大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 262 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/03/29
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、工藤万砂美君が委員を辞任され、その補欠として永田良雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○栗林卓司君 今回の租税特別措置法の一部を改正する法律案は、中に消費税の弾力的運用に関する部分が含まれておりますので、まずその部分についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 弾力的運用の核心部分は何かといいますと、申告期限の半年間延期であります。問題は、申告期限の延期がいかなる意味を持っているかということでありますけれども、国税庁が出された「消費税のあらまし」というパンフレットを見ながらお尋ねをするわけでありますけれども、その中に「納税義務の成立時期は」という項目がありまして、「国内取引に係る消費税の納税義務は、原則として課税資産の譲渡等をした時に成立しますが、その成立の時期は、法人税や所得税の課税所得金額の計算における収益の計上の時期とほぼ同じになっています。」と書いてあります。ということは、平たく言い直しますと、確定申告の時期に納税義務は具体的に成立をする、そう理解して間違いないのだろうと思います。 そこで、今回の租税特別布置法で確定申告の時期が半年間延期になりましたけれども、これはその半年間納税義務が成立をしない、こう理解をして間違いないと思うのです。したがって、平たく言いますと、この半年間消費税は納めなくてよろしい、そこに弾力的運用の一つのねらいがあった、そう思うのですが、この点は間違いございませんか。
○政府委員(尾崎護君) 今回の消費税の国会審議に当たりまして、議員修正によりまして税制改革法の中に弾力的運営を行う旨の規定が置かれたわけでございます。それを受けまして、その趣旨に沿って法的な手当てを行わなくてはいけない一つの点といたしまして、今回の租税特別措置法におきまして、ただいまお話のございましたように半年間の申告期限の延期という措置を講じたわけでございますが、消費税それ自体は四月一日から実施されることになっております。したがいまして、納税義務者である事業者の最初の申告が九月の末日まで延ばされるわけでございますけれども、その際申告していただきますのは、四月一日以降の売り上げを基準として計算をした税額を申告していただくということでございます。
○栗林卓司君 四月一日以降、売り上げに含まれている消費税を含めて申告をするわけでありますから、取りっぱぐれになるだろうということを言っているのじゃないのです。ただ、申告によって初めて納税義務が具体的に確定をする。申告時期が延びたわけですから、そうすると当面それは払わなくて結構だ。それは将来とも払わなくていいということではなくて、当面納税義務はなしと考えていただいて結構であります、平たく言えば払わなくて結構です、そう理解して何ら間違いはないのではありませんか。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の課税対象となりますのは資産の譲渡、資産の貸し付けまたは役務の提供ということになっておりまして、納税義務の成立は資産の譲渡、資産の貸し付けまたは役務の提供が行われたときということでございます。納税義務が成立したものにつきまして、これを一定の課税期間まとめて申告をし納税をするわけでございますが、それがことしの四月一日から始まるということでございます。ただし、四月決算の法人でございますと、そうしますと四月分を、一カ月分納税しなくてはいけないということになりますので、それを九月の末日まで延ばして手続上十分余裕が持てるようにしてあるわけでございます。
○栗林卓司君 もう一遍これ改めて読ませていただきますと、「納税義務の成立時期は」とあって、「消費税の納税義務は、原則として課税資産の譲渡等をした時に成立します」、おっしゃったとおりです。その後に、「が、その成立の時期は、法人税や所得税の課税所得金額の計算における収益の計上の時期とほぼ同じになっています。」、ここなんですけれども、申告は延びたとしても、消費税相当分は売り上げの一部として受け入れるわけですね。そのときに、それは売上金額として計上するかというと決してそうではなくて、仮受金として会計処理をすることになって、いわばお金としては事業者のどころで仮受状態であるわけですから、その状態では納税義務がないのでそれはやっぱり申告する時期にさかのぼって整理はしますけれども、それまでは納めなくてもいいよという期間が多少あるでしょうということを私は申し上げたのです。
○政府委員(尾崎護君) 失礼いたしました。ちょっと御質問の意味を取り違えておりまして大変申しわけございませんでした。 課税期間がございます。その課税期間の一体どちらの課税期間にその取引が属するのかという判断をしなければなりませんが、それは法人税や所得税におきましても同じようなことが行われるわけでございまして、ある期の収益として計上するのか、それとも次の期の収益として計上するのかという判断をしなくてはいけないわけでございます。今度の消費税につきましても、課税資産の譲渡等をしたときに納税義務が成立をする、こういうことになっていますが、その判断は現在法人税や所得税で行われているのとほぼ同じように判断をしていく、こういう趣旨でこれは書かれているものでございます。
○栗林卓司君 もともと弾力的運用条項というのは、衆議院で消費税が議了されて、最後の本会議に、ではどういった本会議の持ち方をするかというところをめぐって与党と野党のいろんな議論がありました。そのときに自民党の安倍幹事長から、実質的に半年間延ばしたのと全く等しいような効果の出る取り扱いをしますというお約束がありましたし、いわばそれをどのようにしてマニュアルをつくるかというところにポイントがあったわけですね。そこで大蔵省の頭脳を集めながらして、申告時期の繰り延べということで一面解決をしたわけですね。それは、さかのぼって整理をしてはいかぬということを言っているわけじゃなくて、過渡期では、とにかく事業者に対しては、これは申告のときに一遍整理をして、そこで納税義務は確定はしますけれども、それまでは納めることはそう気にせぬといていいですよというような、平たく言えばそんなことで扱っておきたいというのが納税時期を半年ずらした本来の意味ではないかと思うのですが、この点はそういう言い方で間違いありませんね。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、与野党間の協議を経まして半年間の弾力的な運営を行うということになりました。その内容につきましていろいろ御議論があったわけでございますけれども、政令上の手当てを要するもの、これは既に手当てを済ましております。法律上の手当てを要するものにつきましては今回お願いしているわけでございますが、七項目にわたる措置をとるということで、内容をしっかり確定しているわけでございます。これによりまして納税事務手続につきましては、半年間実質的に延長されているようなものでございまして、事業者は十分な余裕を持って納税に備えることができるという措置がとられたわけでございます。私ども説明会に参りましても、多くの事業者の方から、この点は大変時宜を得た措置であるという高い評価をいただいているところでございます。
○栗林卓司君 一方、事業者にとっては、この弾力的運用というのは、とにかく当面消費税の国家納入、納付は考えないでよろしいということで一応気持ちの整理がつくわけですが、消費者との関係でいって、弾力的運用というのは一体どういうことになるのだろうかということですが、消費税は非常に評判が悪いのですね。 そこで、大臣に御所見を承りたいのですが、私の意見をまず申し上げます。 先日、昭和天皇の御大喪がございました。そのときに、海外から来られた御来賓各位が、まるで新幹線の時間割と同じような精密さですべてが行われたと言って、舌を巻いて帰られたということが新聞記事で報道されておられました。どうも日本人というのはそういった癖があると思うのですね。ある行事をやりますと、分刻み、秒刻みでしっかりきちっと組み立てないと気が済まないという面があるのですね。 ところが、消費税の場合も実は同じような癖が出まして、法律は四月の一日から消費税は実施と決まっております。ところが、それは四月の一日から法律が施行されているという意味で四月の一日でありまして、それで三%の消費税を転嫁する義務というのは、抽象的義務としてはもちろん四月一日から発生しておりますけれども、転嫁する日時を特定するものではないのです、法律を踏まえて言いますと。さっきのやりとりのように納税義務はあるのですよ。あるのだけれども、具体的な納税義務が金額として特定されるのは、やっぱり申告という手続を経て初めてでありますから、同じように三%の転嫁にしても、それは何月何日に転嫁をしなければいかぬのかということは法律にどこにも書いてないのです。四月以降という幅の中で御努力願いたいと書いてあるだけであって、何日何時に転嫁しろなんてことは言ってない。ところが、いかにも日本人の気性としまして、四月一日の午前零時が過ぎますと、あらゆる店の商札ががらっと変わって、さあ、そこから先、消費者はもう一円玉をポケットに詰め込んで行かなければいかぬみたいな、そういう印象を非常に強く持つのです。そうしますと、四月の一日が迫ってくればくるほどこの重圧感で重たくてしようがない。これが消費税が何とも嫌だという気持ちが出ている理由だと思うのですね。 そこで、片一方の事業者の方ではある味を持った指示をしたわけですね。じゃ、消費者に対しても、法律は四月一日から転嫁をせよと書いてあるけれども、それは四月一日でも二日でも三日でも法律違反でも何でもないのですから。だったら幅を持っていいじゃないかという運用がなぜできなかったのだろうか。ところが、事実やっているのですね。メーターの改造が間に合わないからといって個人タクシーの運賃なんかは四月一日からできない。できなければしようがないので、早くしてくださいよということであって、それ以上のことは言わないわけですね。要するに、おくれてしまったことに合理的な根拠があれば、それはそれでいいじゃないかという見方をしていくのが妥当な行政としての処置ではあるまいか、このように私は思うのですが、この点について大臣の御所見はいかがでありましょうか。
○国務大臣(村山達雄君) その前に、今主税局長がお答えしたとおりでございまして、納税義務の確定という問題はやはり課税期間が済んだときに客観的に確定するものであります。これはすべてがそうでございまして、個人で申しますれば暦年、それから法人につきましては事業年度が過ぎたときに客観的にそこで確定する。それから、それに基づいて申告されますと、確定したものをどういうふうにして実現していくであろうか、こう考えますと、それはまず第一に納税者本人の申告によってまず一応確定する。それが、もし客観的な納税義務額と同じであれば、それで終わりでございます。しかし、後で調査をいたしまして、それが足りないということになりますと、修正申告を慫慂するとかなんかいうことで、そこが最後に正しいものになっていく、こういうことでございます。 それで、納付期限を延長したというのは、納付の期間を延ばしたということにほかならぬわけでございます。それが第一段の、これは所得税でも、今度の消費税でも、そこの法律構成は全く同様でございます。 それから、今の四月一日からもう必ず転嫁しなくちゃならぬのか、こういうお話だろうと思うのでございます。 この問題は、先ほど消費税というものは四月一日から転嫁が行われたものとして、それで納税額を計算いたします、平たく言えばそういうことですね。しかし、この税は初めての税でありますし、納税義務者が負担するのでなくて、本来消費者が負担するという性質のものだから、適正、円滑な転嫁をお願いしたい、こういうことでございますので、特に税革法の十条においてそのことを明らかにし、また十一条において同じようなことをメンションしているというのはそういうものでございます。ですから、この税が本当に円滑にいくためには、やはり所要の値上げは四月一日から行われることが望ましいわけでございまして、その意味で、政府はあらゆる努力をいたしまして、そしていっているわけでございます。だから、仕組みとして、これは四月一日から消費税に相当するものが転嫁が行われたものとしてすべて取り扱います、こういう意味でございます。そういう意味で、繰り返しになりますが、やはり適正な転嫁、あるいは逆に申しますと、本人が相当の理由がないのに値上げをしないとか、あるいは過剰転嫁をするとか、こういったことは避けてもらいたい、こういうことであらゆる方面を通じまして推進本部でそのことを今PRしている、こういうことでございます。
○栗林卓司君 私が申し上げていますのは、四月一日から転嫁義務が発生していることは最初から申し上げているとおりなんです。ところが、四月一日という日時を特定して強制をするというものは法律にはないはずですから、四月一日以降の幅の中で、だからといっていつでもいいなんということは言いませんよ、幅の中で極力御努力願いたいというのが法の趣旨であって、合理的な根拠があれば、なければだめですよ、あれば転嫁日が多少振れたにしてもそれは許容範囲の中ではないか、そういった理解ができないだろうかという質問をしたのです。 それで、弾力的運用のもう一つの核心部分は何かといいますと、実は税務執行の弾力的運営として、広報、相談、指導を中心にして税を執行するということが書いてあります。この言外の意味は調べませんという意味なんで、これは調査と書いてないのだからそう読むのが当たり前だという意味ではなくて、これは調査をしないという意味ですねということを再三私は確認をいたしました。このことについて深追いをして議論をするつもりはありません。ただ、調査をしないのですから、転嫁をしているかいないかはわからないですね。それはあくまでも事業者と消費者との関係であって、どうしてもソフトが間に合わない、だったら転嫁が一週間おくれたってそれは考慮し得る合理的な根拠ではないのか。どうしても市議会が承知をしない、これもだれもが納得できる合理的な根拠ではないのか。そういった意味で、消費税の転嫁についてある幅を持って、そこのところでは努力義務はありますよ、あるけれども、具体的な義務の特定としては日時が特定されていない。しかも、どうなさろうとそれはもう信頼関係で見ておりますから調べません。これは弾力的運用の基本的構造ですからね。そうなりますと、転嫁についてももう少し消費者のわかる時期において、幅のある態度をお出しになってしかるべきだし、またその方が消費税が消費者に素直に理解されるようなことになるのではありませんか。 以上が質問であります。
○国務大臣(村山達雄君) 弾力的運用は、もう法律でどういうことをやるかということははっきり書いてあるわけなんです。ですから、法律のとおりにやるわけでございます。また、運用につきましても、既に発表しております運用でやるわけでございます。言いかえますならば、四月一日以降の取引については消費税が含まれたものとしてその取引は計算いたします。この原則は変わりございません。ですから、それが第一の点でございます。もうその中には消費税が織り込まれたものとしてすべて取り扱います、これが第一でございます。 それから、執行面における弾力的運用と申し上げておるのは、あそこに書いてありますように、万一、いろいろ計算がありましょうが、間違っておりましても加算税は取りません、こういうことを書いてあるわけでございます。ですから、本税を納めなくていいとはちっとも書いてないのでございます。この点はぜひ間違えないようにしていただきたい。 詰めて申し上げますとその二点でございます。
○栗林卓司君 とにかく消費税が転嫁されているものとして計算をいたします、こういうお答えでございました。その部分がややわかりにくいわけでございまして、重ねてお尋ねをしますけれども、現実に転嫁されているかいないか、これは取引の実態を反映しているわけですからあるわけですね。それを転嫁されているものとみなしてというのは、転嫁されていない場合でもされているものとみなして計算をする。そうとしますと、消費税というのは第二事業税である、その性格を色濃く持っているのだということを暗に前提として考えない限りとても言えない理旧だと思うのですが、その点はいかがでありましょうか。
○政府委員(尾崎護君) 四月一日から消費税が始まるに当たりまして、確かに始まった当初におきましてそのまま課税をするのはちょっとぐあいが悪いのではないかというものにつきましては、経過措置といたしまして種々手当てをしてあるわけでございます。法律上はっきりそれは手当てをしてございます。それから、弾力的運営の中におきましても、消費税導入前取引への適切な配慮というのがございまして、通信販売でございますとか書籍等の予約販売につきまして、特別に弾力的な措置を個別にまた講じてあるわけでございます。したがいまして、そういう特別の措置を講じてあるもの以外の取引につきましては、四月一日からの取引につきまして消費税を計算する上での売り上げに入る。したがいまして、その売り上げの三%が消費税になるわけでございますから、御指摘にございましたように、企業課税的な性格を持たないように、四月一日から転嫁をしていただきますと完全に転嫁が行われて、そして正しい消費税の計算ができる。それがおくれますと、その分だけ企業の御負担になることがあり得るということでございまして、そこで私ども、その意味をいろいろ各方面に御説明しているところでございます。
○栗林卓司君 大分食い違っているようですから、じゃさかのぼって二つばかり確認をして別な質問に移りますけれども、とにかく申告期限は半年延ばしたわけですね。延ばしたということは、延長された半年が終わるまでは納税額は確定しないわけですね。要するに、先ほど来申し上げておりました納税義務が具体的な金額として確定しない。それが三月三十一日から九月三十日まで六カ月間延びたということでありますから、ごく素直に考えて、その間の期間に見合う取引に関する消費税は、手元に仮受金として留保しておいてよろしい、こう考えて間違いありませんね。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の申告納税を行うのは、一番早いケースというのは恐らく四月決算法人であろうと思います。本来の規定でいきますと、それが六月に申告納付をする。そこで税額も確定するわけでございます。 先ほど大臣からお話しございましたように、正確に言いますと、その後の修正等もあり得るわけでございますが、一応そこで確定するわけでございます。それを九月まで延ばしております。したがいまして、その間、四月決算法人でありましても、九月までの間仮受金といいますか、帳簿上の処理は別といたしまして、事業者の手元に、税の納付が起きませんので、消費税見合いの額がとどまっているという形になります。
○栗林卓司君 それでその仮受金相当額幾らになるかはケース・バイ・ケースで違うわけでありますけれども、これを財テクに使うというケースがあったとしたってこれは違法でも何でもありません。むしろそうする方が事業経営者としては最も適当だと御判断になるところが多いかもしれません。それはもう財テクに使っていいよというときに、見合う半年間、やっぱり消費者の方からは三%転嫁をしますよというのはいかにもバランスがとれてない。消費者に転嫁をするものもやっぱり弾力的運用という言葉が、あるいは制度が要望をされてきた趣旨に照らして見直していく必要があるのではありませんかというのが、先ほど来申し上げたことでありまして、ある日に、特定な日に三%をオンしろということを言っているのではなくて、四月一日以降ある幅の中で努力をせいよというのが法の精神でありましょうから、そうすると三%転嫁についてもケース・バイ・ケースでいろいろあってもよろしい、そういった態度を国税当局としてとることは、それほど不都合なのでありましょうか。
○政府委員(尾崎護君) 転嫁は、しょせんは値決めの問題でございますから、どこで新しい値段を決めるかというのは最終的には事業者の御判断ということになるわけでございますが、ただ、四月一日から納税義務が発生しておりますので、それがおくれますと、いわば事業者のしょい込みになる可能性がございます。私どもはそういう意味で四月一日から転嫁をしていただきたいということを申し上げているわけでございます。
○栗林卓司君 今しょい込みになる可能性があるとおっしゃいました。しょい込みになるのを覚悟の上だったら延ばすこともこれはあり得るかもしれないということも、言葉じりをとらえるようでありますが、何も好きこのんでしょい込みをする事業者もいるまいと思いますけれども、ただ諸般の状況からして、この際は若干延ばした方が消費者との関係等含めて合理的な判断だという事業者の判断はあっていい。それに対して徴税当局がどう判断しようと、それはもう転嫁したものとして計算をしますよという判断があったってそれはそれでもちろん構わない。問題は四月一日に、もう一夜明けた途端に全部ががらっと変わるみたいな、そんな大仕掛けな変革を考えているわけではございませんという印象を与えた方が私はいいと思うのだけれども。 何年もかけて法律案原案をつくって、法律案ができてからまた何年もかけて、消費者とのネゴを繰り返してきたイギリスの例に見るまでもなく、問題は消費税の転嫁に意味があるのじゃなくて、消費税をどのように根づかせるか、そこに最大の目標があるはずですね。それに照らして言うと、片一方事業者に対しては六カ月延ばしたわけですから、同じように消費者に対しても格段の、判断の幅を広げる余地を物の言い方として残しておかれた方が、今回の新税の提案者としては当然とるべき態度であり、望ましい態度ではないのだろうかと思いますので、この点ちょっと質問がくどくなりました、重ねて御所見を伺います。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の円滑なスタートにつきまして、大変御配慮をいただきまして御礼申し上げます。 現実の問題といたしまして、おっしゃるような事例も出てくることもあろうかと思います。ただ、これも考えようでございまして、この四月一日を機としてきちんとした値決めをするということの方が、消費者の立場から見ましても、きちんとそれが税金分であるかどうかということがわかりやすいということもあろうかと思います。余りばらばらにいきますと、本体価格の値上げなのか、それとも税金の転嫁なのかということがはっきりわからなくなってしまうという問題も他方にあろうかと思います。 ただ、先生御指摘のように、基本的にはこれは消費者と事業者との間の新しい価格の値決めの問題でございますので、私どもは本来の消費税の趣旨からいって企業課税にならないように、そこは注意をして消費税の発足とともに値上げをしていただきたいということを申しておりますが、最終的には事業者の方の御判断とならざるを得ない問題であろうというように存じます。
○栗林卓司君 この「NEW TAX」というのはどこでお出しになったんでしょうか、これは政府広報になっています。この中に「転嫁をめぐる問題にお答えします。」というのが三十一ページにございまして、上のところで「値上げが必要となる場合であっても、」、というのは、消費税をオンしてですね、「必要となる場合であっても、事業全体の中での値上げ率の調整、商品の内容(容量、距離、時間など)の変更などによって、対応が可能と考えられます。」、これは「自動販売機」という見出しがありまして、そこのところでこういった言葉があるのですが、消費税を転嫁した結果値上げが必要となる場合であっても、いろいろ考えていけば全体の中で対応が可能と考えられます、簡単に要約すれば以上の内容であります。これは別に変わったことを言っているのじゃなくて、まことにこのとおりだと思うのですね。 それで、自治省にお尋ねしたいのですが、事業全体の中での対応を考えるという意味は、私企業であろうと公共企業体であろうと本質的には変わりはないと思うのです。したがって、消費税を転嫁すれば自動的に価格が値上げになるというように無理に考える必要は全くないのではありませんか。
○説明員(松本和雄君) お答えを申し上げます。 御指摘のとおり、地方行財政運営上の改善合理化措置、これは私ども自治省としても否定しているところではございませんし、それどころか絶えず地方団体でも努力しておられると思いますし、この上とも大いに努力していただきたいと熱望しているところであります。しかし、この地方行財政運営上の改善合理化ということと、消費税の転嫁という問題は基本的に別問題でございます。したがいまして、地方団体におきまして行財政運営上の改善合理化等に名をかりて、安易な対応を図るということは厳に慎むべきものであると考えております。 例えば、地方公益企業におきまして企業努力等を理由に転嫁を見送るというようなところもございますが、こういったところにおきましては、新たに恒常的な財源を見つけて対応していただく必要があるわけでございます。消費税の分の三%の負担というのは、恒常的にこれが続くわけでございます。それが安易に、例えば自分の持っております資産の売り食いをするとか、あるいは中には確たる成算もなく、ただ転嫁を避けるために名目内部努力というようなところもあるかもしれません。こういったところは、住民生活に不可欠な、例えば上水道ですとか下水道ですとか、そういうサービスの安定的な供給にも支障を来すことにもなりますし、厳に慎むべきものであると考えております。 また、一般会計等の使用料等につきましては、これを転嫁せずに住民税等によって肩がわりをいたしますことは、本来それぞれの利用者にその利用、財貨サービスの受益の度合いに応じて負担していただく、したがってその人たちに転嫁すべき消費税を住民全体に転嫁するという不都合が生ずるわけでございまして、結果的には住民間に不公平が生ずることとなる等、極めて不適切な措置であると考えておりまして、地方団体におきましては、法律の趣旨を十分踏まえまして円滑かつ適正な転嫁に努めてほしい、こう指導しているところでございます。
○栗林卓司君 地方公共団体の公営企業等含めて、値上げというのは地方議会との関係では大体理解を得ることが非常に難しいし、結論を得るまでに長い期間をかけるのがほぼ通例だと私は理解をしております。そうしますと、四月一日法が施行されたからすぐ自動的にやってくれと言われてみても、それは受け入れられないというのが当たり前の理屈であって、何も受けないのは態度が悪いと言わんばかりの言い方をされがちですけれども、そうじゃなくて、地方議会にそんなことすぐやれと言われたってできないのが地方議会なんです、もともと。努力はもちろんしなきゃいけないけれども、四月一日の消費税施行からごく短期間にオンをしろと言われたって、それはできないということであって、仮に、例えば消費税のオンを見送って、その分を地方税で住民一般に回すということが果たして正義なのか。それともそういった格好で、住民の大多数が地方税で負担をしながら、水道料金だけは変わらずに適用しましょうということが正義なのか。これは何とも言えませんわね。それは地方議会の慎重かつ熱心な議論を経て初めて結論が出るところであって、要するに全体として対応していかなきゃいかぬ。四月一日から消費税が施行、したがって自動的に地方公共団体は算術計算でオンをしろというのは、これは行政府として誤った判断ではないのか、そう思いますが、この点は、先ほど来私が申し上げたように、四月一日に全部そろえて新幹線の時間表みたいな形で転嫁しろというのはむしろ無理で、そんなことやったら消費税はめちゃめちゃになる。もうケース・バイ・ケースに時間をかけて納得しながら、日本人にとって初めての制度ですから、それが根づいていくようにかけて、時間そのものが今や大切なんです。そうしていきますと、今あちこちでばらばらに市議会で消費税の反対決議やったり、延期決議やったり騒いでますけれども、あれもやっぱりみんなが納得をし理解をしていく手続の一断面ですから、そういった目で見ていくのが自治省として当然のお立場かと思いますが、いかがですか。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 ただいまの御指摘は、何分にも消費税制度、我が国にとって初めての制度でございますし、御案内のとおり導入までの期間にも制約があることも事実でございます。そういったことをおもんぱかって、導入時の混乱を生じないようにというお立場からの御発言だと承知しておりますし、その御趣旨については理解できるところでございますが、御案内のとおり、地方公共団体の場合は税制改革法に基づきまして事業者として、そしてまた国とともに新しい税制の円滑な推進に資するための環境整備に配慮すべき、そういう立場にございます。一方、消費税法は既に昨年十二月三十日に公布施行されておりまして、地方公共団体におきまして転嫁のための所要の措置をとるとらないにかかわらず、確実に四月一日からは消費税転嫁したものとして、納税義務が生じてくるわけでございます。いろいろ時間の制約等もあるのは事実でございますが、現に多くの民間の方々も新しい制度の出発に向けて、額に汗して相当苦労して準備をされているのも事実でございます。国とともに、先ほど申しましたそういう立場にある地方団体として、私はむしろ他の模範となるよう適切、円滑な転嫁に努めることこそ望まれるところであろうと考えております。 この点につきまして、地方団体におきましても、今次税制改革の一般増と合わせまして、もっともっと理解を進めていただきたいし、議会におかれましても、この点について十分御理解のもとに御審議願いたいし、また執行部においてもそういった理解が増進されるように、執行部なりに努力をしていただきたい、こう期待しているところでございます。
