大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/20
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として山岡賢次君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案は、去る十六日に質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は日本共産党を代表して、日本輸出入銀行法及び日本開発銀行法の各一部を改正する二法律案に対し、それぞれ反対の討論を行います。 まず最初に、この二法律案も含め金融関係三法案をわずか三時間の審議で議了し、採決に至ることは、委員会での審議を著しく不十分なものにし、ひいては議会制民主主義を形骸化することにつながるものであり、我が党は、厳しく抗議するものであります。 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案に反対する理由の第一は、海外で事業を行う者に対する出資業務の創設、新たに大蔵大臣が定める外国法人へのアンタイドローン貸し付けなど融資対象先の拡大、保証業務の拡大などは、日本国民の財産である巨額の財投資金をもってアメリカなど多国籍銀行の債権貸し倒れ問題を輸銀が肩がわりする性格のものであるからであります。これらの輸銀業務の拡大は、累積債務問題に関するアメリカ等多国籍銀行の責任を放置し、発展途上国国民の抑圧政策を条件としたIMF、世銀等国際金融機関や債権国日本に肩がわりさせようとするレーガン、ブッシュ両政権の政策に沿ったものであり、累積債務国に対する新植民地主義的支配に手をかすものであるなど、到底容認できないものであります。 第二に、これらの業務拡大は、民間直接投資を機動的に支援するため、輸銀による呼び水的な出資、投資保証、融資保証など、政府全体のリスク軽減手段をふやす意味から、民間投融資に対する輸銀の保証機能を積極的に活用する、民間投資促進のためには、輸銀の投資金融の活用も重要などといった経団連など財界の要求に基づき、超過的独占利潤の取得を追求する日本の大企業の海外進出を一層推進し、国内の産業空洞化を促進するとともに、本来大企業が負うべき海外進出のリスクを国民の金融資産を原資として輸銀が肩がわりするものであり、認められなイものであります。 第三に、国民の財産を預かる政府系金融機関である輸銀による国際的財テク推進も認められないのであります。 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案に対する反対理由を述べます。 その第一は、新たに創設される立ち上がり支援資金の融資対象となるNTT株式売却益活用の無利子貸し付け対象事業は、大企業主導で推進されている大規模プロジェクト等が中心であり、新たな大企業奉仕の制度化にほかならないからであります。 第二に、借り入れ等及び債券発行限度額の引き上げと、それに伴う貸し付け、債務保証及び出資の限度の自動的引き上げ、さらには、EC通貨建て債による外貨通貨の調達についても、専ら大企業向けの出融資のための資金調達機能を拡充しようとするものであり、反対であります。 以上の理由により、本二法案に反対の態度を表明し、討論といたします。
○委員長(梶原清君) これにて両案に対する討論は終局したものと認めます。 それでは、これより順次両案の採決に入ります。 まず、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の審査のため、本日、日本銀行理事青木昭君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 御承知のとおり、我が国財政は、巨額の公債残高を抱え、国債の利払い費も歳出予算の約二割を占めるなど、なお極めて厳しい状態にあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、引き続き財政の改革を強力に推進し、その対応力の回復を図ることが緊要であります。 このため、政府は、まず、平成二年度までの間に特例公債依存体質から脱却し、公債依存度の引き下げに努めるという目標を掲げ、財政再建に向けて努力をしてまいりました。平成元年度予算におきましても、経済が好調に推移しているこの時期にこそ、目標達成に向けて確かな歩みを進めることが何よりも重要であると考え、緩むことなく歳出の徹底した見直し、合理化に取り組んだところであります。 その結果、特例公債発行額を前年度当初予定額に比し、一兆八千二百億円減額することができました。また、公債依存度も前年度当初予算の一五・六%から一一・八%にまで低下しており、努力目標達成に向けて着実に歩みを進めたものになったと考えております。 しかしながら、平成元年度におきましては、なお財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。 本法律案は、以上申し述べましたように、特例公債の発行等、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置を定めるものであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、特例公債の発行であります。 平成元年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとしております。 第二は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。 平成元年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額の繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額の年割り額に相当する金額の繰り入れば、行わないこととしております。 第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。平成元年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に規定する国庫補助に係る額から四百億円を控除して繰り入れるものとするなどの措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、本法律案は、その施行日を平成元年四月一日と提案しておりましたが、その期間を経過いたしましたので、衆議院におきまして公布の日に修正されておりますので、御報告いたします。
○委員長(梶原清君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私は、本日約二時間、明日約四十何分かの質問時間でございますので、あらかじめ私は本法律案について質問する大体の組み立てをこんなふうに考えておりますので、重複しないように答弁をお願いします。 まず一つは、今提案されました本法律案の特徴と柱についてであります。二つ目は、平成元年度特例公債脱却の見通しと、実現可能とする背景と理由についてお尋ねします。そして、その背景となった六十三年度及び平成元年の税収見込みと自然増収についてお伺いいたします。 つまり、このことは日本経済がどのように推移するかということについて、ある意味ではイザナギ景気みたいなピーク時にあるということで楽観論も唱えられています。しかし、私は反面では不安と心配を持っております。為替の動向の問題であるとか高金利時代に突入したとか、日米通商摩擦の影響をどのように受けるのか。原油高の影響、中国の政情の影響、リクルート疑惑と宇野総理のスキャンダル問題と政治の不信の問題、消費税と内需拡大の問題などなどから見ると、そう楽観を許せない日本の経済の状況にあるのじゃないかと思うのであります。そういう点についてもお尋ねしたいと思うのです。 そこで、その次が同僚議員、丸谷議員も本会議で質問を行いましたが、本当にずばり真の特例公債脱却ということになっているのかという点をただしまして、定率繰り入れ問題、特例公債の償還ルールの問題、減債基金制度、平成四年度以降の定率繰り入れ問題、NTT株、日本たばこ会社の株の問題、長期国債に対する公募入札の問題などなどについても御質問いたします。 同時に、隠れ借金と言われる二十六兆円なのか三十五兆円なのかなどについてもお伺いしたいと思うのです。そして最後に、特例公債脱却が行われた後の財政再建目標についてお伺いする順序でございます。 それでは、一番最初にお願いを申し上げます。今趣旨説明が行われましたので、この柱の点は省略いたします。 そこで、大蔵大臣にお伺い申し上げます。 宮澤大蔵大臣、その前の竹下大蔵大臣のときにも、本当にかつて六十五年特例公債からの脱却は可能かという質問に対して、両者とも苦しくともこの旗をおろすわけにはいかないという答弁がずっとなされてきました。最近村山大臣になりましてから、平成元年度の新規特例国債の発行予定額は一兆三千三百十億でございますので、どうやら平成二年度には特例公債からの脱却ができるのじゃないかという答弁がなされておりますが、確実に特例公債からの脱却が本当に可能かという問題と、その目標達成が可能となった背景及び理由などについてまずお伺いいたします。
○政府委員(篠沢恭助君) 平成元年度予算におきましては、ただいま先生申し述べられましたとおり、国債発行額、特例債の発行額が一兆三千三百十億ということでございます。これを前年度、昭和六十三年度と比べますと実に一兆八千二百億円特例債発行額を減額するという形で予算編成を組んだわけでございます。この発行額が一兆三千三百十億となって、確かに平成二年度予算において何とか脱却目標を達成できるのではないかという展望が開けたことは、これは事実であろうかと思います。もちろん、まだ平成二年度予算編成を考えますと、いろいろと難しい問題が発生してこないとは言えないわけでございます。可能性としてはいろいろまた考えていかなければならない難しい問題もあろうかと思います。しかしながら、全体として一兆三千三百十億という発行額でございますれば、何とか平成二年度に特例債脱却の可能性は強い、こう言っていいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございますが、あくまで油断することなく、その努力目標の完全な実現に向けまして引き続き歳出の徹底した見直し、合理化等に取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
○鈴木和美君 実現可能であるという見通しはわかりました。ならば、なぜそういうふうになったのか、理由、根拠などについてもお聞かせいただきたいのです。つまり私がお聞きしたいことは、自然増収というような問題、NTTの問題などなど、どちらかというと脱却が可能であるというけれども、実際は財政再建にはなっていないのじゃないかということを述べたいので、政府側の方からその根拠について示していただきたい。
○政府委員(篠沢恭助君) 特例債脱却ということにつきましては、単年度の予算編成におきましてこれをゼロとするに足るだけの財源が生み出されなければならないわけでございます。それは一つは税収の問題もござイましょう。また一つは、歳出抑制というものがどういうふうに行われ得るかということにもよると思いますが、いずれにしても先ほど申しましたように昭和六十二年度、昭和六十三年度に対しまして、それぞれ次の年の予算はここのところ一兆八千億程度特例債を比較的大幅に減らし続けてこれたと。それに対して今、最後に残った特例債の額が一兆三千三百十億である。他方、経済の好調に支えられまして、今税収の状況も比較的良好であるというふうに見られること等々を総合勘案して、私どもとしては何とかそういうことができるのではなかろうかというところへきたなというふうに考えておるということでございます。当然のことながら一生懸命その目標に向かって努力いたしますが、これが一〇〇%大丈夫であると申し上げるような自信まではないわけでございますが、いわゆるフィージビリティーが非常に高まったのではないかと、こう見ておるという意味でございます。
○鈴木和美君 私は後ほどまた申し述べますが、一つは六十二年の緊急経済対策がございましたですね。大蔵省はどちらかというと余り拡大予算をつけることに賛成でなかったようでありますが、その経済効果が今日どっちかというとプラスだというような面で税収が思いのほか上がっている、こういう問題が一つあると思うのです。 もう一つは、そうは言っても全体的にまだ金が足りないというのか、そのために借換債を実施したとか、NTTの株を売ったとか、そういうことで埋め合わせ、そして二十六兆円に及ぶ先延べというようなものがあって、今日の一応の目標が達成されるというような状況になっているのじゃないかと私は思うのです。 そこで、脱却のかぎを握る税収の問題についてお尋ねしたいと思います。 六十三年度の自然増収が二兆八千億円見込まれると日経の六月一日版は報道しておりますが、大蔵省から改めて六十三年度の税収と自然増収の見通しについてお尋ねをいたしたイと思います。
○政府委員(尾崎護君) 六十三年度の税収でございますが、委員御承知のとおり四月分までがわかっておりまして、あと五月分を残しているわけでございます。四月末現在の累計で七・三%前年度決算に比べまして伸びておりまして、六十三年度の補正後予算額を六十二年度の決算額と比べますと二・八%の増でございますから、四月末で七・三%の伸びということになっていることは、ある程度自然増収を望めるということは間違いないと思っておるわけでございます。しかしながら、これもまた委員御承知のとおりに、五月分の残されている税収の中には三月決算法人の法人税が入っておりまして、六十二年度の五月で法人税は実は六兆ぐらい収入があったというように非常に大きな額を残しているわけでございます。法人税の大体四割ぐらいのものが五月に入ってくる。また法人税は非常に振れる税でございますので、今の段階で一体自然増収がどのぐらいになるのかということはまだちょっと申し上げかねる状況にあるわけでございます。
○鈴木和美君 今お話しのように、六十二年度の状態を見ますと、当初予算額で四十一兆一千九百四十億、補正後予算額で四十三兆八百七十億、決算で四十六兆七千九百七十九億、これは間違いございませんね。そうしますと、決算額ベースで見ますと六十一年度に比較しまして一一・八%伸びているということも間違いないと思います。それから四月末で、今お話しのように、比率を見ますと七・三%伸びている。もちろん法人税の約四割は五月に入るわけですから、それを除いて私が申し上げた一一・八%と七・三%ということは間違いございませんか。
○政府委員(尾崎護君) そのとおりでございます。
○鈴木和美君 私の試算ですが、こういうことが言えるかどうかお尋ねしたいと思います。 ただいま一一・八%と七・三%のお答えがございましたので、六十二年度決算額の伸び率一一・八%ということを考えた場合に、六十二年度の決算額四十六兆七千九百七十九億円掛ける一一・八%は五十二兆三千二百億ですね。それから補正後予算額四十八兆一千六十億円を差っ引きますと四兆二千百四十億自然増収があるということを見込むことは大変むちゃくちゃですか、いかがですか。
○政府委員(尾崎護君) ちょっと、一つの計算ではあると思いますけれども、それでいいかどうかということになりますと、やや判断が何ともつきかねるところがございます。
○鈴木和美君 もちろん税収を論ずるときに、ことしの場合、平成元年のときを述べる場合には消費税という問題が前提にありますから、従来のような傾向ではじくということはちょっと荒っぽいかもしれませんけれども、私が計算したところによれば、例えば一一・八%伸びるということを前提に置けば、四兆二千百四十億円ある。それはちょっとむちゃだというのであれば、例えば七・三%というものを今度は例にとりますと、六十三年度四月末では二兆一千八十一億ぐらい上がるのじゃないでしょうか。それも今度は五月の法人税というものを見込めば、それに約四〇%ぐらい加わりますから、二兆二千七百八十六億円ぐらいに私はなるのじゃないかと思うのです。そうしますと、日経が述べている二兆八千億ぐらい上がるということは大体そういうふうに理解していいのじゃないかなと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 委員のお話しのとおり、いろいろと計算の仕方はあると思います。恐らくいろいろ推計をいたしまして新聞等もスペキュレーションをなさっているわけだと思いますけれども、やはり税収の問題でございますので、実績を見きわめるまでは大体幾らということはちょっと何とも今の段階では申し上げかねるわけでございます。
○鈴木和美君 それでは、慎重な態度ですからそれはやむを得ないと思うのですが、大ざっぱに言って六十三年度、平成元年度含めて各年ごとに二兆円台の自然増収が見込めるということに考えてよろしいかという質問に対してはどうお答えになりますか。
○政府委員(尾崎護君) 六十三年度の見方は、あと残すところ五月分だけでございますから、かなり幅は狭まっていろんなことが言えると思います。ただ、平成元年度となりますと、これはまた大分先の話でございまして、実績もまだろくにそろっていないわけでございます。 それから一つ注意しなくてはいけないと思いますのは、六十三年度と平成元年度との間には例の税制改革で大きなモデルチェンジがあるわけでございます。したがいまして、同じような経済情勢を前提に考えてみましても、それを当てはめる税制の方が変わっておりますので、これまでのように単純に前と同じ構造で伸びていくだろうというように言えるのかどうか。そこはさらにいつもの年とは違って、一段と慎重を要する問題ではないかというように私どもは考えております。
○鈴木和美君 大蔵大臣、今の主税局長のお話ですが、大臣は先行き見通しとして私が言うみたいな約二兆円ぐらいは上がるのじゃないかというようなことについて、客観的で結構ですが、見通しお答えになれますか。
○国務大臣(村山達雄君) 六十三年度はもうあと一月でございます。大分幅が縮まりまして、そして経済状況も大体わかっているわけでございます。問題はあと法人の決算態度じゃないかと思っております。いいときはやっぱり渋く出ますから、今までのいろんな損がありますと、その際に一挙に埋めるというのはこれはもう当然の話でございますので、その影響がどれぐらい出るのかなと、私は個人的にはそう思っているところでございます。しかし、かなり幅は縮まっておる、こう思っております。 平成元年度は、経済見通しに従いまして各税日ごとに積み上げてお示ししてあるわけでございます。この経済がこのまま続くとしてと、こう言わざるを得ません。今のところ非常に順調であることも事実でございます。しかしまた、経済についてはまだ元年度を通してこのままでいけるという保証もないわけでございます。その問題が一つ。 それからもう一つは、先ほど主税局長が指摘されましたように、歳入構造が大きく変わってしまったのです。税収構造が変わっているわけでございます。もちろんそういうことを予定して各税日ごとを積み上げておりますけれども、毎年の税収の各税目の見通しに比べますと、その間初めての歳入構造でございますので、少しやっぱり不確定の要素があるかな、こういうことが感じられるわけでございまして、不透明感が六十三年度に比べればずっと多いかな、こういう感じがいたしております。
○鈴木和美君 六月一日の日経新聞を見てそうかなと思ったのですが、イザナギ景気を超す好況感というのが出ていますね。それで六十三年度の税収もしかり、平成元年を展望してもまだまだ経済の体質はそう弱くないだろう。政府見通しについても、それから内需の問題についてもまだ先行きは非常に強い。これは日銀の短観でそういう評価がなされていますね。これはそういうふうに見ていいのかなということを後ほど経済企画庁にもお尋ねしますが、こういうことが述べられている。 そこで、私が今税収の問題を問題にしていることは、いずれ平成二年度のシーリングというものが間近に迫っているわけですね。したがって、これから日本経済及び税収の動向というものをある程度固めておかないと、シーリングに対する態度も不鮮明になってくると思うのです。したがって、今大臣が述べられたように、元年度については非常に先行きが不透明である、ましてや消費税という問題が入ってきて構造が変わっているから、なかなか予測しにくいという問題はあるかもしらぬけれども、新聞で報じられているような現状から先をちょっと見れば、まだまだそう悲観的な材料だけではないのじゃないかというように見てよろしいかという結論だけでも聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 日銀の短観で見る限り、かなりよろしいということは言えるだろうと思います。来年の三月期の見通しまで言っておりますし、なかなかいいのではないかと思います。 ただ、経済というのは非常に動くということは事実でございまして、それから短観自身が四半期ごとに出しておりますが、短観自身が動いていくのですね、二月から五月、今度は八月と、こう動いていくもので、その辺、これは表現の仕方かもしれませんが、楽観論から言えば非常によろしい。しかし慎重論から言えば、やはり経済の変動というものは注意して見ていかにゃいかぬ、こういうことになるのではないかと思っております。
○政府委員(尾崎護君) 先ほどの私の答弁を、大臣の御答弁を伺っておりましてちょっと言葉が足りなかった点がございますので、一言だけ補足させていただきます。 それは、私が平成元年度について申し上げましたのは、六十三年度に自然増収が出ました、先生の例では二兆円とおっしゃいました。それがそのまま平成元年度の土台になるかといいますと、いつもの年ですとそうだけれども、そこで大きなモデルチェンジがあったからそのまま土台になるかどうかわからないという意味で申し上げたわけでございます。ちょっと言葉が足りなかったような気がいたしましたので、補足をさせていただきます。
○鈴木和美君 今の主税局長の御答弁は、私もそのことを前提に置いて言っています。六十三年度二兆八千億くらい上がるのじゃないかということを分母にしながら七・三%、大変なこれは客観的な数値ですけれども、七・三%を掛け合わすということからすると、平成元年においても大体二兆四千億くらいは上がるのじゃないかという私の積算でございますから、そのところは食い違いございません。 さて、その次でございますが、今大臣が申し述べられましたように、ある意味では楽観論というまではいかぬけれども、体質はそう弱くないよという論があることも事実でございますね。これは私もそうだと思うのです。そこで今度は、それはそうだとしても、一体これからの日本経済というのはどういうことになるのだろうかというようなことを観点に置いた場合の、いろんな課題について質問させていただきたいと思うのです。 まず最初は、何といっても為替の動向だと思うのです。内需が景気を支えてきた、つまり今までの低金利時代ということは、〇・七五%金利が引き上がったということや、MMCというような商品が出て、今三百万ですけれども、だんだんだんだん下がっていくということになると、これはいずれば財投の方も市場金利に連動しなきゃならぬというような問題などもあって、低金利時代はもう終わりを告げた、ちょっとオーバーかもしれませんけれども、そういう認識なんです。 そういうときに、為替の動向次第では再び金利引き上げというような問題がまた議論されていますね。したがって、ある意味では今度は日米経済摩擦というような問題が余り進んでいない。そういうようなことを見ますと、必ずしも今財政当局が述べられている現在の為替の動向というのは一過性というか一本調子というか、そうではないよ、いずれはもとに戻るというようなお話をよく聞くのでございます。 大蔵大臣にまずお尋ねしたいことは、為替の動向というのはどういうふうに見たらいいのか、見解を承っておきたいと思うのです。
○政府委員(内海孚君) 通貨当局といたしまして為替の見通しにつきましてコメントするのは御勘弁願いたいと思うわけでございますが、ただいま委員御指摘の要素はいろいろマーケットで言われておりますけれども、基本的には現在の為替レートがこのところ思惑的なものによってかなり振れているということは言えるようでございまして、またその例は、先週の金曜日に東京からニューヨークの方に移りましたところでドルが大変値を下げたわけでございます。そういうような動きは、かなり私どもとしてはいわば経済のファンダメンタルズに根をおろした動きとはちょっと違うのじゃないかなというふうに見ておりまして、この安定のためにいろいろな方途を用いまして、その実現を図っていきたいと思っております。
○鈴木和美君 思惑筋の問題とか機関投資家などの問題については後ほどお伺いしますが、私は単純に、現在の為替の動向というものが一時的だとか一過性であるとか一本調子とかというような単純な見方をするわけにはいかないのじゃないかというような見解なんです。 そこで、先に日銀にお尋ね申し上げておきますが、まず一つは、今局長からも述べられたことでございますが、現在の為替の動向の現状に対する認識と今後の見通し、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○参考人(青木昭君) 日本銀行の青木でございます。 先ほども国際金融局長からお話のございましたとおりでありまして、為替の方、先週一時百五十一円をつけるというようなことで相当ドル高になったわけでありますが、その後はさすがに一本調子のドル高に対する警戒感が出て反落をしておる。けさ方も百四十三円台というようなことでございます。ただ、市場の地合いはまだ神経質でございますけれども、ややドル高が是正されてきているというような感じでございます。いろんなことがこの背景として言われておりまして、一つは米国の貿易収支が改善基調にある、あるいは米国の経済のスローダウンがあって、それを背景に米国の貿易収支が改善基調にある、あるいはアメリカの最近の物価高などから見て高金利が引き続き維持されるのではないかというような観測もある、それから、中国情勢がどうだという市場への影響というような見方も行われておる、こんなようなことが背景になっておるようであります。しかしながら、私どもといたしましては、このような見方の是非はともかくといたしまして、最近の円安ドル高、極めて投機色の強い明らかに行き過ぎた動きというふうに判断をしておるわけでございまして、このような動きに対しましては主要国との協調のもとに、断固たる措置で対応をして歯どめをかけていかなきゃならぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。
○鈴木和美君 この動向について円安の傾向がおさまるのかもつと安くなるのか、なかなか予断を許さないところだと思うのですが、大体今もやっているような各国の、つまり協調介入といいましょうか、そういう協調介入だけでドル高円安の傾向に歯どめがかかるのだろうか、私はそれだけで大丈夫かなという心配があるのですが、その点はいかがでございますか。
○参考人(青木昭君) 相当強力な介入を、かつ粘り強くやってきておりまして、まだ情勢が落ちついたというところまで参りませんけれども、それなりに相当な効果を上げてきたものというふうに思っておりますので、今後も粘り強くこういった努力を続けることによって、何とか歯どめをかけることができるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。
○鈴木和美君 期待どおりにいけばまことに幸いなことだと思うのです。 もう一つお尋ねしておきたいことは、円安という傾向がずっと続くということになりますと、輸入物価を通じまして国内の物価動向に大変私は悪影響をもたらしてくると思うのです。日銀はそれこそ物価の番人みたいなお役目でございますから、物価動向に対する日銀の考え方と、あわせて見解といいますか、それをこの機会に聞かしていただけませんか。
○参考人(青木昭君) 御指摘のとおりでございまして、仮に円安が続くということになりますと輸入物価に相当はねてくることはもう明らかでございます。ただ、それが国内物価にまでどういうふうに影響を及ぼしてくるかということにつきましては、そのときどきの景気情勢あるいは物の需給関係等々によって変わってくるわけでございます。 例えば、ことしも年初来相当な円安になっておって、輸入物価も上がっておるわけでありますけれども、一方、国内の卸売物価の方はおおむね安定圏内で今までのところ来ておるというような状況でございます。そういうことを考えますと、もちろん円安傾向に歯どめをかけていくということ、それと同時に国内の景況、需給関係等に注目しながら適切に政策運営していく、こういうことが大事であろうかというふうに思っておる次第でございます。
