大蔵委員会 第6号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1989/04/05
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、坂元親男君が委員を辞任され、その補欠として久世公堯君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 平成元年度予算は、内需の持続的拡大に配意しつつ、財政改革を強力に推進することとして編成いたしました。 歳出面においては、引き続き既存の制度、施策の見直しを行い、経費の節減合理化を図るとともに一限られた財源を重点的、効率的に配分するように努めたところであります。 国の補助金等につきましては、累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ、昭和六十一年度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律により補助率等に係る暫定措置を講ずるなど、これまでもその整理合理化を推進してきたところであります。 平成元年度予算の編成に当たりましては、これらの暫定措置の期間が昭和六十三年度末に終了することに伴い、改めて一体的、総合的な見直しを行い、補助率等につき所要の措置を定めることとし、また厚生年金の国庫負担金の繰り入れ等につきましても、引き続き所要の特例措置を講ずることとしたところであります。 本法律案は、以上申し述べましたように、昭和六十一年度の国の補助金等の臨時特例等に関する法律により措置が講じられてきた事項について、財政資金の効率的使用を図り、あわせて国及び地方の財政関係の安定化に資するため、所要の立法措置を定めるものであります。 以下、この法律案の内容について申し上げます。 第一に、昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等について、まず、生活保護、措置費等に係る補助率等を定める改正を行うこととし、さらに、義務教育費国庫負担金のうち共済長期給付、恩給等に係る補助率等の取り扱いを定めることとしております。また、公共事業等については、平成二年度までの暫定措置として、昭和六十三年度に適用されている補助率等を適用することとしております。これらの措置は、四十四本の法律にわたっております。なお、今回の補助率等の見直しに伴い、別途、地方交付税法の改正によりたばこ税を地方交付税の対象とするほか、地方公共団体の事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。 第二に、厚生保険特別会計法等、一般会計から特別会計への国庫負担金等の繰り入れを規定している三法律について、繰り入れの特例を定めることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 なお、本法律案は、その施行日を「平成元年四月一日」と提案しておりましたが、その期間を経過しましたので、衆議院におきまして「公布の日」に修正されておりますので、御報告いたします。
○委員長(梶原清君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 まず、法案の質疑に入る前にはっきりさせておきたいと思いますのは、この法案がなぜ日切れ法案なのかということでございます。 私ども、地方にいて現実に地方行政の執行をやってきた立場から考えますと、この法案をこれほど急いで、ぎりぎり上げてもらわなくてはならない理由に非常に苦しむのでございます。 今までの論議の中で、暫定予算を組んでいて、暫定予算が長期にわたるからそれにある程度の事業費を組み込まざるを得なかったし、そういう関係もあるので日切れ法案として暫定予算と同時に上げてもらわなきゃならないというのが今までの答弁でございました。 そうであるならば、この法案に提案されておる補助金カット及び増額その他の、この法律の中のどの分が暫定予算と関連するのか。そして、暫定予算と関連する分だけを日切れ法案として急いで審議していただきたいというのが私は筋だと思うのです。 ところが、今までの答弁を聞いておりますとそうしたことが明確になっておりません。一括して全部が日切れ法案、暫定予算に関係するという議論はいささか雑に過ぎないか。提案する側としては、この機会に面倒だから一緒に全部やってしまえ、こういう考え方がなきにしもあらずという感がいたします。 一体この法案の中で、既に議決されております暫定予算に関連する補助金の項目はどれとどれなんですか、はっきりしていただきたい。
○政府委員(篠沢恭助君) 本法案の成立がおくれます場合に、政府といたしまして、この法案に関連する補助金につきまして国会で御審議を受けておるという状態になるわけでございますので、その段階でもろもろ交付決定を行うことは困難でございまして、法案が成立するまでの間は交付決定を見送らざるを得ないということになるわけでございます。 まず公共事業でございますが、公共事業は、この法案にもろもろ関連する事業につきまして執行を行い得ず、とりわけ雪積寒冷地等に悪影響を及ぼす影響がある、こういうふうに考えられたわけでございます。それから非公共事業につきましては、場合によりまして地方公共団体にいわば立てかえ払い的にお願いをするということは不可能ではないと思いますが、地方公共団体の資金繰りに影響を及ぼすおそれがあるという事態が生ずることに相なります。政府としては、こうした事態に立ち至ることのないよう、本法案のできる限り早期の成立をお願いしたところでございます。 ただいま御指摘のように、本年度の場合は特に五十日という長期間の暫定予算の編成を余儀なくされるに至ったわけでございますが、御承知のとおり暫定予算にはその性格上、法案関連の経費についてはその法案が日切れ処理をなされません限りは計上し得ないものと考えておりますため、本法案についてもそのような御処理をいただけない場合、関連経費を暫定予算に計上し得ないという背景もあったわけでございまして、こうした事情を踏まえまして、本法案についていわゆる日切れ処理を行っていただけることになったものと承知をしておるわけでございます。 経費の中身ということでございますが、ただいま概括的に申し上げましたが、公共事業全般に執行を開始する必要があるということと、それから非公共事業は、当然、生活保護、措置費を初めとして四月からの支出がございます。また、義務教育費国庫負担金についても、教員給与の支払いに応じまして、やはりこの長期給付でございますとかもろもろの共済恩給関係の経費の支出も必要になるということでございます。
○丸谷金保君 公共事業について、この法案が通らないと国側の交付決定、補助の交付決定がおくれるといういまお話がありましたが、私の経験では、補助金の交付決定を四月早々にいただいたという記憶がないのです。そんなことありますか、交付決定がそんなに早くなされることがありますか。冗談じゃないですよ、あんた。
○政府委員(篠沢恭助君) この暫定予算に組まれております公共事業費は、年間全体の四分の一程度、積雪寒冷地については三分の一を計上しておるわけでございますが……
○丸谷金保君 わかっておる。そんなことを聞いておるのじゃないんだよ。
○政府委員(篠沢恭助君) はい。これらにつきましては暫定予算に既に組まれており、本法案の成立を待ちまして直ちに実施計画、内示、それらの手続に入ります。
○丸谷金保君 地方自治体の実施計画はそういうことでなくて、それぞれの部署でどんどん計画を進めていくのです。その計画を出してそれに対するオーケーが出て、今あなたが言われるように補助金の交付決定をするまでには随分時間がかかるんだよ。ですから補助金の交付決定を急ぐからこの法案を急ぐのだというあなたのその理由は成り立たないということを言っているのだ。私が今聞いているのは、四月早々に補助金の交付決定をするという公共事業、どういうのがあるのですかと聞いている。
○政府委員(篠沢恭助君) 本法案の一刻も速やかなる御成立をお願いをしておるわけでございますが、内部的な予定といたしましては法案の成立し次第、その成立の日に地方に対する内示を行いたいというふうに手続を進めております。そして、交付決定は政令公布を必要としますので数日おくれて交付決定をいたしますが、大きくそれにおくれるというようなことではございません。
○丸谷金保君 公共事業の補助金の交付決定というのはそんなに早くできますかと聞いているのですよ。あなた今公共事業の交付決定と言ったから、そんなに早く交付決定をするのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 公共事業と暫定予算の関係でございますが、暫定予算は事柄の性質上、新規箇所づけの公共事業分は盛り込まない。先ほど申しましたように全体の四分の一、積寒地については三分の一としておりますが、新規箇所づけは盛り込まないということでございます。 したがいまして、継続事業につきまして、いわば全くの新規事業であるということでないものにつきまして、ぜひこの暫定期間中に進めさせていただきたいわけでございます。そういうことでそれが全部暫定予算に盛り込まれておりますし、内示行為、交付決定を速やかに行う、こういうことにしておるわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○丸谷金保君 継続事業については、指令前着手願というのでこの法案に関係なく地方自治体は作業をやることができるのですよ。そういう方法があるのです。だから、何でもこの法案を通さなきゃならぬという理由はないのですよ。どうなのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 継続事業といえどもこれを新年度におきまして早々に着工いたしますためにはその根拠となります補助制度、特に今回の場合でございますと補助率でございますが、これが確定しておることが必要である、こういうように考えておるわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○丸谷金保君 補助制度はあるのですよ、率を変えるのでしょう。新規事業でない継続事業について、あなたのどうも答弁、ちょっとよくあなたわかっていないのじゃないの、地方自治法。いいですか、制度はあるのだよ、補助制度が。あるものについて率を変えるというだけなんだから、それを制度ができないと補助ができないからなんて、そんなばかなことない。だから、制度があるので、補助率だけの問題であれば、〇・五%上がるとか下がるとかいろんなことあっても、それは自治体の長は自分の判断で、この法律が通る通らないにかかわらず、それぞれ自治省の方の行政指導その他を受けながら、大体こういう補助率でもって見ておきましょうということで、もう既に三月三十一日までに自治体の方の予算が通っていれば、長がその気になれば、制度が変わるわけでないのだから指令前着手でできるのですよ。あなたの言うように新たにこの制度をつくらなかったらだめなんだなんていう問題一つもないのじゃないですか。あなたよくわかっていないのじゃないのかな。
○政府委員(篠沢恭助君) 平成元年度予算におきましては、ただいまお願いをしております法案による扱いでいわば公共事業の補助率を定め、その補助率に基づく公共事業を計上しておるわけでございます。そして、その平成元年度予算と整合性のとれた、平成元年度予算のいわば五十日分といいますかその一部、公共事業でございますとその四分の一、三分の一というようなものを暫定予算に組むというふうにさせていただいておるわけでございますので、したがいまして、平成元年度予算、暫定予算そしてこの法案というのが一体となっておるということを御理解賜りたいと思うわけでございます。
○丸谷金保君 それは国の方の都合であって地方自治体側の都合じゃないのです、いいですか。それを旧切れ法案としてどうしても通してくれというときに、地方自治体が困るからということを私たち何度も聞いているのです。だから、地方自治体の側からいえば、既に予算は決めているし、執行しようと思えば指令前着手でもできる。あなた今答弁ミスっているけど、制度をつくるのじゃないのだから、補助制度はちゃんとあるものなんだから、それでやっていくことに不思議はないのです。予算が〇・五%多いか少ないかとか、そういう見積もりは工事ができた段階での調整なのですよ。入札ですから予算のとおりに決まるとも限らないのだから。そうするとそれは長の判断で行うことであって、地方自治体が困るからこれは日切れ法案なのだという理由は通らない。第一そういう点においては、同じ補助事業でも、あるいは補助金の交付でも、本来、国の機関委任事務もありますね、それから公共事業のようにその地方の振興のための振興策としての補助金と、二つありますよね。そうすると、機関委任事務の場合は、これどうあろうと国は出さなきゃならない。だから、教員の給与の問題とかなんとか、出さなきゃならない義務は国の方にあるのであって、それを出さなきゃ自治体困るというのは逆転なんです。ですから、この種のあれは国の都合によって日切れ法案としてどうしても必要なのだというのは、暫定予算組んでいるからなんです。暫定予算を組まなきゃならないような政治的な責任論を地方が困るからということにすりかえているのがこの法案の一つの隠しどころだと思うのですよ、地方側から言えば。それは地方の自治体からたくさん電報とかいろんなものが来ますよ。地方から電話がかかってきて、これこれに電報を打ってくれと言ったらみんな出しますよ。しかし、だからといってそれが本来地方の意思だということでないので、地方自治体側から言わせると日切れ法案でなきやどうしてもならないという理由はないのです。国の方から言うと、今あなたが言ったように、暫定予算を組んでいる関係上しかじかというのが出るのです。そこのところを明確にしておいていただきたい。自治大臣どうですか。これはあくまで国の都合ですよ。提案しているのは大蔵大臣か、大蔵大臣どうですか。国の方では困るということなんでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 公共事業につきましては、やはり四月中に準備してそれから五月早々に発注できる体制を早く整えた方がよろしいと思うわけでございます。その場合に補助率が今度改定になることはわかっておるわけでございますので、その点をはっきりさせておくということは、それを実施する側ではそのつもりでやるわけでございますから、そのことはそれだげの必要性がある、このように思っておるところでございます。
○丸谷金保君 今大蔵大臣言われたように、大体四月中から執行するということはないのですから、準備なんですよ。だから、これも日切れで三月三十一日までにどうしても上げるのじゃなくて、四月中くらいの、二十日くらいまでじっくり時間をかけて論議してもいい法案だということを私は言っているので、まさに大臣言われたような執行、早くてそういうことです。準備して五月に入って工事に着手するなんというのはもう一番早い方です。なかなかそれだって、今までそのころまでに補助金の交付決定なんてないですよ。五月ころにやろうと思ったら大体指令前着手で早くさしてくれということでやるのが当たり前なんで、そのことを考えた場合に、今回のようにこれがたがたと論議をする。本来は特別委員会でやり、総理も来て答弁をするというふうな時間もあったのに、いつの間にかずるずると。今回これ日切れ法案で各党了解したんですからいいですけれども、これが前例にならぬように、この法案については審議せざるを得ませんけれども、去年もやったのだからことしも日切れだなんていって、来年度からそういうことが前例にならないように、これは自治大臣ひとつしっかり考えておいていただきたいと思います。論議しなきゃならぬ問題はたくさんあるのですから、これには。
○国務大臣(坂野重信君) 丸谷委員のおっしゃることはわからぬわけでもありませんが、例えば公共事業なんかの場合、これは各省庁にわたりますけれども、補助率決定しないと箇所決定ができないわけです。県に通知できないわけですから県も準備ができない。おっしゃるように四月早々には新規事業すぐに発注できぬかもしれませんけれども、継続の方はいいけれども新規の事業等については補助率が決まらないと箇所決定できない。それはよく御承知のとおりでございますから。先生のおっしゃることも部分的には私も了解できる面もございますから、その辺また踏まえて今後考えていきたいと思っております。
○丸谷金保君 ちょっと自治大臣、今こちらの答弁では暫定予算には新規入ってないというのですよ。だから、大臣言うように、新規の箇所決定ができないというのはこれに関係ないのです、入ってないのですから。継続だけなんですね。そこのところは大臣ちょっと勘違いしておられるので、まあいいです。いいですけれども、それは違います。継続だけなのです。大臣の言うように箇所決定できないということはないということも申し上げて、この問題はそれじゃ大臣、そういう点ひとつ十分考えておいていただきたいということで先に進ませていただきたいと思います。 それから、いわゆる補助金カット法案、この法案については当初は、六十一年度の行革審においては中曽根総理が、国の財政が非常に厳しいから地方も痛み分けをしてくれというようなごあいさつをして始まった法案なのですね。当然これは今までもそれぞれの委員会で出ていると思いますが、地方の側は当然これは一年限りのものだ、次の年も大変だったから、あと三年と。しかし自治省と大蔵省との話し合いの中身を克明に読むと、さすがに大蔵省の方は言質をとられるような約束をしてないのですよ。どちらにもとれる。そうしますと、私はこの問題につきましてはやはり最初の、国の財政が非常に厳しいということで痛み分けをしてくれというところに戻ると思うのです。その判断なんですが、消費税まで入れたことしの一七・五%ですか^この大幅な予算の伸び率を見、黒字額も相当見込めるというふうなこの段階で、六十年当時のような、あるいは六十一年当時のような国の財政が非常に厳しいということはなくなったのじゃないですか。なくなったというより、少なくとも六十三年のあの行革審の中ではその言葉は消えていますね、今度。国の厳しい財政事情というのがどこかへ行っちゃっているのだ。なくなっちゃった。これどういうわけなのですか。
○国務大臣(村山達雄君) 国の財政が厳しいのか厳しくないかという認識の問題だと思いますが、我々はかつてないほど厳しい、こう思っております。 御案内のように、なるほどフローで見た特例公債の発行というのは平成二年度脱却できるかもしれないという見通しがついたことは非常にありがたいと思っております。これも累次にわたる今までの改革への努力の積み重ねの結果だと思っております。 しかし、よくよく見ますと、一つは公債残高が国で百六十二兆円ありました。これは大変なものでございまして、GNPに対する比率でいいましても、もう世界一でございます。そして、その公債費は実に二〇%近く歳出予算の中に占めている状況でございます。これも世界にもうほとんどございません。 そのほかに、ここまで持ってくるまでにはいろんな特例措置を講じておりまして、厚生年金会計への繰り入れ、これを繰り延べております。そのほか、政管健保であるとか、あるいは住宅金融公庫の繰り入れであるとか、いろいろ入れます。 それから、一番大きな問題は、これは定率繰り入れということが義務づけられているわけでございますが、これをずっと今停止しておるわけでございます。なぜかといいますと、御案内のように、NTTの売却収入がたまたまあったということで、これも間もなくなくなるということはもうわかり切っておるわけでございます。この手当てをどうするのかとか、もろもろの問題があるわけでございます。 ですから、政府でもいろいろ計算しておりますし、与野党ともみんな計算されておるわけでございますけれども、国の隠れた債務を入れますと膨大なものになる。ですから、予算委員会におきましても、また衆議院の大蔵委員会におきましても、脱却後それでいいなどと思うな、今後一体これだけの財政をどのようにして立て直すのか、財政再建の目標を早く立てろ、こういう御注文をちょうだいいたしておるのでございます。 今、税収の話がございました。今、好調じゃないかと、こういうお話でございます。確かに今非常に好調でございますけれども、こういう状況がいつまでも続くわけではないということは、我々は長年の間経済を見てまいりました。そして、毎年毎年税収の見込みを立てておりますけれども、あるときには予算をオーバーすることもございますが、歳入欠陥を出したこともたくさんあるわけでございます。そういうことを考えますと、今のような税収がいつまでも続くという保証はないわけでございますから、やはり国民の税金を本当に効率的に使うという立場の財政当局としては、しっかりした効率的に使うような仕組み、そういったものを考えていかなければならぬことは当然だろうと思うわけでございます。
○丸谷金保君 委員長にお願いしますけれども、この間から大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと実に親切なのです。親切で、こちらの質問を長く延ばして御答弁なさっている。これは大変御親切なことなんですが、時間の制約があるので、余り質問から離れた御講義に及んだときには委員長の方でひとつ注意をしていただきたい。これをお願いしておきます。それでないと、とても大蔵大臣に質問したら時間食っちゃうから大蔵大臣の質問やめようということにならざるを得ない。それで、簡単にひとつ御答弁願います。 私の聞いているのは、ここのところだけなんです。最初は国の厳しい財政事情と社会情勢の変化を踏まえてというのがあったのですが、平成元年一月二十日の閣議了解、それから六十三年六月の行革審、ここのところでいつの間にかそれが消えちゃった。国の厳しい財政事情という文言がなくなって、そして今度は「国・地方の財政事情、国と地方の機能分担・費用負担のあり方」を検討するというふうに変わってきたのです。それで大蔵大臣、なぜ国の厳しい財政事情という文言が抜けたのか、ここのところだけひとつ一分くらいでお願いします。
○国務大臣(村山達雄君) そのことはいう当然常識としてある、こういうふうに思っております。
○丸谷金保君 そのとおりだと思う。というのは、先ほど大臣からお話がありましたような百六十兆の国債残高、それからきょうの新聞でも、年金繰り延べをやってないのが二十何兆円あるというふうな別な形での財政の圧迫というものが国の財政を非常に、そこにこそ地方にもまだ痛み分けをしてもらわなければならぬのじゃないかという理由があると思うのです。ところが、こういうことを五年間やって、約五兆円ほど地方がかぶったものですから、地方も楽でなくなってきた。地方債その他の残高が六十兆を超えるというふうに、国もそういう苦しい状況はなお引き続いているかしらぬけれども、地方は六十年度以降に比べて非常に苦しくなってきておる、こういう事情もあるわけです。 そこで私は、国の苦しい事情は今大臣がゆくりなくもおっしゃったように、百六十兆円の国債残高の財政に及ぼす影響、これこそが補助金カットをさらにまた地方に押しつけなければならない理由であり、同時に、消費税を必要とした理由でもあるのじゃないかと思うのです。二十一世紀に入ると老齢年金者が非常にふえて、そのために大変になるから今にして間接税を入れておかなきゃならない、こういうことを言っておりますけれども、実際は国債残高その他の財政に及ぼす圧力というものこそ消費税導入を必要とした最大の今の時点における理由でなかったかと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 消費税導入の理由につきましては、簡単に申し上げますと、今の間接税、個別間接税の持っております矛盾、今世界先進国でこんなものをやっているものはありません。したがいまして、それの持つ矛盾を解決するとともに、税体系そのものの公平化を図ろうとしているのでございます。所得、消費、資産に負担を適正に案分した方がよろしいということでございまして、今度の税制改正のフレームでもおわかりのように、二兆六千億のネット減税でございます。しかも、所得税のウエートを減らしておりますから、普通の経済でありますれば当然税率構造全体からいって改正前の方が余計収入が入ることはもう明らかでございます。 したがって、そういう問題ではなくて、やはり税体系の公平化、間接税の持っておる矛盾、これを解決しようというものでございまして、おっしゃるような意味ではございません。
○丸谷金保君 大臣、お読みになったかと思いますが、三月三十一日の日経の夕刊に「サルマネ消費税」というのがあるのです。外国もやっているからという、これはもう随分今までたくさん聞きました、外国がやっているからと。これに対して、ここではこういうふうに言っている。よくこれ聞いてください。非常に言い得て妙だなと思って、私はこれ感心してとっておいたのです。「西欧諸国が消費税に似た税を導入したのは何もそれが理想的だからではなく、ほかに方法がなかったからである。欧米人たちは皆この方法がめんどうで、非能率的で悪用されやすいことくらいよく分かっている。しかし彼らは、削りたくても削れない膨大な社会福祉や軍事支出をかかえており、ほかの税収入もすでに全部使い果たし、行き着く所これしがなかった」。ヨーロッパは、第一次、第二次大戦のときに間接税を導入しておりますね。ほかに方法がなかったんです、あの時点で。それを、まだそれだけのジレンマに陥ってない日本がなぜ今急いでやらなきゃならないのか、ここではそう言っているのです。特にそういう猿まねをするなら、例えばヨーロッパではこうした税金にはぜいたく品とそうでないものとで段階的な税率を変えた入れ方をしていますよね。こういうところはまねしないのですよ。都合のいいところだけ政府は外国もやっていると、こういうことを言うのです。都合の悪いところは、いや、それはだめなんです、例えばそれならアメリカがやってない、だからうちもやらないでもいいのだという議論だって成り立つんです、外国がやっているからやるというのなら。だから外国がやっているから、先進諸国がどこもやっているからやるということは、私はこの場の理由にはならないと思う。日本の国内の事情が理由であって、外国は関係ないんですよ。実際に外国やっているからやるのじゃなくて、国内の事情だと思うのですが、答弁としての理由としてはよくそれを使われるので、これはやめてもらわなきゃならぬ。この論議やっていれば、それじゃカナダがどういう間接税入れたか、製造業者売上税に近いものですね。あれはうまくいってないから、こう言うのです。しかし、そういうことを一々とっていけば、うまくいっているところとうまくいってないところといろいろあるのです。その自分たちに都合のいいところだけをとってきてつづり合わせて、だから消費税はやらなきゃだめだということは私は理由にはならぬと思う。もっと率直に国の財政が大変なんだ、だからどうしても今のうちに入れていかなきゃならぬというのならわかるのですが、高齢化社会、二十一世紀を目してつくらなきゃならぬなんということ、これはまた次に申し上げますが、それはそういうことにはならないと思うのです。実際には財政事情でしょう。私は前からその問題については、消費税はやめなさい、そして法人税、所得税の財源であれば少なくても製造業者売上税というふうに元でかける、これが一番取りやすいのですから、こういうことで半分ぐらいにして、法人税と所得税の財源あるじゃないかと。それに対しては、委員会の場ではなかったですが、いやカナダや何かがどうでこうでという大蔵の方々の意見も聞きました。ですから、これ全部やらなきゃならぬ、そしてしかも老齢化社会を見越して消費税も入れなきゃならないというのであれば、今からこれを入れて使っちゃったら二十一世紀どうするのですか、なくなっちゃいますよ。結局、税率を上げる以外にあとは残されていないということになるのです。やはりこの段階では半分ぐらいにしておいて、財政の再建はむだを省く、そういうところで見ていくのが長期の立場に立った国家財政の運営の方法でないでしょうか。大臣いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 誤解のないように願います。外国がやっているからこっちもやったということは全く違うことでございます。これは外国もやっておる、こう言っただけでございます。もちろん日本の将来の経済の育成、高齢化、国際化、そういう必要のために今の税制がもう公平の原則に合わない、こういうことでやっておるわけでございますし、また所得税のウエートを消費税に少し移す方がよろしい、こういうことでやっておるわけでございます。 先ほど引用されましたカナダの製造業者売上税でございますが、これらは二十年前に独仏で今の付加価値税を導入しましたいずれもその以前の古いものでございます。アメリカの小売売上税も同様でございます。これの最大の欠陥と言われるのは、要するにサービスに対する課税が全部外れておるということ、それから製造者段階までの付加価値しかとらえていない。今サービスの方が消費の半分以上を占めております。そんな古いものはもうやっちゃいかぬのです。そういう意味でやっているわけでございます。 それから、税収をねらっていないということは明らかでございまして、今度の税制改革法でありますように、歳出カットによって財政再建を図るべきであるという趣旨のことをうたっておるわけでございます。この消費税で財政再建をしようなどとはちっとも思っていないのでございます。これはあくまでも租税体系の不公平を是正する、今の個別間接税の不公平、これを是正しようというものでございまして、そして将来に向かってどんな効用があるかといえば、やはりこの種の税は比較的安定しているという点が一つ。今後の経済はいろんな変動がありましょう。そして所得税、法人税は、弾性値にもあらわれておりますように、もう激減することが、特に法人税です。歳入欠陥のもとを来してきたのがほとんど法人税でございます。したがいまして、安定した収入が老齢化社会に必要であるということ。それからもう一つは、今の所得税、特に個人所得税及び住民税でございますが、所得に対する課税という形できているわけです。いわば稼得所得に対してストレートにかけておるわけでございます。この形は今後このままでいきますと、大変累進税率は高くなります。そして、高齢化社会になりましたら働く若い人が少ないのでございます。この人たちが大勢の老人の年金、医療費を拠出するわけでございますので、そこだけにかけますとほとんどもう手取りが少なくなってこれは大変なことになるだろう、やる気をなくすであろう、つまり老齢化社会の活力を失うことはもう目に見えておるわけでございます。そういうところに思いをいたして、安定収入を図るとともに、そういった心理的な影響あるいは実質的な負担、こういうものを考えまして消費の方にウエートを移した、こういうことだと御了解いただきたいと思います。
