農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/20
会議録
○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、野田哲君及び小西博行君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君及び三治重信君がそれぞれ選任されました。 また、昨十九日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が選任されました。 —————————————
○委員長(福田宏一君) 次に、特定農産加工業経営改善臨時措置法案を議題といたします。 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 昨年は十二品目、一部の例外はございますけれども、それから牛肉、オレンジ、この自由化が進むようになったわけでございます。それ以外にも農産物の輸入が非常に増加しておるわけでございまして、そういったことは統計数字にもはっきり出ておるわけでございます。農産物の輸入増加によって我が国の農業生産にどのような影響が及んでいるのか、特に業種によっては非常に深刻な事態も起こっているのじゃないかというふうな気もいたしますけれども、具体的な状況を含めながら影響について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 先週の一井先生の自給率の問題に関連いたしまして、私の方から自給率の金額ベースの数字であるとかあるいは数量ベースの数字等につきまして、現在の我が国の自給率の動向についてお話を申し上げたところでございます。 ただいま先生は輸入の問題について御提起がありましたので、さらにその自給率に関連をしながら現在の農業の置かれている姿、そういったようなものについて簡単に申し上げたいと思います。 先生御指摘のとおり、時系列的に申し上げまして、三十五年の時点から食料の農産物の総合自給率は九一から七二に下がっているわけでございます。さらに、穀物の自給率を見ました場合に八二%から三〇%に急激に下がっている。さらに、主食用の穀物の自給率を見ました場合に、八九%から六八%へ下がっているという数字がございます。この結果の数字は、先生御指摘のように、輸入の急増といいますか輸入の動向によるものでございますが、一方、私どもの手元で持っております数字で農業生産指数といったようなものを見てみた場合に、三十五年の農業指数、これは六九・四%、それに対しまして六十一年ないし六十二年はほぼ一〇〇%という数字でございまして、この点につきましては国内生産におきます生産力も畜産あるいは野菜といったようなもので生産は伸びておるわけでございます。この点につきましては、もちろん価格のデフレーションというものを考えてみなければいけないかもしれませんが、農業生産額におきましても二兆一千三百三十二億円から十三兆といったような形で一方ではふえておりまして、そういうような国内の中で生産が拡大をしながら行われているという事実はございます。 一方、人の面を見た場合に、農家の戸数で約六百万戸ありました部分が、これが四百二十四万戸になっておる。特に数字の上で、就業人口でございますが、三十五年に千百九十六万人といったような人員数が、ここのところへきまして四百三十二万人という数字になっておりますので、一挙に三六%に落ちているというような大きな変化があるわけでございます。 こういった点をさらにもう一つつけ加えさせていただきますと、耕地面積でございますが、耕地面積は六百万ヘクタールと言われておりました。正確に申しますと六百七万ヘクタールでございますけれども、この三十五年の数字が六十二年におきまして五百三十四万ヘクタールというふうな形で、農地の約一割が他用途に転用されているとい うような状況でございます。そういったように、一番人の面で大きく高度経済の成長の中で人口の移動が行われ、わずかに残った、わずかという言葉は語弊があるかもしれませんが、四百三十二万人の就業人口で、いろいろな意味で食生活の高度化等に対応すべき国内の生産が行われているという事実があるわけでございます。 話をもとに戻しまして輸入の関係でございますが、輸入の関係につきましても、自給率の低下に見られますように、一番大きいのはこの前も御説明いたしましたが、食生活の高度化に基づきまして畜産物、肉等の原料でありますえさが、安価なえさという形で輸入が拡大しておりまして、この量を耕地面積に換算いたしますと千四百万ヘクタールに当たると言われておりますが、そういったようなことから、自給率が穀物自給率の中に大きく反映して低下という現象にあらわれているということが三十五年から今日までの中で見られると思います。 要約いたしますと、戦後におきます高度成長がありまして、三十五年ぐらいのところから経済の発展がございまして、それに基づきまして史上例を見ないような食生活の高度化が行われまして、今まで日本型食生活だけに限定されておりましたものが、例えば肉というものを大きく食べるというような状況になりました。そういうものから自給率の減少、特に穀物の自給率にその点があらわれているというふうに言えるのではないかと思われます。 簡単でございますが、以上、先生の御質問に関連して申し上げた次第でございます。
○一井淳治君 私は、ただいま業種によっては相当深刻な影響も出ておるのじゃないだろうか、業種というのは農業の中の一定の業種でございます。そういう質問を申し上げたんですけれども、それについては御回答がない。それからまた、穀物自給率についてはそんな心配は要らないんだというふうな、そういう御趣旨とも受け取れるような御答弁をいただいたわけです。 そうすると、農産物の輸入増加については余り対策は要らぬのじゃないかというふうな雰囲気に受けとめられてくるわけでございます。私どもは、農業を守るという立場でもう少し農水省に頑張っていただきたい、もう少しきめ細かいいろんな対策を拡充してもらいたいという強い希望を持っておるわけでございます。やはりこの自給率が低下しているということに対して危機感めいたものとか、あるいはこれではだめだからもっと日本の国産の農産物の自給率をふやさにゃいかぬという強い意欲を持ってもらわないと、農政がどうにもこうにも現実の厳しい状態に対応できないのじゃないかというふうな心配をいたします。 これまで、自給率の問題については国会や委員会の決議がございます。例えば、昭和六十二年十二月九日のこの農林水産委員会では全会一致で農産物十二品目の決議がされておりますけれども、「食料自給率は先進国の中で最低の水準にまで低下している。」ということを決議しているわけです。そういう先進国の中で最低の水準なんだという、何とかしなくちゃいけないんだ、これを改善しようという根本的な認識に立って、意欲を持って自給率の向上のために努力してもらいたいというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま官房長から自給率の変化につきましては御答弁申し上げたとおりでありますが、我が国の自給率低下の大きな原因は、我が国の高度経済成長のもとで食生活が急激に変化した、これが最大の原因だと思います。したがって、米の消費量が減少する一方、一面、肉類など畜産物の消費が著しく増加をいたしました。その生産に要する飼料用穀物の大部分を安価な輸入に依存していることによるものだと、かように考えております。一方、我が国の国民の主食であります米につきましては、自給体制が確立いたしております。そしてまた、野菜、魚介類といったいわゆる日本型の伝統的な食生活の中心をなす食品については、大体高い自給率を維持しておるわけであります。このために、穀物自給率が三〇%という低い水準にあっても、国民の中には食料に対する安心感があるのではないかと考えております。 したがって、通常における豊かな食生活の保障という観点からは、国内生産と輸入の適切な組み合わせによる供給の確保を図っていくことが現実的であると考えております。 一方しかし、農産物の国際需給が、中長期的には種々の変動要因を抱えていることも念頭に置きながら、制約された国土条件のもとでも可能な限りの生産性の高い農業を展開しながら、一たん緩急ある場合におきましても必要な熱量を国内で供給し得るよう、国内での基本的な食料供給力の確保を図ることが重要であると考えております。このため、平素からすぐれた担い手の確保あるいは優良農地、水資源の確保、そしてまたバイオテクノロジー等の農業技術の向上等諸般の施策を総合的に進めてまいる所存であります。そして、安価で良質の、そしてまた安全で衛生的な国内食料の生産に努めてまいる所存であります。
○一井淳治君 これは農民だけの問題ではなくて、日本の消費者の問題でもあると思いますけれども、カロリーの自給率ベースで五〇%を割るということは、これは一般国民にとりましても非常に心配なわけでございまして、ただいまの大臣の余り心配は要らぬという御答弁は、国民とすれば非常に残念に思うのじゃないかというふうに思います。 それからまた、穀物自給率につきましても、外国から何も穀物を買わなくても日本の農民は仕事がなくて困っているわけですから、外国から買わないで家畜のえさを日本の国内で生産するということを考えていくべきだと思うんです。それを考えなくて、これはもう家畜のえさがふえているだけなんだから別に心配要りませんよ、対策は要りませんと。せっかくの大量の穀物を消費する需要があるわけですから、日本の農民に需要分を分け与えるようなことはしなくてもよろしいというのでは、農政が非常に寂しいのじゃないかと思うんですけれども、もう一度、日本の農民を守り、消費者のために穀物自給率も上げるし、またいろいろ強い農政を実現していくというお言葉をぜひここでいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 穀物自給率についての再度のお尋ねでありますが、これは一井先生御案内のとおり、やはり私どもは国民に豊かな食料を確保していくという立場において、特に食生活の変化に当たり肉類を大きく利用するという段階になりますと、やはりこの制約された国土条件のもとで、今米麦あるいはそういう家畜飼料をつくるという段階においてはどうしてもこれは国外、いわゆる諸外国の輸入物と大幅な格差があることはもう御案内のとおりであります。今現在、稲作転換として麦の奨励をいたしてまいりましたが、今や百万トンという大幅な生産になりましたけれども、現実に食管会計でこれに補てんをするのが約千五百億円であります。それでもまだ外国産との価格差が大きいわけでありまして、ここに豊かな食料で安価なものを提供するという両面を満足するということは、現在の日本の国土条件では非常に困難であると私どもは考えております。 したがって、一たん緩急の場合に、このような豊かな食料は到底不可能であろうと思いますが、日本型食料の現在までのそうした姿でいくならば、米は自給体制が確立されておる。そしてまた、麦類、大豆類の穀類にいたしましても必要最小限度の食料は生産されております。したがって、私は今後とも優秀な担い手を確保しながら、あるいはまた優良な農地の確保あるいは水資源等を確保しながら、そして新たな農業技術の開発を進める中において、今後の日本国民の食料の安定供給という形をとることが国民、消費者全体にとっての理解を得られるところではなかろうか、かように考えております。 先生の言われる穀物の自給率を上げろという問題は十分承知をいたしておりますが、しょせん国 土という大きな制約を受けている中におきましてはなかなかその目的は達成できない、こういうように思っておるところであります。今後とも、合理化、近代化を進めながら、私どもは積極的にこれからも全体の食料自給率の向上には一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○一井淳治君 自給率の問題は、結局のところ、外国との競争ということであると思いますけれども、日本の農業が外国の農業に競争では勝ちたいというのが自給率の向上という言葉に出てくるのじゃないかと思いますけれども、日本の農業を守るという立場で意欲を持った農政を展開していただきたいと思います。また、消費者の立場に立ちましても、大臣からカロリーベースの自給率の問題についての御答弁がなかったんですけれども、カロリーベースの自給率の問題もございます。また、牛のえさというふうに言えばそうかもしれませんけれども、さらに突き詰めて言えば外国から穀物が入らなくなってくると日本人が牛を食べられなくなる。国産の畜産物が手に入らなくなるということで、日本の畜産が外国の諸般の事情によって左右されるというふうになってくるわけでございますので、自給率の向上につきましてはどうか常に念頭に置いて御努力をお願いしたいと要望申し上げたいと思います。 次の質問に移りますけれども、農産加工業の現状についてどのようになっておるのだろうか。今回の自由化によって相当いろいろな厳しい状況など出ておるのかどうか、そのあたりのことにつきましてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) まず農産加工業全体の現状等々でございますけれども、御承知のように、農産加工業は国民の食生活が非常に向上してくる中で規模を大きくしてまいっておりまして、生産額も年々伸びてまいっております。今では出荷額ベースで見ますと、全製造業に占める割合が大体一割というような規模にまで成長してきておるわけでございます。 また、最近の経営状況でございますけれども、円高という状況、最近若干円安といったようなこともございますが、基調としてございます円高という状況の中で、輸入原料価格が下がっておるというような企業にとったはいい面がございますし、また景気全体も個人消費が非常に旺盛であるというようなことに支えられまして、経営状況は全般的にはいいわけでございます。しかし、同じく円高で今度は製品が入ってくるということでございまして、その製品と競争しなければならないというような観点からいたしましては、特定の業種が中心ではありますけれども、非常に大きな影響をこうむっておるものもあるわけでございまして、これらの業種につきましては今後さらに生産コストの低減、品質の向上等を積極的に図って消費の確保というものを維持していかなければならないというように考えておるわけでございます。 今回、御提案申しております農産加工法に関連いたします業界といいますか、業種につきましては、自由化によりまして製品が入ってくるわけでございまして、その業種が生産しております製品との内外価格差といいますか、それがかなりあることもありまして、品質面を考慮いたしましたとしましても相当程度の影響が、このような業種については出てくるのではないかというような懸念を強く私たちとして持っておるという状況でございます。
○一井淳治君 食品産業の場合は空洞化と申しましょうか、外国へ工場を移転していくというふうなところまで進行しておるのかどうか、そのあたりのことについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 今申し上げましたような全般の基調の中ではあるのでございますけれども、特に輸入品と国内で競争が激しくなる企業あるいは業種におきましては、やはり海外への進出と申しますか、あるいは海外へ投資をする、あるいは海外の企業に生産を委託するといった形での海外進出、これを空洞化とよく言われておるのでございますけれども、そのような動きが見られることは事実でございます。 まず海外進出という面でとらえてみますと、アジア、北米を中心に増加してきておりますけれども、しかしその現状は、海外生産比率と申しまして企業の売り上げの中で海外へ投資して、そこでつくって売っている金額の比率がどういうような割合になるかという、海外生産比率というものを見てまいりますと、製造業全体ではそれが四%であるのに比べまして食品製造業の場合はまだ〇・八%という水準でございまして、そういう意味におきましては、ほかの産業よりはまだ海外へ出ていくといったようなものは水準としては低いわけでございます。 もう一つは、海外へ出るほどの用意もないわけでございますけれども、中小企業を中心といたしましてはなかなか出られないという部分もございますので、その場合には海外の企業へ生産を委託するという格好で海外に依存するという、これも空洞化の一つの形態であろうと思うのでございますけれども、台湾とかタイ、韓国等アジア諸国を中心にいたしましてこのような委託生産というのがあるわけでございます。安い原料の確保あるいは低廉な労働力の利用という面でそういうことが行われておるようでございますけれども、外国でつくってそれをそっくり製品として輸入するという形には必ずしもなっていない。半製品として輸入して、そしてそれをまた日本の企業が最終製品に仕上げる、生産工程の一部を担当してもらっておる、こんなような格好のものが出てまいっておるというように理解しております。 いずれにいたしましても、そのような空洞化と言われる現象につきましては、私たちとしましても今後慎重に見守ってまいりたいというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 それから、同じく食品加工業でございますけれども、原材料を従来国内産を使用しておったものを輸入品に切りかえるということが相当進行しておるんでしょうか、その実態はいかがなんでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 御下問のような懸念といいますか、を私たちも持つわけでございますが、統計数字で見る限りは、結論といたしましては大きくそのような状況の変化があったということにはないようでございます。申し上げますが、食品製造業で使用する原料のうち、輸入に依存している、輸入したものを原料に使っている比率というのは全体で見ますと大体四割程度になっております。食品製造業の中にも二種類ございまして、製粉とか砂糖とか油脂とかいったようなもの、素材型の加工業、これにつきましては御承知のように製粉は小麦、砂糖は粗糖でございますし、油脂は油、したがって大豆というようなことが中心になりますが、このようなものがほとんど輸入されておりますので、この素材型業種につきましては輸入比率が八割でございます。 しかし、もう一つの形態でございますパンとかお菓子とかいったような加工型と私たち言っておる業種、中小企業が多いんでございますが、これは輸入比率が低くて三割程度ということになっております。そして、このような状況は年次変動をずっと見ておるのでございますけれども、大体今申し上げましたような割合で横ばいに推移しておるというのが現状でございます。
○一井淳治君 そういたしますと、横ばいということであれば、最近の状況の中でも特に輸入品が国産品を侵食しているということは余り見られないという状況でしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 輸入の原料が入ってきておる。そして、それがふえておる状態はあると思うんです。 しかしながら、今申し上げましたように国内産と輸入の比率を大きく変えるほどの大変化といいますか、大きな変化をもたらすほどではないというふうに私たちは理解をいたしておる次第でございます。
○一井淳治君 そういう状況であれば、国産原料の使用をふやすという、先ほども申し上げました自給率向上につながると思うんですけれども、国内の農産加工業の原料を少しでも国産のものを使 うような奨励策、振興策というものがどうなっておるのか、お尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(渡辺武君) 食品産業、また詳しく御説明申し上げておりませんけれども、農水産業で産出するものの大体三割は食品加工業向けに出荷されているというようなことでもございますので、食品加工業の原料に占めております国産の部分、これを維持していくあるいはそれを拡大していくということは非常にこれは重要なことで、農業の振興の面からも重要なことだというように理解しておりまして、私たちその面におきましていろいろな努力をしておるんですが、一つはやはり価格でございます。やはり企業が期待する価格というのはこれは当然のことですが、安いことを望むわけでございまして、そのようなことのために、御承知のような米なんかにつきまして他用途利用米制度といったような低廉な価格で加工用に向けるというような制度も創設いたしておりますし、またその他のいろいろな農産物価格、非常に厳しい情勢の中でございますけれども、六十一年以降行政価格を大分努力して引き下げてまいっておるというようなことでございます。 それからもう一つは、質といいますか、企業がやはり必要とするような品質の原料を安定的に供給していくということが、やはり農業側の努力として必要だと思うわけでございまして、それにしてもやはりどのようなものを企業サイドが要望、希望しているかということ、それから農業サイドでもどのようなものが出荷できるんだよ、まとめて出荷できるんだよという、こういう情報がなかなかいろいろたくさんあるんですけれども、農業サイドと企業サイドがうまくリンクする場がなかなかないわけでございまして、そのような観点からこの国産原料農産物に関します情報をお互いに交換し合うという仕組みを私たちつくりまして、そのような努力をしておるわけでございます。これによりまして、ああそうか、そういうところに今そういうものがあるのかというようなことで、取引が大分始まるということを期待しておるわけでございます。 以上、申し上げましたようなこと、二つの例で申し上げましたけれども、国産原料を使う、使っていただく、そのためのこれは農業振興にもなるのだという観点で努力を続けてまいっておる次第でございます。
○一井淳治君 次に、農産物の輸入の自由化がだんだんと拡大していく、また農産物や関連商品の輸入がふえていくという中で、自由化による雇用面の影響といいますか、そういうことについてはどういうお見通しをお持ちなのか。これに対して当然雇用の安定ということは必要だと思いますけれども、これに対してどのような対策をお持ちなのか。 特に、今回の法の十条に「必要な措置」というのが書かれておりますけれども、そういったことも含めまして御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 今回の自由化に伴いまして製品輸入がふえるであろう、こういうことを申し上げておるわけでございますけれども、その影響を受けまして関連企業で事業規模が縮小しなければならない、あるいは転換を余儀なくされるというような状態が生ずる懸念があるわけでございまして、それに伴いまして雇用面での影響が出てくることが考えられるわけでございます。したがいまして、今御指摘のように、御審議願っております法案の十条にそのような面での措置を規定させていただいておるわけでございます。 ただ、そのような影響が生ずる程度といいますか、これがなかなか、今現在では自由化はほとんどのものがまだされておらないわけでございますので、定量的になかなか把握しにくい面がございますけれども、仮にそしてそれが出ましたとしましても、企業の他部門で吸収するというようなクッションもございますので、離職者がそうたくさん出てくるというようには私たち考えておりません。ただ、そのような影響がどの程度出るかといったようなことが非常に関心があるわけでございまして、私たち労働省ともいろいろ御相談申し上げておるわけでございますが、まず労働省におかれましては、このような自由化に伴う雇用面の影響につきましての調査を、予算を計上いたしまして四年間、ことしから四年間やるということになっております。 それから、このような状況の把握に基づきまして具体的な雇用面の対策でございます。これも労働省にいろいろお願い申し上げておりますけれども、柱はやはり三本じゃないかと思います。 一つは、失業のまず予防のための措置、今の雇用を安定させるための措置が一つでございます。 それから第二は、不幸にして失業されました人につきまして生活の安定を図る、あるいは再就職の措置を講ずるという面でございます。 それから雇用状況の特に悪化するような地域に対しまして、雇用機会の創出をするための措置、このようなことに大別されようと思いますけれども、いずれにいたしましても、このような雇用対策、どのようにして、どのような時期に発動するかというようなことにつきましては、労働省といろいろ御相談申し上げなければならないわけでございますが、労働省におかれましては、このようなことのために農産物の自由化等に伴う雇用問題にかかる協議会というのを設置することになっておりまして、私たちもそのメンバーに加えてもらっておるわけでございまして、先ほど申しました雇用に関する影響の出ぐあい等々を踏まえながら、具体的にどのような対策をとっていくかというのは、そのような協議会の場においていろいろ労働省とも御相談申し上げながら対策を講じていくということにいたしたいと考えておる次第でございます。
