P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
114回国会参議院1989/03/28

農林水産委員会 第2号

発言数
113
登壇者
15
会派数
4
開催日
1989/03/28

会議録

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月十四日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。また、昨日、本村和喜君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。     —————————————

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に鈴木貞敏君、吉川博君を指名いたします。     —————————————

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 次に、羽田農林水産大臣及び水谷農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽田農林水産大臣。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) このたび農林水産大臣を拝命いたしました羽田孜でございます。  農林水産業をめぐります内外の情勢は、私が前回大臣を務めましたときよりさらに厳しさを増していると認識をいたしております。このような重要な時期に農林水産大臣を再び拝命しましたが、その責務は極めて重大であり、身の引き締まる思いであります。  農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料等を安定的に供給するという重大な使命を担っているほか、活力ある地域社会の維持、国土・自然環境の保全など、我が国の経済社会の土台を支える重要な役割を果たしております。  私は、皆様方の御指導をちょうだいいたしまして、農林水産行政の責任者として、我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でございますので、よろしくお願い申し上げます。  ありがとうございます。(拍手)

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 次に、水谷農林水産政務次官。

水谷力自由民主党農林水産政務次官

○政府委員(水谷力君) このたび農林水産政務次官を拝命いたしました水谷力でございます。  我が国の農林水産行政は、幾多の困難な課題を抱えておりますが、羽田大臣を補佐いたしまして、全力を傾けてこの難局に当たりたいと存じております。  何とぞ委員皆様方の御支援のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。  ありがとうございます。(拍手)     —————————————

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 次に、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長堀之内久男君。

