逓信委員会 第6号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/22
会議録
○委員長(糸久八重子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十一日、田辺哲夫君、高橋清孝君、下稲葉耕吉君及び林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君、工藤万砂美君、添田増太郎君及び西村尚治君が選任されました。 また、本日、工藤万砂美君西村尚治君及び添田増太郎君が委員を辞任され、その補欠として成相善十君、上杉光弘君及び斎藤文夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(糸久八重子君) 放送法及び電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大木正吾君 最初に伺いたいんですが、通信衛星による放送サービスの動向とその見通しですね。これはどの程度のスピードといいますか、速度でもって普及するというふうにお考えになっていますか。郵政省の方から聞きましょうか。
○政府委員(成川富彦君) 通信衛星を利用した放送でございますが、音楽とかニュースとか映画等の専門的な情報を提供いたしまして、我が国において今後ともその中心的な役割を果たすと考えられます地上放送それから放送衛星による放送に対しまして補完的な役割を果たしていくのではないかというふうに考えております。情報ニーズの調査を見ましても、現在の放送番組に飽き足りませんで、ニュースとかスポーツとか音楽等の専門的な情報に対するニーズというものも見られますものですから、そういうことで今後出ていくというふうに考えられます。 ただ、通信衛星による放送につきましては、既存の放送秩序との調和ある発展を図らなければならないというような観点から、私どもは段階的な導入を図っていきたいというふうに思っております。さしむきPCM音声放送等を通信衛星を使ってやりたいという社が二社程度ございます。あと映像伝送につきましては、今直ちに実施したいというところはございませんが、行く行くは映像放送をやりたいというようなところが、CATVに対する番組供給会社は三十社程度あるんですが、そのうち十社程度が通信衛星を利用して番組供給をすることを考えているわけですが、将来は個別受信もやっていきたいというようなことを言っております。ただ、現時点におきましてはそのようなことを直ちにやりたいということは言っておりません。 今後どういうふうに取り運んでいくかということでございますが、既存の放送秩序との調和ある発展を図るという観点から段階的な導入を図っていくということで、現時点において何社になるというような見通しは立っておりません。
○大木正吾君 大臣に伺いますけれども、放送衛星についての受信は大臣はされていますか。どうですか。
○国務大臣(村岡兼造君) 時々見ております。
○大木正吾君 一般論として、別に私反対をしているわけではないんですが、最近の総合放送の場合におきましても、例えばニュースウォーズ、ニュース戦争とかあるいはスポーツ番組、音楽番組等相当多うございますね。そうしますと、今の通信衛星による放送サービスの動向の中身を伺いますと、実は将来、今の総合放送は一体これは中身はどうなっていくんだろうかということが逆に心配になるんですが、そういった点はどう考えていますか。
○政府委員(成川富彦君) 今申し上げましたように、通信衛星による放送は、ニュースとかスポーツ、音楽等の専門情報を提供する放送として地上放送とかそれから放送衛星による放送を補完していくものと期待しております。 NHKがいろいろと今放送の中身を工夫しながら国際的なニュースだとかやっているわけでございますけれども、NHKの行っている放送衛星による放送に直接的な影響が出てくるというふうに は考えておりません。NHKにおきましては、今後とも良質かつ豊かな放送番組を提供して、国民のニーズにこたえることによりまして衛星放送の普及にも努めていただきたいということで、NHKの予算の審議のときの意見書にも付さしていただいたような次第でございますが、そういうことから、公共放送としての役割といいますか使命を今後とも果たしていってもらいたいというふうに思っているところでございます。
○大木正吾君 一般論としてはわからぬことはありませんけれども、ただ、あなた最初におっしゃった通信衛星による放送について個別に大分挙げられましたね。こういった問題については結局、ニュースウォーズということもありましたし、同時にスポーツ放送も大分盛んですわね。音楽なんかも、これは三チャンネルが多いと思うんだけれども、やっていますわね。そうしますと、結局こういったものによりましてNHKがやる本来の総合放送の中身がまたこれ相当高度な、どういうふうに変わっていくのか、その辺がちょっとつかみにくいんですが、もう一遍展望について聞かしてください。
○政府委員(成川富彦君) NHKは放送事業者でございまして、放送番組の編集の自由がございます。どのような中身の放送をしていくかということについては、一義的にはNHKが考えていくべきことかと思いますが、現在地上放送におきまして総合放送をやっていただいておりますが、衛星におきましても、総合放送という形で地上放送ではできないような国際的なニュースだとかというものも取り入れてバラエティーのある総合的な放送をしていただいているところでございまして、今後ともそういうことで良質、豊かな放送を衛星放送によってもやってもらえるものと私ども期待しているところでございます。
○大木正吾君 一般論としてはわかりますが、いずれにしてもこれはなかなか新しい番組を編成する際に、通信衛星放送によりまして今国民が見たがっている、例えばスポーツが見たいとか音楽がどうとか、こういうふうになってきますと、結局親元の地上放送のNHKの方の関係で中身の番組編集なども非常に難しくなると思うんですよね。ですから、そういったことについてもうちょっとしっかり研究しながら、ぜひこれはNHKと郵政省の双方でそこの努力をお願いしておきたいと思います。 次の問題として伺いたいのは、ハードとソフトの分離の問題ですけれども、これについて、どうしてこれ分離をしたわけですか。
○政府委員(成川富彦君) 通信衛星は、先生御案内のとおり製造から打ち上げ、サービス開始までかなりの時間を要します。そのようなことから、資本的にもかなりのコストを必要とするということがございます。それから、放送用以外にも多くの中継器が搭載されることもございます。それから、管理、運用には特別の施設と専門的な能力を必要とするというようなことがございまして、そういうようなことから専門的な知識、あるいは資本コストが要るというようなことから、衛星を管理、運用する主体と、これを利用してといいますか、使用してサービスを行う主体とが分離するというか、分かれるというのが通常でございます。通信衛星を利用して通信事業を行う者もそういう形でやっていくのが通例だろうというふうに思います。通信衛星を使って放送をやるという場合も、放送を行う者がみずからが放送局の管理とか、運用に責任を持たずにサービスを提供したいというような意向を持っております。 したがいまして、管理、運用につきましては別の人にやってもらって、ソフトといいますか、放送サービスにつきましては別の者がやるという形が望まれるところでございます。しかしながら、現行制度におきましては、このようなニーズに対応できません。このようなことから、実態に即した制度として今回放送局の免許の主体と放送番組の編集の主体とを分離する制度を導入させていただく、いわゆるソフトとハードの分離という制度を導入させていただきまして、放送が実施しやすいような形をとらせていただきたいということで放送法改正を提案させていただいたような次第でございます。
○大木正吾君 そうしますと、今の一般論からしますと、現在の地上系の放送についても将来そういう扱い方になることがあり得るわけですか。どうですか。
○政府委員(成川富彦君) 地上放送におきましては、放送局の免許を受けた者が放送事業者として放送を実施するという形をとっておりまして、継続性、安定性といった観点からもその形がとられてきているところでございます。今後、現時点におきまして放送事業者の方からそういう分離してほしいというような意向もございませんし、現時点において何ら問題はございませんので、そのような形の方がより望ましいわけでございますので、地上放送におきましてソフトとハードを分離する制度を導入する考えは現時点においては持っておりません。
○大木正吾君 いずれにしましても、これは先を見た法案のようでもありますけれども、同時にまた今後いろいろ相当に分野が広がってきますからまたまた混線するということにもなりかねませんが、ちょっとここで聞いておきたいことは、ハードとソフトの関係なんですけれども、番組編集などに対しましてハードの方からソフトに対して圧力がかかる、そんなことはありませんか。どうですか。
○政府委員(成川富彦君) ソフト事業者はハード事業者の役務提供に全面的に依存せざるを得ないわけでございます。そのソフト事業者の業務が円滑に実施され、放送番組の編集の自由が確保されるためには、ハード事業者に役務提供義務を課さなければいけないわけでございますが、今回の改正法の五十二条の九におきましてもハード事業者に役務提供義務を課しております。ソフト事業者の編集した番組を手を加えずにそのまま放送しなければならないというようなことにしているわけでございまして、そういう点から番組編成に介入しないように、ハード事業者から影響を受けないように措置をしているわけです。 また、役務提供の条件につきましても、ハード事業者がソフト事業者の番組編成に介入したり、不当に制約することのないように確認するためにこれを郵政大臣に届けさせまして、その役務提供条件が不当である場合、利用させることを制限するような形であるような場合には、郵政大臣がその条件を変更することを命ずることができるようにしております。 このような措置を講ずることによりまして、ハード事業者がソフト事業者の番組編成に介入することを防止できるんではないかというふうに思っているところでございます。
○大木正吾君 ちょっと逆な感じがするんだけれども、ハードの場合には届け出でもっていいわけでしょう。ソフトの場合には認定となりますね。そういう関係との絡みからしますと、どうもやはり大家とたな子みたいな関係が出てきまして、どうしてもハードの方が強いですから、番組絡みの問題について認定なりする場合に、言えば認定する郵政省の立場に立ちましても、そういったことも関係しながら認定することになるんじゃないですか。番組の内容がどれぐらいの受信者があるとかどういったものをやるとかという問題になりますと、大体量的にわかってきますからね。そういうことはありませんか。
○政府委員(成川富彦君) ソフト事業者の認定基準でございますが、放送事業を継続的、安定的に遂行するための財政的能力があるかどうかといった点、それからマスメディアの集中排除原則から問題はないかどうかといった点、それから外国性を有する者だとか委託放送業務を行う者にふさわしくない者かどうかといった点から認定するわけでございます。 委託放送事業者につきましては、放送法第三条によりまして、従来の放送事業者と全く同様でございますけれども、放送番組の編集の自由が保障されております。認定に当たりましても、番組の 編集の自由が侵されないように、損なわれることのないように番組内容について審査するとかいうようなことは考えていないところでございます。
○大木正吾君 その辺の問題についても、これは十分に法の施行の際には、あるいは具体的に申請があったりしたときには注意しておいてもらいたいと思います。 次に、なるべく簡潔にしていきますけれども、通信と放送の切り分け問題について不特定多数と特定多数という言葉がございます。これは日本語的にいってもこういうふうな抽象的用語ですとなかなかわかりにくいんですが、及川委員がこの間質問しましたものを見ましても、放送のその中身については、これははっきり中身がわかったものじゃありませんから、一応機構的に図面にしてありますが、要するに不特定とか特定という問題について、どちらにもなかなか判断しにくいという問題が起きることはありませんか。
○政府委員(成川富彦君) 先生お話がございましたように、放送というのは公衆すなわち不特定多数の者によって同時に直接受信されることを目的としたものでございまして、受信者と契約関係がある場合におきましても、だれでも契約し得るもの、有料放送なんかがそういう形でございますけれども、そういうものであれば放送というふうに考えております。それから、受信者の特定ということでございますが、受信者と送信者との一定の関係または受信者の一定の属性によりまして判断すべきことというふうに考えております。 具体的な通信と放送の区別の基準につきましては、先般来お話を申し上げましたように、通信と放送の境界領域的サービスに関する研究会の中間報告でも指摘されておりますが、私どももそのとおりだというふうに思っております。送信者と受信者の間の紐帯関係の強さ、結びつきの強さですね、例えば本社と支社とか、チェーン店とそれから本部とかいうような仕事上の紐帯関係の強さの程度、それから通信の事項、特定者間の通信であれば通信の内容がおのずから固まってくるわけでございまして、通信の事項、それから情報伝達型式の秘匿性、通信の場合には人に聞かれては困るといいますか聞かれたくないという通信の秘密といいますか秘匿性があるわけでございまして、そういう点とか、それから受信機の管理につきまして各個人が受信機を管理しているのかあるいは送信側が管理しているのかというような点だとか、それに加えて広告の有無、広告がついた場合には一般的には公衆に対する送信というような形で行われるのが通常でございます。だれにも聞かせたいというようなことでございますから、広告の有無というのも一つの判断基準になるんじゃないかと思います。 それらを総合的に判断いたしまして、通信であるか放送であるかということを切り分けていくということになるわけでございます。
○大木正吾君 いずれにしても疑問は解けませんが、時間の関係でもって次に譲りたいと思いますけれども、これは結局通信衛星という問題が新しくどんどん発展してきまして、そういった中での問題ですから、例えば通信衛星の場合でも特定の相手云々の場合、万が一これが他の一般の方に、不特定多数の方にそういった情報なりあるいはメディアというものが流れているということがわかることもないと私は断言できないと思うんですね、今答えた範囲の中で聞いていますと。ですから、いずれにしてももうちょっと慎重な検討をさらに続けてもらいたいということをお願いいたしておきます。 次に、時間がありませんからNHK側に少し伺いますけれども、最近の一部の報道の中で、教育放送をやめるという話を新聞か何かで拝見したんですが、番組の整理ということについては若干必要かと思いますけれども、そういった考え方はございますか。
