社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/16
会議録
○委員長(前島英三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山本正和君を指名いたします。 —————————————
○委員長(前島英三郎君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題といたします。 小泉厚生大臣及び堀内労働大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生大臣の小泉純一郎であります。新内閣のもとで厚生大臣として再任されましたので、改めてよろしくお願い申し上げます。 社会労働委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。 今日、我が国は世界一の長寿国となりました。五十年前、厚生省が設置された当時は人生五十年と言われておりましたが、今や人生八十年の時代を迎えております。 この間、我が国の経済社会は、国民経済の発展、高齢化の進行、技術革新の進展等により著しく変化しました。また、国際的にも我が国の地位は飛躍的に高まり、世界に積極的に貢献することが求められております。 こうした大きなうねりの中で、今後我が国の高齢化は諸外国に例を見ないスピードで進み、二十一世紀前半には諸外国がかつて経験したことのない高齢化の進んだ国となることが見込まれております。こうした中で、これからの我が国の最大の課題は、二十一世紀に向けて、来るべき高齢社会をいかに活力ある長寿・福祉社会にするかということではないかと思います。高齢期を迎えても社会に貢献できる一員として、役割を果たしていくことこそ幸せという国民の期待を大切にはぐくみつつ、昨年十月にお示しした「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標」を踏まえ長期的視野に立って施策を展開し、我が国の経済社会の仕組み全体を活力ある長寿社会にふさわしいものとすべく、努力を傾注していきたいと考えております。 以下、平成元年度における主要な施策について申し上げます。 まず、年金制度についてでありますが、長寿社会においては、国民の生活の基盤となる安定的な所得保障の確立が極めて重要であります。このため、財政再計算期に当たる本年、給付額の改善、保険料率の見直し、厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールの明示、自営業者に対する基礎年金の上乗せ給付である地域型国民年金基金の創設等各般にわたる改正を行うとともに、平成七年度を目途とする公的年金制度の一元化に向けて被用者年金各制度相互間における負担の不均衡の是正を図るための措置を講じてまいる所存であります。このため所要の法律案を提出いたしたところでありますので、よろしく御審議をお願いいたします。 また、高齢者の社会活動を推進し、明るく活力ある長寿社会を実現するため、都道府県明るい長寿社会づくり推進機構の整備、高齢者の生きがいと健康づくりモデル事業を行うとともに、高齢者が多世代交流の中で安心し生きがいを持って暮らせるまちづくりに国と地方公共団体、民間が一体となって取り組む「ふるさと21 健康長寿のまちづくり事業」を推進することといたしております。このまちづくり事業につきましても所要の法律案を提出いたしたところであります。本日御審議が予定されておりますが、よろしくお願いいたします。 また、体が不自由な方々もできる限り住みなれた地域や家庭において暮らしていけるよう、在宅サービスの推進に格段の配慮を払うこととし、家庭奉仕員派遣事業、デイサービス事業、ショートステイ事業の大幅な拡充を進めてまいります。一方、施設への入所が必要な方々については、特別養護老人ホーム、老人保健施設の重点的整備を図るとともに、住まいとしての機能を重視した新たな軽費老人ホームの整備も推進してまいります。さらに、深刻化する痴呆性老人問題に対処するため、新たに老人性痴呆疾患センターの設置やナイトケア事業の創設、家族に対する介護指導の充実など、保健・医療・福祉にわたる総合的な施策の推進を図ってまいります。 これらとあわせて、長い高齢期を支える国民の健康を確保するため、がん、循環器病、糖尿病、腎不全などの疾病対策を進めるほか、正しい食生活、運動、休養の均衡のとれた健康的な生活習慣の確立を目指し、第二次国民健康づくり対策を進めてまいります。 また、人口の高齢化が進展する中で、将来の長寿社会を担う児童が心身ともに健やかに生まれ育つことはますます重要となっております。このため、家庭支援相談体制の確立、保育対策の拡充等心豊かな児童の育成と家庭基盤の充実に努めてまいります。また、障害者対策につきましては、障害者ができる限り住みなれた地域社会の中で自立し、社会参加ができるような条件を整備するため、障害者社会参加促進事業等の施策の拡充に努めてまいります。さらに、地域における自主的な民間社会福祉活動の積極的な展開のため、ボランティア活動関連予算の大幅増など施策の充実を図ってまいります。 次に、本年は、二十一世紀を目指した医療供給体制の総合的な見直しに着手する年であると考えております。このため、現在医療法について平成二年度に改正を行う方向で準備を進めているところであり、また医療を支える人材についても、資質の向上と人員の確保に努めてまいります。また、国立病院・療養所につきましては、国立医療機関にふさわしい機能を充実強化するため再編成を着実に推進することといたしております。エイズ対策につきましては、さきの国会においてエイズ予防法を成立させていただきましたが、今後とも正しい知識の普及を中心として、発症予防・治療研究等各般の施策を推進してまいります。また、社会復帰施設の充実等精神保健対策も一層推進していくこととしています。 医療保険制度につきましては、昨年国民健康保険制度の改正をお願いいたしましたが、平成二年度には、国民健康保険制度及び老人保健制度について、制度の長期的安定を図るべく、見直しを予定しております。こうした制度改革の帰趨を見きわめながら、制度を通じた給付と負担の公平化のための措置を段階的に進めていきたいと考えています。 生活衛生行政につきましては、輸入食品の安全対策、食鳥の安全対策の推進等総合的な食品保健施策を積極的に推進するとともに、環境衛生関係営業の振興に努めてまいるほか、水道・廃棄物処理施設の整備の一層の推進を図り、生活排水対策を含む廃棄物の適正処理及び化学物質の総合的な安全対策に取り組んでまいります。 業務行政につきましても、医薬品等の安全性の確保、医薬品等の研究開発の促進とともに、血液製剤の国内自給を目指した血液対策に努めてまいります。 また、中国残留孤児対策につきましては、多くの孤児世帯が帰国していることから、帰国孤児世帯の定着自立の一層の促進を図るため、自立支援体制の強化に全力で取り組んでいく考えです。 さらに、厚生科学技術の推進に努めるとともに、近年、我が国の保健医療技術に対する開発途上国の期待が高まっていることにかんがみ、国際医療協力研修センターの整備、世界保健機関への支援の強化など保健医療分野における国際協力に積極的に取り組んでまいります。 以上、所信の一端を申し述べましたが、厚生行政の課題は、このほか、いずれもひとときもゆるがせにできないものばかりであります。私は、皆様の御理解、御協力を得ながら諸問題の解決に全力を挙げて取り組んでいく覚悟であります。何とぞよろしくお願いいたします。
○委員長(前島英三郎君) 次に、堀内労働大臣。
○国務大臣(堀内光雄君) このたび労働大臣を拝命いたしました堀内光雄でございます。 社会労働委員会の御審議に先立ちまして、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。 今日、我が国経済社会は順調な発展を遂げておりますが、一方では経済構造の転換、高齢化社会の進展、就業形態の多様化など種々の変化に直面しております。このような社会構造変化に対応し、社会の活力を維持するとともに、我が国の経済的地位にふさわしい豊かな勤労者生活を実現するため、次の事項に重点を置きつつ労働行政を積極的に推進してまいる所存であります。 第一は、経済構造転換と就業形態の多様化に対応した雇用対策であります。 現在、雇用情勢は全国的に改善し一部には人材不足も見られるところでありますが、地域においてはなお改善が緩やかなものもあり、地域間格差が拡大しております。このため地域雇用開発プロジェクトへの援助、人材の地方還流の促進など、地域において効果的な雇用機会の開発を行うとともに、労働力の需給調整機能の一層の整備を図ることとしております。 また、サービス経済化の進展、女子の職場進出等によりパートタイム労働者が増加していることに伴い、パートタイム労働者について雇用保険の適用を拡大するとともに、パートタイム労働に対する指導を強化するなど、総合的な対策を行うこととしております。 これらの施策を円滑に実施し、経済構造調整期における経済変動に機動的に対応するため、雇用保険四事業の再編とあわせ、パートタイム労働者への適用拡大を行うための雇用保険法等の改正を内容とする法律案を今国会に提出しておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 第二は、労働時間短縮、労働者の安全衛生対策と勤労者福祉向上対策であります。 労働時間短縮は、ゆとりある豊かな勤労者生活を実現するため政府全体として取り組むべき課題であります。昨年決定された「経済運営五カ年計画」でうたわれております目標の実現に向け、中小企業に対する援助等にも十分配意しつつ、完全週休二日制の普及等労働時間短縮に積極的に取り組むこととしております。 また、労働者の安全衛生対策は働く人々のみならずその家族にとっても欠くことのできないものであります。安全衛生の確保、労働者の健康の保持増進のため事業主に対する指導援助を充実するとともに、特に最近の死亡災害の増加にかんがみ労働災害の防止を一層推進することとしております。 さらに、中小企業勤労者のための中小企業勤労者総合福祉推進事業を拡充するとともに、心身両面のリフレッシュを図るためのリフレッシュ休暇制度の普及促進など、勤労者福祉の向上を図ることとしております。 勤労者財産形成促進制度についても改善を行いつつ、制度の利用促進を進めてまいります。 第三は、本格的な高齢化社会の到来への対応であります。 今後とも我が国が経済社会の活力を維持していくためには、六十五歳程度までの雇用就業の場の確保が極めて重要な国民的課題となっております。 このため、人生八十年代時代にふさわしい雇用のあり方を示す長寿社会雇用ビジョンの策定を行うこととしているほか、継続雇用の促進、再就職の促進等の施策を積極的に行ってまいります。 また、職業生活からの引退を円滑に進めるためシルバー人材センターを拡充する一方、高年齢者の能力活用のため、能力開発対策についても充実を図ることとしております。 第四は、障害者等特別な配慮を必要とする人々に対する職業生活援助対策であります。 障害の重度化、多様化等困難の度を増している障害者の雇用問題に的確に対応するため、リハビリテーション体制を充実強化するなどの対策を推進することとしております。 また、男女の雇用機会均等の確保対策を進めるほか、育児休業制度や女子再雇用制度の普及促進等女子労働者の就業に関する援助対策を推進することといたしております。 一方、今後の経済社会の変化に的確に対応していくため、総合的調査研究体制の整備を図ることとしており、長年にわたって健全な労使関係の育成に貢献してきた日本労働協会についてその機能の見直しを内容とする法律案を今国会に提出しておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 このような労働行政の展開に加え、我が国の国際的地位にふさわしい技術協力、外国人労働者の受け入れ問題についての的確な対応、急速な技術革新・情報化の進展及び経済社会の変化に対応するための職業能力開発対策を推進するとともに、良好な労使関係の維持発展を図るための環境づくりに努めてまいります。 以上、所信の一端を申し述べさせていただきましたが、労働行政の展開に当たっては、国民の信頼を得ながら進めていくことが不可欠であります。近時労働行政をめぐり信頼を損なう事態が生じましたことはまことに残念でなりませんが、今後の行政運営を通じて信頼を回復すべく、私が先頭に立ち対処してまいる所存でありますので、委員長初め委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますように心からお願い申し上げます。
○委員長(前島英三郎君) 次に、近岡厚生政務次官及び宮島労働政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。近岡厚生政務次官。
○政府委員(近岡理一郎君) 厚生政務次官の近岡理一郎でございます。 厚生行政は多くの重要な課題を抱えておりますが、私は委員各位の御協力をいただいて、大臣を補佐し、高齢化社会にふさわしい安定した社会保障制度の確立を図ってまいる所存でございますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(前島英三郎君) 次に、宮島労働政務次官。
○政府委員(宮島滉君) 労働政務次官を再度拝命いたしました宮島滉でございます。 ただいま堀内労働大臣から申し上げましたように、今日の我が国経済社会の発展を支えてきたものは勤労者一人一人の努力であります。経済の構造調整、国際化、さらには社会の高齢化など大きな変化が進行しつつある今日、働く人たちの雇用の安定を図り、豊かな生活を実現するための労働行政は、その重要性を増すとともに、的確かつ迅速な対応が求められています。 私は、労働行政が国民生活の安定と向上に果たす役割の大きさにかんがみ、大臣とともに全力を挙げて積極的な行政の推進に取り組んでまいる所存であります。 委員長初め委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
○委員長(前島英三郎君) 御苦労さまでした。労働大臣、労働政務次官、御退席で結構でございます。 —————————————
○委員長(前島英三郎君) 次に、民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま議題となりました民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案につ いて、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国におきましては、急速な高齢化の進展、地域及び家庭を取り巻く環境の変化等に伴い、国民の老後に係る多様な保健サービス及び福祉サービスに対する需要が増大しております。 高齢化の進展等に伴うこのような国民の多様な需要にこたえ、老人が生きがいを持ち健康で安らかな生活を営むことができる地域社会を形成していくためには、公的保健福祉サービスの充実はもとより、民間事業者が公的保健福祉サービスとの連携のもとに保健サービス及び福祉サービスを総合的に提供する場合について、その促進を図っていくことが必要であります。 このため、民間事業者が地域においてこれらのサービスを総合的に提供する施設の整備を行う場合について、所要の支援措置を講ずることとし、この法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一に、この法律案において特定民間施設として整備の対象としておりますのは、公的保健福祉サービスとの連携のもとに地域において保健サービス及び福祉サービスを総合的に提供する一部の施設であって、民間事業者が整備するものであります。 第二に、厚生大臣は、特定民間施設の整備に関する基本的な事項等を定めた基本方針を策定するとともに、民間事業者が作成した特定民間施設の整備計画について、関係都道府県等の意見を聴取し基本方針に照らし認定を行うこととしております。 第三に、認定を受けた整備計画に従って特定民間施設の整備の事業を行う民間事業者に対し、課税の特例、事業の実施に必要な資金の確保等の支援措置を講ずることといたしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(前島英三郎君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本正和君 小泉厚生大臣には、大変難しい厚生行政、御苦労だと思いますが、ただいまお聞きしました所信につきましては後ほどまた伺うことといたしまして、本日はこの法案についてのみ御質問を申し上げます。 この法案が提出されまして、さまざまな議論が各界各層の中で行われているわけでありますが、この法案の中に国が基本計画を定める、こういうふうなことになっております。この基本計画ということについて若干の説明がしてあるわけですけれども、本当にお年寄りがそれぞれの町の中で暮らしていく、そういうことから考えた場合になかなかイメージが沸いてこない。いろいろな図面等も提示されておりますけれども、その部分をちょっと御説明をまずいただきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 今回の法案の基本計画というものでございますけれども、今回の法律で予定しております四つの機能を持った施設を総合的に整備するための基本的な枠組みというものは厚生大臣がまず定めまして、そしてそれを受けて各事業者に整備計画というものをつくっていただきまして、そしてその整備計画に対して厚生大臣がまた認定をする、こういう流れになっているわけでございます。 基本計画におきましては、これからの高齢化社会に対応するために、地域でできるだけ健康で生きがいを持って暮らせるようにということを期待いたしまして、四つの施設をどういうふうに総合的に整備していくべきかという基本的な方向を示そうということでございます。 なお、この法律では特定の地域でのそういう四つの機能を備えた施設の整備の促進ということになっておりますけれども、私どもの今の考え方といたしましては、全国各地でいろんな形で住みよい町づくり、特に高齢期の住みよい町づくりというものを進めていただきたいというふうに考えております。その面では今年度から新たな補助金を起こしまして、市町村あるいは都道府県でそれぞれしかるべき生きがいを持ち健康で過ごせるような町づくりについてのプランをつくっていただくようにということで、そのモデル的な機能として約二十カ所を選定いたしまして、それぞれの計画をつくってもらうというようなことをあわせ考えておりまして、そういう中で民間の役割を果たすべき施設の総合的な整備という分野を応援するための法案というのが今回の法案の位置づけになっているわけでございます。
