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第114回国会衆議院1989/04/12

予算委員会 第11号

発言数
62 件
登壇者
16 名
会派数
1
開催日
1989/04/12

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合、日本共産党・革新共同所属委員に出席を要請いたしましたが、出席が得られません。再度出席を要請いたしますので、しばらくお待ちください。  速記をちょっととめてください。     〔速記中止〕

大野明自由民主党

○大野委員長 速記を起こしてください。  再度出席を要請いたさせましたが、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合、日本共産党・革新共同所属委員の出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。  平成元年度一般会計予算、平成元年度特別会計予算、平成元年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。村上誠一郎君。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 自由民主党を代表して質問させていただきます。  激動の昭和から平成の時代に入ったわけでございますが、ちょうどことしは明治維新から数えまして百二十一年目でございます。明治維新から日本は四十年ごとに大きくドラスチックに変化しております。明治維新から四十年後が日露戦争、日露戦争から四十年後が太平洋戦争の敗北、そしてそれから四十年後が世界最大の債権国、こうなったわけでございます。そして今後、この平成の時代が今までのように上昇カーブで行けるのか、それともイギリスやアメリカのように下降線をたどるのか、まさに今は岐路と申しますか分かれ道だと私は考えるわけでございます。そして戦後日本は、農業にしても産業にしても金融にしても、それぞれの業界の皆さん方が頑張ってこられて今日の繁栄があるわけでございますが、四十年間たちますとやはり枠のつくり直しの時期に来たかなと思うわけでございます。そういう観点から私どもはこの税制改革を取り上げているわけでございますが、このような重要な時期に野党が予算委員会の質疑に出てこないということは全く情けないと思う次第でございます。  それで、まず最初に、消費税が実施されて十日以上たったわけでございますが、それぞれいろいろな御意見が出ていますもので、それぞれの問題について逐次各省庁から御意見を賜りたいと思います。  まず最初に大蔵大臣にお伺いしたいと思います。消費税がスタートしまして十日以上たったわけでございますが、この導入直後の状況と、その状況について政府はどのように評価しているか、まず御意見を賜りたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 四月一日以来の消費税の実施状況につきましては、私自身が現場での体験、テレビの放映に見られる町の状況、大蔵省、国税庁、税関、また各省庁への問い合わせの状況からすれば、消費者、事業者とも非常に平静に対応しているという印象でございます。これは税制改革に関する国民各位の理解かだんだん進んできたことである、こう思って感謝申し上げているところでございます。  ただ、この税は何分にも我が国にはなじみの薄いものでございますので、多少の戸惑いあるいは疑問が生ずることはやむを得ないと思っております。特に一般消費者から、特定の職業、業種につきまして、価格設定について便乗値上げではないかという苦情が寄せられております。これについては既に経済企画庁を初め関係各省庁が行政指導等の対応を始めております。大蔵省といたしましても、これらの省庁と緊密な連絡をとってその防止に努めてまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、今後、総理を本部長とする円滑化推進本部がございまして、各省庁が緊密な連絡をとって、そして積極的な広報、親切な相談、こういったことを中心にやってまいりますが、今後とも努力を重ねまして、この税が我が国の経済に溶け込むように万全の努力を尽くしてまいりた、と思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 今も大蔵大臣がお触れになりましたけれども、一応テレビ、マスコミ等で一部の業者に便乗値上げの動きがあると報じられておりますけれども、経済企画庁長官にお伺いしたいのですが、そこら辺の状況認識及び政府の対応について御答弁いただきたいと思います。

愛野興一郎自由民主党経済企画庁長官

○愛野国務大臣 経済企画庁としては、従来から便乗値上げの監視、また物品税の廃止によるものを適正に価格に反映させるようなことを監視いたしてまいったわけであります。四月一日から十日までは、このような観点から、物価ダイヤル等におきまして相談、問い合わせを受け付けた件数は三千百八件に上っております。この中で圧倒的に多いのは消費者からの便乗値上げではないかとの問い合わせでありますけれども、これは一部の中小サービス事業者などに集中しておりまして、物価水準全体に大きな影響を与えるようなものではないと考えられます。したがって、全般的に消費税はおおむね適正に価格に転嫁されておると考えております。  なお、便乗値上げではないかとの問い合わせに対しましては、関係各省に対しその所管業界の指導等の徹底を要請しておるところであり、また各省もこれを受けて、苦情が寄せられたそれぞれの所管業界からの事実関係の確認、また便乗値上げの防止について趣旨の徹底、また適切な対策を講じていただいておるところであります。  いずれにいたしましても、当庁といたしましては、一部における便乗値上げの動きがほかに波及することがないよう、今後とも厳重な監視体制をもって臨みたいと考えております。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 よろしくお願いいたします。  それでは次に通産大臣にお伺いしたいのですけれども、大手の百貨店とかスーパーなんかは転嫁が非常に順調にいっているようなのですけれども、商店街の中小小売店ではまだまだ転嫁ができていないところもあるのじゃないかという話を聞くのですが、その実情とまた政府の対策についてお伺いしたいと思います。

三塚博自由民主党通商産業大臣

○三塚国務大臣 両大臣から答弁されましたとおり、これが四月一日導入直前までは、準備期間が三カ月しかございませんものでしたから大変困難が予想されるのかなと、私が記者会見で申し上げたのは、三浪した学生が最後の試験で落ちたら大変だという気持ちで四月一日を迎えた、こう申し上げたのでありますが、商店会担当、中小企業担当大臣でありますものですから各地を見て歩きました。マスコミの皆さんからいろいろな御注意などもいただいたのでありますが、全体として、平成の年を迎えた、平生と同じような流れの中で置かれておるということは、小売店の皆様も含めましていかに日本人が置かれておる環境に敏感に順応、対応しておるのかというその賢明さ、その努力、真摯な姿に私は深く敬意を表したところでございます。  もちろん免税店、非免税店、簡易課税を選ぶ各位といろいろあるわけでございますが、特に免税店とそうでない店が混在いたしております小売店商店街というものがどうなるのであろうか、価格のカルテル、表示のカルテルなど受けておる商店街、受けておりましても中にはそのままでまいりますというところがあるわけでございますが、総じて自分の商売第一主義という形の中で消費者の相対峙する中で懸命にこれが行われておるということで、時間がたつに従いまして落ちつきを取り戻しておりますことは、すばらしい商店各位の勉強とPR、地域に溶け込む御努力のたまものかなというふうに思いますから、この傾向は私どもといたしましてはさらに助長していく、そして愛される商店街形成のために政府はそのための援助措置を惜しまない、こういうことで魅力ある中小小売店をつくり上げていく。中小企業が九九・八と言われる我が国産業界のすそ野を形成しておることにかんがみまして、この点を進めていかなければならないということであります。  自分の商売の浮沈をかけた大変真摯な努力に深く敬意を表しながら、その真摯な努力が途中で挫折いたしませんように十分注意と配慮をしながら対応してまいり、なるほど消費税が、総理が言われますとおり国全体にとりまして血となり肉にたってきたな、活力に相なってきたな、そういう形に相なりますように今後も努力をいたします。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 一般の小売関係はそこまでとしまして、あと事業者間の取引においても、一部の下請業者には円滑な転嫁ができにくい、すなわち、強いか弱いかという立場の関係もあってなかなかできにくいというところも話を聞いておるのですが、そういうような不当な買いたたきがあってはならないと我々は考えるわけでございますが、通産大臣並びに公取委員長にお聞きしたいのですが、独禁法の問題とも絡めてどういうふうに対応していくのか、お答えいただけたらと思います。

