地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/21
会議録
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、抜山映子君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。
○委員長(向山一人君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○諫山博君 宇野首相は、昭和六十一年にパーティーを開いて約七千五百万円の純益を上げています。ところが、この七千五百万円が政治資金収支報告書ではパーティー収入として記載されたのではなくて、同額の寄附があったように記載されていました。だれがだれに寄附したものとして記載されていたのか、御説明ください。
○政府委員(浅野大三郎君) 寄附欄にただいま御指摘の金額が記載されておったのでございますけれども、これは「その他の寄附」の中に入っておりまして、寄附者の内訳は記載されておりません。
○諫山博君 寄附を受けたのはだれですか。
○政府委員(浅野大三郎君) これは内外政治経済研究会の収支報告書に寄附という収入が載っておるわけでございますから、その内外政治経済研究会だということでございます。
○諫山博君 内外政治経済研究会というのは、宇野首相のパーティーの主催者です。つまり、七千五百万円の収益を上げた主体であります。 内外政治経済研究会がみずから七千五百万円の収入を得ていながら、寄附を受けたものとして記載した。これは大変不可解です。しかも、七千五百万円の寄附について寄附者の氏名がわからないというのは、寄附者の氏名を記載しなくてもよいように百万円以下の寄附金に分散をしていた。つまり、七十五以上の寄附者に分散をして受け入れたというふうに見るほかはありません。 そこで、政治資金収支報告書の記載が訂正される前は、七千五百万円のパーティー収入があったということは、政治資金収支報告書にあらわれていましたか。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいまの内外政治経済研究会の収支報告書では、寄附の欄の「その他の寄附」というところに一億一千八百六万円という収入が報告されておったわけでございます が、「機関紙誌の発行その他の事業による収入」欄には記載はございませんでした。
○諫山博君 つまり、宇野さんの政治団体が七千五百万円のパーティー収入を上げていたということは、訂正されるまでは表に出ていなかったということですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 収支報告書上そういう記載がなかったわけでございますから、そういう意味では表に出ていなかったと言っていいかと思います。
○諫山博君 六月十三日の参議院の予算委員会で、我が党の上田耕一郎議員が宇野首相の政治資金の使い道が表面に出ないようにするために複雑な環流方法をとっていたということを厳しく批判しています。 ところが、七千五百万円のパーティー収入が収支報告書にあらわれないように処理されていた。つまり、政治資金の出ではなくて入りの方まで表には出ないようにされていたということになると、まさに一〇〇%の不透明ということになります。私は、意識的にそういう操作がされたのではないかという疑いを持っていますけれども、これが単なる事務上の誤りではなくて、七千五百万円のパーティー収入を表に出さないためのやりくりであったとすれば、パーティー収入を事業収入として故意に記載しなかったものとして政治資金規正法違反になるのではないでしょうか。故意にこういうことをやったとすればという質問です。
○政府委員(浅野大三郎君) 個別の事例につきまして、私どもの立場で法律に違反しているかしていないかということを申し上げることは困難でございますが、何か訂正報告をお受けいたしましたときに聞いた話では、欄を間違えておりまして、パーティー収入の欄に書くべきところを収入の欄に入れてしまっておったというようなことを言っておられたようでございます。
○諫山博君 法務省に質問します。 政治資金収支報告書の記載を訂正するときに、わざと間違って書いていましたと言う人はいないはずです。そして、この収支報告書の記載が外形的に政治資金規正法に違反することは明らかです。 問題は、うっかりのミスでこういうことになったのか、それとも政治資金の入りの方を表に出さないためにこういう操作をしたかということです。この点は、自治省では実質的な調査権限がないと言われてますから、法務省の方でなぜこういうことが行われたか調べるべきだと思いますが、どうでしょう。
○説明員(古川元晴君) 今委員御質問の点でございますけれども、申し上げるまでもなく、具体的なある事件につきまして捜査機関が捜査するかどうかということにつきましては、当該捜査機関が独自に判断すべき事柄でございますので、法務当局としての見解を申し上げるわけにはまいらないわけでございます。 ただ、一般論で申し上げますれば、種々国会等で御議論されたりしておる事柄につきましては、警察当局でもそれなりに承知しておるはずでございまして、必要であれば所要の対応はするものというふうに理解をいたしております。
○諫山博君 法務省に対する要望ですけれども、外形的に政治資金規正法に違反することは明らかです。しかも、この違反の内容というのは、罰則は一番重いものです。問題はなぜこういうミスが起こったかということです。これは積極的に調べて、刑事事件になるとすれば何らかの措置をとるべきだということを要望しておきます。 次に、江副浩正について質問します。安倍晋太郎議員の秘書、宮澤喜一議員の秘書に対する略式命令を見ると、江副浩正が同一年度内に安倍議員に五千万円、宮澤議員に五千万円の政治献金をしていたことが記載されています。そうすると、江副も政治献金の個別限度額を超えて寄附をした、さらに総量制限に違反をして寄附をした、こういうことが略式命令の記載自体で明らかになると思いますけれども、江副には政治資金規正法違反はないのか、あればなぜこれが起訴されていないのか、御説明ください。
○説明員(古川元晴君) 委員御指摘の点につきましては、江副本人につきましてもそれなりの政治資金規正法違反の嫌疑は一応あるというふうに考えられるところではございましょうけれども、御承知のとおり、既に江副につきましては多数の贈賄事件で起訴いたしてございまして、それらの観点からしますと、既にそれだけでもう十分に刑事政策上の目的は達しておるというようなことも考慮いたしまして、立件起訴するということはいたさなかったものと承知いたしております。
○諫山博君 リクルートの間宮、小野、館岡というような人は証券取引法違反で逮捕され、起訴猶予になっています。起訴猶予になった理由は、雇い主である江副の指揮、命令で行ったんだからということだと聞いています。そうだとすると、江副こそが証券取引法違反の主犯だということになりますけれども、これはなぜ起訴されていませんか。
○説明員(古川元晴君) この点につきましても、今申し上げましたように、江副本人につきましては多数の贈賄事実の点で起訴してございます。同様な理由が一点と、あと一般的に申し上げれば、既に証券取引法第四条の有価証券届出書を発行会社の方から提出するというふうな制約もなされておるというふうなことを重々勘案いたしまして、立件起訴することを見送ったというふうに承知しております。
○諫山博君 二つの罪名について江副がなぜ起訴されなかったんですかと聞いたんですけれども。これは犯罪が成立する疑いはあるけれども、ほかの大きな事件で起訴されたから起訴するまでには至らなかったということになりますか。
○説明員(古川元晴君) おおむねそのように理解いたしております。
○諫山博君 江副の衆議院、参議院における証言を見ると、明らかに偽証があります。 きょう参議院ではリクルート特別委員会が開かれまして、この江副の偽証問題を告発するのかどうかという議論がされましたけれども、まだ結論は出ておりません。院なり委員会が偽証罪で告発するとすれば改めて江副の捜査を行いますか。
○説明員(古川元晴君) まだ仮定の話でございますので具体的に申し上げることは控えたいと存じますけれども、一般的に申し上げまして、検察当局としましては、告訴、告発等があればそれが受理されてそれなりに適切に対応されるものというふうに考えております。
○諫山博君 川崎市の小松前助役について、検察庁は既に不起訴を決定したと言われております。一昨日、川崎の市議会が、地方自治法百条第三項の記録の不提出を理由に同法違反で横浜地検に告発することを決めたということが報道されております。一たん不起訴が決定されているようですけれども、市議会からの告発があれば当然小松前助役についても調べるということになりますか。
○説明員(古川元晴君) これも告発を受けましてから内容を検討いたすということになろうかと思いますので、具体的な事柄につきまして申し上げるわけにはまいりませんけれども、やはり同様に、議会から正式に告発がなされれば、横浜地検におきましても所要の検討なりあるいは必要に応じて捜査をするというふうに当然考えられるところでございます。
○諫山博君 次に、調整手当の問題について聞きます。 今、人事院で国家公務員給与の調整手当が検討されていると聞いています。これは国家公務員の生活に重大な影響を与えるのはもちろんですけれども、地方公務員の給与や地方自治体の財政、当該地域全体に非常に大きな影響を及ぼします。当地方行政委員会としても絶対に見逃すことのできない重大問題です。そこで、調整手当見直しの指標は民間賃金、物価、生計費の三つとされていますけれども、具体的に質問します。 調整手当を外されようとしている自治体の一つに大阪府の忠岡町があります。同町の生計費は九四・四、隣接する岸和田市の一〇六・〇%と比べて非常に大きな格差があります。しかし、岸和田市と忠岡町は行政区分は違いますけれども、隣同士です。経済圏も生活圏も交通もみんなほとんど同じです。どうして生計費にこれほど大きな開きが出てきたのか、人事院の方で説明してください。
○説明員(大村厚至君) 今回調整手当を見直しするわけでございますが、今回忠岡町を指定解除を予定しておりますのは、同町に在勤する国家公務員がいないためでございます。なお、忠岡町について今回使っております算定方式で生計費指数を算出すれば九四・四、それから岸和田市は一〇六・〇ということになっております。 この関係で私どもが行っておりますのは、生計費指数については総務庁統計局の行いました最新の全国消費実態調査の結果をもととしております。これでございますと、中小の都市で見ますとサンプル数が少ないものもございますので、安定的なデータを得るためには一定数のサンプル数を確保する必要があります。一定数以上のサンプル数を確保できるよう都道府県の地理的条件をも考慮しまして、複数の都道府県を単位とする十三の地域ブロックを設定しまして、さらにその同一ブロック内において人口規模別に、都市階級ごとにデータを束ねた上で指数を算定しているところでございます。こういう方法でやっております。 今御質問のように、隣接している自治体の指数が違うということでございますが、この地域別データの算出に当たっては、隣接する自治体についての生活圏等を考慮してグループ化する方法もございますが、この方法をとる場合にはどこまで一体のものとして線引きするかどうか。これが必ずしも客観的、合理的な基準がございませんため、線引き自体非常に論争の種になるわけでございます。私どもこのような方法をとらなかったのは、今回の見直しにおきまして地域の利害にかかわるものでございますので、全国の市町村につきまして客観的かつ画一的な方法によりデータの処理を行うとともに、安定的なデータを得ることが必要と考えまして、さきに述べたように複数の都道府県を単位として地域ブロックをつくった上で都市階級別に指数化を行ったものでございます。 このようなデータの処理を行った結果として、特に大都市周辺の市町村では、中心となる大都市の指数と周辺市町村の指数との間に乖離を生ずる場合もございます。しかしながら、周辺市町村の指数は前述のとおり、当該地域ブロックの都市階層別の指数として意味を持つものでございますので、これを別のものに置きかえることは全国的な観点から画一的に行っておる作業に目的的に手を加えることになり、適当ではないというふうに考えております。
○諫山博君 ずばり忠岡町について調査いたしましたか。
○説明員(大村厚至君) このデータにつきましては、統計局の調査したものを借りてやっております。
○諫山博君 忠岡町についてどれだけの調査をしたかは説明できますか。
○説明員(大村厚至君) 統計局の資料を使ってやったということでございます。
○諫山博君 これは労働組合が人事院近畿事務局と交渉したときに大変問題になったことです。 大体、岸和田市と隣接している忠岡町と、兵庫県の山村にある、例えば奥丹波の町村が同じような数字で出されている。おかしいじゃないかという追及に対して近畿事務局の担当者はその不合理性、不当性を認めざるを得なかったという経過があったようですけれども、不合理とは思いませんか。
○説明員(大村厚至君) これは全国を画一的にこういう方法で処理しておりますので、そういう方法が現在の我々が持つ資料として最も適当な資料だと思います。
○諫山博君 とにかく忠岡町と岸和田市というのは隣接しているんです。まさに大工業地帯ですね。ここの生計費が、同じような人口規模だというので奥丹波あたりの町と同じように見られるということの不合理性というのは、これはどうにも説明つかないわけです。 もう一つの事例で質問します。 調整手当の地域指定解除を最も広範に受けるのは福岡県です。旧産炭地の市町村が軒並みに指定解除を受けます。ところが、指標を見て驚くのは、たくさんの町村が十把一からげに取り扱われていることです。例えば福岡県の志免町は確かに旧産炭地です。しかし、福岡市に接隣したベッドタウンです。同じ産炭地であっても、例えば福岡県の川崎町、生活保護世帯が全体の二五%、こういうところが賃金においても物価においても、生計費においても変わらないというデータが採用されているようですけれども、これが科学的だと言えますか。
○説明員(大村厚至君) 私ども、福岡県の町村の賃金データにつきましては、それをまとめて集計いたします。これは人事院としまして数値の安定性を確保するために、市町村別のデータの集計に当たりましては一定数以上のサンプル数を確保する、そういうことでございまして、十万人以上の市につきましては独自に集計を行う、それから十万人未満の市町村については都道府県単位で都市階級別の集計を行うことにしております。そういうような手法で一定のサンプル数を集めまして、安定的なデータを出すということが妥当な方法だというふうに考えております。
○諫山博君 関係自治体とか労働組合が繰り返し繰り返し指摘しているのは、調整手当を外すいわゆる指標というのが、いかにももっともらしいけれども現実に合わないということです。その一例として、私は大阪府の忠岡町とそれから福岡県の志免町と川崎町を例にとりました。こういうところが、例えば物価においても生計費においても同じだというようなことを言ったら現地の人は驚きますよ。だから、とにかくこの指標がいかにももっともらしい数字であらわれているけれども、全く科学性のない現実離れのしたものだということを検討してもらいたいと思います。 ところで、もう一つの問題は民間賃金です。民間賃金との比較というのが調整手当を外す重要な要素にされているようですけれども、私たちの調査によりますと、例えば福岡県の山田市では調査したのは五件、福岡県の中間市では五件、福岡県の飯塚市では二十七件、こう聞いております。数多くの事業所がある中でほんの少数のところを調べて何か統計数字を出すというようなやり方がされているようですけれども、五件、五件、二十七件という数字は間違いありませんか。
○説明員(大村厚至君) 私ども、事業所を何件調査しているかは承知しておりません。
○諫山博君 そうしたら、山田市、中間市、飯塚市で全事業所の中の何%ぐらいを調べたということになりますか。
○説明員(大村厚至君) 事業所数でどれぐらいやったかということは私ども承知しておりません。
○諫山博君 物価にしても生計費にしても肝心の民間賃金にしても、非常にずさんな資料で調整手当の見直しというような大変なことが行われようとしているというのが私の率直な感じです。この問題は、きょうの私の指摘をもとにぜひ再検討してもらいたいと思います。 問題は、今度調整手当を外されようとしている地域が、例えば旧産炭地あるいは昔軍港があったところ、あるいは造船不況に見舞われているところ、こういうところが集中的に浮かび上がっています。しかし、産炭地を例にとりますと、あの惨たんたる状況をつくり出したのは自民党政府の誤った石炭政策であります。ああいう状態をつくり出したのは政府の責任だと私たちは考えております。そういうところを抜き出して調整手当を外すということになりますと、これは大変です。地域の荒廃が一層推進されるのではないかと私たちは憂慮しております。 そもそも公務員労働者の賃金というのは、例えば産炭地や構造不況地域では民間企業の労働者の賃金を決める上で非常に大きな役割を果たしております。例えば民間企業が新たに労働者を採用するような場合に、公務員並みの賃金ということがどうしても一応の目安になっております。ところが、この肝心の公務員の賃金を下げるということになりますと、ただでさえ疲弊している産炭地や構造不況地域をどうするつもりなのかということを聞かざるを得ません。こういう不況地域に追い打ちをかけるようなことは無慈悲だし、やってはならないと思いますが、人事院はその点どう考えていますか。
○説明員(大村厚至君) 調整手当と申しますのは、給与法におきまして民間賃金、物価または生計費が特に高い地域に在勤する職員に支給すると規定されております。今回の見直しは、この法律の規定に則しまして支給地域を適正化することを主眼とするものでございます。したがいまして、法律上支給地域の要件とされております特に高いという要件に変化があれば支給地域の指定の取り消し、それから支給地域への新規指定があり得ることは制度が本来予定しているところであると私ども考えております。この要件の充足状況は全国の地域を見て判断していくことになるわけでございますが、この際に特定の地域についてのみ特例的な扱いをするということは、公務員給与という面から見まして公平性の観点から国民それから職員の納得が得られないと私どもは考えております。 なお、指定解除に当たるようなところにつきましては、職員の給与に一度に大きな変化を生じないような適切な経過措置を講ずるよう検討しているところでございます。
○諫山博君 労働者の賃金は労使間で話し合いをして決めるというのが原則のはずです。労働者の意に反して一方的に賃金を引き下げることは原則として許されていません。これは賃金だけで生計を立てている公務員労働者についても同様のはずです。私は、労働者から見れば実質的な大幅賃下げになるような調整手当の指定解除、これは労働組合との合意なしには強行してはいけないと思いますけれども、労働組合との合意についてはどう考えていますか。
○説明員(大村厚至君) この問題につきましては長年の経緯があるわけでございますので、それと職員の生活実態に影響するという問題でございますので、この支給地域を見直すに当たっては職員の理解を得るということが非常に重要なことでございますので、昨年六月以降積極的に職員団体それから各省との話し合いを持って合意形成に努めてきておりまして、今後もその方向で最大限の努力をしたいということを考えております。 ただしかしながら、勤務条件の決定につきましては職員の勤務条件を預かる人事院が責任を負うべきものでございますので、今回の見直しに関しまして理解が得られない場合でも、やはり職員団体の意見につきまして十分配慮しつつ、人事院が最終的な判断を行うべきものと考えておる次第でございます。
○諫山博君 調整手当の指定解除をされるということは労働者から見れば大幅な賃下げになるわけです。どうしても調整手当の見直しが必要だとすれば、見直し地域の公務員労働者について、例えば調整手当を段階的に本俸に繰り入れるというような措置も可能なはずだし、そういう要求も出ているようですけれども、この点はどうですか。この問題でぜひ労働組合と話を尽くしていただきたいということを要望します。
○説明員(大村厚至君) 今先生おっしゃられた繰り入れについても、職員団体の方からいろいろお話がございまして、私どもも検討してまいりました。ただ現在、民間賃金に大きな地域格差が存在する状況下におきまして、公務員給与の地域格差を縮小するような方策でございます本俸繰り入れということを採用することは、納得性のあります給与配分という観点からは私ども適当でないというふうに考えております。
○諫山博君 今度は自治省に質問します。 調整手当の指定解除で地方自治体も非常に大きな影響を受けます。まず要望したいのは、地方公務員の賃金を調整手当を取り去られた国家公務員に連動するというような行政指導はしてはならないと思います。地方公務員の給与の官民格差あるいは人材の確保、人事事故その他さまざまな地域の実態に即して適性な判断ができるのは自治省よりか当該の地方自治体であります。地方自治体には労働組合もありますし人事委員会もあります。原則としてこの問題は自治体の自主性に任せるべきで、不必要な押しつけを自治省はしてはならないと思いますけれども、自治省の見解はいかがですか。
○政府委員(芦尾長司君) 自治省といたしましては、手当を含みます地方公務員の給与につきましては、従来から国家公務員の給与に準ずることが地方公務員法の趣旨に最も適合するものと考えておりまして、したがいまして調整手当につきましても基本的には国家公務員の調整手当に準拠して定めるようにというように指導をしてきております。
○諫山博君 自治体の自主性を尊重しなさい、押しつけはやめなさいと要望しているんです。この点はどうですか。
○政府委員(芦尾長司君) ただいまも申し上げましたように、地方公務員法におきまして、諸手当を含めて国家公務員に準拠して定めるようにと決められておるところでもございます。また、調整手当は民間における、先ほども答弁ありましたが、賃金、物価及び生計費が特に高い地域に在勤する職員に支給されるということになっておりますが、これらの諸条件は国家公務員に対しましても地方公務員に対しましてもこれは同じであると思います。そこで、地方公務員の調整手当は国家公務員のそれに基本的には並ぶべきであるというふうに考えられます。したがいまして、調整手当につきましても、基本的には国家公務員に係る調整手当に準拠して決定されるべきであるというふうに考えております。
