大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1989/03/28
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として永野茂門君が選任されました。 —————————————
○委員長(梶原清君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、税制改革の円滑な実施に配意する措置及び地域の活性化、社会政策上の配慮等の当面の政策的要請に対応するとの観点から早急に実施すべき措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、土地税制の改正であります。 すなわち、公共事業用地の確保の困難性等にかんがみ、譲渡所得の特別控除を収用等の場合にあっては現行三千万円を五千万円に、農地保有合理化等の場合にあっては現行五百万円を八百万円にそれぞれ一年間限りの措置として引き上げることとするほか、不動産登記に係る登録免許税の課税の特例を廃止する等の措置を講ずることといたしております。 第二は、地域活性化のための措置であります。 すなわち、地域の活性化に資するため、多極分散型国土形成促進法に基づいて整備される一定の施設について新たに特別償却を認めることとする等の措置を講ずることといたしております。 第三は、社会政策上の配慮等に関する措置であります。 すなわち、社会政策上の配慮等として、一定の寡婦に対する寡婦控除の特別加算措置、中小企業等事務処理円滑化促進税制の創設及び農業の国際化に対応するための必要な措置等を講ずるとともに、消費税に係る確定申告期限を時限的に延長する等所要の措置を講ずることといたしております。 第四は、租税特別措置の整理合理化等であります。 すなわち、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成元年度におきましても、政策目的と政策効果との観点から見直しを行い、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却制度を廃止するほか、特別償却制度及び準備金制度等の整理合理化を行うとともに、交際費等の損金不算入制度の適用期限の延長を行うことといたしております。 その他、中小企業者の機械等の特別償却制度等、適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(梶原清君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○志苫裕君 大臣とやりとりするのは事実上初めてなので、本来であれば所信に対する質問をじっくりいたしたいと思っておりましたが、その機会は後日にいたしまして、まずリクルート疑獄と大蔵省との関係についてお伺いをいたします。 リクルート事件が発覚をしたのは八八年の六月十八日で、それから十カ月近くになりますが、この間検察の手入れなどもありまして、いろんなことがわかってきました。残念なのは、これほど大がかりな疑獄で、一政権の存亡などという問題を超えて民主政治の根底を揺るがすほどの問題なのに、当事者たちは専ら黙っておる、事実を明らかにしない。政府・与党は事件の解明どころか、ひたすら「おしん」を決め込んで物も言わない、きゆうきゅうとしているわけですね。大蔵省もその例に漏れない、こう思います。 以下、順次ただします。 大蔵省は金融、証券、税務、財務、さまざまな大事な仕事を所管しておるし権限も与えられておるのですが、リクルート事件でこれまでにわかったことで大蔵省の所管業務と関係のある出来事、この関係というのは個人的にどうのこうのという意味じゃないのです、所管業務と関係のある出来事にはどういう事柄があって、それぞれにどのような対処をして、あるいは対処をしようとしているか、ひとつその辺をわかるように項目別にお話をしてください。
○政府委員(角谷正彦君) リクルート事件につきましての証券行政上の対応でございます。 私ども、この問題につきましてはいろいろな側面があろうかと思いますけれども、未公開会社の店頭登録に関連してこれが起こったといったことに関連いたしまして、一つは現在の証取法上これにどういうふうに対処をするかといった問題と、二番目はこういった事案の再発を防止するためにどういう措置を今後とったらいいか、大きく分けて二つ問題があるわけでございます。 第一点の問題について申しますと、まずリクルートコスモス株については、五十九年十二月にリクルート社がリクルートコスモス社の株式を延べ七十六人の者に対しまして五百円額面で十二万五千六百株、一株一万二千円で売却したわけでございます。この行為がいわば証券取引法第四条にいうところの有価証券届出書を提出し、これによってディスクロージャーを図るべきはずであったかどうかといった問題が一つ問題になるわけでございますが、これにつきましては、私ども事実関係を調査いたしました結果、証取法第四条第一項違反ではないかという判断をいたしまして、これは昨年の八月に既に国会に、参議院の予算委員会においてお示ししたところでございます。そういう判断のもとに、リクルートコスモス社に対しまして有価証券届出書を提出すべく行政指導をしているといった点が第一点でございます。 第二点の問題は、六十一年九月に行われましたリクルートコスモス株式の譲渡でございまして、これは御承知のように六十年の四月に行われました第三者割り当て先五社からいわゆる株が還流した形で、延べ八十数人に売却されたといった問題でございます。 この問題につきまして証取法上の問題と、それから証券業協会の自主ルールとの関係と二つあるわけでございますが、まず証券取引法上の問題といたしましては、この株式のうち十七名の役職員に対しまして第三者割り当て先から還流している、そのほかにリクルート社の役員から還流しているといった問題がございます。役員につきましては、その後有価証券報告書等が出されておりまして、そこで役職員の株式数が記載されるべきはずでございますが、どうもそのときに譲渡されました役職員、リクルートコスモス社の役職員全体で十一人、二十二万五千株の株式につきましては、その後の提出されました有価証券報告書に記載がないのではないかといった疑いで調査いたしました。確かに記載がないといった事実が判明いたしましたので、この点につきましてはことしに入りまして、去る二月でございますが、リクルートコスモス社から訂正報告書を提出させたということでございます。 と同時に、このリクルート社の役職員につきまして株が還流したという事実につきましては、これは証券業協会の自主ルールでございますところの公開前一定の期間内は会社の役職員等特別利害関係人が株を譲渡してはいけないという内規に違反するという事実が判明いたしました。この点につきましては証券業協会において調査いたしまして、これにつきましても違反であるという判断をいたしまして、リクルートコスモス社等に対して適切な対応措置を協会においてとったといったことがございます。 と同時に、六十一年九月の譲渡でございますが、これは延べ八十数名、ネットでは七十数名でございますけれども、こういったものにつきまして、やはり証取法第四条違反で、すなわち有価証券届出書を提出すべきではないかといったケースについての疑いがございます。こういった点につきましては、昨年来この点について大蔵省としても事実関係あるいは法律適用上の問題、これについて検討、調査を進めてきたところでございますけれども、検察庁におきまして、この問題につきましては強制捜査を開始したといったこともございますので、こういった問題につきましては、検察庁とも協力しつつ、今後その事案の解明に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 以上が大体現行証券取引法に係るリクルートコスモス事件の問題でございます。 第二番目の再発防止策でございます。これはやはり、非公開会社の株式を店頭登録するに際しまして起こった問題でございます。安定株主工作ということで割り当てられた第三者割り当て先から店頭登録前に株がいろいろ動いているといった問題、あるいは特別利害関係人にそういったものが一部移動しているという事実、さらにはこういった問題が起こるそもそもの原因というものが、公開に当たりまして、公開価格というものと初値との間に相当大きな乖離があることによって、この公開株を事前に手に入れるということが特別の者に特別の利益を与えるような行為になっているのではないか、こういった問題等がございます。 こういった問題等につきましては、私ども昨年の九月から証券取引審議会におきまして不公正取引部会を開催いたしまして、十二月には所要の結論を得ました。第三者割り当て先に対する規制、特別利害関係人に対する株式移動の規制の強化、と同時にこういった問題が起こった場合にはこれをディスクローズするという措置、さらには公開価格の算定に当たりまして株価をできるだけ市場実勢に合うような形でこれを改善するというふうな措置、こういった問題につきましては、昨年十二月に証券取引審議会の不公正取引部会の報告を得まして、本年に入りましてそれぞれ取引所の規則あるいは証券業協会の規則あるいは大蔵省令の改正等々を行いまして、本年四月から新しい方式によりまして公開制度を実施する、公開制度の改善に努めるといったことを準備しているわけでございまして、こういったことによって今後の再発防止に努めている、こういうことでございます。
○志苫裕君 私は大蔵省全般に聞いているのですが、証券局だけじゃないのです。
○政府委員(伊藤博行君) 税の関係で従来から御質問もいただき、また私どもとしても関心を持っておりますのは、本件全体が株式の譲渡によるキャピタルゲインということでございます。したがって、原則的にはそういった法制に服するべき分野でございますけれども、場合によってはそれ以外の課税関係が生ずるのではないかという御質問等をちょうだいしております。 具体的には、もしも譲渡されたときの価格がその時点における時価を著しく下回るというような場合には、いわゆる低廉譲渡の可能性があるのではないかといった系統の御質問あるいは問題、それからもし相対取引であってもそれに伴う有取税等がしかるべく納付されておるかどうかといった、主として二つの観点の御質問等をちょうだいしております。私どもも、そういった点につきましては関心を持っておるところでございますが、いずれにいたしましても、具体的な問題に即してお答えするというのは、従来から答弁を差し控えさせていただいておりますし、また本件は捜査当局において捜査中でございますので、そういった進展状況を見ながら、もし課税上問題があるということであれば適正に対処しなければならないというふうに考えておりますけれども、個別具体的な問題としての答弁につきましては、先ほど申し上げたようなところでお許しをいただきたいというふうに思います。
○志苫裕君 この段階さまざまなことがわかっておるにもかかわらず、特に今の国税関係に至っては半年前と同じことを言っているんだな。 まず、今証券局長は五十九年十二月の売り出し、六十一年九月のいわゆる還流株の売り出し、この二つだけを問題にしましたが、六十年二月の募集、六十二年に三回にわたって行われたファーストファイナンスの募集、これは全然目の中に入っていないのですか。
○政府委員(角谷正彦君) リクルートコスモス社の行いました六十年二月と四月の第三者割り当てでございますけれども、六十年二月の二十六社の金融機関等を中心とするもの、六十年四月につきましては三十七社一個人という主として事業会社等を相手にするものとございまして、これはそれぞれ証券取引法にいいますところの募集行為、これは不特定多数、すなわち五十名程度以上のものに対しまして、均一の条件でこれを売り出すといった行為につきましては有価証券届出書を提出せよということになっているわけでございますけれども、いずれにしましてもそれぞれ五十名未満でございますので、有価証券届出書を提出すべき事由には該当をしない、こういうふうに判断しているわけでございます。 それから、ファーストファイナンスの問題でございますけれども、ファーストファイナンスにつきましては、これも非公開会社でございまして、六十二年の四月、六月及び九月に第三者割り当て増資を実施いたしております。これにつきましても、それぞれ五十名未満といったことでございまして、有価証券届出書をやはり提出すべき事由に該当をしないというふうに判断をいたしております。
○志苫裕君 局長、今の答弁が最初から問題になった点なんですよ。五十九年の十二月は二回に分かれておって、それぞれが五十人未満ということで、均一の条件に当たるか当たらぬかであなたの方は滑ったの転んだの言って、あげくの果てには二回に分かれているが一回分でした、不特定多数に均一の条件で譲渡したことに該当しますというので、六月に発覚してから八月の末になって参議院の委員会でそのように答弁なさったんです。六十年は同一の価格で二月と四月に二回に分けて行われていて、これは六十三社一個人なんです。したがって、五十人以上なんです。同じように六十二年の、あなたは五十人以上に該当をしないと言うが、三回にわたって四千万株は均一の条件で頭数も該当しているのですよ。どうして同じことを言うのでしょうね。ちょっと説明してください、それ。
○政府委員(角谷正彦君) 五十九年十二月の延べ七十六名に対するリクルート社からのリクルートコスモス株の譲渡でございますけれども、これは取締役会の決議が形式的には確かに二つに分かれておるわけでございますが、ごく一週間なり十日なりの短い期間の間に行われているということ、それから実際の募集、払い込みといったものが五十九年の十二月の下旬、遅くとも十二月三十日ごろまでに集中してほぼ連続的に行われているといったことから形式的には二回に分かれているように見えるけれども、これは実質的には一体の行為ではないかというふうに判断したわけでございます。 それに対しまして、六十年二月及び四月の第三者割り当ての増資でございますが、これは二カ月間、確かに価格は一株二千五百円ということで均一でございますけれども、しかしながら実際の払い込み期日は二月と四月と、二カ月というふうに非常に離れた行為でございまして、しかも実際の払い込み、募集行為というのは二カ月間連続して行われているのではなくて、それぞれ別個の行為として行われている、こういう実態があるわけでございます。 同様に六十二年のファーストファイナンスにつきましても、これは六十二年の四月と六月と九月と二カ月置き、三カ月置きでございまして、これも確かに一株当たり五十円額面に換算いたしまして二千五百円という価格で第三者割り当てが行われておりますけれども、それぞれの取締役会の決議あるいは払い込みの状況、こういったことから具体的事実関係を判断いたしますと、これはそれぞれ別個の行為でございまして、同一の行為と認定するにはやはり法律的にも事実上も無理があるだろうというふうな判断でございました。 そういった意味では、五十九年十二月のケースと、それから六十年の二月、四月のリクルートコスモス会社の第三者割り当てのケース、あるいは六十二年のファーストファイナンス社の第三者割り当てのケース、これはそれぞれ違う扱いとして判断するという、法律上はそういうふうな判断をせざるを得ないということでございます。
○志苫裕君 この点はこれからのことにもなるので少しやりとりをしたいと思うのですが、国税の方はちょっと後回しにします。 国会による疑惑解明のために、証取法二十六冬による大臣の調査権を発動せよというのが当初の国会の主張でした、いろいろな意見でした。ところが同法は公益または投資家の保護を対象にしかもので汚職や政治家の倫理などまで対象にしているのではないんだ、こう言って突っ張ったわけですね。そしてまた今もそうでしたが、第四条の届け出違反についても七十六人への譲渡が均一の条件に該当するかどうかは微妙ですと言って二カ月延ばしたわけだ、これを。同じことは六十年の二月にも六十二年のファーストファイナンスにも該当すると私は言ったのです。今、やっぱりこの事件が発覚した当初と同じことを局長は言うのですが、第四条の届け出義務は、募集または売り出しに当たって企業情報をディスクローズするというためのものでしょう、届け出義務というのは。ただ役所に届けるというのではないので、企業情報を公開するという意味でしょう。同法の二条では不特定な者に均一の条件でという前提はつけています。まあ余り細々したものはいいという話になるわけですが。 ですから、当初七十六人という不特定多数に千二百円という均一の条件で売り出したのだから当初から届け出義務は明瞭じゃないかという主張に対して、皆さんの方は二回に分けているから均一の条件に該当するかどうか微妙だと。二回に分けているということに皆さんの方は着目をしたわけですよね。しかし省令の二条では、募集または売り出しの期日が異なっていても二年以内の総額が、これは額のことについて、一億円を超える場合は届け出が必要と、こうなっていますね。この趣旨は、会社が意図的に売り出しを分割してディスクローズを回避しようとすることを防止しているのでしょう。それを皆さんの方は少し省令を超えたような局長通達、払込期日の一致というものを均一の条件という概念に持ち込んできている。私に言わせれば、省令を超えた局長通達を後生大事にして均一の条件と払込期日の一致ということを持ち込んで、二回に分けているから払込期日が違うのなら疑問だなあと。しかしこの法、それを受けた省令の趣旨は、企業情報の公開というのが投資家にとって一番大事なことなんですから、それを避けるために二回にも三回にも分けて募集または売り出しをすることは十分に考えられるから、そいつを防止しようというのがこれの趣旨じゃないですか。 ですから、五十九年の暮れは、しかもその当時のことをあなた考えてごらんなさいよ。増益のために売ったって言うのでしょう。そうすれば当初から何株を売って幾らの増益を図ろうという計画があるのが当たり前じゃないですか。それを届け出を回避するために二回に分けたにすぎない。だから江副氏は百人に売ろうと思って七十六人に追っついたと言うのですから、百人に売ろうというのが当初の計画なんですよ。一遍に売ったんじゃ届け出せねばならぬから二回に分けたというにすぎないじゃないですか。同じことは六十年の二月と四月に分けておる、これも総数にして約千五百万株、これの募集を決めてディスクローズを回避するために二回に分けた。あなた二カ月を問題にしているけれども、省令では二年間ある、くくっているのですよ。ここのところは、皆さんがこういう問題の管理、いわば何もリクルートだけじゃありません、企業情報を開示することを会社が故意に回避をたくらんでいることについての目の配り方の問題です、このことは。この点はどうなんですか。
○政府委員(角谷正彦君) いわゆる募集ないし売り出しに該当するかどうかといった問題につきましては、先ほど申しましたように不特定かつ多数、これは具体的には五十名程度以上と考えておりますが、の者に対して均一の条件で有価証券の売りつけを勧誘するということでございまして、その均一の条件というのは、売り出したい価格、払込期日等がおおむね同一であるというふうなことを基準としているわけでございます。 そういった意味で、五十九年十二月の譲渡でございますが、これは今先生御指摘のように、リクルート社が決算対策の観点で行ったわけでございます。その段階におきまして、私ども事情聴取した結果におきましては、最初立てました決算見込みに照らしまして、まず最初に三十八名程度に譲渡した、ただその後もう一回決算を見直してみたらこれじゃ足りないということで、さらに取締役会の決議をいたしまして三十九名と三十七名でございますか、そういった者に改めて譲渡したということで、二回の行為であるというふうに相手方は申し立てたわけでございますけれども、その間の期日というのはわずか一週間ないし十日程度でございまして、しかも募集、勧誘行為も連続して行っているという、こういう実態に照らしましてこれは売り出し行為であるというふうに認定したわけでございます。 一方、六十年二月と四月の問題でございます。ただいま志苫委員の方は、省令によりまして二年間で一億円以上になればこれは通算される、現在一億円というのは法律改正がありまして五億円になっておりますけれども、されるので、そういったことからいえばこれは本来通算してもいいではないかという御指摘でございます。 確かに五十名以上の者に対しまして均一条件で売り出す場合でございましても、それが一回当たりの単位が一億円未満、あるいは現在で言いますと五億円未満でございますが、そういったものに対しましてはあえて有価証券届け出書を出さなくてもいいという扱いになっております。しかしながら、それが通算いたしまして二年間の間に大体一億円を超えるということになりますと、御指摘のように脱法行為を防止するという規定から、これは有価証券届出書を出せといったことにしているわけでございます。 ただ、これはそれぞれの行為が募集に該当する、つまり五十名程度以上の者を相手にそれぞれ一億円未満で募集したケースでございまして、今御指摘のケースは、人数につきまして五十名程度であった、それが二回あるいは三回を足すと五十名程度を超えるといった規定につきましては、実は法律におきましてこういったものを通算するという委任規定がないわけでございます。現在法律において委任されておりますのは、金額についての通算規定というのは委任されておりますけれども、人数についての通算規定というのは法律上これを通算するという根拠はございません。しかも、このことにつきましては、最終的には罰則によってこれは担保されるという規定でございます。 そういった意味からいいますと、人数につきまして、例えば一カ月とか二カ月の間を置いている行為、そういったものに対して、これが二カ月の間に、何といいますか、五十名を超えるといったことからいってこれを通算して判断するということは法律上困難でございます。と同時に、実態的に見まして、私どもが六十年二月あるいは四月の第三者割り当てについて調査した結果を見ましても、これは明らかに取締役会の決議も別々に行われ、しかも二カ月間という期間を置いて募集行為が別々に行われている、払込期日も違うといった実態からいいますと、現在の法律の扱いといたしましては、これを同一のものとして扱うということは困難であるというふうな判断に達しているわけでございます。
○志苫裕君 いや、それが私は了承できないのです。局長が終始一貫それを貫いていることが大蔵省おまえもかと言われていることなんですよ。これは、なるほどあなたがおっしゃったように金額の通算規定はありますよね。人数の通算規定はないというのが、届け出と払い込みの一致という、これは、この均一の条件に該当するかどうかとか、私が先ほど言いましたように、企業が企業情報の公開を回避するために何回にも分ける。企業情報の公開というのはこれは一つの命ですからね、公正な取引の。そこのところにいわば大事な点があるのに、あなたの方はもう最初から局長通達を金科玉条にして、省令二条のいわば精神、趣旨というものを阻害をしてしまっておる。この姿勢が終始一貫貫かれるためにリクルートの解明が証券取引上進まなかった。大蔵省がリクルート隠しと言われたゆえんはそこにあったんですね。 で、あなたは、例えば取締役会の決定というものをもって株の売り出し、または募集の決定と見ているようだけれども、取締役会というのはだれに幾らを譲渡することになったかという一種の結果を決定したのであって、どれだけ、どういう方法で売り出そうということの計画はそれ以前にある。これは大臣にもどうしても聞いてもらいたいのですが、公開をしようということになって、回数さえ分ければ全部企業情報の公開を回避することができるというととになってしまいますよ、これは。現にそういう取り扱いしているじゃないですか。これから二の種のものはどんどん出ますよ。まあ、今度の犯罪はまさに従来のような古典的な犯罪と違って、こういう財テク時代の株とか、こういうものを問題にした犯罪ですから、従来の大蔵省の考え方やあるいは法規や体制では対応できなくなっているから、基本的には考え直さぬと、もう全体を見直さなきゃいかぬと思いますが、私やっぱり今度のはここにあったと思うのですよ。当初から脱法をたくらんで、まんまといったと。たまたま川崎で端緒がわかったので大騒ぎになったということじゃないですか。この点は局長の解釈にこだわる必要ない。なるほど金額しか書いてないが、回数分けても二年以内であれば同一とみなして回避することを防止しますよというのが二条の精神であり趣旨じゃないのですか。もう一遍明らかにしてください。
○政府委員(角谷正彦君) 別に法律の上に局長通達を置いているといったわけではございません。むしろ、法律そのものが証券取引法第四条第一項のただし書きの規定によって金額についての通算規定しか認めていないということでございます。したがって、志苫委員の御指摘はディスクロージャー制度の趣旨を徹底するためには、そういった金額だけではなくて人数についても立法論的に、何といいますか、新たな通算規定を置くべきではないかという御指摘であるなら、私どもそれについては勉強する余地はなおあろうかと思いますけれども、少なくとも現在の法律につきましては人数についての通算規定がない。しかも、それを担保しているものが罰則であるといったことからいいますと、これは現行法の解釈としてはまさに人数についての通算規定があるものとしてこれを取り扱うわけにはまいらないということを申し上げているわけでございます。ただ、志苫委員の御指摘は、立法論としては確かにそういうふうな御主張はあり得るだろうというふうに私は考えております。
○志苫裕君 今の点、大臣どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 一回か二回かという話でございますが、今証券局長が言いましたように、今のあれから言いますと、やはりこの件については二回としか読めない、こういうことでございますので、志苫委員が言った問題については、さらに立法論として考えてもらいたいと思っております。
○志苫裕君 何を言っているんだかさっぱりわからぬけれどもね。 まあ、私は別に拡大解釈しろとも言わないが、直す必要があれば直さぬといかぬが、少なくともこの問題にはもう少し積極的に対応できたということをこの際は主張しておきます。 それから、あれですか、あなたがお答えになった中で、例えばNTT前秘書の村田さんの名前で株の取引が行われた。名義人は村田ですね。そしてその譲渡益は全部真藤ということになっていたということを起訴事実にして起訴されましたね。この場合に、村田の名義というのはどういうことになるのですか。仮名とか借名とかになるのですか。あるいは、取引は村田で、村田が真藤に贈与したとかなんとかになるのですか。
○政府委員(角谷正彦君) ちょっと今の事実関係について私どもは検察当局ほど具体的なことをつまびらかにしておりませんけれども、もし仮に実質的に真藤さんの取引であるにもかかわらず村田さんの名義が使われたということでございますと、これは言葉の一般的な意味におきましては一種の借名ということになろうかと思います。しかしながら、私ども証券行政として仮名あるいは借名を禁止しあるいは自粛するように求めているといったものは、これは証券会社に対する行為の規制として行っているわけでございます。そういう意味では、今回のケースにつきましては、証券会社を通じない相対の取引でございますので、いわゆる証券局長通達にいうところの仮名あるいは借名といったこととは若干次元の違う話ではないかというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 何が相対取引ですか。これは還流株、検察は七十四人、六十八万株、我々は七十九人、延べ八十三人七十六万株と、若干の違いがありますが、恐らくやらなかった人もおったので若干の違いがありましょうがね、この株の中に入っているのですよ。証券会社を通じたのじゃないのですか。相対取引ですか、これは。これはファーストファイナンスが一括大和証券を通じて扱ったのでしょう。
○政府委員(角谷正彦君) まず、リクルートコスモス社といいますか、これはちょっと私も覚えておりませんけれども、第三者割り当て先と村田さんなら村田さんの間の契約になっていると思います。そういった意味では、その最初の取得行為、これは証券会社を通じない行為でございます。したがいまして、これについては言葉の、証券局長通達でいうところの仮名あるいは借名といったことには、そもそも次元が違うといいますか、該当しないといった感じがいたします。 それから同時に、これを売ったときにどうかということでございますけれども、これは証券会社に対しまして自粛を求めておりますのは、本人であることを確認した上で株の売買を受託しろということを言っているわけでございます。したがって、御本人が御本人の名義で、自分が持っている株であるということで、仮に一般論でございますけれども、もしお申し出になったときに、それが実は第三者が持っておられる株であるかどうか、そこまでは証券会社としては実は確認しようがないわけでございます。したがいまして、そういった意味では、証券会社に対して今回のケースが仮名取引あるいは借名取引を禁止した行為に反するかというと、それは禁止した行為に反するというにはこれは酷でございまして、そういったことには該当しないだろうというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 じゃ、あなたは、先ほど例えば自主ルール違反のお話、大蔵省、あなたに関係のあることは何だといったらそれもある。またこれは協会の内規のことで協会が対処している、それも全体としては関係はありますが。そのうち十一人について二十何万株でしたかね、これがいわゆる自主ルール違反。しかし、今わかっているのは、なるほど役員というのはそうですが役職員ということになりますと十七人に三十万株。この職員の方は仮名であるかもしれないのですよ、借名であるかもしれません。実はみんな役員なのかもしれないのですよ。現に松原のは、あれは藤波さんの兄貴ほか七名に五十株ずつで三万五千株分割しているのですから。こういうふうに考えてみますと、仮名、借名というふうなものがごろごろしているのじゃないですか。それは皆さんの方は全然お構いなし、かかわりなし、調べもせずということでいいのですね。
○政府委員(角谷正彦君) 今の個別の、松原さんのケースについて申しますと、売買契約におきましては、これは松原さんが御本人の名前で買われているわけでございます。そういった意味では仮名、借名という問題はそもそもございません。ただ、これを株主名簿に登載する段階におきまして、やはり御本人の名前で株主名簿にこれを登載いたしますと、これは協会のルール違反であるということがいわばばれるといいますか、そういったことになるということを恐れまして、株主名簿の上ではこれを五千株ずつに分割いたしまして、借名といいますか他人名義になっているといったことでございます。 そこで、その仮名ということの問題でございますけれども、いわゆる言葉の一般的な意味におきましては、これは借名あるいは仮名ということでございますけれども、先ほどから申しましたように、証券行政上私どもが規制しておりますのは、証券会社におきましてこういった仮名あるいは借名が行われるということは、いろんな取引の不公正、例えばインサイダー取引等をチェックするにも問題がございますし、あるいは証券会社の内部管理体制上問題が起こるといったことから、こういった証券会社に対する行為規制としてこれを行っているわけでございます。 ところで、松原さんは現在でもその株を持っておられまして、特に証券会社を通じて売却したという事実はございません。そういった意味では、今申し上げております証券行政上発しております仮名あるいは借名といった通達とは違う世界の話であるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○志苫裕君 先ほどあなたが述べた以外のことで、あなたの方に関係があるなとまだ私が思いますのは、いわゆる還流株には、信託、銀行、しかもリクルートグループに直接融資をしておる会社の、銀行の役員、OBが入っていますね。これは何にも問題ないですか、皆さんのところと関係ないですか。インサイダーになりませんか。
○政府委員(角谷正彦君) リクルートコスモス株の一部が銀行関係の役職員に譲渡されているということが報道されておるわけでございます。ただ、これは特別利害関係人に対する株の譲渡になるかどうかということについて申しますと、特別利害関係者という定義につきましては、これははっきりと証券取引法上の財務諸表規則に基づく関係会社でございますとか、あるいは発行会社の役職員でございますとか、あるいは引受証券会社の役職員でございますとか、そういった一定の明確な形式的定義を置いてこれを決めているわけでございまして、今御指摘の信託銀行等の役職員につきましては、こういった定義上の関係会社等々の特別利害関係人には該当しないというふうに考えているわけでございます。 なお、このことがインサイダー取引に該当しないかどうかといったことでございますけれども、インサイダー取引といいますのは、これは御承知のように会社の重要な事実があるのを公表する前に内部関係者が売買する行為でございます。しかもこれにつきましては、いわゆる上場株式を対象としているものでございまして、非公開会社の株式といったものにつきましては、インサイダー取引の規制の対象になっていないといったことでございまして、そういった意味ではインサイダー取引には該当しないというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 あなたから言えばみんな触れるもの一つもないわな。 ちょっと、じゃ課税の方に行きましょう。 先ほど藤波価格の問題が出て、低廉譲渡であるかどうかと。五十九年の千二百円というときには既に二千五百円がわかっていた、六十一年の三千円のときにはもう既に最低四千五十円はわかっていた、こういうことが今度の真藤の起訴事実にも明示をされています。そのことは、もう時間がないから、いずれまたどこか予算委員会等でやります。 さて税務当局、一連の人が逮捕された、起訴された、それらの被疑事実あるいは起訴事実等を皆さんも目を通しておるわけで、それを前提にちょっと聞きましょう。 株の売買ならば有取税の問題が出ましたね、これは今お話がありました。さてこれが利益の供与であるということになりますと、職務権限があればわいろ、わいろで没収、こうなりますな。済みませんが、わいろには税金がかかるのですか。みんな取られちゃうのだからかけないのですか。
○政府委員(伊藤博行君) わいろというのは刑法上の概念でございますので、私どもが税の関係から言います場合には、取得の実質的に帰属する者……
○志苫裕君 面倒なことを言わぬでいいよ。かかるかかからないか。
○政府委員(伊藤博行君) 違法所得であっても課税され得ると一般論としては申し得ようかと思います。
○志苫裕君 職務権限がなければ贈与、贈与税の対象になりますね。贈与の趣旨が政治献金だということになりますと届け出等のことが必要になる。個人に行くか法人に行くかによっては、献金の限度額、政治献金でも、藤波さんのことで報道されるように私的利益に使えば課税の対象だ。こういうことが一連のこの事実の中に字引のように詰まっていますね。手を打っていますか。
○政府委員(伊藤博行君) 一般論としての答弁でお許しいただきたいと思いますが、私どもといたしましては、新聞報道を含めまして本件につきましては関心を持っております。ただ、何分にも捜査当局において捜査中ということでございますので、具体的なこと全体を承知する立場にまだございませんけれども、仮に課税上問題があれば適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○志苫裕君 それだけじゃだめです。 国税当局は、特に政治家に対する政治献金というものがあって、その政治献金というのが果たして政治活動に使ったのか、土地を買ったりうちをつくったり飲み食いしたり洋服買ったり、そういうものに使っておるのかということには大変敏感なはずです。また、税務調査で一番面倒なところでしょう。しかし、この点については絶えず気を使っているはずですよ。 不動産を取得しますと幾らもたたぬうちにお伺い言というようなものが来ますわな。あなたはこういう不動産を買ったようだが次のことにお答えくださいというので、資金はどこから出た、銀行の口座番号はどうなっておるという通知が来ますね。藤波さんが一億三千万円の資産を取得したことについてお伺いをしましたか。
