早期締結につきましては、今委員御指摘のとおりに、文教委員会から数回にわたって附帯決議を今日までいただいてきているわけでございまして、国内の権利者団体はもとより、国際的な権利者団体からも我が国に対しまして実演家等保護条約の締結について繰り返し要請が行われてきたところでございます。このような状況を踏まえまして、昨年一月に著作権審議会から、我が国がこの条約を締結し、著作隣接権の国際的な保護の充実を図ることが適当である等を内容とする提言をいただいたところでございます。その後、この条約締結のための関係団体間の条件整備を行ってきたところでございまして、これが順調に進行しているというふうに判断をいたしまして、政府といたしましては今国会にこの条約の締結について承認を求めることとしたわけでございまして、かなり時間が経過いたしましたけれども、その間なかなかこの問題難しかったという事情につきましては、細かいことについて十分委員御承知のような難しい問題がたくさんございまして、今日まで来たということは残念でございますけれども、この国会でこうして御審議をいただくところまでやっとこぎつけたなというのが実感でございます。
○粕谷照美君 文化庁といたしましては、今大臣のおっしゃったとおりだと思いますけれども、この実演家等保護条約に我が国が加入することによって、大体日本としては著作権及び著作隣接権を通ずる国際保護に必要な枠組みへの加入を全部果たすことができたというふうに理解をしておりますか。いかがでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 先生の御指摘のとおりでございまして、我が国は一番の基本的な条約でございますベルヌ条約には既に明治三十二年に加入しておりまして、次いで万国著作権条約にも昭和三十一年には加入をしているわけでございます。さらに一番の最近の問題でございました実演家等保護条約につきまして、これは昭和三十六年に作成されたわけでございますけれども、大臣から御説明申し上げましたようないろいろな実情がございまして、今日まで条件整備に努力をしてまいったわけでございますが、昭和五十三年に入りましたレコード保護条約を含めますと、最後に大きな国際条約として著作権の基本的な条約として掲げられております四つの条約のうちの最後のものに今回加入することができますれば、国際的にも日本の今日置かれております地位からいいまして非常にふさわしい、それにふさわしい著作権制度が内外にわたって確立できるというふうに考えております。
○粕谷照美君 経済企画庁の昭和六十二年二月の知的所有権研究会中間報告というものを私はちょっと読んでみましたけれども、この知的所有権の国際問題について大体WIPOにおける調整とか、あるいはガットでの調整というものを日本としては主体に考えてきたように思います。この多国間交渉で討議すべきものとしてきたにもかかわらず、最近は日本とアメリカというような、この二国間での調整に応じるような形になっているのではないかと思いますけれども、この辺のところはどういうふうに見ていったらよろしゅうございますか。
○政府委員(遠山敦子君) 日米の関係におきまして、現在貿易摩擦等いろいろな問題がございまして、その絡みがありまして、特に知的所有権の問題について再三話題になっているわけでございます。日米の間の問題につきましては、昨年の秋及びことしの春にかけまして、知的所有権の問題に関するワーキンググループ等も開かれてまいったわけでございます。そこでの議論、先生は御承知と存じますけれども、日本国といたしましては国際的な条約の要求しているものにできるだけ近づくべく常に努力をしてまいっておりまして、その意味ではアメリカとの間におきましても知的所有権の問題につきましては若干の問題はまだ残っておりますけれども、大体日本の場合には大きな国際的なルールに乗っかっているということについてはアメリカ側も了解をしておられるというふうに考えます。 先生がおっしゃいましたように、ガットでありますとか、あるいはWIPOの場におきまして、最近では知的所有権の問題がかなりクローズアップされてまいっております。WIPOは恒常的に知的所有権のあり方について御議論をなさるところでございますが、ガットの絡みでもウルグアイラウンドというふうなことでいろいろな御検討がなされているわけでございますが、文化庁といたしましてもそうした国際的な知的所有権の論議の動向を勘案しながら国内的ないろいろな問題についても今後とも検討を続けてまいりたい、そのように考えております。
○粕谷照美君 昨年の八月二十二日の日経新聞を見ますと、アメリカがソフト保護を前面にして知的所有権について十二項目を要求しているという記事が載っておりました。著作権についてなかなか厳しいいろいろな要望が載っているわけでありますね。これをアメリカの圧力と感ずるのか、正当な交渉要件として考えるのか、それはそれなりにいろいろと問題はあろうかというふうに思いますけれども、この著作権というのは日米通商摩擦の焦点になっているというような感じがしてならないわけであります。この法律は、別にこの問題とは関係なしに純粋に出されたという理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(遠山敦子君) 先生の御指摘でございますけれども、アメリカ側は、経済摩擦ということを背景にいたしまして、確かに著作権の問題につきましても幾つかの問題を、日本側の制度のいわば障害面として指摘をされているわけでございますけれども、例えば著作権に関しましては、コンピューターソフトウエア、それからレコードの保護のあり方について、アメリカの自国の制度とかその運用等に基づく意見を述べておられるわけでございます。 文化庁といたしましては、著作権それから著作隣接権の保護につきましては、御存じのように、ベルヌ条約等の国際条約に基づいて行われるべきであるという基本的な考え方をとっておりまして、アメリカ合衆国自体もベルヌ条約に加入されまして、問題の解決、相互に著作権等を保護し合う、そういう仕組みに近づいてまいっているわけでございまして、御指摘のあるアメリカ側の指摘 の問題につきましても、問題の種類に応じまして検討を重ねてまいるわけでございますけれども、先生がおっしゃいましたように経済摩擦の焦点というふうになっているとは私どもは考えていないわけでございます。
○粕谷照美君 三月十日のこれは読売新聞の記事になっておりますけれども、やっぱりアメリカが貸与権を洋盤にも与えよ、こういうことで差別是正を迫る構えを示してきた、こういうのでございますね。これは具体的にはどういうことを言ってきているのか、これに対して文化庁としてはどう考えていくのか、伺います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおりに、洋盤に対しての貸与権ということについて強い要請があってきていることは事実でございます。文部省といたしましても、これについて、でき得べくんば今回御提案を申し上げました中でこの問題も解決をしたいと考えていたわけでございますけれども、若干国内の条件整備が整わないところもございましておくれたわけでございますけれども、できるだけ早い機会にこの問題についても決着を図りたい、こういう基本的な考え方でございます。
○政府委員(遠山敦子君) 今御答弁のありましたような方向にのっとりまして、文化庁といたしましても、今回貸与権の付与に関する改正を含めなかったことに関するいろいろな障害があるわけでございまして、その障害に関しまして今後とも努力をしてまいりたいということでございますが、どういうことかと申しますと、これは今日本の国内におきまして貸与権に関しまして数件の訴訟が係属中でございます。そのようなことから、国内的にもこの貸与権の問題につきまして、これで問題が、すべて円満な利用秩序が形成されているとはなかなか申しがたい面がございまして、そのような面の解決を見ながら、また国外的な関係を樹立していくに際しまして必要な条件整備というふうなことを確保いたしまして、そしてできるだけ速やかに所要の法改正を行いたい、このように考えております。
○粕谷照美君 アメリカ側が言っているのは、日本が国内レコードに限って認めているレンタル権を、内外無差別の原則に反する不公正な慣行であると、こういうふうに言っているわけですね。で、早く是正をしなさいと。今、文化庁の御説明によりますと、国内で訴訟が係属中であるからなかなかよその国を説得するわけにもいかないし、自分のところの態度を鮮明にするわけにもいかないと、こんなお話のようでございますけれども、果たしてそれだけですか。訴訟だけですか、原因は。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 今、文化庁次長から御説明を申し上げました事情で、今回御提案申し上げる中に含めることができなかったわけでございますが、私自身はできるだけ早くというふうに考えを持っておりまして、文化庁にもそのことを督励をしたところでございます。 ただいま次長から御説明申し上げましたように、今回御審議をいただいております法案に含めることができませんでしたのは、この貸与権の問題をめぐって国内においてなおその秩序自体が確立をしていない。すなわち、訴訟が起こっているという事態の中に洋盤も巻き込んでしまうという結果になっては、また国際的にも問題になるであろうと。まず、この問題を早期に解決する方が先決であるという判断を最終的にはしたわけでございます。したがいまして、それ以外の事情というものはないわけでございますので、大体この訴訟の問題につきましても一定の方向が出つつあるやに報告を受けているところでございまして、その動向を見きわめた上で、できるだけ早い機会に、今委員御指摘の方向に沿って決着をつけたいと、このように考えております。
○粕谷照美君 この問題も、文教委員会において毎回著作権法改正のときには取り上げられてきた問題でございますから、早くそういう話し合いがきちんと終わって、あるいは訴訟が決着がついて、世界に非難を受けないような態度というものをとることが必要だというふうに思いますので、大臣のその決意を伺って安心をいたしました。 それでは次に、条約加入に向けて、この条件の整備というものが今やっぱり必要だというふうに思うわけです。特にレコードの二次使用料に関して、関係者との話し合いの促進がまたこれ急務ではないか。どういうふうにこれは手順としては進められていくのでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 先生御指摘のように、この条約に入ることになりますと、二次使用料の使用に関しまして国内的な条件の整備、そして外国の権利者との利用のルールの確立などが必要なわけでございます。国内盤につきましてのルールは既に確立をいたしておりまして、その方向性でいくわけでございますが、外国の権利者にかかわる分につきましても必要な条件整備を図る必要があるわけでございます。 ただ、この面につきましては、日本芸能実演家団体協議会、それから社団法人日本レコード協会と放送事業者との間で話し合いの上、外国の権利者にかかわります分を含みます二次使用料の徴収額につきましての取り決めを行う必要があるわけでございます。で、このことにつきましては、芸団協、日本芸能実演家団体協議会とレコード協会が、NHKそれから民放連との間で話し合いが進められているわけでございまして、逐次この点につきましても条件整備が進んでいるというふうに考えております。
○粕谷照美君 逐次進んでいるんであって、まだ完全にでき上がっているようではないという私は感じがいたします。 それで、せっかく法律ができるわけでありますけれども、この条約加盟に対する放送業界の考え方というのは一体どうなっておりますでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 条約加入に当たりましては、関係する団体の間で権利の行使につきましての話し合いが十分に行われて、ルールが確立されないといけないわけでございますが、その面に関しまして放送業界からは意見があったわけでございます。現在の段階では、日本放送協会は実演家それからレコード製作者側が今後とも条件整備に関しまして積極的に協力する旨表明しているということを評価されまして、今度の条約の締結には反対しないというふうに聞いております。また、社団法人日本民間放送連盟は、既にレコード条約によりまして外国のレコードが保護されているわけでございますので、条約締結を急ぐ必要はないというふうなお考えを持っているようでございます。締結は時期尚早というふうなお考えもあるようでございますが、しかしながら今日の段階では、民放連とされましては条約の早期締結に反対する姿勢を堅持するとされながらも、当面、国会審議の状況を見守りたいというふうな意向を持っておられるように聞いております。したがいまして、国会の審議の推移を見ながら、放送業界としましてもこの問題のルールの確立について、さらには実態的な使用料の問題についても具体的な話し合いが協議されることになろうというふうに考えております。
○粕谷照美君 簡単に言うと、こういうことですか。芸団協や日本レコード協会は、強く早く入ることを要望していると。それから日本放送協会は、これは反対しない。賛成だとは言ってないんですね、反対しない。非常に消極的、後ろ向きの態度ですね。それから日本民間放送連盟は、早期締結はこれ残念だというふうに言っているんじゃないんですか。どうも極めて厳しい態度のように思われます。それから有線放送協会は、これは負担増で好ましくないけれども、法律が通れば反対はしないと。今、私のこの認識間違っていますでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 先生の御指摘は、私どものとらえております関係者の考え方をほぼ御指摘いただいたと考えておりますが、確かに実演家の団体でございます日本芸能実演家団体協議会、それからレコード製作者の団体でございます社団法人レコード協会は、ともに既に所要の条件は整 っておりますので、従来から早くこの条約を締結するようにというふうな御希望があったということを承知しております。そして日本放送協会は先ほど申し上げましたとおりでございますし、日本民間放送連盟については時期尚早ということでございますが、ただ厳しい態度で反対というふうに考えていいものかどうか。国会の審議の推移を見ながら、実態的な協議を行うというふうな姿勢であるというふうに認識をしている次第でございます。
○粕谷照美君 国会で法律が通れば、これは民放連としてもやむを得ない、参加をすると。あるいは反対とは言わないけれども、反対しないということを表明しているところも、国会でこの法律が通れば守っていかなければならないと。法律が通るんですから、当然守ってもらわなきゃ困るわけでありますが、しかし放送業界がこういう条約加盟について積極的でないということは、今後の芸団協などとの話し合いが長引くということになるのではないか。話し合いが長引くということになれば、これは二次使用料というものが支払われないということにもなるわけでありまして、国際的にも非難を受けるということになるのじゃないか、こういう感じがしますけれども、文化庁の見通しはいかがですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 先ほど来次長からお答え申し上げておりますように、それぞれの立場でそれぞれの御意見があることは事実でございますけれども、国会で御決定をいただきましてこの法律が成立をいたしますれば、この具体的な協議に参加するということについてはあらかじめ了解が得られているというふうに聞いているところでございまして、文部省、文化庁といたしましても、ただいま委員御指摘のとおりに法律が成立いたしました以上、これが円滑に施行されるように責任を持ってこれを進めていかなければいけないと、このように考えているところでございます。
○粕谷照美君 一番の問題点は、これは民放連にしても日本放送協会にしても非常に経費が高くなる、こういうことだと思いますね。この二次使用料の問題になるわけでありますけれども、二次使用料の実態調査、こういうものが必要ではないだろうかと思いますが、諸外国に比べて日本の二次使用料というのはどんなふうな地位を占めておりますか。
○政府委員(遠山敦子君) 二次使用料の支払いの状況でございますけれども、日本の使用料の総額と諸外国の総額と比べますと、国によってかなり異なっております。例えば、英国あるいは西ドイツに関しましては日本より多い使用料を総額として支払っておられますけれども、スウェーデン、オーストリアあるいはフィンランド、フランス等に関しましては日本より少ないというふうな実態でございます。したがいまして、日本の使用料に関しましては、日本の国内事情に適した形で今関係者の間で額が決められ、そして支払われているというふうに考えております。