○諫山博君 調整手当の地域指定が解除されると、例えば保育所や老人施設などの措置費にマイナスに影響する、交付税の引き下げにも影響してくるということになるのではないかと思いますけれども、調整手当の指定解除に伴う措置費及び交付税についての影響はどうなっていくのか。措置費については厚生省、交付税については自治省から説明してください。
○説明員(横田吉男君) 御説明申し上げます。 先生御承知のように、社会福祉施設につきましては、入所者の生活なりそこでの職員の給与等必要な経費につきましては、いわゆる措置費といたしまして公費が支弁されることになっておりますが、その措置費算定の基礎となります給与等につきましては国家公務員の給与制度を倣って行うことにいたしております。したがいまして、調整手当につきましても、級地区分の変更が行われますとその分影響を受けるということになります。
○政府委員(紀内隆宏君) まず、調整手当が普通交付税上どのように算入されているかということを御説明しないとちょっとわかりにくいかと思いますが、その点を御説明申し上げます。 地方団体の態容によりまして行政の質と量に差がある、そのためにその態容いかんによって測定単位当たりの費用が割高になったり割安になったりする、これを補正するために普通態容補正というものを用いております。その普通態容補正におきまして、これは各費目に通ずる共通の係数を算出するわけでございますが、その共通の係数を算出する基礎として調整手当の差を反映さしています。 やや具体的に申し上げますと、種地という区分を設けておりまして、市町村につきまして甲の一から十、乙の一から十というふうな種地を設けておりますが、その種地ごとに国の調整手当の支給地区分ごとの人口によりまして支給率を加重平均するということによりまして、種地ごとの平均支給率を求めるわけでございます。実際にそれをプロットしてみますと必ずしも一つの線の上に並ぶわけではございませんで、ややでこぼこがございます。それを理論値に置きかえるということで指数曲線によって置きかえをやりまして、これを支給率といたしております。 そのようなやり方をとっておりますので、仮に調整手当の見直し等が行われました場合には、この共通係数の見直しという形で交付税の算定に影響してくるわけでございますが、このようなやり方をとっておりますために、一つの種地の中に実際に国の調整手当が支給されている団体もあればない団体もある。その辺が加重平均されておりますので、仮に調整手当の地域指定が外れるというふうな場合には、当該団体を含む種地の共通係数のレベルに影響あるといたしましても、直ちに当該団体の交付税に限って影響が生ずるというふうなものではございません。
○諫山博君 調整手当の指定解除を受けると、公務員労働者の賃金だけではなくてさまざまな面で自治体に影響が及ぶということになるわけです。この大きな問題について自治省は人事院から相談を受けているんでしょうか、それとも自治省との相談なしに事が運んでいるんですか。自治省、説明してください。
○政府委員(芦尾長司君) 現在、人事院において民間賃金等を指標として現行の国家公務員に係る調整手当の支給地域の見直しを行っているというふうに聞いておりますが、私どもは特に相談は受けておりません。この見直しは経済社会情勢の変化に伴いまして、人事院として客観的な資料に基づいて行われるものであると聞いておりますので、私どもこのことにつきまして人事院の動きを見守っていきたいというふうに存じております。
○諫山博君 自治大臣にお聞きします。 調整手当は直接的には国家公務員労働者の賃金の問題、同時にそれが自治体で働いている公務員労働者の賃金にも影響してきそうだ。そのほかにもさまざま自治体財政に影響が及ぶわけですけれども、自治省としては人事院の動きを見守っているというだけではなくて、積極的に地方自治体の立場から物申すべきではなかろうかと思いますが、どうでしょうか。動きを見守っているというだけでは余りにも消極的なように思います。
○政府委員(芦尾長司君) 人事院が客観的な資料に基づきまして公平性の観点から見直しを行うということでございますので、私どもとしてはまずその結果を注視するということではなかろうかというふうに考えております。
○諫山博君 これは自治体の基本的な方向ですから、私は自治大臣が例えば閣議の場などで、ただでさえ厳しい自治体財政を圧迫するようなことは、少なくとも地方自治体とか職員組合などと十分協議して進めてほしいというぐらいのことは言うべきではないでしょうか。
○国務大臣(坂野重信君) 基本的には先ほどから局長が答弁しているとおりでございますが、自治体財政を圧迫するとかというようなことになってきますと、これは事は重大でございますが、今までの情勢を見ておりますと、人事院も総合的に公平な立場で処理しているようでございますから、具体的にそういうような何か問題が起きれば、もちろん私は私なりに意見は申し上げたいと思います。
○諫山博君 人事院に最後に質問します。 私たちは一方的な調整手当の指定解除には反対です。この問題の処理に当たっては、例えば地方六団体の意見を聞くとか、あるいは職員団体の意見を聞くとか、地方自治体に対する影響がどのくらい出てくるものかとか、そういう問題を十分調査して、お互いの基本的な合意がない限り強行はしないというふうにしてほしいんですけれども、その点についての人事院の見解を聞かせてください。
○説明員(大村厚至君) 調整手当制度というのはあくまでも国家公務員の給与制度の一環でございます。したがいまして、これの見直しにつきましては、地域における民間賃金、物価、生計費というような指標によって見直していくべきだと私どもは考えております。 ただ、この問題につきまして、先生先ほどいろいろな団体との関連があるということでございますので一現在でも特に地方団体等から、それから組合から意見の表明があれば、これを拝聴して検討してまいっておるところでございます。
○諫山博君 調整手当が基本的には国家公務員の賃金問題だという説明がありましたけれども、それにとどまらないということを私は具体的に指摘したつもりです。ここは地方行政委員会ですから、やはり地方自治体に責任を負う自治省が、あれは国家公務員の問題だ、人事院のやることだというようなことではなくて、まさに自分の問題だという立場で今後取り組んでいただくことを要望します。 そこで、次に警察に質問します。 最近右翼暴力団の跳梁が激しくなっています。最近の右翼暴力団の動向について簡単に御説明ください。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 右翼は昭和天皇の御病状の急変以降その行動を自粛しておったのでありますが、大喪の礼終了後次第に活動を活発化させているところでございます。 大喪の礼終了後昨二十日まで、日本共産党並びに民主青年同盟、民主商工会等の団体に対する右翼事件として十二件、十九人ほど検挙しております。そのほか現在のところ右翼によるものかどうかわからない、しかし可能性があるということで私どもが見ております事件が十八件ほどあるわけであります。これらの事件につきましては、いずれも現在いろいろと捜査をしておるという段階でございます。
○諫山博君 ことしの六月十五日、横浜市内で大森猛氏が演説中に襲撃されるという事件が起こりました。大森氏は参議院神奈川選挙区の共産党予定候補です。犯人は共産党の演説会に入り込んで、演説を始めたばかりの大森氏に向かって舞台の左側から演壇に駆け上り、爆竹に点火して大森氏に投げつけました。さらに体当たりをして大森氏を押し倒して全治二週間の傷害を与えています。自由なるべき言論と政治活動を暴力で圧殺しようとする言語道断の蛮行です。犯人はその場で逮捕され、警察に突き出されていますけれども、この事件の処理はどうなっていますか。
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。 事案の概要は今委員がおっしゃったほぼそのとおりでございます。被疑者の引き渡しを受けまして、神奈川県警察の旭警察署に引致して取り調べを行いまして六月十七日、先週の土曜日でございますが、威力業務妨害及び傷害で横浜地方検察庁に身柄を送致いたしました。現在勾留中でございまして、さらに背後関係について追及をしておるというところでございます。
○諫山博君 国民救援会の調査によりますと、昨年五月四日から本年六月十五日までの間に、神奈川県で共産党や民主団体に対する右翼の襲撃が相次いでいまして、合計四十八件に上っています。その中には街頭演説をしているところに鉄パイプを持って襲撃してくる。共産党市会議員の事務所を襲撃して火炎瓶を投げつける。共産党伊勢原市委員会の事務所を襲撃する。厚木市の共産党市会議員を襲撃して全治一週間の傷害を負わせる。あるいは共産党厚木市委員会事務所に乗用車によって襲撃をしかける。さまざまな事件が起こっていますけれども、神奈川県において続発している右翼暴力団の取り締まりはどのように行われていましょうか。一つ一つじゃなくて全体としてお聞きいたします。
○政府委員(城内康光君) 昨年の五月四日から本年の六月十五日までの間に、神奈川県警察におきましては、日本共産党に対する右翼事件として六件、十二人を検挙しておるところでございます。 ただいま委員から四十八件という数字について言及がございましたが、全部が私どものところへ届けられているわけではございませんし、またいろいろ調べてみると犯罪を構成しないというようなものもあるというふうに考えております。 私どものところへ届け出がありまして捜査をすべきものについては、違法行為を看過しないということで捜査をしておるところでございます。そのほかまだ未解決の事件がございますので、これにつきましては現在鋭意捜査中であるというふうに承知しております。
○諫山博君 警察庁長官にお聞きします。 とにかく民主主義を暴力で抑えつけようというのが右翼暴力団のやり方です。警察は最も厳しくこれに対処しなければならないと思いますけれども、右翼の取り締まりに対する警察庁長官の決意を聞かせてください。
○政府委員(金澤昭雄君) 今お話しのありましたように、私の方も、この民主主義社会の中で暴力でもって目的を達成しよう、こういう行為は絶対に許すことができないというふうに考えております。 警察といたしましては、今までもそういった暴力行為につきましては主張のいかんを問わずこれを徹底して取り締まるという方針のもとにやってまいりましたが、これは今後も厳正公平に徹底した取り締まりをやっていきたい、こういうふうに思っております。
○諫山博君 この問題で国家公安委員長はどうお考えですか。
○国務大臣(坂野重信君) 警察庁長官から答弁いたしましたように、いやしくも法治国家でございますから、法律に反するようなことは右翼についても全く私ども厳正な態度で臨んでいきたいという基本的な方向でございます。
○諫山博君 今度は幾らか観点を変えます。 最近、警察官の犯罪がふえています。この十年間に警察官が刑事事件でどのくらい被疑者とされ、どのくらい起訴されたかを実はつかみたかったんですけれども、残念ながら資料は得られませんでした。そこで、新聞で報道された幾つかの刑事事件について警察庁、法務省に調査してもらいました。その資料に基づいて質問します。 昭和六十二年十一月十八日に、神奈川県の大船警察署の巡査部長が信号待ちしていた乗用車に追突して、相手に二週間の傷害を与えています。被害者が公衆電話で警察に報告しているうちにその巡査部長は逃走して、三日後に車のナンバーから犯人を突きとめることができました。道交法違反、業務上過失傷害事件です。この巡査部長に対して逮捕、勾留があったかどうか、起訴されたかどうか、警察、法務省で説明してください。
○政府委員(椿原正博君) 本件は神奈川県警の警察官が追突事故を起こした事案でありまして、業務上過失傷害及び道路交通法違反被疑事件として捜査を行いまして、事件を検察官に送致いたしました。 なお、当初は物損事故の形態でございまして、先生御指摘がありました警察官が逃走したということではなくて、立ち去ったのは事実でありますが、逃走したものではないという報告を受けておりまして、したがいまして証拠隠滅、逃走のおそれがございませんので逮捕はいたしておりません。
○諫山博君 法務省どうですか。
○説明員(古川元晴君) ただいま御指摘の事件につきましては……
○諫山博君 起訴したかどうかだけでいいんです。
○説明員(古川元晴君) これは起訴はいたしてございません。不起訴処分にいたしております。
○諫山博君 昭和六十二年十二月二十九日に、神奈川県の警察官が飲酒運転中に追突事故を起こして相手方に一週間の傷害を負わせております。現場で呼気一リットルにつき一ミリグラムのアルコールが検出されたとされています。道交法違反、業務上過失傷害事件です。逮捕、勾留されたかどうか、起訴されたかどうか、それだけを答えてください。
○政府委員(椿原正博君) 業務上過失傷害及び道路交通法違反被疑事件として捜査を行いました。事件を検察官に送致いたしております。証拠隠滅、逃走のおそれがございませんので、逮捕はいたしておりません。
○説明員(古川元晴君) 処分について申し上げます。 道路交通法違反につきましては、略式命令の請求をいたしております。また、業務上過失傷害につきましては不起訴の処分をいたしております。
○諫山博君 昭和六十三年六月十九日に、埼玉県において荒川警察署の警部の運転する乗用車が大学生のバイクと衝突して、十九歳の大学生は死亡、乗用者に同乗していた警察官の妻に二カ月の傷害を負わせています。逮捕、勾留されたかどうか、起訴されたかどうか、これだけを答えてください。
○政府委員(椿原正博君) 業務上過失致死被疑事件として捜査を行いまして、事件を検察官に送致いたしております。なお、証拠隠滅、逃走のおそれがなかったため、逮捕はしておりません。
○説明員(古川元晴君) 処分につきましては、受理後不起訴の処分をいたしております。
○諫山博君 昭和六十三年八月十六日に、愛知県公安一課の巡査が名古屋市内で一万六千円相当の布製バッグを万引きしました。この事件は窃盗ですけれども、逮捕、勾留されたかどうか、起訴されたかどうか、説明してください。
○政府委員(椿原正博君) 窃盗被疑事件として捜査を行いまして、事件を検察官に送致いたしております。なお、証拠隠滅、逃走のおそれがなかったため逮捕はいたしておりません。
○説明員(古川元晴君) 処分につきましては、受理後やはり不起訴処分に付しております。
○諫山博君 昭和六十三年十一月十七日に、兵庫県警の巡査部長が神戸市内のショッピングセンターでゴルフセット八万七千七百五十円相当を万引きしました。逮捕、勾留したかどうか、起訴したかどうか、説明してください。
○政府委員(椿原正博君) 窃盗被疑事案として捜査を行いまして、事件を検察官に送致いたしております。なお、逃走のおそれ等がございませんので、逮捕はいたしておりません。
○説明員(古川元晴君) 処分につきましては、同様に受理後不起訴の処分をいたしております。
○諫山博君 今度は警察官の事件ではなくて、別な種類の事件について質問します。 昭和六十三年九月十七日に、大阪府の狭山市内の電柱に一人の男性と一人の女性が消費税反対のポスターを一枚張って軽犯罪法違反として逮捕されました。一人は一日、もう一人は三日間留置されて警察は送検しましたけれども、検察庁は勾留請求をせずに釈放、同年十月十八日に不起訴になっているはずです。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) お答え申し上げます。 この事件は、管理者の承諾なしにビラを電柱にセロテープで張りつけておりました被疑者二名の犯行を現認いたしました警察官が被疑者に近づいたところ、被疑者はやにわにビラを引きちぎって証拠を隠滅し、警察官に対しましては住所、氏名を明らかにしないでおりましたので、逮捕の必要性があると認められましたから、軽犯罪法違反の現行犯人として逮捕したものであります。 警察におきまして、一名は一日留置の上送致前に釈放し、もう一人は二日間留置の上検察官に送致をいたしております。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求をいたさなかったこと、処分は不起訴となっていることは、そのとおりでございます。
○諫山博君 数多くの事件を質問しますから、警察としての弁解は後でまとめてしてください。 昭和六十三年十月九日、兵庫県伊丹市内でHという人が「公約違反、くらしと営業を破壊する消費税反対」のビラを三枚電柱にガムテープで張りつけ、軽犯罪法違反、屋外広告物条例違反で逮捕されました。警察は二日間留置した後検察庁に送検したようですけれども、検察庁は勾留の必要なしとして釈放、十月十四日に不起訴と。警察としての弁解はまとめて聞きますから、そういう事実があったかなかったかだけ答えてください。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕及び送検の事実はそのとおりでございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求せずに即日釈放し、処分は不起訴となっていることはそのとおりでございます。
○諫山博君 昭和六十三年十月二十二日に、大阪府の池田市で二人の女性が道路標識柱にビラを一枚ひもでくくりつけたところ、警察は軽犯罪法、広告物条例違反として二人を逮捕しました。二日間留置した後、検察庁は勾留を請求せずに釈放、同年十月二十七日に不起訴と。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕をいたしまして二日間留置の上、送致前釈放したことは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 在宅で受理しまして不起訴となっております。
○諫山博君 昭和六十三年十一月八日に、長崎市内でMという人が大型間接税反対長崎県各界連の消費税反対ポスターを八枚電柱などに張りつけて軽犯罪法違反、広告物条例違反などで逮捕されました。警察は三日間留置し、三カ所の家宅捜索を行った後送検しましたけれども、検察庁は勾留の必要なしとして釈放しました。十二月二十七日に不起訴になっているはずです。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕し送検したのは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求しなかったこと、それから不起訴処分になっていることはそのとおりであります。
○諫山博君 昭和六十三年十一月十五日に、福岡市でYとKという二人の女性が「藤野たつぜん、不破哲三副議長来る」というポスターを一枚電柱に張ったところが逮捕されました。博多警察署は二人を三日間留置した後送検しましたが、検察庁は勾留請求をせずに釈放、十二月二十六日に不起訴になっています。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕をし、留置の上送検したことは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求せず即日釈放し、その後処分は不起訴となっていることはそのとおりでございます。
○諫山博君 昭和六十三年十二月十七日に、北九州市で二人の女性が「ストップ消費税、荒川徹、日本共産党」などと書いたポスターを電柱三本にそれぞれ一枚ずつ張りつけましたところ、軽犯罪法違反、広告物条例違反として逮捕されました。警察は三日間の留置の後送検しましたが、検察庁は勾留の必要なしとして釈放、今年二月二十八日に不起訴になったはずですが、間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕をし、留置の上送検したことは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求せずに即日釈放し、その後不起訴となっていることはそのとおりでございます。
○諫山博君 昭和六十三年十二月二十三日に、北九州市でOとSという二人が「日本共産党市会議員福田としえ」などと書いたポスターを一枚電柱に張って軽犯罪法違反、広告物条例違反で逮捕されました。警察は三日間留置した後送検しましたが、検察庁は勾留請求をせずに釈放、ことしの二月二十八日に不起訴になったはずです。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) 逮捕して留置の上送検したことは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求せずに即日釈放し、その後不起訴としていることはそのとおりでございます。
○諫山博君 ことしの二月十八日、大分市で成田外一名が「消費税廃止へあなたの支持を革新の党共産党へ」などと書いたベニヤ板で裏打ちしたポスター五枚を電柱五本にビニールひもでくくりつけました。警察は二人を軽犯罪法違反、広告物条例違反として警察に連行し、翌日三時ごろまで取り調べしました。弁護士などが抗議に行きますと、逮捕したのではない、任意に署に来てもらっているだけだと答えたので、二人はそのまま帰りました。ところが、その後警察は、正式に逮捕状をとって二人を逮捕しています。成田は愛媛県の朝倉村の共産党の村会議員です。警察官はわざわざ四国の成田の自宅まで逮捕状を持って逮捕に行きました。そして飛行機で大分市に連れてきています。警察は二人を三日間留置して、送検しましたけれども、検察庁は勾留の必要なしとして勾留請求しないまま釈放しました。ことしの三月二十四日に不起訴が決まったはずです。間違いありませんか。
○政府委員(森廣英一君) この事件は若干事実関係が複雑でございますので御説明申し上げますが、この事件は大分県屋外広告物条例並びに軽犯罪法に違反いたしまして、管理者の承諾を得ずに電柱の類に張り札をした被疑者二名を警察署に任意同行いたしまして取り調べをいたしたところ、当初から氏名を黙秘しておりました男が、取り調べ官に対して虚偽の氏名を申し述べたり、現場で事実関係を認めていた男もそれを覆すというような状況にあり、また、一たん帰宅させた後、両名とも再三の呼び出しに応じなかったものでございまして、逃亡並びに罪証隠滅のおそれなど逮捕の必要性が認められましたので、裁判官の発付した令状に基づいて逮捕いたしたものでございます。警察におきまして二日間留置した上で検察官に送致をしたことは事実でございます。