○政府委員(伊藤博行君) 私ども一般的に、先生お話しのように不動産の取得等があります場合には、いわゆるお尋ねというようなことでいろいろな資料の収集等をいたしております。そういった意味で常にそういう取引のあるところには関心を持って見ておるということでございます。ただ、個別具体的な問題につきましては、事柄の性質上答弁を差し控えさしていただきます。
○志苫裕君 いや具体的な問題といいますがね、じゃ、今これほど問題になっておるいわゆる還流株は、株の売買という形をとった利益の供与である、株の譲渡はね、という被疑事実が一応出ておって、そして一部の報道等によれば、それを政治献金として受け取った者が、それじゃ具体的に名前言いましょう、秘書がとか妻がとかと言っていましたが、安倍幹事長は政治活動に使っている、こう言っている。中曽根さんははしなくも、政治活動に使っておる、こう言っているわけです。藤波さんは一億三千万円の大邸宅の資金の一部に使った、こういうふうに口座名義入りで報道されているのだ。これらから考えてみますと、秘書がとか妻がもさることながら、政治家サイドへは、江副さんが言っているように秘書ではなくて政治家へあてたものですと、こう言っている。村田さんのはおれが使った。おれは知らぬと言っていたが、起訴の事実によると、それは村田のところにみんな行っている、金は二通りに分けて九百万円の方はポケットマネーに使ったし、千二百万円の方は何かいろんな政治家への献金等に使った、こう言っているのでしょう。 こういうふうにさまざまなケースがもう出ていますね。そうすれば皆さんの方はここに膨大な税務調査の対象があるでしょう。それについて手をつけていますかと聞いているのです。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもは常日ごろからいろいろな資料、情報の収集に努めております。そういった集積されました情報が、申告されました申告書との対比において問題があれば必要に応じて調査をするということで従来からやってきております。 本件に即してという個別具体的な答弁は差し控えさしていただきますが、常にそういったことで課税の適正化に努めてきておるつもりでございます。
○志苫裕君 いつまでもこれやっておれませんけれども、次長、あなた例えば去年の十二月十二日の税特のときに、六十一年九月の還流株、江副さんは第三者割り当て先と政治家と、いわば再譲渡をされた人たちの間をおれはとっただけだ、こう言っておるが、我々がワールドサービスほかその他を調べたところによるとそうではない、江副側へ一括戻って、そこから一括それぞれのところに売り出しに出たということがもう明らかだ。とすれば、ここに有取税が発生するということを言った。それについては自己の計算に基づいてやったとかやらぬとかとわけのわからぬことを言って、まあ調査をしますと言ったような気もするが、その後のさまざまな情報によればまさに政治家等への分はファーストファイナンスが一括処理をした。そうするとまさに売り出しに該当するわけですから、そこでも改めて当然有取税の問題になる。このときもなかなかあいまいな返事しかしなかった。今のも事実があるとすれば適正に、あるとすればじゃないんだ、これほど情報が出回っているじゃないですか、あなた。あなたの方が課税関係、あるいは先ほど証券局長とやりとりしましたが、二回に分けてはいるがこれは売り出しの届け出義務違反だということを認定をして適切な手を打っておれば、大蔵省サイドだけでもリクルート事件の解明は相当進んだのですよ。この課税問題、適切に手を打っているのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほども申し上げておりますように、常に私ども資料収集に相努めております。また新聞情報その他を含めまして、本件を含めて関心を持って見ておるところでございます。ただ御案内のように、現時点におきましては捜査当局において捜査中という事案でもございますし、また事実認定等々非常に難しい問題もあろうかと思います。 いずれにいたしましても関心を持って見ておる、また課税上問題があれば適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○志苫裕君 いや、もちろん捜査当局は税金を逃れたかどうかを調べているんじゃないと思いますがね、脱税容疑で逮捕された者はいないようですから。被疑事実を見ますと、例えば小野、間宮、館岡らは届け出義務を怠ったという容疑で証券業法で捕まっているんだし、それからわいろをもらった人たちは、これは株の売り買いじゃなくて利益の供与、職務権限があるからおまえはわいろだといって捕まっているわけですね。こういう状況を考えてみますと、検察が検察がと言うが、大蔵は大蔵で調査する場所たくさんあるじゃないですか。検察の答えがシロと出るかクロと出るか、それまでじっと見ているのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもも起訴状等は拝見しております。そういった資料も含めまして私どもは私どもなりに資料収集しておりますし、また刑法の観点からの議論と税の観点からの議論は、先生おっしゃるようにある部分は重なるかもしれませんが、ある部分は異なっているかもしれません。そういう意味で私どもは私どもの目において十分検討していくべき問題であろうと思いますが、いずれにいたしましても、税の問題で課税上問題があれば、私どもは必要に応じて調査をするということでこれまでもやってまいったつもりでおりますし、今後とも同様の姿勢で対処してまいりたい、このように考えております。
○志苫裕君 課税上問題であればやるのは当たり前なんだ。問題があるかないかを調べなさいと言っているのですよ。 江副は同一銘柄の相当数譲渡、有価証券の買い集め所得の課税に該当しますか。
○政府委員(伊藤博行君) ちょっと今正確には聞き取れませんでしたが、江副氏の個人の課税という御質問と承知してよろしゅうございますでしょうか。 具体的なケースに即してという点は答弁差し控えさしていただきますけれども、有価証券の譲渡から生ずる所得につきましては、御案内のように一定の条件に該当する場合には例外的に課税されるという規定になっております。それらにもし該当するものであれば当然課税されるということに相なろうと思いますが、本件に即してという点につきましては、事柄の性質上答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○志苫裕君 譲渡益課税は今度の法律でそれぞれみなし課税を含めて取られますが、前のときには一定の条件以下のものは取られずに済んだですね。だけれども、租税特別措置で取られる分がありますね。これは適正にやっていますかということです。
○政府委員(伊藤博行君) 改正前の法律関係における有価証券の譲渡益に対する課税がどうかという御質問かと思います。 御案内のように有価証券の譲渡益につきましては原則非課税でございますけれども、一定の場合、例えば株数あるいは特定銘柄等々の一定の条件を満たす場合には課税ということになっております。したがいまして、私どもといたしましては各種資料収集の結果、そういう課税に該当するケースにつきましては適正に課税するということで従来もやってきたところでございます。
○志苫裕君 どうもあなたの答弁は、適正に課税するという答弁は当たり前ですよ。課税したかと聞いているのです。終わっているのじゃないですか、もう。
○政府委員(伊藤博行君) 課税要件に該当するケースにつきましては適正にやってまいったつもりでございます。
○志苫裕君 証券局長、今度はちょっと簡単でいいです。 リクルートは店頭公開に当たって、今はもう既に廃止になっていますが、分売を採用する必然性はなかったのじゃないでしょうか。どうですか。
○政府委員(角谷正彦君) 通常、店頭公開に当たりましては大株主の株式を売り出すといいますか、いわゆる分売という形式でやる。今回のリクルートコスモス社の株式が、まさに江副さんの株二百八十万株を売ったわけでございますが、そういった方法もありますし、あるいは新しく増資いたしまして、その増資した新株を、何といいますか、公開に当たって新規の株主に割り当てるといった方法もあるわけでございます。ただ、そのいずれをとるかといった問題につきましては、これはその会社の方の判断の問題でございますので、必然性があったかなかったかということについてはちょっと私の立場からは現在申し上げるわけにはなかなかまいらない、それはむしろ会社の判断の問題であったのだろうというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 私は、資本金が二百億円で二部上場の希望さえ持っていた同社ですから、分売の必然性はなかった。あえてその方法をとったのは、創業者の利益を大きく確保するとか、あるいは政治家等へおすそ分けするとか、あるいはできれば、届け出も回避できますから、届け出のサボタージュをするとか、いろんなことを考えたのではないか、そういう疑いも持っています。 大臣にちょっとお伺いしますが、いろいろやりました。一々経過は省きますが、このリクルートグループの一連の取引には、ディスクロージャーの回避、株価の高値誘導、インサイダー取引、あるいは仮名、借名等々、あらゆる不正、技巧が凝らされておる。紛れもなく証取法五十八条に禁止される不正取引に当たりませんか。とすれば、二十六条の調査権発動はできる。いかがですか。 大臣、どう、総括的に。
○政府委員(角谷正彦君) まず、証券取引法五十八条でございますが、これはいわゆる詐欺的取引を防止する規定でございます。ただ、今回の問題につきまして、これは確かに譲渡行為というものが刑法上の問題あるいは政治倫理上の問題というようなことで、ほかのいろいろな問題が指摘されたことは事実でございますが、証券取引の世界から見た場合に、こういった譲渡行為というものがいわゆる詐欺的取引に該当するかどうかといったことになりますと、これはそういうふうにはなかなか認定できないだろうと思うわけでございます。そういった意味では証券取引法の五十八条の適用というのは本件に関しては難しいというふうに私は考えております。 それから証券取引法第二十六条の問題でございます。この問題につきましては、証券取引法二十六条はディスクロージャー制度の適正な円滑な運営を図るために、必要があれば発行会社等に対しまして必要な調査権を行使するといったことでございますけれども、昨年の国会でいろいろ問題になりましたのは、これは証券取引法二十六条といったものを適用いたしまして、個々の譲渡を受けた人の名前を明らかにせよといったふうな御質問がございました。証券取引法第二十六条というのはあくまでもディスクロージャー制度の適正さを担保するための調査権でございます。したがいまして、先ほどお話がございましたように証券取引法第四条違反ということで有価証券届出書を提出すべきケースについて提出しなかったといったことにつきまして、これにつきましてはむしろ投資家保護のために有価証券届出書によって適正な企業の情報といったものを知った上で投資家がこれを買うべきである。そういったことをもし懈怠したといった事実があるとすると、これはむしろ発行会社自身の問題ではございますが、かといってそれを譲り受けた個々の行為者につきまして問題が生ずるわけではございません。証券取引法の世界ではそういう問題が生ずるわけではございません。そういった意味からいいますと、証券取引法の第二十六条というものを、個々の譲り受けた人の氏名を調査し、あるいはそれを明らかにするためにこれを発動するといったことは、これはいわば証券取引法に与えられた私どもの調査権限を超えているものではないだろうかという判断をしているわけでございまして、この点につきましては、さきの国会で法制局長官も同様な趣旨の御答弁をなさっていたわけでございます。そういった考え方につきましては現在も変わってございません。
○国務大臣(村山達雄君) 今証券局長が述べたとおりでございます。
○志苫裕君 それは最初の段階で不正取引であるか、いわゆる五十八条にいう不正取引であるかどうかはわからなかったかもしれない。しかしこれほど報道機関あるいは各政党、国会、検察がそれぞれの立場で調査をし捜査をしてきて、ほぼ大筋がわかったという状況を見ると、いわばさまざまなまさに不正、技巧が凝らされている。当然五十八条の不正取引に当たる。それから、なるほど二十六条の調査権は、もうほとんどだれのところに売ったかというのはわかりましたからね。今ごろ言っても後の祭りみたいな話ですが、しかしわからぬのがあるのですよ。五十九年十二月の分は森喜朗さん外田中角榮さんの元の秘書、あの辺まではわかっていますけれども、大部分わからないのですよ。こっちだと思って見ていたらこっちの方に大物がおったものだから皆そっち向いていますが、あの五十九年十二月の分は果たしてどこへ行っているものやら、いつの間にかみんな忘れていますが、冗談じゃないですよ。あなたもあれ時効だと言うが、まあ時効のようですがね。やっぱり調査権は今からでも発動して、なお不明の分は調べるということができる。これは主張をしておきます。 それから五十八条を狭く解釈しておるというのが一般の指摘でした。五十八条が少し漠然としておるものだから、そのうちのインサイダーだけもう少しはっきりさせろというので特別の条項をつけ加えましたけれども、五十八条自体はそれをも含むもっと幅広い意味での不正取引という概念なので、アメリカなどを見ますと大分これが有効に機能しているようですが、それと同じ文言で持ってきた日本の五十八条のはずなのに、実際の使い方、判例の積み重ね方というようなものはアメリカと日本との違いがあるようですけれども、やっぱり五十八条にこれは私は該当すると思いますよ。これだけの事実が明らかになって、不正取引でない、技巧を凝らしてないと言えますかね。もう一度答えてください。
○政府委員(角谷正彦君) 不正取引ということの意味でございますけれども、これは例えば贈収賄に当たる、あるいはその他いろんなほかの法令に当たるといった問題は別途の観点からまた検討さるべき話であろうかと思いますけれども、これはやはり証券取引法でございますから証券取引法上の保護法益に照らしてこの詐欺的行使あるいは技巧といったものを判断する必要があるわけでございます。そういった意味では、証券取引法の観点からいいますと、詐欺的行為あるいは不正な技巧によりまして有価証券を買ったところの投資家に何らかの損害を与えるという、そういった一つの行為がありまして五十八条は適用されるわけでございます。今回のケースにつきましては、それを買った人が詐欺的な行為によってそれを買ったかというと、これはほかの法律の面からいいますといろいろまた別途検討すべき問題があろうかと思いますけれども、証券取引法のそういった保護法益に照らしてみた場合におきましては、これはいわゆる詐欺的であるとか、技巧的であるとか、そういったことには必ずしも該当しないケースでございまして、そういった意味では私ども証券取引法の世界の問題といたしまして、この五十八条を適用するのはなかなか難しいというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 あなたが証券局長でいるうちは世の中に不正な取引はないわ、これは本当に。ちょっといささかあきれ果てるのですが、同条にいう、今も言いました公益というのは株主の保護が目的だと、皆さんの方は社会一般の公益のことを言っているのじゃないのだと、こう言いましたが、その面からいきましても、政治家らが売り出し利益を得たときに、買った人は裏の事情を知らない一般の投資家なんですよ。どうして株主が被害を受けていないと言えますか。事件が起きたので評判が悪くなったせいもありますが、ばばをつかんでいるのは、今ごろ当時の半値になってしまってもばばをつかんでおる、出るには寒いし、持っていればちっともあったかくならないしという調子でいる一般の投資家じゃないですか。それでも公益を損ねないと言い切るんですか。
○政府委員(角谷正彦君) 確かに証券取引法第二十六条におきましては、公益及び投資家保護のためということで調査権等を規定をしておりますし、ほかの検査権におきましても公益という言葉を使っているわけでございます。ただ、この件につきましては、さきの国会で法制局長官も御答弁申し上げたわけでございますけれども、この公益というのは一般的な公益ということではなくて、それぞれの実定法の制定されました趣旨、目的に照らしまして判断されるべきでございまして、そういう意味での公益というのはあくまで証券取引法の枠内における公益、具体的に言いますと有価証券の発行及び売買その他の取引を公正たらしめる、こういったことの中で判断されるべき話でございますし、それから二十六条で申しますと、ディスクロージャー制度の適用といった問題を適正に行うといった意味で公益といったものが規定されているわけでございます。したがいまして、例えば政治倫理でございますとか、そういった広い意味での公益といった目的のために証券取引法上の公益ということをそういうふうに広く解釈するということは実定法の解釈としてはなかなか難しい、これはまさに法政局長官の方の御答弁をいただいたとおりだというふうに私どもも受けとめているわけでございます。
○志苫裕君 私はわいろを使ったから不公正な取引だと言っているのじゃないですよ。取引そのものがさまざまな技巧を凝らして、それはあなた一遍株を譲渡して、それを買い戻してまた売る、これは何かを回避するのですよ。例えば縁故、特定利害人の取引ではない、あるいは公開することを回避するための取引であったり、さまざまな技巧があるのです、この中に。だからあなたが、法制局長官が言ったとおりの趣旨に解してもこれは該当するということを主張するのですが、こればかりもやっておれぬので、いずれちょっと、きょうはこの問題しつこくやりましたが、実は大蔵委員会というのは去年の消費税法案が国会に出てから開かれておらぬのです。話は余談になりますけれども、歳入の基本である税金を大蔵委員会が審議できなかったんだ。大蔵委員会というのは解散したのだと思って、委員長なんかもやめたのだろうと思ったらまだいたようですけれども。この委員会でリクルート問題はたくさん指摘しましたように、課税上の問題もあるし、証券取引上の問題もあるし、きょうは質問しませんでしたが、江副という会社が何でこういうことになったのかというのには、一兆七千億を超す金融というのも絡んでおるわけだ、背景には。ですから、そちらも関係があるのですが、これはこれから執念深くやっていきたいと思っております。 最後に、この問題について大臣に一つだけ。 先ほど古典的なタイプの汚職と違いまして、今日の何か財テク時代とでも言うのか、あるいは異常な株高というふうなものを背景にしておる犯罪だということになりますと、実は今いろいろとやりとりしましたけれども、大蔵省の今までの物の考え方あるいは今までのシステム、機構、こういうふうなものではなかなか対応しにくい部分がたくさんある。 そこで、アメリカのSEC並みの機能というものについての提言もあっちこっちから出ているようです。やっぱりリクルート隠し専門にしたのじゃない、一生懸命やったのだと善意に解することがあっても、今の法制や今の仕組み、あるいは今の陣容も含めまして、ちょっとこれは対応できない、そういう時代に入っておるのじゃないかという感じがいたしますが、大臣、所見どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) 日本の資本市場あるいは金融市場が急速に国際化し、そしてまた大型化しているわけでございます。したがいまして、日本のこれからの資本市場というものが、株価形成についてやはり公正性を保たねばならぬ、あるいは市場について透明性を増していくということが何よりも大事であろうと思うわけでございます。 そういう意味からいきまして、インサイダー取引というものを、やはり具体的にはっきりし、そして今までのように情報のない者が損をする、情報を得た者だけが得をするというようなことがあってはならぬ、こう思っております。 一方におきまして、インサイダー取引を罰則をどういう場合に適用するか、重要事実は何であるか、これを具体的にはっきりさせまして、この四月一日からいよいよ実効性のある適用を開始しようとしておるところでございます。 もう一つの問題は、リクルート問題にあらわれておりますように、株式の公開のあり方につきまして多くの問題があったわけでございます。幸いこの問題を契機にいたしまして、証券取引審議会の方の不公正取引特別部会から提言がなされました。それをもとにいたしまして今回の経験にかんがみまして、大蔵省においては十分検討を重ねまして、そして公開前の利害関係者の取引期間の規制、それから第三者割り当てに関する規制、またその間のもろもろのものを全部ディスクローズしてもらうということ。それから、公開株の適正化という、これももうかったから問題になるわけでございますが、そういうもうけなどというものが出ないように公開株の発行価格につきまして、公正にして透明性のある価格で発行させようということが今回決まりました。これを実行いたしますと、公開株につきましても、あるいは非公開株についても、当面今問題になっておるところは大体解消できるのではないか、このように考えておるところでございます。
○志苫裕君 じゃ、私は大蔵省のシステムそのものも変えないとまずいのじゃないかなというので、いずれこれはまた論議をさせてもらいます。 リクルート問題で最後に一ついいですか。ごく簡単ですよ。 衆議院の予算委員会で、江副さんを税調の特別委員に任命したのはだれかといろいろやってましたが、何か一番最後にわけのわかったようなわからぬような回答をしたようです。ずばり大蔵省に聞きますが、任命したのは総理大臣に決まっているんだ。大蔵省が挙げたりストに江副さんありましたか、ありませんでしたか。それだけ答えてください。
○政府委員(尾崎護君) ただいまの御質問のような特定の候補者の任命の詳細でありますとか経緯等につきましては、何分にも人事の話でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○志苫裕君 そんな話がありますか。江副さんは公的に任命された人ですよ。作業手順のことに若干立ち入ってますがね。大蔵省が官邸に上げたりストにありましたかと聞いているんだ。それが何で答えられませんか。なかったらなかったでいいじゃないですか。あったらあったでいいじゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) 特定の候補者の選任の経緯の問題でございますので、人事問題といたしまして答弁は勘弁をしていただきたいと思います。
○志苫裕君 だめだ、そんなの通用する話じゃない。さまざまの情報が出回っているから私は聞いているのに。国会がその辺の事実を正確につかむのは当たり前のことじゃないですか。某週刊誌等によれば、ブリュッセル発言があって、あなたの方から十数名出したら、このようなものじゃ足らぬから余計出せと。それで、その辺で税金について発言している人の名前をみんな出したらそれでも足らぬと。考えつくやつみんな出したが、どうやらそのときいなかったという報道もあるくらいだ。あったかなかったかくらい言いなさいよ。
○政府委員(尾崎護君) 人事の問題でございますので、最終的に江副氏が任命されたということ以外には、途中の経緯の問題につきましては御勘弁いただきたいと存じます。
○志苫裕君 否定をしないのは肯定と見ておこうか。普通ならこんなことでは審議できないくらいだけれども、ちょっと協力しましょう。 税制問題でたくさん通告をしておきましたが、いずれこれはまた大臣の所信を伺う機会がありましょうから、大臣は税金の専門家のようで、きのうあたりも答弁伺っておりましたら、事税金にかけては大分自信を持って答えておる。我々と考えが合うという意味じゃありませんけれどもね。ですから、これはやはり税金を知っている大臣がいるときに税金の問題はみっちりやっておいた方がいいというふうに思いますが、きょうはちょっと時間もありませんが、ただ、私ここで消費税やめろと主張をいたしますが、総理が本会議でだめだ、やめないと言っているのに、あなたがここでやめましょうかと言うわけないから、こんなむだな質問はしないけれども。 ただ、大臣、これは言えるのじゃないですか。私は税金の素人ですけれども、とどのつまりは、税金の公平さというものが認められない限り所期の目的を達成することはできない。その点で言うと、消費税のありようにいろいろ問題があります、間接税には。しかし、今の間接税が公平かというと、それはまた問題もあったわけですから、それはそれで一つの議論がありましょうが、それにしても今度つくった消費税というのは、いわゆる間接税のよさ、メリットというものを全部抜き取っちまった消費税じゃないのですか。これが後で申し上げます法律その他の税の事務の難解さも含めまして公平でないという、ここに一番の抵抗感を生んできているのじゃないでしょうかね。その点どうでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 税というものは、やはり社会的な費用を一種の租税体系によって配分するわけでございますが、そのときに一番大事な理念は、何といってもやはり公平であろうということでございます。それから普通挙げられておりますのは経済に対して中立的であってもらいたい。それから、第三番目はわかりやすいということ。それから、恐らく強いて挙げれば、徴税費ができるだけ少ない方がよろしい、これが言われるだろうと思います。また、やはり経済成長を余り阻害するものであってはいかぬ、こういうことも言われるだろうと思います。 そこで、問題は、税体系の問題が何よりも基本的でありまして、その意味で、所得、消費、資産、そこのところの租税体系の配分関係がその時代並びに将来に適しているかどうか、これが一番大きな問題だと思われるわけでございます。 いかなる税も、一つの税目をとってみますと、長所、短所がございまして、一つの税がある長所を持っているからといって、それに余り偏り過ぎますと、その税目の持っておる短所が増幅されますので、今言ったような目的を達しない、こういうことが言われるわけでございます。具体的に日本の改正前の税体系を見てみますと、何といってもやはり稼得所得、これに対するその配分の割合、これが物すごくきついのじゃないかということでございます。 そして、特にこれは個人所得税の問題でございますけれども、やはり水平的な公平という問題からして限界に来ておる。給与所得と事業所得を考えてみますと、当然のことでございますけれども、これは把握度が違うわけでございます。この問題はもう所得税始まって以来あるのでございまして、この乖離はなかなか詰められないのでございます。所得が多くなればなるほどこの水平的なその調査に関する限界というものがありまして、ですから、よく地方に行きますと、あの人は住民税は私よりも少ないけれども、いい暮らしをしているというようなことに端的にあらわれるわけでございます。 そしてまた、現在あらわれておりますのは、これは当然のことでございまして、適法でありますが、やはり事業所得者の方は所得を分割することができる。そういたしますと、控除もそれから累進税率も全部何人かの人に分割しますから、これは安くなるわけでございます。したがいまして、これはやはりある程度消費に移さにゃいかぬ、こういうことなのでございます。今度の消費税というものは、一面におきましてそういう税制体系としての配分の面と、それから、先ほどおっしゃいました現行の個別消費税の持っておる基本的な欠陥、これを改めようとするものでございます。 現在、諸外国の例を見てみますと、今個別消費税という租税体系によっている国は、先進国ではもう日本一国になってしまったと言って差し支えございません。言いかえますと、付加価値税が今から十年前に導入されたわけでございますが、それ以前のところで課税ベースの広い間接税を持っておりますのは製造者売上税とか、あるいは小売売上税、それから卸売売上税等、まあこれは古い形の課税ベースの広い間接税でございますが、これは何といっても、もう消費がサービス化しておるというところで、そのサービスに対する課税が免れるというところが最大の欠点でございました。で、ドイツ、フランスが相次いで今から十年前に付加価値税を導入して以来、すべて近代的な消費税というものはいわば付加価値税になっているわけでございます。今度日本で採用いたしました消費税は、やり方こそ帳簿課税でございますけれども、あくまでも売り上げに対する税金から仕入れ分を引きますので重複課税が免れるわけでございます。その意味ではやはり付加価値税の一種であるということが言われているわけでございます。そういう意味で世界各国がとっておりますものを、非常におくればせでありますけれども、今後の日本の高齢化あるいは国際化ということをにらみまして、今度消費税を導入しているわけでございます。ですから、私はやはりシャウプ以来の四十年間の今までのひずみ、ゆがみを直すには、今度提案したような形が最もいいのではないか、かように思っているわけでございます。
○志苫裕君 不十分ではあったがそういう入り口の論議は随分やったんですよ。しかし、私はあなたの主張に全面的に反駁することができますよ。ただ、私が今そのことにさかのぼっても、もうすぐそのまま導入だというのでパニック起こしているのですから。付加価値税なり消費税を推進しようとした人も含めて今パニック状態になっているのが、仮に付加価値税を是認するにしてもその付加価値税の長所というものは全部消してしまってめちゃくちゃなものをつくった。もう一つは後で触れますが、この法律読んでだれもわからぬ、難解だと言われて、わかりやすくはなってきましたが、そういうことが原因になっているという意味では、私はやっぱりこれは欠陥税制だというふうに主張しておきますし、仮に数を頼んで通ったものであっても、しょせんは公正さが認められない、公平さが認められない限りその社会には通用しない、最終目的は達成できないということだけは主張をしておきます。 今もいろいろお話がありましたけれども、私は水平的公正を重視をする余り、所得分配機能をないがしろにしていることに非常に危機を感じているというふうにだけ言っておきますが、不公平税制問題はいずれ後日にやりましょう。 そこで、この消費税法、実はじっくり法案をつくるときに本当に何カ月も何年もかけてやればよかったのでしょう。だけれども、概念的な議論をしただけで数を頼んで押し切られてしまった。案の定でき上がってから我々はただすべきところをただしていなかったということを感ずるのですが、何よりもこの税の持ついわば性格、これに反発があることも確かです。そのことは別にしましても、わかりやすさという点で欠点がありますよね、これ。私は、消費税の中止をするべきだ、とりあえずは延期をすべきだというのが主張です。 それはそれとしまして、暇人の計算によりますと、政省令が百三十六。法律で特に一番わかりにくい、だれが読んでもわかりにくいのは「当該」という文字ですよね。当該職員、当該地域、当該何とか、何の当該だかわからない、読んでいるうちにね。この「当該」という文字が四百七十。それで、法律で一番困難なのは括弧書きなんですよね。一項のうちの八割ぐらいが括弧書きのことがよくありますからね。それを、括弧書きでほかの法律を三つも四つも探さぬといかぬというのが読みにくさなんですが、この括弧書きが百七十五カ所、長文の条項が多いんだな。これはほかの法律にちょっとないですよね。税法だって長文ですけれどもね。これどうも特徴ですね、一条千字以上の条文が十八条です。全文字数のうち五九%、これだけで。五百字から千字までの間が十七条で二七%、暇なやつもいたものだ、これ。第三十条に至っては、見出しを除いて一条三千二百九十字だ、一条がですよ、あなた。私は長いのが悪い、長文が悪いというわけじゃありませんけれども、三千二百九十字は読んでいるうちに前の方を忘れますよ。また、わかりにくいということを言えば、六十二条の二項を読んで意味のわかるのもいないんじゃないですかな。これは「当該」の典型的なものですが。まあいかに竹下内閣のものだといっても意味不明はだめですよ、これはね。私は、大臣ね、くどいようですが、難解でこのような法律の体裁自体が、租税法律主義の内容であるところの明確主義、わかりやすさというふうなものに反しておる、これが逆進性などと相まってアレルギーを起こしておるということが言えると思います。 少し中身に入りますよ、法律に。課税売上割合を計算するときの、時間がないから簡単に一個ずつ答えてくださいね。計算するときの分母に消費税が課税されない預金利息とか、土地、株の売却額を含めることになっておりますけれども、政令の四十八条五項によりますと、株の売却額は二十分の一、五%というふうにしていますね。これはあなた、株で財テクしているところは物すごく有利になりますよ。この政令は明らかに法律を越えています。何の権限があって二十分の一にできますか。これ答えてください。
○政府委員(尾崎護君) 課税売上割合についての基本的な考え方、それは法律で定めているところでございますので、具体的な計算方法につきましては技術的な面であるということで、政令に委任されているわけでございます。 御指摘の有価証券の譲渡についての計算でございますけれども、有価証券譲渡というのは、これは非課税なのでありますが、通常その譲渡の対価の額に比べまして課税仕入れに該当する額が非常に少ないわけでございます。考えられますものは手数料でございますとか、あるいは若干コンピューターの費用なども考えられるかもしれませんが、その課税仕入れ額が非常に少ない。ある企業がありまして、本来の業務を行っている、そのほかに余裕資金を有価証券の売買によって、いわゆる財テクに当たるようなことをしていたということを考えてみますと、その有価証券の取引についての課税仕入れは非常に少なくて、本来の方は、仮に平均的に言えば八割ぐらいが仕入れがあるということになりますと、この仕入れ分の計算をいたしますときに、課税仕入れ分につきまして課税売り上げと非課税売り上げの割合で分けるということをやるわけでございます。ところが、仕入れのところが非常にアンバランスになっているものでございますから、実態と比べまして計算される仕入れの税額が非常に少ないことになってしまう、そういうことを考えまして、有価証券の譲渡の対価の額につきましては、課税売上割合を計算する場合にそのまま入れないで、五%相当額を計算に用いるというととにしたわけでございます。 例えば、ちょっとお考えいただきたいのでございますが、もし余裕資金を有価証券の売買によらずに、例えば銀行預金したといたしますと、非課税売り上げとして入ってきますのはその利子分だけでございます。したがいまして、その余資の運用の仕方によりまして非常にその課税仕入れが動いてしまうということがございますので、それらのことを勘案しながら、五%相当額を分母に算入するということにいたしまして、それを政令で定めたものでございます。
○志苫裕君 ですからみなしになるわけですがね、圧力団体と取引してこういう形で法律をゆがめてしまうことになるということを一例として指摘をしておきます。 そのほか、租税法律主義から見てこういうことはやっぱり法律で書くべきだという感じがいたしますのは、例えば取扱通達の十の一の十に課税標準に含まれる個別消費税と含まれない消費税の区別があります。これも必ずしも法律に根拠を置いているとは思えない。 あるいは十一の一の三、消費者からの仕入れ、いわば課税仕入れ控除がされるということになります。消費者は企業じゃありませんが、そうすると非課税事業者からの仕入れも課税仕入れ控除という論理と同じくなってまいりまして、これは法律上これを持ってくるのは無理だという感じが私はいたします。この点どうですか、簡単でいいです。