○丸谷金保君 大臣のおっしゃることについて、これだけやっていてもきょう一日はやらなきゃならないくらいの大問題なのですよ。それをたったこの短い審議時間で法案を通せと言う方が本来無理なんです。こういう背景からやっていかなきゃ補助金カットの必然性がどこにあるのだということが出てこないのです。 今大臣言われましたけれども、サービス、まさにそのとおりです。それくらいの財源は我々の段階で取り尽くすのでなくて、二十一世紀の若い人たちのためにとっておいてやったらいいのじゃないか。というのは、本当の意味で高齢化社会で今大臣の言ったような時代が来るのには一体どれくらいかかるか、二十一世紀で六十五歳以上の人口は二一%と言われているのです。これは内閣、大蔵、厚生なんかの推計数字です。それから、現在は一二なんです。だから約倍になりますね。そしてその間、では年金の原資がどれだけあるかというと、六年金だけで平成元年度の予算で見ますと九十五兆二千二百四十億となる。そうしますと、年金経理の面からいくと、しかもまだ大どころ、足りなくなる足りなくなると言っていますけれども、各種年金のうちで落ち込むのはJR関係だけで、あとは六十三年と平成元年度でも全部幾らかずつ収入の方がまだふえているのです。こういう数値でいくと二十一世紀までに、昭和七十五年までにこの百兆近い原資を全部食いつぶしてしまうということにはなかなかならないのです。私も共済組合の理事をやっていたのでその計算の方法をいろいろ知っているのですが、そういうあれでいくと、原資を食いつぶすまでにまだ十年ではとてもじゃないけれども食いつぶすあれはないのです。今の老齢者、六十五歳以上が倍になっても、それは食いつぶせません、片方は払っていくのですから。GNPもふえてきています。そうすると、これから十年かけて二十一世紀までに、福祉なら福祉の方にサービスの問題をどう転嫁していくか、課税していくかということで、これからまだ十年くらいかけてじっくり論議をし尽くして、二十一世紀初頭で間に合う問題だと思います。そして、それはサービスの問題だけ福祉目的税にすればいいじゃないですか。それがはっきりしていけば、これはこれなりに国民の理解も得られるところだと思うのです。 外国の例で一つ言いましょう。オーストリア、ここで間接税をやっているというので、私は五、六年前に調査に行きました。確かにやっているのです。ところが、それは小麦の価格安定のために、食糧の安定のために目的税的に使っているのです。あそこは二度の大戦で食糧がなくて非常に困ったから、いかなることがあっても自国の食糧は自分たちで賄わなきゃならないので、そのための間接税はやむを得ないと。そして、農民には高く小麦の代金を払って、パン屋さんには二重価格で安い小麦を供給して、一般のパンの値段を抑えている。こんな例だってあるのですから、外国の例だって一つ一つ挙げればいろんな例があるのです。そういう点では大臣の言うように消費税、これはもう当然、もともとそんなに急がなくてはならない段階というのは半分あれば間に合うんですから、サービスの分ぐらいは二十一世紀までにじっくりやるということで、消費税を撤回していただいた方が将来にわたっての日本の福祉のためにもそういう財源を残しておくということは必要だ。今使っちゃったら、結局これ二十一世紀までそれをためておくのでなくて、消費税でもって上がる歳入財源というのはそれなりに全部ばらばらといっちゃいますよ。そして、いよいよ老齢化社会の来たときに、さあ新しい、先ほど私読み上げたように、軍事費の支出のためにどうしようもなくて入れたヨーロッパの例のように、今度はどんどんこの税率を上げる以外にないということになるのじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 年金の積立金が今どれだけあるかということと消費税は何の関係もございません。 年金の方は、御案内のように社会保険方式でやっておるところでございます。日本は、従来は修正積立金方式でやっておりますから、積み立てばあるでしょう。しかし、これはあくまでも給付と保険料の関係でございまして、いずれは高齢化になりますと積立金はどんどん崩されていくわけでございます。厚生省の試算によりましても、そう遠くないときに事実上の賦課制度になるのじゃないか、こういうふうに言われておるわけでございます。ですから、消費税を入れているというのは年金とは関係ない。向こうは、社会保険方式で掛金と給付の関係をやっておるわけでございます。 こちらが言っているのはそうではなくて、税制体系というものを考えておる。それで、将来高齢化社会になると、さっきも言いましたように、所得課税に余り重点を置くということは活力を失います。それから、安定した収入というものを長期に考えると、この種の比較的安定した税収が必要であろう。また、現在持っております税制の矛盾を根本的に解決するには消費一般の方がよろしい、こういうことでございます。 それから目的税にするかどうか、それはもうその国々の考え方だろうと思います。我々が考えましたのは、普通のオーソドックスの原則でございまして、税というのはできれば目的税はやめた方がいい、一般の歳入にして、そして優先順位に従って歳出を出していくという方がより合理的ではないか、財政としては。そういう考えでやっておるところでございます。
○丸谷金保君 この論議やっているとこれだけでどうも終わっちゃいそうなので、具体的な問題に入らせていただきたいと思いますが、ただ一つ今の答弁を聞いておりましても、厚生省の試算とかいろんなことを言います。昭和四十年度から六十一年度までの二十年間で六十五歳以上は倍になっている、この間は給付は六十五歳でなくて五十五歳から六十歳という、それでも積立式年金はどんどんまだ上がってきている、毎年まだふえているのです。ですから、これから十五年たって倍になっても厚生省の試算の言うようなとおりにならないのです。なぜなら、二十年前に二十年たったらパンクすると言われたのですよ、厚生省の試算では。パンクしないじゃないですか。だから、それはだめなんだ、厚生省が何ぼ試算したって。昭和四十年のときに市町村職員共済組合の給付をこのままやっていけば、二十年たったらパンクするというのは厚生省の試算ですよ。今十五兆円持っているのです。パンクなんかしないですよ。だから、厚生省があと十年でパンクするなどと言うこと、大臣本気で聞いちゃいかぬですよ、今まで当たってないのだから。そんなことは答弁の理由にならぬということだけひとつ申し上げて前に進ませていただきたいと思います。 実はこの間静岡県へ行きまして、今度の消費税で県はどうなんだと言ったら、大体税制改革で地方税収三百四十二億の減収が見込まれる、そしてそのうち消費譲与税で二百億ほどが見込めるので、残りは普通交付税で補てんされる、こういうふうに安心しているのですよ。本来ここで補助金と交付税の問題をやりたいのですが、こういうことにはならないということをまず一つだけ申し上げておきます。 これは細かにやるとこういうことにならないのですが、しかしそういう点の補助金の問題とあわせまして、先日私が質問した家具の問題、あのとき国税庁の次長さんは、いや、それはかかる場合もあるしかからぬ場合もあるというふうな何かあいまいな答弁をされたのです。私の方の質問が十分に理解されなかったのではないかという気もいたしましたので、再度申し上げますが、これいろいろ各地で問題になっておりますことだし、大蔵省で犯人調べしたら、そう言った言わないの、あるいは通産省の人だったなんというようなこともありますので、そこら辺の経緯抜きにして、整理してもう一回聞きます。施行日以降適用日前に契約が成立して、目的物の引き渡しが適用日以後になった場合、この場合は法令によると特別の決まりがない場合には消費税法の条文によるというふうになっておりますからね。それで特別な事情というのは現金主義をとる三百万以下という消費税法の十八条の場合というふうにちゃんと法律で明記されているわけです。そういう特別な場合を除いて通常の場合、今私が言ったように整理して、これは税がかかりますか、かかりませんか。
○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 先生お示しのケースでの前提で考えますと、法律上は譲渡のときに課税ということになります。したがいまして、その譲渡を何で判断するかということでございますが、この点は引き渡しのときをもってということで考えておりますので、お示しの設例においては課税されるというふうに考えられると思います。
○丸谷金保君 まあそういうことだと思うのです。私はこの間も同じ設例したのですが、一応それで了解いたします。 次に、同じ補助金の問題で、先日千葉県の大原町へ行ったのです。将来、東京湾を越える大橋ができて交通がよくなると勝浦とかあっちの方もリゾート地域に入るという計画があるのです。ところが、下水道事業の計画がないのです。あるいはもっと細かく調べれば建設省には将来計画あるかもしれませんよ。しかし、地元としてはまだ地域住民には何のアクションも起こしていないのです。人口二万二千なのです。これは海岸ですから、流域下水道というような高率補助の対象にはなりません。しかし、建設省の中でけしかけたり、便利になってリゾートにすると言いながら、向こうに行ったら下水道の施設もない。その結果、家庭内排水だけで前浜の魚の漁獲量は六分の一になったと商工会の人は言っているのです。先生見てくださいと言うので私行ってみました。立派な漁港はできたけれども、利用はさっぱりされていない。そうですよね、魚とれなくなればされませんわね。これがこのままリゾートになれば大変なことになる。 建設大臣、ひとつお願いしたいのは、流域下水道の補助金、これもカットされて、前に中曽根さんに本会議で私はやったこともあるのですが、もつと小さな個々のところにむしろ補助金を余計出す、それこそまさに閣議でいわゆる補助金の見直しを建設省としてやっていただくということはできませんか。おかしいですよ、リゾートだ大橋だと言って人がたくさん集まるようにしておいて、下水道もないのですから。
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。 当該の大原町につきましては、リゾート計画につきまして既に今建設省に下協議に参っておりまして、いずれ承認ということになろうかと思います。その後、千葉県を中心にしまして当該地域の公共施設の整備の基本の方針をつくり事業を進めることになりますが、その中におきまして大原町につきましても公共下水道をやっていきたいというふうに私どもは承っておりますので、これを支援してまいりたいというふうに考えております。 なお、小さい町に対して補助が行き渡らないのではないかというお話もございましたけれども、近年そういう点に留意した補助事業の実施に努めているところでございます。
○丸谷金保君 留意したって、補助率が違ったら留意したことにならないのですよ。管渠にしても何にしても、流域下水道の方が補助率がいいのです。いいでしょう。よくないというなら聞きますよ。
○政府委員(真嶋一男君) 流域下水道につきましては、制度が先行的であり根幹的であるというようなことから補助率が高いのは事実でございます。また、流域下水道につきましては処理施設は県が行うというようなことからも、非常に大規模なものにはこれをやりたいというふうに考えておりますが、基本的に経済性にもすぐれている点もあるというふうなこともございます。 ただ、ほかの一般の公共下水道につきましても、六十二年以来のことでございますけれども、条件が幾つかございますが、具体的に申しますと、今まででございますと一番小さいところで百五十立方メートル日量処理というところしか対象にしなかったのでございますが、現在ではそれが十分の一の十五立方メートル日量というところまで補助対象にするというぐあいに、次第に太いところだけでなく細いところにも補助の対象を広げていくということで取り組んでおります。
○丸谷金保君 私が聞いたことに答えてくれればいいのです。補助率は流域の方が高いでしようと言ったんです。あなたは高いということを認めた。認めて長々とあとのこと言わなくてもいいのですよ、認めればいいのだ、補助率高いのだから。 そして、いろいろやっているというけれども、実際には小さな町なら町でやることになると、例えば管渠のもう少し細いのにまで補助金出してくれなきゃ困るのだよ。大都会なら大きな管でいい。だから補助対象になる事業が大きくなる。しかし、町村に行くと小さいのだよ。小さいもので離れたところへもずっと行かなきゃならない。これを全部町が持ち出さなきゃならぬことになるのですよ。そういうことがあってなかなかやれないのだから、そこら辺をもう少し見てくれないと。急いで大原町とも連絡をとって、やることにしようと言ったのかもしれません。私が質問すると言 つたものだから、きのうあたり連絡とって、おまえのところ今度やってくれなきゃ困るぞと。しかの三月には町民だれ一人下水道ができると思ってないし、考えてもいませんでした。困った、金がかかる。だからそういう補助金のあり方をこの際徹底的に建設大臣見直していただかないと、リゾートだ大橋だといって行く先行ったらふん詰まりするようなことになりますので、一体的な計画として建設省は考えてくれないと困ると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木彦三郎君) 下水道事業の補助のあり方ということでございましょうが、今までもこの対象範囲の拡大などかなり改善も進めてきたのでございますが、お話を承りましてなお努力してまいりたいと存じます。
○丸谷金保君 もう一度お尋ねします。補助のあり方はもちろんですが、もう一つその前提に、橋だリゾートだという計画を進める場合には一体として行き着く先の、今は人口二万くらいの町だけれども、そのうちに大きく変貌するのです。下水道なんて一年や三年でできるものではないのですから、一体の計画として下水道も組み込んでいかなければ、これは外国の例を挙げますと、カナダのブリティッシュコロンビアのペンチィクトンという人口二万ぐらいの町、立派な湖を持っているのです。なぜ観光開発しないのだとそこの市長に聞いたら、今下水道やっているのだと言うのです。下水道を先に完全にして、三次処理までやっているのです。完全にそれをしてしまう前に観光開発をやると湖が汚れるから、観光開発はその後なのだと、そこまでとは言いませんけれども、少なくとも総体計画の中で橋やリゾート地域振興ということも考えていただきたい、こういうことなんで、下水道の補助率だけの問題ではございませんので、その点ひとつもう一遍。
○国務大臣(小此木彦三郎君) おっしゃることはよくわかります。なお努力いたします。
○丸谷金保君 建設大臣結構です。 それから、消費税の関係では混乱が起きないというふうに閣議では言っておられるのですが、実際にはいろんな問題がたくさんあるので、私はこんなものは廃止したらいいと言っているのです。 その一つ、中小企業にはきめ細かい配慮をしておるというふうなことを大蔵も通産も言っていますけれども、輸出業者、この小さいのが簡易課税を選ぶ場合には大変不利になるのです。例えば課税標準額に対する消費税額というのは、法の三十条の一の規定によって四十五条一の二の規定するものと同じとしているのです。ところが、この四十五条は輸出免税の者を除くとなっておりますので、結局課税標準額が出てこないのです。課税標準額が出てこなければ、これは還付請求できないのです。これに対して、それは簡易課税方式とらなきゃいいのじゃないかという答えじゃ困りますよ、これらができるようにこれは改めてもらわなければ。いかがでしょう、大蔵省。
○政府委員(尾崎護君) 簡易課税とそれから輸出の還付の関係は、ただいま先生のお話にありましたとおりの関係でございますけれども、御承知のとおり、輸出の還付制度というのは、外国の人に日本国内の消費税の負担をさせないという趣旨で設けられているものであります。したがいまして、輸出額からその負担する税を落とすことにできるだけ正確な計算というものが求められているわけであります。 従来から消費税あるいは取引高税のようなものの還付制度を利用いたしまして、実はその還付を余計にやり過ぎて輸出奨励金を出すというような例がヨーロッパで見られまして、そういうようなことがないようにしようということで現在の制度ができ上がってきているわけでございます。したがいまして、その簡易課税制度をそのまま生かす。仕入れ控除につきましても何らかのみなしをしていかなくてはいけないということになるわけでございますが、そういう制度をとりますと外国から批判を招くということが考えられるわけでございます。したがいまして、簡易課税を選択できる業者の方も、輸出比率の高いところは御面倒ではありますけれども、本来の方式によって計算をしていただいて輸出還付を受けていただくというようにお願いいたしたいと存じます。
○丸谷金保君 じゃ、結局輸出の零細業者は簡易課税はやるなということでしょう。やってもだめだと。それは税の公平論からいうとおかしいのですよ。簡易課税制度というのはそういう零細な企業を保護するためにできた制度でしょう。なかなか記帳もできないような、輸出業者だってそんな大きなのばっかりじゃないのですよ、おもちゃ屋さんだとかね。私の前の秘書の家なんか三条で洋食器やっているのですが、こんなのなんかだって小さいのですよ。こういう連中みんな頭抱えているわけです。そうでしょう、仕入れにはかかってきているのですよ。そして、外国へ売るときには消費税とれないでしょう。そうすると簡易課税はやれない、商品課税ないからね。これはやっぱり法の不備ですから、原則に戻してくださいよ。そして、小さなおもちゃ、セルロイドなんかカチャッカチャッとやっている、まあ今はそんなセルロイドをやっているのはいないか知らぬけれども、小さなのがいるのです、知恵働かしてやっている人たちがね。簡易課税の立法の趣旨からいえば、それらの人がそう面倒なくやれるようにする方が当たり前じゃないですか。今の局長答弁のように、できない方に話を持っていかないでくださいよ。何とか直してくださいよ。どうなんですか。こういうところだって混乱起きているのです。
○政府委員(尾崎護君) 簡易課税の趣旨はまさにそのとおりでございますけれども、他方に輸出取引の問題がございまして、この輸出免税制度、各国でやっているわけでございますけれども、そこのところは過大還付にならないようなそういうきちんとした計算が国際的に求められているわけでございます。その二つの要請がございまして、諸外国から指弾を浴びないようにするためには、簡易課税とそれから輸出還付と両方やれるというような制度を仕組むことは難しいわけでございまして、制度上極めて困難な問題でございます。 輸出をなさっておられる方、やはり輸出取引でございますから帳簿の面などもいろいろしっかりしておられると思いますので、業者の方によって、輸出の割合によって損得が出てこようかと思いますけれども、輸出取引、輸出の割合の非常に高い方は、やはりそこは本来の方式によって計算をしていただいて輸出還付を受けていただきたいというように存ずる次第でございます。
○丸谷金保君 外国の問題じゃなくて、私は国内のことを言っているのです。一方では簡易課税という制度でそれの恩典を受けられるような中小企業者がいて、一方では業種によっては受けられないというのは法の公平の原則に反する、これを言っているので、原則に反しませんか。 外国がどうだからこうだから、それは制度上の問題で、もっと法の精神、法の立法趣旨からいって、同じような零細な企業で簡易課税制度を受けたらえらい損をするというシステムは、過大還付になるかどうかというような問題は何も輸出業者だけじゃないでしょう、ほかだってあるのですよ。マージン率の多いところはありますし、マージン率の少ないところ、それぞれの業態によっていろいろそういう問題がたくさん出ていますね。しかし、それはあの法律の中でもって包まれている。なぜ零細輸出業者だけが同じような扱いを受けられないかということは、外国がどうだこうだと言うけれども、それは技術上の問題で、その以前の法の精神からいっておかしくないか。おかしいとあなた思いませんか。公平じゃないでしょう。
○政府委員(尾崎護君) 仮に一〇〇%輸出だという小さい業者を考えてみますと、その方は輸出免税で売り上げに対しては全然かからないわけでございます。そういう場合に、仕入れにしょっている税を八割というように仮に推定いたしまして、それで八割分を還付するというような制度を仮に設けたといたしますと、やはりそこのところは輸出によります仕入れ分の税の還付につきまして計算がおかしいという批判を外国から受ける可能性があると思います。 それはそんなことは考えなくてもいいとおっしゃいますけれども、この種の税につきまして非常に国際的に問題になるところでございまして、他方において国内の零細業者についての配慮ということと、それから対外的な問題とあわせて考えてみますと、これはやはりそこを概算的な計算、みなしでやるということは問題があるのじゃないか。二つの要請がございますから、その比較考量の問題でございますけれども、お手数ではございますが、対外的な批判を招かないためにそこはきちんと計算をしていただきたいというのがこの法の考え方でございます。
○丸谷金保君 実はそこのところがこの簡易課税制度の一つの欠陥なんですよ。当然そういうこと起こり得るのです。何も外国だけでなく、国内だって起こり得るでしょう。国内の場合には黙っていて、外国の場合には気兼ねしなきゃならないということはおかしいのです。しかし、このことをやっていると前へ進みません。せっかく農林大臣、運輸大臣来ていただいているので、この問題を先に片づけて、時間が余ったらまたやります。 先日、北海道の農民と一緒に補助金の問題で大蔵省を訪ねたのです。そうしましたら、いろいろお話ししている中に、北海道の農家はぜいたくだ、ドイツ人が十五年使うトラクターをおまえさんたち七年くらいでもって新品とかえているじゃないか。そういうことをするから生産費も高くなるのだ、こう言うのですよ。だから、僕はそのとき、それはあなた全然わかってない、なぜ日本の農民がトラクターをある程度で買いかえなきゃならぬかということの原因の一つに車検の制度というのがあるのですね。前一年だったけれども、今は二年になった。それにしても、そのために素人が直して畑の中だけ動かすのなら間に合うというような、工作機械でもってトンカチやっても車検は通らないのです。どうしても整備工場に入れて相当なお金をかけてばっちり直すのです。これは道路運送車両法上そういうことが必要なんです。だから何も好きこのんで七年か八年で新しいトラクターにかえるわけじゃないのだよと言ったら、その方が、それは先生たちの問題だ、大蔵省そこまでは踏み込めない、そんなことは国会で先生たちが運輸省に言うべきことだ、こう言うのです。なるほどそれはそうだなと思ったので、実はきょう補助金の問題なので言うのですが、これも外国の例をいろいろ言われるのだが、この問題もまさにそうです。そして、日本の農民のつくった生産物が高いということの中には、そういう農民自身の努力でどうにもならぬものがたくさんあるのです。そのうちの一つなんです。 それから、道路を走るといっても、百キロも出してトラクターを動かすことないし、百キロも二百キロも走るわけじゃないのです。畑から畑へ行くときにちょっと国道だとか町村道を横切るくらいのもので、農道も今ちゃんと随分整備されていますから、大体そういうところを走るので、ほんのちょっとなんですよ。ほんのちょっとだろうが法のもとに平等でへさっきの輸出業者の話じゃないけれども、法のもとに平等ということは十メーターでも道路運送車両法の適用になる。これは具体的な一つの問題として、農林大臣、お願いしますけれども、農民の努力でどうにもならないのです。日本の場合システム上そういうふうに農産物の生産費が高くなる要因というのはまだたくさんあります。具体的な例の一つなんで、農林大臣ひとつ運輸大臣と交渉して、がっちりこれ一つくらいはまず変えてくださいよ、いかがですか、両大臣。
○国務大臣(佐藤信二君) 今御指摘なさったのはこれだろうと思うのですが、(資料を示す)当省といたしましては、車検制度というものは、自動車の安全性を確保するということに力点を置きましてこの構造、装置についての技術基準を定めて定期的に検査を行うというのが車検制度でございます。これはもう御存じのとおりでございますが、そこで御指摘の大型の農耕用のトラクターでございますが、今おっしゃいましたように公道を運行するということは短い区間でもやはり道路交通の安全を確保するという必要があるわけでございます。そして今、交通事故が増加をしているという状況のもとでは、直ちにこうした検査を対象外にするということについては安全上の問題ということがございますが、今おっしゃったことも理解できますので、使用状態の把握に努めてそして慎重に検討してまいりたい、かように思っております。
○国務大臣(羽田孜君) 今先生から御指摘ございましたけれども、確かに農道等も大変よく整備されてきたということで、一般車両と一緒に走る部分というのが非常に多くなってきておるということがあります。そういう意味で、運輸省が定めますところのこの法というものは安全性ということが一番の基本にあるわけでありますから、この点は私たちも大切にしなきゃならぬと思いますと同時に、農業者の皆さんの方からも、そういった今先生から御指摘のあった点についてのお話も私どもに団体等を通じながらございます。そういう面でこれからも佐藤運輸大臣、運輸省とも十分話し合っていきたいということを申し上げておきたいま思います。 なお、先ほど御指摘のございました農業機械の活用の仕方につきまして、今まで機械銀行等を進めてまいったわけでありますけれども、こういったものもさらに広範に、いわゆる一つの地域にあるいは農協一つの単位じゃなくてもっと広域的なこと、こういうことも考えながらより効率的な機械の活用という中で資材費の低減ということを図っていかなければならない。あわせてこのことについても申し上げておきたいと思います。
○丸谷金保君 それから通産大臣、大変どうもお待たせしましたのですが、これは通産省とも関係あるパーツの問題なんです。いいからかげんになるとメーカーはパーツがないというのが非常に多いのです。 またドイツの例で言いますと、向こうはもうパーツは会社がつぶれても供給責任だけは法にしょわせているのですよ。ところが、日本は会社が現存していても何年かたつともうパーツがない。こういうものを法律でパーツ供給の責任を持たせてくれないと、これは何もトラクターだけでないですが、特に農家は自分たちで直そうと思ったってできないのです。 これについては私も苦い経験があるので一つ申しますと、消防車、一年に千キロも走らないのです。なるたけ消防車なんか走らない方がいいんです、火事がない小さな町だと。そうすると、十何年たったら消防から車検通らないから新しいのとかえてくれと言う。十六年目だったかな、まだ動くじゃないかと言ったら、いや、今度の車検通すためにどうしてもパーツが要るのだと言うのですね。パーツがないと車検が通らないし、このパーツはその会社に言ったら、ないと言うのです。その会社の名前も知っています。それだけあればいいんですよ。二個か三個なんです。それもできないと言うのです。それから私は、よし、札幌の支社じゃ話がつかないから本社へ電話して、この車を持っていって、八王子の近くにある大会社、おまえさんの工場の玄関に据えつけてスピーカーで、この会社はこういう会社だとおれが毎日演説するぞ、こう言っておどかしたらパーツが届いたのです。これは事実の話なんですよ。おどかせば出るやつが一般の住民には出ないのです。ないというのです。これはもう少し日本としても通産大臣、農民のためだけじゃなくて、特に農家のトラクターとかそういうものについては、まず供給義務二十年くらい、大事に使えばトラクター二十年使っている人もいるのです。いるというのは日本でないですよ、ドイツでですよ。いるのですから、こういうものをはっきり義務づける、こういう法律を考えてください。いかがですか。
○国務大臣(三塚博君) 我が国は法治国家でありますから、法律万能主義も一つかと思いますが、余り法律ばかりつくっておりますとがんじがらめになりますので、我が通産省は行政指導という極めて有効な手段を今まで駆使をいたしてまいりまして、それぞれケース・バイ・ケースで対応してまいりました。 ただいまの問題でありますが、昭和五十年に通達を出しまして、耐用年数を超えましても数年間ーツを保有するように、こういうことで行ってまいってきたところでございまして、今パーツがないというので行って演説をしましたら出てきたという……
○丸谷金保君 演説すると言っただけで、しなかったのです。
○国務大臣(三塚博君) そうですが。それで出てきたというのは、これもケース・バイ・ケースで、私どもの方も調査をしてみますけれども、農業機械の買いかえという問題が農政のコスト高を呼んでおりますことも軒実でございます。ここに農政のベテランおりますけれども、私も大農業県なものでありますから、農家それぞれトラクターやその他を持って、一町歩のところも三町歩のところも、私のところは七反歩のところまで持っている。これじゃどうしようもないですから、共同使用ということなどを農林大臣によく頼みます。そういうことなどもやりつつ、特にこのパーツの問題については御指摘がございましたから、法律でない行政指導で、さらに確かめて、パーツがないなどということで買いかえに相なりませんように点検をしてまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。
○丸谷金保君 通産大臣、通達じゃだめなんですよ。今、自動車なんかでもパーツがないというのは当たり前の話になっていますよ。実際にあっても、もうパーツがないから買いなさいと、テレビなんかでもそうですよ。もう部品をちょっと切らしていますということは当たり前の話になっているのですから、通産省のかの有名な通達行政は効かないのです。効かなくなってきている事実の例を挙げれば、あしたの朝までもやりますよ。調べてきて、こんなにあると。しかし、きょうは大蔵ですからその話はやめますけれども、頼みますよ。 それで、また消費税の問題に戻るのですが、先ほども申し上げましたが、問題がないという閣議決定をしているのだけれども、至るところに問題たくさんあるのです。一、二の例を挙げてみましょう。大臣、これをどう考えますか。 これは事実なんです。一つは、四月の三日十一時から十二時三十分まで、東京都内の某税務署。名前は署長さんには悪いから某としておきましょう。どうしても名前知らせろというのなら言います。相談員が五人いるのです。窓口に相談に行った、一時間待っても相談できないのです。じゃ、窓口にたくさん人がいるか、そんなにいないのです。五人の相談員は電話にかかりっ切りなんです。それで混乱がないなんて言えますか。 それからもう一つ、もっと具体的な例です。参議院の郵便局ありますね、これも四月の三日、時間は十六時、四十円のはがきに一円張らなきゃならぬですわね。持っていったら一円の切手がないのです。秘書が何人かぶつぶつ言っていました。そうしたら、二円ならあると言うのです。仕方がないから二円を張ったのです。これは還付請求できませんね。しかも、その二円も一人十枚というので、三十くらい出さなきゃいけない手紙、二十持って帰ってきたのです。これで混乱ないと言えますか。そこには自民党の秘書もいたのだそうですよ。消費税反対と言いましたよ、自民党の秘書さんも。 いいですか。こういう例を挙げればたくさんあるのです。消費税が混乱ないなんということはとんでもない話です。大臣、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) いや、今のようなのを混乱と言えばやっぱりそういうものはあるだろうと思います。新しい税でございますし、そして経済の各般にわたっているわけでございますので、なかなかきちっといくまでには少し時間がかかるだろうと思います。混乱がないなどとは言っているわけではありませんので、大きな混乱がない、こう言っているわけでございます。 新しい税金というものはいつでも定着するまでに、この種の税に限らず時間のかかるものでございます。特にこの種の税は新しい各経済分野に及んでおりますので、今後とも事業者、納税者の声を聞きながら確実に定着するように最善の努力をしてまいるつもりでございます。
○丸谷金保君 まだ混乱の原稿、こんなにたくさんあるのですけれども、時間が来ましたので、非常に残念ながらきょうの質問はこれで終わります。 消費税絶対反対、撤回を要求しておきます。
○委員長(梶原清君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十分に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時三十四分休憩 ―――――・――――― 午後零時三十二分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君が選任されました。
○委員長(梶原清君) 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口哲夫君 補助金の問題で質問に入ります前に、自治大臣の方に、政治資金規正法を担当されていらっしゃいますので、けさ一斉に報道されておりました「竹下氏周辺へさらに三千万円」、この問題についてお尋ねをいたします。 新聞報道によりますと、昭和六十二年の五月の三十日、「リクルート社が盛岡市で開かれた首相の後援組織「岩手長期政策懇話会」のパーティー券三千万円分を購入していたこと」が明らかにな つた、こう言っておりますけれども、この岩手長期政策懇話会というのは、これは政治団体なんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) お尋ねの岩手長期政策懇話会でありますが、これは自治大臣あるいは岩手県選挙管理委員会、両方の関係で調べましたが、政治団体としての届け出はされておりません。