○鈴木和美君 大変恐縮ですが、もう一つお願いを申し上げたいのですが、ある新聞だったかある雑誌だったかで見たのですが、円が百五十三円ですね、百五十円程度にまで円安の状況が進むということになると、もうとても協調介入だけではやっていけない。むしろ金融政策というか金利の再引き上げというか、そういうものを発動しなければやっていけないのじゃないかというような説を読んだことがあるのでございますが、日銀としては例えば、例えばで結構ですが、そういう金融の再発動しなきゃならぬというようなときの、つまり為替の額、これ一体幾らぐらいに見ているのか。また、現在の協調介入でやっていけない、今は何とかやりたい、何とかそれで実現したいという希望でございますからそれ以上なかなか答えにくいとは思うのですけれども、どのぐらいになったときには金融の再発動を考えなきゃいかぬというような見解にお立ちになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(青木昭君) なかなか、為替相場が幾らになったらどういうふうに金利を動かすというようなことは、当局者の立場としてお答え申し上げるのは適当でないというふうに思いますけれども、一般論といたしまして金利政策というのは、物価とか景気あるいは海外経済の動きといったような経済動向全体を総合的に判断いたしまして、必要なときには必要に応じて機動的にやる、そういうものであろうかと思います。その場合に、もちろん為替相場も総合判断の一つの材料になるわけでございます。これからさらに円安ドル高が進んだ場合にどうするかということは、このほかの経済動向いかんとも総合的に勘案して判断すべきものというふうに思っておるわけでございます。 先ほども申しましたとおり、何とかして協調下における介入ということで円安の行き過ぎに歯どめをかけていきたいと思っておりますし、また、現在私どもは五月末に公定歩合を〇・七五%上げたばかりでございます。その効果を見ているというような段階でもございますので、今のところ再引き上げというようなことは考えておらないわけでございます。
○鈴木和美君 どうもありがとうございました。 そこで、大蔵省に今の日銀の動向なども考慮いたしながら、もう一度お尋ね申し上げたいのですが、先ほどの円安の傾向というものはそんなに続かないのじゃないかというようなお話でございますが、仮に円安に向かわないとしても、今後とも私は円のじり貧傾向というのはどうしてもあるように思うのです。そうなりますと、拡大傾向にあった我が国の貿易黒字に、つまり輸入との関係で拍車がかかって、輸入物価の値上がりによるインフレの懸念というものをやっぱり私は心配します。 特に物価については、消費税というものが入ってきたものですから、物価高騰に対する一要因になっていることを否定できないと思うのです、この消費税という問題は。そうしますと、今日今まで自然増収が大変出てきたという背景というものは、個人消費というものは物価が安定しているということにおいて堅実に伸びてきたと思うのです。それに、円安に伴って物価上昇が行われていくということになると、個人消費にマイナスに作用するということは明らかだと思うのです。同時に、それが経済に与える影響として設備投資についてもちょっと差し控える、そこへ来て原油が上がっておるというような状況から見ると、投資の環境というものは、今までよりもずっと狭められてくるような危険性を持っていると思うのですが、その辺の分析、見方についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(内海孚君) お答え申し上げます。 今後、円安の傾向が続くかどうかという問題につきましては、これは直接のお答えは立場上難しいわけでございますけれども、ただ、はっきり申し上げられることは、日本の経済はそのパフォーマンスにおいて恐らく世界のほかの国に比類のないパフォーマンスを持っております。これは通貨の強さを支える一番基本的な要素でございます。 もちろん、あらゆる状況におきましても、その中で急を要するものはあるわけでございまして、今御指摘の、もしこのような円安傾向が続けば物価にどういう影響があるかということ、これは当然考えなければなりません。 他方、わずか二年かそこいらの間に、一ドルが二百四、五十円だったのが百二、三十円というところまで、ほぼ半分にまでなったときに、もちろんこれは日本の卸売物価、消費者物価の安定に非常に資した、寄与したわけでございますけれども、その間において、まだ輸入をするところにどの程度利潤が残っているかということを見ると、かなりそこにもバッファーがあるようにも思われますので、為替の傾向それから輸入物価の動向が直ちに国内物価に響くかどうかというところに一つも二つもまだクッションがあるのではないか。また、そこにおいて政府としても、為替が、円が安くなったり、あるいは油が高くなったりというときにはすぐ値上げをする、逆に、円高になったときとか油が下がったときには、その値下がりの方はある程度のタイムラグがあるというような、そういうようなビヘービアがなくなることこそ一番大事ではないかというふうに思うわけでございます。 もちろん、一般的に申しまして、物価ということには十分の目配りが必要であることは言うまでもないわけでございまして、これがいろいろ難しくなってきますと、まさに御指摘のとおり、個人消費にも設備投資にも日本経済の根底に非常に問題を生ずることは言うまでもないことでございます。この点は全く同じ意見でございますが、為替の動向との関係では、私は動向自体についても日本経済の持つパフォーマンスの抜群のよさという問題からいたしましても、そういうじり貧というようなことは到底あり得ないと思っておりますし、これは恐らくは多くの世界のエコノミストたち、あるいは通貨当局者の人たちも同じような意見を持っているのではないかと思っております。
○鈴木和美君 局長、せっかくですからもう一つお尋ねしますが、こういう新聞記事も出ていますわな。円は有事に弱いというような記事が出ておりまして、今日本経済の基盤というのですか、それは大変強いものであるということはそれなりに私も理解はします。しかし、ある面では中国情勢の問題であるとか、それから日本の政局の問題であるとかいうような、後から日米摩擦の問題で質問しますが、そういう問題が出れば出るほど為替に与える影響というのはやっぱりそういうふうに一時的かというように楽観できないのじゃないかというように私は思うのですよ。為替の動向ということは、御指摘のように、勢いこれから物価に影響を与えてくることは私は必然ではないかというふうに思うのですが、中国情勢と為替の関係に局長はどんな見識をお持ちですか。
○政府委員(内海孚君) ただいま委員御指摘の有事についての各通貨の反応というのは、非常に御指摘のようなことがありまして、例えば、やはりドルが有事に強いというのはこれはもう客観的にそうだと思います。 ただ二番目に申し上げたいことは、最近の問題はどちらかというと、円の弱さという角度からの御質問ですが、むしろドルの強さということで説明できる要素が恐らく八、九割だろうと思うのです。といいますのは、日本円、ドイツマルク、英国のポンド、その他スイスフランを含めました欧州通貨みんな見ましても、ドルとの動きというのは、程度の差が若干ありますけれども、おおむね同じ方向で動いているわけでございまして、その意味で円だけの動きでないということを申し上げたいわけでございます。 それから、その中で最後に中国についての考え方でございますが、一般的に申しまして中国情勢が日本の円にどういう影響を与えるかということは、直接には一つ一つ取り出してみると、余り理屈をもって説明できることはないわけでございます。したがって、傾向的にいいますと、中国で一たん緩急あるときには、そのことがよくわかっている日本のマーケットでは余り動かず、外国のマーケットにおきまして、やっぱり向こうから見ると日本と中国というのは非常に我々が考えているよりも近く見えるのでございましょう。円レートに影響する要素がそれだけ大きかったということは言えると思いますが、先ほど申し上げましたように、一つ一つどういう要素で中国の情勢が円に影響を与えるかということをとってみると、それほど大きな影響というものは私は当面考えにくいなという感じを持っております。
○鈴木和美君 もう一つ、この機会に機関投資家の問題について聞かせていただきたいのですが、昨日の大臣の丸谷議員に対する答弁では、機関投資家、特に保険の方でしょうが、介入というかそういうことはしてない、実情を調査しただけだという答弁でございましたが、本当にそうなんですか。 同時に、本当にそうかと聞けばそうだと答えるのでしょうが、つまり省とそういう機関投資家との関係というのですか、事情聴取というか、ちょっとお聞かせ願いたいと言ってみても、聞かせてもらうためには自分の意見を言って、こういうこともあるからどんなものでしょうかというようなことが、日常のコミュニケーションだと私は思うのですよ。だから、介入はしない、何はしないとは言っているけれども、実質は、おい、ちょっと考えてくれよというようなことがあったのじゃないかと憶測するのですが、いかがですか。
○政府委員(内海孚君) 機関投資家から状況ヒアリングをいたしました。これは実態把握のためのヒアリングでございます。 ただいま鈴木委員の御指摘もありますので、若干こちらの問題意識を申し上げますと、これだけドル買いが日本の機関投資家によって行われたと言われながら、先月それから今月に入ってからの機関投資家の、例えばドル建ての長期の債券のネットの購入額というのがほとんどふえてないわけでございます。そういう状況からすれば、一体どうしてそういうことになっているのかということは、やはりちょっとヒアリングをさせていただいた方がいいのじゃないかなということでございます。
○鈴木和美君 基本的なことをお尋ねします。 丸谷委員も本会議で質問なさっておったのですが、現在のような日本の経済メカニズムの中では、機関投資家は自分のパートだけのことを考えれば、損するわけにいかないのですから、企業活動やるのですから自由にやっていいわけですよね。ところが、それが何か省から圧力がかかるというようなことは、さてさて私はどうかなという気持ちがするのであります。だから、基本的にはどういう考え方で対応なさっているのか、そこだけきちっと答えてください。
○政府委員(内海孚君) 基本的な筋合いといたしまして、私は鈴木委員のおっしゃるとおりだと思います。現在の経済体制のもとで、利潤の追求というのは自由に行われるのが原則でありまして、そこによし悪しという判断を入れるということはよほど慎重であるべきだと思います。 したがって、私どもはこの問題につきまして、例えば為替というものは相当なリスクを含んでいるものでございます。したがって、機関投資家は一般大衆のお金を預かっているということもありますので、リスクの問題というのをどういうふうに受け取っているかという問題は、当然そういう面からは関心を持ってしかるべきだと思います。 それから第二には、やはり為替というものの安定は、いわば経済にとってのお米のようなものですから、これについては本当にいわゆる投機的なものが、行き過ぎていいのかなという問題意識が頭の隅っこにないと言えばうそになると思いますけれども、その辺を見ながら機関投資家が対外投資というものについての経験を十分に積めばいいのですけれども、しばしば、歴史が浅いこともあって問題を生じてきたことも御承知のとおりであります。 例えば、いわゆるプラザ合意の前にドルが二百四十円、二百五十円という時代に、機関投資家が相当なドル買いを続けていたときに、大蔵省からこれらの機関投資家に対して、為替というものはリスクをインボルブしているものだということを十分念頭に置いてもらいたいということを言ったことがありました。その後、実はプラザ合意ということもあったわけでございます。そういうことで、基本的には私は鈴木委員のおっしゃるとおりだと思います。これに対する介入というのは厳に慎むべきだと思っております。 ただ、機関投資家が大衆のお金を預かっている以上、また私どもが為替市場というものをお預かりしている以上、そこでの投機的なことが非常に行われた場合には、やはりそれが一般大衆のリスクにもなるだけではなくて、為替の不安定ということを通じて世界経済にも非常に大きな影響を与えているという問題意識はどこかには持っていて、しかしながらそれを機関投資家の行動規制というようなことでそれを直ちにするということは非常に慎重であるべきだということであろうと思います。
○鈴木和美君 為替の問題は一番最後に締めくくることにして、この機会に日米問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのです。 まず通産省にお尋ね申し上げますが、先ほどから話が出ておりました原油の問題ですが、原油の状況は今どういうことになっておりますか。お答えいただきたいと思います。
○説明員(斉藤茂樹君) お答えいたします。 本年に入っての原油価格の動向について見ますと、昨年十一月のOPECの通常総会で生産上限について新たな合意がなされたことや、世界的に需要が堅調なことから、原油価格は昨年の総会前に比べましてある程度の上昇を示し、堅調に推移してきたところでございます。 また、アラスカ及び北海油田の事故の影響を受けまして、四月にスポット市場では原油価格は一時的に上昇いたしました。例えば、我が国の原油輸入の大半を占めます中東原油の指標油種でございますドバイにつきましても、バレル当たり船積みベースで十七ドル程度まで上昇したわけでございます。ただ、最近ではこれが十四ドル台と落ち着いた水準で推移しているところでございます。 なお、今後の原油価格の見通しにつきましては、さきの六月のOPEC通常総会で、本年下半期の生産上限が上半期に比べまして、日量百万バレル増の千九百五十万バレルとなったことなどもございまして、当面現在の基調に急激な変化はないというふうに考えております。 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、従来より石油市場の安定が重要と考えておりますので、引き続きOPECの動向、市場の動向などを注視してまいりたいと考えております。
○鈴木和美君 そうすると、そんなにこれからの見通しから見ると心配要らないよという結論ですか。
○説明員(斉藤茂樹君) 急激に上昇するようなことは考えにくい状況にあると思われます。
○鈴木和美君 それでは結構です。 日米の川奈会談の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 去る十三、十四の両日伊東で開かれました第一回の日米次官級協議では、日米構造協議をどうするかということで、どっちかというと三〇一条の対日適用問題をどう処理するかというような問題が焦点になって議論された。 それで、新聞報道によれば、スーパー三〇一条問題については米国は余り具体的な交渉申し入れば行わなかった、専ら流通の構造問題に焦点が当てられたというようなことが報じられているのですが、事実はどんなことだったでしょう。
○説明員(伊佐山建志君) お答え申し上げます。 十三、十四日の二日間にわたりまして、日米間で次官級の経済協議が行われましたことは御指摘のとおりでございますが、そこでの議題は、日米の二国間の経済問題、例えば日米の経済が相互依存、どういう依存関係にあるかとか、貿易の不均衡問題がどういった状況にあるかというような問題を含めまして議論をしたところでございます。 それからまた、二国間問題に限りませんで、ウルグアイ・ラウンドでありますとかEC市場統合の問題といった国際経済問題もあわせて議論いたしました。 それで、御指摘のスーパー三〇一条でありますとか構造協議につきます議論でございますが、これは日米経済関係、今後いかなる形でマネージ、管理していくかというところで議論があったものでございまして、スーパー三〇一条につきましては、新聞等で報道されておりますアメリカ側からは交渉の申し入れがなかったというのはそのとおりだと私ども理解しております。 それから構造的障壁に関するイニシアチブについての議論につきましても、必ずしもそこでの議論がこの問題に非常に集中したというようなものではむしろございませんで、アメリカ側がここで何を意図しているのか、特に日米の貿易不均衡問題絡みで構造問題に触れないことにはなかなか解決されないという、そういう問題意識を披瀝したことは事実でございますけれども、必ずしも詳細にわたって我々の方に説明する、そういう状況にございませんでしたものですから、とりあえずアメリカ側からその問題についての考え方を披露していただいたということでございます。 それに対しまして私どもの方からは、あたかもアメリカ側の提案が日本に構造的な問題がある、アメリカにはないかのような感じでございましたものですから、構造問題について日米間で話し合いをするのであれば、当然のことながら、我々から見ましてアメリカにも構造的な問題は幾つもあるということもございますものですから、日米間、両国の問題をバランスとって議論しようじゃないか。それから構造問題については結果を指向した交渉のような形で話し合いをするようなものではない、ついつい結果指向になりますと、本年度は幾ら黒字が減るとか、来年度は幾ら黒字が減るという、こういう議論になりがちでございますので、そういうようなものではないということを私ども我々のポジションを明らかにいたしまして、今後いずれにいたしましても詳細についてお互い意見交換していこう、こんなふうな次第でございます。
○鈴木和美君 私も専門家でないので大変恐縮ですが、俗称構造問題という短絡的言葉が使われているのですが、構造問題とは何ですか。
○説明員(伊佐山建志君) アメリカがこれまでに明らかにしたところにおきましては、日本側に存在すると思われております構造的障壁という事例といたしまして、独占的な企業行動、談合、市場分割、系列、流通問題、土地問題、こういったものを指摘してございます。
○鈴木和美君 俗称、NHKの解説じゃないですけれども、アメリカ側が一番問題にしているのは構造問題だと言われるときに、国内、国外の価格問題。何で日本で同じ製品を買って高いのかという問題、あるいは流通でしょうね、今お話のあったような問題ですね。 それからもっと極端な話をすれば、日本人の貯蓄感覚というような問題まで構造問題という背景の中にアメリカ側が問題にしているというような話がされておりますが、一番最後の貯蓄の問題までアメリカから何で言われなきゃならぬのかというような私は感じをすらするのですが、そういう問題についての御見解はございますか。
○政府委員(内海孚君) 日米間での構造問題というときに、どちらかというと私どもとアメリカの財務省と話しておりますときには、我々がアメリカの貯蓄率の問題という形で持ち出している方が多いのです。アメリカでは貯蓄率が五%前後を低迷している。日本の貯蓄率が高いということよりも、アメリカの貯蓄率が低いのが問題で、それはいかなるところから来るのかという問題意識をむしろ我々がより強く持っているということを申し上げたいと思います。
○説明員(伊佐山建志君) アメリカ側の多分問題意識といたしまして、よく言われますアメリカにおいては過剰消費体質がある、日本においてはその逆の現象があるということで、両国が言ってみれば歩み寄るような形で消費パターンが定着するということが望ましいという形での、そういう指摘の一つかと思いますが、特に構造問題についてそういったことの議論の幅というものは、まだ実際には決まっておりませんので、今後その辺どういったものを取り上げるのが適切かという議論をしていくことになろうかと思っております。
○鈴木和美君 私はもう一つこの問題で心配しているのですが、かつて前川レポートじゃないですけれども、市場アクセスの問題を通じて、その後円・ドルの何とか会議というのができ上がりましたですね。これはどちらかというと、私の理解としては、アメリカの敷いたレールの上を仕方なく一緒に行って、そこで話をしてきたみたいな感じが私はするのですよ。それが今回、構造問題というものはそんな簡単に解決するものではないと思うのです。それだけに、アメリカは三〇一という問題を盾にとっておどしながら、構造問題を何とかしたいということがあるものだから、円・ドル委員会みたいな様相を呈しちゃって、そこに引っ 張り込まれはせぬかということを非常に私は心配するのですが、その辺はどういうふうに見ておいてよろしゅうございますか。
○政府委員(内海孚君) 円・ドル委員会は、私がちょうどアメリカにおりましたときにその当事者でございましたので、一言その経緯から申し上げたいと思います。 円・ドル委員会の始まりは、その当時は非常にドル高が直らなかったものですから、ドル高が直らない原因の一つは、やはり日本の資本市場あるいは金融市場が非常に閉鎖されている、あるいは円の国際化がおくれている、そのために、本来これだけ黒字である日本の円が一向に強くならないのは、そういった金融の自由化が進んでいないために、マーケットフォースといいますか、市場の力というのが十分に働かないからではないかということの議論から始まりまして、アメリカ側からは日本の金融、資本の自由化、円の国際化を求め、我々は、アメリカというのは市場は非常に自由なところでございますが、一方においてユニタリータックスというような非常に投資の障壁になるような州の税があったりするものですから、こちらからはそういった問題を取り上げるというような形でやりまして、その結果、日本の金融、資本の自由化が非常に進んだわけでございます。 当時は、日本の金融あるいは証券界の感覚といたしましては、もうこんなに譲ってしまったら日本の金融、証券はだめになっちゃうのじゃないかという声がありましたが、当時からニューヨークの銀行家、金融の首脳たちは、これで日本は物の大国からマネーの大国になる道が開けたなということを言っていました。結局私どもは、基本的にはアメリカと議論はしながらも、日本の金融、資本の自由化というものは、日本にとってこそ大事だという認識を持ち、その中で自主的に進めたわけでございます。 今後、構造対話がどういう形で出てくるのかというのは全くこれからの問題でございますが、私は、もし日本の経済の中に価格の硬直性とかあるいは流通の問題とか、その他いろいろ国民生活にも非常に影響のある問題があるのであれば、これはだれから言われようと我々は自主的に積極的に取り組んでしかるべきではないかなというふうに思っております。
○鈴木和美君 日米問題というのは、非常に日本経済に与える影響が大きいという認識で通産省も対応されていると思うのですが、これからはこの問題はどんなプログラムで協議というのが進むことになるのでしょうかね。
○政府委員(内海孚君) 構造協議につきましては、まだ両者の間でレールが敷かれておりません。といいますのは、先ほど通産省から御説明がありましたように、川奈の会議におきましては、アメリカ側がスーパー二〇一条とともに日本とアメリカとの間で構造的な問題について話し合いを始めたいという意向表明がありましたが、その背景について説明がありました。向こうはそこで交渉というようなことを考えたいという問題意識がありますし、先ほど御説明ありましたように、こちらはそういうものは交渉というものではないのじゃないかという問題があります。 その他いろいろ、いわばこれからもし話し合いを始めるのでありますとすると、両方でどういうことについてどういうルールでどういう形の範囲で話し合いをするかというレールを敷く作業が恐らく非公式に必要だと思いますので、そのプロセスを経て、初めてきちんとしたいわゆる話し合いが始まるというふうに考えていただいたらいいのではないかと思います。
○鈴木和美君 大臣、日米問題について今いろいろ見解を尋ねてきたのですが、財政当局の大臣としてこの三〇一及び構造問題などなどに対応する大臣の見解をここでちょっと聞かしていただけませんか。
○国務大臣(村山達雄君) スーパー三〇一条の問題については、もうこれは日本政府で統一的に見解を出しておりまして、むしろ極端に言えば保護主義的な動きである、そういう罰則の脅威のもとで交渉はあり得ないと、こういう態度をとっていることはもう御案内のとおりでございます。 そして、別に取り出しました構造調整の問題、今両省からお話がありましたように、やはりこれは結果を、例えば何年までに経常黒字を幾ら減らすとか、結果指向はもちろんいかぬだろうと思いますし、また今内海局長が申しましたように、日本にとって大事なことはやはり進んでやるべきことであろうと、こういうふうに私としては考えているところでございます。
○鈴木和美君 それでは次の問題へ移らしていただきます。この機会に財投のことについてお尋ねをしておきたいと思います。 御案内のとおり、財政投融資資金というものは、どちらかというとどなたもおっしゃっているとおり第二の予算と言われるぐらい重要なことだと思うのです。 そこで、まず財政当局の見解をお尋ねする第一の問題は、小口金融、つまりMMCが今月の初めから導入をされることになって、いわゆる金融機関の資金調達コストに競争原理が導入されたということになると思うのです。そこで、来年だか再来年だったか郵便貯金の満期が来るということで、金融市場の中で郵貯もやはり同じようにしていただかないと、なかなか据え置きをお願いをするということができないというような面から、郵便貯金についてもそういうものが認められたと思うのです。しかし、現在国債を中心にしたワイドとかビッグとか、こういう商品が非常に出回っている関係などもあって、金利に繊細な神経を使う投資家としては、単に郵貯がMMCができ上がったからということでそこに大体踏みとどまれるのだろうか。もちろん踏みとどめようという努力は大いにされるのだと思いますが、一般論としていろんな金融市場の中で高い商品が出ているというような状況から見ると、MMCが郵貯にも適用されたとしても、財投資金ということの大きな財源にどんな影響をもたらすかという意味で、分析はどのようにされているのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(足立和基君) あるいは郵便貯金の今後の見通しでございますので郵政省の方からお答えするのが適当かと思いましたが、先生の言われますように、昭和五十五年に非常に高金利時代がございまして、そこで預け入れられた郵便貯金が来年満期を迎えるという事態はよく承知をいたしてございまして、これは一体どの程度あるかということは郵政省が管理されておる問題でございますが、大まかに申しますと三十兆前後の額が満期到来を迎えるということが言われてございます。これが一体どのように推移をするのかということを、郵便貯金が財投の原資の大半を占めておりますので、私どもも大変な関心を持って実は見ておるところでございますが、郵政省といたしまして、今先生が言われました小口MMCの導入であるとか、あるいは預入限度枠の引き上げ等の施策によりまして、来年参ります満期到来に対応いたしたいということで、郵便貯金が引き続き財政投融資の安定的な資金供給源となるように努力したいということを言われてございます。 したがいまして、大蔵省としてはそれ以上のことを実は申し上げる立場にございませんが、郵政省のこのような対応によりまして、来年度の郵便貯金が大幅に減少して、財投編成に支障が生ずるような事態にはならないようなことを期待しておるわけでございます。 〔委員長退席、理事矢野俊比古君着席〕
○鈴木和美君 今の問題は非常に財投の大きな、つまり何というのでしょう、資金というか、そのことに対して大変重大な影響を持っているという認識は間違いないですね。 そこで、もう一つお尋ねしたいことは、財投というのは少なくとも一般会計を補完する役割ということで考えられてきたわけでございますけれども、それだけ重要な財投でありながら、一般会計の審議のときにはいろんな資料が出てくるのですけれども、財投は余り出てないのですよね、審議するいろいろな資料について。これは甚だ私は遺憾だと思うのです。つまり、参考資料的な提出しかないのです。なぜそれを問題にするかというと、財投が今度は対象機関を、発足当時のときを見ますと十六機関なんですね、財投が出すところね。ところが、昭和五十五年、つまり高度成長のときですから、これは五十四機関にふえちゃってるのですね。それで、その後行革がいろいろ問題にされて、特殊法人の統廃合が行われて、五十八年には四十八機関にもう一回縮小したのです。ところが、どうでしょう。最近、民活路線というようなものが出て、現在七十機関に拡大していると私は思うのですが、これは間違いあるかどうか答えていただきたいのです。七十機関に拡大していると思うのですが。 つまり、そういう意味では、財投対象機関が増大しているということは、一面ではある程度専門分野化したということは言えるかもしれませんけれども、非常に重複、競合が発生しちゃって、一元的な運営がなされていないというように思うのです。このような財投機構に対して、全体の構造から見えにくくなっているので、整理、統合というようなものを今後十分考えるべきだと思うのですが、その点はどうお考えになっていますか。