○山本正和君 お年寄りの生きがいというふうな問題、さらには教養を高めていくとか、また社会的に貢献するとか、そういうふうなものも含めたような感じでこの施設整備についての考え方があるように思うのですが、人間は土に帰るといいましょうか、また土から生まれるといいましょうか、ですから、お年寄りの中でぼけ老人とか、大変いい言葉じゃありませんけれども、いろいろ言われております。そういうふうなことを含めて考えた場合、お年寄りが花づくりとか野菜づくりとか、そういうふうなことに携わられるということが健康の上からも、あるいは精神的な一つの安定からもいろいろ有効であるということを私は聞いておるわけでありますけれども、そういう園芸あるいは小農業といいましょうか、そんなようなことも含めて町づくりの構想は考えられるべきじゃないか。要するに、自然の中に親しめる、そしてまた働ける、場合によっては園芸等から得られる収入、そういうものも保証できる。そんなことまで含めてこれは考えていいのじゃないかというふうに思うのですけれども、その辺についてはどういうふうに考えていますか。
○政府委員(多田宏君) 菜園等で高齢者がその業務に携わることによって非常に生きがいも出、そして健康も保持されるという側面はおっしゃるとおりだろうと思います。マスタープランのようなところでそういう試みをできるだけ多く取り入れていくように我々も指導してまいりたいというふうに考えております。
○山本正和君 それから、社会的に大変な貢献をされた方々ばかりであるわけですから、その方々の持っておられる知識等も活用する。そういう意味からいいますと、例えば書道とか、あるいは生け花とかお茶とか、いろんなそういうお年寄りが持っておられる知識を地域の人に供給できるようなそういう寿大学といいましょうか、生涯教育の場としての施設も含めて考えていく、こういうことがあってもいいのじゃないかと思うのですけれども、そういうものについてそれはちょっと老人保健施設というものにはなじめないとか、あるいは老人ホームの形に合わないとかいうふうな形で排除されることのないようにと思うのですけれども、それはいかがですか。
○政府委員(多田宏君) お話しのような高齢者が学んだり豊かな経験能力を地域に還元していくというような機能につきましては、非常にこれからの高齢化社会では大事な機能だというふうに考えております。今回の法律案でも高齢者総合福祉センターというものを位置づけておりまして、こういう活動の中では、ぜひそういう活動も積極的に取り上げてもらいたいというふうに思っておるところでございます。また、これとは別に各市町村単位で老人大学等の活動がかなり活発に今行われつつあるところでございまして、こういったものもこれから積極的に育成を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山本正和君 それで、例えば東京都とか名古屋、大阪というふうな大都市では都市内に農地もあるわけです。ところが、それは農林省からいろんな形でもってその農地の問題については法律でさまざまな定めがあります。そういうことも含めまして、結局一厚生省でこういうお年寄りに対してのいい施設をつくろうと思っても、例えば道路 とかなんとかになりますと今度は建設省になっている。そういう意味で大変難しい要素がこれからも出てくるのではないかというふうに思います。 そこで、本来からいいますと、市町村がそれぞれその市町村なりの高齢者福祉対策といいましょうか、長寿社会対策といいましょうか、そういうふうなものが市町村ごとに定められなければいけないと思うのでありますけれども、となると省庁それぞれの持っている権限といいましょうか、そういうことと絡んでまいります。ところが国の段階で見てみますと、長寿社会対策関係閣僚会議というものができている。その辺の関連、これ非常に今から難しくなってくるわけでありますけれども、そういう各省庁間との調整あるいは今後の我が国の長寿社会対策、このことに関しましてひとつ厚生大臣、この種の問題でどうもまだこの関係閣僚会議が活発な動きがないようでございますが、そういう問題についてのひとつ大臣の御所見を伺いたい、こういうように思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 地方公共団体との協力はもちろんですが、関係省庁との緊密な連携、あるいは施策を総合的に進める上においてもぜひともそういう検討といいますか協力体制を整備していくのが大事だと思っております。
○山本正和君 これはぜひ大臣、お年寄りが今の社会の中で大変悲しい状況というのは、一生懸命働いてきて、あと生涯を終わろうとするというときに、大変世の中から捨てられたと言ったらおかしいのですけれども、そんなような感じで終わるということのないようにするというのがこれは国の大変重要な責任だろうというふうに思うわけですね。そういう意味で、ひとつ今後この種の問題についてのこれは国の方針といいましょうか、これが明確に国民の前に示されるように、この長寿社会対策関係閣僚会議はかくかくの議論をしたというふうな形で国民の皆さんにもはっきりわかるように今後ともお取り組みをぜひいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) そのようにしたいと思います。
○山本正和君 その次に御質問をしていきたいのは、民間活力について過去中曽根総理の時代になってからよく議論をされました。そこで、若干の疑問が出てきているのは、本来国が行うべきさまざまな施策を民間活力という名によって国の責任を免れるのじゃないか、こういうふうなことがよく懸念される重要な問題だというふうに言われているわけであります。私は、この法案はそういう趣旨じゃない、国の責任、公的な責任というものをきちんと明確に持っていながら、そして民間がこの種の問題を取り上げようという場合に国として一定の応援をしていこう、こういう趣旨だというふうに法案には書いてあるけれども、その辺の誤解がなかなか解けにくいわけです。 そこで、これは民間という中に株式会社、いわゆる営利法人といいましょうか、それもあれば公益法人も含めて民間とこう言っている。そして、あわせて今度は第三セクター、地方公共団体も含まれるところの事業団体、こういう形になっているわけですね。そうなりますと、これは民間団体に対してさまざまな応援をする、第三セクターに対して応援をする。また民間団体の中でも営利法人と公益法人とある。その場合、その辺の問題を含めてこれは一体、国が応援していく構え方ですね、例えば第三セクターに対してはどういう応援をするのか、あるいは民間に対してはどういう応援をするのか。その民間でも営利法人も公益法人もある、その場合はどうなのか。その辺の建前といいましょうか、振り分けの整理の問題についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) おっしゃるとおり、株式会社あるいは民間法人でも公益性の強いもの弱いものといろいろございますが、私どもといたしましては、できるだけ公益性の高いものを積極的に応援するという基本的な姿勢で臨んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○山本正和君 法案だけ見ておりますとその辺の区別が、第三セクターに対してはNTTの無利子融資というようなことがありますけれども、同じ民間という言葉で公益法人も営利法人も含めてあるような感じがいたしますから、その辺については今後十分検討されるということで承ってよろしゅうございますか。
○政府委員(多田宏君) NTTの融資につきましては、一つのNTT融資の方の論理といいますか枠といいますか、そういったものがございまして、それを積極的にここで利用してしっかりしたものをつくっていきたいという気持ちでございます。したがいまして、第三セクターというのを対象にして考えていくということになっておりますけれども、それ以外に財団法人等、公的融資その他で積極的な応援も続けていきたいというふうに思っているところでございます。
○山本正和君 NTTの無利子融資というのがこの法案の中で一番、第三セクターをつくった場合に、なるほどこれがあるんならばやろうかという意欲を持たせるものになっているというふうに思うのですね。 ちょっとここで具体的にお尋ねしますけれども、私は出身が三重県でございますが、三重県なら三重県で県あるいは津市、これは県庁所在地ですけれども、これが参加して第三セクターをつくった。そして津市の中で仮に三十億の事業を行う、こういたしますね。その場合には、具体的に言いますとNTTの無利子融資はどの程度期待できるのか、あるいはどれぐらいの償還期間というものが想定されるのか、この辺についてはどうですか。
○政府委員(多田宏君) CタイプのNTT無利子融資というのが行われることになりまして、融資率は地域によって異なるわけですが、津市を仮に例にとりますと建設費の五〇%以内ということになっております。したがって、建設費が三十億とか四十億とかいうことだろうと思いますが、三十億と仮定いたしますと十五億円まで融資が受けられる、こういうことになっております。また、返済期間につきましては十五年以内ということで、うち三年以内の据置期間が認められる、こういうことになっております。
○山本正和君 第三セクターについては大変そういう積極的な応援ができるわけでありますが、あわせて公益法人に対しても今後は、この法案でもまだできていませんけれども、本当に公益性の強い法人については今後検討を加えていく、こういうことで承ってよろしゅうございますか。
○政府委員(多田宏君) 手法について今具体的にこれでこういうふうに変えていくということを持っているわけではございませんけれども、基本的に公益性の高いものにはできるだけ手厚く応援をしていくという気持ちでいろんな政策を考えていきたいというふうに思っております。
○山本正和君 これは老人ホームといってもピンからキリまでありまして、本当にボランティアの気持ちで個人がおやりになっているところもあれば、企業の大変裕福なお年寄り向けの、大変庶民から見て、ああこれは本当に夢みたいな暮らしだなというふうな格好での老人ホームまでいろいろあるわけですね。ですから一番大切なのは、なかなかそんなに夢のような生活はできないけれども、老後をゆっくり暮らしていきたい、こう思っているその階層、それに対して公益法人がこういうことをやっていこうという場合には当然違いがあっていいというふうに私は思うのですね。ただ、この法案の中ではそれが一緒になっている、いろいろ応援する場合ですね。したがって、今後はひとつそれについては検討していく。一応これはこの法案でもってスタートするけれども、今後は公益性の高いものについては検討を加えていく、こういうことをひとつ承っておきたいのですが、大臣その辺はいかがでございますか。
○政府委員(多田宏君) できるだけその方向でいろいろ知恵を出してまいりたいと考えております。
○山本正和君 ぜひひとつそういう取り組みをしていただきたいと思います。 それから次に、現在厚生団あるいは郵政省が所 管しておりますいわゆる保険事業の中で老人ホームがつくられておりますが、これは現在どういうふうな状況になっておりますか。これは郵政省の方も来ていただいていると思いますけれども、その辺ちょっと御報告願いたいと思います。
○説明員(鹿島威男君) 御説明申し上げます。 郵政省の簡易保険郵便年金事業におきましては、加入者の方々の福祉の増進を図るという見地から、簡易保険郵便年金福祉事業団を通じまして御指摘の加入者ホームあるいはそのほか保養センター、レクリエーションセンター、診療所等を設置運営してきておりまして、御指摘の加入者ホームは現在全国で十三カ所設置されております。この加入者ホームにつきましては、昭和四十三年度に香川県の観音寺に設置して以降は、その後の国民のレジャーに対する志向あるいはレクリエーションに対する志向の高まり、そこら辺を踏まえまして、さらには一方では簡易保険事業からの出資金、交付金が必要なわけでございまして、そこら辺の制約も踏まえまして、保養センターでありますとかレクリエーションセンターでありますとか、そういうものを中心に設置してまいりました。 しかしながら、近年におきます急速な人口の高齢化という状況に対応するために、都市部の近郊にございまして地域社会との交流を保ちながら老後生活を過ごせる終身利用型の新しい加入者ホームをパイロットプランとして一カ所設置したいということで既に建設用地も取得済みでございまして、現在その施設の内容、機能等について検討しているところでございます。
○政府委員(土井豊君) 厚生年金の老人ホームでございますけれども、福祉施設事業の一環として現在全国で二十六カ所、定員は千四百十九人、その規模でもって設置をいたしております。なお、入居状況は約九割の千二百七十八人という状況でございます。利用料金につきましては、施設の性格上低廉な料金設定ということでやっておりますので、七割強の十九施設が赤字の運営の状況に至っているということでございます。なお、これにつきましては厚生団が他の施設の黒字部分で赤字を埋めている、そのような運営をやっておるところでございます。
○山本正和君 実は厚生団の老人ホームもそれから郵便年金加入者ホームも、本来からいいますとこれが充実発展していくということがあってしかるべきだろう、こう思うのですね。ですから、今度の法案の中にある町づくりの中で、そして国が基本方針を定めてやっていくということになりますと、本当はこういうものも含めた格好でやっていかなきゃいけない。となりますと、厚生年金の老人ホームにしてもあるいは簡易保険郵便年金加入者ホームにしても、一層拡充していただきたい、こんなことを私は思うのですが、この法案によって高齢者対策を立てていこうとする中で、その両者とも一緒になってその構想の中で今後十分充実強化していきたい、それぞれ関係機関はそういうお気持ちを持ってほしいと思うのですけれども、その点についてはいかがでございますか。
○説明員(鹿島威男君) 簡易保険郵便年金の加入者ホームにつきましては、先ほど御説明いたしましたように新しい形の加入者ホームをパイロットプランとして一カ所設置していきたいと考えております。これらの施設の今後の構想につきましては、加入者の皆様のニーズの動向でありますとか、あるいは今回新設するものにおきます介護等の運営のノーハウ、そこら辺を蓄積してまいりまして、また事業経営上に与える影響等も十分見きわめながら検討してまいりたいと考えております。 ただ、この法案との関係で申しますと、この法案の対象になっております民間事業者というものにつきましては、簡易保険郵便年金福祉事業団は特殊法人、特別の法律に基づいて設立されたものでございますので対象にはならないというふうに考えておりますが、私どもは私どもの行政の中でここら辺の整備を図っていかなければならないと考えております。
○政府委員(土井豊君) 先ほど申しましたように、経営状況、あるいは一度入りますとかなり長期に入所を続けられるというような実態から、従来のままの形の老人ホームというのはなかなかつくりにくいのではないか。しかしながら、御案内のとおりの本格的な高齢化社会の到来を迎えまして、新しく介護機能でありますとかあるいは地域住民へのサービス、そういった機能を備えました新しいタイプのものにつきまして私どもも今後検討すべき重要な分野である、そのように認識しているところでございます。
○山本正和君 町づくりの中で民間の老人ホームもある、しかしこの簡易保険の老人ホームもその中にはある、あるいは厚生団のあれもある、さまざまな形のものがあるというのが私はいいのじゃないかというふうなことも思うのですね。ですから、そういうものを含めて今後はぜひ連絡提携をしながら、要するに高齢者対策という意味では重要な役割を郵便保険の方も厚生団の方もやっているわけですから、そういうような意味での連絡提携をひとつ今後していただくようにこれは要望をしておきたいと思います。 それからその次に、これは大蔵省も来ていただいたと思うのですが、私がお聞きしたいのは、税についてもこの法案の中ではいろんなことが触れられているわけですね。従来、大蔵省は特別措置という形でもって税に対するさまざまな対応をしておられます。ところが、老人ホームという問題、これはもちろん大変立派な、また資産も随分おありになる方の老人ホームと、それから社会福祉という観点からつくられる老人ホームというものとは違ってくるというふうに思うのですね。そういう意味で、税の方はこの種の老人ホームに対してどういう考え方に立っておられるのか、この辺ちょっと大蔵省から見解を承りたいと思います。
○説明員(大武健一郎君) 老人ホームにつきましても、公益法人が行うのかそれ以外の普通法人が行うのかという考え方で整理をしております。 といいますのは、公益法人につきましては法人税は御存じのとおり原則は非課税でございます。しかしながら、一定の収益事業を営む場合に限りましては、そこから生ずる所得に対して法人税を負担していただくという形になっております。この収益事業についての課税については、いわゆる民間が行っております事業と競合するようなものという考え方でできておりまして、まさに先生が言われますとおり、老人ホームについても公益法人がやる場合と一般の民間法人がやる場合とあるものでございますから、そのような競合する事業については一定の法人税を負担いただくということになっているわけでございます。 なお、そのような場合につきましても、公益法人が営むそういう有料老人ホーム等の収益事業については通常の税率よりは低い二七%、普通法人が今度の改正で四〇%、さらに三七・五にまでは下がりますけれども、それよりは一〇%以上低い二七%という税率を適用しているところでございます。
○山本正和君 例えば最近は鉄道会社とかさまざまな株式会社が老人ホーム等についても着手しようとしている。これは当然収益事業ですから通常の率でいいと思うのですね。ところが、例えば財団法人という形で認可を受けた退職者を中心としたところの退職者の老後といいましょうか、その福祉を目的としたところの法人というものがある。あるいはその法人が公益事業等いろいろ営んでいるその一環として仮に老人ホームをつくったと、こういう場合はこれは収益事業ではないというふうに判断できると思うのです。その辺はどうですか。
○説明員(大武健一郎君) 公益法人につきましても、まさにその営む事業ごとの性格で判断さしていただいております。したがいまして、退職者の方々がやっておられる例えば互助会のようなものでも、それが大変公益的性格が強いということで公益法人になっているような場合には、その公益的な事業については当然先ほど申し上げたようにいわゆる非課税でございますが、しかしそれが行 っている事業によって、例えば民間がやっている事業と競合するような事業はやはり課税せざるを得ない、収益事業として課税せざるを得ないということになっております。
○山本正和君 民間がやる老人ホームと要するに老人福祉のためにできている公益法人、これはなるほど同じ老人ホームであるといってもそこは違うわけですよね。それについては明確な区別をしていくんだ、これでよろしいですね。
○説明員(大武健一郎君) もう一度申し上げておきますが、公益法人がおやりになる例えば有料老人ホームというような収益事業は他のいわゆる民間がやっています老人ホームよりは低い税率が適用されているところでございます。