○参考人(尾畑雅美君) お答えします。 三月二十八日に、当参議院逓信委員会で平成元年度のNHK予算を御審議いただきましたときに、長期的視野に立ちましてひとつ経営計画を大至急策定しなさいという御注文がありました。それを受けまして、ただいまNHKでは非常に厳しい財政状態にありますし、多メディア時代の中でどういうふうに生き抜いていくかという問題につきまして、全職員に今までかつてないぐらいの各職場で真剣な討議をやらしておりまして、それについては今後のNHKの行く道ですとか、放送はどのぐらいのサービスがあった方がいいかとか、世界じゅうの放送の中でNHKがどんな地位を占めたらいいのか、あらゆる角度につきまして論議を進めております。 その中で、やがてはどのぐらいの放送サービスがふさわしいかというようなところまでいくかとも思いますけれども、今はまだ先生がおっしゃいましたようなそういう具体的な論議までは入っておりません。役員間でもそういった一万五千人の熱い討議を受けましてそろそろ論議を進めようか、こういった段階でございます。
○大木正吾君 三チャンネルといいますと私たち娯楽番組で一番はっきりしていますのは、碁とか将棋の番組が日曜日にございまして、あれを毎回見ている方もいらっしゃいますし、同時に、他の専門的な番組、歴史物とか国際物とかいろんなもので、視聴者の方々は少ないかもしれませんけれども、やっぱりビデオに撮りましても見たいという方も相当いらっしゃるわけですね。ですから、教育放送等について余り簡単になくしてしまうというようなことのないように私どもからもお願いしておきます。 それから、これも及川委員が質問した問題と関連いたしますが、CATVの有料化問題についてでございますけれども、大変難しい問題だということはわかるんですが、むしろ新しい衛星放送の普及というものと並行させながらやっていって、余りCATVの関係で衛星放送を受信している方々に対しましてぼっと新しい料金をかけるということにつきまして、やっぱり奇異の感を持つことは当然でございますから、社会問題化しないとも言えない問題ではないかという感じもするんです。その辺のいわば今後の進め方につきまして、新しい衛星放送の受信者の開拓とあわせまして、やっぱり予算との関係もございましょうけれども、少し考えてほしいと思うんですが、どうですか。
○参考人(高橋雄亮君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、個人の受信者の拡大といいますかその方にも一層力を入れていかなければならない、それからただ、既存のCATV加入者の方は既に衛星放送をかなりの方が見ていらっしゃるということで、こちらの対応の方も不公平感をなくす意味で力を入れなければならないということで取り組んでいる状況でございます。
○大木正吾君 ぼつぼつ時間ですから大臣にこれは伺っておきますけれども、率直に申し上げて、国会の、時間のない中でもって、大変将来に大きな問題を抱えている放送法を私たちは賛成しながら通さなくちゃならないわけでございます。しかし、いずれにいたしましても問題が非常に技術的にも複雑でございますし、同時にNHKの経営側といたしましても島会長等は半分ぐらいぜひともこの衛星放送に切りかえていきたいと、こういう話もされておるようでございまして、同時にもう一つは、やっぱり下請の子会社、これも相当立派な方々が重役に入ってきますと、下手をしますと民活型ということになってしまいまして、公共放送としてのNHKの本来の姿が崩れる心配がある、こういうふうに私は考えておりまして、その辺の問題について大臣とNHK側からそういった心配はないようにしていくんだということについての御決意がありましたらひとつ伺いたい、こう思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 大木先生から今公共性を失わないようにというような御意見がございました。私どももその趣旨を踏まえてひとつやっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○参考人(青木賢児君) ただいま御指摘の問題に つきましては、NHKの関連会社二十一団体ございますけれども、商売という面では未経験なNHKの出向社員あるいは定年退職者が中心になっておりますので、なかなかビジネス的にはうまくいかないという面が多いものですから、今回、情報産業に関心のおありのあるいは識見をお持ちの方々に御参加いただきまして、ビジネスの基本のところを勉強さしていただきたいということで第一線のすぐれた方々に御参加いただいたということでございますが、NHKの公共放送としての性格並びにこの関連事業の目的については、これらの方々は十分理解していただいているというふうに考えておりますので、この公共性、中立性に影響を及ぼす心配はないというふうに思っておりますし、またそういうことはあってはならないというふうに我々は考えております。
○大木正吾君 終わります。
○鶴岡洋君 最初に通信衛星関係について一、二質問さしてもらいたいと思います。 大臣にお伺いしますけれども、放送衛星に引き続いて通信衛星を利用した放送サービスが実現しようとしているわけでございますけれども、通信衛星は性能が向上すると、使用周波数の相違、またアンテナの大きさの違いはありますけれども、ほとんど放送衛星と同じような形で受信できるということになってくるわけです。アメリカでは、通信衛星経由のケーブル向け番組を直接受信できるいわゆるバックヤードディッシュを設置している家が百五十万から二百万世帯と、こういうふうに聞いておりますけれども、郵政省は衛星放送を含め放送の将来についてどういうふうに考えておられるか、いかがでございますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 放送衛星は、国際的に我が国に割り当てられた軌道位置と周波数を使用して高出力で行うものであり、小型のアンテナで受信可能という特徴を有するものであります。 今後地上放送とともに我が国の放送の中心的な役割を果たすものと考えておりますが、他方、通信衛星による放送は、受信には放送衛星に比べまして大きなアンテナを要するものでありますが、ニュース、音楽、スポーツ、映画等、専門的なニーズにこたえる放送等、多彩で魅力ある番組が提供されることを期待しているところでございます。
○鶴岡洋君 今度の法改正で、委託事業者は郵政大臣より認定を受けて従来の放送事業者と同様の規律を準用し、放送番組の編集、放送番組の適正を図るためのいわゆる放送番組審議会ですか、等の制約を受けるようになるわけでございますけれども、通信衛星を利用する番組はスポーツを中心にする番組、それから子供向けの番組、いわゆる専門番組の放送が予想されるわけでございまして、専門化している番組に対して放送番組の規律はちょっと厳しい、こういうふうに思うんですけれども、この点について緩和するような考えはあるのかないのか、郵政省いかがですか。
○政府委員(成川富彦君) 先生お話しございましたように、通信衛星を利用した放送におきましては、映画、スポーツ、ニュース等の専門的な放送番組が予想されているところでございますけれども、そういった制限があるわけでございませんで、総合的な放送も可能になるわけでございます。また、従来の放送と同様に各家庭に直接入り込んでいくというようなことで、社会的な影響力も強いというような観点から、放送番組につきましては既存の放送と同様の取り扱いをすることが適当であるというふうに考えておるところでございます。 なお、委託放送事業者が例えば報道専門だとかいうような特別な事業計画、現在の法律にもそういう特別な事業計画という規定があるわけでございますが、それによって業務を行うものである場合には、テレビジョン放送であっても放送法第三条の二第二項の番組間の調和原則、報道、教養、娯楽等につきまして調和ある放送をしなきゃいかぬという調和原則は適用されないことになるわけでございます。 それから、昨年の法律改正で実現を見さしていただいたところでございますが、自然事象だとか経済市況とかスポーツに関するような時事に限定した事項につきましては、放送する場合におきまして、放送番組の向上の問題となる余地が少ないわけでございますので、それにつきましては放送番組審議機関の設置を要しないとか、それから放送番組基準の規定の適用を外すとかいうようなことで規制の緩和を図らしていただいたところでございます。 今後の問題でございますが、今後放送の発展の状況、通信衛星を利用した放送サービスの実施の状況といいますか、そういうものを踏まえながら、あるいはメディアの特性等もいろいろと変わって出てくると思いますが、それらの問題とか、それから放送メディア特性に応じて放送事項等につきましても規制の緩和といいますか、規律の緩和というものも考えていくべきことだというふうに思いますが、現時点におきましては先ほど来申し上げましたように各家庭に浸透していくというようなこと、あるいは放送番組もニュースとかスポーツとか限定しているわけじゃないというような観点から地上放送と同じような放送番組の規律をする、同様の取り扱いをするということは適当という判断をいたしまして、このような提案をさしていただいているところでございます。
○鶴岡洋君 それから現実の問題ですけれども、NHKの衛星放送受信料は八月から地上波含めて二千円という値上げになるわけです。それから、放送衛星による民間の放送料、これもBS3以降、来年打ち上げるわけですけれども、お金を取るようになる。通信衛星による放送の受信料、これも加わってくると、それに加えて各家庭で見る方にすれば附帯設備もつけなければならないし、パラボラも余計つけなければならないと、きのうからいろいろお話がありましたけれども、これによっていわゆる各種メディアによるサービスの充実、多様化ということは、これは望ましいことでございますけれども、どっちにしても受益者、見る方の負担増が非常に多くなる、こういうことは間違いないと思うんです。 そういうことで、その点は極力やはり抑えなきゃならない、抑えてもらいたい、こういうことでございますけれども、この点について郵政省としては調整はとると思いますし、またその点は考えておると思いますが、具体的にどういう点をどういうふうにするかというところまで今考え中でしょうけれども、極力抑えてもらいたい、こういうふうに私から希望するわけですけれども、この点についていかがでございますか。
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおり、地上放送、放送衛星による放送のほかに、今回の改正案でお願いしております通信衛星による放送が実施されることになるわけでございます。国民が多種多様なきめ細かい放送サービスを享受できるということになるわけでございまして、豊かな国民生活のためにも望ましいといいますか、大変有益なことだというふうに考えられるところでございます。 しかしながら、たくさんの情報が得られるということになりますと、それに伴いまして金もかかることになるわけでございますが、その料金につきましてはできるだけ低廉な料金によりまして多様なサービスが提供されることが望ましいというふうに考えられるわけでございます。現時点におきましては通信衛星による放送というのは有料サービスというふうな方式で、段階的に導入が図られるんじゃないかというふうに思っておりますが、その料金につきましては放送法におきまして、「業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」、放送法第五十二条の四の基準が定められているところでございます。 できるだけ安くという受信者側の希望もあるでしょうけれども、事業者側との兼ね合いもございますので、適正な料金が定められて、多様な放送の普及が図られるように私ども考えていかなければいかぬじゃないかというふうに思うところでございます。
○鶴岡洋君 それでは放送番組センターについて何点かお伺いします。 最初に、放送番組センターは放送番組の質的向上、さらに放送の健全な発達を図る、それから過去及び現在の放送番組について組織的に、継続的にそれを収集し、保管し、そして公衆に視聴させる、こういうふうにしておりますけれども、その具体的な内容についてお伺いをいたします。
○政府委員(成川富彦君) 先生今お話しございましたように、放送番組センターの業務内容でございますが、放送番組につきまして組織的継続的に収集し、保管し、及び公衆に視聴させるということをその業務とするわけでございます。 具体的に申し上げますと、放送番組を収集、保管し、それから公衆に見てもらうということ、ただ、その公衆に見てもらう場合の、お客さんに見てもらう場合の場所といたしましては館内利用を原則とするわけでございますが、それらのことが第一点ございます。 それから第二点目といたしましては、放送番組に関する情報を収集いたしまして、それをデータベースとして作成して一般の利用に供すること。どこで、どの時期に、どのような内容の、どのような出演者の放送が行われたかというようなことをデータベースとして整理いたしまして、お尋ねがあったときにそれを一般の方々にお知らせする、利用してもらうというようなことを考えているところでございます。 放送番組をできるだけ多く収集、保管するためには、これらの放送番組に関する情報を完全に把握することが不可欠であるわけでございますが、センターみずからが一定の基準をつくりまして、その基準に従って放送事業者から情報の提出を求めることができるという、言ってみれば権限の付与といいますか、そういうことを今回の法律改正でさしていただきまして、データベースをきちっとそろえることができるように側面から援助するといいますか、そういう形をとらしていただいているところでございます。
○鶴岡洋君 それでは、それに関連して、今民放やNHKにおいてこれはいいと思われる番組、それから自分の会社で放送した番組、これをきちんと整理し、それから保管し、管理されていると思いますけれども、その現状はどういう現状になっておりますか。