○政府委員(尾崎護君) まず基本通達の十の一の十の方でございますけれども、個別消費税につきまして、確かに例えば酒税とかたばこ税とか揮発油税のようなものにつきましては課税標準の額に含まれる。また、軽油引取税でありますとか特別地方消費税等につきましては、これは課税標準に含まれないというようなことになっているわけでございますけれども、御承知のとおり、酒税、たばこ税のようなものはその納税義務者が販売先から対価の一部として収受している、受け取っているものでございますので値段に含まれる、そういう意味で課税標準の中に入るわけでございます。 特別地方消費税のようなものは、納税義務者は実はレストランで食事をする、その消費者の方でございまして、レストランの方はいわば特別徴収義務者としてこれを預かるわけでございますから、自分の売り上げではないという考え方で、それを除きまして消費税をかけるということにしているわけでございます。その法律的な扱いの違いを取扱通達で、国税庁の方でわかりやすくその趣旨を説明しているというものでございます。 それからもう一つの消費者からの仕入れ控除の問題でございますが、これは課税仕入れにつきましての定義というのが消費税法の二条一項十二号というところに明らかにされているわけでございますけれども、「事業者が、事業として他の者から」、この「他の者から」というところが意味があるわけでございますが、「他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けること」、これが課税仕入れであるというように言っております。それから同時に、「当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し、若しくは貸し付け、又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等」となるものであるということがまた書かれておりまして、つまり他の者からというその当該他の者が事業としてやった場合にそれが課税資産の譲渡になるものだ、こういうことでございます。したがいまして、課税資産の譲渡になるものであれば、仮に売った方が消費者でございましても、その人が事業としてやったときに課税資産の譲渡に該当するものであればいい、そこから読んでいるわけでございまして、法律上の規定があるわけでございます。
○志苫裕君 それならそれに関連しましょう。 納税義務者というのはいわば今の話に出ました事業者ですね、事業者。事業者とは事業を行う個人及び法人だと規定されていますね。では事業とは何か。事業とは何かということについてはこの法律には規定がありませんね、所得税法等にはございますが。今言いました税体系の根幹であるところの所得税法の五十一条、あるいは六十七条、同施行令百九十五から百九十七まで、これを見ますと事業と業務という二つの概念を用いていますね。同基本通達の二十六の九、これを見ますというと、事業と業務の線引きが載っています。例えばアパート、貸し部屋を経営する。十までは業務、それを超えると事業と、例えばこういう事例。こうしてみますと、事業というのは業務の規模の大きいもののようですね。その業務を行う者は消費税の納税義務者ではありませんね。したがって、部屋を九つか十持っておりまして、それを貸せるわけですね。これには消費税はかからぬのだからもちろんかけない、税金も納めない、消費税の外側の世界ということになるようです。そう解釈していいのですね。
○政府委員(尾崎護君) 消費税におきます事業の概念と、所得税におきます先生御指摘の事業の概念とは違うところがございます。消費税は消費に対して課税をする税でございますので、消費者に負担を求める、こういうことでございます。したがいまして、個人が消費者として行う行為を課税対象から除外をしていくということにしております。したがって、事業としての範囲は広いわけでございますけれども、消費税における事業というのは、同種の行為を反復、継続かつ独立して遂行することというように定義をされているわけでございまして、所得税の場合と概念を異にしているものでございます。
○志苫裕君 いや、それならそれで事業というものの定義をもうちょっときちんとした方がいいのじゃないのですか。所得税の場合で言いますとそれぞれ一種の例示ですね、というようなものもして事業の概念があります。普通事業という場合、やっぱりそういうふうに税金を扱っている者は、じゃおれは事業者じゃない、おれは業務を行っているが事業者じゃない、消費税の外の話だと、こうしちゃいけないという根拠もないじゃないですか、事業の概念規定がないのですから。 それから、消費税には当然のことながら推計課税はあり得ませんね。
○政府委員(尾崎護君) 消費税法に推計課税の規定はございませんが、しかし仮に課税になる方がいろいろの資料の不備等によりまして課税対象がはっきりしないというような場合におきまして、それを何らかの形で補って課税をするということは、これはいわば当然のことでございますので、そういう意味で消費税におきましても推計課税ということは行われる可能性があると思います。
○志苫裕君 それはだめです。それは承認できません。間接税は直接証拠が原則ですから推計課税はないと、それは当然のことですよ。だけども、現行間接税における税務行政は現実に内部通達で推計課税をやっているのですよ。私は消費税法どこを読んでも推計課税の根拠がないから、通則法の更正とかあるいは決定とかというような条文は根拠にならない。アカウント方式でどんぶり勘定になっているからというのはますます論拠にならない。したがって、推計課税はできない。 それと関連しますが、法人税、所得税で推計課税が行われた場合、消費税申告書の課税売り上げとの乖離が生じます。当然のことですね。これどうします。
○政府委員(尾崎護君) 推計課税の問題につきましては、過去の判例等におきましても、これは当然のこととして認められているわけでありまして、所得税や法人税にその規定がございますのは、むしろ確認的な規定だというように考えられているわけでございます。
○志苫裕君 ですから、租税法律主義が問題になるわけで、それならそれでちゃんと法律の根拠を置くべきでありまして、いいか悪いかはちょっと論議しまして、事ほどさように、あなたが幾つかお答えになったのは、それならそうで法律に書く。法律読んだって全然頭にも出てこないようなことが通達で出てくる。国税当局の恣意で取られているのじゃないのですからね。ちゃんと立法によって取られているのですから。納税者の代表が決めているのですから。納税者の代表でもない著が勝手な通達出して取っちゃいかぬですよ。 製造業と卸売業、卸売業と小売業の区別が、まあ率直に言って文言はありますが、実際の上では不明瞭ですね。かつ恣意的でもある。あるいは事業者がそこで簡易課税制度を選択した場合に、いずれの税率で適用しょうかと。皆さんの方、五〇%超したらそっちの方だとこう言い、なっているのですが、仮に、これ聞いておいてください。仮にいずれかを選択したと。ところが、税務調査で異なった認定がなされた。いや、おまえは卸じゃなくて小売だよ、小売じゃなくて卸だよということになった場合に、追徴もしくは還付があるか。過ぎ去った話になりますから。追徴の場合はもう過ぎちゃったことなんだから転嫁できる人がいないんですよ。それしか取ってなかったんですから。これはごまかしていたのと違うのですよ。還付すると言っても、これについての還付規定はありません、法律。どうします、これは。
○政府委員(伊藤博行君) 今先生お話しのケースというのは、簡易課税を選択した場合の卸か小売かということの御質問かと思います。 これは、政令の方にもその基準を示しておりますし、またそのベースにある法律でも記されているところでございますが、それを受けまして、私どもの取り扱い通達におきましても、十一の四の七でその定義を一応示してございます。したがって、簡易課税の適用を選択した場合のその適用が卸であるか小売であるかというのは、その条文あるいは通達等で一応基準が示されておるわけでございます。 先生お話しの、申告後、仮に事後に調査があって、その振り分けが違う場合はどう考えるかということでございますが、手順といたしましては、当然それが卸売に該当するかどうかというのは事前に判断する目安があるということが一つございます。 それから、そもそも簡易課税の前に、転嫁の議論あるいはどういう値づけをするかというのは、もう一つその以前に一般原則の三%というベースのところでの値決めが行われております。以後、それが終わった後に申告する際に、本則方式でいくのか簡易課税でいくのかということの選択に相なるわけでございますけれども、当面このスタート時におきましては、その間半年間の猶予がございます。お話しのケースは、将来のことかと思いますけれども、その辺はまだ具体的な当てはめ、仮にあり得るとするならば、一般的なルールは今申しましたように政令あるいは通達で示されておりますけれども、個々具体的なケースに即してどうかというのは、なおケースケースの議論があり得るだろうという前提に立っての御質問かと思いますけれども、一層きめ細かな判定を事前にできるようなことを今後ともやっていく必要があると思いますけれども、ただ今時点におきましても、何が卸売かというのは政令あるいは通達で示されておるというふうに考えております。
○志苫裕君 局長、簡易課税を選択するときは、売り上げとか、そういうもので簡易課税を選択するわけですね、いわば基準年の。そうですね。そのときには、もうあなたは卸業としての簡易課税、小売業としての簡易課税というふうにして届け出をさしているのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私申し上げましたのは、簡易課税か本則課税かの届け出でございます。
○志苫裕君 そうでしょう。
○政府委員(伊藤博行君) はい。
○志苫裕君 ですから、十手捕り縄じゃないけれども、一つの簡易課税を選択した事業者が卸もやれば小売もしている、これが問題なんですよ。病院に野菜を届けたと、これは納品だから卸。家の前で野菜を売ったらこれは小売。その割合が、病院の給食に届けている割合が多ければ卸ですと、皆さんそう言うわけだ。で、何%かわからぬが、まああれは卸にしてマージン率を一割にしようということになると得になりますからね、そこで一割でやっていたと。後で税務調査があったら、おまえは小売だと。マージン二割と見て税金納めろということになりますと追徴になりますね。自分は小売だと思っていたら、いやおまえこのバーにいつでも酒を納めてるんだ、おまえさんは卸だ。それは返してもらわぬといかぬ。だけれども全部後の祭りで、還付する根拠規定もなければ、追徴しようったってお客はもういないんだから、そこに。隣のおっさんに売ったのにこっちのおばあさんから取るわけにいかぬのですからね、事実上できぬじゃないか。そうすると、このくだりについて言えばやり得ですか。低い方を選択してやり得ということでいいですか。
○政府委員(尾崎護君) 簡易課税制度というのは、いわば納付税額を計算する上の制度でございまして、消費者の方に税をどれだけ転嫁するかというお話とはまた別のことでございます。つまり、卸売業でありますと、その売り上げの九割に当たる仕入れがあるだろうということで納付税額を計算するわけでございまして、販売の際に転嫁をする額は売り上げの三%ということで、これはどちらをとろうと変わらないわけでございます。
○志苫裕君 どちらをとろうと変わりゃせぬのですか、あなた。卸と小売では納税額が違うじゃないですか。どちらも変わらぬなら卸と小売の区別要らぬでしょうが。今のそんな答弁ありますか、あなた。
○政府委員(尾崎護君) 前に売ってしまった方のところに行くわけにいかないというお話がございましたものですから、それはそうではなくて、売るときには三%乗っけて売るという売り方をしているわけでございます。さて、それを根拠にして納付税額をどのように計算するかというときに、その卸売業、それからその他のものにつきまして仕入れのみなしが違うと、こういう意味なのでございます。
○志苫裕君 時間になりましたからやめますが、そうすると税務調査の結果、追徴もしくは還付があるということですか。
○政府委員(伊藤博行君) 簡易課税を選択した方の事後の調査というのを将来想定いたしました場合に、政令で定めておりますような、その当該業者が卸売業を営む事業者であるかどうかということに該当するかどうかの確認というのは、観念的には事後の調査において確認の対象になり得るというふうに言えようかと思います。ただ、それは事後の調査によってぐるぐる変わり得るということではなくて、あらかじめ政令でその基準は定められておりますし、また通達にもそれに基づく規定を置いておりますので、そんなに大きく変わるということは実際問題としてはないと思いますけれども、観念論として言えばその確認も対象になり得るということは言えようかと思います。
○志苫裕君 それはあなたね、通達に書いてあるのは卸か小売かの物差しが書いてあるのでしてね、卸のつもりが小売であった、小売のつもりが卸であったと。しかも、これはなかなか面倒なんですよ。バーへ届けたのは卸、バーの隣のおじさんに売ったのは小売と、こういうふうになかなか面倒なんです。ですから自分の得の方を選ぶでしょうね。できるだけ卸が多いようにするでしょう。ということになってやっていたら、税務署からお前この分は全部小売だよというふうに言われた。多分に卸か小売かは恣意的なところがある。それに基づいて納税をする。税務調査の結果、変更を命じられた。それをどうするかという規定はない。 そういうことで私は幾つか事例を挙げたのですが、これいっぱいあるのだけれども、きょうは幾らも言えませんでしたが、事ほどさようですからパニックに陥っているのですから、これはおやめになるにしかず。やめるには一条三千二百九十字もあるような法令は要りません。二、三十字でたくさんですから、直すのは簡単だ。 きょうはカルテルのことを取り上げようと思いましたが、済みませんでした、おいでいただきまして。これはしませんでしたが、御不満でしたら予算委員会でじっくりやらせてもらいますので御了承をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○委員長(梶原清君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 まず一番最初に、大変基本的なことでございますが、大臣にお尋ねをします。 大蔵大臣、村山大臣というよりは村山達雄さんにお尋ねしたいのですが、きょうの朝日新聞じゃないですけれども、政治に対する不満は六八%、消費税に対しての不満は八二%です。内閣の支持率は二二%を割るような今日、こういう状況というものを冷静に、いい悪いは別にして、なぜこういう状態になったのか、どんなふうに受けとめられておりますか。所見を聞きたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) いろんな原因があると思いますが、内閣支持率の問題は、とりわけ今のリクルート問題がなかなか解明されない、あるいはその間の政府の対応等が国民をいら立たしているのではないだろうかと思うのでございます。 それから、消費税の問題は、私も世論調査をよく拝見したのでございますが、あれを見ますと、読売の世論調査が一番代表的でございましたが、三千人にアンケートを出して無差別でやりまして回収率は七割と、二千二百人ぐらい来ているわけでございます。 したがいまして、ほとんどやはりサラリーマンの方とか、あるいは主婦の方とかこういった方が当たるのが多いだろうと思います。 それから税制改正についての周知度、これを読売では全部同じ回答をやった人について調べております。それを見ますと、消費税に関しての周知度は、大体八〇%から七〇%、物によりますけれども。それから所得税減税に関する周知度というのは、控除の引き上げがたしか二九%……
○鈴木和美君 時間がないので簡単にお願いします。
○国務大臣(村山達雄君) それから税率の方は、読売の書き方もそうでございますが、税率の簡素化とこういう表題でございました。この周知度は二四%ぐらいでございました。 ですから私は、もし周知度がそうであるならば、やはりあの世論調査は反対という声がもう上がってくるのは極めて当然であるとこういう感じがしたのでございまして、この間の税率のいわゆる簡素化というのは、実は一兆三千億の減税やっているわけでございます。そういうことが全然知られていない。そしてまた、所得控除の引き上げ、これも消費税と全部一つの体制としてセットでやられており、平年度二兆七千億のネット減税であるというようなこと、こういうことが全然わからないわけでございますから、消費税を単独のものとして取り上げておられるのではないか。しかも、あそこには出ておりませんでしたけれども、消費税を創設する裏腹に、既存間接税を三兆四千億、言ってみれば廃止ないし縮減するということも書いてない。その点がやはり非常に問題じゃないかなと。しかし、残念に思ったことは事実でございます。
○鈴木和美君 私から申し上げますが、いろんなお話しの仕方はあると思うのです。だけど、私は消費税の問題に関して、つまり税制という問題に絡んでの批判的というのは幾つか絞られできますけれども、まず不公平の是正が本当にできるのだろうかということの観点とか、それから消費税と売上税というのはやっぱり公約違反じゃないのかというような問題と、それから大臣が今お話しになったように、今まではどっちかというと総論反対であったかもしらぬのですよ。ところが、今日この時期に来まして、いよいよ始まるなということになったら、皆さんそれぞれ自分の仕事とのかかわりでこの問題を見るようになってきたと思うのですね。それだげに真剣な状況になってきたと思うのですよ。だから、このことは裏を返せば、今の周知度というものが完全に行われていないということを私は示していると思うのですよ。仮に消費税実施しようというにしても、余りにも実施の時期が拙速じゃないかということを私は裏書きしているのじゃないかなと思うのです。 それで、それでも本当に今回の消費税の枠組み、実施、中身、すべて万全かということになりますと、私は必ずしも政府自身も万全だとは思っていないと思うのですよ。そのことが、どこでどういうお話か知りませんけれども、先般、三月の十八日の朝日とか日経に出ておりましたですね。この秋に見直しをしなきゃならぬのじゃないかというような記事が出ているわけですね。ですから、ここで簡単で結構ですから、私は、このまま修正もしないで、何にもしないでとにかくやってみるんだ、やってから考えるということなのか、万全だと思っているのか。そのいずれかの見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) この種の消費税としては初めてでございますので、政府としては推進本部をつくりまして、そして適正転嫁をお願いし、それから便乗値上げの抑制、あるいは取引の強者が弱者に対して押しつけるというようなことを極力抑えるように、今万全を期しているわけでございまして、いろんな問題ありますが、今度の消費税がこの前の売上税とは根本的に違いまして、事業者の取引慣行を重視して、そして納税事務の負担を軽減しようというところに一貫して設計された消費税であるだけに、やはり多少問題の精緻さに欠けるところはありますけれども、やはりそこに重点を置いてやっただけに、この定着につきましては、事によると少し時間が要るかもしれぬ、このように思っております。 与野党協議の場で、十七条第三項に、実施状況を見て見直しなさいと、こういう規定があります。政府としては、その規定の趣旨を十分尊重して、慎重に見守ってまいりたい、今のところはそういう考えでございます。
○鈴木和美君 主税局長にお尋ねいたしますが、時間がございませんのではしょって御質問申し上げますが、帳簿方式についてでございますが、これを導入したことによって、一般的な論調は、事業者の事務負担が軽い反面、売買の際の税額が明確でなくなるなど制度としての公正さを犠牲にした面は否定できない、こういう論評をしています。これに対する見解。 それからもう一つは、逆に消費税は売買した品物やサービスが課税か非課税かの違いが重要になるので、例えば現在慶弔金、贈答品、これは非課税と課税のことでしょうが、交際費という項目が一本化された場合分けてこれから申告をしなきゃならぬというような問題が出てくるので、かえって事務が煩雑になりはせぬかという反対の面を述べていますね。こういうことはどうなるのか。 それから、もう一つの問題は、申告の信用度についても差が出てくるので、他人がつくった書類でなければ税額控除の証拠として認めなかった売上税に対し、自分の記帳で処理できる消費税、つまり消費税は第二のクロヨンを生み出さないか、こういう問題点を指摘しておるのですが、これについての見解を聞かしてください。
○政府委員(尾崎護君) 帳簿方式を採用したことでございますけれども、今回の消費税が例外を極力なくした一本税率である、そういうようなことからあえて税額票を用いなくても仕入れ控除ができるということで事務の簡素化ということに重きを置きまして帳簿方式をとったわけでございますが、御指摘のように、この問題につきましていろいろ御批判があることは承知いたしております。制度の円滑な実施を進めていく中で、今後その定着状況等を考えながら、さらに議論を深めていくということは、先ほど大臣からも法律自体にそういう規定があるということを申し上げたところでございますが、そのように考えております。 それから、課税の対象といたしまして、例えば慶弔費は課税にならない、普通の交際費は課税になるというようなことで、かえって経理の内容を分けなくてはいけないというようなことで、煩雑になるのではないかというお話でございますが、確かにそういう区分をしていただかなくてはいけないという問題もございます。しかしながら、それはそんなに難しい話でございません。おっしゃいましたように慶弔金でございますとか、あるいは対価を伴わないものでございますとか、そういうものだけを分ければいいわけでございますから、さほどに経理上の事務手続がかかるというようにも考えられません。ただ、当面、これまでそういう経理をしないできたというところもございましょうから、例の弾力的運営措置といたしまして、そういう仕分けができるまでの間、特にコンピューターにそういうことを打ち込むまでの間につきましては、この半年間従来どおりのやり方で交際費について全部仕入れ控除ができるというような措置も認めているところでございます。 三番目には、これは税額票の場合と異なり、各自がつくる帳簿に基づきまして仕入れ控除にするわけでございますから、その信憑性に問題があるのではないかという御質問でございましたが、確かに帳簿をもとにして計算いたしますけれども、仕入れの問題でございますから、その帳簿に記入されていることにつきましての証票、例えば受取でございますとか、あるいは請求書でございますとか、いろいろそういう証拠書類というものが当然備えられているわけでございます。これは法人税なんかについても同じことでございますので、したがいまして、そういうものをもとにしまして、確実な申告ができるのではないかというように考えております。
○鈴木和美君 従来までクロヨンとかトーゴーサンピンとかという議論がありましたですね。そして、特に税の執行上の捕捉の問題というのがいつも議論になっていました。そのとき国税庁も主税局も、一貫して述べておられたのは、正確な記帳義務を徹底してほしいということで、記帳義務に対して国会でも大変な議論がされてきたわけですね。そのことは、むしろ税の取り立ての方向の面からばかり強調されているのじゃないかというような話がたくさんございました。 今回の問題はそれと逆行するような気がしますね。何で帳簿方式を取り入れられたのか。つまり、事業者というのと消費者ということとの兼ね合いから見て、何か事業者の方の納税の義務のある人というようなところにだけ視点が合わされてこういう制度がとられた。言ってみれば消費税を入れるがためにこういう制度が逆に緩和された、こういうふうにとることもできるのですが、その点の見解はいかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 売上税のときに、いろいろ御批判がございました。その御批判の中の一つの重要な問題といたしまして、税額票を用いるということが非常に煩瑣であり事務手続上大変であるという強い御批判がございました。売上税のときのように非常に非課税品目が多いというようなケースでは、仕入れ税額控除をいたしますときにどうしても税額票のようなものがないとうまくいかないわけでございますが、幸いにして今回は例外を極力なくす、税率も一本税率ということで、仕入れ税額控除いたしますときに税額票がなくても容易に計算できるという、そういう条件が整ったわけでございまして、それでこういう方式をとれたわけでございます。したがいまして、税額票方式と今度の方式とそれは一長一短はあろうかと思いますけれども、この方式で円滑な実施をしてまいりたいと考えているところでございます。
○鈴木和美君 今のお答えよくわかりませんので、もう一度お願いします。 帳簿方式をとったことは前と比べてどういうメリットがあるということなんですか。
○政府委員(尾崎護君) ただいま申し上げましたように、事務手続の簡素化という面から大いに有用であると考えております。
○鈴木和美君 事務手続の簡素化という問題と、これは国税庁にお尋ねした方がいいかもしれませんけれども、税の捕捉という面から見たときは、どういうぐあいにこれはリンクするのでしょうか。簡素化にすればするほど捕捉がしにくいというように私は素人で考えますが、いかがですか。
○政府委員(伊藤博行君) 税の捕捉の問題と関係があると言えばあるのでしょうけれども、やはり帳簿方式でありましても、先ほど来の先生の御質問は直税、言うなれば直税におけるクロヨンの議論を例に出されてのそれとの対比で御質問されておろうかと思います。その意味では私どもといたしましては、帳簿方式であっても税の捕捉の関係から特に後退するということにはならないと思います。 もし御質問が売上税のときにおける税額票方式との対比においてどうかという御議論であろうとするならば、それはそれぞれに一長一短があろうかと思います。 ただ、それぞれのメリット、それぞれのマイナス点、それをどう評価するかという多角的な検討がなされるべき問題かと思いますけれども、事柄を執行面という点だけから絞って考えてみますと、それぞれのシステムのもとでしかるべく対応は可能であるというふうに考えておりますし、冒頭申し上げましたように、現在の直税行政ができておるという点からいけば、それとの見合いにおいて帳簿方式のもとでの間接税も十分執行可能であるというふうに考えております。
○鈴木和美君 大変失礼しましたが、私は二つの面を述べているわけです。つまりクロヨンとかトーゴーサンピンというような問題に対して執行上の問題がありますね。執行上の問題の中では実調が非常に低いというようなことで、必ず捕捉がされているのかという面の指摘のクロヨンという問題もあるわけですね。もう一つ今申し上げたことは、今までも実調率が低い、そのために記帳義務をしっかりしておかないととても捕捉ができないよということを言っておったのに、だから、政府は逆に今までは記帳義務をしっかりやってくれということを何回も言ってきたのでしょう。ところが、今度は簡素化するのだからいいんじゃないかということは逆行しているのじゃないかという意味での二つの問題を今提起しているのです。 私はなぜそういうことを申し上げるかというと、税の適正な納税という面もさることながら、今国民の中にあらわれているのは、簡易課税制度とか限度控除制度をとった、まあ免税事業者もそうかもしれませんけれども、何か自分で消費者から取ったものを懐に入れているのじゃないか、別な表現で言えば泥棒しているのじゃないかというような懸念が大変国民の中にはあるわけですよ。それで、そういうことを政府自身が奨励しているということを私は言わざるを得ないと思うのです。 そこで、これは局長に聞いた方がいいかもしれませんけれども、先ほど志苫委員の質問にもあったのですが、試算をしてみていただけませんか。 仮に四千五百万円の売り上げがあった店ですが、仕入れが三千万だとしますか、この業者は通常の課税では何ぼ払えばいいのですか。 その次は、簡易課税を選択した場合は小売業と卸業では幾ら納めればいいのですか。 今度は簡易課税制度と限界控除制度の場合で、六千万以下ですからね、この人は幾ら納めりゃいいのですか。 免税事業者の場合、二千万売り上げの人が仮に三%の消費税をいただいたとしますか、千五百万で仕入れに三%掛けてみてください。 この四つのケースで幾ら納めればいいのですか。
○政府委員(尾崎護君) 最初の例は売り上げ四千五百万、仕入れ三千万でございますから、百三十五万から九十万を引きまして四十五万が税額となります。 二番目の御質問は、簡易課税をとったらどうなるかという話でございますが、一般の場合は〇・六%でございますから二十七万、それから、もしこの方が卸売でございますとその半分でございますから十三万五千円。 三番目、済みません、どういう御質問……
○鈴木和美君 私から申し上げますが、今局長に試算していただいたのと同じだと思うのです。 例えば簡易課税制度の場合は、四千五百万の売り上げたったというときに、小売業者は〇・六ですから二十七万円ですね。それから卸業の場合には〇・三ですから十三万五千でいいですか。簡易課税制度と限界控除制度の場合は、二十七万円、つまり〇・六%、小売で計算したときですね、二十七万円に対して三千万円の分母で四千五百万引く三千万でしょう。だから十三万五千円ですね。免税業者の場合、これは二千万で、二千万の売り上げの方ですよ、三%の消費税をいただいたということで、仕入れが千五百万であったということで、自動的に三%掛け合わして引き算すれば十五万円ですね。 そういうときに国民が今思っていることは、消費税というものは国民に全部転嫁するわけでしょう。転嫁して、納税義務者は転嫁されたものの金額を支払わなくても済むわけでしょう、この制度をとった場合には。ここに不公平という問題が非常に出てくるのじゃないですか。それから、一体、普通の、通常の課税であれば四十五万円払うときに二十七万円払えばいいのですから、差額十八万円というのは一体どういうことになるか、それは消費税なのか何なのか、納まってないのですから。そういう問題が出てくるのではないですか。 つまり、この消費税の中にこういう制度を取り込んで簡易にしたとは言うかもしらぬ、事業者の便利を図ったと言うかもしらぬけれども、逆にそういう問題が出ていることを私は問題にしなきゃならぬと思うのですよ。この点はいかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 問題が二つあるわけでございまして、一つは消費者の負担の問題であります。もう一つは納税者である事業者の納税額の問題であります。消費者の負担する額は、これは売り上げの三%相当額でございますが、その売り上げの三%相当額をもとにして事業者の人がどのように納税額を計算するかというところに今の問題が出てくるわけでございます。 例えば、普通に計算すると四十五万円になるではないか、それが簡易課税でいくと二十七万円になるではないか、確かにそういう問題があろうかと思います。しかし、これは簡易課税を選んだ方と普通に計算した方との売り上げに対する仕入れの率がどういうことであるかということによって違ってくるわけでありまして、必ず通常の計算をした方が簡易課税よりか納税額が多くなるということはないわけでありまして、そこは粗利率によっていろいろケースが分かれてくるわけでございます。 免税事業者の場合は話が全然違いまして、この方は免税でありますから、もともと税金を払っていないわけでございます。ただ、仕入れに税金分が、仕入れ価格が上がってくる。それは確かに消費税の導入によって仕入れ価格が上がってくる。その場合に、ほかの仕入れ、例えば電気代でありますとかガス代でありますとか、通常今までにそういうコストが上がった場合にどのように転嫁したかという話と同じことになってくるわけでございますが、ただ今回の場合、仕入れ全般にかかってきますので、一体、その全体のコストのアップが幾らであるかという計算、この計算を小規模の事業者の方にしてもらうのには大変難しい面がございますが、そこで、そういう免税事業者の方が仮に三%の価格の引き上げをしたということがあつたとしても、それをもって便乗値上げであるとまで指弾することもないのではないか。自分でコストの計算が十分できない、もともと納税額の計算も難しいのではないかということで免税にしているわけでございますから、そういう方々に仕入れコスト分だけきちっと計算してその分だけ転嫁しろというのはこれは気の毒ではないか、そういう考え方でございまして、ちょっと前半の例とは話が違うと思います。
○鈴木和美君 私もそうだと思います。免税の事業者と簡易課税制度の方とはちょっと違うと思うのです。 しかし、私が一番心配することは、国民が払う消費税が、今度は納税者の方においてこういう手心が加えられたということだとすると、一体消費税というのは国庫に全部納まっているのだろうかということの、消費者の方の側から大変な問題提起が行われるわけですね。私は、そういう意味ではどうしてもここは欠陥だということを指摘せざるを得ないのです。 もう一つの問題は、これは今度は国税庁にお尋ねしますけれども、今までの実調率が非常に低いというときに、これは何年かやってみにゃわからぬと言えばそうかもしれませんけれども、今度この消費税が入ることによって適正な納税ということをやるためには現在の人員ではとってもこなし切れないですな、これ。これはどんなふうに考えられますか。
○政府委員(伊藤博行君) 消費税の執行の問題につきましては、先生御案内のように、今回の消費税の新設にあわせまして個別間接税が廃止ということに相なっております。したがいまして、私どもといたしましては、従来のそういった個別消費税の事務に従事しておりました人間を消費税の事務に振り向けるというようなこと、それから今おございましたように全体としての実調率等々を引き上げること、そのために行政全体を効率化してまいりたい、特に今力を入れておりますのは電算化を大々的に導入してまいりたいと、そういうようなことをもちまして行政全体の効率化を図っていく、そういった格好で可能な限り効率的に行政の中でやってまいりたいというふうに考えております。 ただ、そうは申しましても従来の人員だけでいいかというと、やはり若干はお願いせざるを得ないということで、元年度予算におきましては消費税の関係で七百名ほどの増員をお願いしてございます。したがいまして、今申し上げました個別間接税からの振りかえ、それから今申し上げた新たにお願いするもの、そしてさらには行政そのものを可能な限り効率的に行うということでもって新しい税を含めまして、また既存税制を含めまして全体の行政水準の維持に努めてまいりたい、このように考えております。
○鈴木和美君 きょうの日経にも出ておったのですけれども、きのう大臣も出席されて各省庁集まって徹底したPRをやってほしいということの記事が出ていますね。これからも、国税庁としてもその実施が何というか間隔が短いために非常にまだ混乱が起きていると思うのですね。だから、それの相談とか記帳の仕方とかなんとかという指導というのも当然やらなきゃいかぬと思うのですね。おやりになるという話ですわ。 それで、今税務署は全国で何カ所ありますか、五百十五、六カ所ですか。それで、物品税、間税にかかっておった職員が幾らですか、二千四百人ぐらいですか。あなたが今お述べになった平成元年で七百人お願いしている。合わせて三千百人ですが、国税庁と、それから各国税局でその方にかかる人数を差っ引けば、私らの計算でいくと一税務署一人か二人ふえるだけなんですな。そうすると、この消費税問題がいろんな問題で問題が上がるときに、たった一人だけふやして現在の実調率は十年に一遍とか二十年に一遍とかいっても、潜在的に人が足りない。というようなときにたった一人税務署にふやして、国民にこの税の浸透を図られるというようにお考えですか。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほども申し上げましたように、現在私どもが担当しておりますのは直税、間税、その他徴収等含めましていろんな業務をやっておるわけでございますけれども、お話しのように現在の直税の実調率、必ずしも高いとは言えません。それだけにいろんな意味で実調率の維持のために努力しておるわけでございますが、そういう実調率の維持を図りつつ、あわせて今お話がございました新しい税目の執行ということでいろいろ努力しなきゃならない部分がたくさんございます。特に、先ほど申し上げましたのは、機械化、電算化を中心とした行政自身の効率化ということを一つの柱にしながら、また直間を通じての協力ということで、間接税といいますか新たな消費税の直接的な担当部門は確かに間税部でということで、そのための担当者の数は全体の中の一部ということはおっしゃるとおりだと思いますけれども、同時に、事柄の性質上先ほどもお話に出ておりましたように、新しい税のかなりの部分では、従来の法人税のときにおける考え方と共通した部分もございます。そういう意味で、直税関係の者の知識も十分活用しながら、言うなれば主管部は間税でございますけれども、行政のやり方としては両々相まって能率的な運営に努めてまいりたい。しかし、それでもどうしても足りない分につきましては、先ほど申し上げましたような増員をお願いしておるということございます。