○政府委員(足立和基君) 一般会計が御承知のように租税等を財源といたしまして、また現在長いこと財政再建という目的の達成のために大変厳しい節減、合理化をいたしてございます。そういう状況におきまして、財政投融資は、先生おっしゃられるように、第二の予算としていろいろ役割を果たしておりますが、これは今御指摘のように、郵便貯金等の有償の資金、これを原資といたしまして融資を行ってございますので、一般会計予算に比べますと機動性、弾力性というものを持っておる、こういうぐあいに言えるかと思います。 したがいまして、経済が全般的にやや停滞ぎみであるときには、一般会計がなかなか出動できない状況でございますので、できるだけ財投でそれをカバーして、例えば内需促進を図るというようなことをいたしますし、また現在のように景気がよろしい場合には、できるだけ中立的な抑制的な財投編成を組むというようなことをいたしておるつもりでございまして、十分国会にもいろいろ資料も提出いたしまして、御説明させていただいているつもりでございますが、その点、具体的に御指摘ございましたら、なお検討さしていただきたいと思います。 ただいまの財投機関の数の問題でございますが、先生御指摘のように、昭和五十八年度におきましては財投対象機関が四十八まで減りました。が、現在、先生七十近くと言われましたが、正確には六十六でございます。六十六にふえておる、こういう実態がございます。それで、私ども財投編成に際しましては、当然のことながら臨調、行革審、こういった答申の趣旨に沿いまして、効率的、重点的な編成に努めてございますが、財投機関の数がこんなにふえているではないかという御指摘についてちょっと御説明させていただきたいと思いますけれども、幾つかの実は要因がございます。 一つは、国鉄の民営化に伴いまして、国鉄改革の確実かつ円滑な推進というものを支援するために、国鉄分割でそれぞれ、例えば清算事業団、新幹線保有機構あるいはJRの各社、こういうものについて財投対象機関ということに今までの国鉄一社が分かれた。これによりまして、例えば五つぐらい対象機関がふえる結果になってございます。 それから、最近特に著しいのでございますが、産業構造調整でありますとか技術開発、こういったものを積極的に推進するということで、例のNTTの配当を原資といたしまして、新しい基盤センターと技術開発の機関をつくりました。これは産業整備基金でございますとか、基盤技術研究促進センターであるとか等々ございまして、こういった種類のものが六つございます。 それから三つ目が、確かに先生も言われましたように、民活を利用した社会資本整備というようなことで、例えば関西空港あるいは東京湾横断道路、こういったようなもの、この種類が実は三つございます。 それからさらに、昭和六十二年度から財投でいわゆる自主運用といいますか、資金運用事業というものを創設いたしました。これによりまして郵便貯金特別会計あるいは簡保事業団、これが新たに財投対象機関になったというようなことで、これが二機関ふえておる。こういうようなことで、実は一つ一つそれぞれ理由が御説明きっちりできるものばかりでございまして、何となく漫然と行革審の答申に反しましてふえているというようなことはないつもりでございます。
○鈴木和美君 つくる方から言うと、それは漫然とふやしているわけじゃないと、そう言うでしょう。しかし、私は財投の持っている意味というものから見れば、やっぱり縮減合理化をきちっとやるようにしていただきたいと思うのです。 それからもう一つ、大臣ね、最近財投というのが一般会計を補完するという役割だと言っておきながら、一般会計が、後から述べる隠れ借金、それこそ国債を除いて十兆ですわね、そういうものがあるものだから、財投がそういうものを補完するように適宜使われているのですね。本来、長期的なものに出すべきなのが短期的なものに出ていますね。例えばどういうことがあるかというと、補助金カット、これはこれであるでしょう。そうすると、地方は地方で対策をしなきゃならぬですから、資金運用部資金から借り入れるというようなことで、結果としては、一般会計のつまり帳じり合わせを財投がやっているというような役目なんですね。今どき、局長じゃないですけれども、むしろ逆にそういうものが財投だと言わぬばかりのことを言っているわけです。しかし、それはどっちかというと節操を欠いていると私は思うのです。だから、財投を見なけりゃ一般会計が編成できないということは逆だと思うのです。そういうことがあるので、十分財投の方針についても、抜本的なこれからの財政改革の一つの目標とすべきだと私は思うのですが、いかがでございますか。
○政府委員(足立和基君) 今、先生の御指摘は、恐らく財投のいわゆる特別会計に対します短期の貸し付け、これが非常にふえておるでないかという御指摘かと思います。 御承知のように、特別会計におきましては、積立金、余裕金、こういうものがございますと、これはすべて資金運用部資金として統合管理する、こういうことになってございますので、逆に、一時的に資金が不足しました場合には、今度は資金運用部から特別会計に貸し付けを行う、実はこういうようなシステムになってございます。余裕金があれば取りますよ、足りなくなれば出しますよ、こういうようなことが実は特別会計との間でございまして、これが最近ややふえておるでないかという御指摘でございます。 私どももそういう点については十分考えてございまして、実は六十二年度におきまして、このような短期の特別会計に対する貸し付けというのは残高といたしまして八兆三千六百四十一億ございまして、これが六十三年度末では六兆六千四十一億とかなり大幅に減ってございます。これは、主として一つは道路特別会計に対します短期の貸し付け、これが約六千五百億円ございましたが、これをすべて返済をしてもらいました。道路特会の資金繰りが好転いたしましたので、不要となったわけでございます。それから、特別会計の大口といたしましては、交付税特別会計に対します短期の貸し付けがございます。これが六十二年度末では五兆九千億ほどございましたが、これも税収等が好調になりましたので約一兆二千億ほど減少いたしまして、現在四兆七千億余になってございますが、先ほど申しましたように六兆六千億のうちの大宗は、交付税特会に対する短期の貸し付けでございまして、先生御指摘のように、短期の貸し出しは先ほどの制度的な面からいってもちろんやむを得ない点がございますが、十分に今後とも注意を払ってまいりたいと思っております。
○鈴木和美君 私、今財投の問題のとりあえず締めくくりとしては、大変高金利時代に入ってくるよと。そうすると、現在の財投が貸し出ししている金利を守れるのか、守れなくなってくるのじゃないか。守れないということになると、今度はそのことと連動して、先ほどの郵貯の話じゃないけれども、財投の一番大きい原資、これが一体確保できるのか、確保するためには一体どうするのかということ。もう一つは、財投が持っている補完的な役割というものに徹してくれよということ。そして、できることであればそれは専門化したり、それぞれ必要でもらったとは思うのだけれども、なるべく重複しないような整理統合というものを考えてくださいよ。そうでないと、これからの予算編成に当たっても大変私は財投というものが重要な意味合いを持つという意味で指摘だけしておきたいと思うのです。 それで、その次は国債の問題にちょっと触れさせていただきます。 最近の傾向の中で所得の再配分機能ということを問題にしたときに、大臣大変逆さまなような現象になっていると思うのですね。百六十二兆円に及ぶ国債の利払い、この利払いという、つまりお金がだれから出ているのかと言うたら税ですよね、租税から負担されておる。そして、国債の保有者が、法人、個人いろいろありますけれども、比較的高所得者の人が国債を保有しているという現状です。そうすると、そのための利払い費を低所得者からやらなきゃならぬ。つまり非常に逆配分の現象が出ていると思うのです。これは私は基本的に大きな問題点であり矛盾だと思うのですが、その点に対する大臣の認識はいかがでございますか。
○政府委員(篠沢恭助君) 一般論として申しますと、公債の利払いにつきまして公債の保有状況によりましては、御指摘のように意図せざる所得の再分配が行われるという可能性があることは事実かと思います。ただ、実際問題としまして、今日の段階でこれがどうなっておるかということでございますが、個人や家計の保有のかなりの部分が、本券といいますか現物保有になっておるように見られます。まあそうなりますと、またこれは転々流通ということにもなりますので、実際問題としてどのような所得階層でどの程度保有されているか把握することがなかなか難しいということで、階層別の保有状況が明らかになってこないわけでございます。したがいまして、所得再分配にどんな影響が実際問題として出ているだろうかということを判断することが難しい状況にございます。 しかし、いずれにいたしましても公債の利払いが非常に多額に上るという場合に、所得再分配に何らかの影響が出るのではないか。それから同時に、これはまた国債費の増大ということになりますと、財政が硬直化して資源配分機能の方も大変ダメージを受けるということでございます。そういったことで財政の持ついろいろな機能がやはり阻害されるということでございますので、お答えにならないかもしれませんが、今後とも公債発行額の縮減ということは極めて大事な課題であると、そういう面からも言えるのではないだろうか、こんなふうに認識しております。
○鈴木和美君 次長、恐らくその実態を調査しようと思えば私はある程度保有者の実態というものが調査できると思うのです。今直ちにやれとは言いませんけれども、しかし全体的な傾向としては、今おっしゃったように利払いを税金で払っていくということは何としてもこれはおかしいから、全体を縮小せにやならぬということになるのでしょうね。 そこで、私自身が答えるにはとってもできない問題が一つあるのです。 全体の利払い費が一般会計に占める割合が二〇%だ、こんなばかなことないよと。だから国債はもっと下げろ、一番最後にこれからの財政再建の目標をどこに定めるかというときの議論にもつながるのですが、国債全体百六十二兆円、もう少し下げなさいということは、利払いの問題や国債が占めるつまり弊害というのでしょうかね、そういう面では一つの問題点であるということはよくわかるのです。他方、国債というものを今まで引き受けさせるときにシ団に持たせるのに大変だったのですよね、実は。嫌々ながら持っておった。ところが、最近は国債の信用度というのが非常に他方では高いのです。高いということは、先ほど申し上げましたように、ワイドとかビッグとか国債と絡めて商品化していますね。非常に高いのですよ。 もう一つのファクターとしては、借金も財産よ、そんなに国債わあわあ言う必要ないじゃないかという意見などもあります。だから、今次長がおっしゃる国債の相対的な割合を下げるということはそれなりにわかるのですが、他方下げた場合、金融市場に与える影響というものはどんなふうなんだろう。もっと別な表現で言うのであれば、幾らまでならいいのかということについて特段の省としての見解はございますか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) 金融資本市場におきまして国債の玉不足、財政当局の観点からするとまるで逆でございますが、その玉不足というような問題が若干提起され始めておるということは承知をしておるわけでございます。しかしながら私どもといたしましては、そのことを理由に国債発行額を減少させるべきではないという考え方をとることにはもちろん賛成できないわけでございます。何といいましても、これからの財政の役割として、人口の高齢化とか国際社会における我が国の重大な責任を果たしていくという役割を考慮いたしますと、財政の対応力の回復を図ることが本当に何物にも増して大事なことであると考えておるからでございます。 そこで、ただいまの先生の御質問に直接お答えをする形ではないのでございますが、これからの国債の発行額とか残高動向をどんなふうに考えたらいいかということでございまして、もちろん確たることを今これから長い将来にわたって申し上げることはできないのでございますが、先生御承知のとおり、私ども毎年春先に国会の方に例の国債整理基金の資金繰り状況についての仮定計算を出しておりまして、これをごらんいただきますと、実は現行償還ルールがそのまま続くといたしまして、特例債は脱却をぜひさしていただきたいわけですが、建設公債の方は例えば現段階の水準をそのまま一応ずっと将来にわたって同じ五兆七千八百億でございますか、それをずっと毎年維持するとか、例えば勝手な仮定を置いておりますが、それでやってみますと、実は借換債の発行がふえるものでございますから、借換債発行額プラス新規の四条建設国債発行額、こういう固まりで国債の総発行額というのは、なおこれから当分の間、実は私ども縮減をしたいとさつき申し上げておりますけれども、あの仮定計算で見ますと大体引き続き若干増加基調にあるというぐらいの状況でございまして、著しくどんどんどんどん今のプロジェクションに基づきまして、国債の玉というものがどんどん少なくなっていくのだというような予測を立てる段階には到底まだなっていない。もちろん私どもはさっき申しましたように縮減をしたい、いろいろな形で常にそういう願望を持ちつつ努力をしていくわけでございますが、一定の機械計算ではなかなかそう簡単な数字は出てきていないということでございます。
○鈴木和美君 私も歯切れが悪いし、そっちも歯切れが悪いと思うのですな、この件については。 それで今の仮定計算の方はいずれまた議論しますが、私自身がわからないで聞いている点は、今までは国債というものをシ団を通じて売りさばいているとき非常に苦しかったのだけれども、最近入札制になっていましょう。四〇%になったのですかな。えらい好評じゃないですか。それで市場の価格よりも何か落ちる方が高くなっていますなというようなことを、一事が万事とは言いませんけれども、一つの例をとっても国債というものに対する信用度というのは非常に高いと見ていいのだと思うのですよ。そういう状況にあるときに、国債だけを減らす、もちろん財源的な面から見れば次長がおっしゃったとおり、一挙にはなかなか下げられないということがあるかもしらぬけれども、国債そのものに関する認識というものは一体どういうふうに認識しておいたらいいのかという点を、ここは教えてくださいという私の質問なんです。
○政府委員(篠沢恭助君) 大変難しい御質問でございますが、金融資産としての国債というものが日本という一つの国の経済の中でどのくらい存在をしているのが適当であろうかということかと思いますが、これはそのときどきの経済情勢あるいは金融システムのあり方なんかにもいろいろ関係すると思いますので、定量的に申し上げるのは非常に難しいのではないかと思います。私ども十分勉強しておりませんが、とっさに私どもがいつも思いつくというか、またそういうことを申しておりますのは、やはり参考指標としての国際的な比較ということでございまして、これはフローのGNPとストックの国債なり長期債務の残高というもの、比較することがどういう意味があるか、これもまた難しい問題ございますけれども、御承知のとおり、よく公債残高あるいは政府長期債務残高のGNPに対する割合というものを横並び比較をしてみるということをしておるわけでございます。結果は先生御承知のとおりでございまして、我が国は特に政府長期債務残高、これは国債残高のほか若干特別会計等における借入金の分なんかを加えたものでございますが、政府長期債務残高百九十三兆ということになりますので、これをGNPで割りますと五〇%を超えるということでございます。五割を超える。国際的な同じ政府長期債務残高のGNP比というのはそれより皆低いわけでございまして、やはり我が国の数字が極めて大変なことになっておるというようなことで、やはり経済の中における国債という玉の存在許容量というのは、そんなところから議論をしておるわけでございます。 それからただいま私五割を超えると申しまして大変失礼しましたが、四九・六%ということで五割弱ということでございます。
○鈴木和美君 村山大臣にお願い、お願いと申し上げるのはなんですが、今の議論というのはこれから財政審でも大変私は中心的な議論になるのじゃないかと思うのです。 締めくくりとして一番最後に、私は私なりの財政再建目標をこういうふうに一応考えたらどうかということを提起いたしますが、今次長が申されたように非常に国債をめぐる価値観、それから信用度などなどについては重要であると思うのでお互いに勉強すること。同時に、財政審を通じてもこの辺のところを国民にやっぱり明らかにするような措置というか、展望というか、よく検討していただきたいと思います。 それで、大臣にもう一度お願い申し上げたいことは、先ほどの国債の利払い費が所得再配分機能に基本的に矛盾していはせぬかということについてのちょっと御見解を聞かしていただけませんか。
○国務大臣(村山達雄君) 保有状況がわかりませんので、利払いに伴う所得再配分がどうなっているかというのは残念ながらつまびらかにいたしません。しかし、定性的に考えれば、おっしゃるような傾向は多少あるであろう、こう思います。ただ、所得再配分というのはもう言うまでもございませんで、歳入歳出全体を通じてやっているわけでございます。税もまた消費税だけでなくて全体の税制としてどうなっているのか。それから歳出の方で言いますと、いわゆる弱者対策にどれだけ出しておるのか。教育についてもまた同様でございます。どういうところに教育に金を出しておるのか、また利払いもまた同じことでございます。そういったもの全体として日本の財政構造は所得再配分についてどんな機能をやっておるのか、こういう観点で見ていくべき筋合いのものであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 もう一度大臣にお願い申し上げます。 なるがゆえに、つまり配分機能というものが逆立ちしているというような状況のもとで税制改革として消費税が入った、この消費税というものは今大臣がいみじくも申された、定量的にはわからぬけれども、傾向として利払い費が低所得者から高額所得者に行っているということを認めるとすれば、消費税という制度は大変おかしな税じゃないかと私は思って、撤回の意思はございますか。
○国務大臣(村山達雄君) しばしば申しておりますように、これは福祉社会の根幹をなす税制でございますので、撤回の意思は全然ございません。
○鈴木和美君 ただいままで大変長たらしいことを申し上げてきましたが、どうも省としても内心じくじたるところを感じます。論理的にはどうもおかしいなということを私感ずるのですが、手直しすればいいじゃないかというようなことでお茶を濁そうとしているように感じますので、私どもは消費税はあくまでも撤回してほしいという意思だけを申し述べておきます。 さて、今まで述べてきた中で、私はどちらかというとイザナギ景気みたいな景気の基盤というものがあって、まだ順調に伸びるかもしれないという財政見通し、同時に、片や今まで議論してきたような問題点があるからそう楽観はできないのだということを述べてきたつもりでございます。 かつて緊急経済対策をやったときには、今の状況とは全く別な状況でございました。今円安の傾向であるというような状況ではあるけれども、どんな状況になったとしても国内の需要ということのパイを大きくしておかないことには、根本的に財政の面でも経済の面でも私は大変な時代が来ると思うのです。つまり内需拡大ということに基調を置くべきであるというように私は考えるのですが、その考えについての見解を大臣にお尋ねしておきます。
○国務大臣(村山達雄君) その点はもう鈴木委員のおっしゃるのと全く同感でございます。やはり構造調整をいたすにいたしましても、あるいはまた経常収支の黒字を調整するにいたしましても、やはり景気がずっと上向きでリーズナブルの経済成長のもとにおいて初めてできることであって、これがそうでない局面でございますと非常に難しくなることは言うまでもございません。 したがいまして、我々はやはり今の景気を何とかして過熱にならないように続けていく。具体的に申し上げますと、一番いいところはやはり企業の収益と家計の所得が自律的に循環しておる、この形を何とかとりたいものだと考えているわけでございます。 そういたしますと、やはりその中で経済成長もありましょうし、また消費が企業を育てましょうし、それから企業側の投資がまた拡大していく。今一番いいところはこの循環関係にあると私は思っているわけでございます。それを崩す要素は何かということを考えておるわけでございまして、物価の問題あるいは過熱の問題、こういったものを絶えず注意して見ているわけでございまして、金融政策というものが非常に機動的であるべきだということも我々はよく承知しております。そういった点をにらみまして、金融政策の基本を据えてまいりたい、このように考えているところでございます。
○鈴木和美君 内需拡大という問題については端的に申し述べれば、他方では所得というものですな、ある意味では減税、賃上げ、そういう問題もありましょう。同時に他方では、やっぱり社会資本の充実というものを考えながら公共投資という問題も考えなきゃならぬと思うのです。これは重要な柱だと思うのです。 そこで、せっかく吉村次官もおいででございますので、私は次官にちょっとお尋ねしたいのです。どちらかというと吉村さんは運輸省のOBでもあり、国鉄の問題や土地の問題もそうですが、社会資本という問題について大変興味を持っていらっしゃる方だと私は承知しております。 そこで、見解を聞きたいのですが、こういう状況の中で社会資本の整備に当たっては、やはり時代のニーズとか要請に対応して進めていかなければならぬと思うのです。 そこで、最近問題になっておる大型プロジェクト、臨海部の開発などが大変議論されております。そこで、そういう社会資本の充実という面から見たときに、港湾関係というものはこれからどんなふうに進めていった方がいいのかということについて次官の見解をこの機会に披露していただきたいと思います。
○政府委員(吉村眞事君) 委員御指摘のとおり、社会資本の整備に当たってはそのニーズに合わせてやらなきゃいかぬ、これは全くおっしゃるとおりだと思っております。 港湾の整備の方向いかんということでありますが、港湾整備のニーズの方向というのはこのごろ非常に多様化しておるということは委員御承知のとおりでございまして、その多様化の方向がどういう方向に向かっているかということを一言で申し上げますと、従来の港湾のニーズは物流のための基本的施設という方向のニーズが非常に大きかったわけでございます。そしてまた、さらに高度成長期には、いわゆる産業の原材料輸送というような意味が非常に大きくニーズとしてあったわけでありますが、最近はそれが非常に多様化するという、その多様化の内容はむしろ地域住民の生活に密着したといいますか、港湾自体が大きくなりましたから、港湾の中にも住民の生活というものがちりばめられてくるというような事情が出てきまして、それに対応する必要が非常に大きくなってきておると思います。さらにまた、そのニーズに対応するためには従来の港湾をつくり直して、ニーズに対応できるように再改造しなきゃならぬという、こんなニーズもまたそれに付随してふえてきておるというふうに私は思っております。 そういう事情もございますので、運輸省で最近決めました港湾整備五カ年計画の実施目標も、そういったニーズに応じて、従来の物流とかエネルギー資源とか地域産業の基盤というようなものに加えまして、 〔理事矢野俊比古君退席、委員長着席〕 豊かな生活空間の形成を目指した港湾の整備に必要な経費とか、あるいは空間利用の高度化を促進するための費用とかいうものに、大体全体の計画の約四分の一ぐらいを見込んでおる、こんな状況になっておるかと思います。私はこういう方向が今後の方向としてはやはり望ましい方向かと思っております。 現在、平成元年度の予算を見ましても、こういった分野にだんだんスピードを上げて傾斜をしていっている。ほかの部門に比べて伸び率をふやしてこういうことに対応していっているように思います。これは運輸省のそういう方向は私は大変当を得た方向だと感じておりますが、財政当局といたしましても、今後ともこういった時代の要請を踏まえて社会資本の整備の全体の水準あるいは社会経済の動向にマッチした方向を、運輸省とも力を合わせて促進をし伸ばしていきたい、こういうことが大事だと思っております。
○鈴木和美君 ここで経済企画庁にお尋ね申し上げます。 実はこの質問をするときに大蔵省の質問をとりに来られた方に、大臣から楽観、悲観いろんなものを含めていろんな問題がどういうふうに日本経済に影響していくのかということを尋ねたいと言うたら、村山大臣とはいえ、経済企画庁から聞かないことには大蔵省として先走りするわけにはいかないというお話でございました。経済企画庁、そういう意味で高尚なところをですな、今まで私が質問を申し上げましたところ、楽観、悲観いろいろありますけれども、今後、先の経済見通しをどういうふうに考えたらいいのかということを見解をお尋ね申し上げます。
○説明員(森田衞君) お答えいたします。 昭和六十一年の十一月でございますが、ちょうど我が国経済は底を打ちまして、以来この六月で三十一カ月の長い景気拡大を続けておりまして、イザナギ景気以降では最も長期に及んでいるわけでございます。それで、私ども昨日発表いたしました国民所得統計の数字で見てみますと、最近の景気がどうなっているかということでございますが、六十三年度、ことしの三月まででございますが、実質GNPの成長率が五・一%ということになっておりまして、きょうの朝刊にも載っておりましたが、内需が六・八、寄与度ベースでございますが、外需はマイナスの一・七ということで、私どもが想定いたしました個人消費と設備投資、この二つの中心的な内需を中心といたしまして理想的な経済成長が今続けられておる、このように考えておるわけでございます。こうした中で、先生御指摘のように、最近では円の対ドル相場が円安に若干変わっておりますし、またオイルの価格の方も一バレル当たり十八ドルというふうに若干上がっております。 いろいろございますけれども、私どもこれらの為替相場なり原油価格がこれからの経済にどういう影響を与えるのかということにつきまして、いろいろ論議をしておるわけでございますが、これはなかなか議論が難しゅうございます。いろんなパスがございまして、一般論といたしますと為替相場とか原油価格につきましては外需、つまり輸出入でございますか、外需を通じましての影響、それから先ほど来先生御指摘のように、物価を通じての影響というものを考えるわけでございますが、これら総合いたしまして、全体としてそれではどうなるのかということにつきましては、なかなかその効果を一概に言うことは難しゅうございまして、先般の公定歩合の引き上げにつきましても高金利時代という話でございましたけれども、私どもの認識といたしまして、市場実勢を勘案いたしまして金利水準を調整したものと考えております。国内物価もこれによって安定するのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、為替相場なり原油価格の動向につきましては今後注意深く見守っていかなきゃいかぬ、このように思っております。政策のよろしきを得まして、私どもが本年当初に策定いたしました実質ベースで実質GNPが四%程度平成元年度達成可能ではないかというふうに考えております。今のところこの景気拡大が腰が強うございますので、理想的な姿が続いていくのではないかというふうに認識しておるところでございます。
○鈴木和美君 もう一度お伺いしますが、平成元年度についてはある程度わかるのですが、その先の見通し、つまり、こういう拡大基調というか、そういうのがずっといくのか、もうちょっと先々いくと不安材料が多いというように見るのか、それはどうですか。つまりそれによって対策がどうなるのだということになるわけですからね。
○説明員(森田衞君) 平成二年度以降の見通しにつきましては、従来から短期の経済見通しという意味におきまして、政府の来年度の予算編成の基礎となるべきものでございまして、大体年末におきまして見通しを策定することにして現時点におきまして、平成二年度がどのような経済成長を遂げるかにつきまして、公式的なお答えをすることはできないわけでございます。しかしながら、経済企画庁では中期経済計画というのをつくっておりまして、「世界とともに生きる日本」というものが現在ございます。これによりますと、六十三年度以降五年間実質ベースでGNPは三カ四分の三程度成長を見込んでおりまして、政策のよろしきを得ますと、平成元年度に続きまして、今後とも大体そのくらいのペースで安定的な成長が遂げられるのではないか、このように見ておるところでございます。
○鈴木和美君 村山大臣、今経済企画庁のお話を聞きまして、大臣にもお願いしたいのですが、結論から申し上げますと四%の成長率は維持できるのだろうか。それからその後はどういうことになるのだろう。そして、そういう状況の中で二年の概算要求つまりシーリングはどういうことになるのだろうか、その見通しについてお尋ね申し上げます。
○国務大臣(村山達雄君) 今企画庁から先般の中期経済運営についてのフォローアップの結果が話されたところでございます。私もそれは拝見しているところでございます。今のところそんな懸念材料はない、こういう基調でございました。しかし、経済でございますから、なお我々は注意していかねばならぬ、こういうことでございます。 一方、財政状況はどうかと申しますと、仮にそうだといたしましても極めて厳しいことはもう御案内のとおりでございます。したがいまして、シーリングを緩め得る状況にはない、こういうふうに私は判断しているわけでございます。したがって、具体的にどうするかというところはまだ決めておりませんが、基本方針としてはやっぱり引き続き厳しい態度で臨まざるを得ないのじゃないか、こういうふうに思っておるところでございます。
○鈴木和美君 残り時間十分のようでございますので、別の問題に入らさしていただきます。 先ほども申し上げましたように、特例公債の脱却ができたということ、これはよしあしは別にしても、一つの目標が達成されるということは目標的にいいことだと思うのです。ただ、これから特例公債体質からの脱却という本会議の答弁にもあるとおり、よくよく見てみると特例公債の脱却というものは、幾つかの特例措置を持ちながら俗称隠れ借金と言われるような特例措置をもって、ある程度脱却ができるということになっているのだと思うのです。 そこで今日、特例措置をとってきた国債整理基金の定率繰り入れ停止から始まって、一番最後の地方財政対策に伴う後年度負担というようなことまで含めて、二十六兆と言われる中身についての数字をまずきちっと挙げてください。