○山口哲夫君 何か報道によりますと、この。パーティーに合わせてこういう組織をつくったらしいという話もあるのですね。それで、もし届け出のない、そういう政治団体でないところがこういった多額の政治献金とも言われるようなお金を実際に扱うことについてはどうなんですか、構わないのですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体的な事実については私も承知しておらないのでございますが、いわゆるパーティーというものの開催の形態でございますが、従来から三つばかりの形があるようでございます。一つは、政治団体が主催となってやるもの、それからそのほかに、いわゆる発起人というような方々が、個人の方が発起人になられましてそれでパーティーをやるというような形のもの、それから実行委員会というような形でございましょうか、一種の社団的なものが、政治団体ではないのですけれども、主催しておやりになるものと、そういう三つのものがあるようでございます。
○山口哲夫君 よく政治家のパーティーでこういった券が多量に買われるわけですね。ただ、常識で考えまして、こういう種類の集会というものは、大体出席可能な程度で買うのが常識でないかと思うのですね。もしそれ以上のものを買うということになると、これは明らかに政治献金になるのでないかと思うのです。 例えばこの岩手の場合は大体千人くらいだというのですよ、出席したのが。そうすると、リクルート社一社で千五百枚買っているわけでしょう。リクルート社の人が全員出席もできないくらいの数ですわね。これは常識的に考えて、大変我々一般の常識では想像もつかないような多額の政治献金でないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体の事例につきましては私どもも事実を承知していないものですからそれがどうであるかということを申し上げることはできないわけでございますが、従来からパーティーというものは、これはもう昭和五十年以降いろんな場で論議されておるわけであります。そのとき私どもがお答えとして申し上げておりますことは、パーティー券の購入というものはその価格が常識的な価格で、それで出席を前提として購入するものであれば、それは事業収入であって寄附ではない、こういうような解釈を申し上げてきております。
○山口哲夫君 そうすると、一社でせいぜい十人か二十人くらい出席するというのであれば、その範囲であればある程度許されるけれども、今回のように千五百枚もパーティー券を買っているということはこれは常識外ですね。当然その収益というのは政治献金に該当するのでないでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほども申し上げましたが、具体の事例というのは私ども事実わかりませんものですから何とも申し上げられません。それで一般的な解釈として申し上げたわけです。 ただ、出席を前提としたというのが、じゃ数量的に枚数が何枚ならいい、何枚なら悪いということを申し上げることもなかなか困難な面があるということでございます。
○山口哲夫君 だから、常識で考えれば、出席できる範囲のパーティー券を買うのが普通一般ですね。それ以上の購入をしたということは、当然これは政治献金に該当するでしょう。政治献金にならないのですか、全然。当然政治献金に私はなると思うのですけれども、そこのところを一般論でいいですから言ってください。
○政府委員(浅野大三郎君) 一般論で申し上げますと、まさに先ほど申し上げたとおりになるわけでございまして、政治資金規正法上は政治団体等の収入支出については報告をしなければならないことになっておるわけでございます。それで、その報告をする場合に、収入の種類によって寄附は寄附、事業収入は事業収入というようなところで報告するものですから、そこでパーティーをやりました場合には、それは事業収入ということで報告していただくことになります。 それで、パーティーとは何ぞやということが問題になるものですから、社会的に常識的な価格で、それで出席を前提として購入されるもの、それは寄附ではございません。事業収入でございまして、そういうところで報告をしていただくのです、こういうふうに一般論として……
○山口哲夫君 後段のことを答えてくださいよ。政治献金になるでしょう、常識外のものは。
○政府委員(浅野大三郎君) パーティー事業収入としてとらえるものはこういうものであるということを申しておるわけでございますが、それ以外に、じゃどういうことになるのかといいますと、それはまさに個々具体の事実関係に応じて判断しませんとなかなか申し上げられないということでございます。
○山口哲夫君 二千万のパーティー券を買ってもらったときの、自治省の選挙部長でしょう、談話の中に、常識を超えたものについては政治献金になると言っていたのじゃないですか。私は新聞報道でそういうふうに読んで理解しているのですけれども、もしあなた答えられないのだったら、担当の大臣いかがですか。
○国務大臣(坂野重信君) 今選挙部長がお答えしたとおりで、今までの常識からいうと、パーティー収入というのは政治献金、寄附じゃないという社会通念になっておったわけです。最近いろんなリクルート問題が起きて、我が党でも盛んに勉強している真っ最中でございますし、パーティーについてはもう少し規制を厳しくして、そして公開をしなきゃいかぬということを今盛んに検討している段階でございますけれども、今までの常識からいうと、選挙部長が言っているように、出席を前提としているといっても何名までが出席を前提としているかというようなことについては定量的にまだはっきりしたものはないということで、どちらかというと今までは事業収入という解釈でいっておったということでございますから、仮定のことをおっしゃっても、先ほどのテレビを見ても本当に三千万かどうかということも調べてみないとわからないということを総理自身がテレビでおっしゃっているようでございますし、そういう段階でございますから、仮定のことで余りどうだこうだということを申し上げてもこれは失礼な話でございますし、それ以上のことは事務当局あるいは私としてもお答えできないと思います。
○山口哲夫君 仮定でお話ししているのではないのです。一般論として聞きたかったのです。パーティーというのは出席する範囲というのは常識的なものがあるわけでしょう。千人のパーティーに一つの社が千五百枚を買ったということは、これは常識外ですよ。だから、そういう常識外の収入については政治献金の部類に入るのでないのですか、そういう質問なのです。一般論として政治献金扱いにするべきじゃないんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 一般論で申し上げまして、パーティー収入として整理するものは何かということを先ほどお答えしたわけでございますけれども、もともと政治活動に関する寄附かどうかということは、金銭の授受行為自体が寄附かどうかということを具体的の事実に即して判断しなければならないことなのではないかと思うわけでございます。
○山口哲夫君 私は、これは明らかに政治献金だと見ます。政治活動としてやっているし、パーティー券そのものが常識外の多額な購入ですから、ここにおける事業収入というのは明らかに政治献金だ、そういうふうに私は考えております。今後そういう考え方で自治省としても扱ってもらわなければ政治倫理の確立なんかできないと思いますので、その点はひとつ十分注意をしていただきたいと思うのです。 それで、それじゃこの三千万のお金がさっきおっしゃったような事業収入に該当するだろうというのですけれども、事業収入として主催者の中に全然入ってなかった場合はどうなんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) これはパーティーを主催した者がだれであるかということによって変わるわけでございますが、政治団体が主催しておりますれば、政治団体の収入でありますればこれは当然その政治団体が報告をしなければならないわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、パーティーの開催形態はそのほかの形もあるようでございます。政治団体でない者が主催した場合には政治資金規正法上報告をしなければならないという義務がないわけでございます。それからなお、先ほど新聞の談話のことをおっしゃられましたので、私は一切何も申し上げておりませんので、そのことをちょっと申し上げさせていただきます。
○山口哲夫君 そうすると、政治団体でもない、そこにも入っていない。しかも主催しているところにも全然入っていない。どこへ行っちゃったのでしょうか、この収入というのは。まさにこれはやみ政治献金だと思うのです。そういうやみ政治献金の扱いというのはどういうことになるのですか、あった場合。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体の事例につきましては私もよくわからないわけでございます。それで、じゃ仮に発起人のような方々が主催をしてパーティーを開催した、それで何がしかのそこにお金が残ったという場合はどうなるか。これは、今度はその発起人の方がどこかの政治団体へそれを寄附する、あるいはどなたか政治家に寄附するという段階では政治資金規正法の寄附に関する規定が適用されてくる、こういう関係になるわけでございます。
○山口哲夫君 たしか閣議の中で、リクルートに関係するような問題があったら明らかにしてもらいたいという各閣僚に対して閣議の席上で何かそういうお話がありましたですね。自治大臣どうでしょうか。そういうふうに報道されていましたよね。なかったですか。
○国務大臣(坂野重信君) 閣議ではそういう話はございません。
○山口哲夫君 じゃ何であったんですか。官房長から何かそういった指示があったのですか。それとも自民党としてあったのですか。
○国務大臣(坂野重信君) 正式のあれじゃございませんが、例の夏以前の問題と夏以後の問題、リクルートに関する、あったかどうかということについては、官房筋から問い合わせのあったことはございます。
○山口哲夫君 少なくとも閣僚の皆さんにはそういうことがあるのかないのかということを官房を通して調べがあったと思う。ということは、一切の最高責任者というのは総理ですね。そういったことをきちっと閣僚の方々に指示しておきながら、当の最高責任者がこういうことがあったというのに全然報告もしていないということについて、閣僚のお一人として自治大臣どうお考えですか。
○国務大臣(坂野重信君) 問題になりましたのは、リクルートの事件が表に出たのが夏ごろでございますから、夏以前の問題と夏以降の問題。むしろ夏以降の問題についてどうかということが問題になったわけでございます。夏以前の問題については一応その辺でひとつ線を引こうじゃないかというような趣旨だったかと覚えております。
○山口哲夫君 そういうことではなかったのじゃないですか。法務大臣をもうおやめにならなければいけなくなった、そういった一連の不祥事が続いたために、この際閣僚の中でこれ以上問題が起きたら困るので、もしそういう経過が、リクルートから政治献金を受けたりいろんなかかわり合いがあるようなことがあれば事前に報告しておいてもらいたい、そういう趣旨だったと思うのですよ。私ども、報道でしか知りませんからね。とするならば、少なくとも最高責任者がそれをみずからほおかぶりしておいたということになりますと、閣僚の皆さんだって、何だ総理自身がやっていたじゃないか、そういう恐らく批判を持たれると思うのです。私はそういう中で今こんな大きな問題が出てきた以上は、総理みずからここへ出てきてそして釈明するのが当然政治家としてとるべき筋だと思うのです。そういう点で一度総理がここへ出てこられてぜひそういう釈明をするようなことを、これは委員長にもお願いしたいのですけれども、あってしかるべきだと思うのです。今国民が一番関心を持っている問題なんですから、政治倫理の問題について。そういうことについてどうでしょうか、もう一度あなたのお考えは。
○国務大臣(坂野重信君) さっき先生とやりとりしているうちに少し思い出したわけでございますが、夏以前の問題については何も触れられておりません。というのはリクルートの問題であり、リクルートがそういうことを起こした、リクルート会社が問題があるというようなことは、我々の認識も全くなかったわけでございます。普通の会社と同じように政治献金を受けたりパーティーでも御協力いただくということは当然あり得ることでございますから、夏以降の問題について献金を受けたりなにかしたことについてはその辺のところを明快にしてもらいたいという指示があったことは私も記憶しておるわけでございます。 そういうことでございますから、総理自身が今の三千万の問題にしても、何もそれはおわかりになっていることじゃなかったかと思います。これは調べてみないとわからないと現に先ほどもテレビでもおっしゃったことでございますから、それはまた総理自身がどういうことであったかということをお調べになるかと思いますけれども、問題は、夏以降の問題については確かにああいう問題が起きているのにそこからまた引き続いて献金なりなんなりをもらったかどうかということが問題になっていると私どもは承知いたしておる次第でございますから、その辺のところはひとつ御運解いただきたいと思います。
○山口哲夫君 よしんば夏以降の問題であったとしましても、竹下さんが盛岡でこういったパーティーを開いていた当時、少なくともリクルート社は安比の開発について政府当局である林野庁との間に保安林の解除をめぐっていろんないきさつがあった、そういうときなんですよ。そうすると、ちょうどこのパーティーを開催したころとその時期とが符合するわけです。そして、終わりましてから江副さんが経営するところのゴルフ場でもってゴルフをやっていらっしゃったのですね。私も質問をしましたが、そのとき江副さん一緒でなかつたですかと言ったら記憶ないと言っておりましたけれども、とにかくいろいろと勘ぐられる問題がたくさんあったのです。 そういうことからいきますと、これは中身について全然知らなかったなんということでは、私はないと思うのですね。政治家として不信を買った責任というのは大きいし、ましてや総理大臣としてその責任は非常に大きい。この問題については大蔵委員会なりに適当なときに出席をして、そして釈明をするべきだ。できれば大蔵委員会でぜひやってもらいたいということを委員長にもお願いをしておきたいと思います。 それでは、引き続きまして、補助金問題に入ります。 まず、大蔵大臣にお聞きしますけれども、補助金の覚書ですね。昭和六十年十二月二十一日、竹下大蔵大臣と古屋自治大臣との間に「六十一年度予算において補助負担率の引下げ措置を講ずるに当たり、次のとおり申し合わせる。」「この措置は、今後三年間の暫定措置とする。」と、はっきり「二年間の暫定措置」と言い切っているわけですね。なぜこの覚書を破ってまで今回恒久化をしたのですか。そしてまた、公共事業については延期をしたのでしょうか。その辺の真意をお尋ねします。
○政府委員(篠沢恭助君) 昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係ります補助率等でございますが、累次にわたる臨調、行革審答申、それから昭和六十一年度には補助金問題検討会での検討を経て、補助率等の総合的見直しが行われておるという経緯がございます。これらの経緯を踏まえまして、暫定期間三年間ということでございまして、三年後の暫定期間経過後の対応というものを関係省庁間で決定をする必要があるということで検討会を持ったわけでございます。 それらの結果といたしまして、御承知のとおりたばこ税の二五%を交付税の対象とするというような財源措置を講じながら、それぞれの補助金等の性格などに応じまして適切に見直しを行ったところでございます。その結果を今回この法案の形で御検討をお願いをしておるわけでございます。
○山口哲夫君 大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、今答弁によりますと、行革審等によってそういう答申があったのだ、そういうことも考えながらく回の措置をとったというのですけれども、行革審と大臣同士の約束事と一体どっちが大事なのでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) これはもうずっと前からの一連の流れの中で検討されているわけでございまして、早いのは臨調、それから行革審、それから新行革審という流れでございます。その中の一つといたしまして、補助金問題検討会というのが、たしか六十年の十二月に設けられまして有識一考の方から提言が行われた。これも大きな流れとしては同じ流れなのでございます。 そして、この暫定期間が切れた後の平成元年度のあるべき補助率について、これまでそれらで検討をされた線を踏まえて各省間で協議をするようにということでございますので、鋭意協議をいたしまして、各省間で一致を見ました改定案について御審議をお願いしておる、こういうことでございます。
○山口哲夫君 長い年月をかけて、一連の流れの中で検討した結果だというのですね。そういう一連の検討の中で、その中でも大臣同士で三年間で打ち切るということを覚書として取り交わしているわけでしょう。どっちが大事なんですか。大臣は当然先のことを考えながら自治大臣と大蔵大臣とでもって打ち合わせをして、その中でも三年間でこれは打ち切りだという約束をしているのでしょう。行革審の方が大事なのですか、大臣の約束よりも。
○国務大臣(村山達雄君) 打ち切るという意味をどういうふうに、日本語ですから、解釈しますか、これは暫定期間中の補助率であるということでございます。だから、平成元年度は当然のことでございますけれども、国と地方の財政の安定化のために、また臨調以来唱えられてきました補助率のあり方、こういうのを踏まえて関係各省間で決着をつけられるものはつけた方がいいに決まっておりますので、やったということでございます。
○山口哲夫君 私が打ち切りと言ったのは、覚書を打ち切ったということです。少なくとも大臣同士で約束したことというのは、これは行政執行上のことですから、こんな臨調だとかそのほかの諮問委員会等に比べるとはるかに比重が重いと思うのですよ。そうでしょう、あなた方は執行に一切の責任を持っているわけですから。地方自治体にしてみますと、大蔵大臣と自治大臣が約束したことを中心にしていろんな事業の計画を立てて仕事をやっているのです。そういう計画と信頼を一切なくするような覚書の破棄というものは、これは私は行政責任者のあるべき態度ではないと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 関係大臣の間で、五十九年度以前の補助率に復元するというような覚書を交わしたことは一回もございません。
○山口哲夫君 これはそうしたらどういうことですか。「昭和六十一年度予算において補助負担率の引下げ措置を講ずるに当たり、」「今後三年間の暫定措置とする。」のだと、これは六十年度は一割、だけですか。六十一年度からまた今度はそれぞれの分野において補助率をぐんと下げたわけでしょう。当然常識的に考えて五十九年度に復元されるというふうに私たちは見ているのです。
○国務大臣(村山達雄君) 今ここにありますから読みますと、 昭和六十一年度予算において補助負担率の引下げ措置を講ずるに当たり、次のとおり申し合わせる。 一 この措置は、今後三年間の暫定措置とする。 二 暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。 そして、この解釈につきましては、たしか六十一年でございましたか、当時の総理大臣である中曽根前首相それから時の大蔵大臣であります竹下大蔵大臣、この人が言っております。まずこの解釈でございますが、中曽根総理は、六十四年度以降の取り扱いについてはその時点において適切に対処する予定でありますと、こう答えています。それから竹下大蔵大臣は、六十四年度以降どうなるかということにつきましては、検討を加えて政府の責任においてこれを決める、こういうことになっておりますので、いわば五十九年度の時点の補助率に返るという考え方ではありません。こういうことをはっきり申し上げているのでございます。
○山口哲夫君 どちらにしましても、三年間の暫定措置なのでしょう。あなた方の解釈からいけば六十年度に戻すということになるわけでしょう。それもやってないのじゃないですか。今度下げて恒久化しているわけでしょう。どっちにしても覚書に違反していることだけははっきりしているのじゃないですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは政府間の覚書でございますから、その有権的解釈というのは当時の総理あるいは大蔵大臣が一番はっきり知っておるということは、私は常識だと思っております。
○山口哲夫君 覚書とはそんな甘いものなのですか。地方自治体はあなた方の覚書に基づいて仕事をしているのですよ。 例えば、こういうことだってあるのですよ。地方で住民の皆さんから橋をつくってくれと言われて、つくりたいのだけれども今予算措置でもって補助金切られているので大変なんだ、だからこれをもとに復元したときに何とかしましょうと言って住民に待ってもらっているのです。そういうように、少なくとも地方では覚書を中心にして行政の計画を立て、実行しているのですよ。大臣の覚書というのはそれほど大事なのですよ。それを勝手に破ってそれなりの理由があるような言い方というのは、これは私どもはだまされたとしか思えませんですけれども、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 非常に大事だと思えばこそ総理、大蔵大臣ははっきり言っているのでございます。
○山口哲夫君 ちょっと聞こえなかったのですが、何ですか。
○国務大臣(村山達雄君) 大事なことであると思うから予算委員会で明確に覚書の解釈について申し述べているところである、こういうことでございます。
○山口哲夫君 大事なことだからもとに戻しなさいと言っているのですよ。自治体にしてみたら大変な問題なのですよ。あなた方政府だけの考え方でやられたらいい迷惑です。地方自治体はこのために大変な影響を受けているわけでしょう。住民の皆さんだって影響を受けているわけです。そういうことを一切無視して大蔵省と自治省の間だけでもって何だかんだと言って勝手に破棄をしておきながら、地方自治体に迷惑をかけていないような言い方というのはおかしいと思うのですよ。これは、きちっと臨調、行革審だってこれから地方自治体と国のあり方については論議をすることになっておるわけでしょう、ことし一年間。だから、これから論議をして、国と地方の事務の再配分とかそういうことをきちっと踏まえた上で補助金というものは決めるべきじゃないのですか。先に補助金をカットすることが行われて、その上で事務事業の見直しをやるのですか。これは本末転倒じゃないですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 新行革審におきましては臨調、行革審の答申なとを踏まえまして、私たちの理解でございますが、国、地方の機能分担、費用負担等のあり方、それから国と地方の関係などにつきまして幅広い視点からの検討が行われるものと伺っております。 平成元年度以降の補助率の取り扱い問題は、まさに六十三年度で暫定期間が終了するその時点で、当然元年度以降の補助率について決定をしなければならないという時間的な問題がもう来ております。これまでのまた経緯がいろいろございますということで、新行革審での極めて幅広く行われると思われます検討とは切り離して処理をすることが適切と考えられまして、国と地方の財政関係の安定化に資する、これを図るという観点から、経常的経費について極力補助率等の恒久化を図るということ等を中心として補助率の取り扱いを決めたものでございます。
○山口哲夫君 行革審のことが時々出てくるのですが、何で行革審だけをそんなに大切に考えなければならないのですか。もっと地方自治体に関係する調査会があるわけでしょう。例えば地方制度調査会とかあるいは地方財政審議会、ここでは国と地方の信頼関係を損なわないために本年度限りで補助率削減を廃止しなさいと言っているのです、昨年の答申です。自治体に関係するような調査会、審議会では補助金の削減というのは好ましくないからもとに戻せ、廃止せえと言っているのです。そっちの方は全然無視していいんですか。大蔵大臣。
○政府委員(篠沢恭助君) 大蔵省におきましても、地方制度調査会におかれまして昨年十二月の答申があり、六十三年度までの暫定措置については、「国と地方の信頼関係を損なわないためにも、本年度限り廃止すべきものである」、暫定措置は廃止せよというふうに述べておられる、そして地方六団体が補助率等の復元を強く要望されておりましたことは十分承知をしております。 そういうことでもございますので、今回の補助率等の見直しに当たりましては、六十一年度に事務事業の見直しが行われたことなどなどを踏まえまして、たばこ税の二五%を地方交付税の対象税目に加えるというような恒久財源措置も講じながら所要の見直しを行った次第でございます。したがいまして、全体として国と地方の信頼関係の維持という観点から地方で要望しておられますことの趣旨に反するものではない、何とか御理解をいただけるものというふうに考えた次第でございます。
○山口哲夫君 財源問題、後からしますけれども、先ほども検討会の話がよく出るのですが、検討会においてさえこう言っているのですよ。「国と地方の役割分担及び費用負担のあり方の見直しとともに、補助率の見直しを行う」、役割分担の決定が先でしょう。だから、さっき言ったように新行革審でもってこれから一年間かけて国と地方の役割分担というものを論議していくのですから、大臣がそんなに臨調臨調とおっしゃるのであれば、臨調でさえ今国と地方の役割分担を一生懸命論議しようとしているのに、その結論が出ないうちに補助金だけぶった切るというやり方は、これは一方的と言われてもしようがないのじゃないですか、どうお考えですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 先ほどの繰り返しになりますが……
○山口哲夫君 いや、繰り返しならいいですよ。繰り返しを何回聞いたって同じなんで、大臣はどうお考えですかと言っているんです。
○国務大臣(村山達雄君) 今政府委員が述べられたとおりでございます。
○山口哲夫君 大臣まで繰り返しをやるのじゃもう話にならぬですね。 とにかく自治体と政府というのは信頼関係で成り立っているのですよ。その信頼関係をみずから損なうようなことをやるということは政府としてやるべきことではないと思うのです。自治大臣としてどうお考えですか、地方自治体を預かる立場からいって。
○国務大臣(坂野重信君) 先ほどから大蔵大臣お答えになりましたが、確かに六十三年度までの暫定措置ということでございますから、地方団体にしてみれば覚書がどうあろうと六十四年からは復元するのじゃないかという期待が強かったことは確かでございまして、しかも私どもは六団体からも強い要請を受けておりまして、前大臣も何とか復元したいという願望を持っておりまして、一たんもとに返した上で、後また検討するというようなことを再々申しておったことも事実でございますけれども、いろんな覚書の中身の解釈といいますか、それはさっき大蔵大臣がおっしゃったとおりでございまして、別にこれは復元するという約束もなっているわけじゃありません。しかし、繰り返して申し上げますが、地方の団体の皆さんは、復元できるであろうという期待感を強く持っていたことは確かでございます。そういう中で私どももできるだけ大蔵大臣とも再三再四にわたって折衝いたしました。 しかし、私もいろいろ考えてまいりましたけれども、地方財政、地方公共団体にとって何が大事か。確かに形の上で復元することも大事であるけれども、地方の恒久的な一般財源を確保するということが地方の今後の運営にとっては非常に大事なことじゃないか、しかも地方の時代と言われている限りはできるだけ地方がみずから考えて、そしてみずから実行できるような責任とまたそれだけの力を持つということが大事じゃないかという考えに立ちまして、先ほど主計局次長から話がありましたように、補助率の問題と交付税その他の問題とあわして何とか地方の自主的な財源に支障を来さないようなことで措置しようということで、さっき話があったように、たばこ税の二五%を繰り入れるとか、それからまた、ちょうどだまたま消費税の問題も起きてまいりましたから、その中で消費譲与税であるとかあるいは交付金の残りの二四%を振り向ける。そして三二%はいじらない。そういうことも総合的に勘案した上で、この辺ならば地方の皆さんも納得していただけるのじゃないか、自治省の努力も認めていただけるのじゃないかという考え方に立ちまして、その間もちろん地方六団体とも相談をしながら、大蔵省との折衝に当たったわけでございます。その結果、一〇〇%とはいきませんでしたけれども、地方財源、地方交付税というようなことでおよその措置をすることができたということで、六団体もまあまあこれならばやむを得ぬだろうという御理解を私どもいただいたと思っておるような次第でございます。 先上のおっしゃることは、私ども身にしみてよくわかります。わかりますけれども、そういうことで決着を見たような次第でございまして、なお恒久的な問題は、今話が出ました行革審でも地方と中央との配分をどうするか、権限問題をどうするかという問題は、それはそれとして考えていかなきゃなりませんけれども、その一環として地方の自主財源を強化すベきだという意見はあるわけでございまして、そういう線に向かって一歩前進したことは間違いないと思っている次第でございます。
○山口哲夫君 自治大臣、答弁としてはそういうきれいごとをおっしゃっていますけれども、大蔵省と最後の詰めをやったときにはそんな甘いものじゃなかったでしょう。我々の言っているのと同じようなことを言ったのじゃないですか。そういう本音を聞きたいのですよ、本当は。結局最後は大蔵省に押されちゃったわけでしょう。 それで、先ほどから大蔵省の主計局次長、あなたは財源のことになると、たばこの税金を千二百億恒久化したのだとおっしゃるのですけれども、そんなものだけで満足できるような財政状態ではないことは御承知でしょう。去年はたしか六千六百億の調整債、これはある程度財源配分を考えました、将来にわたって。我々に言わせるとまだまだ問題にならないですよ、半分ぐらいしか政府は責任を負っていないのですから。ことしは千四百億くらいの調整債を組んでいるのでしょう。それには何にも国の後始末の約束はしていないのじゃないですか。どうでしょう。
○政府委員(紀内隆宏君) 平成元年度の国庫補助負担率の取り扱いに関しまして発行されることとしました調整債につきましては、これは不交付団体についてのものでございます。実は先ほど来お話がございますように、補助負担率の取り扱いの決着の仕方の中には交付団体ベースで措置をしたものがございます。そういうものの場合に、不交付団体についてどうなるかと申しますと、不交付団体についても同じく例えば基準財政需要額に算入される。しかしながら、結果として基準財政収入額がこれを上回るということによってキャッシュレスで、ものが行かないということがございます。そういうものに対して、資金手当てとして調整債を発行する、こういうものでございます。
○山口哲夫君 千四百億全部ですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 調整債の中には、まず補助負担率を恒久化したものにつきまして、実は義務教育の共済長期のものを平成二年度に完全に復元しようというものがございます。それがたまたま予算編成上の都合で初年度八分の三というものがございまして、そこの部分につきましては交付団体の場合には特例加算という形を行いますが、不交付団体の場合には実際には先ほど申し上げましたように空振りになるということで措置をするもの、これが六十億円でございます。 それから、なお暫定措置として残る部分がございまして、暫定措置として残る部分に若干の経常経費がございます。その経常経費、例えば義務教育の追加費用等でございますけれども、義務教育費の追加費用等につきましても同じように交付団体の場合には地方交付税で手当てをされる。不交付団体の場合には基準財政需要額に算入されるけれども現ナマで行かないという意味での調整債、これが百八十億円でございます。それ以外の調整債は、実際これは昨年までの調整債でカバーされていた部分と今回の部分と、論理的には今回のものはカバーされおおせるわけでございますけれども、実際に激変が生じてはいけないということで、激変を緩和するための手当てとして行われたものでございます。
