法務委員会 第4号
- 発言数
- 388 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/14
会議録
○戸塚委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、法務委員長の重責を担うことになりました。まことに光栄に存じております。 もとより微力ではございますが、委員各位の御理解と御協力を賜りまして、公正円満な委員会の運営に努めてまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○戸塚委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。理事白川勝彦君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 その補欠選任につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は太田誠一君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○戸塚委員長 この際、法務大臣及び法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。谷川法務大臣。
○谷川国務大臣 委員長を初め委員の皆様には、平素から法務行政の適切な運営につきまして格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。 私は、今回、図らずも法務大臣に就任をいたしました。内外ともに極めて厳しい問題が山積しているこの時期に当たり、その職責の重大であることを痛感いたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。 この機会に、法務行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 申すまでもなく、法務行政に課せられた使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤と言うべき法秩序が揺るぎなく確率され、国民の権利がよく保全されていることが極めて肝要であると存ずるのであります。 私は、こうした認識のもとに、法務行政の各分野にわたり、一層の充実を図り、時代の要請に応じた適切な施策を講じ、真に国民の期待する法務行政の遂行に万全を期してまいりたいと存じております。 ところで、当面する法務行政の重要施策につきましては、先月十九日に当委員会において法務行政の先達である高辻法務大臣の申したとおりでありますが、現在、法務省から国会に提出している刑事施設法案を初め出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案など五法案は、いずれも喫緊の課題でありますので、十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るよう重ねてお願いする次第であります。 以上、簡単ではございますが、法務行政につきまして所信の一端を申し述べました。委員長初め委員各位の御協力、御支援を得まして、重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○戸塚委員長 次に、添田法務政務次官。
○添田政府委員 おはようございます。 このたび、宇野内閣の法務政務次官に就任いたしました添田増太郎であります。 時局柄、大任でございますが、谷川法務大臣のもとに、よき補佐役として、時代に即応した法務行政の推進のため、微力ではございますが引き続き最善を尽くしてまいりたいと存じます。 何とぞ、よろしく御指導、御鞭撻のほど、心からお願いを申し上げまして、一言ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)幸
○戸塚委員長 お諮りいたします。 本日、最高裁判所金谷総務局長、吉丸刑事局長、早川家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————◇—————
○戸塚委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
○逢沢委員 大臣の所信に対して、自民党を代表いたしまして、質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、中国から来られているいわゆる中国人留学生の方々に、日本政府として、とりわけ法務省としてどういう対応をしていくべく、いかように考えておられるか、そのことについてお伺いをいたしたいというふうに思います。 いわゆる民主化を要求する中国の学生の方々、そして大勢の労働者、市民の方々、御案内のように天安門でその要求実現に向かって頑張っていこう、そういう運動がなされていたわけでございますが、最終的には非常に残念な結果に立ち至った。中国の戒厳軍の無差別発砲ということで、罪もない、あるいはまた全く抵抗力を持たない大勢の善良な学生、市民の人たちが著しく傷つけられた。大変遺憾なことであり、そして残念なことであるということを強く言わざるを得ないわけであります。 そして、そのことに対して日本政府として非常に日中両国の歴史的な経緯、あるいはまた現在置かれている両国の関係を考えると軽々に発言しにくい、あるいは難しい対応を迫られている、そのことはよく理解できるわけでありますが、しかし、お互いの民主主義の前進のため、あるいはまた基本的な人権が擁護されるべき、そんな姿勢に立つときには、やはり発言すべきことは発言する、そんな毅然たる態度というものが今こそ必要ではないか。そして、そのこと自体が日本国が世界において本当の意味で信頼をかち得ていく、そして本当に中国の首脳の方々がかねがねおっしゃるような、長い目で見れば日中両国の真の友好発展につながっていく、私どもはそのように考えているわけであります。 いわゆる日中平和条約が締結された。その後、両国間の友好というものは深まってまいりましたし、また相互の関係は強化をされ、改善されてきた。そしてこういったことがさらに発展をされなければならないわけでありますが、こういった状況の中、とりわけ今月上旬起こりましたあの戒厳軍の発砲、この後の両国の関係を考える中で、御案内のように中国から大勢の留学生の方が現在日本に来られて一生懸命勉強なさっておられる。しかし、本国において大変な事態が発生をした、そのことに対し大変心配、不安もある。そして、これからどのくらい日本で安心して勉強できるんだろうか、あるいはまた帰った後どうなるんだろうか、そして家族のこと、いろいろな思いが胸中をさまよっているというふうなことを直接間接私どもも伺ってまいったわけであります。 そして、留学をしておられる方々が少なからずことしの八月にいわゆる留学生としてのビザが切れる、こういう仲間が多いんだということを、私も地元の岡山に戻りましたとき、地元の岡山大学にもたくさんの中国人留学生の方がおられるのでありますが、そういった発言も聞きました。これは岡山大学だけではなくて、京大も東大もそんな仲間は大勢いるというふうなことでございますが、実際そういった留学生の方の中には、ビザを延長していただいて、とりわけこういった難しい状況の中にあって延長していただいて勉強したいんだ。しかし、このことに対して中国本国政府は一体どんな態度に出てくるだろうか。寛大な姿勢を示してくれればいいんだけれども、あるいは、場合によっては勉強を半ばで打ち切って、こっちへ帰ってこい、そういうことになるかもしれない。大変心配もし、不安な状況であるようでありますが、このビザの延長の問題、さまざまな角度から既に論じられているところではございますけれども、法務省当局としていかような対応を考えておられるのか、まず最初にお伺いをいたしたいというふうに思います。
○谷川国務大臣 我が国と極めて近接をいたしております隣国中国の状態でございまして、一日も早く状態が平静になりますように我々も祈っておるところでございます。 法務省といたしましては、中国人留学生等から、最近のこの中国の情勢を踏まえて、在留期間の更新申請などが行われます際には、申請者の申し立てに係る諸事情を十分勘案した上、個別に弾力的な対応をいたしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○股野政府委員 ただいまの逢沢委員の御指摘の点について、基本的な法務省当局の立場はただいま大臣の申し述べられたとおりでございます。若干補足させていただきますと、ただいま日本におります留学生、それからさらには研修生、そして各種学校あるいは日本語学校等で勉強している就学生、こういう方々がただいま委員御指摘の問題について当面の我々の注意を向けるべき対象の人たちであろうと存じております。そして、この人たちの状況につきまして私どもも中国国内の動向を十分注意深く見守るという一方で、国内でこの人たちからのいろいろな要望等についてただいま大臣の申し述べましたとおりの立場から十分対応したい、こう考えているわけでございます。 そこで、具体的にただいま法務当局として最近の中国情勢を踏まえての在留期間の更新の申請というものを我々として受理する、そしてこれを審査する、こういう立場にございますが、六月七日以降この種類の申請としまして昨六月十三日までの現在で、全国でこれまでのところ五十八件のこういう申請が行われておりまして、これについてただいまそれぞれの個別の事情を十分勘案しながら弾力的に対応するということでこれの申請を受理しておる、こういう状況でございます。
○逢沢委員 この問題につきまして、これは将来のことでありますから留学生あるいは研修生、就学生の方が、これは本国がどういう状況になってくるかということにも大きく関係してくるかと思いますが、場合によってはこの際、日本に来て勉強してきた、もういっそのこと日本に帰化をしたい、あるいはこういうことを軽々に申し上げるのはいかがかとも思うわけでありますが、場合によっては亡命ということを希望される方がひょっとしたら出てくる可能性もあるのではないか。フランスにおいてあるいはアメリカにおいてこういった動きも一部あるんだということが報道されているようでありますが、もし仮にそういった強い希望が留学生ないし就学生、研修生の方々から出された場合には、一体いかような対応ということになるかということも重ねてお伺いをいたしておきたいというふうに思います。
○股野政府委員 ただいま議員御指摘の、今後起こり得る仮定の問題について御指摘がございましたが、私どもとしましては、基本的には留学生一般に対して私どものとっておる立場を踏まえまして、今後の事態を見ながら対応ぶりを考えてまいるということだと思います。特に亡命というのは仮定の問題でございますので、今の時点であらかじめ具体的にその対応ぶりということを申し上げる点については困難な点もございますが、もし仮定の場合でそういうふうなことがございましたら、これは本人の申し出に理由があるかどうかということをまた個別に十分検討して対応する、こういうことになろうかと存じます。
○逢沢委員 いずれにいたしましても、日本と中国の良好な友好な関係を損なうことのないように、そして将来にわたって発展をさしていく、これは言うまでもなく最も大切なことである。これが中心課題、テーマである。その本筋を見失うことのないようにしっかりとした対応を改めてお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 さて、そこで次の質問に移らせていただきたいわけでございますが、いわゆる大臣所信の中に法務行政の目的、大きな方向としてはやはり何といっても法秩序の維持、そして国民権利の保全である、このことを谷川大臣も先ほどの所信の中で明らかにされたわけでありますが、この件に関しましてひとつ少年犯罪の現状、この問題にテーマ、的を絞って少しく質問をさせていただきたい、かように思うわけであります。 そもそも、政治の目的は一体何かということを私ども政治家の立場として考えるわけでございますが、一言で言えばこの日本の国をさらによい国にしていく、そして豊かで住みやすい国にしていく、そのために政治が存在しまた政治家は力を合わせて頑張っていくんだ、こういうことになろうかと思うわけであります。 じゃあ、よい国、そしてより豊かで住みよい国とは一体どういう国なのかということを考えた場合に、例えばいろんなところで言われるわけでありますけれども、欧米に比べて日本の場合はまだまだ社会資本の充実がおくれている、これを頑張って充実させていかなきゃいけない。あるいは労働時間の短縮の問題等も常に出てくるテーマでありますし、また、これまた諸外国と比べて割り高である物価を鎮静化させるあるいは引き下げていく、そのことに政治が努力しなければいけないじゃないか。さまざまなところからの指摘があるわけでありますが、そういった豊かで住みやすい国という要件を一つ一つ考えてまいります場合に、やはり日本という国は世界的に見れば非常に犯罪が少ない。そして仮に不幸にして犯罪が起こった場合でも検挙率が非常に高いということについては我々少なからず自負心を持っているわけでありますけれども、その少ない犯罪をさらに極小化をしていく、ゼロに近づけていく不断の努力というものは非常に大切である。 とりわけ次代を担う若者を健全に成長さしていかなければならないということを考えますと、少年犯罪の現状、動向が一体どういうことになっているのかということについて我々は注視をしていかなければならないと思うわけでありますが、例えば昭和六十年代に入りましてからのこの少年犯罪の一般的な傾向、動向が一体どういうふうになっておるのか、概括的にとりあえず御説明をいただきたいというふうに思います。
○谷川国務大臣 少年犯罪の検挙数とか内容、動向、具体的な問題につきましては政府委員から答弁をいたさせますが、その前に私から二、三申し述べさしていただきたいと存じます。 刑法犯の検挙件数で見ましても、戦後山が幾つかあるように思います。ずうっとという形でなくて、あるときにぐっとふえる、またあるときにはぐっとふえる、今その第三の山へ差しかかってきているような感じがいたします。ただしその中で、後ほどお話があると思いますが、内容につきましてはいろいろ変わってきておると思いますが、私特に気になりますことは、一つは低年齢化傾向が始まってきておるという感じが一つございます。それからもう一つは中身でございまして、遊び型犯罪だとか無職少年の犯罪だとか女子少年の犯罪の増加等が見られるのは大変に気になるところでございまして、なおこのあたりにつきまして、ただいまから政府委員をもって内容につきましても御報告をいたさせます。
○根來政府委員 少年犯罪でございますけれども、戦後三つの山があった、こう言われております。まず最初の山は昭和二十六年ごろにまいりまして、次の山は三十九年ごろにまいりまして、そして第三の山は五十八年にまいった、大体こういうふうに言われております。ところで五十八年以降、現在までどういうふうになっているかというと、少しずつ件数としては減っているわけでございます。昭和六十二年には二十八万、大体二十九万人の検挙といいますか検察庁の受理人員になっております。 その内容でございますが、ほとんど窃盗でございました。窃盗の次は従来は暴行、傷害という類型が多かったわけですが、最近は遺失物横領とか自転車の乗り逃げとか自動車の乗り逃げとか、そういう傾向の犯罪が非常にふえているわけでございます。それから殺人、放火、強姦、強盗というようなものは、昭和四十一年ごろには大体八千人ぐらい検察庁で受理しておったわけでございますが、六十二年には千七百九十人ということになっておりまして、相当減っているわけでございます。 それで、どういうところで減っているかというと、年長少年とか中間少年の分が大分減っておりまして、結局年少少年といいますかの分が全体としてはふえているという傾向になっております。先ほど大臣がおっしゃいましたように、その内容は遊び型とか無職少年の犯罪とか女子少年の犯罪というのが増加しているわけでございます。ですから、全体として件数はふえているのですが、いろいろ最近新聞をにぎわわせているような凶悪な、大きな事件が起こっているというのが全体的な見方であろうと思います。
○逢沢委員 今局長が最後に、新聞をにぎわしているような凶悪な、そして社会が非常に衝撃を受けるような事件が少年の手によって起こされている、非常に残念だというふうな御指摘があったわけでありますが、お互い記憶の新しいところでは、大臣もよく覚えておられると思うわけでありますけれども、さきに埼玉県の八潮南高校の高校三年生の、新聞では既に名前は公表されているわけでありますが、あえてこの場ではお名前は伏せておきたいというふうに思うわけでありますけれども、非行少年グループによって拉致をされ、約四十日間にわたっての監禁、そして最後は殺されてドラム缶にコンクリート詰めにされた、本当に筆舌に尽くしがたいような蛮行と申しますか、残忍な方法で殺されてしまった。 大変ショックを受けた事件であったわけでありますが、無職のA、B、C、それぞれ年齢が十八歳、これは犯行当時でありますけれども、十七歳そして十六歳、三人をわいせつ目的の誘拐そして監禁、婦女暴行、殺人、死体遺棄、五つの罪で東京家裁、少年でありますから家裁に送致、こういうことを新聞にも報道がされたわけでありますが、今現在その家裁に送致をされた三人、そして四人の少年たちが一体どういう刑事上のあるいはまた検察の上での処分を受けているか、現況について御報告いだだきたいというふうに思います。
○根來政府委員 ただいま御指摘の事件については少年七人がかかわっているわけでございますが、このうち四名につきましては既に家庭裁判所から逆送を受けまして、現在刑事事件として裁判中でございます。残る三人のうち二人は少年院送致の決定を受けております。残り一人はまだ現在審判中でございまして、家庭裁判所に係属しているというふうに承知しております。
○逢沢委員 ところで、この事件が一つのある大きなテーマを社会に投げかけた。それは、少年犯罪のときのいわゆる加害者そして被害者の方の氏名の公表あるいはまたその家庭環境をどの程度一般社会に知らしめるかといったような問題でありますが、大半の報道機関はいわゆる被害者の方の名前は明らかにした、公にしたわけでありますけれども、加害者は先ほど私が申し上げたように、無職AあるいはまたB、そういったことでありました。名前が伏せられている。 しかしある週刊誌、そして一部の新聞では、これはやはり社会通念上おかしいのではないか、少年の将来を考えて名前を伏せるというその意味はよくわかるし、重要ということもよく解釈はしているけれども、世間の常識、良識から考えたときに、こういう大変残忍な犯罪を起こした少年の名前はあえて公表する、そのことが社会正義なんだといったような一つの考え方から、加害者側の氏名そしてまた親あるいはまた家庭の環境、そういったようなことについて記事にした。 大変大きな社会的な反響を生んだわけでありますが、素人の質問で大変恐縮でございますけれども、この少年犯罪の場合の氏名の公表あるいはまた家庭の公表とでも申しますか、これは法的あるいはまたルールの上ではどういうふうに位置づけられているのか、あえて改めて勉強させていただきたいというふうに思います。
○根來政府委員 これは法律的には少年法の第六十一条に「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」というふうに規定しております。したがいまして、第一点は審判に付されたということでございますけれども、付される前の少年も当然ここに入るのじゃないかというふうに考えております。 ただ、この規定は罰則がございません。昔は少年法に同じような規定がございまして罰則があったようでございますが、これは表現の自由とか発表の自由という関係で罰則が除かれたように承知しております。
○逢沢委員 大臣、そこのあたりどうなんでしょうか。法律については今局長からお伺いをした。しかし罰則規定がないといったようなことで、解釈の仕方によっては非常に弾力的に任されておるというふうな現実があるようでありますけれども、大臣のお立場としてこういう不幸な少年犯罪、将来起こらないということを心から願うわけでありますけれども、しかし、その限りではないということも同時に考えられるわけでありまして、犯罪を極小化をしていく、とりわけ少年犯罪をゼロに近づけていく、そのための努力、不断の努力をお互い傾注していきたいと思うわけでありますが、ひとつやはり社会正義ということも考えたときに、一体どういうふうに将来こういった問題を位置づけていったらいいか、方向づけていったらいいか、大臣がどのように基本的なお考えをお持ちなのかをぜひこの際お伺いできればというふうに思います。
○谷川国務大臣 罪を憎むのはすべての人々の持っている意識であろうと思うのです。と同時に、少年法の立法の趣旨というものは、未成熟な少年を保護してその将来の更生を可能にするというところにもある。この将来の更生という問題から考えますと、やはり未成熟な少年を、罪を憎むということだけで扱ってよろしいかどうかというものはやはり相当大きな議論を要するところだと思います。私は基本的にはこの更生に期待をいたしたいという立場でございます。
○逢沢委員 今大臣、未成熟な少年に対しては将来の更生を期待するのだ、そのことにアクセントを置いていきたいというふうな御答弁でありました。そのことを私も心から支持をするものでございますけれども、どうぞひとつそういった基本姿勢を堅持をいただきつつ、しかし本当に社会正義というのは一体どうあるべきかということも大変恐縮ながらお考えをいただき、またお互いに勉強をさせていただければ、そんなふうに思うわけであります。 さて、時間も少なくなりましたが、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。 先ほど少年犯罪のことについてある程度詳しくお伺いをしたわけでございますけれども、大臣所信の中で先ほども触れました一番大切なことは、法務行政の目的として目指すべき方向として、法秩序の維持そして国民権利の保全ということを谷川大臣もうたわれたわけでありますけれども、とりわけ今の法務行政が置かれているその現状を考えますときに、現在のそのポイント、あるいはまたもし法秩序の維持や国民権利の保全に何らかの問題がある部分が仮にあるとすれば、あるいは大臣がどういうところに課題や問題やテーマがあるなというふうに認識をされておられるのか、そのことについてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○谷川国務大臣 法秩序を維持、確保するということは、いかなる時代においても民主主義国家の平和、繁栄それから国民の幸福を考えた場合に、その基礎になるもの、極めて重大なものだ、こう考えておるわけでございまして、それからいたしましてもこの法秩序を乱すようないかなる行動に対しても厳正に対処をするということは、我々法務行政に携わる者として最も基本的なことであろうと思います。同時に、国民の遵去精神の高揚を図るということも民主的な社会を支える上に大変重大な側面であろうと存じております。 今この時期に、ただいま申し上げましたような観点からいろいろ考えますときに、やはり一つには国民の権利義務の問題について大変に社会全体の成長が激しい、速いために起こってまいっておりますいろんな問題につきましても、今申し上げましたような精神を持ってこれに適正、適切に対処していかなきゃならない、これが法務行政として大変大事なポイントであろうかというふうに考えておるところでございます。
○逢沢委員 大変ありがとうございました。 さて、最後にお伺いをするわけでございますが、大臣も既に御承知のように、当法務委員会が抱えておりますたくさんの重要法案があるわけでありますが、とりわけその中でも、私ども与党の委員の立場としても最も力を注いでまいりましたいわゆる刑事施設法の改正、このことについて大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思うわけであります。 今私は、法務省の矯正局からいただきましたこのパンフレット、しおりを持っております。一般の国民、市民の皆様には、刑事施設法の中身でありますとかあるいは改正のポイント、なかなかなじみにくいところもあります。また、一般の国民生活からすれば少し距離があるなというふうなテーマにもなるわけでありますが、いやいやしかし、本当の意味で法秩序をきちんと維持をしていく、そして文字どおり国民の権利の保全ということを考えれば、この法律の改正というのは非常に大切なんだということを私どもかねがねいろんな立場で多くの方に御説明を申し上げてきたところでございますが、今まさに当委員会でも審議半ばということでありまして、この問題について積極的に、今まで以上に情熱を燃やして、そんな姿勢を強めながら頑張ってまいらなければならぬ、そんなふうに思うわけであります。 刑事施設の適切な管理運営のテーマも非常に重要でございますし、被収容者の方々の人権の問題あるいはまた被収容者の方々のいわゆる権利の問題もございます。生活水準を保障していく、あるいはまたいわゆる更生、そういったことにもこの法律案は深くかかわっているわけでございまして、改めて刑事施設法の早期成立を図ろうとする大臣の基本的な姿勢、お立場、お考えを最後にお伺いをいたしたいというふうに思います。
○谷川国務大臣 この国会に提案させていただいておりまする幾つかの法案のうちの刑事施設法の早期成立、もう会期も残りわずかになってまいったわけでございますが、早期の成立に対して大変力強い御発言をちょうだいいたしまして、まことにありがたい限りでございます。さらにもう一点、ただいまお話をお伺いしますと、広く接触されまする国民の皆様方にも法の必要性を説いていただいていることに対して感謝にたえない次第でございます。 現在の監獄法そのものは明治四十一年に制定されておる法律でございますが、その後一度も実質的な改正が行われておりません。そこで、この改正の必要性についてもそれ自体は各方面とも異論がないわけでございます。刑事施設法案そのものは法制審議会の答申を得て、その目的として、刑事施設の適正な管理運営を図り、被収容者の人権を尊重しつつ、収容の性質に応じた適切な処遇を行おうとするものであるということでございまして、どうぞひとつ本委員会におきましてもさらに御審議を賜りまして、一日も早く成立をさせていただきますように心からお願いを申し上げまして、私のこの法案についての決意とさせていただきたいと思います。
○逢沢委員 刑事施設法の改正について大臣の力強いお言葉を聞いて、大変安心もし、かつまた力強さを感じさせていただいたわけでございますが、国民各階各層の御理解をいただく中で本法律案が速やかに成立することをお互い心に期し、そしてそのことのために頑張ってまいりたい、そういうことを最後に申し添えさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○戸塚委員長 稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 法務省から六月十二日にリクルート事件の捜査結果に関する報告というのを予算委員会でされたわけですが、これは私、読んでみましていろいろ感じるわけですが、一つは、政府税調の特別委員に江副氏が選任されましたよね。そのことに関しては藤波さんの起訴の中に入ってないわけですね。それから、この中でも全然触れてないように私にはとれるのですが、まず、起訴されなかった理由というとおかしいけれども、法律的な観点というか理由と、この中に全然触れてないわけですね、これはどういうわけでしょうか。
