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114回国会参議院1989/06/21

選挙制度に関する特別委員会 第2号

発言数
73
登壇者
8
会派数
4
開催日
1989/06/21

会議録

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  中西一郎君が一たん委員を辞任されたため、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に久世公堯君を指名いたします。     —————————————

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) この際、坂野自治大臣及び長野自治政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。坂野自治大臣。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) このたび自治大臣を再び命ぜられました坂野重信でございます。  選挙の関係につきましては、当委員会の皆様方にはかねてから格別の御高配にあずかっておることに対しまして、この機会に厚く御礼申し上げます。  申すまでもなく、選挙は民主政治の基盤をなすものであります。民主政治の健全な発展を期するためには、常に国民の政治意識の涵養に努めますとともに、公正かつ明るい選挙の実現に積極的に努力してまいらなければならないと存じております。  私といたしましては、その責任の重要さを痛感いたしまして最大限の努力を傾注してまいる所存でございますので、委員各位におかれましては、何とぞ御指導、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 長野自治政務次官。

長野祐也自由民主党自治政務次官

○政府委員(長野祐也君) このたび自治政務次官を拝命いたしました長野祐也でございます。  当委員会は、民主政治の基盤であります選挙制度を御審議いただく大変重要な委員会でございます。選挙の問題につきましては、みずから選挙を体験され、その方面で高い御見識をお持ちの先生方の御指導を仰ぐことが極めて大切であると存じます。  私といたしましても、坂野自治大臣のもとで選挙制度の改善充実に努めてまいりますので、どうぞよろしく御指導をお願い申し上げます。     —————————————