○政府委員(篠沢恭助君) いわゆる隠れ特例公債として御指摘がございました措置としましては、厚生年金等の繰り入れ特例、住宅金融公庫利子補給金の一部繰り延べ、政管健保の繰り入れ特例、国民年金平準化措置、それから定率繰り入れの停止等がございます。若干幾つかほかのものがございましたが、これらにつきましていわゆる返済措置と申しましょうか、これを完了しておりますものがございます。自賠責特別会計からの受け入れでございますとか、外航船舶利子補給金の繰り延べ等々でございますが、そういうものがございますので、これらは捨象いたしまして、現在、残高が残っておるというふうに考えられますもの等につきまして御説明いたしますと、厚生年金の国庫負担金の繰り入れ等の特例につきましては、現在、残高として一兆三千四百八十億というものが残っております。 住宅金融公庫利子補給金の一部繰り延べにつきましては、一応繰り延べ額の総額としては七千七百五十九億が残っておりますが、他方、千七百六十六億円を既に措置済みでございますので、差し引きの合計は五千九百九十三億円となっております。それから、国民年金特別会計への国庫負担金の繰り入れの平準化は、一兆二千七百二十七億円というものがこれまでの措置額として残っております。それから後、政管健保の国庫補助の繰り入れ特例は四千六百三十九億円でございます。それから、地方財政対策の改革による特別会計の借入金の一般会計負担というものが五兆八千二百七十八億円残っております。最後に、地方財政対策に伴う後年度負担が一兆六百七十八億円残っております。 以上でございますが、これらの総計額は、返済措置をいたしました分を差し引きまして十兆五千七百九十五億円となっております。 そして最後に、国債費の定率繰り入れ等の停止額がほかに十五兆五千七百三十四億円ございますので、合計いたしますと、先生おっしゃられますように、二十六兆一千五百二十九億円ということに相なります。 性質別にいろいろあろうかと思いますので、単純に二十六兆という塊で私ども申し上げることは差し控えさしていただいておりますが、国会におきまして御指摘がございます諸項目は以上のとおりでございまして、単純に合計いたしますと二十六兆、こういうことでございます。
○鈴木和美君 国鉄の清算事業団債務の現状から見ますと、平成元年度末では国鉄の、つまり赤字というか、それは幾らになるのですか。
○政府委員(吉村眞事君) 国鉄清算事業団が現在抱えております債務が、承継時は二十五兆五千億ということで承継をいたしたわけでございますが、その後土地の売却が予定どおり進まなかったこと等もございまして、若干それに上乗せをいたしておりますので、現在、平成元年度末には二十七兆円程度になるという見込みでございます。
○鈴木和美君 つまり、今説明してもらったとおり、だれでも承知しているように、特例公債の脱却というけれども、それだけの隠れ借金というものを持っているということですから、余り手放しで喜べるというような状況にはないということは事実だと思うのであります。 明日また、国債の定率繰り入れとかその他の問題は質問さしていただきますが、最後に、二十六兆と言われる中で、本会議で大臣が返さなければならないもの、あるいは返さなくてもいいものというようなこともあり得る発言があったのですが、二十六兆の中でどれとどれとどれとは返さなきゃならぬと思うのですか。同時にどれとどれとはおまけしてもらうのか、あとどれとどれとは頭を下げて法律化するのかとか、そういう分類はどうなりますか。
○政府委員(篠沢恭助君) 歳出の繰り延べ等の臨時特例措置が、先ほど申しましたように何種類かあるわけでございますが、その中で既に法律によりまして、いわばこれまで講じた臨時特例措置にどう対応していくか、いわば簡単に言えば、どうお返ししていくかということが定まっておるものがございます。 それから一般論と、一般論と申しては失礼でございますが、いわゆる直接何年度にどうするといったようなことまで法定されておりませんが、後年度において適切な措置を講ずるという形で、いわば返済の指導的、義務的規定が置かれておるものもございます。 それ以外に一つ申し上げたいのは、国債費の定率繰り入れの問題でございますが、定率繰り入れにつきましては、これを行わなくとも現行ルールによる償還に支障を生じないと見込まれますような整理基金の財源状況、それから、定率繰り入れをもし行うとすれば、そのためにまた特例債を発行していくというような財源状況といったようなことの中で、五十七年度以降停止をさせていただいているわけでございます。 これにつきましてでございますが、過去の定率繰り入れ停止分につきまして、この停止相当額を将来一般会計からそのまま整理基金特別会計に繰り入れなければならないかどうかというところが一つの問題でございます。 先生御承知のとおり、既に国債の償還というものはこれまでルールどおりに行われてきたわけでございます。五十年代の最後の方におきましては、過去のいわゆる国債整理基金の残高によりまして対応が可能でございましたし、最近におきましては、NTTの売却益をもちまして国債の償還を適切に行っていくことが可能になっております。そのような状況で、既に国債の償還は済まされたわけでございます。 今後、将来におきまして国債の償還というものをどう考え、そのためにどう対処するかということはこれまた重大な問題になろうかと思いますが、過去の定率繰り入れの停止の分につきましては、それをもって措置すべき部分というものが、何と申しましょうか、適切に既に今処理をされてきておるというふうにもお考えいただけるのではなかろうかと思いますので、私どもといたしましては、この停止相当額を一般会計からそのまま整理基金特別会計に繰り入れなければならないという性格のものではないというふうに考えておるところでございます。その点を踏まえまして、大臣が本会議で御答弁になられたところであります。
○鈴木和美君 今の問題は国債制度、返済基金制度などなどに大変影響を持つ問題でございますので、また明日時間をいただいて御質問したいと思います。 本日はこれで終わります。
○委員長(梶原清君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。午後零時十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田教美君 私は、今議題となっております財確法関連の質問に先立ちまして、まず最近における急激な円安ドル高の外国為替市場の動向という問題について二、三伺いたいと思います。 先週円ドル相場が乱高下しまして、一時は一ドル百五十円台と円が急落したわけですけれども、その後円が反発して、けさの東京外国為替市場の終わり値は一ドル百四十三円六十五銭ということのようです。 そこで、大蔵大臣はこういう状況の中で思惑によるドル高円安の流れは変わってきたということを何か新聞で談話を出しておられましたけれども、しかし一ドル百四十四、五円というあるいは三、四円という相場は、ことしの初め一ドル百二十円台であったころに比べますとなお二十円以上円安ということになるわけでございまして、ドル高円安の基調は依然として変わっていないというふうに思われるわけです。 そこで大蔵大臣は、基本的にこれはもう流れが変わって、もっと円高の方向にこれからいくのだというふうに受け取られておるのかどうか、まず見方をお聞かせ願いたいところでございます。
○政府委員(内海孚君) ただいま和田委員御指摘のとおり、先週特に円だけではなくて、ほかの通貨とドルとの関係で大変乱高下がございました。かなりドルが強含んだところで、逆に今度これが一日の間に五円も六円もドルが弱くなるというようなことがありました。大体為替相場というものがある程度ファンダメンタルズと離れて思惑的な動きをするときには、必ず自律反転作用というものがあるわけですから、その自律反転作用に加えまして各国の協調的な対処の仕方がそれなりに効果を発揮した面があると思いますが、そういった反転という事実をとらえて流れが変わったというような表現を、大臣もまた私どもも状況においてしている場合があると思います。ただ、これが今後どういうふうな方向に行くかということについてはまだ予断を許さないわけでございますが、いずれにしても余りドル高が行き過ぎて、今度逆にドル安の方にハードランディングするのもこれも大変厄介なことでございます。したがって、いずれにしても為替相場の安定が必要でございますし、今のところはどちらかというと、まだドル高の方により神経質に各通貨当局はなっているというのが現在の状況でございます。
○和田教美君 今回の円安の原因については、午前中の委員会でも日銀の青木参考人あるいは金融局長あたりからいろいろ説明がございました。そこで聞いておりまして、日銀の青木さんはアメリカの経済情勢について多少信頼度が高くなってきたとか、あるいは中国情勢というふうなものに触れられましたけれども、日本の政情の不安定ということは一向に触れられなかった。これは言いにくいことだと思うので、わざと避けられたのだと思うのですけれども、やっぱり今度の場合には中国情勢というのはもちろんあると思う、政治的な問題として。それ以外に日本の政局の不安定という問題が、仮に参議院選挙あるいはその他の選挙が、情勢次第によってはさらに円安になるという局面も当然予想されるという意味において、かなりウエートを占めておるのではないかというふうに思うのですね。ですから、日本の経済のファンダメンタルは非常にいいので、どうして円安なのかわからないというような趣旨のことも午前中おっしゃっておりましたけれども、まあこの問題は、局長の立場からちょっと言いにくいことだと思いますから、大臣からひとつそういう政局の不安定という問題が円安の一つの要因になっているかどうか、どういうふうに認識をされているか、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(村山達雄君) 通貨当局は、どうも円安なりあるいはドル高の要因を分析して公表するということは差し控えるべきであろうと私は思っております。 ただ、まあいろいろなことが言われていることは事実でございまして、日本の政情に言及している人もあります。しかし、まあ投機的な動きであろうと思われることは、やはり一日で六円も七円も振れるということは、普通のファンダメンタルでは考えられないことでございます、いかなる理由がありましょうとも。それからまた取引高からいいましても大変な額でございますから、両方からにらみましてやはり思惑的なものが相当入っているな、こう思うわけでございます。
○和田教美君 これは六月十六日付の朝日新聞ですけれども、通産省の杉山次官が十五日の記者会見で「輸入を維持・拡大するためには、一ドル一四〇円がメド。これ以上の円安なら輸入への影響は避けられない」と、こういう談話を出したという記事が出ております。つまり輸入大国を旗印に進めてきた政府の輸入拡大路線が、円ドル相場の状況によってはかなり黄信号、赤信号という方向にいく可能性を示唆した発言だと思うのですけれども、その辺について通産省は百四十円というものをめどにしているのかどうか、具体的に数字として出ておりますからお答えを願いたい。
○説明員(井出亜夫君) お答えを申し上げます。 現在の円安が進めば進むほど、輸入品の国内市場での競争力というものは低下するわけでございまして、そういう意味では輸入拡大のテンポをおくらせることになるのではないかというふうに考えております。 為替レートの適切な水準というものにつきましては、なかなか一概に決めることはできないわけでございますけれども、産業界におきましては百四十円台の現在の水準というものにつきまして、そもそも投機的な動きによる一時的なものではないだろうかというふうな判断をしておりまして、当面は直ちに影響が出るということは考えておりませんけれども、こうした状況が継続をいたしますと、輸入品の価格メリットが失われるのではないかというふうな考えを持っている者が多いようでございます。
○和田教美君 僕の質問に答えてないですね。百四十円というのを要するに目安にしていると、一ドル百四十円がめどだと、「これ以上の円安なら輸入への影響は避けられない」と語ったというこの新聞記事はうそですか。百四十円という数字を出したのじゃないですか。
○説明員(井出亜夫君) 先ほども申し上げましたように、為替レートの水準といいますのは、業種あるいは業態によりまして一概に一つの水準というふうなものはなかなか決めがたいと思いますけれども、産業界におきまして、それじゃどういうふうな判断をしているかというふうなものを打診をいたしますと、百四十円台というふうなものが続いた場合には、なかなか輸入拡大というふうなことにおきまして輸入大国を目指すというふうな立場から考えてみた場合に、必ずしもそれがしつくりいかない。輸入品の価格メリットというふうなことを考えますと、これが長続きした場合にはかなりの影響が出てくるのではないかというふうな考えが多いようでございます。
○和田教美君 産業界に多いとかなんとかいうことを聞いているわけではないんだ。通産省の判断として、こういうふうな百四十円がめどだと言っているわけですから、通産省はどう考えているのですか。
○説明員(井出亜夫君) 通産省自身は為替レートそのものにつきまして、為替レートの水準というものを一概に幾らであるべきだというふうにはなかなか言えないポジションにございます。朝日新聞に紹介されているあの記事私ども承知しておりますけれども、先ほど申し上げましたように、産業界あるいは関係者の一つの判断というふうなものを根拠にコメントをしたものというふうに承知をしております。
○和田教美君 次に移りましょう。 現在の円安ドル高は、G7各国間で申し合わせたと言われる一ドル百二十円台後半から百四十円台後半という参考相場圏を逸脱しようとしているわけです。明らかにそういう点では行き過ぎだというふうに思うのですけれども、円安防止のために今回も日銀はニューヨーク連銀とか、あるいはさらにオーストラリア中央銀行などとも協調介入をやったことは事実でございます。しかし、今かなり力の入った協調介入をやったということを日銀はおっしゃっておったけれども、一部の報道によれば、アメリカは一応協調介入はやるけれども、どうもドル高を事実上放任しているのではないか、放置しているのではないかというふうな報道もございましたし、協調介入、介入政策だけに依存するというのはやっぱり一つの限界があるというふうに思うのですけれども、今後もし円安ドル高の方向に動くということであれば、引き続き協調介入政策中心ということになるわけでしょうか。日銀に聞くべきでしょうけれどもいませんので。
○政府委員(内海孚君) まず和田委員が冒頭に言われました、いわゆる相場圏的なものというのは実は存在していないわけでございまして、そのときどきの状況を見ながら、常時連絡をとりつつ市場への関与の仕方を決めるわけでございます。現在、アメリカにつきましても全く私どもとドル相場についての感覚はほとんど一致しているということが言えると思います。そういうことで、日夜先方とお互いに連絡をとりながら市場との関係を相談している際につきまして、ほとんど両者の間で意見の食い違いはなく密接な連絡を保っているわけでございます。そういう意味におきまして、アメリカがあるいはドル高を容認しているのではないかというようなことにつきましては、例えば先週の金曜日でございますが、アメリカが四月の貿易収支を発表しました際に商務長官から、現在のドル高について憂慮しているという発言がありましたが、これは私の理解しているところではアメリカの行政府の意見を代表したものというふうに考えております。 また、今後の対応でございますが、もちろん介入ということは大きな手段でございますし、それ以外にも基本的にやはり関係各国が政策協調というものをきっちりとお互いになすべきことを実施しながら、同時に為替市場において協力をしていくというのが恐らく車の両輪であろうと思います。
○和田教美君 そうすると、午前中も日銀のお話もございましたけれども、公定歩合、今引き上げたばかりだから公定歩合を引き上げるというふうなことはないという答弁でございました。大蔵大臣に確認したいのですけれども、その点はそうですが。要するに少々のことがあっても公定歩合を引き上げることはないというふうに見ていいのかどうかですね。 それともう一つ、今の政策協調というふうな問題に関連して、七月のサミットでは当然この問題が出てくるというふうに思うのですけれども、相場の動向次第ではその前にも先進各国の七カ国蔵相会議あるいはそれに類するような会合を開く必要が全くないのかどうかですね、その辺はどうお考えでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) まず公定歩合操作につきまして御説明を申し上げますが、これは委員よく御案内のように、公定歩合操作は日本銀行の所管事項でございますので、政府の立場として操作の可能性についてコメントをすることはできないわけでございます。 ただ、最近の日銀総裁の記者会見などを見ますと、現状は公定歩合引き上げの効果を見守る段階にあり、現在のところ再引き上げは考えていないというようなお話はしておられるようでございます。 そこで、公定歩合ということではなく、金融政策一般の考え方ということで申し上げますならば、やはり実体経済とか物価動向とかいろいろな事情を総合的に勘案して動かしてまいるということでございまして、そのときに為替も一つの話題にはなりましょうけれども、それは為替の動きそのものというよりも、むしろ為替相場が経済各方面へ及ぼす影響というようなことも判断をして、それで考えていくべきものだろうと思っております。 最近伝えられますような比較的思惑的な要素が強いというような短期的な変動について、金融政策で直ちに対応するというのはいかがなものかというふうに私どもは考えております。
○国務大臣(村山達雄君) 公定歩合の再引き上げに関する日銀総裁の見解、我々は金融政策を担当する者としてあの見解に賛成でございます。引き上げの必要なし。 それからG7でございますが、サミット前に開くという予定はございません。
○和田教美君 この大幅な円安というものを、これはもちろん日本経済にとっては非常に重大な問題だということだけでなくて、財政にとっても少なくない影響をこれから与える可能性があるという問題があると思うのです。平成元年度予算では支出官レートードル百二十三円として編成されておりますね。四月以降円が円安に振れてきて、今ではさっきも言いましたように二十円以上円安になっておる。支出官レートに比べてもちょうど二十円円安になっているということなんですね。そうすると、円の下落はもう言うまでもなく輸入品価格の上昇などを通じて歳出額を膨らませる要因になる。ドル建ての要するにいろんな物を買っているような役所の予算は、日本円で見れば膨らむ要因になる、そういうことは当然考えられるわけですが、今後予算の増額補正というふうな問題が起こる可能性があるのかどうかですね。それをひとつ、これは主計局ですかな、お答えください。
○政府委員(篠沢恭助君) 先生御承知のとおり、予算を執行しておりますと年度途中の経済変動、経済動向等いろいろございまして、為替相場あるいは原油価格などが動いてくるということでございます。 それから他方で、予算それ自体を何月ごろどのくらいという形で具体的に執行するか、予算執行の時期の問題等もございます。非常に不確かな要因がそれぞれございますものですから、今の段階で御質問の相場の変動が予算に具体的にどの程度影響を与えるかということを、確たる形で申し上げることは極めて難しいわけでございます。予算執行に関しましては無論適切に対処してまいる所存でございますが、総体として影響額がどうかということを正確にお答えするのはちょっと困難かと存じます。
○和田教美君 まだ増額補正を必要とするということでは必ずしもない、ひょっとすると円はもっと上がるかもしれぬからというふうに模様をもうしばらく見る、こういうことですか。
○政府委員(篠沢恭助君) まだ年度始まった段階で、現在はかなりの円安にきておるわけではございますけれども、年間の予算執行というのはこれからでございますので、その状況を見守らしていただきたいというふうに考えております。
○和田教美君 それでは、これは仮定の問題としてお聞きしたいわけなんですけれども、ドル建て調達の多い防衛費ですね、それを一例に挙げるのですが、支出官レートの一ドル百二十三円、仮にそれが二十円程度円安が続くと仮定をいたしまして、防衛費は大体二百億円程度ふやす要因になるというふうな報道がございました。これはそのとおりなのかどうかということ。 それから、その場合に防衛費はその分だけカットする、つまり日本の防衛費はふやさずに円建ての防衛費はカットする、節約するという形でいくのか。それとも円の予算は増額するという形でいくのか、基本的な考え方を大蔵省どういう考えをとっているのかということ、これは防衛費についてです。 それからもう一つは、支出官レートに比べて二十円程度の円安が続いたというふうに仮定した場合、平成元年度予算全体として一体どれくらいの歳出増要因があるのか、これは仮定の計算ですけれども、仮定計算は大蔵省お好きですから、ひとつお答え願いたい。
○政府委員(篠沢恭助君) 相場の変動の予算に与えます影響につきましては、具体的な問題としては先ほどお答えを申し上げたとおりでございますが、仮定の計算として何か示すべきではないかというお尋ねでございます。 全くの仮定でございますが、仮に、本年度予算が先生御指摘のように一ドル百二十三円のレートで編成をされておりますけれども、これを二十円安の百四十三円の為替レートで編成されていたと単純に仮定をしてみますと、外貨関連予算全体では約四百億円の歳出増が生ずるという試算ができると思います。それから、防衛関係費ではそのうち二百億円の歳出増が生じると大体大ざっぱに試算されるわけでございます。 それから、そういう影響が出た場合にどうかということで防衛関係予算の執行の問題についてのお尋ねがございましたが、まさにこれは一つの予算そのものの具体的な執行にかかるわけでございまして、御承知のとおり毎年例えば人件費の不用問題でございますとか、防衛費に関しての節約とかという問題はあるわけでございますし、またさっき申しましたようにいろいろな調達の執行時期の問題でございますとか、まことに千差万別の状況が入ってまいりますものですから、私どもの方でただいまそういうようなことで不足が生じたら防衛予算の額を追加するのだというようなお答えは全く用意をしておらないところでございます。これは具体の予算の執行をまさに見守りながら慎重に対処していかなければならない問題だと思っております。
○和田教美君 もう一つはODAの予算関連ですけれども、ODAの第四次中期目標が五百億ドルと設定されておるわけですね。もしこれが将来円安という方向に動いていくとすると、必然的にこの規模は円建てでは拡大せざるを得ないということになるわけです。その場合に、歳出を抑制する、歳出というかODAの円の予算を抑制するという考え方をとるのか、それとも歳出を膨らますという考え方をとるのか、ODAについては基本的にどういう考え方でいきますか。
○政府委員(篠沢恭助君) お尋ねのODAの第四次中期目標におきましては、昭和六十三暦年から平成四年までの五年間のODA実績総額を五百億ドル以上とするように努める、こういうことになっておるわけでございます。 目標期間の初年でございます昭和六十三年の実績は、円高もありまして対前年で既に二二・五%という高い伸びになっておるところでございます。これから先でございますが、今後とも第四次中期目標の着実な達成を図るということで努力をしてまいる所存でございまして、現時点で目標額を再検討することは考えておらないところでございます。 なお、御参考までに申しますと、今回の第四次中期目標をつくりました段階での為替レートのとらえ方、いわばドルベースで第四次中期目標を達成すべくプロジェクションをいたしますときの基礎として考えておりました為替レートは、当時百四十四円六十銭という姿になっておりますものですから、私どもといたしましては、特に現段階で再検討というような考えを持っておらないというところでございます。
○和田教美君 午前中の鈴木委員の論議で、国金局長が生命保険三社に対して調査をした、大量のドル買い、生保が米国債を大量に買っている。この問題について調査をしたのであって、自粛を要請するとか介入したということでは全くないのだ、こういうことを盛んに強調されました。基本的には介入というふうなものはあくまで慎重であらねばならないということもおっしゃったわけですね。私も基本的にはそういうことだと思うのです。金融自由化という状況から見ても、また生保そのものが基本的に自由経済市場の中で役所の過度な介入を受けるということは好ましいことではないと思うのです。しかし同時に、国金局長も触れられたように、生保のお金というのは大衆の資金を集めたものであって、こういう非常にリスキーな、リスクのある、要するに相場が乱高下しているようなこういうドル買いというふうな問題については、やはりそれ相応に慎重でなければならないという面もあろうと思います。 それともう一つは、とにかく生保の資金というのは膨大ですから、あるいはまた生保に加えて証券とか銀行とかというものが一斉にドル買いに出て、それが要するにドル高円安の一因になるというふうな状況になれば、せっかく営々として日本が貿易不均衡の是正に努めてきたのも吹っ飛んじゃう。日本経済全体にとっても、決して影響がないということは言えないわけで、そういう観点から言うと、リクルートではないですけれども、やっぱり生保ぐらいの規模の資金になれば、そういう意味での経済の、要するに倫理性というものもある程度問われなければならないと思うので、余り大蔵省がもう介入は一切しないんだしないんだというようなことばかり言っていることでは、ちょっとないのじゃないか。場合によってはある程度の指導をする必要が起こる可能性があるのではないかと思うので、その点について私は鈴木委員とちょっと見解が違うわけなんですけれども、その点は大蔵大臣なりあるいは国金局長、どうお考えでございますか。
○政府委員(内海孚君) それでは、私がまず前段階、大臣の前座といたしましてちょっと技術的なことから申し上げたいと思いますが、先ほど鈴木委員に申し上げましたように、最近の状況では機関投資家がドルを買っているというのですが、長期の債券の取得という意味では、先月と今月に入ってからむしろこれが非常に少ないわけでございまして、何かというと、結局ヘッジングをしている割合を日々変えたりしながら売り買いをされているのではないかということで、そういう点について実態をお聞きしたということでございます。 基本的にそういう意味では、私は、本当の長い意味での投資というのは、二十年、三十年をにらんでいる場合には、それはそれなりに余り投機的な色彩はないと思いますし、そうでない場合には、投機的色彩のある場合もないとは言えないと思いますが、その辺をどう区別するかということが問題だということを、私から申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 機関投資家でございますから、言うまでもなく自分の責任で、それから実体経済について、自分の判断で投資すべきものは投資するということでございましょう。したがって、自由な資本市場においては、むやみやたらに自粛を要請するというようなことは、やはり原則として自粛すべきであろうと、こう思っておるところでございます。