○山口哲夫君 だから、千四百億から今言った二百四十二億、これは不交付団体ですけれども、そのほかのものは特別の手だてはしていないわけでしょう。うなずいているからそうとります。間違いないでしょう。
○政府委員(紀内隆宏君) そのとおりでございます。
○山口哲夫君 そうしたら、何も千二百億たばこの税金を加算したからといって自治体に十分な財源を与えたということにならないでしょう。これを一つとっても、千四百億のうち約千二百何十億ですか、これは地方財政に穴があいておるのです。何も手だてしてないじゃないですか。 もう一つ申しますと、一般財源二千七百六十二億のうち、地方のたばこ税千二百億組んだと盛んに主計月の次長はおっしゃるのですけれども、残りの千五百六十二億というのはこれは何ですか。地方の財源でしょう。地方の持ち出しのお金でしょう。
○政府委員(紀内隆宏君) 既定の財源の中での手当てでございます。
○山口哲夫君 だから、そういう一連の答弁からいきますと、補助率の見直しによって恒久化をした、二年間延期した、それに対する影響については財政措置をちゃんと講じているというような言い方というのは当たらないじゃないですか。地方にそれだけ迷惑かけておるじゃないですか。
○政府委員(紀内隆宏君) おさらいになりますけれども、先ほど申し上げましたように、補助負担率につきましては、今回経常費の世界につきましては恒久化を図ったわけでございます。その際に、それぞれについて申し上げますと、例えば生活保護についてはかつて十分の八の補助率でございまして、それが暫定期間中は十分の七とされていた。それにつきましていろいろございまして、最終的な決着は十分の七・五、四分の三の水準で決着したわけでございます。ところが、実際に十分の八であった時代と比べますと十分の〇・五だけ差が出るわけでございます。したがって、そこについては新しく国のたばこ税にリンクする交付税を起こして交付団体については完全に措置しおおせようという形でカバーしているわけでございます。 次に、措置費の系統について申し上げますと、措置費の系統につきましては前に補助金問題検討会でも報告がありまして、その後厚生省の方におきまして具体的な事務の取り扱いの見直しを行って、例えば入所措置につきましては、団体委任事務に置きかえることによって地方の裁量の余地を多くする。その他の手当て、事務の見直しを行いました。その結果、地方の自主我画の度合いが強くなったということによりまして、この場合はかつての数字と比べますと、十分の八と十分の五との差があるわけでございますが、その差分につきまして事務の見直しを行ったということを踏まえて、増加する地方負担額の半分を新しい国のたばこ税にリンクする交付税で見よう、こういうことにしたものでございます。それなりに議論を詰めて処理した結果でございます。
○山口哲夫君 いずれにしましても、それなりの財源措置を講じたと言うけれども、これは決してそういうことにはなっていないということだけは明らかです。地方自治体の持ち出しが非常にふえているし、それから調整債なんといって政府の方で財源を与えたといっても、それの裏づけさえ何も大蔵省は組んでいないのです。そういうことからいくと、何か一連の答弁を聞いていますと、国と自治体との財源配分だけが変わって、そんなに迷惑かけてないような言い方というのは、私は間違いだと思うのです。もし大蔵大臣がそんな認識でおったとすれば、地方自治体はたまったものじゃないです。もう少し考え方を改めてもらわなければ困ると思うのです。 それからもう一つは、何か今度の手だてで地方自治体はある程度財源的には余裕があるようなことを言うのですけれども、それは大都市の話でしょう。不況地域はどうするのですか。税収どんどん減っているのです。小さな都市だって二億も三億も減っているのです。その減った分は一体どういう措置を講ずるというのですか。
○政府委員(紀内隆宏君) おっしゃるように地方団体によっては税の増収が非常に大きいところ、またそういうものが期待できないところがございます。これはもう先生もよく御承知のように地方交付税の世界において調整をすることになっておりまして、特に特定の産業の消長に伴って大きいダメージを受けるようなところにつきましては交付税の世界においても特別の手当てをとっているところでございます。
○山口哲夫君 二言目になると交付税で面倒見ています、一〇〇%面倒見てないでしょう。交付税で面倒見られるのは七五%だけでしょう。あとの二五%は自治体が財源を捻出しなきゃならないのです。だからもう少し自治体のそういうきめの細かいところを大蔵大臣もっと考えてほしいと思うのです。大蔵省の主計局なんかも特にそうですけれども、予算編成やるときに。何か地方財政が豊かになったというようなことを言っているけれども、そんなマクロ的な考え方でやられては困るのですよ。もっと自治体の現状というものを分析して、今不況地域で悩んでいる私の出身の北海道なんかは、大きな都市だって今不況で大変ですよ。政府が予算措置しましたと言うけれども、そんなものは空証文であって、何も我々の方には財源的にはふえていません。減る一方です。しかも、そういう中で補助率を切られたら一体福祉事業をどうするのだ、こういうことになると思うのですが、こういう補助率の削減でもって国民にどういう影響が出ていると思いますか。影響ないとお考えですか、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) もう委員よく御案内だと思いますが、今度の措置によりまして、例えば生活保護の適用を受けておる方あるいはいろんな措置を受けておられる方、そういう人に対する給付水準は変わりございません。問題は、それを国と地方でどのように分け合うか、こういう話でございまして、さっき自治大臣もおっしゃっておりますように、補助率というものをどういうふうに考えるか、そしてまた現在の苦しい財政状況ではありますけれども、国と地方の財政状況を見て、そして地方が困らないように、また国もできるだけ困る程度を可能な限り少なくしまして、車の両輪でございますから、お互いにそこのところは広い意味で勘案いたしまして合意に達するという仕組みでございます。このことは、何も今度の補助率の引き下げに伴う問題だけではございませんで、毎年の予算編成に当たりまして絶えず緊密な連絡をとっているところでございます。今後ともそのような考えでまいりたいと思っております。
○山口哲夫君 住民に補助率の削減が悪影響をもたらしていると私は言っているわけです。生活保護だけをとらえて、財源配分が変わっただけだからそれほど問題はないというような言い方では、これはとても納骨できないです。生活保護だけの問題ではないです。福祉一般について、地方財政がこれだけ苦しくなって抑えられてくれば、補助率がカットされれば直接福祉のいろいろな政策になってはね返ってくるのじゃないですか。そういう点からいくと、広く住民に対してこの補助率のカットというものが相当マイナスの面が出てきている、住民福祉を抑えつけているという結果になってくるのじゃないかと思うのですけれども、大蔵大大臣いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) この趣旨は、先ほども申しましたように、そのようなことを意図しているわけではございません。給付水準はやはり変えない、こういうことでございます。
○山口哲夫君 大蔵省の中で変えない変えないと言ったって、現実には変わってくるのですよ。例えばこれは予算委員会で出されたおたくの資料、私は昭和五十九年度対平成元年度で比較をしてみたのです。そうしますと、例えば老人福祉施設をとってみますと、国庫補助率が補助金の削減によって国の方は八五%に減っているのです。一五%減っているのです。それに対して地方の負担がどのぐらいになったかというと、何と驚くなかれ三・四一倍になっているのです。そして、自己負担という住民負担ですが、二・八六倍になっているのです。そういうのが児童の入所施設から保育所から精神薄弱者の援護施設、特に身体障害者の厚生援護施設なんというのは今まで自己負担がゼロだったのが今度は丸々かかるわけでしょう。だから、そういうふうに直接福祉の施設を利用している住民の生活に大変な影響が出てくるということからいけば、今大蔵大臣の言っているように、国と地方の財政上の負担が変更になっているだけで余り住民にはしわ寄せしてないような言い方というのは当たらないのじゃないですか。大蔵大臣、どうでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 補助率問題の検討に当たりまして、各省庁間で検討会議を設けまして、七月の閣議決定に従いまして九月以降事業の進捗も含めまして重々検討してまいったわけでございますが、その中でも福祉関係の事業を含めまして実際の事業の遂行に影響を与えないということを基本に据えて検討してまいった次第でございます。 例えば老人福祉関係をとってみましても、補助率のカットの分ということでの国責の減はございますけれども、全体の事業の進捗がおくれているということはないのでございまして、かなり大幅な伸びを認められるというふうに考えているところでございます。
○山口哲夫君 それほど地域住民に影響ないようなことをおっしゃるのですけれども、この数字がはっきり示しているわけでしょう。おたくが出している予算委員会に対する資料を分析してみますと、明らかに自己負担、費用徴収分というのはふえているのです。机の上では影響がないのだというふうに解釈するのでしょうけれども、現実にそれが地方自治体におりできますと、自治体は補助率が切られたために自分の方でも持ち出しふやさなければならないし、残念ながら住民の負担にも転嫁せざるを得ないところが出てくるのじゃないですか。厚生大臣もいらっしゃるけれども、どうですか、そういう影響というのは当然出てきているのでしょう。
○政府委員(小林功典君) 今御指摘の資料でございますが、一つは五十九年度と平成元年度の比較でございますから、当然のことながら、暫定補助率期間の地方と国の負担の差、これが一つあらわれています。したがいまして、地方負担がふえるのはそういう意味では当然でございます。 もう一つ、費用徴収でございますが、費用徴収につきましては、確かに老人施設あるいは身障者の施設見直しをしております。これは老人について言いますと、従来ややもしますと低所得階層だけの者ということを改めまして、寝たきり等要介護老人は所得の多寡にかかわらないで全部入所していただく。ただし、収入の多寡に応じましてそれ相応の負担をしていただくという新しい発想のもとにいろいろ費用徴収のシステムを変えてまいりました。それももちろん御無理のない程度でお願いしているわけでございまして、その点が一つ反映しておる、こういうことでございまして、いわゆる費用徴収の強化というような形ではございませんので、そういう意味では住民への負担が大きいということはないものと、このように思います。
○山口哲夫君 いずれにしても、あなた方の統計からいくと、とにかく住民負担がふえていることだけははっきりしているのです。どういうお考えでふやしたかは別にいたしまして、五十九年対平成元年ということになれば補助率の削減というのが一番大事な問題でしょう。補助率の削減の中で地方が負担し切れなくてある程度今康で自治体が負担していた分だって吐き出さざるを得なくなるのじゃないですか。そういうこともあって、に対するしわ寄せというのがこういう施設の中に出てきていると思うのですが、全然影響ないですか、補助率の削減が。
○政府委員(小林功典君) 費用徴収基準は地方と国の負担の割合に応じては変えておりません。そういう暫定補助率という面を考慮した費用徴収の改定は行っておりませんので、そういうことはございません。 それからなお、先ほど申し忘れましたけれども、所得が伸びてまいりますから、いわゆる一種の自然増でございますけれども、そういう意味で費用徴収がかかった上にシフトしているという要素が一つございます。
○山口哲夫君 収入がふえれば当然それは負担もふえるでしょうけれども、これはパーセンテージで出ているだけですよ、それぞれの負担の割合が。パーセンテージから見る限りにおいては国の負担がぐっと減って地方の負担と自己負担がふえているということだけは数字が明らかにしているわけですよ。そういう点からいくと、これは国が削減された分、逆にこっちの方がふえてきたということは、これは私ははっきりしていると思うのですがね。どうもその答弁では私は納得できないのです。
○政府委員(小林功典君) 繰り返しになりますが、国と地方の補助率の差、これは現に暫定補助率を使っておりましたから、そういう意味では国の率が地方に比べて減って地方の率がふえる、これは当然のことでございます、暫定補助率である以上は。 それから費用徴収は、そういう国と地方の補助率、負担率の問題ではなくて、費用徴収そのものについて、一つは所得がだんだん高まることによる増収といいますか、費用徴収の増、これはもちろんございます。それからもう一つは、費用徴収全体のあり方についての見直しをその段階でやりましたので、そういう面はありますけれども、それは何も補助率の問題とは関係ない部分の増でございます。
○山口哲夫君 地方自治体では、補助率が削減されますと、どうしたってそこの分野における予算ということになれば辛くなるのですよ、予算組むときにおきまして。そういうことはできるだけやっぱり福祉の方には面倒をかけたくない、ということは予算を削りたくない、そういう考え方があるから結局自治体もなけなしの財源を福祉の方に持っていかざるを得ないわけですよ。そういうことからいけば、超過負担とかそういうものがだんだん福祉関係ではふえてくると思うのですよ。補助率が削減されている以上はやむを得ないということで、予算を組むときに自治体の財源というものをそちらの方に、相当超過負担を組まざるを得なくなるわけですよ。 そういうことからいきますと、だんだん一般の自治体に与えられている財源が超過負担とかそういうものに、国が補助率を切ることによってそのカバーをせざるを得ないから、結局はそちらの方に金が集中するとやりたい仕事もだんだんできなくなっていく、そういったことは自治体の中で起きてくると思うのですね。私は、自治体一般からいけば当然そういうことは出てくると思うのです。 だから、国が今度補助率を削減した問題については、国と自治体との財源の配分だけであって住民にはしわ寄せがいかないのだ、そういう考え方にならないのだと思うのですけれども、自治大臣どうでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) おっしゃることは、例えば生活保護費であるとか措置費であるとか、そういうものについて、そこの点につきましては実際には補助率カットが行われて地方負担がふえた場合には、その地方負担分につきまして手当てをしております。地方財政計画に計上し、かつ交付税の基準財政需要額の算定上もそこの部分はしっかり見ているわけでございます。恐らく、おっしゃることは、そこはしっかり見たとしてもそこに食われる財源でほかのところにしわ寄せがいくのではなかろうか、こういうお話かと思いますけれども、幸いにして平成元年度の地方財政計画の策定の過程を通じまして、これは団体によってもちろん異なるのでございますけれども、マクロの地方財政としてはそこそこに税の自然増収が期待できる。それから、交付税の方も国税三税等を初めとして比較的順調な伸びを示すということによりまして一応相応の水準を確保することができた、こういうふうに考えております。 また、個別の団体について、先ほど来お話がございますように、いろいろと事情が異なる面があろうかと思いますけれども、それにつきましても、先ほど申し上げましたように交付税等によって措置が講じられているということでございます。
○山口哲夫君 何か補助率の削減の面については自治体に対してそれなりの手当てをしていると言うけれども、先ほど来言っておるように、たばこを一千二百億組んでおりますと、そう言うけれども、その残りの一千五百億くらいについてはこれは自治体が財源として手当てをしなければならないし、調整債だって一千四百億ですか、その分の義務教育に関係する問題は不交付団体は別としても、そのほかの問題については調整債はそれなりの手当てをしていないし、そういう点からいけば、決して自治体の財源というものは大蔵省の言うように補助率カット分は手当てしているということにならない、そういうふうに思っております。 残念ながらこれ以上補助の問題だけやるわけにもまいりませんので、この辺でやめますけれども、私はそういう点では大蔵省としてはこういう補助率の削減についての手だてというものは、もっと洞沢にやってもらわなければならないと思う。余り自治省ばかり押し切るようなことをやれば地域住民に直接しわ寄せがきますので、住民のしわ寄せという面を考えて予算措置というものは講じてほしいと思うのです。 それで、せっかく建設大臣に来ていただきましたので、公共事業は二年間据え置きということになるのですけれども、これは単に据え置くことなんでしょうか、あるいは国と地方の役割分担というのですか、費用分担とか、そういうものを論議した上で見直す、そういうことになるのでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(牧野徹君) 公共事業の補助率についてのおただしでございますが、私どもとしてはまず基本的に現状を踏まえますならば、立ちおくれた社会資本整備を着実に進める、こういうことをまず基本に置いて物事を考えたいと思っております。 その上で、いろいろお話し合いしましたが、国の財政事情等を踏まえますと、平成元年度で私どもが所掌することとなる予算を前提といたしますと、公共事業の事業費の確保を図るというためには、平成二年度までの暫定措置として補助率等の特例措置を継続することもやむを得ないというふうに判断したものでございます。
○山口哲夫君 三年後にはこの六十二年度に戻すということになるわけですね、そういう決定もあるのですか。
○政府委員(牧野徹君) 平成二年度までの間で、各省庁間で検討会を開いて総合的に検討するということになっておりますが、その際に、この場合において六十二年度のカット分についてはもとへ戻すということで、後総合的に検討するというふうになっておるように承知しております。
○山口哲夫君 それは事務当局の話し合いで決まったことなんですか、それとも閣議でそういう方針になっているわけですか。
○政府委員(牧野徹君) これは私から答弁するのがいいかどうか、直接は財政当局、国、地方のことに責任を持っておられます大蔵省、自治省のかかわることでございますので、私から断定的なことを申し上げることは差し控えたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいまの点につきましては、本年一月十八日付で大蔵大臣と自治大臣の覚書ということになっておりまして、「公共事業に係る補助負担率については、関係省庁間の検討会を設置して総合的に検討を行う。この場合、昭和六十二年度引下げ分については平成三年度から復元するものとする。」ということになっております。 御承知のとおり、昭和六十二年度の引き下げ分というのは、三年間の暫定期間ではあるけれども、事業量確保のために臨時緊急避難的に再度の引き下げを行ったという分でございますので、このように決定をしたものでございます。
○山口哲夫君 大臣同士の覚書でそういうことになっているということですか。
○政府委員(篠沢恭助君) さようでございます。
○山口哲夫君 その覚書はまた破棄される可能性がありますか。
○政府委員(篠沢恭助君) 覚書は忠実に守っていくべきものでございます。
○山口哲夫君 大蔵大臣と自治大臣そのほかの大臣同士の覚書では信用できないのですよ。一度総理に出てきていただいて、総理からはっきりそういった覚書だけは必ず守るという答弁をしてもらいたいと思うのですけれども、どうですか。私は、大蔵委員会というのは総理が当然出てくるものだと思っていたら、初めて出席したのですけれども、出ていらっしゃらないので、大臣同士の約束だけではもうとても信用できないのですが、委員長、できれば総理大臣を呼んでもらえないですか。
○国務大臣(坂野重信君) 余り信用がないようですが、大蔵大臣と自治大臣、それにあわせて政調会長も入っておりますから、今度ははっきり復元するということを言っておりますので、建設省の方からはそういう話は出なかった、それは建設大臣が入っておりませんから。私どもとしては、地方財政のことを考えますと、少なくとも二年たった後は六十一年度分ぐらいまでは復元すべきだということで、そういう前提の中で各省が寄って話を即やっていただこうという考え方でございます。
○国務大臣(村山達雄君) 今自治大臣が言ったとおりでございまして、そしてまた、今度の補助率の改定の問題は閣議でもはっきり承認されておるところでございます。
○山口哲夫君 今度だけは必ず守っていただきたいと思うのです。とにかく、二度あることは三度あると言われますので、三度目そんなことにならないようにしていただきたいと思います。 それで、時間もありませんので、最後に、この臨時福祉特別給付金の取り扱いの問題なのですが、これは一年間だけなのですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) そうです。
○山口哲夫君 消費税に関連して出されたのですけれども、そうしたら消費税も一年間でやめるわけですね。
○国務大臣(小泉純一郎君) 消費税はやめるということでなくて、来年になれば物価上昇等に対するそれぞれの福祉手当の措置がありますので、それで対応できるということで、ことしは導入前の臨時緊急的なものであるということでこの臨時福祉手当を新設したものであります。
○山口哲夫君 これは消費税の見返りとして、低所得者の方々とか介護手当の関係者の方々に一万円とか五万円出すわけでしょう。そうすると、消費税が続く間、当然これはずっと続けるのが筋だと思うのですね。一年間ぐらい出して、それで終わりというのはごまかされたということになると思うのですね、一年過ぎてしまったら。これはずっと継続させるように私は要求しておきたいと思うのです。 この事務の取り扱いなんですが、公金でなくて私金扱いだというのですね。地方自治法を調べますと、私金扱いなんてことは考えられないですね。しかも、これは収入役の判こでもらっちゃだめだというのですね。市町村長個人の判こか担当の部課長の口座をつくって、もらえというのですが、自治体が扱う金というのは地方自治法ですべて収入役が扱うことになっているのです。首長は扱えないことになっているのですが、こういうやり方というのは地方自治法違反でないのですか。
○政府委員(小林功典君) 今回の臨時福祉特別給付金でございますが、これは市町村長が受給者の委任を受けて、いわば受給者にかわって代受領する、そういう仕組みをとっております。そういうことでありますので、本給付金は市町村の公金としての扱いにはならないというふうに考えてございます。 しかしながら、この給付金の支給というものは国の委託を受けて知事が行うものでありまして、適正な管理を行う必要があることは当然なものですから、そういうことで当事者間で正式の契約を締結してもらいまして、それに基づいて支給事務の適正な実施を行っているということでございます。 なお、前回五十三年にやった類似の制度がございますが、それと同じ仕組みでございます。
○山口哲夫君 法律でもなければ政令でもないのでしょう。
○政府委員(小林功典君) 法律、政令ではございませんで、委託契約でございます。
○山口哲夫君 法律でもなければ政令でもないものをどうやって地方自治体に取り扱いをさせることができるのですか。閣議で決定したからといって地方自治体を勝手に政府が動かすなんという、そんなやり方は法律には考えられないことですよ。こんなばかなことやっていたら、まさに中央統制でしょう、中央集権でしょう。閣議で決まったら、地方自治体の職員を自治体の首長の命令なしに直接動かすことができるというのです、個人的な、私的な契約でもって。こういうやり方というのはちょっと考えられないですね。
○政府委員(小林功典君) 法律、政令ではございませんで、委託契約で行っていることは先ほど申し上げたとおりでございますが、要するに地方自治体にお願いするのではなくて、市町村長あるいは都道府県知事にお願いするというシステムを使っていまして、先ほども申しましたが、前回も前々回も類似の制度についてとった措置でございます。
○山口哲夫君 だから、前回も前々回もやったと言うのですけれども、それが誤りでしょう。自治体に機関委任でやったというのならわかるのですよ。当然自治体は、機関委任でくれば、自治法の精神にのっとって収入役がきちっと受けますよ。それを収入役の判こで取っちゃだめだというのですね。担当課長の私的な口座を設けろというのですよ。公金を扱うのにそんな私的な扱いなんていうことありますか。これは全然話にならぬですよ。改めてもらわなかったら大変なことになりますよ。 しかも、言っておきますけれども、この調査は一体何ですか。「問題行動」として、これを交付する人たちの調査をするのですが、「攻撃的行為」、「他人に暴力をふるう」かどうか、「乱暴なふるまいを行う」かどうか、「攻撃的な言動を吐く」かどうか、「重度」「中度」「軽度」、「不穏興奮」状態にあるかどうか、「火の扱い」はどうか、「徘徊」はどうか、「自傷行為」はあるか、こんなものが何の関係があるのですか。プライバシーの侵害でしょう。これは何に使うのですか。
○政府委員(小林功典君) 今のお話は基準で決めておりますが、支給の要件としましていろいろございますけれども、その中で、寝たきり老人、これを把握しなきゃならない。今のお話は恐らく痴呆性老人、これも対象になっていますので、どういう方がその対象になるかということを決めなきゃいけません。それを地方にお願いするわけでございますので、全国統一的にやらなきゃいかぬという要請がございまして、表現はともかくとしまして、いわば医学的な痴呆性老人の定義というか、基準を決めた、そういうものでございます。
○山口哲夫君 残念ながら時間が来ましたのでやめますけれども、痴呆性老人というのはある程度わかるわけでしょう。それなのに、何で中身にこういう「重度」「中度」「軽度」からいって、「不穏興奮」な状態にあるかとか「攻撃的行為」が「重度」か「中度」か「軽度」か、そんなところまで全部調べる必要なんてさらさらないと思うのですよ。今それでなくてもプライバシー問題というのは大きな社会問題になっているわけでしょう。こういうことをして、これを今度は電算に入力してほかの方に利用されたらどんなことになりますか。これは厚生省としては少し行き過ぎだと思うのです。これだけは十分注意しておきますよ。 と同時に、こういう公金の扱いというのは、これはまさに法律に反していると思うのです。閣議で決めれば地方自治体の職員を勝手に使える。しかも三月の下旬といったら地方自治体では一番忙しいときですよ。あなた方は現場知らないでしょうけれども、大変な混乱が起きているのですよ。政府から言われたから仕方がないからやる。これを返上したらまたにらまれるから仕方がない。そういう形で、住民の生活にプラスになるのだからというそれだけの理由で自治体は泣く泣く引き受けざるを得ないわけです。こういうやり方は中央集権です。こんなことが許されるなんてことは、法治国家としてはあり得べからざることだと思うのです。そういう点は、自治大臣としてもこんなことが二度と起きないように、私はもっと毅然とした態度でもって返上してもらいたいと思うのです、こういうやり方は。やるのなら公金扱いにしてきちっと機関委任事務にして、自治体は予算をきちっとしてやるというような、そういう正規のルールを踏んでやるべきだと思うのです。今後もあると思うので、十分そこは私は注意をしておきたいと思うのですけれども、最後に所見だけ聞いておきたいと思います。
○国務大臣(坂野重信君) この問題は今までタッチしておりませんが、よくまたお話を聞いて考えてみたいと思います。
○山本正和君 今、丸谷、山口の両同僚委員からいろいろと補助金問題で問題点を指摘したわけでありますが、私はまず大蔵大臣に、一体補助金等のこういう種類の法案、これは暫定予算を組んだという建前から生まれたのだ、こういうことも背景にあるようでありますが、本来大蔵省が各省庁にまたがる、今回は四十四法案でありますが、それを全部一括して、そして補助率の削減という格好で一括法案を出す、こういうことについては大蔵省は当然の行為、こういうことは通常であるとお考えなのかどうか、まずそこのところからお伺いします。
○政府委員(篠沢恭助君) 今回の法案において措置されております事項は、先ほどの趣旨説明にもございましたように、六十一年度の補助金特例法に盛り込まれましたすべての措置につきまして、改めて国、地方の財政事情、国と地方の機能分担、費用負担のあり方などを勘案しまして、一体的、総合的な見直しを行った結果によるものでございます。いずれも最近における財政状況でございますとか臨調、行革審答申の趣旨を踏まえて行われる財政止の措置でございますし、国の補助金、負担金等を通じて行われる措置でございますし、また財政資金の効率的使用を図るために行われる措置でもあるという共通の性格を有しておりますので、趣旨、目的が一つで、かつ一体をなしておるというふうに判断をしておるところでございます。こういうことで一括化をしたわけでございます。 一括化の前例といたしましては、この補助金特例もございますが、例えば各省庁にわたる事務事業の見直し等につきましても一括化という前例があるということで御理解を賜りたいと思います。
○山本正和君 やっぱり大臣に答えていただきたいのです。要するにこういう形でもって一括法案という格好で、これは補助金でありますけれども、こればかりじゃなしに、いろいろと大蔵省として例えば財政法に基づいていろんなことをしなきゃいけない、いろんな大蔵省の役割ありますね。しかし、こういうふうに各省庁にまたがって、中では例えば文教なりあるいは福祉なり国の基本政策にかかわるような問題も幾つかあるわけですね。それをこういう一括法案という形でもって出すということは、これは通常の形として大蔵省はお考えになっているのかどうなのか、これをひとつ大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(村山達雄君) これはやつ。ばり従来の経緯が一つあると思います、六十一年度のやり方、それから今政府委員から申し述べましたように共通の目的を持っておる、それから国と地方との関係である、こういうことから言いますと、そこで大きく括弧でくくれるのじゃないか。考えようによりましたら、一括して討議していただいた方がむしろすぐれている面もあるだろう。いろいろの考え方はございますが、過去の例によりまして一括審議をしていただいて、それぞれ違う面もありましょうけれども、それはその場でひとつお話をいただきたい、こんな気持ちで出しているわけでございます。
○山本正和君 そういうふうにお答えになるだろうと思ったのですけれども、参考資料をいただいていますが、この中にも、例えば補助金とかさまざまなこういう国庫負担金、こういうものについてはそのときそのときの政治情勢あるいは国民のいろんな期待、そういうふうな中から生まれてきている経緯がある。しかし、その経緯があるけれども、とにかく臨調、行革という言葉で言われましたけれども、国家財政どうにもならぬというときに緊急とりあえずここで行う、その行われたことの後始末として今回やっているのだ、これだけなのか、それとも今後例えばこの種の問題については、別にそういうふうな事情がなくてもやり得るのかどうなのか、そこのところを聞いているわけです。
○国務大臣(村山達雄君) 今度このような形でお出ししたのは、ただいま私が申し述べたようなことでございます。 今後の問題でございますが、今度は行革審がもっと広い幅でいろいろ考える、こう言っておりますので、それに基づいて政府は何らかやるときにはそのときに何をやるのか、そういったものを十分踏まえまして、国会の審議が十分行われるように工夫してまいりたいと思っております。
