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114回国会衆議院1989/02/18

予算委員会 第4号

発言数
241
登壇者
26
会派数
3
開催日
1989/02/18

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  平成元年度一般会計予算、平成元年度特別会計予算、平成元年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 江副リクルートの前会長に引き続きまして、NTT関係の者が逮捕されました。さらに引き続き、きのうは労働省の元課長が逮捕、こういうことで、NTT関係、労働省関係、こういうぐあいに今捜査が進みつつあります。これは、リクルート疑惑、こう言われておりましたものがリクルート疑獄というものにまさに発展しつつある、こう言わざるを得ない、こう思います。そして、野党の山口書記長、大久保書記長、それから民社党の永末副委員長、野党各党のトップの皆さん方も、中曽根政権というものにかかわります問題について質問をいたしてまいっております。  そこで、今国民の皆さんは、リクルート問題に関係をいたしましてどこに注目をしておるか。そうすると、長谷川がどうした、元労働省の課長がどうした、こういうことじゃないんです。今国民の皆さんが国会の論戦を注目いたしておりますのは、中曽根前首相と竹下首相に今国民の注目は集まっておるわけです。ですから、これは小手先の問題で済む問題ではない。それはもう総理もそうした政治責任ということを繰り返しお述べになっております。  特にリクルートに関して言いますならば、竹下内閣は、宮澤副総理、そして年末、発足早々四日目には、法の番人であるべきその総責任者の長谷川法務大臣がおやめになり、一カ月たたない間に副総理格の原田経済企画庁長官がおやめになりました。やめざるを得ませんでした。  総理は「衆議院手帖」お持ちだと思います。お持ちですか。――「衆議院手帖」持ってない。では、あなたはいつも憲法なり国会法なり政治倫理綱領なり拳々服膺と言っているけれども、してないということですよね。政治倫理綱領をきちっとやはり覚えているなら、憲法六十六条に何て書いてありますか。覚えているとあなたの親愛なる同志が言っているのですから。憲法六十六条。憲法六十六条は   内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。   内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。 その次が大事なんです。   内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。 「国会に対し連帯して責任を負ふ。」こうなっているのです。  といたしますならば、竹下内閣の副総理という人たちが相次いでこの一、二カ月の間におやめになったのです。法の番人、その総括者であるべき法務大臣がおやめになったのです。国会に対してどう責任をとるか、私は、そのことが今問われておる、ごう思います。国会に対して連帯して責任を負うということについて、総理の御見解を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 国会及び国民に対して連帯して責任を負うという気持ちでいつも対応すべきものであると思っております。  したがって今の問題は、だれが一番責任があるかと言えば、これは国会で指名を受けた内閣総理大臣たる私に任免権があるわけでございますから、私自身が一番責任を感すべきものでございます。したがって、私は、信頼し、お願いを申し上げた御三方に対し、その辞意をそのまま受けとめますと同時に、その方たちのお考えというものが生かされるように人事を補充をいたしまして、国会に対してこれからすべての責任をとっていきたい、このように考えて今日に至っておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 リクルートにかかわって国会に対してどう、つまりリクルート疑惑でそれぞれおやめになったんです。それぞれおやめになったんです。だから、国会を通して、国民に対してどうあなたは責任をとろうとしておるんですかと、こう伺っておるんです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これは、刑事上の問題につきましては、ひとまず検察を信頼し、厳正、適切な対応が行われるであろうというところに位置づけ、いま一つの問題は、やはり御指摘のありますとおり、政治上の問題であろうというふうに私は思っております。  したがって、この政治上の問題については、このようなことがあってはならぬという考え方に基づいて、政治改革という言葉で申しますと大変広範囲に、かなり距離のあるような感じを与えがちな言葉でございますけれども、そのようなことが起こらないような環境を逐一整備していかなきゃならぬというふうに考えております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 あなたは政治改革にだから命かかける、今政治改革のことを言うことをあなたはお避けになっている。私が何を言おうとしているのかなと、こう考えて避けておるのだろうと思うのですよね。あなたは、命がけで政治改革をと。しかしこれは、つまり国会に対して責任を負うという立場からいたしますならば、政治改革をあなたが今やるということじゃなくて、政治改革はあなたでなくていいんですよ。あなたでなくていいんです。つまり、今は信を問うて、それは福岡の参議院の補欠選挙も、まさにリクルートと消費税と農産物という三つが結合しておる問題でございますけれども、一地方選挙ではありますが、ただ単に一地方の限られた選挙ではなくて、国民の世論を反映しておると思います。近く行われます宮城県の知事選挙もどういう結果になりますか注目をいたしておりますが、今本当に中曽根さんやあなたが、つまりあなたは中曽根政権時代の大蔵大臣であり幹事長だったわけでありますから、まさに一体ですね。そうしますと、その問題を決着をつける、その上で国民の信を問う、そして新しく出直した政権が政治改革をやる、これが憲政の常道だ、私はこう思います。いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 川崎さんの御意見は御意見として、私はそういう御意見は十分存在する意見だというふうに思っております。  私自身が政治改革をみずからの手でなし遂げよう、私でなければならないなどという思い上がった考えは全くございません。しかし、いかにいたしましても、この積年の累積したものが、私が行政府の長でありますときにこれが今問題となって噴き出しておるわけでございますから、少なくとも私の行政府の長たる責任において、政治改革という大きな範囲の言葉で申しましたが、これを緒につけるべきであるという気持ちが私の責任のとり方の一つであるというふうに考えておるところでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 この問題はまずその点を強く指摘をし、要求をいたしておきまして、なお全体の論議の中からまた次に問うてまいりたい、こう思います。  そこで、前の総理が大変御熱心に現職の総理の時代からいろいろ言っておられました、計画をしておられました世界平和研究所というものの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に、一九八七年、あなたが総裁に立候補いたします前に政権構想をお出しになりました。その政権構想では、半官半民の世界平和研究所というものを提起をされたわけです。それをなぜおやめになって、中曽根さんが責任者になっておりますこの世界平和研究所を、昨年の六月二十八日、閣議了解をいたしまして総理の指定団体という異例の扱いをいたしました。これは後ほど具体的に今日の制度の中から御指摘、御質問もいたしたいと思いますけれども、まさに異例の閣議了解において全面支援という、総理の指定団体という御決定をされました。その理由を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私もかねて平和研究所というようなことに対して興味を持っておりました。ただ、平和戦略という言葉については抵抗をいささか感じておりました。そこで、具体的にどのようなものが一番機能するだろうかということを考えまして、今日までございます外務省のもろもろの研究所でございますとか、あるいは民間にもございますいろいろなものを参考にしながら、どのような形で、政府も出資しよう、が、民間に出資の多くを求めて、民間の知恵をおかりしてこれが存在した方が一番よかろうというような考え方で、半官半民というふうな言葉で申し上げておったことは事実でございます。  しかし、いろいろ政権の座に着かしていただいて考えてみると、なかなか私なりにいい結論が出てこない。そこで、今のおっしゃいました研究所が設立されたということになると、いわばその中にスタッフ等を送り込むことによって官の意思古そこで申し述べることもできるし、また官としてそこの研究所のもろもろの研究事項を吸収することもできるという形で、これに閣議決定をいたしまして対応することにしたというのが大筋の私の考え方でございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 これは今役人を出してというお話も述べられました。そうしますと、これはもち公務員の退職手当の問題にかかわるわけでございますので、国家公務員等退職手当法施行令というのがあって、ここの中で「政令で定める法人」、つまり特殊法人、こういうことを位置づけるわけですね。  そういたしますと、日本原子力研究所、アジア経済研究所、地方職員共済組合、公立学校共済組合、警察共済組合等々と、こう並びますね。この中にあります法律の末尾に「法人その他の団体で内閣総理大臣の指定するものとする。」と。今、前例は――じゃ、これは政府委員の方から聞きましょうか、前例。団体の名前だよ。

勝又博明総務庁人事局長

○勝又政府委員 お答え申し上げます。  これまで内閣総理大臣が指定した団体、二つございまして、一つは財団法人日中覚書貿易事務所、それからもう一つは財団法人交流協会、これは台湾にある事務所でございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 今答弁ございましたように日中経済覚書事務所、これは日中国交回復の前に、社会党がそのとき非常に努力をして、LT貿易という高碕・廖承志事務所というものをつくって、それが日中覚書事務所になったんですね。そしてこれが日中国交回復、こう参りました。このときにはこれは予算補助をしてきたわけです。当然のことだと思います、予算補助をいたしました。交流協会というのは、日中国交回復の後、台湾との関係の処理といいますか、そういうことで交流協会というのが設置をされ、亜東協会に対応していますね。そしてこれには今、大体年間十一億予算補助をいたしております。  しかし、今度の中曽根さんの世界平和研究所というのは、法律もありません、よりどころもありません、予算補助もありません。要するに、あなたの指定する団体です。まさに異例中の異例です。そして外務省、大蔵省、防衛庁、通産省、四省庁から課長クラス前後の人が今出向しておりますね。そしてその退職金というのは、普通、民間団体に行きます場合には退職金は七割、バックしましたときに七割ということになっているのですが、これは十割ということで異例の措置をいたしております。それだけ、中曽根さんは今自民党員なんです、自民党員なんです、自民党員の主宰をする団体に、なぜこういう異例の措置をしなければならないのですか、伺いたいと思います。――委員長ちょっと待って。これは僕は言ってあるんだ、役人の答弁じゃだめですよと。これは、中曽根さんの考え方、そしてそれをあなたが全面支援をするということで指定にしたわけなんですから。そしてあなたは自分自身の計画をおやめになって指定したのですから。そういたしますと、これは役人の答弁ではだめとあらかじめ言ってあるのです。出ないでください。

大野明自由民主党

○大野委員長 総理府文田管理室長。

文田久雄総理府大臣官房管理室長

○文田政府委員 直接本件閣議了解の事務を担当いたしました立場におきまして、事務的に私から御答弁させていただくことをどうぞお許し賜りたいと存じます。  先生御案内のとおり、財団法人世界平和研究所は、安全保障問題を中心に政治経済その他の分野における国際問題について調査研究し、総合的な政策を国の内外に向けて提言し、これらの研究に関する国際交流を促進し、人材の育成を図り、もって世界の平和と繁栄の維持及び強化に寄与することを目的として設立された財団でございます。  先ほど総理が申されましたとおり、その極めて高い公益性にかんがみまして、政府としても、この法人の事業の実施に関しまして関係行政機関は必要な協力を行うものとする、かようの閣議了解をした次第でございまして、これを踏まえまして、職員の派遣それから退職手当の通算についてもそれぞれ法令の規定に従いまして措置されているものでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 総理が、政権構想の大きな目玉にしたあなたの世界平和研究所というのをやめて中曽根さんの方がよかろう、こういうことで変えたわけなんですね。今読んだのは、この閣議にかけました設立目的を読み上げただけですね。調査研究じゃないのですよ、政策提言だ。こういうふうに中曽根さんは、現役のころからこれをつくるについては、政策提言だ、単なる調査研究ではないのだ、これを通してあなたの、中曽根さんの指名をした竹下内閣に影響力を持とう、こういうことで、これは大変力んでやられたわけですね。  そういたしますと、お尋ねをしますが、この研究所は国際的なあのイギリスの国際戦略問題研究所やあるいはスウェーデンの平和研究所、こういうものに匹敵するものになり得るとあなたはお考えですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 少なくともなり得るということを心から期待をしておるからこそ、閣議了解の手続等をとったわけでございます。  それから、確かに中曽根前総理、自由民主党の党員でございますが、私なりに聞かせていただいておることもございまして、これがいわば一人の、大体いろいろな研究所というのはお一人の個性あるいは知名度、そういうもので大変にポピュラーになっていくものであるという性格も持っておりますが、本人自身の考え方というのは、やはりある種の責任ある地位等を経験しながら、その後自分がこれを行うことによってまた自分がその地位に、何と申しましょうか、永遠におるというような考え方ではないというようなことを私も承知いたしておるところでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 じゃ、あなたはスウェーデンの平和研究所がどういう研究団体であり、どういう運営をされておるか、そして国際的な信頼を何がゆえに得ておるか、そういう点をこの中曽根研究所と比較をしてお述べいただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 両者を比較して申し述べるだけの私には準備ができておりませんが、このスウェーデンの平和研究所というものは、やはり私どもがいろいろなことを考えてみます場合にいつも念頭に浮かぶ、モデルという表現は適切ではございませんが、立派な研究所であるというふうに思っております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 これは後で資金の問題についてお尋ねをいたしますけれども、スウェーデンのこの平和研究所はスウェーデン議会が金を出しているのです。そして管理委員が運営するんです。それはアメリカとソビエトは除く。つまり、アメリカ人、ソビエト人はその管理運営委員会から除いておるのです。つまり、大国が支配しちゃいかぬということで除いておるのです。そして東ヨーロッパ、西ヨーロッパを入れる。だから今は西ドイツ、東ドイツが入っているのです。そしてあとはイタリ―とかフィンランドとか、そういう形で運営しているのですよ。この中曽根さんの研究所というのは、後ほど役員をごらんいただきますと、リクルート汚職の人たちがずらっと並びます。そして基金は財界ですよ。これで、国際的に信頼を得る研究所になれますか。私は、だからもうスウェーデンの研究所というものと、つまり、スウェーデンの研究所がいかに広く見ながら、世界の、東西のはざまの中でいかにして平和を保つか、いかにして軍縮を実現をしていくか、そのことのために大変な努力をしているわけです。そういたしますと、中曽根さんのこの世界平和研究所というのはそれとはるかに遠いと思います。  そして、時間の関係もございますので少し急ぎますが、資金計画は閣議了解のときには二百億、こうなりました。しかし、そこにお座りの後藤田さん、伊東正義さんやらにも中曽根さん自身から、一年間で二百億は無理だから半分にしたい、こう言ったという新聞記事にもなっております。じゃ、この二百億というのは、どういう中身だとあなた方は了解してこの計画をお認めになったのですか。

文田久雄総理府大臣官房管理室長

○文田政府委員 事務問題でございますので、恐縮ですが。  先生お示しのとおり、世界平和研究所の設立時の基本財産は二億円でございましたが、二百億円を目途に広く民間から募金を募るということで、現在基金造成に鋭意努力中というふうに聞いてございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 しかし、この研究所の小林という事務局長さんが、リクルート事件が起きてから集まりにくい、早く終わってくれぬかな、こうぼやいているそうですね。そして計画もどんどん縮小していって、一年間で二百億が二年間で百億になり、さらにどこまでいくかわからぬ。この資金計画に努力をしておる中心の人が藤波さん、それから渡辺元官房副長官、そういう人たちが中心でこの資金計画をやってきた。どうにもならない。私は総理が指定団体にされたということは大変軽率だった、こう思います。いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 指定団体に閣議了解をいたしますに際しては、私なりに慎重に対応してきたつもりでございます。それは、二百億円で仮に五%に回りまして、十億円というようなものでどのような研究ができるか、あるいはそれまでの段階では維持経費というものを会費の形でお願いするのも一つの手ではないか、あるいは既存の財団の委託を受けるのも手ではないか、極めて私なりに興味を持っておりましただけに、具体的な勉強もしてきたことは事実でございます。それで二百億という目標で広く民間から集めていく。民間から集めていくというのは、いわゆるコントロールされないという意味においてそれなりの意義があろうかと思います。  したがって、むしろ政府サイドから見ますならば、それらの正しい研究が行われていくための助言もいたしましょうが、公の立場からそれらの情報、提言等を吸収するという立場にも大いに役に立つではなかろうか。生み出したばかりのものでございますから、これが国際的に評価されておる他の研究所と比較して、まだそこに至っていないということは十分承知をいたしておりますが、将来に無限の可能性を秘めておる、私はこのように考えております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、会長の中曽根さん、理事の藤波孝生元官房長官、評議員の真藤元NTT会長、諸井虔さん、公文俊平さん、飯島清さん、そして主任研究員に歌川元毎日の編集局長、全部リクルートですね。全部リクルートですよ。――今ああいう発言がありました。まさにこれはリクルートで固まっているんですよ、中心部は。だから無限の可能性と言うけれども、私はもう無限の可能性なし、こう見ておりますけれども、そういう今の状況であることを大変残念に思います。  そこで総理、憲法改正論者がこの世界平和研究所の理事長であるということは私はいけない、不適格だ、こう思います。いかがですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 理事長になられる人そのものの主義、信条というものは、それは私は個人個人によって適格である、不適格であるという指摘はあり得たといたしましても、初めからそのことがその人選に対する欠格要件になるなどとは考えたことはございません。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 中曽根さんが総理をおやめになってから、国内では大変慎重にしてこられました。しかし、海外で憲法改正論を展開をしておられることを御存じですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 大概なスピーチは全部読んでおりますが、その憲法改正に関するスピーチは実は私、読んだことはございませんが、いずれにせよ、中曽根康弘という一人の人格のある人がみずからの意見を述べて歩かれるということはまさにグラスノスチだ、このように思っております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 それはグラスノスチと全然違うのですよ、これはグラスノスチ論をやらなければいかぬですけれども。  去年の五月十四日、アメリカのニュージャージー州のニューブランズウィックという市のラトガース大学で憲法改正論をやっているのです。つまり「憲法は常に時世や政治勢力の性格を勘案しつつ見直されなければならない」。これは、憲法論というのは今、新天皇のもとにまた新しく議論が出てきているわけです。そうしますと、中曽根さんはグラスノスチだ、こう言って、何でも言ってもいい、こういうことですが、これは違うのですよ。政治家の場合は違うのです、国会議員の場合は。そして特に前総理ですよ。そして内閣が閣議で全面支援をした。防衛庁や外務省やそういうところは一切の秘密情報も全部出す、こういうふうな話になっておるようでございますけれども、そういうところに、法改正論者がでんと座って、そしておれは政策を提言するんだ、こう豪語しておられるのですから、その人が憲法改正論ということは私は不適格だ。  去年の五月にやられましたときに、各紙は「米の大学で憲法見直し主張 中曽根氏」「中曽根氏が再び改憲論」こういうふうに報道されているのです。私はこれはずっと調べてみたのです、中曽根さんがおやめになってから改憲論をどこかでやっておるはずだと思って。案の定やっていました、アメリカで。これはまるまる公務員の給与を見て特別の援助をする。中曽根さんが、そういう特別の総理大臣の指定団体でなければいいのですよ。指定団体でなければいいんだ。そこで、その中曽根さんがそういう内閣総理大臣の指定団体であるその責任者であるということは適格でない。だから、私は、中曽根さんにおやめいただくか、あるいは指定団体を取り消すか、当然だと思うのですよ。どうかひとつその点については、日本は今注目されておるわけですから、そういう意味では総理はこの問題については厳しく、厳正にこの団体の問題を考えなければいけない。改憲論者が理事長であり、それに内閣総理大臣の特別の指定団体、つまり日中覚書事務所、交流協会、そういう特別の、特殊なものと肩を並へる、そういう特殊な指定団体にすることは不適格だ。だから内閣の全面支持をお取り消しになることを私は要求したいのです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 俗に申します、政府側からそのような身分を保持しながら出向していくというのをよく一般用語として弁当持ち、こういうことを言っておりますが、私はそれなりの意義は十分にあるものだという判断をいたしましたからこそ、そのように指定をいたしたわけでございます。したがって、これに対して指定団体を取り消すという考え方はございません。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 では、これは指定を取り消すことを要求をして次に移りたい、こういうふうに思います。  次は、リクルートと文部省の関係についてお尋ねをいたしたい、こういうふうに思います。今資料をお届けしますので、ごらんいただきたいと思います。  西岡文部大臣にお尋ねをいたしますが、先般テレビを見ておりましたら、高石問題について、この高石問題というのは特異な個人の問題だ、こういうふうにお述べになっておりましたが、高石問題というのは、あなたはそういうふうに今もお考えになっておるのか、そして高石問題というものの処理をそういう個人の問題として片づけよう、こういうふうにお考えになっておるのか、伺いたいと思います。

西岡武夫自由民主党文部大臣

○西岡国務大臣 お答えいたします。  ただいま川崎委員から御指摘のリクルートの問題は、文部省にとって、いわば高石氏という人物のかなり個性によったところがあるということをお話を申し上げたことは事実でございます。しかし、それは今回の事件につきましての背景というものをすべて申し上げたわけではございませんで、確かに今回のリクルート問題をめぐりまして文部省としていろいろと反省しなければならない点がたくさんあった、このように私は認識をしているわけでございまして、これから今回の文教行政に対する国民の皆様方の不信感というものをどうやってぬぐい去ることができるか、文部省一体になって文教行政を進める、そして教育改革に真剣に取り組む、その姿勢の中でしか国民の信頼を回復することはできない、このように認識しているわけでございまして、決して高石氏個人の問題というふうに申し上げたわけではございません。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 このお手元に配りましたリストは、これは文部省から出してもらったリストです。私が勝手につぐつたリストではありません。そこで、このリストを横に並べてごらんいただきますとよくおわかりだと思います。高石君が株の問題でいざこざがありましたときに、江副氏とは十年来の親友だ、親しい間柄だ、こう言っておりました。  このリクルート関係者が文部省の審議会等の委員になっておりますリストをごらんいただきますと、江副氏が専修学校生徒に対する修学援助に関する調査研究会、ここの委員になりましたのは、昭和でいきますと五十四年ですね。つまり、彼が十年前と言ったのはここにちゃんとあるのです。そしてこの専修学校というのは、いろいろ新聞にも出ましたように、専修学校の広告の問題は総務庁から勧告が出たりいろいろあるわけです。そうしますと、そういうかかわり合い、そして、五十年に学校教育法の一部改正が行われまして専修学校の位置づけができる。それから急速に専修学校が伸びていくわけですね。そういう中で、リクルート社というのはその専修学校の広告をどんどんやっていくわけです。そういたしますと、江副氏がかかわっております専修学校生徒に対する修学援助に関する調査研究会、大学入学者選抜方法の改善に関する会議、学校法人運営調査委員、教育課程審議会、第二国立劇場準備協議会、大学審議会。広告屋のおやじさんですよ。広告屋のおやじさん、大変悪い言い方をすれば。しかし、この人がこういう学校の教育のかなめのところにずっと入ってくるわけです。  それからさらに、リクルートリサーチの調査部長はこの中学校・高等学校進路指導の問題、教員の資格認定だ。深水という人は中学校・高校進路指導の手引作成協力者会議、手引をつくる協力者会議にも入っているのですよ。だから江副という人が教育課程審議会の委員に、高石文部次官のときにやったんだなんだという問題じゃないんですよ。そうしますと、文部省とリクルート社という情報産業の会社とは、まさに、複雑なというか非常に緊密な関係だ。  それから、文部省の企画官ぐらいの人たちがリクルートの「リクルート・カレッジマネジメント」とか「キャリアガイダンス」とかというのに寄稿しておる。論文を書いておる。その人たちは、このリストにありますようにずらっとこうあるわけです。元文部次官の宮地さん、現文部次官の阿部さん、西岡さんも五十八年には「教育改革の視点と私学振興の新方向」というのをこのリクルートの雑誌に書いておられる。書いておりますね。そして、歴代の大臣は講演をしているわけです。行って講演をしているわけです。そうしますと、これはもう本当にそういう深い結びつきなんです。  だから、私は特に森文部大臣について言いますならば、森元文部大臣は、五十七年の十一月、中曽根内閣ができましてから、高石君は初中局長になりますし、まさに一体になるわけでございます。で、森さんが文部大臣をいたしておりましたときの問題は、江副氏が入学者選抜方法の改善に関する会議の委員になる。それから、森喜朗さんが江副、牛尾、中曽根、藤波氏らとゴルフに行って楽しんでおる。そして、臨教審が発足をし牛尾さんが委員になる。先ほど言いました深水という人が進路指導の手引作成協力者会議。そして学校法人運営調査委員、こういうふうに森さんの文部大臣時代にも大変緊密な関係が進むわけなんです。だから、高石君の一万株、森さんの三万株というのはこういう大変緊密な関係の中から渡されておる株であるということを私は考えますときに、これは何を請託をして何をしてやったという個別の問題ではないのですよ。  法務大臣、まあ法務大臣に聞くと危ないんだけれども、刑事局長、この文部省の問題についてどういうふうに検討しておられるか伺いたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 前の臨時国会の際にもこの問題についていろいろ御質疑があり、あるいは御議論がございました。そういう御議論については私どもも十分拝聴いたしましたし、検察庁も十分知っていることだと思います。  ただ、現在検察庁では、前から申し上げておりますNTTの問題とかあるいは昨日の労働省の課長の収賄事件とか、それを中心に捜査をいたしておりますので、現在私どもとしてはその捜査を見守っているという段階でございまして、こういう問題について積極にも消極にも申し上げられる問題でございませんので、ひとつそういう点で御了解いただきたいと思います。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 こうした進路指導で学校現場の高校の教師まで巻き込まれた大変な問題になって発展してきております。文部省がそれに対して中止せいとしうような通知を出したのはつい二、三日前ですね。そういう意味では私は大変この文部省の対応、先ほど西岡さんはこれはきちっとやるんだ、こう言ったんだけれども、現場からいろいろこれはもう前から出てきているのですが、そういうことに対する文部省の対応というのは大変遅かった、こういうふうに言わざるを得ない、こういうふうに思います。  そこでこの問題は、こういう大変構造的なという問題を私は十分皆さんにも認識をしてもらい、また文部行政の問題としましても、これは私は本当にこういう一つ一つを検討し直すということをしなければ、業者との癒着というのは、ただ労働省の問題ではなくて、特に文部省がそういう深い関係、かかわり合いにあるということについては、国是の教育に対する不信というものをますます深めるわけでございますから、その点について大変憂慮される、こういうふうに思います。重ねて西岡文部大臣の御見解を伺いたいと思います。

