大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/16
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に本岡昭次君を指名いたします。 —————————————
○委員長(梶原清君) 次に、高村大蔵政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。高村大蔵政務次官。
○政府委員(高村正彦君) 今般図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました高村でございます。厳しい財政情勢の折からその職責の重大さを自覚し、誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございます。よろしく御指導のほどをお願いいたします。(拍手) —————————————
○委員長(梶原清君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本日の議案審査のため、全国信用金庫連合会会長山口勇君、日本輸出入銀行総裁田中敬君、日本開発銀行総裁高橋元君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(梶原清君) 信用金庫法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました信用金庫法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、信用金庫法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 中小零細企業の長期固定金利資金の借り入れ要望は従来から極めて強く、中小企業金融専門機関である信用金庫及びその上部組織たる信用金庫連合会としてもこうした要望に適時適切にこたえていくことが喫緊の課題となっております。 このような課題に的確に対応できるよう全国を地区とする信用金庫連合会について、長期資金の調達手段として債券の発行を認め、同連合会を通じ、中小零細企業に対する長期固定金利資金の円滑かつ安定的な供給を確保することとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 本法律案におきましては、全国を地区とする信用金庫連合会について、大蔵大臣の認可を受けて債券の発行を行うことができることとし、あわせて債券発行限度額を出資の総額と準備金の額の合計額の十倍とするとともに、発行することのできる債券の種別や債券の発行方法を定める等所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 累積債務問題の解決に貢献することは国際的な責務であり、我が国としてもこの課題に的確にこたえ得るよう、日本輸出入銀行について、民間金融の質的補元、奨励を行う観点から、その機能の整備を行うため本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、累積債務問題解決のため、開発途上国に対する資金還流を円滑に進めるための手段をできるだけ多様化する必要があること等にかんがみ、本邦外において事業を行う者に対し、その事業に必要な資金を出資することができることといたしております。 第二に、開発途上国経済の発展に貢献し、資金還流を促進する観点から、民営化企業等大蔵大臣が定める外国法人に対し、本邦との輸出入と直接結びつきがない資金の貸し付けを行うことができることといたしております。 第三に、輸銀の出資を受けた者が行う長期資金の借り入れに対して債務の保証をすることができることとするほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 最後に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 地域経済の活性化、多極分散型国土形成の促進という緊要の課題に的確にこたえ得るよう、日本開発銀行について、民間金融の質的補完、奨励を行う観点から、その機能の整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、地方における社会資本整備事業は、立ち上がり期における事業者の初期負担が大きく、民間金融のみでは適切な対応が困難な場合が多いことにかんがみ、産業の開発及び経済社会の発展に寄与する設備が大蔵大臣の定める事業の用に供される場合には、当該設備の取得等に関連する事業資金の貸し付けを行うことにより、こうした事業の立ち上がりを支援できることといたしております。 第二に、地域活性化等の要請にこたえ、社会資本整備事業、地方開発事業等の分野での資金ニーズに的確に対応できるよう借り入れ等及び債券発行の限度額を資本金及び準備金の合計額の十倍から十一倍に引き上げることとするほか、所要の規定の整備をすることといたしております。 以上が、信用金庫法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(梶原清君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 信用金庫法改正案についてお尋ねいたしますが、最近、金融の自由化ということが進んでまいりまして、あるいはまた大手の銀行でもMMCとか、いろんな新しい商品がどんどんできてきております。そして、それらはある程度利回りもいいということでありますので、そうしますとどうしても預金のコストが高くなるのじゃないか。ただでさえそういう点で預金コストが高くなる、小さな町で集金までして歩いて預金を獲得するというような小さな信用金庫というのは、大変これから自由化が進めば進むほど苦しくなるのじゃないか。これらに対して大蔵省は一体どういうふうにこれからの信用金庫のあり方と、将来の見通しというふうなものをお考えになっているかお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 今、委員がおっしゃいましたように、金融の自由化、国際化は世界的な規模で急速に進んでいるわけでございます。したがいまして、そういう中で我が国の金融機関、特に本日議論となっております信用金庫という金融機関も、そういう大きな流れの中の外にあるわけにはいかないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、これまで大蔵省ではそのような大きな流れの中で中小金融機関、特に信用金庫がどのように対応していくかという点につきまして、過去三年近くにわたりましていろいろ議論をしてまいりました。特に金融制度調査会で議論をしていただきました。その結果、もろもろの答えが出つつあるわけでございますが、その中の一つといたしまして、今回連合会で金融債を発行していくことを認めていただきたい、したがってそのための法案をお出ししているということでございます。 そこで、金融の自由化、国際化が進展いたしますと、やはり金融機関相互の競争が激しくなってまいります。激しくなること自身は、それに伴う適正な競争を通じて金融機関の利用者へいろいろ適切なサービスが提供できるというプラスの面もあるわけでございますが、逆に金融機関の経営の上で、先ほど委員がおっしゃいましたように、コストが高くなるとか、いろんな問題もまた生じてくるわけでございまして、それに対する対応というのはやはり非常に重要だと考えておるのでございます。 したがいまして、先般出ました金融制度調査会の中間報告にもその点触れられておりますし、さらに今後とも検討しつつ、そういう中から適切な答えを出していきたいと考えております。
○丸谷金保君 今各機関を通じて資金が非常に余っているということだと思うのです。むしろ貸出先を探すのに骨を折っていると言っても過言ではないと思うのです。こういう資金需要が非常に緩くなっているときに新たに証券を発行させる、こういうことの必要性というのは一体どうなんだろうかと。一体この必要性、今この時期に必要だというのはどういうわけなんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今回いわゆる信用債券の発行をお願いいたしております一番大きな背景は、中小企業、零細企業が長期の固定金利の資金を非常に強く求めているにもかかわらず、信用令庫がそれに対して適切に対応できないというところにあろうかと思います。 例えば数字的に申し上げますと、現在信用金庫の貸し金の中で長期の五年以上にわたる貸し金のウエートは三三・五%を占めているわけでございますが、信用金庫が調達いたしますお金の方は、御存じのように長くて二年程度の定期預金でございまして、どうしてもそこに期間の大きなずれがあって、何か金融の大きな変動があると、いわゆる専門用語で恐縮でございますが、そこに流動性リスクが急速に発生する可能性もあるわけでございます。したがって、どうしてもそこのところを金融の大きな変革の中で埋めていく手段をつくらないと、信用金庫が利用者のニーズに的確に対応できないという事態が強まってきております。 したがいまして、今回、連合会にそういう長齢の資金を調達する手段をお認めいただきまして、例えば五年の金融債を発行する、その長期のお命を個々の信用金庫を通じまして中小企業に流していく、そういうことがひいては中小企業、零細企業の経営の安定化、さらにその発展に寄与する〉いうことになろうかと考えている次第でございます。 したがいまして、その仕組みの一つとして債券の発行を連合会にお認めいただきたい、こういうことでございます。
○丸谷金保君 これ、あれですか、個々の信用金庫にこの証券で集めた金を流すと。 何か法案のあれからいいますと、連合会自体も貸し出しをするというふうに聞いていたのですが、それはないのですか。
○政府委員(平澤貞昭君) この仕組みは、連合会が貸しますが、個々の単位の信用金庫はそれを代理貸しという仕組みで中小企業に提供する、こういうことでございます。したがいまして、もとは連合会、ただし、貸す実際上の実務は個々の信用金庫がやる。したがいまして、個々の信用金庫が顧客その他を見つけ出してきて、そこに代理貸しという仕組みで連合会からもらいました金を供給していく、こういうことでございます。
○丸谷金保君 そうしますとあれですか、例えば住宅金融公庫は自分のところで直接貸すのじゃなくて、代理業務を市中銀行に委託して貸し付けしますわね。そういうような格好というか、ことなんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 仕組みとしては非常に似た仕組みであると考えております。
○丸谷金保君 ちょっとそこに一つ問題があるのですけれども、その前に、この十倍、今証券発行を認められているところは大体三十倍までというところが多いですね。どこか一カ所十倍というところがありましたけれども、ほかは大体三十倍というふうなことが限度というふうに……。 信金の場合の十倍というのはどういう根拠なんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいましたように、いわゆる自己資本の何倍まで発行できるか、こういうことでございますが、興長銀とか商中、農中等は三十倍、それから先ほどおっしゃいました十倍といいますのは東京銀行が十倍でございます。したがいまして、今回連合会が発行いたしますときに、この倍率をどうしようかということを金融制度調査会等でいろいろ検討いたしました際に、やはり制度を初めてつくるわけでございますから、既にあるものの中で倍率の一番低い東銀を上回るのは問題ではないか、こういう考え方が一つあるわけでございます。 それから、余りにも最初から限度を大きくしまして大量に発行いたしますと、発行されます金融債の知名度がまだ最初は十分でございませんので、市場で値崩れを起こすという可能性も予想されるわけでございますし、そういうことがひいては金融債を取得した人たちの利益を害する可能性もあるわけでございます。したがって、そこのところは用心いたしまして、法案では十倍でお願い申し上げているということでございます。
○丸谷金保君 そうすると、十倍というのは東京銀行が十倍で、出発のときだからまあ十倍くらいが適当なところだろうと、そう細かいきちんとした根拠ということではないのですね。
○政府委員(平澤貞昭君) 十倍といいますのは、先ほど申し上げた理由が主たる理由でございまして、細かく積み上げて十倍ということになったわけではないのでございます。しかし、法律で規定しておりますので、仮に将来やはり十倍では小さいという事態が招来いたしました際には、また改めて法律改正をお願い申し上げるということになろうかと存じます。
○丸谷金保君 大蔵大臣、今の御説明聞いていまして、これは大臣に確認しておかなきゃならぬと思うのですけれども、将来的にこれは十倍じゃちょっと足りなくなってきた、それから見ていても大丈夫だというときには、やはり政府としてこの枠を出資比率に対して十五倍にするとか二十倍にする。ほかの、東銀以外の銀行並みに広げていくというふうなことの可能性といいますか、そういうお考えは持てると弾力的に理解しておいてよろしゅうございますか。大臣からひとつ。
○国務大臣(村山達雄君) とりあえずは今銀行局長が言いましたように、大事をとりまして十倍ということにしておりますが、やはり同じような商中とかそういったものが二十倍とか三十倍になっておりますので、その辺は今後の状況を見て弾力的に考えて、またお願いすることもあるかもしれぬ、こう思っておるものでございます。
