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114回国会参議院1989/06/21

大蔵委員会 第10号

発言数
162
登壇者
24
会派数
6
開催日
1989/06/21

会議録

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、坪井一宇君が委員を辞任され、その補欠として寺内弘子君が選任されました。     ―――――――――――――

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 私は、昨日私の質問の流れを申し上げておきましたが、同僚議員がら大変機微に触れて質問がございましたので、その質問を踏まえながら、多少おさらいになるかもしれませんけれども、確認の意味で質問をしてまいりたいと思います。  まず一番最初に、隠れ借金といわれております二十六兆円の中で十五兆円になります国債定率繰り入れの停止の問題です。  昨日からいろいろ答弁を聞いておったのでありますが、結論から申し上げますと、これは返すのですか返さないのですか、御質問します。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) 定率繰り入れを五十七年度以来停止してまいりました理由につきましては、昨日来御説明をいたしましたところでございますが、その停止額の累計は十五兆五千七百三十四億円ということでございます。そして、これらの停止措置によりましても、他方NTT株式売却益等により現行ルールによる償還に支障を生じないと見込まれる国債整理基金の状況というものがあったわけでございます。こうしたことで停止をしてまいりましたものでございますから、将来、一般会計からこれまでの繰り入れ停止相当分をそのまま国債整理基金に繰り入れなければならないという性格のものではないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後とも国債の円滑な償還に支障が生じないように十分配慮していくことは当然であると考えております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 返さなくともよろしいというような性格であるというように規定しますと、定率繰り入れとか減債基金制度であるとか、そういう制度というものが持つ意味合いが全く消されちゃうのじゃないですか。つまり、その年次の償還財源さえあれば事足りるのだというような考え方に立ってこれから財政運営が行われるのかということになると思います。  片や、借金の利払いをするためにまた借金をするというようなこともどうかというようなことがあって、繰り入れ停止が行われてきたわけなのでございますが、減債基金制度であるとか国債整理基金であるとかという制度上から考えれば、今まで支払われていないというものは性格上やっぱり支払うべきものであるという前提に立たざるを得ないと思うのですが、その点はいかがでございますか。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま正確な数字を実は用意していないのでございますが、五十七年度以来八年度にわたりまして国債償還のための定率繰り入れを停止した。他方、その間いろいろ国債の、いわゆる借りかえもしながらではございますが、実際に現金償還しっ放しで借りかえない部分、つまり現金償還という形で外へ出ていっているという分が相当額あろうと思います。それはちゃんと措置をしたわけでございます。NTTの株式の売却益の活用等によってこれは措置したわけでございますが、恐らく十五兆五千億余りの定率繰り入れをもしきちっと行っていたであろうとすれば、他方現金償還をいたしましても国債整理基金の余裕というものが現在の国債整理基金残高よりもう少し多くて、ゆとりを持って安定的な償還制度というもの、これを国民の皆様にお目にかけることができる、あるいはそういうことだったかもしれません。現状は確かにそれよりは多少きつくなっておりまして、鈴木先生おっしゃいますように、その年の償還分を何とか捻出しておるというのに近いのではないか。そこまで窮屈ではないと思いますけれども、性格的にはそういうようなことが言えるかと思います。  ですから、やはり国債の償還というもののルールがある以上、定率繰り入れの制度というもの、これがきちっと守られておる方が間違いがないということは当然であろうかと思いますが、現実には相当規模でNTTの活用ができた。それから、御承知のとおり若干の剰余金繰り入れ、いわゆる剰余金が出ました場合の二分の一以上は減債基金に入れろと、これはできる限り努力をしてきておることも御承知のとおりでございます。多少やりくり的ではございますけれども、ある程度の余裕を持って減債制度を運営できてきたという事情については御理解をいただきたい、こう思っております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 私は六十年の大蔵委員会で、NTTの売却益の帰属について法案が提出されたときに質疑をした記憶があるのです。つまり、NTTの売却益というものは本来であれば国債の償還というかそういう財源に充てるべきものである、つまり帰属をそこにしたわけなんですから。ですから、性格としては、NTTの株というものは少なくとも償還財源に充てる。ところが、一般会計がないから、今後は一般会計に使うみたいな方法で実際上は使われているのじゃないですか。性格は償還財源に使っているということを言いたいけれども、実際はどんぶり勘定で一般会計へそのまま繰り入れちゃって使っているわけですね。私流に言うのであれば、子供のお金をおやじの借金に入れちゃって、どんぶり勘定で運営しているというのが私は今日の状態だと思うのです。  そのときに、私は大蔵委員長に質疑の中でこういうことを申し入れて、附帯決議をつけてくれということを頼んだのです。国債整理基金特別会計において、同特別会計所属の日本電信電話株式会社及び日本たばこ産業株式会社の株式の処分による収入金または株式の配当金が編入されたときは、当該金額に相当する金額を現行の償還ルールにより予定されている特例公債の借りかえ額から減額してくれ、そういうことを考えてくれと言ったのです。  つまり、早く特例公債から脱却しなきゃならぬという意味からもそういうふうにしたらどうかということを述べてきた経緯があるのです。だから、それから考えれば、今御答弁の中では、借金を返すために借金をするということであるならば、ここまで来てしまったのだから響かないから戻さなくてもいいというような考えもあるのだということをおっしゃいますが、ルールからいえば私はちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。  しかし、現実はそういう財政運営になっているのですからそれは大きな話題になりましょう。争点になりましょう。これからの依存体質の目標を設定するときにも私は大きな問題になると思うのです。  そこで、大臣にはそういう議論経過のあったことも踏まえながら、つまりこれを戻すか戻さないかということを決める決め方の問題、決める場の問題、決めたものの手続の問題、これはしっかり国会において議論するような場が後ほど来ると思うのですが、そういう手続上の問題はこれからどういうことになりましょうか。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) 大臣が御答弁になられます前に若干申し述べさせていただきたいと思いますが、確かにNTTの株式の売却収入というものは国民のいわば資産によってできた資金であるから、これは国民共有の財産あるいは国民共有の負債と言うべきかもしれませんが、である国債、特に特例公債の償還に充てる。それは通常の定率繰り入れという減債制度が存在しておりますから、それを前提とした上で、さらにそれ以上にいわば過去の特例債の巨額な残高を早期償還するという方に充てるという御議論があったことは私ども十分記憶をしております。筋としては、まさにそういう議論は多々ありました。しかし、財政の現実におきまして、一般会計の定率繰り入れにいわば肩がわりするような形で、その分に使われたということも事実でございます。  この点につきまして、結局、これからの問題として考えますと、例えば今までの十五兆五千億という停止してきたものを、改めて何らかの形で財源をつくって大きな塊として国債整理基金に入れるというようなことであるのか、あるいは、とにかく何としても、特例債は通常の償還ルールによる償還のほか少しでも早期償還というようなことに努力をするか、いわばそういったことの努力の方向をこれからどうするかという議論になろうかと思います。  そういった大変厳しい課題でございますけれども、私どもの勉強の課題の中には、やはりその点は御指摘を踏まえまして、念頭に置いて進めさせていただきたいというふうに思います。  それから、さっきせっかく申し上げかけましたので数字を申し上げておきますと、五十七年度から平成元年度までの間における現金償還の総額は十二兆二千億余りでございます。ですから、十五兆五千億停止したということから考えますと、もし定率繰り入れが行われておれば現在三兆余りのいわば余裕が国債整理基金にあったはずである、こういうことは言えると思います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 本日、時間が余りございませんので、多岐にわたりますが、まとめて御答弁いただきたいのです。  今の戻すか戻さないかということについては、いずれこれは大きな選択を判断しなきゃならぬ時期が来ると思うのです。私は、個人的な見解ですが、戻さなくても支障がないのであれば、それはその選択を選ばざるを得ないと思うのです。けれども、それを選ぶに当たっては、やはりルールというものを守った上でこうするということの筋道立てがないと私はいかぬと思うのです。  昨日の議論を聞いておっても、大臣も本会議でも答弁されましたが、例えば、減債制度の問題、言ってみれば、ナンセンスですよね。八年間も入れていないのですから、あってなきがごとしてすよ。よく減債制度のメリットをおっしゃるじゃないですか。公債政策に対する国民の理解と信頼、それから償還財源を先受りすることによる財政の膨張、国債の累増に対する間接的な歯どめ、財政負担の平準化、資金の効率的活用による国債の市場価格の維持などから考えれば、この制度は置いておいた方がいいというように言われているのだが、この四つの目的、項目を見ても、八年も入れないでおって、私はこれが大好きよなんて言ってみたって、好きになられた方は本当に好きかと言うのと同じ理屈じゃないですか。  つまり、その都度その都度財源が確保できれば制度なんかどうでもいいというみたいな運営にされておることは、私は大変よくないことだと思うのです。したがって、もう償還ルールについても見直しをしなきゃならぬ時期が来ていると思うのです。そういうことを踏まえながら、やはり制度的なものは守る、守るべきだ、正しいのだというのであれば、実行においてもそのことを見せてもらわないと、ただのんべんだらりと絵にかいたもちを掲げておっても私は問題だと思うのです。  したがって、国債の問題については、そういう意味から大臣も、これから財政審でいろんな議論があると思いますけれども、その意見を踏まえて対処してほしいと思うのです。  さて、もう一つの問題は仮定計算の問題です。仮定計算の問題は、平成四年からやる、平成二年からやる、こういう二つが出ていますね。今のところ、どっちをとる気なんですか。それからもう一つ問題なのは、この仮定計算ができ上がったときの経済情勢の背景というものは、やっぱり為替は百二十三円時代じゃないですか。今のような百四十円、百五十円というような時代と物が変わってきているときに、この仮定計算というものが本当に当たるのかどうか、何の影響もないのか。為替のことは影響があるかないかということと、AとBのどっちをとろうとしているのかということについてお聞きしたいのです。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) 本年二月に国会に御提出をいたしました国債整理基金の資金繰り状況についての仮定計算についてのお尋ねでございます。  これはいずれにいたしましても、AもBもNTT株式売却収入等につきまして、一定の前提を置いた場合の国債整理基金の資金繰り状況を試算したものでございまして、実は特定の政策的意図を反映したものではないわけでございます。  ケースAといいますのは、明年度から定率繰り入れを法律どおりに実施する。それからケースBは、資金繰りからいって……

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 わかっている、どっちをとるんですか。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) 資金繰りからいって、Bというのはぎりぎり定率繰り入れを平成三年度まではとめておいても、資金繰りはもつということを示したということでございます。いずれにいたしましても、両方とも機械計算として出しておりまして、私どもは今の段階でどちらをとるという政策意図は全く持っておりません。  もちろん、法律が厳然としてございまして、定率繰り入れという制度があるわけでございますから、基本としてはケースAと申しましょうか、来年からできるものなら定率繰り入れを実施したいというような、これはやっぱり忘れてはならない原点だとは思いますが、実際問題として予算編成の現実がどういう状況になるかといったようなこともまた出てこようかと思います。ただし、それじゃもうケースBというような年までこの定率繰り入れ的なものには手を触れないのだ、ほったらかしにするのだということを決めているわけでも全くございません。  それからもう一つ、仮定計算を見直したらどうかというお話でございましたが、これにつきましては実は全くNTTの売却等につきまして機械的な仮定を画いて試算を行ったものでございまして、経済情勢の変化によって見直しが必要になるというような性格のものではないわけでございます。  例えばNTT株が、値段がどうか、どうこうしてしまうから何ぼ何でも、機械計算とはいってもああいう数字を置いておくのはおかしいじゃないかとか、あるいは建設公債の発行を今後今年度水準でずうっと横ばいで持っていくことにして機械計算しておりますが、いや建設公債をもっとたくさん出すべきだとか、いやもっとやめるべきだとか、そういう御議論もあろうかと思います。あろうかと思いますが、機械計算でございますので横ばいと単純に置いておくのが一番よかろう、こう思ってやったものでございます。  したがいまして、経済情勢の変化を何ら反映する余地がないということで、これは資金繰りの全くの機械計算として御理解をいただきたいと思います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 経済動向の方はわかりました。そうすると、今の御説明によると財源の問題だということですね。Aの方は機械的に入れていく、Bの方はどちらかというと財源がそこまではもつよということですな。財源の問題での仮定計算である。そうならたばこの株は早く売ったらいいじゃないですか、いかがですか。

松田篤之大蔵省理財局たばこ塩事業審議官

○政府委員(松田篤之君) 先生御指摘のとおりに、日本たばこの株式につきましては百万株が国債整理基金特会に属しておりまし、そのうちの六十六万株は予算措置をもって国債の償還財源に充てることができるようになっております。したがいまして、先生がおっしゃるように、この株式友売却することによって国債整理基金の資金繰りを豊かにするということになって、仰せのとおりでございます。  ただ、日本たばこの株式の売却に当たりましては、やはり日本たばこ産業の当面している状況判断というものも太事でございまして、現在置かれておりますたばこ産業の状況には、二つの面でやや困難な局面があると思います。  一つは、御承知のように、昭和六十二年に関税がゼロになりましてから、日本たばこ産業は外国のたばこ会社と大変厳しい競争関係にございまして、現在外国のシェアが最近の数字では一四%を超しておりまして、昭和六十年には三千億本を超しておりましたたばこの売却が六十三年度には一、千七百億本を割るという状況でございます。こういった経営の見通しがどうなるかということを見きわめる必要があると思います。  もう一つは、たばこの葉たばこ耕作者の問題がございます。これは昨年特に非常に大きな変化があったわけでございますけれども、四万ヘクタールのたばこ耕作面積が約一万ヘクタール減りまして三万ヘクタールになってきている。また、たばこの耕作者も六万人以上おられたのが四万四千人というような形で、急激な変化を起こしております。こういった耕作者の方々にも不安を与えない必要がある。現在、日本たばこ産業と耕作者との間では、たばこの安定面積についての議論が行われておりまして、こういった議論の推移を見守る必要がある。  たばこ産業の経営の見通しとか、あるいは今申し上げたたばこ耕作者の状況、耕作者に不安を与えないような状況ができるか、こういったことが見通せる状況になったときに初めて売却が考えられるのではないか。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、六十六万株につきましては、予算措置をもって売却が可能でございますけれども、現段階でいっ売却できるかということを定かにお示しすることができないという状況でございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 ただいまの説明によりますと、財政の財源確保というような立場からは直ちにたばこの株は、仮に売ったとしてもなかなかその財源に充てるほどの財源にもならぬということと、日本たばこ会社が持っている客観条件などなどから見て、すぐというわけじゃなくて慎重に扱いたいというような答えである、そういうふうに受け取ってよろしいですか。

松田篤之大蔵省理財局たばこ塩事業審議官

○政府委員(松田篤之君) 一番目の、国債償還財源に充てることではないということではなくて、直ちに予算措置をもってやれる額は六十六万株でございますから、これは市場が決める話でございますけれども、やはり相当大きな金額として国債償還のために有力な財源だろうと考えております。  二番目の点は、先ほど申し上げましたとおり、なかなか今決めるというわけにはいかない、もうしばらく時間をかしていただきたい。ただ、そういったことが実現されることを私ども期待をしておりますし、たばこ産業自体もそういうことによって、いわゆる民間活力を持った新規産業にも取り組みたいという希望を持っておりますので、そういう意味ではなるべく早く売る状況になることを期待しているわけでございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 せっかく郵政省おいでになっていると思いますが、昨日もNTTの株の問題が議論になりましたが、重複を避ける意味で二つばかり別な項目を聞きたいのです。  一つは、売り出しのときNTTの株は随分にぎわって大変高い価格になったわけですが、最近はごらんのとおりなわけですね。その要因の一つとして、増資とか増配というようなものがないために人気が薄いというようなことを言われているのですが、この件に関しての見解。  もう一つは、頭の黒い人でなきゃ持つちゃいかぬということになっているのでしょう。非居住者には持たせないということになっていますな。イギリスのBTじゃないけれども、それぞれ持たせていますな。ロールス・ロイスとかなんとかという自動車会社も持たせていますね。何でNTTの株は非居住者には持たせないということになっているのですか。

有村正意郵政省電気通信局電気通信事業部事業政策課長

○説明員(有村正意君) まず最初の御質問でございますが、昨日百四十六万円かと存じておりますけれども、株価の具体的な問題につきましては、市場における取引の結果で決まるものでございますので、私ども政府の一員としてそれについての評価を差し控えさせていただきたいと存じます。  それで、御指摘の増資とか増配の問題でございますけれども、一義的にはNTTの方で検討すべきかと思っておりますが、ただ私どもちょっと感じておりますのは、例えば増資について申し上げますと、無償増資等をいたします場合には財源が要るわけでございます。通常、資本準備金とかそういったものが充てられるかと思いますけれども、NTTの資本準備金は電電公社時代の設備負担金等が原資になっておるわけでございまして、これは国民の皆様が加入されましたときにお払いになったものでございます。そういった意味で、そういったお金を一部と申しますか、株主に還元をするということについてはいかがであろうかということがございます。  それから、増配につきましてはやはりNTTは公益事業でございますので、公益事業というものは経営の成果をより国民に広く、料金の引き下げとかあるいは設備投資といったようなものを通じまして還元するというのが原則かと思います。そういった意味では公益事業、電力等も一〇%の配当ということでやっておりまして、これを恒常的に増配をするといったようなことは難しいのではないかというふうに考えております。  それから、二点目の外国人に開放しない理由でございますけれども、先生も御承知のように電気通信は社会経済活動に必要不可欠のものでございまして、また国の神経系統をなしておるわけでございます。そういった意味で安全保障にも深くかかわるものでございまして、特に第一種電気通信事業につきましては外資を制限すべきであるという基本的な考え方がございます。ただ、その場合に六十年四月に電気通信制度を改革いたしましたときに二つの規制の仕方をしたわけでございます。国内のNTT以外の第一種電気通信事業者につきましては三分の一未満の外資を認めております。  ただ、NTTは我が国の基幹的な電気通信事業者でございますし、特に電話といった不可欠の役務を全国あまねく提供するという、NTT法でも義務づけを行っておりまして、他の事業者に比べて特に強い公共性を持っているということで株の所有を禁じておるわけでございます。そういったNTTの役割というのは、私どもといたしましては現時点では変わっておらないというふうに思っておりまして、この政策を変更すべき特段の事情があるというふうには考えておりませんけれども、いずれにいたしましても大変重要な問題でございますので、今後の我が国の通信政策のあり方あるいはNTTのあり方といった点等を踏まえまして、総合的、慎重に取り組んでいくべき問題だというふうに考えております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 もう一つこの機会に聞いておきたいのです。  昨日の議論の中でも、一体国の借金は幾らあるのかという質問の中に、隠れ公債二十六兆と言う人もおるし十兆と言う人もおるし、その中でそれなら旧国鉄部分は一体どういうことになるのだという議論があったと思うのです。これも大変な私は問題だと思うのです。そこで、大変恐縮と思いますけれども、大蔵省に聞くよりは吉村政務次官に聞いた方が早いと思うので、隠れ公債二十六兆円の中で国鉄清算事業団ですね、大変長期債務抱えていると思うのですが、聞くところによると土地の処分が順調にいっていないことが非常に影響しちゃって、それで長期債務がだんだんだんだん膨らんでいって、そこへまた利子がどんとくるというような状況にあるわけです。これの解決策というか方針というか、そういうものがあれば、ぜひ運輸省のOBでもあるわけでございますから、見解を聞きたいし、一面財政当局という立場もあると思いますので、この機会に教えていただきたいと思います。