○鈴木和美君 国税庁にもう一つだけお尋ねして、大臣の見解を伺いますが、先ほどちょっと志苫委員が質問をしたところのお答えがどうも私釈然としないのですが、ここのところだけはっきり聞かしていただけませんか。 例えば、先ほどの簡易課税制度をとった場合の、私は四千五百万は前提に置いて先ほど申し上げました、小売業者は〇・六だ、卸業者の方は〇・三%、つまりこの基礎となっているところのマージンというのは八〇%、九〇%でございますかな、その分母になっているのは。そのときに実調が行われたり相談をされたときに、小売業者と卸業者の選択というものが当然業者にあるわけですよね。それで税率が実調の結果、どうもあなたのところはおかしいじゃないか、これは小売じゃないかというようなことで高い税率がかけられるというときには追徴が行われるのですか、また還付が行われるのか。ここだけがどうも先ほどの答弁では私釈然としないのですよ、ここのところはっきり答えてください。
○政府委員(伊藤博行君) 若干繰り返しになろうかと思いますけれども、簡易課税の制度というのは納付税額を計算するための簡便法でございます。 そもそも消費者からいただく部分がどうかというのは、それよりも前の段階でしかるべく値決めがなされておる。そういう前提で行われてきたときに申告するときの課税の仕方、それを本来方式で行うのか、簡易課税で行うのか、そこが選択でございます。仮に五億円以下の売り上げの場合であれば簡易課税の選択はできるわけでございますけれども、簡易課税を選択するという場合にはその者が小売業者であれば当然みなし原価率といいましょうか、仕入れ率というのは八割、卸であれば九割ということでそれはもう自動的に決まっておるわけでございます。したがって、簡易課税を選択するというときにはみずからが卸売業者であるのか、小売業者であるのかというのが事前に一応わかっておるというのが前提でございます。ただ、先生のお話はたまたま卸売と思っておったのが調査の結果、政令等で書かれておる基準から見て卸ではなくて小売に該当するというような場合には、その原価率を調査の段階で修正するのではないかという御質問かと思います。理論的にはおっしゃるとおり、もし政令あるいはその他で定めております卸の要件に該当しないということであれば八割の原則になるわけでございますから、当然その部分の修正ということが必要になってまいります。そういう意味では仮に将来調査があり、その際の小売か卸かの確認の結果、それの適用誤りが判明すれば正しい方に直していただくということはあり得る話かと思います。ただ、実際問題として御自分がやっておられる仕事を事前に卸に該当するだろうか、小売に該当するだろうかというのは判定基準があらかじめ示されておりますので、そうしょっちゅう起こる話ではないというふうには考えております。
○鈴木和美君 今の問題はやはり前提となるべき基準ですな、それをはっきり先にしておいてほしいですな。そうでないとこれは大変なことが起きると思うのですね。その点は要望しておきます。 大臣にお尋ね申し上げますが、今やりとりの中でも今回消費税が入ってくるということになりまして、大体試算してみますと納税義務者といいますか、その数が大体二百四十万件ぐらいになるのじゃないでしょうか。そういう状態の中で現在でも個人事業者は白色申告を行っている人が約五〇%でしょう、白色申告が。だから帳簿方式による記帳ということが原点になって税のつまり証拠ということになるのでしょうけれども、この指導をするだけでも大変なことだと思うのですね。私は、そういうことだから消費税は入れるなという方の側なんですよ。 そこで、私は二つに分けて申し上げますが、潜在的に税務署の実調が低いために執行上の不公平があるのだから総定員法なんかにかかわりなく大いにやってくれということを毎年言っているのです。これは今でも同じです。例えば残念ながら消費税が実施されるということになれば、さらにそこに上積みになってくるわけですね。こういうことについてのいわゆる税務執行体制の公平化ということについて十分大臣は心にとめて対応してほしいと思いますが、お答えいただきたい。
○国務大臣(村山達雄君) あるいは国税庁の方が事実認識については正確かもしれませんが、免税者が全体で、法人、個人を合わせて約三分の二、六百万のうち三分の二、個人で言いますと八割三分ぐらいが免税者になる、こういうことでございますので、現在の所得税の納税者とここの消費税の課税者の関係がどういうふうになってくるか、これは国税庁、税務署の方が正しい感覚持っているだろうと思います。 しかし、いずれにしましても、記帳というものがやはり正確でなくちゃならない。特に請求書とかそういうものを保存してもらうということ、これが一番大事だろうと私は思っております。そして、所得税の所得計算というものと、それから消費税の計算の関係言いますと、ほとんどもう勘定科目としては、細かいところは別ですけれども、そう大した違いはない。ただ、所得計算は所得計算ですから、所得発生のそこの費用収益という関係です。こっちの方は勘定科目全体として対応関係を見ている、こういう違いだろうと思うのでございます。したがって、細かい所得、法人の計算をしておられれば大体ある程度それをモディファイすればたえられるのじゃないかと、こう思っております。したがって、これから国税庁がどういうふうに指導していくか、ここが一番問題になるのじゃないか。 しかし、いずれにしても法人で一番早い方がことしの九月でございますし、それからほとんどの法人は三月決算ですから、来年の五月が納税期になります。それから、個人の方は来年の三月末ということになりますので、まずは値決めをしっかりやっていただいて、それから計算の仕方、そういったものを逐次指導していくのじゃなかろうかなと、こんなふうに考えております。
○鈴木和美君 大臣にはいずれにしても大変なところでございますから、国税庁とよく指導していただきまして総体的な、一人かぶるようなことのないようにやっていただきたいと思うのですが、それでなくとも政治の、つまり欠陥を執行上に全部今移すような体制ですわ、財務にしてもですね、これは一円問題でもきょう取り上げようと思ったけど、一円問題きょうはやめますけれども、それにしても消費者との対応、業者との対応なども一挙にここへ来てやれなんというのはまことに準備不足であるというようなこともあるので、人の問題はしっかり考えていただきたいと思うのです。 さて、その次の問題は、これは主税局長にお尋ねしますが、税の中立性の問題でございます。本来私は、価格決定というのは自由競争のこういう世の中なんですから、余り政府とか政治が介入しないで、価格決定に当たっては独自にやっていくようなことをやっぱり逆に奨励すべきだと思うのですな。 ところが、本会議のときにも御質問申し上げましたように、これは公共料金と言われるような郵便料金にしても、電話料金にしても、もう無理無理三%でしょう。逆に東京都みたいなところは据え置きやろうと。これに対しても自治省がいろいろ難癖をつけるというような状況を見ますと、自由経済における価格設定に当たって、本来であれば三%は消費税であるから、つまり消費者からもらって納税義務があるんだよというけれども、そこのところに本来まあ企業努力とか、それから合理化とか、そういうものが行われて、自由競争の中で飲み込めるような体制があればなおいいわけですな。そういうことに関する税の中立性から見ても、今回は非常に政府のやり方がおかしいというように思うのですが、まず主税局長から見解を聞きたいです。
○政府委員(尾崎護君) 消費税三%を上乗せいたします。その根っこの本体価格の方は、先生ただいま御指摘のように、全く自由な競争でございまして、企業努力でございますとか合理化とかが正しく反映されていくべきであろうというように私も思います。 お尋ねにございました地方自治体のケースでございますけれども、実はこれ二つの面がございまして、一つは一般会計、それから、もう一つは企業会計の話でございますけれども、企業会計につきましては一般の企業と同じように、ただいま申しましたような根っことなる価格の設定について特別に下げ得る余地があればそれを下げていくということもそれはあり得る話だと思います。ただ、ちょっと違いますのは、今回税制改革法によりまして、地方自治体も国と同じような消費税の転嫁等につきましていろいろ基礎となる環境を整えていくようにという義務づけもございまして、それを一体どのように考えていくのかという問題があろうかと思います。 もう一つは、一般会計の話でございます。 実は一般会計は、これは売り上げと仕入れが同額であるというようにみなされておりまして、したがいまして課税にはなるのですが、納付税額は発生しません。納付税額が発生しないのに何で課税するのかといいますと、一般会計の中には、例えば廃棄物処理の手数料などがございます。これは民間の企業と競合している例があるわけでございます。民間の方は三%転嫁をしなくてはいけないのに、地方自治体でございますと転嫁をしないということになりますと、まさに先生御指摘の中立性の問題が出てくる。それから、そのほかに、それじゃ公営住宅と公団住宅はどうなのか、あるいは公務員住宅のようなものは、これは親方日の丸だからといって上げなくていいのか、そういう問題を中に控えているわけでございまして、したがって、そういうものについてもやはり納税は発生しないのですが、きちんと民間と合わせてこの際三%転嫁をしてほしい、こういう考え方でございまして、これは一般の民間のケースとやや違うかと思いますけれども、そのような考え方に立ちまして、国につきましても特別会計、その他政府関係機関、それから地方自治体につきましても転嫁をきちんとしてほしいというように私どもは考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 自治省おいでだと思うのですが、今の主税局長の答弁をいただきまして、なおかつ思うのです。本会議でも答弁がなされておりますが、東京都を初め各地方自治体でいろんな決議が行われている。また、実際に据え置きを決定した地方議会もあるわけですね。これに対して何か自治省としてはペナルティーということになるのか、もう少しじっくり中身を見ようという嫌がらせなのかよくわかりませんけれども、これに対してはどういうような対応をなさっているのか、この場できちっとお答えいただきたいのです。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 御案内のとおり、ただいま大蔵省の方から御答弁ありましたが、地方公共団体は税制改革法に基づきまして消費税を円滑に、そして適正に転嫁すべき事業者でありますとともに、このたびの税制改革の円滑な推進のための環境の整備に資する、そういう立場にございます。したがいまして、消費税の導入に合わしてその円滑な、そして適正な転嫁を図るべきものと考えております。 自治省におきましては、このような税制改革法の趣旨を踏まえまして、地方公共団体に対しまして適切な対応方を指導しているところでございまして、私どもといたしまして地方自治行政に対する介入であるということは考えておりません。東京都の例などを挙げられましたが、そういう地方公共団体の立場があるにもかかわりませず、一部の地方公共団体におきまして転嫁をしないなど、所要の措置を見送るところがありますことは、自治省として極めて遺憾でございます。もう既に昨年の十二月三十日に消費税法は公布施行されておりまして、いよいよこの四月から適用されます。民間事業者におきましてもいろいろと準備が進められているところでもございますので、地方公共団体は国と協力して税制改革が円滑に進むよう努めてほしい、このように考えているところでございます。
○鈴木和美君 もう一つ、東京の問題というのは、それは自治省としてはおかしいとお考えですか、それは地方自治体の問題であり自主性を尊重するというか、どちらの対応をとられるのですか。
○説明員(松本和雄君) お答えを申し上げます。 東京都のケースにつきましては、御案内のとおり一般会計等の使用料等につきましてはすべて四月一日からの転嫁を見送ることとしております。これにつきましては、先ほど申しました趣旨にかんがみまして極めて遺憾でございます。適切な対応を図られるよう引き続き努力をしてほしいという指導をいたしたところでございます。 なお、一部の公営企業の料金につきましては、内部努力を前提に料金を実質的に引き下げ、そして引き下げた後の料金に消費税を転嫁して、転嫁後も実質的に現在の料金よりも若干低い料金水準に抑えよう、こういうことをお考えのようでございますが、こういったことを仮にやります場合には、新たに恒常的な財源を捻出することによって対処すべきものと考えておりまして、安易な対応を図るべきものではない、そういうことは厳に慎むべきものであるというふうに考えております。 しかし、東京都のこれまでの説明では、一部に評価し得る点もございますけれども、必ずしもただいま申し上げましたような考え方に即したものとは判断しにくいものもございますので、東京都においても引き続き適切な対応を図るよう指導しているところでございます。
○鈴木和美君 私としては、今の問題は、やはり東京は東京でいろんなことを考えながら、恒常的なものまで考えながらやっていると思うのですが、ただそれが、そのところが政治絡みのような一方的なことでやるならこれは大変なことだと思うのですよ。だから、根本的に消費税問題を二つに分けて、地方自治体でそれだけ努力をしながらやっていけるところはやっていっていいのじゃないかというのですよ。 それから今度は、政治的にそんな嫌がらせをやるようなことは、これは本当にはっきりしていかなきゃいかぬことだと思うのですな。そのことを自治省には強く求めておきたいと思うのです。 それで、私一時間しかないものですから不公平税制とかいっぱい聞きただすことあったのですが、最後に公取の皆さんにちょっと向いておきたいと思うのです。 私の本会議の質問で、今まで巷間伝えられておったのとはちょっと答弁が前向きかなと思ったのですが、ここでもう一回はっきり聞きたいのですが、つまり免税業者であるということの表示をすることでさえ、これは不当景品表示法にひっかかるからよくない、それで消費者の選択を誤らせることになるから、その表示はよくないというようにずっと聞いておったのですが、きのう総理の答弁ではちょっと違ったように聞こえたのですが、ここの点を明らかにしてほしいと思うのです。
○説明員(山田昭雄君) お答えいたします。景品表示法は、虚偽、誇大な表示をいたしまして一般消費者が誤認される表示を禁止しておりますが、免税事業者が免税事業者である旨を表示いたしたといたしましても、それが事実である限り、それ自体は直ちに問題となるものではございません。しかし、その表示にあわせまして、根拠があいまいのままに価格が実際よりも安いと一般消費者に誤認されるような表示、このような表示の場合は景品表示法上問題になると、このように考えております。
○鈴木和美君 そうしますと、私の店は免税事業者でございますというだけの表示であるなら差し支えないというように理解してよろしゅうございますか。
○説明員(山田昭雄君) そのとおりでございます。
○鈴木和美君 それは今までの誤解がここではっきりしたことですから大変いいことだと思うのです。 さて、私あと五分しか残っていないものですから、お尋ねというよりは問題点の指摘だけをして質問にかえたいと思うのです。 今回の特別措置の法案は、どっちかというと二つですね。一つは土地絡みの問題ですね。土地絡みの問題については、どうも私が疑問に思うのは、農地保有であるとか公共事業とかいう場合の特別控除が、これが三千万から五千万になる、五百万から八百万になる、そういうことの割には、宅地供給で個人がそういうものをやった場合に今度差がつくということは片手落ちじゃないのかなというようなことを私は一つ感じます、土地問題に関しては。 それから今度は、もう一つの問題は登録免許税。これは逆に今度は一年間で廃止をするということですね。そんなに土地の高騰の転がしというような問題が終わっちゃったんだろうかというと、私はまだまだ土地の問題はそう気を許しちゃならぬことだと思うのですね。だから、この問題はなぜ廃止するのか理由がよくわからないのです。むしろもっと延期しておくべきじゃないかという私は意見でございます。 さて、その問題はその問題として一番大きい問題は、これいずれまた議論さしていただきたいと思うのですが、村山大臣が本会議でも述べられた、こういう状態の中で平成二年で赤字国債から脱却をするということになって、今までは赤字国債脱却のために中期展望であるとか仮定計算とかというものを国会に出して議論してきたわけですね。それがなくなるということになると、一体何を目標として国会は議論するのだろう。今までのように国債依存度も相変わらず、税金の依存度も相変わらず、そういう状態の中でまだまだ大変な、私は隠れ借金という言葉を使ってきましたが、財政再建ということから見ると大きな問題が私はここに存在しているのだと思うのです。その議論を早く大臣やらないと、後手後手に回ったのでは、国会の審議と国民経済の状況が、これからみんなでつくり上げようという意欲が薄らいでくる。だから、そういう意味では早く議論をするようなことにしていただきたいし、そういう法案、見解というか、提出していただきたいと思うのです。 こういうような問題をまとめて大臣から見解をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 今の御指摘の問題は、確かに大きな問題でございます。 平成二年度に赤字公債から脱却というかなり確実なめどがついてまいりました。単年度予算でございますので、まずはこれに力を入れるわけでございますが、その後の財政再建の目標をどういうふうにするか、何しろ一つはもう残高が百六十何兆とありまして、あの利払い費が一般会計の中で二割も占めているという国はどこにもないわけでございます。この問題が一つあります。 それから、いわゆる隠れ国債という問題がございまして、随分いろんなところに繰り入れなくちゃならぬものを繰り延べておるわけでございます。これもいろいろ問題がございますが、それぞれによりまして緊急を要するものは、やはり財政再建、赤字国債脱却後速やかに繰り入れるということは必要であろうと思います。 それから、もう一つ大きな問題は、今まで定率繰り入れば幸いにNTTの株がありましてその売却益でやってきたわけでございます。これが二兆六千億ぐらいことしでありますとあるわけでございます。これがやがてNTTの株を売り尽くすわけでございます。そういたしますとこの財源手当てはどうするのか、こういう問題があります。 それから、全部通じまして、やはり今後といえども財政支出というものは効率的でなければならぬ。やはり国民の負担につながる問題でございますから、少し収支の関係がよくなったといってもできる限り効率的にし、そして租税負担ひいては国民負担を上げないということはもう当然なことであろうと思います。そのことがまた日本の景気全体につながっていくに間違いない。こういうことを考えますと、それらの問題を全部含めまして財政再建のめどを具体的にどういうふうにするか、これは非常に大きな問題だと考えております。 したがいまして、我々としては今国会における先生方の御意見も十分参考にしながら、そして財政審議会の方に検討していただこうと、もう既に検討をお願いすることにしておるところでございます。ただ、余り拙速でやらないで、この目標というものを、我々は今後相当長く使っていけるようにしっかりした目標を設定してもらいたい、こういうことで、約一年ぐらいかけましてやっていただきたいなと、こう思っておるのでございます。
○和田教美君 私は昨日の本会議で、あと四日後に迫りました消費税の四月実施の問題について質問をいたしました。そのときに申し上げたことですけれども、大体、世論調査などを見ますと、国民の四人に三人が消費税の四月実施に反対だということになっております。その理由はいろいろあろうと思いますけれども、一つは消費税制そのものが、逆進性の問題その他を取り上げても、非常に弱い者いじめというふうな側面を持っているというふうなこと。そういう内容の問題があるのと、さっきも志苫委員が指摘されましたけれども、とにかく非常にわかりにくい、仕組みが複雑でその割にあいまいでいいかげんなところがある、そういうふうな問題が重複をしてこれだけの反対が出ているのだろうと思うのです。そこで、このまま強行すれば大混乱に陥ることは間違いないから、この際もう消費税を撤回しろということを要求したのですけれども、政府の方は、竹下総理大臣を初め消費税は予定どおり四月一日から実施しますということでございました。 しかし、税制というのは基本的にはやはり国民の合意、国民の支持がなければ長続きしないと私は思うのです。消費税制のように、これは広く薄くとにかく網をかぶせるわけですから、ほとんど国民全部に関係がある税制でございます。それだけに一層そういうととが言えるのではないかというふうに思うのです。ところが、きょうの朝日新聞に出ておりました世論調査によると、消費税に対する不満は四人に三人どころか、八二%が不満だというような数字が出ております。それから、三月十二日付の日経の世論調査ですけれども、消費税導入について予定どおり四月実施に賛成というのがわずかに一二%、それから消費税は実施すべきでないというのが五七%、それに延期論その他を含めますと八〇%以上がやはり消費税の四月実施に反対だという数字が出ておるわけで、これはもう国民の圧倒的多数が反対をしているということは明らかなんです。 ところが、どうも大蔵大臣の先ほどからの答弁を聞いておりますと、内閣の支持率が急落したのもリクルートが中心であって、消費税は多少影響があるだろうけれどもというようなニュアンスの受けとめ方をしておられるように思うのです。 そこで大蔵大臣に聞きたいのですが、一体この消費税に対する今の国民の圧倒的な反対というものは一過性の、つまり摩擦熱のようなものとお考えなのか、いずれ鎮静すると、熱が下がるというふうにお考えなのか、その点どうでございますか。
○国務大臣(村山達雄君) 先ほども申しまして繰り返しになりますが、やはり今度の消費税というものが税制改革の一環として行われているということがほとんど理解されていない。ということは、世論調査のとり方、今度の税制改正について所得税、住民税の減税、特に税率の引き下げ、控除の引き上げ、こういうことがわかっておりますかということに対してはほとんどがわかっていない。ですから、消費税だけを単独に取り上げているのではなかろうか。それからまたもう一つ、間接税が八つなくなりまして、八つのものを一部吸収するわけです。これもほとんど周知度がない。そうすると税収計算からいいまして、所得税、住民税の方のグロスの減税が三兆三千億になっております。それから、消費税の方のネットの増収が二兆円になっておるわけです。ここの関係が全然わからぬわけです。ですから、恐らく消費税の方はネット増収が二兆だという感覚ではなくて、五兆四千億の感覚ではなかろうか、そこなんでございます。既に所得税、住民税の方の減税の法案はもう一括法案で通ったわけでございます。したがって、それも去年やっておりますから、後はもう消費税というものは税制改革の一環としてはとらえないで、消費税というものだけが切り離して実施される、それは反対だと。周知度から見ますとどうしてもそういう認識に立っておられる、これは反対でなかったらむしろ私は不思議だと思うのでございます。 ですから、我々としては今度の税制改革の一環として行われ、そして今度の税制改正というものは、やはりこれからの高齢化あるいは国際化を目指したもので、日本の経済社会の活力を失わないためにやるものであること、それから同時に、ネット減税が平年度で二兆六千億でございます、そして家計負担は間接税の改組と、それから所得税、住民税の減税で差し引きそれぞれの所得階層でこれぐらい取り分が余計になります、こういうことをよく説明しないとあのようなやはり反対の声が出るのは、私は当然だと思っているのでございまして、非常に残念に思っておるわけでございます。 これから、おくればせではありますけれども、全力を挙げて一般の国民の方に周知徹底をさしていきたい、このように考えております。
○和田教美君 きょうの新聞に載っておりましたけれども、大蔵大臣はきのうの記者会見で、消費税の「導入後の状況によっては消費税のあり方を見直す考えがあることを明らかにした。」という記事が出ております。これは読売ですがね。 さっきの答弁を聞いておりますと、そう急な話ではなくて、消費税が実際に定着をして、その状況をよく見た上で考えていくということのようですけれども、しかし、政府・自民党の中にはもっと早くやれという意見も大分出てきておりますね、安倍自民党幹事長は、「不都合があれば早い時期に見直す」べきだというふうなことを言っているし、金丸元副総理も「国民が塗炭の苦しみを味わうならば、先頭に立ってボツにする」というようなことを言っているそうです。 要するに、とにかくスタートしたらそれですぐことしじゅうにも見直しをやるというふうな考え方がぽつぽつ出ているわけですけれども、大蔵大臣は時期的にはその見直しというのはどうお考えなのですか。
○国務大臣(村山達雄君) 税制改革法の十七条の第三項に見直し規定が入ったわけでございます。これは与野党が協議の結果入れられたものでございます。おっしゃるように見直し規定が入っております。新税でございますから、やはり定着というのにはある期間が要るだろうというのはわかるわけでございます。我々としては与野党の協議の結果入れられたあの見直し規定の趣旨を尊重してまいりました。そして、それを見定めた上でどうするかということを考えていくのが一番あの規定の趣旨に忠実ではないかと思っております。 幹事長がいろいろ言われ、我が党のいろんな方がいろいろ言われること、これは我が党は自由民主党でございますから、いろんな人がいろんなことを言うわけでございます。これもひとつ参考にさしていただきたいと思っております。
○和田教美君 それでは具体的な問題点について質問をいたします。 まず消費税の転嫁の問題であります。政府は、消費税の円滑な実施のためにはまず転嫁が前提になるということで、世界的にも余り例のない価格カルテル、表示カルテルで独禁法の適用除外としてこれを認めたり、実質的には業者が値上げしなくてもやれると言っているのに、値上げしなさい値上げしなさい、転嫁しなさい転嫁しなさいと一生懸命奨励しているというふうな無理なことをやっておる、こう思うのですね。しかし、基本的に税額をどのような形で転嫁するかという問題は、まさに事業者そのものが決めることであって、政府が音頭をとっていろいろくちばしを入れるという問題ではないというふうに私は思うのです。 なるほど、親企業が下請企業に対して、下請企業の方が一応免税業者の場合に三%を転嫁するけれども、その分を全部親企業が吸収してしまって、つまり値下げを強要するとか、そういうふうなことがあれば通産省がいろいろと下請法などの趣旨に沿って指導するというのならこれはわからぬことはないわけでございますけれども、現在の政府の姿勢は、とにかく上げろ上げろ、転嫁しろ転嫁しろの一点張りじゃないかというふうに私は思うのです。本音はそうじゃないかと思うのですけれども、一体その点について基本的にどういう統一的な見解になっておるのかお聞きしたいのです。
○政府委員(尾崎護君) 消費税はその名のとおり消費税でございまして、消費に課税することを目的としているわけでございます。 したがいまして、納税義務者でございます事業者に自分で負担をするということを前提とした税制というように理解をされますと、それは企業課税になってしまうわけでございますから、やはり原則はきちんと転嫁をして消費者に負担をしていただく。納税義務者は事業者でございますが、税の負担者は消費者であるという形で、消費課税のいわば税体系におけるウエートを上げまして所得課税への偏りを直していこう、そういうことが目的でございますので、したがいまして、転嫁を原則としているわけでございます。
○和田教美君 もう一つの問題は、どうも政府の指導を見ておりますと、今納税義務者である事業者のことばっかりを考えて、肝心の、つまり実質的にその税金を負担する消費者の立場というものは完全に無視されているのではないかというふうに私は思う。その点はきのうも本会議の質問で私は言ったのですけれども、そういうことが消費者の反発を余計買っている一つの理由ではないかというふうに思うのですね。 そういう点について問題があると同時に、何といっても実施期間、法律が成立してそして三カ月後に早くも実施というふうなことは余りにも拙速であるということはもう否めないと思いますね。ヨーロッパの例を見ましても、例えばイギリスなんかでは八カ月か九カ月ぐらい法律成立から実施までかけていると思いますね。各国の例を見ても、三カ月間で実施を強行するというようなことはほとんど例がない。しかも、この三カ月の間には所得税の確定申告の時期を挟んでいるわけですね。ですから、税務署の担当者、それから各会社の税務の担当者、あるいは税理士なども、三月の十五日まではもうとにかく確定申告に追いまくられて細かいことまでなかなか消費税の勉強はできないというふうな事態があったのじゃないかと思うのですね。だから、実質的には十五日しか勉強する期間がないというようなことにもなるわけで、そういうむちゃくちゃなやり方をなぜ強行するのかという問題と、各国の例ですね、大体法律が成立してから実際に実施するまでどのくらいの期間を置いておるのか、特にヨーロッパそれからアジアですね、韓国なんかの例も含めて一体どういうことになっているのか、そのことをひとつ御報告願いたい。
○政府委員(尾崎護君) ヨーロッパの例から申し上げますと、フランスの場合はこれは旧法、新法と実は二回ございまして、同じ付加価値税でございますが、制度を若干途中で変えました。旧法導入の場合には成立日から導入日までの間が約三カ月でございました。新法を導入いたしましたのがこれは約二年時間をかけました。それから西ドイツ、これは成立から導入まで七カ月でございます。イギリスが御指摘のとおり八カ月でございます。イタリアが二カ月でございます。アジアにまいりまして、韓国は六カ月でございます。台湾は五カ月でございます。 それから、確定申告等がこの三カ月という短い期間に挟まっていて十分準備をする暇がなかったのではないかという御指摘でございますが、確かに四月の一日から消費税制度スタートいたしますが、今の税理士の方などが直接関係いたします申告納税義務、それは御承知のとおり弾力的運用ということで一番早い申告納税が九月末ということになっております。したがいまして、とりあえずは転嫁の問題について全力を注いでいただきまして、申告納税についてのいろいろ、例えば簡易課税を選択するとかその他の問題については、九月末まで時間をかけて御検討いただいてお決めいただくということになっておりますので、そういう意味での余裕期間がまだ一番短いもので六カ月あるということでございます。
○和田教美君 そういう見方が私は業者サイドのことばかりを考えている見方だというふうに言う理由なんですね。消費税というのは、実際には確かにあなたのおっしゃるように半年間の弾力的運用期間があるにしても、消費者の立場から見れば四月一日から払わなきゃいかぬわけですね。そうすると、現実に例えばスーパーだとかそういうところに行って、レジがいろいろ渋滞をして混乱して迷惑を受けるとか、そういういろんな問題が出てくる。実際に税の取り立てばもう四月一日から始まるわけですね。ですから、そういう点ではそんなに余裕があるということは言えないというふうに思うのです。 それはともかくとして、もう一つ、消費者無視だというふうに考えられるのは、政府はなるべく三%の完全な適正な転嫁ということを言っておりますけれども、一方で、個々の品物、これを正確に三%ずつ上げる必要はない、こういうことも言っているわけですね。すなわち個別の商品ごとに三%の値上げをする個別転嫁ではなく、売上額全体の三%の値上げである一括転嫁、これを認めておるということですね。これでは消費者にとってこの品物が一体どのくらい消費税分が含まれておるのかよくわからないわけですね。スーパーなんかでも非常によく売れる売れ筋の品物について五%ぐらい転嫁する、売れないものは余り上げないというふうなことで、しかもそれが必ずしも余り表示をしていないというケースがあるわけだから、消費者個人にとってはその辺のところもはっきりつかめないということになると思うので、私は消費者に税抜き価格と税額をはっきりするか、あるいは税込み価格と税額をはっきりするか、いずれにしても消費者にその品物の税金を幾ら払っているかということを明確にするように統一すべきではないかというふうに思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 今先生が例に挙げられましたスーパーなどの場合は、実は税抜き価格で値札が張られておりまして、それを奥様方がお買いになってかごに入れて持ってきたものを最後にレジで計算して総額に三%をかけるということをするように聞いておりますので、そうしますと一番税金が見えやすい形になるわけでございます。では、すべてそうしたらいいじゃないかということになるわけでございますが、これは実はその業種、業態によりましてなかなかそうはいかないという事業の方々もおられまして、どうしてもそこは税込みの価格でやっていかざるを得ない。例えば生鮮食料品のように日々値段が変わっているというようなものもございますし、いろいろな例がございまして、やはりその業種、業態に応じてそこは選んでいただこうということにしたわけでございます。 それから、個別に三%の計算をすべきではなかったかということでございますが、消費税の法律的な仕組みは、御承知のようにその課税期間一年間を通じましての総体の売り上げを課税標準として税額を計算する、また総体の仕入れを用いて仕入れ控除を計算するということになっているわけでございます。しかしながら先生御指摘のように、やっぱり本当は一品ごとに三%をきちっと上げるという形が理想であろうかと思うのでございますが、それもやはり取引慣行でございますとか、あるいは端数の処理でございますとか、いろんなところでなかなかそのとおり現実にはまいらない面があろうかと思います。しかし、その企業総体といたしまして三%におさまるような処理をしていくということであれば、適正な転嫁であろうというように考えているところでございます。
○和田教美君 これに関連して、たばこ産業のたばこですね、これは内税方式ですね、外税方式ではありませんね。しかも税額は幾らですということを表示しないのですね。最近まで政府の管轄下にあって、今でもあるのだろうと思う、まだ株も持っているのだから。それがどうしてそういうあいまいなことをやるのですか。これは質問通告にないけれども、大蔵省答えてください。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のとおりたばこそれからお酒も内税方式をとるように聞いておりますが、もともとたばこ、酒はたばこ税、酒税という非常に大きな税を負担しているというものでございまして、それを従来内税、最近消費税と違ってたばこ税、酒税について内税ということを言わないのかもしれませんが、そういう税金をしょった形で取引慣行ができていたということであろうかと思います。したがいまして、その業界でそういう選択をなさったんだろうと存じます。
