大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/04/06
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(梶原清君) 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木健太郎君 私は、戦時中の理科教員が不足であったときに、私の専門が物理学に近いところから、昔の旧制の中等学校の物理学の講義を週二回ばかりお手伝いをしたことがございます。約三年間それをやったわけでございますが、その際、その中学が非常に古い学校であり、名門校でもありましたので、器械戸棚には非常にたくさんの供覧の教育資材が設備されておりました。しかし、それまでは、ほとんどの教官がそれを使うことなくて、ただ教科書で教育をしていたようでございますけれども、私は一々その供覧資材を調べまして、できるだけ多くの供覧を学生に見せたわけでございます。その結果かどうか知りませんが、非常にそのときの学生が物理学に興味を持ちまして、高等学校への入学も理科系のものが非常に多くなり、また入学の合格率も非常に上がるということで、校長から大変喜ばれたことがあるわけです。 最初にお聞きしたいことでございますが、現在の旧制から新制の学校教育制度に変わりまして、高等学校は三年になりました。もとの高等学校と現在の中学というものが相対する、半分かかっているわけでございまして、あのぐらいの年のときに自然科学というものに興味を持たせるということは、将来非常に大きな影響を及ぼすものであると考えているわけです。私が教えました生徒は、進路としましては自然科学系の方に多くの者が行きまして、現在、震研の研究者あるいは企業家として社会で活躍している。そういうことから見ましても、このころの教育というのは私は非常に重要である。しかも、自然科学というものは実物を見せるということによって非常に大きく変わってくる、興味を持つ、学問的探求心が沸く、こういうことを私は切実に感じているわけでございます。 そこでお聞きしますのは、現在の高等学校、昔の高等学校よりも程度が低いのか高いのかそこら辺がわかりませんけれども、現在の高等学校の理科教育に対する教育の資料あるいは資材あるいは設備というようなものが、どのように整備されているかということをお聞きしたいわけでございます。 ある県で調べてみますと、文部省の指定されておるような教育資材の整備が、富裕県でありましても余り十分ではない。それは学校がふえたということもあると思いますし、三年であって、その程度はわかりませんけれども十分でない。七〇%を目標として整備はしているけれども、七〇%にも及ばない、こういうことでございます。 そういう意味で、私は理科教育の振興というものが現在非常に唱えられておりますけれども、この整備状況と振興策、また教育資材の整備、そういうものについては今後どのようにお考えであるか、そういうことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりに、高等学校における理科教育の重要性ということを文部省も十分認識をいたしまして、これまでも努力をしてきたところでございますが、高等学校の理科設備につきましては、理科教育振興法に基づきまして設備基準というものを定めております。それにのっとって補助を行って整備を図ってきているところでございますが、若干一、二年古い数字で恐縮でございますけれども、昭和六十二年度の年度末現在の設備状況は、国の整備目標に対しまして、全国平均で六七%という状況になっているところでございます。 委員御指摘のとおりに、冒頭に申し上げましたように、理科教育の重要性にかんがみまして、我が国の理科教育の振興につきましては、これまで理科教育の内容及び方法の改善、理科設備の整備充実、理科の教職員の資質の向上などの施策を講じてきたところでございますが、これからもこうしたことを理科教育振興法の精神にのっとって進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○高木健太郎君 もとの高等学校は、中学の五年を終えまして三年間理科と文科とに分かれて教育されておったわけでございます。ところが、現在は高等学校のときには文科も理科も同じでありまして、そこではまだ専門化されていない。そういう意味では、理科に進む人は教養部に入りましてから理科とか文科に分かれるというようなことになるわけですから、非常に自然科学系に進む人は時間がもとより足りない、高等学校のうちにやっておかなければならないということになるわけですから、高等学校における理科教育の振興あるいは拡充ということは、私非常に重要なことであると思うわけでございますので、ただいま文部大臣が言われましたように、今後とも理科教育の振興については十分な施策を講じていただきたい。六七%、あるいは富裕県におきましても七〇%に達しないというようなことでは、将来の人材の養成に私は危惧を抱くものでございますので、この点はいろいろ地方と中央との予算の振り分けもございましょうけれども、そういうこととは別個に考えましても理科教育の振興に努めていただきたい、特に要望をしておくわけでございます。 第二にお聞きしたいことは、これは高等学校と限りませんで、後でもまた大学のことを申し上げますけれども、文科系でもいろいろ準備が要るわけでございましょうが、理科教育におきましては実験の、あるいは実習の準備というものにかなりの時間が食われるわけでございまして、例えば、生物であれば野外に出てその実物をとってくる、あるいは学生に、生徒にそれを見せるとか、あるいは自分が供覧をする場合に、その供覧の道具を十分に準備する、このようなことが非常に重要視されるわけでございます。その場合に、実習の助手というものが高等学校ではどうなっているのか、それの定員というものが確保されているのか、そのことについてどのようになっているかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(倉地克次君) 高等学校の理科教育における実習助手の定数措置の状況でございますけれども、これは六から十二学級の全日制及び定時制の課程について一人、それから二十五学級以上の全日制及び定時制の課程について二人ということで措置しているということでございます。
○高木健太郎君 それは実習のときには生徒の数が重要でありましょうけれども、実習ではなくて、実習には少し高度である、みんなに自分がやってみせることはできる、こういうのがあるわけですね。実習は非常に初等的な、生徒が自分自身でやるものである。しかし、供覧というものは、それは生徒にやらせるには少し高度である、それをみんなに見せなければいけないというような科目があるわけでございまして、これは生徒の人数とは関係がないわけでございますから、その意味では生徒の数と、それから実習助手の数とをすぐに引き合わせるというようなことは、どうも少し理屈に合わないのではないか。 私が先ほども申し上げましたように、供覧というもので生徒に見せるということは、これは非常に印象に深いわけでございまして、しかもそれをおもしろく見せる、楽しがってそれを見る、こういうことで理科というものに非常に興味を持ってくる、これが非常に大事なことであると思いますが、そういう意味では、単に定数が生徒数によるというような分け方ではなくて、理科教育に対しては、実習の助手ということもありましょうが、そういう供覧の助手というものも加えて考えていかなきゃならぬので、単に二十五以上はどうというようなことはもう一度御再考を願ったらどうか、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(倉地克次君) 先ほど申し上げましたのは、六から二十四学級でございまして、学級単位の積算をしているわけでございます。ただ、六から二十四学級につきましては、一人の実習助手を用意しているわけでございますけれども、二十五学級以上の大きな学校になりますと、理科の教育が同じ時間に二クラスやられることもあるわけでございますので、そうした状況を考えまして、二十五学級以上の大きな学校につきましては、二人の定数を措置していくということでございます。この状況を見ますと、六学級以上の学校については必ず実習助手が一人措置されているわけでございますので、今先生の御指摘のあった点につきましても、対応していけるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○高木健太郎君 これは大学についても言えるのですけれども、設備費というものにつきましてはかなり金が出るわけですけれども、人間というものが、やっぱり人材というものがそこにないと、すべてはうまくはかどらないということもあるわけでございますので、いろいろ削減の必要もあるかもしれませんけれども、その点余りに人数を減らしていくというようなことは今後考えなければならぬと思いますので、一言申し上げたわけでございます。 次にお聞きしますのは、大学における教育研究の補助職員ということについてでございます。 現在、総定員法でしょうか、行政改革でしょうか、いわゆる定員というものが少しずつ削減されていって、効率的に教育もやれということであるかとも思いますが、私もドイツとかアメリカでしばらく研究したことがございます。 例えば生物の実験でありますと、外国ではあるいはドイツにおきましては、動物を飼育する人、動物を動物小屋から持ってきて、そして麻酔をしてちゃんともをそりまして、そして台にくくって、いつでも実験者が行けば、その実験がメスさえ持てばすぐできるというような状況、そういう人、それから実験の結果を写真に撮ったりいろいろいたしますが、それの現像をする人というようなもろもろの順序があるわけでございまして、あるいは過程があるわけでございますが、それに対して十分な実験の補助員といいますかあるいは技術員といいますか、そういうものがついておりまして、極めてスムーズに実験を行うことができて、実験者は頭の中でこれはどのように進めるかということに一点集中できるわけです。ところが、我が国におきましては、動物のえざをやる、あるいはひどい場合には自分が動物を求めに行く、そうしてその動物を世話をする、連れてきて麻酔をかける、毛をそる、実験が終わればその写真は自分で撮る、そして現像もする、動物の死体を捨てに行く、そういうあらゆることを実験者みずからがやらなければできないような形にまで定員が削減されているわけでございます。 これは非常に能率が悪くて、しかも実験の成績が上がらないということを、私もつくづく経験をしているわけでございますが、そういう大学における実験部門の技術者の確保というものは、単なる事務職員の確保とは違う形のものであると私は思うわけです。しかし、技術者の優秀な人は、最近の産業の振興によりまして企業がいろいろ研究室あるいはその他を持っておりまして、そこにそういう技術員を高額で雇用するというようなことが起こってまいりまして、優秀な技術員は大学の中にとどまっていない、そういうところへ逃げていく、あるいは待遇が非常に悪いためにやっていけないというような人も中には出るわけでございまして、実験部門の技術員の確保あるいは待遇あるいは定数というものについては、私は十分考えるべき問題であると思いますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(國分正明君) 先生の御指摘にございましたように、大学の教育研究を活発にし、また高度なものにしていくためには、教官だけでなくて教育研究を補助する職員というものの整備が必要なことは、御指摘のとおりであろうと思っているわけでございます。また一方、これもお話にございましたように、大学の教職員につきましても、一般公務員と同様に国全体の方針といたしまして、総定員法等の枠内あるいは定削の対象というようになっていることも事実でございます。この点につきまして、こういった技術系の補助職員が不足しているのではないかというような御指摘もあるところでございます。私ども、こういう厳しい状況にはございますけれども、例えば学科の新設、改組といったようなことに際しましては、学生定員やあるいは施設の規模等にもよるわけでございますが、一定数の技術系の職員を確保する、定員を確保するというようなことに努力してきているわけでございまして、また定員だけでなくて、確かに適材が大学の研究室において活躍できるようなもろもろの施策も講じていかなければならない。十分ではないかと思いますけれども、今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
○高木健太郎君 新しい研究を始めるという場合には、自分自身である程度機械、器具その他をつくり、工夫をしていかなければならないことは御存じのとおりだと思います。また、今までの科学の発達史を見ましても、研究室の中から新しい機械が生み出されたことが数多くございまして、その中にはノーベル賞をもらったような立派な機械をつくったときもございます。時代が移りましたので、そういうものは全部分担として、機械は機械、あるいは研究室は研究室というように分かれていくのもやむを得ない面もあるということは、私は承知しておるわけでございますが、大学の中にそのようなワークショップといいますか、小さな工場といいますか、例えばガラス器具をつくる人、あるいは旋盤を使うような人、あるいは木工をやるような人、そういう工場の小さなもの、ワークショップがございまして、そこで非常に長年の間、技術あるいは製作を担当してきた人たちがおったものでございます。しかし、どこの大学でもだんだんその定員とそれの予算というものを教室費の中から出さなけりゃならないというようなことで、その経営が困難になりまして、一つ二つとそれは寂れていきまして、今ではそういう姿を見ることはほとんどない。あっても極めて小さなものであるということになっているわけです。 その場合に、そういうワークショップの予算というものを別に取らなきゃならぬというようなこともあるでしょうが、その予算は現在のところついていない、単なる講座費からそれは供出されている。あるいはその技術者が腕が非常にいいと、そこにはとてもおれない、他の企業へ引き抜かれるというようなことでございまして、これは生物学、あるいは物理学、化学に限らず、薬、医学その他すべての自然科学系の部門においてはそういうことが起こっているわけです。そのために、大学から新しい機械、新しい工夫をされた装置というものが生み出されることがない、あるいは新しい装置は全部企業におんぶしなければならない、こういう状況になっているわけで、大学の研究の創造性といいますか、そういうものが非常に阻害されているのじゃないかという気がするわけです。 だから、今単に技術員の数の確保ということも言いましたけれども、そういう設備、そしてその人たちの待遇というようなことも十分お考えになっていただきたいというふうに思うわけでございますが、それに対する御感想をお聞きいたします。
○政府委員(國分正明君) 先生御指摘のとおり、日本の学問の水準を高めていく、特に基礎科学の分野におきまして、いろんな手だてを講じて高めていくということは最も肝要なことであろうと思っておるわけでございます。このために、ただいま先生お話しございましたような定数の問題、人材の問題、設備の問題あるいは全体の運営の問題、心がけていかなければならない一つの目標であろうというふうに思っておる次第でございます。
○高木健太郎君 今、現在、大学の講座の定員は一、一、二ということになっておりまして、技術員が置けない、あるいはタイピストが置けない、あるいは秘書が置けないというようなことで、それはいわゆる講座費の中からもとは捻出しておったわけでございます。人件費が非常に高くなりまして、そういうものを講座費から出しますと、講座費そのものが非常に減ってしまう、そのために研究にそごを来す、やむを得ず科学研究費に頼る、しかし科学研究費はそういう人件費には使えない、こういうことがございまして、非常に何か動きにくい、そういう状況にあるわけです。 こういうことは、自然科学系と人文はもともと違う、実験講座とあるいはそういう人文講座とは違いますけれども、しかし実験講座にいま少し目を向けて、そこから新しいものを生み出していく、いわゆる創造性をもう少し養うためには、このようなものがスムーズに、いわゆる機能分担をさせるとか、あるいは共同のそういうものをつくるとか、こういうことをしてやらないと、今の大学からは私は創造性のある研究は生まれてこないのではないか。また日本では、そういうことも一つの原因になったわけでございましょうけれども、非常に小さな、微小な、お金のかからない、自分自身で細かくやるというような、そういう研究はかなりノーベル賞級的な立派な仕事ができているわけですが、スケールの大きい仕事というものは日本からはほとんど生まれてこない。そういうこともありますから、全部の大学にどうだというわけじゃありませんが、大学大学にひとつそういう特徴を持たせて、十分な人件費とそれからそういうワークショップのようなものをつくって、そこからも立派な仕事ができるような、そういう方策を今後お考えになっておく必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりに、先ほど國分局長からもお答え申し上げましたように、我が国の学問の基礎研究、もっともっと充実をしていかなければいけないと、このようにその責任を文部省といたしましても痛感しているところでございます。 その方策として、ただいま委員お示しになりましたように、少し予算の重点的な配分というものも研究してみてはどうかというような御指摘であったであろうと思います。そうしたことも、今後文部省といたしましても考えていかなければいけないなということを、内々話し合いをしているところでございまして、今後とも努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○高木健太郎君 大変ありがとうございます。その点を新しく文部大臣におなりになった西岡先生にぜひともひとつ御考慮願いたい、このようにお願いするわけでございます。 次は、やはり大学に関係する旅費の問題でございますけれども、御存じのように、現在は学際的な学会というものがたくさんできるようになりました。専門学会以外の学際的な学会というのは何百、何千とあるのじゃないかと思うわけでして、そのために大学の研究者というものは、ある学会、専門学会だけに出ておっただけでは、知識は十分に満たされない、そういう状況になっているわけです。ところが、そのゆえに学会は一つ二つではなくて、ある人では十以上、少ない人でも五つ以上というぐらいの学会に所属していると思います。それらが一年に少なくとも一回あるいは数回行われるということになりまして、その旅費は教室費から出すというわけにはまいらない、自弁であるということになります。そういう意味では、学会にどれだけ所属しているか、またその旅費はどのようにして捻出をしているのか、そういうことも一応お調べになっていることかとは思いますけれども、講座費の中に旅費というものが含まれているとしますと、それの積算の基礎はどのようになっているのか、将来それは増額するお考えはないのか、そういうことについて文部省の御見解をお伺いします。
○政府委員(國分正明君) 旅費の積算等の御指摘でございますが、講座制あるいは修士講座制、学科目制によりまして単価が異なるわけでございますけれども、六十三年度のベースで申し上げますと、講座制については教授が十二万三千八百九十円、それから修士講座制、学科目制につきましては、教授で十万六千九十円というような単価で、もちろん助教授、助手、それぞれ異なるわけでございますが、総額ベースで申しますと、六十三年度が六十二億八千万円、それから平成元年度予算案では六十五億一千一百万円、こういう状況になっているわけでございます。御指摘のとおり、学会への出席その他教官の旅費というのは大変重要な経費でございます。ただ、現下の財政事情の中で、いわゆるマイナス一〇%対象経費、こういうことになっているわけでございますが、経費の重要性にかんがみまして、文部省全体でやり繰りの中で、毎年度同程度の水準が維持できるようにということで努力をしておるということでございます。
○高木健太郎君 御苦心のことはよくわかるわけでございますが、今の旅費の中には宿泊費も入っていると思います。御存じのように、新幹線でもかなり高いわけでございまして、あるいは北海道、沖縄あるいは九州の鹿児島というようなところは飛行機を利用せざるを得ないというような事情もあるわけでございまして、いま少し、単に一律一〇%ということじゃなくて、細かな心配りをしていただいて、その人たちが困らないようにしていただきたい。特に、無給の教室員あるいは研究員というものも、大きな講座になりますと非常にたくさんおるわけでして、その人たちがどうしているかというと、結局いろんなほかの関係企業からお金を出してもらわざるを得ないという状況になっている。これは、余り好ましいことではないわけでございまして、やむを得ずとっている処置だと思いますが、そういう面は御存じだと思うのですけれども、そういう悪い面が出てこないように、特に国立の教官は国家公務員でございますから、その人たちが他のところから金をもらって行かざるを得ない、こういうことにならないようにひとつ十分なお心遣いを願いたい、このように思うわけでございます。 次は義務教育の国庫負担のことでございますが、この国庫負担について、旅費、それから教材費というものが今度一般財源化され、地方負担になるということでございます。今回は教材費につきまして特例を定めたり、あるいは取り扱いがそのときどきで変わっているように思うわけです。一体、義務教育費の国庫負担制度というものはどういう理念によって行われているのか。これは行財政とか、あるいはその他の審議会で十分議論されたわけでございましょうけれども、地方は地方の特徴とか、自治とか、そういうものもございますし、地方の自立というようなお考えもございましょう。あるいは負担金に甘えないようにするというようなこともあると思います。そういうこともあると思いますが、何かときどき変わっていく。景気がよくなればやるが、悪くなればそれを削っていく。あるいは現在国の赤字国債が百六十二兆というようなことで、地方も地方債で大変苦しんでいる。結局、国の借金を地方の借金に振りかえていくというような形にも見えないことはないわけです。しかし義務教育というものは、やはり国が主体性を持つべきである。例えば、今度指導要領をお変えになって、全国一律に中小学校の指導要領をお決めになって、義務教育だけはぜひ国である一定の基準だけはやりたいのだというお気持ちがあるなら、私は義務教育の国庫負担というものの制度はいかにあるべきかというような、お金の面でもそれに見合う、国が責任をとるべきだと思うのですけれども、その理念について大臣どのようにお考えか、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 基本的に、委員御指摘のとおりであろうと私も考えております。現状につきまして、現在の義務教育費国庫負担法の理念というお尋ねでございますが、これは委員御承知のとおりに、憲法に定めておりますところの義務教育無償の原則にのっとりまして、義務教育につきましては、全国的に妥当な規模と内容等を保障しようとするということが基本的な目的でございます。そのために、資格を有する一定数の教職員を確保するということが、どうしても不可欠の教育の要件である。そこで、義務教育費国庫負担法は標準法に定める教職員数について、教職員の給与費の二分の一を負担することによって、所要の教職員とその給与の水準を確保し、学校における具体の教職員の配置が可能になるようにしているという趣旨でございます。 したがいまして、このような観点から考えますと、義務教育費国庫負担制度というものは、教職員の給与費の国庫負担というものがその基本にあるというふうに認識をいたしております。 委員御指摘のとおりに、給与費以外の義務教育の経費につきましても、負担の対象とされてきたという経緯がそのときそのときによってあるわけでございますが、その内容が、まさに御指摘のとおりに、そのときどきの国と地方の財政事情などの状況によって変わってきているということも、その実態としては率直に申し上げてあるわけでございます。これはまた、そういう状況のもとで変化するということもやむを得ない面があるのではないか。あくまでも義務教育費国庫負担法の精神は、その基本は教職員というところに中心がある、このように考え、これは堅持していかなければいけない。しかし、冒頭に申し上げましたように、委員御指摘のとおりに、基本的には義務教育について国がその責任を負うという方向で今後とも取り組んでまいりたい、このように考えております。