○根來政府委員 現在、藤波議員の事件について公判中といいますか、起訴した段階でございますので、余り詳しいことを申し上げますと今後の公訴維持に差しさわりがあると思いますが、私どもが予算委員会に報告書を作成するにつきましてその点を除いたのは、リクルート社及びその関連会社の懸案事項という中に大きなものを取り出したわけでございます。大きなものを取り出したところ、そういうスーパーコンピューターの問題とか、それから安比の問題とか就職協定の問題とかいうのがあるわけでございますが、政府税調の問題はリクルート社の懸案事項というよりもむしろ政府の懸案事項のような形が一つはございますので、それをそこに掲げるのはどうかなということでそれを取り除いたわけであります。
○稲葉(誠)委員 これは、昭和六十一年九月に行われたコスモス社の未公開株式の譲渡について云々というところが、これは報告の中の一つの大きなポイントであるわけですね。これは私はこういうふうに読んだんですよ。これは、藤波さんと池田さんを除く十一名について、捜査収集した証拠に基づいて検討を加えた結果として、一として、クレイリサーチ社製のスーパーコンピューターの導入というのがナンバー一。ナンバー二が就職情報誌の発行等に関する法規制、いわゆる就職協定の存続、遵守、これがナンバー二。ナンバー三が安比高原の開発。「等」というのがありますけれども、安比高原の開発、これが三ですね。これをこういうふうにくくって、そして、当時のリクルート社及びその関連企業の事業遂行上の懸案事項があって、そして、それが今度は下の方へ来て、それが一、二、三あって、それが下の方のというか、関係の国会議員または国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるか、これがA。いいですか。それからBが、あるいは「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」云々というのがB。下の方のね。 そういうふうに考えてくるというと、これはあなたの参議院の予算委員会での答弁等で、「少なくとも中曽根証人が国会で申された点がある。それについて軽視するわけにはいかないし、内閣総理大臣の職務権限というものは国の行政全体に及ぶ。そういう意味では、抽象的な職務権限があったことを否定するわけではない」というようなことを述べておられるわけですね。これはBですね、今のいうところで言うと。そうすると、安比高原の問題はこの五月二十五日のあれには入ってないわけですよね。そうすると、この一のクレイリサーチ社製のスーパーコンピューターの導入と、それから就職情報誌の発行等に関する法規制、いわゆる就職協定の存続、遵守、これがBの「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」云々、こういうところにかかってくるのであって、そうするというと、中曽根さんのこのあなたの言われた抽象的職務権限とかということは、これはクレイリサーチ社の問題と就職情報誌、就職協定の存続、遵守、この二つにかかってくる、こういうふうに理解をしてよろしいわけですか。
○根來政府委員 非常に論理的に分析されて、私どももそこまで論理的に書いたわけでございませんので非常に返答に困るわけでございますが、私が予算委員会で申し上げた点を敷衍して申しますと、十一人の国会議員がいらっしゃいます。そのうちで国会でその点についてお話しになった議員が四人いらっしゃいます。それについて私どもは十一人の中に入っていないというふうに強弁することはどうかなと思いましたので、その四人の方は十一人の中に入っておると申し上げたわけであります。まずそれが第一点でございます。 それから第二点は、中曽根総理の問題について新聞等でいろいろ書かれておりますけれども、これは基本的には対価関係あるいは便宜供与、あるいはリクルート社からの陳情というものはなかったということがはっきりしておりますから、もともと犯罪にならないわけでございますが、中曽根証人が国会で自分がかかわった問題についていろいろ言われております。その言われていることを前提にしますと、そういうことはやはり総理の職務権限であるという前提でお話しになっているわけでございますから、そういう点についてはやはり抽象的な職務権限があったであろうという点を認めておるわけでございます。そこで、そのクレイリサーチ社のスーパーコンピューターの導入の問題も就職情報誌も、あるいはその所管としては、起訴されている方は役人でございますから、そういうことについては総理が全体を仕切っておられるわけですから、それはやはり抽象的に権限がある場合もあるであろう、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○稲葉(誠)委員 あなたの方で一番苦心して書かれたのはここのところでしょう。ここは恐らく僕は頭をひねって書かれたと思うんですよ。ここのところだけはポイントなんだから、ほかはそんなに、ただ事実を書けばいいわけですから、別に私は論理的に追及したわけでも何でもないので、当たり前のことをただ聞いているだけなわけですが、そうすると問題は、「対価関係が認められない」、こういうふうにありますね。これは「当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」、こうあるわけですね。対価関係が認められないという前提は、これはあれじゃないですか、その株の取得というか、もらったことが御本人が承知をしておられたか、あるいは御本人の支配下にその金銭なりが入ったかどうかということが前提でなければ、対価関係が認められるとか認められないという問題はでてこないわけですよ。これは論理的でしょう。そうじゃないですか。だからそこはあれじゃないですか、だから御本人の支配下にこの金銭が入っていた、二万三千株か二万株かは別として入っていた、こういうことを前提としなければ、この対価関係云々という言葉は出てこないんじゃないですか。
○根來政府委員 これはもう先生が十分御承知だと思いますけれども、捜査の手法というのがございまして、要するに贈収賄というのは構成要件が幾つかございます。構成要件を一つずつ検討いたしまして、仮に一つが外れておればほかの点についてそこまで深くせんさくする必要がないわけでございます。 本件について申しますと、片一方にはリクルート社の懸案事項というのがございます。片一方には十一人の国会議員あるいはその周辺の方がいらっしゃいます。周辺の方についてともかくとしまして、それを国会議員というふうに置きかえた場合に、その国会議員が役職についている場合もございます。そういう職務権限を前提にしました場合に、それではその懸案事項と職務権限とはどういう関係にあったかということをまず検討いたします。そうしますと、例えば抽象的な職務権限があるのかな、あるいはそういう権限は全くないのかなというような振り分けをしていきます。それから今度は抽象的な職務権限がある場合には、具体的に何か働いたようなことがあるかとか、あるいは陳情を受けたことがあるかとかいうことを調べていくわけでございます。そういう点でいろいろ調べたところ、そこに書いてありますように、具体的な職務権限がないという方とそれから抽象的な職務権限があるという方が、大まかに言えば二つに分かれるわけでございます。 そこで、抽象的な職務権限のある方についてはそれじゃ具体的に何か便宜供与があったかとか、あるいは何といいますか、リクルート社から陳情があったかどうかということを調べていくわけですが、そういう形跡はまずなかったわけでございます。そういうことで、その御本人が知っていたかとか知らないとか、あるいは支配下にあったかとかいうことについては、完全に詰め切らなくても、そういう点で分類して犯罪が成立しないということは我々として申し上げられることだと思います。いろいろその帰属とかあるいはその認識があったかということになると、またいろいろ議論がございます。そういう点で分類しまして、いずれにせよ犯罪の成立が認められなかったということを申し上げたわけでございます。
○稲葉(誠)委員 だから抽象的には職務権限内の事項であるけれども、認められないなら認められないでいいので、対価関係だとかなんとかということを言い出すと、職務と株式譲渡との間に対価関係があるということは、それが自分の支配下に入っているからこそ対価関係の問題が起きてくるのであって、支配下に入らなければ対価関係の問題なんか起きないんじゃないですか。そういうふうに僕は一般的に理解するんですがね。だからこの後の方の「あるいは、抽象的に」云々ということは、これは中曽根さんのことを指しているわけでしょう。指しているというか、それも含まれているわけでしょう。あるいはそれが中心なんでしょう。
○根來政府委員 対価関係というのは、確かにおっしゃるように御本人に帰属しているとか、あるいは御本人が認識しているということを前提にして検討すべきことかもしれません。しかし、仮に周辺、例えば秘書の方に行ったという客観的な事実がありましたときに、それが仮に御本人に行ったということを仮定して対価関係を検討してもこれは一向におかしくないわけでございます。その辺の微妙なところにつきましては、この報告書自体が最大限御報告できるところでくくっておるものですから、そこまでいろいろここで御説明するほどの余裕はないわけでございますが、「当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められないなど」というようなところでひとつお酌み取りいただければ幸いでございます。
○稲葉(誠)委員 よくわかりませんがね。私の言っているのはちょっとしつこいかもわからぬけれども、「抽象的に」という私がBに分けたところ、これは中曽根さんとそのほかだれが入っているんですか、この中に。
○根來政府委員 まことに恐縮でございますけれども、私は中曽根さん、中曽根元総理だけを取り出して言ったわけではないのでございまして、中曽根総理は国会で証言されておりますから、その証言の内容について私どもが否定する立場でございません。その内容をいろいろ分析、分析といいますか、おっしゃっていることを聞きますと、やはり総理が関係しておる事柄があったというふうに見られるわけです。したがいまして、その段階におきまして抽象的な職務権限があった場合があるんではないかというふうに申し上げたわけです。そのほかの方についてはそういう証言とかないわけでございます。きのう申し上げた竹下前総理あるいは宮澤元大蔵大臣あるいは塚本議員については、国会で御本人が自分の周辺等にその未公開株が流れたということはおっしゃっておりますので、それは私どもは否定するわけではありませんと申し上げておりますが、そのお言葉の中に自分の職務権限についてのお話が全くないわけでございます。したがいまして、私が公的な立場でこのほかの方について、その方が職務権限があったとかないとかいうことはちょっと申し上げかねるところでございますので、ひとつ御容赦願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 そうすると、抽象的な職務権限がある。問題は、抽象的な職務権限が具体的な職務権限の行使に入っているかどうかと、こういうところを中心に調べたというんですか、調べないというんですか、どうなんですか、それは。
○根來政府委員 これは報告書をごらんいただければわかりますように、捜査の結果というふうに初めに申し上げておりますので、まあ十一人の方々が未公開株を受け取って、まあその周辺に流れたという前提がありましたし、国会でもいろいろそれをめぐって御議論がございましたから、それを念頭に置いて検察庁は捜査したものと考えております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、それをもらったと言われる十一名の方も直接調べたという意味は、それは直接聞き取りしたとかあるいは上申書を提出を求めたとか、そういうものも含めてこれはちゃんとしたわけですか。
○根來政府委員 お言葉の中にその取り調べをしたかどうかということはお聞きになっておりませんので、一般的に申しますと、要するに本人を調べたかどうかは別としまして十分調査、捜査をいたしたはずでございます。
○稲葉(誠)委員 そうすれば十一人の人に対して、事情聴取あるいは上申書という形かもわかりませんね、全体を取り調べというのか何というのかは別として、そういう形でやってなければこういう結論は出てこないわけですね。それは言えるわけでしょう。そこまでやらなければ、あなた怠慢だということになりますわね。そういうふうに理解をしてよろしいですか。
○根來政府委員 だれを調べるかというのは、それを捜査しておる検察官の判断でございますので、私どもとしては、法務省としてはそれが少ないとか多いとかいう立場でございませんので、ひとつ御了解願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 これは起訴状を拝見しまして、殊に藤波さんの起訴状を拝見して非常に私が疑問に思うところがあるわけです。 一つは、請託が「昭和六〇年三月上旬ころ、」こうなっているわけですね、数字二のところ。官房長官公邸において、江副らから、前記一記載と同様の請託を受けたと、こうなっていますね。これは三月の二日に江副氏が中曽根さんを訪ねている。十一時ころ訪ねて、四十五分間ぐらい二人だけで話している、これはもう明らかになりましたよね。どうして官房長官の公邸に行っているのが、これが「三月上旬ころ」というふうな形で、特定できないんですか。そんなことないはずですよ。これは私は三月二日、同じ日に行っているんじゃないか、こう思います。それは推測ですけれどもね。ここのところは非常に問題のある第一点ですよ、僕の疑問は。 第二点の問題は、さらに昭和六十年六月二十六日ごろ、総理大臣官邸において百万円の小切手五通をここでもらった、こういうわけでしょう。この日は午後三時過ぎから臨教審の第一次報告が、岡本会長以下が総理のところへ行っている日ですね。行っている日でしょう。その日に、いいですか、その日に岡本さんやそれから藤波さんも一緒に行って報告を出しているわけですね。行っているわけですね。文部大臣も行っていますけれども。だから、この小切手五通をもらった日がここに「ころ」となっているのは、これは本当にもうおかしいですよ。官邸ですから、これ。同じ。だからお礼に行っているわけですから。行ってこれやっているわけですけれどもね。これがなぜ「ころ」となっているのか。これは特定できないわけないですよ。今二つの問題です。
○根來政府委員 これはもう十分御承知の話でありまして、御推論は御推論として承りますけれども、これからこの起訴状をめぐって裁判が行われるわけでございます。裁判のときに、まあ弁護人の方からそういう釈明が出るかもわかりません。そういうときにどういうふうな受け答えをするかということは、将来の一つの作戦といえばおかしいですけれども、これは当事者同士の攻防になるわけでございますので、国会ではひとつ御勘弁を願いたいと思います。
○稲葉(誠)委員 起訴しているときから、初めから釈明があることを前提として起訴しているようでは、これはあるいはテクニックとして用いたのかもわかりませんけれども、私は非常にこの二つはおかしいと思うのですよ。これは意識的に、同じ日にしてしまうというと中曽根さんと藤波官房長官とが非常に密接な関係にあった、この請託の関係に関連をして。密接な地位にあったというか、そういうことがわかってしまうと言うと語弊がありますけれども、それを意識的に避けようとしてこういう形をとっているように、これは私だけの推論ではなくて、どうもそこら辺のところが私にはひっかかるんですよ、この二つ。特定できないわけないですよ、こんなの。 だって、後の同じ日に、三月二十六日の日に小切手持っていって、官邸ですよ、公邸じゃないですよ。官邸ですからね。それが特定できないわけないですよ。これを六月二十六日と特定できれば、これは片っ方には行っているわけですよ。答申出しているわけですから。こういう答申が出ましたということで、それでありがとうございますというお礼で小切手五通を持っていっているという、ここに結びつくわけですからね。これは、この書き方は意識的に総理と官房長官を離した格好で書いていったのか、あるいは何か一種の作戦があって書いたのか、どうもよくわからないですが、これはどうも理解しにくいと私は思います。
○根來政府委員 お言葉でございますけれども、検察庁はそこまでいろいろ中曽根さん、中曽根総理との関係を思いめぐらしてそういうような表現をしたとは夢にも思いませんが、いろいろ証拠上の問題があってそういう特定の仕方をしたんだろうと私は解釈しております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、安比高原の開発というのは、これは一、二、三でいくと三になるわけですが、これが関係の国務大臣の職務権限外の事項であるということの私の言うAですね、にかかわってくるわけですか、これは。すると、その当時の安比高原の開発のころの、これは国務大臣というと農林水産大臣でしょうけれども、これは一体だれになるわけですか。
○根來政府委員 私の方の立場については先ほどから申し上げましたように、十一人の方については国会で御本人がお話しになった分は私どもはその中に入っているということを申し上げましょう、そのほかについては申し上げないという立場をとっているわけでございます。ただいまの御質問について答弁をすると、そのほかの方の名前をオープンにするわけでございますので、ひとつその辺は御勘弁いただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 いや、私の聞いているのは、ここに「安比高原の開発」と書いてあるでしょう。書いてあるんだから、その当時の農林大臣は一体だれであったんですかと聞いているわけです。
○根來政府委員 この開発自身が相当長期間にわたっておりますから、その当時の農水大臣というのはいろいろの方がいらっしゃると思います。
○稲葉(誠)委員 いや、わかり切ったことをこっちも聞いているんだから、あなたの方でもなかなか答えづらいかもわかりませんがね。六十二年の二月二十八日に、当時の農水大臣がヘリコプターで視察に行っている。その前に五十九年の十二月にその人のお子さんや秘書に未公開株が譲渡されている。さらにそれを挟んで保安林が百四十ヘクタール、四回にわたって指定解除されている。このことについては当然検察庁としても関心を持ってこの間の経緯を調べたはずだ。調べたはずなんでしょう。だから、この報告の中に「安比高原の開発等」そして関係の「国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるか、」こう書いてあるわけでしょう。ここら辺のことは、書いた以上はある程度説明しなければいけませんよ。書かないなら僕は譲っていいと思っているんだ。起訴した人二人だけしか書かないであとのことは全然書かないならそれはそれでいいけれども、半分出したような、書いたような書き方をしていて、そしてそれについて答えないというわけにはいかぬですよ。 これは非常によくできているのよ、よくできているというのはまずいけれども、非常に苦心して書いていることは私も認めますよ。安比高原の開発というような問題であって、それが「国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるか、」と書いてあるのだから、安比高原の開発に関係したという国務大臣は一体だれであるのか、そしてそれが職務権限外の事項であるということがどうしてわかったのか、あるいは対価関係がないということになったのか、ここら辺のところは、あなた方の方としては書いた以上は国民の前に当然説明しなければいけませんよ。
○根來政府委員 従来から、去年の八月でございましたか、この時代からずっとリクルート問題について国会でいろいろ御質問がございました。その中に安比高原の話もありましたし、今おっしゃったヘリコプターで行った、ヘリコプターの借り上げ代が幾らか、そういう非常に細かい話までございました。そういうことについては私どもにお尋ねがあったときには、検察庁も十分国会の御議論を拝聴しておりますから十分それは念頭に置いて検討するでしょう、こう申し上げておりましたから、それは当然十分調べたと思っております。 ただ、個人の名前を出すということになると、最近の報道機関を批判するわけではございませんけれども、それがすなわち灰色というようなことを言われますと、国会議員のお立場上、これは国会議員全体に係ることだと思いますから、それは今のところ答弁は差し控えたい、こういうふうに申し上げているので、その辺、御了解いただきたいと思います。
○稲葉(誠)委員 個人の名前はいいですよ。それから借り上げたとかなんとかということは、それはあなたも小さな問題だと言ったから、小さな問題かどうかは別として、それはいいとして、だから安比高原の開発が国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるかどうかということで、明らかであるというのであなた方の方は事件にしなかった、こう言うのでしょう。今、関心を持っていろいろ調べただろう、こう言う。調べた結果として、国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるということで事件にしなかった、こういうことじゃないですか。
○根來政府委員 具体的な、当時農水大臣がだれがおられたかというようなことを横に置いて申し上げますと、これは安比高原の開発問題というのは、要するに営林署の用途変更でございますか、そういうことが絡むわけでございますから、それは当然農林水産省の職務関係内にあるわけで、それは抽象的には農水大臣の抽象的な職務関係の傘の中といいますか、入るというふうに思います。
○稲葉(誠)委員 傘の中に入っていたものがどうなったのですか、国務大臣の職務権限外だったのですか、当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められなかったのですか、どっちなんですか、あるいは両方なんですか。
○根來政府委員 ですから、仮に農水大臣というのを横に置きましたときには、抽象的な職務関係はある場合があると思います。そこで、その対価関係云々ということに踏み入りますと、農水大臣を占めておられた方がその株式譲渡を受けたということを裏から認めることになりますので、それについてはひとつ答弁を差し控えたいと申し上げているわけでございます。
○稲葉(誠)委員 答弁を差し控えたいは差し控えたいであなたの方にもそれだけの自由があるのだし、質問者にも自由があるし、答弁者にも自由があるのだから、それは最大限認めますけれども、そうすると、それはそれなりの今の問題が職務権限外の事項であるとか、あるいは、株式譲渡との間に対価関係があるとかなんとか、そういうふうなことについてちゃんと調べたことは調べたのですか。ただ、調べたけれども調べた結果としてこうなっちゃったので、調べた内容については御勘弁願いたいということなんですか。
○根來政府委員 衆参予算委員会で法務大臣から御説明した中に、検察庁は二百六十日間調べたという報告がございました。そしてまた、参考人何人とか従事した検察官が何人とかというところも報告しております。そういうふうに寝食を忘れてといいますか、不眠不休で調べたのでございますから、それは十分調べていると思います。それは私どもも、思うというわけではなくて、十分調べていることはよく知っております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、安比高原の問題は、調べていった結果はどうなったのですか。どっちに入るのですか。これは国務大臣の職務権限外の事項であることになったのか、あるいは対価関係がないということになったのか、これは結論はどっちなんですか。個人名はいいですよ。
○根來政府委員 この十一人の方というのは、国会議員十一人が含まれている、こういうふうに申しているわけでございます。この十一人の国会議員の方が占めるいわゆる政府の役職というのがまた別にございます。そういう十一人の方がこちらにあるとした場合には、こちらに安比高原あるいはスーパーコンピューターの問題がございます。そういう問題について、各人について線を引いていった場合、これは明らかに職務権限がないとか、抽象的に職務権限があるという場合が各個人に見ていくと出てくると思います。そうしました場合に、仮に抽象的な権限があるとされた人についても、具体的対価性とか便宜供与性とか陳情を受けたかどうかということについて調べましたけれども、それは先生がおっしゃった後半の段階で、それはなかったということに帰着しているわけでございます。
○稲葉(誠)委員 これは受託収賄で起訴しているわけですね。これは、政治家の場合は受託収賄でなければいけないということになっているのですか。単純収賄でやればやれたんだと言う人もいるわけですよ。そういう説をなすっている人もいるわけで、単純収賄というのと受託収賄というのは具体的にどういうふうに違うのか、これは単純収賄ではどうしてできなかったのか、ここら辺のところはどういうふうに理解したらいいわけですか。
○根來政府委員 国会議員だから単純収賄は成り立たないという理屈はないと思います。これももう先生十分御承知の上での話だと思いますが、ロッキード事件のときにいわゆる中間報告をいたしました。その中に、単純収賄で時効になった者何名という報告をいたしております。したがいまして、国会議員については単純収賄というのは成立しないということは頭から言えないと思います。 しかし、検察といたしましては、まず請託収賄がどうであるかとか、請託収賄がだめなら単純収賄はどうなのかということを十分調べた結果、単純収賄ということについてもそれは成立しないという判断はしているわけでございます。 といいますのは、これは長くなりますけれども、役人の場合は生活環境というのも非常に単純でございます。私的な分があるのと公的な分というのは大体二つに分かれまして、私的な分をつぶせば既に公的な分であるという一つの推定が働くわけでございますけれども、国会議員の場合は、御承知のように、政治的社会的ないろいろのつながりがございます。要するに、お金が乗ってくる道というのはいろいろあるわけでございます。ですから、私的な分がないということを否定しましても、そのほかの分がまたいろいろ理由があるわけでございます。ですから、政治家の場合は、私ども一般の公務員に比して、そういう単純収賄という認定は難しい面があるのではないか、私は個人的にはそう思っております。
○稲葉(誠)委員 先輩の書いた書物などを見ますというと、国会議員に対しては逮捕許諾の請求をしない方針になっているんだ、在宅起訴でいく方針なんだ。それは理由をいろいろ並べていますけれども、それは別として、そういう方針というものが一応、できているとも言えぬだろうけれども、それは大体そういう傾向で、逮捕許諾の請求をしたときにはこういう弊害がある、こういうことはあなたの方で説明できるわけでしょう。
○根來政府委員 確かに最近発行されました私どもの先輩が書かれた本にはそういうふうに書いております。方針というのは別にないわけでございまして、これはケース・バイ・ケースでございまして、逮捕許諾請求をする案件もありますし、また在宅取り調べといいますか在宅起訴をする場合もあると思います。最近では昭和四十二年でございましたか、逮捕許諾請求をいたしました。その後、国会議員の方が若干裁判になった例がございますが、それはすべて在宅でやっております。ですから、流れとしまして在宅という流れが一つ客観的に見てあると思います。ただ、方針としてどうだということはございません。