○一井淳治君 この雇用対策については、十条の関係もございますので、もう少し詳細な説明をお願いします。
○政府委員(渡辺武君) 十条につきましては二項ございまして、一項に書いてございますのが、事業活動の縮小等を余儀なくされたような場合には、雇用する労働者について、失業の予防、雇用の安定を図る、こういう措置でございます。だから、今雇用されている人が失業するのを防止するための措置であります。 それから、二番目につきましては、不幸にして解雇されたという労働者につきまして、生活の安定あるいは再就職の措置ということをとるというのがこの二項でございまして、私はそれに加えましてもう一つ、地域的な雇用機会拡大に関する措置というようなことも必要ではないかというようなことを申し上げたわけでございますが、いずれにしましてもこのようなことに、今申し上げたことになろうかと思います。 ただ、もう少し時間をいただきまして少し具体的に説明させていただきますが、要するに労働省といろいろ連携をとりながら進めていかなければならないと思うのでございますが、この十条に基づきます具体的な措置としましては、一つは雇用保険法というのがございまして、これに基づきまして雇用調整助成金の支給制度というのがございます。それの対象業種に指定をいたしますと、休業なり教育訓練を行う場合の賃金、雇っておる人たちに支払う賃金に対する助成というのがあるわけでございます。そういう制度がございますが、そのような制度が動くように、今申し上げましたような対象業種に指定するということも一つの手段であろうかと思っております。 それから第二番目は、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法と、こういう法律がございまして、この業種指定にやはりすると、今回私たちが対象としようとする業種を業種指定いたしますと、配置転換等を円滑にするための産業雇用安定助成金の支給といったものが行われることにもなりますし、離職者に対する雇用保険の延長給付の処置ということも行われることになるわけでございます。 ただ、これら今申し上げました措置は、やっぱり法律を発動する場合の要件がいろいろございますので、そのような要件に雇用状況あるいは失業の状況といったものが、現状そのような要件に合 うようになっているか、なっていないか、こんなようなことも含めまして労働省に御相談、そしてお願いをしなければならない面が非常に多かろうと思っておりますので、今後とも労働省とはこの面で非常に密接な連携をとってまいらなければならないというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 雇用面の対策につきましても十分な対応をお願いしたいと思います。 それから次に、農業との関係におきまして、農産加工業の役割を農水省はどのようにお考えなのか、御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいままで渡辺局長よりるる御説明申し上げたところでございますので、もうほとんど御理解いただいておると思いますが、農産加工業すなわち食品製造業でございますが、これに農水産物から提供いたしております加工向け、外食産業まで入れて約四〇%を占めるわけです。何せ外食産業が大体一〇%でありますから、一応三〇%の提供をいたしておるというのが農産加工業の日本の置かれておる立場であろうと存じます。このような大きな産業を形成いたしておりまして、そして雇用の場と所得の機会を提供しておるのが食品製造業の位置づけだと、かように認識いたしております。 そこで私は、国民に安定的な食料の供給を図る上で、農林水産業と並んでこの食品製造業は車の両輪にも例えられる地位にあると、こういうように考えております。したがって、今後サービス経済化の進展あるいは経済基調の変化、さらには価値観、ニーズの多様な国民意識の変化が進む中で、国民の食生活における食品製造業の役割はさらに増大していくと見られるわけであります。そういう意味では、この業界の体質と経営基盤の強化を図ることが重要であると考えておるわけであります。 このために農林水産省といたしましては、食品製造業のニーズにマッチした原料供給体制の整備、食品製造業の特質を踏まえた技術開発の推進、地域に立地する食品製造業の振興という立場で強力に施策を講じているところであります。今回の御提案申し上げました法案もそうした趣旨に沿って、今後の日本の食品加工業の強化を図るという意味で提案を申し上げている次第でございます。
○一井淳治君 農産加工業は農産物の消費をするかなり大きな分野だと思いますし、農産加工業が大規模であった場合には、農産物を大量に消費するということで、農産加工業は農産物の消費地ということで意味があると思いますけれども、そういった観点から農産加工業を守り立てて、これにあわせて農産物を配置したり作目の選択をしたり、そういったふうなことで地域の転作作物を見つけるとか、地域の農業を振興していくというふうな、農産加工企業を中心とする農業の振興というふうな考え方は、これはないのでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 通常の場合でありますと、農業がありましてそこで産物を生産する。それをより付加価値を高めて販売しよう、あるいは所得機会をもっとふやそうということで、食品産業といいますか、工業といいますか、企業といいますか、それを導入するというのが普通のあり方ではなかろうかと思っておるわけでございますけれども、先生おっしゃられましたように、まず企業をつくって、それに合った、その企業が必要とする農業生産といいますか、を周りにつくり出していく、あるいは定着させていくというのも地域振興のための一つの手段ではなかろうかというようにも思います。 しかしなかなかその場合でも、その地域が、その加工業が必要とする産物の適地であるのかどうかといったような前提といいますか、予見をきちっと把握しそれからまた、生産されたものがきちっと販売できるかどうかという見通し等も事前にキャッチしておく必要があるのではないか。こういうような気もいたしますが、いずれにいたしましても、先生がおっしゃるような方法も農村活性化のための一つの考え方ではなかろうかというように思っております。 私たち、この企業の立地等につきましては、御承知かと思いますけれども、県レベルで農業生産者とそれから加工業者の方々等々が参加いたしましていろいろな意見交換をして、そしてどのようなところに立地しようか、それからどのようなものをそれじゃ作付していこうかといったようなことを協議する場を設けておりますので、そのようなことで具体的に地域での加工業の立地なり配置、あるいは農業での作付なりというようなことが、計画的にといいますか、いろいろ相談の上で行われておるという面もございますので、そのような場でいろいろまた先生おっしゃるような方法も含めて議論をされるのが適切ではないかというように思っている次第でございます。
○一井淳治君 一つ具体的な事例としてブドウ酒工場について、これは一つの事例として質問申し上げたいわけでございますけれども、農村部にせっかくブドウ酒工場ができた。しかし、周辺にブドウ酒用のブドウを提供する畑作が行われていないというふうな地域が仮にあるとした場合に、私は、最近転作作物が非常に少ないし、また農産物の振興が非常にやりにくい状態の中では、今まではブドウの増産ということがかなり農林省では抑制するという態度でおいでになってきたわけでございます。しかし、より厳密に細かく検討するとブドウにもいろんな品種があって工業用にしか、ブドウ酒の原料にしか使えないようなそういう品種もありますし、確実にその工場にブドウを出荷するということが客観的に確認できる場合には、そういったふうなブドウは例外的に認めてもいいのじゃないか。そうしないと、そういったような細かいところまで考えてもらわないと、とてもとても現在の厳しい状況下では地域での農業の振興はできないのじゃないかというふうな感じがするわけでございます。 前に一度私、去年の五月十七日のこの委員会でお尋ねいたしたわけなんで、重ねてしつこいかもしれませんけれども、本当に農業の振興を考えているという熱意から質問するので悪く思わないでいただきたいんですが、あの際検討してみましょうというお言葉をいただいておりますので、もう一度お考えなり対策をお聞きしたいというふうに思います。
○政府委員(吉國隆君) ワイン用のブドウの転作上の取り扱いについてのお尋ねでございます。 水田農業確立対策におきましては、先生御承知のように、需給上問題になる作物への転換というのは対象作物として取り扱わないという原則がございまして、温州ミカンやリンゴ、ブドウというようなものがこれに該当するという原則になっているわけでございます。 ただ、果樹につきましては御承知のように果樹農業振興基本方針、またそれに基づく県の計画がございまして、需給との関係で新植が計画的に抑制されているという状況でございますが、全く植えられないということではないわけでございますので、この計画の範囲内でつくられるというものにつきましては実績参入を行うという道が一つ開かれているわけでございます。 先生のお尋ねは、先回お尋ねになりました点は実績参入ということではなくて、転作の助成金もこれに交付することはできないかというお尋ねであったというふうに記憶いたしているわけでございます。その点についてでございますけれども、一般論として申しますと、先ほど申し上げましたような需給上の問題から、対象作物から除かれているいわゆるネガ作物とこう呼んでおりますけれども、需給上そういうものと切り離して考えられるという特殊なケースについては、これは助成の対象にしていくという根拠規定も実はあることはあるわけでございます。 そこで、これはワイン用のブドウというものにどう適用していくかという問題があるわけでございますが、ワインの専門品種である、また契約栽培によりまして確実にそれがワイン工場に出荷をされる、一般の生食用の市場に紛れ込むことがない、こういう形が明確であれば、先ほど申し上げ ましたネガ作物から除く、例外から除くというルールを適用する余地も全くないというわけではないというふうに私ども考えている次第でございます。 お尋ねの、具体的な事例がどういうものかということを私ども、一応岡山県の事例につきまして調べてはみたわけでございます。県を通じて調べしてみたわけでございますが、私どもの承知しておる限りではマスカットべリーAという、これは兼用品種でございまして生食用にも出荷され得る品種でございますが、これを原料としているワイン工場があるということが判明しているところでございます。ただこの場合、こういう兼用品種であるということと、また明確な契約栽培という形になっておらないようでございまして、工場と経済連とがその都度話し合って、県内で生産されました一部のものをこの工場に出荷しているというような取引形態になっているようでございます。そういうことからワイン専用ということで、いわば分離独立して、専用園という形でブドウがつくられているという状況とは必ずしも判断できないという点があるように認識をいたしております。 いずれにいたしましても、そういうような形ができ上がりまして県として、そういうようなものを転作として推奨して問題ないという御判断になれば、国との協議を通じまして、先ほど申しましたようなルールを適用していくという余地も全くないわけではございませんが、現状で、私どもの知る限りの形ではちょっと難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。
○一井淳治君 高齢化という中で、なかなかブドウの栽培も大変なわけですけれども、品種によっては高齢者でも扱えるような省力化したブドウもあるように聞いておりますが、確かにマスカットの場合は生食用に使えるわけで私も適切でないと思います。そういった新しい品種をここへもってきて、そして諸条件が生食用に関係なくて、しかも契約栽培できるという、そういうふうな諸条件がかなった場合には例外的な扱いをしていただいて、例えば団地化した場合の助成等の補助金の対象にもなるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(吉國隆君) 水田再編の助成金の中に団地化加算というようなものがある点をめぐってのお尋ねかと思いますが、これは大もとの話として、先ほど申し上げましたような観点で助成の対象にしてしかるべきだということになれば、加算等も、一定の条件はございますけれども同様に支出し得る、こういうことになるわけでございます。基本のところで、需給事情を遮断して考えるにふさわしい栽培形態であるかどうかということに、結局はかかわってくるという関係になることを御理解いただきたいと思います。
○一井淳治君 それから、国産の農作物の消費拡大のためには、地域における食品企業の振興に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。特に、技術開発とか人材の育成ということが大事ではないかというふうに思いますけれども、そのあたりのことについて質問いたしたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 地域における食品加工業の振興を積極的にというお話でございますが、まことにそのとおりであろうかと思っております。 若干状況を御説明申し上げますと、先ほども御説明いたしましたように、食品産業も大きくなりまして出荷額なんかいろいろなものが大体一割ということ、全産業のうち一割を占めると申し上げましたが、地域におきましてはこの比率が非常に高うございまして、特に鹿児島県あたりではいろいろな製造業がございますけれども、そのうちで食品製造業が占める割合が五割を超えるという状況でございます。青森、沖縄等では四割を超えております。二割を超えておる県が十二県あるといったようなことでございまして、この地域の食品加工業の振興ということは地域振興そのものではなかろうかというようなことで、私たちそのような食品加工業の振興を積極的に進めてまいらなければならないというように考えておるわけでございます。 そのためには、先生おっしゃいましたように、まず一つは技術の革新だと思います。これは押しなべての話でございますけれども、食品加工業では技術の開発についての投資がほかの産業より非常に少ないわけでございまして、売上高の一%という程度にとどまっております。消費者のニーズが非常に多角化しておりますので、そのニーズに合わせた新しい形の食品をつくり出していくというようなことも必要なわけでございますけれども、そのためにはほかでもございません、技術開発を、技術投資をいたしましてその開発をしていかなければならないという面が非常に大きいと思っております。 この点につきましては、私たち中央におきましても研究組合というのに助成いたしまして、新しい最近のハイテク技術を食品加工業に導入できないかというようなことでの仕事も進めておりますし、地方レベルにおきましてもそのような技術開発のためのハイテクセンターといったようなものの設置に助成をするということを進めておるところでございます。 また、もう一つ重要な点は、地域の食品工業の振興のためには人材の養成というのが、これまた非常に大事な点だと考えております。この点につきましては、やはり中央レベルにおきまして私たち、このような食品加工業の団体を糾合いたしました団体でございます財団法人食品産業センターというのがございますが、ここに助成をいたしまして、製造メーカーの従業員を対象にいたしましていろいろな技術面、それから経営面含めました研修を中央レベルで行っておりますほか、地方レベルでも中小メーカーの従業員対象の技術研修といったようなことでの人材養成に努めておるという状況でございます。 今後とも、このような点につきましては重点的に考えて措置を拡充してまいりたいというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 食料の流れですけれども、農家が製造して、加工して、流通して、最終的には消費者にというふうに流通いたします。その中でそれぞれの業種のもうけといいますか、取り分があるわけですけれども、歴史的に見ますとだんだんと農家の取り分が減っていっている、そして流通関係の業者の取り分がふえていっているというふうなことがあると思います。 最近、農家の所得が、農業所得が減っているというふうな状況が顕著なわけでございます。何かと農水省とすれば非常にやりにくいことではあるわけですけれども、やはり農家を守るということで、食料支出の中で農家の取り分をふやすということが非常に大事ではないかと思うんですが、実情ともう何かいい対策があればどういう対策をおとりくださるのか、そのあたりについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま一井先生から御指摘のとおりで、まず数字等につきまして申し上げてみたいと思います。 食料の支出の中で受け取りますシェアでございますが、総務庁ほか十省庁で作成しております産業連関表から試算してみますと、最終消費者の飲食費支出総額の五十七兆九千八百二十億円のうち、農林水産業生産者が受け取る額は十五兆五千七百六十億円でございますので、全体の四分の一強程度、正確に数字で申し上げますと二六・九%を生産者が受け取っているわけでございます。 この受け取り額を先生御指摘のような形で推移を見てみますと、昭和五十五年と六十年について見ますと、農水産業生産業者は二八%ありましたものが二六・九%へと比率を低めているわけでございます。この金額といいますか、比率での減少部分一・九%は、それぞれ食品加工経費について〇・二%、流通産業について〇・二%、飲食店のサービスについて一・五%という割合でございまして、数字の上からいきますといわゆる飲食店サービス業のソフト化といいますか、いわゆる加工の高度化に使われている分で生産者の帰属部分が減っているという結果になっているわけでござい ます。 こういった点から考えますと、ことしの農業白書等についても触れておりますように、やはり加工度の高い方向にこのところ進んでいるということでございまして、農業者の方々がそういったことでダウンしているということではないと思います。ただ、先生御指摘のように、将来農業者の所得といったようなものをふやすのにはどういう方途があるのかということについては、後の御議論等についても議論になるところであろうと思いますが、現在各地域、農村分野におきましてそれぞれ農産加工業、あるいは一村一品運動といったようなものの中で、農家の方々がみずから、例えば漬物であるとかそういったようなものの中で加工の度合いを高められまして、しかもかつ直接的に一部のものは消費者の方と連携をしながら販売をされる。そういう都市と農村を結ぶ方向というものが行われておりますので、そういった中にも一つの農家の方々の手取り分をふやす道があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 ただいまの質問にも関連するわけでございますけれども、現在、生乳の生産者と牛乳メーカーの価格交渉が行われておる時期ではないかと思います。現在どういうふうな進行状態になっておるのか。そして、生産者の取り分がやはり圧迫されぎみではないかという心配をしておるわけでございますけれども、それに対してはある程度牛乳メーカーの方が全国的な団体を形成する等して、弱小な牛乳生産者がある程度団結をして、牛乳メーカーと対抗して価格交渉ができるようにした方がいいんじゃないかというふうなことも考えるわけでございますけれども、そのあたりのことについて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) お話ございましたように、生乳取引につきましては、ほぼ都道府県単位で設けられております指定生乳生産者団体と乳業メーカーとの間で交渉が行われておるわけでございますが、この中で、両当事者間で生乳の需給事情なり、あるいは生産費の状況等を勘案しながら適切な交渉が進められていくことを私ども期待しておるわけでございます。 今年度の状況でございますが、まだ両当事者間で鋭意交渉が進められておる状況でございまして、私ども承知をしておる限りでは、北海道それから近畿地方の数県におきましてほぼ妥結に近い状況になっておりますけれども、まだその他多数の県では交渉が継続中というふうに聞いておりまして、例年の交渉妥結のテンポから特におくれているわけでもないので、もう少し状況を見たいと思っております。 また、妥結内容としまして、価格形成の上でいずれかの側の取り分が圧迫されるのではないかというふうないろいろな御危惧が今示されたわけでございますが、現在なお交渉継続中でございますので、私ども特段の判断を差し控えたいと思いますが、一般論として申しまして、先生御指摘のような事態が生じておるというふうには私ども考えておらないわけでございます。いずれにいたしましても、両当事者間で取引交渉が価格を含めて早期かつ公正に妥結を見るように私ども期待をしておりまして、今後引き続きこの動向を注視していきたいというふうに考えておるところでございます。
○一井淳治君 厳しい状況に置かれております酪農家を守るという立場で、今後とも強い関心をお持ちいただきたいというふうに要望を申し上げます。 次に、この法律の対象業種でございますけれども、具体的にはどのような業種を指定される予定でございましょうか。また、その指定される業種で十分かどうかという判断でございますけれども、いかがでございましょう。