○栗林卓司君 お話を伺っていますと、無理が通れば道理引っ込むという言葉を思い出すのですね。そんなに肩を怒らせて取り組むような問題では私はないと思いますよ。しかも、すべての国民がこの税制改正に対する参加者ですからね。国と地方団体の関係がどうであって、そんな話はここでは別ですよ。 そこで、民間でも御努力いただいているというのだけれども、経済企画庁の方にお伺いしますけれども、転嫁というのは物価に三%をオンすることを称して物価と一般的に受け取られているわけでありますが、この物価というのは静止した水準なんでしょうか。物価というのはしょっちゅう動いているものを物価というのではないのでしょうか。したがって、動いているものに三%オンした結果が、前の値段に比べて上がっているのか下がっているのか、神のみぞ知るであります。そういった目で見ていくのが物価というものではないのでありましょうか、専門家の立場からの御所見を伺います。
○説明員(井坂武彦君) 大変難しい御質問でございますが、私どもは消費税の導入に伴って物価にどういう影響を及ぼすかという試算等をいたしておりますけれども、その際の考え方としては、ある程度一般的な物価上昇というのは消費税に限りませんで、通常起こるであろうということを前提にしながら、消費税の導入に伴う物価上昇分というのは、その水準がどういうふうに理論的に計算されるかというようなことで試算をしているところでございます。
○委員長(梶原清君) 時間が参っておりますが。
○栗林卓司君 いろいろお尋ねしたいことがございますけれども、決められた時間が参りましたので、以上で質問を終わりますが、まだ消費税に対する質問は始まったばかりで、到底終わったわけではありません。このことを一言つけ加えて質問を終わります。
○野末陳平君 消費税ですけれども、業者というのは予想外の反応を示すというか、もう私もどうなるかいろいろ予想していたことと大分違う場面が出てきたので、商売人というのはしたたかだなと思ったりしているのですけれども、その一つに、早くも二月、三月で便乗値上げ的な動きがかなり一部に出ておるのですが、大蔵省はもちろんそういうこともかなり御存じなんでしょうね。
○政府委員(尾崎護君) 幾つかの例を耳にしております。
○野末陳平君 これがどういうふうに落ちついていくかというのはなかなか予断は難しいわけですが、少なくも消費者にとって便乗値上げと思われるような、あるいはそれ的なそういう値上げはもうまさにありまして、新聞などもその一つだと言われているくらいですから、それをまねしたわけじゃないけれども、免税業者、つまり三千万円以下のところでも、特に内税でこなすところはかなりの値上げをやりつつあるようですね。その場合にお国に取られるという言い方をみんなしているんだね。これはお国に取られるので私たちのもうけにならないのだと、こう言ってこの消費税が悪いと言わんばかりの言い方もしている、そういうのが非常にあちこちで四月以降トラブルになってくるのじゃないかと思って心配しているのですが、そういう一々のトラブルは今後どこが苦情とか相談を受け付けるのですか。
○政府委員(尾崎護君) ケースによろうかと思いますが、経企庁を中心といたしまして物価の問題に当たってまいりたいと思います。 例えば、税務署等にお話がございましても、できる限りお役に立ちたいと考えております。
○野末陳平君 問題はそこなんですね。現実的な解決の答えを示さないのですよね。現に、今でもそういう窓口なりあるいは説明を求めても、素人もかなり知識がないから無理もないのだけれども、下請いじめの問題から便乗値上げ的な問題からすべて、公取であろうが所轄省庁であろうが税務署へ電話しても、窓口であれやこれやと言いくるめる説明はするけれども、現実の解決まではまず期待できないでしょう。そこがかえって消費者なり、あるいは相談者に反発を感じさせちゃって損な結果にもなりがちだし、そこのところどういうふうにしますか。
○政府委員(尾崎護君) 先般、国税局、財務局、税関の三部局長会議というのをいたしました。総理も御出席になられましたが、そこの席におきましても、総理から、たらい回しというようなことにならないように、相談を受けたらその場で問題を解決する努力をするようにというお話がございました。 下請のお話でございますと、例えば通産省でありますとか、公取でありますとか、確かにいろいろ所管省庁がございまして、専門にその問題を検討しているところがあるわけでございますけれども、できるだけたらい回しにならないように御相談に応じていきたいと考えております。
○野末陳平君 これ、四月以後の話ですから、今あれこれ言っていい答えが出るわけではないのだけれども。問題は電話で、たらい回しをしないでどこかで責任を持ってというのはいいけれども、電話でもって直接いろんな現実的なケースに対応できませんから、そこが恐らくこれから問題になってくるだろうと不安を持っているのですけれども、そういうことも含めてちょっとぼちぼち質問していきます。 まず小さいことですけれども、今回個人事業者の消費税の確定申告、これを翌年の三月末日とする、こういうふうに出ておりますが、これはなぜこういうふうにしたのですか。
○政府委員(尾崎護君) 個人事業者の場合には、消費税の課税期間が暦年となっておりまして、そして二カ月後に申告納付をするというのが本則でございます。したがいまして、二月末に申告をしていただくということになるわけでございますが、それから半月後に所得税の確定申告を控えている、そこが大変忙しい時期でございますし、できれば一緒に申告をするというような道も開いてほしいというような御要望が数多くございまして、そのような御要望に応じまして、慣れないうちの話でもございますので、三年間に限りまして三月末まで延ばしました。そこに一月間の余裕を生じさせたわけでございます。
○野末陳平君 つまり、個人事業者への配慮だと思うのですけれども、逆にこの配慮が行き届かないと変に誤解されまして、業界の説明会で、小さい業者たちの集まりですけれども、どうも所得税の申告も本来三月十五日なのに、これも一緒に三月末でいい、こういうふうなことも言っているのですね。だから、優遇はいいのですけれども、非常に細かい配慮がかえって誤解を招くことにもなってもいけないでしょう。そこで、所得税と消費税を一緒に申告した方が僕はいいという業種もあると思うのですね。それから、分ける方がいいのもあるのでしょうが、少なくも三月末まで延ばした以上は、これは消費税だけで所得税はいつもどおりでやってというような、その辺のごく当たり前のことをきちっと強調するようなことをしないと、変な混乱もあるのじゃないかと思いますけれども、そういうことは全然考えていませんでしたか。
○政府委員(伊藤博行君) 立法的な措置は今法案で御審議いただいているとおりでございます。 それで、仰せのように、消費税の場合も所得税と同じく確定申告書という言葉を使っておりますので、今回の提出期限の延長が所得税にもという誤解が、あるいはあるのかもしれませんが、私どもといたしましては、この法案が成立いたしました後におきましては、事柄は所得税については従来どおりでやる、本件延期は消費税のものであるという点についてはいろんな形でPRしてまいりたいと思っております。 それで、立法論的には先生お話しのように三月十五日で合わせた方がいいじゃないかという御意見の方もおられたのも事実でございますけれども、同時にまた、山を一つのところの山にしないで二つにした方がいいという御意見の方もございました。そういう意味で、三月十五日ではなくて三月末という格好にしておりますけれども、この変更は所得税については従来どおりでございますので、その点の誤解がないようにいろんな機会、私どものいろんな広報媒体を通じまして、今後とも誤解のないよう広報に努めてまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 それから、国税庁に聞きますけれども、消費税の確定申告書は別刷りになると思うのですけれども、今所得税、住民税一緒にコピーにして書けるようになっていますけれども、そういうような一回でできるとか、うまい申告書のつくり方というのは考えられないですか。全然別のものなんですけれども、そもそもが。そもそもそうなんですが、しかし共通する数字は当然売り上げその他あるわけですから、その辺はできませんですかね。
○政府委員(伊藤博行君) 先生のお話の趣旨、非常によくわかります。したがいまして、申告書の内容をできる限り簡潔なものにしたいという努力はいたしたいと思っております。 ただ、所得税で記載する項目に比べますと、相当消費税の場合には項目が限られております。それから、若干所得税とは違った項目もまたございます。そういった点で、むしろ消費税自体を、様式としては別個になりますけれども、それ自体を可能な限り簡素なものにしてまいりたいということが一つ。それから、相当多くの方が簡易課税を選択されるのではないかという感じがしておりますので、そういった方についてはさらにより簡素な形式の様式を工夫してまいりたいということで、消費税の申告それ自体にそれほど難儀を感じないといいましょうか、難しさを感じないような工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 それから、これからは確定申告が所得税と消費税と二つ出てきたりして、かなり事務量がふえるでしょう。そういう場合はもう十分に、今でももう迫ってくるとすごい混雑していますけれども、十分に対応できるような人員できちっとやっていけるようになっていますか。どこが消費税をやるかは別として、両方一緒に持っていったときに、例えば僕が持っていったとしますでしょう、そうすると所得税の方に行って、また消費税の方に行くわけですけれども、大混雑していますからね、今でも。その辺のことは税務署のスペースもあるし、それから人員の問題もあるけれども、特に人員の問題はきちっとやれるような配置になっているのでしょうかね。
○政府委員(伊藤博行君) 消費税の導入に伴いまして、執行面における対応をどうするかという点でございます。 一つは、今お話しのような人員面の関係でございますけれども、今次元年度の予算におきましては、その関係で七百名の増員をお願いしてございます。 それから、第二の具体的な執行のやり方という問題でございますけれども、特に所得税関係、個人事業者の関係は来年の三月が第一回目でございます。私どもも、そこは先ほど来御議論ございますように所得税の関係と同時、若干の時期の差はございますけれども、なるということで、相当前向にどう対応するかというのを検討してまいりたいと思っております。実際のノーハウといいましょうか、申告を受け付けるについてのノーハウも個人所得税の関係でいろんな工夫を年々凝らしてきております。そういったこれまでの過去の経験を踏まえながら、混雑度を可能な限りミニマムにするというための工夫を、これから一年の間に十分検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 消費税については初めての税制ですから、今後どういうような事態が起きるかいろいろわかりませんから、やはり専門家が少ないというのが一番まずいことになりますから、これは、きのうも鈴木さんの方からありましたけれども、やはり人員七百人といっても、結果的には各税務署単位ではふえているうちに入りませんし、やはりこれは税理士さんなどを手伝わせたり、いろいろなことはやるのでしょうけれども、人員だけは今後とも積極的にふやすことが不公平をなくすことにつながりますから、その点は大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃったように、これは特に個人につきましては確定申告との関係がございますし、そうしてまた課税期間が全く同じでございますから、よほど工夫を要するのじゃないかと思います。ただ、今次長が申しましたように、所得税、法人税とほとんど同じようなことになっておりまして、若干取り扱いの違うところでございますので、そこの計算の仕方、それから税務署における応対の仕方、これからうんと工夫して納税者に迷惑がかからないように最大の努力をしてまいりたいと思います。 私は、日本の国税庁は非常に執行能力はすぐれておりますので、何とかこの程度のことはこなせるのじゃないかというふうに希望的な観測を持っております。しかし、委員がおっしゃいましたように、抜かりがないようにこの上とも万全の努力を尽くしてまいるつもりでございます。
○野末陳平君 幾ら有能で頑張ってもらっても人が足りないということは致命的ですから、その方は積極的に今後やるべきだと思いますから、それを言っておきますね。 さて、消費税に対しての細かいことなんですけれども、要するにわかりにくいとか、あるいは不安だとか疑問だとか、それは当然そういう面はあるのはわかっていますが、それにしても不徹底で、あちこちでいろいろな問題があるので、気がついて言おうと思うのだけれども、言っちゃってかえって混乱しちゃ悪いから黙っちゃったりして僕は随分困っていることがあるのですが、一つ、二つ具体的なことを聞いていきますね。 高校や大学の授業料や入学金のことですけれども、今年度、つまり四月以後入学する生徒たちに対しては、消費税の扱いはどういうふうになっているか、まず原則をちょっと言ってくださいね。
○説明員(黒川征君) お答えいたします。 平成元年度入学者の入学金につきましては、課税、非課税の問題は生じないというふうに考えております。施設設備費につきましては課税ということになっております。授業料以外のそれらのものについては課税、入学検定料については非課税ということになっております。
○野末陳平君 つまり、入学金については来年の二月、三月に払う、つまり来年の四月からの子は入学金は三%になるはずですけれども、ことしは二月、三月に納入する、そして四月から入学するというような生徒たちは、高校とか大学の場合ですが、入学金と称するものがあれば、私立なんか当然あるのですけれども、これはことしは非課税になっていると、こういうお答えですか。大蔵省に確かめておきますけれども。
○政府委員(尾崎護君) 来年からは先生お話しのような課税が行われるわけでございますけれども、ことしにつきましては課税になりません。
○野末陳平君 そうなんですけれども、さてそれが、一般の父兄には到底わからないことですけれども、学校の方にもわかっていない学校もある、こういうことなので、実は入学金にも三%乗せて、この二月、三月に父兄からもらっちゃった学校があるのですけれども、知っていますか。
○説明員(黒川征君) 入学金につきまして消費税として三%いただく、そういった事例については承知しておりません。
○野末陳平君 それは父兄自体が全然知らないからなんですよ。そして学校の方も首かしげている、つまりわかりにくいのですね、本来はかかるんだ、四月からは。だから、本来授業料とか入学検定料を除いて非課税だと言いながらも、ことしについては入学金は三%乗せないが、今の文部省の答えは施設拡充とかいう費用には三%乗せるのだ、こういうことなんですね。そうですね、そう答えましたね。ここがわかりゃいいんだけれども、説明が不徹底というか、本格的な説明を受けていないらしくてわかっていないのだけれども、文部省とか大蔵省はどういうふうな説明をしたのかしらね。
○説明員(黒川征君) 入学金その他の私立学校の消費税関係につきましては、いろいろ趣旨の徹底を図っているところでございますが、例えば先月文部省は、全文部省所管の学校法人の参集を求めまして、学校法人の運営等に関する協議会、それから都道府県私立学校主管部課長会議等を開催しておりますが、そこの中におきましても説明メモという形で、平成元年度入学者にかかる入学金につきましては、昭和六十三年度中に納入されたものは、資産の譲渡等も昭和六十三年度中に行われたこととなるので消費税の適用の問題が生じないこと。なお、平成元年四月一日以降入学が決定し、入学金を払ったものは課税となることなどを文書という形で配付して説明しているところでございます。このほか、それらも含めましてこれまでに十五の会議におきまして、これらの趣旨の徹底を図っているということでございます。
○野末陳平君 まさに、やってはいるのですね、一、二回は。だけど消費税全体の説明をやっいるのですよ。それで、その中で学校の場合はこうだという、今のお答えのとおりの文言は刷り物にはあるのだけれども、しょせん説明メモであって、徹底的にわからせるほどはやっていないらしくて、結局たまたま説明会に来る人は理解もできないし、結局は窓口で不徹底のまま何か乗せちゃったり乗せなかったりという、一種の混乱があるのですね。ただ幸か不幸か、父兄は入学するときにはもう取られるものだと思っているから、見て三%、ああもうしようがないのねなんてやっているという状態なんです。だから、僕はトラブル起きていないと思うのですが、もし文部省がこの問題に関心を持つならば、きちっとお調べになったらば、入学金に三%を乗せて払っている父兄がいることは、学校も幾つかありますからわかるのですが、問題は、僕が今これを言っても返せるかどうか、返すべきことかどうかわがらなくなっちゃっているのでね、つまり特例ですから。そういうことはもっと徹底させた方がよかったのか、幾ら徹底させてもこの時間ではだめだったのか、全くこれは単なる一例ですけれども、こういうことがあっちこっちですごく多くあるのですね。 もともと四月からは無理じゃないかなと僕も思っていたのですけれども、結果的には多少の混乱はやむを得ないにしても、入学金というのは何万円だから、あるいはそれ以上だから三%というのは結構でかいのだよね。それを知った父兄がびっくりしちゃうのだよ。びっくりしても今度学校にどう言っていいかわからない、こうなっている。こんなのは単なる一例かもしれませんが、大臣、やはり徹底させるのに幾ら頑張ったって素人の人がすぐに一回や二回の説明で完全に行き渡らないという部分もあるのだよね。だから、非常に評判も実態以上に悪くなってしまうということで嫌な感じがしているわけなんですよ。もう入学金のことは余り言いませんけれども、こういう不徹底なことがあちこちにあるのじゃないかと思う。こういう問題は四月以後に出てくるのじゃないか、こういう心配は大蔵省はしていませんか。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のようなことが、特に新制度の始まります境目のところで生じやすいことは私どもよく承知しておりまして、そこのところは十分気をつけましていろいろとお話をしているつもりなのでございますが、ただいまの入学金の問題にいたしましても、結局今年度中に入学の意思を明らかにしてその学校に入るという、学校という施設を利用し得る地位を取得するかどうかということが判断の基準になるわけでございます。ですから、もしも合格者の入学の意思の確認が四月一日以降になりますと、四月の入学者でありましても入学金も課税になるということになるわけでございまして、四月一日と三月三十一日、その境目のところで問題がいろいろ出てくる。そこは十分気をつけたつもりでございますし、必要なものには経過規定も設けた、弾力的運営においてもその配慮をしたということでございます。こういう問題は、四月からスタートいたしますとなくなってくると思うわけでございます。
○野末陳平君 ちょっと、全然違うこと何言っているの。あなた、四月以後じゃないよ。二月、三月にもう既に払っちゃった話を僕しているのだよ。そういう不徹底による混乱が現実にあるのでと言っているのに、四月以後は問題がなくなるとかって、じゃ済んだことはそれでいいというわけ。
○政府委員(尾崎護君) 私が申し上げておりますのは、ちょうど新制度の始まります境目のところで、入学金の問題にいたしましても、入学という学校の施設を利用する地位を取得するその対価でございますから、それが三月中に確定するのか、四月になって確定するのかによって、課税と非課税が分かれてくるという問題がありますので、そういう境目のところには確かに御指摘のように非常に難しい問題が生じてきて、そういうあるいは間違いも起きているのかもしれません。私は具体的な例は存じませんが、そういうことが起こり得るかもしれません。しかし、その種の境目の判断の問題は、四月スタートいたしますと、入学金に限らずその種の問題はなくなるわけでございまして、この境目のところは我々も十分注意をしたつもりでございますが、そういう問題は四月からはなくなってくる、そういう点での混乱というようなことは、なくなってくるということを申し上げたかったわけでございます。
○野末陳平君 まいっちゃったな。四月一日以後起きたらえらいことだよ。そんなことを言っているんじゃないのよ。不徹底なるがゆえに、そういう文部省の指導したのと違う事態が起きちゃっていてと。時間のないことによる混乱は、幾らこちらが努力してもそういうのは起きちゃったけれども、それについてもうしようがない、四月以後は、起きないからと言われたのじゃ困っちゃうのだよね。だって、それだったら一々返してあげなさいと言わざるを得なくなっちゃう。だから、ちょっとピントのずれたことを言ってもらいたくないのだな。要するに、不徹底なるがゆえにいろんなところで混乱が起きて、消費税の導入に非常に評判が悪くなったりして、スムーズにいきそうもなくて心配しているのだから。
○政府委員(尾崎護君) 御心配いただいていることは私もよくわかっております。そこのところは、境目のところにいろいろ難しい問題が生ずるだろうということで、私どもも十分注意をしてきたということを申し上げたつもりなのでございますが、現実に消費税ということで、三月中に入学が確定し、いわば学校に入る、その地位を取得する対価、三月中に確定しているのに、それで消費税ということで三%分をいただいているということになりますと、御指摘のような問題が……
○野末陳平君 二月よ。二月からやっているんだよ。
○政府委員(尾崎護君) そういうことでございますと、四月以降の学校へ入学する地位の取得ということでありますと、支払いが仮に三月中であったとしても消費税が乗るというようなことはあるかもしれません。今家賃で起きておりますが、四月分の家賃を三月に払ってもそこに消費税が乗るということがあるわけでございますが、それと似たような話になってくるわけですが、そうじゃなくて、三月中に地位が確定してしまうのにその入学金について消費税がかかっているということになりますと、四月からスタートする消費税を三月中に請求したという、そこに間違いが生じているということは御指摘のとおりです。
○野末陳平君 そんな回りくどく言わなくたって、要するに素人は間違うよ。学校も大手の私立ですよ。幾つかあるのですよ。だけれども、二月の話だよ。二月からもうこういうことがあった。だから、嫌だなと思っているのであって、そういうことは皆さんは御存じなくてもいいのでしょうけれども、しかし消費者がそれに気づくと、どこを恨むか。学校は恨めない、自分のところの息子や娘が入るんだから。そうすると、消費税は要らない、こうなってくるから嫌だと言っているのです。だから、あなたみたいな説明していたら、一般の人はますますわからないよ。私が聞いていてもわからないからね、悪いけれども。ちょっと誠意がないというよりも弁解しようという姿勢の方が目立ち過ぎるのだな。 ちょっとまた別の話すると、例のタクシーがまたもめているけれども、タクシーのメーターは、さっき栗林委員の質問に出ましたけれども、要するにメーターが間に合わない。これはどうするのですか、しばらくの間。個人と法人とあるようですけれども。
○説明員(山下邦勝君) タクシーのメーターにつきましては、今回新しいメーターの方式を導入したこともありまして、通商産業省の方で型式認定が必要になってまいりました。それについては今鋭意やっておられるということで、きょうにも認可がおりるというように伺っております。一方、生産体制の方も進んでおりますので、四月当初から新しいメーターに逐次切りかえられていきまして、四月の末ごろまでには一応の装着が済むのではないかというふうに考えております。その間は普通の料金改定のときも行っておりますけれども、換算表という形でメーターとは別の料金をいただくというようなやり方をとることにいたしておりまして、そのこと自体の混乱はないかと思っております。 ただ、個人タクシーにつきましては、免税業者がほとんどでございますので、いろいろ混乱を生じるということで、その換算表は使わないという措置をとっております。これは個人タクシー側がそういったことのトラブルを避けるために、換算表の使用をやりたくないという希望を出しましたために、私どもでとりました措置でございます。
○野末陳平君 よくわかりました。要するに、法人はかなり早い時期に間に合うであろうが、個人は四月末になりそうだから、その間は換算表では無理なので従来料金、こういうことですね。そうすると、いわば運輸省が一番嫌がっている二重料金が一月は少なくともあるわけだけれども、その問題はさておき、今の個人タクシーはメーターの改造費を個人で負担するのですが、大体一個幾らぐらいですか、一件。
○説明員(山下邦勝君) メーカーによって多少の差はございますが、大体十万円前後でございます。
○野末陳平君 結構な負担なんですね。そうすると、個人タクシーの方は世間の批判を浴びながらも値上げはうれしいでしょうが、しかし、むしろこれなら料金据え置きをしてもらっていても、メーターを改造しない方が得だという人もいるのです。 また、僕は消費税のために今の十万円ぐらいの改造費まで負担しなきゃならないのも、ちょっと損な話だなと思ったり、いろいろ人によって違いますよ、意見は。 さて、そこで問題です。こういう消費税転嫁が、税法上は必要でない三千万以下の免税業者であるところの個人タクシーまで一緒くたに法人とともに値上げをさせられてしまった。この背景をもう一度ここで考えてみたいと思うのですね。これはどうなんでしょう。消費税の持つ幾つかの欠陥があらわになってしまった、その結果不信感に火をつけるようになった、その象徴とも言える話なんだね。 大蔵省に聞きますけれども、消費税にとってはかなり、命取りとは言わないけれども、かなりマイナスになるようなばかなことをなぜ認めてしまったのであろうかと思うのですけれども、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 個人タクシーの場合にも、ほかの免税事業者と同じように仕入れで負担をしている税の分があり、それを転嫁していただくという問題が一つあるわけでございますけれども、そのほかに、この件について特殊なことといたしまして、利用者の利便ということを考えまして、運輸省の方で同一地域同一連賃という方針をとっておられる。それはまた税とは違う立場からの一つの行政上の考え方でございますので、そのような原則をとって運輸行政が行われておりますことを尊重してまいりますと、同一連賃で決めざるを得ない。それは課税事業者の転嫁ということを配慮して決められた運賃ということになりますと、反射的に非課税事業者もそれと同じだけの運賃の引き上げを生ずる、こういう結果になっているわけでございますので、これはやむを得ないことであるというように考えております。
○野末陳平君 やむを得ないと簡単に言いますけれども、今の同一地域同一連賃という、お客の利便を考えたと言うけれども、お客は今や別料金の方を望んでいるのじゃないの。同一地域同一連賃でなければお客が困るというのは、具体的にどういう点で困るの。
○説明員(山下邦勝君) 例えば街頭で拾います場合には、自分は安い方を選びたいということでとめて、あなたは高いから行ってくれということをやりますと、非常にタクシーの労働者に負担をかけますし、そういうことの中で、例えば客の奪い合いみたいなことが起きてくるということは、私どもでは避けたいということで、こういう制度をとっておるわけでございます。
○野末陳平君 そういう面もあり得るでしょう、急いでいるときは。でも、このごろのお客は、例えばJRと私鉄だって、同一地域でも確実に運賃が違うときにはうまく使い分けるというか、安い方を利用しているし、それが当たり前になっているからね。タクシーが十円二十円違うので奪い合いになると言うけれども、小型が来るか中型が来るかで奪い合いになることもないしね。個人タクシーが、自由料金にするかどうかは別として、従来料金で走っていたら、個人に乗りたい人は、つまり値上げが嫌な人はそれを待つだろうし、お客がそんなにばかなことをやって奪い合いしたり、タクシーの運転手に迷惑かけるとは僕は思えないのだよね。今やそのぐらいにみんな利口になっているし、やぼじゃなくなっているのだけれども、同一地域同一連賃というのは、昔何か神風タクシーがあって、客も悪いわ運転手も悪いわとか、そういう時代の名残をいまだに引きずって、それがお客だと思っているのじゃないの。違うのでしょうかね。
○説明員(山下邦勝君) いろんなお考えがあるということは、この問題については承知はいたしておりますが、世界的に見ましても、タクシーについてはどれをとっても同じということが安心感を与えるということで、先進国の主要都市ではほとんどとられておる制度でございます。ただ、いろいろそういった面の競争がなくなると別の弊害が出てくるということにつきましては、私どもは能率的な事業者のコストから運賃を算定いたしまして、そういう弊害がないような仕組みをとっておりまして、この面では今の制度についてそう大きな、今回の消費税の導入に伴って変更すべきような事態は生じてないというふうに理解いたしております。
○野末陳平君 運輸省の理屈はそれでいいけれども、僕が残念なのは、そういう運輸行政の立場を重視するというか、それを受け入れる余り、消費税について批判をまともに浴びるようなばかな決定を認めちゃったという大蔵省のちょっとずれたところが嫌なんだよね。 はっきり言いますと、個人タクシーは免税業者ですから転嫁しない、あるいは転嫁するにも、仕入れで負担したコスト分であるから法人とは違っていいのだというそういうはっきりした、税から考えてだれにでも納得できる方法で値上げをするならばともかく、何でこういうふうにごちゃごちゃにしちゃったか。まさに、お客からは税金で取りながら業者は懐に入るという、だれでもが言うこの理屈をそのまま認めるということは、消費税にとって自分の欠陥をさらけ出したようなものでマイナスだったのじゃないのですか。
