本会議 第20号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1989/06/09
会議録
○議長(田村元君) これより会議を開きます。 ――――◇――――― 日程第一 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第二 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(田村元君) 日程第一、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、日程第二、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。大蔵委員長中西啓介君。 ――――――――――――― 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び同報告書 日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ――――――――――――― 〔中西啓介君登壇〕
○中西啓介君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について、その内容を申し上げます。 第一に、累積債務問題解決のため、開発途上国に対する資金還流を円滑に進めるための手段をできるだけ多様化する必要があること等にかんがみ、本邦外において事業を行う者に対し、出資することができることにしております。 第二に、開発途上国経済の発展に貢献し、資金還流を促進する観点から、アンタイドローンの貸付対象を拡大することにしております。 第三に、輸銀の出資を受けた者が行う長期資金の借り入れに対して債務の保証をすることができることにするほか、所要の規定の整備を行うことにしております。 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について、その内容を申し上げます。 第一に、地方の社会資本整備事業は立ち上がり期の事業者の初期負担が大きいため、産業の開発等に寄与する設備が大蔵大臣の定める事業用に供される場合には、その設備の取得等に関連する事業資金の貸し付けを行うことができることにしております。 第二に、地域活性化等の資金ニーズに的確に対応できるよう、借り入れ等及び債券発行の限度額を資本金及び準備金の合計額の十倍から十一倍に引き上げることにするほか、所要の規定の整備を行うことにしております。 これら両法律案につきましては、五月二十四日村山大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、質疑終了後、両法律案を順次採決いたしました結果、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) 両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(田村元君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 日程第三 特定新規事業実施円滑化臨時措置法案(内閣提出)
○議長(田村元君) 日程第三、特定新規事業実施円滑化臨時措置法案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。商工委員長与謝野馨君。 ――――――――――――― 特定新規事業実施円滑化臨時措置法案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ――――――――――――― 〔与謝野馨君登壇〕
○与謝野馨君 ただいま議題となりました特定新規事業実施円滑化臨時措置法案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、産業構造の転換を円滑に進めていく上で、新しい産業分野の開拓が重要となっていることにかんがみ、特定の新規事業について、その実施を円滑にするための措置を講じようとするものであります。 その主な内容は、 第一に、特定新規事業の実施に関する通商産業大臣の実施指針の策定及び実施計画の認定について定めること、 第二に、産業基盤整備基金に、特定新規事業の実施円滑化業務として、社債等の保証、出資、情一報の提供等を追加すること、 第三に、特定新規事業の資金調達のために発行する新株引受権付社債について、商法上の発行限度の特例を設けること等であります。 本案は、去る三月二日当委員会に付託され、五月二十三日三塚通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、翌二十四日質疑を行い、討論の後、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(田村元君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 日程第四 金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律案(内閣提出) 日程第五 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第六 郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第七 放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(田村元君) 日程第四、金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律案、日程第五、郵便貯金法の一部を改正する法律案、日程第六、郵便為替法乃び郵便振替法の一部を改正する法律案、日程第七、放送法及び電波法の一部を改正する法律案、 右四案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。逓信委員長田名部匡省君。 ――――――――――――― 金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律案及び同報告書 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び同報告書 郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する注律案及び同報告書放送法及び電波法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ――――――――――――― 〔田名部匡省君登壇〕
○田名部匡省君 ただいま議題となりました四法律案について、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律案についてでありますが、本案は、金融自由化に適切に対応した郵便貯金事業の健全な経営の確保に資するため、郵政大臣は、郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金から簡易保険郵便年金福祉事業団に資金を寄託することができることとするとともに、同事業団に、この資金を国債等の有価証券の取得、預貯金または金銭信託の方法により運用させ、これにより生じた利益を郵便貯金特別会計に納付させることとするものであります。 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案は、郵便貯金の預金者の利益の増進等のため、貯金総額の制限額を五百万円から七百万円に引き上げるとともに、金融自由化に的確に対応するため、政令で定める定期郵便貯金の利率は、市場金利を勘案して郵政大臣が定めることができることとすること等の改正を行おうとするものであります。 次に、郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案は、金融自由化その他の社会経済環境の変化に対応して郵便為替及び郵便振替の利用者に対するサービスの向上等を図るため、郵便為替及び郵便振替の料金について、その体系を簡明化するとともに、法律に定める上限金額の範囲内で、郵政大臣が政令で定める審議会に諮問した上、その具体的料金は省令で定めることができること等の改正を行おうとするものであります。 次に、放送法及び電波法の一部を改正する法律案は、人工衛星の無線局により行われる放送の円滑な実施に資するため、受託放送事業者及び委託放送事業者に関し所要の措置を講ずるとともに、受託国内放送をする無線局の免許に関する規定を整備し、あわせて、放送番組の収集、保管等の業務を行う法人に関し所要の措置を定めるほか、日本放送協会の業務の委託等に関する規定を整備しようとするものであります。 以上が四法律案の概要でありますが、まず、貯金関係の三法律案は、五月二十四日片岡郵政大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、同日質疑を終了いたしました。次いで、三法律案の採決を行いましたところ、金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律案は賛成多数をもって、郵便貯金法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、また、郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案は賛成多数をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されました。 次に、放送法及び電波法の一部を改正する法律案は、五月二十四日片岡郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、翌二十五日質疑を行い、同日質疑を終了したところ、日本共産党・革新共同から修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) これより採決に入ります。 まず、日程第四及び第七の両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(田村元君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第五につき採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第六につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立か求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(田村元君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ――――◇――――― 日程第八 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(田村元君) 日程第八、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。文教委員長鳩山邦夫君。 ――――――――――――― 国立学校設置法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ――――――――――――― 〔鳩山邦夫君登壇〕
○鳩山邦夫君 ただいま議題となりました国立当校設置法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案の主な内容は、 第一に、秋田大学に医療技術短期大学部を併設することとし、また、群馬大学に併設されている工業短期大学部を廃止すること、 第二に、国立大学共同利用機関について、国立大学を中心とする共同利用の機関から広く大学の共同利用の機関に改めるとともに、これを大学北同利用機関と称することとすること、 第三に、昭和四十八年度以後に設置された国立医科大学等に係る平成元年度の職員の定員を定めることなどであります。 本案は、二月二十二日に本院に提出され、三日六日本委員会に付託されたものであります。 本委員会におきましては、去る五月二十四日西岡文部大臣から提案理由の説明を聴取し、審査を行い、同日質疑を終了いたしましたところ、本案に対し自由民主党の町村信孝君から、本案の施行期日を「公布の日」とする修正案が提出され、採決の結果、全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ――――◇――――― 日程第九 恩給法等の一部を改正する法律案 (内閣提出)
○議長(田村元君) 日程第九、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。内閣委員長吹田愰君。 ――――――――――――― 恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号末尾に掲載〕 ――――――――――――― 〔吹田愰君登壇〕
○吹田愰君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、昭和六十三年における公務員給与の改定、消費者物価の上昇その他の諸事情を総合勘案し、恩給年額及び各種恩給の最低保障額を平成元年四月から二・〇二%増額する等の措置を講じ、恩給受給者に対する処遇の適正な充実を図ろうとするものであります。 本案は、二月二十一日本委員会に付託され、五月二十五日金丸総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行った後、宮里松正君から施行期日に関する修正案が提出され、趣旨説明を行い、採決いたしましたところ、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対し附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(田村元君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。 ――――◇――――― 国務大臣の発言(平成元年度地方財政計画について)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(田村元君) この際、平成元年度地方財政計画についての発言及び内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣坂野重信君。 〔国務大臣坂野重信君登壇〕
