商工委員会 第4号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/20
会議録
○委員長(宮澤弘君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、安恒良一君及び山口哲夫君が、また去る十七日、山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君、小野明君及び降矢敬義君が選任されました。 また、昨十九日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君が選任されました。 —————————————
○委員長(宮澤弘君) 特定新規事業実施円滑化臨時措置法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野明君 久しぶりに商工に参りまして、帰り新参というところでございます。よろしくお願いいたします。 初めに大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、最近の中国青勢というのが非常に注目をされるところでございます。この日中の経済関係という問題について、そういった観点から大臣にお尋ねをしてみたいと思います。 中国の問題は、胡耀邦前総書記が急逝をされたということに端を発して、民主化運動という非常に流動化した中国青勢に相なったわけであります。戒厳令が五月二十日に発動をされる。六月四日の未明には武力行使によって多数の死傷者が出るという極めて遺憾な事態に立ち至ったわけでございます。 中国は、七八年から十年余りにわたりまして対外経済開放政策を採用してまいっておりまして、今日の日中経済関係はこうした中国の方針に期待、信頼して拡大、発展してまいったと思われます。今回の事件は、こうした両国の経済関係にも大きな波紋を投げかけることに相なったと思います。 そこでお尋ねでありますが、この時点でなかなか予測というのも難しい点があろうかと思いますが、これからの貿易あるいは投資、こういった我が国産業界の対中国経済活動に今回の事件が与える影響についてどのように分析をし、どのように対応をするか、この点について大臣にお尋ねをしてみたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 今のところ貿易には大きな影響は生じていないというふうに認識をいたしておりますが、新規契約には影響が出る可能性が否定できません。また、今回の事態により我が国企業が投資先として中国について抱いているイメージが損なわれるという表現がいいかどうかわかりませんが、そういうことになった場合、これからどうなるかということを懸念をいたしているというのが、公式にコメントのできる言葉ではないかという気がいたします。 ただ、いずれにしても、これからの対応という問題になってまいりますと、過去この一カ月余、中国に関して随分私たち情報を得ているような感じでおったわけでございますが、こういう事件が起きてみますと、余りにも私たちの知り得ている青報は狭いし、ある意味で浅いという感じもするわけであります。あの当時、先生御指摘のとおり、胡耀邦が急逝をされて、その後いわば追悼的なデモというか、そういうものが行われ、さらに民主化の高まりが出ている段階で、私たちが新聞やテレビで拝見している中では大変平和的な一つの集会、デモというふうに受け取っていたわけであります。 ところが、急遽戒厳令がしかれる。戒厳令がしかれても、民衆との間では大変和やかな交歓が伝えられているわけですから、これは一種のデモンストレーションなのかなという感じのもので私ども受け取っていたということも紛れもない事実でございます。それがある日突然にというか、まさに戦車あるいは火器の乱射によってデモ隊の方が殺りくをされた。されてないというまた報道もございますが、そういう状況になったということを、残念ながら私たちの今までの過去の情報からは予測し得なかったという現実もございます。 そして、今中国の中がどんなふうに体制が変革をしつつあるのか。対外的には開放経済を維持する、こういう表現がなされておりますが、国内的な体制がどういうふうに推移をするかということに対しては、残念ながら私どもその確たる青報をまだ持っておりませんし、また、多少のへんぱな情報を得たとしても、それで全体を推論することができない状態でございますので、私どもはやはり今冷静に対応するという言葉以外にはないという気がいたします。 ただ、全世界的な非難も私どもはよく承知をいたしておりますが、私たちはやはり長い日本の歴史というのを考えてみますと、何百年、何千年来朝鮮半島や中国大陸を通じて東西文化というか、遠くはヨーロッパあるいは中近東、インド、そういう国々のいろんな文明、文化をこの地を経て我々が吸収をして今日の日本の混合文化が育ったとするならば、我々はこの得ている恩恵を何物かによってお返しをしなきゃならない連帯感をこれから長い先持ち続けていきたいという願望は、お互いに隣の国として持ち合わせなきゃならない基本理念だという気がいたします。 さりとて、現実の中国の政体が、体制がどうなっているかというこの厳しい現実と長い将来を踏まえた、そういうものを展望しながら、これから冷静に対応していかなけりゃならない。もうちょっと情報をこれから得て正確な判断をしてまいりたいという気持ちでございます。
○小野明君 大体そういうところではないかなと思われるわけでございます。やはり情報を知り得ないという、つかみ得ないというのが非常に困った点だと私ども思っておるんですが、貿易関係についてもやはり大きく依存をする相互依存の体制にあるわけですから、将来にわたって禍根を残すような日中関係にならないような配慮というものもまたこれ必要ではないのか。批判すべきは批判をしてもそれは当然だと思いますけれども、そういう懸念を私は持っておりますが、大臣はいかがですか。
○国務大臣(梶山静六君) まさに御指摘のとおりでございまして、長い古いこの歴史的な背景を考えますと、中国大陸の十数億の民衆、国民、これは大変私たちは親近感を持ってこれから長い将来に向かって友好関係を維持してまいらなけりゃならない、こういうふうな基本的態度でなければならないと思いますし、さりとて今の体制を是認する形にはなかなかなり得ない状況があるわけでございますから、現実には現実に対応しながら、長い理想を求めながらこの問題に対応をしてまいりたいと考えております。
○小野明君 次は、スーパー三〇一条関係についてお尋ねをしたいと思います。 最近、一時は改善の兆しを見せた日米の貿易不均衡の改善のスピードが鈍り始め、我が国との間の貿易赤字がアメリカの貿易赤字の過半を占めるに至っております。また、我が国のハイテク面での台頭のために、米国内には、ソ連の核弾頭よりも日本の経済力が脅威である、こういった考え方が新聞でも報じられておるところであります。こうした中で、昨年、一時は鎮静化をしておりました日米間の貿易摩擦がアメリカの議会を中心に再燃をし始めておりまして、その行方が憂慮されておるところであります。 市場開放に向けたアメリカ議会の強い意向を反映いたしまして昨年成立した包括通商法に基づいて、米国政府は我が国に対して強硬な通商政策を展開しております。 中でも、五月二十五日、アメリカ通商代表部が包括通商法のいわゆるスーパー三〇一条の規定に基づいて我が国を優先国に認定するとともに、スーパーコンピューター及び人工衛星に関する政府調達並びに林産物に関する技術的輸入制限を優先慣行に認定をいたしました。この決定は、先進国中で我が国のみを特掲するものであります。農業あるいは公共事業など政治的に困難な問題を含む分野においてさえも市場開放を行っておりました我が国の努力を正当に評価しないものである、こう言わなければならぬと思います。 他方、世界の経済大国たる日米両国の関係を良好に保つことは世界経済の安定にとって不可欠でありましょう。日米両国が貿易摩擦をめぐって非難し合うといった事態は望ましくないと言わなければならぬと思います。 これらの点を考えますと、政府としてはアメリカに対してはっきりと言うべきことを言う、一方、問題があれば、経済大国としての責任を持ってその解決に取り組む、こういった姿勢がブッシュ大統領のもとで非常に重要だと考えなければならぬと思いますが、通産省としては、今回のスーパー三〇一条の問題にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。
○国務大臣(梶山静六君) 我が国は、従来から輸入拡大、それから自由貿易体制の維持強化に全力を挙げてまいってきておりますし、その成果は着実に上がっているという認識を持っております。こうした努力にもかかわらず、今回スーパー三〇一条の対日適用が行われたということは極めて遺憾と言う以外には言いようがございません。この制裁措置を背景に交渉を行うというスーパー三〇一条の枠組みは、ガットの精神にも反しますし、ウルグアイ・ラウンドにおける各国の努力にも悪い影響を与えるものだというふうに認識をいたしております。 我が国といたしましては、スーパー三〇一条の枠組みのもとでは交渉には応じられず、ガット等の場で議論をすべき問題だというふうに考えておりますし、過般行われましたOECDの閣僚会議に当時の宇野外務大臣、三塚通産大臣が出席をいたしましたし、それから四極の貿易大臣の会合にも村岡審議官が出まして本件について問題提起を行い、ヨーロッパ各国のむしろ同調を得ながら、アメリカの行った行為に対していわば批判が行われたことは御案内のとおりであります。その後も下田で次官級の会議が持たれましたけれども、このスーパー三〇一条の中身の具体的な問題については触れられなかったというふうに報告を受けております。 しかしながら、相手の非をなじるだけで私どもの責任が果たせるというか、問題の解決になるわけではございません。我が国としては、今先生御指摘のとおり、経済大国との認識のもとに、今後とも輸入拡大に全力を挙げていかなければならないという気がいたしますし、日米が感情的に対立することは絶対避けなければならないと思います。何よりも大切なのは、御指摘のとおり、日米関係が良好であることでございますので、何ゆえにアメリカがいら立っているか、そのいら立ちの根源を我々は分析をし、理解をし、そして現在の自由貿易体制を維持拡大するためにいかなる措置をとればいいか、そのことが何よりも大切だという気がいたします。 いずれにしましても、アメリカの貿易赤字の半分が日本によって占められているという現実、これは理論は理論として、さはさりながら、いずれにしても自国の利益あるいは存立を基盤に考えることが国会としては当然でございますから、アメリカの議会が大変先鋭的にあおっているという問題も一部には言われますけれども、やはり国益というものを考えれば、そういう議論が分かれることもまた当然でございます。私たちの感覚からいいますと、経済の合理生、経済の採算性というものにすべての物差しを置いて議論をいたしておりますが、経済以外の価値、そういうものに思いをいたさなければ、このアメリカの心情をまた理解することも不可能なのではないか、こういう気もいたしますので、とにかく現実的には輸入大国を目指しながら、拡大均衡の中でアメリカとのいわば貿易インバランスの解消やそのいら立ちの基本にあるもの、こういうものを考えあわせながら冷静に対処いたしていかなければならないと考えております。
○小野明君 そうですね。至極もっともなお考えといいますか、そういうところでしょうね。 次に、ちょっと為替の問題でお聞きをしたいと思います。 八五年九月のプラザ合意以降の為替相場は、各国の政策協調の強化で対外不均衡、物価動向等、経済のファンダメンタルズを反映してドル安円高基調で推移をしてまいったわけでございます。こういった中で、我が国としても為替調整に加えて内需の拡大、輸入の促進等によって対外不均衡の是正に努めるほか、我が国企業も対外直接投資等によりまして構造調整を着実に進めてまいったところであります。 しかしながら、八八年末ごろから必ずしもアメリカがこれ以上のドル安を望まなくなった。これに加えて、我が国の生保あるいは信託銀行といった機関投資家が有利な資金運用先を求めて外債投資を活発化させてまいったことなどからドル高基調が続いてまいりましたところに、最近では諸外国の政青不安によりまして有事に強いドル買いが国際的に発生して、急激なドル高円安が進んでまいったところであります。 最近はちょっと落ちついておるようですが、現在のようなドル高円安傾向が今後も続くようなことがあれば、これまでの対外不均衡是正あるいは構造調整努力を阻害するおそれがあるほか、為替相場の乱高下が我が国産業経済の健全な発展の可能性を損なうことが憂慮されるわけであります。 つきましては、最近の為替相場の乱高下について、為替相場の乱高下による我が国企業の対外直接投資に与える影響について、通産省としての見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) 先生御案内のように、プラザ合意以降の我が国の海外直接投資の動向を見ますと、殊に製造業を中心にいたしまして、最近は毎年のように著しい伸びを見せてきているわけでございます。例えば八六、八七、八八年度をそれぞれ比較いたしますと、前年度に比べましておおむね倍増というような勢いでございます。 このような海外投資がいかなる動機に基づいて行われているかということでございますが、これは例えば海外の市場を実際に現地で確保するために出ていくという場合もございます。また、さまざまな保護貿易的な措置に対応するために出ていくという場合もございます。また、新しい為替レートを前提にいたしまして、第三国におきまして製造いたしました物品等をさらにほかの国に輸出する、あるいは日本の国に持って帰る、こういったようなケースがあるわけでございます。 これらさまざまな形で行われます海外直接投資、いずれにいたしましても、いろいろなファクターを織り込みながらそれぞれの企業採算を考えていくわけでございまして、その際に為替レートが幾らであるかということは非常に重要な要素の一つなわけでございます。したがいまして、最近のような為替の乱高下という現象が発生してまいりますと、こういった企業の経営戦略に対して大きな影響を与えるおそれがあるわけでございます。したがって、これから先も私ども海外直接投資というのは日本の経済構造全体をバランスのとれたものにするためには非常に重要だと考えておりますけれども、そういった意味合いで、企業の海外活動が健全に発展していくためには、やはり為替レートの安定というのは非常に重要であるというふうに考えております。 しからば、これをどういうふうにすれば安定するのかというのはなかなか難しいところでございますけれども、基本的にはそれぞれの国のファンダメンタルズが適切に反映されたようなレートになる、その間の乱高下につきましては、関係各国の通貨当局によります協調介入その他適宜適切な対応が必要なわけでございまして、報道等によりましても、最近はそういった報道がいろいろとられているように私どもも仄聞をするわけでございます。これから先も、私どもといたしましては、通貨当局の適宜適切な対応に期待をかけてまいりたいと考えております。
○小野明君 一時百五十円を超えて、今百四十五円ぐらいですかね。我が国経済の力を反映するといいますか、そういったところからいくと、大体どれぐらいのところが望ましいところでしょうかね、現在のところでは。
○政府委員(熊野英昭君) ただいま産業政策局長が答弁申し上げましたように、為替相場というのは各国のいわゆる経済的な基礎的諸条件、ファンダメンタルズと言われておりますけれども、これを反映していくというのが基本であろうと思っております。そういう意味で、経済の健全な発展を可能とするようなレートが安定的に維持されていることが望ましいわけでありますけれども、その具体的な水準ということになりますと、時々の各国間のただいま申し上げましたファンダメンタルズの相互的な関係でありますとか、あるいは業種、業態によって適切なレベルもさまざまでありますので、なかなか一概には言えない性格のものではないかと思っております。 いずれにいたしましても、経済の健全な発展のためには為替レートが安定されて動いていくということが重要でございますので、各国の政策当局の協調を維持していくことが重要であるというふうに考えております。
○小野明君 そうすると、今日時点ではなかなか数字としては言いにくいというところでしょうかね。 しかし、それぞれの貿易をやっている企業から来る数字、あるいは中小企業が望ましい数字、円というようなものは大体通産省としては握っておられるんじゃないですか、いかがでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) プラザ合意のころの為替は二百四十二円だったわけでございまして、その後それが二百円を割り、百六十円を割りということでどんどん進んでまいりました過程で、確かに私どももそういった為替レートの急激な変動が産業にどういう影響を及ぼすであろうかということについてはいろいろ実態調査もいたしました。そして、その時点でどの程度厳しい条件であるかというふうなことにつきましてもいろいろお話を承りまして、円高不況対策といったようなものまでも対策を講じまして今日に至ったわけでございます。 最近、為替が大幅に変動しているわけでございますけれども、若干その前へさかのぼってみますと、百三十円を真ん中ぐらいにいたしまして上下十円ぐらいのところで、あるいはもっと狭い幅である程度為替の安定が実はしていたわけでございます。企業といたしましては、一番問題なのは、先ほど海外投資の際にも申し上げましたけれども、相場が急に動くということが一番困るわけでございまして、ある相場のレベルが安定的に推移いたしますと、企業はそれぞれにそれを前提にいたしましていろいろな経営方針を立て、合理化をいたすわけでございます。 したがいまして、お尋ねのように、それぞれの局面局面におきまして私どももいろいろ業界の実情を把握してまいりましたけれども、要はどのレベルであれ、ある期間安定的にその相場が推移していくということが結局企業経営にとって一番重要だということでございまして、何円ならよくて何円ならだめとか、そういうような非常に確たる数字について申し上げることはなかなかこの為替の世界におきましては率直に申し上げまして難しいんではないかと考えておるところでございます。大事なのは安定であるということでございます。
○小野明君 まあ、いいでしょう。 次に、新規事業実施円滑化法案について若干お尋ねをしてまいりたいと思います。 この法律案は、新しい事業の支援、育成のためにファイナンスあるいは経営、情報面等で一連の助成措置を講じよう、こういうものであると思います。我が国を取り巻く経済社会の環境変化によって産業構造の調整が不可避であるという認識がこの法律案の背景にあるように思われます。 まず初めに、現在、我が国が置かれております経済社会環境及び今後の望ましい産業構造について、政府のお考えを承りたいんです。
○政府委員(児玉幸治君) 我が国の産業経済環境でございますが、これは内外ともになかなか難しい局面にあるわけでございます。外の問題につきましては、既に先ほどから小野先生御提起いただきました対外均衡をどういうふうに実現していくか、また、そういった関係で日本の産業の構造をどのような形で調和あるものにしていくかという問題があるわけでございますが、一方、国内について見ますと、これから二十一世紀に向かいまして幾つかの大きな変化が起きることが見込まれるわけでございます。 幾つかの例を申し上げますと、例えば素材とか材料とか、あるいは青報の分野におきまして技術革新の大きなうねりが今起きているわけでございます。こういったものに適切に対応してまいらなければならないわけでございます。 それから第二には、先ほど対外直接投資の問題にも触れたわけでございますけれども、経済活動をめぐります国境の壁と申しましょうか、国境というものが非常に低くなっているわけでございまして、経済活動が一口で申し上げますと非常にグローバル化いたしているわけでございます。これは外向きに対しましても、海外から日本に対する内向きの面におきましても同様でございまして、グローバリゼーションの流れというものがあるわけでございます。 それから三番目には、例えば昨年策定されました経済運営五カ年計画の中でも、豊かさの実感できる生活を実現するということを一つの目標にいたしておりますけれども、この豊かさの実現というのは、国民一人一人の考え方によって非常に違うわけでございまして、言うなれば、価値観が非常に多様化し個生化する時代に今入っている。 さらにもう一つのファクターといたしましては、人口の高齢化という問題があるわけでございます。 こういったさまざまな変化に対応いたしまして、我が国としては基本的にはこういったニーズに産業経済を挙げて柔軟かつ迅速に対応していかなければならないわけでございます。そういった意味合いでは、何と申しましても、これから先私ども多様な需要に対応し、しかもそれに迅速に適応していくということ、さらには我が国のこれからの産業の牽引力にもなり、また新しい雇用機会をつくっていくというふうな意味合いからも、新しい事業をこれからつくり出しまして、いわば産業経済のニューフロンティアを拡大していくということが非常に大事なのではないかというふうに認識いたしているところでございます。
○小野明君 抽象的にはおっしゃるとおりだと思うんですが、ではそういう産業というとなかなかこれは具体的に見当がつかないというのが私の気持ちなんですが、非常にこういう問題意識を持って、こういうところに発掘をする新しい産業の育成があるというところはいいんですが、具体的にはやっぱり指導する通産省としてはさらにこの辺を勉強してほしいと思っておりますが、そういう感じがいたします。 それから、産業構造の調整に当たって、将来我が国経済を支えるリーディングインダストリーといいますか、そういう芽を経済状況がいいうちに積極的に育てていこうというのがこの法律の目的でもあるように思います。その手段として国内の大量の余剰資金の活用をうたっておるんですが、余剰資金があるという推定なんですが、この余剰資金の原因になったものは一体何でしょうかね。
○政府委員(児玉幸治君) お金につきましては、余っておるのか余ってないのかという議論というのは、正直に申しましてなかなか難しいわけでございます。しかしながら、我が国の経済は一昨年の後半から昨年と非常に好調に推移してまいっておるわけでございますけれども、実はその少し前の状態を振り返ってみていただきますと、特に円高によります不況の時期におきましては、製造業の設備投資は二年続きでマイナスになったわけでございます。そういったことで、いわば実物投資の機会が不足をしていたということがございます。 それからまた、個人の場合を考えてみましても、これから先の老齢化社会への移行を展望しつつ、あるいは経済の状況がよくないといったような形の中でそれなりに自分自身での対応を考えますと、貯蓄率も高い水準で維持されてきたというふうなことが基本にはあったと思うわけでございますが、そういったことを踏まえた現実のお金の流れというものが、よく財テクというような言葉が使われたことがあるわけでございますけれども、金融資産あるいは土地の投資に振り向けられて、しかも、それがいわば利ざやをねらった取引というふうな形でかなり行われたということは、これはもう事実でございまして、そういった背景に基づきます現象をあらわす言葉といたしまして、いわば金余りの状態と申しましょうか、そういったような言葉の使い方が行われてきたのではないかと考える次第でございます。