○政府委員(成川富彦君) 放送番組の保存につきましては、大きく分けて放送事業者において保存しているものと、それから公的記録保存所というのがございますが、それにおいて保存されているものがございます。 放送事業者の放送する放送番組の数でございますが、在京、在阪の放送事業者、NHKも含めてでございますが、民放テレビ十社含めますと約十四万番組、これはちょっと古いデータで恐縮ですが、昭和六十三年の三月現在の数値でございますが、そのような番組が保存されております。これは主に再放送とか、それから報道番組に映像資料として使うとかいうような形、あるいは外部に対しまして貸し出しまして、貸し出しといいますか、利用してもらうというような二次的な利用を目的としているものでございます。 それから、公的記録保存所といたしましては、現在NHKの放送文化調査研究所、愛宕山にございますが放送博物館、それからNHKの放送文化財ライブラリー、それから社団法人の日本民間放送連盟記録保存所というところが公的記録保存所として指定されておりまして、このうちNHKにはテレビ、ラジオ番組合わせて約一万番組、それから、後段で申し上げた日本民間放送連盟記録保存所におきましてはラジオ、テレビ合わせてでございますが、九万番組が保存されている状況にございます。 ちょっとこれは蛇足でございますが、これらの番組は自社の利用やあくまでも保存のみを目的とするものでございまして、一般には公開することを前提としておりません。そういうことから公的なライブラリーの設営が望まれているということで今回このような形のものを提案さしていただいている、ちょっと余計なことをつけ加えて恐縮でございます。 以上でございます。
○鶴岡洋君 自社のつくられた放送番組をそういうふうにそれなりにきちっと保存し保管されているということは、これはこれで結構なんですけれども、私この放送センターができることについて一つ心配なのは、民間の放送業者は収集された作品をほかの目的に使用されることを心配されるんじゃないかな、こういうふうに思うんです。放送番組センターがいわゆる収集した作品について、営利の目的で利用される可能性があるのではないかな、こういうことでございますけれども、この点についてはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(成川富彦君) 先ほど放送番組センターの業務内容につきましてお話をさしていただきましたんですが、その中で申し上げましたとおり、放送番組センターは放送番組を収集、保管といいますか、それと公衆に視聴させること、館内で原則として見てもらうということを考えております。それから、放送番組センターのもう一つの機能といたしましては、放送番組に関する情報を収集、分類、整理、保管するということと、それから放送番組に関する情報を定期的、あるいは時宜に応じて、または依頼に応じて提供する、利用していただくということを考えておりまして、営利目的の使用は考えていないところでございます。 今先生お話にございましたように、放送事業者の方には二次的な利用をするのなら放送番組を出したくないというような気持ちもございます。放送番組センターとしては、そのような二次的な利用は現時点においては考えていないところでございます。 著作権の処理につきましても、営利目的に使用しないことを前提としておりまして、今申し上げましたように営利目的に及ぶ場合には、放送事業者の協力が不可欠でございますが、そういうところの協力も得られなくなるということから実際上もあり得ませんし、現時点においても考えていないところでございます。
○鶴岡洋君 この収集に当たっては基準を設ける、こういうことでございますけれども、それはそれとして、私一つ聞きたいんですけれども、国立国会図書館法第二十四条に、「映画技術によって製作した著作物」、これも納入を国会図書館としては義務づけているわけです。映画技術によって製作した著作物、それと放送番組とはどこが違うのか、違うならばどういうふうに違うのか、その点をまずお伺いしたいんです。
○政府委員(成川富彦君) 放送事業者は一般的に言いますと、国会図書館との関係でございますけれども、言論報道機関として国などの公的な機関に放送番組を提出することにつきましては消極的でございます、それはちょっと映画基準の解釈とは直接かかわりはございませんけれども。現在放送番組につきましては、国立国会図書館とか国立近代美術館フィルムセンター等公的機関におきましてはほとんど保管されていない状況でございます。国立国会図書館についてはもう皆無というような状況にございます。 お尋ねの国立国会図書館法におきましては、先生お話しございましたように、「文化財の蓄積及びその利用に資するため、」出版物とか映画技術によって製作した著作物等を国立国会図書館に納入しなければならないこととされております。その法律ができたのは昭和二十三年でございますが、その当時テレビジョン放送はなかったという状況にありましたものですから、映画技術によって製作した著作物に必ずしも放送番組が含まれるとは言えないというふうに考えております。 なお、現状でございますが、現在映画技術によって製作した著作物につきましては国立国会図書館への納入が免じられております。そのような法律的な規定がございまして、映画技術によって製作した著作物についても国会図書館への納入が免じられておりまして納入されていないという実態 のようでございます。
○鶴岡洋君 何かよくわからないんだけれども、要するに国会図書館に納入が義務づけられているのは「映画技術によって製作した著作物」と、こういうことになっているわけです。この法律ができたのは昭和二十三年といいますから、相当古いときにできた、そのときにはいわゆる今のテレビというのはなかった、そういうことでございますので、端的に言えば、納入を義務づけられるのか、義務づけられないのかということのいわゆる線がきちっとしていないと、こういうふうに私は思うんですけれども、そうなんですか。
○政府委員(成川富彦君) 今申し上げましたように、二十三年当時、テレビジョン放送がなかったということでありまして、その「映画技術によって製作した著作物」に当たるのかどうかといったことになるかと思いますが、それには私どもは必ずしも当たるものとは言えないのではないかというふうに思います。 もし仮に当たったといたしましても、その二十四年の国立国会図書館の法改正で附則の第二項におきまして、「改正後の第二十四条第一項第六号に該当する出版物」というのは「映画技術によって製作した著作物」ということでございますが、これにつきましては、「当分の間、館長の定めるところにより、同条並びに改正後の第二十四条の二及び第二十五条の規定にかかわらず、その納入を免ずることができる。」という附則の第二項の規定がございまして、それに従いまして現在納入を免じておりまして、映画技術による製作物につきましても納入されていないという実態と聞いております。もし放送事業者の放送番組を納入するということになりますと、著作権処理だとかいろんな問題がございましてなかなか実際的にも難しいのではないかというふうに考えております。
○鶴岡洋君 いずれにしても、中身はそんなに私は違いはないと思うんです。 それで、私申し上げたいのは、指定法人として新たに放送番組センターをつくるわけですけれども、それだったらば、国立図書館という大きなものがあるんですから、そこに吸収というんじゃなくて、もっと国立図書館を大きくしてそこで保管する、収集するというようにしたらいかがなものかなと、こういうふうにも思うんですけれども、この点については郵政省はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来ちょっと申し上げましたように、放送事業者は言論報道機関の一つとして国とか公的な機関への放送番組の提出にはかなり消極的な意向を持っております。それで、放送番組センターの設立といいますか、放送番組の収集、保存のためには放送事業者の協力が不可欠でございますので、そういう点からいってもそのような国会図書館等への提出を義務づけるというのはなかなか難しいのではないか。それからもう一つ申し上げましたように、著作権処理だとかというようなことから、すべてを納入することになりますとかなり事務的にも経費的にも問題があるというふうなこともございます。 それからもう一つ申し上げさせていただきますと、放送ライブラリーに関する調査研究会というのを開かせていただきまして、NHK、放送事業者、学識経験者等に参加していただきましていろいろと議論をしていただいたわけでございますが、その中におきましての結論でも、中立的な公益法人といったものに放送番組を収集し、保管してもらう方が望ましいのではないかというふうな報告も受けておりまして、それを踏まえまして今回このような提案をさせていただいたところでございます。 今後、放送事業者あるいは視聴者等々関係者の意向も踏まえながら将来とも検討していかなければならないと思いますが、現実におきましてはそのような放送事業者等の意向を踏まえまして今回このような提案をさせていただいたところでございます。
○鶴岡洋君 時間がないのでNHKに二点ほどお伺いします。 NHKは、関連団体事業を四分野に再編成して現行の団体の役割分担を明確にするとともに、NHK企業集団としての効果的な事業運営を目指していくと、こういうことでございますけれども、現在でもNHKというのは巨大化している、こういう批判があるにもかかわらず、さらにこれを再編成して今後やっていく、こういうことになるとNHKがさらに大きくなると、こういう心配もいたしますし、また、NHKと民放というこの二本立てのいわゆる放送体制、こういう現在の中でNHKの民業圧迫と、こういう批判も出てくると思われますし、NHKの方としてはそうじゃないと、こうおっしゃるんでしょうけれども、その点についてどういうふうなお考えを持っておられるのか、NHKさんちょっと答えてください。
○参考人(青木賢児君) 今御指摘のように、NHKあるいはその関連団体が全体として肥大化していくということについては各方面から御指摘をいただいておりまして、私どもはこの点を最大の論点としてこの再編成を行っております。 まず第一に、NHKについてはNHK本体のスリム化ということをこの数年精力的に行っておりまして、次第に人員を減らしておりますが、あわせてその事業を関連団体、企業集団に移すことによってNHKではできなかったような効率的な運用をやる、つまり少ない人数で有効な事業運営をやるということを我々の再編成の骨子にしておりまして、そういう意味では全体がどんどん大きくなっていくということについては私どもは考えておりません。 業務委託については、これから基準が設けられることになりますが、この委託する業務の内容とか規模についてはおのずから限度がありまして、これを無原則に広げていくあるいは委託していくということにはならないというふうに考えております。
○鶴岡洋君 それでは最後にNHKさんに聞きたいのですけれども、先ほど大木先生からお話があったいわゆるNHKの公共性の問題です。これは通告していないんで大変恐縮ですけれども、大木先生からお話があったのは、関連事業が大きくなればなるほど、またそこに優秀、優秀というか立派な方が配置される、こういうことになると公共性が失われる可能性があるんじゃないかと、こういうことですけれども、それは私もそうだと思います。 それに関連して、私はこの衛星放送、これに加えて衛星通信、こういうのが加わってくると、お金を払うのはこれは国民側でございますからどちらにしてもお金を払う、お金を払うのならば自分の好きなもの、見る方にすれば見たいもの、こういうことに自然となってくるわけですね、時間は一日二十四時間しかないんですから。そうなってくるとやっぱりそれじゃNHKはほとんど見ない、こっちの方がいいんだ、専門でこちらの方ばかりを見るんだと、こういうことにもなりかねないと思うんです。 こういった点で、私はNHKの公共性というものを考えた場合に、非常に使命というか役割というか、これはますます大切なものになってくるし、どうせお金を払うんだったらこっちを見た方がいいという人もこれは当然いるわけですから、そういう使命、役割ということについて今まで以上に私は自覚をしてやっていただきたいなと思います。 お金を払う内容は違います。これは、民間の方は見たいがために、NHKの方はどちらかというとこれは公共性だということでお金を払っているわけですから、その差が私は役割、使命というところに出てくるのでは困ると、こういうふうに思いますが、その点について最後にお答えを願いたいと思います。
○参考人(尾畑雅美君) 貴重な御指摘をいただきましてありがとうございました。 先ほど申し上げましたが、私ども長期計画を立てるに当たりまして非常に財政窮乏の時代でありますけれども、その中にありましても国民が公共放送に期待しているものをきちんと考えまして、 こういう多メディアの時代の中で総合テレビは何を目指すべきか、また新しい衛星放送は何を伸ばしていくべきか、こういったことをきっちり公共放送のあり方を考えながら、今先生からいただきました貴重な教訓を生かして長期計画を策定したいと思っております。 一言加えますと、まだ全体の討議が千三百件ぐらいの提案がまとまった段階でありますので、これからひとつ真剣に討議しようという段階でありまして、例えば教育テレビについての御心配もありましたけれども、最長寿国になりました日本にありましては、これからの生涯教育、福祉、それから生きがいといったような問題は放送のテーマとしては非常に重要になってくると思いますので、そういうものの放送がなくなるなんということは私は考えておりませんし、そういったものをどういうふうに組み合わしてメディアを公共放送として期待にこたえていくかということにつきまして真剣に考えていきたいと思っております。ありがとうございました。
○鶴岡洋君 終わります。
○山中郁子君 放送、電波法の一部改正の中で、通信衛星を利用した放送サービスの実現の項目をめぐりまして幾つか問題をただしておきたいと思います。 初めに、先日ファクシミリ放送の実験が成功したということが放映されました。郵政省の玄関での風景なども出ていたようでありますけれども、このファクシミリ放送の今後の展望なり発展計画なりについて御認識があれば教えていただきたい。
○政府委員(成川富彦君) 今回郵政省の玄関のところで実験さしていただいたファクシミリ放送でございますが、地上系のテレビ電波のすき間を使いまして文字とか図形等の情報を放送いたしまして受信側で形の上で記録する放送システムをNHKで見ていただいたというところでございます。 このシステムに関しましては、大分古い話なんですが、昭和四十七年度から技術的条件に関する検討が始められまして、本年二月に電気通信技術審議会から答申が得られたところでございます。いろいろと利用形態等につきまして調査研究を行ったり、それからこの間先生御指摘のような実験をしたりというようなことをやったわけでございますが、今後の取り組むべき課題は多々ございまして、現時点におきましてどのような皆さん方が実用化の御意向を持っているのか、あるいはどのような形態が望ましいのかとか、いろんな制度面それから技術面におきましても若干まだ検討すべき課題も残っておりまして、それらの問題につきましていろいろと皆さん方の御意見を聞きながら実用化に向けてのこれから検討をしていかなければいかぬというふうに考えている段階でございまして、現時点においてこれはといったような具体的な案があるわけではございません。今後検討すべき課題というふうに考えているところでございます。