○国務大臣(坂野重信君) 平成元年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。 平成元年度の地方財政につきましては、累積した多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本としております。 なお、消費税の影響額につきましては、適切に計上することとしております。 以下、平成元年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢等にかんがみ早急に実施すべき措置を講ずることとしております。 第二に、国庫補助負担率の取り扱いの見直しに係る額については、補助負担率の復元、国のたばこ税の地方交付税対象税目への追加、地方交付税の増額及び建設地方債の増発等により、地方団体の財政運営に支障が生ずることのないよう措置しております。 第三に、地方財政の中期的健全化を図る見地から、財源対策債償還基金の計上、交付税特別会計借入金の一部返済等所要の措置を講ずることとしております。 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、その特性を生かした地域づくり・ふるさとづくりを進めるとともに、住民生活に直結した社会資本の整備等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講ずることとしております。 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。 以上の方針のもとに平成元年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は六十二兆七千七百二十七億円となり、前年度に比し四兆九千五百二十九億円、八・六%の増加となっております。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 地方財政の状況等にかんがみ、今回の国庫補助負担率の見直しに伴う地方公共団体の財源確保を図るため、新たにたばこ税を地方交付税の対象税目とし、その百分の二十五を地方交付税の総額に加えるとともに、平成元年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずることとしておりすす。 また、平成元年度分の普通交付税の算定については、地域振興に要する経費、公共施設の整備に要する経費、教育施策に要する経費、福祉施策に要する経費等の財源を措置するほか、財源対策借償還基金費の創設その他各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、単位費用を改定することなどとしております。 以上が、平成元年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。 ありがとうございました。(拍手) ――――◇――――― 国務大臣の発言(平成元年度地方財政計画について)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(田村元君) ただいまの地方財政計画についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。安田修三君。 〔安田修三君登壇〕
○安田修三君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案及び今年度地方財政計画につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたすものであります。 国際的に重要な立場と責任のある我が国において、本来は祝福すべき新しい政権が生まれたにもかかわらず、一国民として眺めたときに、悲しむべきことに逢着しなければなりません。 御存じのように、ある雑誌は「宇野。パートタイマー内閣」という見出しを使って新内閣の性格を表現しているのであります。また、七日付のアメリカのワシントン・ポスト紙やヘラルド紙では、総理の倫理について、日本のある雑誌の記事を紹介するなど、総理の人格や識見に疑問を投げかけた報道が国内外にまで及んでいるのであります。 宇野総理、あなたの党内の手続はいざ知らず、国会であなたは多数をもって指名されました。しからば、あなたは、みずからの人格、識見について、この場で、一国の総理にふさわしいことを明らかにしておく責務がおありではないでしょうか。 さて、地方財政計画についてお尋ねいたします。 ここ数年間、国の予算と並行して伸び率の小さかった地方財政計画も、本年度は八・六%という九年ぶりの八%台になりました。この間、昭和五十七年以来ずっと低く抑えられ、国庫補助負担率の削減などによって国の赤字を地方自治体に転嫁し、地方財政の健全化が阻まれ、その結果、公債費負担比率も上昇してきているのであります。 今年度は消費税の導入によって地方の財源は大きく変わりました。今まで独立した市町村税であった電気税、ガス税、木材引取税が全面廃止となりました。道府県税であった料理飲食税、娯楽施設税は、消費税との調整で大幅に減り、合わせて一兆九百九十四億円の自主財源を地方団体は失ったのであります。 この穴埋めに消費譲与税が創設されたのでありますが、従来からの地方譲与税に消費譲与税が加わり、同じ譲与税でも、留保財源のあるものとかいものとが混在し、税の名称だけではその性格がわからなく、複雑になってきたのであります。 また、国庫補助負担率の恒久化によって、負相率削減が固定化されたものに対する財源補てんの一部として、国たばこ税を地方交付税対象税目に追加するということになりました。 国税三税を対象として簡素であった地方交付税は、国税五税となり、税率も三種類になって、これまた複雑となるのであります。 国と地方との財源比率は、国が四六・九、地方が五三・一、自主財源比率は六八%ということになっておりますが、一つは、地方分権に逆行して、地方の主要独立財源をなくしたこと、二つは、消費譲与税に見られるように、配分基準が変動すろ可能性があることなどによりまして、財源の性質は不安定化を強めると言えるのであります。 総理は、地方を大事にされるなら、地方に全く独立した税財源を配分し、複雑多岐で住民にわかりにくい地方の歳入を、簡素にしてだれでも理解しやすいように改革されたいと思いますが、所員をお伺いしたいと存じます。 税制改革においては、国と地方との税の適正な再配分が行われるべきであるのですが、こうしたことには一向に触れず、かつ、地方税改革の懸案事項のほとんどが見送られました。すなわち、行年負担感が強まっている個人住民税の大幅減税け小幅に抑えられ、社会保険診療報酬非課税の適正化、移転価格税制の改善、みなし法人、宗教法人課税の適正化などの不公平税制は放置され、固定資産税、事業所税、事業税の改革も見送られたのであります。宇野総理は、改めて不公平税制の是正のため、これらの改革に取り組む決意があるへどうか、お聞きしたいと思います。 また、天下の大悪税である消費税によって、国民とともに自治体も痛めつけられております。 自治省の五月の調査によれば、都道府県、指定都市五十八団体中、普通会計で実施するもの四十二団体、実施しない団体十六団体、このうち、公営住宅料金で実施しないもの実に二十三団体に上ります。また、指定都市を除く市町村三千二百三十四団体のうち、実施は二千百七十七団体で、その実施率は六七・三%となっているのでありますが、公営住宅の場合は四九・八%であります。 この数字が示すごとく、住民と密着している地方団体において、昔の悪代官のように消費税は取れないのであります。実施団体の中には、行政努力によって単価を切り下げ、消費税を上乗せして従前の料金にしているものもありますので、実質は実施率が下がるものと言えるのであります。私は、地方行政の立場からも、こうした実態に立って、住民と自治体を苦しめる消費税を廃止されたいと思いますが、総理の所見をお聞きしたいのであります。(拍手) 昨年度末で暫定措置が終わる約束でありました国庫補助負担率は、経常経費系統で復元したもの八件、他は生活保護費の一部復元のほかは削減のまま恒久化あるいは暫定扱いとなり、公共事業等の投資系統は依然として暫定扱い延長のままであります。このように補助負担率を政治的に裁断して、当初の約束を守らず地方に仕事と財政の負担をふやしていくことは、国と地方との信頼関係を失わせることになります。 この際、国と地方との事務事業や役割分担、補助金のあり方について本格的に見直しをされたいと思いますが、大蔵、自治両大臣の所見をお聞きするものであります。 かつて昭和五十三年代の財政危機は、交付税嵐を上げるなどの抜本的な地方財政対策を行わないで、交付税特別会計から借り入れるという変則的な処理を行ったため、地方は大きな借金を背負ったのであります。五十九年には借り入れ方式をやめ、交付税の特例加算方式に変えましたが、六十年度以降の相次ぐ国庫補助負担率の削減は五兆三千六百八十九億円にも及んだため、再び財政対策債による借り入れ方式へと変わったのであります。このうち、交付税として後年度に一千三百億円を法定加算、八千四百四十億円を暫定加算とした取り扱いを国は決めたのであります。我が党は、この八千四百四十億円が切り捨てられるおそれありと指摘してきたのでありますけれども、現実に今回半額の切り捨てがなされたのであり言す。このように一貫性のない財政対策とその場しのぎの約束をして、後からほごにし地方団体に負担を負わせるやり方は、まさに政府の専横独断であって、厳に戒むべきであり、新内閣のこのような財政対策の考え、及び暫定加算の全額算入が行われるよう措置されたいが、いかがお考えでしょうか。大蔵、自治両大臣の所見をお聞きいたすものであります。次に、地方交付税についてお伺いいたしたいし思います。 地方交付税が複雑になってきたことはさきに指摘したとおりであります。まして、国庫補助負担率削減のため、算定基準を無理にやりくりして事業補正で補ってまいっておりました。また、ふるさとづくり特別対策事業の交付税措置の方式や一億円各自治体配分のように、本来の交付税の機能が曲げられ、失わされてきているのであります。交付税が地方自治体固有の財源として、各自治体間の財政調整機能を果たしつつ自主的に使われているものが、国の政策に誘導されて交付されるものがふえてきたのであります。言うなれば、個別補助金から包括的大型補助金化へと機能転換の兆しが出ているのであります。地方自治体の自主性を阻害するものとして憂慮にたえません。 地方交付税は、地方財政を円滑に運営するに必要な総額を確保することが必要であります。同時に、地方の創意工夫が拘束されない自由な財源でなければなりません。交付税の性格と総額の確保について総理のお考えを尋ねるものであります。 さて、総理に、地方の活性化についてお尋ねいたしたいと思います。 さきの竹下前総理はふるさと創生をキャッチフレーズにされました。中曽根内閣時代の個性的で魅力ある町づくり、地域づくりを積極的に推進するという方策、竹下内閣の創意工夫を凝らした町づくり、村づくり、地域づくりという方針は、ともにいずれも中身ははっきりしませんでしたが、宇野総理は、今度は言葉のかけらもありません。あなたは、わずかに土地対策の中でふるさと創生という言葉をとらえ、臨時行政改革推進審議会の答申を待って、行政改革の中で地方自治の体制を築き上げると言っておられます。今日、内政の重要課題である地方の活性化について何ら理念のないあなたの所信は、全く進路のない船出に等しい失望感を与えるのみであります。地方の活性化について総理のお考えをお聞きいたしたいと存じます。 また、今年度から地方財政計画にふるさとづくり特別事業として地方債が計上され、「自ら考え自ら行う地域づくり」事業として、地方交付税の交付団体に一律一億円を交付税の中から配分することにしております。また、地域総合整備財団の創設と融資制度、ふるさと市町村圏基金の設置などがあります。このふるさと創生という名に乗っかかって、各省庁は四十余のプロジェクトがふるさとという名前をつけた新規の予算をとっております。 同じようなことでは、昭和五十九年度からまちづくり特別事業が計上されており、事業内容は、大小の差こそあれ、類似しているのであります。そして地方債の引き当てや交付税措置があるかどうかの違いがつけられているのであります。これでは、みずから考えるどころではなく、別の観点からすれば、二重、三重のひもがつけられていることになります。 もし本当に地方にみずから考えて仕事をさせるなら、権限を思い切って地方に移譲すること、一億円の配分額や暫定加算、交付税特会への借入返済金などをまとめ、新たに地方振興基金をつくり、地方の農漁業の振興や福祉のプランに自由に使えるようにすること、地方債の認可制をやめること、独立税を与えること、こういうことなどをおやりになったらどうでしょう。地方制度調査会も再三、権限移譲について答申を行っているのでありますが、総理並びに自治大臣の所見をお伺いしたいと思います。 さて、新内閣発足以来、各種の世論調査が発表されております。本日は日本世論調査会の五、六両日の調査結果が地方紙に一斉に報じられております。宇野内閣に対する支持三五・五%、不支持四九%、自民党支持三一・二%、野党支持合計四二・八%となっております。 中国古来の言葉に「国は民を尊しと為し、社稷これに次ぎ、君を軽しと為す」というのがありますが、まさに宇野総理の立場はこれに尽きるのであります。今、民意に問う決断を求められていることを申し上げ、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣宇野宗佑君登壇〕