○山本正和君 これはちょっとまた大蔵委員会か予算委員会で議論せねばいかぬと思うのですが、本来老人福祉を目的とした法人が仮に設立されたと、その場合に行う事業というのは、これはもうそんな単なる軽減じゃなしに、もっと国としていろんなことをすべきだとこう思いますから、これはまたひとつ予算委員会等で大蔵省の見解をただしていきたいと思います。 それから、もう私の時間が余りないんですが、最後に一点だけお聞きしておきたいのは、寝たきり老人あるいは痴呆性老人、こういう方々の将来推計、これをやっておられると思うのですけれども、ちょっとその辺伺っておきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 寝たきり老人の推計でございますが、現在約六十万人というふうに推計いたしております。今後の予測でございますが、平成十二年には約百万人程度に増大するのではないか。 痴呆性老人の数でございますが、在宅でおられる方々が大体六十万人というふうに推計しております。こちらも人口の高齢化の進展に伴いまして平成十二年には約百十万人程度ではないかというふうに推計をいたしておるところでございます。
○山本正和君 そういう方々の介護をする場合に、これは大変な、マンパワーという言葉が適当かどうかわかりませんけれども、保証されなきゃいけないというふうに思うんですね。そんなことについて、これは大変難しいことだと思うのですけれども、そのマンパワーの確保については一体どういうふうなことを考えておられるのか、この辺ちょっと伺っておきたい。
○政府委員(多田宏君) 今のところ、家庭奉仕員につきましては平成十二年度に五万人にするという目標で進んでおります。平成元年度につきましては二万七千人から四千三百人増を図りまして三万一千人、これ予算の数字でございますが、そういう増員を行うことといたしておりまして、その際に家庭奉仕員の手当額、これにつきましては、介護用の家庭奉仕員という方々につきましては大幅に手当額を引き上げるというような形で処遇の改善を図っておるところでございます。また、国の補助率を三分の一から二分の一に上げるというようなことを行いまして、自治体が積極的に家庭奉仕員の確保に努めやすくするというようなことをやっておるところでございます。 全体の数ということになりますと、いろいろな分野との競合関係も当然出てくるわけでございまして、これからなかなか難しい局面が多々出てくると思います。その推移を見つつ、できるだけこの確保に努めていくという考え方でございます。
○山本正和君 最後に一つ。 この問題は大変難しいかと思うのですけれども、スウェーデン等の福祉国家を見ていきますと、本当にお年寄りに対して手厚いそういう人間の確保がされております、しかしそれでもまだ不十分だというような話があるんですけれども。 私は、本来日本の国で生まれて、生きて、そして働いて、日本の国のためにいろいろな大変な御苦労をされたお年寄りに対して、これは国が本来責任を持つべきである。しかし、国のその責任を持つ分野を民間が事業としてもある程度応援していく、こういう形で今度の法案がつくられていくということでなければ、大変その辺を心配するわけです。何か国がもう社会福祉というものについては政策を大きく転換したのではないだろうかと、こんな誤解を受けるような法案であってはならないと思いますから、そういう今後の、お年寄りに対して将来はこうなりますよというふうなイメージをきちんと出していただくように、これは特に厚生大臣、大変新鮮な感覚で大臣御就任だというふうに思いますから、その辺の高齢化社会に対する対応というものを抜本的にきちっと国の責任はこうなんだということを押さえて、何か過去三、四年の間に民間活力民間活力、自助努力自助努力というようなことが言われてお年寄りが冷たい感じを持っている、こういうことのないように今後ひとつぜひ御努力をいただきたい。これを最後に要望しておきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺四郎君 冒頭に、風邪を引いておりますから大変聞きにくいところがあると思いますが、お許し願いたいと思います。 まず、お聞きをしていきたいと思うのですが、確かに今高齢化社会に向けての問題で厚生省が核になって進めておるとは思うのですけれども、少し意見を申し上げて、最後に御見解をお聞きしたいと思うのです。 確かに急テンポで進む高齢化社会に向けて、例えば政府部内でも総務庁の老人対策室を初め、内閣内にも長寿社会対策関係閣僚会議が設置をされておる。ところが、老人対策室が全省庁の高齢化社会対策予算をここに集約をしておりますが、これを見ただけでも、十省と三庁部分がこの老人対策室がまとめた平成元年度の予算になっておる。建設省、警察庁あるいは文部省、厚生省、労働省とたくさんあるわけです。あるいは幾つかの答申なんかも出ております。例えば六十一年の四月に出されました「地域社会、まちづくりに関する報告書」、これは高齢者対策企画推進本部が提起しておる。厚生省の政策ビジョン研究会が六十三年の一月にまたこれも問題を提起しておる。あるいは「世界とともに生きる日本 経済運営五カ年計画」の中でも、六十三年の五月にやはり長寿社会に向けての問題を含めていろいろ提起をしておるわけです。 私がお聞きをしたいのは、そういうふうにばらばらとは言いませんが、行政の縦割りでそれぞれ各省が長寿社会に向けて進めていこうという事業計画が出されておる。例えば、建設省はこういうところに遊歩道をつくろうあるいは公園をつくろう、あるいは労働省はこういうところに何か老人中心の施設をつくろうというようなこと。ですから、一つの考え方としてこれは私の考え方を提起してお尋ねしたいわけですが、市町村のマスタープランですね。地域保健福祉計画は単に高齢者の健康と福祉に関するものだけに限らずに、現在各省庁で先ほど言いましたようにそれぞれ事業が計画をされて実施をされようとしておる。ですから、ここでやはり福祉事業全体を総点検して、そして福祉事業の定義を明確にすべきではないか。 いろいろ答申なんかを読ませていただきますと、あるいは意見なんかを読ませていただきますと、どうも福祉に対する定義がそれぞれ各省庁間でニュアンスの違いがあるような気がするのです。ですから私は、やはり福祉に対する定義を明確にする、その中から若者も地方に定着をするような、例えばこれは仮称ですけれども、地域長寿社会対策計画、こういうマスタープランを市町村が中心になってつくらせる、あるいはそういうことの位置づけを市町村にさせていく。つまり、先ほど言いましたように、国の縦割り行政を市町村で統合するといいますか、そういう意味でのマスタープランを持つべきではないかと思うのです。その核に先ほど言いましたように厚生省が座っていただく。 竹下総理が出しましたふるさと創生論、各自治体に一億円ずつばらまきました。私らもいろいろ各自治体の首長に会いましたけれども、何に使っていいかわからない。ですから、ああいう財源があるならば厚生大臣が全部もらって、厚生省が予算を握って、そして国全体の政策、最重要政策ですから、そういうものにやはり持っていくべきで はないか。しかしもう遅きに失したわけですが、しかし僕は、これから後もぜひそういう立場で重点的に予算を厚生省がまとめる、そして一元化のもとに長寿社会対策を進めていくべきではないかというふうに思うわけです。 その中では、先ほど本法案に出ておりますように、第三セクター方式の問題等もあります。ところが、これは高齢化社会が進んでおる自治体ほど地方財政が厳しいわけです。そうしますと、第三セクターでやりますと当然各自治体の負担持ち出し部分もあるわけです。そうしますと、国から借りておる公債費率というのはもうぎりぎりに来ておる。これを超せば再建団体に落ち込むんじゃないかというような状態の自治体ほど高齢化社会が進行しておるわけです。だから、そういう点まで含めまして、先ほど申し上げましたように、私はやはり国の一元化の中で、そしてふるさと創生論ではありませんが、ああいう財源を使って進めるべきではないかという意見を持っておりますが、これについてのひとつ厚生省の方のお考え方を聞きたいと思うのです。
○政府委員(多田宏君) 先生おっしゃるように、確かにこれからの高齢化社会を迎えるに当たって生活の場というものを考えると、あらゆる行政が極端に言うとそれにかかわってくるという性格もあろうかというふうに思います。したがって、政府全体といたしましても、長寿社会に対する取り組みというのは、閣僚会議もございますし対策大綱もあるというようなことで、なるたけ調整を図って進めようということで、鋭意努力をしておるところでございます。 大きな方針につきましてはそのあたりでの調整になろうと思いますが、個別、具体的な地域での例えば調整問題といったような問題につきましては、個別の省庁間でやはり個別に鋭意御相談をしながらやっていくということになるだろうと思います。現に、今回のこの法案をまとめますときにも、かなりの省庁で、我々の方もこういうところにはこういう協力あるいは相談、一緒に進めるというようなことができるのではないかというような積極的な御提言もいただいておりまして、そういうところと十分連携をとりながら今後進めるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺四郎君 福祉関係の三審議会の合同企画分科会の意見具申の「社会福祉見直しの具体的方策」の中でも、市町村の役割重視ということが叫ばれておるわけです。先ほども申し上げましたが、国の高齢化対策関係施策を市町村において統合化して、なおかつ地域独自性を持たせるというようなことで、さっき申し上げましたような例えば地域対策基本計画なんかを策定して、これに対してひとつ国が積極的に助成、援助をする、こういうふうなことで進めるべきではないかというふうに私は実は思っておるわけです。 例えば私が申し上げたい独自性の中に、先ほど山本先生からちょっと質問がありましたが、マンパワーの問題だって、六十万から百万と寝たきり老人あるいは痴呆性老人がふえていくだろう。二つ合わせますと二百万人以上に平成十二年にはなるという厚生省の見通しがあるわけです。そういう中で、いわゆる介護する人たちの人員というのは非常に少ない。ということであれば、独自性の中に、例えば市町村立の中学校で、授業の中で生徒がお年寄りと一緒になって、いわゆるマンパワー等の実践教育を取り入れていったらどうか。自分の家庭内に一緒にお年寄りと住んでおって、一定の介護ができるような教育を中学校の中から仕組んでいったらどうか。そういう独自性を出そうとすれば、文部省との壁があるわけです。 ですから、私が大臣にぜひひとつお願いをし、御決意をお聞きしたいのは、せっかく長寿社会関係対策の閣僚会議が発足をしておりますから、ぜひひとつ厚生大臣の方から、前段から申し上げてまいりましたような私の趣旨を十分御検討いただいて、独自性が生かされるような、そして財源措置も厚生省が中心になって集約をして充てていく。そういうことで、ひとつこの会議の中で大臣が発議をして、ぜひ閣僚会議の合意をとるような努力をしていただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今年度の予算におきましても、ボランティア活動、特に若い学生、中学、高校等、お年寄りとやっぱりじかに触れていただくということで、大幅にボランティア校の指定、予算をふやしたわけです。 ですから、教育の方も大事ですけれども、やはりお年寄りと若い人たちが一緒に触れ合う。そういうことによってお年寄りもひとつの若いエネルギーといいますか活力を吸収していく。若い人もお年寄りと実際に触れ合ってみて、お年寄りの痛みなり、福祉活動の重要性というものを理解していただく。そういう場というのはこれからますます重要になっていくのじゃないか。できるだけ老いも若きもお互いが触れ合うことができるような、そういう地域づくりも今後必要ではないか。また、そういう施策の拡充に際しては、地域の実情を見ながら、厚生省としても関連省庁との緊密な連携をとっていくことが大事ではないかと思っております。
○渡辺四郎君 ぜひひとつ関係閣僚会議の中でも、大臣の力を大いに発揮をしていただきたいとお願いをしておきたいと思うのです。 私は、以下この法案についての幾つかの私自身の疑問といいますか、どうしてもお聞きしたいというものがあるものですから、お聞きしていきたいと思うのです。 まず、老人福祉法の基本理念です。これはこういうふうに書いてありますが、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」とあるわけです。「健全で安らかな生活を保障されるものとする」、これが老人福祉法の基本理念なんです。 そこで、この法案で対象となる有料老人ホームは、従来は国の規制もなく、援助もなく、民間の事業としてされてきた。そのこと自体について、いろいろと以前からもこの基本理念問題を含めて我が党は意見を申し上げてきたわけですが、その間やっぱり民間事業の中に御承知のとおり大変不幸な事件がたくさん起きた。例えば豊田商事事件を初め、あるいは経営者が倒産をして夜逃げをする、残ったのはお年寄りやらあるいは犠牲を受けるのはその家族だと、こういうのが従来幾つも残念なことですが事実としてあったわけです。 そういう中で、今度の法案で新たに、これは初めてですが、民間事業に対して公的資金の低利融資や、あるいは税制面の優遇措置を行って育成をしようとしておる。その必要性といいますか、その意義といいますか、そこらを少し基本的な問題ですがお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 今後の高齢化社会に向けて各種のサービスが生活を豊かにしていくために必要になっていくということは当然のことでございますが、その中で公的に整備すべきサービスというものと、それからそれを超えていわば個人の需要といいますか、多様なニード、そういうものに即応していくような格好で個々に提供されていくことが望ましいようなサービスというようなものと、両面あるというふうに考えております。 公的サービスというものは、どうしても公正あるいは公平ということを非常に重視せざるを得ない部分があることはこれは否めないところでございまして、そういうことからやや画一的になりがちな側面を持たざるを得ない。あるいは手続関係についてもどうしてもかなり公正を担保するための複雑な手続というものがある程度はこれやむを得ないというような側面がございます。したがって、本当に切実なニード、しかも民間ではとても提供されていくことが期待できないような、そういう切実なニードについては、これはもう公的な主体が責任を持って提供していくということは当然必要なことでございまして、我々としてもまさにそこはしっかりと進めていきたいというふうに考えているわけでございますが、それを超える多様なニードといったようなものについては、民間 の力も大いにそこに活用していくということが適当ではないかというふうに考えているところでございます。
○渡辺四郎君 確かにたくさんのニーズの違いがあるから、公的サービス以上のニーズを要求する部分についてはこういう事業でやっていくんだと。確かにこのシステムも本人と事業者との契約になっておるというようなことについては理解ができるわけですが、お聞きをしたいのは費用負担のできない人ですね。いわゆる公的サービスというふうに言われておりますけれども、そういう人たちについて、また例えばシルバーサービスを押しつけるとか、そういうことはないと思うのです。問題は、費用負担のできない方々について今後一体どういうふうに考えておるのか。特にやっぱり有料老人ホームなんかに入れない方です。こういう方たちについてどういうふうな考え方を持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 例えば有料老人ホームに匹敵する公的な制度といいますか、そういうものといたしましては軽費老人ホームあるいは養護老人ホームといったような、あるいは介護を要する場合であれば特別養護老人ホームといったような制度がそれぞれ用意されておりまして、そういう制度をしかるべく整備しながら、有料老人ホームの利用ができない方々については対応していくべきだというふうに考えておるところでございます。
○渡辺四郎君 私先ほど老人福祉法の基本理念を少し申し上げましたけれども、確かに老人介護や老人ホーム等はもともと公的サービスでやってきた。であれば、冒頭に返るわけですけれども、私はやっぱり総合的な計画をするという中での問題として、やはり高齢化社会に向けての公的責任でどこまでやりますよ、例えば増設とかあるいは増員計画とかという計画が先にあって、その上に補完する部分として今度みたいなこういう事業を新たに発足をしますというんであれば実は理解ができるわけですけれども、今老人福祉サービス関係において公私の役割分担というか公私の比率というのは大体五対五ぐらいになっておる。ですから、公私の役割分担についてどのような考え方を持っておるのかということも基本的な問題としてお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 基本的な考え方といたしましては、国民生活を送る上で切実な需要にこたえる真に必要なサービスについては公的施策で推進をしていく、高齢者がその選択により求める多様な需要に対しては民間事業者によるサービスを健全に育成するという方向で対応していくという基本的な考え方でございます。