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂野自治大臣。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。  この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。  次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。  第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。  第三は、ポスター掲示場の経費の額について、候補者数が十三人以上の場合において、所要の額の加算を行おうとするものであります。  以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨でありま す。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 それでは私からまず質問をさせていただきますが、今回のこの改正に伴って執行経費の全般的な額上げということになるわけでありますが、やはり一番先に頭にくるのは、消費税の扱いをどういうふうにされたのかなというのが一番先に頭をよぎります。まず、その辺の配慮をどのようにされたかという点についてお尋ねをしたいと思うんです。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 四月から消費税が実施されておるわけでございます。選挙の管理、執行に当たりましては、例えば投票用紙あるいは選挙公報の作成、あるいはポスター掲示場の設置等々、財貨サービスの購入の部分が相当ございます。人件費分も相当ございます。そういう財貨サービスの購入につきましては当然消費税分がかかってくるわけでございますので、その分は別途措置をしなければならないというふうに考えます。  そこで、予算の編成に当たりましては、まず消費税がない場合においてどれだけ引き上げをしなければいけないかと。これは、これまでの物価変動、公務員の給与改定等そういうものがありますから、消費税があろうとなかろうとどの程度引き上げなきゃいけないかということで所要額をはじきまして、その上で消費税がかかるものにつきましては消費税分を上乗せした。こういうようにして基準を立て、予算も組ましていただいているところでございます。  なお、御参考までにでございますけれども、全体にかかるわけではございませんものですから、予算ベースで地方公共団体の委託費で考えますと、大体一%強が消費税相当分というふうに見込んでおります。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 何%。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 一%強でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 それでは、その点についてはわかりましたが、三年前にこの法律改正をやったわけですね。そのときに私も質問をしたと思うのでありますが、市と町村との格差是正をやってくれ、こういう要望をしておいたと思うんです。六十一年の改正の際に、同じ県内でも隣り合わせている市と町の執行経費、積算内容にも差があるという点についてただしたわけでありますが、このときの自治省側の答弁は、そういう差が生じているのは事実だということを認めた上で、今の算定方法がベストというわけではなく、今後実態調査をしながら検討努力をする、こういうことであったわけでありますが、今回の改正に当たって、この辺についてどういう措置をとったかということについてお尋ねをしたいわけであります。  問題は、格差是正が行われた提案であるということが言えるのかどうか、その辺についてお尋ねをしたい。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 市あるいは国に関するものと、それから町村に関するものとで、基準と申しますか単価といいますか、それに差があるということは事実でございますし、今回お願いしている改正法案におきましても、そういうものはまだ存在しております。  その理由でございますが、一つには、人件費なりあるいはその他の物価なりにつきまして現実に差があるわけでございます。そういう差が反映されているということが一つございます。それから、いろいろ態様が違いますものですから、必ずしも価格差というだけではないが、やはり実際に要する費用に差が出てくるという部分もございますものですから、そういうところが反映されて町村部それから市と、確かに差はございます。私どもも、そういう差があることはやむを得ないにいたしましても、不合理なものであってはいけないだろうと思っております。  それで、実情などについてもいろいろお聞きもしながら、何が必要かということの検討はしてまいりましたが、今回の改正におきまして、例えば一つの例を申しますと、ポスター掲示場の設置の問題がございます。これはやはり市、区とそれから町村とで基準となる単価を変えておるわけでございますが、このポスター掲示場について基準の見直しをいたします際に、引き上げ率で申し上げますと、市につきましてはポスター掲示場の単価の引き上げ率を平均一二・五%としておりますところを、町村につきましては平均一七・六%引き上げる、そういうようなこともやっておるわけでございまして、今後とも実情というものに十分注意を払いながら対応してまいりたいと思っております。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 そういう答えがあったわけでありますが、今度の改正案で町村の投票所経費それから開票所経費、ここで町村の方が改定率幾らか上がったわけですか。市が大体八%台というふうに思いますが、そう理解していいんですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 若干町村分の方が、人件費部分につきまして引き上げ率は高くなっておると思います。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 いろいろ配慮をされているということはそれなりにわからないわけではありませんが、投票所経費について見ますと全体的な金額の格差が四割近く、それから開票所の経費については五割近くある、こういうふうになっているわけでありまして、少しばかりの面倒、気を使ったということになるのかどうかという点が、私には努力をした成果が上がったというふうにはどうも思えないというふうに思うんですね。  例えば投票所経費の基本額の算定について、市と町で同じ有権者を持つ投票所で仮に三千人から五千人のものを比較いたしますと、市の方では十人の事務従事者を予定するのに対して、町村の方では七名しか認めていない。同じ有権者数を扱っているのに三名も差がついている。こういう人件費、従事者の数の問題からも差がついておって、改善の跡が見られるとは言うことができないんじゃないかというように思わざるを得ないんですよ。  自治省の方での解説によると、都市部においては選挙人の異動が多くて名簿対照に手数を要し、投票所内の整理及び秩序の維持や勤労者の出勤前、昼休み、投票所閉鎖間際にいっときに多数投票するために投票事務の処理について特に事務従事者の増配置を必要とするため、投票所の事務従事者については町村の事務従事者の五割増しとしたという説明があるということでありますが、こういう説明が今日的な御時世でずっと通用するのかどうか。この法律制定当時のころの社会情勢、そういうものを背景にして考えられたのではないかなというふうに思うんですが、最近では随分町村の段階でも都市化を遂げておりますしへ内陸部でも随分工業開発が進んできておりますから、そういう面からこういう考え方をそろそろ改めなきゃならないんじゃないのかなというふうに思うんですね。  自分の県のことを引き合いに出しては恐縮ですけれども、うちの県の県南地域というと地価の問題なんかもありまして随分東京から流れ込んできています。埼玉なんかの場合ですと人口は大変な急増地域にもなってきているわけですから、その面での市と町村の差別をつけるというようなことは、もうそろそろ考え直す時期に来ているんじゃないかなというふうに思うんです。ですから、そういう点などについてどうしても検討し直すぐらいの気持ちを示してもらいたいというふうに思います。  それから最近の県や市町村の選挙を見ましても、ウイークデーにやるところは少なくなってきていますね。ほとんどもう日曜日が選ばれている。その辺、これはうちの県だけではないだろうと思うんです。最近行われた千葉県の三市の市長選挙なんかも全部日曜日に集中していましたしね。ですから、自治省の側で格差をつけるについて説明でいろいろ書いてありますが、そういうも のはもはやないのではないかなというふうに思うんです。これも一つ検討の理由になるのではないかなというふうに私は思っております。  それから法律が古いといったってそんな古いわけではないんでしょう。いただいた一連の法制定の経緯を見ましても、それにしては、日本の法律というのは片仮名の法律もあったりいろいろしておりますし、用語を直すのはなかなか手数のかかることだから後回し後回しというようなことになってしまうんだろうと思うんですが、食糧費や文具費なんという文言はそれなりにわかりますが、薪炭費というのは随分古い文言があるんじゃないのかなというふうに思うんですね。薪、炭、今使っておるところは山の中でもないでしょう。  そういう点もありますが、ただ食糧費について、一人二十円という単価のようでありますが、今どきやはり大変珍しいのが載っているような気がするんですね。今、保育所のおやつ代だってこんな安くないだろうというふうに思うんですけれども、これなんかも検討すべき問題ではないかなというふうに思うんです。こういうことなんかについて、皆さんの方でどういうような検討をされていらっしゃるのか、そんなこともお尋ねしてみたいというように思うんです。私の方が余り長くしゃべりますとあれですから、また続けてお尋ねをしたいと思います。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) まず、市と町村との格差の問題につきましてでございますが、ただいま御指摘もいただきましたので、格差ということもさることながら、私どもは必要十分な経費が措置されておるのではないかと思いますけれども、特に町村についてこれで十分措置されているかどうかということは、今後もよく実態なんかも聞きながら注意してまいりたいと思います。  それから確かに用語として必ずしも現在にマッチしないものがあるのではないかという御指摘は全くそのとおりでございまして、私どももかなり前から気にはなりつつ、なかなかそこの改正ができないでおったというところも実はございますが、今回薪炭費は、幾ら何でも薪炭という言葉はどうだろうかと思いまして、燃料費という言葉で表現をしていくことにしようかというふうにお願いしておるわけでございます。  それからもう一つは、単価の問題でございます。ここで考えております食糧費はお茶代というような感覚でとらえておりますものですから、もともとかなり低い額ということにはなろうかと思いますが、それにしても、ずっとそれを据え置きでいいのかということも、確かにごもっともだと思うわけでございます。ただ一方で、これ三年ごとに見直しをいたしますものですから、前回六十一年以降、この三年間の物価上昇というのが非常に低い、ほとんど横ばいというような状況にもあるものですから、今回特にこれについて引き上げをしなきやいかぬという説明が、この三年間だけで考えますと、なかなかしにくいという面も実はあるわけでございます。  それと、御案内のように執行経費そのものは基準をきちっと決めております。それで、どう使ってもいいということでは決してございませんけれども、ともかく全体として執行経費に不足がないようにという考え方で組み立てられておりますものですから、ある程度経費相互間の流用というものは、全体の中では、選挙のために必要な経費に充てていただく限りにおいては、かなり弾力的にやっていただいている面もあるわけでございます。  