○丸谷金保君 全信連の会長さん、山口さん、ちょっとお伺いするのですが、実はこの法案を拝見しておりまして、全信連というのはこれはまあ大変な機構だなという感じがしたのです、率直に言って。住宅金融公庫の方もそういう又貸しの、又貸しというか、代理業務を個々の金融公庫にさせて貸し出しもすると、この証券ができますと刀そういうことが今銀行局長の話聞いてわかったのです。 それから今まででも、何といいますか、資金が足りないときにはそれぞれ個々の信用金庫に連合会が預かっていた金を回してやるとか、そういうことをやっていますわね。それから為替の決済なんかもやっているということと、ちょっと大きくなりますけれども、日本銀行と手形交換所と、それからそのほかにいわゆる都市銀行やなんかの銀行協会と同じような仲よしクラブ的な、仲よしクラブでもないでしょうけれども、業務上のいろんなあれというふうな、三つの機関を合わせたような、えらい小なりといえども大したいろんなことのできる協会で、僕らが考えていた要するにいわゆる全信連というのは、もっと銀行協会のようなものの信用金庫の集まりかなと思っていたのですが、これはそうじゃなくて、これ自体が事業主体といいますか、の役割も兼ねているわけですね、全信連というのは。それ自体が事業形態でもあるわけです。 そうすると、そこに証券の発行をさせるということになりますと、これはもう経営手腕というか、要するに一般の協会のように負担金を集めてそこでやっていくというのと違った、それ独自の経営体としての手腕、力量ということも非常に重要な要素を持ってくる会だなと。 で、会長さんは朝日信金の会長でもありますわね。そういうふうに入ってきた者が会長さんやって、そして実際の全信連の何というか、生え抜きのそこでずっとやってきた職員を使っていくわけですわね。なかなかこれは大変なことだと思うのです。会長さんは天下りじゃないですけれども、外から入ってきてこうなってくると。実際はそこで事業主体、いろんな事業をやっていくのだ。先ほど申し上げましたように、日本銀行的な機能もあるし手形交換所的な機能もあるし、また一方では銀行協会のような機能も持つ。しかも証券というのは、そういう民間金融、民間の機関、農中やなんかそうですけれども、もともとは公的なところから出発している機阻に対してのみ証券、興業銀行にしろ何にしろ今は民間ですけど、もともとは国の金融機関だったそういうところと同列に、いわゆる市中の金融機関ですわね、市中金融機関の全信連が都市銀行や地方銀行とか、そういうのに先駆けて証券発行が認められる法律ができるということになると、相当しっかりやってもらわなきゃならぬですよ、率直に言って。これに対する会長さんの、何といいますか、決意というほどのことも、ちょっと大げさになるけれども決意でしょうかね、これからの経営をこういうふうにやっていくのだという考え方というか、ひとつ篤とこの機会にお伺いしておきたいと思うのです。どうぞ。
○参考人(山口勇君) 全国信用金庫連合会の山口でございます。よろしくお願い申し上げます。 以下、全信連というふうに略称をさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。 ただいま丸谷先生からの御質問にお答え申し上げたいと存じます。 既に御高承のとおり、信用金庫は地元に密着した会員組織の金融機関であると同時に、地元の中小零細企業の金融の円滑化を図ることをその使命としているわけでございます。しかしながら、信、用金庫はそれぞれ地元の狭い地域を営業区域としていますし、その上小口多数の取引をいたしているというようなことから、信用金庫の規模は必ずしも、まあどちらかといえば平均しては非常に小さな方だというふうに言ってもよろしいかと思います。また、経営効率も必ずしもいい方だというふうには考えておりません。しかし、全信連は、こうした信用金庫が中小零細企業の金融の円滑化を図っていくためには、全国の信用金庫が一体となって力を発揮していくことが必要であるというような考えのもとに全信連がつくられたわけでございます。 全信連は、すべてを信用金庫のために奉仕するとの経営理念のもとに、信用金庫の支払い準備資産の効率運用、それから信用金庫の機能の補完ということを主な事業として行っているわけでございます。 私ども信用金庫の取引先であります中小零細企業の方々の金融面からの問題点を見てみますと、皆様も御承知のように自己資本が極めて少ないということ、それから増資や社債等の募集がほとんど困難であるということ。こういうことから資金調達は勢い借り入れに頼らざるを得ないというのが実情でございます。その借り入れにつきましても、中小企業、特に零細企業におきましては信用力、担保力が十分でないために借り入れも容易でないというのが現状でございます。 最近のように金融が緩和しているさなかにあっても、長期資金を借り入れている企業の中で希望する期間の借り入れができていないという気持ちをお持ちの企業の方々がたくさんあるわけでございます。この金融緩和の時代がいつまで続くかはわかりませんけれども、金融逼迫の時代になりますと、どうしても手間のかかる中小零細企業の貸し出しは選別の対象にならざるを得ないのではないかというふうに懸念をしているわけでございます。 信用金庫は、中小零細企業及び国民大衆の金融機関として、このような長期資金ニーズにこたえているのでありますが、信用金庫の長期貸出比率は他業態に比べても高く、これ以上の長期資金ニーズヘの対応にはおのずと限界があるわけでございます。こうした資金の融通を、代理貸し付け等の制度の活用によってカバーしていくのが全信連の責務というふうに考えております。 一方、全信連自体の資金調達は、信用金庫の支払い準備資産を集中したものであり、その調達期間は極めて短く、かつ、いつでも払い出しに応ぜざるを得ないような性格の預金でありますために、長期貸し出しの原資としては量の面、金利の面でこれもおのずから限界があるわけでございます。このため、全信連といたしましては効率のよい長期資金の調達が必要ということになってくるわけでございます。 信用金庫が地域密着に徹し、全信連がそれを支えるといった感じで有機的に機能していくことが、信用金庫業界全体としての経営の安定化、効率化に資するものと存じておる次第でございます。 債券の発行につきましては昭和三十六年から四半世紀にわたりまして嘱望してまいりました信用金庫界の悲願でございます。他の業界におきましては、例えば農林中金さんが系統預金を受け入れるとともに債券の発行をして資金を安定化し、農林漁業金融分野での役割を果たしておられますように、中小零細企業に対しましては、私ども信用金庫業界がその役目を果たしたいというふうに考えているわけでございます。 幸いにいたしまして債券発行をお認めいただきましたならば、債券発行の意義を体し、中小零細企業の金融の円滑化のために懸命の努力をいたしたいというふうに考えているわけでございます。 何とぞ、全信連の債券発行をお認めいただきますよう、特別の御配慮をお願い申し上げまして御答弁にかえさせていただきます。ありがとうございました。
○丸谷金保君 いろいろと御説明をいただきましてありがとうございました。会長さんの決意のほど、信用金庫がなかなか苦しい中で一生懸命地域の中小零細企業のために御努力しているということはよくわかりますのですが、それだけに、信用金庫の中にたまには石もまじっているのです、玉の方が多いですけれども。玉石混交でもありませんが、玉にたまに石もまざることもありますので、それらに対する大蔵省の、こうした新しい制度をつくるについてはやはり監督責任ということもしっかりやってもらわなきゃならないと思うのですが、その点についてのひとつ大臣のお考えを聞かせていただければ。大臣でなくても結構ですけれども。
○政府委員(平澤貞昭君) おっしゃいますように、金融の自由化、国際化が急速に進展しておりますし、そういう中での信用金庫の利用者のニーズに適切に対応するために、連合会に債券発行をお願い申し上げているというようなことでございます。したがいまして、大蔵省としても今後、今求められているもろもろの信用金庫あるいは連合会へのニーズ、それに伴って発揮されていくそれぞれの機能、これを十分に的確に、かつ効率的に発揮させるように、やはり監督上目配りを適切にしていくという必要があろうかと考えております。したがいまして、今後ともそういう方向であらゆる努力を積み重ねてまいりたいということでございます。
○丸谷金保君 私もちょっと経験あるのですけれども、しっかりやってもらわなきゃならぬというのは、ある地方の銀行で、大きな市から支店長が小さな町に格下げになった人事のあれをひょっと見まして、これはおかしいのではないかと。調べましたら、やっぱりいろいろな問題が出てきたというふうな例があるのです。これはその地域の財務部長さんに御注意申し上げまして、善処してもらうように話を進めて、金融機関ですから余り事を荒立ててもと思いまして、ちょっと気をつけるとそういうことでもすぐ気がつくということがたくさんあるのです。ですから、やはりそういう意味での監督はしっかりひとつ地域ごとにやっていただくように、御指示をこの機会に一層願いたいと思うのです。 それからこの法律、これちょっとよくわからないのですが、これいつから発効するのか。公布の日からというのはわかるのですが、公布は大体いつごろの予定なんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 本改正案が成立いたしましたら法律が公布になるわけでございますので、全信連といたしましてはできるだけ早く債券発行をしたいという気持ちを持っております。ただ、債券発行に至りますまでにはもろもろの準備もまたあるわけでございまして、例えば債券ですから券面を用意する必要がございますし、それから発行するための体制を十分整える、特に発行に当たっての職員の教育その他ももろもろございますし、さらに最近は、こういう債券はすべてコンピューターで管理しておりますので、そのコンピューターのソフトを組むとか、もろもろの準備が必要でございます。したがいまして、ラフに申しますとそのような準備におよそ半年かあるいはもう少しかかるかと……
○丸谷金保君 三年ですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 半年でございます、かもう少しかかるかというふうに予想されますので、早ければ年内に第一号が出るという可能性は十分にあるということでございます。
○丸谷金保君 大体六カ月ぐらい準備期間がかかると、こんなふうに考えていればいいのですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 順調に進みましたらその程度かなという感じを持っております。
○丸谷金保君 それで、このような証券で長期貸し出しが割と楽になりますわね。そうしますと、信用金庫というのは、戦後非常に苦しい時代にみんなが出資してお金を持ち寄って始まったんですよね、信用金庫というもの自体が。そして、最初は政府の資金を借りてきて代理貸し付けのようなことを信用金庫自体もやりましたり、いろいろなことをしながら伸びてくる経過をずっと私も田舎にいて存じ上げているのですけれどもね。大変皆さんが苦労してやってこられたのです。 今ふるさと創生とか一村一品運動というようなことを言われておる中で、一体信用金庫がそういうところまで踏み出していいのか悪いのか、私は大変いいことだと思っているのですが、人材の養成、それは職員のという意味ではなくて、それぞれの地域社会の中からこれはというふうな人材を発掘してきて、おまえはこういうふうにやってみろ、思い切ってひとつ応援もしようじゃないか、こういうふうな形の対応をやっている信用金庫もあるのです、大変立派に。それを見て私は感心したのでね。金融機関ですからおのずからなる限度があるといっても、そういった形でこういう長期の金が出るようになりましたら、長期の人材を、信用金庫というのは業務ではないけれども、地域社会の中で発掘し、経済人を育てていくのだ、こういう役割も持ってもらいたいというふうに思うのですが、いかがでしょうかね。これは会長さんにお聞きした方がいいか。どなたでも結構ですが。
○政府委員(平澤貞昭君) 委員がおっしゃいますように、信用金庫といいますのはまさに協同組織の金融機関でございまして、協同組織というのは、互いに知り合った人たちが相互に助け合うためにつくり上げてきたというのが原点でございます。したがって、そういう意味では人縁、地縁が非常に濃厚な組織体であるわけでございます。したがって、例えば現在信用金庫の業界におきましては、杉の子会運動というようなこともやっておりまして、これは各地方の若い人たちの話を十分吸い上げながら、それを金庫の経営と絡ませながら、しかし社会的に奉仕するということを全国的にやっているわけでございまして、そういうことがやれるのもやはり協同組織である信用金庫の本来のこの本質に由来するというふうに考えているわけでございます。
○丸谷金保君 私も東京近県の信用金庫なんかでよく呼ばれて、一村一品とかそういうふうな話をその地域の組合員を集めてやってくれというのでしたこともあるのですが、やはりそういう点で経営相談というか、こういうふうなものを信用金庫らしい形でやっていくシステムももう少しあってもいいのではないかなと。 実例を挙げるのもちょっとこういう席ですからはばかりますけれども、これはしっかりした若い者だなと思っていたのが、あるとき町から離れていったと思ったら、近くの大都市で、先生ここでホテルやるようになりました、よろしくというふうな、ばったり会ったらそういう話あったのです。そうしたらそれは、そこの信用金庫の理事長さんがやはり目をつけてひとつ応援してやるから出てしっかりやれと。 だから普通の金融機関ですと、その財力だとかあるいは事業だとか、今までの取引とかそういうものを中心にして物を見ていきますわね、一般に市中銀行の貸し出しの。そうでなくて、これはしっかりしているから育ててやろうというような形の、何といいますか大変難しい話なんだけれども、何かこの機会に信用金庫らしい一味も二味も違った、地域と密着し、地域の振興のために積極的に取り組んでいけるような金融機関、そういう面について大蔵省としては、いやそこまで踏み込むのはけしからぬとか、枠をはめるとかということのないように御指導いただきたいと思うのですが、いかがでしょうかね。
○政府委員(平澤貞昭君) 委員のおっしゃるとおりでございまして、我々といたしましても先ほど例えを申し上げましたような杉の子会の運動、これは行政としても従来から支援してきているというところでございます。
