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114回国会参議院1989/06/20

外務委員会 第5号

発言数
283
登壇者
27
会派数
6
開催日
1989/06/20

会議録

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十七日、三治重信君、大島友治君、関口恵造君、田代由紀男君及び増岡康治君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君、大鷹淑子君、嶋崎均君、倉田寛之君及び堀内俊夫君が選任されました。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に小西博行君を指名いたします。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。三塚外務大臣。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定に関しましては、昭和六十三年十一月にオーストリアとの間で交渉を行い協定案文につき実質的合意に達しましたので、本年三月七日ウィーンにおいて署名を行った次第であります。  この協定は、我が国とオーストリアとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。  この協定は、両国の友好関係の強化に資するとともに、両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この協定に関しましては、昭和六十三年十月にトルコとの間で交渉を行い協定案文につき実質的合意に達しましたので、本年三月八日東京において署名を行った次第であります。  この協定は、我が国とトルコとの間の定期航空業務を附設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。  この協定は、両国の友好関係の強化に資するとともに、両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び国際情勢等に関する調査を便宜一括議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 両航空協定の締結については歓迎もし賛成も申し上げたいと思っております。したがって、質問は二、三の点にとどめたいと思います。  その一つは、航空協定を結んで路線が開設されることになるわけでありますが、今後の航空運輸の需要見込みがそれぞれどうなっているか。二点目は運賃の決定方法はどんなふうになるのか。さらに運航について取り決めはどのようになっているか。  以上、三点についてお答えをいただきたいと思います。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) まず、運賃の決定方法につきまして、私の方から御説明させていただきたいと思います。  運賃の決定の問題につきましては、協定それぞれ両方同じだと思いますが、十一条に規定がございまして、運営の経費、合理的な利潤、業務の特性、その他すべての関係要素に考慮を払いまして、合理的な水準に定めることとされております。その具体的な決定の方法といたしましては、まず第一段階として関係航空企業間で合意されまして、第二段階としてその合意された運賃につきまして両締約国の航空当局の認可を受けることが必要とされております。  以上でございます。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) お答え申し上げます。  まず需要でございますけれども、オーストリアとの間におきましても、それからトルコとの間におきましても、年間約三万人の旅客輸送需要を見込んでおります。  それから、運航時期でございますが、これにつきまして航空協定がまだ発効しておらないということでもございますので、確たることを申し上げられませんけれども、一応その協定に基づきまして運航を希望している会社の見込みと申しますか、見通しといたしまして、まずオーストリアにつきましては、現在のところ七月中旬に運航を開始したいという希望を持っております。それからトルコにつきましては、現在会社の方で準備を重ねておりまして、現在のところはどうも八月一日以降になりそうだということでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 航空運賃に関連してでありますが、特にG5以降でしょうか、日本の航空運賃は諸外国のそれに比べて非常に割高になっているという指摘がしばしばなされているわけでありますが、現状はどうなっており、また今日まで、あるいはこれから以後も含めてですが、どんな対策が講ぜられつつあるのか、その点を運輸省からお聞きしたいと思います。

井山嗣夫運輸省航空局監理部長

○説明員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。  先生ただいま御指摘のように、日本発の国際運賃が例えばアメリカとかヨーロッパあるいは東南アジアと比べて非常に高いではないかという御批判がありますけれども、そのとおりでございます。私どもといたしましては、そのような実態にかんがみまして、昨年の九月でございますが、いわゆる方向別格差を何とか是正しようということで、従来からエアラインをそれぞれ各国、相手と協議をしながら下げてきておりますが、それをさらに一層下げていただこうということで強力な行政指導をいたしております。  その目標といたしましては、平成元年度中、今年度中にアメリカ、ヨーロッパとそれからオセアニアでございますが、これにつきましては普通往復運賃に係る格差をとにかく一〇〇対一〇〇、格差を解消してしまおう、こういうことが第一の目標でございます。それから、東南アジア線等につきましては非常に格差が当時大きかったものですから、これを七〇から九〇の間、日本を一〇〇といたしますと相手方発の運賃を七〇から九〇の間に是正しようということで強力に指導してきたわけでございます。  その結果、昨日現在、為替が動いておりますのであれでございますが、日本発を一〇〇といたしました場合の相手国発の運賃のレベルを比較いたしてみますと、アメリカにつきますとロサンゼルスが一〇〇対九八、向こう発の方が約二%安いところまでこぎつけました。それから、シンガポールにつきましては一〇一で、これは為替の動きがございますので、向こうの方が若干高い。ロンドン八七、パリ八九、シドニー一〇〇というふうにかなり改善をされるに至ってきております。ただ、まだ東南アジアとの関係では格差が相当ございますので、私どもといたしましては昨年九月の行政指導方針に基づきまして、なお今後一層方向別格差の是正を図るよう関係会社の指導を強めてまいりたい、こういうふうに思っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 ヨーロッパ及びアメリカについては年内に格差解消、是正が図れるということでありますが、東南アジアは時期的にはいつごろその解消が図られるのでしょうか。

井山嗣夫運輸省航空局監理部長

○説明員(井山嗣夫君) 時期につきましては、ただいまここで何月までということは明確な時期を申し上げられませんが、今までのペースを落とさずに、できるだけ早い機会にできれば一〇〇対一〇〇に持っていきたいということで行政上の努力を続けたいと思っております。強烈に指導いたしたいと思っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 本日、二つの国との航空協定が提案をされたわけでありますが、今後近々予想される新路線の開設みたいなものはございますか。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) 先生の御質問は、今後近近新たな協定交渉あるいは協定の締結が行われるかという趣旨と理解いたしますけれども、現在日本に対しまして公式に航空協定を締結したいと申し入れをしている国は三十数カ国に上っております。そのうち、正式な交渉をしておる国は現在のところございません。  ただ、予備的な協議は、昨年の二月からネパールと行っておるという状況にあります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 つい最近の報道で、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国との間に航空路の協議が、公式か非公式か知りませんが、始まりつつあるということですが、その辺の情報についてはどんなふうに察知していますか、つかんでいますか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 現在までのところ、特にそういった情報は聞いておりません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 二、三日前の新聞にかなり具体的に、とりわけこの秋の世界青年友好祭ですか、が終了すれば大々的に観光政策を強化する、その一環としてアメリカとの間の航空路開設を検討中だ、既に交渉にも入っている、香港路線も考えているというようなことについては全然情報はありませんか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 全然情報がない状態でお答えする次第でございますが、米国と北朝鮮は国交がない、したがって、そういう状況ではいわゆる政府間のこういった協定の交渉を行うことができるような状況にない。ただ、民間の飛行機会社がチャーター便を飛ばすということについて何か話があるのかどうか、そういうことまでは私知っておりませんが、あるいはそういう可能性があるのかなということを今委員のお話を伺っていて感じたわけでございます。政府としては特にそういった話は聞いておりません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 これは大臣にお願いをし、また見解も伺いたいのですが、朝鮮政策を本格的に転換をしなければならぬ時期、いろんなやり方、手法はあると思うのでありますが、その一つに、今ですと、先般の旅券の際にも問題になったのですが、直接行けない。中国経由でしか交流ができないということは、非常に近い国でありながら決してよろしいことではないのでありまして、今後の航空路の開設など、既にアメリカなども動いているやに聞いておりますので、日本政府としても積極的に進める方向で検討に入るべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 我が国と北朝鮮との関係につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、日本政府の方にもこれを前向きに持っていきたいという意向はございます。こういった政府の考え方を背景としまして、ことしの三月三十日に予算委員会において竹下総理大臣が北朝鮮に対する考え方を明らかにされました。その中で、政府としても前提条件なく北朝鮮と話し合いに入りたいということを総理は宣明されたわけでございます。  この総理の御発言に対して現在までのところ北朝鮮側からは特に前向きの反応はございませんが、政府としましてはこういった考えを持ちまして話し合いをすべく種々前向きの対応をとろうとしているところでございます。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 経過について、またただいままでの取り組みについて長谷川局長からお話がありましたけれども、ただいま御指摘のように最も近い国でございます。この国との関係好転を目指して取り組んでまいりますのは我が国として当然のことであります。なかなか、第十八富士山丸等の問題もこれあり、私どもとしてもこの解決が非常に重要な問題だと考えておりまして努力をいたしておるところであります。国会にも超党派の議員連盟などもこれあり、それぞれ御努力をいただいておりますことに感謝を申し上げておるわけでございますが、さらなる前進のためのアクションがあられますように格段に希望し、またお願いを申し上げてまいりたいと存じております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 航空協定関係は以上で終わります。  しかし、内容的には引き続き大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、国際情勢一般に入る前に、新外務大臣三塚外交の特徴、力点はこれだというようなことがありましたらまずお述べいただきたいと思います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 先般、所信表明でも申し上げさせていただきましたが、やはり我が国外交の基本は平和外交を強力に推進してまいるというのが重要なポイントであり、歴代内閣、歴代外務大臣、この方針のもとに進めてまいりました。  そういう中で、世界の中の日本という、先進国の中の一員、こういう位置づけ、同時に我が国がアジアの一国であるというこの地理的、歴史的な事実をしっかりと踏まえまして、その点からただいまの平和外交、善隣友好という基本を踏まえていかなければならぬ、このように思っておりまして、この基本方針の中で今後生起するそれぞれの問題に冷静、的確に対応してまいらなければならぬ、このように思っておるところであります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 外交一般について質問したいと思いますが、私はきょうはODAの問題と中国問題、それからサミット、軍縮など、時間がある限り私の見解を申し上げ、また政府の意見もお聞きしたいと思っているのであります。  まず最初に、ODAではビルマ問題を取り上げます。  つい最近の報道によりますと、ビルマ国軍が使用している軍用トラックの八割が日本の日野自動車製である、先般、ビルマでも民主化闘争があったわけでありますが、兵士や武器の輸送、食糧の輸送などが全部これによってなされたということで怨嗟の的にもなっているとも言われているわけでありますが、この軍用トラックは、日本のODAを受けているビルマ重工業公社、ここで製造されていると伝えられているのですが、政府としてはどのような認識でしょうか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今の先生御質問のトラックでございますが、御高承のように、ビルマに対しまして工業化プロジェクト四つを賠償時代から援助してきておりまして、その一つがトラックの製造工場でございます。しかしながら、私どもは、基本的に日本の経済協力というのは軍事的用途に充てられてはいけないということで、この点は非常に厳格に運用してきておりまして、ビルマのこのプロジェクトについても同様でございまして、従来から、このプロジェクトの関係でもビルマ側に何度かにわたりまして、ここで生産されましたトラックが軍用には使われていないということを念を押してきておりまして、これに対しましてビルマ政府から正式に軍用には使われていないという回答を得ております。  先生御指摘のような報道もございましたので、最近に至りましても再度ビルマ政府に対しまして軍事目的には使用されていないという確認を求めておきましたところ、五月の下旬でございますけれども、ビルマ政府から、繰り返し従来ビルマ政府が私どもに説明してきたところを確認してきておりまして、つまり軍用、軍事目的には使用していないということを言っております。  具体的に申し上げますと、五月二十二日ですが、ビルマに駐在しておられます大鷹大使から確認を求めましたところ、ビルマ側のアベル計画・財務・貿易大臣、それからセイン・アウン第一兼第二工業大臣、この両大臣が、今私が申し上げましたような確認を行っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 今の答弁は、ビルマの軍隊は日野自動車というトラックを、これはトラックの型式もWA二一一型六・五トンのトラックということで具体的な型式なども指定されており、ここに写真まで出ているわけですが、軍そのものが日野自動車製のトラックは使っていないということですか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私どもが確認を求めておりますのは、より具体的に申し上げますと、今申し上げましたトラック工場に対しまして商品借款という形でパーツを供給しておりまして、このパーツの供給に当たっては、これが軍事目的には使用されてはならないという約束をビルマ側から取りつけている次第でございまして、それに基づいて、この工場で生産されましたトラックの販売先、具体的にどこに販売したのかということを確認を求めておりまして、ビルマ政府の説明によりますと、今まで生産されましたトラックの販売先は、政府機関それから協同組合、道路公社、林業公社等であって、軍に向けては販売してないという回答を得ております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 販売しているかしてないかの問いの前に私が伺っているのは、ビルマ軍の使用している八割のトラックが日野の自動車だということは実態としてどうかと聞いているんです。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) そういう報道があるのは私どもも承知しておりますけれども、私どもにとってより重要なことは、日本の援助が……

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 その話を聞いているんじゃないんだ。私の質問に答えなさい。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 軍事目的に使われているかどうかという点で、先ほど申し上げましたように、その点に関してはビルマ政府から軍事目的には使わないという約束を取りつけておりますので、それが守られているかどうかということで確認を求めているわけでございまして、先生御質問のビルマ軍がどういうトラックを使用して云々ということに関しましては私どもは照会をしておりません。しかしながら……

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 知らないなら知らないと言ってください、時間がないんだから。だめだ、同じ話を何回もしたら。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) しかしながら、先生の御指摘のような報道もございますので、今さらに詳細についてはビルマ政府に照会をしているところでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 実態として相当割合の日野製のトラックが使われている。使われているとすれば、どのコースで国軍に渡ったのかということを調べなければならないと私は思っているんです。  といいますのは、今の説明にもかかわらず、例えば日野から送られた部品の組み立てをやっているビルマ重工業公社の工場と軍の工場が同居している、同一敷地内にあるというような指摘などもあるのでありまして、その間で具体的に軍に渡されている可能性もあるというようなこともあるのでありまして、とりわけ大量に日野の自動車をビルマ軍が使っているということになれば武器輸出的な問題になるわけでありますから、どのコースで行ったのか、どういう経路で渡ったのかということを調べてしかるべきだと思いますが、いかがですか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 繰り返しになって申しわけございませんけれども、私どもの主眼は、日本の援助で協力してきたプロジェクトないし、日本が援助で提供した物資が軍事的用途に充てられるかどうかという点でございます。それがまさに軍事的用途に充てられてはいけないわけで、そういう意味で、先ほど申し上げましたように、このトラック組み立て工場で生産されましたトラックがどういうふうに販売されてきたのか、それに関しましておおよそに申し上げますと、今までの生産高、さらにはその販売先に関しましてビルマ側に今詳細照会をしているところでございまして、先生御質問のように、そもそもビルマ軍がどういう形でどういうふうにやったということまで私どもとしては、これは恐らくビルマ側としてはかなり――そういう形では質問はしておりませんけれども、日本政府といたしまして、照会することに関しましては、私ども照会をするきっかけというのはあくまでも、今繰り返し申し上げたように、この援助がどうかという点でございますので、そちらに焦点を絞って照会するのが妥当であると考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 時間がないんだから、同じ説明を長々としないでください。  私が質問をしているのは、そのルートではないということの説明があったから、それならばどういう経過で渡ったのかを政府として調べてしかるべきだと、その調査を求めます。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 仮に御指摘のようなことでありまするといたしますれば、我が国援助の基本方針から離れておる、こういうことになります。よって、援助の目的が正確に進められておるか否かという調査の中で御指摘の部分について進めたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 その調査を緊急にやって報告をいただきたいと思います。  ビルマ問題の二番目といたしましては、最近JICAが調査報告書を出しています。対ビルマODAは失敗だったという新聞の指摘もあるわけでありますが、表現はともかくとして、ビルマ工業の自立化が基本的なねらいだったわけでありますが、非常に望み薄になっているという内容の報告書が出されているということでありますが、その報告内容について報告をいただきたい。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今の先生御質問の国際協力事業団の報告書でございますが、これは先ほどちょっとトラックの組み立て工場の関連で申し上げましたけれども、日本は賠償時代以降工業化四プロジェクトに対しまして協力をしてきておりますけれども、設備がかなり古くなっておりまして、ビルマといたしましては今後この工業化プロジェクトをどういうふうに進めていったらいいかということで技術協力を求めてまいりまして、具体的に申し上げますと、その技術協力の形態は開発調査という形でございますけれども、したがいまして私どもは、このビルマ側の要請を踏まえまして、開発調査団を派遣いたしまして報告書をまとめたわけでございます。  この報告書というのは、いわばこの工業化プロジェクトを今後どういうふうに進めていったらいいかということに関してのビルマ政府の依頼を受けて提言をまとめたものでございまして、この報告書の中には、今先生御指摘のような新聞報道の、ビルマ援助全体が失敗であった、あるいはより具体的に言えばこの四工業プロジェクトが失敗であったというような内容はございません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 こういう内容はどうですか。これまでの援助のやり方では部品を自給できる体制づくりは難しい、ビルマ工業の自立化は望めないという評価だったのではありませんか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が御指摘のような表現そのままはございません。私……

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 ございますか、ございませんか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) そのような正確な表現はございませんので、ちょっと私がその報告書の重要な点だけ御紹介させていただきます。  まず、この報告書におきましては、今の工業化四プロジェクトがビルマの工業化にどういう貢献をしてきたかという点でございますけれども、この四つのプロジェクトは先ほど申し上げましたトラックなどのほかに農業機械、農機具、それから車両、電気製品等がございますけれども、全体としてこの四工業化プロジェクトがビルマの工業化に対しまして相当な貢献をしてきている。それはこのビルマの四工業化プロジェクトが、大げさに言えばビルマの工業化の中心をなしてきたということが基本的にございますが、これは数字で申し上げますと、このプロジェクトはビルマの工業生産の一一・四%という比重を占めている。  つまり、この四プロジェクトで生産する工業製品がビルマの工業生産全体の一一・四%を占めているということで相当な大きな比重を占めているわけで、そういう意味で、先ほど私が申し上げておりますように工業化に大きな貢献をしたということですが、それに加えまして、それ以外の産業へも波及効果もあって重要な役割を担っている。したがって、この四工業化プロジェクトは、ここで生産するのが他の産業に対して資本財を供給するという役割を果たしている。それに加えて、ここでいろいろ技術と経験が蓄積されたので、それがその他の産業の発展と生産性向上に技術面で貢献しているという指摘がございます。  しかし、にもかかわらず、これは今先生御指摘の点に関連いたしますけれども、このプロジェクトの生産設備が設置されましてもう二十年以上たっておりますので相当老朽化を来しております。したがって、これがまさにビルマ政府が今後このプロジェクトをどうしたらいいかということで日本側の調査を依頼してきた理由でございますけれども、老朽化しまして生産効率も下がり品質も低下してきている。この設備の生産能力も初期に比べてかなり低下してきていて生産量も低下してきている。ですから、このまま放置すれば生産を維持できなくなる心配が出てきている。これは繰り返しですけれども、まさに設備が老朽化したがゆえのことでございます。  それから、工業化の、今先生御指摘の原材料及び部品の国産化に関しても、その方向で努力して国産化率もかなり上がってきている。しかしながら、設備及び技術士の制約によって国産化されていない部分もまだある。したがって、今後さらに国産化の努力を進めていく必要がある。そういう指摘はございます。  以上でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 余り長々と要らないので、後で報告書を出してもらうから。  それでね、認識が大分違うんですよね。例えば自動車の部品の国産化比率は三五%程度で、自立という援助の趣旨からは非常にほど遠い。ほとんど主な部品を、自動車についていえば、依然として日本から供給してもらってきている。組み立てたけをやっている。電気製品についても、まだ蛍光灯ですら自立していない。具体的な指摘があって、先般の外務省の林有償資金協力課長の談話でも、失敗ではないが自立がおくれている、今の援助の形では続けるのが難しい――単に老朽化論じゃないんですよ、援助のありよう、あり方の基本が実は問われている。  いずれにしても、この十三次にわたる商品借款だけでも千四百億円という膨大な国民の税金が渡っているわけでありますから、これにかかわる報告書、外務省だけで持っているんじゃなくて国会に提出してください。その提出をきのう、おとついから求めているのですが、依然として出さないのです。委員長に提出をお願いしたいと思います。