○渡辺四郎君 それでは、ここにいただいております資料があるわけですが、「老後に係る公的保健福祉サービス推進計画」というのがあるわけです。この目標では、例えば特老関係なんかについては現在十三万五千床ある。これを目標としては二十四万床に持っていくんだと。そのほかたくさんの計画が出されておりますが、この冒頭にもありますが、「老人福祉法、老人保健法等に基づき、公的に推進する保健福祉サービスについては、次のような具体的な目標を掲げて、全国的に、計画的かつ総合的に推進することとしている。」と、こう出ておりますね。ですから、私が先ほど申し上げたのは、これが先であって、なおかつ補完をする部分として今度の新しい法律案が出ておりますように、金を持った方たちのニーズに対応するためにこういう法律をつくってやるんですというのが筋ではないかというふうに実は思ったわけです。 今お話を聞きましたけれども、これを見てみますと、平成元年度まではそれぞれ予算から数字が出ておるわけですね。ところが、やっぱり少なくとも今一番国策の中でも最重要視しなければいけないこれから先の高齢化社会に向けての問題として、せめて私は当面の問題とそれから長期展望の問題ということで、五年ぐらいはこのくらいずつふやしていきますよ、予算としてはこのくらい財源が必要ですよというようなことを示すべきではないかと思うのですが、あればひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 将来の目標を示して、これへ向けて全力を挙げていこうということを自治体にも呼びかけておるという状況でございまして、自治体の受け入れ能力等も早期に充実を図ってもらうようにはいたしておりますけれども、これまでいかんせん在宅サービスについてはかなり手薄であったというような状況もございますので、その受け入れ能力等も整備しながらそして整備をしていかなければいけないという側面もございまして、具体的に各年次の数字を固めてお示しをしながらということまでは今のところ考えておりませんで、大きな方向を示して、それに向かって国の方はできるだけ順調なテンポで進めるぞということをお示ししている、こんな状態でございます。当面はそういうことで進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○渡辺四郎君 そこらが結局、例えば平成十二年までに痴呆性老人が百二十万人になる、寝たきり老人が百万人ぐらいに増大するであろう、そういう見通しを立てて、先ほど言いましたようにこういう将来目標数値が出たと思うのです。そうすれば年次ごとに進んでいくわけですから、私はやはり年次ごとぐらいの計画は策定をして、そしてそのための財源はやはり大蔵に迫っていくという姿勢がなければ、財源が厳しいからといってどどっと削られれば老人福祉そのものが全部民間に行ってしまいはしないか、そういう懸念があるわけです。ですから、少なくとも当面五年間はこういう計画で進みますよ、そのための財源は厚生省としてはこういうふうに必要と思っておりますと、そういう部分をぜひひとつお示しを願いたいと思うんですね。今おっしゃったように、なければぜひひとつこれは御検討願って、もう間もなく予算要求も始まるわけですから、お願いをしたいと思うのです。 そこで、先ほど若干申し上げましたが、私が懸念する一つの中で、現在でも老人福祉サービスの公私の比率が五対五ぐらいになっておる。こういうことでやっていけばだんだんと公的サービスは後退をして縮小していくのではないか。言葉が大変失礼ですが、福祉の民営化とかあるいは営利主義化へ歯どめがかからないようになってくるのではないか。だから、見方によっては今度の法案でこれは福祉の産業化に進んでいくのじゃないか、あるいは拍車をかけるのではないかという言い方をする学者もおるわけです。 だから、ぜひひとつここでお聞きをしておきたいのは、その歯どめについてはどういうふうに考えているのか。いわゆる福祉の営利主義化とかあるいは福祉の産業化について、そうはさせないという歯どめについてひとつ御見解をお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(多田宏君) 先ほど申し上げましたように、切実なニードで民間にゆだねることもできない部分というのはこれは厳然として存在し、そしてそれがどんどん膨らんでいくことも間違いないということでございまして、私どもとしては、それはそれで懸命に努力して拡大をしていく、整備をしていくということを考えているわけでございます。在宅三本柱と称しておりますけれども、これらの整備もこれから急速に進めるということをはっきり出して進んでいるところでございます。 したがって、これらが急にへこんでいくというようなことは、私ども全く想定していないところでございまして、それと同時に、民間がそういう多様なニードについてサービスを提供していくということを適正に進めていくこともあわせて我々も指導していきたいという考え方で進んでいるところでございますので、歯どめということよりも、むしろそれはそれで我々としては断固としてやるという気持ちで進んでいるところでございます。
○渡辺四郎君 かたい決意をお聞きいたしました。 そこで、私が先ほどちょっと申し上げましたけ れども、市町村のマスタープランに基づくもので今度の法律案でいけば、事業者がたとえ民間の株式会社であっても、そこの福祉サービスであっても、いわゆる第三セクター内で公的な低利の融資やあるいは税制面での優遇措置があるということになれば、これはやはり公的サービスとして位置づけるべきではないか。だとすれば、それに対する公的なあるいは民主的なコントロールを徹底しなければならないと思うのです。そういう点については厚生省はどういう方針で臨むのか、態度をひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 今回の認定事業と称しておりますが、これにつきましては、広い意味での公共性を確保されるというような見地から、厚生大臣認定に当たりましては関係地方団体の意見を聞くということと、それから基本方針に基づいてその内容を十分審査するということを考えております。また、認定後の事業実施の適正を期するという趣旨からは、国及び地方公共団体は事業実施に関して必要な指導助言を行う、また事業の実施状況について報告を聴取し、必要があれば改善命令も下すというようなことで考えておりまして、こういったことで適正な運営を図ってもらうようにしていきたいと考えております。
○渡辺四郎君 関連する内容で、六十一年の一月に内閣総理大臣官房広報室が行った老人福祉サービスに関する世論調査の「民間老人福祉サービスについての要望」の回答結果が出ております。これを見てみますと、私はやはり公的サービスのアセスメントシステムが必要だ、この回答の結果からもそういうものが必要だというふうに実は感ずるわけです。 ですから、従来からありましたように、利用者の皆さんから行政やらあるいは開設者に対する批判がたくさんありましたね。福祉というのはしてやっておるんだというような態度の開設者なりあるいは行政官がおるというような批判もありました。ですから、やはりそういう批判をなくするためにも、例えば一つの案ですが、市区町村単位ぐらいに各種の老人福祉サービス事業者を中心とした老人福祉サービス協議会を厚生省の指導のもとに自治体と協議をして設けていったらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 自治体の行っておられますサービスにつきましては、その運営の適正化ということは、原則的には私は市町村議会なり県議会なりそういったところの議会がそれを監視、コントロールしているというようなシステムに一応はなっているのではないかというふうには思っておりますが、もっと直接的ないろいろな考え方もそれはあり得ることは否定いたしませんで、どういう手法を使っていくかということについては、各自治体あるいは各地域の実情といったようなものによって形態はいろいろであろうというふうに考えております。 したがって、先生の御提案のようなものも一つの考え方かもしれませんけれども、それを全部やれというようなことで国から申し上げるというようなことは私は今のところ考えておらないところでございます。
○渡辺四郎君 自治体とか自治体の議会とか、それは例えば公的の直営部分であればあれですが、第三セクターであれば二五%以上の出資がなければ議会の介入はできないわけでしょう。今度の法案でも、これに対して各自治体で二五%以上出して対応しようというような自治体は余りないんですよ、先ほど言いましたように金がないから。ですから、第三セクターで融資を受けなきゃいけない。私もあるところへ調査に行きました。そこなんかは自治体としては一〇%程度を考えておる。すると議会の関与はできないわけですね。 ですから、そういう部分を含めて、確かに厚生省全体がこういうふうにしなさいという命令は出すことはできないでしょうけれども、ぜひひとつ行政の指導面としてそういうのをつくったらどうかという気がしてならないわけです。であれば、今度の法律案でできます公的資金の低利融資やらあるいは税制面の優遇措置を受ける事業であるから、まずモデル的にこの事業から実施したらどうかと思うのです。利用者によるサービス評価システム、そういうものを取り入れていって運営すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 事業を行うに当たって利用者の声というものを常に十分配慮しながら運営をしていかなければいけないということについては、全くそのとおりであろうと思います。その意見、利用者の声を聞くやり方というものについては、これはやはりその事業体あるいはその地域の実情といったようなものに即して考えられるべきものだというふうに考えておりますので、特定の方式をということではなく、基本的な姿勢としてよく利用者の意見を聞くようにという方向での指導は十分してまいりたいと思っております。
○渡辺四郎君 ですから私が言ったのは、こういう方式でやりなさいということでなくて、こういうことをやったらどうだという見解を聞いたわけです。 前の国会で社会福祉・医療事業団法の一部改正の中の附帯決議の中でも、私らがやっぱり一番懸念しておるのは、先ほど言いましたように福祉の産業化という方向が進んでいくんじゃないか、そうすれば自治体がどうこれに関与していくのか、あるいはチェック機能を持っていくのかというような問題等がありましたが、前のこの附帯決議の中でも、シルバーサービスについて「福祉を第一義として、良質なサービスが提供されるよう、」国、地方は「民間事業者を指導すること。」、こういうふうに実は決議をされておりますね。ですから、私はこの附帯決議の趣旨を生かしてぜひ一歩前進するために、今度のこの法案についてはモデルケースとしてでも何かのそういうシステムをつくって、利用者なり自治体なり、もちろん事業者の方も入るわけですから、そういう中で民主的な運営がされるようなそういうシステムを、あるいは利用者の声が反映されるようなシステムをぜひひとつモデルケースとして考えてもらいたいと思います。もう一回ひとつ御見解を聞きたいと思うのです。
○政府委員(多田宏君) 利用者の声というものを十分聞ける体制というものについてはぜひ考えるようにという指導はしっかりしていきたいと考えております。
○渡辺四郎君 それでは、民間事業者による在宅介護サービス等について、特にガイドライン問題について少しお尋ねをしたいと思うのです。 いただきましたこの在宅介護サービスガイドラインを見せていただきましたが、これをずっと読ましてもらいますと、手続に基づいて事業者の方から事業計画が出てくる、そういう中で審査をやるわけですが、そういう中に例えば職員の配置はこうしております、あるいは職員の研修もこういうふうに考えております、あるいは衛生管理面もこういうふうにガイドラインに書かれたとおりのことを提起するといいますか、何か事業者に向けてのガイドラインだけであって、利用者とかあるいは行政としてはここだけは最低チェックをしなきゃいけないとかいう部分がどうも抜けておるような気がしてならないわけです。 ですから、ここにありますように職員の配置についてはこういうふうにしなさいということで、保健婦または看護婦、ソーシャルワーカーとかあるいはヘルパーとか、こういうことはぜひ配置をしなさいというふうになっておるわけです。職員の研修なんかについても、研修する主体は事業者です。事業者の中でそういう技術職の方がもちろん職員の中におらなきゃいけないというふうになっておりますけれども、そういう部分については私はやっぱり公的な機関で、例えば保健所関係の職員が出向いていって、そして最低ここまではというようなことを研修会ではやるべきではないか。どうしても事業者はやっぱり採算が頭にあるわけですから、そんなにまでしょったら採算が合わなくなる、あるいは料金を上げなきゃいけないというようなことになるものですから、だからそこだけをひとつ公的な部分で指導する、あるいは 研修をするという必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 研修につきましては、事業者が直接に自分の職員を研修させるというだけではおかしいではないかというようなお気持ちかと思います。 この研修の仕方についてはいろんな研修の仕方があると思います。公的に行政の方が行って研修を施すというような形は必ずしも想定しておりませんけれども、例えば、社会福祉・医療事業団が各種の研修事業をやるというようなところに積極的に参加させるとかいうような、いろいろな形で実の上がる研修というのをやらしていくということはできると思っております。したがって、研修というものをしっかりやるという基本姿勢で、あとは、本人たちがどういうことを考えているかをヒアリングをし、そして指導していくというような、そんなやり方で進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺四郎君 確かに、ガイドラインですから、ひとつここら付近までは、あるいは最低ここら付近まではというこれは一つの指標だろうと私は思うんですね。 ですから、例えば職員の衛生管理問題についても、例えば職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うことというのは事業者に対する努力目標であって、定期的というのが半年に一回なのか一年に一回なのか、三年に一回ずつやっても定期的になるわけです。そうすると、対応するのは非常に病弱あるいは感染しやすいお年寄りがたくさんおるわけです。だから、こういう部分についてはもう少しやっぱり指導として、例えば半年に一回の定期診断とか、あるいはそれは保健所で行いなさいとかいうようなこと等については、もう少し職員の衛生管理をする立場からも私は必要ではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(多田宏君) このガイドラインがやや抽象的だという御指摘でございまして、このガイドラインを受けてシルバーサービス振興会という団体の方で、ジルバーマークと称していますけれども、それを今策定することにいたしております。それはある基準に合ったものについてシルバーマークを交付するというような形で、これはある望ましい水準を確かに満たしているサービスであるということで世の中に評価されていく、こういう仕組みを考えているわけでございまして、シルバーサービス振興会の方の基準、これにつきましてはこのガイドラインを受けてもう少し具体的な基準づくりが進められておるところでございます。そういう中でもいろいろと工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺四郎君 大筋大体以上で私の質問の内容は終わるわけですが、もう一回最後に申し上げておきたいと思うのは、大臣、私も自治体におったものですから、こういう政策で出てくる場合に、冒頭申し上げましたように各省ごとにいろいろな計画あるいはそれについての補助金が出てまいります。 私は調査に行ってまいりまして、私も住宅関係の理事長をしておったものですから、例えば三世帯同居住宅なんかを計画します。そうしますと、開発すれば、そこに対する道路から公園から全部開発業者がつくらなきゃいけない。それを自治体の都市計画あるいは総合計画の中でやって、今厚生省が考えておるようなこういう一つの計画でやれば、全体的にそれぞれ知恵を出し合って、金を出し合ってやるわけですから、消費者に対しても非常に安く提供ができますし、一つの大団地の中にたくさんの、病院もあれば学校もある、保育所もある、あるいは三世帯同居の住宅もあるし二世帯あるいは単身用の住宅もある。 だから、大臣に先ほど申し上げましたように、閣僚会議の中でひとつイニシアチブを厚生大臣が握る、そしてこれから後の二十一世紀に向けての高齢化社会の対策はひとつ厚生省に全部予算が集中をする、そのくらいの決意で閣僚会議の中で大臣が発言をされて、そして合意をとってもらって大蔵にひとつアタックをしてもらいたいと思うのですが、いま一度最後に大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 閣僚会議の中でもそうですが、やはり地域の実情を一番よく知っているのはその地方公共団体ですので、これは福祉政策を進めるだけではないと思います。いろんな総合的な見地から、その地域との連携はもちろんですが、その中でその地方公共団体がどういう都市開発をするか、あるいはどういういろいろな福祉施設を拡充していくかというのは当然各省庁にまたがってくる問題があると思いますので、そういう際には関係省庁との緊密な連絡と同時に地方公共団体との十分な実情を配慮した協力体制、これを積極的にとっていくよう機会あるごとに私も大臣として発言をしていきたいというふうに考えております。
○渡辺四郎君 ちょっとこれは通告をしてなかったわけですが、こういう委員会がなかなか開かれないものですから、ぜひ大臣にひとつお願いをしておきたい。 陳情があったと思うのですが、いわゆる学校における集団予防接種問題で、福岡地方裁判所がああいう判決を出しました。私のところにもいわゆる被害者のお母さんもお見えになりまして、一審判決でああいうふうに出たのだから、もう厚生省は上告をしないで、ぜひひとつ救済をしてもらいたい、ぜひ訴えていただけないかという実は陳情もありました。ですから大臣、恐らく陳情に見えたと思うのですけれども、道義的にもこういう問題については早期に被害者の皆さんをやっぱり救済するという立場でひとつ努力をしていただきたい、これは要望しておきたいと思うのです。 それからいま一つは、私非常に残念だと思うのですが、これは委員長にもあれになってくるわけですが、先般来出されました寝たきり老人に対する五万円の福祉手当の問題を含めた部分で、あれほどの大きな金額が予算委員会だけで議論をされて厚生関係の予算が支出をされる。何のための厚生省か、あるいは委員会かという私は気がしてならないわけです。 あの支出についても非常に実は問題があるわけです。寝たきり老人に対する五万円というのは贈与という格好でやった。福祉手当関係は、生活保護関係では七、三ということで、七割は厚生省が見て三割が各自治体負担だ。あるいはそれ以外の一万円の部分については五、五だ。五千円は国が見て五千円が各自治体だ。自治体負担が五十六億から要ったわけです。二月末ですよ、もう自治体の金は大体ないんです。そういう中で、特別交付税なんかの部分で自治省ともいろいろやりとりしましたけれども、やはりああいう部分は僕は委員会で審議をすべきだと思うのです。ですから、これは厚生省の方にも問題がありますが、ただトップダウン方式で来たものだから、これは厚生省も大変だと思うんです。どういう支出の方法があるかということで大変苦労されたと思うのですが、これはひとつ私は問題としてきょうは申し上げておきたい。 以上で終わらしていただきます。