○本岡昭次君 私は、主として輸出入銀行の問題でお伺いをいたします。 世界銀行、日本輸出入銀行などが出資して建設しているインドネシア、ジャワ島中部のクドン・オンボ・ダムについての問題であります。 まず初めに、このプロジェクトへの資金調達と輸銀の融資承諾額について報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(内海孚君) 総プロジェクトコストは二億八千三百万ドルでございます。そのうち世銀融資が一億五千六百万ドル、輸銀融資額が五千万ドルでございます。
○参考人(田中敬君) 国金局長が申し上げました融資規模に対しまして、現在融資承諾をしておる状況を申し上げます。 一億五千六百万下ルの世銀のプロジェクトに対しまして五千万ドルの輸出入銀行の協調融資をいたしまして、これを二回に分けて契約をいたしております。第一回分を一九八七年三月に本プロジェク十分として二千七百万ドル、それから第二回分を昨年に本プロジェク十分として二千三百万ドル融資承諾をいたしております。そして、実際の支出状況は、第一回の融資承諾分の二千七百万ドル相当額については全額これを既に支出済みでございます。 それから第二回分の二千三百万ドルの金額につきましては、現在までのところ約千八百万ドル相当額を支出済みでございまして、残額約五百万ドル、円価で約八億円程度のものが残額として残っております。
○本岡昭次君 四月七日の日本経済新聞に「インドネシア 内政緊張が高まる ダム水没地で農民と衝突」という見出しで報道されております。これによりますと、「水没する農地は四千ヘクタールで、農家五千世帯の七割が立ち退いたものの、残りの千五百世帯、子供を含む約六千人の住民が移転を拒否、まだ水没していない丘の上などに立てこもっている。」というふうに書いてあります。このことはインドネシアの人権問題としてかなり各国でも取り上げられ、ここに立てこもっている住民への救援活動が起こっていると伝えられております。 つまり飲料水、医薬の不足が深刻で子供たちは学校へも通えない状態にあるということも言われ、ある雑誌に書かれてある言葉を引用すると、一日おくれるとそのたびに一人の子供の命が失われるというふうな非常にショッキングな報告がなされているというふうなことが報じられておりますが、この問題について政府なり、あるいはまた輸銀なりどのようにこの状況を把握しておられますか。
○政府委員(内海孚君) ただいま本岡委員御質問のクドン・オンボ・ダム・プロジェクトでございますが、これは中部ジャワ地区のかんがい、電力不足の改善、洪水管理等を目的といたしまして、ダム建設、水力発電所の建設、かんがい設備のリハビリ、新設等を行うものでございます。 本ダムは本年一月に完成いたしまして、貯水が行われましたけれども、ただいま御指摘のように、水没地域の住民の一部がなお政府の補償条件、これは代替地とか補償金とかでございますけれども、これらを受け入れていない者があります。補償を受けつつも、まだ移転していない住民とともに、貯水池周辺にとどまって生活しておりますのが四月末現在で約千三百世帯というふうに承知しております。 世界銀行は、ただいま委員御指摘のような問題意識は持っておりまして、この移転補償問題の解決に向けてインドネシア政府と協議を行いまして、現在次のような内容の行動計画を示し、その実施につきアドバイスを行っているものと承知しております。 第一に、代替地であるスマトラ島ベンクル地区への円滑な移住の促進であります。それから第二に、ダム貯水池周辺にとどまっている住民に対する雇用機会の創設。それから第三に、貯水池近郊の新たに確保された移住先であるカヤン村の居住環境の改善。最後に、ただいまも御指摘でありましたが、周辺にとどまっている住民の保健衛生、学校教育の問題等に対する適切な措置の調査、というようなものをアドバイスしております。 インドネシア側もこれらのガイダンスを着実に実施するとともに、新たな移住地域をつくるなど、住民の希望を踏まえつつ対処を行っているものというふうに承知しておりまして、この結果、最近は移住が進みまして三百世帯の移住が決定したというふうに聞いております。また水位も、今後乾季及び下流かんがい地域への放流によりまして低下することから、今後とも現地にとどまっている世帯が危機にさらされるようなことはないと承知しております。また、これらの世帯に対する教育、医療面でも問題は生じないように配慮されているということが私どもが承っていることでございます。
○本岡昭次君 今おっしゃったように、人権問題に発展するような状況になったことから、世銀が調査に入って、今説明があったように、インドネシア政府に対してアクションプログラム、行動計画を四点にわたって示して、それを実施するようにというアドバイスをした。もしそれをやらなければ世銀として残された融資はとめるというふうなこともあっての恐らくアドバイスがあったと思います。それに対しては今、インドネシア政府が着実に世銀が示したアドバイスを実行しつつある、こういう報告でありましたが、それではもう少し細かく、四点の中で、スマトラ島への移住の促進、あるいは雇用機会の創設、あるいはまた貯水池の近くに新しくカヤン村というふうなものをつくっているようだが、それに対する居住環境の改善、また、移住を拒否して貯水池周辺にとどまっている住民たちの保健衛生、あるいは子供たちの学校教育問題、そういうことについてもう少し細かく、大丈夫なんだ、世銀の指示したとおりインドネシア政府がその事業を推進しているんだということを示すような、具体的な中身を知っておられるならもう少し報告していただきたい。
○政府委員(内海孚君) ただいまの、より詳細に若干具体的な例で申し上げますと、まず、スマトラ島ベンクル地区への移住に関しましては、十分な土地の確保とか当座の食糧の援助、あるいは移住先の十分な紹介というような手が打たれております。 それから、ダム貯水池周辺にとどまっている住民に対する雇用機会の創設といたしましては、例えば住民の意向を取り入れまして、九十五メーター以下の土地で植物油栽培とか畑作等を行うことを特に許可をするとか、三年計画で農業、漁業の技術指導を行うというようなこと。さらには、先ほど御指摘のカヤン村の居住環境の改善。道路、学校、医療センターの設備はもう完成しているそうでございますし、居住環境の改善も着々と進められているということで聞いております。 それから、衛生とか民生問題につきましては、例えば手持ち穀物が底をつくようなところも出てきたので、五月初めから政府が食糧援助を開始したとか、あるいは医療センターに医師が常駐、また緊急不測の事態に備えてレスキューチームを政府が派遣しているというようなことも配慮されているというふうに聞いております。
○本岡昭次君 教育はどうです、学校問題。
○政府委員(内海孚君) 学校につきましては、既存の施設が水没してしまったところもあるものですから、通学距離が遠くなった児童もおります。また通学していない児童に対して、そういうところには政府が教師を派遣するというような措置もとられているように聞いております。
○本岡昭次君 輸銀として協調融資とはいえ、先ほど御報告があったように、五千万ドル出資しているわけでありますが、輸銀自身が独自で調査をしたというようなことがあったのかなかったのか、それはどうですか。
○参考人(田中敬君) 輸出入銀行は、本来輸出入銀行独自の案件につきましては長年蓄積しましたノーハウに基づきまして、さまざまな観点から審査を行っております。また、本件のような国際金融機関との協調融資につきましては、私どもよりもむしろ国際金融機関が長年蓄積した豊富な経験、ノーハウを持っておりますので、まず国際機関の行います審査、管理状況を活用しながら案件の審査を進めておるのが現状でございます。 具体的に本件の審査につきましては、本件の承諾を行いますに当たりましては、世銀の行いましたプロジェクトのアプレーザルを、私どもが資料といたしまして精査をいたしまして、フィージビリティー、その他について、これを十分審査をいたしました。それから輸出入銀行のスタッフによります現地のサイトも実際に見せております。融資承諾をいたしましたのが一九八七年の三月でございましたけれども、一九八六年の十二月には、私ども輸出入銀行の職員と現地ジャカルタの駐在員が現場のサイトを見ております。 それから、第二回の融資承諾を行いましたのは、昨一九八八年の五月ごろでございましたが、昨年の一月に第二回の融資承諾以前に現地のサイトを見る、こういう観点で審査を進めております。それと同時に、実際に貸し出しを行いますのが問題でございますが、貸し出しを行います際には、インドネシア政府、このプロジェクトの実施者と十分協議をいたしまして、資金需要の確認をいたしますとともに、世界銀行、輸出入銀行、そしてインドネシア政府という三者の協議会を設けまして、そこで十分協議会で点検をした上で実際の貸し出しを行うというような審査をいたしております。
○本岡昭次君 貸し出しの問題なんですが、全体として二億三千八百万ドルという資金計画の中の五千万ドルというのは、これは全体の中でプロジェクトを進めていくについて必要な箇所に、インドネシア政府が自由に使っていいという金になっているのか、あるいは五千万ドルというのはプロジェクトの中の個別の指定があって、これとこれとこれについて使うというふうになっているのか、それはどうですか。
○参考人(田中敬君) 私どもが行います資金需要の確認と申しますのは、一つは資金を出します際に、リインバースいわゆる実際にこういうものに金を使ったからこれを輸出入銀行からの融資で引き当てたいという要請がございます。そういたしますと、本件の工事につきましてどの資材を買った、あるいはどの土木工事の賃金を支払ったというようなことを、保証書類がございますので、これに基づいて実際の支出をいたす、これが一つの方法でございます。 それからもう一つは、プロジェクトを実施するに際しまして、あらかじめこれだけの金が必要であろうという見込みが立ちます。これにつきましては、やはりプロジェクトの実施主体の要請を受けまして、インドネシア政府、あるいは先ほど申しました世界銀行、いわゆる三者協議会の場を持ちまして、これくらいの支出をあらかじめするのも適当であろうということでございまして、一応支出に当たりましては、何に使われるというめどをはっきりつけた上で支出をいたしている次第でございます。
○本岡昭次君 今回の五千万ドルというのは、プロジェクトの中の例えば水利安全管理とか、洪水警報システムとか、ダム建設及び発電所の建設並びに関運送電施設の建設、既存のかんがい設備のリハビリとか、私の聞いた範囲ではそういうようなものがある。その中の、例えば水利安全管理ということに五千万ドルを出したというのか、全体の中の必要なところに今おっしゃったように審査をして出していくというのか、どちらなんですか。
○参考人(田中敬君) 本件のプロジェクトにつきましては、いろいろかんがいの水路の建設でありますとか、あるいはダムの建設、いろいろな工事別の種類がございますが、どの工事を私どもの五千万ドルで担当するというふうには区別されておらないと私は認識しております。実際支出されたものでこの分は輸出入銀行分からというふうに、そういう意味におきましては資材の購入費もあれば、同じダムのプロジェクトの中でもそれぞれの工事について別々に資材の購入費があり、あるいは土地収用費がありというような形での支出が行われているものと私は承知をいたしております。
○本岡昭次君 先ほどの報告の中で輸銀の五千万ドルを二回にわたって融資していくということで、二回目の二千三百万ドルのうち千八百万ドルの支出が終わり、五百万ドル残っているということを聞きました。世銀もしたがって全額融資じゃなくて残っていると思うのですが、最後の融資というのですか、それは行動計画、インドネシア政府に示したアクションプログラムですね、それが完全に終わらないと融資しないというふうになつ ているというふうに聞いているのですが、どうです。
○参考人(田中敬君) 私どもが本件の支出を決めますにつきましては、原則としてインドネシア政府の要請に基づきまして、そして先ほどの三者協議の場で審査をいたしました上で支出をいたしております。今世界銀行からの行動プログラムが出まして、これが行われておりますけれども、私どもは現在のところインドネシア政府から支出要請を受けておりませんが、原則論とすれば、支出要請があれば資金需要を確認した上で支出を行っていくということで、直接今行動プログラムの成否というものに残額の出資をかかわらしめているというような厳しい条件は付しておりません。 状況は十分に把握をしながら、そしてまた行動計画の進展につきましては、私どもは現地でこれを十分世界銀行とともに注視をしておりますし、またインドネシア政府がこれを怠るということがあれば、世界銀行とともに必要なアドバイスもしながら、今後の残額の支出を考えていきたいというふうに考えております。
○政府委員(内海孚君) ただいまの本岡委員の御指摘あるいは御懸念については、世界銀行もやはり同様な気持ちを持って対処しておりまして、現在世銀は先ほど申し上げましたように、融資予定額は一億五千六百万ドルでございますが、既に貸し出し済みは七千二百万ドルでございます。今後の貸し出し実行に当たりましては、これをしなければとめるというような、そういう恐喝的な言い方ではありませんけれども、十分に先ほど申し上げましたような計画が実行されるということを見きわめながら慎重に対処するということを、世銀としては確固として考えております。
○本岡昭次君 まあ、恫喝的にやるようなことではないと思いますが、しかし事人権という問題にかかわってくるような事態をあえて無視して、インドネシア政府がダムの建設を完了し、水をため、そしてかんがいあるいは発電等々の本来の目的に使用するというふうな事態は、これはもうゆゆしき問題なので、だからこそそうならないような行動計画というものがアドバイスとして出されているのだと思います。 そこで、世銀は直接これは日本政府なり大蔵省がかかわってやれる問題じゃないわけですが、輸銀は少なくとも日本の輸出入銀行であり、そして国会でもこうして総裁もおいでいただける、大蔵委員会の中で議論もできる銀行であります。したがって、やっぱり輸銀は輸銀という立場で、私は世界銀行が示した行動計画というものが完全に実施されて、そして人権問題にかかわるような、またインドネシアの一般民衆が、日本の政府が、輸出入銀行が、インドネシア政府が今強行的にやっていることに加担をして、多くの人命なりまた生活に危機を与えたというふうなことの結果に終わらないよう尺十分これからの推移を見守っていく必要がある。残りわずか五百万ドルということのようでありますが、世銀の方はかなり今の報告聞きますと残しておるようでありまして、そうした配慮を十分やっていただきたい。 今の輸銀の総裁のお話もそうした気持ちも秘めておられるようなので、一応安心したのでありますが、一応私のそうした要望についての答弁をいただいておきたいと思います。