○説明員(頃安健司君) 勾留請求せずに釈放し、その後不起訴処分としたことはそのとおりでございます。
○諫山博君 ことしの二月二十六日、松山市で二名の人が「消費税は廃止させよう。共産党演説会」などと書いたポスターを電柱二本に張ったところが軽犯罪法違反、屋外広告物条例違反で逮捕されました。警察は三日間留置した後送検して、検察官は裁判官に勾留請求、しかし、裁判官は勾留を認めずに請求を却下しました。検察官はこれに準抗告を申し立てましたけれども、裁判所は準抗告申し立てを棄却、結局二人を勾留することはできませんでした。この事件は、警察から事件を送致された検察官が裁判所に勾留を請求したけれども、二度にわたって裁判所が勾留を認めなかったという事件です。 そういう事実がありましたか。これは法務省だけに聞きましょう。
○説明員(頃安健司君) お尋ねのような事件につきまして警察から身柄つきのまま事件送致があり、検察官において勾留請求したところ、裁判官がその請求を却下し、これに対して検察官が準抗告を申し立てましたが、その申し立てが棄却されたこと。したがいまして、即日被疑者両名は釈放されたこと並びに両名についてはその後不起訴処分となっていることはそのとおりでございます。
○諫山博君 私は長々と事件を紹介しましたけれども、警察官による窃盗事件や道交法違反、業務上過失傷害致死、こういう事件はほとんど逮捕、勾留されていません。共産党員や民主団体の人たちが電柱にポスターを張った、こういう事件は片っ端から逮捕されています。業務上過失傷害や過失致死と、あるいは窃盗とビラ張りとどちらが重い事件であるかということはもう言をまちません。軽犯罪法違反は一日以上三十日未満の拘留または科料です。労働運動や平和運動、民主団体に対する不当な弾圧と闘っている組織として日本国民救援会というのがあります。ここに共産党やあるいは共産党と協力共同の関係にある労働組合、民主団体に対するさまざまな不当弾圧の全国的な資料が集約されています。一昨年四月からことし三月までの約二年間にビラ張り、ポスター張りで逮補された者は全国で二十二名。警察は例外なく検察庁に送致していますが、これらのうち検察庁が裁判所に勾留請求をしたのは十一名です。そのうちの八名は裁判所から勾留請求を却下されています。あとの十一名は勾留請求しないまま検察庁が釈放しました。 法務省にお聞きしますけれども、警察が身柄つきのまま検察庁に送ってきた、しかし検察庁が勾留請求をしないというのはどういう場合でしょうか。
○説明員(頃安健司君) いろんな場合がございますので一概にどうこうとは申し上げられませんが、例えば軽犯罪法違反の場合でありますれば、御案内のように刑訴法上軽微な犯罪については氏名不詳、住居不詳というような要件がなければ逮補、勾留ができないというような制約があるところ、警察において逮補されたときには住所あるいは氏名がわからなかったけれども、検察官に送致された段階でそれが判明したために勾留請求しないというような場合が一つの典型的な事例であろうかと存じます。
○諫山博君 日弁連が昭和六十二年三月に「ビラ配付・貼布規正問題に関する報告書」というのを発表しています。この中に昭和五十八年中のビラ張り、ビラ配り事件の処理一覧表が載せられています。日弁連の調査によりますと、昭和五十八年中にビラ張り、ビラ配りで検挙されたのは総数四十八。その中で起訴された件数はゼロです。四十八件も検挙されて一件も起訴されなかったということが日弁連の調査資料であらわれています。 ビラ張り事件がほとんど起訴されていないというのには理由があります。以前は検察官がビラ張り、ビラ配りを軽犯罪法とか広告物条例違反でしばしば起訴したことがあります。しかし、昭和四十年代、五十年代には幾つもの裁判所が無罪判決、刑の免除の判決あるいは公訴棄却の判決をしています。裁判所が有罪の判決をした場合でも極めて軽微な判決が言い渡されています。 国民救援会が関係したビラ張り弾圧事件、ビラ配り弾圧事件でこの十年間に判決が確定した事件が四件あります。それぞれについて法務省に調査を依頼しましたけれども、まず昭和六十一年三月六日に最高裁で上告棄却の判決があった佐賀県の共産党ポスター張り弾圧事件があります。一審、二審は罰金八千円に執行猶予一年。昭和六十二年三月三日に上告棄却の判決があった大分県の共産党ポスター張り事件では、一、二審とも罰金一万円に執行猶予一年の判決、こういうことは間違いありませんか。
○説明員(頃安健司君) 御指摘の事件につきましては、手元に資料がございませんので、はっきり申し上げられません。
○諫山博君 これは、私は何日か前に調査を求めたんですけれども、調べなかったんですか。 じゃ次の事件を聞きます。 この事件は私が弁護人の一人ですから、私が責任を持って間違いないということを断言しておきます。 ことしの三月二日に徳島県の労音例会ポスター張り事件というのが最高裁で免訴の判決になりました。一審は無罪、二審は科料千円、最高裁で免訴、こういう事実がありましたか。
○説明員(頃安健司君) 諫山委員が関与されたということですので間違いないと思いますけれども、その事件について私手元に資料を持っておりませんので、そのとおりかどうかは正確には申し上げられません。
○諫山博君 徳島の労音事件を聞いたんです。それはどうですか。
○説明員(頃安健司君) 今申し上げましたとおりで、手元に資料がございませんので、これ以上申し上げられません。
○諫山博君 判決の内容について最高裁判所に来ていただいて説明を聞きましょうかと言ったら、法務省の方ではそれは法務省で説明できますと言うから、きょう最高裁判所にお願いしなかったんですよ。 もう一つ聞きます。この事件でしばしば無罪の判決が出たのは法務省は御存じだと思います。例えば日弁連の報告書に引用されているのを簡単に紹介しますと、ビラ張り事件、ビラ配り事件で、浦和簡裁は刑の免除、将来を戒めることで足りあえて刑を科する必要はない。北見の簡易裁判所は刑の免除、理由は将来を戒めるだけで足り刑を科するまでもない。東京高等裁判所、刑の免除、自後を戒心せしむれば足りる。渋谷簡易裁判所、刑の免除、あえて刑を科する必要はない。こういう判決が日弁連の報告書に引用されています。ビラ張り事件、ビラ配り事件でしばしば裁判所が刑の免除の判決をしたことは御承知でしょうか。念のために言いますと、日弁連の資料は八件引用しています。
○説明員(頃安健司君) 軽犯罪法では二条によりまして刑の免除の規定がありまして、これに基づいて裁判所が刑の免除の判決を言い渡すことがあるということは承知しております。
○諫山博君 刑の免除ではないけれども可罰的違法性はないということで無罪にした事件があるのは御存じですか。
○説明員(頃安健司君) そのような事件があることも承知しております。
○諫山博君 大阪の裁判所で非営利的なビラは処分してはいけぬという無罪判決が複数出ていることは御存じですか。
○説明員(頃安健司君) ちょっとその事件については詳しくは存じません。
○諫山博君 軽犯罪法が制定されるときに、労働運動や民主運動に乱用されるのではないかということが大変懸念されていました。そのときに、軽犯罪法の運用についてどのように慎重にならなければならないかということで、しばしば政府が答弁しています。その中に、軽犯罪法は慎重な運用を図るべきである、かかる軽微な犯罪につきましては、実際問題として逮補状を用いて身柄を拘束して調べることは不適当だと思います、こういう答弁があるのは御存じですか。
○説明員(頃安健司君) 軽犯罪法四条には、「この法律の適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」という規定がございまして、この規定の趣旨にのっとった運用がなされるべきだということは、私どもの局長が答弁したことがございます。
○諫山博君 警察庁長官にお聞きします。 私は、幾つかの警察官の犯罪について質問しましたけれども、私が本当に議論したかったのはこの問題じゃないんです。警察官に対してはこういう取り扱いがされているけれども、はるかに軽微なビラ張り、ポスター張りなどに片っ端から逮捕が行われているということです。 しかももう少し申し上げますと、ビラを張って逮捕されているのは大部分が共産党関係の運動員あるいは民主団体の人たち。中身も大売り出しのポスターなどではなくて、消費税反対、今で言えばリクルートの徹底究明、こういうポスターが次々にやられているわけです。そして、警察は二日ないし三日間留置して検察庁に送りますけれども、その半数以上は検察庁が勾留請求はしていない、検察官が裁判所に勾留請求しても裁判所はほとんど勾留を認めていない、これが今の実態です。そして、電柱にビラを張ったということが処罰すべきかどうかということは裁判所でも非常に意見が分かれているということは、無罪判決あるいは刑の免除の判決などを紹介したとおりです。 大体、検察庁が半数ぐらいは勾留請求をしないような問題、勾留請求をしても裁判所がほとんど勾留を認めないような事件、果たしてこれが処罰すべきかどうかということが裁判所でも争いになっているような事件、こういう問題は軽々しく逮捕しない方がいいんじゃないかと思いますけれども、私はこの逮捕は政治的な弾圧ではないかという気がしてしようがありません。もう少し逮捕に慎重にしたらどうですか。(「やらないようにしたらいいんだよ。そんなことしなきゃいいんだよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(金澤昭雄君) まず逮捕の必要性の問題からお答えしたいと思いますが、私どもは一つの処罰的な意味で逮捕というものを使っておるわけではありません。これは、その現場で適切にその事案が処理できるかどうか、そういった観点から逮捕の必要性を考えておるわけでありまして、先ほど法務省の方から御答弁がありましたように、住所、氏名の問題であるとか、逃亡のおそれであるとか、現場で事案が適切に処理できるかどうかという観点に従って事案を処理する。したがって、その対象が警察官であるから、また共産党員であるからということで、そういうことで差別をしながら逮捕権の運用をしている、こういうものでは毛頭ございません。先ほど来幾つかのケースのお話がありましたように、また私の方からお答えもしましたように、それぞれケース・バイ・ケースで逮捕の必要性というものを判断した上で処理をしておるということでございますので、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
○諫山博君 自民党席からやらなきゃいいじゃないかという不規則発言がありましたけれども、こ れは余りにも実態を知らなさ過ぎるわけです。日弁連の報告書で指摘されていることの一つは、さまざまな張り紙の中でなぜ政治的な言論だけがやられているのかということが問題になっているんです。大売り出しのポスターなんかは余りやられていない、求人募集のポスターもやられていない、政治的な言論をねらうのは不当ではないかというのが日弁連の報告書の基調です。やらなきゃいいじゃないかというのは余りにも物事を知らなさ過ぎます。 そこで、日弁連の報告書をもう一遍引用しますと、ああいう不規則発言がありますから、日弁連がどういう指摘をしているかを紹介します。「街頭におけるビラ貼り、ビラ配布は表現の自由の基本的な行使形態である」「特に非営利的な内容の表現の自由が基本的人権の体系上優越的な地位を有している」んだという指摘がされ、非営利的なビラ、つまり政治的なビラと営利的なビラは、非営利的なビラの方がもっと尊重されなければならないというのが日弁連の立場です。同時に私は、大阪の裁判所の判決を紹介しましたけれども、非営利的なビラは処罰をしてはいけないという判決もあるんです。この点、つまり政治的なビラあるいは営利的なビラ、こういう問題をどのように考えてあるのか、日弁連の報告書に反対だと言われるなら御意見を聞かしてください。
○政府委員(金澤昭雄君) ビラ張りの問題は、中身の問題というよりもその態様の問題だと思います。私どもの方で逮捕、送検しておりますのは、その事件が事件として適切に処理されるかどうか、それと、ビラ張り自体そのものは軽微な犯罪であるかもしれませんが、それがそのまま警告、制止というような形に従わずに放置されるということになれば、これはやはり社会の秩序というものが乱れることにもなるわけでございます。したがって、まず最初に警告、制止があって、それに従わない、またその住所、氏名が明らかにならない、逃亡のおそれと、こういった場合には、これは当然の事件の処理としてビラの内容のいかんにかかわらずやはり適切に処理しなければならない、こういうふうに考えております。
○諫山博君 ビラの内容を問題にしてはいけないというのは私も大賛成です。そのとおりだと思います。例えば広告物条例は、ビラの内容を取り締まるんじゃなくて、風致とか美観を問題にしているわけですから。ところが実際にはビラの内容が問題にされている。政治的なビラが集中的に弾圧をされているということに問題があるわけです。 そこで、警察庁長官の御意見は聞きましたけれども、この問題国家公安委員長もやはり逮捕権の乱用というようなことが言われるようなことがないように指導していただきたい。御意見を聞かしてください。
○国務大臣(坂野重信君) 警察庁長官が答弁したと同じ意見でございます。
○諫山博君 私、最後に警察庁長官に要望しますけれども、日弁連の資料でも一年間に四十八件検挙された、しかし一件も起訴されていない、こういう報告が出ているわけですよ。逮捕というのは、例えば裁判、有罪判決、刑の執行とずっと進んでいく刑事手続の一環ですね。ところが、検察庁が起訴しないということがもう大体経験則上予想できるような問題を逮捕するというのは、これは刑事手続の一環として逮捕しているんじゃなくて、逮捕そのものが目的になっているんじゃないか、懲らしめのための逮捕になっているのではないかという疑いを私は持っております。とにかくビラ張り事件というのはほとんど起訴されていないし、起訴されても本当に形式的な判決しかされていないわけですから、もう少し言論活動を大事にするという立場からの処理を要望いたします。
○政府委員(金澤昭雄君) 繰り返して申し上げるようでございますが、逮捕という行為をその一つの処罰のような格好で運用しているというつもりは毛頭ございません。私どもの方では、その現場で住所、氏名が明らかでなくて、また逃亡のおそれがあって事件の適切な処理ができないという、そういう場合に限って逮捕行為というものをやっておるわけでございまして、後で身柄が釈放されるということは、先ほど法務省の方から御答弁がありましたように、その段階で住所、氏名等が明らかになり、またその必要性がないという判断の上でされておるわけでありまして、私どもの方はあくまで現場的な判断で、その時点での判断で逮捕の必要性があった、こういうふうに考えております。
○諫山博君 さっき大分でポスター張って四国まで逮捕状持っていったという問題を指摘したら警察から反論がありましたけれども、あの人は村会議員ですよ。そして住所もはっきりしているということは、逮捕状執行にいっているわけですから、だからああいう問題で逮捕してはいかぬということを言いたかったんです。 終わります。
○柳澤錬造君 大臣、昨日の所信表明された中で「ふるさと創生」ということで述べられておるわけです。大変これいいことおっしゃっておるし、特に私が感銘を受けたのは「地方が知恵を出し、中央が支援する」「これまでとは異なった発想に基づく自ら考え自ら行う地域づくり」云々と、こうなって言われておるわけです。細かいことは結構ですけれども、いわゆるふるさと創生ということについてのお考えの柱というか骨子はどういうことなのかという点をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) ふるさと創生は、私どもの住んでいる国土が、経済成長は非常に著しい状態になったけれども、振り返ってみると本当に自分の身近に豊かさを感じているかどうかという疑問は確かにあるわけでございます。そういう中で、一方においては過密、一方においては過疎という現象の中で、私どもが本当に日本のどこに行ってもふるさどのような感じを受ける生きがいのある地域社会をつくっていこう、そのためには今までの中央で考えて中央のやり方を地方に押しつけるということではなくて、それぞれの市町村、それぞれの地域でみずから自由な発想に基づいて自分たちの町づくり、ふるさとをつくり直すんだというような発想を自由に立てていただいて、そしてそれを国なり県なりが支援していこう、そういう考え方が基本にあるわけでございます。そういうようなことでいろんな施策は考えているわけですけれども、今までにない手法でまたそういうことが地方自治の考え方につながっているわけでございますから、そういう立場で推進していきたいと思っております。
○柳澤錬造君 わかりました。 大臣、それで今も言われたように特に過疎化対策、これは我が党も考えていることなんで、そういう点でこれから申し上げて、そういう中で真剣に御検討いただけたらと思うんです。それはふるさと人口制度、過疎のところはだんだんだんだん出てよそへ行ってしまうわけなんで、ますます人口が減るわけなんですが、そういう他の地域に移っていっても自分が生まれたそのところに登録をしておいて、それで移っていったところで普通ちゃんと税金納めるんだけれども、その中から登録をしておった生まれふるさとの方に幾らかでも税金を回していくというようなことが考えられないか。 言うならばふるさと活性化基金というようなものをつくる。これは寄附で、自分のふるさとの活性化基金に自分が寄附したいという人なんかはやる。そういうことについては、これはまた大蔵省に関係するんだけれども、税のそういう何か恩典も考えていかなくちゃいけないけれども、そういう道を開いてやっていくことによって過疎化対策なんかもかなり効果があるんじゃないかと思うんです。すぐここでと言っても無理なことですが御検討いただいて、そういうふうなことについても善処していただけるかどうか。
○国務大臣(坂野重信君) 民社党さんからそういう提案、お考えがあることは承知いたしております。実は衆議院でもそういうお話がありました。事務当局でもどうかなということでいろいろ相談しているわけでございますけれども、住民税の性格ということからいって果たして地方税になじむかどうかということもあります。しかしせっかくの提案ですからひとつじっくり考えさせていただきたいと思いますけれども、今どうもこれを直ちにそういう方法で展開できるかということは、かなりいろんな面で難しい面もあるようでございますから、ひとつこれは勉強課題ということでお願いいたしたいと思います。
○柳澤錬造君 それで結構です。そう簡単にいかないでしょう。でも、何でも初めてやるときには未知なことやるんですからいろいろ難しいどころを乗り越えていかなきゃならないんで、そういうアイデアもあるし、そういうことについても頭の中に入れて御検討いただきたいと思います。 次には、これも自治省の方でお答えいただけたらと思うんですけれども、政令指定都市とあるんだけれども、政令指定都市というものの意義というのはどういうことなんですか。別に難しいことを私聞いているんじゃないんです。もうちょっと先まで言うと、私も全国いろいろなところを歩いているものですからなんですが、政令指定都市になってそこの住民が何が得するかということです。市長さんが何か偉くなったようになって、市会議員さんが歳費が上がって何か偉くなったような形になるだけで、そこの住民にとっては何にも特別な恩典なんかありゃせぬじゃないか。 いろいろの都市を見ておっても、私なりの感じからいくと、人口では五十万ぐらい、もう百万なんというのは多過ぎる。自治省がお調べになっている財政力指数のこれを見てもそうですけれども、一番いいのは中都市ですね、大都市よりも。ですから、そういう意味で五十万前後の都市というのは都市のあれから一番いいと思うんです。そんな無理して百万都市の政令指定都市なんて、そんなもの余り促進しないでいいです。近く千葉がやるでしょう。この間仙台がなって、何か偉くなったような調子でもって、早くやるんだ早くやるんだといってやっているんだけれども、むしろそういうところはブレーキをかけた方がいいと思うんです。その政令指定都市というものの考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木村仁君) 御承知のように、我が国の地方制度は都道府県と市町村という二重の構造になっているわけでございまして、基礎的団体であります市町村と公益的団体であります都道府県とがそれぞれの機能を分担しながら地域づくりを進めていく、こういう基本的な姿になっているわけでございます。ただ、地方自治の一つの考え方として、住民に近い仕事、権限はできるだけ住民に近い行政主体に担わせるということが一つの自治の理念ではなかろうかと思います。そういう意味で大都市は、都道府県にかわってみずからの問題をみずから総合的に処理する能力を持っている地域あるいは地方公共団体であるということで、都道府県の持っております多くの機能を移譲を受けまして、その地域で総合的な行政を行っておる、そういうことでございます。 したがいまして、政令指定都市になると住民にとって何の得があるのかと申しますと、それは直接利益があるということではなくて、やはりそういった通常の都市には多くの総合的な行政ができるということにおいて長期的に見て都市行政の一体性、総合性が保たれていくというよさがある、そういうふうに考えられているのかなという感じがするわけでございます。 それから、人口五十万ぐらいの都市と今政令指定都市になっている百万都市と比べると五十万都市の方がよろしいのではないかと。確かに五十万ぐらいの都市になりますと相当都市としての風格を備えておりますし、しかも都市の内外に豊かな自然も残されておる、さらには経済的活力も相当ございますし、文化的にも、また市民生活も豊かであるということで大変一つの都市らしい都市であろうと思います。 これに対して、政令指定都市になるような百万を超える都市というのは、大都市として混乱した部分もございますが、やはり経済的活力の大きさ、雇用機会の大きさ、文化的なあるいはレクリエーション面でのバラエティーの大きさ、あるいは匿名性の持つ楽しさみたいなものがあって、どちらがいいかということはなかなか個人的な判断の問題ではなかろうかと思いますが、私どもとしては、政令指定都市は政令指定都市として、また人口五十万以上のそういった都市はそういうものとして健全な行財政基盤が築かれていくように努力をしてまいりたいと考えております。