○小野明君 企業が財テクで利益を出すというのは企業の健全な姿ではないですね。 次に、新規事業というのは、その実施にかかわりますリスクが高い一方、成功した場合のリターンも一般に大きなものが期待できると思います。したがって、このようなハイリスク・ハイリターンの新規事業の実施については、民間の旺盛な企業家精神の発動にゆだねるべきであって、国がこういう法律をつくって、また債務保証あるいは出資まで行う必要があるだろうかという感じも否めないところでございます。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) 新規事業と一口に言われるものにもいろいろなタイプがあるわけでございまして、いずれにいたしましても、これから先の我が国の産業構造の高度化には非常に重要なわけでございますが、新しいけれども初めから事業として成功する可能性が高いものもございますし、新しいのだけれども、少なくとも今の状況ではとても手がつかないというふうなものがございます。その間のところにかなり広範囲にわたって、新しいし、やれれば非常に有意義な事業なんだけれども、やはりリスクのことを考えるとどうしても踏み切れないというふうな分野があるわけでございます。私どもが今回新しい法律案の御審議をお願いいたしておりますのは、まさにこういった分野の事業を何とか活発にいたしたいということに基づいているわけでございます。 したがって、仰せのように、この新規事業というものはあくまでも基本的には民間の旺盛な企業家精神がイニシアチブをとらなければできるものではないわけでございますけれども、その中でも、ただいまも申し上げましたような、いわばリスクの分担あるいは呼び水的な出資という手がかりによりまして発足することができますような新しい事業を何とかバックアップしたいということでございます。したがいまして、法律で考えておりますようなさまざまな措置も基本的には必要最小限のものでございますし、また時間を限った制度というふうに考えているところでございます。
○小野明君 この法律案の対象事業者の問題ですが、「産業構造の調整が円滑に進展するためには、我が国経済において大きな比重を占める中小企業自体の構造転換が重要な課題である。」、これは昨年五月に閣議決定された経済運営五カ年計画の一文であります。この法律案はどの程度の規模の企業を対象としておるのか、資金力も技術力も豊富な大企業を対象とせずに、中小企業、特にベンチャービジネスを対象とすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) この法律に基づきます施策は、基本的には事業の新規性に着目いたしておりますので、企業の規模によりまして格別の差を設けているわけではございません。 しかしながら、現実を考えてみますと、大企業におきましてリスクの高い新規事業に実際に挑戦するというふうなことになりました場合には、現実の問題といたしましては、こういう法律に基づきます保証とか、あるいは出資制度等を利用しなくても十分有利なファイナンスを利用することができると思うわけでございまして、この法律の対象になってくる可能性はかなり小さいんではないかと思います。 現実にこの法律の仕組みを活用していただけますのは、そういった意味合いにおきましては、やはり中堅中小企業の方々なのでございますが、実はこの法律の前提となります実態調査をいろいろいたしましたときに、それでは大企業は新しい事業のシーズと申しましょうか、プロジェクトがございました場合に、それを全部自分でやっているかというと、必ずしもそうではないわけでございまして、新規のプロジェクトのシーズは実は大企業にある、それをだれかが実際に実施してくれるのであれば、その技術は譲り渡してもいいというふうなケースがかなりあることもわかっているわけでございます。この法律では、債務保証、出資に加えまして、新規事業に関しますさまざまな情報の提供等々あるいは人材についてのあっせん等もいたすことを予定いたしておりますが、そういった局面から見ますと、むしろ大企業に蓄積されております情報、技術の種あるいは人材といったようなものについても、これまた中堅中小企業のために活用していけるような局面もあるんではないかというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、この法律の主たる目標というものが中堅中小企業にあることは先生御指摘のとおりでございます。
○小野明君 そこで、この法律案にいう新規事業なんですが、新商品の生産もしくは新たな役務を提供する事業、または新技術を利用して商品の生産、販売、もしくは役務の提供方式を改善する事業、こういうふうに定義をされておるわけです。それぞれ具体的にはどのようなものが具体化されるのかお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) 本当の意味での具体的な事業というのは、この法律が出てまいりましてから出てくることだと存ずるわけでございますけれども、これまでにいろいろお話を聞いておりますことを、恐縮でございますけれども、性質上少し抽象化して御説明をさせていただきたいわけでございます。 例えば新しい製品というふうなことで申し上げますと、従来のいわゆる電磁モーター、磁石の力を使いましたモーターにかわりまして超音波を利用したモーターというふうなものが技術的にあるようでございまして、そういう新しいモーターの場合には回転数について非常に精密なコントロールができるとか、あるいは電力の消費量を大幅に節約できるとか、形につきましても非常に小型のものにできるというふうなことでございまして、もしそれがうまくいきました場合には、OA機器でございますとか、あるいは時計だとか自動車とか、いろんなものに利用される可能性があるということでございます。 それから、新しい技術を利用した製品というふうな意味合いで申し上げますと、現在、例えばオフセット印刷の自動製版機械というのは現にあるわけでございますが、御案内のように、これの色合わせというのは非常に難しいわけでございまして、相当人間の経験に依存していかざるを得ないわけでございます。しかしながら、これにつきましても、いわゆる人工知能、AIと言われております人工知能を上手に組み込んでまいりますと、大変この色合わせについて安定した、高品質な印刷物ができるようになる可能性があるということでございます。 それから、技術につきましては、私も専門家ではございませんので恐縮でございますけれども、ホログラフィーという光学関係の現象がございますけれども、このホログラフィーの原理をうまく使いますと、非常に複雑な形状をいたしております製品につきましての検査が容易にできるようになるわけでございまして、例えば歯車のように非常に複雑な形状をしておりますものについての製品の検査につきましては、この原理を応用いたしますと、歯車の精度が飛躍的に向上する、かつその検査に要する時間とか手間とかというものが大幅に節約されるというふうな効果が期待されるわけでございます。 それからサービスの分野、これはまだ具体的にこれから先のことについて申し上げるのは難しいわけでございますけれども、過去の例をちょっと振り返ってみますと、一つ一つのサービスについては今でも存在する。しかしながら、それらのサービスを新しく組み合わせることによって従来考えられなかったようなサービスが提供されるようになるということがあるわけでございます。 例えばトラック輸送とコンピューター、それに電気通信ネットワークというようなものを結合させますと、最近のような例の小包の小口の搬送ができるようになるわけでございまして、これなども一つ一つはそれぞれ従来あったわけでございますけれども、それぞれの分野での技術が進歩し、あるいは社会基盤の整備が進んだ結果、新しいサービスを生み出すことができるようになったわけでございます。こういったものをさまざまに私どもとしては期待しているわけでございます。
○小野明君 そこで、新規事業の認定の方法なんですが、通産大臣によって行われるということであります。さらに衆議院での本案の審議の過程で局長の答弁によりますと、商品や役務の新規性等々についての専門的な知見を持つ専門家に集まってもらってパネルを設けて判断する、こういう答弁がございました。パネルに集まってもらう専門家は、各商品あるいは役務の技術に関しては高度の知見を持つことは当然であると思います。しかし、これら専門家は企業経営についての評価ができるかという点で問題がありはしないか、技術力のみに偏った認定になるおそれがあるんではないかという感じがいたしますが、いかがでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) この新規事業の認定は法律の第四条の第三項に基づいて行うものでございまして、ただいま御指摘ございましたように、やはり専門家の手をかりて十分材料をそろえた上で認定の当否については判断をしなければならないわけでございます。そういった意味合いにおきまして、この専門家というのはさまざまな分野の方々にお願いをいたしたいと思っているわけでございます。 その際、商品等の新規性を考えるというのは、これは大変重要な判断要素の一つでございまして、そういった分野の方々にもちろんお願いをしなければならないわけでございますけれども、実際に認定をいたします場合の具体的な判断のポイントは何かというふうに考えてみますと、商品あるいは役務の新規性というのはもちろん重要でございますけれども、さらにその事業を実施いたします方法が適切であるか。裏返して申しますと、その事業計画が信頼できるものであるかどうかとか、あるいは事業の採算生はどうかとか、その事業の中長期的な見通しはどうかといったようなことも、これはもう先生御指摘のとおり、当然私ども判断をしていかなければならないわけでございます。したがいまして、この専門家のパネルというものの中には、御指摘のように、経営とかあるいは財務等の企業評価につきまして専門的な知見を持っておられる方にも御一緒に構成員として参加していただきたいと考えているところでございます。
○小野明君 当然のことだと思いますが、専門ばかばっかり集めないで、企業を見るような人が欲しいと思われますね。 それから、認定に要する時間なんですが、新規事業の認定について、審査とか関係行政機関の長への協議が行われるというふうになっておりますが、これらのプロセスにいたずらに時間を要することになるのではないか。もしそうであれば、新規事業を始める際にタイミングも極めて重要なポイントになると思いますね。そういうことから、せっかくつくったこの制度が事業者にとって利用しにくいものになってしまうんではないかという感じがいたしますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) 認定をいたします場合に関係行政機関の長への協議というのは、確かにそういう条文があるわけでございます。もしそういった行政府内部の手続にいたずらに時間がかかりますと、仰せのように、この新規事業というものについてはタイミングと申しましょうか、ビジネスチャンスというものがあるわけでございまして、みすみすそれを失するようなことになっては大変なことでございます。 したがいまして、これは非常に抽象的な申し上げ方になるんでございますけれども、政府部内の関係の行政機関相互の間の連絡協議につきましては、私ども早目早目に連絡をとり合いまして、お互いに協力して速やかにそういった所定の手続きが終わりますよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○小野明君 それはそういうふうにひとつぜひお願いをしたいと思います。 それから、ワラント債が導入されておりますが、新規事業者はワラント債の発行によって資金調達を行うということになっておるんですが、普通社債、転換社債、ワラント債等、数ある社債の中で余り使われないといいますか、聞かないワラント債を採用された理由をお尋ねしたい。
○政府委員(児玉幸治君) 今回この法律で対象にいたしたいと思っております新規事業につきましては、非常にリスクがある、しかしながら、事業が成功した場合にはそれに対してハイリターンがあるということが大きな特徴になっているわけでございます。仰せのように、企業の資金調達の方法には銀行の借り入れから普通株の発行、あるいは転換社債の発行等いろいろあるわけでございますが、私どもが今回特に新株引受権付社債、いわゆるワラント債をこの制度の基本に据えましたのは、この新株引受権付社債の特色がこの新規事業にふさわしいのではないかと考えているからでございます。 どういうことかと申しますと、まずこのワラント債というのは、社債の部分と新株の引受権の部分は独立をしているわけでございまして、このワラント債を発行いたします企業が、その発行の時点で自分のニーズに合わせまして発行する社債と、それから、それに付随して発行されます新株についての発行比率とか、あるいは新株を取得し得る期間につきまして自由に決めることができるわけでございまして、社債の発行について非常に弾力的な条件設定が可能だということでございます。それからさらに、新株の引受権を社債の引受者が行使いたしますと、その時点でもまた企業には新しい資金調達が可能になってくるわけでございます。 一方、投資者の方から見ますと、社債の部分につきましては非常に安定的に定時償還を受けることができるわけでございますし、それからワラントの部分につきましては、事業が成功いたしました場合に、この新株引受権を行使するという形によりましてハイリターンを確保することができるということでございます。 したがいまして、これは発行いたします企業にとりましても発行上の妙味があるわけでございますし、また、これを引き受けます投資家にとりましても非常に妙味のある資産の運用手段ということになるわけでございまして、これが一つのポイントでございます。 それから、ちょっと長くなりまして恐縮でございますけれども、今回のこの法律によります政策のもう一つの大事な柱として債務保証というものを併用いたしておるわけでございますが、この債務保証の場合にも、そのワラントの部分を債務保証いたします産業基盤整備基金が取得をいたしますと、事業が成功した場合のいわば成功報酬が取得できるわけでございまして、これによりまして債務保証の保証料率を低くすることができるわけでございます。 したがいまして、この債務保証を申し出てまいります事業者にとりましても、その保証料の負担を比較的軽くする道も開けるということでございまして、これらを総合勘案いたしましてワラント債という道を選択したわけでございます。
○小野明君 ベンチャービジネスの設備投資のための資金調達方法というのは、大体一般金融機関からの借り入れというのが一番多いようでございます。それに続く内部留保などを加えますと、全資金の約九割ぐらいあるように聞いております。その一方で、ワラント債の利用率というのは大変低いわけですね。このワラント債の今まで利用率が非常に低い理由をどういうふうに見ておられるか伺いたい。 また、この法律案によるワラント債は、社債発行限度枠の拡大、また私募債適債基準の例外扱い等の措置が講じられるんですが、これらの措置によって利用率が上がると思われるのかどうか、政府の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) 企業の資金調達の方法はさまざまでございまして、ただいま先生お触れになりましたように、状況によりましては金融機関からの借り入れあるいは内部資金に依存する比率が合計で九〇%ぐらいというふうな例も確かにあるんだろうと思うわけでございます。 ところで、いわゆるワラント債がなぜ日本でこれまで余り使われてないかということでございますが、まず実績を見ますと、昨年度と一昨年度は国内ではゼロでございますけれども、六十一年度には一千億円程度のワラント債が国内で発行され、さらに六十年度までさかのぼりますと五百五十億円余りの発行実績があるわけでございます。しかしながら、このワラント債が国内で十分に使われないことにつきましては幾つか理由があるわけでございまして、一つは、例えば発行限度につきましては、担保付社債とかあるいは転換社債、外債の場合に比べまして、このワラント債の場合には発行限度がこれらの場合の半分になっているわけです。言うなれば、それは商法の原則どおりの形になっておりますので、いざという場合に必要十分な資金調達の手段として使いにくいということがあるわけでございます。 それから、我が国におきましては、これまで社債の発行というのはいわば一流の大企業が発行するのが通例でございまして、証券市場におきましても、適債基準というものによりましてかなり厳しいコントロールをした上で社債の発行が行われているわけでございます。これはある意味におきましては、いわゆる債権者の保護というような配慮に基づいてのものでございまして、それはそれなりに理由があったことでございますけれども、いずれにしても、そういった国内の資本市場の実態を踏まえますと、ワラント債がこれまで使われなかったのもゆえなしとはしなかったわけでございます。 そこで、新規事業に対してこのワラント債がうまく調和する制度だといたしますと、何とかそこの部分を対応していかなければならないわけでございまして、そこで私ども考えましたのは、一つは、転換社債とかあるいは外債発行などと同じように、商法上の発行限度を認定を受けた新規事業については同じようにしてもらいたい、つまり一般原則に比べて二倍の限度まで発行できるようにしたいということで、これもこの法律の中に商法の特例としてお願いしているところでございます。 もう一つは、仮にそういうことで商法上の枠が高くなったといたしましても、実際に今資本市場で発行を認めていただける状況にならなければならないわけでございまして、そこで市場のいわゆる適債基準につきましては、この認定事業については弾力的に運用をしていただくようにお願いをしているわけでございます。 それでは、弾力的に運用すればリスクの社債をだれでもすぐ引き受けてくれるかというと、そうはまいらないわけでございまして、そこで債務保証というものをこれにさらに加えまして、これらの全体の施策をもちましてワラント債がこの法律に基づく認定事業につきましてはこれから使われるようになるんではないかと期待をいたしているところでございます。
○小野明君 ワラント債と付与率との関係をお尋ねしたいのですが、ワラント権の付与率を社債の金額の範囲内で任意に設定できるために、引き受け権の行使に伴って株式の希薄化現象が過大になるおそれがある場合には付与率を小さくできる。すなわち負債と自己資本の割合を調整できるのですね。ベンチャービジネスの経営者は、経営権を握られるのを恐れるために、一対一の付与率では納得しないのではないでしょうか。 そこで、政府はどの程度の付与率を念頭に置いておられるのでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) ワラント債の付与率に関するお尋ねでございます。 今回の私どもの考えでおります制度の中では、産業基盤整備基金で行います債務保証の対象となるワラント債はいわゆる私募債の形で発行されるものでございまして、原則を申し上げれば、それは発行体と投資者との合意によりまして付与率が設定されるものでございます。 それで、現実には一体どんなことになっているかということでございますけれども、国内でこれまで発行されたワラント債、あるいは海外で発行されたワラント債等についてその実態を見ますと、おおむね一対一という程度のものが多いわけでございます。それに対しまして、ただいま御指摘のように、ベンチャービジネスの経営者といたしましては、金は欲しいけれども口は出してもらいたくないということはあるわけでございまして、なるたけワラントの部分のいわゆる付与率というものを低くしたいという希望もあるわけでございますが、一方、ワラントの付与率を余り低くいたしますと、いわゆるワラント債の発行条件の点ではだんだんうまみがなくなってくるわけでございまして、そこら辺のところは発行条件のうまみの話と、それから株主としての権利の行使とのバランスをどうとるかということになるわけでございます。いずれにいたしましても、もしあんまり付与率が低くなってまいりますと、それはもうワラント債というよりは、だんだん一般の社債に生格が近くなってくるわけでございまして、投資者へのリターンの還元も十分には行い得ないことになるわけでございます。 したがいまして、この債務保証の認定をいたします場合に、まだ私どもといたしましても成案があるわけではございませんけれども、どうもやっぱり付与率につきましては下限を設ける必要があるのではないかという感じは持っておりまして、一つの考え方といたしましては、先ほども申し上げましたように、現実には一対一というのが多いわけでございますけれども、一対〇・五という水準を下回るようなことにはならないようにというのが例えば一つの考え方ではないかと考えているところでございます。
○小野明君 中小企業投資育成株式会社との関係についてお尋ねをいたしますが、この国会には新規事業法案とともに中小企業投資育成株式会社法の一部改正の法律案が提出されております。今回の改正では、中小企業の設立段階で発行される株式の引き受け、保有を投資育成会社の新規業務として追加をするものになっております。中小企業でかつ新規生の強い事業を行う場合に、本法と同法の二つの法律案による助成措置はどのように適用されていくのか、この法案と中小企業投資育成株式会社法との関連について伺います。
○政府委員(横田捷宏君) 今国会におきまして中小企業投資育成株式会社法の一部改正の審議もお願いいたしておるわけでございますけれども、一般的な考え方といたしまして、中小企業施策、投資育成以外にも信用保証その他いろいろな制度があるわけでございますが、新規事業者が中小企業であります場合には、私どもといたしまして、まず中小企業関係施策が優先的に検討されるべきではないか、それが受けられない場合あるいは不十分な場合に本制度もあわせて適用してまいるという考え方でございます。 そういう点に立ちますと、今回のワラント債の発行、保証といいますものは本制度によって初めて可能となりますものでございますので、この新規事業法でやってまいる。それに対しまして投資の方でございます、出資といいますか、今回の中小企業投資育成会社法案では、従来は投資育成会社は原則として増資新株しか引き受けられなかった、これが設立新株にも及ぶという形になりますので、ある意味ではこの法案で産業基盤整備基金を活用してベンチャーキャピタルをつくっていこうという考え方との調整が問題になるわけでございます。この際、先ほど申し上げましたように、投資育成会社の出資が受けられる場合、投資育成会社は既に民間機関でございますので投資育成会社の判断にまつわけでありますけれども、その際には新規事業法による出資に先んじて中小企業投資育成会社の活用を図る、投資育成会社の出資では不十分な場合にはこれとあわせて新規事業法による出資の活用についても検討してまいりたい、こういう連携を考えておるところでございます。
○小野明君 リスクファイナンスの実効生についてお尋ねいたします。 新規事業の分野が通産省所管のものに限定された点に関して、衆議院の商工委員会における産業政策局長の答弁では、広く政府部内各省と相談をしたが、非常に新しい制度であり、とりあえずのところ他省庁から一枚乗ろうという感じはない、こういう答弁がされております。他省庁の態度からすると、この法律案による新規事業が軌道に乗るのは難しいのではないか。政府は、この法案によるリスクファイナンスが予想どおり運営されるようになるんだ、そういうことが言い切れるのでしょうか、それをお尋ねしたい。
○政府委員(児玉幸治君) 確かに今回の特定新規事業実施円滑化臨時措置法では、特定新規事業というのは「通商産業省の所掌に係るもの」という限定がついているわけでございます。 衆議院の商工委員会でもお答えを申し上げたところでございますけれども、およそ政府提出の法案を国会にお願いするまでには政府部内の関係各省の間で広く意見交換が行われるわけでございまして、その結果が今のような形にまとまっているわけでございますけれども、ほかの省がこれをうまくいかないと思っているからこの法案に乗ってこないというふうなことにつきましては、率直に申し上げまして、一体本当はどういう気持ちかというのは聞いたことがないわけでございます。 ただ、この法案の協議をいたしました過程では、いずれの省も非常にこの制度には関心は持っていたわけでございますけれども、例えば物の分野について申し上げれば、通産省の所管の範囲が非常に広うございます。それからサービスについてもやはり私どもの所管の範囲が非常に広いわけでございまして、とりあえずはこういうことで始めさせていただいたわけでございますが、議論のプロセスでは、いずれこの法律に一緒に入って事業を実施していきたいという御意向があるときには、私どもとしましてはいつでもこれはオープンにというふうにいたしておりますし、また別な形で別な制度ができるといたしました場合には、そのこと自身も、またそれぞれの事業の性質によってあるいは仕組みも違う可能性もございますから、それも歓迎をするというふうな気持ちで対応をしてきたところでございます。 うまくいかないかどうかという点でございますけれども、先ほどもちょっと触れましたいろいろなアンケート調査をやってきたわけでございますけれども、そのアンケート調査によりますと、調査対象になりました企業のほぼ半数近くの人たちが、こういう仕組みができた場合にはその仕組みをぜひ利用したいということを希望を表明いたしておりますので、私どもといたしましては、十分この制度が役に立つ制度になるのではないかと考えているところでございます。