○参考人(田中敬君) 委員御指摘のように、近年とみに環境問題、人権問題というものは重要であることはよく承知をいたしております。そういう意味で私どもは、まずプロジェクトに実際融資承諾をするかしないかの審査段階で、十分人権あるいは環境の観点から審査を強化いたしますとともに、実行段階につきましてはこれを十分フォローアップしてまいりまして、委員御指摘のようにそういうような問題が起きないように、十分注意をして今後実行してまいりたいと存じます。
○政府委員(内海孚君) ただいまのお話は世銀の方にもきっちりとお伝えするつもりでございます。
○本岡昭次君 今局長もおっしゃっていただきましたように、こうした問題が日本の国会の大蔵委員会の中で論議されたということもつけ加えながら、ひとつ世銀に対しても人権問題を大切にして処理をしていくようにということをぜひ伝えておいていただきたいと思います。 そこで最後に、輸出入銀行の総裁の方もおっしゃいましたが、改めて私からも申し上げておきたいのですが、これから環境問題、人権問題というのは、これはもう国際的な一つの問題の軸になってくるというふうに思います。 これは外交の中のやはり極めて重要な部分として論議される。日本がこれから二国間の援助、あるいはまた世界銀行、輸出入銀行を通じての援助、そうしたものを行うに当たっても、援助そのものがその地域の環境破壊ということを促進したり、あるいは人権侵害ということに結果としてなるというふうなことになれば、これは大変なことでありまして、したがって、このクドン・オンボ・ダムの問題も、やってみたらそういう結果が起こって騒ぎになったというので世銀が調査に入って調べてみると、これは人命の危機にかかわるようなこともあるではないか、なぜもう少しダムをつくるについては、そこに住んでいる人たちの生活保障の問題なり移転先の問題なりきっちりやらないのかといってこういうものを示したと。やらぬよりもこういうことをやってもらったということはまことに結構だと思います。しかし、やはりこういうことが起こる前に、インドネシア政府に対して水没地域に対する補償なり事前の対策というものを十分にやってもらうということが、条件設定として当然あってしかるべきではなかったかというふうに思うわけなんです。 とにかく東南アジアを中心とする日本の援助というのは非常に膨大なものになって、ダム、道路、港湾、そういうものがいっぱいあるわけなんですよ。そのときに必ずこれに似たようなこと、そこに人が住んでいる、あるいは人はさまざまな生活環境というのを持っている、それを変えていくことになるのですからね。だから変えていくという事柄は、そこに住んでいる人たちにとって大変なことなんです。だから後で問題が起こったらそのことに対して指導するということじゃなくて、最初から十分に、特に環境、人権問題というものを調査をして、輸銀の方も自前で調査をやって、そしてその審査結果に基づいて融資の決定をする、またそのことを積極的に世銀に対しても日本政府の意思として伝えていくということをぜひともこれからやっていただきたいということを強く私の方から要望して質問を終わりたいというふうに思いますが、今度は政府の方に、今私の申し上げましたこと、くどいようですけれども最後に答弁をいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(内海孚君) ただいまの御趣旨はよく拳々服用して対処いたしたいと思います。
○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高桑栄松君が委員を辞任され、その補欠として中野明君が選任されました。
○太田淳夫君 それでは、同僚委員にかわりまして、きょう議題になっております信用金庫法及び輸出入銀行法、開発銀行法につきまして質問さしていただきます。 最初に、信金法の問題について何点かお尋ねしておきたいと思います。 我が国では、協同組織金融機関として信用金庫も位置づけられているわけでございまして、これらの機関というのは会員、組合員の相互扶助を基本理念としての非営利法人と承っておるわけでございます。このうち、きょういろいろと話題になっております信用金庫につきましては、預金の受け入れば自由、貸し出しについては会員以外貸し付けを総取引額の二割の範囲内で認められているというわけでございまして、ほかの機関に比べますとより一般の金融機関的な色彩が強い金融機関じゃないかと思うのですが、まず大蔵大臣としま しては、信用金庫の性格とかあるいは特性をどのように認識されておられますか。 また、先ほども同僚委員の質問の中でも、金融の国際化、自由化がどんどん進む中で信用金車の将来についてどのようにお考えなのか。その点を承りたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 信用金庫は何といっても協同組織というところに最大の特徴があると思っております。やはり、出資者がそれぞれ会員でありますし、そしてまた先ほど銀行局長が言いましたように、貸出先も地元の中小企業でございますので、人縁、人の続き柄、それから地縁、ほとんどもうよくわかっておりますので非常にきめの細かい信用供与をし、そしてまた経営相談にもあずかるという、ほかの金融機関では見られない細かなことをやっておって、地元では非常に助かっておるわけでございます。ただ、信用金嘩側から言いますと、先ほど言いましたように社債であるとか、こういうのは出すわけにいきませんので、ほとんど所要資金は全部預金から成っておるわけでございますけれども、一方貸し出しの方は長期の固定金利を要求する企業が非常に多い。そこで、流動性の関係で今弱っているということで今—度の債券発行をぜひ認めていただきたい、こういうことだろうと思います。 全信連はもう御案内のように、言ってみますと全国の四百五十五の信用金庫を統合しておりまして、経営指導をやっておりますし、それから資金の余裕がありますと全部それを全信連が預かって、そしてみずから貸し出しもやり代理貸し付けもやり、それからまた会員であるところの信用金庫が資金が足りませんとそれを出してやる。それから、四百五十五の経営状況を全信連は実によく知っております。そしてまた、いろんな経験があるわけでございますけれども、四百五十五でございますから中には少し貸し出しが放漫になりまして、会員組織でございますからそういうことも間々あります。そういたしますと、資金手当てだけではなくて人間まで派遣して再建している例も私も知っているわけでございます。 そういう意味で信用金庫というのは非常に独自の金融機関だと思っていますし、そして今後ともやはり独自の使命を持っておると思いますので、今度債券発行が認められますと、もっと大きく伸びるのじゃないだろうか、こういう感じがしておるのでございます。
○太田淳夫君 そういういろいろ人縁的にもあるいは地縁的にも特色のある金融機関でございますけれども、相互銀行がそれぞれ普通銀行への転換に踏み切って、今それが進行いたしておるわけでございますが、信用金庫につきましては、会員の出資による協同組織という性格からいいましても、なかなか株式会社形態の普通銀行に転換するというのは難しいと思うわけでございますけれども、一方で金融自由化への対応という観点から見ますと、信用金庫の経営基盤の強化というものがこれからますます必要不可欠になってくるのじゃないかと思うのです。 特に信用金庫におきましては、先ほどおっしゃった地縁的な金融機関という面もございますし、合併による規模の拡大を図るといっても必ずしも容易ではない面もあろうと思うのですけれども、しかしゃはり信用金庫の経営基盤の強化ということにつきましては、いろいろと考えていかなきゃならない事態を迎えておると思うのですが、その点どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今お話がございましたように、金融の自由化、国際化の進展の中で、信用金庫の経営基盤をどうきちっと強化し、競争力を確保していくかということは、これは非常に重要な課題であるわけでございます。したがいまして、大蔵省としましては、先ほどもお話し申し上げましたが、これまで三年間にわたって金融制度調査会で、その中の特に第一委員会というところでこの問題を精力的に検討してもらいました。そこでまず出てまいりました答えは、信用金庫の協同組織性、これはやはり非常に重要だと。互いに知り合いながら人縁、地縁できめ細かく金融業務をやっていく、そこにやはり原点がある。したがって、それを踏まえて考えていく場合にどういうことを取り上げていくかということで、まず第一が、先ほど大臣も御答弁がございましたように、連合会の組織、機能、これを十分活用していこう。その中で長期の安定的なある意味では安い資金、これを個々の単位の信用金庫でも十分利用して利用者のニーズに的確に対応しようということで債券発行を考えたわけでございます。それ以外に、連合会の機能等につきましても報告書、答申ではもろもろのことが述べられておりますので、今後立法措置が必要な点につきましては、また将来法案改正をお願いすることもあろうかと思いますけれども、一つはこの連合会の活用ということでございます。 それから次が、個々の信用金庫の業務のあり方その他につきましても、現在細かく検討をしていただいておりまして、これも近く報告が出るかと思います。そういう中で、経営基盤の強化のための諸施策については前向きに取り上げていきたいと考えている次第でございます。 ただ、海外等の中小金融機関の状況を大蔵省の調査団あるいは金融制度調査会の調査団が勉強してきておりますけれども、例えばアメリカでございますが、アメリカでリージョナルバンクというのがございまして、これは地域に密着した地縁、人縁的な金融機関ですが、これは非常に経営状態がいいわけでございまして、やはりそれぞれ取引の相手方のニーズに的確に対応するということが、ひいてはその金融機関の経営基盤の安定化につながるという一つの例でございまして、したがって金融の自由化、国際化が進展した中でどのように特色を生かしつつ、このような協同組合組織の信用金庫が生き抜いていくかという点は、私はおのずからいろいろな答えがあり得るのではないか、それをこれから金融制度調査会でも出していただけるのではないか、それを行政の上でも取り上げていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○太田淳夫君 信用金庫の中でも非常に経営の基盤のしっかりしたところもございますし、だんだんとこういう金融情勢になってまいりますと、やはり経営の格差というか内容のいい悪いが非常についてきているのじゃないかと思うのですね。そういう弱いところについては、これから大蔵省としてもそういうところをやはりきちっと守っていかなきゃならないのじゃないかと思うのですけれども、そういう面で今信用金庫は大体一県、とにかく県外にはないわけですね、支店が。そういう場合の県を越えた合併とかそういうことはどのように考えますか。今後の方向としてはあり得るのでしょうかね。
○政府委員(平澤貞昭君) 御存じのように、金庫はいわゆる地区制というのをとっておりまして、その営業地域というのは大蔵大臣の認可事項にたしかなっているわけでございます。したがいまして、地区を広げていくことによって経営基盤をより強いものにしていくという方法も当然あるわけでございますが、逆に言いますと、地区を広げますと地縁、人縁というのが薄れてまいるわけでございまして、それを基盤としながらやっていくメリット、これも薄れてくる。したがって、おのずからどんどんどんどん地区を広げていく、あるいは合併によって広げていくということにも限界があるわけでございまして、それぞれの地域の経済力その他に応じて最も理想的な大きさは地域によって差があるのではないか。したがって、その理想的な大きさを行政としては常に前向に見定めまして、仮に非常に小さくて経営上マイナスがあるというときは合併を指導していくということも当然必要ではないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 いろいろとお話がありましたように、信用金庫の会員外貸し付け、それは総貸し出しの二〇%以内という制限を今設けていらっしゃる。これは会員相互扶助という信用金庫の性格というものを具体的にあらわしているのじゃないかと思うのですけれども、この員外貸し出しが大幅に認められるようになりますと、やはり中小零細企業の資金需要に適切に応じ切れない、これは会員である中小零細企業の資金需要と申しますか、そういうものに対応し切れなくなってくるのじゃないかという面もありますし、また、金融自由化が進む中で信用金庫の貸出資金の効率化という面からも、この制約というものが信用金庫の業務上の足かせになるという、言うならば二律背反するような制約になっているのも事実じゃないかと思うのですが、大蔵大臣としては員外貸し出しの制限についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、あるいは二割という制限について、これは妥当な水準と考えておられるのか、その点どうでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今まさに委員がおっしゃいましたように二律背反的なところがあるわけでございまして、どんどんどんどん員外貸し出しを認めていくということは、結局その先の姿は普通の株式会社の地方銀行その他の金融機関と同質化する、こういうことであるわけでありまして、そうしますと、この協同組合制というのは全く崩れてしまって、信用金庫の特色がゼロになってしまうということでございます。したがいまして、現在の信用金庫の制度は、預金の方は組合員以外からも全く自由に受け入れる、したがって量的にはできるだけ資金を確保する、しかし、集めたお金の八割は信用金庫の会員に貸して、それ以外のところは二割にとどめておく、こういうことでやってきているわけでございます。 したがって、そこにおのずから長い間の経験に基づく一つの知恵の結果が出ておるわけでございまして、今後とも預金集めは自由に、貸し出しの方の員外は二〇%という仕組みは恐らく変える必要はないし、また変えない方がいいのではないかという感じはかなり金融制度調査会の委員の中にもあるわけでございます。