○柳澤錬造君 確かに地方行政のあれが下へおろしてきますね、政令指定都市の場合は。それだけのものを下へおろしてくるから、じゃそこのところにおいては県の方が地方税なりなんなり、ともかくいただく税金を減らして、それで市の方にやるということでもやればまたこれは私は話は別だと思うけれども、別にそういうことをしているわけじゃない。だからもっと政令指定都市をやることによってそこの地域住民の人たちがこれだけ大きなメリットがあり、それで結果的には国全体としてもそれがいい行政ができるんだということでないとやる意味がないんです。そこのところをもうちょっとこれから考えていかなきゃいかぬ。 それから次にお聞きしたいのは、「一般財源の人口一人当たり額の状況」という非常にいい資料を自治省でお出しになっているんです。ABCDEそれぞれグループに分けてあって、東京とかAグループは別で、それを取り上げて言ったってこれはどうしようもないんですけれども、Bグループの中で言えば、Bグループの平均であっても地方税の一人当たりの額が八万二千三十八円、地方交付税が三万九千四百七十二円、合計して十二万三千十四円で、歳入構成比の中では五四・八%を占めている。ところが、悪い方のEグループになってくると、地方税の一人当たりが五万四千六百五十九円、地方交付税の一人当たりが十二万五千七百八円、合計で十八万三千百六十八円になっても、歳入の構成比では四六・八%にしかならぬ。 ですから、この辺が地方交付税なんかの算出の基礎をはじき出しているんだと思うんだけれども、こういう調査をなさってこういうデータをお出しになって、それでその辺が十分地方行政の対策としてそれなりの成果を上げ得ておられるのかどうか。これだけやったけれどもこれはまだ不十分でもって、もっとこういうことをしたいんですということのお考えがなかったらおかしいと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
○政府委員(津田正君) 先生お示しの地方団体の人口一人当たり地方税の額、それに交付税を足した額というものを並べますと、まさしく交付税制度がねらっております財源調整機能というものはそれ自体かなり果たしておるものと思います。ただ、こういうような財政需要というのは人口だけではございませんで、逆に面積で言えば面積一平方キロ当たりの投資額、こういうような数字も実は別途出されているところもございます。そういうような意味におきましてほかの要素、いろんな要素があるかと思いますが、一つの大きな基本的な指標でございます人口一人当たりの一般財源額というものはかなり私ども財政調整をやっておる、傾斜的な配分というものをやっておるわけでございます。ただ、今後におきましてこの問題をさらに格差是正という観点から、傾斜配分も、何と申しますか、財政力のない団体に生活保護的に金を配るということじゃなくて、それぞれの団体がまさしく自助努力をする、それに対して全国的に支援する、多極分散型国土を形成する、こういう意味におきましては、なお財源配分におきましてこのような財政力の弱い団体に対する配分強化ということも考えていかなければならないのではないかと思います。 それから、そういうふうに一般財源がかなり交付税によって調整されておりましても、歳入構成比の中での比率というものが財政力の高い団体が強いということでございますが、これは大きな理由というものは、公共事業等いわゆる国の補助負担金に伴う事業が、これもまさしく地域格差是正のために財政力の弱い団体にかなり入れておるわけでございます。そういう意味におきまして、一般財源を除いたその他の財源の中の国庫支出金がまた余計に行っておるものですから、そういたしますと全体的に見ると残念ながら一般財源比率というのはまだ財政力の高い団体には及ばない、こういうような事情はあるかと思います。 いずれにしましても人口だけで云々することではございませんが、一つの大きな基本的な指標であり、現在財源調整はかなり行われておりますが、なお今後とも努力はしてまいらなければならないのではないか、かように考えております。
○柳澤錬造君 よくわからないんだけれども、もうちょっとわかるような説明をしてくれませんか。 私が知りたいのは、そういう格差があるわけでしょう、どんどん開いていってしまう。それで皆さん方いろいろおやりになっている。具体的にこういうことをやっているんですけれども、なお不十分ですからもっとこうしたいんですというものが恐らくあるはずだと思うんです。 現実に高知県なんというのは地方税で入ってくるのは歳入の一一・四%、島根県になると一一・六%。だから私から言わせれば、地方交付税もあるけれども、そこの地方自治体がいただく税金が一割ちょっとなんだということは、正常な地方自治体としての体をなしてない。そうしてくると、あそこでもって高知県だとか徳島県だとかいうのはわずか何十万ですからね、東京の一つの区ぐらいしかないわけです。あるいは山陰の方へ行けば島根と鳥取合わせたって百万ちょっとぐらいしかないわけです。そうするとああいうところは、東京は例外にしても、大きな府県が存在している、片方ではそういうふうなわずかな数十万の東京の一つの区ぐらいしかならないのでも一つの県として存在しているわけです。じゃ鳥取と島根と合併させるといったって、そう簡単にいくものでもないと思う。しかし市町村の合併では、皆さん方はかなり、半ば強制とは言わぬけれども指導力を発揮して何回もやって市町村の合併というものを果たして、そういうものがかなり効果があったわけでしょう。そうすると府県のものも明治以来の今のような状態のままでよろしいということを考えておってはいかぬのじゃないか。じゃ鳥取、島根をくっつけるといったって簡単にそんなことはいくわけではないけれども、しかしそのぐらいのことを考えて、地方自治、地方行政というものに取り組まなければならないところに来ているんじゃないですかというのが私が言いたいところだし、そこまでお考えになって取り組まなければいけないと思うんですけれどもということを言いたいんですよ。その点いかがなんですか。
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように都道府県の区域は明治時代に定まりまして以来およそ百年、基本的な変更がないままに今日に至っておりまして、したがいまして、財政力の跛行等の現象もあるわけでございます。そのために従来から府県の連合論あるいは府県の合併論等も唱えられたことがございました。いろいろ地方制度調査会においても議論がされてきたところでございます。最近では、昭和五十六年の第十八次の地方制度調査会の小委員会報告でその問題が議論されたのでございますが、都道府県の現在持っております地位の重要性、あるいは住民意識の高まり等から考えまして、やはりその改革については非常に慎重な態度で審議をしていくべきではないかというような意見がまとめられております。 また、行革審の最終答申におきましても、都道府県の広域行政等につきましては時間をかけて慎重に議論すべきであろうというようなことが言われております。御指摘のように、都道府県の基本的なあり方の問題はいろいろ議論されるところで、また議論すべき問題であろうと思いますが、慎重な検討を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。 また市町村につきましては、これも御指摘のように幾度かにわたって全国的な大合併が進められてまいりました。現在でも大変規模の小さい市町村がたくさんある。それが、規模が大きい市町村との財政力、行政基盤の強弱の問題等があるから規模の適正化をもっと図っていくべきではないかといういろんな意見があることはご指摘のとおりでございます。現在の私どもの認識といたしましては、そういった広域的な視野というものを十分持ちながら、しかし地域の実情に即して、合併の機運が熟していくところで関係市町村が自主的な判断で合併をしていくというのが今日におけるあるべき姿ではないかと考えておるわけでございますし、また現在の市町村の合併の特例に関する法律もそのような基本的な考え方に基づいて立法されているものと理解をいたしております。 したがいまして、当面自治省といたしましては、事務の共同処理あるいは広域圏の行政等、そういった広域的な市町村行政の対応を積極的に進めてまいる中で、機運の熟したところは自主的な合併をされるというようなスタンスで進めてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、市町村の区域、規模のあり方につきましてもいろいろと検討しなければいけない問題があることは御指摘のとおりでございます。
○柳澤錬造君 慎重にということはそのとおりでそれはいいです。しかし、自治省がそんなこと言っておったら困るんであって、経済界ではもう大分前から道州制採用と言っているわけでしょう。もう今の府県単位なんていうようなことではだめなんだというのは、今経済界の方の主張ですよ。府県単位に置いておいてもらわなきゃ困る、これは下手にくっつけたりなにしたりして困るというのは政治家ぐらいです、自分の選挙に関係するから。だから、その辺のところは簡単にやれるものではないけれども、明治以来で言えば県、郡、市、町ということでなにした、もう今恐らく郡役所なんてどこにもないけれども、明治のあのころそれがあった。そんなものもう必要ないということでなくなしてきて今の体制になった。だから、今日になればもう今日の時代にマッチしたような地方行政のあり方はといってそろそろその辺は御検討なさって、そして今言うとおり道州制を採用するぐらいの意気込みで御検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次には、これも大臣の所信表明の中でのことでお聞きをしたいのは、地方公共団体の自主性、自律性の強化という問題、大変これは大事なことなんで、もうぜひこれは進めなくちゃいけないんだけれども、自主性、自律性の強化を図っていく必要がありますと言っているんだけれども、具体的にどういうことをねらっているのか、それでどういう指導方針を持ってその辺をおやりになろうとしているのかということをお聞きしたいんです。
○国務大臣(坂野重信君) いろいろ言われているとおりに、地方分権ということを言われておりますが、これは地方制度調査会でもいろんな項目を挙げておりますし、それからそれを受けてまた今、行革審の方でも盛んに勉強されているわけです。各省からヒアリングやったりして、小委員会設けて、年内ぐらいには一つの考え方が出てくると思いますけれども、そういうものを受けながら、やはり方向としては中央と地方との行政分担、財政分担をどうするかという基本的な問題の検討の中で、できるだけ地方に移せるものは移していく、そのかわり、地方は地方で行政改革をしながら自分のノーハウを高めてみたりみずから努力するようにしなければ、ただ権限を主張しているだけではどうにもうまくいかぬわけですから、両々相まって、私は方向としてはそういう方向でこれから進むべきではないかと思っております。 しかし、これは一朝一夕にいくものじゃありませんし、各省は各省で今までのいろんな経緯がありますし、そういう中で、いろいろ第二交付税というような問題も出ておりますけれども、これもまたなかなか一挙にそうはいってもすべてがメニュー方式というわけにいきません。やはり国がナショナルプロジェクトとして総合的に、全体的に考えるべき、そしてまた実行すべきょうな問題と、そしてもうある程度思い切って地方に任せる問題とあると思います。ですから、そういう中で整理をして、こういう問題については計画から実施面まで国が責任を持つ、それからこういう問題についてはもう地方に任すというようなことの仕分けを思い切ってやるようにしませんと、なかなか問題は片づかぬじゃないか。 そういう中で、先般からいろいろ御審議いただいた補助率問題も、そういうような立場で、補助率の復元もさることながら補助事業そのものということについていろいろまたこの際考え直す時期に来たんじゃないか。そしてむしろ、地方の自主性を高め、地方の自主財源というものを強化することによって、ある程度は補助事業のうちでも地方に任せるものは任すというような考え方で持っていかないと、なかなか方向が見出せないような気がするわけでございますので、これはそう一朝一夕にすぐにできる問題じゃありませんけれども、これは内閣として、総理を初め思い切ったそういうような決意がなければなかなか難しいと思いますし、またこれは各省の協力を得て、また各会派、各党のやはりそういう協力がなければなかなか難しいと思いますけれども、方向としてはできるだけそういう方向に向かって進むべきだと思っております。
○柳澤錬造君 大臣、今出てきた第二交付税の方はまた後でもってこれは取り上げてお聞きしてまいりますけれども、今も言われましたいわゆる地方の権限移譲、それから地方行革、この点について、今大臣が御答弁なさったので私も結構なんだけれども、もうちょっと突っ込んで、どこそこなんて言うと何ですから、むしろ皆さん方、自治省の方が全国をあれだからもうおわかりになっていると思うんだけれども、地方によって一生懸命行政改革だとかいろいろなことをやっているところがあるわけだ。片方の方じゃ何にもしてないと言っちゃあれだけれども余りしてない。そういうことについていろいろの行革や何かやればやるほどいろいろと、言うならば地方議員の数を減らしてみたり、あるいは職員をどうしてみたりというので風当たりが強いわけです。しかし、そういう中でも努力をしてそういうことでやっているところ、それは片方は余りやると何だかんだうるさいからやらないでそのまま惰性のままきている。ところが、やったところもやらないところも同じ扱いでしようと言うんだ。そこの努力をしたところは努力をしただけのこと、何か報いというものはあるのか。その辺が私、見ておっても、やってもやらなくても同じだというならばやめておこうということになっちゃうんだけれども、そこはどういう扱いをしているんですか。
○政府委員(木村仁君) 御承知のように、現在の地方行政は本当に飽和状態と申しますか、行政的にも財政的にも緊張の状態にあるわけでございまして、しかも新しい行政需要に積極的に対応していかなければいけない、そういう状態でございます。そういたしますと、各地方公共団体において当然自分の責任と覚悟において行政改革、行政の簡素効率化ということを促進して行政のゆとりをつくりながら新しい事業に取り組んでいくというスタイルにならざるを得ないし、それが今後の行政改革の姿だろうと存じてそういう指導をいたしているわけでございますが、そういった努力はいわば行政改革の効果というものはその努力をする団体自体の利益として生じてくるわけでございまして、第三者がそれに従って財政措置を変えるとかそういうメリットではなくて、行政自体が高度化し新しい仕事ができるようになるという効果が行政改革自体にあるのではないかというふうに考えます。 自治省といたしましては、いろいろの状況のもとで地方公共団体が一生懸命やっているところもあるし、一生懸命やってもなかなかうまくいかないところがある、そういう実態は承知いたしておりますけれども、これを財政的な措置の上で差をつけるということはいたすべきではないのではないかというふうに考えているわけでございます。ただ、そういった団体は非常にいい仕事をすることになりますので、いわば優良市町村の表彰、そういうことでは多く勘案されているところでございます。
○柳澤錬造君 それじゃ答弁にならぬ。もう何年前になるか、行政改革のなにのときに私、いわゆる国家公務員と地方公務員の賃金格差、余りにも地方公務員が国家公務員に比べて高過ぎる。ラスパイレス指数でどうだこうだといったって、それは大臣、数字でいったってなんだけれども、国家公務員に比べてここのところは年間に百万円も余計給料をもらっているんですよ、そんなことができるんだったら何で税金下げさせないんですか、もうちょっとそういうところを指導してきちんとしたらどうですかと言って、あのときには、自治省次官通達を出して、ずっといわゆる公表せいということをやらせた。その後何かにつけて皆さん方が指導なさっていって、あのやったころは一二六か幾つかぐらいだつたんですよ、それが今一一五ぐらいまでだんだん下がって随分改められた。今あなたの答弁なんか聞いていれば何か人ごとみたいなんだ。自治省がそんなことでは困る。 一生懸命地方自治のために努力をしているところを、それは大臣表彰せいとは言わぬけれども、努力したらしただけのかいがあるようなことをしてあげないとだめです。いつまでたってもさっぱりやらぬところは、それは強権発動するわけにはいかぬけれども、何らかのことをやりますと。やる気ありますか、ありませんか、言ってください。
○政府委員(木村仁君) 先ほど申しましたように、行政改革の努力というのはそれぞれの地方公共団体自体が自主的にやって、そしてその結果行政の中身がよくなるということにメリットがあるものでございまして、それのでき、ふできによって国の財政措置、賞罰というようなものをすべきものではないというふうに考えております。
○柳澤錬造君 そんな答弁しているようだったら後で困るからなんだけれども、そこはそれで先へ進めていきます。 国庫補助負担率の改正を今度はしますね。五十九年までは十分の八だったのが、その後国の財政も苦しくなって、それでいろいろあのときも随分騒がれたんだけれども、十分の七に切り下げて、それを今度は十分の七・五に復元する。この十分の七・五でそのまま当分ずっと恒久化するというんだからおやりになると思うんだけれども、そこのところどうなんですか。何年間か国の財政も苦しかったから我慢してもらった。それはあなたの今の答弁からいえばおかしくなるんだけれども、それだけ地方にしわ寄せさせたわけでしょう。それを今度は少し余裕が出てきたら復元してあげようといって、それでせっかく六十、六十一、六十二、六十三ですから四年間苦労させたわけだから、復元ができるようになったからじゃここでもってもとどおり十分の八にいたしますといって、そんなコンマ五ぐらいちぎらないでちゃんとしてあげたらいいじゃないですか。何でそういうみみっちいことするの。
○政府委員(津田正君) 生活保護は御指摘のとおり本来十分の八でございました。この暫定期間の間十分の七ということでございます。生活保護というのは、これは関係各省といろいろ討議しながら結論を出したわけでございますが、私どもからいたしますと、生活保護というのは我が国民の最低生活を保障するものでございます。非常にナショナルな意味が強い。そういうことは国の責任が重いのではないか、こういうことは言えるわけです。これ自体は大蔵省あるいは厚生省とも変わらないわけです。それじゃ国の責任の重い度合いを幾らにするかという具体的な率になりますとまさしく議論が分かれるところでございまして、大蔵省のかねてからの見解は、どちらかと申しますと国の補助金、負担金というものは二分の一が当然、二分の一が中心なんだけれども、国の責任の重いものは三分の二という率、それから地方の責任の方がむしろ国の責任より度合いの重いものは三分の一と、そういうような体系でやるべきではないか、こういうような議論もあったわけでございます。 私どもとしましては、そのほか福祉関係の仕事、老人あるいは児童、そういうものもあるわけでございますが、やはり生活保護費というのは先ほど申しましたように最低生活を保障する、こういうことだから、三分の二ということよりももう一段上のランクの国庫負担率であるべきだということで議論をしまして、むしろ三分の二ということではなくて四分の三という率で今回話をまとめたわけでございます。ですから、単純に八割、七割、それを足して二で割るとかいうことではございませんで、過去からのそれぞれ各省のいろいろな意見の違いというものを調整しつつ、私どもとしては三分の二というような主張ではなくて、むしろもう一段重い国の責任という意味で四分の三と、それが七五%、こういうような結果で話がまとまった次第でございます。
○柳澤錬造君 それはそういうことにしておきましょう。 今度は税金の問題の方に入るんですが、税のあり方として、これを見てもそうなんですけれども、六十二年度で国税が四十七兆八千六十八億、六三・七%、それから地方税が二十七兆二千四十億円、三六・三%、大ざっぱに言って、この税収でいくならば国が三分の二、地方が三分の一を徴収しているわけなんです。 それから、地方交付税だやれ補助金だといって、最終的には国が三分の一、地方が三分の二と、こういうようになってしまう。それでこんなに違ってしまうならば、わかりやすく言って税そのものを国から地方に移すということをおやりになったらどうなんですか。例えて言うならば、たばこ税ならたばこ税は全部地方税にして地方にやってしまう。あるいは問題になった消費税なんかにしても全部地方税にしてやってしまうとか、国で取り上げてそこからかなりの部分をまた地方に戻してやって、行ったり来たりそういう非能率なことをやめて、もうちょっと地方税をふやしてやって、そして地方がそれこそ自主自律、地方自治がちゃんとやっていけるような方向に向かって努力したらどうですかと思っているんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方財政を自主的に運営するためには、地方税を主たる財源として運営することが最も望ましいことは言うまでもないと思います。この場合に、先ほど来御議論のございます問題の一つといたしまして、地域間の財政力の格差というものがどうしても出てまいるわけでございます。先ほどの御議論にもございましたとおり、歳入に占める税の割合というものが一方の府県ではわずか一〇%台であるというのに対しまして、一方の府県では六〇%にいくというようなことでございますので、これを税収だけで充実をさせるということになりますと、税のウエートの高い地方団体にはさらに税収が偏っていくというような問題がございまして、これを実質的に均分化していくというために交付税という仕組みでこれをならしていただいているというような状況でございます。 そういうような要素を考えますと、地方税だけで財政の主たる歳入を決めてしまいますとただいまのような非常に大きな問題が出てまいりますので、どうしても地方交付税という財源調整の機能というものが必要になってくるという問題、それからただいまも御議論のありました国庫補助負担率との関連で、国と地方とで経費を負担し合うという性格の経費というものも生活保護初め公共事業などいろいろなものがあるわけでございまして、こういうものにつきましては、国と地方とで負担をし合うという意味では、国税から地方税の方に配分がなされるという結果になるわけでございまして、そういう全体の姿の結果が、今御指摘のような税の形式的な配分からいえば地方の方に薄いのが、最終支出度という面から見ますと地方の方が多くなってしまう、こういうような結果になっているわけでございます。 この仕組みというものをできるだけ地方の方に移すというためには、一つには地方制度の改革という問題もありましょうし、あるいは現在の一極集中という状況を多極分散型にいたしまして、できるだけ各地域において同じような税収が上がるような、そういう経済力を持たせるということが必要になってまいるのではないかと思うわけでございます。そういう方向でも今後とも努力をしてまいりまして、できるだけ形式的な配分と実質的な配分が近くなるような、こういう努力を私どもはしてまいらなければいかぬと思っております。