○山本正和君 私は、厚生省それから文部省の関係法案を担当して勉強してみたのですけれども、例えば厚生省関係の法案でも、これは明らかに性格の違う法案、要するに国が負担すべきものとはっきり明定されている法案あるいは補助金をもつて措置するもの、補助金と負担金は性格が違うと思うのですね。それから文部省の法案でも、義務教育費国庫負担法という憲法で明定されているところの教育の義務にかかわる法案もある。そうかと思ったら、これはさまざまな他の省庁を見ると、そのときの政治情勢や経済情勢の中で奨励あるいは振興のためにつけていった補助金という問題もある。したがって、補助金といっても政治的な背景から考えた場合には、お金の面は、補助率を二分の一にするのか三分の一にするのか三分の二にするかというふうな簡単な、お金の上では係数が出てきて、そこから云々、こういうふうになりたくなるのでしょうけれども、実はその背景にある国民感情、その時代時代でさまざまな政治的論議の中で成立してきた法律あるいは補助制度、負担金、こういう問題からいったら、こうやって一括してやるとなれば、大蔵省はオールマイティーである。極端なことを言いますよ。 だから、そういうことは極めて異常であって、こういうことは普通はないのだというふうに大臣はお考えなのかどうなのか、そこのところをまずただしておきたい。
○国務大臣(村山達雄君) それぞれの根拠法でその法律がどういう意義を持って制定されたか、これはやはり十分に今後とも引き続き考えていかなければならないと思っております。 しかし今度は、一面におきまして例えば生活保護の問題でございますけれども、確かに生活保護法できちんと決まっております。しかし、基本補助率といっても全額ではなくて十分の八、こういうことになっておるのでございます。それからまた、その後の変化を考えてみますと、昭和二十年代は救貧、防貧という考えで進んできたのではないか。国民生活というものはその後、皆保険、皆年金、こういうものが非常に広く伝わりまして、さらに各種の福祉行政が展開してまいりました。ウエートでいいますと国民生活の基盤としてはそちらの方が非常に広がってきたという事実も考えねばならぬと思うのでございます。そしてまた、検討会が言っておりますように、補助行政というものの長所、これはたくさんあるわけですね。しかし、そのまた弊害もあるわけでございます。そういうことを総合的に考えながら、やはり総合判断の問題が、最も常識的な、国民に受け入れられるような総合判断が一番大吾なんじゃないか、そういう考え方に基づいて各省庁が詰めておるわけでございます。 今後といえども、恐らく行革審で幅広いところでいろいろな提言が行われると思いますけれども、それを踏まえて政府間で何らかの協議を行う場合も、ただいま私が申し述べたような観点で各省が十分に意見を闘わせ、そしてその意見のまとまったところで出していくべきではないか、こう考えております。
○山本正和君 私が大臣にお尋ねしているのは、要するに、こういうことは今後もあり得るのだ、こういうふうに大蔵省はお考えになっているのかどうなのかということなんです。ですから、生活保護の問題については改めて大蔵大臣の御認識を後でお伺いしたいと思いますけれども、今のところ私がお尋ねしているのは、こういう補助金等の整理法案という形で各省庁にまたがり、場合によっては国の基本方針にもかかわるような問題を一括法案としてお出しになるということは、今後も果たしてこれが通常の形で行われ得るのかどうなのか、それについての大臣の見解を承りたい、こういうことです。これについてずばりお答え願いたいのです。
○国務大臣(村山達雄君) 今後のことでございますし、また、どういう勧告が行われるか、仮定の上でにわかに言えませんが、強いて言えば、絶無である、ないということを断言するわけにはまいらぬだろうと思います。
○山本正和君 通常の形ではないということでよろしゅうございますね、それでは。
○国務大臣(村山達雄君) この一括的なやり方が非常に、何といいますか、特殊な問題であるということを考えれば、そうそうある問題ではないだろう、こういうことです。
○山本正和君 それでは次の問題に入っていきたいのですが、大蔵省が「「隠れ借金」解消急ぐ」というやつで、「大蔵省、優先順位つけ」というので、こういう記事がきょう日経新聞に載っております。これは例の年金の支給年齢の繰り下げの問題等も絡んで、厚生年金の繰り延べということがずっとやられておることについては、恐らく大蔵省の中でもいろんな議論がある中でこういうのが出てきたのだろうと思うのですけれども、こういう発想でいくのならば、この法案の中で提案説明に当たって、例えば厚生年金というものについてはかくかくしかじかの考え方でございますというものが趣旨説明の中にあってしかるべきだというふうに私は思うのですね、一つは。 それからまた、大変に不思議だと思ったのは、厚生年金関係は国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案という今回提案されている法律案が出ている。それから、健保関係のは平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案が出ている。ですから、大蔵省は本当にこの今度の四十四法案に絡む補助金等の統合、整理、こういうふうな問題について一体どういう観点で言っているのだろうかと。 例えば、ですから厚生年金の問題を何とかやろうという気持ちがあるなら、そういうことも含めながら今度の提案については御説明があってしかるべきだと思うのですけれども。ですから何か知らないけれども、もう場当たり的に四十四法案に関係するものをさっと持ってきて、行革審の言う補助金というのは二分の一、比較的住民本位のものは三分の一、国の分は三分の二というところにしゃにむに突っ込んだという感じがしてならないのです、私は。こういうふうな形での整合性の問題については一体大蔵省は、事務当局どういうふうにお考えになるのか、その辺説明してください。
○政府委員(篠沢恭助君) まず、本日の新聞記事は私も拝見いたしましたが、この繰り延べの問題を今後財政再建過程の中でどう処理をしていくかというのは極めて重要な課題と考えておりますが、この新聞にございますように、優先順位的なものをつけてどうするかこうするかといったようなことが書いてございますが、私どもまだそこまでの検討をしたわけではございません。いずれにしても、全体としてこの問題を重要な問題として考えていきたいということでございます。 それから、この法案の中で厚生省の関係では厚生年金への国庫からの繰り入れの特例分が盛り込まれておるわけでございますが、他方財源確保法に単年度の繰り入れ特例といたしましての政管健保への繰り入れ特例というものがございます。 この取り扱いでございますが、まず厚生年金の繰り入れ特例につきましては、御承知のとおりこれが臨調第一次答申の趣旨を踏まえました行革関連特例法、昭和五十六年の秋に成立いたしました行革関連特例法で初めて五十七年度から措置されまして、結果的に六十年度までこれが続いたわけでございます。さらに六十一年度の、前回の補助金特例法におきまして、他の補助金等に係る措置と共通の性格を有するものとして一括して措置をされたところでございます。そして、今回の法案はこの六十一年度の補助金特例法に定められたすべての措置につきまして改めて検討を行い、所要の措置を講じたということでございます。そして、それを総合的に御判断を賜りたいということで、六十一年度と同様の形で法案の提出を行わしていただいておるということでございます。 他方、各年度の財源確保法におきまして措置をされております政管健保への繰り入れ特例は、御承知のとおり政管健保が単年度の短期保険ということで、その中で単年度ごとのいわば資金の余裕というか、決算上の剰余が出てくるということに着目をし財源確保のために講じてきております。これは法律上具体的な金額を一つ一つ書きましてこれだけお願いをいたしたいという形で法案化しておるわけでございますが、このような経緯的な問題がございまして、本年度においても従来と同様財源確保法で措置をさせていただきたいということで別途法案をお願いをしておるわけでございます。主として経緯的な理由でございますが、そのように取り扱わしていただいておるわけでございます。
○山本正和君 詳しく御説明になっているのですけれども、なかなか一般にはわかりにくい、正直言いまして。 今の問題はまた後ほど出てまいりますからちょっと若干おきまして、この厚生年金の繰り延べ関係だけまず最初に厚生省も含めて質問をしておきたいのですけれども、これは附帯決議が昭和六十一年の延長の際に行われている、「厚生年金等に対する国庫負担の繰延べに係る元利の返済に当たっては、計画的かつ速やかに行うこと。」と。そして今回ちょっと少し措置されている。しかし、実際は六十年度までの分、六十三年度補正予算において返済されたとしてもまだ不十分、これはもう御承知のとおりですね。厚生省もこのぐらいはよく知っている。六十一年度以降の分についても早急に返済すべきだ、こういう基本線はこれは厚生省も大蔵省も双方ともに共通の理解に立っていると、こう判断してよろしいか。
○政府委員(篠沢恭助君) 厚生年金の国庫負担金の繰り入れ特例措置の考え方でございますが、平成二年度までに特例公債依存体質から脱却をするという目標の達成に向けてのもろもろの財政措置がございまして、その中で関係省庁の御協力を得ましてこの歳出の繰り延べとして指摘されるような措置も残っておるわけでございます。 他方、六十三年度の補正予算におきまして、御承知のとおりでございますが、六十二年度決算剰余金のほかへ予想外の税収の伸び等によりまして一時的に財政事情に余裕が生じましたことから、この際、法律上繰り戻しが義務づけられております問題でございますので、この厚生年金のこれまでの繰り延べ分についてその一部、一部と申しましても昭和五十七年度から六十年度までの四年度分でございますが、これを合計一兆五千億、利子込みで一兆五千億ということになりますが、これを繰り戻しまして特例公債の減額とあわせまして財政体質の改善を図りたいという措置をとったわけでございます。 いずれにいたしましても、平成元年度予算の方では別途特例公債減額といったような要請の中で予算編成上このような措置をお願いしておりますが、いずれにしましてもこの厚生年金の繰り入れ特例に対して後年度どういうふうに対応するかということについては重要な問題としてこれは対処してまいりたいというふうに考えております。
○山本正和君 厚生省はどうですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省としても、昭和六十一年度以降の特例措置による国庫負担金の減額分については、運用収入の減額分を含め、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後、できる限り速やかな繰り入れに着手し、計画的に繰り戻しを行うというのが現時点における方針でありますので、これらの減額については本来速やかに繰り戻すべき性格のものだと私も認識しております。
○山本正和君 さっき次長さんのお話で、まだ日経新聞のようなことには意思は固まっていないというお話ですが、日経新聞の記事はかなり具体的であるし、「時期については財政状況をみながら決めるが、早ければ平成二年度中にも繰り延べ分を完済する。」、ここまで記事が載っているわけですね。一兆三千億という六十一年度から六十三年度までの分もこういうことで措置したい、こういうことが大蔵省の間で議論されているとなると、厚生省の方はもっと気合いを入れて、こんなものはすぐ返さぬとどうにも困るぞということで頑張ってもらわなきゃいけないと私は思うのですよ。 というのは、私、社会保障制度審議会の委員にさせてもらっていろいろ議論を聞いています。そうすると、厚生年金に手をつけたということに対する非難が非常に強いのです。しかも、その中で年金繰り延べの問題が若干出てきている。そういうことからいったら、国民が老後の保障という中で非常に重要な位置づけがされているこの厚生年金から国がお金を借りる、隠れ借金をしている、これを一日も早く返済すべきだ。それはどんな財政需要が出るかわかりませんから必ずということは言えないにしても、とにかく早急にこの問題は解決したいということを厚生大臣と大蔵大臣と両方からひとつ御発言願いたいのです。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃったような趣旨のことは、今回のこの補助率の改定に伴う厚生大臣との覚書でも交わしておりまして、この赤字公債脱却をできるだけ早い機会に着手いたしまして、それから両大臣の間でその具体的な問題は協議する、できるだけ早い機会に着手するということ、それは両大臣で協議を進めますという覚書を交わしておりますので、この問題は中でも一番大きな問題だと考えておるところでございます。
○山本正和君 ひとつこれは早急な解決をぜひお願いしておきたいと思います。 それから、先ほど大蔵大臣も触れられた生活保護の問題で少し考えていきたいのですけれども、これは従来十分の八であったものが今度は四分の三、七五%、こういうことになってくる。 この生活保護の問題を国会審議の歴史でずっと見てみますと、随分大きな、非常に激しい政治問題といいますか、大臣が辞職されるというような問題まで含めて、生活保護の問題というのはいろいろある。ただ、四十年前の生活保護の状況と我が国の今日の状況とは違う。これはみんながよく知っていることです。私も社労に属していますから、生活保護の実態についても調べたし、厳正にやれということを言ったりもしているのです。 しかし、生活保護というものの思想は、これは一体どうなんだと。要するに、我が国が世界に誇り得る施策として生活保護の問題に対応していると言い切れるかと私は思うのです。となると、本来、生活保護という問題を、現在の法律あるいは憲法の条項等から見てどういうふうに御認識なのか。この辺をひとつ大蔵大臣それから厚生大臣、自治大臣、それぞれ御見識のほどをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(村山達雄君) 今度は改定補助率で十分の七・五ということで恒久化さしていただき、そしてその財源としてたばこ税の二五%を充てたことではございますけれども、それだからといって生活保護に関するこの重要性、日本における、これはいささかも変わるものではない、このように考えているところでございます。
○国務大臣(小泉純一郎君) 生活保護は大変重要な問題であり、日本にとりましてもこれからの福祉社会を維持発展させていく上においても非常に重要な制度であるというふうに認識しております。
○国務大臣(坂野重信君) 両大臣がおっしゃいましたように、生活保護ということはまさに基本的な、大変重要な問題でございます。それで、不十分でございましたけれども十分の七・五と、恒久化した補助率の中では一番高い補助率にとどめたわけでございます。
○山本正和君 特に厚生大臣に、これは御承知だと思うのですけれども、昭和二十九年、首相、内閣改造断行、通産相に愛知撲一氏、厚生は草場隆圓氏、これは当時厚生大臣が大蔵大臣と激突をして、生活保護費の問題で職を賭して生活保護基準を守った、それに端を発した内閣改造なんです。ですから、我が国の社会福祉というものは、先人の大変な並み並みならぬ御苦労の中で今日に来ていると思うのですね。 ところが、今ここで議論されている補助率問題というのは、もちろん中身は議論されていると思いますけれども、どちらかといえば財政の観点から、要するに自助努力だとかあるいは自治体に対して責任をもうちょっと持ってもらおうとか、そういういろんな発想の中できているのですけれども、これは国が何としても生活保護だけは面倒見ましょうという形でずっときているのですね。地方自治体にかぶせるという発想でなしに、国が何としてもこの部分だけは日本国民の最後のよりどころであるということで守っていこう、もちろんその実施に当たっては厳正にやらなきゃいけません。正直言って、暴力団関係者が生活保護費でキャデラックに乗ってやっている、そんなことは許されぬと思うのですよ。しかし、との生活保護というのは、日本国民にとって最後の生活のとりでという、日本国民であってよかったというこれは保障だと思う。これを単に、今までの十分の八ということの意味の大きさというのは、もっと違ったものがあるというふうに私は思うのです。 生活保護についてのいろんな議論があることは承知しています。それで学者の中でも、例えば自治体の責任はどうするのだとか、いろんな問題ありますよ。しかし、我が国の戦後政治史をずっと見てきた場合、これぐらい大切なものはなかった。それをとにかくもう国の財政がどうにもならないからということでこの前削った。もとへ戻す。何で戻すのに五%だけ削るのだ。きちっと前のとおり八〇%にせめて戻しましょう、先人の努力に対しても何とかしましょうというのがなくちゃいかぬと思うのですよ。 そういうことからいって厚生大臣、この辺随分析衝されたと思うのですけれども、最後の段階で厚生大臣も七五%ということでこれはやむを得ぬと御判断になったのかどうなのか。最後まで頑張ったけれども、結局財政当局に何といいましょうか、やっぱりお金を持っている人は強いですから、負けたのか。最後まで頑張ったのかどうか、ひとつ厚生大臣、見解を聞かしてください。
○国務大臣(小泉純一郎君) 勝った負けたという議論ではなくて、生活保護の重要性を認識しつつ、やはり国の責任ということで総合的に考え、いろいろな補助率の中でも最高水準を維持すべきである。十分の八がいいのか十分の七・五の方がいいのかというのは、それぞれ議論が分かれるところでありますが、財政再建も福祉政策を進めていく上において非常に重要なものである。総合的に勘案し、福祉の低下をもたらさないという確信を持ったがゆえに十分の七・五でよろしいというふうに判断した次第でございます。
○山本正和君 いろんな数字がありますから、これは大臣ごらんになっていると思いますけれども、この前の生活保護基準の切り下げ、それ以降やっぱりいろんな影響が出ているわけですね、現場では。 それから、私は単に五%の問題じゃないと思う。基本的には政治姿勢の問題そこのところが一体これでいいのだろうか。五%切り下げました、まあ一番高いところですから、これは自治大臣もおっしゃいましたけれども、確かにそういう意味での位置づけはされていると思うのですよ。しかし、八割であったということの意味を、なぜ五%削るのだということを国民が本当に納得できるというふうにお考えでしょうか。要するにそれはお金の問題だということしか最後は理論づけないんじゃないでしょうか。なぜ八〇%を七五%にしなきゃいけないか、国民がわかるとお思いでしょうか。その辺はいかがですか、御見解は。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私も、十分の八が十分の七・五になって実際の福祉の低下をもたらすあるいは生活保護行政の水準の後退をもたらすというふうに判断したならば、これは認めることができなかったと思いますが、そうではなくて、国と地方の機能の分担あるいは役割の分担、費用負担のあり方、それでなおかつこの補助率が一般の補助率に比べて最高水準を維持している。現に、実際の生活保護行政に当たる方は地方の方であるということも考え、お互い役割とか責任を考え、そして実際に生活保護を受ける方の水準が後退しないということの上に立ってこの四分の三について決断を下したものでありまして、私はこういう結果になったからといって生活保護行政が後退するとは思っておりませんので承知いたしました。
○山本正和君 これは数字で見ていただいたらわかると思うのですけれども、五十九年度以降の保護率、保護人員、それが減少しているというふうな問題、それからさまざまな各市町村における生活保護に対する対応あるいは職員の配置、いろいろな問題が実際はあるわけです。しかしそういう中で、私はこれはどうしても国民感情からいったら八〇%が七五%になったのだなと、これはだれが何と言っても後退だというふうにしか見ないと思うのです。しかし、ここで私がこれは大臣にお尋ねするべきことじゃないかもしれませんけれども、例えば政府・与党の中で社会労働関係の権威の方も随分たくさんお見えになるのです。与党の中でこれは本気になって議論したのですか。それから、もっと言うと、本来まず社会労働委員会で徹底的に議論すべきものだと思います。それが、先ほど冒頭に言いましたけれども、一括法案ではさっと持ってきて、四十四法案の中の一つです、補助率の問題です、行革審云々ですということでは、国民のこの種の問題に対して知る権利あるいは聞く権利が少々おかしくなっているのじゃないかという気がするのです。その辺については、御見解はいかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 与党のそれぞれの意見がどうであったか、こうであったかということは、私の立場から言うのは適当かどうかわかりませんし、私自身与党の議員それぞれ一人一人がどういう意見を発したのかということまで詳しく知りませんが、いろいろな議論を重ね、厚生省内部あるいは大蔵省当局といろいろ十分な討論、議論を重ねた上でこういう結論を見たということを御理解いただきたいと思います。
○山本正和君 ですから、役所の中では、厚生省、大蔵省の間で相当突っ込んだ議論があっただろう、これは私もわかります。しかし国会に提案する段階で、与党内の議論というもの、さらに与党内の議論がまとまったとしても、国政のこういう場で、少なくともこの種の問題については責任を持っている常任委員会でもって議論をすべきであると私は思うのです。その点についてはいかがですか。今日はここまできていますから、これを今やれということは私は言いません。しかし、本来どうあるべきだということについての大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(小泉純一郎君) もちろん与党内には政務調査会というものがございまして、各部会もあります。厚生省関係の部会としては社会部会とか、あるいは労働省でありましたら労働部会、大蔵省は財政部会、それぞれ部会の議論を重ね、部会の了承を得、その上に今度は政務調査会、この中で議論もし了承を得、さらに総務会の了承を得て結論を得て法案として上がってくるものでありますので、与党内においては当然議論があり了解を得て提出されたものであります。
○山本正和君 ひとつ、与党内部での論議等も含めて、生活保護問題、基本的な立場からぜひもう一遍議論をしていただきたい。これは特に担当省庁ですから、厚生省の中でももっと過去の歴史をさかのぼって、そして生活保護の実態、本当にいろんな問題点がたくさんありますけれども、そういうことも含めて十分な御検討をお願いしておきたいと思います。ぜひ次の年度では八〇%に戻すように何とか頑張っていただきたい、こう思います。これは私どもの方からも盛んに言いますけれども、今度はもう与野党を通じて社会労働委員会でこれを何とかやろうということを提案していこうと私は思っているのです。本当におかしいです。これはどう考えても説明しようがないのです。あなたたち国会で何しておったのだと、こう言われる。その辺はぜひ今後の問題として、特に大蔵省、どうしても財政の方に目が向きがちでございますから、その点については十分ひとつ御検討願いたいと思います。一次に、これは法案に直接は関係しませんが、老人保健の問題でちょっと聞いておきたいのです。 これは大変な老人保健拠出金の増加がございます。六十二年度の決算状況、これを見ると健保組合は拠出金のために赤字になってしまっている。一体これはどうなっていくのだろうかという健保組合への大変な心配があるのです。老人保健問題というものを一体国は今後どういうふうに考えていくのだろうか。例えば現行国二割、地方一割となっている公費負担率というのがありますね。そういうふうなものも含めて実際の話、老人保健問題というものは共済組合にしてもあるいは健保組合にしてもいろんな影響がきている。こういう問題に対して一体今後どういうふうな格好でこの問題を考えていこうとされるのか、ひとつこれだけお聞きしておきます。
○政府委員(多田宏君) 老人保健制度につきましては、平成二年度に制度を見直すという法律の規定がございまして、現在老人保健審議会で検討を始めつつある状況でございますので、その結論を待って対処していきたいと考えております。
○山本正和君 審議会での議論というのは確かに自由な形で討論がされ、意見が述べられるべきでありますけれども、やっぱり主管省庁が一定の方向性というものを持っていなければなかなか議論というのは詰まらないと思うのです。ですから今老人保健問題、いろんな議論が出ていますけれども、要するに現在の公費負担割合三〇%、これはこのままでいいのかどうなのか。私は全額なんということは言いませんよ。例えば五〇%ぐらいにすべきだというふうな議論は、これは諸外国等も含めていろいろ考えていって、我が国の状況を考えた場合にそういう議論があってしかるべきじゃないかと思うのですけれども、そういう問返は省内では議論されたことはありませんか。
○政府委員(多田宏君) 先生御承知のように、老人医療費の公費負担割合というものにつきましてはいろんな議論があってこういう分担関係になっているわけでございますので、この率を変えるということについてはかなり制度の根幹に触れる問題だろうと思っております。したがって、軽々に私どもの方で今どうこうというようなことを申し上げる段階ではないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○山本正和君 とにかく現在のままでいきますとこれはもう健康保険組合の財政は破綻する、このままの状況でいくと。しかも一番議論されたのは、政府は消費税導入は高齢化社会への対応だと言いながら、今度の平成元年度の提出された予算の中には1健保組合はとにかくこのままではもう財政が破綻するということで大変今健保組合の当事者の方々は心配してみえますし、また加入している組合員、これはもう大変な数ですけれども、その人たちも大変な不安感がある。しかし、政府は消費税出すときに、要するに高齢化社会に対応する、こういうことを盛んにおっしゃっていますね。ところが平成元年度予算案を見ると高齢化社会に対応する予算というのがどこを見てもない。老人医療問題はどうなったのだ、何にも出てないわけです。ですから、この前の社会保障制度審議会での議論の中でも、学者の方々からかなり出た意見は、消費税というのは高齢化社会に対する対応というのは本当にあったのですかとみんな首をかしげるわけです。大蔵大臣、消費税導入と高齢者問題とそれから平成元年度予算、元年度予算でやらないなら二年度でやるのかもしれませんけれども、その辺についての今後の御見解をひとつ承っておきたい。
○国務大臣(村山達雄君) まず、税制改革の方でございますけれども、高齢化との関係でございますが、今の改正前の税制というものは、個人についていいますと所得税に非常に偏っておる。税は御承知のように稼得所得に深税するわけでございます。それから一方、消費税は非常に古い形の個別消費税である。今日、個別消費税で消費に関する負担の公平を期するということは非常に難しくなってきておる、こういうことが第一あります。それから、こう考えていきますと、言ってみますと、高齢化社会に向かいますと所得を稼得する人の数は急速に減っていくわけでございます。一方、消費人口は人口の増加に従ってふえるわけでございます。そういう長期展望に立ちますときに、税制が稼得所得にウエートを催くものから消費にウエートを置いた方がよろしいということは当然のことであろう、こう思うわけでございます。 もう一つは、税収の安定の問題でございますが、所得課税、特に法人税が非常にフラクチュエートすることは御三内のとおりでございます。その意味では安定したものにしたい。消費の方は非常に安定しております。 それから、歳出の方でございますけれども、一番大きなのは在宅三本柱というものに思い切って力を入れているところでございます。それ以外でもそれぞれ、生活保護の水準の引き上げあるいは措置費のあり方、老人福祉年金のあり方、そういったところに当然配慮をしております。そして、物価スライドの関係は完全スライドにいたしまして、平成二年度以降は平成元年度の物価の実績で当然スライドしていく、こういう仕組みにいたしておるところでございます。
○山本正和君 大臣が大変丁寧にお話しになるものですからかみ合わないのですが、私がお尋ねしておった中身は、消費税導入というときの理由づけに高齢化社会に対する対応ということを言っておられた。だから、それが例えば平成元年度予算の中では消費税の導入によって増収分が二兆何ぼある。そうしたらそのうちの仮に三分の一は厚生省に上積みしましたよと、極端なことを言えば、それぐらいにすれば皆わかりやすいのですよ。何か散らばってしまって、全体の予算を見ると厚生省の予算はちっともふえていない。こういうところが大変、何か知らないけれども、国民からは逆にまた消費税、大蔵大臣は一生懸命になって消費税の宣伝をしておみえになるけれども、不評の原因の一つです。ですから、ひとつ次年度、私は消費税はことしじゅうにつぶれると思うのだけれども、もし残るのなら、来年度はこうしましたよということぐらいやる気があるのかないのか、その辺はひとつ大臣どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは二十一世紀に向かっての公平な税制をつくる、それから歳入構造を所得、資産、消費、これにバランスを置いたものにしたいという長期計画なのでございます、税制の改革は。 消費税が予定以上に入ったとかなんとかという話でございますが、消費税は当然一般財源で考えているわけでございまして、社会保障にもし重点で何かしたとすると税金のどの部分が充てられたか、これはちょっと言い切れない、それが要するに一般財源です。その方が全体として財政は効率的になるであろう、こういうことを考えておるということでございます。