吉村眞事自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(吉村眞事君) きのうもちょっとお答え申し上げましたように、清算事業団が承継をいたしましたときに二十五兆五千億でございました債務が、現在平成元年度末で約二十七兆ぐらいまで膨らんでおるということは申し上げました。その膨らみました原因は、ただいま御指摘がありましたように利子がかかってくる、その利子でふえていく分を賄うだけの収入がなかったために徐々にふえてまいったわけであります。  どんなふうにふえておるかということを申し上げますと、利子の額が約一兆五千億近く、一兆四千数百億ございますが、それに対して清算事業団の定常的な収入といたしましては、新幹線保有機構からの収入があるわけでございます。これは約年間二千三百億ほどございまして、これは毎年必ず入ってまいりますから、それを引きますと約一兆二千億ほどはほかの収入がなければ利子がふえていく、だんだんに膨らんでいくという現状にあるわけでございます。それをどうやって減らしていくかということになりますと、ただいま御指摘ありましたが、土地の問題がやはり一番問題でございます。現在二十七兆円に膨らんでおりますのも、実は地価問題との関係で土地の売却が予定どおり進まなかったということにも大きな原因があるわけでございまして、今後の問題も土地の問題を早期かつ有利に処分をすることができるということが、どうしても必要だと思っております。  それからもう一つ株式。国鉄の株が売却できるような状況になりましたら、その株の売却というのも有力な財源になろうかと思いますが、この二つの財源をできるだけ早期に有利に処分できるようにすることが肝要かと思っておりまして、現在その具体的な方策につきまして運輸省とも相談をいたしながら、その方策について詰めておるところでございます。現在ここで有効な方策がこれでありまして、いつから実施いたしますということを申し上げられると、私もせっかく御答弁に立ちましたのでよろしいのですが、現在まだそれを懸命に詰めておるところである、こういうことで御理解いただきたいと存じます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 大蔵大臣、いずれにしても先ほども申し上げましたように、十五兆という定率繰り入れの問題と、あと十兆円に及ぶ厚年、国民年金、住宅いろいろありますけれども、これを足して二十六兆ですね。それから今お話の国鉄問題を含めると大体二十七兆ぐらいですから大変な額になるわけです。  そこで、特例公債からの脱却が二年に行われる。これはこれなりに一つの目標として達成できたことですから、これはこれである面での評価はあると思うのです。どういう意味かというと、国民にわかりやすかった。六十五年に特例公債の体質から脱却するよということを掲げてきたからわかっていたわけですね。ところが、これから編成をするに当たって、また財政方針を組むに当たって一体国民にわかりやすいような財政再建、対応力の回復のキャッチフレーズというかスローガンというか、これは一体どういうふうになるか、いろいろしゃべっておってもよくわからないのですよね。特に国債という問題は国民が直接痛みを感じないですからよりわからないのです。なるがゆえに、わかりやすい財政再建の目標というものをやっぱり打ち立てなきゃならぬと思うのです。  そこで、この前私が御質問申し上げたときにも、大臣から今財政審でいろいろ討議してもらうという話がございました。そのときにも大臣から一つの目標として、一般会計に占める割合を縮小する必要がありましょう、同時に六十六兆円に及ぶ特例公債の残高の問題、そして同時にその割合、比率、そういうものを含めて財政審でも議論していくというようなことをおっしゃられたわけですが、今のところだれが考えてみても大変難しいということは私もよくわかるのです。しかし、言えることは総合勘案をして、つまり一つは、一般会計に占める国債発行額の割合というファクターですね、そういうもので基準をつくることもやろうと思えばできないわけではないのじゃないか。GNPに占める国債残高の割合が一体どのぐらいがいいんだというようなカテゴリーもありましょう。一般会計歳出に占める利払い費の割合、これを何%にしようかというのも一つの目安だと。GNPに対する一般会計の比率もそういう意味では一つの目安になるかもしらぬ。五番目には、国民所得に対する税とか社会保障の枠の割合です。これを一つの、つまり目標値にするということも考えられると思うのです。これを総合勘案していくということも考えられると思うのです。したがって、これから財政審で討論はされるのでありましょうけれども、大蔵省としては、いわゆる平成二年度予算編成を控えて、概算シーリングはどうなるのかと私は聞いた、これにも直接関係してくるわけです。  したがって、大臣の新しい財政再建目標の考え方について私は聞かせていただきたいと思うのてす。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 今鈴木委員のおっしゃったことはそのとおり全部関連するのでございます。しかし、これから国民にもわかりやすい目標を立てていった方が実行する上にやりやすいことも確かでございます。したがいまして、そういう関連をすべて考えてもらって、具体的にどういうふうに目標を立ててやっていくか、ここが一番難しいところでございます。したがいまして、その点を政府も検討し、そして財政審議会の場でとっくりとひとつ議論を交わしながらその問題についてこたえていきたい、こう思っているところでございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 いずれにしても、結論から言うと、私は国債というものをどういうふうに見るのかということを昨日議論させていただいたのですが、財政の面から見れば、やはり特例公債と言われる百六十二兆円の中の六十六兆ちょっとですね、これをやっぱり縮めなきゃならぬということはどなたがおっしゃっても私は一致する点だと思うのです。だから、その点を軸にしながらわかりやすい目標を立ててもらいたいと思うのです。例えば、六十六兆円を平成何年には三十三兆円にするのかというみたいな、だれにもわかるのです、これは。そういうような目標値を私は立てていただきたいと思うのです。  同時に、平成二年度の審議がこれからまた始まるのですが、今まではどっちかというといい悪いは別にしても、財政の中期展望であるとか仮定計算であるとかということを提出してもらったから、けちをつけながらも我々は勉強さしてもらったことは事実です。さて、今度は新しい年度の、新しい時代のといってもいいでしょうけれども、それに対して、やはり議院が検討に値する、そういう新しい中期展望というか仮定計算というものをぜひ国会に私は出していただきたいと思います。いかがでございますか。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) 財政の中期展望につきましては、経済運営の五カ年計画における経済指標の数値等を用いて推計を行っておるわけでございます。多分に機械的な計算の部分もあるわけでございます。  それから、その基礎になります経済情勢の方でございますが、いろいろ流動的であるわけでございますが、さしあたりのところで先般経済計画のフォローアップ報告がございまして、この報告では特に数値の修正を行うに至らなかったわけでございます。そういうことの中で、もちろん税収等のまた変化等もございましょう。多少二月提出のままではわかりにくいぞということはあろうかと思いますが、この中期展望を現段階で見直すことはちょっと難しいのではないかと思います。  それから、先ほどの資金繰りの仮定計算の方は、これまた経済情勢等の基礎なしに全くの資金繰りの機械計算ということで御説明したとおりでございますので、この点につきましても御理解を賜りたいと考えております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 最後ですが、答弁は要りませんけれども、とにかく大変な時代でございますので、どっちかというと、意地悪い表現で言えば、今までのやり方は財政運営というよりは財政手当てなんですね。もう財源さえあればいい、理屈はこうだけれども何々がないからこうだという、つまり手当て的な手法で今日までやられてきたと思うのです。だから立派な制度があっても制度が生きていないですわ、これは。それだけ財政が苦しいといえば苦しいかもしれない。しかしまた私流に言うのであれば、シーリングのときにふやすところ減らされるところがあるはずなんですから、また防衛かと言われるかもしらぬけれども、いろんな面があるわけです。だから手当てというようなことに甘んずることない大蔵省の立派な方針というものを私は確立していただきたいということをお願い申し上げまして質問を終わります。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは引き続きまして質問させていただきますが、昭和六十三年度の税収は、経済の好調さを反映しまして、補正後に比べまして約二兆八千億円程度の自然増収が見込めるというのが大方の試算でございます。  税の自然増収は、一面から見ますとこれは税の取り過ぎ、言いかえますと、これまでの一連の減税が不十分であったのじゃないか、こういうことを裏づけているのじゃないかと思うのです。  そこで、昭和六十三年度に税の自然増収が得られたならば、地方交付税の増加分を差し引いた分について昭和六十三年分臨時所得減税を実施する方法によって国民に還元すべきじゃないかと考えますけれども、大蔵大臣の御意見をまず伺いたいと思います。  なお、自然増収は昭和六十三年度赤字公債の削減に充てるということも重要でありますけれども、最近の金融市場におきますところの国債玉不足傾向が強まっています。これも委員会で論議もございましたけれども、剰余金繰り入れ及び赤字債削減をやめて、その分をすべて減税財源に回すことになりますと、国民にとってもこれは容認できることではないかと思うのですが、その点どのようにお考えでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 現在の収入状況から考えますと、六十三年度の税収について相当程度の自然増収が見込めると思います。しかし、出納整理期間中に繰り越しました特例公債の発行を恐らくやめるでありましょうし、そして三税については三二%、これは地方の交付税として特会に入れなければなりません。それらを差し引いて、しかもその二分の一は国債整理基金に入れることになります。  今、その二分の一を入れないでいいじゃないかという、こういうお話でございますが、やはり現在の財政状況、特にこれからの財政改革の大仕事が控えているわけでございます。そういう体質からいいますと、やはりこれを全部自由に使うということはいかがであろうかと、私はそう思っておるわけでございます。そういたしますと、残りましたものはそう私は金額は多くないと思います。  片やそれを所得税減税に回したらどうかという御意見かと伺ったわけでございますが、御案内のように、もうシャウプ税制以来四十年の改正前の税制の持つひずみ、そういったものは二回の改正によりまして幸いにして直していただいたわけでございます。その額は所得税、住民税だけで合わせて五兆五千億でございます。ただ、それは規模が大きいというのでなくて、所得税、住民税の中に持っておりましたもろもろの問題、こういうものを大体ならしたつもりでございます。したがって、そこには負担の公平の観念であるとか、あるいは特に給与所得者に対して手厚い措置を講じておるとか、あるいは給与所得者、事業者を通じまして一生のうち自分が大体所得税をどれぐらい納めるのか、これがわかるようにもしているわけでございます。  そういったもろもろの内容について手を加えておりますので、特に租税体系の上から今直さねばならぬというふうには考えていないわけでございます。詰めて申しますと、予定される財源というものもごく限られておりますし、そして既に懸案になりました所得税、住民税につきましては、おかげさまでどうやら形を整えたということで、今すぐまた改正を要するというようなところはない、かように思っておりますので、その分を減税に回すということはいかがであろうか、こう思っておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 六十三年度の税収は約五十一兆円程度が確保されるのではないかと思いますけれども、これを前提に置いた場合、税収の伸びを六%と見込みますと、平成元年度の税収というのは、五十一兆円が約三兆円のプラスになって五十四兆円程度に膨らむことが予想されるわけでございます。  そうなりますとこの法案で予定されておりますところの特例公債一兆三千三百十億円ですか、これをすべてを発行しなくても支障がないことになりまして、政府の財政再建目標の達成を一年早めることができると思うのですが、大蔵大臣は本法案で権限が付与されることになっておりますところの赤字国債の平成元年度発行について、できたら見送りたいというお気持ちがおありになるのじゃないか、こう思うのですが、その点どうでしょうか。

篠沢恭助大蔵省主計局次長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいまの段階で平成元年度自体の税収というようなものを予測し、それとの対比等におきまして今年度の特例公債の発行をどういうふうに考えるかということにつきましては、まだ年度始まったばかりでございますし、何とも申し上げようがない段階ではないかと思います。  しかし、特例公債につきましては基本的には極力その発行は抑制すべきものでございまして、今後具体的に発行してまいります段階でも、歳入歳出全般の状況を見きわめながら可能な限りその縮減に努めていきたい、これは従来から年度の中の執行、特に特例公債発行の具体的な執行ということにつきましては、従来からそのように進めてまいりましたし、平成元年度においてもそういう気持ちで対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 いずれにしましても、現在の好調な税収が維持されてまいりますと、平成二年度といわず本年度においても政府の財政再建目標達成というのは実際的には夢ではない、こう言えると思うのですが、この政府の財政再建目標というのは、単に一般会計における赤字債発行ゼロという、これは目先の財政再建であることは今まで委員会でも論議されてまいりました。依然として国債整理基金特会で残高六十六兆円に達する特例公債のうち、償還期限が到来する特例公債の六分の五程度は特例債として借換債を発行することになっておりますし、五十七年以降の一連の歳出削減策によりますところの、いわゆる隠れ借金、これが国債費定率繰り入れ停止分を除いても十一兆円に達する、こういうような状況であるわけです。  こうして見ますと、これらはいずれも特例公債に財政が深く依存していることを物語っているものだと思うのですが、財政の特例公債依存体質からの脱却はいまだ遠い先の話になってしまうのじゃないかと思うのです。特に、国債の利払い等の経費が、平成元年度でいえば一般会計歳出の一九・三%を占めている、これが財政の弾力的運営を阻害していることは、財政に求められているところの所得再配分等の機能を弱める結果になってくることですから、早急に解決することが必要と考えられています。つまり国債費圧力を減少することが財政の対応力回復の前提と考えられるわけです。現在、NTT株式の売却益の一部を充当することによって国債費定率繰り入れを停止しておりますから、これをやめますと、国債費としてさらに二兆六千億円程度がふえることになるわけです。そうしますと、実際の国債費というのは二二・六%ということになるわけです。  大蔵大臣にお伺いしますけれども、この国債費圧力についてどう認識しておられるのか。私は新たな財政再建目標として、この割合を例えば一〇%にするということも一つの考えではないかと思うのですが、その点はどのようにお考えになりましょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 今の問題はすべて関適する問題でございます。やはり何と申しまして本利払い費が二割近くかかっておる、これが一番六しあたりつらいところでございます。そうなりますと残高を減らす、特に先ほど鈴木委員からは、そのうち特例公債の残高を減らす方向に重点を置いたらどうか、こういう話になります。片や、本しそれを仮に余裕があって実行できるとすれば、その分は一般会計から普通の定率繰り入れのほかにまた繰り入れるということになりますから、これはまた依存度が高くなることは当然なのでございます。しかし、それらの問題は形の上の話でございますので、実質的にどうしたら財政改革に最もふさわしいことになるか、そうしてその結果あらわれるであろう一般会計におけるいろんな数字、そういったものについてはまた工夫をするとか、そういういろんな考え方があるだろうと思います。  要は、実質的に財政改革が早く進みまして、そうしてこれからの高齢化、国際化に対応するような弾力性のある財政の対応力を早く求めるということでございますので、今の太田委員の御意見本十分参酌しながら、今後この問題を検討してまいりたい、かように思っておるところでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次に、消費税の問題についてお伺いしたいと思うのですけれども、消費税が実施されましてから二カ月半になるわけですが、消費税の矛盾というものはますます明確になりまして、国民の間、すなわち消費者と事業者との間でいろんな不協和音が高まってきているわけです。私たちとしましても、こういった国民の不信を助長するような消費税は撤廃すべきであると政府に求めてきたところであります。  特に消費税の致命的な欠陥としまして、やはり社会的弱者と言われる方々に対する逆進性の問題、逆進的な負担の問題、それがやはり大きな問題になってきております。その中で、一つの例としまして身障者用の自動車にかかわる問題について提言をしたいと思うのでございます。  と申しますのは、身体障害者の方々、これは二千cc以下の小型乗用車にはこれまで特例で物品税が免除されていたわけでございますが、物品税の廃止でこの特典がなくなった、逆に六%高くなってきているわけです。政府は社会的に弱い立場の人たちの新たな税負担につきましては歳出面でカバーする、これは大蔵大臣も再三おっしゃっておりますが、私は税制の欠陥というのはやはり税制で補うべきじゃないか、こう思っております。消費税の場合も、輸出業者については仕向け輸出主義をとるため、国境税調整として輸出及びその類似取引については免税としてありますし、仕入れ等に課せられた消費税は還付される仕組みになってきているわけです。  さらに逆進性の緩和という問題については、これは昨年十二月の税制問題等に関する調査特別委員会でも我が党の同僚議員が触れておりましたけれども、レスター・サローという学者が「財政赤字」という書物の中でカナダの税制を取り上げまして、逆進性を緩和するために付加価値税の一定額を所得税額から控除する。例えば四人家族で千五百ドルは一人頭三百七十五ドル、そういう制度があることを指摘しているわけでございます。  そこで私は、例えば身障者の方の自動車など生活上必要不可欠なものにつきましては、輸出業者の例に倣って還付制度を設けるとか、あるいは母子家庭など弱い立場の人たちにつきましては、カナダの例もあるように所得控除制度または消費税相当分を還付する制度、そういう税制上の特例措置を考えてこれらの消費税の逆進性の緩和を図るべきではないか、こう思うわけでございますが、ひとつその点どのようにお考えでしょうか。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 消費税の逆進性緩和の問題でございますが、身体障害者の自動車のような例が確かに生じるわけでございますけれども、消費税はその性格上、個別の配慮というのが非常に難しい性格の税でございます。確かに輸出免税のようなものはございますが、しかし細部にわたりましていろいろ小さく手当てをしていくというのは、税でやるのはなかなか難しい面がございます。  そこで、物品税で配慮されていたものを消費税で配慮できないということになりますため、いろいろと別の面で配慮を行っております。  税のことは税でというお話でございましたが、しかし、税として入ってまいりました財源を用いまして歳出の面で配慮するということも、これもまた一つの考えであろうかと思います。  具体的には、例えば義手とか義足とか車いすとか、そういうものにも消費税がかかるわけでございますけれども、そういうものにつきましては歳出面で税金に当たる分は公費負担の方に回しまして、義手、義足、車いすなどを取得する方の負担の方はふやさないというような配慮をいたしておりますし、御質問の自動車につきましては、世帯更生資金の内容を拡大いたしまして、そういう方方には非常に低い金利、一・五%という低い金利でもって融資を行うことになっております。これは実質的にはこれまでの物品税の免税よりか、はるかにメリットがあるという内容になっております。  それからカナダのフェデラル・セールス・タックス・クレジットというのがございまして、これは先生お話しのとおりに、一定の要件を定めまして、それは本人とかあるいは配偶者とか扶養家族でありますとか、それによって別々に金額が定められているわけでございますけれども、本人一人につき例えば二百ドルというような計算をいたして金額を出しまして、それを税額控除するということになっております。  ただ、これは最高額が決まっておりまして、所得が二万二千カナダ・ドルということになりますと、それ以上の所得のある方は控除をもらえない。二万二千カナダ・ドルといいますと約二百三十五万円でございまして、日本の場合はそれに当たるものが三百十九万八千円、そもそも控除が非常に高いところにあるわけでございます。課税最低限が非常に高いわけですから、もっと下のレベルでの話であるわけです。  ただ一点違いますのは、御指摘のとおりに、我が国のような控除制度と違ってカナダの例では、もしも税額よりか控除額の方が多ければ、その分給付するというやり方をやっております。そこは日本と違うわけでございますけれども、我が国の場合には税務行政がそういう一種の負の所得税のように控除額の大きい場合に給付をするということを従来そこまでやっておりませんので、なかなか採用が難しいというように考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 さらに検討していただきたいと思うのです。  次は、公定歩合の問題について何点かお尋ねいたしますが、先月末に公定歩合が九年ぶりに〇・七五%引き上げられたわけでございますが、公定歩合の引き上げの理由としましては、日銀は円安対策とインフレ懸念の払拭を掲げていたわけです。しかし、公定歩合引き上げ前後にドル高傾向が見えるなど、これまでの予想外の展開を示してきているわけです。一部の外為ディーラーの間では引き上げ幅が小さいとの声も聞こえたわけですが、国内的には引き続き物余り現象が続いておりますし、インフレへの懸念はすごく小さいため、公定歩合を引き上げて内需拡大に逆行することはないのじゃないか、こういう指摘もあったわけでございますが、政府としては先月の公定歩合引き上げについてどのように評価されておりましょうか。