○柳澤錬造君 そういう努力をぜひしていただきたいと思います。そういう中でも、地方交付税の中で国税三税は三二%でしょう。ところが、消費税の方は二四%、たばこの方は二五%にしているわけだ。国税三税は今まで三二%でやってきたんですから、そういうことからいうならば、消費税もたばこも同じように三二%になさったらどうなんですか。これ三二%に全部やったって三千五百四十六億ふえるだけなんです。たばこは二五だ、消費税は二四だってけちることないと思うんですけれども、まあ言うならば地方交付税のそこのところが、十三兆三千六百八十八億というのが十三兆七千二百三十四億というように、今言った三千五百四十六億、割合からいくと二・六五%ふえるだけなんです。何かそこにたばこは二五だ、消費税は二四だと、そういうふうにしておかなけりゃならない特別の理由があったんですか。
○政府委員(津田正君) 昨年の税制改正の一環としまして、新たに消費税の譲与税部分を除いたものを交付税の対象税目としまして二四%、これをいたしましたのは税制改革におきます地方税あるいは地方交付税の減少に見合う額、これも完全にはもちろん補てんされておらないで、住民税等自前の減税があるわけでございますが、そういうような減税に見合う額で地方団体として補てんしなければならない額ということで二四%に決めたものでございますし、国のたばこ税の二五%というのはまさしく国庫補助率の見直し、先ほど申しました生活保護費等の問題で二五%と決定したわけでございます。 ですから、いずれにしましても、これらの問題は個々具体的な対策のときにどの程度国から地方に一般財源を付与するか、こういうような一つの積み上げの結果でございまして、ほかの三税が三二%だから三二%くれると、大蔵省がよこせば私ども辞退することもないわけでございますけれども、やはりそういうような積み上げの中から生まれた数字でございます。 先生、単純に全部三二%にしても三千五百億円程度の話じゃないかということでございますが、平成元年度の一般歳出の伸びは消費税の上積みがあるものですから、各省予算の一般歳出一兆円、昭和六十三年度の一般歳出の各省庁の全体の増加額が三千九百億円程度、これで各省ぎしぎしやっておるわけでございます。この三千五百億というのはとても大蔵省が簡単に私どもに渡すというようなものではございません。しかしそうじゃなくて二五%だ、二四%だ、それぞれ積み上げまして、地方財政の運営に支障のないような額を確保したものでございます。
○柳澤錬造君 そんな腰の弱いことをしていてはだめなんです。頑張りなさいよ、大蔵省に対して。 それで、今度は大蔵省に聞くんだけれども、地方財政法十条二項のいわゆる公共事業の補助金関係、これは昔一回、渡辺大蔵大臣のときだったと思いますが、予算委員会でも議論したんですけれども、昭和五十一年のときは一兆五千四百四十六億、それがもう五十四年には三兆を超えたんです。今度も三兆五千二百三十八億。私が問題にしたのは、予算委員会でも言ったことなんですけれども、一つの県のあれを調べてもらったんですが、この公共事業の補助金、最初に出てきてから最終的に決まるまで、上京してきて陳情する回数が八回から九回になるわけです。それを全部計算してはじき出すと何千億だかになる。ともかく百億も二百億もの金をもらうためならいいけれども、一億にもならない何千万というのですらもそうやって出てくる。それで出張旅費を使う。 そういう点からいくならば、こういう陳情行政というものをやめて、それで先ほど大臣もお答えになったけれども、第二交付税、これも我が党のあれなんだけれども、第二交付税をつくって、それをどういうふうな基準で分けるかということはまた皆さん方公平にいくようにお知恵を出していただいて、そしてそれぞれ分けてやって、あと地方公共団体がその金を有効に使ったらいいじゃないか。行ったり来たり行ったり来たり、地方自治体もそのためにしょっちゅう来るたびに、陳情書や何かの書類を、いいかげんなものを持ってくると大蔵省に怒られるものだから立派なものをつくっていかなければいけない。その時間も大変なものなんです。こちらの本省の方だって、お役人さんみんなそのたびに応対をして、ああだこうだと聞いてなきゃいけないものですから、そういうものを全体的に考えたら大変なロスだ。そういう点からいくならば、せめて公共事業の補助金関係ぐらい、今度でいえば三兆五千何がし、このくらいは第二交付税をつくっておやりになったらどうですか、その辺はいかがですか。
○国務大臣(坂野重信君) これは大変大きな、いわば革命的な提案でございますから、私の方からお答えしたいと存じます。 第二交付税の構想というのは、確かにこれは検討すべき課題だと思いますけれども、一挙にそこまでいくというのは、各省の今までの長い伝統というものの立場がありますし、私はこれは言うべくしてなかなか一挙にそこまで踏み込むのは難しいと思います。しかし考え方としては、先ほどから御指摘がありますように、できるだけ地方の自主財源をふやすという、方向は私はそういう方向に行くべきだと思う。 ただしかし、事業の性格によって、何遍も私は申し上げているんですが、例えば直轄事業であるとか補助事業の中でも国が関与して計画を一貫した考え方で立てなければならない。実行するにしてもばらばらではできないというような問題については、これは中央の指導といいますかコントロールのもとでやらなきゃなりません。陳情行政が悪いと一概に言えない面もありまして、地元の盛り上がる需要というものを形にあらわすのはやっぱり陳情しかないわけです、地元がどこどこの仕事をぜひやってもらいたいというのは。それはそれなりに私は意味があると思いますけれども、しかし今のような情勢で、よその国に見られないような、まさに予算時期に一週間も二週間も東京におらにゃいかぬというのは、これはとんでもない話でございます。これが権限移譲になってまいりますと、東京まで来なくても、あるいは中間的なそれぞれの局であるとか、また、県に移譲すれば県で済むこともありますから、私はそういう面によって、権限移譲というものを実現することによってそういうような弊害はある程度は防げると思います。 しかし、方向としてはできるだけメニュー方式、いろいろな問題があるかもしれませんけれども、メニュー方式にできるようなものは思い切って零細補助、奨励的な補助というものはもうこの際各省踏み切ってもらわなければいかぬわけです。各省の権限からいうとやりたいわけです、みんな役人の皆さんは。しかし、それじゃ困るわけです。いつまでたってもこれは進歩いたしませんから。私はそういう面で、どういう行革審の答申が出てくるのか、実はそれを楽しみにしているような次第でございます。 したがって、方向としては、いきなり第二交付税まではいけないにしてもやはりこれは検討すべき課題だと思っております。
○柳澤錬造君 大臣、ありがとうございました。 本当に大臣、革命的と言われたけれども、機会があれが各都道府県になにして、それから末端市町村もおろして、それでデータでもおつくりになられたらそれはびっくりするんです。私が何年か前に予算委員会でやったのは一つの県だけですよ。それで、どれだけ行ったり来たりしたかということから全部なにさせて、それから全国を類推したのがあれですけれども、何千億からならばともかく。そこでは地方の市町村の役場の職員の人たちがこうやって立派なものをつくる。そんなものの手間なんか何にも入っていないので、出張旅費だけです。ですから、そういう点から、せっかくこれだけ行革、行革と言われるんですから、そういうむだなところへ金を使わぬで、同じ金を使うのなら有効なところへ。民間企業なんか今そんなことしちゃいないんであって、もうみんな昇給する、なにをするといったって辞令も出しやせぬでしょう。だから、もうちょっとそういう点を進めていただきたいと思います。御検討いただきたいと思います。 警察庁の方に今度お聞きをしてまいります。 警察官の任務は私は大変だと思うし、御苦労なことだと思う。それで、日本の治安が世界の中でも格段と言っていいほど治安状況がいい。これは外国記者も認めていることだし、それから強盗だとか殺人なんかももうはるかにけた違いに日本は少ない。逮捕率も非常に高い。ですから、そういう点では警察の御苦労というのか、そういうものは私は認めたいとも思います。 ただ、そうは言ってもやはり最近犯罪がふえてきている。しかも、その犯罪が非常に悪質なのが出てきている。だから、そういう点ではやはり努力をしていただかなきゃならない。これから若干質問しますけれども、これだけは防いでもらわなければ困るのは、さっきも出ておりましたけれども、やっぱり警察官。身内がそんな悪いことをしたのじゃ困っちゃう。 特に、きのうのある新聞の社説ですけれども、こんなことを言ったんですか。大阪で頻発していますね、昨年のあれは二月ですか、お金を拾って届けたのを警官が猫ばばしておいて、届けた人を犯人扱いにしたり、それから少年を暴行してこれも死んでしまった。それからつい数日前は、六十年八月塚本社長さんを殺して、取って、そして奈良のあそこへ埋めちゃった。大阪府警で頻発したので、この間記者会見をなさったのですが、そこでどういうことを言ったか私聞いてないのですけれども、この新聞の社説で言っているのは、「本来、警察官であってはならない者が警察組織にまぎれこんでしまった」と言って陳謝をし、弁解をしたと。こういうことを本当に言われたのですか、大阪府警の幹部は。これはゆゆしきことです。
○政府委員(椿原正博君) 手元にあります本部長のレクメモでございますが、大阪の警察本部長ですが、そういうことは言っておりませんで、「法を執行する立場にある者として、全く弁解の余地はなく、誠に遺憾であり、残念であります。 被害にあわれた塚本さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に深くお詫び申し上げます。なお、捜査は厳正かつ徹底して行い、事案の真相解明に全力をあげる所存であります。」というのが中心でございます。そのように報告を受けております。
○柳澤錬造君 言ったか言わないかはさておいて、大阪府警でもってそういうふうな警察官の不祥事が頻発したことは間違いない。しかも、人を殺したなんというのですからね。だから、そういう点ではやはりきちんとやっていただいて、しかもこれは警察官というとしょっちゅう文句言われるばっかりだから私は申し上げるのだけれども、皆さん方のところまで入ってきているかどうか、こういう警察官もいるんですよ。 もう何年前になりましょうか、暴走族がはやったころ、愛知の名古屋の隣の方の何市というのか今は思い出せないのですけれども、私はタクシーに乗ってなにしておったらば、十字路のところで交通整理をしておったお巡りさんをそのタクシーの運転手が指さして、あのお巡りさんというのはもう地元の暴走族を全部ひっ捕まえて、だからこの町には暴走族が一人もいません。ひっ捕まえるのだけれども、処分とかどうとかじゃないんです、話聞いてみると。どこの家のだれなんだと聞いて、それで自分が非番のときにその家に行くんだそうです。それで親と子供本人と二人並べておいて、懇々とお説教をするんだそうです。それでまた非番のときはまた出てきて、そして学生だったら学校へちゃんと行かせる。それからもう学校終わって仕事のないのなんというのは就職のあっせんまでしてやる。本当に愛情を持ってというか、そういう形でそういう暴走族のような少年を面倒を見て、だからこの町には暴走族は一人もいないんです。おったらすぐあのお巡りさんになにして。 だから、ただひっ捕まえて処分じゃなくて、そういうふうなところまで。しょっちゅう立ち直るまで家を訪ねていく、それはいつも自分が非番のときに行くそうです。それは普通に走っているタクシーの運転手が私に話してくれたことです。だから、警察庁の上までそういう報告が来ているかいないか知らぬけれども、大多数のお巡りさんがそんな悪いことをしているわけじゃない。ごく一部がやったってそれでもうみんなお巡りは悪いものだというふうにさせられちゃうんですから、そこのところは皆さん方よほど努力をして、そういうことのないようにしていただかなきゃいかぬ。今言ったようなそういう立派なお巡りさんもいるんだ。そういうのは、それこそ本当に警察庁長官賞でもやって褒めてやればいい。それでまじめに一生懸命やっているのとやっていないのの違いというものをきちんとしてあげてください。 それから、時間も余りなんですから、せっかく豊田商事の事件とか国債のネズミ講だとか、原野商法とかいろいろありましたでしょう。それから最近では、非常に気になってみんなが泣いたあの幼女の誘拐事件。幼女の誘拐事件はこれは起きなきゃわからぬからなんですけれども、豊田商事やなんかのときにつくづく思うのは、新聞であれだけ書き立てて、早いところ手を打ってひっ捕まえるならひっ捕まえる、何かやればいいんだけれども、警察はさっぱり動かないで、そして新聞に書かれてからもまだ、あのときはお年寄りですからいいようにだまされて、そしてお金を巻き上げられてしまう。だから、そういう不正な悪徳商法やるようなところはすぐぱっと手を打って、それでそれが波及じないようなことでもって、そういうときはもう迅速に行動して対処してほしいと思うんだけれども、そこはどうでしょうか。
○政府委員(森廣英一君) 御指摘のような事件につきましては、事件の検挙が大切なことはもちろんでございますが、御指摘のようになるべく早期にこれを検挙いたしまして被害の拡大を防止するということが大変大切だということは我々も全く同感でございます。 しかしながら、このような悪徳商法と言われるような犯罪は非常に計画的に巧妙な仕組みをつくって犯罪をやっておりますので、これをかって詐欺事件で検挙していくのには、一生懸命やりましたけれども、相当な時間がかかったということもまた事実でございます。しかし、最近におきましてはいわゆる無限連鎖講の防止に関する法律もございます。あるいはまた、豊田商事のよケなまがいもの商法につきましては、いわゆる訪問販売等に関する法律というのもございます。また原野商法につきましては、国土利用計画法の中の無届け売買罪というようなものもございます。そういうような特別法の形式犯の規定などを十分活用いたしまして早期に犯罪捜査に着手して、なるべく早くこういう事件の蔓延を防止するということに心がけておるつもりでございまして、今後とも早目に事件に着手をいたしまして、できるだけ事件の拡散、拡大を防止するように心がけてまいりたいというふうに存じます。
○柳澤錬造君 ぜひやってください。 それから、国債ネズミ講の方はこれは国会が速かったですから、すぐもう法改正した。しかし、豊田商事とか原野商法なんというのは、正確にはなんですけれども、私の記憶では、新聞に出るようになってから半年ぐらいたってやっと警察が動いたんですからね。あれ新聞で騒ぎ立てられて、まだ、ひっかかったと言っちゃおかしいけれども、いわゆるだまされて金巻き上げられた人がいたんですから、そういうことは迅速にやっていただきたいということを申し上げて、警察庁の方、結構です。 環境庁いますか。――環境問題で特に緑地の荒廃化、これはもう日本だけじゃなくて世界的に今大きな問題に、砂漠化というか、進んでいるわけです。日本の場合で言うならば荒廃化の方が進んでいるのか、それとも緑化対策がやられていって、そういう荒廃化が進まないでバランスがとれているのかどうなのか、五年前あるいは十年前と比較してどんなあれかということを、大まかで結構ですから御説明いただきたい。
○説明員(大木知明君) 環境庁では、自然環境の各種の問題につきまして自然環境保全基礎調査というものを五年ごとに実施しているわけでございます。 お尋ねの全国の緑地の状況でございますが、それにつきましてはこの調査の植生調査というもので調べておるところでございます。 〔委員長退席、理事松浦功君着席〕 六十三年度はつい最近結果がまとまりましたわけでございますけれども、それによりますと、国土面積に対します森林の割合は、全体としましては六七・五%ということで比較的高い割合を保っておるということでございます。昭和四十八年度に第一回の調査、そういうものがございましたが、それと比較してみますと、森林全体としては余り変化はないということでございます。ただし、内容的にはいわゆる自然林あるいは二次林、そういったものの国土面積に占める割合、こういうものは三・九%ほど減少をしておりますが、一方、植林地、こういうものにつきましては四・一%ほど増加している、そういう状況にございます。
○柳澤錬造君 原生林の方なんかどんなぐあいなんですか。これも今の面積で言っていただければいいですから。
○説明員(大木知明君) 同じ第三回の自然環境保全基礎調査の結果によりますと、原生林、全く人為が入ってない、そういうものの割合につきましては全国土面積の一八・二%、一平方キロのメッシュの調査でございますが、それによりますと六万六千九百七十九メッシュある、そういう状況にございます。
○柳澤錬造君 次に、今度は細かいことを聞くようだけれども、木の葉っぱというのは炭酸ガス吸って酸素を吐く、それから人間の場合にはその逆ということで、だから人間が生存していく上について緑がいかに大切かということを言われているわけだけれども、十万都市であるならばどれだけの緑が必要か、五十万都市ならどのくらいの緑が必要かという、これだけ今もうコンピューターがあるんですから、そういうものをはじき出して、それで青写真をおつくりになって、全国の主要な都市なりそういうものに適合してどういう状況にあるのか、もっとおまえのところは緑をふやさなきゃだめなんだとかどうだとか、そういう指導をおやりになるお考えがないかどうか、おやりになるというか、その前にそういう青写真をおつくりになるという気持ちがないですか。 〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
○説明員(大木知明君) 先生御指摘のとおり、都市の緑というものは非常に重要なもので、いろんな点で人間のために役に立っておるということでございます。 それで、御指摘の都市部において確保すべき緑地の量、こういうものについて目標なりなんなりやっておるか、こういうお尋ねでございますが、これはいろんな方面に関係しておりまして非常に難しい面がございます。ちょっと調べましたところ、昭和五十一年の都市計画中央審議会答申がございまして、それによりますと、緑のマスタープランということで都市の市街化区域面積の三〇%以上が緑あるいはオープンスペースとして整備の必要がある、そういう審議会の答申もございます。ただし、緑地の量というものは実際にどのくらい必要になるか、これにつきましてはその地域の状況あるいは樹木の種類等々いろんな要因があると思いますので、数量的に示すというのは現在のところなかなか難しい問題があるな、そういうふうに考えておりますけれども、環境庁としましても緑の重要性、そういうものを十分認識しておりますので、今後関係省庁と協力して緑の確保、増加、そういうものにさらに努力していきたいと、そういうふうに思っております。
○柳澤錬造君 それはぜひ、瀬戸大橋でも何でもあの大きな工事をやるとなると環境アセスメントどいって皆さん方おやりになるんですよ。あれ見ると、まあよくあそこまでお調べになって事細かに出しているわけです。あの努力のことを考えれば今私が言ったようなことぐらい、その青写真つくるのは難しくない。あの大阪の橋なんて、あの高速を走ってみればもう昔なんかも本当にコンクリートジャングル、このごろ一生懸命大阪は木を植えているんだけれども、その辺の一つの基準というか何というか、この程度の人間が住んでいるところはこの程度の木が必要なんだというものぐらい出して、そして指針にするようなものがないと、東京なんかも、結構緑もある方では本当にもうばっさばっさと簡単に木を切るでしょう。自分の家の庭にあるものを自分が切るのに何が悪いかというのは今の日本の場合だけれども、そんなもの今の先進国の中で通用しないことでしょう。私が言わなくたって皆さん方なんかも御存じのはずなんだ。 ですから、一応そういう青写真をおつくりになってさらけ出すと、みんなもそういう気になって変わっていくと思うんです。高齢化社会とかなんとかどいってもう厚生省なんかがしょっちゅうあれするから、各都道府県別にここは老人が多いとかここは少ないとか、すぐそういう地図ができるわけだ。だからああいうものをおつくりになっていただきたいということを希望しておきます。 それから林野庁いらっしゃいますか。――山林の現状、先ほど環境庁からもお話があったのに関連しているんだけれども、ある程度は木は伐採していかなきゃ後が困るんだから切っていると思うんですよ。その切っているのと植林をしているのがちゃんとバランスがとれているのかどうかということ、造林事業というものを切るよりかもむしろ余計やっているくらいでなけりゃならないんであって、その辺がどんなぐあいなんですかということをお聞きしたい。
○説明員(杉原昌樹君) 御説明申し上げます。 御承知のように、日本の森林面積は、先ほど環境庁の方からございましたように、全体的には約二千五百三十万ヘクタールというオーダーで、転用もございますが原野等から入ってくるというのはほとんど変わっておりません。また今お話しの伐採という面からまいりますと、ここ数年間大体四千万立方というオーダーで木を切っているというふうに推計をしております。一方、日本の山の蓄積という状況を見ますと、約十年間で七億立方ぐらいふえる、つまり木は四千万立方程度切っておりますが、それ以外に戦後植えました人工林がどんどん太っておりますので、山に蓄えられている蓄積はふえていっている、こういうような状況になっております。 それから伐採面積と造林というお話でございますが、ダイレクトにこの山が切られてそれをまた植えたというふうにとらえるというふうにはちょっとしておりませんが、およそ日本での年間の伐採面積というのは二十万ヘクタールぐらい、ただしこれは人工林とか拡大造林で、皆伐入れても大体半分、十万ぐらいございます。この中には転用もございますので、先生がおっしゃいます造林という意味でいけば大体八万ヘクタールから九万ヘクタール。それ以外は、日本の森林の特性であります天然に木が生えてまいりますので、天然更新ということも一つございますし、シイタケのほだ木のような場合には萌芽更新というような更新をしておりますので、区分はしておりますが、おおむねそういう意味で全体の面積が減らないということと、日本全体では山の木の量はどんどんふえているという、切り面積と植える面積は私どもとしてはほぼ均衡していると、こんなふうに考えております。