堀之内久男自由民主党

○衆議院議員(堀之内久男君) ただいま議題となりました農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。  農業協同組合合併助成法は、昭和三十六年に制定され、昭和四十一年以来、六回にわたり、同法に基づく合併経営計画の認定制度の適用期間の延長措置を講じてきたところであります。  その間、農業協同組合の合併は、関係者の努力により一応の成果をおさめてまいったのでありますが、全国的には依然として、規模の小さい農協、行政区域未満の農協が多数存在し、これら農協にあっては経営基盤の強化を図ることが緊急の課題となっております。また、今日、農協を取り巻く経営環境の変化、とりわけ、金融自由化、農産物輸入自由化の進展による影響が懸念されるに至っており、系統農協では、組織の全力を挙げ、農協合併の推進に取り組むこととして、農業協同組合合併助成法の再延長を要望しているところであります。  本案は、こうした課題にこたえるため、平成元年三月三十一日をもって期限切れとなる同法に基づく合併経営計画の認定制度の適用期間を、平成元年四月一日から平成四年三月三十一日まで延長することとし、この合併経営計画の認定を受けて合併する農業協同組合に対し、従前と同様に、法人税、登録免許税、事業税等の軽減措置が適用されるよう、租税特別措置法等関係法律について所要の改正を行い、合併促進の一助としようとするものであります。  以上が本案提出の趣旨及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 羽田大臣、二度目のお務め、本来ならば大臣に就任ということでおめでとうございますと言うことなんでしょうが、この厳しい農政不信の中での大臣でありますから、御苦労さまですということをまず申し上げておきたいというふうに思います。何とか、この農政不信を取り除くために最大限のひとつ努力をしていただきたいというふうに思います。それとまた、畜産価格の決定を目前にして、衆議院の方では何か委員会も開かれないというような状況で、農民の方々にとっては一体国会というところはどういうところだろうというような思いをしておられるのじゃないかというふうに思いますが、参議院は委員長や理事の皆さん方の御努力で、本日短い時間ではありますけれども、この委員会を開くことができたということについて、その御努力に心から敬意を表したいと思います。  時間もございませんので、当面する畜産価格の問題について、まず酪農経営の現状認識の問題でありますが、いよいよ平成元年度の加工原料乳の価格について新聞論調等見ていきますと、北海道における生乳の生産費が約九・八%下がっているというようなことから、四年連続引き下げというような方向で、何か作業が進められているというようなことがしきりに報道されております。昨日の日本農業新聞では、「底なし乳価もう限界」という見出しで、「政府の引き下げ路線に猛反発」、こういったような見出しも出ておりまして、私もずっとこの農林水産委員会で畜産価格の審議に当たってきたそういう立場からすれば、この農民の人たちの気持ちは十分過ぎるほどわかるわけであります。したがいまして、この平成元年度の加工原料乳の価格は、酪農経営の安定に十分配慮して再生産、所得の確保が図られるように、適正に決定することがどうしても必要だというふうに思います。  ここ三年、本当に連続して価格は引き下げられておるわけですが、これは生産現場の実態を無視した機械的な算定方式による決定であって、ことしもということになることについては、私は断じて許されるものではないというふうに思うんです。そんな点で、まず初めに、畜産をめぐる状況が昨年来どのように変化してきたのか、その引き下げを可能とするような素地があるのかどうか、その辺についてお伺いをいたしたいと思います。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) まず、最近の畜産をめぐる情勢でございますけれども、我が国の畜産は、今や我が国の農業の基幹的な部門になっております。最近においては需要の伸びが鈍化傾向を示す、これはもろもろのものはそうでありますけれども、牛肉を除きまして生産力の増大や輸入食品との競合により、ややもすれば需給不均衡の事態を招来しやすい状況となっておるということが申し上げられると思います。また、対外的にも市場開放問題についての厳しい対応を余儀なくされている状況であります。  こうした中にありましても、酪農、肉用牛等の経営状況につきましては、本年度においては総じて安定的に推移してきているところでございますけれども、今後とも、畜産物の安定供給と畜産経営の健全な発展を図っていくためには、畜産物の需要動向への的確な対応に努めるとともに、生産コストの低減等、経営の体質強化を図っていくことが緊要な課題となっているというふうに私どもは認識しております。  そして、今先生の方から御指摘がありましたのですけれども、四年連続引き下げに向かって準備をしているのじゃないかということでありますが、これは機械的にそういうことを申しておるわけではないわけでありまして、御案内のとおり、一定のルールに基づきまして生産費を調査しておりますと、もうこれはよく御案内のとおり、子牛の価格が非常に高いという状況にあるということ、そしてえさも一回値上げを少ししましたけれども、比較的低位に安定してきておるということで、生産費が九・八%ほど下がっておるということでございます。そういうことが一般に報道されるときに、価格そのものが何か引き下げられるというふうに報道されておるわけでありますけれども、私どもはそういったものを基本にしながら、需給の事情ですとか、あるいは何というんですか、全体の経済情勢、そういったものを見きわめながら畜産振興審議会、こちらでの御議論を踏まえて、私どもは適正な価格を決定していきたい、かように考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 九・八%というようなことで何か試算がなされたようであります。  これは、事務当局にも初めに言っておきますけれども、昨年の実は畜産価格のときに、あなたも御存じじゃないかと思うんです。実に答弁が、何かそのときそのとき何とか過ぎれば後は何とかなるというようなことがありまして、私も非常に憤慨したわけですよ。それで、局長、それから前の佐藤大臣が、一応私に対する陳謝もありましたけれども、委員会の場ですからやっぱりできないものはできないとか、やってないものはやってない、やれないものはやれない、そういうことがある程度ざっくばらんに話し合われなければ何のために委員会でやっているのかという、委員会で審議しているのかということになるわけで、そこから農政不信というものが起きてくるわけですから、だから農政に信頼を取り戻すという意味からも、やっぱり答弁については、特に事務当局について私は最初にそのことを申し上げておきたいというふうに思います。  本当に、私も昨年以来そういうことで非常に畜産局に対して不信感を持っておるわけです。私の不信感を取り除くようなひとつ答弁をしてもらうようにお願いをしたい、このように思います。  そこで、何か私だけじゃなくて一般農民の人たちも、また内外価格差を縮小せにやならぬという問題もあって、下げの要因ということについては極めて敏感に、何というんですか、対応するというか、こういう要因があるということを言われるんですが、その下げの要因の主たるものは何です か。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 下げの要因につきましても幾つかあるわけでございますけれども、その大きなものにつきましてはいわゆるぬれ子価格、副産物価格でございますが、それが非常に高水準であるというようなこと、あるいは一頭当たりの乳量がかなり伸びておる、あるいは経営規模がかなり大きくなっておるというようなことが主たる要因でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 多分そういうことだろうというふうに思うんですが、プラスするような要因というのはありませんか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) プラスの要因といたしましては、ことしの四月一日から消費税が課せられることになっておりまして、今回の行政価格におきましては、その消費税を加味するというような形にいたしております。個々の要素といたしましては、労働力の単価が若干上がっておる、個々の問題はございますけれども、一番大きい要因は消費税の問題であろうかと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 何というんですかね、マイナスの要因はわかります。プラスの要因ということも加味をしていかないと下げの要因ばかりが強調されまして、例えば今ちょっとお話がありましたけれども、子牛、ぬれ子ですね、これが今非常に高水準であるけれども、そういう価格というのは変動するわけでしょう。それがそのまま算定に織り込むということになれば、これは生乳の生産費が大幅に変動することになっていくわけですね、価格の変動が大きいわけですから。そういうものを一体どういうふうに見るのか。  それから、大臣のところへも農民団体の人が行ったときに言っていましたが、昨年から、この計画生産から足りないということで搾れ搾れというようなことなどもあったりして、大変乳牛の母体に無理をかけているわけですね。無理をかけているから、だから何年か使えるものがその寿命が短くなるわけです。そういうものを一体どういうように見るのか。今まで、例えば六年なり七年なりで更新したものが五年だとか六年とか短くなる、そういうものをどのように一体見るのか。そういうものは一つもやってないじゃないかという声は、これは農民から出るのは当然ですね。  それから、生産性のメリットの問題です。これも引き下げの要因ということになっていくわけですけれども、一生懸命努力した生産性のメリットが、全部引き下げの要因に何かなっていく、これはもう内外価格差というものを縮めるという意味で、それを使うということは非常に都合がいいのかもしれませんけれども、これは努力が報われないということは、どんな仕事の場合でも一番不満がそこにくることじゃないんでしょうか、そういう問題があります。労働時間の短縮、乳量増ですね、こういうことについての、生産性の向上メリットについてはほとんど生産者に還元していない。このことについて一体どのように考えるのか、そういうことも私はプラスのメリットとして考えていくべきではないか。  それから、家族労働費の問題です。これももう何年もこのことは要求しているんですよ。でも、全然これは見てくれないといいますか、製造業五人以上規模労賃、これが飼育家族労働についてはこういうことでありますけれども、自給飼料生産の家族労働については、牛乳生産費に使用されている農村雇用労賃で評価しているんですね。この労賃の問題についても、これも何年もずっと要求をしているのだけれども、それについては全然見ようとしてこない。  それから、飼料費の算定の問題についても、昨年の米国の干ばつなどで主要穀物輸出国における穀物供給は、これは不安定な状況にあるということは言えると思うんですが、これについては、昨年から安定基金による補てんが行われていますけれども、これとても生産者の積立金によるものであって、飼料価格の評価においても全然これが反映されない。そういったようなことが積み重なって、この引き下げということがもう初めに引き下げありきだ、それに合わせたような形で計算をして、試算をして、そして一応もっともらしく価格を決められるということについて、非常に生産者の人たちは不満を持っている、私はそう思っているんですけれども、その点についてはどうですか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 今広範にわたりまして、いろいろ問題の指摘があったわけでございますが、まず子牛につきまして、我々自身も現在の子牛価格が正直言いまして正常な価格とは必ずしも思っておらぬわけでございます。  したがいまして、従来もといいますか、六十二年度及び六十三年度もそうでございますけれども、生の生産費調査の数字を使ったわけではございませんで、それなりに分析いたしまして、やはり子牛価格についてはどの程度が適切かというような修正をやりまして、そういった数字を使った経過がございます。ことしの平成元年度の保証価格の算定に当たりましても、まさに高水準な子牛の価格をそのまま使うことについてはどうかなというような感じもございます。仮に調整をする場合にはどういうふうな調整をすればいいかというようなことで、現在評価の仕方についていろいろ検討いたしておるわけでございます。  それから、二点目の酪農家のいわゆる生産性の向上、例えば乳量のアップ等でございますが、これも近年かなり急速に乳量をアップいたしております。先生御指摘のようなことでかなり個体にも悪影響を及ぼしながらやっておるというようなこともございまして、償却費がかなりふえておるというような反面もあるわけでございます。例えば、乳量アップ等につきまして丸々見る方がいいか、あるいはそれをもう少しなだらかな形で見た方がいいかということについても、実は議論が行われておりまして、これも六十二年度及び六十三年度にそれなりの修正を行って、激変緩和といえば言葉として適切かどうかわかりませんけれども、そういうことをやったわけでございまして、平成元年度におきましても同様の措置を講じるかどうかということを、現在鋭意調整中でございます。  それから、家族労働費につきましては、これも長年の懸案でございまして、従来から飼料の作物労働につきましては、北海道におきます農村の標準的な労賃でございます農村雇用労賃で評価いたしておるわけでございますけれども、いわゆる飼育労働につきましては、酪農が年中無休である、あるいは非常に拘束的であるというような労働の特殊性を考慮いたしまして、従来から、特別に北海道におきます製造業の五人以上労賃をとりまして評価がえいたしておるわけでございます。  これらのルールにつきまして、その後、最近におきましては企画管理的なものについても見直したらどうかというようなこともございますので、それらも含めてどうあるべきかにつきまして、現在鋭意検討いたしておるわけでございまして、生産費調査そのものでは、北海道におきまして九・八%という下がった数字が出ておりますが、今言いましたようなことで、もろもろの各要素につきましてそれぞれ検討いたしておりまして、明日諮問いたします案の中ではお示しできるのではないかというふうに思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 内外価格差ということを含めて価格を下げるというようなことで、またことしもなされるのではないかというふうに思いますが、今までずっと三年連続下げてきて、引き下げてきた分についてはきちっとそのことが消費者の方まで届いているかどうか、その辺についてはどうでしょうか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) この問題につきましても、かねてから問題がございます。いわゆる保証乳価、これは農家の手取りでございますが、メーカーといたしましては、基準取引価格も近年下がってきておりまして、それを用いましてバターなりチーズなりつくっておるわけでございますが、これも若干ではございますが、末端のといいますか、工場出し値のバターなり脱粉の価格についてはそれなりに下がってきておるというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 一般的には、消費者にその価格の下げが還元されていないという、そういうことが言われているわけです。だから、ここのところは流通段階なり今のメーカーとの関係なんかひっくるめて、そこへみんな吸収されてしまうんじゃないか。そうなれば、生産者にだけ一方的なしわ寄せが来るということについての不満が非常に強いわけです。だから、そういうところに吸収されるのであれば、むしろ生産者に還元すべきでないか。しかも、今の酪農家というのは、政府の政策によって規模拡大などを含めてすごい負債があるわけでしょう。その負債をどうやって償還していくか。負債をなくしていく、そういう金融関係の農家経済の中に占める率が非常に高いわけですから、それを低くしていくということがやっぱり足腰を強くしていくということにつながっていくわけです。  今までのことを見ていくと、生産者にだけ一方的な犠牲を強いているという印象が非常に強い、そのことが消費者にきちっと還元されていないという印象が強いわけです。そこのところ、生産者に犠牲を強いた分はきちっと消費者にまで還元されて、内外価格差の縮小に役立っていますと胸を張って言えますか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) ちょっと数字を手持ちいたしておりませんけれども、この問題もかねてから御指摘の問題でございますので、我々も関心を持って見ておるところでございます。  先ほど申しましたとおり、保証乳価ももちろん下がってきておるわけでございますが、いわゆるメーカーとの取引価格でございます基準取引価格も下がってきておりまして、それに基づいたメーカーのバターなり脱粉の出し値もそれなりに下がってきておる。したがいまして、その限りにおきまして、消費者にもそれなりの還元が行われておるというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 考えておるだけじゃなくて、そこのところをきちっと流通関係も含めてやらなければ、それもまた農政不信に対する一つの大きな要素なんですよ。そこのところを、ただ見守るだとか関心を持っているということだけじゃなくて、きちっとそこら辺のところを指導しないとこれはだめなんですよ。時間もありませんから、そのことは私の方から言っておきたいと思います。  それから、加工原料乳の限度数量の問題ですが、昨年は二百二十五万トンということでありましたが、途中で飲用乳の消費が伸びてしまって、そちらの方に行かなくてまだ未達が十万トンちょっとぐらいあるでしょうか、そういう状況ではありますが、しかし緊急輸入した分を生乳分に換算すると四、五十万トンということになるんでしょうか。そういうことからいけば、限度数量はもっとふやすべきだと。飲用乳がふえて、それだけふやしたってとれないという、たまたまことしはそういう状況でありましたけれども、今後に向けては、限度数量はやはりふやしていくべきだというふうに思いますが、それはどのように考えていますか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 加工原料乳の限度数量につきましては、法律の規定に基づきまして生乳の生産事情ですとか、あるいは飲用牛乳なり乳製品の需給事情ですとか、あるいはその他の経済事情を参酌して決めるということになっておりまして、現在まだ案は確定いたしておりませんけれども、あす開かれます畜産振興審議会の酪農部会に諮るべく、現在鋭意詰めておるところでございます。したがいまして、現時点で、ここで幾らにするということを申し上げられないわけで恐縮でございますけれども、一般論といたしまして、昨年度事業団が脱粉なりバターの緊急輸入をやったわけでございます。そういった事実も含めまして六十三年度の需給動向を検討しなければならぬ。  それから、平成元年度におきます飲用牛乳の伸びがどうなるか、あるいは乳製品の伸びがどうなるか、あるいは逆にまた、最近国内の生乳の生産もふえてきておるわけでございますけれども、これもまた、国内の乳牛の頭数そのものは二百万頭強ということで、若干頭数は減っておるというふうなことのいわゆる頭数からくる限度等もございます。そういったいろんな諸要因を総合的に検討して、限度数量はいかにあるべきかということを決めていかなければならぬというふうに思っております。  その際、我々といたしましては、ひとつ対外的な問題も考えなければならぬというふうに思っております。御承知のように、一九九〇年度中に、いわゆる乳製品についての日米の協議をやらなきゃいかぬというふうなことになっておりますし、それから同時並行的に、現在ウルグアイ・ラウンドも進んでおります。そういう中におきまして、我が方が国内的に生乳の生産を非常に厳しく抑制しておるというようなことで、ガットのパネルでクロの判決が出たわけでございますけれども、日本としてはそれを拒否いたしておるというような状況にあるわけでございますので、いわゆる輸入制限をやるためには、やはり国内でかなりの計画生産をやっておるというような、そういう論拠を持たなきゃいかぬというような面もあることも、これまた念頭に置かなきゃいかぬと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 ガットの問題は、乳製品の輸入自由化の問題について、これはもう何回もこのことについては論議をしているわけでありますけれども、絶対に行わないということをぜひ確約していただきたいというふうに思うんです。中酪の中期需給計画で、一応生産制限的なことをここでやっているわけですけれども、それは国自体ということじゃなくて、中酪というところでやっているんですけれども、それはそれであれですか、国際的にきちっと通用するというような形になりますか。それはいかがでしょうか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 中酪がやっておるか、国がやっておるかの問題は別といたしまして、ガットの場におきまして国内で厳しい計画生産をやっておるということの認定につきましては、若干前回厳しい交渉をやった際に意見が違っておる面もございますが、いずれにしても、我が方が乳製品につきまして輸入の自由化をやらないという前提のためには、我が方としてもまさに国内で計画生産、——計画生産をやっておるという強い姿勢を示さなきゃならぬということでございますので、当面我々としましては、従来からの中酪でやっております。その計画生産につきまして高く評価いたしまして、そういう姿を今後とも続けてもらいたいというふうに思っておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 乳製品の輸入自由化は絶対行わない、そのための条件づくりだとか、そういうことがいろいろあるだろうと思うんですよ。それは農民団体としっかり話し合って、そしてお互いに信頼関係の中できちっとやっていただかないと、後からいやそういうつもりだったけれども、それは国際的に通用しなかっただとかなんとかということで、自由化せざるを得ないなんていうことになれば、ますますこれは農政不信ということにつながっていきますよ。そのことについて、私は真剣にひとつ取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  時間が余りありませんので、次に、ナチュラルチーズの開発の状況でありますが、最近のグルメブームなどによってナチュラルチーズの消費が伸びておるわけですね。これを推進すれば、日本も欧米並みの乳製品消費も夢ではないというふうに思うんです。このためにも、日本人の口に合ったナチュラルチーズの開発が必要だというふうに思います。ヨーロッパでは国ごと、また地域ごとに特色を持ったチーズがあって料理にも活用され、それぞれの味を出している。  そこで、日本におけるナチュラルチーズ開発の現状及びそれに対する政府の対策についてお伺いをいたしたいと思います。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 我が国の酪農乳業を発展させるためには、先生御指摘のように、まさにこれからチーズ、特にナチュラルチーズを伸ばしていく必要があろうかというふうに思っております。  農林水産省といたしましても、こういうような 観点に立ちまして遅まきではございましたけれども、六十一年度からではございますが、ナチュラルチーズの国内生産を推進するということの一環としまして日本人の嗜好に合った製品の開発、これも製品を開発し、かつその製品についての市場調査をやる、あるいはまた開発についての技術指導等をやるということにつきまして助成をいたしてきたところでございます。  それから、さらには六十二年度からでございますけれども、中央酪農会議に百七十億円の基金をつくりまして、その基金をもとにいたしまして新しい、日本人に合った製品開発をやらせるということのほかに、原料用の生乳に対しまして酪農安定特別奨励金の交付を行っておるようなところでございます。  特に、チーズにつきましての利用方法ですとかあるいは商品特性に関しましては、まだまだ国民必ずしも十分な知識を持っていないというようなこともございますので、生産者団体なりメーカー等で構成されます全国牛乳普及協会というのがあるわけでございますが、そこにおきましてチーズにつきましての知識普及なり、あるいは料理講習等の消費拡大事業をやっておるわけでございまして、農水省としましても、これらに対しまして指導、助成をやってきたところでございますが、今後とも酪農乳業発展のために、チーズ振興に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 ぜひこれは、ひとつ政府としてもしっかりやってもらいたいと思いますが、最近輸入ナチュラルチーズから重症なときには敗血症などで死亡したり、妊婦の場合には流産、死産の原因ともなるリステリア菌が検出されたというような報道がありました。これは、輸入食品の問題一般について、このナチュラルチーズだけではなくて、輸入食品一般の問題について質問したいと思います。  先日、チリ産のブドウの問題もあったですね。それで、実は食品の輸入が非常に増大してきている。昨年であれば届け出件数だけで五十五万五百六十八件だということになっておりますが、それに対して安全性を検査する食品衛生監視員の数が、六十二年度では七十五人というんです。昨年は七十八人、六十三年度は七十八人になっているんですよ。検査件数が実は八万六千四百七十九件で一五・七%ということです。  そこで、農水省の方でいえば、植物防疫担当官は七百人、動物検疫担当官は二百三十人ですね。毎日食べる人間の食品を検査する食品衛生監視員の数は、現在わずか七十八人ということになっておるわけですよ。虫だとかそれから動物並みにとは言わないまでも、これでは余りにもお寒い状態ではないかというふうに思うんですが、厚生省として食品衛生監視員の数の問題についてどのように考えておるのか。要望出しているのか、出していないのか、増の問題について。それからこの程度の、一五・七%の検査の件数ということで十分対応できるというふうに考えているのかどうか、その辺のところを、厚生省来ていますね、——お答えいただきたいと思います。