○粕谷照美君 それぞれの国によって額が違うというのは、やっぱり放送の体系なんかによっても違いますね、時間帯なんかによっても。日本みたいにいつまでもいつまでも、テレビをつければほとんど二十四時間のうちの随分長い時間テレビがついているというような国と、もう時間帯しかやらないというような国、それぞれいろいろあろうかと思いますけれども、芸団協で調べました「我が国におけるラジオ放送の二次使用の実態調査」というのがありまして、そして邦盤は何%、洋盤が何%、レコード以外が何%、こういう調査というのは非常に大事になってくると思うんですね。こういうことを芸団協、関係団体がやるということは当然のことと思いますけれども、私はやっぱり文部省あたり、文化庁あたりにおいて一度ぐらいはこの調査というものをやっぱりやってみる必要があるんじゃないかと、そんなことを感じましたが、いかがですか。
○政府委員(遠山敦子君) 御指摘ではございますけれども、このようなラジオ放送の時間帯の使われ方、あるいはそれが洋盤であるか、邦盤であるか、その使われたレコードの生産国は一体どこであるのかというふうなことを実際に調べますには、かなりの技術的な蓄積された方法が必要かと存じまして、文化庁といたしましては、なかなかそこまでの方法を今まで修得しておりません状況でございまして、御指摘ではございますが、現段階ではなかなか難しいというふうに思われるところでございます。
○粕谷照美君 文化庁は予算もないですから簡単にやれるわけはありませんね、一番低い予算ですから。しかし、それは自分自身がおやりにならなくても、こういう調査をやりたいからということで協力を求めるということはできると思うんですね。調査なくして何物もできないと思うんですが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員まさに御指摘のとおりであると私も痛感をいたしますので、こうして法律を御審議いただき、これを成立させていただきました段階で、早急に何らかの方法で委員御指摘の点を、条件を満たすような方法を文部省、文化庁といたしましても考えたいと、このように思っております。
○粕谷照美君 まだ法律も通らぬうちから二次使用料の問題なんということにもちょっとなりかねると思うんですけれども、芸団協の調査によりますと、実演家の昭和五十八年度の総収入で百万円以下だというのが二四・七%、四百万円未満だというのが七一・一%だという、こういう統計表をいただいたわけであります。何か五億円結婚式だとか何億円結婚式だなどという芸能人の方々を見ているときに、百万円以下の収入の方が二四%だなんということはちょっと信じがたいんですが、ああいう上の人たちはもう特別で、そちらの方が特別で、そうでない人たちの方が余計なんだということも具体的にお話をいただきました。この二次使用料ということは大変もう芸術家の方々にとっては重要な、いつ決まるのか、額はどうなるのかというようなことで、これは生活にかかわってくる問題だと思うのですね。ボクシングなんかでも決して家庭がいい子が強くなるんじゃなくて、かえって不和の方が強くなるんだなんというのがありますけれども、私はそうじゃなくて、こういう芸術なんというのはやっぱり豊かな生活があって豊かな心ができて、そしてすばらしい芸術活動というものができるんだろうというふうに思いますので、この辺のところが、レコードの二次使用が実演家の機械的失業をもたらすことにつながってしまう。したがって、この二次使用料の問題はきちんと話し合いをしなければならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員まさに御指摘のとおりであると私も考えます。
○粕谷照美君 主要国において我が国のレコードが使われる頻度数が低いんじゃないんだろうか、こういうことはしばしば言われているわけですが、このことは、我が国が相手国に支払う二次使用料というのは多いけれども相手国が我が国に対して支払う額が少ない、こういうふうに逆を言えば言えるわけであります。したがって、この相手国の二次使用料を我が国がプールして使うというごとは、我が国の芸術家にはプラスになるけれども相手国の芸術家に対してはプラスにならないのではないか、こんな気がいたしますが、その辺はいかがですか。
○政府委員(遠山敦子君) ただいま御指摘の件は、日本芸能実演家団体協議会が外国の芸術家団体との間におきまして協定を結びまして、相互にその二次使用料にかかわる経費につきましては留保するということに関する御指摘かと思われます。この件に関しましては、各国の実演家団体の間におきましてその行使を互いに委任し合うという仕組みになってございまして、そういう相互協定に基づきまして仕組みができ上がっているわけでございまして、このような取り扱いといいますものは、日本の芸能実演家団体協議会と各国の団体との自主的あるいは相互的な取り決めによるも のでございまして、文化庁といたしましてはこの点については問題はないというふうに考えております。
○粕谷照美君 確かに芸団協の資料を見ますと、そういう協約を結んでいる国々の話が出ておりますけれども、もう一つ問題であるなと思うのは、この芸団協の各加盟団体に国内プールされたお金が配分をされるというんですけれども、そういう配分額決定というのは大変難しいと思うのですね。文化庁が手を突っ込んでこうしなさいこうしなさいというようなものでもないと思いますけれども、客観的基準に基づいて公平に分配をされるということが大変望ましいことであるわけです、まだ額は少ないけれども、これから伸びていくとする場合に。そうしますと、現在一体どういう基準でこれが配分をされているのかということは文化庁つかんでおられますか。
○政府委員(遠山敦子君) 芸団協自体の中でどのようにその使用料を配分していくかということにつきましては、芸団協が国内の問題につきましては既にルールを確立しているわけでございますが、外国との関連につきましては芸団協の内部で目下そのあり方について検討中というふうに聞いております。
○粕谷照美君 今それが検討中だと、こういうことでございますけれども、大体法律が通るころには見通しがっくのか、通ってから相当の時間がかかるのか、その辺の見通しはいかがですか。
○政府委員(遠山敦子君) その点に関しましては条約の締結後速やかに対処できるように検討されているものと考えております。
○粕谷照美君 レコードだとか、あるいは複製機器の生産というのが世界の我が国はトップレベルにあるわけであります。そして経済大国でもある我が国の対応が国際的な著作権制度に与える影響というものも非常に大きいというのが現在の状況だと思います。しかし外国で実施をされていますこの複製機器に対する賦課金制度の導入あるいは文献複写の著作権の集中的処理機構の設置などの問題は、まだ実現をしていないのですね。文教委員会でもしばしばこれは討論になってきているところでございますけれども、今後我が国が国際的な場でその発言力を増して、名実ともに文化大国になっていくためにも国内の迅速な対応というのは必要になるというふうに思いますが、文化庁は現在どのような努力をしておられますか。
○政府委員(遠山敦子君) 今の御指摘の点は、まさに文化庁といたしましても非常に今後の大きな課題というふうに考えております。 一つ目の私的録音録画に関する検討の状況でございますけれども、著作権法の第三十条には私的使用のための複製を許容しているわけでございますが、先生御指摘のように、録音録画機器の著しい開発とか普及に伴いまして、家庭内における録音、録画はかなり容易かつ頻繁に行われるようになりまして、このことに伴いまして著作権者あるいは著作隣接権者の経済的利益が脅かされているという問題が生じているわけでございます。このようなことは技術が発達するに伴いましてさらに大きな問題になっていくというふうにも予想されるわけでございます。このためにかねてから著作権者等はヨーロッパの国々、西ドイツとかフランス等がとっております報酬請求権制度を我が国にも導入すべきであるというふうに主張をしているわけでございます。この報酬請求権制度といいますものは、録音録画機器やテープの価格に一定の報酬を上乗せして販売をして、これを著作権者等に還元するという制度であるわけでございます。 このような方向を一方で見ながら、我が国としてどういうふうな仕組みをつくっていくかというふうなことにつきましては非常に長い検討の経緯がございまして、昭和五十二年以降実は検討が重ねられているわけでございます。しかしながら、このような問題は多くの関係者がそれぞれの立場に立ちましてそれぞれの主張がなされるわけでございまして、その間の調整あるいは問題点の解明、あるいは具体的な処理の仕方についての検討等、さまざまな検討課題があるわけでございます。あるいは権利の性格をどのように考えていくか、あるいは支払いの対象範囲をどうするかなど、まだまだ詰めるべき問題があるわけでございます。このようなことから、現在著作権審議会におきましては第十小委員会を設置いたしまして、昭和六十三年八月より検討を開始いたしております。現在までのところ十回ほど審議をいたしておりますが、まだ今後とも詰めるべき点がございまして、今後とも審議が円滑に進むよう配慮してまいりたいと考えているところでございます。 さらに、複写権センターの問題等、各国でも幾つかの国々ではこの件につきましては集中的権利処理機構が設置されて、それぞれに運用されているということも了知しているところでございます。このようなことを一方で見ながら、日本の国内におきましても複写権センターの設立の準備が行われておりまして、御存じかと存じますけれども、社団法人日本複写権センター設立発起人会が昨年の秋発足したところでございます。この設立発起人会では、そのセンターの設立あるいは設立後の運営に必要な事項の調査研究を行うというふうなことで現在検討中でございまして、文化庁といたしましては、これらの準備の進捗状況を見きわめながら、広く複写の問題につきましてその解決の方向を検討してまいりたいと、そのように考えております。
○粕谷照美君 時間が来ましたので、終わります。
○仲川幸男君 大臣、御就任半年でようよう所信が聞ける状態になりましたほど国会周辺もまた文部省もかなり混乱をいたしております。大臣とは文教委員会という公式な場所でこうしてお考えをお聞きするのは初めてでございますが、昨年十二月に御就任して、また六月三日に再任をいただき、この半年間日本の教育のために大変御努力をいただいておりますことにまず敬意を払いたいと思う次第であります。 教育の本論に対しましての質問につきましては大方を次回に譲りたいと思うわけでありますが、本日はその周辺の諸般のことについて少し私の考え方を申し上げ、御質問をいたしたいと思うのであります。 さて、振り返って大臣の就任をいただきました昨年の十二月の国会周辺、なかんずく文教の分野でまた文部省がどのような状態に置かれておったかということを思い起こしてみますときに、今日のこの静けさと比べて、当時苦渋に満ちた、いまだ教育界で味わったことのない泥沼のような中であったことを思い出すわけであります。与野党を問いませず我々教育関係、またその政治に携わっておる者は、その清潔さをいささかの誇りといたしてまいっておるわけでございます。そういう意味でも、当時を思い出しますと、苦いものの反すうにも似たものを感じるわけであります。その真つただ中に大臣御就任でありました。細部についてはここにお集まりの全部の方が御承知でございますので、多くを申し上げませんが、きょうは実は大臣ほか幹部全部おそろいでお聞きをいただきたかったわけでありますが、大臣からよろしくひとつ御指導のほどお願いをしたいと思うわけであります。 就任直後に大臣が高石問題の第一の当本人のけじめをつけてくださいました。そして、三月二十八日に高石逮捕となりました。その当時、社会また教育界、特に文部省に対する信用の失墜は、恐らく私は文部省というものの開省以来のものではなかったろうか。そして、あれから三カ月であります。不信用の全部が解消したとは夢にも思っておりませんけれども、大きく回復をして、この静けさになったこともまた事実であります。その状況の中で、大臣の御努力と事に処する手腕が国民から、特に関係者が高く評価をしたところでございます。これは私が与党でございますので、お上手を言ってお褒めをしておるわけではありません。恐らく与野党も、また注視をしております国民の皆様もそう思っておると思います。 しかしながら大臣、同時にまた大きな犠牲を払ったと思うのであります。日本の政治は優秀な官 僚がその才能と経験を手腕として大きく発揮して国を支えております。内外の大方の方が御承知のとおりであります。文部省もまたその歴史の中で脈々とそのことが流れて、あえて官僚政治とまで言われるゆえんのものでもあります。そのまたよきところも大変多いと思うのであります。その文部省の戦艦とも言える幹部三名の辞任であります。本人たちもまた大臣も、恐らく政治の中で一番大きかったのではなかろうかと思う決断があったこともおおよそ想像にかたくないわけでございます。人の行為に対してとかく批判がちな政治の世界、また官僚の世界でも、また今日までの趨勢の中でも大きく問題視されたことも事実でございます。 現在、政界には国民が納得をしない数多くの問題がたくさん流れておりますが、これは一口に言って私はけじめの問題だと思うのであります。文部省においてこのけじめがついたから、私は三カ月にして現在のこの文部周辺の静けさができたと思うのであります。そのことに対しては大臣の手腕、もちろん先ほど申し上げたとおりでありますが、文部省官僚一致して努力をしたゆえんのものでもありましょう。教育は信用から成り立って、信用の積み重ねで尊敬というものが生まれ、そこに本当の教育の世界が展開をせられると思うわけであります。 そこで大臣にお尋ねをいたしたいと思います。本日、この静けさが教育界に返ってきたゆえんのものは、多くの関係者の努力と大きな犠牲の上に復元をしたと思われます。けじめをつけたということでありましょう。文教関係全員の大きな協力、文部省を挙げての真摯な態度、前進の意欲、過ちを共同の責任として感じた全省員の行動であった、こう思います。大臣の心境をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 これまでもたびたび申し上げてまいりましたように、昨年来の一連の不祥事に対しまして、文部省挙げて国民の皆様方の信頼を回復すべく今日まで取り組んできたところでございまして、ただいま委員御指摘のように、一応文部省といたしましてはけじめをつけた、このように考えているわけでございます。 しかしその間、現阿部事務次官を中心として文部省の幹部の諸君が味わった、ある意味で苦痛、苦悩もはかり知れないものがあったと思いますし、そうしたことを踏まえてこれから日々の教育行政、そして教育改革に私ども精いっぱい取り組んでいくということが今日までのいろいろな問題に対する答えであるというふうに改めて自覚をいたしまして取り組んでいく所存でございますので、何とぞ御指導、御鞭撻をいただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
○仲川幸男君 大臣にお願いをいたしておきたいと思います。 そのことは小さいことかもしれませんが、それはこの解決に全部の視線が集まっている中での物事であると思うわけであります。やはり最優秀な官僚を一人つくり上げるまでには私は自他ともの大変な御努力があると思います。その人たちが、そのゆえんのいかんはあれ、一人の不心得者があったから、その余波を受けたとはいえ去っていったわけであります。あえて申し上げれば犠牲になりました。あの人が、あのことがなかりせばと思っておる人はたくさんあろうと思うのであります。 それで、率直に申し上げまして、大臣を中心にして文部省が去っていかれた人のためにも今後の配慮をしてあげなければならないのではないだろうか。私たちも共同の責任で考えなければならないのではないだろうか。往々にして役所には天下り的なという野党からしょっちゅうの御批判もございますが、今度のような場合には天下り的なものではない、最も文教政策に精通をしている日本での有数な才能をそのままに埋もらせてはならないのではなかろうか、こんなことをこの大きな暴風雨の中で考えるわけであります。文部省がこのことについての見事な収拾に最後の花が飾られましたらなお一層いいのではないかと思います。なお大臣のお答えがございましたら言いただきたいとも思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員から温かいお言葉をいただきまして、ただ感謝を申し上げるのみでございます。