三塚博自由民主党通商産業大臣

○三塚国務大臣 本件は、今回の消費税を御理解いただくポイントについての大変重要な点を御指摘をいただきました。前段申し上げましたとおり、中小企業がありまして今日の日本経済が構築をされておることにかんがみまして、四月一日施行までの間万般の準備を整えてきたつもりでございますが、毎日寄せられておる相談事の中に、ただいま委員御指摘のような、下請いじめがあります、困ります、どうすればよろしいのかというなどの問い合わせが若干ございます。日本経済はみんなの力でここまで来たわけでございますから、一人が我が社よければよろしというので下請をいじめるなどというのは火事場泥棒でありまして、これは断じて許せません。ですから、これはあの産政局、中小企業庁の所管の担当官に命じまして、その案件が来ました際には直ちに調査をするように、こういうことにいたさせていただいておりますし、私自身の名前で二万四千のメーカー、大手の方々に手紙を出しまして、さようなことのありませんように格段の注意をお願いをしたい、この世の中は共存共栄だ、火事場泥棒はいけません、こう言ってありますので、今出ておる一、二の問題については直ちに捕捉、これを改めさせる、こういうことでやっておりますからよろしく、何かありましたらまたお知らせをいただきます。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤(節)政府委員 ただいま通産大臣から御答弁があったわけでございますけれども、下請事業者等に対する不当な買いたたき等が行われないように、年初以来、中小企業庁と公正取引委員会連携をいたしまして、いろいろな機会に周知指導の徹底を図ってまいったわけでございます。現在まで私どもの委員会に幾つかの苦情相談が寄せられておりますが、これは、その都度その場で親事業者等に対しまして指示をいたしております。現在までのところ苦情相談等もあるわけでございますけれども、この相談の件数が非常にふえるとか殺到しておるというような状況ではございません。恐らくこれは年初以来の周知指導のやり方が徹底してきておるのではないかというふうに考えておるわけであります。  ただ私どもは、今後ともそういった不当な損害を受けるような人が出ないように、手綱を緩めることなく、今月以降も中小企業庁とも連携を組みまして、親事業者、下請事業者双方に対する調査を徹底して行ってまいりたいと考えております。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 では、次に自治大臣にお伺いいたします。  いろいろ事情があると思うのですけれども、大局的に考えたら、地方自治体の一部でその消費税の転嫁を自主的に見送ったところがある。例えば東京都のようにコストダウンして、その分だけ消費税を転嫁したところもあれば、言い方はちょっときついのですが、貧乏団体が、そういう余力もないのに下げていく。そうすると、今はそのままに据え置きにするとしても、翌年六%にしてもっと取らなければならなくなるのではないか、そういう状況があるわけです。そういう本当に遺憾な状況なのですけれども、政府の状況認識並びに今後それに対する対応策をお伺いしたいと思います。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○坂野国務大臣 お答えします。  おっしゃるように、東京都のような財政力のいいところは何とかやりくりするかもしれません。しかし、それにしてもこれは大変不公平が出てくるわけでございます。使用料を払ってない人たちが払うというようなことになってまいります。  それはそれとして、おっしゃるように財政力の低いところで転嫁をしないところは、どうしてもこの消費税分は国庫に納付していただかなければならぬわけでございますから、確かにその分だけは財政の負担がかかってくるわけでございます。そこで、私どもはできるだけ、いろいろな事情はわからぬでもありませんけれども、あと六月なり、また九月に地方の議会が開かれるわけでございますから、その際に条例改正すべきものは何とかしていただくように再度ひとつ努力をお願いして、そして地方負担をそれによって付加するというようなことのないように今後とも指導してまいりたいと思っておる次第でございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 関連でございますが、この消費税の転嫁の問題で我々一般の人からよく聞かれるのは、特にそういうものについて地方自治体が転嫁をすることを強制できるような法的措置というものはとれるのではないか、とれないだろうか、そういう質問なのですけれども、そこら辺についてちょっと見解をお伺いしたいと思います。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○坂野国務大臣 詳しくは申し上げませんが、制裁措置をとろうと思えばとれるわけでございますけれども、地方自治体自体が非常に苦労しながらやっておるという事情もございますし、できるだけ、何とか地方自治体の努力をやっていただいて、頑張っていただきたいというぐあいに指導していきたいと思っている次第でございます。     〔委員長退席、田名部委員長代理着席〕

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 それから、今一番論議されていますのは、中小事業者に対する特例措置として、事業者の免税点制度それから簡易課税制度があるわけですけれども、特に最近マスコミの論調を見ておりますと、結局免税事業者が三%値上げすることは絶対に不当な便乗値上げた、そういう非常に感情的な冷調が強いわけでございますけれども、私自身思いますのは、免税事業者も仕入れのときには当然かかっているわけですし、そこら辺、余りにも一方的だと思うのですけれども、そういうマスコミの報道につきまして、大蔵大臣の所感をひとつお伺いしたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 今度導入いたしました消費税は、初めての消費税でございますし、それに日本では、先ほど通産大臣からもお話がありましたように、中小零細企業がたくさんおるわけでございます。したがいまして、その事務負担をいかに軽減するかという点に重点を置いたわけでございます。  今委員がおっしゃいましたように、免税業者といえども仕入れについてはやはり消費税がかかっておるわけでございます。通常、マージンが二割だといたしますと、要するにマージンに対して三%、〇・六%というものがその免税者の値づけいかんによって手元に残るかもしれぬ、こういうことなんですが、幾らに値づけするかというところは、それは市場でございますから免税業者に任されておるということでございます。  もし仮に、この免税業者を全部課税業者にして、あなた、やりなさい、こう言いますと、それなりに人を雇うとかあるいは計算上のために税理士さんに頼むとか、さあ、売り上げの〇・六%でコストアップがきくだろうか。例えば、月に百万円の売り上げがある普通の企業をとりますと、六千円残るということですね、三%上げれば。さあ、月六千円で人が雇えるだろうか、あるいは税理士さんに頼めるであろうか。恐らくもっとコストは高いのじゃなかろうか。そうであるとすれば、もしこれを免税業者でないといたしますと、そちらのコストアップの方から、逆に消費者の方にやはり売るものが高くなってしまう、免税でおるよりもかえって高くなる。こういうことを考慮いたしましてこの制度を設けたわけでございます。  結局は、競争場裏でございますので、免税業者がどれだけ値づけをするかということによって決まるわけでございまして、今後、この辺のことがどれくらい定着し、そしてこの免税制度がどのように機能としてこの消費税の中に働いておるか、それがこの日本経済のためになっているかなっていないか、こういうところをだんだん検証してまいりたい、こう思っておるところでございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 次には、建設大臣にお伺いしたいと思います。  今特に家賃について議論が多いわけですけれども、特に家主が免税事業者である場合に、その家賃の引き上げについていろいろ取り上げられる場合が多いのですが、政府はどのような指導をしているのか、お伺いしたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党建設大臣