それで、実は今の食糧費等の面につきましては、かなり全体に占めるウエートも小そうございます。私どもとしては、今回の基準改定に当たりましては、もうちょっと別の面でどうしてもやらなきゃいかぬ、そちらの方に重心を置きましたものですから、この食糧費の単価改定というところまでは手をつけなかったというのが実情でございます。  別の面というのはどういうことかということでございますが、例えば不在者投票なんかの関係でいろいろ書類を送っていただく必要があります。それについて、普通郵便でやっておりますと間に合わないというケースが起こってもいけない。だからやっぱりそういうものは速達にすべきじゃないかというような声もあるわけでございまして、そういう郵便料金について速達料金をそれじゃ入れようと、例えばそんなこと。あるいはポスター掲示場につきましては、これは特に立候補者が多くなるようなところ、現在まで最高十三人以上というところで一つの区分をつくっておりますけれども、実際にはもうそれどころじゃない。何十人と立候補者が出るようなところもあるわけでございまして、そういうところでのポスター掲示場の設置には非常に御苦労があるし、経費もかかるということもあるものですから、十三人というところで線を引かない、線は一応ありますけれども、さらにその上に、人数が多くなるに従ってある程度加算をするというような改正もやらせていただく。どちらかといいますと、そういうようなところに重点を置いて今回基準改定をお願いしておるというようなことでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 お茶代と言うでしょうけれども、実際に従事者やなんかの具体的な調査をされれば、この辺のこともこの際にやはり実情に合うような形で措置をすべきではないかというふうに思うんですが、もう少しきめ細かな配慮をしても——これは別にお茶菓子あるいはお茶代も含めて、実際に私は二十円でやっているところなんというのはないだろうと思いますよ。従事者だけがお茶をごちそうになったりお茶菓子を食べたりして、立会人にやらないなんというわけにはいきませんし、投票管理者もいるわけでしょうし、実際はそんなわけにはいかないんではないかなというふうに思うんで、もう少しやはり実態に合ったような提案をしてもらいたいものだなというふうに思うんです。  さらに投票立会人の費用弁償、これは五千七百円を六千百円にするということですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 五千七百円を六千百円に改定したいということです。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 一日座りっ放しで、そして投票所にじっとしているわけですね。これは実労働時間になると、何も七時から六時までで終わるんじゃなくて、前後これきちっとやらなきゃならぬわけですね。十二時間も拘束しておいて、これ六千百円にした根拠というのはどういうんですか。ちょっと参考までに聞かせていただけますか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 改定前の単価が五千七百円であったわけでございます。基本的には、今回の改定はその後の人件費あるいは物価等の上昇に応じて改定をするという考えに立っておりますものですから、その五千七百円をベースといたしまして、今日までのその後三年間の給与改定率というものを連乗いたしまして、それで六千百円という数字を出したわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 台が安いと一定率で掛けていっても全然上がらないという結果しか出てこないんですね。国会での参考人の例でいくと、四時間以上の拘束で一万七千百円ということですね。その案件にもよりますが、これだけ払っているわけですし、自治省側として率直な感じとして安いと思いませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 一般的に労働に対する報酬というものは上がってきておると思います。ですから、例えば日曜日一日どこかで働けば、それはその人にもよるとは思いますけれども、相当の収入を上げ得る場合もあるだろうということは私どもそう思います。ですから、その六千百円という金額そのものが私は高いとは決して申し上げることはできないわけでございますが、ただ何とかお考えいただいて御協力いただきたいなと思っておりますのは、やはり選挙という仕事でございますから、そういうものに参加をしていただく、そういう面もひとつ何とかお考えいただいて、決して高くはないかもしれませんけれども、まあ何とかこの辺で御協力いただけないだろうかというような気持ちが偽らざるところでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 ボランティア精神を大いに発揮し てほしい、こういうことになるようでありますが、高いところに合わせろというふうには決して言いませんけれども、それなりに一日つぶして御奉仕した、それに報いたなという感じの数字はやはり欲しいのではないかなというふうに思うんですね。  これは国の基準で出てきますから、県や市町村の基準額になりますから、これで決まってくるということでして、これはここまで自治省側が国の基準を上回って出したからといって交付税を減額するなんという話の材料になるものではないとは思いますけれども、こんなところにも気配り、目配り、まあ金配りというのはあれですが、こういう点もひとつ十分考えていただきたいものだというふうに私は思うんです。総じて安上がりにやればいいということではなくて、出すべきものは出して、そして使命感に燃えてきちっと仕事もしていただくというような常識的な線というものが出されてしかるべきだと思うんです。また三年後になるんでしょうけれども、そういう点も十分配慮した取り組みというものを今後しっかり考えていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。  それから次は、大臣にひとつお尋ねしたいなと思うんですが、今みたいに政治資金の問題をめぐって議論されている時期はないと思いますね。きのうの毎日新聞の夕刊で経団連の事務総長の三好さんが、「自民案では信頼取り戻せぬ」という見出しで政治資金に関して述べているんです。その中でこういうことを言っています。  本来のクリーンな政治献金以外に、例えばパーティー券でも、自民党の「族」といわれる有力議員が一社に二百枚も三百枚も頼んでくると企業は買わざるを得ないのです。どうしてかというと、企業は政府によっていろんな規制を受け、あるいは補助金の関係もある。業界団体を通じて割り当ててくるわけですからね。 昨年五月、財界の政治献金部長と言われた花村仁八郎氏の後を襲い、経団連事務総長になった三好さんの言葉としてここに載っているんです。   日本は巨大な規制国家なんですね。政府の関与する分野が非常に多い。政府つまり行政が介入するところでは、業界がそれを緩和してもらおうとか、有利に運用してもらいたいので、政治家が口をきくということになります。現状では、行政と政治と業界三つどもえの利益誘導型の関係ができやすい。我々は規制緩和をすることこそ、 云々と、こうあるんですが、この前段の言葉というのは大変なものですね。  選挙法あるいは政治改革に伴う法律改正、こういうことについて大臣は前向きに取り組む、新聞社の質問に対してこういうお答えをされておりますが、ひとつこの席から今日的な立場で大臣のこれについてのお考えを、先ほどの所信というか、大臣就任の言葉の中には幾らか触れられたのかなと、こう私は思うんですけれども、お聞かせをいただけたらと思います。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) まず、先ほどから上野委員の方から選挙の経費についてまことにきめの細かい御質問なり御指摘をいただきまして、私もこれを聞いて大変感激しているわけでございます。  今の問題のお話でございますが、リクルート問題を契機といたしまして、急激に政治家に対する不信というものが広がってきたのは事実でございまして、これを何とか回復するためには、私ども自身がまず政治倫理に徹して、一人一人が反省すべきものは反省し、行動を律すべきものは律していかなきゃならぬと思うわけでございますが、やはり制度面で政治改革という取り組みを現内閣もひとつ積極的にやっていきたいと総理自身がそういうことをはっきりうたっておるわけでございます。  そういう中で各党からそれぞれ提案がなされて、今政治資金規正法の一部改正、公選法の改正と自民党の方から二本議員提案がなされておることは御案内のとおりでございまして、野党の方から四党の共同提案が出てまいりまして、私どもはこれに非常な関心を持っておるわけでございます。  自治省といたしましては、政治資金規制制度の問題、あるいは公職選挙制度に関する問題は担当の役所でございますから、今後できるだけ早い機会に各党で御議論をいただいて、そうしてできるだけコンセンサスを得て、これらの結論が出ることを期待しておるわけでございまして、自治省としてもこれらの問題に政府サイドから積極的に取り組んでまいりたいと思うわけでございます。  そこで、自民党からも提案がなされておっていろんな御批判があるかと思いますが、自民党の提案というのは、私考えますに、一番急ぐものから、まず具体的に実行できそうなものを上げてきたということで、長期的な立場から見るとまだまだ政治資金規正法を一つとってみても不十分だと。しかし、政治資金の問題については出の問題と入りの問題がございますので、入りの方はやっぱり規制しなきゃならぬということで、御案内のとおりに自民党案では百五十万というのが同一の者からの限度ということでうたっているわけでございます。これなんかもまだまだ高いんじゃないか、公開基準にしても、百万を六十万と言っているのも、これもまだ高過ぎるんじゃないかと御批判もあろうかと思いますので、こういう点につきましてはひとつできるだけ各党、会派で御議論いただいて、それを受けてまた政府としても対応するようにもっていきたい。  いずれにいたしましても、大変重要な政治改革、こういった法律改正でございますので、私どもが協力しながら、国民の信頼を回復するためには、まずもってそういった法案を早く与野党で結論を出していただいて国会を通過させるということが一番緊急な課題ではないかということを思っているような次第でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 緊急な課題であることはこれはもう間違いのないことです。ただ、皆さんが所属する、大臣も所属する自民党の案ではだめだという経済団体からの強力な申し入れもあったようですね。ですから、各党、各会派で話し合ってというお話もありますけれども、少なくとも、私かつて田川さんが自治大臣のときですか、いや、自治大臣の経験をお持ちの田川さんと言った方がいいんでしょうか、議員個人の気持ちの持ち方で、これはそんなに金かけたりなんかしなくたってできるわけですね。私らはそれでやっているんですから。なしてそんなに金集めをやらなきゃいけないのかという問題もあると思います。  そこで、今入りのお話をされましたが、同一の者当たりの規制というのをやってみても、政治団体を幾つもつくればこれは何ぼでも抜け道ができちゃうんですね。これは間違いないんだろうと思うんですが、大臣は二つだけのようですね。ところが、竹下さんは十もつくって分散したというんですね。それから安倍さんに至っては、何か六十以上もあるというんじゃないですか。これ名寄せするにもみんな名前が違うから大変な苦労をされたという話も聞いています。こういうことをやっていれば、入りの問題で一件当たりどうのこうのと言ったって、分散しちゃえばということになるわけでありまして、この辺の問題については、大臣、どういうふうにお考えになりますか。