○稲葉(誠)委員 方針としてそうだなんて言ったらこれはまずいんで、それはわかりますけれどもね。 それから、こういう話というか、ロッキード事件と違うところで一体どこが違うかという問題がいろいろ出てきますね。あなた方としては、ロッキード事件として、まず事件そのものとしてこう違うのだということが一つあります。それからもう一つの問題は、この場合にはいわゆる刑事免責、イミュニティーという制度をとったというわけですね。 そこで、そういうやり方をしろとかなんとかという意味ではなくて、今の日本の刑事訴訟法の中で、刑事免責という制度をとって捜査をすることが日本の法律上できるのですか、できないのですか。これがまず第一ですね。ということはどういうことかというと、一般の方々は、江副氏に刑事免責を保証して取り調べ、その供述を証拠採用してやっていけばもっと広範囲に、上の方にというか何というか、捜査が広がっていったのではないか。それをロッキードのときにはやったけれども今度のときはやらないじゃないか、こういう疑問点を持つ人もいるわけですね。私もそういう疑問点がなきにしもあらずなんですが、日本の現在の刑事訴訟法の制度でそういうやり方がとれないのかということですね。これが第一点。 それから、ではなぜその制度をとれるのに今度の場合にやらなかったのかというのが第二点。
○根來政府委員 ロッキード事件の場合は、アメリカのロッキード社から航空機の売り込みということがございまして、それにかかわるお金が日本国内に流れ込んだということでございます。したがいまして、アメリカのロッキード社の方の関係者あるいはアメリカのそういう証言をされた方を調べなければやはり捜査としては遂行できなかったということで、アメリカの制度に倣いまして一つの取り決めをしまして、イミュニティーといいますか、そういう形で、これは最高裁も、詳しくは申しませんが、いろいろ日本国内の手続をとりまして、そして向こうで証言を得たわけでございます。 ただ、日本人に対して、日本国内においてそういう制度を刑事訴訟法上とれるかということについては、現在のところ、通説的には消極だと思います。アメリカと日本とのそういう法制度の差ということで日本の法律を最大限に活用して、ロッキード社のときはそういう手続をとったわけでございます。これはもっとも現在最高裁でいろいろ争われていることでございますので、それ以上申しませんが、日本国内だけなら少し難点があるのじゃないかと考えております。
○稲葉(誠)委員 少し難点というのはどういうことですか。絶対できないという意味ですか、あるいはできるのだけれども問題があるという意味なのですか。条文でいうとどこにひっかかってくるのですか。
○根來政府委員 通説的にはできないというふうに考えております。
○稲葉(誠)委員 報告書が出たわけですが、そうすると今私がいったような、一、二、三、それからA、Bという分析は、どれがどういうふうにかかわるかということはなかなか議論が出てくるのじゃないか、こういうふうに私は思いますけれども、そこら辺のところは今後さらにいろいろな角度からまた詰めていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思っておるわけです。 そして、この刑事訴訟法の四十七条の問題がまた出てくるわけですが、公益というのはこれは国政調査権の問題だ、こう一応言われていますね。そうすると、あなた方の方としては、国政調査権というのは個人にあるというよりは委員会にあるわけですから、委員会から四十七条に基づいてその請求があった場合に、どういう請求があったときにはどれだけ協力する、こういうふうになっておるのですか、ここはどういうふうに考えておられますか。
○根來政府委員 御承知のように、四十七条本文では裁判前の公開というのを禁じております。これは不起訴処分についても同様という解釈をとっております。さらに、ただし書きで、公益の必要があるときには相当と認めるという二つの要件がございます。公益の必要というのは国政調査権も挙げていることは事実でございます。したがいまして、国政調査権で協力しろというお話がありましたら、今度は検察官がその具体的な御要求に即しまして相当であるかどうかを認めると思います。 それから、その相当であるという基準でございますけれども、これは従来から御説明いたしておりますところでございますので詳しくは申しませんが、裁判への影響とかそれから捜査に協力していただいた方の人権とかあるいは将来の検察運営への支障とか、そういうことが三つ挙げられております。
○稲葉(誠)委員 そうすると、今公益の問題が四十七条で出てくるわけですが、それは国政調査権に基づくわけですね。そうすると、それは今、昭和六十一年九月に行われた未公開株の譲渡に関連をして起訴されてない十一名の国会議員にかかわる合計十万株の譲渡の問題が中心であろう、こういうことはあなた方の方でもおわかりになっておられるわけですか。
○根來政府委員 それは私どもの方で申し上げる話ではないと思います。そういう場合もあるのではないかという推察はできますけれども、申し上げる事柄ではないと思います。
○稲葉(誠)委員 この報告に関連して、そして今後公判の中でどういうふうに進んでくるのですか。私は、公判準備が相当かかると思うのですよ。証拠をどこまで開示するのかとか併合してやるのかとか分離してやるのかとかいろいろな問題があって公判の第一回が始まるのが相当かかるのじゃないか、私自身はそう思いますけれども、私はそれに関連しているわけではありませんからそんなことに干渉するつもりはございません。 そこで、前に戻ってしまって恐縮なのですが、私がどうもよくわからないのは、この起訴状の「ころ」「ころ」という書き方です。こういう書き方をして、そしてお二人の間が離れているような行き方を印象づけようとしているような感じがどうもしてならないわけですけれども、これはこれ以上論議をしても始まらないことであるかもわからない、こういうふうに思っております。 それから、NTT関係で、ボランティア資金とかありましたよね。新聞紙上でいろいろ言われましたね。あれについては全然触れてないわけですけれども、あれについても問題があるという意識のもとに調べたことは調べたのですか。
○根來政府委員 これは報告書の中に、NTTのいわゆるボランティア資金についても犯罪の嫌疑がなかったという報告を最後の方にいたしております。それで、そういうことからいたしますと、十分取り調べた上そういう判断をしたものと考えております。
○稲葉(誠)委員 これは最後の政治献金のところですね。 法制局の方、来ておられて恐縮でした。済みませんでした。 さっきから話が出ておる中で、ちょっと繰り返しになって申しわけないのですが、わからないというのは、総理大臣の職務権限と内閣官房長官の職務権限とそれから国務大臣の職務権限とは一体どういう関係になっているのですか。国務大臣は別としても、総理と官房長官の職務権限の問題ではどうですか。
○大出政府委員 内閣総理大臣の職務権限でございますが、これは憲法及び内閣法、総理府設置法等の法律の定めるところでございますけれども、内閣総理大臣の職務権限には大別して二つありまして、内閣の首長としてのものとそれから総理府の長としてのものがあるわけであります。 内閣の首長としての内閣総理大臣は、国務大臣の任免とか内閣を代表しての議案の国会提出だとか、さらに行政各部の指揮監督等の権限を有するわけであります。内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督権の行使につきましては、内閣法第六条という規定がございまして、その定めるところによりまして、その主宰する閣議にかけて決定した方針に基づき行われることとされておるわけであります。それから、総理府の長としての内閣総理大臣でございますが、これは国家行政組織法の第五条第一項等の規定によりまして、内閣法に言う主任の大臣として総理府の所掌事務を分担管理することとされているわけであります。 次に、内閣官房長官の職務権限でございますが、これにつきましては、内閣法によるとその第十二条第二項という規定がございまして、そこにおいて内閣官房の事務が書かれておるわけであります。「内閣官房は、閣議事項の整理その他内閣の庶務、」それから「閣議に係る重要事項に関する総合調整」それから「その他行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整」それからさらに「内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌る。」というふうに定められておるわけでございます。そして、内閣官房長官は、ただいま申し上げましたような「内閣官房の事務を統轄し、所部の職員の服務につき、これを統督する。」ということが内閣法の中に定められているわけであります。 また、内閣官房長官につきましては総理府設置法の方にも規定がございまして、これによりますと、その第六条の第一項というところで規定がされておるわけであります。「内閣官房長官は、内閣法に定める職務を行うほか、」これは先ほど申し上げたものでございますが、そのほか「内閣総理大臣を助け、」これは総理府の長たる内閣総理大臣を助ける、こういうことになると思います。「助け、府務を整理し、」総理府の仕事ということでございますが、「府務を整理し、並びに総理府所管の事項について、」ただ、ここにちょっと注釈がございまして、総理府所管の事項といいましても、総理府には経済企画庁とか総務庁とかそういう外局がございますが、法律で国務大臣をもってその長に充てることを定められている機関を除きまして、「総理府所管の事項について、政策及び企画に参画し、政務を処理し、各部局及び機関の事務を監督する。」というものとされておるわけであります。 それから、国務大臣の職務権限ということについてもお触れになりましたが、これにつきましては、内閣総理大臣及び内閣官房長官とともに内閣を組織するものとして閣議に参画をするということのほか、各省大臣等を命ぜられました場合におきましては、当該各省等の事務を統轄し、職員の服務についてこれを統督するものということが内閣法なりあるいは国家行政組織法等に定められているところであります。 以上でございます。
○稲葉(誠)委員 そうすると、平たく言いますというと、内閣官房長官の持っている職務権限というのは、これは当たり前のことですけれども、当然内閣総理大臣も持っている、こういうふうに理解してよろしいですか。
○大出政府委員 先ほど申し上げましたように、内閣総理大臣の立場といいますのは、内閣の首長としての立場、それから総理府の長としての立場というものがあるわけであります。 まず、総理府の長としての立場のことを申し上げますというと、先ほど申し上げましたように、総理府の仕事につきましては、この主任の大臣は内閣総理大臣である。その内閣総理大臣を助けるというような形で関連を持っておるということが言えるかと思います。 それからもう一つは、内閣の首長としての立場の内閣総理大臣ということでございますが、これにつきましては内閣法の十八条というところで、内閣総理大臣は内閣官房に関する事項について主任の大臣とするという趣旨のことが規定されておるということでございます。
○稲葉(誠)委員 いろいろ聞いてまいりまして、法務省の「リクルート事件の捜査結果に関する報告」については一応これで質問を終わるわけですけれども、今国務大臣のあれを言われました関係もあって、この六十一年九月の云々のところに出てくる関係の、国会議員はいいですよ、関係の「国務大臣の職務権限外の事項である」というこの国務大臣というのは、これはその当時発表されました十一名の人の中で当時国務大臣であった人を指すというふうに理解してよろしいですか。
○根來政府委員 そういうことでございまして、十一人の国会議員がある時期に国務大臣をされておる、そういう方を指しておるわけでございます。
○稲葉(誠)委員 その人の「職務権限外の事項である」ということについてどこまで調べたかということを聞いてもなかなかはっきりしないかもわかりませんけれども、それはちゃんとその十一名の議員の中の国務大臣について、国務大臣の権限外だということは特捜の方では全力を振るって調べた、そのことはもう間違いないわけですか。
○根來政府委員 それは間違いないと思っております。
○稲葉(誠)委員 そこで、このことについては一応質問を終わらせていただきまして、別のことをちょっとお聞きしたい、こう思うのです。 これは全然別なことなんですが、事実関係で、少年事件で、綾瀬の母子殺人の事件でアリバイを証言した塗装工の人が警視庁で調べられた。これは警視庁のことですからあれですが、家裁で観護措置が凍結されたその後、十二日の未明に東京地検でも調書をとったが、これでは内容がでたらめだと思い直して署名を拒否したと一部報ぜられているわけですね。 そこで、観護措置を取り消されて家裁に移っている事件について検事が取り調べできるとかできないとか、これは法律論ですからそのことを聞いているのではなくて、事実関係はどうなんですか。アリバイを主張した、そして警視庁へ呼ばれて否定した、そして調書をとられた、それを検事がどうしたっていうのですか。
○根來政府委員 これは少し事情が違うようでございます。この六月十一日の相当夜遅いわけですが、十一時過ぎにそのアリバイを言われた方に検事が十五分間くらい事情を聞いたということでございます。もちろん供述調書等については作成していないようでございます。
○稲葉(誠)委員 家裁送致になった後に検事がそういうことをできるとかできないとかというと、これは少年法の解釈の問題でいろいろ議論があるところですし、それに踏み込むつもりは今ありません。私は事実関係だけを聞いているわけです。 どうもよくわからないのです。家裁に移って観護措置を取り消されている者について、その証人的な人について、なぜ検事が聞いたのですかね。東京地検へ夜遅く呼んだのでしょう。警視庁の方に調べられていた人を、警視庁とどういう連絡をとって検事が呼んだのですか。任意出頭なんでしょうけれども、そこの経過がよくわからないのですよ。何のためにやったのか。結果としてどうしたのか。
○根來政府委員 これは多少私の推察もあると思いますけれども、地検からの概括的な報告では、この観護措置を取り消されたという理由については公式には検察庁の方が把握できる立場でないわけでございます。しかし、いろいろ報ぜられることでございますので、そのアリバイを調べるということで警視庁が調べておったのじゃないかと思います。そこで警視庁の調べが一応終わりまして、検事が自分で心証をとるつもりというかそういうことで、ちょっと十五分あたり調べたのではないかという推測をしております。ただ、十一日は日曜日でございますから、警視庁から地検まで案内して連れてきたという事情はあるようでございます。いずれにせよ、本当の短時間に聞いたという事情のようでございます。
○稲葉(誠)委員 短時間に聞いたとかなんとかを聞いているのではなくて、検事の方で警視庁の方に連絡をして自分のところに連れてこいと言ったのですか。あなたの話はどうも推測が入ってくるので、私は事実を聞いているだけなんですよ。それが少年法上できるとかできないとか、そんなことを聞いているのじゃないのです。事実を聞いているのです。どういうふうになったのかということ。
○根來政府委員 その具体的なことについて詳しく調べたわけではございませんので、大まかに申しますと警視庁から連絡があって、一回検事の方で聞いてほしいという要望があって聞いたということでございます。アリバイのことですから、非常に微妙な話でございますから、警視庁も非常に慎重に、検事にもひとつ関与して事情をよく聞いてもらいたいという趣旨で連絡があったために検事が事情を聞いたのではないかというふづに理解をしております。
○稲葉(誠)委員 私、これは事実関係を調べてくれと言ったのですが、十分調べるだけの時間がなかったのではないかと思いますから。このやり方について、いろいろな問題があると思うのですよ。それはまた別な機会にいたします。 時間がなくなって終わりになってきまして申しわけございませんが、せっかく民事局長が来ておられるので、今民事局が抱えておる法案的な問題を将来どういうふうにしていくのか、このことについて概括的にお話しを願って質問を終わらせていただきたい、こういうふうに思います。
○藤井(正)政府委員 御承知のように、この国会に民事保全法案と法例の一部を改正する法律案を提出させていただきまして御審議をお願いしているところであります。現在、これのほかに法制審議会において商法の改正の審議ともう一つは借地法・借家法の改正の審議が進められております。 商法につきましては、昭和五十六年に大きな改正を行いました後、その翌年昭和五十七年以来、中小会社にふさわしい法規制の整備を図るということを中心に検討し、さらに六十二年からは社債に関する制度の全面改正作業をあわせて検討するということで作業が進んでおりまして、現在、最終的な段階に至っております。この答申を得まして、次の通常国会には商法の改正法案を提出させていただきたいというのが私どもの念願でございます。 一方、借地法・借家法の改正につきましては、昭和六十年から法制審議会の民法部会で審議が行われてきております。この一応の検討に基づきましてことしの三月に改正要綱試案を公表いたしまして、これを関係の各界に非常に幅広くお配りをいたしまして御意見をちょうだいしている段階でございます。これが集まってまいりましたならば、それを材料にいたしまして答申をいただきたいと思っております。
○稲葉(誠)委員 終わります。
○戸塚委員長 坂上富男君。
○坂上委員 まず、「リクルート事件の捜査結果に関する報告」、これを御質問申し上げたいと思います。 これは、国会法百四条あるいは刑訴法四十七条ただし書き、これに基づくところの照会に対する回答なのでございましょうか。どういうふうに理解したらいいのでしょう。
○根來政府委員 国会内部のことについて私どもつまびらかではございませんが、要するに、衆参両議院の予算委員長からこの日に報告するようにという御指示がございましたので、私どもはその御指示を最大限に解釈いたしまして、発表できる手の内といいますか、それを申し上げたわけでございます。私どもの方では、四十七条本文がございます、そのただし書きというのがございますが、そのただし書きの趣旨も踏まえまして、そして御報告いたした次第でございます。
○坂上委員 刑訴法四十七条ただし書きも踏まえた、こうおっしゃっておりますが、特に、通常言うところの灰色高官、この問題は国会で決めていただければ四十七条ただし書きをさらに適用してロッキードのようにこたえたい、協力することにやぶさかでない、こうおっしゃっておるわけでございますが、この点はいかがなのでございますか。
○根來政府委員 大臣がそういう御発言をなさいましたし、私もそれに付随して若干理由を申し上げました。要するに、私どもの立場から灰色である、いわゆる政治的、道義的責任のある国会議員であるという名指しをすることは国会を超える話でございますから御容赦願いたい。国会で基準をお決めいただければその四十七条のただし書きの趣旨も十分踏まえて、国会の国政調査権ということを十分尊重させていただいて、それを踏まえて検討させていただく、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○坂上委員 ロッキード事件を調査してみますると、各党の意見がまとまらなくて、当時のロッキード委員長が問題を三つに絞って、一つは時効になったもの、一つはロッキード関係の金をいわば購入のためにもらったもの、それからいわゆる九十ユニットの十三名の内訳、これを明確にせいと。結果的に九十ユニットの関係は公表されなくて、五人の灰色高官だけはされたようでございます。 そこで、これを適用してみますると、今リクルート委員会というのがあるわけでございます。それから予算委員会があるわけでございます。それから法務委員会があるわけでございます。当時ロッキード委員長でありましたところの田中委員長が、結局、話はまとまらぬから私が提案すると言って灰色高官を指名いたしまして回答した、こうなっておるわけでございます。そうだといたしますと、これは国会の方ではまとまらなくとも、委員長の要請があればやはりお答えいただけるものでございますか。
○根來政府委員 国会の内部のことについてつまびらかでございませんし、私ども行政機関としてそこに介入するということはいかがかと思いますけれども、ロッキードの事件のときは最終的に、田中ロ特委員長だと思いますが、この方が提案されて秘密会で公表されたということでございますが、それに至るまでにやはり委員の方の中に合意があったのではないかと推測しております。その辺が私どものよくわからないところでございます。
○坂上委員 新任の委員長、ひとつ恐縮ですが、今言ったような経過があるわけです。だから、そういう事態になって予算委員会の委員長が決断して要請をするかどうか、それからリクルート委員会の委員長が決断をして要請するかどうか。しなければ法務委員会でやらなければならぬと思うのですが、どうですか。委員長、きちっと灰色高官について、いろいろ我々の意見を踏まえながらあなた独自にやる用意はございませんか。
○戸塚委員長 これは理事会で協議させていただきます。
○坂上委員 結構でございます。ぜひひとつ……。 そんなような前提に立ちながらひとつ質問させていただきます。 まず大臣、この事件は複雑かつ多岐にわたっている、こうおっしゃっておりますが、もう少し分類をして言っていただけますか。また、どれと比べて複雑多岐だとおっしゃるのか、少し詳細な御答弁をいただけますか。
○谷川国務大臣 内容につきまして詳細な御報告は改めて政府委員からいたさせますが、何せ二百六十日に及んで、しかも一つの事柄だけではなく実に数多くの事柄が中に入った事件でございまして、まことに複雑しかも錯綜した事件であった、私はそのように考えております。
○根來政府委員 昨年の夏以来いろいろ国会でも御議論がございました。正直申しまして、最初のころは私自身どういう事件なのか全く見当がつかないというようなぐあいの事件でありました。それを楢崎議員が告発されたことが一つのきっかけになりまして、いろいろ事件が展開していったわけでございますが、一つは未公開株の譲渡という、前にも前例がございますけれども、そういう問題がございましたし、いろいろ各方面に達したようなところにばらまかれているというようなこともございました。そういう、いろいろ法律上、事実上の問題がございましたから複雑多岐というふうに書いたわけでございます。東京地検でも最終報告をするに際して、記者会見で検事正が今までこういう事件に遭ったことがないというふうに言っているわけでございますから、それは実感として言える言葉であろうと思います。
○坂上委員 そうだといたしますと、これはもうちょっと本当は分類して答えていただきたいのでございますけれども、まことに抽象的なのですが、これをさらに取りまとめてみますとこうなりますか。政界、官界、財界それから言論界、そういうようなところの構造的な疑獄であると断定していいですか。
○根來政府委員 刑事事件としてのでき上がりというのは、一つは官界にいっております。それから二つ目は政界にいっております。それから三つ目といいますか、これは政界に付随することでございますけれども、政治資金規正法の問題が出ております。そういうようなことで個々的に刑事事件というのは検討するわけでございます。それは構造的疑獄とか構造的汚職というのは、言うなれば社会的な表現でございますので、私どもの方からそれをいろいろ申し上げるというのは若干越権であろうと思いますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。
○坂上委員 これは越権とかなんとかじゃなくて、検察はもう複雑多岐と言っているわけでございます。複雑多岐の事件というのは今までなかったということでしょう。今までこういう複雑多岐の事件というのはあったのですか。いかがです。
○根來政府委員 いろいろ経済事件もございますけれども、思いつくままに申しますと、ロッキード事件も非常に国外と国内の関係で難しい事件であったと思います。それから引き続いて起こりましたダグラス・グラマン事件というのがございましたが、これも国外、国内の関係で非常に難しい事件であったと思います。また今度の事件は、そういう意味で犯罪を拾い出すといいますか、犯罪を識別していくのには非常に難しい事件であったのではないかという感じはします。そういう意味で、複雑多岐というのは、いろいろの観点から難しい事件と易しい事件というわけでございまして、今度の事件はそういうふうに犯罪性をより分けていく作業が大変であったのではないかというふうに理解しております。
○坂上委員 これは今後の検察にもかかわることでございますが、やはり現ナマを渡せば贈収賄になる、これは極めて単純な事件、だけれども、やはりこういう疑獄事件というのは、だんだんわからないようにするためにこうやって複雑多岐に株でやったり、あるいは政治献金の名のもとでやったりしているわけでございまするから、表面的だけで言われたら確かに、今刑事局長はこの事件はどう発展するかわからなかったとおっしゃっておりますけれども、これほど巧妙にいわゆる複雑かっ多岐にわたって国民各層各界、あらゆる場面に直接的な利益を得る、あるいは将来の利益を得る、あらゆるところにこういうやり方をやろうという極めて巧妙かつ計画的な犯罪なんだろうと私は思っておるわけでございます。しかもその上、複雑かつ多岐にわたるように計画をなされた事件じゃなかろうか。でありますから、率直に言って有史以来の大疑獄事件だろう、こう思っているわけでございますが、いかがですか、大臣。
○谷川国務大臣 事件そのものにつきましては、まだこれから公訴の維持ということがございまして、その結論を待たなければならぬこととは思いますが、しかし現在、この事件の側面的な問題の一つといたしまして、今御指摘のございました以外に、国民に対して政治に対する信頼を極めて大きく傷つけたというところにおいてこの事件そのものは極めて特異な事件である、私はそのように認識いたしております。
○坂上委員 さてそこで、国民はまずこういう点に疑問を持っておるわけであります。さっきも稲葉先生から御指摘もあったのですが、真藤会長は七十八歳の御老人でございます。二人の政治家が起訴になりました。これについて強制捜査がなされない、逮捕がなされなかった、しかも田中角榮氏の事件以後はどうも政治家が逮捕されることはほとんどなかったわけであります。一体これは、国会開会中だからというような理由があるのでしょうか。あるいは捜査上その必要性がなかったのでしょうか。 どうも国民の立場から言いますと、余りにも政治家だけが逮捕、勾留されない、七十八歳のお年寄りまで逮捕して厳重に捜査をなさったのに政治家についてはどうも検察は手ぬるいんじゃなかろうか、こういう意見。だからもっと巨悪が眠っているのじゃなかろうか、こういう指摘もあるわけでございますが、いかがです。
○根來政府委員 逮捕するあるいは勾留するというのは制度の中で考えていくわけでございます。だから一つは、国会開会中に不逮捕特権ということもあるということも十分に念頭に置いて処理していることと思います。また、国会に許諾請求をして逮捕しなくても十分証拠が集まる、起訴できるという判断があれば、もちろんその必要がないわけでございます。 いろいろ御批判を受けることは承知しておりますけれども、やはり国会議員に係る問題については、我々検察としても十分慎重に行わなければならないということは当然のことでございます。これはやはり国民の信頼を受けて国会議員として選ばれた方でございますから、十分その辺は検討しなければならない話でございます。しかし、個々具体的にはそういう政治的とかいうことは考えずに、やはり厳正、公平にやっていくことについては間違いございません。
○坂上委員 まさに真藤会長の逮捕の必要性というのは、ではどういうところにがかったのですか。
○根來政府委員 これは具体的な事件でございますので、逮捕の必要性というのは、御承知のように裁判所へ逮捕状を請求して、裁判所がそれを認めて逮捕状を発付したという事情でございますので、個々に私どもがどういう必要性があるかということについて申し上げるわけにはまいりませんが、抽象的に申しますと、証拠隠滅のおそれということが大きかったのではないかと思っております。.