○和田教美君 公式答弁はそういうことになるのだろうと思うのですけれども、次に移ります。 日本経済が非常に景気がいいという問題について、午前中の経済企画庁の答弁もございましたけれども、十九日に経済企画庁が発表した国民所得統計速報によると、一-三月期の実質経済成長率は、前期比で二・二%、年率換算で九・一%増の高水準となっていると。これ以上調子のいいということは考えられないような答弁でございました。 しかし一確かにそうだと思うのだけれども、しかし同時に、やはり非常に気になる兆候というものが幾つか要因が出ていることも事実です。最大の問題の一つは物価問題だというふうに思うのです。東京都区部の消費者物価は、四月の対前年比二・六%増から、五月はさらに上昇して三・三%増、卸売物価も二月に前年比プラスに転じて以降、上昇幅が拡大して、五月には前年同月比三・四%上昇というふうになっております。 物価上昇という問題について、一つはこれまた後で論議したいのですけれども、消費税の問題があると思います。それ以外に労働需給だとか資本財需給の逼迫、あるいは原油価格の上昇という問題もあると思いますが、やはり一つの大きな要因として、円安の急激な進行による輸入価格の上昇という問題もあると思うのですね。 そこで、景気の問題ですけれども、日本の多くのエコノミストは、もしこの景気が腰が折られるということが起こるとすれば、その最大の原因は円安によるインフレ、その問題じゃないかという見方では大体一致していると思うのです。ですから、その点のところを、さっきの経企庁の判断は少し楽観的に過ぎるのではないか、そういう不安要因を非常に過小評価しているのではないかというふうに思われたので、まず企画庁からお聞きをして、そして大蔵大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○説明員(徳永芳郎君) 消費者物価と卸売物価の最近の動向を数字をもってお尋ねでございましたので、私どもの見方をお答えさしていただきます。 消費者物価は、四月は消費税の導入によりまして前月比で一・二%上昇いたしまして、五月は東京都区部の速報で季調済みで見ますと〇・五%の上昇になっております。前年同月比では東京都区部は三・三%の御指摘のとおりの数字でございます。五月、〇・五%上がり、そして前年同月比では三・三%上昇したわけですが、これは衣料品とか家賃とかが上がっている要因ももちろんございますが、それ以外に五月限りの特殊要因もございます。それは天候要因で、野菜とか切り花が大幅に上昇いたしております。それから、前年同月比の数字を見ます場合には、このところ東京都区部の上昇率は、全国の前年同月比に比べまして〇・三%、大きいときには〇・六%も高目に出ておりますので、この点は留意する必要があるというように考えております。 それで、消費税の影響は、私ども一・二%と見込んでおりますが、この影響とか、あるいは天候要因などの特殊要因を除いてみました場合の基調判断ですが、消費者物価の全体として見ました場合の基調は安定しているというぐあいに判断をいたしております。その根拠は、公共料金が落ちついているということでございます。 それから、賃金の動向ですが、これは消費者物価に大きな影響を与えるわけですが、ことしの春闘の動きにも見られまするように、賃金の状況は全体としては落ちついております。円安、原油高の影響でございますが、現在のところは消費者物価には明確には出てきておりません。他方で、卸売物価でございますが、最近の円安の傾向と原油の強含みを反映いたしまして、確かに輸入物価の方はことしに入りまして高い伸びを続けておりまして、これは総合卸売物価の動きにも反映されております。 先生御指摘の数字は、総合卸売物価だと思いますが、国内卸売物価はどうかということについて見ますと、四月には消費税の導入の影響もございまして、高い伸び、一・八になっておりますが、その後五月になりますと前月比では〇・二%、前年同月比では二・五%の動きでございます。 これをどう見るかでございますが、一部の商品には需給の引き締まり感が見られますけれども、これまでのところは、全体として見れば基調は安定しているというぐあいに私ども認識をいたしております。
○国務大臣(村山達雄君) 現況に関する物価の分析については、今経済企画庁と同じような見解を持っております。 特に、消費税につきましては、我々注意しておりますが、卸売物価の方はほとんど四月に出尽くしたのじゃないか。それから消費者物価の方の影響は五月まででほぼ出尽くしておるなと、これは私の個人的な認識でございます。 それから、問題は、今国内卸売物価の現在の状況はそのとおりでございますが、輸入物価が上がっておること、一〇%ぐらい上がっておるだろうと思います、前年同期に比べて。これがどういうふうにタイムラグを持って、それでどれぐらいの割合でくるか。そのときに一体国内の需給関係がどうなるか、そこを非常に注意しておるわけでございます。理論的には影響がありましょうけれども、そのときのいろんな需給関係があるものでございますから、理論的には押し寄せてくるのだが、それがどれぐらい緩和されるのか、あるいは吸収されるのか、その辺を複眼をもって見ている、こういうところでございます。
○和田教美君 それでは、円ドル関係はこれで終わりまして、本題の財確法関連の質問に移ります。 まず、赤字国債脱却後の財政運営という問題について幾つかお聞きしたいわけです。平成元年度予算では、赤字国債の発行額は一兆三千三百十億円というふうになっております。五十四年度以降長年財政運営の目標であった赤字国債脱却が、遅くとも平成二年度には達成可能と。税の自然増収の話も午前中出ておりましたけれども、その状況によっては、無理をすれば平成元年度にも目標ゼロが達成できるかもしれぬというふうな状況でございます。これは、政府のいわゆる財政再建目標というものが、一応一つのハードルを越えるということになるわけでございまして、その意味は私は過小に評価はいたしません。 そこでまず聞きたいのですけれども、大蔵省から出しておる「財政改革を考える」というパンフレットがございます。これはたしか前は「財政再建を考える」というふうな表題じゃなかったかと思うのですけれども、「再建」を「改革」に変えたと、つまり再建というのは一応赤字国債ゼロで再建は終わった、これからは改革だという思想ですね。そういうふうに大蔵省お考えなんですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 先生御指摘のとおり、以前大蔵省が財政広報用に出しておりましたパンフレットのタイトルは「財政再建を考える」ということで、しばらくそのようなタイトルのもとに発行しておったわけでございますが、実は五十八年度から私どもその題名を「財政改革を考える」という形に変えまして今日に至っておるわけでございます。実は、五十八年度当時の一つの議論といたしまして、財政運営のあり方をあらわす言葉として最大の問題ではあるとしても、公債発行額の問題のみがクローズアップされがちである財政再建という言葉よりも、社会経済の進展に合わせまして歳出歳入構造の中身の見直しを行う、そういうことで新しい時代の要請に対応して財政の対応力を回復していくというような意味で一財政改革という言葉の方がよりふさわしいのではないかというような議論がございました。ちょうど臨調の議論もいろいろ行われた時分でございます。事実、その後御承知のとおり、医療保険でございますとか年金でございますとか、あるいは地方財政の仕組みでございますとかいうものに、恒久的あるいは暫定的いろいろございますが、改革と言えるような中身の毛のがいろいろ多々あったわけでございますが、五十八年当時そのような発想がございましたものですから、そのころから実はパンフレットの題名を変えておるわけでございます。その点御理解を賜りたいと思います。
○和田教美君 いずれにしても、平成二年度なら二年度に赤字国債発行ゼロの目標が達成できるということになっても、これは財政再建あるいは改革の全く第一歩にすぎないということは大蔵大臣がしばしば強調されることですね。私たちが見ましても平成元年度の公債残高は百六十二兆円、国債の利払い費だけで十一兆円を超す、こういうことで、さらに午前中にも論議になっておりました、いわゆる隠れ借金、隠れ国債という問題、二十六兆円というのがございますね。これは私二年ほど前に前の大蔵大臣にツケ回し、先送り問題ということで問題を提起して大分話題になったのですけれども、これがあの当時に比べるとふえてるのですよね、二十六兆円というのは。その当時は二十二、三兆円ぐらいだったと思うのですが。そういうふうな問題が山積をしておって、新しい財政のゆがみも生み出しておるわけです。ですからこれからの一つのターニングポイントではあるわけだから、これからの財政運営というのを基本的にどうしていくのだという強力なビジョンを早く大蔵大臣はお出しになる必要があるのではないか。財政制度審議会に今諮問中でございますということをおっしゃっているけれども、それだけじゃ逃げの答弁になって、あなた任せだというふうな批判もきのうの本会議でもございましたね。その点はどうなんですかね。予算編成と関連して早く出す必要があるのじゃないかというふうに思いますけれどもいかがでございますか。
○国務大臣(村山達雄君) これは非常な大事な問題でございますので、財政審にもう作業を始めていただいているところでございますが、もとより大蔵省は知らぬ顔していると、そんなことではございません。我々も国会の論議を十分踏まえまして、また各方面の有識者の意見も入れながら、そういったものを政府も十分頭に入れながら検討の場を財政審でやっていただこう、非常に広範な問題になるわけでございますので、そういう問題意識はありますが、財政審の場でひとつもっと緻密な議論をしていただきたいなと思っております。 これは実は平成元年、二年度は赤字公債脱却というところに今全力集中しているわけでございます。したがって、公式的に申しますと平成三年度からということになるかもしれませんが、できるだけ早い方がいいに決まっておりますので、鋭意勉強願っているというところでございます。もとより政府は真っ先に勉強しなけりゃいかぬことは当然なことでございます。
○和田教美君 ここに新聞記事がございますが、「年内にも新財政再建目標」と、こういうのが出ておりますけれども、年内に大体そういう骨格なり基本的な柱というものは大体まとまりますか。
○政府委員(篠沢恭助君) 基本的に大臣がただいま御答弁申し上げましたとおりでございますが、財政審の審議に当たりましては鋭意検討を進められ、本年末もしくは来年初に報告を提出していただきたいということで、そのような予定で進めていただいておるわけでございます。 このタイミングにつきましては、これも大臣が申しましたように、本問題が基本的には平成三年度以降についての課題であるというふうに考えますので、遅過ぎるということにはならないかなと、そんなふうにも思っておりまして、本年末もしくは来年初と。これがもっと具体的に平成二年度の予算編成の前か後かといったようなことも含めまして、もう少し議論の進捗等を見ながら考えさしていただきたい。あるいは財政制度審議会の方で諮っていただきたい、このように思っているところでございます。
○和田教美君 新しい財政再建ということに関連して、平成二年度の予算編成ですね、これはすぐ概算要求ということになるわけですけれども、この概算要求基準いわゆるシーリングですね先ほど午前中のお話でも、やはり今までどおり厳しいシーリングを必要とするというお話でございましたが、具体的には平成元年度予算は経常経費一〇%削減、それから投資的経費の伸び率はゼロというのでございましたね。基本的にはそれを踏襲するということになるわけでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 今後急速に進展いたします人口高齢化とか、国際社会における我が国としての責任を果たしていくということの中で、それに財政が弾力的に対応していくためには、まず平成二年度特例公債依存体質脱却をぜひともなし遂げる、こういうことでございます。 そういう意味では、例えば昭和六十二年度、六十三年度、平成元年度と特例公債の減額を着実に進めさしていただいたわけでございますが、その同じ流れの中でいわば最後の年、願わくばその最後の年になるようにということで進めさしていただきたいと思いますので、財政運営の姿勢をこの段階で緩め得る状況にはないのではないだろうかというふうに考えております。 それから、税制改革に際しましても、従来にも増して行財政の効率的な運営について各方面から強く求められたということもあわせ考える必要があろうかと思っております。そのような状況の中でございますので、平成二年度予算編成の出発点でございます概算要求基準の策定につきましては、けさほど大臣からも申し上げましたように、引き続き厳しい姿勢のものにならざるを得ないかと思いますが、具体的にその基準をどうするかということにつきましては、今後、これから慎重に検討を進めさせていただきたいというところでございます。
○和田教美君 国債残高が百六十兆円を超えて、その利払い費だけで十一兆円余り、歳出総額の二〇%近くを占めるという状況は、どう考えても財政の健全性ということからほど遠いと思います。したがって、真の意味の財政再建ということの立場から見れば、やっぱります国債残高をなるべく圧縮していくということが必要だと私も思います。 それから、利払い費の問題については、この「財政改革を考える」の中にも書いてありますけれども、国債利払い費は一日三百五億円、一分間二千百万円なんということが書いてありまして、いかにこれが財政圧迫をしているかということを強調しているわけです。 とにかく十一兆円以上に達する利払い費というものも、これは非常に大きなお荷物になっていることも事実ですね。ですから、利払い費を一体今後どういう形で減額していくのか、あるいはまた国債をどういうルールによって減らしていくのか、そういう点について大まかな見取り図みたいなものを、大蔵省におありならひとつお示しを願いたい。
○政府委員(篠沢恭助君) 国債残高の圧縮あるいは国債残高からまさに生じてまいります国債利払い費の圧縮ということについてのお尋ねでございますが、まさに先生御指摘のとおり、この二つの問題は今後の財政運営を考えていきます中で一番大きな背景にもなるものでございますし、また場合によりましては、それ自体をどうするという形で目標事項の一つにしていかなければならないかもしれないと思うわけでございます。 御指摘のとおり、極めて中心的な課題でございますが、ただ、それをどういう形でどう扱って目標としていけるのか等々、いろいろ難しい問題もございます。先ほど大臣からお答え申しましたように、財政制度審議会に全部お任せしつ放しという意味ではございませんが、財政審を中心としてこれから議論にかかるという段階になっておりますものですから、私どもその検討等を見守り、また協力しながら、私どもとしての検討もさらに深めさしていただきたい、こういうふうに思っております。 いずれにしても、おっしゃられました国債残高、国債利払い費というものの圧縮はそれ自体極めて重要な課題でございます。
○和田教美君 国債残高を減らすというのは確かに財政再建の正道だというふうに私も思います。 しかし、財政運営という点から考えると、財政再建だけではないわけですね。もっとほかのいろいろな問題に配慮しなければいけないということがある。余りに財政再建という目標だけにこだわった場合に、そこでいろいろなまたゆがみが出てくるというふうに思うのです。 例えば自然増収が出て、それを全部国債費の減額に回すという考え方のほかに、やっぱりある程度はこれは税金の取り過ぎなんだから減税に回すというふうな考え方も取り入れなきゃいかぬという状況も起こるかもしれない。そういういわばバランスの問題だというふうに僕は思うのです。 そういうふうな観点から、今後の国債政策を考えるに当たって一つ問題なのは、午前中これも鈴木委員からも御指摘があったように、国債という問題が日本の金融市場においてある程度ビルトインされておるという問題ですね。これを全然無視するわけにはいかぬと思うのです。国債をただ減らせばいいということだけでは済まないような状況、国債というのは非常にもてているわけですね。その場合に、主計局次長の午前中の答弁だと、当分は借換債がふえていくからそんなに国債が玉不足になるというようなことはないのだ、まあまあ大丈夫だというふうなことでございましたけれども、その辺のところを一体どういうバランスをとって全体として国債を減らしていくか。市場の要求にもこたえながらやっていくかというふうな問題について大蔵省としてどうお考えなんでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 金融資本市場におきまして、国債という商品、これの流通の大きさという問題につきまして、玉不足が出てくるのではないかといったような理由で、国債発行額を減少ざせるのは慎重でなければならないぞといったような考え方をとるのは、やはり私どもとしては賛成をしかねるところでございます。やっぱり財政の対応力を図っておくということは、引き続き今後極めて緊要な課題でございますので、その中におきましては、やはり公債依存度の引き下げに努める等によりまして、国債の総発行額を抑制せざるを得ないというふうに考えます。 けさほど申し上げましたとおり、事実借換債が多うございますので、実際問題として、国債の毎年度の発行額というものがそう簡単に減るような試算もできかねる状況でございますし、私どもとしてむしろ本当にこれで大丈夫なのか、玉不足を心配するより、もう少し圧縮できないものだろうかというぐらいの視点でなお検討をしなければならないのではないか、こんなふうに考えておるところでございます。 実際問題としまして、経済なり市場なりの規模と金融商品としての国債の流通高、発行高、こういったものとの兼ね合いというのは、まことに微妙で難しい問題があることは大変よくわかりますが、私どもは私どもなりの立場でできるだけの圧縮を図るということで、また各方面のいろいろな御意見、リアクション、そういうものはそれとして十分よく見さしていただく、参考にはさしていただく。しかし、我々の姿勢は姿勢としてやっぱり貫かしていただきたい、こんなふうに思っております。
○和田教美君 その点はよくわかりました。 そこで、今もお話にありましたけれども、公債の依存度、国債依存度、平成元年度当初予算では一一・八%になっておりますね。随分下がってきたと思うのですけれども、これは中期的には大体依存度はどの程度まで下げようというお考えなんでしょうか。一部の報道によれば大体五%程度に下げたい、そこで一種の安定的な公債のベース、それ以上は大体五%程度で続けていくというふうな大蔵省の考え方だと、そういう報道がございましたけれども、その点はどうですか。
○政府委員(篠沢恭助君) まず、国債費の重圧によりまして政策的な経費が圧迫されておるという現在の財政構造を改善して財政の対応力の回復を図るということになりますと、年来御議論いただいておりますように、まず平成二年度に特例公債依存体質からの脱却という目標を達成しなければならないと考えておりますが、これとともに、建設公債も同じく利払いを伴うものでございますし、その発行はやはりできるだけ圧縮をして、全体として公債依存度の引き下げを図るという姿勢で臨んでおくべきものではないかというふうに考えております。 私どもといたしまして、今後とも公債依存度の引き下げということに努力を尽くしたいと思っておりますが、どの程度までこれを下げればいいかということになりますと、やはりそのときどきの経済情勢等によっても異なることになるわけでございます。俗っぽい言い方を申しますと、たまたま予算規模を大きく膨張させたというようなことになりますと分母が広がるわけでございますから、公債依存度は何か下がったような感じになる。しかし、そういうことがそれでいいのかといったような問題も出てこようかと思います。やはり公債依存度というのが数字としてどういうものがいいのかというのは言うべくして極めて難しい問題でございますので、私ども一概にはこれは申し上げられないということでございます。 ただ、財政制度審議会が古い時代にいろいろ意見を言われたとか、それからもっと前の昭和四十年代、新しい公債時代に入った後で、これを五%以下にしたらどうだというようなことを言ったとか、いろいろな意見は過去にも積み重ねがあるわけでございます。しかし、今の段階におきまして私どもとして依存度について一概に申し上げることはお許しいただきたい、こう思っております。
○和田教美君 特例公債の新規発行をゼロにしても、現在の政府の財政運営の手法、いわゆる六十年償還ルールということだと向こう六十年間特例公債は存在し続けるということになりますね。この六十年償還ルールそのものは、これは今後も変えないのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 特例公債は建設公債と異なりまして、いわゆる見合い資産を持たないということでございますので、本来できるだけ早くその残高を減少させるべき性格のものであるというふうに考えております。そういうことでございますので、この財確法の中にも早期償還努力規定が置かれておったりしておるわけでございます。ただ、実際問題としまして、現在の財政事情のもとで借りかえは許していただくとしても、借りかえルールはどういうものであるべきかということになりますと、やはり現実問題としては六十年償還によらざるを得ないのではないかということで、お許しいただいてきたわけでございます。 今の段階でこれを縮め得るか得ないかということについては、やはり相当慎重に検討せざるを得ない課題ではないかというふうに思いますが、財確法の努力規定の趣旨がございますので、私どもそれぞれのそのときどきの財政事情の中で多少とも早期償還に努めてまいったわけでございます。例えば昭和六十二年度と六十三年度の補正予算の段階では、それぞれ二千三百億台、合計四千七百億弱でございますが、いわゆる借換債の発行減額という形で特例公債の早期償還に努めたところでございますが、こういった努力は当然これからももっとしていかなきゃならない、こんなふうに思っております。
○和田教美君 次に、例の隠れ借金、隠れ国債の問題について、主計局次長は先ほどの説明で、いわゆる単純にそれをトータルすれば隠れ借金は二十六兆円以上であるという答えでございました。しかし、本会議で村山大蔵大臣が、その中には必ずしも返さなくてもいいのがあるのではないかということに触れられたことに関連する質問については、局次長は国債への定率繰り入れの停止分は、これは必ずしも返さなくてもいいのじゃないかというような趣旨のことをおっしゃいました。これは十五兆円ぐらいあるわけですね、トータルは、累積は。これ全部返さなくても何とかやっていける、つまり余裕金はパンクしないでやっていける、こういうことになるのですか。 それから、それ以外の厚生年金の国庫負担の返済繰り延べとか、以下地方財政対策に伴う後年度負担、交付税特会の運用部借り入れ、いろいろございますけれども、こういうものは全部返すのですか。その辺のところをもうちょっと明確にしてください。
○政府委員(篠沢恭助君) 定率繰り入れの停止につきましては、国債整理基金の状況及び厳しい財政状況というものを踏まえまして、昭和五十七年度以来お許しをいただいてきたものでございます。しかしながら、この間国債の償還につきましては基本ルールのもとでこれを着実に実施してまいった。特に、近年ではNTTの株式の売却代金というものがその有力財源となったということでございます。そういうことで、国債の償還はこれまでの分につきまして着実に進ましていただいたということでございます。そのようなことでございますので、過去の定率繰り入れ停止分につきましては、その停止相当額を将来一般会計からそのまま整理基金特別会計に繰り入れなければならないという性格のものではないだろう、こんなふうに思っております。この点につきましては、当委員会におきましても年来いろいろな特例措置の御説明の中で申し上げてまいった記憶がございます。 しかし、いずれにいたしましても定率繰り入れの問題につきましては、これから先NTTの株式の売却代金というものも無限ではないわけでございますし、他方において減債制度というものをどういうふうに考えるか、これは基本的に維持すべきものだと私ども思っておりますが、それではそれに対応する財源というものをどういうふうに考えるのかということになりますと、これから出てまいります定率繰り入れをどう取り扱うかという問題がまずあるのではないか。過去の定率繰り入れ停止につきまして十五兆という塊そのものであるかどうかということがございましょうが、これを整理基金特会にどかんと繰り入れを行うというような性格のものではないのじゃないかというふうに考えておりますので、その旨申し上げた次第でございます。 それから、臨時特例措置の中には、けさほどもお答え申し上げましたが、住宅金融公庫利子補給金の一部繰り延べてございますとか、国民年金国庫負担金の平準化の問題でございますとか、あるいは地方財政対策に伴う後年度負担でございますとか、これらは法律に基づいて処理がそれぞれ決まっておりますので、それによって対処をしていくということになろうかと思います。 それから、厚生年金の繰り入れ特例あるいは政管健保の繰り入れ特例というものにつきましては、後年度におきましてできる限りいろいろな状況を勘案して、制度の運営そのほかも勘案してきちんと対応するべしということ、ここまでは法律に書かれておりますので、その趣旨を体してこれをどうするかということを今後の問題として検討しなければならない、こういうふうに思っております。
○和田教美君 国鉄の債務の問題ですけれども、先ほど吉村さんからお話しございました。今の清算事業団の要処理債務が大体二十七兆円ぐらいだという話ですけれども、これ全部国の負担というものでもないわけですね。計画によれば、その中で土地売却とかその他もあるわけで、大体どれぐらいが結局国民負担ということで事実上の隠れ借金になるのですか、一般会計なり国の予算としての借金になるのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) けさほど政務次官からお答え申しましたように、現段階で国鉄清算事業団が抱えております国鉄長期債務は二十七兆円というレベルに平成元年度末で達する見込みでございます。この二十七兆円の債務からまた毎年一兆五千億ほどの実は金利が発生をしてまいります。ただ、清算事業団には定常的収入としまして新幹線保有機構からの収入というのが約二千三百億円ほどあるようでございますので、これを差し引きました残りの一兆二千億というものにつきまして、まず土地及びJR株式の処分といったようなことで、これを何とか埋めていかない限り、金利が金利を生む形で債務はだんだん累増をするわけでございます。 そこで、国鉄清算事業団の債務に土地、JR株式の処分収入などを充てても、なお残ります債務額というものがどの程度に一体なるのか、それは国民負担額と言っておるわけでございますが、国民負担額がどのくらいになるのかということにつきましては、やはり土地やJR株式の処分の時期と処分価格にやっぱりかかるということになろうかと思います。したがいまして、現時点で確たる見通しを申し上げることは大変難しいというふうに考えるわけです。
○和田教美君 しかし、大蔵省のパンフレットに載っておるのには、長期債務等の処理として国民負担十三兆八千億円と書いてあります。
○政府委員(篠沢恭助君) これは六十二年度首、つまり国鉄改革が行われたその時点での一つの数字でございますが、当時はさっき二十七兆と申しました債務残高が二十五兆五千億、二十五・五兆という数字でございました。今より少し小さかったわけでございますが、これに対しまして、土地のいわゆる価格として持っておりますやつで七兆七千という数字と、それからJR株、これは約五千億でございますが、額面ベースで五千億ということになるわけでございますが、こういったものを二十五・五兆から引きまして、残るものとして国民負担十三・八兆、一応そのような整理をしてお示しをしたというものでございます。 ただ、土地あるいはJR株というものの処分というのがまさに七・七兆とかあるいは五千億とかいうものではなかろう、これはある程度大きく広がるものであろうかと思いますので、この国民負担というものの数字も変わってくる。しかし他方におきまして、先ほど御質問ございましたように、二十五・五兆の債務は現在もう既に二十七兆になっております。これは、これから有効な補てん策が講じられないと金利が金利を生む形でどんどんどんどんふえるわけでございます。そういったこともございますから、国民負担というものはスタート時点で十三・八兆という整理を一応いたしましたけれども、現在それはどのくらいになっているか、あるいは将来的に、最終的には国民負担は幾らになるかというのは大変難しいわけでございます。