○政府委員(尾崎護君) 免税事業者の場合には、再々申し上げておりますように、仕入れに含まれている税金分の転嫁をするということが一番望ましいことであろうかと存じますけれども、免税事業者一般につきまして税の計算をするのが大変だろうということで配慮をしているわけでございますから、そのコスト分だけ正確に計算をしろというところまで求めるのは酷ではないか、気の毒ではないかということがまずあるわけでございます。 そこで、免税事業者でございますから、そもそも税金はかかってないわけでございますけれども、しかしコスト分の転嫁ということで考えました場合に、同業者の様子などを見て三%の値上げをしたということがございましても、それは仮に上げ過ぎの分があったにしても、免税事業者のマージン分の三%だけということでもございますので、三%の範囲内であればそれが便乗値上げたということもないのではないかということで私ども考えておりまして、タクシーの例にいたしましても、同一地域同一連賃でございますので、みんな確実に三%上げてしまうというような問題があるわけでございますけれども、他の免税事業者の例に徴しましても三%の範囲内であれば便乗値上げということもないのではないか、あわせて運輸省の方のお考えもあるわけでございますので、他の行政目的からの要請もあるわけでございますから、これは同一連賃になってもやむを得ないものというように私どもは考えた次第でございます。
○野末陳平君 その考え方が結局裏目に出てしまったのかなという気がしますからね。今となってはどうと言えないのだけれども。僕は一番不思議なんだな。個人タクシーの業者があわせてこれをやってくれと言っているのならともかく、彼らも困っているのだから、こういうのはもっといい知恵なかったかなと思うのです。 いずれにせよ、仕入れがあるとすればそれには三%かかっているのだ。個人タクシーの仕入れというのは、聞いてみると毎年毎年コンスタントに何割あるというわけでもなさそうで、だから、やはりこれは利益になる値上げと税の転嫁による値上げというのは本質的に違うのに、それをごっちゃにしたところに混乱が起きてしまったのじゃないかと思うのです。 大蔵大臣に、もう時間ないから最後に聞きますけれども、やはりこういうせっかく導入が決まりながら、この消費税が悪評を招くような、自分から首を絞めてしまうようないろいろなことを大蔵省がやっているのだよね。個人タクシーなんか一番いい例なんだよね。つまり、こういうところが失敗しているのじゃないかと思うのだよね、僕ね。こういうのはこの際に、今までの運輸省のやり方はともかくとして、この消費税をスムーズに導入することが一番大事だと思えば、少々のタクシーの運輸行政上で同一地域同一連賃なんてけちなことは無視しても、税を大事にすべきだと僕は思うのだね、それは個人的考えですよ。それに対して、時間がないから大蔵大臣から一言もらっておいて終わりにしましょう。
○国務大臣(村山達雄君) この問題は免税者の制度をつくったところに端を発しているわけでございますが、しばしば言いますように、今度の消費税は売上税と根本的に違いまして、これは各業界の意見を全部聞いたところでございますが、この前の売上税に失敗したのは、やっぱり納税者の事務負担ということを考えないで税額票方式をやるとか、それから課税期間を三カ月にするとかあるいは非課税をたくさんつくる、こういうところにある、こういうことをこれはもうこぞって皆に指摘されたわけでございます。そういう意味からいたしまして、帳簿方式にする、課税期間は法人税、所得税と一緒にする、非課税は原則としてなしにする、一本税率にする。その上に、小さい人の消費税導入に伴うコスト高といいますか、例えば人を一人雇うということになりますと、二十万で雇っても二百四十万コストアップがくるわけでございます。これをもし、どんどん転嫁していったらこれはまた三%というような話ではないな、あれこれ考えまして免税制度をつくるとか簡易課税制度をつくったわけでございます。 そのことから来る一つの摩擦と申しましょうか、そういうものが今のタクシー運賃に出てきておるだろうと思うのでございます。両方なくすというのはなかなか難しいので、一つの選択したわけでございますが、今委員がおっしゃいましたように、いろんなトラブルを起こしておるということについては、それ自身は残念なことだと思っておるわけでございます。 それで、先ほど入学金についてお話がありましたが、そういうトラブルがないように、やはり是正できるものはその中でも是正していく、こういうことを皆様方の御意見を承りまして、今後とも努めてまいりたいと思いますし、また見直し規定もありますから、我々は、今度四月一日からいよいよ導入されるわけでございますので、この定着状況を見ながら、また見直し規定のあるということに十分留意いたしまして、これから慎重にこの定着を図っていく、そしてまた将来の問題を注意深く見守っていきたいと思っております。 きょうは委員の御指摘ありがとうございました。御礼を申し上げます。
○委員長(梶原清君) 野末委員に申し上げます。 黒川課長から追加の答弁がございます。 要領よく、時間が参っておりますので、要点をお願いを申し上げます。
○野末陳平君 じゃ、お願いします。
○説明員(黒川征君) 先ほどのお答えを補足さしていただきます。 学校法人が消費税法の解釈を誤りまして、三月末までに徴収した入学金について消費税を明確にして上乗せしているというような事実がございますれば、当該税額分の返還も含めまして適切に指導に当たってまいりたいというふうに考えております。
○委員長(梶原清君) これにて質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○志苫裕君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。 本法案は、さきに強行成立した消費税の実施を第一の目的としているのでありますが、政府は現下の政治情勢下で、これほど拒否反応の強い税制がうまくいくとでも本気で考えているのでありましょうか。今や、日本列島は消費税パニックで覆われ、国民はあくまでもこの欠陥税法の撤回を求めているのでありまして、内閣の支持率が史上最低、一けたを記録するのはそのためであります。国民の信頼と合意を得ない税制はしょせん定着することはないのでありまして、この際、賢明な選択は、とりあえず四月一日実施を中止する措置をとるべきであります。本案に反対する基本的な理由はここにあります。 第二に、土地税制改革の不十分さを指摘いたします。 政府は、まだ抜本的な土地対策を明らかにせず、したがって、土地税制の具体的改革方向も不明なのでありますが、本法案の登録免許税の課税標準の特例廃止や、収用農地の保有合理化等の場合の譲渡所得の特別控除の引き上げがいかなる意味を持つものか、資産格差、所得格差が広がり、資産課税の強化のために思い切った改革が急務となっておるとき、場当たり的で方向感覚のない改正には反対であります。 我が党は一貫して、原則的には一切の租税特別措置を廃止し、課税ベースを拡大し、政策上の配慮は歳出をもって充てるよう主張してまいりましたが、逆に、消費税を取り込んだ税体系によって、これらの改革が封じられてしまったことはまことに遺憾であります。 以上をもって反対の討論を終わります。(拍手)
○斎藤文夫君 私は、自由民主党を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し賛成討論を行うものであります。 申すまでもなく、我が党は昨年、国民の期待にこたえるべく税制の抜本的改革を実現したところであります。これにより、高齢化社会の到来や経済の国際化に即応し、長寿福祉社会への環境を整備するとともに、経済の活性化が図れるものと確信しております。さらに、今次改革により世代間の相互協力を基盤とする二十一世紀社会を展望した税制が確立されたものと考えております。 本法律案は、このような抜本的改革に基づく新税制が、国民の一層の理解を得つつ円滑に実施されるよう配慮するとともに、緊急を要する政策的事項について所要の措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行おうとするものであります。 まず、土地税制については、譲渡所得の特別控除を収用等の場合においては現行三千万円を五千万円に。農地保有合理化については五百万円を八百万円に引き上げるほか、不動産登記に係る登録免許税の課税の特例を廃止する等、公共事業用地の確保の困難性や、土地基本法に配慮した妥当な措置と考えられます。 そのほか、地域活性化に関しましては、多極分散型国土形成促進法に基づき整備される一定の施設について、新たに特別償却を認めることとする等の措置。また、社会政策上の配慮として、寡婦控除の特別加算措置。中小企業の事務処理円滑化促進税制の創設及び農業の国際化対応の必要措置。消費税に係る確定申告期限を時限的に延長する等の措置。さらに、租税特別措置の整理合理化等については、政策目的と政策効果の観点から、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却制度を廃止するほか、特別償却制度や準備金制度の整理合理化を行うとともに、交際費の損金不算入、中小企業者の機械等の特別償却の適用期限延長措置等を講ずることとされており、いずれも時宜を得たものと高く評価するところであります。 以上が、本法律案に対する私の賛成意見でありますが、最後に、政府におかれましては、税制に対する国民の理解と信頼を一層高めるよう、今後とも税制全般の見直しに努められるとともに、特に消費税の執行に当たり、この種の税になじみの薄い我が国の現状を踏まえ、広報、相談、指導を中心として施策を推進し、制度の円滑な定着を図るよう希望し、私の賛成討論といたします。(拍手)
○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、本案があくまで消費税を四月一日から実行するための整備法であるからであります。 消費税は、今さら申すまでもなく、竹下総理みずからが認めた九つの懸念を解消できぬまま、数を頼んでの強行採決をせざるを得なかった欠陥法であります。 金持ち優遇の一方で、低所得者に過大な負担を強いる逆進性、自由経済の根幹とも言うべき独占禁止法に適用除外を設ける、税率の歯どめ措置は全くないなど、その実施時期が近づくにつれて、消費者、事業者双方から不安と批判の声は高まる一方であります。 我々は、このような欠陥消費税を断じて容認することはできません。政府に対し消費税撤回を強く求めるものであります。 反対の第二の理由は、不公平税制の是正が不十分であるからであります。 我々の主張により、寡婦控除の引き上げ、通勤手当の非課税限度額の引き上げなど、わずかな前進はあったものの、大きな課題である総合課税の実現を初め、土地税制、各種引当金、準備金、パーティー課税等々、不公平税制の是正についてほとんど手をつけられていないと言わざるを得ません。 不公平税制を放置したままでは、国民の理解を得ることは絶対にできないことを強く指摘しておきたいのであります。 反対の第三の理由は、土地税制の改革が全く不十分であることであります。 地価の高騰により、土地の有無が国民の資産格差を拡大するというゆゆしき事態であることが指摘されて久しいにもかかわらず、さきの国会においては土地税制の改革はなおざりにされたのであります。 その上、本改正案の譲渡所得の特別控除引き上げは、まさに小手先の方策に終始していると言わざるを得ません。 土地税制については、我々がかねてから主張しておりますように、土地の含み益にメスを入れるなど、抜本的な改革こそ急務なのであります。 さて、本年各地の各級選挙結果を見るまでもなく、国民が真に求めているのは消費税の撤回とリクルート疑惑の徹底解明であります。そうした国民の怒りを反映して、大半の地方自治体は消費税転嫁の拒否を決定しております。また、竹下内閣は、さきの売上税の際に国民の信頼を全く失った中曽根内閣よりもさらに支持率を落とし、今なお急速に信頼を失いつつあるのであります。政府はこの現実を直視すべきであり、厳しく受けとめるべきであります。 この際、国民不在の政治を解消し信頼される政治の回復のために、欠陥消費税の撤回とリクルート疑惑の徹底解明を繰り返し強く主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、租税特別措置法改正案に反対の討論を行います。 本法案の第一の問題は、公約違反、欠陥だらけの消費税を円滑に実施するためと称して、さまざまな措置をとろうとしている点であります。消費税は昨年、自民党による強行採決に次ぐ強行採決により、実質的審議の全く不十分なまま、強引なやり方で成立させられたものであり、議会制民主主義に真っ向から反する暴挙であります。本改正案に盛られている弾力的運用などの諸措置は、税制改革法案の委員会強行採決の後、衆議院本会議で自民党単独強行採決を避けるための取引として取り決められたものであり、断じて容認できません。また、弾力的運用なる措置がいかに欺瞞的であったかは、政府があくまで四月実施方針を変えないことからも明白であります。政府は多額の宣伝費を使って四月実施を強行しようとしていますが、その内容がわかればわかるほど悪税であり、欠陥税制であることが浮き彫りにされ、実施反対の声はますます大きくなりつつあります。政府は今こそ消費税の実施を断念する決断を下すべきであります。 第二に、本改正案は、消費税という安定財源を得たことから、租税特別措置の縮減や不公平税制の是正という、従来の方針すら打ち捨て、むしろこれを拡大しようとしていることであります。海外投資等損失準備金の拡大、多極分散型国土形成法に基づく特別償却制度の新設を初めとして、大企業向け特別措置の数々がほとんど見直されずに軒並み期限延長されているのであります。とりわけ問題なことは、昨年の抜本改正により、ととしから大企業に適用される法人税率は大幅に引き下げられますが、にもかかわらず特別措置を温存、拡大し、逆に課税ベースを縮小しようとしているのであります。これは政府のいう税制改革の国際的な流れにも反するものであります。また、金融先物に対する課税を、金融界の巻き返しに屈し、再び見送ったことも問題であります。消費税では広く薄く国民に課税する一方、大企業には低く狭くでは国民は納得いたしません。 第三に、土地税制について本改正案は、民活型都市開発促進のために譲渡所得の特別控除を拡大するなど、土地税制の緩和を図っています。土地税制は、地価対策、資産課税のあり方など総合的な見地から適切な課税のあり方を検討すべきであり、このような場当たり的な緩和煙 一層課税の公平を損ない、今後に大きな問題を残すものであります。 以上述べた理由から我が党は本改正案に断固反対するとともに、直前に差し迫った消費税の実施を断念し、これを廃止すべきことを強く求めて、私の討論といたします。(拍手)
○栗林卓司君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 租税特別措置は、それ自体が不公平税制そのものであります。したがって、改正に当たってはその整理合理化に格段の努力を払わなければなりません。しかし、この点が不十分であります。社会保険診療報酬に係る課税の問題を残したままであり、いわゆるみなし法人課税も同様であります。これが反対理由の第一であります。 今回の改正に当たって、政府は社会政策的配慮を挙げておられますが、この点に関して言えば、政府税制調査会の指摘するごとく、税負担の公平の確保を求める国民の声はまことに大きく、不公平税制の是正に加えて所得、資産の間で均衡のとれた税制を確立することが急務であります。さらに、これらとの関連で納税者番号制度について検討を進めることが急務であります。以上の諸点についても何ら見るべき前進はありません。反対理由の第二であります。 最後に、関連して消費税について言えば、今既に将来の見直しが云々されるほどの欠陥税制であり、法案の成立に当たって余りに拙速でありました。この問題にもせよ納税者番号導入の問題にもせよ、国民の合意を得るために不可欠なものは、政治に対する、あるいは提案者たる政府に対する国民の信頼であります。しかし、今日この信頼は全く地に落ちたと言わなければなりません。この意味で今日の政治不信は我が国の政治、行政にとって全く危機的状況にあることを指摘して、反対の討論といたします。
○委員長(梶原清君) これにて討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 志苫裕君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。志若君。
○志苫裕君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブ・税金党の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 税制に対する国民の理解と信頼を確保するため、今後とも税制全般について不断の見直しを行うこととし、就中、不公平税制の是正、資産に対する課税の一層の適正化については引き続き格段の努力を行うこと。 一 土地税制については、税負担の公平確保及び土地政策との整合性に配慮しつつ、土地の取得、保有、譲渡等に対する課税のあり方に関し、さらに検討を行うこと。 一 引当金、準備金、特別償却等については、経済・産業構造の変化に即応して、既に政策目的を達成したもの及び政策効果の縮小したもの等につき、今後とも整理合理化に努めるとともに、新たに政策税制を設けることは厳に抑制すること。 一 納税者番号制度については、キャピタルゲイン課税及び利子課税の総合課税への移行問題をも十分勘案しつつ、国民の合意形成の状況を見守りながら、引き続き検討を進めること。 一 複雑、困難であり、かつ、高度の専門的知識を要する職務に従事する国税職員について、変動する納税環境、財政再建の緊急性、業務の一層の複雑化、国際化及び税務執行面における負担の公平確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保等につき特段の努力を行うこと。 右決議する。 以上です。
○委員長(梶原清君) ただいま志苫裕君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、志苫君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(梶原清君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認め、きょう決定いたします。 午後一時から委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、吉井英勝君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(梶原清君) 関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、関税率、減免税還付制度等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出いたしました。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、関税率等の改正であります。 我が国の市場の一層の開放を図る等の見地から、バナナ等熱帯産品、原油等の関税率の引き下げを行うとともに、牛肉等農産物の輸入自由化に関連した関税上の措置を講ずるほか、旅行者等の別送貨物について簡易税率を適用する等所要の改正を行うことといたしております。 第二は、減免税還付制度の改正であります。 海洋開発用物品の免税制度の廃止、加工再輸入減税制度の対象物品の拡充等を行うことといたしております。 第三は、税関行政に係るその他の関税制度の改正であります。 保税倉庫の蔵置期間の延長を許容するため所要の改正を行うとともに、麻薬等の密輸取り締まりを一層効果的に行うため、覚せい剤、大麻等を輸入禁制品に追加することといたしております。 以上のほか、平成元年三月末に適用期限の到来する暫定関税率及び関税の免税還付制度について、これらの適用期限の延長等所要の改正を行うことといたしております。 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 国際復興開発銀行いわゆる世界銀行は、開発途上国に対する開発援助を促進する上で中心的役割を果たしている機関であります。 先般、世界銀行において、その資金基盤の強化を図るための一般増資に関する総務会決議が成立いたしました。政府は、開発途上国の社会経済開発における世界銀行の役割の重要性にかんがみ、同行の活動を積極的に支援するため、この決議に従い、追加出資を行いたいと考えております。 本法律案の内容は、政府が同行に対し、四十一億一千四百四十万協定ドルの範囲内において追加出資を行うことができるよう、所要の措置を講ずるものであります。 なお、世界銀行が開発途上国に対して安定的に貸し付けを行い得るよう各国とも早急に出資を行うことが期待されており、第二位の出資国である我が国としては、国際社会における信用を維持するためにも早期に出資を行うことが必要であります。 以上が、関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(梶原清君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 昨年の六月二十日に牛肉、オレンジの自由化について日米合意が見られ、牛肉は一九九一年に、オレンジについて、生果は一九九一年、ジュースは一九九二年度にそれぞれ自由化されることになりました。これに対応するため、関税率の改正が行われようとしております。その中で牛肉についてお伺いします。 牛肉については、その影響緩和のための関税率引き上げ措置や、緊急調整措置の導入が提案されておるところです。ところで、畜産振興事業団が買い入れる輸入牛肉の割り当ては、指定を受けた三十六の商社が競争入札をすることによって決められております。しかし、先日も指定商社三十六社のうち二十九社がやみカルテルを結んでいた疑いで公取委が立入検査を行ったという報道があります。牛肉の自由化を控え、牛肉の輸入枠が拡大していますが、今日のこのカルテル疑惑の反省の上に立って、監督官庁として、畜産振興事業団の入札制度にどのように対応されようとしているのか、農水省の見解を伺っておきたいと思います。
○説明員(太田道士君) ただいま畜産振興事業団の輸入牛肉の入札談合疑惑問題についての御質問でございますが、本談合疑惑に関しましては、昨年の八月末に最初に報道されたわけでございます。その直後、直ちに真偽につきまして事業団に対しまして調査の指示をするとともに、指定輸入商社に対しまして、このような疑惑を招くことのないよう、業務の遂行に特段の注意を払うよう、注意を喚起するように事業団を通じて行ったところでございます。 この調査結果につきましては、昨年の十月十九日に、事業団から中間的な調査報告があったわけでございますけれども、事業団としての調査では、特段その応札、落札の関係資料からは談合があったとは考えられないという一応の結論に達したところでございます。 しかし、疑惑を招くということは、平成三年度以降の自由化への円滑な移行ということを我々非常に大事なことだというふうに考えておりますので、特に自由化までの事業団の輸入牛肉の取り扱いにつきまして、売買方式につきまして実は同時売買入札方式というのがあるわけでございます。その比率をこの三年間に比率を上げると同時に、そこに三十六商社だけじゃなくて、要するに新規参入を認めていくということの措置をとると同時に、一般の入札についても輸入商社の競争条件を強化していくというような措置を講じたわけでございます。 その後、今年の三月の七日、八日に、今御指摘のとおり、三十六商社と団体に対しまして立入調査が行われたわけでございますけれども、これについては私どもは一切関知しておりません。公正取引委員会がやっておることでございます。私どもといたしましては、二年後の自由化を目前に控えまして、やはり事業団の運営について、消費者に不信を持たれることのないように、適切な措置をとるように指導していくと同時に、取引委員会における今後の事実の解明ということに応じて適切な対処をしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○本岡昭次君 今もありましたように、牛肉自由化を控えて適切な対応をするということでありました。しっかりやってもらわなければいけませんが、今までも畜産事業団の問題はいろいろと取りざたをされていました。 間遠は、輸入商社の談合というものがあって、そして輸入牛肉の利権というものがそこに生まれ、結果として消費者は高い牛肉を買わざるを得ぬ、そして商社が莫大な利益を得ていた、ここのところが最大の問題であったわけですが、農水省、今おっしゃったように、そうした利権構造をぶつつぶして、そして消費者に高い牛肉が押しつけられていくというふうな仕組みが起こらないように、今後の十分な指導監督を要望しておきたいと思います。 次に、税関業務の問題について御質問申し上げます。 三月六日の予算委員会で私、税関業務の問題について質問をいたしました。そして、詳しいことはまた大蔵委員会で質問するというふうに言っておきました。 そこで、今から消費税導入に伴う税関業務の問題について若干伺います。 私の認識としては、四月一日を口前にして円滑な消費税導入に伴う業務が末端の税関の現場で行われないのではないか、非常な混乱が起こるのではないかという心配を持つがゆえに、ただいまから若干の質問をします。 三月六日の予算委員会での質問のときに答弁がありました。それは次の二点であります。 一つは、航空貨物の消費税徴収を行うコンピューターのプログラム変更を行っておりますということがありましたが、これは四月一日に間に合うのかどうか。二点目は、全国の主要税関官署へ新しいコンピューターシステムを導入し、消費税徴収に当たるという答弁がありましたが、これも四月一日に間に合うような状態になっているのかどうか。お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(長富祐一郎君) まず第一点の、NACCSのプログラムの変更についてでございますが、これは消費税の導入に伴います課税計算機能、それから担保管理機能を付加するというような観点からプログラムを変更いたしておりまして、二月中にこのプログラムの改定作業を終了いたしまして、何回かの試運転も全部終わりまして、大丈夫だということになっております。 それから第二点のお尋ねの点でございますが、一つは、今度担保管理機能と納税領管理機能、これが重要になりますので、これにつきましてコンピューターシステムを構築いたしまして、なかなか手作業ですと大変でございますので、年間五千件以上処理いたす六十四官署に、このコンピューターの配置を既に終わっております。また、研修も既に終了いたしているところでございます。 それからもう一つは、郵便局にございます外郵の出張所でございますが、ここにもコンピューターを入れる。現在、東京外郵は既に入っておりますが、これにつきましては端末を大きなものに変更する作業を終わっております。また、新たに横浜、神戸、大阪、名古屋の四つの外郵につきましてもコンピューターを導入いたしまして、既に研修を終わっているところでございます。 そのほか、旅具の徴税につきましてもコンピューターシステムのプログラム変更を終わっております。
○本岡昭次君 今も幾つか問題になる現場の対応のお話がありました。 改めてお伺いしますが、消費税導入によって特に多忙となる職場はどういう職場で、それに対して具体的にどういう対応が今なされているか、それを伺っておきたい。
○政府委員(長富祐一郎君) 今度消費税が入りまして事務量がふえますのは、今まで無税品だったものにつきましての価格審査、徴税事務が新しく増加いたします。それから、納期限の延長制度を今度入れていただくということをお願いしておりまして、この関係の担保管理事務、これがふえることになります。これはいずれも輸入部門でございまして、輸入通関、収納部門を持っております輸入部でございますので、この輸入部の人員を増加させなきゃいけない、こういうことになるわけでございます。 今回の予算で二百人の定員増をお願いいたしているところでございますが、これは先生御承知のとおり、九カ月間の研修をしなきゃいけない。したがって、消費税が入るからといって、これを採用したからといって直ちに輸入部に入れるわけにいきませんので、その間はどうしても臨時の対応をしなければならないということで、この輸入部門を中心に重点的な人員配置を終わったところでございます。
○本岡昭次君 今も若干定員の問題が出ましたが、新年度予算で消費税関連二百名増ということでありますけれども、実際は定員の削減というものが一方にあって、この二百名が消費税関連の増としてそのまま対応できないような状態になっていると聞いています。実際ふえる定員増というのはどれだけですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 今御指摘のとおり、二百人の定員増を消費税関連でお願いいたしまして、それ以外に一般の事務量の増加に伴う増もお願いしておりますが、定員削減計画の関係がございますので、すべて差し引きいたしましてネット増は百五十五名でございます。
○本岡昭次君 その二百人、実際は百五十五人ということですが、新しく採用をする人たちが直ちに現場で間に合わないということでした、九カ月の研修を行うということですがね。だから、そのことから問題が起こらないように、特に忙しい消費税関連の輸入部門のところに、他の部署から重点配置をして輸入に関する消費税、その問題については問題が起こらないようにしているということでしたが、そこの点をもう一度具体的に教えてください。