西岡武夫自由民主党文部大臣

○西岡国務大臣 お答えをいたします。  川崎委員から御指摘の点は十分文部省としてもこれから考えなければいけないことと反省をいたすところが多々あるわけでございますが、一つだけお断りをしておかなければいけないと思いますのは、委員御承知のとおりに、就職関係の情報、これはまだ極めて日の浅い分野でございまして、その中でたまたまリクルートという会社がこの分野におきまして圧倒的なシェアを持っている、そういう蓄積されている情報というものを就職、進路指導等にりきましてそれぞれの学校がこれを活用するという点におきまして、かなりの立場におられた。  このことにつきましては、結果論としてはいろいろと反省しなければいけませんけれども、先ほど御指摘の森文部大臣、またあるいは私も一度先ほど御指摘のとおりにリクルート関係の雑誌に寄稿をしたことがございますけれども、こうしたことは、文部省の職員にいたしましてもかなり多くの雑誌その他の媒体を通じて文教行政、文教政策についてのPRと申しますか考え方を明らかにしていくというようなことは、リクルートの関係誌に限らず多々やっていることでございます。この点は別の問題としてぜひお受け取りをいただきたいと思うわけでございますが、それにいたしましても、文部省関係の各種の審議会あるいは協力者の会議、そうしたものにいささかリクルートの関係者が結果としては多過ぎたのではないかなと私も考えているわけでございまして、今後の文部行政を進めていく上におきましては十分こうしたことにつきまして配慮をしていかなければいけない、このように考えているところでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 これは、就職情報の問題ということにつきますと労働省との関係もございます。大学審議会に労働省が入ってないということは前のときに私は総理にもその検討を要求いたしました。しかし、きょうはあと時間がございませんので労働省の方には入るあれがございませんけれども、こうした今の癒着という状況、そして労働省の職安行政がなぜつぶれていったかということは、労働省が今逮捕されている問題につながっているのですから、それは文部省も同じであって、それは結果論だ、こう言われましたが、過程を検討してもらいたい。  そこで私は、その締めくくりの問題として、これら高石問題、それらは考えますのにまさに教育基本法違反だ。この人は一生懸命日教組攻撃をやりました。しかし、「日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、」いくという文教行政を指導する人としてはまさに不適格であったということを私は痛感するのです。だから、高石という人のやってきた行動、あるいは進めてまいりました文部省の役人としてのやり方というのはまさに教育基本法違反だ、こう思いますが、どうですか。

西岡武夫自由民主党文部大臣

○西岡国務大臣 川崎委員今御指摘の教育基本法違反と申しますよりは、教育基本法が述べているところの精神からいたしまして多くの問題があった、このように反省をいたしております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 次に、これは時間がないのでただ問題点の指摘には終わりますけれども、昨年の税制特別委員会に提出されました株を配ったりストですね、リクルート社からの。その中に、森喜朗氏は三万株、そのうちの一万五千株は安倍晋太郎自民党幹事長に政治資金として、こういうことでございますが、これは私は、もしそういう実際に因果関係とかそういう株の実際の扱いというのが、詰めなければいかぬ問題もあると思いますが、そこに出されていた限りの面からしますならば、自治大臣、これは私は政治資金としての届け出があるのかどうかですね。これはわいろであるか政治資金であるかという議論は、外務大臣をしておられたわけでございますし、あるわけです。ですからこの点については、政治資金かわいろか、そういう処理がどうなされているのか、伺いたいと思います。

坂野重信自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○坂野国務大臣 お尋ねでございますが、事実関係を詳細に私ども承知しておりませんが、政治資金規正法では確かに寄附の限度額というようなものを規定しておるわけでございますが、具体的な詳細な事実関係はわかりませんのではっきりしたお答えはできませんが、もし法律的な解釈――政府委員から答弁させます。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 法律解釈の問題でございますので申し上げさせていただきたいと思いますが、現行政治資金規正法では寄附に関します制限として規定を設けております。これは、政治団体がする寄付については量的な制限はございません。それから、個人が行いますものには年間一千万円あるいは二千万円、そして個別には百五十万円、こういう制限を設けておることでございます。  ただ問題は、具体の事例でございますので、そのことを、具体の詳細な事実を確定いたしませんとなかなか評価できない面があるわけでございまして、もちろん、名目的な株式譲渡だけれども実質は寄附だという場合もあり得るだろうと思いますが、しかし、妥当な価格で通常の売買が行われておれば、それはやはり寄附と見るわけにはいかないということがあるわけでございます。  以上、お答えいたします。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 株ならよろしい、こういうことではないと思うのですね。ですから、これは非常に大きな問題ですから後ほどまた検討しなきゃならぬ、こういうふうに思っております。  次に、運輸省にお尋ねをいたしますが、去年、私ここで税特のときにお尋ねもしました。後、繰り返しいろいろ参議院の方でも仲間が追及もしたわけでございますが、加藤六月元文部大臣が、六十二年の二月二十八日、ヘリコプターで安比を視察をしたという点については大変議論になったわけです。――失礼しました、農水大臣。  運輸省にお尋ねしたいのですが、このときには、今の林野庁長官はヘリコプターの料金の問題をとうとう答えなかったのです、あの衆議院段階では。運輸省は、この料金問題について東亜国内に対するおきゅうを据えたというふうに聞いておりますが、事実関係を報告してください。

林淳司運輸省航空局長

○林(淳)政府委員 昨年の十二月に参議院の税制特別委員会で御質問ございまして、その際に私ども事実関係を知ったわけでございます。そこで、東亜国内航空、今はJASでございますが、これを呼びまして事実関係の確認をいたしました。その結果、林野庁が当時、六十二年ですか、二月二十八日にチャーターしたチャーター料金は正規の運賃を大幅に下回るということで、四十万円ということが判明いたしましたので、今後このような認可運賃違反ということは行わないようにということでJASに対して厳重に注意をし、JASは、それを今後十分社内に徹底して認可運賃を遵守いたします、こういうことを確約したという経緯でございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 林野庁長官、あなたはここで答弁を断り続けました。林野庁長官、どこですか。――端っこの方におられるようですが、断り続けられました。しかし、なぜこういう無理な大臣の視察をされたのか。  これはちょっとその前に羽田農水大臣に伺いたいのですが、当時現地で県の開発公社と安比総合開発という、こういう民間と非常に争っておった。だから、そういう争っているものに現職の大臣が視察に行くのはよろしくないということで、大臣官房の方は林野庁に対してとめるようにということを指摘していたというふうに私たちは伺っておるのでございますけれども、この問題は簡単に大臣に押し切られたのか。林野庁がリゾート開発の問題として視察する必要があるということで、運輸省からお目玉をちょうだいするような形でも、なおかつ東亜国内航空のリクルートチャーターのヘリコプターで行ったのか。その点、大変林野庁と関係の深い問題でございますが、大臣はどうですか、それを聞いておりますか。