○小野明君 事業者の株式の公開についてお尋ねいたしますが、この制度においては、ワラント債を購入した投資者に対しては、新規事業のリスク負担の見返りとして当該事業者の株式公開によるキャピタルゲインを還元することとしております。しかし、日本の場合には事業が成功しても事業者はなかなか株式公開をしたがりませんね。やっぱり年数にしても日本の場合十五年から二十年というような年数がかかっておるように思いますが、この制度では成功した事業者にどのようにして株式公開をさせるおつもりでしょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 御指摘のとおり、この制度を活用いたしまして企業が成長した暁に早期に株式の公開と、店頭がまずは最初になろうと思いますけれども、行われるというのが大変大事であるというのは御指摘のとおりでございます。そういう意味で、私どもこの制度を運営してまいります際に、今御指摘の点につきましては契約を活用することによってその円滑な公開を担保できるようにしてまいりたいと考えております。 具体的には社債を発行いたします際に、その社債を保証することになります産業基盤整備基金、ここが社債を発行いたします会社との間で保証委託契約を締結するわけでありますけれども、将来株式公開基準を満たしている場合には株式公開を必ず行うという約定をしてもらうということでございます。また、約定いたしましても、それに違反して店頭登録基準に達しておるのになかなか公開していただけないという場合もあるかもしれません。そういった場合には、産業基盤整備基金が保証いたします新株引受権、この新株引受権を会社のオーナー株主あるいは親会社が適切な評価をした時価ということで、その時価を一定限度上回る価格で買い取っていただく、こういうこともあわせて約定しておきたい、こういうことで現在産業基盤整備基金の運営方法等を検討いたしておるところでございます。
○小野明君 産業基盤整備基金のファンドについてお尋ねいたしますが、ワラント債の保証に当たる産業基盤整備基金、これは比較的リスク性の高い新規事業についてリスク負担をするということになるんですが、基金の支払いファンドは大丈夫なんでしょうかね。
○政府委員(横田捷宏君) 産業基盤整備基金にはこれまでの累積といたしまして保証用の基金も産業基盤整備基金の事業全体のために二百億程度のものがあるわけでございますが、新法に基づきまして産業基盤整備基金がワラント債の発行についての保証を行う。この際の保証の方法につきましても、基本的には収支相償と申しますか、事故率等、最新のデータを利用、想定いたしまして保証債務を実行せにゃいかぬ、そういう保証代位にかかわります投資者への支払い額、これと保証料収入とがバランスをするといったような考え方で保証料率を設定してまいるということでもございますので、今の御心配の点は大丈夫と考えております。
○小野明君 規制緩和との関係についてお尋ねをいたします。 アメリカと我が国の違いに政府規制に大きな差があると思います。行政規制がすべて必要ないとはなかなか言えないところでしょうが、意味のない規制も結構多いように思います。この点についてアメリカを中心に我が国に対する規制の見直しの要請が相次いでおるところであります。ニュービジネスの本質が変化する需要を素早くキャッチして対応するということを考えますと、この法案の提出とあわせて役人の規制好きを改めることが必要ではないか、不可欠ではないか。その点についてお考えを承ります。
○政府委員(児玉幸治君) 規制緩和の点につきましては、私どもこれから先新規事業をやっていく場合に非常に大切なファクターなんではないかなと思っているところでございます。実は今回この法律でお願いをいたしておりますこと自身が、例えば社債の発行限度の引き上げにいたしましても、適債基準の弾力的運用にいたしましても、それ自身実は規制の緩和でございまして、そういった方法を通じまして新規事業のバックアップをいたしたいと考えているところでございます。 一方、海外からも我が国に対しましてはサービス業の分野での規制緩和についていろいろな要請があるわけでございます。その一環といたしましては、金融とか保険とかといった分野におきます一層のディレギュレーションの話もございまして、これはそれぞれの関係の省、あるいは関係の業界の方において鋭意取り組んでおられるところでもございます。また、もう少し長い目で見ますと、そういった流れもまた踏まえながら、商法の改正問題というものも別途法制審議会商法部会において検討が行われておるわけでございまして、私どもといたしましては、こういった一連の動きに十分注目をいたしまして、新規事業が滞りなく発展していきますよう、一層ディレギュレーションにつきましては力を払ってまいりたいと考えております。
○小野明君 この制度における人材面の支援についてお尋ねいたします。 ベンチャービジネスにとって成功の三要素というのは人、物、金、これが折に触れて説かれるわけであります。小さい企業にとっては、いずれも手に入りにくい経営資源であります。今回、この法案によって資金面での助成は手当てされておりますが、他の点については対応がない。この点を補強しない限り、ベンチャービジネスが育って将来の日本を支えるところまではとてもなりそうもないと考えられますが、この点について政府は対応策を準備されるのかどうか、伺います。
○政府委員(児玉幸治君) 我が国でこれから先新規事業を活発に進めてまいります場合には、御指摘のとおり、資金についてのバックアップ体制だけでは不十分なわけでございまして、そういう新規事業に関しますさまざまな情報あるいは人材、一緒に事業をやっていきますパートナーその他も含めまして、広い意味での人材をどう円滑に手当てをしていくかということが重要な問題であることは、まさにそのとおりでございます。 そこで、今回お願いをしております法律案におきましては、産業基盤整備基金にこの法律に基づきまして幾つかの新しい仕事の追加をいたしますようにお願いしておるわけでございますけれども、その第六条の第三号というところに、「特定新規事業に関する青報の収集、整理及び提供を行うこと。」という号が一つ特に設けられているわけでございますけれども、実はこの号に基づきまして、私どもは資金供給とあわせまして、例えば事業のパートナーのあっせんでございますとか、さらにはそれぞれの分野についていろいろな判断をしていただくための専門家の紹介をする、こういったようなことを考えているところでございます。殊に中小企業者が新規事業に取り組みます場合には、いろんな分野で経営資源の不足がネックになる可能性が高いわけでございますので、具体的には次のような形で中堅中小企業に対する対応を進めてまいりたいと思っております。 まず、パートナーの募集あるいは関心事業分野に関する青報でございますけれども、新規事業を行いたいと思っている人に対しましては、そういう事業を新しく始めるためのシーズ、あるいはそういう経営資源を有するパートナーがどこにいるのか、どういう人がいるのかといったようなことにつきましての情報を提供いたしたいと思っております。また、新規事業へ進出をしたいといいましても、具体的にどういうところに自分は出たいのかということがあるわけでございまして、おのれの関心を有する新規事業分野につきましても、これまた産業基盤整備基金で青報を受けつけまして、これを登録しておる。したがって、新規事業をやりたいと思っている人、あるいは片方には事業のシーズを持っている人あるいは経営資源のある人というふうなものの情報があるわけでございまして、これらを提供可能なようにうまく情報の間のあっせんをいたしまして、新規事業の実施に伴って不足いたします経営資源を補完をしてまいりたいと思っているわけでございます。 そのほかにも、先ほども触れましたが、やはり中堅中小企業の場合には、実際の事業化に際しまして技術あるいはマーケティング等専門的な分野についての知見を有する方々の意見を聞きたいということもあるわけでございますので、そういった点でも専門家に関する青報を提供してそのニーズに応じたいと考えておるところでございます。
○小野明君 地方企業の認定申請に対する配慮についてお尋ねをいたします。 重厚長大の大手企業に寄りかかって生きてきた多くの中小下請企業に今自立の機運が高まってきているように思われます。つまり経営基盤の再構築を目指して長年の一品料理の受注生産によって培った技術力を足場にハイテク化、ソフト分野へ踏み出そうとしておるようであります。とりわけこうした動きがテクノポリス地域において出始めておりますが、地方企業が本法適用の申請に際して行います数々の手続について、遠隔地にあるために不便を強いられることがないように、本法による申請手続等の受付窓口、この準備体制を整える必要があるのではないか。わざわざ上京しなくてもいいようにできないものかどうか、その点について伺います。
○政府委員(児玉幸治君) これから先行われますさまざまな新規事業の立地というものは、やはり日本の多極分散型の産業発展にうまく沿うような形で進んでいくことが期待されるわけでございまして、むしろいろいろな新しいタイプの事業がそれぞれの地域で起きてくることを私どもとしましては大いに歓迎しているところでございます。その際、私どもがやはりよく考えなくちゃならないなと思いますのは、せっかくの制度がもしでき上がりました場合に、その制度について十分各地域の方々に御理解をしていただくようにするということが第一点でございますが、第二点目には、ただいまお話もございましたように、せっかく地域の事業者が新規事業に取りかかろうというときに、しょっちゅう地域と東京との間を往復しないと話がちっとも進まないというふうなことでは困るわけでございまして、その辺につきましては、ぜひとも事業者の負担を軽減するためにいろいろな工夫をしなければならないと思っているところでございます。 その一つの考え方は、地方通産局の活用でございますが、ことしの七月からは地方の通産局も名称変更いたしますし、また組織につきましても、地域問題により一層取り組みができますように体制の整備も進めるわけでございます。 そういった一連の動きの中で、この法律に基づきます申請手続につきましても、地方の通産局の機能を最大限に活用することによりまして、先生の御指摘の点にもぜひ沿うように頑張ってまいりたいと思っております。
○小野明君 特に北九州あたりもそういった傾向が非常に出ておりますので配慮いただきたいと思います。 次に、産業基盤整備基金の情報提供事業の内容についてお尋ねをいたします。 産業基盤整備基金の行う業務の中で「特定新規事業に関する青報の収集、整理及び提供を行う」、こういうふうにされておりますが、これは具体的にはどの程度のものをどういった方法で集め、どのようにして提供するのか、また、その提供の料金はどの程度のものになるのでしょうか、伺います。
○政府委員(横田捷宏君) 先ほど児玉局長がお答え申し上げたことと一部重複するかもしれませんが、まず基金の行います情報提供事業でございますが、新規事業をこれから行おうといたします事業者に対しまして、次の三つの支援を行う予定でございます。 一つは、すぐれた事業のシーズ、事業の芽あるいはその企画を入手する、これを提供する。二番目には、事業に必要なパートナーが確保できるように支援をする。三番目には、事業化に先立ちます事業の検討、評価、こういった面で必要な専門的知見の入手ということにつきまして支援を申し上げたい、こういうことでございまして、御指摘の産業基盤整備基金におきましては、広く事業者等からこのような青報につきまして登録を行うということでございます。これをデータベース化いたしまして、中には大変秘密の情報もあるわけでございますが、秘密管理も十分図りながら、多様な検索メニューを用意いたしまして効率的な利用が図られるようにしてまいりたいと思っております。このため、予算面でも基金に対しまして本年度二千七百五十万円という金額でございますけれども、事業の二分の一補助でデータベースの構築を支援してまいりたいと思ってございます。 このように登録整理されました情報につきましては、そのネットワークのもとに広く活用されますよう、関係事業者団体、先ほどの通産局はもとよりでございますが、商工会議所あるいはニュービジネス協会、関係事業団体等々へのPR、周知も図りながら、また既に技術情報の提供という面では先行的にスタートいたしておりますテクノマートのネットワーク等も活用いたしながら、新規事業を願う方々とそれを支援する方々等との結びつき、お見合いを積極的に促進してまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、利用料金でございますが、この点はまだ詳細検討中でございます。しかし、考え方といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、中堅中小企業にも十分利用できるような低価格の設定、これを基金の収支相償の考え方のもとでどうするかということを現在詰めておるところでございます。
○小野明君 産業基盤整備基金の行います今の情報サービスの問題ですが、地域の企業への配慮ですね、さらに遠隔地の企業にとって産業基盤整備基金の行う情報サービスというのが基金の所在地である東京と同じ条件で利用し得るための体制を整備すべきである、このように思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 御指摘のとおり、基金の情報自体の利用料金、これにつきましては、地方と東京は同一にできるよう検討いたしておりますが、ただ、この青報の提供がいわゆる公衆通信回線等を使います際には、その遠近格差の問題、これは残るわけであります。そういう制限はございますけれども、料金の適正な設定、さらには地方の利用者の便宜を図るという意味で、青報サービスのやり方の面でも、例えば基金によります代行検索、電話あるいは郵便で基金に対しまして希望する情報を申し入れますと、これは基金がかわって検索提供するという、こういう代行検索の制度を設ける、あるいは必要に応じまして地方にも開放端末、関心のある事業者の方々がだれでもアクセスできるような端末の設置も行いたい。この際、先ほど申し上げましたテクノマートのネットワークも十分活用してまいりたいと思っております。
○小野明君 最後に、大臣にお尋ねしておきますが、この制度全体として地域の中小企業へ配慮を願いたいと思うんですが、強調しておきたいところなんですが、中小企業、特に地域の中小企業に対して制度全体を利用しやすくし、かつ制度の周知徹底を図るべきではないか、この点に関して大臣の所見を承って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) この法律案は新規事業のアイデアやチャレンジ精神に富んでいるが、資金と青報の両面でハンディの大きい中堅中小企業等の新規事業を円滑化しようとするものでございまして、この意味で、御指摘はまさに正鵠を得たものでございます。中小企業、とりわけ地域の中小企業が十分利用できないようなことでは困りますので、仏つくって魂入れずにならないように事務当局を初め関係者に徹底するとともに、私自身も万全の配慮をしていく所存でございます。
○委員長(宮澤弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(宮澤弘君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、特定新規事業実施円滑化臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伏見康治君 腰を痛めておりますので、申しわけありませんが、座ったまま質問させていただきます。お許しください。 前半はただいま言われました長い名前の法律についての質問をいたしたいと思いますが、後半はもう少し広い通産関係の質問をいたしたいと思います。 この法律の名前に新規性という言葉が出てまいりますが、私はこれを創造性と理解したいと思うんでございますが、つまり今までなかったもの、新しいものを生み出すということだと思うんですが、この創造性というものが日本人は極めて乏しいと言われているわけでございます。人まねは極めて上手なんですけれども、人にまねをさせるということはどうも下手なようでございます。それはいろんな理由がもちろんあると思いますが、日本人の創造性の欠如というのは、日本人個々の人間の頭脳生理的な意味で欠陥があるというふうに私は考えません。そういう意味での創造性は日本人はいっぱい持っていると思うんです。ただ、日本の社会構造のようなものがせっかく出た創造性を育てるようにできていない。専ら寄ってたかって新しいものをつぶすという、つまり出るくいは打たれる式に創造性をつぶしてしまうという社会のように私は思うわけです。 そういう風土の中で新規性を持った、創造性を持ったものを育てるということは大変難しいことだと思うんですが、大臣としてはそれに対してどういう哲学をお持ちなのか、ひとつ伺いたいと思うわけです。
○国務大臣(梶山静六君) 先生御指摘のとおり、確かに我が国は、生い立ちというか、これがヨーロッパのような騎馬民族と違いまして、農耕民族というか、農耕社会というか、こういうものが意識の中にありますし、それから単一民族で絶えず一家中心というか、帰属団体主義のそういう中で育ったものでございますから、これどちらが先か後かは別といたしまして、仏教や儒教等から来るいい意味での和をもってとうとしとなすという、そういう価値観がありますので、ややもすれば、そういう意味では独創性とか創造性、世の中を壊して新しくつくり上げるというような風潮というか、社会観念は極めて薄かったのではないかという気がいたします。それはそれなりにある意味で日本のすばらしい民族生が保てたということもありましょうけれども、この法案について今先生が御指摘になった新規性というものではなくて創造性、こういうものを進めるにいま一欠けるところがあるのではないかなという感じは、確かに私らの年代までの方々は全部一様にこれ体験してきた社会でもあるわけであります。しかしながら、戦後の社会をよく見てみますと、人間というのは環境の動物でございますから、やはり欧米先進国に追いつくというタッチアップの精神がやがてアメリカ、ヨーロッパにようやく追いついてきたというところになって、これからさてどうするということになりますと、特に通産省なんかが技術立国論を言う、さらに基礎的な技術の分野を広げていこうというのは、これはまさに独創以外の何物でもないはずでございます。 私はよく見たことがないからわからないんですが、私たちの子供、赤ん坊で産まれるときは手を握って産まれてきた、こう言われるんですが、今の赤ちゃんはこう手を開いて産まれてくるというんですが、開放的になったというか、その意味では独創的なものを新たにつかみ取ろうという、どちらかというと、前はきいっとやって今までのものをつかんでいさえすればいいという、それが、これは女性がおいでになりますから専門家の方に聞くんですが、何か見たことはないんですが、赤ちゃんも最近手を開いて産まれるようになったというんですから、その意味では開放性というか、創造性というか、そういうものが知らず知らずの間に育ってきたのではないかという気がいたしますので、今までの隣蔵建ちゃわしゃ腹が立つといってお互いに足を引っ張るんではなく、押し立てていく。その意味では打ち上げ方式というか、独創性が生まれてくる気風が出てまいりますし、こういう法案が現実に中小企業や地域にそれぞれ啓蒙をし宣伝をされることによってそういうものが知らず知らずに意識の中に高まっていくならば、日本のこれからの生きるいわば技術立国と言われるべき独創生、こういうものを培う大変な土壌になるという気がいたしますので、この法案に特に意識を持って努めてまいりたいと考えております。
○伏見康治君 大臣、大変豊富な哲学をありがとうございました。 ただ、今通産省は非常に独創的ないろいろなことを考えるという、私もそう思うんですけれども、しかし一般論といたしましては、役所というものは決まり切ったことをやるのが普通でございまして、それに比べて民間の会社の方はやっぱり生きるか死ぬかの瀬戸際ですから、せめぎ合いでもって新しいものを生み出すという能力が民間の会社の方にはおのずから備わっているような感じがいたします。そうすると、こういうつまり新規生のある事業を進めるというのは、お役所がやるよりは民間に任せた方がいいのではないかという感じもいたすんですが、その点どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(児玉幸治君) 新しい事業を実際につくり出し、それを事業化していくリーダーシップとかイニシアチブ、こういったものは、先生御指摘のとおり、まさに民間にあるわけでございます。しかしながら、新規の事業と一口に申しましてもいろいろなものがあるわけでございまして、つまりリスクの高さとか先行きの不安についての問題でございますけれども、非常に新しいもので皆さんのお役に立つものであって、しかも事業化の容易なものというものであれば、これはもうほっておきましてもどんどん事業化が進んでいくわけでございます。それから非常に難しいものにつきましては、いずれかの日に技術的な問題等が解決されれば新しい事業は生まれていくわけでございますが、その中間のところに、やはりこれから二十一世紀に向かって日本の産業に新しい芽を育て産業構造の変革の引き金にしたい、しかも雇用の機会もそれによってつくっていきたい、しかしながら、リスクが大きくてなかなかいま一つ思い切って踏み切ることができないというような分野があるわけでございます。したがいまして、今回お願いいたしておりますこの法律案というのは、決して国が先に立って手出しをしようというような考え方ではございませんので、今申し上げましたような、ちょうどこの中間的な領域で企業のリーダーシップで一歩踏み出そうとする、その一歩踏み出すのにややためらいがある、そのためらいがある場合の環境の整備をお手伝いをさせていただいて、それによって企業自身のリーダーシップが発揮しやすいようにしたいというのが政府のねらいでございます。