○政府委員(長富祐一郎君) 先生の御指摘のとおりでございまして、事務量が増大いたします輸入部門に対して重点的な人員配分を行ったところでございます。
○本岡昭次君 それで十分であるのかどうかという問題について、私も十分あなたとやりとりする資料を持ち合わせていないので、これから起こってくる具体的な問題の中で確かめる以外にないわけです。 しかし輸入業者、輸出業者、そうした人たちから前回大蔵委員会の視察で神戸に参りましたときに、私たちはいろいろな話を聞きました。また、私も神戸でございますので、輸入業者からいろいろな話を聞いております。そこで出てきている心配が、税の延納制度という問題の対応について、果たして税関が十分対応できるのかということなんです。輸入品が通過する税関というのは全国で二百ほどあるようですが、この延納制度によって提供される担保というのは、それぞれのところに皆担保を置いていかなければならない。担保が置かれれば担保のチェックなり管理、また包括制度の場合であれば、担保価値が実際の税額とどうかかわっていくかという問題を絶えず照合をしていくというふうな、今までになかった、今度消費税ですから全体の物にかかわってくるということであるわけで、結局二百の税関にそうした新しい事務が加わってくるということで、膨大な事務屋を税関の職員がこれから背負わなければいかぬようになるのじゃないか。それは税関の人が大変だということになるのですが、輸入業者にしてみれば、そのことで事務が停滞したり円滑な輸入業務が行われなければ大変だという問題が一方にあるのですが、そこのところの対応は四月一日を前にして十分できているのかどうか、いかがですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 先生のおっしゃいました延納制度の問題でございますが、これは、実はかねてから輸入業者等から希望が出されていたものでございまして、特に今度消費税が入るということで、ぜひ延納制度を入れてくれという実は輸入業者の方々の強い御希望で入れたものでございます。そして、この関係での担保管理でございますが、当初、全国一カ所で管理してくれぬかという御要望があったことも先生がおっしゃるように事実でございますが、これは租税債権の確保を図るというために、租税債権の管理を行うところと担保の管理を行うところとは同じでなければいけないという要請がございまして、先生のおっしゃったように各官署で担保管理を行うということにいたしたわけでございます。 また、先生がおっしゃいましたように、当初、輸入業者の中から担保管理に伴う事務が大変になるのじゃないか、一々手作業でやるのか、また担保を毎月毎月積むのかというようないろいろな問題、御不満が出されたことも事実でございますが、私どもその後さまざまな研修会とかいろいろな場を通じまして広報いたしてまいりまして、担保を積みますのも、当該月の前月末までにということでございますので、毎月という意味じゃございませんで、大体一年分、十二カ月分をめどに預けてやっていただければ結構だと思います。 それから、手作業でやられると行列つくって待たされるのか、こういう御不満が出ましたが、先ほど申し上げましたように、大体一年間に五千件以上の取り扱いをいたします六十四官署のコンピューターで処理する、それからNACCSの方も全部それで対応を終わっておりますので、当初輸入業者が心配していたような問題は起こらないというふうに考えております。
○本岡昭次君 輸入業者の方の心配はないということですが、現場の第一線で仕事をしている税関の職員の方に、事務量の膨大な負担が起こるという懸念があったのですが、それはどうですか。
○政府委員(長富祐一郎君) これも、当初全く新しいのが来るのじゃないかということで、職員の間に不安があったことも、おっしゃるとおり事実でございます。ただ、冷静になって考えてみますと、予算委員会でも申し上げましたように、税関が収納しております税額のうちで四割が実は内国消費税だった。関税だけをやっていたわけじゃなくて、実は内国消費税にもなじみがあったんだなということが一つ。 それから、今大蔵省は毎月貿易統計を発表いたしておりますが、これは輸出入が全部許可制になっておりまして、輸出入のたびに申告書に品目、数量、金額、これが全部掲載されまして、そしてこの金額がやはり適正かどうかというのは一応目を通しているわけでございます。その結果、貿易統計を発表できているわけでございまして、意外に今までやっていたのだなということも研修を重ねる過程でわかってまいりまして、今はそういう不安がなくなっているものというふうに考えております。
○本岡昭次君 あなたはそういうふうに楽観的におっしゃっておられますが、第一線の人たちはかなりこれには神経を使い、仕事が果たしてうまくさばけるのかどうかという不安を持っておられるようです。 そういうことと関連して、最近の仕事量というものを見ていきますと、私のいただいている資料で、昭和五十八年から昭和六十三年度までを見てみると、出入国者数を見ても千二百三十四万人から二千万人、それからまた輸入申告件数にしても、二百二十一万から四百三十万というふうに膨大に日本の経済発展に伴ってふえているのですね。それに今度は、反比例というわけでもないけれども、税関の予算定員というのが昭和五十八年の七千九百四十三人からずっと微増を続けて七千七百二十六人、去年は五人ふえて七千七百三十一となったようなことでして、これ一つ見ても大変なことだというふうに思うのですね。この間も大阪空港を見たときに、大麻を巧みに額縁に隠している、あるいは鹿の額の首のところに隠している、そういうのを摘発していくという、ああいうことも考えていけば、これは並み大抵のことじゃないなと思うのですよ。そういう意味で、参議院でも絶えず定員をふやせ、労働条件を改善せいという附帯決議がついておると思うのですね。 しかし、今言うたようなことを裏づけするように、関税職員の現職中の死亡というやつですね、何か他の省庁よりも多いというふうなことを聞いておるのですが、その実態はどうですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 本岡先生を初め、先生方に大変に関税行政に日ごろから御理解いただいていることを心から感謝いたしておりますし、また毎回の附帯決議、私ども十分に重く受けとめております。 今回ネットで百五十五人の定員増が認められましたのも、先生方の御理解いただいているたまものだと心強く考えている次第でございます。 また、現職死亡の問題についても同様でございまして、昨年一年間に二十四名の現職死亡が起こっております。これは私が驚いて調べましたところ、財務局、国税とか他の官署よりも多いという状況がわかりまして、一体なぜこういう状況が出ているのか。その原因、さらにどういう点に配慮していけばいいかということで、さまざまな検討をいたしました。また、いろいろな対応もいたしまして、地元の非常に理解と協力をいただきながら、開かれた税関連営ということにも心がけております。――失礼いたしました。一昨年が二十四名でありますが、昨年は十九名ということで、若干ですが減っているということと、もう一つは、私ども現職死亡が起こりますときに、長期病休者、これが大体亡くなる方が多いものですから、長期病休者の状況もあわせて調べたわけですが、昨年の当初と比べまして、長期病休者も死亡が五名減った中でさらに三十七人から二十七人と十人ぐらい減っているということで、ややピークを越えたかなという一抹のほっとした安堵感を持っておりますが、なお十分に配慮していきたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 最後に、ひとつ大臣に答弁をいただいて次の問題に入りたいのです。 今、現職死亡の問題という問題を現場の多忙性というところから考えて取り上げました。私の持っている資料で見ても、例えば六十一年度で、国家公務員八十三万人中現職の死亡者が千三百十二人ということで、十万人当たりで見ると百五十八人の死亡。ところが関税職員というのは七千七百六十人中二十四名ということで、十万人当たりにすると三百九名という状態なんですね。今はもう少し減って十九名とありましたけれども、十九名というのを十万人に直してみても二百四十五名ということで、かなり、こねはもう第一線ですからね、水際のところでみんなやってはるんですから。そういうことを考えて、またこれから関西新国際空港、あるいはまた成田の空港の第二期の問題も今出ておるようですが、日本の経済発展あるいは国際化という問題を見ても、関税職員の中長期的な定員の問題と、それから人材の養成というのですかね、そういうふうなものをきちっとやっていかなければ、そのときそのとき場当たり的にやったのじゃいかぬのじゃないかと思うのですが、大臣のひとつ所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 今、本岡委員のおっしゃるとおり、関税職員の死亡率が一般公務員に比べましてやや高いということを非常に心配しているわけでございます。とりわけ関税職員の仕事量が非常にふえまして、恐らくやはり日本の経済が大きくなる、それから国際化が進みますと、この分野が一番国際化の波を受けるのじゃないだろうか。特に、旅客はふえる、貨物はふえる、消費税はやらなくちゃいかぬ、それからまた麻薬の取り締まりもやらにゃいかぬ、銃法もやらにゃいかぬとか、いろいろな仕事が量的は質的に非常に複雑化してくるのはおっしゃるとおりでございまして、今後とも我々は健康の管理に十分気をつけるように意を用いるとともに、必要な定員の確保につきましても、できるだけ各方面の御理解を得て必要な人員をふやしてまいりたいものだ、かように思って、今後とも御注意の点を踏まえまして、全力を挙げてまいるつもりでございます。
○本岡昭次君 残りの時間を、消費税問題について私も予算委員会で大蔵大臣とかなりやりとりさしていただきましたので、その続きをさせていただきたいというふうに思います。 まず第一点ですが、家賃の問題を伺います。 三月に支払う四月分の家賃には消費税を上乗せして取り立てるように指導しているのですか、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 三月中に四月分の家賃を前受金として受領している場合も、それは四月中の貸し付けの対価ということでございますので、これは課税の対象になるというように御説明していると思います。前受金として四月分の家賃を受け取っているケースでございます。
○本岡昭次君 前受金として家主が受け取っているときには消費税を上乗せしなさい。前受金として家主が経理処理をしない場合は、そうすると消費税を上乗せして払わなくてもいいのですか。
○政府委員(尾崎護君) 三月中に対価の支払いが完全に行われているというケースにつきましては、まだ消費税の制度が始まっていないわけでございますから、消費税の上乗せということはないわけでございます、四月の前に取引が終了してしまいますので。前受金の場合ですと、家賃としていわば売り上げに立ちますのは四月に入ってからでございますから、そこで消費税がかかるということになります。
○本岡昭次君 いや、今あなたが、家主の方が前受金としてそれを処理する場合は要るというふうにおっしゃったのじゃないですか。 私なりに調査をしますと、大蔵省の方は、それは家主の方がどういう経理操作をするかによって違うのだという指導をしておるのですよ。おっしゃるように、前受金で処理をしているときは当然前受金で処理をして、そして四月に入ったらそれは消費税としてやりなさい。ところが、家主の方かそういう経理をしてないときは上乗せをしなくてもいいという趣旨のことをやっておられるのですが、これはまことにおかしなことで、家主の経埋方法によって家賃に消費税が、三月に払う分に上乗せされたりされなかったりするなんてなことは、これはまことに解せぬ話なんですが、これはどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 三月中に終了してしまいました取引でございますと課税対象にならないわけでございます。そこは取引がいつ終了するか、三月に帰属するのか四月に帰属するのかということは、経理処理の方法によるわけでございます。経理処理の方法で決まってくるわけでございます。ですから、三月中に家賃を収受しましても、これは四月分の家賃を前受け処理して、四月になってから帳簿上振りかえて家賃の売り上げに立てるということでございますと、そこで課税の問題か発生いたしますから、四月の売り上げでござい欲すから、実際の受け取りは三月中でありましても、税金は乗っていないと家主としては困るといりことでございます。
○本岡昭次君 そうすると、それは前受金とかいりことに関係なく消費税を上乗せして払うということになるのですか。そうすると、この国税局長にかかわる通達ですね、消費税法取扱通達九-一-二十というものの中に「賃貸借契約に基づく使用料等を対価とする資産の譲渡等の時期」というのがあって、「資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料の額(前受けに係る額を除く。)を対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする。」というふうに書いてあって、要するに、「支払を受けるべき日」というのは、三月にお互いにやればそれは三月であって四月以降でないわけです。だから、ここに括弧して「(前受けに係る額を除く。)」、こういうふうにここにしてあるということからこの問題の争いが起こって、そして大蔵省の方がいろいろなやりとりの中で、結局家主が前受金や仮受金の処理をしていない場合は、借り主は三月の支払い時に消費税を上乗せして支払わなくてもいいのだというふうなことを、具体的なところでやっているようなんですが、これは間違いなのかどうか。
○政府委員(尾崎護君) まさにその通達に書いてあるとおりでございまして、要するに、家賃、資産の家賃ということですね、それについてのいわば資産の譲渡の時期、それがいつであったかということは、「当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日」ということになっておりますですね。ですから、例えば四月中に支払いを受ければ、それは四月の資産等の譲渡になる。ただし、それが前受金である場合は別でありますと書いてあるわけですね。括弧して抜いてあるわけでございます。ですから、四月からは消費税が始まるわけでございますから、三月中の支払いでありますと消費税の対象にならないわけでございます。ただし、それを前受金として処理している、四月の家賃を前受金として処理している場合には、それは別でありますということでありますから消費税の対象になるわけでございます。
○本岡昭次君 いや、だから、前受金として処理している場合はとおっしゃるから、そうすると家主が前受金として処理していない場合はいいというふうに、第一線の大蔵省の方々が話をしている、今のをひっくり返して。
○政府委員(尾崎護君) 余り例はないと思いますけれども、四月分の家賃を前受金じゃなくて三月中の受領ということにしておりましたら、それは四月の前に取引が終わってしまうわけでございますから、経理処理が終わってしまうわけでございますから、これは課税の対象にならないということでございます、四月分のものでありましても。ただ、余りそういう例はないと思います。
○本岡昭次君 いや、契約によって一カ月前に払うという場合に、家主がどう処理しようと家主の自由ですよね、三月のところでやってしまっても。三千万円とかいう小さなところであれば、現金を預かったときに、金もらったときに処理をしようと、仮受けでやろうと、それはいいのじゃないのですか。だから、結局問題が起こっているのは、この三月に家賃を支払うという行為に対して、家主の方が前受金なり仮受金にしておるときには消費税を上乗せをせないかぬと。あなたもそんな例はないでしょうと言うけど、あるから問題になっておるのですよ。そういうところのものは上乗せしなくてもいいと。同じ前払いの家賃を払うところが、家主の経理処理によって上乗せする、あるいは上乗せしなくてもよいというふうなことが起こること自身が問題ではないかと言っておるのですよ、税が四月一日から実施されるということについて。さっきの入学金の問題なんかも一緒でしょう。
○政府委員(尾崎護君) 四月分の家賃を四月に払うのであれば何も問題ないわけでございますね、まず。四月分の家賃を三月に払う、そのときに経理処理をどのようにしているかというのは確かにいろんな例もあると思いますけれども、大体前受金にしているのじゃないかと思います、四月分ですから。これは継続的な賃貸借契約でございますから、毎月毎月同じことが繰り返し行われているわけでございますね。その経理処理に従って判断をしていくという趣旨でございます。
○本岡昭次君 そうすると、消費税を上乗せするもしないも家主の経理次第というふうに判断していいわけですね。
○政府委員(尾崎護君) 四月分の家賃についてだけそういう問題が生じるわけでございますが、ことしの四月の家賃についてそういう問題確かに生じ得ると思いますが、それは通常どういう経理をしているかということで決まってくる。判断とおっしゃいますが、大体今まで同じやり方できているのでございましょうから、そのとおりにおやりになるのだろうと思います。 他方、支払った方、例えばあるビルを借りておりますですね。そのビルを賃借している方、その方は三月中に仮払いで四月の家賃を払っておきますと、四月以降の自分の消費税から四月分の仕入れ控除として引けますから、そこの関係もあるわけでございます。
○本岡昭次君 三月決算の場合もそれできるのですか。
○政府委員(尾崎護君) 三月決算の場合でも同じことでございます。
○本岡昭次君 今の分は今の話で、もう少し、あとは別のところで詰めさしていただきます、時間がもったいないですから。 とにかく、先ほどの入学金の問題もそうですが、四月一日を前後する問題のところで、どういうのか非常に大蔵省の指導というのが粗雑なんですよ。乱暴なんですよ。たかが一カ月の前後のことじゃないか、四月に入ったらちゃんといくのだじゃないけれども、税金というのはだれも公平に平等にと言う。ところが、移行のところである者は払わないかぬ、ある者は払わなくていい、それは家主の経理のことでというふうなことは、それはもう納める方にしたら納得できないということがあるのですよ。もう少しまた別のところでそれは詰めさしていただきます。 そこで、同じようなことが、例えば家賃でも一年前払い、あるいは本でも一年契約ということで、一月の段階でやっているという場合があるときは、これはどうなるのですか。
○政府委員(尾崎護君) 消費税は四月一日以降に提供される物品、サービスから課税されるということでございますけれども、定期購読の本のように、不特定かつ多数の者に、定期的に継続して供給することを約束している契約に基づきまして物品を販売するというケースにつきましては、その契約の締結が十二月三十日、つまり消費税の施行日の前に行われて、その対価の全部または一部の支払いが適用日、四月一日前に行われているもの、対価の全部または一部を四月一日前に領収している場合、そういう場合には物品そのもの、本の引き渡しは四月一日以降に行われましても、その対価分は非課税とするという経過規定が置かれております。したがいまして、御質問の定期購読のような場合には、今申し上げました条件が満たされておりますと、それが一年分でございましても一年分の料金がすべて非課税になるということになります。
○本岡昭次君 それでは、三月六日の予算委員会で大蔵大臣の答弁にかかわる問題で質問をさせていただきます。 私は、予算委員会のところで消費税の持つ基本的な欠陥は逆進性だということで、逆進性をそれではどのようにして中和させたかという質問をいたしました。そのときに大蔵大臣は、今回の所得税、住民税の減税が、大変な累進的なものでありますから逆進性は防げるというふうにおっしゃいました。そして、その例として勤労者標準世帯年間収入五分位階級別の資料をもとに説明をされております。 それによると、勤労者の税負担は今回の所得税、住民税の減税が行われる前と後を比べまして、第一分位を一とすると、従来第五分位が六・五倍であったものが、改正後は二十五倍になった。六・五倍しかなかったものが二十五倍になったから大変累進的になった。このことをもっても、要するに消費税の持っている逆進性はカバーされているということをそこでおっしゃったのです。私も資料で調べてみると、六・五倍が二十五倍になっておるということは、数字の上からおっしゃるとおりでした。 しかし、その根拠になった資料を別の角度から分析をしていきますと、全く逆、つまり大変な逆進性を持つという証明にもあなたのお使いになった資料はなるわけなのです。 まず、消費税が基本的に逆進性を持つということは、給与収入に対する消費支出の割合が一体どうかというところから基本的に始まるわけなんですよね。そういうことに基づいて見ていきますと、消費支出と給与収入の割合であります。第一分位、一番少ないところは消費支出が七八%も占めておる、給与収入の。第五分位ではそれが五九・七%にしかすぎない。このことがつまり逆進性ということなんですよね。ここのところがやっぱり第五分位でも七八だというのであれば私は納得いたしますが、ここのところはどう見ても逆進性を最も端的にあらわしております。 それからさらに、今度は給与収入と消費税の割合を今度は見てみますと、給与収入に対して消費税、これは間接税を差し引いた分で比べてみると、第一分位で〇・八六%という負担がかかっているものが、第五分位ではそれが〇・六四%というふうに減税あるいはまた消費税のそういうものを念頭に置いて計算しても、やはり第五分位の方が非常に軽い負担になる。つまり第一分位に非常に重い負担がかかっているという逆進性というものがここではっきりしているのですね。しかし、所得税、住民税の減税があるからという問題で、さらに減税額と消費税額の割合というものをまた見てみますと、この消費税は第一分位で五五%、第五分位で二四%ということで、それぞれの各分位で行われた減税額、それに対して消費税がどのぐらいの割合を占めているかということを見たときに、第一分位は五五%の割合、第五分位が二四%の割合でしかない。結局、減税も非常に逆進的な形で消費税との関係を示している、こういうことであります。しかも、消費税の計算が間接税を廃止したということで、差し引きによって表の中に出てくる金額でありますから、今まで奢侈品あるいはぜいたく品と言われているところに主としてかかっておった間接税を廃止して、その廃止のメリットがあらわれてくるというのは、だれが考えても、常識的に第一分位よりも第五分位のところにより多くメリットがかかってくる。平均として押しなべたら一・二%ではないか、こういう理屈になっているのですね。 だから私は、全体として三月六日に大蔵大臣が、まず逆進的なことにはならないと思いますというふうにおっしゃった答弁は撤回をされなければ、大蔵大臣の見識を問われると思うのですよ。逆進性というのははっきりそこに出ているのですよ。それを行政的にどういうふうにカバーをしているかという努力の問題であって、消費税そのものが逆進的にはならないと思いますなんというようなことを言うたら、これは私たちの議論ならいいけれども、あなたのように税の第一人者と目されている方が、こういうことを言われるべきでないと思うのですよ。これは撤回されたらどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 逆進的であるか累進的であるかという、まず定義の問題なんです。そこが一つの問題でございます。 これはこういうことなんです。所得に対して、あるいは収入がだんだんふえるに従って負担率が、負担率です、額ではありません、率が、その負担率が収入が多くなったり、あるいは所得が多くなるに従ってその負担率がだんだんふえていく。負担率が、下の方よりだんだん収入が多くなり所得がふえていったときに、それがだんだんふえていく形、つまり一番下のところを仮に負担率を一とすれば、その負担率が上にいくほどだんだん増していく、これが累進税率と思われているものでございます。それから、負担率が逆に下がるというものが逆進的と言われているわけでございます。 そこで、今問題になっておりますのは、所得税、住民税と、それから間接税の今度は改組の問題でございますね。そこで、今度の消費税というものが、消費税そのものをとってみて、これが逆進的であるか累進的であるかと言えば、言うまでもなく今委員がおっしゃったとおり、これは逆進的である、これは言えますですね。第一分位の収入に対する割合の方が高いわけでございますから、負担率が高いわけでございますから、これは逆進的であるということは言えます、これはもうだれも否定しないわけです。そして今、その比率で見ますと、片方が随分高いので、上の方が何割でございましたか、これはもう逆進的であることは間違いありません。ただ、所得税、住民税の方は、さっき申しましたように改正前の負担率が、第一分位の負担率を一とした場合に、第五分位の負担率は六・五倍でありまして、今度その負担率を見ますと二十五倍に実はなっております。 この二つからして、我々はどういうふうに考えるかというと、消費税の方の税収というのは大体五兆四千億でございます。それから所得税が十六兆、それから住民税の方がその約四割でございますから約六兆数千億、合わせて二十二、三兆になりましょう、これが非常に累進的であるということですね。それで、片方の逆進性というのはそんな倍数ではございません。そういうことを見ますと、全体としてははっきりした数字では申し上げられませんが、この両者を比べてみると、今度の改正はどちらかといえば累進的に働いているのじゃないか、こういう常識的なことを申し上げたのです。 税が逆進的であるかどうかというのは、一つの税目で判断するものではもちろんないわけですね。本当に言えば、今あります五十の税目、これの累進性あるいは逆進性がどうなっているかということで検討すべきでございましょう。しかし、残念ながらそのデータはないわけです。流通税なんていうものはだれが負担しているかよくわからぬものでございますから、統計の限界からしてそれが出ないわけでございます。それで、従来言われておりますのは、間接税というものがどれぐらい逆進的であるか、あるいは所得課税がどれぐらい累進的であるか、主としてこの二つでしかデータはないわけでございます。したがって、この二つのデータをあわせて見て、しかも今度の改正がそこに中心を置いておりますから、まあ大体言えるのではなかろうか。 それで今度の間接税わからぬのは、実はつぶしました、あるいは一部吸収した間接税が、八つつぶしましたがね、それから八つ一部吸収したこの既存間接税というものが、第一分位から第五分位まで実はどういうふうに配列されておったかと、このデータが実はないわけなんです。そこでその問題は、委員が引用しましたのも物価が一様に上がると仮定した場合におけるそのデータをとっておられるわけでございます。 ですから、日本の税というものは、まあどこの国でもそうでございますが、比較的ほかの国に比べて累進的であるということは、やっぱり直間比率の割合、それから直接税における累進税率から類推して話をしているのでございます。 ですから、厳密に全部の計数を持って言っているわけではございません、そういうアローアンスを持った私の発言として、またそれだけのアローアンスを持った話として受けとめていただければありがたいと思います。
○本岡昭次君 これから大蔵大臣に質問するのよっぽど注意せぬと、予定する質問がほとんどできなくなるわけで、本当に困りますね。 とにかく大蔵大臣が税の専門家だということで、いろいろ消費税問題でおっしゃることは安易な解釈が非常に多いのですね。生活保護のところでも四・二%ふやしたから、片っ方二%しか物価は上がらないので楽に賄えるでしょうなんてなことをおっしゃっていますけどね、生活保護のところに消費税の影響が二%で済むのかなんてなことを生活保護の人たちに言ったら笑ってしまうと思うのですよね。これは完全に、三%転嫁されたものをほとんどスーパーやいろんなところへ行って負うわけでね、そこのところにあなたのおっしゃったダイヤモンドやミンクのコートの間接税を差し引きしたら一・二になるのですよと、それで物価は〇・八ですから合わしたら二です。そやからめんたところは三%の消費税の影響はいきませんというふうな乱暴な話は具体的には通じないのですよ。それと同じようなことが大蔵次官も、お客さんが消費税を払わへんと言うたら売らぬでもええやないかというふうなことを記者会見でおっしゃったというのですがね、これも非常に怒って電話かけてくるのですよ。本岡さん、あんた大蔵委員だろう、大蔵次官に言ってくれと。客商売しておる者が、消費税払わぬからそうか帰ってくれ、売らへんなんて言えるかと。わかりましたと、消費税私が持ちますからそれでも買うてくださいと言ってやるのが第一線の本当の商売をやっている方々であって、大蔵次官ともあろう人がこういう乱暴なことでもって、消費税を我々に押しつけてくるのかと言って非常に怒っているのですよ。じゃ、だから一遍、大蔵次官来とらんですかここに、来てないでしょう。一遍来てもらって、こういう無神経なことを言って、第一線で転嫁をどうしようか言って、本当に一軒一軒回ってみなさいよ。まだあしたのことをどうするかわからぬ人がいっぱいおるところに、こういう話をするというのは無責任で許されぬと思うのですよ。どうですか大蔵大臣、一言で答えてください。私は次もう一問言わないかぬのやから、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) この問題は、きのう和田委員が私に質問した中と同じ問題だと思います。要するに免税店の方がどういうふうに、和田委員から言われたのはおまえがもし免税者だったらどう値づけするか、こういうお話でございました。私は多分これこれの場合はこういう値づげをするでしょう、こういうことだろうと思うのです。そうすると、ある見込みを持ってその免税者が値づけをした、そこでお客さんがやってきた、その値づけを見てこれはもう高いから買わぬ、実はそういうことなんですね。あるいはそういうことで、恐らく値づけによってもう決まってしまうであろう。問題は、だからその値づけの話だろうと思うのでございます。事実問題としては経済はそういうふうに私は動くと思います。ぎりぎり詰めて、やあ免税者なるがゆえにどうだどうだ、こういう話もほとんど出ないのでございましょう。恐らく、免税者はそれぞれの立場でそれぞれの値づけで、自分の仕入れについてはどのぐらいかかるのか、これが少ないかどうか、いやそうかといって自分のところは仕入れの方も八割もかかるということになると、周囲の状況を見ながら値づけをするであろう。次官が言っているのも、取引の具体論としてはそういうことで片づくだろうと思うのでございますが、記者の問い詰め方あるいは問題の想定の仕方がいろいろあって、次官が少し何といいますか、乱暴に、乱暴にといいますか、大ざっぱに答えたということはまことに申しわけないことだと思っておりますが、私情としては私はそういうふうにして、事実問題は値づけによって買う、買わぬということを決めることによって問題は決着してしまうのだろう、こう思っております。