松田堯林野庁長官

○松田(堯)政府委員 大臣に御視察をいただきましたのは、リゾート法案が審議の直前になっておる、また、二月早々に国有林野事業といたしましてヒューマン・グリーン・プランという事業の実施につきまして通達を出しましたので、それらにかかわる先進事例といたしまして安比の御視察をいただいたところでございます。  今、先生御指摘の事業主体の変更につきましては、確かにそういう問題があったということを私自身もその後に知ったわけでございます。五十五年以降から事業が実行をされておりまして、毎年毎年事業地域の拡大も行われておりますし、保安林の指定解除等のことも行っておりまして、事業が常に動いているわけでございます。そういう中で事業主体の変更があったということでございまして、大臣の御視察と事業主体の変更につきましては全く関係のないところでございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 これは今でも現地では――社会党は調査団を出しました。調査団は開発公社の諸君ともいろいろ会ったのです。開発公社の諸君は今もこれは事業主体を変えたことに不満を言っておるのです。不満があるのです。この五十九年の十二月下旬にリクルートコスモス非公開株が加藤六月氏の次女や秘書に渡るわけですね。そして、六十一年の十月三十一日に、店頭公開、金が入るのです。そして、六十二年の二月二十八日に今の、従来の林野庁では、従来の役所ではヘリコプターで行くなんていう無理なことはない。それを、運輸省からお目玉を食うような形での無理な視察に行った。そして、その後の三月に主体が変わるのです。開発公社から安比の総合開発に、このセカンド安比のスキー場の経営主体が変わるわけです。  そうしますと、これは、今リゾート法だとかいろいろなことを言われましたけれども、大変、金の流れとも関連をし、無理がある、私はそう思うのです。それで、後で知った、こう言う。後で知ったと。監督機関の林野庁がこういう長くかかっておる、これを後で知ったなんというそういうばかな話がありますか。私は、これはそのまま一生懸命筋道をつけて答弁を整理をしてきたと思いますけれども、しかし、これはそういう筋道からいたしますならば大変無理があるわけです。経営主体を変えていくことについて無理があったと思います。法務省刑事局長、どうですか、これ。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 昨年の十二月七日に、参議院の税制特別委員会で山口哲夫委員から詳細御質疑がありまして、私どももよく承知しております。  その他のことについては、先ほど申し上げたとおりで御了解願います。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 これは厳正な捜査をお願いいたしたい、こういうふうに思います。  次に、国際情勢に入りたいと思いますけれども、今世界は非常に大きく動いております。そこで総理、私は歴代の総理が国連総会で演説をされた軍縮についての意見をずっと調べてまいりました。それから、あなたは総理になる前は大変軍縮について積極的な主張をしておられました。で、三木総理と中曽根首相と竹下首相という三人の軍縮についての考え方というものを見ますときに、竹下さんと中曽根さんは、米ソどうしてくれと、こういうことを言っておられるのです。あなたが総理になられる前には軍縮が大事だ、軍備を縮小せにゃいかぬ、こういう主張をしておりましたが、その軍備縮小は消えてしまうんですね。  そこで、今日の米ソあるいは中ソ――中ソは五月には三十年ぶりにゴルバチョフ・鄧小平会談というものもございます。これは非常に長い歴史がございますから一つ一つを取り上げますと大変時間のかかる問題でございますが、米ソ、中ソ戦うという毛沢東戦略というものからここまで来るのには大変長い時間がかかったわけですね。しかし、中国自身は百万の軍隊を削減したわけです。それから、今ソビエトもINFをアジアにおいても撤去している。あるいは軍隊も二十万下げておる、減らす、撤退する、こういうことで動いておるわけです。  最近のニューズウイークに「日本の軍事力」というのが特集されておりますが、この中で言っておりますことは「向こう五年間、他の軍事大国がいずれも軍備縮小に向かいそうななかで、拡大するのは日本だけということになるかもしれない。」  こういうふうにニューズウイークも指摘をしているんです。バードンシェアリングの問題がこれまでいろいろ議論がございました。そこで、今動いている世界に一つ一つ、あるいは三月九日から始まりますヨーロッパにおけるNATOとワルシャワ体制の通常兵力の削減交渉、そういう大変重尊な会議があります。そういうふうに動いておるわけでございますが、その中で日本だげが軍事費増強に進むだろう、拡大するのは日本だけだ、こういう指摘は私は大変残念だと思うのです。こう指摘されることは残念だ、こう思う。  今お手元に配りましたアジアの軍事予算といちのをごらんいただきますとおわかりのように、これは中曽根さんが見本にしたいと言っておりますロンドンの国際戦略研究所の出しました一番新しい「ミリタリー・バランス」でございますが、この「ミリタリー・バランス」からこれを引っ張り出しているわけですっそういたしますと、総理、今一生懸命計算をしておられるようでございますが、日本は二百九十六億三千万ドルです。あの十億を超す中国が五十七億八千万ドル。それで下の方に参りますと、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ASEAN五カ国が合わせて五十五億七千五百四十三万ドルです。  レーガン前大統領が二・一%防衛予算の増を予算教言で出しました。しかし、ブッシュさんはそれをゼロにいたしました。二・一%をゼロにした。それは二十億ドルになるんです。アメリカが二十億ドル削減をしておるときに、日本が一・〇〇六%、連続GNP一%を突破したわけです。〇・〇〇六%というのは、これは防衛庁の計算でも一億八千万ドルです。一億八千七百万ドルですよ、〇・〇〇六%は。そういたしますと、つまりアメリカが二十億ドル削減をしていこう、レーガンさんの時代よりも。そして新しい風と、こういって、あなたは新しい風の方がゴルバチョフの新しい思考外交よりも日本国民に親しまれているんだなんておよそ比較すべき次元のものでないおべんちゃらをやっているわけでございますけれども、その二十億ドルと一億八千万ドルを考えますと、私は、やはり今一億八千万ドルを削減をして防衛費一%枠におさめるという努力をすることが、今リクルートで世界から日本の民主主義そのものが問われておりますけれども、日本が平和国家として、しかしODAその他経済協力の問題については努力する、こういう形での日本の国家の方向、つまり「世界に貢献する日本」のあり方というものを明確にすることが今大事だ、こう思うのです。ですから、一億八千万ドルを削減すべきだということは、中国の五十七億ドル、日本の二百九十六億ドル、ASEAN五カ国の五十五億ドル、こういうことから見まして私は決してむちゃな議論ではないんじゃないか、こういうふうに思うのです。総理、いかがですか。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 ただいまこの資料をちょうだいいたしました。川崎委員御承知のように、最近の国際情勢につきましては、今お触れになりましたように米ソを中心にして軍備管理あるいは軍縮等の話し合いが進められている。そのほか、地域紛争が随時停戦の方向に向かっているという状況、これはまことに好ましい状況でございますので、私たちはそれを強く見詰めていかなければならない、こう思いますが、極東を考えますというと、ゴルバチョフ書記長が兵力削減を提言し、一方的にしかも国際連合の場において提言されておりますけれども、極東の情勢というのはそんなに変わっていないのですよ、現状は。したがいまして、やはり私たちは節度ある防衛力あるいは必要最小限度の自衛力は整備していかなければならないということで中期防衛力整備計画を進めているわけでございまして、それもやはり節度ある防衛力整備計画という、いわゆる歯どめの精神を尊重しながら進めているわけでございます。  この前の山口書記長の御質問にもございましたが、各国のいわゆる戦力の比較というのは非常に難しい。というのは資料がなかなか入らないということでございまして、それは第一は、防衛費の定義あるいは範囲あるいはその内訳あるいは――ちょっと時間をかしてください。それからデータのとり方だとか、あるいは為替レート等からいいまして、なかなか比較がしにくいのでございます。しかも、仮に今御指摘のような状況で防衛費を比較してみましても、その内容が一体どうなのか、軍事力が一体どうなのかということになりますというと、日本というのは非常に自衛力は低いんです、他に比較して。それは核をもちろん持っていませんし、さらに軍隊じゃございませんので、自衛隊であるということですね、あくまでも専守防衛で進めようとしているのでございますから。それから、やはり円高ということと人件費が非常に高いということですよ。それから国土に合う、いわゆる国情等に合わしていきますというと、装備の単価が非常に高い。それから基地問題があるというような点を配慮していただかなければなりませんものですから、ここで日本と中国との比較で、日本が二百九十六億、中国が五十七億でございますが、現有の装備は一体どうなっているかといいますというと(川崎(寛)委員「これは別のところでやるから」と呼ぶ)ああ、そうですが。  以上のような状況でございますから、なかなか比較しがたいということだけ御理解いただきたい。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 総理、いろんな議論の仕方がありますよ。しかし「ミリタリー・バランス」が、つまり最も権威があると、こう中曽根さんも言っておる「ミリタリー・バランス」、イギリスの国際戦略研究所がそういうものを積み上げて軍事費の比較をしているわけです。私は、だから自分で計算をしたと言っておらぬわけですよ。「ミリタリー・バランス」から持ってきた。ですから、この二百九十六億ドルと五十七億ドルということを考えますと大変大きな開きがあるわけだし、アジアが日本をどう見るかということはそこにかかわってくるんですよ。  ですから、アメリカ自身が二十億ドル、レーガン時代よりも削減できる、したい、だから日本が応援しましょう、バードンシェアリングで分担しましょう、だからどうぞアメリカさん、減らしてくださいと、それじゃいかぬのですよ。その議論は、バードンシェアリングのことを今ここで議論しようとしているんではないのです。しかし、こうした東南アジアの国々が五カ国合わせて日本の五分の一、こういう状況にあるときだし、ソビエトがどうだというんじゃなくて、今はお互いが、自分自身がどうするということがなきゃならぬわけです。そのことが、軍縮に向かう今日の情勢の中で日本自身が、平和憲法を持っておる、そういうものの中でその軍事費を減らしていこう。あなたは、だから政権につきます前には軍備縮小を積極的に言っているんですよ。しかし、総理になられてからは全部おろしちゃった。私は、だから一億八千万ドルもう一遍削減をして一%に戻す。三木さんは、国連の軍縮総会でもはっきり軍備縮小ということをあの人は決意を述べているのです。  ところが、中曽根さんも竹下さんも、国連軍縮総会でもサミットでもそういう米ソをどうしなさいということしか言っていない。だから、日本をどうするということを、私はこの際やはり世界の大きな変化の中でそういう姿勢を持つべきだ。だから総理、一億八千万ドルを削減することについて、あなたの決断というものを伺いたいと思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 田澤防衛庁長官。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 待ちなさい。あなたはだめだよ。総理に聞いているのだから、今大きな、全体の基本方針を聞いているのですからね。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 世界の安全だとか平和を確保するには、米ソ両国のいわゆる勢力が低レベルでも削減されていく方向にあることによって、日本もそれを見詰めながらしていくものでして、日本が先にそれをやるということは現状ではできないということを申し上げておきます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私が軍縮特別総会におきまして申しましたのは、やはり軍備のレベルの均衡のとれた形において下げていくことである、こういうことをこの演説で申し上げたわけでございます。  そこで、我が国の防衛費の問題でございます。  私は、一%というものがいわば日本の財政的な立場から一つの抑止の効果を上げてきたということは、決して否定するものではございません。したがって、五十一年の決定というものはあくまでも念頭に置くべきである、このように思っております。  しかし、私自身かねて思っておりましたのは、本当は第一次防から第四次防まであって、その後が単年度になり、しかも防衛庁でつくりましたところの業務見積もりというものは、これは国会で答弁しておるものを見ますと、予算編成に際し参考にする一資料にすぎませんと、これが中業であった。本当にこの防衛費というものがまさにシビリアンコントロールの前に明らかにされるならば、少なくとも四次防で決めましたところの中期計画というものが存在すべきであるということを、財政当局にありながらこれを主張し続けてまいりました。  したがって、その中期防をつくるに当たりましては、国際情勢を分析し、確かに、今おっしゃったゴルバチョフさんの新しい思考、そうしてまた国際的な環境がいい方向へ来ておることは事実でありますが、日米安保条約というものを基本として我が国の平和と安全が今日あったということになれば、それがいかに有効に機能していくかという前提の上に立って、私は、当然のこととして中期防衛計画があるべきものである。だから、まず一%ありきではなく、まず計画ありきというのが、本来はシビリアンコントロールに対する考え方としてもむしろ正しいんじゃないか、このことを私は主張して、それで中曽根内閣からこの中期防というものができてきた、こういう経過でございますので、今ぎりぎりの調和を図ったこの予算であります。したがって、一億数千万ドルを今削除するという考えにくみするわけにはまいりません。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 この問題は、野党はそれぞれ話し合える問題だろうと思います。しかし私は、議会が、今日本の国会が世界に向かってリクルートでいろいろと非難を受けておる、民主国家としてのあり方自体も問われておる、そういう中で国際国家としての日本が行くべき方向、そういう基本にかかわる問題だと思います。でありますから、これはひとつ理事さんの間でも、この問題についてはぜひ議会の権威というものをこの際私は、行政府はいろいろ言っておりますね。しかし、議会の権威として詰められるというものであれば詰めてほしい。そしてそのことが、国際国家の中で行く日本の姿勢というもの、しかも大きな世界の動き、それはまさに米ソも中ソもあるいは東西のヨーロッパも大きく動いているわけです。EC連合の問題も、あるいはNATOとワルシャワの問題も、コメコンとECの問題も外交関係に入っておりますし、東西の合弁企業も三百と、あの東西ヨーロッパで進んでいるわけです。  そういう中で、国際経済の進展という中で経済が国際化をすればするほど、東西の対立、それが今崩れつつある。それを崩さなければいかぬ。そういう中で日本が何をなすべきかという点に、私は、この一億八千万ドルの、この問題の扱いというのは大変大事な問題だと思う。でありますから、この点はひとつ理事さんの間でもぜひ話し合っていただいて、これは議会の権威を出すということをお願いしたいと思います。  それでは委員長、そういう状況でございますから、これは我々としてはなお一層またこれから主張していきたい、こういうふうに思います。  そこで、東西対立という問題がございましたが、ECが大連合に向かっていく中で日仏の問題というのも一つ大きい。ミッテラン大統領も参るわけでありますが、そのことについて堀委員の方から質問をしてもらいたい、こう思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 この際、堀昌雄君から関連質疑の申し出があります。川崎寛治君の持ち時間の範囲内でこれを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今、川崎さんが日仏関係についてちょっと触れられたわけでありますが、一九八九年、本年は、実はアメリカの独立戦争と同じように、この世界の長い間続いておりました封建社会から今日の近代的な社会に、民主主義の社会に転換する最も大きなモメントとなりましたフランス革命が行われてからちょうど今二百年目であります。そうしてこの二百年目に、ことしの七月十四日、これがフランス革命の記念日でありますけれども、このフランス革命の記念日の日にサミットが新しく設けられたあのエトワールで実は開かれるという、極めて本年は象徴的な年でございます。  実はミッテラン大統領は、皆さんも御承知のように一九八一年に大統領になられて、八二年に日本へ来られました。そうして、当時の鈴木善幸総理との間でいろいろと会談をされたわけであります。この中でも、後で触れますが、大変大きな関心を述べられておりますが、この間宇野外務大臣が本会議の演説の中で、当時パリで行われておりました化学兵器に関する国際会議の中で、ミッテラン大統領の提案で昭和天皇崩御についての黙祷をささげようという提案がなされた、各国、百五十カ国でありますかの代表が一斉に黙祷をして非常に感激をしたと大臣もお答えいただいておりますけれども、やはり、ミッテラン大統領みずから昭和天皇の大喪の儀に参加をされるということも、私はミッテラン大統領が日本というものに対する極めて大きな関心を持っておられるということの一つのあらわれだと思うのであります。  そこで、ちょっと資料をお配りいたしておりますので、その資料の一番目でありますけれども、これは「一九八二年ミッテラン大統領の公式訪問」で「迎賓館におけるミッテラン大統領と鈴木善幸首相との会談後にミッテラン大統領が記者団に行った言明 一九八二年四月十五日」。そこで、   本日は、まず鈴木首相と私との間で約一時間の首脳会談を行い、次いで閣僚を含めた拡大会議を同じく約一時間行った。   会談は主として日仏間の二国間交流について、その現状や内容を検討し、その発展の見通しや、発展させるべき方向を話し合い、両国の利害関係が一致しているか、一致していない場合にはいかにすれば一致させられるかなどを討議した。この次が問題なんであります。   最後に私たちは日仏文化関係の発展に関連する問題を議題とした。この発展はとくにパリの日本会館と東京のフランス会館の実現という形で具体化することになる、いくつかの基本的方向に沿って進められるべきものである。これら両会館はそれぞれの国が相手国にもつ知的、科学的中心地となる性格のもので、できる限り近い将来に建設される必要がある。すなわち来年にも着工が可能だと考えられる。その次が、記者会見のクラブでの話でありますが、同じく四月十六日であります。   パリの日本会館、東京のフランス会館、青少年交流の推進、文化交流の発展、その他とくに外国語教育の分野をはじめとする多くの組織的なキャンペーンなどを通して、フランス政府は、世界史の中で偉大な地位を占める国の一つである日本に対するフランス人の関心と知識を高め、深めるよう努める所存である。しかし、日本もフランスの不在に余りにも慣れてしまったまうに思われるので、これから私たちも努力してフランスの存在感を強めるつもりであり、そのことを日本の方々に認識していただく必要があろう。このように、一九八二年にミッテラン大統領が来られたときに実はこの問題がスタートしているわけであります。  この、私が今までに申し上げたことについての竹下総理の御感想を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今お述べになりました、確かに鈴木内閣当時ミッテラン大統領が訪日されて国会でも演説をされ、そうして首脳会談が行われたという事実は私も記憶しております。  堀委員は、ミッテランさんあるいはロカールさんともどもに、政権の座に着かれる前、ジスカールデスタン政権の前からの友人であったということも当時から私も承知しております。したがって、あのときの会館問題をも含めての問題は、その後土地の問題等についてフランスの方も若干おくれたことは事実でございますが、今在京大使館も一生懸命でこれに当たっておられ、我が方も具体的な対応を検討中であるというふうに承知しておりますが、それがベースになって話が進んできて、平岩さんが先般はフランスで、ちょうどこれはパリにおける日本会館の場合における会談にも、私も、開会式だけでございますが出席させていただいた、こういう経過でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、これから具体的な案件を御紹介するわけでありますけれども、実はお手元にちょっと資料をお渡ししてございます。今申し上げたのが資料の一でありますけれども、資料の二であります。  実は、田中龍夫先生が会長で柿澤弘治さんが事務局長をしておられます日仏議員連盟というのがございまして、この議連の総会が昨年の十二月十四日に開かれるということで私も出席をいたしました。たまたま私の隣に後藤田先生もおいでになりまして、その後御一緒にいろいろお話をしておりますが、この日仏議連で、当時帰任いたしました本野大使それから新たに赴任いたします木内大使、これがおのおのあいさつをいたしました後で、駐日フランス大使のドランさんからお話がございました。  そのドランさんからのお話というのは、実はここに二番目ということで皆さんに資料を差し上げておりますけれども、一つ、フランス人学校が非常に手狭で困っている。リセというフランス人学校が今九段の富士見町にありますが、一九六七年にこれをつくりまして、当時二百五十人しかフランス人の学童はいなかった。それが今日六百人になって、とてもこの施設では十分に教育ができないというので、現在市谷にあります日仏学院の方で二部授業のように、上級生は向こうへ行っておる。そうして運動場も十分にない。フランスは御承知のように上に行きます試験のためにバカラという資格試験がございますけれども、この中には実は体育もあるのですけれども、この手狭なところではそれも用意ができない。こういうことなので、リセという新しいフランス人学校もここの場所ではどうにもならない。しかし、あわせてこのミッテラン大統領のお話しになっております日本における新しい文化会館というものがどうしても必要だ、こういうことなので、上のフランス人学校の方が六千平米、フランスの文化会館が千七百平米、合わせて七千七百平米ぐらいの土地が欲しい、こう考えていたところが、たまたま東京の目黒の駅の近くに東京営林局の跡地があるということがわかったということで、日本の外務省と折衝してきましたけれども、今日まで成果を得ておりません。実は、私たちはこの市谷と九段の土地を売って、そうして三百億円は準備をいたしております、何とかひとつ、この三百億円でこの土地が買えるような御配慮がいただけないだろうかという話が、この議連の総会でございました。  そこで、私も実はこの前、十二月五日から十日までパリで社会主義インターナショナルがありまして、パリに行っておりまして、たまたまセーヌ川の川沿いで、エッフェル塔それからニッコー・ド・パリ、その先にセーヌに沿った大変いい場所でありますけれども、ここに今千七百五十平米フランス側が提供して、ここに日仏会館ができますということを大使館員から説明を受けて帰ったところでありましたものですから、そこで私は、フランス側は千七百五十平米という公的な土地を、向こうの言葉によりますと一フランの賃貸料で四十九年間お貸しをいたします、シンボリックな賃貸料と言っておりますけれども、これは差し上げるのではありません、賃貸料はいただきます、ただしそれは四十九年一フラン、こういう話のようでありますが、少なくともフランス側は土地を千七百五十平米無償で提供してくれるという。こちらの土地は、これは国有財産でございまして、林野庁の特会が持っております普通財産でございます。そこで、いろいろと柿澤さんや保利耕輔さんや、そうして田中会長とも御相談をしていろいろやってまいりましたけれども、なかなかちょっとこれが話がうまく進みません。しかし、実は七月十四日にサミットがパリであるわけでありますから、どうしてもそれまでにはこのような鈴木善幸元総理とミッテランさんとの話を私どもは処理をきちっとしておかなければ、国際的に我々の立場というものは正しく評価されないだろう、こう考えているわけでございます。  そこで、私はいろいろとそれなりに調べてみまして、今の持っております農林省林野庁の特会の土地を、国有財産法を私は詳しく衆議院法制局の方の御協力をいただいて調べてみましたら、所管がえができるということが大体わかりました。今ちょっとお話をそこでしたのでありますけれども、後藤田さんも、いや堀さん、それは所管がえできるよと今おっしゃっていますが、そういうことで所管がえができるというふうに私は国有財産法を解釈をしておりますし、後藤田さんは私に並んでその話を聞いていただいておりますから、非常に後藤田さんも御関心があるわけであります。  さらに、十五日の日に福田元総理からお電話がございまして、田中さんから話を聞いたけれども、詳しい話をひとつしてほしいとおっしゃって、私、福田赴夫元総理のところへ伺いまして詳しくお話をいたしましたら、福田元総理も、これは堀さん大変重要なことだ、今あなたがやろうとしておることは全面的に協力をしてあげます、こういうお話でございましたし、さらに鈴木元総理とも、これらの経緯がありますので、電話ではございますけれども、お話をいたしましたら、鈴木元総理も、これは大変私も関係をしておることなので重大な関心を持っておる、何としてもこれはやらなければならぬ、私はそれなりに具体的な問題を含めて考えておる、こういうお話なのでございます。  そこで私は、これは関係大臣として一番直接の関係は宇野外務大臣が窓口だと思います。宇野さんは、しかし既に、今度デュマ外相といろいろ会談をなさる予定だろうと思いますが、このお話は必ずそこへ出ると思うのです。  というのは、ちょっと総理、お尋ねしますが、昨年総理がフランスヘおいでになってロカール首相とお会いになったときに、ほかのものは別として、個別案件はこの日仏の文化会館の問題だけだったようにちょっと聞いておりますが、その点、総理いかがだったのでございましょうか、ロカール首相との会談の際に。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 昨年六月訪仏しました際、ロカール首相から、今おっしゃいましたとおり、東京のリセ移転問題等に言及して一般的な形で協力を期待する旨の表明がありました。私自身は当初感じておりましたのは、両者の相互主義における文化会館と文化会館というものを感じておりましたが、そのいわばリセ問題を含んで、今おっしゃいました在京フランス人学校の問題等を含んでのお話があったということは事実でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、これの所管をしておられるのは、羽田農林大臣が御承知のように国有林野特別会計の主務大臣でございますので、羽田さんとは長い間御一緒に、日本・EC議員会議というので倉成団長のもとで御一緒にやっておりまして、もうフランスに関することは十分羽田農林大臣も御存じでございますし、さらに、大蔵大臣には、鈴木元総理がそれだけ御熱心にやっていただいておりますから、ここは一番中心の役所でございますので、大蔵大臣も鈴木元総理とよく御相談をいただいて、この問題の解決をひとつ促進していただきたいと思うのであります。  ただ、今すぐどうこうということではできませんので、あと五カ月、サミットまで、七月十四日までには五カ月ありますから、その間、今ちょっと私が御提案申し上げたように、要するに林野庁としてはお金が要るのでありましょうから、その林野庁の問題も配慮し、大蔵省の普通財産と適当な所管がえを行うことによって、少なくとも日本側も、今フランスの文化会館として要望が出ておる千七百平米については、この下の方の土地、地図も入っておりますから、フランス側の資料の中にも出ておりますので、この問題は相互主義、レベル・プレーイング・フィールドの中で問題が処理されるということが今や国際問題の一番重要な部分でございますので、竹下首相のひとつ前向きの御答弁をちょうだいをいたしたい、こう思うのでありますが、いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 この日仏関係重視の観点、これにつきましてリセ移転とフランス会館問題、この円満な解決を私も希望しておるものでございます。政府としても、フランス側と協議をしなければならぬ。本当にドランさん頭いっぱいだと思うのであります。したがって、本件の協力、解決のための協力はしなければならぬ。特に、パリと東京にそれぞれ文化会館を設置するこの問題は、まさに日仏間で合意したことでございますから、これは当然その実現のために努力しなければならぬ。  堀委員、いわゆる国有財産の問題から何から全部頭の中へ消化してのお尋ねでありまして、私どももこの問題の円満な解決ということのために精いっぱいの、これは林野庁だけでやれるわけでもございませんが、総合的な立場から今までも委員の要望に基づいて内政審議室で幾ばくかお手伝いをしてまいりましたが、これからも円滑な解決のために前向きに検討させていただきます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 川崎君。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 消費税の問題についてお尋ねをしたいと思います。大変時間がなくなってまいりましたので、準備をいたしました点は大分これは省かなければいかぬということになりまして残念に思っておりますが、まず具体的なことからお尋ねしたいと思います。  つまり、消費税が導入をされる、そうしましたときに、これは建設省と労働省ですが、建設の現場、職人さんたちの問題ですね。大蔵大臣も建設業の問題については年末いろいろ予算編成のときに御相談をし、大変御理解の深い点でございますが、つまり消費税が入った場合に、従来の元請それから数次の下請、こういう今の建設業の仕組みになっておるわけですね。そして、その仕組みの中で労災保険は元請が責任を負う、こういうことになっております。ところが、今度消費税が入りますと、どうして課税を逃れるかといういろんな検討も出てくるわけでありまして、つまり、元請それから各職というか下請という形が崩れて、ユーザーが分離発注するということも理屈としては成り立つんですね。つまり、元請を通してじゃなくて、分離発注をして直接それぞれにいく、こういう形のものも出てくるという現場の今不安があるわけです。といたしますと、そのときには、従来の労災保険というものを元請が責任を持っておったのが崩れてくる、個人負担になってくる、こういう問題が出てくるわけでございますので、そうなりますと、消費税の導入が経済に中立という問題が崩れて、そういう労働安全というものの非常に大事な現場に問題が出てくる、こうなってはいけない、こう思うのです。  でありますから、労働省としてこういう問題について不安はないというふうに言えるのか、あるいは建設行政の仕組みの中でこういう問題の心配はなく、従来のそういう元請、下請という形での建設業の安定したあり方というものが保障できるというふうに見れるのか。そうした点の指導をきちっとしてもらわなければいかぬと思いますので、労働省とそれから建設省からお答えを伺いたいと思います。

丹羽兵助自由民主党労働大臣

○丹羽国務大臣 お答え申し上げますが、ただいま先生のおっしゃいましたように、消費税が導入されることにより、やはり下請業者が元請業者と分離発注を受けることによって、そういう形態が多くなって、労働安全衛生管理がおろそかになつて、そういう心配はないかというようなお尋ねでございます。  私は、これに対してお答えさしていただきたいと思いますけれども、消費税の導入に伴い受注形態の変化が起きるとは必ずしも考えてはいませんが、そうだとは考えておりませんけれども、しかし、今のお話のように起きるようなこともあろか、こう思います。いずれにしても、労働災害の防止及び労災補償については、御懸念のようなことがないようにこれは全力を挙げて防止する考えであります。そのように指導してまいりたいと思います。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 つまり、今言われるように、これはいろいろ不安が出てくるのです。そうしますと、それは消費税の導入が経済に中立てないという具体的な問題が出てくる。ですから、労災保険の従来のあり方についても、これは今大臣が言われましたけれども、労災保険の問題についてもこういう消費税の導入というものが出てくる。その点の不安をいっぱい持っているということを私は指摘をしておきたい、こういうふうに思います。大臣、いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 今の問題は、最後は、その親企業が下請企業に対してその経済的有利な地位を働かしてどういう無理なことを言うか、下請代金の税抜きは言わないけれども、いろいろな条件をつけて自分の有利な取引を消費税の導入に際してやるかやらぬか、そこにかかるわけでございます。  この問題はもう公取の方から、下請代金支払遅延防止法に関連しまして、こういうことはいけませんよ、これは違反ですよということを事ごと非常に細かく出しておりますので、だからそういう線で私は何とか防げるのじゃないか、またそれを十分に監視するということでこの問題に決着をつけていくのが本筋であろう。それで、今ほとんどその問題が浸透しつつある、こういうふうに私は思っております。

小此木彦三郎自由民主党建設大臣

○小此木国務大臣 建設省の場合は、分離発注というものは、工事を円滑にあるいは効率的に行うことを目的としてもとからあったものでございます。したがいまして、消費税が導入されたからといって、それによって殊さら増加するということはあり得ないと思います。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 今公取のお話がございました。そこで、時間ありませんから少し急ぎますけれども、カルテルをもうたくさんやらにゃいかぬ、こういう状況ですね。無理をしなければならぬ。だから、化繊協会がカルテルを申請しましたときに、私はたまたまテレビを見ておりましたら、化繊協会の会長が、これはもう押して押して押しまくらなければ価格はおりていかぬ。そうですよね、川上から川中、川下、川上が大企業、川下がデパートなどの大企業、こうなりますと、川中にあります。その中小零細企業というのは両方から押しくらまんじゅうをやられるわけでありますから、価格がずっとおりていくという前転というのはそのままいかぬわけです。  そこで、カルテルの導入というものを考えました場合に、導入の問題点という点を考えますと、これはたくさん申し上げますので少し整理をして答弁をしていただきたいのですが、転嫁を隠れみのとする価格カルテルの立証、これは大変困難だと思いますね。税額分の値上げが理由となり、同調値上げとしていって、これはとらえにくい。それから、転嫁に限定とはいえカルテルを制度的に保証してくる。このことはカルテルの、つまり従来の独禁法体制の崩壊というか、これを崩していくということになるわけです。それから、日本経済の構造から見て、例えば鉄鋼とか石油化学とかいう大企業の面ですね。ここは素材メーカー等の間の取引分野というものは転嫁をしていくということについては割に力があるのですよ。しかし、小売店、消費者が相手でございますから、アウトサイダーの存在というものが競争圧力となり転嫁の実行性というものは大変困難だという疑問がございます。そして、そこに徴税コストあるいは転嫁の煩雑さ、大企業からの買いたたかれ、こういうものが出てくる。そして、物品税を廃止したときにそれは値下げになるのかどうか。これはもう原油価格の問題でも実際には出ていないのですね。価格は下がらぬわけです。ですから、それが値下げになるのか。こういう今五つほど指摘をいたしましたが、これについてお答えいただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 もう既に川崎先生御案内のように、今度は中小企業については、転嫁の方法について共同行為がとれることになっております。しかしそれは、本体価格についてカルテルを結んではいかぬ、あくまでも税についてだけのカルテルである。しかもその方法は、公取にこれは届け出ることになっております。ですから、それを公取の方で見まして、おかしいものは是正されることは当然でございます。したがいまして、あとはそれをきっちり守ってもらって、転嫁の方法だけでございますから、ですから私は、今の状況から見て、大体法が求めているところ、その方向にどんどん進んでいると思っておりますけれども、そういうことで大体賄えるんじゃなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。  それからもう一つは何でございましたか、ちょっと教えてください。カルテルの問題と……(川崎(寛)委員「ですから物品税の廃止ですね」と呼ぶ)もちろん物品税はほとんど大部分は製造者課税でございますから、ずっとそこのところは離れているわけでございますが、流通段階でそれを無視するとかなんかいうことにつきましては、これはもう厳重に監視していくということでございまして、物価担当者会議もやりまして、そしてモニターも倍ぐらいにする、それから監視する店舗もうんとふやしまして厳重に監視しますということを申し合わせておりますし、かつ実行に移しておるところでございますので、これが恐らく理解されておる。  今大体の流れは、今我々が考えましたように、適正な転嫁、それから買いたたき、あるいは便乗値上げ、この三つを中心にしまして、転嫁の問題を推進本部を中心にして各省庁連絡をとってやっております。私のところに入っている情報では大体いい方に流れていると思いますので、四月一日には大体予定どおりいくんじゃないか、こう思っております。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 予定どおりいくだろうと言うけれども、価格の引き下げということは、これは恐らくない。ですから、一・一%のアップだ、こういうことを言っておりますね。三%の消費税に対して物品税の引き下げから来るのが一・九%だ、だから一・一%の上昇、こういうことでございますが、これは大蔵省の計算と我々の計算は違うわけですから、それは細かに議論していきますと、その物品税によって下がる物、上がる物、つまり消費税が入ることによって上がる物、そこに生活の受け方が違ってくるわけですね。  そこで、つまり消費者の立場から帳簿方式というものを考えますときに、これは売上高に税率を掛ける、仕入れ高に税率を掛ける、それで計算すればいいのですね。だから、A商品であるかB商品であるかわからぬわけです。そうしますと、消費者が負担をした分、それは具体的にどうなったかということは消費者にはわからぬわけです。  そこで、一昨日、大蔵大臣が記者懇で、消費者は納税義務がない、だから免税業者の転嫁値上げの問題等があるわけだけれども、消費者はただ払えばいいのだ、税金の最終負担者である消費者に対して要するに消費者はただ払えばいいのだ、こういうことをあなたは十六日のこの記者懇で言われた。これは私はずっと確かめてみたのです。各地の新聞に出ております。私の鹿児島の「南日本」にも出ておるわけです。そうしますと、今消費者がその自分の負担をしたもの、消費者として負担をした、その税金がどこへ行ったかわからぬ、そうしたらそのことに対してあなたは、消費者は納税義務者でないから要するに支払えばいいんだ、こういうことを、暴言を吐かれておるようでございますが、これは村山大蔵大臣にはもう似つかわしくない発言だな、こういうふうに思っておるわけです。  これは、これから各税務署でもいろいろ問題が出ると思しますよ。その場合に、中小企業者の話は聞きましょう、しかし消費者は納税者でないのだから税務署はお断りだ、これは今ずっと各地で起きておる問題でもあるわけです。私はこれではいけない、こう思いますね。いかがですか。だから、各税務署に、消費者が自分の支払った税金の問題等いろいろ疑問がある。中小企業者の間でも、カルテルやらあるいは簡易課税の問題や限界控除の問題や、そういう中から出てくるいろいろな疑問があるわけですね。それをお尋ねするということに対して税務署がシャットアウトする、そういうことはないですね。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 この前、恐らくここで我々の同僚であります綿貫委員のお話に関連しての記者懇であったと思います。  そのときに私が申し上げたので、まず事業者に対しては何を一体指導すべきか、こういうことを言ったのですが、大部分の事業者が実は免税事業者になるわけでございます。個人でいいますと大体八割三分なります。ですから、この人たちに対しては、あなた方は納税義務はないのだから、ただ仕入れにかかってくるから、四月一日までそれをどういうふうにして価格に転嫁し それからお客にどういうふうにして知らせるか、それが問題でございましょう、こう言っているのでございます。これはもう八割三分そうなんですね。  それで今度は、それでも残る人たちにつきましては、今転嫁の関係が非常にうまく進んでおりまして、ほとんど、一番大きいところは、メーカーとか卸売業者のところでは私は心配ないと思うのです。問題は末端に接しているところで、しかもスーパーとかあるいは百貨店のあたりが一番複雑なところですね。これにつきましては、ほとんどのものは税抜き価格でやりまして、まとめ計算をやるといいますから、一回で済むわけです。あとは、税込め計算にしてある再販維持契約のようなもの、千円以下の化粧品であるとか、あるいは再販価格の適用のある書籍、こういうものについては今大体話は決まりまして、その場合は、再販価格は税込めで決まっておるけれども、それは本体価格を別に書く、こういうわけでございますから、ですからこれも一緒にまとめて、そういうものについては本体価格、その他のものについてはみんな初めから税抜きを書きますから、それをまとめて書けばよろしいじゃありませんか。そういうふうにしていけば転嫁が非常にうまくいくし、そしてそれは、計算によれば最初の三年間は乗用車の関係がありますので一・二%ぐらい、それから三年たちますと一・一というのが経済企画庁の計算しているところでございます。したがいまして、消費者の問題というのは、結局ここの事業者の転嫁の関係をうまくやるかやらぬかにかかっております、そういうことを申し上げたのでございます。  もちろん、消費者の方がおいでになれば、当然のことでございますが、相談にあずかることは当然でございます。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 総理、私は投書を読んだのです。その投書にこういうのがございました。「私は定年直後ですが、まだ年金受給資格がないため、とらの子の貯金を取り崩して細々と生活しております。六十五歳になっておりませんのでマル優もききません。利子に税金をかけられております。政府は所得税を大幅に減税してくれるというのですが、私には減税対象の所得がありません。にもかかわらず消費税が実施されたら、生活にもろに課税されるので不安だ。」こう言っているのですね。  これは、年金生活者の平均世帯収入というのは大体二百五十万円ぐらいで、年金と社会保険給付の割合というのは大体五〇%ぐらいですね。だから、年金と貯金を引っ張り出して生活しているのです。  そこで、今一・一%程度というお話でございましたけれども、しかしそれは物品によって違うわけですね。消費税で下がるものは、冷蔵庫であり電子レンジでありルームクーラーであり貴金属、そしてゴルフバッグでありゴルフクラブである。あるいは自動車だ、毛皮だ。ところが消費税で上がるのは、お産、葬式、それから学費、お米、医療費、それから住宅、家賃、こういうものが上がってくるわけですから、今の平均した一・一%ではだめなんですよね。そういう意味では、今のこの投書に対して総理は、安心をしなさい、消費税でよくなります、こういうことを言えますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず消費税そのものが三%という低税率で、そうしてこれを一律にやっていくものである。したがって、高いものはその三%ですから消費税そのものは大きいわけでございますし、安いものは消費税そのものは三%でございますからこれはまた安いわけでございます。だから一律に、いわゆる複数税率等にしないで低い三%という一律税率にしたということが今次の消費税そのもののあり方でございます。  そこで、今の川崎委員の問題は、私なりに理解させていただくならば、課税最低限以下で、そうして生存権を保障する生活保護基準と、その間にある人というのが、やはり一つの問題点として我我もそれに着目した。そこで、それに対していわゆる六十三年度の補正予算も含めてもろもろの手当てをしていったということが、税法の中のみでなく歳出面においても対応していったというところが、まさに今の御指摘なさった分野に対する対応の仕方である、このように理解をいたしておるところでございます。