○政府委員(渡辺武君) 今御審議いただいております法案が通りました暁におきましては、私たちその対象業種として農林水産省令で具体的な業種を指定することにいたしております。その対象と考えておりますものといたしましては九つの業種がございまして、一つ一つちょっと申し上げてまいりますが、一つはかんきつ果汁製造業でございます。二番目は非かんきつ果汁製造業でございます。三番目がパイナップル缶詰製造業でございます。四番目がトマト加工品製造業でございます。五番目がバレイショでん粉製造業、六番目がカンショでん粉製造業、七番目がチーズ製造業、八番目がアイスクリーム製造業、それから最後でございますが、九番目が牛肉調製品製造業、以上九つの業種を指定させていただきたいというように考えておるわけでございます。 このような九業種を考えるに至りました理由でございますけれども、御承知のように、牛肉・かんきつ交渉あるいはそれに引き続きまして農産物十二品目の交渉が行われたわけでございまして、自由化が決定をされたわけでございます。そのうち全部が自由化されたわけではございませんけれども、自由化をされた品目のうち、国境措置をそれぞれとることによりまして国内製造業への悪影響を及ぼすおそれがないと見込まれる品目も、自由化はしたけれども関税を引き上げるといったような措置を講ずることによりまして、国内製造業への悪影響を及ぼすおそれがないと判断されるものも二品目ほどあるわけでございまして、それらを除きましてあとのものはそれを対象業種に選ばせていただいたわけでございます。 またもう一つは、自由化をしないわけでございますけれども、アクセスの改善等によりまして国内製造業が相当影響を受けるのではないかと懸念される物品、これはでん粉がそうでございますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、カンショでん粉、それからバレイショでん粉に分けまして業種を指定させていただきたいというように考えておるわけでございまして、以上、申し上げましたものを整理いたしますと九業種になるということでございます。 したがいまして、この九業種を指定させていただきますれば、去年の牛肉・かんきつ、それから十二品目の交渉によって自由化をしたものあるいはしなかったけれども、アクセス改善をすることによりまして影響を受ける業種はすべて対象とし得るというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 将来情勢が変われば、さらに追加指定があり得るのかという点をお尋ねしたいわけでございます。 そういったことも関連いたしまして、法の二条二項に「輸入に係る事情の著しい変化により、当該事業を行う相当数の事業者の事業活動に支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認められる業種」という要件が規定されておるわけでございまずけれども、この要件の判断基準、これにつきましても御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 先生御指摘ございましたように、二条の二項に今御指摘ございましたような条文を掲げさせていただいておるわけでございます。 これの具体的な考え方というものでございますが、業種を指定するためには、生産をいたしております農産加工品につきまして、自由化あるいはこれに匹敵するような輸入制度上の変更が生ずるということが要件にまずなるわけでございまして、単なる円高といったような、経済全般に及ぶような経済情勢の変化といったようなものは私たち、この際考えておりません。 要するに、端的に申しますと、自由化といったような輸入制度の変更があったものというのが第一の要件であるわけでございます。第二の要件は、そのようなことに起因をいたしまして、相当数の事業者の事業活動に支障が生じ、または生ずるおそれがあるということが認められるものでなければならない、こういうことでございまして、この影響度の把握は非常に難しいわけでございますけれども、要するにそういうことになることに伴いまして生産が減少するあるいは在庫が増加する、あるいは設備の稼働率が低下するといったようなことが想定されるわけでございますが、それらによりまして通常の事業活動を続けることが困 難になるかどうかということを総合的に判断するということを考えておるわけでございます。 将来、そのようなことがあってはならないというような感じもいたしますが、不幸にしてそのような状態になりました場合には、今申し上げましたようなことに該当する限り、先ほど御説明申し上げました九業種、これを追加していく、そして支援の対象に組み込むということは理論的には可能であろうかというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 極力弾力的な運用を要望いたしたいと思います。 次に、都道府県知事の承認ということが三条に規定されておるわけでございますけれども、その事業者の経営状態が良好な場合、そういう場合にも知事の承認を行うことを予定しておられるのかどうか、そのあたりの御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 今御説明申しました九業種にかかわる事業主が——事業主といいますか、経営体が経営の体質を改善するための計画を知事に出して承認を求めるわけでございますが、知事はそれにつきまして条件が整った場合に承認ということを行います。そうしますと、低利融資あるいは税法上の特例が認められることになるということでございますが、その場合の判断基準でございまして、要するに計画の内容が有効かつ適切であるためにはいろいろなことをやるための資金計画、資金調達の計画、あるいはそれが実現可能性があるかどうかというようなことを判断することになります。その判断に当たりましては、先生御指摘のように、加工業者の経営状況というものも考慮する必要があることは当然でございまして、計画に添付させてそのような状況をとりたいと思っております。 その場合、現段階におきましてはこの加工業者の経営状況がよかったというような企業、いいというような企業も中にはあろうかと思うわけでございますけれども、たとえ現状経営状況がよくとも、今回の自由化が現実のものになりまして、輸入品との競争が激しくなって将来相当の影響をこうむることが予想されるという場合には、これはまた当然のことでございますけれども、私たちといたしましては本法に基づく金融、税法上の支援措置を講ずる対象になるものというように考えておるわけでございまして、そのような判断をもとに承認につきましての事務を取り進めさせていただければというように考えておる次第でございます。
○一井淳治君 次に、消費者の間からは良質で価格の低廉な商品を提供してほしいという、流通機構の改善の要求が重なっておるわけでございます。農産物や加工品の場合は品質の問題、長期間保存ができないとか特殊な問題もあると思いますけれども、消費者に安く良質な食品が提供できるように流通機構を改善しなくちゃいけない、これは当然だと思いますけれども、どのように対策を講じられる御方針なのか、大臣のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) 消費者に対しまして安価で良質な食料を安定的に供給するためには、農業及び食品産業の体質強化と生産性の向上を図りながら、さらに食品流通についてはその機能の充実と合理化、効率化の一層の推進を図ることが重要と考えております。このため、従来から産地出荷体制の整備や卸売市場の整備あるいは卸・小売業の近代化、効率的な物流システムの開発等の施策を講じておるところであります。 今後とも食料品の生産及び消費の実態を踏まえ、さらに食品の流通の合理化、効率化に取り組んでまいる所存でございます。
○一井淳治君 十二品目のことでございますけれども、ガットの場で乳製品、でん粉については直ちに自由化は行われない旨表明しておるわけでございますけれども、この二品目については今後米国との協議がどのようになっていくのか、説明をお願いいたします。
○政府委員(塩飽二郎君) 今御質問のございました乳製品とでん粉は、御承知のように、我が国の十二品目に関する問題の一環として出てきた問題でございます。 昨年の二月のガット理事会におきまして、アメリカの要求で設立されましたパネルの決定をベースといたしました勧告が採択をされたわけでございます。その中で、我が国のいわゆる十二品目のうち十品目については、ガット上の義務に整合していないからそれを是正すべきであるという内容の決定がガットの決定として定まったわけでございます。そこで、この裁定を具体的に、どのように日本としては実行していくのかというのが大変難しい問題として出てきたわけでございます。とりわけ、この問題はアメリカの要請に基づいて提起をされましたので、アメリカとの間で実質的にどのように決着を図っていくかというのが問題になったわけでございまして、一方の牛肉・かんきつ交渉とほぼ並行いたしまして、パネル裁定の具体的な中身をどのように実行するかということにつきまして日米間で協議が行われたわけでございます。その結果、昨年七月に当面の解決策につきまして、アメリカとの間で合意が成立したわけでございます。 その合意内容といたしまして、特に御質問のありましたでん粉につきましては、御承知のようにトウモロコシの関税割り当て制度のもとで国産のでん粉との抱き合わせを行っておるわけでございます。その抱き合わせ比率の拡大、それから一次税率の引き下げ等を行ったわけでございますが、それを前提にいたしまして輸入割り当て制度そのものの継続、維持を確保するということによりまして、このでん粉の輸入割り当て制度の存続の確保を行うことにいたしたわけでございます。 また、乳製品につきましては、幾つかの乳製品が対象になったわけでございますが、その中で特に加工度の高いプロセスチーズ、アイスクリームなど一部の乳製品につきまして、昨年の十月から来年、平成二年の四月までの間に、ただいま申し上げた加工度の比較的高い一部の乳製品につきまして輸入制限の撤廃を行うほか、輸入枠の拡大を行うことといたしましたけれども、脱脂粉乳あるいは練乳といったような基幹的な乳製品につきましては、輸入制限制度の継続を確保することに合意を見たわけでございます。 これら、でん粉あるいは輸入制限の制度を維持することにいたしております基幹的な乳製品につきましては、平成二年度に、これは現在進行中のウルグアイ・ラウンドの最終の年次になっているということもございまして、アメリカと再協議をするということになっておるわけでございます。その際には、でん粉及び酪農ともに我が国農業の極めて重要な農産部門の一つでございますので、その存立が図れるよう、各品目の生産状況等を踏まえながら適切に対処していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 現在自由化されていないあるいはする約束のない二品目でございますけれども、適切な対応という言葉はいろいろな意味を含んでいると思いますけれども、国内産業を守るために自由化をしないという基本方針で対処いただけるものと私どもは思っているんですが、いかがでござ いましょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) 御承知のように、この十二品目問題についてのアメリカの要請は大変厳しい内容でございましたけれども、そしてまた、ガットのパネルによる判断というものも一方ではあったわけでございますが、我が国といたしましては、今回の交渉におきまして、ただいま申し上げましたようにでん粉及び基幹的な酪農品につきましては、その我が国農業に占める重要な地位に十分配慮いたしまして、輸入制限制度の維持という内容で交渉の決着を見たわけでございますので、来年に予定されております再交渉に当たりましても、ただいま申し上げたような交渉の経緯、かつまた我が国農業に占めるこれら両部門の重要性を十分踏まえまして対応していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 これ以上の自由化はしないという 立場での御努力を要望申し上げます。 それから次に、ウルグアイ・ラウンドでの農業交渉についてはどのように対処しておいきになるんでしょうか。
○政府委員(塩飽二郎君) ウルグアイ・ラウンド、約十五の分野をカバーして、そのうちの重要な部門の一つに農業がなっているわけでございます。既にウルグアイ・ラウンドが正式にスタートを切ってから二年半近く経過いたしたわけでございます。ことしの四月には、中間レビューということでこれまでの経過の総括と、今後の残された期間における交渉の進め方につきまして大枠の合意がなされたわけでございます。 農業につきましては、とりわけ今回の交渉においては主要輸出国が極めて重視をいたしておりますし、また我が国にとっても今後の我が国の農業の存立を図っていく立場から、極めて我々としては重要な交渉分野というふうに認識をいたしているわけでございます。 今回の交渉におきましては、農産物貿易に影響を及ぼすあらゆる措置を対象にするということで、かねて私どもが公平な貿易のあり方という観点から問題にいたしております、アメリカのウエーバーによりカバーされている輸入制限措置あるいは輸出補助金、さらにまたECが対応いたしております可変課徴金制度、そういったものも全部包括的に対象にするということで行われておりますし、かつまたガットのルールのそれ自体を見直しする、そして新たな貿易秩序の形成を図るという観点から交渉を行うことになっておりますので、私どもはそういった交渉の極めて包括的な性格を十分踏まえながら、大輸入国としての我が国の立場の確保が図られるよう対処していく必要があると考えておるわけでございます。 特に、ことしの四月の貿易交渉委員会の農産物に関する合意の一つの要素といたしまして、今後の農産物交渉においては、食料安全保障などの貿易政策以外の要素についても議論の対象となるということが合意をされておるわけでございますので、こういった食料安全保障といったような、我が国農業を守っていくために重要な考え方でございますので、この合意事項を踏まえて食料の安定供給の確保、あるいは国土環境保全といった農業が果たす多様な役割に十分配慮し、我が国が置かれた農業の実情というものを主張しながら交渉に臨んでいく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○一井淳治君 この四月の貿易交渉委員会でしたか、農業保護を段階的に相当期間のうちに縮小していくということが決められたようでございますけれども、その意味をめぐってアメリカあたりでは、大体アメリカの従来の要求が入れられたんだというふうなことが国内では報じられているというふうに聞くわけですが、あの取りまとめについてそれほど心配はしなくてもよろしいんですか。
○政府委員(塩飽二郎君) 四月の中間レビューで農業分野についての合意内容をどうするかということで、一つの争点は、ただいま委員の方からお話がございました具体的な農業交渉の目標をどの程度のものにするのかということでございました。 お話がございましたように、アメリカは、農産物については政府の行っているいろんな措置が、結局貿易に悪影響を及ぼしているのであるから、これをすべて最終的には撤廃することを明示的な目標とすべきであるということを強く主張してきたわけでございます。それに対してケアンズ・グループなども、アメリカほど強くはございませんでしたけれども、やはり最終的には撤廃すべきであるという主張をしたグループでございました。 そういった非常に強い農産物自由化の考え方をとる国に対しまして、ECあるいは日本、それからその他の農産物の輸入に依存する度合いの強い国は、やはり撤廃というのは行き過ぎである、農産物なり農業の果たしている役割にかんがみてそれぞれ必要があって行われている農業政策であるから、それを全部撤廃するというのは行き過ぎであるという主張を強く行ったわけでございます。その結果、今回の四月の中間レビューでの合意では、一定の交渉の中で合意する期間に、段階的に相当程度の保護の引き下げを行っていくということを目標とするという合意がなされたわけでございます。 そういう経過をたどりました結果、出てきた合意が今申し上げたような内容でございます。合意の内容は決して撤廃を目標とするという文言にはなっていないわけでございまして、明らかに保護の相当程度の引き下げということで合意がなされておるわけでございます。しかし、アメリカなどは、全部ではございませんけれども、アメリカの議会あるいは政府の一部には、やはり本来撤廃にまで持っていくべきであるという考え方自体引っ込めてない人たちもいるというふうに理解をいたしておりますので、文言上のそういう合意はともかくとして、今後の交渉においてそういうアメリカの強い主張が、いろんな機会にやっぱり出てくる可能性までは否定できないのじゃないかというふうに思われるわけでございます。 しかし私どもは、この中間レビューの文言に至る過程で我々の主張した考え方にのっとりまして、この合意内容を手がかりにして農産物なり農業に果たしている政府の役割、農業支持制度の果たすべき役割というものが今回の交渉において十分正当な評価を受け、位置づけが与えられるような交渉に持っていくべきであるということで対処する必要があると考えておるわけでございます。
○一井淳治君 最後の質問でございますけれども、附則の二条を見ますと、五年を経過した日に効力を失うとされているわけでございます。本法の五年後における取り扱いはどうなるんでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 先生今御指摘のように、附則の二条におきましては「五年を経過した日に、その効力を失う。」ということにさせていただいておりまして、要するに五年間の時限立法として考えておるわけでございます。その理由は、先ほど御説明申し上げましたように、今回九業種につきましてのいろいろな体質改善のための支援措置を講じて、新しい経済環境に対応していただきたいということを考えておるわけでございますが、それは大体五年間あれば十分準備し、かつできるのではないかという判断に立っておるからでございます。 ただ、今御指摘がありましたように、乳製品とかでん粉とかにつきましては再協議をしなければならないというような状況もまだ残っております。それから、ウルグアイ・ラウンドで本格的な交渉が今後二年間にわたって行われるわけでございますが、それらにつきましてもなかなか難しい局面がないわけではないと思うわけでございまして、要するに国際環境の変化につきましての予測ができかねる面もあることは事実であろうと思っております。 したがいまして、五年間たった後の取り扱いにつきましては、私たち、その時点におきます国際環境の状況あるいは農産加工業の今申し上げましたいろいろなことをやりまして、新しい経済環境に円滑に対応できたらどうかというような、その動向等も勘案いたしまして判断をする必要があるのではないかというように考えておる次第でございます。
○刈田貞子君 特定農産加工業経営改善臨時措置法案について質疑をさせていただきます。 私は、まず一番最初に、大臣にこの立法措置についての基本的なお考えをお伺いするわけですが、先般の大臣の趣旨説明の中に、牛肉・かんきつ、農産物十二品目の自由化が決定となり、農業者ばかりでなく、地域農業と密接に結びついている農産加工業者も大きな影響を受けることが懸念されるのでこの法案を出したと。その自由化の影響をこうむる特定の農産加工業者に対して、経営の改善を促進するための金融、税制上の支援措置を講ずることにより、農業及び農産加工業の健全な発展に資するというふうに述べておられます。そこで、この基本的なお考えをさらに確認させていただきます。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま刈田先生の御指摘のとおりで、また法案の提案理由の説明のときにも申し上げたわけでありますが、先般の日米協議等におきまして、牛肉・かんきつ、農産物十二品目について輸入数量制限の撤廃、輸入アクセスの改善等が決定されたところでありまして、自由化等関連対策として、農業者に対する影響を緩和するために、農産物の生産性向上のための産地条件の整備等を行うことといたしております。しかしながら、今回の自由化決定等により、農業者ばかりでなく地域農業と密接に結びついている農産加工業者も大きな影響を受けることが懸念されております。生産対策等とあわせて農産加工対策を講ずることが重要な課題となっておるわけであります。 したがって、本法案はこのような状況にかんがみまして、自由化の影響をこうむる特定の農産加工業者に対し、その経営の改善を促進するための金融、税制上の支援措置を講ずることにより、新たな経済的環境への円滑な適応を図り、もって農業及び農産加工業の健全な発展に資することを基本的な考え方といたしておるものであります。
○刈田貞子君 法案についてのいろいろと中身に入って伺いたいところでございますが、先ほど来、同僚委員の質疑もございましたので、いろいろ勉強させていただきました。そこで私は、本案がいわゆる計画承認行為を都道府県知事に委任している部分があるわけですが、このいわゆる政府の承認基準であるところの「新たな経済的環境に円滑に適応するために有効かつ適切なものであること。」が一つと、それからもう一つが、「地域の農業の健全な発展に資する」ことということがうたわれております。 そこで、私はこの「地域の農業の健全な発展に資する」というところにずっとこだわり続けてまいりました。先ほどからのお話を伺っておりますと、食品工業会が行っている原材料調達の現状を、先ほど渡辺局長は海外資材に依存している部分が四〇%というふうにたしかおっしゃったような気がするんですが、私たち一般的には三割ユーザーというふうな考え方、日本の農業に対して三〇%のユーザーだとこういう感覚でずっといたわけですね。その辺のところ、ちょっとさっきの認識と私違うので改めてそれ伺います。それとあわせて、日本の農業の発展に資するという考え方が三割ユーザー的な程度のものを想定しておられるのか、その感じと、それからもう一つは、私は、ただ単に原料調達がその程度のものであっても、例えばそれによって地域経済活動が講じられ、雇用の場が創出され、そして地域経済に与えるインパクト等々考えれば、決して「地域の農業の健全な発展に資する」ということと離れてはいないというふうに思うんです。でも、基本的な考え方として「地域の農業の健全な発展に資する」ということをまず確認させていただきたい、このように思います。
○政府委員(渡辺武君) まず、先ほど私が御答弁申し上げました点についての御指摘でございますが、食品加工業全体で押しなべてみますと、食品加工業が必要とする原料のうち六割は国内産のものを原料にいたしております。海外からの輸入に依存するものは四割でございます。そしてそれには、食品製造業と申しましても大体大分けして二種類ございまして、素材型と加工型とそれによって比率は若干違いますと、こういうことを申し上げました。それからもう一つは、今度は農業面から見ますと、農業生産額のうち三割は加工業向けに出荷されております。加工業が、農業生産の三割部分は顧客となって引き取っておりますということも申し上げたわけでございまして、それは、片っ方は加工業の立場から見た原料調達のウエートについてのものでございますし、もう一つは農業側に立ってどの程度のものが加工業にいっているかということについてのものでございまして、三割と四割、ちょっと紛らわしいかと思いますけれども、そのような趣旨でありますので、御理解をいただければと思います。 それから、今回の法案の内容が自由化によって影響を受けます加工業者の体質を強化するために、いろいろな措置を低利融資あるいは税制上の面で講ずるということでございますので、これは第一義的には加工業対策であるわけでございます。しかし、この加工業対策はあわせて、先ほど御説明申し上げましたように三割であるからということかどうか。少なくとも三割という、私たちの認識ではかなり大きなウエートを持つ割合で、農業の産出物の三割は引き受けてくれておるということでございますので、加工業が自由化によりまして経営の内容が悪化して、不幸にしてそれが撤退をする、縮小をするというようなことになりますと、それはひいては農業にも非常に大きな影響を及ぼすのではないかということを強く意識しておるわけでございまして、したがいまして車の両輪と申しますか、加工業対策は即農業対策でもあるというように考えております。 したがいまして、加工業に対する振興対策を今回考えるのではあるわけでございますけれども、そのことは、農業自身も自由化にとってダメージを受ける部分につきましては体質を改善していくという方向での努力、これが行われるわけでございますが、そのような努力の方向と加工業に対します助成の方向がぴったりと合ったような形で行われる必要があるということを、宣言といいますか、条件づけたものが「地域の農業の健全な発展に資する」ということを承認の一つの基準として設けた事由であるわけでございます。