○高木健太郎君 義務教育費の国庫負担というものの主なもの、あるいは視点は教職員の雇用の補助ということにあるということでございますが、そこで絶えず問題になりますのは、教科書の無償配付ということでございます。これは教員というわけではない。無償で教科書を配付しているというようなことについての基本概念は、それではどのようになっているのか。これがいつ削減になるかということを、非常に心配をしている父兄も多いと思うわけです。これについて文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 現在の教科書無償の制度の基本的な理念でございますが、これは昭和三十八年に現在の制度がスタートしたわけでございますけれども、そのときの基本的な考え方と申しますのは、憲法二十六条に掲げるところの義務教育無償の精神というものをより広く実現するという施策である、このように認識をしているところでございます。
○高木健太郎君 これも私は、義務教育費の国庫負担というものの非常に最たるものであると思うのですけれども、これだけはこれから長く堅持されるおつもりかどうか、そのお気持ちだけでも伺っておきたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 文部省といたしましては、ただいま申し上げました義務教育教科書無償給与制度につきまして、これをただいま申し上げました基本的な精神にのっとって維持をしてまいりたい、このように考えてその施策を進めているところでございます。
○高木健太郎君 憲法二十六条を広く実現する。広くと言うとそれは何か、拡大ということになります。そうじゃなくて、これは基本にあるものであるというふうなお考えで、ひとつ今後もこの制度を持続していっていただきたい、このように考えます。それでなくとも、最近は小学校だけでなしに、子供が二人、三人ありますと、地方から中央の大学にやるということになりますと極めて父兄の負担が大きい。教科書ぐらいとお考えになりますけれども、それは家庭にとっては非常に大きな負担になりますし、また国が一定の方針を持ってやるというようなことでありますが、それが教科書にあらわれているわけです。国の方針が非常にそこに強く出てくるということであるならば、教科書は無償にすべきである、このように考えますので、ただいまの御発言をひとつぜひ堅持していただきたいと考えます。 最後に、教職員の恩給を今度一般財源にしようということでございますが、これについて大蔵大臣並びに自治大臣、今おいでになりましたのでお尋ねをいたします。 地方交付税をもらっている県ともらっていない県、いわゆる不交付の地方公共団体があるわけでございますが、その地方交付税の不交付の団体は、あらかじめいろいろのことを計算して不交付にしたのだと思うわけです。ところが、一般財源をそれで絞って、一般財源化することによりまして、不交付団体に非常にアンバランスに負担が大きくなるのではないかと思うわけです。そういう意味では不交付団体の不交付の条件としてどのようなものが入っているか、今度削減するに当たってそういうものは考慮されたのかどうか、そのことについてお聞きしたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) 御指摘のとおり、今回教職員の恩給費を一般財源化するということで御提案申し上げておるわけでございますが、一般財源化いたしました経費については、従来の国庫補助負担金相当額を、交付税の基準財政需要に算入をいたしまして、所要の財源措置を講ずるということで、地方財政運営には支障がないように措置をしているというふうに考えます。交付税の各団体別の算定ということが行われるわけでございますが、ただいまの経費も、基準財政需要の増という形ですべての団体にひとしく織り込まれるわけでございますが、ただいまお尋ねの不交付団体の問題につきましては、ただいま申し上げましたような経費を含めまして、なお基準財政収入が上回る団体、それが不交付団体ということになるわけでございます。私どもといたしましては、交付団体と同様、その財政運営に支障が生ずることはないというふうに理解をしております。
○高木健太郎君 不交付団体であるかないかは毎年お決めになるわけでもないのじゃないかと思うのですけれども、そういうことになると、今度不交付団体のいわゆる指定都市の方からはいろいろ質問なり要望が出ていると思うのですが、今度の場合も、それは盛り込んだ上での不交付団体になっているかどうか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) 大蔵省からのお答えと同じ結果になろうかと思いますけれども、恩給費につきましては、従来国庫負担対象であったということになりますと、その国庫負担の残りの額につきまして今まで交付税で基準財政需要額の中に織り込んできたわけでございます。今回、国庫補助負担対象から外されたということになりまして、その全額を今度は地方負担というふうになりますものですから、それを基準財政需要額の中に置く。基準財政需要額の中に置き込みますけれども、なおかつ不交付団体の場合には基準財政収入額はこれを上回ってくるわけでございまして、実際には交付税の、キャッシュでは参りませんけれども、交付税がキャッシュで来る団体よりもむしろ基準財政収入額が基準財政需要額を総体として上回っているわけでございますから、その団体の財政運営には支障を来さないものと、このように考えております。
○近藤忠孝君 まず冒頭に申し上げたいことは、私は本法案の審議に異議ありと。異議ありというのは、重要な、いい意義なんじゃなくて、反対で異論があるということであります。その理由を四点にわたって申し上げます。 たくさんの省庁とたくさんの法案が一遍にまとまって出ておりますが、その一つ一つがそれぞれの各関係委員会で十分時間をかけて慎重に審議すべきものであります。それをまとめて一遍に簡単に通してしまうということは、これはまさしく国会の形骸化でありまして、まさしく内閣の政治姿勢が問われる問題だと思います。 第二点は、大体日切れでないものを日切れ扱いにして、きのうきょうと審議を進めていることは極めて遺憾であります。 それから第三点としましては、膨大な法案をわずか二日間、しかも元来連合審査があってしかるべきものを、それもなしにしてしまう。それはそちらじゃなくてこちらの方の問題でありますが、そういう点であります。 第四点は、国会の答弁でも一年限りと言った、それが三年限りになった、今度は恒久化と、こういう点で国会答弁をほごにするということで、審議に異議がありますが、異論がありますが、しかし進んでおりますので、質問はしたいと思います。 まず第一に、消費税の論議をしているときに竹下総理兼大蔵大臣が盛んに言うことは、消費税の逆進性について歳出面で考慮するからよろしいのだと言ってまいりました。歳出面で考慮するとなりますと、私は地方自治体がまさしくその役割を果たすと思うのですね。自治体に対して消費税での負担、この影響額は、歳出が六千三十四億円、歳入が二千六百五十四億円影響して、それだけ被害が出ておりますが、これは八九年度のベースです。さらに補助金カットを恒久化する。こういう面では、消費税のときに言ってきた歳出面で考慮するという姿勢に逆行するのが今回の法案じゃないかと思いますが、大臣いかがですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係る補助率等につきまして、諸般の検討、特に六十一年度での補助金問題検討会での検討というのは、やはり一つ重要な要素として今回も認識をしたわけでございますが、これらの検討を経まして、結果としてたばこ税の二五%を交付税の対象とする等の財源措置を講じながら、それぞれ補助金等の性格に応じまして、適切な見直しを行ったというのが今回の補助率の見直しでございます。 地方財政への影響につきましては、ただいま申し上げましたような、たばこ税に係る交付税の問題を含めまして、地方財政の円滑な運営に支障のないように措置をしておるというふうに考えておるわけでございます。 他方、税制改革におきます地方税、地方交付税の減収につきましても、御承知のとおり消費譲与税の創設、それから消費税の二四%を新たに地方交付税とするという措置、これらを講じながらその配分を適切に行い、地方財政の円滑な運営を確保していくということになっておるわけでございます。地方団体の果たすべき役割は、御指摘のとおりさらに大きくなってまいるわけでございますが、多様な財政需要の増大に対しまして、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして、所要の地方財源の確保ということに向けて今後とも適切な措置を講じてまいりたいと考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 その問題については後ほど反論したいと思います。 そこで大臣、四月一日から消費税実施でありますが、重要な問題である転嫁、転嫁ができているとお考えですか。
○国務大臣(村山達雄君) その後の状況をずっと見ておりますと、転嫁は比較的スムーズにいっているように聞いております。一部について若干問題があるとも聞いておりますが、大部分はスムーズにいっている、このように聞いています。
○近藤忠孝君 我が党は四月一日一斉に調査をいたしました。私も福島県へ行ってまいりましたが、確かに転嫁が極めてスムーズにいっているところがあります。ソフトを開発しまして全国一斉に十二時過ぎたらぱっと変えておるところ、例えばセブンイレブンの全国チェーンなんか大したものですよ。私も目の前で見てきました。変わった途端に入ってきたのが高校生で、所得のない者が真っ先に税金を納めていましたけれども、しかしばっと変わっていったのです。その反面、なかなかレジなんかでも転嫁がスムーズにいっていないところ、これが幾つかあります。 まず、例えばこれはある生協ですが、内税を外税に価格表示し直して、それで後まとめて一遍にレジに入れる、余計な手間がかかっているとか、最初に外税だけを三%かけてまずレジに入れて、それで後で内税を入れるとか、両方ありますから、店には。そういうレジ自身が極めてスムーズにいかないことがあります。 それから、業種によって競争上とても不可能なところ、あるいは商品の性格上とても転嫁不可能、例えばこれは土産物屋さんが言っていました。バスで来て、見物して帰ってきて、あとわずか十分間が勝負だ、そんなときに千三十円なんて言えるか。千円か五百円か二千円か、とても転嫁できない、価格変えるわけにはいかない、こういうようなこと。例えば花屋さんや果物屋さん、そんなもの翌日まで置けないので、消費税どころじゃない。 ですから、私は調査の結果、予想どおりですが、極めてスムーズにいく分野と、それから極めて困難な場所あるいは転嫁なんかだめというところと歴然と分かれています。この歴然と分かれたのがだんだんだんだん広がっていきますと、私は営業上また経済的にも大変な格差が出てくるのじゃないか。まさしく心配したとおりですが、この点についてはどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 総体的には転嫁がスムーズにいっているようでございますけれども、御指摘のように、一部の業種でございますとか商品の性格上なかなか転嫁しにくいという感じのところも確かにあろうかと存じます。 転嫁の問題は、要するに値決めの問題でございますから、その業種、業態あるいは商品の性質に合わせて、外税でやる場合も内税でやる場合もあろうかと思いますし、ある程度ラウンドナンバーにしないと取引がうまくいかないというようなところもあろうかと思います。また、御指摘のございました、花でありますとか果物でありますとか野菜でありますとか、その日その日値動きがあるものもございますので、それぞれの状況に応じて要するに値決めをしていただく。価格の問題は値段の決め方の問題でございますので、それによりまして適正に転嫁ができるように配慮をしていただきたいというように考えております。
○近藤忠孝君 値決めの問題なんと言ったら商人怒っちゃいますよ。かんかんになって怒っていたのは土産物屋さんです。実際に千三十円という値札つけたらだれも買わないというのですよ。やっぱり千円なんですね。だから、要するにまさに食い込んできて転嫁は困難だという状況だと思います。 それから、経企庁に質問しますが、物価ダイヤルにいろいろ苦情や問い合わせが来ているのですね。表を見てみますと、一番多いのが便乗値上げ、物価上昇問題、それから二番目が税の仕組みの問題、このとおりでしたか。中身は結構です。
○政府委員(勝村坦郎君) 一日から五日までの間で合計いたしますと、千八百件余りの問い合わせがございました。確かに便乗値上げに関する問い合わせの件数が一番多いのでありますが、内容をよく確かめますと、ある程度誤解に基づくようなものもございまして、やはり便乗の可能性が強いなと思われるものは二百件余りでございます。 そのほか、転嫁問題とおっしゃいましたでしょうか。
○近藤忠孝君 いやいや税の仕組み。
○政府委員(勝村坦郎君) 税の仕組みでございますが、これは主に経過措置等に関する問い合わせが多うございまして、例えばワイシャツの仕立て券の扱いとかそういうようなもの、技術的なものに関します問い合わせが多うございます。
○近藤忠孝君 大臣お聞きになったとおり、やっぱり便乗値上げの問題と、それからもう一つは税の仕組みということはまだ浸透してないということだと思うのですね。それで便乗値上げの反面、さっき申し上げたとおり転嫁できない層がある。だからこれからだんだん国民の中で画然と差が開いていくのだということは指摘したいと思います。 その反面、大企業の方は消費税で逆に得をする場合がたくさんありますね。例えば銀行の場合を見てみますと、利子収入は非課税売り上げですが、海外貸し出しにかかわる利子収入につきましては、これは輸出免税の規定から仕入れ控除の対象になりますね。したがって、課税売り上げ割合の算定上、課税売り上げとみなされる。この割合が大きくなっていけば有利になりますね。今銀行どんどん海外進出、貸し出しをふやしておりますが、対外貸出比率がふえればふえるほど、ますます大きい仕入れ控除ができる仕組みになっておるわけです。銀行の場合、課税売り上げが手数料収入だけですから、この割合が大きくなると売り上げにかかる税額よりも仕入れ控除の方が大きくなって、逆に消費税が導入されたおかげで税金が還付されるという、こういうケースも出てくるのじゃないか。となりますと、これは銀行、特に対外貸し出しに重点を置く大銀行に有利な制度、これがまさしく消費税の一面じゃないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 消費税のような制度では、国境税調整と申しておりますけれども、消費者に実質的に税を負担していただく制度でございますから、ある国にとって必要な経費を外国の消費者に負担させることはできないということで、水際で税金をすべて落として輸出をするというやり方をしております。これは各国ともやっているわけでございます。その場合、非課税売り上げでございましても、その非課税売り上げ、例えば御指摘の利子の、貸し付けの例で言いますと、例えば信用調査でございますとか、あるいは債権管理でございますとかに要します仕入れ分というのがあるわけでございまして、その分を上乗せしたまま外国に負担を負わせるということはやはりできないわけでございます。そこで、非課税売り上げではありますけれども、輸出されたものにつきましては、御指摘のように課税売り上げ割合の計算上課税と同じように取り扱うということをやっております。銀行の利子のような場合には、これはやっぱりある程度の期間貸しておく。貸しておくことについてはそれなりのリスクもあるというようなことでございますので、おっしゃいますように、課税売り上げ割合のいわば調整のような意味で、海外に対する貸し出しを伸ばすというようなことはちょっと考えられないと思います。ただし、債券売買のようなものですと、これは電話一本で瞬時にやれるような話でございますので、これを利子と同じように課税売り上げ割合の計算の場合に、課税と同じように取り扱うと少し問題が出てくるのじゃないかなということで、債権のような元本の輸出につきましては、利子と違いまして計算上外すことにしております。
○近藤忠孝君 しかし、利子については私の指摘のとおりです。 それから、消費税はまた財テクに有利な税制だと思います。 受取利子、これは非課税なので、課税売り上げ割合算定上これは分母、それから受取配当金、これは不課税なので分子にも分母にもかからない。有価証券の譲渡益、これは非課税ですが対価の五%分母にかかる。したがいまして、利子収入の割合がふえますと課税売り上げ割合は下がりますが、配当収入がふえても課税売り上げ割合は下がらない。また、キャピタルゲインにつきましてはわずか五%しかカウントされないので、課税売り上げ算定上極めて有利であります。しかも、これは個別対応方式をとりますと、税務署長の承認を受けて、収入金額じゃなくて従業員割、床面積割などの割合を使うことができる。そうすると、財テク収入なんかの場合、人員なんかもう少ないですよね。それで多額の収入を上げることができる。この方式を選択しますとさらに有利になってまいります。 最近、大企業が本来の生産活動よりも手っ取り早く大もうけできる財テク活動に相当力を入れておりますが、まさしく消費税はこういう財テクに走る大企業に極めて有利な制度ではないか。この点どうですか。税の仕組みはよろしいので、簡単に。
○政府委員(尾崎護君) 金融取引につきましては、銀行、証券等に限らず一般の事業が行う場合につきましても非課税でございますから、おっしゃいます財テク部分につきまして当然非課税になるわけでございます。その趣旨は、これが資本取引でありまして消費ではないというところから性格上きているわけでございます。 五%ルールについてお話がございましたけれども、証券の売買のようなものは、行ったり来たり短期間で大量になされることがございます。それを全部非課税と取り扱って計算いたしますと、課税売り上げ割合の計算上非常におかしな結果になってしまいますので、これは債券売買はいわば利子分相当の差益を上げるためにやっているわけでございますから、選択の問題として、債券売買じゃなしに、例えば銀行預金のようなものをして、そして運用して利子をもらっていたら大体五%ぐらいしか入ってこないわけでございますから、債券売買の場合もその五%相当額を乗っけるということでバランスをとっているわけでございます。
○近藤忠孝君 それから財テクで運用して大もうけができるというのは税特で大分議論があった点であります。 具体的に見てみますと、これは日経新聞の報道ですが、NTTの九〇年三月期の予想売り上げは五兆六千三百五十億円。これを国に納付するまでの預かり消費税は年間千四百五十億円になる見込みであります。これから仕入れ控除額を差し引いた約八百億が初年度納付金になる。しかし、初年度の納付は来年五月でいいために、平均残高約四百億が手元に残って、年間約十億円の運用益をもたらすことになるのじゃないか。これはNTTにかかわらず、ほとんどの大企業がそうですね。消費税で一年間に十億ももうかるなんということ、片や転嫁が全く困難な人がいる。こういう税制はやっぱり不合理だとは思わないか、どうですか。これ大臣に答えてもらいましょう。
○政府委員(尾崎護君) 売上税のときには課税期間を三カ月ということにしたわけでございますけれども、それにつきまして、大変面倒くさいという御批判が多くございました。そこで消費税では、法人税、所得税と合わせまして、事業年度ないし暦年で計算をしていただくということになっているわけでございます。その結果といたしまして、税金分を預かっている期間が長くなり、したがってそれを運用して利益を上げるということになるのではないかという御趣旨でございますけれども、他方仕入れにつきまして、税金分上乗せして払っているわけでございます。その税金分上乗せして払っている分についての、企業にとっては一年間についてのファイナンスというものが必要なわけでございますから、そういう意味で、仕入れにかかっている税についての金利負担のようなものを負っているところもございまして、企業の状況によって変わってくる話ではございますけれども、おっしゃいますように、預かりとなっている税の部分が丸々、それを運用している分が運用益になるというわけじゃなくて、仕入れ分は逆にしょっているという関係にあるということを御理解いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 消費税についてまだ幾つか重要な問題があって、質問を予定して通告もしておったのですが、その後もっと重要な問題があって質問をすることになりましたので、これで消費税関係はやめておきますので、各省庁お帰りいただいて結構です。 次に、補助金の問題です。 まず、国の補助金の削減を今回恒久化するということなんですが、昭和六十年度から六十三年度まで四年間について、この間国庫補助負担率引き下げによって自治体が負担してきた分がありますよね。この分は国が自治体に対して返還する、これは当然だと思いますが、まずこのお考えをお聞きしておきます。
○政府委員(紀内隆宏君) 昭和六十年度から六十三年度までにおける補助負担率の暫定引き下げに係る影響額につきましては、経常経費系統に係る国費減額分につきましては、地方交付税の特例による補てん、地方税の特例税率による補てん等によって措置いたしましたけれども、この場合、交付団体の影響額の二分の一につきまして確定的に財源措置することといたしまして、さらに今回、暫定加算の二分の一を措置することといたしましたために、あわせて交付団体の四分の三を国によって措置するという形に相なりました。また、投資的経費に係る国費の減額分につきましては臨時財政特例債でカバーするわけでございますが、それの償還時に五〇%または九〇%をそれぞれ措置することといたしております。 平成二年度までの国庫補助負担率の暫定措置が今回残ったわけでございますが、これに係る国費減額分につきましては、経常経費系統につきましては地方交付税の特例加算等によって交付団体の全額を措置する、投資的経費につきましては、同じように臨時財政特例債の元利償還費の五〇%または九〇%、これは扱いがやや今までとは異なっておりますけれども、それによって国から交付税特別会計に繰り入れる、そういう形によって措置することにいたしております。
○近藤忠孝君 この四年間の補助率引き下げによる影響額は、合計四兆九千三十九億円になりますね。それを今言った地方交付税の特例あるいは地方税税率特例、さらに建設地方債に係る国の後年度補てん措置、それぞれ幾らずつ返ることになるのか、それを説明してほしいと思います。簡単でいいですが。
○政府委員(紀内隆宏君) 六十年度から六十三年度までの補助負担率の引き下げによる地方団体への影響額は、普通会計ベースで、おっしゃるとおり四兆九千三十九億円でございます。最終的に国によって措置される分が、このうち二兆五千二百四十一億円、こういう数字に相なります。
○近藤忠孝君 その内訳はどうですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 国による後年度の補てん措置といたしましては、臨時特例債の償還時に五〇%、九〇%で国から補てんするものが一兆九百三十億円、それから経常経費に係るものとして、法定加算によって行われるものが千三百億円、それから暫定加算で、今回その二分の一を国が措置するとしたものが四千二百億円でございます。以上でございます。