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) その点は理事会で相談の上で、検討させていただきます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 理事会協議の前に。  これだけ膨大なお金を使っていて、また問題のある報告書が提出されているのに、その報告を国会に出さないというのはどういうわけですか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今回の調査の目的に関しましては、先ほど申し上げましたけれども、ビルマ政府がこの工業化四プロジェクトを今後どう進めていったらいいか、先ほど申し上げましたように設備、機材が古くなっているのでどうしたらいいかということで、私どもの調査を求めてきて、それに対しましてビルマ側は、ビルマ政府としては通常は公表していないようないろいろなデータも出してまいりまして、そういうものを踏まえて調査を行って、今回の調査はいわゆるフィージビリティー調査でございまして、今後のプロジェクトの進め方に関しての、経費の見積もりとか、いろいろ現段階ではまだ公表すべきでないデータも入っております。したがいまして、私どもは、こういうフィージビリティー調査の報告書は、これはあくまでも技術協力の成果品で、相手国政府に提出するために用意したものでございまして、今回のこのプロジェクトの結果について評価を行うというのはその主目的ではございません。  したがって、これをビルマ政府に提出しているわけで、私どもは三年間は不公表という原則にしておりまして、今申し上げたような、ビルマ政府がこの扱いについて態度を固め、いろいろ入札等を行った上で、もうここに書いてあるデータ等を不公表にする理由がないと判断した段階で公表するという原則で対応してきております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 これは大臣にもお願いしておきたいのですがね、一千四百億ですよ、商品借款が。その他の援助もさまざまあるわけです。それが自立化を目標に渡したわけですね。しかし、依然として自立できていない、今までのやり方には問題ありという内容が含まれている報告書が現に出されているにもかかわらず、国会にも明らかにしない。この外務省の態度を私はかねてから問題にしている。情報公開という基本から見ても、それから国民の税金を大量にやっぱり使うという立場から考えても、とりわけODAは日本が世界でトップクラスになっているわけですから、もっともっとやっぱり国会の関与を強めるべきだというのが基本的な考え方なのでありまして、その点では、だれに出すためにつくったとか、こういう目的であれしたとかということではなしに、どうしてもこれは数字その他で出しにくいところがあればそれは消してもいいですよ。基本の評価とか問題点の把握とかということは少なくとも国会に報告してしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) ただいま、従前今日までとり続けております基本的な態度について、局長から説明がございました。その基本は、両国政府の信頼関係という基本がベースにあるわけでございます。そういう意味でその基本は御理解をいただきつつも、ただいま矢田部委員御指摘の国会としての関与の仕方という意味ではこれにアプローチをしてまいる、そして自立化が進まないということでありますならば、援助本体の基本問題が問われるのではないかということの御指摘と承るわけでございます。  そういう点で、基本的なそういう枠組みの問題について、また何がそうさせておるのか等、本件について委員長を通じましてまたお知らせを申し上げる、今矢田部委員から数字その他についてはそれなりに配慮してよろしいというお言葉でありますので、そういうことで本ODA援助がかの国の、それぞれの国の民生安定に役立つようにということでの御指摘であろうと思いますので、さように研究し検討し、とり進めてまいりたいと考えます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 委員長としてもよろしく取り計らいお願いいたします。  そこでもう一つビルマ問題でつけ加えておきたいのは、工業自立化援助プロジェクトということで十五年間にわたってさまざまな援助、商品借款等を中心にやってきたわけですが、この援助を独占的に受注してきたのが日野、マツダ、松下、久保田の四企業なんですね。本来ならば国際入札でやるべき仕事の受注を全部それを随意契約でやっている。これは外務省筋の談話によっても特定企業がこれだけ深くかかわる援助は他に例がないと。こういうありよう、あり方がまたもう一つの問題点になっているんじゃありませんか。しかもこの四社は、自民党の国民政治協会に十年間で十二億円もの政治献金をやっているという指摘もあるわけでありますが、この点については大臣、どう考えますか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今の先生御指摘の調達の点についてお答えしたいと思いますけれども、一般論で申し上げますと円借款に基づくような調達は、この実施機関でございます海外経済協力基金で調達ガイドラインというのを定めておりまして、これに沿って国際入札を行うということになっています。これはより正確に申し上げますと、幾つか例外規定がございますけれども、こういう例外の場合を除いては原則として国際入札によるということになっております。  その例外が幾つかございますが、その一つが既存の設備の規格維持もしくは既存契約に基づくサービスを継続して受けるため等、正当な理由がある場合には国際入札によらず随意契約もできることになっております。したがいまして、このビルマの商品借款に関しましては、先ほど来御指摘のようにこの四つのまず工業化プロジェクト、具体的には工場があって、そこで組み立てるパーツを提供するという商品借款でございますので、このガイドラインに従って手続がとられたと承知しております。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) ただいま局長のお話が基本だと思います。  要すれば、商品借款ということでの特殊性ということどもの中で例外の扱いをせざるを得ない、こういうことが基本的にやられたわけでありますが、特にビルマ国は御案内のとおり今日まで戦後ずっと鎖国政策をとり続けておられまして、いろいろと開放性という意味で、その国の決定でありますから私どもとやかく言うつもりはございませんけれども、そんなことどもの中でなかなか我が国企業がこれに参加をしてまいるというその度合いにおいて、大変企業活動の旺盛な企業でありましてもなかなかもってそこにアプローチするということが少ないというのが今日の現況のように思います。  そういう点で、仮に今後の進め方について問題があるとすれば、その点は是正していかなければなりませんけれども、ただいまの段階までの方向については、私も報道等を見まして局長以下担当から事情を聞いておるわけでございますが、その方向において誤りがないように思います。  以上であります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そのほかビルマ問題は前回も本本的な課題として幾つか指摘をしておりますが、ODAを今後考えていくに当たって多くのやっぱり問題点をビルマは提起をしていると思うんですね。軍事転用、軍事援助的な問題、それから全く情報を明らかにせずに密室でやっていて国会に報告もしないという形、一部の独占企業が癒着をし独占的な利益をあげていくというような問題点、それはやっぱりこの際全面的に総括をして、先ほど申し上げた点も含めて国会に報告をしていただきたい、そのことを特に強く申し上げておきたいと思います。  次に、フィリピン援助の問題について焦点を移したいと思いますが、アメリカ主導型でミニ・マーシャル・プランともいわれる対フィリピン多国間援助問題が俎上に上りつつあります。アメリカ主導型であると同時に、日本にこれを重点的に肩がわりをさせていこうという内容にもなっており、全体としては戦略的援助ではないか。経済的不安や政治的不安定をなくするためのフィリピンの現体制の維持、あるいはまた米軍の基地を維持するための援助という色彩も濃厚にあるわけでありますが、その対フィリピン多国間援助について七月初めに東京で会議が開かれるということになっているようでありますが、その会議の性格、課題等について報告をいただきたいと思います。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生今御指摘のように七月初め、これは具体的には三、四、五でございますが、東京でフィリピン援助国会議を開きます。これは従来世銀がフィリピンの協議グループという形で本来は一年に一回ですが、それが二年に一回ぐらいの頻度で開かれておりましたのを、メンバーを拡大しかつ活性化する形で開きますので、世銀主催という形で開かれます。これには世銀のほか、IMF、アジア開発銀行等の国際機関も参加いたしますけれども、日本やアメリカ等、十数カ国が参加すると見ております。  ここで議論が行われますのは、フィリピン経済が八〇年代、特に前半非常に深刻な状態にございましたけれども、八七、八年とこの二年間はかなり順調に回復はしてきておりますけれども、まだまだ大きな問題を抱えております。全体としての開発もおくれておりますし失業率もかなり高うございますし、それから累積債務問題もかなり深刻化している。御承知のように、アキノ政権が発足して三年余りになりますけれども、こういうアキノ政権のもとでフィリピン経済の再建、それからさらには新しい国づくりということに今真剣に取り組んでおりますので、これに今申し上げました関係国及び関係国際機関で支援の手を差し伸べようということでございます。確かに当初アメリカが言い出したという経緯はございますけれども、現段階では世銀やIMF、アジア開発銀行、日本、アメリカ等かなり多くの国が関係して、みんなで協力してアキノ政権の新しい国づくりを支援していこうという趣旨で会議を開くものでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 フィリピン政府から政策ペーパーが既に出されているとか出される予定であるということを聞いておるわけでありますが、その会議に向けて、それはどんな内容、どんなものが骨子になっているでしょうか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私どもが従来フィリピンといろいろ非公式に話をしてまいりましたのは、フィリピンが八七年から九二年の六年間を対象にいたしまして中期開発計画というのを策定しておりますけれども、このもとでいろいろな経済政策の推進、それから経済改革の推進を考えておりますけれども、私どもとしては今後援助を強化していくに当たっては、やはりアキノ政権みずからがしつかりした経済政策を進め、しっかりした経済改革を進めていくということが重要である。  具体的には、中期開発計画では貧困の撲滅を初め、いろいろな目標を掲げておりまして、農村開発、雇用促進、それから民営化の推進などがございますので、こういうものをしっかりやっていくということを国際的に示す必要があるということで、今先生御指摘のポリシー・フレームワーク一ペーパーというペーパーをフィリピン側が作成してきたわけでございまして、それを踏まえて今関係国でフィリピンに対しまして今後どういう援助をしていったらいいのか検討しておりまして、その結果を持ち寄って先ほど御披露いたしました七月初めの東京会議で議論をするということでございまして、このフィリピンの用意しましたペーパーは、そういうことでまだ内部ペーパーでございますので、詳細はちょっと御披露しかねますけれども、今申し上げたのが主要な点でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 かねてアキノ政権下でできた中期開発計画それ自体にもいろいろ問題があるし、議論をしなきゃならぬ内容もあるわけですが、時間の関係でそこは省くとしまして、今後援助計画を立てるに当たって、対象期間なり、それから金額的な規模はどんなふうに考えておられますか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) この多国間援助構想の対象期間は、当初九〇年から五年間ということも言われましたけれども、今ちょっと御披露いたしましたフィリピンの中期開発計画が八七年から九二年でございまして、今から数えますと、ちょうど九二年まで四年残っておりますので、八九年から九二年までの四年間を対象にするということで今作業を進めております。  しかしながら、援助供与国によって援助の制度が異なりますけれども、国によってはまず最初に金額をコミットできる国もございますけれども、私どもは積み上げ方式ということでプロジェクトの積み上げをやった上で金額をはじくという方式を採用しておりますので、今回も従来の二国間援助の方式に沿いまして、これは具体的には円借款、無償資金協力、技術協力の三本柱になりますけれども、それぞれ今積み上げ作業を行っております。一番この中の中心になりますのは円借款でございますけれども、五月の中旬に政府ミッションを出しまして、それからさらに、現在海外経済協力基金のミッションが現地に行っておりまして、月末には帰ってまいりますので、そういう積み上げ作業を行った上で金額をはじくことにしておりまして、現段階ではまだそういう積み上げ作業の過程でございますので金額をはじいておりません。  しかしながら、この関連でちょっと申し上げたいのは、五月の初めになりますが、当時の竹下総理がASEAN訪問の最後にフィリピンを訪問されまして、アキノ大統領に対しまして多国間援助構想に基づく日本のフィリピン支援については十分なる貢献を行っていくということを言っておられますので、これを基本的な指針として作業を進めております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 五年間で六十億ドルとも百億ドルとも言われているわけですが、その程度の規模のものを考えておられるのでしょうか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 当初、アメリカ議会の関係者が今先生御指摘されました五年間で百億ドルというような数字を流した経緯はございますけれども、今いろんな想定を置いていろんな作業をしておりますのでちょっと数字は御勘弁いただきたいのですが、フィリピンの今後四年間の全体としての国際収支上の資金ギャップがどうなるか、それから従来約束していた援助のディスバースがございますのでそれでどのくらい埋められるのか。この中には国際機関からの新しい約束、IMFなんかの新しい援助のディスバースもございますけれども、それに加えて新規の援助がどのくらい全体として要るのか、それから民間の投資がどのくらい期待されるのか、それから債権繰り延べがどのくらい行われるかというようなことで全体の数字をちょっと今はじいておりまして、ですから、くどいんですけれども、資金ギャップの数字と最終的に必要とするニューマネーの数字、それからニューマネーの中でも必要とする援助の数字というのがいろいろ幾つかの段階がございまして、しかもこれは全体の数字でございますのでそれが即日本の援助額ということではもちろんございませんので、そういうものを踏まえつつ、先ほど申し上げましたように、日本の基本的な援助政策に基づきまして、つまり積み上げ作業ということで今作業しているということでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 個別論議をする時間的余裕はありませんが、私どもの方に伝えられている在野筋の意向とか民衆側の意見というのは、どうもやっぱり今度のミニマーシャルプランにはフィリピンの主体的な計画とか意思決定が十分でない、むしろ実質的には参画していない、それからいろんな金額が取りざたされているが、そんな多額な資金を今受け入れるような情勢にないと。現に予算の四四%近くが債務返済に充てられるという危機的な状況もあるわけであります。  特に、フィリピン内部での一番の問題は農地改革であります。また社会改革も必要なわけでありますが、そういうやっぱり基本問題がフィリピン側で立てられないままマルコス時代の延長線上でプロジェクト中心の大型援助をやるというようなことになると、またまた同じような過ちを繰り返すおそれがあるという指摘もあるのですが、あなた方として、私ども近々フィリピンの政治家や学者の人たちと日比フォーラムを企画しておりますが、そういう民衆側の意見とか広い各界各層の意見をやっぱり聞いて今度の問題に対処をしていくべきではないかと思いますが、外務省としていかがですか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) その点まさに先生御指摘のとおりだと私も思います。これはもう先生重々御承知のことですけれども、やはり基本はアキノ政権がしっかりマクロ経済政策及び経済改革をやっていくということで、私どもが考えておりますのはそれをまさに支援していくということですから、今先生御指摘の農地改革、これはもうまさにフィリピンの今後にとって最大の課題で、フィリピン人口の八五%は農村に住んでおるわけですから、この農地改革がどうなるかというのがまさにフィリピン経済あるいはフィリピンそのものの今後を占う上で重要でございます。したがって、こういうものをしっかりやっていくということが柱でございまして、私どももいろいろフィリピン政府の関係者と話をしておりますけれども、いろんな意見を聞くことにはもちろんやぶさかでございません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 もう一点フィリピンの人たちが非常に重視をしておりますのは、米軍基地が九一年で期限切れになるわけですね。その継続のためにアメリカを中心とする大型な経済援助を求めている。実質は日本がこれに肩がわりをしていくわけでありますが、基地継続とバーターで問題が詰められようとしている。そのことに対して物すごく警戒心を持っているわけですが、これについては外務省どう考えますか。

松浦晃一郎外務省経済協力局長

○政府委員(松浦晃一郎君) この問題に関しては、私どもは基地の問題とは全く別の問題であるということで最初から繰り返し指摘しておりまして、これはアメリカ、フィリピン両国も全く同意見であるということでございます。それがゆえに、先ほど御披露いたしましたようにかなり多くの国際機関、かなり多くの関係国がまさに参加してくれるものと思っている次第でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 時間がなくて残念なんですが、中国問題を二、三伺っておきたいと思います。  今度の中国の一連の動きについて、一方では学生や民衆の側の民主化運動だという規定の仕方があると同時に、他方では動乱、暴乱、反革命だという立場をとってもいるわけでありますが、政府としてはこの状況をどういうふうにごらんになりますか。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 本件につきましては、胡耀邦前総書記の死去に伴った中国の民主化運動というものがありまして、先月二十日の戒厳令公布という事態にまで発展をしたと見ておるわけでありますが、その背景には民主化の流れに対する学生の不満、昨年来のインフレ及び幹部の腐敗、不正に対する民衆の憤りなどが一つの力となりまして大きな広がりを見せ、そのスローガンも単なる民主化要求から反政府、現指導部に対する批判にまで発展していったものと認識をいたしております。  これは既に中国当局が反革命暴乱と規定していることは承知しておりますが、いずれにいたしましても今回の中国の民主化要求運動は、中国が近代化を実現をしていく過程で生起してまいりました政治問題である、そういう認識をいたしておるところであります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 その評価ともかかわろうかと思いますが、相手国の主権を尊重したり内政に干渉しないことは当然のことでありますが、同時にまた、人権に国境なしと言われているわけでありまして、人権とか民主主義の問題については重視をしていかなきゃならぬということももう一つの価値の問題であります。  その立場から見て、政府がとられてきた態度について二、三お尋ねをしたいのですが、学生や民衆に武力を行使した、武力で制圧をしたという点については日本政府も批判をしているように思われるわけでありますが、その後大量の逮捕が続く、最近では、中国の司法制度についてあれこれ言う立場にはありませんが、非常にスピードな裁判で死刑判決が出る、控訴期間は三日間、伝えられるところによりますと、確定してから三十日間で死刑だ、こういうような人権上の問題も出てきているわけでありますが、これらについては政府はどんなふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 本件は、こういう民主化運動、市民運動、学生運動という位置づけの中において、人民軍が生命を殺傷するという事態は、政府が再三申し上げておりますとおり、人道上の観点から極めて憂慮にたえないし、さようなことがあってはならない、こう申し上げておるわけでありまして、引き続き、ただいま御指摘のように、最近の中国政府の学生、一般市民に対する取り締まりの強化、逮捕そして判決は中国政府の司法上の問題であるとして、それはそれといたしますけれども、民主主義国である我が国の基本的価値観というものがこれと決して相入れるものではないというふうに思っておりますし、自制を希望し期待をいたしておる、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 もう少し議論をしたいのですが、時間がありませんのでもう一点だけ伺っておきます。  中国のこのたびの事態に対して外務省の全体的な情報収集、分析、具体的な対応について迅速性に欠けている、情報について正確性が必ずしも十分でないというようなことが背後にあってか、邦人保護の面でも幾つか問題が出ているように思われるわけでありますが、その中で、このたびの軍による鎮圧とか混乱に際して、けがをした人あるいは行方不明になった人などの把握が必ずしも十分になされていないのではないかという指摘が一部からもたらされているのでありますが、この点はどんな行動をとり、どんな把握をし、全く心配がないのかどうかという点についてお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。

黒河内久美外務省大臣官房領事移住部長

○政府委員(黒河内久美君) 今般の中国情報にかんがみまして、外務省といたしましては邦人の安全確保については最大限の努力を行ったつもりでございます。  すなわち、在中国大使館におきましては邦人保護対策本部それから本省におきましても中国情勢に関する特別検討本部、そしてその下に邦人保護特別対策委員会というものを設置いたしまして、戒厳令の施行以来、在留邦人への情報提供あるいは注意、勧告等の連絡、さらには航空便の臨時便の運航確保、また留学生を中心とした邦人のホテルまたは空港への移送等の援助、さらには中国当局への邦人の安全確保への申し入れ等、適時的確にやったつもりでございますし、本省及び在外公館ともにほとんど不眠不休で邦人の安全確保に全力を上げた次第でございます。  その結果、極めて危険かつ困難な状況の中ではあったわけでございますが、負傷者が二名あったという以外には、約四千名の邦人を無事帰国させることができた次第でございます。  なお、御指摘の行方不明の邦人がなかったかということでございますが、私ども在外公館、これは北京の大使館のみならず地方の総領事館におきましても邦人との連絡に努めておりますが、これまでのところ、今御指摘のような遭難が懸念されるような行方不明者があるという報はございません。実際に、御家族あるいは関係者からの照会を受けておりまして、お一人お一人について我が方の在外公館に連絡いたしまして安否の確認をいたしておるところでございます。その結果、今までのところはそういう遭難があったということはございません。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 私は、先日の外務大臣の一般的な施政に関する見解をもう少し違う観点からお閥きすることにしたいと思うんです。  ですが、その前に、この法案がここに出ておりますが、この法案に関して細かなことを一々お聞きするほど検討しておりませんけれども、トルコとの航空協定、これとオーストリアとの協定とは内容が違うことを感じます。一つは、オーストリアとの関係ではハイジャックのことが非常に強く規定してある。トルコの方はそうではない。それはどうしてこういうふうになっているんですか。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) あるいはそういう印象をお持ちになられたのかもしれませんけれども、現在日本は外国と、三十七カ国と航空協定を締結しておりまして、特に最近の協定におきましては、この十三条が先生御指摘のその保安条項と言われるものでございますけれども、定型的なパターンができておりまして、そういう意味では、語句上あるいは若干の表現の違いはあるのかもしれませんけれども、オーストリア及びトルコ両協定とも基本的な内容は同じものである、そういう考え方で締結しております。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 ところが、条文を拝見しますと、トルコの方にはハイジャックを予想するような規定が全然ないように思うんですけれども、片一方の方は細かく規定されている。やっぱりこれはオーストリア、ウィーンの占めるヨーロッパにおける立地条件、それがトルコの場合と違うのでそういうふうになっているんじゃないかと思う。そうではないんですか。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) ハイジャックの問題につきましては国際社会におきまして三つ条約がございまして、先生御承知のところと思いますけれども念のため申し上げますと、いわゆる東京条約、それからヘーグ条約、それからモントリオール条約とございまして、この三つの条約にはオーストリアもトルコも加盟してございます。日本ももちろん加盟してございます。そういう観点からは、三国のハイジャック問題についての取り組み方、考え方、姿勢というものは基本的に同じである、こう考えております。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 そう言われるけれども、オーストリアというものの国際的なポジションというものは、あれは東ヨーロッパと西欧との接点のようなところで、しかもベルリンを例にとって東ドイツと西ドイツとの関係を見れば、あそこの壁はある程度行き来もできますけれども、同時に壁は非常に厳しい場合がある。ところが、オーストリアというのは、ウィーンからさっと東欧にも入れる唯一の場所で、非常に国際的な場所ですね。ですから、国連の関係のものもここに置いてあったりするので、特にそういういろいろな国からの出入りが非常にある。何かそのことが考慮されていると思います。だから、基本的には同じ協定を持っているんでしょうけれども、やっぱりオーストリアにはそういうことがあってこういう詳しい条文になっているんじゃないかと思うんですが、別にこれを否定されることもないと思うからそれ以上お聞きしません。  それで、一方このトルコの場合ですけれども、トルコとかギリシャというのは、あれはドイツとの関係が非常に昔からありますね。飛行機なんかのないころは鉄道の終点がトルコで、したがってドイツの労働者というのは、フランス、パリなんかの労働者がアラブであるように、トルコから来るのが非常に多いんですね。そういう状況がある。  このことはあれですか、ドイツは何も日本とトルコとのこういう協定を結ぶことについて口を挟まないわけですか。挟んでないわけなんですよね。その一方で、私は確かめてはいないんだけれども、ソビエトはこのトルコとの協定に多少関係があるのじゃないんですか。そのことをお聞きしたいように思うんですけれども。