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 竹下前総理あるいは安倍前幹事長、それぞれの考え方があると思いますので、それぞれの個人の考え方がどういうことでそういうような措置をとっておられるかは私にはわかりません。  ただやはり、中長期的、抜本的には出と入りの問題でございますから、金のかからない選挙制度、資金制度はいかにあるべきかということを今度できる選挙制度審議会においても抜本的なひとつ御審議をいただくように私どもも考えておりますし、今度は党も、いよいよ自民党は自民党で政治改革本部ができましたから、そういう中で思い切った、将来の問題も含めて、そういう金のかからない選挙制度というものを、やっぱり本当にお互いがみずから努力してつくり上げませんと、今 の状態のままでは金をかけたくなくてもかけざるを得ないというのが今の選挙制度でもあり、また私は実態であると。  そういう中で、恐らく私は、たくさんの政治団体をつくられたのは寄附される方の立場から、余り公開をしていただきたくないというような気持ちもあって、そういうことに応じてたくさんの政治団体をつくらざるを得なかったんじゃないかというような感じがいたしますけれども、しかしこれはそれぞれの個人の考え方でございますから、私自身が自治大臣としてどうのこうのということはちょっと言いかねる問題でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 そういうやり方は、入りの問題で一件当たり幾ら制限しても、政治団体をたくさんつくっちゃえば結果としては実効が上がらない。  それからもう一つ。選挙に金がかからないという選挙というのにアクセントをつけますと、選挙と政治活動はまた別なんだと、こういうふうに言ってくるんだろうと思うんですよ。しかし、そればかり主張してくるというと、いつまでたってもこれはさいの河原の石積みでよくならないというように私は思うんですけどね。こういう点などについて、なかなか大臣言いづらいんでしょうけれども、御自身が二つだけに整理されているというのは、片方では十以上、六十なんというのに比べたらはるかにクリーンだなと、こういう印象を受けるような御時世なんですから、こういう点についてもやっぱりきちっとした方向を出すということをやっていただかないと、どうもまたしり抜けの法改正で終わってしまうというようなことになるんじゃないか、そんなふうに思います。  それで、最後にちょっと選挙部長に、あと三、四分しかありませんので。日本の比例代表の選挙について、西ドイツをまねた、お手本にしたということが一般的に言われていますね。ドント方式について、西ドイツの方では今度はニーマイヤー式というんですか、こういうものに変わったというふうに伺っていますが、おたくの方でもこういうやり方については研究というか検討されたというか、もう全くの第三者的な立場で、私がこっちがいいとかあっちがいいとかという気持ちで言うわけじゃないんですが、皆さんの研究の中身といいますか、それをちょっと教えていただければありがたいと思います。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 私どもの聞いておりますところでは、西ドイツにおきましては一九八五年の連邦選挙法の改正によりまして、ただいま御指摘のニーマイヤー式というものをとるようになったそうでございます。なぜそうなったかというところは余り詳しく承知してないんですが、やはり政党の中でそういうふうにした方がいいんじゃないかというような主張をされるところもあって、その結果そうなったんだというようなふうにも聞いております。  それで、ニーマイヤー方式というのを正確に説明すると少し時間がかかるかもしれませんので、やや粗っぽい言い方で恐縮でございますが、大体、粗っぽく言えば、いわゆる日本で言っておりますところの最大剰余法と同じようなやり方だとお考えいただければよろしいのではないかと思っております。この最大剰余法というのは、現在県議会議員の定数を各選挙区に配分するときにそういう方式でやっておるわけでございまして、そういうやり方だとお考えいただきたいと思います。現に我が国の選挙制度の中においても、そういうところでは最大剰余法が使われておるわけでございます。  それから一方、参議院比例代表選挙においてはドント式が使われておるわけでございまして、どちらもその方式としてはあり得ると思います。一概にどちらがよくてどちらが悪いということもなかなか決めつけることが難しいのではないかというふうに思っております。  やや蛇足になるかもしれませんけれども、ドント式の場合ですと、平均がなるべく多いところへ端数を持っていくということになろうかと思います。それから最大剰余法の場合ですと、割り算をして小数点以下の大きいところへ議席を持っていくというやり方になるわけでございますから、そのどちらをとるのがいいかというのはなかなか理屈だけでは出てこないようなところもあるような気がいたします。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 私は、本法案に対する質疑は同僚議員の猪熊理事にお願いいたしまして、主に第八次選挙制度審議会の問題に絞って若干質問いたします。  本来衆議院の定数是正は、国会決議も行われましたように、昭和六十年の国勢調査確定人口によって抜本改正すべきなのに、政府・自民党はそれを故意に怠り、しかも自民党の政治改革大綱にありますように、「中選挙区制の抜本的な見直しをおこない、あらたな選挙制度への移行をめざす。」というように、小選挙区制あるいは小選挙区比例代表制を導入しようとして第八次選挙制度審議会をつくろう、このようにしている。私は非常に遺憾である、このように思っております。  第六次、第七次選挙制度審議会に私も特別委員として出まして、三年間ほとんど全部出たわけですが、そのときも、委員は三十名でしたけれども、ほとんど小選挙区制論者を集めて小選挙区制を強行しようとしたわけです。今度もまた同じ姿であろうかと非常に私は遺憾に思い、危惧するわけです。  いろいろ新聞報導等を見ますと、国会議員の特別委員は抜くんだとか、あるいは二十七名程度だとか、六月の二十八日に発足だとか、あしたまで、国会開会中に人選を終わるんだとか、いろいろ報道されておりますけれども、この第八次選挙制度審議会はいつできるのか、また期間は一年なのか二年なのか、答申の時期はいつなのか、あるいは、これは総理の諮問機関でありますけれども、諮問の内容はどうなのか、そういったことについてお答えいただきたいが、時間の都合で簡明にお願いします。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 御指摘のように、選挙制度審議会はもう十七年間休眠状態でございます。そこで、政治改革問題が発生してまいりまして、中長期的な課題として選挙制度はいかにあるべきか、また政治資金制度はいかにあるべきかというような問題を審議するには、やっぱり第三者機関が重点となって御審議いただくしかあるまいというようなことで、新内閣発足早々に私も総理大臣から指示を受けまして、準備をしろということでございました。大体、できれば六月中に発足するように持っていきたいと思っております。  そして、御指摘がございましたように、第三者機関といいますと、とりあえず国会議員を入れないで学識経験者、定員が二十七名でございますから、それで御審議いただいて、それである時期は、もちろん成案ができた段階で、成案というのか素案といいますか、もちろんこれは各党、会派で御議論いただかなければならない重大な問題でございます。各党は各党でまた御勉強いただくことと思いますので、その辺のまた調整といいますか、接触というものは必ず持たなきゃならぬと思いますけれども、さしあたっていわゆる特別委員というものの任命は今回はやらないで、いわゆる一般の委員の二十七名だけでじっくり御審議いただくというようなことにいたしております。  そこで、どういうテーマをお願いするかというようなことも今官房の方といろいろ協議中でございます。まだ固まっておりません。それから、いつごろまでにやっていただくということも確定しておりませんが、来年の十一月が御案内のような議会制度の一つの節目になっておりますので、そのころまでに成案を得て実行できるような方向でいくようなことになるんじゃないかと思っておりますけれども、まだそこまで固まっていない段階でございます。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 私は、やはり委員の内容、どうして二十七名になったのかわかりませんが、今までは一次から七次まで大体三十名だったと思いますが、今度のマスコミ報道でも、二十七名のうち労働界一人ということで、民主的諸団体の中からはこの程度しか内定者がないように思えるんです。官界六人とか、それはまだはっきり決まっていな いんでしょうけれども、小選挙区制論者だけを集めるんじゃないか、私はこういう非常に危惧を持っております。  私は、この衆議院の小選挙区制に関しましては、昭和四十年参議院議員になってより、四十年にも参議院の予算委員会で佐藤元総理に質問をし、また昭和四十八年ごろ、田中元総理が小選挙区制を強行しようとしたときにも強く反対したわけでございますが、金がかからないようにするために小選挙区制にするんだ、こうおっしゃるけれども、私は反対だろうと思います。この前の福島県知事選挙、定数一名でございますが、自民党公認あるいは自民党を離れた方が立候補する、それで離れた方が当選したり、非常に激しかったわけですね。  それから戦前も、小選挙区制、大選挙区制が衆議院において行われた後で、内務省の調査では、小選挙区制の方が大選挙区制よりも一・五倍金がかかった、こういう調査結果が出ておるわけでございまして、小選挙区制が金がかからないというのは私はうそだ、このように思うんです。かえってかかる。  それから弊害が非常に多いわけです。現在、日本において有力な政党が五党、六党と並立している状況において、一人しか当選できないというのは、もう死票が非常に多くなって民主主義の精神に反する。また、そのほかたくさんの弊害がある。私はやはり現在の中選挙区制を、国勢調査の確定人口によって定数是正を抜本的に行うべきである、このように思うわけでございます。  それからまた、参議院の選挙制度についても自民党の政治改革大綱には、この参議院の現行比例代表制についても弊害が多いので抜本的に改革するのだと、できたころのようにそういうことをおっしゃっている。  私は、小選挙区制も必ずしまったと、もし強行しようとすればそのように思われるに違いない、このように非常に危惧するわけでございます。そういった点に関しまして大臣のお考えをお聞かせいただきたい。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 選挙制度審議会にお願いするわけでございますから、予見を与えるようなことを、政府側がこういうことの方向でやっていただきたいと言うようなことはあり得ないと思っております。いろいろ御指摘があるように、中選挙区制がいいのか小選挙区制がいいのか、あるいは比例代表と、いろんな議論があることは承知しておりますし、委員の皆さんもその辺を踏まえて中立的な公正な立場で私どもは御議論いただくと思っております。  ただ、中選挙区制の問題は、これは特に自民党自身が反省しているといいますか、よく言われておりますように、やっぱり派閥の弊害とかいろんな問題が出てきて、そこで金がかかるというようなことも指摘されておるのは事実でございます。ただ、小選挙区制だから金がかからぬ、中選挙区制だから金がかかるとかそういう一般論としては、私も就任当初に衆議院の方で質問されて、自治大臣どう思うんだということで、いや、これはまだ私も難しい問題で勉強しておりませんので、これからじっくり勉強させていただきますというような答弁をしたことがございます。その辺の問題、それから定数の問題も含めて、確かに現行の定数をやっぱり衆議院の場合も四百七十一にすべきだというような意見も随分強いわけでございまして、そういう中で選挙区割りの問題、定数の問題をあわせて、ともかく目標としては金のかからない、しかも政策を生かせるような、できるだけ公正な選挙制度をひとつ議論いただくというようなことで私ども今のところ考えている次第でございます。