○近藤忠孝君 四兆九千三十九億円の影響額について、それによって補てんされるのが二兆五千二百四十一億円。要するに全体の負担かけたうちの五一・五%しか返還しないということは、逆に地方自治体の方が四八・五%もいわば負担を強いられることになるわけですね。補てんすると言いながら半分も負担かけて、これで補てんすることになるのですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 六十三年度までの補助負担率の暫定引き下げに係る影響額につきましては、先ほどどういう形で補てんするかという方法論を申し上げました。このうち、実を言いますと、事業費拡大分というやつがございます。投資的経費に係るもので、国費を減額して、その減額した国費を用いて事業費を拡大したことに伴って生ずる地方負担分というものがございまして、この分につきましては、国庫補助対象となる投資的事業がそれだけふえれば、もともとの地方負担という意味では性格が変わりはございません。したがって、その分につきましては国費による補てんがないということの結果、お示しになりましたような総体の補てん割合が五一・五%ということになっているわけでございます。しかしながら、総体といたしまして、今の地方債でカバーしたようなものにつきまして、後年度の具体的な負担が生ずる段階におきまして、総体としての地方財政について問題がある場合には、それぞれ地方財政計画のときに適切に対応してまいる、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 理屈はつけても、結局地方自治体に四八・五%も負担させるというこの事実は動かしがたいと思うのですね。 この補てんのうち、地方税税率特例、三千六百億円、資料でそうなっていますが、国が負担したようですが、こういう説明になっています。しかし、これは六十一年以降、地方たばこ税の税率を引き上げて毎年千二百億円の税収が見込めるようになった、それが当たっているからですね。要するに、住民の負担がふえただけで、国が負担したということにならないですね。ですから、要するに国が今まである財源の中から回したものではない、そういうことになりませんか。
○政府委員(紀内隆宏君) 補てん財源の性格が税であって、それが国民の負担ではないかというお話でございましたけれども、それは国庫において補てんする場合も、しょせんは何らかの国税の形で補てんがされるという構造に変わりはないと思っております。 また、たばこ税によって補てん、従前のたばこ税千二百億円というものにつきましても、これは年々の特例措置という形で行われてまいったわけでございまして、これがたまたま昨年の税制改革の当時に、税制改革に伴う国なり地方なりの財政収支バランスというもののフレームワークをつくったわけでございますが、その際に、地方の税の水準といたしまして、従前毎年毎年の特例として行われてまいりましたそのものを、のみ込む形の水準でセットされたということによるものでございます。
○近藤忠孝君 実質を見てみますと、結局国の実質負担というのは、さっきの額からさらに三千六百億円を引きますと二兆一千六百四十一億円、だから全体の四四・一%ということになって、結局四八・五%が自治体の負担、そして住民の負担が七・三%、こういうことになりますと、結局私は、今回恒久化するに当たって、これだけやっぱり自治体と住民に負担をかけているのだ、この認識が大変大事だということを指摘して、次に入りたいと思います。 この負担率削減によって国民生活に影響はない、また自治体にも大した影響ないのだというのですが、私は決してそうではないと思います。 例えば、六十年度から六十三年度までの四年間の児童福祉関係の影響額が五千八百八十五億円。そうすると、これはやっぱり補助金の大幅削減が措置人員に影響していると思いますね。五十八年度全国で二百二万六千人だった児童福祉関係の措置人員が、六十二年には百八十八万八千四百人に減少していること、生活保護でもこれは同様に減っております。ただ、これを議論していると時間がかかるので、指摘だけにとどめておきます。 問題は、具体的に国民生活に影響がきているということなんです。今までの答弁では、あくまでも自治体と国との負担割合の問題であって、国民生活には影響はない、こういう答弁でありますが、具体的には国民生活に重大な影響が出ています。 一つ事例で申し上げたいと思いますが、これはことし一月に新潟県柏崎市で起きた事例であります。具体的に申しますと、七十五歳の寝たきり老人が生活保護の申請をいたしました。そうすると、社会福祉事務所が対応したのですが、貯金通帳を出させる、それから、その前数カ月の使途を根掘り葉掘り聞き出す。これだけで済まないで、嫁いでいる嫁に行った二人の娘さんを呼び出して、家族構成、世帯人員の勤務先、資産、収入、ここにその例がありますけれども、もう相当詳細に書くことになっておるのですね。そして、ローン返済表の写しを添付しろ、あるいは源泉徴収票、給与明細書などを出せ、さらに、親が生活保護申請を出したことをどう思うかという、こういう意見書まで書くようになっておるのです。 それで、一番問題だと思いますのは、大臣の選挙区でもありますからね、嫁ぎ先のを書くのですが、ここに氏名、生年月日、続柄まで。「主」と書いてあることは、これを見ますとだれが見ても世帯主です。この場合の事例は、嫁ぎ先ですから嫁さんですよね。嫁さんが扶養義務者であって一応そういう調査対象になるなら、それはそれとして認めるとしましても、嫁さんの資産関係の調査なのに家族全部書きまして、「主」とあることは世帯主です。それに対してだんなさんはすっかり怒っちゃって、何でおまえの親の生活保護でおれの資産を全部見せなきゃいかぬのか、かんかんになって怒ってしまって家庭争議まで発展した。こういう例があります。 余りひどいというので、新潟の県議会でも取り上げました。その結果、これは人権侵害になるということで、県が調査し、是正指導もありました。渋々行き過ぎ部分を削除いたしまして、現在、県の指導を見てみますと、かなり改善されております。その改善の中身を見てみますと、さっきの「主」は「本人」に変わっておりますね。本人なら本人でいいのですが、ただそのほかの家族をたくさん書くことになっている。ただ、一応この指摘が当を得ておったものとみえて、「「私の世帯について」のうち、(1)については、あなた自身の状況を記入して下さい。」、ここまで丁寧にやれば、これは私は人権侵害状況はかなり改善されると、こう思うのですが、厚生省、この経過については報告受けておりますか。
○政府委員(小林功典君) 柏崎の件は聞いております。私どもの見解を申し上げますと、言うまでもなく生活保護といいますのは、適用の前に扶養義務の履行というのが優先して行われるわけであります。そこは御承知のとおりであります。 そこで、今のお話で、扶養義務者への扶養照会書の欄に「家族構成・収入等の状況」というのがございまして、これを設けておりますのは、扶養義務者以外の家族の方に扶養義務を求めているという意味ではございません。ただ扶養義務者の、つまりこの件で言えば娘さんでございますね。娘さんの扶養能力を把握するためには、やはり家族の状況も勘案することが必要である、こういう趣旨から求めているわけでございます。したがって、これは手続としましては適正なものであると考えております。
○近藤忠孝君 扶養義務者以外の者を調査対象にするのじゃないと言いながら、結果的には、この場合はだんなさんですね、それの資産状況、それから収入、その他、これ結局調査対象になっているじゃありませんか。そして、事実上この書面を見れば主人自身が書かざるを得ないのですね。おれの調査だと、一体何だということになるわけです。こんなことが許されますか。
○政府委員(小林功典君) 扶養について同じような問題が実は民事でもいろいろ問題になっていまして、先生も御承知かもしれませんけれども、例えば四十八年の神戸家裁の判例、それから昭和三十六年の東京家裁の判例等がございまして、ちなみに神戸の家裁の判例を申し上げますと、要点でございますが、「老齢の親に対する扶養の程度方法につき、扶養義務者らの配偶者の稼働による収入をも考慮して生活状態と扶養能力を算定し、扶養義務者各自の扶養料の分担額を定めるとともに、一部の扶養義務者が従来負担した扶養料の求償について、他の扶養義務者に支払を命じた」という事例がございます。ちょっとわかりにくいのですけれども、要は、妻の年とった親に対する扶養料というものは、夫から現実に取得している金額あるいは取得し得る金額を基礎に、妻が自分で自由に消費できる、あるいは処分できる、そういった範囲で定めるべきだ、こういうことでありますので、あくまで、今の例で言えば娘さんの夫の方を扶養義務者にすることではありませんで、妻の収入、これを考えるという意味で参考までに書いている、こういうふうに御理解いただければ幸いでございます。
○近藤忠孝君 参考までに書いているというつもりが、それがだんだん発展してしまって、全く個人的な、本当に関係ないことまで聞くようになる。実際発展していくものなんですよね。ということは柏崎だけの例でないわけです。 例えば、姫路市でも昨年四月からことしの一月まで窓口相談件数は九百十件、そのうち申請受理五百七十九件、保護開始五百二十七件。ここでも親族に対して扶養義務者としての照会調査がやられて問題になっております。 姫路市のある近郊の家庭に嫁いだ娘さんに対する扶養照会調査では、娘さんが扶助を断ると、月に一回ぐらい親元へ行くだろう、そのときには手土産として大根一本でも、お茶の一つでも持っていくはずじゃないか、だから保護費から千円引くと。実際あったわけですよ。その報告、そんな例ないというのですか、どうですか。
○政府委員(小林功典君) 今読み上げられたケースは私は全く存じておりません。
○近藤忠孝君 実情もつかまないで、これはもううまくいきますなんというのでは、やっぱりぐあい悪いと思うのですね。 それから豊岡市、受給相談件数がこの三年間に二倍近くもふえています。しかし、受理件数の方は七〇%から四八%へと減少して、いわば保護締め出し、これが問題になっておるわけであります。 あるかばんの内職をしている六十歳代の婦人の例では、生活保護を申請すると、二十年以上も音信不通になっている養子に扶養通知すると言われた結果、この婦人は死んだ方がましだと。で、やむなく保護申請を取り下げた、こういう結果になっておるのですね。 大臣諸公に知っていただきたいことは、国民生活に関係ない、今回のこの措置は。といいましても、自治体の現場では実際こういうぐあいになっておるという、これは動かしがたい事実なんですね。これは尼崎でも同様なことが起きておって、この屈辱は決して忘れない、こうも言っておる。これは地方議会でも問題になっておることであります。 こういう、まさしく人権無視になる扶養義務照会調査は明らかに行き過ぎだと思います。これは適正化、適正化と言っておるけれども、そんなものじゃない、これが現場で横行しておるのじゃないかと思うのですが、さっき局長は実態知らないということでした。そこで、大臣ね、やはり実態を調査して、是正すべきものは是正すべきじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 実態を調査することは必要だと思いますが、同時に生活保護制度というものが国民から支持を受けて、真に困っている方々に対して大事な制度であるということを、今後とも存続、発展させるためにも、適正にこういう保護行政が行われているか、あるいはまた保護を受ける資格のない人まで受け取っているじゃないかという批判にこたえるためにも、やはりしっかりとした指導をして、本当に困っている方に対してはきちんと処理できるように、今後とも懇切丁寧に現場に対して指導するようにしていきたいと思っております。
○近藤忠孝君 今、大臣言われた、保護を受けるべきでない人が保護を受けているのをやっぱりチェックするということの余り、それを強調する余り現場ではこういう照会書がずっと出て、まさしく人権侵害が現に行われているという事実、これはやっぱり否定できないのだと思うのですね。そういう点でもやっぱりこれは調査をすべきじゃないのでしょうか。
○政府委員(小林功典君) 今お話の中に出てきましたケースにつきましては、できるだけ調査をいたします。
○近藤忠孝君 調査結果を待ちたいと思います。 こういう行き過ぎがどうして起きるのかということは、大臣、これ厚生省自身に一つ原因があるのです。これは、昭和六十三年三月三十一日付厚生省社会局長通達、生活保護法施行規則及び実施要領などの一部改正に関する通達がその原因になっているのです。それが基礎になって、そしてそれをサンプルにして各自治体が調査しているのですね。その調査の中にさっき言った柏崎のように「主」というようなことになって、世帯主が怒ってしまう、そういったことも出てくるのです。 こういうことが地方で問題になりまして、新潟県当局は、我が党の県会議員の指摘に対しまして、現在使用している扶養照会書の様式は、国の通知により改正したものであるが、一部誤解を受ける箇所については検討の上改善について国に要望してまいりたい、こういう答弁をしております。こういう改善の要望は新潟から来ておりましょうか。
○政府委員(小林功典君) 私自身受けておりませんが、今聞きましたら担当の方には相談という形で来ているようでございます。
○近藤忠孝君 じゃ、それを受けてどう対処されますか。ということは、厚生省のこの「扶養届書」、この書類に問題がありという、やっぱり一つの地方からの指摘なんですよね。となりますと、この通達、そしてその通達の別紙の「扶養届書」、その中で特に2ですね、「私の世帯について」。新潟の方は、「私の世帯について」は「あなた自身」、要するにこの場合ですと奥さんです。「の状況を記入して下さい。なお、氏名・続柄及び生年月日については、参考としたいのであなたの家族全員を記入して下さい。」という程度にとどまっておりまして、そんな資産の状況、負債の状況、ローンなどを調査しないような状況で改善されようとしておるのです。ところが、国の方はいまだに、あなただけでいいということではなくて、固定資産の状況、負債の状況、まさに家族全体、しかも源泉徴収票、給与明細書、ローン返済予定表の写しなど、これを添付せよと。改善されていない。となると、そういう要望が上がってきているのであれば、厚生省の通達及びこの届け出書も含めて再検討をすべきだと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(小林功典君) 子供の配偶者の収入をどう扱うかという点につきましては、先ほど私お答えしたとおりでございまして、先生とはやや主張が違うわけでございます。私の方の主張からいえば、今の我々が示しています様式で、特に不都合なところはないというふうに考えています。
○近藤忠孝君 しかし、実際、県からそういう要望も来ており、実際に問題になっておって、全然これ問題ないなんというので一顧もしない。それで本当に国民の実態に即した厚生行政できるのですか。
○政府委員(小林功典君) もし、そういう扶養の扱いについての解釈が間違いやすいということであれば、その趣旨を徹底するということにはやぶさかではございません。様式自体は私はこれで差し支えないと思っています。
○近藤忠孝君 趣旨を徹底させるという意味は、あくまでもそれは扶養義務者本人中心であって、調査に、例えば亭主の資産洗いざらい出すとか、そんなことまでは含まない、そういう趣旨だと、そういうことを徹底させるという、そういう意味ですか。
○政府委員(小林功典君) 今のケースで申しますと、娘さんの御主人そのものについて扶養義務を負わせるという趣旨ではないということでございます。
○近藤忠孝君 いや、扶養義務を負わせるなんてそんなこと、もともと扶養義務ないのだから。ただ、扶養義務のない者に実際上こういう届け出書、調査票がそこにまで及んでいくかのごとく誤解される、そういうものをむしろ排除する、そういう書類や通達にすべきだと言っておるのですよ。
○政府委員(小林功典君) 先ほど判例までお読み上げしましてお話ししましたように、今のケースで言うと、夫の方に扶養義務は及ぶわけはございませんけれども、ただ、娘さん自身が親を養うだけの収入があるかどうかという面では、その限りにおいてはやはり調査といいますか、収入の把握というのは必要である、こういう趣旨で申し上げているわけでございます。
○近藤忠孝君 そういうことがだんだん拡大解釈されて、実際人権侵害が起きているのだということですので、私は改善を求めておきたいと思います。 まだ小沢官房副長官来ていませんが、来るまでちょっと消費税の質問を省略しちゃったことがあるものですから、大臣にちょっと指摘をしたいと思うのです。 特に、今度の経済への影響が大変大きいと思うのですね。その一つとして、例えば親請と下請の関係で、下請に対して原材料を下請が持って取引をした場合と、それから親企業の方がそれを支給して、要するに下請は工賃だけになった場合、この場合ですと、計算してみますと簡易課税制度その他で税金がかなり浮いできますね。親企業がもうかるのですね。となりますと、業者を下請工賃業者化する、そういう傾向が強まりはしないか、その点はいかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 計算上そうなるかもしれませんね。
○近藤忠孝君 いつもに似合わず極めて簡単明快な答弁でしたが、じゃ計算上そうなりますと下請工賃業者化する、そういう経済的な傾向が強まりはしないかと思うのです。 私は、前回も北陸の繊維業者の話をしましたが、あそこは工賃業者なんですね。となりますと、原材料を自分で持たぬものだから、価格競争力がどんどんどんどん落ち込んでしまって、この間も指摘したとおり、工賃は後決め。後決めされた場合に、実際消費税転嫁できるのか、こういう問題をこの間指摘しましたけれども、そういうことが現に起きてくるのだと思うのですね。そうしますと、ますます零細業者を劣悪な状況に置いていく。そのことは、しかも消費税が契機になっている。ちょっとした計算ですが、売り上げ二十億ぐらいで計算してみましても、数百万の税金が変わってくるのですね。となると、そういう傾向が強まり、零細業者をさらに劣悪化する、そういう方向が促進されはしないか、その点はいかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) ですから、簡易税額で得をするか、あるいは今の取引関係の流れで損をするか、その間でやはり市場経済でございますから、どちらを選ぶかということをよく取引業者とも相談して決めていく、やはり競争経済でございますから損得両方あるだろうと思います、理論の話としては。
○近藤忠孝君 ですから、問題は損と得をどちらがとるのか。これはもう経済法則として力の強い方が得をとり、弱い方が損をとる。現にこの場合に、端的な例として、原材料の支給かどうかというそのことでがらっと変わってきてしまい、しかも工賃業者化した場合には競争力がなくなって、ますますこれは劣悪な状況に落ち込んでいく、そのことを今の大蔵大臣の話によりますと、それは経済の話だからお互いに話し合ってくれ。話し合いに任せるのですか。そのことに対してチェックをしていくという、そういうお気持ちは全くないのですか。
○国務大臣(村山達雄君) それは賃加工になれば、やっぱりマージン率は高まりますから、だから消費税の関係では簡易課税を選んだ方が得であろうということです。 競争関係で言うとどちらになりますか。ですから、今までと同じようなことをやっておればいいのだろうと思うのです。従来と同じように売買形式でおやりになっていればよろしい。 それを強者の立場で、不当にもし取引形態を変えるということになれば、これはやっぱり下請代金遅延防止法が働くだろう、こういうことでございます。やはり公正に競争関係で決めていただきたい、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 それが公正でなく、劣悪な状況がさらに零細業者に強まっていく、これはやっぱり国がそのことに重大な関心を持って対処してほしいと思います。 小沢副長官が来てもいい時間になっていますが、まだ来ていませんが、しかし全体の持ち時間がありますので、質問に入っていかぬといかぬので、自治大臣に一つ質問をしたいと思います。
○委員長(梶原清君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(梶原清君) 速記起こしてください。
○近藤忠孝君 まず自治大臣にお聞きしますが、これは八七年五月三十日に盛岡市で開かれた竹下氏の後援組織、岩手長期政策懇話会、その主催のパーティーに関してリクルートから三千万円の金が支出されたことが明らかになりました。これについて、この金が政治資金として届け出はされていないという答弁になっておりますが、それは長期政策懇話会としても、あるいは岩手長期政策懇話会としても、あるいは竹下氏関係としても届け出がされてない、こう確認してよろしいでしょうか。時間ないから簡単にしてください。
○政府委員(浅野大三郎君) 岩手長期政策懇話会は、私ども調べてみましたけれども、自治大臣または岩手県選挙管理委員会に対して届け出がなされている政治団体の中には、そういう名称はないということです。 その他につきましては、私ども御通告をあらかじめいただいておけば確認できますけれども、そこまでは確認しておりません。
○近藤忠孝君 小沢さん、この岩手長期政策懇話会は竹下さんの後援会組織だと理解していいですね。
○政府委員(小沢一郎君) 竹下総理自身の後援会組織ということではありません。
○近藤忠孝君 いや、これあなたね、昨年の十一月七日、衆議院で正森議員が質問しましたら、「私の個人後援会でございます」と、ちゃんと答弁してますね。 それから、八五年十月、同じこれは盛岡グランドホテルで、当時大蔵大臣であった竹下演説会、聞く会が開かれまして、これは岩手の竹下後援会旗上げの準備会、その中心はあなたでしょう。 それから、岩手長期政策懇話会の赤坂会長も、これは八七年のですが、パーティー仕切ったのは小沢議員周辺の人たちなんです。私は小沢議員や竹下氏に頼まれた雇われ会長をやっているだけですと。これはもう歴然としているのじゃないですか。
○政府委員(小沢一郎君) 先ほどの先生の御質問は、竹下氏個人の後援組織であるかないかという御質問であったので私答えました。現実的に私の秘書を含む、あるいは後援者を含む人たちが中心になってやったことは事実であります。それは否定いたしておりません。
○近藤忠孝君 この三千万のうち二千万円は青木伊平元秘書に渡されたということを、これあなたが言明したとも耳に入ってきておりますが、その事実関係はどうですか。
○政府委員(小沢一郎君) それでは、先ほど内閣の記者会の各社の代表の方に、私から昨日一日で調査した件について報告いたしましたので、その点について申し上げます。 当時の関係者から、私自身秘書を含めて事情を聞いたところ、六十二年五月の岩手長政懇主催のパーティーにおきまして報道されたとおり、リクルート社からパーティー券千五百枚三千万円分を購入してもらっていたとのことでありました。岩手長政懇は任意団体でございますので、いわゆる政治資金規正法に基づく報告はいたしておりません。また、岩手長政懇は将来本格的な政治団体として政治活動をしていきたいと、そういう目的を持って始めたものでございますので、パーティー収入から会場費とかその他のいろいろな事前の準備とか、そういう諸経費を引いた残金の中から今後の本格的に政治活動をするための準備の資金ということもありまして、その当時、私の秘書の中条から青木秘書に預かってもらうということでお渡ししたということであります。 なお、その他のいわゆる日常の若干の経費等々あるべきという予想のもとに、今岩手長期政策懇話会の中に、その他の残金はございます。
○近藤忠孝君 任意団体かどうか関係ないと思うのですね。今のお話によれば青木伊平元秘書に渡ったんですからね。これは明らかに竹下さんに対する政治献金そのものですよ。となると、これは届け出違反になるのではないですか。
○政府委員(小沢一郎君) 法律的な性格につきましては、私もつまびらかに申し上げる資格はございませんけれども、いわゆる今申し上げましたように、今後さらに政治活動を本格的にやろうという趣旨で始めたものでございますので、まだその後のいろいろな状況の中で政治団体、政治活動ということでやって灯りませんが、本格的に政治活動としてやっていこうというときにおきましては、その資金の中からいろいろな活動費に充て得るという可能性のもとに預けたものと思います。
○近藤忠孝君 先ほどの経過の説明の中で青木伊平氏に渡ったと、それは三千万のうち二千万ですね。