○仲川幸男君 次に、本委員会に付託されております著作権の質問に入りたいと思います。 大変御苦労をされ、長い懸案でありました法案が今皆様の御理解の中で成立をしようといたしております。うれしい限りであります。文化庁のここに至る御努力も高く評価をしておかなければならないと思います。法案の内容につきましては、長い経過もありまして御承知のとおりでございますので細かいお尋ねを省きますし、また先ほどからお話を承っております中に、粕谷先生からのお話でいろいろございました。私はその一番大事なところは、お話にもございましたが、法案が通った暁の処理ということ、お答えもございましたけれども、このことについてあえて重ねて文化庁が十分な配慮をしていかなければならないと思います。 ここで実は次長のお答えをいただくはずでありましたけれども、昼食時に食い込んだこの発言でございますので、なるべく時間をはしょります。それで、次のお答えも一緒にいただきたい。もう粕谷先生の質問で言い尽くされておると思いますから、言ったものは、言いましたからあのとおりでございますと言っていただいて結構でございますので、それは本案成立後に残されております問題であります。スピードが速いものですから、二十年前につくったこの著作権法がもうもろもろのコンピューターも含めましての速さに追いついていかないのが著作権の現状でございますから、そのことをしかと受けとめておいていただければ、もう小さく私的録音、録画についての抜本的な改正のための対応、複写複製の問題はこれは教育の中にも入っておりますので、文部省自体の学校現場の教材等々にかかる問題もございます。コンピューター創作物にかかる著作権問題、これらは早急に法制化をしていかなければならないので、この一つやるのもこれだけかかったのですから、ひとつもうきょうから次へ向かって前進をしていただきたいとお願いをいたしておきます。ごく簡単に次長からお話をいただいて、あと大臣に一つお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(遠山敦子君) 大変思いやりのある御発言で感謝をいたしております。 最初に御指摘の条約締結後の処理の問題につきましては、文化庁といたしましても、関係者間で円滑に話し合いが行われ、この仕組みが順調に進捗いたしますよう見守ってまいりたいと存じます。 それから、現代のいろいろな進歩に追いついていかない著作権法の問題でございますが、先輩たちの努力によりまして逐次いろいろな改正が行われているわけでございますけれども、まだ御指摘のようないろいろな問題が残っております。私どもも、今回の法律ができ上がりまして条約に加入することができましたら、これまでももちろん努力しておりましたけれども、なお一層力を集中してそうした問題の解決に力を尽くしてまいりたいと思います。
○仲川幸男君 これ大臣にも一緒に聞いておいていただいたらいいと思うんですが、この著作権問題は日本の中心的な経済団体に案外批判的なものがございます。実はその団体の当面の責任者とも先般二時間余り、余りたくさんの人を入れないで本音を話し合おうではないかということで話してみました。ところが話してみますと、こちらの知ってないこと、先方の知ってないこともたくさんありまして、理解を全部はしていただけませんけれども、順次していただけると思います。文化庁がもちろんやらなければならない仕事でしょうけれども、私は大変この問題は荷が重いと思う。大変言い方悪いと思うんですけれども、大臣のところでかなり受けとめていただいてこの問題を進めてやっていただかないと、文化庁が前向いてまい りませんと思いますので、特にお願いをいたしておきますし、私たちも少々肌脱いでも構いませんので、この問題とは十分理論武装をしながら対応をしていきたいと思っております。 さて、今までお話がございました芸団協関係者の今度の法案に対する思い入れというのは大変なものであったということも先ほどお話がございました。でございますが、著作権が昭和四十五年に成立してから二十年たちまして、その間、当時思いも寄らなかったように、さっきのような機器の発達によりまして多くの問題が提起をされてきて、その当時のものとは全然違ったものになってしまってきておるんではないかとさえ思うわけでございます。その間、文化庁に対しても関係の団体から強いアプローチを続けてきたわけでございます。 大変個人の話になって申しわけないと思うのでありますけれども、その一人にJASRACの理事長の芥川也寸志さんがおられました。芥川さんは昭和五十六年に理事長になられましてから、執念であったと思うのです、このきょう成立をしようとするこの法案に対しては。外国へ行って帰るたびに、もう外国では肩身の狭い思いがするよと、こういうお話もございました。早急にということでありましたので、その関係団体の先頭に立って働いてこられて、御承知のように本年一月三十一日に他界されましたが、当法案が成立をしますことに安心をしておると思うのであります。 さて、大臣、文化の価値というのはなかなか私は物差しではかりにくいものだと思います。それはある意味では大衆の目でやっぱり大衆の心をとらえるものでもあろうと思うんですが、そうして大衆が育てていかなきゃならぬのですが、やはり先導的役割というのは文化庁が潤滑油的な役割も果たしながら努めていかなければならないということも事実でございます。 先ほど申し上げましたように、これ大変私事にわたって申しわけないと思いますが、大臣、このことが文化と大変な大きな私は関係があると思いますので、今後の文部省の対応に対して、文化庁の対応に対してお願いをいたしておきたいと思うのです。逝去後に勲二等瑞宝章をいただきました。我々の今までの考え方から言いますと、大変大きな勲章であったと思うのでございます。大臣を初め文化庁の皆さん方の努力が払われた結果でございまして、肩書を重視して判断をする賞勲局当局が理解を示しました。官尊民卑といって、これは私が言うんでない、大臣が閣議で言われた人がおるんだから間違いございません。賞勲局は官尊民卑だと言って閣議で発言をせられたほどのことで、我々もそう思っております中で、この賞勲制度の中での文化人の存在価値というもの、このことに対しましては、私はあえて個人の勲章をここへ持ち出したのではありません。 これは大臣初め皆さんが大変御心配をいただいたということも関係者一同百も承知をいたしております。大変ありがたいことだと思っておりますが、ここに文化というはかり得ない、尺度のない、スケールのないものに位置づけができるということも、こういうところにやはり私は文化の振興をする大きな布石があると、こう思うのであります。改めて大臣に敬意を払いたいと思います。経済大国となり過ぎておる感じのする今の日本でございますから、今後ひとつ有形無形の文化を芽吹かせて育てていきたいと思います。そういう意味で、今私が申し上げたそのこと一つでございません。そのようなもろもろのことが思いもよらないところで文化を格づけし育てていくということの御理解もいただきたいと思います。 大変時間のことも気にしながらでございますので、これで私の大臣に対する、また文化庁に対する質問を終わりたいと思いますが、最後に大臣にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 仲川委員から特に文化を大事にしなければいけないということについてのお話がございました。御激励をいただいたわけでございますが、私ども文部省、文化庁といたしましても、これからますます文化に対する国民の期待というものが高まってくる中で、正しく文化的、芸術的な活動に携わって努力をしてこられた方々が社会的にも評価されるべきであると、このように考え、またそれこそが今御審議をいただいております著作権制度の目指しているところの大きな一つの考え方であるというふうに認識をしているわけでございまして、私どもは知的な創造活動、文化創造の活動がきちっと確保されるような基盤をつくっていくということが著作権の目指している方向であると考えておりますので、そうした基本的な考え方に基づきまして、ただいま委員から御指摘がございました、単に著名な方だけではなく、なかなか表にはお名前が出てこないけれどもすばらしい業績を上げておられる方々に対しても常に目を注ぎながら、文化庁としての政策を進めていかなければいけないなということを改めて痛感をした次第でございまして、今後とも努力をいたす決意でございますので、御指導を賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
○委員長(杉山令肇君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、著作権法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木健太郎君 御存じのような中国の状態でございまして、私たち学問に身を置いている人間としまして、向こうとの学術交流ということは大変関心のあるところでございますが、最近の新聞の報道によりますと、米国の科学アカデミー・プレス会長は、中国の民主化要求デモの鎮圧に抗議しまして、中国科学院などとの学術交流計画を当面中止するという方針を明らかにしております。恐らくこれだけではないと思うわけでございます。また方励之さんは、今米国大使館に保護されている状態でございまして、大変学問的にも危惧すべき状態にあると思います。 我が国としましては、今後中国との学術交流をどのようになさるおつもりか。特に中国から我が国へ現在来ております学者あるいは研究者あるいは留学生その他大勢が、大学その他の研究機関、教育機関に来ております。それらの取り扱いをどうされますか。また、それらが滞日をしたいという希望がある場合、あるいはそのビザの延長などを求めてくる場合、生活あるいは学費の保障を日本としては積極的におやりになるおつもりかどうか。あるいは中国の旅券を放棄して米国、台湾等の旅券を発行してもらいたいという場合にはどのようにされるか。この場合は事実上は亡命に等しくなる、こう思いますが、それらに対して文部大臣はどのように今お考えでございますか。また今後はどのような方針でございますか。その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 文部省といたしましては、当面一番大きな問題になりますのは、我が国で学んでおられる中国からの留学生の問題が最大の課題でございます。文部省のこの問題に取り組みます一義的な考え方と申しますのは、日本で学びたいという留学生、中国の留学生の皆さん方がその目的を達成し得るようにできるだけのことをしなければいけない、このように考えているわけでございます。 しかし、この問題につきましては何分にも国の外交政策とのかかわりがございますので、文部省といたしましても、外務省または法務省等とも十分具体的なケースが起こった場合にこれにどうするかということについて対応していかなければいけないという立場でございまして、現段階でお答え申し上げることができますのは、ケース・バイ・ケースで具体的な事例が起こった時点で、その対応を考えていかなければいけないという残念なが らこの段階ではとどまったお答えを申し上げるほかないわけでございます。
○政府委員(川村恒明君) ただいまの大臣のお答えを若干補足させていただきます。 先ほどお尋ねのございました特に学術交流の点でございますけれども、アメリカの科学アカデミーが本件について中国科学院等との学術交流計画を中止するというような報道がなされておりまして、その点は私どもも確認をいたしましたけれども、科学アカデミーの会長がそういう趣旨の通告を中国当局にしているという状況は事実のようでございます。 私ども、学術の関係で申しますと、中国との交流は大変に数が多いわけでございまして、六十二年度でいえば中国からいろいろな形で、例えば国際共同研究でございますとか、研究者の招致でございますとか、あるいはこちらからの派遣とか、いろいろな形で人の行き来があるわけでございますが、六十二年度現在で中国からそんなことで来た研究者は大体四百人ぐらい、また日本から派遣された研究者が同じく四百人ぐらい、それくらいのペースで毎年やりとりをしている、こういう状況でございます。 現在こういう事態になっているわけでございますけれども、そういう進行中のプログラムについて、現時点では研究者同士の間でも研究計画を見ながら相互に連絡をとっているという状況でございます。その研究の進め方につきましてもいろいろな対応があり得るわけでございますから、先ほど大臣から御答弁がございましたケース・バイ・ケースで、これはそれぞれの対応をこれから進めていくということが最も必要なことだというふうに考えておるわけでございます。
○高木健太郎君 大学の事務局あるいは外務省あたりにビザの変更あるいは滞日期間の延長等が出ておるでしょうか。あるいはまた中国の国費留学生、こういう者の期間の切れた場合の取り扱いはどのようにするお考えでしょうか。
○説明員(桔梗博至君) ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。 中国人留学生の立場上、いろいろな状況が生じた場合に、例えばその留学費が打ち切られるというようなことが生じた場合にも、そのことのみを理由としてその在留を認めないという取り扱いをすることは考えておりません。これら留学生等から最近の中国情勢を踏まえての在留期間更新の申請が行われる際におきましては、申請者の申し立てに係る諸事情を十分に勘案しました上、個別に検討して弾力的に対応してまいりたいと考えております。 このほか先ほど来ちょっと委員の御発言にもありましたのですが、仮定の問題につきましてはあらかじめ具体的に申し上げるということにはおのずと困難な点もあるのでございますけれども、仮に亡命というような場合におきましても、本人の申し出に十分理由があるかどうかを個別に慎重に検討するということになろうかと存じております。
○高木健太郎君 中国の国費によって日本に留学している学生あるいは研究生がいると思うわけですが、それの期限が切れたという場合に、本人が帰りたくないと言った場合の取り扱いは大変難しいんじゃないかと思いますが、何かお考えになっておりますか。それからまた、うわさでございますけれども、中国の公安関係者の者が日本国内の留学生に対する監視を厳しくしている、そういう状況は何か把握されておるでしょうか。
○説明員(桔梗博至君) ちょっとお答えが重複しますかもしれませんが、中国からの費用でもって留学している方がそういう状況がなくなったという場合におきましても、そのことのみを理由としてその在留を認めないというふうには考えていないわけでございます。 後段の部分については、私十分にまだその事実は確認いたしておりません。
○高木健太郎君 お答えにくいことだと思いますが、大変我々としては関心の深いことでもあり、憂慮することでもございます。何もこれは医学と限らず、すべての科学部門においていろいろ心配している筋もあると思いますので、その点十分一これは何も学問だけではなくて、すべての問題に関係するわけでございますから、慎重にひとつ取り計らっていただきたい、このように思います。 次に、きょう西岡文部大臣から所信表明がございました。大臣は、元来教育、文教ということに対して関心が非常に深く、また造詣も深い方であると聞いております。その大臣が、先般から学制改革、特にいわゆる高校における四年制の高校、中等高等教育あるいは入試改革、あるいは大学への入学時期等に対しても一定の見解を持っておられると思います。また、昨日、NHKの放送でございましたけれども、大学の学長会議におきまして、大学の入試というものは何も大学だけの問題ではなくて、高校以下の教育に非常に大きな影響を及ぼしているのであるから、大学の御都合だけで考えないで、ぜひ広く考えて、できるだけ早く結論を出していただきたい、こういうふうに言われたことに対しては、大変私敬意を表したいと思います。ただ、大学には自治がありまして、そういう意味で大変やりにくい面もございますが、一方では大学の自治に隠れて大変結論が出にくい、あるいは大学自体のエゴがある、こういうことも批判されている向きもあるわけでございまして、そういうことを含んで大臣はいろいろな行動あるいは言動を起こしておられる、こういうふうに思います。 そこで、お聞きいたしたいことでございますが、ことしの三月には大学審議会、それから四月には中央教育審議会に諮問をされましたし、五月に入試の改革も含めた教育現場の高校生や教師に対するアンケートもお出しになったようでございます。今後、その結果を踏まえて中教審あるいは大学審に対して追加審議というように動いていかれる予定と聞いております。 そこで、一つ二つお聞きしたいわけでございますが、国立大学協会あるいは公立私立大学協会等におきましていろいろ議論を重ねて、大学の改革あるいは入試の改革に取り組んできて、やっと今度は試験、テストですか、いわゆる新テストが行われようとしている、あるいはその準備をしている。こういう際に、余り早く結論を出されるというようなことではかえって混乱を起こすのじゃないかと考えるわけでございますが、大体いつごろまでにそのような結論を待ち望んでおられるのか。あるいは大臣とそういう審議会等の答申との間に食い違いがあったというようなことも考えられるわけでございますし、大臣の意向というものはかなり強くそういう審議会等に反映するのではないかと考えるわけでございます。そういうことをいろいろお考えになっていると思いますので、そのことにつきまして大臣の御所見といいますか、御所感といいますかを伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 大学入試の問題は長い年月かかって議論を尽くされてきたところでございますが、今なお多くの問題を抱えているということについては、国民の皆様方、また関係者皆様方もひとしく認めておられるところであろうと思います。文部省といたしましても、その責任を痛感しているところでございます。 ただ、大学入試の問題は、究極の入試制度というものを確立するということは、これはもうほとんど不可能に近いことでありまして、できるだけよりよいものに不断の努力を続けて近づけていくということが必要である。そういう意味から申しますと、現在の大学の入試制度というものが高等学校、中学校、小学校、幼稚園にまで大きな影響を与えているという現実を踏まえて考えますと、やはりこのままではいけないんではないかということを強く感ずるわけでございまして、そうは申しましても、ここ数年の間、猫の目のように入試制度が変わるということについての御批判が、それぞれの大学で御努力をいただいている点は十分私どもとしてもわかるわけでございますけれども、現実の問題としてあるわけでございまして、今回、今委員御質問のございました大学審議会あ るいは中教審等にこれから御審議をお願いするということにいたしております大前提といたしまして、私としては、やはり新しい入学試験制度を導入するときには、現在の高等学校一年生が少なくとも自分が大学の入学試験を受けるときにはこういう制度であるのだということがわかるぐらいの余裕を持って大学入試の制度は変更されるべきである、このように考えております。それを前提としてこれから大学審議会、中央教育審議会等においても御審議をいただきたいと考えているわけでございまして、その答え自身はできるだけ早く出していただきたいなと。しかし、その実施については、今申し上げたような時間の余裕を持って国民の皆様方にお示しをする必要がある、このような考えで今後取り組んでいきたいと考えております。 なお、私自身いろいろ大学入試の問題についての私案というものをこれまで発表したこともございますし、また与党自民党の立場から、自民党の文教部会としての考え方を取りまとめさせていただいたということも過去にあったわけでございますけれども、今回やはり文部省といたしまして新たな視点に立って、すなわち大学審議会、中教審で御審議をいただくに当たっては、文部省は今までのいろいろな数々の試みというものを十分踏まえた上で、いろいろな案がこれまでもございましたけれども、そういうことにとらわれることなく、かなり具体的な案を大学審議会、中教審等に提示いたしまして、その肯定、否定、改善も含めて御審議をいただきたいという考え方で今後進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