恩田宗外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(恩田宗君) トルコとの航空協定は昨年交渉されたわけでございますが、その過程においてソ連から特に問題がある、あるいは意見があるということで私どもの方に情報が入ってきたことはございません。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 そうですが、これは私は聞き損なったことかと思うんですが。ただ、今ソビエトではグルジヤの問題とか等々、トルコ人の系統の人種の人たちとのトラブルがありますね。だから、自然にトルコについてソビエトの何か強い関心があるのかと思ったが、これについては全然ないんですか。――ああそうですが。それはその程度で。  それで、先般まだ国際的な反応・それからいろんな見解が十分わからなかった時期で外務大臣の中国に対する見解をお聞きしたわけなんですが、その後いろんな関係のニュースを見てみますと、かなり私は私なりに状況がわかってきたように感じております。それは、先般私が中国の共産主義、これを英米ではカリスマ的コミュニズムという言葉を使っていますね、このカリスマ的コミュニズムと言われるもののあらわれは何かというと、軍事的社会主義だと今度の事件で感じたものですから、それで軍事的社会主義ということを申しました。  これは今から三十年ぐらい前、私がパリにおりましたときに、ちょうど安保闘争のときで、そのころは中国がアフリカの問題に非常に発言していた時代であります。殊にアジア、アフリカの友好だとかあるいは文化運動なんかも含んでおりましたが。あのときはヨーロッパではこういう中国の動きをマオイズム――普通の共産主義の活動とちょっと区別して、マオイズムとかそれからマオイストと言っておりました。そのマオイストと言ったのは、独特な行動様式を持っている共産主義とか社会主義という形で言っていた。ああいう問題がやっぱりなお残っているのか、それを中国が清算しようとするのかということに問題点が一つ感じられます。  それで、そういう目でさっきの航空協定のところを見ますと、中国は除くと書いてある、中国は通らないんですね。中国を通らないという、その中国が世界の中で、アジアの中で、やはりかなり独特のというか、ソビエトともまた違う、いわば一種の軍事的な要素というものがあって航空協定から中国を今外していることに気がつくのです。  で、そういう中国がいい悪いじゃなくて、現在そうでありまして、私は戦争前の中国に行ったこともあるし、それから戦争中に戦場で中国の軍隊とぶつかったこともありますし、それから戦争の末期ですが、当時おりました台北帝大からの官費の視察で北京に行ったこともありますし、それから戦後になると、片山哲さんなんかとも護憲運動をやったときに周恩来から呼ばれて中国に行ったこともある。そのほか、その他中国をいろいろな段階で見ておりますけれども、それを一貫して見ていても、やっぱり中国の軍隊というものには非常に独特な印象を私は持っております、それがいいか悪いかじゃなくて。  それで、今度のこの天安門の事件が、ただ、前にあった文化大革命の天安門のデモという話と違って、戒厳になって軍隊が出動して、その軍隊に関して欧米のいろいろな中国情報が、軍隊が多少対立しているんだとか、あるいはアジア及び日本についての最大の権威だと私は思いますけれども、英国のドーアさんが座談していたときに、あれはやっぱり軍閥的なものがあると、こう言っておられたり、それからキッシンジャーの観察にもそういうものがあって、つまり中国の軍隊というのは近代化しながら非常に地方色があったり、昔の軍閥的なああいうもののある国なんで、その国が非常に努力して民主化しようとしているのでありますから、これを一概に西欧デモクラシーの目だけから急いで見ることはそう自然ではないというような感じでありまして、別にどこをどうすればいいという問題じゃありませんけれども、その後、鄧小平さんの動静を伝える新聞等、私は、アメリカでも日本人やアジア人の多いロサンゼルスの新聞が一番何か情報をつかんでいるんじゃないかと思って、ロサンゼルス・タイムズを拾ってみますと、それからアメリカの新聞も見ますと、鄧小平さんは、こういう手は打ったけれども、別に強くこれから先出ようとしているわけではないことを感ずるのです。このことはやっぱり隣国日本としての対中国政策としては慎重にされるといい。  それからもう一つ、先般のここでの委員会のときはまだわかりませんでしたけれども、実際にあの暴動に関係した人がどのくらいいて、死傷した人数が双方どのくらいかということは、これはもう確かめることがもう一つできませんですけれども、しかし中国政府は、学生を正面から逮捕しようというふうには出ていないことを私は知るんです。というのは、活動家を指名したりしておりますけれども、やっぱりリーダーを挙げているということと、もう一つは、列車を破壊したり、ああいう実際の反社会的な行為をしたら日本の刑法でも罰せられるようなそういう人を見せしめのようにして有罪にしておりますけれども、学生一般に対する逮捕は非常に慎重にしているというように思われるんです。この点は外務省の方はどういうふうに印象を持っておられるんですかな。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 中村先生の中国問題に対する大変深い見識の中で、それぞれの有識者の御意見なども御披露を賜りながら、また歴史観の上に立ちました御指摘の中の憂えられた御発言をただいま承らさしていただいたところであります。  そういう中におきまして、先ほども申し上げました開放改革という、世界的な潮流の中の路線を選ばれてまいりました中国指導者、いわゆる鄧小平ラインだと思うのでありますが、そういう中において起きました事件でありますだけに、それが市民、学生の諸君の死傷という大変痛ましい問題でありますだけに、我が国政府といたしまして人道上の深い懸念と、これに対する今後ありませんことを願って言明をいたしてきておるところでございますが、先生御指摘のとおり、鄧小平さんが慎重な態度で今後に対応していくという、こういうことであり、学生を逮捕しておらないのではないか、まさに反社会的な見せしめのためにさようなことであるのではないかという御指摘、私もさようにあってほしいと深く念願をしておるわけであります。  特に、中国という今日の立場は、中国自身がお考えになられておるかはどうかと思うのでありますが、あるいはお考えになられておると思うのでありますけれども、国際社会に占める位置づけというのは極めてウエートの高いものに相なっておるわけですね。よって、中国政府の事件に対して国際世論が激しく反応いたしたということは、まさに非常に重い国家でありますだけに、さようなことであったと思いますものですから、私どもは平静に正常化に戻りますことを隣国として深く期待をし、また希望をいたすというのはそういうことでありまして、先生言われるような諸状況に相なりますように、また先生の友人、知己とのいろんな御懇談、献酬があられるようでありますが、そのことを期待をいたしておるところであります。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 趙紫陽さんについても何か最近のニュースの中に北京の中でゴルフをしていたということが出ているのがありましたり、これはそういうふうに国際的な印象づけをする必要があるということもあるでしょう。しかし、これはかつて文化大革命のときに最も追及された彰真さんという北京市長をした人で、日本にも来て私は片山さんなんかと一緒のときに会いましたけれども、あの彰真さんに対してはかなり厳しい措置をしたように言われていたけれども、私の友人の広東語の非常によくできる、広東のニュースの取材ができる和久田君という人がいますが、この人の書いたものには、彰真は悠々と北京で庭をいじっていると。つまり、こういう要素が中国にはあるのでありまして、これを粛清したとかなんとかそういうこともあるでしょうけれども、権力の関係ではそうであっても、そういう根こそぎに人権を無視して、人の存在を無視しているようなことでもないんですね。こういうことがありますから、政治事件で接触するときには、やっぱり向こうと同じようにかなり大陸的に対処していく必要があるようにただ思うわけです。まあそんなことであります。  それから、そういう機会に、これは外務委員会で取り上げるような問題じゃないかもしれませんけれども、しかし国際政治を見ていくときに非常に重要だと思われるのは、一口に民族ということなんですね。それで、中国にもそういう種族的な区分というか、そう対立はありませんけれども、それは漢民族とか満州族とかそういうことが清朝の政変に絡んだわけだし、それからベトナムとか仏印に近いところのかなり南方の中国人、これは大体歴史上の中国革命をした孫文とかその他みんな南方の人でありまして北方系の中国人じゃない。北京の政府筋は南方糸の人というものをやっぱり辺境の人として見ていますけれども、最近は南方系の人が実際に中国を動かしている。これはなぜかというと、華僑と全部つながっておりますから、それが非常に国際的な要素を持っていて鎖国的なことを超えて国際舞台の経済交流、市場の原理というのにつなげているわけでありまして、中国においてはいわゆる民族的な対立という形にならないで、種族のいろいろ区別はありますけれども、それが共存する形になって、これが中国の私は一つの特徴だと思うんです。  これに反して、最近ソビエトではいろんな形であの中の小国家の自主性を主張するとか、あるいは中央政府に対するトラブルとか、こういうものがあることを非常に特徴的に思います。ゴルバチョフさんの片腕で日本問題なんかを実際に担当しているプリマコフさん、今度最高会議の議員になりましたプリマコフさんは、私は昔から大学の交流で相手方がプリマコフさんだったものですからプリマコフさんから呼ばれてソビエトへ行ったこともありますし、あの人は割合にそういうソビエトの南部の民族の問題なんかに相当の知識を持っているんです。したがって、日本に対しても、北方領土の問題なんかについてもあの人は従来とちょっと違う、別に北方領土の問題は簡単に解決することじゃありませんけれども、しかし少なくとも話題にのせようというような空気が出てきている、あれはやっぱりプリマコフさんなんかの考え方だと私は思っているんです。  それで最後に、こういう小民族の――小民族というか小国家の自主性を主張したりするときにこれを日本語では民族と、こう言いますけれども、英語では全部エスニカルという、エソスとかエスノロジーとか、あのエスニックという言葉で言っているんです。このことを外務省の中で何か問題意識を持っているのかどうかという感じがするんです。というのは、中曽根元首相が、日本には民族の対立はないとか一民族だとか言っているああいう言葉は、日本語で言っているものを外国語にする場合と、外国で言っているものを日本語にする場合とどうも問題意識が多少違ってきているんです。それについて外務省なんかは、やっぱりもう少し現在のああいう民族問題をきちんとつかまれる必要があると思います。それは、戦前から私は南方の植民地の大学にいたものだから、英国なんかですと、英国の植民地官僚なんというのはフォークロアとかエスノロジーをすぐやるんです。それをまず勉強して外交官になったり外地の統治者になる。だから、ウィーンで始まったドイツ系のエトノロジーですけれども、あれはヨーロッパ以外の国の習俗の研究で始まったものでありまして、そういう点をやっぱり見ていないと、政治の出入りだけを見ていると今の世界はつかめないんじゃないか。  というのは、それで最後に一言申し上げるんですけれども、これはペンギン叢書の「ザ・ニュー・イントロダクション・ソシオロジー」という、エディターはピーター・ウォースリーという人ですが、この人はマンチェスター大学の教授で、そして現在の英国のまさに代表的な学会の会長をしたりしている社会学者ですが、この人が一人で書いたんじゃなくて編集したものでありますけれども、そこで何を問題にしているかというと、つまりエスニックということ、エスニックディファレンスというのとレーシャルディファレンス、これは人種的な、生理学的な相違とエスニックの区分ということで、特にこれが現代の社会学だということでこの問題を取り上げておりまして、そしてエスニックというのはどこがレースと違うかというと、レースというのは非常に自然科学的であるけれども、エスニックというのは習俗とかそれから社会生活ということで、そういうことからの区別を言っている。  だから、その代表的なものとして言っているのが、ユダヤ的なものと、それからユダヤ人ではあるけれどもキリスト教に転向したジェンタイルというものである。このジェンタイルというのは、ユダヤ糸の人種ではありますけれども、いわゆるユダヤ人ではない。例えばハイネなんというのはユダヤ糸の人でありますけれども、いわゆるユダヤ人としては活動していない。こういう問題意識がここにあって、それらの問題をつかまないと、今日のソビエトの中でのユダヤ人のゲットーの問題だとかあるいは今のグルジア人の中からトルコ系のレースが、人種がトルコに復帰しようとしているとか、こういうふうな全体の問題がつかめない。  ということは、ネーションという言葉で済まされないエスニックという言葉があって、これが国際政治の中で、日本では日本語にないものだから問題意識がないが、そういうこともやっぱり外交関係では非常に重要なんだということをただ一言申して私は話を終わりたいと思います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 条約局長はこの分野の研究者で権威でありますから一言述べさせていただきたいと思います。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) 全く権威ではございませんが、今の先生のお話を大変関心を持って、また勉強させられるところが多くて、拝聴させていただきました。  確かに、エスニックというのは、日本の言葉といいますか、日本人の考え方に大変なじみが多くない分野で、私どもが入っております多数国間条約の幾つかにエスニックという言葉が出てまいります。例えば人権規約の中の社会権規約、それから自由権規約両方にエスニックという言葉が出てまいりますが、これにつきましては、私どもは「種族的」という訳し方をしております。他方、人質防止条約にもエスニックというのが出てまいりますが、これについては「民族的出身」とかそういう訳し方をしております。  いずれにいたしましても、先ほどお話がありましたいろいろな日本における少数民族問題その他の関連におきましても、今後ともエスニックという言葉に反映される分野についてますます勉強していかなきゃいけないというのはそのとおりであると思いますので、今後ともその分野で努力したいと思っております。

中村哲日本社会党・護憲共同

○中村哲君 一言だけ許していただけますか。  それは、つまり外国の新聞ではこのごろはほとんどエスニックなんですね。エスニカルというふうに出てくる。ナショナルというふうに出てきているわけじゃない。そういう問題があるから、アメリカの場合は、アメリカンピープルと言ってアメリカ人全体を総括している。そのセンスがあるから、日本憲法をアメリカは大きく口を出してつくったときに、ジャパニーズピープルとなっていて、そのピープルという言葉は日本人には近くないんです。これは平和条約、何というか講和条約のときに、これをピープルという言葉でイン・ザ・ネーム・オブ・ザ・ピープルとやったら、ピープルの名においてというのは天皇の主権と反すると言ったけれども、アメリカがピープルと言うのはそういう意味で言ったんじゃなくて、日本人、属している日本と、こういうつもりなんですね。ここいらの外国語と日本語との関係も、国際社会になったときにはやはり整理される方がいいと思う。さっきの種族という場合、むしろレースとこうなる一わけですね。  それから、一言ついでに、ほかに言うときがないものですから。  我々はドイツ流の学問をしてきているんですけれども、ドイツ語にもナチオンというのとフォルクというのがあるんですね。これはほとんど同じようにドイツ語の勉強してきた者も教えられているんだけれども、フォルクというのは、ナチスのときにユダヤ的な人を排除するレース的な意味で、レースとも違いますけれども、ユダヤ的なものを排除するときにフォルクを非常に強く言って、それでまたそのことがあるものですから、シカゴ大学系統の、ユダヤ系の自然科学者もそれからいろんな社会学者なんかも、これの代表的なのはアレント女史ですよね、このアレントさんが書いているのは、フォルクを分析しているんですね。だから、それはなぜかというと、世界を動かしているユダヤ的文化、キリスト教文化とか色分けがあるときの中で、ドイツであるときにフォルクを使ってたんです。それをドイツ語の先生なんか、ただフォルクは国民だとか民族だとか言っているけれども、そういうことだと、やはり外交交渉したり国際社会になったときにはやはり気をつけていくべきだと思います。そういうことを一言。

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      ―――――・―――――    午後一時三分開会

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び国際情勢等に関する調査を便宜一括議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 この協定に関しましては大変結構なことだと思うのでございます。日本と航空協定を結びたいという国が非常に多いと伺っておりますけれども、その中でトルコとオーストリアを今回選ばれた理由は何でございますか。

恩田宗外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(恩田宗君) まず、トルコについてお答え申し上げますと、トルコ政府からは航空協定を締結して日本との間に航空路線を開設したいという強い要求が数年来行われております。先生御指摘のとおり、いろいろな国からの申し入れがございますが、私どもとしては、最近日本とトルコとの間の貿易、投資等の経済関係が極めて急速に密接になってきている、それからまた、航空輸送需要が、直通の航空路を開設し得るような状況になった、かように判断いたしまして、特にトルコと日本との間の伝統的な友好関係ということも考慮しまして協定を締結することにいたした次第でございます。

都甲岳洋外務省欧亜局長

○政府委員(都甲岳洋君) オーストリアとの関係についてお答え申し上げます。基本的にはトルコと同じでございます。オーストリアも昭和五十四年以来、我が方に航空協定の締結を要請してきていたわけでございますけれども、我が方としては当面航空需要、運輸事情がそれに見合うものではないということで断ってきていたわけでございますけれども、最近、先ほども御指摘もありましたように、貿易、投資等非常にふえてまいりましたし、オーストリアとの関係は非常に伝統的な友好関係にございますし、また、ヨーロッパの中心として東欧へのいわば通路になっておるというような重要な地位を占めておりますので、そういう全般的な状況を考えまして、先年の十一月に交渉いたしまして妥結したものでございますから、ことしになりましてこれを署名した次第でございます。  ことしは日墺修好百二十周年に当たっておりますので、これが御承認いただいた上で航空路が開設されれば、両国間の今後の友好関係発展に対して極めて意義あるものと考えておる次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 つまり、政治的、経済的、文化的な、そのほかさまざまな理由がこういう協定を結ぶ強い背後の理由となると思うんですけれども、ちなみにトルコの場合、拠点はどちらでございますか。拠点というんですか、日本で言えば成田なのか大阪なのか、トルコで言えばアンカラかそれともイスタンブールなんでしょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) トルコにつきましては、まだ航空協定が当然発効されておりませんけれども、現在、国営トルコ航空が希望しておりますのは、イスタンブールから東京に行きたいということを考えておるようでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 直航便でございますか、これは全く好奇心で伺っているんですけれども。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 基本的に直航便でございますけれども、会社の計画では途中ドバイとそれからバンコクに寄りたいというふうに承知しております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 他にもさまざまな文化的また経済的な理由から日本と協定を結びたいという国があると、そしてまた現状におきましてはそれほど関係がなくてもこれからむしろ関係を盛んにしていきたいという国、そしてしかもそういう協定が結ばれれば恐らく盛んになるであろうという国があるだろうと思いますけれども、日本の受け入れ体制でございますね。やはり国際空港の機能が日本で今問題になっているんですけれども、成田の現状、そして新たにできます関西新空港、そして成田の第二期工事の完成、そういうものを含めまして、受け入れ態勢の空港事情をちょっと御説明いただければと思います。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 先生ただいま御指摘のように、現在私どもが公式的にほかの国から日本に乗り入れたいという希望を聞いております国は大体三十七ぐらいだと思いますけれども、そういう国から日本への需要が多い、あるいは日本からの需要が多いということで希望を聞いております。  それで他方、先生も今御指摘になりましたように、現在、日本の空港事情については、特に東京と大阪につきまして大変空港が混雑しております。それでなかなかどんどん新しい国が入ってくるという事情に必ずしもないということでございます。したがいまして、御承知のように、成田については成田空港の二期工事について現在鋭意その推進を行っておる。それから関西新空港につきましても、大阪の沖合について現在もう埋め立てを始める段階で、これも数年のうちに完成するという事情にございまして、それぞれが今の成田なり新関西なりが完成する時点におきまして相当に空港のキャパシティーがふえますけれども、現在一つのいわゆる空港のキャパシティーの制約というのが、実際問題といたしまして私どもがほかの国と乗り入れについて相談をする、あるいは希望を聞くという時点で非常に重要な事項、率直に言って一つの制約要因になっているということでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 国際化の視点からでございますね、国際化は地方からなんというかけ声はあちらこちらで聞かれますし、政府の方針の中にもそういうのがあると思うんですけれども、この航空行政に関しまして具体的にそういうことをなさる方針なのかどうか。成田だけ、また今度の関西新空港だけではなくて、福岡とか千歳とかさまざまな地方都市を国際空港に仕上げることはできるんじゃないか。  現在さまざまなインフラストラクチャーというんでしょうか、それが十分じゃないにしましても、その方針さえあればそういう方向に行くんではないかということも考えられますし、また日本では着陸料というんですか、非常に諸外国と比べて高い。アメリカの場合と比べて例えば四倍というようなことを伺っておりますけれども、地方空港などではそういう差もあるのでございましょうか。そういう視点からも地方空港を国際化していくという方向はあるのかどうかをお伺いしたいと思います。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 運輸省といたしましては、ただいま御指摘の地方空港の国際化について、やはり東京とか大阪の大空港のキャパシティーが制約されているという観点もございますので、基本的に地方空港の国際化を推し進めていこうという姿勢でございます。  それで、この地方空港の国際化の理由といいますか、必要性として、地方圏における利用者の皆様の利便の向上あるいは外国のお客さんが来ることによるその地域の観光の振興、それからいわゆる臨空産業でございますね、ハイテク産業その他の臨空産業の展開とか、そういう見地からやはりそれぞれの地方においてこれが推進されることが必要と思いますし、我々としても、運輸省といたしましてもできるだけそれを支援していこうという基本姿勢でございます。  ただ、国際定期便を地方空港に就航させるためには何よりもまず、これは民間の航空会社が商売をするわけでございますので、実際にそういう航空業務を運営するだけに必要なかなりの規模の需要が存在するということが前提となります。したがいまして、その需要の喚起をそれぞれの地方でやる必要があるということでございまして、私どもとしてはやはりまず定期便の前にチャーター便などをたくさん活用してそこで需要を形づくっていくということが必要だと思いまして、地方の公共団体とも相談していわゆるチャーター便を計画的に各地方でやっていく。それを地方公共団体とか国の関係機関が相談しながらやっていくということを推し進めておる次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 チャーター便に関してはこのごろむしろ下火になっているというふうに伺いますけれども、事実でございましょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) チャーター便については必ずしも私ども全般的に下火になっているとは思いません。  ただ、確かに現在東京とか大阪とかあるいは名古屋、福岡という比較的大きな空港以外の地方空港への定期便の乗り入れというのもかなりたくさん出てきておりますので、その分今まではそのチャーター便を利用されていらっしゃったお客さんが定期便に乗りかえるという面は確かにあろうかと思いますが、全般的に特にチャーター便の需要が下火になっているというふうには認識しておりません。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 十一条に航空運賃の決め方というふうにいろいろ書いてございますけれども、具体的にいいますと、どういうふうになっているのか教えていただけますか。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) まず私の方から協定上の考え方について御説明申し上げ、さらに要すれば運輸省から御聴取いただきたいと思います。  オーストリア及びトルコ両協定とも十一条に運賃の決定手続が規定されております。運賃を決定するに当たりましては、まず運営の経費、それから合理的な利潤、業務の特性その他すべての関係要素に考慮を払いまして、合理的な水準に定めるというのが協定の考え方でございます。  具体的な決定方法といたしましては二段階ございまして、まず第一段階は関係航空企業間で合意される、第二段階としてその合意された運賃につきまして両締約国の航空当局が認可をするということが規定されておるわけです。  実際上は、指定航空企業となる可能性があります日本の企業それからトルコの航空企業それからオーストリアの航空企業はいずれもIATA(国際航空運送協会)のメンバーでございまして、このIATAで決定される運賃がそのまま協定に定める関係企業間の合意運賃、つまり第一段階の合意の運賃とみなされまして、また日本としてはIATAの運賃を尊重するという方針をとっておりますので、この運賃が日本の運輸当局に申請された場合に、日本の運輸当局としてこの申請に対し認可を行うことに問題はないというのが実際上のことではないかと考えます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 これは距離で決めるんですか、距離の倍数というんでしょうか、それで決めるのか、それとも、具体的にでございますけれども。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 航空運賃につきましては、国際も国内もともに同一賃率で、何か賃率を決めていましてそれによって比例的に決めるんじゃなくて、路線ごとにそれぞれの路線の特性をあらわすように設定されているということでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 IATAに入るメリット、デメリット、入っている航空会社もあれば入っていない航空会社もございますけれども、それについてはいかがでしょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 国際航空運賃につきましては、今圓藤課長の方から御説明ありましたように、路線ごとに当該乗り入れをする企業あるいは当該相手国の政府、これらを含めたかなり広範な調整が必要でございます。このために特に多数路線とかあるいは多数の国にまたがる調整につきましてこれを効率的に行うとともに、全体としてできる限り体系的な運賃の形成を図るという観点から、いわゆるIATAの場で運賃に関する実務的技術的な検討作業が行われている。  それで私ども、あるいは世界的にこういうようなシステムによる検討あるいは作業が今のところ適当であるというふうに考えておるわけでございまして、そういういわゆるネットワークとしての世界的な路線というものが整合性を持ってIATAの場で決められるというのが一つの重要なメリットであろうというふうに思っております。それからまた、付随的でございますけれども、このIATAのシステムのもとでは航空企業間の連帯運送をした場合の精算などが円滑に行われるというメリットもございます。  他方、ただいま先生もちょっと御指摘になったかと思いますが、IATA加盟によって何かデメリットがあるかという点でございますけれども、時として例えば運賃水準が高目に設定されるとかいうような御指摘も一部にあると承知しておりますけれども、この点につきましては、政府としてIATAの場において検討された結果についてただそのまま自動的にオーケーということでなくて、例えば我が国の航空政策に照らしまして値上げの必要性とかその実施の時期とか、そういったことについて運輸省ですと航空局が判断を行っているということでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 大体においてうまくいっているんだろうと思いますけれども、時々整合性がないなと思う事実にぶつかることがございます。  例えば、アメリカで飛行機の切符を買いますときに、韓国まで買いまして、日本経由韓国というふうにした方がアメリカ-日本よりもむしろ安くなるというようなことがございまして、つまり日本-韓国分はただで行けてしまう。しかも料金はむしろその方が安いというようなことがあって、ちょっと整合性に欠けるということもあるし、消費者としてはそういうさまざまなトリックというんでしょうか、方向格差、輸入航空券なども含めまして非常にわかりにくいようなことがありますので、そういうことをお気づきでいらっしゃるのか、そして今後検討なさっていくおつもりなのかお伺いいたします。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 今、先生の御指摘の点は、多分、韓国発成田経由アメリカという切符が日本発アメリカ行きの切符、これよりも安い。つまり、韓国で売られている切符を日本で輸入して、それを韓国と日本の間は切り捨てて日本からアメリカだけ使用するという事例が多い、これがいわゆる輸入航空券であるわけでございます。  この問題はIATAの問題というよりも、国際航空運賃全体が発地国通貨建て主義、これは昭和四十八年までは変動相場制でございましたので、ドル建てまたはポンド建てで世界じゅうの航空運賃というのは設定されていたわけでございますけれども、これは日々運賃が変動するということになりますので非常に利用者にとって不便だと。そこで、発地国の通貨建て、つまり日本発の運賃は日本の通貨で表示する、それから韓国発の運賃は韓国の、これは米ドルでございますけれども、韓国の通貨で表示するというふうにそれぞれ制度が変わったわけでございます。それぞれの国の事情によってその後独立して運賃改定が行われているという事情がございます。  こういう状況でございまして、日本発の運賃が韓国発アメリカ行きの運賃よりも安いという事態が現に発生しておるわけでございまして、これは急激な円高ということによって発生してきておる。そのこと自体は、全体の国際的なルールからも反しているということで、輸入航空券自体は問題があるということで我々も考えておるわけでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 私はそのことは前に予算委員会でもちょっとお伺いして、いろいろな方が聞いていらっしゃるんですけれども、逆にアメリカ発で、アメリカで切符を買いますね。そうしたときに、日本まで買うより日本経由韓国で買う方が安いとかいろんなことがあるんです。本当にわかりにくいというんでしょうか、例えば日本経由台湾とか、そういうふうに輸入航空券というわけじゃなくて、それこそアメリカ発でもいろいろ料金体系があるものですから、知らない日本人は大変損をするというようなことがあるんじゃないか、そのことが御指摘申し上げたかったことなんです。  続きまして、国内運賃のことを伺いたいんですが、それぞれの事情と状況によって、国内運賃にしろ外国連賃にしろ決められるというふうにおっしゃいましたけれども、国内運賃はどういうふうに決めていらっしゃいますか。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 国内運賃につきましても、路線ごとにそれぞれの機材の特性でありますとか需要でありますとか、そういう特性を極力反映できるような格好で、かつ全体として航空企業の収支を償うようにということで路線ごとに決められているということでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 いろいろ輸入航空券とかなんとか言われていながら、やはり航空運賃に関しましては過去三十年間見ておりますとほとんど上がっていない。特に国際運賃に関しては上がっていないということを知っております。すごい企業努力なのか、それとも国際競争によるものなのか、ともかく非常に私は感心しているんです。  国内運賃に関しましては何かJR、もとの国鉄でございますけれども、それのパフォーマンスと大いに連動しているんじゃないか。つまり、国鉄運賃の値上げと同様に航空運賃も上げていらっしゃる、同じ運輸省が料金を管轄していらっしゃるからそういうふうになってしまっているのかなと。国際運賃に関しましては、円高メリットということで値下げしていただいておりますし、恐らく安い石油の値段、そういうものも反映しているのじゃないかと思いますけれども、国内航空運賃に関しましてはそういうことが余りないような気がするんですが、国鉄、今はJRとの運賃との整合性ということを余りにも重点的に考えていらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 先生の御指摘は、国内の航空運賃につきまして、JRの運賃の値上げと連動して値上げしてきたのではないか、こういう御指摘だと思いますけれども、これはかなり事実に反しておりまして、昭和五十七年から国内の航空運賃は上げておりません。もう七年間上がっておりません。それに比べまして国鉄、JRの運賃につきましては、手元に資料がございませんけれども、相当程度上がっているはずでございます。我々としましては、別にJRとかそういう他の交通機関を意識して運賃を上げるとか、あるいは据え置くとかいうようなことを考えておるわけでは一切ございません。  それから、国際線につきましては、先生御指摘のとおり、最近では相当値下げの努力をしてきております。昭和六十年と比べますと、ヨーロッパ線につきましては十八万円も安くなっておる、アメリカにつきましても六、七万円は安くなっておるというような格好で相当努力をしてきているのは事実でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 せっかくおいでいただきましたので、ちょっと協定とは関係ないんですけれども、お願いがあるんです。  国内運賃に関しましては独自の政策をお持ちでございますけれども、例えば三日前に予約を取り消す場合にはキャンセレーションフィーを払うとか、それから買う場合には名前だけではなくて年齢を向くとか、ほかの国の航空会社とは違うような政策をおとりなんですけれども、それについて私は大変に不満を持っておりますが、いかがでしょうか。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) まず、先生御指摘の年齢を記入させる理由ということでございますけれども、これは、我が国の国内線の航空券の予約に際しまして、氏名だけではなくて年齢についても明らかにすることを求めておるわけでございますが、ハイジャック防止等航空保安の見地から、身元確認の徹底を期するということの一環として年齢につきましても記入していただくということにいたしておるわけでございます。これは、昭和四十八年の閣議了解におきまして、ハイジャック等防止対策要綱というものを決めさせていただいたわけでございますが、その要綱にも明記されておりまして、その後、約款によってそういうことも記載してあるということになっておるわけでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 大変に抵抗を感じている人間もおりますということを申し上げて、この航空協定に関する質問を終わります。ありがとうございました。  一般国際情勢についてお伺いいたします。  日米関係でございますけれども、スーパー三〇一条の制裁対象国に日本がなったということで、その後どのような対応をしていらっしゃるかお伺いいたします。