○伏見康治君 つまり創造性を持ったイニシアチブそれ自身は民間の方々に期待する、それがただ育たないところを援助して育ててやろうという、そういう御趣旨であると理解します。 ですが、同時に、そういう補助をしなくても、現実の問題として新しい産業がどんどん起こっている面もあるわけでして、つまり大企業の中でもいろいろ新しいアイデアがあって、それを大企業の中で育てることもあるし、子会社のようなものをつくって育てることもあるし、それから、私の知っている限りでは、町の発明家のような方々が新しいアイデアを大きな会社へ売り込みに行って、それを拾い上げて育てるといったようなことも現実には行われているように私は思うんですが、そういうものに対して今度のお役所の努力がどのくらいプラスになるか、あるいは民間だけではやり切れないところのどの辺のところをうまく救うことができるか、どういうふうにお考えになるでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) いわゆる新規事業のスタートにつきましては、今伏見先生御指摘のような現象も確かにたくさんあるわけでございます。ただ、大企業で行います新規事業と言われるものが、必ずしも先ほど先生のおっしゃったような創造生とかというものばかりではなくて、リストラクチャリングというふうな言葉が最近はやっておりますけれども、今まで自分がやっていなかった事業に進出していこうということで、実は全体を見渡しますと、ほかにはだれかやっている人もいたわけですが、当該大企業としてはやっていなかった、そういう人が新しい分野に出るというようなケースもあるわけでございます。もちろんそれだけではなくて、非常に新しい事業を始める場合もあるわけでございますから、そういったことを私は否定するつもりもございません。 それから、町の発明家が大企業にその技術を売って、それが事業化されるというケースも過去になかったわけではないと思うわけでございますけれども、それらはやはりしょせんその大企業なら大企業の中で自分の受け皿で引き受けることができる範囲内に限られているわけでございまして、町の発明家あるいはそれの少し上で中小企業で自分で新しい技術を発明したというふうな場合に、できればやはり自分でその事業は起こしたいと思う人もこれまたたくさんいるわけでございまして、やはりそういった人たちに対してお手伝いをする道というものは、率直に申しまして今までは欠けていたんではないかと思うわけでございます。 そこで、創造性とか新規性といったものを踏まえて、リスクがあっても新しい事業を進めたいと言われる方々がある場合には、そこを何とかお手伝いをするというのがこの法案の位置づけであろうかと思っております。
○伏見康治君 そこで、新しいアイデアを持った人の仕事を育て上げるという意味で、いわば金融的な便宜を図ってやるということであると思うんですが、ただ、お金を出すという意味合いから申しますというと、通産省でなくて大蔵省でもいいんじゃないかという感じがいたしますんですが、大蔵省がただ銀行に対していろいろな規制を加えているのを、その規制を緩めるようなことによってお金を貸して、たやすく発明家がお金を借りられるようにすればいいのじゃないかという感じもいたしますんですが、通産省がやるということの意味はどこにあるんでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) ただいまの先生のお尋ねの通産省がお金を出すという点は、実はこの政策のねらいはそこにはないわけでございます。むしろ最近におきます金融諸制度の自由化の中で、企業にとりましては資金調達の手段というのは随分多様になってきておりまして、通常の事業活動でございますと、いろんな形での資金調達ができるようにだんだんなってきています。また、中小企業につきましては中小企業なりのさまざまな制度が整ってきているわけでございますが、問題は新規事業のようなリスクが高くて先行きのよくわからない事業にお金が本当に回っていくかどうかということでございまして、今回お願いをしております制度は、そういう意味では債務保証という、この債務保証自身は別に国の補助金ではなくて、収支が相償うように運営する制度なんでございますけれども、債務保証という制度を使ってそのリスクをカバーすることによりまして、民間のお金が民間の事業に流れる、民間から民間へ資金が流れるのができるだけスムーズにいくようにという工夫をしようというのがねらいでございます。
○伏見康治君 そういうことだと思うんでございますが、通産省が予算を取ってやるわけじゃないとは思うんですが、既存の開発銀行とかいろいろなものを利用してなさるんだろうと思うんですが、そういうものを利用する限りにおいては——私の今の質問は、要するに大蔵省が心がければいいことであって、通産省として何か特に計画を立てる必要があるかということを伺ったわけなんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) 金融業についての監督は大蔵省がやっているというのはそのとおりでございますが、また大蔵省も、金融機関がどういうような事業に実際にお金を貸すかというふうなことにつきましては、一つ一つの事柄について介入するわけでもないわけでございまして、むしろ金融機関の長期的な展望あるいは判断に基づいて資金の貸し出しあるいは出資その他が行われるわけでございます。 私どものこの政策のねらいというのは、あくまでも二十一世紀に向かいましてリスク性のある新規の事業をむしろ国内で起こしていきたい、それが産業構造変革の起爆剤になってもらいたいし、雇用もふやしたいということで、環境を整備いたしまして、資金がそちらの方へ流れていくというような環境の整備をやりたいというところまででございまして、決して大蔵省がやるべきことを通産省がやっているというような考えにはないわけでございます。
○伏見康治君 いえ、私は通産省が余計なことをしていると言ったようなつもりはさらさらないんでして、大蔵省がそもそもかた過ぎるんだというふうに理解しているわけでございます。 昔大学にいていろんな研究費を大蔵省からもらうのにさんざん苦労したものですから、大蔵省はかたきみたいな感じがいたしまして昔から悪口を言っているんですが、大蔵省は唯物論者だと私は言うんです。というのは、建物のような物質的な構築を持ったものに対しては割合に金が出やすいんです。ところが、外国に行って知識を交換してくるというような、そういう後に残らないものに対しては非常に金を出し渋る。それで、物が残りさえずれば大蔵省は喜ぶから、大蔵省は唯物論者だと私は言っていたわけなんですが、要するに近ごろソフトという言葉がはやり出しまして、ようやくハードのほかにソフトも存在するということを大蔵省が認めていただいた。非常に時間が長くかかったような感じがいたします。ひとつ通産省のお役人方は大蔵省のお役人の再教育をやっていただきたいと思うのです。 こういうのは、いわゆるアメリカでベンチャービジネスというものに相当するのではないかと思うんですが、アメリカのベンチャービジネスの話を一遍聞いたことがあるんですが、ある大学の先生が新発明をして、それを種にして企業を起こして、数カ年は大変もうかったんですが、そのうちに新しいアイデアをほかの人が発明して、それに押されてしまってその企業がだめになる。つまりベンチャービジネスというのは短寿命なものであって、わっとやって非常に景気がいい時期が数カ年続いて、その後たちまちまただめになる。つまり生まれたりつぶれたりするものだという印象がベンチャービジネスに対してあるわけですが、その辺のところは通産省としてはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 先生御指摘のとおり、近年におきましてベンチャービジネスが日本で相当な勢いで起こり、しかしながら相次いで倒産する事例ということがあったわけでございまして、この原因等々を例えば最近では六十二年度の中小企業白書が多面的な分析をいたしておるわけでございます。 そこで類型的に倒産等に立ち至った原因の分析があるわけでございますが、まず一つには、五十年代後半から金融緩和が相当あったわけでございますが、これを背景といたしまして本来の企業力をはるかに超えた資金供給がなされまして、そういう情勢下での過大投資があったんではないか。それからもう一つには、基礎的な、技術的なブレークスルーの中で事業に挑まれるわけでありますが、これが生産技術という段階になりますと、やや量産化等々の段階で問題が生じて失敗したケースもございます。さらには市場動向の青報収集、マーケティングあるいは販売不振、それぞれのベンチャービジネスが大きくなっていく段階段階でいろいろな問題があるわけでございます。最終的には管理面、販売面、経営面といった総合的な能力、朝も御指摘ございましたが、人、物、金それぞれの抱える問題点で行き詰まっておられる企業という分類でございます。
○伏見康治君 よくわからなかったんですが、結局ベンチャービジネスが長持ちをするように世話をしてあげるということなんでしょうか。それとも、むしろ資本主義の鉄則でつぶれるものはどんどんつぶしていくということなんでしょうか。どちらなんでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) どんな企業でも、非常に苦労してつくりました創造的な技術を事業化していくという場合には、できるだけ成功、発展をしてもらいたいわけでございます。とりわけこの法律の対象になりますような事業につきましては、何となくリスクがあって足踏みをしたくなるところを、これをきっかけにして出ていくわけでございますから、できるだけ成功してもらいたいわけでございますが、じゃ、何か経営についておかしなことになった、あるいはなりそうだというときに、政府自身がそれについて突つかい棒を何か当てることができるかと申しますと、これはしょせんは無理があると考えます。 しかしながら、そこは無理だといたしましても、やはり他山の石、前車のわだちということでございますけれども、やはり経営者にいろいろ心がけの上でも気をつけてもらえば、そういう事態は防げるような場合というのがたくさんあるわけでございまして、ただいまもお答え申し上げましたような中小企業白書の中でのいわば失敗例のデータベースと申しましょうか、こういうことがあるとおかしくなるんだというふうな青報というものは、その後もまたいろいろな蓄積があるわけでございまして、そういったものをまた産業基盤整備基金あたりでも蓄積をいたしまして、企業の経営者の方々にも頭に入れながら経営に当たっていただく。私どももまた、一度この法律で債務保証を通した後全く見も知らぬということではなくて、やはり企業の動向につきましては、常々気をつけて様子を見ていく必要があるんじゃないかと考えております。
○伏見康治君 今度のベンチャービジネスを育てるということについて、スケール、中小企業とか大企業とかいうような意味のスケールですね、そのスケールについての何か基準的なものを考えておられるかどうか。
○政府委員(児玉幸治君) 法律上この施策の対象といたします企業については、そのスケールと申しましょうか、企業の規模によりまして格別の区別は設けていないわけでございます。ただ、大きな企業、非常に多分野にわたって事業活動を行っております大企業の場合には、新しい事業が始まるといたしましても、大抵の場合にはそのリスクも大きな企業の規模の中に吸収いたしまして独自にやっていけるケースが多いわけでございますので、実際問題といたしましては、この法律で私どもが対象になると期待いたしておりますのは、やはり中堅中小企業の分野でございます。 ただ、特にスケールについて規定をいたしておりませんのは、やはり大企業の場合にも、実はいろいろな実態調査をしてみましたところ、新しい事業のシーズは持っておりましても、さまざまな事情から自分の企業としてはそれを事業化する気持ちがない、しかるべき対象の人があればむしろそちらの方にその技術は移転をしてもいいと、こういうようなケースもあるわけでございます。したがいまして、そういう新しい事業のシーズをうまく事業をやりたいと思っている人に回していくというふうなことも含めますと、全体としては余り企業規模による差を設けないで、要は新規の事業というところで絞りを設けまして政策を展開していくのが一番実態に合うのではないかなと考えているところでございます。
○伏見康治君 もう一つ伺いますが、そういう事業を起こす場所ですね、近ごろは何でも東京に集中して一極集中とかいって困っているわけですが、何か地方に分散してそういうことをやるといったような意識はありますか、ないんですか。
○政府委員(児玉幸治君) これはこの法律の中に地域分散というふうに特別の規定を設けているわけではございませんけれども、御案内のように、政府全体の方針というのが多極分散型の経済発展を目指そうとしているわけでもございますし、また通産省自身も、政策の一つの大きな重点というのは、そういった線に沿いました地域経済の振興あるいは活生化というところにあるわけでございます。したがいまして、この新しい制度につきましても、やはり地域における中堅中小企業の事業の振興といった点に特に政策的な重点は置きたいと思っておりまして、そのためにこの制度に対するPRあるいはこの制度を利用していただく場合のさまざまな手続につきましても、できる限りの御便宜を計らうような工夫をいたしてまいりたいと考えております。
○伏見康治君 もう一つ伺いたいのは、法文の中に通産省の取り扱う分野というふうに限定されていたと思うんですけれども、近ごろバイオバイオでもってお魚とか果物とかいろいろなものについて新機軸が生まれているようでございますが、そういうバイオ関係のことはこの法律ではカバーしないんでしょうか、その点を伺います。
○政府委員(児玉幸治君) まず法文上のことから申し上げますと、あくまでも通産商業省の所掌に属する事業が対象でございます。ただ、今伏見先生お尋ねのバイオというのは例としてお挙げになったんだと思いますけれども、このバイオテクノロジーというのも非常に広い内容を持っている言葉でございまして、私ども思いますには、この中にも、ただいまちょっと御指摘のございました食品等でございますとあるいは農水省ということでございますけれども、私どもの方でも、例えばバイオリアクターでございますとかバイオコンピューターとか、先々どういう中身の毛のになるかわかりませんけれども、やはりバイオに関係のあるものはあるわけでございます。したがいまして、それぞれの所掌に応じてやっていくということでございます。 とりあえず、それじゃ食品なんかが出てきたら、つまりよその省のものが出てきた場合はどうするのかということでございますが、他省の所管であるものが明らかなものにつきましては、この法律では当面は実施ができないということでございますけれども、本案を国会に提案する過程で各省協議がございましたときにも、このような物の考え方につきましては多くの省が非常に関心も示しているところでございます。したがいまして、今先生御指摘のようなプロジェクトについて、やはりこういったサポートがなければうまくいかないというふうな見通しが立ちました場合には、それぞれの省であるいはこの法律に一緒に入って同じようなスキームでやりたいというお話が出てくるか、あるいは独自に何らかのそれにふさわしい仕組みをお考えになるかということになろうと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもはこの仕組み自身はどういう方の御利用につきましてもオープンでまいりたいと思っておりまして、そういった事態が参りましたときには積極的にこの制度の御活用をいただきますように、大いにオープンマインドで検討させていただければと思っております。
○伏見康治君 できれば、農林水産省もこういう法律をおつくりになればいいんですか。 また、新規性についてあるいは創造生についてちょっと哲学的なことを伺いたいんですが、日本人の新規というものの中には、変な言葉ですけれども、本邦初演という概念がありまして、日本の中では新しい、しかし種はどこか外国にあるという場合がしばしばあるんでございますが、そういうのは新規生の中に入るんでしょうか、入らないんでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) 本邦初演という、確かに日本が発展途上国の段階から先進国に追いついていこうという段階におきましてはその種の考え方がございまして、政策の中にも、例えば国産一号機ですね、国産一号機については大いに応援をしようというような発想もあったことは、これは事実でございます。しかし、今回のこの法案の中での新規生というのは、そういう国産一号であればいいというような発想でないわけでございまして、やはり私どもは万邦における新規性とでもいいましょうか、一応普通に専門家の皆さんがごらんになって、これは新しいと思われるようなものを新規のものと考えたいと思っております。 ただ、そうは申しましても、そこを余り厳密に申しますと、例えば特許権の場合のように、審査官を動員し、世界の各国の特許庁と全部連絡をとってというふうなことになるわけでございまして、そこまで厳密にやるわけにはまいらないと思いますが、少なくとも専門家の皆さん方からの御意見を聞きまして、日本の国境の枠を越えたところで、これは新しいものだというものを対象にしていきたいと考えております。
○伏見康治君 それから、法案の中に情報提供業務というのがございますが、その内容はどういうことなんでございましょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 情報提供業務は、新規事業の実施あるいはその推進に関連いたしまして、産業基盤整備基金におきまして実施させようということでございますが、具体的な青報の種類といたしましては、新規事業のシーズに関する情報、これの収集と提供、またそういった新規事業等々に関心を持っておられる方々からの関心事業分野の青報の収集と登録、提供、さらにはパートナー、こういう新しい事業ができたら自分はパートナーとしてなってもいいですよ、これは非常に関心が深いということがアンケート調査等でわかっておるわけでございますが、そういったパートナー情報、さらには事業実施の各段階におきまして技術面あるいはマーケット面、それぞれの専門家の方々の青報の登録、提供、こういったことを産業基盤整備基金を通じて実施させるという考え方でございます。
○伏見康治君 それに関連してちょっと伺いますが、発明家というのでなくて、いわゆる企業家というのにアントプルナールというのがありますね、そういう方が企画を立ててここへ持ち込んでくればいいわけで、御自分が何か種を持っている、育てるべき技術の種を持っているということは必ずしも必要はないと考えていいんでしょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 御指摘のとおりでございます。発明家等々で技術の種を持っている人は持っている人で基盤整備基金にアプローチされる、そういったものを活用して事業化をし、あるいはパートナーとしてやっていこうという方々もこの場で一緒に出会いの場を見つけることができる、こう考えております。
○伏見康治君 それから、この話がはやりまして似たような話が殺到してきたらどうなさるのでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) ぜひいろんなプロジェクトが殺到してきてもらいたいと思うわけでございますが、全く同じものが一緒に出てくることがありますかどうですか。現実にはなかなかそういうことはないんではないかなと思っておりますけれども、仮に考えております市場なり何なりが非常に似たようなもの、プロセスは違うけれども似たようなものというふうなものが出てきます場合には、やはり今回の事業の認定をいたします場合に、事業の実施がうまくいくかどうかといういわゆる経営上の観点なんかも考えなくちゃいけないということになっておりますので、その辺をも考えながら、具体的なケースに即して対応していかなければならないと思っております。したがって、これもまた特許の例を引いて恐縮でございますけれども、単純に先願、後願というようなことで非常に形式的にぽんと割り切ることもあるいはできるケースもあるかもしれませんが、実際には必ずしもそうもいかない場合もあるかもしれませんので、そこら辺のところは、またケースに即しましていい解決ができますように頑張って努力をしてまいりたいと思っております。
○伏見康治君 何か判定委員会みたいなものをおつくりになる必要が出てくる。 法律に関しましてはそのくらいで終わりたいと思います。 あと、私は昔から原子力の推進役を買って出てまいりましたので、原子力に関連して少し御質問を申し上げたいと思います。 福島第二原子力発電所三号機の再循環ポンプが壊れて大分物議を醸したわけでございますが、その経緯をちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、一月一日に原子炉再循環ポンプの振動が上昇をいたしまして警報が鳴ったわけでございます。それで出力を下げましたところ、振動は警報レベル以下になった。不安定な状態でございますが、そういう状況であったわけでございます。それで、一月六日に再び振動が増大して原子炉を停止するという事態になったわけでございますが、その後、とめて各部を点検いたしましたところ、原子炉再循環ポンプの水中軸受け、これの破損、それから金属小片が原子炉圧力容器の中に入っていたと、それが三十キロ程度ということで、この事象というのは我々として安全を考える場合大変重要な事象であるということでございまして、通産省といたしましては、顧問会の中に調査特別委員会というのを設けまして本問題の原因究明、再発防止対策等を現在やっているところでございまして、この調査特別委員会は現在までに五回会合をやっておりますし、現地調査も二回ということで、今鋭意原因究明等をやっている段階でございます。
○伏見康治君 非常に組織立って対応策をやっておられると信じますが、結局、今のところはただ原子炉をとめてあるという状況であって、中を開いて見るということもしていないわけですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 損傷いたしましたものを各部今鋭意点検をしているということでございまして、破損しました羽根車、これはもう全部回収しております。それからボルトが五本あるわけでございますが、これも回収しておりますが、座金、それから金属小片というのがございます、これにつきまして徹底的に中をきれいにしようということで現在やっているわけでございまして、燃料集合体についております小さなものまでも十分洗って問題のないようにということで、鋭意洗浄その他やっているわけでございます。
○伏見康治君 中に入りました破片が放射能的に汚れているかもしれないということで洗っておられるのかもしれません。一番問題なのは、燃料棒が飛んできたあるいは流れてきたいろいろな破片でどれだけ傷ついているかということが一番問題ではないかと思うんですけれども、その点はどういうふうに調べておられるんでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 先生おっしゃいますとおり、機器の健全性、特に燃料棒が表面的におかしくなっていないかということが大事でございます。そういうことで、この調査特別委員会でも重要な調査事項になっておりますし、ファイバースコープを入れまして燃料の表面を一本一本見ているという状況でございます。
○伏見康治君 それで、結局今後どのくらいかかって、そしていろんな調査が済んで、それから判断が済んで、何か原子炉をすっかり解体するとか、あるいは大修理するとかというようなことが起こるんだろうと思うんですが、一体今後のめどはどういうことになっているんでしょうか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 今回の福島第二原子力発電所三号機のトラブルにつきましては、東京電力の一連の対応の中に結果として慎重さを欠き、地元住民等の不安感を生じさせたところがあったことは否めない事実でございます。当省としては、こういった点を踏まえまして、ただいま向審議官から御答弁申し上げましたように、未回収部品等の除去、原因究明と対策の確立、地元への十分な対応等を東京電力に指示するとともに、私ども独自に調査特別委員会を設置いたしまして、現地調査を含め原因の究明等を実施しているところでございます。 こういうことでございまして、いつごろこの一連の作業が終わるかというのは今の段階ではなかなか申し上げにくいわけでございます。ただ、私どもの方針としましては、とにかく時間と労力を惜します徹底的に原子炉内の未回収部品等の除去をやる、あるいはまた原因究明等対策の確立を慎重に図る、こういう構えで進めている次第でございます。
○伏見康治君 どうも一番大事なことを聞くの忘れた。 一体何が悪かったんですか。つまり処理の仕方のどこが悪かったんですか。