大野明自由民主党

○大野委員長 川崎君、持ち時間を過ぎておりますから。

川崎寛治日本社会党・護憲共同

○川崎(寛)委員 最後に、いずれにしても、不公平税制の問題その他からしましてこれは四月実施をやめるべきだということを要求して、終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて川崎君、堀君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

大野明自由民主党

○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。不破哲三矛。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国政上の一連の問題について、竹下総理初め関係諸大臣に質問いたしたいと思います。  まず最初の問題はリクルート疑惑の問題ですが、最初に率直に伺います。竹下総理は、歴史的に言ってあの江副氏とはどういう御関係でしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 少なくとも具体的な事実といたしましては、私が内閣総理大臣に指名いただきました後、勉強会ができました。それの一員であるということは事実でございます。  今、歴史的……

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 もう少し前のことはないですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 前は、何だびかお会いしたことはございますが、どういう会合でお会いしたかというようなことは定かなる記憶はございません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 総理が大蔵大臣だった当時、八五年の十月ごろに十社会という竹下総理を囲む会が生まれていますが、そのメンバーに江副氏は入っていませんでしたか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それは正確に記憶しておりません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 あなたの、毎日新聞にあります動静を見ますと、去年の二月十日、十社会の会合があって、そこへ御出席になっているようですが、記憶はありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今直ちに記憶はございません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 なかなか便利な記憶力のようでありますが、もう一つ伺いますが、あなたが八六年に幹事長になられたときに、国際産業構造研究会という会が結成されています。その会の五人の世話人が名前を並べていて、その一人が江副氏で、その案内状を見ますと、「この度、有志によりまして、政界のニューリーダーとして自民党の次期総理総裁候補の一人である竹下登先生の後援会を作り、先生の政治活動を支援しようということになりました。」という案内状が出ています。  それで、八月に第一回の会合が開かれて竹下さんが御出席になっているはずですが、御記憶ありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 その正確な名前を覚えておりませんが、確かに、何月何日であったか覚えておりませんし、出席者がだれであったかというのはよく記憶しておりませんが、その種の会合がたびたびありましたが、その後援会という話は、全く私自身が知っていない問題でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 今の国際産業構造研究会というのは、竹下登先生を囲む竹下先生の後援会をつくろう、私、呼びかけのコピーを持っておりますけれども、これがあるわけですね。それが、年も覚えていただきたいのですが、一九八六年七月二十九日付で出されています。発起人は、世話人が五人出ておりまして、江副氏の名前もちゃんと明記されている。それで集まりがあったのが八月二十一日で、それが千代田区のさる料亭ですが、そこであなたも最初の会合に参加をされて懇談されていると聞いています。  それから、なおつけ加えて言えば、ことしの一月に出た新聞で、あなたの秘書官の方が、竹下さんは二、三回この会合に出たことがあるという言明をされていることもつけ加えておきますが、これは紛れもなくあなたの後援会だと思うのですね。御記憶ありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 その種の会合に出て懇談をいたしたことはございます。大体の模様も私の手帳を見ればどういうお話をしたかというようなことはわかるかと思いますが、後援会ということであるとは思っておりません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 今概略のことを言いましたけれども、大蔵大臣の時代に十社会というあなたを囲む会が財界人でつくられて、十社の一人に江副氏が入っている。それから、幹事長になられるとすぐ、ニューリーダー、総裁候補の一人である竹下さんを応援する後援会として国際産業構造研究会がつくられて、それが江副氏が発起人の一人になっている。そして、あなたが総理・総裁になられた直後にさっき言われた木鶏会という勉強会がつくられて、それも江副氏がメンバーになっている。こういうことを私は歴史と言ったのですけれども、見る限りではかなりあなたの立場が一歩前進するごとに深まっていくような関係の脈絡が見られるということだけ、まず最初に申し上げておきたいと思うのです。  それで、今回のリクルート疑惑というのは、これは現在刑事方面、検察方面で捜査が進んでいますが、私はなかなか膨大な疑惑事件だと思うのですね。それで、ここで皆さんにおさらいをする必要はさらさらないと思うのですが、大体リクル――トという会社は、八〇年代の初めには、就職関係で多少は知られていたけれども、ほとんど企業としては余り問題にならなかった。特に情報通信では、自分でも言っているように、全くのど素人の集団だったと言っている。それが現在、NTTの回線リセールの六割以上のシェアを占める、いわば情報通信産業のトップクラスにの上がりつつあった。それからまた、不動産業界でも八〇年代の初めには問題外の企業だった。それが現在では、マンションの販売戸数で全国第二位の地位を占めるようになっている。物すごい急成長なんですね。  この急成長の、つまり情報通信産業界及び不動産業界兼ね合わしての急成長の陰に、今問題になっている株のばらまきや政治献金やさまざまの諸工作があった、こういう点では非常に奥深い疑惑が今国民の前に問われていると思うのですね。それで、江副氏自身は、かつて、やがては我が社は情報通信産業の第一企業になるんだ、ナンバーワンになる、トップ企業になるんだという展望も述べたことがあるそうですけれども、そういう道が今の贈収賄とかさまざまな疑惑として追及される問題に絡み合っているところに特徴があると私は思います。  それで、竹下さんは竹下さんなりに問題を四つの側面から分析していることはよく知っているのですが、私なりに分析してみると、この贈収賄事件というのはいろんなねらいがあって、一つは、直接贈収賄や工作によって行政を左右したり、それからまた我が社の背景にはこの官庁ありというような形で業績を伸ばすといいますか、そういう極めて直接的な贈収賄工作がある。NTTの問題とか労働省とかさまざまな形でこれが行われている。私は、最近ちょっと調べてみましたら、最近十年間だけをとっても、リクルートのシンポジウムとかセミナーとかさまざまな行事に現職大臣が参加して講演をしたり祝辞を述べたりしているだけで労働大臣四人、文部大臣四人、通産大臣一人、外務大臣一人、大蔵大臣一人、これぐらいの数の大臣が現職でリクルートの行事に参加をして、いわば後ろ盾然としてやっている、これも一つの重大な問題なんですね。  それから、もう一つの問題は、江副氏が公的な肩書をそういう工作によって手に入れる。一番最初に手に入れたのが、八四年十月の学校法人運営調査委員、私学に関係したなかなか発言権のある委員だそうですが、次が八五年九月十日の教育課程審議会委員、その次が八五年七月十四日の政府税調特別委員、八七年八月五日の新行革審の土地対策委員会の参与、それから八七年九月十八日の大学審議会委員と、政府関係の審議会だけでも五つのポストを手に入れている。これがまた、そういう仕事をやる上で、それからまたいろいろな特権を得たり情報も相当入るようですが、こういう委員になると。ある委員に聞きますと、大体一回の会合に出ると資料が二センチほど来て、その人は五種類の審議会に出ているそうですが、年間数メートルの資料がたまるという人がいますが、いながらにしてそういうトップクラスの情報が手に入る。こういう点では、そういう肩書に非常に執着をしているのが特徴ですね。  この中で、竹下さんが職務にかかわり合いのある問題として挙げるとすれば、あなたが大蔵大臣だったときに政府税調の特別委員に指名したということが問題になりますが、この点のかかわり合いはどんなものだったでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今の分析していらっしゃいます一、二の問題についての論評は、今刑事事件そのものになっておりますから、これは私がとやかく言うべき問題ではないと思います。  今の具体問題にお答えをいたしますならば、たしか本院でございますか参議院でございますか、お答えを申し上げたことがございます。私が大蔵大臣でありましたときに、官房でありましたか秘書室でありましたか、大蔵大臣官房のことでございますが、から説明がありまして、このような方が特別委員にということでございます、結構でございましょう、そういった御答弁をした記憶がございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 この点では大蔵大臣としてタッチをされたということだと伺いましたが、これだけの肩書を彼がやるというのはやっぱり何らかのねらいがあるわけですね。  それで例えば、江副氏は去年リクルート社の社長をやめて会長になって会長あいさつを社内報に書いていますけれども、自分の肩書をずっと挙げて、会長としてはこれからこの方に力が入っていくだろう。しかしこれはあくまで我が社の事業の守備範囲の中でやるのだ、つまり、いわゆる公的な利益とかという立場で仕事をやるのじゃなくて、我が社の事業のためにやるのだということを極めて明確に述べています。だから、これは私は、文部省関係とか税調関係とか土地対策、不動産関係とかいう点で、彼がそういう役職といいますか手に入れたことと、いろいろな政界工作とは無縁ではないということだけを指摘しておきたいと思います。  それから三番目に強調したいのは、政界のトップに接近するための工作に非常な努力が払われているという点です。それで、これもある業界の人物が語っていることですか、いろいろな経済的な仕事をする上で政界のトップから手に入れる情報力というのは物すごいものだ、案外政界人は気がつかないでむだにしているかもしれないけれども、政界のトップが握っている材料を手に入れることでいかに事業に有益な影響を与えるかということをとうとうと論じた経済人がいますけれども、そういう面を含めて、彼が政界のトップヘの工作というもの、あえて言えば政界のトップの側近的な存在になるための工作に力を入れている、これも明瞭だと思うのです。例えば前内閣の中曽根首相の山王経済研究会に早くから入って、そこで中心的なメンバーの一人になるとかいうことがあるわけですが、私はあなたが言われたさっきの木鶏会というのも、彼にとってはそういう役割をした場であろうということを思います。  それで、そういう中で今回の、特に疑惑の中心になっている八六年九月の株のばらまき工作が行われたという角度から、私は問題を見る必要があると思うのです。  それで、従来竹下さんは、この問題について経済行為だ、それであなたの整理される四つの整理の仕方そのものが、経済行為をいろいろな法律から整理するみたいなものなんですけれども、やはり事の流れとしては、そういう大規模な政官財界に対する買収工作がやられたということが認識されて、その中でいろいろな政治家との関係がどうかというふうに問題を見る必要があると思うのです。  それで私は、ここで竹下さんのこれまでの答弁を整理をしながら、例の株の問題、もう少し究明したいと思うのですが、その前に、法務大臣あるいは刑事局長に伺いたいのですけれども、江副氏その他を逮捕したとき、被疑事実を発表しておりますね。その被疑事実の中で、これが贈収賄だという容疑を指摘するときに、譲渡されたコスモス株の性格について認定している文章があると思うのですが、それを知らしていただけるでしょうか。こういう株だからそれを譲渡したのが収賄に当たるのだ、容疑があるのだということを認定された文章がありますね。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 たびたび御指摘がありますように、殖産住宅の最高裁の判例と軌を一にいたしまして、一般人が手に入れにくい株であり、かつ、店頭登録でございますが、登録後確実に値上がりが予測されるという株式というふうに書いてあると思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そのとおりだと思うのですが、ちょっと後のことがありますので正確に読みますと、「同六十一年十月三十日に日本証券業協会に店頭登録が予定されており、登録後確実に値上がりすることが見込まれ、被疑者らと特別の関係にある者以外の一般人が入手することが極めて困難である株式会社リクルートコスモスの株」、これを一株二千円で取得させたというのがこのわいろ供与の内容になっているわけですね。それでこの株をNTTは三人で二万五千株譲渡された、これが今刑事事件になっている。  ところが同じ株が、全くこの中身としては同じわいろ性を持った株が、当時の政府関係では中曽根首相以下四人の閣僚や官房副長官に六万一千株、それから党関係では竹下幹事長以下五人の党関係の役員に五万一千株、落ちがあるといけませんが、私の計算では合計十一万二千株が、同じ時期に同じ性格を持った株が自民党及び政府に渡されている。それでつまり、わいろ性を持った株がNTTに対する四倍以上の規模で政府・自民党の首脳部に、同じ時期に同じようなやり方で渡されているというところに私は問題があると思うのですよ。このことをまずはっきり認識していただいて、そうである以上、経済行為だからこれはプライバシーに属する問題だとかということで国会への報告を制限したり、ためらったりすることはやはり許されない問題だ。  つまり、二万五千株NTTの三人に渡したことがあれだけの大問題になって刑事問題になっているわけですから、もちろん職務権限の立証という問題がありますけれども、贈った側のわいろ性を持った株の規模からいえば四倍以上のものが当時の政府と党の首脳部に渡されているということの重大性は認識をしていただいて、それにふさわしいお答えをいただきたいと思うわけです。  ところで、竹下さんのところで、もう御承知の青木元秘書名義の二千株と福田勝之氏名義の一万株というのが問題になっておりますが、これについての竹下さんのこれまでの御説明というのは非常にわかりにくいのですね。例えば、例えを言うのは悪いのですけれども、宮澤さんのときに第三者の経済人が出てきて、あれが非常にわかりにくかったのと同じわかりにくさがあるのです。例えば青木さんのところへリクルート関係者から話を持ってこられて、だれかあっせんしてくれと言われた。あっせんしたのが福田正氏だった。その福田正氏が新潟にいるのだが、東京にいる息子さんの福田勝之氏の名前を拝借して、それでその息子さんの名前で株を分けてもらって、それで息子さんの名義の貯金通帳に入れた、その貯金通帳は福田正さんが自分で持っていて新潟でちびちび使っているということを福田正さんが言われている。それで、名前を使われた福田勝之さんの方は事件が明るみに出るまで何も知らなかったということが概略であって、今言った話の、新潟で福田正さんが発表したこと以外は、竹下さんがここで大体お答えになっていることだと思うのですけれども、非常にこれはわかりにくい話なんですね。  それで、この問題ではっきり伺いますが、本当にこの件で起こったのは、リクルートの関係者が青木元秘書のところへ来て、それで人を紹介してくれと言って、それで青木秘書が福田さんを紹介して、後は福田正さんとリクルート社の間ですべてのことが行われて、もう竹下さんの周りではノータッチだったということが本当なんですか。そのことを伺いたいと思います、あっせん以外やっていないのか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 少なくとも、青木元秘書の判断で、幹事長に取り次ぐべき問題ではないといって自分で判断して行ったという報告を受けておるところでございます。福田さんに電話で話したのか、どうして話したのか、そこの辺はつまびらかにいたしておりません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 竹下さんは、前回の国会では、あっせんをしただけだ、青木秘書は、と言いましたけれども、あっせん以外のことはしていませんか。実際の取引実務にタッチはしていませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 ちょっと、あっせん以外に何があるかということになると、私も今、こういうことがあったであろうとかああいうことがあるであろうとかということを思いつきません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それから、竹下答弁には五千二百万円入金の福田さんの貯金通帳を見たという答弁がありますが、あなたと福田さんの間は貯金通帳を見せ合うような間柄なんですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 たしか見たような気がすると言ったような感じがございますが、出と入りの問題について随分国会でいろいろございましたので、何かそういうものの写しでございましょうか、まさか貯金通帳を見してくださいとはなかなか言えるものではございませんので、写し等のようなものを自分なりに整理しておこうと思って見たような気がする、こう申し上げたわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 福田氏の預金通帳だとすると、それは福田さんと会って話しているわけですから、幾ら竹下さん、幾らというのは失礼、訂正です。竹下さんほどの記憶力の持ち主が、だれとの話の中でその貯金通帳をだれから見せてもらったかということを忘れるということは、私は本当に不可解なんですが、福田さんから見せられたのですか、福田さん以外の第三者から見せられたのですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 福田さんに実は、福田さんの立場とかお考えもございましょう、お会いしたことございません。したがって第三者であったというふうに思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それからもう一つ、福田勝之名義のこの株式の売買約定書も見たような気がするという答弁がありましたね。それは間違いありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 売買約定書は、確実に見たのは青木元秘書の分は見まして、ここで坂上さんがこういう書式であったかと言われて、大体同じようなものであったということを答えました。だから、若干混同しておるかもしれませんが、そうしたもの、すなわち出と入りと、それから売買約定書等についていろいろ言われておりましたので、手元へ整理しておく必要があると思って、大筋整理がついたなと自分で思っておりましたから見たような気がすると言いましたが、それは確かに見たような気がすると申し上げまして、見ましたとは言えなかったのは、どちらか恐らく若干混同しておったかもしれません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうすると、青木氏の名義の約定書は確実に見た、福田氏の名義の約定書は不確実に見た程度ということですね。  それから伺いますが、青木氏のところへ話を持ってきたリクルート関係者、これについても何遍もここで聞かれまして、去年のたしか国会答弁ではもう少し記憶を整理させてほしいということだったのですが、きのうも永末さんの質問に対してまだ記憶の整理が足りないというような答弁でしたが、今の時点でどうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今の時点でもその点は、青木元秘書が私に対して、複数の人が念頭に浮かびますと、しかしもしその人でなかったとしたら、複数でありますから、これは大変な迷惑をかけることになるのでと言っておりまして、今日もどの人であったかということについて明言するだけ正確な記憶を呼び戻すという状態にないということでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 このことになると、ほかのことでは記憶の非常に定かな竹下さんが、このことになると極めて不確実になってくるというのは、私は非常に病理的な現象だと思うのですけれども、不可解な話なんですね。  ですから、私は、竹下さんの記憶を呼び戻すのを援助するといいますか、その意味で多少具体的に質問しますが、江副氏が国会に喚問されたときに、参議院で我が党の内藤議員の質問に答えて、宮澤大蔵大臣、当時の大蔵大臣の秘書官の服部さんのところを訪ねたのはだれかと聞かれて、間宮常務か小野秘書室長ではなかったかと思いますというふうに答弁していますが、あなたの青木秘書のところを訪ねたのも、この間宮常務か、当時は社長室長ですが、小野秘書室長、当時は秘書課長だったと思いますが、このどちらかか、あるいはお二人そろってではなかったですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 そのことが正確に人定できない、それでもし間違っておったらこれは大変御迷惑をかけることでございますから、どうしてもはっきりしません、こういうことです。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 少なくとも今私が挙げた二人は、そのあなたが複数挙がって認定に悩んでおられる候補には入っているわけですね。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それも候補者のうちにありますと言うことも、第三者に対して迷惑をかけることでございますから、そこで悩んで申し上げたわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これだけ記憶の整理を援助しようとしても整理をしようとされないのですから、私は、私が調査した結論を申し上げます。  私の調査によると、青木伊平氏を訪ねたのは、少なくともその一人は先日逮捕された間宮常務、そして当時は社長室長でした。場所はTBRビルの四階の竹下事務所です。それで、ドゥ・ベストの二千株の話もそれからビッグウエイの一万株の話も、両方ともそのときに青木氏のところへ持っていった。それで、もうそのときにはリクルート側の書類はすっかり用意ができていて、ドゥ・ベストについてもビッグウエイのものについても、株式売買約定書にはそれぞれの会社の社名と判こその他は全部用意してあって、あとは竹下さん側の名前と判こさえ書いておけばいいものが青木氏に手渡されている、こういう話を青木氏から報告されたことはありませんか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 そういう具体的な報告は受けたことございません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それはおかしいと思うのですね。あなたはたしか去年の参議院でしたか、国会でいろいろ追及されたときに、参議院の特別委員会ですね。十二月十九日です。青木秘書を通じて大筋をつかんだ私が納得しているんだから、その納得したものについて何を言うかというのが私の整理なんだということを答弁したことがありますね。大筋をつかんでいるとあなたはここで明言されているんですよ。だから、だれがどんな話をしに来たかということをつかまないで大筋じゃないわけですね。そのあなたがつかんでいるという大筋は、だれもない、どんな話もない、そのときにどういうやりとりがあって、どれだけの段取りがこの取引に関して行われたかもない、そういう大筋だったんですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 大事なことは、譲渡者のお考え、それから譲り受けた方のそのときの印象、そういうものを大筋私なりに大体考えてみました。それは自分が報告を聞きながら自分なりに整理した考え方でございますから、大筋自分なりに整理しております、こういうことを申し上げたわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それもおかしいんですね。あなたはこの問題が出ると、相手側がどういう意図で何をやろうとしているかということはそんたくの限りではないということを随分言っています。ところが今聞くと、大筋というのは、相手側がどんな意図を持っていたか、それからまたどんな印象を受けたか、そういうことが大筋だと。問題は事実なんですよ。事実一体だれが、いつ、だれのところへ来て、どういうことをやったのかというのは、これはその当事者の意図いかんにかかわらず、これはここでも議論できる事実なんですね。そのときにどういう考えで持ってきたかどうかということは、それこそ水かけ論になるでしょう。だから、あなたが大筋と言う以上、青木氏とビッグウェイの関係者との間に、だれとの間に何についてのどういうやりとりがあったかという客観的な事実をつかんでいなかったらおかしいじゃありませんか。私が言ったことに間違いがあると言えますか。さっき述べたことですよ。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私が譲渡者とか譲り受け人の意図を察知してそれを申し上げることは差し控えるべきだというのは、これは最近申しておることでございます。やはりこれだけ国会でも御議論をいただいておったわけでございますから、私なりにいろいろな、若干は推測もございましょうが、整理をしておったことは事実でございますが、今おっしゃった一つ一つの具体性について述べろ、こういうことでございますが、知ったことは言えますし、どうしても記憶を呼び戻すことのできないものは言えない、こういうことでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 いや、私が言ったのは、私が先ほど説明した、九月に竹下事務所で行われたことについて私が調査した結論を説明しました。それについてどこが違うということをあなたは言えますかということを言ったのです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それは、不破委員が調査されたことに対して、どこが合ってどこが違っているかということにそう大きな関心を持たないで私は今実は聞いておりました。なるほどどういう筋からか御調査なすったんだろうなと思って承りましたわけでございますので、今不破さんがおっしゃった事実が、何月何日にこういう形であったということを裏打ちするだけの整理は今私はしておりません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 つまり、少なくとも今の時点では、竹下さんの頭の中に入っている八六年九月の出来事と私が説明したこととの間に明確に指摘できる矛盾はないというように聞いたのですけれども、じゃ続けます。  それで、リクルートのいつものやり方というのは、政治家に持っていくときにそうやって約定書を用意して自分の側の分は全部サインをして、それでどういう名義にするかということはもう相手の意思にお任せするということなんですね。だから、青木さんとリクルートの関係者、私は少なくとも一人が先日逮捕された間宮常務だとこれは言いますけれども、の間には、だれの名義かということの話は一切一任されているんではないわけですね。だから、そうしますと、福田さんという名前が出てくるのはその後のいわば青木さんの側で出てきたことで、リクルートの関係者にあっせんしたという事実はない。つまり、リクルートの会社が持ってきた約定書に適宜、ある場合には人の名前で書くこともあるだろうが、別の名を書くこともある。それで、それがそのまま青木さんの手元で処理されているとすれば、あなたはこの利益が政治資金になったことはないと言われますけれども、もう竹下さんかあるいは竹下派か、そういう政治資金に、青木さん金庫番ですから、入れられた疑いが十分あるというふうに思うのです。  それでまた、私の調査した限りでは、福田正さんなり勝之さんとリクルートの関係者が接触した形跡というのはこれは全くないわけですね、あっせんされた相手が。だから、すべては竹下事務所で全部行われた。それで、書類がつくられた上でリクルート本社に郵送でかだれかを通じてか送り返されているというのが事実だというのが私の調査した結論ですが、これがもし正しいとすれば、あなたが去年から繰り返していた、あの一万株はあっせんしただけだ、これは竹下にも竹下事務所にも竹下秘書にも関係がないと言っていたことは全部覆ることになるわけで、私はそういうことを提起しているのに、あなたが全く無関心で聞いていた、ちょっと信じられない答弁でしたね。それでも無関心ですか、今でも。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 ちゃんと不破委員は不破委員で調査した、体系的にお尋ねになっておるなというふうに聞いております。無関心で聞いておるわけじゃございません。ただ、政治資金の疑いとおっしゃいましたから、それは委員が疑いをお持ちになるということは、それを私はけしからぬとも何とも申すつもりはございませんが、政治資金に入れなきゃいかぬという環境には当時も今日もないと思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 あなたが、青木氏が福田さんにあっせんしたんだ、通帳も福田さんのところで見たんだ、あるいは福田さんのものを――福田さんのところじゃないですね、とにかく通帳も見たんだ、売買約定書も見たんだという感じが本当だとすれば、それは全部青木氏が保管していて、あなたがそれを相談を受けて見たというのが一番自然なんですよ。だから、つまり去年からの青木伊平名義の二千株もそれから福田勝之名義の一万株も全部竹下事務所の中で青木秘書官の手で処理されているということになったら、これはあなたの去年からの答弁は全部覆るわけですよ。それからまた、それが政治資金に入っていなかったとすれば、入っていないことを証明する立証責任があなたにあるわけですよ。そういうことについても責任のあり方がわからないで、政治改革とか政治倫理とか言えるのは私は非常に不思議だと思うのですが、いかがでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 これは、私の報告を受けた限りにおいては、それぞれの経済行為の中にいわば利益は入っておる、すなわち政治資金の私の会計の中に入っていないということは明瞭であると思っております。ただ、よく御調査いただいておりますので、それに対して私なりにも今おっしゃったことを参考にして整理してみる必要はあるという感じを持ったわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 私は、私の調査した結論に基づいて、竹下さんをめぐる株の譲渡とその流れについて、だれがどこへ持っていったかということについて言いました。  それで先ほどニュースを聞きましたら、私が挙げたもう一人の人物、つまり江副氏が国会で言った宮澤さんのところへ行ったんじゃないかという人物の小野氏も逮捕されたそうですけれども、そういう容疑の人物が、あなたの秘書のところへ行って、そして今NTTで問題になっているわいろ性を持った同じ性質の株を譲渡している。それで、名義は福田さんかもしれないけれども、すべては竹下事務所の中で行われている。あなたが見た売買約定書も貯金通帳なるものも、すべて竹下事務所の範囲内のことだ。これが一番自然なことなのですね。これは私はそう思っています。  あなたは総理大臣として、それからまた口に政治改革を盛んに唱える、日本の政治に対して責任を負う政治家として、やはり自分の周りのこの問題の真相を国会に明らかにする責任と義務があると思うのですよ。いつまでも、記憶定かでありません、ただ政治資金に入っていなかったことだけは明確な記憶を持っておりますということでは絶対通用しないわけですから、私はあなたに、この点に関して、そういつまでも国民は忍耐強く我慢してこらえてはいませんから、明確な事実を自分で調べて国会に報告することを求めるとともに、委員長に申し上げますが、我が党は中曽根前総理以下一連の証人の喚問を理事会に提案しておりますけれども、特にきょう私が挙げた問題については、竹下登総理の元秘書の青木伊平氏と、それからいわば一万株を持たされたことになっている福田組社長の福田正氏ですね、これは真実の解明のためにも、この二人を含む共産党が提案している証人の喚問を求めたいということを委員長に申し上げておきたいと思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 理事会において協議いたします。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 では、次の問題に移ります。  次は税制改革の問題ですが、初歩的な質問ですけれども、消費税を含む今度の税制改革で、一体政府にとってどれだけの増収になるのですか、財源的には。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 昨年の抜本改革の全部の増減収のネットを申し上げますと、平年度で二兆六千億の減収になります。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これは、今度の税制改革はそれぞれみんな恒久的なものですから、税制改革の財源の影響という点では多少、財政規模や国民総生産規模の変動ではありましょうが、平年度二兆六千億の減収というのがベースだと考えていいですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 そのとおりでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうすると、ちょっと不可解なんですが、今まで政府や自民党は、消費税は高齢化社会対策のためだということを盛んに言われておりましたね。この間の福岡の補欠選挙でも、私が現地へ行って法定ビラを見ましたら、「消費税は皆さんの老後の生活を保障する」税金だということがビラに書かれていました。国家財政にとって減収になるのに、何をもって新たな高齢化社会対策がこの税制改革でできるのですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今ポスターの話が出ましたので私から――法定ビラでございますか、私からお答えするのが適切であろうかと思います。  これは歴史的に見ますと、確かに五十四年の決議、御案内のとおり、国民福祉充実のためには安定した財源が必要である、こういう書き出しになっております。したがって、やはり税制全体を通ずる税負担の公平を図るということがもとより一つにはございますが、やはり必要な歳入構造の安定化、これが私は一番、財政的な消費税の持つ位置づけというふうに、歳入構造の安定化、こういうことであろうというふうに認識をいたしております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 安定化ということは、要するに、新しい高齢化社会対策をやる新たな財源ができるわけじゃなくて、せいぜい現状を減らさないようにできるだけだということですね。だから、随分今までの宣伝とは話が違って、消費税をやれば高齢化社会に向かって立派なことができるんだという宣伝がやられていましたけれども、看板と中身が随分違うものだなということを改めて痛感しました。  実際から言いますと、私は売上税が問題になり出した中曽根内閣以来、それからもっと言えば行政改革が問題になり出した八〇年代の初めから、高齢化社会といいますか高齢化社会の接近に備えて老人対策、高齢者福祉対策が、七〇年代にようやく積み上げてきて、八〇年代初めに日本の国民が持っていた諸制度がむしろ逆にどんどん切り詰められる、いわば高齢化社会対策が崩壊してきたのがこの中曽根、竹下二代内閣じゃなかったかという実感を持っているのです。  それで、その点で伺いたいのですが、まず、例えば高齢化社会対策の第一の年金ですね。厚生大臣に伺いますが、たしか先日、年金支給年限を六十五歳まで延ばすということを発表したときに、制度成熟時、制度が成熟したときに、きっちりずっと払っていたモデルの方が十九万七千四百円の年金をもらえるようになるという発表をしたことがありました。これはそのとおり確認していいでしょうか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 改正された時点において十九万七千四百円、そのとおりであります。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうしたら、同じモデルの人が、今回の改正ではなくて八五年の年金改定の前、つまりこの前、年金の給付を大幅に下げましたが、八五年の年金改定の前だったら幾らもらえるはずだったかということを計算できるでしょうか。