○山中郁子君 実際にファクシミリ放送というのが世の中に出てくるというのは大体五年ぐらいかかるだろうとか、そういう見当もつかない状況で、そういういわゆるタイムスケジュール的な、あなた方の見通しも持っていない程度のわからないものだというふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(成川富彦君) 技術的には今申し上げましたように若干の検討課題は残っておりますが、電気通信技術審議会から答申が出て、実験したところすばらしい図面が、図面というか送信が記録の上にあらわれているというようなこともございまして、実用化に近い段階にあることは事実でございます。 ただ、料金だとか制度だとか利用形態をどうしていくかというような問題につきまして、これから検討しなきゃいかぬ問題でございますので、五年というようなスパンで考えるべきなのか一、二年というスパンで考えるべきかわかりませんが、これから検討してみないと具体的な時期を今からお話し申し上げることは難しいんじゃないかというように思っているところでございます。
○山中郁子君 わかりました。そんなにたくさん時間がかかる先の話だというわけでもないということと認識されていることがわかりました。 それで、通信衛星を使った放送サービスの問題でありますけれども、第一種電気通信事業者である衛星通信事業者が現状こういう放送をしたいということで設備の提供を申し入れられたら、結局その事業者がこれは通信として受けられるけれども、ある場合はこれは放送になるからだめであるというように判断して断るということになっているのかどうか。つまり衛星通信業者がそれを判断するという、何というんでしょうね、権限というか、制度としては私はないというふうに思っているんですけれども、実態としてはそうなっているのでしょうかどうでしょうか。
○政府委員(成川富彦君) 行おうとするサービスが通信であるか放送であるかにつきましては、サービスを行う者がまずみずから判断して、これに従ってサービスを申し込むということになるんじゃないかと思います。それから電気通信役務の提供を申し込まれた第一種電気通信事業者である通信衛星事業者が、当該サービスが電気通信事業者として提供できるサービスであるかどうかについて判断することになるんじゃないかというふうに思います。
○山中郁子君 そうするとやはり業者が判断するわけで、郵政省がそこにかむということにはなってないわけね。相談を受けたら郵政省は何らかの見解を示すということであって、第一義的には業者がこれは通信だと言って申し込まれたけれども、これは放送になるじゃないかということで受け付けられないよというふうにするとか、そういうことだというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(成川富彦君) そういう両者間でトラブルがあったりというようなことになったときには郵政省の方に問い合わせてくるんじゃないかと思います。その場合に、郵政省として通信であるか放送であるか判断せざるを得ないと思いますが、問い合わせがない、普通の場合はスムーズにいくんで、そういうケースはないと思いますが、一義的にはサービスを提供する者が通信としてやりたい、通信であるということで申し込んで、それが受けられて通信として行っていくということになるんじゃないかというふうに思います。 トラブルでも起こって郵政省に尋ねられてくれば、私どもとしては責任ある対処をしていくということでございます。
○山中郁子君 私は業者がこれは通信であるとか放送であるとかを決めるということは一般的にはちょっとあり得ないし、またそういう権限もないと思うんだけれども、実態としてはそういうことはほとんどない、しかし万一何かトラブルが起きれば郵政省に相談が来る。トラブルが起こって相談が来た場合には郵政省が何らかのアドバイスをすると、実情はこうだということでありましょうか。
○政府委員(成川富彦君) 先生おっしゃるとおり、実態的にはトラブルがあって郵政省に尋ねてくるというようなケースはそうないと思います。スムーズに通信と放送というのははっきりと概念的には切り分けられておりますので、そのような形でスムーズにいくんではないかというふうに思います。
○山中郁子君 私は業者にそういうことを区分する権限がないはずだという観点で今ちょっと現状をお尋ねしたんですが、きょうの審議でもそうですし、一昨日だったと思いますが、その審議でも出ておりましたが、放送と通信の境界というかそういう点がやはり一つの大きな問題になるんですね。これは今後やはりこの法案を成立させるかさせないかということの一つの点としてはそれが出てくるということを私どもは認識しております。 それはそれだけじゃなくて、放送法の中のさまざまな問題がさらに大きく広がった部分にかぶせられるという点も含めて問題として認識しているんですけれども、通信と放送の境界領域的サービスに関する研究会の中間報告というのがございま すね。これはかなりその辺のことについていろいろ意見が出ていて、そのことをどう判断するかということで苦慮もされているし、多角的な意見でもって中間報告が出されているわけです。 私はちょっとここで端的にお伺いしたいのは、いわゆる放送とは公衆を対象とした直接受信というふうに言われていますけれども、この公衆の定義をめぐってもいろいろあるということがこの中にもいっぱい書いてありますね、ちょっと限られた時間ですので一々御紹介はしませんけれども。ここでもそれなりにやっぱりいろんなことを考えていろんな意見を出しながらああだろうか、こうだろうかと言いながら、やはりそれなりにひとつのメルクマールを出しておられるわけですけれども、そのことについての郵政省としての、一口に言ってどういう見解になっているのか。私が言うのはこの意見に対してという意味ではなくて境界領域の問題、そのことについての郵政省の端的に言った考え方というのはどういうことになりましようか。
○政府委員(成川富彦君) 先生今御指摘ございましたように、放送というのは公衆、すなわち不特定多数の者によって同時に直接受信されることを目的としたものでございまして、先ほども御答弁申し上げましたようにその特定性につきましては送信者と受信者の一定の関係だとか、受信者の一定の属性により判断すべきだということで、中間報告でも言っておるんですが、私どもも大体同様な考え方で、メルクマールとしては先ほど来先生御指摘のように、送信者と受信者の間の紐帯関係の強さの程度だとか、通信の事項、あるいは情報伝達型式の秘匿性とか、受信機の管理、広告の有無等々総合的に判断して、現時点においては通信と放送というのはきちっと切り分けられるというふうに判断しているところでございます。将来、通信と放送の境界領域サービス、絶対このままでいいかということになりますと、中間報告でも言っておりますように今後も引き続き検討していくべきというようなことも申しております。 通信衛星を利用したサービスの状況も現時点においてはこのような形でございますが、将来どのようなサービスが可能になっていくかということも不確かな分野もございます。それらにつきましては今後引き続きサービスの発展状況等々を踏まえながら適時適切に研究していかなきゃならぬところじゃないかというふうに思います。
○山中郁子君 私はそういう意味でも今後研究しなきゃならないことがいっぱい、いっぱいというか、まだ私ちょっと問題提起したいんですけれども、例えば今の一つの問題もあるんですね。そういう境界、グレーゾーンというのですか、そういう部分がある。 例えばこれは日本通信衛星株式会社ですけれども、利用予定の企業としてリストアップされている中でたまたま一番上に阿含宗と言うのでしょうね、これは宗教団体です。「宗教行事の映像を全国の地区本部、教場に一斉同報」、同報通信ですね、いっぱいありますけれども、一番上にたまたま阿含宗とあるんですけれども、これは宗教団体です。これが例えばスクランブルの義務づけがないわけでしょう、現状ね。そうするとスクランブルをかけないでこういう通信が行われる。しかしそれはだから聞こうと思えば聞けるわけよね、特定の人でなくて不特定の人が、スクランブルをかける義務がないんだから。そういう状態になったときはそれは不特定多数が聞くという、受けるというそういう状況になってきて、一体それはどっちなのかという問題が出てくるということなんかに ついてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(成川富彦君) 番組送信会社が通信衛星を利用して、CATV事業者とかあるいは今お話しございました阿含宗の本部からその支部といいますか、というようなところへ番組を配信する場合において特定の者に対して情報を提供する場合にはこれは放送ではない、通信と放送を切り分けますとそれは放送ではないわけでございます。しかし、その枠を越えまして公衆によって直接受信されることを目的として、あるいはたまたま多くの人が参加するというようなサービスを行うことになればそれは放送に該当することになるわけでございます。 このようなサービスを行う場合には、本来の通信事業の役割から逸脱するわけでございますので、衛星の所有者であります電気通信事業者に対しましてその改善を指導する等適切な対処をしていかなきゃいかぬというふうに思っておりますが、番組供給というような形で特定者間のものであるならばそれは通信でございますのでとやかく言えるものではないというふうに思うわけでございます。
○山中郁子君 それがグレーゾーンのグレーゾーンたるところで、みんなが受信しようと思えばできる状況があるわけね、スクランブルが義務づけられていないわけだから。それで特定の、ここで言えば宗教行事の映像を全国の地区本部、教場に同報通信するということでしょう。だけれども、主としてはそうであるけれども、例えばその中でごく一部分、そこの宗教団体の中の人たちだけでなくて、どうぞ私どもの宗教にほかの方々もこういう御利益があるから御賛同くださいみたいな呼びかけをするということになるとこれは放送になる、今のお話だとね。 そうすると、実際に具体的に伺うと、そういうふうになってくればそれは放送であるというふうに郵政省が認定すると、その通信業者に例えば電波の発射停止命令を含む措置をとるということに具体的にはなるということですか。
○政府委員(成川富彦君) 直ちに電波の発射停止命令をするということはございません。まず通信事業者に対しまして改善命令を出して、その改善の措置がなかなか実際問題として行われないとか、相変わらず続いているというような状況になりますと、一たん停止してもらって最終的にどうしても言うことを聞かなきゃ免許を取り消すということにもなるわけでございます。 改善によって大方、実際そういうことは行われないんじゃないかと思いますが、実際に行われた場合に改善命令をすれば是正できるんじゃないかというふうに考えております。
○山中郁子君 私はそこのところが、あなたもちょっといろいろこれから研究をしたりなんかしなきやならないところだというふうにおっしゃった点の一つでもあるんですけれどもね。それもそうですし、そして今おっしゃったようにそれは放送だというふうに認定するとしますわね、また別に認定しなくてももともと今度は放送ですということで申請ができるわけですよね。申請に対してあなたの方で、というのは郵政省の方で免許というんですか、認定ですか、認定できるとして認定しますわね。 そうすると、今回の法律のそこが一つの問題点というか今後の課題で、まだそういう点で私はやっぱり時期尚早だという結論になるんですけれども、放送法の網が簡単に言えばかかるわけでしょう。放送だということになるわけで、そのために今度の放送法の改正が出ているわけだけれどもね。 放送法の第三条の二だったと思うんですけれども、放送番組基準という問題が出てまいりまして、 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。 一 公安及び善良な風俗を害しないこと。 二 政治的に公平であること。 三 報道は事実をまげないですること。 四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 こういうことがかぶさるわけですよね。 私は、この放送番組基準について現行の問題で放送番組基準を否定的にとらえるとか、否定的に今問題を提起しているということではないので、そこは誤解のないようにお受けとめいただきたいんです。 問題は、通信衛星による新しい放送という段階 にニューメディアの段階が進んでいく中で、よりたくさんの国民がよりさまざまな分野で、いわゆる専門的な分野というか、専門店とよく言いますね、そういう分野の放送を要望して、申請をしていくわけでしょう。そうしたら、例えば今の阿含宗ですか、これは宗教団体ですね。これはもっといろんなケースがありまして、政党だってあり得るわけでしょう。そうした場合に、そういうものがすべて放送だということで政治的に公平であることを求めたり、あるいは意見が対立している問題をできるだけ多くの角度から論点を明らかにするといったって、一つの宗教が、私どもはこういうことでやっていますけれどもこちらの宗教はこういう意見ですよ、しかしこちらの宗教はこういう意見ですよなんていう放送をするということが目的じゃないわけですからね。 それから政党だって、政党が事業者になった場合には、私どもはこういう政策を持っておりますけれどもほかの政党は、こちらの政党はこうです、こちらの政党はこうです、念のため、公平を維持するために御紹介しておきますと、こういうことにはならないわけでしょう。私はそこにやっぱり無理があるということをどうしても考えざるを得ないんですよね。 つまり無理があるというのは、今の段階でこの新しいメディアというのは今までの放送体系と違ったところへ進むわけでしょう。そういうものを、現行放送法のさまざまな問題をそのままかぶせていくというやり方では、やはり今私が申し上げましたようなこと、それからあるいはグレーゾーンの問題をどういうふうにしていくのかというふうな問題だとか、さまざまなやはり問題があるということを指摘せざるを得ないんです。 そういう点で、私は、通信衛星による放送のサービスということについて否定的見解を持っているものじゃないんですけれども、それにしても、やはり今後の問題としてさらに考えていくべきことは大いにあるし、やっぱりちょっと時期尚早だというふうにならざるを得ないんですが、今私が具体的に申し上げましたような点についてはいかがでしょうか、放送番組基準との関係で。