○政府委員(向準一郎君) 点検をしましたところ、水中軸受けのリングが破損をしていた、それからそれを取りつけておりますボルトが壊れていたということで、今後の原因究明になるわけでございますが、水中リングが振動その他で当該溶接部に何かの力がかかって先に壊れてボルトが取れたのか、あるいはボルトの方が先でその後に水中軸受けのリングの方が壊れたのかというような破損のモード、メカニズムがどっちかというのがいろいろ議論がございますので、そこら辺もいろいろモックアップ装置その他試験を踏まえまして解明していきたいというふうに考えております。
○伏見康治君 高速で回転しているポンプのことですから、機械的に壊れるということは十分可能性としてはあるわけですね。 それで、壊れたのをただ元来のポンプの材料の中にひびが入っていたからとかなんとかということを追及してみても、何か余りプラスにならないような感じがするんですが、あの場合の一番問題にされているのは、最初振動の兆候があったのにかかわらず、それに対して適切な処置をしなかったということの方にあるんではないんですか。
○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。 先生今お話のありましたとおり、一月一日に振動が出て警報が出ているということでございまして、それから一月六日に再び振動が出て原子炉をとめたということで、この一月一日に出ました振動というものはやはり回転体にとりまして大変重要なシグナルであるわけです。ですから、これはやはり適正に評価すべきであったというふうに我々考えておりまして、当時のマニュアルではそういうふうに出力を下げるなりなんかしまして様子を見るということになっていたわけでございますが、今運転中のBWRにつきましては、再循環ポンプの振動が出ましたら、その振動を評価してとめるという指示を出しております。
○伏見康治君 マニュアルというか、要するに運転心得みたいなもの、それを十分に、何もその問題だけではないような感じがするんですが、全般に見直すというようなことはしているんですか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 一月の初めに警報が出たわけでございますね。そのときにマニュアルに従って様子を見た。ところが、しばらくたちましたら警報は消えたということで運転を続けたわけでございます。しかし考えてみますと、再循環ポンプにつきましては、昨年末一連のトラブルが起きているわけでございます。
○伏見康治君 何のトラブル。
○政府委員(鎌田吉郎君) 一連のトラブルがあったわけでございます。そういったことを考えますと、慎重の上にも慎重な対応ということで考えますと、当然そこで運転をとめて点検をするという考え方もあり得たわけでございます。この辺はなかなかマニュアルとの関係もございますので、私どもが今この段階で一義的によし悪しと言うのはなかなか難しいんでございますけれども、この辺は先ほど申し上げました調査特別委員会の調査で事態がはっきりしてくると思いますけれども、まあ一応今の段階で私どもなりに考えましても、やはり運転上慎重さに欠けるところがあったんじゃないかということじゃないかというふうに考えております。 そういったことがございまして、東京電力にはもちろん厳重に注意いたしましたし、同じ事象が二度と起こらないように他の電力会社にもこれを他山の石とするように厳重に注意をした、こういうことでございます。
○伏見康治君 何というんでしょうか、原子炉の事故、つまり周辺の方々に御迷惑をかけるというような意味では、放射能をまき散らすというような意味では大したことではなかったと思っておりますが、しかし可能性としてはそういうものに発展する、放射能をまき散らすような事態に発展する可能性を秘めている、そういう意味で重大な事故であったというふうに考えますので、十分にひとつ調査の上、今後のやり方についての的確な指針というものをつくり上げていただきたいと思います。 原子力に関連いたしまして、廃棄物処理燃料サイクル関係の六ケ所村の現況をひとつお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) ただいま先生からお話ございましたように、現在、青森県六ケ所村におきまして核燃料サイクル施設、一連のものが建設を計画されているわけでございます。現在の段階でございますが、三点セットと言っておりますが、ウラン濃縮施設につきましては、もう安全審査が終わりまして工事に着手いたしており、現在建設中でございます。低レベル放射生廃棄物貯蔵施設、それから再処理施設につきましては、いずれも当事者の申請を受けまして、科学技術庁におきまして原子炉等規制法に基づく安全審査を慎重に進めておられる、こういう段階でございます。
○伏見康治君 濃縮装置というものは人形峠でもって何かやっていますね、あれとこの六ケ所村との関係はどういうことになるんですか。
○政府委員(向準一郎君) 動燃が人形峠でやっておりましたものを踏まえまして、このウラン濃縮工場ではその台数をふやし百五十トンSWUというような規模のものを計画している、現在建設をしているということでございます。
○伏見康治君 僕の伺いたいのは、割合に最近に人形峠の方で規模を拡大したというお話があったでしょう。
○政府委員(向準一郎君) 動燃におきましても第一期、二期というので、二期の段階で基数をふやして試験をやっております。これは今下北でやっておりますのは事業化の段階ということで、事業規模ということでございますので、先ほど申し上げましたような百五十トンSWUという規模でございまして、これはもう先生御承知のとおり、百万キロの発電所、一年間で大体百二十トンSWUの濃縮作業が必要なわけでございますが、ほぼそれに相当するぐらいの規模のものを現在ここで建設をしているということでございます。
○伏見康治君 濃縮ウランをつくるということは、つまりアメリカから濃縮ウランを買うという束縛から自由になるということで、日本の原子力を自立させるために必要な段階だとは思うわけです。しかしながら同時に、アメリカからもらっている間はアメリカがいろいろな規制をしていてくれたと思うんですが、日本が独自に濃縮ウランをつくったときに、それが原子兵器の弾頭に転換されないということのためのいろいろな用心というようなものはちゃんとやっているんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 今のような軍事転用というのは、我が国は平和利用ということでございまして、いろんな技術もそうですが、日米、日仏、それぞれ原子力協定を持っておりますが、その大前提というのが平和利用ということで我々進めておりまして、国際的にも我々そういう方向で自分たちの立場を示していくということにしております。
○伏見康治君 その心がけの話を聞いているんではなくて、例えば濃縮ウランが盗まれないためにどういうことをしているかとか、それから投入したウランの量と出てきた濃縮ウランとの量とが帳じりがうまく合っているかとかというような検査体制がちゃんとしてないといけないわけですね。そういう手の打ち方はしているかどうかを伺っておるわけです。
○政府委員(向準一郎君) 今先生おっしゃったような軍事転用防止のための物量管理等も、IAEAのセーフガードという体系の中で我々それを確立し示していくということになっております。
○伏見康治君 次に、六ケ所村でいろいろな現地の反対運動が熾烈に起こっているというふうに伺っておりますが、この反対運動がどういうものであるか、それに対してどう対処しておられるか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(鎌田吉郎君) 青森県におきまして、実は私も先週ちょっと青森県に参ったんでございますが、この核燃三施設の建設に関連しまして原子力についての関心が高まっていることは確かでございます。そういった中で批判的な御議論もあるわけでございます。ただ、私どもとしましては、核燃料サイクル施設は、先ほど先生御指摘がございましたように、今後の我が国のエネルギ セキュリティーの確保を図る上で極めて重要な施設であるというふうに考えておりまして、そういったことでPA対策でございますね、この辺も従来はどちらかといいますと新聞、ラジオ、テレビ等マスコミを使ってということでございましたけれども、最近は研修会とか座談会とか講習会とか、もうフェース・ツー・フェースでやるというようなことで取り組んできておりますし、最近の反対運動の一つの流れといたしまして感性に基づく批判というのがあるわけでございます。そういったものに対してはそれに対応したようなPAの仕方というものがあるわけでございますが、そういったPAの手法のあり方、そういったものを含めましてPA対策に今努力しているところでございます。また、電源三法に基づく交付金等々、こういったことを活用いたしまして、安全審査自体はこれは科技庁の御所管でございますけれども、私どもとしてもこういった施設が円滑に立地できるよう最大限の支援を行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○伏見康治君 いわゆる広瀬隆現象というのがありまして、過去における反対運動と反対運動の質が非常に変わってきている。お役所の方でもあるいは電力会社の方でも、社会の雰囲気が昔と随分違ってきているという認識を持って事に当たられないとよくないと思うんですが、その話は伺ってもいい答えが出てきそうもないからやめておきます。 これは大臣に伺おうかな、だれに伺おうか。 原子力に対するいろいろな攻撃もございますが、普通の石油、石炭の方に対しましても、地球温暖化のおそれがあるということで、いろんな意味でエネルギーの消費に対する攻撃が始まっているわけです。いやでも応でも省エネルギー、エネルギーの節約ということをやらざるを得ないと思うんですが、通産省としてはこの省エネルギーに対して、石油ショックのときには相当おやりになったと思うんですが、現時点ではどういうふうにお考えになっているか伺いたいんです。
○国務大臣(梶山静六君) 御指摘のとおり、一次、二次のオイルショックを経て省エネ、代エネは大変進んでまいりましたし、またGNP対比のエネルギー消費量も抜群に下がっていることも現実でございます。ただ、近年円高とそれから石油価格の低迷、こういうものはやはり省エネの意欲をそいだと言うと言葉が悪いんですが、どちらかというとつらかった時代を忘れさせて、むしろそういうもので需要量が最近とみに伸びている、こういう状況であることはもう否めない事実でございますので、このたびひとつエネルギーの需給状況を見直しをし、さらに省エネ、代エネをどう進めていくか、こういう問題でもうちょっと真剣な対策を講ずべきだと。 ただ、長期的に見ますと、いずれにしてもまた石油資源は枯渇をする方向にあるわけでございますので、価格の上昇やそれから需要の増大、特に発展途上国を中心にして石油の需要が高まっておりますので、こういうものを考えますと、いずれにしてもタイトの関係が出てくるわけでございますから、こういうものに備えて、特に我が国はほとんどのエネルギー源を外国に依存をしているわけでございますので、安定的な供給と、それから今お話のありましたいわば地球温暖化問題、こういうものを考えますと、少なくとも電力の基礎ベースのものは原子力で賄っていきたい。もう先生専門家でございますから私がちょうちょう申し上げることは何もございませんが、いずれにしても我々安全の上にも安全を第一義としてやっていかなきゃならないという気がいたします。 私も実は東海村を選挙区にし、私の一家眷族がそれから十キロ内に住んでいる人間でございますから、大臣というよりも一住民として極めて関心の深い問題でございます。昭和三十一年にはそこに原研が誘致をされ、さらに今お話の途中でありました動燃の再処理の研究施設、そういうものの造設時代に私は県会におりましたし、それからそこに原電の百十万キロの発電所もあるわけでございます。いずれにしても、こういうものに事故が発生をいたしますと、私個人だけではなく一家眷族、選挙民をひっくるめて大変なことになるわけですから、そういうものがあってはならない。ですから、念の上には念を入れてこの安全確保はやっていかなきゃならない。さりとて自分の身近に原子力発電所があることがいいかどうかという問題になりますと、なくて世の中が全部回るんならば私結構でございますけれども、少なくとも私がやはり電力の消費者であり、日本の産業のエネルギーはいわば血液でもございますから、それが安全の上に確保されるということが大前提でございます。ですから、一連のこの核燃料サイクルの確立や原子力発電の技術、そして特に安全にはもちろん念を入れなきゃなりませんし、先ほども御指摘があったように、日本は改良技術のすばらしくすぐれた国でもございます。そういう意味で、現実の運転に一番よい条件、こういうものをつくり上げる大変な改良努力も払われておるようでございますし、それから、どちらかというと、日本人はやはり管理技術というか、管理能力というか、こういうものにもいわば均質的な能力を持っておりますので大変いいあれだと思うんです。私は東海のいわば門前の徒でございますから、専門的な知識はありませんが、少なくとも三十年そういうものに関心を払いながら、幸いにそういう意味であの地域、私どもの住民は意外と冷静に安全というか、そういうものに科学的な知見に信頼を寄せて今日まで参ってきておりますので、さらにそういうものを日本の国内に推し進めていく政策の展開をしてまいりたいと考えております。
○伏見康治君 大臣の大変立派なお考えはありがたく承りましたが、再度省エネルギーについて申し上げますと、第一次、第二次オイルショックで日本のいろいろな会社はいやが応でもエネルギーを節約せざるを得なくなって、大変省エネルギーの実効を上げたと思うんですね。ほとんど考えられないほど立派な成績を上げたと思うんですが、それだけにもう一遍オイルショックが来たときには、その上さらに省エネをやるということはもう知恵としては出尽くしちゃっているという感じがするわけです。もっと本質的な意味での、つまり政策としての何か省エネルギー政策といったようなものを立てなけりゃいけない時期に来ているんじゃないかと思うんですが、通産省でその方の御勉強をしていただければ幸せと思います。 最後になりましたが、通産大臣は七月十四日からのパリのサミットにお出かけですか。サミットでどういうお仕事をなさるかの御抱負を伺っておしまいにいたしたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) パリで行われるサミットには参加をいたす予定をいたしております。 世界経済は現在総じて良好な状態にあるものの、国際的な不均衡是正のどちらかというとテンポが鈍っておりますし、また一部の国にはインフレの懸念も高まっておりますし、さらにここでもたびたび議論にされているスーパー三〇一条の発動等の保護主義的な傾向の高まり、それから累積債務問題、それから地球規模のいわゆる環境問題、こういう問題に直面をして大変な課題を抱えている状況でございます。 ですから、今後世界経済が持続的な発展を遂げていくためには、先進国同士の意見交換を通じてこれらの問題の解決の指針を全世界に示す必要があろうという前提に立ちまして、貿易問題についてはウルグアイ・ラウンドを九十年末に成功裏に収拾をさせる、これが大目標でございますから、これを各国の意思を確認し合い、米国のスーパー三〇一条等の保護主義に対しては歯どめをかけてまいりたい。 それから第二には、環境問題については、技術突破と言われておるそうでありますが、技術のブレークスルーを通じた前向きの対応、過日も議論がございましたけれども、そういう意味で日本の役割を強調し、また応分の責任を果たす決意を示してまいりたい。 それからマクロ経済の問題については、対外不均衡の是正に当たり、米国に対しても財政赤字の削減を着実に行ってくれとか、あるいは設備投資をもっと活発にしてくれとか、そしてやっぱり消費を抑えろとか幾つかの問題点がございますから、特に赤字の削減を求め、我が国としてはむしろ今度は内需主導型の今の経済成長を持続させ、前の大臣も公約をいたしておりますように、輸入大国を目指してやっていかなければならないということに決意を表明をしてまいる。 累積債務国問題についても、金融面のみではない現物経済の面をひっくるめた広い視野から検討すること等が大切な問題だと思いますので、総理を中心にしてこういう問題で各国間で協調を整えてまいりたいと思います。 長い先に果たして拡大傾向がいつまでも無限に続くことができるのかどうかという問題は抜きにいたしまして、今喫緊に我々の抱えている問題はやはり貿易不均衡の問題、それから環境の問題、こういう問題に対しては積極的に取り組んで日本の責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。
○伏見康治君 ありがとうございました。
○市川正一君 法案審議に先立ちまして、前回十六日の本委員会で私は原発問題を取り上げました。ところが、通産省当局者の答弁は全く誠意のうかがえないものであったと私は思うのであります。事柄は極めて重大なので、本日時間の許す範囲で重ねてただしたいのでありますが、大臣のおられる前で責任を明らかにしていただくことになろうかとも思いますが、確認をいたしたい。 私は客観的事実に基づいて質問いたすのであって、当局者も客観的事実については率直に、隠さずにお答えいただきたいと思いますが、当然のこととして鎌田長官、改めて確認をいたしておきます。
○政府委員(鎌田吉郎君) これはもう、今先生おっしゃいましたように、当然のことでございます。客観的な事実に基づいて御答弁申し上げます。
○市川正一君 隠さずにね。
○政府委員(鎌田吉郎君) 隠さずに。失礼しました。
○市川正一君 そこで再度確かめますが、前回、昨年四月ホノルルで行われた国際シンポジウムの資料によりますと、福島第二原発の原子炉再循環ポンプ、この同種のものが実用にたえないものであることを最近のそういったアメリカの資料に基づいて指摘をいたしました。ところが、通産省は知らぬ存ぜぬという回答でありましたが、本当にこの資料、青報はつかんでおられなかったんですか。
○政府委員(向準一郎君) まずお答えさせていただきます。 十六日に御質問をいただきましたときにお答え申し上げましたが、我々はNRC、米国の原子力規制委員会に問い合わせをしたわけでございますが、福島第二原子力発電所三号機で発生した再循環ポンプの水中軸受けの損傷、これと同様の事象が米国で発生しているかどうかという問い合わせをいたしまして、NRCでは、ないということでございましたが、再循環ポンプ全体のトラブルということにつきましては、私ちょっと質問のあれを取り違えて、間違えて答弁をしたかもわかりませんので訂正さしていただきます。 それで、今御質問の、昨年四月、ホノルルで開かれました回転機器に関するシンポジウムというのがございまして、バージニア大学の教授が再循環ポンプのトラブル、振動が発生しました再循環ポンプのトラブルと、それからコンピューターモデルによる解析、それを報告しているということでございますが、それを御指摘いただいたわけでございますが、その件につきましては、我々いろいろな外国の青報を入手するということで努力はしているわけでございます。 それで、一つはOECDにNEAというのがございまして、IRSというインシデント・レポーティング・システムというのがございまして青報交換がございます。それからNRC、アメリカ原子力規制委員会にアメリカの事業者が出しますライセンシーズ・イベント・レポートというのがございますが、これにつきまして青報は日本にそれぞれ来ているわけでございます。この二つについてはそういう青報を我々入手しておりませんでした。しかし、調べますと、米国の原子力発電運転協会というのがございます。これがそういうような事業者同士の青報交換という枠組みを通じまして、先ほど申し上げましたようなWNP−2のボルトの折損、脱落、そういう事象も報告をされていたということを早速調べまして確認いたしました。
○市川正一君 あなたは勘違いやと、私の質問がね、それで謹んで訂正いたしますと言うが、大臣よく聞いておいてください、私は先日の質問の原稿ここにちゃんとありますよ。我が国の原発に設置されている再循環ポンプは、シャフトのひび割れや振動による破損、ボルトの抜け落ちなど、トラブルや事故が続いているが、これは日本の原発だけの固有の現象なのか、こう聞いたんですよ。大臣、あのとき聞いておられたでしょう。それでも、ないと、問い合わせしたけれども、ないと。水中軸受けの事故だ云々というようなことですりかえて答えているんですよ。私はその責任をとれとかそういうことは申しませんけれども、余りいいかげんな答弁は国会を侮辱するものですよ。 それからもう一つ、ホノルルで行われた国際シンポの問題も、よう調べてみたら、要するにあったということですよ、長々言われたけれども。ここにそのコピーを私も持っていますよ。これは決して一部の関係者がこっそり話し合ったというような、そういう非公式のものじゃありません。日本の関係学術四団体も共催者になっているんです。そしてレポートもちゃんと出ているんです。通産省がもし本当に知らなかったというんやったら、本当にですよ、僕は信じられぬけれども、それは怠慢というものですよ、そういうのは。しかし、少なくとも業界は承知しておるんです。それを知らぬ存ぜぬで謹んでおわび申し上げます、訂正申し上げますと。こういう国民の命にかかわる大事な原発問題で、担当している当事者がそういう態度を繰り返すのは許せぬと思うんですが、時間がないので引き続き前へ進みます。 私は、このレポートがあったというんやったら、今度の福島の事故の検討委員会でも重要な資料として検討なさるべきだ、こう思いますが、また前回の私の質問の中に、同じタイプの再生熱交換器を設置している原発は何ぼあるんやと言ったら、十九あると。それをこの機会に総点検を指示しませんかと言ったら、そんな必要ないと、こう開き直った。まだ今でもそうですが、はっきりお答え願います。
○政府委員(向準一郎君) まず、福島第二原子力発電所二号機の再生熱交換器の件でございますが、調査を鋭意進めてまいりまして、この調査の結果、当該溶接部分に亀裂が発生していたわけでございますが、これは溶接の施工不良に起因いたします割れ、これが配管の内面から生じまして徐々に進展して貫通したものというふうに考えられるわけでございます。それで、これにつきましては、当該部分を取りかえますとともに、念のため類似の溶接部につきましても点検を行うこととしております。 それから、ほかの発電所でございますが、こういうような溶接の施工不良、補修溶接、炭素鋼というような状態の部分につきましては、それぞれの発電所の次回の定期検査のときに、類似箇所の点検ということで超音波探傷検査等を行うということで進めたいと考えております。
○市川正一君 じゃ、前回大臣が安全にも安全を期し、慎重にも慎重を期してとおっしゃった、そういう立場でやるということですね。
○政府委員(鎌田吉郎君) 技術的な見地からはいろんな議論があろうかと思いますけれども、先ほど大臣からもお話ございましたように、私ども事態を謙虚に受けとめまして、とにかく安全第一主義ということでやらさせていただきたいというふうに考えております。
○市川正一君 わかった。それなら前へ進みます。 政府は、原発推進のために毎年相当の予算を使って原子力発電施設信頼生実証試験というのをやっておられるはずでありますが、沸騰水型の原子炉の最も重要な装置の一つである原子炉再循環ポンプの信頼性実証試験というのは実施なさいましたか。いかがでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 原子力発電所の信頼性実証試験、昭和五十年度から国の委託ということでやっているわけでございまして、今先生の御指摘ありましたBWR再循環ポンプの実証試験につきましては、昭和五十二年度から五十六年度にかけましていろんなやり方あるいは供試体の製作等を行いまして五十七年度から五十八年度にかけまして実証試験を実施し、その結果をまとめております。