○中野鉄造君 まず最初にお尋ねいたしますが、三月の中ごろ発表されましたいわゆる厚生白書の中に、長寿を喜べる社会、これからの厚生行政の目標というものをいろいろ掲げてあります。その一つの柱として、住みなれた地域、家庭で暮らせる町づくりというものを据えてありますけれども、今回の白書は、かうての新経済七年計画以来ずっと長く唱えられてきた家族の相互扶助を基礎とした日本型福祉というものに政府内部からそれを見直すといったような、そういう色彩が濃いように私は受け取っております。つまり、これから先たとえ障害があっても年をとっても普通の場所で普通に暮らせるように環境を整えていこう、こういう理念を掲げております。 しかし、それは現実の今の日本の状況とは非常にかけ離れておりまして、土地の取得といったようなことが、現在でもそうですけれども、これから先はますます厳しくなってくる。そうすると、どうしても人里離れたへんぴなところにそういった施設をつくるとかなんとかというようなことで、そうしてしかもそこに行けば雑居部屋、不要な点滴、ベッドに縛りつけてただ単に生かしておくといったようなそういうような現実がよくあるわけなんです。そしてしかも結果的には、非常にそうした一方では、例えばある学者の説によりますと、例えば病院の場合ですね、入院が長期化するほど人口当たりのホームヘルパーの数が少なく、また一ベッド当たりの職員が少ない、こういったような報告もまた一方でなされている。 そういうことから、この白書に書かれている理想と現実とは非常にほど遠い。それをこれから先どういうように、まあ言うはやさしいわけですけれども、非常に現実は厳しいわけです。そこのところのどういうような具体的な施策を持っておられるのか、お尋ねします。
○政府委員(多田宏君) 高齢化が急速に進み、そして家族構造を急速に変貌を遂げつつあるというような状況の中で、これからの介護問題というのは一体どういうふうになっていくのか、あるいは町中での生活というものが一体本当に支えられるのかという点については我々も日夜議論をし勉強しているところでございますけれども、日本では現状においてはまだまだやはり家族との同居という形で住んでおられる高齢者というのが非常に多い。それからまた、要介護になった場合には家族が面倒を見るべきだと、アンケートをとってみますと圧倒的にそれがまた多数であるという状況にはあるわけでございます。 これがいつまでどういうふうになっていくかというのはなかなか読めないわけでございますけれども、そういう状況を踏まえて、例えばデンマーク方式のようにもう家族と同居しているなんていうのは例外中の例外で、ほとんど皆夫婦あるいは本人だけでひとりで生活しているというような、そういう家族構造になっているところと日本とでは、今の時点ですぐあの形を考えるのがどうかというようなことについては、まだまだとてもそれに即した政策展開を図るというのはむしろ現状に合わないのではないかというふうに考えております。 したがって、日本の今の状況にそれなりに即しながら、そして変化にも対応しながら両面を考えていかなければいけないということで、例えば施設あるいは在宅という二つの政策をとりましても、どちらも実情に応じて選択できるような状況になるたけ早く持っていかなければいけない。 現時点では、例えば病院というものに非常に依存をした形で介護問題がしわ寄せされているような側面というのもかなりある。それから施設というものにかなり一生懸命傾斜をさせて政策展開を図ってまいりましたから、在宅サービスというのが非常におくれておるという認識は私どもも持っております。したがって、施設もこれから急速にふやす、老人保健施設とそれから特別養護老人ホームについては五十万床までぜひ二十一世紀までには持っていこうというような、そういう思い切った伸ばしをやりながら、一方で在宅三本柱といったようなものも先ほどお示し申し上げたような形でどんどん進めていかなければいけないなというような、そういう考え方でございますので、非常に薄い状態のものを、質的にもまだいろいろ問題のあるところを急速に伸ばしていかなければいけないというので大変な事態でございますけれども、精いっぱい努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中野鉄造君 よく言われますように、厚生というのはいわゆる民の生活の質を厚くするという意味が込められているということのようですから、ひとつせっかく努力をしていただきたいと思うのです。 去る四月に東京都武蔵野市の主婦らのボランティア団体を公益法人として初めて認めたということがありますけれども、この種のものは今全国で幾らか申請が出ておりますか。
○政府委員(多田宏君) 現時点では公益法人としての申請はこれ以外に出ておらないところでございます。
○中野鉄造君 今も御答弁がありましたが、とにかく今は何といっても非常にケアの面でも人手が足りないというようなお話でありますけれども、そこで大臣にお尋ねしますが、これから先いろいろな民営化が進んできたという場合に、それを生業的にやるのか、あるいはボランティアでやっていくのかというどちらかになる可能性があるわけですが、そうした場合にやはり人件費というものが非常に重要になってくるわけです。そうした場合に、これから先東南アジアあたりからの安価な労働力を日本に輸入する、これは法的な規制が外れればの話ですけれども、いろいろなそこには関係省庁との兼ね合いもございましょうけれども、こういう点についてはお考えになっておりますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 外国人の労働者を入れるということは現在考えていませんし、これから非常に労働力が逼迫してくるということからも、これは厚生省だけの問題ではないと思いますが、日本としては外国人労働者の雇用に対しては大変に慎重でなければならないと私は考えております。
○中野鉄造君 そこで、今回のこの法案の中身に入っていきますけれども、有料老人ホーム等、老人の居住する場の確保に関して政府の行うべきこと、いわゆるどの程度やるべきかということ、それと民間との関係についてどういうようにお考えになっておりましょうか。
○政府委員(多田宏君) 居住の場というものに対しましては、基本的には住宅政策というのがまずベースにあるのだろうと思っております。そして、低所得の方々を中心にして公営住宅というのを整備し、それから公団住宅があり、それの上に普通の住宅があるというような基本的な構造になっているのだろうと思っております。 高齢者に特有の問題ということから考えますと、シルバーハウジングと称しておりますけれども、建設省の公営住宅なり公団住宅に厚生省も一枚かんで、一緒にケアのある程度ついた形の住宅というようなものを整備していくというような考え方と、それから軽費老人ホームで今年度から特に新しく取り上げていこうというようなケアハウスというような、軽費老人ホームの一形態でございますけれども、そういうようなものをふやしていくというようなことで、どこまでがというそのきちっとした線というのがなかなか引けない状況でございますけれども、地域の実情に応じてその必要性があればそれを整備するように促進を図っていくというような考え方でいるわけでございます。
○中野鉄造君 一昨年の合同分科会の意見具申の中にもちょっとこの点触れられておりますけれども、民間によるサービスの提供が期待しがたいもの、あるいは国民の切実なニードに対応するサービスで民間サービスの供給が十分でないもの、こういうものに老人ホームというのは該当するのではないかということがありますけれども、その点いかがですか。
○政府委員(多田宏君) 有料老人ホームにもいろんなパターンがあるように思います。したがって、その内容に該当するようなものは公的な施策として行っている例えば養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、それから先ほど申し上げましたような軽費老人ホーム、そういった形で提供されていくことがむしろふさわしいものではないかというふうに考えているわけでございます。
○中野鉄造君 大臣はもう御承知のように、今どんどんこうした有料老人ホームというのが増加しつつありますけれども、ところが例えば一人入居の場合三千五百万円から七千二、三百万円、こういうような例を見ると庶民にはとても高ねの花、こういう感じがするわけですけれども、高級有料老人ホームという表現がまさにぴったり当てはまるような感じですけれども、大臣はこういうホームの建設を促進するのがやはり大事だと、大切だと、このようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 国の施策とは別に民間がいろいろ新しい発想でいろいろな国民の需要とか要望に合わせて考える、施策を打つということに対して、国の方でこれはいかぬとかいうことは言えないと思うのです。国ではわからないような国民の多様な要望に対してそれを取り入れていこうという、そういう発想があればむしろそれは歓迎すべきことである。ですから、そういう高級なものに対して国は助成する必要はない。しかし、それに対して多くの国民の要望があるのだったら、民間ですからどんどんやってこれは差し支えないというふうに私は考えております。
○中野鉄造君 きょう冒頭に山本委員からもちょっと触れられたことに関連しますけれども、こうしたいろんな高級であってもそうでなくても老人ホームというものが地方にどんどんできつつある。ところが、それが例えばある市町村に一カ所そういうものができた、途端にその市町村の老人医療費というものはどんと上がってくる。またそういう現象が起こる一方で、老人ホームに住んでいるという人たちはいずれにしても自分の仕事から引退した人たちですから、したがって所得はほとんどない。そういうことになると税金というものもその市町村には入らない。にもかかわらず地域の人たちがもう長年にわたって税金によってつくり上げてきたいろいろな施設をほとんど無料でそういう人たちが使う、こういうように非常に矛盾した面も出てくるわけですけれども、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(多田宏君) 今までの有料老人ホームが割合町から離れたところに設置されるというような現象が多かったものですから、新参者の侵入というようなそういう側面が確かにあったのではないかというような感じがいたします。今回のこの構想は、できるだけ地域にも利用されるそういう形での計画というものを進めていきたい、そういう基本理念で進めておるところでございますので、少しそのあつれきの部分も薄いのではないかというふうには期待しているわけでございます。 なお、国保の特に医療費というのが非常に上がるということで問題になるケースが間々ございます。これにつきましては、一応国保の調整交付金の方で、完全にではございませんけれどもそれなりの配慮をして、少し自治体の方にその地域の国保保険料が余り変動しないように配慮をしているところでございます。
○中野鉄造君 今も申し上げましたように、こういう有料老人ホームの入居費というものは非常に高額になってきつつありますが、その主な原因にやはり土地の取得というものが大きく起因しているのではないか、こう思うのですけれども、どちらにしても一般庶民と余り縁のないこういう非常に高級なタイプの有料老人ホームとは別に、何か公的施策を推進していく必要があるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 今年度から先ほどもちょっと触れましたようなケアハウスというようなものを軽費老人ホームの体系でひとつ進めてみようということでございまして、これは車いすで生活ができるだけのスペースをしっかりとって、そして食事と入浴等のサービスは受けられる、いざとなればしかるべきサービスが外部から投入されるような格好にシステム的にしていくというようなそんなイメージの施設でございまして、こういうものをこれからはあちこちにぜひ整備をしていきたいなというふうに考えているところでございます。
○中野鉄造君 それで、軽費老人ホームというものは健康な老人に対して生活の場を提供する施設というように理解しますが、その整備の状況の推移というものをお伺いしたいのです。 と申しますのは、今軽費老人ホームと有料老人ホームというものの数をお示しいただきたいのですが、有料老人ホームがどんどんふえて軽費老人ホームに追いつき追い越せというような状況にはあるわけですけれども、なぜ軽費老人ホームが伸び悩んでいるというか、そういったような理由もございましたらばお願いします。
○政府委員(多田宏君) まず数でございますが、軽費老人ホームにつきましては昭和五十年度におきましては百二十一カ所というような状況でございました。十年後の昭和六十年には二百八十カ所、直近の数字は六十二年の数字になりますが、二百八十八カ所ということで逐次ふえておりますが、それほど急激な伸びというふうには確かに言えない状況にございます。 有料老人ホームの方でございますが、これは五十年の数字でございますが七十三カ所、六十年で九十七カ所、六十二年末で百十九カ所というような姿になっております。 軽費老人ホームがなぜどんどん整備されていかないかというのは、いろんな要因がございますが、型がA型とB型と二つございまして、介護の方をある程度組み込んだ形のものと、それから自立を前提としたそういう姿のものと二通りございます。介護を要する方につきましてはやや重装備というようなこともありまして、なかなか自治体でも手が出にくいというような側面もあったのではないかというふうに考えておりまして、これからいろんな面で、スペース的にも配慮した少し変わった形のケアハウスというような形で、AB型と申しますか、その中間領域のものを大いに普及してみたいということで今年度の予算に初めてその型のものを盛り込ましていただいた。これがどんなふうに地域に受け入れられていくかというのはもう少し様子を見ないとわかりませんけれども、ぜひその型のものを少し普及を進めてみたいというふうに思っているところでございます。
○中野鉄造君 私がこういうことを聞くのは、いわゆる民活民活で民活を謳歌している間に、こういう低所得者のための施設というものがだんだん先細りしてくるのじゃないか、こういう懸念があるからお尋ねするのですが、もう一遍そこのところをひとつ大臣いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省としては、真に必要な福祉施設、あるいは老人ホームにしても必要なものは国としてやっていく。それに対して、国民もいろいろ今豊かになってきている。また要望も多様化してきている。そこを民間の企業がどうやって取り入れていくか、そういうことによってむしろ国も刺激を受ける。国の施策に対してまた民間も国ではやれないところをやっていって十分採算がとれるという観点から、いろんな今福祉サービスに対する民間企業の旺盛な意欲が出てきたのだと思います。 しかし、国としては本当に必要なことに対してはこれからも万全の対策をもってやっていきたい。それに対してどういうような多様な需要が出てくるかというのは国としても見込めないところをむしろ民間が先行してやっていくということになって、新たな国民の求めるところが出ればこれもやっぱり国も参考にしていかなければならない。両々相まってより福祉が充実していけばこれにこしたことはない、こういうふうに考えております。
○中野鉄造君 それで次に、この法律案で特定民間施設の整備を目的とする、こういうことがありますが、特定民間施設は疾病予防運動センターあるいは高齢者総合福祉センター、在宅介護サービスセンター、有料老人ホーム、こういったような一部の施設から成っているとされておりますけれども、この一部の施設は法律案と関係のない普通の民間施設と異なるところのどういう位置づけがなされるのか、その点お尋ねします。
○政府委員(多田宏君) この法律に基づいて整備される例えば有料老人ホームというのは普通の有料老人ホームとどこが違うかということでございますが、一つはこの老人ホームのすぐわきに疾病予防運動センター、高齢者総合福祉センター、在宅介護サービスセンターといったようなものが整備されておって、それらが非常に手軽に利用できるといったような有機的な関係、一体的な関係にあるということが単発の有料老人ホームというものとは違う。つまり、そこに生活をすることによって老後を安心して生きがいを持って暮らせるような状況でそこに住まえるというところが大きな 利点ではないかというふうに考えているところでございます。
○中野鉄造君 それでは、この特定民間施設に対しては税制上の優遇措置等、特例の対策を講ずるということになっておりますけれども、民間部門に属する事業であってもこういう優遇措置等を講ずる理由というのはどういうことになりますか。
○政府委員(多田宏君) 今回のこの法律は、国がやるべきことはきちっと国でやりながら、民間の方がこういった総合的な町づくりに参画していくということを積極的に指導し応援していこうという物の考え方でつくられた法案でございます。したがいまして、そこでは民間事業者がやる場合にもぜひ国が積極的にそういう試みを支援していくための税制上の優遇措置というものを講じていきたいということでございます。
○中野鉄造君 そうしますと、特定民間施設に含まれるその施設は、厚生省の考えている私的部門に属すると理解していいのか。また、在宅介護サービス部門というのは、これは公的部門なのか私的部門なのか、どうでしょう。
○政府委員(多田宏君) 基本的には民間のこれはサービス提供ということでございます。状況によって、その地域で市町村がこの事業サービスをこの主体に委託をして実施するなんというケースも十分考えられるところでございますけれども、この事業者が提供するサービスそのものは、これは民間のサービスの提供だというふうに考えております。
○中野鉄造君 それに関連して、ちょっと私参考のためにお尋ねしますけれども、有料老人ホームで生活する高齢者というのは、各個々人が専用の自宅を有しているから、受ける介護サービス、これは明らかに在宅ケアということになるのじゃないのかな、こう思うわけですけれども、したがって有料老人ホーム内における介護というのはいわば在宅ケアの集合体である、こういうように定義づけてもいいのでしょうか。
○政府委員(多田宏君) そういう運用のされ方が期待される部分だというふうには思います。
○中野鉄造君 今回の厚生大臣による基本方針の策定、事業者の整備計画の大臣の認定など、公的関与がこの法律案においてなされることになりますが、こういったような関与の行われる中で、特定民間施設というものは普通の施設以上に福祉的色彩が強いものであるべきだと考えますけれども、具体的にはどういうことが言われますか。
○政府委員(多田宏君) この法律に基づきます認定事業というものは、広い意味での公共性というのはおっしゃるとおり少し入っておるというふうに認識はしておりますので、したがって厚生大臣の認定に当たりましては、関係地方公共団体の意見を聞くとともに、基本方針等に基づきその内容を十分示唆するというのが一点。それから、国及び地方公共団体は、事業実施に関し必要な指導、助言を行う。それから事業の実施状況について報告を聴取する、そして必要があれば改善命令を出すという、運営の適正化のための担保というものは一応用意してあるということでございます。
○中野鉄造君 この基本方針の中で、いわゆる営利的色彩が非常に強いというものはこれは排除するとか、あるいは運営に関する事項の中において利用料金というものが余り高過ぎるものはこれは排除する、こういう考えはないのですか。
○政府委員(多田宏君) 余りにも高い有料老人ホームというのはこれの対象にする考えは持っておりません。適正な料金で行われるものについて支援をしていくという考え方でございます。