土田正顕大蔵省大臣官房総務審議官

○政府委員(土田正顕君) 公定歩合の引き上げは日本銀行において行われたものでございますので、その説明その他詳細には承知しておらないわけでございますが、日銀筋の意見として聞いたものを総合いたしますと、やはりまず幅の問題でございますが、〇・七五%という幅は厳密に数式で示すことのできるようなものではなく、結局はいろいろな景気、物価、為替等の総合判断ということであろうと思います。ただ、その際に多少今回日銀において意を用いられたと思われますことは、最近における市場金利の上昇度合い、それを考慮をしたということのようでございます。すなわち、日本銀行におきましても昨年以来いろいろと新しい金融調節方式を採用しておられますし、また金融自由化も進んでおりますので、市場金利が実勢をよりよく反映するようになっておる。  それを踏まえまして今回の措置では市場金利の上昇を判断の重要な要素の一つとしたというような話を聞いております。いずれにいたしましても、このような判断の背景として委員ただいまお話がございましたように、日本の経済そのものはインフレ懸念と申しますか、多少先行きの物価情勢にはなお注意を要するものはございますけれども、これまでのところ物価は安定圏内にあるわけでございますし、それから各種の統計から見まして内需拡大を中心といたします経済の成長は非常に力強いものがございますので、これに対して著しく大きな影響を及ぼすこともないというようなことも考えあわせますと、今回の日銀における措置は金融政策の適切な運営を確保するために時宜を得た措置であるというふうに私どもは考えておる次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 もちろん公定歩合の問題につきましては日銀の専管事項でありますけれども、東京都区部の消費者物価の五月中旬速報値で対前年度比三・三%、こういう高い水準に達したことで政府の試算しました消費税の物価への影印三・二%、これを維持することが困難になったから公定歩合引き上げによってインフレを抑え込もうとしたからではないか、こういう評論もあるわけでございます。  まず大蔵大臣は、消費税導入による物価への影響についてどのように受けとめておられるのか、また消費者の立場から見ますと消費税の転嫁が着実に実施されているのにとどまらず、かなりの便乗値上げが行われていた、こういう不満を強めているわけでございますが、大蔵大臣はこの点についてどのように認識されておりますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 四月の東京都区部の消費者物価の上昇率が一・五、前月に比べてたしかそんなものであったと思います。ただし生鮮食料品を除く季節調整値で言いますと一・二である。これはもう既に発表になっているところでございます。四月導入と同時にほとんどの業者の方が三%をめどにして上げたわけでございますので、一部積み残しがあったかなと思っておりますが、大部分はその影響が四月の消費者物価にあらわれていると思います。ただ、一部これはまた別途調査したところでございますが、中小企業のうち二割ぐらいの方が値上げしなかった、こういうこともわかっておりますので、この人たちは五月に値上げするかなと、こう見ておりました。そして五月の同じ指数を見てみますと、対前月〇・六と、こう出ておるのでございます。これが積み残し分の引き上げなのか、これ一部は入っておるだろうと思いますが、それ以外のもの、毎月毎月少しずつ上がっていくことは当然でございますので、仮に三月の消費者物価の二月に対するあれを見てみますと、〇・三とか〇・四とかずっと先を見ますとあります。そういうことを考えますと、大体四月、五月で消費税の影響はほぼ出尽くしたのじゃないかと思っております。  卸売物価の方は、これはもうほとんど値上げの状況、それからよってあらわれました卸売物価の状況から見まして四月中にほとんど私は出尽くしておる、かように認識しておるところでございまして、大体経済企画庁が試算したそれぞれ物価に対する影響というものと、ほぼ似たようなことになっておるな、こう思っています。物価問題は今度は消費税の問題ではなくて、今は円の為替相場、この関係で卸売物価の輸入物価が大体上がっております、この影響がどうなるかということをむしろ心配する段階ではないだろうか、こんなふうに思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 なお、公定歩合の引き上げによりまして十九日から預貯金金利が引き上げられましたが、その引き上げ幅は、定期性の預貯金金利が原則〇・五六%、普通預金など〇・一二%の上昇にとどまっているわけでございますが、預金者にとりましてはここ九年間超低金利と申しますか、低い金利のもとで、例えば老後生活資金などは目減り現象を起こしてきているわけでございますけれども、預金金利の引き上げ幅については少な過ぎるのじゃないか、こう指摘せざるを得ないと思うのですが、その点大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○政府委員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいますように、今回の公定歩合の引き上げ幅が〇・七五%でございます。それに対しまして、預貯金金利の引き上げ幅は〇・五六ということでございます。ただ、過去にさかのぼって見てみますと、六十一年に何度か公定歩合を下げてまいったわけでございますが、その際に、例えば六十一年四月、十一月、それから六十二年二月が最後でございますけれども、公定歩合がそれぞれ〇・五ずつ下がったにもかかわらず、預貯金金利の方はそれぞれ〇・三七ずつしか下げてないということでございます。したがいまして、今回公定歩合は二・五から三・二五に上がったわけでございますが、過去に下げた部分を預貯金金利は合わせて上げましたので、このようにプラス〇・五六と公定歩合より低い上げ幅になっているということでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 金融政策としての公定歩合操作というのは、金利の自由化が急速に進みますし、あるいはキャッシュレス社会になってまいりますし、変動金利のウエートが高まってきつつありますし、かつてほどの有効性は薄れてきているのは事実ではないかと思うのです。都市銀行の場合を例にとってみますと、預貯金金利の上げ幅を抑え、他方で市場金利などに連動する新しい短期。プライムレートを〇・七五%ないし〇・六二五%の上げ幅、これを予定していると聞いているわけでございますが、そうなりますと、家計の本来受けるべき利益が銀行におさめられてしまうというような懸念が生ずるわけです。私たちも懸念を持っているわけでございますが、その点についてはどのように大蔵省はお考えでしょうか。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○政府委員(平澤貞昭君) いわゆる金融機関の貸し出しレートは、短期のものについては短期プライムレートというものがあるわけでございます。これは、従来はほぼ公定歩合に連動して上げ下げをしていたわけでございますけれども、おっしゃいますように金利の自由化が急速に進みまして、今や金融機関の調達資金の大きな部分を市場の自由金利資金が占めるようになっております。例えば、預金につきましても、自由金利預金あるいは小口MMC等が占めているわけでございます。  したがって、金融機関といたしましては、この規制金利に伴って調達する資金のほか、自由金利預金のウエートがどんどんふえてくる。しかも、最近はこのような金融情勢でございますので、公定歩合のいかんにかかわらずこのような市場性資金金利の変動に伴う部分が、利回りがかなり大きく上がってきておりますので、したがって、そのような部分と今回の規制金利の上げに伴う部分と、資金量で平均いたしましてコストを計算して、それに基づいていわゆる短期プライムを決めているということでございますので、必ずしも規制金利の上げ幅とは一致しないというような、言うなれば新しい時代に入りつつあるという結果、委員が御指摘のような点が起こってきているわけでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは、最後の質問でございますが、例の円の問題でございます。  五月半ば以来円が急落をして、我が国が公定歩合引き上げによりますところの対策を打ち出しても、ドル高は進行してきた。先週十五日には米貿易収支改善が公表されますと、一時百五十一円八十五銭と、ルーブル合意当時の百五十三円台をうかがう情勢が見えたわけですが、翌日に日米通貨当局はドル高に対し大規模な介入対応をする旨の報道が伝わりますと、東京市場の十六日の取引は百四十五円五銭で終了する。こういった荒っぽい展開を繰り広げているわけでございますけれども、この問題について大蔵大臣はどのように受けとめられてみえるのか。あるいは最近の円安というのは、リクルートの政局異変、米国のインフレ懸念の縮小、中国情勢の流動化などが起因と言われておりますけれども、その点はどのようにお考えになるか。あるいは円安対策のため、日銀の専管事項でありますけれども、公定歩合の荷引き上げ等も政治日程に上ってくる可能性があるのかどうか、その点についてお伺いして、終わりたいと思います。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) 私からまず為替相場の点につきまして御説明申し上げたいと思います。  ただいま太田委員御指摘のような乱高下の問題につきましては、私は、為替相場というものが変動相場である以上は、ある程度の変動というのはやむを得ないとは思いますけれども、基本的にはファンダメンタルズに即しながら安定的に推移するのが、そのあるべき姿だというふうに考えております。したがって、そのときどきのファンダメンタルズから離れた思惑的な動きで、ただいま御指摘のような動きをすることは、甚だこれは世界経済の安定にとって好ましくないと思いますので、これに対しては、今後とも適時適切に最大限の努力をもって取り組んでいくべき問題だというふうに日々感じているわけでございます。  それから第二の、円安の原因について幾つかの御指摘がありましたが、ただ最近の動きは、円安というよりもドル高でございます。円とほかのドル以外の通貨に対してドルが強くなったり、あるいは時にまた先ほど御指摘のように、逆の動きがあったりということでございまして、円だけを取り上げて説明するというのもなかなか難しいように思っております。その辺はやはり基本的にはドル高ということでとらえるべきであろうと思っております。

土田正顕大蔵省大臣官房総務審議官

○政府委員(土田正顕君) 公定歩合のことにつきまして続けて御説明申し上げますが、私どもが了解しておりますところでは、日本銀行の方では現状は現公定歩合引き上げの効果を見守る段階にあり、現在のところ再利上げは全く考えていないという態度を持っておるように聞いております。  なお、一般論といたしまして、金融政策の問題は、これは実体経済の動きとか、物価動向とか諸情勢を総合的に勘案するということでございまして、その一部分であります為替相場の動きのみをもって判断するのはいかがかと思っておりますし、殊に最近の為替相場の変動は思惑的な要素が強い、少なくともこれまでは短期的な変動でございますので、これに対して金利政策で直ちに対応するということは適当ではないのではないかと考えておるわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最初に、貸金業の金利引き下げに関する問題を質問いたします。  現行年五四・七五%を出資法第五条第二項の本則に定める四〇・○〇四%に速やかに移行してほしい。これは大変大きな要求になっておりますし、たくさんの請願も寄せられております。しかし残念ながら、当委員会で、これ理事会で請願採択にならなかったのですが、その理由の一つとして、今金融制度調査会で審議中なのでということなんです。  そこで、まずお聞きしたいのは、金融制度調査会の審議状況ですね、これをまずお聞きしたいと思います。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○政府委員(平澤貞昭君) 今お話がございましたように、出資法では本則金利の移行の日は「法律の施行の日から起算して五年を経過した日」すなわち昭和六十三年十一月一日でございますけれども、「以降において、資金需給の状況その他の経済・金融情勢、貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、速やかに定めるものとする。」と規定されているところでございます。  この法律の規定を受けまして大蔵省といたしましては、金融制度調査会でその中に消費者信用専門委員会というのを設けまして、昨年十月から審議をしているところでございます。これまで同委員会では、業界及び消費者サイドからヒアリングをする等、かなりの回数いろいろ審議をしておりまして、特に貸金業者の業務の実態の把握、これに力を入れて進めているところでございます。今後このような専門委員会の審議の中から答えが出てくるものと期待しているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 その答えはいつごろになりましょうか。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○政府委員(平澤貞昭君) 今のところ、時期については明確に申し上げられる段階には至っておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、法律では速やかにというふうに書いてございますので、できるだけ審議を早めていただくよう委員の方々にお願いしてまいりたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 先ほどの法文上、実態を勘案しとあるのですが、実態を勘案しますと公定歩合及び貸金金利は史上最低であります。銀行の普通預金金利、これは〇・二六%となりますと、五四・七五%は何と二百十倍の高金利なんですね。私はこの金融制度調査会の審議をまつまでもなく、私はこれも見直しが始まっていいのじゃないか。そういう意味じゃ、きょう請願が採択できなかったのは大変残念なんです。大体この法律は、大分ここで審議しましたけれども、自民党を中心とする議員立法なんです。我々は反対したのです。賛成して通した皆さんがなかなか見直しに消極的だというのは一体何だろうかということを申し上げたいわけなんです。ただ、この中できょう議論が出ましたのは、引き下げを行うと潜り金融の可能性があるという点なども出ていまして、私は今の金利状況から見てそんなこと大体ないのじゃないか。と同時に、我々が反対しまして、衆議院では反対は共産党だけ、参議院になってからは他党も大体反対に変わりましたね。委員会の審議の模様はがらっと変わったですよ。やはり反対の立場でいろいろの質問をしますと、銀行局長の答弁も大分変わってきて、御指摘になることは一生懸命そういうことにならないようにいろいろやりますと言うので、その結果通達など大分いい通達ができました。これは私は評価しています、あの通達ね。大体私が大蔵省褒めるなんということはめったにないのだから、これはよかったわけで、その結果サラ金業界大分変わりましたよ。かつての本当に深刻な状況は、まだ部分的にはあるけれども、一応なくなっておりますしね。そういうサラ金業界の実態と現在の金利体制、状況、これ見れば私はもうそんな金利の引き下げによって潜り金融の可能性が出てくるなんということ大体ないのじゃないかと思うのですが、銀行局はどうその辺を把握しておりますか。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○政府委員(平澤貞昭君) この法律の規定にもございますように、業務の実態を十分把握する必要があるわけでございますが、現段階で大蔵省が貸金業界からいろいろ徴求している業務報告書等の集計結果によりますと、六十三年三月末時点で貸付平均金利は一〇・五五%となっているわけでございますが、しかしそういう中で、いわゆる担保をとらないで貸し付ける無担保業者、これが全体の約九割を占めているわけでありますけれども、このようないわゆる小規模零細業者では金利の平均が四六・八〇%というふうになっております。したがいまして、この辺のところをどう考えていくか。仮に一定の金利で決めました場合に、経営にどう影響を与えるかということも現在いろいろ検討中でございまして、そういう実態を十分把握した上で、やはりこういう零細無担保業者の人たちもそれで生活しているわけでございますから、そういう中からお金を借りる人たちの立場も十分考慮しつつ答えを出してまいるべきことであろうと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 金利の差が二百十倍もなんというこんな状況というのは私は全く不適切な状況だと思いますので、これは速やかに進めてほしいと思います。  次に、証券局長、私は六十三年五月十九日の当委員会で、当時の証券局長に対して野村証券の問題を取り上げて質問しました。  そのときの証券局長の答弁というのは、野村証券の言い分をそのままうのみにしまして、実態を正確に見ようとしない態度がありました。やっぱりそういう態度がリクルート事件なんかに出てまいりまして、証券業界に甘いのじゃないかというようなこともあったのじゃないかと率直に感ずるのです。  問題は、これは公開質問状も出たような件ですが、野村証券の元常務であるにもかかわらず、その人が支店長室におりまして、そしてあたかも現在の常務であるかのごとく振る舞って、そしてそこの支店長も次長も常務、常務ということを言いまして、その常務の勧めでこの銘柄はここまで上がると断定的に言って取引を勧めた、こういう件であります。  この件につきまして、そちらの答弁では、一つは常務がそのお客さんと会ったのは取引終了後に初めて会ったと。それから元常務だということをちゃんと伝えておきました。それから値上げについては断定的には言っていないという、こういう答弁ですが、私の方は、これは先日証券局に対してその後この関係者が支店のいろんな人に対して電話などをして、あるいは実際会って、テープにとれてましてね、そのテープを起こしてみますと、明らかにテープのやりとりでは当時の証券局長の答弁は事実と反する、こういった点がありありと出ているわけであります。全部を御紹介できませんが、例えば最初会った日、これは取引のあった日かどうかということですが、十九日ですとこちらの人が言いましてね、そのとき常務はあそこの支店長室にでんと座っていましたよ、その真ん中のところ、間違いないでしょう。それに対してここの支店長は、間違いないですと。ちゃんとこれテープにとれておるわけであります。それから元常務かどうかというのは、もう常務、常務といつも言っているのだというようなことはこれは明らかに認めておりますし、断定的に言ったということも明らかなんですね。私どもはそのテープを起こしたものをちゃんと証拠を渡して、テープも渡そうかと言いましたら、いや、それはもうこれで信用しますと言うので、調べてもらいました。となりますと、少なくともはっきりした資料、証拠としては、当時の藤田証券局長に野村が説明したことは、これは事実と反するということがこういう資料をもって明らかになっておるのです。で、再調査をお願いしましたが、どうなったでしょうか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○政府委員(角谷正彦君) ただいま近藤委員からお話ございましたように、昨年の国会で近藤委員の方からこの問題についてお話がございまして、その後、私どもといたしましても、証券会社の行為が証取法等に違反する行政処分の対象になるかどうかという観点も含めまして調べました。また、あわせまして、そのときのお話で顧客さんの方からもお話を聞かしていただいたわけでございます。  その間の事実関係は実は両方非常に食い違っております。食い違っております内容というのは、今まさに近藤委員がいろいろお話しになったとおりでございまして、一方においては断定的に幾らまで上がるということを勧誘して、現職の常務であるがごとく装ってやったということに対して、これは藤田証券局長のお話ではなくて、これは野村証券の方の話としてはそういう事実は全くないのだということで、その意見は全く対立しているわけでございます。そういった意味で、実は特段新たな事実でもない限り、お互いの言い分だけですといずれが事実であるかということについて確たることが申し上げられないという状況でございます。  そこで、実は一昨日、私どもの担当の者が先生のところにそのテープがあるということで、そのテープの写しというものを実は一昨日いただいたばかりでございます。まだそういう意味で、全体について詳細な検討まで加えることになっておりませんけれども、ただ、ざっと私自身も拝見した感じでは、テープの起こしということでございますけれども、それがいつ、どのような状況のもとでとられたのかということとか、あるいは実際のやりとりというものも、どうも当事者同士じゃなければわけがわからぬようなところがございまして、正直言いまして、私どもの方としてはなかなか具体的事実がどうだということをこれで直ちに判断できるかというと、ちょっとややそこら辺は私どもとしても何か自信がないというようなことでございます。  そこで、私どもといたしましては、もし先生のお許しがいただければ、テープなり写しというものを相手方に渡しまして、そしてこれでもう一回事実を相手の証券会社が問い合わせる、あるいはその後それを通じて基本的にはお互いで話し合っていただくといったことも必要になってくるかと思いますが、そういったことについて、私ども必要があればそういった手続はとってみたいというふうに思っているわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 前の証券局長よりは大変よろしいですわ。前のときには、野村の言い分だけしゃべって委員長から注意されたこともありましたね。ぜひとも調査をしてほしいし、それはひとつお願いしたいと思います。  時間が本当はまだ大分あるのです。まだ六、七分あるのだけど、今環境に行かぬと採決に入っちゃうので、あと一問だけして行きますけれども。  国税庁、「ご存じですか、あなたの減税」というこういうのがありますね。恐らくこれは納税者に配布して消費税及び税制改革についての理解を得ようということで全国に配布をしていると思うのですが、大体枚数どれくらいか、かかっている予算どれくらいか、内容上問題はないのか、配布のやり方に問題はないのか、まずお答えをいただきたいと思います。