○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 安田さんの御質問にお答え申し上げます。 最初に、パート内閣、パートタイム内閣というふうな話がございましたが、私たちはそのようなつもりは毛頭いたしておりません。つなぎでもなければ暫定でもない、しっかりと大地に根をおろしまして、私たちは政治改革を断行していきたい、かように思っておりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。 その次に、地方独立財源の強化及び地方財政対策、これに関しまして御質疑がございました。 さきに成立した税制改革によりまして、地方税財源の減収というものが生じますが、これは御承知のとおり、消費税の一定割合を譲与税と交付税に分けまして、これで対処することにいたしております。また、地方独立財源の充実強化を図ることは重要な課題で、もう当然のことでございますので、今後とも努力をいたしたいと思います。 地方財政対策が複雑だという御指摘でございます。平成元年の地方財政対策は、各般の措置を組み合わせて地方財政の運営に支障を生じないよう措置しているところでございます。御理解のほどをお願い申し上げます。 国・地方の税源配分に関しましても御意見を伺いました。 さきに成立いたしました税制改革は、税を納める国民にとりましては、国税と地方税をあわせた税制全体として、その中で所得、消費、資産等の均衡のとれたものとすることが緊要であるという観点から取りまとめられたものでございます。したがいまして、国・地方の財源配分のあり方につきましては、国・地方間の事務配分のあり方等広範な問題と関連をいたしておりまするから、幅広い観点からこれは今後も検討を続けていきたい、かように思っております。 地方団体の消費税の転嫁でございます。 これまで、今申し上げられましたような幾つかの地方団体が消費税の転嫁のための措置を講じておりまするが、中には未実施の地方団体もございます。未実施ということになりますると、やはり一般財源から使わなくてはならないというふうなことになりますので、むしろ住民にとりましては不公平ではなかろうか、かように考えます。できるだけ早い機会に適切な措置をとられるよう、さらに指導しなければならないと考えております。 消費税は廃止してはどうかということでございますが、毎回申し上げましたとおり、我々といたしましては、将来の高齢化社会、また国際化社会等々のことをおもんぱかりまして、豊かな長寿・福祉社会をつくるためには必要な財源である、かように思っております。したがいまして、廃止する考えはございません。 しかし、いろいろな戸惑いを生じておるなじみの薄い税であるということ等を考えました場合に、謙虚に国民の声に耳を傾けまして、そうした問題に関しましても、今後税調でひとつ検討してください、勉強してくださいということを、私は大蔵大臣にお願いを申し上げた次第でございます。 交付税制度に関しましてのお話がございます。 地方交付税は、その交付に当たりまして、一般財源でございますから、したがって使途を制限してはならないということでございます。今後とも、その制度の趣旨に沿いまして、適切に運用してまいる所存でございます。 また、平成元年度の交付税の総額に関しましては、財政運営に支障を来さないよう所要額を確保する、このことに意を用いたいと思います。 国土形成の観点からの地域の活性化というお話もございました。 私も地方議員出身でございますから、十二分に地方の重要性のことはよく知っております。中央集権を排除して地方自治を確立せよというのが地方自治体における一番大切な問題であろうと思っておりまするが、現在、そうした政治上の問題を抜きにいたしましても、東京一極集中ということがあらゆる面においてなされております。これは是正しなければなりません。そして、やはり地方の活性化を図りながら国土の均衡ある発展を図るというのが当然政府の任務であると考えております。既に四全総も発表されております。そうした計画に基づきまして、その中の一環として多極分散型国土形成促進法、これに基づいて地方拠点地域の開発、整備等、地域の活性化に資する諸施策を私も積極的に推進したいと考えております。 前総理がふるさと創生というすばらしいアイデアのもとにその政策を推し進められております。既にしてこのことは地方においても予算化され、いろいろと各地方においてこれに対する期待が寄せられております。大切な政策でございますから、私も当然その継承をいたしまして、地方の活性化のために努力をしなければなりません。 要は、みずから考えみずから行う地域づくり、こうした地域づくりが今後も必要であろうと私は考えます。その地域づくりは、地域の自主性と主体性に基づいて進められることが基本でございます。広く住民の参加も必要でございましょう。そして、個性豊かな地域づくりに取り組まれることも必要でございましょう。こうしたことに対しましては、地方がみずからの責任と判断のもとに自由に使える地方交付税等を活用して各種の支援策を講じているところでございますが、地域の活性化につながるということを期待いたしまして、今後も大いに御支援申し上げたいと思います。 地方への権限移譲の問題でございますが、国と地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方自治の尊重、これは大切なことでございますが、この観点から、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるよう国・地方間の機能分担等のあり方に幅広い検討が必要であろう、かように私は考えております。 政府は、従来から、臨調あるいは行革審等の答申を踏まえまして、機関委任事務の整理合理化等を推進してまいりました。平成元年度の行革大綱におきましても、国と地方の関係等に関しましては、行革審の審議を求めながら、幅広い見地からひとつ国と地方の機能分担のあり方を見直そう、そうしたことも考えておりまするし、それにあわせた費用負担につきましても検討するなど、いろいろなことを決定しております。本年度内に予定される行革審の答申を待ちまして、一層積極的に改革を進めてまいりたいと思う次第でございます。 地域振興のための財源に関しましては、交付税総額の安定確保の見地から、交付税特別会計の借入金、暫定加算の取り扱いを決定いたしておりまするが、多様な財政需要の増大に対しましては、地方一般財源の充実確保のために今後とも適切な措置をとっていきたいと考えております。 また、地方債の許可制度等の問題もございましたけれども、こうした問題に関しましては、地方公共団体の公債の元利償還財源を地方財政計画によって保障しなければならないこと、地方公共団体全体と国、民間との間の資金需要の調整を図る上で重要な役割を果たしておりまするから、今後とも公共団体の安定的な、かつ円滑な財政運営を確保しなければならないと考えております。これに関しましては自治大臣から御説明がございます。 最後に、独立税の創設等に関しましても、そのため新税の創設については種々検討すべき問題点があり、慎重に対処いたしたいと思っております。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣坂野重信君登壇〕
○国務大臣(坂野重信君) 安田議員の質問にお答えいたします。 私に対する質問は、整理しますと七点ぐらいになりますので、的確にお答えいたしたいと思います。 国庫補助負担率の見直し問題が第一点でございます。 暫定措置とされていた国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、地方一般財源の充実を図りながら、総合的な見地から見直しを行ったところでありますが、おっしゃるように、今後とも地方行政の自主性を高めるとともに、国・地方を通ずる行政の簡素効率化を図る観点から、事務事業や補助金のあり方について見直しを進めてまいる所存でございます。 第二点は、暫定加算の取り扱い問題でございます。 いわゆる暫定加算八千四百四十億円の取り扱いにつきましては、自治、大蔵両省間で調整しました結果、平成元年度以降の国庫補助負担率の取り扱いにおいて恒久化されたものに係る財源措置との均衡、その他、国・地方の財政状況を総合的に勘案いたしまして四千二百二十億円を加算することとしたものでございまして、御理解いただきたいと存じます。 第三点は、ふるさと創生事業の問題でございます。 これは、私が自治大臣を仰せつかるに当たりまして、総理から、特にふるさと創生はしっかりやれという指示を受けましたので、今後ともふるさと創生問題に真剣に取り組んでまいる決意でございます。 地域づくりは地域の自主性と主体性に基づいて進められることが基本であり、「自ら考え自ら行う地域づくり」事業等を契機といたしまして、各地域において広く住民の参加のもとに、地域の特色を生かした個性豊かな地域づくりの取り組みが行われているところであります。 自治省といたしましては、このような地域主導の地域づくりを支援するために、地方債と地方交付税によりまして支援策を講じているところであり、地域の活性化につながることを期待しておる次第でございます。 その次は、地方への権限移譲問題でございます。 国と地方の役割分担につきましては、地方分権を推進する観点から、これまでも地方への権限移譲、機関委任事務の整理合理化等に努めてきたところでございます。 ただ、これまでの整理合理化等は、従来からの地方公共団体の要望等から見ると、まだ十分とは言えない状況でございまして、現在、総理がおっしゃいましたように、新行革審におきまして、地域の活性化等の視点に立って国と地方の機能分担のあり方等について検討が進められているところでありますが、この機会に地方分権がさらに推進されるように一層の努力をしてまいりたいと存じます。 その次は、地域振興のための財源問題でございました。 地方財政は引き続き厳しい状況にあることにかんがみまして、その中期的健全化を図るための一方策として、交付税特別会計の借入金の一部を返済する措置をとったところであります。また、暫定加算につきましては、その二分の一相当額を後年度の交付税総額に加算し、交付税総額の安定確保に資することとしております。今後とも、地方公共団体が自主的、主体的な施策を実現できますように、地方一般財源の充実確保に努めてまいりたいと思います。 その次は、地方債の許可制度の問題でございます。 地方債の許可制度につきましては、地方財政計画の策定を通じまして地方債の元利償還財源を保障し、また、国、民間との資金需要の調整等を図る上から、さらにまた、地方財政及び個別団体における適正な地方債の発行規模を維持するとともに、財政力の弱い団体においても、社会資本の整備あるいは地域活性化のための必要な資金が円滑に調達できるようにするため、現状においてもこれを存続する必要があると考えておる次第でございますので、御理解いただきたいと思います。 その次は、地方独立税を創設したらどうかという御意見でございます。 ふるさと創生に必要な財源確保のため、新しい地方独立税を創設することにつきましては、税源の地域偏在の状況、住民負担の公平確保、国と地方の税源配分のあり方など幅広い検討をする必要がありまして、今後慎重に対処すべきものと考えておる次第でございます。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣村山達雄君登壇〕
○国務大臣(村山達雄君) 私に対する質問は二つでございます。 一つは、今度の国庫補助負担率が、一部は復元されたり、一部は削減のまま恒久化されたり、あるいは暫定のまま残されたりしておる、国と地方の事務負担や補助率のあり方について全般的に見直すべきではないか、こういう御意見でございます。 昭和六十三年度まで暫定措置が講じられた事業に係る補助負担率につきましては、今回、最近における財政状況、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を踏まえまして、改めて検討を行ったところでございます。その結果、国・地方の財政関係の安定化に配慮しながら適切な見直しを行った結果でございます。 なお、国と地方の関係等につきましては、新行革審におきまして幅広い観点から検討が行われるものと考えております。 第二の問題は、いわゆる暫定加算の取り扱いの問題でございました。 いわゆる暫定加算は、昭和六十年度から六十三年度まで講じられた補助率等の引き下げ措置が暫定措置であることにかんがみまして、各年度の地方財政への影響額の一部について、暫定期間終了後にその補てんに関する取り扱いを大蔵、自治両省で調整するものとされておったものでございます。 今回、暫定期間が終了することに伴いまして、両省間で調整した結果、五十九年度までの補助率等と今回定められた補助率等との関係、それから財源措置を総合的に勘案して、四千二百二十億円を平成三年度以降の交付税に加算するよう地方交付税法に法定することと定められたものでございます。 以上でございます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) 吉井光照君。 〔吉井光照君登壇〕
○吉井光照君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のありました平成元年度地方財政計画並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 さて、今回のリクルート事件は、国民のかつてない政治不信を招き、民主政治の基盤をも揺るがした重大な事件であります。捜査が終了した今日、政治家の逮捕は二人、政治資金規正法違反者は最高二十万円の罰金、それも略式裁判という結果で検察庁は終結宣言を行っております。 しかも、政治改革を掲げている宇野総理は、宇野内閣はけじめをつけた内閣であると言っておりますが、何をどうつけたのか、疑惑は残るばかりで、国民にとってリクルート事件とは一体何であったのか、一向に解明されないままになっております。真にけじめをつけるには、刑事訴訟法第四十七条ただし書き及び国会法第百四条を適用し、事件の全容を明らかにすることがまず第一であります。 また、リクルート事件は、政治献金の分散等、政治資金規正法の抜け穴の実態が浮き彫りにされた事件であることから、総理は、政治改革を断行するため、自民党の政治改革大綱を忠実に実行すると言っておりますが、この大綱を見る限りでは、こうした不備が解消されるとは思えません。すなわち、今後の政治改革に当たっては、パーティーの会費を政治資金規正法の枠の中に入れること、あるいは政治献金を受け取る政治団体の数を規定すること等の最低の措置をも講じようとしておりません。根本的政治改革を行うためには、少なくともこれらの点を実施すべきであると考えるのでありますが、総理の見解を伺いたいのであります。 さて、総理は、中曽根亜流・竹下院政という批判について強く否定をしている反面、前内閣の目玉政策であったふるさと創生政策を継承されるようであります。 今回の市町村に一律一億円の交付については、地方自治体側からは、ばらまき、また、消費税で地方税源を取り上げた口どめ料等々、非常に厳しい批判を受けております。その一方では、地方自治体が初めて自由に使える金という見方もあります。この見方こそ、まさに三割自治ならぬ一億円自治という現在の地方自治の実態を如実にあらわしているものであると言わざるを得ません。 また、現在、政府の地方分散推進のかけ声とは裏腹に、東京一極集中がますます盛んになっております。この一極集中の原因は、国庫補助金制度や国の強大な許認可権限など中央集権化によるものであることは申すまでもありません。したがって、これらを大幅に見直し、地方に権限を移譲することが先決であります。