多田省吾公明党・国民会議

○多田省吾君 最後にお尋ねしますが、今中立的な委員でそういった審議をしていただきたいと思っている、こう大臣おっしゃいましたけれども、中立的な意見の審議を行うには、やはり二十七名の選挙制度審議会委員の人選の中で、故意に小選挙区制論者だけを多く集めるという、今まであったような姿は絶対あってはならないと私は思うんです。ですから、小選挙区制に反対の人も、中立的な委員も私はそれぞれ多く選ぶべきだ、このように思います。いかがですか。それだけ最後にお尋ねいたします。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) その辺を私どもは踏まえながら、最終的な選考は総理・総裁あるいは官房長官のもとで、自治省が原案をつくって相談をしながら決めるわけでございますが、一方に極端に偏るようなことがないように、人数は少ないけれども労働界の代表も入れ、マスコミの皆さんをできるだけふやして、学識経験者を入れて、あとは何というのか、いわゆる選挙の専門家の自治省の系統の先生方にお願いしようというようなことで今進めているようなところでございます。よく先生の御意図は私も理解できるわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 改正案についての個々の基準の内容については、本日は伺う時間もございませんので、また上野先生からもいろいろ細かい質問がございましたので、私はこの執行経費の額の確定というのが本来どのようになされるべきものなのかというふうな点についてお伺いしたいと思います。  と申しますのは、選挙が終わるごとに都道府県選挙管理委員会連合会とか、あるいは全国市区選挙管理委員会連合会等から要望書が出ているわけです。この要望書の中で、公職選挙法の改正に関する要望だとかあるいは政治資金規正法の改正に関する要望とか、こういうふうなことは現場の地方選管の実際の仕事の中から出てくる要望事項ということで納得できるわけですが、執行経費基準法に関する要望というのが毎回のように出てきているわけです。この公選法だとかあるいは政治資金規正法改正に関する要望ということは、地方選管の立場として、ぜひこういうふうな法改正をしてください、こういうことが望ましいというふうな非常に意義あることですけれども、執行経費の基準法に関して、やれ日当を計算する日数をふやしてくれとか、超過勤務の時間をもう少し多く勘定してくれとか、そのほかいろんな問題がいっぱい出てきます。このことを考えると、一体執行経費基準法というのはどういう法律なんだろうと。地方選管が自治省に対して、ぜひこういう点をお願いしますというふうな要望をしなければならないようなことなんだろうか、どうなんだろうかという点が私の質問したい趣旨なんであります。  自治大臣に伺います。今執行経費基準法という具体的に法律がありますけれども、この具体的な法律がもしないとした場合、あるいはこの具体的な法律の存在を捨象して考えてみた場合に、国会議員の選挙執行の経費はどのようにして本来的に確定されるべきものとお考えでしょうか。——選挙部長の考えじゃなくて、私は地方自治に関する根本的な問題として自治大臣の所見を伺いたい。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 私の方からお答えいたします。私も専門家じゃないものだから、間違ったら悪いと思って心配して事務当局が先に答弁したいということだと思います。  基本的には、国の選挙でございますから、国政選挙ですから国が責任を持って、必要な経費というものはその基準的なものをつくって、地方に迷惑がかからないように、やっている人に迷惑がかからないように積算をして、そして国の責任において必要な経費というものを積算していく。しかも、それは三年ごとというのは、物価の変動であるとか人件費等の変動がありますから、それに応じたものを適正に算出してやっていこう、そして交付していこう。なおそれでも若干の過不足が出てくる場合には、さっきいろんな議論がありましたように、相互に費目は流用してよろしい。そしてなお、最悪の場合、足らぬような場合には、調整費というものを見ておりますから、その中で見込んでいこうということでございますから、まあまあ、しかも選挙が終わった後あるいは途中の段階でも地方の委員会から要望が出てきた場合には、それを十分受け入れて相談をしながら決めているようでございますから、その辺のところはひとつ国の責任とは言いながら、地方の実情という ものをくみ上げながらやっているということでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 私の考えは、本来選挙執行経費というものは国と地方選管とで協議して額を確定するべきものだろうと思うんです。本来そういうふうに個々的に、個別的にやるべきものを、実際の運用においては、そのような個別的合意による額の確定という方法は煩雑にたえないし現実的でないという意味で、一応の基準としてこの執行経費基準法というものが制定されただけであって、この法律の性格は非常に難しいところがあると思います。  今自治大臣お話しいただきましたが、それではお伺いしますが、今回のこの基準改定に関して地方選管とは具体的にどのように協議をされたんでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 私どもはいろいろ要望書をいただいておりますから、その要望書等を十分検討いたしまして予算要求をして予算案を決めた、あるいは基準法の改正案を決めたということでございます。じゃ、こういう内容にする、個別にここをどうするという個々具体のところにまで立ち至って選管と協議をして決めたということではございません。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 地方選管からの要望をいろいろ勘案して御自分、要するに自治省でお決めになったということのように伺いますけれども、本来これは地方選管から自治省に要望したりお願いしたりするような筋合いのことじゃないと私は思うんです。ですから、今回この改正するについて物価上昇はこのぐらいだからどうだとか、あるいは先ほど上野先生からもお話がありましたけれども、日当の額はこのぐらいでどうだとか、そういうことを地方選管と協議する必要性を認めないわけですか、どうですか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 御指摘の点は、国と地方公共団体あるいは地方公共団体の機関との関係、事務の委任ということ、それに対する経費の負担あるいは財源の措置の仕方をどうするかという基本的なところにあるんではないかと思います。これは選挙の事務だけのものではないと思うわけでございまして、現在の建前としてはやはり法律をもって地方団体なりその機関がする事務を決められておる。それによって地方団体なりその機関はそういう事務を執行する義務が生じておる。一方において、経費もともかく支弁をしなければいけないということがそこに起こっておる。それに対して国の方で適切な財源措置をしているかどうかということが問題になる、そういう形に現在のところなっておるのではないかと思うわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 今の話は大変私は納得しがたい。要するに、国の事務を地方選管に、具体的に都道府県選管いろいろありますけれども、地方選管に委任する。事務は委任するけれども、その費用について地方で負担することは全くない、国が全額負担するべきことであるということは公職選挙法五条、二百六十二条、二百六十三条、地方自治法百八十六条、二百四十三条の四、この規定から明確なんだ。地方団体がまず出して、出したものを国が後から支弁するというふうなことじゃなくて、仕事を頼んだら頼んだ方が銭を出してこれでやってくれと頼むのが当たり前の話なんだ。ところが今のお話だと、何かこちらで決めて渡せばいいというふうな発想のように聞こえる。そうじゃなくて、先ほどから申し上げているように、この執行経費は本来両者で協議して確定するべきもの。それをたまたま類型化し一般化して、いろんな時の流れがありますから、事前にもわかるようにということで基準法を制定しただけにすぎないと私は考えているんです。  要するに、私はさっきから同じことを聞いているんです。今回の改定をするについて地方選管の意見を聞く必要があるのかないのか。必要がないとすればどういう基準でないのか、この点についてもう一度簡単にお答えください。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) それは選管の意見などというものも十分聞く必要があると思いますし、実態というものを我々もよく承知して、それで改定を考えるべきだと思います。ただ、こういう案にするという、そのことについて個別に御相談をするという形まではなかなか考えにくいんではないかということを申し上げたわけでございます。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 今度は観点を変えて、この執行経費の基準法の改正案が成立すれば、これに基づいて、この法律に基づく金額によって一カ月後の参議院選が執行されるわけなんです。この参議院選が執行された後に、この経費の改定が妥当であったか、あるいはもっとこのようにすべきであったかとかということについて地方選管と協議し、内容についてその後の改正の資料にしようというふうな計画はありますか、ございませんか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 参議院選挙が終わった後、実情についてよく聞いてみたいと思っております。