○政府委員(成川富彦君) 先生グレーゾーンというようなお話がございますけれども、通信と放送、通信は通信として、放送は放送として現時点では整然と区分できるという考え方で、先ほど私が申し上げましたのは、将来私どもが現時点において予測できないようなサービスが出現することも出てくるかもしれない。そういうときにはその時点時点で適時適切に研究、勉強し、改正すべきことは改正していかなきゃいかぬという意味合いで申し上げておりますので、現時点におきましては通信と放送というのははっきりと区分できる、通信は通信として、放送は放送としてやっていきたいということでございます。 それから番組の準則の関係でございますが、これにつきましては、放送事業者に対しまして放送番組の自由を保障するとともに、番組内容の適正化につきましては先ほど先生ございましたように、放送法第三条の二第一項におきまして、政治的公平性とか公序良俗の確保等最小限の番組準則を定めているところでございまして、今回の改正でもそれは遵守していただかなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。 通信衛星を利用した放送でも従来の放送と全く同じでございまして、放送は放送で切り分けられるというふうに申し上げましたけれども、従来の放送と中身的には何ら変わりないわけでございます。先ほども申し上げましたように、直接家庭に入り込んでいくという観点からいきましても影響力も非常に強いものでございます。これにつきましては、放送番組の規律等につきましても、規律といいますか番組準則等につきましても、従来の既存の放送と同様の取り扱いをすることが適当ではないかというふうに考えておりまして、今回もそのことを守っていただくということを考えているところでございます。 それから時期尚早ではないかというような点につきましてお尋ねがございましたですが、それにつきまして…
○山中郁子君 それは私はいいんです。いや、私が先ほど申し上げたことがいろいろあるから時期尚早だというふうに思っているんだということを申し上げたんです。 そうすると、さっき私が言った、例えば政党が委託事業者になった場合あるいは宗教団体が委託事業者になった場合、こういうことは十分あり得るわけでしょう。その場合に、多角的見地が保持されなければいけないとか、政治的公平が保持されなきゃならないというのとは矛盾するじゃないかということを私は言っているんです。その点はどうなんですか。政党に限りませんよ。いろんな政治的な見解を持った出版社とか、いろんな人が出てくるわけだから、そういうことは十分いろいろ予想されるわけでしょう。そのためにこの新しいメディアを国民の利用に供するということで発展してきているわけだからね。 諸外国を見たって、政党がここで言えば委託事業者になって放送しているところはあるわけでしょう、ヨーロッパなんかで。そういうときはどうなるんですかと言っているんです。
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来御議論ございましたように、放送法におきましては放送番組の編集に当たりまして政治的公平が求められているところでございます。番組準則というものが定められておりまして、それを遵守していただかなければならないということになっているわけでございます。 委託放送事業者になり得るかどうかということでございますが、政党が政党本来の活動のために放送を行うということになりますと、番組準則といったような観点からいろいろと問題もあり得るんじゃないかというように思います。このような観点からいたしますと、政党が政党本来の活動のために放送を行うというようなことを内容として認定を受けることは難しいんじゃないかというふうに思います。
○山中郁子君 それは問題じゃないの。何で難しいの。宗教団体はそれじゃいいの。一定の政治的見解を持った例えば出版社だとか、そういうのならいいの。どこに線を引くの。それは問題でしょう。今あなた、そういうふうに断言できるの。政党が委託事業者になることはできないということは郵政省の見解なんですか。宗教団体はどうなんですか。
○政府委員(成川富彦君) 今申し上げましたように、番組準則等々放送法に規定されている原則を守っていただかなければならないわけでございまして、それが守られるかどうかという点につきまして、今後委託放送事業者の申請がどのような方々から出てくるのかわかりませんけれども、それらの点も踏まえて検討していかなければならない課題かと思います。
○山中郁子君 だからそこに問題が出てくるの。一昨日、たしか内容についてあなた方は、何にも問題にしないんだ、免許みたいなそういうものじゃないんだと、こういうふうにおっしゃったけれども、今のあなたの御答弁ではしなくも出ているけれども、結局そういう問題に関連してくるんですよ。だから私どもはそういうことを重視してまいりました。もともと行政が放送の許認可に関与していくということ自体を私どもは問題視して、一貫して主張もしてきたし、したがって先般の放送法の改定にも反対をしたわけです。 時間が迫っておりますので最後にお伺いいたしますが、委託事業者の認定の基準について、「その認定をすることが放送の普及及び健全な発達のために適切であること。」ということを挙げていらっしゃるんですね、幾つか挙げていらっしゃる中に。それは一体何をもってあなた方が健全だというふうに見るのかということだってこれははっきりしない話であって、そこのところが一つの問題だと思うんです。何をもって健全であるとか健全でないとか判断をなさるのかどうか。それをとりあえず答えてください、簡単でいいですけれども。
○政府委員(成川富彦君) 委託放送事業者の適合 すべき要件といたしまして、「受託放送役務の提供を受けることが可能であること。」、それから「財政的基礎があること。」、それから「表現の自由ができるだけ多くの者によって享有されるようにするためのものとして郵政省令で定める基準に合致すること。」、それから「放送の普及及び健全な発達のために適切であること。」、それから、外国性、犯罪性等の不適格事由に該当しないことを規定しているところでございます。このうち、今先生お尋ねの「放送の普及及び健全な発達のために適切である」ということとは、その申請について事業計画の実施の確実性等を確認するものでございます。 例えばの話でございますけれども、放送普及基本計画で放送番組の数というものを目標を定めるわけですが、それを超えて認定の申請があった場合に、認定の基準の各項目について総合的に基準適合性を判断いたしまして、その適合度の最も高い者を認定しようとするものでございまして、放送番組の内容につきまして審査の対象にするとかいうようなことは考えておりません。
○山中郁子君 最後ですけれども、そうおっしゃるけれども、さっき私が番組基準との関係の矛盾を問いただしたら、そういうものは受けつけられないだろうと、こうおっしゃるわけよ。そうすると、中身はやっぱり審査することになるわけじゃないの。だからそういう両方のこと言っちゃだめよ。絶対にそれは何の制限もなしに内容については何らかかわらない、こう言うんだったら、それはいろんな人が申請してくることが予想されて、現に今申し上げましたようにいっぱいありますよ。阿含宗だけじゃないですよ、たくさんありますよ。それはこういうところで出せばみんないろんな個別の波、いわば個別の専門店放送ですからね、多角的な見地だとか、そういうことが堅持されなくなるのは当たり前なのよ、当然なのよ。そういうことがいけないと言っているんじゃないの、私は。 そういうふうに放送が発展していくのが道筋であろう。だから、片方であなた方内容については何ら一切あれしないと、こういうふうに強弁しながら、この放送法の改正を押し通したとしても、実際に始まってきたら、私が今申し上げましたような指摘についてあなた方は、それは受け入れかねるものも出てくるでありましょうと、こう言っているわけでしょう、内容にかかわるわけだから。そういう点はいいかげんにしないでおいていただきたいということが私の主張であります。何か格別な御弁解があればおっしゃってください。
○政府委員(成川富彦君) 現在の放送局の免許におきましても、放送法に定める番組編成準則といいますか、の遵守だとか、それから放送番組審議機関の設置、あるいは番組基準の制定等につきまして適合しているかどうかということにつきまして基準となっております。放送番組準則を守らない、放送法を守らないという者に対しまして委託放送事業者にするというわけにはまいりません。したがいまして、番組準則を守ってもらうということは当然のことでございます。
○山中郁子君 内容にかかわるんじゃないですか。
○政府委員(成川富彦君) ただ、個々の放送番組の内容につきましては審査の対象とするものではございません。
○山中郁子君 かかわるんじゃないですか、矛盾しているじゃないですか。 終わります。
○橋本孝一郎君 通信衛星で放送サービスをするという、現段階で受託放送事業者、それから委託放送事業者によるサービスができるわけですが、今までの話を聞いておりますと、現時点で考えられるといいますか、予見し得る範囲での放送サービスというのは、映画とかあるいは音声等比較的専門的な放送が行われるであろうという想定で、先ほどから話が出ております番組調和規定とかあるいは番組編集準則、あるいは審議機関等の規制が必要だというお話があるんですが、それをやると、また逆にこのことによってせっかくの多様なサービス放送の発展にかえってブレーキがかかるんじゃないかと思いますが、それについての御見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のございましたように、専門的な放送が通信衛星を利用して、放送サービスとして実施されるんではないかというふうに予想されるところでございますが、ただ、そういう番組に限定されるわけではございませんで、従来の放送と同様な放送もあり得るわけでございます。また、従来の放送と同様に、直接家庭にまで入っていくものでございますので、その番組につきましては既存の放送と同様の取り扱いをすることが適当ではないかということで、今回そのような改正をさしていただいたところでございます。それから、ただ、委託放送事業者が特別な事業計画といいますか、報道なら報道、スポーツならスポーツというような特別な事業計画によりその業務を行う者であれば調和規定の適用はされないということでございます。 それから、昨年放送法を改正さしていただきまして、自然事象とかあるいは経済市況とかスポーツといったような時事に関する事項、専門的な事項を放送する者であるならば、これにつきましては放送番組審議機関の設置だとか、番組基準の関係の規定適用は除外されまして、規制の緩和がなされているところでございます。それ以外のものにつきましては、従来の放送と同様の考え方で取り組むわけでございますが、今後いろんな発展形態が考えられると思いますが、その状況等を踏まえまして、メディア特性とか放送事項等に応じた規律のあり方につきましては検討していきたい、検討していくべきことだというふうに思っております。 現時点におきましてはこのような形で進めさしていただいておりますが、将来の発展状況等をにらみ合わせながら、それらにつきまして検討していきたいというふうに思っているところでございます。
○橋本孝一郎君 できるだけ簡単にお答え願いたいと思います。 それから、次の問題は、集中排除に関係する問題でお尋ねしたいんですが、委託放送事業者については、従来、放送局免許と同じく、マスメディア集中排除に関する規定が置いてあるわけですね。その具体的内容については郵政省令で定めることとなっておるわけですが、その具体的内容はどのようなものを考えておられますか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(成川富彦君) 郵政省令の具体的内容でございますが、放送することができる機会をできるだけ多くの者に確保するという観点から、従来のマスメディア集中排除原則と同様に、一の者が複数の放送を行うこととならないことを基本といたしまして、電波監理審議会へ諮問いたしまして、利害関係者からの意見を聴取といいますか、聴聞いたしまして定めていくことにしております。
○橋本孝一郎君 事業者に複数の系統放送をさせないということですか。現実にそれはできるんですか。
○政府委員(成川富彦君) マスメディアの集中排除原則でございますが、これは放送することができる機会をできるだけ多くの者に対し確保することによって国民に多様な情報を提供するというか、放送を提供するという観点から検討するものでございます。 お尋ねの件でございますが、これらの音声放送につきましても、原則としてはこのような観点から取り組むべきことでございますが、国会における審議の状況とか関係者の意見を踏まえまして、今後検討していきたいというふうに思っております。
○橋本孝一郎君 今後の検討に譲ったようでありますが、特に音楽放送については、複数放送を行うこともできるし、またやろうと思えばやれるわけですね。その場合に、やはり集中排除との関係というのが出てくるわけでして、その場合の取り扱いですね、今後考えるというんですけれども、 現実にもうあるように想定されておるわけですが、今後の問題は今後の問題にしたいと思います。 これも出たかもしれませんけれども、ちょっと念のために聞きたいんですが、地上放送、衛星放送、それから通信衛星、これによる放送のサービスの多様化というものがこれから出てくるわけですけれども、それぞれの役割分担について郵政省はどのように考えておられますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 放送衛星による放送は、国際的に我が国に割り当てられました軌道位置と周波数を使用して高出力で行うものであります。このため、高品質で小型のアンテナで受信が可能であり、継続的、安定的にサービスを実施することができるという特徴を有していると思います。来年打ち上げ予定のBS3によりNHK、JSBの三波の放送が行われ、今後地上放送とともに我が国の放送の中心的な役割を果たすものと考えております。 第二点として、通信衛星による放送はその受信に一・二メートル程度のアンテナが必要である等、受信者に対する負担も大きく、受信者もおのずから限られ、その放送の内容についても従来の放送とは異なり、ニュースや音楽等の専門的なサービスが中心になるものと考えております。 地上の放送は、特別なアンテナを必要とせず、受信が簡便で、きめ細かく地域のニーズに対応し得るもの、この三つがあるわけでございます。 したがって、我が国の放送におきましては、第一の点でございますが、一波で全国がカバーでき、かつ高品質で受信の容易な放送衛星による放送、二番目として、専門化したニーズにこたえる通信衛星による放送、三番目として、受信が簡便で地域のニーズに対応する地上放送、そのそれぞれが特徴を発揮しながら国民のニーズにこたえ、放送全体の発展が図られていくものと期待しておるところでございます。