内田勝久外務省経済局次長

○政府委員(内田勝久君) 委員ただいま御指摘のとおり、スーパー三〇一条に基づきまして、米国は日本を含む三カ国、日本につきましては三分野、スーパーコンピューター、衛星それに林産物でございますけれども、これについてこれからの交渉の優先項目として指定をしたわけでございます。このような決定は、日本から見まして極めて遺憾でございまして、まず第一にこのような慣行は、我が国から見まして、アメリカのものが日本に入ってくる上での貿易障壁を形成するようなものではないと考えている次第でございます。このように極めて遺憾に考えるということを先般、三塚前通産大臣それから宇野総理も、OECDにいらっしゃった際にも直接米側に伝えておりますし、その後、先週に開かれました日米次官級経済協議におきましても米側に伝えているところでございます。  ただ、日米両国というのは、世界で二大経済大国としての世界経済の発展、持続的発展に大変大きな責任を持っているものですから、両国間にある問題につきましては、従来から私ども、協力と共同作業というキャッチフレーズと申しますか、そういう形で着実に解決をしていかなければいけないというように考えておりまして、今後この問題につきましてもそういう共同作業という形での話し合いをしていくことになろうかと考えている次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 六月一日の報道によりますと、モトローラ社の首都圏への周波数割り当てを認める方向であるというふうに報道をされているわけです。これは日本移動通信株式会社の持ち分を譲るという形、このモトローラ社の言い分に関しまして日本側は、MOSS協定を日本側としては守っているのであるから譲歩するつもりはないというふうに強くおっしゃったのを私は予算委員会などの答弁で覚えております。  三塚大臣は通産大臣でいらっしゃったわけですが、そういうふうなお言葉だったんですけれども、結局は譲歩をしてしまったということ。どうも国民の側としては、少なくともこういう報道だけを聞いている限り、またか、また譲歩したのかというふうな気持ちを持つと思うのでございますけれども、これは事実でございましょうか。そして、こういうような譲歩をするんだったらもっと最初から何とかできたんじゃないかというような気もするんですが、お伺いいたします。

内田勝久外務省経済局次長

○政府委員(内田勝久君) ただいま先生御指摘の電気通信問題について、日本が譲歩をしてしまったというのは事実ではございません。日米間のこの問題につきましては、ただいま郵政省の奥山事務次官等が訪米をしておりまして、十九日、昨日から日米政府間の協議が行われているところでございます。  つけ加えますと、これまでこの電気通信の問題に大変かかわってこられた、前内閣においてかかわってこられ国内の取りまとめにも当たってこられた小沢前官房副長官がさらにきょう訪米をいたしまして、今回のこの協議を通じて日米双方が納得できる形で本件ができるだけ早く解決されることを私ども希望している次第でございます。  一般論といたしまして、電気通信の分野におきましては、我が国といたしましては日米間のいわゆるMOSS協議で合意されましたところを誠実に実行してきておりまして、先生御指摘のとおり、MOSS合意に違反しているということは私ども全くないというように確信している次第でございます。この点アメリカ側が一方的に、これは包括貿易法の一三七七条でございますけれども、その条項に従ってMOSS合意違反があるという認定をしたことは全く受け入れられないものであるということは、累次の機会に米側に伝えてきているところでございます。  ただ、この問題につきましても、日米間の一つの懸案といたしまして、日米の間で話し合いによって円満に解決する問題であれば、ぜひそのような形で解決を図っていきたいというのが日本政府の希望でございまして、先ほど御紹介いたしましたような形で米側とただいま協議を行っているという次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 郵政省の方にいらしていただいておりますのでお答えいただきたいのですけれども、いずれにしてもディジタル化が進んで使用回線の大幅増が予定されている。そういう中で、ともかく二、三年のことで突っ張ることはない、折れてしまえというような方針でいらっしゃるのかどうか、その辺の事情を教えていただきたいと思います。

青木和之郵政省電気通信局電波部移動通信課長

○説明員(青木和之君) 郵政省といたしましてはMOSS合意を誠実に遵守しておりまして、違反の事実はないということの理解を求める所存でございます。また、MOSS合意を超えます新たな要求につきましては、ディジタル統一方式を提案するなどいたしまして、理解を求めながら、先方の動向を見きわめつつ、適時適切に対応してまいる所存でございます。なお、先ほどのお話のとおり、六月十九日から奥山事務次官あるいは小沢前官房副長官も訪米されまして現在話し合いを行っているところでございまして、我々といたしましてはその結果を見守ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。  なお、自動車電話につきましての突っ込んだ話し合いはまだ行われていないというふうに我々の方は聞いております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 外務大臣、前の通産大臣としての御経験を踏まえた上で、このスーパー三〇一条の行方はどのようになるのか、今お二方にお答えいただいたことを踏まえた上で御答弁お願いしたいと思います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 三〇一条、御案内のようなアメリカ国会における論議を踏まえて、アメリカはもともと全部議員立法なわけでありますが、日本との貿易の開放性、透明性を求めるということどもの中で制定された法律であり、これに基づく最初の指定ということで、こういうことの中で今回三項目が優先して指定をされてきておるわけでございます。先ほど経済局次長から、本件に対する我が国の公的な立場は立場として明確に説明がありました。私ども、制裁を前提として何が何でも言うことを聞かぬけりゃやるよということで来るのであれば、何をかいわんやということだと思うんです。  そういう中で、さはさりながら、経済大国第一位、第二位というこの両国が正面から渡り合うということに相なりますと、決して――日米両国は世界の枠組みの中の基軸でありまして、そうすることが世界平和への、また経済均衡拡大に伴うそれぞれの方々のレベルアップのためにも必要であるという、世界的な貢献度、使命というのを認識をいたしておるわけでございますから、そんな点で、話し合いといいますか、対話というのが不断に行われなければならない、こういうことでございまして、その辺のところを踏まえながら、政府同士は、この事態をどのように後遺症が残らない形で解決をする道があるのかどうかという点で、ただいま、次官協議のハイレベルの、構造問題等についてやってみようということで、それぞれテーマを出し合いながらスタートを切った、こういうことであろうというふうに思います。  本件の基本にありますのは、慢性的な黒字、三〇が四〇になり四五%になってきました、アメリカの赤字の大半が日本の貿易によるものでありますということが一つ。しかし、もう一つ、その背景にありますのが、日本がアンフェアではないのかねという問題が依然としてアメリカ側の根底にありますね、と。この辺のところを、開放を進めてまいってきております我が国がどう対応するのかというのがこれからの大きなテーマのように思います。ガットの場における協議というのももちろんこれを大事にしながら、最後はそこに行くわけでございますが、しかし二国間の問題としてここに存在をした、ガットでやりましょうよ、こういうことで、それはそれとしてやるのでありますが、同時に、基本的な枠組みの中でそういう問題について、構造問題等ということでハイレベルでスタートを切ったということは賢明な策だと思いますし、私どももこの場面の中で意見の交換を真剣にし合いながら、彼我の文化の違い、文明の違いの中から生じます。そういうものまでがアンフェアということになりますとしこりが残るわけでございますから、その辺のところを克服をしてまいりますならば、日米関係というのは今後非常にモデレートないい形のものになっていくのかなと。今まさに問われておりますのは貿易総額の金額ではなくてそれから派生した問題でありましたが、そこに基本的な論点がきておる、こういうふうに思いますものですから、真剣にこの点について話し合いを進めていかなければならぬと思います。  モトローラ社の問題もMOSS協議においてきちっと合意をしてよかったなと両者が握手をして別れましたのに、後にこの問題が出てきました。一三七七条に基づいて云々ということはまさにそこに基本的な問題があり、顧みてアンフェアではないのかということがその商売、営業の機会均等という意味で、ああよかった、ありがとうというのでサインはしてみたものの、つらつら考えてみたらアンフェアではなかったのではないだろうかということが根底で、その表現の仕方が別な形でなされてきたということでありますから、この点について理解を求めるべく担当者である奥山次官が一生懸命今努力をされておる。郵政省も努力をされておる。外交の窓口として外務省もこの辺をサポート、郵政省のその立場をサポートしつつ、しかしながらがっちんこしたわけでございますから、果たしてそのことですべてであったのかどうかということも踏まえながら主張しつつ、相手の主張も聞きながら最終の判断をということで奥山次官に再度渡米をいただき、小沢前副長官にも松永大使をお助けをいただく、奥山さんの交渉をさらにサポートしてあげる、こういう意味で渡米をいただいたということでありまして、非常にこの結果を注視をしておりますし、この結果がまた三〇一の問題にリンクしていくなということも踏まえまして、実は両者の交渉事が、話し合いが円満に、いずれどういう形でありましょうとも、一致点を見出すということだけはあってほしいなと、こう思っておるところであります。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 お話、お気持ちよくわかるのでございます。  それで、前ですと具体的に例えば関税が高いとかダンピングしたんじゃないかとかと、そういう具体的な問題がございまして、それを解決すればよかったんですけれども、今大臣がおっしゃいましたように、どちらかというと文化摩擦的な日本の国内における構造問題、そういうことになってまいりますと、モトローラ社の今度の事件は一つのアンフェアネスのシンボルとして考えられておりますけれども、日本人側から見ると全く言いがかり的な感じがしないでもない。そういうことで非常に国内、国民に与える印象というんでしょうか、それも非常に心配されますし、それから今度逆にアメリカから突きつけられている具体的な問題、例えば流通機構とか系列だとか談合とか、そういう国内の慣習にかかわること、これを具体的にどういうふうにやっていけるとお考えでいらっしゃいましょうか。  外務大臣というお立場ではお答えにもおのずと限界があるかもしれませんけれども、一政治家として、また日本のリーダーのお一人としてもう少し突っ込んで具体的にお考えを聞かせていただければと思うんです。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。  ただいまの具体的流通、談合、系列というような国際用語になっているわけでありますが、本問題がまた三〇一の背景に、ベースにありますことも事実でございます。そういう中で象徴的に三点、三項目を指定して起きておりますということのように私は今理解をいたしているわけでありますが、しからばどうするんでしょうかということなんであります。まさにその点、ブッシュ大統領もスーパー三〇一の優先指定を行いました際にあえてコメントをいたして、構造問題の話し合いの場を持とう、そういうことでやろうと言いました背景は、まさにこの文化的、文明的な両国の実情に根差すこういう諸問題について、お互いがコンセンサスを得る最大の努力をすることによってこういう問題から派生したいら立ちの中で、誤解の中でという二つの問題の中で克服をしたらどうだろうか、こういうことであります。  同時にこの克服は、そういう抽象的な理解を求める、制度的な理解を求めるということにもなるんでしょうが、そういうことだけで決して物事が十分だとは私も思いません。まさに流通は、流通のもたらす我が国独特の流通制度、それぞれの営業種目というんでしょうか、繊維は繊維のいろんな流通の形がございます。そういう流通制度というものの複雑性というものがなかなかもって理解できない。しかしながら、我が国はこの四島の中で一億二千万、それぞれの職を得てやらなければならぬ、またこのことがGNPを生み出す一つの源泉にも相なっておるわけでありますけれども、わかりにくいこの流通制度をどのようにわからしめるかということは大変難しい問題でありますけれども、これは全体の構造改革の中で取り組まれていかなければなりません。  中小企業は九〇%、九五%以上の産業の広がりを持つわけでありますが、その構造改革というものに政府も真剣にやられておるわけでございまして、中小企業自体も一生懸命これに取り組まれておるわけでございますから、こういう中であり得べき商店経営、中小企業経営というものも模索しなければいけませんから一気にきちっとなりませんけれども、この問題の日本的特質は特質としながらも、やっぱり経済国家になったわけでございますから世界に通用するような流通制度の取り組み、努力というものをここでなされなければならぬのかなと。  また、談合という本問題は、やはりこれは公開入札という基本から言いますとあってならぬことでありまして、これはないんだということになっておりますけれども、いやそれはあるんだと言うアメリカ側、指名を受けても受注のチャンスがないのではないかということに対する、まさにこれはアンフェアな問題ではないのかねと。こういうことでありますれば、この問題に対する今度理解をいただくということは、言葉だけではなくてチャンスの公平という意味でこれは考えていかなければならぬ問題であろう。系列もそういう意味で非常に流通制度との関連の中で問題でありますから、やはりこういう問題はよけて通るということでありますといつまでもエンドレスな経済摩擦ということになります。  やはり思い切ってこれはそれぞれが取り組んでいきませんければ、国際社会の中において日本が今日の立場を維持することは難しくなるのではないだろうかというふうに思っておりますから、機会あるごとに私は本問題について問題提起をしつつ理解を求める、また国会の各党の理解を得てこういう問題に対する意見を盛り上げさせていただきながら取り組んでいかなければならぬ問題だなというふうに思っておるところであります。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 経済摩擦が政治レベルの摩擦になっていて、しかもアメリカの政治家たちは――最近の非常に日本をよく知っている評論家というか学者でジム・ファローズとかウォルフレンとかそういう人たちの調査というんでしょうか、論文で理論武装して日本に突っかかってくる、そういうような感じがするんです。逆に日本の消費者の立場から見ますと、それを外圧というふうにだけ受けとめないで、つまり国内では高く売りつけ、そしてしかも日本人は高いものが好きなんだよといったような雰囲気をつくり上げて、そして海外で非常に活発な経済活動を日本が行っているというようなことに関しては、やはり日本人の側にも理解を求める必要があるんじゃないか。アメリカの言い分を一概に言い募るといったようなことじゃなくて、消費者の立場からやはり日本も変わるべきだということを少し宣伝もしていただく必要があるんじゃないかというふうに思うのでございますが、最後にちょっとまたコメントをお願いいたします。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 御指摘のとおりであります。我が国で販売される価格と外国で売られておる価格が違いがありますと、なぜ同じものが国内よりもコストをかけてそちらに輸出いたしまして販売されておるにもかかわりませずという極めて素朴な、ストレートな形のものがありまして、その辺が非常に不思議なことである。ダンピングをしておるのではないかという直ちにそこに問題が集約される、凝縮されるということの昨今でありますから、この点は企業に対する自制を求めるという、産業政策として、輸出政策として大事なポイントは一つそこにあります。  同時に、やはり消費者サイドにおきましてこういう問題の指摘を的確にしていただく、また生活実践としてそういうものはきちっと行われる、こういうことでありますと、その点がきちっと整理をされて、またそういう行き方が企業活動としてできにくくなる、そして最終的にはできなくなる。オープンな形で、日本におきましても、アメリカにおきましても、中国におきましても、同じ製品でもコストの違いが若干あるわけですから、それはありますけれども、なるほどと言われる価格形成が行われておるというふうにしていきませんと、ここがこれからのまた重要な問題点だと思って受けとめております。  そのPRといいますか、消費者活動という意味で、これは政府全体の取り組みの一つになると思うのでありますが、その辺のところ、機会がありますれば、私から提言をしておきたいと思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。じゃ今度は中国情勢についてお伺いさせていただきます。  もう既に同僚議員から、またさまざまな機会でいろいろ聞かれていることでございますけれども、天安門事件が起こりましてからきのうで一カ月、その報道は、我々が日本で聞く報道に関する限り、どちらかというと学生側に死亡者が非常に多数出たと、虐殺というような言葉で報道されておりますし、一方、最近中国から流されてくる報道によりますと、兵士の殉職というんでしまうか、死亡、そういうもののみで、学生側はどうなったのかということがわからない。そういうふうに非常に偏った情報、日本側も含めまして西側の情報と中国側の情報と二つの間に非常な食い違いがあるわけでございます。この前の参議院の予算委員会でアジア局長は学生側の死亡を二千六百人というふうにおっしゃられましたけれども、それを中国の紅十字社はそのような数字を発表したことはないというふうに否定している。そういう中で現在アジア局としてはどのように現状を把握していらっしゃるか、もう一度お答えいただきたいと思います。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) あのような事態でございましたので、亡くなった方あるいは傷ついた方についての正確な数字というのは私たちは実は持っていないわけでございまして、例えば報道あるいはその他のソースからの数字をそれなりに使っており、たまたま先般、国会の予算委員会で御質問がございましたので、その際は一つの公平な数字として私がお答え申し上げたのは、中国の紅十字――赤十字でございます、そちらの発表した数字として亡くなった方が二千六百、これは日本の報道で報ぜられた数字でございます。これ以外にもいろいろございまして、少ない数字が千四百、多い数字で三千。ただ、その後国務院のスポークスマンが発表しまして、この国務院のスポークスマンの発表によりますと、死亡者は大学生が二十三名、それから軍人、暴徒、やじ馬等で亡くなった人が三百人余り、それから軍人の行方不明者が四百人余り。負傷者の数は、国務院スポークスマンの発表によりますと、軍人が五千人以上、暴徒、やじ馬が二千人以上、このような数字が発表されました。  私たちとしてもなるべく正確な数字というのがわかったらと思うんですけれども、このような事態ではっきりした数字がないので、一応このような数字を現在持っているということを御報告申し上げます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 学生が八名死刑になるということ、それから密告が非常に奨励されているという事実、多くの学生が地下に潜って、何か非常にイメージとして暗黒国家というんでしょうか、そういうイメージを抱くわけなんでございますけれども、現在の日本とそして中国との関係はどういうものになっているんでしょうか。どのような形で接触していらっしゃるんでしょうか。    〔委員長退席、理事森山眞弓君着席〕