しかし、これらの点については何ら改革の手を加えようとはせず、ふるさと創生のように安易に金をばらまけばいいというのは、思いつき政策と言わざるを得ないものであり、これで真の地域活性化ができるとは考えられません。 今、二十一世紀を目前にして、豊かで潤いのある地域づくりが求められておりますが、これらの事業は住民生活に密着した地方自治体の任務であり、このため地方自治体の役割はますます重要度を増すものと思われます。総理は、地方自治を国政上どう位置づけ、どのような役割を果たすべきなのか、総理の抱いている地方自治像、これをお伺いしたいのであります。 さて、平成元年度の地方財政は、依然締めつけが厳しく、その顕著なものが国庫補助負担率の問題であります。 当初の約束に反し、政府は、投資的経費について補助率を削減したままなお二年間継続することとしており、社会福祉施設の措置費に至っては、国の負担率を削減したまま恒久化しております。高齢化社会に向けて地方自治体の責任はますます重くなりつつありますが、国庫補助負担率は長年の経緯と国・地方間の機能分担に基づいて定められたものであり、一方的な補助率削減は国・地方間の財政秩序を乱すとともに、信頼関係をも著しく損なうものであります。したがって、政府は、地方財政を圧迫する補助負担率削減を直ちに取りやめ、昭和五十九年度以前の補助率に復元すべきでありますが、御見解をお伺いしたいのであります。 次に、消費税についてであります。 前総理退陣の原因の一つとなった消費税が施行され、二カ月が経過をいたしました。この間、国民の不満は時がたつに従って増幅する一方であります。特に年金生活者は、食事を切り詰めるなど、生活を直撃されている実態が如実に浮き彫りにされるとともに、価格転嫁不能の実態も明らかにされ、中小の事業者の不満も頂点に達しており、前総理が言う九つの懸念が現実化しております。 こうした原因は、消費税の仕組みの欠陥や拙速審議と国民、関係者への周知徹底の不足によることは当然であり、一方、現在の好調な経済に支えられた税の自然増収は、政府の見積もりを大幅に上回ろうとしております。したがって、この際、消費税は撤回し、再度税制の抜本改革をすべきであると考えます。 また、一昨日の新聞報道によりますと、総理は中曽根派の会合で、消費税をこの夏の参議院選挙までに見直す意向を明らかにされたようでありますが、しかし、先日の本会議答弁では、来年の五月まで定着状況を見守った上で見直すと答弁をされておりますが、その真意のほどはどうなのか。さらに、この発言は参議院選挙目当てのもので、国民生活に重大な影響を与えている消費税に対し余りにも安易な考えとしか思えません。総理の御見解を伺いたいのであります。 次に、国民健康保険制度についてでありますが、近年、老人保健制度、退職者医療制度の創設等の改革が行われたものの、国民健康保険の財政基盤は依然として脆弱であり、このため、国保の保険料負担は依然大きくなっております。また、保険料負担や給付率についても、他の医療保険との格差が著しい上に、国保間でも格差があり、国民に不公平感を増幅させております。国保について、保険料負担の軽減措置と平準化及び給付水準を他の医療保険制度並みに改善するための保険制度の一元化を図ることが必要であります。したがって、国保の抜本的改革についてどのようにするのか、早急に対策をまとめるべきであると考えますが、政府の御見解をお伺いいたします。 最後に、国際化の問題についてお伺いいたします。 最近、国際化時代を迎え、地方自治体や地域住民による国際交流が盛んになり、いわゆる地域の国際化が急速に進展しております。こうした中で、国際化に対応するためには、全国規模で活動する国際交流団体を対象に国際交流減税制度を創設いたしました。今後、地域レベルの国際交流がますます重要になってまいりますが、各都道府県レベルの国際交流団体に対する寄附金についても減税の対象とすべきであると考えるものでありますが、見解を伺いたいのであります。 以上、当面する重要問題について質問いたしましたが、政府の率直な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣宇野宗佑君登壇〕
○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 吉井さんの御質問にお答えいたします。 自民党の政治改革大綱なるものは全くなっておらぬということでございますが、自民党といたしましては、御承知の有識者会議、こうした有識者会議の提言というものを中心といたしまして、本当に真摯な検討を続けて決定したものでございます。しかも、そのうちの法律に関するものは既に本院にもう議員立法として提出されております。だから、その内容を見ていただければ、私は十分御理解賜るのではないかと思います。できたならば、野党の皆さん方の案も見せていただきまして、速やかにそうしたことをお互いに議論しながら、この国会において、あとわずかでございますが、ぜひとも成立をさしていただきたい、かように思っておる次第でございます。 特に、リクルート事件の捜査に関しましても、私は、この国会で、政府といたしましては、国会の調査権というものは大切なものでございますから、この調査権に対しましては法令の許す範囲でできる限りの協力を申し上げます、このように先日も申し述べました。既に、議運におきましては、これに関するいろいろと委員会の手続がなされておると承っておるような次第でございます。 次に、パーティー規制と政治団体の数の制限という問題、これも、私たちはやはり検討していかなければならない、仰せのとおりだと私は思うのであります。 自民党といたしましては、政治資金パーティーが行き過ぎにならないために、そこで我々は、パーティー収支の明確化を図ること、二番にはパーティー券の大口購入の禁止、これは今までなかったわけでございます、こうしたことを内容とする政治資金規正法の改正、これを出しておりますので、ぜひともひとつ御審議をお願いいたしたいと思います。 政治団体の数につきましても、すぐに減らせということはなかなか難しゅうございましょうけれども、我々といたしましては、とりあえず今回の自民党案では、政治家の関係政治団体がだれのものか、それをきちっと公表しましょう、その公表の措置をいたしましょう、そうしたことを講じておるような次第でございます。 その次に、ふるさと創生を安易に受け継いだんじゃないかと思われるようなお尋ねでございましたが、やはり前内閣といたしましては、このことも一つの地方の活性化のために大切なことである、やはり東京一極集中を排除して全国土が公平に繁栄する、このことはひとつ地方自治体においても十分に考えましょう、ついては、それについてのアイデア料も何もないというふうな状態を十二分に勘案されました前総理がお決めになられまして、現在それが進められておりますので、当然私も、そういう立派な事業は、途中で受け継いだというものの、やはり実らしていくことが必要である、かように思っておりますので、この点も東京一極集中排除という政策とともどもに推進をしてまいりたいと思う次第でございます。 そんなことで、許認可権限の地方への移譲に関しましても御質疑がございましたが、これは、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるよう、国・地方間の機能分担、こうしたことのあり方についても幅広い検討が必要である。 このことに関しましても私は高い関心を示しておりますが、臨調、行革審等答申を踏まえまして、今後ひとつこの問題の見直し等推進していくところでございます。さらに、平成元年度の行革大綱におきましても、国と地方の関係につきましては審議を求めております。そして、国と地方の機能分担のあり方を見直しましょう、これにあわせ費用負担につきましても検討するなどを決定しておりますから、本年内に行革審の答申が出ますが、それを待ちまして、なお一層積極的に改革を図っていきたい、かように存じておる次第でございます。 地方に財源を移譲すべきではないか。これは四全総でも示されておりまして、地域特性を生かした魅力ある地域づくりがこれは大切なことは申すまでもございません。多様な財政需要の増大に対しましては、地方財源の確保と安定、これは当然図っていかなければなりませんので、適切な措置を講じたいと思います。 総理の抱いている地方自治像はいかが、こういう御質問でございます。 先ほど私も、古来中央集権を排除して地方自治を確立しようというのが地方の最大の目的であるということはしばしば申し述べましたし、明治以後そのような形におきまして我が国の市町村はそれぞれが発達してこられたと思いますが、要は、地方自治は民主主義の基盤である、そしてそれは内政のかなめである、こういうふうに私は考えておる次第でございます。 補助率の復元に関しましては、昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係る補助負担率につきましては、最近の財政状況であるとかあるいは機能分担、費用の負担等を踏まえまして改めて検討を行い、国・地方の財政関係の安定化に配慮しつつ適切な見直しを行ったところである、法律も成立いたしておるという段階でございます。しかし、いろいろとこういう問題に関しましても常に関心を抱き、熱意を抱くことは、私は吉井さんと何ら変わりがないものであると考えております。 消費税の見直し発言、こうした問題でございますが、免税点制度の見直しは、税制改革法に定めるように、納税者の事務負担や転嫁の実現状況等の実態把握がその前提でございます。しかし、将来の見直しに備えまして各層の意見を聴取したい。つまり、国民の声を私たちは十分聞きたい。そして、政府税調に実施状況等を把握する場を設け、そして来年五月を待たずに早目に勉強を始めてはどうか、このことは村山大蔵大臣にもお伝えしてあるところでございます。 特に、私が中曽根派の会合においてそういう消費税の見直し等々を参議院選に絡めて話したという御指摘がございましたが、全くそういう事実はございません。私は派閥を離れるためのあいさつに参りましただけで、そのあいさつに参りましたときに、私の任務は政治大改革をやることでございますから御協力をということだけを申しまして帰ってきたわけでございますので、その点は私の申し上げましたことを御理解賜りたいと存じます。 また、消費税は廃止してはどうかということでございますが、これは将来の高齢化社会のためにも、また国際化のためにも、私は必要な税法である、かように考えておるような次第でございます。 最後に、都道府県レベルに対する国際交流減税、これをやったらどうだということでございますが、確かに国際交流は今日盛んでございまして、いろいろな地方との間におきましてそれぞれ姉妹県あるいは姉妹都市が結ぼれておりまして、交流が盛んになることは私は本当に結構なことだと思っております。そこで国際交流減税制度は昭和六十三年度の改正によって追加したばかりでございます。全国レベルの対象法人の実態も見きわめる必要があること、そうしたこともございますから、とりあえず今後慎重に対処していきたいと思う次第でございます。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣村山達雄君登壇〕
○国務大臣(村山達雄君) 吉井議員にお答えいたします。 私に対する質問は、補助率の復元問題と、それから都道府県レベルの国際交流団体に対する国際交流減税の話でございましたが、いずれも今総理からお答えがございました。したがって、私からつけ加えることはございませんが、減税の方につきましては、今総理がおっしゃったように、これは六十三年にやったばかりでございますし、その実態を見なければならないという点が一点。それから、特定地域の利害と絡むことがあるかないか。国税で免税するということがその場合どういうことになるのだろうか、国政レベルの減税ということが必要かどうか、こういう点も一つの問題点になるかもしれぬ、このように思っていることをつけ加えさせていただきます。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣坂野重信君登壇〕
○国務大臣(坂野重信君) 吉井議員にお答えいたします。 補助率問題につきましては、総理から御答弁いただきましたように、総合的な立場で検討、措置したわけでございます。それ以上つけ加えることはございません。 国民健康保険制度につきましてお答えいたしたいと思いますが、国民健康保険制度につきましては、現在、社会保障制度審議会において、地方公共団体の代表も参加しておりまして、議論に加わっております。 自治省といたしましては、これは本来国民皆保険の一環として国の制度として設けられたものでございますから、国に基本的な責任があるという考え方でございます。平成二年度の見直しに当たりましては、昭和六十三年度の見直しの経緯を踏まえまして、国保制度の中長期的な経営の安定化に向け幅広く検討を行うことが必要ではないかと考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
○国務大臣(小泉純一郎君) 国民健康保険制度の抜本的改革についてのお尋ねですが、これまでも老人保健制度や退職者医療制度を創設するとともに、昨年には国民健康保険法の改正を行い、国と地方が一体となって制度の安定化を図る仕組みを導入したところでございます。 しかしながら、国民健康保険は、高齢者や低所得者の増大、医療費や所得水準の地域格差等、その運営の不安定要因となっている構造的問題を抱えていることから、現在、社会保障制度審議会において、制度の長期安定確保策について検討をいただいているところであります。 政府としては、審議会の検討結果や関係方面の意見等も踏まえて幅広い角度から検討を行い、平成二年度において制度の長期安定化のための改革を実施する考えでございます。(拍手) ―――――――――――――
○議長(田村元君) 川端達夫君。 〔議長退席、副議長着席〕 〔川端達夫君登壇〕