○山本正和君 どうも大蔵大臣のお話はずっとぐるぐる回って、しまいにはわからなくなるのですけれども、私が要望しておきたいことは、消費税が私どもの考え方、国民世論からいってこれは本年度中に廃止されるのじゃないかと私は確信しているのですけれども、仮にもし残ったとした場合には、これはやっぱりちゃんと消費税というのは位置づけしましたよと、それをやらぬことには政治家としての公約違反になりませんか。だから、来年度の平成二年度予算にもし消費税が残っておったら、厚生予算は例えば今までの伸び率よりもこれだけ伸びましたよというものが出ぬことにはおかしいのじゃありませんか、こういうことを言っているのですが、これは要望で、それだけ言っておきます。 それで今度は、文部大臣に来ていただきまして、大蔵省も自治省も含めて義務教育費国庫負担問題で少し質問をさせていただきたいのです。 実は、昨日衆議院の大蔵委員会を傍聴しておったのですけれども、リクルート問題で高石前事務次官問題が取り上げられていろいろやっておったのですが、私はこう思っておるのです。文部省というところは一番清潔で、どっちかといえば利権なんかはほとんど関係のない、そして仮に文部省のお役人をおやめになっても比較的恵まれないポストにしかつけない、いわゆる国民から見て非常に清潔な、そしてそういう中で、私自身も随分の方を存じ上げておりますけれども、本当に立派な方が多かったと思っているのです。高石さんというのは特別だと私は思うのです。もう突然変異みたいに出たのじゃないか、こう私は心配しておるのです。ですから、文部省内でああいう特別な方は今後ありませんよということで、ひとつ大臣、今後ともそれらについてのお取り組みをいただきたい、こう初めに要望をしておきます。 それで、義務教育費国庫負担問題でありますが、これが生まれた経緯、義務教育費国庫負担法が制定された経緯、もう恐らくこれは文部大臣は御承知でございましょう、専門家ですから。私が思うのは、大正以来あるいは明治以来、学制発布以来、日本の国が今日こういうふうになってきた背景、これは義務教育の早急な普及だと思うのですよ。今日、経済大国とかなんとか言っておりますけれども、ほとんどの日本人がみんな字が読める。読み書きそろばんができるということを達成したのはうんと早いのですね。しかし、そのために払った明治以来の地方住民の犠牲というのは大変なものです。 私は三重県出身ですが、三重県の大台町、もっと小さな村だったのですけれども、そこの村長さんが大正時代から昭和にかけて義務教育費国庫負担ということで大変な運動をされた。全国を走り回って、そして当時の国会に一生懸命働きかけて、この義務教育費国庫負担法というのが一応昭和十八年になってどうやら格好がついた。それまでにもさまざまなことがあるのですけれども、その方をしのんで胸像を三重県に建てたのです。 そのときに、いかに大変なことか、教育ということのために住民に、父母にかける犠牲、自殺者が何人も出ているのですよ、町村長さんに、金がないと。しかし、明治政府は日本の国を一挙に先進国に近づけるということのために大変な命令をしたのですよ、お金は出さないで。その中で市町村が大変な犠牲を強いられながらやってきた。戦後、私は記憶しておりますけれども、昭和二十二年に六三制ができた。六三制ができたときに中学校を建てなきゃならぬ。金がないのですよ。国も金がない。みんな地域の住民が金を出してつくったのです、青空学級というものを。そういう中で、国がそういう明治以来の義務教育というものを重視しようという中でこの義務教育費国庫負担法ができているわけです。そして、学校の職員というものは校長先生を中心にして用務員さんに至るまでみんなで一丸となって子供に当たるのです。役所ではないのですね、会社でもないのです。何としても学校がまとまらなければ本当に子供の教育ができない。 ところが、その子供の教育ができない中で、私はこの義務教育費国庫負担法というのは大変いい法律だと思っているのです。学校で働く職員というのは用務員さんでも、これは恐らく大臣も昔小学校の記憶おありになるかと思うのですけれども、小使のおじさんたち、小使のおばきんたち、あの人たちがどのぐらいその当時の子供たちに教育上の影響を与えたか、みんな一緒なんですね、子供にとって。そういう中で、どうも十年ぐらい前から学校で働く職員を機関的職員だと、あるいは事務職員、栄養職員というようなものは先生とは違うじゃないかというふうな議論がされている。私はおかしいと思うのですよ。学校で働く職員ということでぴしっとまとめて法律で定められているものについては義務教育費国庫負担法の対象の中できちんと位置づけるべきだ、こう思っているのですよ。 そのことについてひとつ文部大臣、それから大蔵大臣、自治大臣に、特に自治体の市町村長さんというのは学校建築も含めて大変御苦労が多いのです。それだけに学校の現場も知っていると思うのです。そういうものも含めて三大臣から義務教育費口底負担法、今学校で働く人間の問題、これについてのお考えをひとつ聞かせてください。
○国務大臣(西岡武夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、義務教育費国庫負担制度という制度は、憲法そして教育基本法の定める義務教育無償、教育の機会均等という要請にこたえて教職員の給与費の国庫負担を行っているところでございまして、委員が御指摘の事務職員、栄養職員につきましても、文部省といたしましては学校の機関職員である、このように認識をし、今後とも義務教育費国庫負担制度の対象としてまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(村山達雄君) 義務教育制度がいかに大事であるか、そしてまた、国庫負担法の問題、これが大事であるかということは私どももよく認識しているつもりでございます。 諸外国に比べこれだけ急速に近代化し、そしてまた、戦後このように廃墟の中から立ち上がったというのは、ひとえに教育水準が普及しておる、そういうことが大きくあずかって力があったということは私もそのとおりだろうと思います。 事務職員あるいは栄養職員、機関的職員であるかどうかという、その機関的という意味がよく私にはわからぬのでございますが、それぞれ大切な職員だろうと思います。しかし、教育に当たっている先生、それから事務に携わっている先生、それから学校給食制度でございますので、それぞれ子供の健康に留意してメニューをつくり栄養が過不足にならぬようにしておる、そこにはおのずからやっぱり職分の煙いがあるということだけは確かでございまして 大事でないものは私は一つもないと思います。機関的という意味がわからないものでございますが、そのように認識しておるところでございます。
○国務大臣(坂野重信君) 山本委員の非常に温情あふるる熱烈なる御意見というものをよく打聴いたしました。 二つの意見があることは私も承知いたしております。事務職員、栄養職員も国庫負担法の対象にすべきだという意見と、一般財源化すべきだという意見はございますけれども、よく先生の意を体して、厚生省また大蔵省とも相談をして慎重にひとつ検討してまいりたいと思っております。
○山本正和君 大蔵大臣が機関的職員とか機関職員とかちょっとわかりにくい、こうおっしゃったのですが、私が申し上げた中身は、例えば小学校で子供が池にはまって死んだ、あるいは中学校の子供が家出したとなりますと、学校は全部集まって、事務職員も栄養職員もないのですね。みんな集まってどうしようかと相談するのです。それぞれ手分けしてあちらこちら走り回る、そういう中で、あの先生は事務の先生だからということで身分上の差がある、身分上というか、要するに義務教育費国庫負担法の枠から外れているということで、学校の中における違和感というものがどうしても出てくるわけです。 ですから、行政の筋からいけば、ひょっとしたら事務は事務なんだ、教諭は教諭なんだと、それはそれでいいんです。しかし、学校運営ということからいったらそうならない。これは全国の校長会といわず、PTAといわず、義務教育費国庫負担法の中における学校職員の位置づけ、これを義務教育費国庫負担法の中できちっとして低しい、これはすべての人が共通して願っていることだと私は思うのです。この辺は自治省の中でのいろいろ議論があることはよく承知しております。特に局長以下の中ではさまざまな法律上の建前から、行政府の建前から議論があることは知っていますよ。しかし、学校におけるその問題についてはそういう行政の筋論ではなしに、学校の現場論というものを理解してもらわなければなかなかわからぬです。 先ほど坂野自治大臣のお話を私は大変うれしく思って、やっぱり一緒にボンに行って小学校を見ていただいただけあって教育はよくおわかりだ、こういうふうに思うのですけれども、どうか事務当局から大臣につまらない入れ知恵をしないように、この場で私は申し上げておきます。 三大臣の御見解は、学校で働く職員はみんな一つになってやっていくようにすべきだと思っている、こういうふうにお考えだということで承ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(西岡武夫君) 委員仰せのとおりでございます。
○国務大臣(村山達雄君) 現場のお話として、よく承っておりました。
○山本正和君 実は今度の補助率問題は共済の長期給付の問題等が出ていますが、これも本来的にいえば義務教育費国庫負担法の中にある教職員の給与、こういう中に位置づけられているものを一般財源化するわけですから若干議論があるのですけれども、それよりも、前回ですか、教材費等が一般財源化されました。そういう財源化された状況について若干文部省にお伺いしたい。 追加費用問題ですが、これは二年度まで暫定措置を延長する、こうなっていますけれども、三年度以降はどういうふうに扱うおつもりですか。
○政府委員(倉地克次君) 教材費の地方公共団体における予算の措置状況でございますけれども、これは当初予算ベースで全国総額約三百五十七億円となっておりまして、昭和六十二年度に比較して約八億円の増額になっている次第でございます。 私どもといたしましては、各地方公共団体におきます地域や学校の実態に応じまして所要の経費が確保されまして教材の歌仙が的確にさらに行われるよう引き続き指導し、必要に応じ地方交付税措置の充実も図られるよう今後要望してまいりたい、このように考えておる次第でございます。 それから、三年度以降の共済費の取り扱いの問題でございますが、これは今後その時点におきまして関係省庁と十分協議してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○山本正和君 どうでしょう、今度の措置で現場に対する影響についてはどういうふうに把握してございますか、現場に与える影響。
○政府委員(倉地克次君) 共済費の現場に与える影響というふうに承った一わけでございますけれども、これにつきましては共済の支給水準そのものは地方公務員共済組合法などにおきまして個々的に決められておりますので、財源を若干一般財源の方へ繰り入れましてもその支給水準自体には影響はないというふうに考えておる次第でございます。
○山本正和君 ちょっと心配なのがあります。これは大蔵省も関連するかとは思うのですが、平成二年度の文教予算をちょっと見通して検討してみますと、恐らくことしのベースアップ分、教育は人なりといって人件費が余計要るのですが、ベースアップ分あるいは長期給付の二分の一復元分、こんなことを見ていくと、来年もし仮に一%ベースアップがあったとした場合どれぐらい上がるのだろうか、あるいは三%ベースアップがあった場合どれぐらい上がるのだろうか、こうやって考えていくとかなり厳しい感じがするのですけれども、平成二年度の文教予算の中に占める人件費、これについて若干数字をお知らせ願えませんか。
○政府委員(倉地克次君) 平成二年度におきます人件費の割合についてはまだ私ども試算しておりませんわけでございますけれども、元年度についての人件費について申し上げますと、文部省予算全体の中に人件費の占めておる割合でございますが、これは七七%というふうになっている次第でございます。
○山本正和君 一%ベースアップがあったら一体義務教育費国庫負担金はどれぐらいふえますか。
○政府委員(倉地克次君) 一%のベースアップによりまして義務教育費国庫負担金は約二百二十九億円程度見込まれるというふうに考えている次第でございます。
○山本正和君 それから、今回の特例等の措置によって義務教育費国庫負担金が、これは額でお願いしたいのですが、どの程度削減されますか。
○政府委員(倉地克次君) 今回の措置によりまして千四百十億円程度削減されているということでございます。
○山本正和君 経費の負担率が二分の一に今度は復元されるとなると、平成二年度、これは義務教育費国庫負担金はどの程度増加いたしますか。
○政府委員(倉地克次君) 長期給付に要する経費の負担率を二分の一に復元いたしますと、平成二年度におきまして約三百五億円程度見込まれるということでございます。
○山本正和君 それから、平成元年度の公立学校施設整備予算、これは六十三年度に比較しますと大変大幅な削減になっているようですが、これはどういう理由に基づいていますか。
○政府委員(倉地克次君) これは目下、児童生徒数が大変減少しておりますし、また最近の施設の整備水準が相当程度向上しているわけでございます。そうした要因によりまして、小中学校校舎の新増築事業でございますとか、小中学校の危険建物改築事業、それから高等学校の新増設事業などの事業量が減少しているというのが実態でございます。ただ、そういうことではございますけれども、私どもといたしましては市町村から要望の強い大規模改造事業などにつきまして、補助内容を充実するとともに予算額も増額しているわけでございまして、私どもといたしましては地方公共団体の計画事業量を勘案して所要の額を計上していると、このように考えております。
○山本正和君 ですから、今の数字等ずっと含めて考えできますと、私が大変心配しますのは、昭和六十年度に旅費、教材費の一般財源化が行われたわけです。ということで、その後都道府県や市町村での教育予算の水準がどうなっているだろうかというふうなことを見てみたのですが、大ざっぱに言いますと大体三分の一ぐらいは逆に自治省の示す基準よりも上回っている、市町村独自で教育予算を充実しているところがある。また三分の一ぐらいは余り変わらない。三分の一ぐらいはこれはどんと減っているというところもある。こういうふうな状況になっておりまして、六十年度からの一般財源化のために、これは当然交付税ですから市町村が主体的に自主的に判断してお使いになる予算です。しかし、そうはいっても義務教育ということからいった場合には、これは国民すべてが一定の水準というものを持ってやっていかなきゃいけない。そういう中で、本当に教育熱心な首長さんと、不熱心とは言いませんけれども、どちらかといったら道路や橋をつくるのに一生懸命になる首長さんと、やっぱり出てくるわけですね。そういうふうなことについて、自治省は自治体を指導する立場からどういうふうな御判断になっているのか、その辺をちょっとお伺いしたいのです。
○政府委員(紀内隆宏君) この教材費の問題を含めまして、補助金を一般財源化する場合には御質問のような点も懸念されるということでございまして、毎年度財政運営に当たっての留意点を事務次官名で通達を申し上げますけれども、その際に、「国庫補助負担金の一般財源化が行われた事業については、所要の財源措置を講じているので、地方財政計画等を踏まえつつ、適切な予算措置を講じるとともに、一般財源化の趣旨に沿い、地域の実情に即して自主的な事業の実施に努めること」と、このように指導しておりまして、各団体においてその趣旨に沿った適切な予算措置が講じられるよう今後とも指導してまいりたいと考えております。
○山本正和君 文部省はこの種の問題についてはどういうふうに市町村に対応されるのか、それについてお伺いいたします。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 文部省といたしましても、今後とも必要に応じまして地方財政措置の充実ということにつきまして強く要望をしてまいりたいと考えておりますし、所要の経費の確保につきましては、確かに委員御指摘のとおりに全国の地方自治体によって若干のばらつきはやはりあるのではないかという認識も持っておりますので、十分地方公共団体に対しましてもそのような形で教育関係についての経費が水準を下回らないように今後とも指導をしてまいりたい、このように考えております。
○山本正和君 それからもう一つは、補助率の引き下げ措置が延長される。これはどうしても今の流れからいきますと、公立学校施設整備というふうな問題にもいろんな判断が出てまいります。そういうふうなことで、一体公立学校施設整備に全く支障が起きない、この補助率の引き下げ措置の延長というふうなものがですね、こういうふうなやっぱり保証をしてほしいという声は現場では非常に強いのですけれども、この問題についてはどういうふうに対応されておられますか。
○国務大臣(西岡武夫君) お答えいたします。 既に委員御承知のとおりに、今回の補助率等の引き下げ措置の延長に伴います地方公共団体の負担の増加分につきましては、その全額につきまして臨時財政特例債の対象とするとともに、その元利償還費につきましても地方交付税でこれを措置するということにいたしております。したがいまして、地方公共団体の公立学校施設整備に支障が生じているということではないと、このように考えております。
○山本正和君 そこで、ちょっと居た厚生省に戻るのですけれども、たばこ税でもって賄うこういう地方財源、社会福祉の切り下げの部分です。そうすると、たばこというのを一体どの程度見込んで、先ほど千二百幾らという話がありましたけれども、これは大体ふえる方向にあるのか減る方向にあるのか、あるいは現状でいくのか。厚生省というのは斎藤厚生大臣のときに、私は大臣在任中は禁煙いたしますということをおっしゃった。そうすると、厚生省としてはたばこというのはなるべく吸わぬ方がよろしいよ、こういう指導をおやりになるのだと思うのですけれども、その辺の矛盾についてはどうお考えでございますか。
○政府委員(末次彬君) 今回の補助率の恒久化に際しまして、地方の財源といたしましてたばこ消費税の二五%を入れるというふうになったわけでございますが、これは交付税制度そのものが、地方財政計画を立てまして全体として地方財政が適切に運営されていくということを念頭に置いて決められたというふうに承知いたしておりまして、このたばこの消費そのものと今回の補助率見直しの対象になりました経費そのものにつきましてのそういう直接的な関連があるかといえば、これは必ずしもそういうことにはならないのじゃないかというふうに考えておりまして、総体といたしまして今後の地方財政が円滑に運営されるよう配慮されていくというふうに理解しております。
○政府委員(篠沢恭助君) ちょっと補足をして御説明をさせていただきますが、たばこ税の二五%を交付税の対象といたしましたが、その措置額は、交付税額は平成元年度におきまして二千三百三十億円というふうに見積もっております。 それから、将来のたばこ税の税収動向につきましては、人口の増加というものはある程度見込まれるわけでございますが、喫煙率の動向など不確定な要因が多く、その将来推計というものを行うことは極めて困難でございますが、たばこ税を恒久財源として措置をしたということについては不適切であるとは考えていない次第でございます。
○山本正和君 私の友人のお医者さんがこのことを聞いて、一体どういうことになるのだろうか、なぜたばこ税の方をここへ持ってきたのだろうか、ほかにもあるじゃないかと。というのは、従来の料飲税が六%に、三%三%になった。その分を例えば地方にくれるとかなんとかして。何で不健康なたばこ税を厚生省の健康を一番預かるところの足りない部分にそれを持っていくのだと。何かいわれが、たばこにした方がいいという理由が大蔵省としてはあったわけですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 今回の補助率等の恒久化に当たりましては、御承知のとおり昭和六十一年度以降、たばこ消費税につきまして特例措置が講ぜられまして、地方交付税の特例加算として地方に配分されてまいりましたという経緯などがあるわけでございます。また御承知のとおり、地方の方での財源対策といたしましても、地方のたばこ消費税、これにつきまして特例的な増収措置が講ぜられておりまして、これがいわゆる千二百億と言ってまいったわけでございますが、そのようなものが存在をしておりましたといったような経緯等を踏まえましてこのように決めさせていただいたわけでございます。
○山本正和君 それでは、時間が参りましたので最後に、冒頭に申し上げましたように、この種の補助金削減一括法案というような形でのものがく後はこういう形での論議をしないで済むように、そして国の基本的な政策にかかわる問題についてはそれぞれの常任委員会で十分議論ができるような形での今後の提起をしていただきますように要望いたしまして、私の質問はこれで終わります。
○中野明君 法案の審議に先立ちまして、四月一日に私どもの反対を押し切って強行された消費税の問題について、参議院としては初めての委員会でございますので、先ほど来話がありますけれども、私もこの問題について二、三お聞きしたいと思います。 それで、閣議では大きな混乱がなかったとかあるいは平静に実施されているというふうに報告がなされておるわけですけれども、大蔵大臣として、大きな混乱がないということは、想定される一としたらどんなことを想定されておったのですか、もし混乱があるとしたら。
○国務大臣(村山達雄君) 大きな混乱がなかったという認識でございますが、当時、その前にやられました心配というのは、値づけを決められない人、値づけがどうなるであろうか、それから表示がどうなるであろうか、それから一円玉が足りないかどらか、あるいは非常に事務に手間取ってそれでレジのところが込み合うかどうか、それからあるいは便乗値上げ等の声が出るか出ないか、あるいは弱い者いじめといいますか、独占禁止法違反あるいは下請代金遅延防止法違反のようなものが出るかどうか、もろもろのものがあったわけでございます。そういったことからいいますと、随分新聞等では事前にはいろいろ言われておりましたけれども、これは人の予想との違いでございますが、それほどのことはなかったということでございます。 なお、ついでに申し上げますと、一口それから明けて三日の月曜日、この辺のいろんな電話とか苦情といいますか、相談、苦情は大体同じ程度でございましたが、四日、五日となりましてずっと今下がっております。 大蔵省に関する問い合わせでございますが、漸次、納税者の方からの苦情とかそういうものより府業者の方が相対的に、絶対としてはずっと件数は減っておりますが、事業者の方が相対的にふえ て、仕組みに関する相談が少し多くなったと聞いております。
○中野明君 これは要するに、この法律を見てみますと、まず当初の施行期日は昨年の十月から施行されるということであったのですけれども、実際に施行されたのは昨年の十二月三十日です。ですから準備期間がわずか三カ月ということですね、四月一日まで。総理はなじみの薄い税金だからということをたびたびおっしゃっているのですけれども、そんななじみの薄い税金で、しかも当初法律では十月を予定しておったのが十二月の末ですから、丸々三カ月おくれているわけですね。そんな拙速なやり方をして、それでそれが国民全体に浸透していると思われるかどうか。口にちが短いから苦情もこれからだと思うのですよ。これからどんどん、毎日毎日買い物をするし、そして賦課をしようと思う人もそのままにいこうと思う人も今迷って見ているわけですし、そんな状態であるのですから、国民の本当の気持ちというもの、これをやはり感知してもらわないと大変な問題が起こってくるのじゃないか、私はそう思うわけです。 国民の大多数の人たちは、ここ数年来、量販店の新聞の折り込みの広告、あれがもう新聞の本紙と同じぐらいの厚さで入っているのですね。そしてそれを見て、あっ、ここは何円安いとか、ここはこれが目玉だとかこういうことで、自分のげたのちび代というのか、靴のちび代まで計算に入れてもまだ得だというので、もう右左走っているわけですね。それぐらい買い物について神経を使っている。このような人たちが毎日毎日これから買い物するたびに課税されてくるのですから、問題が起こってくるでしょう。そういう庶民の気持ちというものを考えれば考えるほど、この税金というものは、もう現場へ行って聞いてみると、かける方もそれから消費税を払う方も、こんなものはやめてもらいたいという声が圧倒的にこれからますますふえてくるのじゃないか、このように私は思います。 それで、竹下総理が言われた九つの疑問、矛盾、これだってどれ一つとして満足な解決はしておりません。税の逆進性あるいは不公平感の加重、非課税世帯の直撃あるいは税率のアップあるいは課税の不徹底、自治体が持っている懸念、このようにもつあるのですけれども、どれを見ても一つも解決していない。そういう状態の中で拙速にやって問題がないというふうに、まあまあよかった、そんなに騒がないでよかったというふうに思っておられるのは、非常に私は国民の感覚とずれているのじゃないか、そういうふうに心配をするわけです。 特に、消費者側の一番の不満を高めているのは、自分たちが消費税と思って又払ったその消費税の一部が国年に入らないで事業者の懐に入るという問題。いわゆる納税免除あるいは簡易米税、限界控除、これなどの制度によって事業者の納税の簡素化ということは一つありますね。これは確かにそのとおりですが、と同時に、消費者の不信感のあらわれ、この二つがあるわけですね。消費者のことは一つも考えていない。とにかく消費者にかわって納税をしてくれる業者の利便はかりを考えている。 結論として、事業者の納税簡素化を採用して、消費者の不信感の高まりを犠牲にしたと言ってもいいぐらいのことになっているわけですが、その点、大蔵大臣どうお考えになっておりますか。
○国務大臣(村山達雄君) まず、期間が短かったのではないかという点、それから簡易課税それから免税点の二点について申し上げたいと思います。 期間が短かったかどうか。確かにあれは十二月の末ごろ通りまして施行は十二月三十日になりました。実施にはどうしても政省令を必要とするわけでございますので、その間政省令の手当てのためにおくれました。こういうことでございます。 あのころの世論調査を見ておりますと、消費税に関する理解度といいますか周知度は非常に工円かった、八〇%ぐらいの周知度でございました。にもかかわらず、税制改承という問題、大変なこれはネット減税をやっておるのだ、あるいは一般的な家庭にとっては消費税の創設、これはもちろんその六割以上既存間接税をつぶしたわけでございますが、それと所得税、住則税の大減税、それによって手取りがどれだけふえるかということは政府が詳細に計算しているのでございますが、それについての周知度はほとんどなかったという点でございます。ですから、言ってみますと、消費税というのは新しい税でございますから、旧税は良税、新税は悪税という言葉がございます。なれた税金の力がどうしてもよろしい、これは感覚的には当然なことであると思います。 ですから、消費税は、消費者からいえばく、まで取られなかったものが三%上乗せになる、一般的に言いまして。事業者からいえば厄介なことになった、こういって不満が出るのは極めて当然だろうと思うのでございます。しかし、これは税制改革の一環としてやられるという積極面がほとんど理解されていなかった、これもあずかって力あっただろうと思います。 そこで、簡易課税、免税制度でございます。肯うまでもなく納税義務者、事業者の事務負担を軽くしようということでございます。 この施行に当たりまして、新聞にも出ておりますが、課税事業者を考えてみますと大変な事務負担をお願いしているわけでございます。ソフトを導入するだけでも何億とかかったという人がよく出ております。同じようなことでございまして、免税事業者につきましても、もし同じように課税事業者にしようとすれば、例えば、うちは計算できないから人を一人雇いましょう、こうなりますと、初任給が今二十万近いわけでございますから、それだけでも二百数十万コストアップするわけでございます。これは三%の転嫁のほかにコストアップが来ますから、中小企業者が従来の利益、所得を確保しようとすればどうしても転嫁しなくちゃいかぬわけでございます。そういう点を考えまして、消費者の立場をもあわせ考えてどの辺が一番いいであろうか、こういうことで入れたわけでございます。 そして、これの最終的の功罪というのは、納税時期が一番早い人で九月になっておりますから、簡易課税について申しますと、どれぐらい簡易税額を選択してこられるか、この実績を見ないとわかりません。それからまた、その人がどのような値づけをしたのであろうか、これもまた見なくちゃいけません。その人の法定マージンと実際のマージンとの差の三%が問題になるわけでございますが、それはまず、この新税を実施するに当たって、まずまずこの辺なら常識的ではないかどうかというそこの判断が出るわけでございます。今は途中でございますので、大体我々の感じでは、一種の感覚をつかむのにはどうしても三カ月くらいを要するであろう。しかし、今の功罪の問題が出てくるのは、恐らく九月末に申告していただかないと最終的にはわからぬ問題ではないであろうか、このように考えているのでございます。 そして定着状況、委員は大混乱だとおっしゃっておるのでございますが、新税というものは比較的トラブルの多いものだが漸次おさまっておる、こう思っておるのでございまして、だんだん国民経済に溶け込んでいくのではないであろうか。何回も私は税制改革をやっておりますが、今度のは初めてでございまして、難しいとはいいながら、やはりだんだん溶け込んでいる、私はそう思っておるのでございます。
○中野明君 大臣大分考えが違うと思いますよ。税金と思って納めたものが丸々国庫に入らないということについて、これはなかなか説得できませんよ。だれが説明しても説得できません。経費がかかるのならば、ほかの面で手当てをするというならわかりますけれども、税金として納めた分を納めなくてもよろしいというこの論理というものは絶対わからないと思います。幾ら説明しても消費者は納得しないのじゃないか、こう思いますので一言言っておきます。 〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕 それから、公取委にお尋ねをするのですが、商店街のカルテルの問題なんです。第一号は烏山駅前通りの商店街で、各商店が足並みをそろえれば組合員間の不協和音も生じないし、お客様もまごつかないだろうとしてカルテルを結んだようですが、これについて消費者から何か苦情は来ていますか。
○政府委員(糸田省吾君) 今回の立法措置で消費税の転嫁の方法のカルテルと表示のカルテルが認められているわけでございます。また、このカルテルについても相当数の届け出があるところでございます。 これまで消費者から私どももいろいろな情報をいただきたいということで幅広く集めてきているところでございますけれども、その中に、数は非常に少ないのでございますけれども、一部このカルテルにつきましての意見あるいは情報といったよようなものもございました。それは言ってみれば、消費者の立場をどうしてくれるのだというたぐいの話でもございました。こういった場合には、そもそもこのカルテルという制度が認められた趣旨をよく御説明申し上げ、それからまた、このカルテルは消費者の立場を不当に損なうものではないということで制度上もう手当てがしてございますし、また運用上もそういったことを徹するように十分留意しているところでございますので、そういったことを御説明申し上げ御理解いただいているというところでございます。
○中野明君 松山市では何か商店街全域でカルテルを結ぼうという動きがあるということなんですが、これは申請があって許可されたんですか。
○政府委員(糸田省吾君) 今御指摘の件につきましては、私どもまだ届け出はいただいておりません。
○中野明君 そうしますと、この全域、二千何軒でしたか、大きな連合のカルテル、それについては認める気はあるのですか、どうですか。
○政府委員(糸田省吾君) このカルテルは、税の転嫁の方法のカルテルであるならば、構成、カルテルを結ぶ事業者の数で申しまして中小事業者が三分の二以上という要件がございますので、そういった要件を備えているなり、あるいは、当然のことでございますけれども、本体価格についてのカルテルが全然なくて転嫁の方法に限ったカルテルであるといったような要件を満たしているものであるならば、私どもは届け出は受理することになるということでございます。
○中野明君 そうしますと、このカルテルを結ぶことによって免税業者は預かった税額分を懐に入れることができるということになりますね。それらについての苦情は来ていますか。
○政府委員(糸田省吾君) 特別に具体的にそういった苦情というものはございません。 これはもう先生御承知のように、今回認められました消費税の転嫁の方法のカルテルというものの構成員として、課税事業者だけでなく免税事業者も参加することができるということになっているところでございます。
○中野明君 そんなのんきなことをおっしゃっていますけれども、おたくの方にも苦情は来ているわけですよ。 〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕 このカルテルを結ばれたことによって、免税業者が預かった税額分は全部懐へ入るのです。それを消費者が黙っているわけはないと思います。先ほど大蔵大臣も申されたように、免税店だから当然消費税を取らなくてもいいものまで取るのですから、その業者でも、うちは取らなくていいと思っておっても商店街でカルテルを結ばれたら余り文句を言うと村八分になってぐあいが悪い、そういうようなことで嫌々やっている人も出てくるでしょう。この点が非常に問題になってくると思うのです。日を追うに従って声が大きくなってくることは間違いないと思います。それからもう一点は、いわゆる便乗値上げです。これが非常にここしばらくやかましくなってきているわけなんですが、便乗値上げについてはどういうふうにお考えになっているのか、便乗値上げの定義、そしてその抑制についての実際的な処置、これについてちょっと説明してください。