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 日本と中国との関係でございますけれども、正常なる国と国との関係がございまして、我が方の大使館あるいは総領事館も中国各地にある。大使館は北京、あるいは中国側も東京には大使館があり日本各地に総領事館があるということで通常の外交関係というのはあるわけでございます。  ただ、今回のこういった大きな動乱と申しますか動きがありまして、累次大臣が御答弁しておりますように、我が方として今後中国に対する全般的な政策をどうするかということにつきましては、今回の事態の落ちつき先を見きわめまして、あと国際的な動向も勘案しましてその上で策定する、そういう考えでございますが、通常の関係はございましてそれなりに接触はございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 ということは、現在は状況を見守っている、つまり正常化していない、そういう状況なんでございますね。そして、正常化する状況というのはどのようなものと考えていらっしゃいますか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 中国におきまして、私は五月の中旬から始まった事態というのはやっぱり大きな政治的な動乱であったんではないかと思います。    〔理事森山眞弓君退席、委員長着席〕 現在は、少なくとも私たちが見るところでは、鄧小平、李鵬あるいはその他の方々のリーダーシップによる事態の収拾というのは進みつつあって、一応小康状態と申しますか、平静状態を取り戻しつつあるということが言えるかと思いますが、例えば国務院総理がどうなっているのか、あるいは中国共産党の総書記がどうなっているのか、解任されたのかまだ留任しているのか、こういった事態もまだはっきりとつかめていないわけでございます。全人代常務委員会あるいは四中全会、これが開かれることが予想されていますけれども、こういった場におきまして中国の今後の政策あるいは政府の組織等について明らかにされればそれはそれなりに正常な、ある意味での正常さの証左ということが言えましょうから、最近の報道によりますれば中国のスポークスマンがアメリカの報道関係者とインタビューをした際に、改革開放政策には変わりはない、そういうことを言っているようでございます。  ただ、今申しましたように、四中全会等の政府のこういった会合が開かれるとその場でもって中国の政策とかあるいは政府の機構についてある程度のことがわかるんではないか、その段階で恐らくある程度の正常化というのが見きわめがっくんではないかという感じがいたします。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 対中国政策に人道的視点というものが入るのかどうか。そして、政経分離というんでしょうか、そういう原則、立場をおとりになることがあり得るのか。そして、日本のこれまでの中国への投資とか援助、それがどういうふうな展開をするのか、今までの実態とそれから今後ですね。そういうこともお話しいただきたいと思います。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 失礼でございますが、一番初めにおっしゃった対中国の――ちょっと済みません、私聞こえなかったものですから。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 人道主義的な立場、そういうものから中国の今後をどういうふうに見ていくかということ、そしてそれと絡めまして、政治と経済というものが分離して今後の中国への投資とか援助とか、そういうものをどういうふうに考えていくのか。これまでの実態との比較でどういうふうに変わっていくだろうか、そういうようなことをお伺いいたしたいと思います。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 今国会におきまして累次御答弁申し上げていますが、最近の中国政府による学生、一般市民に対する取り締まりの強化あるいは人道面での抑圧と申しますか、このような行い、それは中国の国内問題であるとしましても、民主主義国である我が国の基本的な価値観と相入れない、そのように考えるわけでございます。こういった基本的な考えにつきましては、またただいま申し上げるわけでございます。  ただ、これからの中国に対する援助の問題あるいは経済全般の問題につきましては、我が方として今後どういう対応を行っていくかにつきましては、中国の情勢の落ちつき先を見つつ、またその国際的な動向も勘案して、慎重に検討してまいる所存でございます。  経済全般につきましては、例えば六月の上旬に予定していました日中投資促進機構の設立総会を延期するとか、あるいは日中科学技術委員会の開催も延期する。また、今度は経済協力でございますけれども、技術協力、開発協力関係のミッション、これは十四件ございましたが、この派遣を延期するとか、こういったようなことがあるわけでございます。  援助につきましては、ただいま申しましたように、中国の情勢の落ちつき先を見つつ、また国際的な動向も勘案して検討していく。  これは私は、政治、経済が相当密接に関連していまして、やはりこういった点は慎重に政治、経済の両面を勘案しつつ、我が方の対応ぶりを考えていく必要があるかと存じます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 民間では、もう既にいろいろ投資もしているし、会社も現地に現地法人があるというようなことで、邦人がまた中国に戻っているというようなことも聞きますし、また政治を離れますと、中国の方との文化交流というようなことで、もう何かせっかく始まったものがここでとぎれてしまうというのももったいないというような気もするわけでございますけれども、文化交流に関してはいかがでございますか。例えば、日本語教育などを始めたばかりのところでやめてしまうなんというのは、大変もったいないような気がいたしますけれども。

田島高志外務省大臣官房文化交流部長

○説明員(田島高志君) 先生が御指摘になりました日本語学習熱、これは中国で大変高まっておりました。我が国といたしましても、これらの状況に対して積極的に協力をしていくということは非常に重要であるという考えのもとに、いろいろな事業を進めてまいりました。しかしながら、今般の事件によりまして、在留邦人に対しては直ちに避難の勧告を出しましたので、これらの日本語教育専門家、北京に滞在しております専門家に対しては帰国の手続をとって日本に今帰ってきているところでございます。  今後どうするかということでございますが、これは今アジア局長から御答弁申し上げましたように、やはり全体との、中国との関係、中国の情勢、どういうふうに動くかということを見ながら、現在日本に一時帰ってきております日本語教師の派遣あるいは再派遣等については慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 反体制物理学者方氏が中国にあるアメリカ大使館に亡命を求めた。そういうことで米中関係が非常に悪化しているというふうに伺っておりますけれども、今度外務大臣はアメリカを訪問され、ベーカー国務長官とか大統領にもお会いになるわけですけれども、中国との関係において日本とアメリカと協調姿勢をとるのか、歩調を合わせるのか、そのようなことについてもし発言していただけるんでしたらよろしくお願いいたします。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 訪米いたしまして、当然中国問題が会談の主要な一つになりますことは当然のことかと思います。  そういう中で、方励之氏の問題などについてどうするのかということが一つの関心事になっておりますことは私も承知をいたしておるところでありますが、まさに本件は両国の立場を明確にしつつぶつかりあっている深刻な問題だというふうに理解をいたしております。既に御案内のように、中国側は、米国大使館の行動は理由のない中国内政への干渉を構成するという言い方で深く遺憾の意を表すると、そして同時にこれに抗議をするという態度を明確にいたしているところでありまして、本件は米中関係に緊張関係をもたらしておるところであります。  よって本件は、米中間の問題に昇華されたというんでしょうか、押し上げられたということでありまして、世界もこれを見詰めておるわけですし、特に我が国は隣国としてこの問題を非常に注意深く見守らざるを得ないということであります。特に、両国問題にこれはなっておりますものですから、第三国という立場にある我が国が、いかに一衣帯水で日米、日中という日本外交のまた非常に重要な柱の中にあるとは申しつつも、なかなか手が出ないなということであります。いつの日か、両国のいずれかからアプローチが、どういう形か想像できませんけれども、そういうものがありとせば、その時点で総合判断、総合分析、そして総合判断の中で我が国が何ができるのかということを真剣にその時点で検討し、決定をしていけるのかどうか、その辺も先のことでありますので、今そんなことで、仮定の問題として米中をこう撃突させたままであることは決して世界も喜びませんし、我が国もそれは、早く両国の合意で、話し合いで決めてほしいという、この基本的スタンスを踏まえながらもそう考えておるということであります。  この辺のところが日米外相会談でどのような形で出ますのか定かではございません。あるいはそんな形は両国問題ですからこうおいて、全般の政治問題として意見交換になるのか、相手様の出方なものですから、心の準備はいたすつもりでありますけれども、そんなことであろうと思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 大変仮定の問題で恐縮なんですけれども、仮りに方励之さんが日本の大使館に亡命を求めてきたというような場合にはどのような対応がなされるんでしょうか。それから、今後このようなことがふえるんじゃないか、そして亡命と難民とどのような違いがあるのかお答えいただいて私の質問を終わります。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) まことに恐縮でございますが、委員今、具体的な仮定の話ということで御質問なさったわけでございますけれども、私の御答弁は、一般的な格好で御答弁させていただきたいと存じます。  まず、亡命問題全般につきましては、一般論として言えば、我が国に亡命を希望する外国人に対しては政治的迫害の申し立てが十分に根拠のあるものであるかどうか、これを検討しまして根拠があると認められる場合には、人権の尊重と我が国の利益との調和を考慮した上で、在留を認めることを適当とする事情がある者については、出入国管理及び難民認定法所定の手続により在留を許可する、こういうことになるわけでございます。非常に恐縮でございますが、こういった一般的なお答えになるんですけれども、こういうことでひとつ……。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) 質問の二番目で、亡命とそれから難民の違いということのお尋ねがございましたが、日本語では言葉が違うわけでございますが、英語は実はレフュージーというので、同じ単語でございます。強いて申せば、一般的に亡命と難民が使い分けられているとすれば、亡命というのは、ある外国人がその国へ入ってくるのを認めるかどうか、入国の問題である。難民と言う場合には、その国へ入ってどういう待遇が与えられるかというようなことが、視点として違っていたんだろうと思います。  しかし、条約的に申せば、難民条約というものに我が国も加盟しております、ちなみに中国も入っておりますが。これにおきまして難民の定義というのが第一条にございますが、それに合致すれば、それはいろいろな幅の広い理由で難民ということを認定することが可能でございますので、その中には政治的な理由も入っておりますので、亡命というのも広い意味での難民としてそこでは扱われることになるということかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 最初に、二つの航空協定についてちょっとお尋ねしたいんですけれども、両協定とも問題点はないと思います。ただ、オーストリアのこの協定については以遠権の問題があるかと思いましたけれども、しかし東京以遠という場合には大西洋回りで回った方が近いというようなこともあって、相手の側から要求がなかったということですから、これは大したことじゃないだろうと。  今まで二国間での航空協定が結ばれてきたのは三十七カ国ほどありますけれども、やはり一番いまだに問題になりネックになっているのはアメリカとの航空協定ではないか。これは今交渉が継続されておりますけれども、この日米航空協定の交渉が今どういう段階まで来ているのか、その問題点を最初に明らかにしていただきたいと思います。

時野谷敦外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(時野谷敦君) お答えを申し上げます。  先生ただいま御指摘がございましたが、日米間には五二年に航空協定がつくられております。ただ、この協定につきましては、路線の問題でありますとか以遠権の問題でありますとか、均衡を欠くという側面もございまして、かねてこの協定を包括的に見直すということで交渉を行ってきております。しかしながら、現在に至るまで合意を達成するという状況には至っていない次第でございます。合意に至りますまでにはなお時間を要するであろうというふうに私ども見ておる次第でございまして、他方におきまして、航空面におきます需要というものが伸びておるわけでございまして、早急に手当てを要する問題もあるということで、包括的な交渉の見直しと同時並行的に緊急を要する問題について手当てをするということで日米間で話し合いを行ってきておりまして、去る五月にも会合を持ったところでございますが、引き続きこの協議を継続していくことにいたしておる次第でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 現在の日米間の輸送力のシェアというのはどんなふうな割合になっているんでしょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) お答えいたします。  現在の日米の航空の関係でございますが、まず路線についてお答えいたしますが、路線について発地点ないし着地点に大分差がございまして、例えば出発の地点からいきますと、日本側は三つの地点、それに対して米国側は二十の多くの地点から出発する。それから着地点でございますが、日本側は十一のアメリカの地点に着地をしているのに対しまして、米国側は日本側には五つの地点に着地している。それから、いわゆる以遠の地点数ですが、日本側が二つの地点を以遠に持っているということでございますけれども、それに対して米国側は九つということで、大分多くなっております。  それから、次に企業数でございますが、これも差がございまして、日本側は三社、それに対して米国側は七社ということでございます。それから、輸送力と申しますか、それぞれの便数でございますが、これにつきましても、いわゆる個々の機材の大きさを換算した便数で申しますと、いわゆる旅客便、貨客便につきましては、週間当たり大体日側が二百ぐらいに対して米側が三百五十ぐらいというようなことになっております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 一九七〇年ぐらいまで日米間の旅客数の推移を見てみますと、日本人の訪米者数よりもアメリカ人の訪日者数の方が多かったと思うんですね。ところが最近の比率を見ますと、一九八八年、去年の状況ではその比率は日本人の訪米者数が全体の八六・一%、アメリカ人の訪日者数というのが一三・九%余りという状況ですね。大変な開きになっているんですね。  ですから、現在アメリカ側としては日本以遠のどの地点へも自由に飛べる。それから、航空便数は日本よりも五割方多く飛んでいる。日本としてはもっとやはり路線をふやそうということで交渉はされているものと思うんですけれども、これは二国間の航空協定では平等性が非常に欠けておるという点では、アメリカとの航空協定がやっぱり最大のものだと思うんですよ。この点は先ほど挙げたような旅客数の推移の形態を見てもはっきりしているわけですから、こういう点は今後の交渉の中で何としても改めるように努力をしていただきたいと、積極的な努力をお願いしたいということで、大臣に最後にそのことを一言。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 日米航空協定の問題につきましては、一番先に日米乗り入れがスタートいたしましたときからも問題がございまして、累次航空協定の問題が出まするたびにその不平等性というのでしょうか、そういうものについて交渉を重ねながら、特に以遠権等の扱いの問題についてやりきたったところでありまして、今日大変いい形に相なりつつありますことは私も評価いたしておるところでありまして、問題は、今御指摘のように、旅客、両国の搭乗人員というものにアンバランスが出てきましたということのようでありますが、これはそのときの置かれております社会的な、またいろいろな面の総合的な要素がそこにありますものですから、そういう点でこのことについてどうだということにはならぬと思いますし、また我が国の状況、海外旅行志向というものが特に米国管轄下の地域について非常に多くなってきました昨今の傾向の中で、このことは国民各位の志向でありますからこのことによってどうということではございませんで、そういうことで非常に我が国航空産業も着実な進展が望めておられるようであります。  そんな点で、今後とも協定をさらにどこに問題があるのか、あるとすればどうするのか。ただいまのところ、前段申し上げましたなだらかないい形にはなっておるというふうに私は認識いたしておるところであります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや大臣、それはもう少しよく調べていただきたいんですよ。情勢の推移でこういうふうになっているからということじゃなくて、そもそもやっぱり以遠権というのはアメリカはどこでも自由に行けるようになっているわけですし、航空便数というのは日本より五割方多く飛んでいる、これは最初からやっぱり協定のあり方に問題があった。一定の情勢の変化はありましたけれども、しかし根本的にやっぱり平等な形でそれを直していく。今ある程度なだらかにと、もちろん努力をしていないということは私は言いませんけれども、もっと努力をしていただいて平等な状況で確立できるように、運輸の方も専門じゃないかと思うんですが、よく見てやっていただきたいということを最後に要望しておきたいと思うんです。  それで、中国の問題ですが、これも一言だけお尋ねしておきたいんですが、確かに先ほど局長が死傷者の人数の把握の仕方というのは大変難しいということは言われましたけれども、現実にああいう形で世界にああいう事態というのが公表されたわけですから、これは事実は明白だと思うんですね。それで、その後表面的には安定に立ち戻ったかのように見えますけれども、人々の心の中に刻まれた傷跡というのは大変なものだろうというふうにも思いますが、この間、十六日に戒厳軍の部隊の将校が記者会見をやりまして発表されたことをお聞きになっているだろうと思うんですが、制圧の際、絶対に一人の学生、青年も殺していないと、それから戦車で一人もひき殺していないというふうなことを記者会見で述べたんですが、これ大臣はどのようにお考えですか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) そのような報道があったのをこちらも知っております。ただ、あのような事件においていろいろなことがあって報道自体いろいろな報道がございましたが、虚偽の事実を報道しているようなことはないのではないかと私は思うわけでございます。我々としては、いろいろ我々なりになるべく正確な情報を集めるように努力はしていますけれども、同時にいろいろな報道も参考にさしていただいたわけです。特定のそういった軍人がそのようなことを言ったということは、それはそれなりにあるかと思いますけれども、全般的な報道を見てみますと、必ずしもそういうことはないのではないか。事実、傷ついた市民ないし学生が担架等で運ばれる、亡くなった方も出ているというようなことで、私自体、今言及なさいましたこの報道ですか、それについては確認のしょうはございませんけれども、一般的に申し上げまして、まず第一は、これは中国の国内の問題であって、国内問題ということでそれなりに対応しなくちゃいかぬと。ただ、そういった問題の事実の確認のしょうもないし、その問題につきましては私として適当なお答えができないということでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 あれほどテレビで全世界に公開されて、まさに銃撃されているのを目の当たりにしたわけですから、発砲したこともなければ一人の青年も殺していないというふうなことが公然と記者会見で行われるということについては、私は全く驚きを禁じ得ないんですよ。死者の数を発表したというのがおかしいという意味で私は言っているわけでなくて、そういう事実を隠ぺいしようとする姿勢に問題があるんじゃないか、中国の中であれは政府当局がやっぱり認めて、記者会見をやっているわけですから。今その点で、局長も第一義的には中国の国内問題だと言われましたけれども、大臣の所信ですね、きのうお聞きしたときも、第一義的には中国の国内問題と認識していると、そしてそれが中国の国内問題であったとしてもというふうな発言の仕方をなされているわけですが、私は若干疑義があるんですよ。  この人権の問題、つまり基本的な人権という問題と自由の問題についてはこれまで歴代、人類の中でそれを切り開いていく努力を人類がしてきたと思うんですね、かつての古い社会とは違って。そういう状況の中で、あの第二次世界大戦という大変な状況が起こって、そして生まれた国連の中でも、この自由の問題、それから人権の問題、これが重要な問題として尊重され、諸国でそれを促進するために努力しなければならないという国連憲章が採択されたわけですね。そしてその後一九四八年には世界人権宣言がありますし、それから一九六六年には御承知の国際人権規約、これは締約国に対しては法的な拘束力を持つ。そういうものとして、世界でやはり基本的な自由の問題、人権の問題というのはまさに世界的な問題になっているんですね。  ですから、こういう問題が、ああいう事態が起こったということについては、国連に参加しているそういう基本的な国連憲章の立場、我が国も参加している国際人権規約の立場に立って明確に物を申すということがやっぱり基本的に重要だろう。そういう意味では、大臣がこの間の当委員会での答弁のときに若干踏み込んだ発言をされたということをある新聞は書きましたけれども、しかしこういう見地というのは私はこの問題を見る上で非常に重要な問題だというふうに思うので、大臣があえて国内問題というふうに述べれらている点について、一言だけちょっと意見を申し述べさせていただいて、その御意見を大臣自身にお聞きして私の発言を終わります。