○川端達夫君 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま提案のありました地方交付税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。 まず第一に、さきの臨時国会において、我が党の強い反対にもかかわらず、拙速のまま通過いたしました消費税を含む税制関連六法案と地方財政との関係についてお伺いをいたします。 今回の一連の税制改革の結果、地方税、地方交付税の減収額が約二兆九千億円、消費税配分額が二兆一千億円、差し引き、地方税の減収額は八千億円になっています。このことは、当然ながら、国への税源偏在を一層助長する結果となりました。 言うまでもなく、地方の自主財源の充実は、シャウプ勧告、地方制度調査会、地方六団体の提言等で何度となく言われてきたことであります。にもかかわらず、昨年の税調答申の基本的な考え方を見ますと、「二十一世紀に向けてより豊かな経済・社会を築いていく」と総論では述べていますが、具体的な国と地方の税源のあり方については事実上棚上げとなっております。先般の税制改革が真に二十一世紀を展望したものであれば、地方財政の自主性と安定性に配慮するのが当然のことではないでしょうか。東京一極集中を是正し均衡ある国土の発展を望むのであれば、国への税源の偏在を是正すべきではなかったのでしょうか。 竹下前総理は、ふるさと創生と称して各自治体に一律一億円の単なるばらまきを行いました。地方の活性化、ふるさとの発展等を真摯に望むものであれば、当然先般の税制改革において地方の自主財源の充実を図るべきであったと考えます。一律一億円のばらまきというような場当たり的なアイデアよりも、本当に二十一世紀を展望した地方財政の自主性と安定性の確立を考えた税制改革を行うべきであり、まさに国あって地方なしの税制改革であったと言わざるを得ません。総理の御見解をお尋ねいたします。 国と地方の格差に加えて、今回の税制改革により地方と都市の税収の格差が拡大することを多くの有識者が指摘をしております。財政力格差が拡大している現在、先般の税制改革は、二十一世紀に向けて、このままでは大きな禍根を残す結果となるということは明白であります。つまり、国と地方の格差、都市と地方の格差というように、東京一極集中を是正するどころかますます拡大させる格差拡大の改革と言わざるを得ません。また、所得税等においても、資産格差をむしろ拡大する結果となっておりますが、これらの点に対し、総理の御見解を賜りたいと思います。 第二に、国と地方のあり方についてお伺いいたします。 シャウプ税制以来、さまざまの場で地方分権の確立が述べられておりました。しかし、地方分権の確立は遅々として進んでおらず、前述のように、昨年の税制改革ではむしろ逆行さえしており、その結果、中央政府への権限の集中が増大しております。また、中央官庁から地方へ、副知事、総務部長等々に出向している実態を見ただけでも、地方分権が全く解決していないことがわかります。 例えば地方債の許可については、地方自治法二百五十条で「当分の間」となっているにもかかわらず、既に四十年も続いております。このような現況を見たとき、自治省は、地方分権の確立を志向するどころか、逆に中央集権を志向しているのではとの疑念を国民に抱かれても当然であります。 自治省としては、さきの税制改革において地方の自主財源の充実のためにどのような提言や対応をされたのか、それとも国への財源の偏重による自治省の権限強化を望まれたのか、自治大臣の御見解をお伺いいたします。 先般、自民党は政治改革大綱を発表し、「地方分権の確立」の中で、「わが国において、利益誘導型政治を生んでいるおおきな原因のひとつとして、補助金・許認可などの権限の中央政府への集中が指摘されている。」と述べておられます。これは、我が党がかねてより主張してきたことと軌を同じくするものであり、中央への陳情行政を解消するためにもぜひ改善すべき課題だと考えます。 そのために、私は、補助金、許認可、財源などの思い切った地方への移譲、利益誘導政治を断ち切るための公共事業関係の補助金を地方に一括して交付する第二交付税制度の創設を強く要望するものであります。 少なくともこれらのことが実施されなければ、さきの大綱も美辞麗句を並べただけの絵にかいたもちに終わり、また、国民の期待を裏切る結果となるのは明らかであります。総理の御見解をお伺いいたします。 第三に、平成元年度の地方財政対策についてお伺いいたします。 昭和六十三年度の予算の国税収入の自然増収額は、補正後の見積もりをさらに二兆円程度上回り、税収は五十兆一千億程度に達する見通しとなっています。したがって、地方交付税もさらにふえることが予想されます。また、このような状況では、平成元年度においても政府の税収の見積もりを上回ることが確実と思われますが、この点について大蔵、自治両大臣の御見解をお伺いいたします。 このように、平成元年度においても地方財政計画の収入を大きく上回ることが確実な状況において、地方自治体の債務残高等に配慮し、自然増収に見合った住民税減税を当然行うべきであると考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。 今回、政府は、平成元年度に限り、昭和五十三年度から五十五年度発行分の財源対策債について、財源対策債償還基金費を設け、交付税措置を講じようとしています。五十三年度から五十五年度発行分に限った理由、及び今後他年度発行分についても拡大していくのかどうか、自治大臣の御見解をお伺いいたします。 地方の活性化や自主財源の拡充のために、行政改革推進国民運動会議が「ふるさと人口制度」の創設を提言しております。これは、ある市町村生まれの人が他の地域に移っても、当該市町村をふるさとと希望する人に限りふるさと人口に加えて一定の税収を上げようとする制度でありますが、昭和六十二年度の道府県税の増加額の五五・九%を富裕四団体だけで占めていること、平成元年度においても富裕団体の税収の伸びが大きいこと等から、財政力の格差が現在ますます広がっているという状況であります。このことからふるさと人口制度も格差是正の一助となるのではないかと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。 第四に、国庫補助負担率の見直しについてお伺いいたします。 補助負担率の恒久化に伴い、社会福祉関係の補助金カットについて、国のたばこ税の交付税対象税目化等によって財源を賄うこととしています。しかし、高齢化の進展などにより今後さらに生活保護等の福祉需要の増大が見込まれているのに反し、喫煙者の減少傾向などからたばこ税の大きな伸びは期待できないと思われます。福祉の切り捨てなどという結果を招かぬよう、財政需要に見合った安定的な財源が必要ではないでしょうか。将来にわたり福祉需要に見合う一般財源をどのように確保していくのか、大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。 また、今回の補助率カット復元においても、本来の補助率十分の八に復元すべきところを、カットした十分の七との足して二で割った十分の七・五とした今回の復元措置は、大蔵、自治両省の駆け引きで決まった理念なき改正と言わざるを得ません。大蔵、自治両大臣の御見解をお伺いいたします。 また、公共事業等にかかわる補助率等については、平成二年度までの暫定措置としていますが、平成元年度予算について補助率を復元しなかったのはなぜか、平成三年度から補助率は復元すると理解してよいのか、総理の御見解をお尋ねいたします。 最後に、消費税と地方行政の関係についてお尋ねいたします。 去る五月十九日自治省の発表した「消費税の導入に伴う地方公共団体の使用料・公営企業料金等の改定状況について」によると、消費税の転嫁を実施または予定している団体は、都道府県、指定都市は八九・七%、指定都市を除く市町村は八三・二%となっています。転嫁義務の明白な自治体でさえこのような数字であるということは、今回の消費税の導入がいかに拙速であり、かつ、住民の不満と反対と怒りが強いかを如実に示していると言えます。どのように認識しておられるのか、自治大臣に御見解をお伺いします。 消費税に対する苦情、窓口相談、便乗値上げの監視体制について、地方団体に対し自治省はどう対応しているのか、また、地方団体の取り組み実態について自治省はどの程度把握しているのか、自治大臣にあわせてお伺いいたします。 我が党は、さきの税制国会において、消費税導入に伴う年金生活者、寝たきり老人等の介護家庭等の負担軽減のため、昭和六十三年度補正予算において一万円の臨時福祉給付金及び五万円の臨時介護福祉金を支給することを政府・自民党と約束いたしました。対象となる約四百四十万人に対しての給付金の支給の状況、及び支給に際してのトラブル等がなかったのか、総理の御報告を求めるものであります。 現在、個人住民税は均等割と所得割に分かれており、均等割は負担分任あるいは応益原則に立ち、所得割は応能原則に立っています。住民税の問題の一つとして、課税最低限が、昭和六十三年度の給与所得者の標準世帯で、所得税が二百六十二万円であるのに対し住民税が二百二十六万円となっているように、所得税で納税義務のない低所得者であっても住民税を負担しなければならない階層があります。これは地方税独自の原理から説明されることではありますが、その差はできるだけ小さい方が望ましいのであります。この観点から、住民税の控除額を引き上げるべきだと考えますが、自治大臣の御意見をお伺いいたします。 以上、各大臣の的確な御答弁を期待いたしまして、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣宇野宗佑君登壇〕
○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 川端さんの熱心な地方自治に対する御質疑をお聞きいたしました。 最初に、国・地方間の税源配分のあり方について御質問がございましたが、この問題は国・地方間の事務配分のあり方等、こうした広範な問題とも非常に関連がございます。そこで、幅広い観点から検討すべき問題であると私は心得ております。また、税制改革におきましては、当面、国・地方の事務配分等の問題には踏み込まずに、国・地方の財政運営に基本的に影響を与えることのないよう所要の財源措置を講じたところでございます。 今後、我が国の経済社会、これが進展いたしていきますし、また、地方自治体も大きくなってもらわなければならない。そうしたことを考えますと、地方自主財源の充実を図ることは、これは大切なことでありまして、個性豊かな活力ある地域社会の形成、それに伴う住民の福祉、このために引き続き重要な課題として私は考えていきたい、かように考えております。続きまして、国・地方、都市・地方の税収格差、こういう問題も提起されました。 さきの税制改革によりまして生ずる地方税及び地方交付税の減収に対しましては、消費譲与税を創設し、また、消費税を地方交付税の対象税目に加えることによりまして、一応その運営に支障を来さないように措置をいたしたところでございます。 この結果、我々といたしましても、地方の財源配分には手厚い思いをいたしたのではないかと思っておりますけれども、税制改革において行われました個人住民税の大幅減税や地方たばこ税の従量税化などは税源の地域的偏在の是正に役立つ側面も有しておると思います。今後ともこの地域偏在性の問題ということは一つ配慮しなければならない問題でございますので、財源調整制度の活用を図って、地方交付税等の活用を十二分に検討したいと思います。 資産格差の拡大でございますが、今次の税制改革では、いつも申し上げますとおり、所得、消費、資産の間での均衡のとれた税体系を、国税並びに地方税あわせて我々は考えたものでございます。 資産に対する課税に関しましては、超短期譲渡益重課税制度等が創設をされましたし、また、今まで、税制改革におきましては、土地税制に対しましても、利子課税に対しましても、有価証券の譲渡益の課税に対しましても、いろいろと私たちは措置を講じてまいりました。今後もその適正化を図っていきたいと存じます。 許認可権限の地方への移譲は、これは国と地方を通ずる行政の簡素化、効率化、地方自治の尊重の観点から、前にも申しましたが、身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるよう、国と地方間におきましても、機能分担のあり方等、幅広いその検討が必要ではないだろうかと思っております。 いずれ行革審が本年内に答申をなされることがございますから、こうした問題とあわせまして積極的にその改革を進めてまいりたいと思っております。また、平成元年度の行革大綱におきましても、国と地方の関係等に関しましては、行革審の審議を求めながら幅広い見地からその機能分担のあり方を見直しましょう、それとともに費用負担につきましても検討するなどを既に決定いたしております。そのことは御承知だろうと思います。 補助金や財源を地方へ移譲すべきではないか、このことに関しましても、四全総で示されておりまするとおりに、地域特性を発揮するということは、我が国の地方自治体の将来のためにも、また国土の十二分なお互いの発展のためにも、必要であろうと思います。多様な財政需要の増大に対しましては、地方財源の確保と安定のために今後とも適切な措置を講じたいと考えます。 公共事業関係補助金を地方に一括交付する第二交付税制度を創設すべきではないか、こういうふうな御質問でございます。 補助金の交付に当たりましては、従来から、採択基準を改定をいたしましたり、また零細補助金の整理合理化等によりまして、効率的、効果的な執行に努めております。 公共事業関係の補助金を地方に一括交付するという考え方につきましては、国と地方の役割分担の基本にかかわることでありますと同時に、全国的な観点からの公共施設の整備、政策遂行の上での補助金の重要な機能を損のうおそれがありはしないか等々の問題がございますので、慎重な検討を必要といたします。 自然増収に見合った住民税減税を行うべきではないかということもございました。 中堅所得者層を中心といたしまして重税感、負担累増感を大幅に緩和するために、昭和六十二年九月において平年度六千六百億円の減税、これに加えまして、さきの税制改革で平年度九千四百億円の減税を行いました。これ以上の住民税減税は、現在のところ考えておりません。 特に川端さんの一つのアイデアとされまして、ふるさと人口制度の導入ということを申されました。まあ私はおもしろいアイデアだなと思って伺っておりました。 住民は、居住地の地方公共団体から種々の行政サービスを受けております。いわゆる応益原則を考慮いたしますと、住民税等につきましては住所地の地方公共団体に納税すべきものである、かように思いますので、地方税制にふるさと人口制度を導入することは、現在といたしましては余り適当ではない、かように私は考えます。 公共事業等に係る補助率等を今回復元しなかった理由やいかん、平成三年度以降復元するのかということでございますが、これは、平成二年度までの暫定措置といたしまして、昭和六十三年度に適用されている補助率等とすることにいたしております。これは、最近における財政状況、公共事業の事業費確保の要請に当面基本的な変化はないと考えられるなどから、平成二年度までの暫定措置として現行補助率を適用することとしておるような次第であります。 暫定期間の終了後の取り扱いにつきましては、関係省庁の検討会を設置して総合的に検討をしていただこうと思っております。 最後に、臨時福祉給付金等の支給状況の御質疑がございました。臨時福祉給付金及び臨時介護福祉金の支給実績に関しましては、本年六月末までに報告が行われることになっておりますが、市町村、都道府県等の多大な尽力によりまして円滑な支給が行われている、かように私は承知いたしております。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣村山達雄君登壇〕