猪熊重二公明党・国民会議

○猪熊重二君 要するに私は、これは地方の方から自治省にお願いしたりどうこうするものじゃなくて、これは両者が対等の立場で協議決定するという、そういう性質のものだろうと思うんです。  一分ばかり時間がありますので簡単に申し上げれば、家を建ててくれと頼む方が金額は自分の言いなりでやってくれと言っても、この金額でこの家を建てろと言ったって建つものじゃない。両方で相談しなければ、これだけの家はこのくらいの金額でなきゃ建たぬということと同じことだろうと思うんです。今、選挙部長は地方と国との各種のいろんな関係の中の一つの関係と、こうおっしゃるけれども、私はこの選挙の執行経費の問題それ一つでも、地方の自治というか、地方自治の本旨ということをもう少し自治省としてもお考えになって対応されるのが妥当だと思います。  いずれにせよもう一度、この来月の参議院選が終わった後、具体的に今回の改正の妥当性についてどのような方法で地方選管と協議しようというふうなことをお考えかお伺いして、終わります。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) これは現地にも赴きまして、いろいろと話を聞いてみたいと思っております。     —————————————

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) この際、委員の異動につ いて御報告いたします。  本日、栗林卓司君が委員を辞任され、その補欠として勝木健司君が選任されました。     —————————————