○太田淳夫君 ところで、全金融機関に占めますところの中小企業向け貸し出しシェア、これを見てみますと、この五年間で信用金庫は約三・五ポイント低下しているのですけれども、都市銀行は逆に八・八ポイント上昇しているわけです。それを見ますと、都市銀行等は最近の資金需要緩和基調というものを背景にしながら、中小企業向けの貸し出しについても積極的にその姿勢を強めているのじゃないかと思うのですが、そうなりますと、都銀等は信用調査能力の点では信用金庫よりかなり優位に立っておりますので、結果的に信用金庫というのはいつもリスクの高い分野の貸し出しを受け持つようになるのじゃないかという懸念があるわけでございます。都市銀行は結果的にリスクの少ない中小企業向けに貸し出しを行うことになってこようと思うのですけれども、その点はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(平澤貞昭君) おっしゃいますように、今金融は非常に緩慢、緩和しておりまして、したがって、そのような豊富なお金が各金融機関にたまっているわけでございます。そういう中で都銀等を含めまして、いわゆる銀行が中小企業金融に非常に力を入れてきているという事実がございます。ただ、このことは中小企業、零細企業にとって非常にいいことでございまして、そういうところは一生懸命融資をしてくるというのは、おのずからそういうところの資金調達が容易になり、かつまたあっちこっちから借りてくれということでございますから、おのずからまた競争の原理も働くということでございます。 ただ問題は、先ほどたしか大臣からもお話がございましたように、今はいいけれども、将来金融が非常に詰まってきたときに、そういう都銀その他がお金が足りないものですから、中小企業からお金を引き上げまして、その結果、中小企業、零細企業が非常に困るというようなことはやはり避けなくてはいけないわけでございまして、そういう意味で、そういうときにこそ信用金庫、信用組合等のいわゆる地縁、人縁がきちっとしている金融機関の存在意義が十分あるというふうに考えております。 それからもう一つは、都銀等がどんどんどんどん貸し込んではきておりますが、信用金庫の中小企業向け貸し出しの残高はちゃんと伸びておりますので、したがって、従来貸しているきちっとした部分はこういう金融緩和期でも信用金庫は中小企業融資を残高で確保しております。したがって、そういう中で都銀等がきているということでございまして、私はきめ細かく顔を知り人を知りながらお金を貸している信用金庫というのはこういうような状態のもとでも大部分がしっかりやっていると考えておる次第でございます。
○太田淳夫君 銀行局長さんのお話では、非常に信用金庫もしっかりやっているということでございますけれども、先ほども同僚委員からのお話がございましたが、これからの金融自由化が進む中で信用金庫の経営基盤の強化ということは極めて重要になってくるでしょうし、一生懸命頑張っておりましてもとのような事態を迎えるかもわからないわけでございますが、いろんな異種の金融機関との競争条件の整備ということがこれからもますます重要になってくるのじゃないかと思うのです。 先ほどもお話がありましたが、やはり全信連を通じていろいろな活動をやっている。そうなりますと、全信連を通じての業務の機械化あるいはコンピューター化というものも、これからは避けて通れないようなことではないかと思うのです。そうなりますと、やはり信用金庫及び全信連と申しましても、資金力あるいは資本力等の限界がございますので、何らかの政府の対応ということも考えてしかるべきではないかと思うのですが、その点はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今金融業務における機械化、コンピューター化というのは急速に進んでおります。そして、このための投資額というのは膨大な額になっておりまして、金融機関の行員一人当たりのいわゆるコンピューター投資額、これは鉄鋼会社とかそのあたりの製造会社の一人当たり投資額の何倍というふうに、今や金融機関はコンピューター産業化しているわけでございます。 したがいまして、そういう中で、信用金庫がこれにやはり対応していかなくちゃいかぬということは、大変なコストが要るわけでございます。しかし、信用金庫はおっしゃいましたように非常に零細なものもある、それから収益力がかなり劣るものもあるということでございますから、どうしてもそれを助けながらやっていくということになりますと、連合会の手助け、これが必要でありまして、したがいまして信用金庫連合会は、その意味でもいろいろな事業を今推し進めているわけでございます。 ただ、信用金庫の中でも、例えば東京に城南信用金庫という大きいのがございますが、そのように非常にしっかりしているところは自分でコンピューター化しております。 今、それ以外のもの、約信用金庫の七割に当たりますが、これはコンピューターにつきましては共同事務センターというのをつくっておりまして、そこで全部やっている。したがって、個々では個々でやる必要があるものをやっていて、共同の事務は共同事務センターでやっているというようなこと等をやりながら機械化を進めているということでございます。そのときには、やはり連合会の役割は非常に大きいということだと思います。 それから、現在静岡県にその例がございますが、もろもろの共通業務の提携をやっておりまして、これが零細信用金庫のコストダウンに非常に役立っているというような事例も多々あるわけでございます。
○太田淳夫君 先ほどもお話がありましたが、代理貸し付けということで中小企業等の資金ニーズに対して全信連は対応されている。これは現在どの程度まで実施されているのかお伺いしておきたいと思いますし、また、今回新しい機能として全信連に代理貸しについての質的充実の機能が付与される、こう聞いているわけでございますが、具体的な内容はどのような内容でしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 現在全信連がやっております代理貸し付け、その残高は六十三年度末におきまして、一兆一千七百十億円というふうになっております。全信連の総資金量が約十兆円ございますから、一割強が代理貸しというルートを通じまして中小企業等に流れているということでございます。 今後、仮に債券を発行いたしますとどういうふうになるかという御質問かと思いますが、限度額が自己資本の十倍、その満額仮に債券を発行して資金を調達しますと、二兆四、五千億の資金が調達できるということでございますので、その大部分は代理貸しの仕組みを通じて流れていく可能性があるということでございます。ただ、最初から十倍全部発行するわけでございませんので、最初は適正な額から始めまして、枠といたしましてはそこまでやれる、こういうことでございます。
○太田淳夫君 今回の改正案のポイントは、全信連に債券発行権限を付与するということでございますが、債券発行が今まで認められておりますところの長信銀あるいは東銀あるいは商工中金あるいは農中と比較しまして、全信連に対する国民の信頼感、これはどの程度あるのか。もし大きな格差があるとすれば全信連の債券発行が円滑に行われるかどうか懸念するところでございますけれども、また債券発行が認められている長信銀等の金融機関の債券の金利とどの程度の相違があるのか、全信連が発行する場合に、もしも信用の面で懸念があるとしますと、やはり高いレートの金利をつけなきゃならなくなってくるのじゃないかと思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 現在全信連の資金量は、先ほども申し上げましたように十兆円を超えておりますので、したがって、そういう意味では先ほどお話がございましたもろもろの債券発行金融機関に比べましても、そんなに差がないわけでございます。 それから、毎期の収益もかなり出ておりまして、その意味でも問題ないわけでございます。強いて言えば、まだ発行したことがございませんから、その意味での市場での知名度が現在まだゼロでございます。したがって、やはり最初は市場が実態を十分知って、それにきちっと適合した発行条件を認めてもらえるようにPRしつつ発行していくということが必要ではないかというふうに思っているわけでございます。 ちなみに、現在出しております長信銀等発券六行の発行条件は全く同じでございまして、市場がやっぱりそれぞれの金融機関を同じように評価しているということでございますから、全信連も発行に当たっていろいろPRその他の努力をすれば、十分この中に入り得るというふうに我々は考えている次第でございます。
○太田淳夫君 きょうこうやって審議して法案通るわけでございますが、大体全信連が債券を発行する時期についてはいつごろを目途とされているわけですか。
○政府委員(平澤貞昭君) いろいろの準備に六カ月前後かかると思いますので、したがいまして順調に準備が進みましたら、法律が公布、施行された後六カ月ぐらいたったところで第一号が出る可能性がある、したがってうまくいけば本年中に発行が可能かなというふうに考えているところでございます。
○太田淳夫君 そこで、この全信連の発行する債券、拝見していますと原則として利付債になるわけですが、これは販売は全信連の本支店での直接販売及び証券会社委託という方針と承っておりますけれども、中小企業金融の充実及び債券発行あるいは消化の円滑化ということを考えますと、全国の信用金庫の、七千五百五十一店舗あるのですか、その窓口でも販売するような方法を考えることはできないのでしょうか。あるいは、もしできないとしたら、その場合の理由は何か、はっきりしていただきたいと思うのですが。
○政府委員(平澤貞昭君) 現在全信連で、仮にこの法案成立後全信連債券を発行した場合に、どの程度消化できるかということをいろいろ検討しておりますが、その検討結果によりますと、全信連の本支店での直接販売及び証券会社への委託販売によって当面十分に消化できるというふうに考えているようでございます。 したがいまして、将来の問題といたしまして、そのような単位の信用金庫を使うということも考えられないわけではないわけでございますけれども、ただそのためには現行制度上、そういう単位の信用金庫が販売という証券業務をやります場合には法律改正を必要といたしますので、そういう措置をとらないとできないということもあるわけでございます。 将来問題といたしましてそういう可能性がないわけではない。ただ、現状ではそういう窓口を使いませんでも十分消化できる、こういうことでございます。
○太田淳夫君 次は、開銀法あるいは輸銀法まとめてお尋ねしていきたいと思います。 最初に、開発銀行の今回の法案におきまして、「産業の開発及び経済社会の発展に寄与する設備」、つまり地域活性化の効果が認められる事業主体に対して立ち上がり期の資金融資の道を開く、こうされているわけですが、この改正は民間金融を質的に補完するためとされているわけです。 その理由としては、これらの事業主体は創業当初の立ち上がり期におけるリスク、低採算性等の事情によりまして民間金融機関から十分に融資を受けられないことも多く、事業者の初期の負担が大きいものとなっているためと、こうされているわけですが、しかしこの分野におきましては、開銀とて全く採算の合わない、あるいは将来的に見通しが立たない事業主体には融資を行わない、こう思うわけでございますが、開銀も十分に調査を行って、将来的にある程度見通しの立つ事業ならば立ち上がり期に必要な資金の融資を行うということになると思うのです。 そうなりますと、事前に調査を行うのは民間の金融機関も同じでございますし、採算性の見通しが立つという判断を持てば、事業の立ち上がり期に必要な資金の融資を行うのじゃないかと思うのですね、民間銀行でも。特に、地方銀行というのはそれらの地方の経済活性化のために相当な努力を払っておりますし、その地方のプロジェクトあるいは特殊な事情にも精通しているわけです。 結果として、開銀が立ち上がり期の資金を融資してもよいと判断される事業主体と、民間金融機関が融資してもよいと判断する事業主体というのは重複してくるのじゃないかと思うのです。この分野に民間の金融機関が十分な融資を行わないだろうと大蔵当局及び開銀では考えていらっしゃるのではないかと、こう思うわけでございますが、その点を明らかにしていただきたいし、あるいは民間金融機関との競合は本当に生じないのだろうか、その点についてのお考えをお聞きしたいと思うのです。