福田博外務省条約局長

○政府委員(福田博君) 今、立木先生おっしゃいましたように、人権問題あるいは人道問題、そういうことについては、特に第二次大戦を契機として非常に国際的に大きな発展があった、今日も発展をし続けている問題であるということは、それは確かでございます。他方、国際法的な観点から申せば、一国がその国の国民に対して具体的にいかなる人権を保障するかということは、依然として基本的にはその国に任せられているという意味で、一国の国内問題であるということが国際法上の認識であろうかと思います。また、先生もおっしゃいましたように、人権の尊重というのは国連憲章あるいは人権規約、これはちなみに多数の国が入っておりますが、中国はまだ入っておりません。人権規約等にありますように、今日では国際的に広く受け入られている原則でございます。  したがいまして、こういう観点から、一般国際法上、人権問題は基本的には一国の国内問題であるとはいいましても、ほかの国がそれについて関心を表明したり立場を表明したり発言したりすることは、何ら排除されるものではなくて、むしろ今日では、こういう問題について国際社会が種々の関心を表明することは一般的に広く行われているということでございます。  しかし、あくまでも基本的な法的な問題として凝集したことを言えば、それは人権はその国その国が責任を持って認めていくという意味において、あくまでもまだ国内問題であるということでございます。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 今、政府委員が言いました解釈、基本的には国際間においてはそういうことだと思うんです。よって、かかる事態が起きました場合は、人権、人道という意味で各国それぞれコメントするなり首脳が発言するなりという形で表明をして、言うなれば人権、人道というのは極めて基本的な、体制のいかんを問わず、国境のいかんを問わずお互いが守り抜いていかなければならぬ原則というんでしょうか、モラルを超えた生存の基本的な枠組みとも言うんでしょうか、そういう点で私どもも憂慮宣言をしながら、同時に、銃口を向けてそういう殺傷が行われることは人道上極めて遺憾である、一日も早い自制を求めるということを申し上げたわけで、ただ国内問題と申し上げましたのは、さはさりながら、その国家の施政権内部で行われておりますことに私どもがそういう人道上、人権上の問題で発言をいたしつつも、そこの国内行為として今いろいろな観点から行われておるわけでありますし、そこで第一義的な責任というものは、私どもは外国人、第三国でありますからないわけでございます。それと、それぞれのかかわり合いというものはまさに第三国としてしかございませんものですから、そういう意味で、早く平静になってほしいという念願と期待を込めて申し上げていくことが精いっぱいかな、そういうような意味で国内問題であります。基本的に、世界のこれまた約束事の枠組みでありますものですから、そういうことでいきますのが我が国だけではなくそれぞれの国家の基本的なスタンスでなければならぬのかな、こんなことで申し上げたところであります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 申し述べられている言葉の意味からすれば、それは反対するというか、そういうことじゃないんですが、ただ基本的な人権問題に関する政府の姿勢といいますか、力点の置き方というか、僕はやはり選択議定書に加盟していないという問題にしたって、それから人権関連の条約に対して日本政府がまだ多くの条約を批准していないという問題にしても、私はやっぱり基本的な人権の問題、自由の問題に関しては、政府の姿勢としてはもっと明確な立場があるべきだということを最後に一言述べさせておいていただきたいと思います。  次に質問を譲ります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 大臣にお伺いします。  大臣は所信表明演説の中で、私の記憶ではこれまでの歴代の外務大臣が唯一の被爆国として核兵器廃絶の問題について所信を述べてこられたと思いますが、それについての言及はありませんでした。また、「日米安保体制を基盤とする米国との友好関係」ということは取り上げられましたが、今、日本国内で問題になっている本土、沖縄等での基地の被害の問題、あるいは周辺では三宅島、逗子とかあるいは三沢、沖縄の基地強化等々、これら基地問題についての言及もありませんでした。これらは関心が余り強くないために取り上げられなかったのかどうなのか、どのようにお考えになっているか、ごく簡潔で結構ですからお答え願います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 先に基地問題を申し上げますと、安保体制を基軸とした米国との友好関係に我が国がありまして、そういう外交の基軸の中にありますけれども、政府としては、米軍施設、区域の円滑かつ安定的使用の確保は日米安保条約の目的を達成するため極めて重要であると考えており、このため地域住民の理解と協力がぜひとも必要であることにつきましてはいりも申し上げておるとおりであります。  そういうことでありますから、米軍の活動に伴う住民生活の影響、その最たるものが沖縄ということに相なっておりまして、これにつきましては最小限にとどまりますように米軍に対しましても機会あるごとにその配慮を求めておることでありまして、これは外務省として当然の業務の第一と考えておりますものですから、本件についてあえて言及せずとも、基本的な枠組みでありますと、こういうことであり、なお私自身もさきの衆議院沖縄及び北方問題委員会の冒頭あいさつにおきまして、米軍の施設、区域の安定的使用と周辺住民生活との調和を図りつつ、沖縄における諸問題の解決のために努力してまいる所存でありますという旨述べておるわけでございます。そういう点で、重要な課題でありますことを認識しつつ全体の枠組みの中で申し上げさせていただいたわけであります。  それと、被爆国日本としての核軍縮につきましては、既に我が党政府の基本的な方針であり、また外務大臣たるもの、この方針の中で核軍縮という問題について努力をいたしてきておるところであり、当然前内閣及び前外務大臣の継続性、一貫性の中で継承し、これを発展せしめていくという私の所信表明の中で十分尽くされておる、こういうふうに考えたからでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 基地の問題は後で具体的に尋ねますが、核の問題について最初述べておきたい点は、核軍縮一般ではなく核兵器をなくす、廃絶というのが被爆国国民の要求だということを申し上げておきたいと思います。  私は、今もお話がありました基地問題、特に沖縄の基地問題を中心にまずお尋ねしたいと思いますが、基地の中にある沖縄と言われる沖縄は、米軍の事故の中にある沖縄でもあるというのが現状です。私は、ことしになってからも沖縄の基地調査に行ってまいりましたけれども、その状況というのを実感しました。特に最近では、沖縄近海での例の水爆搭載機が転落、水没した事件をめぐって沖縄の不安は非常に大きいものですが、その不安がまだ消えないうちに、去る十五日の深夜には、沖縄本島南部海域で操業中のマグロ漁船が米軍機に爆撃されたのかあるいはどうか今論争になっておりますけれども、そういう事件が起きました。この海域は、一昨年七月には自衛隊のものと見られるミサイル破片が操業中の漁船に命中したというところでもありますし、またほぼこれと同じ時期に、海域は違いますが、米軍の夜間爆撃訓練でマレーシア船籍の貨物船のフィリピン人船員が右腕を切断するという重傷を負ったこともあります。沖縄近海ではこういう事故が続出していると、こういうことを我々は重視せざるを得ません。  今回の事件について言えば、これは爆撃されたのは自分の戦争体験から見て間違いないという船長の言い分と、衝撃波だという米側との食い違いはあります。しかし、この漁船祐生丸が訓練空域外にいたということは米軍も認めているということが報道されております。こういう重大な事故が訓練空域外で起こっているということについてどのようにお考えになりますか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) まず、事実関係について申し上げますと、六月十五日の夕方、海上保安庁から外務省に対しまして、御指摘のマグロはえ縄漁船の祐生丸が沖縄近海の南部訓練空域付近で操業中に、付近に爆弾らしきもの数発の落下があり・爆発及び爆風があったが、人命及び船体に異常はないということがあったと。これは時間は十五日の午前零時二十分ということであります。  しかしながら、これについて私ども外務省から米政府、米軍に対しまして早速照会いたしましたところ、この時間に確かに米軍のF15機二機が空対空の戦技訓練を行っておったけれども、一切火器類を使用していない、射撃も行っていない、また何らかの物体を落下させたということもない、ただし、この訓練中に参加機の一機が超音速で飛行したので、その際ソニックブームで衝撃音が起こった可能性があると、こういうことを申しております。そして、この衝撃音は超音高速飛行によって発生するものでありますけれども、当該空域は訓練空域でありまして、このようなところで米軍が活動を行うことは許されているわけであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 訓練空域内だということですか。訓練空域外であったという報道がありましたけれども、その報道は違うということですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 私ども、この漁船はもちろん南部訓練空域外におりましたけれども、この飛行訓練空域内で行われていたものと承知しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 訓練空域外にいた漁船が訓練空域内にいた米軍機の衝撃波で爆撃を受けたというほどの重大な衝撃を受ける、これは考えられませんけれども、局長はあくまで訓練空域内から訓練空域外にとおっしゃるんですか。報道によると、ごくわずかな距離しか離れていなかったという、何マイルですかね、報道もありますけれども。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 約五海里です。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 五海里ですか。すると、五海里で訓練空域外と内だったということですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 私どもは、これが当該訓練空域での超音速飛行というふうに承知いたしておりますけれども、例えば実弾射撃等を伴うような実技訓練でありますれば、これはもうまさに訓練空域内で実施されなければなりませんけれども、これは公海上で行われていた訓練でございまして、たとえその空域から外にあったとしても、超音速飛行を行うことはあったとしても、それは問題ではないと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうすると、今の答弁だと公海上で日本の船舶がこういう事故に遭っても構わない、そういうことなんですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 私どもは、まずこれが事故であったというふうには認識いたしておりません。最初そのような可能性があるというふうに理解いたしまして米国に照会したわけでございますけれども、その結果、米側からは今御紹介いたしましたような事実関係が伝えられていて、これは事故ではなかった、大変御迷惑をおかけしたということは当然ございますけれども、事故ではなかった。そして、繰り返しになりますけれども、この漁船は南部訓練空域の外にあった、そして訓練が実施されていた場所から少なくとも五海里は離れていたということでございますが、もし御質問の趣旨がこれが訓練空域外のところであったと仮定いたしましたとしても、これは許されていることであるということを申し上げたわけでございます。私は、事故が許されるかどうかということについてお答えしたということではありません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 これが事故でないという認識自体が、日本の外務省が、連続する米軍事故で沖縄県民が大変な不安に陥れられることについて、どんな認識を持っているかということを示すものだと言わざるを得ません。  この問題だけで押し問答しているわけにもいきませんから次の問題で、同じ事故ですけれども、金武町の伊芸地区、私も調査してきましたが、ここでは高速道のドライブインの窓ガラスが撃ち抜かれるとか、あるいは泡盛醸造所の空き瓶ケースに弾が当たってはね返ったとか、あるいは基地から一キロほど離れたところで、新築中の民家の二階で働いていた大工さんが弾がおなかをかすめて、もうちょっとで命にかかわるような重大な事故になりかねない、これは昨年十月起きていますけれども、こういうふうな事故も相次いで起こっている。こういう事故がなぜ起こるのか、どうお考えになりますか。状況は要りません。なぜこういう事故が起こるかという。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) これにつきましては理由等も既に公にされておりますけれども、米側としてはその非を認めまして、そのような事故が二度と発生しないような措置をとったということを申しております。  例えば、実弾射撃を行っていたわけでありますけれども、その訓練区域の詳細について熟知している担当官を常に陪席、そこに同席させると申しますか、そういったようなことを行っているというふうに承知いたしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 こういう事故が起こるのは、根本は基地があるから起こるわけですが、しかし直接的には米軍が日本人、沖縄県民など何とも思わないで、ルールなど無視して訓練をやっている、それがそういうふうになっていると私は思います。  私自身も見てきましたけれども、キャンプ・ハンセンでは射撃訓練場の外側から訓練場の標示板に向かって射撃した弾痕なんかが残っているんですね。そういうふうな全くルールを無視して演習を行っていることについて、外務省はどのようにお考えになり、どのような抗議あるいは措置をとってこられたか、お伺いします。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 今、経緯をお聞きになられましたので、累次の機会において、あらゆるレベルで米側に対して、日本政府としての極めて深刻な問題としてこれを受けとめているということを伝えますと同時に、地域住民の安全確保のため万全の措置が早急にとられることを要請してきたわけであります。  米軍としても、これは何度も国会において御説明し、報告いたしましたけれども、日本側よりの要請を十分踏まえて、真剣に事故原因究明及び安全対策の作業を進めた結果、一連の措置を公にいたしております。そして、米軍としては、地域住民の安全確保に万全を期すとの観点から、御記憶のとおりこのキャンプ・ハンセンのレンジ6における実弾射撃訓練の訓練を取りやめますとともに、その他の安全対策を講じることを決定いたしております。  私どもといたしましては、本件措置が十分に確保されるよう厳しく見守り、同演習場における安全確保に万全が期されるよう引き続き米側と話し合いを行う等、適切に処理してまいるつもりでおります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、万全の措置ということが言葉だけに終わらないで、本当にこのような事故が起こらないように責任を持った措置をとられるよう要請して、次の問題に移ります。  問題は、こういう事故が続出している沖縄の米軍基地が一層強化されようとしていることです。  まず取り上げたいのは、世界的にも貴重なヤンバルクイナあるいはノグチゲラを初めとする天然記念物の宝庫であり、沖縄県民の水がめと言われる国頭村の水源地にハリアー訓練基地をつくろうと、そういう米軍からの申し出が出ていることです。これは、核攻撃が可能なAVハリアーⅡ、この訓練基地です。村民挙げて反対運動が今起きておりますし、それは当然だと思いますけれども、アメリカがこのハリアー訓練基地を国頭村につくりたいと言ってきたその目的、理由。どういう施設をつくろうとしているか。どういう訓練をやろうとしているか。また、なぜ沖縄でなければならないか。そういう点についてお答え願います。これは施設庁ですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 御指摘のハリアーの訓練場でございますけれども、米軍が計画しておりますのは沖縄県国頭村安波地区、ここに設置を計画しているわけでございます。  この施設の内容は、長さ約三百メートルの短距離離着陸用滑走路、それから駐機場等の附帯施設でございまして、この滑走路を使いまして短距離離着陸訓練を実施するものと承知しております。  米軍がこの場所を選びましたのは、一つには、沖縄にあります海兵隊の地上部隊と連携をした訓練が必要であるというふうに聞いております。  それから、この場所は安波ダムをつくりましたときの土砂捨て場でございまして、立木の伐採とか大規模な土地の形質変更というようなものが必要なくて、自然保護あるいは環境保全といった面からも問題が少ない場所だということがその一つの理由でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 地上軍との共同訓練をやるということが今の答弁で明らかになりました。したがって、沖縄が必要だという説明ですね。  施設庁にお伺いしますけれども、施設庁は、これは提供施設内での工事であり、安保、地位協定上とかく言える立場にない、こういう見解だということですが、村民が反対してもアメリカは強行しようとしているのか、あるいは施設庁もそれに同意しているのか、現状はどうなっていますか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 米軍が訓練のために必要な施設を提供されている施設区域内で整備する、これは認められているところでございます。米軍の訓練の必要性あるいは環境保全、地域住民への影響等、こういうものを総合的に判断した場合に、北部訓練場内の安波地区がこの短距離離着陸訓練に適しているという米軍の考えには現在でも変わりございません。  しかしながら、米軍は地元に強い反対の意向があるということは十分承知しておりまして、また防衛施設庁といたしましても、米軍に対しまして地元情勢に留意し慎重に対処するように申し入れているところでございまして、米軍が工事を強行するとか不測の事態が生ずるようなことは避けられるものと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうすると、米軍としては、できることならこの国頭村の安波地区につくりたいという希望は現在も持っているということなんですね。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) そのとおりでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 こういう反対があって安波地区にはまだできていないということと関連してですけれども、報道によりますと、伊江島に当面の訓練基地を設けることになったという報道がありますが、これはどうなっているのか、また伊江島が選ばれたとすれば、そこではどういう訓練をすることになっているのか、お伺いします。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 国頭に計画しておりますハリアーパッドの設置が諸般の事情から難しいということで、米軍は当面は沖縄県内にあります既存のハリアーパッドを使用して訓練したいという意向を持っております。このうち伊江島補助飛行場につきましては、短距離離着陸用のハリアーパッドを整備して使用したいということでございます。  米軍が整備を計画しているハリアー機の訓練施設は、長さ約三百メートルの短距離離着陸用滑走路と駐機場等の附帯施設でございまして、これは安波で計画しているのと同様に、この滑走路を使用して短距離離着陸訓練を実施するものと承知しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 離着陸訓練だけだということですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 滑走路を使用しての離着陸訓練と承知しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 一部の報道では射撃訓練というふうなこともありましたけれども、そういうことはないわけですね。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 伊江島補助飛行場はもともと対地射爆撃訓練用の施設でございますけれども、一部そのような報道がありましたので米側に問い合わせましたところ、伊江島で射爆撃訓練をする計画はないという説明がございました。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 伊江島でも村議会は全会一致で反対決議をしておりますけれども、伊江島の場合はそれでも離着陸訓練には使う、そういうふうになっているわけですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 伊江村議会が反対の決議をしたということは承知しております。  しかし、那覇防衛施設局が伊江村当局あるいは村議会にこの設置についてお願いいたしましたところ、これは条件つきで受け入れるという回答がございまして、現在その内容について詰めているということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私、ここに国頭村の村長さんからもらったポスターがありますけれども、  ヤンバルの自然は美しく森林は活きている  そこには多くの貴重な動植物が生息している  国頭村の自然をハリアー基地から守ろう。こういうポスターで、村長さんは、私がお会いしたときに、世界じゅうにこの自然の宝庫を守るよう宣伝もしたいという話をしておられました。沖縄県民が強く反対しているそういう基地の強化というものが強行されるのかされないのかという問題は、沖縄にとって非常に重要な問題です。  最近アメリカの新聞報道では、アメリカが沖縄県民の基地感情等を非常に神経質になって見守っているという報道もあると聞いていますけれども、その点も含めてアメリカが沖縄の基地をこういうふうな形で強化するときにどういう態度をとっているか。住民の強い反対があっても必要なものは強行するという態度なのか、県民の声に耳を傾けるという態度をもとっているのかどうか、お答え願います。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 米国の姿勢といいますのは、今おっしゃられました二つのことの調和をとるように努力する、そして彼らが許されておりますことについてはなるべく日本政府の理解と協力を得て実施したいということでありますが、他方、米軍も施設、区域の運営に当たっては、周辺地域の住民の方々の協力と理解が得られなければならないということはわかっておりますから、案件ごとにその調和を求める努力をしているということだと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 同じく沖縄で、私が調査に行ったときに大きい問題になっていた問題は、恩納村、宜野座村で海兵隊と米陸軍特殊部隊グリーンベレーのいわゆる対都市ゲリラ戦訓練施設の建設問題でした。この計画の目的、内容、現状、これを報告してください。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 米軍がキャンプ・ハンセン内に都市型訓練施設を建設している、あるいはこれを計画しているということにつきまして米軍から聴取したところによりますと、その内容は、まず施設の概要でございますけれども、恩納村地域におきましては木造の建物三棟を建設する。このうち二棟は射場でありまして、一棟は標的用の建物ということでございます。そのほかに、木造とタイヤによる建物一棟、それからいわゆるタイヤハウスが二カ所、それから通常の小銃訓練場が一カ所。これが恩納村地域でございます。これの訓練部隊は、海兵隊及び陸軍と承知しております。  訓練の内容でございますけれども、着弾地に設置してあります標的用木造建物がゲリラ等に占拠された、こういう想定で射撃地点の木造建物からこれを射撃し、その後前進部隊がその標的小屋へ接近してこれを占領する、そういった内容の訓練というふうに承知しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 それで、現状はどうですか。進行中ですか、どうですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 恩納村につきましては、六十三年九月中旬から建設に着手しておりまして、一部は完成しておりますが、昨年十二月に請負業者が地元住民のために工事を阻止されたというようなことがありまして、その後工事は中断しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私も行ってみましたけれども、山中にビルなどをつくって、要するに模擬都市をつくりそれを奪い取る訓練だという今のお話です。こういうのは私は本当にとんでもないことだと思いますけれども、アメリカがこういう対都市ゲリラ戦訓練施設というのをアメリカ本国を含めて沖縄以外どこかにつくっていますか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 私ども承知いたしておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 恐らくアメリカ本国にはあるかもしれませんが、アメリカ以外には日本にしかこういうものがないということだと私は思います。つまり、沖縄には世界じゅうどこにもないこういう米軍の施設までつくられようとしている、目下村民の反対で中断中だということですけれども。  この訓練基地というのは、日米安保条約の目的とはどういう関係がありますか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 我が国に駐留しております米軍は、我が国の安全と極東の平和と安全のために活動することを許されているわけでありまして、このような訓練を行ってその練度を向上させるということは、軍の機能を向上させることによって抑止力を確保するということでございますから、それは安保条約の目的にかなうということだと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、安保条約というのはそういう抽象的な取り決めをしているとは思いません。安保条約の第六条は基地提供についてこういうふうに言っています。「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」と。つまり、日本国及び極東における平和と安全の目的のために日本の基地の使用が許されると、こういうことになっているわけです。この対都市ゲリラ訓練というのは、そうすると、こういう日本なり極東でゲリラを鎮圧するための訓練をやっているという、そういうことですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) この対都市ゲリラ訓練と言われておりますものが具体的に何を想定しているかはわかりませんけれども、軍の属性としてそのような能力を常に有しているということが、まさに今先生お読みになられました第六条の目的にかなうことであると私どもは考えております。  いずれにいたしましても、先ほども指摘されましたが、訓練を目的とするために提供されている施設、区域の中で米国が、米軍がその訓練のための施設をつくるということは許されているのでございます。それがまず大原則であります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 ある雑誌では、沖縄にいる部隊の三分の一はアジアの顔をしているアジア系アメリカ人であると。こういう訓練をやっているのは、朝鮮半島の有事に備え、フィリピン、カンボジアなどのほか、非核を訴え続けている太平洋等に浮かぶベラウ島なども守備範囲に入っていると。ソ連を視野に入れ、さらに銃口は大和日本にも向かっていると。つまり、彼らはそういう広範な地域、もっと言えば、ある専門家は、今日沖縄というのは単にそういう地域よりもASEANに広がるゲリラへの不安に備える訓練基地にもなっていると、こういうふうに言っています。  そういうところを視野に置いた訓練というものは、私どもは認めていませんけれども、現にある安保条約第六条で言う目的とも明確に反するものだと私は思います。それは安保条約の六条との関連でも全く問題がないというのが外務省の考えですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 繰り返しになりますけれども、沖縄を含め在日米軍が軍として必要な種々の訓練を実施して、その抑止力の維持強化に努めることは、我が国の安全並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するものと認識いたしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 基地提供には限定された目的があり、そういう拡大解釈というものは成り立たないということを私は言っておきたいと思います。  それで、ここでその議論は繰り返しても進みませんから、次に進みたいと思いますが、自衛隊の問題です。  米軍基地の強化に加えて、沖縄では自衛隊基地増強が今問題になっているということですね。特に、今海上自衛隊がP3Cを那覇基地に配備し、それに伴いここに対潜作戦センターを新設しようとしている。その通信施設を本部町と国頭村に新たにつくろうとしている。そういう計画があることは事実ですか、防衛庁。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) ただいまお話がありましたように、現在沖縄にありますP2Jという古い対潜機が寿命が参りますので、そのかわりに来年度P3Cにかえるということで、そのための施設整備などを昭和六十三年度から行っているところでございます。今おっしゃられました対潜作戦センターのための送信所、受信所、それぞれ本部町、国頭村に設置するということで今年度、平成元年度の予算で予定をしてございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そこでお伺いしたいのですが、沖縄の復帰時、政府は、那覇空港は当面民間と自衛隊の共用にならざるを得ないが、自衛隊飛行場と民間飛行場は別にし、民間専用にすることが望ましいということ、極めて具体的に、将来四年ぐらい先には当然そういうことが考慮されなければならないという、時期まで挙げた答弁が行われております。特に、現地ではもう民間専用基地になるんだということが大宣伝され、これが目玉公約とされてきた。したがって、沖縄では復帰後那覇空港というのはもう民間専用基地になるということが常識化し、沖縄県議会で那覇空港の民間移行決議というのが七回行われておりますが、それにはいずれも復帰時の公約だということも記載されております。そういう公約を掲げて復帰した後、四年どころか十七年たった今、民間施設に移行するのと反対に、新たな自衛隊の基地が今防衛庁も認められた形でつくられようとしている。これは明確なる沖縄復帰時の公約違反じゃないかと私は言わざるを得ません。  大臣、公約というのは、この間から我々がずっと問題にしてきている消費税と同じように、守っても守らなくてもいいものだというふうにお考えですか。これちょっと明確にお答え願いたいと思います。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) ちょっと事実関係だけ私の方から先に……。  現在、おっしゃられましたような民間空港として使用するということを公約しているのではないかというお話がありまして、私どももいろいろ調べてみたのでございますが、そのような約束をしたということは私ども承知をしておりません。  いずれにしましても、現在那覇飛行場にP2Jがあるということで、それの代替というつもりでございますので、特に那覇の飛行場を基地強化をするというようなものではないというふうに私どもは承知をしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そういういいかげんなことを言っちゃだめですよ。速記録にちゃんと、将来四年ぐらい先になった時点ではこれは当然考慮されなければならないと、こう当時の防衛庁長官江崎氏が答えておりますからね。それが、現地では、私は、公約と言わないで民間専用化するんだという大宣伝が行われたというふうに、厳格に区別して言っております。だから、沖縄県民はもう民間空港専用になるんだというふうに思い込まされているんだということです。大臣、どうですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 考慮されなければならないといったような答弁があったことは私ども承知いたしておりますけれども、この沖縄の返還協定が審議されました際に、この那覇空港というのは、いわゆるC表、返還期までに、または返還の際に使用が解除されるという表現だったかと思いますけれども、使用が解除されるということであります。そこに那覇空港というのが載っておりますが、これにつきまして島田防衛施設庁長官が、当時、C表に掲げてあります三十六カ所の施設につきましては、復帰の際、またはそれ以前に返還になるという予定のものでございます、そしてその中には、那覇空港の場合におきましては、これは運輸省所官の空港になりまして、その施設の一部を自衛隊も使用すると、こういうものでございますというふうにございまして、当然にそのまま民間のものになるというふうには、今、先生、公約というお言葉をお使いになられましたが、そういうふうに私ども承知しておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、当面自衛隊と共用にならざるを得ないという、今おっしゃったことも言っています。その上で、四年後にはそれが民間専用が考慮されざるを得ないだろうという答弁があり、だから沖縄県民はそれが常識的な公約だと思っているということ。復帰時の公約というのは、沖縄県議会の決議にそういうふうに言われている。そう沖縄県民は思い込まされたんだということを言っているわけです。  あなた方は、そのときどきに都合のいいことを言って、後から言い逃れをいろいろ考えてくる。そういうことを繰り返したんじゃ、やっぱり消費税と同じで、だめですよ。沖縄県民はそれを公約ととっているわけなんですよ。ですけれども、それを今のようにいろいろ認められないなら、私は日本の自民党政府というのは、そういういいかげんなことを言う政府だというふうにとらざるを得ません。  次の質問に移ります。  本部町での予定地、これは送信所ですが、私行ってきましたが、ここでも強い反対運動が起こっています。これは住民の反対があっても強行するつもりですか。防衛庁どうですか。