○政府委員(小沢一郎君) そういうことではございませんで、この当時の会合というのは、いわゆる俗に言う資金集めを目的とした会合ではございません。総裁選挙を前にいたしまして、竹下さんを応援しようという好意ある人々、その全国の人々にごあいさつをし、自分の意見を述べるということを目的にして、ほかの地区でも全国を回ってやっておった会合でございます。たまたま会場のグランドホテルが御承知のようにリクルートの経営になっておりまして、そういう関係からでしょう、その機会にリクルートからそういう申し出があったので、それを受けたということでございます。したがって、全体の中の諸経費いろいろ除いたうちの二千万円を、今申し上げたようにしたということであります。
○近藤忠孝君 そうしますと、岩手日報によりますと、当時の、出ています。「竹下さん迎え熱っぽく」ということですが、これ一枚二万円のパーティー券が千三百枚売れ、県内でざっと二千六百万円の政治資金を集めたわけです。これとほぼ枚数が一致するのですよ、二万として一万五千枚、で三千万ですからね。同じものなのか、それとも今言った千三百枚のほかの約千五百枚。ですから、それみんな県内で集めたという新聞記事に載っていますよ。それでいくとどちらですか、その三千万円。
○政府委員(小沢一郎君) ちょっと御質問の意味が正確に僕あれですけれども、要するに、そういう趣旨で、盛岡で竹下当時の幹事長を迎えて、みんなで励ましてやろうということでやったことでありまして、その中でやっている中で、岩手長政懇の一枚一枚みんな切符を売ってくれていたわけです。その中で、たまたまリクルートからのそういう申し出があったので、もちろんその中で御好意として受けて、全体の資金の中で申し上げたような事実の経過をたどったということであります。
○近藤忠孝君 リクルートから二千万に続いて三千万支払いがあった、これは間違いないですよね、もう報道されているのです。その三千万と、今県内で集めたという二千六百万と報道されていますから、それと同じものですか。もし同じものとすると丸抱えのパーティーだ。もし違うとなると、さらに大きな金が集まってくる、どっちにいっても大変な話なんです。
○委員長(梶原清君) 近藤君にまず申し上げます。 時間が参っておりますので、小沢官房副長官の御答弁で打ち切らせていただき、退席していただきます。
○政府委員(小沢一郎君) ただいま申し上げましたように、その岩手長政懇の中でそういう券も買っていただいた、そういう活動の中の全体の中の一つであります。ただ、今お話しのように、それを丸抱えとか云々とかというたぐいのお話については、私どもはそもそもの趣旨から、竹下総理が全国を遊説して歩くためのいわば、俗に言えば顔見せのつもりで始めたものでして、たまたまそのときにリクルートからその機会に申し出があった、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 吉井君の時間の範囲で、共産党時間ないから……
○委員長(梶原清君) 午前の質疑はこれにて……
○近藤忠孝君 委員長何だ、まだ質問中だよ、共産党の時間だよ。委員長だめだよ、そんな。委員長、そんな、横暴だよ、午後また呼ぶよ、委員長。そんな話あるか。
○委員長(梶原清君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉井英勝君 午前中のああいうふうなやり方というのはまことにけしからぬと。やはり小沢副長官に来てもらって、まさに質疑いよいよというときに、私の持ち時間も含めて共産党の枠の中で本来やっていただくべきものがやっていただけなかったということについては極めて遺憾であると、このことを申し上げておきたいと思います。 それで、質問に入りたいと思いますが、岩手日報によりますと、当日の、午前中の続きですが、岩手長期政策懇親パーティー、昭和六十二年五月三十日、これは千三百枚のパーティー券が売れて、一枚二万円ということですから二千六百万円の収入があった、千人の方が集まったということが報道されております。一方、午前中より明らかになりましたように、リクルート社の方は千五百枚分、三千万円を購入しているということですね。小沢副長官の話によりましても、個々の皆さんから千三百枚買ってもらったというお話でございますから、そうすると、これはリクルート社からの別枠の金になるのか、あるいはこのパーティーそのものが、実は千三百枚というのは皆さんが買ったのじゃなくて、これも含めてリクルートが丸抱えでやったのか、いずれかだということになります。これは結局別枠ということであれば、政治献金そのものということになるわけですが、これは一体どういう性格の金なのか。これは自治大臣に見解を伺いたいと思います。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいまの御質問でございますけれども、そのパーティーというのが政治団体主催のパーティーではなかったわけでございます。したがって、政治資金規正法での報告というものも提出はないわけでございます。そういう義務はないわけでございます。そういうことでございますから、実態についてはお尋ねをいただきましても、私どもとしてはわからないわけでございます。
○吉井英勝君 性格が、届け出がないから実態がわからないということですが、そうすると、これはまさにリクルート丸抱えということにもなるわけですし、あなたが丸抱えでないという判断をされるならば、これは別枠ということであって、まさに政治献金そのものである。これはいずれかであるわけですから、一般論で議論をするのじゃなしに、その点をやはりきちっとしてもらわなきゃならぬ、こういうふうに思うわけです。 これは昨年十一月七日の衆議院での正森議員の質問に対して竹下内閣総理大臣の答弁ですが、ちょっと読み上げておきたいと思いますが、「私の個人後援会でございますから、当時幹事長でございましたが、まさに個人の資格で、国会が終わった数日後でございましたか、岩手県へ参りましたことは事実でございます。その翌日でございました、ゴルフをしたことも事実でございます。」と。そして、この「長期政策総合懇話会という会でございますけれども、それの岩手支部の方でアレンジしてもらったということでございます。」と。これは、あなたは任意団体かなんかで関係ないようなお話だけれども、竹下総理自身が昨年十一月七日に税制特でちゃんと言っているのですよ。私の個人後援会であると。これは長期政策総合懇話会というちゃんと届け出られた団体の岩手支部だと総理大臣が言っているのに、あなたこれひっくり返すのですか。これは全くおかしな話であって、ですから、このお金というのはこれはまさに政治団体が主催したパーティーですから、これは政治資金そのものじゃないですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 午前中小沢副長官が御答弁されまして、私もこの委員会席で聞いておりましたけれども、小沢副長官のお話によりますと、これは政治団体ではない任意団体であると、こういうふうに言っておられるわけです。私どもは、届け出られたもの、そういう資料があればそういう資料に基づいてこれがどうだこうだという事実を申し上げることができるわけでございますが、そういう届け出も、これは政治団体でないから届け出もないということでございますが、そういう状態でどうだと言われましてもお答えのしようがないわけでございます。
○吉井英勝君 任意団体ということになれば、逆に竹下氏の後援会に任意団体が寄附したとすれば、これは逆に政治資金規正法による報告がなければならないわけですし、しかも、任意団体からの寄附総額は百五十万円という制限もあるのでしょう。それについての届け出も何もなく、そして、ただお話を承っておるということで、あなたの御答弁ですか。どうなんですか、そこ。
○政府委員(浅野大三郎君) ちょっと私も御質問の趣旨がわからないのですが、先ほどは後援団体ではないか、政治団体ではないかというような御質問がございましたものですから、それは一番よく事情を御承知だと思われます小沢副長官がそういう御答弁をされておりますから、そういう御答弁をされているのじゃないですかと、こう申し上げたわけでございます。
○吉井英勝君 この団体が届け出られた竹下氏の後援会であったとしても、これは政治資金規正法に基づく届け出がないということで、重大な問題でありますし、あなたが今おっしゃったように、任意団体であるとするならば、先ほど小沢副長官はちゃんと青木氏に二千万円渡したというお話がありました。そうすると、任意団体が竹下個人の後援会に対して百五十万の制限も、寄附金総額も超えてこれを贈ることも、またそれの届け出をしないこともこれは政治資金規正法全く問題ないのですか。政治資金規正法違反でしょう。どうですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 午前中の答弁をお聞きしておりますと、何か預かってもらっておると、こういうふうにお答えになったように聞きました。
○吉井英勝君 二千万円の金は青木元秘書に、預かったというお話ですが、これは預かったなら預かったということで自治省へ届け出はあったのですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 政治団体に対して寄附があった場合は、政治団体の方で寄附を受けたという届け出はありましょうけれども、預かったものについては政治資金規正法上届け出ということは特に規定されておりません。
○吉井英勝君 青木伊平氏というのは、御存じのように竹下氏の政治団体、後援会等の幾つかの会計責任者を務めているわけですね。その方のところへの二千万円、これは預かりということで、今後届け出をしなくてもいいということになれば、これは政治資金規正法そのものが全くやみで何でもできるという、そういうことになるのじゃないですか。だから、この二千万円は一体どういう性格のものなのか、政治資金そのものであると私は思いますが、政治資金規正法違反かどうかという疑いがあるわけですから、これは厳正に調べていかなきゃならぬ、こういうふうに思うわけです。これ自治大臣いかがですか。これちゃんとやらなきゃいけないのじゃないのですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 法律の解釈にかかわる問題だと思いますので、私からお答えさしていただきたいと思いますけれども、別に政治団体に預けたとおっしゃっているわけではございません、青木元秘書に預けたと、こうおっしゃっているわけですから、その限りにおいて特別政治資金規正法上のいろんな手続その他のことが出てくるとは私には思えません。
○吉井英勝君 今後、政治団体の会計責任者に一億でも十億でも預けたという形をとるならば、これは何ら政治資金規正法問われないということでもって、五年でも十年でもずっと預かりっ放しということで、その間この資金の運用を幾らやっても問題ないというそういうことになれば、政治資金規正法というのは一体どうなるのですか。
○政府委員(浅野大三郎君) そういう預けた形をとるならばと、こういうお尋ねでございますが、形をとるというか、実際お預けになったとすれば、それは預けたわけですから、預けたものをまさか寄附として報告するというわけにもそれはいかないのじゃないかと思うわけでございます。
○吉井英勝君 それは預けたか預けないかどうかの問題じゃなしに、大事なことは、午前中の小沢副長官の答弁の中でも、あのパーティーというのは総裁選を目指す全国顔見せのパーティーであったと、そして正森質問に対しては竹下総理自身が、あれは私の個人後援会でしたとはっきり答弁をして、したがって任意団体でないわけですね。まさにポスト中曽根、次期総理を目指す竹下氏自身に対してリクルート社が焦点を当てて政治資金を送ってきたということは明白であります。この点では、自治大臣は、あなたはたしか竹下派の幹部だと思いますが、竹下派の幹部であり同時に担当の大臣として、これはやはりきっちり解明をしなければならない問題だと私は思うのですが、どのようにお考えですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 政治資金規正法の法律に絡むことでございますので申し上げさしていただきたいと思いますが、政治資金規正法というのは、いつも申し上げておりますけれども、これは政治資金の収支というものを国民の前に明らかにするということが基本的な目的でございます。行政当局はどういう立場に立つかといいますと、そういう政治資金というものが国民の前に明らかになる、いわば媒介者という立場に立つわけでございます。ですから、実質的な調査権というものを行政当局には持たされておりませんということでございます。
○国務大臣(坂野重信君) 今選挙部長が委員の質問に応じてお答えしたとおりでございまして、調査権がないから小沢副長官自身が自発的に自分でお調べになった結果を、午前中報告になったとおりでございます。これ以上のことは私どもわかりませんし、立ち入って私どもが積極的に調査するというような気持ちはございません。 ただ、私どもの今までの社会通念としては、リクルート問題が起きてからやっぱりパーティーというものは、これからお互いに規制をして自粛していかなきゃならぬという、確かにそういう風潮になっておりますし、自民党自体がそれも今まじめに検討しておるわけでございますが、リクルートの問題が起きるまではパーティーというものは、先ほど選挙部長が言ったように、これは寄附、政治献金ということじゃなくて、その収入は事業収入だということで社会通念として預かってきたわけでございます。こういう問題が起きたから問題になるわけでございますが、しかし今後の方向としては、やはりお互いに気をつけて、常識的な立場で度を過ごさないようにやっていかなきゃならぬということは、御指摘を受けるまでもなく、お互いにこれは自粛すべきだと、こういう気持ちは持っております。
○吉井英勝君 大臣、十日足らずの間に東京で二千万円でしょう、岩手で三千万円、合計五千万円ですね。問題になっているリクルート社にこれだけの五千万円のパーティー券を買ってもらったという、このこと自体大臣は正常なことという、そういう感覚でございますか。
○国務大臣(坂野重信君) 先ほどの最初の二千万の問題にしても、後の三千万と称される問題にしても、やっぱり実態は私どもわかりませんから、わからないものをもとにして私は意見を言うわけにはまいりません。
○吉井英勝君 実態わからないというよりも、明らかにパーティー券の購入として、わずか十日足らずの間に五千万円リクルート社に買ってもらったというこの事実は厳然としてあるわけですね。そのこと自体をあなたは異常とも何とも思われないのかどうか、このことを伺っているのですよ。もう一遍答えてください。
○国務大臣(坂野重信君) それはきのうも議論がございましたが、集め方の問題、いろんな過程、プロセスがあると思いますので、その辺のところをただ二千万、三千万ぽこつとその問題、金額そのものずばりおっしゃっても、その辺の事情というもの私どもわかりませんからお答えできないということです。
○吉井英勝君 私は、今の自治大臣のお話を伺っておりましても、これは消費税の問題も同じだと思うのですよね。 四月一日から消費税実施されました。私ども国会議員団が大阪で調査をやりました。私も参りましたが、大根、ニンジン、アジ、サバなど買いに行く主婦が毎日毎日税金取られて怒っておる。それから、商店街へ参りましても、消費税はお客さんからはもらえない、三%の自腹を切ってやっているのだが、いつまでやっていけるかわからぬ、早く廃止してほしいという、こういう声とか、物品税廃止だといっても値下がりはちっとも実感としてないじゃないかとか、経済企画庁にしても指摘しておりますように、便乗値上げは次々と出ております。自治体の七割は転嫁をしないという、国民の声を受けてそういう自治体が生まれているわけですが、消費税に対する国民の怒りにしても、それからリクルート社にわずか十日足らずの間に五千万円ものパーティー券を買い上げてもらった、そういう問題にしても、今の国民の不信とか怒りとか、国民の本当の声というものが、皆さん方はおわかりじゃないのじゃないかと、私はそういうふうに思うわけですが、まさに今支持率九%ですか、不支持率六三%、NHKですと七八・五%ですか、そういうところへ示された国民の消費税やリクルートヘの怒りというものを、私は少なくとも民主社会の政治家であれば、主権者である国民の声というものをしっかり聞くべきだと思うのですが、まず私は質問に入るに先立って、この点で国民の声というものを御存じなのかどうか、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 私も一日に自分自身アメ横を見ました。その後、テレビでいろんな報道も知っておりますし、それから大蔵本省、国税庁、税関に寄せられました問い合わせ件数、その内容、それから各関係省庁に寄せられたものも概括して聞いております。概して感じで言いますと、納税者の方も事業者の方も平静に受けとめておられるというのが一般的な印象でございます。そして、いろんな問い合わせの件数ほ、漸次顕著に減ってきております。それから、内容は消費者からのものよりはだんだん事業者のものになりまして、仕組みに関する問題が多いようでございます。企画庁の方の物価ダイヤルの方には大分便乗値上げの苦情がございまして、これはある種の食べ物であるとか、あるいはクリーニングとか理容、美容のようなサービスのもの、こういったものに苦情が寄せられておるのでございます。 もちろん、新税でございますから、やはり払う人は払わないで済めばいいと思うことは当然だろうと思います。そしてまた、事業者の方も、今までこんな手数はかからんかったのにと。こういう意味で、やはり新税というものは定着するまでにはある期間が要るものだと承知しております。 しかし、また一方、これが抜本的な税制改革の一環としての消費税である、こういうことをよく御理解いただきまして、そしてこの税が国民経済に溶け込むことを本当にこいねがっておるわけでございます。今後ともその趣旨に従いまして、我々も御相談にあずかり、また今度の税の仕組みをよく御説明し、そしてこれが円満に定着するように万全の構えでまいりたいと、かように考えているところでございます。
○吉井英勝君 結局、消費税に対して国民の七割、八割が反対だということはアンケート調査でも数字が出ているわけです。その怒りもおわかりじゃない。それから、先ほどのリクルートの問題にしても、国民の政治不信、こういうものも全くおわかりじゃないという、私は驚くべきことだということを申し上げておきたいですし、そういうことをこそやはりまず改めるべきだということを申し上げたいと思うのです。 さて、厚生大臣に伺いたいと思いますが、補助金の削減。行革の対象というのは社会福祉、中でも厚生省関係ですね、国民から見て厚生省関係が多いのですが、これは国民から見て福祉後退と受けとめられておりますが、あなたはどうお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 福祉の後退とは見ておりません。
○吉井英勝君 臨調行革により健康保険、国民健康保険、年金、老人保健、児童手当、児童福祉手当等々主な改正のねらいというのは、一つは給付の切り下げ、二つ目に国庫負担の削減、三つ目に国民と地方への負担の転嫁でなかったでしょうか。この点どうですか。
○政府委員(末次彬君) 厚生省におきましては、近年、医療保険あるいは年金各制度につきましてさまざまな改革を行ってきているところでございます。これは、二十一世紀の本格的な高齢化社会に備えまして、制度間あるいは世代間の給付と負担の公平を図る、あるいは将来にわたって国民の社会保障に係る負担を、経済の発展、社会の活力を損なわない程度にとどめる。こういうことを目途といたしておりまして、社会保障制度の基盤を揺るぎのないものにするべく、中長期的な観点から実施してきたものでございまして、御指摘のような御心配はないと、このように思います。
○吉井英勝君 高齢化社会に向けての制度の安定のためということを要するにおっしゃりたいわけですね。それは理屈は後でつけたものでありまして、実際にやったことをちょっと見てみれば、健康保険はもともと本人十割給付を九割にし、法律上は八割給付にしているわけです。国保は、地方負担の導入、国庫負担率四五%を三八・五%に削ったことは事実ですし、年金にしても給付の大幅切り下げを昭和六十年に行い、今六十五歳からの支給へと年齢を引き上げようとしているし、老人関係でも医療費の有料化そして各保険負担を出したり、児童関係では給付の切り下げ、国庫負担の削減。すべて制度改定と言われているものの中身、その本質を見てみれば、私が今言ったような内容じゃないでしょうか。どうですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) やはり、年金にしても医療にしても、国全体の給付と負担のバランス、また国民から見ても給付だけを受けるという観点だけではなくて、それを負担する人のことも考えなきゃいけない。 あわせて、これからますます高齢者がふえていく。そういう中にあって、給付と負担のバランスをどうやってとっていくか。そして、租税負担率とかあるいは社会保険科負担率、これもできるだけ低目に抑えていくという、全体から見て考えていただきたいと思うのであります。 給付だけ多ければ多い、また負担の方は少なければ少ないほどいいというのはだれもが願うことでありますが、その点のよく調和されたものから判断して、我々としては年金とか医療というものを、今の制度が引き続き維持発展し、安定した制度のもとにいろいろな福祉政策を国民が享受できるような制度を維持していく、これが最も大事なことであるという観点からやっているわけでありまして、福祉の後退という批判は当たらないと思っております。
○吉井英勝君 もともと多いわけでもない給付の方を削り、負担をふやしたというのが事実としてあったわけでございます。 臨調行革の名による制度改正や、もともと法律上国の負担金であるものの削減というのは、これは憲法二十五条で書いておりますように、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障」「の向上及び増進に努めなければならない。」、このことを空洞化させたことは明らかです。国の福祉後退の姿勢というのは、当然これは地方自治体に波及してくるものですが、地方自治体に波及するというふうに、そういうふうには思われませんか。
○政府委員(末次彬君) 今回の補助率の恒久化でございますが、そもそも生活保護あるいは老人ホームの入所措置等の福祉行政、これはもう国民生活に非常に密着した行政でございまして、国と地方公共団体はそれぞれの役割を果たしつつ、真剣に取り組んでいかなきゃならないというふうに認識いたしております。 今回、これらの行政に係ります補助率について、改めて国と地方の機能分担あるいは費用負担のあり方等を勘案しながら、他の分野の補助率と一体的、総合的に検討を行いまして、ただいま御提案申し上げているような補助率で恒久化することといたしておりますが、今回の措置を講ずるに当たりましては、所要の地方財源措置が講じられておりまして、地方行財政の運営に支障が生じることのないように配慮されているというふうに理解しております。 なお、今回の補助率に係ります措置は、国と地方の費用負担に係る問題でございますから、国民の福祉水準そのものに影響を与えるものではないというふうに考えております。