伊藤博行国税庁次長

○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。  御指摘のチラシの発行枚数は三千五百万枚でございます。チラシの配布方法等につきましては、各種の民間団体等を通じての配布、あるいは公共機関等の協力を得ての窓口等への備えつけ、あるいは各種説明会等々での出席者への配布といったような形で、できる限り多くの方に読んでいただくということでやっております。御質問の中でかかった予算ということですが、実は御質問いただきましたときにその項目入っておりませんでしたので、ちょっと調べてくるのを忘れましたが、そういったようなことでいろんな形で配布に努めております。特に私どもとして問題があるというふうに考えておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 三千五百万枚というと、相当な金だと思いますね。  中身に問題があるのですよ。「家計のゆとりはむしろ増える」なんというね。ただ、議論ずっとできなくて残念です。それから、これを各企業に持っていって、給料袋の明細書と一緒に入れてそして配布を依頼しているという、ここまでは行き過ぎだろうと思うのですが、そのことを指摘をし、大いに批判しようと思ったら、もう時間がないのでこれで終わりたいと思います。また戻ってきますけれども。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 為替相場の問題について一、二お尋ねをいたしたいと思います。  現在の状況がどうかといいますと、ややかすかに円高の方に振れたりもしているようでありますけれども、基本的にはドル高でありまして、ファンダメンタルズから遊離したドル高が続いている状況に変わりはございません。その意味ではプラザ合意の前の状態に似ていると言えなくもないわけであります。    〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕  そこで、今さら申し上げるまでもありませんけれども、円高というのはアメリカにとってば貿易収支赤字の解消にとって逆行する現象でありまして、したがって貿易収支赤字を解消するためには経済外の手段、いわば管理貿易の誘惑に駆られるような動きをどうしても誘発しがちなことでありまして、その意味で自由貿易体制を守るという点からいっても、ドル高を何とか是正しなきゃいかぬというのが今の大きな課題であろうと思います。その意味で、実はサミットがこの問題についてどういった答えを出すのかということについて今関心が集まっているわけでありますが、いよいよこの国会もあすで終わりでありまして、そうなりますと、その次の政治課題というのはもうサミットであります。したがってサミットにどう臨むかということをもう今お伺いしても、そう気が早いとおしかりを受けることもあるまいと思います。  そこで、私は、例のルーブル合意についていいますと、これはもう現在破綻していると思います。そこで、サミットに臨む態度として一つの言い方を申し上げますと、ルーブル合意の再構築を図るというようなことをねらいにして、現在のファンダメンタルズから乖離をしたドル高を是正するということを目標にお臨みになるおつもりでございますか、この点御所感をお伺いします。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) ただいま委員御指摘のとおり、現在のドル高につきましては、主要国の関係者はいずれもこれはやや懸念されるところであるという点について一致をしております。したがって、サミットの機会に七カ国の蔵相会議があるわけでございますけれども、ここでは当然この問題が大きな課題になると思います。また、そこにおきまして、マクロ政策の協調、これは委員の御指摘ではありますが、私どもはマクロ政策の協調はそれなりに軌道に乗って進んでいると思っておりますが、もちろん個々に見ますと、まだまだいろいろ問題はあるにせよ基本的な協調体制というものは揺るがない形で存在していると思いますが、それについてのしっかりとした確認、それから為替問題についての一致した行動についてのコミットメントというものが非常に重要なポイントであるということは、御指摘のとおりであろうと思っております。    〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 これまでの経験を通して我々が身にしみてわかりましたことは、乱高下は避けなければいかぬということだと思うのですね。そこで、乱高下を避けるという政策意図を含めて、為替相場の変動を許容範囲の中に抑えようではないか、ゾーニングをしようというような発想もルーブル合意の一つの課題であったのではなかろうかと、そう理解しておりましたが、これは間違っているかもしれません。そんな理解に立って、その再構築をなさるんですかと申したのでありまして、伺っている意味は、そういったゾーニングをして、そこの中におさめていくということを頭に置きながら、各国の協調を進めるという立場でお臨みになりますかと聞いておったのです。どうですか。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) まず第一に、介入が乱高下を避けるだけということからは、実はプラザのときにややもうちょっと踏み出したわけです。それは、乱高下だけではなくて、為替相場自身その水準もファンダメンタルズと違う形で動いていることがあり得る、それについては、第一にはマクロ政策の協調で、第二には為替市場における協力でよりファンダメンタルズを反映するようにやっていこうではないかというのが新しい動きであるわけですが、ただ、委員御指摘のような、変動幅というようなものを硬直的に持ちながらやるという考え方は必ずしもとっておりません。  これは、今までの経験からもわかりますように、また見ていて、ごらんになっておわかりのように、全体の流れがいろいろ流動する中で、レンジのようなものを頭に置いて協力関係を構築していくというのはなかなか難しいものですから、むしろ状況を見ながら、日々日夜にわたって関係者がお互いに相談しながらやっていくという方にむしろウエートが動いておりまして、こういうことの経験をやはり積み重ねていくということではないかと思うわけでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 途中経過は別にしまして、サミットにおいて主要国が集まって協議をするわけでありますから、その結果というものを力強くアナウンスをすることに意味がある、そこに力点を置いておまとめになる、これは間違いないことだと思うのですっ  そこで一つお尋ねしたいのは、長期的に見るとファンダメンタルズと為替相場というのは一致をしていくのが本当なんですけれども、しかし、こういった経済的な要因プラス経済外的な要因が、実は投機市場との関係ではこれは無視できない、むしろ大きいかもしらぬということが最近言われております。これは、有事に強いドルという表現でよく言われますが、そういった経済外的な要因ということも、これもまさに無視ができない。そういった意味では、サミットが持っているアナウンスメントエフェクトというものも従来に比べて一層重みを増してきたのではないかと思うのですが、この点、御認識はいかがですか。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) アナウンスメント効果の重要性ということは、全く御指摘のとおりであります。これが時々期待していたようなアナウンスメントでないと逆に逆効果になったりとか、大変難しい問題があることはよく御存じのとおりでございますが、ただいまの御指摘については私どもも一様にそのように思っており、そういった観点からどういう形でまとめることができるかということは、当然私ども主要国の通貨当局者の念頭を離れない課題であろうと思います。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 以下は大臣にお尋ねをするのでありますが、実は非常に失礼な質問に聞こえるかもしれませんけれども、内心結構まじめに心配しておるのでありまして、その角度からの質問だということで御理解願いたいと思うのです。  例を挙げますと、きょう日本経済新聞の朝刊を見ますと、当社が調べたところによると来るべき参議院選挙の結果は自民党は大きく過半数割れ云云と書いてあるのです。なるほど七月二十三日に参議院選挙が行われることはもう確定的でありまして、そのあと恐らく解散、総選挙もそう遠いことではないでございましょう、いずれ日程に入ってくる。問題は、こうしたものが経済外的な要素として円安にどう影響を及ぼすかという問題なんです。物価対策のことだけを念頭に置きましても、行き過ぎた円安に対しては極度に警戒していかなければならぬというのが現在だろうと思うのですね。  そこで、先のことですからわからぬとお答えになればそれっきりのことになりますけれども、経済外的なマイナス要因を極力排除しながら日本という国を運営していかなきゃいかぬ、これは与野党を問わずしてその責任を負っていると思うのですね。その点で、経済外的なマイナス要因の排除について、よほど私は思いをいたして御努力いただくお立場にあるのではなかろうかと思いますので、御所見を伺います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 為替相場が動く要因についての話でございまして、この点は、通貨当局としては正式な発言は差し控えさせていただくべきだろうと私は思っております。  ただ、言われるような幾つかの要因が新聞紙上その他で言われております。そういうものも言われるだけ何ほどかの影響があるかもしれません。我々もそれをかなり心配しているのでございます。  ただ、選挙というのは、これは政治上の日本の民主主義を支える大変大きな問題でございますので、この点は甘受せざるを得ないのではないか。それよりもむしろ、先ほど内海局長から言いましたように、ファンダメンタルズを離れたと思われる思惑については、やはり極力今の主要国の枠組みの中で協力しながら対処していかざるを得ないのじゃないかなと、私は今そのように思っておるところでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 おっしゃいましたように、選挙はやってみなければわかりませんけれども、選挙の結果というのは有権者の審判による結果でありますから、それはそれで大切に判断をしていかなければいけない問題でありますが、今私が申し上げたかった理由というのは、実は有権者というのは政治に裏切られたという失望感で今いっぱいであるように私は思うのです。  したがって、政治の信頼を、与党たると野党たるとを問わず、それを取り戻すために懸命に努力をすることが今の一番の大きな課題ではあるまいかということを申し上げたくてこの質問をしたのでありまして、これについて御答弁は要りません。なぜこの質問をしたかということだけ申し上げて、私の質問を終わります。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 速記を中止してください。    〔速記中止〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 速記を起こしてください。  これより内閣総理大臣に対する質疑を行い行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 一昨日も御質問申し上げたのですが、どうも余り歯切れのいい御答弁がいただけないので、もう一度、改革前進内閣に御質問申し上げたいと思っております。  財政改革については、総理は一昨日、私の質問に対して、大蔵大臣ともよく相談をして進める、大蔵大臣は財政審に諮問して財政審の結論待ちと、こういうことなんです。そうしますと、総理が言っておるような意味で財政改革をやるということはだんだん薄められてしまうのです。だんだんと転嫁していきまして、総理が改革前進内閣だと言っても、これはもうワンクッション、ツークッションと置くごとに相変わらずいつもの調子のものになってしまう懸念がある、こういう点について総理、どう考えますか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) やはり内閣は常に行政改革、財政再建、これをやらなくちゃならないと思っております。日本は幸いなるかな貿易面では里字でございますが、政府そのものの手元は非常に苦しい。これはこの間委員が本会議で申されたとおりでございます。だから私といたしましては、あらゆる財政のむだ遣いということに対しましてもメスを入れるべきである、かように考えております。特に国際化するにつれまして、やはり外から見た日本という場合には行政にいろんな不合理もまだ残っておる、私はかように思っております。したがいまして、それは行政面にもあるであろうし、特に財政面にもあるであろう、そうしたことをやはり我々といたしましても常に積極的に是正し、改革しないことには私たちといたしましても国際化できませんよと。ましてや、いつも問題になります高齢化社会、こうしたことを考えましても当然なすべきである、私はこのような気持ちで申し上げた次第でございます。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 今の総理のお話ですと、前総理も言っていたことと同じようなことですね、全然。支出を見直して財政もやらなきゃならぬということで、言葉でおっしゃっているほどのどうも改革をする気迫が感じとれないのは私だけじゃないと思うのです。  それで、財政改革の問題を詰める上で、前々から隠れ公債の問題が問題になっておるようです。  ここでもう一つ私は明らかにしておきたいと思うのですが、私なりほかの人もそうでしたが、隠れ借金という質問をするわけです。ところが政府から返ってくる答弁は全部隠れ公債という答弁で返ってくるのですよ、隠れ借金とは言わないのです。これは微妙に違うのです。隠れ公債は幾ら幾らですと。本会議で私が聞いたのは、隠れ借金幾らあるかということを聞いたのです。隠れ公債といっても、公債はわかっているのです。あれはもう隠れていないのです、全然。それをあえて隠れ公債だ隠れ公債だという御答弁だったわけです。そして、いかにもそれをつぶしていくことが次の財政再建の目標だというふうなことをだんだんとPRしているわけです。これは当たり前の話なんですよね。  例えば隠れ借金、短期の蔵券がありますね、これなんかも本来はその年度年度の支出を年度年度に整理していくべきものです。しかし三月末で整理されたことはないのです。そしてそれは出納閉鎖期までの分を収入をもって入れる。また後、次の年度の分は四月から借りていく。それで年間の平年残でも二兆円を超えるというふうなことになってきているわけです。これなんかも借金じゃないのですか。どうなんですか。そういう意味での隠れ借金、本当の借金は幾らなんだと私はこの間も本会議で聞いたのですが、上手に隠れ公債ということにすりかえた御答弁しかないのです。国鉄の問題もそうです。まだほかにもあると思うのだけれども、そこら辺を明らかにしていただかないと、財政再建論議というのは成り立たないのです。大蔵大臣いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) これは財確法の審議を通じまして既に明らかにしているところでございまして、今公債残高が百六十二兆、それから長期債務を入れますと百九十三兆、そのほかに今委員のおっしゃいました隠れ借金でございますが、定率繰り入れを除きますと約十兆五千でございますし、定率繰り入れ分の累積が約十五兆、こういうことになっております。別に清算事業団の分は政務次官からお答えいただいたような事情にございまして、現在二十五兆五千が二十七兆ぐらいになっておる、こういう状況でございます。  そこで問題は、日本の財政は先進国に比べてなお最も悪い状況にございます。今総理がおっしゃいましたように、財政の健全化の必要というものは従来よりも増しておるわけでございます。  そこで、今後の再建の手法あるいは目標をどう立てるかということでございます。今委員は、財政審におっつけて、政府は言ってみると責任転嫁しているのではないかというようなお話でございますが、全然そういうことはございません。かねて言っておりますように、やはり国会における論議を十分伺わしていただきたい。その他有識者の意見も聞きまして我々自身が考えを深め、そしてそれをどういう目標で、言ってみますとどういう合い言葉で今後この財政再建に取り組んでいくか、これを財政審の場をかりてみんなで検討しようということでございます。そして、この脱却後の問題というのは平成三年度以降の問題でありますけれども、しかし問題が重要でありますので、何とかこの年末かあるいは平成二年度の初めくらいまでに答申をもらって、そしてはっきりした意識を持ってこれからその重大問題に取り組もう、こういうつもりでございますので、どうぞひとつ御理解賜りたいと思います。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 全然御理解できないのですがね。  というのは、例えば大臣、今財政の再建の問題については財政審で御討議願っていると。ところが、財政審の討議の中でも例えば出てきているのは、館委員さんだとかいろんな論議の中で、やっぱり財政再建の目標を一つに絞り込むことは大変財政審として難しいというような論議がもう今は出ていますね。というのは、政府がはっきりした目標のもとにこういう方向で財政再建のあれを考えてくれというのであれば、これは絞り込むことができるかもしらぬけれども、政府の方がその目標を何にも持たないで、財政審の討議の中だけでそういうことを望むというのは、それで私は本会議で聞いたのは、要するに一体財政再建というのは何なんだと。国民の負担の問題なのか、負担率をどうするかの問題なのか、あるいは財政の健全性回復というか公債残高を下げていくということが目標なのか、そこら辺をはっきりさせませんと、財政再建、財政再建と言っても、もう当然払うことは当たり前の、隠れていないこれはツケ回し公債ですよ、隠れ公債じゃなくて。ツケ回しの分を払うことが次の目標だなんというようなことでは、総理の言うようないわゆる改革前進内閣らしい財政再建にはならないのじゃないですか。一体財政再建の目標を政府としてどっちに置くのですか、財政審はなかなか絞り込めないといってもう音を上げているのですから。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 言うまでもないことでございますけれども、財政というものはやはり行政全体あるいは政治全体をあらわしているものでございます。毎年度の財政、一般会計あるいは地方の普通会計というのは、そのときその年度における政策の基本を網羅しているものでございます。また全体のストックの関係、こういったものはその状況をあらわしていることは御案内のとおりでございます。そして、これらの問題をやるときに、やはり資源配分をどうするのか、この問題。そして国民のニーズがあるわけでございます。それに的確にこたえながら資源配分をどうしていくのか、あるいは所得再分配機能をどうするのか、それから景気の状況によりまして、景気調整についてはどうやっていくのか。ことしであれば例えば中立型がいいとか、あるいは財政の側から景気を促進する必要があるとか、むしろ抑制ぎみにやるべきであるとか、こういう財政の持っておる非常に大きな使命に照らしまして、もちろんそういう整合性のもとに編成されるわけでございます。そして、現在国の財政がまだ非常に脆弱であるということは、いろんな指標から見て明らかでございますし、当委員会におきましても、それぞれの先生方からみんな財政の再建あるいは財政改革の必要性はこもごも伺ったところでございます。  問題は、平成三年度から始まる、いよいよ脱却後の財政再建というものの目標をどういうふうに考えるか、こういうところに絞られているわけでございます。  そして、私の率直な感じを申しますと、この委員会における各委員のお話を聞きまして随分参考になりました。これは率直に申し上げておきます。こういうことを踏まえながら我々がこれから考えていく問題であろう。もう御案内のように残高の問題、百六十二兆の中に六十六兆のまだ赤字公債があります。利払いが多いということは、平均残高とそれから全体の加重平均した金利によって決まるわけでございますし、それが二割も占めているということは大変なことでございます。しかしもし仮に、一例でございますけれども、これを借りかえのときにできるだけ現金償還部分を余計にしようということに、もし余裕があったとして、そういうことをやりますれば、今度はその分だけ依存度が上がってくることは当然な話でございます。問題は、形の問題と、それから全体の、実質的に今私が申し上げたような財政の健全化をどうするか、こういう問題の、言ってみますとかみ合わせの問題でございます。だから、このうち何から優先してやるべきかというようなことも、一つ大きな問題であろうと思います。  