○中野鉄造君 先ほどもこれは質問がございましたけれども、この法律案が考えている新しい町づくりについて、厚生省は全国的な整備目標というものを持っておられるのか。仮に今持っていないとしても、近くこうした全国的な計画を策定する考えがあるのかないのか。その辺をお尋ねしたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(多田宏君) この法案で促進しようとしているものは民間事業者のイニシアチブによって行われていくという性格のものでございますので、国の方で全国の配置計画みたいなものをつくることにはなかなかなじまないというふうに思っております。そういうことで、民間事業者の方の手の挙がり方というのを期待しつつ、できればこういう地域にというようなことを示唆することは考えていきたいと思っておりますけれども、直接に国が計画化するような物の考え方はなかなかなじまないというふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 そこのところをもう少しお尋ねしたいのですが、この「健康長寿のまち構想」、この中で基本計画策定、つまりマスタープランに対する補助と民間事業に対する支援、この二つの施策があると思いますけれども、今回のこの特定民間施設の整備計画はまさにこの二つのうちの後者に当てはまるのじゃないか、こう思うわけですが、これとマスタープランとの関係がどうなるのか。また、マスタープランに基づかない整備計画を認定しないといったようなこと、この両者は密接にリンクするものであると考えますけれども、その辺のところはどうでしょうか。
○政府委員(多田宏君) マスタープランとおっしゃっておられるのは、恐らく今度二十カ所計画補助をすることにいたしたその市町村の計画、あるいは都道府県が行う計画といったようなものであろうと思いますが、これにつきましては、この民間の四点をセットしたこの法律に基づく事業が必ず組み込まれていかなければいけないというところまでを求めてはおらないのでございます。 したがって、市町村が自分の地域で、しかし民間の力をある程度組み込みながら自分の地域の計画をしていくということに対して補助金を出そうという考え方でございます。その民間の活用の仕方の中にこの四点セットの本法に基づく事業が組み込まれる場合もある、そういう位置づけになっているわけでございます。
○中野鉄造君 私が言いたいのは、マスタープランはマスタープラン、民間事業者への支援はまた別だ、こういうのでは基本計画の意味がちょっと薄らいでくるのじゃないかと。そうすると、今回の特定民間施設の整備が公的施策との適切な役割分担のもとにと、こういうように言っても、そういうようなところで行うと言ってもこれは画餅じゃないのかと、こういう気がするのですが、いかがですか。
○政府委員(多田宏君) 逆にこの法律の事業認定を申請してくるようなケースについては、それは今度は市町村の方にしかるべき計画があって、それとの整合性はとれているかということは認定の際の審査基準になっているという形になっているわけでございます。したがって、市町村の方が計画をつくる二十カ所についてはこれを組み込まなければいけないという格好にはなっていない。しかし、これをつくる事業者については地域にその市町村の計画がしっかりできていなければいけないよと、そしてそれとの整合性がとれていなければいけないよというふうな形にしてあるわけでございます。
○中野鉄造君 現在どの程度今年度中に整備計画が提出されるような見込みがありますか。
○政府委員(多田宏君) 今年度中ですと、二、三カ所出てくるかなという感じでございます。
○中野鉄造君 これから先のことでしょうけれども、PRの問題等もあろうかと思いますけれども、この特定民間施設についてはどの程度民間企業を引きつけ得るのかと疑問がありますけれども、公的な施設と純粋に企業的な施設との中間でどっちつかずになるのじゃないかという懸念もまたあるのですが、その点いかがでしょう。
○政府委員(多田宏君) 事業認定等を行いますけれども、その間に民間のいいところというのをつぶさないようにしっかり考えていきたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 最後に、政府の施策は臨調路線の継続で、民活の推進に、これはこんな言い方はちょっと語弊があるかと思いますけれども、いささか熱心過ぎるのではないのかなという、そういう懸念もします。内閣の広報室の世論調査によって も、老人福祉サービスについて、公的老人福祉サービスを中心に充実させるべきだというのが三七・八%。こういうようなものから見ても、我が国の状況から考えて老人福祉についてはもっと公的施策の充実にウエートを置くべきじゃないか、こういう考えがいたしますけれども、最後に大臣のお考えを聞いて終わりたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 公的サービスの分野での重要性はこれからもますます高まってくると思います。と同時に、公的サービスが及ばないところにおいて、国民も豊かになっている、国民の中には福祉サービスは買ってでも受けたいという層も出てくると思います。そういう点について民間の力というのは大いに発揮されてくるのじゃないか。ですから、先ほども申しましたように、両々刺激し合いながらよりよき福祉サービスというものを考えていけばいいのじゃないかというふうに考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○委員長(前島英三郎君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(前島英三郎君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案を議題とし、これより質疑を行います。
○沓脱タケ子君 それでは、本題に入る前にちょっと大臣に一言お聞きをしたいと思いますが、報道によりますと、昨日の夜、都内のホテルで大臣の所属しておられた安倍派からの出馬予定者の激励集会に御出席になってあいさつをされたというような報道がされておりますが、おいでになったんですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 行きました。
○沓脱タケ子君 それで、自民党の政治改革大綱では、閣僚は在任中派閥を離脱するというふうなことが確認をされておるようですが、大臣は派閥を離脱しておられますか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 現在しております。
○沓脱タケ子君 そうなってきますと、まあこれ報道ですからわかりませんけれども、他の福田元総理、塩川官房長官、村田自民党政調会長、いずれも安倍派の方々ですが、同じように御招待をいただいたけれども出席をしなかった。大臣はわざわざ御出席になったというのはどういうことですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 友人知人が激励をする、その人によりますが、激励の招待をいただき、行きたいと思って行ったわけでありまして、他の人と相談して行こうかどうかという、そういうような問題ではないと思います。私は心から応援したい、激励したいと思って出席いたしました。
○沓脱タケ子君 それは大臣のお心持ちがどうあれ、やはり派閥を離脱するということになっておるということであれば、せっかく自民党自身が決められた政治改革大綱ですから、みずから踏みつぶすように客観的に見えるようなことをおやりになるというのはやはり当を得ないのではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 別に申し合わせを踏みにじっているとは思っておりません。政治家としてごく当たり前の当然の行為だと思っております。
○沓脱タケ子君 その問題は別に本題ではありませんので、しかしああいうふうに報道されますと、大臣には慎重な対処が望まれるのではないかと思いますので、念のためにお伺いをいたしました。 それでは早速本題に入ります。 民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案という大変長い法律案でございますが、この法律というのは、民間事業者による在宅介護を中心とする町づくりを進めようというお考えだというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○政府委員(多田宏君) この法律は、国民が老後においても住みなれた地域の中で多世代の交流を図りながら生きがいを持って健康で安らかな生活を営むことができるように、健康や福祉に関する機能を総合的に整備したいという意図でございますので、そういう意味で在宅に重点を置いたというふうに考えていただいて結構でございます。
○沓脱タケ子君 それで、本法案を拝見いたしますと、病院、老人保健施設、特別養護老人ホーム、老人ホーム等、公的保健福祉サービスとの連携のもとに特定民間施設を整備していく、こういうふうに書かれておりますが、これは大体どういうところへ幾つぐらいおつくりになろうという構想をお持ちでございますか。
○政府委員(多田宏君) 民間事業者のイニシアチブによって行っていく性格のものでございますので、どこに幾つということを今厚生省の側で用意をしているというような性格のものではないわけでございますが、今年度中に二、三カ所動き出すのではないかなというふうに期待をいたしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 私、法案を拝見しまして非常に気になりましたのは、非常に老人が集中しておるという大都市ですね、いわばニーズの高い大都市ではこれは機能をしないんじゃないかなということがちょっと気になったんですが、その点はどうですか。
○政府委員(多田宏君) 大都市の場合に確かに地価が高いというような側面があってなかなか立地しにくい、そんな関係で特別養護老人ホームの設置も比較的おくれているというような状況にあることは先生御指摘のとおりだと思います。これから進めていくに当たりましては、特別養護老人ホーム、老人保健施設の整備などとあわせて、公有地の活用その他の施策を大いに活用して、何とか大都市にも立地できるような条件づくりを我々としても一生懸命考えていかなければいけないというふうに思っております。
○沓脱タケ子君 今部長から一定の御答弁をいただいたわけですけれども、私、ニーズはあるのにこの法案は大都市ではすぐに実施できないんじゃないかなと思って心配をいたしましたのは、大都市の実態を見ますと、高齢者の率というのは全国平均を上回っているし、やはり高いですね。これは東京都二十三区を見ましても、昭和五十九年では九・二%ですね、六十五歳以上の方。平成元年ですから五年目ですね、そうすると一〇・七%に確実にふえておる。西暦二〇二五年には二〇%という推計が出ておりますし、大阪市を見ましてもそういう同じようなテンポで進んできておるわけでございます。 そうなってまいりますと、大都市ほどこのシルバーサービスの充実というのは緊急度が高いと思うんですが、私はこれ大都市が使えないなと思いましたのは、この法律によると公的保健福祉サービスとの連携のもとに整備をするということが法律事項として明記されておりますね。そうなってくると、大都市というのは、これは東京でもそうですが大阪でもそうです、病院はあるけれどもいわゆる福祉施設、中間施設だとか特養ホームだとかそういったものはほとんどないですね。 念のために調べてみたんですが、特別養護老人ホームでは東京二十三区内にはこれは四十二カ所に現状はなっているようです。小型のものを含めて少しやり出してきていますね。大阪では市内には十カ所です。十一カ所あるんですが、その一カ所は市外にあるんですね。大阪市が古くからつくっている市外に一カ所です。老人保健施設を見てみますと、東京二十三区内もゼロであり、大阪市内もゼロですね。こうなりますと、せっかく生きがい・健康づくりという法律をつくっても、お年寄りの密集している大都市でこれを使うということができない。ニーズがあっても実現できないわけですね。これは一体どうするのかなと思って心配をしたわけです。 このシェーマを拝見いたしますと、病院があっ て老人保健施設があって特養ホームがあって、そういう一帯の地域に四つの施設をつくっていくという仕事として進めるというわけですからね。本体の老人保健施設だとか特養ホームがない地域にはこの法律は適用できない。これはもうそういう場合には、そういう連携する公的サービス、諸条件は少しはゆがめてでもやるんですか、それはどっちでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 公的サービスが欠落しているようなところにこの事業をということは考えておりません。したがって、この事業をやるところには公的サービスがある程度展開されているという前提になければいけないということで、私どもも、先生おっしゃるように、特別養護老人ホームなども非常に大都市には立地が難しい状況にはございますけれども、最近東京のように地価の高いところでも特別区がそれなりに整備促進を始めているというような状況を考えれば不可能というわけではないはずだというふうに思っておりますので、これから本当の都市部においても整備を進めるようにしっかり指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 部長もおっしゃったように、せっかく今審議中の法案というのは大都市では機能しないということが明らかになってきました。 そうすると、やはり公的サービスの充実というのが急速に急がれるということが大前提になってこようかと思います。そこで、その対応についてお聞きをしていきたいと思います。 まず、寝たきり老人、痴呆性老人の推移、これをちょっとお聞かせください。
○政府委員(多田宏君) 寝たきり老人の数でございますが、現在大体六十万人と推定されておるところでございます。西暦二〇〇〇年時点でほぼ百万人程度になるのではないかというふうに見ております。それから痴呆性老人、在宅の痴呆性老人ということで数字を申し上げますが、現在約六十万人、こちらは平成十二年約百十万人というような感じでございます。ただ、痴呆と寝たきりが両方あるお年寄りというような方もおられますので、ややダブりもございます。
○沓脱タケ子君 そうしますと、これは西暦二〇〇〇年というと間もなく十年で二〇〇〇年になるわけですから、そういう点では寝たきりの方が百万人で痴呆性の方が百十万人、少々のダブりがあっても約二百万人近いというふうに見るわけですが、そうなりますと、厚生省は公的福祉サービスについての将来の見通し、これはどういうふうにしようとしていらっしゃるのですか。いろいろなところで発表しておられますので、この機会にお伺いをしておきます。
○政府委員(多田宏君) 私どもの今考えております目標値といいますのは、昨年の十月二十五日に厚生省、労働省でまとめました「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」という文書の中に示しておりますとおりでございまして、家庭奉仕員につきましては平成十二年度を目途に五万人程度、ショートステイは平成十二年度を目途に五万床程度、デイサービスにつきましては将来的には小規模も含めて一万カ所程度、それに特別養護老人ホーム及び老人保健施設、これらのベッドを合わせて五十万床程度というふうなことを目標にいたしております。
○沓脱タケ子君 そうすると、特養ホーム、老人保健施設合わせて定員を約五十万人分程度にするわけですね。それで、特養が幾らで老人保健施設はどのぐらいですか。
○政府委員(多田宏君) 水準として五十万床用意するという考え方でございます。特養につきましては大体二十四万床程度ということでございます。残りが老健施設ということで考えております。
○沓脱タケ子君 そうなりますと、それ以外に長期入院のお年寄りもおられますから、それが全部できたとして大体四十万人ぐらい、これは寝たきり老人の見通しの中で四十万人ぐらいは在宅ということにならざるを得ないわけですよね。それで大体国民のニーズあるいは将来展望の中で充足はできますか。
○政府委員(多田宏君) このニードにつきましては、家族構造の変化等なかなか読みにくい側面がたくさんございますので、現在のところは先ほど申し上げたような水準を目指して、とにかく早急に整備を進めていくということをとりあえず考えておりまして、これで間に合うか間に合わないかというのはもう少し経過を見てまた考えていかなければならないものと思っております。
○沓脱タケ子君 だから、そういう計画は一応お出しになって、それをある程度進めていかないと、どれだけの状況に充足率がなっているかということはわからないというのが率直なところなんですね。 それで、私さっきもちょっと大都市対策について触れたんですが、これは非常に緊急に重要だと思うんですよね、大都市対策というのは。というのは、東京でも大阪でもとにかく大都市の地価暴騰の中ではこれはどうにもならないですね。だから、例えば特養ホームをつくろう、あるいは老健施設をつくろうと思っても、民間事業者では土地から購入をしてそういう事業をやるということはとてもできないです。もし大きな民間事業者がそれをおやりになったとしたら、利用料はとてもお年寄りが利用にたえないような高さになることはもう明らかなんです。 そこで、私は基本的には公共用地をそういうところに活用して、大都市に急速にこういう整備をしていくための施策というのを特別に考える必要があるのではないのかなというふうに思っているんです。 実情はどういうふうになっているかということを若干申し上げますが、例えば生活保護の方が入院をしている。その方が退院をされるのにひとり暮らしで受け取る御家族がないという場合に福祉事務所では行き先をいろいろごあっせんになるんですけれども、大阪市のようなところでさえも施設がないものですから、市内でどこも送り先がない。やむなく今までは衛星都市にもいろいろお願いをしていたけれども、それで間に合わなくて、最近では滋賀県だとか和歌山県あるいは兵庫県というふうに隣接の府県にまでお願いをしなかったらどうにもならないという状態が起こってきているわけでございます。 私どもが日常的に見ておりましても、今病院というのは、医療費適正化対策等を含めて診療報酬のこともありまして、大体入院の患者さんというのは急性期が過ぎたら退院をしていただくというシステムになっておりますね。ですから、私どもが見ていても一定の急性期が過ぎたら鼻腔栄養でチューブを鼻にぶら下げたり導尿のバルーンをつけたままで退院をされているという患者さんというのが間々見かけられます。 そういう状況なわけですから、受け取る家族がおられてもそういう状態で退院をするということになりますと、その後の介護ができないということになっているのが現状なんですね。ですからそういうことに対して、例えば民間開業医あるいは民間の病院等で訪問看護などをして介護のお手伝いをするということになっているのが現状なんです。介護のお手伝いを訪問看護でやっても、正看でなかったらただ働きなんですよ。そういうことがずっと続いてきておるように見受けられます。 こういうことが放置されていいだろうかと思うんですよ。そういう状態からいって私はまず大都市に、これは全国的に必要ですよ、過疎地域は過疎地域としての特徴がありますが、大都市の中でせめて一つの行政区にモデル的な施設を公共用地を利用してセンターをつくるということになれば、これはお年寄りも助かるし、お年寄りを持つ御家族もお年寄りの処遇というのはどういうふうにしていったらいいものかというごとの情報も得られると思うんですね。それがないために、御家族の方々も共働きで昼はいない、だから食べ物をまくら元に置いておく、あるいは便器もそばに置いておくというふうなことで毎日を済ましているお年寄りというのは非常に多いわけですからね。 そういう公的サービスの条件整備を大都市の例 えば行政区に一カ所ずつでも、特養ホームあるいは老人保健施設、デイケア、ショートステイあるいは入浴サービスなど、全体としての施設として一括したものをつくるというふうなことが地方自治体を中心にやってもらえるように、やりやすい条件を厚生省がひとつお進めになるということをしなければ、今の実態というのはもう見てはおれぬという状態がたくさんございますが、片がつかないんじゃないかと思います。そういう点どうですか。