○参考人(高橋元君) ただいまお尋ねのございました立ち上がり支援資金融資でございますが、法律改正が実現を見ました暁に実施させていただきたいと思っておりますのは、社会資本の整備に資するための事業、今NTTの株式の売却代金を無利子で貸し付けをいたしておりますが、その対象になります事業というふうに限定をさせていただきたいと思っております。 したがいまして、例示で申しますと一番おわかりになりやすいかと思うのでございますけれども、例えば多目的ホールでございますとか国際会議場でございますとか、リサーチコアでございますとかテレトピアでございますとか、そういったものが立ち上がり支援資金融資制度の対象というふうに予定をいたしております。 そういう事業でございますので、したがって非常に懐妊期間が長くなる、先行負担が非常に大きくなる、したがって開業後相当期間低稼働ということが余儀なくされる場合が多いのではないかというふうに思いますし、また低採算ということがどうしても出てまいりますので、公共性の高い施設を有すれば有するほど低採算になるという当面の事情がございますので、こういった、今例示で申し上げましたような事業が軌道に乗るまでの間の立ち上がり期間につきましては、施設の運営に必要な固定的な費用、例えば固定資産税でございますとか借入金の利子でございますとか、そういったような固定的な費用を賄うに足る十分な収入を確保し得ない場合がかなりあるのではないか。 お示しのございましたように、そういう場合に地方の銀行なり地方の金融機関がそれをサポートできるではないかということも考えられないわけではありませんし、現実にそういう場合も出てまいろうかということも期待しておるわけでございますけれども、今申し上げたような事業でございますと、事業主体がそういうものを手がけるのが初めてです。また、しばしばそういう事業はいわゆる第三セクターによって新規に始められるという事情がございます。新規性が強い、同じ事業がそれほどたくさんあるわけではございませんので、他に前例もないということで長期の事業見通しがつけがたいというものが往々にして生じてまいろうかと思います。そうなりますと、民間の金融機関が採算または回収面の不確実性から、あえて手を出しかねるという場合が多いわけでございます。 私どものお認めいただきました場合の立ち上がり支援資金融資は、そういう場合に限定をいたしまして、しかも民間金融機関との協調のもとにやりたいということでございまして、開発銀行がそういう融資をやることによって、民間資金が引き出されてくるということもあわせて期待をいたしているわけでございます。
○太田淳夫君 輸銀の方にちょっとお伺いしますけれども、先ほど同僚委員の方からも話がございましたが、今回の改正によりまして出資という新たな機能をつけ加えようとしているわけですが、出資機能の新設というのは、我が国の企業が途上国に投資する際に輸銀が資金の一部を出資してリスクの一部を分担する、いわば投資の呼び水的機能をさせようとしているわけでございますが、ただ出資を行うに当たりましては、これまでの貸し付け以上にプロジェクトのリスク評価が求められると思うのですね。世銀の姉妹機関で同じような出資機能を持つところのIFCは世銀グループの審査機能を利用していると聞いているわけですが、輸銀としてはこのようなリスク調査について、先ほど同僚委員から話がありましたが、きちんとやはり対処していただきたいと思うのでございます。 また、最近の中国情勢に見られるように、一つのプロジェクトのリスク審査のほかに、いわゆるカントリーリスクについても考慮を払っていかなければならないのじゃないかと思うのですが、その点についての見解を承りたいと思います。
○参考人(田中敬君) 私ども輸出入銀行におきましては、昭和二十八年以来いわゆる投資金融というものを行っておりまして、これまで私企業の投資に対する審査等の経験、ノーハウを持っております。この蓄積された経験、ノーハウを十分に生かすということで今後慎重な審査に当たってまいりたいと思いますが、私どもが持っております審査のノーハウは、基本的には今まで長年、三十年以上にわたりまして蓄積しましたノーハウ、それからもう一つ私どもの銀行に海外投資研究所という機関を附置いたしておりますけれども、これが各国の政治経済情勢等を絶えずフォローをいたしております。また、私どもの銀行の中に海外投資相談室というのが設けてございまして、これは今度は日本から資金を受け入れる相手国の外資の受け入れの状況、相手国の事情というものを絶えずフォローをいたしております。それからまた、海外に十五カ所の駐在員事務所、ネットワークを持っております。これから海外情勢が資料として入ってまいります。 こういうものを活用いたしまして、出資案件のリスク審査についても今後十分慎重にやっていきたい。またその能力は十分保持しておると私どもは考えております。 それから、御指摘のカントリーリスクでございますけれども、これはプロジェクトリスクと同様に十分今後注意をしなくてはならない問題、特に累積債務国、開発途上国にいろいろ問題がある時期でございますから、カントリーリスクについては従前以上の注意をしてまいりたいと思っております。これにつきましても、海外直接借款というものを私どもは長年、円借時代から始まりまして経験をいたしておりますので、そういうノーハウを生かしまして、あるいはまた先ほど申しました事務所の情報を生かしまして、カントレーリスクについて十分慎重に対応していきたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 最後に、六十一年の臨時行政改革推進審議会の答申にもございましたけれども、これからはやはり経営の効率化、合理化が必要であることはもちろんですが、国に対する財政依存度の抑制に努めることが必要であろうと私もかねがねから思っておりました。もう十年ぐらい前にもいろいろとお話を申し上げさせていただいたことがございますが、両銀行ができるだけ国の財政に頼ることなく自立の道をこれからたどっていくべきじゃないか。国の仕事としてやる部分はやる部分として、あるいは民間的な業務としてできる部分については、内容を充実して民営化していくべきじゃないかと前にも申し上げたことがございますのですが、そういう点も今後の問題として検討されていくと思います。 一層、今後は自己資金の調達についての量の拡大あるいは国内債の発行あるいは手段の多様化を図られる努力を重ねられて、そういう方向に進んでいかなければならないときを迎えつつあるのじゃないか。 私、私見でございますが、申し上げて質問を終わらせていただきます。
○吉井英勝君 信金法の一部改正に関してまずお伺いしたいと思います。 債券の発行で調達した資金の使途について法律上の規定はないわけでありますが、これは一応先ほどの大臣の提案理由説明の中でも目的とするところは述べられておりますが、ひとつ確認しておきたいと思います。 金融制度調査会の八九年一月二十七日報告を読みますと、「債券の内容」として「資金の使途」は「個別の信用金庫が対応困難な資金の供給等、信用金庫の貸出機能の補完。」にあるとしていますね。「信用金庫法改正の概要」には「中小・零細企業に対する長期資金の円滑かつ安定的な供給の確保に資するため」とあるわけです。ですから、今回の法律の一部改正の中で、法文上は明記されておりませんが、資金の使途というのは以上のためのものだ、こういうことでいいわけですね。
○政府委員(平澤貞昭君) 全国信用金庫連合会は、債券の発行によって調達いたしました資金を中小企業あるいは地域住民等にいわゆる代理貸しを通じて還流させるというふうに考えております。そして、この全信連の代理貸し付けの相手先は中小企業、地域住民等、いわゆる信用金庫の会員または会員となり得る者に限られているわけでございますので、したがって、いわゆる大企業にはこのお金が回らないように歯どめがかかっているということでございます。
○吉井英勝君 私、この信金問題に関連していろいろ調査をしております中で、信金にしても都銀、地銀にしても、今、労働時間問題が実は信用金庫の中などで随分大きな問題になっていることを事情聴取などをやっておりまして知りました。 それに関連して次に少しお聞きしたいのですが、一九八七年五月十四日の経済審議会建議の中で、労働時間短縮が行動指針として示されて、一つは「年間総労働時間千八百時間へ向けて」短縮をする、二つ目に「金融機関の週休二日制の積極的推進」ということが挙げられまして、週休二日にしても労働時間が短縮にならないという例が出ているということで、実は八六年十一月二十六日のこの大蔵委員会で、近藤忠孝委員よりその点の指摘がありまして、銀行局長に、週休二日制拡大の趣旨が損なわれることは大蔵省として好ましいこ とではないとあのとき答弁していただいたのですね。それから、当時の宮澤大蔵大臣も、時間短縮の実効が上がるようにしたい、こういう御答弁をいただいたのですが、信金にしても都銀にしても、現場でいろいろ事情聴取をしていると必ずしもまだそうなっていないわけですね。ですから、具体的にどのような指導をしていただいたのか、その点を伺いたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 今、委員からお話がございました六十一年十一月二十六日、ここで近藤委員の御質問に私が御答弁申し上げましたが、それを今御紹介申し上げますと、 金融機関の労働時間の問題は基本的には労使の合意に基づいて各金融機関が自主的に決定するという問題でございまして、したがって大蔵省といたしましてはその詳細は承知してないわけでございます。 しかし、このように労使間の合意に基づいて決定されるべき問題ではあるわけでございますけれども、ただ、このような時間延長が非常に行き過ぎた結果といたしまして週休二日制を拡大した趣旨が損われるような事態が出てくるということは、大蔵省といたしましても好ましいことではないと考えているわけでございます。 ということでございます。 したがいまして、今申し上げましたように、本来的には労使で御議論なさるわけでございますけれども、しかしこの週休二日制の問題につきましては、これだけ長い間時間がかかってやってきた問題でございますし、先ほどの行革審でございますかのそのような提言もあるわけでございますから、そういう中で金融機関としては十分にそれを踏まえてやってくれているものと我々は思っているわけでございます。 そこで、その後、これは昭和六十三年十二月十六日でございますけれども、全国銀行協会連合会が全国銀行の代表者にあてまして、「労働省労働基準局長から別添のとおり周知方依頼がありましたので、ご連絡申しあげます。」ということでございまして、そこにも「労働時間短縮の重要性に鑑み、その移行に当たっては、年間総労働時間の増大をもたらすことを避けることはもとより、その短縮を推進していただきたいと考えております。」ということで全銀協でもやっておるわけでございまして、これを受けて各金融機関の経営者が十分これを頭の中におきながら労使の間でやってくれるものと我々は考えているのでございます。
○吉井英勝君 ですから今読み上げられた会議録を私もちゃんと読ませていただいての話ですが、労使間でやってくれるものということで、結局あのときに御答弁としては、週休二日制拡大の趣旨が損なわれることは大蔵省として好ましくない、また大蔵大臣の方は時間短縮の実効が上がるようにしたい、そういう御答弁があったわけですが、大蔵省として具体的にこういうふうな指導をしてきたとか、それは別段ないわけですか。
○政府委員(平澤貞昭君) これは、先ほど申し上げましたように、あくまでも労使でお決めになることでございまして、行政として直接こうしろああしろという問題ではないわけでございますが、しかし私が御答弁申し上げましたように、やはりこれまでの経緯等々考えますと、そういうことは十分念頭に置いて個々の労使の間でやってほしいという気持ちは強く持っておるわけでございます。ただ、直接それを指導するというわけにはいきませんので、先ほど申し上げましたように、全国銀行協会連合会が先はどのような依頼を週休二日制の実施に当たってお出ししているということでございます。
○吉井英勝君 この際大蔵大臣にもお伺いしておきたいのですが、前任の宮澤大蔵大臣は、時間短縮の実効、つまり千八百時間へということですからね、全体として。実効が上がるようにする、こういう御答弁だったのですが、この点は村山大蔵大臣もお考えは御一緒というふうに理解させていただいていいですか。
○国務大臣(村山達雄君) 今、私もこの速記録をずっと読んでおったわけでございますが、筋はそういうことだろう、こう思います。やはり実効の上がることを望んでいるわけでございますから、そのやり方その他、どこまで踏み込めるか、そういった問題じゃないかなと思っております。さらにその点について検討をしてまいりたいと思っております。
○吉井英勝君 ことしに入りまして完全週休二日制に移行していったわけでありますが、信用金庫の例で実は調べてみたのです。全国のこともわかっているのですが、とりあえず近畿の例について若干見ておぎますと、例えば泉州信用の場合、これまで年間千九百八十時間四十五分が総労働時間だったのです。これが実は千九百八十四時間三十分へと。夏休み三日の廃止と、土曜日は休みにしたのですが、平日の時間延長がありますので、年間総労働時間が逆に三時間四十五分増加しているのですね。これは泉州信用の特殊な例かと思いますと、豊中信用では、特別休暇年間五日の廃止で逆に十一時間五十分増加、和歌山信用は二十五時間五十分増加、丹後中央は三時間五十分増加、北京都信用は十六時間三十分増加、舞鶴信用は逆に二十時間四十分増加。 これは宮澤前大蔵大臣や銀行局長の答弁もあったわけですが、しかし信用金庫の方では必ずしも政府の指導に従っていただいておらない。千八百時間にというのがもともとの大方針ですね。ところが、千八百時間どころかこれまでは約二千時間だったのです、千九百八十時間四十五分ですから。それをさらに延ばしているから二千時間に近づくことであって、千八百時間にちっとも近づかないのです。既にあのときに近藤委員の指摘されたのは、四週五休をやっているようなところで短縮になったところでも、わずかしか短縮になっていないじゃないかという指摘であったのです。それに対して努力を約束していただいたのですが、ところがふたをあけてみれば逆に延びているという例があるのです。こういう例について、今銀行局の方でまず実態をつかんでいらっしゃるかどうか、これを伺いたいのです。
○政府委員(平澤貞昭君) その問題の実態の問題になりますと、これはいわゆる労働問題になるわけでございまして、労働省の方でこの問題はいろいろ御苦心なさっておられると思います。先ほどの全国銀行協会連合会から全国銀行の代表者あての依頼におきましても、「労働省労働基準局長から別添のとおり周知方依頼がありましたので、」というのもそういうわけでございまして、こういう御議論が本委員会であったということにつきましては労働省の方にも十分伝えておきたいと思います。