鈴木杲防衛施設庁施設部長

○政府委員(鈴木杲君) 本部町におきます通信施設の設置について一部の住民の反対があるということは承知しております。これは自衛隊にとってぜひ必要な施設でありますので、今後とも地権者、自治体等、地元の理解と協力が得られるように努めてまいりたいと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 一部の反対とおっしゃいましたが、私は現地に行っていろいろ住民と話し合ってきて状況もつかんできております。つまり、不在地主の賛成を多く得ておられるようです。しかし、本当の意味での住民が賛成するかしないかということは、本部町に住んで、そこでもとの滑走路を何とかして苦労しながら農業を営んでいる、そういう人が賛成するか反対するかということです。そういう人は挙げて反対している。それを一部の反対だという認識で強行されようとするならば、これは私は重大な事態になるだろうということをここで警告しておきたいと思います。  沖縄問題だけに私は時間を費やすわけにいきませんので、あと若干タイコンデロが問題についてお伺いしておきたいと思います。  まず、項目だけで結構ですから、アメリカ政府に何を照会し、どういう答弁が来ているか、内容は結構ですから、項目だけ挙げていただきたいと思います。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 先日既に詳細に御説明いたしましたけれども、最初この事故の概要についての報告に米国政府から接しております。それから、それを踏まえまして、さらに安全性及び環境への影響についての説明もその後受けております。  現在照会しておりますのは、タイコンデロガが事故後横須賀に寄港したか否か、それからもう一つは、一九八一年の報告書中に我が国及びその周辺に関係する事故が含まれているか否かについて、さらに安全性に関する米御説明につきましても、これは私ども大変重いものとして受けとめておりますけれども、これに基づいて再照会すべき事項を取りまとめて、現在米側に照会中でございます。これらにつきましては、まだ回答に接しておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 航海日誌それ自体についての照会はどうですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 照会いたしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 ということは、外務省はタイコンデロガが横須賀に寄港した可能性はあるという前提に立って照会しているわけですか、照会をしているということは。少なくとも疑いは持っているわけですか。疑いはないけれども、念のために照会しているということですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 御質問を的確に理解することができたかどうかわかりませんが、事実関係を確認しているということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 事実関係というのは、私は今度は答弁の意味がわかりませんけれども、相手に照会するからには照会すべき理由があって照会するわけでしょう。そうすると、既に航海日誌が発表されて、タイコンデロガが往復とも横須賀に入港したということは国際的な常識になっているわけです。それについて、そういう入ったかもしれないという疑いが全くないのならば照会するまでもないと思いますけれども、照会なさっているということは、もしかしたら入港したかもしれないという疑いがあるから照会しておられるかどうかというのが私の聞きたい点です。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 疑いがあるかどうかという、その疑いに私ちょっとこだわったのでございますけれども、米空母タイコンデロガが事故後横須賀に寄港したという報道がございました。それから、環境団体でありますグリーンピースが当時のタイコンデロガの航海日誌のコピーであるというものを一部の報道機関の方々に配付したということをも承知しております。したがいまして、これらについて事故後横須賀に寄港したか否かということで米国に照会しているということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私の質問の中心点にはお答えになりません。  政府は、国会答弁でも最近の答弁書でも、事前協議の申し込みがなかったから日本に核持ち込みはなかったことについては、何らの疑いも有していないというふうにお書きになり、また答弁もなさっているわけですね。だとすると、タイコンデロガが日本に来たことは疑いの余地もないということにつながりませんか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) 今、先生御自身おっしゃられましたけれども、核持ち込みの事前協議が行われない以上、政府としては、米国による核持ち込みがなかったということについて、何らの疑いも有していないということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 というのは、タイコンデロガが入らなかったと。入ったことへの疑いの余地もないということにはならないんですか。

有馬龍夫外務省北米局長

○政府委員(有馬龍夫君) これは今事実を確認いたしておりますけれども、その結果いかんにかかわらず、事前協議がなかった以上、政府としては、米国による核持ち込みがなかったということについて、疑いを有していないということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は大臣にも局長にも申し上げたいんですけれども、事前協議がなかったから日本に核持ち込みがなかったというようなことでもう人々が納得する事態ではないと、基地を抱えた市町村が外務省に提出した一連の要望書でも事前協議制に基づく従来の説明では県民の不安、動揺を解消できない、こういうふうに言っているはずです。  私ははっきり申し上げたいんですが、木村元外相が生前、日本の核通過というのは実際上認めているんだと、これ以上うそをつくわけにはいかないというので、これを表に出そうということで日米交渉もやったということをお話しになり、日米で非公式の合意まで見ていたんだということが、木村元外相がお亡くなりになってから後、朝日ジャーナルと朝日新聞で報道されております。亡くなられてからでもそういう事実がわからないよりはわかった方がいいと思うですが、どうですか外務省、こういういいかげんなことを言ってもうだれも納得しないような態度をとるのではなく、実際は核の通過は認めているのが実態なんだということを木村元外相は当時相当な決意でやろうとされた。これは死後じゃなくて今ここではっきりすべきときだと思いますけれども、そういう決断つきませんか。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 段々のお話でございますけれども、また木村先生のお話も引用されまして、それは私聞き及んでおりませんけれども、要すれば、安全保障条約というような国の安全保障の根本にかかわる条約につきましては、日米間の確固たる信頼関係が絶対の条件でなければなりません。また、そのような条件の中で今日まで日米安保条約というものが運用されてきておるわけでございまして、私どもはその信頼関係というのは確固不動のものと信じております。よって、米国政府が核持ち込み問題に対しまして我が国の立場及び関心を最高首脳レベルを含めて十二分に理解をしておりまして、政府としても、核持ち込みに関しまして事前協議が行われません以上は、米国による核持ち込みがないというこのことについては何ら疑いを差し挟まないというのが従前申し上げてきておることでありまして、私も外務大臣に就任をいたしてまいりましてから、信頼関係にきっちりと相なっております安保条約の建前からいいましてもそのことを毫末も疑うということはございません。また、国民各位にも御理解を得ていただく、また得ておるのではないかというふうに考えておるところであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 済みません。もう一問お願いします。

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) それでは、あと一問だけ簡単な質問を許します。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 木村元外相は、さようなうそをつき通すことにはもう耐えられない、こう語っておられるわけですね。それはもうはっきり報道されているわけです。私がそこまで言ってもお答えにならないから、私はもうちょっと突っ込んで申し上げたいんですが、外務省は核の通過どころか、昭和四十四年五月から九月にかけて行った検討を取りまとめた「わが国の外交政策大綱」という文書では、これはちゃんと六十八ページに書かれていますけれども、「将来万一の場合における戦術核持ち込みに際し無用の国内的混乱を避けるように配慮する」こういうことまでお書きになっているんですよ。核の通過どころか、こういう文書まで外務省の内部ではまとめていて、それでもう事前協議があるから通過さえもないんだというふうなしらを切ったってそれはもうだめですよ。こういう文書が、昭和四十四年五月から九月までにまとめられた文書で、あります。それから私は、木村元外務大臣答弁……

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 簡単に願います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 はい。答弁は私、取材の約束を守って申し上げませんけれども、責任ある人からそういう発言は聞いているということもあわせて申し上げて、この文書の調査もお願いしておいて質問を終わります。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 それでは、質問をさしていただきます。  三塚外相には、今度外務大臣ということで大変なお仕事を担当されました。宇野前外相も大変国際社会の中での日本ということで頑張ってこられたというふうに私は高く評価しているわけであります。  きょうは航空協定という法案がかかっておりますのでその問題、大変初歩的な質問で恐縮でありますけれども、二、三点質問さしていただきたいと思います。  まず、この航空協定というのは、先ほども申し上げましたように、国際社会というそういう状況の中で私は当然締結すべきであるというふうに考える次第でありますが、例えば日本と諸外国との関係でどの程度こういう協定が結ばれているか、国の数ですね。それから、先ほど既に答弁がありましたけれども、これから先は何か三十数カ国の方々からとにかく早く締結してほしいというような要望もあるようでありますけれども、やっぱり一国の、例えば日本として考える場合にはメリットとかあるいはデメリットということも当然考えるべきではないかと思うので、その辺も含めてお考え方がありましたら答弁願いたいと思います。

丹波實外務省大臣官房外務参事官

○政府委員(丹波實君) 現在まで日本が締結しております航空協定、三十七カ国の数に上っております。また、公式に日本と航空協定を締結したいという希望を表明しておる国が三十数カ国ございます。で、今日現在、これらの国と航空協定交渉はいたしておりません。予備的な協議を持った国が、昨年二月以来そういう話を、意見交換を予備的にしておる国にネパールがございます。今後、従来もそうでございますけれども、新たな協定交渉をするに当たりましては、その国との文化的、社会的、経済的なつながり、あるいは双方の航空需要、日本国におきますところの受け入れ体制の問題、そういう全般的なことを考慮しながら、どの国と航空協定交渉に入るかということを検討してまいりたいと考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 今おっしゃいましたように、受け入れ態勢というのが飛行場を含めて一番大きな問題になってくるのではないかと思うんですが、現在でも成田空港も相当過密だというふうに聞いております。そういう意味で、成田以外に例えば大阪であるとか九州であるとか、九州あたりも相当いい空港があるわけでありますが、そういうものはもう全然考えておりませんか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) お答えいたします。  いわゆる国際空港につきましては、日本の中に成田空港であるとかあるいは大阪空港であるとかそういう代表的な空港以外に、さらに大都市については名古屋とか福岡とかございます。それからさらに申しますと、それよりもう少し小さいものとして、例えば北海道であれば新千歳であるとかあるいは石川県の小松とか、それから九州に参りますと熊本とか鹿児島とかいう空港がございまして、大体全部でいわゆる定期便が就航している国際空港は約十ぐらいあると思いますが、私どもといたしましては、どうしてもいわゆる航空輸送需要の点からいたしますと、航空企業の要望として、あるいはお客さんの要望として、東京であれば成田とか、それから大阪であれば大阪空港というところに集中をしがちでございます。したがって、その結果として空港のキャパシティーもタイトになるという状況がございますので、先生も今御指摘になったと思いますけれども、それ以外の空港で、いわゆる地方空港においてさらに国際定期便が就航することというのは、少なくともその需要があるなりあるいはお客さんの利便に資する場合に大変結構なことだと思っておりまして、我我運輸省としても支援しているという状況でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 今度のこの二カ国の場合は非常に頻度は少ないんですね。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) はい。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 例えば、一週間に一便とか二便とかいうそういう頻度の少なさということをちょっと聞いているんですけれども、私は、そういう締結していろんな話しする場合に、向こうの要望というのがやっぱり一番強いだろうと思うんですよね。やっぱり東京に近いところと、そういう場合にやはり日本の立場上、実は大阪にしてくださいとかあるいは北海道というようなのは、その交渉の過程では十分相手の方に納得をさせるということは可能なんでしょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 私ども航空当局間でそれぞれの航空企業が相手国のどこの地点に乗り入れるかというのは、大変協議の中でも重要なポイントになっていろいろ議論をし合います。それで、まず航空輸送需要がその地点にあるかとか、あるいは地点を二つの国の間で交換をするときに、いわゆる航空権益と申しますか、利益がつり合うかどうかとかいう点をいろいろ議論して、最終的に両国が納得してバランスがとれる交換というのが行われるわけでございます。  今回の協定に則して申しますと、いろいろ議論した中で、やはりオーストリア側からすれば日本側の地点としては東京でないとだめだと、それからトルコの場合でございますと、やっぱりこれまた日本の首都である東京でないといわば行く意欲がないと申しますか、そういうところが向こう側にとっての決定的な要望であるということでございまして、その辺我々としても配慮して、こういう今考えておりますような路線の交換になっているわけでございます。それで、そのかわり日本側も向こうの一番重要な地点に行けますよということになっておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 まあ、それはそうでしょうね。一番行きたいところへ行きたいと。留学生の受け入れみたいに何となく東京へ行きたいと言うんだけれども、いや九州の方だと、これは勝手に決められるんですよね。それとは違ってギブ・アンド・テークという意味ですね。そういう意味では、先ほどもちょっと意見があったと思うんですが、日本でも当然トルコに対してもオーストリアに対してもストレートで行ける路線を何とか開設したいというようなこともちょっと聞いているんですが、その辺はどうなんでしょうか。

土井勝二運輸省国際運輸・観光局国際航空課長

○説明員(土井勝二君) 先生のお尋ねは、我が国の航空企業が相手国にどう行きたいかというお尋ねかとも思いますが、まずトルコにつきましては協定の発効後に国営トルコ航空がイスタンブールから東京に行きたいということがございますが、これに対して今のところ私ども聞いている範囲では、我が国の企業がトルコに乗り入れる計画なり希望なりは具体的にはないと承知しております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 それでは、この協定については以上にしたいと思います。  きょうは大臣に対しても初めての質問ということで、時間も余りありませんので、大変失礼かもわかりませんが、端的に特に中国問題をざっくばらんにお答えをひとつ願いたいと思うんですが。  今はもう総理になられておるわけですが、宇野前外相がことしの五月ごろ北京に寄って、いろいろ要人にお会いになったり、相当いろんな情報も持って帰られたのではないかというふうに思うわけなんですが、今度の中国のああいう事件の発生というものに対しては全然予測をしていなかったのか、あるいはある程度の予測を持って今日を迎えているのか、その辺のところをまずお聞きしたいと思うんです。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 四月の中旬から今日に至るまでの中国の情勢を振り返ってみますと、それなりに関係各国ともいろいろ情報の収集、分析に努力をしたわけでございますけれども、六月の上旬、初めの段階になる事態というのは恐らくどこの国も予想はできなかったんじゃないかと思うわけでございます。  もう少し詳しく申しますと、四月の十五日の胡耀邦さんの死去に伴いまして学生デモがその二、三日後に始まりまして、四月の下旬には大変な盛上がりを示した。ところが、五月四日の五・四運動の七十周年記念、その後五月七日に宇野前外務大臣がソ連、モンゴル訪問の帰途北京にお寄りになった時期は、大体こういったデモは終息に向かいつつありまして、中国側当局者もその時点においてはそういう認識であったわけでございます。  さらに付言しますと、五月の十五日にゴルバチョフ書記長が中国に来たわけですけれども、歓迎式典が戸越天安円広場から空港に変更になったわけでございます。これは、天安門広場で五月の十三日から学生が座り込みをやったためにこのように変わったわけで、これも予想に反して学生が座り込みをやめない、排除できなかったということであったかと思います。この決定がゴルバチョフ書記長の到着の直前になされた。  そういうことでございまして、このことからも明らかなように、今回の事態の展開には当事者である中国当局にとってさえも予想外の面があったんじゃないか。中国外にいます第三国にとってはなかなか、情報の収集に努めたんですけれども、最後の事態というのは予想できなかったということが事実ではないかと思います。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 そこで、急にああいう事態が発生するというような状況の中で、例えば大使の権限ですね、現地に当然おられるわけなんですが、この大使の権限というのは一体どの程度あるのか。例えば避難勧告、早く避難しなさいよという程度なのか、あるいはこれが例えば退避命令という非常にはっきりした形で権限をお持ちになってやれるものか。私は、その辺の情勢判断もあるんだけれども、実はその辺が非常に大きなかぎを握るんじゃないか、そんな感じがいたしまして、よく新聞その他で見ておりましてもわからない。例えば、本国の方の外務大臣に早速連絡をしてどうしましょうと、そういうものを指示を仰ぐというんでしょうか、こういうものも当然そこには含まれるかと思うんですが、急遽の場合というのはなかなか大変だと思うので、この大使の権限ということについてお伺いしたいと思います。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 任国におります大使は、少なくとも在留邦人との関係におきましては、在留邦人の保護あるいは現地におきます日本の権益の保護に当たっているわけでございまして、現地におきましてこういった事態が始まってから、大使は大使なりに大変努力をしまして、情報の収集ないし対策をとってきたわけでございます。  五月の二十日に戒厳令が布告されまして、その後大使は在留邦人の方々に対して日中、夜間も含めて外出を控えるように勧告を出しておりますし、最後に六月の初めのああいった段階になりまして退避の勧告をしたということでございます。  交通とかあるいは通信がだんだんだんだん不便になっている状態の中で、大使は与えられた権限を最大限発揮すべく努力もされておりますし、それから少なくともそういった意味では大使は十分権限を今回の場合は発揮したと私は考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 私は非常に大切な問題だと思うんですね。例えば商社とかマスコミですね、こういう方々というのは仕事の関係で、きつきの避難勧告だとかあるいは命令とかいうようなことがあっても、やっぱりなかなか動きにくいという面が相当あるのではないかというようにも思いますし、特に、今度はそれほどでもなかったんでしょうが、経済特区ですね、経済特区には相当の日本人が入り込んでおりまして、これは合弁企業もありますし、単独でやっている場合もあるんですが、そういう方々の情報というのは十分つかんでいろんな対応はされておるのでしょうか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 今回の事態に際しまして、大使館としましては、大使館員自体による情報の収集、あるいは在留邦人の方々、学生を含めてこういった方々、それから報道関係者の方々、こういった方々から有益ないろんな情報をいただいていたわけでございます。  また、地方に関しましては、地方に総領事館がございますので、地方の総領事館がそれなりにそれぞれ努力して情報を収集したわけでございます。  今回の事態をちょっと振り返って見てみますと、北京の天安門と長安街の近辺が相当動乱と申しますか、ああいったような事態があって、あと大きな都市、上海とか天津の中心部ではあのような騒ぎがあったんですが、北京の長安街から離れた地域だとか、あるいは地方の都市も都市の中心部から離れた地域においては必ずしもそういうことがなかった。ですから、報道にございます、松下電器の工場がずっと稼働しておった、これは北京の中心から相当離れておりまして、余り騒動というか、動乱がなかったということがあるわけで、こういった中におきまして、大使館あるいは総領事館、こういったところにおります館員が在留邦人の方々とか報道関係者の方々とかいろんな方と接触して、それなりに幅広い情報の収集に努めたわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 今回の場合では修学旅行の生徒はおらなかったんでしょうか。この間のあの学生の列車事故がありましたね、あるいはバス事故とか。こういうものが今言ったようないろんな国の情勢によって巻き込まれるというようなことがあるいはありはしないかと。列車事故に対しては、いろいろ修学旅行に行く場合の注意といいますか、そういうものもかなり外務省の方からやっておられるというふうに聞いておるんですけれども、そういうようなもしものときの学生の避難の安全マニュアル的なものですね、これはもうちゃんとつくって、そしてそれぞれ指導すべきだというふうに私は考えておるんですが、その点は現在どういうふうに進んでおるんでしょうか。

黒河内久美外務省大臣官房領事移住部長

○政府委員(黒河内久美君) 今、先生御指摘の昨年修学旅行で起こった非常に不幸な事故の反省のもとに、私ども関係省とも協議しながら、実際に外国での修学旅行を企画している学校当局から、都道府県を通じまして外務省の方に事前にその計画を通報していただき、それに応じて必要な情報提供あるいは注意喚起ということができるような体制にいたしております。  今回の中国の情勢下で、具体的にそういう修学旅行の計画というのは、私どもは事前にはそういうチャンネルでは把握いたしておりませんでした。また、実際に情勢が厳しくなってから在中国大使館におきましては、邦人の動向につきまして在留邦人のみならず、旅行業者を通じまして旅行者の把握にも努めたわけでございますが、その範囲では修学旅行の団体というのは私ども把握いたしておりません。  一般的に申しまして、外国における邦人の安全の問題につきまして、第一義的には渡航される方御自身の注意が必要、自分の身は自分で守るという努力が必要なわけでございますけれども、当然のことながら外務省在外公館は邦人の安全確保というのを重要な任務と心得ておりまして、日ごろからいろいろな努力を行っておることは御承知いただいているところと存じます。  具体的に修学旅行につきましても、先ほど申し上げたようなことで事前の情報把握に努めますと同時に、一般的に海外渡航される方に対する情報提供の中でさまざまな工夫をいたしているわけでございます。具体的には領事移住部で海外安全相談センターというものを設けておりまして、個別の御要請、照会に対しても答えられる体制をとっておりますし、またパソコン通信ネットワークを通じて旅行者等関係者に情報提供することもやっております。また、先ほど申し上げたような形で、修学旅行を担当する旅行業者に対してもこのような情報が流されているわけでございまして、折に触れて関係学校当局者あるいは都道府県に対しても、そのような情報の提供及び指導を行っているわけでございます。私どもとしては、こういうような形で一般的な注意事項については、十分に周知徹底されているものというふうに考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 中国との関係は、文化交流はもちろんですが、経済的にも非常にいい関係に、だんだんいい方向に向かっておりましたので、特に今後の日中関係で、そういう貿易関係ですね、中国からも相当の品物が入っております。農産物なんか特にその例なんですが、日本からもいろんな産業機械も入っておりますね。そういう意味で、私はこれから先も西側と一緒になって、あれだけの国ですからやっぱりいい状況の中でおつき合いをしていきたいという気持ちは強いんですけれども、その辺の関係について今後とも余り変わりませんでしょうか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 委員御指摘のとおり、中国との経済関係というのは最近非常に拡大基調にありまして、例えば貿易をとってみますと昨年は百九十三億ドルという史上初の二百億ドルに近い数字となりまして、しかも日本側の入超ということで、大変いい趨勢になってきたわけでございます。これは中国の改革開放という政策がしからしめたところだと思います。  しかし、今般の一連の事態によりまして、中国国内での輸送とかあるいは対外輸出の面で一部影響も出た模様でございます。中国側は現在までにほぼ正常に復していると、そう発表はしておりますが、このような事実があるかと思います。  将来の見通し等でございますが、今回の事態は十年間の改革と開放の努力によって高まった中国の国際的信用が一気に落ちまして、やはりこれが中国の対外経済関係にマイナスの影響を及ぼすことになるんじゃないかと、こういったことをよく踏まえまして、我が国としても今後の中国との関係を策定するに当たりましては、これは経済環境も含めてでございますけれども、中国の現在の情勢の落ちつき先を注意深く見守っていきたいと思っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 五年ぐらい前に中国へ行ったときに言われたことなんですが、中国では第一梯団、第二梯団、第三梯団というものがございますと。第一梯団というのはもう御承知のように毛沢東とか鄧小平さん、第二梯団は胡耀邦さんがその代表だと、第三梯団というのはもう五十歳代の前半の、言うならソビエト共産党の教育を受けた新進気鋭の方が大勢おられますと。そういう意味では、果たしてこれから先の中国の指導者はどういう形になるんだろうか。私も向こうへ行ったときに少し調べてみたんですが、いわゆる国会のシステムというのと内部の共産党のシステムというのとはもう全く違いまして、その辺がちょっと不思議に思ったんです。日本では総理がおれらて、そして一つの体制ができておるわけですが、全くその辺が様子が違う。したがって、どのような指導者が次に出てきて、どうなるんだろうというようなことが大変心配であったわけです。  それから、日本でもそうかもわかりませんが、組織があっても随分下の人が実は偉いんだとかというようなわかりづらい何か説明を受けたり、それから中国には政党が六つあるそうですよ、ところが、向こうの相当な幹部の人が一つどうしても出てこないというようなこともありまして、民主化をやっておられるんでしょうけれども、その点が非常に私は――将来のこの指導者がどういう形で中国を担って立つのか、特に日本との関係は一体どうなのかというようなことがさっぱり私自身わからないわけでありますが、その辺について何か御意見がございましたら教えてください。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 確かに、ただいま委員御指摘のとおり、かつては、胡耀邦元総書記の方ですけれども、第一梯団、第二梯団、第三梯団と、いわゆる老壮青でございますね、こういうことが言われて、むしろ壮青の登用と申しますか、こういった方々が党内、政府において重要な役割を占める、こういうような傾向が出てきたわけでございます。  これはさておき、今後中国でどういう方が党なり政府の中心部に入ってくるか、あるいは従来の指導者が解任されたと伝えれらている方というのは趙紫陽総書記でございますけれども、こういった人たちがどうなるかというのは現在ではまだ外部にはわかっておりません。予定されております四中全会が開かれますれば、そこで中国のこういった人事面での変化とかあるいは対外政策、対内政策について中国の政府の方針というのが発表されるんではないか。  中国の国務院のスポークスマンがアメリカの新聞記者の人と話しているのを見てみますと、従来の改革開放路線は変わりないと、そういうことを言っておりますけれども、やっぱり重要なのは四中全会の開催で、この点を見きわめて、そこで発表になった新しい政策あるいは従来の政策の確認、それから人事等こういったものを踏まえまして、日本なりの政策を国際動向を勘案しつつ策定していくのがいいのではないかと思っているわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 釈迦に説法ですけれども、特に外交関係というのは表舞台ばっかりでは決してないと思うし、特に中国のような非常に揺れ動く、スピードといいましょうか、方向性というか、そういう面では私はむしろ本当のプロが外交をやっていくべき国ではないかと思うんですね。いい方向になってもらえばそれにこしたことないと思いますので、これからも外務省はそういった意味で本当に中に入り込んだ外交をやっていただきたいなと。割合日本人の場合は淡泊ですから、うれしかったり悲しかったりというのは簡単にあらわすんですけれども、そういうことではなくて、本当にプロの外交官が必要になってきた、私はこの中国問題で特にそのように感じたわけです。  幾つもあるんですけれども、例えば香港ですね、香港に与えた影響というのはそうありませんか。これからも大丈夫でしょうか。