○政府委員(多田宏君) 確かに大都市ではなかなか難しい問題がたくさんある、したがって進んでいないということも事実だと思います。しかし、これから積極的に進めていただくために、我々もいろんな方策を考えて支援しながら、まずは自治体がしっかりやっていただくということで、自治体の方にもしっかりした指導をしてまいりたいと思っております。
○沓脱タケ子君 しっかり指導をしてもらわにゃいかぬのですけれども、例えば大阪市ならどうかといったら、大体大阪市が主体になってそういう施設をつくるという方針を持っていなかった。市民全体の強い御要望がありまして、やっと最近では公有地をお貸しする、だからつくるのは民間ででもつくってくださいというふうなことに踏み出したやに聞いております。 そういう状況ですから簡単ではないので、私、大臣にもよく聞いておいていただきたいと思いますのは、そういうところを自治体任せというだけでは事は進まないんです。ですから、本当にこういう構想を進めて住みよい町づくりをつくるんだと片方では言っている、片方では住みよいどころじゃなくて、し尿まみれになっているお年寄りがいまだにおるんだということを知っていただいたら、特別対策あるいは自治体に対して一定のやりやすい条件整備などをやって前進させるというふうなことをぜひ考えていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょう。こんなこと見ちゃおれぬですよ。
○政府委員(多田宏君) 先ほども申し上げましたようなことで、自治体にしっかりした計画をつくってもらって、そして自治体のやる気というものがやっぱりこれのまず一番基本的な部分だろうと思います。東京の地価の方がより高いはずかもしれないところがそろそろ特別養護老人ホームも逐次整備が進んできつつあるというようなことを考えますと、やはり自治体の意欲というものが非常に大事だというふうに思っておりますので、そういう意欲を喚起しながらまたしかるべき応援をしていきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 自治体の意欲を喚起すると同時に、やっぱり東京都と財政事情が違いますから、例えば大阪市なんか見たら。だから、そういう財政的な事情もあってなかなか踏み切れないという状況へきておるようです。 例えばそういうものをぼつぼつつくるということに踏み切ったといたしましても、年に二カ所ずつとにかく何とかしましょうと言い出したとしましょう。二十六行政区あるんです。だから十年たっても全区に行き渡らない。若干の民間施設がありますからそういうものを活用するということでありましても、そういうことでは現在出されておる法案が結構ですとなかなか言えない。やっぱりそこを先行さしていただくということが一番大事だと思います。その点はぜひ前進をさせていただくために、せっかく大きな将来計画もお持ちなんですから、その将来計画の具体化を厚生省としてもどのように具体化を進めていくおつもりかというあたりをちきんとしていただきたい。 くどいようですが、それをもう一遍お聞きをして次へ行きます。
○政府委員(多田宏君) 将来の全体の計画というのは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。大都市について具体的にどういう措置が講じられるかということになりますと、今のところこれといった具体的な手法があるわけではございませんけれども、とにかく大都市にこういう施設が全く欠落しているというような状況では困るわけでございまして、私どもとしてもいろんな角度から指導をし、また応援をして整備を進めていくようにしていきたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それで、私はやっぱりそういう点を大いに心して前進さしていただくということと同時に、例えば入浴サービスを見ましても、これ大変だなと思うのは、これはシルバー新報というその分野の新聞ですが、それを見ますと、大体寝たきりのお年寄りを持っている御家庭では、家族の方、本人の方、せめて月に三回ぐらいは入浴をしたいなと。これは当たり前だと思いますね。ところが、現状では全国的に見ると一・五回程度だと。しかも、それを望んでいるけれども利用できている御家庭というのは全国で平均二〇%に届いていないというふうに言われておりますが、大体実態と要求というのはこんなものでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 入浴そのものの普及度というのは実は正確には私どもも把握してはおりませんけれども、これから入浴サービスの需要というのは恐らくどんどん高まるでしょうし、現在も非常に不足しているという認識は持っておりますので、早急に整備を進めていきたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 その利用料なんですね、これは大体一回一万円から一万五千円というわけですが、なかなかお年寄りにそんな費用負担ができないわけですが、自治体によってそれが助成をされたりして利用されておるようですが、厚生省としては、こういう入浴サービスについては自治体が補助をするか、あるいは自己負担にするか、どういうことで進めようというお考えですか。
○政府委員(多田宏君) 入浴サービスについては国では全くノータッチかというとそんなことはございませんのですが、何しろまだ薄いということは先生の御指摘のとおりでございますけれども、例えばデイサービスの中で入浴というのをやっておりまして、これは利用料は自治体によって少し差がありますけれども三百円から八百円というような程度のサービスになっております。それから、デイサービスセンターがその事業の一環として家庭を訪問して行う入浴につきましては、千円から千五百円というようなレベルで大体サービスが提供されておる。それから家庭奉仕員の派遣事業につきまして、ことしから介護を主体とした家庭奉仕員というものを新たに位置づけをいたしまして、こういうものが入浴のときに介助をするというような形でのサービスもできるようにはしていくというようないろんな形で進めております。なお、ショートステイ、これにつきましてもこの期間にもちろん入浴も提供しているというような姿になっているわけでございます。 先ほど先生おっしゃったように、デイサービスでも訪問事業を他と独立して委託できるというように本年度からは私どもしたわけでございますが、従来の市町村の単独事業が国庫補助対象となりやすくなるように、またホームヘルパーが入浴等の重介護を行った場合には高い手当を支給するといったような形をとる、あるいはショートステイの利用料の軽減を図るといったような形で市町村による入浴サービスがさらに実施が促進されるようにやってきてはおるわけでございますけれども、何せまだ普及度は非常に低いということは先生御指摘のとおりでございます。
○沓脱タケ子君 率直におっしゃっておられるので結構なんですが、そういう仕事は今緒につけようというところなんですね。だから、入浴サービスでも一回一万円から一万五千円かかるんでしょう。幾らおふろへ入りたいといっても、一回一万五千円かかって身銭を切らなきゃいかぬということになったら、これは年金の金額からいったらそう簡単にお願いしたいというふうにいかないんです。その辺あたりというのは、やっぱり今のお年寄りの現状をにらんでの対応というのがどうしても必要であろうと思いますね。 デイケアでは非常に低廉でやっておられるというけれども、デイケアでその恩恵に浴している人たちはどのくらいいますかね。まだほんの少したと思いますが。
○政府委員(多田宏君) デイサービスの利用は一カ所に大体十五人程度が利用されるというような格好でやっておりまして、今やっと六百カ所ぐらいになってきたところでございます。一万カ所までかなりまだ先ございますけれども、早急に整備を進めていくことにいたしております。
○沓脱タケ子君 私、それがよくないと言っていないんです。そういうせっかく踏み出していくところで、デイケアで在宅の方がケアをしてもらえる人とそういう条件がなくて入浴サービスを受ける方と、費用負担というのは格段に違うわけですからね。お年寄りの懐ぐあいというのは大変厳しいのは多くを申し上げなくてもおわかりのとおりですから、その辺は心して、施策を前進させるという意味では本当は地方自治体任せに入浴サービスだってしておくべきでないと私は思うんですが、将来改善するようなつもりはありませんか。
○政府委員(多田宏君) デイサービスの普及というのを早急に進めながら、そちらでできるだけカバーをしていくという一つの考え方を持っているわけでございます。民間事業者への委託というような形で実施する部分も、ある程度これから考えていく必要もあるだろうというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 とにかく細かい話だけれども、細かい話を着実に進めていただかなければ老人福祉サービスというのは前進できないので、ぜひそれは心して前進させていただきたい。 ヘルパーでも一緒なんですね。今度は五万人になさるということですけれども、これで大体国際的に見ても恥ずかしくない水準だとお思いですか。
○政府委員(多田宏君) 我が国の場合、現状では家族同居形態というのが非常にまだ多いわけでございまして、北欧なんかと比べると格段に確かに数字は違いますけれども、それを単純に比較はなかなかできないと思っております。 ただ、今ホームヘルパーはそれじゃそこそこ足りている、あるいはこの目標でそこそこいいのだということになるかどうかというのは、現状ではやはりもう少しふやしていかなければいけないだろうということを考えてこの目標をつくったわけでございまして、今後この目標の妥当性についてはある程度進んだところでまた考えていくというような流れになろうかと思っております。
○沓脱タケ子君 それはまあ諸外国と比べたら確かに少ないんですね。大臣も御承知だと思いますが、よく例に出されておりますスウェーデンというのは七万一千二百九十六人、これは非常に正確に書いてありますが、日本ではことしふやす数字を入れて三万一千人。ところが、スウェーデンの人口といったら大阪府と一緒ぐらいですから大体日本の十五分の一ぐらいでしょう。それでヘルパーが七万一千で二倍以上ですから、逆に言うたら日本のヘルパーというのは、ことし格段の予算をつけてふやされるということを入れてもスウェーデンの状態からいったら三十分の一になるんですよ、数字からいったら。 こういう状態では私は在宅ケアでお年寄りが安心して介護を受けられるということにならないと思うんですが、その点はやはり週に一回行ったらもうそれで終わりというふうな状態では今日の在宅ケアというのは間に合わないと思いますが、どの程度まで拡充をしていこうと考えておられるのか、少し聞いておきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 五万人にとにかくまずしようということで全力を挙げていくという考え方でございまして、利用のされ方というのはそれぞれの地域でも多少の違いが出てくるのではないか。特にデイサービスみたいなものをかなり重点的に整備をいたしますと、ホームヘルパーというのとある意味での代替関係も出てくるわけでございます。あるいはショートステイというのが普及しますと、その分もまた若干のかぶりの部分が出てくるといったようなことで、私どもとしましては施設もふやしていく、そしてショートステイもふやしていく、デイサービスもふやしていく、そしてホームヘルパーもふやしていく、これら全体でひとつ何とか要介護者の介護をうまく回るように進めていきたい。 ただし、それも状況がどんなふうに変わっていくかというのはなかなか読めませんので、現時点では今申し上げたような目標を掲げて、それに向かって全力を挙げていく。ことしも前年に比べて在宅サービスの予算は倍増いたしまして、しかしこれは自治体の方も急にそれを全部実施できるかどうかという点も多うございます。そういったことでかなり一生懸命に自治体を督励して今整備を進めているというような現状でございますので、現時点でそういう状況であるということだけお答えをさせていただきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 丁寧に御答弁いただいておりますけれども、在宅サービスの点では、たまたま入浴サービスだとかあるいは家庭奉仕員の例を出しましたけれども、まさに日本ではまだこれからという段階だと思うんですね。そういう状況で民間のシルバーサービス事業というのがどんどん育成促進をされたらどうなるだろうかというのは、これはだれでも単純に考えてもそう思うわけです。結局民間シルバーサービスが主流になってしまって、低所得のお年寄りはまたサービスの谷間に置かれるんではないかということを心配するんですね。年金の水準というのは繰り返さなくてもおわかりだと思いますけれども、三万円内外という年金受給者というのが年金受給者の中の六割から七割というふうに言われている状況ですから、そういうお年寄りの方々が民間シルバーサービスいって対応できるか。これはとてもじゃないけれどもできなくて谷間に落とされていくということの心配が出てまいります。これは午前中の質疑の中でも同僚議員から出ておりましたが、そういうことになろうと思うんです。だから、金がなかったら、せっかくいろんな施設や整備がなされても、これはその恩恵を受けられないというところへお年寄りが突き落とされ、不安を感じているというところへ来てるんですね。 それを見てとったかのように、最近生命保険会社が介護つき保険というのを盛んに売り出してきておりますね。御承知ですか。
○政府委員(多田宏君) 承知しております。
○沓脱タケ子君 時間の都合がありますから詳しく紹介いたしませんが、生命保険会社がちゃんと介護つきの保険を各会社で皆売り出している。あるいはアメリカあたりからの会社も出てきている。さらには損保ですね、損保の関係もこれにいよいよ着手するということで、これは大蔵省にお聞きをしましたら四月に認可したと言ってるんですね。損保というのは私はまた火災保険やら自動車保険かと思っていたら、人間の損害に対する保険もどうも扱うということになったらしくて、笑えないような状況になってきています。結局、その公的サービスを年金の範囲でやれるという状況がなくなってくるわけでしょう、民間シルバーサービスがずっと広がってきたら。そしたらその費用のために損保や生命保険が介護つき保険というものを売り出して、そして受益者負担という形でしか利用できないという姿ができ上がるわけですね。 大臣、これは御答弁いただこうと思っていないんですけれども、ちょっと考えてみてください。政府が進めているという自立自助の実態というのがこういうことになっている。 私、時間の範囲でしか物を言えないから詳しくは言いませんが、例えば保険業界も損保業界も社団法人シルバーサービス振興会の有力メンバーですよ。シルバーサービス振興会というのは、もう御承知のように日本の一流企業というのは全部参画しているわけですよ。そういうところでシルバーマーケットとして老人の自立自助の方針をやらせるために、有力な市場としてもう早くもこういうふうに生命保険が出てきている。これでは私はお年寄りは大変だと思うんですよ。第一、今元気で働いている人たちも政府の施策、公的サービスが信頼できない、不安を感じるからやむなくこういった介護つき保険というふうなものに加入をするということにならざるを得ないというのが状況 なんですね。私はこういう状況というのは決して よろしくないと思うんです。 そこで、大臣、これは一遍お聞きをしておきたいと思いますが、政府は行政改革の柱として今も申し上げた民間活力の活用とか自立自助という方針を打ち出して推進をしてきて長いわけですけれども、私は今までもたびたび申し上げてきているのは、社会保障や福祉の中に自立自助という方針を簡単に持ち込んだり、あるいは民間活力論を持ち込んではならない。そんなことをやったら我が国の社会保障や福祉というのは結局後退をさせられてしまうということをたびたび指摘をしてまいりました。 そこで、大臣にこの機会にお聞きをしておきたいと思いますのは、憲法二十五条の後段は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されています。この憲法二十五条の後段の理念に基づいて老人福祉法も制定されているわけです。ですから、この憲法二十五条後段の理念と自立自助という今進めていっている民間活力の方針、これは矛盾すると考えますか矛盾しないと思いますか。それはちょっと大臣にお聞きをしておきたい。
○国務大臣(小泉純一郎君) 今まで長年にわたって国が公衆衛生の向上及び増進に努めてきたからこそこうして日本は豊かになり、そして人生五十年時代から八十年時代になってきたのだと思います。この精神に沿ってこれからも国はやっていきます。 同時に、多くのお年寄りの中でよりよい福祉サービスを望んでいる人がいる。当然国の費用とそうでない費用、国の費用にも限度があります、それ以上のサービスを要求する方に対してはそれ相応の負担をしていただくという考え方も当然出てくると思います。そういう中で、国のやる分野とそしてまた国のやる分野ではない分野において民間がそれぞれの創意工夫を発揮していただいて、そういう分野に進出していただくというのは、これは両方お互い刺激しながらよりよい福祉増進のためになるんじゃないかと私は思っておりますつ