○小此木国務大臣 免税事業者となる家主の賃貸住宅の家賃の場合は、仕入れとなる例えば修繕費、そういうものが消費税がかかるわけですね。その分に対して、家賃を適正に、円滑に転嫁する、こういう指導方針を持っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 今までのように、こういうふうに中小事業者に対する特例措置についていろいろ見直し議論が盛んなんですが、始まったばかりでこういうことをお伺いするのはちょっと早いかなという気もしますが、今後、大蔵省の方針としてはどういうような方向でいくのか、ちょっと答弁していただけたらと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 消費税は四月一日から導入されておるわけでございます。したがいまして、少なくとも、機会均等でございますから、すべての納税者で、現行制度で一巡はする必要があるだろうと思います。個人で申しますと、来年の三月末が申告納税のときになります。それから法人は、一番多いのは三月決算でございます。この人たちは五月末に申告納付するわけでございます。ですから、来年の五月までいきませんと一巡いたしません。  それで、その結果を十分検討いたしまして、この消費税が日本の経済の中にどのように溶け込んだか。そしてまたどのように功罪があるか。つまりいろいろな、十七条第三項に書いてあります事務負担という点が一つ、それから適正転嫁がどうなっておるかという点が一つ、もう一つは税の公平という観点、この三つを定着状況を見ながら検討してまいって、そして、もし必要があれば所要の改正をするということになりましょう。しかしまた、逆に言いまして、それではもうぎりぎり精緻の議論を展開したとして、そうやったら逆に今度はどういうマイナスが出るかということもあわせ検討する必要があるだろうと思います。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 そして、これが今回の消費税の一番大きな問題だと思うのですけれども、逆進性の問題だと思います。  やはり今回課税ベースを、最初の売上税のときに非課税品目に何をするかということで非常に議論があったために、あつものに懲りてなますを吹くということまではいかないにしても、一切非課税品目なしでいこうという形で非常に広げた。そのために食糧だとか、いろいろ低所得者層を直撃する可能性が非常に多いというか、そういう状況になったと思うのですね。これについて、今後その課税ベースの変更を考えるのか、また政府としてそれに対してどのような対応策を考えていくのか、そこら辺についてちょっと御意見を聞きたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 消費税が逆進的だと言われるのでございますが、間違ってはいかぬのでございまして、消費税の逆進という問題と税制改革によって累進的になったのか逆進的になったのかというのは別の問題でございます。  税制改正の方から申しますと、結論の話でございますが、私はむしろ累進的になっておると思っております。消費税自体の話を申しますれば、これはもう言うまでもなく消費に対してはまさに比例的でございます。所得に対しては若干逆進的であることは免れません。ということは、やはり収入の多い人がそれと同じように消費するとは限らぬわけでございます、どうしても貯蓄額というものは大きい方の人が額は多いわけでございますから。その意味では、収入なり所得に対しては若干の逆進性が出てくるということは否めません。しかし、税制改革全体としてはむしろ私は累進的になっておるということでございます。  それからもう一つ、消費に対して比例的である税金というものが、税体系の中でそれ自身どういうふうに機能しているかと申しますと、我々はよく聞くのでございますけれども、やはり月給取りの方と、仮に事業者でございますと、どうしても捕捉の問題であるとかあるいは青色申告者になるとか法人成りになるとかいいまして、その所得を分割できるわけですね。これは適法でございます。そういたしますと、現行の所得税法は課税単位は一人一人の稼得者個人でございますから、当然そのことによって税額が減るわけでございます。そのことは、地方の住民税は大体所得税額とほとんどパラレルにいっているわけでございますので、地方ではよく月給取りの方が、あの事業者の方は私よりは納める税金は少ないのだけれどもいい暮らしをしている、楽な暮らしをしている、つまり消費を余計やっているということですね。その局面を考えてみますと、所得税よりも消費税の方が月給取りと事業者の間ではむしろ公平だということになりましょうね。そういう面があるということもひとつお考え願いたいと思うのでございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 税制改革には非常にメリットもあればデメリットもあるわけですが、ちょっと厚生大臣にお伺いしたいのですが、非常に医療費が、昭和五十年度以降毎年約一兆円ずつふえているのじゃないか、それから年金が将来二十年、三十年後にどれだけの財源が必要なのか、そこら辺について、医療費と年金の見通しについて簡単に教えていただけたらと思います。

坂本龍彦厚生省保険局長

○坂本(龍)政府委員 数字に関するお尋ねでございますので、私の方からお答え申し上げます。  まず医療費についてでございますが、昭和六十一年度の国民医療費につきましては前年に比べて約一兆円、六・六%という増加を示しております。これが例えばその翌年の昭和六十二年度の見込みということになりますと約十八兆円、さらに六十三年度には約十九兆円に近い、こういうような数字になってまいるわけでございます。  また、長期的な見通しといたしましては、将来推計につきまして、医学医術の進歩あるいは患者の受診動向などといった非常に不確定な要因が多いために正確な予測は難しいわけでございますけれども、例えば西暦二〇〇〇年度、平成十二年度という年をとってみますと、この国民医療費の総額が約四十三兆円というような推計になるわけでございますし、また二〇一〇年度、平成二十二年度には約八十八兆円という数字になる。これが現在、私どもが一応現時点における大体医療費の最近の伸び率七%が今後続くという前提を置いて権計した場合の見込みの数字でございます。