それから、いわゆる借金の繰り延べといいますか、定率繰り入れば別にしまして十兆幾らあるわけでございます。これは実は各法律におきましてそれぞれみんな出しているわけでございまして、既にその返済方針につきましては法律で定めているものもございます。それからまた、物によりましては法律ではありませんが、こういう方針でやりますと。いずれにしても、それぞれの特別会計なりの運営に支障ないようにしてやっていくことは当然なことでございます。  そういう問題を総合勘案いたしまして、そして国民的な一つの目標として何が適当であるか、どういう標語がいいか。平成二年度までは新規特例公債脱却と言えば非常によくわかりやすいのでございます。それと同じように、わかるようなもし標語でもできれば非常に結構なことである、こういう問題意識でやっております。  重ねて申し上げますが、当委員会における委員の皆様のいろいろな議論、私は非常に参考になった、このことだけは申し上げておきます。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、河本嘉久蔵君が委員を辞任され、その補欠として小野清子君が選任されました。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 どうも大蔵大臣に質問しますと長々と聞かないことまで講義していただけるので大変私も参考になるのですけれども、時間の関係があるのでもう少し手際よくお願いしたいと思うのです。  今の話を聞いていると、今度は要するに赤字債の借換債が六十六兆ある、これが一つの目標になる。だけどこれね、標語はわかりやすくていいのですが、しかし大蔵大臣自身が六月八日の本会議で、建設国債の利払いからいうと赤字国債と同じようなものだ、国債と同様である、こういうふうに言ってるのですよ。ですから私はまさにそのとおりだと思う。あそこら辺に本音が出たと思うのです。借換債だろうと何だろうとそれは関係ないのですよ、要するに国債残高が問題なんであってね。国債残高見ると仮定計算というのは余り参考にならぬというふうに先ほど次長言ってましたけれども、あれで見ると十年後には二百兆超えるというような仮定計算なんです、全部でね。一方ではああいうものを出しておきながら、そうすると国債残高を減らすということが財政再建でなければ、じゃ国民の負担率の問題だと。ちっともわからないのです。  少なくとも改革というからには、これはそんな再建論議じゃないはずで、もう太政官の布告以来余り変わってないのです、今の国家の財政の簿記の仕方というのは。こういうところまでメスを入れないと、例えば小さい例ですけれども、住宅公庫に対して利子補給金が払えないでたまっているのが隠れ公債の中の一つだというふうに出ております、住宅の関係ね。あれもともとは出資金だったのですよ。出資金で出していくやつが、出資金ができなくなって利子の補給に変わったのです。そうしますと、利子の補給だけやっていけばいいというのではなくて、出資するものをしなかったのだから、これだけやっぱり後年度に対する財政の負担ふえていくのです。こういうものが幾つも、たくさんいろんなところへ隠していけば一体本当の借金というのは何ぼやっているのか。これがいわゆる現在の単年度決算、単式簿記の欠点なんです。出ていかないのです、そういう差し引き勘定が。私はやっぱりここら辺にメスを入れるということ、ここら辺をどうするかということをもうそろそろ論議していかないと、とにかく二十一世紀、宇宙時代という時代にこれはとても太政官布告のころの大福帳でやっているような簿記の仕組みで、何とかやっていくということは限界に来ている。そういうふうなことの本当の数字が出ない仕組みですよ。ここいら辺に対して、実は私は改革前進内閣の期待する御答弁いただけると思ったのですが、ちっとも何といいますか、この間の本会議でも、その問題で総理が答弁しているときには大蔵大臣はこくりこくりと瞑想にふけってたようでして、余り乗り気でないのです。総理がいやにハッスルしているのです。ハッスルしている総理に、ひとつその点もう一回明快に総理の所信を伺いたいと思います。大蔵大臣に相談してもだめですから。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 総理がお答えになる前にちょっと申し上げておきます。  今、国民負担率に触れましたけれども、かねて言っておりますようにこれは行革審もそうでございますし、臨調もそうでございますが、財政再建は増税なき財政再建でございます。したがいまして、財政再建のために例えばそのための国民負担率を上げるというようなことはいたさないつもりでございます。これははっきり申し上げておきます。  それから、出資から補給金に組みかえた、これはもうそのとおりでございます。しかし、これは言ってみますと、前に税収が豊かであったときはほとんど出資金でありまして、その出資の果実でもって大体賄おう、こういう時代がございました。しかし、それはもう財政が苦しくなるとできませんので、ちょうど列島改造のころでございますけれども、ことごとく利子補給に切りかえたということはもう御案内のとおりでございます。  それから大福帳の話でございますけれども、あるいは単年度主義を言っておられるのではないかと思っております。単年度主義というのは、非常にやはりその都度財政の健全性を点検する機会を与える、国会の審議が毎年になるわけでございます。ですから、もしこれが継続的な予算になりまして、それをもって複式簿記的だというようなもし御発想であるとすれば、財政の節度という点から見ますと非常に問題である。やはり絶えず国会にかけて、単年度どうなっておるのかどうなっておるかといって御審議いただいた方が財政の節度が保てると、これは私の個人的な考えでございます。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 認識から申しますと現行の財政制度そのものは、やはり今大蔵大臣言いましたような節度保持という面から、財政改革の支障にはなっておらないと私は思いますけれども、恐らく丸谷委員もいろいろとお考えであろう面は、私たちも考えざるを得ない面もあります。ということは、単年度会計でございますから、したがいまして年度末にどうなるかというふうなことがよく指摘されておりますが、お金が余ればそれは明年度に繰り越すとかいろいろ方法が一般的にあるかもしれませんが、とにかく全部使い込んでしまえというふうなことで年末の道路が掘り返されるというのはどうか、こういうような指摘もあるわけでございます。あるいはそうしたことでもし節約し、あるいはまた財政再建をそれぞれの交付団体がすることにおいて、予算にもし余りがあるのならばそれは返上するという方途もあるじゃないかというふうなことも考えられないわけではありませんが、それだと実績がつぶれてしまうからやはり実績をつぶさないようにしようというふうな、いろんな考え方が錯綜している面が私は少なくないと、こういうふうに考えております。したがいまして、現在の財政制度を保つのは必要だが、そうした面におきましてもう一苦労も二苦労もするべきではなかろうか。お互いに各省から大蔵省に要求した実績は保ちたい、これは各省の気持ちだろうと私は思いますが、そうした面におけるところの一つの行政改革と同時に、財政再建の面においてもなお詳細に手を入れて、いろいろと議会で御議論を賜ればいいのじゃないか、政府みずからもそうした面に手を入れることが許されるのではなかろうか、私はかように思っております。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 先に進みたいと思いますがね。  私の言っているのは、財政改革というのは効果の問題も、例えば幾ら投資しても、山林の持つ空気浄化とかあるいは水をきれいにする効率とか、こういうものが単式簿記の中では投資するだけで出てこないのです、何にも効果の問題が。そういう問題が一つあります。それから、外為の運用だって全然わからないでしょう、こういうものを出すだけで、どうなっていっているか、売り買いやっているのだと思いますけれども、いろいろ運用していると思いますけれども。現在の単式は非常にわかりやすい、わかりやすいだけに隠れているところは全くわからない。それから投資効果、財政効果というふうなものの測定もできない。こういういろいろな問題を言っているのです。  それで、総理に先に、サミットへおいでになるので、その問題をやっておきたいと思います。  一昨日も申し上げましたけれども、東京会議は大変結構だと思います。サミットでも当然それはもう一番大きな問題になるというふうな認識も必要だと思いますが、そちらの方に今写真を。(資料を示す)これは、正月に撮ったのが上の写真で、下は十一月に撮った写真なんです。一九八三年から八四年ですから、まあちょっと前ですが。それよりも今もっと悪くなっているのです。現在はもう板橋区で大体〇・一二ppm、それからこのあたりですと〇・七ppmというふうなNOx、二酸化窒素の量はそのときよりもっとふえているのですよ。  私たちも一昨年、一番道路でひどいという板橋の宮本大橋ですか行ってきましたけれども、実にひどいもんです。それできょうの新聞を見ましても、開発途上国等の環境のために資金も出す、技術も応援する、そういう政府方針を決めてサミットに臨む、そのことは結構なんですが、東京会議をやったときにここへ集まったそういう環境関係の人が、空気をきれいにしないで何言うかと言われたときに、総理何て言うつもりですか。ますます悪くなってきているのです。  アメリカは既にメタノールの車を今世紀中に百万台つくっていくというふうな、具体的な出発をしました。ところが日本は、メタノールガス一つとってみましても、全然まだ低利の融資を行うとか、取得税だとかいろんなものを減免するとか、多少なことはやっていますけれども、一番NOxの多い東京で具体的なそういう問題に対する大きな政策、予算というようなものをつけないで、これはほかにもいろいろありますけれども、この一点とってみても、これはとても世界に向かって環境の問題を言うところまでいかないのです。まず東京のNOxの問題をしっかり片づけるという大決意を持って、ひとつサミットへ行ってもらいたいのですが、いかがですか。ごらんになってよくわかるでしょう、これ。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) いつも言われることでございますが、非常に狭隘な都市に多数の人口が集中しておる。したがいまして、お正月あるいはお盆には空は青いがその他は非常に空が曇っておるというふうな、一般にわかりやすいお話をしますとそういうことになるであろうと思います。したがいまして、CO2の問題は、今後の国際の環境会議におきましても一番大きな問題でございまして、やはり我々といたしましても、まずエネルギー等々考えました場合に、クリーンエネルギーが必要だねということから始まっておるということでございます。  したがいまして、その面におきましても、クリーンとは何事だ、原子力かというような話になってしまいまして、原子力を否定する国々もたくさんございますから、まず省エネだろう、さらには新技術の開発だろうと。日本はそういうバランスをとりながら、この間の世界の環境会議におきましても私は主張してまいったような次第でございます。  だから、このようなすごいところで世界環境会議を九月に開いてもだめだよ、そういうふうにおっしゃればそうかもしれませんが、しかし今後新技術の開発なり、そうした面において日本が先頭を切ってイニシアチブをとりましょう、こういうふうにこの間も申し上げておるところでございますので、その点も御理解賜りたいと思います。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 総理は漢語が大変お上手なんですが、隗より始めよ、御存じですね、いかがですか、東京のNOxをもう一遍ひとつ、しつこいようですけれども、非常に大事なことなので。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 常に私は政治家たるもの先頭に立つときには、まず隗より始めよと。行革も財政再建も隗より始めよ。隗とは何か。政府である。こういうふうに認識して進んでおりますので、そうした新しい技術等々の面もございましょう、最善の努力を今後払いたい、かように思っております。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 たくさん申し上げたいことあるので、これ。  この間質問し残した問題にFSXの問題があるのです。その中で一つ私が出した質問に対して政府答弁で、「交換公文はいわゆる財政事項を含む国際約束ではないので御指摘は当たらない。」というのがあるのです。これはもうむしろ、今の外務大臣より宇野総理の方がFSXの交渉においての実態をよく御存じだと思うので、これよくわからないのは、最初に日本は自分で開発しようとしたでしょう。三菱重工ですか、どこかが中心になってまずやる。ところがアメリカの方からいろいろとプッシュがありましたね。あえて圧力とまで言いませんけれども、圧力かける前の段階の根回しがありましたね。それで、こちら側からアメリカの方に申し込ませるような形で共同開発しましょうと、こういうことになりましたね。そして共同開発進めるとなったら、今度はアメリカの議会がいちゃもんつけてきた。そして日本が次々と譲歩をしていく。これはやっぱり国民に非常にわからぬと思うのです。しかもそれらのことをアメリカの議会ではがちゃがちゃやっているのに、日本の議会では例えばこういうものについての交換公文、私はここで交換公文につきましてはべ―カー書簡を中心にした問題を挙げて宇野総理の名前で答弁もらっているのです。  要するに、交換公文というのは国際的な約束じゃないのですか。これは財政事項を含むということを入れたので、財政事項を含まなければ国際公文というのは国際的な約束だと、財政まで含まないというふうに上手に逃げているのですけれども。だって約束したら財政負担しなきゃならぬでしょう。交換公文というのは一体どういうものなんです。国際約束じゃないと言い切れますか。そういうふうに言っていいのですか。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) ただいま先生お尋ねの交換交文というのは、国際約束の形式として広く用いられているものでございまして、実績として申しますと、例えば我が国の場合昨年一年で三百以上年に国際約束を結んでおりますが、そのうち九五%ぐらいが交換交文という形式をとっております。  この交換交文につきましては、もちろん理論的には内容は何を盛ってもよろしいわけですが、通常は我々がといいますか、いろいろな国で広く行われております慣行は、それぞれの国の政府が憲法あるいは法律あるいは予算の範囲内で授権されているというか、その国の政府がそれ自体としてやることができるものについて国際約束をするのに用いられている形式でございます。  今回のFSXの合意につきましても、第四項でそれがはっきりうたわれておって財政条項を含まないということがはっきりしているので、ああいう答弁書を書いた次第でございます。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 アメリカの方はこれ議会になるのでしょうね。どうして交換公文で、日本の方だけはそういうことになるのですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 今条約局長がお答えいたしましたように、このFSXに関します交換公文は法律あるいは財政事項を含んでおりません、いわゆる行政取り決めてございますので、行政限りで取り扱ったということでございます。  米国につきましては、このFSX協定を実施するに当たりまして、対外武器技術援助法というのがございますが、それによりますと、どのような武器あるいは技術を外国に供与するかということを三十日間議会に提示する必要がございます。その米国の国内法上に沿ってとった措置というふうに承知いたしております。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 この問題はあした外務委員会でまたやらしてもらいますけれども、いいんですかそれで。  それで今度累積債務。これも一昨日時間がなくて触れられなかった問題なんですけれども、宮澤さんが提案したのに対して、やや似たようなものがブレイディ提案で出てまいりましたね。そうしますと、これはやや似たようなものですから、日本政府としては大体あの提案は受け入れて、その方向で進むという考え方なんでしょう。どうですか。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) 丸谷委員ただいま御指摘のように、いわゆるブレイディ提案は宮澤提案と呼ばれております我が国の提案とかなり共通部分を持っております。また、ブレイディ提案自身の作成の過程で私どもは十分に相談も受け、我々の意見も反映していると思っておりまして、これは現在の状況にふさわしい提案だと思い、これを積極的に支持しております。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 それで、これはこういう表現使っていいかと思うので、これは大蔵大臣にあれですが、一つは春の施政方針のときですが、「累積債務問題につきましては、国際的な協調の枠組みの中で、債務国ごとの事情を踏まえ、自助努力を前提に問題の解決を図ることが基本であります。我が国としても、最貧国について債務軽減措置を実施する」、「最貧国」という表現、後進国をこれはいけないというので開発途上国と変えるくらいの配慮をしていて、これはちょっと、まだどこからも文句言ってきませんか、これ。最貧国、最も貧しい国と、こういう表現は私はやっぱり表現としてはちょっとこれから注意しなきゃならぬことだと思うので、気がついたので、ついでに言っておきます。  ただ、ブレイディ提案、大体その方向でいくということになりますと、いろいろそれなりの問題が出てくるのです。例えば、日本の民間の金融機関にしてもやっぱりアメリカと同じように貸倒準備金の問題だとかいろんなことと同じような制度要求が必ず出てくるのじゃないか。それが一つと、それからもう一つは、一番私は心配だと思うのは、例えばアルゼンチンのようなインフレ、あそこが四百五十億ドルくらいですね、債務国です。  私はこの間アルゼンチンに行ってきたのですが、びっくりしたのはブドウの農家へ、メンドーサという首都から一千キロぐらい離れているところですがね、一体ブドウの価格、ワイン工場に出す値段幾らぐらいするのだと聞いたら、いやブドウは売ったとき値段は決めないのだというのですよ。どうしてだと言ったら、決めてもお金をそのとき払ってもらったら、それで次の年までの生活もたないのだ。だから、ワインをつくってワインを売ったときに仕切ってもらう、こういうようなインフレが続いているのです。またいろいろな方に会っても、余り自助努力というか、借金払う気なんかないですよ。大体あのインフレではどうしようもないです。  累積債務の問題については、総理は外務大臣として大変いろいろ国際会議やなんかでも御心配したので、ブレイディ提案のようなこの程度のことで一体整理がつくのか。私はとてもつかないと思うのですが、総理のこれに対する御見解をお願いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 今、内海局長からお答えいたしましたように、いろいろな提案がなされております。日本自体といたしましては、先ほど丸谷委員が御指摘になりましたいわゆるLLDC国に対しましては、もう思い切りまして過去十年の債務、これは弁済は難しゅうございましょう、だから、昨年のサミットで当時の竹下総理から五十五億ドルキャンセルというふうな思い切った措置をとりました。これは非常に高く評価されたのでございますが、今問題になっておりますのはやはり中所得国の累積債務である。これは主として今名前が挙げられましたような地方が多いのじゃないだろうか、かように思っております。  日本といたしましては、そうした国々に対しましても、既に昨年も還流資金二百億ドル、前回の還流資金は百億、合わせて三百億ドル、うち四十億ドルを中南米に回して、そして一応累積債務もあろうけれども、そうした流れにおいてぜひとも自立してくださいというふうな姿勢も示しておるわけでございますから、意外とこうしたことは世界から非常に評価されております。  だから、今申されますところの、いわゆる一般的累積債務をどうするかということになりますと、やはり国際的な同調ということも必要でございましょうから、現在、日本とアメリカがそうした問題に関するいわば先陣グループと申しましょうか、そうしたところに並びながら、その地方の問題を考えておるというのが現状でございます。確かにこれを早く解決するということは、世界のいろんな経済情勢に重大な影響を与えますから、私たちといたしましてもさらに関心を持っていかなければならない、かように考えております。