○国務大臣(村山達雄君) 川端議員にお答えいたします。 私に対する質問は三つでございます。 一つは、最近における国税収入が非常に好調のようだが、この分でいくと元年度についても税収見積もりを上回るんじゃないか、こういう御質問でございます。 六十三年度の年度を通した税収見込み額につきましては、これまでの収納状況を見る限り、ある程度の自然増収は期待できるように思われます。ただ、三月期の決算法人の申告状況がまだわかりません。これが一年間の大体四割弱のウエートを持っておりますので、それが出てまいりませんと確たる数字は申し上げられないと思います。 それから、平成元年度の税収動向については、まだ年度が始まったばかりでございますので、課税実績もまだ本当にわずかでございますので、これも、今後の税収動向、それから経済情勢等の推移を慎重に見守っていかなければならない、このように考えております。 それから、二つ目の問題は、今度福祉に関する補助率が改定された、そのかわり財源としてたばこ税がその二五%が消費税になったが、福祉の方はだんだん歳出需要がふえる、たばこの方はどうかね、こういう御心配の御発言がございました。 今回の補助率の恒久化に当たりまして、昭和六十一年度以降たばこ消費税について特例措置が講ぜられまして、地方交付税の特例加算として地方に配分されてきた経緯があったわけでございます。そういうことからいたしまして、たばこ税の二五%を地方の恒久財源として措置することとしております。 将来のたばこ税の税収動向につきましては、人口の増加がもちろんあるわけでございますが、他方、喫煙率の動向等、これの不確定の要素もありまして、的確な予測を行うことはなかなか困難でございます。 しかし、いずれにいたしましても、人口の高齢化に伴う地域の多様な財政需要の増大に対しましては、御承知のように毎年度、地方財政計画の策定を通じまして所要の地方財源を確保するようやっておりますので、今後とも適切な措置を講じていくことはもちろんでございますので、御心配は要らないと思います。 それから、今度の補助率復元の措置は、大蔵、自治両省の駆け引きで決まったんじゃないか、理念なき改正ではないかと、大分きついお言葉でございましたが、今回のものにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、最近における財政状況、国と地方の機能分担、費用負担のあり方等を踏まえて改めて検討を行ったのでございます。そしてまた一方、国と地方の財政関係の安定化を図る、こういう点も置きまして、そして両省完全に了解の上で決定いたしたのでございまして、理念なき改正という御指摘は当たらないだろうと思います。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣坂野重信君登壇〕
○国務大臣(坂野重信君) 川端議員の質問にお答えいたします。 七点ございます。 第一点は、地方自主財源の充実の問題でございます。 国と地方のあり方についてでありますが、自治省といたしましては、かねてより地方分権の一層の推進に努力しておる次第でございます。 さきの抜本的な税制改革によって生ずる地方税及び地方交付税の減収に対しましては、消費譲与税の創設であるとか消費税を地方交付税の対象税目にすることによりまして、地方団体の自主的な財政運営に支障がないように措置した次第でございます。今後とも地方税財源の充実確保に努めるなど、地方団体の自主性の充実強化に最大限の努力を払ってまいりたいと思います。 第二点は、交付税及び地方税の増収見通してございます。 大蔵大臣から御答弁がありましたように、交付税の増収につきましては、国税の収入がはっきりいたしませんので、交付税についても同様でございます。また、地方税につきましては、同様にはっきりした状態でございませんので、申し上げることはできません。御理解いただきたいと思います。 それから、第三点の財源対策債償還基金費の交付税措置の問題でございますが、平成元年度の地方財政対策においては、地方財政の健全化を図る見地から、地方財政の借入金残高のうち交付税特別会計借入金と既発行の財源対策債についてそれぞれ同額程度を措置しようということでございましたので、その結果、財源対策債償還基金に係る交付税措置としては、昭和五十五年度以前に発行された財源対策債を対象としたというような次第でございます。今後とも、地方財政の状況に応じて健全化を図ってまいりたいと思う次第でございます。 第四点は、補助率の復元の、足して二で割るというようなことで理念がないじゃないかということでございます。 これにつきましては、今大蔵大臣からお答えがございました。 生活保護等については、経費の性格に応じて原則としてそれぞれ適正な補助負担率によって恒久化したところでございまして、地方財政に対する影響については、さっき申し上げたようなたばこ税の二五%を地方交付税にするなど、一般財源の充実を図ることによりまして地方財政に支障がないように措置したつもりでございます。 消費税の転嫁問題でございますが、地方公共団体は、事業者として、また、新税制の円滑な推進に資するための環境の整備をしなければならぬという二つの立場がございますが、消費税の導入に合わせて円滑かつ適正な転嫁を行うべきものであるとしていろいろお願い、協力をしていただいたわけでございますが、一部の公共団体においてまだ転嫁措置が講じられてない団体もございますので、これにつきましては、できるだけ住民の御理解を得るべくさらに努力いたしましてできるだけ早い機会に適切な措置をとっていただくように、引き続き指導してまいる所存でございます。 第六点の消費税に対する地方団体の窓口相談等の対応、取り組みはどうしているかということでございますが、税制改革を円滑に実施するために、自治省としても、都道府県総務部長会議を開いて、あらゆる機会をとらえて消費税、新税についての窓口相談体制を整備するよう指導してきたところでございます。各地方公共団体におきましても、住民の個別相談に応じる等適切に対応しているものと承知いたしている次第でございます。 最後に、住民税の控除額を引き上げるべきではないかという御意見でございます。 住民税は、地域社会の費用を住民がその能力に応じて広く負担するといういわゆる負担分任的性格を基調としておりまして、その点は所得税が所得配分機能を強く有しているものとは性格をやや異にしておる点もございます。 さきの税制改革において住民税の各種控除額の引き上げを行った結果、その課税最低限は既に相当の水準に達しているものと私どもは考えておりますので、当面は控除額をさらに引き上げる考えはございません。 以上でございます。(拍手) ―――――――――――――
○副議長(安井吉典君) 岩佐恵美君。 〔岩佐恵美君登壇〕
○岩佐恵美君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、八九年度地方財政計画及び地方交付税法改正案に関連して、総理並びに関係大臣に質問をします。 総理は、真の意味での自主的、自立的な地方自治の体制を築き上げるとの所信を表明しています。憲法にうたわれている地方自治の基本は住民自治であります。住民こそ主人公、この立場を貫ぐかどうかが今問われております。 そこで、地方財政及び地域住民に多大な影響を与えている消費税について伺います。 自治体関係者は、消費税導入に伴って、地方自治体の財政負担は一兆四千億円に上るため、現在でさえ深刻な地方財政がさらに圧迫されると危機感を深めています。さらに、地域住民は、各種公共料金、学校給食はもちろん、非課税とされていた授業料、保育料までが消費税実施によって値上げされるということに怒り、激しい抵抗の動きが広がっています。 この住民の怒りを前にして、公共料金への消費税転嫁を普通会計分について全面的に見送っている市町村は三分の一に及んでいます。世論調査でも国民の八割以上が反対し、千葉の県知事選挙や名古屋の市長選、新潟県知事選など、各地で有権者の厳しい審判が下されています。国民は、消費税の見直しなどではなく、廃止を求めているのです。総理が国民の皆様の声に謙虚に耳を傾けるというのであれば、消費税は廃止する以外にないではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手) 政府はあくまでも自治体に消費税の転嫁を求めるとの態度をとっていますが、料金改定の条例改正は、憲法九十四条に基づいて自治体が自主的に判断することであり、国がそれに干渉することは許されません。しかも、公営住宅などは、低廉な家賃で貸すことを目的としているものです。現状でも、最近の四年間で、東京で四四%、大阪府で二三%も公営住宅の滞納額がふえているという深刻な実態です。それらにまで一律値上げを強要するのは、公営住宅法の精神にも反します。国は、消費税転嫁について、地方自治体の自主的判断に介入すべきではありません。総理の見解を求めます。 消費税に加え、今国は、地方固有の財源である地方交付税をふるさと創生という名前で勝手に使いながら、一方では一兆円を超す地方への国庫補助負担金のカットを行って、地方財政を極度に圧迫しています。中曽根内閣の戦後政治の総決算路線のもとで始められた国庫補助負担金の一律カットは、過去四年間の累計で既に五兆円、本年度分も合わせると六兆円を超す巨額なものになります。しかも、その大半が生活保護費、老人保護費補助金など、地方財政法で国が進んで経費を負担する必要があるとされているものに集中しています。 中曽根元総理は、国と地方の負担区分の調整を行っただけで国民には直接影響はないと国会で答弁しました。しかし、四年間の実績は、影響がないところか、例えば生活保護の場合、受給制限によって一年間に三万世帯以上が非情にも切り捨てられ、行政の冷たさに恨みの遺書を残して自殺する人が後を絶ちません。こうした生活保護行政の実態は、まさに国庫補助負担金の一律カットによって国民の命や生活が脅かされていることを物語っています。 さらに、身体障害者施設では、八六年度から費用徴収制度が導入されましたが、このことが障害者の働く意欲、生きる望みを奪っています。また、保育所や老人ホームなどの社会福祉施設では、利用者の負担の増大が大きな社会問題となっています。補助金のカットは、国と地方の負担区分の調整などというものではなく、まさに利用者、国民への負担転嫁そのものであります。憲法二十五条に明記されている国民の生存権に対する国の責任放棄ではありませんか。総理の答弁を求めます。 梶山前自治大臣は、昨年末まで、国庫補助負担金の一律カットについて、八八年度限りというのが国と地方の約束事だから、原則的にはもとに戻すべきだと発言していました。ところが、大蔵大臣との折衝の結果は、公共事業関係はすべて暫定延長、経常経費についても復元はわずか八件、二十一件が暫定あるいは恒久化というものです。しかも、恒久化の見返り財源として政府は国たばこ税の四分の一などで穴埋めしたとしていますが、これも生活保護、保育所運営費など経常経費分の四分の三のみで、しかも不交付団体は最初から対象外です。これでは国と地方の信頼関係は保てないと地方自治体は切実に訴えています。約束どおり補助金をもとに戻すべきです。そして、地方負担分の全面補てんをすべきです。総理並びに自治大臣の納得のいく答弁を求めます。 中曽根内閣以降七年間で軍事費は五三%もふやされ、一方、地方自治体に対する国庫負担金は七%という大幅マイナスです。総理、「政府はスリムに、国民は豊かに」というのであれば、軍事費を大幅に削減し、地方財政や福祉、教育、医療こそ充実をすべきではありませんか。(拍手) 軍拡最優先のもとで犠牲にされてきたのは、福祉と並んで教育です。教育は非課税だと宣伝されてきましたが、消費税実施と同時に国立大学授業料や高校授業料の値上げが相次ぎ、お金がなければ学校へ行かれないなど、教育の機会均等を奪うものとなっています。 さらに、教育予算が消費税によって圧迫された分、教育条件整備の後退にはね返るという危惧さえあります。現状では、四十人学級の達成率は六〇・五%、養護教員や栄養職員等の配置改善率は五〇%にすぎません。これでは九一年までの達成はおぼっきません。また、大都市部の公立高校では、一クラス五十八人を超える深刻な過密学級問題が生まれています。にもかかわらず、今年度から公立高校建設費補助金がゼロにされてしまいました。総理、これでは教育条件整備の放棄ではありませんか。大規模校を含め、四十入学級の計画年度内達成を国民に約束できますか。答弁を求めます。 住民の安全と健康を守ることは、国はもとより、地方自治体にとっても最重要の責務です。 この十年間で輸入食品は一・六倍にもなり、輸入検査員はその一方でわずか二十五名しかふえていません。さらに、地方の食品衛生監視員も五%程度しかふえていないという実態です。総理は、所信で、規制緩和を含む構造調整や市場アクセスの改善を一段と進め、輸入大国となると述べています。現在でも、日本の食品の輸入は国内消費の四カ月分にも当たり、食糧自給率の低下は深刻です。そういう中で、ドイツ、フランスなどの毒入りワインを初め、ソ連のチェルノブイリ原発事故による放射能汚染や、ECが輸入禁止したアメリカのホルモン剤入り牛肉、発がん性が強いカビ毒に汚染されたナッツ類、中国産ウナギや台湾産クルマエビにオキソ燐酸薬物が残留するなど、輸入食品の安全に関する事件が後を絶ちません。現在、輸入食品の検査員は全国でたった八十名です。輸入食品の行政検査率は五%前後です。しかも、このように低い検査率でも違反は年間五百件以上に上っています。これで経済大国、文化国家などと言えるでしょうか。 さらに、外国と日本の農薬や添加物に対する考え方が違ったり、長期輸送に耐えるために日本向けにしか使用しない農薬や添加物などが使用されることもあります。例えば農薬については、アメリカの収穫後使用、いわゆるポスト八一ベスト・アプリケーションでは、日本の使用の一千倍の残留規制という除草剤もあります。ふるさと創生と言いながら、日本の農業を破壊し、国民の生命や健康を不安にさらしてまでアメリカなどの要求を受け入れなければならない理由はないはずです。 政府は、大都市の消費者に新鮮な野菜、果物などを供給している都市農業を初め日本の農業を守るべきです。今アメリカの国内でも、ホルモン剤や農薬の大量使用に対する疑問や不安が広がっています。アメリカなど外国の言いなりの規制緩和を行うべきではありません。輸入食品の国・地方の検査体制の充実強化こそ最優先すべきです。総理の見解を伺います。(拍手) 空母タイコンデロガからの水爆搭載機の水没事故に関連して、総理は、アメリカから事前協議の申し出がないから核兵器の持ち込みはないと繰り返し答弁しています。しかし、これが大変なごまかしであることは、タイコンデロガがそのまま横須賀に入港したことでも明らかではありませんか。だからこそ、アメリカからの核持ち込みに対する国民の不安は高まる一方なのです。 大阪府議会を初め神奈川県議会など、事実の全容解明や非核三原則の厳守などを求める意見書が自民党まで含めて採択されています。既にこのような意見書は一府二県、十一市、一特別区、三町に広がっています。横田基地周辺の四市二町も、政府に対し、米軍水爆搭載機の水没事故の事実究明と非核三原則の遵守を要請しています。今非核都市宣言を行っている自治体は千三百七十八自治体に及び、人口比では六二%となっています。被爆国日本の立場から、核兵器を即時廃絶するということは悲願です。だからこそ、多くの自治体に非核宣言が広がっているのです。総理は、国民の納得できるわかりやすい政治をすると述べています。この問題についても、だれもが納得する対応をすべきであります。明確な答弁を求めます。 最後に。三宅島の圧倒的多数の住民が繰り返しノーの意思を表明しているにもかかわらず、政府は美しい緑の島に米第七艦隊・核空母のための訓練基地を力ずくで建設しようとしています。かつて栗原元防衛庁長官は、我が党の議員に、暮らしよりも安保だ、地方自治よりも安保だと言いました。総理はどうお考えでしょうか。もし同じであるのなら、総理には地方自治を語る資格がないと言わざるを得ません。明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣宇野宗佑君登壇〕