○政府委員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 便乗値上げを定義するというのはいろいろ困難な点もございますけれども、あえて申し上げますと、消費税の導入ということを理由にいたしまして、ほかに確たる理由がないにもかかわらず三%以上の値上げをする場合、これは便乗値上げのおそれがあると考えて一応対応することにいたしております。それからもう一点は、物品税等の廃止がございました。それに見合った適正な価格の引き下げが行われていない場合、これも便乗値上げの可能性がございます。したがいまして、そういう適正な価格引き下げが行われているかどうかということは、さらに一層調査を進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 それから、そういうものにどう対応しているかというお尋ねでございますが、まず最初に申し上げますと、我々もこの四月一日以来、数はまだ限られた範囲でございますけれども、一般のスーパーあるいは商店街等をいろいろ見て歩いております。これは私どもの大臣も申しましたとおり、一般のスーパーあるいは商店街等では非常に平静な転嫁ということが進んでおりまして、大きな混乱は全くないというふうに考えております。一般の商店の場合は便乗値上げというようなこともほとんど起こっていないというふうに考えております。 ただ、私どものところの相談窓口でありますいわゆる物価ダイヤル、これは昨日までの四日間で千五百件ぐらいの件数がかかっておりますが、その三分の一ぐらいが便乗値上げではないかということに関する苦情であることは事実でございます。中には誤解に基づくものもございますけれども、確かに便乗値上げではないかという苦情が件数としては多うございます。 それで現在、そういうデータを整理いたしましていかに対応するか検討しているところでございますが、従来の傾向を申しますと、こういう便乗値上げではないかと思われる価格改定を行っている業種は極めて限られております。それは大体新聞等に載っているものと同じだと御理解いただいていいわけですが、飲食店関係、それから理容、美容等の関係あるいはスポーツクラブ等にも一部確かにございますが、そういうふうに業種としても非常に限られたものでございまして、これが横に広がって一般化するというような兆候は全く見当たりません。それで、先ほど申しましたように、そういう苦情が参りましたデータを、どういう業種で多いのか、またどの程度の値上げになっているのか、それから地域別に何か特徴があるのか、そういうことを調べまして、これは四月一日以前の先行値上げではないかという苦情がいろいろ参っておりましたが、それとほぼ業種としては共通をいたしております。そういうこともございまして、既に関係省庁には一層十分配慮、指導をしてもらうようにお願いをしてあります。 それから中にもし共同行為的なおそれがあるというような場合がありましたら、公正取引委員会の方に十分調査、対応してもらうようにというふうにお願いをしているわけでございます。今後ともそういう考え方で対応を進めてまいりまして、ごく一部と思いますが、ただいま部分的に出ております便乗値上げというものが決して地域的にも業種的にも横に広がるようなことのないように十分対応してまいりたい、こういう考え方で臨んでおります。
○中野明君 それで、今のお話にもありましたが、それぞれの所管の省庁に連絡をして指導してもらうというような方法をとられておると思うのですけれども、業界の組合に入っていない人、今いろいろ言われましたクリーニングにしてもあるいは理美容にしてもあるいはそばとかそんなものにしても、組合に入っていない人の指導はどうなるのですか。どうしようもないでしょう。その点はどうなんですか。
○政府委員(勝村坦郎君) 確かにそういう場合もかなりあろうかと思います。 それで、物価ダイヤルに便乗値上げに関する苦情が来ていると申し上げましたが、逆に例えばある飲食店の方から、うちは全く値上げをしていないのに何かうちの業界がみんな値上げしているように書かれるのはけしからぬというような逆の批判も確かにございます。 ただ、経済企画庁自体は非常に職員の数もございませんし、もちろん国の職員を動員いたしましても、苦情が来るたびに一件一件飛んでいって実情を確かめて対応するということはまず物理的に不可能でございます。したがって、消費者から苦情がございましたときには、店の方の値上げの理由というものをよく確かめて、それから周りの店との値段をよく見比べて、直接苦情を言っていただける場合は言っていただきますし、あるいは店の選択を変えていただける場合は変えていただくというようなことで、消費者自身が対応していただく以外に、価格自体を我々が改更させるという権利は全くないわけでございますから、先ほど申しましたように便乗値上げというのが一般に横に広がらないように世論を喚起する、それから個々の消費者の方々に対応していただくということが、対応の方法の限界であろうというふうに考えます。
○中野明君 だから大蔵大臣、結局、便乗値上げたって、組合に入っていない人が個々にやられたら、消費者は自分で身を守る以外にないというようなことで、大変な混乱がこれからますます起こってくると思うのです。今経企庁の方へ来ているのは、もうごく限られた人たちしか出していないと思います。我々もこれから実態調査をしますけれども、これは大変な問題になっています。 そこでお尋ねをするのですけれども、この消費税を導入したことによって物価が何%上がるというふうに政府の方は見ておられたのですか、それをちょっと。
○政府委員(勝村坦郎君) お答えいたします。 消費税の導入並びに物品税の廃止等に伴います消費者物価への影響は、これは元年度、初年度でございますが、一・二%程度の上昇であろうというふうに見ております。
○中野明君 これは物品税の廃止を入れて一・二%というふうになるわけですね。そうすると、要するに物品税がなくなったような自動車とかあるいは高級品、そういうものを購入している人はいいです。一・二%になると思うのです、確かに。しかし、そういうことに縁のない人、いわゆる庶民大衆、生活保護とかあるいは年金生活とかをしている人は、まともに大体生活品が三%上がるのですから三%値上がりは間違いないのです。その上に今の便乗値上げが重なってくるわけですから、実際に受ける感じというものはそれこそ四%、五%、六%物価が上がったと受け取るわけです。また事実そのとおりになるでしょう。その点を何か政府は、消費税を導入したことによって物価は一・二%しか上がりませんよという宣伝だけでは国民は絶対納得しないと思うのですが、その辺は大蔵大臣、どう考えておられますか。この逆進性の典型的な例ですね、この点どうでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 今消費者物価の話でございますが、経企庁の計算はもう御案内のとおりでございまして、他の条件が変化しなければ消費税それから既存間接税を全部または一部吸収している、それを入れまして大体一・二ぐらいであろう、こういうことでございます。その他の条件というのは、基礎で言いますと〇・八、現在の状況では消費税以外の要因で上がるのじゃないか、こういう計算をしているわけでございます。そのもとの方のものが一体どうなるのかというのも、これは密接な関係があるわけでございましょう。ですから例えて言いますと、円レートが昨年に比べてどうなるかという問題がございましょう。また金利動向もあると思います。その他原油価格、これは非常に大きな影響を持つことは御案内のとおりでございます。それから、これからのベースアップがあるとするとその賃金コストがどうなるか。これが恐らく物価にどういうふうに影響してくるか、こういう要因がありますので、表面的に来年どれぐらいの物価になるかまだ予測しないし、我々安定させたいと思っておりますけれども、そういったことでいずれは要因分析が行われるだろうと思っております。 それにしても便乗値上げは困ったものでございまして、今経企庁がやっておりますように、主務官庁に連絡して行政指導でできるだけ直していく、少なくとも広がらぬようにしていく、これは大事なことであろうと思っております。 それからもう一つ、今のお話、直接関係ありませんが、免税者が国庫に入るべき税金を懐に入れる、こういうことでございますが、あれは免税者でございますから消費税とは関係ございません。要するに、三%というものが免除されておりますが、仕入れにはやはりかかってくるわけでございます。マージンが平均二割といたしますれば、三%に対して二・四%というのは大体コストアップがあるわけですね。ですから、実際はその売り値に対しては三%仮に上げたとすれば、それは〇・六%上げ過ぎだと、こういうことになるだろう。それを便乗値上げと言うのか言わぬのかというところで、便乗値上げとは言いませんといういわば消費税の法律構成をとっているわけでございます。ですから、問題は消費税の納めるべきものが納まらないで本人に残るかどうかというのは専ら簡易課税の方の問題だろうと思っております。 以上です。
○中野明君 そういうことをここで御説明されて、ますけれども、一般の消費者はとにかく納得するのに時間かかりますよ。そして、それまでに騒ぎが起こってくる。簡易課税はもちろん当然そうですね。今の物価の問題にしても一・二%でぱたっと数字だけで示されたら、これは生活保護世帯とか年金世帯はもう一遍に反発をするわけですね。ですから、その辺をもう少しきめ細かい宣伝というのか指導というのか、それがなされないと、実際はもう生活費はほとんど三%上がりますから、その上便乗値上げがあったりしてくると、もう四%、五%という感じを受けるわけです。その点を何とか国民の皆さんに納得してもらうような努力をせられないと大変な問題が起こってくるということを申し上げておきます。 それからもう一つは、地方の問題で口治大臣にお尋ねをするわけですが、この四十七都道府県のうちで二十四都道府県が、公共料金のすべてあるいは生活、産業に密着した料金の一部について四月一日実施を見送ることが明らかになっているのですけれども、政令指定都市では全面的に転嫁するのは広島市だけということになっております。この公共料金の消費税転嫁見送りということについて、自治省としてはどういうお考えを持っておられるのか、これをお聞きしたいです。
○国務大臣(坂野重信君) 結果的に今おっしゃったようなことで、私どもも一部でも転嫁していただいたところは転嫁したということで、それでいろんな面で各自治体が苦労しながら何とか自治省の指導に従って四月一日から転嫁しようということで努力していただいたことは間違いございませんが、いろんな県内事情等もございまして難しい面もあったと思います。 そういう中で、一部の公共団体においては四月に間に合わなかったということでございます。そこで、あとこれは主として条例改正が必要でございますから、条例改正するには全会派の協力がなければできません。あと恐らく六月ないし九月が地方議会になると思います。それまでにできるだけ私どもは私どもなりに地方の難しさがどういう点で苦労があったかということをできるだけ丁寧にお聞きして、そしてできれば次の六月なり九月の時点において、転嫁の間に合わなかったところは転嫁をしていただくように指導してまいりたいと思います。 そういたしませんと、御案内のとおりに一般会計の方は、仕入れと売り上げとんとんという解釈で、法律的に言っても都道府県は税務署に納めなくてもいいことになっておりますが、いわゆる公共企業体については、これはどうしても三%の消費税分を転嫁しようとしまいにかかわらず、納め一ていただかなきゃならない、法律で決まっておりますから。そういう公共団体は一面においては事業者であり、二面においては国と同じように民間に対して指導的な役割を果たさなきゃならぬ立場にあるわけでございますから、済んだことはしようがありませんから、残ったところはできるだけ協力していただくように私ども今後指導してまいりたいと思っている次第でございます。 もちろん転嫁しなかったところはそれだけの財政負担がかかってくるわけでございます。これはしかし自分でおやりになったのですから、財政負担の分までも自治省が交付税で面倒を見るというわけにいぎませんから、それはそれでとにかく各自治体の範囲内で措置していただかなきゃならぬというぐあいに考えております。
○中野明君 転嫁できるところというのは大体転嫁するのと、それから見送っても財政的に余裕のあるところはいいですね。結局自治体の多くは住民の反発、議会の反対ということですから、この消費税がどれほど欠陥であり悪税であるかという一つの証拠だと思うのです。これをとにかくもう上から幾ら指導してもちょっとやそっとでは解決せぬ、その間は地域の住民に格差ができるのですね。この間もテレビでやっていましたように、道路を真ん中において、こっち側が県営住宅でこっち側が市営住宅、同じ条件なのに家賃が片方は転嫁されて上がる、片方は見送られて上がらない。この不公平、これをどうするのかという問題も出てくるわけです。あるいは転嫁したくてもできない、住民の反対が強いということになると、この消費税がいかに悪いかということを証明しているということにもなるわけでして、その点もし自治大臣が今言われたように、どうしてもそうせにゃいかぬのやったら、その財政力の弱いところは交付税ででも面倒見てやらないと転嫁できないのじゃないか、こういうことを私は心配するわけですけれども、その辺はどうなんでしょう、お考えになる余地はあるのかないのか。
○国務大臣(坂野重信君) これは逆の話でして、もちろん党内でもそうでございますが、あちこちの方から私のところには、そういう転嫁をしなかったところについては制裁を加えるべきだという意見さえあるのですよ。しかし、私どもは制裁を加えるということよりも、各自治体が皆さん相当な苦労して、常識のある人ばかりですから、それは確かに消費税も欠陥はありましょうけれども、まあ消費税の口減り分は何とかしていただかなきゃならぬということで、そういうことのないように三カ月間指導してきたわけですよ。それにもかかわらず、なかなかうまくいかなかったという点はありますけれども、そうかといって、そういうところに対して、転嫁しなかったからということでその分だけを交付税で面倒見るということになってきますと、苦労して転嫁したところは、その人たちの今度は気持ちの上でおさまらぬと思います。我々は苦労して難しい中をやったのだ。しかし、やらないところに自治省が、賞与じゃあるまいけれども、制裁どころかむしろ逆に面倒見てやったということになりますと、これは収拾つかぬことになってまいりますから、その辺のところを恐らく皆さんが事情をおわかりになって、各自治体で措借されたと思いますけれども、案外頑張っていれば何もかも払わぬでいいのじゃないかというようなことで誤解があった面もなきにしもあらずということでございますので、まあひとつこれから六月なり九月に向けて、そのうち今度は地方も、いろいろ意見は違いますけれども、大蔵大臣のおっしゃったように、だんだん私は定着してくると思います。指導的立場にある自治体だけが、おれは知らぬ、民間の皆さんだけはどんどんやってくれというぐあいには話が通らぬと思いますので、この六月、九月ごろになってくると事態は好転ずるのじゃないかということを実は期待しておるわけであります。
○中野明君 それはちょっと楽観的だと思うのですけれども。要するに、この消費税が導入されたことによって地方自治体の格差が、全部国の決めたとおりに実施したとしたら、また格差が広がるというおそれがあるわけです。その点を心配して私は言っているわけでして、これをこのままでじっとほっといたら大変なことにならへんかという心配をしているわけです。その点、一応申し上げておきます。 それじゃ、ちょっと時間をとり過ぎましたが、補助金の問題について入ります。 自治大臣と大蔵大臣、きょうは自治省の方を主体にしてやります。厚生省と文部省の方は同僚議員に譲ります。 まず自治大臣に、国庫補助負担率の決着に至るまでいろいろの曲折はあったと思いますけれども、今回の結果について自治大臣としてどういう感想をお持ちになっておられるか、ちょっとお伺いします。
○国務大臣(坂野重信君) 私は、でき得れば原則として補助率の復元というものを全面的にやりたかったわけでございますが、公共事業の方は、御案内のとおりにいろいろ事業量の問題等がございまして、事業量をそのまま維持して補助率をもとに返すということになってまいりますと、それだけの余分な国費というものが必要でございますし、そうかといって、事業量を減らすということは今の天下の情勢からいって、内需拡大の必要な時期にこれもできません。そういうことで、一般会計の方にいわゆる事務的な経費についてはできるだけ戻したかったのが、これは本心でございます。 しかし、考えてみますと、国の財政というものもそう一〇〇%よくなっているわけじゃございませんし、むしろ地方のことを考えてまいりますと、地方に対する安定財源、一般財源というものを含めて、補助率問題と組み合わせながら総合的な立場でどう考えるかということに思いをいたしまして、大蔵大臣とも再三再四折衝をさせていただいて、そして御案内のような結果に落ちついたわけでございます。 補助率の面からいいますと不十分じゃないかというようなおしかりも確かにあるかと思います。その間に地方公共団体とも十分連絡をとりながら、地方の一般財源というものをできるだけ安定化するという立場に立って決着をつけたいという大方の了承を一〇〇%いかないにしても、そういう中で決着をつけたような次第でございます。したがって、決してこれは一〇〇%だと思っておりません。先ほどからも御指摘があったとおりでございますけれども、まあまあこの辺のところでやむを得ぬじゃないかということで、地方公共団体の皆さんも大方の御了知をいただけるのじゃないかということで決着したような次第でございます。
○中野明君 それでもう一つは、地方に権限を移譲しろという話で、昨年の五月でしたか、地方制度調査会が答申をしておるのですけれども、これが一向に進んでない。ここでまた新行革審ですか、それへ総理が諮問する、そういうことになっておるのですけれども、これはどうして進まないのでしょう。その進まない理由というのは、前から何回も何回も答申して、そしてもうぎりぎり絞ってこれこれと、十六項目ですか、それを見られて総理ももっともな話だということで、これは一つ一つ実行していかにゃいかぬというふうにおっしゃっているのですけれども、それが一向に進まないというのはどこに隘路があるのですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 今先生お話しのように、私ども、国と地方の役割分担につきましては、かねてから住民に身近な行政はできるだけ住民に身近な団体に行わせる、こういう方針で臨んできております。 それで、実は一般的な考え方としまして、そういう身近な仕事は身近なところで行わせるというレベルではおおむね各省庁さんの御理解も待ているわけでございますけれども、さて具体的な個々の事務に即してその権限配分の議論が始まりますと、何分各省庁のお立場からしますと、やはり自分の所管する行政についていわば非常に潔癖だと申し上げましょうか、隅々まで自分の目が届いて行政目的が完遂されるということに非常に関心が強うございます。 地方の現場に参りますと、実は現場は総合行政でございまして、いろんな行政目的をみんな両立といいましょうか、全部を立てていくような観点から、あるいは取捨選択といいましょうか、ウエートの置き方が違うというようなことがございます。その辺に対する懸念もおありのようでございまして、なかなか進まない。 そこで、私どもといたしますれば、そういうネックを解消するためにはやはり地方に任せてよろしい権限といいましょうか、そういうものにつきましては、定着している仕事などについては今さら国が権限をお持ちにならなくても、あるいは省令の補助というふうなものをお持ちにならなくても安心してお任せいただけるよということを粘り強く説得をして御協力を求めていく、こういうことであろうかというふうに考えております。
○中野明君 この補助金の問題とそれとは並行していかなければ意味がないと思うのですね。それが先だと思うのです。補助金よりもそれの方が先だと思うのですけれども、いつも補助金が先に決まって、それで補助金の率が決まって、後からわあわあ言っているということじゃ、これは一向に進まぬと思いますね。そういう意味で、補助金の何も関係のないふるさと創生ですか、これのお金も一億円ですか、それも出たのじゃないかと私は想像はするのですけれども、なかなか権限が移譲されないで率だけぼんぼん下げられたらかなわぬというのが地方の実情です。それはぜひ早急に実施をしてもらうような話し合いをしてもらいたい、こう思います。 それで、時間がありませんので、二、三点だけ聞いておきます。 投資的経費についても、地方負担の増加が補助率のカットとともに行われてきたわけですけれども、補助負担率の高い事業から低い事業ヘシフトをされて、結果的には地方負担の増加をもたらしたのでありますが、例えば地方財政計画で直轄事業費の内訳を見ますと、五十九年度では一兆八千五百三十九億円、国庫負担が六八・二%、地方負担が二六・九%、団体負担がそのほかに四・九%であったのですけれども、年々地方の割合が高まって元年度の同事業費を見ると、全体が二兆七千四百十二億円で国庫負担額は六〇・五%、地方負担額は三六%、団体負担が三・六%となっているのですが、国のシェアが七・七ポイント低下して地方が九・一ポイント上昇したことになっておるわけです。このような事業の移動による地方負担増についてはどのようにお考えになっているのか、それを。
○政府委員(紀内隆宏君) お示しになりました数字につきましては、一番大きな影響があるのは何と申しましても国庫補助負担率の引き下げ、具体的には直轄事業の場合でございますから、国の持ち分が引き下げられた、地方の持ち分が上がった、これによるものであろうかと思います。 なお、それだけでは説明できない要因もあるようでございまして、その分は、これもお示しになりましたように、国の持ち分が高い方から低い方に事業がシフトしたというような要因があろうかと思いますけれども、これはちょっと検証しておりません。 それで、直轄事業につきましては、今回の補助負担率の見直しに当たりましては依然として事業量確保の要請があるということもございまして、また何分事業が広範にわたるということから、総合的な見地から検討する必要があるということで、なお二年間の暫定措置を講じるということにしているわけでございます。なお、その場合におきましても、昭和六十二年度の引き下げ分につきましては、これはその昭和六十一年度における引き下げとはややニュアンスを異にしておりまして、かなり緊急避難的な色彩が強かったということから、これは平成三年度から復元することといたしております。 また、直轄事業の暫定措置につきましては、昔の負担率との差がございます。その影響額につきましては臨時財政特例債という地方債によって措置することにしておりますけれども、その元利償還の扱いにつきまして今回やや取り扱いを異にしております。従来は直轄、補助ともに六十一年度のカットに起因するものにつきましては臨時財政特例債でカバーをした後にその元利償還のベースで国から半分を持つという考え方。それで、六十二年度の補助率カットにつきましては、よりいわば罪が深いといいましょうか緊急避難的な色彩が強かったために、これについては元利償還のときに今度は九割国が負担をする、九割という意味は交付団体全部という意味になりますけれども、それを今回見直しをいたしまして、直轄事業については国の責任が重いではないか、こういうことで六十一年度の引き下げに起因するものにつきましても交付団体分の全額を国から補てんするようなそういう仕組みに改めておるところでございます。
○中野明君 それでもう一点は、六十三年度までの国庫補助負担率の暫定期間終了後に調整するものとされていた金額八千四百四十億円は、四千二百二十億円、ちょうど半分を平成四年度から地方交付税に加算するものとしているのですが、この残りの二分の一、半分ですから同じく四千二百二十億円は、結局これは値切られたのかどうかということが気になります。過去の覚書を見ますと、減額の可能性については書いてなかったと思うのですが、この残りについても今後要求すべきと考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) このいわゆる暫定加算につきましては、この三年間の措置が暫定措置であるということにかんがみまして、暫定的に平成三年度以降に精算すべき地方交付税交付金の額に加算されるものとし、その取り扱いについては暫定期間終了後両省間で調整するというのが覚書の内容でございました。 今回、暫定期間が終了するということに伴いまして、この扱いにつきまして両省間で調整をした結果、今回恒久化を行いました国庫補助負担関係につきましては、その恒久化された負担増に係る財源措置が全体として約四分の三ということでございました。経常経費、今回恒久化したものにつきましては、かつて確定措置によって補うものが半分、それからこの暫定加算によって補うとしたものが半分でございます。したがって、今回、その暫定加算分の半分を、つまり初め二分の一確定措置二分の一暫定加算ということになっておりますが、その暫定加算について二分の一を手当ていたしますと、総体として四分の三の手当て率になるということになぞらえてこのような決着を見たものでございます。したがって、これによってけりはつけたもの、こうお考えいただければよろしいかと思います。
○中野明君 それじゃ最後に、公共事業の長期計画について進捗率が大変高くなっているのですけれども、平成二年度に期限が切れる空港、下水道、港湾などの五カ年計画は、四年目で進捗率が八〇%を超えております。最終年度には投資予定額をオーバーする見込みとも伝えられておるのですが、状況について説明をしてもらいたいのです。この事業の達成見込みが立つのであれば、今後何も暫定の補助負担率を継続してまで事業量を増加させる必要がないのではないかという疑問が起こるのですが、その辺もあわせてお願いします。
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。 建設省の下水道にりいて御説明を申し上げますが、ただいま第六次の下水道整備五カ年計画をやらせていただいております。昭和六十一年度を初年度といたしまして計画額九兆九千八百億、調整費がそのほか二兆二千二百億ございますので、総計十二兆二千億をもって閣議決定をしていただいておるところでございますが、平成元年度にはこの数字、達成率が八八・〇%になります。しかしながら、下水道整備についての強い要求、諸外国に比べても低い状況にかんがみまして、今後とも計画を着実に実行させていただく必要がありますので、必要に応じて本計画中の調整費を弾力的に充当していくこととして、今後とも引き続き事業費の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(林淳司君) 空港整備についてでございますが、空港整備五カ年計画は昭和六十一年度から平成二年度までという五カ年が計画期間でございます。調整費千二百億円を含めまして総事業費は一兆九千二百億円ということでございますが、調整費を除きます五カ年間の事業計画額一兆八千億に対しまして、六十三年度末までの実績見込み額は一兆一千四百四十八億円、進捗率にしますと六三・六%でございます。これに平成元年度の政府予算案を含めますと一兆五千八百四十九億円ということで、進捗率が八八%ということになる見込みでございます。 それで、先生御指摘のようにかなり高い進捗状況でございますが、この進捗率が非常に高いのは、一つには、国の完全な直轄事業であります羽田の東京国際空港、これの沖合展開といったような事業の進捗が順調にいっているということが大きな原因でございまして、いずれにしましても旺盛な航空需要というものがございますので、そういう国内航空ネットワークの拡充、充実ということについての国民の要請というのが非常に強いわけでございますので、当面現行の補助率を維持しながらも、全体として空港整備をこれからも推進していくことは必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(奥山文雄君) お答えいたします。 第七次港湾整備五カ年計画は、ただいま先生おっしゃいましたように、六十一年度からの五カ年計画でございまして、全体で四兆四千億円ということでございますが、このうち港湾整備事業費は二兆五千五百億となっておりまして、これに対します平成元年度政府予算案を含めての進捗率は八五・五%ということでございます。 港湾は、御案内のとおり、新しい輸送の近代化あるいは地域のさまざまな港湾に対しますニーズにこたえるために緊急の整備を進めておったわけでございまして、その結果といたしまして、今申し上げましたような高い進捗率になっているわけでございます。二兆五千五百億のほかに調整費がございまして、この調整費を取り崩すことによりましてこの五カ年計画に対しますさまざまなニーズにこたえてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○中野明君 以上で終わります。
○中野鉄造君 それでは私は、具体的な補助金の質疑に入ります前に、午前中の同僚議員の質疑の中で大蔵大臣の御答弁にいささか異論を持つわけでございますが、その件について初めにお尋ねいたします。 国債残高が百六十兆円ある、あるいは隠れ借金が二十六兆。だから非常に日本は財政危機だ、こういうような御答弁がありましたけれども、私はこれにはいささか異論を持っているわけでございます。 我が国の経済の特性といたしまして、非常に活力がある。そして、好不況の波が激しい、こういうことが我が国の経済の特性ではなかろうかと思うのですが、そういうことからして国債の発行がふえて、そして今現在、残高が非常に大きくなっている。これは当然だと思うのです、ある意味では。将来に向けて国債残高を漸減させていくことは否定をいたしませんけれども、もし現在急に国債の残高を減らすということになったら、むしろ金融パニックが起きるのじゃないか。大蔵大臣は金融面での責任者でもあるわけですからお尋ねいたしますけれども、日本経済は今や御承知のように過剰貯蓄国でありまして、それが国債に向けられている。国債を急に減らしたならばどうなるか。その資金は当然これは外国だとか、あるいはまた土地だとか、あるいは株式の購入だとか、そういったようなまた別な面に向けられて新たな摩擦だとか問題が生じてくるのじゃないのか、こう思うのですね。だからこそ大蔵省も、今年度国債発行総額が減るために日銀が従来乗りかえていた部分を全額現金償還して、その分を借換国債を発行する、こういう方法をとっておられるのではないかと思うのですね。大蔵大臣は予算面だけを見ないで、今申しましたようなもう一つの金融面でのそういったようなところからの問題もひとつよく見ていただきたい。したがって、日本のこれだけの現在の国債残高だけをもって余りに財政危機だ、財政危機だと誇張するのはいかがなものか、こう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 今委員のおっしゃった点はよくわかります。私が言っているのはそうでなくて、方法論をどうするかというのはこれからの問題でございます。ただ、今の日本の財政が非常に諸外国に見ないほど財政再建、財政の資金の効率的な運用を、使い方を求めておる、こういう認識はほとんど予算委員会を通じましても、また、衆議院の大蔵委員会におきましても同じことでございます。 ただ、きょう財政審にお願いしたわけでございますが、どういう目標で、どういう手だてでいくのかというやり方はいろいろあると思います。おっしゃるような問題も一つあることは事実でございます。
○中野鉄造君 財政が依然として今おっしゃったように百六十兆円の国債残高を抱え、かつ十一兆円の、私はあえて二十六兆とは申しません、十一兆円と申します。十一兆円の隠れ借金の返済がこれは必要である。したがって、財政体質の改善を進めていくことはよく理解できるわけですけれども、しかし、財政体質の改善は一朝一夕にはできないのです。また、これは長期的に進めていくべきものである、このように思いますが、この点に ついては大臣、お認めになりますか。
○国務大臣(村山達雄君) 一朝一夕には多分いかないであろう、相当やつ。ばり計画的に着実にやっていくことが必要であろうという見通しにつきましては同様でございます。