水田努厚生省年金局長

○水田政府委員 年金制度、御案内のとおり五年ごとに再計算をいたしておりまして、その時点で年金の水準を設定するようにいたしております。すなわち、昭和五十九年に設定いたしました制度成熟時の厚生年金の年金額は十七万六千二百円でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それは前回の改定後ですよ。それ以前です。前回の改定をやる前の、つまり改革する前の方式だったら幾らになるかということを質問しているのです。

水田努厚生省年金局長

○水田政府委員 御案内のとおり、六十一年に年金改革をいたしまして、それは五十九年の財政再計算のときの水準に基づいて制度改正を組みかえておりますので、今申し上げた数字しかございません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 じゃ、もう今から計算してもらうのは大変ですから、御注文はしてあったのですが、どうも行き違ったようで、八五年の改定前の、あのときの年金給付の切り下げはかなり大幅でしたから、あの改定前の制度で計算すると、同じモデルで二十二万二千三百五円の年金になっていたわけですね。それが二度の改革で、多少でこぼこありますが十九万七千四百円になった。ところが、この八〇年代の初頭にま今のような六十五歳でありませんから、平均余命で計算しますと六十歳から二十年、二百四十カ月分もらえるはずだ、平均して。ところが、今回はそれを六十五歳からの計算になりますから、十五年、百八十カ月分しかもらえないことになるわけですね。そうしますと、同じモデルで計算して、八〇年代の初めだったら平均して五千三百三十五万円もらえた年金が、二度の改革で三千五百五十三万円、約三分の二に切り下げられる、これが中曽根、竹下二代内閣がやった年金の決算だと思うのですよ。  それから次に伺いますが、老人医療についても手が加えられました。八〇年代の初めまでは、御承知のように老人医療は無料化で、お年寄りになっても負担なしに病院にかかれるというので、世界でも自慢できる医療保障がありました。それが八二年に老人保健法ができて、八三年から実施されて有料になって、有料の値段もだんだん引き上げられてきました。  私は、それに加えて今非常に全国で多くのお年寄りの病人を抱えた御家庭を悩ましているのはなかなか病院に入れなくなったということですね。この老人病院という制度ができてお年寄りを扱う病院は医者や看護婦の定数が減らされるとか、それから老人の診療報酬も特別に切り下げられて、たくさんお年寄りを病院に抱えていると、いわばその病院が経済的な圧力に苦しまなきゃいけなくなるとか、だから、実際には長い病気をされているお年寄りというのは本当に病院を転々としたり、それも見つけたりするのに苦労をしているわけです。こういう実態にあることを厚生大臣は御承知ですか。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 老人医療費の有料化導入に対して、その当時の状況を簡単に申し上げますが、無料化に対して批判が一部から強く起こってきたのを反省して有料化を導入したと思うのであります。  確かに、財政が豊かであればただにこしたことはありません。しかし、そういう無料化の中において、むしろ本当に病気になって困っている人本なかなか病院に行けないじゃないか、あるいは受診が過剰に行き過ぎているんじゃないか、医療費のことも考えなければいかぬということで、当時有料化になって、入院の場合には老人の場合は一日三百円だ、前回の改正で一日四百円、外来は八百円になりました。そういう中におきましても我々は、お年寄りに対して本当に病気で困っている必要な方には適切な医療が供給されなければならないということで現在もやっておりますし、しかも老人医療費は年々伸びておりまして、六十二年度の実績見込みでいきますと、四兆八千億円のうちお年寄りに負担していただいているいわゆる自己負担はわずか二千億であります。  そういう中にあって、これからもお年寄りというのはお一人でいろいろな病気を若い人に比べて抱えている方が多いわけであります。そして、病気自体も慢性的なものでありますから、早く健康になって、できたら自宅に帰って介護を受けたいという方に対してはもっと在宅サービスというものを充実させていかなければならぬ、あるいは中間的な病院と、そして自宅へ帰る中間施設としての老人保健施設とかいうものに対して充実策を講じていかなければならないということでやっているわけでありまして、何も、お年寄りに対して厳しくやっているどころじゃなくて、むしろいろいろな世代間のバランス、お年寄りと若い方のバランスを考えてやろうと言って懸命にやっているわけであります。  先ほどの年金問題も現在が、改正された時点を考えますと、むしろあの改正がなされなかったならばもっと若い方の負担がふえてしまう、この負担には耐え切れないということで、給付と負担のバランスを考えてあの大改正をやったわけでありまして、その辺は、我々これから福祉政策を考える上において、常にもらう人と払う方の両方の立場というものを冷静に客観的に見て、本当にみんなが、お年寄りも若い人も支え合っていくような、そういう福祉社会を築いていくべきだと思うのであります。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 厚生大臣がそういう建前では、今実際に入院しなければいけない長期の病人のお年寄りを抱えた家庭の悩みというものは、全然行政に通じないなということを思いますね。  実際に政府がつくった制度自体で、老人の場合には、これだけの病人がいれば病院で何人の医者と何人の看護婦がいなければいけないというのを改定して減らしたわけですし、それからこれだけの入院患者でこういう治療をすればこういう補助があるというのを点数まで下げたわけですからね。  私、この間厚生省に問い合わせてもらったのですけれども、公的な医療保険の制度があるところで、お年寄りだからということで差別扱いしている国が医療保険の制度を持っているところではどこも見つからない、つまり、日本だけそういうひどいことをやっているということが答えからもはしなくも出たのですけれども、そこら辺も大きな問題だということを指摘をしておきたいと思うのです。  それでもう一つ、お年寄りの問題で非常に重大な問題は、何回かこの席でも問題になっております生活保護の問題ですね。これも八〇年代の初めから厚生省から通達が出て、保護の適正化、保護の適正実施ということで、かなり厳しい条件がつけられるようになった。その結果、かなり全国の生活保護世帯が減っていると思うのですけれども、その最近の状況を関係方面からお聞きしたいのですが、八四年度を起点にして一番新しい数字でどれくらいの減少状況でしょうか。

小林功典厚生省社会局長

○小林(功)政府委員 昭和五十九年度から六十二年度まで申しますと、被保護世帯で申しますと、五十九年度が七十八万九千六百二世帯、人員が百四十六万九千四百五十七人、保護率が一二・二でございます。それから、昭和六十年度が世帯数が七十八万五百七世帯、被保護人員が百四十三万千百十七人、保護率一一・八%。それから、昭和六十一年度、世帯数七十四万六千三百五十五世帯、人員が百三十四万八千百六十三人、保護率一一・一%。昭和六十二年度、七十一万三千八百二十五世帯、人員が百二十六万六千百二十六人、保護率一〇・四%――失礼しました、保護率はみんなパー・ミルでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうすると、大体保護世帯で三年間に九〇%に、それから保護人員で八六%に、それぐらいの減り方なんですね。私は、これが生活改善の結果、みんな自立して生活保護を受ける必要なしということになったのなら、これは結構な数字なんだが、実際には要保護者なのに、条件が厳しくなってはじき出されたという切り捨て世帯がその中に少なからず含まれているということに行政が目を向けることが必要だと思うのですね。  それで、特に最近、非常に心を痛めますのは、生活保護が絡んだと言われる自殺者が、かなりそういう報道を何遍も耳にするわけで、生活保護というのは、竹下さん、たしか国会で、憲法上国民生活を支える最後のよりどころなんだ、心して扱うべきだということを何遍も言われていることも読んでおりますけれども、それだけにこの問題はとりわけ重視する必要がある。その点で、しかし実際には、全国で政府の切り詰め政策によって引き起こされたきしみといいますか、そういう非人間的な事態がかなり続出している、そのことを私は問題にする必要があると思うのです。  典型として東京の一つの自治体、荒川区ですが、これはかなり全国紙で問題になっておりまして、そのことをちょっと取り上げたいのですが、これは今あなたが挙げた数字以上に非常に急速な保護率の低下があるのです。例えば同じ年度をとりますと、八四年度二千五百三十一世帯だったものが、三年後の八七年度には千八百四十四世帯に七三%に減っています。それから、三千二百二人だった保護者が二千百九十八人に六九%に減っています。それがことしの一月にはさらに千四百七十五世帯、千六百五十二人ですから、保護者の人数で言うと約半減しているのですね。三年半余りの間に、四年ほどの間に生活保護者が半減している。これはこの地域の生活水準が大いに向上したことなら結構なんだが、実際にはそうでない事態が放置されているというところに非常に大きな問題があると思うのです。  実は、この点では一昨年十月に、生活保護者の一人が遺書を残して死んで、その中で生活保護行政の冷たさについての恨みといいますか、を書き残していたということが本会議でも我が党の議員が取り上げたことがありましたが、最近またもう一人、今度ははっきりした自殺者が出ているんです。それで、政府も御案内でないといけませんからちょっと言いますと、実はこの荒川区には東京都の福祉担当者から去年の十月とおととしの十月、二度にわたって、非常に詳しい、現状では困るという指導監査があって、私はその指導監査を拝見する機会があったのですが、例えば、本来なら保護を受けられるような人についても申請が受理されなかったり、それから保護が打ち切られたり、そういう例が非常に多い。東京都がやる区の監査というのは書類監査ですよ。書類だけ見てもそういうことが非常に多いということが二年にわたって指摘されておるわけですね。  それで、個々に相当な例があるわけですが、例えば年金で生活している右手の不自由な老人が、年金だけでは暮らせないからといって保護を申請すると、保護を受けると肩身が狭くなるじゃないかといって受け付けないで、職員がかわりに辞退届を書いてやるとか、これは明らかに法に違反するやり方だと思うのですが。それから、扶養者を探すというので、嫁に行っている娘に、あなたが働けば親の扶養ができるじゃないかと言って、就労指導を嫁に行っている娘にするといって受け付けないとか、そんなことが上級である東京都の監査の中でも無数にあらわれているわけですね。それで、実際に一年間の監査などを見てみると、書類審査だけでそういう例が数十項目もある。私は本当にこの東京の、しかも政府のおひざ元でそういうことが起きているのについて驚いたのですけれども、しかもやはりそれにはそれなりの背景があるわけですね。  厚生大臣に伺いたいのですが、福祉事務所で生活保護の指導監督や現業を行う職員というのは社会福祉主事の資格を持つ者がやらなければいかぬと法律で決まっておると思いますが、その点はどういう指導をされておるでしょうか。

小林功典厚生省社会局長

○小林(功)政府委員 なるべく社会福祉主事が行うということが好ましいわけでありまして、そういう指導をしておりますけれども、実際に職員配置その他がございますので、社会福祉主事の指導のもとにきちっと事務をやるという体制もあり得ると思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 指導はするが実態は伴わぬ、そういうことを高齢者社会対策でやっていたのでは、これは本当に口先だけのことになるのですよ。  これは政府が調べればすぐわかることですが、例えばこの荒川で、政府が切り詰め政策をやる前には、例えば六法担当現業員という生活保護の担当者は四十八人いました。有資格者が三十六人で無資格者が十二人でした。それが現在では三十一人に減らされて、有資格者が十三人で無資格者が十八人。無資格者が大多数というのは全国でも余り例がないと思うのです。それから、直接面接に当たる指導員は、七人のうち有資格者はたった一人です。そういう状態がある。これは明らかに、政府のおひざ元で、しかも政府の生活保護切り捨て政策のいわば風潮の結果だと私は率直に言って思うのですけれども、そういう事態が生まれているわけですね。  それで、特に重大な事例があるのですが、これは七十二歳の御老人です。おととしの十一月に保護を開始して、すぐ入院をしたわけですね。そうしたら区の方から、四十年間音信不通だった妹さんを二人探し出してきた。一人は茨城、一人は千葉なんですけれども、お二人とも年金生活者で、息子夫婦のところで同居生活している。それで、その二人の妹に電話をかけて呼び出したりして、一人には、六十八歳のお年寄りですが、二万七千円余りの年金の中から一万三千円の扶養料を出しなさい、一人は二万二千円の年金から一万円の扶養料を出しなさいということを、事実上強要ですね、強要して、それで扶養届をとって生活保護を打ち切っちゃったわけですね。しかし、そんなことをやったら無理ですから、数カ月で破綻して、直ちに生活保護が再開になる。そのことが書類に出ているものですから、東京都の監査のときに、これはおかしいじゃないかということを指摘しているわけですね。この指摘をされた老人が、東京都の監査が終わったのが十月の二十日ですが、その一カ月後に自殺をしているわけですよ。  関係者に聞きますが、そういう年金生活者て四十年間も音信不通だったお年寄りに年金の中から年金の半額以上の額を拠出させて、それで扶養させて生活保護を打ち切るなんというととが今の政府の方針のもとで妥当なことかどうか、これを伺いたいのです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 事務当局が説明する前に一言お話ししたいのですが、政府が生活保護を打ち切るなんということは断じてありません。我々は真に困窮する方に対して必要な保護を行う、生活保護というのは国民生活の最後のよりどころであるということで、これは大変重要なものであるということは認識しております。同時に、本当に困っている方には十分な対処をしなきゃいかぬ。ただし、一部からは、生活保護を必要としないのに受けているのはおかしいじゃないかという一方の批判があるわけであります。国民の税金をむだ遣いしちゃいかぬ。本当に困っている方には最大限の配慮をする、しかし困ってもないのに一部で不正受給がある、こういうことに対しても適切な指導をしなきゃいかぬということでやっているわけでありまして、生活保護を切り捨てるなんということは断じてありません。そして、いろいろな困った方が福祉事務所を訪ねる、そういう場合には、福祉事務所における対応等については懇切丁寧にやりなさいということを厳しく指導するように私からも申しつけております。  具体的な事例については事務当局から説明させます。