水田努厚生省年金局長

○水田政府委員 年金の将来の支出規模につきまして、二十年後、三十年後についてお答え申し上げます。  区切りよくいたしますために、一九九〇年度、平成二年度厚生省所管の年金の支出規模は十六・四兆でございます。それから、二十年後の二〇一〇年、平成二十二年度は四、五倍の七十四兆でございます。さらに三十年後の二〇二〇年、平成三十二年度は約七倍の百十八兆円でございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 今非常にびっくりするような数字を教えてもらったわけでございますが、私自身、消費税の重要な意義というのは、やはり今申し上げましたような高齢化社会の財源、それからまた今の直接税と間接税の比率でいけば給与所得者だけにかけてふえていく、そうすると将来的に日本の勤労者が疲弊していく。やはり二十一世紀においても個人と会社また国家における活力をどうやって維持するのか、持続させるのか、その準備の意味があると思うのですね。特に私自身思いますのは、日本は今は季節で例えれば夏の時代だと思うわけですね。二十一世紀まで残されたこの十数年間でやはりフローからストックヘ、すなわち公共財等社会資本の充実を図らなければいかぬ、そういうような大きな課題を抱えているわけでございます。  そういう面でもう一つ忘れてならないのは、今回の税制改革によって、四十歳代また五十歳代の学校へ子供さんをおやりになる、そういう世代の人たちに対する減税分というのが非常にあると思います。大蔵大臣、非常に私は残念に思うのですが、これはマスコミが意図的にやっているのか、それとも大蔵省の努力不足なのか、そこら辺はよくわからないのですが、そこら辺の減税に対するPRが少ないと思いますので、ひとつこの場をかりてPRしていただけたらと思います。どうぞ。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 これは、今度の税制改正の趣旨並びにその全体像というお話になりましょうが、改正前の日本の租税の体系は昭和二十五年のシャウプのときでございます。自来、もうほぼ四十年たちました。日本はその間、非常に苦しい国からもう世界でナンバーワンかつーか、こういうぐらい伸びてきたわけでございます。その間、日本の社会経済は非常に変革してまいりました。消費の態様も変わってまいりました。価値観の変化もあったのでございます。四十年前のあの租税制度というものは、この新しい社会経済に対しましてやはりゆがみ、ひずみが出てしまって、適応性がなくなってきておる。特に、今後の高齢化社会、国際化社会を考えますと、やはり将来に向かって、あらかじめ将来にも対応できるように公平な租税体系、言いかえれば、所得、消費、資産に適正に配分された公平な租税制度、特に高齢化社会になっても活力を失わないようにする租税体系が望まれるところでございます。  そういう意味で今度の税制改正をやったわけでございますが、具体的に申し上げますと、まず所得税、住民税、これは従来ばらばらのものとしてやっておりましたけれども、これを統一的に見まして、ライフサイクルからずっと見まして、大体年齢が幾つぐらいになって、結婚したらどれぐらいの負担になる、子供さんがこれくらい出たらどれぐらいの負担になる、あるいは子供さんが大学に行く、それからさらに、住宅ローンをした一番苦しいころはこれぐらいの負担になるということを、国税、地方税、所得税、住民税をある意味で統合するような考えで、ライフサイクルで全部税率控除を決めておるのでございます。  それによります減税でございますが、税率は非常に簡素にいたしまして、所得税の方は十二本から五本、それから住民税は七本から三本、こういたしまして、そして、収入金額千万円ぐらいのところまでは大体一〇%ぐらいでいけるんじゃないか、それを少し上回ってもせいぜい最高二〇%ぐらいで所得税はいくんじゃないか、こういうところを設定しているわけでございます。そして、課税最低限も非常に上げているわけでございますので、両方通じまして三兆三千億の減税を実施しております。  それから法人税でございますけれども、これは今から十年前は世界で一番、何といいますか、軽い法人税率でございましたが、日本の方は若干上げてまいりました。所得税の減税財源の補てん財源として上げてまいりました。他の先進国は全部下げてまいりましたので、今や世界で一番重い法人税率になっているわけでございます。そこで、今度の改正によりまして、現行の実効税率五一・五五というのを四〇%台に抑える、こういうことと、それから、配当と留保に対する税率を変えておりましたが、これを一本化するということに簡明にしました。これによる減税額が一兆八千億でございます。  それから相続税でございますが、これは五十年からこの方はずっとほうってあります。これは累進税率でございます。非常にきつい、世界でもまれに見るほどきつい累進税率でございますから、だから、十何年ほうっておいたということは、事実上実質増税をやっているわけでございます。ですから、これをもとの大体五十年程度の負担に戻すという意味で改正を行いました。これによる減税額は約七千億でございます。  そのほか、お医者さんの課税であるとか、それからキャピタルゲインの課税であるとか、代表的なものはそんなものでございます。まだたくさんあります。課税の適正化によりまして一兆二千億片方増税しております。  それから、消費税の関係でございますけれども、既存の間接税の八つをつぶしまして、それからもう八つを、一部または大部分をこの新税に吸収しました。これによる減税額は平年度ベースで三兆四千億でございます。そして、消費税は先ほど言ったように三%の税率で盛りました。これによる増収が五兆四千億でございます。だから、間接税としては二兆円の増収。それから、適正課税一兆二千億、三兆二千億ですね。  そうすると、差し引きいたしますと、増減税やりますと二兆六千億という減税をやっているということになるわけでございます。これだけの減税をやりまして、そしてこの租税体系を二十一世紀になっても我が国の活力を失わないように、そしてまた負担の公平をなくさないように、非常にスケールの大きい、そしてきめの細かい配慮をした税制改革でございます。  今委員がおっしゃいますように、このことが余り理解されていないということは極めて残念なことでございまして、これから推進本部を通じまして、やはり一般の消費者の方々、広く国民の方々に御理解をいただきたい、このように思っておるところでございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 それでちょっと今後の財政の基本理念というか哲学についてお伺いしたいのですけれども、先ほど申し上げましたように、イギリスにおいてはトラファルガー海戦からビクトリア女王時代、それから、アメリカにおいては第一次世界大戦からベトナム戦争の間までがストックの時代だったと思うのですね。日本の場合は、あと二十一世紀まで十数年、この時期が二十一世紀の準備づくりだと思うのですけれども、赤字国債の脱却ということで、隠れ国債等もまだありますけれども、そのポスト財政再建の財政運営については、もう赤字縮小だけを財政運営の目標として掲げればいい時代は終わったのじゃないかと私は思うわけですね。そういう面で、今五年に一度の年金の見直しの時期とか、それから今まで公共事業が圧縮されていたり、それからまた対外経常収支のための内需拡大、こういうことがいろいろ要求されているわけですけれども、正直言って安易に、また何と言うのですか、ゆるふんになってもいけないわけですけれども、そこら辺のこれからの財政当局者としての財政に対する哲学と理念をもう考え直す時期に来たと思うのですが、そこら辺、簡単に御答弁いただけたらと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 平成二年度赤字公債脱却という目標を掲げましてほぼ十年たったわけでございます。十年かかってこれだけ歳出を効率的にするというような努力を重ねてきまして、ようやくまあ平成二年には事によればいけるかもしれぬというめどがついたわけです。しかしながら、これは財政の健全化という問題ではほんの一歩でございます。御案内のように、百六十二兆という国債残高がございます。これはGNPに対する比率がほぼ五〇%でございまして、世界でこれだけの国債を持っている国はございません。それが歳出に反映いたしまして、利払いだけで一八から一九%という、これもまた世界にないわけでございます。それで、この利払いが必要なのかどうかという問題なのでございます。そこが一つ。  それから、今までいろいろなところに繰り入れをしなければならなかった分をずっとほったらかしておる、繰り入れをやめて繰り延べをしておる、これが相当あるわけでございます。交付税特会を通じまして国の借金が約五兆余りあるということは御案内のとおりでございます。そしてまた厚生年金の方は、先般の補正で一兆五千億返しましたけれども、なお一兆三千億ぐらいあるわけでございます。そのほか、国民年金に対して平準化でもって今までずっと繰り延べてまいりました。これが約一兆二千億ぐらいあるわけでございます。それから、政管健保に対する繰り入れも、これまた延ばしているわけでございます。その他、住宅金融公庫に対する事務費、これも延ばしておる。こういうことが、隠れ借金と言われるものが相当あるわけでございます。その上、我が国は国債を償還するために必ず定率繰り入れを必要としておるわけでございます。残高の一・六%、これは必ず繰り入れることになっているわけでございます。そうでないと償還がきかないわけでございます。しかし、今までこの繰り入れを数年にわたって停止しております。なぜかといいますと、たまたまNTTの株がありまして、これの売却収入が予期せざるものとしてありました。しかし、これがあと二、三年でなくなることももう当然でございます。  それこれ考えますと、本当の意味の財政の健全化というのはこれからである。特に、高齢化社会を考えますと、当然のことでございますけれども、やはり社会保障負担というものがふえるということを考えてきますと、そうすると租税負担と社会保障負担、これはいずれにしても強制されるわけでございますから、国民にとりましてはやはり強制負担として考えられるわけでございますので、国民負担という点から考えますと、やはり今言った三つの隠れたもの、これに対してどう措置をするかという長期計画を立てざるを得ないと思っております。  私は、既にこの国会でも各党からその点を指摘されましたので、今後の財政再建の目標をいかに具体的にすべきか、そしてどれぐらいの期間をかけてやるべきであるか、これを今財政審に問うておるのでございます。いずれまた、でき上がりましたら国会にそれをお示ししまして、いろいろまた御論議を煩わしていただきたいと思います。つまり、そういうことでございますので、将来を考えますと、財政の健全化というのはまさにこれからが本番である、こういうことでございます。     〔田名部委員長代理退席、委員長着席〕