○本岡昭次君 大蔵次官の、消費税を払わぬ客には売らなければいいじゃないかというのが、今の大蔵省の消費税に対する対応というのを如実に示したと思うのですよ。 それで私は、最後に大臣に庶民の声を届けておきたいと思うのです。いろんな俳句や歌やいろんなものでどんどん来るんですわ。幾つか言いますと、「台所頭を抱える 春近し」、「ああ消費税病重き我が身に重く のしかかり」、「苦労をし 老いたる母にも 三%」、といって、皆さんいろいろと本当に私たち見ているとこういう歌に託して、今あなたがやろうとしていることに対する反応を示しておるのですよ。そして、庶民は最後はおれたちの方が強いんだぞと、こう言っているのですよ。今度こそ自民党には勝たせへん、自民党に一票なんか入れてやるかということで、「いつになる 総選挙の 民主主義」といって心待ちにしておるのですよ、あなたたちのやっていることに対して。手ぐすね引いて待っておるという状況のようです。だから、自民党が政権党としてこれからも日本の国の政治に責任を持とうとするならば、この四月一日の消費税問題について毅然たる態度をひとつ出して、そうならばといって見送りするとか凍結するとか、あるいはしばらく考えてみるとかいうふうな、そういう庶民の声を受けてやらなければ、もう大変なことになるという実態をあなた方感じているはずなんですが、大蔵大臣どうですか、本当の民主政治というのは、民主主義というのは一体何なのかというものを問われておるのですよ。私たちのようなところにもそういうものの投書が来るというそのこと自身、私はわずか九年目ですけれども、投書をもらうというようなありがたいのは初めてなんですよ、今度は。どうですか大臣、最後に一言あなたのお考えを伺って終わります。
○国務大臣(村山達雄君) 繰り返しになりますが、今度の税制改正というのは、もう四十年間の今までの古い税制、これを二十一世紀に向けてやろうというわけでございます。そういう意味で我我は今度の税制改革は必ず日本の将来の経済、社会に益するところ大であると、こういう確信でやっているわけでございます。残念ながら税制改革と今度の税制改革全体の全貌がはっきり理解されていない。特に、消費税は単独に消費税として考えられておる、ここが非常に残念でございます。しかし同時に、おまえの考えはどうだと言いますと、税というものは非常に難しいものである、それだけに責任を持っている政党は、政府は、やはりいいと思うことは勇気を持ってやるべきである、しかし、それにしても、いろいろの御注意がある点は十分注意して、拳々服膺して、そして勇気を持ってやるべきである、このように考えておるところでございます。
○丸谷金保君 最初に国税庁、四月一日以降こうだああだというのはきのう聞きましたから要りませんが、実は二十四日に山口書記長を団長にして、社会党の消費税調査団は静岡に行ってきました。ここで、いろんな業界の意見を聞いた中で、それだけはどうしても国税庁の意向を聞いておいてくれと言われている問題、事前にやってありますので、こちらの質問にだけ答えてください。 結婚シーズンを迎えて家具屋さんが今頭を抱えている問題、それは施行日、すなわち十二月三十日以降平成元年の三月三十一日までの間に、ケース一、代金全額の支払い済みの消費者に対して。ケース二、代金一部支払いの消費者に対して。ケース三、代金支払いは商品納入時期ということで売買の約束はできているというこの三つ。目的物の引き渡しはいずれも四月一日以降、これについてどう対応したらいいか。 これは同じような問題を持っている福岡県の大川市で、税務署との懇談会の中で業界から出た話を、こういうふうになったというので静岡の方にも流れてきて、これはどうなんだと。私は、それはいずれも払わなきゃならないのじゃないのかというふうに単純に考えたのですが、いやいや先生そうでないということで議論になりました。 というのは、これは国税庁に連絡して下記のとおりの答えがきているので述べますといって、その後税務署が回答したのに対する筆記です。その場合はこうだというのですね。 ケース一、消費者にとってケース一からケース三のように適用日時に商品を買い、目的物の引き渡しが実施日以降であっても消費税は負担しなくてもいい、消費者は。それからケース二、家具メーカーとしてはケース一からケース三のように、商品の納入がいずれも実施日以降なので、消費税額分を上乗せして販売店に納品伝票を切ればよい。ケース三、そこで小売店等は、ケース一からケース三のように、消費者に対して販売した時点で売り上げにしていれば、実施日以降の商品仕入れに対して、当然消費税額分の上乗せした課税仕入れとなるが、その仕入れにかかわる消費税の控除ができる。こういう回答が出ております。これで第三の、だから売り上げにしておけば控除ができる、だからそれは税がかからないということだと、こういうことで回答があった。これでいいのかというのです。これでよければ国税庁はいいというふうに言ってくだされば、そうすると今まで税務署では、物品の引き渡しがあったときをもって契約成立したというふうなことを各地で言っていますので、そうすると税務署の方がうそを言ったことになるのじゃないか、こういう話が一つあるのです。 それから、税務署も今これに同じ意見だとすれば、税務署はまことに正直だと。この答えた税務署がですよ、税金は全部かからないのだと。ところがケース三で、今度逆に国税庁はそうは考えていないのだというと、私の考えている方が正しいのだ。こういうことのこの三つあるのですが、これは口頭なので、私がさらにここで改めて質問したのは、ここの場の質問としてこの場合どうなるのか、これでいいのか、それともこれではだめなのか、二つに一つです、はっきり返事してください。余計なことを言わぬでいいですからね。
○政府委員(伊藤博行君) 家具の販売の形態にはいろいろございます。したがいまして、先生がおっしゃったケースでいい場合もありますし、具体的な事例によってはまずい場合もございます。
○丸谷金保君 そこわかった。それじゃそういうことにしておきます。いい場合もあるし悪い場合もある。いや、それでもって静岡の家具商の方に今電話することになっておるのですから、そういうふうにして電話しておきます。あとはまた五日の日にやりましょう。どっちこっちというの言えないというくらいに国税庁の次長でさえも、いい場合も悪い場合もと、こんな答弁しかできないのですよ、これ。
○政府委員(伊藤博行君) 若干敷衍させてください。 先生おっしゃいますように、収益計上の時期といいましょうか、本税の対象になるのは譲渡のときでございますけれども、その譲渡がいっ行われたと見るかというのは、先生おっしゃるように引き渡しのときということでございます。その引き渡しのときを何をもって判断するのかという点が通達にも書いてございますけれども、いろいろな着眼点がございます。
○丸谷金保君 はい、そこでいいです、時間がないので。時間がないのでそこまでのことで質問とめておきます。
○政府委員(伊藤博行君) そういった事情を踏まえて、当該家具の販売をしておられる方がどういう引き渡し基準、引き渡しのやり方をしておられるか等々を拝見して、答えが正しい場合もあるし、そうでない場合もあるというふうに御理解いただけたらと思います。
○丸谷金保君 その点は附則の三条とか、あるいは通達の九の一の一とか九の一の二、九の一の二十七、そういうのを私は全部調べてあるのですよ。しかし、そのことをきょうはやっている段階でないので、とりあえず頼まれたことだけ聞けばいいので、あとはゆっくりやりましょう、いずれ機会ありますから。 次に入ります。 次に、今問題になっておりますFSXのことに関連してなんですが、国務大臣としての大蔵大臣及び関係各省にお伺いいたします。 本日提案されております世銀に対する追加出資、各国の資金供与は大体同じような比率で行われ、特にアメリカが拒否権を発動できるように一八・何%というふうな比率で、やはりこの資金の拠出は行われることになっていますね。ところが、今西廣防衛事務次官がアメリカに飛んで、毎日のように新聞をにぎわしているFSXの資金は全額日本が出資するのです、全額。それが日本の議会では、政府からその内容が説明もされず議論もされておらない。アメリカ議会では、アメリカから日本に供与する技術、日本からアメリカが供与を受けた技術、さらに量産段階のシェア等が議論されております。ところが、全額研究開発費を負担し、さらに私はこの間意見書を出したのですが、その答弁書によれば「共同開発計画の成果として得られる技術情報は、日本政府に帰属する」ことになっているにもかかわらず、日本の議会において提案もされず、再三の我々の要求に対し、資料提供もまことに不親切でなかなか応じてくれない。特に、今アメリカ議会で問題化している共同開発に対する了解覚書が、日本では秘密にされておるというのは議会軽視も甚だしいと思います。アメリカの議会では十分に議論されて結論が出されるものを、日本では要求した資料さえも出し渋る。まことに遺憾です。しかも、金も技術も開発成果も日本に帰属する、そしてそれをアメリカに供与するというのに、なぜこれが日本ではできないのか。 実は、私は昨年の春から決算や商工の委員会等で秘密特許の問題に関連して、この種のことが必ず起きてくるということを再三発言してきましたが、今回はそういう機会がございません。それで質問主意書を出しまして、昨日答弁書が返ってきましたが、これは質問に全くすれ煙いの答弁しかないのであります。質問にすれ違いの答弁が非常に多い。これを何らかの機会にさらにやりたいと思いますが、とりあえず答弁書は極めて不服だったということをこの機会に言っておかないと、このまま発育の機会がないと、受け取って、ああ了解したというふうに思われますので、国務大臣としてのひとつ大蔵大臣よく、これは閣議で了解して答弁書をちょうだいしているので、覚えておいていただきたいと思います。 特に、そのうちのきょうは一つだけお伺いします。 答弁書の一の(四)の7、この原稿でやっておりますから御存じと思いますが、「米側が日本側に供与する技術を我が国が使用する態様は様々であり、一概には論じられない。」というのがあります。ところが、既に日経産業新聞は、今重要な問題になっているのは、コンピューターシステムのうち、火器管制装置と一体となった格闘戦用コンーピューターであり、これだけが日本の技術陣にとって手が出ないところで、他のFSXはほとんど日本で開発可能なものだ、こういうふうに具体的に指示しております。これは私も、日本の名前を言えば皆様御存じの有名な科学者の方にも聞いてみましたら、そうだと、大体日本でできるんだと、ここのところが問題だと言っております。さらにまた、飛行状況に応じて機体を制御するフライトコンピューター、これについても日本の民間飛行機が、将来使用を禁止されるようなことになれば、日本の国内航空機産業に及ぼす影響も非常に大きくなる、こういう懸念も出ております。 実は、きょうはこういう重要問題なので局長クラスの政府委員に出席を要求したのです。ところが、今アメリカに西廣次官が行っていて、もう常時電話で向こうとの交渉の打ち合わせをやっておるので席をあけられない。ちょうどこちらの二時というとアメリカの零時です。夜中です。夜中でさえもまだ向こうでやっているのですね、席を今あけられないのですから。向こうは夜中もやっているのだと思います。それくらい重要な問題であり、アメリカでは緊迫した議会との間の問題になっております。 現に、本日の新聞によりましても、西廣次官との交渉の中で「ベーカー国務長官が議会を説得する際の「武器」となる文書を望んでおり、」、こう言っているのですね。そのことは何か。竹下幹筒を現在持っていっておりますね。それに対して、向こうは具体的でないと言っていろいろ問題を提起をして、それで西廣次官が泡食って今度飛んだわけです。そして日本側では、三月三十一日までの同にこの話の大筋をつけないと研究開発費の百七億、これが基本設計に係る研究委託契約というのが三菱重工とできないから、何とか三十一日までに、たった百七億です。この非常に大事な問題を、そのために必要だからということで飛んでいって、向こうのいろいろとつける注文、例えばシェアの具体的な数字まで出せと、将来においてこれができた場合に。日本が全額開発研究費を出す、こういうものについてさえもそんなことをしなきゃならない。とにかく時間がないからということで、国会の議論のないままにどんどんどんどん進めていって既成事実にしてしまうということは、私は日本国のために国益の上からも大変残念だと思います。 第一、こんなFSXなどというふうなものをそんなに急いでやらなきゃならない理由はどこにもないのですから。百七億の予算の執行ができないというふうなことくらい考えないで、ひとつそういう点については十分な検討をしていただきたい。 きょうは防衛、外交、皆来ておりますので、それぞれ大臣によく理解を願って、竹下さんに、とにかく一国の総理が持っていった文吉が、竹下書簡がちゃんつけられているのですから、こんなばかなことありませんので、しっかりひとつそこら辺はお伝え願いたい。 以上申し上げまして、世銀に対する何%かの出資でさえもこうやって議論するのですから、全額出すことはもう少し日本の国会で十分自由に、討議がアメリカと同じくされるようにひとつお願いいたしたいと思いますがいかがでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) FSXの日米共同開発につきましては、これは極めて重要なものとして予算で既に組み入れられておるところでございます。現在、その問題をめぐりまして、日米の方でまた改めて交渉が行われているやに聞いておりますが、残念ながら私、その詳細については承知しておりませんので、関係の各省からお話をいただきまして、その上で必要あればまた私から申し上げたいと思います。
○丸谷金保君 連日新聞をにぎわして、あれだけアメリカの議会ではこれではのめるとかのめないとか、こういう日本の国の将来にわたる大問題を、財政を握っている大蔵大臣抜きに進めるなんて、これは一兆円の事業になると言われているのですよね。それを大蔵大臣抜きにしてこの話が進むなんということは、私はもってのほかだと思います。非常に遺憾であるということを申し上げておきます。 大臣がよく知らないと言うのじゃ答弁のしようがないでしょうから、大変遺憾だということにして、その次に進ませていただきます。 次にブレイディ提案について。 今御提案になっている世銀資金ですね。こういうふうにして積み増ししていく一方で、ブレイディは今度は債務をひとつ削減していこうという提案をしておりますが、これも私は非常に遺憾に思うのは、宮澤前大蔵大臣が、かつて大体同じような趣旨の形で、方法は多少違いますけれども、日本が提案したときに反対したのはアメリカなんです。アメリカは、それよりも債務国の自助努力をもっとさせることの方が必要だと当時言っておりましたでしょう。それが、レーガンからブッシュ政権にかわっても、同じ党の政権で政策受け継いでいるのにこんなばかなことになって、しかもこれに協力しないのはペナルティーをかけるべきだ、こういうふうな発言までしていますね。日本の銀行関係は非常にそういう点では困惑するのじゃないか。要するに債務は減らされる。新規の開発に要する開発資金というふうなのはある程度出してやるということですからね。それでなかったら利息をカットしちゃうぞと、こんなことがまかり通るということは、私は大変不思議に思うのです。時間がありませんので、それとあわせて、これ別々な問題であって、質問だったんですが合わせます。 そういう資金を考えるならば、例えばアマゾン開発あるいは熱甘雨林が切られていくと世界の砂漠化は進むし、酸素の供給量が足りなくなるということで環境団体も騒いでいるし、あるいはたまたま何かの方法で日本がアマゾン開発に金を出すということで、世界で世論の環境関係で袋だたきになったことがあります。しかし、これは先進国の勝手だと思うのです。自分たちのところは開発し尽くして、開発途上国の方の熱帯雨林やアマゾンの緑は残しておかなければ人類が困る。人類が困るということは事実なんです。これは、実は時間の関係でできませんが、参議院の常任委員会の調査室が「立法と調査」というレポートを出しまして、その中で詳しくそうした地球環境の保全に対する問題が出ているのですがね。しかも、その中で、日本は非常に木材の輸入なんかも多いのです。ただし、木材を輸入しないでも、アメリカやカナダは自国でどんどん切って自国で使っているのがあります。そういうところはどんどんやりながら、宇宙環境、地球と人類あるいは生物を守るためにということで、熱帯雨林やアマゾンを残さなきゃならないとすれば、これに先進国がペナルティーを出す、ひとつそれは残しておいてくれ、そのかわりその資金はみんなで持とう、人類の責任として。わずか七億ほど何か環境に今度予算が出るそうで、新聞に出ておりますが、その程度でなく、思い切ってそういう国際世論の中で累積債務問題を大義名分を立てて解決すべきである、そして残してもらう、こういうことを日本から、ひとつこういう資金を出す場合にはしっかり日本の国内のコンセンサスを得てやってもらいたい、大臣おわかりいただけますか、私の言っていること。――わかりますか、それじゃそういうことでぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(内海孚君) 一度に大変たくさんのことを言われましたので、私なりに整理してお答え申し上げますと、まず第一は、アメリカのブレイディ財務長官の案について、これが私どもがかつて日本提案として昨年行いましたものとの関係でございます。 よく宮澤提案と呼ばれておりますが、そこにある考え方は、かなりの部分において今度のブレイディ提案と軌を一にしております。私はその国その国いろいろな政治事情、選挙その他を含めて政治事情があると思いますので、そういったことを当然考えれば、大事なことは結局債務問題という世界経済の基本を揺るがしかねない問題につきまして、小異を捨てて大同につくという基本的な態度で大事な解決を見出していくべきものだというふうに考えております。 それから第二に、いわゆる債務を削減するということについてでございますが、委員御承知のとおり、開発途上国の債務は現在一兆二千億ドルにも及んでおります。これについて、ある程度基本的にメスを入れていきませんと問題の解決になかなか到達しないという認識は、これはやはり一つの正当性を持っているだろうと思います。要は、そのやり方でございまして、例えば、今まで銀行が集まりましてリスケジュールをやったりニューマネーをやろう、そしてこの国を助けようと言っても、結局それに応じない銀行でも同じように利払いと元本の返済を受けるということでは、これはフリーライダーを許すことになりますので、やっぱりフリーライダーが安易に起こらないような何か制度的な工夫が要るじゃないか。これは委員はペナルティーという表現を使われたわけですが、やっぱりフリーライダーは何とか排除する知恵を出そうじゃないかというのが今度の考え方でございまして、その間、第三番目に委員が言われた、銀行が得になったり損になったりしないか。例えば日本の銀行なんかがばかな目に遭うことはないかという御心配、これにつきましては我々日本の銀行がその状況に応じて、いわゆるばばをつかむようなことがないような万全の配慮をしながら、前向きに、フリーライダーの排除を具体的にどうするかという知恵を出さなければならないと忘っているわけでございます。 それから最後に、熱帯樹林その他の木材の輸出、輸入及び環境についてでございます。 一概に木材の輸出、輸入が悪いということは、これは言えないわけでして、輸出者はそれで外貨を獲得できるわけでございますし、輸入する方、例えば日本は家の構造からして最大の木材の輸入国でございますが、これがあるために一般の庶民はそれなりの合理的な価格で家が建てられるというメリットもあるわけでございますから、これを一概にペナルティーというわけにはまいらないと思いますけれども、その間にあって環境に対する配慮ということは、まさに委員の御指摘のようなことで世の中は大変動いておりまして、これは我が国の二国間援助におきましても、環境に対する配慮というのにはこのところ格段にいろいろ配慮が進んでおりますし、また世界銀行におきましても、環境局という新たな局ができて、またそれぞれの地域局に環境審議官みたいなのが張りついて、専らそういうことをやるというふうになっております。そういう意味で、開発と環境との関係では丸谷委員御指摘のような方向に世の中は動いているのではないかと思います。
○丸谷金保君 もう時間がないので、いろいろ反論したいこともありますけれども、きょうはこれでやめておきます。
○中野明君 当委員会で昨日来の話を聞いておりましたら、もう消費税の問題で大半を費やされているというような状況でありまして、これは四月一日が近づくにつれて混乱はますます大きくなっているというのが実感でございますが、大臣もそのように認識しておられると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 今、中野委員がおっしゃいましたように、消費税というなじみの薄い税がいよいよ四月一日から適用されるということになりまして、経済界、それから事業者の方、また国民の皆様方が相当戸惑いぎみであるということは私はよく承知しております。ただ、この税制改革の重要性、そしてまたその中核をなします消費税の円滑な定着を目指しまして、委員の皆様方の御注意を十分受けながら万全の体制を整えて、これが定着することをこいねがい、万全の努力をするつもりでございます。
○中野明君 万全の体制とおりしゃるのですけれども、もうきょうあすに迫って、特に私心配するのは地方自治体の態度でございます。このままで強行するということになると、大混乱が起こるということはもう必至でありますので、先日来同僚委員も皆おっしゃっているように、一応凍結もしくは廃止という線で質問が出ておりますけれども、大臣に今申し上げても、総理がこの間本会議で答弁しておることでありますので、お答えは出ぬと思いますが、私はどうしても国民への混乱を防ぐためには、凍結もしくは廃止にしなければいかぬのじゃないか、このように思いますので意見を申し述べておきます。 そこで、関税定率法の一部改正をやらしてもらって、他の法案については同僚委員から質問をいたします。 関税定率法に入りますに当たりまして、輸入食品の安全性の問題について質問をしたいと思います。 初めに、先日発生をしました、チリ産のブドウから猛毒の青酸化合物シアンがアメリカにおいて検出されたという事件についてお尋ねをするのですが、この事件は結局チリ側の安全確認を条件として輸入禁止四日間ということで一応終息はしたようでありますけれども、これはどういう事件であったのか、なぜこういう事件が発生したのか、その点について事実関係を概要説明していただきたい。
○説明員(成田右文君) お答え申し上げます。 本件につきましては、三月二日、現地時間でございますけれども、二日午後、在チリ日本大使館に対し、スペイン語でチリの輸出果物にシアンを注射したという匿名電話があったわけでございます。その電話の話しぶり等からして、大使館といたしましてはその後さらに追加的な情報を得ようとしていましたところ、三月六日、在チリ・アメリカ大使館に対しましても私どもが受けたと同様の匿名電話があったことが判明いたしました。このため、我が在チリ日本大使館は、その日のうちに本省に対しまして右を報告したわけでございます。本省におきましては、日本時間で七日に電報を受け取ったわけですけれども、直ちに厚生省及び農林水産省に対してこの報告の内容を連絡いたしますとともに、八日、チリ政府の関係当局に対し輸出果物の衛生管理を強化するよう申し入れるようという訓令を発した次第でございまして、同大使館はこれを先方に申し入れました。 三月十二日になりまして、米国の食品医薬品局は、フィラデルフィアでチリ産ブドウ二個から極めて微量のシアン化合物を検出した。翌十三日、すべてのチリ産果物を米国市場から撤去するよう求める旨のプレスステートメントを発表いたしました。この発表につきましても、我が米国大使館から報告がございましたので、先ほどの両省にもお伝えした次第であります。 以上をもちまして、厚生省サイドでも十四日、チリ産ブドウに対する措置を発表したということでございます。
○中野明君 それで、厚生省にお尋ねをするのですが、アメリカで検出されたということで日本が直ちにそれに追随したというのですけれども、日本の輸入したブドウについては検査をされたのですか、どうですか。
○説明員(難波江君) お答えを申し上げます。 先ほど外務省からお答えございましたように、厚生省がチリ産の輸出果物にシアン化合物を混入させたという匿名電話が大使館にあったことを承知したのは、三月七日でございます。その時点におきましては、どの国向けのどの種類の果物に混入されたか不明であったこと、またチリ政府及びアメリカ政府の対応が不明であったことなど、得られた情報が不明確な部分が多かったということで、さらにチリから我が国に貨物が届くのに約三週間を要するというようなことで時間的余裕もあるということで、当面は外務省を通じまして詳しい情報の収集に努めてきたところでございます。 それで、十四日に至りまして、先ほど答弁がございましたように、FDAがチリ産ブドウからシアン化合物発見したとの情報を受けて、直ちに輸入販売の見合わせ、消費者に対する周知徹底方を検疫所、関係団体、都道府県を通じて指導したところでございます。したがいまして、その間我が国においては検査はいたしておりません。
○中野明君 その後日本に入ったブドウについて向こうから毒物を混入したという通報があって、日本へはもう入っているでしょうから、その後の追跡調査というか検査はされたのですか。
○説明員(難波江君) その後情報が入りまして、これは御承知のように一般的な汚染ではございませんで、極めて犯罪的な行為でございまして、非常に限定的な貨物がその疑いがあるというような状況も出てきたわけでございます。したがいまして、国内において特にその後追跡調査をしているという事実はございません。
○中野明君 そうすると、アメリカの検査だけで日本がそのまま追随して動いた、そのとおりですかね。
○説明員(難波江君) その後の情報の入手でございますが、かなり状況が明らかになってきて、特にアメリカ等につきましては最初FDAが検査をして、どうも発見ができないということで、一たん安全発表した、しかし犯人側から再度メーカー名でございますとか船便を指定して通告があった、その結果わかったというような事情がわかってきたわけでございます。したがいまして、私どもとしては、それらの状況を踏まえながら対応したわけで、決してアメリカに一方的に追従したということではございません。なお、現在もすべてについて安全だということで全面解除しているわけでございませんで、一定の条件をもとに、特に安全性の確認をされるものを今後輸入を認めていこうということで、現在チリへ食品保健課長ら二名を派遣し安全対策について調査を実施しているところでございます。
○中野明君 結局慌てて、慌てたというのかそれとも大事を踏んだというのですか、アメリカの検査があって日本では輸入を当面見合わせて、輸入されている物は販売を見合わせるようにという指導をやった。ですけれども結局、それからその後何日かたって日本へ入っているわけですから、チリ産のブドウが。それについてやっぱり摘出検査というか、そういうものをする必要はなかったのでしょうか、どうでしょうか。その辺を聞いてるのですけど。
○説明員(難波江君) 御承知のように、生鮮のブドウは非常に量が多い、形態がああいう状態で入るということでございまして、仮にこれを発見するとすれば、全品検査と申しましょうか、一定のレベルで汚染をしているということでなくて、ごく一部にそういう作為的な犯罪行為があったということでございまして、なかなか全体を検査するということは不可能に近いという状況がございます。したがいまして、私どもは安全性に念を入れるという観点から、先ほど御説明したような十四日の緊急の処置をとったということでございます。今後、解除するについても全体がそういう心配がないという状況で解除をしていこうという判断をしているところでございます。
○中野明君 いずれにしても、そういうことを日本の大使館にも通告あったわけですから、摘出検査なり何なりして一応確認をするという必要はなかったのかどうかということを私、心配して聞いているわけですが。それで、十四日にそういうふうに見合わせるように指導しておいて、あと今度は入荷しておる、チリからの出荷されている分は外見検査で品質が良好ならばジュース等の原料にすることを認めるというようなことをまた四日もたってから出しているのですけれども、それはどういう意味で出されたのですか。