○和田教美君 特例国債の発行が本年度あるいは恐らく来年度でしょうが、平成二年度においてゼロになるということになった場合に、国債費の定率繰り入れの停止というのはいつまで続けるつもりですか。もうすぐやめちまうのか。定率繰り入れの停止は五十七年度補正から元年度で八年になるわけですね。それで、元年度を含めて、停止の総額は十五兆円以上になるわけです。そして、毎年財確法という形で財確法の骨にこの定率繰り入れの停止が出てきているわけなんですけれども、赤字国債脱却が確実というふうな状況のもとでは国債整理基金への繰り入れば一刻も早く、要するに繰り入れを再開する、こういう法律をやめちゃって、そして国債償還財源の長期的安定確保を実現するということが私は原則論からいえば筋だと思うのです。 ただ、政府の資料によると、「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」というのがありますが、これだと、ケースAでは平成二年度から繰り入れを実施するということになっています。ケースBでは平成四年度から実施する。こういう二つのケースが示されておるわけですけれども、どうですか、大体ケースBというふうなところを一応大蔵省はめどに置いているのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 御指摘の本年二月、国会に提出をさせていただいた国債整理基金の資金繰りに関する仮定計算のケースBでございますが、これはNTT株式のうち国債整理基金特別会計に帰属しておりますもののすべて、これはNTT株式全体の三分の二相当分でございますが、これを元年度予算と同様の積算によりまして平成三年度までに売却をする、こういう仮定を置いたわけでございます。その仮定の場合には平成三年度まで定率繰り入れを停止しても国債の償還に支障は生じない、いわゆる国債整理基金が国債の償還を行ってもパンク状態にならないというぎりぎりのケースを示したものでございます。あくまでそのような仮定のもとでのぎりぎりのケースはケースBであるということでお示しをしたものでございまして、現段階で特定の政策的意図をあらわしたものではございません。 今後の定率繰り入れの取り扱いにつきましては、いわゆる脱却後の財政のあり方を考える上での重要な問題であるというふうに再三申し上げておるわけでございます。ほかにもいろいろ財政運営のあり方についての課題があろうかと思いますが、それらの一つとしまして、各方面の御意見も参考にしながら鋭意検討を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○和田教美君 今議題になっておる財確法には厚生保険特別会計への繰入額の削減四百億円というのがございますね。これはどうも僕は余り納得いかないわけです。というのは、大蔵省の説明によると、厚生保険の特別会計の中で余裕金というかな、そういうものがあるから、その分をつまりカットするのだ、こういうことなんですけれども、そんなことをしていれば、特別会計に余裕が出てきたらそれ全部カットしちゃうということだったら保険の会計というのは成り立たないわけで、もしそういうことが起これば保険料率を引き下げるとかあるいは保険給付を引き上げるというふうなことをまず優先して考えるべきであって、そこまで大蔵省ががめつくやるというのはどうかというふうに思うので、これは当然停止すべきではないかと思いますが、なぜ四百億円ぐらいに、みみっちいといえばみみっちいけれども、こだわるのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 政府管掌健康保険は、御承知のとおり一般会計から多額の補助も受けておるわけでございますが、ここ数年黒字が生じておりまして、それぞれ単年度保険ということでございますけれども、単年度単年度黒字が生じまして、昭和六十三年度末において約四千百二十一億円の積立金を見込んでいる状況でございます。他方、一般会計は御承知のとおりの状況でございますが、その中で平成二年度特例公債依存体質からの脱却という目標のもとで、例年どおり厳しく経常部門を抑制しておりますことから、政管健保につきましても、その運営に支障が生じない範囲で国の財源を確保する観点で繰入額を四百億円圧縮させていただきたいというものでございます。黒字が生じております分につきまして、四百億円を削った場合でも政管健保の直接の運営には特段の支障は生じてこないわけでございますが、何とかその一方におきまして特例債を少しでも減らさせていただきたいということでお願いをしておるわけでございます。 なお、保険料との関係でございますが、このような特例措置を講じておりますので、平成元年度の保険料率は本来保険料率八四パーミルに戻るべきところでございましたが、引き続き一パーミル引き下げた八三パーミルという保険料率で運営を続けますとともに、成人病予防健診事業をさらに拡大するといったような形で、被保険者への還元措置もできるだけ優先的に進めるといったようなことも講じておりますので、何とぞ御理解を賜りたいというふうに考えるわけでございます。
○和田教美君 これは大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、NTT株が去年の売却以来全く不人気で、平成元年度予算のNTT株売却収入の計算根拠である株価は百八十一万円ですね。ところが、ちょっと前の数字ですけれども、この十五日の終わり値が百四十五万円、今どのくらいになっていますか、相当割っているわけです。そういう状況の中で、本年はどうもNTTの株の売却はできないのじゃないかというような趣旨のことを大蔵大臣述べられたように報道で承知しているのですけれども、大体だめですか、もう売却は中止なんですか。それとも減少するのですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは大事な共有資産でございますからできるだけ大事に使いたい、こういう意味で、全部または一部の発売を縮減することはあるべし、こういうことを申したわけでございます。しかし、NTTの株というのがいろんなところに使われていることも御案内のとおりでございまして、国債整理基金特別会計、この現金償還分に充てるというやつもありますし、それからまたそのうちの一兆三千億は公共事業の、言ってみますとかさ上げで使っているわけでございます。そういったことを考えておりますので、今後の情勢を見ないとわかりません。わかりませんが、NTTの株というのは事ほどさように大事な国有、国民共有の財産である、そして今相場が下がっておる、このことを意識して発言させてもらったということでございまして、具体の問題はこれからの今年の状況がどうなるか、あるいは財政のいろんな歳入歳出全体に関する問題でございますので、その中で具体的に検討させていただく、こういうことでございます。
○和田教美君 仮に、見送りというふうなことになった場合に、今もお触れになりました売却益を活用した公共事業、これはあるわけですね。これはどうなんですか。これはもうやめちゃうのですか。ほかの財源を見つけてこれは続けるということになるのか、その点はどういうお考えですか。
○国務大臣(村山達雄君) ですから、それもまた大事な話になるわけでございます。やはり公共事業というものの需要というのがかなりあるということはよく承知しております。そういう問題は、これからの歳入歳出がどうなってくるか。特に歳入の状況がどうなるか、そういうもので全体のやりくりの中でどう措置すべきか、こういう具体的な問題として検討させていただきたい、こういうことでございます。 今すぐやめるとかなんとかいう問題ではなかろう、今判断すべき問題じゃないのじゃないか、こう申し上げておるわけでございます。
○和田教美君 仮に、平成元年度売却を見送りということになった場合に、平成二年度で、元年度も含めて、見送ったものも含めて全部をとにかく売るというようなことも、市場の状況から非常に難しいだろうと思うのです。 それどころか、二年度についても、株価が低迷しておるというような状況の場合には、これも売れないというふうな事態だって起こるわけです。だとすると、さっきの仮定計算例に戻るわけですけれども、余裕金残高はそれだけ大きく減少しちゃう。そうして、二年度から定率繰り入れをどうしてもしなければ、余裕金が枯渇するという事態が全く起こりませんか。その場合には別の手を考えるのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 平成元年度予算におきましては、NTTの株式売却収入を二兆七千八百六十四億円と見込んだわけでございます。この状況でございますと、平成元年度末の基金残高は、四兆五千八百五十八億円、例の仮定計算の表には四兆五千九百億、こう書いてございますが、こういう残高が見込まれておるわけでございます。 したがいまして、仮にの話でございますが、NTT株式売却収入がゼロというふうになりますと、その分を機械的に差し引きますと、四兆五千九百と書いておりますものが一兆八千億円程度になるわけでございます。 そのような水準になりますと、平成二年度の国債償還財源はどうなるかということでございますが、全くの仮定の話としての計算でございますが、平成二年度のネット償還財源は二兆五千四百億円程度というふうに見込んでおるわけでございます。 先生から、平成元年度は売れない、平成二年度も売れないということで計算すればどうか、仮にそういうお尋ねでございますと、そこでは要するにマイナスが出てくるわけでございますパンク状態ということが出るわけでございますが、私ども全くの仮定の問題としても現段階でそういう状態を想定しておるわけではございません。仮にの話として、元年度末の基金残高が一兆八千億程度というふうになって、二年度のネット償還額二兆五千四百億円というものを下回っているとしても、そこは平成二年度のまさに売却問題というのはあるわけでございまして、それもとめて計算をしてみろということになりますと、それは計算としてはそういう形になるというだけのことではないかというふうに考えるわけでございます。
○和田教美君 時間もなくなりましたので、消費税の問題についてもうほんの二、三点お聞きをいたします。 政府の税調が今月の末に消費税見直しの審議を、総会を開いて始めるという新聞報道がございます。そして、それに関連をして、大蔵省が消費税の見直し作業の対象は大体五項目だと。一つは免税点、一つは簡易課税制度、一つは限界控除制度、帳簿方式、それから税額表示、いわゆる外税、内税ですね。この五つの問題だということを明らかにしたという新聞記事も二、三出ております。 そこで感じますことは、一つは、見直しという問題は、大蔵大臣は初めはなかなか慎重に渋いことを言っておったのが、時間がたつにつれてだんだんだんだんテンポが早くなってきて、いかにも参議院選挙前に見直しムードをばあっとばらまこうという政治的意図があるのではないかというふうに我々は受け取るわけなんですが、その点はどうかという問題。 もう一つは、この五項目というものを見ますと、確かに免税点の問題とか簡易課税制度というような問題について、消費者あるいは業者の不満が強いことは事実です。ですから、それを見直すことは、私は消費税制度を維持するという観点に立てばそういうことも必要だろうというふうに思います。私たちは、消費税はそういう小手先の手直してはとてもだめだから出直せ、全部やめちまえと、こういうことを言っておるわけなんです。立場を別にすればそういうことも言えると思うのですが、ただ一つ言いたいことは、例えば免税点の問題一つとっても、三千万円まで免税業者ですね。ところがこれを一千万にするとか、簡易課税制度のあれは、今五億円の中小企業までいいということになっているのだが、それを一億円にするとか、厳しくすればするほど結果的には政府の税収はふえるということになりますね。つまり、お目こぼし分が少なくなるということですから、四千億円ばかりのお目こぼし分の何%かは政府の税収として要するに入るということになりますね。だからこれは、大蔵省としてはある程度予想された路線を着実に進めておるということじゃないかというふうに思うのです。 消費者の立場から見ると、消費者は依然として三%を負担するということについては全然変わりはないわけですね。それどころか、我々の立場からいえば、消費税の根本的な欠陥というのは、こういう免税点とか簡易課税制度のような問題のほかに、より根本的には逆進性の問題にあるというふうに思っておるわけなんです。 ところが、逆進性の問題で本当に貧しい人たち、力の弱い人たちには消費税をもつどうんと安くするなり、ゼロにするというふうな配慮は再検討、見直しの項目の中には全然入っていないように新聞記事から受け取るわけですが、全く一方的な見直しの項目の立て方ではないかと思うのだけれども、その点は大蔵省どうお考えですか。
○政府委員(尾崎護君) 政府税調におきまして、消費税に関連いたします幾つかの問題点について見直しの勉強をするということになっておりますが、その根拠は実は税制改革法の中にございまして、そこにおきまして中小企業等に対する事業主の負担等につきまして特別措置があります。その特別措置につきまして見直しを行うというようなことが予定されているわけでございます。 したがいまして、各方面でそのような項目を中心にいろいろと見直しが行われるのではないかということが言われておりますことは私どもも承知しておりますし、私どもも例えば例を挙げればどういうものがあるかと言われますと、法律の中に掲げられているものでございますから、まずそれが問題になるだろうということも申し上げてきたわけでございます。しかしながら、税制調査会におきましてどのような項目についてこれから勉強を始めるのかというのは、あくまで税制調査会でお決めになる問題でございますので、そこは確定していることではございません。 それから、確かに委員御指摘のように、中小企業者に対します特別措置につきまして、三千万円を一千万円にするとか、五億円を一億円にするとかというような方向で見直しが行われると仮にいたしますと、それは確かに税収をふやす要因にはなろうかと思います。しかし、あくまで問題となっておりますのは制度の見直しの問題でありまして、制度が本当によいものであるのか、それとも何分にも初めての制度でございますから、実際にやってみたらいろいろな問題を含んでいたのかどうか、そういうことが勉強の対象でございまして、消費税で税収を上げるということが対象となっているわけではございません。 また、現実にどのような見直しの方向になるのかということも、今は必ずしも明らかでございません。と申し上げますのは、この九月の末になりませんと、弾力的運営ということがございまして、問題となっております先生が例に挙げられました簡易課税につきましても、その簡易課税業者というのがどのぐらいいるのかということも実はまだわからないわけでございます。これから届け出が行われるわけでございますから、そういう基礎的なデータがそろってまいりまして、現実に申告が行われ、納税が行われ、そこで初めてどういう問題があるのかということになってくるのだろうというように考えております。 それから、逆進性の問題についてお話がございましたが、そのようなところまで議論がいくのかどうかはあくまで税調でお決めになることでございますけれども、税制改革法の中で予定しておられますあの条文の範囲内というと、そこまでいくのかどうか、ちょっとややその外かなという気もいたしますが、その外であるから議論をしてはいけないということで決してないわけでございます。 ただ、逆進性の問題、いつも申し上げますように、私ども一つの税目で逆進性の議論をするのではなくて、税制全体として、累進的である所得税、それから相続税等々を考え合わせながら税制全体としてどうか、または歳出面でそれがどういうものに使われるか、そういうことをあわせて考えるべき問題であろうというように思っております。
○和田教美君 つまり、逆進性の問題についても、これは法律の枠の外だとか中だとかというのは、こんなことは議論にならないと思うのですね。税制調査会をやって見直しをやるという以上は、今の逆進性の問題にしても、あるいはそういう弱い立場の人たちには、例えば輸出品については還付制度というのをやってますね、そういう発想で還付制度を考えるとか、何かいろんな手があると思うのです。そういうふうな問題についても全然、その問題について検討することは非常に消極的だということでは、ますます消費税はもうどうにもならない、我々は絶対に反対、廃止すべきだという結論にならざるを得ないということを申し上げて、私の質問ちょうど時間です。終わります。
○近藤忠孝君 この財確法問題につきましては、もう毎年毎年議論をしてまいりました。ただ、村山大蔵大臣のもとでは初めてなので、まず根本的な認識の問題からお聞きしたいと思います。 依然として財政危機は深刻であるという認識は共通すると思うのですが、深刻さの度合いをどのように認識しておられるのか。確かに赤字国債脱却は出口が見えてぎたのですが、それは単に赤字国債を発行しないというにすぎないのであって、決して財政再建軌道に乗ったというわけではないし、財政危機そのものの深刻さというのは私は大変深刻なものだと思うのですが、その度合いをどのように認識されておりますか。
○国務大臣(村山達雄君) 財政が国際的比較としてどの程度窮迫しているか、これはいろんな指標があるわけでございます。何よりもGNPに対する国債残高であるとか、それから一般会計の中に占めるその利払い費の問題であるとか、あるいは依存度の関係であるとか、もろもろの問題があるわけでございますが、そのいずれをとりましても今先進国の中で一番悪い状況にあることは確かでございます。そのほかにいわゆる隠れ借金というやつがあることも事実でございます。こういった問題を考えるときに、これから日本が高齢化社会に向かい、あるいは国際化社会の中でいろいろやらねばならぬことはたくさんございます。そのときに財政の対応力がなければ、もうこれはギブアップでございます。ですから、やはり国民生活をしっかり守るために、国際的義務を果たすためにも財政というものは対応力を回復しなければならぬ。しかし状況は今言った状況である、こういうことでございます。しかも、それを増税でやろうというわけではございません。やはり既存の制度の見直しの中でやっていきたい、こういうことでございますので、容易ならぬ問題であると、こういうふうに認識しております。
○近藤忠孝君 今も大臣が触れたとおり、公債依存度、利払い費比率、それからGNP比率、主要先進国の中で日本はトップだ、しかも相当離れたトップ、全体的に。ですから本当に果たして財政再建可能なのか、特に私は自民党政府のもとでは極めて困難じゃないかという、こういう認識を持っておりまして、やっぱり政権かわらなきゃいかぬと思っておりますけれども、財政再建は自民党政権が今のようなやり方をずっとやっておって本当に可能なんだろうか、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 困難な問題であることを重々承知しておりますので、国会における議論あるいは有識者の意見、そういうものを入れまして、実際に実行可能なような一つの対応力、財政改革の一つの指針をこれからつくっていきたい、こういうことでございます。もとより面倒なことほよくわかっていますが、ずっと面倒なことをやってきたわけでございますので、引き続き頑張りたいと思っております。
○近藤忠孝君 次は、この財政危機を引き起こした原因は何であるかという問題です。 やはり本当に不思議に思うのは、世界一の金持ち国がなぜ世界一の借金財政国になっているのか。この素朴な国民の疑問に対して村山さんはどうお答えになりますか。
○国務大臣(村山達雄君) 一つは、世界一の金持ちになったというのがごく最近のことだ、これもよくひとつ御認識いだただきたい。 それから、悪くなった原因にはいろいろあります。一つは、大きく言いますと、やはり国民皆保険制度というのがありまして、これがほかの国より速いスピードで来たわけでございます。だから、福祉政策の前進というものは日本ではやはり画期的であろう、進捗度合いにおきまして。これが一つあったと思います。それからもう一つは、オイルショックの後の日本の経済が本当に参ってしまったときに、財政が先導して早く軌道に乗せた。特にそのときには国際経済の問題もありまして、これはボン・サミットでございましたが、いわゆる日本と西独がひとつ機関車になってくれ、世界経済のためにと。こういうこともありまして、そこで相当やはり国内経済が力が衰えておるということ、それを早く軌道に乗せたい、それから世界経済のためにも尽くしたい、こういうことで財政の力を相当無理して使った、その残りがずっと来ているということもあると思います。
○近藤忠孝君 今の答弁の中で、最近金持ちになったということ、それはそうなんですね。問題は、金持ちの内容の問題なんです。全国民が金持ちになったのならそれでよろしいのですが、問題は借金をして、その結果、それによって恩恵を受けたところが実は世界一の金持ちになったということ。 今の村山さんの答弁をもうちょっと敷衍して申しますと、要するに石油ショック後に財界の要望に沿って相当無謀な、我々毎年毎年議論をしてきましたけれども、無謀な国債の大量発行による財政ばらまき政策、それが引き起こしたものでありまして、その結果大企業は大いに栄えた、それも世界一。そして今日の金余りというような状況になってしまったのではないか、こう解釈するのが、村山さんの今の答弁をもう一歩踏み込むとむしろそういうことになりはしないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 私は少し見解を異にしておりまして、企業と家計の関係というのは、何も景気をよくするということは別に大企業のためにやっているわけでもございません。もとより、それは言ってみますと一つの手段でありまして、当然のことながらその分はそこの従業員に還元される、あるいはいろんなところにいろんなベースアップを通じて還元される。それから、あるいは製品価格を通じて還元される、いろんな形で国民経済に還元さるべきものである。私は国民経済というものをそういうふうに理解しております。 それから、格差が拡大したのじゃないかということでございますが、ずっと体制的に見ますとやはり格差は諸外国に比べて日本が一番縮小しておる。ですから、シャウプのころは第五分位の第一分位に対する倍率が五・九倍だ、こう言っておりましたが、今は二・九倍ぐらいである、こういうことでございます。いわんや、所得税制も累進税でありますから、それの税引きで計算いたしますともっとジニ係数は近づいておる、こういうことでございます。 ただ、最近皆さんが言っておられるのは、株とか土地とかは上がって、いわば資産格差が広がっておるじゃないか、こういう御指摘はしばしば受けております。私もその点はあるいはそうであろうと、こう思っておるのでございまして、この点はやはりいろんな角度から土地基本法であるとかそれに関連するもろもろの政策、あるいはその中に税制も入れてもいいかもしれません。そういうもので公平の観念を保っていくということが大事であるということは、私自身も認識しておるところでございます。
○近藤忠孝君 所得格差の問題までは質問しなかったのですが、いつも言っておられる比較をされましたけれども、この間私予算委員会で具体的に指摘したとおり、村山さんが使っておるあの資料というのは第一分位と第五分位の比較ですけれども、第一分位の方は年所得三百万、しかもあれは四人家族で専業主婦、だから控除が二つあって、そしてその上に子供がさらに教育補助を受けられるという、三百万の世帯でそんなの受けられるというのはもうほんのちょっぴりで、ほとんどあり得ない。それを比較しておりますので、これはまた別な機会でやりますけれども、あるいはあしたまたこの議論をするかもしれませんけれども、それは比較にならないものでありまして、それを前提にもっと違うことを言ってくるのだったら私もまた別の議論をするのですけれども、いつも、この間私が予算委員会で論破したと思っておる議論を蒸し返されるということは、私はそうでないということを申し上げておきたいと思います。 私が申し上げたのは、この借金財政の結果、その恩恵を受けたのは結局大企業だったのではないかということなんです。それにつきましては自民党の中でも我々とかなり見解を同じゅうする人がおられますね。これはよく引用されることですが、一九八四年の自民党の軽井沢セミナー、当時の藤尾政調会長が、大体財界がこのような大量国債発行を要請してきたんだと。当時頼みに来たのが経団連の土光さん、関経連会長の日向方斎さん、東西両経済界の代表がおいでになった。結局、そのために応じたのだから、その結果大もうけしているのだから、こういう苦しい非常事態のときには協力してくれていいじゃないか。協力の方法として、結局大企業の方が受ける利息は半額でよろしい、三分の一でも結構、場合によっては利息は要らないというぐらいの協力体制を経済界でとってくれても結構じゃないか、これは藤尾さんの発言ですがね。私はそれが本当のところだと思うのですよ。自民党の当時の政調会長ですからね。こういう発言までされておるので、これによって今日の財政危機の原因の一つが、しかも重要な原因の一つがここにあるということはこの発言からも明らかじゃないかと思うのですが、この発言をどう理解されますか。
○国務大臣(村山達雄君) 我が党は自由民主党でございますから、各人いろいろの考えを持っておられるのは、それはあり得ることだと思います。私が言っているのは私の認識を述べているわけでございまして、当時、私大蔵大臣でございましたので、そんな認識であったわけではございません。
○近藤忠孝君 今の発言によりますと、政調会長という政策の最高責任者が自由勝手な発言をされたというようなことにもとれますが、私はこれは真相を射ておったと、こう思います。 次へ進みます。 これは先ほど来議論にもなっておりますが、国債発行の環境変化が出てきているという問題であります。七五年に赤字国債の発行が始まって以来、これは大量発行時代に入って、その中で国債の消化難、市場での価格暴落などが起こっていろいろな苦労をされてきましたね。それで、発行条件の緩和など銀行、証券を中心としたシンジケート団の要求に応じてくるという、こういう経過がありました。ところが、ここにきて赤字国債の発行も年々少なくなって、その一方で金余り時代を迎えて市場には有利な運用を求める資金がだぶってきているという、こういう環境変化があるわけであります。 こういう中で、いろいろシンジケート団と大蔵省の交渉などもありますが、銀行や証券会社などが自分たちの分け前をもっとふやせという要求、これに変わってきているのが最近の現象じゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○政府委員(足立和基君) 確かにここ十数年振り返ってみまして、国債をめぐる環境というのは大変に変化をしてきておる。これは先生御指摘のとおり、私どももそのように認識をいたしてございまして、昭和五十年代に特例債を発行するようになりましてから、毎年毎年多額の新規特例債を発行する、当時は大変国債の消化に苦労をいたしました。したがいまして、その後の借換債等もございまして、国債の発行総量というのがやはり毎年毎年ふえてきておる。それに対しまして、ごく最近でございますが、本委員会でも議論が出ましたとおり市場には玉不足というようなことが言われて、それの対策をどうするのかというようなお話が出るほどでございますので、かなりの大きな環境変化であろうと認識をいたしてございます。 それの原因というのはどういうところにあるかということで、これは幾つか考えられると思いますが、まず財政面からいたしますと、平成二年度の特例公債依存体質脱却ということから新規の財源債の発行というものを減らしてきておる。借換債はございますから、一概に非常に減っていくということではございませんが、少なくとも高原状態にはなってきて、かつてのように毎年毎年非常にふえていくというような状況ではないということがまず言えるかと思います。 一方、経済全体の状況といたしまして、金融緩和、企業の手元資金というものがかなり流動性を高めてございまして、それの投資先といたしましては国債というのが何といっても安全確実、信用力があるというようなことがあろうかと思います。 また、これに関連いたしまして、金融機関が国債に対しまして、窓販であるとかあるいはディーリングであるとかいうようなことを扱えるようになったというようなことも非常に大きく寄与しているかなと思います。 それからさらに、これは長年の努力でございますけれども、国債の市場というものを育てていくということから、国債の発行条件につきましても、市場実勢尊重ということをここ数年特に意を用いてまいりまして、したがって国債の流通市場というものが大変に整備拡大されてきた。こんなようなことが最近の国債の環境をめぐる変化の大きな原因になっているかなと考えております。
○近藤忠孝君 もう一つ、国債の保有者別比率が大分変わってきていると思います。その中で個人の保有の減少傾向があると思うのですね。そのおおよその実情と個人の保有が減っている原因、これはどう理解していますか。
○政府委員(足立和基君) 国債の個人保有状況でございまして、しばしばお尋ねがございますが、なかなか私どもも正確な数字を実はつかんでおりません。と申しますのは、先ほどもちょっと答弁ございましたが、個人の保有する国債というものはかなりの部分が実は本券、現物の形で持ってございまして、このような場合には無記名でございまして、本券が転々流通するというようなものでございますので、どうも正確な数字がわからないということでございます。なお、全然わからないということではなんでございますので、日銀の統計月報によりますと、個人が資産として保有しております国債というものは、昨年三月末で約十兆円ということに一応推計されてございますが、これは個人として個人が持っておるということでございますが、そのほかに実は投資信託、こういうものがかなり大量にございまして、投資信託等を通じまして個人が実質的に保有しておるというようなものがやはり九兆円程度見込まれる。これはある一つの推計でございますので、確定的なことは申し上げられませんが、そういうことを加味いたしますと、実質的な個人の保有国債残高というのは大体二十兆円程度ではないかと考えております。
○近藤忠孝君 減っている傾向だと思うのですが、その原因はどこにありますか。
○政府委員(足立和基君) 先ほど申しましたように、個人の実質的な所有状況の推移というのは必ずしも明確ではございませんが、おっしゃるとおり登録ベースで考えますと、個人の所有割合というのが最近減少傾向にございます。これの原因というものは、やはり最近の金融市場というものの推移を見てみますと、大量のいわば国債のディーリングということが行われておりまして、これがやはり機関投資家を中心に国債が保有されてきつつある。こういうような傾向が言えるかと思います一
○近藤忠孝君 こういう環境変化にあわせて従来の消化優先、結果的にそうなっているのですが、消化優先の国債管理政策は改めるべき点が出てきているのじゃないかと思うのですが、この点どうですか。
○政府委員(足立和基君) 国債管理政策の基本目標といたしましては、やはり国債の円滑確実な消化、そしてまた、できるだけ低いコストで消化するということであろうと思いまして、こういうような基本目標というのは今後とも変わることはないのではないかと考えております。 しかしながら、先ほど来申し上げましたように国債をめぐる環境というのが大変さま変わりに変わってきてございますので、かつての昭和五十年代の国債管理政策の一番の目標というのは、何と申しましても国債の安定消化ということの、先生のお言葉で消化優先ということがまず第一義的に考えられる。それに対しまして、最近ではむしろできるだけコストを低く考えるというようなことで重点の置き方の変化があろうかと思っておりまして、私ども平成元年度の国債発行計画の策定に当たりましても、例えば昭和五十年代に行いました国債の種類の多様化政策の見直しであるとか、あるいは短期国債の発行量の増加、こういったようなことを考えてございます。