○坂上委員 そういう答弁があったらもう一つお聞きをしなければいけないのでございますが、国会開会中に国会議員を逮捕するには院の許諾が要る。院の許諾を得るためにいろいろの資料の提出がされまして、証拠が漏れて捜査上重大な影響がある。したがって、できるだけ任意捜査でやる、在宅の起訴にいくようにする、こういうふうに巷間言われておるわけでございますが、こういう点はどうですか。
○根來政府委員 いろいろ制度とか運用について申し上げたいことがございますけれども、それは一つの愚痴といいますか、嘆きでございますので、こういう席で国会の運営がどうだということについて私どもから申し上げるのは非常に不穏当でございますので、ひとつ答弁をお許しいただきたいと思います。
○坂上委員 さて、捜査が終結した、こうおっしゃっておりますが、中曽根元首相に対して告発事件がなされているわけでございますが、これは一体どうなりました。
○根來政府委員 この事件は、関西に在住している方が新聞を見られて、そして弁護士を代理人に立てまして告発状を提出したわけでございます。これは捜査の最終段階でございましたから、受理いたしましたけれども、実質的には国会で御報告しているように、中曽根元総理については、犯罪の疑いということについては、その辺のことは難しいと思いますけれども、ないわけでございますから、実質的な処理は終わっているわけでございます。ただ、帳簿上の、書類上の処理は現在まだ残っております。
○坂上委員 それから、五月二十五日、中曽根さんが国会で証言なさったわけであります。これは大変偽証の疑いがあるということになっていろいろ検討もなされておりますし、また、委員会でもこの協議を要請をしているわけでございますが、この点について、検察は今までの捜査と比べてみまして、一体、この偽証の疑いについてどのような御見解を持っておるのですか。
○根來政府委員 御承知のように、偽証ということになりますと、国会あるいは委員会の告発というのが起訴要件になっております。したがいまして、私どもの方で、その証言が疑いがあるとかないとかまず申し上げることではないと思いますけれども、東京地検からは少なくとも今の段階におきまして偽証の疑いがあるという報告は受けておりません。
○坂上委員 これは捜査報告の中に入っているわけではないでしょう。いかがですか。
○根來政府委員 報告の中に入っている、入っていないという技術的なことについては、今御指摘があって初めて気づきましたけれども、少なくとも現在、偽証の疑いがあるという報告は受けていないということでございますから、リクルート事件全体につきましては、あの報告書のとおりだと考えております。
○坂上委員 それから今度、亡くなられた青木伊平さん、この人は被疑者として取り調べがあったのではございませんか。そして、この者は罪名は何だったのでしょうか。それで、これはどうも結局のところ、その責任を免れないとして命を絶たれたというふうに聞いてはいるわけでございますが、青木伊平さんの捜査、どういう経過になって、どういう状況になったのでございますか。
○根來政府委員 従来から、どなたをどういうことで調べたか、あるいはどういうことで協力をいただいたかということを申し上げておりません。したがいまして、この件についてはできるだけ勘弁願いたいと思いますが、亡くなられた方の名誉でございますので申し上げますと、そういう疑いはございませんでした。
○坂上委員 調べたのですか。
○根來政府委員 これも亡くなられた方であるという前提で申し上げますけれども、株式譲渡を受けた名義人の秘書の方等については全部調べたように理解しておりますから、当然その中に入っているのではないかと考えております。
○坂上委員 政治資金規正法に関する部分はどうですか。
○根來政府委員 その辺のことについても、少なくとも被疑者というようなことではないと思います。そして、その結果としては、青木氏及び竹下前総理については政治資金規正法の違反がなかったということは最終報告にも申し上げているとおりでございます。
○坂上委員 五十九年十二月に政治家三名に譲渡された未公開株、これはわいろですか。それから、六十一年の九月のいわゆる十三名の政治家への譲渡及びその周辺への譲渡ですが、これはわいろ性があったのですか。
○根來政府委員 従来から国会で、わいろ性のある未公開株が行ったからけしからぬというような一つの御議論がございます。その辺、私どもとしては、若干その御議論に対しては心外というか、ちょっと異見があるわけでございます。 まず五十九年の十二月の点につきましては、報告書に書いてありますように、最高裁の判例も御承知だと思いますけれども、殖産住宅の分については、間近に公開を控えたということが一つの要件になっております。したがいまして、五十九年十二月の分については一年十カ月後に公開されたわけでございますから、間近という要件がないのではないか、そうすると、わいろ罪の対象ということから難しいのではないかという判断が一つございます。それから、六十一年九月の問題については、いろいろ検討いたしまして、その中にわいろとして考えられるものとしては順次公判請求をいたしております。そのほか、わいろとして考えられないものについては、最終報告書にありますように、それは起訴するに至っていないものでございます。
○坂上委員 こういうふうに理解していいのでしょうか。五十九年十二月のものはわいろ性なし、六十一年九月のものはわいろ性あり、ただしほかの条件があって贈収賄にならなかった、こういう理解でいいのでしょうかな。それはそれで私のあれでございますから答弁しなくても結構です。 まず五十九年十二月、三人の国会議員が含まれているとおっしゃっておる。この名前は明らかにされないわけでございます。私の方から指摘をいたしますから違ったら違ったと言ってください。伊吹文明氏、浜田卓二郎氏、森喜朗氏、五十九年はこの三人でございましょうか。
○根來政府委員 それは私の方から何とも申し上げられません。
○坂上委員 それから六十一年九月の分でございますが、加藤紘一氏。加藤六月氏。竹下登氏はさっきおっしゃいましたからいいでしょう、竹下登氏。中曽根康弘氏。それから藤波孝生氏、これは起訴になったから。それから宮澤喜一氏、これはお認めになっております。それから渡辺秀央氏。渡辺美智雄氏。うちの方の上田卓三氏。塚本三郎さん、これはお認めになった。田中慶秋さん。池田克也さん、この人は起訴になっております。いかがでございますか。この分については、いわゆる十一名というのはこの中に入っておるのでございますか。しかも私が指定をいたしましたのは、いずれも新聞その他で政治家本人なりあるいは秘書が受け取ったということを認めておるわけでございます。 絶対に私はもらった覚えがないうちはもらった覚えがないとは言っていないわけであります。ただ刑事局長の答弁は、国会の答弁と、国会で認めたものと新聞その他の報道で認めたものと違いはあるわけでございますが、その認めた点においては変わりがないわけでございます。刑事局長の立場で積極的に御答弁できないといたしましても、私が指摘を申し上げましたものに違いがあるということぐらいは指摘したっていいんじゃないですか、いかがです。
○根來政府委員 ただいま読み上げられた十一人の中で、既に私が申し上げた方を除きましてどうだというお問いに対しては従来どおり何とも申し上げかねます。 それから、国会で言われた分のみを認めるのはどうだというお考えがございますけれども、これは国会という立場、国会という最高機関のところで正面から議事録に載るような形で認められたわけでございますから、それは私どもは尊重して否定はいたしません。そのほかについて私どもの口から申し上げられませんという立場であります。その辺について十分御理解を賜りたいと思います。
○坂上委員 言いたいのだけれども立場を理解してくれ、こういうことなんでしょうかね。 さて、そこでこれらの政治家に対する捜査の仕方ですが、まず秘書が受け取ったもの、秘書名義になっているものと政治家本人の名前になっているものとあるわけでございます。これは捜査の上においてどういうようなことからこんなふうになったのか、捜査上はどんなふうな御理解になっておりますか。
○根來政府委員 恐縮でございますが、捜査の内容にわたりますので、どうぞ御勘弁願いたいと思います。
○坂上委員 これは、灰色高官の認定をして要請すればお答えできますか。
○根來政府委員 一般的に申しまして、国会からあるいは委員会から、委員会なり国会の御意思として私どもに御要請のあった場合には、法令の範囲内で国政調査権を尊重するという立場から十分検討させていただくということを従来から申し上げております。
○坂上委員 稲葉先生が御質問になったのを別の角度からお聞きをしたいのでございますが、収賄罪には対価関係を必要とするというふうに書いてあるようでございますが、判例からいいますと対価関係は必要でないという判例が判例の大勢でなかろうか、こう思います。「収賄罪の成立には一定の職務に関して不法な利益の収受、要求若しくは約束があれば足り、その利益が個々の職務行為に対する対価関係にあることは必要でない。」こういう判例が判例の大勢だろうと思いますが、捜査報告によりますと対価的関係がないから犯罪は成立しなかったとおっしゃっておりますが、これ、いかがですか。
○根來政府委員 専門家の先生にいろいろ申し上げても恐縮ですけれども、判例というのは具体的な事案に対しての判示でございまして、それを引いての話でございます。したがいまして、そういう場合もありましょうし対価性を必要とする学説も判例もあるわけでございます。平たく言いますと、刑法の「職務ニ関シ」という解釈に当たるわけでございます。「職務ニ関シ」という解釈の中でやはり対価性の必要のある部分もあるわけでございます。そういう点でいろいろ調べましたけれども、そういう対価性という点についても認められなかったということを報告している次第でございます。
○坂上委員 抽象的職務権限、具体的職務権限、これはどう区別するのですか、本件の場合。
○根來政府委員 職務権限というのは、私どもは役人でございますから職務権限というのはそんなに広いわけではございません。ところが国会議員なり内閣総理大臣ということになると非常に職務の範囲が広いわけでございます。先ほども申しましたように、これは法制局からもお話がありましたように、内閣総理大臣の職務というのは各省の職務に及ぶわけですから、私どもの仕事も内閣総理大臣の職務の傘の中にあるのではないか、こういうふうに思っているわけであります。したがいまして、そういう理論的な面、いろいろ想定される面を頭の中に考えた場合に、その職務に俗な言葉で言いますとひっかかる場合があるというのを抽象的職務権限と申しているわけでございます。
○坂上委員 では、午後から。
○戸塚委員長 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 午後一時一分開議
○戸塚委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。坂上富男君。
○坂上委員 捜査報告書によりますと、安倍晋太郎議員の私設秘書であった清水二三夫ほか合わせまして四名ですが、政治資金規正法違反で略式命令の請求をした、こうあります。これは確定をしたのじゃないかと思いますが、どうですか。
○根來政府委員 五月二十九日に略式請求いたしましたから、既に確定しているはずです。
○坂上委員 これはいかがですか、確定いたしましたら、確定記録として国会に任意に提出できるんじゃございませんか。
○根來政府委員 前に御審議いただきました、正式な法律の名前は忘れましたけれども、記録を閲覧できる法律がございますが、あれで閲覧は検察官の判断でできますけれども、国会に提出するという規定はございません。
○坂上委員 刑事訴訟法四十七条でできませんか。それと国会法と。
○根來政府委員 四十七条ただし書きということになりますと、これは検察官が判断することでございますので、もしそういうお話があれば、その時点で検察官が判断することと思います。
○坂上委員 委員長に要請をいたします。 清水二三夫、服部恒雄、片山紀久郎それから坂巻正芳、この四名に対する政治資金規正法違反の確定記録、これをひとつ委員会の名において提出命令を要請いたしたいと思いますので、できるならば早く御決定をいただきたいと思いますので、委員長に提出命令の要求をいたしたい、こう思います。
○戸塚委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○坂上委員 さて、その次に、捜査で収集した証拠に基づいて検討いたした結果ということで、クレイリサーチ製のスパコン導入、就職情報誌の発行法規制、就職協定の存続、遵守、それから安比高原の開発、この四つが例示として挙げられておるわけでございます。 まずクレイ社の調査でございますが、これはアメリカに対する捜査協力はやったのでございますか。
○根來政府委員 国際的な共助を求めたという報告は受けておりません。
○坂上委員 これはレーガン・中曽根、二回にわたる首脳会談が大きくこの事件とかかわりがあるわけでございます。したがいまして、私は、アメリカにも大変重要なかかわりのある事件なんじゃなかろうかと思っておるわけでございます。その必要性がないと判断されたのか、いかがなんでございましょうか。また、その必要性なしとするならば、どういう観点からこのスパコンの捜査がなされたのか、お話をいただきたいと思います。
○根來政府委員 要するに、検察庁の判断といたしましては、そこまでして調べる必要性がなかったということであろうかと思います。必要性がない理由につきましては、詳細に捜査の内容を申し述べなければならないわけでございますので、その辺については抽象的に申し上げるにとどめさせていただきます。
○坂上委員 そうすると、刑事局長、中曽根問題で問題になっておりましたのがスパコンの三号か四号か、これが大きな問題になっておるわけであります。三台目であれば、これはNTTが研究用に使っているそうでありますから、スパコン導入についての犯罪の共謀がない。しかしながら、四台目であるとするならば、NTTの長谷川被告人との関係において、あるいは真藤被告人との関係において中曽根さんの問題がどうしても共謀関係として浮かび上がってくるのじゃなかろうかと実は思うわけでございます。そうだといたすならば、三号であったか四号であったのかということは検察の方はどのように確定されたのですか。
○根來政府委員 この問題についてはもう予算委員会でもいろいろ各党からお尋ねがございました。国会の方の、その結果の御議論というのは、大体方向は決まっているように思いますけれども、捜査の内容としてどういうふうになっているかということにつきましては、ただいま御指摘がありましたように、長谷川あるいは真藤の公訴事実に密接に関連する話でございますので、答弁は差し控えたいと思います。
○坂上委員 長谷川、真藤にかかわりがあるとおっしゃいますが、どういう点でかかわりがあるのでしょうか。
○根來政府委員 これは公訴事実をごらんいただいたらおわかりのように、長谷川、真藤の収賄の趣旨でございますけれども、その趣旨に明確に記載してあります。これから公判でこの趣旨をめぐっていろいろ議論が行われると思いますので、ここで申し上げることはお許しいただきたいと思っております。
○坂上委員 いかがでございましょうか。このスパコン問題の長谷川、真藤に対する起訴事実は、いわゆるリクルートヘの転売についての謝礼としての贈賄ではないかと実は思っておるわけであります。したがいまして、三台目であるか四台目であるかということはきちっとわかると私は思うわけであります。でありますから、論理的に見ましても、三台目であるとするならば、スパコン導入の謝礼としてあるはずはないわけであります。四台目であるから、これは明らかにリクルートが謝礼としてわいろを使うということはあり得ることだろうと思うわけであります。だとするならば、事件と密接に関係があるなどということは言い逃れでございまして、三台目か四台目かということははっきりしているわけでありますから、論理的にも四台目だと言えるのだろうと思います。三台目だ、四台目だと言ったからつて、公判の維持に一体どれだけ支障を来すか、ちょっと納得できません。もう少し明確な御答弁があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○根來政府委員 御承知のように、公訴事実は非常に抽象的に書いてあります。具体性を持たせて、かつ抽象的に書いてあるわけでございます。その内容は、スーパーコンピューターの調達に関し、端的に言うとそういうふうに書いてあるわけでございますが、調達というのは、例えば外国からNTTが買い受けて、あるいはリクルートがそれから転売を受けたという全部を指すものと思うわけでございます。その中で、これから証拠によって具体的な事実を検察官が立証していくわけでございますから、その立証の個々の事柄についてここで公開するということはできない、こういうふうに申し上げているわけでございます。 それからもう一つ申し上げたいのは、従来から三台目か四台目かということについては各省から、各委員会の委員からお尋ねがございました。それが何台目かというのは各省それぞれお調べになって申し上げているわけでございます。私どもは、それを飛び越えて捜査の結果はこうだというわけにはまいらない事柄だ。第二番目の理由は付随的な理由でございますが、そういうふうに考えております。
○坂上委員 刑事局長、理論の問題で御質問いたしますが、一台目と三台目はNTTが自分の研究用に購入をし、自分が研究用に使っているわけでございます。二台目と四台目はリクルートに即売したわけであります、転売して、直ちに。そうだといたしますと、長谷川や真藤に対してスパコン導入の謝礼をリクルートがやるというならば、やはり二台目であり、四台目だ、こう思うわけでございます。論理的にそうなると思いますが、いかがですか。
○根來政府委員 せっかくの御指摘でございますけれども、これは将来公判でいろいろまた議論があるところでございますから、論理的にはいろいろお考えはございましょうけれども、その辺については私どもとしては答弁は申し上げかねるところでございますので、御了解いただきたいと思います。
○坂上委員 さて、これは今度いわば中曽根さんの偽証とかかわる問題ですが、中曽根さんは三台目だとおっしゃいました。しかし、どうしても、起訴状から見てみましても逮捕状から見てみましても、それから今言った御答弁を見てみましても、中曽根さんの三台目というのはどうも偽証臭いのではなかろうか、こう実は思われるわけでございます。一体検察は中曽根さんの三台目だというふうにお思いになっているのでございますか。さっき言ったように、偽証の疑いについては検察の方は云々だ、こうおっしゃったわけでございますが、私はやはりスパコンについても偽証あり、疑いあり、こういうふうに言っているわけでございます。いかがですか、偽証の観点から見てみまして。
○根來政府委員 先ほども申し上げましたように、国会における証人の偽証というのはまず国会でお決めになる話でございまして、先生がそういうふうにお考えになるということになれば、ひとつ国会の中で十分御議論をいただきたい。これは別に、差し出がましいことを申し上げるようでございますけれども、そちらの方でひとつお願いしたい。私どもは、もしそういうふうな御議論の過程におきましてどうしても必要だというときには私どもの意見を申し上げるわけでございますけれども、そちらの方が先決でないかというふうに考えております。 ただ、現在のところ東京地検から中曽根証言について偽証であるというような、偽証の疑いがあるというような報告については何ら受けておりません。
○坂上委員 だから私が指摘をしておるわけでございます。こういう観点からこの問題は見なければいかないんじゃなかろうか、こう言っておるわけであります。一体、東京地検が今言ったような点を踏まえまして御検討になった上での刑事局長の答弁、こうなるんでございましょうか。しかし、今言ったようなことを詰めてみますと、今言ったような答弁は必ずしも承服できかねる、こう思うわけであります。 いま一つは、これは国会で論議してくれ、だから今論議しているわけでございます。別によその部屋へ行って論議という意味ではないのでございまして、この部屋で、今法務委員会として重大な論議をしているわけでございますから、それを指摘をしておるわけでございますから、私たちは大いに疑義ありとしての指摘でございます。いかがでございますか。
○根來政府委員 最初の問題でございますが、今まで三台目か四台目かという、何台目かということについていろいろ国会で御議論がございました。当然検察庁もそういうことは十分承知しておりますから、それは十分検討いたしているはずでございますし、捜査も遂げているはずだと思います。 次に、私が申し上げた国会で御議論いただきたいというのは、私どもは政府側でございますから、国会の証言について、それがちょっと怪しいんじゃないかとか、それが正しいんじゃないかというふうなことを質疑の中で申し上げることはなかなか難しいわけでございます。したがいまして、国会という言葉が語弊がありますれば、委員会で御証言になったわけでございますからよく委員会の中で、ひとつ十分委員の中で御議論いただきたいということをお願いしているわけでございます。
○坂上委員 それでは、スーパーコンピューターの導入が当該職務と対価的関係が認められないから犯罪が成立しなかった。「スーパーコンピューターの導入」というのは具体的にはどういうことでございますか、具体的に言ってください。
○根來政府委員 これは抽象的にこの報告書に書いてあります。それ以外のことについては現在お答えいたしかねる立場にございますので、御了承願いたいと思います。
○坂上委員 もう少しスーパーコンピューター導入の具体的な事実というのを、どういう点で問題があったのだ、しかしながら調べた結果がこうだということをもうちょっと具体的に言ってもらわぬと、素人が読んだって「スーパーコンピューターの導入」というのは一体どういうことがあったのだろう、わからぬから聞いているわけであります。でありまするから、もう少しどうですか、スーパーコンピューター、こういう点が問題になったのだ、だけれどもこういう点において対価的関係はない、こういうことは言ったっていいんじゃないですか。
○根來政府委員 スーパーコンピューターに限らず、大臣もおっしゃいましたけれども、このことについては最大限法務省として、検察として公表できる点を申し上げているわけでございまして、それ以上の細部にわたりますと、捜査の内容をお話しすることになるわけでございます。捜査の内容をお話しするということになりますと、先ほど来申し上げました関係人の人権とか、あるいは将来検察の運営とか裁判への不当な影響とか、そういうことが問題になるわけでございます。そういうことで答弁は差し控えたいと申し上げているわけでございますが、極めて抽象的に言いますと、スーパーコンピューターの導入がもし総理の職務権限であるとするならば、それについて総理の方がリクルート社から何らの働きかけも受けていないし、また総理としてそれについて便宜を図ったこともない、そういうことでございましょう。
○坂上委員 どうでしょうか、スーパーコンピューターがアメリカから四台導入になったことは御存じだと思うのです。このうちの二台がリクルートに転売になったということも、もう争いのない事実だろうと思うのであります。でありますから、その二台についていわば贈収賄があったのではなかろうか、こういう点が捜査の対象だろうと思うのです。いかがですか。あの四台丸々じゃないでしょう。いわゆる二台でしょう。このことがリクルートのいわゆる贈収賄にかかわる問題、こうなるんじゃございませんか。
○根來政府委員 これは、先ほど来御説明いたしておりますように、片やリクルート会社及びその関連会社に懸案事項がたくさんあるわけでございます。その懸案事項について一々どういう職務上のつながりがあるか、それについて便宜供与があったかということを調べたわけでございまして、スーパーコンピューターの問題だけを特に取り出して調べたというわけではございません。したがいまして、全体的に調べた結果、申し上げたとおり犯罪の嫌疑、犯罪の疑いというものはなかったという結論に達したというふうに理解しております。
○坂上委員 これ以上お答えにならぬようですから、しょうがありません。 その次に、今度は「就職情報誌の発行等に対する法規制」、こう言っているわけです。就職情報誌の発行、これはどういうようなことを指すのか。しかも、これに対する法規制、いわばいかがわしい広告を載せた、こういうようなことが契機になりまして法規制の動きがあったのだろうと思うのです。これについて、法規制をしないで自主規制になった。このことに関連をいたしまして加藤労働事務次官が起訴された。こういういきさつなのだろうと思うのでございますが、それはそれで加藤さんの責任は起訴によって問われているわけでございますが、あとこれについて、だれがどういう観点からこの情報誌の発行の法規制に対する責任が検討されたのでございますか。
○根來政府委員 先ほどから申し上げておりますように、右側に懸案事項を置きまして左側に仮に十一人の国会議員を置きました場合に、いろいろ組み合わせで検討したわけでございます。ですから、就職情報誌という問題も、役所の問題ならば総理大臣も抽象的に職務権限があるわけでございますから、要するに右側に会社を置き左側にその関係の国会議員を置いて、いろいろの組み合わせで検討したということであります。
○坂上委員 その次、では「就職協定の存続、遵守」です。これは、中曽根総理は当時答弁なさっているわけでありますが、御理解しておられますか。
○根來政府委員 国会でそういうお話があったことは十分承知しております。
○坂上委員 国会で中曽根首相が答弁をしたことは存じ上げておられる。しかも、中曽根さんが言うには、私は国会に答弁しただけであって具体的な指示はしたことがない、関係者が私の意を体して行ったのであります、こういうのが証言なり今までの弁明の趣旨のようでございます。一体この点どうなんですか。