小林功典厚生省社会局長

○小林(功)政府委員 先ほど先生から御指摘のありました事例でございますが、私の持っておりますのと同様かどうかちょっと不明確でございますが、荒川区のケースで七十二歳の男性ということで自殺ということを考えますと、恐らく私が調べたこのケースだと思いますので、これを御説明してよろしゅうございますか。――  このケースは、六十三年の十一月二十日に荒川区の老人、七十二歳、この方が自殺したという報告が東京都からございました。この方は、脳動脈硬化症によりまして入院中でございましたが、医療費の支払いが非常に難しいということで、六十三年五月の十八日に保護を開始しております。その後、引き続き入院加療中であったのですが、なかなか難しい患者さんのようでございまして、結局、いろいろトラブルがあった結果、病院の規則がうるさいという理由で、御本人が自主的に退院をしてしまった、それが後から事後報告があったわけであります。同日付で保護辞退届が提出されましたので、福祉事務所といたしましてはこれを受けたわけでございます。  ただ、その場合に、単に本人が辞退するということだけでこれを受けたわけではございませんで、いろいろ確認をしております。  一つは、本人が自発的に自立を希望したということはもちろんでございますが、そのほかに、退院後にどうやって生活を立てていくかという点は大変心配でありますが、実はこれにつきましては、この方の前の雇用主の方から世話をしたいという申し出がございまして、これについて福祉事務所が直接その前の雇用主に確認をいたしましたのですが、その方は、この保護を辞退された方に対して住まいを提供する、それから前と同じように雇いますということを申し入れられまして、これを直接確認しましたものですから、それではまあ住居もあるしそれから生活の糧もあるということで保護の辞退届を受理した、こういうことでございます。  なお、その際に、退院時に若干の現金も持っておられたということで、当面の生活の維持も可能であろうという点も加味をいたしまして、受理をしたわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これが荒川区から聞かれた内容だとすると、随分ひどい報告を聞いたものだと思います。  まず二つ事件がありまして、一つは、さっき言った病院に入院している生活保護の患者さんから、妹が扶養するというので保護を打ち切った。そのときの妹さんと患者のやりとりをした手紙を持っておりますけれども、妹さんの方からは、何しろ四十年音信不通だった兄の扶養をしろということを荒川区からいきなり言ってきて、それでさんざんの電話でとうとう柏駅に呼び出されたと、こう書いてあります。「月に一万三千円ずつ送ってくれというような話ですが、まるで私たちをおどかしたみたいな口ぶりでした。」という手紙ですね。それに対して御当人の方は、そういうことをやられるわけですから、二人の兄弟に、本当に申しわけなくて、もう比様に迷惑かけて申しわけない、退院したら早く返すからということを言いながら、こういう目に遭ったのでは死んでも死に切れないということを何遍も何遍も手紙に書いているわけですね。しかし、それでもどうしても成り立たないということで保護を再開された。  ところが、もう一つ事件があったのですよ。この今の保護の打ち切りがまずいといって東京都から指摘されたのですが、もう一つ事件があったのは、病院で十八万円の現金を持っていることがわかった。そこへ荒川区が取りに行ったわけですね。この現金はもう御当人が死んでるから郵便貯金の満期だったのか保険の何かだったかわからないけれども、見つかった。それで、これは私も全部調べましたが、十月十一日といいますからちょうど東京都がこういうやり方はまずいじゃないかといって監査している最中のことです。荒川区が取りに行って、いや応なしに十八万円取り上げてきちゃうわけですね。  これはもう御承知でしょうが、そういう生活保護の対象者があるいは仮に保護受給の資格にかかわるお金を持っているとしても、これは返還命令がなければ、手続なしにはやれないはずなんです。ところが、東京都へ行って聞きますと、荒川区からは、十一月上旬になって返還命令が出たという、十一月上旬に返還命令を出したという報告が後刻来ている。つまり、一切手続抜きでそういう取り上げをやっちゃう。で、自殺したときに、これは遺書は警察が持っていったのですけれども、警察から荒川区に照会があって、十八万円取られたということの趣旨のことが、恨み言が書いてあった、遺書、書き置きに、こういう事実があるかと。あったそうですけれども。一体、返還命令なしに生活保護の対象者からお金を取り上げるようなことができるのかどうか、それを伺いたいと思うのです。

小林功典厚生省社会局長

○小林(功)政府委員 生活保護は、先生御案内のように、とにかく全部財源が税金でございますから、それなりの適正な実施が必要でございます。で、それだけに、例えば収入とか資産とかいうものは全部活用してもらう、それから扶養義務者がいる場合にはその扶養義務も履行していただく、それから他に年金とか手当とか各種のほかの制度がございますからそういう制度も活用してもらう、それでもなおかつ最低生活の維持ができないという場合に初めて生活保護が適用される、そういう仕組みでございます。  そこで、本件でございますが、十八万円の返還につきまして、実はこれは保護の開始の時点で十八万円持っておられたようであります。それを申告しないで保護の適用を申請した。福祉事務所はそれをわかりませんでしたから保護を適用したのですが、その後に入院先の病院から現金を持っておられるということが確認されましたので、これは返還してもらわなければならない。つまり生活保護制度の趣旨にもとることでございますから、それは返還していただかなければならない。我々東京都から報告を受けておりますのは、生活保護法の第七十八条の規定に基づいて返還をしてもらったというふうに報告を受けております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 返還命令なしにやれるかということを聞いているのですが。

小林功典厚生省社会局長

○小林(功)政府委員 手続はもちろん必要でございますし、先ほど申しましたように、東京都からは返還の手続を経て返還をしてもらったというふうに報告を受けております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 私がここで言っているのは、あなた方は憲法に保障された一番大事な問題だと言い、しかも行き過ぎがないように十分指導していると言うけれども、現場ではいかに乱暴なことが行われているかという例として言っているわけですよ。金を取り上げたのは十月十一日なんです。いつ返還命令を出したか、東京都に行っている報告では、十一月初旬に返還命令を出したと報告が行っているのです。これは確かめたから間違いないのです。つまり、さっき言いましたように、無資格者が勝手にやっているわけですから、もう一切の今までのルールも無視して、極めて乱暴なことを現場ではやってしる。幾ら小泉さんが懇切丁寧に相手の身になってと言っても、現場では非常に冷酷無残なことがやられている典型だということを私は言いたいわけですね。  現に、二月三日にあなた方は全国民生主管部局長会議を開いて、今非常に、かなり深刻な問題が全国に起きているということを厚生省自身が認めておるじゃありませんか。熱資格者が当たっていて、窓口で乱暴なことがやられておる、それに対して自治体当局はしっかりしろ。いわば手直しじみたことをあなた方は実際にやっているけれども、東京のおひざ元でも、そういう乱暴な、極めて冷酷な政治が高齢者の弱者に対してやられている。それについてあなた方が本気でこの是正をやらないで、高齢者対策だとかいい、そのための消費税だとかいっていろいろな改悪をやる。私は、そのことがいかに実体と看板が違うかということをここで強調すると同時に、ともかく東京都でさえ指摘するような不当不法なことが現に首都の中で起こってしるわけですから、そういう点についてきちんとした、生活保護の精神に照らした対処をしてもらいたいということを強く求めたいと思うのです。

小泉純一郎自由民主党厚生大臣

○小泉国務大臣 これからも生活保護の精神に照らして適切な処置をしていきたいと思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 次に、軍事費の問題に移りますが、日本の軍事費の突出増大はちょっと世界でも異例なもので、先日アメリカの報告で、日本は軍事費では米ソに次ぐ第三の軍事費大国になったということを指摘をされました。それで、憲法で戦力を持たないことになっているという日本の憲法上の状態に照らしても、世界世論の中で軍縮が大問題になっている現状に照らしても、日本がこのように軍拡を続けているというのは極めて異常だと思うのですね。  それで、実際に行革が問題になり出してから、先ほど言いました福祉とかいう面では非常に切り捨てが横行しましたが、軍事費だけは突出をして、例えば中曽根さんの前内閣の鈴木内閣のときには、最後に組んだ八二年度予算が、軍事費が二兆五千八百六十一億円でしたが、竹下さんがことし組んだ予算は三兆九千百九十四億円、約一・五倍の増加ですね、日本円で。一体あなた方はいつまでこの軍事突出増強を続けるつもりなのか。これをまず総理に伺いたいと思うのです。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 国際情勢については、ただいま不破委員の御指摘のように、米ソ間の軍備管理あるいは軍縮等の話し合いが進められている、あるいはまた地域紛争も解決の方向に動いている、非常にいい傾向にあるわけでございまして、したがいまして、私たちは、この世界の情勢というものをよく見きわめながら、我が国の安全保障、自衛力の整備というものをしていかなければならない、こう思うのでございます。  そこで、私たちは、これまで憲法の精神を尊重して専守防衛に徹する、それで他国に脅威を与えるような軍事大国にならないということを基本にしながら、いわゆる我が国の安全保障を確保するための平時に必要な保有する防衛力の整備というものを定めております防衛大綱というのがあるわけでございますが、これにのっとって、この防衛水準を達成する目標としている中期防衛力整備計画というのを今進めているわけでございまして、その精神とするところは、昭和六十二年一月の閣議決定されております節度ある防衛力整備を進めなさいという、この精神を尊重して進めているわけでございまして、平成元年の予算というのは今中期防衛力整備計画の四年度目に当たるのでございまして、総額明示方式で、十八兆四千億の総額明示方式で五カ年で計画している中の四年度目とて今進めているわけでございます。したがいまして、総額明示方式の中での年度年度を着実に積み上げていって、継続的に計画的に積み上げていって防衛力の整備を図りたい、そして日本の安全を確保したい、こういうことでございますので、その点御理解いただきたい、こう思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それで、この軍事費だけを特別にふやすというやり方をいつまで続けるつもりですか。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 この点については、国際情勢をよく見きわめながらそれに対応していかなければならない、かように考えていますので、次期防、いわゆる平成三年度以後の防衛力整備計画につきましては次期防としてこれから計画されるわけでございますが、この点については、昨年の十二月二十二日に安全保障会議を開きまして今後のいわゆる防衛力整備についてどうしたらよいかということを審議いたしましたところ、中期防衛力整備計画のような中期的な規模の整備計画をすべきであるという了解をいただいておりますので、したがいまして、先ほど申し上げました憲法だとかあるいは専守防衛の防衛の基本的な精神を生かしながら、今申し上げました国際情勢だとかあるいは装備の開発の状況等を眺めながら今後進めてまいりたい、かように考えますので、ただいまの時点ではそういう方向で進めよう、こういうことでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 結局、長いお話だったけれども、どこまでもやっていきそうな気配で、私はこれは本当に、憲法で戦力不保持を決めながら世界第三の軍事大国になり、さらに軍事力強化をまっしぐらに進む、異常であるばかりか、国民の立場からいって許されない事態が進んでいるということを強調したいし、我が党は軍事費の大幅削減を要求しているのですが、中でも米軍基地に対する思いやり予算、これのふえ方もまた極めて極端なものなんですね。さっきの年度でいいますと鈴木内閣最後の年が五百十六億円でしたが、ことしの予算が千四百二十三億円とこれは三倍近い増になっている。それで一体、世界のアメリカの同盟国多いけれども、アメリカの基地に対してこれだけ優遇している国というのはありますか、ほかに。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 我が国の安全を確保するためには、もちろん私たちの自主的ないわゆる自衛力を整備すると同時に、日米安保体制の信頼性を確保することによって初めて我が国の信頼性が確保されるわけでございますから、したがいまして、在日米軍の駐留費については、やはり日米安保体制の信頼性の意味からいって十分配慮していかなければならない、こう考えておるのでございまして、特に駐留費につきましては地位協定に従いまして進めているわけでございまして、さらに財政の問題だとかあるいは社会経済的な影響だとかあるいは在日米軍の従業員の職の安定というような点をも配慮しながら進めているわけでございますので、そういう点を御理解いただきたい、こう思います。(不破委員「世界にありますかと聞いているんです。ほかに例がありますかと聞いているんです」と呼ぶ)日米安保体制というのは、これは他にないと思いますので、私は日本の安全を確保するための本当に重要ないわゆる安全保障体制だと思いますから、その点は理解していただかなければいけない、こう思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 まさに名答弁でして、これだけ優遇している軍事同盟というのは世界にないのですよ、ただ一つですよ、あなたが言われるように。当のアメリカがかなり驚いているのですね。  これはことしの一月に発表された国防報告ですが、日本では、無償の基地貸与に加え、基地を借りているのに金を取り立てられないというのがまず第一の優遇なんですね。無償の基地貸与に加え、基地労務費負担は九〇年には五〇%になる。施設費負担も合わせ、八九年には日本は十億ドルを出費し、直接間接の基地受け入れ国としての支援は二十五億ドルになる。これは、米国にとって世界で最もおおような基地受け入れの取り決めである。国防報告ですよ、アメリカの。アメリカの国防報告が、世界で最もおおようなサービスをしてもらっている国だと。確かに世界に冠たるものですよ、これは。しかし、日本の国民にとっては非常に残念な、思いやりをすべきところにしないでそして思いやりをすべからざるところにしている、極めて残念な問題なのですが、そこで具体問題にいきたいのですが、その思いやり予算の中に、ことしもまた三宅島関係の予算が計上されていますね。政府は三宅島に空軍のためのNLP基地、夜間の離発着訓練基地、あくまでつくる計画ですか。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 NLPの演習地の問題でございますが、これはまあ厚木、不破委員御承知のように……(不破委員「計画かと聞いているのですよ」と呼ぶ)計画は進めていこうと思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それで竹下さん、ふるさと計画ですが、竹下さんのお生まれの掛合町、たしか人口四千五百ぐらいの町だと思いますが、三宅島という村は、大体人口からいえば島根県の掛合町と同じぐらいのところですよ。面積からいえばちょうど丸半分ですが、あの島が火山島だということは御承知だと思うのですけれども、日本政府が航空基地をつくろう、米軍の基地をつくろうとしている三宅島がどんな性質の火山島だということを、この計画を進めている内閣の総理として御存じでしょうか。――総理に聞いているの、あなたは掛合町関係ないですから。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 厚木から百八十キロでございますので、一番NLPに適した島でございますので、したがいまして、その基地をつくるための調査を今進めているわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 ちょっと皆さんに認識していただきたいと思って……(パネルを示す)いいですか。事前に許可を得てありますが、これが三宅島なんですよ。三宅島という火山は日本でも珍しい火山でして、大抵の火山は山の上から噴火するでしょう。ところが、三宅島は割れ目噴火といって、噴火する場所が全島にあるのです。全島にある。調べてみると、大体噴火口の跡が百あるのですね。それで私はこれにちょっとかいてきだのですが、この赤くなっているのが最近三回起きた、一九四〇年、一九六二年、一九八三年に起きた噴火の火口とそれから溶岩の流れですよ。それからその前の黄色いのは明治あるいは江戸時代に起きた噴火と主な溶岩の今確定できる流れですね。それで、火山の性質がややこしいのですけれども、ともかくこうやって山腹の途中から、海岸であろうが村のあるところであろうが、どこからでも噴火の危険があるという火山は日本でも数少ないはずです。  気象庁長官に伺いたいのですが、こういう火山は日本でほかにありますか、特に常時観測の火山の中で。

菊池幸雄気象庁長官

○菊池政府委員 先生御指摘のような火山はここだけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それで、この火山島に今基地をつくろうとしているわけですね。それで、この三宅島では、ともかく今気象庁長官が言ったように、こういうタイプの火山というのはここにしかないのです。しかも集落がこういうように島の各地にある。だから、ほとんどどこの集落も、例えば自分の集落から一キロあるいは時には真下から噴いたこともありますから、噴火の危険にさらされている。しかし、規模が余り大きくありませんから、噴火したときに予知ができれば逃げる暇はあるわけですね。前回はここが噴火して流れたのですけれども、四百戸全部焼けて溶岩に埋没しましたが、住民だけは逃げることができたということで、こういう三宅島のようなところで住民の安全、ちょうど竹下さんの掛合町と同じくらいの人が住んでいるわけですけれども、その住民の安全を守るためには、一体いつ、どこで噴火するかということをいかに早く地震観測で測定するかということが村の現在と将来にとって致命的なんです。  気象庁長官に伺いますが、こういう現在の気象庁がやっている地震の観測体制では、火山性の地震が起こったときに、それはどこから起きたということを測定することができますか。

菊池幸雄気象庁長官

○菊池政府委員 現在気象庁では、昔は一点に地震計を置いて観測しておりまして、五十八年の噴火以後さらに一点増設をいたしまして観測をしております。したがいまして、正確な位置はわかりませんけれども、大体どの辺が震源であるということは解析できる状況でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それはうそなんですよ。地震の観測で位置を測定するには、少なくとも数学の上からいったら三点の観測が必要なんです、これは。それで、気象庁関係の専門家を含めて私はいろいろな人に聞きましたが、どこで地震が起こったかということを測定するためには少なくとも四カ所の観測が必要だ。  ところが三宅島は、六二年の噴火の前には一カ所も観測所がなかった。六〇年で初めて観測所を一つ置いて、ここにあるのですが、それで今二点目があると言いましたが、これはこの間見てきましたけれども、牛小屋の中に置いてあって、あれはだめですね。牛が歩く音が全部地震になって入る観測所ですから、これは余り意味がありません。  それで一点観測。一点観測では、どの方角から地震のあれが来たかも確定することは、わかることはできないのです。ただ、どこかで起きているということがわかるだけです。だから、恐らく火山学会からも測地学審議会からも、関係者からは、三宅島について早く大島や浅間山などでやっているような多点観測の体制を整えてもらいたいという要望が出ていると思いますが、長官、いかがでしょうか。

菊池幸雄気象庁長官

○菊池政府委員 御案内のように、この火山は約二十年に一回ずつ噴火を起こしている火山でございまして、五十八年に噴火をして以来、今鎮静化をしているところでございます。そういうわけで、現在は二点観測でございますけれども、異常が生じました場合には、これはまた火山機動観測班というのがございまして、これを派遣いたしまして、緊急に観測点をたくさんふやしまして観測をする、そして対応する、そういう状況でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 起きてから飛んでいっても間に合わないんで、これはどうしても多点観測が必要なんですよ。  これからが防衛施設庁とかかわりがあるところですが、この地図で見てもおわかりのように、これがこの間の噴火の溶岩です。これは歴史的に見ると、一六四三年、一七六三年、一七一二年と、この地域というのは今まで三宅島で歴史時代に入ってから一番噴火の多かった地域なんです。しかも、ここには阿古といって三宅島最大の集落があるのですね。それで今、私も三宅島測候所へ行って聞きましたが、多点観測をやる場合に、三宅島の将来を考えて一番欲しい観測所はどこかと言うと、今までに一番噴火が起きて、一番被害があって、これからも起きる可能性が一番強い阿古地域に観測点が欲しいというのが、これは専門家の一致した見解だし、現に三宅島で観測をやっている測候所の人たちの共同の意見です。  ところが、今度は防衛庁ですよ、あなた方がつくろうとしている飛行場はここにつくろうとしているわけですね、まさにこのところに。ここに飛行場をつくって、ここで厚木の轟音で悩まされているような轟音施設が動き出すことになると、ともかく訓練をやっているときに火山が爆発したら、将来にわたってここでは観測は一切不可能になる。今は予算がないから一点プラスアルファで済ましている。将来予算もふえるようになったら三宅島のような火山島については何かをしようと思っても、ここにそういう基地をつくってしまったら、一番危なくて一番観測が必要なところが将来にわたる観測が空白になる。一つの村を将来の安全まで壊してしまうようなことを幾ら安保だからといって強行する権利が私は日本の政府にあるのか、そのことをまず強調したいわけです。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 今不破委員の、いろいろな面での調査が必要だということをお話しになりましたが、その調査のために私たちはこの調査をしよう、例えば適地はどこか、気象状況、今の御指摘の場所は気象条件からいって非常に適しているのですよ、航空面の。ですから、そういう面をも配慮して、いや適地か、気象条件がどうかという調査をまずして、その上で結論を出すべきだと思うので協力していただきたい、こう思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 あなたは、火山の調査じゃないですよ、飛行場の適地の調査をやっているからそういう話になるのだけれども、気象庁長官、ここに飛行場がつくられて、ああいうような厚木の轟音のようなことが繰り返されるようになったら、一体この地域の観測が保障されるかどうか伺いたいと思います。

菊池幸雄気象庁長官

○菊池政府委員 先ほどお話し申し上げましたように、異常が認められました場合には観測点をふやして観測をいたします。その場合には、もちろん三点以上、四点ということもございましょうし、たくさん観測点を置きますとどこに震源があるかというのは決まるわけでございまして、場所がどこでなければならないということはないわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そこに飛行場ができてもこの地域の観測はできるかと聞いているのです。

菊池幸雄気象庁長官

○菊池政府委員 地震観測はやはり震源を決めて、それから火山活動の活動状況がどうであるかということを調べるためのものでございますので、特にその点に置かなくても、適地に置きましてノイズ対策などを適当に施せばこれは十分観測ができますし、監視体制に万全を期することができると考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これはまことに無責任な話なんですよね。  私はここに持ってきていますけれども、例えば八三年噴火のときに一番最初に観測された地震の微震というのは、ここの目に見えて短い、これは大分拡大していますけれども、この本当にぽつんとした、これが最初の地震ですよ。ところが、同じところでこれは雷が鳴りますね。雷の音が地面を揺らしたのがこれぐらいになるのです。空中の雷で、音波で地面が揺れるのですよ。これぐらいになるのです。だから、これはもうNLPのタッチ・アンド・ゴーのグワーなどという音どころじゃないですよ、雷が一発鳴っただけで。ですから、こういう観測がNLPのような装置をつくられて始まったら、もうその地震の一番危険な地域にできなくなるということは、これは火山学者や実際の観測の技術者やもう自明のことなのです。それを政治的に、これは飛行場に一番、百八十キロで近いから、火山があって住民は迷惑しても、使わしてくれというのはそれは無理難題というものだということを私はまず言いたいのです。  それから、時間もなんですからもう一つ聞きたいのですが、一体政府はあの三宅島の大体どれくらいの土地が欲しいのですか。もし飛行場をつくるとしたら大体どれくらいの面積を政府が使うことになるのですか。

池田久克防衛施設庁長官

○池田政府委員 三宅島に建設を考慮しております施設でございますけれども、これは二千メートルの長さの滑走路とそれに付随する施設等でございます。しかし、その細部につきましては、今後詰めていくことでございまして……(不破委員「面積は」と呼ぶ)面積について、現在定かには決まっておりません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それで、そのつくろうとしている予定地に政府はどれくらい土地を持っているのですか。国はどれぐらい持っているのですか。