○柳澤錬造君 今のお話だと切る方が多いということでしょう。
○説明員(杉原昌樹君) もう一度申し上げますと、切る方が大体年間四千万立方、一方山の方でどんどん蓄積がふえているのが約八千万弱、要するに山の方の蓄積がどんどんふえております。切る量の方が減っております。つまり成長量よりも少ない量を切っているということです。
○柳澤錬造君 じゃ、細かくもうちょっと聞きたいと思うんだけれども、結局山はかなり宅地化が進んで、ですから、ああいう雨が少し降れば水害が出るのは無理ないんで、よほどその辺がそれこそ何十年という長期計画でお取り組みいただかなきゃならないと思うんです。 それで林野庁にお聞きするのはちょっと筋違いかとも思うんだけれども、もし御答弁できるならば。今問題になっている、どんどん海外へ出ていって、それでこの間もボルネオが何だ、もうアラスカは昔の扱いで、あっちのアマゾンももう、だからそういうふうな日本の企業が出ていって伐採しちゃって運んでくるのもおれば、伐採しているのはそこの現地の企業であるからわからぬけれども、日本に輸入してやっているというふうなぐあいで、地球的に考えていって日本がもうあちこちで木を切り過ぎているといって批判を受けているんだけれども、その辺の現状というのはどういう把握をなさっているか、おわかりだったら。
○説明員(杉原昌樹君) 世界の森林の問題につきましては、主として国連機関でございますFAO等々が調査しておりますが、現在の資料で申し上げますと、問題になっております熱帯林の減少は毎年一千百三十万ヘクタールというふうに言われております。日本の面積が三千万台でございますのでおよその規模がわかろうかと思います。この原因というのは、一般的に申し上げますと、森林を焼いて農業をやるという焼き畑の移動耕作と言っております。それからもう一つは、家畜を飼育するための過放牧というような問題、もう一つ大きな問題として薪炭材、要するに燃材を取るという問題がございます。したがって現在日本が輸入しております外材の中の特に問題になります熱帯林、要するに熱帯材というふうに言うんでしょうが、我々ラワン材というふうに普通申して、南洋材でございます。これは大体東南アジアというふうにお考えいただければよろしいと思いますが、ここら辺のデータを少し御説明申し上げますと、大体アジア・太平洋地域、要するに南洋材では木材を伐採した量というのは約二億四千万立方と言われております。このうちの七割が住民の薪炭用のまきでございます。したがいまして残りが用材等でございますが、実は日本はその中の一割を輸入しております。ですから約二千万台でございますが、要するに東南アジアで切られている木の一割は日本が輸入している。このことが多いか少ないかということはちょっと評価を避けますが、ただ問題になっておりますのは、東南アジア全体で輸出している量の相当部分が日本に入っているということは確かでございます。もちろん御承知のように韓国、台湾等も輸入しているわけですが、日本が大変輸入をしているということでいろいろな指摘を受けていることも事実でございます。 今の問題とはちょっと別な問題になるかもしれませんが、こういうような状況の中で日本の林野庁の職員を初めとする技術協力プロジェクト等が東南アジア等へ行って造林の指導をする、こういうようなことが現実に行われております。
○柳澤錬造君 環境庁の方へもう一つお聞きしておきたいのは、フロンガスの問題。それでこれも今オゾン層を破壊するといって世界的に問題になっている中で、六十年三月にウィーン条約ができて、六十二年九月にモントリオール議定書ができて、それで日本でも今までから見れば大変早く、昨年の五月にオゾン層保護法が国会で成立したんですから早かったと思うんですが、世界のそういう主要な国の中でオゾン層の破壊を防ごうというふうなことについて日本の場合には一歩進んでやっている方なのか、それとも世界のレベルから見ればおくれている方なのか、大体世界と同じぐらい進んでいるのか、その辺はどういうふうに判断していますか。
○説明員(唐沢正義君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年五月、我が国におきましては特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律を制定したわけでございますが、このフロンの関連の問題につきまして特に法律を新たに制定した国は我が国が初めてであったということもございます。また、この法律に基づきまして、ことしの七月から特にオゾン層を破壊する能力の大きい五種類のフロンにつきまして、生産量、それから消費量の規制が現実に始まるわけでございますが、法律をベースにいたしましてそのような規制を始めるという国も我が国が初めてであるわけでございます。 なお、そういうことで私どもとして必要な対策を進めてきているわけでございますが、先般、本年五月に先生御指摘のウィーン条約あるいはモントリオール議定書の第一回の締約国会議がございまして、その際、現在の議定書の枠組みでございますと約十年後に現在の特定フロンの生産量ないし消費量を半減するという目標でございますが、それだけではオゾン層の保護が必ずしも全うできないというふうな指摘が行われておりまして一現実に議定書の規制強化の検討に着手するというふうなことが決まっているわけでございます。 我が国は、この第一回の締約国会議におきましても、代替品技術の開発に全力を尽くしまして、国際協調のもとで特定フロンを今世紀末までに全廃するというふうな方針を明確に表明しているところでございまして、今後とも私どもといたしましては、代替技術の開発なりあるいは利用の促進、さらに排出抑制対策の徹底等に一層努めまして、今世紀末までに特定フロンの全廃をするように最大限の努力を払ってまいりたいということで、私どもとしては世界の主要国と肩を並べてこの問題に取り組んでいるというふうに考えている次第でございます。
○柳澤錬造君 何年で全廃というのですか。
○説明員(唐沢正義君) 遅くとも二〇〇〇年までにということでヘルシンキ宣言が採択されております。
○柳澤錬造君 わかりました。環境問題ではとかく日本は、さっきの木の伐採でもそうですけれども、外国から批判を受ける方ですから、だからやはり一歩先んじてそういう努力をしてやっていただきたいと思います。 それから次に、時間もなくなりましたから、国土庁の方はいらっしゃいますか。――桜島が年じゅう爆発しているんだけれども、あれの損害がどのくらいという計算をなさっているのか、大まかなところで結構です。 それで、私が申し上げたいのは、鹿児島の人たちも大変だと思うんです、あれだけしょっちゅう、学校の校庭を見たってなにしたって灰が降っている。そんなに簡単にすぐできるものじゃないけれども、本当にそれこそ五十年計画ぐらいでもって今の鹿児島のあそこは、桜島が観光都市では成り立つわけですから、そういう観光都市にしてしまって、それで政治、経済、行政なんというのは灰の来ないところに持っていって、ニュー鹿児島市でもつくって、逐次そちらへ移っていくという形をやる。長年の今までのそういうふうな灰における被害を考えたら、私はある程度そういう金を使っても、子孫の代に向かっていいことだと思うんですが、そういう点について。 ですから、戦後だけでもおわかりの範囲でもってどのくらいの損害があるものか。国としてどれだけあそこへ投資をしてきているか。それで、今言ったようなそういうふうなお考えをお持ちになれないかどうか。
○説明員(六波羅昭君) お尋ねの桜島の件でございますが、まず被害額でございますけれども、これにつきましては周辺住民生活あるいはいろんな産業に対してさまざまな影響を及ぼしているわけでございますが、トータルで把握することが困難で、そのような数字が今のところないわけでございます。 ちなみに、現在の活動状況のように非常に活動が活発になりました昭和四十七年の翌年、四十八年に活動火山対策特別措置法というのが制定されまして、これに基づきまして降灰除去事業あるいは農業対策とかさまざまな事業が行われておりますが、これらに要した事業費をトータルいたしますと昭和六十二年度までで約七百七億円でございます。 それからニュー鹿児島市の建設というようなお話でございました。現在桜島の周辺二十キロの範囲で居住する人口が約七十万人でございます。それでこれに対しましては、先ほど申しました活動火山対策特別措置法に基づくいろいろな対策に加えまして、地元自治体の要望などを踏まえましてさまざまな措置を積極的に講じているところでございます。特に危険な地域につきましては、鹿児島市におきまして住民の防災集団移転事業というようなことも実施されております。 ただ、先生御指摘のように、火山はこうしたいろいろな災害を引き起こすだけではなくて、そのエネルギーによりまして周辺地域の生活や生活のもとになる観光事業、そうしたさまざまな恩恵もまたもたらしているわけでございます。 そうした観点から、鹿児島県が主催になりまして昨年七月に、火山と人との共存ということをテーマにしました鹿児島国際火山会議というものも開催されまして、共存というような新しい発想に対しまして世界の注目を浴びたところでございます。地元の方でそうした火山と人との共存を基本に進めていこうということでございますから、国土庁としましてもそうした方針に乗りましていろいろな施策を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○柳澤錬造君 私の言ったようなことは簡単にできることではないですけれども、あの大爆発もかつてあったことだし、あそこへ行ってごらんになれば、あれだけのものが埋まっちゃっているんですから。東京の人間に鹿児島へ行って住めといったら住む者はいないと思うんです。昼間からこうもり差してなんですし、だからそういう点でやっぱり長期のことで考えて取り組んでいただきたいと思います。 それから国土庁の方、まだほかに長崎の水害の問題もあるけれども、もう時間があれですから終わりたいと思います。 それから文部省の方は、申しわけございませんが時間が来ちゃったから、せっかくもし来ていたらおわびをして、別な機会にしたいと思いますのでこれで終わります。
○秋山肇君 最後の質問者でございます。 坂野大臣には留任をされて、また御答弁をいただくことになりましたけれども、よろしくお願いいたします。 まず最初に、地方交付税基準財政需要問題についてお伺いします。 昨日もこの基準財政需要の問題、いろいろ財政局長からも御答弁出たわけですが、私はきょうは大都市特有の行政需要が反映されているかどうかという問題から質問をしたいと思います。 私が思うのに、大都市特有の行政需要が反映されにくい仕組みとなっているように思います。都の財政の実態とかけ離れているのではないかなというふうにも思うわけです。例えば都の場合、埼玉都民、千葉都民とも言われるような特別区部への昼間流入人口が二百万人を超えるというようなことも言われており、その財政需要が的確に反映されていないと思うわけであります。 近年、東京は国際化、情報化の急速な進展に伴い、世界都市としての重要性が増大しており、道路、下水道、公共交通網など国際的に見てもおくれている都市基盤の整備が急がれており、これに対し都では単独費を投入してその整備促進を図っておりますが、こうした経費が十分算入されていないというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(津田正君) 地方交付税の需要の算定につきましては、県、市町村ともに標準団体というものを設定いたしまして、それ以上の規模の団体あるいは都市的態容が進んでおる団体、おくれておる団体というものにつきましては、それぞれ各種の補正で対応しておるところでございます。 そして大都市の財政需要に対する見方でございますが、まず、いわゆる指定都市になりますと、これは東京都の話ではなくて、横浜だとかそういうことでございますが、国道等の責任が県ではなくて大都市に移ってくる、権限が県から大都市に移ってくる、こういうような機能差の問題につきましてもそれぞれ補正によりまして算入しております。 それから地下鉄事業等が大都市で行われておるわけでございますが、事業調整を適用しておるわけでございます。それから道路事業、都市計画事業等におきます。地費というものが非常に大都市、特に東京都特別区というものが多いわけでございますが、これは固定資産税の評価額等によりまして、土地価格比率というような格好で割り増し算入をしておるわけでございます。 それから問題は、いわゆる昼間流入人口でございます。たしか中央区も人口はもう五万を割っておりますが一昼間人口は八十万を超えるという、徳島県ぐらい入っておる、こういうような情勢でございますが、いずれにしましても、このような昼間流入人口につきましては、態容補正におきまして、いわゆる種地等の計算において割り増しをするというようなことで、昼間人口に対する需要というものの算定の努力もしておるわけでございます。
○秋山肇君 今のお話にありましたけれども、特に東京の場合、用地費についてが都市基盤整備の上でも重要な問題になっております。用地費については、都の地価水準が他団体に比べて著しく高く、用地費は膨大なものとなっております。現行制度では交付税算定上需要額にはほとんど算入されていないため、地価水準の高い都の現実の行政需要との間で乖離が著しいわけであります。 したがって、地方交付税の算定に当たっては、昼間流入人口に伴う財政需要、国際化、情報化の急速な進展や高水準の地価などがもたらしている大都市特有の財政需要を的確に反映させるよう、基準財政需要額の算定方法の改善が必要になっていると思うわけですが、その点について、今も御答弁の中にちょっとありましたけれども、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 用地費につきましては、用地自体が地方団体の恒久的な資産となることもございまして、交付税では公共事業で対象とされているものを除きまして原則として措置しないということにしてございますけれども、道路橋梁費とか都市計画費につきましては特に用地費のウエートが高い。また、新しく用地を取得しなければならないということが明らかであるために、土地価格比率等を指標として現在も需要の割り増し算入を行っているところでございます。 今後とも、大都市における用地費の状況を初めとして、それらの需要を的確に反映するような算定に努めてまいりたいと考えております。
○秋山肇君 限られた地方交付税の総額を全地方自治体に配分するための算定の結果である財源超過額を即余裕財源とみなすことは適当でないと思うんですが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(津田正君) 地方交付税制度は、地域的な税源の偏在、地方団体間の財政力の格差を調整するということと同時に、地方団体への一定水準の行政運営を確保するに必要な財源を保障すると、こういうことを目的としておるわけでございまして、これまでの委員会におきましても、いわゆる需要の基礎でございます合理的かつ妥当な水準というような形で、いわば全国規模での必要な行政水準と、このような考え方で基準財政需要額を算定しておるわけでございます。 そこで、例えば東京都の実情を考えてみますと、国会周辺の警察官などはこれまさしく東京都特殊事情でございますが、これは警察官の人数ということで交付税を算定しておりますので、こういうような特殊的な警備ということで必要な警察官の需要は組んでおるわけでございます。ただ、正直申しまして、これだけ超高層の建物が建ったときの火災対策をどうするか、あるいは警察の警備やなんかでも飛行船までも準備しなきゃいかぬ、相当なはしご車あるいは化学消防車を準備しなきゃならぬ、こういうような点になりますと、確かに私ども考えております交付税の基準財政需要額の考え方を超える部分があることは事実と思います。 ただ、交付税制度はうまいことに、基準財政収入額の算定におきましてフルに算定するのではなくて、都道府県においては八割、市町村においては七五%、逆に申しますと都道府県の二割の税収あるいは市町村の二五%の税収につきましては独自の財源として使える、交付税制度自体の需要が全国的な算定というような形のもので、地域の特殊事情というものまですべて算定することが事実上できない、また細かいそういうようなことまで一々需要額に算定することは地方団体の自主性自体を脅かすと、こういう観点があるわけでございまして、以上申しました八〇%ないし七五%の算定でございます。東京都等のいわゆる税収の大きい団体につきましては、やはりそれ相応の二〇%あるいは二五%と大きいわけでございます。東京都特有の特殊事情というものについてはその部分で対応していただくと、こういうような建前になっております。
○秋山肇君 東京都は税収が多い、予算規模が大きいということで、今の財政局長のお答えで、二〇%でも大きいじゃないか、独立に使える金もかなりあるじゃないかということですけれども、それだから即富裕団体というのは、先ほどから言っている土地の問題とかいろいろ単費でやるということに予算が割かれるわけですから、その点も十分理解をしていただきたいというふうに思うわけであります。 次に、税の徴収ミス問題、これはもう毎回やつておりますけれども、この問題について触れたいと思います。 各地方自治体において税の徴収ミスが相次いでおります。例えば兵庫県の芦屋市においては、土地、建物など居住用財産を売却した際に課税する長期譲渡所得税の市民税(地方税)分を誤って二重に課税する通知書を六十二人の市民に送付していたことか明らかになったそうですが、当局はこの現状を御存じだったでしょうか。わかっておりましたら、どうしてこのような状況になったかを説明していただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 兵庫県の調査を伺ったところでございますけれども、今御指摘のように、芦屋市におきましては居住用財産を譲渡した場合の特例にかかわります課税額の二倍の額を納税通知書に印字したということで、市民からこのことが問い合わせがありまして市の当局がわかったということでございます。 この間違いの発生した原因は、最近コンピューター化が非常に進んでいるということもございまして、市民税の担当者と情報処理の担当者との間でプログラムの修正のためのいろんなチェックを随分したらしいんでございますが、最終的なチェックについてミスが起こったというようなことでございました。この点、市当局におきましても大変申しわけないことをしたということで、今後とも適正な課税を行うように努力をしてまいりたいということで、県を通じまして私どもにお話があったところでございます。
○秋山肇君 今のお答えにあったように、他の所得の税額と合算しちゃったために約二倍の税額になって税の二重取りになったということですね。 また、鹿児島市では、納税義務者四万人に送付した納税通知書に三文字の印刷ミスがあることが発覚し、二百七十万円の経費を使って訂正通知書を改めて郵送したとのことです。これに対し、市民の間では一文字が九十万円の訂正費用、窓口で事情を説明すれば済むことで、税金のむだ遣いだと批判が出ておりますが、この件については当局ではいかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この点も鹿児島県を通じまして調査をしたわけでございますが、ただいま御指摘のように、納税通知書に記載された文字が一部誤っておりました。この誤っていた点につきましてやはり市民の方々からお問い合わせがあったようでございまして、市の当局におきましては、この文書というものが税に関する文書である、賦課処分の効力にも直接影響がある問題でもございますので、特に税の文書というものは正確性が要求されているわけでございます。そういうことで、この間違った後、どのような処理をするかということでいろいろと内部で検討をしたようでございます。 例えば新聞、テレビ等のマスコミを利用する方法を考えたらどうかとか、あるいは市の広報紙に掲載する方法でございますとか、あるいは金融機関の窓口で訂正するというような方法でございますとか、あるいは町内会などに訂正を依頼するというような方法を講じたらどうだろうかということで、随分いろいろと検討したところでございますけれども、この文書というものが税に関する文書であるということで、この納税通知書に間違いがあるということは、やはりこれをきちっと訂正する必要があるだろうということで、この訂正の文書を市民の方々に郵送したというのが実情のようでございます。
○秋山肇君 鹿児島市は、柳澤先生の質問にもあったように火山灰がひどい。煙が少し出ていれば観光にいいんだそうですけれども、さっき委員会の帰りに、鹿児島の久保先生と一緒になったらば、今柳澤先生がおっしゃっているお話と同じようなお話が出ましてね、ところが、余りすごい噴火があっちゃうと中学校の修学旅行も全部取り消しになって、実際の観光収入にならない。そういうのが現状で、また桜島からこちらに越すようにということで随分説得しても、お年寄りの方々は、自分のところから動いてしまうと、代替地の方に行くと、土地の権利も全部県にとられてしまうというとおかしいんですが、交換になってしまうんで先祖伝来の土地を離れるわけにいかないということで、なかなかうまくいかないんだというお話がありまして、先ほどの先生のお話に私が答えるみたいですが、遷都、市をどこかへ動かすというのは大変難しそうなことなんですね。 そういうようなことで、それはそれぞれの御事情があるわけですが、二百七十万税金を払う側にしますと、これは大変ですね。そういう状況の中で税が納められているわけでしょう。そして、このミスというのが印刷屋さんからの校正を見逃してしまったということのようですね。ですから、こういう点もやはり本来は地方自治で、自治省からそういうことを、毎回質問のときにも言ってますけれども、何か言われない方がいいわけなんですが、こういう問題を起こすというところに、やはり残念ながら自治省から何か注意をしていただくというようなことになるのかなというふうにも思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、この事件は校正をきちっとやっておれば起きなかったミスでございまして、非常に単純なミスであったことは事実でございます。 職員の皆さん方もいろいろと一生懸命やっていただいていると思うわけでございますが、こういうちょっとしたミスが全体の行政に非常に不信感を植えつけるという点があるわけでございますので、私どももいろいろな会議などを通じまして賦課徴収の正確性というものを常に各自治体にもお願いをしているところでございます。物が納税通知書という非常に市民の権利義務に関係する文書でございますので、特にこの点は注意を要さなければいけなかったわけでございますけれども、今後ともこの点につきましては、私どもも各自治体に対しましてよくまた指導をしてまいらなきゃいかぬというように考えております。