○高木健太郎君 一部新聞のこれは誤り伝えたところだと思いますが、何か来年からでも入試改革なんかをやっていきたいというふうに西岡文部大臣は考えておるようなことが載っておりました。前に大臣は少なくとも実施までに三年の期間は置くべきであると。それと矛盾すると思っておりましたが、今のお答えで、答申はいただいても実施というものはまあ三年、少なくとも三年は置く、そういうお考えでございますね。
○国務大臣(西岡武夫君) 基本的にそのように考えております。
○高木健太郎君 もう一つは、大臣は入試について二つの何か提案を出して、あるいはお考えを示しておられるようですが、入試というものは一応資格試験にしたらどうだということですね。もう一つは、いわゆるもう入試センターによる共通入試というものはやめて、大学本来の入試だけにしたらどうだと。アンケートの中にもそういうことは盛られておったようでございますが、アンケートの成績を余り信用するというのは私問題だと思うわけですね。二万人という大きな数でございますが、その中には高等学校、お母さん方がどういうお母さん方か知りませんけれども、そう身につまされて考えるというようなことでもない、あるいは責任を持って考えているわけではないと思うので、それを余り、私取り上げるとしても注意深く周到な用意を持って取り上げるというようにすべきじゃないかと思いますが、とにかく資格試験というものを導入、資格試験に変えたい、あるいはもう一つは大学本来の入学試験だけにとどめたい、こういうお話があるようなんですね。 ただ、資格試験にした場合には、これはもう私学を含めた全部の試験になるというふうに思うわけです。その点はどういうような順序でそこまで持っていこうとされるのか、あるいは大学の本来の試験ということになれば、もう昔やっておりましたように一期校、二期校になる、あるいは難問、奇問が出る、こういうことから入試改革という問題が起こったわけでありまして、またそこへ戻るというようなことにもなりかねない。その点について一応大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 今回の大学入試の改革につきましては大学審議会に既に御審議をいただきたいということを申し上げているわけでございますが、具体的な方法等についての素材を御提供申し上げているところまではまだ至っていないわけでございます。 中教審におきましては、まさにこれからでございますが、その前提としまして、今委員から余り世論調査などはそう重要視されるべきではないというお話がございましたけれども、これまで文部省として具体的な受験生がどういうふうに考えているのかということについての基礎的な調査が全くなかったということもございまして、一応二万人の高校生、それと五千人の父兄、三千人の進路指導、進学指導の高校の先生を対象とした、二万八千人を対象とした調査を行うということを決めまして、これは民間の調査機関に委託をいたしまして今その集計を急いでいるところでございます。 したがいまして、私が今この段階で、これまでも文部大臣に就任をいたしましてから資格試験にするとか、あるいは今の共通一次、来年、平成元年の予算の中で御審議をいただきました入試センター試験等について、これを廃止するというようなことを文部大臣という立場では今まで一度も発言をしたことはございませんで、これから大学審議会、中央教育審議会にどういう内容の大学入学の入試制度をやるべきであるかということを文部省としても一つの考え方を取りまとめたい、それはその素材として先ほど御説明申し上げました世調調査を一つの参考にいたしたいということで作業を進めているわけでございまして、委員御質問の資格試験というようなことを前提とした考え方で私は申し上げているわけではないわけでございます。
○高木健太郎君 私は、大学本来のもとの入試に戻してはということを言われたと、これ何かで読んでそう思ったんですが、そういうことは言った覚えはない、これはまあ大変失礼しました。 ところで、そういうアンケートというものは私はあくまでも参考である。それで衆知を集めていくというのは、学識経験者を集めて審議会なんかをおつくりになっているわけでございましょうが、同じような顔ぶれだと同じような結論しか出てこないんじゃないか。 これは一つ提案でございますけれども、学術会議あたりも一度ひとつ頭の中へ入れられてはどうか。学術会議は御存じのように一部から七部まであるわけでして、あらゆる学科を含んでおるわけで、学会等から推薦されて出てくるように変わったわけですね。だからもとの学術会議とは随分姿が違っている。そこなんかは私一応意見を聞くとすればいい場所ではないかと思うわけです。だからアンケートもあるけれども、いつでも審議会審議会というんでは、我々の意見ももちろん聞かなければいかぬのですけれども、最終的には我々の意見でだんだん決まっていくわけでしょうけれども、アンケートはその一つの参考になる。審議会も悪いけれどもちょっと使い古したのじゃないかなと。もし同じメンバーであれば私は余り期待はできないのではないか。それならば学術会議ということも一度頭の中に置いていただいてはどうか。こういうことを提案しておきたいと思います。 次いで、最近非常に問題になっておる埼玉あるいは江東区における幼児の殺害事件でございますけれども、大変痛ましいあるいは非常にむごたらしい事件であって、どうしてこれが検挙できないだろうか。これは一般人と警察との協力関係が悪いのではないか。これは文教委員とは関係がございません。しかし、一方では地域が何か人間疎外的なものになっておって、アパートで隣の人もだれが住んでいるかわからない、こういう関係にある。いわゆる隣人との協力関係がなくなっている。それで社会的にお互いが人間が疎外感を持っている。またこんな問題が起こりますと隣の人まで疑いたくなる。子供には人を見たら危ないと思えと、こういうことを親が教育しなきゃならぬ。大変私残念なことではないかと思っております。こういうことは何もこれは文教に関係のあることでもないかと思いますが、もっと深く探ってみれば、これは現在のやっぱり教育に深いところでは かかわっているんじゃないかということを私自身としては考えるわけです。 それは、現在の入試、さっき入試が出ましたけれども、そういうものの中で知的教育というもの、そういうものが重視されている。そして所信にもございましたが、道徳教育を興すということはありましたけれども、何か愛情とか人間との触れ合いとか、そういうものは試験をすることはできないわけなんです。試験の科目だけが通ればだんだん上に行って、将来は物質的には豊かな人間ができるかもしれませんけれども、精神的には非常に貧しい人間がもう既にでき上がってきたのではないか。 そういうことの一つのあらわれとは私は申しませんけれども、道徳をという大臣の所信がございましたけれども、道徳と言わないで、やっぱり心だとか精神だとか、そういうものを何とかして教育の中に入れていく。それは少年山の家ですか、野外の家とか、いろいろなことで御苦心をなさっていることはよくわかるんですけれども、こういう事件が起こりまして、何だか人間が物欲だけに走る、知的だけに走る、いわゆる理に走る、情の欠けた、心の欠けた人間が非常に多くなってきているんじゃないかということを私は考えるわけでございまして、将来、所信の中にもございましたように、道徳というのは私ちょっと当たらぬと思うんですが、道徳というとしっけ、こうしろああしろということで、お互いの触れ合いとか、そういうものは道徳ではないんですね、これは。道徳というのは一つの規律なんですから。そういうものではない。もっと温かみというか、そういうものが教育の中にどこかで入ってこなければこういうことが起こる。アメリカが、先進国全部がこれ悩んでいることでありまして、コンピューターもいろいろなものも発達するでしょうけれども、大事なところが抜けてきているのが現在のいわゆる先進国あるいは物質の豊かな国で起こっている共通現象ではないか、こう思います。 これに対して大臣もあの幼児の新聞記事ごらんになったでしょう。何か御感想がありまして、自分としては教育者の立場からはこう思うというような御所見を承りたい。
○国務大臣(西岡武夫君) 委員御指摘の問題につきましては、私といたしましても本当に胸の痛む思いでございますし、また教育を担当いたしております文部省といたしましても、幼い子供たちの生命がああした形で踏みにじられてしまうというような出来事について何とかしなければいけないという思いでいっぱいでございます。先ほど来その道徳の問題を申し上げましたのは、まさに委員が御指摘のございました点を包括して申し上げているわけでございまして、心が豊かでたくましい精神を持った子供たちを育成していかなければいけない、そして人間尊重の精神、生命に対する畏敬の念というものを持つということが新しい学習指導要領におきましても新たに加えられたところでございまして、これまでもそういう方向で文部省の教育の学習指導要領というものは定められていたわけでございますけれども、新たな観点からこうしたこともつけ加えさせていだだいているところでございます。 委員が御指摘のとおりに、物質的な豊かさの中における、その社会における教育の難しさというものを今痛感しているところでございまして、実はきょうの閣議後に、総理大臣から特に今回の事件の問題についての御発言もございまして、その中で文部省として非常に考えさせられた発言が国家公安委員長からございました。それは警察官の例えば署長への昇格等が、いわゆるペーパーテストを中心として行われているというふうなことについてもやはり考え直さなければいけない、見直しが必要なのではないかというふうな御発言等も、そうした閣議後の閣僚の間の話し合いの中でも出たわけでございまして、そうしたこともある意味では今回の事件というものの背景として考えなければいけない非常に教訓的な面を含んでいるのではないかということを感じた次第でございます。まさに委員御指摘のとおりで、私も全く同感でございます。
○高木健太郎君 人間が人間を信用しなくなるということがもう社会の崩壊の第一歩になるわけです。リクルートは、私は余り関心はございませんけれども、リクルートが残した一番大きな問題は政治を不信にしちゃったということにあると思うんですね。こういうことで信頼しなくなる、隣近所の人も信頼しない。知らない人を見たらそれは危ないから近寄るな、こういうことが蔓延していくということはまことにこれは大変なことになる、こう思いますので、どうぞひとつ大臣もその方面においても心を使っていただきたいと思います。 あと著作権がありますのであれですが、一つだけお聞きいたしたいと思いますが、医学部の定員削減を一〇%にしたい、一〇%削減したいというお話がございます。ところが、なかなかそれが実施がおくれているように思うわけです。厚生省の方は一〇%早くやれという気持ちであろうと思いますが、文部省はどうしてこういうように、特に国立は割と早いですけれども、八%台ですか、私立の方は三%ぐらいしか進んでいない。歯学の方もそうではないかと思いますが、おくれておる理由は何ですか。それから、いつになったらこの目的を達成されるとお考えですか。
○政府委員(坂元弘直君) 先生御指摘のように、平成七年を目途にいたしまして、新たに医師となる者を一〇%程度削減すべきであるというような提言がなされまして、それに基づいて文部省としましても削減を各国公私立大学の医学部にお願いをして進めてきているわけでございます。 先生も今御指摘のように、国立大学につきましては昭和六十年度から本年度、平成元年度までに医学部十八校で各二十人、計三百六十人の入学定員を削減したところでございます。私立大学につきましてからは、昭和六十三年度から平成元年度まで、二年間でございますが、医学部四校で合計四十五人の入学定員の削減、それから平成元年度には私立大学協会の申し合わせによりまして、入学定員が百二十人の大学は、入学定員はそのままにしておきますけれども、募集人員は百十人にするということで、六十人の募集人員減が行われたわけでございます。その結果、国立大学については一番目標に近い八割、私立大学については募集人員の減も入れまして大体三割強の削減が行われておりまして、国公私立全体としては六割程度の目標に対する達成数でございます。 ただ、公立大学につきましては、国私立大学の医学部に比べまして比較的規模が小さいということもございますし、それから地域との関係で、公立大学としてなかなか地域の実情で、例えば地方の議会等でもなかなか御了承いただけないというような経緯もございまして、公立大学についてはなお私学よりもその削減の状況が芳しくないというのが実情でございます。 私立大学につきましては、ただ入学定員を減するということはすなわち即学校経営に響く問題でございます。したがって、私立大学の中には新たな学部、学科を増設するなど、多角的な学校経営を展開する過程の中で、医学部の入学定員の減を進めていきたいという計画を持っておる大学もかなりございます。そういう大学につきましては、私ども文部省としましても積極的に前向きにそういう施策をエンカレッジする方向で協力してまいりたいというふうに考えております。 ただ先生御指摘のように、じゃ、いつごろまでそれができるのかということは、なかなか二、三年、三年先には間違いございませんというふうには言い切れないところがございますけれども、そういうようなことも含めまして国公立、特に私立の大学の協力を仰ぎながら、厚生省とも連絡を密にしながら目標を達成するように努力を続けてまいりたいというふうに考ております。