○和田教美君 公正取引委員会にお尋ねします。 公正取引委員会は便乗値上げについて厳しく監視の目を光らせるというようなことを言っておられるわけですけれども、今私が言ったような例ですね、ブランド力のある商品は三%以上値上げしても、その税額が明示されていない限りは便乗値上げであるかどうかということを本当に取り締まることができるかどうか。あるいはまた、便乗値上げではないという解釈をとられるのか、その辺のところですね、たとえ個別の商品について五%、一〇%上げておってもそれは便乗値上げではないのだという見解をとられるのか、その辺のところを明確な解釈を示してもらいたいと思います。
○説明員(高橋祥次君) お答えいたします。 独占禁止法ではいわゆるカルテルというものを禁止いたしておるわけでございます。今回の消費税の転嫁に関しましては、消費税を上回る値上げ、これをカルテルとして行う場合、これは便乗値上げとして厳正に取り締まりをしたい、このように考えております。
○和田教美君 そうすると僕の言った場合には便乗値上げではないのですか。
○説明員(高橋祥次君) 三%を上回って、同じ業界でもって話し合いをして、例えば五%の価格上昇を図るというような場合につきましては、これは一斉に五%カルテルでもって価格上昇を図るというわけでございますから、それは便乗値上げに当たるというように考えます。
○和田教美君 どうも僕の質問に答えてくれないのですね。要するに個々の商品が五%、一〇%上がって、三%明らかに上回っている場合は便乗値上げではないかと言っているのに、カルテルについてしか公取は権限がないのだと言っているわけです。 大蔵省、この点どうですか、それは便乗値上げですか。
○説明員(井坂武彦君) お答えいたします。 一般に個々の商品、サービスの価格は各事業者ごとに需給の動向でありますとか、その他採算性、その他いろいろなことを総合的に勘案して自由競争のもとで決定されるものでございまして、例えば先ほど主税局長から御答弁がございましたように、生鮮食料品のように天候いかんによって大きく価格が変動するものがあるというようなことをその際いろいろ考えなければいけない。さらにはまた、御質問のように、例えば一番典型的な例といたしましては、鉄道運賃のように事業全体としては三%の範囲内におさまっているけれども、端数処理の関係で一つ一つを見ると必ずしも三%におさまっていないというふうなそういう技術的な問題もありますので、便乗値上げの定義というのを一義的に申し上げるのは非常に困難なわけでございますが、しかし、そういう困難な事情を勘案した上で、私どもとしては次のような二つぐらいの目安で考えるべきじゃないかというふうにかねてから申し上げているところでございます。 その一つは、ほかに確たる理由がないにもかかわらず、消費税を理由にして三%を超えるような値上げがあった場合には便乗値上げであるという可能性があるというのが一つでございます。 もう一つは、物品税等既存の間接税が廃止されまして税負担が軽減されますけれども、それが価格に適正に反映されないというような場合にも便乗値上げである可能性がある。こういった二つを目安にしながら便乗値上げの調査、監視というのを行うということにいたしております。
○和田教美君 さらに消費者無視ということは、例えば税抜き価格と税額の表示方式と、税込み価格と税額の表示方式の両方を店頭表示として認めているということにあると思うのですね。その結果、大型店舗のようなところでは税抜き価格と税込み価格の両方が存在するということになって、消費者は戸惑ってしまう。例えばA店は税込み価格、B店は税抜き価格で表示しているという場合に、消費者は同じ品物であってもどっちが本当に安いのか高いのか一々計算機を持ち出して計算しなければわからないということになるわけですね。これでは全く消費者無視ではないかと思うのですけれども、これも経済企画庁ですか、お答え願います。公取ですか。
○説明員(山田昭雄君) お答えいたします。 私ども所管しております景品表示法の観点から申しますと、消費税の実施後に事業者が販売価格を表示する際に、消費税抜きの価格であるか、あるいは消費税込みの価格であるか、これを明瞭に表示しておりますならば、その販売価格につきまして一般消費者が誤認されるおそれはない、このように考えているわけでございます。 私どもといたしましては、消費税の実施後に事業者が価格表示をする際の参考といたしまして、景品表示法上問題となるおそれのない価格表示のガイドラインを示しましてこれを周知しておるところでございます。
○和田教美君 僕の言っているのはそういうことを言っているわけではなくて、とにかく消費者にとっては非常に迷惑じゃないか。税込み価格でございますとか税抜き価格でございますと表示しておった場合に、二つの店を比べて、主婦の方々はなかなか何というのかな、そういうこと、細かいですから、比べるのに比べようがないじゃないですか。そうすると、計算機でこうばちばちやらなきゃいかぬ、そういうことにならないかと。非常に不親切じゃないかということを言っているわけなんですが、その点どうですか。
○説明員(山田昭雄君) お答えいたします。 その点につきましては、先ほど主税局長御答弁になりましたが、事業者が販売価格につきましてどのような表示をするかということにつきましては、販売の態様でありますとか取引商品等によりましてさまざまでございますので、私ども公正取引委員会としましては、先ほど申しましたように景品表示法上問題となるおそれがある表示の例というものを示しておるところでございます。
○和田教美君 政府の答弁聞きたいですね。公取はもう自分の枠ばっかり守ってさっぱりわからないです。
○政府委員(尾崎護君) 表示の方法を一つにそろえるという方がそれは確かにわかりやすいだろうとは思います。価格と税額との関係を一つのやり方に決めた方が、消費者としてはわかりやすいだろうというように思います。しかしながら、この新しい税制を導入するに当たりまして、表示につきましていろいろ議論がございました。外税方式と言われますもので統一したらどうかというような意見も税制調査会の中でございました。しかし、現実にはその取引態様、それから慣行、業種、業態によりまして、それぞれどちらの方が取引がやりやすいかということにつきまして意見が分かれまして、それを一つに決めることができませんでした。そして、それをそれぞれの実態に応じてやっていこう。しかしながら、税制改革法の中では、できるだけもしその必要があれば税額がわかるようにしてほしいという規定まで置いたわけでございますけれども、その結果として、確かに表示の方法は一つにそろっておりません。 しかしながら、かなり主要なところ、特に表示のカルテルがとられているところでは、伺いますところによりますと、外税方式が圧倒的のようでございまして、取引全体といたしましては大体外税方式、税金が見える形になるのではないか。それから、どうしてもそういう方式によりがたいところは、確かに内税のところもあろうかと思います。その外税方式を示しますときに、税抜き価格プラス税金というやり方もありましょうし、総体の価格、それからうち、税金幾らというやり方もあると思いますけれども、それはその表示をごらんいただきますと、消費者の方も御判断できる話ではないか。それではわからないということでもないのだろうというように思います。
○和田教美君 その議論ばっかりやっているわけにもいきませんから次に進みますけれども、物品税が廃止になって値下がりするものも確かにあるわけです。しかし、私は本会議でも言いましたけれども、大体とにかく高級品が多いですね。宝石とか貴金属、毛皮、高額な外食、鉄道のグリーン料金というようなものを挙げても。ところが、こういう高級品と余り縁のない低所得層、生活保護世帯、母子家庭、身障者などにとっては、ほとんどの日常生活必需品に消費税がかかるということで、一層生活が圧迫される。これがいわゆる逆進性の問題なんですけれども、その際一例として挙げたのですが、身体障害者の方には二千cc以下の小型乗用車にはこれまで物品税の特例措置で物品税が免除されておった。ところが、物品税が廃止になっちゃったために、この特典がなくなって、そして消費税、しかもこれは税率は倍ですね普通の。六%。これがもろにかかってくるということになりますね。総理は、弱い立場の人たちにはいろんな方法で、つまり歳出面の配慮などでこれを配慮するということを言っておりますけれども、身体障害者の場合に、こういう小型乗用車を買うのはぜいたくだというふうな判断もあるかもしれないけれども、身体障害者の場合にはこれはやっぱり必需品だと私は思うので、その点は全く考えなくていいのかどうか。その辺のところをどうお考えなのか、見解をお聞かせ願いたい。これは本会議の答弁がなかったものですからお聞きするわけです。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、物品税の場合には、身体障害者の方などがお買いになります特定の課税物品について免税措置がございました。これは、考え方といたしまして、物品税が奢侈品でございますとか、趣味、娯楽用品でございますとか、そういう特定の物品の消費に示される担税力、そこに着目して課税をするというものでございましたから、それと裏腹になるわけでございますけれども、そういう身体障害者のような方が、一定の用途のために購入する物品というのは、決して奢侈的な利用とか、それから趣味、娯楽的な利用とかいうことでございません。これは生きていくために必要だという話でございますので、それは課税の趣旨と違うということで、特別に免税措置をとったわけでございます。それは考え方の問題でございます。 で、消費税の方は、特定の物品やサービスに着目しております現行の個別間接税と異なりまして、消費一般、それを原則的に課税対象としているわけでございまして、物品であれ、サービスであれ、消費そのものに薄く広く公平に負担を求めようというものでございますから、何に使用されるかという、その用途による免除措置にはなじまないものでございます。 しかし、消費税がそういう特別の措置になじまないということと、それから、やはり特別に配慮をしなくてはならない方に対しては配慮をしなくてはいけないということとは別のものでございますから、そういう特別の配慮についての配慮の手段として消費税はなじまないものであるといたしましても、例えば歳出面でございますとか、例えば所得税における配慮でございますとか、いろいろな形で配慮をしていくべき問題であろうというように考えております。
○和田教美君 問題だろうなんてのんびりしたことを言っていたら、もう四月一日から実施は始まるのです。自民党の関係者の方に聞きますと、今そういう乗用車を買う場合の利子が非常に高いですね。それを何か安くする一つのブール、基金みたいなものをつくって、それで差し引き大体パーにするというふうなこともお考えになっているというふうな話を聞いたのですけれども、政府はこの問題について全く何も考えないのですか、その救済措置というものを。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいまの件につきまして、歳出面のことにつきまして概略御説明をさしていただきたいと思いますが、御指摘のような消費税導入の状況も踏まえまして、今度の元年度予算の中で、自動車につきましては障害者社会参加促進事業のメニューということで実施をしております自動車改造助成事業、これがございますので、これの増額、充実というものを図っておりますほか、融資に関連いたしますと、世帯更生資金貸付制度というものの中身を拡大いたしまして、身体障害者が日常生活、社会参加などのために運転をされます自動車を購入されます場合に、この世帯更生資金、この貸付制度による低利貸し付けの対象とするというような措置は講じたところでございます。
○和田教美君 それで、結局六%分の消費税はカバーできるのですか。
○政府委員(篠沢恭助君) 率といたしましては、そのような直接的な六%分をカバーいたしますというような形にはなってないわけでございます。一般的に世帯更生資金の貸付制度で低利で自動車を購入していただこう、こういう形にした次第でございます。
○和田教美君 答弁になってないですよ。とにかく低利で安く買ってもらおうというのでしょう。幾ら安くなるのかわからなくて、そんなもの論評のしようがないじゃないですか。大体どのぐらい安くなるのですか、その低利で。自動車の販売店の高い利子と比べて。二千ccでいいんですよ。そんな作文ばっかりやってたってだめだよ。
○政府委員(篠沢恭助君) 直接のお尋ねを伺っておりませんでしたものですから、今その伺っての計算をしておりませんので、至急調査をいたしまして後ほど回答させていただきます。
○和田教美君 後で提出してください。 政府がなるべく転嫁、転嫁というふうに大騒ぎをしていることについてですが、東京都の水道料金など公共料金、これの事実上の据え置きといいますか、消費税の事実上の転嫁見送りというふうな問題についても、このことが非常に如実にあらわれているというふうに私は思うのですね。そして、私も本会議でも取り上げたように、自治体の転嫁見送りの判断はどんどん拡大しているというのが現状だと思うのです。きのうの自治大臣の答弁では、全体としては転嫁は適正に行われておるような口ぶりの答弁がございましたけれども、これはうそじゃないかと思うのですね。NHKの調査によると、四十七都道府県のうちで完全転嫁実施は十六ですね。そして一部転嫁も含めて、あるいは転嫁見送りというものも含めて大体三十一という数字になっておるようでございます。 大体自治体が、特にさっきもちょっと答弁ございましたけれども、水道料金などについて自分の内部で、企業努力によって、吸収をしてそして消費税分を上乗せしても値上げにならないというふうなことをとるのはむしろ望ましいことであって、そして、これは全く自治体の範囲内の権限の問題であって、自治省はさっき非常に遺憾だとかなんとかということを盛んに強調されておりましたけれども、全く間違いだと私は思いますね。手数料の問題についても同じだと、基本的には。あくまで地方自治権の範囲内の問題である、それをああだこうだと政府が口出しするのは余計なことであるというふうに思うのですけれども、自治権侵害であるというふうに思うのだけれども、その点についての自治省の見解をお聞きしたい。 それから実際の転嫁の実情ですね、どうもきのうの自治大臣の答弁は非常に抽象的で、何となくうまくやれていくような答弁でございましたけれども、そうじゃないと思うので、その二つをお答え願いたい。
○説明員(松本和雄君) お答えをいたします。 まず、地方公共団体は、先ほど申しましたように事業者として、そしてまた今次の税制改革の円滑な推進のための環境整備に資する、そういう責務を有する者としまして、消費税の導入に合わせまして円滑かつ適正な転嫁を図るべきものであるというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、その旨を指導しているところでございまして、自治権の侵害とは毛頭考えておりません。 御案内のとおり、適正な転嫁を行わない場合には、住民生活に不可欠であります上下水道等のサービスの安定的供給に支障を生ずることにもなりますし、また仮に消費税を住民税等によって肩がわりするといたしますと、本来利用者に転嫁すべき消費税を住民全体に転嫁するといった不都合が生じまして、結果的には住民間に不公平が生ずることになる等、極めて不適切であると考えております。 いわゆる内部努力、企業努力というものは、本来消費税の導入のいかんとは関係のない別次元の問題でありまして、地方団体たるもの絶えず心がけ、努力すべきものであるし、また現に努力しているものと考えております。したがいまして、こういった転嫁につきまして内部努力等に名をかりて安易な対応を図るということは、地方団体として厳に戒むべきものであるというふうに存じております。 なお、地方公共団体におきます転嫁の動向でございます。 御案内のとおり、現在議会中のところもまだ多くございます。各団体の動向を統一して正確に把握することは極めて困難でございますが、参考までに二月末現在で、二月末現在をなぜとるかというと、議会に提出する、当事者の方の意思決定をして議会におおむね提案を申し上げている、こういう時点で調査を申し上げますと、公営企業会計の場合にはほぼ転嫁について適切な対応が図られつつございまして、ちなみに都道府県の代表的な例といたしまして水道事業、工業用水道事業について現在私どもが承知しております限りで申しますと、上水道事業につきましては、経営をしております都道府県二十六団体中二十三団体、工業用水道事業については四十団体中三十九団体がというように、ほとんどの団体が消費税の導入に合わせて転嫁のための料金改定を行うべく提案をいたしております。 一方、普通会計ベースでございますが、四十七都道府県中四十一の団体が四月一日からの使用料等の改定により消費税分の転嫁を行うこととして議会にお諮りをしております。ただし、このうち十五の団体につきましては、一部の使用料等につきまして実施時期が四月以降となる、こういう案になっている、このように承知しております。
○和田教美君 その後、各種のマスコミがいろいろ調査していますね。あれと甚だしく違いますね、今の自治省の統計のとり方は。どうお考えですか、どっちが間違っているのですか。まああなたの方が間違っているとは言わないでしょうけれども。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 マスコミ等でいろいろな報道がありますことは一部承知をいたしております。何分にも人様が行われた調査でございまして、どういうスタンスでどのようなクエスチョネアをもちまして御照会になっておまとめになったのか把握いたしかねますので、正確に分析して評価することはお許しいただきたいと思いますが、私どもは都道府県に直接確認をいたしまして承知しているところを申し上げたつもりでございます。
○和田教美君 それからもう一つ自治省に聞きたいのですけれども、三月二十三日に大阪の府議会は消費税の廃止を求める意見書というのを採択しました。都道府県レベルでの消費税の廃止を求める意見書が採択されたのはこれが初めて。その後、横浜、大阪など市町村レベルでも同様の意見書が採択されている。さらに、最近のこれは朝日新聞の報道ですけれども、消費税の廃止、見直し、延期、凍結を求める意見書を可決した地方議会は全部で七十五議会に達しておる、これからさらに二十以上の地方議会が同様の意見書を可決する見通したという記事が出ております。どんどんどんどん議会にも広がっているということですね。ですから、いかにこの消費税というものが地方住民の、とにかくこういう一番身近に受けておる地方議会にぴんぴんはね返ってきているかということの証拠だと思うのですね。それで遺憾だ、遺憾だと自治省は上から押さえつけようとしても、こんな状況で地方自治体の、つまり転嫁反対という動きがおさまるというふうなことは考えられないと思うのですが、要するに議会の動きというものについて、これもまことにけしからぬということですか、その点どうお考えですか。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 地方議会におきます具体的な意見書採択の動向等については、正確には把握しておりませんが、御指摘のような意見書の採択があったことにつきましてはマスコミを通じて承知しておりますし、事実として受けとめております。 私ども地方公共団体の場合は、国と力を合わせて今次の税制改革の円滑な推進のために環境整備に資すべき立場に立つものでございます。また、みずからも事業者として、消費税の納税義務者となり、また消費税の基本的性格にかんがみまして、これを最終的な消費者の方々に転嫁をさしていただく、こういう立場に立つものでございます。したがいまして、これらを行うに当たりましては、できるだけの努力をもちまして住民の方々に今次の税制改革の内容、消費税の性格等について十分御理解をいただいた上で対応することが必要ですし、まずもって、その前提としてみずからそういう理解を深める必要があろうかと考えております。この旨文書を通じて、あるいは会議の開催等を通じて懸命に周知を図っているところでございますが、いろいろな例も見受けられます。この上とも今次税制改革の趣旨ですとか、消費税の基本的性格等について理解を深めるべく一層の努力を重ねる必要があると考えております。
○和田教美君 次に、日本道路公団。去る三日、一般有料道路のうち第三京浜、志賀草津道路など料金改定について、地元議会の議決が必要な道路、十五道路は通行料の消費税転嫁時期が四月一日以降にずれ込むということを明らかにしました。これは、議会の賛否の見通しが立たないことが主な原因のようであります。ところが、今さっきも言いましたように、地方議会で反対の空気がどんどん広まっておるというふうな状況から見て、地方議会の議決が必要な有料道路などの場合、そう簡単に議会の承認が得られると思えないわけですね。とすれば、ある程度の長期間にわたって通行料への転嫁ができない。同じ有料道路の通行料でも、一方では課税され、他方では課税されないものが出てくるというふうなアンバランスが生ずるのではないかというふうに思われるわけですが、この辺のところは、政府も調整の方法が簡単にはないだろうと思うのですが、この点はどう考えるんですか。仮に、そういう道路が、要するに転嫁されない道路があっても通行税の消費税はいただくということですか。
○説明員(松延正義君) 日本道路公団が管理します一般有料道路の料金につきましても消費税が課せられますことから、消費税転嫁のための料金改定手続を現在進めておりまして、四月中に大部分の道路につきまして改定を実施する予定でございます。 しかしながら、一般有料道路のうち地方公共団体が道路管理者であるものの料金を改定します際には、あらかじめ道路管理者の同意が必要でございまして、この際は議会の議決を必要としております。 御指摘の第三京浜道路につきましては、一部関係地方公共団体の議会におきまして消費税転嫁の議案が継続審議となったため、料金改定が延期されることとなりましたが、消費税法の趣旨にかんがみまして、できるだけ早い機会に円滑かつ適正な消費税の転嫁の措置がとられるものと考えております。
○和田教美君 先ほどからの自治省の答弁を聞いておりますと、どうも四月一日から転嫁を実施しないのは税制改革の趣旨に反するばかりか、法律違反だという考え方がどうも自治省にはあるのではないかというふうに思われるわけですね。この間、衆議院で、自治省の財政局長が、転嫁しない自治体に対する制裁措置について、制裁の規定はあるのだというふうなことを答弁をしておりましたけれども、そういう考え方に基づくのだろうと思う。自治体への制裁は制度としてはあるということを言っておるわけですね。それは具体的にどういうことなのか。 確かに税制改革法も衆議院の修正などで転嫁義務を明確にしておるということはあると思うのですけれども、しかし、税制改革法は、これはあくまで理念法であって、それによって実質的な拘束力を持つものではないというふうに思うのです。 それから、これは大蔵省にお聞きしたいのだけれども、円滑かつ適正な転嫁ということを皆さん繰り返して述べられる、円滑かつ適正ですね。円滑かつ適正ということは、必ずしも完全転嫁を意味するのではないと私は思うのです。円滑、適正ですからね。しかも円滑にやらなきゃいかぬわけですから。完全転嫁つまり三%の税額丸々とにかく上げるというふうなことを意味するのではないというふうに思うのですが、円滑かつ適正な転嫁という概念はわかったようで非常にあいまいな概念ですね。これは具体的にどういうことなのか、御説明を願いたいわけです。
○説明員(松本和雄君) お答えを申し上げます。 まず、私どもといたしましては、繰り返しになって恐縮でございますが、地方団体の場合事業者として、そして新税制の円滑な推進に資するための環境の整備に配慮すべき者として、消費税の円滑かつ適正な転嫁を行うことは当然であると考えております。今後ともそのような考え方に基づきまして、粘り強く指導してまいりたいと考えております。 御案内のとおり、消費税法は昨年の暮れに既に成立し、公布施行され、四月一日から課税が始まるという現実がございます。この現実を踏まえ、かつまた民間におきましてもいろいろと準備が進められているところでもございます。したがいまして、御指摘ありましたように、制裁をするとかしないとかということよりも、地方公共団体がまずもってこの法律の趣旨を踏まえまして、国と協力して税制改革が円滑に進むように努めてほしい、このように念じているところでございます。 なお、御指摘でございますのでお答えいたしますが、地方財政法の二十六条に、御指摘のような規定がございます。ただ、この規定を発動するかどうかにつきましては、地方自治の本旨にかんがみて慎重に配慮すべき必要があると考えておりますし、現在、この発動について具体的に検討していることはございません。
○政府委員(尾崎護君) 円滑かつ適正な転嫁と申しますが、円滑というのはまさに文字どおり支障なくスムーズにという意味でございます。問題は適正の方なんでございますけれども、課税事業者の場合には、やはり税率三%分、それを上乗せしていただくというのが適正な転嫁だろうと思います。それを上回るようなことがございますと、それは適正な転嫁ではないということになるわけでございますが、先ほど申しましたように、いろいろ取引慣行、端数の処理の問題、そういうことで若干の差違が生じましても、全体として三%の範囲内にとどまっていれば、それは適正な転嫁というように考えております。 免税事業者の場合、これがまた一つあるわけでございますけれども、これは本当はきちっと仕入れにかかっている分を計算して、その分上乗せするということができれば一番いいわけでございましょうけれども、しかし、そもそも税額の計算が難しいということで免税にされている方々でございますから、そこまで求めるというのにも無理がある、気の毒ではないかということで、大体そういう方々が周囲の同業者の値づけ等を見まして、三%の範囲内で転嫁をするということがありましても、それはまあまあ適正な枠内に入るのではないかというように考えております。
○和田教美君 私は、きのうの質問で運輸省と建設省の例を引き合いに出して、運輸省は個人タクシーについて、これは免税事業者がほとんどですけれども、だから本来であれば今の説明にもありましたように全部三%転嫁するとこれは一種の便乗値上げになっちゃうわけですね。ところが、運輸省はこの問題について同一地域同一連賃という原則を盾に普通の課税の業者と同じように三%をかけろということを一生懸命行政指導をしている。結局、この問題については、なかなか個人タクシーの方もいろいろな意見もあって、まずメーターが間に合わないというふうなこともあって、一カ月間は個人タクシーの方は見送るということになったようですけれども、しかし、運輸省の基本方針が変わっているわけではありません。 ところが一方、建設省の方は、これも大体免税業者ですけれども、家賃について三%全部上乗せするというのは必ずしも適当ではないと運輸省とは逆の指導をしておるわけですね。 そういうことで、そのことがいいとか悪いとかということではなくて、政府部内の考え方にもいろいろな食い違いがあっててんでんばらばらではないかということを指摘したのですけれども、総理大臣はそんなことないということを言わんばかりの答弁でございました。 ところが、その後調べてみると、今度は運輸省と建設省が全く逆のことをやっているという事例が一つ出てきたのでお尋ねしたいのですけれども、首都高速道路料金ですね。建設省は原則としては利用者に三%の負担を求めるということで、回数券値上げたけを取り上げてやるということになったそうですが、ところが運輸省は、一昨年の料金値上げで首都高の収支が好調なことに目をつけて、借入金償還期間を延ばせば三%分は値上げをしなくても済むと反論をして、償還期限の変更という内部処理で消費税を吸収しようとしているという報道があります。これはさきの例と比べて全く正反対の立場に両省がなっておるということなんですけれども、この問題一体どういうようなけりがついたのですか。その点政府がいかにもばらばらだという印象を持つのだけれども、大蔵大臣の感想があれば聞かせてください。
○説明員(松延正義君) 消費税は最終的に消費者に負担を求める税でございますことから、首都高速道路におきましても消費税転嫁のための料金改定が必要であるというふうに考えております。首都高速道路料金の消費税転嫁につきましては、関係省庁と転嫁の方針を検討してきたところでございますが、次の方針でまいることにしております。 御承知のように、現在東京線の料金は六百円でございますが、これに三%の消費税をかけますと六百十八円となります。十円未満を調整いたしましても六百十円ないし六百二十円となりますが、この場合こういった端数料金の徴収に当たりまして、現在よりも一台当たり平均三秒程度余分に時間がかかることになる。この結果、例えば現在三キロ程度の渋滞が生じております東名等の接続しております首都高三号線の用賀料金所では、渋滞がさらに二キロ程度延びることが予想される。こういった非常に渋滞の新たな発生あるいは一般街路の混雑等を招きまして、利用者に多大の不便をかける。こういうことを考えまして、実は現金支払いにつきましてはやむを得ず据え置くことにしまして、回数券についてのみ三%の消費税を上乗せすることにしておるわけでございます。
○和田教美君 ですから、どうだったんだと、運輸省との話し合いは。
○説明員(松延正義君) そういったことはございません。
○和田教美君 ない。
○説明員(筑波章君) 首都高速道路料金についてでございますけれども、運輸省としましても、消費税転嫁のために回数券につきまして三%料金改定を行うという申請があればこれを認めるという方針でございまして、建設省と同じ方針でございます。
○和田教美君 そうすると、これは誤報だということになりますかね。 次に、さっき鈴木さんが質問しないと言ったので私は質問しますけれども、一円玉ですね、一円玉の大増産というのを今大蔵省やっているわけだけれども、どうもデパートだとかスーパーだとかそういうところで買い占めをやって、金融機関から買い占めて、買い占めというか、とにかく一生懸命獲得して社員総動員でやっているというような情報もありますし、これで増産をどのぐらいやっておるのか知りませんけれども、実際間に合うのですか、うまくいくのですか。一円玉ばっかしがはんらんするような世の中というものも余り正常だとは思わないけれども、その点どうですか。
○政府委員(足立和基君) 先生御指摘のとおり、消費税の導入を控えまして、一円貨に対します市中の需要というのが現在増加をいたしてございます。これに対しまして、私どもは過去三年間の製造枚数、これは七億四千万枚でございますが、これの約八割増に当たります十三億枚、六十三年度におきまして既に十三億枚の製造を了しております。さらに今年度中、今年度中と申しますのはもう残りわずかでございますが、三月中に安全を期するために二億枚の追加供給ということを実施をいたしてございまして、まずその製造量の増加、供給の増加というものに精いっぱいの努力をいたしてございます。さらに、この四月以降につきまして、平成元年度に入りますが、これにつきましても、できるだけ製造を前倒しいたしたい。四月、五月、六月というようなところを重点的に製造枚数をふやしていこうと考えてございます。これが供給面でございますが、さらに今度は配分の問題がございます。 御指摘のようにいろいろな今動きがございまして、大量に今生産を行っておりますが、それがデパート等に大量に保蔵されておる。したがって、中小企業等にどうも行き渡らないというような声も耳にいたしてございまして、これにつきましては、各金融機関の窓口におきます円滑な対応ということを再三日銀を通じてお願いをいたしてございます。 このようなことで、この製造、供給の面あるいは配分の面を通しまして万全を期しておるところでございますが、今後とも市中の需要動向、こういうものを十分勘案して機動的、弾力的に対応してまいりたいと考えております。
○和田教美君 今提案になっておりますこの租税特別措置法改正案、この中には中小企業や卸売、小売業者などが消費税の導入に対応するために電子式金銭登録機や電子計算機を買う場合には一時に損金算入を認める規定が書いてございますね。ところが、どうもきのうの総理の答弁では、大体需要に対して供給は間に合うというふうに業界から聞いておるという答弁でございました。しかし、私の聞いているところでは、東京その他大都会の場合には大体その需要に間に合うだろうけれども、地方はとてもそんなことは無理だということと、それから機械は入ってきても、実際のソフトみたいなのが間に合わないというふうな事態で、四月一日にはとても円滑な転嫁の体制ができないのじゃないかというふうに思うのですけれども、その実情は通産省が管理しているらしいから、通産省の見解をお聞きしたい。
○説明員(桑原茂樹君) お答えをいたします。 消費税導入に伴います電子レジスターの供給につきましては、需要が相当例年を上回るという予想もございましたところから、一月末に通産省から電子レジスターメーカー十九社に対して増産要請等々万全の準備をするようにお願いをしたところでございます。 現在その需要の状況を我々なりに聞いておりますと、例年の需要より相当程度高いということでございますけれども、供給サイド、すなわちメーカーの方も増産及び輸出用のレジスターの国内への振り向け等々をしておりまして、おおむね需要に間に合っているというところでございます。 需要業界でありますところの百貨店とかチェーンストア協会等々に事情を今聞いておりますけれども、そちらの方からも大体間に合っているということを聞いておりますので、ごく例外等々はあるにいたしましても、全体としてはまず何とか間に合っているという状況であるというふうに承知をいたしております。
○和田教美君 間に合っているというのじゃなくて、四月から実施するわけですね。これから間に合うかどうかということを問題にしているわけです。間に合っているのですか。それ大丈夫なんですか。
○説明員(桑原茂樹君) お答えをいたします。 私の承知いたしておりますところによりますと、現在のところ、四月の消費税導入に対しましてレジスター面で問題が起きるということはないと思っております。
○和田教美君 次に、転嫁に関連した表示の問題がございます。 公正取引委員会は、去年の十二月二十七日に税額転嫁などに関するガイドラインというのを示して、表示カルテルが認められる場合などの例示をしておりますが、さっきも質問に出ておりましたけれども、この店は免税業者ですということを掲げた場合に、どうも最初の話では、免税業者ですというのを店内に小さく書いておく分にはいいけれども、それをでっかく看板にして表に出すということは、これは不当景品類及び不当表示防止法違反になるおそれがあるというふうな見解を公取がとっておったというふうなことを聞いておったのですけれども、さっきの答弁ではそんなことに関係なくて、幾らでっかい看板をかけてこの店は免税業者です、こういうふうに書いてもこれはオーケーということになったのですか。ちょっと今までと違うように思うのです。 それからもう一つ、免税事業者ですから安い価格で販売しています、そういうふうに書いた場合には、これは違反になりますか。その二点をお聞きしたい。