○吉井英勝君 まず、厚生大臣の任務というのは、これは憲法二十五条の遵守、福祉後退にそれこそ政治生命をかけても抵抗するという、それぐらいの気概を持ってやってもらいたいと思うわけですが、今も地方との間では、要するに交付税で見るなど、その種のことを調整を図るだけだということですが、しかし全国市長会の決議でも、大阪府など各都道府県からの予算要望などの中でも、福祉の後退を心配して、補助金を復元されたいという、これが全国市長会の決議その他でも出されてきたことですね。 私も先日、自治体責任者に会っていろいろと伺ってまいりました。吹田市では、市長会で決議してやってきて、ことしは復元されるものと思っていたと。生活保護や老人などを中心にして、市民サービスの低下につながることになりますと地方自治体の責任者は心配しています。 堺市。補助金カットの痛みは全国共通の悩みですと。特に、国保についてはもっと国で心配してほしいと。 ちょうど、これせんだって、三月三十日に大阪の茨木市というところの議会で、これは茨木だけじゃありませんが、「国庫補助カットの撤回と超過負担解消を求める意見書」というのが、これは自民党の皆さんも賛成されて全会一致で決議されました。 いま、自治省は生活保護費を十分の七・五に復元したことや財源措置として国のたばこ税の二五%を地方交付税に繰り入れたことを評価してカット撤回運動に終止符を打たせようとしているが、実際には、自治体は一般財源から二千七百六億円の持ち出し、六千五百十二億円もの臨時特例債発行を強制され財政困難が加速することは確実である。 よって、政府は自治体の求める国庫補助カット反対、負担率の即時復元、自治体負担の国による全面補填をただちに実施するよう強く求める これは、今おっしゃった答弁とは全然違うように地方自治体は受けとめているわけであります。 自治大臣にそこで伺いたいのですが、こういう地方自治体の悩みや苦労を大臣はどのように受けとめていらっしゃるか伺いたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) 御指摘のような、いろんな要望とか決議の出ていることは私ども承知いたしておりますが、きのうから答弁申し上げているように、私どもは補助率の完全復元ということは、まさにことは理想的なことでございますし、また各地方公共団体はそれを願っておったことは事実でございます。 しかし、総合的にいろいろ判断をして、最終的にはやっぱり地方の自主財源をいかに充実してやるかということと、補助率の復元等いろいろ総合的に考えて、補助率復元の方はほどほどにして、そのかわり補助率の復元できなかった分は地方交付税とか、いろいろ午前中もほかの先生方に答弁したとおりに措置したわけでございます。しかし、それで終わるということではございません。中央と地方との権限をどうするか、また財政への負担をどうするかというような問題は、やっぱり国庫負担金の性格と、そして補助金の性格と違いますから、私個人的には、やっぱり負担金といいますか、国が責任を持って面倒を見なければならないナショナルプロジェクトというものは、できるだけ手厚く国の方で出して、それで一般の奨励的な補助金というものはある程度やはり辛抱して、そのかわりに地方の自主財源というものを一方において充実してやって、そういう中で面倒を見ていこうということでございます。確かに国保問題は前自治大臣も非常に心配しておりまして、厚生大臣とかんかんがくがくやったということも私も承知しておりますが、私どもではできるだけの範囲内で、地方財源の自主財源という面で面倒を見ていこうということでやったわけでございます。
○吉井英勝君 地方の苦労や悩みを一番知ってもらわなければいけない自治大臣が、余り御存じないということは極めて残念です。地方では先ほども言いましたように、自民党の皆さんも含めて地方財政困難が加速されることは確実だと悲鳴を上げているのですよ。このことはぜひ考え直してもらいたい、重く受けとめてもらいたいと思うわけです。 補助金カットは、地方では子供に対する施策の極端な後退などを生み出しております。例えば大阪で見ますと、堺市に続いて東大阪市でも公立の学童保育は廃止と。それから能勢町というところでは、保育所を廃止して幼稚園をつくろうという深刻な矛盾が生み出されてきております。大阪の中の農村部に当たる能勢町というところの保育所廃止の動きをもたらしたのは、実は会計検査院の方が厚生省基準と異なる、保育に欠けなかったと思われるケースの具体的選別基準を勝手につくって能勢町へ入っていった、しかもこの任意的検査事項に関して、自治体の固有の権限にまで踏み込んで、事実上いわば検査院基準というものを押しつけるに等しいことをしたということは、極めて重大な問題を生じました。マスコミでも、昨年十二月十七日付の毎日新聞の方で「「福祉狙い撃ち」の批判も」と、そういう解説を載せておりましたが、今会計検査院の方がやっていらっしゃるもう一つの特徴というのは、大型公共事業などに対するむだ遣いの指摘が減って、厚生省関係の保険医療など社会福祉面でのところの追及が目立っておる、そして一方、報告ではODA関係の指摘というのが非常に弱い、切り込みが弱い。早速、これは昨日でしたか、中曽根前首相の秘書がODA関連で関与したという問題等が報道されておりますが、本来福祉後退に拍車をかけるようなやり方じゃなしに、まさにODAをめぐる疑惑など巨大なものにこそ会計検査院は検査を入れるべきだと思うわけですが、会計検査院の検査の姿勢について、この点を伺っておきたいと思います。
○説明員(森下伸昭君) お答え申し上げます。 会計検査院は最近、先生ただいま御提言がございましたODAなど予算が増大している各領域の検査に非常に力を注いできているわけでございます。その一環といたしまして、社会保障に対する検査も充実させてまいりましたけれども、福祉のねらい撃ちというものではございませんで、あくまでも社会経済情勢の変化に対応した検査を充実させていこうという、そういうことから来ているものでございます。ただ、社会福祉の分野の検査におきましては、いろいろ弱い者いじめというような誤解も生ずることもございますので、そのようなことのないよう、今後とも会計検査に当たりましては、検査の目的について十分御理解を得られるよう配慮しつつ検査を進めてまいりたい、このように考えております。
○吉井英勝君 弱い者いじめととられるようなことはないようにしたいということですが、これは当然のことでして、まさにODAその他にこそ批判が出ているように、巨大なものにこそもっとメスを入れていくべきだ、この点を指摘しておきたいと思います。 ところで、年金についてであります。八五年度の改正で、厚生年金は二〇五〇年までで改正前に比べて給付額で総額、これちょっと推定の計算入りますが、約七〇%に削減ということになります。国庫負担を大幅に削る仕組みによって給付額を三割削ったわけですが、今度はその上に六十五歳支給へ。ですから、平均して、一人当たり支給年数にして四分の一、総支給額約一千万円のカットということになります。これは国民にとって到底納得のできるものじゃありませんが、国民の納得が得られるものというお考えなのでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 年金制度というのは安定したものでなければならない、これがまず第一だと思います。 そこで、給付を受ける方そして保険料を払う方、両方の立場を考え、なおかつ世代間の連帯の上に揺るぎないものにしていくという観点から、今回、我々としては給付水準そして保険料負担、支給開始年齢、この三者をいかにうまく組み合わせ、国民の理解を得るかという観点から考えておりまして、まず支給開始年齢を現行のとおり六十歳のままでこれから将来も維持していくというならば、給付水準を現行程度に維持している限り、保険料負担は今の倍以上にせざるを得ない。現在でも保険料負担が軽いと言っている人は少ない、重いと言っている人の方が多い、そういう中で保険料を倍以上にふやすことが国民の理解を得られるか、なかなか困難であると思っております。逆に、それでは保険料は上げないで給付水準を現行の七割程度から五割程度にカットすればいいかというと、給付水準カットしているじゃないかという御指摘があるように、今よりも七割から五割にせよという声も余りない。そういうことを考えますと、これから給付水準は現行程度を維持する、なおかつ将来の保険料負担が、今でも重い重いと言っている人のことも考えながら、徐々に徐々になだらかな上昇のもとにあったとしても、最終的にも三〇%を超えない、二六%程度におさめるためには、これは支給開始年齢を六十歳から六十五歳までに段階的に時間をかけてやるのが最も妥当で、現実的な案ではないかと思って今提案しているわけでありまして、こういう案というものは、むしろ六十歳の支給開始年齢をそのままにする案よりも私は国民の理解が得られるのじゃないかと思っております。
○吉井英勝君 これについては自民党内にもいろいろ異論があったということを聞いておりますが、施行日は法律で定める日というふうに修正して提出ということです。 そこで伺いますが、この国民年金法等の一部を改正する法律案を読んでおりますと、当初の実施スケジュールは予定どおりと。問題は施行日だけ法律で別に定めるということでありますが、これは六十五歳からへの支給開始年齢を引き上げていくというのを、要するに撤回をするのか延期をするのか、スケジュールどおりでいくのかということであれば、当然スケジュールどおりやりますということの、法律案というのは表明だと思うのですが、これはそういうことでいいですね。
○国務大臣(小泉純一郎君) スケジュールどおりやらせていただきたい。ただし、施行期日はこれは国会の判断にまつわけでありますが、いずれ国会でお決めいただくわけでありますが、それがことしやれば十年後から六十一歳になる、二十二年後に六十五歳になる。来年施行オーケーということになれば、これが九年後になる、六十一歳が。さらに二十一年後に六十五歳になるということでありまして、施行期日は雇用等の問題もありますし、また国民の合意をどうやって得るか、理解を得るかということもあります。そういうことを考えた上で、今の二十二年かけて六十五歳にしていこうというスケジュールは変わらないわけでありますが、施行期日はより理解を得るために篤と御審議をいただこうという形で分離したわけでございます。
○吉井英勝君 ですから、この法律を読んではっきりしているように、最初六十一歳に引き上げるのは一九九八年からと。ですから、開始するそのスケジュールは予定どおり、そういうことでいいのですね。
○国務大臣(小泉純一郎君) そのとおりであります。
○吉井英勝君 ですから、一九九八年から開始するというそれは全くスケジュールどおりであって、ただ施行日は別に法律で定める、これは本当にことし選挙があるからということで、その辺をあいまいにぼかすという、いわば選挙対策でこそくなやり方じゃないか。これは国民から批判を受けても当然じゃないでしょうか。ですから、こういう点については法案そのものを撤回するべきでありますし、また国民年金財源の負担を減らすと言ってきたわけでありますが、現実は国庫負担を減らして保険料を上げることだけが今進んでいる。これについても、やはりこれも地方でも自民党の皆さんを含めて、全会一致でもって年金制度の改悪撤回を求める意見書というのが、これもこの間大阪府の茨木市議会で決議されておりますように、政府は安易に国民に負担を転嫁するのでなくという、こういう指摘をやはり受けとめて、この法案は撤回されるべきだ、このことを申し上げておきたいと思います。 次に、共同作業所の問題についてお尋ねしたいと思いますが、障害者やその親御さんなどが自主的に運営している共同作業所というのは今どんどんふえています。認可施設が不足しているものですから、無認可の作業所が急増しておりまして、大阪の無認可の例で言いますと、一九八〇年の四十三カ所が八九年には百八十二カ所へ四倍以上になりました。その利用人員というのは八〇年の五百十六名が八九年で二千五百四十八名と五倍にふえている。この点で全国的にも大変な伸びでございますが、なぜこういうふうにふえてきているのか、その点についてどういう御見解でいらっしゃるか、伺いたいと思います。
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 今、先生お話しの小規模作業所は、二十人未満の非常に小さな規模で、親御さんたちが中心にこういった精神薄弱者の方、身体障害者の方が自主的に行っておられる作業所でございます。先生が今これが非常に増加しているのではないかという御指摘がございましたが、この理由といたしましては幾つかのものが考えられるかと思います。 一つは、養護教育の義務化ということが進行いたしまして、こういった精神薄弱者の方々につきまして、中学への進学ということが全員行われるようになったわけでございますが、現実問題といたしまして、高校への進学が難しいということから、親御さんたちがこういった精神薄弱者の方々について、小規模でも作業所を設けたいという御希望が非常に強くあるということが一つの原因かと思います。 もう一つは、認可施設につきまして、今申し上げましたように、二十人という規模がございますし、それなりの施設の整備等が必要でございますので、これがなかなかできがたいという要素があるのかと思っております。
○吉井英勝君 共同作業所というのは全国的に非常に急増しておりますが、その理由は、今もおっしゃったように、養護学校義務設置制の実施以来十年たちまして、卒業生が出てこられて、私もいろんな方とお会いしましたが、卒業後せっかく学校に行ったのにまた在宅になるというこれまでの事情があった中で、共同作業所に希望の光を見出したという、そういうお母さん方の声を随分私も聞きました。 こういう実態にあるのに対して、ただ、現在障害者雇用対策なんかは非常に立ちおくれている問題などもありまして、これはいよいよ充実させていかなきゃいけないときだと私は思うわけです。 そこで厚生大臣にちょっと伺いたいのですが、無認可の共同作業所などお訪ねになったことございますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 無認可のは大臣になってからはありません。
○吉井英勝君 これもぜひ一度訪ねていただいて、その実態を把握していただいて、そこに働いている人たちの生き生きした姿も見ていただきたいし、ぜひ父母の皆さんともお話し合いもしていただいて、今日どういう状況に置かれているか、そういう中でどんなに必死の思いで運営に当たっていらっしゃるかということをよく聞いていただいて、そして今後この分野で、厚生省には既に幾つか取り組んでいただいていることもございますが、さらにこの充実を大臣としても図っていただきたい。これはそういうふうに要望しておきたいと思うのです。 そこで、労働省の方に障害者雇用の問題としてこの実態をつかんでいらっしゃるかということと、認可作業所への補助というのは厚生省の方でやっておりますが、無認可の小規模になると、これは国の方でも何もない。ところで、共同作業所が障害者の就業施設であり、同時に職業訓練的性格を持っていることも考えますと、労働省としても心配をしてもらわなきゃならぬと思うわけです。 そこで、一九八五年十一月十四日の参議院社会労働委員会で山口大臣は、共同作業所は障害者の父母にとっても御当人にとりましても大変有効に機能しておる、援助というものがどういう形で可能か十分前向きに検討しなければならぬという御答弁をしておられます。大臣の国会答弁というのは非常に重いものだと私は思いますが、そこで労働大臣に伺いたいのですが、今の問題については、これはさきの大臣も十分前向きに検討しなければならぬということでございますが、ぜひ真剣に研究をしていただきたい、労働省としてもやっていただきたいということを思うのですが、労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(竹村毅君) お答え申し上げます。 私どもにおきましても、いわゆる小規模作業所につきましては事例調査も行っておりまして、その結果、平均的なものを申し上げますと、一週当たり五ないし六日程度通所するとか、そして一日平均四、五時間の作業時間、一月平均五千円から一万円の手当を得ているというのが平均的な形態だというふうに思います。将来的には、いわゆる社会福祉法人への移行を希望しているところが非常に多いわけでございまして、したがいまして、雇用というよりも生きがい対策的な面が非常に強いと思われますけれども、中には一日八時間程度の作業を行っている例も少数ではございますけれどもございます。そういうものにつきましては、私どもの身体障害者の雇用促進その他にあります助成金その他が利用できるところには利用していただいて、これからもいろいろな面でお手伝いしたいというふうに思っております。
○吉井英勝君 労働大臣は。言っておいたのですが、大臣はいらっしゃらないですね。さきの大臣の答弁もありますので伺いたいということで事前に通告しておいたのですが、これはこういうことでは困る。今、大臣じゃない方の御答弁しか得ないのであれですが、労働大臣の方はやはり真剣に検討、研究してもらいたいということを重ねて申し上げたいと思います。 次に、養護学校に関係してですが、全国の知恵おくれの養護学校の過大校ワーストテンのうち大阪が五校あります。その高等部の状況、またワーストテンのうちやはり大阪が六校で最悪という事態でありますが、それも一位から上位を占めております。 私は、全国で最悪の過大校である大阪府立和泉養護学校高等部を見てきました。生徒数は二百七十六名で、文部省の指導を受けてもともと百五十名規模の学校として建設したわけですから、今では約二倍。その結果、言語訓練室、心理治療室、相談室、職能室、図書室がすべて普通教室に転用されていました。中には板一枚で特別教室を二つに仕切って、入り口のドアが真ん中にないものですから幾らでも授業中でも行き来できるという、そういうのもありました。実習用の農園もつぶしてプレハブ教室をつくったりとか、それから百名の先生が一つの教員室に入っているとか、これまでは一人一人の子供の知恵おくれの実態に合わせた指導ができたのですが、数がうんと多くなったものですから、父母を含めて検討したいという先生の熱意があっても、父母の皆さんの願いがあっても、過密過大で大変だという実態が生まれています。また、子供さんの中には、ほかの教科に出ておりますと、今度自分の教室がわからなくなっててんやわんやするとか、先生もあとちゃんと見つけなきゃいけないという、そういうことがありまして、過密過大の中ではこういう事態というのは本当に満足にやっていくには物理的に困難だという状態が生まれております。文部大臣は、こういうふうな状態をどうお考えになられるか伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) 委員既に御承知のとおり、養護学校の学校規模の実態と申しますのは、児童生徒の障害の状態が非常に多様だということもございますし、小学部、中学部、高等部等も置かれて、発達段階が非常にまちまちで、年齢の幅も非常に広いということで、その設置、運営につきましては、各学校の実態、地域の実情を十分考えて行わなければいけないというふうに考えております。しかし、それを一律に学級数等によって全国同じような適正規模ということを定めるということは、委員も十分御承知のとおりなかなか困難な状態にあるということが実態でございます。 しかし、そうは申しましても、今委員御指摘のような実態というものがあるわけでございますので、設置者であるところの都道府県等において、学校規模がただいま御指摘のような過大な状態なために教育上の支障が出たり、施設等問題があるという判断が下されて分離、新設を行うというような決定がなされた場合には、文部省といたしましては国庫補助金の執行に当たって優先的にこれを採択していくということで、できる限りの援助をしてまいりたい、このように考えております。
○吉井英勝君 この八年間、ずっと大阪では養護学校が新設されないので過密状態がひどくなったのですが、それは文部省が新設を抑えてきたということじゃなくて、府の方からさえ出てくればやるということですね。
○国務大臣(西岡武夫君) そのとおりでございます。
○吉井英勝君 次に、八〇年代の初めに大蔵省の方で歳出百科を出されておる。予算の抑制、削減、特に教育分野で言いますと私学助成に重点的に絞ってやっていました。その結果、この私学助成の総額抑制方針によって深刻な影響を受けております。 現在、八一年から八八年までの私学助成というのは、高校以下がマイナス四十一億円、大学はマイナス三百六十二億円と削減されました。一方、この間、納付金は高校で二九・七%、大学は三二・七%増で、今私立に入学すると平均で大体大学は百万、高校五十万はかかるという状態になっております。これはやはり、国の補助金削減が国民の負担増をもたらしたということは明らかであります。 そういう中で、全国二千万の私学助成を求める請願というのは毎年のように提出されてきて、国会では八一年以来三十九種三百八件、この私学助成の請願については採択をいたしておりますが、この請願の重みをどのように受けとめていただいているのかということと、もう一点あわせまして、さきの国会で中島前文部大臣は、立法精神に経費負担の軽減をうたい、法的にも五〇%以内とあるが今は約一七%である、国会決議もあり、私学の役割からも助成の充実に努めると約束され、竹下総理も文部大臣と同意見ですと答弁されました。西岡文部大臣、村山蔵相、皆さんも中島前文部大臣や竹下総理と同じ見解で私学助成については頑張っていってもらえるのかどうか。この点、請願の重みの認識と二つあわせて伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えを申し上げます。 文部省といたしましては、国会請願についての重みというものを十分認識いたしているところでございます。 それと、ただいま御指摘の私学助成の問題につきましては、現在の私学振興助成法、私、立案者の一人でございまして、この法の目的を達成するために文部大臣として全力を挙げて取り組みたい、この決意でございます。
○吉井英勝君 その法の第四条、立法目的、国会決議などにしても、国の方は二分の一以内となっておりますが、できるだけ速やかに二分の一とするよう努めるということ、どのように達成を目指して努力していただけるのかということが一点。 もう一つは、いよいよ私学は今急減期の問題を抱えております。この十年間で見ましても、今後十年見ても、現行の公私間比率で推移したとしても生徒数は三〇%減少が見込まれる。そこで、私学経営を維持しようとすると学費は二倍に、この生徒急減期の私学助成として現在過疎県の私立高校に特別補助を特殊な社会現象として計上しているように、やはり一般的な経常費補助と異なるいわば急減期対策特別助成とでも呼ぶべき措置が必要ではないか。その点についてのお考えを伺いたいというのが二点目です。 最後にもう一点の三つ目は、高校の詰め込み学級というのは国際的にも教育的にも日本の場合異常な事態ですが、公立で四十七、八人学級、私学で見れば一クラス五十人を超えているところがありますが、まさにこの急減期というのは詰め込み学級を改善するチャンスであり、九一年度で小中学校十年計画を達成すると総理も約束をしておられますが、引き続いて高校の定数改善のときだと。公立三十五人から四十人、私立にもその方向で助成するなど抜本的な対策を今こそ準備すべきときじゃないかと思いますが、以上の教育についての三点、文部大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 委員御承知のとおりに、財政事情は非常に困難な状況にある中で、私学助成、文部省といたしましてはできる限り法律の定める目標を目指して努力してきているところでございますけれども、何分にも教育費の総体の金額がふえているというために、残念ながら国の助成しておりますところの金額が、全体の私学において必要とされている経費に占める率がなかなか上がっていかないということで非常に苦しんでいるところでございますけれども、できるだけ目標に沿って今後とも努力していきたい、この時点ではその決意を申し上げるほかはないわけでございます。 急減期の問題につきましては、御指摘のとおりに、これから学童生徒の数が減少していくという中で私学に対する施策もどうあるべきかということにつきましては、文部省といたしましても真剣に取り組んでいきたい課題の一つでございます。 なお、三番目に御指摘のございました私立高校につきましての四十人学級という問題については、今この時点で具体的に文部省としてどういう施策をとるかということにつきましては、既に委員御承知のとおり、これを所管いたしております各都道府県における施策との関連もございますので、今文部省が具体的な形での施策を独自で申し上げることは非常に困難であろうと思います。今後私立学校の役割の重要性というのはますます高まっていくわけでございますので、この財政事情等を勘案いたしまして、各都道府県における私学助成のあり方との関連の中でこれを推進してまいる努力をしてまいりたい。基本的な検討が必要なのではないかということを考えているわけでございますが、今具体的な案を申し上げることはお許しをいただきたいと思います。 —————————————
○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。 井上裕君が委員を辞任され、杉光弘君が選任されました。委員の異動についその補欠として上杉光弘君が選任されました。 —————————————