○高木健太郎君 やみくもにただ減らすのじゃなくて、例えば金沢の方、石川県の方なんかは非常に医師が多くなっているわけですね。そういうところから先にやらないと、という意味で、私は一律に一〇%というのは余りいい方針じゃないんじ ゃないかとも思っております。まあしかしひとつ進めていただきたい。 これと同じようなことが短大でもありまして、短大が今度は経営が非常に困難になってくる。人間も減ってくる、入学志願者も減ってくる。もう短大というのは学校というよりもホテルぐらいの構えにしないと子供が入ってこない。そういうようなことも言われておりまして、まあ経営困難ということからいえば短大もそうである。そしてまた四年制をみんな志向している、こういうこともひとつぜひ一緒にお考えになっていただきたいと思います。 時間がございませんので、その程度にいたします。大臣、どうも所信の会議としてはその程度の質問にいたしますが、著作権について一つ二つ、時間もありませんのでお伺いを申し上げます。 私、文化というものはだれしもが共有できるものにする、それはできるだけ安く、広く共有できるようにするということが私非常に重要なことである。一方、しかしその文化をつくり出した人あるいは文明をつくり出した人の権利も守ってやらなければならぬというので、そこに非常に矛盾するところが初めからこれはある問題でございまして、現在いろいろな権利がある価格によって取引をされているというのは、それがだんだんいろいろな社会情勢によって動いてきて現在の価格に落ちついているんであろうと、そういうふうに思います。だから、ある適当なバランスをとっている。しかし、これはまた先ほどの機器の開発その他によりまして状況が変わってくるわけでございますからして、それに応じて変えていかなきゃならぬ。しかも、これはレコードとかそういう二次使用につきましては、使ってもらう側と、それから使う側とはやっぱり矛盾するわけでございまして、その点も大変難しい問題をはらんでいる。例えばレコード会社なんかはレコードを使ってもらいたいわけですから、それが売れればいいけれども、放送局あたりは、今度のようなものができれば、外国のやはり洋盤に対しても使用料を払わなきゃならぬ。しかし洋盤にもその使用料を払わなきゃならぬということになると、日本盤と今度は並びますから、日本盤の方が今度は売れるというようなことになりまして、利益が相反する問題がここに最初から含まれているわけですね。 そういうことでございますが、ぜひお聞きしておきたいのは、この条約に入ることによって、入るという一番大きな意義は何であるとお考えでございましょうか。条約加盟するということの一番大きな意義は何であると。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 この点は委員もう既に十分御承知のとおり、昭和五十三年以来、当文教委員会から数回にわたって附帯決議をいただいて今日に至ったわけでございますが、さらに国際音楽家連盟、国際俳優連盟、国際レード・ビデオ製作者連盟など国際団体からも我が国の加入について強い要望が今まであったわけでございます。今回、我が国が実演家等保護条約を締結することは、まずこうした御要望に対して、文部省、文化庁としてきちっとしたお答えを出して、ここで法案を提出させていただきまして、成立させていただいた場合に、著作権制度の分野において今日我が国が置かれております国際的立場、地位にふさわしい体制を確立することはできるという意味において、非常に大きな意義があるというふうに考えるわけでございます。 また、我が国はその著作者の権利に関するベルヌ条約に加入しまして長くたつわけでございますが、また万国著作権条約、レコード保護条約に加入するなど著作権の国際的保護については今日までも積極的に参加をしてきたところでございまして、このたび御審議をいただいておりますこの実演家等保護条約を締結することによりまして、著作権及び著作隣接権に関する国際的保護の体制がこれでようやく、一部まだ問題点は残っておりますけれども、大勢としては確立したというところに大きな、これを法律をお認めいただきました場合には体裁が整うというところに大きな意味があると考えております。
○高木健太郎君 先ほども粕谷委員からお話しありましたが、米国はこの著作権保護条約に加盟していない。米国と今まで日本は一番深い文化関係にあるわけですけれども、これが入っていない理由は何か考えられますか。また、米国が入らないと、三十二カ国が加盟しているといってもかなり条約に加盟したことの意義が薄れるんじゃないか。できれば米国も引き込んでやった方がいいんじゃないかと、こう思いますが、これはどういう理由でしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 今日まで我が国は大体アメリカとかヨーロッパとか、先進諸国の動向を見ながらいろいろな諸施策を進めてきたところでございますが、これからはいろいろな分野において先鞭をつけて、他国で例がないことについても積極的に取り組んでいかなければいけない場面が多々あると考えております。この著作権の問題につきましては、アメリカ等が加入していないからということが今までの、ある意味では日本としてはやらないできたことの一つの理由としてきたわけでございますけれども、そういうことではなく、むしろ日本が参画するということによってアメリカも参画してもらうという方向に持っていくということも、今回の法案について御審議をいただいていることについての大きな意味があると考えているわけでございまして、アメリカ等がなぜ入らないかという事情につきましては文化庁の次長の方からお答えをさしていただきます。
○政府委員(遠山敦子君) ただいま御指摘の点でございますけれども、著作隣接権で保護されますものの中身は、実演、それからレコード、それから放送、有線放送があるわけでございますが、その条約に入りますには実演、それからレコード、放送、その三者についての保護の国内体制が整っていないと加入できないわけでございます。 アメリカにつきましては、レコードを著作物として製作者を保護するのみでございまして、実演家あるいは放送にかかわる保護はないわけでございます。したがいまして、このような現在のアメリカの国内制度をとっております限り、この条約には加入することが困難なわけでございます。これはアメリカの国内事情でございまして、日本がそのことについて何か言うというふうなことはできないわけでございますが、我が国といたしましては先生も御指摘のように、やはり条約関係が成り立っておりませんと、実演家等相互あるいはレコード製作者等相互のいろいろな権利関係もお互いに保護し合えないという関係でございますので、私どもといたしましてアメリカもいずれこの条約に加入することを希望しているという段階でございます。
○高木健太郎君 では最後に聞きますが、私昨年でしたか一昨年、オーストリーに行きましてオペラを見せていただきました。そのときに入場者みんなそっくり荷物を預けて、いろいろな録音機なんか持たさないというふうなことになっているわけです。日本ではそう厳しくないように思いますけれども、こういう条約が通ったというような場合には、向こうからオペラとかそういうものがやってくると、日本では今まで持って入れたけれども、その人が実演するときには持って入れないというようなことも起こり得るんじゃないでしょうか。この点については将来何かお考えでございますか。劇場に任されるのか、何かそういう規制を政府としてとるのか、そういうことをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(遠山敦子君) 実演家の保護の中身といたしましては、録音録画権というのがございまして、実演をしているときに録音されるあるいは録画されるということについて許諾を求められる、そういう権利を持つわけでございます。したがいまして、そういう状況になりました場合には拒否をすることもできるわけでございますが、ただ、そういうこと自体につきましては、劇場のいろいろな取り扱いの慣行あるいは実演家のいろいろな契約上の問題等も絡むと思います。これにつきまして文化庁といたしましては、制度としてそ ういうことについての著作隣接権というものをきちっと守っていくということを確立することによって正しい慣行がしかれて、国内外の実演家にとっての権利保護が達成されるように見守ってまいりたいというふうに考えております。
○高木健太郎君 終わります。
○佐藤昭夫君 法案に先立って、まず大臣所信にかかわる若干の問題について質問いたしますが、まずいわゆるあのリクルート高石問題であります。中島前文部大臣以来、当委員会でもるる議論してきた経過があるわけでありますが、ことしの初め、西岡新文部大臣として、私の責任でけじめをつけなければならぬと考えていると。高石氏のパーティー券販売に文部省がかかわった点についても調査し明らかにしたいと思うという趣旨のことを毎日や朝日の新聞記者に答えておられるわけでありますけれども、まずその点から、パーティー券販売に文部省がどのようなかかわりをしたか、調査の結果はどういうことでしょう。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えを申し上げます。 高石さんのパーティーに関して、パーティー券を文部省としてこれを売りさばいたということはございません。ただ、具体的に高石さんの事務所等からの依頼があったり、あるいは個人的な形での依頼等があったという形で間接的に文部省から依頼をされたかのごとき誤解を与え、錯覚を与えるというような形でかかわったというようなことがいろいろと言われたという事実は確かに率直に申し上げてあったであろうと思います。具体的に申し上げますと、パーティー券を教育委員会の幹部職員が購入した県は二十県ございました。購入していない県は二十四県でございまして、その他個人的なことなのでよくわからないという県が三県でございました。こうしたことに対して、文部省が冒頭に申し上げましたように文部省としてこの問題にかかわったという事実は私が調査した限りにおいてございませんでした。
○佐藤昭夫君 しかし大臣、西日本新聞など初めとして、各県の教育委員会幹部が上京して文部省に立ち寄った際に同省で再三勧められた、こういう述懐もあるわけですね。間接的にという言葉を使われたわけですが、文部省の一定数の幹部なり職員なりがパーティー券の勧めをしたという事実は皆無とは言えないんじゃないですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 私が申し上げました意味は、何分にも高石さんが前事務次官であったということもございまして、高石さんの事務所から購入依頼がありますれば、場合によっては文部省と同じように受けとめられたというような場合もあったのではないか、これは推測でございますけれども、そう考えられるわけでございまして、文部省として、文部省組織として高石さんのパーティーの問題についてかかわったということについては、先ほど申し上げましたとおり、私が調査した限りにおいてはございませんでした。
○佐藤昭夫君 十二月十五日付の産経新聞、文部大臣もごらんになったと思うんですけれども、ここに相当詳しい各県一覧表が出ておりますね。ごらんになっておるはずだと思うんですけれども。さっき言われたように、教育委員会関係者が実際に購入したのは二十都道府県、うち十一都道府県には文部省側からの働きかけも行われておったという、こういう一覧表を付した報道があるわけですけれども、この報道は間違っているとおっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えを申し上げます。 私が文部省が組織として高石さんのパーティー券を売りさばいたという事実はなかったということを申し上げたわけでございまして、ただいま委員御指摘の十一の県の中にはやはり文部省に来ます、上京してこられて文部省で、何分にも前事務次官のことでございますから、高石さんのパーティーがあるというような話題は当然出たであろうと思います。そうしたことを通じて、あるいはそういう受けとめ方をされたということもあるかもしれませんし、あるいは先輩の文部省のOBの方からの依頼があったということも個人的にはあるいはあったかもしれませんし、そういうようなことと、先ほど申し上げましたように、高石さんの事務所から依頼されるということになりますと、そういう誤解を生じたということもあったのではないか。そういう点を含めて、十一都道府県の教育委員会が文部省の職員からの購入の働きかけがあったというふうな受けとめ方をされたという形の報道であるというふうに認識をいたしております。
○佐藤昭夫君 だから何回かしつこくお尋ねする中ではっきりしてきましたように、文部省の職員個人が仕事をしておる、事のついでにそういうことが口の端に上ったと、こういうことは紛れもないわけであります。 教科書出版社に対してもこのパーティー券が持ち込まれたという専らの報道ですけれども、それの調査の結果はどういうことですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 教科書出版社の問題でございますけれども、パーティー券の購入につきましては「高石邦男君と語る会」から直接各教科書会社に対して購入依頼があって、教科書会社はそれぞれの判断で購入したものと私は承知をいたしております。したがいまして、その具体的な内容については文部省としてはその実態を承知しているものではございません。
○佐藤昭夫君 文部省として把握ができていないという現状にはあるとしても、政治的に公正、中立であるべき、それを旨とすべき教科書会社が、この高石氏の明らかな選挙出馬目的のそういうパーティー券を購入しているといえば、売った方も買った方も問題になってくるというのは言うまでもないと思うんです。 そこで文部大臣、今の点調べていないということでありますけれども、幸いといいますか、この当委員会、もう一遍二十日がありますので、というので今までのお調べになった結果の整理をして、対教育委員会の関係でどうか、教科書会社の関係でどうか、そこらを中心にして文部省も、大臣の表現ですれば文部省がかかわったと誤解されかねないような、そういう件数がどういう状況であったかということをもう一遍よくひとつ整理をしていただいて、二十日の日に再度お尋ねをしますのでお願いをしておきたいと思います。 それから、高石氏自身の問題でありますが、退職金が六千八百万円と推定をされています。いわゆる定年前退職だということで文部省は割り増し退職金制度、勧奨退職金、これを支払っているわけですけれども、国家公務員退職手当法の運用方針でいきますと「退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」、こう運用方針で決めているわけですね。そうすると、あの高石氏は昨年の六月に退官をしたんですが、その以前から公費を使いながら選挙の事前運動をやっておるんじゃないかというようなことで当院の議運でも問題になったり、そして退官をして一カ月たつかたたないかの七月八日、福岡県庁で記者会見して、福岡三区からの出馬表明をやっている。こういった点から見て、今の運用方針で定めておる「退職の主たる理由が選挙に立候補するため」というときには割り増し退職金は出さぬでもよろしいというこの方針に対して、これは抵触をするんじゃないかということで、高石氏に対するけじめの一つとしてこの割り増し退職金を返還させるということを検討されたことがあるでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 ただいま委員も御指摘のございましたように、「退職の主たる理由が」というところの解釈でございますが、既に御高承のとおり、高石当時事務次官は事務次官に就任をいたしましてちょうど二年経過をしていたわけでございます。しかも通常の、通例の人事異動の時期に勧奨退職したわけでございまして、そういう意味から申しますと後進に道を譲るというようなこともその異動の中には あったわけでございますので、必ずしも今委員御指摘のことに当てはまるものであるというふうには、私自身もそれを断定することは難しかろうと考えております。
○佐藤昭夫君 それはちょっと納得がしないんじゃないですか。今も言いましたが、退職をする前の段階から、議運の場でも彼の行動について多々問題があると。そして退職して一月足らずで出馬表明をやっている。こういうことであるからこれは退職の主たる理由が選挙に立候補するためだというふうに解釈されてしかるべきだというふうに、これはもうみんなそう思うんじゃないでしょうか。ぜひ、一遍日めくりを繰って、事実経過をたどって、そういう退職の主たる理由が選挙に立候補するためだということが明らかになった場合には割り増し退職金を返還させる、こういう断固たる措置をとってもらう必要がある。そうでないと、何か追い銭を——追い銭というのは泥棒にですが、泥棒じゃないですけれども、文部省が追い銭を出したような、こういうふうに国民は取りかねない。だから、まさにその点のけじめをはっきりしてもらう必要があるんじゃないかというふうに私は思います。だから検討してください。割り増し金返還問題を検討の俎上にのせてください。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員からのせっかくのお話でございますが、この問題については既に決着をつけた問題であると私は考えております。もちろん、当時そういうふうに見られかねない言動があったということは、私自身もそういうことを感じた時期がございまして、これは与党の立場から注意をしたこともございます。しかし、そういう立場でございますけれども、具体的にこれは立候補の意思表明というものが同時的に行われたわけではないわけでございますので、これはまさに心の内部の問題でございまして、そういう決意を最終的にしたかしないかということについて判定することはなかなか難しいことでございますので、せっかくの御提案でございますけれども、これは確定したことであるとお答えせざるを得ません。