難波江厚生省生活衛生局乳肉衛生課長

○説明員(難波江君) お答え申し上げます。  厚生省といたしましては、輸入食品の安全性の確保の徹底を期すために、従来から検査機器の整備あるいは監視員の増員、職員の技術研修等を行い監視体制の強化、効率化を図ってきたところでございますが、先生御指摘のように、近年におきます輸入食品の急増にかんがみまして、昭和六十三年度の補正予算におきましては、残留農薬等の精密測定が可能な高度検査機器の整備をしたほか、平成元年度におきましては、食品衛生監視員の九名の増員、監視窓口の増設、コンピューターを用いた輸入食品監視情報システムの強化、その他検査機器の整備等を図ることとしているところでございますが、今後ともこれら増大する輸入食品の安全性を確保するため、効率的、効果的な監視体制の整備充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 一億二千万の国民の毎日食べる物でわずか七十八人、今度九人ふやすことにしたというんですか、随分みみっちいじゃないですか。国民の健康を守る、国民の命を守るんですよ。しかも、この輸入食品の検査のうち不合格件数は、届け出件数に対し〇〇・一%のものは不合格となっているんです。私は、前に中曽根さんが総理大臣のときに言ったんですが、防衛予算の増にはえらい力を入れるけれども、国民が毎日食べる食品の衛生監視員、食品衛生監視員の増員の問題については、これは極めて消極的だ。こんなばかなことがありますかということですよ。いつ来るかもわからないところに何兆円も金かけているんですよ。毎日食べる国民の食品のところにはこんな人数でやらせているんです。  農林水産省の、先ほど言いましたように、植物防疫担当官や動物検疫担当官よりもずっと少ないんだ。そんなに人間をお粗末にしてきているのか厚生省は、こういうことになるんですね。輸入食品がどんどんふえてきている、そういうことにきちっと水際で撃退するような、そういう態勢というものがないんです。ないところに、今日消費者の人たちが大変な問題だということで、非常な関心を持っていることになっていると言っているわけです。そういうことについても、国民の今の政治不信ということにつながってきている。  だから、どのくらいの予算を要求したのかあなたに聞いてもちょっとわかりませんけれども、羽田大臣も国務大臣でありますので、私が今申し上げたことは国民も重要な関心を持っていることでありますので、ひとつ政府としてもこのことについて十分な対応ができるような、一〇〇%ということはこれは望めないにしても、こういう努力をしているんだということがわかるような形で、ひとつやってもらいたいということをぜひ申し上げておきたいというふうに思います。  それから、いつもそうなんですが、外国からの通報だとか、それから東京都の衛生検査所ですか、そこだとかあるいは国内のどこかでこういうものが入っているというものが来て、初めて厚生省が対応するような形になっているわけですね。その辺なんかについても、もっと厚生省もしっかりやってもらいたい。しかし、限られた人間ですから、私も実際行ってみましたよ、東京のね、狭いところで本当に大変な苦労をしながらやっておるわけですけれども、私はこの問題、非常に重要な問題でありますので、特にこの機会に申し上げておきたいというふうに思います。  あと、時間がありませんので、酪農ヘルパーの問題も今時間短縮の問題が重要な問題になっておりますし、また後継者の問題ということも含めてこれは重要な問題ですから、ヘルパーの問題もひとつ十分考えておいてもらいたいというふうに思います。  それから、輸入牛肉の小売段階における産地表示、これなどももうどこの肉だかわからないような形で店頭で売られておるわけですから、産地表示の問題なんかについても十分ひとつ研究して、これは国民の方からも強い要望があるわけですから考えてもらいたいというふうに思います。  最後になりますけれども、実は昨年の十二月六日に、一井委員が岡山の場外馬券場の問題について質問をいたしました。そのときに畜産局長が答弁したことがあるんですが、現地ではまだ許可申請も何もないのに、現地の建設会社は場外馬券場だということで建設を始めるというようなことなどがあって、一体どうなっているんだ、大変地元では混乱をしておることをとらえて一井委員が質問したことについて、「無用の混乱を生ずることのないよう、関係業者に対する指導も行うよう中央競馬会に指示をしておる」と、この関係業者に対して慎重な対応をすべく再三にわたって要請を中央競馬会がしているという報告を聞いておるということでありますが、現在もさらにまた、何か現地ではやっているようなんですね。したがいまして、中央競馬会に督励をしているということでありますが、十二月六日以降どのようなことをなさったのか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 岡山の場外施設と思われるような建設が進められておりまして、そのことをめぐっていろいろ問題になっておるわけでございます。農水省としましては、建設工事そのものをとめる権限は実は有してないわけでございますけれども、中央競馬会に対しまして、この事案は地元調整がないまま既成事実が進んでおるわけでございますので、要は外見的に場外投票所が設置されるような印象を与えますと、地元を混乱させるというような感じがございますので、実際そういうことのないようにということで指導いたしておりまして、従来地元、そこの場所にJRAということで競馬会のいかにも場外施設のような表示があったわけでございますが、これも一井先生初め、関係の先生方からの御指摘等もございまして、競馬会にその看板を直すようにということで、現在はそういう表示は消滅させておるわけでございます。  ただ、そうでございますけれども、要は何になるかは別といたしまして、工事そのものは進んでおるというようなことでございまして、地元に無用の摩擦を起こしておるというようなこともございますので、競馬会をして、いわゆる誘致業者でございます日隈株式会社に対しまして、再三慎重を期せということで実はやっておるわけでございますが、当該業者にしてみますと、最終的に国が認めなければ別の目的に使うというようなこともまた逆に言ったりいたしておりまして、やや我々の行政が必ずしも十分に及んでないところがございますが、いずれにしましても、地元に無用の摩擦がないような形で競馬会を督励いたしておるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 このことについては、もう何度かこの委員会でもやっておりますし、吉国答申を踏まえてというようなことでありますので、農林水産省としての考え方は変わってないと思いますが、最後に、大臣いかがでしょうか。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、前大臣のときにもほかの委員会で御答弁申し上げておるようでございますけれども、この場外馬券売り場の設置につきましては、地元との調整が十分に行われない限り承認を行うつもりはないという従来からの御答弁に、私、今なお変わりないことを申し上げておきます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 終わります。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、二度目の御就任おめでとうございます。大変厳しい情勢でありますが、私も同県人でありますので、しっかりやってもらいたいと思います。  そこで、最初に政治姿勢と政治改革について、大臣の所信を伺っておかなければならないというふうに思います。竹下内閣に対する政治不信が高まって支持率が一二%に落ち込んだ、まさに内閣としては末期的な症状でありまして、国会の審議も進展しなくて暫定予算を組まざるを得なくなった。大臣は、竹下内閣の主要閣僚であり、また竹下派の重鎮であるがゆえに、あえて以下のことを質問して見解を求めるものであります。  第一点は、竹下内閣の支持率の低下は、リクルート疑惑、消費税、それに加えて農政不信が噴出したものであることは今まで行われた各種選挙を見ても明らかであります。自民党の農政問題の責任者として取り組んで、二度にわたって農林水産大臣に就任したあなたは、自民党農政の批判についてどのように感じておられるのか。  第二点であります。リクルート問題は徹底的に究明して、金権腐敗を打破して政治の信頼を取り戻さなければならないと思いますが、どうですか。リクルート問題に関係し、あなたの名前もマスコミに載ったり、衆議院の委員会で質問をされたこともありますが、あなたは政治献金など疑惑を持たれるようなことは全くないと断言できますか。  第三点であります。消費税の導入は農業関係にも大変混乱と不安を与えています。また、農民の生活をさらに苦しめることになるわけでありまして、消費税の実施を延期しなさい、あるいはまた凍結しなさいと私たちは要求しておるところであります。しかしあと四日、四月一日から実施をするとなれば、農業問題に対して与える影響も非常に大きいわけでありますが、そのことは時間がありませんから全般的なことは聞きませんけれども、当面する畜産物価格に対して消費税としてどのように対応していくのか。  第四点であります。国会の審議を軌道に乗せるためには、中曽根前総理の証人喚問あるいは国民の納得のいく政治改革を実現しなければならないと思いますが、あなたはいかなる見解を持っておりますか。  以上四点について、大臣としての見解をお伺いしたいと思います。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) まず、第一の問題につきましては、このリクルート問題というのがこのように大きく発展してきたということについては大変残念に存じております。私、就任のときにも申し上げましたように、私がシンポジウム等を開きましたときにおいでいただいておるという事実があることを申し上げた次第であります。  いずれにしましても、政治にかかわる活動資金というものが確かに必要であるということは事実でありますけれども、しかしそういったものによって政治不信を起こしてしまうということについては、私どもとしても深く反省しながら、こういった問題について国民の信を取り戻すための対応というものをしていかなければならないというふうに考えております。  前総理の喚問問題につきましては、これは国会の中で御議論をいただいておる問題でありまして、またこれに対しての対応というのはその立場でお考えになることで、私がどうこうというものではないというふうに思っております。いずれにしましても、こういった問題について再び疑惑を招かないような、本当の意味での政治改革というのを、これからそれぞれの立場あるいは院においても議論していくことが大事であろうと思っております。  ただ問題は、この問題に関連いたしまして委員会あるいは国会というものが正常に運営されておらないということは非常に残念であります。しかし、この問題については私が、これはもう個人的なあれでございますけれども、このための委員会というものも設置されていることでございまして、やはり今、国政の中には当面する私どもの農政の問題でも重要な問題があるわけでございまして、こういった問題についてぜひ審議を、何というんですか、徹底して追及していくといいますか、解明する。こういった努力と同時に、改革を進めるこの論議というものは別の段階で行いながら、やはり重要な国政の課題というものは、当該の委員会の中で進めていただけることがありがたいなということを感じておるところであります。  なお、この問題に関連いたしまして、消費税問題も起こってきておるという中で農政批判というのが行われておること、これは本当に私どもは残念に思うわけであります。と申しますのは、確かに今農政におきましても国際化の波というものを大きくかぶってきておるということは事実であります。しかし、こういったものに対しまして、私どもは私どもの国の立場を十分に各国に対して理解を求めながら進めてまいったわけでありますけれども、現実のところガットの場におきまして、十二品目のうち十品目は一応クロという裁定が下されておるということでありますし、また肉・かんきつ等について、これはガットの場にアメリカは提訴したわけでありますけれども、そこでの結果を得ることがいいのかどうか、こういったことをぎりぎり私たちも議論をし、そして前大臣を中心にしながら判断をいたしてまいったところであります。  その意味では、私どもは二国間でやったことによって国内措置あるいは国境措置そうして自由化の時期等につきまして先に送ることができたということは、我々にとってぎりぎりの選択であったろうというふうに考えておりますし、またそのための予算措置あるいは制度等につきましても一つの方向を出し得たことは、これからの畜産ある いは果樹その他の農産物につきまして一つの転機、これをきっかけとしてさらに足腰の強いものをつくり上げていかなければならないであろうと思っております。  ただ、こういった国際交渉の問題というのは、全部を交渉している最中等につきましては、これを本当に説明しながら、みんなと議論しながらこれを話していくということがなかなかでき得ないというところに、いろんな疑問ですとかあるいは不安というのが実際に起こっていることは事実であろうと思っております。そういう中で、私どもといたしましても、各地区に農政局がございます。こういった農政局が単に農政局のある場所において生産者の皆さんですとか、あるいは関係の皆さん方と話し合うということだけではなくて、むしろ出向きながら、直接各県に出向いていってやっぱり話し合う、そんなこともやる必要があるのじゃなかろうかということを今事務次官から各農政局に対してお願いをいたしておるところであります。  いずれにいたしましても、こういった理解というものが十分に行き渡らないということで、農政批判というものが沸いてきてしまっておるということは非常に残念であろうと思っております。  