○説明員(難波江君) 先ほども御説明しましたように、三月の二日の最初の現地時間の通告でございますが、仮にその前後に混入されたとしても、日本へ到着するまでその貨物については三週間程度かかるということで、直ちに検査をしなかったという事情がございます。それから三月十八日以降、一定のものについてジュース等の原料に認めたわけでございますが、これらにつきましても果汁にして、搾った段階で検査をいたしまして、シアンの残留がないというものを食用に回すという安全な処置を講ずるということで認めているところでございます。
○中野明君 それで、チリ産のブドウが入って、輸入を当面見合わせたり販売を見合わせるということで、廃棄処分にした部分もあるようなのですが、これは損害はどのようになるのですか。
○説明員(難波江君) 廃棄につきましては、営業者の責任において自主的に適正に対処してほしいということで、あくまで行政指導ということでやっております。特に損害の補償等については現在考えておりません。
○中野明君 これは非常に迷惑な話なんですが、今後もこういう事件が起こる可能性というものはなしとしないわけですが、どうも輸入食品に対して日本の対応ですね、検査、監視体制、これが十分ではないということは前々から言われて大変心配をされておるわけです。あらゆる食品にもDDTが混入しておったり、あるいはオーストリア産のワインには不凍液が混入されておったり、あるいはチェルノブイリの原発事故によって放射能に汚染されたり、いろいろ国民が輸入食品の安全性ということについて大変心配をしておるわけですが、今後こういうことについて検疫所の検査が行き届かぬのじゃないかという点を心配をしているわけです。摘出にしても何にしても、これだけ食料を輸入している国ですから、恐らく輸入の書類の検査だけで終わっているのじゃないか。実際の現物を検査するところまで手が回らないのじゃないかという心配をするのですが、今後の対策はどうされますか。
○説明員(難波江君) 先生御指摘のように、昭和六十二年には件数で五十五万件、重量で二千二百万トンというような膨大な輸入があるわけでございます。 現在、監視業務は全国の二十の海空港に監視員を配置をいたしまして、食品衛生法に違反しているものの輸入を未然に防止するための体制といたしまして、事前相談制度でございますとか、輸入食品等に関する衛生指導でございますとか、さらに輸入の都度出されます届出書による書類審査の実施を行い、さらに必要と認められるものについては検疫所、国立衛生試験所等において行政検査をし、違反が発見された場合には廃棄、積み戻し等の処分を行っているところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、大変輸入食品が増大する中で、私どもといたしましては引き続き監視員の増員、職員の技術研修の実施、さらには分析機器の整備等を通じて輸入監視体制の整備を図っていく。特に、水際において効率的、効果的な監視に努めていきたいと考えているところでございます。
○中野明君 大蔵省におきましても税関の職員がことしは少し増員されたようですけれども、それでもまだ不足しているというような状態でありますが、法務省の出入国管理とか農水省の植物防疫検査所、水際作戦に実際にタッチしている人たちの数が出入国管理事務所では入国審査官が七百四十四人、入国警備官六百四十九人、植物防疫検査所では六百六十七人ということになっているのですが、検疫所は何名になっていますか。
○説明員(難波江君) お答えいたします。 先ほど御説明申し上げました二十の空海港に七十八名配置してございます。なお、平成元年度におきましては新たに九名の増員ということで、さらに増員を図っていくこととしているところでございます。
○中野明君 検疫所の人は、物も大変足りないと思うのですけれども、残留農薬から食品の添加物、有害薬品の使用、照射食品等の問題等々、輸入食品の安全性について、国民がこれだけの人数で、七十八名で、年々膨大に食糧の輸入もふえているわけですね、そんな状態で大丈夫なのだろうかという不安はのかぬのですけれども、これ七十八名程度で本当にできるのかどうか、今後の検査体制の充実についてどうお考えになっているのか、もう一度お伺いいたします。
○説明員(難波江君) 先ほども申し上げましたように、私ども決して七十八名で十分とは考えておりません。今後とも食品衛生監視員の増員を図る一方、機器の整備、さらには指定検査機関の活用等によりまして、国内における輸入食品の監視体制と相まって、効率的、効果的な水際の監視体制の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中野明君 事が起こってしまったら人命に関する問題ですから大変だと思います。こういうことが起こったときに、やはり再発について対応が急務であると私は思うのですけれども、何か今の話では七十八名で何とかやろうと思っていますというのですけれども、七十八名では輸入の証明の書類の審査だけで終わっているのじゃないかという感じがするのです。ですから、よほど充実してもらわないと、国民が自分の生命にかかわる問題ですから、今のところ静かになっておりますけれども、一遍事故が起こったらパニック状態でしょうね。だからその点についてぜひ、人員の配置とかその他も含めて再発防止に全力を挙げてもらいたい、そういうふうに思うのです。 この問題の最後に、国務大臣としての大蔵大臣の所感をちょっと聞きたいのですが、ほかの水際作戦のあれと比べて、輸入食品についての監視体制というのは余りにもお粗末ではないかなと、そう思うのですが。
○国務大臣(村山達雄君) 食品検査の問題はなかなかこれは重大問題でございまして、特に今、日本は輸入食料が非常にほかの国より多いわけでございますし、そしてまた最近におきましてはますますふえているということでございますので、この重要性はますます高まっていると思います。委員が御指摘されましたことは、極めて大事なことでありますので、今後関係省庁と十分な連絡をとって万遺漏なきを期してまいりたい、かように思っております。
○中野明君 ぜひこれ心がけて努力をしてもらいたいと思います。 じゃ、牛肉の問題、自由化について、畜産振興事業団の業務についてお尋ねしたいと思うのです。 平成三年度の牛肉輸入の自由化に伴ないまして、牛肉輸入の一元的管理を行っていた畜産振興事業団は輸入牛肉の売買業務から手を引くことになります。自由化後も事業団は存続するということになっておりますが、畜産政策の上で事業団が今後果たす役割についてどうお考えになっているか、お伺いいたします。
○説明員(太田道士君) ただいま御指摘のとおり、平成三年の四月以降、畜産振興事業団が輸入牛肉の売買に関与することがなくなるわけでございます。しかし、これまでと同様、バター、脱脂粉乳等の指定乳製品、それから国内産の牛肉、豚肉の価格安定業務、ほかに学校給食用牛乳の供給事業に対する助成、それから加工原料乳の生産者補給金の交付業務、乳業者の債務保証業務、それから指定助成事業に対する助成等の従来からの業務というものがあるほかに、昨年の十二月に制定されました肉用子牛生産安定等特別措置法によりまして、肉用子牛の生産者補給交付金等の交付業務を平成二年度から実施することになっておるわけでございます。そういう意味では、輸入牛肉の業務というものはなくなるわけでございますけれども、そういう子牛の生産者補給交付業務が加わるというような形で、畜産振興のための事業団の役割というものは重要性を増してくるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○中野明君 そこで、要するに畜産振興事業団の持っている体質といいますか、これが問題になっているわけですが、たびたび問題になって、昨年の夏以来、輸入牛肉をめぐる輸入商社の談合疑惑というのが報道されて、農水省は、事業団に調査をさせたがそのような談合の事実があったとは考えられないというような報道を受けているというふうに国会でも答弁をしておられるわけですが、今月の七日に公正取引委員会が輸入商社への立入検査を行うなど疑惑は一層深まって、世間からは畜産事業団の性格、一体何のための畜産事業団なのかというようなことが問題視されているわけですが、この不明朗な体質が農政不信にもつながっていくのじゃないかと心配しているわけです。公取の方が見えておられましたら、談合疑惑についての調査の進行状況というものをちょっと説明してもらえませんか。
○説明員(鈴木満君) 畜産振興事業団の輸入牛肉の買い入れに伴います独占禁止法違反被疑事件につきましては、牛肉輸入業者が畜産振興事業団の行います冷凍牛肉の競争入札による買い付けに際しまして、共同して各社の落札シェアを固定しておるという疑いがございまして、本年三月七日と八日両日、独占禁止法第四十六条の規定に基づきまして立入検査を行いました。千三百点余りの資料を収集いたしまして、来週あたりからこの資料に基づきまして、関係者から事情聴取をする予定にいたしております。公正取引委員会といたしましては、速やかに審査を行って結論を得たいと考えております。
○中野明君 監督官庁である農水省は、このような事態、事業団に調査させたけれども談合の事実があったとは考えられないという答弁をしておられて、それで公正取引委員会が抜き打ち的に検査をしたと言うのですが、今後、農水省として再度調査する考えがあるのかどうか、またこのことに対しての農水省の考え方をおっしゃっていただきたい。
○説明員(太田道士君) ただいま談合疑惑の問題につきまして、私どもといたしましてはそれなりの改善措置を講じてきたところでございます。先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、例えば同時売買方式で新規参入を認めていくとか、そういうことで競争条件をさらに強化していく等の対応をしておるところでございます。私どもといたしましては、従来の調査いわゆる中間的な報告という形で事業団からもらっておるわけでございますけれども、今回強制調査という形で七日、八日、公正取引委員会の方で調査が行われたということでございますので、私どもとしてはその進展のいかんによって、適切な対応をするということで臨んでいきたい、こういうように考えておるところでございます。
○中野明君 要するに、畜産振興事業団というのは今までとかくのうわさがあったわけでして、それについての談合の問題も出てきたということで、よほどこれ、そのまま残すにしても何にしても、きちっとした調査あるいはまた指導もしてもらわないと、本当にこれ、牛肉の価格の安定にも資するということなんですけれども、何か輸入が自由化になっても高値安定でいくような、そういう形にならへんかということを国民の皆さんも心配しているわけなんです。ぜひこれは調査の進展と相まって、農水省としても立入検査をするなり、あるいは指導を強化するなりしていただきたいな、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それではもう一点だけお尋ねしておきます。 今回の改正の中で大麻、覚せい剤、これが輸入禁制品に追加をされたというように聞いておりますけれども、我々はもう当然輸入禁制品として今まであったのだというふうに思っておったのですが、この機に至って急に輸入禁制品に加えたというのは何かわけがあるのですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 従来から大麻、覚せい剤等につきましては、国内のそれぞれの取り締まり法規によりまして取り締まられておりまして、税関でもこれに対して対応してきたところでございます。 ところで近年、大麻、覚せい剤、麻薬等に対します問題が国際的にも非常に広く、深く認識されるようになりまして、昨年の六月にトロント・サミットの政治宣言におきまして国際協力強化の必要性が提言されているところでございます。 また、十二月には国連におきまして、麻薬犯罪の国際的な取り締まり強化を目的といたします麻薬新条約が採択されているところでございます。 こういう国際的な重要な認識の中で、国内の状況でございますが、御承知のとおり、麻薬の生産地域、消費地域というのがございまして、特にアメリカが大きな消費地域といたしまして大変に苦労いたしておりますが、最近日本から麻薬が輸出されることはないということで、アメリカの取り締まり当局におきましても、日本からの荷物についてはこういう麻薬検査は余り従来いたしていなかったわけでございますが、そのために、一たん日本に持ってまいりまして、日本を中継基地としましてアメリカ等に輸出するという動きが大変出てきておりまして、アメリカ等からも協力を強く要請されているところでございます。 さらに、手口が非常に巧妙になっておりまして、従来大体見当つけましていろんな情報で見張るわけでございますが、それではなかなか出てこない。二十四時間監視態勢を二日三日続けましても出てこない。相手の手口が非常に巧妙になっておりまして、最近の傾向といたしましては、特に小口商業貨物とか郵便物等を利用する例が出てきたわけでございます。ところが従来それほど見られていなかった、もちろんこうした例はあったところでございますが、この関係を申し上げますと、大麻、覚せい剤が国際郵便物で入ってきました場合には、従来の法規では対応できないという状況、ちょうど抜け穴になっていたわけでございます。これは通脱罪でも摘発はできませんし、無許可輸入罪でも対象外だということで、これはやはりきちっと対応していく必要があるという中で、国際的な動きあるいは国内のいろいろな巧妙化する手口の中で、今度関税関係の法規でもきちっと禁制品としてやっていく必要がある、かような認識に立ってお願いしている次第でございます。
○中野明君 そうすると、輸入禁制品に追加することによって、現在の追加されてない、輸入禁制品扱いになってないのと、今までと大きく違うというのは、別送品を調べることが加わるだけですか。それとも、今まででも対応できておったのでしょうか、それぞれの取り締まり法があるのですから。それを追加するのならば、もっと早くしておかなきゃならなかったと思うのと、追加したことによってどのように違いが出てきたのかということをもう一度説明してください。
○政府委員(長富祐一郎君) 今申し上げましたように、国際郵便物につきましてちょうど抜け穴になっておりましたので、今度禁制品ということで法律で規定さしていただきますと、国際郵便物につきましても税関できっちりと取り締まれる、かようになるわけでございます。 それ以外、罰則等の適用につきましては従来と大体同じであるというふうにお考えいただいて結構だと思います。
○中野明君 それで、これ刑法にもありますし、あるいはあへん法あるいは大麻取締法ですか、そのようにあるのですが、罰則はそれぞれ輸入禁制品等の罰則と違うようなんですけれども、その場合はどちらをどういうふうに適用されるのか、その点教えてください。
○政府委員(長富祐一郎君) 今度御指定いただきますと、従来無許可輸入罪ということで三年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金でございましたが、これが禁制品輸入罪ということで、五年以下の懲役もしくは五十万円以下の罰金となります。 また、先生御指摘のとおり、覚せい剤取締法、大麻取締法等の取り締まり法上も密輸入罪が同時に成立するということでございまして、量刑がどうなるかということでございますが、一つの行為が関税法と取り締まり法の双方の違反となりますので、刑法上の観念的競合ということに該当いたしまして、より刑罰の重い覚せい剤取締法、大麻取締法の罰則が適用されるということで、従来とそこは結論において変わりはないということでございます。
○中野明君 税関の職員についてお尋ねをしますが、今回職員が増になっているのですが、先ほどの質疑の中でお伺いしておりましたが、何か消費税の導入に伴って要員がふえるというようなニュアンスで私聞いたのですが、消費税が導入されたことによって、一遍にそれだけの人間をふやさにゃいかぬのですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 先ほど申し上げました消費税関係による定員増が二百人、それから一般的な定員増が三十三というふうに予算では書いておりまして、それに定員削減七十八を差し引きましてネット増が百五十五人というふうに申し上げた次第でございます。 私ども、消費税が入ってまいりまして、事務量の増に対応いたしまして、さらに一般的な税関業務の繁忙化に対応いたしまして、それだけの人数はぜひお願いしたいというふうに考えておるところでございます。
○中野明君 これは消費税導入ということを名目にして、今までなかなかふやしてもらえなかった定員を、消費税導入をいいチャンスとして、それでふやしたというだけであって、名目的に、仕事の量は、もうこれは消費税導入する、せぬにかかわらずずんずんふえてきているということでしょうから。何か消費税を導入するから定員をふやしたのだというような言い方は、私は間違いじゃないかと思うのですけれども、もう一度その辺、実態に合わして教えていただけませんか。
○政府委員(長富祐一郎君) 予算上決められております二百人と三十三の増ということでございまして、やはり消費税の導入に伴いましてふえます事務量に対応するということが一つございます。 それから、先生御指摘のとおり、事務量、業務量がふえておりますので、これに対応する定員増というのもございまして、私は、それを合わせましてネットで百五十五人の増をお認めいただけたと、こういうふうに申し上げた次第でございます。
○中野明君 何か消費税を導入するから、これだけの人間が要るからふやしたのだというようなニュアンスでおっしゃっているのですけれども、消費税導入がなくてもこれだけの人数は要るのじゃないかと私たち思います、今までの増員計画を見ておりましてね。毎年附帯決議その他でついておりますのに、ずっと減ってきているからね。定員がふえるどころか純減になっております。そして、昨年ようやくプラス五でしょう。内需拡大で輸入はもうどんどんふやさにやならぬというときに、人数が足らぬで困るのはもう目に見えています。だから先ほども話があったように、職員の健康問題にまで影響が出ているのです。 だから、これは消費税導入ということよりも、仕事の実態がそうなってきている、それで今まで減員だったのをここで一挙に解決したというのが正しい言い方じゃないだろうかなと、このように思います。ぜひこの点はお願いをしたいと思います。これこのままでいったら来年度はまたふやしてもらう考えですか。それはどうですか。
○政府委員(長富祐一郎君) 国会で毎年附帯決議がつけられておりますことは、私どもも大変に重く受けとめております。また、先生方から大変な御理解いただいておることも感謝申し上げているところでございまして、その中で昨年御指摘ありましたように五名、ことしネット百五十五人の増員をお認めいただくということで精いっぱいの努力をさしていただいているというふうに申し上げさしていただきたいと思います。 また、来年度につきましても、なお事務量がふえますのでぜひ定員増をお願いしたい、要員の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 それでは、ただいま議題となっております法案に関連しましてお尋ねいたしたいと思います。 先ほど同僚の委員の方からも質疑がございましたが、累積債務国の対策の問題でございますが、何点かお尋ねしたいと思います。 今まで累積債務国の対策につきましては、ベーカー構想というのがありました。ベーカー構想の中身は、債務国に資金を供給して成長を促しながら返済能力をつけさせようというところに主眼があったのではないかと思うのですが、ところが、これが実施をされてきました結果はその逆となっていたのではないかと思うのです。 世銀の資料によりますと、一九八三年から五年間にわたりまして南米を中心とした多額の債務を持った十七カ国、これを見てみますと、元利払いの返済額は増加する一方で、それは新規融資分をはるかに上回っているというように報道されておりますし、八八年には三百十一億ドル、約四兆円の流出超となった。多額債務十七カ国が八八年から九〇年までに支払うことになっている返済総額は合計で二千三百四十六億ドル、約三十兆円に上ると、こういうふうに資料から読めるわけでございますが、政府としてはこのような状況になった原因をどのように見ていらっしゃるのか、ベーカー提案自体をどのように評価されているのか、最初お尋ねしたいと思うのです。
○政府委員(内海孚君) 累積債務問題の原因といたしましては、まず第一には開発途上国の側の大変積極的な国内開発計画がございまして、これがその後、後に申し上げますような状況の変化で、実は今になってみるとアンビシャス過ぎるということであるのですけれども、当時はいろんな状況からこれができるというふうに判断をされて、積極的に進められたということがありました。 それから第二に、環境の変化といたしまして、第二次オイルショックの後、先進国の経済が景気が停滞いたしまして、それが開発途上国の輸出の伸び悩みという形になってあらわれたわけでございます。 それから第三に、そういった経済的な状況を背景といたしまして、開発途上国の主要な輸出産品である第一次産品の価格が大変低迷をいたしました。これも大きな原因の一つでございます。 それから最後に、一九八〇年代に高金利、特にドルの金利が大変高くなりました。 こういった事情が複合してこの問題が出てきたのだろうと思います。 債務累積問題は、委員御承知のとおり、一九八二年のメキシコの問題が引き金になりまして起こりました。 ただいま御指摘のいわゆるベーカープランというのは、一九八五年の秋にIMF・世銀総会でベーカー長官が発表したわけでございます。ベーカー長官の考え方は、依然として今でも非常に重要な意味を持っている部分が多いわけでございますが、一つは、やはり開発途上国自身が地に足のしっかりついた自助努力を行って経済の立て直しをする必要があるというのが第一のポイントでございます。それから第二のポイントは、どこの国にも通用するような万能薬というのはないので、やっぱりケース・バイ・ケースに有効な手段で取り組んでいかなければならないという考え方でございます。それから第三に、最初に申し上げましたように、開発途上国自身が厳しい努力はしなければならないにしても、ある程度それが将来の成長に結びつく必要がある、そういう意味で世銀等の国際機関からの融資の流れを大きくして、それで成長に結びつけていこう、こういうことでございます。しかし、思うようにいかなかったことが民間銀行からの資金フローが、予定あるいは想定あるいは期待した以上に到底いかないで、今委員御指摘のような、むしろ利払いの方がニューマネーよりも多いというようなことがここ二、三年続いている、そういう事情に今後どうやって対処して、この問題に解決策を見出していくかという状況にあるわけでございます。
○太田淳夫君 そこで、新しいブレイディ構想というのが今出されているわけですね。先ほど同僚委員からもこれについては触れられました。宮澤構想の一端もそこに含まれているのじゃないかということでございますが、この構想の中心を見てみますと、一つは累積債務国の債務の軽減ということでございますが、しかし、棒引きをした分新規融資が減るので累積債務は減少はしますけれども、投資向けの新規融資がしにくくなるということで、結果的にはどちらが債務国にとって有利になるかわからない、債務国への円滑な資金の流れが期待できるかどうかということで、アメリカ政府部内でも疑問視されているということが提起されておりますけれども、日本政府としてはこのブレイディ構想をどのように評価されたでしょうか。
○政府委員(内海孚君) ブレイディ構想が、今太田委員御指摘のとおり、今までのようなニューマネーとリスケとを組み合わせるという伝統的なやり方でなくて、先ほど来お話の出ておりました債務国全体で一兆二千億というような債務をある程度身軽にする必要がないか、あるいは利払いを軽減するというやり方がないか、また同時に、ただニューマネーを投与していたのではざるで水をすくうようなもので、やはり開発途上国が資本逃避をどうやって防止する必要があるかというようないろんな考え方を網羅した考え方でございます。 確かに御指摘のとおり、どちらかというと債務の削減とか利払いの軽減にウエートが置かれておりますので、ニューマネーというのはどういう格好で出てくるかというのは実は最大の問題でございます。これは個別のケースに即しまして見ていく以外にないので、例えば債務が減りますと、それに伴って利払いも減りますから、フィナンシャルギャップはそれだけは埋まります。それから利払いが軽減されれば、その分もニューマネーと同じ効果があるわけでございます。ですから、それとともにIMF、世銀あるいは我が国からのパラレルレンディングというようなものを総合的に見て、あとどういうところを補っていくか、こういう考え方でのアプローチというふうに御理解をいただくのだろうと思いますし、また現在のこの問題の現状からすると、こういった新しいアプローチで何かやってみないと、なかなか新しい出口が出ないなという感じを私どもは持っておりまして、その意味で今回のブレイディ財務長官の提案をできるだけサポートする形で、出口を見出していくべく共同の作業に取りかかりたいというふうに思っているわけでございます。
○太田淳夫君 今局長のお話の中にありましたキャピタルフライト、資本逃避の本国呼び戻しという問題でございますが、モルガン銀行の試算ということで報道されておりましたけれども、世界じゅうで約三千億ドルを超えると言われておりますね。その約八割は中南米のものであると。ブレイディ提案にも書いてありますけれども、キャピタルフライトの額は、多くの場合、その国の対外債務残高よりも多いということでございますが、これをやはり何とか防止する対策ということが必要になってくるのじゃないかと思うのですね。 幸い、日本の銀行にはそういう部分がないそうでございますが、それについてはどういうふうに日本政府としては提案されるつもりでしょうか。
○政府委員(内海孚君) キャピタルフライトの実態自身がつかまえられれば本当はすぐ解決策も見出せるわけなのですが、これがなかなかアンダーグラウンドの動きなものですから、委員もおわかりいただけるようになかなか難しいわけでございます。いろいろ試算もありますが、じゃ、それで確信があるものではない。 ただ、この問題に何とかタックルしないことには、先ほど申し上げたようにざるで水をすくうようなことになりかねませんので、一番やはり王道は、お金を外に持っていったら得にならないように、あるいは外に出ちゃったお金はまた中に持って帰った方が得だと思うような経済運営を一日も早く回復することだと思います。 その次には、やはりどうやってこのキャピタルフライトを防止するかですが、過去に例えばイタリアについてもそういうような問題が十五年ぐらい前にありましたが、イタリアはそのときは大変厳しい厳罰をもってそういった問題に対処するということで、成功をおさめたというようなことも聞いておりますし、まあ、その国その国の状況に応じて有効適切な方法をこれから探さなければならない。またそういう意味では、いろいろ関係方面のお知恵も網羅して拝借しなければならないだろうと思っております。
○太田淳夫君 このブレイディ構想提案に当たりましては、米国政府内では援助問題での日本のプレゼンスが問題になった、こういう報道もされているわけですが、日本が国際機関への出資比率を高めることを要求するなど、累積債務問題に積極的な姿勢で臨むことに対する欧米の反応はどのような反応があるのでしょうか。 またさらに、世銀を含めた国際機関に占める日本人職員を増加させたらどうだという提案もあるようでございますけれども、あるいは世銀における日本の発言力、投票権の問題等も要望されているわけですが、現在の状況について政府はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(内海孚君) ただいまの太田委員の御質問は、大変難しいポイントに触れておられるわけでございまして、私どもがこの問題について大きな国際的な役割を求められているというのも客観的事実でございますし、またこれはたびたび本委員会の附帯決議でもそういうことをいただいておるわけですが、それに応じた発言権なりを確保するように、例えばIMFの増資について我が国の力がちゃんと反映されるようにすべきだということもあるわけで、そういう点は我々も主張しているわけでございます。 他方、これに対しましては、日本に強い責任を求める反面、やはり一種複雑な気持ちを持つ場合がほかの国にあり得るということも、これまた当然だろうと思います。その辺は十分いろいろなことを考慮しながら、我々が積極的にこの問題に貢献していく、そのやり方を慎重に、しかし積極的に考えていかなければならないと思っているわけでございます。 それから、それの一環といたしまして、例えば世銀とかIMFにおける日本人の職員の問題でございます。これもいつも御指摘を受けるわけですが、いわば過少代表ではないかと。もちろん、事務局の職員というのは国益を代表しているわけではありませんけれども、やはり我々としては、日本人がそれだけ活躍の場を持つということを期待したいというのは、全く我々も委員の御指摘に同感であるわけです。 具体的に言うとなかなか難しい問題がありまして、例えば日本は終身雇用制でございますので、一たん外にいる間に戻ってくるところがなくなっちゃうのじゃないかというようなそういう問題あるいは心配とか、あるいは学歴的にどうしてもアングロサクソン系の大学の学歴というのが客観的に評価される嫌いがあるというような問題とか、あるいはこれだけ円高になりますと、外国に勤務すると給与が激減してしまうというような問題、それから、言うまでもなく言語の問題というようなことがありますので、一朝一夕にはまいりませんけれども、努力はしたいと思っておりますし、また最近いいニュースといたしましては、国際金融局の柏谷審議官が、世銀の非常にかなめになる仕事をする副総裁に六月に任命されることが発表されました。こういった努力は今後とも続けたいと思っておるわけでございます。