○吉井英勝君 私は労働省の文書も全部もう調べているのです、読みました。この全銀協の文書等も読みました。それは全部承知の上で伺っているわけなんです。 問題は、せっかく御答弁いただいたのです、皆さんの姿勢も千八百時間へと。これは諸外国からの批判の問題ももちろんありますし、それから銀行局長ならよく御存じだと思うのですが、今、金融機関では非常に過密労働の中で在職死亡の問題とか健康破壊が随分進んでいるわけです。ですから、全体として労働時間を短縮して健康を守らなければならないということとか、そのこと自体が銀行の安定した業務の遂行にとって必要なんだということが今課題になってきているわけです。ですから、これは単なる労働省の問題じゃなくて、やはり金融機関が安定した業務を遂行していくという、顧客に対する信頼をかち取っていく上でも大事なことです。在職死亡の問題等は後にまた触れたいと思いますが、そういう問題があるから千八百時間へ努力しなきゃいけないのに、逆に二千時間に近づくというのは大変な問題だと思うのです。 ですから、これは労働省の問題じゃなくて、やはり労働省は労働省で当然やってもらうわけですし、我々は物を言っているわけです。しかし同時に、大蔵省銀行局としても努力してもらう課題というのはあるわけですし、全銀協に対してもこれまでより銀行局は言っておられるわけですし、この点については大臣、やはり前任の宮澤大蔵大臣と同じ姿勢で臨むと言っていただいているわけですから、やはりよく実効が上がるように、この面では大臣の方としてもどういう方法をとるかとか、検討を含めてこれはひとつ努力をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の委員の御議論につきましては、我々としても重大な関心は持っているわけでございます。
○吉井英勝君 私は銀行局長にここでとにかくやみくもに指導をやれやれということを言っているわけじゃないのです。まず実態をよくつかんでいただきたい。そのこと自体が銀行業務の遂行にとって支障を来している部分があるということで私は指摘をしておりますので、まずこの実態を調査していただいて、それからそれに応じてしかるべき指導をしていただきたいと思うのですが、この点はいいですね。
○政府委員(平澤貞昭君) また同じことを繰り返すわけでございますが、行政それぞれのつかさつかさがございますので、その中で御趣旨は十分踏まえながら我々としても対応してまいりたいと思います。
○吉井英勝君 ですから、そのつかさつかさの中で対応していただくのですから、対応しようとしても実態もわからずに対応のしようがないから、まず実態をしかるべく掌握をしていただいて、それに応じてしかるべき対応をとっていただきたいということを言っておりますので、その点はいいですね。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、我々として与えられた権限の中でやるべきことはやってまいりたいと思っております。
○吉井英勝君 日本経済新聞のことしの一月三十一日付、それから朝日新聞のことしの五月二日付に、金融機関の週休二日制実施以降、例えばママさん行員は、保育園の子供の送迎にあたふたの人が出てきたりとか、子供の送迎ができない人も出てきているとか、こういうことが紹介されておりまして、実は千八百時間へ向かう方向で週休二日でしたら、こういう問題は出ていないのです。ところが、それがやられていないためにこういう問題が出てきているわけなんです。ですから、このこと自体が実は銀行業務の上でも、また顧客サービスの面でも一つの支障を来す問題になってきておりますので、これはぜひそういうことも含めた実態を調べていただきたい、まずこの点を申し上げておきたいと思うのです。 続いてサービス残業の問題なんですが、これも銀行関係、生命保険、損保関係の金融職場全体に非常に広がっているのです。サービス残業というのは残業手当の不払い労働の問題であります。 私は、実は銀行職場の方から寄せられたはがきの幾つかをコピーして持ってきているのです。これはアンケートに答えてもらったわけです。三和銀行の二十の女性なんですが、昨年の九月から十一月の一カ月間の平均残業時間は五十時間です。残業手当を請求させてもらえなかったいわゆるサービス残業は四十時間です。この人の平均帰宅時間は何時かというと、二十の娘さんがほとんど毎日午後九時ないし十時です。昼食休憩というのは、十分そこそこの間に食事をとらなきゃいけない。有休は五日しかとれていない。また、別の三和銀行の二十二歳の女性で預金・為替係の方ですが、一カ月五十五時間の残業時間で、そのうちサービス残業が四十時間。平均帰宅はやはり大体毎晩午後九時になる。昼食休憩は十分ないし二十分しかとれない。有休取得は昨年はゼロであった。男性の場合はもっとすさまじいわけでして、男性が残業手当の手続をとろうとすると、この程度の仕事を残業しないとおまえはできないのかと無能力者呼ばわりされるので、結局残業手当を申請できなくなってサービス残業になってしまう。 こういう問題については、実はことしの三月十七日に近畿財務局の方にも、サービス残業についての問題で銀行マンの方たちが実態について調べてほしいと。これについて財務局は、申しわけないが実態について認識はしておりませんという回答でありましたが、しかし銀行法、労基法など法違反があれば指導するという当然ながらの明言はしておられます。 ですから、それが進行していく中で、サービス残業、持ち帰り残業、長時間過密労働の中で、金融機関に働く人たちを私はいろいろ調べてみたのですが、かなりの健康破壊、家庭破壊が今進んでいます。例えば昨年の十月に、これも三和銀行の玉出支店の三十四歳の支店長代理が心臓発作で急死。これは非常に過労が重なっていますね、調べてみますと。昨年末の十二月十九日の三和銀行上本町支店では、取引先係の二十七歳の人ですが、二十七歳にしてやはり過労からクモ膜下出血で妻と七カ月の子供を残して在職死亡。それから、ことしの二月二十五日にも三和銀行の難波支店次長ですが、三十八歳ですが、やはり極度の過労から急性心不全で死亡。これは私、三和銀行が特別多いのかと思ったらもちろんそうじゃないのですね。 例えば第一勧銀などではマイハートセブン運動というのがやられていますが、何かスマートな名前だと思って調べてみると、ある月の一カ月間で七人の在職死亡という、かつてない事態が生まれた。これは九時、十時までの残業が当たり前になり過ぎている。ですから、このマイハートセブンのセブンというのは、少なくとも七時には銀行を出るようにしましょうというセブンでありますね。そういう運動を今やられておったりしておりますが、こうした明らかに今、サービス残業とか長時間労働によって金融関係の職場で在職死亡や健康破壊が随分出ているのです。 これは私いろいろ他にもデータはきょう持っておりますが、やはりそういう問題が出ているという点では、銀行局は、それは労働省の問題だということだけじゃなくて、このこと自体が、顧客との関係においても随分業務上も安定した銀行運営の遂行という点で支障を来しているわけですから、やはりこれは銀行局としても人ごとじゃなくて、きちっと実態を一度調べていただく、そしてしかるべき対応が必要であると私は思うわけでありますが、この点についての銀行局の方の対応について伺っておきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 今いろいろのお話を伺っておりますので、我々としてはお話は十分伺ったということだけは申し上げられると思います。
○吉井英勝君 お話を伺ったのならそれで結構なんですがね。実際に近畿財務局などでも今までは実態調査はしてないわけですが、その後実態をつかんで、そのこと自体を指導するということについては言っているわけでありますから、これは銀行局としても、こういう異常なことが、銀行職場であれ生命保険の職場であれ損保職場であれ、そういうことが起こっておって、それを放置しておくというのはやはりこれはよくないことなんですよね。これは銀行局としてもこの週休二日制の拡大の趣旨がまさに損なわれているわけですからね。 千八百時間へ短縮という方向から逆に行ったり、千八百時間の目標というのは、これは国際的にも内需の拡大の問題とか雇用創出の問題とか、そういうこともあわせての問題として取り組んでいらっしゃるわけですが、実際にせっかく皆さん方が取り組みながら現実には違う結果が出ているならば、それはやはりしかるべき指導というのは必要になってきますし、しかし私はいきなり指導せいと今言っているのじゃないのです。まずよく銀行局自身が御調査をなさって、そしてそれに応じてしかるべき指導をしていただきたいと言っているわけなんです。ですから、お聞きしましただけじゃ困るので、そこはちゃんとやはりまず実態の把握ぐらいやってくださいよ、どうですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 大蔵省といたしましては、銀行行政上ぎりぎりまでの必要なことは適正に的確にやってまいりたいと考えます。
○吉井英勝君 これは大臣にやっぱり聞いておきたいですね。 時間短縮の実効が上がるようにするという点での大臣のお考えですね。 そうすると、今現実の問題として私はいろいろ現場を調べてみますと、実効が上がっていないのですよね。しかし、実効が上がっていないというのはたまたま私が調べたところだけかもしれないから、私はそれをここで決めつけて物を言おうとはいたしませんから、まず大臣の方でもよく御調査をいただいて、そして実効が上がっていくように取り組んでいただきたいと思うのです。私はこの点についてはひとつ大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 今ずっと聞かしていただきました。個別の話が出れば出るほど、さてな、これは労使問題じゃなかろうかと、個別の話をおやりになるわけですね。事実だとすれば、これは労使交渉の問題じゃないかと、私、専門家じゃありませんけれども、そういう感じがいたします。やはりどこまでが限界なのか、労使の関係で影響を及ぼさないで、しかも労働時間短縮という趣旨をやるのはどの辺までなのかということをさっきから考えておったのですが、実効の上がるように、前の宮澤大臣が言われたのは、それは言葉としてはもうそのとおりでございます。私も勉強させてもらいたいと思っております。
○吉井英勝君 もともと千八百時間へ短縮ということは、これは大蔵省としても金融機関について取り組むということで法改正もしてこられたし、これはその御趣旨には変わりないと思うのですよね。問題は労使間の問題というのは、個々の問題についてどう取り扱うかというのは、労使間で話し合う部分もあるでしょう。ただ全体として、大蔵省のスタンスとしては千八百時間へ向けて金融機関も週休二日制で積極的に推進して、その中で千八百時間へ向かうということの、そういうスタンスで取り組んでいらっしゃるはずなんですから、大蔵省の全体としての方針が貫かれるように、この点ではやはり時短の実効が上がるように、これはどういう方法で大蔵省として取り組むかというのは、これまた先ほどおっしゃったように検討していただくにしても、実際にまず調査をし、実態を把握して、それに応じたしかるべき指導というものはやっていただきたいと思うわけです。 労働省関係のことは従来より社会労働委員会その他でもやってきておりますので、それはまたしかるべきところでやらせていただくので、きょうは私は銀行局として、大蔵省としてやはりそういう観点で取り組んでいただきたいというお話をさせていただいておりますので、その点ではひとつ努力はやっていただきたいと思うわけです。 時間が大分たってまいりましたので、輸銀関連について二、三伺っておきたいと思います。 途上国の債務累積問題はサミットにおいても当然大きな議題の一つになろうとしておりますが、その解決策として注目を浴びているのがアメリカのブレイディ提案ですね。重要なのはこの構想がアメリカの安全保障上の戦略あるいはアメリカの大銀行の国際的戦略という点から出てきているということで、例えばベネズエラの暴動などをきっかけに、これ以上累積債務国に経済的困難から反政府運動が起きるとアメリカの裏庭である中南米全体がアメリカの支配から離れていくおそれがある。また、そうなればアメリカの多国籍企業や大銀行が従来から持っていた独占的権益が損なわれる、そういうおそれがあるというところからブレイディ戦略というのが出てきておりますが、実はことし四月に行われたIMF暫定委員会においても一応基本的には合意されておりますが、しかし、主要先進国にはいろんな意見が出ていますね。これは既に新聞等でも報道されておりますが、私どもも読んでおりますが、例えばその中でイギリスのローソン蔵相は、債務の処理は債権国と関連した商業銀行の交渉にゆだねるべきものであり、各国政府や国際機関が直接関与すべきではないという、そういう正論を吐いておりますね。そのような国が、西独のシュトルテンベルク、それからイタリアのアマート各蔵相らがイギリスの蔵相とともに発言したということも報道されておりますが、そういう中で我が国はいち早くこの提案に賛意を示して、四十五億ドルの資金供与を約束して、そして輸銀法改正でこれに積極的に協力しようとしているわけです。 そこで、一つは、我が国の国民の負担でアメリカ大銀行の貸し倒れを救済するということになるのではないかという批判があります。そういう声があります。二つ目に、なぜこのような約束をしたのかという指摘もあります。三つ目に、この四十五億ドルの資金はどのような使途に充てられようとしているのか。それから四つ目に、我が国は既に約束しているわけですが、約束した四十五億ドルに加えて新しい資金還流計画を作成して融資を上積みする計画というふうに言われておりますが、その内容はどういうふうになっているのか。この点について伺いたいと思うわけです。