○説明員(山田昭雄君) お答え申し上げます。 私どもといたしましては、消費税の導入に際しまして、価格表示につきまして昨年ガイドラインを公表したところでございまして、不当表示の防止に努めておるものでございます。 二点御質問ございましたが、まず免税事業者ですから安い価格で販売していますという表示でございますが、これは免税事業者でございましてもその仕入れには消費税が含まれているものでございます。免税事業者がその仕入れ価格をベースに販売価格を設定すれば、一般にはそれは事業者が消費税を転嫁していることを意味するわけでございます。また、事業者が需給動向等の諸条件を勘案いたしまして販売価格を設定するわけでございますから、こういった条件も変わるわけでございます。したがいまして、免税事業者であることによりまして販売価格が安くなっているかどうかということは、これは根拠が非常にあいまいになりやすいというふうに考えているわけでございます。したがいまして、事業者が免税事業者であることのみを理由に、その根拠があいまいなままに、御指摘のような表示を行いますことは、その販売価格が実際よりも安いかのように一般消費者に誤認されるおそれがある、このように考えておるわけでございます。 初めの御質問でございますが、それでは免税事業者というだけの表示はどうかということと、それと看板のお話ございましたが、これは免税事業者であるということのみを表示しても、それが事実である限り直ちに問題になるとは思っておりませんが、免税事業者というふうに非常に大きな看板でこれを表示いたします、これはタックスフリーショップみたいな表示がありますが、消費者がそれに対してどのように受け取るかと申しますと、それは一般消費者が、免税事業者ですというだけで非常に大きな看板を掲げていますから、それは非常に安いんじゃないか、このように誤認されるおそれがあるということで、そういうような場合には景品表示法上問題になるおそれがあるというように申し上げておるわけでございます。
○和田教美君 大体免税事業者という制度をつくったのは政府なんですよね。とにかく大蔵省がつくったわけですよ。それを商売になるべく利用しようと考えるのは、これは当然のことじゃないかと思うのですね。ですから、免税事業者だから免税事業者でございますと大きく看板に掲げて、何でこれが不当景品表示になるのですか。どうしてもわからないですね。もしそういうふうな疑いがあるとすれば、むしろ景品表示法そのものを改正すべきじゃないですか。それの方をむしろ選ぶべきではないかと思うのだけれども、どうも公取の話を聞いていると、公取は本来消費者の立場を守る役所だと私は敬意を払っておったけれども、今度はどうも大蔵省のお先棒を担いで、なるべく消費者に高いもの買わせようというふうなことで動いているのじゃないかという誤解すら持つわけですけれども、その点はどうですか。
○説明員(山田昭雄君) お答えいたします。 私どもとしましては、景品表示法という法律は、虚偽、誇大な表示によりまして一般消費者に誤認されるおそれがある表示、これを禁止しておるわけでございますので、一般消費者がその価格表示によりましてどのような印象を受けるか、そういう観点から消費者の誤認を排除する観点からガイドラインをつくったわけでございます。 そういう意味で、一般消費者が販売価格あるいは自分が受けたいようなサービス、あるいはどういうようなアフターサービスがあるかというような観点から適正に商品を選択していってほしい、こういうことからガイドラインを示したわけでございます。
○和田教美君 転嫁カルテルの問題ですけれども、転嫁カルテルの締結を届け出た日本サッシ協会の話ですけれども、取引先は消費税の転嫁、これを認めてくれるだろう、しかし、そのかわりに本体価格を値引きしてくれという要求が出てくるのじゃないかというふうな警戒をしているというふうな報道がございました。 また、東京都内の鮮魚小売業二千店でつくっている東京魚商業協同組合では、マグロの場合、マグロといったって一本を崩すとトロや筋っぽいところ、脂のないところ、これが十以上の部位に分かれるし値段も違う。そもそも一本一本の価格が違うし、仕入れ先もばらばらだ。うちの組合では統一的なカルテルなんてとっても組めっこありませんということで、政府の転嫁カルテルの勧めには困惑しているという報道がございました。 さらに、独禁法の研究家たちの間でも、付加価値税導入の際に転嫁カルテルをつくるなんてことは世界的に例がないと批判的な意見がございます。 転嫁カルテルというのは、転嫁カルテルと便乗値上げのためのやみカルテル、これは紙一重だと思うのですね。その区別が果たしてはっきりできるのかどうか。さらに、鮮魚小売業者のマグロの例に見られるように、転嫁カルテルを組めない事業者もあるわけで、政府公認の転嫁カルテルをつくっているところと、それから組めない事業者との間に新しい不公平が出てくる可能性がないかどうか。これも公取ですかね、その辺についてひとつ見解を聞かしてください。
○説明員(高橋祥次君) お答えいたします。 サッシの話は後で取引課長からお答え申し上げますが、最初にマグロを売っていらっしゃる鮮魚の小売団体のことについてお話がございました。 今回の立法措置により認められました消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為、いわゆる転嫁カルテルでございますが、これは市場におきます価格形成力が弱い中小事業者等につきまして、消費税額分を上乗せすることができるよう価格形成力を補強することを目的としているものというように考えているところであります。もとより業種、業態によって消費税の転嫁に対する対応はまちまちであるものというように考えております。 御指摘のように、マグロにつきましては、その部位によって、あるいは魚の種類あるいは魚の大きさごとによって価格が異なるわけでありますが、その場合でありましても、市場において決まるそれぞれの本体価格に消費税額分を上乗せをするという、そういう転嫁のやり方が方法として考えられるわけでございます。そうした転嫁の方法のやり方につきまして、鮮魚の小売団体としまして、これを例えば今売っているそれぞれの部位のあるいはそれぞれの物の価格の値段に消費税額分を上乗せをするという、そういった転嫁カルテルの方法も認められるわけでございまして、こういった業界におきましても転嫁カルテルとして行うことはもちろん可能でございます。 それから次に、御質問がございましたいわゆる世界にも例がないような、こういったカルテルを独占禁止法の適用除外として認めることは便乗値上げを奨励することにならないのかという、そういう御指摘でございます。 この転嫁カルテル、いわゆる消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為につきましては、これはあくまでも消費税の税額分についての上乗せに限った共同行為を認めるものでございます。したがいまして、本体価格の価格カルテルは厳に禁じられているところでございます。 私どもといたしましては、こういった消費税の上乗せなのか、あるいは本体価格の価格カルテルなのか、この辺につきましては十分監視をすることといたしまして、いやしくも消費者利益を不当に害するような、本体価格について価格カルテルが行われることのないよう十分にカルテルの事前の相談あるいは届け出に際しまして適切な指導を行うとともに、実施の段階におきまして十分な監視を行っていきたいというように考えております。
○説明員(黒田武君) お答えいたします。 ただいま先生の御指摘がありましたサッシメーカーとか、そういったサッシだけじゃなくて、一般的に公正取引委員会では親事業者が自分の立場を利用しまして、下請事業者あるいはその取引上、優越した地位にある方々が劣位である納入業者に対しまして、例えば今先生の御指摘がありましたように、消費税分は見せかけ上は転嫁を認めるけれども、実質的にその差額分は買いたたくといいますかあるいは値引きをする、そういったことは独占禁止法上の優越的地位の乱用とか、あるいは下請取引に該当する場合でありますれば下請法に該当するおそれが強いということで、私ども昨年の暮れにガイドラインも発表しておりますし、それから引き続き先月あるいは今月にかけまして下請取引法上の監視とか、それからまた四月に入りましてからも、そういったことについて積極的に調査をしていこうということで、御指摘のようなことが発生しないように関係法律を厳正に運用していこうと考えております。
○和田教美君 マグロの例が出ましたから、もう一つマグロの話をいたします。 さっき志苫委員から簡易課税制度の卸売と小売その他の部分が非常に不明確だという話がございました。それに関連する問題なんですけれども、焼津など生産地の漁港に陸揚げされたマグロを、これは何人かの卸売業者、一次卸、二次卸、三次卸、それから地方の卸、小売というような段階を経て消費者の口に入るわけですけれども、生産地に陸揚げされたある段階でこれが四つ切り、皮むきというのですかな、皮はぎというのか、そういうことをやるのだそうですね。つまりマグロはでかいものですから、そのまま東京の市場まで運ぶのじゃなくて、マグロを四つに切って、そして皮をはいで運ぶのだそうです。普通の業者の常識的な今までのしきたりでは、その過程が全部卸売業ということになっておったのです。ところが今お話がございましたように、簡易課税制度の場合には卸売業の場合にはマージンが、つまり付加価値率が一〇%、小売業のマージンが二〇%というふうにみなされるから、結局卸売業というふうに認定してもらう方が消費税が半分で済むということになりますね。 ところがマグロの例ですけれども、大蔵省の消費税の施行令第五十七条の二項というのがございます。卸売業の定義が書いてあります。「卸売業とは「他の事業者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業で小売業以外のもの」をいう。」という定義があるわけです。その定義に当てはめると、明らかに四つ切りにして皮をはぐという作業をする卸売業者は形状を変更しているわけですから、加工業者ですから、卸売業には該当しないということになりますね。そうすると、流通の過程で同じ卸売業という、今まで通ってきた中で卸売業として認定されるものと、卸売業と認定されないものがでこぼこでできるというふうなこともあって、税額も倍になる可能性があるという問題があるわけですね。 そこで、僕はそういう問題の話を聞いたものですから国税庁に聞いてみましたら、なかなか国税庁の結論が出ないのですね。それで業界とも折衝していろいろ協議しますというお話でございましたけれども、この問題は結局どういうふうな結論になったのか、それをひとつこの際、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(宮島壯太君) このマグロの流通過程におきましては、一次卸または二次卸の段階で委員御指摘のような行為が行われているところでございます。 施行令におきまして卸売業を主として営む事業者の範囲ということが五十七条二項に定められておりまして、「「他の事業者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業で小売業以外のもの」をいう。」ということが定められているということも委員御指摘のとおりでございます。マグロが四つ切り等にされて消費者段階に行くという形態は、これはこの五十七条二項を文字どおり読みますと、果たしてこれに該当する卸売と読めるのかどうかということが解釈上問題になるところでございます。私どもとしては、関係省庁と今までいろいろ折衝し、この業界の特殊な取引形態、事情というものを伺ったところでございます。 そこで、これらの行為は生の魚肉としての性質を変更することなく消費に適した状態にするために行われる必要なものであるということが考えられますし、また、これらの業者は一般に卸売業者と認識されているという点を考慮しなければならない点だろうと思っております。 最終的に、ここではっきり申し上げる段階にはなっておりませんが、私どもとしては、マグロの卸の現在行われているこの行為が、消費税法で言います卸売業者に該当するというように読めるのではないかと考えられますので、現在関係省庁と最終的な調整を行っているところでございます。
○和田教美君 最終的な調整をしていると言ったって、もうあと四日で消費税実施されるのですよ。僕が言い出してからもう一カ月近くになりますけれども、いまだに最終調整をしているというのじゃ話にならないと思うのですね。 それから、これはマグロだけの問題じゃないと思うのです。精肉業者なんかの場合も同じだと思うのですね。かなり影響があるし、それから板の場合ですね、板の場合だって同じような問題があり得ると思うのですね。とにかく、実施までには結論を出さないことには話にならないのじゃないですか。 それから、僕が言いたいのは、この施行令も早急のうちにばたばたとつくったからいろいろな欠陥がある、抜け穴がある、その一つの例ではないか。さっきの志苫先生の指摘もそのとおりだと思うのですね。そういう点であれば、無理な規定は、どう見ても四つ切りにした商品を、形態を変更してないと言うのはちょっと強弁ですよね。ですから、そういう点は直すべきだと思うのですね、どんどん直したらいいと思うのです。その点どうですか。
○政府委員(宮島壯太君) 私どもとしては、決められた規定の中でできるだげ具体的、妥当な扱いをする責任があろうかと思っております。消費税の四月一日が近づいております。一両日中に、先生の御指摘もありますので前向きな結論を出すようにしたいと思いますので、よろしく御理解のほどお願いします。
○和田教美君 次に、商店街のカルテル結成の動きが少し出てきましたね。東京都世田谷区の烏山駅前通り商店街振興組合、つまり免税業者も含めて三%転嫁するカルテルを結成するという転嫁カルテル。普通の、一つの業種についてのカルテルというのは相当出ているわけでありますが、こういう商店街を一丸とした転嫁カルテルというものが出てきたのは一、二の例なんですけれども、その例を見ると、大部分が課税業者であって一部が免税業者であるというふうなところでは、結局免税業者も課税業者におつき合いをして三%上乗せしましょうということになるということになるのじゃないか、そういうふうに大蔵省なり公取が指導しているのではないかというふうに思うのですね。 ところが一方で、杉並区の杉並区商店会連合会というのは、これは免税業者が大部分なんですね。そういうところは断固反対ということで、そういうカルテル結成を棚上げしちゃって、そして消費税の中止決議をしているというふうな動きがあるわけですけれども、商店会のカルテル結成の動き、現状どうなっているかということと、どうもそういうことで内面指導でそういうものをやっているのではないかという疑いを私は持つのですけれども、その点どうですか。
○説明員(高橋祥次君) お答えいたします。 昨日三月二十七日現在、転嫁表示カルテルの届げ出の総件数は約三千九百件に上っております。全国レベルの業界団体からの届け出が多いわけでありますが、最近になりまして、御指摘のように地域レベルの団体からの届け出も行われるようになってきております。このうち商店会等小売サービス業関係の地域単位のカルテルも公正取引委員会に届けのあったものにつきましては、ビル単位の商店会等も含め六件ほどあるところでございます。 それから、委員御指摘のいわゆる免税業者も含めて三%上乗せするよう強制しているのではないかというような、こういうような御趣旨の御質問でございますが、こういった転嫁カルテルにつきましては、免税事業者も消費税額分については上乗せをする必要性がある以上、課税業者と一緒に参加し得ることといたしております。この場合、免税業者につきましては自分の負担している額、それを上乗せするというカルテルももちろん当然できるわけでございます。この意味におきまして、カルテルによりまして免税業者もいや応なく三%の上乗せを強制されるというわけでもございません。ただし、免税業者につきましても免税業者自身が一律三%上乗せをする方がいろいろな事情考えまして混乱なく円滑に転嫁し得るというのであれば、こういった課税業者同様三%上乗せする共同行為につきましても、これを転嫁カルテルとして認めているということでございます。
○和田教美君 次に、簡易課税制度を初めとする中小事業者の納税事務負担軽減の特例措置についてお尋ねします。 三千万円以下の者への納税義務の免除、六千万円未満の者への限界控除の適用、これは消費者が負担した税額が丸々国庫に入らずに、一部が免税業者の利益となる可能性を持っているのではないかということで、先ほど鈴木委員も指摘になったように、これが消費者の側の不信感の一つの原因になっておると思うのですね。そこで、実際に消費税の導入が始まったら、消費者と末端の小売業との間にいろいろトラブルが生ずる可能性が十分あると思うのですね。政府がどんなに消費税は消費者が負担する税金だということをPRしても、実際に現場であれするのは免税業者が入ったりするわけですから、おたくはどう見ても売上高が三千万円以下であるから、それなら私が支払う三%相当の消費税額が国庫に入らない以上税額部分は支払わない、そういうふうなことを言ってけんかになるというような事態も起こり得るのじゃないかと、こういうふうに思うのですね。 そこで大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、あなたが免税業者だとしますね、そうするとあなたの答えは大体三つのケースがあり得ると思うのですね。一つは、あなただけが客ではない、嫌なら品物を買ってもらわなくても結構だ、こういう態度をとる。非常に強い態度ですね。これは大蔵次官が二、三日前に記者会見で放言をしておりましたね、そういうタイプです。それから第二は、お上が決めた制度ですから何とか税込み金額を払ってくださいともみ手戦術でいくという、こういうタイプですね。それから次に、他の客はほっぱらかしておいて、相手が納得してもらうまでとにかくお客を説得する。この三つですね。 そのうちで、あなたが免税業者なら一体どういう態度をとりますかね。
○国務大臣(村山達雄君) まあどう言うかこう言うかという前に、まず値決めの方だろうと思います。自分が免税業者で、それから仕入れの方のコストアップが非常に少ないということであれば、恐らく仕入れのコストアップ分だけ上げることをまず第一に考えていくであろうと。そうでなくて、コストの分、仕入れにかかるものが非常に多い場合ですね、逆に多い場合、あるいは非常に計算が困難であるというような場合ですと、やはり売り値の三%ぐらいをまず基準に考えてみるかと。まあしかし、一応の基準はそういうことにして、あたりの様子を見て、さて売れるかな、こういうことであろうと思います、値決めは。しかし、いかなる値決めをしようとも、取引先に対してはコスト分だけ上げても、あるいは三%丸々上げても、やはり理解を得るように努めるということは当然でしょうし、サービスを従来よりも一層よくするとか、にこやかにするとか、やはりサービスはこれは忘れてはいかぬだろう、まあそんなことじゃないだろうかな、こう感じます。
○和田教美君 ところで西垣発言ですね、西垣大蔵次官の発言だけれども、「免税業者だから消費税を払わないという客がいた場合、業者は売らなければいい。免税業者という看板を掲げているわけではないから」、免税業者の値段のつけ方は「基本的には競争社会の中で決まる。税制というより商売の話だ」というふうなことを記者会見で言ったようなことが出ておりました。 私はこの話を聞きまして、昔私政治記者をやっていたときに、かの有名なる池田大蔵大臣時代ですね、貧乏人は麦飯を食えというようなのを言いましたね。大蔵省の首脳あるいは大蔵OBというのはそういう発想、特に税制の専門家にはどうも多いのじゃないかという感じもするのだけれども、この西垣発言については大蔵大臣はどうお考えですか。要するに、こんなことをうっかり言ったら、そんな零細企業はつぶれちゃいますよ、買いに来てくれなくなるからね。その点はどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) さっき私が申し上げたやっぱり値決めの問題で、値段を見れば買う人は買うだろうし、買わない人は買わないから、おのずから取引は成立するかしないか消費者の選択にかかるんだろうと思うのです。中身はそういうことだろうと思います。
○和田教美君 通産省は、大企業、親企業が立場の弱い下請業者、免税事業者、あるいは限界控除制度の適用事業者というふうなところだろうと思うのですけれども、そういう下請事業者への特例制度利用の有無についての強制的調査を始めておる、アンケート調査をやっているというふうなことについて実態の調査に乗り出したという報道がございました。 こういう動きは、僕は消費税導入すれば今後も起こることだろうと思うのですね。一応とにかく免税業者にも消費税だけ値上げさしておいて、そしてその分だけ要するに値引きをさして下請代金を値切って、そして親企業がもうける。こういう悪質なやり方は十分考えられるわけですけれども、この実態調査の結果、一体どういうことがわかったか、そういう動きはかなりあるのか、大したことないのか、それに対して通産省としてどういう態度で臨むのか、その点の報告をしていただきたい。
○説明員(沖茂君) お答え申し上げます。 最近、親企業が下請企業に対して消費税導入に関してアンケート調査を行い、下請企業の不安を惹起している事例が見受けられたため、通産省といたしましては二月末から三月半ばまでにかけて実態調査を行ったところでございます。その実態調査の結果、相当数の企業がアンケート調査をしていることが判明したところでございます。 その内容は、取引先が免税事業者であるか否か、あるいは簡易課税制度を採用するか否か、あるいは詳細な仕入れの内容、さらに納税時期等でございます。 通産省といたしましては、消費税の円滑な導入が喫緊の重要課題となっている現在のような時期に、こういったことにより下請企業に不安感を生じさせるようなアンケート調査を行うことは極めて慎重にあるべきだというように考えております。 このため、先般アンケート調査を実施している企業名が判明した場合には、順次事情聴取を行いまして所要の指導を行ってきております。また、親企業に対してより広く注意喚起あるいは要請を行うため、三月十七日をもって通達を発出した次第でございます。
○和田教美君 次に物価の問題ですけれども、消費税の導入が物価を押し上げる、これはもう明らかだと思うのですね。特に、最近の先進国の中ではインフレ懸念という問題が非常にシリアスな警戒材料になってきているということでございます。 そこで、インフレ問題について非常に神経質な澄田日銀総裁が、消費税の問題に関連して、企業だとかあるいは関係機関あるいは地方自治体などもコストの見直しを図って、消費税課税前の価格の引き下げをしておいて課税後の価格を据え置くことは物価安定にむしろ望ましいという、いわゆる東京方式について一見賛意を示したような見解を最初に示したことがありますね。その後、日銀総裁は周囲の情勢を見て少しトーンを落としてきておりますけれども、私は基本的には日銀総裁の考え方はそのとおり歓迎すべきことであって、政府はむしろそれを推奨すべきだというふうに思うのですね。今の消費税の転嫁の問題についての政府の態度とは、そういう意味では全く反対の態度をとるべきだというふうに思うのです。 それはそれとして、物価の問題ですけれども、消費税導入後の物価上昇率は初年度一・二%、平年度一・一%というふうに経企庁で試算しているということでございますけれども、今のような過剰転嫁の問題だとか、あるいは駆け込み値上げというふうな問題だとか、いろんな問題が出てきておるという状況の中で、果たして一・二%だとか一%ぐらいの値上げで済むのかどうか、どうも少し甘いのじゃないかというふうに思いますけれども、企画庁の現在の考え方をお聞きしたいと思います。
○説明員(井坂武彦君) お答えいたします。 御指摘がございましたように、経済企画庁では、消費税の導入等によりまして消費者物価の水準は、初年度でございます平成元年度には一・二%程度引き上げられて、自動車等の税率の経過措置が終了する平成四年度といいますか、平年度ベースでは物価水準の上昇が一・一%程度になるというふうに試算をいたしております。 この試算の前提といたしましては、一つは消費税の税額分が完全に転嫁されるであろうという前提を一つ置いております。それからもう一つは、税負担以外の要因による価格の変化は考慮しないという前提でございます。さらにもう一つは、物品税等既存の間接税の廃止によります税負担の軽減分が価格に適正に反映されるという、そういった前提を置きまして、理論的にこの試算をいたしておるところでございます。 御質問でございますけれども、我々経済企画庁といたしましては、消費税の導入に関連いたしまして消費者等の方々からいろんな問い合わせとか相談を受け付けておりまして、その件数は日増しに増加をしてまいっておりますけれども、現時点のところでは、大部分の問い合わせば消費税の仕組みでありますとか、あるいは物品税が廃止されて実際に価格はどうなるんだといったような問い合わせが大部分でございます。ただ、駆け込み値上げが行われているのではないかといったような問い合わせに対しましては、事業者から直接値上げの理由について説明を聞くというようなことをやっておりますし、またあわせて必要に応じまして、関係省庁に対しまして所管業界へ適切に指導をしてくださいというようなお願いをしているところでございます。 いずれにいたしましても、消費税の導入に伴いまして便乗値上げといったようなことが起こりますことは、国民生活に好ましくない影響を与えるというふうに強く懸念をいたしておりますので、私どもといたしましては、価格動向の調査監視体制の強化でありますとか、あるいは先ほど来申し上げております物品税の廃止その他間接税の廃止が価格に適正に反映されるよう、そういったことでできる限りの努力をいたしておるところでございます。 消費税導入時の物価上昇につきまして、これが必要最小限のものになるように、さらに引き続き関係省庁の御協力を得ながら努力してまいりたいというふうに考えております。
○和田教美君 私はもとより消費税の導入は反対で、そんなものは全く必要ない、直ちに廃止すべきだということの主張で今まで述べてきたわけですけれども、しかし仮に、消費税を導入するということを前提に考えても、果たして消費税の導入によって実際に大蔵省の金庫が膨らむ額は幾らかということを私ちょっと試算をしてみたのですね。これ間違っているかもしれません。そうしたら訂正してください。 平成元年度は消費税の税収は四兆五千二百二十五億円ですね。ところが、それから引く分がかなりありますね。まず九千四十五億円の消費譲与税、それから八千六百八十億円の地方交付税、それから間接税廃止による減収二兆三千三百億円等、消費税導入に伴う一般会計の歳出増加分約三千億円、これを差し引きますと残りはわずかに千百九十七億円しかもうけにならないということになりますね、計算は。平年度ベースでも同じ計算をすると国の純収入分は九千七百億円程度になるという計算です。これだけ大混乱を起こして国民に多大の負担をかげて、いろんな行政事務も、それから納税事務も非常に複雑になってロスが多いというふうな税制を導入をして、実際に税収としてふえる分はこんなにちっちゃいということになるのですが、なぜこれほど大騒ぎしたのだというふうなことにもなると思うのですけれども、その点は大蔵省どう考えておるのですか。
○政府委員(尾崎護君) 平成元年度、初年度でございますので、予定される消費税収がすべて入ってくるわけではございません。という意味は、課税ベースとして約六兆円ぐらいのものを考えているわけでございますけれども、課税ベース全体についてもし満年度で入ってきますと約六兆円になるわけでございますが、それがしかし次年度の税収になるものがございまして、それで、お話にございましたように、消費税収全体としまして四兆五千億程度のものになるわけでございます。したがいまして、それが完全に次年度以降満年度化いたしますと、初年度のようなことはなく相応の税収になるということでございます。
○和田教美君 私の具体的に提示した計算は間違っていますか。大体こんなことですか。つまり一兆円以内だということだな、実際のもうけは、大蔵省のもうけは。その点はどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 国の一般会計ということに限られますと、消費譲与税でお渡しする分、地方交付税に回る分、それから既存間接税の廃止による減収等がございますから、大体現在の平年度ベースで考えまして、おっしゃるとおり一兆円ぐらいだということでございます。
○和田教美君 そうすると、今のようなことで要するに出すものも多い、実際に一兆円以内のものしか入ってこないということになると、これじゃやっぱり足らないということになってきて、これが結局次の税率の引き上げ、三%は暫定的であって五%に引き上げるというふうなステップにするために、こういう形になっているのではないかという疑心暗鬼を生むわけですけれども、そんなことはありませんか、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) これは何遍も申し上げていますように、中央、地方を通ずる税制改正でございます。今までは国は国、地方は地方とやっておるわけでございますが、もう第一、所得税、住民税、こういうものをやはりサラリーマンのライフサイクルに合わせて、そして大体どれぐらい取られるか、自分の年齢別にこうなった場合にはこうなるというやつが大体わかる。だから生涯を通じてサラリーマンの方が消費計画なり貯蓄計画というものがおよそ立てられる、そのことが一番大事じゃないか、こういう発想で出しておるわけでございますものですから、いろいろのことがありまして、国にくるのが平年度仮に一兆円といたしましても、やはりそれはそれだけに意味のあること、要するに体系を変えているわけでございますから、国、地方を通じて。それはそれなりに意味がある。むしろそれを初めから計算の中に入れておった、こういうことでございます。
○和田教美君 それをだから上げるつもりはあるかと。
○国務大臣(村山達雄君) そんなことはございません。
○和田教美君 公明党は所得税の総合課税化で千七百億円、法人税課税ベースの拡大で五千六百億円、大法人所有土地の増価税などの資産課税の評価で七千四百億円、物品税など既存間接税の存続と税率の調整で九千二百億円、税の自然増収分として非常に低目に見ているのですが、一兆四千億円など、合計三兆八千億円程度の税収を確保することが十分可能で、こうすれば消費税を無理やり強行しなくとも予算は組める、こういう観点から先般消費税抜きの平成元年度予算修正要求を政府に提示したわけですが、大蔵省もこれを見ていただいたと思うのですが、これについての大蔵大臣の御見解というか印象をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 先ほども申し上げて繰り返しになりますけれども、租税体系の変更ということを考えているわけでございまして、二十一世紀を目指しての租税体系をこれで大体いける、こういうことでやっているわけでございますので、とりあえずの収入がどうなるかということで、この税制改正の一環としての消費税をやるとかやらぬとか、そういうことは考えていないところでございます。
○和田教美君 ついでに、最近の税収動向についてちょっとお聞きしたいのですけれども、最近の税収動向は、昭和六十一年度、六十二年度と大幅な自然増収が出ておって、六十三年度も大幅な増収が見込まれておるということです。自然増収は一面から見れば税の取り過ぎであるから、まずこれを国民に還元すべきだというふうに考えます。他方、この大幅な自然増収は大蔵省の税収見積もりのミスでもあります。地価の高騰や消費ブームなど一時的要因による自然増収であることをもって大蔵省は、税収弾性値一・一を見直さないなど意図的にどうも税収見込み額を低く抑えている嫌いがあります。この際、税収弾性値の上方修正など税収見積もり方法の変更を行うべきだと思うのだけれども、そういう考え方がないかどうか、大蔵省の見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、税収見積もりがこの二年ほど過小に過ぎておりまして、まことに申しわけないことだと存じておりますが、これも先生御指摘のように、税収弾性値が六十一年度で二・一五、六十二年度で三・二〇という非常に高い数値を示しているわけでございます。従来、税収弾性値につきましては一・一が相場だというように考えてきたわけでございますが、ここに至りまして非常に高い数値を示している。その原因といたしましては、やはり円高でございますとか株高でございますとか土地高でございますとか、一方、金利は安い、石油は安いというようなときに遭遇したわけでございまして、すべてが税収に対してプラスの面で働いたという状況でございます。こういう状況は、いわば経済の実態とやや離れている面もございまして、そういうメリットを享受している状況がそのままずっと続くというようには到底考えられません。円の動きもやや様相が変わっておりますし、土地の値上がりにつきましても頭打ちというような話も聞いております。そういうようなことを考えますと、こういう高い弾性値を前提に税収の見積もりをするということは、これはなかなか無理があるのではないかというように考えます。今後とも、経済の推移をよく見極めまして、税収見通しの確度を上げることに努力をしてまいりたいと存じます。
○和田教美君 次に、二十一世紀の云々というふうな大蔵大臣も発言があったことですから、将来の税収とそれから社会保障費の両方合わせた国民負担率、これについて少しお聞きしたいのです。 大蔵省と自治省が推計した西暦二〇〇〇年の国民負担率は四五・五%から四六・五%となっております。一方、大蔵省と総務庁が提出した「行財政改革の推進について」という文書の中では、「租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率は、長期的にはある程度上昇するものと考えられるが、「現在のヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低位にとどめることが必要である」とした昭和五十八年三月十四日の臨調答申の趣旨等を踏まえ、その上昇を極力抑制する。」というふうになっております。 そこで、ここに言う現在のヨーロッパ諸国の水準というのは、私は大体五〇%ぐらいじゃないかというふうに見ているわけですけれども、そこで、臨調答申の出された昭和五十八年度の国民負担率は三三・九%。ところが、六年たった今が、平成元年度が三八・八%で、既に五%上昇しているわけです。それで、こうした上昇傾向は今後も続くものではないかというふうに思われるのだけれども、政府としては、最終的な国民負担率の上限をどの程度と考えているのか。つまり、大蔵省と自治省が推計した四五%から四六%を上限と見るのか、それとも、臨調答申が言うヨーロッパ並みの水準よりかなり低位ということ、これはさっきも言いましたように四〇%ぐらいというふうなことだと思うのですけれども、大蔵省はどう考えているのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 旧臨調で今おっしゃったような望ましい負担率というようなものを承知しております。 この問題は、合租税負担率が上がっているというのは、恐らく最近の、先ほど局長が述べました円高であるとか株高であるとか土地高であるとか、こういうこと、金利が安いとかあるいは石油価格が安くなった、こういうことで結果として負担率が高くなっているのであろうと思うわけでございます。 最終的に租税負担率あるいは社会保障負担率、これがどの程度であるべきか、これは非常に難しい問題でございましょうし、社会保障でありますと給付をどれぐらいにするのかという問題と密接に絡んでくる問題だろうと思います。恐らく今度の財政再建の脱却後の目標というときに、この問題はやはりよほど大きな検討課題になるのではないかなと実は私はそう思っているわけでございまして、低ければ低いほどそれ自身としてはいいわけでございますけれども、なかなかこれは、やはり税で申しますれば財政需要との関係で相関的に決まる問題でございましょうし、また社会保障については給付水準との関係で決まる問題でございますので、これらの問題を十分視野に置きまして、脱却後の財政再建の目標という中にこういう問題を織り込みながら、目標値の議論の中に織り込んで何とか少しでも将来役に立つめどをつけたいものだ、かように考えておるところでございます。