○栗林卓司君 補助金の問題について伺う前に、消費税について二、三お尋ねをいたしたいと思います。 消費税は四月一日から実施されたわけでありますが、便乗値上げに絞って実施状況を企画庁にお尋ねいたします。
○政府委員(勝村坦郎君) お答えを申し上げます。 一日以来五日間で我々のところにあります物価ダイヤルヘの問い合わせ件数は千八百件超えておりますが、その中で確かに便乗値上げではないかという苦情の件数が一番多いことは事実でございます。 それらの内容を見ますと、再度申し上げておりますが、かなり特定の業種に限定されておりまして、大体飲食関係、環境衛生関係、それから一種のサービス関係と申しますか、そういうところでございまして、これまで商品を仕入れをして販売する一般の小売店等についての便乗値上げという苦情は全く来ていないのが実情でございます。そういう意味で、業種としてはかなり限定されたものについてそういう便乗値上げ的な行為がある、これはある程度事実であろうと思います。 ただ、昨日もちょっと申し上げましたが、逆に自分のところは全然値上げをしてないのに、まるで自分の業界の業者全体が値上げをしているような報道がされるのは甚だ心外であるというような苦情もございました。これも件数から見まして、飲食店あるいは環境衛生等の店舗数と比べてみますと、我々のところには非常に件数としては集中しておりますが、全体に対する比率というのは決して高いものではないわけでございます。そういうことで一部に非常に目立った行為がございますけれども、これは全体としてはかなり割合としては低いものが報道等の関係もございまして、非常に目立った形で表面にあらわれているという状況であろうと思っております。
○栗林卓司君 いただいた物価局の資料によりますと、そば、ラーメン、弁当、理容、クリーニング等に対して便乗値上げではないかという苦情が集中している。特定の業界にそういった苦情が集中しているというのはこのことをおっしゃったわけですね。 そこでお尋ねしたいのは、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律というものがあります。これはどういったものかといいますと、競争を排除して料金を規制して経営の健全化を図ろうというのが目的でありまして、独禁法の適用除外であります。 そこで、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の適用されている業界はといいますと、飲食店、理容業、美容業、クリーニング業なんですね。したがって、私お尋ねしたいのは、苦情が集中している業界というのは全部環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の対象業種じゃないですか。したがって、この法律が悪用されているということはありませんか。
○政府委員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 ただいまの環境衛生関係適正化法で指定されておりますものは、たしか八団体だったというふうに記憶しておりまして、確かに現在便乗値上げではないかと思われるものが目立っております業界のかなりのものがこの中に入っているという感じはいたすわけでございます。ただ、二点ほど申し上げたいのですが、一つは、まだ我々のところに寄せられました情報というのはそれぞれの業界、多いと申しましても一番多い件数で大体二十件から三十件、件数にいたしましてそれぐらいのものでございます。したがって、また地域的にもこれまでのところかなりばらついておりまして、果たしてその背景に共同行為的な動きがあるのかどうか、今のところこれだけのデータでは判定しかねているところでございます。ただ、環境衛生組合等の関与している業種であることは確かでございますので、これは厚生省の方に十分改善指導をしていただくように申しまして、既に都道府県を通じましてそういう改善の対策を厚生省の方でおとりいただいているというふうに承知をいたしております。
○栗林卓司君 今私が読み上げたのは全部ではありませんので、劇場なんかの興行場法というのですか、要するに劇場なんかですね。そこの切符なんかも便乗値上げがあったのではないかという新聞記事もちらほらしておりました。この法律は、これ自体が共同行為を認めている法律ですからね。しかも困ることは、この共同行為をしようとすると厚生大臣の認可を受けなければいかぬ、こうなっておるのです。そうすると、便乗値上げではないかと疑問を持たれている値上がりというのは、全部厚生大臣の管理監督下にある。それが疑問を持たれるというのはいかにもふぐあいなことなんで、実際に個々の料金が厚生大臣のところにどういたしましょうかと上がってくるかどうかは知りませんよ、とにかくこれは厚生大臣の監督下にあることは事実なんですから。そこで、便乗値上げではないかという疑いを持たれるようなことは、ぜひ努力をして絶無にしていただきたい、この点をまずお願いをし、見解を求めておきたいと思います。
○政府委員(勝村坦郎君) ただいまの環境衛生関係の問題につきましては、なお一層データ等を精査いたしながら、厚生省、また仮に共同行為的な背景が疑わしいというような場合がございましたら、公正取引委員会とも十分連絡をとりながら、さらに一層対処をしてまいりたいと思います。 なお、一部のものにつきましては、厚生省だけではございませんで、農林省の所管の部分あるいは通産省の所管の部分というのもございますので、これら関係省庁には十分対処していただくように連絡をし、既に対応を進めていただいているところでございます。
○栗林卓司君 環境衛生関係の業者というのは、おおむね課税売上高三千万未満の免税業者である場合が多いと思いますね、規模からいって。そうすると、これ免税業者でありますから、仮に三%を転嫁して、それはもうどこからも文句は言われないやと言ってみたって、今度は消費者から見ると、その三%が国庫に納付されないわけでありますから非常に複雑な気持ちになる。この過程について政府そのものが関与している、そう受け取られている。これは受け取られてもしようがないのですよ。したがって、そういったものであればあるほど神経を使って指導の徹底をしていただかないと困るのですよ。この点を特に申し上げておきたいと思います。 そこで、消費税について、見直し条項との関係で、定着をした状況を見ながらいずれ見直しをいたしますという趣旨の御回答がございましたが、この見直しというのは具体的にいつの時期に、あるいはその重点は何に関して見直しをしていかれるおつもりなのか、この二点について大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 今見ておりますのは、定着状況を見ているわけでございますが、最初はやはり事業者、それから消費者、これがどれぐらいなれてくるか。まずはなれてくるというそういう落ちつき方であろうと思います。 それから、一番早い納税が、これはみんな法人でございますけれども、四月決算、五月決算、それから六月決算、七月決算、その人たちが九月末に申告納税してまいります。そのときにどのような納税をされるのか、つまり簡易納税者、簡易課税の人が簡易課税をどれぐらい選択されるのか、その人たちの値づけはどうしておったのか、結果としてどういう転嫁をしたのか、ここがひとつ要るだろうと思います。それは一つのあれでございますが、そこで一つのある程度の答えが出るかもしれません。 しかし、こういうものは、よく考えてみますと、変える変えないという問題はやはり全納税者に同じ機会を恐らく与えなくちゃいかぬであろう。法人でございますと、一番最後が三月決算で五月納税になるわけでございます。これが大部分でございます。したがいまして、全体を見るというのには、ワンラウンド見るのでもそれが必要であろう。個人でございますとこれは全部来年の三月末に出てくるわけでございます。この辺がやはり一つのめどではないかなというふうに我々は見ているわけでございます。 各国のあれを見ておりますと、やはり定着するにはかなり、定着と申しましてもなれるということ、それから法律が所期した目的が納税という形であらわれてきますから、そういうことをずっと繰り返していって、そして最後に判断すべき問題だと、こう思っております。したがいまして、注意深く、慎重に、そしてどこにこの制度のマイナスがあるのか、今度は逆にした場合にはどういうことになるのだろうかということまで見きわめつつ、やはり将来の対策を立てる必要があるのじゃないかな、そんなふうに考えております。
○栗林卓司君 見直しといいますと、よく課税売上高三千万未満の免税点の問題あるいは簡易課税方式と、こうなるのですけれども、それだけではなくて、消費税というのは経済組織、産業組織に大きな変化を与えていく可能性を持った制度でありますから、その変化を見ながら全体としてどう見直していこうかという観点が必要でありましょうし、それから、よくそれは値決めでありますとお答えが出てまいりますけれども、その値決めが最も健全に作用するためには、転嫁カルテルで代表されるようなあの緊急措置も、これは見直しの結果排除していかなければいけないかもしれませんし、そういった幅広い角度から見直しをしていかれる、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃるとおりでございます。経済に及ぼす影響その他、広範な観察がやはり必要であろうと思っております。
○栗林卓司君 続けてお尋ねをするのですが、税制調査会の「平成元年度の税制改正に関する答申」の中に、何分この税になれていない我が国のことであるからと前置きをつけて、これがなじむように不断の努力を行う必要があると一応書きながら、つけ加えて、税負担の公平確保を求める国民の声は大きいと書いて、「不公平税制の是正に努めるほか、所得・消費・資産等の間で均衡がとれたよりょき税制の姿を求め、土地をはじめとする資産に対する課税のより一層の適正化の検討も含め、不断の努力を行う必要がある。」、こう書いてありますが、まことにこれは税制調査会の指摘されたとおりであろうと思います。 そこでお尋ねしたいのは、実は土地税制でありまして、土地基本法が閣議決定になりまして、近く国会にも御提案になると伺っておりますが、土地基本法の要綱を見てお尋ねをしたいのですが、「土地に関する基本的施策」というものがありまして、一、二、三、四と頭に数字を打って、書いてあるのですが、四の「社会資本の整備に関連する利益に応じた適切な負担」という表題が立っておりまして、内容は「社会資本の整備に関連して土地に関する権利を有する者が著しく利益を受けることとなる場合において、その利益に応じて適切な負担を課するための必要な措置を講ずるものとすること。(第十四条関係)」であります。 そこで、この言葉から想定されますのは、イギリスあるいはフランスで例のあります土地増価税でありますけれども、既往の税制としてはそういったものに恐らくなっていくのだろうという感じがするのですが、土地基本法を受けた土地税制の構築作業というのは、大体どこで、どんな段取りで進んでいくことになりましょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(尾崎護君) 土地税制につきましては、かねがねいろんな見地から税制についての見直しを進めてきているところでございますけれども、やはり土地対策というのは非常に広範な面にわたるわけでございまして、土地対策において土地税制を活用する際には、総合的な土地対策の一環として、関連する制度、施策の整備を踏まえながら実施することが必要ではないかとかねがね私ども考えておりまして、今般、土地基本法案が取りまとめられたわけでございますけれども、これは土地についての基本理念を定め、土地対策の総合的推進を図るためのものでありますし、先生今御指摘になりました十四条関係の次に十五条というのがございまして、そちらでは、国等は「土地についての基本理念にのっとり、土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りつつ、土地に関し、適正な税制上の措置を講ずるものとする」というように定められておりまして、この土地基本法の精神にのっとりまして、私ども他の施策との関連を見ながら、適切に税制の問題を考えていかなくてはいけないと考えております。 土地税制を今後検討していくに当たっては、こうした土地基本法の趣旨や、それに則して講じられる関連諸制度、それから施策の整備を踏まえまして、税制調査会にもお諮りしながら適切に検討を進めてまいりたいというように考えております。
○栗林卓司君 土地問題は、有権者国民の合意を得ることが非常に難しい微妙かつデリケートな分野でありまして、だれしもそこに問題の所在と解決への意欲を持ちながらも、手を差し伸べることができなかった。それであるだけに、今回の土地基本法までとにもかくにも議論がたどり着いたということは、私は大きな前進だと思うのですね。したがって、もちろん税制調査会の議論を踏まえて構築されるのでありましょうけれども、海外などの例をも参照にしながら、しかも土地は非常に急がれる問題でありまして、たしか国際機関からも土地が日本経済の問題点だ、この改善が何よりも急務であるということが再三にわたって指摘されているわけでありまして、この点で特段の御努力をお願いをして、この項の質問は区切りたいと思います。 では、補助金に入ってお尋ねをします。 今回の御提案の特徴は、とにかく補助率を恒久化する努力が払われて、いわばその成果の一つが今回の御提案になっている、そう理解をしておるのでありますが、恒久化に当たっての考え方というのは、臨時行政改革推進審議会の「今後における行財政改革の基本方向」を踏まえたものであろうと理解をしておりますけれども、そうなりますと、国と地方が等しく分かち合う性格の事業については二分の一、さらにそれより高い補助率としては三分の二、それより低くても補助目的が達せられるものについては三分の一、一応こういった原則を踏まえて補助率そのものの簡素化をも図るべきであると行財政改革の基本方向でも述べておりますけれども、一応これを踏まえたものとして今回の補助率の恒久化が御提案されている、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいま先生御指摘のとおり、昭和六十一年の六月に行政改革推進審議会の答申の中で、そのような御提言がございます。また、それよりも前に、昭和六十年十二月の補助金問題検討会、いわゆる有識者の検討会でございますが、この報告の中でも同様の提言が出されておるわけでございます。 今回、恒久化をするときにどういうふうに考えるかということで、省庁間の検討会でもいろいろな議論があったわけでございますが、一つの重要な御提言として、ただいまの御指摘のような考え方というものを念頭に置いたわけでございますが、他方、それぞれの補助率の経緯等を踏まえて別個に考えたというのが実情でございます。 その中で、措置費につきましては、先回の見直しの際に、機関委任事務が団体委任事務化されておるという状況を踏まえまして、ただいま先生御指摘の考え方に、いわばちょうど適合をしているわけでございますが、生活保護等につきましては、これまでの本則が十分の八であり、三年間の暫定率が十分の七である、かつ生活保護等につきましては、一般の率の中で最高の率というものに収れんをさせていくべきであるという意見が非常に強かったわけでございます。このようなものを踏まえまして、生活保護等につきましては、一般の率の中で最高の率と考えられる四分の三の率をもって充てたい、こういう合意に達したという次第でございます。
○栗林卓司君 一々お伺いするようになりますけれども、義務教育費国庫負担法の一部改正にかかわる部分でありますけれども、共済長期給付などについては二分の一の補助率で恒久化したわけでありますね。先ほどの考え方を踏まえた恒久化ということは、補助の性格をより具体的に示すことになると思いますので、共済長期給付あるいは恩給について、これは国と地方が等しく分かち合うべきものであるということをこの二分の一という補助率は述べているのに等しいということなのでありましょうか。こういった見方について、文部省当局はどのように考えておられますか。
○政府委員(倉地克次君) 今先生の御質問になりました共済年金の長期給付に要する経費でございますけれども、これは職員の退職後に支払われる共済年金に係る経費でございますけれども、こうした将来の共済年金の支給に要する経費を、本人と使用者が在職中に折半して負担するものでございます。したがいまして、在職者に直接の関連を有する人件費というふうに考えられるわけでございます。そういうことでございますので、このような長期給付の性格にかんがみまして、その経費につきましては国と地方で同等に責任を分担するということで、負担割合を二分の一に復元することにした次第でございます。ただ、財政的負担も考慮いたしまして、二年間でこれを一対三に分けて負担割合を復元するということにしておりまして、平成元年度は八分の三、平成二年度から二分の一というふうにしている次第でございます。 なお、恩給費につきましては、これは平成元年度から一般財源にしたわけでございまして、これは昭和三十一年から追加的に国庫負担の対象とされた経費でございますし、また退職者に係る経費ということで、在職者に直接関連を有する人件費でないという観点から、そのように措置した次第でございます。
○栗林卓司君 平成二年度までの暫定措置として、共済追加費用等は三分の一の補助率。これは平成二年度までの暫定措置としなければならない理由は。というのは、昭和五十九年度の暫定補助率が二分の一だったわけですね。平成二年度までの暫定措置としなければならない理由は何であったのでありましょうか。
○政府委員(倉地克次君) 共済年金に係る追加費用などでございますけれども、これは六十一年度から六十三年度まで暫定措置として三分の一の負担率をとってきたわけでございます。それで、これらの経費を、先ほどの恩給費、共済の長期給付と比較いたしますと、恩給費につきましては制度の途中で追加的に負担の対象とされたものでございますけれども、追加費用につきましては、制度発足当初から負担の対象としてきたという点で、若干の相違があるというふうに考えている次第でございます。また、共済費そのものにかかわりますものは、先ほど申し上げましたように、現在の職員にかかわるものでございますけれども、追加費用は若干それとは異なりまして、やはり退職された方に関する経費ということでございまして、言ってみれば恩給費と共済費の中間的なところに位置するのが追加費用などではないかというふうに考えられる次第でございまして、そうしたいろいろな要素から、今回二年間暫定的に三分の一の負担率ということになった次第でございます。
○栗林卓司君 理屈としてはいろいろ出入りがあったとしても、結局はネゴの結果決まっていくものではあるわけですから、そういった決まり方をすることも否定すべきではなかろうと思います。その意味で、すかっとある補助率をもって恒久化ということは、なかなか難しいことなのかもしれません。とはいえ、公共事業等について、それぞれ内容によって違いますけれども、平成二年度までの暫定措置で、一般国道直轄が十分の六、補助が十分の五・七五。一級河川直轄が十分の五・五等々がありますが、これはこの暫定措置でしばらくいくという意味でありましょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 大臣間の覚書にございますとおりに、今後二年間の暫定措置として、暫定期間終了後の取り扱いについて今後これから鋭意引き続き検討を行いたい、そしてその間特に公共事業に係る補助負担率につきましては、関係省庁が多うございますし、また複雑な経緯もございますので、関係省庁間の検討会を設置して総合的に検討を行いたいということでございます。あくまでも今後二年間の暫定措置として、昭和六十三年度までの暫定補助率をそのまま使わせていただきたいということでございます。
○栗林卓司君 本来の考え方としては、国として負担すべきもの、地方として負担すべきもの、それがまず前提としてありまして、その上で補助率はどうあるべきか、こういった議論になると思うのです。 そこで、公共事業についてまずお尋ねをしてまいりますと、昭和六十年以来数次にわたって補助率の引き下げをしてまいりましたけれども、補助金そのものの総額はそう減ってきたわけではありませんでした。これは当たり前であって、内需の拡大を基調として予算を組んでくるわけでありますから、公共事業の事業費分が拡大すれば、補助金そのものが額として膨らんでくるのは、これは当たり前のことであります。ただ、内需の拡大という政策目的に照らして、平成二年度までの暫定措置の補助率の数字を眺めておりますと、国と地方の分担というのは、大体どのような理屈が立てられるのでありますか。
○政府委員(篠沢恭助君) 公共事業の補助率は、従来から国の施策としての重要度、それから受益範囲の特定性でございますとか、それから事業の緊急性、財政状況などを勘案しながら、バランスのとれた社会資本整備というものが進むようにという観点から、そのときどきにおいて設定をされてまいっております。 現在までの暫定期間中の補助率は、六十年度、六十一年度、六十二年度、それぞれの予算編成の際に、その当時の厳しい財政事情のもとで、国費は抑制しながらも事業費を確保するという観点から主として引き下げを行い、個別、具体的に検討の上設定をされた。バランスをとってある程度抑制をするが、特別事情のあるものはある程度カット率を抑えるといったようなことで、やや個別に検討した面もございます。
○栗林卓司君 景気対策として公共事業を考えてみた場合ですけれども、それは別な言い方をして、内需の拡大をするための公共事業、こう受け取られて結構なんですが、景気対策としての公共事業の役割、比重ですね、それはだんだんと変わってきたのだろうか。というのは、国として景気対策を考える場合に、公共事業をそのための手段として考える方がいいのか、あるいはもっと金融政策を含めた手段に訴えた方が適当なのかという議論にもなるわけでありますけれども、ずっと補助率は下げたけれども補助金そのものは減ってこなかった経緯を見ておりますと、公共事業に関する補助金の特徴というのは、一遍ふやしたら減らないということなんです。そこで、景気対策の手段として公共事業を多用するというのは、むしろ財政の対応力を奪うことになるのですね。金融政策、金利政策を含めた複合的な手段で国の目的である内需の拡大あるいは景気対策をする方が正しいのではないのだろうか。 そこで、従来から景気対策というと公共事業といってまいりましたけれども、それを今見直す時期に来ているのではないのだろうか、そんな感じがいたしますが、その点は御所見はいかがですか。
○政府委員(篠沢恭助君) その点は、財政当局及び公共事業執行に当たられる経済官庁とでは、多少見方が違う点もあるかもしれませんが、まず私どもの方からお答えをさせていただきますと、やはりまず公共事業関係費の総額でございますが、昭和五十年代の後半、六兆六千五百五十四億という公共事業総額が数年続きましたが、これがピークでございまして、その後昭和六十二年度までの間に、いわゆるマイナスシーリング等の影響もございまして、公共事業費の総額は六兆八百二十四億というレベルに下がったわけでございます。その後、御承知のとおりNTTの活用事業が入りまして、これによります公共事業の執行というものがふえてまいりましたので、平成元年度では七兆四千二百七十四億、こういう姿になったわけでございます。 これに見られますように、公共事業関係費それ自体は全く減らないということではなかったわけでございますが、他方、先生御指摘のように、事業費で見ますと、公共事業の事業費ということでございますと、まさに補助率の削減によって事業費確保を図るといったような対応もいたしました結果として、公共事業の総事業費はずっと引き続き増加を遂げてきたということは事実でございます。 公共事業の経済政策上の意味というのは、やはりお話しのように、次第に変わってくる面もあろうかと思います。御指摘のように、財政のみならず金融的な手段、財政投融資等も含め、それからまた同じ公共事業でございましても、その執行を弾力的に行うといったような形での措置も含めて、かなり多角的に経済対策というものは考えていけるのではなかろうかという気はしておりますが、しかし、やはり六十二年にNTT活用事業というものを加えました、いわゆる六兆円と言われておりますあの経済対策がございましたが、ああいったことの中でも見られますように、公共事業というものが経済対策に占めるウエートというものは、まことに大きなものがあるということは否定し得ないというふうに考えております。