○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 地方財政、地域住民に多大の影響を与えている消費税は廃止すべしというお説でございますが、消費税の税収の約四割は地方公共団体に交付、譲与されることとなっております。そうしたことからも、十二分に地方財政に大きなよい影響を与えていると思いますので、我々といたしましては消費税を廃止する考えはございません。そして、今後とも、地方公共団体におきましても、ひとつ適正な転嫁を行っていただきたい、かように思う次第でございます。 もちろん、消費税は、今後の日本を考えましたときの高齢化社会、そして国際化社会、このために大切な財源である、税源である、かように私たちは考えておりますが、しかし、なじみの薄い税制でございますから、事業者あるいは消費者におきましていろいろと戸惑いがあることも事実でございますので、私はこの点十二分に国民の声を聞きたい、このことは岩佐さんにも申し上げておきたいと思います。同時に、大蔵省におかれましても、やはり政府税調でそうした問題の勉強会をさらに進めていただきたい、かように願っておるところでございます。 補助金カットの復元についてどうするかということでございますが、昭和六十三年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係る補助負担率につきましては、地方の機能分担、費用負担等々を踏まえまして検討を行い、適切な見直しを行ったところでございます。 地方財政につきましても、円滑な運営のために支障を来さないように十二分に配慮いたしております。現に、今回の見直しにおきましても、たばこ税の二五%を新たに地方交付税の対象とする等財源措置を講じておることは、御承知賜っておるところでございましょう。したがいまして、今回の措置が国民の生存権の侵害といったような御指摘は当たらない、私はかように考える次第でございます。 軍事費を大幅に削減して地方財政や福祉等を充実すべしという御意見もございました。 今日、私たちは、福祉、教育、医療等については、社会経済情勢の変化に対応いたしまして各種施策が長期的、安定的かつ有効的に機能するように制度面、運用面におきましても見直しを行っております。真に必要な施策については重点的に配慮をいたしております。 地方財政は、もちろん、地方財政計画の策定を通じまして財源を確保するよう、我々も適切な措置を講じております。 防衛関係費は、そうした厳しい財政事情のもとに他の諸施策との調和を図りながら所要の経費を計上いたしておりますので、簡単に半分をカットせいとか全部カットせいというふうなことはなかなかできるものではございません。 その次に、大規模校の解消及び四十人学級の実施のことについてでございますが、過大規模校については、これを解消して、学校規模の適正化を図るよう市町村を指導いたしております。また、その分離新設に伴うところの所要経費に関しましては、当然補助を行っているところでございます。 小中学校の四十人学級につきましては、今後ともその着実な推進を進めていきたい、かように考えております。 輸入食品の検査体制でございますが、食品の輸入件数の増加に伴いまして、安全性の確保は仰せのとおり極めて重大でございます。検疫所におきまして食品衛生監視員の増員、窓口の増設等々をやっておりますが、いろいろと御指摘の面もございましょう。今後とも、国民の食生活に関する重要な問題でございますから、一層の充実を図る等輸入食品の安全性の確保に努力する所存でございます。 さらに、米空母水爆紛失事故、これに関しましては、ずっといろいろ党の方々の御質問に対して答えてまいっておりまするが、米国政府に対し私たちは重大な関心を表明いたしますとともに、事実関係につき照会を行い、米側より事故の概要及び安全性について説明を受けているところでございます。 安全性の問題に関しましては、現在米御説明に関係省庁間で緊密な連絡をとって、ひとつ日本側としてもしっかりやれというふうに私は外務大臣のときに指令をいたしましたが、そうした十二分なる検討会は依然として続けられておりまして、地域住民の不安を除去するようこたえていきたい、かように考えておる次第でございます。 なお、事前協議が行われない以上、核持ち込みがないことにつきましては、従来お話しいたしておりまするとおり、何ら疑いを私たちは有しておりません。 最後に、栗原元防衛庁長官が、内藤議員の追及に対しまして、暮らしも安保、地方自治も安保だ、こういうふうにお答えになったが、総理も同じお考え方かという御質疑でございますが、栗原元長官は、国の安全保障があってこそ国民の生活が守られるという趣旨を申しておられるので、私も同意見でございます。(拍手) 〔国務大臣坂野重信君登壇〕
○国務大臣(坂野重信君) 岩佐議員の御質問にお答えいたします。 国庫補助負担率の復元問題でございますが、総理から御答弁もございましたように、地方財政全般の総合的な立場から検討して措置した次第でございまして、地方公共団体等からも、やむを得ないだろうということで、大方の了解をいただいているものと理解している次第でございます。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣西岡武夫君登壇〕
○国務大臣(西岡武夫君) 岩佐議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、お尋ねの過大規模校につきましては、既に総理からお答えがあったとおりでございます。 次に、小中学校の四十人学級につきましては、これまで着実にその推進を図ってきているわけでございまして、平成元年度におきましては、新たに児童減少市町村に該当しないその他の市町村内の小学校の第四学年、中学校の第一学年について実施することといたしました。文部省といたしましては、四十人学級の実施は、計画期間の平成三年度までに小中学校とも完成するよう努力してまいる考えでございます。 次に、高校新増設建物の補助制度は、高校生急増の実情にかんがみ、昭和五十一年度から臨時特例措置として始められたものでございます。平成元年度をピークに高校の生徒数が減少期を迎える中で、この補助制度は高校生急増対策として当初の目的を達成したものと考え、平成元年度予算では継続しないこととしたところであります。 なお、高等学校の施設整備については、建物改造費、大規模改造費の補助などにより引き続きその充実を図っているところでございます。 最後に、公立高等学校の教職員定数の改善につきましては、現在第四次教職員定数改善計画を推進しているところであり、御指摘の学級編制の改善については、現在の計画完成後に検討いたしたいと考えているところでございます。 以上でございます。(拍手)
○副議長(安井吉典君) これにて質疑は終了いたしました。 ――――◇――――― 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣 提出)の趣旨説明
○副議長(安井吉典君) この際、内閣提出、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣村山達雄君。 〔国務大臣村山達雄君登壇〕
○国務大臣(村山達雄君) ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、我が国財政は、巨額の公債残高を抱え、国債の利払い費も歳出予算の約二割を占めるなど、なお極めて厳しい状況にあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、引き続き財政の改革を強力に推進し、その対応力の回復を図ることが緊要であります。 このため、政府は、まず、平成二年度までの間に特例公債依存体質から脱却し、公債依存度の引き下げに努めるという目標を掲げ、財政再建に向けて努力をしてまいりました。平成元年度予算におきましても、経済が好調に推移しているこの時期にこそ、目標達成に向けて確かな歩みを進めることが何よりも重要であると考え、緩むことなく歳出の徹底した見直し、合理化に取り組んだところであります。 その結果、特例公債発行額を前年度当初予定額に比し一兆八千二百億円減額することができました。また、公債依存度も、前年度当初予算の一五・六%から一一・八%にまで低下しており、努力目標達成に向けて着実に歩みを進めることになったと考えております。 しかしながら、平成元年度におきましても、なお財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。 本法律案は、以上申し述べましたように、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置として、同年度における特例公債の発行、国債費定率繰り入れ等の停止、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例について定めるものであります。 以上、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手) ――――◇――――― 平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○副議長(安井吉典君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。 〔堀昌雄君登壇〕
○堀昌雄君 ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について、日本社会党・護憲共同を代表して、宇野内閣総理大臣に質問をいたします。 まず最初に、宇野総理は、これまでたびたび答弁の中で、この内閣として政治改革が大変重要だ、こういうふうにお話してございます。私もそう思います。しかし、一体その政治改革というのは、政治倫理、政治資金規正法、選挙制度の改革で、これで政治のすべてを包括しているのでしょうか。私はそうは思わないのであります。 今の時点では、確かに政治倫理の問題、政治資金の問題、選挙法制度の問題、私も昭和三十五年から公職選挙の特別委員として今日まで約三十年近くこの委員会におりますから、これが非常に重要であることは、私は最初からもう何回も鈴木総理やあるいは竹下総理に提案をいたしておるわけでありますから、そのことは非常に重要でありますけれども、今私どもは、戦後四十五年がたってきておりまして、非常に全体の情勢、戦後のあの情勢から大きく実は変わっておるということは、皆さんも御承知のとおりであります。にもかかわらず、非常に重要な財政制度について、あのときにつくられた財政法、昭和二十二年三月三十一日につくられた財政法に縛られて、適切な国債の発行に関する運用が実は行われていない。 私は、五十六年二月の大蔵委員会で、当時の渡辺美智雄大蔵大臣に、国債資金特別会計を設けて、要するに国債の発行についてはこの会計で自由に発行をして、そうして一般会計はこの会計から必要な資金の供給を受けるということにすべきではないのか、これが一点であります。二点目は、やがて来る大量の借りかえに対して何も手を打っていないで借りかえができるのか。四兆、五兆のものを一遍に借りかえすることは不可能ではないか。そこで、短期国債を発行して事前に資金を調達をして借りかえをスムーズにやるべきではないか。 同時に、日本は、皆さん御承知のように貿易が主としてドル建てになっているわけであります。ドイツはほとんど六〇%以上がマルク建てでありますから、要するに円が動こうと動くまいと、ドルが動こうと動くまいと、余り大きな影響はありません。しかし、日本はほとんどの貿易がドル建てでありますから、ドルが動くことがまさに日本経済を揺さぶることになるのであります。 私は、五十六年二月に、そういう意味で、今の短期国債をアメリカのTBのような短期国債として発行をして、短期金融市場をこれでつくろう。同時に、この年の五月の銀行法改正の中で、コマーシャルペーパー、CPの法的整備を進めて速やかにCPを発行できるようにしろ。この二つはいずれも短期金融市場の主要商品でありますから、この短期金融市場を大きくすることによって円建てで問題が処理できるようになる道が開かれるのでありますけれども、五十六年に提案をして今日まで八年たっておりますけれども、短期国債だけはスタートできましたけれども、肝心の国債資金特別会計というのは現在もそのままなのであります。 皆さん、この国債の金利というのは非常に高いときと低いときがあるのであります。例えば、一番金利が高かったのは昭和五十五年四月債が八・七%、一番安いのは六十二年六月債が三・九%、要するに三・九の倍以上、実は高い金利と安い金利のときに国債には四・八%も金利の差があるわけであります。だから私は、金利の高いときには短期の国債を発行をして、そしてつないでいく。長期の国債は金利が高いわけですから、それこそ一年の国債でもいいし二年でもいいから金利の安い短期国債で泳いでいて、金利が安くなったらそこで長期国債に乗りかえる。