○佐藤昭夫君 納得できません。ぜひひとつ検討の俎上にのせてもらうことを重ねて要求しておきたいと思います。 ついでに言えば、中島前文部大臣も、議運の場などで問題になっておるそういう彼の行動についていろいろ注意したこともあるということですから、これは明らかに選挙出馬のための定年前の退職を行ったということは明瞭だと思うんです。 もう一つ、この高石問題にかかわって、中曽根元首相の職務権限とのかかわりです。大学審議会等々、こういう審議会の委員の任命に対して、昨年の十二月十五日の当委員会での私の質問に対して、当時の國分政府委員は、閣議の案件にかかる前に大臣から総理大臣に了解を求めることが通例の取り運びとしてあり得るという、こういう趣旨の答弁をしておるわけですけれども、また形式上は文部大臣の任命権ということであるにしても、総理が文部大臣の指揮監督権を持つ、こういう点からいって職務権限は明白だと思うんであります。 そこで、内閣法制局にお尋ねしますけれども、大学審議会の委員任命に関して総理大臣はどのような職務権限があったんでしょうか。
○政府委員(大出峻郎君) 大学審議会の委員の任命につきましては、御承知のように学校教育法六十九条の三第四項という規定がありますが、そこにおきまして「大学審議会は、大学に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、文部大臣が内閣の承認を経て任命する二十人以内の委員で組織する。」と定められているわけであります。そうでありますから、文部大臣が内閣の承認を経てこれを行うものであるわけであります。この任命手続過程における内閣の承認に当たりまして、内閣総理大臣は、その承認を与える閣議を主宰し、内閣を組織する構成員の一人といたしまして当該承認案件についての内閣の意思を決定する閣議に参画する職務権限を法律上有するものと考えられるわけであります。
○佐藤昭夫君 今学校教育法の六十九条の問題、いわゆる閣議に参加する一員としての総理の職務権限、そういうことを触れられたわけですけれども、同時に内閣法の第六条に基づく総理の省庁、各大臣に対する指揮監督権というこの問題もあるわけです。単なる内閣の一員だけではない。こういった点で大学審議会等の委員任命に関しての中曽根元総理大臣の職務権限問題というのは明白だと思うんです。 そこで文部大臣、いろいろ高石問題を調査されるに当たって、中曽根氏の委員任命に当たっての関与問題、これについて調査をされましたでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 一連の高石さんの問題をめぐって、今お尋ねの当時の中曽根総理からの文部省に対するいろいろな御指示があったかということにつきましても、私自身調査をいたしました。その結果、具体的にその事実は認められませんでした。
○佐藤昭夫君 私がかつての委員会で、前々文部大臣が長時間首相官邸を訪れて協議をしておるということを問題にしたことがあるんですけれども、そのことも含めて調査されましたか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘のこれまでの委員会での議事録等も拝見をいたしまして、それに基づいて私自身も調査をしたところでございますが、当時、確かに再三にわたって文部大臣、これは当然のことであろうと思いますけれども、総理とお会いになっておられるわけでございます。御承知と思いますが、当時はポスト臨教審であるとか、その他文教施策をめぐってのいろいろな案件が山積をしていたわけでございまして、私自身文部大臣を拝命いたしましてからの経験に照らしましても、そういう場合に再三総理とお目にかかって御相談申し上げるということはあり得ることであると考えておりますので、そのことについては特段どうこうというふうには私自身は考えていないところでございます。
○佐藤昭夫君 常識的に納得できません、この審議会人事の問題について話に上らなかったということで、さっきも言いましたように、最初のパーティー券の売りさばきの問題も含めまして、二十日の日に再度質問をしますので、よく調査結果をもう一遍整理しておいてください。次に進みます。 文部大臣が東京のフォーリンプレスセンターでの外国人記者を対象にした学習指導要領改訂に関する講演、そこでいわゆる日露戦争についての発言をめぐって、侵略戦争の美化だと朝鮮、中国を初め外国からの批判がいろいろと起こったということは否定できない事実でありますけれども、竹下前首相、そのもとで西岡さんも文部大臣を一定期間務められましたけれども、衆議院で不破議員が、ヒトラー・ドイツがヨーロッパでやった戦争について問題にしたときに、要するに十五年戦争がどうかという、これもあれですけれども、それは後世の歴史家がはっきりする問題だということで、ヒトラー・ドイツのあのヨーロッパ戦争も侵略戦争だと限定するのは難しい、こういう答弁をして大変問題を呼んだところでありますけれども、歴史の教科書「新しい社会」東京書籍、ここでも書いているがごとく、ヒトラーの率いるドイツが東方への侵略に乗り出して、一九三九年、チェコスロバキアを併合し、さらにこの年、イタリアと軍事同盟を結んでポーランドに侵攻したという、この記述を見ても、もう今や世界の常識としてドイツがやった戦争というのは侵略戦争だというのは当たり前のことになっていると思うんですけれども、とりわけ教科書行政に責任を持たれる西岡文部大臣、この点での歴史認識はどうですか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 竹下前総理のお考えについて、私はこれについていろいろ論評を加える立場にはございません。私自身の考え方を申し上げますと、私は今委員の御指摘の点に関する限りは侵略戦争であったであろう、このように認識をいたしております。
○佐藤昭夫君 そこで、問題の日露戦争ですね。これについてソ連の歴史教科書などは、露日戦争——向こうから言えば露日戦争は、日本の側からもツァーリ・ロシアの側からも帝国主義的で略奪的な性格を持っていたというふうに述べていますし、あるいは日清戦争について、中国の教科書も日本と中国が朝鮮をどっちの植民地にするかの略奪戦争であったという書き方をしています。ということで、日清、日露戦争、これを日本とロシア、日本と清国、この間の略奪的な侵略戦争であったという認識はあるんでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 歴史学習におきまして日清、日露戦争は近代日本の発達過程を学習する上において欠かすことのできない歴史的な事象であるというふうに認識をいたしまして、この問題について、学習指導要領の問題をめぐって、実は先ほど委員から御指摘がございましたように、国際記者クラブに私出向きまして御説明を申し上げましたのは、まずその点についての誤解が海外の雑誌であったということについて、これはいけないというふうに考えまして、その誤解を解くために私の方から国際記者クラブに出かけてまいりまして御説明をした中で生じたことだったわけでございます。 したがいまして、特に日露戦争の問題につきましては、私がその場で強調をいたしましたのは、やはりこの日露戦争の場で日本が敗れた場合に一体その後の日本はどうなったであろうかということを、特にその点に力点を置いた御説明を申し上げたわけでございまして、もちろんその経緯を通じて我が国が朝鮮半島、そして中国の皆さん方に大変大きな損害を与えたということについては事実でございますので、そうした反省ももちろん込めて、私どもは子供たちに対しての歴史教育について心していかなければいけないと考えておりますけれども、そういう考え方で国際記者クラブで御説明をしたわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○佐藤昭夫君 時間になっていますので、ただ、法案のことを一つだけでも聞いておかないと申しわけないので、あれですけれども、歯がゆい答弁ですのでまた二十日に続けます。 今回の著作権法改正には我が党として賛成でありますし、ほかの方も言われていましたようにローマ条約への早期加入、これはむしろ遅きに失したということでありますが、そこで、今後、国の内外の関係団体の意見の調整、保護期間などのより改善、こういうことのための、要するに一部の団体だけの意見で突っ走るということにならないように、関係諸団体の意見の調整、統一、そこを基盤にこの施策を進めるという基本的観点、これを努力いただきたいということを伺っておきます。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおりであると認識をいたしております。
○佐藤昭夫君 終わります。
○勝木健司君 このたびのリクルート事件が我が国の青少年に与えた教育上の悪影響というものははかり知れないものがあるんじゃないかというふうに思うわけであります。次代を担う青少年たちが、社会やまた産業そして政治に対して不信感を抱きつつ育っていくとしましたら、これは青少年たちにとって、また私たち、我が国にとっても極めて重大な問題じゃないかというふうに思います。今こそ私たちみずからが倫理の確立、とりわけ政治倫理の確立と政治改革の断行に全力を挙げて取り組んでいくという決意を新たにしなければいけないんじゃないかというふうに思うわけであります。 文部省もこの事件の一つのルートとして、このような事件の再発防止、また文教行政の信頼回復のために大幅な人事の刷新また文部省内に服務調査指導委員会をつくったりして努力をされておるわけでありますが、まずこの服務調査指導委員会の設置以後の現在までの活動の報告を求めたいというふうに思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、文部省といたしましても今回の一連の不祥事につきましてまことに申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。一日も早くその信頼を回復すべく努力をしていかなければいけないと考えている次第でございます。 ただいま御質問の服務規律につきましての委員会を設置いたしまして、これは改組をして、分限、懲罰等についての調査もこれに加えまして、服務規律委員会というふうに名称も改めまして、本年四月二十日に新たにスタートをさせたわけでございますが、今日までに通算、これは昨年十二月の段階で設置をされました服務調査指導委員会からの引き続きの会議も含めまして十三回これを開いております。服務規律委員会になりましてから六回開催をいたしまして、服務規律に関する点検調査の実施を初め、綱紀粛正のあり方等、具体的な問題について調査を進めてきているところでございまして、その詳細については官房長からお答えいたさせますが、よろしゅうございましょうか。
○勝木健司君 簡単に要点のみでお願いします。
○政府委員(國分正明君) 従来の服務調査指導委員会からただいま大臣がお答え申し上げましたように改組後の服務規律委員会の状況でございますが、特に四月二十日以降の状況を申し上げますと、大臣お答え申しましたように、親委員会と私ども称しておりますが、三回開いておりまして、官庁綱紀の点検調査についての協議あるいはその対応方策についての決定あるいは関係団体、業者等に対するいろいろな対応の仕方等について協議いたしまして、ものによりましては内部で意思決定をいたしまして内部の職員に周知徹底を図る、こういうことでやっておるわけでございます。 例えば職員に対する指導につきましては、関係業者あるいは関係法人等との対応、会食、友誼のあり方、基本的には自粛する、慎むというようなこと、あるいはいろいろな会合での講演等についての節度というようなこと、あるいは先ほども話題になりましたいわゆる励ます会のパーティー券のあっせんはやらないというような個別の内部決定をいたしまして、それぞれの職員に周知徹底を図っているところでございます。
○勝木健司君 一度失われた信頼というものを回復するにはやっぱり相当な努力というものが必要じゃないかというふうに思うわけでありますが、今回のリクルート事件等の反省の上に立って、文部行政の信頼回復のために文部大臣として具体的に何をしていくつもりなのか、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、一度失われた信頼を回復するということは非常に困難なことであるというふうに自覚をいたしております。したがいまして、日々の文教行政を着実に進めていく、そして国民の皆様方が強く要望しておられる教育の改革等についても果敢にこれに取り組んでいくということがまず必要であろうと思います。そして、これはもう当然のことでございますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、服務規律委員会等を十二分に生かして、再び今回のようなことが起こらないように身を引き締めて綱紀の粛正に一層取り組んでいかなければいけない。このこと以外に国民の皆様方の信頼を回復する道はないというふうに考え、努力をしてまいる決意でございます。
○勝木健司君 次に、教員の資質の問題についてでありますけれども、三月末でしたか、埼玉の県立高校であった通知表をさらしものにする教員、また四月に明らかになりました国立大学附属小学校での父母に借金あるいは飲食代を強要する教員など、いつまでたっても教員にまつわる不祥事というものは後を絶たないという現状でありますけれども、そこで文部大臣にお伺いをしたいのは、教員に求められる資質とは一体どのようなものであるというふうにお考えなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御指摘のように、一連の教職員をめぐっての不祥事につきましては、文部省としても大変責 任を痛感するところでございます。委員の御質問の教職員としての一つの資格と申しますのは非常に多岐にわたると思いますけれども、基本的には教育者としての使命感というものがまず求められる。それと児童生徒に対する愛情というものがその基本にはなければならない。もちろん専門職としての教職員の資質というものも当然求められることでございますけれども、基本的には教育者としての使命感というところに尽きるのではないかというふうに私は感じております。
○勝木健司君 そこで、体罰を含め不祥事を起こした教員というのは、昭和六十三年度何人一体いたのかということで、それはまたふえる傾向にあるのか減る傾向にあるのか、また特徴的なことがあれば明らかにしていただきたい。それと同時に、この不祥事を起こした問題の教員の再教育なり、あるいは定期的なフォローアップ教育はどのようになされておるのか、実態を明らかにしていただきたいというふうに思います。
○政府委員(倉地克次君) 交通事故とか、それから争議行為などを除いたいわゆる処分の状況をまず申し上げたいと思うわけでございますけれども、これは六十二年度中の数字でございますけれども、そういうことで懲戒処分を受けた教員の全体は百八十人ということになっている次第でございます。 そのうち主なものを申し上げますと、体罰等児童生徒等に対する暴力行為というのが六十一人でございまして、無断欠勤等の服務違反というのは四十二人ということになっている次第でございます。 それから、その傾向でございますけれども、これは六十一年と六十二年を比較いたしますと、ほぼ横ばいではないかというふうに私ども思っている次第でございます。 それから、不祥事を起こした教員の再教育のあり方でございますけれども、私どもといたしましては、かねてから教育委員会に対しまして公立学校の教員の服務規律の確保を図ると同時に、こうしたことに違反した者に対しましては厳正な措置を講じ、本人の反省を促すということによって再び不祥事を繰り返すことのないよう指導してきているところでございます。各県におかれましては、こうした趣旨に沿って措置をされているところでございますけれども、必要に応じ研修センターなどで一定の研修を行うところもあるわけでございまして、文部省としても再教育の観点から必要に応じてこのような措置をとることを今後とも指導してまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○勝木健司君 次に、大学入試改革などでありますけれども、高木先生からもありましたけれども、文部省が高校生とかあるいは父兄、先生を対象にアンケート調査をされているということでありますが、ただでさえやっぱり猫の目の改革だということで批判されている中で、また来年から大学入試センター試験が実施される、スタートするというときに、こういう制度が変更されるんじゃないかというような、そういう懸念を抱かせるような調査というものはいかがなものかというふうに思うわけでありますし、またこのアンケートの中の具体的な改革案を問う質問の中にも、資格試験などに限定されておるんじゃないか、あるいは選択の幅が極めて狭く、言ってみれば誘導であるとの批判が聞かれるわけでありますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 大学入試の問題につきましてはこれまでもたびたび申し上げてきておりますけれども、やはり制度というものはできるだけこれは動かさない方がいいというのも一つの考え方でございます。しかし、一方におきまして、大変入試の現状を考えますと、なかなかこれこそきわめつけの入試制度であるというものを確立し得ない以上、それに近づく不断の努力をしていかなければいけないというふうに考えております。猫の目のように変わると申しますのは、それぞれの国立大学の対応にここ両三年の問いろいろな方策がとられたためにかなり煩雑になり、わかりにくい制度になったという意味で、大変受験生の皆さん方に迷惑をかけたということは私も率直に認めざるを得ないと考えております。しかし一方におきまして、今回大学入試の改革ということを踏まえてアンケート調査を行ったと申しますのは、前提としてこれはもうたびたびそのことをまくら言葉として申し上げているわけでございますが、少なくとも高校に入学をした時点でその生徒たちが大学を受験するときにはこういう制度であるんだということがあらかじめはっきりわかるというだけの余裕を持った上で改革をするとすれば改革をしたいということを再三、今委員から御指摘のとおりの問題があると考えますので申し上げてきているところでございまして、それを前提として、なおかつ率直に申し上げまして、今回のアンケート調査は大学入試の問題を中心として、それだけでアンケート調査を実施しようとしたわけでございますが、何分にも直接高校生の意識調査を文部省としていたします、しかも二万人、そして父兄五千人、進学指導の先生三千人という二万八千人を対象とする調査でございますので、せっかくの機会と申しますと必ずしも言葉が適切ではないと思いますが、高等学校のいろいろな学習活動等についてもこの際一緒にいろいろ問題も調査したいと考えまして、かなり広範囲にわたる調査になったわけでございます。 委員御指摘の非常に誘導的なというのは、これは確かに一部報道でそういう批判の記事が出ているのを私も拝見したわけでございますが、これはアンケート全体を見ていただければ御理解をいただけると思うのでございますが、専門の調査機関に私どもがいろいろ項目を一応挙げまして、そして専門のアンケート調査を実施する機関の皆様方の目から適切な形にこれを組みかえを多分いただいていると思うのでございますけれども、そういう形でこの調査が行われているわけでございまして、それを見ていただければただいまの御批判にお答えすることはできるのではないか、このように考えております。