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 それでは、農業問題についてお聞きしたいと思います。  私ごとで恐縮なんですが、私のおじの村上孝太郎が大蔵省の主計局長時代に、農家の皆様方を極力守ってきたのは自民党の議員たちだと常に私に申しておりました。問題の本質は、国際化の波の中で結局農業問題が国内問題だけでは解決できない状況になってきたというのが今日の大きな現状じゃないかと思います。  それで、私自身、これから国際競争力のあるもうかる農業をどうやって育てていくか、それがやはり大きな課題だと思いますが、私は自分なりに考えるのは、三つの大きな柱があると思います。  まず第一点は、一人当たりの耕地面積をどれだけ増加してコストダウンを図るか、そして土地の流動化を図って、例えば株式会社形態にして、土地を現物出資の形にするとか、また、いろいろ小作の改正とかあると思います。  それから、二番目のポイントは、卵とか野菜のように、保護しなかったものは競争力がついたけれども、残念ながら米等保護したものが競争力がつかなかった。要するに、これからもうかる農業をどうしたらいいのか、それをやはり考える時期に来たのじゃないかと思う。やはりもうかる農業については低コスト化の問題と高付加価値化の問題、すなわちブランド化とか商品の差別化という問題があるのですけれども、その点についてどう考えるか。  そして三番目は、後継者の育成だと思います。後継者の育成の場合、やはりどうしても都市と農村では同じ能力で同じ体力があっても生産性がかなりかけ離れている。そうすることは、やはりどんなに意欲があってもそれだけの差があったらやる気をなくしてしまうわけです。そういう面で、農家も企業家の精神を持ってこれから農業に取り組んでもらうんだよ、そういうような政策をどうするか。その三点について、簡単に農林大臣に御答弁いただけたらと思います。

羽田孜自由民主党農林水産大臣

○羽田国務大臣 ただいま御指摘のありました件につきましては、実はこれは大変広範な問題で、簡単にというのは非常に難し、わけでありますけれども、確かに我が国の経済というものは非常に国際化が進展、そしてその中で非常に大きく伸長してきておるという状況の中にあって、農業だけが現状の中で足踏みをしているということは、これはなかなかできないということであろうと思っておるのです。ですから、そういうことで、私どももちょうど今、村上さんから御指摘がありましたように、産業として、これは農業というのはまさに産業です、産業としてやはり生きていく農業というものをつくっていかなければいけないのじゃないかということで、まず最初に私たちが考えなければいけないことは、産業としてやっていくためには、これは幾つかに分かれるわけですけれども、土地利用型の農業においては、やはり規模の拡大というのはどうしても必要であろうというふうに思っております。そのために、土地の売買、これに対しても道を開いておりますけれども、なかなか今耕地も高いということがあります。そういうことで、後継者のいない農家の方の土地というものを賃貸、要するに貸し借りするということ、それからもう一つは、作業の受委託をするというようなことで個人の経営規模というものを拡大していく必要があろうというふうに思っております。  それからもう一つは、やはり生産集団といいますか、小さな農家でも一緒になって中核農家が中心になってやっていくというやり方の中で規模の拡大というものが進められるだろう。そういうことで足腰の強い農業というのを育てていくということをこれから私たちは中心に考えていかなければいけないと思っております。そのために、地域の担い手あるいは地域のリーダー、これの育成ですとか確保、また、今申し上げた農作業の受委託ができるようなシステムというものを私どももやはり応援していかなければいけないと思っておりますし、それから土地の基盤整備というのはやはり基本になる問題であろうというふうに考えます。  それともう一点は、そういうときに、離農をする人たちあるいは兼業をやる人たちがある、こういった人たちのために例の工業導入促進法、こういったものを活用しながら安定した就業の機会というようなものも確保していく必要があるのじゃなかろうかというふうに思っております。  それからもう一方では、施設型の農業、これは確かに卵が一つの優等生ということが言われておりますけれども、まさに時代のいろいろなニーズをとらまえながら施設をつくる。そういう中でやっている農業というのは国際的にも決して引けをとらないものであろうということを考えております。  それから、今御指摘があった中で、付加価値の高い、例えばブランド的な産品というものをつくることが必要であろうというお話でありますけれども、全くそのとおりでありまして、今のニーズの中には、やはり規模を拡大してコストを下げて、安いものを欲しいという方たちのニーズもあります。それと同時に、多少価格が高くても質のいいもの、あるいは低農薬のものが欲しいなんという方もいらっしゃいます。そういうものにこたえるために、最近農村におきましても、これにこたえようということで自分の農園の名前をつけているものですとか、それからこれは特別な例でありますけれども、一キロ三十万円なんというサクランボをこの間私のところへ持ってこられた方がありますけれども、違った時期にこれを出すことによって非常に市場で高いものがつくられる、まさにもうかるものであるということが言われると思います。  それともう一つは、外国とは価格の面では競争できませんけれども、小さな農業でありますから、やはり手をかけた農業ができるということで、そこから生まれてくる農産品というものも似て非なるものが実はございます。こういったものについては、最近ではナシですとか、あるいはカキですとかリンゴ、またエノキダケですとかキウイフルーツなんかまで輸出されたり、花が実はオランダに輸出されている。花屋さんに花を輸出しているのかなんという話がありますけれども、そういうものも実はできるようになってきておる〉いうことでありまして、そういう付加価値の高いことをやることによって輸出も実はできるんだ〉いうことです。ですから、農業というのはもうだめなんだということをよく言われますけれども、そうじゃなくて、これからの新しいバイオですとか新しい技術というものを導入する、そして市毘をきちんと的確につかみながら対応することによって、私は未来にもまさにおっしゃるように帝業として堂々と経営できるものがつくられていくであろうと思っております。  それから、終わりにもう一つだけ申し上げたいのは、農村の問題なんかがやはり非常に大きな問題になっておるんですけれども、農村というのも、今東京で我々は生活しておりますけれども、例えば大きな立派なビルから出ていった人たちが帰っていく先の住宅というのは非常に貧しい、つらい、厳しいものであります。そこへいきますと、農村の家庭は、子供たちをお母さんが追いかけ回す場所さえちゃんとあるんですね、そういった空間があること。あるいは、お互いに健康だとかあるいは料理だとかあるいは文化だとか、そんなものを語り合ったりする場所もあるということ、例えば公民館とか研修施設、そのほかスポーツをする場所、こういうものもあるんですね。そういった中で、今東京で疲れ果てた人がむしろuターンしている現象もある。こんなところに農村に生活する人もやはり確信を持って、そしてその中で創意工夫をしたりあるいは発想の転換をする、そんな中に私は新しい農業というのが伸びていく素地というものは十分あるというふうに確信をいたしておることを申し上げたいと思います。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 時間がないので、あと米の問題、市場開放の問題、これは何としても毅然たる態度で取り組んでいただきたい。それから、これからの農業問題、今まで農協を初めとする執行部が、それ米価を上げろ、それ補助金出せと言って、こういうときになったらおれたちの票要らないのかと開き直る、この体制については、これからこそ本当に真剣に日本の農業を考えなければいけないのに、全く建設的じゃないと思うのですね。こういう問題についても今後また論議していきたいと考えています。  それで、時間がないので、リクルートの問題に飛びたいと思います。  まず、法務大臣にお聞きしたいのですが、ロス疑惑においても非常にマスコミが報道されていろいろあったわけですけれども、今いろいろ新聞紙上に、我々がどう考えても国税庁や検察庁から教えられなければ流れないという情報が新聞紙上をにぎわしているようなんですけれども、私自身は、やはり最高裁で有罪判決を受けるまでは何人とも基本的人権上はシロだと思うのですね。ところが、マスコミが騒ぐ、当然逮捕せざるを得なくなる、そして裁判官の心証もクロとせざるを得なくなる。やはり犯罪が構成要件に該当し、違法、有責な行為であるとするならば、それは逮捕を黙ってすればいいと思うのですけれども、そこら辺について、最高責任者として御意見をお伺いしたいと思います。