丸谷金保日本社会党・護憲共同

○丸谷金保君 あと何かあったら言ってください。

内海孚大蔵省国際金融局長

○政府委員(内海孚君) ただいま委員からアルゼンチンの例が示されました。私どもの日本提案におきましても、またいわゆるブレイディ提案におきましても、最も我々の重視しておりますことは、この戦略が適用になります国は、IMFとの間で先ほど御指摘のインフレの問題、財政の問題等含めてしっかりとした経済再建計画が中期的、三年くらいの間をカバーする計画ができ、これをしっかりと実行して経済再建に取り組むという国のみを対象とするということでございまして、そういうことでない国に対して安易に適用することは非常に問題があるということにつきましては、私どもも委員と意見を同じゅうするものでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 最初に総理にお尋ねいたしますが、十九日のNHKの番組「総理にきく」、この番組に御出席をされました総理は、衆議院解散、総選挙につきまして、解散の前には公職選挙法の改正など政治改革をやっておきたい、それがけじめだと思う、このようにお述べになりました。  この発言から見ますと、参院選終了後に臨時国会を召集し、秋には政治改革関連法案を処理して、その上で年内解散のタイミングをうかがうという政治日程を頭の中にお入れになっていらっしゃるのじゃないか、こう考えられるわけでございますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。  また、総理はこれまで、解散をして国民に信を問うのがけじめという説があるが今解散は考えていない、こういう主張をされていたわけでございますが、それを今回軌道修正して解散の前提について述べられたと私は考えるわけですが、その辺の意図はどの辺にあるのか、お伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) この間のNHKの私の所信表明といいますか、炉辺談話でいこうというようなことで、談話でございます。談話から申し上げますと、私はこういうふうに言いました。今太田さんがおっしゃいましたとおりに、解散というのもリクルート事件の一つのけじめでございましょう。そういう説もございます。しかし、私は、そのけじめよりも、やはり政治大改革をやって、解散をして、同じような選挙法のもとでやってみてもやはり同じような結果しか得られないと大変なので、その前にひとつぜひとも政治大改革をやってのけたいと思います。だから現在は解散は毛頭考えておりませんと。かように申したわけでございまして、今いろいろと順番にお考えなさいましたが、そういうようなお話は一切しておりません。  確かに行政改革、財政再建、今さっきまで問題になっておりましたが、そうしたものを含めましての政治大改革であるということになりますが、とりあえずの問題はやはり選挙法をどうするのだ、政治資金どうするのだということでございますから、あともう国会も一日でございますけれども、いろいろとそういう面に関しましても、衆参ともに御努力をしていただいておる最中でございますので、私はそういう御努力がそうした法案に関しましても実るてとを、最後の最後まで期待したいということでございますから、まだ秋の臨時国会がどうのこうのと、そういうことには私は触れたことはございません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それからもう一つ、総理は十六日の自民党主催の支持団体の懇談会で消費税についてこのように意見を述べられてみえますが、「消費税は福祉を目的とすると私は定義づけた。そうした立場で我々は戦いに臨む」、こういう意見を述べられているわけですが、やはりこの点に対する真意を明らかにしていただきたいと思います。  これは多分に、国民の反発が厳しい消費税に対する批判を和らげるために、福祉財源と位置づけることで対参議院選向けのリップサービスではないかと、こう思うわけでございますが、その点の総理の真意はどのようなものでございましょうか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 消費税は、常に両院で御説明いたしておりますとおり、高齢化社会、さらには国際化社会に備える一つの税である、かように考えました場合に、時折、雑音と申しては失礼でございますが、いや消費税は国防を増大するために使うのだというような説もなきにしもあらず。いろいろそういうところでタックスペイヤーは非常にお困りであるのではなかろうか、かように思います。  しかし、私が、やはりそれを一つの定義づけをするのならば、消費税は福祉にぜひとも充当したい、それを優先して使うのが本義である、このことを申し上げた次第でございます。  ここで注意しなくてはなりませんのは、目的税は絶対つくりません、そういうことでございます。したがいまして、三%という税率は、前内閣もさようでございますが、私の内閣におきましても三%はあくまで三%、これを上げる必要はございません。こうしたことをお考え賜りまして、それでひとつ福祉に充当したい、これが私の気持ちでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 総理のそのときに発言されたことの中に、今回の消費税は高齢化社会に備えるもので、十兆円の福祉予算の中で消費税の税収はわずかなものかもしれないが、消費税は福祉を目的とする、こう述べてみえるわけでございますね。  そうなりますと、当然福祉予算と消費税の税収との間に何らかの因果関係を考えるべきじゃないかと思うのですが、例えば消費税の税収増についてはすべて別枠として福祉予算に組み込むことを制度化する意向を持った消費税の福祉目的化、こういうことも総理は腹の中に考えてみえたのじゃないかと私たちは思うわけです。  また、この発言をいろいろ聞いてみますと、やはり福祉予算に消費税収を充当するという根拠をつくりながら、将来的に消費税の税率の引き上げの理由にしていこう、こういう危険をやはり私たちは感ずるわけでございますが、その点どのようにお考えでしょう。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 今申しましたとおり、消費税は目的税ではございません。しかもまた率を上げる意図は私は全くございません。これは財政当局も同じであろうと思います。  また、消費税の仕組みから申しますと、そのうちの四割は地方公共団体に譲与税または交付税として配分される。これも御承知でございましょう。そして、福祉の予算は現在十一兆円でございますが、私はやはり、これは高齢化社会が進むにつれまして、いろいろとこれはやはり十一兆円では済まないであろう、こういうふうに思います。したがいまして、消費税額は三%ですから、これはもう同様であろうけれども、こちらはふえますし、したがいましてそれに充当いたします、こういうことでございますから、伸びたものをまた伸ばそうと、そんなことは全く考えておりません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 今国会の審議におきましても、消費税の欠陥がいろいろ指摘されました。総理大臣も大蔵大臣も消費税の問題点として、いままでも五項目についていろいろと挙げられていらっしゃいますが、それは総理の諮問機関でありますところの税制調査会で具体案をまとめるということになるわけでございますけれども、総理としてはその消費税の改正作業について税調からいつごろ答申を求め、あるいはそれを法案化していこう、そういう構想を持っておみえになりますか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) これもしばしば申し上げておりますが、私たちといたしましては、今回、もう既に成立いたしております改革法に従いますならば、一年たった時点で見直しなさいということになっております。しかし、ここで見直し見直しと言ってしまいますと、じゃ免税点三千万円見直しかい、こういうふうになってしまいますから、私たちはそんなことは考えておりません。恐らく税調におきましてもそうした建前で、本来ならば一年たった時点において見直そうということが本来の税調のお考え方であったかもしれませんが、消費税は初めての税でございますから、非常になじみが薄いので戸惑いも多い。主婦の方々も毎回三%取られる、どうしたものであろうかというような悩みを持っていらっしゃいます。もし、それが内ならばそんな悩みはなかったろうと言う方がおられますが、内だといたしますと果たして便乗値上げがないのかという続く問題も出てまいります。したがいまして、そういうような主婦の悩みにも私たちは耳を傾けるということも必要でございましょう。  いろいろな声が私はあると思うのです。これとこれとこれといってここで言いますと、それを見直すのだなというようなことになるかもしれませんが、まだ私は、それは私の仕事というよりも、これはあくまでも税調のお仕事である、だから総理大臣あるいは大蔵大臣がこれとこれとこれとと言うわけにはまいりません。したがいまして、来年の五月を待たずに、できるだけ早い機会に勉強してくださいよということを、私は組閣と同時に村山大蔵大臣にお願いを申し上げまして、来る二十八日ごろに税調が開かれまして、そこでこの問題に関しまして政府の税調として公平、また本当に微細にわたりまして着手をして勉強していただくというふうなことに相なるわけでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 消費税のいろんな論議の中で最大の欠陥というのは、消費者が払った消費税の一部が国庫に納入されないでそのままとまってしまうということでございました。それも一つありました。こういうような事態を招く原因というのは、中曽根総理のときの売上税反対の急先鋒を務められましたところの流通業界を初めとする事業者、そこに対する対策として簡易課税制度等の特例措置がとられたわけでございますが、やはり見直しということになりますと、もしもなくすようなことになれば、事業者に対する公約違反ということになるかと思うのです。  また、総理としましても、この作成の経緯をいろいろと考えてみますと、消費税が制度化してしまえばしめたものだということで、これを変えてしまうということには少なからず抵抗感があるのじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 私は、消費税そのものは貴重なこれからの税法でございますから、いつも申し上げますが、これを撤廃するという意思は毛頭ございません。しかしながら、定着するという方向で国民の方々の御理解を得たいし、また政府当局といたしましてもなお一層の努力をしなくちゃならぬ、かように思っております。  したがいまして、そうしたことで、我々といたしましては、やはり将来を考えていただくと必要な税法でございますよと。よく竹下総理が申されましたが、将来は、ああこれに改正しておいてよかったなという時代が必ず来るとおっしゃっていましたが、私もそれと同様の意見を持っております。しかし、その間にはやはり謙虚に国民の声に耳を傾けるということが必要なんだ、そういう気持ちは私は忘れたくないということでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 我々は、やはり幾ら見直しをしましても消費税の欠陥というのは是正できない、したがって撤廃すべきであると私たちは主張しております。  また、この際、話は変わりますが、いよいよ来月中旬パリ・サミットに出席をされるわけでございますが、サミットで議題となることが予想されている問題について若干伺っておきたいと思います。  最初に中国情勢についてでございますけれども、中国は保守強硬派主導で一応の秩序を回復をしていると伝えられておるわけでございます。サミット出席国の欧米では、民主化勢力を武力弾圧しております中国政府に対して、対中制裁姿勢を強めてきているわけでございますが、私は、欧米と異なり日本は隣国でございますから、我が国の立場からしかできない対応の仕方があろうと思うのです。一時的な中国の反発を恐れて手をこまねいているだけでは、世界各国から批判を招きかねないという指摘もございますけれども、これらの問題を含めまして、外交経験の豊富な総理の対中政策、姿勢というものを伺っておきたいと思うのです。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 太田委員も御指摘のとおり、隣国ということは大切なことでございます。だから、太平洋を隔て、あるいはまたいろいろと大陸を隔てた国々と私たちの間には、おのずから隣国としての節度も、またわきまえもなくてはならない、かように私は考えております。  で、ややもすれば、そうしたことが何か日本は先進諸国の姿勢に対しておくれをとっているのじゃないかというふうな御批判の向きもありましたが、過般来の経緯を私が考えるに、過般来私たちが慎重にやってまいりましたことは非常によかった、かように思っております。このことも、北京在住の日本大使からも私あて私信が参りまして、非常に日本政府の姿勢がよかったのでトラブルが起きず、私たちはよき隣人として今後いろいろな問題について、隣人としてのアドバイスをするときにはアドバイスをいたしましょう、こういうふうなことが言われてまいりましたので、私は非常によかったと思います。ただ、あの間におきまして、軍隊の銃口が国民に向いたということは、私は人道上それを許容する範囲を超えておる、こういうことはもうはっきり申し上げたわけでございます。  したがいまして、いろんな問題が起こっておりまして、アメリカは非常に厳しい姿勢で臨んでおられます。それも私は先進国としてそういう姿勢がとられておることも、そのゆえなきにしもあらずとは思いますが、私たちといたしましては慎重に見守っていきたいと思います。  きょうは、そういう一つの御質問がございましたから、一つだけ我々といたしましての考え方、もう一度新たなことを申し上げておきたいと思います。  既に本国会において申し上げてきておりますとおり、最近の中国政府による学生、一般市民に対する取り締まりの強化は、それが中国の国内問題であるといたしましても、民主主義国である我が国の基本的価値観とは相入れないものであり、個別の問題について申し入れば行いませんが、我が国のこのような原則的考え方につきましては、本日この場で私も改めて表明いたす次第でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 確かに、総理の言われましたように、諸外国は非常に厳しい姿勢をとっておりますし、あるいはサミットでこの問題はやはり政治課題として取り上げられる可能性があるのでしょうか。それで、やはり日本としても公式的な発表をするときが来るのか、あるいは中国に対していろいろと統一的に、今回の事件につきまして日本政府として中国政府に見解を求めていらっしゃるのでしょうか。どうでしょうか、その点は。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 今のところはまだまだいろんな内政問題が、整理されつつあるとは考えますが、いわゆる私が言う、天安門のあの広場から戦車が姿を消し、また軍人が姿を消すという状態には至っておりません。だから、私たちはやはり、今後、隣としてのいろんな協力は惜しみません、惜しみませんが、皆さんも御承知の春風駘蕩たるあの広場の姿が再現することを私は望みますよと。同時に、やはり中国が国際社会から孤立されないよう、我々といたしましてもそうした面において特に関心を有しておりますというのが日本の立場でございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 あるアメリカの議員は、日本の人権問題の立ちおくれという点で批判をしておる人もみえますが、特に上海の三被告の死刑確定について、即刻ブッシュ大統領を初め欧米各国は、その自重を求める声明を伝えるほど迅速な対応をしているわけでございますけれども、その点、総理の、人道上から見た対応、対中国政府への対応は、その点はどのようにお考えでしょうか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほどここで、民主主義国たる日本から見た場合にいろんな差はございましょうが、個々の問題に私は今日言葉を差し挟むことをいたしたくない、こういうふうに申しました。そうしたことで、今後も推移を見守っていきたい、かように考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 次に、やはり先ほど同僚委員からも話がございましたが、サミットでは地球環境汚染の問題について討議されると思うのです。特に、地球環境汚染につきましては、フランスのミッテラン大統領が非常に熱心にこの問題を取り上げることを主張されたようでございますし、サミットの議題となり、そして相当厳しい態度が各国から披瀝されてくるのじゃないかと思うのです。それに対する日本政府としての対応も十分していかなきゃならないと考えますし、また、先ほどの丸谷委員から話がありましたように、九月には東京会議が開かれる。ここでも我が国が経済大国としてあるいは技術先進国として、地球環境保全のためにどのような具体策を提示し率先して実践していくべきか、何と申しますか、世界に貢献する日本の真価の一部がそこで問われてくるのじゃないかと思うのですが、その点どのようにお考えでしょうか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) この間IEAの会議がパリで行われまして、私も通産大臣も参加いたしました。ここでは先進国がほとんど来ておりましたし、なおかつ、チェルノブイリ原発の被災国と申し上げてもよいと思いますが、北欧の国々も参加しておられました。そうしたところで環境問題というものがエネルギーに関してされたわけで、それは先ほど丸谷委員にもお答え申し上げたような考え方もあるわけでございます。  しかしながら、そうした以外にフロンガスによるオゾン層の破壊であるとか、あるいは熱帯樹林の問題であるとかいっぱいございます。私はフロンなんかというものを考えました場合に、日本はどういう特色があるかなと。普通フロンはお互いに使いますスプレーから出ると、こういうふうに言われておりますが、我が国におきましては産業のIC、これをフロンによって洗浄する、これにほとんど大量に使われておる。そのほかやはりクーラーとか、そうしたものもございましょう。だから、各国事情がまちまちであるかもしれませんが、やはりフロンにつきましては代替物を私たちも考えていかなければならぬ。つまり、新技術の開発であるということを主張いたしたい、かように思っております。  なおかつ、CO2に関しましては、どこが一番大きいかと申しますと、アメリカが一番大きくて二番目がソ連で三番目が中国で四番目が日本だと、こういうふうに言われておることは太田委員も御承知賜っておるところでございます。しかし、四番目だからというのじゃなくして、やはり私たちは積極的にこれに取り組みたい。  特に、熱帯樹林という問題では、南方において開発されたいろんな森林が本当に滅亡に瀕しておる。これは焼き畑農業という独特の農業もございましょう。しかしながら、日本は木材国であるからどんどんと日本がそれを買ってやっておるのだというような意見もございました。中には、ブラジルでもついこの間、アメリカのある人が太平洋に向かって道がつけられておる、これは日本だと簡単に言ってしまいますが、全く日本は関係なかったわけであります。  かくのごとく、経済成長とそして地球環境というものは、正比例するような姿においてどんどんと問題視されておりますので、常にこの犯人は日本だ日本だというふうな風潮がございますが、私たちはやはりそうしたこともきちっと説明をしながら、今申し上げましたような環境問題に関しましては、我々といたしましてもあらん限りの努力をして、特に日本の技術というものに対しましても非常に関心が寄せられておりますし、技術開発のための資金に関しましても日本に関心が寄せられておる。そうしたことを日本は日本、アメリカはアメリカと言わずに、世界的な規模において何とかしようじゃないかというふうな話が、恐らく私はサミットにおけるところの各国首脳の考え方になってくるであろう、かように考えております。したがいまして、当然それに対処するだけの準備は必要である。御指摘のとおりでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 また、九月の東京会議これは竹下前総理が非常に御熱心にやってみえたのでございますが、内容は世界のそういう環境関係の学者、文化人の方が集まって討議をされるということでございますが、やはりそれを日本で開催されるということでございますので、日本政府としても率先して世界環境保全のための提言をそこですべきじゃないか。これは本会議でも申し上げたのですけれども、その点はどうでしょうか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 環境会議はもう最近寄るとさわると我が国においても開催、我が国においても開催というふうになっております。中には、そのイニシアチブの取り合いというものすらあることは既に御承知賜っておると思いますが、日本はいろんな国際会議には必ず出るようにしよう、それが南であれ北であれ、必ず出るということが大切だというので、大臣が忙しいときには政務次官が出席するとか、そうしたことで環境庁長官も率先して出ていただいたというのが、昨年の暮れからの今年に至る日本の環境会議に対する熱意でございます。  そうしたことで、東京におきましてもその会議を九月に開くことと相なりました。もちろん、そのためには日本といたしましても相当な準備もし、また今御指摘のような面もございましょうが、まあ最初から日本はこうだということも必要でございましょうけれども、最終的には共同コミュニケによってそうした問題を処理していく。コミュニケは参加者全員の合意によってつくる、多数決ではない。こういうふうなことでずっと国際会議は貫かれておりますので、そうした面におきましても、当然主催者としての自覚と努力、これは必要である、このように考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それから、サミットの課題としましては農業政策がやはり議題になるのじゃないかと思うのです。  我が国の場合、農産物の十二品目の自由化が計画的に進められていることから、特にアメリカを中心とした米自由化要請に対する対応策につきましては、総理はサミットでどのように説明されるのかお伺いしておきたいと思うのです。  聞くところによりますと、ことしの米価算定に当たりまして、従来の方式より米価が低く出る新算定方式を導入した上で、実際の米価は政治加算などで据え置きとすると、こういう案が有力であるように聞いているわけでございますが、このようないわば玉虫色の日本的な解決策が事実としますと、それはサミットの場でなかなか受け入れられないのじゃないかと考えられるわけでございますが、どのように総理はお考えになりますか。  また、我が国の食糧安全保障としての米の生産の重要性、これを総理が強調することによって米の自由化問題に対する解決の道が開かれるのではないか、こう思うわけでございますが、三点まとめてお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 米価に関しましては、あくまでも米審という政府の機関がございます。ここで公平、公正に御決定願いたい、私はかように存じております。また、自由民主党には本当にベテランがたくさんおられまして、農林三役という方々もおられます。この方々の御意見等々もまだ伺うという時点には私は立ち至っておりません。  その次に、農業とサミットという問題でございます。米国と日本との間では、農業問題に関しましていろいろと今日まで二国間の交渉がありました。一つは、ガットでパネルでいろいろと協議して日本の説はついに敗れた、だから二国間と、これならいいのでございますが、本来ならばガットというものは、いわゆる二国間というのはグレーゾーンと申しまして灰色のやみ取引じゃないか、そういうことばかりしてちゃいかぬよと。だから公平に九十六カ国参加のもとにやっていきましょう。これが本来の姿でございますから、私もシュルツ国務長官との間においては、もう二国間で米はやめた、そんなことをしておってはおかしくなる、シュルツさんもそう申されまして、昨年の七月、東京でそのことを合意しまして、それでガットのマルチにのっておる、多数国間の交渉にのっておるわけでございます。  私は、農産物というのはやはり天候に支配されるところが多うございますから、著しく非経済的な面が多い。これは産業である、これはもう日本だけではなくて各国が言っております。だから、ECとアメリカとの間のすさまじい農産物競争もございます。そうした中において、四月のウルグアイ・ラウンドの中間レビューのジュネーブにおけるいろんな交渉におきましては、一応我が国といたしましてはお米は九十六カ国全部がテーブルに着いたときに出しましょうということを申しましたし、さらに基礎食糧だということを申しましたし、日本のような狭隘なところでは、これはもう完全に安全保障に関する食糧である、こういうことを認識してくださいよということを申し上げました。  そのほかにも、今御指摘になりました保護水準をどうするか。各国保護水準がございます。アメリカは、例えば米を日本へ輸出しよう、その場合には、タイ国の米とアメリカの米はタイ国の方が安うございますから、したがいまして輸出補助令をつけなければ輸出ができない、その米を日本に輸出しようとするのかという、アメリカ国内におきましてもそんなことをすればアメリカの財政赤字がますますふえるよという議論もあったわけで、私たちはそうしたことをも踏まえまして、こういう問題に関しましても、保護水準は上げません、ひとつ保護水準というものは下げることはあっても上げません、こういうこともこの間のジュネーブにおいて議論がされ、またまとまっております。したがいまして、今回はいろんな問題をそうした一つのまとめの中で考えていくということも必要だろうと私は考えております。  サミットではどうかとおっしゃいますが、元年はサミットで農業問題が著しく議論されましたが、ことしはせっかくウルグアイが進んでおるわけでございますので、あるいはサミットにおきましては当然お話は出るかもしれません。出るかもしれませんが、あるいは出ないかもしれません。そういうようなぐあいかなと私は考えております。もし出ました場合は、今おっしゃったような観点におきまして、私はきちっとしたことを申し述べて、そして国会決議もございますから、政府は自由化反対という国会決議を尊重いたしまして、今後も自給によってひとつ我が国の米の生産体制を支えていく、これに対して政府は力を込めていく、これが今日の政府としての考え方でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 私は、まず消費税につきまして若干お伺いしたいと思います。  先ほど来議論もありましたが、六月十九日に総理は、福祉目的税ではないが優先して国民福祉の充実に充てるということを言われました。それに先立って六月十六、十八、十九とそれぞれに、特に十八日の新潟の選挙の応援では福祉に充てることを約束するとか、福祉が目的と定義づけるとかいろいろお話ありましたが、先ほど福祉目的税でないと答弁をされました。しかし、同時に統一見解として発表していらっしゃるのは、これは優先的に国民福祉に充てるという、こういうことですね。  この消費税というのは一般財源であり、優先的に充てるということはこれは全く意味がないということをまず申し上げておきたいと思うのです。  