○勝木健司君 それでは本法案の関係に移りたいと思いますが、文献の複写関係でありますが、書類、雑誌などの違法なコピー利用者から一括して著作権料を徴収し、著作権者に分配する機関としての設立が予定されております日本複写権センターの発足が大幅におくれておるということでありますけれども、何がネックとなっておるのか、理由をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(遠山敦子君) 昨年十月に発足いたしました複写権センターの設立発起人会、ここでは実行委員会を設けまして、使用料の設定、それから徴収、分配の方法、そういった技術的な問題あるいはセンター運営の具体的な事項を詰めながら、目下設立の準備を進めているというふうに聞いております。複写権センターの発足に当たりましては、権利処理のシステムが利用者との十分な話し合いの中で円満に形成されることが望ましいわけでございまして、この設立発起人会は目下各種の利用者団体と話し合いを詰めているというふうに聞いているわけでございます。私どもといたしましては、関係者の話し合いが順調に進展して、できるだけ早期にこの複写権センターが設立されることを期待しているところでございます。
○勝木健司君 海外ではこのような機関が既に存在しているというふうに聞いておるわけでありますが、具体的にどのような方式で著作権の処理を行っているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(遠山敦子君) 諸外国におきます複写権センターのあり方といいますのは国によって異なるわけでございます。 例えばアメリカ合衆国におきましては、CCCと申しまして、コピーライト・クリアランス・センターという機関がございまして、ここでは企業等の利用者が六十日間の実態調査結果に基づきまして推定した年間の複写実績というものをもとにいたしまして、この機関が算定いたしました年間使用料を支払う方法、それからもう一つは、個々の複写のすべての実績というものをこの機関に報 告いたしまして、その報告に基づいてこの機関が算定した使用料を支払うという方法の両方を併用しているところでございます。したがいまして、いろいろ工夫がなされているわけでございますが、そのいずれの方式をとるかは利用者側の選択によるということになってございます。 西ドイツの場合について申し上げますと、言語の著作物を管理する団体、ボルトというところがございまして、ここでは学校におきます複写につきまして、抽出による実態調査に基づきまして使用料を徴収する、そういう方法をとっているようでございます。 時間もあれでございますが、もう一つイギリスについてだけ申し上げますが、イギリスのCLA、コピーライト・ライセンス・エージェンシーというところでは、学校での複写につきまして個々の複写実態により算定するということではなくて、三年間で支払う使用料の総額を地方教育局との間で話し合って決めているということでございまして、それぞれの国によっていろいろな工夫がなされているということでございます。
○勝木健司君 著作権審議会第八小委員会で、文献複写から出版者を保護するための版面権の創設というものを中間報告で提言しているわけでありますけれども、今回の法改正で見送られた理由をお聞かせいただきたい。そしてまた、関係諸団体の意見というものをどのように把握されておるのか。そして今後の見通しについてもお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(遠山敦子君) 版面権の問題は、先生御存じのように現在、著作権審議会の第八小委員会において検討が継続されております。既に第八小委員会の中間報告書が出たわけでございますが、この結果を多数の関係団体に送付いたしまして意見を求めました。そして出版者団体あるいは経済団体連合会を含みます利用者団体など、特に関係の深い団体からは小委員会の方でヒアリングを行ったわけでございます。この中には賛否両論現在のところではございまして、例えば経済団体連合会などの利用者団体におきましては、出版者に新たな権利を認めるということに対しまして幾つかの理由を挙げて反対の意見を提出しているところでございます。例えば情報流通に対して抑制的に働くのではないか、あるいは複写による出版者の被害実態が不明碓ではないかというようないろいろな御議論が出ているわけでございます。このような利用者団体の意見に対しまして出版者側の方では、いやそうではない、中間報告では出版者の権利が著作権に準じて制限されることとなっているということでございまして、それは情報流通を阻害するものではない、あるいは出版者団体の行った複写実態調査によれば、国内の複写の実態も把握しておりまして、かなりの複写が行われているというふうな実数を挙げまして論議が行われているという段階でございます。 この第八小委員会におきましては、こうした意見も踏まえまして、今後、権利の性質のあり方あるいは権利の処理のあり方等、まだまだ幾つか検討すべきことはあるわけでございますけれども、文化庁といたしましては最終報告をまって適切に対処してまいりたい、そのように考えております。
○勝木健司君 次に、複製権の関係でありますが、同じく著作権審議会の第一小委員会の報告書では、レコード保護条約締結国のレコード製作者に対して、頒布目的に限定されない複製権を認めることが適当であるというふうにしておるわけでありますけれども、本改正案では、従来どおり頒布目的に限定した複製権しか認めないということになっておるわけでありますけれども、その理由と、また将来この第一小委員会の報告書の方向に持っていく考えがあるのかどうか、あわせてお伺 いをしたいというふうに思います。
○政府委員(遠山敦子君) 先生御指摘のように、確かに著作権審議会第一小委員会の審議結果におきましては、実演家等の国際的な保護の充実を図るという今回の条約の加入の趣旨に照らしまして、やはりその外国のレコード製作者の複製権について保護の充実を図ることは時宜にかなう、そしてこれによって制度の簡明化も図られるということから、レコード保護条約締約国のレコード製作者の複製権につきましても、頒布目的に限定されない複製権に広げることが適当であるというふうに書かれているわけでございます。しかしながら、この内容につきましては、放送事業者側が実演家等保護条約の締結に伴いまして、実務的あるいは経済的な負担がさらに加重されるのではないかということで目下反対意見を出しているところでございます。 このようなことにかんがみまして、文化庁といたしましては今回の改正には盛り込まないことといたしたわけでございます。しかしながら、今回の条約についてどのように臨むべきかということについての著作権審議会のお考えも明確でございますので文化庁といたしましては、これらの複製権の拡大につきましても今後レコード製作者の方の複製権の処理等の状況を踏まえましてさらに検討してまいりたい、このように考えております。
○勝木健司君 最後に貸与権の関係についてお伺いしたいというふうに思います。 現在、貸しレコード業界とレコード製作者間の新譜に関する貸与をめぐって係争中であるということでありますが、この貸しレコード店の増加によってレコード業者とかあるいは演奏家、作曲家等がおのおの受けている影響というものを具体的にお示しをいただきたい。そしてまた、結果としてこの貸しレコード店の出現、増加によって我が国の音楽文化に総体としてどのような影響を与えているのかということ。そしてまた、現在この国内のレンタル業とレコード業界との係争の実態について、解決のめど、解決の方向についてもお示しをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(遠山敦子君) 幾つかの御質問でございますが、まず我が国におきます貸しレコード産業の実態と、これらの権利者に対する影響についてという御質問でございますけれども、貸しレコード店は、御存じのように昭和五十五年に日本に初めて出現いたしましてから年々その店舗はふえておりまして、平成元年五月末では全国で五千七百店を超えているというところでございます。その営業形態も、当初は小規模な貸しレコード専業店が主であったわけでございますけれども、最近ではスーパー等の大規模店での貸しレコード業あるいは書店、貸しビデオ店での兼業も増加しているわけでございます。 貸しレコードの問題につきましては、先生御存じのとおりに、暫定措置法の制定でありますとか、五十九年度の著作権法の一部改正ということで著作権者、実演家、レコード製作者に貸与に関する権利が付与されたところでございまして、一定の利用秩序が既に定着しつつあるところでございますけれども、一部のレコードの貸与に関しまして、先生もおっしゃいましたように、レコード製作者と貸しレコード業者との間で現在も紛争が生じておりまして、いまだ円満な利用秩序が形成されていないということでございます。この行方につきましては、文化庁によって何らか予測を立てたりということはなかなか困難でございますけれども、私どもはその両者の間におきます今後の円滑な利用秩序の形成ということに意を用いてまいりたいと考えているところでございます。 また、貸しレコード店の増加によりまして我が国の音楽文化にどのような影響を与えているかということでございますが、大変難しい御質問でございますけれども、レコードをレンタルするという新しい業態が既に我が国の社会にかなり行き渡っているということは事実でございます。このことによりまして、一つは、若い世代を中心にいたしまして、低廉にレコードを楽しむという機会が拡大しまして、その意味ではレコードレンタルという業態自体は我が国の音楽文化の普及の面で一定の効果を生んでいるということは言えると思います。しかしながら、貸しレコード業との関連で申し上げますと、音楽文化を創造する立場の著作権者でありますとか、あるいはそれを公衆に伝達 する立場の著作隣接権者にとりましては、これは経済的な利益にも非常に影響を及ぼしていることでございます。したがいまして、音楽文化の再生産の力というのをなおつけていくべきでありますし、あるいはこれを発展させていくべきというふうな観点から考えますと、レコード産業とそれから貸しレコードの方の業者の方々と調和をとっていく、そういう姿勢が非常に大事ではなかろうかというふうに考えております。
○勝木健司君 終わります。
○下村泰君 留任とはいえ、一応組閣が新しくされまして、これ新任ということで、私お願いでありますけれども、毎回毎回必ず障害を持っている児童生徒に対する基本的考えをお伺いしておりますけれども、この大臣の所信表明のこのちょっと文章、別に私、文字の揚げ足を取るわけじゃありませんけれども、「国民の文化、スポーツに対する」というくだんでは「特段の努力を傾注してきたところ」であるという、「特段の努力」という言葉を使っていて、こちらの方の、「教科書制度の改善、幼稚園教育、特殊教育」というところへくると、ただ「充実」だけになっちまって、言葉の上から見ると随分ウエートが違うんじゃないかなという感じもなくはない。中島源太郎前文部大臣が大変私の話に興味を傾注してくださいまして、障害者の教育には大変熱心にお答えをいただきました。ですから、その中島前文部大臣に負けないようにひとつ西岡文部大臣も障害児教育に熱心であってほしいと思いますので、まずそこらのお覚悟から聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 心身に障害を持っている心身障害児の教育につきましては、今日まで、障害のある児童生徒が将来やはり社会的に自立するということが非常に大事である、幸せに生活が送れるようにするということの条件を整えていくということが非常に文教政策としても大切な視点であるというふうに考えておるわけでございまして、委員はかねがね心身障害児の教育の問題、福祉の問題について大変熱心にお取り組みをいただいて、心から敬意を表する次第でございますが、私といたしましても、先生の御指摘の諸般の問題につきまして、驥尾に付して、その施策の充実のために努力をしてまいりたい。その際、児童生徒の一人一人の障害の状態、あるいは能力、適性というようなものを十分やはり見ていくということが必要であろう。そういうきめの細かな施策が必要であるというふうに、このように認識をいたしております。
○下村泰君 こうして、毎回、まあ毎回といってもまだ二回ですけれども、所信について大臣のお考えを聞くたびに、言葉の上でも少しずつふえてます、言葉が。少しずつでも言葉がふえてきているということは、それだけ障害者の教育に対して少しでも中へ踏み込んでいる、こういうふうに私は受けとめております。ありがとうございます。とにかく障害児教育は教育の基本であるというふうに私は認識しております。よろしくお願いします。 著作権の方に参りますが、自治省にお伺いしますが、テレビの政見放送への手話通訳設置の件なんですけれども、一九八七年でしたか、研究会の中間報告、それ以後どうなっておりますか。またこの夏に都議選があります。それから参議院選もございます。立候補者が言葉の不自由な場合、聾唖者の場合には、あらかじめ原稿を提出しておけば例えば代弁の方が、アナウンサーの方が読んでくださる、これはよござんすわね。しかし今度はそれを聞く側の方となってくると、これは聴覚の方は聞こえないということになります。この八七年の研究会の中間報告でその後どうなっていますか、ちょっとお聞かせください。
○説明員(谷合靖夫君) お答えを申し上げます。 先生御案内のとおり、聴覚、言語に障害のある方と政見放送との関係につきましては、二面、二つの側面があるわけでございます。そして聴覚、言語に障害のある方が政見放送を聞く立場になった場合のそうした政見放送への手話通訳等の導入という問題につきましては、継続的に政見放送研究会を設けまして研究を続けてきておるところでございます。 ただ、先生御案内のとおり、政見放送、極めて限られた時間内に多くの候補者の政見放送を公正公平に制作して実施をする、こういう要請があるわけでございますので、そのためには全国各地域で政見放送の内容を正確にお伝えできるような、そうした手話通訳者をどうやって各地域ごとそれぞれ確保できるかという問題、あるいは手話通訳を導入した際にテレビ上の画面処理をどのようにするか、あるいはその収録方法をどのようにするか、そういった制作上、技術上のいろいろな問題を抱えておるわけでございますので、そうした研究会の場で専門の先生方からいろいろな角度から御検討いただいて、現在どうした形で結論を見出すことができるかということを検討させていただいている段階でございます。