池田久克防衛施設庁長官

○池田政府委員 現在、三宅島のどこにつくるかということについて決まっているわけではございません。我々はそのためにどこが適当であるかについては、地質の問題だとか気象の問題だとか、そういうことを現在これから調査しよう、そして場所が確定するわけでございますけれども、大体予想できる場所について申し上げますと、民有地が主体である、国は持っていないと私理解しております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これが大体、私も予想以上かけませんが、これが政府がつくろうとしている三宅島の予定地、ここが阿古ですよね。これが海岸線で、ここら辺にずっと溶岩が流れてきたところですよ。それで、国は確かに多少は持っているのです。しかし、全部海岸の、まあ飛行場の役には立たない、いそ辺を持っている。このオレンジ色のところが国有地ですよね。それからグリーンが、これは神社で、なかなか古いものです。今度飛行場をつくるとなると削っちゃうそうですけれども、どういう考えでしょうかね。それから、この赤いところが村有地で、これは昔の爆発の跡で、あとが全部民有地です。  それで、私聞きたいのですが、その民有地を持っている住民は、数にすれば、戸数にして三百数十戸です。その三分の二は基地反対だと言っている。設置反対だと言っている。そういうところを、私は寡聞にして、今まで戦後基地の設置が問題になったところ、大体国有地の中で国がつくる、それに対して周りが反対する、そういうことが問題になっているのだが、三宅島の場合には、この地図でも明瞭なように、あなた方は土地を一つも持っていない。全部、そこの三宅島村民が持っている土地です。その村民は三百数十戸にも及んでいる。それで、その大部分が反対だと言っているところ、そういうところで米軍のための軍事施設をつくったという例を私は聞いたことがないのです、実際に。  それで、一体どんな見通しであなた方は三宅島にあくまで固執しているのか、村民が理解しないと言ったらどうするつもりなのか、どういうことでしょう。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 これは適地でございますので、そういう面から言うと、できるだけ島民の皆さんの協力を得て、できるだけ早い機会にやりたい。したがいまして、調査のためのこれを、いわゆる気象だとか、適地を選定するための調査でございますから、これにまず協力していただく、で、島民の皆さんと話し合って、竹下総理が常に主張しておりますふるさと創生というものがございます、こういうものを基盤にしながら、あの島の活性化計画をも含めてこれは検討されることが必要ではないか、かように考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 大体、全く自分が持っていない土地に、適地だ適地だと勝手に決めて、いやだと言うものを無理やり調べさせろ、調べた上はもう調べが済んだのだから取り上げる、こんなむちゃな話が通るわけないのです。  しかも、私は現地に何遍も行ってよく調べてきましたが、例えばここには、三宅島には二つ農業振興地域があって、農業用水完備という地域は二つしかないのですが、その一つがここにあるわけですよ。これを完全につぶすことになる。ここは漁業から言えば黒潮がここにぶつかって二つに分かれますから漁業では一番いいところで、近県からも魚をとりに来るところですね。そこの漁業も危険になる。あなた方、何回か東京都政がマイタウン計画でここに海中公園をつくることを計画した。これもだめになる。そしてしかも、三宅島で住民が一番多い阿古という集落がここですから、ここが轟音にさらされる一番の被害地になる。どこをとっても、国民の立場に立てば適地でないですね。あなたの立場に立てば、百八十キロだから適地だということになるかもしれませんが、それはあくまで米軍の立場であって、ここの三宅島の住民の立場でもなければ国民の立場でもない。私は、こういう計画はあっさり撤回すべきだと思うのですよ。  それで今、じゃどこかということをすぐ防衛庁言われるでしょうが、伺いたいのですが、そもそも、一体アメリカの航空母艦にこういう住民にとって迷惑至極なNLPの訓練基地を提供している国がアメリカ本国以外にどこかありますか。

池田久克防衛施設庁長官

○池田政府委員 私の方からお答えするのが適切かどうかちょっとわかりませんけれども、アメリカの航空母艦のうち、海外に母港を持っておるのはこのミッドウェーだけだと思いますので、こういう格好のNLPの施設として提供しているのは、それは日本だけになるのかもしれません。  しかし、航空母艦が外国の港に行きましたときに、滞在期間によりますけれども、滞在期間がありますと、どうしてもパイロットの着艦の練度が低下いたしますから、それぞれのところでNLPをお願いしている、お願いせざるを得ない、それが海軍の規則であると理解しております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 今説明があったように、アメリカの航空母艦は太平洋にも大西洋にもいますが、母港を提供している国は日本だけなのですよ。幾つかヨーロッパでも話があり、全部壊れました。だから、NLPの基地なんというものを提供しているのは、これはやはり日本だけなのですね。確かにあなたが言うように、世界で日本しかないような軍事同盟だ、そういう異常なことをあなた方やっているわけです。  しかも、私は特に言いたいのですが、今から十六年前に、ミッドウェーの母港になる問題が最初に決められたときに私はこの予算委員会で政府に聞いたのです、母港にするときに一体何か特別なことがあるのかと。当時外務大臣は大平さんでしたが、大平さんは家族対策だけで別に他意はないと言いました。それから増原防衛庁長官は「検討の上これは特別に、施設を提供するというふうなことも不要であるということのようでございまして、そういう意味の母港化に同意をした」のだと説明しました。つまり、ミッドウェーの母港を受け入れるに当たって新しい施設を特別に提供することは不要なんだ、検討の結果それがわかったから母港化に同意したんだというのが、当時、十六年前の国会に対する防衛庁長官と政府の答弁だったわけですね。  その答弁が正確であるなら、そういう新しい施設を提供しないからといって何が信頼性にかかわるのか。私たちは安保そのものに賛成しませんけれども、しかし安保のもとで、何にも、家族対策以外何の施設も要らないからといって母港化を認め、国民にも住民にもそう説明し、国会にもそう言っておいて、十年たったら、母港化には不可避なんだから、NLPを認めなかったら信頼性に欠けるから、これは三宅島の村民は我慢せよ、これはまさに私は国会と国民に対する政府の責任ある答弁を踏みにじるものだ。私は質問した当人だけに、こういうことを、勝手なことをやるのはもう問題外だと思いますが、いかがでしょうか。

田澤吉郎自由民主党防衛庁長官

○田澤国務大臣 確かに、その当時のいろいろな状況もありましたでしょうけれども、現在厚木における騒音というものは、この地域住民から大変な大きい声として出てきているわけでございますから、それにやはり対応しなければならないと私は思いますので、このNLPの演習地は三宅島にした方がよろしいという選定をいたしたわけでございますので、その点は御理解いただきたい、こう思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 その七三年の約束のときには、厚木の訓練もなかったんですよ。厚木で訓練を始めたということ自体がこれの約束違反なんですよ。そのときに自治体との間でもそういう訓練をやらないという約束まであるのですから。だから話は簡単なんで、母港化をやめるか、母港化のときに新しい施設は必要ない、そういう訓練はやらないということになっていたのだから、そこへ戻すか。それですべてが万全に解決がつくのであって、私は、日本が民主主義の国であり、そしてまた主権者の意思を尊重する国であるならば、三宅島の村民があれだけ反対だということを繰り返し繰り返し意思表示していることを無視してあそこに勝手な基地建設を絶対強行すべきじゃない。もう先が見えているのだから早くあきらめて、むしろNLPの訓練は大西洋艦隊と同じように本国でやりなさい、もとへ戻しなさいという交渉を政府は堂々とアメリカにやるべきだということを提言したいのです。

宇野宗佑自由民主党外務大臣

○宇野国務大臣 確かに、ミッドウェー、母港とは申しておりませんが、いわゆる乗組員の海外居住計画、それを受け入れたときには新しい施設あるいはまた区域は必要としないというお話がございましたことは私も承知いたしておりますが、それは将来にわたってそうであるかということになりますと、そういう問題ではない、こういうふうに私たちは考えております。  いずれにいたしましても、安保体制の効率的運用というものはいかに我が国の安全並びに安定また極東の安全、安定に寄与しておるか、これを考えておかなくちゃなりません。先ほどから不破委員いろいろと仰せられておりますが、たとえ米ソがINFで合意に達したと申しましても、まだまだ太平洋におきましてはやはり私たちはバランス、抑止というものを常に考えておかなければならないのが今日ただいまであると思います。その意味で、ミッドウェーの存在は我が国並びにその周辺、極東の安全、安定に大切な存在だ、かように思っております。  特にそうした家族の居住計画を認めたというのは、遠いアメリカまでミッドウェーが往復して、金もかかる、時間もかかる、さようなことではなくして、やはり乗組員が常に家族がそこにいるという安心感のもとに大いに意気軒高たるそうした使命を果たしていただきたい。そのためには常にその練度も向上してもらわなくてはならない。こういうことで施設庁といたされましても三宅島が夜間飛行の練度向上のために最も必要なそうした訓練場である、こういう認定でございますから、先ほど来田澤防衛庁長官が申しておられまするとおり、私たちは日本の安全のために、とにかく政治の要請は国民の生命財産を守ることにあります。そこから出発することにあります。したがいまして、安保体制がいかにその役目を果たしてくれたかということを粘り強く関係地域の方々にも申し上げていきたいというのが政府の考え方でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 幾らそういう陳弁されても、国会で新しい施設は必要ないから認めたのだということを政府は公言したのですから、その事態と反することを勝手にやっているのですから、そのことはちゃんと銘記をしなければいけませんよ。だから、あなた方はそれを強行する権利はないのです。しかも、自分が全く持っていない土地を、さっき気象庁長官が言われたように二十年に一回の噴火が今まである、最近続いている、そういう最も危険な地域で、そこに住んでいる四千人を超える村民の安全を犠牲にして、安全保障の名を冠した条約による軍事的な措置を強行する権利も資格もあなた方にない、そのことを明確に私は強調して、次に進みたいと思います。  次の問題は、本会議以来、竹下謹話に関連して前の戦争の問題、憲法の問題がいろいろ議論をされてきましたが、この中には、私たちが憲法の今の原則を守る立場からいってやはりほってはおけない幾つかの問題がありますので、それについて伺っておきたいと思うのです。  一つは、前の憲法体制のもとで一体だれが開戦の権限を持っていたかという質問について、竹下総理は衆議院及び参議院の本会議で、要するに両方あわせて言えば、あの謹話というのは戦争責任の問題を念頭に置いたものではないがと言いながら、さきの大戦の宣戦布告は国務大臣の輔弼、補佐によって行ったのだ、そしてその国務大臣の輔弼、補佐というものは、天皇は拒否できなかったのだということを答弁されました。  じゃもう少し具体的に伺いますが、一九四一年十二月八日の真珠湾攻撃の決定はどの国務大臣の補佐によって行ったのですか。――竹下さん、あなたの答弁について聞いているのですよ。十二月八日の真珠湾攻撃の決定は、天皇はだれの、どの国務大臣の補佐によって行ったのかと聞いているのです。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 大日本帝国憲法の第十三条には「天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス」、こうなっておりまして、その職務につきましては旧憲法第五十五条の規定によりまして「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」、こういうことになっておりました。この宣戦の中には、国民に対して国民に宣戦をしたぞということを布告されることと、事実上戦争行為を開始するということと、二つが含まれているというふうに考えられますので、国務大臣の輔弼によって行われたもの、このように……(不破委員「どの国務大臣が真珠湾攻撃を輔弼したのですか」と呼ぶ)全国務大臣の輔弼によって行われたと考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これは余りにもむちゃな説明で、国務大臣の中で真珠湾攻撃をやられるまで知っていたのは、陸軍大臣で総理大臣だった東條氏と海軍大臣だった嶋田氏だけなんですよ。だから、全国務大臣が輔弼したなんて全くうそなんです。  東條首相はいつ知ったかというと、これは十二月一日に参謀総長から聞いたということを証言しているのです。だから、真珠湾攻撃の決定が十一月の初めに行われますが、この決定にはいかなる国務大臣も参画していないのですよ、知らされていないのですから。これはもう極東裁判の記録でも周知の歴史的事実ですよ。それが統帥権の独立なんですよ。天皇は陸海軍を統帥す、天皇は戦いを宣し和を講ずるのが天皇人権であるというのは、内閣の総理といえども、軍人出身の東條首相といえども、そのことには口を出せないところで決定するというのが戦前の体制なんですよ。それを今さらちょっと、六法全書を繰ってもそこまで書いてませんから、それを天皇は国務大臣の輔弼によってやったんだから、その輔弼については反対できなかったんだ、こういう歴史の偽りを政府の長たる者が国会の壇上から言って、それで戦前の明白な天皇の開戦の責任ですね、明々白々なものですから、これをあいまいにしたり否定したりすることはできなしとしうことを私ははっきり申し上げたいのです。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 先ほど申し上げましたように、天皇は戦いを宣し、宣戦の行為が――宣戦の人権をお持ちになっていたわけでございますが、その宣戦というのは二つございまして、一つは敵国に対し戦争を開始する行為であり、一つは国民に対し開戦を布告する行為である、こういうふうに解されておりました。したがいまして、実際問題は、私は存じませんが、この憲法の条項によりまして、戦争の開始につきましては国務大臣の輔弼によって行われたものである、このように考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それから、もう少し僕は、そういう責任ある答弁を国会でやるんだったら、多少は歴史を調べてからやってもらいたいと思いますね。大体、一応開戦を決定したことになっている御前会議でも、国務大臣は全部は参加していないのですから。全国務大臣が輔弼したなんというのは、戦前の日本の体制を知らない人が言うことですよ。それから、軍の作戦計画、実際の敵国に対する攻撃、これの決定に対して大臣が参画するなんということは絶対あり得ないわけですから。統帥というのは、内閣が口を差し挟むことじゃないというのが戦前の体制で、これがすべて天皇に属しているというのが戦前の絶対主義体制だったわけですから。私は、そのことを明確にしておきたいと思います。  それからもう一つ、竹下さん、あなたは戦争の性格について聞かれたときに、後世の歴史家が判定することだと答えました。私は、はしなくも十五年ぐらい前になりますか、田中首相に聞いたときに同じ答弁をここで聞きました。やはり何とかは争えないものだなと思いましたが、久しぶりに聞きました。  それならあなたに伺いますが、あなたは、日本が当時軍事同盟を結んでいたヒトラーのドイツがヨーロッパでやった戦争については侵略戦争だと考えますか、どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私は不破さんよりちょっと上でございますが、終戦後、実は極東裁判を全部――全部ではございません、かなりの時間傍聴させていただいておりました。したがって、その間の事情を整理整とんしておるわけでもございませんので、きょうあえて先ほどの質問に対して答えなかったわけでございますが、侵略戦争ということに対する学説というのは、それは大変実際多岐にわたっております。  今どれを侵略戦争の基準に置くべきかという学問的立場から申しますと、国連における議論というのも、私も必ずしもこれで決定済みだというふうには思われません。したがって、大変悲しい行為であったことは事実でございますが、侵略戦争というものそのものは、やはり私は限定の仕方というものは大変難しい問題だというふうに整理をいたしております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうすると、あなたの整理の仕方だと、ヨーロッパでヒトラー・ドイツがやった戦争についても、侵略戦争であるかどうかは言えないということですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 どの行為をもって侵略行為――侵略行為とかいうものは私はあり得ると思っておりますが、その一つの戦争全体を、これを侵略戦争だということを学問的に定義するのは非常に難しいというふうに、私の勉強ではそのように思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これは学問の問題じゃないのですよ。日本は国際政治に貢献すると言っている。しかし、国際政治に貢献する場合、やはり国際政治の上で何が正義で何が不正義かということは絶えず判定しなければいかぬわけですね。現にあなた方は、いろいろな事件が起きれば、これは武力による他国の領土の侵略だとか、あるいは他国の領土に対する威圧として肯定できないとか、あるいはこの行為は自衛だから認められるとか、そういう判定をやらざるを得ないでしょう。  ところが、肝心の日本がやった戦争について、しかもあれだけの軍隊を海外、中国に派遣して他国の領土を占領し、他国の人民を、もう二千万被害者あるわけですからね。それから東南アジアを荒らし、各国を一方的に攻撃し、そういう現実の行為がありながら、それについて、自分のやったことに関しては、自分の国がやったことに関しては、侵略であるとか侵略でないとか、あるいは正義のものであるとか不正義のものであるとか、そういう判定がつかぬという立場があなたの立場であるならば、一体今の国際政治の中で何をもってあなた方は、平和の問題や民族独立の問題やそういう問題に対処しようというのでしょうか。これは学問の問題じゃないのですよ。しかも、そういうことで侵略戦争をやった国として国際的な批判を受け、そして国民自身もそれに対してその反省を憲法に明記した国の首相として、あなたは過去の戦争についての態度を問われているので、これは学問の問題ではないのですよ。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 この侵略的行為でございますとかそうした問題について、国連安保理においてもいろいろ議論されておる問題を私も整理いたしてみました。したがって、過去の戦争に対して、これは偶発的であったとか、これは自衛行為であったとかいろいろ議論があることは、私もよく承知をいたしておるところでございます。しかし、これを総括して侵略戦争だ、こういうことはやはり私は、これは後世の史家そのものが評価すべき問題であろうというふうに思っております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 第二次世界大戦について、日本がやったこともヒトラー・ドイツがやったことについても侵略戦争として言えない政治家が、日本という国の政治の頂点に座っているということは、やはり今日世界にとって一つの脅威だと思いますね、私は。それで、このことは何遍も議論があって、中曽根首相のときでさえ、彼は侵略戦争だということを結局は認めましたが、しかし、再びそれが十五年前の後世の歴史家の判定に戻って、さらにヨーロッパの戦争についてまで、もう世界の世論の中で明確に結論が、当のドイツにおいてまで出されている戦争にまで拡大されたということは、問題は非常に重大なんだということを私は指摘をしたいと思います。これは議論は切りがありませんから、これにとどめますが、その次に伺います。  もう一つは代がわりの儀式の問題ですが、あなたは本会議の答弁の中で、憲法の趣旨に沿い皇室、つまり天皇家の伝統を尊重していろいろやっているんだと言われました。  それなら伺いますが、まず最初にやった朝見の儀というのがありましたね。あなたが参加して誓いを述べた礼式ですが、あの朝見の儀というのはどれぐらいの歴史を持った伝統だと思っていますか。

宮尾盤宮内庁次長

○宮尾政府委員 剣璽等承継の儀がどのくらい伝統を持っているかということでございますが……(不破委員「朝見の儀だ」と呼ぶ)朝見の儀でございますか、即位後朝見の儀でございますね、即位後朝見の儀は、これはこういう形で行われましたのは明治以降でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 明治にはやられていないのですよ、これは。明治四十二年、一九〇九年の登極令で初めて決められて、大正天皇の即位のときから始まったのですよ。だから、伝統と言っても、まだ二回しかないのですね。  では、今度あなた方がおやりになる神道による葬場殿の儀というのは、どれぐらいの歴史を持っていますか。