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私どもは、すべての国民の選挙への参加を保障するために、障害者や寝たきりのお年寄りの方などのための措置を今までもさまざま要求してまいりましくその必要なものは執行経費で見るべきだということを申し上げてまいりました。テレビの政見放送の手話通訳の導入もその一つであります。従来自治省は、ごく最近、衆議院における我が党の松本議員の質問に対しましても、厚生省が進めている通訳者の認定問題があるとして、そういうものをにらみながらなお今検討を続けているというふうに答弁されてきました。御承知のように今回厚生省で、これは先月の二十日になりますが、手話通訳の技能審査に関する認定制度を発足させることを正式に決定して、さまざまに報道されているところであります。大臣告示も出されました。したがいまして、今まで自治省がおっしゃっておられました一つの前提が解決したわけでありますので、その上に立って具体的な実現方のお約束もいただきたいし、プログラムもお聞かせいただきたいということが初めの質問でございます。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 政見放送への手話通訳の導入という問題につきましては、研究会でいろいろと勉強を続けてきておるところでございます。なぜそういう研究会で勉強をやるかといいますと、これは実際に担当する放送事業者の面の問題が非常に大きいところがあるわけでございます。それから、今御指摘がありました実際に手話によって通訳ができる適当な方を確保できるかどうかというような問題等もあるものですから、そういう方面の専門の方などの御意見も伺う必要が あるだろうというようなことで研究会でやってきたわけでございます。  いろいろ解決しなければいけない事項があるわけでございます。その一つは、そういう政見放送の通訳をしていただくに十分な程度の力をお持ちになった通訳の方を確保できるかどうかということでございます。今までは何にも法的な認証制度はなかったわけでございます。そこへ厚生省がこういう形で制度をおつくりになったということは、確かにそういう意味で一歩前進しておるわけでございます。聞くところによりますと、ことしの八月ごろから受け付けを始めまして、一次試験を十一月以降にやる。それから二次試験は来年の二月ごろになるんじゃないかということを聞いております。まず、その制度がどういうふうにうまく機能していくかということをよく見きわめたいと思います。一つの前進であることは間違いありません。  ただ、別途放送事業者の固有の問題もあるわけでございます。短時間にとにかく公平にたくさんのものを処理しなければいけないということがあるようでございます。そこをどう考えるかということはまだ残っているかと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 あなた方が本当に積極的にその必要性を理解しておやりになるということがあれば、一つ解決すると今度また次の問題を出してくるみたいな、そういう態度をおとりにならないものと思います。私も逓信委員会で長いこと働いてまいりましたから、おっしゃるようなこともいろいろ議論もありましたし、よく知っております。  その後も、厚生省の認定の問題が決まりましたことを踏まえまして、私どもの党の方から厚生大臣に、選挙における手話通訳の導入の問題について要望いたしました。その際も、厚生省の方としても関係各方面と協議をして努力をしたい、こういうお返事でございましたので、当然自治省としてイニシアチブを発揮なすって、そして積極的に解決というか実現に前向きにお取り組みいただくものと思っておりますが、やはり基本的な国民の参政権というそういう権利に属する問題でありますから、政治改革といろんなことをおっしゃっておるけれども、それの一番基本の部分ですので、一つ解決したら、やれあれがあるこれがあるという態度でなくて、具体的に実現のために障害が一つ取り払われたわけだから、クリアできたわけだから、実現のために努力をするということはひとつぜひ大臣からもお約束をいただきたいと思います。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 御趣旨はよくわかりますので、前向きに対応していきたいと思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 次に、ポスターの掲示にかかわる問題についてただしたいと思います。  私どもは、国民の選挙参加の向上のためにも、選挙や政治活動の自由を一貫して求めてまいりました。私もかなり何回も当委員会で公選法の改正に際しましていろいろ意見も申し上げてきた経験を持っておるものでありますが、さきの明るい選挙推進協会の調査を見ますと、選挙で棄権をした理由として、政策や人物などについて事情がよくわからないことを挙げていらっしゃる方が多いんですね。それで、特に投票率を上げていかなきゃいけない。若い人たちの層にその理由が、資料も持っておりますが、一五、六%というふうに高率を占めています。  これは私どもだけの主張じゃありませんで、五月十六日にちょっと報道されました朝日新聞の記事なんでありますけれども、全国市区選挙管理委員会連合会の会長さんである長崎市選管委員長の古賀野さん、この方が「現行の公職選挙法では、各種制限があり、有権者が候補者を選ぶ際の情報があまり入らない」ということで戸別訪問の許可などを要望することを検討していくという報道がされました。この連合会というのは、「全国の都市や区の各選挙管理委員会で構成している。」というコメントもついておりますけれども、したがいまして、これはかなりやはり広範囲の国民的な要求であるし、今までもいろいろ議論されてきたところでもあるし、ここへ来て全国市区選挙管理委員会連合会の会長がそのように意思表示をしているということですので、こうしたことにはやはり、要望にこたえるということで基本的な態度を持ち、対応すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 戸別訪問の問題は、いろいろ議論をされていることも私も承知いたしております。メリット、デメリットいろいろ指摘、もう御案内のとおりかと思いますが、選挙制度全般のあり方とも関連いたしまして、国会、各方面の御意見を徴しながら全体的な立場でこれは検討すべき課題であると承知いたしております。戸別訪問をするとやっぱり間違いが起きやすいとか、政策本位の選挙ができないんじゃないかという議論もありますし、その辺をいろいろ勘案しながら各党でもいろいろまた御議論をいただきたいと思っている次第です。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は今一つのデータを申し上げましたけれども、これは今まで、大臣も選挙制度委員会にいらしたこともありまして、私も御一緒したこともあるのでよくいろいろ御存じだと思いますけれども、国際的な趨勢からいっても、日本の戸別訪問禁止というものを柱とするさまざまな選挙べからず体系ですね、これはもう大きなおくれをとっているところでありますから、やはり積極的なこうした基本的な点についての改革こそが必要だということを重ねて申し上げておきます。  それで、今政治改革政治改革というふうに自民党がおっしゃる。これは私ども、今までも行政改革だとか教育改革だとかと言って、改革という言葉で国民の目を引きつけておいて、それで何をやってこられたかということを今ここで私一々全部申し上げませんけれども、その改革なるものがどういうものであるかということの問題点というのはかなりあります。基本的に抜本的な問題があるけれども、とにかくきようの限られた時間の中で私はひとつぜひとも解明したいと思いますのは、自民党の大綱なるもの、あるいはそういうものによって議員立法などの動きが出てきているそういうものの中で、政治資金の出の方の抑制の一つとしてポスターなどの規制強化を挙げておられる。これは私とんでもない話だと思うんです。  実態を申し上げますと、今ポスターは国民の政治への参加を保障する重要な手段となっています。東京大学新聞研究所が八六年の際の同時選挙で東京武蔵野市の市民の投票行動を調査した結果がございます。この結果が昨年まとめられました。これは「選挙報道と投票行動」として東大出版会から出版されております。これによりますと、細かいデータをいろいろ申し上げる時間的余裕はありませんけれども、こういうことが出ているんですね。  投票日直前にはどの候補者であっても七〇%以上の市民がポスターには接触したと答えておられます。解散の時点、公示の二十日ほど前の調査、だから選挙の前ですよね。これは自民党が今回新たにポスターを禁止しようとしている、そういう期間に当たるわけですけれども、この期間を見ますと、最も多い候補者では、六八・九%の市民がそのポスターに接触しているという答えが出ています。これは自民党の小野清子さんです。最も多いポスターに接したと市民が答えているのが六八・九%です。そのほかの運動での接触について考えてみますと、電話だと〇・五だとか、チラシやビラは六・一とか、はがきは一・〇とか、演説やあいさつは一・五とか、運動員の話は一・五とか、宣伝カーは二・三とかという、そういう数字が出てきています。ですから、これは一地域の統計ですから、その地域の特質その他多少の条件というのはありましょうけれども、いずれにいたしましてもポスターは百人の中で七十人近くが接触している、そういう一つのデータが出ているわけです。  ポスターを禁止するということは、こうして現在ある特別に重要な政治活動の手段、市民が候補者に接する、その知識を得るというそういう手段を奪って、国民の政治的な関心を低下させるもの になっていく。それを助長させていくものになるということは明らかだと思いますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) まず現行法の考え方を、もうそれよく御承知かもしれませんが、ちょっと申し上げさせていただきたいと思うんですが