新潟の選挙では、消費税はすべて福祉に充てることを約束するとおっしゃるし、東京へ戻っていらっしゃると今度はあれは福祉目的税でないというふうに言いかえるというのは、これは伺っておりますとかつての中曽根氏の、大型間接税はやりません、私の顔がうそをつく顔に見えますかと言っておって、選挙のときはなかなかうまいことをおっしゃるのだけれども、選挙が済んだらころっと変わるというのと同じように、選挙をやっている現場でおっしゃったことと、違うところへ来るとまたお話が変わるというのは、これはその発想において同じじゃないかどうかがえるわけですが、まずこの点についての御見解を伺っておきます。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 演説とかあるいはまたスピーチ等いっぱいございますが、私といたしましては、やはりそうした中からきちっといたしたのが最終的に申し上げたやつでございます。決して新潟県で選挙だからオーバーな表現を用いたとか、何か票欲しさの誘導作戦を講じたとか、そういうことではございません。やはり消費税を説明する場合には、高齢化社会、国際化日本、こうしたことを考えた場合に必要だと、こういうふうにこれは従来国会におきましてお答えを申し上げてまいった次第でございます。したがいまして、そうした意味からも福祉に充てますと。そこで、すべてということはどうだというようなすぐに話になりました。私は結論は、優先して充てる、それは充当する。結局は、福祉税というものは十一兆円という大きな福祉予算から見ればそのうちの一部であろう、だからこれは予算どきには充当します、優先します、すべてになるでしょう、こういうふうに私この間もきちっと申し上げておるわけでございます。したがいまして、その場合大切なのは、三%という税率は絶対私はさわりませんからこれは据え置きでございます。なおかつ、目的税ということになりますと、では十兆円集めるのかと、すぐそういうふうになります。だから、私は最初から目的税ではございません、こういうふうに申し上げておりますので、その点も御理解を、賜りたいと思う次第でございます。決して右へ左へとぶれながらお話をしているわけじゃない。選挙が終わったらそんなのは吹っ飛ぶのじゃないか、こういう御懸念でございますが、そういうことはいたしません。やはり貴重なときでございますから、国民の御認識を得るためにも、私は、目的税ではない、そして三%はさわりません、上げません、なおかつ福祉に充当いたします。十一兆円という予算は、将来は十二兆、十三兆と、このように我が国の予算が伸び、さらに福祉政策が伸びた場合には伸びるでございましょう。だから、それだけになったら今の五兆円なら五兆円を六兆円にするとか七兆円にする、そうじゃございません。三%は三%そのままでございます。もし国民の消費がふえたら、それに従いまして三%の自然収入はございましょう、こういうふうに申し上げているわけでございますので、どうぞその点は御理解のほどをお願いいたします。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 目的税でないとおっしゃるわけですから、消費税は当然のことながら一般財源です。ですから、一般財源であるものについてどれを優先的に差し向けるなどということは、全く意味がないということを私はまず申し上げておきたいと思うわけです。  それで、五月三十日に報道されておりますように、例えば日本生協連などが調査をしたところでは、収入の低い世帯ほど収入に対する消費税の割合が高くなるという逆進性が明らかであるということとか、いろいろ調査の結果が出ております。なお、この時点で、平均的に見れば消費税額は一カ月五千九百円という話も示されておりますが、実は私はこの間大阪で、これはほんの一例にすぎませんが、八十四歳になるおばあちゃんからもう涙ながらの訴えを伺いました。それは、年金額はちっともふえないのに、買い物に行くたびに大根にも目刺しにもみんな税金を取られる、もう弱い者いじめはやめてくださいという本当に悲痛な訴えです。ですから、今総理は、福祉のために振り向けるというお話も言っておられますが、福祉を口にするならば年金暮らしの老人世帯とか生保世帯、母子世帯、身障者世帯そして福祉施設の運営などに今本当に大きな打撃を与えているわけですから、消費税をやめることこそ本当は福祉のために真っ先に必要なことだと私は思うのです。福祉ということをおっしゃるならば、その点についてはいかがですか。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) ただいまの御質問にございました数字の点についてだけ申し上げさせていただきたいと思います。  生協連の調査等が発表されております。そのほかいろいろ家計簿から計算した例などがよく出されるわけでございますけれども、御承知のように今回の税制改革におきます消費税の負担額、政府は消費税の新たな導入のほかに物品税等の減税をやっているわけでございますが、それを差し引きましてネットの負担増について計算しているわけでございます。それに対しまして、家計簿等を用いて計算をいたしますと減税分が出てきてないわけでございます。その減税分を、まず物の値段を下げてしまいまして、下げたものに三%を掛ける、そこの三%のところだけを計算しておられる。したがいまして、家計簿をもとに計算をいたしますと、消費税の負担額というのは高く出るわけでございます。これは大変綿密に家計簿をおつけになっている調査でございますから立派な調査だと思うのでございますが、家計簿を用いますとそういう限界がある、したがいまして負担が大きく見えるということだけ申し上げさせていただきたいと存じます。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 私は総理に伺っておったのですがね。  あなたは物品税が下がったから下がるはずだと。なぜ大根やメザシが下がるのですか。庶民の暮らしの生活の実感の中から出てきている話なんですよ。あなたは平均というようなお話で。  きょうは、あなたとの議論はまた別の機会にやりますから、せっかくの機会ですので私は総理に伺っておりますので。  そういうふうに実際に、先ほど言いました年金暮らしの老人世帯とかそういう世帯にとって、本当に福祉のことを口にされるならば、消費税によって福祉を必要とするところが一番痛い思いをしているわけですから、まさにこの消費税を真っ先にやめることこそ福祉のために一番大事なことじゃないかということで総理の御見解を伺いたいわけです。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 福祉を中心として考えても消費税はいけない、こういう御趣旨でございますが、私といたしましては将来高齢化社会というものを考えますと、やはり今の間にこうした新しい税制をつくっておくことが必要だ、かように申しておるわけでございます。  政府の統計を見ましても、二十一世紀、九十歳代の方も相当おふえになりますが、女性が三、男性が一、こういうふうなことすら載っております。そういうふうなことを考えた場合に、将来やはり十二分にそのことを考えていかなければならぬ。だから、消費税だけ眺めますと確かに今おっしゃったように気の毒だよという面も出るかもしれませんが、政治全体といたしましては、やはり福祉は福祉、高齢化社会は高齢化社会としての別の政策並びに予算等々によりまして、その御面倒を見ていかなければならない、これも一つの政府の大きな仕事であって、現在それをやっております。  だから私は、今どこを見直すかという先ほどのお話もございましたが、こことここだというようなことはもちろん言えません。したがいまして、いろんな国民の声がございましょう。そうした声を謙虚に聞く必要があるというので、来る二十八日から税調が開かれる予定であるということを申し上げましたが、税調は、今いろいろとふなれな税制に関する国民の声を率直に聞いて勉強していただこうということでございますので、今申されましたようなことも一つの声として、税調におきましてはいろいろと勉強の対象になるのではなかろうか、かように考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 まず高齢化社会を支えるための財源という議論につきましてはもう昨年も随分やつておりまして、実際に働いている人の人口でみずからも含めて支える割合がどうなるかという、これはもう議論済みでありますので私はあえてここで繰り返しませんが、福祉を破壊して、福祉を壊しておいて福祉のためと言うのは私は詭弁だと思うわけです。  今、少しお話になりかけたことですが、国民の批判や矛盾を前にして、痛税感のある外税を内税方式にすることとか、免税点を引き下げてほぼ企業者を納税業者にして消費税を徹底することとか、簡易課税をなくすことなど、消費税を徹底する方向での見直しと称するものも検討されているようでありますが、その中で、帳簿方式の見直しについて先日六月十三日の予算委員会で、我が党の近藤議員の伝票方式への移行ではないのかとの質問に対して、村山大蔵大臣は、帳簿方式を税額方式やインボイス方式に移ることは考えておりませんという御答弁がありました。総理も横で聞いていらっしゃったと思うのですが、総理も帳簿方式をインボイス方式などに移すという考えを持っていないということをここできっちりおっしゃるかどうか、その点伺いたいのです。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) これは売上税のときが税額票方式でございまして、これが非常に手間をとるということで所得税あるいは法人税の計算と同時にやれる、それもコストをかけないでやれるというのが今度の消費税の骨格をなしているわけでございます。したがいまして、もちろんいろんな点を税調では検討されるでありましょうが、これを直せというような意見は恐らく出ないであろう、これは骨格をなしているわけでございますから、そういうことでございます。  それからもう一つ。先ほど年金者とかいろいろおっしゃいました。これはしかし税制ではどうにもなりませんので歳出でやっているわけでございまして、年金者につきましては、特例のあれで九月までは〇・何%、その後は実質的に十月から改正するわけでございまして、もし年金法が通ると多分六%ぐらい上がるのじゃないかと思っております。そして平成二年度からは、元年度の消費税を含めた物価上昇分は即そのまま給付の引き上げにつながるはずでございますから、完全にてん補するわけでございます。  なお、弱者に対しましては補正予算で一万円出したことはもう御承知のとおりでございます。また、同じようなことが生活保護者についてもやられておる。今度の予算で四・二%上げるということが決まっていることも御承知のとおりでございます。  今、弱者に対して何もやってないとおっしゃいますから、いやそうではございませんと。それは歳出で全部見てございます、考えられるすべてのことをやっております、こう申し上げたわけでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 私の聞いていることとまるで外れたことを言って時間を余りつぶしていただきたくないのですよ。  実際に国民の生活実感の中からの話を総理にお聞きいただいたわけですから。  それではっきりしていることは、村山大臣は帳簿方式を税額方式、インボイス方式に移ることは考えていないということをこの間おっしゃったのだから、それはあなたも今認めていらっしゃるわけだから、総理もその点は同じなんですかということを総理に伺っているのです。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) この間インボイス方式に関しましても、私もはっきり大蔵大臣と同感の意を表しておりますから、本日も当然そのとおりのお答えしかいたしません。  なおかつ、先ほど免税点を直すのじゃないか、あるいはまた簡易税額制度直すのじゃないかという既にそうしたお話ございましたが、これも今直して、三千万を二千万に引き下げるのだ、そんなことは一言も言っておりませんので、すべてはやはり税調において国民の声を聞いて勉強してくださいという意味でございますから、その点を改めてお答え申し上げておきます。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 そこで、国民の声を聞いてというお話でございますので、各紙の世論調査、よく御存じと思いますが、東京新聞六月十八日が一番新しいですか、廃止せよというのが五四%です。現時点で反対だというのは七五・三%とか、日経、共同通信、日本生協連など見てまいりましても、五三%、六五%、あるいは物によっては生協連のように八八%が廃止せよ。ですから、本当に国民の声を聞いてということであれば、廃止とか反対の声というのは廃止だけでも八割超えているものがありますが、八〇%台に達しているわけです。なぜそういう声に耳を傾けていこうとされないのか、その点を伺いたいのですが、どうですか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) やはりなじみの薄い税でございますから、まだ戸惑いもあり、また不便さも感じられるということでございましょう。しかし、我々も政府の責任で調査をいたしておりますが、いろんな面においておいおいこの制度、こうしたものの御理解、その上に立ちましての直接転嫁、これも非常に理解をされておるということも聞いております。したがいまして、あなたは賛成か反対かと言えば、ああもちろん反対だとおっしゃる方が多いかもしれませんが、そうした中におきましてもやはり私たちはさらに努力をしなくちゃいかぬ。この努力だけは忘れません。  したがいまして、そうしたいろんな国民の声は聞くというのは先ほど来申し上げておるところでございまして、いろいろ世論調査を私は尊重して大切にしなければならない、かように考えておりますが、次回はその理解度がさらに深まりますよう努力もしたい、かように思っておる次第です。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 国民の世論に耳を傾けるという点ではこれはまず廃止をするべきものだということだけ申し上げておきたいと思います。  次に政治改革の問題について伺いたいのですが、自民党は政治改革推進本部の本部長に伊東氏を据えられましたが、これに伴って、自民党政治改革大綱というのは変えられるのかどうかですね。この点はいかがですか。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 御承知のとおり、きょうその肝心かなめの林修三さんがお亡くなりにたられました。この方が、言うならばキャップとしてつくっていただいたのが有識者提言でございました。だから、私はその計報に接しましたときに、この有識者提言という遺言は私はまず一番に守っていきましょう、こういうふうに申し上げたわけでございます。その有識者提言つまり第三者による提言、それを骨子といたしまして後藤田さんが本当に懸命の努力をしてつくられたのが大綱でございます。その大綱に基づきまして政治改革を推進するという本部を設けなくちゃいかぬ、こういうことで、幸いにも伊東さんと後藤田さんがそれぞれ本部長と本部長代理につこうということを決意されまして、大体その機構は今整いつつございます。だから、当然大綱というものが、その中におきましても大きな幾つものまだまだ問題がそこに書かれておることは御承知賜っておると思います。  その大綱の一部におきまして、既に衆議院に出されておる選挙制度改正法案なり政治資金改正法案がございますが、そのほかにもやはり中期、長期にわたってのいろんな問題がございます。したがいまして、こうしたことを私たちは、これまた大体二十八日ごろからその作業が始められると思いますが、選挙制度審議会におきましてぜひともひとつ頑張ってやっていただきたい、ここには国会議員は今度はおられませんが、しかしながら、それぞれ各界各層を代表する方々が皆入っておられますので、そうしたところで政府は政府で頑張る。したがいまして、それと並行いたしまして、先ほど隗より始めよというお言葉がございましたが、与党である我々が隗より始めるために推進本部というものを設けた、こういうふうにお考え賜りたいと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 せんだって財界、経済五団体より出された提言に照らしてみても、政治献金の公開額など自民党の大綱の方がはるかに緩やかですね。それから、なお政治改革に関するいわゆる有識者会議の例えば亀井氏の発言、企業献金はそれ自体が利益誘導的な性格を持っている。それから、石原経済同友会の代表ですね。企業が議員に何のために金を出すのか、投資に対するリターン、株主に対する収益を確保するのが企業だから、企業が政治に金を出せば必ず見返りを期待する等々、この種の発言があるように、特に政治改革を語るならば、まず企業献金を禁止するということが一番大事な一つでありますし、私はアメリカ選挙管理委員会の市民への手引きというのを持りてきておりますが、個人献金についても、連邦政府と契約関係にある個人は献金をしてはならない。それから会社や労働組合による献金、この法は会社や労働組合による献金を禁止している。こういう点はアメリカなどでも示されておりますが、これはもともとわいろの禁止というところから出ているのです。一九〇七年のティルマ一法制定以来、アメリカでは当然のこととなり、政治参加は個人参加が原則であって個人献金のみを認める。企業は社会的存在ではあるが、企業としての政治への関与は認められない。これがアメリカの法の示すところであり、また日本の憲法も、本来政治参加は個人参加を原則として当然のこととして認めているわけですね。  したがって、企業献金、団体献金を明確にしてこそ本当の意味での政治改革につながるわけでありますが、この点について、これを明記されるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 企業献金に関しましては、過般来当院におきましてもしばしば御答弁申し上げております。企業は社会的な存在である。だから、企業にも政治活動という面もあるであろう、そういうふうに考えました場合に、一概に頭から企業献金は悪だということについては、私はいささかこれは反論しなければならないと思っております。また、企業献金だけで政治をやれということにつきましても、これはいささか行き過ぎであるなと。したがいまして、我々といたしましても、できたならば個人献金というものにウエートが移ることを望むと。これは従来から私たちが申し上げてまいった次第でございますが、今党も懸命になりましてそうした問題を分析しよう、さらにはまた審議会の方もそうした問題を中心にひとつ勉強しようということでございますから、私といたしましては、その入り口でこれはいい、あれは悪いということを申しますと大変なことになりますので、これはひとつそこでいろいろと御検討賜りたい。したがいまし工その問題に関しましても私といたしましては、今日今申し上げました答弁がまあ妥当なところではなかろうか、かように考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 表紙を変えても中身は一緒じゃないですか、それは。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 吉井君、時間が参っております。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 総理にお尋ねをいたします。  先日、参議院本会議で施政方針演説を伺いました。いろいろな問題に幅広く触れながら、よく整理がされていて、しかも表現は具体的であり、大変失礼でありますが、よくできていたと拝聴いたしました。ただ、一つだけ残念だったのは、土地問題に対する経綸と決意が実は不足しておりました。  土地問題は内政の重要問題だという点はお触れになっているのでありますが、これをどうやって解決するかという経綸と決意が実は一番聞きたかったのでありまして、鎌倉時代以来一生懸命でやってきた我が日本民族でありまして、土地問題というのはなかなか口先だけで処理ができるような生易しい問題ではございません。そこで、総理としての経綸と決意が何としても伺いたかった。  きょうの委員会は、財源の確保に関する法案の審議をしている委員会でありますけれども、公共事業の施行ということになればまた土地問題でありますし、また公共事業をやれば地価も上がるでしょうし、その上がった分を税で吸い上げて資金調達をするということもありますし、借金してやったっていいじゃないか、それで利益が上がるのだったらその利益で借金埋めればいいじゃないか。これは動態的財政論だというのが実は前首相竹下さんの本にある表現でありまして、なるほど発想としてはおもしろいと思うのです。  ここまで申し上げまして、総理はお気の毒だとつくづく思いました。突然総理に御就任になりまして、この「素晴らしい国・日本」というのは竹下さんが総理に御就任になる前にお出しになった本であります。したがって、総理はこの種の本を出すゆとりがないものですから、万般にわたって総理の経綸を拝見する機会が何にもないものですから、その分だけ舌足らずになっている面が、我々にとっても総理にとってもまことに残念であると思うものですから、したがってただいま申しました土地問題に対する総理の経綸と決意をまず伺います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 栗林先生から非常に貴重な点を御指摘いただきました。実は所信表明もいろんなことをお話しするのが当然でございますが、予算のときの所信表明でなくして、総理になったというときでございますから、私の理念を申し述べたというようなことで、いろいろとまた御批判を仰いだことも私は非常に反省もし、今後の備えにしたい、かように考えております。  土地に関しましても、あれもこれもという気持ちがございますが、やはり中心を絞っていったものでございますから、そうした点におきましてはあるいは抜けた面があった。  そこで改めて申しますと、やはり私は常に憲法第二十九条を頭に描いております。これはもう若いときから言っておりますので、そらんじておるぐらいであります。すなわち、「財産権は、これを侵してはならない。財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」と。このあと三項もございますが、これによって我が国が私有財産制度である、だから、私有財産制度に基づいて国民が一生懸命に働かれて今日を得た。すばらしい国になった。これまた体制の違う国だったらここまでこなかっただろう、こういうふうに思います。  しかしながら、公共性というものから考えますと、やはり私たちは、土地にはそうしたものが当然つきまとうのであって、やはり土地というものを考える場合には公共性というものを忘れてはなりません。そして土地を寝かしておってはなりません、活用さるべきである、利用さるべきである。そうした場合におきましても、常に社会に還元されるというような思想のもとに、土地がいろいろと国家のために活用されることが必要じゃないか、かように思います。特に、日本は非常にすばらしい国になりましたが、まだまだ私は社会資本というものにおきましては西欧諸国に劣っている面が多々あり、かように思いますと、やはり公共用地というものをスムーズに得るというところにひとつの目的があり、さらには国民の方々の住宅用地、それを提供してもっと豊かなものができないだろうか、そのことを考えるのも土地政策である、こういうふうに思っておりますので、今までは土地政策をいっぱいやってまいりましたが、この国会には基本法を出しておりますので、こうしたものが将来成立いたしましたならば、ぜひともその理念に従って私はやはり土地というものの扱い方を考えるべき時代である、かように思っております。だから、私の土地に関する理念を述べよということでございますが、以上が私が考えておるところでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 大変残念な国会でございまして、政治改革関連法案は衆議院で継続になりますでしょう。また、土地基本法も衆議院で継続の見通しであります。このようなことをしておったのでは、それは一生働いても首都圏では家も持てないという有権者の怒りは消えませんですね。そこで私は決意と申し上げたのでありまして、やっぱり荒々しい決意でないとこれはとてもだめだと思いますし、これはある意味で言いますと、政治と行政の基本を揺るがすような大問題でありますから、土地問題にさわるということは政治改革そのものなんですね、行政改革そのもの。これは総理としてまさに裂帛の気概を持って挑戦していくべき課題だと思うのです。  まだ経倫を伺うといいましてもすうっとなかなか出ないのでしょうけれども、ぜひ御検討をいただいて、ゴルバチョフがペレストロイカを始めるときに、彼も忙しい人だと思うのですが、こもって木を出したわけですね。あの本のおかげでゴルバチョフが何を考えているか、みんな、我々もわかったのですよ。ですから、お忙しい総理でありましょうけれども、筆が立つことはよく知っておりますので、ぜひわかるように一遍御研究いただいてお示し願いたいと思うのです。  次に、あと一つ、先ほど来の質疑を聞いておりまして気になったものですから伺うのですが、消費税につきましては国民の皆さんの御意見を率直に受けとめて見直しをいたしますという御返答でございました。  としますと、聞いている方としますと、じゃあれだけ言っているのだから聞いてくれるのだろうなというぐあいに受け取りますね。ところが、本当にそういったぐあいになるのだろうか。国民の声というのは、生活必需品にまで消費税をかけるのはあこぎじゃないの、まけてくださいよ、ぜいたく品でないものにまで高い税金かけるのはおかしいじゃないの、これが率直な声ですね。これを一言で言いますと、税率の複数化を何としてもやってもらいたいという声になってくるわけです。ところが、私の理解によりますと、こうした要望が何ば強くても、今の帳簿方式を基幹にした現制度では、それは伺うわけにはいかないのであります。  したがって、口先でこれを受けとめるとおっしゃるのは楽ですけれども、結局は右か左になっちゃって、国民の方は裏切られたという印象しか残らない。したがって、どうせ聞けないのだったら、それはだめなんですとおっしゃった方がまだ正直なんです。できないのにできるかのような顔をするというのは、――これは失礼な表現になりました、最も避けるべきではないか。その意味で、もともと消費税は我々がもう口を酸っぱくするほど言ったように拙速だったのですよ。だけど、やっちゃったんだからしようがないですよね。だから、もう見直しということを再三にわたって御公約なさっているわけでありますから、見直しということも徹底的に見直して、国民の要望に沿う内容で抜本的に再編なさる。これは片一方では、納税コストがえらい膨大に上るかもしらぬという意味では大問題なんですね。それだけの覚悟で臨まないと見直しということは軽々しく私は言えないのではないかと思うのですが、この点、御所見を伺います。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) この間も本会議でたしか申し上げたと思いますが、改革法の中には「見直し」という言葉が使われております。だから、そういう意味で申し上げた面もございます。  ところが、そうなりますと、免税点を下げるのかとかいろんな端摩憶測がこれまた流行する。しかしながら、やはりいろいろの声を聞いて、大蔵大臣も相当具体的に申されましたが、確かに栗林委員もおっしゃるように期待感を持たれる。もしその期待感が外れたらどうなるのだというような御心配の向きもあろうかと思います。だから、一般的な考え方に立ちましてひとつ税調で勉強していただきましょう、こういうことでございますから、具体的にはあそこのところとこことここだと、そこを期待しておったらだめだったという意味じゃございません。決してそうしたことは指摘せずに、私たちはいろんな国民の声を謙虚に聞きまして、そしてやっていきたいと存じます、こう申し上げておきたいと思います。     ―――――――――――――