高辻正己法務大臣

○高辻国務大臣 御所見は全く私も同様に思っておりまして、ただ、リクルート問題につきましていろいろな報道がなされまして、私は常々皆さんと同じようにこれに重大な関心を払っておりますけれども、検察において秘匿すべき事柄が外部に漏れたことによって報道されるというようなことは万々ないものと思っております。事は検察に対する信頼にかかわる大事な問題でございますので、なぜそういうふうに思うかということについて、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。  まず第一に、捜査の過程で収集した情報、資料等捜査の内容にかかわる事柄がかりそめにも外部に明らかになれば、仰せのように関係者の名誉、人権の保護はもとより、証拠隠滅の防止等の上でも重大な支障を生じまして、国民の信頼と協力のもとに円滑に捜査を遂行することが期しがたいこととなりまして、捜査当局にとって大きなマイナスにこそなれ何のプラスにもならな、ということからであります。  また、第二に、およそ検察における捜査に従事する職員は、それが検察官であれ事務官であれ、すべて捜査上の秘密保持の厳守がその職責遂行上の基本的な心構えの一つであり、その違背が国家公務員法上の懲戒事由に該当する場合のあることを熟知しているところでありますが、さらに東京地検ではその秘密保持の厳守に徹し、慎重かつ細心の配慮を払いつつ捜査に臨んでいることをよく承知しているからであります。  なお、念のため申し添えますと、このいわゆるリクルート問題につきましては、報道機関各社が熾烈な取材競争のもとに、多数の記者を動員して関係各方面に広くかつ深く独自の取材活動を展開していることは今や一般に知られるところでありまして、その取材源は広範にわたり、各種の情報を手に入れる機会が多く、検察が捜査により把握し得る事柄は同時に報道機関においても独自に把握し得る事柄でもある場合が少なくないと推察されます。これは推察にとどまりますけれども、このことも一応は御留意いただいておきたいと存じます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 官房長官にお伺いしたいのです。  きのう竹下総理大臣が非常に堂々と答弁なされたのですが、私ども、検察の捜査が終わるにしても何にしても、やはり時期を見て中曽根さんにもそういう機会があった方がいいんじゃないかなと、自民党の中からも非常な声が起こっているのですが、その点について、何が障害になるのかなといろいろ考えるのですけれども、政府としての見解についてちょっとお伺いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○小渕国務大臣 本件につきましては、昨日も総理が御答弁されておりますように、本院におきましてこの問題につきましては既に御要求も出ておることでございますので、院としてどのようにお考えなされるかは院の御判断でございますので、政府としてはこの問題についてどのようになすべきかということを申し上げる立場にはない、こう考えております。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 正直言って、政治改革、いろいろな問題があるのですけれども、政治というのは国民と政治家が織りなすオーケストラのようなもので、お互いに現実を理解していい方向に持っていくということが重要だと思うんですね。それで、今政治改革でいろいろ問題になっておりますのは、やはり中選挙区制における政治家同士のサービス過剰が原因だ、サービスの多寡によって当落が決まる、そのために我々が物すごい膨大な時間と労力を費やすということなんでございますけれども、官房長官、政府としてはそういうものに対する法的のあれについては今後どういうスケジュールを考えていらっしゃるのでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣官房長官

○小渕国務大臣 政治改革が喫緊の課題であることは政治家だれしも考えることでございますし、また竹下総理も最近のリクルート問題をめぐっての現在の状況の中でこの問題を最優先に考えなければならない課題である、こう考えております。  ただ、政治改革ということは何かということになってまいりますと、政府、特に内閣としてこの問題に取り組む場合には、巷間言われておりますように、政治改革の中には選挙制度の問題とか政治資金の問題とかがかかわることでございまして、これは特に立法府の議員の身分にかかわることでございますので、内閣としてこの問題についてどのように対応するかということは極めて慎重でなければならないというふうに考えております。  そこで、竹下総理としては、総理というお立場よりもむしろ政治の最高の指導者としての立場から、政治改革とは何かということについて十分考え方を取りまとめた上で国民にも国会にもお諮りをしなければなりませんし、また内閣として何がなさるべきかということも考えなければならない、こういうことで、御案内のとおり有識者会議をお願いをいたしまして、現在政治改革の理念につきましておまとめをいただいておるということでございます。片や、いわゆる与党におきましても後藤田委員会におきまして具体的方策について御検討賜っておると承っておりますので、内閣としては、この有識者会議の御判断をちょうだいいたしながら、その中で短期、中期、長期の問題について内閣としてなすべきことを取りまとめて、拙速でなくしかし実のある方向を見出し得るように最善の努力を図っていくべきもの、このように考えておる次第でございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上(誠)委員 じゃ、これで質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。  次に、新井将敬君。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 自民党を代表して質問させていただきます。  まず第一番目の政治倫理の確立の問題ですけれども、今から全体的にこういう感じで、構図で説明させていただきますので、最初に御説明申させていただきます。  まず、予算成立というものが現在非常に困難な、スムーズにはいかない状況になっておりますが、予算成立がぜひ必要であるということと、同時にやはり国会正常化を無視した予算の成立ということもまた難しいことであるということを申し上げます。  それから、今このような議会政治というものが非常に危機に見えます。これは総理もおっしゃっておりますけれども、三十八年の議員生活の中でこれほど議会政治というものに危機を感じたことはない、こういうふうにたびたびおっしゃっておられます。この議会政治の危機がなぜ生じたか、議会政治はどういうふうにあればいいかということについて申し上げたいと思います。  私は、危機になった原因の中には二つあると思っております。一つは、リクルート汚染というものによって自民党、社会党、公明党、民社党、あらゆる政党というものが汚染されている、ここに政党不信、それから政治不信、これはすさまじいものがあるというのが現在の状況でございます。もう一つは、これは非常に申し上げにくいことでございますけれども、私も国対委員の一人でございますが、国会対策というものが余りにうまくいき過ぎた結果、かえって国民の目に議論が公開されない、国会議員でさえ何が一体行われてこういう結果になったのかわからないというのが正直な印象でございまして、こういう、御努力されておりますが、国対政治というものについて、この間、小此木建設大臣・元国対委員長の御発言もございましたが、そういうものをやはりもう少し明らかにしていかなければ、議会政治というものは確立できないのではないかということも少しお伺いしたいと思います。  それから、議会政治の解決をどうすればいいかということについて私なりの考えは、一つは、政治的責任というものが法的責任よりも大きい、まず政治的責任というものを果たす自浄作用というものを国会と政党が持たなければいけないのではないかというところで質問させていただきます。  それからもう一つは、法務大臣にお伺いしますけれども、法的責任というものの現状についてお伺いします。  それからもう一つは、政党政治と政治倫理の確立に向けてどういうふうにやっていけばいいか、そういうことをお伺いして、議会政治の精神というものをもう一回再生するためにどうかということを、限られた時間でございますけれども、第一番目にお伺いしたいと思いますので、今のは前座で、これからスタートさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、現在は五十日間の暫定予算という戦後最大の暫定予算を組んでおります。これは九兆円という金額からいたしましても異常なほど大きな金額でございまして、六十兆四千億の平成元年度予算案というものがたなざらしになったまま国民生活へいろいろな不利な影響を与えていくことは否定できな、状態になっております。この暫定予算の中には公共事業費も含まれておりますし、生活扶助基準の引き上げ等も含まれておりますが、それでもなおかつこの暫定予算だけでは処理できない国民生活にかかわる重要な問題があると思います。ひとつ大蔵大臣、暫定予算だけでは処理できない国民生活にかかわる重大な懸念がある、そういうことは一体どういうことか、お伺いしたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 御案内のように暫定予算は本予算ができるまでの一時的な措置でございまして、そこに盛り得る経費というのは普通の経常費、人件費であるとか事務費であるとかいう経常費、それから施策費につきましても、これは原則としては新規施策は計上されないわけでございます。したがいまして、今度逆の立場から見ますと、新規政策というものはたくさんあるわけでございますが、これが全然盛られていない。この新規政策というものは、まさに今年度のあるいはこれからの日本に必要だという各分野における政策費は組まれておるところでございます。これをこのままにしておきますと、やはり、国内的な問題を生ずるだけでなくて、例えばODA予算を一つとってみましても、対外の信用にもかかわる問題でございまして、一日も早く成立させまして、そしてせっかく政府が知恵を絞ってつくりました本予算を一日も早く国民の手元に届けたい、こういう念願でいっぱいでございます。これをこのままにしておきますと内外とも信用を失うのではないか、こういうことを心配しているところでございます。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 今お伺いしたとおり暫定予算の期限というものが迫っております。衆議院を通過するのが四月二十一日でなければ暫定予算の限度、リミットに間に合わないということになっております。また、暫定の補正という話も理論としては挙がっておりますけれども、これは鳩山内閣以来もう三十数年間も実はそういうことをやったことがないという異常事態でございます。  大蔵大臣にお聞きしたいのですが、二十一日までにもし上がらないということがある場合に、補正を組まないでやっていける限度というのは何日ごろになるとお考えでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 細かい話がもしありましたら政府委員から補足してもらいますが、やはり参議院の審議もあることでございますので、何が何でも二十一日までには上げていただきたい、政府はそれに全力を挙げているところでございます。我が党の各方面の方々が今一生懸命やっておるのもそのことでございます。ですから、それが二十一日は上がらないという仮定の問題については、今私の頭の中にはないということでございます。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 官房長官にお伺いしたいのですが……