なお、価格等の問題その他についてもという、今お話があったわけでありますけれども、先ほどの御質問の中にもこの問題があり、審議官の方からお答えをしてまいったわけでありますが、私どもは単に国際的な競争というもの、これに合致させるということのために、どうしても価格を無理にでも引き下げてしまおうとか、そういった実は考え方ではないわけであります。ただ、消費者の皆さんとしますと、どうしてもこれは情報化社会でありますから、国際的な価格ですとかそういったものについて知り得る立場にあるということでありますし、また当然それはそうあるべきものであろうと思っております。  そういったことで、私どもといたしましてもいろんな施策をとりまして、あるいは予算等も組みまして、少しでも価格を下げても生産がきちんと償えるようなそういったものを支援してきたということについては、ぜひ農業者の皆様方にも御理解をいただきたいということを申し上げておきたいと存じます。  以上でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私の持ち時間は極めて短いので、ひとつこれからの答弁極めて簡潔にお願いしたいと思いますが、リクルート問題に対して大臣の立場等はまた改めたところでお話をお聞きしたいと思いますし、質問もいたしたいと思います。  そこで、いずれにしても農政批判が高まっている、こういうときにおいてこそ例えば、畜産物価格に対しても農民の皆さん方が安心をして生産に取り組めるようにしなければならない。まず、そのことが当面大事だというふうに思うんです。そこで、具体的に私は生糸、養蚕対策について伺いたい。これまた簡潔に御答弁願いたいと思います。  生糸の価格は、昨年末一万一千台であったが、最近は一万五千台前後に非常に高騰している。この背景には国際的な需要に対して供給が逼迫する中で、一つは国内的には繭の生産が減少したことである。二つ目には、中国を軸とする外国産生糸の供給が不安である。三つ目には、事業団の在庫が底をついてきたこと、これが最大の原因であるというふうに思いますが、これは農林水産省の見解を聞きたい。ただ、説明要りません。イエスかノーで、私の見解が正しいのかどうか、それだけで結構です。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(吉國隆君) ただいま先生のおっしゃいましたようなことを背景といたしまして、生糸の価格の先高感が非常に強いという状況がございまして、これが糸価高騰の主たる要因であるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 こうした状況に対して、六十三年度生糸年度の二国間協議の輸入協議数量は、前年度の二・三倍にふやして中国から二万俵の輸入を見込んでおるけれども、これも一度に輸入して需給を緩和することができるわけでもないし、ましてやこれ以上に追加して輸入をふやすようなことは期待できないと思いますが、これまたどうですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(吉國隆君) 中国からの生糸輸入の促進なりあるいは安定的な輸入の確保について、私どもいろいろと努力を行っておるところでございます。この三月にも中国との協議を行ったところでございますが、中国側は協定分、これは六十二年度分がまだ実行中でございます。それから、今先生お話しの六十三年度分、二万俵でございますが、これの履行については確実に履行するように努力するということを中国が表明をしてくれているところでございます。また、二万俵の追加ということも現在の需給事情を考えました際に、私どもとしては中国側の事情が許せば行ってまいりたいというふうに考えているところでございまして、この点については、先方は真剣に検討するということで、具体的な回答を得てはおりませんけれども、今後とも所要の協議を進めて努力してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 農林水産省は、今まで事業団の適正在庫は五万俵程度が必要であるというふうに言明してまいりました。そして、在庫を減らすためといって養蚕農家の切実な要求を無視して基準糸価を引き下げた、また桑園をつぶして繭の生産調整を誘導した。その結果、昭和五十八年には十七万八千俵あった在庫が現在二万七千俵しかない。五万俵が適正在庫といいながらこれまで落ち込んできた、手をこまねいてきたそのことによって、今日の供給不足を招いてきた政府の責任は極めて重大だと思うんです。あわせて、今後事業団在庫の適正水準を回復することができるかどうか、その自信はお持ちですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(吉國隆君) 事業団の在庫が、先生御指摘のように急速に減ってまいったことは事実でございます。これは、需給環境が国際的な需給も含めまして急変をしているというような状況も背景にあったわけでございます。私ども、価格安定制度の趣旨からいたしまして、必要な在庫をできるだけ持つように今後努力をしていく必要があるというふうに考えております。生糸の需給の安定という点からいたしますと、国内の健全な繭生産基盤を維持するということと同時に、適切な輸入の確保という両面から行ってまいる必要があろうというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、大臣も御承知の上ですね。事業団の在庫を減らすから、減らすためにといって糸価を抑えてきた。しかも期中改定も行った、その結果こんなに事業団の在庫が落ち込んで今供給に困っている。しかし、農林水産省は何ら手を打たなかった、この責任は極めて重大だと思う。そのことと、輸入も思うようにならない、在庫もふやすことはできない、そうなれば国内生産をふやすことしかないではないか。大臣の見解を聞きたい。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 在庫が減ってきたもとには、やっぱり何といっても我々の方も大変な努力をしながら需要拡大ということをやってきた。そして絹というものは、そういった中で理解されて国際的にも需要が伸びてきているということが一番基本にあると思っております。ただ問題は、やはり今御指摘のございましたような価格ですとか、あるいは生産の調整をするという措置をとったことも事実でありまして、今こういった需要が出てきておるということに対して、私たちも適切に対応していかなければいけないというふうに思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、私は国内の繭の生産を増強するしかない、そのように認識を持つものでありますが、そうするためには、繭糸価格安定制度と生糸の一元化輸入を堅持すること、そして養蚕の生産基盤を拡充、強化することが政府として必要な措置であると。大臣の見解を聞きたい。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) もう、この価格の問題につきましては繭糸価格安定法、これに基づきまして私どもは対応してまいるわけでございますけれども、今先生から御意見のございましたような問 題も踏まえまして、蚕糸業振興審議会、こちらの方でお話をお聞きしながら適切に価格等についても対応していきたい、今の段階ではもうこれ以上申し上げられないことをお許しいただきたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私は、価格をどういうふうに決めろと言ったんじゃなくて、この制度は堅持するんだと。そしてまた、養蚕振興のために農林水産省としても力を注ぐんだ、その決意を聞きたいんです。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもは、現在のその制度というものはまだ必要であろうと思っております。いずれにしましても、こういった問題についても、今後やっぱりいろんな御議論をちょうだいしたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 あえてこのことを聞くということは、こういう制度はもう要らなくなったんだという一部の意見があるんですよ。ですから、農林水産省としては必要だと、堅持すると、その気持ちを私はただしておきたいんです。いいですね、よろしいですね、堅持しますね。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) ともかく、今非常な異常な状況にあるということでありまして、いろいろな議論があることは私ども承知しておりますけれども、現在やはり何というのですか、安定して生糸というものを実需者の皆さん方に提供していくためにも、私どもはまだ今この制度というものは必要であろうというふうに思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、養蚕振興と口では言うけれども、政府の施策によって国内の養蚕は縮小されてきました。すなわち基準糸価を見るならば、昭和五十六年以降期中改定も含めて三回にわたって引き下げられている。そして、キロ一万四千七百円から現在は九千八百円になっている。実に三三%も下げられているわけです。繭の生産費が三千三百円以上かかるという政府の資料でも明らかでありますけれども、基準繭価はその半分にも満たない千四百四十六円であります。こんな生産価格では、養蚕家は生産意欲を失ってしまった。その結果は、収繭量は昭和五十年九万一千トンであったのが現在は二万九千トンしかないじゃないか、養蚕農家は二十四万八千戸が六万二千戸になってしまった。桑園面積は十五万一千ヘクタールが七万ヘクタールに激減してしまったんです。こうした事態を招いたのは政府の責任だと私は思うんです。  今日の繭の不足に対して農水省は慌てて繭増産の通達を出したというが、二、三年前までは桑園を減らして減産を誘導してきた。今度はまた桑を植えろというのです。まさに猫の目農政です。そんな通達で養蚕が振興するはずがないんです。本当に養蚕を振興させようとするならば、今年度の基準糸価、繭価を引き上げて、農家の生産意欲を刺激して農家が安心して生産にいそしむような水準を保証すべきである。大臣の見解を求めます。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(吉國隆君) 私の方から、まず価格決定に当たってのいろいろな考慮すべき要素がございますので、そういう点について若干申し上げたいと思います。  法律上は、先生御承知のとおりでございまして、生産条件、それから需給事情、その他の経済事情を総合的に勘案する、こういうことになっているわけでございます。今の国内の生糸の価格と生産費の関係については、先生お話になったような状況もあるわけでございますが、一方におきまして、織物業者は輸入絹織物との競争下で操業をやっているという状況があるわけでございます。国内の価格は国際価格を相当上回っているという状況がございます。そういった中で、蚕糸繭業の一体的な発展を確保しながら、蚕糸業の存立を確保していくということが何よりも基本であろうということでございまして、私どもそういう見地から十分に検討を行い、各方面の御意見を承りつつ適正な価格決定をしたいと、こういう枠組みのもとで考えているということにつきまして御理解をちょうだいいたしたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 時間がないから、最後にもう一言だけ伺っておきたいと思います。  繭の生産費は本年度幾らになるのか、今言えないですね、言えますか、本年度価格決定についての繭の生産費は幾らになるのか、言えますか、言える、言ってください。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(吉國隆君) 六十三年度の繭生産費は現在統計情報部において集計中でございまして、近々まとまるというふうに承知をいたしておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それは、昨年は繭生産費は三千三百二十四円、畜産物価格と違って繭の生産費はこれより下がる要素はない、多分上がるでしょう。しかし、基準繭価は千四百四十六円です。こんなことでもって養蚕を振興させますと言えるのですか。私は、どう見たってことしの繭糸価格あるいは基準糸価は上げなければならぬ、そのことを強く指摘しておきます。大臣、もう一回答弁してください。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは、実は先ほど申しましたとおり、私どもは繭糸価格安定法に基づきましてこれに対応していくわけでございますけれども、今御議論がございましたように、ともかく需要というのは堅調に伸びてきてしまったということ、そして当時は、やはり在庫というのは異常に出てきてしまったという状況でございました。そういった中で、ああいう措置をとらなきゃならなかったわけでありますけれども、今回の価格決定につきましては、今お話がありましたようなもろもろの状況というもの、これは当然審議会の中でも議論が出てくると思います。そういったものを私どもはきちんと把握しながら、適正に今日の状況に対して対応していきたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まず最初に、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院委員長に御質問申し上げます。  提案理由の中に、全国的には依然として規模の小さい農協や行政区域未満の農協がある、これらすべての農協があたかも経営が非常に弱体化している、だからこそ合併が急務だと言わぬばかりの話になっているんですが、私は小規模の農協といえども非常に経営を農民と密接に結びついてよくやっているところが多々あると思うんですけれども、委員長はその辺御承知ないでしょうか。