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、和田教美君が委員を辞任され、その補欠として中野鉄造君が選任されました。     ―――――――――――――

野末陳平新政クラブ・税金党

○野末陳平君 政治改革の問題ですけれども、少少の手直してはなかなか国民は納得しないだろう。もっと厳しく、この際、もうチャンスが二度とないのじゃないかというぐらい厳しくやった方がいいのじゃないかと僕は思うのです。パーティーでも、自粛というのじゃだめで、やはり国民に見える形でけりをつける。例えば課税ということを、まあ税法じゃなかなか無理がありますから、議員立法で考えてやるとか、やはり企業献金もそうなんで、個人に対して企業が献金するというのは全廃して、党なら党に一本化するとか、何かはっきり形が見えてこそ政治改革だと、これで国民は納得すると思うのです。どうも今自民党その他でお考えのものは、手直しの部分は、それは今までよりは前進ではあるが、しかし、これだけ鳴り物入りで政治改革と言うには小手先だと思わざるを得ないのです、僕は。  ですから、総理にお伺いしますけれども、どうもその程度のことで政治改革だとおっしゃるならば、総理の決意に比して改革案の中身はそれほど評価できないな、少なくも国民は、これで政治改革だな、なるほどとは言わない、こう思うのです。その証拠には世論調査でも、どうせ政治改革なんかできっこないと、こういうことで見くびられている。となると、やはりやりましたよ、こういう形で見えているでしょうというところまで切り込むべきで、ちょっと厳しさが足りないと思うのですが、どうでしょうか、総理。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) 野末委員のおっしゃる面、私は決して否定いたしません。確かに政治改革というのは、金額をこれだけ改めたとか期限をこう改めたというようなことでは単なる手直しであって、本当の抜本的な問題はそこには少しも出てないのじゃないか、こういうような御意見であることも私はもう十分わかっております。  今日まで何もしないということに関しましては、一応七項目ほど早期にしなさいという有識者の提言もございましたから、うち三項目は政府もこれやりました、あと四項目は既に法案として国会に出しておりますと、こう申し上げておるわけで、これがすべてじゃないということは私その当時からも申し上げておるわけでございます。  したがいまして、今後やはり選挙法、選挙制度、選挙区、定員。例えば選挙に関しましてもそういう問題がございましょう。さらにはまた、政治資金に関しましても企業献金の問題、個人献金の問題をどうするのだという皆さん方の御意見もございましょう。そうした面で、やはりはっきりとわかるような線、それが見えなくちゃいけない、私はそう思うのでございます。  したがいまして、そうした面も政府も十分考えてやっていきたいと思いますが、とりあえず、長らく休眠状態というよりも、さっぱり働かなかった選挙制度審議会でございますから、今後そのメンバーを新たにいたしまして、ようやく会長さんも引き受けていただき、いずれその発表もございましょうが、会長さんはなかなか厳しいお方で、私がお願いいたしましたときに、宇野さん、私に本当に改革をさせるね、思い切った提言をしますよ、こういうことで、私も思い切った提言をしていただきたい、それに私たちも従いましょうと、こう申しておるようなことでございます。来る二十八日にその会合がございます。その会合の特色は、私も出まして、今、野末委員が申されましたような、改革の私個人の理念と申しましょうか、これを申し上げたいと思います。  しかし、具体策にああだこうだと言うことは、これまた諮問機関でございますから申し上げるわけにはまいりませんが、そこで質疑応答しようやと。そういうようなところまで初めて試みる。大いに質問してください、大いに私も答えましょう、わからないところはひとつ勉強させてください、こうやって率直に申し上げたい、かように思っておるわけでございます。  だから、そういう面において私も微力な男ではございますが、誠心誠意、不退転の決意で、なべても政治改革に取り組みたい、この決意だけはひとつ御理解のほどをお願い申し上げる次第でございます。

野末陳平新政クラブ・税金党

○野末陳平君 だから決意は本当にいいと思いますが、今提案中のものでもやはりそれほどのものかなという気がするのです。  というのは、国民の暮らしに関する法律ならばそんな思い切った変え方はできませんよね。しかし、我々自身に関する部分ですから、そんな少しずつなんというのじゃなくて、思い切った改革をしなけりゃだめだと思っているのです。例えば資産公開なんということがありますけれども、これもあの程度で公開と言えるかどうか。いずれはもっと個人のお金の収支まで公開しろというところまでいきますね、これは。それがいいかどうかはわかりませんが、そういうのはもう流れだと思うのです。つまり、こちらが思い切って、どんと改革だと形に見せればともかく、うじゃうじゃやっているとそこまでいっちゃうと思うのです。それぐらいにこの流れは今とめられないと思います。もう一度ちょっとお答え願いたい。ちょっと短かくしてください。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) やはり政治に対する国民の方々の目はなお一層厳しくなる、それに対応するのが政治である、原則的にはそのように心得てやっていかなければならぬ、こう思っております。

野末陳平新政クラブ・税金党

○野末陳平君 世の中の流れというのは、時々行き過ぎたりして決して好ましい方向にばかりはいかないとは思いますが、特に最近の政治家への風当たりというものは、ますます強くなりますね。とにかく政治家のお金と女性をめぐる私生活のプライバシーというものはどんどん公開させて、おもしろがるという風潮がエスカレートする一方だと思うのです。これは 僕自身は好きじゃありませんよ、はっきり言って。ありませんけれども、これをどういうふうにかわすかではなくて、どういうふうにこれに対して受けて立つかというか、受けとめるということも非常に必要だと思うのです。  総理は下手というか、まずいと思うのは、総理の女性問題がとやかく言われていますが、公の場でいろいろ言うことはありませんよ。ありませんが、公の場だから答えられないと言ったならば、公の場以外で何らかの弁明なり説明をしなきゃならないと思うのです。最近では川崎でしたか、市議会が決議している、総理、真相を述べよと。そういうようなことになりますと、これを無視するというのは決して総理のプラスにならない。これが世の中の流れですよ。となると、やはりこれは何らかの形で受けて立つべきだという気がしているのです。  そこで総理に、嫌な質問ですけれども、公の場以外で弁明をするような気があるのかないのか、このまま通したいというのか、その辺はどうなんでしょうね。

宇野宗佑自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宇野宗佑君) いろいろと御質問いただきました。私はやはり国会というところは国権の最高機関でございますから、私個人のごときものをそこでいろいろお話しするのは差し控えなければならぬ、また私は今日公人という立場もございますから、したがいまして、こういう問題につきましては私はコメントをしてはならない、かように思っています。

野末陳平新政クラブ・税金党

○野末陳平君 まさに国会の場でこういうことを言う方も、はっきり言えばちょっとおかしいのです。総理のように国会の場だから言わないのだという、これは通るのです。だけれども、それじゃ国会の場以外というものがあるので、国民の声はそこで何か言ってほしいわけですから、そうしないとこれそのものが総理大臣の資格がないというようなことにまでなっている。それは非常に残念なことであるし、また欧米などは政治家に模範的人格を要求するのがある面では当たり前でもあるし、総理、やはりこれはもはや無視するのではなくて、国会の場以外でひとつ受けて立ってほしい、そうでなければいたずらに誤解を招いてつまらない、こういうことだけ僕は率直に思いますから、それを言って終わりにしましょう。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) これにて質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

本岡昭次日本社会党・護憲共同

○本岡昭次君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し反対の討論を行います。  今国民が国会に求めているのは、逆進性の強い消費税という大衆増税の廃止と、政官財界を巻き込み、戦後最大の疑獄事件と言われるリクルート疑獄の全容解明、中曽根元総理を初め関係国会議員への厳しい政治的、道義的責任であります。しかし、政府自民党は、こうした国民の声に耳を傾けることなく、形ばかりの政治改革とリクルート疑獄隠しによって政治不信を一層増大させてきました。その中で政府は、一九八九年度予算案を衆議院において憲政史上例のない本会議単独採決を行い、しかも七日間予算の空白を生じさせたまま予算を自然成立させました。  ここに提案されている財源確保法案は、このような政府・自民党が議会制民主主義のルールを無視して強引に成立させた予算案と一体をなすものであり、決して認めることができません。これが反対の第一の理由であります。  第二は、最近の税収動向から見て特例公債を発行する必要はなく、本法律案の提出そのものが政府みずから進める財政改革に反していることであります。今年度の特例公債の発行限度額は一兆三千三百十億円ですが、現在の税収の推移から見て、今年度も補正後さらに三兆円近くの自然増収が見込まれるところであり、特例公債を発行せずとも歳出は十分賄えるはずであります。  特例公債依存からの早期脱却が財政の対応力回復のために必要な施策であることを政府は再三述べてきました。それならば、一九九〇年度にこだわることなく、本年度に特例公債の発行を見送るくらいの決意を示すべきであり、それが十四年にわたって特例公債を発行してきた責任の処し方であるはずです。  第三に、この特例公債依存体質からの脱却は、単なる表面的なもので真の財政再建ではないということであります。  政府は、今日まで国債発行額を抑えるために国債費の定率繰り入れ停止や、厚生年金の国庫負担の返済繰り延べなどの歳出繰り延べ策をとる一方、一九八四年度の財源確保法において、それまでの特例公債の借りかえをしないという約束を一方的にほごにして、経常経費財源に充てる特例公債と同様のルールで借りかえをすることを強行したのであります。仮に、これらの繰り延べ措置や借換債の発行をしなければ、今年度の財政赤字は約十七兆円にもなり、表面上の赤字額七兆一千億円の二倍以上にもなるのであります。また、これらの繰り延べ措置、いわゆる隠れ借金についての解消の具体的プランも何ら示されませんでした。  第四は、八年連続の国債費定率繰り入れ停止が減債基金制度をないがしろにしていることであります。  国債整理基金の資金繰り仮定計算例によれば、一九九一年度まで繰り入れを停止しても国債償還に支障が生じないことになっています。財政当局のこれまでの姿勢からすれば、一九九一年度まで停止することが十分考えられ、この場合には十一年間も停止することになります。このようなことでは、減債基金制度に対する国民の信頼は得られるはずもありません。  現在、特例公債依存からの脱却後の新たな財政再建づくりが財政制度審議会で始まっているようでありますが、審議会を隠れみのにすることなく、政府みずからが財政再建の姿を明らかにし、国民に財政改革への理解を求めるべきであることを最後に主張し、私の反対討論を終わります。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対し賛成の討論を行うものであります。  思えば昭和五十年度補正予算で、二兆円を超す特例公債を発行して以来、年々発行規模が拡大し、五十四年度には国債依存度が当初予算ベースで三九・六%に達しました。そのため当時の大平首相は、五十九年度に特例公債からの脱却という基本目標を掲げましたが、第二次オイルショックの後遺症もあって景気が低迷し、五十六、五十七年度には相当な歳入欠陥を生じ、そのために特例公債脱却年度は大幅にずれ込まざるを得なくなりました。  このような財政事情の悪化に対処するため、政府は臨時行政調査会を設置、増税なき財政再建を旗印に行財政改革を進め、歳出の削減合理化を図り、特に五十七年度以降は事業費ゼロシーリング、経常経費一〇%マイナスシーリングの設定など、厳しい歳出抑制に全力を挙げてきたところであります。  このような努力に加え、六十二年度補正予算においては、円高の進行に伴う景気浮揚のため六兆円を上回る緊急経済対策が打ち出され、内需拡大、景気回復に大きな効果を発揮し、予想を上回る税収増が確保され、今まさに待望の財政再建目標が達成されつつありますことは、まことに喜ばしいことであります。  この十五年間の審議の中で、国債発行がインフレを惹起するのではないか、クラウディングアウトを生ずるのではないかなどの危惧が再三指摘されましたが、インフレが引き起こされることもなく、むしろ物価は先進諸国の中で最も安定したものとなっております。  また、当初御用金的性格が強かった国債も、発行方法の改善や流通市場の育成により、今日では債券市場の中心的な存在となっており、金融商品としての国債は、国民の間に大きな信頼をもって定着しておることは御承知のとおりであります。  とはいえ、国債は国の借金であり、後世代に負担を転嫁させるものであります。しかも、今年度末の累積国債は百六十二兆円が見込まれ、その利払い費は十一兆円、一般会計の一八・四%を占め、他の政策的経費に充て得る財源を極度に圧迫していることは、財政上大きな問題であります。  加えて、一般会計の削減策としてとられた国債費の定率繰り入れ停止や、厚生年金の国庫負担金の繰り入れ特例などの歳出繰り延べ措置は二十六兆円に達しており、特例公債発行から脱却したとしても、財政状況は依然として厳しく、諸外国の国債依存度と比較しても決して楽観できるものではありません。今後とも強力に財政改革を推進し、歳入歳出構造の合理化、適正化に一層努力することは当然であります。  今回提案された法案を見ますと、今年度の特例公債の発行予定は一兆三千三百十億円であり、これは前年度当初予算に比べ一兆八千二百億円の減額、公債依存度も一一・八%という低水準に引き下げられております。また、論議のありました定率繰り入れ等の停止については、停止をしても公債の償還には当面支障を生ずることはありません。  以上の点から、提案された各種の特別措置は、いずれも必要かつやむを得ないものと思料いたします。  最後に、特例公債依存体質からの脱却後の新たな財政再建目標の設定が急務であります。現在、そのための作業が財政制度審議会でも行われているようでありますが、国際化、高齢化の到来を背景として、日本経済の安定した発展と豊かな国民生活実現のために、国民にわかりやすい目標を設定され、税制改革はもとより、行財政改革を強力に推進し、後世に憂いのない財政確立を強く要望いたし、私の賛成討論といたします。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対しまして反対の討論を行うものであります。  反対する第一の理由は、財政運営に見逃すことのできない大きな問題があるからであります。  政府の財政運営は、一般会計の総額抑制に固執する極めて硬直的なものであります。特別会計、地方財政等を考慮せず、一般会計のみ緊縮財政とすることは、財政システムをいたずらにゆがめるものと言わざるを得ません。  事実、特別会計において赤字が増大する状況をどのようにお考えなのか。まして、予算の一律削減など、社会政策の放棄にほかならないのであります。  今、財政運営に求められているのは、一律歳出削減の緊縮財政を改め、高齢化社会到来を視野に入れた財政運営であり、そのためには、高齢化社会ビジョンを策定し、社会資本ストックの充実、今後役割の増大する地方の財政強化を図るべきであります。  反対する第二の理由は、財政再建策が全く不明瞭であることであります。  現在の財政の姿は、政府の言葉をかりれば、まさにお座敷はできるだけきれいにする、押し入れには汚れ物が入っているというものにほかなりません。  すなわち、一般会計を見かけ上きれいにするために、複雑な操作によってさまざまな負担の後送りを行うという、極めて不健全なものとなっているのであります。  国債費の定率繰り入れの停止、厚生年金の国庫負担繰り入れの特例措置など、いわゆる隠れ借金、負担の後年度へのツケ回しは、既に二十六兆円を超えております。こうした借金を重ねながら、一方で赤字国債ゼロという目標を達成したとしても、そこにどのような意味があるのか大いに疑問であります。  政府は、こうした隠れ借金の具体的解消策を明確にした上で、単なる数字のつじつま合わせではない財政再建計画を策定し、それを強力に推し進めるとともに、あわせて徹底的な行政改革を行うべきであります。  以上、反対する主な理由を申し述べましたが、行財政改革など本来政府が真剣に取り組まなければならないことを棚上げにし、消費税導入など、財源の負担を一方的に国民に押しつける政府・自民党の姿勢について、国民は言いようのない、いらだちと憤りを覚えているのであります。  そうした国民感情を政府・自民党は直視すべきであり、厳しく受けとめるべきだと強く主張し、私の反対討論を終わります。

吉井英勝日本共産党

○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております本法律案に対して反対の討論を行います。  財政法第四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と明確に規定し、特例公債発行による歳出財源の確保を禁止しています。にもかかわらず政府は、石油ショック後、財界の強い要望に沿って、極めて無謀な国債の大量発行による財政ばらまき政策を強行、現在の財政危機を招いたものであります。  今なすべきは、歳出面での軍事費の異常突出や、大企業奉仕の不要不急経費に徹底したメスを入れ、また大企業に対し低金利の国債借りかえを求め、国債費を軽減すること、歳入面では消費税を廃止し、大企業、大資産家優遇の不公平税制の抜本是正を行うなど、国民本位の財源確保策こそとるべきです。  ところが、政府は、深刻な財政危機を招いたみずからの責任を不間にしたまま、さらなる特例公債の発行を初め、財政法が禁止している特例公債の借りかえなど、国民にさらなる負担を転嫁させようとしているのであり、断じて容認できません。  以下、本案に則して反対の理由を述べます。  第一は、本案が消費税導入など国民犠牲予算の財源対策を図ることを内容としていることです。八九年度政府予算は、米国の核戦略に追随した歯どめなき大軍拡の推進、民活の名による大企業関連支出の拡大の反面、福祉、教育など国民生活関連予算を厳しく抑え込み、輸入自由化や構造調整など農業、中小企業などの切り捨て、あるいは破綻に追い込もうとしているのであります。かかる反国民的な政府予算、施策のための財源確保策は断じて認められないものであります。  第二は、当面を糊塗する安易な財源確保策に終始し、財政危機を一層加速、深刻化させるものであることであります。  八年連続の国債整理基金定率繰り入れ停止措置、五年連続の政管健保国庫補助繰り入れ額削減など、特別措置による隠れ国債は、政府資料によっても総額二十六兆円を超えており、公債大量発行とあわせ、財政危機の重圧を二十一世紀に向け永続化させるものにほかなりません。  最後に、消費税反対、消費税廃止の国民世論は、四月一日実施後さらに高まり、マスコミの世論調査では八〇%台に達しており、こうした国民世論にこたえ消費税は廃止するしかありません。そうでなければ、衆議院を解散し、総選挙によって国民の信を問うべきであります。このことを申し上げて、私の反対討論を終わります。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 私は、ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対して、民社党・国民連合を代表して反対の討論を行います。  このいわゆる財確法が国会に提出されて以来、久しいものがあります。ようやく平成二年度においては、財確法案を提出しなくても済む見通しが立ちつつあるようであります。この間の政府の努力は不十分であったとはいえ一応評価すべきでありましょう。  しかし、このことが真の財政再建目標の達成を意味するものではないことは今さら申し上げるまでもありません。  今日求められていることは、さらに一層努力を拡大強化して、国債の発行残高を縮減し、財政の対応力を拡大することであり、将来の経済的、経済外的見通しが不透明な今こそ、その必要性は極めて一局いと言わなければなりません。  ここに、財政法に違反した財確法について従来同様反対の意思を表明し、また今年度も昨年度に引き続いて国債の定率繰り入れの停止という国債管理政策の大修正を行ったにもかかわらず、かわるべき新しい管理政策の提示がないことに対し強く反対の意思を表明するとともに、今後の財政再建の努力を要望して反対討論といたします。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) これにて討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 多数と憾めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  本岡昭次君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。本岡君。

本岡昭次日本社会党・護憲共同

○本岡昭次君 私は、ただいま可決されました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブ・税金党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。  平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 我が国経済の安定的発展と国民生活の質的向上を期するためには、引き続き行財政の改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であり、歳入歳出両面において制度改革を含め、さらに徹底した見直しに取り組むこと。  一 特例公債依存体質脱却後の財政運営のあり方について、いわゆる財政支出の繰延措置等の適切な処理も含め、今後鋭意検討を進めるとともに、引き続き財政改革に努めること。  一 公債に対する国民の信頼の保持に万全を期するため、今後ともその償還財源に支障なきよう、所要の償還財源の確保に努めるとともに、日本電信電話株式会社の株式売払収入の社会資本整備への活用に当たっては、国債整理基金の円滑な運営に支障が生じないよう十分留意すること。  一 なお、日本電信電話株式会社の株式の売却に当たっては、証券市場の動向、国債整理基金の資金繰り等に十分配意すること。直面する内外経済情勢に対応し、我が国の均衡と調和ある経済発展を図るため、内需を中心としたインフレなき持続的成長の確保に努め、今後とも、財政・金融政策の運営に適切かつ機動的に対処すること。  一 為替相場の我が国経済に与える影響が極めて大きいことに配慮し、今後とも各国との政策協調等を通じて、安定した為替相場の実現に努めること。  右、決議する。  以上でございます。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) ただいま本岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本岡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村山大蔵大臣。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) これより請願の審査を行います。  第三八号消費税の廃止に関する請願外三百九件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元の付託請願一覧表のとおりでございます。  これらの請願につきまして理事会で協議いたしました結果、第三八号消費税の廃止に関する請願外三百九件は保留とすることになりました。  以上、御報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

梶原清自由民主党

○委員長(梶原清君) この際、一言お礼申し上げます。  以上をもちまして、今期国会における大蔵委員会の案件処理はすべて終了することができました。これも委員の皆様の御協力のたまものと深く感謝申し上げます。  本当にありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。  午後五時三十九分散会

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