○刈田貞子君 三割か六割か、業種によっていろいろ違いますからね。平均してそういう考え方があると思います。 それで、私は話を先に進めますけれども、地域農業の健全な発展に資するということが、今の御答弁によればあわせてそれは食品工業の発展とも符合するのだ、こういうことですよね。車の両輪とおっしゃいました。 そこで、私はこの法案をしっかり読みました。確かに、農林水産省が出す法案としては大変画期的なものであろうというふうに思うんです。だけれども、これを本当に今言われたように、車の両輪のような形で一体的な発展方向を目指すということにはいろいろな難しさも現時点ではあろうかというふうに思います。そこで、やっぱり農産加工業と地域農業とが本当に共存共栄していくというに当たっては、私はさっきから同僚委員のお話伺っておりましたが、原材料、農産物の価格の問題、こういう問題であるとか、あるいはまた加工食品の材料としての適性というような問題ですね、こういう問題が非常にあろうかと思います。 例えばオレンジなんかにしても、日本の温州ミカンはジュースには向かなくて、むしろバレンシア・オレンジの方がいいんだというような問題ね。そうすると、ジュースに向くようなオレンジを生産しなければやっぱりユーザーの御注文がないわけですから、そういうふうな問題とか、もっと大きな立場で考えれば日本の麦だってパンとかクッキーにはなかなかなりにくい。ビール麦どうですか、ビール麦もそうですね。そんなふうに実需者のニーズに従った農産物の生産ということも、これが車の両輪で発展していくということになれば非常に大きな課題になっていくんじゃないか。これをやっぱり農村も目指さなければならないんじゃないか。さらには、契約栽培的な問題を考えれば、国内ないしは地域から素材を確実に入れるということになれば、確実に、安定的に供給ができる土壌というのが本当にあるのかどうなのか。これは素材を得る工業会にとっては重大な問題でございますから、そういうふうな問題とか、非常にこれは大きな課題があるというふうに思うんです。 それからもう一つは、農業側から今、地域活性化のために一村一品運動なんかが起きておりますね。こういうふうな動きについて工業側はどう見ているのかというふうな課題もあわせで出てくるだろうとかね。一つ一つ挙げていきますと、これは非常に私はまだまだこの法案がいい法案だったというふうに言われるにはクリアしなければならない課題がたくさんあるし、それに向けての御指 導というものはとても大きな意味を持ってくると思うんですけれども、この辺のところについてお伺いいたします。
○政府委員(渡辺武君) 農業生産の三割を引き受けてくれているというようなことで、非常に大きな顧客であるということが食品加工業については言えると。それから、国民に対して安定的な食料を供給する上で非常にボリュームが、食品産業自身が大きくなってきておるということでございまして、それらをあわせまして農業と並んで車の両輪といったようなことで、お互いが共存共栄していかなければならないという意識が非常に私たち、最近といいますか、近年強くそのような意識を持っておるわけでございます。そのためには、先生今いろいろ御指摘ございましたように、やはり今後私たちとしても努力をしていかなければならない課題がたくさんあろうかと思います。 まず、先ほども御答弁を若干申し上げたわけでございますけれども、一つは、やはり価格の面だろうと思います。原料を供給する場合の一つの大きな条件としての価格の面だろうと思います。 価格の面につきましては、やはり非常に国内産のものは高いということを食品加工業の方々は思っておられるわけでございまして、このような面につきましては、先ほども申し上げましたけれども、一つはやはり加工用に廉価で供給するということで、お米につきましては他用途利用米の制度、こういう制度がございまして、そのようなものをつくって加工業者のために便宜を供しているという面もございますし、そのほかいろいろな農産物につきまして非常に農業の状況、ここは苦しい中ではありますけれども、行政価格も六十一年以降順次引き下げてきておるという努力も続けておるということでございまして、この点加工業者の方々におかれましてもそれなりの評価は、私たちいろいろな場でお話をするわけでございますけれども、理解は得られておるように思います。ただ、もう少しテンポを速められないかといったような御意見が強いわけでございますが、そのような価格の面での問題が一つでございます。 それからもう一つは、これも御指摘がございました質的な面でございまして、加工企業が必要とする品質なり規格なり、そのようなものに合ったようなものが加工業に安定的に供給されていくという必要があるわけでございます。 御指摘いろいろございましたけれども、一つはやはり加工適性品種と申しますか、まず品種の面から加工業者が必要とするような性質、品質を持ったような品種に切りかえていくという努力も必要かと思いますし、また安定的な取引をしていくためには加工業者が必要とするいろいろなニーズ、このようなものがこの時期これぐらい欲しい。それから一方生産者の方では、私の村ではこのようなものならば、この時期この程度の値段でこれだけの量供給できますよというのが全国にいろいろあるわけでございますけれども、それがどうも加工業者と生産者の間でうまくその情報がドッキングしないという状況が大分多いものですから、私たち新たに国産原料情報システム化促進事業と、非常にかたつ苦しい名前でございますけれども、その仲立ちをするような機構をつくって、お互いの情報を、ああそうか、そういうものがそこにあったのかというようなことで知り合いまして、そして話をする過程におきまして、いろいろな具体的な取引に結びついていくということを期待する事業も始めたりしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この点につきましては加工業者の面におきましても、農業者の面におきましてもそれぞれがやはり努力をしていかなきやならぬと思っております。生産者の面からいたしますと、加工トマトだとかサトウキビだとかてん菜といったように加工しなければもうどうにもならないものは、これは加工業者と非常に密接な関係がありますが、それ以外のものにつきましては、まず値段の高いときには市場へ生鮮で売る、そして余ったときにそれを加工業者が引き取ってくれないかというのが大体普通の行動でありまして、それでは加工業者は困るわけでございます。 また、加工業者の方も初めからきちっと農業者から一定量、一定価格で買うということが望ましいとはいうものの、実際の行動としては、たくさんとれたときにはどうせ余るんだから、言葉は悪いですがそれを買いたたいてやろう、それで安く原料を供給してやろうという行動がないわけでもないわけでございまして、このような点、お互いがやはり車の両輪、共存共栄を図るためには自制をしながら安定的な取引というものに向かって努力をしていかなければならない、私たちはそれを推進していかなければならない。若干精神的になりまして恐縮でございますが、思っておる次第でございます。 それから、もう一つの点につきましてでございます。地域におきまして食品加工業というのは非常に大きなウエートを占めておりますということを御説明申し上げたわけでございますが、一村一品運動というようなことで地域におきまして生鮮物もございますけれども、この加工品につきましても私たちの部落でとれたあるいは村でとれた、いいものだということで個性豊かな地場産品の販売というのが大分行われるようになってまいっておりまして、地域経済の活性化ということにも大きくつながっておるわけでございます。このような動きに対しまして、先生今御指摘ございましたように、工業といいますか、食品産業の中でもいろいろな分野があることもありまして、地域での、根っこが地べたにくっついたようなこの食品産業についての必要性なり、その振興についてなかなか御理解を賜れない分野がないわけでもございません。 私たちいろいろな方々とお話をするわけでございますけれども、このような食品産業の中枢部の方々に対しましても、この一村一品運動の例に見られるような、地域での食品産業の発展と振興ということにつきましてより一層の御理解を賜るような努力をしてまいっておるところでございまして、今後ともそのような方向で、私たちといたしましては一村一品運動的な食品加工業に対しましても、いろいろな事業をしつらえまして助成もしているということで、このような面につきましても重点の一つとして考えてまいりたいというように思っておるところでございます。
○刈田貞子君 私の感想ですけれども、一村一品がいい形で発展してきているというふうに思うんですね。もう一つ各地域で耳にするのは、売り先を何とか世話してほしいという話が出てまいりまして、やっぱりマーケティングみたいなものに関するノーハウをむしろ工業会の方たちから聞いていくというような、そういうこともこれから必要だなという、これは私の感想なんですけれども、そういう思いをしております。だから、生産工業の人とかあるいは流通の人たちからいろいろなやっぱりノーハウを聞くことによって、マーケティングのつくり方というのが、どういうふうにあるべきなのかというふうなことをやっぱり農村ではもっと研究していかなきゃいけないんじゃないかなという感想を持っています。 それで、さらに原料調達にこだわるわけですけれども、これまで食品工業にあっては原料調達を、例えば国内産のを使おうと思えばやっぱり各種の農業部門が価格を押し上げるというような形で調達しづらい面があった。一方で、海外素材を得ようとすればこれまた海外の課徴金制度であるとか、関税であるとかいうふうな輸入保護策でもって、大変いろいろ障害があって頭をかしげているという部分があったのだろうと思うんです。ところが今度は、この自由化によりましてその輸入品に対する一つの、何というんでしょうか、歯どめというものがなくなるわけですね。そこで、私は海外からの原料調達というのがこれから先あらゆる分野の食品加工において進むのか進まないのか、私は少なくとも進むであろうというふうに思います。そこで、そうなりますとさっきの地域農業の健全な発展に資するということとの関係でどうなっていくのかなという心配があるわけでございます。 そこで、端的にお伺いをいたしますが、国産原材料、つまり国産農産物を使わなくてやっていく加工業者も対象になるのでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 先ほどから申し上げておりますような農業政策との調和といいますか、農業との関係をかなり私たち重視をしておるわけでございます。そのようなことからいたしますと、国内のといいますか、その地域での農産物を使っておらない農産加工業者につきましては、やはり私たちこの制度といいますか、の対象とはできないのではないかというように考えております。
○刈田貞子君 いわゆるその承認は都道府県知事が委任されているわけでありますけれども、やっぱりそうしたものを承認するかしないかに当たっては、何らかの私は歯どめが要るのじゃないかなというふうに思います。企業ですからやっぱり利潤を追求いたします。安い原材料はどうしても欲しいですね。ですからその辺のところ、どうなんでしょうかね、海外の素材、輸入する素材は三〇%までとかいうふうな数字を書けばまた国際的に問題になるでしょうから、何らかの形でこういうものに歯どめをかける必要があり、それをしておかなければ当委員会においてこれが立法措置される意味も薄れてくるのじゃないか、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 先生のおっしゃることもよく理解できるわけでございますけれども、私たちいろいろこの法案を作成する過程で検討させて いただきました。おっしゃるように、国内産原料を何%以上使ってなきゃだめだとかいうようなことを法律上きちっと規定するというのは、非常に これ国際的問題との関係等もございまして難しいわけでございまして、そのような趣旨を十分頭に置いて制度は運営さしていただきたいとは思いますが、定量をもってきちっと一定にそういうものを決めるということは、制度上予定はしておらないところであることを御理解賜りたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、そういう意味では非常に慎重でございますが、地域の農業の健全な発展に資するという判断基準を、知事が具体的に地域の農業の面も非常にお詳しい立場にあるわけでございますので、そのような点を十分頭に置いた判断をしていただけるものというように考えておるところでございまして、法律上あるいは法律制度上、先生おっしゃいましたようなきちっとした基準はその面では設けておらないわけでございます。
○刈田貞子君 いろんな障害があることはわかるんですけれども、恐らくそこら辺のところがやっぱり一番私は問題になると思います。どうなんでしょうかね、今後この法案が通ったときには政省令なんかもできていくことになるのだろうと思うんですが、その中ではどうですか。
○政府委員(渡辺武君) いろいろちょっとセンシティブな問題でございまして、法律では無理であってもその下の段階のいろいろな取り決めといいますか、そのような中で考えてみてはどうかということでございますが、この点は非常に難しいというように私たち理解しております。 なお、せっかくの御指摘がございました点でございますので、いろいろ検討はさせていただきたいというように思っておりますが、非常に難しい問題だというように理解をいたしておる次第でございます。
○国務大臣(堀之内久男君) 今の刈田先生の御質問、今回の法案は、農林水産省としては初めてなんですね、こういう農産物加工という加工業界に融資をする、税制のこういうことをやるというのは。 これは農産物十二品目に対して今回出したわけですが、先生がさっきから御指摘になっております農産加工業、これは農業の今後振興を図る上にはもう絶対切っても離せない全く車の両輪の私は企業だと思っております。今回は、九品目だけを一応指定はしますが、今後の農業経営の安定を図るという立場からは、このようなこれ以外の農産加工業というのも非常に数多いわけです。そういうものにもやはり通産省がいろいろと中小企業対策をやっております。その面で一部を利用しておる業界もありますが、私は、今回はこれで一応まず発足させていただき、さらに将来検討を加えてやはり地域農業の健全な発展を図るという立場からこの法案をさらに拡大すべきだ、こういうふうに思っております。 そして、私もずっと農産加工をやってきたわけですが、一番困るのは季節産業なんです。原材料というのはその季節季節で年一回しか出てこない、ここに農産加工業の一番厳しいところがあるわけです。一年間原材料を仕込んで一年でずっと出せるものもあれば、幾ら仕込んでも半年で終わるというものもある。したがって、複合産業でない限りこの農産加工業というのは成り立たない。 だから、ただこのジュースならミカンジュースだけをやるといったって、これはミカンが出るのはわずか三カ月でございますからあとは原材料はなくなる。あとは休むというわけにはまいりません。もちろんジュースをタンクに仕込みますが、あとはもう精製して送り出すというだけでありますから大部分の工場が休んでしまう、ここに非常に問題があります。だから、我々は今後やはり地域の農業と、ミカンが終われば次は野菜のジュースをつくるとかいろんな形でその地域の農業と密着した農産加工、こういう方向をたどっていかなきやなりません。
○刈田貞子君 やっぱりそこに私はこだわります。 それで、それならばでき上がった製品に対してどんな素材を使ったかという、その出所をちゃんとすべきだと。それで、この間大臣言っていらした各県のマークつけようかって何かおっしゃっていたけれども、ああいうふうな考え方は私は必要だと思うんですよ。例えば原材料原産国、こういう考え方をやっていかなければ、安全性の問題の範疇の課題だけじゃなくて、何の素材、どこの素材を使ったかっていうのは、例えばこんな法律をつくってあっても何だ、海外資材を調達してきているところに全面的に応援してきているのかということにもなり得るわけですから、やっぱり私は、できれば原材料原産国というふうな、ないしは主要原材料——原材料というのは、頭から使っている量をずっと比べて書いていくわけです。多く使っているものから順に書いていくわけですね、一括表示の中で。少なくとも主要原材料の原産国くらいは書けませんか。それでやっぱりやらないとまずいと思うんです。いかがでしょう。
○国務大臣(堀之内久男君) この前も申し上げましたが、今後私は、やはりおっしゃるように、ただ加工品だけに限らず、恐らく生鮮食料品等についても原産地証明というものをお互いがそれをやることによって、私は安全衛生というあるいはまあ良質な食料であるということで信頼を受けると思うんです。 ただ、私も局長の方に一応相談してみましたところが、この原産国証明はあるいはまた貿易障壁だという形で外国産を排除する、こういうことで将来物議を醸すのではないかという心配をいたしておるようです。したがって私は、今お話のように、主要原材料は国産でありどこの産地かぐらいは、日本の農産物の信頼確保という立場からそういう証明を書くということは、非常に今後の日本の農業の振興の上からも極めて重要だと思っておりますので、この辺これから十分勉強させて、検討をさせていただきたい。
○刈田貞子君 局長、食品流通局で、あれは消費経済課ですか、抱えておる例の地域食品認定制度あるでしょう、あの地域食品認定制度みたいなものを使って、これは県知事の所管の事業だと思うんですが、ああいうものを使って、長野県産なら長野県産のそば粉を使っておるということをきちっと書けば、ああこれは台湾のそば粉じゃないんだな、韓国のそば粉じゃないんだなということがわかるというふうなやり方、ミニJAS的な発想、これはいかがですかという質問が一つ。 それから、公正取引委員会さんおいでいただいていますでしょうか。——公正取引委員会に伺い ますが、今公正取引委員会でもこうした食料品には限りませんけれども、原産国表示についてはかなりいろいろ調査をなさり、そして研究会も発足させておられますね。ことしの夏あたりにはその決まったものが出てくるということを私伺っておりますけれども、これやっぱり法律事項となるとなかなか難しい面があるのは私も長年やっていてよくわかっております。したがいまして、これは私のほんの思いつきでございますけれども、できれば公正競争規約のような制度を使って業界から自主的にそういうものを書いていただくというようなことが、公取として扱えるのか扱えないのか。 現状の問題がどういうふうに進んでいるのかが一点と、それから公正競争規約による方法はどうなんだろうかという問題が一点と、二点お答えいただきたいと思います。 まず局長から。
○政府委員(渡辺武君) 先生の御指摘の点にお答えする前にちょっと時間をいただきまして、先ほど加工業と農業とのつながりにつきまして、政省令を含めてそれを担保するような配慮はどこにあるかという点につきまして、もう少し補足さしていただきたいんですが、法律上は、今御議論ございましたように、地域農業の健全な発展に資するということを基準の一つに置いておるということでございます。それから融資機関としましても、そういう面では農業サイドにも精通しております農林公庫を使うということもその一つに当たろうかと思います。ただ、お話しございましたように、国産原料使用比率といったようなものをきちっと位置づけるということは非常に難しいということで、これは御理解をお願いしたいと思います。 もう一つ、このような観点で地域農業との関係を中心に物事を考えたいということにつきましては、税制面でいろいろな、特に特別土地保有税あるいは事業所税の減免措置を考えておるわけでございますけれども、その場合に対象となる施設は、地域農業との関係の深い施設、例えて言えば搾汁施設といったような、農産物を第一次的に加工する施設にこれを限定することを政省令段階でも考えておるわけでございまして、そのようなこともこのつながりを担保する措置の一つに考えていけるのではないかというように思っておることをつけ加えさせていただきます。 それから、今の御指摘でございます、ミニJASというような手法を活用して、何といいますか、原産地あるいは原料の原産地といったような表示に取り組めないかというようなお話でございますけれども、外国品につきましての話、いろいろ原産国表示をするといったようなことでの取り組みが一方あるわけではございますけれども、逆に国内産につきまして外国産よりかは証明しやすいような状態にもありますものですから、可能な限りこれを国内産について普及していくという考え方があることは事実でございますし、私たちそのようなことで取り組んでいかなければならないのではないかと思っております。 ただその場合に、これを法律上というのはなかなか難しい分野がございまして、困難な面が多いわけでございますけれども、御指摘のミニJASというような方法を含めて私たち、県レベルあるいは県などの地域レベルで、原産地あるいは原材料の原産地というようなことも含めまして表示を行っていくということは、ぜひともこれ必要なものではないかというように考えておりまして、今後の課題として鋭意検討を深めてまいりたいというように考えておる次第でございます。
○説明員(山田昭雄君) 御説明いたします。 二点御質問ございましたが、まず現在、原産国の表示につきましては、私どもで景品表示法四条の三号という規定に基づきまして商品の原産国に関する不当な表示を指定しまして、商品の原産国につきまして一般消費者に誤認されるおそれのある表示というものを、これを規制しておるわけでございます。景品表示法は、不当な表示を規制対象といたしまして、公正な競争を確保し、一般消費者の利益を図るということでございまして、同法に基づきまして、特定の事項の表示を一般的に義務づけるということはなかなか難しい問題があろうかと思います。これが第一点でございます。 次に、それでは公正競争規約で設定されたらどうかという御質問でございますが、業界で原産国表示の方法につきまして検討を行いまして、原材料の原産国の表示方法につきまして公正競争規約でこれを定めるということは、これは一つの方法であろうかとも考えられるわけでございます。ただし、一般的に加工食品は原材料を非常にいろいろのものを使っております。主要な原材料という考え方もあろうかと思いますが、またその原材料も、国際的な市況等によりまして、時期によりましていろいろな国から仕入れるということもございます。一つの小さな表示面積のラベルでそれぞれを書くということもなかなか難しい問題もございます。仮に、関係業界におきまして公正競争規約をつくる、そういうような場合がございましても、そういう意味でその実効性あるいはその原材料表示を表示させることによりまして国際通商上相手国に与える影響というような問題、こういったことを十分検討する必要があろうかと思います。