大野明自由民主党

○大野委員長 ちょっと外交日程で、時間がずれたので、席をちょっと外させてもらっています。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 そうですが。何時ごろ帰ってこられますか。

大野明自由民主党

○大野委員長 今それを聞かせます。だから先にちょっと進めてください。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 順番が狂うと整理ができなくかるので難しいのですが、それでは、なるべく早く官房長官お願いします。  私も一年生の議員になりまして国会に参りまして、非常に率直な印象を申し上げますと、国会での審議ということが非常に形式化している。公開の討論が余りにも少な過ぎる。こういうところにも野党の方が全然出てこない。出てこないでストップしながら何か裏で進んでいくというような形がどうも慣例になってきているのではないか。そういうことに一年生の政治家として本当に不思議な感じを覚えました。これは若い政治家の人は皆そうだと思います。     〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕 特に、私は大蔵委員会に所属しておりますが、自民党議員というのは、座っているだけで、ほとんど質問するチャンスというものがございません。きょう与えていただいて非常にありがたいのですが、そういう質問するチャンスがない。  それから、例えば、不思議に思いましたのは、去年、六十三年度二兆円減税という本当に巨大な前倒しの減税のときに、大蔵委員会では一日の憲議もしないで、でき上がったものを通すだけということが大蔵委員会でありました。これも我々は不思議だなあと、どうしてあの税制法案を審議する大蔵委員会で公開の討論が堂々と行われないのか、そういう前倒しが税制改革のためとはいえ行われていくのか、そういうことを我々は非常に不思議に思ってまいりましたし、また、何日間寝ろと起きますとか、こういう本当に内部でしかわからない言葉が使われて国会の運営が行われていく、そういうことにも非常に不思議な感じがいかしております。  今の議会政治の非常な危機というのは、やはりそうした議会政治の大前提であります討論によって物事をやっていく、各政党の意見の違いを議会における討論でお互いに調整していきながら国民の目の前に明らかにしていく、そういう議会政治本来の精神、これは、私、きのう自由民主党の立党の宣言というのを読んだのですけれども、そこに明らかにその二つをやっていくと書いてあるのですね。こういうものを読んだのは実は初めてだつたのですけれども、「立党の政治理念は、」「ひたすら議会民主政治の大道を歩む」、もう一つは「個人の自由と人格の尊厳」、こういう自由主義と民主主義という、本来余り相入れない精神だと思うのですが、個人の自由と全体の調和ということで自由民主党というものができ上がっておりまして、その基礎にあるのはリベラルデモクラシーというものの精神であります。ところが、現在、この自由な討論、政党に基づいた自由な討論というものが行われていない。私は、やはりそれは国会運営というものの余りにうまくいき過ぎた国対的なやり方というものが一つは大きな欠点になっているのではないか、ここには非常に苦労されておられます大先輩もおられるわけですが、あえてそういう感じがしてならないわけでございます。  そうした去年の二兆円の大幅な減税、これは税制改革のために行われたわけですが、それすらも国民の月に見えるところで議論をされていないために、現在、またさらに減税であると、余り脈絡のとれないような話が引き続き起きてきている。こういうことに対して非常な不安感を覚えるものであります。  そういうことで、いつごろどういう趣旨と目的で、我々から考えますと、議運があれば済むんじゃないだろうか。一体いつごろどういう趣旨でこの国対というものが設置されてきたのかなということを、官房長官おられませんので、元国対委員長の小此木大臣、もしよかったらかわりにちょっと御説明していただきたい、こういうふうに思います。

小此木彦三郎自由民主党建設大臣

○小此木国務大臣 国対委員会というものがいつできたか私は知りませんけれども、国対の現場にいる者でもございませんし、私はとやこうここでもって偉そうに物を言うわけにはまいりません。  ただ、国対の人たちが非常に苦労されておる。苦労されて物事をでき上がらせてうまく運営していく。その際、やはり変な想像はするべきじゃないと思うのです。やはり国対は国対なりにきれいな気持ちで一生懸命夜も眠らずにやっている方々に、そういう汚い想像をなすってうまくいったんだということは、政治家としてどういうものでありますか、私はよくないと思いますよ。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 この間、四日の記者会見で、建設大臣が、社会党のパーティー券を二百万円買ったことがある、こういうふうにおっしゃっておりまして、それについて別に自分の方に否定というか抗議もない、こう堂々と七日の記者会見でもおっしゃっておりましたけれども、その事実についてやはりお伺いしたいな、こう思っております。