○橋本孝一郎君 次に、料金政策についての郵政省の見解を聞きたいわけなんですけれども、これは安いにこしたことはないという先ほどもお話が出ておるわけですけれども、NHKの地上放送料金、衛星放送料金、それから民放の衛星放送の料金、それから通信衛星による放送の料金、さらにCATV料金、こういうふうにさまざまあるわけですが、もっとも、それぞれこれは聴視者の選択によるわけでありますが、いずれもNHKの地上放送受信料を除いては契約義務がないわけです。 放送料金という面から見ると、それぞれの事業者が競合関係になっていくわけでありますが、いわば放送料金政策といったものについて郵政省はどのような見解を持っておるのかお尋ねいたします。
○政府委員(成川富彦君) 従来の広告料方式に加えまして、衛星による有料放送が近く開始されることになるわけでございます。それから、NHKも地上放送を含めた衛星放送料金ということで八月一日から実施されるというようなことで、CATVとともに直接視聴者に負担を求めることになるのは、先生御指摘のとおりでございます。地上放送と放送衛星に加えまして、通信衛星による放送が行われることは、国民が多種多様なきめ細かい放送を享受できるという観点からも大変望ましいわけでございますが、それには料金負担が伴うというようなことでございます。しかし、料金負担さえすれば豊かな国民生活を行う上で有益なことではないかというふうに思っております。 ただ、料金はできるだけ受信者側からすれば安いにこしたことはないわけでございまして、有料放送の料金については放送法第五十二条四項に定められておりますが、「料金が業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」となっております。そういう考え方のもとに、放送の普及が図られるような適正な料金が設定されて、国民に多種多様なサービスが享受されるようにしていきたいというふうに思っているところでございます。
○橋本孝一郎君 次に、衛星民放との関係でお尋ねしたいんですが、通信放送がことしの秋から開始される。平成二年になるとBS3による事業計画をしておる日本衛星放送株式会社というのがあるわけです、これは相当大きく影響を受けるだろうと思うんですが、衛星民放に対する影響というのはどのように考えておりますか。
○政府委員(成川富彦君) 通信衛星を利用した放送サービスでございますが、先生御案内のとおり一・二メートルというような大きなアンテナを必要とするわけでございまして、受信者に対する負担もかなり大きいわけでございます。受信者もおのずからそう大幅にふえるというようなことじゃなくて限界があるんではないかというように思います。また、その放送内容につきましても、従来の放送と異なりまして、先ほど来申し上げましたように、ニュース専門だとか音楽専門、映画というような専門的になることが予想されます。 それから放送衛星でございますが、先生御案内のとおり、受信が大変容易でございまして、四十五センチというような、東京あたりですと小さなパラボラで受けられるというようなこともございます。現在、百五十万というような受信者がNHKの衛星放送を受信しているというような状況にございます。このようなことからいたしますと、来年打ち上げられますBS3を使ってサービスを実施しようとしている日本衛星放送株式会社に与える影響につきましてはさほど大きなものにならないんではないかというような見解もございます。 しかし、いずれにしても、現時点において通信衛星を利用した放送サービスの普及の動向等を見通すということは大変難しいわけでございまして、先ほど来お話が出ております通信と放送の境界領域的サービスに関する研究会の中間報告におきましも、既存の放送秩序との調和ある発展を図っていくために、あるいは将来起こるであろうことも念頭に置きながら、その段階的な導入を検討すべきであるというふうなことが言われているところでございます。私どもといたしましても、このような趣旨を踏まえまして、日本衛星放送会社を含めまして既存の放送との秩序ある発展が図られるように適切に対処していきたいというふうに考えているところでございます。
○橋本孝一郎君 民放については、従来の方針としていわゆる四局化、最低四局化の方針というのがあるわけですが、ところが現在いわゆる経済的に比較的リスクの多いところでは二局、三局になっておるわけです。そうなると、早期の四局化という方針は非常に難しいと思うんですね。このような中で、全国を基盤とする放送が開始されるとその四局化方針に非常に大きな影響を与えると思いますけれども、その方針との関係についてどのようにお考えですか。
○政府委員(成川富彦君) 地上における民間放送でございますが、地域社会のニーズにこたえるローカル放送あるいは調和のとれた総合放送等を実施しているところでございまして、今後とも我が国における基幹的な放送メディアとして発展していくんじゃないかと思います。地上放送とそれから放送衛星による放送というのが将来我が国における基幹的な放送メディアとして存続していくんじゃないかというふうに思っております。 この地上民放の関係でございますが、昨年の十月に放送法を改正さしていただきまして、放送普及基本計画を定めることができるようになったわけでございますが、その際に、利害関係者の聴聞とか電波監理審議会の答申を得まして策定さしていただいたんですが、放送の計画的な普及を図るため放送を国民に最大限に普及させる指針といたしまして、一般放送事業者のテレビジョン放送につきましては、四系統の放送が全国各地域においてあまねく受信できるようにすることということが明示されたところでございます。 私どもは置局をこの線に従ってやっていかなければならないわけですが、周波数事情とかそれから放送事業存立の基盤となる経済力などの状況、文化的経済的諸事情とかいろいろな要素があるわけでございますけれども、そういう状況を踏まえて、それが整ったところから逐次多局化を推進し ていく、地上放送も基幹的なメディアでございますし、またさらに県民の方々あるいは住民の方々からの要望もかなり強いわけでございますので、今後とも条件が整ったところから逐次多局化していかなければならないというふうに考えているところでございます。
○橋本孝一郎君 次に、CATVとの関係について二、三お尋ねしたいと思います。 今までのお話の中で、通信衛星を利用した放送番組としては、もちろん大きなアンテナをつけなければならないのでそう一遍には普及しないだろうと、むしろ放送よりもCATVの供給が中心になっていくんじゃないかというお話があったんです。郵政省はこれをスペース・ケーブルネットという計画で呼んでおるわけですが、そのサービスの概要、それから番組供給事業者の状況、これを受信する予定のCATVの状況、これらについて説明願いたいと思います。
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおり、郵政省ではスペース・ケーブルネット計画ということで通信衛星を利用した番組供給につきましていろいろと施策といいますか考えてやってきているところでございます。現在CATV事業者は、スペース・ケーブルネットに向けまして、これからのサービス開始に向けて現在準備をしているところでございます。番組供給事業者でございますが、スペース・ケーブルネットが本格的に始まる本年秋ごろには、現在番組供給をビデオ等でやっているところは三十社ぐらいございますが、そのうちの十社程度が通信衛星を利用した番組供給をしていきたいというようなことを考えているようでございます。その内容といたしましては、ニュース、スポーツ、映画、アニメ、音楽等非常に多岐にわたる多彩なものでございます。 それから、CATV事業者につきましては、いわゆる都市型CATVというのがございますが、そのほかにも自主放送が行えるCATV事業者がございます。それらが番組供給を受けてCATVで流していくことになるんではないかというふうに思っておりますが、自主放送を行っているCATV施設数は——最近資料がまとまりまして、先日私四、五十万ということを申し上げたんですが、平成元年三月末現在の数値が最近まとまりました。その数値を申し上げますと、施設数で二百三十七カ所、受信者数で六十一万というような数に上っております。先ほどちょっと触れました都市型CATVはまだ緒についたばかりでございまして、その数は少なくて、開局済みの施設数が二十、受信者数は七万四千ということでございますが、その都市型CATV以外の自主放送をできるところも含めますと、いわゆる六十一万というような数に上っているところでございます。
○橋本孝一郎君 スペース・ケーブルネット計画を機にCATVの一層の充実を図っていくためには、いわゆる道路占用行政との関係が出てくると思うんですが、これは直接郵政省の問題ではございませんけれども、これを簡素化するとか、あるいは共同溝法の適用等、とにかく発展を図っていくにはいろいろ改定しなきゃならない制度上の問題や課題が多いと思うんです。これらの課題について、郵政省の取り組みをお聞きしたいと思います。
○政府委員(成川富彦君) 先生おっしゃいましたように、建設省とのかかわりのある問題でございますが、CATVの一層の充実発展を図っていくためには、CATVが円滑に設置できるように環境整備を図っていくことが必要だというふうに思っておりまして、私どもも建設省等と折衝をしながらその環境整備を図ってきているところでございます。 道路占用許可の取得手続につきましては、従来事前協議だとか、期間も一カ月以上もかかるというような状況もございましたんですが、いろいろと建設省と折衝をした結果、申請から許可までの期間が約一カ月程度で済むというようなことになりましたし、それから申請書類につきましても大変複雑であり、また簡素化できていなかったのが具体化、簡素化できましたし、一定の改善が図られてきたところでございます。今後ともCATV事業者の意見等も踏まえながら、一層円滑に施設が設置できるように建設省等々に要望していきたいというふうに思っております。 現時点におきます問題点といたしましては、電線類の地中化への対応の問題がございます。現在、地中化は従来の共架方式に比べまして莫大な費用を要しますことから、幹線道路の横断につきましては地下道とか、これは建設省ではございませんが、地下鉄のスペースを利用さしていただくようなことだとか、それから今現在限定的な利用しか認められておりません歩道橋の利用の拡大といったような点につきまして、今後お願いといいますか、要望をし、解決に向けて努力していかなければならないというふうに思っております。 そのほか若干ございますが、時間の関係がございますので、これで終わりたいと思います。
○橋本孝一郎君 この問題はやはり縦割り行政の中では非常に難しいわけですけれども、むしろそういった経費を節減するとか、あるいはスピードアップするとか、あるいは都市の美化という面から考えてもこういうのはむしろプロジェクトをつくって、そういった問題でのやはり研究開発をやるべきだと、私はそういう意見を持っておりますので、一つの郵政省の方針としても参考にしておいてもらいたいと思います。 最後に、この改正点の二点目としてNHKの業務の外部委託に当たっては、その基準をNHKが自主的に策定して、それを郵政大臣に届けるものと、こういうふうになっておるわけです。NHKの考え方が視聴者、国民の前に明らかになるように委託基準の公開というようなものを行ってみてはどうかと思うんですが、その点についての御見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(成川富彦君) 今回番組委託基準をNHKがみずから策定するという制度をつくったわけですが、これは言論報道機関としてのNHKの自主性を最大限に尊重するために、業務委託基準は、その業務を外部に委託することにより、当該委託業務が効率的に行われ、かつ業務の円滑な運営に支障の生じることのないようなものとしてNHKみずからの判断で策定してもらうことにしているわけでございます。したがいまして、NHKがみずから策定するということで、公開するか否かにつきましては、これを法律的に義務づけるのではなくて、こうした法律の趣旨を体してNHK自身に公開すべきかどうかということを判断してもらうべきだというふうに今考えておりまして、今回の法律改正では法律的な義務づけをしなかったところでございます。NHKの自主的な良識ある判断にゆだねたいというふうに思っているところでございます。
○橋本孝一郎君 終わります。
○委員長(糸久八重子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(糸久八重子君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、放送法及び電波法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は御発言を願います。
○平野清君 毎度のことなんですけれども、質問がほとんどダブってしまいましたので、NHKの方から先にやらさせていただきます。 番組制作の外部委託のことですけれども、関連会社が大分できて、本体をスリムにしようということで御努力なさっているわけですけれども、それはそれで財政事情その他からいって当たり前だと思うのですが、関連会社に出向される人々の待遇とか立場とか、そういうことにも十分配慮していただかないと、せっかく関連会社をつくっても、その人たちの士気が上がらなければ何にもならないわけですし、それから将来そこでもって入社した人たちがいつまでたっても偉くなれない で、上の方のトップクラス、もしくは部次長さんが全部本体の方から天下ってくるということでは、子会社の、関連会社の健全育成というのが十分できないと思うのですね。 そういう点も十分御配慮をいただくとともに、その子会社の方に活を入れるためにも、子会社だけに番組制作を任すんじゃなくて、純粋なる民間会社にもNHKの公共番組の範囲を超えないで、しかも監視といいますか監督したもとで、そういう民間放送、いわゆる民間会社にも委託をするようなことをお考えになっているかどうか、そういう点をまずお伺いしたい。