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 余り長く言わないでね。私もいろいろ知っていますから。時間ないから。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) とにかく事前運動ということは禁止されておるわけでございまして、あくまでも選挙の公示前に行うのは政治活動であるということになっておるわけでございます。問題は、政治活動の態様をどう考えていくかということなんでないかとは思うわけでございます。私どもも軽々に事は申せないわけでございますが、確かに政治活動と称しても事前運動と紛らわしいものがあるという実態もあることはあると思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それを、政治活動をだから禁止する。そういうポスターというのは、今あなたのおっしゃったそのことは、もう何回も何時間もかけていろいろ議論してきていることなのよね。私が言っているのは、実際に市民、有権者はそのことを手段として、そのことで候補者のことを知っているということで、選挙に対する関心の一つの支えになっているわけでしょう。だから、これが何で金の抑制でそんなことをする必要があるのかということを私言いたいわけ。金の抑制や選挙の公平を理由にして政治活動を結局禁止、規制するということでしょう。言論、表現の自由を奪うというそういうところにつながるものでしょう、あなたいみじくも今答えられたけれども。そこが問題だと言うんです。しかも、それは私また理由になっていないと思うの、つまり出の問題として。  先ほどからもいろいろお話がありましたけれども、いろんな政治家が団体を持っていて何だかさっぱりわからぬということがあるんだけれども、私は宇野総理の政治資金報告書でもって調査をいたしました。これは同時選挙のとき、八六年です。そうしましたら、その支出でありますけれども、五つの政治団体の合計で支出の総額が約二億四千万、ほかに何かあるかどうかというのはわからないように今なっているという問題が先ほどから議論になっていますが、少なくとも宇野さんの明らかになっている調査によればそういう五つの団体があります。三つの指定団体に加えまして関西竹帛会、陵水会。その三つの指定団体というのは、内外政経研究会、国際経済調査会、竹帛会、こういうものなんですね。  それで、このうち経常費の三千万円は人件費や事務所代であって、ポスターとは関係がありません。それから組織対策費として約四千万がありますけれども、この内訳を見ましても、飲食費や香典やおせんべつばかりです。さらに寄附が約一億三千万ということになっております。選挙関係費の六千四百万ということになっているんですが、それもすべてが陣中見舞いです。調査研究費の項目に印刷費があります。もしかしたらポスターに関係あるかなというふうに思われるところの中に印刷費という項目がありまして、それがもし仮にすべてポスターの印刷に使われたとしても一そういうことはあり得ないと思うんですよ。印刷費っていろんな印刷物を刷るでしょう。だけれども、仮に調査研究費の中の項目の印刷費というのがすべてポスターの印刷に使われたとしても、一年間でわずかに百六十八万円。二億四千万のうちの〇・七%にすぎないんです。  だから何でそれを金の抑制、出の抑制としてそういうことをなさるのか。政治活動の自由だとかあるいは政治活動の規制だとか、言論、表現の自由だとか、そういうものに抵触するようなそういうことをなさるということは、これは非常に見当が違っていることだし、基本的な政治活動の自由を狭めている、そういうところにつながるというふうに思っておりまづけれども、この点についてはいかがでございますか。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 現在選挙運動用のポスターというのは、御案内のとおりポスター掲示場、これは国会議員等の場合ですけれども、ポスター掲示場にしか張れないという形にしておりますし、あるいは地方議員の場合でもその枚数を制限しております。やっぱりそれはそういうポスターをつくったりそれを張ることにかなりお金がかかる、そういうことも考慮されてそういう制度になっておるというふうに私どもは理解いたしております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 今私、宇野さんの例で申し上げたでしょう。じゃ二億四千万、表に出ている、これは明らかですよ、おたくの方の資料で調べたんだから。このうちどのくらいかかっているというふうにおっしゃるの。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○政府委員(浅野大三郎君) 特定の国会議員の方につきまして、どういうふうに政治活動のためにお金をお使いになっているか、私どももその詳細がわかるわけではございませんし、またそれが、使い方が多いとか少ないとかということを申し上げることもこれは難しいわけでございます。ただ事柄として、一般的な言い方になりますけれども、今公職選挙法でそういうようなことが決められているのは、やはり先ほど申し上げたような考え方もそこにあるのではないかということを説明させていただいたわけでございます。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(坂野重信君) 先ほどからまことに分析に基づく御意見、御指摘はよく私どもも傾聴したわけでございますが、要はやっぱり公正、公平な選挙をいかにして行うかということと、そして選挙費用を少しでも節約できないかと、出の方を節約できないかということで、当面できそうなことの中に、自民党案としてはこのポスターの問題が入ったと思います。しかし、これは何も最終的な問題じゃございませんから、各党、各派で、恐らくちょっと選挙前は無理だと思いますが、選挙が終わりましたらひとつこの問題は、公職選挙法の改正問題、政治資金の改正問題の議論の中で十分また御議論をいただきたい。そういう中で、できるだけ各党のコンセンサスを得るように持っていきたいと思います。先生の御意見は御意見として承っておきます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 大臣はそうおっしゃるけれども、あなた方、だって、自民党で大綱を出した。それで議員立法したとか各党、各会派で協議していただくとおっしゃるけれども、今までの経過を考えてみてくださいよ。そういうことで、結局いざやるとなるとわっとやるわけでしょう。もうそこら辺にいらっしゃる皆さん方もよく御存じだと思いますけれども。そして、地道な議論はなかなかやらないという状況が生まれ出した。結果としては、私が先ほど一つの例として宇野総理のを申し上げました。ほかにもたくさん例ありますよ。選挙部長ですか、あなた一人一人については何とも言えないというふうにおっしゃるなら、一人一人について何とも言えないなら全体としてどうなのか、何とか言えるのかと。それも言えないというんでしょう。言えないでおいてどうして、こういうものが大きなお金の出になるからと何でわかるのかと言うのよね。余りいいかげんなこと言わないでくれ。  問題は、結果として金の抑制にはつながらないのよ。さっきの宇野総理のこれを見てもそうですし、そのほかこの前、自民党の一年生議員の方たちとおっしゃいましたっけ、何人かの方が全部こうやって発表なすっていましたね、金がこのぐらいかかるんだって。その中だって、ポスターの経費なんというのは本当に項目としてだって出てこないぐらいですよね、一つ一つ私今申し上げませんけれども。そういう状態のものなんだから結果として金の抑制にはつながらないで、名前が入っていれば候補者がポスターで政策を訴えることもつまり政治活動、そういうものも禁止していこうというのが、それはこれから皆さんに御協議いただくものですと大臣はおっしゃるけれども、だけれども、あなた方はそういう考えを持ってこういうものを改革大綱だなどといってお出しになっている事実は変わらないんだから、そこのところを、私は根本のところを問題にしているんだとい うことをぜひそれは受けとめていただきたい。  結局政治活動、言論の自由だけが規制されることになるということは明白で、これは今までの経過から見たってそうなんですよ。歴史的に見て政府・自民党はポスターを含む政治活動、言論活動の自由を次々と私は規制してきたと思う。私が国会へ出していただいてから、この選挙制度委員会に所属をさせていただいた期間の中でも、もう本当に次から次へとそういうことが出てきて、結局政治活動のべからずはどんどんどんどん狭まってくるという、こういう公選法の改悪が次々と行われてきたんですよ。裏打ちされたポスターはだめ、参議院の比例代表の選挙でもポスターはだめ、それから選挙という国民の政治への参加を保障するという重要なこういう期間だからこそ政治活動の自由や言論の自由が最も保障されなければならないのに、そういうものが次から次へと規制されてきている。そういうところの問題がすりかえであるし、根本的な、いわゆる金を使わないとかなんとかというのを、そんな何か何の根拠もなしに、実際にどのくらいの金がそこでは使われているのか、どのくらいの有権者との接触の上で大きな役割を持っているのか何の分析もなさらないで、ああいういいかげんなことでもってこういうことを提起するというのが自治省の御見解であるならば、私は全くいただけないということを申し上げざるを得ないわけであります。  しかも、今回の自民党の大綱や何かを通じての主張では、これまでそういう意味では公職選挙法でも手をつけてこなかった選挙以外の機会を、今私が問題にしているポスターの掲示そのものも禁止しようとしているわけでありますし、それから政治資金規正法の関係でも、パーティー献金の合法化や事実上の枠拡大などについて既に多くの批判を浴びています。これでは政治の改革なんというものじゃなくて、政治改革に名をかりた事実上の献金、企業献金や何かさまざまな悪の根源であるものの合法化であると同時に、言論の自由の剥奪、まして小選挙区制だとか政党法だとかそういうものまで出てきて、これは論外だと言わざるを得ないわけであります。  私ども日本共産党は、さきの六月十四日に、こうした諸悪の根源とも言うべき企業、団体献金の全面的な禁止やさまざまな脱法行為、先ほどから問題になっておりますが、そういう脱法を直ちに禁止すること、それから衆議院の抜本的な定数是正、あるいは参議院の選挙区の、全くひどいアンバランスになっていますけれども、合理的な定数配分、こういうものを柱といたしまして、金権腐敗政治一掃のための八つの緊急提案ということと、議会制民主主義擁護のための三つの緊急提案というものを発表いたしました。私どもは、政治改革と言うならばまさにこういうことをめぐってこそ議論もし、実現をしていかなければならないというふうに確信をしております。同時にまた、選挙制度特別委員会というのはまさにそういう議論を真剣にまじめにやる、そういうことが国民に対する責務であるということを重ねて強く主張もし、また委員会のあり方として私の意見も申し上げて質問を終わります。

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  選挙制度に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重郎自由民主党

○委員長(森田重郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会      —————・—————

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