○秋山肇君 東京の昭島市でも、信用金庫の市民が納めた税金の一部が市に入金がされてなかったために、税金を納めた約二百人の市民に督促状が届き、市に苦情の電話が殺到したということですが、この事実関係はどうなっておりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 東京都を通じまして調査をしたわけでございますが、ことしの五月に昭島市の指定金融機関でございます。ある信用金庫に納付されました固定資産税、都市計画税のうちの一部につきまして、実際は納入済みになったわけでございますが、その納入済みになった旨を市の方に通知がなされなかったということが起こりまして、このために市は信用金庫から通知をいただかなかったもののうち約二百件余りのものにつきまして、納税者の方々に督促状を発送したということでございました。督促状を受け取られた納税者の方々からの問い合わせで、この信用金庫に確認いたしましたところ、税が実際は納付されていたということが判明したわけでございます。 こういうことから、市におきましては、市長名で督促状を発送した納税義務者の方々に対しまして、おわびの文書を差し上げるというようなことが起こっております。信用金庫におきましても、市の公金の取り扱いでございますので、この公金の取り扱いについての今までのチェック体制というものを厳しくしていただくようなことを市からもこの信用金庫にも御指導したようでございますし、こういう間違いは決してあってはならないことでございますので、よく私どももこういう間違いの事例というものを機会あるごとにまた自治体の皆さん方にもお伝えいたしまして、間違いのないような処理をしてまいりたいと思うわけでございます。
○秋山肇君 これは信用金庫内部のチェック方法のミスですよね、今のお答えで。しかし督促状をもらった市民の方々は、きちんと払ったのに何でこんなものが来たんだという、これが行政に対する不信につながっていくと思うんですね。 私が懸念している点は、税の徴収事務にミスがあるということは許されることではありませんが、まあ、間違いですからあるかもしれませんけれども、やはり念には念を入れておかないと、せっかくの市民の信用が先ほども言った不信感につながっていくわけです。行政は親切だと言われているのはなかなか少ないんで、特にそれは、税務署でも、市民税にしても払っているのに、役所に行ったら説明が悪いとか態度が大きいとかというふうに言われるわけで、市民が行政を信用しなくなるというとオーバーですけれども、こういう形につながってくるのが今まで幾つかの例に出したことであるわけです。この点について先ほども御答弁の中にありましたけれども、もう少し徹底をするというような当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 住民の皆さんが地方団体に税を納めてもらうということがまず地方自治の原点であるというふうに私どもは考えております。そういう意味におきまして、地方税の負担というのは地方団体と住民との基本的な関係を構成するというふうに考えられるわけでございます。その意味から、負担をしていただく側の市町村の方に税の賦課徴収にミスが起こるということは最もいけないことであるわけでございます。住民の行政に対する信頼というものを著しく損なう点であるわけでございまして、こういう過ちがないように、念には念を入れてこの税の賦課徴収というものはやっていかなければならないことは言うまでもございません。 先ほど来申し上げているとおり、こういう事態が根絶するように、今後とも各自治体に対しましていろいろな機会を通じまして指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○秋山肇君 もう一点、これまでの件に関連して固定資産税の取り過ぎについてお伺いします。 新聞報道によりますと、福岡県宗像市では、住宅地の固定資産税を最高十五年間にわたって余分に徴収していたため、八十五戸に対し過去五年分の過徴収額に還付加算金を加えた計七百五十二万六千円を返還したということでありますが、これについては報告を聞いておられますでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 福岡県を通じまして調査をいたしましたわけでございますが、この宗像市におきましては、今回課税の適正化を図るために独自に住宅用地に対する課税標準の特例の適用関係について調査をしたわけでございます。その結果、八十五件につきまして住宅用地に対する課税標準の特例の適用漏れが判明したわけでございます。このために、市ではいただき過ぎになっている税額のうち時効にかかっていない分、これが昭和五十九年度から昭和六十三年度分までの分でございますが、六百六十三万一千円に還付加算金八十九万六千二百円を加えまして七百五十二万七千二百円を納税者にお返ししたということでございます。
○秋山肇君 これは、御存じの住宅地の固定資産税が昭和四十八年度から半額、さらに四十九年度から二百平方メートル以下の土地については四分の一に減額される特例が設けられました。今回還付を受けた八十五戸は、これが適用されるべきところを市の税務課職員の電算中の入力ミスなどかなんかでこういうことになったんだと思うんですが、これは念のためにお伺いしますけれども、最高十五年にわたって徴収ミスがあったわけですね。実際には五年ということで還付をしたわけですが、これ全部十五年還付したらどのぐらいの額になりますか。
○政府委員(湯浅利夫君) 税の還付につきましては、いわゆる除斥期間というものが五年間ということになっておりまして、課税のいろいろな資料というものがその前の分につきましては既に廃棄処分になっているというようなことがございまして、仮に全部になった場合にどのくらいになるかという点が、まことに申しわけございませんけれども、捕捉できないわけでございます。その点御了解いただきたいと思います。
○秋山肇君 前にも、昭和六十三年、去年の二月のこの委員会で私が取り上げた埼玉県八潮市の場合も、行政側のミスで固定資産税の取り過ぎ十五年という内容があったわけですね。その際、自治省の当時の税務局長は、固定資産税の評価や課税が適正に行われることが極めて重要であり、一層厳重に指導したいと答弁がありました。また、課税の適正を失すること自体大変重要なことであり、住民の行政に対する信頼を失うことでもあるとも述べられておりました。 しかし、今回また同じようなことが出てきたわけですけれども、この還付金の消滅時効の問題は、単に納税者の感情的な問題ではないと思うんです。まさに納税者と行政との信頼関係を築いていけるのかどうかにかかわってくる問題だとも思うわけです。徴収するときは容赦なく滞納すれば督促状が来るわけで、いざ取り過ぎるとなると法的な壁で五年までしか還付をしなくてよいというのでは、何か血の通った行政、住民のための行政というのとはかけ離れているんではないかと思うんです。 そこで、今回特に大臣にお伺いしたいのは、このようなことのないような指導を徹底させていただきたいと思うのがまず一点です。 もう一点は、この五年という還付金の消滅時効の問題を、民法の制約もあるんでしょうけれども、法的な面もあわせて税制全体の中で納税者の納得のできるような形になるように検討を始めてほしいと思うんですけれども、この二点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) 今、先生と事務当局の間のやりとりを聞いておりましたが、本当にこういうことはもうあってはならないことでございまして、かねて自治省当局も指導はしていると思いますけれども一命後こういうミスがないようにまた指導を徹底してまいりたいと思います。 それから還付金の除斥期間の問題、まことにこれは当事者にとっては残念なことだと思います。しかし、法律の問題でもありますし、法律の改正という面からひとつこれは課題として私どもも研究してまいりたいと思っている次第でございます。
○秋山肇君 どうぞ検討していただいて、まあ私もいろいろ難しいというのはよくわかるんですけれども、納税者の立場としますとその辺、五年で時効が消滅しているんだから五年だよというのは、大体一般の納税者なんて時効が何年であるなんというのを知らない人がほとんどだと思うんですね。ですから、ぜひひとつこの問題、前向きに何らかの対応をお考えいただきたいなというふうに思います。 次に、町長の汚職問題についてお伺いします。 先日の予算委員会でも、秋田県で相次いで起こった町長の不祥事について質問をいたしました。これは簡単に申しますと、阿仁町の町長が町の臨時職員の採用をめぐって受託収賄の疑いで逮捕され、また同じ秋田県の田代町の町長も職員採用の件で先月逮捕されております。さらには、阿仁町においては前町長も同様な件で有罪判決を受けているとのことでした。これらの件は、現在中央で起こっているリクルート疑惑を初めとする一連の政治家の金汚染が地方にまで悪い影響を与えているのではないかということを指摘をしました。しかし、今回なぜこの地域に限って役場採用汚職ばかりがこうも続くのかということをもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。 まず、自治大臣としてはこのような事件が続けて起こっているということについてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂野重信君) 町長さんがこういう不祥事件を起こしたということは、まさにこれは公職選挙によって選ばれた大変重要な責任のあるポストでございますから、そういうポストにある方がこのような事件を起こしたということは、まことに残念でございます。 自治省としては、いろいろな機会に地方公共団体の長の皆さんに対しては、できるだけひとつそういうことが起こらないように要請してきているところでありますけれども、こういうことは、しかもこの付近で相次いで起きたということは非常に残念でございます。 秋田のああいうところというのは職場が少ないといいますか、そういう意味で町に就職するなんということは大変な地元の皆さんにとっては名誉なことで、しかも狭き門だ。そういう中で、ややもするとそういう汚職が起きる下地があるというような気がしてならないわけでございます。その辺を踏まえながら、ひとつ私どもとしても、自治省が公共団体の世話役をしておるわけでございますから、これからも機会あるごとにそういうことが起きないように要請してまいりたいと思います。
○秋山肇君 今御答弁の中にもありましたけれども、今回の汚職で贈賄側の農家が採用を頼んだのは、田代町の方が跡取り息子のため、阿仁町の場合には婿をとり家を継いでもらうためにも役場に入れたかったと自供しているということです。また、事件の後、地元では、二百万円で役場に入れ、子供が町に残ってくれれば安いものだという農家の本音さえ聞かれるということです。これらのことを考えるとどうも今回の汚職事件は、今大臣のお話にもありましたけれども、過疎、就職難の問題が大きくかかわっているように思います。 阿仁町の人口が約五千三百人、田代町は約九千人、ともに秋田県では有数の過疎地であり、田代町の資本金一千万円以上の企業は九社で、役場が給料、勤務条件ともにトップで、地元では最高の就職口だそうです。このような背景というものの中で、ふるさと創生で地元に定着をする、その辺の関連を含めましてお答えをいただけたらと思います。
○国務大臣(坂野重信君) ふるさと創生、おっしゃるように、各地域、各町村で活性化をしながらひとつその地域の発展を図っていこうということでございますから、ふるさと創生が本当に徹底して進んでまいりますと、活性化と、また職場の提供ということにもつながってくるわけでございますから、そういう意味でもふるさと創生というものの推進をこの際やらなきゃならぬという感じがいたします。
○秋山肇君 今、大臣のお答えにもありましたけれども、こういうところで、先ほどのほかの委員の方の質問にもありましたけれども、地域で考え、そしてそれぞれのいろんな問題をやはりこの機会に考えていくいい機会だろうというふうに思うんですが、ただ、ここは十年前の阿仁町の採用汚職を教訓に、一次試験の問題作成、採点を県町村会に委託する町村がふえて、田代、阿仁両町もこのグループに入っていたにもかかわらずこのような事件が起きたわけです。今度、七月九日に出直し町長選が行われると聞いておりますけれども、この辺の再発防止、村おこしも大事なんですが、こういうことはまた起こってはいけないわけですけれども、この点について何か自治省としてのお考えありますでしょうか。
○政府委員(芦尾長司君) ただいま大臣の方からも御答弁ございましたが、自治省といたしましても、地方公務員が住民の信託にこたえて、常に公正に職務を行うことを通じて住民福祉の増進に努めるように、かねてから文書等によって指導もしてきておるところでございます。 ただいま御質問ございましたけれども、この試験の方法につきまして、阿仁、田代両町ともそれぞれ改善を加えて厳正に行うようにということを行っておるわけでございますが、その中でこういう事件が起こっておるわけでございます。 そこで、今回の事件に関しましては、秋田県当局におきましてもこれを重大視いたしまして、県下各市町村長に対しまして、職員採用の適正化について特に通知も行っておるところでございます。私どももまた、秋田県ともども今後とも重大な関心を持って見守り、指導してまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、私ども今後とも引き続きまして厳正な規律の確保につきまして指導してまいりたいというふうに考えております。
○秋山肇君 次に、赤字法人の問題についてお尋ねをいたします。 国税庁にお伺いいたしますが、ことし五月に発表になった東京国税局の調査によりますと、昭和六十三年に申告した赤字申告法人に対する調査が行われ、その結果が発表になったということですが、この調査はどのような目的で実施され、その赤字申告法人の業種別申告の状況等、具体的にはどのような結果になっておりますか。
○説明員(買手屋孝一君) お答えいたします。 御指摘の点でございますけれども、今先生おっしゃいましたように、五月に東京国税局の方で発表したものでございますが、全国の法人の申告状況を申し上げますと、まず法人の半数以上が赤字申告であるという状況にあるわけでございます。これは、大部分は景況によるものと思われるわけですが、税務調査の結果なんかを見てみますと、中には故意に赤字に仮装しているものとか、あるいは代表者の個人的な費用を法人の経費につけ込むというようなことで赤字申告になっているものなど申告の内容に問題があるのも事実でございます。そういったことで、赤字申告法人につきましても従来から適正公平な課税の実現を図るという観点から、その申告内容等をチェックいたしまして、課税上問題あると認められる法人につきましては重点的に調査を行っているところでございまして、今回の東京国税局の発表もその一環でございます。 それから、業種別の申告のことでございますが、全国的な数字はちょっとございませんけれども、東京国税局の六十三年の二月から七月までの間に決算期が到来いたしました法人の申告状況を見てみますと、赤字申告割合の高いものから順番に申し上げますと、一番多い業種が料理・旅館・飲食店業が六七・五%、小売業が五九・七%、それから製造業が五五・七%、サービス業が五一・七%、そういった順番になっております。
○秋山肇君 今のお答えで、業種別では料飲・旅館業が際立って高い。申告法人数の約三分の二が赤字申告ということです。小売業、製造業、サービス業ですか、続いているわけですけれども、これらの業種で赤字法人が多いということについてはどんな原因があるか。いろいろあるんでしょうけれども、今さっきちょっと社長につけ回したとかいろいろお答えの中に一部ありましたけれども、もう少しほかの面で何かありましたらお答えいただけますか。
○説明員(買手屋孝一君) まあこれ、赤字の原因でございますけれども、原因別に計数的に把握してはおりませんが、大部分は景況によるものではないのかなというふうに思います。ただ、御指摘の料理・旅館・飲食店業等につきましては、一般に開店のときとか、あるいは改装時にいろいろと設備投資のために借入金があると、そういった借入金の利息ですとか、あるいは減価償却費、そういったものの負担が大きいというようなこと。それから、小売業とか製造業につきましては実は規模の小さい法人が非常に多いわけでございますけれども、こういった法人につきましては代表者報酬等の経費負担が相対的に高いといったようなこともこういった業種に赤字申告が多い原因ではないのかなというふうに考えております。
○秋山肇君 ちょっと細かくなりますけれども、六十三年度の上半期において赤字に仮装していると認められるものなど、調査必要度の高い法人を厳選し、実地調査を行ったと伺っておりますが、この結果は、業種別も含めてどうだったんですか。
○説明員(買手屋孝一君) 東京国税局が実施いたしました六十三事務年度上半期の赤字申告法人の調査結果でございますが、まず調査した件数でございますけれども、七千件調査いたしました。その調査の結果更正決定等を行ったものが六千二百件、それから不正計算のあったものが二千七百件、不正発見割合で見ますと三八・九%ということでございます。それから、調査の結果赤字申告でありましたけれども実は黒字であったということで黒字に転換した件数は二千二百件、そういう状況でございます。 それから、業種別に結果を見てみますと、不正計算のあった割合の高い業種は料理・旅館・飲食店業、これがもう五七%、建設業四六・七%、その他というふうな順になっております。
○秋山肇君 今の数字で、黒字に転換したのが七千調べて二千二百ですか、数字だけではわかりにくい面もあるんですが、具体的にこれはどのような手口に不正の、これは別に脱税じゃないんでしょうけれども、その例を今ちょっと改築時のときとか新築のときにというお話がありましたけれども、一番具体的なというか悪例というか、それを一つ二つ挙げていただけますか。
○説明員(買手屋孝一君) 不正の手口と申しますと、例えば売り上げを除外いたしまして事業の運転資金に充てていたとか、あるいは売り上げを除外をいたしまして代表者がそれを個人的に消費していたというようなもの、あるいは代表者とかその家族が貴金属購入をした場合にそれを会社の交際費に充てていたとか、そういった恣意的なものがあるという部分も調査の結果では伝えております。
○秋山肇君 いろいろなことを皆さん考えるんでしょうけれども、三社に一社が調査の結果では黒字になるにもかかわらず赤字を装っていたということでしょうね。それでこの調査というのはあくまで不正の疑いのある法人を中心に行っているわけでしょう。しかし、意図的に隠した所得を、先ほどお答えにもあったけれども、社長が個人的に使ったり、従業員の慰安旅行に使ったりというようなことをしていくと、税金をまともに払っている人たちがばかを見るというような結果になってくるわけなんです。だから当局として、当然まじめに払っている人に対しての示しという意味もあるんでしょうけれども、この辺について当局はどうお考えですか。
○説明員(買手屋孝一君) 委員御指摘のように、現在の法人の申告で半分以上が赤字申告をしているというような実態とか、あるいはまた、それは大部分は景況に影響されるんだろうと思いますけれども、調査の結果を見ますと、中には故意に赤字に仮装しているものとか、あるいは代表者の個人的な費用を経費につけ込むといった問題の見られる法人のあるのも実態でございます。私どもといたしましては、こうした法人につきましては公平な課税の見地から問題でございますので、常日ごろから課税上有効な資料の収集に努めまして、申告内容に問題があると認められる法人につきましては、これを的確に調査対衆に選定するというようなことで申告水準の向上に努力しているところでございます。今後ともこうした方針のもとに効率的かつ効果的な調査指導を推進して一層課税の充実に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○秋山肇君 この辺の、今お答えにもありましたけれども、やはり税というのは公平でなきゃいけないし、皆さんがわかりやすいということでなきゃいけないわけです。一般の人、よくクロヨンと言われるようなサラリーマンの人だとかの所得はきちっと出ていて、自営業の人は会社をこういう赤字法人をやっているというのは、今お話にもあったようなことになると、せっかくの国民の納税意識というのは薄れていくわけです。そこに消費税という問題が入ってきているわけですから、ただ消費税の説明だけじゃなくて、こういう税の全体、今私が質問している赤字法人問題も税を納得するというPRの一つにもなると思うんですが、この点について具体的に当局はどのような対策を講じようとしておられますか。
○説明員(買手屋孝一君) 確かに赤字申告法人の中にいろいろと問題があるところもあるわけでございまして、私どもといたしましては、やはり適正公平な課税を実現するためにはこういった問題法人、赤字の法人につきましても問題があると認められる法人につきましてはきちっと内容をチェックして、その法人の業種の景況とか、あるいは代表者の生活状況等に着目し、赤字に仮装していると認められる法人につきましては的確な調査を実施してまいりたいということでやっていきたいと思っております。