○根來政府委員 これも捜査の内容に当たるわけでございまして詳しくは申し上げられませんが、その中曽根証言を否定するという証拠があったとは聞いておりません。
○坂上委員 この点で大臣にお聞きをいたしますが、大臣が国会で、こうこうこうしたいと思います、こう答弁なさった。答弁しっ放しで、こういうことをいたしますということについての打ち合わせ、指示、そういうのは大臣以下の皆様方に具体的な指示がなされるのが普通じゃございませんか。いかがです。
○谷川国務大臣 今回の私の報告に関係して答弁をさせていただきますが、今回の私の報告は、衆議院並びに参議院の予算委員長からいわゆるリクルート事件の捜査処理について報告を求めたいということでございました。そこで、捜査の処理についての報告を申し上げたのでございまして、捜査の中身につきましては、ただいま刑事局長から答弁いたしておりますように、この時点では私どもとしてはこれから先申し述べることのできない事柄が数多くあることは御了解いただきたいと存じます。
○坂上委員 質問の趣旨はこういうことでございます。大臣が委員会なりあるいは本会議で質問があって、かくかくしかじかのことにいたしたいと思います、こういう答弁をする、そしてその答弁は今度事務当局、そういういわゆる職制上大臣より下の皆様方に具体的にこうするこうするというようなある程度の相談、指示があるだろう、こう実は言っているわけであります。 したがって、国会の答弁だけで直ちにその意を体して大臣が答弁されたことを実際にやるなんということはなくて、本当にいろいろと打ち合わせの上で実施されるのが普通だろうと私は実は思っているわけです。中曽根首相は、私は答弁しただけです、私の意を体して関係者の人が実行しただけでしょう、こうおっしゃっているから、一体そんなようなことはあるのですか、こう大臣の経験からお聞きをしているわけです。
○谷川国務大臣 質問を取り違えましてまことに申しわけございません。 いやしくも、行政のある部門についての責任を預かる大臣としては、当然大臣が答弁することにつきまして、省内におきまする指揮監督をいたして答弁をいたしておるはずでございます。
○坂上委員 そうだといたしますと、やはり就職協定の存続、遵守についての中曽根さんの証言というのは、いささか疑惑があるのじゃなかろうかと私は実は思っておるわけであります。検察は、ありません、まだ東京地検から言ってきません、こうおっしゃっておりますが、今のいわゆる皆様方の行政執行の手続上から、機構上からやはり中曽根さんが言いっ放し、意を体して直ちに何も言われなくてやるというのはないので、具体的に答弁を受けまして直接総理の方から関係大臣あるいは関係者に指示、打ち合わせというのはある程度あるのだろう、こう私は実は思っておるわけであります。 これ、どうですか。検察の立場からいいまして、ただ大臣が答弁をした、その意を体してやったのだろうなんというようなことは常識上実は私らは考えられない、したがってここにも偽証の疑いありと私は言っておるわけでありますが、いかがですか、刑事局長。
○根來政府委員 御指摘の点について、贈収賄という観点からいろいろそういう、これはその問題というわけではございませんが、いろいろ国会で御議論になった点を踏まえまして検察庁もそれを念頭に置いて調べたわけでございまして、その結果この前の最終報告ということになったわけでございます。結論的には、いろいろ調べたけれども便宜供与的なことはないあるいはリクルート社からの働きかけがないというようなことで贈収賄の疑いはなかったというふうに結論づけておるわけでございます。 それでは今度は、中曽根証言のその点についての偽証の問題でございますけれども、この点はまた先ほどの議論に戻るわけでございまして、まず国会でお願いしたい。私どもとしてはまだ、まだといいますかそういうことについて検察庁から偽証の疑いがあるという報告は受けていないということでございます。
○坂上委員 これから御指摘を申し上げます。 さて今度は、安比高原の開発のことですが、これはさっき稲葉先生が相当指摘をなさいましたから私は別の角度からお聞きをします。 ヘリコプターを無料で出してもらって、これを大臣なり官僚が使うことはやはり贈収賄のわいろになるのじゃないですか、いかがです。
○根來政府委員 その具体的な問題について申し上げるわけではありませんけれども、社会生活というのは多少大目に見るという言葉は適当じゃないと思いますけれども、そこに多少の遊びがあると思うのです。そういうことで、ヘリコプターを提供したからそれが贈収賄だというふうに直ちに言うことはなかなか難しいのではないか。そういう点についても、それは当然調べておると思いますけれども、結局は最終報告にありましたように、犯罪の疑いがなかったということに帰着しているわけでございます。
○坂上委員 ヘリコプター問題は二つあるわけです。一つは、加藤農水大臣が六十二年の二月二十八日、ヘリコプター二台を四十万で金を払って、これは一台分だそうです、四十万というのは。そして、一台だと思って飛行場へ行ったら二台あったから二台に乗って飛んでいった、こういう話でございます。一台分は丸々リクルートの提供、それから一台分は四十万でこれで終わり、こういうことでございます。だから、足りない分をリクルートが出したのか、この辺はあいまいでございますが、しかし総額にいたしますと一台三百数十万なんですね、五時間ですから。一時間六十何万円だそうですよ、だから大体三百数十万円、これがヘリコプターの代金だそうです。 これが二台分で四十万、あるいは一台四十万、そして一台は丸々提供を受けた、こういうようなことなんでございまして、これで庶民感覚からいって、さっきから私は答弁を聞いておってもそうなんでございますが、三百万円あるいは六百万円引くところの四十万、五百五十万くらいといたしましょうか、これだって大変な金です。こういうようなことが簡単に、こういう密接な関係のあるリクルートから提供を受けて乗って飛んでいく、こんなようなことが一体贈収賄にならぬで何になるのでございますか。それから、あの竹下さんも何かヘリコプターに乗っていって代金の支払いわからぬ、こう言っておるわけでございます。こんなことが許されていいのですかな。しかも、金額といたしまして六百万ないしは最低三百万、こういう金額なんでございます。いかがでございます、こういう点について。
○根來政府委員 私どもの方は、その今具体的に挙げられた金額をそのままそうだと肯定するわけではございません。ただ、そういういろいろ国会で御議論のあった点は十分検察庁も知っておりまして、それは十分念頭に置いて調べた結果、やはり贈収賄というような話にはならなかった、こういう結論でございます。ここで犯罪の成否について私どもが申し上げる立場ではないことは従来から繰り返しておるわけでございますが、検察庁の報告はそういうふうになっている、こういうことでございます。
○坂上委員 そうだといたしますと、不起訴処分にしたのがあるわけですな。これはいずれも起訴猶予処分なんですね。小野敏広、館岡精一、間宮舜二郎、それから村田幸蔵、これが起訴猶予処分なんですね。一体どういうようなことをして、なぜ起訴猶予になったのかお答えいただけますか。
○根來政府委員 これは証券取引法違反ということで関係者を逮捕して調べたものが一グループございます。それから一つは、村田氏については、日本電信電話株式会社法上の収賄、これは真藤氏との共謀によるものでございます。そういう点について逮捕したわけでございますが、そういう点について犯罪は認められるけれども起訴するに足るほどの情状ではないという判断から起訴猶予にしたものでございます。
○坂上委員 起訴猶予そのものはいいのでございますが、もうちょっと具体的に、これだけ国民注視のもとの犯罪ですから、それが起訴するだけの情状まで至っていない、その事情を実は聞きたいのです、理由を。
○根來政府委員 証券取引法の問題につきましては、これはいろいろ会社の経理上の問題でやったわけでございますけれども、そういう大蔵大臣に届けていなかったというような点、これは形式犯と言うと非常にまた語弊がございますけれども、そういう問題がございます。それから、村田氏については、真藤氏が身分のある主体でありまして、身分のない者がこれに加功したというわけでございますから、それはそういう事情を酌んで起訴するに足りないのではないかという判断で起訴猶予にしたものと理解しております。
○坂上委員 証券取引法違反でございますから、さっき言った政治家十一人プラス起訴になった二人、それから五十九年十二月の三人、これに関連をいたしましてお取り調べがあったと思うのですが、具体的にどういう人たちをどういう形でお調べになったのですか。政治家の名前はいいですよ、おっしゃらないのだから。具体的にどういう取り調べをしたのですか。私は、この起訴猶予の中に、政治家の関係があるものだから起訴猶予にしたんじゃなかろうかという疑いを実は持っているから聞いているのです。
○根來政府委員 国会議員について起訴猶予処分にしたものはありません。
○坂上委員 刑事局長、こういう質問なんです。 証券取引法違反というのは被疑者が二人なわけでございます。そこで、株を譲渡したという届け出をしないで譲渡したところにこの違反があるのだろうと思うのです。しかも、その譲渡を受けた中に政治家がさっき言った人数だけあるわけでございます。したがいまして、どうしてもこれらを裁判にかけますと政治家の名前が出てくる、だものだから起訴猶予にしたんじゃないか、こう実は思っているわけです。政治家を起訴猶予にしたとかしないとか、こう聞いてないのです。 そこで、いわゆる形式犯だから裁判にかけないというのもちょっとおかしいわけでございます。それからまた、これだけの重大な事件でございまするから、情状としては決して軽くないと私は思うのです。だから、起訴猶予にした理由というのをもっと詳しく言ってください、こう言ってもお答えにならぬものでございまするから、私は私の考えている推測を言っておるわけでございます。政治家諸君が株をもらった、政治家の周辺の人が株の譲渡を受けた、こう言っておるわけでございますから、一体どの程度、どういう捜査をなさったのか。大体この証券取引法違反に関する調べ方について、もうちょっと具体的にお話しいただいていいんじゃないか、もう事は起訴猶予になって事件は確定したのでございまするから、ひとつ御発表になっていいんだろう、こう思います、こういう意味です。
○根來政府委員 まずコスモス社関係の証券取引法の違反の事件でございますけれども、これはお説のように政治家の名前を隠すために起訴猶予にしたということはございません。検察庁の詳しい起訴猶予の理由といたしまして、コスモス社の方は証券取引法四条に定める有価証券届け出書を提出することを確約している、その他大蔵省からもいろいろ規制を受けておるということで、起訴するまでの必要がないということであります。 それから、どの程度調べたかということについては、要するに株式の譲渡を受けた名義人というのがございます、秘書とか国会議員の親戚とかいろいろございますが、そういう名義人的な立場に立たれる方は全部調べていると思っております。ただ、そのうちに国会議員が含まれているかどうかということについては従来から答弁を差し控えているわけでございます。それはどういうわけで国会議員だけは答弁できないかといいますと、やはりこれは私どもが国会議員が何人入っているということになると、何遍も繰り返すようでございますが、灰色論議に一枚加わるというような形でございますので、なるべくそういうことは差し控えたいということでございます。 したがいまして、繰り返して申しますと、証券取引法四条で譲渡を受けた者については、秘書なんかはほとんど、ほとんどといいますか全部調べているというふうに思っております。
○坂上委員 刑事局長、大変重要な発言があると思うのです。秘書の名前で譲渡を受けたものについては秘書をお調べになるのは結構でございます。また当たり前なんです。秘書の名前で譲渡を受けない人、政治家本人、これは本人を直接調べなければいかぬと思うのですよ。こういう人たちから上申書なり、あるいはお取り調べ、あっただろうと思うのでございますが、直接構成要件にかかわる政治家本人でございます。秘書の名義じゃない、いわゆる政治家本人の名前になっているわけであります。やはり国会議員を調べたか、調べないかということは、答弁の義務があるのではないのですか、いかがです。
○根來政府委員 これは前に先生から、どこの委員会か忘れましたけれども、まだ捜査に着手する前に、こういう事件については譲り受けた者を必ず調べなければ構成要件の事実が確定できないのではないかという御質問がありまして、私は、それは時と場合によるわけでございまして、検察庁の判断によると申し上げたはずでございます。だから、その判断は現在でも続いておるわけでございます。 仮に、国会議員直接名義になっておりましても、これは直接の場合もございましょうし、またそうでない場合もあると思います。その辺は、また捜査の内容に立ち入りますので、詳しくは申し上げませんけれども、証券取引法を捜査する必要の限度におきまして十分調べたというふうに理解しております。
○坂上委員 ちょっと納得できません。 特に政治家の今のこの部分が出てくるものでございますから、やみからやみに葬ったと言うと大変語弊がありますが、起訴猶予にしたのではないですか、これは。どうしてもこれは国民は納得しませんよ、私ら法律家が納得したとしましても。ひとつこの点も、もう事件が確定したことになっているわけですから、私は明らかにしたっていいのではなかろうかと思います。これは捜査上必要はないではないですか。ましてや証券取引法違反で起訴になったのは一人もいないわけです。何ら公判維持の必要性はないわけでございます。これはやはりきちんと、国会に対して捜査報告として問われたら答えるべき義務があるのではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○根來政府委員 これは基本的な問題に帰着するわけでございますけれども、公判になった分は裁判所でオープンになりまして、公開の法廷で審理されるわけでございます。起訴しない案件については、外部に出さないというのが建前でございます。しかしながら、先ほども大臣から仰せになったように、これは衆参両院の予算委員長から処理に関して最終報告をしろという特別の御要請がございましたから、その御要請を受けまして、できる限り御要請に応じてやってきたわけでございます。 したがいまして、今のだれを調べたかとかいう問題については、捜査の内容にわたるわけでございまして、本来的にはオープンにできない話であります。ただ、オープンにできない限界を私たちは探りまして最終報告をしたわけでございまして、それ以上のことは委員から仰せになりましても、ちょっと申し上げるわけにはまいらない事柄だと考えております。
○坂上委員 竹下登氏を調べたか、宮澤喜一氏を調べたか、こう聞いているのではないのです。国会議員をお調べになりましたか、こう聞いているわけでございます。国会議員の名前を出したってどうってことには、名前を聞いているわけじゃない。国会議員、政治家本人をお調べになったか、こういうことを聞いているわけでございまして、だれですかということまでは聞きません。でありまするから、これは答えたっていいのではなかろうか、こう思いますが、もう一つあわせて答えていただきたいと思います。 このリクリート事件は、昨年の七月に発覚をいたしたわけでございます。それで、事件が発展してきたわけであります。この事件が発覚をいたしましてから八月ごろにかけまして政治献金がなされたわけであります。私たちはこの政治献金、いわゆるもみ消しだ、こう言っているわけでございます。大変悪質な事件でございます。というのは、発覚してからこういうようなことが出ているわけでございますから、政治献金に名をかりたもみ消し料ではないか、実はこう思っているわけであります。この点、どの程度の捜査がなされたのか、また検察はこの部分をどういうふうな理解をなさったのか、御答弁いただきたいと思います。
○根來政府委員 最初の国会議員の人数といいますか名前を出さなくても人数ぐらいはいいのではないかというお話が一つございました。その問題については、先ほど午前中に委員が仰せになりましたような名前が取りざたされているわけでございます。そういう取りざたされている中で、国会議員を何名調べたということになりますと、また一つのインパクトを与えるわけでございますので、御容赦願いたいと思っているわけでございます。 それから、本件が発覚して以来、政治献金が行われた、それがもみ消し料ではないかというような話でございますが、これは検察庁はすべて調べまして、それは犯罪の疑いがないということに帰着しております。お言葉を返すようですけれども、もみ消し料と言いましても、仮にそうだとしても、具体的に犯罪を思い出すというわけにもまいりませんし、検察庁はその辺は十分心得て調べたものと考えております。
○坂上委員 刑事局長、これはみんな政治資金規正法の届けがあるのですか、どうです。
○根來政府委員 政治資金規正法については、四人の方を略式請求いたしております。できる限り調べたところ、政治資金規正法違反がなかったというふうに報告を受けております。 ただ申し上げたいことは、私どもの方は、国会議員全員について政治資金がどうだということを調べたわけではございません。当然、その報告書にありますように、リクルートコスモスの未公開株を譲り受けた国会議員を中心にして調べたということでございます。その辺、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○坂上委員 時間がないから急ぎますが、NTTのボランティア資金のことですが、この規模それから内容、できる範囲においてちょっと答えてくださいますか。
○根來政府委員 これは政治資金規正法違反があるかどうかということを中心にいろいろ調べましたけれども、結局、犯罪の疑いは全くありませんでした。したがいまして、犯罪の疑いのないものを御答弁するわけにはまいりません。
○坂上委員 こう書いてあるわけであります。ボランティア資金からの政治献金についても、同様の観点から所要の検討を加えました。そして、その違反として訴追するに足りませんでした。こう書いてあるわけです。だから、ボランティア資金というものは政治献金、政治献金というものの届け出があるのだろうと思うのです。でありまするから、どんな規模のものがボランティア資金としてどんな程度の政治家に配られたのか、こういうことを聞いているのです。
○根來政府委員 先ほど御答弁いたしましたように、このボランティア基金、これは俗称でございますけれども、大勢の者が金を集めてそれを政治家とのおつき合い等に使っておるということでございまして、それが犯罪にも何もなっていないわけでございます。それを私どもの方がたまたま捜査の過程で知り得た話を、それが特に犯罪にも何もない話をこの公開の席で申し上げるわけにはまいらないと申し上げているので、その辺、ひとつ御了解願いたいと思います。
○坂上委員 大変不満ですが、犯罪の成立したのは捜査上あるいは公判維持上答えられない、それから犯罪の成立しないのは犯罪が成立しないから名誉のために答えられないみたいな、名誉は別としまして、何だかんだと言って答えないわけでございますが、ボランティア資金というのはこういうふうに配られたのだ、しかも、こういう観点から犯罪の嫌疑なしと判断したのだということを、もうちょっと具体的にお話になったっていいのではないでしょうか。特に名前に書かれているわけです。ボランティア資金として捜査をした、こうあるから、具体的にどの程度のどういう捜査をなさったのか。そして、調べた結果が大体こんな程度のことが出てきたから、これは政治資金規正法の違反にもなりません、贈賄、収賄にもなりません、こういう結論が出てくるのだろうと思うのでございますが、もう少しお答えになっていいのではないですか。
○根來政府委員 基本的には報告書の中身についてはオープンにできないという性格であります。 ただ、ボランティア資金について申しますと、要するに、大勢の者からお金を集めまして、例えば政治家のパーティー券とかそういうものに使っているわけでございますから、これは何ら違法でも何でもないわけでございます。私どもは刑事責任を追及するために証拠を集めているわけでございます。そのために刑事訴訟法という武器がありまして、それによって強制処分を行う、また参考人にいろいろ協力を願うという建前になっているわけでございます。その刑事責任を追及する武器を使って集めたものを全く別の用途に使うということについては、これは大きな問題があろうかと思うわけでございまして、結局、犯罪にならぬものは申し上げるわけにはいかない。またつけ加えて申し上げますと、そういうふうに大勢の者を集めまして、それをおつき合いといいますか、例えばパーティー券を買ったとかあるいは多少の政治献金をしたとかというふうに使っているわけでございますから、これは犯罪にも何にもならないという判断でございます。
○坂上委員 もう一点この点について。このボランティア資金の中に、リクルートの株の譲渡を受けた、そして売却代金がこの中へ入れられたのと違いますか、いかがです。
○根來政府委員 そこまで詳しい報告は私受けておりませんけれども、いずれにせよ、仮に報告を受けましてもちょっとそういう点についても申しかねるところでございます。
○坂上委員 公判維持上申しかねるというのだったらわかるのでございますが、全くボランティア資金は潔白だと言うから言うのです。売却代金がこの中に入ったはずなんです。だからボランティア資金がその性格をめぐって国会で大きな議論になった、こう思っておるわけであります。一応これはこれで終わります、どうしても質問してくれと言われた事項もあるものでございますから。 警察庁の方、お見えでございますか。——私もいろいろ職務上の関係もあるのでございますが、自動車と自転車の交通事故、ぶつかることがよくあるわけでございますが、これはどうですか、去年、おととしあたりと比べてみて。大体の件数でございますが、お答えいただけますか。
○浅川説明員 六十三年中の自転車の事故について申し上げますが、ブレーキの不良が原因となったもので自転車が第一当事者のものは百五十三件、それから前照灯不良が原因となったもので自転車が第一当事者のものは百三十三件、その他、車両的な原因によります交通事故は、自転車が第一当事者となったものは昨年中で三百二十四件ということでございまして、全体の自転車が第一当事者となった事故は一万九千三百九十二件ほどありますが、これの一・七%に当たるわけでございます。大体ここ数年同じぐらいの数字かと思います。
○坂上委員 これについて、やはり自転車の整備不良、例えばブレーキが不良である、ハンドルが不良である、前照灯が不良である、反射器が不良である、こういうようなことが原因になって事故が起きているのが相当あるのじゃないですか。今おっしゃった、それが数字ですか。
○浅川説明員 今申し上げた数字は、車両的原因というふうなことで、前照灯の不備とかブレーキの不備とかそういうふうなもののトータルが三百二十四件ということでございます。
○坂上委員 これはどうですか、こういう不良自転車についての指導監督、警察の方ではできるのですか、できないのですか。
○浅川説明員 自転車の交通方法等のマナーの問題、こういう問題を含めて昭和五十三年に道路交通法に新しく自転車の交通方法の特例が設けられまして、同時に制動装置とか反射器材を備えない自転車を運転した者については罰則が科せられるということになりました。私どもの方の認定に係る制度としまして、自転車安全整備制度というふうなものを十年前発足させまして、これを通じまして自転車の安全指導というふうなことを、この自転車安全整備制度は、全国の自転車屋さんが大体三万店ほどありますが、これに対して指導監督を通じて、いろいろな自転車の安全な乗り方講習会等を通じて、これは年間に五百十八万人ほどの国民を対象に、特に小学生、中学生、高校、お年寄りや婦人の方を対象に安全な乗り方の講習会等をやりまして、整備不良等をきっちりと直すように、危険性等も指導しておりまして、これは今後とも指導を強めてまいりたいというように考えております。
○坂上委員 時間がもうないですから、簡単でいいです。例えばブレーキ不良、前照灯不良ということについて警察は直接その自転車に乗っている人に注意できるのですか、できないのですか。
○浅川説明員 これは道交法にそういうふうな違反の規定がございますから、それをもとに指導したり注意をしたりということで全国的にやっております。
○坂上委員 そうしますと、自転車の交通事故については現行法で十分なんでございますか。それとももっと、交通事故撲滅のための必要性というのは、自転車の不良に対する警察の監督指導で問題点はありませんか。
○浅川説明員 私ども、昭和五十三年の道交法の改正によりまして自転車対策が強化されたというふうなことで、当面はこの自転車安全整備制度を活用した自転車の安全な乗り方教室等を全国的にやりまして、整備不良車両等をなくす、また街頭で安全運動等、いろいろな機会をとらえて自転車に対して整備不良、こういったものを指導、注意というふうな形でやってまいりたいというふうに考えております。
○坂上委員 ありがとうございました。
○戸塚委員長 中村巖君。
○中村(巖)委員 まず、六月十二日に行われましたリクルート事件の捜査の報告、これについてお尋ねをしてまいりたいと思います。 六月十二日に法務省がリクルート事件について捜査報告をしたわけですけれども、これは国会からの要請があってやられた、こういうことですが、国会からの要請というものは法務省としては国会法百四条に基づく要請、こういうふうに理解をされているわけですか。
○根來政府委員 国会の中の手続については私どもはよく存じないもので、はっきりしたことは申し上げかねますけれども、要するに、予算委員長から私どもの方に報告をしろという御指示がございまして、それに応じて作成して報告したようなぐあいでございます。百四条に当たるのかあるいはそうでないのか、その辺私どもの方はよく承知しておりません。