○沓脱タケ子君 いわゆる公的サービスの一定のベースができていて、そうしてその上に多様なニーズに対応するために民間事業者の力を活用していくということが合わされていくという話なら大変よくわかる、理解しやすい。ところが、ベースになるべき公的サービスというのがろくになくて、まあ言うたらこれからやというふうな状況でしょう。先に民間がどんどん進んだら公的サービスというのがどうなるかということを申し上げておるわけです。やっぱりこういうやり方というのは、厚生大臣がどうお考えになろうとも、それなりに方針がそういうふうに政府の施策にも生きているからそうなっているんですね。 もう多くを申し上げなくてもおわかりでしょうが、閣議決定でもこういうふうに言われていますよ。六十一年六月六日の長寿社会対策大綱などを見ますと、「個人の自立・自助、社会の互助・連帯を重視し、公的部門による福祉サービスは基礎的なものを主体とするとともに、その他の多様なサービスについては民間の多様な有償サービスやボランティア活動等民間活力の活用を推進することとする。」、こういうことが言われておりますし、財界の方では、これは前にも引用したかと思うんですけれども、これは日経連の労働問題研究委員会でもはっきり書いておりますが、「行政改革のねらいは政府の介入を極力排して、民間の活力を最大限に発揮させることにあるのであり、」「国民の側に対しても、「お上に頼る」意識の払拭を強調せねばならない。」というふうにやっぱり露骨に述べておられるわけですね。 そういう状況の中で、今の老人対策というものが本気で老人のニーズに合う行政を進めるかどうかというのは一にかかって厚生省自身の姿勢にかかってくると思う、大臣自身の姿勢に。そういう点で非常に大変な問題に直面をしているなと思うんです。 私は、この法案は、いわゆる民活方式あるいは自立自助方式の延長線上にあるものだと思っております。というのは、これはもう多くを申し上げなくても前回も申し上げましたが、社会福祉・医療事業団法の一部改正のときにも申し上げたんですけれども、今、朝日生命の推計では、昭和七十五年ごろにはシルバーマーケットは約百四十兆円の市場と見込まれているというふうに言われております。 具体的に言えば、大阪府でも六十三年の三月に大阪府下企業のシルバービジネス実態調査、こういうものをやっております。大変丁寧な調査をやっておりますけれども、この調査を見ますと、府下企業の三万七百八十三社の一〇%、三千七十九社にアンケート調査をすると、シルバー商品やサービスに既に参加をしている参入企業は四・七%、参入を計画している企業というのは九・二%、二千八百社だ。その中には大企業も多く含まれている。これらの調査の資料を見ますと、行政への期待というのは何かというと、行政へ期待するものは税制上の優遇措置、制度融資、補助金、情報提供というものだと言われている。 ところが、この本法案ではやっぱりこれらの企業の要望に基本的には沿った姿になって税の優遇措置あるいは制度融資等々がやられていて、これらの企業の要望に沿った結果になっているわけでございます。そういうことを見ますと、これは今日の公的サービスの非常にまだこれからという段階の中でこんなに大企業がどんどん出てきて、営利会社というのはやっぱり赤字ではだめなんで、一定の黒字を出していくということになれば、それが利用者負担になりますからお年寄り負担になるわけで、そういうことがどんどんやられていくということになりますと、これはお年寄りの将来というのは決して不安はなくならないということを非常に強く不安に感じます。 したがって、私はもう余り時間がありませんので、最後に申し上げておきたいと思いますことは、公的サービスが不十分なままで将来展望もはっきり持てない。いわば一番盲点になっている大都市ではほとんど機能しないということを厚生省自身もお認めになっているこういう法案、こんなものだけを先行さしたんでは、その中であらわれてくることというのは本当に民間優先のシルバーサービスになってしまう。お年寄りというのは、金持ちの人というのもあるかもしれませんが、うんと少ないです。資産家でも、本当に介護を受けなければならないということになった事態になりますと、これは資産を持っていてもそれが本人の自由にならないというふうなことが今日の社会では間々あるわけです。 そういう状況の中で、お金に乏しい高齢者が十分なケアが受けられなくなっていくという心配を大変強く感じます。ですから、私はやっぱり今日の状態では、公的サービスの展望を数字的にお示しになったわけでございますから、それを着実に具体的にお進めをいただくということがまず第一。それを、展望が民間業者への肩がわりになるというふうなことで高齢者に大きな不安を与えるということにならないようにぜひ対応をしていただくということを御期待を申し上げて、最後に決意を伺って終わりたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 民間のサービスが発展していくということは、これは恐らく何もしなくてもどんどん広がっていく可能性があるものであろうと私どもは思っておりまして、むしろそういうものを本当に望ましい姿で発展してくれるように誘導をいろいろとしていかなければいけないのではないかという問題意識を一つ持っているわけでございます。 そういう意味で、今回の法案でも一つの枠組みを示しながら、その中でできるだけ望ましい姿をつくり上げていく、そういう見地からこういうものを育成しながら、またある程度のコントロールも加えていくという、そういう構造にしているところなのでございます。今後とも公的な施策についての充実を本当に真剣に頑張っていくつもりでございます。 —————————————
○委員長(前島英三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、石本茂君が委員を辞任され、その補欠として高平公友君が選任されました。 —————————————
○藤井恒男君 同僚議員が随分質問されておりますので、重複を避けて一、二お尋ねいたしたいと思います。 この特定民間施設、つまり疾病予防運動センター、高齢者総合福祉センター、在宅介護サービスセンター、有料老人ホーム、この一から四までの機能を全部完備したということは不可能だと思うんだけれども、おおむね一から四までを一部の施設として現在持っていて、稼働していて、そしてこれからこの法律が施行された場合にもし申請してくれば認定されるだろうなと、そういった要件を整えていると思われる現在稼働している民間施設はどれくらいありますか。
○政府委員(多田宏君) 既に稼働状態に入っているこれら四つの機能を兼ね備えたものというのは、現在のところございません。 それで、今具体的にこの法案が通ればぜひ計画として進めていきたいというふうに話が来ておりますのは、すぐ動き出しそうだなというふうに感じますのは福岡の中間市なんかを初めとして二つ、三つ、三つぐらいは何とか動くのではないかなと思っております。しかし、いろいろ御相談が来ておりますのは三十近く既にございますので、そういうところで具体的にどこができるか、これからいろいろと御相談をしながら推進をしていきたいというふうに考えております。
○藤井恒男君 これはいろいろ認定を受けるに当たっての整備計画等、地方自治体といろいろ作業をして立てていくことでしょうが、そういった場合に、この一から四までの条件を全部具備したのが一番いいわけなんだけれども、いろんな情勢で、地理的条件とかなんかで、例えば一が先行する、二年後には二の計画を持っているんだといったような場合でも、これはやっぱり認定していくという考え方ですか。
○政府委員(多田宏君) 計画として一体的に整備を進めていくという、社会常識的に見てそういう計画になっている場合には、時期が全部全く同時ということでなければならぬということはございません。
○藤井恒男君 大体二十ほど今手がけていこうという計画を持っておられるわけですね。それに対して三十ぐらい問い合わせがあるということだけれども、広い範囲の首都圏あるいは近畿圏、そういった土地も非常に少ないし地代も非常に高いと思われるような地域でそういった可能性を持っているところはありますか。
○政府委員(多田宏君) 先生の今のお話で二十というのは地方公共団体に対する計画補助の数字でございます。 具体的にこの法律の適用というような感じで大都市の周辺でどうかということでございますれば、今のところ福岡の中間市というのがそれに大体一番近い格好のものではないかというふうに考えております。
○藤井恒男君 これは沓脱さんもさっきちょっと言っておられたけれども、中間市、これは北九州ということだから九州では大都市圏と見ていいわけなんだけれども、やはり人口が密集している例えば東京圏ですね、こういったところの方が本当はニーズが高いわけなんだけれども、そういったところは非常につくりにくいということになり、むしろ中間市のようなところが地理的に非常に恵まれている。九州の中の一割ぐらいの人口を抱える福岡市あるいは北九州市に介在している。そしてそこは人口がある意味で過疎である。距離は非常に近い。非常にとれは立地が私はいいと思うんです。だからそういったところに偏在していくのかなと。むしろそれを首都圏なら首都圏あるいは近畿圏なら近畿圏というふうなところに誘導してつくっていく、中間市的なあのような状態のものをつくっていくということが私はこれから非常に重要じゃないかなという気がするんです。 武蔵野市が一遍この種のものを考えたときに、もう籍はあそこに移して私はもうここで永住するんだという希望が殺到したということも新聞で多く報ぜられたようなわけなんです。そういった点に十分私は配意してほしいなという気がいたします。そういった点についてどのような御配慮があるのかをお聞きして、質問を終わります。
○政府委員(多田宏君) 大都市に本当に近接という感じで申し上げれば中間市が典型だというふうに思っておりますけれども、そのほかに首都圏あるいは近畿圏というような感じで考えますと、奈良県に一つ具体的に動きそうなプロジェクトがございますのと、それから千葉県も習志野あたりで一つ動きそうなプロジェクトがあるというような今状況でございまして、こういうものを逐次育てていきたいというふうに考えているところでございます。
○委員長(前島英三郎君) 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、民間事業者による老後の保険及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案に反対の討論を行います。 本法案は目的に、民間事業者が公的な保険、福祉サービスとの連携のもとに保健、福祉サービスを総合的に提供する一部の施設の整備を促進することによって、老人福祉の増進を図るとしています。 しかし、国は、基本方針を定め、民間事業者の整備計画と実施をチェックするだけであって、高齢者に公的福祉を提供し、あるいは民間に委託するなど、国が民間と連携して高齢者、国民の要望にこたえるという法体系になっていません。 たしかに高齢化社会を迎え老後の保健及び福祉サービスの需要は増大しており、多様な需要に応ずる必要はあります。しかし、それは公的サービスが主流でなければなりません。老人福祉サービスに関する国民の要望を見ると、民間業者中心が七・三%、公的サービスが三七・八%であります。 本法案は、国民の強い要望である公的サービス充実とは何の関係もない、民間サービス促進法そのものであります。 公的サービスの具体的拡充計画も十分でなく、社会福祉予算の抑制及び削減を続けている現在の状況のもとでは当然、市町村も自己負担のない民間施設サービスヘの肩がわりを選択する可能性は強いわけです。したがって、公的保健福祉サービスは相対的に縮小されることになるのは明白であります。このような、老人福祉サービスを民間主導型とし、公的サービスの縮小、低下を招くものとなることが明らかな本法案には賛成できません。 本法案はまた、老人や国民にとって最も肝心な利用料金基準や人員配置基準を定める法的根拠もない。これでは、利用料金の高騰を招き低所得者の利用を排除したものとなります。 また、本法案は高齢化が進行している大都市ではほとんど役に立たないことを質疑でも指摘したところであります。 以上のように、この法案が実施されれば老人福祉の分野に、民間活力の名による営利企業の参入を促進することになり、その結果、公的福祉保健サービスの後退を招き低所得老人を排除するものとなることは明らかであります。 本法案は、憲法二十五条及び「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する」とした老人福祉法第四条の規定並びに国民の要望にも反するものであり、反対であることを表明いたしまして討論を終わります。
○委員長(前島英三郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(前島英三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本君。
○山本正和君 私は、ただいま可決されました民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一、高齢者に対する福祉施策については、公的責任のもとに一層推進することとし、ホームヘルパー派遣事業、デイ・サービス事業、ショートステイ事業等の在宅福祉サービスの充実や特別養護老人ホーム等の計画的整備を図ること。 二、シルバーサービスについては、営利主義が高齢者の福祉を阻害することのないように、 適切な指導や規制を行うとともに、公的施策との連携のもとに良質のサービスが提供されるよう努めること。 三、整備計画の認定を受ける事業については、当該事業に税制面・金融面からの公的な支援が行われるものであることから、その公益性に十分留意するとともに、事業運営には利用者等の意見が適切に反映されるよう指導すること。 四、公益法人を初め民間非営利団体が、容易に本法の事業者となり得るよう、積極的に誘導策を検討すること。 五、地方公共団体が「健康長寿のまち構想」に基づき策定する基本計画は、保健・福祉にかかわる施策を中心としつつ、高齢者の住宅・生活環境の改善、就労機会の確保など、高齢者が住みやすく、しかも多世代の交流が図られるよう、総合的な地域づくりを目指すものとすること。 六、有料老人ホームの入居一時金及び利用料が過大にならないよう指導するとともに、厚生年金の福祉施設として行う有料老人ホームその他の公的な有料老人ホームの拡充について検討すること。 七、高齢化社会において需要が著しく高まる介護サービスを担うマンパワーの必要数について、適切な将来推計を行うよう努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(前島英三郎君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(前島英三郎君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小泉厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力したいと思います。
○委員長(前島英三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(前島英三郎君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府より順次趣旨説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者の方々に対しましては、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、医療特別手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところであります。 本法律案は、被爆者の福祉の一層の向上を図るため、医療特別手当等の額を引き上げるとともに、平成二年度以降、その額を物価スライドにより改定することを定めることとし、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正しようとするものであります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 まず第一は、医療特別手当の額を現行の月額十一万二千円から平成元年四月以降十一万二千八百円に引き上げ、さらに同年十月以降十一万五千六百円に引き上げることであります。 第二は、特別手当の額を現行の月額四万千三百円から平成元年四月以降四万千六百円に引き上げ、さらに同年十月以降四万二千六百円に引き上げることであります。 第三は、原子爆弾小頭症手当の額を現行の月額三万八千五百円から平成元年四月以降三万八千八百円に引き上げ、さらに同年十月以降三万九千八百円に引き上げることであります。 第四は、健康管理手当の額を現行の月額二万七千五百円から平成元年四月以降二万七千七百円に引き上げ、さらに同年十月以降二万八千四百円に引き上げることであります。 第五は、保健手当の額を、一定の範囲の身体上の障害のある者等に対し支給されるものについては現行の月額二万七千五百円から平成元年四月以降二万七千七百円に引き上げ、さらに同年十月以降二万八千四百円に引き上げることであります。また、それ以外のものについては現行の月額一万三千八百円から平成元年四月以降一万三千九百円に引き上げ、さらに同年十月以降一万四千二百円に引き上げることであります。 第六は、平成二年度以降の医療特別手当等の額の改定について、完全自動物価スライド方式を導入することであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院におきまして、原案中、平成元年四月一日施行となっている医療特別手当等の額に関する改正規定につきましては、公布の日から施行し、平成元年四月一日にさかのぼって適用することとする修正がなされております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 続きまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の支給対象範囲を拡大することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。 第二は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支 給法の一部改正であります。戦没者等の遺族であって、昭和六十年四月から平成元年三月までの間に、公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者がなくなったもの等に対し、弔慰の意を表するため、特別弔慰金として額面十八万円の国債を支給するものであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、平成元年四月一日から施行することとしておりましたものを、衆議院において、公布の日から施行し、平成元年四月一日にさかのぼって適用することとする修正がなされております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(前島英三郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十五分散会 —————・—————