○市川正一君 それで、報告書も出ているようです。その報告書を見せてくれと言って資料を要求したところ、きょう昼休みですよ、持ってきはりました。見る暇も十分ないですけれども、わざと私の質問を妨害するような意図があったとは、そう思いませんけれども、昼休みに持ってきた。見てみるとちゃんと書いてあるんですよ。 どない書いてあるかというと、「特に原子炉冷却材ポンプは重要なポンプであり、これを円滑に運転させ発電所全体の運転に支障を与えないようにしなければならない。米国における原子炉冷却材ポンプの故障例をみると、ポンプ本体の故障がモータの故障に比べて多く、また部品別に見ると軸シール、熱遮蔽装置等内部部品、その他の順になっている。」と、こうちゃんと書いてあるわけです。僕が聞いたそのとおりのことがここにちゃんと出ておるじゃないですか、この記述をもしまじめに読んでおったらですよ。だとすれば、私は通産省がアメリカでの再循環ポンプの事故が起こったということを知っていたということになるんです。それにもかかわらず、先日の答弁では、そういう事故はなかったというふうにしらを切っているんでありますが、私はこれはどういうことなんだと言わざるを得ぬのであります。 しかし、前へ問題を進めますが、この原子炉再循環ポンプの信頼生実証試験の結果はどうだったんですか。
○政府委員(向準一郎君) 先生お持ちのように報告書は大変分厚いものでございますが、要約してお答え申し上げますと、この試験では、通常運転試験とそれから特別運転試験と二つの試験をやつでおります。 通常運転試験と申しますのは、性能試験、連続運転試験ということで四千時間の連続運転をやりまして、各部に問題がないかどうかというチェックをしているわけでございます。それから、特別運転試験と申しますのは、例えばメカニカルシールの水が供給が途絶えた試験とか、あるいはポンプの冷却水がとまった試験とか、あるいは電源喪失というような特別な運転状態の試験もやっておりまして、その際のポンプの性能がどうか、あるいは機能がどうかというチェックをしているわけでございます。 それで、この試験結果全体といたしまして、この報告書では、BWR用の再循環ポンプは、高温、高圧の長時間連続運転に対するポンプの性能、ポンプの機能、シール性能構造部材の健全性、それから常温、高温での起動、停止に対するポンプの機能、シール性能の健全性、それからポンプ補助系の停止あるいは電源喪失、圧力の過渡変化等の実プラントにおいて想定されるような特別な事態でのポンプの機能とかシールあるいは構造部材というのが健全であるということで信頼性があるという評価をなされておりまして、これは当時でございますが、ポンプ信頼生調査委員会というのが設置されまして、委員長に東京大学の大橋先生、この方がヘッドになっていろいろこの報告書をまとめられているものでございます。
○市川正一君 そうすると、結論として、信頼性ありというところに力を込めて言わはったんですが、そういうことはなんですね。 そうしたら聞きたいんですが、何で福島第二原発三号機で事故が起きたのか。
○政府委員(向準一郎君) 福島第二原発三号機のポンプの損傷の件につきましては、今通産省の中で調査特別委員会というのを設置して鋭意検討しておるわけでございます。 それで、その中で水中軸受けのリングが先に壊れたのか、あるいはボルトが先に折れて水中軸受けのリングが壊れるというふうにいったのか、どういうプロセスでいったかということもいろいろ大事なことでございますので、議論の中にすることにしております。 そういうことで、今回起こりました事象というのがまだ解明し尽くされておりませんので、今のような両面から多角的にいろいろモックアップ試験もやりながら検討を進めているという段階でございます。
○市川正一君 国民にとってわからぬのは、その信頼性ありという太鼓判が押された原子炉が何で事故を起こしたんやと。そうすると、その信頼性ありというその信頼性実証試験なるものが信頼できるのかということになってくるわけでしょう。そういうことにならぬですか。
○政府委員(向準一郎君) 今お答え申し上げましたとおり、三号機、どういう事象でどういうメカニズムで起こっているかという特殊な恐らく事象だと我々思っておりますが、それが解明し尽くされていませんので、今ここではお答え申し上げられませんが、この調査委員会の報告というのは、ポンプ信頼性実証試験一般として先ほど申し上げましたような通常運転試験、特別運転試験という二つの範疇に分けて考えられる試験をやっている。その結果の健全性、信頼生があるという報告になっておるわけでございます。
○市川正一君 信頼性実証試験そのものがずさんであったということに帰着するんじゃないですか。 政府は一九八二年から原子力工学試験センターを使って毎年実証試験を実施しております。そして、その報告書も提出されています。この報告書も資料要求いたしましたが、先ほど滑り込みみたいにして持ってきはったんです。いただきました。しかし、それを拝見しますと、いろいろあるんですが、同時に、実はこの信頼生に関する報告が非公開用と公開用と二種類あるという事実を私ははっきりしてほしいんです。というのは、信頼生に問題ありとする非公開用の報告書と、もう一つそれに基づいた抜粋版、すなわち信頼生ありとする公開用の報告書と二種類があるんです。大臣、本当ですよ。私はこの両方を資料として提出していただきたい。
○政府委員(鎌田吉郎君) ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和五十年度から国の委託により実証試験を実施しているわけでございます。 私どもの基本的な考え方でございますけれども、実証試験の目的からしましても、原則としてデータは公開したいというふうに考えておる次第でございます。 ただ、一部詳細な設計図面等、企業のノーハウに属するものがございます。こういったものにつきましては、例外的に慎重に取り扱わさしていただく必要があると思いますけれども、それ以外のものは原則として公開するということにさしていただきたいと思っております。
○市川正一君 そうすると、やっぱり二種類あるということですか。
○政府委員(鎌田吉郎君) 二種類あるというよりも、原則公開ということでございまして、今申し上げましたように、例外的に慎重に取り扱わざるを得ないものがあれば、その分については場合によったら御容赦いただく、こういうことじゃないかと思いますけれども。
○市川正一君 これはあるセクションが外部からの問い合わせについて答えた文書です。こう書いてあります。「以上は、原子力工学試験センターにて実施されたPWRポンプ信頼性実証試験報告書(非公開)に基づいてまとめられた抜粋版(公開)です。内容に不明箇所あるいはこれとは異なる青報を御希望の節は御相談いただきたくお願い申し上げます。」、こう書いてあります。ということは、公開用のものはこれは原簿があって、それを抜粋したんです。もう一つ非公開用のやつがあるということをはっきり明記しているんです。どうなんですか、これ。
○政府委員(鎌田吉郎君) そういうことではございませんで、とにかく非常に専門的、技術的なデータの集積がこの実証試験の結果できるわけでございます。これは対外的なPAの一環としても使っているわけでございまして、そういったもののためには、適宜全体の一部を編集しまして国民にわかりやすい形で御提示申し上げているということでございまして、そういう専門的、技術的なデータ、詳細な中身につきまして一般的には関心がないわけでございます。ですから、もし関心がある方があれば、その方はその都度御照会いただくと、こういうことになるんじゃないかと思うんでございますけれども。
○市川正一君 私は大いに関心があるんです。ですから、この資料はちょうだいできますね。
○政府委員(鎌田吉郎君) 先ほど申し上げましたような原則のもとに、できる限り公開するようにいたします。
○市川正一君 それじゃ、また土壇場の昼休みに持ってくることのないように早目にひとつ。 次に、私は、中部電力の浜岡原発一号機のインコアモニタハウジングから放射能に汚染された炉水が直接外部に漏れた事故について伺いたい。 現在、傷のできたハウジングを修理したと聞いております。その方法の一つは、スリーブを挿入して溶接したそうであります。図面が遠いので大臣も見にくいと思うんですが、(資料を示す)スリーブを差し込んで、そしてそこを溶接した。その場合、このスリーブの溶接箇所に引張応力や鋭敏化による応力腐食割れが発生し、もとの傷のところ、これがそのままであるために再度漏えいが生ずるおそれはないんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府委員(向準一郎君) 浜岡一号機のインコアモニタハウジングからの漏えい対策といたしまして、当該インコアモニタハウジングを拡管いたしますとともに、欠陥部分にスリーブを取りつけるということをやったわけでございますが、この拡管法といいますのは、海外におきまして類似の箇所の損傷対策として実績があるわけでございますし、スリーブ工法の併用で亀裂の進展というのが防止できるというふうに考えております。 それから、この工法につきましては、確認試験、モックアップ試験等をやっておりまして、問題はないという確認はしたわけでございます。 それから、ほかの二十九本、他のインコアモニタハウジングにつきましても、すべて渦電流探傷検査等行いまして亀裂が発生してないことを確認したという状況でございます。
○市川正一君 私の方でレクチャーしていた質問を全部あなた答えてしもうたので、これはよく聞いて答えていただかなきゃならぬ。 僕が今聞いたのは、溶接の方は大丈夫なのかということで、この後拡管の話を聞くことになっておるのに、それをあなた、聞かぬのに先に言ってしまう。それから二十九本は大丈夫かいと、それも聞いてないのに勝手に言う。あなたね、もうちょっとね、一生懸命なのはわかるよ。私が責任を追及すると言うただけで、それはかどうなっているのはわかるけれども、質問を聞いて答えてくれぬといかぬ。そうじゃないと段取り悪いがな、あなた。 要するに僕が言いたいのは、拡管、血管を少し広げるようにやるやつね、これだって四国電力の伊方原発一号機の蒸気発生器、あれも伝熱管を広げて、それで応力腐食になったということが言われているわけですから、そういうこともあるから、十分データを慎重に対応してほしいということを言うつもりだったけれども、話の段取りをあなた先に言ってしもうたんでぐあい悪い。 そこで結論的に言いますと、そういうあなたが今おっしゃったような、二十九本も大丈夫だとおっしゃったいろんなデータを中部電力に聞いてみたら、全部通産省に提出してある、こういうふうに言っております。それで、これらのデータをオープンにするためにぜひいただきたい。そして、自主、民主、公開というこの原子力平和利用の三原則に基づいてオープンにこの安全性を確認するというようにさせていただきたいと思うのであります。
○政府委員(向準一郎君) 大変失礼いたしました。 今のデータの件でございますが、可能な限りその方向で検討さしていただきたいと思います。
○市川正一君 時間も進んでまいりましたので、法案に入らしていただきます。お待たせいたしました。 午前中からの審議も伺い、また各種いろんな資料も拝見いたしまして明らかになったことでありますが、本法案による助成の対象の問題です。それは、新規性があれば、大企業とか中小企業とかを問わないということに相なっております。しかし、実際にはこの法律による助成の対象になるのは、大企業ないし大企業の子会社や関連会社あるいは中堅会社ということにならざるを得ないということを私はやはり指摘せんといかぬと思うんです。「新しい産業金融」という産構審の産業金融小委員会の答申をここに持ってまいりましたが、ここでもこういうふうに述べているんですね。「リストラクチャリングのニーズの高い基礎素材型産業では、折りからの急速な円高のもとでリストラクチャリング推進の核としての新規事業分野への進出が一段と活発になってきている。」と、こういうふうに述べております。としますと、明らかに大企業、例えば鉄鋼産業などが経営の多角化を進めるために関連する部門を独立させる、そして新事業を開始する、そういう場合を想定して立法化されたものというふうに言わざるを得ぬのでありますが、この点もひとつ正直にお答え願います。
○政府委員(児玉幸治君) この法律の対象とする事業の規模についてのお尋ねでございまして、ただいま御指摘ございましたように、本法案におきましては新規の事業をあくまでも対象としているわけでございまして、事業の規模によりまして特に制度の運営についての差は設けてないわけでございます。 ただいま産業金融小委員会のレポートの中についてお触れになったわけでございますが、確かに円高の不況以降、大企業におきましてさまざまな形でのリストラクチャリングが行われているのはそのとおりでございますが、リストラクチャリングと申しますのは、一般的に申しますと、これまでその企業がやっておりませんでした新しい領域に入っていくという意味でございまして、必ずしも私どもが考えておりますような新規事業に着手する場合ばかりを指すわけではないわけでございまして、むしろある程度は既に先発の企業がございましても、日本の市場の大きさ等を考えまして、これから先まだ将来性があると思われるような分野に進出している事例がかなり多いわけであります。むしろこれら大企業の場合には、最近どんどん進んでまいりました金融制度の自由化等ございまして、資金調達の手段についてはかなりいろいろな方法が現実には使えるようになってきているわけでございます。私どもいろいろアンケート調査等も実施してまいったわけでございますけれども、大企業がみずから新規事業を行う場合、あるいは大企業の関連会社が新規の事業を行う場合というふうなケースを考えてみましても、どうもそういうような事例につきましては、別途資金調達が可能であるというケースが多いようでございまして、私どもの考えでおりますような仕組みを利用しようとする意向はほとんどないような状況でございます。 むしろ中小企業や中堅企業につきましては、新規事業を実施したいというニーズそのものも強いだけではなくて、今までなかなかこういった新しい形での資金調達の手段というものがなかったわけでございまして、むしろ今回の法律によりまして、これまでほとんど利用できなかったような新しい資金調達の手段が使えるようになるわけでございます。そういった形で、私どもといたしましては、むしろ中堅中小企業がこの制度を積極的に利用してくれることを強く期待しているところでございまして、私どもの認識といたしましては、中堅中小企業に対する資金調達あるいは新規事業支援のための環境整備のための施策であるという位置づけをいたしておるところでございます。
○市川正一君 一般的な論理的な意味で、そしてまた児玉さんが期待するという意味において確かに中小企業や個人も対象になり得るわけですが、しかし、実体的には助成策はワラント債の私募発行に対する保証がメインになっているわけです。としますと、社債を発行できる経営基盤を持っているというのは相当程度の企業にやっぱり限定されてくると思うんです。そうでない場合は、大企業がバックにある子会社とか関連会社であるというのが、これが今の実際です。少なくとも中小企業で対象になるのは非常に限られた部分に結果として、期待とか願望じゃなしに、ならざるを得ぬと思うんですが、その点の御認識はどうでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) もし、せっかくのこの法律に基づきますワラント債の発行につきまして、従来のような基準で全体の制度の運営が行われるといたしますと、まさに先生の御指摘のようなことになってまいりまして、相当経営内容のいい、過去に立派な経営実績を残している企業でなければ社債の発行なんというのはできないし、またそれを引き受けてくれる人もいないということになるわけでございます。 したがいまして、仰せのように、中堅中小企業の場合には、思ってみても、あるいは制度が仮にあるといっても、そのままでは実際にはだれも引き受けてくれないということになるわけでございますが、今回私どもこういう法律を御提案申し上げましたのは、実はそこのところを何とか破りたいということで御提案をいたしたわけでございまして、まずその発行限度につきましても、ごく初期の段階には実は余り資産も多くないわけでございますけれども、それを認定を受けました新規事業については、商法の発行限度の二倍のところまで天井を上げる。それから、実際に社債を発行いたします場合には、適債基準という、これは行政運用上の規制になるわけでございますけれども、そういったものがございますけれども、この適債基準につきましても、この法律に基づきまして認定を受けたプロジェクトにつきましては運用を弾力的にしてもらうということにいたしているわけでございます。それでもまだ、運用を弾力的にしただけではリスクのある中堅中小企業の社債はなかなか引き受け手がないわけでございまして、そこのところを債務保証というメカニズムをさらにつけ加えて環境整備をすることによりまして、中堅中小企業のワラント債であっても引き受けていただけるというような展望を持ってこの制度の御提案をいたしているところでございます。
○市川正一君 時間が参りましたので最後の質問にさしていただきますが、じゃ、具体的にやられる場合の具体的懸念なんですが、産業基盤整備基金が行う情報提供業務の問題なんですか。基金では新規事業のシーズやこれに対するニーズについての登録、検索、各種経営資源に対する情報提供、これをやって、そして新規事業発足の仲人役も果たすことになっております。 そこで問題は、登録される事業シーズは将来大きな事業への発展の可能性を秘めた情報であり、安易に登録者の了解なしに仮にその内容が漏れるというふうなことがあっては絶対ならぬと思うんですが、そういうための信頼性のある対策はあるのかどうかということを一問お伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(横田捷宏君) 御指摘のとおり、事業シーズ等新規事業に関します青報といいますものは、登録者にとりまして極めて重要なものでございまして、その意向を適切に反映して開示、提供されるということが重要と考えてございます。 そういう意味で、まず基金のデータベースヘの登録に際しましては、登録者名あるいは登録内容の一部を秘密にできるような登録方法、システムというものを検討いたしております。また、これらの情報を取れ扱います基金の職員には守秘義務を課する、あるいは青報の管理体制にも厳格を期するということでございまして、登録者の意向に反した情報が開示、提供される懸念がないようにいたしたい。また、その提供されました情報、シーズの事業化や売買等に際しましては、これは提供者と受領者との間で自由な相対交渉にゆだねられることになるわけでございますが、合理的な契約条件等が設定されますよう十分注意してまいりたい、こう思ってございます。
○市川正一君 終わります。
○井上計君 この法律案の趣旨は大変結構だと、こういうふうに強く感じております。大いに時宜を得た法律案であります。だから、一日も早くこれが成果が上がるように私も期待をしておりますし、多くの中小企業、特に意欲を持って新しい時代に即応しようと努力をしておる中小企業経営者にとっては大きな目標が出てくるものと、このように感じておりますので、法律施行後の運用等についてまた格段の御配慮をお願いをいたしたい。冒頭そのことをお願いを申し上げておきます。 それで、若干の質問をしたいと思うんですが、この背景についてもいろいろと述べられております。この中に「今後は、内需主導型でかつ相対的に規模の小さい多数の産業から」云々というようなことがあります。その背景等々、それからその概要の中にも内需主導型というのが強くうたわれておるわけであります。時節柄当然であろう、こう思います。ただしかし、現実の問題として、新規事業という場合に内需主導型であるのか、あるいはそれが外需に向かうのかというのは、これは結果において製品になってからのことでありまして、この区分けを最初から分けることは大変難しいんではなかろうか、こういう気がするんですね。 これについて私の過去の経験でありますが、児玉局長や審議官等々皆さん御承知でありましょうが、昭和四十二年に従来ありました近代化促進法が改正されまして、構造改善の特定業種を認定する法律が改正になりましたね。あのときの法文の中に、国際競争力をつける云々ということで、輸出奨励のあれは法律案であったわけですね、あの当時の理解が。それで、私は当時中小印刷団体の運営をやっておりまして、あの法律にいち早く大変着目をして中小印刷業の構造改善計画を立てたい、こう考えてやったわけです。一番最初の壁は、これは輸出産業に対する競争力云々の問題だと。だから、印刷のように内需の産業にはこれは適用されないんだというふうな法制局の見解がありまして、法制局に日参し、中小企業庁の計画課の当時は総括班長が今の村岡審議官でありましたが、そのころ随分と苦労した記憶があるんですね。最終的には印刷も輸出に間接的な関係があるということで認められましたけれども、私はこれが法案にはっきりうたってありますと、そういうふうなことが起き得る懸念があるんではなかろうかなという気がするんですが、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(児玉幸治君) 我が国が今国際経済社会の中で言われております非常に難しくてなかなかすぐに答えの出ない問題、それに対します考え方の基本というのは、まさに内需中心型の経済運営というところにあるわけでございまして、幸い円高後の状況を見ておりますと、昨年、一昨年あるいはことしもごく最近までのところは内需が中心になって経済を引っ張りまして、外需はマイナスというふうな数字になっているわけでございます。もちろん輸出というところだけをとらえまして、それで全体としてバランスのとれた経済構造になることはないわけでございまして、例えば海外直接投資といったようなものも考えなければなりませんし、また輸入の拡大というふうなものも総合して考えていかなければならないわけでございます。 それで、そういったことをさまざま組み合わせながら、しかしながら内需を中心にしてというのが私どもの考え方でございまして、法律の中では第一条の「目的」のところに、「新たな経済的環境に即応した産業分野の開拓」というふうになっておりまして、ただいま先生から御指摘のございましたかつての輸出振興型の法律とはやや趣を異にいたしておりまして、経済は生き物でございますからいろんな局面というものがあり得るわけでございますけれども、いずれにしても、新たな経済的環境に即応した産業分野というふうな考え方でこの問題について対応してまいりたいと思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今から国内には売れ口もなくて、専ら輸出を頭に置きながら新規事業をいたしますので何とかこの制度でというお話でございますと、これは今のこの経済的環境からいいますと非常に難しいわけでございまして、一億二千万人の大きなマーケットが日本にあるわけでございますから、何はともあれ、まずその辺を頭に置いて新規事業の事業化というものを考えていただく。それを私どもとしてはぜひバックアップさしていただきたいわけでございまして、その間のところは何とぞ事情御賢察、御了解いただければ幸いでございます。