○近藤忠孝君 こういう環境変化の中で、今年度はシンジケート団の要求に対して資金運用部引き受けを減らすなどの措置でシンジケート団の引き受け枠の確保を一応図ってこれたわけですね。今後心配されることは、シンジケート団の保有要求が強まりますと、それが政府の国債発行抑制という姿勢に影響が出てきて、再び拡大することになるのじゃないかということを心配するのです。 先ほど主計局次長の答弁で減少させるべきでないというのには賛成できない、こういう表現でしたよね。表現が持ち回った言い方でどうも弱いので、これはやっぱりそのときの情勢によっては賛成できないのが、だんだん傾いてきやしないかなということも心配するのですが、その点はどうですか。
○政府委員(篠沢恭助君) いわゆる玉不足の論議を理由にいたしまして、国債発行額を減少させるべきではないという考え方、これは私どもとして賛成しかねるということでございます。繰り返しになりますが、これからの財政は対応力を回復しておかないと大変な問題になるということでございます。そうであれば、やはり財政問題の一番の元凶でございます国債の総発行額を抑制していくことがぜひとも必要であるという姿勢に立って、今後の財政運営のあり方について検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 今の答弁はそれでいいと思うのですが、私はどうもその答弁が果たして一貫して守れるのかどうか、これをやっぱり心配するのです。というのは、これはもう長い十何年来の経過の中で、十年後には必ず全額償還しますとかいろいろ言っていたでしょう。それがもう一片の法律でがらっと変わっちゃって、平気で今やってはならぬことをずっとやっておるのですがね。そういう点で私はこれはやっぱり具体的根拠があると思うのですよ。 というのは、先ほどの次長の答弁で、国債の玉が少なくなっていくことはない、こういうことをおっしゃいましたね。だからそれはそういう要素があるというから大丈夫だという一面の論拠であるかもしれないけれども、問題とされるべきなのは金融資産の伸び、これは相当なもので最近特にふえていますね。それに対して国債発行残高の伸びは逆に少なくなっています。具体的数字を上げる時間的余裕もありませんけれども、これはもう明らかです。歴然としてその傾向はますます広がっていくのだと思います。そういう状況が一面ある。金融資産の伸びを国債発行残高の伸びが下回る、この事実。 それからもう一つは、大蔵省の中にはこういう考えはやっぱりあると思うのですよ。というのは、将来再び財政の出動の可能性がないとは言い切れない。そういう場合に健全な国債流通市場が存在すればスムーズに発行可能だから余り減らさぬでおこうや、そういう要素は私は働く可能性が十分にあるのだと思うのですが、それでも先ほどの次長の答弁大丈夫かどうか、大蔵大臣、どうでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 財政当局がやはり今のような状況のもとで借換債を含む残額を、できるだけ残高を少なくしたいということは、もう理論としては当然のことであろうと思うのです。一方、金融市場の話があります。問題は実行可能なものとしてどうなるか、こういう話でございます。残高を減らすにいたしましても、これは現金償還分をふやさなきゃならぬわけでございますし、それの財源はどこから出すか、これが問題なのでございます。ですから、主計局でも答えておりますように、やはり今のルールである限りは残高は少しふえている、現金償還分への新規発行分もふえておりますと、こういうことを言っておるわけですね。ですから、恐らく実際の問題としては、ふえる勢いをどれぐらい抑えることができるのかというところに、これは検討しないとわかりません。わかりませんが、ずっと聞いておりますとせいぜいその辺ぐらいまでいけるかどうか、こういう話だろうと思うのでございます。したがって、玉不足と言っても、やはり少しはふえるのだからそんなにひどいこともないだろう。片っ方は残高減らすといったって、そんなに財源が急に生めるわけでもないだろう。しかし、やはりこれは目標でございますし指針でございますので、しっかり勉強したいと思いますが、やはりそんな余裕はなかなかこれ難しいなと、さっきから近藤さんのお話聞いて私の頭の中にはこれは難しい話だなと、こう思っております。
○近藤忠孝君 世界一の国際金融市場としての東京と、これが世界一土地を高騰させた一番大きな状況ですしね、私はその要素はますます大きくなってくると思うのですね。となりますと、先ほど指摘した金融資産の伸びと国債発行残高の伸び、伸び率ですね、全然違ってくると今大蔵大臣が言ったようなのんびりしたことを言っておれない状況も出てくるのじゃないかと思うのですが、その辺についてどうですか、主計局は。
○政府委員(篠沢恭助君) 先生のお話でございますが、確かに金融資産の伸びというのは一般的には著しいものがあるわけでございます。しかし、これまでの過程を見ましても、やはりもう既に金融資産の著しい伸びというのにいわば国債という玉を、何というかやや迎合的にあわせてふやしていくというようなことは全く傾向として見られないわけでございます。全く別の観点、まさに所得の再配分でございますとか資源配分という、別途の国家経済の中での機能を持ちます財政というものが、まさにその機能そのものを発揮できるようにすることが第一義であるということのために、臨時特例的なものもございますけれども、基本的に総枠を思い切って抑制していくというような財政運営をしながら、国債発行自体も減らしてきたわけでございます。 もちろん、既に公社債発行流通市場で国債が大きなウエートを占めているということ、これは事実でございますから、そういう側面に対して国債がどういう機能を果たすべきかという点を、全く無視するつもりはございませんけれども、やはり物には考えの優先順位があろうかと思います。はるかに高い優先順位をやっぱり健全財政の運営というところに置いて進めるほかはない、そうすべきものだ、こう思っております。
○近藤忠孝君 国債発行残高を抑制していくということですが、今私が指摘したような心配があるのですね。私が心配したようなことが当たらないように、ひとつ大蔵省としては毅然とした態度をとってほしいと思います。 次に、国債整理基金の問題でありますが、この点では先ほど来NTTの株売買の問題がありました。仮にNTT株が予定どおり売却できたとしても、二年後の九一年で財源は枯渇してしまうわけですね。したがって、財源をどう手当てしていくのか、どうも今まで明確な方針がないのですが、明確な方針を今の段階でやっぱり示すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 国債の償還財源につきまして、当面NTTの株式の適切な売却に努めるということで、何とかその確保を図ってまいりたいということでございます。 それから、これはやはり会社の経営状況の問題がございますので、非常に慎重に検討を進めなければならないのでございますが、御承知の日本たばこ産業株式会社の株式売却問題も懸案としてあるわけでございます。 今後とも公債の円滑な償還を図っていけるように、最大限の努力と工夫を行ってまいりたいと思うわけでございます。 ただ、NTT等の株式売却収入、さしあたりちょっとどうであるかということは別として、いずれにしてもこれらの償還財源は無尽蔵というわけではございませんから、やはり国債の償還財源という問題に立ち返りますと、基本的には一般会計からの繰り入れによって確保していくことになる。これは当然でございます。まさに制度はそういうふうに本来あるわけでございます。ただ、これを具体的にどの段階でどういうふうに取り扱えるかということにつきまして、なお国債整理基金の状況等を踏まえて検討も進め、いずれにしても国債の償還に支障が生じないように適切に対処しなければならぬ、そういう覚悟でおるわけでございます。
○近藤忠孝君 国民の共通の財産の売却益を回すよりは、やはり原則どおり定率繰り入れの復活をすることが私は一番基本だし、またそれが一番正しいことだと思いますが、そういう明確な方針、これはそうすべきだと考えていると、こう理解してよろしいのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 特例公債依存体質脱却後の財政のあり方を考える中で、おっしゃいました定率繰り入れの取り扱い、もっとはっきり申せば復活というような問題については、重要な問題であるという認識は全く先生の御指摘と同じでございます。その点も含めて特例公債脱却後の財政運営のあり方について諸状況を踏まえて、それからいろいろ各方面の御意見出てまいるものと思っております。いろいろなことを参考にしながら、文字どおり鋭意勉強を進めたいと、こういう考えでおります。
○近藤忠孝君 次に、税制問題に入りますが、自然増収問題、これも午前中議論がありました。今の自然増収の特徴はどこにありましょうか。
○政府委員(尾崎護君) 六十一年度から自然増収が出ておりまして、歳入見積もりが的確にまいりませんでおわびを申し上げなくてはいけないことなのでございますけれども、その主たる原因といたしましては、いつも申し上げますように、実物経済とやや離れた、例えば土地の値段の高騰、株価の上昇、それから円、ただいまちょっと様相が変わってきておりますが、円高が非常にこの間進んだこと、それから金利が安かった、ぞれから石油もこの間安くなってきた。そういうことがございまして、特に六十一年度の自然増収にはそれが強くあらわれていたように思います。六十二年度からは、それに経済の地合いが非常によくなってまいりまして、その両方の要素が加わってきて、それが六十三年度に現在及んでいるということではないかと思いますが、若干ただいま申し上げました諸要素に変化も出てきておりまして、これから慎重に様子を見ていかなくてはいけないというように考えているところでございます。
○近藤忠孝君 要するに経済が好況で、これは主としてやはり大企業における史上空前の好決算を反映した法人税の増収、これが大きな特徴だと思いますね。となりますと、大臣、法人税減税の必要はなかったのじゃないか。 国際化の中で、余り法人税が高いと外国企業は逃げちゃうからというようなことが理由になっていたのですが、現にこうやって好決算で、法人税増収されておるのですね。大体必要なかったのじゃないか。そして、法人税の減税をあれほどしなければ、消費税導入しなくても十分な税収が得られたのじゃなかったのか。わずかの期間でこの事実は明確になっていると思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 計数的にはおっしゃることもわかるわけでございますけれども、実はそこが法人税の非常に問題であるところでございまして、景気がよいときにはぐっと税収がふえる、景気が悪くなるとどんと落ち込むというところがございます。我が国は非常に直接税に対する依存度が強く、中でもまた法人税に対する依存が高いというのが我が国の税制の一つの特色でございますが、それだけ景気の影響を受けやすく、財政収入として不安定になりがちでございます。むしろ間接税の度合いを上げまして、税収構造として景気に対して安定的なものにしていくということが一つの問題点として問われていたわけでございます。 それから、法人税の減税のお話でございますけれども、法人税の減税が本格化してまいりますのはことしからでございます。
○近藤忠孝君 次に、税収確保という問題と、それから特に消費税導入の段階で国税当局と納税者の関係というのは私極めて大事だと思います。そういう点で、税務行政の問題について質問をしたいと思います。 国税庁長官に来てもらって、国税庁の長としての見解をただそうと思ったのですが、どうも次長しか来ていない。あれですか、今まで私は特に次長で質問をしてきたのですが、国税庁長官に質問したいと、特に質問も限定して、そして具体的に要請をしたのです。国税庁長官は政府委員ですからね。政府委員というのは、国会で出席を要望した場合には出てくるのが当然なんです。 じゃ、なぜ出てこないのか、ひとつ聞いてみましょう。
○政府委員(伊藤博行君) 国税庁の次長の職務を申し上げることに相なろうかと思いますけれども、次長の仕事といたしましては、国税庁の事務全般につきまして関与するというふうにされております。したがいまして、このような立場から、従来からも国会で御答弁させていただいておる次第でございます。今回の御質問につきましても私から答弁させていただくことをお許しいただきたいということでお願い申し上げた次第でございます。
○近藤忠孝君 だから、普通の場合はそれでいいんですよ、それでやってきたのだから。そういう意味じゃ、主計局も次長で、本当は主計局長に出てほしい場合もこれあり、まあとばっちりが行って申しわけないけど、こっちがそういう状況だからね。 しかし、こちらが特に、私がきょう質問したいと思っているのは国税庁全体の組織の運営が憲法に合致してやられているかどうか、こういう問題で長官に聞くのです。次長の職務を言ったけれども、次長というのは長を助けるのでしょう。これがむしろ主要な仕事ですよ。先ほど、直接じゃないけれども、自民党の理事さんからの話によりますと、長官というのはしょっちゅう来るわけにいかないと。何しろ長で、全国の税務署あっちこっち行かなきゃいかぬので忙しいのだというのですよ。忙しいのはわかるから、大方は出てきてもらってなくていいのですが、特に要望した場合に、きょういるんでしょう。それと衆参大蔵委員会開かれるのはそんなしょっちゅうじゃないですよ。そのときに、国会が要望した場合には、税務署へ出向くのも結構だけれども、まず国権の最高機関である国会へ出てきて答弁をするのが当然だと思うのですね。そういうために次長がおるのです、そういうときのために次長がおるので……(「理事会の話だよ」と呼ぶ者あり)いや、理事会で片づかなかったからここでやっているのですよ。だから、むしろそういう場合には出るべきだ。 もう一つ言いましょう。衆議院の大蔵委員会に出ていたのですよ、長官が。これは参議院軽視も甚だしいですわ。ついこの間中曽根氏の証人喚問を衆議院だけで参議院に出てこなかった。これはもう参議院軽視も甚だしいというので予算委員会の理事会じゃ大騒ぎになったのですよ、与野党あわせて。これもとばっちりかぶつちゃったけど。そんなもので、これは参議院軽視の問題なんです。 それで、あんな答弁しかないけれども、委員長、これ理事会で真剣にかつ参議院の権威をかけてひとつ協議してほしいと思いますが、どうでしょうか。
○委員長(梶原清君) 近藤君要求の件につきましては、後刻理事会で協議をすることとし、質問を続けていただきたいと存じます。
○近藤忠孝君 極めて不満の中で質問しますので中身は多少きつくなるかもしれない。 今、納税者の中にある心配の一つは、消費税導入によって税務署が相当態度がきつくなりはしないか。そういう中で人権無視あるいは思想、信条による差別が出てくるのではないかという心配が現に起きています。これは、この間吉井君が具体的に金沢の件で指摘をしたところですが、そういうことはないと断言できますか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもは従来から適正な課税の実現ということで行政をさしていただいております。この点は消費税が導入された後におきましても全く変わらない大原則でございます。
○近藤忠孝君 私は、現場で税務署員がそのような態度で臨むためには、税務署の職員自身の人権が守られ、そしてその人々自身が思想信条によって差別をされたり不利益扱いを受けてない、こういう職場環境が確立されて初めてこれは可能だと思うのです。自分の人権が侵害され、その職場ではそういうめちゃくちゃなことが行われておって、外へ出てそんな公正にできるはずはないと思うのです。国税の職場において、国税職員の思想調査をしたり、あるいは思想信条を理由に差別をするようなことは私は許されないと思うけれどもどうですか。
○政府委員(伊藤博行君) 税務職員は税法を適正に執行しながら、国家財政の基盤である租税収入の円滑な確保に当たるという仕事に従事しておるわけでございます。このようなことから、私どもといたしましては、すべての職員が税務の職場で希望と誇りを持って働けるような、そういった環境になるよう最大限の努力をしておるところでございまして、お話しのような思想信条によって職員を差別するというような考えは持っておりません。
○近藤忠孝君 しかし、これは具体的に三月二十三日の衆議院大蔵委員会で我が党の正森議員が具体的に内部資料を示して、国税庁が国税職員に対して思想調査を行った。大体符号をつけまして、例えばBは全国税、Tは日本共産党員と思われる者、Mは民青同盟と思われる者、Sはシンパ等々、それをずつとつけているわけですから、そうでない者ということもあるわけですからね。そうすると、それは全職員に対してそういう調査をしなければこれはわかってこないのですよ。そういうことをやっているということを具体的に示す資料を示しまして質問いたしました。それに対して、これは全国国税局総二担当官研修会議の席でそういうことが行われた。そこには出張旅費も出され宿泊費なども全部公費で招集され、しかも国税庁第二会議室で開かれたということもこれは認めたのです。ただ、示した具体的内容についてはわからない。しかし、この会議録があるはずですね、会議録。 それで、質問いたしますが一国税庁の訓令というのがあります。この訓令によると会議及び研修関係書類の保存期間は何年ですか。
○政府委員(伊藤博行君) 衆議院の大蔵委員会で先生御指摘のような御質問があったのは仰せのとおりでございます。ただ、その際にも御答弁申し上げたかと思いますけれども、いわゆる会議という格好で仰せのようなものを催したことはないというふうにお答え申し上げたかと思います。 ただ、一般的にその際にも御答弁申し上げたかと思いますが、人事異動、定期異動が終わりました後には適宜それぞれのセクションごとにいろいろ研修等をやっております。そういったものはあったかと思いますけれども、仰せのような会議という格好のものはやっておらないというふうに承知いたしております。
○近藤忠孝君 会議でなけりゃ何なんです。現に出張旅費が出、宿泊費が出、そして国税庁の第二会議室にそのメンバーが集まっています。ここまで否定するのですか。
○政府委員(伊藤博行君) ただいま申し上げましたように、それぞれ新しくメンバーがかわりました場合、いろんな分野がございます。それぞれの分野で随時いろんな形で研修等は行っております、そういう意味でどの分野この分野というふうには申し上げませんけれども、いろんな形の研修が行われているということを申し上げたかと思います。
○近藤忠孝君 いろんな研修の一つとして、例えば職員の動静にかかわる問題ね、各地で、例えば全国税の組合員が消費税反対の、これは個人として、主権者として行動をする、そういった問題についても一々それを調査対象にしたり報告対象にしている。現に明らかに指摘されておりますが、これは近畿の、大阪の例ですね、そういう動きがある。講演や説明などで動いている。それに対しては公安情報、組合内部情報による把握のため対応はできないという指摘があります。 それから、職員が勤務時間外に売上税反対の集会に出席し講師活動を行っても国公法には抵触しないと言いながら、そういう動きの動静はしっかりつかんでおって、司法機関から入手した資料を職員に直接示し、集会に出席とりやめを説得することは私は問題があると思います。だけれども、しかし問題なのは司法機関から入手した資料があるということ。まだたくさんありますが、あと一、二だけ紹介しますと、その動向は私用電話からわかったわけです。この対応状況については、私用電話を当局が盗聴しているという反論が予想されたため、それまでの対応は見合わせた。見合わせたのはいいのだけれども、私用電話を当局が盗聴しておったというこういう事実。こういった事実はもう既に指摘されておりますね。こういう事実はあったでしょう、どうですか。
○政府委員(伊藤博行君) お話の中の幾つかは組合等からの主張の中に入っております。ただ、私どもが調査した限りでは確認できておらないということでお答え申し上げたかと思います。 一般的に職員団体の正当な活動に対しての私どもの態度と申しましょうか、スタンスを申し上げてみたいと思いますけれども、当局といたしましては、職員団体の正当な活動に対して制限を加えたり、あるいは監視をしたりする意図は全く持っておりません。ただ、違法な活動がありました場合には、これは毅然たる態度で対応することは当然でございますが、いずれにいたしましても、当局といたしましてはそのようなことのないよう、職員団体の良識ある行動を期待しておるということで常々それぞれに対処しておるつもりでございます。
○近藤忠孝君 そういう公式の発言が現場で行われていないという証拠がここにあるのです。これはもう何度も示されているのです。衆議院でも示された、また組合からも示されていますね。もしそれがうそだったら当然それに対して反論してしかるべきだし、あるいはそれなりの措置がとれるはずでしょう。全然とれていない。今までのところの対応を見てみると、会議の記録がない、あるいは記録は探しているが見当たらない。しかし、保存期間があるものでしょう。保存期間あるのだから当然あるのですよ。ただ、都合が悪いから見つからないことになっているだけの話、そうじゃないですか。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほど冒頭に申し上げましたように、正式の会議の場合には会議通達等を出して開催するというのが一般でございます。 ただ、それとは違いまして、それぞれの部署ごとに随時行う研修といったものにつきましてはいわゆる正式な会議とは違っておりますので、そういった保存義務等々の点は、若干結果的には先生おっしゃるようにルーズだという議論があるかもしれませんけれども、私どもの行っております一般的な研修、そういったものの部類に属するようなものについては必ずしも通常の保存期間等々の議論には当てはまらないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 衆参で具体的に文書も示し、また具体的に指摘しても何の反論もない。今のような答弁を繰り返すということはやっぱり事実を認めたものと言わざるを得ません。 ちょっと話を変えますが、国税の職員の年齢別の、三十八歳以上でいいですが、大体三十八歳以上でポストにつくわけですね。ポストの在職の数を報告してください。
○政府委員(伊藤博行君) 国税局の課長補佐、主査、税務署の統括官等々のクラスといいましょうか、ポストに在職しておるのを俗にポストと言っておりますけれども、その在職者の職員数は、三十八から三十九が三百二十四人、それから四十から四十四が三千五百二十二名、四十五から四十九歳、これが千六百十名、五十から五十四歳が二千百三十四名、五十五から五十九、三千六百七十三名、合計一万一千二百六十三でございます。それに該当する在職人員トータルが約一万七千七百人でございます。この数字は六十三年八月一日現在の年齢でやっております。それから局署の事務職員の男女合計という範囲でとっております。
○近藤忠孝君 そんなに数は違わないかもしれませんが、これは八八年八月一日現在での比率を見てみますと、今数で言ったけれども、比率で見ると、三十八歳でこういうポストについている者は一・五%、三十九歳が一九・三%、四十歳が四八・七%、四十一歳、六八・四%、四十二から四十九歳、八三・二%、五十歳以上八七・三%、そして三十九歳以上の計が全体の中で七四・四%、そういう数字になると思いますが、どうですか。
○政府委員(伊藤博行君) どういう数字でお述べになりましたか、概数近いようでもありますけれども、トータルのところ、計のところで今申し上げましたので私どもの数字で見ますと一万七千七百人、うちポスト在職人員一万一千二百六十三、その比率六三・六ですので、ちょっと数字が違っておるように思います。
○近藤忠孝君 近いはずなんです。さっき申し上げたこの資料の中に、年齢別ポスト在職状況、東京からずっと各局ごとに書いてあって、今言った三十八歳一・五%、ずっと今私が述べたような数が、さっき言ったその会議に配付された資料の中にあるんだから。だから、これはもう近いはずなんです。私が今言ったのはそこからとったんだから。実際存在するでしょう、こういう資料。どうです、これ、わかるでしょう。
○政府委員(伊藤博行君) 仰せの資料はちょっと確認できておりませんが、私どもが持っております数字は先ほど申し上げた数字で、先生のおっしゃった数字とはちょっと違っておるように思います。
○近藤忠孝君 ちょっと違っておるけれども、余り変わらない。ですから、多少の時期の問題とか、それからあなたの方は何歳から何歳と言ったのと、私は何歳と限定したのとそういう違いがありますし、これ見ますと、図表入りで年齢別ポスト、在職状況、ちゃんと書いてあって、かなりこれわかりやすいいい資料です。さっきの資料の中にあったのだから間違いないんだ、これね。まだしらを切るというところに、私は、やってはならないことをやっていることの一番の原因があると思うのです。 そこで、今のは全体のパーセントが出てきましたが、それでは全国税組合の所属あるいは政党、思想、信条等を理由に差別をしていないとおっしゃいますが、実際、これ今言った中で、じゃこのポストに全国税の組合員で在職しているのはどれほどかと申しますと、三十八歳から四十九歳までは〇%、そして五十一歳以上で一六・九%、五十歳以上になったら全体では八七・三%あるのね。全国税はわずか一六・九%。そして三十九歳以上の計が七四・四%、全体では。しかし、全国税の組合員の場合にはわずか四・八%、こういう状況になるのです。これも大体、およそ間違いないでしょう。
○政府委員(伊藤博行君) 先生のは若干の前提で物を言っておられるように思います。私ども大事に当たりましては、公務の要請に基づきましてやはり適材適所の原則に立ってやっております。全体の一人一人の職員の適正あるいは能力あるいは勤務実績等を総合勘案いたしまして適切な人事を行う、最もふさわしい人を最もふさわしいポストにということでやっております。 なお、お話しのように所属する組合がどこか、あるいは組合に入っているのか入っていないのかというようなことで人事を行うということはやっておりません。
○近藤忠孝君 それは公式的な答弁であって、実際上はこれは長い長い歴史があって、もうこれはしばしばそういう要求が現実になされ、そして国会でも取り上げられてきた問題です。要するに昇任、昇格、特別昇給、これすべて同期同年採用者と全然別に扱われてきた。やっぱり同期同年採用者は同率に扱うべきだと私は思いますね。それは約束できるでしょう。
○政府委員(伊藤博行君) これはやはりどんな組織でも同様かと思いますけれども、やっぱり適材適所というのが大原則だと思います。それぞれの人の適正あるいは能力、勤務成績、そういったのを一人一人についてよく十分検討し、最も適切なポストにつけるということで、たまたま年齢が同じであるから一律にというような議論は、やはり人事としては適当ではないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 しかし、先ほど申し上げたとおり四十九歳まではゼロで、そして五十歳以上になって全体では八七・三%もポストについているのに、わずか一六・九%、もう歴然としている。そしてその結果は、適材適所とおっしゃるけれども、先ほどの私の質問の中で客観的な存在であることはあの表で明らかですわね。こういうものでずっと査定をしてきた。査定の原因は組合への所属の有無、あるいは政党への所属、現にこの中には政党への所属も全部調べていますからね。しかも、それは公安調査庁の情報であったり、その他の警察の情報であったり、大体公安調査庁の職員が来て講師やっているのじゃないですか。これこの間衆議院の方で聞かれたら、公安調査庁の方は、いやそれは要請を受けたのでそれで行きました。公安調査庁の職員がこんなところへ来て講師やる、そんなことは国税庁としては認めているのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私ども、いろんなところでいろんな研修がありますので、あらゆるものを熟知しているわけじゃございませんけれども、一般的に他の官庁の方に研修などの際の講師になっていただくということもあり得る話かと思います。例えば総務課の場合でございますならば外部団体等と接触する機会が多うございますので、そういった観点で他省庁あるいは他官庁の方を講師に頼んだという場合もあるいはあり得るかと思います。