こういうような本来行われるべき問題の処理をすべきではないのか。私のこの提案で計算をいたしますと、仮に五十六年四月から私の制度が導入をされて、六十四年の三月まで運用いたしますと、五兆九千億の金利が実は節約をできておる、こういうことなのであります。 だから、私はそういう問題について何回か大蔵委員会で問題を提起しておるのでありますけれども、ちょっとここに、私の考えだけではなくて宮澤前大蔵大臣も同じ考えだということを簡単に御紹介したいと思います。 六十一年三月二十四日、「当面の政策について」、当時宮澤さんは総務会長でございますが、 今日のような低金利の時代には既発国債をもっと低利なものに借換えれば大きな国益になるはずであるが、このような発想が浮かばないのは、現在の財政制度が大福帖式で、金利の観念がないからである(関係法令はほとんど終戦直後のもの)。将来制度を改め国債の発行や管理を景気動向、金利、税収などを勘案して経済法則に則って弾力的に行なうこととすれば金利支払などかなりの節約が可能になる。 こういうふうに宮澤さんは総務会長のときに新聞に発表しておられるのです。 私は、昨年の四月二十二日の大蔵委員会で、同じくこの問題について実は問題を提起をいたしました。それに対する宮澤大臣の答弁も、極めて適切な答弁であります。 この点も従来から堀委員が御指摘になっておられることで、基本的なお考えには私は共感を覚える点が多いわけでございます。 一般に政府が仕事をいたしますときに、国民の税金あるいは料金等々、いわば金利のつかない金で仕事をするというのが基本の部分なものでございますから、その金利という観念が、全くこの点は民間の企業と違った立場に立っておるということが私は根本にあるのだろうと思います。しかし、実際にはこういう世の中になりまして、国が現実に借金をしておるということになっておるのでございますから、金利ということに無関心であってはならないのだと思いますが、なかなかそこのところの全体の仕組みが、まさに会計の制度からそうなっておらないというところに問題があろうと思います。御指摘のとおりだと思います。 そこで、今度財政法にいろいろな問題がある。従来からの御指摘の問題は、先ほど銀行局長も申し上げておりましたように、借換債のところで事前発行あるいは繰り延べ発行等々の弾力性を持たしていただきましたが、ここのところは、結局今の財政法というものが戦争中のこともあり御承知のような経緯で、建設国債はともかく、借金というのはしてはいかぬものだという基本に立っておると思うのでございます。 そういうことですべてのことが動いておりますから、これは借金をふやすものではない、ふやすのじゃないのだということで、きっとああいう読み方ができるということになったのだと思いますが、堀委員の言われるように物を考えていきますと、借金はしてはならないという原則の法律から、いかにして借金を経済的にやるかということへ、ふっと考えをある程度シフトさせていくという部分がどうしても私は出てくるのだと思います。それにつきまして、当委員会におかれましては委員各位がそういうことについての御造詣が深うございますので、そのことの意味なり国民経済あるいは国民福祉に与える寄与なりをよく御存じでございますが、ふと問題を、今度借金をしてもいいようになったのだというふうに財政法を変えていくというふうな大変に短絡的な理解というのは、また世の中で一方でありそうでございますので、その辺のところがさてどういうものだろうか。大蔵省という役所は、そういう点は実は一番保守的に考える役所でございますから、そういったところで従来この問題が基本的になかなか解決していかないのだと思います。 しかし、他方で、幸いにして昭和六十五年度に特例公債を脱却できるといたしますと、いわばそういう歳入補てんの意味での公債ということは一遍そこで離れられるかもしれない。建設公債をどうするかということはまた別の議論があろうと思いますので、おっしゃいますような問題はやはり常に私ども考えていかなければならないし、また、特例公債を脱却しますような時期にもう一度考えてみるべき問題であろうこういうふうに昨年の四月に宮澤大蔵大臣は答弁をしておられるわけであります。 そこで、今、御承知のように、この特例債が本年度でどうやら終わりになって、来年度は特例債の発行が行われない。宮澤さんの御指摘になったような情勢がここに生じてきているわけであります。 しかし、皆さん、実はですね、この平成元年度は七兆一千百億の国債を発行しております。これは、四条債が五兆七千八百、特例債一兆三千三百でありますが、さらに十五兆二千億円借換債を出さなければなりません。ですから、結局、新しい新発債七兆一千百億、それに対して新しく借換債として新規に十五兆二千億、合わせて二十二兆三千百億円をこの平成元年には出さなければなりません。 これはずっと続くわけであります。来年から特例債がゼロになりましても、四条債を五兆七千八百は出していくと仮定いたしますと、発行額の合計は、来年、平成二年が二十三兆三千、その次二十兆九千、その次二十三兆五千とだんだんいきまして、ちょうど西暦二〇〇〇年、ここへきますと、発行額は二十八兆になり、国債の残高は百九十六兆五千億になる。 これから五十年も百年も借換債を新たに出していかなきゃならない。そのときに、今のような、そのときの金利だけでやっているというようなことは、大きな国民に対する負担を、税によって賄っているわけでありますから、御承知のように今度の国債費は十一兆余りでありますけれども、これは予算の一九・何%、ほぼ二〇%を国債費が占めておるというのが日本の財政でありますから、このことを考えれば、速やかに私の提案のように国債資金特別会計を行うべきだ。 この財政法ができました背景には、これは当時の大変なインフレ状態の中でありましたから、昭和十九年の東京の小売の物価というものは、十八年を一〇〇としますと、十九年が一一二、二十年一六四、二十一年一〇一〇、二十二年二七二〇、二十三年七九八二、二十四年一二九八八、異常なインフレーションが起きているわけでありますが、これは、御承知のように、国債を日銀引き受けで一方的にどんどん出して不換紙幣を発行した結果このような事態が起きておる。そのときに、米軍は国債の発行をストップさせるという措置をとりまして、その後で今の財政法というのがつくられたのでありますから、超均衡財政なのであります。 現在のこの財政法は、第四条で、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」こう書いてあります。「但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」こうありますけれども、だから、今特例債と言っているのは、私に言わせれば、この財政法の考えていない法律で、今の四条債というのが特例債なんです。均衡財政でやらなければなりません、ならないと書いて、例外に今の四条債、これが特例債。今我々が特例債と言っているのは特特例債を実は出しておるというものが現状でありますが、そういう状態になっているのは、そのような昭和二十二年の三月三十一日につくられた法律だからそうなっているのであります。 現在百六十二兆円もの残高のある国債を抱えて、さらに毎年二十兆以上のものを出すときに、この財政法に縛られていてはどうにもならないのでありますから、まずこの財政法を改めて、私の国債資金特別会計の提案を政府は速やかにやることが政治改革の非常に大きな私は部分だと思います。イギリスにおきましても一九六八年に新しい制度でこのような方向が設けられておるということをひとつ皆さんにも御理解をいただきたいと思います。 その次に、今度はもう一つ問題がありますのは、実は日本電信電話株式会社法というのがやがて改正になります。私は御承知のように各党の皆さんと御一緒に社団法人国際金融経済研究所というのをやっておりますが、国際的に非常に大きな問題になっておる一つが、実は電電公社の株式は外国人に持たせないというこの制度であります。日本電信電話株式会社法第四条は、「会社の株式は、記名式とし、政府、地方公共団体、日本国民又は日本国法人であって社員、株主若しくは業務を執行する役員の半数以上、資本若しくは出資の半額以上若しくは議決権の過半数が外国人若しくは外国法人に属さないものに限り、所有することができる。」ところが、皆さん、アメリカのAT&TあるいはイギリスのBT、いずれもこのような制限がないのであります。 それでは、一体これらの国が持っておる外国人の保有率というのは、大体私の調査によれば、AT&Tでは五%程度は外国人が持っておるというのが現状であります。さらに、BTにつきましては、外国に販売したものは約一四%、全体の七%が、米国、カナダ、日本で売却をされているのであります。 だから、このことは、私が接触する関係者は、あなたは日本が開かれておる、開放的だと言うけれども、ここは象徴的に閉鎖をして、要するに我々がNTTの株を買うことを法律で禁止しているではないか、それが閉鎖性でなくて何だと私たちはやられているわけであります。 どうかひとつ、宇野総理大臣は外務大臣の御経験者でもありますし、サミツトにおいてこの問題が出るおそれもあるわけでありますから、この会社法の改正で速やかに、この問題については、各国とも一五%程度以上を持ってはいかぬという制限は設けておりますから、そういう制限があってもいいのでありますが、少なくともアメリカのATTやイギリスのブリティッシュテレコムのような対応をぜひとっていただきたいということです。 そこで、最後に、最も問題がありますのが日本銀行法という法律であります。これはちょっと読み上げますが、第一条、これは昭和十七年二月二十四日にできておりますので、「日本銀行ハ国家経済総カノ適切ナル発揮ヲ図ル為国家ノ政策二即シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用制度ノ保持育成ニ任ズルヲ以テ目的トス」、二番目が「日本銀行八専ラ国家目的ノ達成ヲ使命トシテ運営セラルベシ」、第五条「日本銀行ノ資本金ハ一億円トシ」「一口ノ出資金額ヲ百円トス」、いいですか、皆さん、これは百円玉になっているのですよ。そうしてその次に、第五条「政府ハ勅令ノ定ムル所二依リ五千五百万円ヲ日本銀行二出資スベシ」、第七条「日本銀行ハ出資二対シ出資証券ヲ発行ス」「前項ノ出資証券二関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム」、いずれもこういうふうになっているのでありまして、さらにこれらの問題についても……
○副議長(安井吉典君) 堀君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○堀昌雄君(続) 総理の御配慮をお願いをしたいということを要望して、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣宇野宗佑君登壇〕
○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 堀議員から、我が国の財政に関する高次元の御質問をちょうだいしまして、私といたしましても本当に耳を傾けさせていただきました。 まず第一に、今回の政治改革は、政治改革だけではだめだよという御指摘がございましたが、先般、私の所信表明においても述べましたし、また、それに対する御質問に対しましても述べた次第ですが、私は、改革前進内閣とつけましたゆえんは、改革をしながら前進をしなくちゃならない、改革によって私たちはこの議会運営もやはり非常に立派なものにして、国民の求めるものをお互いが生み出すという力を持たなければならない、こういうふうに私は申し上げましたので、今回は財政問題に関しましていろいろと御指示を賜りましたことに対し、私といたしましても非常にこれは重大な問題だと考えておる次第でございます。 私と堀議員は、かつて何度も財政問題でテレビの討論会をやっております。したがいまして、私も自民党の代表としてそういうふうないろいろな御示唆を受けたことがございます。それで、今日の堀構想と言われております国債資金構想というものは、確かに、金利の安いときに発行して、そしてその国債費の軽減を求めるべし、これは大変私は示唆に富んだ発言ではないか、御提言ではないか、かように思料いたしておる次第でございます。 したがいまして、かつてこの問題に関しましても、既に、国債の市場動向等に応じた弾力的、機動的な発行というものが非常に大切だというので、昭和六十年におきましては、短期借換国債の発行と、そして借換国債の年度越えの前倒し発行、こういうふうなことをするために、国債整理基金特会法の改正も行われました。これは、ただいまの堀議員の御示唆を踏まえてのことであろうと私は考えております。 仰せのとおりに、現行の財政法は場合によりましては非常に厳格に過ぎる面がございますから、やはりもう少しくフレキシビリティーな面があってもよいのではないかという御示唆も、私たちはやはりお伺いしておかなければならないと思います。今後、財政節度の堅持を基本としながら、国債の発行を含め、財政の一層弾力的な運営を図れないものか、幅広い角度から検討を行う所存でございます。 続いて、NTT株の外国人保有につきましての御質疑がございました。 非常に難しい問題でございますが、一応、この問題に関しましては、NTTが国の安全保障と国民の生命、財産の保護の問題にかかわる事業体であるという観点から、外国人、外国資本等外国法人等による株式の所有を禁じておるというものでございます。政府といたしましても、昨年十二月の新行革審答申とNTTの法附則第二条に基づきまして、組織のあり方を含めNTTのあり方を検討すべき立場にございます。したがって、NTT株の外国人、外国法人等による所有いかんの問題に関しましては、我が国の今後の通信政策のあり方及びNTTのあり方の検討を踏まえまして総合的に取り組むべき問題であると考えております。 日本銀行法の改正でございますが、現行の日本銀行法は、戦争中に制定されました事情もありますし、表現の面におきましても必ずしも現代的ではないというふうな面も感じ取られます。しかし、日本銀行が現行日本銀行法のもとで通貨、信用の調整等の任務を遂行するに当たりましては、これを改正しなくちゃならぬという特段の問題は生じておらないのではないかと考えますが、いずれにいたしましても、日本銀行法の改正は、我が国の経済、金融全体のあり方と深く関連する問題でございますので、検討につきましては慎重に配慮する必要があろうと存じております。 以上でございます。(拍手)
○副議長(安井吉典君) これにて質疑は終了いたしました。 ――――◇―――――
○副議長(安井吉典君) 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十六分散会 ――――◇―――――