宮尾盤宮内庁次長

○宮尾政府委員 葬場殿の儀は、これは皇室喪儀令が定められまして以降この形で行われておりますが、大体その形ができましたのは、明治三十年の英照皇太后の御葬儀以降というふうに承知をいたしております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これはほぼ正確だと思うのですが、今のお話しのように、どちらもそんな長い伝統ある問題じゃないのですよね。  それで、例えば天皇家の葬式について言えば、孝明天皇までは中世、近世全期間にわたって仏式でやっていましたからね。神道でやるようになったのは明治天皇のお葬式以来ですよ。だから、これは何を意味するかというと、明治に絶対主義的天皇制、先ほど法制局長官が明治憲法を読み上げましたけれども、天皇が、いわゆる皇宗、皇祖ですね、アマテラスから国を引き継いだ、それに基づいて神の子として統治権を引き継いだという建前の明治憲法体制がつくられてから初めてできた儀式が、朝見の儀とかそれから葬場殿の儀とかこういう諸儀式なんですよ。だから、はっきり言えばこの制度というのは、一方からいえば国民主権とは無関係で、アマテラスから統治権を受け継いだというものになるわけです。統治権を神から受け継いだという前提、それからまた天皇が神と一体化した現人神であるという前提、この二つの前提に基づいて始まったのが、この朝見の儀とかそれから葬場殿の儀とかいうものなんですね。だから、あなたが簡単に戦後の憲法の趣旨に沿い、そういう中で伝統と言っても、つまり明治体制の中でつくられた諸制度ですから、それに沿ってというふうに簡単に言えない性質のものがここにはあるわけですよ。  実際に今度の大喪の礼にしても、神道に基づいて皇室喪儀令で行われていた葬場殿の儀というのは、あなた方が大喪の礼と言っている部分を含めて全部が皇室喪儀令には葬場殿の儀として入っているわけですね。その一こまが今度大喪の礼と呼んでいるだけの話で。だから私たちは、ここには戦後の憲法の主権在君から主権在民への転換、それから国家神道の支配から政教分離への転換、この憲法の大原則を政府自身が理解していない重大な問題が含まれているということを指摘しているわけで、この点を、きょうは余り時間がありませんから、もうちょっと用意してもらわないと突っ込んだ議論ができませんから、さらに機会を見てやりたいと思いますが、この点をしっかり銘記して、本当に憲法に定められた主権在民と政教分離というものにもとらない対処を政府はする責任と義務があるんだということを私は強調しておきたいと思います。  それから次に進みますが、次は、やはり憲法と民主主義にかかわる問題ですが、一昨年明らかになった神奈川県警による盗聴事件の問題ですね。それに続いて昨年、公安調査庁が我が党の本部の前に隠しカメラを設けて、五年間にわたって我が党の本部への出入りを盗み撮りしていたという事件が明らかになりました。私たちは、こういうことはまさにどちらの事件も結社の自由に対する重大な侵害だというように考えておりますが、盗み撮りを五年間政府側が我が党に対してやっていたというのは、一体何を調査していたのか、これをまず最初に伺いたいと思います。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 公安調査庁は、破壊活動防止法に基づきまして、暴力主義的破壊活動を行う団体に関する調査を行う、必要となればこれを規制、請求する権限を持っているわけでございます。それに基づいて調査あるいは規制のための活動をい  たしております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 カメラで何を調べようとしていたの  ですか、それを聞いているのです。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 暴力主義的な破壊活動によって我が国の民主主義的秩序を危うくする行為がある  かどうかを調べております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 一体、共産党の本部の前にカメラを置いて何がわかるのでしょうね。それはそれとして、そういうことで天下の公党を、つまりあのカメラ一台でも五年間にわたって監視下に置いている。重大な結社の自由に対する侵害ですよ。  それから、もう一つ伺いますが、公安調査庁は、いわゆるスパイ、あなた方で言えば協力者ですね、協力者をたくさん擁して日本共産党に対する調査活動をやっているそうですが、この協力者というのはたしか二十年ほど前ですか、ここで問題になったときに、大体五、六千人いるという答弁が国会議事録に載っていますが、大体あなた方はどれぐらいお持ちなんですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 過去にそのような調査活動に協力していただいておる方の数字を発表したということもあったようでございますが、現時点におきましては、我が庁といたしましては、特に調査の対象となっている方々の方に、今あなたは何人で調べられているということは申さないという建前でやっておりますので、お許しをいただきたいと思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 破防法第三十四条に、あなた、何て書いてありますか、長官。破防法の第三十四条に何と書いてありますか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 正確を期するために条文で申し上げます。  「公安調査官は、職務を行うに当って、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。」以上であります。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 今あなたは隠すと言いましたけれども、条文では、対象者から身分を聞かれたらちゃんと言わなければいけないと書いてあるじゃありませんか。どういうことになるのですか、これは。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 三十四条に基づきまして私どもが調査をいたします場合に、先方から調査の必要上いろいろと私どもがお願いしていることに対し、身分を明らかにせよという御要求がありました場合は、身分提示するように内部規則でもはっきりしたためております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 例えば、あなた方の協力者なる者が調査の対象の、私でもいいですよ、ところへ来ていろいろ聞き出そうとする、それに対して、君は何者なんだというときにこの三十四条は適用されないのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 私どもが調査の対象にいたしております過程で、そういうような御要望がありましたときは、できるだけこれに協力申し上げて、身分を明らかにするということは当然にやっておることでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 あなたが数を言わない協力者及びそれに対する工作者は、大体この三十四条を守らないのが特徴なんですよ。  例えば、去年の盗み取り事件のとき、何人かの人が、我々がこれを告発しましたから顔も明らかになりました。例えば、赤旗にこういうように逃げていく人の写真を発表しました。そうしたら、この男が私のところへいろいろ聞き出しに来ているというのがあちこちから来ますよ。それで見てみると、全く公安調査官じゃない、例えばこの人物について言えば、ホウコウ時事企画なんというわけのわからぬ会社の、名前も偽名でしょう、電話番号をかけても電話は出ませんから、全く架空の名刺を持っていろいろ調査に歩く。それに対してあなたは何者かと言うと、自分は調査対象者の親戚の戦友だとかそういう虚偽事実を述べて、最後まで身分を隠す。それで、この写真が出て初めてわかる。  私はこういうことは、あなた方にとっては日常茶飯事かもしれないけれども、破防法国会であれだけ国民の権利の侵害をしてはいかぬということが議論されて、この三十四条なんというのは相当議論されて定められたものでしょう。しかしあなた方の日常の活動では、そんなものはもう天下御免で踏みにじっているというのが実態でしょう。あなた方こそ破壊活動を一生懸命やっているのじゃないですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 私どもは、いろいろと調査をするに当たりまして協力者を獲得をし、それを手続的に深めていくという過程においては、いきなり最初から公安調査官であるということを名のっていった場合に、対立する側の方々が、ああそうですがといってすぐ物を聞いていただけるものではございません。そこに私どもとしての調査の苦労があるわけでございます。  それともう一つ、例えば今例にお引きになりました昨年の事件の際にも、共産党の方々が私どものいわゆる監視アジトにおいでになりまして、あなたはだれですかということをお聞きになって、その際身分の証票等を見せなかったという点で御非難がございましたけれども、あれは正式の調査でも何でもございません。いわば摘発活動ととらえて、その場の対応といたしまして名のらないというわけでありまして、面が多少違うのではないかというふうに考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それは別の問題で、それはそれ、これはこれでいろいろ議論をしたいのですけれども、しかしあなた方は、ちゃんと公安調査官の調査活動について破防法で明記されているのに、その条項に違反して、大体圧倒的部分が違反ですよ。しかも、初めのうちは身分を隠してと言うけれども、身分を隠して接近して、例えばいろいろ接待をしたり、今度はリクルート絡みですが、接待したりごちそうしたり金を貸したりして、そうしてもうかなりの関係になったら、自分の身分を名のって、こういう関係がある以上あなたが言うことを聞かなかったら党にばらすぞと言って、おどかして協力者にする。こういう手口は、本当に日本の機関の中でも極めて陰湿な部分だと思うのですけれども、平気でやられているわけですね。それを公安調査庁の長官が当たり前のこととして認めているということを、私はまず第一に確認したいと思うのです。  それから、こういう調査を政党の中でやっているのは恐らく日本共産党だけでしょうが、日本共産党を長期にわたってそういう人の出入りまで監視をする。それからまた、日本共産党の活動が及んでいると称するところには無数の調査官を派遣して内部情報とりをやる。これは易しく言えばスパイですよ、内部情報とりというのは。一時は、七〇年代の初めに裁判官の会合にまでそういうことをやって、最高裁判所から抗議文まで出されたことがある。そういう活動を公安調査庁は一貫してやっているわけですが、その調査をやる権限、破防法の何条に基づいてやっているのですか、日本共産党に対して。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 破壊活動防止法の第五条、第七条等に基づきまして、団体活動の制限あるいは規制を行うべき要因があるかどうかについて調査を行っておるわけでございます。(不破委員「調査の権限はどこですか」と呼ぶ)調査の権限自体は、この法律の目的それから第三条に基づく規制の基準、こういったものを権限といたしてやっております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 もうちょっと破防法を勉強してくれないと困るのです。公安調査官の調査権は、第二十七条に明記されているじゃありませんか。「公安調査官は、この法律による規制に関し、第三条に規定する基準の範囲内において、必要な調査をすることができる。」これが根拠なんでしょう。あなたはうなずいたけれども、そうですね。  では、この第二十七条をあなた方は日本共産党に発動しているのだが、その日本共産党に対して調査権を行使しようということはだれが決めるのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 ただいまの御質問の場合に、根拠の方を最初申し上げておるので、精神規定を申し上げているのではない。原則でどこに書いてあるかということでしたら二十七条、お説のとおりでございます。  それから規制につきましては……(不破委員「規制じゃない、調査をだれに対してやるか」と呼ぶ)これは私どもの内部的な、長官の内部指示によりましてどういう団体をどういうふうにしていくかを事実上決めております。しかしながら私どもの場合には、これは公安調査庁としての使命にかんがみまして、一々私の指示があるからということで調査の権限が生ずるというものではなく、一般的に調査権限を持っておりますが、これを効率的、能率的に行うためにこのような内部指示をしておるということと御理解いただきたいと思います。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 この問題で今まで国会でやりとりしている間に、調査対象団体として日本共産党を規定したということが何遍か公安調査庁の責任者から言われておりますが、そういう概念はあるのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 調査対象団体といいますというと、言葉の言い方にもよりますけれども、私ども調査対象団体というような言い方でお答えをしたときもありますし、事前調査的な意味の対象団体というふうにお答えした時点もございます。  いずれにしましても、正式の規制と申しますものは、私の請求によりまして部外の第三者機関でありまする公安審査委員会が規制するかどうかを決定されるわけでございまして、私はそれに対する資料、それから規制の理由、必要とする事由等につきまして調査し、これを報告するということだけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 その調査対象団体というのは、これは国会で何遍も公安調査庁が言っていることですから、そう長官がかわるごとに概念や法律の根拠が変わられても、こちらも、対象団体にされている側からいえば大変迷惑な話なんですが、これは非常に重大だと思うのですね。  例えば今度、破防法国会、制定当時の国会議事録を全部読んでみましたが、団体規制について、一体この破防法で団体活動を規制することが憲法上許されるかどうかということについて、もうさんざん議論があります。そのときに政府側は、こういう規制は特別な場合には許されるのだ、その公正を確保する理由として、今長官が言った公正な第三者機関、であるかどうかは実体論は問題がありますが、である公安審査委員会が決めることであって、それで政府が直接やるものじゃないということ。それからまた、その団体規制をやるときには、公安調査庁が請求するときには、その当該団体は一応弁明をすることができる、あるいは公安審査委員会がその公安調査庁の請求を議論するときには、当該団体は意見書を出すことができる、それから、決定がされたときにも、この決定に対して不服の場合には裁判所に提訴することができる、つまり、いわば反論権を三重にわたって保障しているじゃないか。決定するのは調査庁ではなくて公安審査委員会だし、それから公安審査委員会がやるときにも、団体規制ということに関しては反論権をこうやって三重にわたって保障しているじゃないかということで、政府はさんざんこれは憲法の自由に反しないんだ、結社の自由を侵さないんだという弁明をしていました。これは議事録に紛れもなくあるわけですね。  ところが、今やられているのはその団体規制じゃなくて、はしなくも長官が言った団体規制を公安調査庁が公安審査委員会に請求するかどうかの事前調査だ、こういう話ですね。この事前調査なるものが恐るべきもので、三十六年間事前調査がずっと続いている。それで、その事前詞介の名のもとに、あの木村篤太郎当時の国務大臣は、責任大臣だったのですが、政党のコントロールを絶対しないと言いながら、特定の政党を監視下に置いている。それで、公安調査庁が内部的に任意にこれがそれに該当すると判定さえしたら、これは何の反論権もないのですよ。判定さえしたら、それに対して協力者なるものを送り込むことも自由。この国会では、協力者を養成して送り込むことはいたしませんと明確な答弁がありますが、ちゃんとあなた方が養成してから党に送り込んできた例は無数にありますよ。それから、非常に陰湿な、それこそ全部書いたら吐き気を催すようなやり方まで使って、それで党内に協力者をつくり上げる、そういう活動を無数にやる。これは内部行為じゃないですよ。まさに団体活動に対する不当な侵害ですよ。それが一方的に三十六年間やられているというところに、私は大きな問題の一つがあると思うのです。  それで伺いますが、一体事前調査で三十六年間やって、あなた方は何か結論を出して、公安審査委員会に日本共産党について審議を求めたことはあるのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 三十六年間というお話で、大変長い期間で、私ども随分長い間先輩の仕事を引き継ぎ、共産党の皆様方とおつき合いをいただいているわけでございますけれども、結論的に申しますれば、なぜ破壊活動防止法ができたかという原点を考えていただきたい。そして、破防法の条々は、過去に破壊活動を行った者が将来においてたおかつそのような行動に出るおそれがあると認められるときに対し適用されるべき法律だということになっております。  そこで、私どもといたしましては、そのおそれがある、そういう団体につきましては、何も共産党に限ったわけではございません、各種の団体につき引き続き調査を進めておる次第でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 あなた方が日本共産党について何を問題にしているかについては、後でゆっくり議論しましょう。  私が聞いているのは、そうやってあなた方は事前調査といって三十六年間結社の自由を侵してきたんだが、その結果、何らかの結論を出して公安審査委員会に請求したり問題提起したことがありますかということを聞いているのですよ。聞いたことにちゃんと答えてください。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 現実に規制の請求をいたしたことはございません。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 公安審査委員会というのは、公安調査庁から規制の請求がない限り、正式の議題はない委員会なんでしょう。ちょっと来て答弁してください。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 そのとおりでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 つまり、あなた方は共産党を破防法の容疑があるとかいろいろ言うけれども、しかし破防法によってそういう問題について判定する第三者的な公正な機関として設定された公安審査委員会は、この三十六年間日本共産党について一度も議論していないということですね、そのことは正式な議題として。今やられているのは、そのための事前調査を公安調査庁という一行政機関が内部判断として勝手に判断して、それに基づいて事実上の結社の自由の侵害が行われている、こういう事実なんですよ。私は、これは破防法がわざわざ第二条などでこの法律が憲法に定められた結社の自由をいささかでも侵害してはいかぬということを繰り返し強調している趣旨に照らしてさえ、極めて不当なことがやられているということを強調したいのです。  それで、その公安調査庁ですが、今年度の、つまり新しい予算でもいいし昨年度の予算でもいいのですが、年間大体どれぐらいの予算をお使いで伸すか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 本年度の査定を受けました予算額は、約百三十六億円でございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 そうしますと、ここに私九年分を書いてきたのですが、それに百三十六億円つけますと千二百数十億円ぐらいですね、十年間にお使いのようで。十年間千二百数十億円もの予算を使って事前調査をずっとやっている。三十六年間やってきているわけですね。私は、犯罪の事前調査というのはあるわけだけれども、三十六年間事前調査をやって何の結論も得られないというのであるならば、これはよほどその調査部隊が無能であるのか、それとも結論を出すつもりがなくて、破防法による容疑というのを建前にして、真剣に容疑を持っていると思うのなら調べて公安審査委員会に出したらいいでしょう。それをしないで、いつまでもそれを看板にして、日本共産党を破防法国会でも予定しなかったような長期にわたる監視、侵害体制に置くか、そのいずれかとしか思いようがないじゃありませんか。あなたは一体この事前調査の結論をいつ出すおつもりなんですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 破壊活動防止法は、その制定の際に、先ほど委員仰せのように、いろいろな言論、集会、結社、出版等の自由にも抵触するおそれもある重大な規制を伴う行為を内蔵しておりますので、十二分にいわゆる国民の同意が得られるように、その手段方法等についても必要最小限であること、あるいは人権を侵害しないこととか、いろいろな制約が法律上明文をもって定められておるわけでございます。したがいまして、調査の方法につきましても、私どもの調査官は強制捜査権は持っておりません。全くの任意でございます。それから、先ほど委員仰せのように、スパイを養成して中へ送り込むというような非常手段は、私どもは現在とっておりません。あくまで相手方の理解を得て協力をしていただける方には協力をしていただくという、それだけの意味でございます。  したがいまして、私ども、これまでの過程におきまして、当面何もしていないじゃないかという御批判はあるかもしれませんが、私どもは常にいろいろな面からいろいろなそのおそれのある団体については調査をしております。例えば、過去の例でございますが、共産党自身のお言葉ではございましたけれども、過激派に対する破壊活動的な調査はもっとしっかりやれというふうなお言葉までちょうだいしているわけでございまして、別に何も今日しないというわけではございませんが、いろいろな条件を達成するまで調査ができたときにはやめねばならない。しかしながら、本法の性格から見て、こういうものは日常の刑事事件のようにすぐ検挙、すぐ処分という形にはまいらないものでありまして、いわば国家の危機管理の際に発動されるのが我が法であるというふうに考えております。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 今過激派なるものについて私は問題にしているのじゃないので、我が党に対する不当な侵害について問題にしているわけで、はっきりしたことは、一つは、我が党に対して破防法にかかわると言っておるのは公安調査庁の内部的な判断にすぎないので、破防法が設定した公安審査委員会の判断では全くないということですね。これは極めて明確になったのです。  それで、次に進みますが、一体、公安調査庁が我が党に対してそれを調査団体とする根拠を今度は伺いたいと思うのです。  破防法には、明確に二つの要件が要るとしています。一つは、過去の問題です。「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体」。もう一つは、将来の問題です。そして「当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるとき」と、つまりこの二つの条件がセットになって破防法の対象になるというのがあなた方の論理ですね、法律の。  まず、最初の方から伺いましょう。我が党を過去に破壊活動を行った団体と認定する根拠はどこにあるのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 平たい言い方で申し上げますが、破防法が制定されました当時はそのような社会的事情があり、それに共産党が大きくかかわっていたというふうに考え、過去に破壊活動的な暴力活動があったという認定をしているわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 破防法制定当時といいますと、我が党が分裂していた時期でした。破防法が成立したのは一九五二年で、それで我が党は、一九五〇年から一九五五年まで分裂期でした。分裂した側の一方が、我が党はそのとき極左冒険主義と言って非難していますが、今日の我々にとっても肯定し得ない活動や方針をとったことは確かにあります。しかし、それは分裂した時期の分裂した一方の側の行動、路線であって、党が統一して後に明確に批判され、きっぱり廃棄された問題です。だからそれを今日の、今日といいますか、分裂を克服した後の日本共産党の根拠として扱うのは極めて不当だと思います。  さらに、それに加えて聞きたいのは、そのことを理由にして日本共産党が破壊活動を行った団体だという認定は、公安調査庁が行ったものですか、それとも公安審査委員会が行ったものですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 御存じのとおり共産党におきましては、昭和二十六年に四全協、五全協という当時の党大会にかわるべき執行部機関による会合が行われて、有名な軍事方針が決定され、それが五全協、六全協へと引き継がれてまいりましたが、六全協でいわゆる極左冒険主義の反省が行われたわけであります。その際に、当時の決定によりますれば、五全協の軍事方針の決定については、一応、極左冒険主義はいかぬけれども、全体としては、これは当時の主流派、反主流派によって十分意見の統一によって行われたものだ、簡単に申し上げますれば、そのような趣旨が行われておりますので、単純な分派活動による一部のはね上がりだけがやったというふうな認定を実は私どもはしておらないわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 もう少し公安調査庁の長官なら、共産党の文献もそれを専ら研究しているんですから調べてほしいのですが、六全協のどこを調べても、過去の軍事方針については統一したものだからといって肯定したなんという文書はどこにもないですよ。そして、四全協、五全協というのはまさに分裂時代だというのは、中央委員会から排除された現在の宮本議長とか、排除された人々がだれも参加しないでやられた会議ですから、我々は分裂した一方の側の会議だと言っているわけで、それで六全協では、あなたが言うような軍事方針などの言及は全くなしに、それを含めた極左冒険主義をきっぱり廃棄したのが特徴なんです。その点ぐらいは明確に勉強して過去のことについても対処してほしい。  じゃ、将来のことを聞きましょう。将来、我が党がそういう危険があるとあなた方が考える根拠はどこにあるのですか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 昭和三十六年の発表されました党の綱領の中に、いわゆる将来に向けて共産党の指針ともいうべき政治方針が示されておりますが、それと並びまして、その当時いろいろ発表されました党の文献等の中にいわゆる敵の出方論ということがございます。その敵の出方論ということが、いわゆる民主社会主義に基づいてあくまで議会主義を貫いて平和的な革命を行われるという政治志向を持っておられるのか、あるいは時と場所により敵の出方、つまり権力側の出方によっては非平和的な手段にも訴えることがあるのか、この辺が十分に解明できておりませんし、二十年、三十年の問題ではなくて、遠い将来共産党が政権近しと思われる時分になりましたらばどういう方向に出られるかがなお疑念でございますので、調査を継続しているわけでございます。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 これは全くこっけいな話でして、敵の出方論というのは、別にあなた方が陰へ行って探さないでも、堂々と我が党の大会の決定に明記されていますよ。  というのは、我が党が綱領にも書いてあるように、政権につくときは選挙で多数を得て政権につく、大方針です、これは。現在では福岡と埼玉で我々は与党ですけれども、選挙によって与党になったのです。東京でもかつて与党でしたが、選挙に勝って与党になったのです。それと同じように、国の政治でも国会の多数を得て政権につくというのは我が党の綱領に明記した方針です。それに対して、政権についたときにその共産党の入った政権なるがゆえに従わないという勢力が出た場合、そういう勢力がさまざまな暴挙に出た場合、それに対して黙っているわけにはいかない、そういうのは力をもってでも取り締まるのが当たり前だ、これは憲法に基づく政府の当然の権利でしょう。そういうことについて我々は綱領に明記しているわけです。そういうことについて心配だという人がいるならば、私は一つの話を紹介したいと思うのです。  というのは、共産党がこの綱領をつくった前後ですが、防衛庁に防衛研修所という研修所がありますね。そこの教官がある雑誌に、共産党が政権についたときに自衛隊は国家公務員としてその政権に従う義務があるかないかという問題を、大変興味ある問題ですが取り上げて、やはり国家公務員だから従うべきだという論文を発表したんです。そのときにそれが右翼の攻撃の的になり、自衛隊内部でもさんざん議論の的になり、その右翼が抗議をしてきたのに対して、当時の防衛庁長官は志賀さんでしたが、あなた方の抗議はもっともだ、そういうようなことを言う教官は粛清しましょうということで、教官は左遷されました。それで、同じ雑誌に、当時の防衛研修所の所長が論文を書いて、共産党が入るような政権ができたら自衛隊は従う義務なし、こういうのを書いたんですよ、研修所長の名前で。  それで、これから先は私自身の経験ですが、私はそのことを一九六九年の二月でしたか、毎日新聞社が主催した各党の安全保障の討論会というのがありました。その安全保障の討論会で、自民党の番のときに、私は宮本議長と一緒に共産党、野党として出たわけですが、その話を出して、一体あなた方は共産党が入る政権ができたら、この論争について、自衛隊は従う義務があると考えるかと、議会制民主主義に立つ政党ならそういうことは従うのが当然のルールだろうという質問をしました。実は、おもしろいことには、その席には防衛庁長官の経験者である船田中さん、江崎さん、西村さん、それからその後で防衛庁長官になった増原さん、四人の防衛庁関係者がおられましたよ。だれ一人として肯定的返事はしませんでした。共産党の入る政権が議会制民主主義のルールについてできても、それについて国家公務員として自衛隊が従う義務があるかどうかという質問に対して、義務があると明確に答えた人は一人もいませんでした。全部が答え返しました。  そういう事実があるから我々は、我々が堂々と議会制民主主義の常道にのっとった選挙で多数を得て政権をとっても、一部にはその政権に従わないというような不行き届きな者があり得ることをやはり警戒する必要がある。そういう点はちゃんとしっかり警戒をして、それに対して民主主義のルールに従った対処をしようというのが敵の出方論です。  一体あなた方は、その敵の出方論に基づいて我が党が何かあなた方が懸念する破壊活動なるものを行った例を、あなたが今引用した一九六一年の綱領決定以後にあれだけの調査をやって何か発見したことがありますか。

石山陽公安調査庁長官

○石山政府委員 委員仰せのように、昭和三十六年のいわゆる綱領発表以降、共産党は議会制民主主義のもとで党勢の拡大を図るという方向で着々と党勢拡大を遂げられつつあることはお示しのとおりでございます。  ただ問題は、それは政治的な最終目標であるのかあるいは戦略または戦術の手段であるのかということの問題でございます。私どもはそれらに対しまして、今冷静な立場でもって敵の出方論何かにつきましても調査研究を進めておる段階でございまして、今のところその結果として直ちに公党である共産党に対し規制請求すべき段階に立ち入っているとは思わないから請求もしていないということであります。  なお、敵の出方論について今御教示を賜りましたが、一つだけ私からも申し上げておきたいことがございます。  御存じのとおり、政権確立した後に不穏分子が反乱的な行動に出て、これを鎮圧するというのは、たとえどなたの政権であろうとも当然に行われるべき治安維持活動でございます。ところが敵の出方論という中には、党の文献等を拝見しておりますると、簡単に申しますと、三つの出方がございます。一つは、民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題であります。それから第一には、民主主義政権は一応確立された後に、その不満分子が反乱を起こす場合。三番目は、委員御指摘のような事態であります。  ですから、それらにつきまして一部をおっしゃっておりますけれども、その全部について敵の出方論があり得るということを私は申し上げておるわけでございます。

大野明自由民主党

○大野委員長 時間が参りましたので……。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 一言だけ。今あなたは我が党が三つの場合に言っていないと言いましたが、一つだけ言っておきましょう。  これは党の大会の一九七〇年の決定です。「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、」まあチリみたいなことですね。「広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる。」これが敵の出方論のこのケースでの具体化だと大会で明記しているのですよ。  それで結局、だからあなた方が幾らそう言って我が党の破壊活動を探そうとしても、三十六年かかろうが、何千億のお金を使おうが、何千の調査官を動員しようが、何千のスパイイコール協力者を養成しようが、見つかるはずがない。それはあなた方も十分御承知のはずなんです。

大野明自由民主党

○大野委員長 不破君、約束の時間が参りましたので、質疑を打ち切ってください。

不破哲三日本共産党・革新共同

○不破委員 それであるにもかかわらず、我が党に対して不当に結社の自由を侵害する、これは絶対許されないということを申し上げて、質問を終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて不破君の質疑は終了しました。  次回は、来る二十日午前十時より開会することし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十二分散会

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