○井上計君 局長のおっしゃることよくわかります。ただ、そういうふうなことが実際の認可の段階、さらに通産省ではそういうことについては十分理解がありますが、出先へ行きますと、やはり法文を盾にとられて云々というふうなことが往々にしてあるものですから、一つの懸念として申し上げておきます。 次に、新規事業はこれからいろんなものが出てくると私思います。私どもとしては全くわからぬような、びっくりするような新規事業が既に出ておりますけれども、中小企業にとって今何が一番大切かと聞くと、百人が百人、人が足らぬと、みんなこれなんですね。それで、金は余っておる、物は余っておる、もう一つ余っているのは、最近は政治家が余っていると、こう言いますけれども、とにかく人が足らぬ、何とかしてくれという要望ばかりですね。 特に労働時間の短縮が緊急の課題になっています。これあと四年になりましたが、労働時間を千八百時間程度にする云々という閣議決定は、現実の問題としては私はもうこれ状況からいうと不可能だなと。しかし、不可能だからといって放置するわけにもまいりませんが。 そこで、これから新規事業の主たるものは何かというと、もちろんバイオ等々にいろんな新しい製品もありますけれども、やはり省力化設備だと思うんですね。これ相当出てくると思うんです。省力化を考えるときにいろんな問題がありますが、一つは、従来あるものが下敷きになって、そしてそれに新規事業を加えて効果のあるもの、こういうふうなものがありますね。五〇%から六〇%ぐらいのものは既にある技術である。それに上乗せされて新技術が出てくるというふうなものがやはり今後あるんじゃなかろうかと思うんですね。そういう場合の判定といいますか、大変難しい問題がありはせぬかな、こういう気がするんです。さっき申し上げたのは、そういう省力化設備、省力化事業というのは内需か外需かわからぬわけですね。そういう面でさっきちょっと若干懸念を申し上げたわけですが、そういうものについてどういうふうな判定がなされるのかなというちょっと疑念が起きているんですが、これはお答えは特に要りません、個々の問題ですから。現実にあるかどうかわかりませんけれども、私はあるんではなかろうかな、こんな気がしますので、今後またこれについては運用の中でもお考えをいただきたいな、こう思います。 それから次に、続けて申し上げますが、二十二日、あさっての委員会で投資育成会社法の改正の審議がありますけれども、現在、投資育成会社はそれなりの効果を今まで発揮しておると思います。ただ、資本金一億円以下が対象でありますけれども、これが投資育成会社の助成によって行われておる、受けておる企業にどう連動するのか、上乗せをしていくのか、つながりをどうするのかというふうなことはどうなんでしょうね、何かそこについて問題が起きないのか。あるいはそれとこれとをセットにしてさらに上乗せということでさらに効果があるのか、これはどうなんでしょうか。
○政府委員(横田捷宏君) 御指摘の投資育成会社は、従来から中小企業の自己資本の充実を支援するということで、増資新株の引き受けでございますとか転換社債の引き受けをやってまいっておりまして、今般さらに拡充をするということで設立新株の引き受けもできるように今法案の審査をお願いいたしているわけでございますが、投資育成会社の場合にはより幅広く中小企業の自己資本の充実、これも上場等を目指していくわけでありますが、そういう意味での幅広い観点からの支援ということでございまして、それに対しまして今回の特定新規事業は、新規事業を支援していく過程で同じく出資の支援はするわけでございますけれども、やはり一番の基本は、先ほど来御議論をいただいておりますワラント債の発行によります資金調達の支援という面でございまして、それだけではどうしても不十分な場合に例外的に出資もやっていくということになるわけでございます。 そういうことも考えてみますと、今の御質問の答えでございますけれども、出資という面では中小企業投資育成会社の機能をまず優先的に検討をする、さらにそれに合わせまして、組み合わせる形でこちらの新規事業の出資あるいは債務保証の活用を総合的に御検討いただいたらよろしいんではないか、こう考えております。
○井上計君 通産省で既にいろいろと従来からおやりいただいている技術改善補助金という制度、そのほか似たようなものが幾つかありますね。それとのつながりといいますか、そのような補助金等々を受けておる企業が、それを要するに新規事業としてという、当然そういう方向に行くわけですが、そういう場合にはさらに積極的に今度のこの法律による助成といいますか、育成といいますか、そのようなものにつなげていくというふうなことがある程度優先されるとか、そんなふうなお考えはありますか。
○政府委員(横田捷宏君) これまでの中小企業対策を初めとする施策の結果といたしまして、それが新規事業に結びついていくというのはまことに心強いことでございまして、もろもろの案件が出てくるわけでございますけれども、政策的な意味合いから見れば、何とか優先的に取り上げていきたいという考え方を持っております。
○井上計君 先ほど伏見先生からの御質問にもちょっとありましたが、この法文には「通商産業省の所掌に係る」云々とありますね。先ほど伏見先生からの、バイオ等について通産省所掌以外のものについてはという御質問が大体同様の質問であります。私もそれを大変懸念というか考えておるんですが、今通産省所掌以外の業界、業種というのが非常にふえておりますね、特にこの十年来。一番多いのは農水省所掌の食品産業なんて大変なものですね。食品産業あたりは特に内需主導型にもっともっと新しい技術、新しい事業というものがこれからますますふえると思うんです。それから運輸省にも所管のものがあります。それから建設省にもあります。そういうふうなものが、これは役所のそれぞれセクト主義によっていろいろ問題があると思いますが、これはもう大臣に特にお願いしたいんですけれども、通産省所掌のものだけでなくて、そういうふうな各省にまたがるいわば中小企業全般のそういう新規事業等については積極的に育成をするということを政府全体が乗り出すように、ぜひこれはもう大臣にひとつ大いに御努力をちょうだいしなくちゃいけないと思って いますが、局長、それについては今後どういうふうにお進めになるか。
○政府委員(児玉幸治君) 今回お願いをいたしております法律案、通産省の所掌に係ります新規事業になっている点につきましての御懸念でございます。 政府が国会に法律案を出します際には、当然広く政府部内各省の意見を徴した上でまとめてまいるわけでございます。この法案につきましては、非常に広い範囲にわたりまして各省の御意見をもちょうだいいたしましてこういうふうにまとめたわけでございまして、もし何かほかの省が非常に強い意向があったにもかかわらず、通産省がそれをはね飛ばしてこういうふうに限定をしたというような誤解があるようでございましたら、それだけはぜひ何とか御理解いただきたいわけでございまして、むしろ私どもの方はある意味ではアイデア賞のつもりで従来ないようなこういう例を御提案いたしまして、もし一緒にやるところがあれば、これはもう完全にオープンにいたしまして一緒にやろうということでやってきたわけでございますが、たまたまいわゆる我田引水でございますけれども、とりあえず商工工業というふうなところで見ますと、非常に通産省の所管の分野が大きいものでございまして、そういったこともあり、また、各省の方もまだ自分たちの検討がちょっとここまで及んでないということもあったんじゃないかと思うわけでございますが、いずれ何か自分たちで考えるときには通産省にも協力してくれとか、あるいはいずれ必要になったときにはこの法律の中に自分たちも入れてくれというふうな話はいろいろあったわけでございますが、そこまででございまして、当面はまずこの通産省の所掌の新規事業で走っていこうということにいきさつ上なったわけでございます。したがいまして、私どもは今後におきましても、そういうことでどこの省のものにせよ、そういう必要性が発生してまいりましたときには喜んで御協力も申し上げたいと考えておるところでございます。
○井上計君 これは特に質問の連絡もしておりませんが、今お答えを聞いて改めて感じるんですが、私の過去の経験からいって、通産省は大いに門戸を広げます、喜んで云々と、これは事実そのとおりなんです。ところが、なかなか他省庁は通産省のつくった法律に自分たちの所管のいわば業者を入れるということについて、古い言葉で言いますけれども、変な縄張り意識があって、変なプライドがあってなかなかそうしないということが現実にやっぱり幾つかあるんですね。 これは運輸省の問題ですけれども、私が長年指導しておる零細な運送業者の集まりの協同組合、これが運輸省所管なものですから、したがって高度化資金の借り入れ一つにしても、運輸省がなかなかうんと言わないんですね。こんな不便なことじゃだめだから、だから、中小企業庁と共管にということで大分やりました。中小企業庁は早くにオーケー出たわけですよ。ところが、運輸省が何だかんだ何だかんだ言って、最後私がひざ詰めで二年かかりましたよ。そういう例があるんです、現実に。 それで、特に食品産業でも、中小企業協同組合が新しい設備を導入して新しい云々ということで高度化資金を借りようとしても、運輸省ですぐ過当競争なんかを考えてなかなかうんと言わない。そういうケースがいっぱいあるわけです。 私の懸念はそういうことでありますので、特にこれは大臣に大いに御努力をいただいて、積極的にこの法律を利用できるようなふうに各省がやるようにひとつ大いに御努力をいただきたい。これは要望しておきます。
○政府委員(児玉幸治君) 私どもに対するおしかりでございまして、それを胸にしっかり受けとめながら今後仕事をしてまいりたいと思いますが、今回、この法案の中で債務保証を担当いたします産業基盤整備基金というのがございますが、実はこの産業基盤整備基金は、沿革的には五十年代の前半でございますが、非常に不況が厳しかったときに、特定の産業への不況対策ということで始まりました。その後、それが構造転換法になり今日に及んでいるわけでございますけれども、その間例えば、たまたま運輸省の名前が出てきたわけでございますけれども、運輸省で船舶の解撤ということでやはり新しい構造改善をやらなければならないような事態が出てまいったことがございますが、その場合には解撤事業に伴いまして発生いたします資金需要、これについての債務保証が必要になったわけでございまして、これらにつきましては、所要の法律改正を経まして産業基盤整備基金で運輸省、通産省一緒に債務保証という仕事をいたしてきているところでございますので、ちょっとそういうようなこともあるということを一言申し上げさしていただきたいと思います。
○井上計君 実は私今例の解撤の業界のことについてちょっと思い出しました。そういうこともありましたね。しかし、いずれにしてもそういうケースが多いですよ。ですから、せっかくこういう新しい目標を与えるような法律ができるんですから、通産省所掌以外の業界、企業に大いにメリットのある、また意欲をさらに燃やすようなこういう内容のものですから、ぜひ特に農水省所掌の企業の中に非常に多いですから、大臣篤とひとつお願いをしておきます。 最後ですが、先ほど市川委員から、中小企業よりも、むしろこれは大企業及び大企業の子会社、系列会社等々にメリットがあって、中小企業に余りないというふうな御指摘もありました。そう言われるとそうかなという気が若干しないでもありませんが、いずれにしても中小企業が本当にこれを使えるように、それにはやはり大切なことは、厄介な審査とか手続とかどうとかいうのが一番邪魔になりますので、そうだ新規事業をやろうという中小企業というのは一人もありませんし、いろんな周辺の知識も少ないですし、そういう人たちが本当に使いやすいような、そういう面について特段の御配慮をお願いしたいと思います。 以上、幾つか抽象的な質問になりましたが、私が申し上げましたこと等について、最後に大臣からひとつ御所見を承って終わりにします。
○国務大臣(梶山静六君) 前段の各省庁にまたがる特に幾つかの問題点については、これからも協議を調えながらその検討をし、需要に応ずるような態勢をとってまいりたいと思います。なお、中小企業、とりわけ地域の中小企業に対してこの制度全般が利用できるようにということでございますが、午前の小野委員の質問にもお答えをいたしましたように、この法律案は、新規事業のアイデアやチャレンジ精神に富んでいるが、資金と情報の両面でハンディの大きい中堅中小企業等の新規事業を円滑に行わせようとするものでございますので、この意味で御指摘はまさに正鵠を得たものでございます。中小企業、とりわけ地域の中小企業が十分に利用できるようにするためにこれからも配慮をいたしてまいりたいと思いますし、事務当局を初め関係者に徹底をさせますし、私自身も万全の配慮をしてまいりたいと考えております。
○井上計君 終わります。
○木本平八郎君 まずこの法案に対する私の賛否の姿勢ですけれども、これは冷や冷やしながら賛成せざるを得ないという感じなんですね。それで、この法案のレクを聞いたときに、やれやれという感じがしたわけですよ。ということは、この法案を外国人が見たときに、ここに外国人が傍聴していたとすると、彼らはどういう受け取り方をするだろうかと思うんですよね。これはまたえらいことを日本はやっているという感じで見ると思うんですよ。これは趣旨にありましたように、いずれ日本の自動車だって何だって陳腐化してきて競争力を失っていく。そのためには今から新しいものを育てておかなきゃいかぬという趣旨なんですね。これはもうまことに日本にとっては結構なことだと思うんですよ。いわば不老長寿の薬みたいなものですよね。ライフサイクルがあっても、絶対に死なないようにして命を延ばしていこうということですから、これはもう日本にとっては非常にいいことだと思うんですけれども、しかし外国から見た場合、日本はまたやるのかという感じがあると思うんですよね。オリンピックで言えば、どこまでメダルを取ればいいんだと。がさっと金メダルを取っておいて、また少年オリンピックまで優勝しようと思って強化策を講じているというふうに受け取ると思うんですよ。これは確かに私は日本の特に官僚の優秀さがもう如実に出ていると思うんですよ。これだけのことをどんどん考えていく官僚というのは、世界でもフランスとか非常に少ない。日本でも通産省というのは非常に突出していると思いますよ、私も通産省とのつき合い長いですからわかるんですけれども。 それで、私必ずこれ成功すると思うんですよ。二十一世紀に必ず実ると思うんですね。そうすると、確かに先見の明があって日本というのは優秀だということになると思いますけれども、さあ、これでまたこの分野でも世界の競争場裏で日本が勝つということになってくると、何か私恐ろしい感じがするんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(梶山静六君) 大変手厳しいと言うと表現が悪いんですが、まさに外国的感覚に立つた御指摘だとも思われるわけでありますが、これ先ほども一回議論がありましたけれども、これはほかの省庁の縄張りに入りますといけませんから私個人的な見解で申し上げるんですが、例えば本当の意味で金融の自由化がアメリカ並みに進んでいれば、私はこういう措置をとらなくても現実に対応はできると思うんです。残念ながらまだそこまで自由化が進んでおりませんので、ある意味で日本のこれからのこれが彼らの言う日本の公の保護ということにつながるのかもしれませんが、せめてこの知恵ぐらいは持っていなきゃ日本はやっていけなくなるんじゃないかと思うし、ある意味で、ここまで伸びできますと、大変すばらしくあらゆる条件がいいようにお思いになるかもしれませんが、前回に申し上げましたように、日本は、例えば資源だとか、そういう意味で大変脆弱な基盤を持っておりますので、せめてこういう分野で先走りをしませんと、全般のバランスはあるいはマクロで見ればとれなくなるのかもしれませんので、この程度のことは私は許容範囲内ということに考えますので、むしろこういうことで刺激をされて英知が出てまいりますれば、大きい分野で譲る分野も出てくるんじゃないかという気もいたします。
○政府委員(児玉幸治君) 基本的な点は今大臣からお答え申し上げたとおりでございますけれども、実は私どもこの法律の立案に当たりましては、今先生が御指摘されたような点につきましてはかなりあれこれ考えてみたつもりでございます。 まず、新規事業というのが日本でどんどん活発に起きているかどうかという点でございますけれども、これは余り外国と比較するのは最近はやめた方がいいのかもしれないんですけれども、しかし、例えばベンチャービジネスのようなもの、あるいは単純に新規企業の毎年の設立数で見ますと、非常に日本はある意味で停滞的と申しましょうか、ほとんど横ばいでございまして、それに対してアメリカなんかの場合には、最近数年を見ましても、年々かなりな数で新しい企業の設立の数がふえているわけでございます。もちろんできるのも多うございますが、倒れるのもあるわけでございまして、そこがアメリカの自由経済の一つの特色になっているんじゃないかと思います。 いずれにしましても、これから二十一世紀に向かって日本でいろいろ新しい分野を開拓していくという場合に、今のレベルのような新規企業の設立数で本当にいいのかどうかという点につきましては、やはり懸念なしとしないというのが一つ問題の背景にあると思います。 それから二つ目は、先ほどからついつい助成だとか振興だとかという言葉が出ているわけでございますけれども、今回の法律の仕組みというのは、基本は民間の金を民間の事業に回す。民間の金を流していくための、詰まっているパイプをディレギュレーションのような形であけていくというところが本質でございまして、したがって、商法の特例を設けて社債の発行限度を倍にするとか、あるいは適債基準についての運用を緩和する、こういうふうな形のものというのは、すべてディレギュレーションの形で民間の金の流れをよくしようということでございます。それから債務保証、これがいかにも政府が保証してやるというふうに聞こえるわけでございますが、この制度自身も実は収支が相償うように運営するということでできる仕組みでございますので、この債務保証制度は補助金になるというふうな生格のものでもこれまたないわけでございまして、そういった点を十分吟味いたしまして私どもとしてはこの仕組みを考えたところでございます。
○木本平八郎君 今局長の説明で、確かに日本の場合、新規事業ということになりますと、アメリカなんかに比べておくれている面があるんですね。ところが、そこをアメリカなんかは非常に期待しているんですよ。日本は、こういう例えば自動車なら自動車というものがつくられてあるところまで実用化されると、今度それを改良して世界一のものをつくっていく、世界一安くやるというのはもう大得意だけれども、新しいものは弱いと思っていたんですね。ところが、今度、おっとどっこい新規の方もちゃんと日本はまた手を打ってきているということになると、彼らは、これはもうかなわないなという感じを受けると思うんですね。まさに日本株式会社の典型的なこれは例だと思うんですね。彼らから見たら、ああ、また日本株式会社がMITIが先頭に立って大勢の中小企業を引き連れて太平洋を渡ってきやがるという感じを受けると思うんですよ。これもあるところまではもうしようないと割り切ってしまえばいいんですけれども、それで、また確かに、大臣がおっしゃったように、これやらざるを得ないわけですね、日本としては。 そこで、さて将来この国際摩擦というか、外国のヒッチをどういうふうにしてやっていったらいいだろうかということなんですね。大臣はパリのサミットに行かれるということですけれども、この次通産大臣をおやりになるとき、あるいは総理になられるか知りませんけれども、そのときには、こういうことでもう日本が集中攻撃を受けるようになってくる可能性というのは十分にあると思うんですよね。したがって、国際間の中で日本はやっていかなきゃいかぬ。やっていかなきゃいかぬけれども、国際間の摩擦もやっぱりこれは避けなきゃいかぬわけですね、日本の経済的な立場としては。これどういうふうな知恵があるでしょうね。
○政府委員(児玉幸治君) 非常に高い次元からの話は大臣からまた話さしていただきますが、この法律の中でも、例えば「目的」の中にも、「新たな経済的環境に即応した産業分野の開拓」ということで、内需中心型の発想に立つということを明らかにいたしておりますし、それから、第四条の第三項で認定をする場合の基準を言っているわけでございますが、その第一号のところでございますけれども、「国民経済の国際経済環境と調和のある健全な発展を阻害すると認められるものでないこと。」というふうなことも言っているわけでございまして、こういった点については、十分な配慮をしながらこの法律の運用をしてまいりたいと思っておるところでございます。 それから、繰り返して恐縮でございますけれども、私どもは従来から、例えばいろいろ新しい法律をつくります場合に、日米でさまざまなことが実は話題になってきたわけでございまして、中小企業関係の法律においてすらいろいろな話題が起き、意見交換をしてきたところでございます。そういった過去のさまざまな意見交換の結論は全部踏まえまして、この法律ではそれらの点についてはそれなりの対応をしたつもりでございます。
○国務大臣(梶山静六君) 御指摘の御懸念もございますけれども、しかし、世の中の進展というのを考えますと、新規の需要を開拓する、新製品や新技術や新システムを開発することによって新たな需要が発生をするわけですから、これは世界の経済にむしろ大きな意味では貢献をするという分野になろうかと思いますので、今までの過去にあったアメリカの自動車を日本がさらに改良、能率化をし、大量生産の方式を生み出したというものとはまたこれ違った分野で新しい分野へ出るわけでございますから、その意味では私は一つの貢献度があろうかと思います。 ただ、全般で考えますと、確かに私は国際分業論、これに基づいてやらないと、できるものは何でもやってよろしいという経済合理性というか、経済採算性というか、その物差しのみで考えてまいりますと大変な間違いをしてかすという気がいたしますし、私どもは基本にあるものは、やっぱり自由開放経済の恩恵を受けて、それから世界が平和であるという恩恵を一番受けているのは日本だということになりますと、その受けている恩恵のいわばそれをある意味でコストと考えて、何らかの分野で相手方に譲るという言葉がいいかどうかはわかりませんが、分業論的なものが成り立たないと、いずれは孤児になってしまうという気がいたしますので、これからは長いテーマとしてそういうものを考慮に入れて対策を講じていかなければならないというふうに考えております。
○木本平八郎君 したがって、これはちょっととんでもない発想なんですけれども、例えばこういうものを外国の企業にも適用してやる、それで外国の企業が申請してくれば、日本の企業と同じようにやってやるということをやれば、大分また受けとめ方が違うと思うし、それから、特に東南アジアあるいはNIESの国、そういった国の企業を育成してやる、日本がもう日本の中だけじゃなくて世界の面倒を見てやるんだというふうなことをやっていくと、大分緩和できるんじゃないかという気がするんですね。特にODAのあり方というのは、もうちょっと変えていかなきゃいかぬ面が相当あると私は思うんですね。したがって、同じODAでああいう金を使うんなら、そういう外国の企業を育成するという方向に金を使ってやると非常に喜ばれるんじゃないかと思うんですけれども、この辺の御意見はいかがですか。
○政府委員(児玉幸治君) 私の知識はもう経済協力部長から数年たっておりましてちょっと古くなっているかもしれないんでございますが、まずこの法律自身は日本の国内で新規事業が行われる場合を対象といたしますけれども、国内で新規事業を行おうとする場合に、日本法人、それが外国の金でできた企業でありましょうと何でございましょうと、そういったことには別に区別はないわけでございまして、海外から日本にやってまいりまして日本で事業を起こすというふうなものは、当然この法律の対象になり得るわけでございます。そういう意味ではオープンでございます。 それから、今木本先生のおっしゃった、国内はいいけれども、むしろ海外のいろんな分業関係についてODAその他を含めて配慮すべきじゃないかという点につきましては、全くそのとおりでございます。日本のODAというのは、例えば円借款等は従来からどちらかといいますとインフラストラクチャーに中心を置いておりまして、その上に民間の事業が成り立っていくということを基本にしてきているわけでございますけれども、やはり状況によりましてはもう一歩踏み込んで、いわゆる経済自立型のプロジェクトと申しましょうか、国内の需要を満たして輸入を代替するとか、あるいは輸出の拡大を通じてその国の経済の発展に寄与するというふうな意味で、経済自立型のプロジェクトに対してどういうような応援をするかということを考えるべき段階に来ていると思うわけでございます。 これを具体的にどういう形でやるかということになりますと、いろいろ方法がございまして、例えばODAのようなものでも、先方のそういう開発金融機関のようなものにいわゆるバンクローンのような形で出しまして、先方のまた裁量でその銀行からその辺のプロジェクトに金が回っていくというような形のものもございます。それから、日本の企業が先方の企業と合弁で新しい事業を向こうで起こしている。それに対しまして、日本側の方からさまざまな形で資金的にあるいは技術的に、さらには経営ノーハウで応援をしていくというケースもあるわけでございまして、こういったことにつきましては、むしろ我が国の経済協力の規模が非常に大きくなった中におきまして大変重要な課題なのではないかと考えているところでございます。