堀之内久男自由民主党

○衆議院議員(堀之内久男君) ただいまの御質問でございますが、合併助成法の提案の理由につきましては、先ほど申し上げたとおりであります。したがって、小さな農協でもうまくやっておるじゃないか、こういう御指摘でありますが、まさしくそのとおりでもあります。しかし、最近の農協を取り巻く環境というものは大変著しく変化してきていることは、もう御承知のとおりでありまして、特に金融の自由化あるいはまた農産物の自由化等々、今後農協経営に重大な影響を及ぼしてくる、これも御案内のとおりであろうと存じます。したがって、これから農協の経営基盤を強化していくということ、これまた当然の時代の要請だと、こういうように私どもは認識いたしておるわけであります。  したがって、今後の農協の合併を進めるに当たってはもちろん、これは農協の自主的な判断によって当然行われていかなきゃなりませんが、過去六回にわたりまして、この助成法の延長をさしていただいておるわけであります。慣例として、衆議院の農林水産委員会で決定いたしまして、委員長提案ということで今日まで処理をさしていただいておる次第でございます。場合によっては共産党の方でも、これは賛成に回られた全会一致の時代もあったところでありますが、今回は、全会一致は得られませんでしたけれども、今後の農協の合併に進むに当たっても、現在農協中央会が、これまでの規模として適正規模というか考えておりますのは、正組合員三千戸数以上を大体の適正規模、そして預金残高が三百億円以上ぐらいが望ましい、こういう一応の基準を示しております。したがって、今回の改正に当たりましても、都道府県の実情に即した合併目標を立てて、これに基づいて農協合併に対処していく方針を打ち出しておるところであります。  小規模農協あるいは行政区域未満の農協は、経営基盤の弱い農協がありますことも事実でありますが、また一面、大分の大山農協のように、小規模ながらも組合員とのつながりが強く、営農指導事業あるいは販売事業等におきましてもすばらしい実績を上げている農協も少なからず見られるのであります。したがって、本案は、このような農協についてまでも画一的に合併さしていくというような考えには立っておらず、あくまでも組合の自主的判断に立った合併を推進していこうというものでありまして、今後ともやはり農協自体の自主判断にまつわけでありますが、しかしそのためには、今後そういう合併の環境づくりも、また行政、政治的に行っていくというのも我々の務めであろう、こういうことで提案を申し上げておるわけであります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私の質問一分、委員長四分答弁よ。端的に答えなさいよ。  今答弁されていること矛盾だらけ。なぜかというと、農協を取り巻く情勢が非常に厳しいと、こう言っておりますけれども、農業を取り巻く情勢が厳しいんですよ。農業者の問題が一言も触れられてないんですわ。ですから、私どもは今回の法案、これは大変だなと。いみじくも、私聞きもしないのに三千戸で三百億円の云々だということで、農協の規模までお示しになられましたね。全国農協中央会では、そういう規模の問題についてはいろいろ御批判があったからいずれそれらについては置いといて、とにかく二十一世紀に向けて、現在約四千農協を一千農協にしようやという数だけ示しただけなんですが、今いみじくも委員長は、具体的な一農協当たりの規模まで示しているんですよ。ですから問題なんですね。押しつけないと言いながら押しつける要因がここにありというところが非常に問題である。  長々答弁されたんではたまりませんから大臣に聞きますわ、よろしいですか。  行政指導するとおっしゃっています農水省なんですけれども、私ども申し上げたいのは、農協組織というのはそもそも地域を単位にして、そして農業生産力の発展を図る、さらに農民の経済的社会的向上を図る、このことを目的に農協組織というのは生まれたのじゃないかと思うんです。ですから、地域の農業生産や、自然的、経済的条件の違いによって農協の経営基盤だとか規模というのはおのずと違ってしかるべきだと思うんですけれども、大臣どう思いますか。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 協同組合本来の目的であります組合員への奉仕を実現する上からも、合併の推進による経営基盤の安定強化が必要であるというふうに考えております。農協合併に当たりましては、地域の実態に即し、組合員の意向を十分に踏まえながら推進していくことが重要であると考え、このような観点から私どもも指導してまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私たちは、地域の実態に応じた合併がと言いつつも、今言うように一定の規模を示されて上からやられるということについて反対しているんです。ですから、言うまでもなく自主的、民主的合併に対して、税制上、財政上いろんな優遇措置をとるというのは当然なんです。そういう点から反対するものじゃないんですよ。  確認したい点なんですけれども、実はこういう事例があるんです。合併に当たりまして本来債権であるとかいろんな資財も引き継ぐというのが一般的常識だと思いますね。ところが、合併に当たりましてこれはある農協なんですが、名前は差し控えておきますけれども、債権の保全、回収を行うことを理事者だけでなくて農協の管理職、部課長に義務づけた。債権回収が不可能になった場合には、それら部課長の責任において弁済いたしますという確約書をとっているというような事例も出ております。こういうことはやっぱり厳に慎むべきでありますし、農協法の精神からいってもまずいのではなかろうか。今後、事実そういう調査等踏まえて事態が判明したら、ひとつよろしく御指導いただきたいと思います。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○政府委員(塩飽二郎君) お話がございましたように、合併に際して合併対象農協の過去の債権、特に固定化したものについての整理を行う、回収を行うというような手続を踏んでいくことは当然想定されるわけでございます。今事例として挙げられたような、その際に、管理職等に対しまして弁済の責任を求めていくというような実態が仮にあるとすると、これは大変よくない極めて不適切なことというふうに考えます。そのような事実がもしあるのであれば、我々としては適切な指導をやってまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そのとおりだと思うんです。  それで、委員長も大臣からも、繰り返し決して押しつけるものではないと、こうおっしゃられました。そこに期待をしたいんです。今も話しましたように、しかし仮に自主的、民主的に合併という際には、その他労働者の労働条件等も引き継がれていくわけですが、今勤めているその労働条件の切り下げというようなことがないように、この点なんかも含めた御指導をお願いしたいと思います。  次に、当面している畜産物価格問題で御質問します。  大臣、先ほどもいろいろお話ございましたが、実は私一番問題なのは、これら畜産物等の価格決定に当たって大変問題なのが労働費のとり方であると思うんです。現在は、農水省は、加工原料乳の保証価格の算定に当たって、労働費は北海道の製造業五人以上を採用しておりますね。八八年の場合に、一時間当たり千二百二十九円であるわけです。ところが全国平均で見ればどうかといいますと、全国平均では千五百九十一円です。ですから三百六十二円、約三〇%アップになるんです。北海道の場合には、御承知のように鉄鋼不況であるとか、炭鉱閉山であるとかあるいはJRの労働者の雇用の問題であるとか含めて、日本の経済の縮図のように非常に雇用、それから経済問題で不況の実態が出ているわけです。そういうところの労賃を採用するということが、やっぱり問題ではないかと思うんです。  ですから、全国、平均で計算いたしますと、昨年の場合には八十七円九十五銭、前年比五円二十銭、六・三%アップしたはずなんです。    〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕 ですから今、今までのことをずっと見てくると、生産費が下がっているからことしも四年連続乳価引き下げだというような話が、下げ要因の話だけありましたけれども、そもそもこの辺をきちっと見る、さらに消費税のアップ分をきちっと価格に反映する、転嫁するということになったら下げ要因はどこにもないんじゃありませんでしょうか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 労働費の評価といいますか、いわゆる加工原料乳のベースになります生産費調査につきましては、これは法律の規定に基づきまして、加工原料乳が主として生産される地域、そこをとることに法律上なっております。したがいまして、加工原料乳の大半は北海道で出ておるわけでございますので、北海道をとるということになっておるわけでございます。  したがいまして、先ほどお話もございましたけれども、現在のとり方は、飼料作物労働につきましては北海道の農村地域の農村雇用労賃をとっておりますし、それから飼育労働につきましては非常に労働が特殊であるということで、北海道の五人以上の製造業労賃をとるということにいたしておりまして、全国をとっておらないわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それが問題だと申し上げたんでしょう。何も酪農は北海道だけじゃないです。私の地元の福島にもいらっしゃいますし、それから次に移りますけれども、これは先般、我が農林水産委員会も委員長を先頭に地元の群馬県に行きました。そこでNさん御夫婦が非常にすばらしい経営をやられていることも見てまいりましたよ。  そこで聞きたいんですけれども、資料お持ちだと思います。このNさんの場合にどういう経営状態なのか、ごらんになってみてくれませんか。この方は飼養頭数が三十八頭、経営面積が十ヘクタールですね。労働力は御夫婦二人。そういう中で、 生乳販売数量が三十六万七千五百八十一キログラムです。そういう結果、総収入が四千九百四十六万三千七百九十七円ということになっております。それに今度の三%の消費税がかけられるということになりますとどういう負担になりますか。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 今のお話の中で、私どもが聞いておりますのは農業粗収益でございますけれども、四千八百二万三千円というふうに聞いております。そういうことは現在の粗収益でございまして、これはいわゆる自分のところでできました生乳を販売することによって得た収入というふうに理解いたしております。  したがいまして、今後四月一日以降消費税が導入されますと、これがいわゆる外枠課税ということで、いわゆる従来取引いたしておりました価格の外に三%を乗せるということにいたしておりますので、その金額が、先ほどお話ございました四千九百四十六万三千七百九十七円になるのではなかろうかというふうに思っております。それで、この方は三千万以上六千万未満の売り上げの方でございますので、いわゆる原則課税でいきますと四十二万八千百円かかるわけでございますし、簡易課税でいきますと十七万三千百円かかるというような形になっておると思っております。    〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、これだけやはりこの方の場合負担増になるんですね。簡易課税の方だと確かに消費税分の納税額は少なくなりますけれども、それを選べば、例えばこの方は素牛を非常に立派なものをカナダあたりから入れられているんです。それら仕入れ分のやつが本当にどうなるかということになると、簡易課税の場合には見ていただけないという問題も出てくるわけですよ。いずれにいたしましても、このNさんの場合にははっきり言って今言った数字だけはアップになるんです。その上に電算機あるいはコンピューターも必要かな。いずれにしても、簡易課税を選んでも帳簿と書類を七年間も保存してきちっと事務整理もしなきゃならない、これは大変だということを言っていました。  こういうことで、この方は天皇賞をいただいた方ですから、乳量といい、それから経営の実態といいすばらしいんです。あとこれ以上どこでコスト軽減やればいいんですか。そういう中身の消費税分もきちっと反映しない価格引き下げなんということは、これは断じて許せないと思うんです。  ですから、私が大臣に明言してほしいのは、消費税分等を見て、さっき言ったいろんな要件等を見てさらに一言つけ加えたいのは、一九七五年搾乳牛の一頭当たりどのくらいしたかというと三十五万九千円ですね。昭和五十年です。それから昭和六十三年、これが四十九万となっていまして実に三六%ぐらいアップしているんです。それから、負債も当時と比較しまして約三・三倍ぐらいに上がっているんです。こういうことを見まして、それに消費税ということになれば本当に酪農家はやっていけなくなると思います。この辺をよく加味して考えていただきたいと思います。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) ちょっと事務的なといいますか、数字的なことを若干御説明させていただきたいと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、原則課税が四十三万弱、それから簡易課税ですと十七万でございますけれども、その前提としまして、先ほど言いました、従来でございますと、いわゆる消費税導入前でございますと四千八百二万の収入があるわけでございますが、いわゆる消費税が導入されますと、それに三%かかるということでございまして、四千九百四十六万の粗収入になるということでございますので、そちらの方が約百四十万ほどふえておるということでございます。したがいまして、ふえておるのと課税されておるのとを差し引きしますと、かなりこのケースの場合でありますと残るというようなことでございますので、そこのところは御理解願いたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 価格にきちっと転嫁されないで、乳価の引き下げになってどこがあなた今言ったような数字というのが出てきますか。  消費税問題で聞きたいんですけれども、「農業と消費税」というこのパンフレットはどこが監修されたんですか。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○政府委員(塩飽二郎君) 農林水産省全体の消費税を私どもの方で担当いたしておりますので、関係団体が多数あるわけでございますが、団体の下部組織あるいは会員の方に周知徹底を図っていただく、そういう趣旨で私どもの方で監修をしながら作成したものでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ところが、これ全国農協中央会と全国農業会議所なんですね。いつから全国農協中央会が消費税の推進体制に組み込まれたんですか。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○政府委員(塩飽二郎君) 今お名前を挙げられましたような団体は、農業関係での中心的な団体でございまして、末端にはそれぞれ農業経営を行っている農家がいらっしゃるわけでございまして、御存じのように、課税、非課税の仕分けはございますけれども、農家の場合にも、少なくとも非課税農家も含めて消費税がその生産コストの面に反映するわけでございます。そういった意味で、農業生産者に対しても非常に消費税というものは影響してくるということでございまして、関係団体においても消費税の導入に対応いたしまして、その仕組みあるいは実態に応じた対応策等につきまして、傘下の組合に対する啓蒙普及を図る責任を負っているわけでございます。そういうお立場から役所と一緒になって、この消費税の末端への普及を図っていく必要があるという団体側のお考えに基づいて、そういうパンフレットの作成あるいは説明会の開催等を行ってきているわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私が言っているのは、団体に説明するのは国税局であり、農水省でしょう。全国農協中央会が説明できますか。この中には相談窓口で各県の農協中央会、ずらり出ているんですよ。電話して聞いたってわからぬと言っていますよ。  私ここで質問したいんです。大臣、お答えいただけますか。  この中に出ていますのは自家用の野菜からお米、自分のうちで食べたものにも税金かかると。一体何を基準にその税金分計算しますか。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○政府委員(塩飽二郎君) 今、窓口のお話がございましたけれども、これは多数の関係者に関係してまいりますし、実施直後にいろいろな実務上の問題も出てまいりますので、私どもとしては役所の方での窓口体制を整備するとともに、関係団体あるいは地方公共団体にも質問等に対応する窓口を設置する必要があるということでお願いをいたしておるわけでございます。  今、具体的な事例等についてお話ございましたけれども、そういう問題につきましても簡便な想定問答等を作成いたしまして、それに対応できるようにPRのための資料の充実でございますとか、窓口の設置をお願いいたしておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 お答えください。自家用に、何を基準に決めるのか。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○政府委員(塩飽二郎君) 自家用のとらえ方については、家族の構成等具体的なケースに応じて、なかなか困難はあろうかと思いますけれども、具体的には税務署の実務上の判断にかかってくるということで、一般的には今先生がおっしゃったような趣旨でございますが、具体的なケースに即して判断されるべきものというふうに理解いたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 その具体的なケースはだれが判断するんですか。  今言いましたけれども、行政組織であります都道府県の農政部等が窓口ならわかりますよ。各県の農協中央会が窓口なんですよ。電話して聞いたってわからぬと言っているんです。わからないの当然でしょう、今言ったようにケース・バイ・ケースだというんですから。  さらに、全国土地改良事業団体連合会で出されたこのパンフレットはどこがつくったものですか。