○参考人(青木賢児君) 今御質問にありました関連団体で働いておる者が、NHKとの比較で、待遇その他に生きがいを感じるというか、仕事に意欲を感じるような措置をとるべきであるという御指摘は、そのとおりでございまして、私どももこういう関連会社でNHKよりももっと効率的でしかも質の高い番組をやるためには、そのような本当にやってよかったというふうな感じを持つような措置が必要だということで待遇面それから仕事の成果に応じたそれなりの処遇をするように、我々としてはむしろ重点的に、こういう出向の方とか、あるいはそこで働いているプロパーの方たちの意欲をかき立てるような、そういう措置をとっております。 それから昇進についても、親会社からどんどん人が行ってふさいでしまうということでは、これは希望がないわけですから、今回の再編成に当たっても、この点に十分に留意して、長期にわたって居座るというようなことがないように、人事の、かなり風通しのいい措置をとらしていただいたということがございます。 それから、NHK関連グループだけではなくて純粋の民間への番組委託ということも考えるべきだというのは、お説のとおり私どもも同感でございますが、一方で安易な番組の下請というのについては内外からいろいろ批判がございまして、そのために番組の質の低下を来したのでは、これは大変に元も子もない話でございますので、私どもは、そういうところへは十分配意しつつ、しかしながら民間にも非常に有能な人材というのもたくさんおられますので、番組の質的な向上あるいは番組の多様化という観点から、民間に対する、一般のプロダクションや何かに対する委託もこれから積極的に進めたいというふうに考えているところでございます。既に二、三の番組でそういう外部の人材の登用によって、すぐれた番組で成果を上げたという実例もございます。
○平野清君 その大変いい実例というのは、個人を引っ張ってきてプロデュースをやらせたりしたことは私も知っております。今お答えになった方向で、ぜひ関連会社の充実を図っていただきたいと思います。 それから二番目に、NHKの業務の外部委託の基準の作成については、経営委員会の議決を経て郵政大臣に届けることになっているわけですけれども、さらにその委託基準を私たち国民に公開するお考えはありませんか。
○参考人(青木賢児君) この委託基準について公開するということでございますけれども、この業務委託そのものがNHKの公共放送としての役割を適切に果たしていくというのが目的でございますので、この委託基準がどういうものであるかということを公表することは、視聴者に対するその点の理解を得るためにはぜひとも必要なことであろうというふうに考えておりますので、今後そのような方向でこの基準の取り扱いについては検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○平野清君 このあとの二つは無通告で大変申しわけないんですが、けさの新聞によりますと、厚木基地で、ミッドウェー艦載機の夜間発着訓練によって、周辺の自治会が七月からNHKの受信料は、もう見えないんだから払わぬということを決議したそうで、郵政省とNHKに対して通告をしたと報道されております。これが本当だとすると、全国にある基地周辺の人たちが、同じような態度に出ると思うわけですね。報道によりますと、NHKの方は、これは原因は国にあるんだから、そんなことを我々に言われても困るんだというようなことを言っております。それについてはお答えいただけるかどうか、所管が違えば別ですけれども。
○参考人(尾畑雅美君) 御指摘の問題でありますが、ここの基地に限らず、こういう問題が全国いろいろなところで起こっております。新聞にございますように、NHKといたしましては、正常な電波をその地域に出しておりまして、原因が国の方のことでありますので、できましたら国の方で措置していただきたいということでお答えしておりますが、何か協力すべき点があるかどうか、ひとつ関係の分野と相談してみたいと思っております。
○平野清君 郵政省の方はいかがですか。
○政府委員(成川富彦君) その問題につきましては、全然まだ承知しておりません。まあ原因者になりますと、基地ということになると防衛庁のかかわる問題かと思いますが、その辺まだ私ども十分把握しておりません。
○平野清君 じゃ、NHKにもう一点お伺いしたいんですが、この八月から地上放送を含めて衛星放送を見る方は二千円、有料になるわけですね。今巷間伝えられている、百五十万世帯と言われておりますけれども、それが二百万、三百万、四百万人にふえていった場合、NHKはこの一般放送料、地上放送料を含めた料金を聴視者の数によって値下げをしていくつもりなのか、将来構想はどういうものですか。
○参考人(尾畑雅美君) 先生御存じのように、まだ衛星放送は生まれたばかりでございまして、ただいまのところ百四十万台で赤ん坊みたいな段階であります。これがいつ使っているお金ととんとんになるのかというのはまだ全く見通しがついておりませんので、NHKの財政は御存じのように大変苦しい状況でありますから、できるだけ早く自立するということを目標に考えておるわけでありまして、その先のことは、ひとつ何とか財政の窮迫の度合いが払拭できるようなことになりましたら、改めて検討したいというふうに考えております。
○平野清君 ちょっといじわるになるかわかりませんが、そうしますと二千円の根拠というのはどこにあるんですか。
○参考人(尾畑雅美君) これは、この前御認可いただく際にいろいろと検討いたしまして、そのときに国会でも随分御論議はいただいたと思いますけれども、地上放送の方が御存じのように千円ちょっとでございまして、それとの兼ね合いもありますし、それから国民の利益の充足度といいますか、余りたくさんも取れませんし、大体この辺が適当なところであろうということで、郵政省その他とも十分打ち合わせた上で決定したというふうに思っております。
○平野清君 適当なところだろうという根拠がよくわかりませんけれども、それではNHKに関連して、今度改正規定のうち、監事に子会社の調査権を認めることにしておりますね。それで法案によれば、子会社は、正当な理由があるときは、監事から求められる報告または調査を拒むことができるとされております。この「正当な理由」というのは、郵政省はどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(成川富彦君) 先生今お話ございましたように、NHKの監事が子会社に対しまして営業の報告を求めたり、または業務それから財産の状況を調査することができるのは、監事としての職務を遂行するために必要な場合に限るわけでございまして、またその必要とされる範囲内において認められるものでございます。したがいまして、子会社といえども独立の法人格を有するわけでございますので、子会社に報告を求めたり調査をすることは必要最小限にとどめなきゃいかぬというふうに思っております。そのために、NHKの監事の権限行使に対しましては、正当な理由があるときは拒むことができるということとしたわ けでございます。 具体的に何を指すかということでございますが、NHKの監事の職務遂行に必要のないのにやたらと、やたらとといいますか、必要がない事項につきまして営業の報告を求めたりとか、あるいは報告すべき事項が十分に特定されずに漠然と報告しろといったようなときには、子会社の方はそれに対して正当な理由があるということで拒むことができるというようなこと等でございます。 それから、調査を拒否することができる正当な理由があるときというのは、事前に報告を求めないでいきなり調査に入り込むとかというようなことだとか、それから報告を求めた後に時間的余裕を置かずにいきなり調査を求めるとか、常識的に考えられる話ですけれども、そういうような理由があるときには正当な理由があるということで拒むことができるというふうに考えております。
○平野清君 NHKの方ありがとうございました。結構でございます。 次に、放送番組センター、ほかの先生からも大分出ましたけれども、二、三確認をしておきたいんですが、放送番組センターの業務からして、放送番組センターは国のコントロールを受けずに自主的に運用されることが不可欠だと思うんですが、その自主性を確保するための財源的措置とか、そういうものはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(成川富彦君) まず、自主性の尊重でございますが、近年放送関係者の間にライブラリーをつくったらどうだというような機運が高まってまいりまして、放送番組センターの実現につきましては放送事業者の理解が十分得られているわけでございます。 国と放送番組センターの関係でございますが、センター業務の特質にかんがみまして、一般的に指定法人に対しましては人事だとか業務計画とかいうことにつきまして報告を求めたり、届け出だとかいろんなことがあるんですが、今回の放送番組センターの役員の人事だとか業務計画につきましてはセンターの自主性にゆだねるということにしておりまして、センターの自主性は十分その点では配慮されているんじゃないかというふうに思います。 それから、放送番組センターが放送番組に関する情報を収集するわけでございますが、その収集する際に提出していただく基準とか方法とかにつきましては、NHKの推薦する者、あるいは民放連が推薦する者、それから学識経験者から構成される放送番組収集諮問委員会というものを設けまして、それの答申を受けて、その基準に従って収集していくことにしているわけでございまして、放送事業者の意向はそういう場で十分反映されるんじゃないかというふうに思っております。 それから、資金面の関係でございますが、これにつきましては著作権処理等を考えますと、放送番組の収集につきましては膨大な費用を必要とするわけでございます。当面は放送番組に関するデータベース、放送番組に関する情報といいますか、どこにあるかとか、だれがいつどこで、どういう出演者がやったというような、そういうデータベースのようなものを整備するのがまず第一じゃないかと思います。これに基づきましてセンターでは放送番組の収集をしていくわけですが、それはセンターの予算の範囲内においてまずはやっていってもらいたいというふうに思っているところでございます。 それで、放送番組センターの設置形態は公益法人ということで民間の基金をベースとした財団法人形式が考えられるわけでございますが、平成元年度からはそれに対する寄附金の損金算入措置を認めてもらっておりますし、それから無利子融資制度、それから財政投融資というような金融税制上の措置が、この法律が改正されますと受けられることになるわけです。寄附金の損金算入措置については、この法律が改正されますと受けられるようになるわけでございまして、そういうことによって、従来以上に放送番組の収集ができるようになるんではないかというふうに私ども期待しておるところでございます。
○平野清君 そうしますと集め方というのは、そういういろんなところから賞をもらったとか、放送番組審議会でこれは優良な番組だぞというようなものを集めるわけで、センターでもって意図的に放送されているものを撮るわけじゃないわけですね。複製するというか、撮るわけじゃなくて、その放送事業者から後で出してもらうということになるわけですか。
○政府委員(成川富彦君) センターがどのような番組を収集するかにつきましては、今も申し上げましたように放送番組収集諮問委員会、学識経験者とか放送事業者に参画していただきましたそういう諮問委員会で基準をつくっていただきまして、その策定した基準によってセンターが収集していくわけでございますが、今先生おっしゃいましたように、国内外で賞を受けた番組だとか、それから非常に話題を集めた番組とか、歴史的、風俗的に記録しておくべき貴重な放送番組とか、そういうものなどが考えられるんじゃないかと思います。 基準はあくまでもセンターがつくるんで、そんなことになるんではないかというような私ども予測をしているわけでございますが、放送番組を収集する際には複製権の処理というようなことが必要でございます。したがいまして、放送番組センターは放送事業者の協力を得なければ放送番組の収集ができないわけでございます。したがいまして、放送番組に関する情報といいますか、先ほど申しましたデータベースなどをもとにしながら、どういう番組を放送事業者の協力を得て集めていくかというようなことで、複製権の処理をしてもらって、放送番組を集めていくということになるというふうに考えております。
○平野清君 そうしますと、もう一つ、著作権のことも出ましたけれども、具体的に著作権の方はどういうふうに処理をされるのか。例えばカラオケでさえ相当著作権が問題になってきていまして、音楽テープを流すだけで著作権が問題になっております。この番組センターに、百人なら百人の方が押しかけて、押しかけてというのはまずい表現ですけれども、行って一応その映画なら映画を見してもらうということになった場合なんかも、センターとしては著作権をお考えになるわけですか。
○政府委員(成川富彦君) 放送番組につきましては、著作権法上ちょっと専門的なことでございますが、一時的固定制度というのがございまして、一般に録音、録画の複製権の処理がなされておりません。放送番組センターで公衆といいますかお客さんにその場で見てもらうということになるわけですが、そういう場合には複製権の処理が前提となります。公開を前提として放送番組を収集、保管するとすれば、複製権の処理が必要不可欠でございまして、したがいまして、複製権の処理を放送事業者等との間でしていただいた上で収集していくことになるわけでございます。
○平野清君 時々裁判ざたになるわけですけれども、ある事件を一放送会社がそれを撮って、著作権を持っているのに、地検とか裁判所がテープの貸し出し、提出を求めることがありますね。そうすると、放送会社はよほどの強制権がない限り拒みますけれども、番組センターからそういう裁判とか犯罪捜査とか、そういうものにそういうものが流れていってしまうという危険性は一切ないのですか。
○政府委員(成川富彦君) それは一切ございません。捜索令状等法律に基づいて提出を求められた場合はともかく、それ以外はそういうことはございません。
○平野清君 いや、私がお聞きしたいのは、普通の放送局は強制的に法律で命令されて、何といいますか、出せと言われれば出さざるを得ないわけですね。それを拒めば放送会社、新聞社は有罪判決を受けるわけですよ。だから、放送局に行くよりも番組センターへそれを示しちゃった方が早くそれが入手できるか、確実に入手できるとすると、そういう問題が起きませんかということなん です。
○政府委員(成川富彦君) 先ほど申し上げましたように、放送番組センターといたしましては放送番組に関する情報の収集と、それからその場における観覧といいますか、公衆に対する利用を考えているわけでございまして、どこかに出すとか貸し出しとか、そういうことは考えておりません。今申し上げましたように、求められて出すというようなことは目的外利用になりますので、そういうことは許されないといいますか認められないわけでございます。したがいまして、求められてすぐ出すというようなことはあり得ません。