○中村(巖)委員 具体的に国会の予算委員会、すなわち衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会から要請があった、こういうことであろうと思いますが、その要請の内容は正確に言うとどういうことでございましょうか。
○根來政府委員 私どもがお話を受けたのは、リクルート事件に関して、中間報告もございましたけれども、中間報告の場合は中間的に報告をしろというお話がございました。最終報告については、最終的に捜査処理の結果について報告をしろというわけで、具体的にどういう内容の報告をしろという御指示は承っておりません。
○中村(巖)委員 国会法百四条が「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」こういうふうになっているわけであります。この百四条のこういう規定というものを考慮して御報告になったのかどうか。つまり、各議院の委員会の審査または調査のため必要があるということだから、その必要に応じる報告をしろということで御報告になったのかどうか、その点はいかがですか。
○根來政府委員 先ほど申しましたように、国会法の百四条に基づくものかどうかということは別にいたしまして、百四条の趣旨を踏まえた御指示だという理解でできる限り報告の内容を検討して報告したつもりでございます。 ただ、御承知のように、我々は刑事訴訟法四十七条という規定がございまして、これは検察官に課せられた義務でございますが、検察官に課せられた義務を尊重して私どもが東京地検から報告を受けた内容を精査いたしまして、それをさらに国会に報告したというぐあいでございます。
○中村(巖)委員 刑事訴訟法四十七条は、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」こういうふうになっているわけでございます。訴訟に関する書類が原則的に公開できないということはその規定のとおりでありますけれども、公益上の必要その他の事由がある場合においてはすべて公開ができる、例えば、今、国会法百四条に基づく国会の要請があればあらゆる捜査の書類なり内容の報告、こういうことがすべて捜査全般にわたってできるのだという法務省の御見解なのか、それとも、やはりその公開する範囲については限定があるのだというお考えなのか、その点はいかがでしょう。
○根來政府委員 これは刑事訴訟法四十七条のただし書きにございますが、公益の必要があるということがまず前提でありましょう。その公益の必要というのは、国政調査権に基づく場合とかほかの裁判所からの取り寄せの場合とか、そういうことをいろいろ想定できると思います。ただ、次に、相当と認める場合というのがございますので、公益上の必要がありましても相当と認める場合と認められない場合が両方あると思います。その判断は、従来から、書類の保管者である検察官あるいは司法警察職員というふうに解釈しているわけでございます。 それではどういう場合相当と認められないのか、認めるのかということは、やはり従来から申し上げておりますように、裁判への不当な干渉を呼び起こすことはないだろうか、あるいはその捜査に関係された方々の名前をオープンにすることによって将来の検察運営がうまくいかない場合があるのではないか、あるいは他人の秘密にわたることが捜査資料の中にあって、それをオープンにすると基本的な人権が阻害されるのではないかというようなあらゆる見地から検察官が判断して、それでは公益の目的があるのだからひとつ応じましょう、あるいはこういうことがあるからやめておきましょう、こういう判断になるのではないかと思っております。
○中村(巖)委員 そうすると、国会法百四条によって要請をされたということは、それは公益の必要があるから要請するわけでしょうが、しかし、それに対しても検察庁の方の独自判断があって、要請があったからといって全部発表するものでないのだ。例えばどういう人間を取り調べたかというような具体的な問題について、国会の方から明らかにしてほしいという要請があっても、できないことがある、こういうことですか。
○根來政府委員 百四条によるかそうでない場合かということについての一つの差異があると思います。これは、こう言ったら非常に失礼でございますけれども、院なりあるいは委員会の決議によって御要求があった場合にはやはりそれなりの重みといいますか、そういう重みがあって、我々もその重みに対してこたえるべく努力しないといかぬと思います。そういうことで、やはり根拠条文によって少し違うと思います。 ただ、例えば百四条で御要求になりまして、それでは捜査資料全部を公開しろと申されても、これはそのほかの要件を判断するまでもなく、検察官において相当でないといって要求に応じられない判断を示すことになろうかと思います。ただ、国会の御要請が、個々にこういうことをそれではオープンにしろという御要請があれば、その都度具体的に検察官が判断していくことだと思います。
○中村(巖)委員 今のお話は、要するに、個々の議員が、例えば委員会において質問というような形でいろいろお伺いをすることと、それと百四条に基づく要請との間には差異がある、こういう御趣旨ですか。
○根來政府委員 そういう話になりますと、私どもが国会の中の法律の解釈に踏み込むわけでございますので、しかとしたことは申し上げかねますが、感じとして、院なり委員会で御決議になって御要請があれば、それはそれなりの重みを持って対処するというふうに申し上げているわけでございます。個々に、それでは先生の御質問に対する場合と院の決議による場合とどれぐらい違いがあるのかと言われても、私どもは答えられる立場でございません。感じとして、そういう感じを持っていると申し上げているわけでございます。
○中村(巖)委員 先ほど衆議院なりあるいは参議院の予算委員会からの要請に基づいて、それは恐らく百四条に基づくというか百四条の趣旨に基づくのだろう、こういうことで要請があって報告をしたのだ、こういうお話でありますけれども、私ども考えてみまするに、先般なされた報告というものは極めて短いものでございまして、字数にして二千字余り、こういう、しかも内容的にも極めて抽象的かつ簡単なものである。この程度しか、百四条に基づく要請であろうと考えられるものについてもできないというのは、それはどういうことに基づくのでしょうか。刑事局長は法令の限界内で最大限の報告をしたのだと言うけれども、それはどういう限界があるというお考えでそう言っていらっしゃるのでしょうか。
○根來政府委員 いろいろ刑事訴訟法を使って刑事責任を追及するために資料を集めて、膨大な資料が検察庁にあるわけでございます。その資料を分析しまして犯罪になるものについては公判請求した、こういうことでございますが、略式請求した分は別としまして、あるいは起訴猶予にした分は別としまして、残りは犯罪にならないという判断をしたわけでございます。 犯罪にならないという判断をしたものを詳しくオープンにするということになると、これはまた非常に問題がございますので、結論的に犯罪にならなかったという理由を大まかに申し上げて御納得いただくつもりでおったわけでございます。
○中村(巖)委員 素朴な国民感情というかそういうものからいいますと、政治家に対して、あの政治家もこの政治家もリクルート事件に絡んで一定の犯罪を犯しているのではないか、こういうふうに疑っているわけでございまして、そういう観点から捜査当局の捜査の結果というものを重大な関心を持って見守っておったということでございます。したがって、今回のように簡単に報告をした、こういうことであるならば、納得ができないというか、どういう経緯で犯罪にならないのか、こういう捜査をしたけれどもやはり犯罪の立証が不能であるという結論に達したんだ、こういうようなことをもっと親切に言ってもらわないと国民は納得をしない、こういうふうに思うのですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○根來政府委員 おっしゃることについては十分よく理解できるわけでございます。しかし、私どもが収集した証拠をオープンにして御説明しますと、またそれをもとにしていろいろ議論があるわけでございます。検察官は検察官として不偏不党、厳正公平という立場で判断したわけでございます。また、専門家としての判断をしたわけでございます。あるいは証拠を出してそれを基本にしてまたいろいろ議論を生むということは余り好ましいことではないと思います。特に、犯罪にならないことについてまたさらに議論されるということになると、その方の名誉ということもあろうかと思います。そういうことで、あの報告書に盛ったぐらいでひとつ御勘弁いただきたいというのが真相でございます。
○中村(巖)委員 そういうふうにおっしゃられましても、国民は大変失望をしているんだということが事実だろうと思います。 法務省は、先般の衆議院あるいは参議院の予算委員会におきまして、灰色議員の公表問題ということをいろいろ聞かれているわけでございます。灰色議員の公表ということを聞かれても確かに法務省は困るわけでありまして、何が灰色議員かというのは法務省が決めることでも何でもないわけでありまして、これは、一定の人間がこの事件に対してどういうかかわりを持っているかということによって国会なりあるいは一般人が判断をすることである、こういうことでありますから、確かに、灰色議員公表ということはそういう形ではあり得ないだろうというふうには思っております。 しかし、この問題に関連して問われた中で局長ないし大臣がお答えになられたことは、国会が政治的、道義的責任の範囲、対象などの基準を決めて要請をすれば、法令の許す範囲内で十分検討する、こういうようなことであったわけでございまして、このことは、私の理解する限りにおきましては、さらに各委員会というものが国会法百四条に基づいて、より具体的なことを明らかにしてほしいという要請をすれば、先般の十二日の発表以上に超えて捜査の経過なり結果なりを明らかにすることができる、こういうことになるのではなかろうかと思うのでございます。そういう理解で正しいでしょうか。
○根來政府委員 灰色ということについて、私どもの考え方を御理解いただいて大変ありがたいと思いますけれども、私どもは、国会で一つの御議論がありまして、こういうのが政治的道義的に問題がある、だから具体的にこういう資料についてこういうものを報告を求めるというふうに個々具体的にお求めがございましたら、大臣が申し上げているように、国政調査権を最大限尊重するという趣旨で、刑事訴訟法の四十七条をも踏まえまして十分検討をさせていただきます、こういうふうに申し上げているわけであります。これは、抽象的に申し上げるわけではなくて、もし具体的に委員会なりの御意見としてそういうことがあれば十分検討させていただく、こういうことでございます。
○中村(巖)委員 そこで、その辺のところは余り理屈の上で理解ができないので、法令の許す範囲の最大限の報告をした、こういうふうにおっしゃって、一方では具体的要請があればそれを超えてまだ発表するんだ、そうしたら法令の限度内の最大限というのはどこにあるのかというのが全くよくわからなくなってしまう、こういうことになるわけであります。しかし、私どもとすれば、より以上に広い範囲で明らかにしていただけることを期待するわけであります。 例えばの話でございますけれども、国会の方で、リクルートコスモスの未公開株の譲渡を受けた十一人、二人は起訴されておりますけれども、十一人の国会議員の氏名やそれが何株受け取ったんだということ、あるいはそれぞれが職務権限がなかったということで不起訴になったのか、あるいは対価関係が認められないからということで不起訴になったのか、それを明らかにしてほしい、こういう要請を国会から委員会の委員長の名において要請をすればお答えをいただける、こういうことですか。
○根來政府委員 まず最初お話のありました、法令の許す範囲で最大限の発表をしたと言いながらさらに要求があればやるというのはおかしいじゃないか、こういうお話でございますが、これはもともと御要求が捜査処理に対して報告しろという、内容がなくてそういう御指示でありましたから、そういう御指示に従いまして最大限の協力をするという趣旨で検討して出したわけでございます。ですから、内容にわたって個々にありましたらまたそのときは十分検討すると申し上げているわけでございます。 それから、次の問題でございますけれども、例えば十一人の問題につきまして、関係の国会議員の名前とか譲り受けた株式の数とかいうことについて協力をせよ、オープンにしろというふうな話がありましたら、またそのときは十分検討させていただいて、これは絶対だめだというような話ではないと思いますが、検討させていただいて御報告できる場合もあり得ると思います。
○中村(巖)委員 今の関係で、十一名の例を挙げましたけれども、さらに例えばリクルート関係者から政治献金を受けた国会議員の氏名あるいは金額、あるいはリクルート関係者にパーティー券を購入してもらった国会議員の氏名、さらにはNTTのいわゆるボランティア基金と言われているものから政治献金を受けた国会議員の氏名、こういったようなものについても、それをそういう形で特定をして国会から報告をしてほしいという要求をいたしますれば、それについても報告する可能性がある、こういうことになりますか。
○根來政府委員 この十一人のお方につきましては、その一部の方が、一部の方というか、十一人から出た方でございますけれども、これは裁判になっているわけでございます。その裁判になっている方も、未公開株を職務に関して受けたということで裁判になっている。しかし、同じ類型の方が十一人おるという意味で、国会からお話があれば出せることもあるのではないか、私はそう思っているわけでございます。 ただ、ボランティア資金とかリクルートから政治献金を受けた者とか、あるいはパーティー券を買ってもらったとか、そういうことについてすべて出すということになると、もともと何も犯罪にならないものを全部検察庁が調べてそれを出すことになるわけでございますから、それは私どもの越権という批判を受けかねない問題でございます。 先ほども申しましたように、刑事訴訟法というのは刑事責任を追及するために与えられた武器でありまして、それで、集めたものがたまたま犯罪にならないものも混在しておる。その犯罪にならないものを、混在しているものを出せと言われても、これはちょっと応じがたい問題ではないか、こういうふうに考えております。
○中村(巖)委員 その点では国会法百四条というものは、とにかく検察庁、いわば法務省が官公署として持っているその記録それ自体、ないしはその記録に基づくところの記録の内容の報告を求め得ることになっているわけですね。それにもかかわらず、犯罪にならないから、犯罪になるからというようなことでそれを分けるのは、私はよくわからないのですが、それは結局、刑事訴訟法四十七条ただし書きの相当性ということで限定を受ける、こういうことになるわけですか。
○根來政府委員 法律的に解釈しますと、仰せのとおりだと思います。
○中村(巖)委員 それでは、この問題はこの程度にとどめますけれども、最後に、私が先ほど申し上げましたように、国民の側ではあるいはこの国会の側では、本当はもっと詳細な捜査機関からの報告が欲しかったわけでございまして、それを期待しておった。しかし、この程度にとどまった。今後ともこれを追及する意味で、国会の中においてもいろいろな議論をして法務省に要請をしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけですけれども、この点について法務大臣はいかがお考えでしょうか。
○谷川国務大臣 憲法六十二条から参ります国会法百四条によって、国会にはいうところの国政調査権というものがあると理解はいたしております。同時にまた、法務大臣といたしましては、検察が刑事事件として捜査をいたしました訴訟に関する書類を公判の開廷前に公にすることは厳に禁じられております。そして、この立法の趣旨は法務大臣といえども拘束される、私はそう思います。 ただし、国会の方で、公益上の御判断として国政調査権に基づく御要請がありましたときには、これは相当と思われるものにつきましては、できるだけの御協力をさせていただきながら、国会で刑事責任とはまた別途に政治的道義的な責任の有無について調査されるようなことでございましたら、それについて御協力をさせていただかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。
○中村(巖)委員 それでは、次の問題に入ります。 先般、中国におきまして中国の学生、市民が民主化、自由化を求めて天安門広場等々に集まっておった。それに対して中国政府は発砲をする等々のことをいたしまして、いわば弾圧を加えているわけでございます。そういう実態の中で今さらに進んでいることは、この民主化運動をやった人間を逮捕をして投獄をする、こういうことでございます。こういう人たちは、中国本国におれば迫害を受けるわけでございます。そうなりますと、これは第三国と申しますか、そういうところに亡命をしたい、こういうことになってくるのだろうと思います。 例えば日本へ亡命をしたいという場合に、日本に亡命をすることは、中国から日本に入国をして亡命をするという場合もありましょうし、現に日本に滞在をしている中国人が日本に亡命を希望する、こういうこともありましょうけれども、こういう場合、法令上日本で受け入れることは可能でございましょうか。
○股野政府委員 ただいま委員御指摘の中国の情勢に関連する中国人の動向の問題でございます。私どもも中国の情勢を十分注意深く見守りながらこれに対する対応を考えていくという立場で臨んでおります。また個々の具体的な申請に対しては、それぞれ申し立てる人の事情をよく考えて、それについて個別にまた弾力的に対応するという基本的な考えで臨んでおるわけでございます。 ただいま委員がこの関連で御指摘のございました亡命というような問題あるいは難民認定申請というような問題についての御提起がございましたが、これは今の段階ではあくまで仮定の問題ということになりますので、我々も仮定の問題ということになりますと、あらかじめどういう対応をするかという点は、具体的に申し上げることにはなかなか困難もございます。ただ、我が国も難民認定という制度は現行法上もございますので、例えばそういう手続というようなことは法的に可能でございます。
○中村(巖)委員 いろいろ政治的な配慮もありますから、それをどうするか、それは後で考える、現実にそういう人が出てきたらそのときに考える。それは極めて政治的な御答弁であるわけですが、私が伺っているのは、仮定ではありますけれどもそういう人が出てきた場合、今言う亡命希望者あるいはまた難民というような形で出てきた場合に、日本の法規というものはそれを受け入れるような、そういう整備ができておるのかどうかということを伺っておるわけでございます。
○股野政府委員 ただいまの御質問に対しまして、先ほど一言御説明申し上げたつもりでございましたが、我が国も難民認定制度を持っておりますので、この制度に基づいた申請については、これを受ける法的な体制になっております。 亡命という御指摘もございましたが、必ずしも亡命と難民ということの明確な区別について定義が今、国際法上確立されたものはございませんので、それでは亡命というのは一体どういうことになるのかという点について、また具体的な問題が仮に起こりましたらそこで検討することになろうかと思いますが、法的に我々の現行法では難民認定という制度はございます。
○中村(巖)委員 それに関連をして、今日本に在留している中国人が、中国政府から民主化運動の一味としてにらまれておるということで、中国へ帰りたくない、帰ったら迫害をされるのではないか、こういうことであった場合に、その滞在期間が切れたときに何らかの措置が可能でしょうか。
○股野政府委員 ただいま委員御指摘の点も我々十分考慮して現在対処いたしておるところでございます。 現在、日本には、留学生さらには研修生あるいは日本語学校あるいは各種専門学校等にいる就学生、こういう人たちがおります。こういう方たちについての日本における滞在の問題というものについては、中国の情勢が今動いているということに関連して在留延長をしたい、こういう申し出がある場合、これは当局といたしましても、まず個別の、個人の事情というものはよく判断する必要がございますけれども、しかしその事情に応じて、またその点、個別の問題を含めその方たちの持っているいろいろな今後の滞在の必要性というようなことをよく判断いたしまして、しかし個別に判断する上で十分弾力的な配慮というものを加えて在留延長の手続を当局としてもとる、こういうことを我々としても今既に考えているところでございます。 既にそういう観点からの申請が一部なされておりますが、こういうものを現在申請を受理して、そしてその扱いについて審査を行っておる。しかし、十分そういう点、ただいま委員の御指摘のような点を念頭に置いた対応をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○中村(巖)委員 大変慎重な物の言い方をされるので私も困るのですけれども、そういう滞在延長の申請をする、そういう迫害をされるからという理由による滞在の延長の制度というか、そういうものはないのだろうと思いますけれども、そしてまた、それらの人たちは長い間日本にいなければそういう状態が続いている以上は困ってしまうわけでございまして、そうすると、その滞在の理由として法務大臣のいわゆる特別在留、こういうようなこともお考えになっておられる、こういうことですか。
○股野政府委員 ただいま委員御指摘のそういう可能性も一つ可能性としてはあろうかと存じますが、そもそも留学目的でさらに引き続き勉学を続けたいという場合には、これはまた留学目的による延長ということにもなろうかと思いますので、先ほど申し上げました個別の事情に応じた対応をする、こういうことで考えてまいりたいと思っております。
○中村(巖)委員 今の点でもう一点ですけれども、難民受け入れの制度がある。それは確かに出入国管理及び難民認定法という法律があるわけでございますけれども、そこの法律の中で難民の定義がございまして、その定義をさかのぼれば難民条約、こういうところに来るわけでありますけれども、最近の中国情勢に基づくところのあの状況というものは、その難民条約さらには出入国管理及び難民認定法に言うところの難民に該当するということになり得るわけでしょうか。
○股野政府委員 この点また、委員は今そういう状況を想定しての御質問であろうかと思いますが、これは私どもも一番慎重に対処しなければならない点だと思っておりますが、まさに具体的にもし認定申請がございますれば、委員ただいま御指摘のとおりの難民条約を踏まえた難民という定義に該当するかどうかについて十分な審査をする、こういうことになろうかと思います。
○中村(巖)委員 また、この点についての最後でありますけれども、大臣に伺いますけれども、いわゆる現下の中国の情勢に基づくところの在日中国人、あるいはまた中国から今度出国をして日本に来られる、そういう可能性があるかどうかわかりませんけれども、そういう人々に対する配慮ということについて大臣はいかにお考えでしょうか。
○谷川国務大臣 まず最初に、何せ中国、隣国でございます。私は一日も早く中国国内が平静を取り戻すことを心から祈念をいたしております。 そういう気持ちでお答えを申し上げさせていただきますが、今後日本に在留しておる留学生などからいろいろな手続が出てまいりましたとき、それからそれ以外の御発言にありましたような事例、これは今後どういうふうになっていくのかさっぱり見当がつきませんが、そういう事例が起こりましたときには、個々の問題でもございますけれども、それぞれの申請を当たりまして弾力的に検討を加えさせていただきたい、こう考えております。
○中村(巖)委員 じゃ、次の問題に入ります。 出入国関係の質問を申し上げたので、引き続き質問をいたしたいと思うわけでありますけれども、今回、大臣所信の中にもございますように、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案、こういうものが国会に提出をされているわけでございまして、この中身のことについてはこの法案が審議をされる際にいろいろと申し上げたいことがあるわけでありますけれども、確かに今の法律そのものが適切であるかどうかということになりますと必ずしもそうではないということも言い得るわけでありますけれども、この時期にこういう法案をお出しになって一部を整備をしよう、こういうことになりましても、本来的には、いわゆるこの法律の改正問題が出てくるという一つの根底には、外国人労働者の受け入れ問題、こういうものがあるわけでございまして、なかんずく外国人の単純労働者の受け入れということが近時の大変大きな問題になっている。そこにこの法改正の問題も端を発するのではなかろうかというふうに思います。しかし、この法案に関する限りはこの点についての法務省のポリシーというものが全然わからないと言っていいのじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。 そこで、まず、法案の方は別といたしまして、外国人労働者の受け入れ問題について法務省はどう考えているかということを伺いたいと思うわけでございます。 ちなみに、本年の四月一日に、現在の総理であります宇野外務大臣は記者会見で、日本で働く東南アジア諸国などからの入国者に対し、これは日本が国際国家として外国人労働者受け入れ制度の確立を急ぐ必要がある、こういうようなことを言われておると報ぜられておるわけであります。まず、大臣にこの点について、外国人労働者の受け入れに関する法務省としての、それは法務省だけでは決まらぬのかもわかりませんが、考え方について伺いたいと思います。