小此木彦三郎自由民主党建設大臣

○小此木国務大臣 四月四日、閣議後の記者会見、引き続いた記者懇談会で私が申し上げたことは報道等で各紙に出ましたけれども、その報道は事実であります。しかし、それは決して変な意図でやったわけではなくて、問題は、今行われている、いろいろ名前がついてありますけれども、政治家のパーティーそのものに余りにもルールもマナーもエチケットもないじゃないかということの中で記者会見し懇談した中で申し上げたことで、決して暴露とかそういう汚い意図でやったわけではなしに、ただ、領収書も来ないじゃないか、預かり証も来ないじゃないか、お礼も来ないじゃないかというような意味でのそういうルール、マナーがないんじゃないかという意味でやったことであって、その点を御理解願いたいと思います。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 我々はまだ本当に一年生で純情な政治家でありますから、そういう私たちの深い他意なく、本当に開かれた国会改革、国民の目に見えやすい国会運営、討論、たとえそこで与野党がぶつかりましても、ぶつかるという形でもっともっと目に見えやすい、そういう討論を中心にした議会政治を再建していくということが今度の政治不信に対してこたえていくもう一つ大きな重要な道だと考えておりますので、あえてお伺いしたわけでございます。  また、うわさ話でも、与野党のいろいろな法案が行き詰まったときには幾ら幾らのお金が流れるんだとか、そういう本当に信じたくないような、まじめに国対委員をやり、あっちの委員会に座っていてくれ、こっちの委員会に座っていてくれと、座って本当にその審議の場にいる人間にとりましては、やはりこういうことにまじめに取り組んでいただきたいなと本当に心から思います。国会改革というものがなければ本当の意味での政治改革につながらない。そこで、政党間にあやふやな動きや、またうわさにありますような非常に不謹慎なことがあるといたしましたら、それはやはりあらゆる政党不信の原因になっているというふうに思うわけでございますので、そういうことを申し上げた次第でございます。  官房長官はまだでしょうか。——法務大臣にお伺いいたします。  先ほどお答えも伺っておりましたが、やはり今国民は政治家の政治的責任を果たすということを何よりも望んでいると思います。それは、法的に追及される前に政治家が政治的責任を国会の場であるいは自律的に果たすということを国民は何よりも望んでいると思うわけですが、それにいたしましても、法的な裁き、一日も早く適正な法による裁きが行われるということもまた国民の皆さんは本当に望んでおられると思います。そういうことで、江副さんや高石さんの拘置期限が十八日までであるというふうに聞いておりますけれども、大体捜査の終了される目途というものをいつごろと考えておられるのか、そういうことをお伺いしたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 いろいろ新聞、雑誌等に推測記事が書かれておりまして、先ほどのリークの話にもつながるわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在高石前文部次官を拘束して取り調べ中でございます。おっしゃるように十八日にその勾留の満期が参ります。それまでにはいずれにせよ処分せざるを得ないわけでございますが、その他のことについては、現在全く申し上げる資料もございませんし、また申し上げる立場でもないわけでございますが、おっしゃるように、検察といたしましても早く白黒をつけたいという気持ちはあると思いますけれども、検察事務については、十分御理解いただいているように、証拠によって積み上げていく仕事でございますから、いつ幾日というその目途すら申し上げられない状況でございますので、ひとつ十分御理解いただきたいと存じます。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 確かに刑事訴訟法で、公判前に知り得た情報を流してはいけない、こういうふうになっております。しかし、国会の場というのはやはり重大な公益追求の場でもございます。検察の捜査が適正に行われていることに全くの疑いも持ちませんが、行政機関の一つとして、やはり行政のその長であります法務大臣が全くめどもない、全くめどもない状態でそこに座っておられるとは私は思えないのです。これはどのような役所であれ、その行政府の長は自分の抱えている所管事項に対して少なくともめどぐらいは持っているはずでございます。ひとつ法務大臣のお答えをいただきたいのですが。

高辻正己法務大臣

○高辻国務大臣 めどが申し上げられれば申し上げるわけでございますが、なぜそのめどが申し上げられないかということは、今政府委員の刑事局長からお答えしたとおりでございます。無論私はこの本件の処理につきまして大きな関心を抱いておりますけれども、めどを立てること自身私の口から申し上げることは今では適切ではない、こう考えております。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 法務大臣、この間記者会見で指揮権について申されたですね。指揮権が発動されるようなケースを法務大臣は二つ申し上げられました。一つは、検察が検察権を行使しない場合ですね。もう一つは、検察ファッショと言われるような状態である。このときに、検察ファッショという意味はどういう意味で使われたのか、お伺いしたいと思います。

高辻正己法務大臣

○高辻国務大臣 私はかねてからたびたび申し上げていることでありますけれども、指揮権を発動する場合というのは、検察権が厳正公平、不偏不党の立場を逸脱して行使されるような特殊例外的な場合であるということを申し上げたことがございます。記者会見の場合に、それはどういう場合であるかという質問がございまして、その新聞記者との対話の中で、御指摘のように、一例として、使いたくもない言葉だが検察ファッショと言われるようなことがあったときと申したことが確かにございます。それはどういう状態かといいますと、特定の政治目的のために検察権が乱用されるに至ったような場合と言っていいだろうと思っております。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 法務大臣の言われている意味は、検察というものが、民主的な、行政的な手続を経ないで、直接的に例えばマスコミに働きかけたり、そういう形で裁きあるいは自分たちの目的を有効に持っていこう、そういう状態を検察ファッショというふうに理解してよろしいでしょうか。

高辻正己法務大臣

○高辻国務大臣 特定の政治目的のために検察権が乱用されたときというのは、御指摘のような場合がまさにそれに当たると思います。先ほど申し上げたことでありますけれども、検察官がマスコミに情報を流したというようなことがあれば、これはやはり秘密厳守の義務を負っている者でありますから、それを犯せば当然国家公務員法上の懲戒事由になりますし、また同時に、検察というものが何かの目的で検察情報を漏らすということがあれば、これはまた先ほど仰せになったようなことからいって指揮権の発動を促すことにもなりかねないと考えております。

新井将敬自由民主党

○新井(将)委員 私も一人の国民として新聞を朝五つほど読んでおりますが、先ほどの発言にもありましたが、余りにも情報が、検察サイドやそういうところでなければわからないのじゃないかというほどの深い、あるいは一斉に流れる、そういう状態がずっと続いてきているというふうに思えるわけでございます。今一つおっしゃったとおり、そういう状態がもし本当にあるならば、それは検察の威信という問題、国民の信頼がむしろ失われるほどの状態でございますので、そういう検察ファッショと疑われるようなことが本当に起きないよう、国民に信頼される、支持される行政機関として職務を果たしていただく、そういうことについてひとつ最大限の御注意というものをされていただきたいというふうに、これはお願いだけ申し上げる次第でございます。  それで、官房長官がちょっと来られないということなんですけれども、私、持ち時間があれですが、残りは官房長官にお聞きしたいことが随分あります。今、理事の方では次に残してというお話をいただきましたので、もしできましたら、どうしてもお伺いしたいことがございますので、これはよろしいでしょうか。いいですか。じゃ、終わります。次に残すということで。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)委員長代理 では、次回は、公報をもってお知らせすることにして、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十八分散会

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