○木本平八郎君 そういう観点からぜひ、私はもう何回もここでも申し上げているんですけれども、日本の通産省は国内のことだけ考えていればいいというんじゃなくて、もう世界の通産省として全体の面倒を見てやるということがやっぱり必要になってくるんじゃないかという気がするわけですね。 実はこれに関連して、私は商社マンだったわけですから外国人の友達たくさんおるんですけれども、ついこの間そのうちの一人が日本へやってまいりまして、私に、参議院議員でおまえ何やつているんだという話で、いや、実は商工委員だということを言いましたら、ああそれはちょうどいい、ひとつぜひ忠告したいことがあると言うわけですね。アメリカではFSXの問題に関連して、あれを日本にやらしちゃいかぬということを言っているわけですね。一機日本につくらしたら、もう世界の戦闘機は全部日本に占領されてしまうと。これは軍需産業については日本にやらしちゃいかぬということなんですね。日本はとにかく戦闘機というのはどういう格好でつくるのかということだけで、それさえわかれば、あとはもう全部技術的にはトップレベルに立つちゃうというわけですよ。したがって、これはもう国防上大脅威になるということをアメリカで考えている人がたくさんいる。要するにそういうことで、もしも日本にこれ以上武器までやられたんじゃえらいことになるという話なんですね。 それで、彼が私に言ったのは、しかし、日本につくるなということは言えない。したがって、アメリカへ企業進出してきてアメリカの会社としてつくりなさい。それで、一たん全部国防省にそれを納入する、あるいは国防省のコントロール下でつくるんならいい。それで、日本の技術は相当優秀だから、アメリカの軍需産業にも貢献するだろうという言い方をするわけですね。 私は軍需産業とか武器というのはわかりませんけれども、これは主権の問題その他いろいろあると思うんですよ。しかしただ、そういう脅威の目で見られていることは確かですし、もしもこのまま日本が軍需産業や武器産業に進んでいくと、やっぱり相当大きな摩擦がまた出てくるんじゃないかという気がするんです。したがって、日本の、自分の産業の問題としてじゃなくて、やっぱり世界の中における軍需工場と言ったらおかしいんですけれども、そういう軍需産業というふうな考え方をしないと、何しろ日本は金があるし、技術があるし、周辺の産業が発達しているということで、そういうふうに見られているんですね。これに関しては大臣の感想をお聞きしたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(梶山静六君) 先ほど申し上げましたように、何から何まであるのではなくて、資源もない、環境もいわゆる自由貿易体制あるいは平和というものの維持が困難になれば、日本は全く沈没をするような形でございますから、基礎的には一番脆弱なところでもございます。その上に咲いている花でございますから大切にしていかなければなりません。今の御意見に関しましては大臣として答える実は権限は持っておりません。大変貴重な御意見でございますので、よく勉強さしていただきたいと思います。
○木本平八郎君 今大臣がおっしゃいました日本には資源がないという話なんですけれども、これも外国から見ていると、日本はもう大資源国になっているという見方をしているんですね。昔は鉄鉱石とかあるいは石炭とか、そういったものが資源だと思われていたわけです。ところが、現実に、これはどうか知りませんけれども、例えば車なら車の中に含まれている資源の比率というのはうんと下がっているわけです。何が大きいかというと、要するに技術とかノーハウとかあるいは資本、まあ金ですね、そういうものがもう圧倒的に多い。その点になりますと一日本というのは世界一の資源国だと。というのは、一億の国民がみんなハイエデュケーテッドでしょう、教育を受けているわけですね。総理で失言された方もおりますけれども、総理じゃないか、知恵がないとかかんとかおっしゃったけれども。もうあれに比べたら、日本というのは物すごく知恵の量というのは大変なものなんです、日本列島の上にある。これはもう大資源国だという外国は見方をしているわけです。だから、逆に言えば、そういう資源を有効に使わなきゃいかぬし、それを有効に使っているから日本がこれだけの競争力も経済力もあるわけですけれども。そういった点でこういったものを世界に及ぼしていくということがやっぱり必要になってくるんじゃないかという気がするわけです。 その辺が一つあるのと、それからちょっとこれ先ほど市川先生が大企業の子会社を潤すというお話だったんですけれども、これはぜひ弁解さしていただきたいんですが、もう現在の企業は、失礼ですけれども、通産省なんかに頭を押さえられて縛られると、もう絶対嫌がるんですよ。銭金にかかわらずこういうのは御厄介になりたくない。だから、自分でやれることはやっていくという姿勢ですから、まず大企業は子会社の面倒は見ても、大企業の方が、おまえそんな通産省なんかの御厄介になるなと言って必ず押さえにかかると思うんですね。そのくらいやっぱり今力もつけているし、それからプライドも持っていますから、その点は全然御懸念なくということをひとつ申し上げておきたいわけです。 それで、余り時間をとっているわけにいきませんから、最後に一つ物の考え方として、実は新規事業というのは確かにハイリスク・ハイリターンだと思うんですね。こういうものに対する対処の仕方というのは、これはもう皆さんがお考えになっている思考パターンでいいと思うんですけれども、ただ商社マンの感覚からいきますと、もう一歩突っ込んでいただきたいと思うわけなんですね。 これはどういうことかと言いますと、今は違いますけれども、昔例えばテキサスで油田を掘るということを考えた場合に、一本掘るのに今十億円かかるわけですね。山師は一生懸命金を集めてきて、十億円たまると一本掘るわけですね。当たると大もうけするけれども、これは非常にリスクが多いわけですね、当たらなければ全然だめだと。そういうことで二、三本掘って、だめなら首つるということをやったわけですよ。ところが、今のメジャーというのは、統計的に何本掘れば、二・一本掘れば当たるとか全部計算しているわけです。したがって、今のやり方というのは百億円入れて十本一遍に掘ってしまうわけです。そうすると、必ず二・一本に一本は当たるということで、リスクを確率に転換しているわけですね。これがハイリスク・ハイリターンに対するアプローチの仕方だと思うんですね、リスクを確率にいかに変えるかというのが。これは今金の力でやっているわけです、大企業ば全部。日本でもそういう投資なんかを考えるときに、必ずリスクを確率に転換できるように最小限の規模を考えているわけです。 そういうことで、新規事業というものを育成する場合に、やっぱりどれだけリスクを確率に転換するか。要するに全部集めてプールして、十社なら十社プールすると二・五社は必ず成功するというふうな考え方に転換していかなければならない。それを世話してやるというのがこういう法案の基本的な考え方だと思うんですね。個々にリスクを保証するとかあるいは保険を引き受けてやるとかというふうなことでやりますと、なかなかやっぱり個々の案件について、これはリスクが高そうな感じがするから引き受けないとか、今の通産省の輸出保険みたいなもので、リスクが高いとなにする。そういうことになるんで、やはり全体をプールして、そしてリスクを通産省というか、この中で確率に転換していくということが必要になってくると思うんですよ。 したがって、例えば仮に創業の、ワラント債でもいいんですけれども、株式をどんどんこの会社が引き受けてやって、そして二、三の会社が大成功すれば株が物すごく上がるわけですからね、NTTみたいに。そうすると、ここではもうかって、こっちでは損しているというふうなことがあって、中できちっとペイできる、そろばんが合うというふうな発想がぜひ必要じゃないかと思うわけなんです。 それからもう一つ、これ最後にお願いなんですけれども、やはりリスクテーキングという問題で一番おくれているのは、最近はまだ進んでいると思いますけれども、それでもお役人のリスクテーキングという考え方が非常にないんですよ。責任をとりたくないという、それはあるんですけれども、やっぱりそういう辺でリスクをとっていくというふうなことがないと、なかなかやっぱりこういうものはうまくいかないんじゃないかという気がするわけですよ。 それで、今までの補助金だとか、今までの日本政府がやっている保証だとかというのは、ちゃんと手続さえ守っていれば、損しても責任を追及されないというシステムになっているでしょう。逆に言ったら、そのものを育てるということよりも、むしろ手続を間違わないようにやるということの方が先に行っちゃうわけですね、どうしても。それが我々民間で仕事をしてきた人間とは全然発想というか、姿勢が違うわけです。その辺を変えてくれと言ったってそう簡単には変わらないと思いますけれども、ただ、自分たちにはそういう体質があるということだけは自覚しておいてほしいんですよ。そうしないと、やっぱりこういうものはうまくいかない。だから、どうしても役人は、補助金というのはやっておいて、それで後は成功しようとしまいと余り関係がないものだから、だから、補助金補助金と皆さんそっちの方へつい行かれるわけですけれども、それはやはり基本的にそういう体質的欠陥があるということを自覚していただきたいと思うんですが、この辺の局長と大臣の御所見を承って、私は質問を終わります。
○政府委員(児玉幸治君) こういう新規事業についてのリスクのとり方でございまして、仰せのように、大企業の場合には非常に懐も深いわけでございますから、その中で一定の計算をしながら新規プロジェクトのメリットを評価し、かつ自分の持っておりますさまざまな資金調達方法を通じてそれを遂行していくということになるのは、そのとおりだろうと思うわけでございます。したがいまして、この法律に基づきます諸制度につきましても、大企業からの期待というものはほとんどないということでございますが、今度は逆に、中堅中小企業の場合にはなかなかほかに頼るべき道はないわけでございまして、むしろこの法律によりましてディレギュレーションが行われて活用ができるようになるわけでございます。したがって、そういうことを前提にいたしまして行います債務保証というのは、ある意味では共済的な制度になるわけでございますけれども、その債務保証の保証料の決め方なんかは、当然、ただいまお話もございましたように、引き受けます事業のうちのどれぐらいが成功して、それで産業基盤整備基金が引き受けた場合に、ワラント権を実行してどのぐらいの収入が上がっているか、したがって保証料率を幾らぐらいまで下げられるかというふうな計算というのは、当然していかなければならないということでございます。 逆選択になっては困るというのも、それもそのとおりでございますが、むしろここの点につきましては、これまでもお答え申し上げておりますように、認定に際しまして専門家によるグループをつくりまして、そこできちんと判断をしていくということで、布ければ逃げて、よさようなものだけ飛びつくというようなことではなくて、きちんとした手続でやってまいりたいと思っております。 公務員の心構えの点につきましては、よく胸に受けとめましてしかるべく対応をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) もうお答えにもなりませんけれども、先ほど伏見先生との討議の中で出てまいりましたように、日本人の性格がございます。ですから、開拓精神というか、ギャンブルを好むとかというものではなくて、どちらかというと和をとうとしとする、そういう国民性もございますから、明治以来培われた特に官僚主導というか、ようやく今ある意味で対等ないしは部分的には民間が強くなりましたけれども、どちらかというと、過ちなきをもって善とする消極的な善、これが今まで日本を支配してきたわけでありますから、冒険を冒すということはむしろ日本人にとってはタブーであったわけであります。ですから、むしろこれからは民間で言われる積極的な善、物をなすことによって多少の失敗を恐れない、こういう心組みが四十年間、大きな変化はしつつありますけれども、プラスの方向でだけ変化をしてまいりましたが、そういう心構えが少しずつ芽生えてきたところでございますので、何遍かこれ日本、また諸外国のように失敗やその他を繰り返しますと、そんな精神がこれから芽生えるかどうかわかりませんので、今がちょっと過ぎているんじゃないかと思われても、長い日本人の歴史や習癖を見ますと、とてもそういうものに耐えられるあれじゃありませんので、憶病な国民性を持っていると思いますので、むしろ今の時期、そういうものに耐える国民性をつくることも大切かと思います。
○委員長(宮澤弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、特定新規事業実施円滑化臨時措置法案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案による対策がベンチャーキャピタルの主力となっている大手証券会社、大銀行に対する助成策にほかならないからであります。 ベンチャーキャピタルは、有望な株式未公開企業を育成して株式公開に至らしめ、そのキャピタルゲインによって莫大な利益を得ることを目的にしております。基金による事業者債務の七割保証などの助成措置は、ハイリスク・ハイリターンが特徴とされるベンチャーファイナンスにとって、リスクは国が負担し、ハイリターンはベンチャーキャピタルに保証するものになっております。 その第二は、本法案による助成策の対象が、事実上中堅企業あるいは大企業の子会社や関連会社が中心になっているからであります。 現在、大企業はリストラクチャリングの名のもとに新分野への進出を計画、推進しておりますが、本法案の根拠となった産構審産業金融小委員会の報告の趣旨からしても、これらを対象にしていることは明らかであり、実際的にもワラント債の私募発行が行い得る企業は、信用力や政治基盤の脆弱な中小企業、零細企業、個人でないことも明らかであります。 その第三は、証券行政やベンチャーファイナンスに対する行政のあり方について十分な再検討が行われていない現状では、ベンチャーファイナンスの仕組みそのものが汚職、腐敗の温床となる可能性が大きいからであります。未公開株の公開準備段階で行われる第三者割当増資や株主の最終調整のための株式の移動などは、これがどの行政機関からの監督も受けにくい状況にあるため、今回のリクルート事件のように、たまたま発覚しない限り暗やみの中で行われるものであり、現状では汚職、腐敗の温床となり得ることは明らかなところであります。 以上を指摘して、反対討論を終わります。
○委員長(宮澤弘君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 特定新規事業実施円滑化臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮澤弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮澤弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(宮澤弘君) 次に、地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、中小企業事業団法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。梶山通商産業大臣。
○国務大臣(梶山静六君) 地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、情報化社会の進展に伴うソフトウエア需要の急速な拡大と地域におけるソフトウエア供給力の不足により、ソフトウエアの需給の不均衡が生じております。この需給の不均衡は今後拡大する傾向にあり、このままでは産業活動に支障を来し、経済社会の安定的な発展を妨げるおそれがあります。 政府としても、これまで汎用プログラムの開発普及やソフトウエアの生産性向上のための技術開発を推進し、また、公共職業訓練施設における情報処理関理科の整備など各種の対策を講じてきたところでありますが、かかる状況を打開するためには、地域におけるソフトウエア供給力の開発が必要であります。 本法律案は、以上の理由に基づいて、通商産業省と労働省が協力して、実務に携わる高度の技術を持った人材の育成及びこれを支える技術基盤の普及が十分に行われていない地域においてソフトウエア供給力の向上を図ることにより、地域におけるソフトウエア供給力の開発を推進することを目的として立案したものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、ソフトウエア供給力の開発を効果的に図ることができると認められる地域を対象にして、プログラム業務従事者の知識及び技能の向上を図る事業等のソフトウエア供給力開発事業に関する承認制度を設けることといたします。 第二に、情報処理振興事業協会の業務に、承認事業者に対する出資及び承認事業者が行う人材育成事業に必要な教材の開発及び提供等の業務を追加するとともに、雇用促進事業団の業務に、承認事業者への出資に充当される資金を青報処理振興事業協会に対して出資する業務を追加することといたします。 その他損金算入の特例等の助成措置について定めることといたします。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 小規模企業共済制度では、小規模企業者が相互扶助の精神に基づいて、毎月掛金を積み立て、廃業や死亡といった事態に備えるという共済制度であり、中小企業事業団がこれを運営しているところであります。小規模企業者にとり本制度の果たす役割は非常に大きく、昭和四十年十二月の制度発足以来加入者は年々累増し、二十三年余りを経過した今日では、その加入者数は百十万人を超えております。 本制度は、法律上、経済事情等の変化に対応すべく、掛金、共済金等の額の検討を定期的に行うよう義務づけられており、これまでも四回にわたりその見直しを行ってきたところであります。 今回、最近の経済的情勢及び社会的情勢の変化、小規模企業者からの要望等を勘案し、掛金の額の見直しを含め、本制度の一層の整備、拡充を図るべく、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、掛金月額の最高限度の引き上げであります。最近の経済的青勢を反映した転業に必要な資金規模の増加、加入者からの引き上げに対する要望、小規模企業者の所得水準の向上等を踏まえ、掛金月額の最高限度を現行の五万円から七万円に引き上げることとしております。 第二は、共済金の分割支給制度の導入であります。今後高齢化社会の到来が予想される中で、老後生活の安定が小規模事業者にとり重大な関心事となっており、また、円滑な産業調整を推進する上から、小規模企業者の引退後の生活の安定を確保することが重要な政策課題となっております。このような観点から、従来一時金として支給されてきた共済金を、共済契約者の選択により、十年間または十五年間に分割して支給し得ることとしております。 第三は、中小企業事業団の余裕金の運用方法の範囲の拡大であります。近時のように金利が低水準で推移する状況においては、共済資産の運用の多様化、効率化を図り、本制度の財政基盤を強化することが極めて重要となっております。このような観点から、小規模企業共済に係る余裕金については、政令で定める方法により運用することができることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 円高の定若干で、中小企業は、経済のソフト化、技術革新・情報化の進展、消費者ニーズの多様化等、従来にない厳しい環境の変化への対応を迫られております。我が国中小企業構造の円滑な調整を促進し、もって中小企業がこのような変化への積極的対応を図ることを可能とするためには、将来の成長が見込まれる中小企業の円滑な創業を支援することが不可欠であります。特に創業時の中小企業にとり資金調達が困難であることが最大の問題点であることにかんがみれば、中小企業が事業を創業する際に、出資を行うことは極めて有効な支援措置であると考えられます。しかしながら、現在、中小企業投資育成制度においては、創業時の中小企業に対する出資を行うことができないこととなっているため、積極的な創業支援を可能とするよう所要の制度改正を行うことによりその機能を強化する必要があります。 本法律案は、このような観点から、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正しようとするものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 この法律案の要旨は、中小企業投資育成株式会社の営む事業に、設立段階にある株式会社に対する出資を追加することであります。これによりまして、創業期にある中小企業の自己資本による資金調達の円滑化を促進しようとするものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、中小企業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業事業団は、規模の面で不利に立たされている中小企業の経営の安定と振興を図るための中核的機関として、昭和五十五年に中小企業振興事業団と中小企業共済事業団との統合により設立され、以来我が国の中小企業政策において重要な役割を果たしてきております。その業務のうち中小企業振興事業団から引き継いで実施している高度化融資は、中小企業の集団化、共同化等、中小企業構造の高度化を図り、もって中小企業の振興に資する業務として定着しており、昭和六十二年度末の貸付残高は約九千四百億円に上っております。 近年、消費者ニーズの多様化、急速な技術革新等の環境変化が進展する中で、中小企業は、付加価値の高い個性的な商品やサービスの提供等による新たな対応を迫られております。現在、こうした中小企業の努力をその研究開発能力、商品開発力の強化等を通じて支援し、地域経済の牽引力となる中小企業を育成しようとする動きが各地において数多く見られますが、こうした動きを着実に定着させていくためには、従来の組合等に対する助成に加えて、事業の共同化等のための施設の設置等、中小企業構造の高度化を支援する事業を行う新たな主体に対し、所要の助成を行っていくことが必要となっております。 この法律案は、かかる助成の実施を通じて中小企業構造の高度化の一層の促進を図り、もって新たな経済的環境に即応した活力ある中小企業を育成すること等を目的とするものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、中小企業事業団に、中小企業構造の高度化を支援する事業を行う者に対する出資及び融資の業務を創設します。 第二に、出資業務に係る財源の安定的確保を図るために必要な規定の整備を行います。 第三に、中小企業構造の高度化を支援する事業を行う者に対する税制上の特例措置等に関する規定の整備を行います。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ真重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(宮澤弘君) 以上で四案の趣旨説明の聴取は終わりました。 四案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会 —————・—————