松山光治農林水産省構造改善局長

○政府委員(松山光治君) 全国土地改良事業団体 連合会がつくったものでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 とんでもないですよ。私、担当の課長さんがお見えになっている際に、そこでこの全国土地改良事業団体連合会にお電話入れたんです。これは皆さんのところの構造改善局がつくったものですよ。そして一〇〇%補助金で皆さんやられたやつじゃないですか。一千四百万円のお金でもって三万部発行されたのじゃないですか。土地改良区がつくったなんてとんでもないですよ。  じゃ局長聞きますよ。この中に何て書いてありますか。土地改良区がつくったのに「国税当局と調整中」と書いてあるんです。そういうことやれますか。

松山光治農林水産省構造改善局長

○政府委員(松山光治君) 先ほど、塩飽局長の方からお話のありましたような基本的な考え方のもとに、関係団体の方でいろいろと御指導いただく、こういう形になっているわけでありますが、もちろんこのパンフレットを作成するに当たりましては、私どもの方も十分相談を受けながらつくっておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 十分相談受けながらじゃないんです。皆さん方がそっくりつくって団体に差し上げているんです。  団体で聞いてもわからぬと言うから、私かわって質問いたします。ここに書いてありますが、経常賦課金は課税されるのですか、されないんですか、土地改良区。

松山光治農林水産省構造改善局長

○政府委員(松山光治君) 経常賦課金につきましては、土地改良区の通常の業務のために経常的にかかる費用でございます。そういうものでございますので、消費税の課税対象には予定しておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ところが、経常賦課金の主な構成中身を見ますと、事務費には何があるかというと、これは給与がありますね、給与は課税対象じゃないです。旅費は課税になりますね。実費弁償は課税であったり課税でなかったりします。備品費は課税です。消耗品費は課税です。印刷費も課税されます。通信、運搬費も課税されます。役員会議費は課税されます。雑費も課税されます。  今、経常賦課金のうちの事務費のところをとっただけでもそのような構成になります。つまり、経常賦課金は非課税だと言うけれども、その構成の内容はほとんどが課税されます。ということは経常賦課金の引き上げにつながりますね。

松山光治農林水産省構造改善局長

○政府委員(松山光治君) 経常賦課金が課税対象にならないというふうに申し上げましたのは、農家から土地改良区が経常賦課金を徴収いたしましたときに、そのこと自体について土地改良区として収入になるわけでありますから、それについて三%がかかるかかからないかということで申し上げたわけでございます。  ただ、経常賦課金の使途でございます、例えば何かの備品を買うといったようなものにつきましては、当然のことながら消費税がかかってまいる。そういう実態を踏まえまして、適切な経常賦課金の賦課をやっていくということは各土地改良区ごとに判断されるべきことであろう、このように考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 さらに、特別賦課金は課税されますね。されないものもありますね。国営の事業ですと国が国税局に払うという格好ですね。県営事業は県が払いますね。団体営は土地改良区が支払うことになりますね。しかし、その中で課税されない部分もある。ところが、これまたケース・バイ・ケースだというお話なんですが、そうですが。

松山光治農林水産省構造改善局長

○政府委員(松山光治君) 土地改良区段階におきます負担金の、それも事業費に関連する負担金という意味で特別賦課金の扱いがどうか、こういう御質問でございますが、要は資産の譲渡等の対価に該当するかどうかということでございます。その場合の判断基準といたしましては、負担金を支払います農家が独占的にといいましょうか排他的にといいましょうか、その事業の利益を享受するかどうか、こういうことが判断基準になるというふうにされておるわけでございます。  特別賦課金にも事業の中身によりましていろいろとございますし、そういう意味ではケース・バイ・ケースの判断ということになるわけでございますけれども、今申し上げましたような一般的な基準からいたしますと、例えば農道のように、地域の非農家も受益し得るというものにかかわります部分につきましては、これは課税対象にならない。逆に、圃場の区画の整形でございますとか、客土でございますとかいったような受益との対価関係が非常に強いといったようなものにつきましては課税になる、こういう扱いになるわけでございます。ただ、土地改良区の段階で当然のことながら事業費も支出がございますし、それに見合う税額控除の問題もございますので、土地改良区の段階でかかるネットの額としてはそれほど大きなものにならないのじゃないか、このように考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしましても、これは農水省経済局とそれから全中と一緒に出しているようなこういうやり方、これは土地改良連合会が出している、農水省何もかかわっていないみたいなこのやり方。いずれにいたしましても、まるで農業団体が自民党、この消費税の推進本部あるいは政府の推進本部の中に、体制に組み込まれているみたいなものじゃないですか。よその省庁はそんなところどこもありませんよ。建設省に聞いてもなし、通産省もなし。  そういう状況の中で、私は最後にこれだけはお伺いしたいんですが、大臣、これ答えてくださいよ。ここに二種類のポスターがあるんですが、一つは、当店の表示価格には消費税が含まれていますというもの、こっちはいませんというもの。大方、私ども毎日暮らしているところに行くと、含まれているものと含まれていないものと両方お店に展示されていることが多いです。そういうときにはどっちをやるんですか、どっちも張れないじゃないですか。大体これは絵も同じですし、これを見ただけで消費者が何を判断できるんですか。こんなポスターを製作するのに、そして今言うようなパンフレットつくるために、消費税の推進のために二億二千九百万も予算組んでいるんだったらけしからぬですよ。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 時間になりました。