○秋山肇君 そこで、きのう財政局長からもちょっと触れられておりましたけれども、自治省で今度は、現行では課税対象になっていない赤字法人にも法人事業税を課税できるような課税基準にした現行制度の見直しを検討する作業に着手をしたというのですか、着手をしたいということだったのか、新聞報道の方が先だったのか、ちょっと答弁のとき聞き漏らしましたけれども、この辺についてどのようなお考えか、具体的に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいまのこの赤字法人課税の問題に関連いたしまして、従来から自治省、地方税の関係ではいろいろな問題がありますが、その一つにこの法人事業税の赤字法人課税の問題があるわけでございます。 この事業税というものの性格が、企業の事業活動と地方の行政サービスとの間の受益関係に着目して税負担を求めるというものでございますので、その意味で、企業の赤字とか黒字とかに関係なしに外形的な何か基準で課税をするというような方法をとるべきではないかという議論がかねてからあるわけでございます。そういう意味で、赤字といえども事業税が課税されるという点で、この外形標準課税の導入問題と赤字法人に対する課税の問題とが一つ通ずる問題になってくるわけでございます。ただ、この外形標準課税の導入問題につきましては従来から非常にいろいろないきさつもございますし、特に課税ベースの広い間接税との関連で検討すべきだという長い議論がございまして、今までそういう観点からの検討があったわけでございますが、今回の税制改革で課税ベースの広い間接税として消費税が導入されたということで、この外形標準課税の問題は一応切り離して別途に検討すべきであるという税制調査会の答申も賜ったわけでございます。 こういう意味で、私どもといたしましては、現段階でこの外形標準課税につきまして一定の方向づけが得られたというものではないわけでございますけれども、今後この事業税の性格でございますとか、あるいは地方税源の安定的な確保をするためにどうしたらいいかとか、あるいは他の法人税制との関連をどのように考えていったらいいだろうかというような幅広い観点からこの事業税の問題につきましても検討してまいりたいということで、これらの問題を基礎的に研究するために実務者レベルによる研究会をこのたび発足させました。それで基礎的な研究をまずしていこう、こういうことにしたわけでございます。そういう意味ではまだ方向づけがなされたという前の段階で、現在基礎的な研究をこれからやっていこうという段階でございます。
○秋山肇君 今のお答えでわかりましたけれども、きのう局長いらっしゃらなかったから津田さんがかわりに答えていたんです。赤字法人でもそれぞれの地域でのいろんな受益を受けている、だからこれは何らかの負担というのは考えてもいいんじゃないかというような、たしかお話だったんじゃないかなと思うんです、今のお話と同じなんですが。 大臣、最後に、ほかの質問に行きますと時間がオーバーしちやうんで、今のこの外形標準課税の方向とか含めまして、何か自治体に独自財源というものが入ってくる方法の一つではないかというふうに思うんですが、大臣のお考えをお聞きをして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) 先ほど局長から答弁いたしたとおりでございまして、今研究会をつくってこの赤字法人の課税をどうするか、実はこれは参議院でもかつて私どもの政審を中心にして勉強したことがあるんです。赤字法人をそのままにしておいていいかどうかというような問題。しかし、考えてみるといろんな問題がそこに出てきまして、なかなか一挙に踏み切れないという面もあります。大蔵省、さっきも言っておりましたが、大蔵省が調査といいますか、執行面を厳重にひとつやっていただくということが当面の対策だと思いますけれども、恒久的な立場からいいますと、基本的にもうちょっと勉強を進めて、これがうまくいけば大変な財源の一つになってくるわけでございますから、しかも赤字法人といえども、先生がおっしゃるように公共サービスを受けているんじゃないかということもございます。そういう面で、私どももひとつまた勉強を進めてまいりたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 海江田鶴造君、沢田一精君、出口廣光君及び水谷力君が委員を辞任され、その補欠として木宮和彦君、高橋清孝君、永田良雄君及び鈴木貞敏君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○渕上貞雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。以下、反対理由を簡潔に述べます。 第一に、地方交付税は全国三千三百自治体の固有の財源であり、その安定は自治体の財政運営に欠くことができません。しかるに、最近の本案に対する国会審議は極めて短時間であり、十分な審議も保障されておりません。この原因が政府・与党の強引な国会運営にあることは明白であります。十兆円を超える重大な財政法案がこのように軽々しく扱われる事態が続くなら、交付税制度は近い将来深刻な危機を迎えることとなり、その責任は挙げて自治省、そして立法府にあります。来年度以降、かかることのなく、法案重要性に見合った慎重審議が十分に行われるよう強く要望いたします。 第二に、本案は消費税の強行導入に伴う初年度の財源補てん措置を定めておりますが、国民ひとしく反対している公約違反の消費税は廃止する以外にありません。消費税によって地方財政は重大な悪影響を受けており、本案に盛り込まれている措置も極めて不十分なものであります。政府・自民党は消費税の見直し作業に着手するとしておりますが、構造的に欠陥を持っている消費税は手直してはなく、廃止する以外にありません。私は直ちに廃止のための協議を開催するよう要求いたします。 第三に、本案は、国庫補助負担率の特例措置に係る財源補てん措置が定められておりますが、この特例の固定化及び延長が重大なる約束違反であることは論をまちません。地方との約束を破り、次々と新たな財政転嫁を求める政府の姿勢では地方自治も地域振興も発展し得ないことは明白であります。私は国庫補助負担率の完全復元と国庫補助負担制度の拡充を強く要求いたします。 第四に、八九年度地方財政が表面的には財源超過の現象にありながら、住民福祉向上よりも財政至上主義を優先させ、福祉、民生関係の予算は充実していないことは地方自治、地方財政計画の趣旨を損ねるものにほかなりません。さらに、国の責任によって発生した過去の交付税特別会計の借入金を交付税を使って返済するための基金が盛り込まれていますが、これは交付税制度をゆがめるものであり、今日の税収状況等を勘案すれば国の責任で財源措置を行うことを強く求めます。 第五に、地域振興のためにも地域金融、自治体金融制度の拡充が要請されるもとで、地方債の発行条件について政府保証債と格差が生じる事態となっておりますが、これは政府の地方財政、税制、金融政策の不適切さを如実に物語るものであり早急に改善されるべきであります。 第六に、政府は既に三年間にわたり二兆円から五兆円に及ぶ租税収入の過少見積もりを毎年度意図的に行い、またその補正後の使途も極めて不適切であります。このような作為は、財政の単年度主義を形骸化させ、国会の予算審議権すら侵害するものであり、また基準財政需要額の適切な見直しをも阻害するものであります。またそのためもあって、近年の交付税は極めて複雑となっており、財政民主主義から遠ざかる結果となっております。 以上、本交付税法等改正案が極めて不十分かつ不適切な内容であることを強調いたしまして、私の反対討論を終わります。
○松浦功君 私は、自由民主党を代表いたしまして、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。 本法律案は、地方交付税総額について、新たにたばこ税の収入額の二五%を加え、平成元年度分については、この改正後の額に交付税特別会計における剰余金六百八十六億円及び特例措置額二百三十億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額二百三十億円、同特別会計借入金利子支払額千九百二十九億円及び同特別会計借入金償還額一兆千三百六十億円を控除した額を地方交付税の総額とし、後年度の地方交付税総額についても、新たに六千八百四億円を加算すること等を主な内容とするものであります。 この結果、前年度繰越額を加えた平成元年度の地方交付税の総額は十二兆四千六百九十億円となり、地方財政の円滑な運営を図る上で極めて大きな役割を果たすものと確信いたします。特に、基準財政需要額の算定方法の改正につきましては、地方の自主性を尊重し、広く住民の参加のもとに行う自ら考え自ら行う地域づくり事業を財源措置しており、これは地方の活性化の起爆剤となる新しい発想であり、高く評価いたすものであります。 また、本年度の地方財政対策の大きな焦点となりました国庫補助負担率の復元問題につきましては、補助負担率の見直しに伴う地方負担額について、国のたばこ税を地方交付税の対象税目に加えるなど財源措置もなされており、従来から地方団体が求めてきた一般財源の充実が図られることなど相当の改善が見られております。 政府案は、以上申し述べた理由により、現下の国と地方の財政状況のもとで適切な措置を講じようとするものであり、現時点の改正として妥当なものと思うものであります。 以上、私は本法律案に賛成することを表明し一討論を終わります。
○片上公人君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 以下、反対の主な理由を申し上げます。 第一は、国庫補助負担率の取り扱いについてであります。今年度の地方財政の最大の課題がこの問題であったことは言うまでもありません。昭和六十一年度の引き下げの際、三年間の暫定措置としたにもかかわらず、生活保護費など完全復元を果たさぬまま恒久化の措置を講じ、投資的経費等についてさらに二年間の暫定措置を講ずることとしたことは約束違反であり、まことに遺憾であります。確かに影響額の一部に恒久財源の措置が講じられておりますが、二千七百六十二億円の地方一般財源負担が残されるなど不十分であります。また、これまでの国庫補助負担率の引き下げに伴い、後年度に暫定加算されると約束されてきた八千四百四十億円についても、その半分しか補てんしないのは国による値切りであります。 なお、補助負担率の引き下げとあわせ直轄事業に伴う地方負担金の割合がここ数年増加しておりますが、直轄事業は国家的施策として地方自治体の意向とかかわりなく実施されるものであり、地方自治体に財政負担を強いるもので極めて不合理であります。 第二は、財源の地域格差の拡大についてであります。近年、経済社会機能の大都市集中と地方の衰退という現象が見られますが、こうした事情を反映し、地方税源の大半は東京都を初めとする大都市地域に集中する反面、財政力一以下の自治体も少なくありません。多くの自治体は、財源不足を地方債で補ってきましたが、そのため約三〇%の地方自治体が公債費負担比率二〇%を超えております。その意味で財政力の弱い自治体の地方税財源強化を図る必要がありますが、今回は不十分であります。 第三は、ふるさと創生についてであります。前総理の提唱に係るものですが、その理念が不明確なまま退陣されました。その柱となるのは地方自治体への一律一億円の配分でありますが、地域おこしのアイデア検討費なのか、施策の実行費なのか性格がよくわかりません。元年度予算においてはふるさと関係の事業が整合性もなく乱立しておりますが、相互の関連性が不明で、思いつきによる人気とりとしか思えません。地域の振興のためであるならば、地域の将来を見通した総合的施策こそが真に必要とされるのであります。例えば過疎地の抱える深刻な問題などは、これを今日まで放てきしてきた国の責任が問われるべきであり、一億円をばらまいただけでは解決するものではありません。 第四は、税制改革についてであります。本年度の地方財政は消費税の導入等の税制改革を前提に組まれておりますが、改革に伴う地方自治体への影響額の補てんが不十分であります。また、国民の納得が得られないまま導入された消費税は、国民生活への影響はもちろん、地方自治体の財政運営にも大きな混乱を巻き起こしておりまして、速やかに廃止すべきであります。 以上、理由を申し上げまして、本法律案に反対であることを重ねて主張いたします。
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法改正案に反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案が消費税の住民への転嫁を強要するものだからであります。 消費税が実施されてから二カ月半たちました。学校給食費への消費税の影響について、東京都のある給食職員が新聞投書で次のように述べています。「給食費は前年度並みに据え置きのところへ、原材料すべてに三%の消費税がかかってしまった。仮に一食二百円としてそれが二百六円となり、六円分はどこからも出せず、結局百九十四円で献立を作成するしかない。質の低下となることは明白となろう。そうかといって値上げするわけにもいかない」。このような投書は消費税の実施後枚挙にいとまがありません。消費税の廃止を望む声は六五%に達しています。自治大臣はこのような国民の声にどのようにこたえられますか。これでおおむね円滑に実施されているなどと平気で言える状況でしょうか。このような認識を改め、消費税は直ちに廃止すべきであります。 反対理由の第二は、国庫補助負担金の一律カットを前提としているからであります。 国庫補助負担金の一律カットによる影響額は、過去四年間の累計で既に五兆円、本年度分も合わせると六兆円を超す巨額なものになります。そのうち、生活保護費、保育所、老人ホームの措置費等社会保障・福祉関係費は二兆三千六百億円にも上ります。ところが今回、政府は六十三年度限りという公約にも反して、生活保護費負担金を初め、社会保障・福祉関係の国庫補助負担率を引き下げたまま恒久化するという大改悪措置を講じたのであります。これらの経費の国庫補助負担金は、地方財政法にも国が進んで負担すべきものと規定されています。また、憲法第二十五条は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としています。今回の政府の措置はこれに反するものであり、断じて容認できません。恒久化されたもの、暫定措置とされたものを問わず、国庫補助負担率はすべてもとに戻すべきであります。 反対理由の第三は、本来国が返済すべき交付税特別会計の借入金と財源対策債の一部に、地方固有の一般財源である地方交付税で繰り上げ償還していることであります。交付税特会借入金や財源対策債等これらの地方の借金は、一九七五年度以降に生じた巨額の地方財源不足に対し、本来地方交付税法第六条の三第二項により、交付税率の引き上げまたは地方行財政制度の抜本的改正によって対策を講じるべきであったにもかかわらず、国がその責任を放棄して地方に借金を押しつけてきたものにほかなりません。国庫補助負担率の引き下げ等により、今地方自治体は切実な住民の要求にこたえる行政さえも十分に果たし得ないでおります。地方固有の財源である交付税は、これらの住民要求にこたえるためにも地方自治体への配分こそ優先すべきであります。 以上、主な反対理由を申し述べて私の討論を終わります。
○柳澤錬造君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました地方交付税の一部改正案に対して反対の討論を行います。 反対の第一は、政府は地方公共団体の自主性、自律性を強調しておりますが、実際はそのような方向での具体的な行動がなされておりません。例えば税収についても、国が三分の二で地方が三分の一を徴収しておきながら、地方交付税や補助金などによって最終的には国に入るのが三分の一で地方が三分の二となっております。このような税のあり方をなぜ改めないのか、なぜ税そのものをもっと地方へ移さないのかです。地方公共団体の自主性、自律性強化のためにも三割自治という言葉をなくすことであり、その改革の熱意が政府の態度からは感じられません。 反対の第二は、地方分権、地方自治確立のための行政改革が不十分であり、真剣に進められておりません。これは政府が国の行革を積極的に進めていないため、権限移譲も十分に行われておらず、したがって地方公共団体も行革に熱意が入らないと言えましょう。加えて政府の態度を見てみますと、地方行革を努力した団体も行革を進めていない団体も同じに扱っており、これではまじめに行革を進めた団体はむなしさが残るだけです。政府はこの機会に地方自治の理念を再検討し、認識を改め、地方分権を積極的に進め、地方公共団体の活性化を推進し、地方自治の確立を図るべきであります。 反対の第三は、いつになっても補助金にメスを入れないことです。平成元年度の補助金は十四兆円を超えており、この状況では明年度は十五兆円を超えるでありましょう。これは国家財政の正常なあり方ではなく全く異常財政です。なぜこのような実態を放置しておくのか理解に苦しむものです。特に、地方財政法十条二項の公共事業の補助金は三兆五千億です。民社党は前々からこのような陳情行政をやめて、第二交付税を創設するよう提言してきました。本日、自治大臣も検討を約されましたが、これは政府もぜひ改めるよう望みます。 政府は、口では簡素合理化を地方への権限移譲と言っておりますが、やっていることは中央集権であります。 以上の理由から、この地方交付税法等の一部改正案には反対でありますことを表明して討論を終わります。
○委員長(向山一人君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(向山一人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山口君から発言を求められておりますので、これを許します。山口君。
○山口哲夫君 私は、ただいま可決されました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブ・税金党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、現下の地方財政が多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、その充実強化を図るため特に左記事項について善処すべきである。 一、地方交付税制度が地方公共団体の財政需要に的確に応え、その機能の向上が図られるよう地方交付税総額の長期的な安定確保に努めるとともに、地方財源不足等のため発行された臨時財政特例債、財源対策債などの償還に関しては、地方財政の硬直化を招かぬよう的確に財源措置すること。また、国庫補助負担率の特例を廃止する等国庫補助負担制度の安定に努めること。 二、税制改革による地方財政への影響については、財政運営に支障を生じないよう適切な措置を講ずるとともに、地方公共団体の行財政運営が地方自治の本旨にのっとり、自主的に行われるよう十分に配慮すること。 三、税制改革に基づく税負担により、地方公営企業の経営基盤が損われないよう特段の配慮を払うこと。また、経営の健全化を図るため、一般会計からの的確な繰入れに努めること。 四、国民健康保険事業の長期的安定・充実並びに地方財政の健全な運営のため、国の責任の明確化及び国庫補助負担制度の充実に努め、保険制度の抜本的改革を行うこと。 五、地方債の安定的消化を図るため、発行条件について、政府保証債と格差を生ずることのないよう引受者側に与える影響等を考慮した発行環境の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、皆様の御賛同をお願いいたします。
○委員長(向山一人君) ただいま山口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(向山一人君) 多数と認めます。よって、山口君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂野自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂野自治大臣。
○国務大臣(坂野重信君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
○委員長(向山一人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました県、市町村における財政状況、行政改革の推進状況及び地域振興対策等の実情調査のための委員派遣については既に報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) これより請願の審査を行います。 請願第一号過疎地域振興のための新立法措置に関する請願外二十六件を議題といたします。 まず、理事会において協議いたしました結果について専門員に報告いたさせます。竹村専門員。
○専門員(竹村晟君) ただいま議題となりました請願二十七件につきまして、お手元の資料に基づき、理事会の協議の結果を御報告申し上げます。 理事会におきましては、資料三ページの第一号過疎地域振興のための新立法措置に関する請願と、資料五ページの第二号交通事故防止対策の強化に関する請願につきましては採択すべきものと決定いたしました。 次に、資料六ページの第八三七号交差点事故防止対策に関する請願外回趣旨の請願二十二件につきましては、請願項目のうち四の部分を除き採択すべきものと決定いたしました。 その他の請願につきましては保留すべきものと決定いたしました。 以上が理事会における協議結果であります。
○委員長(向山一人君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第一号過疎地域振興のための新立法措置に関する請願外二十四件は採択すべきものにして内閣に送付を要するものとし、このうち第八三七号交差点事故防止対策に関する請願外二十二件につきましては、請願事項四項目中第四項を除く旨の意見書案を審査報告書に付することとし、第一三三一号留置施設法案反対に関する請願外一件は保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会 ―――――・―――――