○近藤忠孝君 大体公安調査庁の職員を呼んで何を聞くのですか。公安調査庁というのはこの間予算委員会でも問題になったけれども、要するに共産党を調査対象にしている、大体あんなの不用不急の官庁だね。予算のむだですよね。ずっと調べてきたけれども共産党が対象になることもいまだに見つからない。そんな団体、そんな官庁呼んで何講演を受けるのです。講演受けたことは間違いないでしょう。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほど冒頭に申し上げましたように、研修資料、先生の方でおっしゃっておられます研修会議、いわゆる会議というものは、私どもはやっておらないというふうに思っておりますけれども、一般的な随時の研修、これはあるいはあったかと思います。そういった研修でございますので、それぞれの研修にはその都度その都度適宜の資料を用いるというようなことがございまして必ずしも残されていない、そういったようなことから資料は確認できてないということを申し上げたかと思います。そういった意味で、仮に他官庁の方に講師に来ていただいたといたしましても、どういうお話をされたか、ちょっとその辺の記録等はございません。
○近藤忠孝君 私が聞いているのは、国税庁の仕事に公安調査庁が職務上知ってそれで一定の知識や経験を持っている、そんなものはどの面で必要なのか。何も国税庁、要するに税金を取る仕事にどうして公安調査庁が関係あるのですか。職員の質その他を調査するにはそれは必要なのかもしれない。税金の徴収と公安調査庁とどう関係あるのか言ってください。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもの職員はいろんな形で社会人としての研修といいましょうか、知識、教養を常時職場研修その他あらゆる形で身につけるべく努力しております。場合によっては芸能関係あるいは文化人の方の講師に来ていただいて一般教養を行うこともありますし、それから社会学の先生に来ていただいて社会学の勉強をすることもございます。その他いろんなことがございます。そういった勉強が場合によっては学者である場合もあり、場合によっては他の官庁の役人であるという場合もございます。そういう意味でどの官庁の人は講師たり得ないとか、どの官庁でなきゃだめだとかそういうような一般的な原則は私どもとしては持っておりません。
○近藤忠孝君 芸能関係者呼ぶの結構ですよ、納税者にもおるのだから芸能関係者ね。それから一般的な社会常識も当然です。ただ、公安調査庁というのは、今も言ったとおり特異な目的しか持っていない、要するに私が所属している共産党を調査して回って何も成果上がらないそんな官庁なんです。そんなところから何を聞くかというのですよ。時間も来たのでこの程度にしておきますがね。 私は今のやりとりの中で、認めちゃったらばそれこそ大変だから認められなかったと思うのですけれども、ただ、今のやりとりの端々にこの資料の存在はたった今歴然としておると思うし、現実に先ほどのポスト、在職状況を見ましても明らかな差別があるので、そういったことをやめることが正しい税務行政ができると思うのです。 最後に大蔵大臣に答弁聞こうと思ったけれども、よろしいですか。厳正な税務行政を、今言ったようなこんなことを抑えて、やらないでひとつやっていただきたいと思うのですが、長官がいないのでひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 思想とかそういう信条とかのあれで区別しているということはちょっと考えられません。
○栗林卓司君 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案提案理由説明、これを拝見しまして感ずるところがあるものですからそれをお尋ねして大臣の御見解を伺いたいと思います。 説明の真ん中のところに「しかしながら、平成元年度におきましては、なお財源が不足するため、」、この「なお」というのは、努力をしたけれどもなおという意味でありまして、「財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、」云々と書いてある。「なお財源が不足するため、」とあるのでしたら、その次に続くのは、したがって歳出を思い切って削減しというのが普通の日本語であります。ところが、ごく当たり前であるかのように「特例公債の発行を行う」などと、こう書いてあるのですが、私はずっと昔を振り返りながら思うのですが、財政法というのは財政の大原則でありますから、それに対して踏みにじるような特例債を発行するという法律案をお願いするというのはまことにこれはもう申しわけないという財政当局の気持ちがにじんでおったと思うのです。財政当局としての恥ずかしさとか遠慮とかというものが毎年の財確法の提案理由説明では毎回のようににじんでおって、しようがない緊急避難だなと思いながらも、何としてもこの苦境から脱しなきゃいかぬというお話を承りながら、その年度年度の法案を処理してまいったわけでありますけれども、 〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕 どうも今回これを見ますと、特例債の発行というのがもう当たり前になっちゃった。何か財政法を踏み出すことももう敏感に感じないようなマンネリになっているのじゃないか、そんな気もしたりするのですが、その点お感じになる点ございませんか。
○政府委員(篠沢恭助君) 大臣お答えになられます前に、この提案理由説明の構成につきまして御説明をお許しいただきたいと思いますが、若干舌足らずのところがあるかと思いますが、私どもといたしましては、ただいま先生が御指摘になられました五、六行ほど前のところで、やはり平成元年度予算編成においては、「緩むことなく歳出の徹底した見直し、合理化に取り組んだところであります。」ということを述べたわけでございます。それをちょっと途中に文章が入るわけでございますが、そこを受けて、なお財源が不足しているので特例公債をお許しいただきたい、こういう意思表示をしたつもりでございます。先生がおっしゃられましたような特例公債の発行は当然であるというような、もう惰性的になった考えは毛頭持っておらないところでございますので、御理解を賜りたいと思います。 〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕
○国務大臣(村山達雄君) 特例公債の発行につきましては、今次長からお話がありましたが、我々も非常に心配いたしまして、これはもう五十一年度からずっと続いているわけでございます。しかもその脱却年次を延ばした。本当にしばしば皆様に申しわけない次第だと思っているわけでございます。今日約十年近く続けてようやく新規発行からだけ脱却できるかなと思っておりますが、しかし平成二年度においてもよほどのことをしなければやはりできないであろう、こう思って、脱却そのものがまだ非常な努力を要すると認識いたしているのでございます。どうかひとつ我々の気持ちはそこにありますので、栗林委員からもひとつその点御理解賜りたいと思います。
○栗林卓司君 私は、特例債というものに絶対になれてしまってはいかぬということを申し上げたかっただけでありまして、そのお気持ちは大臣も全く同じだろうと私は思うのです。ところが、さらに一行隣を見ますと、「国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない」云々とあるのですが、定率繰り入れも本当は国債管理政策の基本原則なんですね。基本原則がそのときどきの状況によってぐらぐら動くというのは、これは国民としてみるとまことに不安定になるわけでありまして、したがって動かすのであれば、将来こうするということをはっきりそこで言わなきゃいけない。全部棒をのんだみたいに、原則立てたら変えちゃいかぬということを言うつもりはありませんよ。変える場合には、しかし将来こうしますということをあわせて言わないといかぬのではないか、私そう思うのです。 そこで、国債費の定率繰り入れについても、これを変える、停止をする、ずっとしてまいりました。では、国債管理政策というのは、これからどういった形で構築されるのか。全部株券売つちまって、後で埋めていくということにするのか。そんなむちゃなことは私はあるまいと思いますし、これからどうなさるのか、まずこの点をお尋ねして次の質問に移りたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) 現在の国債の償還制度というものにつきましては、私ども基本的にこれは極めて重要な制度である、これが財政の健全性担保の一つの重要な柱であると考えております。 そこで、この償還財源である定率の繰り入れ、これにつきましては昭和五十七年以来八年度にわたりまして停止させていただいておりますが、その間におきましても、国債の償還については、近年ではNTT株式売却収入の支援を受けつつ何とかこれを維持をしてきたわけでございます。 償還財源につきましては、今先生御指摘のとおりでございまして、NTTなどの株式売却収入がなくなりました後のことは重々考えなければなりません。基本的には一般会計からの繰り入れによって確保していくというのが当然のことになるわけでございますが、具体的にいつどのような形でどのようにこれを取り扱っていくかということにつきましては、なおこれから国債整理基金の将来状況等を考えまして、国債の償還に支障が生じないように対処するにはどうするかということで十分な検討を行わしていただきたい、このように考えておるところでございます。
○栗林卓司君 十分な検討を行われまして、早期にあるべき国債管理政策の基本を確立をされることが必要なのではあるまいかとこの際申し上げさせていただきます。 この定率繰り入れの停止につきましても、特例債を発行してまで定率繰り入れをするわけにいかぬじゃないかと言われまして、なるほどそれはもっともだなということで残念ながら承服したのでありますが、幸いにこれは政府、財政当局の御努力もあってと言わなければなりませんけれども、平成二年度で特例債依存体質から脱却ができるような見通しもできるように相なりました。 そこで、問題はこれで当面財政改革が終局かといいますと、書いてございますように、これからなお、経済が好調な現在ほど財政改革を進めなきゃいかぬと書いてございますが、私も全く同感なんです。そのときに目標をどう立てるかということは非常に重要な気がいたします。平成二年度に特例債の依存体質脱却という目標を、昭和五十九年特例債依存体質脱却から始まりましてずっとやってきた経緯というのは、あの目標を高々と掲げてやってまいったわけですね。平成二年度になりますと、どうやら特例債を出さぬで済むようになった。そうなると、じゃ定率繰り入ればどうなるのかねという議論は当然出てくるから、これをどうするか早く決めなきゃいかぬ。しかもまた努力がここでとまるのかといえばそうじゃない、といいますと、では一体次に何をやるのか。次に具体的な目標になるのは一体何なんだろうか。 特例債を出さずに済むということは、これは非常にわかりやすいわけです。それは二年度になって出さなくて済んだけれども、次の目標は何か。これはだれしも思うのは、巨額に上っている国債発行残高をどう減らしていくかということだと思うのです。では、目標としてどういう目標をそこに打ち立てるか、これ自体も慎重な検討が必要であることは言うまでもございません。特例公債依存体質からの脱却そのものが大蔵省だけで決めたことではなくて、いろんな審議会なりそういった意見を参考にしながら、中期計画なり時には内閣総理大臣の所信表明の中で明示をされるなどいろんなことをやってまいったわけですね。同じようにして特例公債依存体質脱却が一応平成二年度にできたとしますと、次の目標は同じように審議会に諮り、閣議に諮り、そういうことをしながら新しい旗をどんと立てなきゃいけない、そんなものだと思うのです。そうすると、これも慎重な対処もさることながら急がなければいけない、こう思うのですがいかがでありましょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 脱却後の新しい財政の対応力回復のための指針をつくるということは極めて大事だろうと思います。 各国の予算制度をずっと見ておりますと、やはり日本とドイツがそうでございますけれども、財源補てん債としての国債と、それから資金繰り債としての国債というものをはっきり区分しているわけでございます。その上に、日本はそれを実効あらしめるために減債制度を設けております。そして減債制度の基本は私は定率繰り入れであると、こう思っております。それを補うものとして剰余金繰り入れあり、あるいは予算繰り入れがあるわけでございます。この担保があればこそ、やはり国債についてこれが永久国債になるということはないのだということで、信認の基礎はまさにそこにあると考えているのでございます。 それが定率繰り入れを、NTTがあるとはいえ、またほかになかなか努力してもできないとはいいながら、定率繰り入れを五十七年からずっと休んでおった。そのときは幸いにして特別会計の資金繰りのやりくりがついたわけでございます。今度、いずれ平成四年度からはどのように考えてみてもかわるべき財源がなくなることは当然でございます。そうなると、やはり減債制度の基本をなす定率繰り入れというものを確実なものにしていかなければならぬと思っているわけでございまして、そのときに、しかも目標としては国債残高が減るような形でできるかできないか、ここが勝負になるのだろうと思うのでございます。 そういう目標を、一つの困難な問題を我々は意識しているわけでございますが、そういった問題意識を踏まえながら、これから真剣に検討せにやならぬ、こう思っているわけでございまして、既に各委員から非常にきついおしかりをいただいておりますが、我々は我々に対する激励の言葉だと、こう受け取りまして、本当に真剣にこの問題に対処してまいりたい、かように考えているところでございます。
○栗林卓司君 この問題、財政の対応力という面で見てまいりますと二つに分かれる点もあると思うのですね。一つは残高そのものをどう減らすかということとあわせて、残高の利回りをどうやって減らしていくか。国債費の計上額が減ってくるわけでありますから、利回りをどう減らすかという問題も付随してあるわけですね。 そこでお尋ねしたいのは、これはだれしも思いつくのですが、今の公定歩合を初め市中の金利に比べまして、既発債を含めた国債の平均利回りというのは非常に高いわけです。高い時代に発行した既発債が入っておりますから当然そうなるのですけれども、そうすると高いころ発行した既発債を償還をして、今の比較的安い金利の国債に置きかえていけば、まあ腰だめの議論でありますけれども、一%、二%国債の平均利回りも減るのではないか。そうすると、相当巨額の国債費の低減につながるのではあるまいか。こう考えまして、いつも質問はここで終わりまして、以前大蔵大臣は、私も考えましたと、そこで考えてみると、指示をしてみたのだけれども、いやなかなか難しいのでそうもいかないという御返事をいただいたのですが、とはいえ、やはりこれはあきらめてしまうわけにいきませんので、いつも頭の中でテーマは転がっているわけであります。したがって、端的に申し上げまして、市中の金利で国債発行をして資金を調達をして、それで現金償還をしていくという形で既発債を整理するということは、これは理屈からいってあり得ないことではないわけですね。ところが、シ団との関係でこのやり方が認められるかというと、困ったときにはあんなことを頼んでおいて、今ごろそれを裏返した態度をとるとはどういうことだということになるのでしょうけれども、それはできませんけれども、しかしシ団との関係もああいう特殊日本的な関係を維持していくことが国債管理という面で果たしていいのだろうか。加えて、国際摩擦という点で見ましても、シ団に国債を引き受けさせるああいうやり方というのは海外から見て非常に奇異に映るわけでありまして、あんなやり方ではだめだという不満も聞こえてまいるわけであります。そこで、シ団との関係を抜本的に再検討をなさいまして、そこで国債の利回りが平均的に下がるような道筋をつけるというのも、私あわせて必要ではないかと思うのですが、この点はいかがお考えでございましょうか。
○政府委員(足立和基君) 先生御指摘のように、過去におきましてかなり金利の高い時期に発行いたしました国債は現在でもそのまま残ってございますので、現在元年度末で百六十二兆になろうとしておりますが、六十三年度末で利付債の合計額が約百五十二兆ぐらいございます。それの平均利率は六・三%ぐらいになってございます。一番新しい国債のクーポンは四・九%で発行してございますから、かなり金利の格差というものはあるわけでございまして、これを低利で、高クーポンの国債を現在の金利で借りかえることができれば財政負担もかなり減少する、こういう御指摘はしばしばいただくわけでございます。 そこで、ただ問題は、このような金利が総体的に低い場面におきましては、期限未到来の、過去において高金利で発行いたしております国債というものは、今現在流通市場におきまして額面を上回る価格で取引されてございますので、これを一方的に新規の国債を発行いたしまして現金を調達して、それで繰り上げ償還しようといたしますと、流通市場で百何円というようなものを百円で償還することになりますので、国債保有者に対して不測の損害を与えるということになります。これは、先生今シ団とおっしゃいましたが、シ団は確かに国債の安定償還、ラストリゾートと申しますか、最後の引受者といたしまして残額引受責任がございますが、現実には、先ほど来申し上げておりますように、国債というものは転々流通いたしてございまして、金融法人であるとか、あるいは個人も、先ほど御指摘がございましたように若干最近額が減る傾向にはございますが、いろいろ法人、個人を通じて、要するに日本国民が広く国債を保有しておるわけでございます。そういうようなことを考えますと、現実には国債の繰り上げ償還というものは法律上あるいは国債の券面にも繰り上げ償還がし得ると書いてございますから、制度上可能でございますが、現実に流通市場で価格が高くついておるものを額面で償還いたすということになりますと、国債市場というのは実は流通市場はめちゃめちゃになってしまう、これから国債を発行するということが非常に難しくなってくる、こういうような事情がございます。 それでは、実際に流通市場においてある程度の高い価格であれば、それで買い入れ償却をしたらどうだ、こういう議論が次にございます。この場合にも、これは国債整理基金の特会法におきまして計算上の利益があったら買い入れ償却してもよろしい、こういうことになってございますが、現実に流通市場の価格でもって買い入れ償却をいたしますと、計算をいろいろいたしてみておるわけでございますが、必ずしも財政負担の軽減にはつながらない、やはり高い価格で国債を買い入れ償却するということになりますと、むしろ財政負担がふえてしまう、こういうような問題を抱えてございまして、残念ながら私ども繰り上げ償還あるいは買い入れ償却というようなことができないのではないかと考えておるわけでございます。 最近では先進国におきましても、すべて繰り上げ償還条項というのは実はつかない、そうでないと市場が育成されないという問題がございます。それからなお、シ団の抜本的見直しをしたらどうだ、こういう御指摘がございまして、これについても最近、今年度の四月初めから国債の中心物でございます十年物につきまして四〇%の一部競争入札制度というのを導入したところでございまして、できるだけ市場実勢を尊重しつつ市場の透明性、公平性というようなものを確保したいと考えてございますが、これはどこの国でも国債の安定消化という最後のラストリゾートみたいなものを持っていない国は実はないわけでございまして、我が国におきましてはそれがシ団制度である、こういうことを考えてございますので、最近におきましては、国債の償還について本当に懸念がないような状況でございますけれども、やはりシ団制度そのものは維持していきたい、このように考えております。
○栗林卓司君 御説明は伺いました。問題の発端というのは例の歳入欠陥でありまして、突き詰めて言いますと、建設国債も含めて公債をなるべく発行しなくて済むような財政を構築する方が先決であることには間違いはございません。 そこで、財政法の規定まで無視するに至ったあの歳入欠陥が提起した問題というのは、歳入歳出両面の構造の抜本的な見直しということだったと思うのです。そこで、歳入歳出両面について御努力はなさってきたと思いますが、現状はどの程度の段階にあるとお考えになっておられるか。 まず歳入について伺いますが、一応シャウプ税制改革以来の抜本的税制改革として消費税が導入されました。これはそのためであるとは正面切っておっしゃいませんけれども、実際には今回の財源確保の法律に係る問題点に触れた歳入構造の抜本改革に触れる問題でもあったわけです。ところが、あれで問題が終わったわけではなくて、所得把握の不公平はではどうやって解消するか、資産課税をどうするか等、依然として問題が多数残っておると思いますし、しかも、消費税そのものもたびたび御案内のように、もう見直し予告つきでありますから、これもまた目下進行中の姿でしかありません。こうひつくるめて見ると、歳入構造の抜本的見直しというのは、まさに途上にあると思うのです。とすると、これはよほど急がなければいけないということになるのか、この点についての御所見を伺います。
○政府委員(尾崎護君) 今回の税制改革の一つの目的といたしまして、歳入構造の安定化ということがございますのは委員御指摘のとおりでございます。これからの高齢化社会を控えまして、福祉に対する財源というものが非常に重みを増してまいりますときに、歳入構造が安定している、安定的に福祉財源を調達できる、これは非常に大切なことであろうと思います。 先ほども御質問ございましたように、法人税のようなものに非常に多くを依存しているということは、実は景気の状況によりまして非常に歳入が振れる、税収が振れます。そのために税収の欠陥を生じたりしたことも過去にあるわけでございますし、今日のように思いもかけないような高い自然増収が発生するというようなことも起こるわけでございます。税収が多いのは結構なことではございますけれども、しかし構造として考えますとこういう振れる構造というのは余りよくない、先生御指摘のように、歳入構造の安定化ということはいつも税制の問題を考えますときに頭に置いておかなくてはいけない問題であろうというように私たちも心得ております。
○栗林卓司君 関連してお尋ねをいたしますが、財政見通しを立てる場合には歳入見積もりを頭の中で暗算するわけでありますが、その際名目成長率掛ける税収の弾性値で考えるわけでありますが、その弾性値はどのように現在変化をし、また将来すると見通されておいでになるか伺いたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 弾性値の問題、実は昭和六十一年度、六十二年度と大変高い弾性値を示しました。六十一年度が二・一五、六十二年度が三・二〇という数値になっております。六十三年度もまだわかりませんが、私ども通常弾性値の相場と考えております一・一に比べますと高い数値になるのではないかというように思います。六十一年度の二・一五というのは、実は弾性値が二を超えましたのは、六十一年度の前は三十一年度に一つあるだけでございまして、いわば三十年ぶりに起きたという異変でございました。しかるがゆえに、私たちはこの二・一五というような弾性値が続くことはないと実は思いましたら、その翌年度に三・二〇というようなことになりたわけでございます。しかしながら、やはり過去十年ほどをとりまして、そして極端な上と下を切ってみるというようなことをいたしますと、今でもやはり大体一・一ぐらいでございますので、今回非常に大きな税制改革をいたしました新制度が弾性値の上にどのようにあらわれてくるか、恐らくより安定的なものになるだろうということも考えあわせますと、今後も相場としては大体一・一ぐらいのところでいくのではないかなという気がいたします。ただ大きな改革があったことでもございますので、そこは慎重に今後の動きを見定めていきたいと思っております。
○栗林卓司君 では、歳出構造の抜本的見直しという点で一つお尋ねをしたいのですが、これまで時々の歳出削減を進めながら、本来負担すべきであるにもかかわらず、帳簿上の処理で糊塗すると言っては言い過ぎでありますけれども、そういった面で隠れてしまった、隠れ国債とでも言えば言えるようなものがなかったわけではないと思うのです。いよいよこれから隠れたものを表にあらわして抜本的にメスを振るっていかなければいけないと思うのですが、それは先ほど来同僚委員もたびたびお伺いしておりますが、定量的に大体これぐらいあるということをお示しになることはひどく難しいのでございましょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 従来国会における御議論の中で、いわゆる隠れ公債として御指摘をいただいております措置としては、先ほど来申し上げておりますように一厚生年金などの繰り入れ特例、住宅金融公庫利子補給金の一部繰り延べ、政管健保の繰り入れ特例、国民年金平準化措置、そして定率繰り入れの停止といったようなものでございます。これらにつきまして、また国会等の御議論の中でまとめて二十六兆円という数字を御指摘いただいているわけでございます。確かに合計いたしますと二十六兆ということでございますが、性格的に若干いろいろ異にするものもございますので、私どもとしては単純に合計して積極的には総額は申し上げていないところでございます。いずれにいたしましても、先生の御質問の意味といたしまして、ただいまいろいろ御議論いただいておりますような種類の隠れ公債というものの中身の明示ということでございますと、私ども別の委員会には恐らく資料を提出もいたしておりますし、それ自体をお示しすることは無論十分可能な問題でございます。
○栗林卓司君 財政再建を平成二年度以降も確かな足取りで進めていくことを考えますと、むしろこれだけ未処理の、いわば隠れ公債と名づけられるような額がこれだけあるのだということをあからさまに出していただいた方が、その認識においてみんなの気持ちを統一した方が進むような気がするのですね。 そこで、大臣にお尋ねするのですが、歳入歳出両面含めて、とりわけ歳出面含めて目下の財政状況というのはたびたび大臣がおっしゃいますように、決して安心できる状況ではございません。とはいえ、新聞紙上で見る景気の状況はひどく活発であるかに映りますけれども、加えて平成二年度からいわゆる赤字公債は出さないで済むようになった、こうなりますと自然な人間の感情としては、今度はシーリング枠の方は厳しいこと言わぬで済むんだろうなと、こう期待もするし、概算要求をおまとめになる仕事自身がえらい難しいお仕事になるのではないか、こう察してもいるのでありますが、この点も従来同様厳しい態度を持続すべきだと私は思いますが、この点で大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(村山達雄君) 確かに景気は今のところよろしいのでございますが、それを考慮に入れましても財政状況は余りにも悪過ぎる。これをどうしても今後も確実に直していかなきゃいかぬ。その手法については検討しておりますけれども、ただいま委員の皆様から御指摘をいただいたように大変な問題を抱えているわけでございます。したがいまして、シーリングにつきましても、これを緩め得るような状況にはないことは我々にとっては当然なことでございますので、やはり厳しい態度でやっていかないとこの目標は達成できない、こう思っておるので、引き続き厳しいシーリングを組まざるを得ない、こう思っておるところでございます。
○栗林卓司君 最後に一点だけ大臣に伺います。 新しい財政再建目標でありますが、これを内閣として有権的にお決めになりまして、しかも天下に公にして活動を進めるということに私なると思うのですが、内閣としての意思をお決めになる段取りですね、大体どういったようなことをお考えになっておられますか。最後に、これだけ伺って質問を終わります。
○政府委員(篠沢恭助君) 大臣お答えになります前に、従来の平成二年度特例公債依存体質脱却、前にはいわゆる昭和六十五年脱却と言っておったわけでございますが、これらの目標を設定いたしましたときは、その以前から経済審議会で経済計画を御審議いただきます中で若干の御議論があり、そして経済計画の文言の中にいつも含められる。具体的に申しますと、いわゆる一九八〇年代経済社会の展望と指針、昭和五十八年に閣議決定された経済計画でございますが、このときにいわゆる昭和六五脱却、現在で言えば平成二年度特例公債依存体質脱却のことが書き込まれたということはございます。 今後の問題といたしましてどういう取り扱いにするかということにつきましては、これは現在とりあえずは何も持っておりませんが、さしあたりの審議は先生御承知のとおり、財政制度審議会で御検討いただいておるところでございます。 まあ、いろいろ重要な財政運営の指針ということになりますので、しかるべき意思決定の方法というものはとられることになろうかと思いますが、過去の例で申しますとそういうことがございました。
○国務大臣(村山達雄君) この問題はひとり財政だけの問題ではありませんで、日本の経済に与える影響が大変な大きな問題でありますので、やはり当然内閣の意思として決定し、そうして継続性をもって実行しなければならぬ問題だと思っております。しかるべき方法を、それに値する方法をとりたい、このように思っております。
○委員長(梶原清君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明日は午後一時三十分に委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時四十分散会 ―――――・―――――