○下村泰君 検討なさるのは結構ですけれども、意外と遅々として前へ出ていないというのが現状ですね。やはり何十万という方々がいらっしゃるんですから、少しでも早く解決の方向に向かって進んでいただきたいと思います。本日の官報にも、手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する規程に基づき、審査・証明事業を認定した件なんて出ていまして、いよいよ手話通訳士という資格の試験制度ができたんですけれども、大変結構なことです。だんだん手話通訳というものも市民権を得てきているとは思いますけれども、参政権とこういった今の選挙制度の方に振り返ってみると、まるでおくれているというのが現状ですね。これはもう皆さんの方がよく御存じだろうと思います。 そこで文化庁にちょっと伺いますが、この政見放送の著作権というのはどういうことなんですか。
○政府委員(遠山敦子君) 政見放送といいますのは政治上の演説ということに当たるわけでございますが、著作権法におきましては著作権者の権利を守ると同時に、それが広く公共に利用される場合には制限をつけているわけでございますが、ちょうどこの件につきましては著作権法の第四十条がございまして、「公開して行なわれた政治上の演説又は陳述」は「いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。」ということでございまして、制限なく利用できるということでございます。
○下村泰君 そこで、昨年もたしかお伺いしたと思うんですが、独自にビデオライブラリーというようなものをやりまして、政見放送に手話をつけて貸し出そうとする場合、もちろん出演している候補者一人一人に了解を求めなきゃいかぬわけですね。
○政府委員(遠山敦子君) ただいま申し上げましたように、政見放送といいますものは公開して行われた政治上の演説に該当するというふうに考えられますので、放送を録画して手話通訳をつけながら再生したといたしましても著作権法上の問題は起こらないというふうに考えております。
○下村泰君 かといってやたらにできるわけじゃないでしょう。やっぱり一人一人に許可を求めなきゃならぬでしょう。黙ってやった場合に問題になりますか。
○政府委員(遠山敦子君) その必要がないということの根拠が著作権法の第四十条にございまして、公になされた、公開して行われた政治上の演説につきましては、手話のような形で再生されたといたしましてもこれは著作権法上の問題にはならないということでございます。
○下村泰君 そういった著作権上の問題にならないにしても、そういうことを少しでも多くの人に見てもらおうとなれば、一々煩雑な手続きを経なければならぬということもあり得るわけでしょう。何にもありませんか。
○政府委員(遠山敦子君) お答えが不十分でございまして失礼いたしましたが、一々許諾をおとりになる必要はないわけでございます。
○下村泰君 こういったことがもし例えば著作権法上にいろいろ問題が起きてくるとなれば、せっ かくこういったものをおつくりになって、見たいという方々にとって何も問題の起こらないような方法でひとつ流布していただきたい、こういうふうに思います。 昨年十月の附帯決議がありますね。「視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。」というふうになっておりまするけれども、あれからもう八カ月以上たっていますが、この件に関しては何かその後進展していますか。
○政府委員(遠山敦子君) 文化庁といたしましては、この附帯決議を受けまして関係の権利者団体に国会の質疑あるいは附帯決議の内容をお伝えいたしますとともに、視聴覚障害者のための字幕入りビデオあるいは録音テープの作製に係ります権利処理がより一層円滑に行われますよう、そのためのルールづくりに関する特段の配慮というものを再度要請したところでございます。 このルールづくりに関しましては、字幕入りビデオの作製に係ります権利処理の分野で進展があったわけでございます。具体的には、文教委員会で著作権法の改正案が審議された昨年の十月の段階では、放送局が作製いたしましたテレビ番組に関するルールが社会福祉法人聴力障害者情報文化センターとNHK、民放それから関係権利者団体との間にだけあったわけでございますけれども、その後の話し合いによりまして進展したわけでございます。 一つは、劇映画につきましてもこのセンターと日本映画製作者連盟との間で原作、音楽、脚本等の権利処理も含めたルールが合意されたわけでございます。したがいまして、そのセンターと日本映画製作者連盟との間で使いやすくするという方向が合意されたわけでございます。また、字幕ビデオ化する際に録音権の処理が問題になっておりました外国の曲につきましては、そのセンターが日本音楽著作権協会、JASRACと既に締結しております契約の中で処理するということができたわけでございます。さらに、アニメーション映画あるいはテレビ映画の下請番組につきましては、その後の話し合いが始まっておりまして、現在、先ほどの社会福祉法人聴力障害者情報文化センターと日本動画製作者連盟及び全日本テレビ番組製作社連盟との間で話し合いが進んでいるところでございます。 このような視聴覚障害者のための字幕入りビデオあるいは録音テープの作製につきましては、よりよいルール、使いやすいルール、そして両者の間での納得のいく方法によっての利用というものが達成されますように、今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。
○下村泰君 今度は消費税と学校給食についてちょっと伺いますけれども、昨年の十一月、文部省が昨年五月現在の学校給食費の調査を発表しましたけれども、それによりますると小学校が〇・一%中学校が〇・二%、平均月額が前年に比べましてアップ率が史上最低であった、殊に定時制高校の場合にはマイナス〇・三%というふうに大変低かった。そこで伺うんですが、これは実際に給食事業を行う市町村によって異なってくるだろうと思いますけれども、消費税による影響をどう見ているのか、またどう対応するのか、これをちょっとお聞かせください。
○政府委員(前畑安宏君) 御案内のとおり、学校給食におきましては父兄が負担すべきものは食材料費ということになっておりまして、そのほかの施設費であるとかあるいは運営費などというものは、これは設置者が負担する、こういうことになっております。したがいまして、消費税の影響によりまして食材料費はもちろん値上がりをいたします。施設費等についても影響が及ぶわけでございますが、それが父兄に影響が及びますのは食材料費の部分のみということでございますので、端的に申しますと父兄から徴収いたします食材料費については消費税が転嫁をされた値段で徴収をする、こういうことでございます。
○下村泰君 次に、アレルギー児童の給食ということでちょっと伺いたいんですけれども、たまたまきのうの朝刊なんですけれども、「そばアレルギー症の札幌市内の小学六年の男児が学校給食でそばを食べ、ぜんそくと嘔吐を併発して死亡したのは、担任教諭らが適切な救急処置を怠ったためとして両親が十四日、同市を相手取り、総額約四千万円の損害賠償請求訴訟を札幌地裁に起こした。」、こういう記事があるんですけれども、どうなんでしょうか。こういうアレルギー疾患の子供たちというのは全国的に相当詳しく調査できているんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) アレルギーというのはなかなか具体に掌握しにくい問題がございまして、私ども全体を必ずしも掌握しているわけではございません。例えば東京都の教育委員会が六十三年の十月にやりました調査を見ましても、これはアトピー性皮膚炎というのをつかまえてアレルギーの症状を判定したわけでございますが、学校によって非常に大きな数の相違もございます。ある学校では三百九十一人の男子のうちに百人がそうだという答えをしたところもありますし、また、ある学校では三百六十七人のうち十人しかいないと回答を得たところもございます。このようなことで大変難しい問題でございまして、私どもまだ率直に申し上げますと、正確な数字は把握しておりません。
○下村泰君 実は全国の保母会が全国の十八万余人の保育園児を対象にしまして「アレルギー疾患の子どもに関する実態調査」というのを行っているんですが、これがこういうところに出ているんですけれども、これを見ますと、今おっしゃったようにアトピーというんですか、「アトピー性皮膚炎、気管支喘息、喘息性気管支炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーのいずれかを診断されている子どもの数の男・女及び年齢別集計」を出してありまするけれども、大体これ数だけ申し上げますと、全体でいずれかの疾患を診断されている子どもの数が男で一万一千二百五十七名、一一・九%、十八万人に対しましてね。それから、女子が九千六十八名、一〇・六%。合計しますと二万三百二十五名、一一・三%のお子さんたちが何かのアレルギーを持っている。 それから「アレルギー疾患を診断された子どもについての保育上の問題点」として、「食事内容への配慮が最も多く指摘され、次いで保護者への指導法、服薬の問題、アレルギー症状の処置、欠席の多いこと、保育活動の制限などが多かった。医師の指導に相違があることも保育担当者を悩ます問題であることが述べられた。」、こんなふうな発表も出ております。 そして「配慮・工夫」としてこんなことも言われております。「特に問題となる特別な給食の実施は二百九十施設で行われていた。このほか弁当を持参させ別の食事をとらせている施設が百三十七施設あり、あわせて約二〇%の施設では食物アレルギーに対して特に配慮されているものと考えられる。」、ですから、比較的自分のところでやっているそれ以外に子供さんにそういう子供さんは特にお弁当を持ってきてほしいというようなことも言われております。 ここに、それに関連しましてこういう記事があるんですね。「アレルギー児童に特別給食」というので、これは五十八年、ちょっと古うございますけれども、五十八年の九月から福岡県の春日市の春日小学校というところで実施しておるんだそうです。ここが、全校生徒で言いますと八百人、全生徒八百人の中に四人のアレルギー性の子供がおる。たった四人だけなんです。その四人の子の、二年生が一人で、三年生が二人で、六年生が一人です。全部卵アレルギーだそうです。ここではこの四人のためにわざわざサラダは別につくるんだそうです。これを担当している人が、最初は余り気乗りしなかったがアレルギー児童の湿疹を見るに忍びないと思い——裸の写真を見たそうです。これは何とかしなければならないと思ったというのが関係者の言葉なんですね。それで「八百人中の四人、たった二百分の一の子供への配慮が、学校給食の場に生かされたことには大きな意義がある。」、こういうふうに結ばれているんですけれど も、私の体験から、私もちょっとアレルギー性で、夏場になりますると太陽の光線で、汗をかいたところに紫外線が強烈に当たりますとかゆいかゆいができてくるんです。私の友人には寒冷アレルギーといいうのがありまして、真冬になって冷たい風に当たるとアレルギーになるやつがおるんです。本当に人間て何でこんなふうにいろんなものが出るのかと思いますけれども、痛みの我慢というのはできますけれどもかゆみの我慢ぐらいできないものはないですね。殊に言葉も満足に、それから自分の症状も訴えられない。これこれこういうわけでこうなったということの言えない子供たちにとっては、なおさらこのかゆみというのはたまったものじゃないと思いますね。したがいまして、こういったような配慮をこれからも学校給食において行うのかどうか、それだけひとつ伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 私ども、学校給食の分野につきましては、できるだけ個人的な状況を的確に把握して、その状況に応じた給食指導を行うようにということをかねてから指導をしておるところでございます。特に最近は、御案内のように成人病の若年化であったり、あるいは肥満児、それから今先生御指摘のアレルギーといったような問題が非常に問題になっております。日常観察であるとか、あるいは健康診断、あるいは家庭との連携等を通じて把握をし、そしてそれに即応した給食指導をするようにということで努めております。 ただ、先ほども申し上げましたように、アレルギー性の疾患の問題は肥満等と異なりまして外形的になかなか把握しにくい。それから症状も多様でありますので、定期の健康診断等ではなかなか把握しにくい面もございます。そこで、特に家庭との連携を密にして遺漏のないように努めていきたいと考えております。
○下村泰君 昔ですと、そのぐらい我慢しろとか、いわゆるげんこつ療法みたいなものがありましたよ、うるせえ、このやろうなんて頭を殴られたりなんかして。私も兄貴に吹っ飛ばされたことがありますけれども、子供の時分に。そういう療法もありましたけれども、今や何か非常に多様にわたっていますよね。病気一つ取り上げましても我々の子供の時分にはなかったような症状が最近ではいろいろな形に出ている。食べ物によって今までは胃がんが多かったが今は直腸がんが多くなったとか、それぞれもう一人一大変わってきているような気もいたします。それだけにこういった症状を持ったお子さん方の面倒見も大変だろうと思いますが、ひとつよろしく面倒見ていただきたいと思います。 お時間がちょっと余っているようですけれども、次回に譲って、委員長もお忙しいようですから。
○委員長(杉山令肇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 著作権法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷照美君。
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一 「実演家等保護条約」締結後における著作隣接権制度の円滑な運用を図るため、商業用レコードの二次使用料に関する関係者間の話合いの促進など必要な諸条件の整備に努めること。 二 私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に対する賦課金制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を進めること。 三 ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。 四 複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。 五 コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。 六 視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(杉山令肇君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、西岡文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) ただいまの御決議につきましては、御趣旨を体しまして、今後努力をいたしたいと考えております。
○委員長(杉山令肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(杉山令肇君) 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
○国務大臣(西岡武夫君) このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、短期大学部の併設及び廃止のほか、国立大学共同利用機関を大学共同利用機関に改めること等について規定するものであります。 まず、第一は、短期大学部の併設及び廃止についてであります。 これは、秋田大学に同大学医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することとし、また、群馬大学に併設されている工業短期大学部については、これを廃止し、同大学工学部に統合しようとするものであります。 なお、秋田大学医療技術短期大学部は、本年十月一日に開学し、平成二年四月から学生を入学させることとするものであり、群馬大学工業短期大学部は、平成二年度から学生募集を停止し、平成三年度限りで廃止することを予定しているものであります。 第二は、国立大学共同利用機関を大学共同利用機関に改めることについてであります。 これは、国立大学共同利用機関について、国立 大学を中心とする共同利用の機関から、広く大学の共同利用の機関に改めるとともに、これを大学共同利用機関と称することとするものであります。 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る平成元年度の職員の定員を定めることといたしております。 なお、衆議院において施行期日に関する附則の規定の一部が修正されましたので、念のため申し添えます。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○委員長(杉山令肇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十四分散会 —————・—————