下田京子日本共産党

○下田京子君 これは、もう消費税の廃止と、同時に農業つぶしたということを私は申し上げて、御答弁を求めて質問を終わりたいと思います。

渡辺武農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡辺武君) 先生今御提示なさいましたポスターは、消費者という最終末端の方々と、実際に転嫁につきまして仕事をしなければならない小売業者の方々に対しましてお配りすることになっておるものでございます。  生鮮食料品の小売店いろいろございまして、例えばスーパーのようにまとめ買いが中心でございましてレジスターが完備しておりますようなところは、大体消費税を入れない価格で店内表示をいたしまして、レジのところで三%をかけるという格好をとることになっております。そういうお店につきましては、今二枚お話がありました方の外枠方式、要するに店内で表示しております価格につきましては、消費税が乗っておりませんという方を掲げるようになるわけでございます。また、一般の八百屋さん、小売屋さん等につきましては、そういうことができませんものですから、提示しております価格の中には消費税が込みになっておるわけでございます。そういう場合には、もう一つのポスターを掲げるということでございまして、どちらを希望するか、業界の方々の御希望に応じましてそのパンフレットをお配りするということをやっておるわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 今、政府が政治台風源となって日本列島をリクルート、消費税そして農政、猛烈な政治台風が吹きまくっております。私もそれに拍車をかけたい気持ちを十分持っておりますが、短い時間でありますので、それに突入したらそれこそ猛烈な竜巻に発展する可能性がありますので、私はなぎの姿で短い時間質問いたします。  まず第一点。去年十二月六日に当委員会で私、牛肉の自由化決定が豚肉に与える影響はないかという質問をいたしましたときに、京谷畜産局長は、そう急激かつ大幅な影響が出てくるとは考え ていないと答弁しておられます。ところで、その後の豚肉の状況はどうかというと、年明け後の一月末に、東京食肉市場の豚枝肉上物加重平均で、安定基準価格キロ四百十円を大幅に下回るキロ三百四十一円まで急落しております。これは昭和四十五年十二月の三百三十一円以来の超安値であります。その後、市況は反発して四百円台まで戻しておりますが、相場は不安定な状態であります。このように十二月の委員会の後、ほんの一、二カ月で大きな影響が出ているこの事態を政府はどのように受けとめておられるのか。また、豚肉の価格の見通しについてどのように考えておられるか、政府の見解を伺いたいと思います。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 牛肉の自由化決定が、豚肉の需給なり価格にどういう影響を及ぼすかというお尋ねであったわけでございまして、当時もかなり難しい、その判断から難しいというようなことをお答えいたしたと思っております。  いわゆる豚肉の需要構造につきましては牛肉と若干違いまして、いわゆる家庭用のテーブルミートの需要はやや少ないわけでございまして、ハムだとかソーセージとか、そういった加工用の原料としてのウエートはかなり高くなってきておるわけでございます。現実の数字をとってみましても、いわゆる家計消費は、昭和五十五年以降かなり毎年、対前年比で減っておるわけでございます。九七%ですとか九八%ですか、そういった形で引き続き減ってきておるわけでございますけれども、他方、加工用需要につきましてはまだ伸びておりまして、例えばこの一年をとってみましても三%弱伸びるというような格好になっております。したがいまして、豚肉全体といたしましては、これもこの一年ほどとってみますと、全体では二%強伸びておるというようなことでございまして、現時点におきましては、牛肉の輸入量はふえておるわけでございますけれども、これらの影響自身はまだあらわれていないというふうに思っております。  お話ございました豚肉の価格は、ことしの一月に下がったことは事実でございますけれども、その後二月以降はかなり急速に回復いたしておりまして、現在東京市場でいいますと四百八十円台というような形になっております。豚肉につきましては御承知のようなことで、いわゆる季節変動というのがございます。いわゆる秋から暮れにかけて下がるというようなこともございますので、そういったような季節的要因があったのじゃないかというふうに考えております。  したがいまして、豚肉につきましては、今後ともその振興を図っていく必要があるわけでございますので、計画生産の推進ですとか、あるいは特別販売の促進ですとか、あるいはまた関係者で構成いたします豚肉需給懇談会を通じました国産豚肉の利用拡大の問題ですとか、あるいは新製品の開発、いわゆる豚肉の部位の中で未加工のものがございますけれども、そういったものを使うといったようなこと、そういうことでこれからの振興を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 次に、大臣にお尋ねいたします。  沖縄県は一年じゅう温暖な気候で、牧草の発育、生産が非常に好条件のもとにあります。畜産の発展が期待される反面、夏季の高温多湿は、飼料の調整貯蔵や家畜生理に対しては悪影響を及ぼす面もあり、あるいは台風の常襲に悩まされております用地理的に見ても肉用牛の主生産地は離島の宮古島、八重山等に集中しておるために、飼料など生産資材の購入、生産物の販売等に係る輸送費の負担が重くかかるわけでありますが、このような厳しい環境の中で、沖縄における肉用牛は、近年畜産基地等の大規模畜産団地の建設を初めとする各種振興施策の推進によって、飼養頭数は昭和五十四年の二万九千頭から六十年に四万三千頭に達しました。だが、六十二年には三万九千頭、こういう状態であります。二年後の牛肉輸入自由化を控えて、今後も肉用牛の飼養頭数は減少し続けるおそれがあるのではないか、こう思われるんです。今後、どのようにして沖縄における肉用牛の生産体制を推進していくべきであるか、政府の見解をお尋ねしたい。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 沖縄県におきます肉用牛生産は、今委員から御指摘のございましたように、温暖な気候に加えまして、粗飼料の生産性が高いことから低コスト生産、これが可能な自然条件というものを持っておるというふうに思っております。その意味で、やはりこれからの沖縄の主幹的な作目としての生産振興、これが期待されるのではなかろうかというふうに思います。  沖縄県におきましては、本年の二月に、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律に基づきまして、酪農・肉用牛生産近代化計画書、これを作成されております。これに基づきまして、肉用牛生産の振興を図っていくんだ、沖縄はそういう姿勢をとられておるというふうに承知いたしております。国といたしましても、自給飼料の生産基盤の整備及び生産団地の育成を進めるほか、肉用牛の改良増殖の推進ですとか、あるいは生産から肥育までの地域の一貫体制の整備など各種施策、こういったもので御支援を申し上げていかなければいけないというふうに考えております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 次に、生産コストに関連した具体的な例を取り上げて御見解を求めたいんですが、沖縄県の竹富町黒島の畜産農家の宮良當成さんという方が、今回農林水産祭において総理大臣賞を受賞されております。この農家が大臣賞を受賞したのは、子牛一頭当たりの生産費が全国平均は約四十七万円になっておりますね。全国平均四十七万円に対して、わずかその七分の一近い七万六千円という超低コスト生産が評価されたことで、その低コストのために、これが総理大臣賞の表彰に浴したわけであります。その低コストのポイントは、牛を周年放牧して飼料のほとんどを放牧地で賄っているという、このことが低コストに結びついておるわけであります。  そこで、大臣にお尋ねしたいことは、このような例が他県にもあるでしょうかということと、次には、この例からしましても、日本の牧場経営に対しても一度見直す必要があるのではないか、こういうことも考えるわけでありますが、これも含めて御見解を賜りたい。

武智敏夫農林水産省畜産局審議官

○説明員(武智敏夫君) 今、喜屋武先生がおっしゃいましたいわゆる沖縄県の宮良さんの経営、三十三ヘクタール持っておるわけでございますが、その大半を周年放牧に出してやっておるということで非常にコストが安くついておるわけでございます。したがいまして、我々としましても、肉用牛の低コスト生産をやります上で、放牧が非常に意味を持っておるというふうに考えておるわけでございまして、例えば沖縄ほどではございませんけれども、いわゆる九州の阿蘇でありますとか、あるいは岩手でありますとか、あるいは全国津々浦々というところまではいっておりませんけれども、それなりに放牧によりまして低コスト生産しておるところは、地域によって違いますけれども、幾つかの地域であろうかと思っております。  ただ、この放牧につきましては、まとまりのあるような土地が必要であるというようなことですとか、あるいはピロプラズマの病気が発生するというようなことですとか、あるいは放牧の子牛の市場評価がやや安いと、最近では見直されつつあるわけでございますけれども、安いといったような問題もございまして、それなりに地域の実情に応じて放牧の拡大をやっていかぬといかぬというふうに思っております。そのために国といたしましても、草地開発事業によりまして放牧地の開発をやりますとか、あるいは公共牧場を活用いたしますとか、あるいは里山等を活用していくというようなことで、今後とも地域の実情に応じまして放牧を推進しまして、低コスト生産に寄与させたいというふうに思っておるわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 大臣、いかがですか。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 具体的には、内地のあるいは他の問題につきましては、今審議官からお答えしたとおりでありまして、そういった中でやはり条件が恵まれているのは、ここまで、七万六千 円までコストを下げるということは、これはもうやっぱり特別な例であろうと思っております。これはやはり温暖な気候に恵まれた沖縄の特性であろうと思いますので、そういった面で、さらにこういった事例をうまく生かしていただくことを私どもも希望したいと思っておりますし、またいろんな面で御支援するところがあったら御支援したいと思っております。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。     —————————————

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として佐藤謙一郎君が選任されました。     —————————————