○政府委員(内海孚君) ただいまの吉井委員の債務問題に関する御指摘に関しましては、私どもと必ずしもその前提において認識を同じゅうするものでないということを冒頭に申し上げますが、御質問についてまず直接お答え申し上げますと、第一に、輸銀のIMFとの四十五億ドルといういわゆるパラレルレンディングでございます。これはIMFが当該債務国につきまして三年間という中期にわたりましてしっかりとした経済政策を合意いたしまして、債務国はかなりこれが厳しいものであっても、これを実施することによって経済の再建をきっちりとやっていくという前提に立ちまして、民間銀行はその場合にある程度債務の削減に応ずる、あるいは金利の軽減に応ずるということでございますので、それらの債務国につきましては、当然のことながらその信用は大変増すわけでございまして、そういうことを助けながら、同時にそういったコンフィデンスに基づいてお金を貸すということでございますので、これが欧米あるいは日本の民間銀行を含めました民間セクターの金融機関の負担を救済するために使われるということは、私どもはそれは当たらないというふうに思っております。 それから第二に、これはもう約束したのか、なぜ約束したのかという御質問に関しましては、これから個別の国に対してどの程度のパラレルレンディングをするかということを検討するわけでございますが、その場合に前提といたしまして、第一に、しっかりとした経済再建計画が合意され、それを実施していくということを見きわめながら貸すということが前提でございます。 それから第二は、世銀、IMFも同様に債務の削減あるいは金利の軽減のためにそれを支えるような貸し付けを行うということでございます。それから第三に、民間銀行と当該債務国との間におきまして、しっかりとした債務削減あるいは金利の軽減を含むパッケージができる十分な見込みがついてからやるわけでございます。 それから、そうやって貸し付けられましたものは、当該その国が世界のどこからでも輸入をすることができるという資金に充てられるわけでございます。 また最後に、新しい資金還流計画という御指摘でございましたが、現在ちょうど二年前に発表いたしました三年間で三百億ドルという資金計画がございまして、これは大体二年たちましてコミットメントベースで約九〇%を達成しております。もっともディスバースメントベースでは五〇%程度でございますが、これをどのように発展させていくかということはまだ検討中でございまして、現在御説明できるものは具体的に持っておりません。 —————————————
○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。本日、河本嘉久蔵君、陣内孝雄君、坪井一宇君、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として村上正邦君、松浦孝治君、寺内弘子君、小野清子君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○栗林卓司君 私は、信金法について二、三お尋ねをいたしたいと思います。 既に各般にわたって質疑がされておりますので、私は時間の関係上、二、三に絞ってお尋ねをしてまいりたいと思います。 この信金法をなぜ成立をさせなければいけないかについて書類をいただきました。一つは、中小企業対策である。二つ目は、金融自由化への対応である。三つ目は、金融制度改革との関連で必要なのであると、こう書いてあります。一つ一つについてその真意を確認しながらお尋ねをしたいのでありますが、中小企業が長期低利の資金を要請しているというお話でありますが、恐らくそうなんでありましょう。しかし、全信連に債券を発行させることが、そのまま長期低利の資金を提供することになるかといいますと、必ずしも単純にそういかないのではないか。問題は債券発行の利率でありまして、それは現状のところ、長信銀三行と同じ利回りでありましょうから、現在長信銀三行の提供する長期資金の供給量が不足しているというのであれば、なるほど長信銀三行と同じ利回りで債券を発行させれば、中小企業が望んでいる長期低利の資金をより潤沢に供給するということになるのかもしれません。しかし、実態というのは決してそうではないのではないでしょうか。しかも量的に見て、現在中小企業金融が量的に不足をしていると言えるような実態ではないと思うのです。中小企業の長期低利の資金をという声にこたえるとしますと、むしろ銀行を通してではなくて、直接市場から長期低利の資金を調達するという、その道を大きく開く方が答えとしては正しいのではないか。したがって、この答えとしてすぐそのまま全信連に債券を発行させようということにはならぬのではないかと思うのですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今、委員の御指摘のように、個々の信用金庫が債券を発行いたしまして、市場から直接資金を調達するというのも一つの方法かと存じますが、しかし、信用金庫の数は先ほどお話がございましたように四百五十五あるわけでございまして、それがすべてそういうことで債券を発行して調達するということになりますと、おのずから経営状況のいかんによって発行できないところもある。仮に発行できましても、市場が非常に低い格付で受け入れるということで、高い金利でしか調達できないということもあるわけでございまして、したがって、やはり最も信用金庫業界の中で信用力のある全信連に発行させるのが低利の資金を安定的に調達できる一番いい道ではないかということで、まずこれから始めようということで法案の御審議をお願いしているということでございます。
○栗林卓司君 二番目の金融自由化への対応ということなんですが、債券発行いたしまして、その利回りはといいますと現状は四・二〇%ですね。ところが、預貯金はどうかといいますとMMCでいきますと三年で四・二%ですね。したがって、預貯金も四・二%だ、貸し出しの方も四・二%だ、これは変わらないとしてですよ。ところが、貸出金利の方も、預ける預貯金金利の方もいよいよ本格的な自由化を迎えるかもしらぬ、さあこのときにどうやって生きていくかというのが自由化対策ですね。そのときに、生き抜けるだけの体質をどうっくるかというのであって、なるほど債券発行して扱い高をふやせば、それはやっぱり一つの解決の道かもしれませんけれども、逆ざやになってしまったら何ぼ量がふえてもしようがないのでありまして、したがって強い体質をどうつくるかということが本当は一番要るわけですね、信金業界とすると。むしろそちらの方がまさに着目して対策すべき部分ではないか、私こう思うのです。これは意見で申し上げました。 そこで、三番目の金融制度改革との関連で言うのですが、結論的に私言いますと、さっきも参考人でおいでになった全信連の会長さんおっしゃっていましたけれども、なるほどこれは信金業界の長年の宿願だと思うのですね。執念をいかにも私感ずるのです。感ずるのですが、そうやってもう一人前に債券も発行し、長期資金も調達してやっていきたいという気持ちはわかるのであります。これから銀行といえどもつぶれることはなしとはしないという厳しい自由競争の中に生きていくわけでありますから、そういうときにこうやって信金に、いわば一人前であるかのごとき体裁を与えてしまうことは大蔵省の金融行政として果たしてプラスなんだろうかどうなんだろうか。逆に、あるいは一つの重荷をしょわすことになるのではないかという点が一つ不安なんでありますが、この点いかがでありましょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほども御答弁の際申し上げましたように、現在信用金庫の貸し出しの中で五年超の貸し出しが三三%、約三分の一を占めているわけでございます。ところが信用金庫の資金の調達面を見ますと、やっと二年、今度MMCで三年ということでございまして、したがってそういう意味で言いましても、信用金庫は結局短期のお金を調達してまいりまして長期の融資を非常に多くしているということでございます。特に個人の住宅ローンというのは二十年、三十年と、こういうのがあるわけでございます。そうしますと、短期で調達しておりましたのが金融情勢が急速に変わりまして、短期資金が急速に利回りが上がるということになりますと、アメリカのSアンドLというのがまさにそれで経営破綻を来したように、とたんに逆ざやになりまして大幅な赤字を背負うということになりますので、やはり長期の貸し出しをやっている金融機関は、長期の安定した資金を調達する手段を与えませんと、結局このような激動した金融環境の中では問題が起きる。まさにSアンドLでそういうことが起こっている。SアンドLというのはちょうど信用金庫と同じぐらいの金融機関と考えていただいていいわけでございますが、そのためにまず真っ先に何をやる必要があるか。それは、連合会の機能を使いながらこの問題に答えを出してみようということで、信用債券の発行、長期資金の調達、こういうことで始めたわけでございまして、これから先も金融制度調査会におきましては、単位の信用金庫の経営基盤の強化のためにその他どういうような施策をとったらいいか、これも現在検討中でございます。したがいまして、また答えが出てまいりましたら、立法措置が必要な場合には国会にも法案を出して御審議をお願いしつつ、そういう方向で努力していきたいと考えている次第であります。
○栗林卓司君 慎重かつ将来を展望した御検討をぜひよろしくお願いをいたします。 次に、開銀法についてお尋ねをするのでありますが、開銀法の十八条の二に限度額の規定がございまして、従前十倍でございましたが、これを十一倍にしたいというのが今回の御提案であります。十倍になぜ従来してきたのかという経緯を考えますと、民間金融に対する補足機能という面もありましょうし、開銀そのものの望むべき体質強化等の観点から決められた限界かもしれませんし、したがって現状はとにかくお金が要るんだという現状追認で動かしていいのであろうかというと、必ずしもそうも言えない気もするのですが、現在の十倍というのは果たしてどのぐらいの羅絆力を本来は持っているものであったのでありましょうか。 これひとつ正直に申し上げますと、実は前に二十倍にしたいという御提案がございまして、それを参議院の大蔵委員会で十倍に値切ってしまったという経緯があるものですから、そのとき二十倍の御提案をそのまま通しておいた方が本当はよかったのかもしれませんし、その辺のところをざっくばらんにお答え願いたいと思います。
○参考人(高橋元君) 今お話にございましたように、昭和四十七年の改正の際に、現行の受信倍率十倍というのを決めていただいたわけでございます。当時、六倍を十倍にしていただきたいということで、四倍アローアンスをいただいたわけですが、その後、一つは自己資本の積み上がり方、つまり利益の留保の仕方、それからもう一つは融資の増加のペース、この二つをにらみながら運営をしてまいったわけでございますけれども、昭和六十二年度ぐらいからかなり融資残高が伸びてまいりました。殊に六十三印度は回収金が少なかったこともございまして、現在十・六倍ということになっておるわけでございます。 この問題を考えます際には、一つは、融資規模をいかにすべきかということがございます。最近の行革審、臨調、いろいろなお話もございますし、いたずらに量的拡大を追わないというような一般の考え方、私どももそう思っておりますが、質的補完に徹するということで、政策の重点をどこに置くかということが一番肝要かというふうに思うわけでございます。例えば地域振興でございますとか技術開発でございますとか都市開発でございますとか、そういうことを重点に置きながら、現在いただいております十倍の枠の中で業務を進めてまいりまして、かなり量的な抑制をいたしましても、今度は、年度末でたしか十・六倍、平成元年度の財投計画で認めていただいた融資を実行しますと十一・一倍になり、そこではみ出してしまうという問題が起こりますので、今回改正をお願いしておるわけでございます。 そこで、最近の、自己資本比率を金融機関全体についてどうすべきかという、対外業務を行う商業金融機関の問題もございますし、国内の債券発行銀行の発行限度の問題もございますし、はたまた、一番基本的には、先ほど申し上げましたとおり、開発銀行は何をいかほどすべきかという問題がございます。最後の問題は、予算ないし財投計画の御審議の際に政府とも十分御協議をして、やるべきこと、やらなければならぬことというのを決めていただいて進めてきておるわけでございますが、今後の業務をどう進めるかにつきましては、毎年度、政策のあり方、融資の進め方というものを見直しながら進めてまいりたいというふうに存じております。 以上でございます。
○栗林卓司君 最後に輸銀法関係について一点お尋ねをいたします。 先ほど来出ていた議論でありますけれども、例えばアンタイドローンが中国向けに多額に行われ、あるいはまたフィリピン向けに行われているわけでありますが、中国を例にとりますと、まさかこんなことになろうとは思っていなかった、だれしも思っていなかったわけでありますが、ところが、こうした中で、従来のアンタイドローンを含めて、どのような判断と経綸をもって中国との金融関係を進めていくかというのは、片や政府が担うべき大きな課題でありますけれども、一方、輸銀としても、それを判断するだけの情報判断能力と、やはり一つの、大げさに言えば理念を持たなければできない仕事だと私は思うのですね。それについては、各地に支店、支所もありますし十二分にやっておりますというお答えでありますけれども、いわば一つの、政府そのものが負うべき荷物をしょっておいでになる立場としての一言コメントを、具体的に中国という意味じゃありませんよ、この手の融資に対する立場におけるコメントをいただければありがたいと思います。
○参考人(田中敬君) 御指摘のように、政府そのものではございませんが、私どもの機関は政府金融機関、政府機関でございます。そういう意味におきましては、私どもの業務は政府の経済、外交政策にのっとった線でこれを遂行していくというのが基本になっております。御指摘のありましたカントリーリスクの問題等につきましては、私どもとしても十分これを注意し審査していくと同時に、政府の外交方針等ともよく御相談、協議をした上で慎重に進めてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(梶原清君) これにて三案に対する質疑は終局したものと認めます。 なお、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び日本開発銀行法の一部を改正する法律案の討論、採決は次会に譲ることといたします。 それでは、これより信用金庫法の一部を改正する法律案について討論に入ります。 御意見もなければ、討論はないものと認め、これより採決に入ります。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十一分散会 —————・—————