長谷川和年外務省アジア局長

○政府委員(長谷川和年君) 中国におきます動乱、これを危惧して香港では大変大規模なデモ等があったわけでございますけれども、今回の事態は一九九七年の中国への香港返還を控えた時期におきまして発生した事件でございますので、香港サイドにおきましても大変大きな関心を呼んでおります。  具体的には、中国におきます戒厳令の公布及び軍による武力鎮圧に対し大規模な抗議デモが行われたり、あるいは香港基本法の起草委員会及びその諮問委員会の香港側メンバーが活動を停止したりしています。いろんな香港への影響というものを従来まであった現象的なものを見てみますと、株価が暴落する、それから中国系銀行からの預金引き出しががある、それから香港特別行政区の基本法を起草する委員会がありまして、この委員会の香港側の委員がこの委員会において活動することを拒否しております。それから英中の合同連絡委員会、この委員会の第十三回会議の開催が延期されております。  日本としましては、こういったいろんな事態がございますけれども、香港の繁栄というのはアジア全体あるいは国際社会全体にとっても非常に重要であると考えておりまして、英中台意ですね、これが着実に実施されることを期待しているわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 最後の質問にしたいと思いますが、外務大臣にこれだけはお答え願いたいんですが、前に竹下前総理のときにも言われておるんですが、留学生の問題です。  これは二十一世紀に向けてというより、あと十一年ぐらいしかありませんが、十万人構想ということを外務大臣は言っているんですよね。現在は二万五千人いるかいないかぐらいです、留学生全部合わせて。日本が受け入れている数がですね。ところが、この十万人構想というのは恐らく中国へ行っても相当約束されていると思うんです。それで、ああいう問題がたくさん出てきまして、私はそういう意味で外務省も、事、中国だけじゃないんですけれども、いろんな国々に対して日本の学生の生活実態というんでしょうか、東京へ来ると大変物価が高い、アルバイトばっかりじゃなかなかできませんよと。そういうことも含めて、もちろんこれは国費で人数ふやしていくというのが一番いいと思うんです。ところが、国費の留学生というのは非常に少ないですから、そういう意味で、中国ではこの事件のある前にはえらい押しかけてこられて、何とか日本へ行きたいという問題が起きました。ですから私は、これから先、これは中国だけではありませんが、そういう留学生の受け入れについて外務大臣も相当現地の大使館あたりから日本の実情をよくPRできるような資料なりなんなり活動してもらわないと、来てみて初めてわかるというのが相当あるわけですから、そういう意味でこの留学生の問題は、十万人というのは余りにも大き過ぎると思うんです。現在二万五千だって大変なんですから、面倒見ていないんですね。ですから、帰ってから反日運動家になつたりといういろいろな現実があるわけです。これは一つの大きな問題だと思うんです。  科学技術の方でも今度新しい研究者を迎えようと、人数も少しふやす、予算も取ると、こういう法案が今出ております。しかし、やっぱり外務省としては現地とのいろんな接触というのが一番深いわけですから、それはひとつ外務大臣の責任においてやっていただきたいと、そのことを申し上げて、きょうは終わりたいと思います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 小西委員の経験に基づいたただいま来の御質疑、そして最後に留学生問題について御指摘をいただきました。  日本に東南アジアだけでなく世界から留学された方々が帰りまして決して親日の状態にならない、こういう御指摘、私もよくそういうことを聞いておるわけでございますが、せっかく日本を留学先として選び、勉学をされて、自分の国に、母国に戻りまして、全般にわたって活躍をしたいという方がさようなことであってはならぬわけで、何が原因なのかということにつきましては、時間がありませんから一々申し上げませんが、要すれば今小西委員御指摘の、あの生活のしにくさから来る勉学環境の劣悪さという、この辺が一つあるんだろうと思うのであります。  そういう点で、既に政府として本問題についての対応の仕方、外務省中心となりまして会館を建てますとか、さらなるそういう環境改善のために努力をするなど、あるいは公務員宿舎があいておるところにお入りをいただくなど、臨機応変な措置をとるべきだろうということを指摘をいたしておるのでありますが、端的に言いまして、入れてしまいますと、自分たちの職員が入るときになかなか出ていってもらえないのでは困るのではありませんかというようなことで、大変そういうものの総合判断、決定がずれておるなどの事態もございます。そういう中で、やはりこのところはきちっと見通しを立てて取り組まなければなりませんと思っておりまして、ただいまの御指摘を受けてさらにその辺の努力を傾けることにより環境整備を図ってまいりたいと思います。  同時に、我が国に参られる留学生各位につきまして、現地大使館がよく状況を説明を申し上げる、十二分の知識を持っておいでいただくと、こういうことで腹構えができておりますと余りびっくりしないわけでございますから、そういう点などを今後さらに、本日の御質疑を機に、概算要求に向け、年末要求に向けいろいろと必要なことがありといたしますればあるわけでありますが、努力をしてまいりたいとこう思っております。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 三塚外務大臣には初めて御質問をするわけでありますが、先ほどからちょっと思出しておりましたら、私は外務委員を十八年近くやっておりますが、ちょうど十五人目の外務大臣じゃないかと思います。今まで大臣がかわられるたびに、その最初の委員会では国際情勢の基本的な認識というような点で議論をさしていただきましたが、今度の国会は残念ながら異常な事態で、時間が大変短いので通告してありませんでしたけれども、一つだけ、今中国の話が出ましたから、ちょうどアジア局長も横におられますから。  日本の企業がいわゆるUターンをいち早くしているということで、報道によると、外務省首脳が不快感を示したという報道があります。外務省首脳というのは、大体外務次官のことを指すんだろうと思いますが、大臣ももちろん同じお考えと思いますが、これはいかがですか。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) こういう退去命令が出て、なおかつ戒厳令が続行中でありまして、生命と財産を守るという、それぞれの国家がそういう形で退去したわけでありまして、我が国もそういうことで措置をとらさしていただきました中で、企業の現地における工事現場等、工場等の保守管理等に必要な方はやはり残ってそれを行うことは理解できるわけでございますが、まだ流動的な諸状況でありますから、退去命令がそのままに相なっておるさなかに他の国に先駆けまして、我が国だけが目立つ形でそれぞれ帰国、帰国といいますか、中国に参られる。こういうことは特に人道上の問題が起きておりますやさきでありますだけに、それぞれの国が日本の行動に強い批判と、不快感を超えた批判が寄せられておることにかんがみますれば、まさに企業としても自粛をしていただくということでありませんと、人道、人権という基本的な命題に取り組むそれぞれの国家のスタンスとして、日本だけは経済大国、エコノミックアニマルでありまして、そういうところにいち早く復帰し、権益を、営業上の権益を確保するというふうに誤解を受けてもやむを得ないなと。よって、それぞれの部署に応じまして企業に自粛を求める、こういう措置をお願いをいたしておるところであります。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 私も同感でありまして、この状況を中国政府側が日本を称賛しているというような報道もあるわけでありまして、今大臣が言われたとおり他の外国が厳しい態度をとっている、第一、人道上あのようなこと許されるはずがないのでありまして、この点はそうした姿勢を貫いていただきたいと思います。  次に、航空協定のことで、大変細かなことで恐縮ですが、いわゆるエコノミークラスだと二十キロというような荷物の制限しますね。あれは一体だれがどこで決めるのですか。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 受託手荷物につきましては、旅客一人につきまして無料で持ち込み得る重量というものは運送約款で決めておるわけでございまして、国際線につきましては、路線によって違いますけれども、一般的にはファーストクラスは三十キロまで、それからエコノミークラスは二十キロまでというふうに決まっております。また、国内線につきましては十五キロまでというふうになっておるわけでございます。  航空運送については、航空機の型式ごとに定められた最大離陸重量、これぐらいの重量制限、いっぱいはこれまでだという重量でございますが、それとか機内のスペースの制約のもとで公平に貨物を運送する必要があるということにかんがみまして、民間航空輸送が開始された当初、国際線でございますと昭和二十七年、それから国内でございますと二十九年ごろ、そのころから受託手荷物についても一定の制限を設けております。これを超える場合には超過分の料金を徴収するということで、載せないということじゃなくて超過分の料金をいただいたらお載せできる、こういうことになっているわけでございまして、航空輸送の特質を考慮すれば必要な制限であるというふうに考えておる次第でございます。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 そうすると、航空会社がそれぞれ決めればいいということですか、IATAあたりが関係してくるんですか。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) これにつきましては、航空会社がそれぞれ決めまして、それを政府が認可しているということでございます。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 私がこういうことを聞きましたのは、オーストリアとの航空協定をきょう審議しているわけですが、今度オーストリアはウィーンに直航便が飛ぶということで、日本の人でこれを非常に喜びますのは夏の音楽祭と冬のスキーなんですね。ところがスイスエアがチューリッヒに飛ぶわけですが、これはスキー関係の荷物はこの二十キロの中に入れないということを決めているわけですよ。今、日本のスキーヤーはどんどん外国へ滑りに行っている、特にオーストリアは多いわけです。そうすると、このスイスエアを利用する人が非常に多いわけですよ。今度全日空ですね、この日本の側も飛ぶということになれば、それに対抗するにはやはり同じような措置をとらないと日本のお客さんを乗せることができないんじゃないか、外国も含めてですが。その懸念があったので、運輸省はそのことを御存じかどうか、全日空はおられないけれども、そういう配慮がまたあるかどうかということを聞きたかったんです。

圓藤壽穂運輸省航空局監理部航空事業課長

○説明員(圓藤壽穂君) 全日空が今回あるいはオーストリア航空が今回どういうような制限をするかということについては定かに承知しておりませんけれども、一般的に欧州方面の地域につきましては、先ほど申し上げましたように、二十キロという制限をエコノミークラスについては課すということでございますので、当然それと同じことになるのではないかというふうに推測されるわけでございます。ただ、スキーであっても、二十キロを超えますと追加料金といいますか、超過料金をいただければお載せするわけでございまして、お載せできないということとはちょっとわけが違うと思っておるわけでございます。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 まあこれはこれ以上言いませんけれども、要するに、スキーをやる若い人たちはエコノミーに乗って超過料金取られないで行く、当然スイスエアを選んじゃうという事態になるので、せっかくオーストリアと航空協定できてもそっちは音楽の方しか乗ってくれない、極端なことを言えばですよ。この辺はひとつ、運輸省、頭の中へ入れておいた方がいいんじゃないかと思います。  次の旧題へ移ります。  三宅島のNLPの問題なんですけれども、硫黄島を暫定的に使おうというのはことしの初めアメリカ側と合意したようですけれども、今どういう状況になっているか、現状をちょっと説明してくれませんか。

江間清二防衛施設庁施設部施設企画課長

○説明員(江間清二君) 空母艦載機の着陸訓練場確保の問題につきましては、私どもといたしましては、日米安保体制の効果的運用のために欠くことができないという認識を持っておりまして、そのために努力をしているわけでありますけれども、現在艦載機の着陸訓練を行っております厚木飛行場の状況というものはやはり無視できない状況でございます。したがいまして、私どもの方としましては、それの代替飛行場ということで三宅島が最適地であるということで、そのための、地元住民の方の理解を得るための努力を続けておるわけでありますけれども、これも現状なかなか思うように進んでいないのが実情でございます。  したがいまして、一方で今の厚木の現状というものも解消していかなきゃいかぬということから、昨年の一月に、暫定措置としまして硫黄島を利用するということで日米間で基本的な了解に達したところでございます。そのために、今年度の予算におきまして、滑走路の灯火施設でありますとか、あるいは給油施設でありますとか食堂等の施設整備というものを実施するために所要の経費を計上をしてございます。で、今年度その整備に着手していきたいということで考えておるところでございます。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 硫黄島はあくまでも暫定的だ、しかし暫定的にしても燃料とかの貯蔵施設その他やる必要があるということで、三宅島はあくまでも捨てない、こう考えていいんですか。

江間清二防衛施設庁施設部施設企画課長

○説明員(江間清二君) 先生御指摘のとおりの認識でございまして、やはり最適地としては三宅島ということで、それに対する事前のいろいろな調査につきましては今後とも引き続いて進めていきたいという考え方には変わりはございません。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 硫黄島の場合は横須賀から千二百キロもあるという点にアメリカ側は難色を示しているというふうに聞いてますけれども、この点は、今回、暫定的だということでアメリカ側は一応納得をしているんですか。それとも、私の調べたところだと、千二百キロあると、NLPをやるのは戦闘機ですからね、艦上機だから、燃料の限度でかなり困難があるというふうに聞くんですが、着いてすぐ燃料補給をやってまたやらなくちゃいけないとか、その辺は米側は完全に納得しているんですか。

江間清二防衛施設庁施設部施設企画課長

○説明員(江間清二君) 御指摘のとおり、米軍は本来、代替飛行場ということで要望をいたしておりますのは、地理的に本土から百八十キロ程度離れたところにそういうものを設置したいということで考えて、要望が出ておるところでございます。したがいまして、硫黄島につきましては、今先生御指摘のとおり、千二百五十キロという遠距離にございますことから訓練効率等も悪いということで、あくまでも代替、三宅島の暫定措置ということで米側の基本的な了解を得たところでございます。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 いや、私も十日ほど前に三宅島に行ってきたんですけれども、私は、島の住民の皆さんはもちろん、大半が非常に反対をしておられることはもう事実なんですが、ああいう訓練飛行場をつくるのに適しているかどうかということについて、私は素人ですけれども非常に疑問を持ちましたね。一つは、雄山が五十八年に大爆発やって三百六十戸被害を受けている。大島の方が大々的に報道されて、しかも全島民が避難したというようなことがあったから非常に大島はクローズアップされましたけれども、被害という点からすれば、三宅島の方が実際に小学校までつぶれていますから大きかったんですね。しかも、火山の専門家にも尋ねて調べてみましたが、三宅島の噴火というのは頂上から、その火口から爆発するとは限らない。今度の、まさに阿古地区という飛行場を建設しようとしているところに、五十八年の溶岩が流れていった跡が残っていて、湖が一つ蒸発しちゃって水蒸気爆発を起こしているというような大変大きな、そこは幸いにして人間がいなかったので被害が出なかったようですが、そこへまた飛行場をつくるというのは私のような素人が考えてもおかしな話だなと、大きなお金をかけて、そういう気もします。  それから、そこでちょっと施設庁に聞きたいんですけれども、施設庁はいつから観光リゾート開発株式会社になったのかなという気がするんですね。これ、島の人にもらってきたんですけれども、明らかに東京防衛施設局と書いてありますけれども、これはもう大臣ごらんになってもわかるとおり、こういうすばらしいリゾート開発ができますよというすごい宣伝パンフレットなんですね。それで、島の人はこれを私に渡しながら非常に怒っているわけですね。こういうお金やこんなことで我々をつろうというのはけしからぬと言って、それで私に証拠物件としてくれたんですが、これが第三号まで、その三までわたっています。私はその二、その三だけもらってきましたけれども、それぞれみんなその地域の開発で、これは既に二つつくるあれになって、温室をつくってあげますよ、国の費用でつくってあげますよと、こういうやり方というのは私はいかがなものかと思うし、現に島の人たちは逆に猛烈な反発をしています。  これは、石垣島のあの飛行場の問題のときも同じような、これは軍とあれとは違いますけれども、石垣島の場合も四億円の漁業補償という形で既にそのお金はもう漁民に渡っているんですね。それで、今度は計画変更で全く今やり直しになっちゃっている。渡った四億円は一体どこへ行っちゃうのかというのが現場ではもう大変な騒ぎに現在なっておりますね。  こういう、国の費用だから四億円というと大変少ないわけですね。このリゾート開発にしても温室をつくるにしても、国の費用の観念からいえば少ないから、これでこれだけ観光開発をしてあげますよとか、こういうやり方で、札束でほっぺたたたくというやり方というのは政府はやるべきじゃないと思うんですね。現に逆効果になっていますし、これは施設庁はどういうふうに考えてやっているんですか。

江間清二防衛施設庁施設部施設企画課長

○説明員(江間清二君) 現在、三宅島において住民の反対の意向が強いということについては私どもも十分承知をいたしております。また、住民の方々の間の中には、飛行場ができることによって民家の上を飛行機が飛ぶのではないかとか、あるいは農地がつぶされるのではないかとか、あるいは産業をどうしていくのかというような種々の御疑念というのがあるところでございます。  したがいまして、私どもとしましては、そういうような地元の方々が考えておられる御疑念に対して、こういうようなことが考えられるのではないか、あるいは島の発展というものと当飛行場というものとが両立していくために種々の代替措置といいますか、施策というようなものも考えられるんじゃないかということで、一方では産業の現況等の調査というようなことも進めておるところでございまして、そういう私どもの考えているいろんな見方といいますか、そういうものを地元の方々にできるだけ広く知っていただきたいという観点からそういうようなパンフレットをつくったり、あるいは個別にいろんな方々のところにお伺いして御説明をしたり、そういう努力を払っているのが実情でございまして、その辺は御理解をいただきたいと思います。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 少なくとも私が現地で調べた限り、こういうやり方は島民の皆さんの反発を買うだけだということを警告しておきたいと思います。  大臣にひとつ全く次元の違う、スケールの違う問題になるんですが、そもそも日米安保条約というものに基づいてというようなことで、現在は外務省あるいは防衛庁、防衛施設庁でこういうことを実務としておやりになっているわけでしょうが、もっと政治の立場から、あるいは外務大臣の立場、世界の中の政治という立場からお考えになって、私は今提唱したいのは、第二次世界大戦が終わって五十年という一つの節目一九九五年ですね、これを目指して、それまでにアメリカ、ソ連の海外にあるすべての軍事基地それから駐留軍を全部撤退させるという合意を、今米ソの間では核軍縮の話し合いが進められていることは大変喜ばしいことですけれども、核軍縮だけではなくてそういう問題にも触れていくべきだということを日本政府として提唱をされる考えがないかどうかということです。  これは外務省の従来の考えからすれば跳び上がるような話だろうと思いますけれども、私は、昨年八月に東ベルリンで非核地帯という国際会議がありましてそれに出席したんですが、アメリカからも西側からもみんな来てました。そのときに、東ドイツの一市民と申し上げておきますが、その人の話を聞いておりましたら、現在東ドイツには三十五万のソ連軍が駐留していると、これは私たちにとって決して気持ちのいいことではありませんと、そういう表現で言っておりました。確かに、米ソが鋭く対立していた冷戦時代というのは一時期あったわけですけれども、現在いわゆる緊張緩和の対話の時代になってきている中で、少し早いかもしれませんけれどもそれが促進をされていく中で、こういうことも世界の指導者という立場で外務大臣、総理大臣はお考えになっていく必要があるんじゃないか。これが私の意見なんですが、最後に一言そのことについて御感想を聞かしていただきたいと思います。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) 我が国が被爆国という現実の中で戦争のない世界をつくりたいという念願は、我が国の指導者一様に持っておるところだと思います。田先生もまさにそういう政治スタンスで御活動をいただいているわけでございますが、私も一人の政治家としてそうありたいと念願をしておるわけでありますが、今日の世界平和の枠組みは、まさに御案内のとおり米ソ両大国の力のバランスというんでしょうか、対峙の中のバランス、この中で保たれておる。こういうことであります現実の中で、私どもはどう対応するか。これが急にバランスが崩れますと摩擦が生じまして、そこからまた紛争が惹起をするという苦い歴史を私どもが知っておりますだけに、掲げる目標は高く、しかし現実は冷静に見詰めながらどう進めるかということが特に我が国の政府、政党に、国会に与えられた役目だと、この辺のところはともに役割分担をしながらやらなければならぬことなのかなと思っております。  御意見は、全く私も政治家として終局の目標をそこに置きながら取り進めていくということであろうと考えております。

田英夫新政クラブ・税金党

○田英夫君 終わります。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、倉田寛之君及び最上進君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君及び木宮和彦君が選任されました。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 国際情勢等に関する調査については、本日の質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上二件につきましては、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両件について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、航空業務に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 全会一致と憾めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 次に、常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。三塚外務大臣。

三塚博自由民主党外務大臣

○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました常時有人の民生宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  この協定は、昨年九月二十九日に我が国を含む十二カ国によって署名されたものであり、国際法に従って平和的目的のために宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用を行うことに関する協力の枠組みを確立することを目的とするものであります。  宇宙基地は、天体及び地球の効率的観測並びに低重力、真空等の宇宙環境を利用した地上では行い得ない実験を可能にするものであり、産業、医療等の広範な分野における技術進歩の機会を大きく開くものであります。我が国の宇宙基地協力への参加は、我が国としてこれまで実績のない有人宇宙活動に関する技術基盤の確立に資するとともに、二十一世紀にかけて人類の科学の進歩に資する本件協力への積極的な貢献を通じ、国際社会の我が国に対する期待にこたえていく上でも重要であります。我が国がこの協定を締結することは、このような宇宙基地協力の枠組みの確立に資するとの見地から有意義であると認められます。  なお、米国、欧州諸国及びカナダは既にこの協定に沿って協力を開始しておりますところ、我が国としても、宇宙基地協力の活動が本格的な段階に入るに当たり、宇宙科学技術の発展等のために貴重な機会を提供する本件協力への円滑な参加を確保するため、早期にこの協定を締結することが極めて重要であります。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望申し上げるものでございます。

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     ―――――――――――――

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま議題となっております常時有人の民生用宇宙基地の詳細設計、開発、運用及び利用における協力に関するアメリカ合衆国政府、欧州宇宙機関の加盟国政府、日本国政府及びカナダ政府の間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀江正夫自由民主党

○委員長(堀江正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会      ―――――・―――――

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