○刈田貞子君 表示の問題だから公正取引委員会さんに申し上げておきますけれども、ラベルが小さいから、面積がないから書けないというのは、これはやっぱりちょっと言い逃れでありまして、最近のPOSのバーコードを見てごらんなさいよ。最初小さくて登場してきたのにこんなに大きくなってチョコレートじゅうバーコードになっちゃっているようなそんな大きな面積を占め始めているわけで、あれだって十三けたないしは十五けたの頭二けたが原産国でしょう。あんなものだって工夫すれば何とか原産国表示に結びつくことに何か使えないかって消費者の方が一生懸命考えているんですよ。考えないのは行政の側なんですからね。しっかりしてもらいたいと思います、本当に。これは消費者、消費者団体の物すごいニーズなんです。製品及び原材料の出所はどこかというのは今一番知りたい情報なんです。だからこれ、何らかの策を講じて工夫してやっていくというのは必要だなというように思いますよ。ぜひ工夫していただきたいし、有賀さん中心で進めておられる例の研究会においても、こういうことが課題になっていたということをぜひお伝えいただきたい、こんなふうに思います。 私、時間たくさん持っておりませんで大変恐縮なんですが、本当はこの法律によって指定された九業界の状況全部について実は一つ一つ伺っていきたいな、こういうふうに思っていたんですけれども、とても時間がございません。したがいまして実は一番気になり、それからまた今後、もしかしたら発展させていく余地が一番あるのかなというような気もいたしまして、牛肉調製品の問題についてだけ実はちょっと取り上げてみたいんです。 これももう時間がございませんので、端的に局長にお伺いをするわけでございますけれども、牛肉調製品の製造業が、私調べましたところ、現在の時点では国内産原料を使っている、つまり国内産の牛肉、これを使っているのは私は一五%と調べてまいりました、一五%。来年から牛肉調製品が本物の牛肉に先立ってまず自由化されます。その次が、牛肉の本体そのものが自由化されるという順序になっているんですね。これは、やはりこうした牛肉調製品業界等がこうした材料を調達するには非常にいい環境が生まれてくるのじゃないかなというように思うわけです。一方で、製品輸入もまた非常に活発になってきている、通産省も一生懸命奨励している、こういう環境の中で、牛肉調製品業界は今後どんなふうになっていくのか、あるいは今回この九業種の中にこの業界を指定した意味はどういうことなのか、いろいろ含めてお話を伺いたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) 今回の法案の対象業種といたしまして、牛肉調製品製造業を予定していることは御指摘のとおりでございます。また、この牛肉調製品製造業の実態につきまして先生から 今御指摘ございましたが、おおむね現在の牛肉調製品製造業で使用しております国産の牛肉の比率、缶詰の場合とそれからその他の調理済み調製品とで若干比率の差はございますけれども、一五%ないし二〇%の間にあるというふうな状況でございます。ただ、これは大変平均的なレベル、トータルとして見た場合でございまして、個別に見ますと、ローカルなプランドではございますけれども、国産の牛肉を一〇〇%使った製品も相当ございます。したがいまして、平均ベースで輸入原材料比率が高い低いということではなくてやっぱり個別に見てみないと、地域農業とかかわりの深い製造業として維持されておるものが少なくないという御理解をひとつ賜りたいと思うわけでございます。 また、この原料になります牛肉について、御指摘のとおり平成三年度から輸入規制の撤廃が行われるわけでございますけれども、昨年の臨時国会でも御審議賜りましたように、国内における牛肉生産の維持ということも考えまして、輸入枠撤廃後の牛肉の関税につきましては、現在のレベルから比べますと相当高いレベルの関税率を設定していくということでございまして、牛肉調製品製造業の立場から申しますと、輸入規制は撤廃されるという意味では一つのメリットではございますけれども、相当高率の関税が課せられるということで、その数量規制撤廃のメリットというのは相当程度減殺されるという状況に相なっておるわけでございます。 ただ、物によりましては、輸入物との競合が非常に厳しくなってくるというものもございますので、製造工程の合理化を図る、あるいはまた国内で生産される牛肉の中でも、部位あるいは品種によりまして加工原料として使われることがマーケット確保の上で大変重要だというものも少なくないわけでございますので、そういった意味で国内で生産される牛肉のある部分については、国内における牛肉調製品需要に結びつけたマーケット確保をしていく必要がある。そのためには、国内における牛肉調製品製造業がそれなりに地域の供給条件とマッチした形で確立をされていくということが必要ではなかろうかというふうに考えておりまして、そういった意味合いを含めて、私ども今回の法案の対象業種として国内における牛肉調製品製造業を位置づけてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 また、御指摘のように、牛肉調製品そのものが日本のマーケットに向けて入ってくる可能性というものは高まると思います。特に、その中で私ども二つの範疇に分けておりまして、生の牛肉に非常に近い、加工度の比較的低いものについては、これまた御案内のとおり、牛肉に関する関税率とのバランスを考慮しまして、来年から自由化されるそういうたぐいのものについては七〇%、一年目、二年目七〇%、三年目が六〇%、四年目以降が五〇%という形で、まさに原料になる牛肉と同率の関税率を課することにしておるわけでございます。
○刈田貞子君 シーズンドビーフみたいなものですか。
○政府委員(京谷昭夫君) さようでございます。 大ざっぱに申しますと、シーズンドビーフとか、ローストビーフ、それからハンバーグとか、ハンバーグパテですね、この種の比較的生肉に近い状態のものです。こういうものについては牛肉と全く同じような関税率で対応していきたいと、かような措置をとっておるところでございます。
○刈田貞子君 終わります。
○委員長(福田宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩をいたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、特定農産加工業経営改善臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○下田京子君 この法律の目的の中に「農業及び農産加工業の健全な発展に資する」というのがあります。果たしてそうなんだろうか、まず申し上げておきます。 そこで第一に確認したいんです。農産加工業、特に中小企業農協系統の加工部門、これらはシェアとして一体どのくらいあるんでしょうか。
○政府委員(渡辺武君) 中小企業の占めるシェアのお話でございますが、御承知のように食品製造業では中小企業が非常に多いわけでございまして、従業員三百人未満あるいは一億円以下というのが中小企業でございますけれども、企業の数で申しますと九五%以上というのが中小企業ということになっております。 出荷額でこのシェアを見てみますと、全製造業では中小企業の出荷額のシェアが大体三分の一というように理解をしておりますけれども、食品製造業につきましてはこれが五割強であるということで、中小企業性の高い産業ということが言えようかと思います。
○下田京子君 私のいただいた資料によりますと、業種で言えば約九割というふうに伺っておりますが、農水省の資料ですよ。いずれにいたしましても食品加工ではその中小企業、この中小企業農協系統の加工部門の出荷額が約半分と、こういう中で大企業がどんどん海外に進出しているという中で、国内でこれら中小企業農協系統が本当に振興されるんだろうか、縮小されるんだろうかということが一つ大きな問題であります。 まず二つ目に聞きたいのは、そういう中でこの法案は転換資金、新技術資金、施設高度化資金、それから共同化資金、四種類ございます。中小企業農協系統と大企業で若干融資の金利に差はっけてあります。 しかし、いずれにしても初年度で三百億、五年間で一千五百億、こういうふうになっておりますが、その積算根拠はどういう状態になっていますか。お示しいただけますか。
○政府委員(渡辺武君) 融資枠は、先ほど先生御指摘のように年間三百億でございます。その積算でございますけれども、まだ法律は通っておらないということで統一的な調査などはいたしておらない状況でございます。また、制度が非常に自主的な取り組みを前提としておりますというようなことでございまして、したがいまして現段階では資金需要を正確に把握するのは困難でございますけれども、動きといたしましては、金融機関等に前向きに対応していこうという動きが大分入ってきておるわけでございますが、そのような動きを踏まえた上で対象業種に属する工場数とか、今後予想される設備資金の内容等を総合的に勘案して三百億ということに設定をしたわけでございまして、これで十分資金需要は満たせるものというように考えておる次第でございます。
○下田京子君 積算根拠を示さないで大蔵がうんなんというわけないですよね。 次に聞きたいのは、税制上の優遇措置であります。設備廃棄をどのくらい見込んでおりますか。
○政府委員(渡辺武君) 融資枠のところでも申し上げましたように、この制度は非常にそういう意味では自主的取り組みを期待しておるというようなことでございまして、国としてこのような業種について、設備を自由化に備えてどのような方法で、どの程度にするといったような一定の方向への誘導というところは主として考えでおりませんで、事業者が自主的な判断によりまして、設備廃棄なりあるいは事業転換等々というのが私たちのメニューでございますけれども、そのメニューを選択した場合に優遇措置を講ずるという建前になっておるわけでございます。したがいまして、具体的に今設備廃棄がどの程度メニューとして選択されるかということは明らかでございませんことから、設備廃棄の見通しということの御質問でございますけれども、今そのようなものがどれだけ行われるであろうということを定量的に申し上げるのは困難な状況にあるわけでございます。
○下田京子君 政策誘導でなくて、とにかく結果 としてそういうものが起きたらという話ですけれども、大企業、中小企業農協系統区別なくやられる。果たしてこれが本当に中小企業農協系統の振興策につながるんだろうか、私は大変疑問に思います。 以下質問申し上げたいんですが、最近自由化の法律というか、いわゆる十二品目、それから牛・かんですね。それらの自由化が決まった後でかなり大手が海外に進出していると思うんです。ジュースについてです。雪印乳業がアメリカの大手製菓会社ドール・パッケージド・フーズ会社と合弁企業を設立して、日本向けジュースの売り込みに本格的に乗り出しておるというふうに言われていますが、この事実は御承知でしょうか。
○政府委員(渡辺武君) ちょっと私存じ上げません。
○下田京子君 存じ上げてないというのは余りにも無責任じゃないでしょうか。先ほどお話他の委員にありましたね。産業の空洞化等についての実態は余り影響ないようなお話、実態を調査されてないでそういう答弁はできないはずです。しかも、きょうの日経新聞にどういうのが出ているかといいますとアサヒビールです。アサヒビールがこれはオレンジのストレート果汁の輸入枠、これは昨年の日米交渉で新設が決まったものでありますけれども、「米国フロリダ州のメーカーに生産を委託して「バヤリース」ブランドで四月に発売」ということで、それにサントリーも参加、市場が急激に拡大していく見通したというふうにもう報道されております。実態はそういうことで調査もされてないということは、本当に国内にあっての農業振興や、中小企業農協系統の加工業の振興ということを考えておるんだろうか、私は大変疑問に思います。 そこで大臣、私は、この問題で昨年の牛肉自由化問題のときにも指摘したんです。特に畜産物価格安定改正法案の審議のときに、総合商社がどんどん海外に進出していっている。今改めてそれを事細かく申し上げるつもりはありませんけれども、その一番いい例に丸紅がオーストラリアに四千ヘクタールの牧場を買って、現に二万四千頭の牛の生産を始めて、もう日本に輸出の準備をしているというふうなことを申し上げたと思うんです。大臣、この法案が自由化のしわ寄せを農民やあるいは中小企業の加工メーカーにしわ寄せがない、むしろ逆に振興させていく法律なんだというふうに断言できますでしょうか。
○国務大臣(堀之内久男君) 農産加工業は国内で生産される農水産物の重要な引き取り手であり、自由化により農産加工業が縮小、撤退を余儀なくされる場合には、原料農産物を供給している国内農業にも重大な影響を与えることになります。このように農業と農産加工業とは密接な関係にあるわけであります。したがって、自由化に対応するために農産加工業の経営改善を支援することは、農産加工業のみならず、原料生産部門である農業の健全な発展にも資することとなるわけであります。したがって、本法案はそうした趣旨を踏まえて提出をいたしております。 今後とも農産加工業につきましては、国民に対し安定的な食料の供給を図る上で、農業と並んで車の両輪にも例えられるべきでありまして、国産農産物に対し重要な販路を提供するという役割を果たしているとの見地から、今後とも積極的にこの農産加工業の振興を図ってまいりたい、こういうように考えております。
○下田京子君 大臣の気持ちとしてそういうことだということは理解もできます。 法律に、「農業の健全な発展に資する」という目的はありますけれども、それを担保した条文はどこにありますか。
○政府委員(渡辺武君) いろいろな支援措置を講ずる前提といたしまして、企業が経営改善を行いますための計画をつくりまして、知事に承認を求める手続になっております。 その場合、知事が計画を承認するに当たりまして、その承認基準の一つといたしまして「地域の農業の健全な発展に資する」と、計画内容がしっかりしているというようなことに加えまして、今申し上げました「地域の農業の健全な発展に資する」ということが基準の一つとして法律上位置づけられておるわけでございまして、自由化によりまして農業者も被害を受けるわけでございますが、それにつきましてはいろいろな生産対策等が行われて、その振興が図られることになっておるわけでございますが、そのような農産物の生産事情にも十分配慮した形で、企業の計画がそれに即応したものでなければならないということを条件の一つに加えておるというのが、その担保と言えるかと思います。
○下田京子君 法律では、第三条の五項第二号に、今お話しの、知事が設備廃棄、事業転換等の計画に当たって、「地域の農業の健全な発展に資するもの」とすると、精神訓話的なことは書いてありますよ。しかし、何をもって「地域の農業の健全な発展」になると判断するのか、その基準は何なんですかと聞いているんです。つまり、輸入原料を今まで一〇〇%加工に使っていた、そういうメーカーが対象にならないのはもう言わなくてもわかります。しかし、国内物を今まで三割使っていた、それが仮に二割になってどんどん輸入原料の方がふえていく、いろんなケースがあると思うんです。いろいろなケースがあるけれども、それだけに知事は一体何をもって基準として計画承認したらいいかわからないじゃないですか。その基準は何なんですか。国産原料を優先的に拡大使用した場合にというふうに明記されますか。
○政府委員(渡辺武君) 計画の承認の基準の一つの「地域の農業の健全な発展に資する」ということにつきましての具体的な御質問でございますけれども、地域の状況によりましてあるいはその加工業の業態によりましていろいろ差があるわけでございます。先生御指摘のように、国産原料を全然使わないといったようなものを対象にするつもりは全くございませんけれども、さればといって、どの程度云々というのを一律に国の方で決めるというのはいかがなものかということでもって、そのようなことは法律上明定しないことにいたしております。 いずれにいたしましても、農産加工業は地域の産業でございます。また、農業も当然のこと地域に存在するものでございまして、それら地域の農業あるいは農産加工業の所管を一括されておられます知事というのが、一番判断にふさわしい方ということでお願いをいたしておるわけでございまして、知事の判断にお願いするというのが端的に申し上げて運用の基準になろうかと思っておるわけでございます。
○下田京子君 それは運用基準じゃないです。私が聞いているのは、より国産原料に比重を置くというものが運用基準に入りませんか。イエスかノーか聞いているんです。
○政府委員(渡辺武君) 前向きに、より国産原料がふえるというようなことをリジッドに考えているつもりはございません。残念ながらやはり国産原料のウエートが若干下がったといたしましても、地域の農業にとりまして大きなやはり販売元であるというような立場は変わらないわけでございまして、やはり地域の農業の振興のために、少しは減ってもなお頑張っていくというのは、十分私たちといたしましては助成をしていく対象になるものと考えておるところでございます。
○下田京子君 もう逃れましたね。より国内産を少しでも使おうということが基準の一つの目安に入れられないというのは、農業振興だなんて幾ら口で言ったってそれはもう衰退でしかありませんよ。大臣、これ「食は いま」絵で見る農業白書の中にも言っております。しきりに地域農業の発展とか、先ほどもお話しありました農業の振興と結びついた加工業の発展云々と言われています。 だとしたら、これは私も各地のそうした加工業の実態を見てまいりましたけれども、本当に今福島県一つとっても、過疎地域における雇用対策、農業振興と相まった地場産業の振興というのは大変なものですよ。そういうところに、これは私が住んでいる石川町というところの隣に東村ってあ るんです。中小です、日本果実加工株式会社というところが出てきておるんです。ただ、進出に当たってはできるだけ地場物を使いたいと思ったけれども、まとまった量等が確保できないとかで、やむなく海外に依存しているというのがあるんで すけれども、できたら積極的に、そうした農業の振興と相まった原料が確保できるように、行政等からも一定の助成策なんかがあったらなという御要望が出ております。 そういう点でぜひ運用基準の中に、もっと国産原料を優先するというふうなことをひとつ入れていただく気持ちがないかどうか。あわせて、そうしたところに出てきている企業に対して助成措置ができないかどうか。さらに、大企業は社会的責任がございます。海外に行くんじゃなくてもっと国内に目を向けて、そういう過疎地域等に出向き、しっかりと地元雇用と結びついた振興策を図るという点でいろいろ研究する気はございませんか。
○政府委員(渡辺武君) 農産加工業はもちろんのことでございますけれども、地域に立地しているのが多いわけでございまして、そこで大きな雇用の場も創出し、そして地域振興にも大きな役割を果たしておるわけでございます。したがいまし て、この農産加工業、特に地域での農産加工業の振興が重要でありますことは先生おっしゃるとおりでございまして、私たちといたしましてもそのような農産加工業の重要性にかんがみまして、いろいろな面で施策の充実に努力をいたしておると ころでございます。 その中で、今のお話でございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、やはり国内産のものが多くなければならないとかいうような趣旨はよくわかるんでございますけれども、一定の水準をきちっと設けて、そうでなければならないといったような基準としてそれを使うということはいかがなものかと考えておる次第でございます。
○下田京子君 それこそいかがなものか。大臣、お答えは。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま渡辺局長から答弁申し上げたことに尽きるわけでありますが、大体農産加工業というのは、そんなにやぶから棒に何にも産地と関係ない企業が進出するというのはまず考えられないわけであります。恐らくその地域の産業と密着して誘致されるなり、あるいはまた会社の都合によって進出ということになりますから、したがって途中から全面外国の原料に転換するということには恐らく企業として、私自身が農産加工業の経験という立場から見ても、私はあり得ないと思うわけであります。 したがって、今後とも地域経済と密着したそしてまた農産加工であれば、地域の農産物と深い関係の中でそうした食品加工業を振興発展さしてもらいたい、そういう意味で今回の法案というものはいろいろな優遇措置を講じた、こういうことに相なろうかと存じます。
○下田京子君 地域農業の発展とか、中小加工業者の発展とか口で幾ら言われても具体的な施策はそうなっていませんよね。 私は、海外に特に大手企業が進出して国内における加工関係の空洞化がより一層進むのではないかという点で、具体的にトマト加工メーカー、カゴメに絞って御質問します。 ちょうど昨年二月にも私、農産物十二品目をめぐるガット裁定の受け入れのときに予算委員会でも質問しました。御承知だと思うんですけれども、カゴメの副社長さん、下浦さんは皆さんの先輩です。俗な言葉で言えば農水省の天下り。全国トマト工業会の会長もなさっております。そして筆頭常務も農林省からの天下り。言ってみれば皆さん方の先輩がなされているんですけれども、それだけにカゴメがどのような事業展開をなされているか御承知だと思います。端的に御報告ください。
○政府委員(渡辺武君) カゴメ株式会社の海外への進出状況いかん、こういう御質問だと思いますが、企業の戦略にわたることでございますのでいかがかという気もいたすわけでございますけれども、聞き及んだところによりますと、まずカゴメがアメリカにカゴメUSA社というものを六十三年につくったわけでございますが、これの関連工場もつくるという話を聞いております。それから、カゴメは台湾に合弁会社を持っておるようであります。それからトルコあるいはチリの会社とそれぞれ技術提携をしておるというようなことも伺っておる次第でございます。 以上でございます。
○下田京子君 今御報告のほかにも事態はさらに進んでおりまして、届いていると思うんですけれども、これはことしの五月十四日付のニューヨークタイムズ、「ジャパンズ・ニューファーム・ベルト」という中にカゴメ特集のような記事が出ております。そこにはどういうことが紹介されているか。カゴメはカリフォルニア州のロスバノスにケチャップとフルーツジュースの工場をつくっている。同社の現地支配人が、アメリカで生産し、日本に輸出するのは大変経済的だ、こう言っております。さらに支配人は、ロスバノスの工場がまだ四分の一の敷地しか使ってないから今後は工場をさらに拡張するつもりだ、こうも言ってます。 一方、国内では工場の統廃合を進めて脱トマト化。それで国際化を進めて、西暦二一〇〇年には現在の五倍の売り上げ五千億円を達成する計画であります。このままでは食品加工大手メーカーが海外進出や委託生産をさらに進めることになるでしょう。国内生産を空洞化させる。そのための設備廃棄、工場縮小に対して本法案による税制上の特例が受けられる、こういうことですね。国内の設備廃棄等については税制上の優遇がありますね。カゴメは対象にならないなんて法文上ないでしょう。カゴメも対象になりますね、ならないですか。明確に答えてください。