○和田教美君 時間もなくなりましたので、租税特別措置法案について一つ、二つお聞きしたいのですが、租税特別措置についてはその整理合理化の必要性が毎年大蔵委員会の質疑及び附帯決議によって主張されているところであります。 ところが、今度の租税特別措置法案を見ると、どうも非常に小型のみみつちいものをあれこれ集めているという印象が強いわけでございますが、大蔵省の租税特別措置の整理合理化というものについての今後の考え方というものは一体どういう考え方なのか。つまり、いろいろ期限の来た問題について毎回最終的にその都度判断するということなのか、最終的にはやっぱりなるべく少なくするというか、廃止に持っていくということでこれから努力していくということなのか、その辺の大蔵省の腹づもりというのを、この際お聞きをしたいわけでございます。
○政府委員(尾崎護君) 租税特別措置は、特定の政策目的を実現するために、税負担の公平でございますとか、そのほかの税制上の基本原則をある程度犠牲にしているものでございます。したがいまして、個々の政策目的と税制の基本原則との調和を図るという見地から、これまでも常時そのあり方について吟味を行ってまいりました。今後ともその必要があると考えております。 ただいま御審議をお願いしております租税特別措置法におきましても、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却でありますとか、特定開発研究用資産の特別償却のこの二項目の廃止を行うほか、三十項目につきまして整理合理化を行っているところでございます。 今後とも、税負担の公平確保という観点に立ちまして、社会経済情勢の変化に対応して必要な見直しを行っていきたいと考えております。
○和田教美君 先ほどメモが入りまして、私が調べてくれと言った身体障害者の自動車に対する低利融資制度について何か調べがわかったそうですから、金利負担について答弁があるそうですから、ひとつこれは主計局ですか、答弁してください。
○政府委員(篠沢恭助君) お許しを得まして、先ほど答弁をいたしませんでした、身体障害者が自動車を購入する場合に今回世帯更生資金を利用できるようにいたしたわけでございますが、この金利軽減効果ということにつきまして御説明をさせていただきます。 一般の自動車ローンというものと比べてどうかという試算でございますが、厚生省に試算をお願いをしましたわけでございますが、自動車ローンは普通三年で行われております。それで、世帯更正資金は金利三%で運営をさせていただきたいと思っております。他方、通常の自動車ローンはかなり高利になっておりますが、その軽減効果を推算してみますと、借入金が百万円であります場合には三年間で十四万七千円の軽減効果がございます。それから、百五十万円でございますと三年間で二十三万一千円の金利軽減効果が生ずる、そういう推計はございます。
○和田教美君 最後に申し上げたいのですけれども、ほとんど消費税の問題だけに集中した質問になってしまいました。今私が幾つか指摘した点を見ても、具体的な解釈とか運用ということになってくると非常にあいまいな点が多い。 私、知人の青年税理士の話を聞いたのですけれども、今全国的に説明会を大蔵省がやっておられる、少し前の話ですけれども。ところが、税理士一などが専門的に具体的な政令の問題だとかそういう内容を聞いていくと、大体質問の三〇%ぐらいまでが答えられない、すぐ即答できない、それで持ち帰って返事をするというふうな状態だという報告でございました。 その後、国税庁の人たちも一生懸命勉強されておるから今はそういうことではないかもしれませんけれども、何しろ専門家でさえそれくらいわかりにくいという制度であるというふうなことから、これはもうとにかく、租税特別措置法に書いてあるような半年間の弾力的運用というふうなこそくなやり方ではとてもカバーでき切るものではないというふうに私は思うわけでございます。そういう意味で、やっぱり余りメンツにこだわらずに、この辺で見直す。一度あきらめて出直すということがなければ、税制そのものに対する不信感というようなものが国民の間に起きてくる可能性がないかということさえ私は恐れるわけでございますけれども、大蔵大臣の立場から、それは撤回するなんということは言えないことは百も承知の上で言っているわけですけれども、ともかくその内容について、大蔵省の方で出先の人たちがもっと周知徹底するにも、実際の解釈その他について、もっと勉強してやってもらわなければ大衆が迷惑をするということがあると思うので、さっきもお話もございましたけれども、大蔵省で会議があって、総理大臣は、各省にまたがる問題であっても持ち回りというような形にせずに、親切にとにかく扱ってやれというふうなことを言ったそうですけれども、それはそのとおりだと思うのですね。だから、そういう点について精いっぱい、とにかく大衆に迷惑のかからないようなやり方をひとつ心がけていただきたい。まあ我々は反対していても、実際には四月実施が始まるわけですから、そういう点で不当な損を与えないようにもぜひやっていただきたいというふうに思います。最後に大蔵大臣の見解を承っておしまいにいたします。
○国務大臣(村山達雄君) 目下、政府は全省庁を動員いたしまして、この新しい消費税が我が国の社会経済に定着するためにあらゆる努力を払っているわけでございます。先ほど委員が言われました適正かつ円滑な転嫁、それから過剰転嫁、あるいは便乗値上げをやめさせるとか、あるいは経済的弱者にしわ寄せがいかないようにとか、あるいはまた今度の消費税がねらっているものは何であるか、そしてまたそれが所得税、住民税あるいは法人税、あるいは国、地方との相互の関係がどうなっておるのか、こういうことをやはり国民の方によく御理解願えるようにこれから懸命な努力をしてまいりたいと思っております。 ただ、見直し規定があることも十分承知しておりますので、定着状況を見ながらあの規定の趣旨を尊重してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○吉井英勝君 四月一日から消費税を実施しようということで、今説明会をあちらこちらで持っておられます。税務署の説明会で、会場の中から、出席者の方から質問が出てくると、その質問には会場では答えない、会場で出てきた質問には答えない、そういうところがあります。それから、質問をいただいても答えられないものがありますというふうな最初から宣言をしているところもあります。それから、事業者への説明でもう精いっぱいであって、実際には四月一日からすぐ消費者が負担するということになりますが、消費者の皆さんからの消費税についての説明会も必要だ、説明しろというお話があってもとてもできる状態じゃありませんと、そういうお話もあります。今、いよいよ四月一日までもう時間ないわけですが、こういう事実、現場の実態というものをまず御存じなのかどうか、この点伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 四月一日から消費税が施行されるということを考えまして、私どもはいろんな形での説明会あるいは相談等を行っております。 まず、概要的に申し上げますと、説明会につきましては、各種の団体等で催されます会合から講師派遣の依頼等がございます。そういった場合にも積極的に応ずる、対応していく。また税務署自身が主催する会合にできる限り多くの方に御参加いただくというような格好での説明会を数多く催しております。両者を合わせますと、今時点で二万回以上に達しておるのではないかと思います。そのほかに、それぞれの税務署に消費税コーナーを設けまして、消費税の問題につきましての御質問等につきましては、個別対応ということで御相談に応じております。また、さらに一般の直税系統、法人税等の調査がありましたときに御質問を受ける場合には、そういった機会の御質問にもできる限りお答えするというふうな格好で、いろんな形で本税につきましての御理解をいただくべく努力をしておるところでございます。 先ほどの御質問、またただいまの御質問にもございましたが、出だしでお答えしにくいといいましょうか、即答できない問いもありましたことはこれまた事実でございますけれども、そういった場合におきましても、単に御質問を聞きっ放しにするということではなくて、必ずその問いに対するお答えは、その場でお答えできない場合におきましても後日必ず御連絡を申し上げるというようなことで、きちんとした対応をするというふうな指導をしてまいっておるつもりでございます。その意味で、その場でお答えできない場合でありましても、若干のお時間をいただければ必ず後日御回答を申し上げるということで、本税の御理解を得るべくいろんな形で努力しておるところでございます。
○吉井英勝君 まず場内から、説明会を持って出席者の方からまず質問が出ると、それについてはもう最初から、場内で質問していただいてもお答えしませんと、そういうやり方でやっているところもありまして、これは業者の皆さんからも随分不評を買っています。こういう事実は御存じなのかどうかも伺っておきたいと思います。 あわせて、やはり今やっていらっしゃるのは主として納税義務者たる業者中心ですね。実は消費者の方というのは、例えば年末に住宅の購入契約結んだ、しかし事情があって工期が延びて四月一日以降にずれ込んだ、四月一日以降の取引の方については消費税かかってくるということで、余分に百万円近く税金がかかってきて資金計画が狂ってきたとか、いろんな問題が既に出ております。ですから、消費者に対してもあらゆる疑問に答えていくという、そういうふうな説明会なども必要になるわけです。ところが、実際の税務署の現場では事業者の皆さんへの説明でもう精いっぱいです、とてもじゃないが消費者などへの説明などできない実態ですと。これは私も税務署へ行って伺っているのですが、そういう現場の実態というものを御認識いただいているかどうか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 概念的に分けますならば事業者、消費者というふうな分け方になろうかと思います。ただ、実際問題として、事業者であると同時に別の側面では消費者であるという面もございます。そういう意味では、確かにおっしゃるように私どもが税務署という組織を通じて申し上げる説明会は、事業者が中心になっているのも事実でございます。しかし同時に、当該商品といいましょうか、その方が扱っておられる商品あるいはサービス以外のものについて言えば、その方は同時に消費者であるという意味で、一人の方が二面性を持っておるということも事実でございますので、消費者に対する説明がゼロであるというふうなのは逆にまたちょっと言い過ぎかなとは思いますけれども、いずれにしましても、私どもの行政という観点での説明会が、事業者が中心になるのもこれまた否めない事実でございます。したがいまして、そういった事業者団体を中心にした説明会でカバーできない部分につきましては、各種の広報を通じましていろんな形でのお知らせといいましょうか、御説明を別途やっておるつもりでございます。ただ、何分にも消費者一般という形での集合した説明会というのは、やはり消費者の性格といいましょうか、事業者の団体に比べましてなかなかお集まりいただく機会というのは少のうございます。そういう意味で、あくまでも一般的な広報を通じてというところが中心になりますけれども、そういった側面におきましても、いろんな形での広報に相努めておるつもりでございます。
○吉井英勝君 要するに業者、そして消費者に対してもう四月一日実施直前なんだが、十分説明をした、説明できたとお考えですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもは、私どもの組織を通じいろんな形での広報を行ってきたつもりでございます。そういう意味で地域別説明会、あるいは業種別説明会、あるいはその他のいろんな各種の説明会、あるいは一般的な広報等々通じまして、消費税につきましての基本的な御理解は得られたものというふうに確信しております。
○吉井英勝君 これは国民の間では知れば知るほど矛盾だらけだということで、ますます問題だ、もっとここを、じゃどうなんだと疑問を出して問いただしたいということがますます出てきているというのが実態であるということをまず申し上げておきたいと思いますが、商工会議所とか納税協会、青色申告会などの説明会には、今おっしゃったように出かけていって説明をされる。消費税に反対とか賛成をしていないそういう業者団体には説明には行かないのだと言っている税務署もありますが、これは先ほどの講師派遣のお話とは随分違うように思いますが、こういう税務署も中にはあるのですが、それは大蔵省の方針なのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもはいろいろな機会で消費税についての御理解、仕組み、あるいは申告納税の手続等について御理解をいただく機会があれば可能な限り、私どもの能力が許す限りそういった講師派遣の要請に応ずるようにという指導をしております。したがいまして、これまでいろんな会合を持っておりますけれども、あるいは持たれた会合への講師派遣をしておりますけれども、私どもが有する戦力といいましょうか、講師として派遣し得る戦力で、むだに遊んでいるといいましょうか、お断りしてまで遊ぶというようなことは全くない。むしろ逆で、きょうはあちら、あすは別のところというような格好で、相当講師になる人の担当者もあちこちと活躍していただいているということでございます。
○吉井英勝君 そうすると、私が行った税務署の中には、お話ししておりますと先ほど言ったように言う方がいらっしゃるのですけれども、消費税反対の国民からももちろん消費税を取るということですね。反対だったから消費税要りませんということになりませんね。しかし、説明の方は賛成した団体や消費税協力団体だけであって、反対する団体には説明してやらないということになる!これは随分おかしい。 もう一度確認しておきたいのですが、そういうのは大蔵省の方針じゃありませんね。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもが講師派遣をしておりますのは、消費税につきましての仕組みあるいは申告納付の手続等々、本税につきましての御理解を得ていただくための講師派遣でございます。したがいまして、特定の別の目的でもっての集会等がありまして、それに参加しろというような場合に、今私が申し上げたような目的とは違った目的であれば、あるいは場合によっては御遠慮することがあろうかと思いますけれども、あくまでも消費税の内容を御理解いただくための会合ということであれば、事情の許す限り、私どもの能力の許す限り参加するように指導しております。
○吉井英勝君 くどいようですが一言確認しておきたいのです。消費税反対の集会とか、そうじゃなくて消費税説明会とか学習会ということであれば、もちろん講師派遣はされるというのが方針ですね。もう一言だげ。
○政府委員(伊藤博行君) たびたび申し上げておりますように、消費税を正しく理解していただくための勉強会ということでございますならば、私どもの能力の許す範囲で講師派遣をさせていただいておるというふうに理解しております。
○吉井英勝君 実は、私はせんだって大阪の泉大津税務署へ参りました。反対の人にも消費税払ってもらう、しかし反対とみなされる人への説明会には行かない、これが税務署の方針ですと言っておりましたが、先ほどのお話からするとこれは大蔵省の方針じゃないということで確認しておいていいですね。
○政府委員(伊藤博行君) 具体的なケースがどういうケースであったか承知しておりませんけれども、私どもの一般的な各署への指導方針は、消費税の内容についての御理解を得るための説明会、これには可能な限り出席、あるいは講師派遣の要請にはこたえるようにというふうに指導しております。 ただ、ときどき報告を受ける中には、特定の目的といいましょうか、消費税の中身を理解するための会合といいましょうか、ではなくて、専ら反対をするためだけの会合というのもあるやに聞いておりますが、そういうようなケースであればあるいはお断りしたケースがあるかもしれません。しかし、まじめな本税につきましての勉強会ということであれば、積極的に参加するようにというふうに指導しております。
○吉井英勝君 くどいようなんですが、非常に大事なところなんで聞いているのです。世論調査によりますと、七割以上の方が消費税反対という意向を示しておられるし、けさの朝日新聞見ておりましても、消費税に不満という声は八二%ですね。ですから、消費税賛成の方も反対の方も当然いろんな考えがあるわけです。 ところが、相手が消費税に賛成か反対か、これを選別して税務署の側で説明するとかしないとか、そういうことを決めるとなりますと、思想、信条や団体所属のいかんによって行政的差別をしてはならないとする、当然ながら憲法などの法律の規定に明白に違反するわけでありますし、ですから、私も言っておりますように、明確に消費税反対集会だ、そこへ講師来てくれと、それは何ぼ何でも皆さんの立場としてもあれでしょう。しかし、参加していらっしゃる方は不満を持っていても、反対の方がいらっしゃるとしても、少なくとも消費税の説明会に来て説明してもらいたい、そういうところについては、これはもしそれを反対する人が多いからとか反対する団体だからということで、思想、信条、団体所属のいかんによって行政的差別というのは私は絶対にしてはならぬというふうに思うわけです。この点については国税庁からも御答弁いただいております。 大臣、これは大事な点なので、この点だけは大蔵大臣としてもそういう点で憲法に違反するような行政的差別をしてはならぬということ、これは確認しておきたいと思うのですが、大臣それでいいですね。
○国務大臣(村山達雄君) もう実施を前に控えておるわけでございます。我々はこれを定着させるべく懸命な努力をしているわけでございますので、やはり消費税に反対であろうと何であろうが、やはり消費税が施行された場合にどうなるか、要するに仕組み、そういったことを本当に聞きたい、反対であろうがどうであろうが。そういうものについてはやはり行くべきであろう、また行かねばならぬであろうと思います。 我々は、今国税庁がどういうことをやっているかというのは絶えず概略承知しているわけでございますが、講師派遣それからみずからの説明会、ですから、まずほとんどそういったことでこれだけ行っておりますから、恐らく世論調査にあらわれた反対とかいうのがたくさんありますが、その辺全部カバーしているのじゃないだろうか、かように思っておるのでございます。
○吉井英勝君 実は、私なぜ大阪の泉大津税務署がそういう態度をとられたのかと不思議に思いましたのでいろいろ調べてみました。そうすると、大阪国税局の方で主催されて管内の間税部門の統括官の方を集められた会議の中で、「消費税説明会に関する想定問答」ということで資料も配布して御指導していらっしゃるのですね。私もその資料を入手いたしましたので、読ましていただきました、それによると、その八番目にあるのですが、「今後、我々の団体が同種の説明会を開催する場合、当局は便宜を図ってくれるか。」と。つまり、講師派遣やってくれるかという、そういう想定質問です。これをやりまして、それに対してこう答えなさいという回答要旨というものでひな形を示しているのですが、「納税協会は、当局の指導監督下にある団体である。この権限の下で、当局の施策に沿って開催している説明会について、」、当局の施策ですから消費税推進という立場ですね。それに沿って開催している説明会について、「講師の派遣などの支援を行っているものである。」。それに対して、消費税の推進とは異なる立場、そういう「あなた方の要請に応ずる考えはない。」、こういうふうにお答えしなさい、これ大阪国税局の方でそういう指導をしていらっしゃるのですよね。だから、私最初泉大津税務署に行ってびっくりしたのですが、何でこういうふうになっているんだろうかと思ったら、実は国税局でこういう指導をしていらっしゃった。ですから、この点について、どうも消費税に賛成か反対かで行政的に差別せよということになりますと、これは大蔵省の方針とは全然違うと私は思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほど来申し上げておりますように、参加者が消費税について賛成、反対どちらの考え方を持っているかにかかわらず、消費税の性格、仕組み、あるいは申告納付の手続、そういった問題につきまして御理解を深めるための会合、そういうものであれば、参加者の考え方どうこうということではなくて、講師派遣をするようにということを指導をしているのは先ほど来申し上げているとおりでございます。今おっしゃったのが具体的にどういうケースを想定しておるかというのはよくわかりませんけれども、一般的に考えられるとすれば、先ほども先生おっしゃったように、専ら政治的な目的で開かれる消費税への反対集会とか、そういったたぐいのものであれば、これはやはり事柄の性質上、たとえ多くの方からの要請がございましても御遠慮申し上げるということはあり得るかと思いますが、文字どおりまじめな消費税の説明会というものであればそういったようなこと。ただし、私どもの能力といいますか、スタッフの数が制限がございますから、そういった調整等はもちろんありますけれども、そういう能力の許す限り講師派遣の要請には応ずるようにという指導をしております。これは、先ほど来申し上げておるとおりでございます。
○吉井英勝君 これは、まず大阪国税局の方を調査をしていただいて、今すぐというわけにはいかないでしょうから、後刻改めてまた私の方へ御報告いただきたいと思います。 私時間がありませんから、一から十まで全部の質問項目を読み上げながら、実はこういうものだったんですよとここで開陳しているわけにはまいりませんので、最も関係した大事なところだけ申し上げました。この方針というのは、これは明らかに憲法の趣旨にも反するものだし、私も先ほど申しましたように、消費税反対の決起集会に税務署の署長さんなり間税部門の担当者の方が出てきてやりなさい、そんなばかげたことはだれも言わないわけですよ。どういう立場のものであっても、説明会をやってもらいたいので講師派遣を要請するということに対して、「あなた方の要請に応ずる考えはない。」と、これは明らかに誤りだということで、まず一つは調査をされること。一つは、少なくとも各国税局、また各税務署に対して、相手の思想、信条、団体、所属のいかんによって、またこの消費税に賛成か反対かとか、そういったことのいかんによって説明会を拒否してはならないという、これは少なくとも早急に指示していただかないといけないと思うのです。どうですか。
○政府委員(伊藤博行君) 説明会のやり方等につきましては、年があけましてからたびたびいろいろな会合を通じまして各局署に指導しております。その際の指導方針は、先ほど来申し上げておりますように、消費税というものについて理解を深めるということの会合であれば、どういう会合であっても事情の許す限り、これは事情というのは私どもの能力の許す限り参加するように、あるいは要請に応ずるようにということでやってきております。その意味で、先生おっしゃったような、信条によってどうこうというようなことをやっておるとはとても信じがたいというのが私どもの実感でございます。今後とも、先ほど来申し上げておるようなことで指導をやってまいりたいというふうに考えております。
○吉井英勝君 もう一点、大阪国税局のこの問題については、まず調査をして後刻御報告いただけますね。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもは、先ほど来申し上げておるように、常に本税の理解をしていただくための会合、あるいは説明会には積極的に出るということでやってきておりますので、あえて調査云々ということを申し上げるまでもなく、そういった指導でやってきておりますし、今後もその指導を続けてまいりたい、このように考えております。
○吉井英勝君 ですから私は、国税庁の長官をお願いしておりましたのはそういう意味なんです。基本的な大事な問題について次長さんもいろいろ御苦労いただいておるとは思いますが、なかなかすぱっとおっしゃりにくいように伺うのですが、私はこういうふうに指導しているというお話はわかりました。しかし、大事なことは、現実に私が泉大津の税務署に行ったときに言われたこと、税務署の方がおっしゃったこと、それはもう時間もあれですけれども、どう言ったかといいますと、反対の人にも消費税を払ってもらうのだ、しかし反対とみなされる人の説明会には行かない、これが税務署の方針ですと。私は、ここだけ特殊な例かと思っておりましたら、大阪国税局の方の想定問答集ではそれを指導しておるわけです。ですから、これはちゃんと調査をして、今この委員会中にすべて調査を終えて報告せいと、私もむちゃは言いませんから、まずあなたの方で長官ともよく御相談されて、調査をして後刻御報告いただきたい。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほど来申し上げておるとおり、繰り返しに相なりますけれども、先生のお話も御意見として承っておきたいと思います。
○吉井英勝君 それはちょっとひどいのじゃないですか。私、長官に来て答えていただきたいと思ったのは、もうあなたのお立場ではなかなかしんどそうなので、あえて言っているわけなんですが、これは大蔵大臣、私はこんなことまで大臣の手でひとつ調査をしてやってもらいたいというつもりはもともとなかったんですけれども、今の国税庁のお話を聞いていると、実際私が泉大津の税務署で聞いた話、それはぴったりとこの大阪国税局の想定問答集と一体のものなんです。ですから、私はすぐ直ちに大阪国税局に対して是正の指導せいと今言っているのじゃないのです。方針は既におっしゃったから。だから、こういう実態についてまず調査をして後刻報告をいただきたいと、これぐらいのことは、次長の方で難しければ、これは大蔵大臣ひとつやってください。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほどからたびたび申し上げておりますとおり、私どもの指導は、繰り返しませんけれども、お話のようなことが仮にあるのではないかという御指摘であれば、そのような事実関係につきましても十分調査してみたいと思います。
○吉井英勝君 次に、私はここに金沢税務署の「直税部長事務視閲資料」というのを入手いたしましたので、持ってまいりました。その資料の七ページ目の、その二という部分をちょっと御紹介しますと、「五十九年におげる署の施策とその成果」ということで、「事後調査に当たり、会員の会への依存度を弱め、修正申告割合の増加と脱会者の増加を目標とした。」、金沢税務署は特定の団体については脱会者をふやすということを目標としたということを文書に書いて、これで直税部長に報告をしていらっしゃるのですね。さらに続けて、一覧表があった後に、脱会件数が何%ふえたと、対前年比二〇六%ふえましたと、こう書いて、「前表のとおりの成果があり、会へのダメージは相当なものと推定される。」と、これを書いてますね。で、三番目のところで、昭和六十年における署の施策ということで、「歴年調査することにより、会員のダメージを与えるとともに、会への影響も考える。」のだ。これ金沢税務署の直税部長が事務視閲に行ったときに報告するためにまとめられた資料なんですね。 私、ここで伺いたいのですが、税務署の署長なり署員の方が個人として、個人的見解としてどの団体を好きになろうと嫌いになられようと、仮に憎しみを感じられたとしても、それはその人の思想、信条の問題、個人の自由の範囲内の問題だと私は理解しています。しかし、国家機関の一部が組織として特定の民間団体の破壊工作を署の施策というところに掲げて、その破壊工作の成果を誇るというのは、これは私は国家が国民の思想、信条や集会、結社の自由を侵害する、まさに憲法違反の重大な誤りだというふうに思うわけです。 大蔵大臣に伺いたいのですが、歴代の大蔵大臣はこういうことをやりなさいということを指示していらっしゃったのかどうかですね、これを大臣に伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 税務行政の基本は、本来適正な課税の実現を図るということにあることは申し上げるまでもございません。特定の団体に対して先入観を持って行うべきでないというのは委員のおっしゃるとおりでございますし、私どももとのような団体に対しましても中立の立場で税務行政を行っているところでございます。また、納税者の方がどのような組織に所属しようと、それは納税者個人の自由の問題でございます。そういう意味では、私どもは全く無関心といいましょうか、中立的であると言っていいかと思います。 ただ、私ども率直に申し上げまして、民主商工会の事務局員の方や会員の中には調査の際の立ち会いということで、各種の調査妨害等と思われるようなケースも間々ございます。そういったような納税非協力な行動につきましては、税務行政の円滑な遂行という点から困難を来すという場合もありますので、そういうことのないようにということは常に留意しなきゃならぬというふうに考えております。 しかし、冒頭申し上げましたように、特定の団体に属す属さないというのは、全く個人の自由でございますし、そのことに対して私どもは全く中立的であるというふうに申し上げていいかと思います。
○吉井英勝君 まず最初におっしゃった民商云々についてでありますが、私もせんだって堺の税務署へ参りました。これは民商の件について行きました。税務署の署長の方針としては、少なくとも一時間は業者の方とよく話し合いをしなさいとか、一回行って、今おっしゃった何ですか、一人か二人立ち会い人がいたのいないの話で帰ってきて、五分や十分で帰ってすぐ反面調査だとか、そういうことをやっちゃならないというのは税務署の署長の方針ですということも署長さんから伺いました。実際にそれと反して五分、十分で帰ってきてすぐ反面調査をやるとか、そういうことが不信感を生み出したりとか、強権的なやり方じゃないかということで抗議を招いているというのも事実でありますから、私はこの場で、あなたと民商と税務署との間でどういうやりとりがいろいろあったかとか、そういう議論をやるために今出しているのじゃないのです。あなたも認められたように、どんな団体であったとしても、人がそこへ属する、属さないは勝手でありますし、私も申し上げましたように、税務署の署長さんなり署員の方がこの団体気に食わぬと思われようとどう思われようと、それは個人の自由の問題ですからね。まさに思想、信条の自由ですから、私はそれを今言っているのじゃないのです。ここに紹介したことは、特定の団体の脱会者の増加を目標としたということをちゃんと文書で金沢税務署書いているのですね。そして、「会へのダメージは相当なものと推定される。」、さらに「六十年における署の施策」としては「会員のダメージを与えるとともに、会への影響も考える。」のだと。ここまでまいりますと、これはいかなる団体であったとしても、国家機関の一部が組織としてそういうことをやるのは絶対許されないことであります。ですから私、これは大蔵大臣、これまさか大蔵大臣の方針としてそんなことはやっていらっしゃらないと思うのですが、この是正はまず大蔵大臣の手でやっていただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 国税庁は昭和二十四年にできまして、もう四十年やっておるわけでございます。そうして税務行政について責任を持ってやっているわけでございます。 私は、国税庁の組織というものは非常にしっかりしている、こういうふうに信用しております。ですから、まずは、やはり執行についての責任は国税庁に持ってもらわなきゃいかぬ、こう思っております。どうぞ、そういう意味で国税庁をひとつ信用していただきたいということを委員にお願い申し上げておきます。
○吉井英勝君 大臣にお伺いしますがね、憲法に反するようなことはしちゃならないというのは、これはもう大原則でありますので、この点だけは大臣からも、実際の執行面は国税庁ですから、大臣おっしゃったとおりですが、この点は大臣の見解としても厳に憲法を遵守するということで臨むべきだということだけはひとつ確認しておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) もちろん日本国民でございますから、憲法を守ってまいります。
○吉井英勝君 それでは金沢税務署の資料の中身等については、また国税庁の方で調査をしていただいて、後ほどまた御報告いだだくということで結構ですから、これはそういうことにしておいていただきたいと思います。いいですね。 それで、問題は税務署が民間のいかなる団体に対してであれ、その破壊工作を署の施策に書かれるということは憲法違反の重大な誤りでありますので、これはちょうど先ほどの消費税説明会の件と同様にやはり国税庁の長官、次長、きょうは次長ですから次長として、全国の局や署に対してそういうことあっちゃならぬということで周知徹底、指導していただきたいと思います。これはいいですね。
○政府委員(伊藤博行君) 先ほども申し上げましたように、いかなる団体に入るかどうかは全く納税者の自由でございますが、そういった問題につきまして、そのことのゆえをもって行政をどうこうするということはやっておりません。 ただ、繰り返しになりますけれども、具体的な対応といいましょうか、税務署への対応等々が、調査拒否等々というようなケースに該当するような場合には、やはりそれに見合ったことをやってまいりませんと適正な課税、適正な行政ができませんので、そういった点につきましては十分なる御理解をいただきたいというふうに思います。
○吉井英勝君 ちゃんと資料もそろえてどうぞ見てくださいと言っているのに五分、十分で帰って反面調査をやっている例もあるのです。その議論をやり出すと話は全然違うところにそれてしまいますので、私が今ここで限って申し上げているのは、こういうふうな憲法の十四条、法のもとの平等ですね、そして十九条、思想及び良心の自由、二十一条、集会、結社の自由、そして公務員の方は九十九条、憲法遵守の義務というのがありますね。ですから、こういうことに照らしたときに、この文書は明らかにおかしいですよね。ただ、文書の中身は今私が読んだとおりだと、次長に信じてくださいとかどうとかと言っているのじゃないのです。これはあなたの方でよく御調査いただいて、後刻返事をいただいたら結構だと。ただ、大事なことは、いやしくもこういう憲法に反するようなことはやっちゃならぬということを全国の国税局並びに署に対して指導を徹底していただきたい点ですから、この点だけ一つ、言いいですか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもも憲法を含めまして法律に基づいた行政をやっておりますし、その旨の指導は従来からやっておるつもりでございます。今後ともそういった考え方で局署を指導してまいりたいと思います。
○吉井英勝君 最後に、時間も迫ってまいりましたので、公正取引委員会に関連する問題について伺いたいと思います。 私、実は三月一日に大阪の公取に参りました。そのとき取り上げました問題は、衆議院の予算委員会で三月三日、我が党の工藤晃議員も取り上げておりますが、東芝タンガロイとか不二サッシ、島野工業などが下請に対して調査をしておった具体的事実について、公取に私は申し入れをやりました。国会論議も踏まえて、その後公取の方で指導をされて、これらの企業は下請企業に対して文書を出し直したということを聞いておりますが、どういう内容のものかを伺いたいと思います。
○説明員(大熊まさよ君) お答えいたします。 御指摘の三社につきましては、下請法あるいは独占禁止法に違反することのないよう注意するということで指導いたしました。その結果、調査を中止するとかあるいは買いたたきにならないよう、消費税額分は上乗せして支払うというような措置をとったという報告を受けております。
○吉井英勝君 それは、下請業者に対してこれらの企業が出している文書をちゃんと入手されて確認していただけますか。
○説明員(大熊まさよ君) 親事業者の方から報告を受けております。
○吉井英勝君 文書で確認しておりますか。
○説明員(大熊まさよ君) 文書で確認したところもございます。