○栗林卓司君 建設省、お見えになっていると思うのですが、ひとつ御所見をいただきたいのは、景気対策としての公共事業ということで、みんな何一つ疑わずに考えておりますのは、公共事業費が全部国内の事業者の手に落ちる。これは当然景気を上昇させるインパクトを与える、こう思っておったのですが、これからは我々の税金で予算を組んで公共事業をやろう、作業そのものは国外に発注する、国外の業者が受注するということがふえてくることは否定できない今国際化の時の流れだと思うのです。そういった意味でも、従来の考え方に沿った公共事業観というのは、この際、整理をして見直すべき時期を今迎えているのじゃないかと思うのですが、この点御所見を伺います。
○政府委員(牧野徹君) ただいまの御質問に直接お答えする前に、その前段、先ほど大蔵省御当局がお答えになった点について一言ちょっと触れさせていただきたいと思います。 公共投資が経済対策において非常に重要な地位を占めるという認識は、もちろん私どもございますが、私どもはそれと並んでもう一つ、先生御案内のように、我が国の社会資本整備の水準が、我々が目指しております、持っております長期的な水準あるいは欧米先進諸国の水準に比べても、大変まだ見劣りしておるわけでございますから、私どもは、基本的に経済対策としての効用が公共事業にあることはもちろん認めながらも、より基本的には、このような社会資本整備水準を、来るべき二十一世紀までの間になるべく良質なストックを積み重ねていくということを基本に考えておるわけでございます。そういうことからいたしますと、先ほどいろいろ御議論のあったようなことも踏まえながら、国の財政状況等も踏まえながら、公共事業費を今後とも確保、拡大していくことが必要だというふうに基本的に考えております。 それから、ただいまの直接のおただしの、一言で言えば我が国建設市場への外国企業の参入問題ということになろうかと思います。 この点につきましては、我が国の建設投資はおおむね今六十兆円台になっておろうかと思いますが、大体官民の比率で分けますと、常に毎年六割は民間、四割が公共事業でございます。六割の民間市場につきましては、全く制約はないわけでございますから、もちろん建設事業を行う上で、日本の建設業法に基づく建設業許可をお取りになるなど、前提条件を具備されれば、民間の工事については全く何の制約もないので、自由な競争でおとりいただけばいいと思っております。 さてそこで、残りの約四割の公共事業につきましては、先生も御案内のように、これは世界各国ともいろいろな意味で、貴重な国民の税金等を財源とする事業でございますから、何らかの意味で事業者をチェックするということはやっております。アメリカはよく一般競争入札と申しますが、例えばボンド会社のボンドを取ってこいということがあるわけです。その際に厳しいチェックが行われていることは、御高承のとおりでございます。そこで、ただまあそうはいいましても、日本の公共事業につきましても、いろいろな日米政府間の合意に基づきまして特定プロジェクトを習熟の場として与えているようなこともありますから、方向性としては先生がおっしゃったようなことがあろうかと思いますが、公共事業市場がどんどん開放されるという実態になるのかどうか。これはやはり、アメリカを初めとする各国企業の今後とも絶大な御努力も必要ではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 お尋ねしたいことはおおむね粗っぽくお尋ねをしてまいったわけですけれども、実は大蔵大臣に所信についてお尋ねをする機会を得ないまま本日の審議になったものですから、所信を伺うという意味で一点だけお尋ねをさせていただきたいと思います。 実は、公共事業との関連なのでありますが、今の景気の実態というのは過熱ぎみではないかと言う専門家がおられますし、石油価格あるいは為替レートの状況等を見なければ、一概には何とも言えない話でありますけれども、一応インフレに対して警戒すべき水域に、今日本は入ってきたのではないだろうか。おおむねこの趣旨のことを、日銀総裁はたびたびおっしゃっておられるわけであります。 そこで、景気の過熱を抑えるために金利政策を使うとなりますと、それはそれでいろんな難しい問題が波及してまいりまして、日本の国内だけのことを眺めて金利政策を動かすということは、とてもできた仕事ではありません。となりますと、今の景気に対して、過熱を抑えるためにも、とにかく大工がいなくて工事ができないなんという話があっちに行ってもこっちに行ってもそんな話題ばかりでありまして、そうなりますと、公共事業はこの際ややスローダウンをして、平成元年度の予算執行に当たっても慎重な配慮をした方がいいのではなかろうかと思いますが、御所見はいかがでありましょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 今の日本の経済情勢は、非常に何と申しますか、私は順調にいっているだろうと思います。その点は成長の点からいいましても、生産の点からいいましても、また物価の点からいいましても、今は非常に安定しているところでございます。しかし問題は、これが一体どれぐらい長く続くのか、できるだけ長続きせにゃいかぬ、こう思っております。そして今、日本は自分の国の景気だけではなくて、世界的にやはり黒字国としての責任を問われているわけでございまして、重立った国が政策協調をやっていることはもう御案内のとおりでございます。 そこで、それでは心配がないかといえば、そんなことはございません。確かに今、物価は対前年比率で一・一でございますから、世界の中でも最も安定しているだろうと思います。しかしこの問題は、コストプッシュの問題と、それからいわばデマンドプルと申しますか、この両方の問題があると思うのでございます。 今までこうなってきたのは何かといえば、基本的に日本の企業というものが、非常に生産性を高めるということは、これは実物経済をやっている人も、それから金融関係に携わっている人も、すべて生産性の向上というものを目指してきただろうと思います。そしてまた、日本の特徴でございますけれども、大きな企業を取り巻く中小企業、これもまたしっかりしている。これがかなり外国と違うような気がするわけでございまして、基本にそれはありますけれども、やはり環境としてよかったという点を考えますと、円高という問題がどうしてもあるだろうと思います。円高をプラスに利用するためには、ある程度のやはり国の実力が必要でございましたが、それは六十二年ごろ乗り切った。円高を自分のフォローの風にし得るだけの犠牲を払ったわけでございます。そこで今、円高利益を享受できることになりました。それに原油の価格がずっと下がってまいりました。それから為替レートはどっちかといいますと円高になっておりましたから非常によかったわけでございます。ずばりそのもので、製品輸入が安い価格で入ってくる、こういうこともあっただろうと思います。そして金利が非常に安かった、安く済ませることができた、こういうこと、これもまた非常に役に立ったと思っております。 ただ、最近の状況を見ておりますと、コストアップの方からいいますと、為替相場がどうなるかという問題、これが一つ最近非常に大きな問題になっておりますが、ここの問題が一つあります。それから、原油の価格が少しずつ今上がってきているわけでございます。それからもう一つ、産業面におけるコストアップがどれくらいあるのだろうか。今度は春闘が行われているわけでございます。これはやっぱり賃金コストが上がらなければいい理屈でございますから、つまり、企業収益が家計の所得につながる、家計の所得がまた企業の利益につながるという好循環を維持すること、これは恐らく賃金コストの問題であろうと我々は見ているわけでございます。 しかし、そういう点が今不確定の要素が大分出てきたということから、日銀総裁あたりは非常に心配し、まあこれは物価に対しては何といっても一番心配するのは日銀であり、また我々であるわけでございますけれども、その点を心配しております。 それから、デマンドプルの問題につきましては、過熱になるとこれは大変なことでございまして、当然のことでございますけれども、これは長続きしないことは当然でございます。したがって、今の民間の設備投資、こういうものは我々が見るところ、非常に企業も冷静な立場で設備投資をやっているようでございますが、これが少し短期に走りまして、そしてどんどん先のことを考えないでやるようになりますと大変じゃないかと思っております。今のところはそういう心配はありません。 それから、先ほど由しました公共事業でございます。これは不況のときのカンフル注射としては非常に効くということは、六十二年の六兆円のあれでよくわかっているわけです。これは波及効果が非常に大きいということから来ることでございましょう。現在はいい状況でございますから、やはり執行態勢としては自然態勢がいいのじゃないかと思っております。景気促進型でもなければ、まあ後退型にいたしますとまたいろいろの問題がありますので、今の状態のもとでは自然型でいいのじゃないだろうかと思っております。 以上でございます。
○栗林卓司君 最後に一点だけお尋ねをしたいと思います。 補助率の恒久化を目指しながら、結果としてはやや中途半端なところにとどまらざるを得なかったのが今回の御提案でありますけれども、一方、地方財政への配慮をあわせてやったということは、政策のアプローチとしては私は正解ではなかったかと思うのです。 これからの方向について伺うのですが、補助率はより恒久の形で合理的かつ妥当な水準を目指しながら、一方では地方の安定的財源確保に向かって国と地方の財政の健全化を進める、それが長期的方向でございましょうか。この点をお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(村山達雄君) 今、委員のおっしゃるとおりでございまして、今度の補助率の問題につきましては、各省庁で本当に議論いたしまして、完全な意見の一致のもとに決めたわけでございます。今後も補助金の持つ意味あるいは一般財源化の持つ意味、それぞれの役割というようなものを考えながら、そのときどきの財政状況というものを十分勘案して、いやしくも地方財政の運営に支障を来すことがないようこれからも措置してまいりたい、このように考えております。
○野末陳平君 消費税がスタートしてまだ一週間もたっておりませんから、この時点で安易な分析とか議論というのはどうかと思うのですけれども、とりあえず、これまでのところで大蔵当局にまず聞きたいのですけれども、実施してからどんな問題点が浮かび上がってきたか。改めてどういう点で反省すべきところがあるか、そういうようなことをアバウトにちょっと総括してもらいたいと思うのですけれども。
○政府委員(尾崎護君) 私どものところにも、直接消費者または事業者の方から問い合わせがございます。また、税関、国税庁、税務署の方にも同じような問い合わせがございます。それから、各省庁からも御連絡いただいていることがございますが、それらを総合いたしまして、概して平穏にスタートしたというように受けとめておりますが、その中でも消費者からの御意見といたしましては、やはり便乗値上げのようなものがある、それについての御意見、それから年金生活者等その影響を受けるというような御意見がございます。 それから、事業者からの問い合わせといたしましては、これは主として仕組みの問題、特に、例えば自分がこれこれこのような取引をしたのだけれども、これが仕入れ控除の対象になるのだろうかというような、個別具体的な問い合わせが私どものところには多うございます。 それで、四月一日スタートいたしましてから今日に至るまでの全体の傾向といたしましては、やはり四月一日、二日、それから四月三日にかけまして、大変消費者からの御意見が多かったわけでございますが、四月四日あたりから消費者からの電話はむしろ減ってまいりまして、逆に事業者からの問い合わせの方が多くなってきている、そういう状況でございます。 したがいまして、今後これからどのように動くかわかりませんが、目下弾力的運営期間ということで、直接その納税事務ということはしばらくの間出ないわけでございますけれども、しかしいろいろな取引につきまして、やはり事業者の方が個別具体的に疑問を持つ、問い合わせが多くなるというように見ております。 それから、経済企画庁の方からお伺いいたしますと、便乗値上げにつきましては、先ほど物価局長からお話ございましたように、特定の業種に限られて苦情があるというように承っておりますし、それは私ども主税局の方への消費者からの電話でも同じような傾向が見られます。
○野末陳平君 そうすると、やはり消費税による今後の物価の動向というのが非常に気になるというか、心配されるところなんですけれども、確かに一部にやはり値上げが自立っのですが、経企庁に聞きます。 さっき飲食業あるいはサービス、環境衛生ですか、そういう分野における値上げが目立つようなお話でしたけれども、どうでしょう、これがこのままのレベルで定着していくようなことになった場合に、物価の上昇率の見通しなどにかなり狂ってくるような、そんなような感触はどんなものでしょうか。
○政府委員(勝村坦郎君) いわゆる便乗値上げではないかと思われる苦情の件数、その内容等につきましては、先ほども申し上げたとおりでございます。 それで、繰り返しになりますけれども、これらは現在のところかなり特定の業種に限定されておりますのと、またそれらの業界の中でも全部が上げているというふうにはとても考えられないわけでございます。これらにつきましては、なお一層調査等を進めてまいりたいと思っておりますが、現在までのところそういう苦情に出てまいります値上げ率、これは大体一〇%前後ぐらいのものが主でございますが、それとこれらの業種のウエート、さらにその一部であるというふうに考えますと、全体の物価水準に影響を与えるような便乗値上げが発生しているというふうには全く判断いたしておりません。 先ほども申し上げましたが、一般の商品の販売に関します小売業等では、便乗値上げという苦情は現在までのところ私ども全く受け取っていない状況でございます。
○野末陳平君 何と言ったってそういうところが目立つだけに、話が大きくなる面もあろうかと思いますが、とりわけ便乗値上げの疑いがかなり濃いというような感じで、公取などに送るケースというのは経企庁としてはどことどこがあったのですか。
○政府委員(勝村坦郎君) これは現在件数がかなりあるようでございますけれども、業種別にまとめますと、先ほども申しましたが、それぞれ二、三十件ぐらいのものに分かれておりまして、またそれが地域的にどういうふうに分布されているのか、それも調べておりますが、今のところ、あるいはというものが幾つかあることは事実でございますけれども、これは明らかに共同行為ではないかということを断定いたすほどのデータというのは、まだ整理したものはございません。そういう状況で、今後ともなお注意深く見てまいりたいと思っているところでございます。
○野末陳平君 公正取引委員会に聞きますが、僕も余り詳しくたくさん例を知っているわけじゃありません。でも豆腐とか弁当屋とかパンとか、そういうようなのは二月ごろからもうぼちぼちあったようですが、この四月一日から露骨にかなりの幅で値上げがあったのは、そば屋とかクリーニングとかそんなところしか僕は知らないのですけれども、おそば屋さんも全地域じゃありませんで一部の地域ですから。それで聞くところによると、どうも一部地域では、少なくも五十円幅で一律に全商品値上げしようというふうに決めたというふうに聞きましたので、これは値上げカルテルの疑い濃厚でないかなと思ってはいるのですけれども、その辺は公正取引委員会は何かそういう事例で分析なさっていますか。
○政府委員(糸田省吾君) お話しのように、公正取引委員会では価格カルテルによる便乗値上げというものにつきましては、十分監視をしていかなければならないという趣旨で、先般カルテル一一〇番というものをつくりまして、広く情報が集まるような仕組みをつくったような次第でもございます。それからまた、特別審査チームというものをつくりまして、情報の収集に鋭意努めているところでもございますし、それから、ただいまもお話ございましたとおり、経済企画庁などからも情報をいただくといったようなことをやっているところでもございます。 現在、こういった情報を鋭意収集分析中というところでございますが、いずれにいたしましても、具体的にどういった業種においてどういったカルテルの疑いがあるのかといったようなことにつきましては、何分にも事柄が事件の審査にかかわることでもございますので、まことに恐縮でございますが、この場での御答弁は御遠慮させていただきたいと思います。
○野末陳平君 何が便乗かというところになると非常に難しいので、簡単に決めつけるのはよくないとは思いますけれども、ただ心配なのは、経企庁からあるいは公正取引委員会などの指導によって、えげつない値上げというものが実質的に値下げになっていくのかどうか、そういうことは果たして可能なのか。結局このままでもって、消費者が離れればそれまでとは言うものの、結果的に便乗値上げのままいろてしまうのではないかという心配もするのですが、今後とも政府の指導で値下げなどというのは可能性としてかなりあるものでしょうか、実際。
○政府委員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 便乗値上げの疑いが濃いという場合には、個別の店舗あるいは場合によりましては業界等に強く御注意を申し上げて、便乗値上げというようなことで消費者の批判を招かないようにということを御注意申し上げるということでございます。また、万一共同行為というようなことがはっきりしました場合には、公正取引委員会の方で共同行為につきましては取り消しを求めるということも、あるいは将来あり得ると思いますけれども、その場合に、値段自体がもとに戻るかということになりますと、これはかなり難しい場合もあろうかと思います。 端的な例を申し上げますと、この二月一日から新聞業界がかなりの値上げをいたしました。時期的には一斉値上げという形になりました。これについては経済企画庁といたしましても、強い批判を込めた意見を発表しているわけでございますけれども、結果として新聞の値段というのは下がってはいないというような事例もございます。 そういうことに甘んじているわけにはまいりませんので、最大限の努力はいたしますけれども、個別の価格自体を幾らにしろという指導は、政府としては権限の外でございまして、そういうことをし得る法律的な裏づけもございません。業者の方々に強く御注意をする、それから消費者の注意を喚起する、これが我々にとっての最大限でき得る政策手段であろうというふうに考えております。
○野末陳平君 いずれこういう便乗値上げ的な動きは、お客が判断していいところへ落ちつくのだろうとは思うのですけれども、しかし、それだったら政府は何にもしていない、無策というふうにもなってしまいますので、しっかりした指導が欲しい。目に見える形であったらいいと思うのですね。でも、新聞などもまさに便乗値上げ的な疑いが濃厚ですが、これもとらなきゃいいというわけにもいかないから、結果的には値上げがそのまままかり通るけれども、ああいうのを例にして見習っているわけじゃないけれども、業界でかなりそういう話も聞きますから、値上げが幾ら指導しても下がりそうもない、こう言われちゃうと、結局消費者は負けたような形になって気分的にすっきりしないのですね。ひとつその辺は、結局消費税から発生していることですから、少なくもこれで物価上昇率が引き上げられるようなことのないように、各省庁しっかりしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうね、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃるとおりだろうと思います。 しかし、価格は自由競争の中の市場で決まるわけでございますから、その間どれだけの有効な手段があるか、こういうことをやはり関係各省が詰めていかなくちゃいかぬと思います。一番効果のあるのは、やはりそういうことを消費者によく知っていただく。やはり最後の決定権は消費者が持っているわけでございますので、それを十分消費者に知っていただき、またそういう消費者がどういうふうになるであろうかということを予測することによって、販売者の方が自粛していく、あるいはうまくいけば下げるというようなことがあれば、非常に結構じゃないか、こう思っております。
○野末陳平君 一般の商売ではそういう原理が働くと思いますが、そういかないところもありまして、やはり消費税で消費者が予想しなかった混乱を与えた例が幾つかあって、それはまずいなと思っているのですけれども、家賃なんかそうですね。公団の方は三%上げていて、ちょっと離れたところの都営などは上がっていないとか、民間の場合は上がったり上がらなかったりさまざまだと。要するに、家賃については三%の消費税転嫁というのが非常にあいまいというか、ばらつきがあり過ぎて、こんなのもまずいな。結果的にどっちでもいいんですよというような答え方もできませんし、こんなのがやはりもっとすっきりした形でいかなきゃいけなかったとは思うのですけれども、大臣、これはどうですか、家賃。
○政府委員(伊藤茂史君) 家賃に対する消費税の転嫁の問題でございます。 まず、公団住宅につきましては四月一日から三%の値上げをいたしてございます。それから公営住宅でございますが、これも原則として四月一日から三%値上げという方針で指導いたしておりますが、公共団体側のいろんな事情がございまして、必ずしも四月一日全体足並みそろえて値上げということになっておりません。ただ、いずれにしましても、これは値上げの時期を若干ずらした場合でも全部三%の値上げが行われる予定でございます。公社の賃貸住宅についても同じでございます。民間につきましては、実際には三千万以下の免税の事業者もございますし、三千万円以上の事業者もございます。ただ、これも兼業といいますか、賃貸住宅事業のほかの事業をやっているケースもございまして、なかなか一律にということにはまいりません。したがいまして、私どもは課税事業者につきましては三%の値上げを四月一日から指導しております。ただ、免税事業者も非常に多うございますので、その場合には維持管理費等でコストアップ分を、これは当然家主の方が負担しなきゃいかぬわけでございますので、その分を限度としまして、したがって三%以内になるケースが多うございますが、値上げは合理的ではないかということで指導いたしております。
○野末陳平君 しかし、その結果が不公平に映っちゃうのですね、うちは三%言われちゃった、でもあっちはそうならないと。今のお答えは、いずれ一律に三%にという感じですけれども、実際それまでの間少なくもこの不公平、格差というのは消費税に対する不信感になっちゃうから、それは非常に残念でもあるし、またしかしいい方法もないし、そんなわけでちょっとこれも困った現象だなとは思っているのです。 今の民間の方は、大家さんによっちゃ上げないとか、あるいはこの際何とか上げたいがうまい方法はないかとか、それなりに考えているけれども、少なくも公団と公営住宅の差というのがまずいな、こう思って大臣にお伺いしたのですよ。
○国務大臣(村山達雄君) 遺憾のことだと思っておりますが、いずれにいたしましても、四月一日以降の家賃については税込みで市場価格が決まった、こういうことで納税額は計算されるわけでございますので、いずれはやはりこの問題は決着がつくのじゃないか、経済合理主義から申しますと私は決着がつくと思いますが、それにしても早くやっていただきたいな、そのように思っておるところでございます。
○野末陳平君 建設省に聞きますけれども、公団の三%は、確かに家賃は前払いじゃないから消費税込みの新家賃は四月の末だと思うのですけれども、どうなんでしょう、住居者に三%の消費税転嫁を通告した時点で、どういうような反応があったといいますか、苦情というか、反対の声も確かに一部の団地ではかなりあるようなので、その辺はどんなような事情でしょうか。