○政府委員(渡辺武君) 私たち、今回経済基盤を強化するために企業が行います活動につきまして支援をしようと思っておりますが、その場合中小企業はもちろんのことでございますけれども、大企業につきましても農業からの何といいますか、農産物を買うという意味合いにおいては同じでございまして、税制上も金融上も対象にしてまいりたいと思っております。ただ、中小企業とは、例えば貸付金……。
○下田京子君 税制だけで聞いているんです。
○政府委員(渡辺武君) 税制につきましても、中小企業と比べまして大企業の場合が不利になるといいますか、中小企業の方により有利な税制を、これは税項目によって違いがありますけれども、設けてもおるところでございます。
○下田京子君 金利については大企業と中小企業の差がありますけれども、税制上についてはありませんよ。しかも、これらカゴメ等が海外に進出していって国内で空洞化していく、その設備廃棄に伴っても税制上の優遇措置があるということは判明したわけですから、私これ以上聞きません。 それで、その結果どうなるかということなんですけれども、カゴメやキッコーマンなどの加工トマト大手はこうやって海外にどんどん進出していくんです。その結果国内の農業どうなりますか。数字ちゃんと答えてください。加工トマトの生産契約面積が最高だったのは何ヘクタールでいつでございましょうか。
○政府委員(渡辺武君) お答えいたします。 加工トマトは御承知のようにすべて企業との間の契約栽培で生産をされております。その面積が最高だったのは、私の手元にある資料からいたしますと、五十八年二千三百二十九ヘクタールでございました。六十三年にはこれが残念でございますが、千七百五十ヘクタールに減少いたしております。
○下田京子君 統計もきちっととってないでそんなおかしなことを言うのおかしいじゃないですか。ピーク時は昭和五十五年ですよ。五千三百ヘクタールです。そして、ことしはと言えば一千七百五十ヘクタールです。ちょうど三分の一です。契約面積は六十二年までは一度も引き下げなかったんです。それがガット裁定受け入れの話が出た 途端に六十三年から面積は減らされる、基本価格も一〇%も下げられる、そういうような状況になったんです。間違いないでしょう。確認してください。
○政府委員(渡辺武君) 過去最高の作付面積、私の手元の資料が五十八年までしがなくて申しわけございませんでした。五十五年が最高でございました。それから以後契約面積はいろいろな理由があろうかと思いますが、減ってまいっております。今は千七百五十ということでございまして、これが自由化の影響かどうか、若干そのようなことが全然なかったということを申し上げるつもりはございませんけれども、そのほかいろいろな要因が重なり合った結果ではなかろうかと思います。といいますのは、トマトにつきましては、寒冷な山間地での輪作体系の一つということで組み込まれておりますことから、他の作物との、何といいますか、有利性の問題が農家によって選択されたという面もあるのではないかというように思っておる次第でございます。
○下田京子君 答弁になってないじゃないですか。輸入自由化の影響でしょう、はっきり。契約栽培なんですから。 福島県の数字を言いますと、福島県をなぜ言うかというと、加工トマトの全国一が長野なんです。二位が福島なんです。山間地云々とおっしゃいましたけれども、本当にまさに輪作体系というよりももう減反の転作だとか、それから反当三十万円から上がる作物の中では限られているんです。大臣、宮崎だからこちらの方わからないということもないでしょうけれども、たばこだとかコンニャクだとか加工トマトだとかと決まっているんですよ。 そういう中で福島県は昭和五十五年、五百五十八ヘクタールありました、契約で。それが六十二年には四百二十ヘクタールに削られました。そして六十三年に三百九十ヘクタールに減らされました。ことしは契約面積これだけ達成したいと言われていますが、値段が下がってしまったために農家が受けるかどうかわからないという状況です。といいますのはキログラム当たり、一級品で六十二年は四十円でした。それが昨年は三十六円五十銭に下げられました。しかも、六十二年から自由化が決まった途端に、前期の価格と後期の価格とが変えられるようになったんです。しかも、収穫は以前にも増して一週間も十日も早くやれということになっていったんです。やれないような契約条件を突きつけられてきているんです。そして、昨年は冷害でした。 ですから、福島県だけでもこの加工トマトによるこれら価格引き下げと冷害と相まって約三億五千万円の減収になっているんですよ。こういう状況でも大臣、本当に日本農業の加工原料業の振興を図っていくと言えるんでしょうか。感想を聞かせてください。
○国務大臣(堀之内久男君) 今加工用トマトについてのお尋ねでございますので、私も地域的に実際の農産物の状況がどうなっているかということは詳細に存じ上げておりませんけれども、恐らく今までの農産加工業というのはやはり地域の生産農家と十分相談をして進めていると思いますし、また五十五年あるいは五十八年、最近までまだ自由化にはなっていないわけでありますから、自由化が始まったのはことしでありますから、したがってその間の面積が変わってきたということは、やはりほかに有利な作物というものがあって農家の選択がそちらに行ったということもあろうと思います。 あるいは価格が四十円から少し下げられたという問題も当然ありましょうが、これは全体的な農産物である程度の近代化、合理化を図りながら、そしてまた生産性の向上を図るという立場から幾分価格の問題はあったろうと存じます。私は、現在のそうしたトマトの現状は、実際にはトマトジュースにしましてもほかのやはり飲料水、競合するジュース類等があるわけでありますから、そういう面での消費の動向という形で、やはり価格競争というものもメーカーそのものにもあったろうと存じます。 いずれにいたしましても、これからのそうした特殊な農産物は、契約栽培方式でいっているというのが通例でありますから、現在もそのような形での福島あるいは長野県等のトマトジュース関係の加工は行われたんだろうと、かように考えます。私は自由化が、自由化というのはことしからですから、したがってそういう面の一般的な、社会的ないろんなもろもろの条件によって変更されてきた、こういうように思っております。 —————————————
○委員長(福田宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま山田勇君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。 —————————————
○下田京子君 今の大臣の御答弁を現地の方々が聞いたら何と思うでしょうか。 これは、自由化が決まった途端にこうやって面積が減らされている。しかもさっき申し上げましたでしょう。六十三年に、そしてまたことしもカゴメがどんどん海外に進出していっているわけでしょう。それは何ゆえなのかと言ったら、先ほど何と書いてあると言った。これをお読みください。カゴメが海外に、特に今度アメリカに進出していくというその理由の中にこういう理由が出ているんですよ。一つは缶です。百円のうちトマトジュースの缶のコスト、一個幾らだかわかりますか。
○政府委員(渡辺武君) 缶の値段は一個大体二十円程度というように理解いたしております。
○下田京子君 いつから二十円になりましたか。私は昨年の質問のときに、これ予算委員会の質問ですけれども、二十七円。これはブドウもそうなんですけれども、ブドウの原料代が二十円、缶代が二十七円です。今言ったのと逆なんです。缶が高いんです。缶が二十七円ですよ、いつ二十円に下がりましたか。
○政府委員(渡辺武君) 円高が進行する前は大体外国とも同じ程度であったんですが、最近は、そういう意味では外国よりは高いという状況が続いておるわけでございます。缶の現状でございますけれども、缶型によって当然いろいろあるわけでございます。トマトジュース百九十五グラム缶の場合は二十三円でございます。それから果汁ということでブドウ、これは二百五十ミリリットル缶の場合は二十七円でございます。
○下田京子君 原料代より缶代の方が高いんです。 それで、当時の食品流通局長が私の指摘を認めたんです。だから私が今ちゃんと言ったじゃないですか、円高どうのこうのじゃないですよ。ブドウにあっては原料代二十円、そして缶代が二十七円です。トマトもあなたさっき二十円なんて言ったけれども、今お話しのように二十三円でしょう。この缶代のコスト軽減のために対応いたします、こう答えているんです。一年たちました。どんな対応しましたか。
○政府委員(渡辺武君) 今も申し上げましたように、非常に日本の缶、円レートの高騰の結果ということではありますけれども、国際的に見て割高なものとなっておりまして、国際競争力をつけるという観点からこの缶の値段を引き下げることが強く求められているところでございます。私たち農林水産省としていろいろ取引の実態把握に努めておるわけでございますけれども、この缶の容器の値段というものは企業間の個別取引で決まる面が多くございまして、詳細をなかなか把握し切れないというのが現状でございます。 私たちもいろいろ努力をしておるところでございますけれども、缶容器のユーザーの方々におかれましてもみずから努力を重ねられておりまして、空缶問題研究会というのを組織されておりまして、取引の実態その他につきましての検討を進められております。私たちもそれに参画をいたしておるところでございますし、また私たちは、そのような状況も受けまして通産省に対しましてもいろいろ事情を説明し、御協力方をお願いしてお るところでございます。
○下田京子君 説明になってない。
○政府委員(渡辺武君) まだありますのでお聞き願いたいと思います。 そのほか、私たちといたしましては実態を見ても非常に問題があるということでございますので、平成元年度予算におきまして必要な調査費を確保いたしまして、国産の缶容器の取引実態、あるいは国産缶容器に比べて割安だと言われております外国産の缶容器につきましてもいろいろ実態を把握いたしまして、どのようにすればより安い缶あるいはそれ以外の、紙あるいはプラスチック容器といったようなものもあるわけでございますけれども、そのようなものも使用できないかといったようなことも含めまして、この缶につきまして総合的な調査検討を行っていきたいというように考えておるところでございます。
○下田京子君 今年度予算に調査費つけたなんということはまさに立ちおくれの対策ですよ。 今答弁の中に、缶代がなぜ高いかといったら円高による、これはおかしいですよ。国内にあっては缶そのもののメーカーというのは寡占化状態じゃないですか。三社だけでしょう。ちょっと述べてみてください、缶メーカー。
○政府委員(渡辺武君) 私たちが聞き及んでおりますところによりますと、缶は東洋製罐株式会社が一番大きいシェアを持っているようでございます。二番目が大和製罐株式会社でございます。三番目が北海里罐株式会社でございまして、以上三つの会社でかなりのシェアがあるということでございます。
○下田京子君 自民党の先生が僕に聞きなさいと言っているぐらいわかるんですよ。三メーカーの話なんというのは私去年、一年四カ月前に話ししているんです。実態を聞いてなんて、実態を聞くどころかもうよくわかっているんです、下げる気がないからやらないんでしょう。 大臣、これはもう検討中だとか、今研究会つくりましたとか、実態調査のために予算つけましただとか、そんなものじゃないんです。もうきっちりとこれが引き下げが可能かどうか、やるべきだと私は思います。 念のために、さっきのカゴメの話なんです。このニューヨークタイムズに何て書いてあるかというと、もちろんカゴメがアメリカに生産に乗り出した理由には原料農産物が安いということもあります。同時に、アメリカの缶代が安いからだと。ですから、日本の国内にあった加工トマトの生産農民と結びついていたカゴメの工場が撤退をして、撤退するときには廃棄設備の税制上の優遇も受けながらアメリカに行って生産をし、逆に輸入してくる、こういうものなんですよ。なのに、その理由の中には缶代も入っているというわけです。これはきちんと指導すべきだと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま下田委員の御指摘のように、日本の、これはカゴメのトマトジュースだけではありません。一般の果汁、ジュース等におきましても全部缶代が高いということで、我々も、党内でも大変問題にしてきたところであります。そこで、輸入すればいいじゃないかとやってみますが、なかなか容積がかさばって輸入ではどうしても太刀打ちできない、こういうところがあるようであります。しかし、最近においては韓国から輸入している。非常に距離が近いということで一部飲料水によっては韓国製品を輸入するメーカーもあるようです。これは今後、私ども寡占状態にあるということ、これは十分承知をいたしておりますから、これから十分それぞれのメーカーとも話し合いをし、確かにこれは、ミカンジュースにしてもどのジュースにいたしましても、大変そういう意味で缶代が大きなネックになっておるということは十分承知をいたしておりますから、今後さらに善処してまいりたいと思います。
○下田京子君 以下、今度は改善点について具体的にお願いを申し上げます。 今までの質問の中で明らかになった部分は、中小と言わず、農業系統と言わず、大企業と言わず一定の若干の格差はつけていても税制上、金融上の優遇措置をとる。特に、そういう中で大企業がどんどんと海外に進出して国内産業の空洞化を促進している。こういう中で、これはもう当然やめるべきでありますけれども、同時に当面関係者から切実に出されている幾つかの改善点があります。 一つは契約栽培です。その契約に当たって買い上げ時期の繰り上げがありまして、早く植えて早く収穫しなきゃならないというようなことなものですから、それに対する保温材料、これがまた高いんですよ。そういった一定の助成は考えられないだろうか、これが一点です。それから、メーカーが運賃を農民負担にすることを検討しているんですね。そうなりますと、さらに手取り価格が引き下げになります。せめてもメーカーに対して運賃農民負担などということはさせないような行政指導は考えられないだろうか。三つ目、トマトジュースについて、これは先般の質問のときにも大臣言われましたが、表示の問題です。国産トマト使用の表示を義務づけられないものだろうか。この三点、まず大臣にお答えいただきたい。
○政府委員(渡辺武君) 先ほども申し上げましたように、加工トマトは契約栽培で行われておりまして、その契約をどのような内容で結ぶかというのは、これは当然のことでございますが、当事者間の話になっております。先ほど先生いろいろおっしゃいましたが、この機会をかりましてちょっと申し上げさせていただきたいと思うんでございますが、面積が少しずつ減ってきておるということはございましたけれども……
○下田京子君 まず三つについて答えてからにして。
○政府委員(渡辺武君) ことしにつきましてはそれこそ自由化が始まる年であります。今契約栽培の契約が進行中でございますけれども、企業側としては一切面積をカットせず、価格につきましても去年よりカットせずということで、そういう意味からは自由化の影響は全然企業側提示についてはないという状況になっております。余計なことかと思いますけれども説明しておきます。
○下田京子君 あなた企業の代弁者。
○政府委員(渡辺武君) いや、企業弁護をしているつもりはございませんが、事実を申し上げているところでございます。 それから、今おっしゃいました契約の内容にもなろうかと思うんでございますけれども、日にちをカットするとか運賃負担等々、私たち具体的にちょっと詳細を把握しておりませんが、いずれにいたしましても、これは契約当事者間での話し合いということであろうかと思いますので、私たちがその中に介入するといったようなことは適当ではないというように基本的には考えております。 それから、表示につきまして御指摘ございましたが、先ほども御答弁申し上げたわけでございまずけれども、国産品についてあるいは県産品であるといったような、地域におろしました格好での原産地の表示というものにつきましては、刈田先生の御指摘等もあったわけでございますけれども、ミニJASの方式等々を参考にいたしまして、今後そのような方向で前向きに検討し取り組んでまいりたいというように考えておる次第でございます。
○下田京子君 最後に大臣答えてくださいよ。 今の局長答弁で、今私が申し上げたようなことをも知らない、それでどうして農業の振興ということが図れます、実態を知らないで一体どうやって振興を図るんですか。これは福島県の経済連の担当者がほとほと困り上げて、せめてもこの程度の要求はメーカーに行政が、介入じゃないです、指導ができないだろうかと。私たち今までだって、いろんなブドウや何かだってメーカーに直接立ち合ったりして生産者の御要望を伝えたりしていますよ。だから私ついさっき、あなた企業の代弁ばっかりしているのかと。農業振興と中小企業や農業関係の加工業を発展させるということは言葉だけじゃないですか、今ずっと聞いてみても。 契約栽培面積も価格も下げてないというけれど も、自由化が決まったとたんにもう、下げちゃっているんですよ。六十二年は全国平均これは二千六十ヘクタールでしょう。六十三年は一千七百五十ヘクタールでもう下げちゃっているんです。値段も四十円から全国平均三十七円下げちゃっているんです。ことしはそのまま行こう、こう言うだけですよ。さらにアメリカに、先ほどまで四分の一しか使ってないと、アメリカでどんどんまた生産規模が拡大できれば国内の空洞化にもつながるんじゃありませんか。本当に、地場産業と農業の発展という点でこういった実態調査をなされて、関係者の御要望ぐらい聞いてやれる行政指導はやってしかるべきだと思います。大臣の、最後にその点でのお話だけは聞かせてください。
○国務大臣(堀之内久男君) 農産加工物といいますと、これは全国的に非常に種類も多いわけでございまして、特定な地域のいろいろな諸問題について行政当局に一々介入というか報告があるというものではありません。先ほどもどの先生からかありましたが、今生乳のメーカーとのいろいろ交渉が各県ごとに行われておるわけです。したがって、私は福島経済連がもしこうしてカゴメとこのような交渉が行われておるとすれば、余りにも実態と離れるような実態があれば、あるいは県知事が行政的に指導に乗り出すとか、その上でも解決つかなければ所管である農林水産省に御相談があってしかるべきでありまして、まだそのような相談も受けない段階でこれを一々福島県がどうの、長野県がどうのと、これは行政が余りしゃしゃり出るということはいかがか、こういうように思います。 いずれにいたしましても、今回提案申し上げた法案は地域農業と密着し、そしてこれからも健全な農産加工業を育成する、これが大きな目的であるわけでありますから、その趣旨に反するようなことがあっては私どもとしてもこれは黙っておるわけじゃないわけです。これからも十分そうした面は、これはもうトマトだけじゃないわけですから、全国的には非常に種類が多いわけで、まずは県が、知事が先頭に立ちあるいは地域経済連の代表等、時と場合によっては、私は福島県のこの実態まだ知っておりませんけれども……
○下田京子君 私は一例で出しております。
○国務大臣(堀之内久男君) いや、これを知った場合に、もしそういうように価格を下げられたら、よし我々はことしは一切やめましょうと。そうしたら困るのは企業なんですからそのぐらいの気概がなければ、やはり酪農家も一時は生乳を全部捨てた時代があるんですよ。捨ててそういうことはやって、お互いに交渉するときには、やはりそういう問題等あってそしてお互いが心の底から提携するというような形でないと、地域産業の発展にも役立たないわけであります。 まあそういうことは別といたしましても、今後御指摘のような問題は十分意に介しまして、注視いたしまして、今後行政機関としていろいろ指導できるところは指導してまいりたいと思います。
○三治重信君 まず最初に、この法案は昨年でしたか、行われた農産物十二品目のガットによる自由化の裁定による対策案の一つがこうやって出てきたんだと思うんです。もしそうなら、この農産物の十二品目の中でどういうものが滅びていき、どういうものが合理化して前進をしていくか。何というんですか、この自由化によってとても競争かなわぬと思って転換さすといいますか、農産加工業の中で転換さす。それは各企業の判断だけれども、そういう見通しですね、転換がどれぐらいで合理化がどういうふうな割合で今度の法案で進むであろうか、こういうふうな大きな見通しがおありじゃないかと思うんですけれども、その点の感触をひとつお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) 自由化に伴いまして農業者も影響を受けるわけでございますが、加工業者も影響を受けるということで、加工業者の活動が縮小されたりあるいは撤退を余儀なくされるということになりますれば、これに原料を供給している農業にもまた影響が加わるというようなこともありまして、今回加工業の対策を講ずることによって農業の振興にも資したい、こういう趣旨であるわけでございます。 この法案のもとで行われる助成といいますか、援助の措置は、先ほどもちょっと御答弁申し上げたのでございますけれども、国として一定の方向へどう持っていこうということをまず考えて、そしてそれに基づいてというようなことでございませんで、いろいろな業種のいろいろな状態にある加工業が、それぞれ自分たちとしてこのような方向で合理化を進めていきたいということをお考えになる場合に、私たちとしては、メニューを幅広く用意してそしてお選びを願う。そして、どのようなメニューを選択された場合にも、このような場合には金融、このような場合には税制と、いろいろありますけれども御支援していこう、こういう趣旨であるわけでございまして、そういう意味からいたしまして、今先生御指摘のその転換の場合にどうであろうか、あるいは高度化をする場合がどの程度ウエートを占めるかといったような、一つ一つの、何といいますか、メニューがどの程度のウエートをもって実行されるであろうかということにつきましては、確たる量的な推定はなかなかいたしかねる、難しい性格のものであるということでございまして、御理解を賜ればと思う次第でございます。
○三治重信君 それは、一般的な答弁としてはそれだと思うんですけれども、しかしこの法案を出すからには、やはり相当事前に、もう政府が自由化したからとても自分の工場はもたぬから閉鎖をしたいんだけれどもとか、こういう合理化をしたいんだとか、何か要望が相当あった上でこういう法案を出してきたんじゃないですか。ただ予防のために出してきたのか。そういう具体的な、相当深刻な業者の相談の上でこういうものを出したんだ、こう判断じているんですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(渡辺武君) 繰り返しになりますが、自由化はまだほとんどのものにつきまして行われていないわけでございますけれども、私たちは前広に、事が起こってからでは後の祭りということになりますので、前向にこの制度を確立さしていただきまして対応さしていただきたいということでございますので、今申し上げたようなことになるわけでございます。 ただ、一つ例示で恐縮でございますが、申し上げられますのは、ミカンジュース等につきましてはオレンジそのものあるいはオレンジの果汁の自由化というようなこと等がございまして、現在の果汁の生産能力が大分過剰になるといいますか、オーバーになる、日本全体として見てそういうことが言えるわけでございまして、そのような場合におきましては搾汁部門でございますけれども、搾汁部門につきましては転換をするあるいは施設を廃棄するといったような局面も大分出てまいるのではなかろうかと思っておりますし、またパイナップル缶詰製造業、沖縄でございますけれども、等々につきましても規模は全然違いますが、やはり同じような状態はあるというように考えておるところでございます。