○吉井英勝君 この種のものについては文書を一つ一つ取り寄せていただいて、そして、公取の方の指導の効果がちゃんと出ているかどうかということをこれからもチェックをしていただきたいというふうに思います。 実は東京特殊電線という会社が類似の例がございまして、これは実は公取の指導等もあって、これは三月十日付になりますが、下請業者に対して「消費税の処理方法」、「個々の取引は、税込み価格(内税方式)と致します。」「四月一日以降の仕入より適用致します。」と、これは下請に対して文書を出しております。 問題は、このとおりでいきますと、ああ、問題は解決したのかということになるのですが、その文書を発送して着いたころに今度は電話をしまして、価格は前と一緒ですよと。つまり、これは税込み価格が消費税実施前の価格と一緒だということですから、実際には百三分の百という単価に切り下げられるということですね、百三分の三が消費税ですから。こういうことが現実に東京特殊電線の場合などはやっておりますが、こういう事実はつかんでいらっしゃるのかどうか、まず伺いたいと思います。
○説明員(大熊まさよ君) 現在のところそのような情報は承知しておりません。
○吉井英勝君 それでは、私が挙げました東京特殊電線については、とりあえず後ほど調査をしていただいて、また御報告をいただきたいと思います。これはやっていただけますね。
○説明員(大熊まさよ君) そのような情報に接しました場合には、親事業者に対して事情を聞いた上、個別に指導しておりますので、本件につきましてもそのようにする予定でございます。
○吉井英勝君 この種の例は非常にたくさんあるわけです。私はここで全部やっているわけにはまいりませんので一例だけ挙げました。もともと下請が簡易課税を選ぶか、あるいは免税業者なのかとか、また課税取引高が年間幾らかとか、これは全く下請のプライバシーにわたる問題であって、一切調査する必要はないわけでありますが、この点先ほどの質問者に対する答弁の中でも通産省は、親企業の方が相当数アンケート調査をやっておった、慎重になるべきだと指導しておるということでございますが、これは実は私も三月一日に大阪の公取で申し入れをしたわけですが、まずそういう余計な調査をするなというその指導が必要だと思うのです。そして、今後この調査に名をかりて、実質的には消費者からいただいた消費税分、下請には単価を切り下げていったりとか、あるいはところによっては簡易課税方式を選ばせて利益を親企業が取っていく、抜いていくという、そういうやり方がないように指導を徹底していただきたいと思います。 今言いましたアンケート調査ですね、どういう課税形態になりますかという、余計な下請のプライバシーを侵害するようなそういうおそれのあるアンケート調査は、慎重にやりなさいじゃなくて、まずやめなさいという指導をやっていただきたいと思うのですが、この点だけ最後に伺っておきたいと思います。
○説明員(大熊まさよ君) 親事業者が下請事業者に対してそのような調査をしまして、その報告を強制したり、報告しないことを理由に差別的取り扱いをしたり、報告に基づいて不当な買いたたき等を行うことは、独占禁止法または下請法に違反するおそれがあるというふうに考えております。したがいまして、先ほども申し上げましたように、このような調査をしているという事業者に対しましては、独占禁止法あるいは下請法に違反することのないようにということで個別に注意しているわけでございます。
○近藤忠孝君 村山さんは、戦後国税庁ができたとき、最初の所得税課長でしたね。結局、取引高税あるいはシャウプ税制の施行に取り組んでこられたわけです。それから、主税局長時代には国税通則法を制定しましたし、昭和五十三年には大蔵大臣を務めるなど、戦後税制の立案、税務行政にずっとかかわってこられた方であります。そして今、戦後税制の抜本改革、とりわけ消費税という新税制を実施する大蔵大臣として再登場された。 どういう感想をお持ちか所見を承りたいと思っておりまして、そういう質問通告したのです。ところが、先ほどの志苫さん、鈴木さんに対する答弁を見てもわかるように、大体あんな答弁になることもう必至でありますし、時間が大変もったいないと思いまして、この質問は取りやめます。 ただ、言いたいことは、やはり質問に対しては論点をはぐらかしたり長々とした答弁はやめていただきたいということだけ申し上げて、次の問題に入っていきたいと思います。 本日は、租税特別措置の審議のはずでありましたけれども、しかし、ずっと朝から聞いていますと、消費税法案、まだ法案ね、の審議と勘違いするくらい、まさしくそこに問題が集中したわけであります。その原因の責任の一つがあそこにあるものですね、昨年まだ審議が極めて不十分なままに強行採決をしてしまった。だからこそきょうのような通ってしまった法案の、もう全くごく普通の法案審議というような、そういう状況になっておりまして、そういう意味で私は四月一日から実施することに反対であります。そして、この租税特別措置法も、消費税実施を前提としたものが含まれている、そういう意味でも絶対反対ということを冒頭に申し上げておきたいと思います。 私は、租税特別措置法案について主に質問する予定でありますが、しかしどうしても消費税、何しろ質問する予定が全部遮られちゃったものだから、ここで若干のことを質問しておきたいと思います。 まず、これは先ほど申し上げたとおり、取引高税のときに大蔵省内におられたというそういう立場で簡単にお聞きしたいのですが、今回の消費税は簡易課税制度、限界控除制度、免税点、こういう採用をいたしまして、ある意味では税が累積する、そういう点では取引高税に近い性格を持っておると思うのです。そういった点で、当時いわば執行側におられた、大蔵省側におられた村山さんとしてその経験から見て、取引高税に近い性格という面で今回の消費税、これどうお考えですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは実は、全く違う制度でございます。取引高税というのは、各取引の段階に税率一%で課税する、こういうことでございますから、これはまさに累積になるわけでございます。今度のはそうでありませんので、仕入れ控除分引きますから、結局マージンに対する課税と、こういうことになりますから、何段階あろうとも最後の累積の分はちょうど末端の売り値の三%、累積はそうなるはずだと、こういうことでございますので、全く違うわけでございます。 それから、取引高税はたしか昭和二十三年の九月実施だと思っております。廃止が二十四年の十二月でございます。それで、私は、二十三年の九月というとまだ国税庁できておりませんので、大阪の直税部長をやっておりました。二十四年の五月一日に国税庁発足いたしまして、初代所得税課長になっておりますから、直接取引高税には関係しておりません。 ただ我々は、税のある意味では専門家でございましたから、あの取引高税は無理だなということはすぐ直感でわかりました。一番大きなのは、何といっても当時はやみ取引がもう横行しているわけでございます。しかし、物価統制令は施行されておるわけでございます。そこでまあ、出しなさいと、こういうわけで、一月ごとに納期を決めて納める。もし、全部がやみ取引をやらざるを得ない状況にございましたから、あれをそのまま申告すれば物価統制令違反だということははっきりするわけでございます。そういう中で強行されたわけでございますし、しかも納付の方法は当初は印紙税でございました。それで、通告処分ということでございますから、客観情勢から申しまして、あれはいかにも無理だと、こう思っておりました。果たせるかな、二十四年十二月に廃止になりました。我々はよかったと、こう思ったものでございます。
○近藤忠孝君 その点は前の宮津大蔵大臣も同じように言っておられましたね。その点ではやっぱり共通する問題だと思うし、その点は私ども共通いたします。 ただ、取引高税と性格的に違うとおっしゃるけれども、私が指摘したのは簡易課税制度あるいは限界控除制度などの場合は〇・六%が次にまた上乗せですからね。これは累積して、一定の取引の数が一定限度を超えますと、これは税の上にまたどんどん累積していくのですよ。これは御存じのはずだけどね。その限りでは取引高税に近い性格じゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) 取引高税のケースに今の費消税を仮に当てはめるといたしますと、各段階で全部三%で課税していったら確かに取引高税だと思いますが、簡易課税制度といいましても、それは仕入れ分にかかっている税金を引いているわけでございます。ただ、その引き方につきまして特別のみなしをしているというだけでございますから、おっしゃるような累積という問題は起きません。
○近藤忠孝君 しかし、これははっきりしてますよ。〇・六が、一定の数、取引段階が五つや六つぐらいだったらば大体同じぐらいになりますわ、三%、そして仕入れ掛ける税額を引いたものでね。もっともっとそれがさらに取引の数が多くなれば、〇・六がそのままどんどん売上額に上乗せしていくのですから、それを累積と言うのじゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) 売り上げにかかります税率と、それから納付税額との計算をどうも混同しておられるような気がいたします。あくまで最終の負担は小売価格の三%でございます。取引高税のようなものでございますと、確かに一%でありましても、非常に大ざっぱに言いますと、十回取引があれば一〇%になるという可能性があるわけでございますが、今度の消費税は最終小売価格の三%、それを消費者が負担するということでございまして、途中の取引が何回ありましょうとも、そこの累積は仕入れ税額控除によって排除されていくわけでございますから、そういう累積は生じません。
○近藤忠孝君 私は近藤だけれども、混同なんかしてませんよ。 この場合、一つの特殊な例として簡易課税がどんどんどんどんつながってた場合ですよ、この場合は売り上げ掛ける〇・六なんだから、それは間違いないことです。その議論をしておっても時間の関係で仕方がないので、この法案に即した、そしてまた、かつ消費税に関係する問題について御質問したいと思うのです。 転嫁の問題が一つ重要な問題ですが、転嫁が一番困難な業界の一つとして繊維業界があることはよく知られています。繊維業界の中でも、さらに一番困難な産地というのは幾つかあると思うのです。私、この間三月の二十日から三日間ほど福井、石川、いわゆる北陸の繊維ですね、この地域は、糸を自分で負担じゃなくて、親企業から糸を支給されて、いわば工賃だけですから。そうしますと価格競争力がなくなってどんどんどんどん工賃が下げられる、こういう状況なんです。そういう状況では繊維全体が困難だけじゃなくて、その上さらに最も困難な地域だというので、私行ってまいりました。 この辺の状況について通産の方ではどう把握をしておられますか。
○説明員(林康夫君) お答えいたします。 繊維業界の消費税転嫁の困難性でございますけれども、先生おっしゃるとおり、確かに北陸の産地は工賃ベースで操業しておるわけでございます。しかしながら、かなり北陸の産地は免税点以下の業者が多いということでございますけれども、実際に消費税の転嫁の問題につきましては、私ども見るところ、より高級品をつくっている業者の方々の方がむしろ適正に転嫁をしやすい状況に置かれている。すなわち、比較的高級品をつくっておる業者の方が転嫁が円滑にいくのではないかと考えておりまして、こういった方向で今回のお願いしております繊維法の構造改善計画も、できるだけ業者の方々がより転嫁しやすい商品を開発し販売できるように構造改善をしていこうと、こういう趣旨に基づくものでございます。 〔委員長退席、理事矢野俊比古君着席〕
○近藤忠孝君 今回の税制改革の中に繊維関係の税制の特別措置があるというので、それが、いわば今言った消費税の実施を円滑にするための措置ということであります。それはまあ後で聞きます。 私は転嫁の問題で言いますと、行ってみますと、確かにカルテル結んでました、業界としてね。ただ、その業界の幹部の人も言っておったのは、一生懸命カルテル結んで統一的な請求書もつくろうとかいろいろ努力をして、そして相手側の企業ともいろいろ交渉もしておる。ただ、県内の業者はとりあえず相手方もある程度認めてくれるかもしれぬけれども、県外の業者には果たしてこれが徹底するのかどうか、こういう心配をしておった面もありますが、一番問題は、まさしく工賃だけで、しかも一番末端の業者、大体全体の七〇から八〇%がいわゆる免税点以下の業者なんですね。そういった人々がそれこそ税金分、これはその他仕入れに含まれる税金ですが、それが上乗せできるのかどうか、これは本当に深刻な状況です。 そこでまた、通産にお聞きしたいのですが、この場合、工賃があらかじめ決まっておれば、そういうカルテルなんかでみんな一緒の、同じ請求書出して価格交渉もできるのですけれども、実情を聞いてみますと、一番末端の業者は工賃は後決めなんですよ。私も弁護士で、工賃の後決めなんていうのがあるのを二年半前に調査に行って初めて知ったんですけれども、要するに、品物を納めて、後で代金が来て、初めて工賃幾らかと。そのときの市況などで下がったのか上がったのか。こんな工賃後決めの場合に、この消費税分、この場合には仕入れに入っている税金分でもいいし、またあるいはこの場合はみんな、業界としては免税業者でも三%上乗せしようという取り決めをしていますから、その三%はいいんだけれども、いずれにしろどちらであっても後決めの工賃についてそんな消費税上乗せできますか。その点どうですか。 〔理事矢野俊比古君退席、委員長着席〕
○説明員(林康夫君) お答えいたします。 先生御案内のように、加工賃は加工製品の市況とか、あるいは給需関係とか納期とかあるいは加工の難易度とか、いろいろな要素を考慮した上で発注者と受注者が合意の上決めるものでございます。現実には後決めの場合もあり、あるいは先決めの場合もあり、態様はさまざまでございます。 こういった極めて複雑な条件が入り組んでおりまして、比較可能な形ではなかなか工賃というのは調べられないのですけれども、現実に後決めであろうと先決めであろうと三%の上乗せをしなければならない、またすることはできると考えておりまして、それは当事者同士の交渉で適正に消費税分を転嫁していただくということで、私どもも指導をしているところでございます。
○近藤忠孝君 大臣、今の答弁をお聞きになって、後決めでこれはどうして合意なんですか。後決めですよ。末端の業者は納めちゃったときには工賃幾らかわからないのですよ。後で金が来て初めてああ幾らだったのかと。特に二年半前なんかは本当に深刻でしたね。単位当たり千三百円のものが九百円に、九百円が五行円に、これは後から来てわかるのです。それは工賃だけじゃないのです。恐ろしいのは罰金制度。ほんのちょっとしたミス、顕微鏡で見なきゃわからないようなミスがあっても、これは不良品だというので返ってきて、そうすると糸代も含めて負担しなきゃいけないのです。今は多少よくなっています、大分淘汰されてきましたからね。でも下がったやつがほんのちょっと上向いた程度ですが。 こんな状況ですと、ある例では、今、週休二日なんて言っていますけれども、年二日制ですわ、休みが。しかも二十四時間夫婦で機械をともかく一年中動かして、そして、三十何万と言っていましたけれども、電気代などを引きまして残るのはわずか三万から五万、これは夫婦で働いてです。多少よくなって少しはいいけれども、今どきそういう産地もあるのですね。 そうすると、今通産の方では合意で決まる、そしてその中に消費税分は上乗せ、話し合いでできますよと言うのですが、これはお聞きしたいのですよ。後で決まってくるのにどうして税金分幾らなんて決まるのですか。これちょっと通産待ってもらって、大蔵省答えてください、大蔵省がつくった税金だから。
○政府委員(尾崎護君) 今のお話を伺っておりますと、税金の問題というよりかむしろその本体の価格のお話のように承っておったわけでございますが。
○近藤忠孝君 本体の価格だけども税金はびっしり取られるわけです。こういう場合は税金払わなくていいというわけじゃないでしょう。 例えば、今までと全く同じ工賃だとすれば、仕入れに含まれた税金分の工賃が下がったということ。本来税金は売る方が上乗せをして、そして価格を決めて売るのに、この場合には後で決まって、そこで来た工賃の中から税金を払わなきゃいかぬ。もし同じだったらばその分損をする。福井じゃ最大の産業ですよ、繊維は。石川でも第二番目です。大変たくさんの人が従事している。そういう産地が現に存在すること、大臣も十日町という産地が選挙区に近いと思いますけれども、現にこういう産地が存在するところにこの消費税が導入されるということは、価格決定の問題だというけれども、税金分含まれているんだから、こんな本当に零細でどうしようもない業者にその分自分でかぶれというのですか。転嫁じゃないんだよね、自分でかぶれというのか。その点どうです。
○政府委員(尾崎護君) 後から価格を決めるということでありましても、恐らくお決めになるときに、そのときそのときのコストの状況ということをお考えになるのだろうと思います。 お話によりますと、どうも大部分の方は免税業者の方のようでございますが、その免税業者の方の工賃をお決めになりますときに、従来と事情が変わって、免税業者の方々の仕入れの税負担があるということについて親企業の方が配慮をすべき問題だろうと思います。
○近藤忠孝君 それは親企業が配慮すべき問題なんだけれども、するような親企業だったら、あるいはするような商社だったら私こんなこと言いませんよ。そうならこの地域はこんな深刻な状況になっていないのです。 ところが、これは後でも出ますが、まさしく今国際的に大変な競争で、特に韓国、東南アジアからどんどん入ってきていますね。そこへ日本の資本が行ってまた逆輸入というようなことがあるものですから、そういう中で大変深刻な状況になって、まあ親企業にしたって商社にしたってある意味じゃ必死かもしれません。だからそういう中で、消費税分見てあげますよと、一方的恩恵になっちゃうわけです。そんなことしてくれるような業界でないということの御認識がどうもないようだけれども、しかし、今指摘したようなことも含めて、この問題、最後に通産の方から答えていただきたいと思います。
○説明員(林康夫君) お答えいたします。 御指摘のように、繊維産業は大変厳しい状況に置かれていることは事実でございます。特に、輸入の急増とか内需の大変激しい、目まぐるしい変化といった状況の中で、私どももこういった繊維産業が大変厳しい状況に置かれている点に関しては十分承知しているつもりでございます。 したがって、今回消費税を導入するに際しましては、適正かつ円滑な転嫁というために私どもも万全の措置を講じなければならないという認識でおります。このために、私どもも繊維業者に対する説明会を、実に私どもが繊維業界関係者だけに行ったものだけでも二十七団体、九十五回にわたって説明をしておりまして、またその親企業等に対する転嫁の受け入れに関しましては、大臣の通達といったことも出しておるわけでございます。 それからさらに、共同行為でございますけれども、親企業に対抗して適正な転嫁がしやすいように業界を指導しまして、共同行為を実施させるというようなこともやっております。あわせて補正予算におきましても、転嫁の妨げとなるような繊維産業固有の取引形態とか、あるいは需要喚起のための需要開拓事業とか、さまざまな手当てをしているところでございまして、こういったさまざまな手を打ちながら、施策を通じて繊維産業における消費税の円滑な転嫁を万全のものにしていきたいと考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 円滑かつ適正にいかない分野が現に存在をしているということを私は強調したいと思います。 しかし、そういう中でも努力しようということで、今回の租特の中にも、繊維産業に対する構造改善に関して税制上の措置をとることになっております。ただ、これは現場に行って聞いてみますと、現にある構造改善事業、業者のためを思ってつくってくれたのだろうけれども、なかなか条件が厳しくて、入り口を少し緩和してくれなきやとても適用にならない、こういう声があります。ましてや、今回それにさらにまたもう一つ制度ができまして、これはまたもうちょっと条件が厳しくなるのですよ。となりますと、例えば特に北陸産地では、今度できる制度については、どうも果たして県内でそれに適用になる人が幾らいるのか、こんなような声が聞こえてまいりました。 そこでお聞きしたいのは、今までの構造改善に関して税制上の措置がとられてまいりましたが、その適用の、割り増し償却ですね、件数とそれによる減税額、どれほど税金が安くなったか、これについてお答えいただきたいと思います。
○説明員(林康夫君) お答え申し上げます。 昭和五十九年度から本年度、昭和六十三年度までの実績でございますが、六十三年度につきましてはちょっといまだ集計が終了しておりませんので六十二年度までということでお答えさしていただきたいと思いますけれども、昭和五十九年度から六十二年度までの四年間の割り増し償却の償却実施額は、業界団体の調べでございますが、件数にして百七十四件、金額にして四億円でございます。これは別に四捨五入したわけではございません。四億円でございます。
○近藤忠孝君 年によって七十件程度適用になった例もありますが、二十二件とか二十三件とか、こういう状況、これ全国ですからね。恐らく、だから余り業者のために役立っていなかった。四年間合計して百七十四件ですよね。そういう状況だったということを指摘をしておきたいと思います。 それから、ちょっとまた消費税に戻りますけれども、主税局長、さっきお話ししたとおり、免税業者でも三%上乗せしようという話をしてます。それが事実上可能かどうかは別としまして。これは消費者から取るわけです。しかし納める必要はありませんよね。こういったことを業界で取り決めしていること、これがよろしいのだろうかという問題が一つ。しかし、みんなで言ってます、どっちみち自分がもらわなくたって親企業の方は仕入れに係る控除で全部差し引けるのだから、結局自分がもらわない分親企業がもうかっちゃうんだから要求しようというので、さっきのタクシーなんか、それは直接消費者に三%要求しますけどね。その場合にはこの三%を上乗せしたってそれは消費者に行きませんから、途中で緩和されてしまいますから、これは私は結構だろうと思うのだけれども。やっぱりそういうのがふさわしいのかどうか、これが一つです。 それから、こういう免税業者が課税業者を選んだとしますね。そうすると、理屈から言うと納税義務が出てくるのだろうと思うけれども、しかし限界控除制度を選べば、二千万ぐらいであっても三千万以下の場合同じぐらいでやっぱり税額がゼロになってしまう。そういうことになるのだろうか。この点ちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のとおりに、消費者に直接物を売ったりサービスを提供するという方と違いまして、取引の途中に出てくる免税事業者につきましても、取引先の方からしますと免税事業者からの仕入れについて三%仕入れ税額控除ができるということになっております。それは、ある意味では不正確と言えば不正確でございます。しかしながら、この制度があることによりまして、前回の売上税のときに免税事業者が取引から排除されるというようなそういう心配がなくなったわけでございまして、そういう意味では中小企業者の取引の安定には大変役に立っているという面も他面持っているわけでございます。そういう方々があえて課税選択をしたということを考えてみました場合に、確かにおっしゃいますとおり、課税選択をいたしましても三千万以下の売り上げでございますと限界控除がききまして納付税額は発生してまいりません。
○近藤忠孝君 次に移りますが、今回の重要な中身である税制の特別措置の問題です。 今、ある種の大企業はどんどん海外進出を推し進めて、それが国内経済、さっき言った繊維の状況もそうですし、雇用問題あるいは中小企業への影響など各地で進めておりますね。要するに、これは一口で言うと日本経済の空洞化という問題です。問題はこういう海外投資、これに対して私は歯どめがあってしかるべきではないかと思うのですが、この点についての政府の見解、大臣はいかがですか。
○政府委員(内海孚君) お答え申し上げます。 自由世界におきましては、物とか、あるいは資本の流れというものはできるだけ可能な限り自由なものにしよう、それによって経済の活性化と拡大を図ろう、こういう考え方に立ちまして制度をつくっております。したがって、一国の都合でこれを妨げるとか、あるいはゆがめるということには相当慎重にしなければならないというふうに私どもは思っております。 ましてや、我が国の空洞化という御指摘がございましたけれども、雇用の状況から見れば、ほかの国に比べてはるかに我が国は雇用状況は逼迫しているわけでございまして、予見し得る将来におきまして、御指摘のようなことというのはちょっと考えにくいし、またそういうお考えには賛同しかねるということを申し上げたいと思います。
○近藤忠孝君 歯どめをする気がないことは今の答弁でわかりましたけれども、歯どめどころか逆にむしろ海外投資をいわばこれは促進をしている。例えば、今回の法案にも入っていますけれども、税制上の措置として海外投資等損失準備金、それから金融上の措置として輸銀の海外投資金融、むしろ促進なんですね。 そこで、海外投資等損失準備金制度につきましては、今回特定産業振興事業ということで大企業向けに二〇%の積立率で新たな制度を設けようとしておるのです。こういう準備金までも設けて海外投資を促進している国はほかにどこにありますか。さっきは歯どめだったけれども、これ促進ですからね。ちょっと違うので、こんな国ありますか、あったら教えていただきたいのです。
○政府委員(尾崎護君) 我が国の海外投資等損失準備金のように海外への投資額の一部もしくは全部を準備金のような形で引き当てを認めているという制度は、現在フランスと西ドイツにおいてあるものと承知しております。
○近藤忠孝君 数少ない状況ですよね。問題は歯どめしないだけではなくて、こういう制度を持ち、さらに拡大していく、そういう必要はどこにあるのです。今の日本の国際社会における位置から言いましてね。歯どめについてはまあいいけれども、特に拡大する必要性をひとつ説明していただきたいと思います。
○政府委員(内海孚君) 我が国が現在置かれている状況を冷静に考えていただきますと、一方においてかなり大幅な貿易の黒字を持っております。これはいろんな意味で世界のほかの部分に役立つ形で還流する必要がございます。また、日本の置かれております国際環境におきまして、例えば貿易についてのいろいろな問題等を考えまして、生産の拠点を多角化するということも、また一つの積極的な意味合いがあると思います。私は、現在日本の置かれている状況から見て、投資によって世界全体の活性化を図っていくというのが非常に重要であると考えております。
○近藤忠孝君 国際的な批判を浴びておる中で果たしてそんなことでいいのかという問題を私は指摘したいと思います。 それから、特別償却制度でも私は同じだと思いますね。この特別償却制度は高度成長時代にこれは相次いで創設されて資本の高蓄積に貢献してまいりました。しかし、その後、財政収支の悪化、それから公平な税制を求める世論を背景にして政府も七六年ごろから租税特別措置の見直しを図る方針をとりまして漸次縮小されてまいりました。そういう中で公害の防止、中小企業の振興あるいは低開発地域の開発など緊急の政策課題についてハンディを持った対象に限定するなどの方向がとられている、これは私はいいと思っておったのです。まだまだ不十分だと私は思ってまいりました。ところが、八〇年代に入りましてこの方針がなし崩し的に崩されておる。再び特別償却制度復活強化の方向がとられているのがやっぱり現状ではないか。 全部述べる時間的余裕ありませんけれども、主なものだけ見てみましても、エネルギー対策促進税制、エネルギー利用効率化促進税制、テクノポリス地域投資促進税制、基盤技術研究開発促進税制、エネルギー基盤高度化設備投資促進税制、民活特定施設特別償却、特定開発研究用資産の特別償却、特定レジャー施設の特別償却などなど毎年のようにどんどんどんどんふえてきまして、私は数がふえているだけではなくて、問題は質的な拡大、質的な拡大は四つあると思うのです。一つは対象地域の面で、特定のハンディを負った地域の地域開発というのはわかりますけれどもね、そうじゃなくて大都市を含む全国的規模の開発にそれが広がってきている。さっき申し上げた基盤技術研究開発なんかもそうです。民活特定施設なんかもそうです。特定開発研究用資産の特別償却、それから特定レジャー施設。まず対象地域の面で広がってきているのですね。対象事業でも、今指摘したものが大体そうです。エネルギーとか公害など特定の極めて緊急性を要する分野から高度技術開発、民間活力、さらにはレジャー施設。要するに一般事業へ拡大してきている。それから対象施設の面でも、従来は奨励すべき特定の機械など極めて限定的だったです。ところが、今度は建物全体を直接対象にするものがふえております。それから対象主体も、これは本当に対策を必要とするのじゃなくて、もう必然的に大企業が専ら利用する制度になっている。 大ざっぱに申しましたけれども、要するに質的に全面的に拡大してきているという、こういう指摘に対してどういうお答えをされますか。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、昭和五十一年度以降連年にわたりまして特別償却制度について厳しい見直しをしてきているわけでございまして、平成元年度の税制改正におきましても、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却、それから特定開発研究用資産の特別償却の二項目を廃止いたしました。ほかに十七項目につきまして特別償却率等の引き下げなどを行っているところであります。 租税特別措置につきましては、従来から税負担の公平確保という観点から、社会経済情勢の変化に対応して必要な見直しを行っていくというように考えておりまして、その縮小の努力は今後とも続けてまいりたいと存じますが、ただ、やはり何が必要かということについては、社会経済情勢がいろいろ変わっていくわけでございまして、大都市の中にも多くの問題が生じてきておりますし、それから国民の健康回復というような面にも重きが置かれる、そういう世の中の変化があるわけでございまして、それとあわせていろいろ新しい制度もできてくるということもあるわけでございます。しかしながら、乱にはならないようにその縮小については努力してまいりたいと存じます。
○近藤忠孝君 縮小してきた努力についてはそれなりに評価をしておるのですが、問題は、また新たな質的拡大がある、それは先ほど四点にわたって指摘をしたことです。それは必要があると言うけれども、しかし、さっき指摘したような特定のものから一般へ、事業も特定のものからもっと広くという、そんな必要がどうしてあるのか。こんな調子でどんどん広がっていったらもうそれはまた限度なく広がっていく可能性がやっぱりあるのじゃないかと思うのです。 そういう中で特に指摘したいのは、今回創設される多極分散型国土形成促進法に基づく特別償却制度。今言った点から見てみますと、今まで以上に質的に拡大されていることがもう明らかなんです。対象地域は大都市を含む、対象事業は業務機能の集積、特色ある機能の集積などといって、それがどういう事業であるかを問わないのです。かつては特定にそれを対象とする必要のあるものと絞られておったけれども、そういうのがもうだんだん歯どめがなくなってくる。今回のこの制度の対象施設が建物、ビルなど、これは専ら大企業が利用するものなんです。たださすがに、第三セクターに絞っている、そういう答弁をするから、これはあらかじめちゃんとこっちで言っておきますが、しかし、本当に絞りになるだろうか。私は過去の例を幾つかでかいのを知っていますけれども、これは実質的に大企業が利用するものになることは明らかなんです。ですから、今度の特別償却制度創設が従来と比べて質的な拡大がないということが本当に言えるのかどうか、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 東京のような大都会に一点集中するというようなことが大きな社会的な問題になっておりまして、国の行政機関等の移転でございますとか、また、各地にいろいろ核都市をつくってその分散を図るというようなことも非常に大切なことではないかというように思われます。そういう新しいニーズが生じてきているわけでございまして、それに対応していこうという考え方でございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、今私が四点にわたって指摘した問題点があるのですが、こういう面での拡大、これは要するに必要があるというそういったことで今後もどんどんやっていくのですか。
○政府委員(尾崎護君) あくまで租税特別措置でございますから、御指摘のようにやはり税負担の公平確保ということが非常に大切なことでございますので、社会経済情勢の変化に対応して新しく認めていくものも今後もあろうかと思いますけれども、逆に今度は経済情勢、社会情勢の変化に応じて要らなくなるものもあるわけでございまして、そういう点厳しく見直して、全体としてはできるだけこれが広がっていかないように、縮小していくように努力を続けたいと存じます。
○近藤忠孝君 拡大してしまって縮小するといったって、これはともかくもう拡大しちゃっているのですからね。これは私は大変ぐあい悪いということを指摘をします。 あとわずかですが、一つだけ質問をいたしますと、今回、先物金融商品に対する課税をやはりしないのですね。株価指数先物については東京、大阪の市場において去年九月から取引が開始されております。その状況を報告受けるつもりだったのですが時間ないので、資料をもらったので中身わかりました。 それから、ことしからさらに東京金融先物取引所が新たに設立され、通貨や金利の先物取引が始まろうとしております。これも相当な額になるのだろうと思うのです。問題は、これは大臣にお答えいただきたいのですが、自民税調でもこの金融先物にも課税すべきだという議論があったようです。すべての取引、消費に原則として課税する消費税を導入するときに、取引所税といえども非課税の例外をつくるのはおかしい、これは税調の山中会長がそうおっしゃったようですね。取引を阻害しないよう低税率で課税しようというのが、これは昨年の一月段階では大体そんな意見になっておったようですが、どこの圧力か私どもは大体見当がついています、しかしこれをやらない。きのうの本会議の答弁でも、今あるやつの様子を見てそれで考えるというのですけれども、なぜやらなかったのか、これひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 取引所税はあらゆる先物取引に課税するという原則でやっておるわけでございます。ただ、ユーロ円の金利あるいはユーロドルの金利あるいは円・ドルの通貨スワップの問題、これの金融取引がことしの多分六月ごろまで待たなければ実施にならぬわけでございます。このときの実施の状況がどうであるかということをやはり見守って、そして既に先発しております株価指数の先物とあわせて検討して、平成二年度の税制改定で決定した方がいいということが政府税調でも党税調でも決まった、こういうこととして理解しているところでございます。
○近藤忠孝君 時間が来ましたので一つだけ意見を申しますと、原則課税であるならば、そんな様子を見てじゃなくて、制度ができたらその都度ある意味では自然的に課税をしてしかるべきであるということを申し上げまして、ちょうど時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
○委員長(梶原清君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明日は午前十時に委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後五時四十分散会 —————・—————