○太田淳夫君 次に、いろんな日本の銀行の対応でございますけれども、きょうのある新聞の報道によりますと、「累積債務国に対する日本の銀行の債権残高(円ベース)が再び増加基調に転じ、三月末で五兆円に迫る水準になっている」ということが明らかになったという報道がされておりますが、それは事実でしょうか。
○政府委員(内海孚君) 全体的に民間銀行から開発途上国への資金の流れが若干マイナスになっている中で、我が国の銀行のこれらの国々への資金の流れがプラスであるということは、私は、これ自体は非常にプラスの方に受けとめていいことだろうと思っております。ただ、その中には、積極的にお金を出したという面もありますが、円建てで出している部分があるわけでして、それはずっとここ三年の間、円が強くなり続けたものですから、そのままにしていてもドル建てではふえるということもありましたので額面どおりには評価はできないのですが、比較的ポジティブにはそういうふうに進んでいったと思います。 こういった全体の中で、我が国の民間銀行が開発途上国への資金還流というのを進めることは、それなりに重要だと思いますし、他方、これは民間銀行の方も、それが焦げつくようなところがわかっていて出すというのは、これはまた難しいと思います。この辺をまさにいろいろな構想に基づいて解決策を見出していこうというのが、現在我我の仕事だというふうに思っているわけでございます。
○太田淳夫君 それで、欧米の銀行は既に五〇%以上の償却を終わっていると。これから累積債務の棒引きが始まるわけですが、まあ半分ぐらいまで棒引きになっても、経営に非常に影響はないということがいろいろ言われております。それだけの対応をしているわけですが、日本の銀行の場合にはまだまだ有税、無税含めてもそれだけの積立金の対応はされていないということでございます。 ブレイディ提案を見てみますと、メキシコとかフィリピンが有力とされているわけですけれども、例えばメキシコの場合、これはある計算でございますが、債務残高が約一千百億ドルとしまして、このうち日本の銀行によるものが全体の一一%程度になるのじゃないか。あるいはフィリピンは約三百億ドルの債務残高がございますと、やはり一〇%程度は日本が占めているのじゃないか。仮に、メキシコの債務残高を債務の債券化などによって三割減少しようということが今いろいろと提言されているようでございますが、そうなりますと日本の銀行の負担は約四十億ドル近くになるのじゃないかという試算もあるわけです。したがって、このブレイディ構想が進められてまいりますと、欧米の銀行に比べましても日本の銀行の実質的な負担というものは高くなる可能性があるのじゃないかと思うのです。その点についての御意見を伺いたい。 そこで、日本の銀行の各行は、ブレイディ提案を受け入れるためには自由な債券売却と引当金制度の拡充などが必要不可欠な条件だと、こういうことをいろいろと要望しているようでございますし、大蔵大臣も衆議院での審議の中で、こういう要望に対して検討する旨の答弁をされているわけでございますが、具体的にどのような対応をいつ行うか明確にされたい。 この点、二点お尋ねしたいと思います。
○政府委員(内海孚君) まず、我が国の銀行の積み立てあるいは償却の状況でございますが、委員御指摘のとおり、欧米では例えば三、四〇%というような割合で債務償却が終わっているということは欧州の国については事実でございます。それから、米国については有税の積み立てでございますけれども、大体平均的に言えば三割ぐらいは、いわば貸倒準備金を積んでいるということでございます。我が国は有税無税含めまして一五%に今回させていただきました。ただ、これらの我が国の銀行の持っております債権がドル建てでございますので、全部はドル建てではありませんがドル建てがかなり多い。ですから、総資産が円建てですので、それに占めるドル建てのエクスポージャーというものは、ある意味では急激な円高の結果少なくなっているということはありますが、それにしてもこういった状況であります。 その中で、今度のブレイディ戦略は従来のようにリスケとニューマネーを主たる選択とするのではございませんで、債務の削減あるいは利払いの軽減、こういうことを中心として選ぶということになるわけでございます。その場合に、先ほどメキシコの例で三割債務削減ということを試算として言われましたけれども、銀行は債務の削減、何%か削減をするというメニューもありますし、あるいは元本をそのままにして金利の軽減の方を選ぶというやり方もあります。こういったメニューを前にして、民間銀行はどちらを選ぶかというようなことになっていった場合のことが問題であるわけですから、今までのようにリスケとニューマネーを出すためにどういう措置が要るか、あるいは無税の準備金が要るかというのとはちょっと局面が違うのかなというふうに思っております。したがって、今我が国の民間銀行でもいろいろ現在ある提案をいろんな角度から勉強しておりまして、いろいろこれに協力をしていくためには、どういう条件整備あるいは環境整備が必要かということを考えておられると思いますし、それには私どもも十分耳を傾けて、いかなる条件整備が必要かということを関係方面の協力も得て検討をしたいと思っております。
○太田淳夫君 さらに、日米欧の主要民間銀行は今週後半と伝えられておりましたけれども、ワシントンでアメリカ政府交えて融資銀行会議を開催してブレイディ提案についての具体的な協議に入るということが報道されておるわけですが、その際、日本の銀行側としましては、一つは米国銀行などの抜け駆け、これはアメリカと中南米の累積債務国との関係見ればそういうおそれもあるのだろうと思いますが、抜け駆けを防ぐために平等規定凍結の範囲を限定、協力銀行等には不平等が出ないようにするとか、あるいは債権圧縮に応じた銀行は新規融資がおりなくても制裁を受けないようにする等要望したい、そういう方針だと伝えられているわけでございますが、そしてまた大蔵省に関しましても、G7で米政府案、これらについての是正を求めるよう要請する、意向があるということで伝えられておりますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(内海孚君) まず第一の点、例えばアメリカ銀行の抜け駆けというようなことで我が国の銀行がばばをつかむというようなことは、これはやはり適当でないことは全く委員御指摘のとおりでございまして、その辺は十分銀行も銀行として御意見を主張されるとともに、我々もそういう点は全体のパッケージを検討する際に十分に頭に置いていかなければならないと思っております。二番目の御指摘は、ちょっと私もその新聞記事を見て若干判然としない点がありましたが、先ほど来申し上げておりましたように、いわゆるフリーライダーは排除しないといけない、協力しなくてもその恩典だけを受けるというのは困るわけでございまして、これは過去の例を見ましても、いわゆるバンク・アドバイザリー・コミッティーというところで結論が出ますと、日本の銀行というのはまじめにほとんどドロップアウトというか、落ちこぼれなしにそれを受諾し実行するわけですか、外国の場合その率は日本よりも悪いのが通例でございます。実行しない、いわゆる落ちこぼれというのがフリーライダーになるわけでして、私はフリーライダーを防止するということをきっちりやることが、どちらかといえば日本の銀行にメリットが多いことだというふうに考えておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、これらの点も含め、よく民間銀行の意見は聞いて、必要な環境整備あるいは外国との関係での折衝に臨む必要があると考えております。
○近藤忠孝君 昨日も申しましたし、また、きょう私ずっと朝から議論を聞いていまして、また同じ指摘をすることになりますけれども、きょうは関税と世銀法の審議ですが、大半がやはり消費税の議論になると思います。私も同様にたくさん問題点を抱えており、特に四月一日以降になりますとたくさん問題があると思います。ただ、きょうはやはり日切れですから、きょうやっておかぬとこれやる機会がなくなっちゃうので、消費税の問題は四月一日以降にたっぷりやるということを申し上げて、この法案に即した質疑に入りたいと思います。 まず、関税定率法の方でありますけれども、これは昨年六月に決着した牛肉、オレンジ、農産物十二品目自由化問題で、牛肉につきましては農水等の委員会で一定の議論がされておりますが、ただ、オレンジ及びオレンジジュース自由化問題につきましてはほとんど議論が進んでおりません。その国内対策について主に質問をしたいと思います。 まず、基本的な問題といたしまして、政府が日米交渉の決着に当たって、本当に日本の農業を守るために最大の努力をしたなんて言っていますけれども、結局アメリカの要求への全面的な屈服だったのではないか。これについてはどうお答えになりますか。
○説明員(蛎灰谷操君) お答え申し上げます。 昨年の牛肉、かんきつ交渉の決着につきましては、御存じのように非常に難航した交渉でありました。その交渉を取り巻く環境としまして、輸入数量制限をめぐる厳しい国際世論、それから国の内外の世論というようなものがあったと思います。特に、昨年合意に至ります直前には、ガットの場におきましてもアメリカは牛肉、かんきつにつきましてパネルの設置を要求し、これが決まった。それから豪州の方も牛肉につきましてパネルの設置を要求し、これが決まっております。 そういう厳しい環境の中で、我が国の立場を考慮するとともに、例えばガットのパネルの見通しをどういうふうに見るか、あるいはその見通しの上に立って、仮に自由化となった場合の猶予期間をどういうふうに見るか等々、非常に厳しい選択の狭い幅の中で国内措置等の可能性をも探求しまして、その結果、牛肉、かんきつ生産の存立を守るぎりぎりの線であるということで最終的に決定がなされまして、牛肉、かんきつの自由化及びそれに対するその後の国内措置等々が決定されたわけであります。この点を御理解いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 厳しい環境と申しますが、例えばEC諸国や北欧の多くの国は、アメリカなどの農産物市場の自由化要求に対しては毅然とした態度をとっていますね。お隣の韓国ではアメリカの牛肉自由化要求に対して、これは国会で反対決議をやっています。台湾ではアメリカからの輸入農産物が急増をしてやっていけないというので、農民がアメリカ大使館にデモしてキャベツを投げつける、こういう状況も起きていますし、インドネシアもアメリカに屈服しないで頑張っている。 こういう中で、日本政府が、農民側も全面的に反対しているこういう自由化をどうしてのんだのか。今そのツケが大分あちこちに回ってきてはおりますけれども、これは経済主権を放棄して日本農業をだめにしてしまう、こういう政治だと批判されても仕方がないのじゃないか。ぎりぎりと申しますけれどもね。こういう批判に対してはどう答えますか。
○説明員(蛎灰谷操君) 牛肉、かんきつの決着に至ります経緯は先ほど申し上げましたとおりでございますが、農産物問題というのは御承知のように非常に難しくて、国際的にも、今先生から御指摘がありましたように、いろんなところで問題が起こっております。 私どもとしましては、一つは、現在ガットのウルグアイ・ラウンドが行われています。農業交渉についても現在進行中であります。これまでの農産物交渉を見まして一つ痛感しますのは、やはりガットの中における農産物の位置づけが、ガットといいますのは御承知のようにIMFとともに戦後経済体制を支えてきておるわけでございますが、日本が加盟する前にでき上がったガットの協定でもありますし、その協定の中の特に農産物の位置づけについて現在大議論が行われていまして、戦後の、例えばアメリカでありますとかECなどにつきましては、アメリカのウエーバー、ECの共通農業政策等々いろんな面で日本よりも有利かと思われるような規定も入っているわけであります。そこで、現在ジュネーブで行われています交渉では、ガット上の位置づけを問わず、輸入制限等貿易制限的措置すべてをテーブルの上に並べて、新しい公平な規則をつくろうではないかということを、日本も積極的に提案しまして、現在それに努めておるところであります。そういうことも必要かと思います。
○近藤忠孝君 苦しい胸の内が出てきているような気もしますが、しかし、やはり市場開放をやって自由化が進みますと、今までの先例から見て、これはもう日本の農業はぐっと変わっちゃうのですね。先例で申しますと、バナナの自由化、これは一九六三年ですが、自由化後輸入量が三倍以上。それふらレモンの自由化のときには、これまた自由化後三倍以上、グレープフルーツの場合は八倍以上ですね。サクランボ、これはつい最近ですが、これは二・五倍。ですから、こういう実態を見ますと、競合する国内産レモン、リンゴ、ナツミカン、これはもう市場から締め出されて壊滅的な打撃を受ける。次々に廃作、転作を余儀なくされる。こういう実情は農水省もよくつかんでいると思うのです。やはり米などと並んでミカンなど果樹を日本の農業の基幹作目として位置づけて守っていこう、こういう姿勢が私は必要だと思うのです。だから、今からでも遅くないので、ひとつ自由化合意を撤回するというこういう態度は全然出てこないのか。やはり考えたっていいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○説明員(蛎灰谷操君) 前段の御質問でございますが、やはりこれだけ日本の経済が大きくなりまして、個人個人の日本人の生活自体が非常に外国との関係を深めている、その中で生活しているわけでございますので、私ども日本の農業を強く立派なものにしていきたいという情熱では劣らないつもりではありますけれども、守るというだけでもなかなか過ごせない面が非常に正直に言いまして強くなっております。そういう中で、日本の農業の体質を強化するなり、牛肉、かんきつにつきましては自由化することになりましたけれども、法案や予算いろいろ御審議をお願いしまして、できるだけ国内対策を強化して、自由化された中でも立っていけるように頑張っていきたいと思います。 それから、牛肉、かんきつ交渉の結果を撤回したらどうかというお話でございますが、先ほど来お話ししていますような中で決めたことでもありますし、またこれから国内対策の方を頑張ってやらしていただきたいということで御理解を賜りたいと思います。 〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕
○近藤忠孝君 今のお話は、結局日本経済全体から見て農業は泣いてくれという話で、あとは国内対策ということですので、それ以上の議論しません、時間のむだだから。同じ答弁しか返ってこないし、大臣のところにいったって同じ大臣、時間だけ長くかけて同じ答弁しか出てこない。これはもう明らかですので、この辺でその議論はやめておきます。 問題は国内対策なんです。国内対策の柱として園地再編対策事業を実施するというのですが、これは果樹農業振興特別措置法第二条一項に基づいて昭和六十一年に農水大臣が決めた果樹農業振興基本方針、これに比べましても大幅に下回るものになっているのじゃないか、こういう問題があります。 この基本方針では、七十年度を目標年度として、ミカンの生産数量は二百四十八万トン、栽培面積は九万五千ヘクタール。ところが、今度政府が決定した国内対策は、生産数量、栽培面積とも大幅に減少しています、百八十万トン、八万三千ヘクタール。要するにこれが三年後の姿なんですね。法律に基づく基本方針、政府は法律に拘束されるのですから、これが法治国家ですね。それの目標数値さえ大幅に下回っている。そういう水準にまで減反を強制するというのは、これは私は政府の重大な責任問題だ。やはり自由化のツケがこういった形で来ている。この責任を一体どう考えるのか答弁いただきたいと思います。 〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕
○説明員(市之宮和彦君) 先般のかんきつにつきましての日米合意が、関係農家にとりまして極めて厳しいことでありますことは、十分認識をしているところでございます。 こういう中で、今後厳しい条件のもとで、かんきつ生産の存立を守りまして、その体質強化を図っていく、こういう基本的な考え方に立ちまして国内対策が取りまとめられたところでございまして、その内容といたしましては、かんきつの生産性と品質の向上、さらには安定的な出荷、それからみかん園等の再編整備、果汁原料用かんきつの価格安定対策、果汁工場の設備の合理化、近代化、再編整備等、さらには国内、海外にわたる需要拡大対策等、こういう所要の対策を進めているところでございます。 この中で、お尋ねの園地再編対策、ミカンの面積を縮減するということと、現行の果樹農業振興基本方針についての関連でございますが、現在の果樹農業振興基本方針は昭和六十一年二月に策定をされたものでございまして、それ以前の需給の動向を反映していたものでございます。しかしながら、その後食生活の一層の多様化に伴う消費の少量多品目化と申しますか、良質志向、こういったことが強まってまいります中で、ミカンにつきましては予想を上回る消費の減退傾向が続いておりまして、過剰傾向が続いているということでございます。これに加えまして、オレンジ、オレンジ果汁に関する日米合意ができたということで今後の需給事情が変化をするであろう、こういうふうに考えているところでございます。こういうような情勢を踏まえまして、早急に需給均衡を達成する必要があると考えておりまして、二万二千ヘクタールの園地再編対策を実施するということにしたものでございまして、この現行の果樹農業振興基本方針の数値と比べますと、確かにおっしゃるようにこれを下回るわけでございますが、私どもこのような国内の需給事情も含めまして、今後の需給事情を基本方針とは少し違う、こういうふうに見ておりまして、この現行果樹農業振興基本方針の見直しにつきましても検討を進めているところでございます。
○近藤忠孝君 農水省の言う国内対策が本当にあなた方有用と思うかどうか、これは大変疑問がありますので、以下具体的に指摘をしたいと思います。 今、高品質の話がありましたが、現にこれは農水大臣が決めている温州ミカン園地再編対策基本方針などを見ましてもそういう方向が出ているのです。実際にそういう対策として農協単位で種苗供給センターなどをつくりまして、それを通じて優良品種への転換を図るということになっておりますが、この種苗供給センターでは早期に成園にするためと育苗に伴うリスクを軽減しようということで、普通なら苗木から結果まで七年かかる、それを三年生の大きな苗、これを育成して配付しておるのです。 ところが問題は、このミカン園地再編対策事業では、高接ぎをした場合、転換の対象になっていないのですね。農家にしますと、新たに苗木を植えて実を結ぶ、そこまで育てるより、高接ぎをしてできるだけ早く収穫をしたい、こう考えるのは当然です。一方で種苗供給センターまで設置して、三年生のそういう大苗を配って、それで高品質果樹への転換を早めるというのであれば、レモンやスダチそれからライム、こういう高酸系のかんきつをハッサクやミカンに高接ぎした場合も転換の対象に含めるのが自然ではないか。高接ぎを転換の対象に認めるべきじゃないでしょうか。
○説明員(市之宮和彦君) おっしゃるように、高接ぎによりますと確かに収穫年齢が早くなるという点もございます。したがいまして、今度の園地再編対策につきましては、ユズ、スダチ、カポス等の、先生御指摘の高酸かんきつでございますが、高酸かんきつにつきましては高接ぎによる転換も認める、こういうことで対応をしたいと考えております。
○近藤忠孝君 それから、今度実際にミカンが転換していく場合にいろんな障害が起きていると思うのです。その一つは、新聞にも大きく出ていますが、風致地区条例が障害になっているということで、例えば奈良県では県全体がほぼすっぽりと風致地区に指定されておりますね。そうしますと、環境保全の見地から廃園、伐採はほぼ禁止、それから他作物への転換も許可制で規制がある。そうしますと、具体的問題ですが、奈良県の場合には二十九ヘクタールが廃園の割り当てになっていますが、そもそもこれは実情を無視した配分になるのじゃないか。これはどうですか。
○説明員(市之宮和彦君) この園地再編対策におきます目標転換面積の配分でございますが、これはミカンの主要生産県二十五県に対しまして、団体の方の自主的な決定を踏まえて行われているものでございまして、奈良県につきましては、面積がそう大きくはないというようなこともございまして、配分は行っていないということが実態でございます。 ただ、全国的にミカンの需給均衡を早期に達成をしていただこう、こういうことで始めている事業でございますので、全国的な転換面積が平均して約二割ということでございます。そのぐらいをやっていただけないものであろうか、こういうことで我が方は指導をしているわけでございます。
○近藤忠孝君 しかし、全国的には非常に、風致地区というのは七百三十二カ所、十六万三千二百ヘクタールもあるので、必ずぶつかりますね。そうしますと、強制しなくたって一定の割り当てをすれば該当するので、そういう場合には実情に合った対応をすべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○説明員(市之宮和彦君) 県内で園地再編計画等を取りまとめていただくということになるわけでございますが、その場合には、風致地区等の要素も考慮していただきまして、適地、不適地の区分をしていただく、こういうことが望ましいと考えているところでございます。 お尋ねの風致地区内におけるミカン園地の再編対策の具体的な取り扱いという点につきましては、地域の実情というものを十分に踏まえまして行われるように指導をしているところでございます。
○近藤忠孝君 地域の実情を十分に考慮というのであれば、私はそういう風致地区の場合には廃園どころかむしろ補助金でもつけて果樹栽培を振興して、風致地区としての実を上げていくというのが本筋じゃないかと思うのですが、この辺は農水省、建設省、これお互いに相談してやっていくべきじゃないでしょうか。
○説明員(近藤茂夫君) 風致地区内における規制につきましては、樹木の伐採すべて禁止されているわけではございません。伐採されても農地として後なお果樹が栽培されるということであれば、条例上も許可申請が不要ということになっております。ただ、先生おっしゃるとおり、私どものサイドとしては、できるだけ伐採される場合であっても、樹木の転換等、これは行政指導をできるだけ調整して図ってまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 今度は園地再編助成金の問題についてであります。 この交付基準ですが、廃園するミカン農家に対して十アール当たり平均三十万円、他作物、他果樹への転換に当たって十アール当たり十万円助成というのですが、農家の皆さんもう一様に助成基準が低過ぎる、こう言っています。 私、去年九月に愛媛県のミカン産地に調査に行ったとき、大体かんきつを一人前に育てる育成費は農水省統計でも十アール当たりミカンで百四十二万円、アマナツで百二十七万円もかかる、こう言っていますね。廃園の場合は、加算額も含めて最高のケースでも十アール当たり五十一万、最低は二十三万しか来ないのですね。要するに、ともかく安過ぎるというので、少なくともこれは七十万から八十万程度に引き上げるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○説明員(市之宮和彦君) 今回の対策におきましては、かんきつの転換というものを可及的速やかに実施をしなければならないということでございまして、自由化を迎えるという異例の状況のもとで、こういう大幅なミカン園の転換を適切に進めていくということになりますと、従来の助成方式をそのままということでは、なかなか十分ではなかろうというふうに考えまして、従来の助成方式を大幅に改善することが必要と考えまして、ミカン園の廃園の場合の平均助成単価を十アール三十万円とするということでございますし、また今まで対策を講じておりませんでしたが、中晩かんにつきましても新たに助成の対象とすることで考えておりまして、他作物へ転換する場合は十八万円、他果樹へ転換する場合は十アール当たり十八万円、こういうような形で従来の助成を大幅に拡充強化をいたしまして、ミカン園の転換が円滑に進むように努めているところでございます。
○近藤忠孝君 問題は、普通の場合と違うのですね。まさに国全体の経済という中から、あなた方だけというのだから、犠牲を受けたくなくても受けさせられる。そういう場合だったら、通常より高いのだと、こういうのじゃおさまらないので、やはり実際にどうしたって七十万か八十万かかるという現状で、どこへ行ったってそういう話聞きますから、これは考慮されるべきじゃないかと思うのですが、もう一度どうですか。
○説明員(市之宮和彦君) 今回の助成金につきましては、損失を補てんといういわば補償的な性格のものではなくて、生産者が転換に取り組むための誘導措置となるように、従来の助成水準を大幅に拡充をしたわけでございまして、この水準につきましては、他作物への転換ということに制限がある中で、適地適産の考え方に立ちまして大幅な転換を早急に誘導していくための措置といたしまして、関係方面の種々の御意見もいただきながら決定したものでございます。御理解をいただきたいと存じます。
○近藤忠孝君 この点は強く要望しておきます。 それから、この助成金をめぐって一つの不安があります。国の転換目標面積四千ヘクタールに対して、今全国的に集計された数字が六千ヘクタールと目標をかなり上回っているという状況ですね。そこで、中晩かん産地の農家の間では、目標面積を上回るとその分十アール当たりの助成金額が減るのじゃないか、こういう不安が広がっております。これはやっぱり基準どおり値切らずに支払うべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○説明員(市之宮和彦君) この実施の見込み面積ということでございますが、これにつきましては、本年度内に実施をしたいという農家の園地につきましては、木を切らなければいけないということで、いろいろと急いで作業を進めているところでございまして、また、そういう意味で、現在全国的な面積がどれぐらいかというところまで実は正確な取りまとめには至っていないというのが実情でございます。 しかしながら、農業者の作成いたします転換等実施計画、これが本対策の趣旨に即したということで承認をされたということになりますれば、この目標面積を多少上回るというようなことがございましても、助成金の単価を引き下げるというようなことは考えてございません。
○近藤忠孝君 これは協力するのですから、その結果上回ったからといって値切ることはない、これは当然だと思います。 次の問題は、この助成金に税金がかかるという問題であります。 お国のために協力するのに、そこからきた、しかも中身から見れば全く実態に合わない金しか出ないのにそれに税金がかかる。こういう点につきましては、ここにも来ておりますけれども、三月二十日に長崎県議会におきまして、助成金については減免の特例措置を講ずるよう意見書が出されております。また、三月十七日に農民運動全国連合会が国税庁に陳情いたしまして同様の要求をしておりますが、毎年大蔵委員会でも米についてやっておりますから、これは幾らでもできるのじゃないでしょうか。どうですか、大蔵省。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、米につきまして一時所得としての扱いをしておりますが、議員立法によって行われておりまして、米の性格等を考えまして、政府としてもこれはやむを得ざることとしているのが例年のことでございます。 しかしながら、ミカン等の減反に係る補助金も、米と同じことでございますけれども、収益補償的な性格を有するものでございますので、やはりそれは本来所得として課税するものであろうというように私たちは存じます。
○近藤忠孝君 議員立法でないとできない、逆に議員立法であればできるということなので、ひとつ皆で考えなきゃいかぬと思いますが、これはさておいて、やはりこれほど強い要望があり、また農水省としては農家の協力を得ていく立場ですから、これはもうちょっと詰めて協議を進めて、やっぱり免税措置を実現するようにすべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
○説明員(市之宮和彦君) この助成金に対します課税額の確定というのは平成二年以降ということでございますので、それまでの間に関係当局とも御相談をしてまいりたいと考えております。
○近藤忠孝君 次に、果汁用果実の価格低下分に対する特別補てん事業の問題です。 これは今後八年間実施されますが、この八年間の間に現在の保証基準価格三十八円を輸入オレンジ果汁価格見合いの原料果実の価格十五円に徐々にさや寄せしていく。三十八円から十五円にさや寄せされますと、これまた大変だということで大安な不満が出ておりまして、昨年の調査でも、これは何とかしてくれという大変強い要望が出ております。大体、ミカンをもぎ取る手間賃だけでキロ当たり十円かかる。それで十五円にされたのしゃとてもやっていけない。八年と言わずに現在り水準でずっと続けろ、こういう要求がありますか、この点はどうか。 この特別補てん事業は法律に基づいた永続的なものとすべきだと思います。制度の運営に必要な費用は全額国の方から出していくように制度の検討を行うべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(市之宮和彦君) 果汁原料用果実の特別補てん制度ということでございますが、ただいま先生がおっしゃいました価格、目標取引価格のことをおっしゃられたわけでございますが、将来、国産のミカン果汁が外国産のオレンジ果汁というものと競争してやっていくにはこういうような水準が必要であろう、こういうことで考えた数字でございまして、そこへ直ちに持っていくのではなくて、徐々に持っていくということで特別補てん測度というのが設けられていることは御承知のとおりでございます。 このさや寄せという問題でございますが、自由化後の国産果汁の競争力の強化を図る、また今後りかんきつ農業、果汁産業の存立を確保していくという上でこの目標取引価格へのさや寄せということは、今後の需給動向等を勘案しつつ行うわけマございますけれども、やはり必要なことではないかと考えております。 つまり、ミカン農家の経営採算ということでございますが、これは生食用で確保されるということが基本的なところでございまして、ミカンにつきましては表年、裏年ということで収量の変動がございますが、果汁用ミカンというのはその需給調整の機能を果たしている、こういう面が強いわけでございます。こういうような機能を持つ果汁用ミカンにつきまして、いわば国際的な動向と価格の水準というものとを切り離して、現行の保証基準価格を据え置くということになりますと、ミカン生産の効率化という点から見ましても問題があるかと考えておりますし、果汁用のミカン、ひいては生果の供給過剰による生果実の価格低落ということで、かえってミカン生産農家に影響を与えるのではないか、このようなことも考えておりまして、目標取引価格に段階的にさや寄せをしていく、こういうことが必要であろうと考えているところでございます。