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、農協合併助成法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。  まず申し上げたいことは、本来、農協組織は、地域を単位に農業生産の発展と農民の経済的・社会的地位の向上を目的に組織されたものです。ゆえに地域の農業生産や自然的・経済的条件の違いによって経営基盤と規模に違いがあって当然であり、農協合併に当たっては、真に農民の立場に立ち、地域農業の発展につながるか否かが基準にされるべきです。  ところが、今回の法延長は、農民の意志と地域の実情を無視した大型化・広域化合併を強力に推進しようとするものであり、これが反対の第一の理由です。  全国農協中央会は、単位農協のあり方として、従来示されていた経済圏や生活圏などの要素に加えて、事業量と経営効率を強調し、全国で一千農協を目指すことを決めています。  こうした決定や経営効率の基準に基づく合併は、農協本来の組織原則に反するばかりか、小規模ではあっても地域に根差した活動を進めている農協を切り捨て、農協と組合員との乖離を一層拡大し、農協の脱農業化、脱農協化の傾向を強めるものです。このことは、全国農協中央会自身が行った農協の活動に関する全国一斉調査で、合併後の農協に課せられた課題の第一に組合員の意志の反映を挙げている農協が実に六一・九%に達していることを見ても明らかです。  アメリカの財政・貿易赤字と日本の工業製品貿易の黒字のツケを日本農業に回す農業つぶし政治のもとで、いよいよお米の輸入まで求められるに至っております。今農協が果たすべき役割は、このような農産物の輸入自由化や減反政策の強化、小規模農家の土地を一部大規模農家に集中する構造政策など、現在政府が進めている農業つぶしの政治の枠内にとどまった二十一世紀を展望する農協の基本戦略の方向ではなく、組合員である農民の要求に基づき、農協の労働者などとも協力して、自給率向上のための農業振興策を確立することです。  しかし、本法案によって進められる大型合併が目指すものは、これらの政策を容認し、それを実行する農協づくりであり、金融自由化などに対応した農業軽視の農協組織生き残りのための体質強化です。これが本法案に反対する第二の理由です。  今農協に求められているものは、「一人は万人のために、万人は一人のために」を基本とし、農協法の基本精神である農民の経済的社会的地位の向上とあわせて、安全でできるだけ安い食糧の生産を追求することです。この立場から我が党は、もとより合併に一切反対ではなく農村地域の変化の実情に対応して、組合員である農民の利益と農協労働者の要望、そして権利が十分守られる民主的な合併が大切であると考えていることを最後に申し上げて討論を終わります。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題といたします。  先般、本委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。  まず、第一班の報告をお願いいたします。村沢牧君。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 御報告いたします。  去る二月一日から三日までの三日間にわたり、長野、群馬両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。派遣委員は、福田委員長、岡部理事、刈田理事、星委員、下田委員、山田委員それに私、村沢の七名でありました。  以下、日程に従って申し上げます。  まず、長野県におきましては、県当局から本県の農林水産業の概況について、また、長野営林局から本県の国有林について、それぞれ説明を聴取するとともに、県当局及び農林業団体から陳情を受けました。  長野県は、農家戸数、農業就業人口ともに全国一という屈指の農業県で、一戸当たり耕地面積では全国平均を下回るものの、高い技術力、大消費地に近い地の利、園芸作物への特化等により、土地、労働、資本の生産性のいずれもが全国平均を上回っています。反面、農業従事者の高齢化、基盤整備の立ちおくれ、自由化の影響等の問題も抱えています。県は、生産性と付加価値の高いたくましい農業の創造を目指して、昨年「長野県農業二十一世紀への展望」を策定しましたが、今後はこの計画を基本に農政を進めていくとのことでした。  本県の森林面積は、全国第三位ですが、現在林業は、国産材の需要停滞、過疎化による山村労働力の減少など厳しい状況にあります。これに対処して、営林局と県当局は、木材の安定供給と特用林産物の振興を図るとともに、公益的機能の維持増進、森林レクリエーションの場の提供等にも力を入れています。なお、県では、二十一世紀へ向けて、森林資源の整備、森林経営の活性化、森林づくりへの参加等を目指す「長野県森林・林業長期構想」を昨年策定しました。今後の施策は、これに沿って推進していくとのことでした。  水産は、ニジマス等の内水面養殖と寒天製造が盛んで、県もその振興を図っています。  概況説明を聴取の後、調査団は中野市農協を訪ねました。エノキタケの生産は長野県が全国一ですが、中野市は、県下でもその指折りの産地であります。しかし、最近では、価格の下落に加え、低温作業が高齢者にはきついこと等から、生産農家は減少傾向にあります。農協では、所有する種菌センターで生産した優良種菌を農家に配付することにより、生産の安定と品質、規格の統一を図っていますが、今後も、選果、選別の複雑化に対処して集出荷施設の拡充に努め、キノコ生産の総合供給基地を目指していくとのことでした。  次に、調査団は、須坂市にある果樹試験場を訪ねました。本県の六十二年度の果樹生産額は、リ ンゴ、ブドウ、ナシ、桃の四大果樹を中心に六百五十六億円に達し、全国第二位でありますが、県では二十一世紀には一千億円の大台に乗せることを計画しております。国際化の進展と労働事情の悪化のもとで目標を達成するには、味がよく、個性的で、商品性の高い新品種の開発と、省力多収栽培、病害虫防除等の技術開発が不可欠で、試験場ではバイテク技術等を駆使して、それらの試験研究を進めていくとのことでした。  次に、十九ヘクタールのガラスハウスやビニールハウスが建ち並ぶ坂城町のバラ生産団地を訪ねました。ここでは、三十三名の方が二十五種類のバラを周年栽培しています。生産額は五億三千万円で、これは本県生産額の六割に当たり、地元では日本一のパラ団地という自信を持っているそうであります。農家の方々は、内外からの供給増加、結婚式の減少等が重なって価格が下落しており経営は楽ではないが、さらに品質の向上を図り、安定生産と計画出荷にも努めて産地間競争に打ち勝ちたいと述べておられました。  調査団が長野県で最後に視察したのは、県産材の集出荷施設である小諸市の東信木材センターであります。東信地方の森林資源の七三%はカラマツであります。このカラマツは、耐水性、耐久性、木目の美しさ等により、建築用材として見直されており、その資源の活用が地元の振興に役立つものと期待されています。センターの敷地内の工場や事務所の建物は、すべてカラマツだけを用いてつくられており、自然な光沢が見事でした。地元の方々は、地域材の需要拡大、外材輸入を適正化、消費税転嫁対策等について要望しておられました。  長野県を辞した調査団は、群馬県に入り、まず県庁で県当局から本県の農林水産業の概況説明を受けました。また、農林業団体から陳情を受けました。  本県では、豊富な水資源、比較的温暖な気候、大消費地に近い地の利等を生かして多彩な農業が行われており、一戸当たりの農業粗収益は全国第五位と全国の上位を占めております。しかし、本県の農業も多くの問題を抱えており、県では、昨年群馬県農業・農村活性化検討会を設置して、国際化への対応の強化と農業、農村の活性化を中心に検討を進め、現在その結果の取りまとめを行っているとのことでした。  本県の森林面積は全国第二十二位で、首都圏の水源涵養と国土の保全に重要な役割を果たしています。林業は停滞ぎみですが、県では、造林や林道の整備、間伐の実施等の施策の推進により、林業と山村の振興を図っています。  水産では、コイ、アユ等の内水面養殖が盛んで、県もその振興に力を入れています。  次に、赤城山麓で県営圃場整備事業を視察いたしました。富士見村と北橘村にまたがる中山間地の農地四百一ヘクタールの整備を図るもので、受益戸数七百九十戸、総事業費四十四億円で、工期は昭和五十八年度から平成五年度までとなっています。受益者負担の十アール当たり年償還額は、水田の場合一万八千円ないし二万円となっており、金利負担の軽減が課題のようでした。なお、ここでは、県単事業で造成された「ふるさと公園」も見ました。農村らしいふるさと景観の回復を目的としており、住民の憩いの場となっていました。  群馬の生シイタケ生産は全国一でありますが、次の榛東村ではシイタケ栽培の実態を視察しました。訪ねた農家は、ほだ木六万本を保有し、年間八・五トンの生シイタケを生産しています。その方は、原木の入手難、休養ほだ場の確保難、輸入物との競合激化等により経営は厳しいが、単価の高い良質品を作ることで何とか対処していきたいと話しておられました。シイタケ栽培は、重いほだ木を運んだり中腰で作業したりするため腰痛になりやすく、特に女性には重労働とのことで対策が望まれているようでした。  繭とコンニャク芋の生産も本県が全国一を誇っています。次の群馬町役場では、それらの生産農家及び団体の方々と懇談しました。  火山灰土壌のこの地域では、深根性の桑はかけがえのない作物で、昔から養蚕は農業の中心でした。しかし、近年の繭価の下落のため生産農家は減少傾向にあります。出席した方々は、再生産可能な繭価の維持、養蚕機械購入に対する助成、蚕業改良普及職員の増強等について要望しておられました。コンニャク芋の価格も、生産調整と不作が重なった昨年は例外として、近年低迷を続けており、一方資材費は上昇しているため、農家経営は苦しくなっているとのことで、価格の安定と輸入の規制、小規模土地改良事業の促進、消費拡大対策等について要望が出されました。  次に、高崎市内にある高崎ハムを訪ねました。我が国有数のこの食肉加工経営は、昭和初期の世界不況の中で、畜産農民を救済するために農協組織によって創業され、昨年五十周年を迎えました。関係者の方々は、消費者に信頼される商品づくりに努めてきたが、今後は、それとともに、畜産物の輸入自由化に対処して、新工場の建設によるコストダウン等にも力を入れていきたいと話しておられました。  最後に、高崎市郊外の酪農専業農家を訪ねました。経営者は四十歳代の方で、米国産の優秀な素牛の導入、受精卵移植技術の活用等によって乳牛の改良を重ね、乳量一万キログラムを初めとする好成績を上げて、昨年度の天皇賞に輝きました。借入金が少なく収益も高水準で、今後は、さらに優良な子牛の生産、飼養管理技術の改良、飼料自給率の向上等に努めるとともに、牧場の一部を市民の憩いの場として開放していきたいとのことでした。  以上が調査結果ですが、この中で触れることのできなかった県当局及び農林業団体の陳情につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくようお願いいたします。  最後に、今回の調査に御協力をいただいた方々に心から感謝申し上げ、報告を終わります。  以上です。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) ありがとうございました。  ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。  次に、第二班の報告をお願いいたします。鈴木貞敏君。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 委員派遣の御報告を申し上げます。  本調査団は、去る二月一日から三日までの三日間にわたり、高知、愛媛両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。  派遣委員は、青木委員、大塚委員、吉川委員、一井委員、橋本委員、それに私、鈴木の六名でありました。  最初に、高知県に参りました。本県は、四国南部の広大な地域を占め、夏季高温多湿、冬季温暖多照という恵まれた自然条件のもとで、農業につきましては、水稲、野菜、果実、畜産物等の生産が行われ、今後とも総合食糧供給基地としての役割を期待されています。中でも、野菜園芸は、本県農業の中で最大の部門として発展を見ておりまして、本県は、全国屈指の園芸県となっております。今後とも、一層生鮮食料供給機能の充実強化に努めるとともに、多様化する需要動向に即した流通体制の整備、山間地域の複合経営の促進等の諸施策にも全力で取り組んでまいるとのことであります。  また、林業につきましては、来るべき国産材時代に向けて、木材供給体制の強化、需要の拡大、森林の多面的利用等の諸施設の推進に当たってまいるとのことであります。  水産業につきましては、厳しい状況の中で、経営安定対策、生産対策等の必要な施策を推進していますが、内水面漁業につきましては、国民休暇県構想との関連で特に力を入れておりまして、アユ、ウナギ等の資源の保護増殖、種苗供給体制の整備等に積極的に取り組んでいたのであります。  現地におきましては、米の自由化は絶対に行わないこと、農産物の輸入自由化に対しましては地 域の実態に即した国内対策を講ずること、転作面積を拡大しないこと等が要望されております。  以下、我々が視察いたしました主な箇所について申し述べたいと存じます。  まず、芸西村の施設野菜生産団地に参りました。本県の野菜生産は、農業粗生産額で全体の四八%を占め、県の基幹産業となっていますが、中でも自然条件を生かした施設野菜が盛んであります。芸西村は、そうした施設野菜の県内有数の産地の一つでありまして、訪れた地域一帯は整然とハウスが並んでおりました。水の確保、連作によるいや地対策などが今後も問題になるとのことでした。そこで訪れた野菜集荷所では、今の時期に、機械を使って、ピーマン、ナスの箱詰め作業が大々的に行われていました。  次に、土佐山田町の内水面漁業センターに参りました。県が力を入れている内水面漁業の振興のために、昭和五十五年度に発足した施設で、ここでは、魚病の防疫、診断、健全種苗の育成試験、増養殖技術の開発試験、現地巡回指導等広範な事業に取り組んでいるとのことでした。そこで見た「バイテクあゆ」の将来には、一同大変興味を引かれるものがありました。  翌日は、土佐和紙で知られる伊野町で紙の博物館を視察した後、県の畜産試験場を訪れました。そこでは、まず、土佐赤牛が紹介されました。本来の役用牛を改良して肉用牛に育てたものだそうでして、優良牛として銘柄化に努めているとのことでした。また、土佐地鶏と外国産の鶏を交配して作った新品種の「土佐ジロー」も紹介され、卵肉兼用種としてすぐれ、農家の省力経営に威力を発揮しているとのことでした。また、山間地の多い本県は、その畜産的利用が課題でしたが、当試験場での長年にわたる研究の結果、野芝を用いた草地の造成、利用技術の体系化に成功し、県外からも大変注目されているとのことでした。  高知県での日程を終えた後、次に愛媛県に入りました。本県も、農業生産において、中四国で一、二位を争う農業県であります。中でも、特にかんきつ等の果実のウエートが大きく、農業粗生産額では全体の約三〇%を占めており、その分、米、野菜等のウエートが低くなっております。今回のオレンジ・果汁の輸入自由化決定は、特に本県に大きな影響を与えましたが、こうした事態にもかかわりませず、生産者、団体、行政が一体となって、かんきつ再編対策に取り組んでいるとのことであります。  また、本県は、森林面積が県土の七一%を占める山岳県で、人工林率が六割強と全国的には進んでいるものの、昭和四十年代からの植栽が大部分でまだ育成過程にあるため、経営を助けるには至っていないとのことであります。また、特用林産物としてはシイタケの生産が盛んで、全国で一、二位を占めています。  自然環境にも恵まれた本県は、漁業も盛んで、漁業経営体数、生産額いずれも四位と、全国有数の水産県となっております。特に、養殖ブリ類、マダイ、真珠母貝、真珠などは全国一位の生産量を誇り、海面養殖業が本県水産業の特色となっています。今後は、厳しい環境の中で、マリノベーション構想の推進を初め総合的な水産行政の展開を図っていきたいとのことであります。  現地におきましては、オレンジ・果汁、牛肉等の輸入自由化に伴う産地強化対策、米の国内自給の基本方針及び食糧管理制度の根幹の堅持、マリノベーション構想の推進等が要望されております。  以下、我々が視察した主な箇所について申し述べたいと思います。  まず、林業の町として知られる久万町に参りました。ここでは、地元の木材を生かした木造の美術館や小学校、それと森林組合の加工施設を視察しました。この地域は、昔から林業が盛んで、約四千戸の林家が平均十二ヘクタールの山林を所有しており、人工林率も高くて八五%に達しております。ここの林業の特徴としては、良質材等の生産目標に従ったきめ細かな育林施業にあるとのことでした。そこで訪れた森林組合の加工施設では、従来の素材販売から製品販売への転換を図っているとのことで、久万材の良質材としての銘柄の一層の普及定着を図っていくとのことでした。  次に、県農協経済連の肉用牛センターを視察しました。ここは、県下の肉用牛振興の中心施設として位置づけられておりまして、来るべき牛肉の自由化時代に備え、低コスト化を目指して、県内素牛の自給率の向上、改良増殖、先端技術等に積極的に取り組んでいました。  久万町では、久万高原ふるさと旅行村にも伺いました。農業体験を通じて、都市生活者に農村、農業への理解を深めてもらうとともに、農山村の自然環境を保全することを目的としたものですが、過疎化の進行する中での取り組みとして大変注目されました。  翌日は、まず、温泉青果農協の選果場を視察しました。ここでは、大規模なラベリング施設が注目されました。イギリスから導入した機械だそうでして、かんきつを対象としたラベリング施設としては他に例を見ないものだそうです。  続いて、県青果農協連のジュース工場を視察しました。輸入自由化の中で、厳しい国際競争に打ち勝つため、より一層の技術開発、合理化に努めるとともに、多様化する消費動向に的確に対応していかなければならないとのことでした。最後に、同青果連が誇る新品種開発センターを訪ねました。ここでは、ウイルス無毒化施設による健全種苗の育成、内外の優良品種の収集等を行っていました。  以上が今回視察してまいりました高知、愛媛両県における農林水産業の実情の一端でありますが、本報告の中で詳細に触れることができなかった現地の要望等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくようお願いを申し上げます。  最後に、今回の調査に当たって特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして、御報告を終わります。

福田宏一自由民主党

○委員長(福田宏一君) ありがとうございました。  ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。  以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