○平野清君 次に、通信衛星を利用した放送サービスの導入について民放連及び新聞協会から意見書が出ておりまして、私たちのところにも配られてまいりました。これについてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(成川富彦君) ちょっと時間をおかりして恐縮ですけれども、民放連の意見についてまず申し述べさしていただきますと、民放連の意見は運用面での配慮を求めつつも、法案には賛成だという立場でございます。放送法改正を行ったといたしましても、通信衛星を利用した放送の実際の導入は、放送普及に係る既定の政策目標の達成状況を見きわめた上で行う。既定の政策目標というのは、先ほど来お話ございました全国四波、見えるようにするというようなものなどを指しているわけでございますが、そういうものを見きわめた上で行われるということでございます。 将来、認める場合につきましても、放送の種類とかそれからサービスの実施時期だとか、財源方式等につきましては段階的にいろいろと考えた上で導入を図るべきだという意見ですが、主たる運営財源につきましては有料放送収入方式をとるべきであるというようなことも言っております。それからマスメディア集中排除原則については柔軟な適用を考えるべきであるということを言っております。 それから、もう一つ言っておりますのは、通信衛星を利用した放送を実施する場合は、放送普及基本計画を初めといたしまして、既存放送とイコールフッティングをとるべきであるということでございます。 それから新聞協会の方でございますが、新聞協会の方は、概括的に言いますと自由放任の制度を求めているということは言えるかと思います。通信衛星を利用した情報を提供する者を放送事業者とすることには疑問がある。サービスにさまざまな制約が加えられるおそれがあり、時代の趨勢に逆行して民間の創意を抑制することになるんではないか。 それから二点目といたしましては、通信衛星による情報サービスは、当面自由にスタートさせて提供者の創意と自主性にゆだねることが妥当である、マスメディア集中排除原則の適用は理解できないというようなことを言っております。 私ども、それらに対してどういう意見を持っているかということでございますが、まず第一点の民放連に対する考え方でございますが、通信衛星を利用した放送は受信のために、けさほど来随分話が出ておりますが、一・二メートル程度のアンテナを必要とするわけでございまして、負担も大きいし、制約もかなりある。そのために普及にもおのずから限界があるんじゃないか。したがいまして、地上系の放送への影響はさほど大きなものにはならないと思いますけども、日本衛星放送会社とか、それから既存の放送事業者に与える影響を十分見きわめるために実施するサービスの種類だとか、実施時期だとか、それから財源のあり方等につきましては、段階的な導入を図っていくべきだということで、そう対立しているというようなことはないんじゃないかというふうに思っております。 それから、今申し上げましたように、いろいろなことで、既存の放送秩序とのかかわりだとかいうことで調和ある発展を図ることということにしておりますので、全国四波化等の放送普及基本計画の目標達成に大きな影響を及ぼすことはないんではないかというふうに考えております。 それから、マスメディアの集中排除原則の柔軟な措置につきましては、従来も地上でも考えておりますが、今回もできるだけ多くの者に放送を行う機会を確保するという観点から、マスメディアの集中排除原則を基本とするわけでございますが、先ほど来御議論ございましたけれども、関係者の意見を聞きながら検討をしていかなきゃならない点もあるんじゃないか。マスメディア集中排除原則は守っていかなきゃならないけれども、ある程度関係者の意見を聞いて柔軟に対応することも検討していかなきゃいかぬじゃないかというふうに思っております。 それから、新聞協会に対する意見でございますが、改正案につきまして、通信衛星を利用して情報を提供する者を放送事業者とすることに対しまして、新聞協会は疑問を呈しているわけでございますが、今回の改正案は通信衛星による放送を実現するためのものでございまして、その対象となるのは一般にといいますか、公衆を直接対象とする放送でございます。公衆に対し同時に直接無線送信という、放送を放送として取り扱うと、当たり前な話ですが、そういうことでございまして、通信を放送として取り扱っているものではございません。したがいまして、若干新聞協会の方は通信を放送として扱うかのごとき御指摘でございますが、そういうことではございません。放送は放送として、通信は通信として扱うという形でございますので、その辺についても理解が得られるんじゃないかというふうに思っております。 それから通信衛星による情報サービスは、当面自由にスタートさせるべきである、またマスメディア集中排除原則の適用は不要としているわけでございますが、委託放送業務につきましては、受託放送事業者に委託いたしまして、自己の放送番組を送信させる業務でございまして、受託放送事業者の持つ周波数の指定を受けて占用するわけですね。気象電波の活用というような観点からいたしますと、占用的にその電波を使用するわけでございますし、それから直接家庭に浸透していくという点からしますと大きな社会的な影響力を持つわけでございます。したがいまして、従来の放送と形態的にはいろいろと、中身の点では専門放送とかなんかと違いがございますけれども、形態からしますと従来の放送と何ら変わりがないわけでございますので、今回提案させていただいているように最小限の規律は必要ではないかというふうに考えておりまして、この辺は若干新聞協会と意見を異にしているところでございます。
○平野清君 あと二分しかありませんので一つだけ伺います。 委託放送業者については有効期限が五年であって、五年たちますと更新することができるというふうになっています。それで受託放送業者については、やはり有効期限は五年だけれども、五年後には電波法に基づいて再免許を受けることになっているわけですね。これ片方が更新で片方が再免許を申請しなきゃいかぬという理由はどこにあるんですか。
○政府委員(成川富彦君) 無線局の再免許制度でございますが、これは一定期間ごとに免許取得者の電波の利用が有効かつ適切であるかどうかという点について再審査をいたしまして、必要な場合には周波数の再配置といいますか、をするとか、技術的条件の改変等を行うということでやっているわけでございます。この再免許制度は電波の有効利用を確保し得る制度としてNHKだとか、民放とか、第一種電気通信事業者とかの無線局も全部含めまして、全部含めましてというとおかしいんですが、無線局等も含めまして大部分の無線局に共通に適用されているものでございます。実際問題として、再免許制度をとっていることによって、NHKの放送がとまってしまったりとか、それから電気通信事業者の業務がとめられたりして利用者に継続性について問題が生じたことはございません。大体ずっと継続してやられているわけでございます。 委託放送業務の認定につきましては、当初いろ んな条件で認定するわけでございますが、マスメディアの集中排除原則につきましては、その時点、五年たった時点でどのようになっているかというようなことを見なきゃいけないものですから、必要最小限の規律として更新制をとっているわけでございます。その時点におきまして、マスメディアの集中排除原則がどのように確保されているかというような観点から更新ということで一度見させていただくということを考えているところでございます。
○平野清君 終わります。
○委員長(糸久八重子君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないものと認めます。 本案の修正について山中君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山中君。
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております放送法及び電波法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 修正案の全文はお手元にお配りしたとおりでありますが、修正の内容の趣旨は、人工衛呈すなわち通信衛星による放送に関する部分を削除することであります。 本日の当委員会の審議でも触れましたように、放送法、電波法は、言論、報道機関を規律する言論法としての性格を有しており、その改正に当たっては、国民的コンセンサスの形成を前提とした慎重な検討が必要であります。 今通信衛星を使用する放送という新しい段階が到来しつつあるわけですが、それだけに放送と通信の区分をどうするかなどを初めとする多くの新しい問題が当委員会でも提起されたところであります。 これらの点は、さらに十分な議論と関係各方面の合意が必要であり、現時点での法制化は時期尚早であると言わなければなりません。 したがって、本法案の他の部分には反対するものではありませんので、通信衛星を利用する放送に関する部分を削除する修正案を提出した次第であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして提案理由の説明といたします。
○委員長(糸久八重子君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました原案並びに修正案の二案のうち、修正案につきましては、先ほど提案理由の説明を申し上げたとおり、その速やかな可決を希望するものでありますが、原案には反対する立場で討論を行います。 まず初めに、私は通信衛星を使用した放送そのものに反対するものでなく、これが新たなメディアとして国民生活の向上と文化の発展に寄与することを望んでいる立場であることを明らかにしておきます。 ですから、それだけに通信衛星を使ったさまざまなサービスにおいて、放送と通信の境界をどこに引くのか、委託放送事業者をどう規律するのが適切かなどなど、当委員会の議論でも検討すべき多くの問題が浮き彫りになったことを重視しなければならないと考えるわけであります。 これらの問題を検討する際、言論、表現の自由を守ることは根本的な要件であり、行政の介入の危険は最大限に排除されなければなりません。 ところが、本改正案は、それらの諸点の検討がまだまだ不十分なまま、委託放送事業者に対して免許制に等しい郵政大臣の認定なる制度を導入するものであります。 今日、ニューメディアの発展により、専門的分野の放送を初めさまざまな新しい放送事業者の参入が予測されているにもかかわらず、本法律案が、この新しい部分にも、従来と同じ行政による免許制度の枠をかけることになる点は否定できません。 また、この点は、放送、マスコミ関係者の中ですら基本的な合意が得られていない状況があります。 ごく主要な問題のみ指摘いたしましたが、以上をもちまして、修正案に賛成し、原案に反対する私の討論を終わります。
○委員長(糸久八重子君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、山中君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(糸久八重子君) 少数と認めます。よって、山中君提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(糸久八重子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました放送法及び電波法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、サラリーマン新党・参議院の会及び二院クラブ・革新共闘各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法及び電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。 一、通信衛星を利用して放送を行う委託放送事業者の認定に当たっては、マス・メディア集中排除原則に配意しつつ、公正かつ公平に行われるようにするとともに、委託放送事業者の放送番組編集の自由が最大限確保されるようにすること。 一、通信衛星を利用する放送サービスについては、衛星放送、地上放送との調和ある発展に配慮すること。 一、ニューメディアの進展等による通信、放送サービスの多様化、高度化に対処するため、国会審議等広く国民の意向を踏まえて、長期的展望に立った新たな放送制度の在り方について検討を進めること。 一、日本放送協会が策定する業務委託基準について、良質な番組の提供等公共放送としての日本放送協会の役割が損なわれることがないよう留意すること。 一、放送番組センターについては、運営の自主性が確保されるようにするとともに、業務の円滑な遂行に資するため財政上の支援措置を講ずること。 右、決議する。 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(糸久八重子君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(糸久八重子君) 全会一致と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村岡郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村岡郵政大臣。
○国務大臣(村岡兼造君) 慎重なる御審議をいた だき、放送法及び電波法の一部を改正する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 なお、先日、当逓信委員会で御審議をいただきました参議院先議の簡易生命保険法の一部を改正する法律案、郵便年金法の一部を改正する法律案が、先ほど衆議院で全会一致で可決されましたことを御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。
○委員長(糸久八重子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(糸久八重子君) 次に、請願の審査を行います。 第二九号NHK放送受信料免除措置の存続に関する請願外一件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において慎重に協議いたしました結果、保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(糸久八重子君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(糸久八重子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十三分散会 —————・—————