○三治重信君 突っ込んでいくとそういうことになるだろうと思うんですが、そういうものがある程度予見されるというんですか、民情を把握しなければこういう法案を出しても、我々審査する側では一々各品目ごとにはわからぬからお尋ねしているわけなんだけれども、そういう意味において、やはり相当のそういう行政というのは予見性を持ってやらぬと僕はみんなおくれちゃうと思うんですよね。物事をやっちゃってから後始末というだけでは、これは業者にしても農民でも政府の外国との取引関係で決まって、決まっちゃってから後、おまえたちそれに対してうまいこと対応しろよと、困ったら相談に来いと。これじゃ全部後手になると思うんですよね。だからこの自由化に対して物すごい抵抗があり、そして大変な騒動になる。 だから、自由化する前にそういうことについて十分業界や生産者に対して、もう自由化せざるを得ぬよということをあらかじめ外と内と分けての 対応になるんだけれども、私はこれで、十二品目でほとんど自由化されたというふうに考えておるんですけれども、今後ともこういうふうにしたいというやつは、それの利害関係を受ける業界なんかとよく事前に、これはせざるを得ぬよと、もしもなった場合にはひとつどういう対応が欲しいかというふうな事前の相談をやらぬものだから、自由化しない、それでなったと、そうするともうえらい大リアクションが来る。 それを今申し上げているわけなんで何事も後始末というときにはお互いに腹が立つことばっかりで、事前に一つでもそういうふうなことがあるんだという相談があるとそれの対応に本気になって考える。その対応が今度の、それならそういうことでひとつ一応のメニューはつくっておこう、こういうことでこれが意味があるんじゃないかと思うんです。 それで、十二品目の中で、これは私が間違っているかもしれぬですが、十二品目の中で二品目が自由化せぬでもいいというやつで、十二品目のうちで乳製品とでん粉は自由化しなくちゃならぬという裁定だけれども、何か自由化しないということのように私は受け取っているんですが、それは日米間が主なんだろうと思うんです。そういう約束は、国内ではそれは裁定下ったと、しないんだというふうに我々理解しているんですが、その関係はガットではもう自由化と、こういうふうに裁定をして受けた。しかしながらこれは、この二つは国内やなんかでは自由化しないんだと。ということは将来の見通しはどういうふうなこと、結局受け入れたんだから自由化せざるを得ぬだろうが、今は当面しないんだとこういうことなのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(塩飽二郎君) 農産物の十二品目につきましては、ガットのパネルでガットの条文に照らして十品目が違反であるという判断が下されたわけでございます。その判断に基づきまして、日本として具体的にこのガットの決定をどのように実行していくのかということにつきまして、最大の関心・要求国でございますアメリカと交渉を行ったわけでございます。その結果、今委員の方からお話がございました乳製品と、それからでん粉の二品目につきましては今後とも輸入制限措置を継続する、つまり自由化はしないということで決着を見たわけでございます。その間、ただいま申し上げたようにパネルでガット違反という判断が 一応あったものですから、非常にアメリカとの交渉は厳しい交渉をやらざるを得なかったわけでございます。 ただ私どもは、そもそもこのパネルの判断のうち、とりわけこの二品目については、ガットの解釈にいろいろ問題があって承服しがたいという立場をこのパネルの判断の採決に当たり、日本政府の立場として明確に表明をいたしておりました。そういう基本的な立場に立ちつつ、かつこの両品目が日本の農業に占める極めて重要な位置づけという前提に立ちまして、ただいま申し上げたように、この二品目については今後とも輸入制限措置を継続するということでアメリカ側との間で妥協を図ったわけでございます。 もちろんその間には、先ほどから御議論が出ておりますように、その他の品目につきまして、特に乳製品の中でも一部の加工度の高いアイスクリーム等につきまして来年の四月までの間に自由化をするといったような措置、あるいは輸入枠の拡大を図るといったようなことで対応した品目もございます。そういった措置の全体的な評価につきましてアメリカ側の了解を得、最終的に合意に至ったわけでございます。 なお、今後の乳製品とでん粉の取り扱いにつきましては、平成二年度つまり来年度の適当な時期にアクセスの改善の可能性を検討するために、米側と我が国は協議する用意があるという了解がなされておるわけでございまして、その了解に基づきまして、平成二年度のしかるべき時期に協議をやるということになるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○三治重信君 協議の結果によって、ガットの裁定があったわけなんだから、逐次自由化せざるを得ないんじゃないかと思うんですけれども、そこでひとつでん粉についてお伺いいたします。 今国内ででん粉はカンショからとるやっとバレイショからとるやっと、それからトウモロコシ、トウモロコシのでん粉はほとんど全部原料が輸入の原料であるわけです。このカンショとバレイショによって原料の値段が違うとでん粉の値段が相当違っているんじゃないかと思うんですが、こういうものの値段の調整や数量の割り当てというものを相当やっているような気がするんですが、その点はどういうふうな実情になっているんですか。
○政府委員(渡辺武君) でん粉につきましては三つ種類があるということで御指摘があったわけでございますが、そのとおりでございます。 そして、その値段等につきましてでございますが、まず国内産の芋でん粉、これはカンショの場合とバレイショの場合、それぞれからとれるでん粉があるわけでございます。価格は近年の生産性の向上等を反映いたしまして私たち下げてまいっておるんでございますけれども、それでも六十三年産で見ますと、カンショでん粉がトン当たり大体十四万四千円ほどいたします。バレイショでん粉は同じくトン当たり十二万一千円ほどいたします。もう一つございます輸入するトウモロコシを原料としてつくりますでん粉、これコーンスターチと言っておりますが、これの価格はトン当たり四万二千円程度でありまして、非常に価格の差があるわけでございまして、コーンスターチ価格の大体三倍あるいは三倍強というのが国内のバレイショあるいはカンショからつくりますでん粉の価格でございます。 このように価格差がございますものですから、国内の芋でん粉は、ほうっておきますとなかなか消費に結びつかないわけでございまして、これを円滑に消費をしていくという観点からトウモロコシ関税割り当て制度というのをつくっておりまして、輸入するトウモロコシを一定の数量につきましては無税にする、そのかわり一定比率の国内産のでん粉を抱き合わせで引き取らせるという格好で、国内産のでん粉の円滑な消費というものを図っておるところでございます。
○三治重信君 それはあれですか、どういうふうな格好になっておるのか。コーンスターチの製造業者にカンショやバレイショの製造のでん粉をある数量買わして、そしてまた売らしている、こういうふうな格好なんですか。
○政府委員(渡辺武君) おっしゃるとおりでございます。アメリカからといいますか、外国からトウモロコシを輸入して、そしてコーンスターチをつくる業界にその輸入のときの一次関税をゼロにするという恩典を与える反対給付といたしまして、値段の高い日本産の、国内産のでん粉を一定数量引き取らせるということでございまして、日本産のでん粉を一といたしますと、コーンスターチからできるものが八といったような割合で引き取らせる、こういう操作をしておるということです。企業はそれをミックスしまして、ミックスした価格が出るわけでございますが、これで販売する、あるいはコーンスターチをさらに原料といたしまして異性化糖をつくっておる、そういうことになるわけでございます。
○三治重信君 そういうふうなことをやっていくというと、どこで値段を、それじゃ値段の交渉というのは、コーンスターチの製造業者とカンショ、バレイショの製造業者との相対取引ということになるんですか、値段、数量からの。
○政府委員(渡辺武君) 国内産の芋からできますでん粉の価格につきましては、原料をまず私たちが保証をしておるといいますか、原料生産者価格というものを毎年決めておるわけでございます。そして、その決められた価格以上で農家から買ったでん粉製造業者に対して、その製造経費を加えました価格、これ買い入れ基準価格というものでございますけれども、政府が買い入れるでん粉の価格ということでございますが、それを毎年決めております。ただ現状は、政府は買い上げを今し ておりませんものですから、この買い入れ基準価格のいうのが、市価といいますか、でん粉の国内価格と水準になっておるという機能を果たしておるというものでございます。
○三治重信君 そうすると、今カンショやバレイショで国内産でできたでん粉は、全量コーンスターチの製造業者が引き取っているんですか。
○政府委員(渡辺武君) カンショからできますでん粉はすべてそのような処理の対象になっております。バレイショからできるでん粉はカンショからできるでん粉と質がちょっと違っておりまして、そんなことを言うと関係の方々にちょっと失礼かと思いますが、質がいいわけでございまして特定の用途を持っております。水産練り製品の原料にも使われるとかいったようなことで非常にほかの用途を持っておりますので、ちょっと数量は忘れましたけれども、かなりの数量がそのような特定の用途へ向けられておりまして、残りました部分がカンショでん粉と同じように抱き合わせによりまして消化が図られておるわけでございます。
○三治重信君 それは、いつごろからやられたのか知らぬけれども、でん粉をこれからだんだん自由化していくというふうなことを考えると、そういうふうな安易な、何というんですか、引き取り制度や価格を、国は農家のカンショやバレイショの生産価格だけ決めておいてあとは製造業者にみんな責任を負わすというような価格体系というのは、これはどうも長続きしないような気がするんだけれども、どうなの。
○政府委員(渡辺武君) たしか四十年から今御説明申し上げましたような制度が発足しておるわけでございまして、これは一方で僻地といいますか、地域で生産されます、それしかつくれないという方々の価格を保証するということであると同時に、一方では外国から入ってくるものにつきまして安定的にそれを加えて消化するという制度で、私たちとしては非常に有効に働いておる制度だと思っております。 でん粉につきましてはアメリカから強い自由化の要求がこの間もございましたけれども、それを一応しのいでおるわけでございまして、今後におきましても今るる申し上げましたような、国内の芋あるいは芋でん粉生産の根幹を守るという基本方針のもとに対処していきたいというように基本的には考えておる次第でございます。
○三治重信君 私は、そういう考え方そのものが根本的に間違っていると思う。外国からの輸入品が安いから、安いやつに国内の農民がつくったやつを上乗せして消費者に押しつけているということをやっていけば、これは外国から自由化されるというときに対する何の保証にもならぬ、非常に不利な状況になってくると思うんです。むしろ農民の保護をやるなら、生産費補助ならこれは不足払い制度をちゃんと国費を使ってやるべきだ、農民保護のためには。生産費がどうしても高くて困るというんだったら支持価格制度をやって、そんな輸入品のでん粉に全部おんぶしてやる、そういう何というのかな、非常に国際的な流通関係とか価格関係を無視した農業保護政策というのはやめないと、これはもう自由化なりなんなりいつまでたってもできやせぬ。これは意見だけ申し上げておきます。 それから乳製品について、ことしあたりは非常に景気がよくなって生産不足を来すような格好になってきつつあるというふうに聞いておるんですけれども、今までは農家に対して我々が知っている限り乳牛の、乳量を非常に生産制限をやっていたやつが、これはもう解除して全量、生産のやつはどんどん供給させているのかどうか。それから、北海道と内地とそういうような規制割合が違うように聞いておったんですが、それは全部解除になったのかどうかです。 何にしても乳製品は、今非常に国内の加工業者は乳製品の品物がないといって大騒ぎしているのが実情じゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(京谷昭夫君) 牛乳、乳製品の需給につきましては、御承知のとおり昭和五十年代以降、基本的には過剰傾向をとっておるという認識を持っております。ただ御指摘のように、六十二年、六十三年の状態を見ますと、飲用牛乳の需要が大変堅調に伸びておりまして、その結果、生産された生乳の手当て先は飲用牛乳に先に充当する、その結果乳製品の原料乳がやや減少をしまして、その結果、乳製品の需給が若干逼迫をしておるという状況が出ておることは事実でございます。 ただ、このような需給関係、大変大きい変動をしておりまして、六十一年度末にはバター、脱脂粉乳といったような乳製品について大量の過剰在庫があって、私ども大変困窮をしたわけでございます。この二年ほど若干様相が変わってきておりますけれども、そういった大きな需給変動に対しましては、私ども現在輸入割当制度のもとで、必要なバター、脱脂粉乳について輸入を行って、国内の需給安定に努めておるという状況でございますが、この状況は必ずしも私ども恒常的なものではない、全体の需要規模もいつ何どきやはり停滞をするかもしらぬということがございまして、基本的には国内の生乳生産に対する計画生産体制というものを維持していくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。 ここで一つ申し上げたいことは、先ほど経済局長からお話を申し上げましたとおり、先般の十二品目交渉におきまして、いわゆるガットのクロ裁定を受けた乳製品の中で、基幹的な乳製品であります脱粉、練乳等につきましては今後も輸入割当制度を維持していく。改めて来年度その残った問題については論議をするということで、現在小康状態をとっておるわけでございますが、私どもそういった基幹乳製品の輸入割当制度を維持する根拠といたしまして、生産調整を行っておるということが大変大きな根拠になっておるわけでございます。そういった今後の国際交渉上の問題、ただいま申し上げました需給情勢をめぐる実態上の認識から見まして、計画生産体制というものは今後とも維持していく必要があるというふうに私ども考えておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。 また、この計画生産体制の中で、北海道あるいは都府県間の調整割合がどうなっておるかということでございますが、最近の状況を見ますと、潜在生産力に対しまして、年によって若干の変動はございますが、二%ないし五%程度の生産抑制を行っておるということでございまして、総じて見ますと、北海道、都府県の間に大きな差はないというふうな理解をしておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 私は、まず大臣にお尋ねいたしたいと思います。 歴代の農水大臣は、ずっと一貫して農産物の自由化は行わないと言明してこられたと思っております。しかし、その後の情勢の変化もさることながら、農産物の八つの品目の自由化を今回行うと、こう言っておられるわけです。それらの結果、農民を初め国民の中から、日本の農政に対する大きな不満があるということは十分感じていらっしゃると思います。 聞くところによりますと、例えば農村や農業団体が自民離れをしつつあるという、もちろんこれは農政だけの問題じゃないと思います。リクルートの問題やあるいは悪税と言われている消費税の問題も一緒で、一つの柱として農政に対する不信が絡まっておることは否めない事実であると思います。それに対して、農水大臣としてこの国民不信、特に農民不信を何としても挽回したいと力んでいらっしゃるとお察しできます。では、どのようにしてその信頼を回復しようとしておられるのか、まずそのことを大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま御指摘になりました問題にお答えいたしたいと存じますが、御承知のとおり昨年牛肉・かんきつ及び十二品目の輸入自由化の措置を決定したわけでありますが、これに対し、農政に農家の皆さんが大変不信を持ち、また不安を持っておることは十分承知を いたしておるわけであります。 これの経過につきましては、十二品目はガットの場合においてクロという裁定を受けたわけでございまして、昨年二月一日でありましたか、これは結局日本が自由貿易を標榜しておる以上、このガット裁定はのまざるを得ないという形になりまして、ぎりぎりの線において、特に八品目にわたっての自由化がなされましたけれども、そのほか、でん粉あるいは脱脂粉乳等もなされましたが、これは先ほどから委員会で御審議いただいておりますように、今日酪農あるいはまた地域の農業に重大な影響を与えますでん粉等についても、一応来年までこれは自由化しないということの合意を見たわけであります。 このような経過を見まして、私どもはこれに対するいろんな施策を講じてきたところでありますが、まず農家の皆さんも十分これを理解されていないというのも現状だと思います。したがって、その後の交渉になりました牛肉・かんきつ、これはもう昭和五十二年からずっと続いてきたアメリカの要求でありましたけれども、これもいよいよ最後にガットの場に提訴されればどうしてもクロの裁定が予測される。そういうことになれば、結果的にああいう公の場でクロの裁定になりますと無条件にこれをのまざるを得ない。こういうことになりますので、我が政府としましても、私も途中、昨年三月は渡米をいたしまして、そしてヤイター通商代表、リン農務長官あたりとも相当粘り強い交渉をいたしましたけれども、なかなか日本の立場は理解されませんでした。御承知のとおり、五月、六月と二回に農林水産大臣も渡米されまして、そしてぎりぎりの条件をつけて、その条件のもとに自由化せざるを得ないという判断をいたしたところであります。 しかし、この二つについては、さらに強力な畜産関係二法あるいは今回のこの特定農産物加工法あるいは昨年の臨時国会における補正予算、そうしたものによって強力な対策を講じておるわけでありますが、実質農家の方々に重大な影響というのは今日までまだ与えていないのが実態であります。 こういうことを考えますときに、いま少し農家の皆さんに対する我々の説明不足あるいはまた十分な対応策、そういうものが理解されなかったところに大きな不安、不信が出てきたんだろうと考えております。 あわせて将来、特にこの牛肉・かんきつについては実施しないと政府・与党ともに強い姿勢で臨んでおったところに、とうとうアメリカに押し切られたという一つの不信というのがあろうと存じます。したがって将来、今後また米等に対しましてもあるいは自由化するんじゃないかというような強い懸念があることを承知いたしております。このことについては、米は日本の主食であるし、そしてまた農業の基本をなすものであるということ、稲作は国土あるいは自然環境の保全、そうした多面的な役割も持っておるということで、今日ウルグアイ・ラウンドにおきましても今後アメリカとの二国間交渉には応じない。したがってウルグアイ・ラウンドにおいて、アメリカを含む各国の抱える農業の困難な問題、制度あるいはまた特に、アメリカの場合はウエーバー品目を含む今の非自由化品目等を一緒に協議する段階においては、米の協議も議論することにやぶさかでないという基本方針を立てておるわけです。 したがって、私どもは国の安全保障という立場から考えても、米の自由化というのは到底実行できる問題ではありません。そういうことを踏まえながら今後、米あるいはほかの農産物、そうしたものに対しましても強い姿勢で臨んでいくという考えを持っておるわけであります。したがって、そういうことを今後十分農家の皆さん方に御説明申し上げて、そして今後わかりやすい農政の展開の中で私どもは信頼回復に最大の努力をしていきたい、こういうように思っておるわけであります。そして、農業者が生産活動等に誇りと将来への展望が持てるような農政を展開し、そして理解を深めていきたい、こういうように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 国際的な視野に立って苦慮しておられることもわからないわけではありませんが、しかし次にお尋ねしたいことは、基本的にその国の国民生活、食生活、その国土でできる作物によってあかなう。足らざるものは外国から輸入する、これは当然である、こういう基本的な原則、考え方はいかがですか。
○国務大臣(堀之内久男君) 今喜屋武先生の御指摘のとおりでありまして、自給を原則とする、この方針には変わらないわけであります。しかし、国民のニーズというものは非常に豊かな食を要求しておるわけです。したがって、現在食生活も相当変革をいたしてきております。 昭和三十年代あるいは昭和四十年代の前半みたいな、米に対し魚あるいは野菜を中心にした食生活より、最近では食肉を相当摂取する食卓という形にメニューも変わってきております。そういう畜産を主軸という形になってまいりますと、国土の制約を受けておる穀物、飼料等においてはどうしても安い外国産の輸入に頼らざるを得ない、こういう方向にならざるを得ないのが現状であります。このことが、輸入とそして国産というようなもののバランスをとりつつそして安定的に食料を供給していく、これがこれからの農林水産省の使命だと、こういうふうに考えます。 したがって、農家の皆さん方にもそういう中での安定生産に努力をしていただく、その中でも私はまた国民の皆さんが大きな理解を持っていただきたいのは、やはり安全で衛生的でそして良質な食料、こういうことになりますと、これはもちろん農家の皆さんも最大限の近代化、合理化の努力をいただきまして、できる限りの価格引き下げに努力いたしてまいりますが、さっき三つ申し上げましたような状況の中で国民に理解をしていただく、こういうような方向での安定供給に努めていくということに精いっぱいの努力を傾けていくべきだと、こういうように考えております。 冒頭に申しましたように、自給を原則といたしますが、万やむを得ない、そうした国民のニーズによっては輸入もやむを得ない面もあろうかと、こういうように考えております。
○喜屋武眞榮君 またお聞きしますが、どの国にも歴史的、地理的関係からその国になければいけない産物というのがあるわけですね。これは、ただ売り買いとか、安かろう高かろうということで処理すべきものではないと私は思っております。その歴史的、地理的背景を担った、この国にはこれしかできない、これを基幹作目と言うでありましょうが、基幹作目に対して大臣はどのように考えておられますか。