○谷川国務大臣 まさに法務省だけでは決まらぬ問題なんでございますが、しかし法務省が出入国管理の行政事務を担当しておることもございますので、お答えをさせていただきますが、外国人労働者のうち専門的技術あるいは技能、知識などを有する者については、これは我が国に入ってきていただいて適正な職場を得てどんどん働いていただけるということであれば、これは極めて妥当なことだ、こう考えております。 問題は、その他のいわゆる俗に言われます単純労働者の受け入れでございますが、政府として現在これを受け入れないというのが方針なんでございますけれども、この問題については国内各方面において種々な御意見ももちろんございます。そういう意味も含めまして、法務省としても、今後関係省庁とも密接な連絡をとりながら慎重にこの問題については対処していかなければならぬ、こう考えておるところでございます。
○中村(巖)委員 例えば、今大臣もお触れになりましたけれども、経済企画庁の研究会が、単純労働への就労を外国人に認めていかなければいけない、そのための管理機関をつくっていった方がいいだろうというようなことを言っておりますし、あるいはまた最近では法務省の外郭団体である入管協会、こういうところでも、対応が不十分ではないか、こういうようなことを言っておりますし、あるいはまた経済同友会におきましてもこのことを言っているわけであります。こういういろいろな意見が今出ている中で、こういう問題についての政府としての統一的なポリシーというものがない中で、この法律だけを早期に改正しようというのはいかがなものかというふうに思われるわけでございまして、このポリシーが変われば法律そのものをまた変えなければならぬ、こういうことになるはずでございます。 この点について、なぜ政府の統一的な対応策というか、そういうものを策定しないで法律だけを変えようとするのか、その点をお伺いしたいと思います。
○股野政府委員 ただいま私どもが御審議をお願いいたしております入管法の改正案について御発言いただいたわけでございますが、この入管法の改正案については、ただいま委員御指摘のいわゆる単純労働の問題ということについてもいろいろ考えた結果を法案の形でまとめたものでございますが、この入管法の改正案を今ここで御審議をお願いするに当たってはこの単純労働の問題も十分考えたわけでございますが、さらに現在の出入国管理行政全般をめぐる情勢というものが、この現行の出入国管理法というものとの関係で非常にいろいろな問題点が生じておるという点がございます。 すなわち、現在の法体系というものは、もともと昭和二十六年当時に発足した体系をその後若干の手直しをしただけで現行の状況に至っておるわけでございますが、他方、我が国に出入国する外国人の数というものはその間大幅にふえております。また、日本に来まして活動する外国人の活動の内容というものも大幅にまた多様化いたしておる、こういう状況がございます。そこで、そういう状況、さらにはまた日本に来て不法就労を行う、こういうような外国人の数もまた非常に最近ふえておる、こういった状況、これは非常に切実な状況がございますので、そういう切実な状況を見まして、現行の法体制を昭和二十六年以来の状況の変化に応じて対応させる、これが今度の改正法の実は大きな主眼というべき点でございます。そういう意味で、我々としてはぜひこの現行の出入国管理行政をめぐる情勢というものに法体制を対応させる、こういう点で改正をお願いしたいと思っておるわけでございます。したがって、我々としてはそういう切実な事情があってこの改正案の御審議をお願いしたいということとしてひとつ御理解願いたいと思います。 単純労働の問題も、まさにこれは労働力をいかに今後日本として考えていくかという問題でございまして、基本的にはただいま大臣が申されましたような考え方に立っておるわけでございますが、それはすなわち、この問題が非常に重要であるという意識に立って、この法改正を今の必要に対応して行うということに関連して今後引き続きこれは鋭意検討していかなきゃならぬ。そういう意味では、この課題も、この法改正を行った後もすぐに我々として引き続き取り組んでいくべき問題だ、こう考えておるわけでございます。
○中村(巖)委員 そういうふうに入管局長おっしゃられますけれども、法案を審議しているわけではないのですが、今回提出をされた法案を見ますると、不法滞在者を雇用した者を処罰する、こういうようなことがあるわけでございまして、現在の時点でこういう処罰をするということは、これは要するに、日本は単純労働者を含めて外国人労働者を受け入れないのだ、こういうことを内外に鮮明にするということにもつながってくるわけであります。ところが、それがまた今後検討するということになって、外国人労働者をある範囲では受け入れますよ、ある機構をつくって受け入れますよ、こういうことになれば、急遽またその方針が転換をする、こういうことになっていくわけで、日本のこういう政策に対する信頼性というものを失うことになりはしないかということを恐れるわけでございます。 それはともかくといたしまして、法務省としては現在の不法就労者の状況をどういうふうに考えておられるのか、その原因はどの辺にあるというふうに考えておるのかということでございます。私ども考えまするに、やはり企業の側にそういう者を働かせる事情というものが膨大にあるんじゃないか。中小零細企業を中心として、あるいは建設等々の労働の分野におきまして極めて需給がタイトになって、それがためにこういうような状況が起こっているのではないかというふうに把握をしておりますけれども、その辺の法務省の見方はいかがでございましょうか。
○股野政府委員 法案に関連した考え方については、今後引き続き私どもとしての考え方を十分御説明させていただきたく存じております。我々も法改正を通じて新しい体制というものを考えておるわけでございますが、その体制をつくっていく際にも、その政策的なものがその法体制で運用できる体制というものはしっかりつくってまいりたいと考えておりますので、この点はまた追って十分御説明申し上げたいと存じております。 次に、不法就労の状況の問題でございます。これはいろいろ難しい問題を含んでおりまして、我々としてもこれは深刻に取り組まなければならない問題だと思っております。そこで、まず不法就労を我々どう見ておるかということでございますが、まず実態の面で御説明を申し上げまして、さらにその不法就労というものが出てくる背景というものについてあわせて御説明を申し上げたいと存じます。 まず、不法就労という形でございますが、これはその非常に多くの部分は、日本に入国した後、所定の在留期間というものを超えまして、いわば不法残留という形で、そして収入、報酬を得る活動に従事しておるというものがもう大部分でございます。若干そのほかに、本来在留資格というものを与えられているのにその在留資格外の活動を収入を得ながら行う、こういったようなケースもございますが、ただいま申し上げましたように、いわば不法残留を行ってそして収入、報酬を得る、こういうような形式の不法就労というものがもう大部分でございます。 そこで、やはりそういう点についての対処ぶりというものを今後我々としても考えていかなければならないと思っておるわけでございますが、こういう状況でありますと、これは国内におけるいろいろな状況を考えましても、我が国の雇用関係、労働条件全般の改善の必要性あるいは社会的ないろいろな影響等々考えますと、非常に不法就労があるということについては我々としては深刻に受けとめなければならぬだろうと考えております。我々としてもそういう実態を把握するために今努力をしておるわけでございますが、不法就労という事柄の性質上なかなか実態の全貌を把握するのは困難でございます。ただ、先ほど申し上げましたようにその大部分が不法残留者であるという点に着目いたしまして、法務省の持っております出入国管理記録を使いまして推計を行いますと、これが昭和六十二年末の現在で不法就労しておる外国人の数は約五万人、それが昨年、昭和六十三年十二月の現在ではおよそ十万人にも及んでいるのではないかという一つの推計を持っておるわけでございます。 他方、今度はそういう状況に対応しまして、当局としてやはり望ましくない状況を是正するという観点から不法就労の事案を摘発するという努力もいたしておるわけでございますが、これが昭和六十二年において一年間に不法就労事案として摘発した案件の数が一万一千三百七人、こうなっておりますのに対して、昨年、昭和六十三年は一万四千三百十四人と摘発件数についても非常にふえておるという状況があるわけでございます。 それではなぜこういうことが起こるのかということについて、委員御指摘の、我が国でそもそも労働力不足という面があるから起こるのではないか、こういう御指摘がございます。私どももそれはそういう我が国国内における労働力需給の問題というのは関係が確かにあるとは存じておりますが、他方、この問題はもっと幅の広い背景があるように存じます。 一つには、我が国の近年の急速な経済発展という状況に対しまして、近隣アジア諸国との間の所得格差という点で非常に違いが出てきておりまして、そうなりますと、日本に行っていわば出稼ぎをする、こういうことに対する関心も大いに高まっておるということがございます。 また第二に、近隣のアジア諸国においていわゆる雇用につく年代層の人口が急増しておるのにかかわらず、こういう人たちに対する雇用の機会が十分にそれぞれの国でない、こういう点が一つやはりあろうかと思いますので、そうなりますと、それでは外国で雇用の機会を求めるという状況になってまいります。 第三に、これに関連しまして、最近の中近東等における経済状況の変化によって、かつて非常に雇用の機会を提供しておったこれらの国における雇用の機会も従前ほどに期待できない状況になっておる、そういうような背景もあって、他方、委員御指摘のように、また我が国の国内の労働力が一部の分野では人手不足という観点で現実のものになっておるという状況もありますので、そういう点でまたこの背景が出てきているということがあろうと思います。 さらにもう一つ、我々不法就労の問題を考えるに当たって、日本とこういう近隣のアジア諸国とを結ぶブローカー組織というものの存在もございまして、これがいわば日本に対してこういう不法な就労者を引き寄せる一つの役割を果たしておる。これに対する対策も考えなければいけないのじゃないか。こういったような複合的な要因で不法就労というものが今現実に深刻な問題になりつつある、こう考えておるわけでございます。
○中村(巖)委員 入国管理の問題に関連して、次に二点ほど伺っておきたいのです。 一つは、我が国への入国査証を発行するについて今法務省は事前審査というものをやっておるわけでございまして、この事前審査の基準が外部に対しては明らかでない。したがって、どういう日本語学校なら適格性を持つのかあるいは企業の研修として日本に入国しようとする場合に受け入れ企業はどういうものが適格であるのか、こういうことについて明らかになっておらない。これについて法務省は基準を公表するということを言っておられるようでありますけれども、この点についてどうするのかという問題。 それからもう一つは、出入国管理に関する法務省の機構そのものを改編するということが新聞に報道をされておりますけれども、この点については何のために、どのように改編をするのか、お伺いをいたします。
○股野政府委員 まず第一に入国の審査基準の点でございまして、委員御指摘のように、部外の方々にとって審査の基準というのが必ずしもわかりやすいものではないという御指摘をいただいている点は我々も承知しております。そういう点に関連しまして、こういう審査の基準をできるだけわかりやすい形で外国人あるいはこれに関係する日本の方々にお示しすることの必要性を私どもとしても感じております。そこで、現在においても逐次こういうものについて努力を行っておるわけでございますが、他方、基本的に現行法のもとではそういう点についてもいろいろ制約がございますので、先ほど御説明申し上げました入国管理法の改正案の中ではこういう審査基準を新たに定めまして、そしてそれぞれの分野あるいはそれぞれのカテゴリーでどういう要件を備えてくればこの審査基準に合致するのか、こういう点をできるだけ公知できるよう体制をつくっていきたい、そういうこともこの法案の中で取り入れていることでございますので、この点についてもぜひ御理解をいただきたいところでございます。 それからもう一つ、今の入国管理をめぐる体制の問題でございますが、これは冒頭申し上げました入国管理行政について、出入国する外国人及び日本の方々の数の急増というようなこと、さらにはそれぞれの外国の方々が日本で活動しようという内容が非常に多様化しているということから、必然的に審査の事務ということについても、事務量の面でも大変にふえておりますし、またその事務の中身もいろいろそういう意味でよく考えなければならぬ、こういう性質の事案がふえておりますので、こういう点を踏まえますと、我々は、この法改正も一つの大きな努力でございますが、これにあわせまして我々入国管理局自体の体制の整備ということも非常に必要であろうと考えております。 まず、その業務量につきましては、例えば機械化の推進というようなこと、こういう努力も払うことによって合理化を図る必要もございますが、基本的には量的に事務量が非常にふえているという点、これを我々考えて対処しなければならぬ。そういうことの一つのあらわれが、例えば東京地方入国管理局のございます大手町の事務所で窓口が大変混雑している、こういうような状況もございますので、こういう混雑の緩和といったこともまた事務の合理化ということに必要でございますので、そのために箱崎のターミナルの中に東京入国管理局の出張所を新たに設ける、こういったような努力も今いたしておるわけでございます。さらにまた、そういう同じ気持ちから、機構面等を含めました体制の整備、改革ということはぜひ行う必要があると存じておりますので、ひとつこの点またよろしく御理解を賜りたいと存じております。
○中村(巖)委員 基準の公表について、この辺につきましては法改正と同時に行うというようなお話でございます。しかし、これは法改正をしなくたって実際はできるわけで、それを今まで法務省が余りにも秘密主義でやっておったから、これは非常によくない、早急に公表すべきであるということを御指摘を申し上げたいと思います。 この関係での最後に、また大臣にお伺いしますけれども、私は随分昔から外国人労働者の受け入れ問題についていろいろなところで質問をしているわけでありますけれども、やはり何といっても政府一体としての方針がいつまでも決まらないというのが現状であろうかと思うのでございます。それは、各省庁それぞれの立場がありまして、それぞれに自分の立場から物を言っているわけで、先ほど現総理、前外相の宇野外相の記者会見での話も御指摘を申し上げましたけれども、こういうものについて早急に政府として一体の考え方を打ち出さなければおかしいのではないか、こう思いますが、大臣、それについて何か御努力をなされるお考えはございましょうか。
○谷川国務大臣 確かに御指摘のとおりでございまして、いやしくも国際国家ということを自他ともに、他の方は存じませんが自は盛んに言っているわけでございますから、一刻も早くその御指摘のような問題については政府の間で結論を出さなければいかぬ問題だというふうに感じます。それから、いろいろなところからいろいろな御議論が出てきておることも事実でございまして、だんだん近づいてきておるような感じは私は個人的にはいたしております。 ただ、今度は法務省として、受ける側、入管の事務をやる側としては、もう一刻も早く入管事務の充実といいますか、現在でも相当改革しなければならぬことがございまして、大変な分量を仰せつかっているわけでもございます。そういう意味でも内なる制度も同時に整えていかなければいかぬ。そういう日が来るかもしれぬということも含めまして、そういうふうに考えていかなければならぬ問題だ、こう考えております。
○中村(巖)委員 それでは、ここで今度別の問題について裁判所にお尋ねをしてまいりたいと思います。 裁判所は先年、昨年でございましたか、簡易裁判所の統廃合、適正配置と申しますか統廃合をおやりになったわけでございますが、その後、昭和五十九年からの懸案事項の一環であるとして、今度地家裁の統廃合すなわち適正配置、こういうものをおやりになろうとしているようでございまして、現在法曹三者協議にかけていろいろ論議をされておるようでございます。この現在の状況について、どういうふうになっておりましょうか、お教えをいただきたいと思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 地方裁判所と家庭裁判所の支部の配置の見直しの問題は、先ほど中村委員おっしゃいましたとおり、昭和五十九年二月の段階で簡易裁判所の配置の見直しの問題とともに三者協議会の方に問題提起をさせていただいたわけでございます。そして順序としては先に簡易裁判所の配置の見直しの検討ということで、三者協議会、法制審議会そして国会の御審議を経て、昨年の五月から簡裁の適正配置を実施させていただきました。 そういうことで、昨年の六月から、また三者協議会の方で今度は地方裁判所、家庭裁判所の支部の配置の見直しの問題を御協議いただくということになりまして、六月から毎月一回のペースで三者協議会で御協議いただいております。私どもの方から先に資料を御説明をいたしまして、それに伴いまして随時御質疑があり、お答えさせていただきました。現時点では、法務省の方からは御意見をちょうだいしましたが、まだ日本弁護士連合会の方からの御意見がいただけてないという状況でございます。
○中村(巖)委員 この地裁、家裁の統廃合というか適正配置の問題は、簡裁と違いまして、簡裁の問題は法律事項でございますから法律を改正しないとできないということで国会でも審議をしたわけでありますが、この地裁、家裁の問題は国会の審議を必要としない、いわば最高裁の規則の変更でやり得る、こういう状況だと思いますが、そういうことでしょうか。
○金谷最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則の改正でこの見直しが行い得るということでございます。
○中村(巖)委員 そうしますと、それは法曹三者の協議をおやりになってはおるのでしょうけれども、やはり国会での意見がなかなか反映をされない、こういうことになるんで、できる限り国会の方にも状況を御報告をいただいて、また国会の意見もお聞きをいただきたい、こういうふうに思います。 今、最高裁としては、この地裁、家裁の支部の統廃合ということでやっておられるわけですけれども、どういう基準でどういう支部をいわば廃止をしてよそへ統合するということを考えておられるのか、その辺をおっしゃっていただきたいと思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 昨年の十二月の三者協議会に、私どもの方で、今後小規模の乙号支部を廃止する検討の範囲をこの範囲でお願いしたいということで、いわゆる相関表というものを出させていただいたわけでございます。それは、横軸に事件数をとりまして、縦軸に隣接する支部または本庁へ行くための所要時間というものをとりました。そして、そういう表の中に乙号支部全部を並べまして、そしてその中で検討の範囲はこの範囲だというもので線を引いて示したのでございますが、それは一つのグループは事件数、これは地方裁判所、家庭裁判所の支部に参ります主な事件といたしまして五つの種類の事件をとりました。民事訴訟事件、刑事訴訟事件、民事調停事件、家事調停事件、それに乙類審判事件、その五種の事件をとりまして、それの二百四十件以内、そして隣の庁まで行く時間が一時間以内、まずその範囲を検討の対象にする。それからその次は、事件数で百六十件以内、そして隣の庁まで行くのに九十分以内、そういうのを一つのグループとしてとりました。もう一つは、八十件以内、そして二時間以内といったものをとりました。そういったところで線を引いたもの、合計で五十八支部ございます。地方裁判所、家庭裁判所の支部は甲号支部、乙号支部合わせて二百四十二ございますが、二百四十二のうちの五十八をこれから統合するかどうかの検討の対象にしていただきたいという趣旨で出したものでございます。 検討の対象庁でございますので、その中には、例えばA支部を統合する場合はB支部で受け入れる、B支部を統合する場合はA支部で受け入れる、いわゆる相互受け入れ関係にあるものも含まれておりますし、あるいは事件数の状況等から廃止がかなり困難かと思われるものも含まれておりますが、そういったものも含めまして全部廃止するというわけではございませんが、その範囲で廃止を御検討いただきたいということで五十八提起したわけでございます。
○中村(巖)委員 今度検討なされている中で、今まで裁判所には甲号支部というのと乙号支部というのがあったわけでございますけれども、甲号支部と乙号支部という区別を廃止しよう、こういう考え方があるやに伺っておりますけれども、それはどういうことで、なぜでございましょうか。
○金谷最高裁判所長官代理者 今回の問題提起の中に規則上の甲乙の区別の廃止というのがございます。御承知のとおり、現在甲号支部では地方裁判所の合議事件を取り扱う、それから家庭裁判所の少年事件を取り扱う。合議事件と少年事件の取り扱いをする支部が甲号支部というふうにセットされているわけでございますが、その二つの事件は性質の異なる事件でございまして、その二つをセットにしておく必要はない、合議を取り扱うところと少年を取り扱うところというのは必ずしも一致させる必要がないといったところから、いわゆる甲号、乙号という区別はなくそう、こう考えたわけでございます。
○中村(巖)委員 最高裁としても法曹三者協議、なかんずく弁護士会との協議の中で協議が煮詰まらなければおやりにならないだろうと思いますけれども、いつごろをめどにこれを実行しようとしているのかということが一点。 それからもう一つは、やはり各地域におきましては非常にこれに対して反対をする、こういう動きがあるやに聞いております。例えば大分であるとか松山であるとかあるいはまた名古屋の方でもある。こういうことでございまして、このような反対の動きというか運動というか、そういうものに対してどういうふうにしていくのかということについてお伺いを申し上げます。
○金谷最高裁判所長官代理者 まず、三者協議会の方の今後のめどでございますが、昨年の六月からこれで一年御協議いただきまして、既に法務省の方からは御意見をいただきました。日弁連の方からは近々御意見をいただけるということになっております。そうしますと、そのあたりで、三者協議会はなお存続させて、後に申し上げます規則制定諮問委員会と並行して行う形になろうかと思いますが、いずれにしろ三者協議会の方はそのあたりの時点で一区切りつけさせていただきまして、そしてその後は今度は法律関係者だけではなしに、一般の有識者をも含めまして一般規則制定諮問委員会というところで御審議いただくことになります。その上で、さらに規則改正のための裁判官会議という形になるわけでございます。 そういったことで、三者協議会も相手のあることでございますし、規則制定諮問委員会の方も大勢の委員の方に御審議いただくわけでございますので、私どもの方としてはできるだけ早く実現させていただきたいとは思っておるのでございますが、いつごろどうできるといったところまではちょっとここで申し上げられる状況ではございません。 それから、それぞれの関係自治体等地元に対する対応の関係でございますが、これは昨年の十二月にただいま申し上げました相関表を出しまして、それぞれの支部の具体的な名前を挙げましたので、その時点で地方裁判所長、家庭裁判所長に管内の関係市町村にそれぞれ行っていただきました。その他の関係の機関にも行っていただきまして、現在の検討の客観的な状況を説明していただいたわけでございます。その後、地元の自治体等からいろいろ陳情とか要望とか、そういったことがありまして、地裁、家裁の方で対応していただいておりますし、私どもの最高裁の総務局の方へも数え切れないほどそういうのでお見えになられまして、それで御説明はさせていただいております。 今後の予定といたしましては、先ほどの一般規則制定諮問委員会の答申なりを得ました段階で、また地裁、家裁の所長方が管内の自治体を初め関係機関の方に御説明に伺いそして御意見を承る、そしてその中でいろいろ管内の個別事情の御指摘も承らせていただきまして、そういった事情を公平に見させていただいた上で、どの庁を廃止しどの庁を残すかといったことを決めさせていただきたい、こういうことで考えております。
○中村(巖)委員 この地家裁の支部の統廃合の問題も先年の簡裁の統廃合の問題と同じでございまして、裁判所がそれだけ廃止されるということは国民の権利の保護を薄くするということにつながってくるわけでございますので、関係の地域の住民の方々あるいはまたいろいろ国会を含めまして関係者の意見を尊重してお進めをいただきたいということを御要望申し上げまして、裁判所に対する質問を終わります。 次に、また法務省に戻りますけれども、法務省で今一つの大きな問題は、司法試験法の一部改正、こういう問題でございます。この問題について先般人事課長の試案というようなものが出されまして、それについて論議が巻き起こっているようでありますが、現況はどうなっておりますでしょうか。
○則定政府委員 いわゆる司法試験制度改革の試案提供後の動きということでございますが、まずそれに絞ってお答え申し上げますと、その試案をたたき台といたしまして、弁護士会それから大学関係者から種々意見交換を行いまして、それを受けまして昨年十二月にいわゆる法曹三者協議会に、その試案にこだわらず率直な意見を交換させていただきまして、実現可能な改善のための具体策を策定したい、こういうことで協議を始めさせていただいたわけでございます。毎月一回協議を行いまして、既に六回、私ども、司法試験の現状に関係いたしております問題点につきましては種々データに基づく説明を行いましたり、またそれに関連いたしまして質疑応答も行ってきております。一応私どもといたしましては、法務省として考えております現在の司法試験の問題点につきましておおむね説明をさせていただいたと考えておりますので、できるだけ近い機会に日弁連及び最高裁判所からこれらについての見解を表明いただくことになっております。そういたしますと、また新たな段階での協議を行うことができるものと考えておるわけでございます。