○中野鉄造君 したがって、午前中の大臣の御答弁にもありましたような五十年度後半の財政危機に緊急避難的に講じられた補助金カット、これを現在のように財政体質改善だとかあるいは赤字公債発行ゼロにかわる新たな財政目標を立てているときに、従来と同様な補助金カットを継続していくということに対して、私はいささか異論があるわけなのですが、改めてお尋ねいたします。
○国務大臣(村山達雄君) 今国の財政を申し上げましたが、地方の財政も大なり小なり連動しておりますから、やはり苦しいということは承知しております。相対的にどっちが苦しいかという問題はまた別にいたしまして、概してどちらも苦しいのだ。そうして、恐らく中長期的な財政再建の目標というものをお互いに立てていかなくちゃならぬであろうということはよくわかるわけでございます。そういう中で今度改定補助率をお願いいたしておるわけでございますが、行革審がまたもっと広い角度からこの問題を検討しようと言っておりますが、今後はその辺のことも見ながら対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○中野鉄造君 よく先立つものは金だとか、あるいはないそでは振れぬということわざございますけれども、とかく初めに財政ありきというこの行政の施策が打ち出されてくるわけでございまして、その結果として常に最も切実な影響を受けるのは社会的弱者であるということには変わりないわけでございまして、今回の場合でも、補助金のカットによって最も大きな影響を受けたのは国民の関心と期待の高い社会保障の分野でありまして、先ほどからも言われておりますように生活保護については八割から四分の三に、それからまた措置費等については八割から半分に引き下げられた、今回のこの法案によってこういうことが固定化されようとしておりますけれども、そうすると今後仮に財政事情が悪化しても、あるいは今よりも好転してもこの率には変わりない、こういうことなんでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 補助率問題の経緯につきましては、先生御指摘のとおります財政事情の問題がございましたことはそのとおりでございますが、他方、補助金問題につきまして各方面からいろいろな御意見もございます。そして、昭和六十一年度補助金問題検討会で、補助事業をめぐって国、地方の機能分担とか費用負担のあり方等について基本的な検討が行われた。さらに今回の過程で、各省庁間の検討会でさらに議論をしたといったような問題がございます。したがいまして、補助率問題は財政問題でもございますから、財政事情という問題にかなり密接に絡む問題ではございますが、また財政事情だけでどうこうというような種類のものでもないと基本的には思われるわけでございます。 したがいまして、将来の問題として国、地方の財政事情がどうである場合に補助率というものをどうするかということについては、ただいまにわかに確定的なことも申し上げられないわけでございますが、仕事を適切に進めていく観点に立って常に適切な補助率のもとでこれを執行していただくということに意を用いなければいかぬと思います。 さしあたりは、暫定措置とされております公共事業等の問題についての各省庁間の検討会、二年間の暫定期間をお与えいただきたいと思うわけでございますが、その辺についても適切に検討を総合的に進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中野鉄造君 そうすると、重ねて聞きますけれども、決して固定化ということではない、こういうことでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 暫定補助率を続けるものは別といたしまして、経常経費の主なものについて今回恒久化をお願いしておるわけでございますが、これについてはまさに恒久化という言葉で理解をしているところでございます。
○中野鉄造君 財政がどのように好転してもそういうことなんでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいま申しましたように、補助率問題の経緯、もともと財政事情の問題が非常に大きな背景にあったわけでございますが、それを契機といたしまして諸般の検討が長い期間の間に行われてきているということを踏まえて恒久化をしておるわけでございます。 いずれにしても、固定化という言葉ではなくて、これはたばこ税を交付税の対象とするといったようなこともございますが、恒久財源措置とともに補助率の恒久化を図り、国、地方の財政関係の安定化に資する、こういう趣旨でとにかく決定をしておりますので、その趣旨で今後進めていきたいと思っております。 どのような状況に立ち至っても、未来永劫こういう補助率はどうにも変わらないのかどうかということについては、にわかにお答えをする特に用意もございませんが、国、地方の財政関係の安定化に資するということとして恒久補助率の措置をとったということを御理解いただきたいと思います。
○中野鉄造君 どうも釈然としないわけですけれども、いずれにしても補助率の削減によって最も大きな影響を受けるのは何といっても生活保護ではないかと思うのですが、先ほどからいろいろと論議されておりますように、生活保護は全額公費による制度でありまして、またこれが国の負担であっても地方の負担であっても適正な制度運用が必要なことは、これは当然でございます。補助率のカットによって受給が抑制されたり、あるいは社会福祉的対応に欠けることがあったのではないかと思うのですけれども、こうした懸念に対しては大蔵あるいは厚生当局ではどういうようにお考えになっておりますか。どういう御認識をお持ちなのでしょうか。
○政府委員(小林功典君) 補助率との関係での御質問だと思いますけれども、補助率は国と地方の間の負担割合の問題でありますけれども、福祉、生活保護も含めた福祉でございますが、そのレベルというものは変わらないという前提でございますから、補助率によって現場におけるそういう福祉レベルの低下というようなことはないと信じております。
○中野鉄造君 一つの例を挙げますと、生活保護の適用状況を見て非常に気になることは、被保護世帯が五十九年度の七十九万世帯をピークに六十三年の九月では六十八万世帯弱に、実人員では百四十六万九千人から百十七万人にまで低下しているわけですね。補助金の削減が始まったのは、これはもう言うまでもございませんけれども六十年度からでありまして、補助率のカットと対象者の減が実に見事に符合しているわけです。 特に財政当局のお答えは、補助率の引き下げは不正受給をなくし、あるいは制度の適用が適正化されたのだというようなそういうニュアンスの答弁が再々行われていますけれども、つい先日の教育テレビでも「「母さんが死んだ」生活保護の周辺」という札幌テレビの番組を放送していましたけれども、こうした事実をどのように説明されるのか。また、そうした行き過ぎは本当になかったのか、もう一度この点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(小林功典君) テレビのケースでございますが、これは私も見ました。ただ、私どもの調べた事実と比べてみますと大変事実と著しく相違があります。しかし、これは先生の御質問の本筋ではないと思いますので、六十年以降保護対象人員が減ったという点の分析を申し上げます。 幾つかの要因があるわけでございますけれども、もともと生活保護の適用状況といいますのは、基本的には経済的社会的な要因はもとより他の法律や施策の整備状況あるいは制度の運用、そういった要因が重なり合いまして影響してくるものでございますけれども、その中で我々いろいろ分析をした結果、主なものを申しますと、まず一番大きなものはやはり景気でございます。生活保護の動向というのは非常に景気の好不況に大きく左右されます。昭和五十八年度以降、御案内のように一時的に若干の後退がございましたけれども、全体見ますと非常に好況で推移している、これが一番大きな原因でございます。 それから第二点は、昭和六十一年の四月に障害基礎年金制度、それから特別障害者手当制度、これができました。従来の福祉年金あるいは福祉手当、これに比べまして一挙に大幅に増額が図られた、これが生活保護に転落することを防ぐ役割をかなり占めているということがございます。 それから第三に、これはちょっと小そうございますけれども、五十九年からそれまで年々増加を示しておりました離婚率が減ってまいりまして、ずっと減少傾向が続いております。したがいまして、母子世帯に対する保護の適用というのが減少ぎみである。 それに加えまして、国とか地方公共団体における保護の適正実施の努力が出てきた。大体この四点が大きな理由だと思います。 決して現場におけるいわゆる締めつけといったものの影響ではない、もちろん補助率の引き下げによる影響でもないというふうに考えております。
○中野鉄造君 そこで、元年度の予算を見ますと、生活保護費は一兆一千四百十六億円でありまして、昨年度より五百十八億円増加しておりますけれども、扶助基準の引き上げのほかに、実は国庫負担率が〇・五%回復する分だけでも七百三十億円が含まれているためでありまして、実質的な適用人員、適用世帯は新しい年度においてこれはさらに減り続けていくのじゃないのかと思うのですけれども、具体的にはどのくらいの数字を見込んでおられますか。
○政府委員(小林功典君) 確かに六十年度以降保護人員が減っております。平成元年度予算も今おっしゃいましたように金額的には伸びておりますけれども、伸びておる原因の中に補助率の〇・五%のアップが入って伸びております。これがありませんと減少でございます。 それで、六十三年生活扶助費で申しますと、百十三万七千人が元年度予算で百六万五千人にカウントをしております。
○中野鉄造君 そこで、この適正な運用が行われていくためにもお尋ねするわけですが、六十年の十二月に補助金問題検討会の報告書でも、国の事務として処理される機関委任事務とするということうたがわれておりますけれども、この制度については今後とも国の責任において適正な制度運用がなされていくということを約束をしていただけますね。
○政府委員(小林功典君) 検討会では生活保護問題とそれから措置費の問題を議論したわけでございますが、措置費の方につきましては、例えば団体委任事務化とかということで地方の自主性、自律性を増すということを前提に二分の一、これは団体委任事務にしたわけでございます。 片や生活保護の方は、依然としてこれは国の機関委任事務ということで、国の事務とすることについて合意を得ております。
○中野鉄造君 先ほど同僚議員から生活保護世帯に及ぼす、生活保護とは言われませんでしたけれども、一般の低所得者に対する消費税の影響ということについて質疑がありましたけれども、この元年度の引き上げ幅が四・二%予定されているようでありますが、この中に消費税の影響分は含まれているのか、また含まれているとしたら何%ぐらいを見込まれているのか、その点をお伺いします。
○政府委員(小林功典君) 御指摘のように、平成元年度の予算で生活扶助基準につきまして四・二%の引き上げを行うことにしておりますが、この生活扶助基準の改定は、先生もよく御承知のように、具体的には政府経済見通しにおけるその年度の民間最終消費支出の伸びを基礎に算定するものでございます。これは例年そうでございます。つまり、一般国民の消費動向に合わせて生活保護の生活扶助基準も改定していく、こういう仕組みでございます。したがいまして、直接物価を尺度にして決めるものではございませんので、四・二%の中にどれだけ消費税絡みの率が入っているかということはお答えできない、そういう性格のものでございます。 ただ、経企庁が試算をしております消費税導入等による物価への影響、これは一・二%と言っていますが、それを含めまして物価全体で二・〇%ということでございますが、それと四・二を比較してみますと、今回の改定によって被保護世帯に必要な最低生活の水準を確保するということは可能であるというふうに考えております。
○中野鉄造君 次は、厚生年金の国庫負担の繰り延べ分の返済についてお尋ねいたしますが、ここで先ほどもちょっと質問ありましたように、きょうの報道によれば、平成二年度中には完済するというような一応の目標を立てておられるようですけれども、やはり私もお尋ねしたいのは、いま少し具体的にその計画なりなんなり示していただきたい、こう思うのですが、この点についてどうでしょうか。
○政府委員(篠沢恭助君) 昭和六十一年度以降の特例措置による減額分というものがございますが、これにつきましては私どもといたしまして、一般会計が特例公債依存体質から脱却をした後できる限り速やかにこの繰り入れに着手をしまして、その際、厚生大臣大蔵大臣、両大臣間で十分協議の上年金財政の運営に支障を来さないよう計画的に繰り戻しを行っていくという所存でございます。 先生既に御承知のとおり、去る三月に御議決いただきました六十三年度の補正予算におきまして、そのときの財政状況の中で一兆五千七十八億円の、これは利子を含めてでございますが、繰り戻しを行ったところでございます。今後ともこの問題については適切に対処してまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 行革特例法以後、大蔵大臣の所管しておられる共済年金については繰り延べをせずに、民間の制度である厚生年金だけが繰り延べられて、その分を残しているのでありますから、これは一刻も早い全額返済を改めて要望したいと思います。 そこで、改めて伺いますけれども、補正予算で一部分が先ほどお答えになったように返済された。その一方で、元年度においても特例法によって繰り延べ措置が継続され、昨年より一割少ないとは言いながらも三千二百四十億円がカットされようとしているのですけれども、こうした措置がとられることになったその理由についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(篠沢恭助君) 政府は平成二年度までに特例公債依存体質から脱却をするという目標の達成に向けまして、歳出抑制に最大限の努力を傾けてきておるところでございます。 この過程で関係省庁の御協力も得まして、いわゆる歳出の繰り延べとして御指摘いただくような措置も講ぜざるを得なかったわけでございます。なお、平成元年度の予算編成におきまして、一般歳出につきましてぎりぎりの抑制努力を行ったところでございますが、消費税の影響額の適切な計上等々相当な歳出の増加要因もございまして、特例公債の縮減を行うためさしあたりの事業運営に支障を来さないということにつきまして厚生省の御同意を得まして、結果的に厚生年金の繰り入れの特例を行わざるを得なかったところでございます。 他方、六十三年度補正では、先ほど申しましたように一時的な財政事情の余裕ということで、もともと法律上繰り戻しの義務がございますので、まさにおっしゃいましたように行革特例法時代の四年間、つまり昭和五十七年度から六十年度までの分でございますが、これについて繰り戻しをいたしまして、特例公債の減額とあわせて財政体質の改善を図ることにしたわけでございます。それぞれの措置がちょうど逆のいわば方向を向いておるという御批判もあろうかと思いますが、それぞれその段階での財政状況のもとで、全体としての財政体質の改善を図るということでとられた措置であることを御理解賜りたいと思います。
○中野鉄造君 非常に苦しいやりくりというか、今おっしゃったようなことは理解できます。しかし、こういうやり方は決して好ましいものではないと私は思うのですね。この点は大臣もお認めのことと思いますけれども、こうした措置は来年度からは廃止すべきじゃないのかと思うのです。 ここで即答していただくことが困難であるならば、せめて来年度以降においては極力こういうことについては消極的な方向で考えるというようなことぐらいはお約束できますか。
○国務大臣(村山達雄君) 今おっしゃっていることが六十三年度の補正予算の繰り戻し、それから平成元年度のまた相変わらずの繰り延べということでございますと、来年は恐らくこんな問題は出ないのじゃないだろうか。それから、この問題は国が単年度予算主義をとっているのとある程度関係があるのじゃないかと私は思っているのですけれども。しかも、財政も長期的に続くものですし、厚生年金の方も長期的な問題である、しかし予算は単年度主義をとっておる、そういったところにも少し原因があって、やはり長期的な問題をやろうとすると、それでたまたま同じ問題が出てきたということになると、こういう方向じゃないかなと。しかし、こんな問題が来年出てくるようなことであれば、委員の方には申しわけないのですが、本当にうれしい話ですけれども、恐らく出てこないであろう、こう思っております。 それから、先ほど政府委員が言いましたように、今後の厚生年金に対する繰り戻しについて、両省の緊密な連絡の上で、できるだけ早い期間で計画的にやっていく、こういうことでやっていきたいと思っております。
○中野鉄造君 この際大蔵大臣に、関連いたしまして厚生年金等の年金積立金の自主運用枠の拡大についてちょっとお尋ねしたいと思うのですが、六十二年度以降認められている年金積立金、六十三年度末で六十五兆五千億円ですが、この一部の自主運用については元年度では一兆五千三百億円が認められておるわけですが、財源基盤強化事業の六十二年度の実績から見れば、これはもう資金運用部の預託金利より平均で一・五九%ぐらいの収益が上がっているわけですから、仮に積立金の全部について自主有利運用が認められるとするならば、これはもういながらにして一兆円程度の収益増となることが予想されるわけですけれども、いろいろ仄聞するところによりますと、厚生省は元年度予算要求の段階で新規運用対象額の三分の一とする、いわゆる三兆八千億円とする、そういう要求に対してこれを半分以下の額に切り込んだようでありますけれども、なぜこのような結果になってしまったのか、大蔵大臣にまずお尋ねしたいと思うのです。
○政府委員(足立和基君) 年金事業につきまして、その財政基盤の強化を図る必要性があるということは先生も御指摘のとおりでございます。私どもも十分認識をしておるつもりでございますが、一方、御承知のとおり年金の積立金というのは、私ども所管をいたしております財政投融資、これは社会資本整備であるとか経済協力であるとか、申すまでもなく中小企業対策等々の国民のニーズにこたえてのいろいろな施策を、役割を果たしておるものでございますが、これの一つの大きな主要な原資になっておるというような事情もございます。その両方のニーズというものを勘案しながら、先生御指摘のとおり元年度予算におきましては一兆五千三百億円という財源強化事業の原資ということで認める形にいたしてございまして、予算に今お願いをしておるわけでございますが、これは前年度に比べますと二〇・五%というような大幅な増加になっておるところでございます。 したがいまして、今後ともこの年金財政基盤の強化の必要性あるいは全体の財政投融資のニーズ、あるいは他の資金運用事業とのバランス、こういったようなものを総合勘案しつつ、厚生省とも十分話し合いをしながら今後ともこの運用額の増加につきましては意を用いてまいりたいと考えてございます。 なお、念のためでございますが、この年金財源強化事業のほかに資金確保事業というようなことも八千五百億円、単年度予算では計上いたしておることを敷衍させていただきます。
○中野鉄造君 厚生大臣いかがですか。
○政府委員(水田努君) 公的年金は、御安内のとおり世代間の扶養の形を強めてまいるわけでございますので、私ども公的年金制度を維持していくためにはやはり一定の経済成長率を確保していく必要があろうかと考えております。その意味におきましては、年金の積立金が財投の面で寄与する、この側面を否定するわけにもいかない。しかし一方、現在、年金の頂立金は給付費の六年分程度を持っておりまして、財源としては、かなりそこから生じますところの利差というのは大きな役割を占めておりますので、先生御指摘の自主有利運用事業もやっていかなきゃならぬ。それから、加入者の方は四十年間ぐらい給付を受けられないわけでございますので、その間、福祉の事業も、それから住宅融資等の事業もやらなきゃならぬ。大体この三つをバランスをとりながら、私ども大蔵省とよく御相談しながら先生御指摘の目主有利運用事業を着実に伸ばしていく、こういうことで努力をいたしているわけでございます。 自主運用事業は、理財局長から今お話がありましたように、財源強化事業と資金確保事業の二つの種類のものを持っておりまして、この合計額は六十三年度補正で二千億追加されておりますので、平成元年度で新規に運用できる金額は二兆五千八百億になります。前年度の六十三年度の二兆一千二百億に比べますと二二%ということで、これまでの、六十一年度にこの事業をスタートしておりまして、累積額が六兆七千億でございまして、平成元年度の当初の積立金の約一割に相当するというところまできております。六十一年度三千億でスタートしたものがもう既に二十二倍になっておりますので、私どもかなりの努力をいたしたつもりでありますが、今後この事業を委託しております年金福祉事業団の事業体制の整備等とも相まちながらさらに今後とも努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○中野鉄造君 そこで、この問題について最後に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、財政金融運営の一体化というのは、これは大蔵省が原則とされるところでしょうけれども、また今厚生省からもお答えがありましたように、厚生省ばかりじゃない、いろいろな郵政省あたり等との横並びの関係があること、また財政全体の立場があるというようなこともよく理解できるわけです。しかし、年金制度の将来を考えるならば、今有利運用こそが求められているときではないかと思うわけですね。そこで、一度にとは申しませんけれども、せめて新規積立金と満期償還金の三分の一程度についてはまず来年度あたりから認めるべきじゃないか、そうしてこうした枠を徐々に拡大して共済年金並みにするという検討が必要ではないのか、私はこう思うのですが、基本的方向についてひとつ大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 先ほど理財局長から答えましたようなもろもろの口約の調整を図っているわけでございます。 なお、還元融資が別に行われているわけでございまして、実際申し上げますと新たな預託金が、一定額でありますが、財源強化の問題それから資金確保それから還元融資、これ全市入れますと運用部で使っているのは余りない、こういう答えが出ているところでございます。しかし、委員の御指摘の点でございますので、今後検討さしていただきます。
○政府委員(水田努君) 今大蔵大臣お答えいただいたとおりに私どもも受けとめておりまして、要求上は満期償還金プラス新規預託金をベースに要求をさしていただいておりますが、現実の問題としまして満期の償還金というのは回っている金でございまして、実際に真水として使えるのは新規預託金ということでございまして、私ども最近新規預託企の八〇%を超えるものをバックさせていただいている、これは今申し上げました自主運用の事業なり還元融資の事業等で相当理財局と厳しい交渉をしながら実現をいたしているところでございますが、今後さらに、一〇〇%アップとはいかないかもしれませんが、できるだけ新規預託金は全部いただけるようなつもりで頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○中野鉄造君 次に、在宅老人福祉対策の充実についてお書ねいたします。 この間からいろいろ在宅関係の補助率が三分の一から二分の一に引き上げられた。これは、同齢化社会に対する国の意気込みを示されているところであるとして率市に私は評価したいと思いますが、老人の介護については最近しきりに在宅対策での対応ということが言われておりますが、これが地域や家庭への責任の転嫁であってはならないと私は思うわけです。在宅対策を言うのであれば、核家族化の進行あるいは女性の社会進出あるいは扶養意識の変化等によって家庭での介護能力が苦しく低下している状況を正しく認識しなければいけないと思うのですけれども、何といっても在宅介護を支援する公的施策を大幅にこれは拡充するということがまず必要ではないかと思いますが、この在宅施策の充実に対する基本的な大臣のお考えをひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 私も昨年国会対策の副委員長をやっておりまして、特に公明党の議員の方から在宅福祉に対して積極的に施策を充実せよという声をたびたび伺ってまいりました。特に熱心である。そういう点も自由民主党は考えなければならないし、私自身厚先大臣に就任いたしましてからも、今までの経緯も踏まえてこの面にやっぱり今後とも各政党のいろいろな意見、いい意見を取り入れて実施していかなければならないということで、今年度、平成元年度予算におきましては画期的に在宅対策を打ってきたつもりでございます。これからも、特にお年寄り、できればうちにいて身近な家族の者あるいは知っている者に介護してもらいたいという希望もありますし、家族の中におきましても、うちで見たいのだけれどもどうしても見られない場合は公的な援助が欲しいという声も強いわけであります。そういう両々いろんな意見を聞きまして、これから大きな問題とますますなってくる在宅福祉につきまして一生懸命充実策を考えて実施に移していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中野鉄造君 それで、三年間でいわゆる在宅三本柱の思い切った拡充ということについていろいろこの間から言われておりますけれども、果たして具体的にどのレベルまで整備を考えていらっしゃるのか、お答えいただけますか。
○政府委員(多田宏君) 私ども長期的には福祉ビジョンというのを国会に御提出させていただきまして、その中で二〇〇〇年における目標というものを一応お示しをしているような状況でございますけれども、当面緊急に整備をすべき水準ということで、平成三年度の目標といたしましては、家庭奉仕員五万人、ショートスティー万床、デイサービス二千五百カ所ということを目標にして現在のところ進めていくことにいたしております。
○中野鉄造君 我が国の在宅福祉というのは、改めて申し上げるまでもございませんが、諸外国と比較した場合にもう大変な立ちおくれが目立つわけでございまして、例えば人口当たりのヘルパーの数でも、ノルウェーは日本の五十二倍とか、あるいはスウェーデンは四十四倍、デンマークは二十四倍、こういったような数が挙げられている現状でありまして、政府が本気で在宅施策の充実を言うのであるならば、ひとつぜひとも二十一世紀の高齢化社会を見通した本格的な整備計画策定というものが打ち出されて当然でありますし、将来に禍根を残さない介護体制の確立を図るべきだと思うのですけれども、その辺の明確な計画策定というものはございますか。
○政府委員(多田宏君) 二〇〇〇年までの目標ということで、先ほどちょっと申し上げましたようなビジョンで示した水準というものを目標にしてこれからどんどん進めていこうということでございますが、その間の具体的に何年次にどれだけというのは、地方公共団体の受け入れ能力等の問題もよくにらみながら進めてまいりたいというふうに思っておりますので、具体的に年次計画でということにはなかなかならぬかと思いますが、その目標に向かって懸命の努力をしていくつもりでございます。
○中野鉄造君 六十三年度補正予算では、高齢で常時看護の必要な在宅の人たちに臨時の介護福祉金を支給する賞用が計上されまして、実施に移されたわけです。日夜介護に携わっておられる家族の方々がおられるわけですけれども、国民生活基礎調査によりますと、同居している主な介護者のうち女性か八二%、あるいは介護者は体の疲れや不眠不休を訴えておる、こういう方々がたくさんおられるわけですけれども、例えば痴保性老人について介護者の悩みをまとめた調査の結果、そういったようなものはございますか。
○政府委員(多田宏君) 民生委員協議会で調べたものを私ども参考にさせていただいておりますが、大変いろいろな苦労が多いということは言われております。
○中野鉄造君 今言ったようなあれと同様に、家族の介護者は老人の世話だけとか育児やあるいは子供の世話、その他生活上の問題を抱えている方々が多いわけですが、その国民生活基礎調査によりますと、寝たきりの老人の介護者のうち、家庭奉仕員というのはわずかに〇・六%にすぎないわけでありますね。こういったような状態で果たしていいのか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 家庭奉仕員の問題につきましては、ヨーロッパ諸国では大変、家庭奉仕員といいますか、ホームヘルパーの数が多うございまして、日本と全く比べものにならないけたで確かに存在するわけでございます。 ただ、私ども実感といたしましても、ホームヘルパーの予算が足りないので普及が進まないということでも必ずしもない。家庭の中に他人が入ってくるということについてかなり日本では抵抗感がある、あるいは嫁さんが面倒を見ないでよその人に頼んでいるというふうなことを周りからとやかく言われるというのを嫌がるというような雰囲気もある。いろんな問題がどうも絡んでおるような感じがいたしますし、それから同居世帯が非常に日本では多いというようなことも影響しておりまして、ヨーロッパの諸国ではほとんどが老夫婦か単身老人といったような状況でございますので、かなりホームヘルパーの状況は日本とは違うだろうと思っております。 しかしながら、今の水準で本当に十分かということであれば、私どもももう少し、やっぱりどんどんふやしていく方向で対応しなければいかぬだろうと思っておりまして、先ほど申し上げましたように、当面五万人という目標を置いて拡大を図ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○中野鉄造君 そういった国の風習だとかそういうものが違いますから、確かにそういう点はあろうかと思うのです。 ですから、例えばイギリスにおいては、重度障害で常時看病あるいは付き添いを要する人には障害者付添手当あるいは付添手当受給者の介護をする人に障害者介護手当が無拠出で支給されているというようなことを聞いていますが、我が国においてもこういう点については検討されておりますか。
○政府委員(多田宏君) 私どもも介護手当という問題についてはいろいろ検討をしてみてはおりますけれども、大変難しい問題が多々ございまして、そもそもどういう性格のものなのか、家族が本当に求めているのはやはり介護の苦痛みたいなものをどういうふうに手助けしてくれるかということであって、お金の問題というのは真っ先にくる問題では必ずしもないとか、それから介護している介護者が日本の場合にはかなり複数であることが多いというような実態でございますとか、それから痴呆老人の認定というのは一体どういうふうに考えていくべきかとか、大変問題の多い点がございまして、なかなか簡単に制度化ができるというような状況ではないなというふうに今は感じております。
○中野鉄造君 最後に厚生大臣にお尋ねしますが、確かに今お答えがあったようなそういう問題が介在することであろうと思いますし、それとやはりそういった老人の介度をするホームヘルパーだとか、そういったような職種を魅力あるものにするためにもどういうふうにやった方がいいかとか、いろいろな問題がたくさんあるわけですけれども、それも早くやらないと、検討、検討ではもう一年、二年とどんどんたっていくわけですから、ひとつそこらのところを篤と前向きにお願いしたいと思うのですよ。厚生大臣、その辺の御決意のほどをお願いします。
○国務大臣(小泉純一郎君) 我が国の現状あるいは諸外国の事情いろいろ違うと思いますが、今委員指摘の実情等を十分見ながら、これからどうやったら本当の充実策が打てるのだろうか、真剣に検討して、その対策等も着実に進めていきたいと思っております。
○中野鉄造君 終わります。
○委員長(梶原清君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明日は午前十時に委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時五十七分散会 ―――――・―――――