○政府委員(伊藤茂史君) 公団の住宅には自治会組織がございまして、自治会組織を中心としますいろんな運動がございました。主たる内容は、やはり消費税そのものに反対だということと、もう一点は、やはり去年の十月に一斉改定をやりました後また再び値上げをするということはひどいじゃないか、こういうことだろうと思いますが、いずれにしましても、署名要請で大臣あて、あるいは総裁あてに相当数、三千ぐらいでございますが署名が出ておりますし、要請行動といいますか、陳情要請が数回、公団あるいは建設省に対してございました。それから、自治協と公団との間には定期的に協議会といいますか、定例の懇談会というのがございまして、その席も二回ほど代表者の方から、要するに公団がほかの公共賃貸住宅に先立ってなぜやるのかというようなこと、これは非常に相手が多うございますので行動を早く起こしませんと、とても住民サイドに周知徹底できないということで、早目に行動を起こしたわけでございますが、そういうことに対する抗議がございました。それから、はがきであちこちに反対要請が出ております。 それから、実際に改定通知をいたしました後は、電話でどういう事情で上げるのかというようなことで、問い合わせが相当数あったというふうに聞いております。
○野末陳平君 これは今後の納入状況を見てみなければわからないとは思うのですけれども、仮に三%消費税分の不払いというか、そういう動きで供託するなり、そんなような心配というか、それはないのでしょうか。
○政府委員(伊藤茂史君) お話しのように、消費税分につきまして、今後きちっと払われるかどうかというのは四月末にならなければわかりませんが、昨年十月に行いました改定で、その改定前の家賃のままの支払いしか行っていない方が昨年の十月現在で四百八十五名、これは全体三十二万戸ございますので〇・一五%でございますが、それが二月現在では四百六十五名ということで同じく〇・一五%ほどございます。したがいまして、この方々がどうするかということはあろうかと思いますが、これ以上に大きくふえるような、そういう混乱はないのではないか、これは予測でございますけれどもそういうふうに考えております。
○野末陳平君 ただ混乱はなくても、そういう形で数は非常に少なくても現実にそれがあって、不払いのままで済んでしまうというのもまずいのですけれども、その辺の処置もきちっと考えながらいい指導をしてもらいたいとは思うのですけれども。いずれにせよ、まだこういう混乱はしばらくの間はあるので、そのうちどういう形に落ちつくかというところを見てからでないと、なかなかきちっとした分析ができないと思うのですが。 同じく消費税で、今度は建設業界。もともとここは発注する方と受注する方、かなり力関係強いところなんですけれども、いわゆる昔からいう下請いじめですかね、これは今回の消費税でもいろんな新しい形で幾つものケースがあると聞いてはいるのですけれども、建設省どうでしょうか。消費税を絡めた、今までにないような下請いじめ、そういうような事例については幾らか報告できますか。
○政府委員(望月薫雄君) 建設業の場合、今先生御指摘のように、元請と下請の間で消費税が適正に転嫁されなければならないということはもう当然でございますが、同時に元請と下請の健全な関係というものを、かっちりとつくっていくためにも非常に重要な課題でございます。そういったことから、私どもこれまでも、いやしくも自己の取引上の地位の不当利用に当たるような行為を行わないで、下請からの転嫁を受け入れるようにという指導を強めてまいっておりますが、加えまして、これまで建設省の中にも相談窓口を置くと同時に、財団法人であります建設業振興基金などの協力もいただきまして、相談窓口を置いております。この相談窓口に来ている今日までの状況を申し上げますと、制度の仕組みについての問い合わせというのがたくさんございましたが、具体的ないわゆる今先生御指摘のようなトラブル、こういったものについては今日まで承知いたしておりません。 いずれにしましても、今後そういう具体な事例が出てまいりましたならば、私ども実情を十分把握した上で的確に指導してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○野末陳平君 ただ問題は、そういう事例があっても泣き寝入りしちやうのですね。余りそれを言っても頼りにならないから、結局仕事もらえない方が怖いからというので泣き寝入りしちゃうというか、それがどうも今までの実態らしいので、これはまずいと思っているのですね。 たまたま聞いたのは、三%はちゃんと契約価格に乗せて上げるのだけれども、そうすると、三%消費税分に相当するような協力金みたいな形を別にもらうとか、いろんなことをみんな考えているのですよね。消費税のこと誤解しているからこうなるのかちょっとよくわからないのですけれども、そういう事例も聞いてはいるので、ひとつ全然報告がないといっても、それは事実がないというのとは違うから、まあよく見てほしいと思いますね。 それから、最後になりますけれども、公取もいろいろパンフレット出して、そこに独禁法あるいは表示法その他でもって何かあったら言ってくれと、こう書いてあるのですけれども、それを受け取った事業者はどういう形で解決してくれるのかというので全然信用してないのだよね。言ったってそれで終わりだと。まして、それがはっきりわかったら自分のところの首締めちゃう、商売の。だから、こうなると実効はほとんど上がらないのじゃないか。要するに、こう書いてあるだけで、お役所に言ったところで慰めにしかならない。むしろ自分の商売を続けるためには少々の無理があっても、黙って泣いていた方がいいのだというか、何かまるで初めから政府が頼りなく思われているような、残念でしようがないのだけれども、現実にもそうなんだと思うのですよ。 ですから聞きますが、独禁法とかそういうのでもって触れている。いつごろ結論出て、いい答えを通告してきた業者に与えられるのかどうか。それがわかるならばそれなりに僕も説明の仕方しようと思っているのですが、そこだけが気になって、いろいろ聞かれるのだけれども。僕も言うのですよ。これはこういうところに連絡して事実を報告してというようなことを言うのだよ。じゃ、それでどうなりますか、いつごろちゃんといい形に答えが出てくるのですかなんて聞かれちゃうと、それっきり言い切れないという。その辺でどうなんでしょう、あれは形式的なもので終わってしまうのか、幾ら政府が努力しても実効が上がるという形ではなかなか難しいのか、その辺だけ聞いて終わりにします。
○政府委員(糸田省吾君) 先生御指摘のように、独占禁止法上問題になるような行為とか、あるいは下請法で問題になるような行為、こういったものにつきましてはぜひ御相談ください、公正取引委員会としても十分対応いたしますからというふうには申し上げてきております。具体的にそういったような問題がありましたら、これは私どもその事案に応じまして、適切に対処してきているつもりでございますけれども、ただ先生のお話のように、例えば下請取引のような場合には、下手に苦情を申し立てると親事業者の方から報復を受けるのじゃないかといったようなこともあって、公正取引委員会に話をしたいのだけれども、それもできないというふうな話もよく聞くところでございます。こういった場合に、私ども企業の方々に申し上げているのは、そういった苦情は匿名であってももちろん差し支えございません。もちろん、私どもはだれからこういった苦情があったかといったようなことについては、一切伏せて対処するということも十分考えられるというふうなことも申し上げておりますし、それからまた、それだけでも必ずしも十分じゃないという場合もございますものですから、これは従来からやっていることでございますけれども、特に下請取引の問題につきましては、毎年非常に幅広く書面調査を親事業者あるいは下請事業者に対して行っております。この書面調査の結果、下請法上不都合なことが出てくれば、それに基づいていろいろ処理をしているわけでございますから、こういった書面調査から上がってきたことについては、具体的にだれとの取引でだれがどういった苦情を言ったかといったことは、表に出ないで処理できるものでございますから、こういった書面調査なんかも今回の消費税の転嫁の問題に関しましては活用していきたい、かように考えているところでございます。
○委員長(梶原清君) これにて質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○志苫裕君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、反対の討論を行います。 国の補助金等のカットは、一律というやり方が示すように、あくまでも国の財政事情による緊急避難でありました。したがって、一年限りの約束でしたが、三年間も延長され、あげくの果てに復元どころか、その多くを引き下げたままに固定しようというのであります。これは重ね重ねの約束違反であり、断じて容認できません。しかも、カットの要因だった国の財政事情は史上まれに見る増収に恵まれ、もはや一方的に地方に対して負担転嫁を強いる状況ではありません。財政事情を言うならば、不足財源の大半を財源対策債に頼り、補助金カットだけで五兆円に上る国の肩がわりを強いられてきた地方団体の方がより厳しいのであって、財政的には、なおカットを続ける理由は全く存在しないのであります。 私は、国の補助金等をすべてもとどおりに継続せよ、補助率引き下げは断じて相ならぬと主張するものではありません。個別にその根拠や合理性を吟味し、地方自治の本旨にのっとって国と地方の役割分担と、それに伴う権限、財源の調整を念入りに行うことによって改廃または増減の措置をとることはけだし当然だと思っております。 しかしながら、本法がそのような入念な作業や、合理的判断を行ったものとは認めがたいのであります。足して二で割るか、半分半分か、さもなければ先送り。いかにも場当たり的、その易しのぎの論法で、補助負担割合を律することは将来に禍根を残すものと憂えるのであります。 次に、個別の内容について意見を述べます。 生活保護は、憲法二十五条の要請を満たす国の基幹的事務であり、補助金とはその性格を全く異にするものであります。この負担割合をめぐっては、しばしば国と地方及び政府部内での論争や綱引きが行われ、昭和二十九年には時の厚生大臣が職を賭すという事態も発生しております。このような先人によって守られた負担率を引き下げ、恒久化を図ろうとする本法において、現職厚生大臣の使命感はいかなるものであったのか、その片りんすらも認めることができないのは慨嘆にたえません。生活保護は全額国庫負担の基調を貫くよう主張いたします。 義務教育費国庫負担の大半をなす給与費について、その重要な構成要素である共済費用等を区分けし、国と地方の負担変更を行う合理性は認められず、児童福祉、老人福祉などの事務が団体事務とされたゆえをもって引き下げたまま固定させることも、国民のナショナルミニマム達成に国と地方がどのような役割を果たすのか、その相互関係も未整理なまま補助率だけを先行させるうらみが強いのであります。 二年間の先送りとなった公共事業は、年々予算総枠の変化はあっても、各事業分野の配分比率は常に一定であります。このことは、国民のニーズや事業の緩急軽重にかかわりなく、役所の縄張りにこだわった予算配分が行われていることを示すものであって、この際、思い切った対象事業の見直しを行い、可能な限り地方公共団体の分野に組み入れることを主張いたします。 以上、個別の事項についての問題点を指摘し、主張を行いましたが、本法案は、あらゆる意味において合理性に乏しく、納得できるものではないので、一たんはカット以前の姿に戻して再検討を行うべきであります。 以上をもって反対討論を終わります。(拍手)
○斎藤文夫君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、賛成討論を行うものであります。 御承知のとおり、高齢化、国際化時代を迎え、さまざまな社会変化、行政ニーズの多様化、多量化に対応できる足腰の強い財政確立こそ、国家的重要課題であります。 しかしながら、我が国の財政事情は、特例公債依存体質からやっと脱却できる展望が開けたとはいえ、平成元年度末の公債残高は百六十二兆円。それに要する公債費は歳出の二割を占め、財政硬直化が懸念されておるところであります。 その中で、元年度予算は、内需の持続的拡大を図りつつ財政改革を進めていこうとするものであり、特に歳出面で既存の制度、施策の見直しを行い、限られた財源を重点的かつ効率的に配分して編成されましたが、特に補助金等の臨時特例法の暫定措置が昭和六十三年度末に終了するに伴い、国と地方のあり方を総合的な観点から見直しを行い、補助率等の恒久化や地方の一般財源化を図りながら、国と地方の財政関係の適正化、安定化を築こうとする本法案に対し、我が党は賛意を表するものであります。 さりながら、国と地方は親と子のようなものであり、相互の信頼、共同、協力なくしては国の繁栄はあり得ません。その意味で、地方自治の充実発展こそ地域の振興、格差の是正に不可欠であり、そのために地方の自主性を高め、財政基盤の確立を図らねばなりません。平成三年度には補助率の見直しも期待されるところでありますが、政府におかれましては、行財政改革の立場からも地方との機能分担、地方分権の拡大、それに伴う財政措置等に特段の配慮をされるよう要望して、私の賛成討論といたします。(拍手)
○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例に関する法律案に対し、反対の意見を表明して討論を行います。 その第一の理由は、いわゆる内容の全く異なる法律四十七本について、しかも一部は補助率を引き下げたまま恒久化し、また一部は地方の一般財源に振りかえ、さらに残りについては平成二年度までの暫定措置とするなど、極めて複雑な改正を本法律案で一括して処理しようとしている法案の提出の仕方についてであります。 政府は、一括して補助率を改正するもので、まとめた方がわかりやすいとか、昭和六十年度、六十一年度など、過去の例に倣ったとか申しておりますが、過去の例も本案も、それぞれの法律改正を審議すべき常任委員会制度を無視していることには変わりありません。しかも、本案は、国と地方の信頼関係を損ならばかりでなく、国民生活に重要な影響を与えるものとして、我々野党が強く慎重審議を求めたにもかかわらず、リクルート疑惑隠しに奔走し、暫定予算に追い込まれた政府が、本案を日切れ法案として短時日のうちに成立させようとすることは、議会制民主主義のルールを踏みにじるものと言わざるを得ません。 第二の理由は、社会保障関係の補助率等の恒久化についてであります。これらの事業は憲法にも保障されている国民の生存権に係るものであり、当然、補助率については昭和五十九年度水準の十分の八に復元することが政府の責務であります。それをあろうことか、生活保護法等七法律に係る補助率をわずか五%の引き上げにとどめ、また、老人福祉法等六法律に係る補助率を二分の一に据え置いたまま恒久化しようとしているのであります。政府の福祉切り捨て姿勢がはっきりと表明されたものと言わざるを得ません。 第三の理由は、公共事業等に係る補助率カットの暫定措置を引き続き平成二年度まで延長しようとしていることであります。確かに国の財政事情だけに目を向ければ、補助率カットは、公共事業費の金額をふやさず、しかも事業量全体を膨らませる効果があり、国際公約ともなっている内需拡大に寄与するものと一言えましょう。 しかし、これまで地方はこのため五兆円近くの負担増を強制され、今日に至っているのであり、当然、平成元年度からは正規の補助率に復元すべきものであります。また、そうすることが国と地方の財政関係の安定に寄与し、地方自治体にとって今後多極分散型の地域開発を進めることを可能とし、さらに総理の提唱するふるさと創生の理念とも合致することになるからであります。内需拡大策として、補助率カット等による事業量確保といったこそくな手段に訴えることなく、NTT株式売り払い収入の活用や公共投資の増額により、先進国におくれをとっている社会資本を充実していくことは、まさに国民的コンセンサスを得ているところであります。むしろ、これまでの経費節減の努力が水泡に帰すような、防衛費のGNP一%枠の突破や整備三新幹線の同時着工などを再検討することこそ優先すべきであることを指摘して私の反対討論を終わります。(拍手)
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対して、反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本法案の成立に強く反対している国民の声に耳を傾けないで、採決を強行しようとしていることであります。 政府は、臨調・行革の名のもと、一年限りだ、三年限りだと言いながら、八五年度から八八年度までの四年間だけでも、六百七十二件の補助率引き下げを含む五千百六十七件もの補助金等を整理、福祉、教育など国民生活に多大な影響を強いてきました一国民と地方公共団体が復元を強く求め続けてきたのは当然のことであります。 しかるに今回、一片の反省の弁もなく、十一省庁、十一委員会にも関係する四十七法律を一本の法律にして、二百六十五件もの補助金等の削減を含む整理合理化を一括処理しようとしているのであります。しかも、このような重大、重要法案を、衆議院で、我が党を除く自、社、公、民の密室協議で日切れ法案と決め、当委員会においても審議時間を極端に短縮して採決に至ろうとしていることは、断じて許せません。国民無視の国会の形骸化であり、議会制民主主義を踏みにじるやり方に強く抗議をするものであります。 反対の第二の理由は、本法案は国民に重大な被害をもたらすからであります。社会保障一福祉関係の補助金カットによる本年度の影響額は四千七百六十五億円、五年間では二兆三千六百億円余りに達しています。このために、乳幼児、身体障害者、精神障害者、母子家庭、老人、経済的に恵まれない家庭と保育所、助産施設、老人ホーム等はどれほど泣かされてきたことでしょうか。加えて、厚生省が補助金カットの方針のもと、保育所や老人ホームヘの入所条件を厳しくし、生活保護世帯に残酷な仕打ちまでしてきたことを考えますと、私は激しい怒りを禁じ得ないのであります。 教育関係についても、憲法第二十六条と教育基本法の精神を真っ向から踏みにじる改悪をさらに一歩進めるものであり、断じて容認できません。 公共事業については、現在でもおくれている国民生活密着型公共事業をさらに後退させるものであり、国民各界各層に重大な打撃を与えるものであります。 反対の第三の理由は、地方財政運営の原則をじゅうりんし、地方自治体に負担を転嫁し、地方財政危機に一層拍車をかけることにあります。本法案による国庫補助金等削減による影響額は、地方財政ベースで一兆二千八百九億円、八五年度からの五カ年では六兆二千億円にも達します。八八年度までの影響額に対する実質国庫補てん分は、質問でも明らかにしたように五一・五%、地方たばこ税による住民負担による補てん分を除くと四四・一%にすぎません。政府は、財政金融上の措置を講ずると言いますが、将来の地方交付税の先食いであり、地方債増発を促し、地方財政の硬直化を進め、地方財政危機を一層深刻にせざるを得ないのであります。 さらに、厚生保険特別会計等への一般会計からの繰り入れの二分の一カットや停止は、法律に定められた政府の責任を放棄し、財政民主主義を侵害するものであります。 本法案に対する反対討論の最後に、竹下内閣の政治姿勢について触れないわけにはいかないのであります。欠陥だらけの最悪の大衆課税である消費税の導入とリクルート疑惑によって、今や竹下内閣の支持率は九%台に急落しています。圧倒的多数の国民は、竹下内閣には政権担当の能力も資格もないとして、リクルートや政治献金をめぐる一連の疑惑の解明、消費税の廃止、本法案の撤回を要求し、竹下内閣の即時退陣を求めているのであります。この国民の声に従うことこそ、竹下内閣の最後に残された仕事であることを指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○栗林卓司君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。 昭和六十年度以来数次にわたって国の補助金等が切り下げられてまいりました。しかし、そのいずれも暫定的意味合いを持ったものであり、本来の補助金の整理合理化の目的に照らしていえば不徹底、不十分でありました。今回は、それら措置の期限である昭和六十三年度が到来するところから、全般を見直し、財源の重点的、効率的な配分に努めたとしておりますが、地方財政への配慮を踏まえた補助率の切り下げという点で進歩が認められはするものの、依然として中途半端であります。政府は、何よりもまず国と地方の役割分担を明確にしなければなりません。その上に立って、臨時行政審議会が指摘するごとく、補助率そのものの簡素合理化、恒久化を進めるべきであります。 一方、地方自治体の間では、補助金について手続の煩雑さを訴える声は依然として大きいものがあります。何よりも大切なことは、地方の自主財源を強化し、補助金によらずして地方が事業を行うことができる条件をつくることであります。この観点から、我が党は第二交付税の創設を主張し続けてまいりましたが、この面での進歩は全くありません。ここに遺憾の意を表明して、反対の討論といたします。
○委員長(梶原清君) これにて討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 志苫裕君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。志苫君。
○志苫裕君 私は、ただいま可決されました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブ・税金党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 高齢化社会に対応して、行政需要の拡大に的確に応えるとともに、地方財政法第十条等の趣旨を踏まえ、今後とも国庫負担制度の基本を維持し、国の補助負担金の整理に当たっては、その事務事業の性格及び国と地方間の財政秩序の維持を十分に勘案すること。 一 社会保障、文教行政等、国民のナショナルミニマムに関する制度及び負担の変更については、地方公共団体をはじめ関係団体の意見を十分に尊重すること。 また、国と地方の行財政の再配分に係る国の施策の変更に当たっては、地方自治の本旨に則り、地方公共団体の一方的な財政負担増をもたらさぬよう特段の配慮を払うこと。 一 国の補助金等については、国と地方との役割分担・費用負担の見直しを基本として整理合理化を行い、地方の自主性に委ねるべきものについては一般財源への振替等を行うよう努めること。 一 今回の措置が国と地方の財政関係に変更をもたらすものであり、またその一部が暫定措置であることを勘案し、地方公共団体に対する財政金融上の措置について特段の配慮を行うこと。 一 地域振興と地域格差の是正を図るため、公共事業の長期計画の着実な進捗に努めるものとすること。 また、公共事業に係る補助負担率の昭和六十二年度引き下げ分については、平成三年度から復元するものとすること。 一 義務教育費国庫負担制度については、共済費追加費用等の取扱いに関し、引き続きその趣旨及び経緯に特段の配慮を払うこと。 一 今回の特例措置に伴い発行される臨時財政特例債の元利の償還については、交付税の基準財政需要額に的確に算入するとともに、後年度における償還に係る国の所定の負担については、必ず交付税特別会計に繰り入れること。 一 年金に係る国庫負担金の繰延べにかかる元利の返済については、計画的かつ、速やかに繰入れ措置を講ずること。 一 法律の改廃については、立法の趣旨と制定の経過を踏まえ、審議権を尊重し、法案提出のあり方に慎重を期すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(梶原清君) ただいま志苫裕君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、志苫君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配意してまいりたいと存じます。
○委員長(梶原清君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会