○国務大臣(堀之内久男君) 御指摘のとおり、やはりその国民の文化あるいはまた特殊な感情というものがあろうと存じます。特に、米作というものは国民の主食であるし、日本農業の基幹作目であると、こういうことはもう国民全体が御理解をいただいておると思います。 したがって、米に起因しますいわゆる水田稲作というものは、ただ米を生産するというだけではなくて、国土、自然環境の保全という、あるいは先ほど先生から御指摘のこの米、水田稲作による文化というもの、日本の古いゆかしい伝統の文化というものは、やはりこれを源泉としておるわけです。そうしたもろもろの多面的な役割を果たしておる稲作等におきましては、これは広く国民の理解を得ながら、そしてまた国の安全保障という立場からも、私は当然自由化すべきでないと思いますし、自給を原則としていかなきゃならぬと思います。先般、国会の決議等もございますので、私はやはり広く国民の理解の上に自給を原則として今後も進めてまいりたいと、こういうように思っております。
○喜屋武眞榮君 もう一つお聞きしたいのですが、この国にはあるいはこの地域には、国土なりにおけるこの地域、あるいは日本なら日本、国の単位でもいいんですが、これしかできぬと、これを基幹作目と言うでありましょう。その基幹作目は国の責任において、国の義務においてそれを守 り育てる私は責任があると思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堀之内久男君) これまた先生の御指摘のとおりであります。したがって、地域によってはその作物というものはその地域経済の大きな死命を制するわけであります。例えば先生御出身の沖縄あるいは奄美大島等になりますと甘蔗糖、あるいは北海道のビート、あるいは鹿児島のサツマでん粉、あるいは北海道のバレイショでん粉、こういうように、地域的には地域的な農産物であっても、よって来る由来というものを考えますときに、その地方によってはこれは当然大きな文化のもとであるし、また地域経済の大きな源泉にもなっておるわけです。したがって、今日までもそうした地域適産というものを十分理解しながら、政府としては今日までもやってきたつもりでありますし、これからも私は、そうした特殊な地域の経済あるいは産物というものについては強い姿勢で、これは自給とかそういうものではなくて、その地方の経済を支える基幹である、こういう観点から今後も努力をしていきたいと決意をいたしておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 地球的な規模から見ると、終戦直後における日本の立場はいわゆる国際分業論を前提にしたことは、これはやむを得なかったと思う。ところが、今日、それが金科玉条になるところに問題がある。といいますのは結局競合という、国際的立場になった競合という場合に、そこから問題が派生するわけですが、私はそういう立場からこの特定農産加工業の経営の改善が円滑に配慮されなければいけないんじゃないか。 こういう点から、例えばパイン缶詰について見ますと、昭和六十二年度の沖縄のパイン缶詰生産量は約七十万ケースで、加工工場の出荷額では五十三億円となっております。ところでパイン調製品に対する輸入枠の増加、関税率の軽減によって外国産パイン缶詰の輸入量がふえてくる、これは十分予想されます。またいつも陳情、要請、お百度を踏んでおることがパイン缶詰とサトウキビの例の問題なんです。だから、すべて枠を外して競合のいわゆる勝負の世界でやったら、これはひとたまりもなくなぎ倒されることはもう火を見るよりも明らかであるんですね。ところが、日本でパインのできるのは一体どこにあるのか。サトウキビも沖縄県を主として鹿児島県の一部しかないはずであります。てん菜は北海道もありますけれどもね。しかし、国にとってはまさにこれは基幹作目に位置づけていいと私はいつもそういう見方をしております。 しかも、パインは酸性土壌、沖縄におけるパインのできる土質というのは決まっておる。それを軍事基地の犠牲にされて、その農耕地を基地に占領されてそこに住まう農民はそこで生活できぬものだから、酸性土壌と好土を求めて八重山に移住しておるんですよ。ところが締め出されておるんです。こういうところに二重三重の踏んだりけったりのパンチを受けておるということなんですね。これこそいい政治であるならば、日米安保ということで安保が憲法よりも優先していくところに問題があるんですよ。我々は、安保は憲法に優先するとは思っておりません。あくまでも憲法が主権在民のとりでなんです。そういう形で、犠牲と差別がいろいろな形で強いられてきておるんですよ。このパインの問題にしても、サトウキビの問題にしてもその他もろもろあります。時間がありませんから多くを述べられませんが。 そういうことで私は、特に基幹作目ということについて農は国のもとであるという厳とした羅針盤がございます。それが空手形的なお飾り文句ではいけないと思うんです。それに実を伴う、ここに日本農業の正しいあり方があると思うんですね。そこを国際的な視野に立ってどのように調整していくかということは、これは政策、政治の問題であるわけですが、何としても国土における基幹作目、それは県民の、国民の生活につながる、このことをお忘れになるというととんでもない政治の方向に、主権在民から離れた変な方向に政治が行く、これが今の日本の混乱である、混迷である、私はそう断ぜざるを得ません。 そういうことで、この基幹作目一つとらえても、そして沖縄の現状と結びつけて二重三重のパンチを食らって、陳情、要請。議会でも、これは筋違いの言葉かもしれませんが、定例県議会の数よりも臨時議会を招集したその数が年間多いんです。そういう県がどこにありますか、一体。これが今、軍事基地と今の県民の農業問題にしましても、いろんな生活面にかかわる脅威が空からも海からも陸からもある、こういう現状をただ一般論で、国際的な視野で云々ということで片づけられたんじゃ、まさに人間不在の沖縄の農政になるんですよ。どうかそういった点についてひとつ、まだ問題も用意してありますけれども、これで時間の関係でやめますが、私の要望に対する大臣のコメントを求めて私は終わります。
○国務大臣(堀之内久男君) 沖縄が特殊な事情にあるということは、もう重々我々も承知をいたしております。例年、甘蔗糖の価格決定に当たりましても、そのような特殊な事情ということを十分配慮しながら、我々も当時党、そして政府といろいろと協議をさせていただいた段階であります。これからも当然そうした特殊な事情を十分念頭に置きながらやらせていただくつもりであります。 今回法案の対象になっておりますパイナップル缶におきましても、これまた私どもが昨年三月参りましたときも、沖縄のパイナップル缶というものを幾ら完全自由化してみたところで、全額やっても三十億足らずじゃないかと。このことについて米国が目くじらを立てるのはおかしいということで、このことも強く訴えたところでありましたけれども、なかなかこれが十分理解を得ることができませんでした。したがって、これからのパイナップル農業というものはもう日本では沖縄しかない特殊な作物であります。今後、それぞれ政府といたしましても品種改良等を進めて、できれば大部分を生鮮食料として内地の方に輸送いただき、残りは八重山さらに本島に一つずつの工場をこの転換法によってさらに近代化を図ってそして生産性を上げていく、そしてその後の販売等に当たりましては、ちょうどでんぷんと同じような抱き合わせ制度でこれを行って、そしてパイナップル業界に打撃を与えないような形をとっていこうという決意をいたしておる段階でございます。
○委員長(福田宏一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております特定農産加工業経営改善臨時措置法案に対して反対討論を行います。 反対の第一の理由は、本法案が、自由化に伴う単なる国内対策というよりは、ジュースやトマト加工品、でん粉などの自由化に伴って発生する括弧つきの「過剰」に備えてこれら加工品の生産を縮小するためのものだからです。 本法案の第一条には「農業及び農産加工業の健全な発展に資することを目的とする。」と書かれておりますが、しかし質疑の中でも明らかにしたとおり、実際には加工トマト、ミカンなど九業種の農業生産を縮小し、農協や中小企業が中心の農産加工業をも縮小させるものです。 これは、昨年成立した畜産物価格安定法改正による牛肉の畜産振興事業団による一元輸入の廃止、さらにこの三月に成立した関税定率法改正などと同様、農産物輸入自由化の仕上げ法の一つです。 反対の第二の理由は、本法案が大企業をも融資と優遇税制の対象としていることです。しかも、このことによって、大企業が今進めている海外進出と国内生産の空洞化、国内工場のスクラップ化を一層促進することになるでしょう。 ジュースやトマト加工品、さらに牛肉調整品などの自由化決定以来、大企業の海外進出は大変急 激に進行しています。農産物自由化はアメリカの圧力によるだけでなく、これら多国籍化している日本の大企業の利益に沿ったものであることは明白です。このような国民経済の安定と日本農業の発展を損なう大企業の行動を支え、促進する本法案に賛成することは到底できません。 反対の第三の理由は、本法案による農産加工業の縮小が、農村婦人を含む労働者の雇用に重大な打撃を与え、ただでさえ深刻な雇用難に拍車をかけることです。 ところが、本法案では、雇用問題について政府に一般的な努力義務を課しているだけで、現実に発生する失業問題に、何ら有効な手だてを講じようとしていません。 今求められていることは、このような法案を施行することではありません。農産物自由化への道ではなく、国産原料を使った農産加工業を振興することにより、真に農業と地域経済の発展、つり合いのとれた国民経済の発展をこそ追求すべきです。これこそが農民と労働者、消費者の真の願いであることを最後に申し上げ、反対討論を終わります。
○委員長(福田宏一君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 特定農産加工業経営改善臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福田宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 一井淳治君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。一井淳治君。
○一井淳治君 私は、ただいま可決されました特定農産加工業経営改善臨時措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 特定農産加工業経営改善臨時措置法案に対する附帯決議(案) 農産加工業は、農業と極めて密接な関連の下で、国民に食料を安定的に供給し、地域農業の振興と地域経済の活性化に資する等重要な役割を果たしてきた。しかるに、農産加工品の輸入の増大に加え、今回の牛肉・かんきつ、農産物十二品目の輸入自由化措置等により、我が国の農産加工業は厳しい事態に直面せざるを得なくなっている。 よって、政府は、農業及び農産加工業の健全な発展を図るため、農産加工業者の新たな経済的環境への円滑な適応が図られるよう、本法の施行に当たり、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 一 原材料を含む農産加工品の輸入の急増が、経営基盤の脆弱な農産加工業に悪影響を及ぼすことのないよう農産加工業の経営基盤の強化のため、農産加工業の振興に努めること。 二 近年の消費者ニーズの多様化に対応して原料用農産物の安定的生産、国民食生活の安定等を図る見地から、農産加工品の開発、新技術の開発に努めること。 三 加工適性品種の開発、栽培技術の確立に努め、農業の生産性向上等を図ることにより農産加工業のニーズに即した原料農産物の安定的供給が図られるよう努めること。 四 国民に対し、安価で良質かつ安全な食品の安定的な供給が図られるよう食品流通の合理化を促進するとともに、検査体制の整備、表示の適正化に努めること。 五 経営改善計画等の承認に当たっては、速やかに行えるよう指導体制の整備に努めるとともに、地域農業の振興との関係に十分な配慮がなされるよう指導すること。更に、経営改善計画等の円滑な実施のため実効ある指導を行うこと。 六 特定農産加工業者に対する融資制度の運用に当たっては、農産加工業の実態を十分考慮した適正かつ迅速な貸付けに留意し、事務手続きの簡素化等に配慮するとともに、所要の資金枠の確保に努めること。 七 農産物の市場開放措置の特定農産加工業者に対する経営への影響は、雇用される労働者の利害に重大な関係を有するものであることにかんがみ、雇用の安定、生活の安定に最大限の措置を講ずるよう関係行政機関との連携を密にし、雇用安定対策に万全を期すること。 右決議する。 以上でございます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(福田宏一君) ただいまの一井淳治君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福田宏一君) 全会一致と認めます。よって、一井淳治君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、堀之内農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。堀之内農林水産大臣。
○国務大臣(堀之内久男君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(福田宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(福田宏一君) 次に、農用地利用増進法の一部を改正する法律案及び特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次両案の趣旨説明を聴取いたします。堀之内農林水産大臣。
○国務大臣(堀之内久男君) 農用地利用増進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農用地利用増進法は、昭和五十五年に制定され、農用地利用増進事業の実施を通じ農用地の流動化と有効利用の促進に成果を上げてきたところであります。 しかしながら、最近における農業及びこれをめぐる諸情勢の推移にかんがみ、農業構造の改善を一層促進するため、農用地利用増進事業の円滑かつ効率的な推進を図ることが必要となっております。 また、近年増加傾向にある遊休農地につきまして、その利用の増進を通じ地域農業の振興を図る必要があります。 このため、本法律案は、地域農業のあり方についての合意形成を図りつつ、関係機関・団体による農用地の利用調整活動を活発化するとともに、遊休農地の利用を増進するための仕組みを新たに整備することを目的とするものであります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、実施方針に定める事項の追加であります。 市町村が農用地利用増進事業を行おうとするときに定める実施方針に、農用地利用増進事業の実施を通じて促進すべき農業構造の改善に関する目標等を追加することとしております。 第二に、農用地の利用関係の調整の推進であります。 農業委員会は、農業経営の規模の拡大を図るための計画について市町村の認定を受けた者からの申し出に基づき農用地の利用関係の調整に努め、 利用権設定等促進事業の実施を市町村に要請することとしております。 また、農業協同組合は、組合員のために農用地の利用関係の調整を行い、農用地利用増進計画を定めるべきことを市町村へ申し出ることができることとしており、また、農作業の受委託のあっせん、受託農業者の組織化等に努めることとしております。 第三に、遊休農地に関する措置であります。 遊休農地について、その農業上の利用の増進を図るため、農業委員会による指導、市町村長による勧告、農地保有合理化法人による買い入れ等の協議ができることとしております。 以上のほか、農業委員会、農業協同組合及び農地保有合理化法人は、農用地利用増進事業の円滑な推進に資することとなるよう、相互に連携を図りながら協力するように努めることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 次に、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、国民の余暇の増大や価値観の多様化等に伴い、農業者以外の者の中には、野菜や花等を栽培し、自然に触れ合いたいという要請が高まっております。このような要請にこたえていくことは、農業・農村をめぐる厳しい情勢の中で、国民の農業・農村に対する理解を深めるとともに、地域の活性化と増加傾向にある遊休農地の利用の増進を図る上で極めて有意義なものと考えられます。 このため、政府といたしましては、地方公共団体または農業協同組合が行う特定の農地貸し付けについては、農地法の制限を緩和する等所要の特例措置を講ずることとし、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、特定農地貸し付けとは、地方公共団体または農業協同組合が行う農地の貸し付けで、小面積の農地につき相当数の相手方を対象として定型的な条件で行うものであることその他の要件に該当するものをいうこととしております。 第二に、地方公共団体または農業協同組合は、特定農地貸し付けを行おうとするときは、申請書に貸付規程を添えて、農業委員会に提出して、その承認を求めることができることとしております。 第三に、農業委員会の承認を受けた特定農地貸し付け及びそのための農地の権利の取得につきましては、農地法の権利移動の許可を不要とするとともに、耕作権の保護等に関する規定を適用除外とすることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(福田宏一君) 次に、両案の補足説明を聴取いたします。松山構造改善局長。
○政府委員(松山光治君) 農用地利用増進法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。 第一に、農用地利用増進事業の実施を通じて促進すべき農業構造の改善に関する目標であります。 この目標は、農用地利用増進事業の実施を通じ、農業構造の改善を一層促進するためには、その地域の実情に応じ地域農業のあり方についての合意形成を推進することが重要であるとの観点から、実施方針において新たに定めることとしております。 第二に、農用地の利用関係の調整の推進であります。 まず、農業委員会は、農業経営の規模の拡大を図るための計画について市町村の認定を受けた者から農用地について利用権の設定等を受けたい旨の申し出があった場合には、農地保有合理化法人の協力を得つつ、必要な場合には勧奨を行って、農用地の利用関係の調整に努めることとしております。 農業委員会は、この調整が整ったときは、市町村へ利用権設定等促進事業の実施を要請することとし、市町村がこの要請の内容と一致する農用地利用増進計画を策定する場合には農業委員会の決定を経ることを要しないこととしております。 また、広域的な農用地の利用関係の調整が必要なときは、都道府県農業会議は、関係農業委員会に対し、資料及び情報の提供等を行うよう努めることとしております。 次に、農業協同組合は、その組合員に係る農用地の利用関係の改善を図るため、農用地の利用関係の調整を行い、農用地利用増進計画を定めるべきことを市町村へ申し出ることができることとし、市町村は、その申し出を勘案して農用地利用増進計画を定めることとしております。また、農業協同組合は、農作業の受委託のあっせん、受託農業者の組織化等に努めることとしております。 以上のほか、農用地の利用関係の円滑な調整等に資するよう、農業生産法人に利用権の設定等を行うため、その構成員が農用地の取得等を行う場合についても、農用地利用増進計画の対象とすること等の措置を講ずることとしております。 第三に、遊休農地に関する措置であります。 近年増加している遊休農地の解消とその有効利用を図るため、正当な理由なく耕作放棄している者に対する農業委員会による指導、市町村長による勧告ができることとしております。また、遊休農地所有者等がこの勧告に従わないときは、農地保有合理化法人は買い入れ等の協議を行い、その結果買い入れ等を行った農地を農業経営の規模の拡大を図るための計画について市町村の認定を受けた者へ売り渡し等を行うこととしております。 第四に、農業関係機関・団体の協力であります。 以上申し上げましたように、本法律案では農業委員会、農業協同組合及び農地保有合理化法人について農用地の利用関係の調整等に関し新たな役割を規定することとしており、これらの機関・団体が、農用地利用増進事業の円滑な推進に資することとなるよう、相互に連携を図りながら協力するように努めることとしております。 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。 次に、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。 第一に、特定農地貸し付けの定義であります。 特定農地貸し付けとは、地方公共団体または農業協同組合が行う農地の貸し付けで、政令で定める面積未満の農地につき相当数の相手方を対象として定型的な条件で行うもの、営利を目的としない農作物の栽培の用に供するためのもの、政令で定める期間を超えないものという要件に該当するものをいうこととしております。 第二に、農業委員会による特定農地貸し付けの承認であります。 農業委員会は、地方公共団体または農業協同組合が特定農地貸し付けの用に供する農地の所在等を記載した貸付規程を添付して承認の申請をした場合において、その申請が、周辺の地域における農用地の農業上の効率的かつ総合的な利用を確保する見地から見て農地が適切な位置にあり、かつ、妥当な規模を超えないものであることその他の要件に該当すると認めるときは、承認することとしております。 第三に、農業委員会の承認を受けた特定農地貸 し付け及びそのための農地の権利の取得についての農地法の特例であります。 農業委員会の承認を受けた特定農地貸し付けによって農地の使用収益権が設定される場合及び特定農地貸し付けの用に供するため所有権または使用収益権を取得する場合には、農地法の許可を不要とすることとしております。 このほか、特定農地貸し付けの用に供されている農地等につきましては、農地法の耕作権の保護等に関する規定を適用除外とすることとしております。 第四に、農業協同組合の事業の特例であります。 農業協同組合は、農業委員会の承認を受けたときは、農業協同組合法の規定にかかわらず、組合員の所有に係る農地について特定農地貸し付けを行うことができることとしております。 第五に、土地改良事業の参加資格の特例であります。 農業委員会の承認を受けた地方公共団体または農業協同組合をその農地につき権原に基づき耕作の業務を営む者とみなし、土地改良事業に参加する資格を有する者とする旨の土地改良法の特例を設けることとしております。 以上のほか、市町村または市町村長に関する規定につきまして特別区等の特例を設ける等所要の規定の整備を行うこととしております。 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(福田宏一君) 両案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会 —————・—————