○近藤忠孝君 考えた数字であっても十五円じゃとても実態に合わないということですので、こういう声にも耳を傾けてほしいと思います。 たくさん問題はありますけれども、さらに各地域について大変重要な問題が幾つかありますので、時間の許す限り指摘をしたいと思います。 一つは、愛媛県の南予用水建設事業に関する農民の負担金の問題であります。 これは、事業の費用がどんどんふくらんでいきまして農民の負担がどんどんふえている。そこへ、完成時を迎えたこの時期にオレンジ輸入枠の拡大で大打撃を受けて廃園、減反に追い込まれている、こういう実情であります。国営事業、それから野村ダム、県営事業分、団体営事業分を合わせますと事業費はもっと巨額になって負担分の圧迫が大きくなっていくわけであります。 そこで、オレンジ自由化、輸入枠の拡大による温州ミカン、中晩かんの廃園分については、これは農民の責任じゃないのだから、実際やっていけないのですから、負担金を免除するよう国が責任を持って面倒を見るべきではないか。 それからもう一つの問題は、国営事業、県営、団体営なども含めて、当面、補助率の引き上げ、それから建設利息の引き下げ、それから元利償還の延長、これを図るべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○説明員(末松雄祐君) まず最初に、南予用水のことでお答えいたします。 国営の南予用水地区につきましては、昭和四十九年に着工いたしまして平成七年に完了の予定で、現在事業を実施いたしております。受益面積は現在のところ五千五百ぐらいでございますが、計画変更を今予定いたしておりまして、七千二百ぐらいになる予定でございます。このうちに、先生御指摘の園地の再編対策による転換の希望面積、これ正確ではございませんけれども百ヘクタール弱ある、このように聞いております。国営事業につきましては、地元負担は事業の発足の当初から全額県、市町村で負担するということで、国営事業の農家負担については特に問題はないのではないかなと、こう考えているわけでございます。 なお、国営だけでは末端まで水が行くわけでございませんで、これに関連いたしまして県営の事業があるわけでございますが、これを昭和五十年から着工いたしておりまして、全体の受益面積で現在の国営規模よりやや小さい五千七百ヘクタールにつきまして実施いたしております。この中にも国営と重複しているわけでございまして、廃園希望が幾らかあると思いますが、数字は正確につかんでおりません。ただ、全体で申しますと、私どもとしては特にミカンということではございませんけれども、全体の自由化問題等ございまして、農家負担を軽減したいということで、平成元年度予算案におきましては、新しい農家負担軽減のための工種別完了制度とか、あるいは自由化に対応するための計画償還制度、こういうものを現在お願いしているところでございまして、これをまだ現在南予地区に諮っているわけではございませんが、内々に検討はいたしておると思いますが、これをいたしますと、農家が負担する分を国営事業につきまして発足当初から関係町村が持つということになっているわけでございますけれども、その分が相当程度軽減されてまいるということになろうかと思っているわけでございまして、南予地区についてはそういうことでございます。 それから補助率アップ等の件でございますが、これは臨調答申等ございまして、補助率アップというのはなかなか厳しい情勢であるというふうに私ども受けとめておりまして、平成元年の予算では国営関係事業全体を見直しまして、全体としては補助率アップにはならないわけでございますけれども、例えば国営かん排の中にダムとか頭首工とか水路とかいろんな工種があるわけでございますが、公的な性格が大きいもの、あるいは私的な性格が大きいものいろいろあるわけです。公的な性格が大きいものについては国庫負担を上げる、全体としては補助率が上がらない、こういう形で制度を簡素化いたしまして、結果的にはある面については農家負担軽減につながるようなお願いを現在しているところでございます。
○近藤忠孝君 ミカンの方はだめになって、しかし負担金は残るのですからね、大いに考えていくべきだと思います。 同様の問題は和歌山県紀ノ川用水事業にもありまして、これはくだくだ申しませんが、この場合は廃園に伴う決済金について、この事業の。これもっと国が負担するようにすべきじゃないかという、これは要望だけにしておきたいと思います。 あと残った時間わずかですが、世銀法もこれ質問しませんといけませんので、わずか残った時間質問いたします。 これは先ほどから出ているブレイディ、アメリカの財務長官の提案で、さっき指摘があったように、金利の面で大いに世銀などがせいぜい関与しようと、こういうことですが、問題は幾つかあると思うのです。 その一つは、その対象国がメキシコなど少数の国に限られているのじゃないか。これは世銀など各国が資金を出し合ってできている国際機関が、ごく一部の国だけの債務の肩がわりあるいは金利に関与する、金利の免除等に関与をしていく、免除じゃなくて下げるというようなことは好ましくないのじゃないか。これが第一点です。 それから第二点は、この提案に対しまして大蔵省の行天財務官が、債務国による利払いを保証するための基金を、IMFまたは世界銀行に設けることで、日米政府間で合意ができているということを明らかにしております。また、元本の返済を保証する基金も別につくる、こういう報道もありますが、さらにアメリカ側は、今回の提案に対して日本が相当の貢献をしてくれるので、アメリカの負担は余り大きくないと議会関係者に言っていると。これはいずれも我が国内の報道であります。ということになりますと、我が国民の負担でアメリカの大銀行の貸し倒れ損失を肩がわりすることになるのじゃないかということになりはしないか。そこで、日米間でどういう合意がなされているのか、また我が国はどういう資金協力をしようとしているのか、これらについて明らかにしてほしいと思います。
○政府委員(内海孚君) まず最初の点でございます。すなわちブレイディ戦略が適用される対象国の問題、これにつきましては国際機関、これは従来からそうでございますが、国際機関を触媒にしてみんなが助け合おうという場合には、先ほども本委員会でまさに御指摘がありましたように、その国が自分で汗をかいて経済を立て直すという努力を最大限約束し、またそれを実行するという国にそういう協力をしていくということが必要なわけでございまして、そうでない限りは、やはり、そう言ってはなんですけれども、ざるに水を注ぐのと一緒になってしまいますので、またそういうことが、長い意味では開発途上国の自助努力を通じて、そういう国が立派な経済成長の軌跡に乗っていくという意味でも重要なことだと考えております。これは国の間で差別するというのではなくて、立派な経済再建計画を実施する国をしっかりみんなで支えようという意味でございます。 それから、二番目に言われました新聞記事なんかに、国際機関の中に利払いのための保証の基金云々という件でございますが、これはどうもちょっとコメントが誤解されて書かれたことでございまして、どういう形で世銀とかIMFが利払いの保証なり、あるいは担保を提供するという形でインボルブするかということについては、これから検討する問題でございます。別に資金プールをつくる必要も必ずしもないわけで、そういった特別な貸し出しファシリティーみたいなものを設けるということも可能ですし、この辺は今後の検討にまっているということでございまして、何ら伝えられているような合意というようなものはまだ存在しておりません。 それから三番目に、我が国はどういう貢献ができるかということでございます。 これは、はっきり申し上げられることは、銀行の持っているリスクを日本のタックスペイヤーが、例えば肩がわりをするというようなことは適当でないと我々は考えております。我々の現在考えておりますのは、IMFがしっかりとした中期計画を持っている国に対して資金を貸し出していく。それと一緒に、いわば並行して輸出入銀行がその国に貸し出しを行うことによって、債務の問題からその国が徐々に解決を見て成長軌道に乗っていくことを助けるということを考えております。
○近藤忠孝君 時間が来たので終わります。
○栗林卓司君 それでは、関税定率法の一部を改正する法律案についてまずお尋ねをいたします。 保税倉庫の蔵置期間の延長を求める件について、これは商取引上の実情を踏まえて、そのように今回いたしたいという御提案のようでありますが、商取引上の実情というのはどのようなことになっておりましょうか。
○政府委員(長富祐一郎君) 保税倉庫につきましては、従来二年間の蔵置期間を認めているわけでございますが、関税の確保等の見地から、二年を経過いたしますと収納貨物を税関長は収容できるということになっておるところでございます。 ところで、国際化が著しく進展いたします中でいろいろ新しい商取引、商慣行の動きも起こっておりまして、新しい要請も生じているところでございます。 一つは、先生御高承のとおりだと思いますが、今アルミにつきまして国内で構造調整が進んだこと。さらに、今建設ブームというような状況の中でアルミの輸入が著しく増加いたしております。一昨年の十六億ドルに対しまして、昨年は五十億ドルというような輸入量でございます。このアルミ地金の輸入に当たりまして、輸入から国内販売までの価格変動リスクを回避いたしますために、輸入者はロンドン・メタル・エクスチェンジの先物価格を利用してヘッジしているところでございます。ところが、このリスクヘッジが有効に機能いたしますためには、現物市場とLMEの先物価格との有機的関連性が保たれる必要がある。やはり同じマーケットで直先両方が設置されていることが望ましいということで、アルミにつきましてLMEの指定倉庫を日本でも営業したいというような動きが、昨年春以来起こっておりまして、関税局にも打診が行われたところでございます。 関税局といたしましては、アルミ地金の安定的な供給及び国際取引の円滑化に資するという観点から、この新しい要請に応じまして、蔵置期間二年間を経過いたしましても、直ちに収容はしないような弾力的運用を行う意向を関係者に昨年暮れに通知いたしまして、LMEは昨年十二月二十一日に横浜、大阪及び名古屋の三港の九企業、三十一倉庫に対しましてLME指定倉庫とすると公表したわけでございます。やはり取引が安定いたしますためには、法律上これの延長制度がきちっと認められていく必要があるということから、今回の改正をお願いした次第でございます。
○栗林卓司君 とにかく非鉄金属の相場というのは、これまではロンドン・メタル・エクスチェンジの決めるがままでありまして、我が国はただあてがいぶちにその結果をもらうだけでありました。まことに惨めな思いをしてまいりました。何とかTME、東京メタル・エクスチェンジができないかというのが念願であったのですが、今回の保税倉庫の蔵置期間の延長が、直接そうなるかどうかは別にして、やがて日本におけるメタル・エクスチェンジ・マーケットの育成につながるような発展を心から期待をし、歓迎をいたしたいと思います。 次に、農産物自由化関連の関税について一、二お尋ねをいたしたいのであります。 牛肉関係について、緊急調整措置といたしまして、輸入数量調整ないし二五%の関税率の上乗せということをお考えのようであります。この輸入数量調整というのは、気持ちはわかりますけれども、最近の経済摩擦進展の状況から見ますと、輸入数量調整では結局は日本の畜産農家は守れない。むしろ二五%がいいかどうかは別にして、関税を立てて、そこの中で生き抜ける体質をつくる方が先決であり、当然ではないのだろうか。この点について農水省の方にもおいでいただいておりますので御見解を伺います。
○説明員(太田道士君) 緊急調整措置についてのお尋ねでございますけれども、昨年の日米、日豪の牛肉交渉におきまして、我が国の基幹をなす牛肉生産の存立を守るという基本的な立場に立ちつつ、現実的な解決を図るべく努力してきた結果といたしまして、関税と組み合わせました緊急調整措置の枠組みについて、米国並びに豪州との間で理解を得ることができたところでございます。 ただいま御指摘のございました輸入数量制限調整措置というのも、この緊急調整措置に入っておるわけでございますけれども、これはあくまで輸出国との合意が行われることが前提になるわけでございまして、その合意が行われた段階で数量制限措置ということがとれるという措置になります。その意味では、なかなか合意が得られない場合には、次の、今御指摘ございました、いわゆる関税率二五%を乗せた形での調整、それぞれ初年度九五、それから次年度一〇%ずつ落としていくという形になるわけでございますけれども、そういう形での調整措置をとって、一定の協議をして、一定の日数がたった段階でそれが発動されるということでございまして、この内容については、まさに主な輸出国であるアメリカ、オーストラリアとの間で既に合意を得ている内容でございますから、その意味では、私どもはその他実施する段階でそれを実施できるというふうに考えておりますし、もちろんこれを実施する場合には、当然輸入数量が一二〇%を超えるという状況でございまして、かなり急増した段階での対応ということでございますから、そういつもやたらめたらに出すということでもございませんので、その状況状況に応じて適切に対応していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○栗林卓司君 農産物の十二品目については、これは輸入数量調整という概念はありませんけれども、基本的な考え方はおおむね同様であって、関税をまず前提にして体質を強化するという路線でお考えなのでありましょうか、お尋ねします。
○説明員(太田道士君) 今、牛肉の緊急調整措置をお話し申し上げたわけでございまして、それ以外の牛肉調製品等の問題につきましても、十二品目の一品目になるわけでございますけれども、そういう問題については、私どもとしては、牛肉と同じような関税で、関税といたしましては特定牛肉調製品については七〇、七〇、それから六〇、五〇という形で対応していきたいというふうに考えておるわけでございます。ただ、もちろん国内の生産性の向上、それから消費者の方々に安い牛肉を提供していくという要請との結節点として一つのそういう関税率を設定したわけでございますから、そういう意味では、私どもとしては牛肉調製品等の輸入抑制効果といいますか、そういう問題もこの関税率で相当程度効果があるというふうに理解しているところでございます。
○栗林卓司君 では、以上で関税定率法に関する質問を一応締めくくりますけれども、一つこの際申し上げておきたいのは、実は毎回関税定率法というのはもう典型的な日切れ法案でありまして、この時期に審議をする際に、同僚議員を初め、私などは大蔵大臣に注意を喚起して善処をお願いしてきたことがございました。重ねてお願い申し上げるわけですが、お聞き願いたいと思います。 先ほども、関税職員の今の定員から考えて、あふれるような仕事を抱えて大変なんだ、何とかしなきゃいかぬとおっしゃっておられました。実情は十二分に御存じだと思います。そこで、重ねて申し上げるわけじゃありませんけれども、実は大蔵省の傘の下にいるというのは大変不幸なことでありまして、大蔵省は他省庁に対してもっと定員を削れという立場にあるものですから、どうしても自分のことが言えないのです。関税職員の諸君は誇りと責任感を持って、まじめいちずにやっているわけですが、まじめにやっているからいいやということで、そこにしわ寄せることだけは断じて許すわけにいかぬ。その意味で、定員問題さらには職場環境などなどの問題につい‘とりわけ特段の大臣としての御配慮をお願い申し上げたいと思います。 この点について一言御所見を伺って、関税に関する質問を一区切りつけたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 今栗林委員が指摘されましたように、私は一方において定員削減の方の、また所管している大臣でもございますが、御指摘のように、今関税の方の仕事が本当にふえてまいりまして、そしてまた非常に複雑になっております。その上に、また今度は消費税という問題が出てまいりまして、定員の充足それから効率化あるいは職員の健康ということについては本当に憂慮してまいっております。皆さんの御理解を得ながら、できるだけ適正な定員が確保できますように全力を挙げてまいりたいと思っております。
○栗林卓司君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 では、続きまして世銀の増資につきまして二、三お尋ねをいたしたいと思います。 これは大蔵当局それに局長さんにお尋ねするというよりも、本当は大臣にお尋ねをする性格の問題ではなかろうかと思うのですが、例えば、世銀につきましても今百七十一名でございますか、日本人職員は。けさ方聞いたところによりますと、どうも日本の政治というのはひどくおくれているらしい、そこで、かつて腐敗をきわめたイギリスのあの惨たんたる状況と五十歩百歩ではないか、そうすると日本人の職員を迎えるのはやめようではないかということが、さる出版物に書かれていたとかいう話を聞きました。最近、外国の雑誌を見ますと、リクルートスキャンダルという言葉が踊っておりまして、これは日本の対外的な影響力に対して非常に深刻な打撃を与えるのではあるまいか。G7もありますし、さらにはサミットももちろんあるわけでありまして、それに対して、日本として役割を果たしていくためには、このリクルートスキャンダルというのは、もはや何とかしなければいけない問題に相なっておるのではあるまいか。これは御見解をお求めするよりも、私の意見だけまず申し上げておきたいと思います。 今回の世銀の増資でありますけれども、融資枠が天井につかえちゃったというようなお話らしいのですが、とはいえ増資の直接の目的というのはいかなることであったのであろうか。今の国際経済上の問題を解決するためということになりますと、先ほど来話題に出ておりますとおり、今の累積債務をどうやって解決していくのか。これは中南米だけではなくて、昨今ではアメリカそのものがまことに巨大な累積債務国になりつつあるというか、累積債務を蓄積しつつあるわけでありまして、そこの中でどうやってこの境遇を抜け出していくかというと、やっぱりみんな見るところは日本の持っている金だと思うのです。そこに各国の期待が集まってくる。これは避けがたいと思うのです。そこで、我が国とすると、一体これからどのように国際経済社会を渡っていったらいいとお考えなのか。とりわけ世銀という国際機関をどのように活用していったらいいとお考えになっているか、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(内海孚君) 大変難しい御質問でございます。 まず、世銀の今回の増資につきましては、事務方からも御説明申し上げましたように、またただいま委員が言っておられましたように、このままでは通常の融資を拡大していくことができなくなる。今回の増資によりまして今後五、六年間に大体名目一〇%の貸付額の増加が図れる、こういう比較的事務的な試算に基づいているわけでございます。しかしながら、ただいま委員御指摘のように、国際的な環境というのはどんどん変わっておりまして、例えば世界銀行の累積債務問題、あるいは開発途上国問題における役割というのは非常に重要になってきております。これは、世銀の資金自身はある程度限られているわけですが、そのお金がいわば触媒になって、もっと大きな開発途上国への資金の流れを誘発する、あるいはその資金が触媒になって開発途上国の、いわば経済構造改善ということを進めるというような形になっているわけでございまして、またそれに加えて、今回のブレイディ提案に見られますように、債務累積問題について一層資金的に世界銀行がインボルブされなければならないということも、だんだん日程に上ってきているわけでございます。これが世銀の今回増資をお願いしている背景でございます。 さて、日本がこういった全体の中でどういうふうな役割を考えていけばいいかということでございます。これは、まず私どもが頭に置かなければならないのは、日本が経常収支で依然として七百億から八百億ドルの黒字というものを続けているということでございます。この黒字は日本にため込んでいるわけにはまいりませんで、何らかの格好で世界に還流していかなければなりません。お金というものは、金利が高いものを求めるとともに、同時に安全なところを求めるわけでございますから、これを放置すればなかなか開発途上国の方には向かわない。例えばアメリカの財務省証券とか、そういったものの方が安全でかつ金利も高いものですから、そちらの方に主として還流していくのは目に見えているわけでございますが、この中で私どもは、限られた財政資金とか、あるいは世界銀行の役割、IMFの役割というようなものを触媒的にできるだけ使いながら、安全性というものをある程度補強しつつ、民間の大きなお金の流れが開発途上国の方に向いていくということを、政策として遂行していかなければならないというふうに思っているわけでございます。
○栗林卓司君 今おっしゃいました金利の問題ですけれども、日本の黒字をアメリカに還流をさせるために、日本のみではありませんけれども、したがってアメリカの金利水準を高く維持するというのも一面非常に危険な政策だと私思うのです一ね。これは累積債務国に対して大変な重荷をしょわせることになる。こうした今の国際金利の動向と、それに対する、これは国際機関なのか、あるいは来るべきG7で討議する内容なのか、この点について御所見がありましたら承りたいと思います。
○政府委員(内海孚君) 世界的な金利水準の問題でございますが、一番まず中心になるのはアメリカでございます。フェデラルリザーブの金融政策は、恐らくこういうふうに私は把握していいのだろうと思いますが、大体昨年の初めごろから一貫して、やはりアメリカの貿易収支を直すのには、アメリカの内需をある程度きっちりとコントロールしていかないといけないという考え方に立ちまして、ある程度それをコントロールできるような調整をしなければならないという配慮がまず第一にございます。 同時に、インフレが招来しないようにという配慮も同時にあるわけでございます。 それから第三に、アメリカとしては当然のことながら、それがアメリカ経済の設備投資その他今後の競争力強化のため、あるいは生産性向上のための投資を殺すようなことにしてはならない。 それから、同時にこの点は円とかマルクとか違う配慮を彼らがしなければならない点でございますが、先ほど御指摘のように、やはり金利の引き上げということは開発途上国の金利負担、先ほども御指摘がありましたけれども、大体一%ドルの金利が上がると開発途上国の支払い増は大体五十億ぐらい増になるという計算になりますので、やはり、その点も配慮の外に置くわけにはいかない、こういった考え方に基づいて運用しておるわけでございます。 そういったドルの周辺に、例えば我が国とかドイツとかその他欧州の国々があるわけでございますが、このところインフレの懸念というようなこともあって少し調整が行われましたが、その後はまたその効果が出てくるのを待ちながら、十分需要はコントロールしながら、そうかといって金利引き上げ戦争というようなことにはならないようにというのが、極めて大ざっぱに申し上げて、私が状態をそのように理解しておるところでございます。
○委員長(梶原清君) これにて両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案に対する討論に入ります。 御一見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、関税定率法等の一部改正案及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行加盟措置法の一部改正案の両案に反対の討論を行います。 まず、関税定率法等の一部改正案についてであります。 本改正案は、アメリカの要求に全面的に屈伏して、牛肉、オレンジの自由化を図ったことに伴う関税措置であり、経済主権を放棄して、農業を破壊に追い込む暴挙であります。しかも、この関税措置は、政府自身がこれでは十分な農家保護ができないと主張してきた固定関税方式であり、また輸入急増の場合の緊急措置もほとんど発動される可能性がなく、その実効性はほとんど期待できないものであります。また、本案は、プロセスチーズ、トマトジュースなどの農産物十二品目自由化に伴う関税措置も含まれており容認できません。さらに、これら関税措置の代償措置と称して、グレープフルーツ関税の引き下げと季節関税の廃止など、その他の農産物の関税までも引き下げられるのであります。 本改正案は、その他皮革、革靴の関税割り当て制度を見直し、一次税率枠を拡大する措置、また加工再輸入減税制度の対象にワイシャツ、ズボンなどを加え、これらの製品の逆輸入を促進する措置など、関係業界、中小企業に大きな影響を与える措置が含まれており賛成するわけにはまいりません。 次いで、国際通貨基金及び国際復興開発銀行加盟措置法の一部改正案についてであります。 第一に、世界銀行はその設立以来、アメリカの戦後支配体制の有力な武雄として機能してきており、今日もその基本的性格は変わっておりません。それは、昨年の特別増資の際、アメリカが出資割合を引き下げたときにも、世銀協定の改正を図ってまでも拒否権を維持したことからも明らかなことであります。近年、世銀に対し我が国が出資をふやし、発言権を次第に強めていますが、その基本的な性格が変わっていない以上、結局アメリカの世界戦略の肩がわりを果たすことになるわけであります。 第二に、世界銀行の活動は、近年アメリカ系多国籍企業、大銀行の活動との一体性を強めており、また融資に際して相手国に厳しい条件を課し、途上国の国民生活を大きく圧迫しております。また、世界の食糧、飢餓問題に対する取り組みも弱く、地球上で十億以上の人々はいまだに最低限の生活すら維持できない状況が放置されているのであります。 第三に、累積債務問題についてであります。 最近ブレイディ提案が出され、世界銀行の機能を利子保証などに積極的に活用していこうというのでありますけれども、この提案自身がアメリカの安全保障上の戦略と密接に結びついており、対象国もブラジルなど一部の国に限られております。新提案は、世界銀行など国際機関による債務の保証などを通じて、アメリカ糸大銀行の貸し倒れを救済するという性格を強く持つものであります。 以上の理由から、我が党は両案に反対するものであります。
○委員長(梶原清君) これにて両案に対する討論は終局したものと認めます。 それでは、これより順次両案の採決に入ります。 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 矢野俊比古君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。矢野君。
○矢野俊比古君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブ・税金党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 世界経済における我が国の立場を踏まえ、調和ある対外経済関係の形成に努めるとともに、国際的協調特にガット・ウルグアイ・ラウンドの積極的推進等を通じ、自由貿易体制の維持・強化、世界経済の安定的成長に引き続き貢献し得るよう努めること。 一 関税率の改正に当たっては、国内産業への影響を十分考慮し、農産物輸入自由化等の貿易を巡る諸情勢の変動に対処するため、特に農林水産業及び中小企業の体質の改善を併せ考えつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定に審与するよう努めること。 一 輸出入貿易量及び出入国者数の伸長等に伴う税関業務量の増大に加え、覚せい剤、銃砲、不正商品等の水際における取締りの一層の強化が社会的要請になっていることにかんがみ、業務処理体制等の一層の見直しを行うことにより税関業務の効率的、重点的運用に努めるとともに、税関職員の特殊な職務を考慮して処遇改善、職場環境の充実及び中長期的展望に基づく定員の確保等に特段の努力を行うこと。 右決議する。 以上であります。
○委員長(梶原清君) ただいま矢野俊比古君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、矢野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(梶原清君) 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(梶原清君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会