○中村(巖)委員 私も法曹の一員でありますから、この問題についてはいろいろ聞いておるわけでありますけれども、大変論議がやかましいというか、言ってみれば反対論のようなものも大変に強いというのが現況であるように思います。改めて人事課長試案の立場について言っていただけば、何で司法試験の改革が必要なんだ、こういうことでございますけれども、それを御説明いただきたいと思います。
○則定政府委員 御案内のとおり、司法試験はいわゆる実務法曹三者の後継者を選抜する唯一の試験ということになっておるわけでございますが、現在の司法試験の姿を見ますと、合格するまでに平均六回なし七回受験しなければならないということになっておりまして、これに伴いまして合格者の平均年齢が二十八歳を超えるということになっております。つまり長期にわたって受験準備を行わなければなりませんので、本来ならばその間いろいろな生活の糧の確保の道というのがございますが、実態を調べてみますと大部分が無職者、つまりだれかの生活援助に頼っているという受験生が大多数でございますし、そういう司法試験の合格までの姿を見ますと若手が敬遠するという傾向も出ているわけでございます。 御案内のとおり、合格いたしますと司法研修所で二年間の実務修習を行いますが、それを終えた人たちの年齢が三十を超えるという姿になっておりますために、現実の問題といたしまして判検事、いわゆる任官者の志望者が減少する傾向がございます。そういたしますと、法曹三者のうちいわゆる判検事の確保という問題につきまして相当の問題を生じておるわけでございます。 そこで、私どもはこういう司法試験の現状を改めましてできるだけ多くの前途有為な若い人たちにどしどし試験を受けていただく、かつまたそういう人たちが真剣に集中した受験勉強をいたしますと容易に合格し得るような姿に持っていきたい、そういたしますことによって、単に弁護士のみならず判検事の後継者確保につきましてもそういう人たちがバランスよく流れていく姿になるであろうということを期待しているわけでございます。では具体的にどういうふうな方法があるかということは、現在いろいろと三者協議会の協議を踏まえまして私どもも検討を重ねているという段階でございます。
○中村(巖)委員 きょうはその問題は余り深入りして論議はいたしませんが、やはり巷間言われていることは、検事が少なくてしようがないから、検事をふやすために司法試験改革というのを法務省が言い出したのではないか、こういうことでありまして、そういうことが本当のねらいである司法試験改革であるならば、これは決していいことではないというふうに思うわけでございますが、これにつきましてはまた別の機会に論議をさせていただきたいと思います。 最後に、また法務省に伺いますけれども、これは矯正関係の予算でございます。大臣所信の中にも矯正関係のことがありまして、法務省の平成元年度予算についての文書の中にも具体的なものが載っておるわけでありますけれども、一点は、矯正関係の施設の整備はどうなるのか、今年度予算によってどのような施設の整備が行われるのかということでございます。 それからもう一つは、法務省からいただきました「平成元年度予算について」の中に「矯正施設関係では、刑務所等矯正機能の充実を図るため」の経費を「計上しており、この経費の中には、被収容者の処遇の確保のための生活備品、日用品の改善及び食糧費の単価改定等に要する経費を含んでおります。」こういうふうに書いてあるわけでございまして、これは具体的にどういうことになるのか、この二点についてお話をいただきたいと思います。
○河上政府委員 今、予算の関係を主として御質問になりましたが、私どもは委員御承知のとおり、刑事施設法案というものを提出いたしておりまして、これは現在の監獄法、これは明治四十一年にできた法律でございますが、これが当時としては非常に新しい法律だったわけですが、八十一年たちまして非常に古い、何とかこの法律をもっとより近代的なあるいは国際的にも通用するような法律に改めて被収容者の処遇をより充実したものにしたい、こう考えておるわけでございまして、この刑事施設法案の成立というのは私ども矯正関係者の悲願になっているわけですが、それはそれとしまして、やはりそういった理想とは別に、現実に私ども約五万五千人の被収容者、そのうち九千人が被疑者、被告人でございます。四万五、六千人の受刑者を抱えているわけでございまして、この人たちの施設内での生活を少しでもよりいい方向に持っていきたいと思っておりますし、またその人たちを収容する施設を委員御指摘のように少しでもいいもの、古いものを新しいものにかえ、そして拘置所関係については少しでも収容能力をふやしたい、こういうことで法案をいわば横目ににらみながらも現実の問題として矯正予算の充実ということに努めてきているわけでございます。 御承知のとおり、矯正関係の予算というのは約千五百億でございまして、法務省の予算の中ではかなりのウエート、約三分の一を占めているわけでございます。ただ、その大半といいますか、かなりの部分が人件費でございますけれども、それでもやはり入っている人たち、被収容者の生活の向上のためにいろいろな予算を組んでいるわけでございます。 まず、老朽化が非常に著しい施設の関係から申し上げますと、御承知のとおり、今度拘置支所を中心にいたしておりまして、拘置支所の数は全国で百八ほどございます。このうち非常に老朽化しているのが十七庁、あるいは非常に手狭になっておりますのを入れて十七庁ございます。これにつきまして鋭意財政当局と折衝しました結果、ことしの予算では小田原拘置支所ほか十庁、つまり十一庁の拘置支所についての新営関係の予算がつけられております。このうち四庁が継続工事でございまして、あとの七庁が単年度ということでもって新しいものをつくることができるようになっております。約十六億円余りの予算をつけていただきまして、これをこの十七庁の古い拘置支所については大体五年計画くらいですべて新しくし、そして収容能力もふやすことができるのではないかと期待しているわけでございます。 それから、ただいまおっしゃいました被収容者のいろいろな生活水準あるいは矯正処遇内容、さらに職業補導、そういうようなものについても、これは当然行政の連続性があるわけでございますから、従来から私どもとしては予算に計上してずっと要求し、そしてそれなりの予算をいただいてきているわけでございます。特に新法とは直接の関係があるわけではございませんが、しかし新法の理念に向けて私どももここである程度誇らしげに言うことができるとすれば、職業訓練の充実経費というようなことで、例えば喜連川刑務支所というのがございますが、ここでブルドーザー、建設の機械の運転を主として若い受刑者に教えておりますが、これは実は一台が五百八十七万もするような大変高い機械でございますが、こういうものも実は認めていただきまして、それで技術を教える。それから、入っている受刑者の衣服、これがどうもいかにもお粗末じゃないかということで、衣服の関係についても相当の予算をいただいて手当てをすることを考えておりますし、そのほか、入ってくる人たちがいろいろ持っております品物を領置するわけですが、そういった関係は職員にとって非常につらい仕事でございますので、その辺のところの合理化を図ることについても何千万単位かで相当の予算をいただいております。努力いたしておりますので、ひとつよろしく御支援方をお願いいたします。
○中村(巖)委員 もう時間が参りましたので質問はいたしませんけれども、最後に大臣に申し上げておくわけですけれども、大臣も矯正施設関係の視察もされたかと思います。今局長の方では刑事施設法のことを強調をされておりますが、法務省の考え方は考え方で前々聞いておるわけでありますけれども、刑事施設法は別といたしまして、矯正関係については施設も非常に老朽化をしているものが多いし、あるいはまた被収容者の処遇についても十分ではないというふうに思われますので、その点についても、入管関係とかあるいは登記関係、いろいろの金がかかるわけでありますけれども、矯正関係についてもひとつ改善のために御努力をお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○戸塚委員長 滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長御苦労さま。大臣初め政府委員の皆様御苦労さまです。 私がまずお伺いいたしたいのは、この春に矢口最高裁長官が記者会見かでおっしゃだお言葉の中にあったと存じますが、陪審制度、これは調停委員制度も含めての思想でありますが、三権分立、しかも国民の手によってこれらのものが国民のために進められた。政治にも国民の参加等とありますが、裁判もしょせんは国民に基盤を置くものでなくてはならぬというようなことで、アメリカ等においては盛んに行われておりますこの陪審制度、これは御存じのように法あって実態なきものになっておりますが、なぜ法があるのに実態がなくなっているのか。なくてしかるべきものならば法を廃止すればいいし、あってしかるべき法であったならば法は行われてよろしい、こういうふうに思うのでありますが、この思想についてお伺いをいたしたいと思います。裁判がいわば専門家だけの中でべールに覆われた姿である、こういうことでいろいろと批判を受けておる、ないしは死刑判決を既に受けた者がいわば後でこれが逆転されるというようなことの種にもなっておるのじゃないかと思い合わせましてお伺いをする次第であります。
○吉丸最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、欧米諸国におきましては、陪審または参審という形で国民の代表を刑事裁判に参加させる制度をとるところが多く、これが裁判を国民に身近なものとし、裁判に対する国民の信頼を確保するための重要な基礎となっていると言われております。 我が国におきましても、御承知のとおり、国民が裁判所の手続に参加する制度として、民事及び家事の調停委員、簡易裁判所の参与員などの制度がございます。それぞれすぐれた成果を上げるとともに、裁判所に対する国民の理解を深める上でも大きな役割を果たしております。このようなことから、我が国の刑事裁判につきましても、陪審または参審制度を導入し、裁判を一層国民に身近なものとし、その信頼を確保するということも考えられるところでございます。 ただ、欧米諸国の陪審または参審制度は、それぞれ固有の歴史的、伝統的な基盤の上に成り立つものでございますので、そのような基盤のない我が国にこれを導入するには十分な検討が必要であろうというふうにも思われます。 また、諸外国の制度を見ましても、例えば陪審の事実認定の能力などにつきましては評価が分かれているようでございますし、制度運営等の面でもいろいろ検討を要する問題が少なくないことがうかがわれます。 そのようなことでございますので、私どもといたしましては、今すぐどうこうするという問題ではございませんが、将来の刑事裁判のあり方を広く考えていく際の一つの研究課題として陪審または参審制度について基礎的な勉強をいたしておる、こういう状況でございます。
○滝沢委員 我が国の国民の知的水準は世界に最たるものでありますから、そういう意味では国民の良識と知識を信頼しなければいかぬと思いますよ。それは専門家はいいですよ。しかし、専門家は専門家なるがゆえに陥りやすい穴があるということであります。 そこで、最高裁の長官が何かアメリカに調査員というのでしょうかな、を派遣されまして、その方がお帰りになったというのでありますが、さっきおっしゃいましたように、検討されているということは大変結構、前向きに検討してちょうだいしたいと思います。しかし、昭和四年に千葉県下において行われた例もありまして、それ以来今日まで六十年、その成果はどういうふうに評価されてきたものであるか。前向きに御検討いただけるというお答えを期待するとともに、このようなことについて承りたいと思います。
○吉丸最高裁判所長官代理者 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたとおり、この制度についてのいわば基礎的な研究ということでございまして、例えば、陪審または参審制度を実施している国々でその制度が国民の間にどのように受けとめられ評価されているか、それから陪審または参審の事実認定の能力についてどのように見るか、あるいは陪審または参審が現代の大規模、複雑な犯罪に十分対応できるかどうか、また陪審員または参審員としての服務が国民に過大な負担となることがないか、国民の制度に対する参加意欲といいますか、そういう面はどうだろうかというような問題についていろいろ勉強しているところでございます。 そのような意味で、この研究に当たりまして、文献によるほか、昨年の秋に特にアメリカにおける陪審制度の調査のために裁判官一人を米国に派遣いたしました。これは、この種の研究においてはその制度運営の現場でその実態を実地に調査するということが大切だろうというふうに考えられたからでございます。 なお、旧陪審法についての御質問もございましたが、これは実施されたものの、率直に申しますと国民の間に十分根づくことなく、現在停止されるに至っているというふうに理解しているところでございます。 私どもとしましては、先ほど申しましたとおり、まだ基礎的な研究の段階でございますので、一定の方向を持って検討するということではございませんが、非常に大きな問題でございますので、今後もさらに研究を続けたいというふうに考えております。
○滝沢委員 ありがとうございました。どうぞひとつ前向きに検討されて、アメリカ並みの開かれたる裁判が行われるように期待するものであります。 次に、宮内庁からもおいで願っているはずでありますが、先帝陛下が崩御、そして二月二十四日のあの寒い日に大喪の礼がとり行われました。国民は、その御遺徳をしのびつつ、次の大嘗祭がいかに行われるべきか、古式にのっとり、しかも厳粛に行われてほしいという願いを持ってこれを見詰めていると思うわけでありますが、この御準備はいかが進んでおりまするか、まずもってお伺いしたいと思います。
○宮尾政府委員 大嘗祭についての御質問でございますが、先例によりますと、御即位のほぼ二年後、つまり喪が明けた後に即位の礼及び大嘗祭が行われることになっておるわけでございます。皇室典範第二十四条に定めております即位の礼の儀式のあり方等につきましては、大嘗祭を含めまして今後しかるべき時期に内閣に委員会が設けられまして、そこで慎重に検討されるべきものであろうというふうに考えておるわけでございます。宮内庁としては、いろいろ先例等についての事務的な研究は現在いたしておるわけでございますが、基本的なことはそういう委員会でお決めになることであるというふうに考えております。
○滝沢委員 非常に大事な行事でありますので、ひとつ遺憾なきを期していただきたい。いずれ機会がありましたらまた改めてお伺いをさせていただきます。あるいは質問主意書等でお伺いをいたしたい、こういうふうに思っております。 ところで、新聞などが報じておりますものを拝見いたしますと、このような大事なときに陛下におかれては、これは戦後の税法のいたすところ、ないしは皇室経済法のいたすところ、相続税をお納めいただくようになるというふうに見るわけであります。しかし、これを拝見しました者で非常に驚いたのは決して私一人ではないであろうと思うわけであります。私の手元にも東大の小堀教授が、これは国民感情としてはまことに納得しにくいことである、さらには、皇室の歴史を顧みるときにこれはまことに遺憾なことであるというふうなことを論文にしたためていただきました。 あるいはまた、随分とそちらこちらからこのようなことはいかがなものかというふうな、いわば世論といいますか、聞いているわけでありますが、今国税庁が計算していらっしゃることによりますれば、陛下はいかほどの金額をお納めいただくことになるのでありましょうか。あるいはまた、新聞等の記事の中に、由緒ある御宝物というのでありましょうか、そのようなものは国家に御寄附をなさることによって税の対象から外そうというようなこともあるそうでありまして、そのような取り扱いを受ける宝物というのは何品くらいになるものであるのか。私の認識としては、陛下が国家に御寄附をいただくなんということはちょっと理解しにくいのでありますが、そこら辺の状況をひとつ御説明願いたいと思います。
○宮尾政府委員 ただいま御質問がありました相続税の問題につきましては、ただいま先生おっしゃいましたような御意見があることは私どもも十分承知いたしておるわけでございます。その点につきましては、関係方面とも十分御相談をしながら検討いたしておるわけでございますが、皇室経済法第七条に規定されております「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」以外の財産につきましては、現行法上、一般私人と同様に相続税の対象となるということでございますので、私どもとして現行法に基づいて適正な処理をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 そこで、「由緒ある物」等を国に寄附をするというような話があるのか、こういう御質問がございましたが、御承知のように、「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」といたしましては、いわゆる三種の神器とか宮中三殿とか壺切御剣あるいは東山御文庫の収蔵物等のものがこれに当たるのではないかというふうに考えておりますが、この「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」は皇室が御所有になっておる財産でございまして、皇室経済法第七条にも定められておりますように、これは皇位とともに皇嗣が受け継いでいくものでございますので、国への寄附というようなことは当然なじまないわけでございまして、国に寄附をするというようなことはないだろうというふうに承っておるわけでございます。
○滝沢委員 国税庁さん、あなたの方の計算からいうと、陛下はいかほどの相続税をお納めになることになるのですか。
○宮尾政府委員 私どもの方でお答えするのがいいのかどうかということがございますけれども、どの程度の税金をお納めになるのかということは、これは陛下のいわばプライバシーになる事柄でございまして、ただいまいろいろと整理をいたして諸準備を進めてはおりますが、この点についてはここでお答えすべき事柄ではないと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○滝沢委員 陛下のプライバシーとおっしゃいました。むべなるかなであります。ところが、皇帝に私なし、これは世界の論理であります。ゆえに私なき皇帝、あるいは陛下におかれて税金の対象にされるということはあり得ない、ゆえにプライバシーなし、ゆえに納税の義務なし。 御存じのごとく、陛下はいわゆる姓氏を有せられず、この東京都の戸籍にも載っていらっしゃらない、皇統譜に列せられるわけでありまして、そのような意味ではいわば被選挙権もなければ選挙権も持っていらっしゃらないというようなことでありまして、万が一仮にもこれが納期を逸して、一般の国民ですと処罰の対象になる場合にもこれは失う権利は持っていらっしゃらないわけでありますから、まことにこれもなじまぬことであります。これは総理の御出席をいただいたときに申し上げれば一番よろしいのでありますが、陛下に税金を納めていただくということは日本の歴史的皇室というものの御存在からいうとなじまぬことでありまして、これは戦後初めての例でありますから、しかも、今回のことが今後の長い例の一つの前提になると思いますので、これを宮内庁が中心になって政府部内で十分協議されて、陛下に所得税を課するというようなことのないように御配慮をいただきたい。それは皇室経済法ないし皇室典範に及ぶかどうか知りませんけれども、相続税法の改正をもって足りるわけであります。この点、いかがなものでありましょうか。
○宮尾政府委員 相続税法を改正して非課税にしたらどうであろうか、こういう御趣旨の御質問かと存じますが、この件につきましては、私の方で直接税制を所管しておるわけでもございませんので、関係方面ともいろいろ御相談はしておるわけでございますが、相続税法に非課税規定を一項設ければそれで済むという問題ではなくて、現行法制の全体にかかわるような問題があるようでございまして、現在御指摘の法律改正を実行することは困難であるというふうに承っておるわけでございます。そういう意味で、本件相続税の課税問題につきましては、現在の制度がある以上、現行法に基づいて適正に処理をされるべきものではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○滝沢委員 宮内庁さんというのは陛下の立場に立って物を考える場所とは違いますか。大蔵省さん、見えておるのでしょう、これはどうなのですか。大蔵省さんの方では、これは税法の定めるところ、これはもうちょうだいという立場であろう。しかし、宮内庁さんというのは陛下の立場に立って、いや、それはあなた、話が違いますよという立場だろうと思うのですが、今の議論を承っておりますと、これは宮内庁が税務署みたいな話で、甚だどうも理解に苦しむのでありますが、いかがですか。
○野村説明員 ただいま宮内庁の方から御答弁ございましたように、皇室の相続税課税につきましては、相続税法第十二条に非課税財産を規定しているところでございます。その第一号は、先ほどお話しございましたとおり、「皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物」、すなわち「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」、これにつきましては非課税の取り扱いとなっているわけでございます。ただ、したがって、その他の財産、例えますれば有価証券や預金、こういったようなものは一般私人の財産と同様の性質を持つと考えられますので課税対象となっているわけでございます。既に昭和天皇におかれましては、過去、貞明皇后あるいは秩父宮の各御相続に際しまして、相続税の納税申告をいただいているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、先ほどもお話しございましたように、本件相続税課税問題、現行法制に基づきまして適正に処理が行われる、こういうふうに考えているわけでございます。 なお、先生御指摘のように、非課税措置を講ずべきではないか、こういうお話でございますが、今宮内庁からもお話がございましたように、言うなればこの問題については現行法制全体、すなわち憲法であるとか民法であるとかあるいは皇室経済法であるとか、そういったような全体の問題にかかわる話でございますので、私ども相続税法を所管するものの一存でどうこうということは困難であるわけでございます。このような事情を御理解、御賢察をいただきまして、いずれにせよ本件相続税課税問題、現行法制に基づきまして適正に処理が行われるべきものと考えている次第でございます。
○滝沢委員 憲法に触れるというふうには私は思わぬ。そしてそれほど宮内庁並びに大蔵省が言っているように難しい課題だとは私は思わぬ。それこそ、あなたもおっしゃったように、かつて貞明皇后あるいはまたというようなことがあるものだからさらに今ここで申し上げているのですが、特に皇位が継承されたという時点において新陛下より税金をちょうだいするということは、やはり国民感情としてなじみませんよ。国民のためにお骨折りいただいておる陛下、国民の立場に立って物を考えるのが当然でありますから、あなたたち二人で、これはもうだめだ、今までどおりが一番いいというようなことではかなわぬものでありますから、国会の中に、少なくとも正規の委員会の場においてこういうことが叫ばれておるということを厳粛に受けとめて、これはひとつ次々に問題を展開していきたいと思いますので、対処しておいてちょうだいしたいと思います。 ついでにお伺いしますが、もしもそれ、今御両者とも金額はわからぬとおっしゃいましたが、金額がわからぬならば、そしてプライバシーにわたることであるならば、陛下のポケットマネーでお払いするのですか、それとも内廷費というようなことでするのでありますか。とするならば、内廷費の計算の上に立ってそれは幾らかということはわかるんじゃないでしょうか。どうなんですか、プライバシーで済むのですか、それとも内廷費を増額するか何かして税金のお金を考えるのですか。そこはどうなんですか。
○宮尾政府委員 相続税が課税される場合の相続財産というものの中には、現在のあれでいきますと若干の金融資産その他のものがあるわけでございます。したがいまして、私ども税務当局ではございませんけれども、いろいろ税金を支払うということになった場合には、必要な税額分をその相続財産の中からお支払いをいただく、こういうことになるのではないかというふうに考えております。
○滝沢委員 相続財産の中からということになれば、何代か何代か御相続いただいておれば、最後にゼロになる、厳密な意味においてはゼロにならぬようなものでありますが、そういうことでありましょう。高松宮様のときに、何か税金をお納めいただくために財産を処分されたというような話も承っておりますが、そうしますと、陛下も相続税をお納めいただくために、これは政府から内廷費というようなことで計上はせぬというふうなあなたの考えだから、そうなれば御自分の御財産をそうして処理なさる、つまりはその間に蓄積の努力を仮にされないとすれば、何代か皇位が継承していくうちに皇室の御財産というものはゼロもしくはこれに甚だ等しいものになるというふうに理解していいですか。
○宮尾政府委員 相続財産がどれだけのものになるかということによりまして、それに一定の税率が掛けられて相続税額というものが定まるということになるというわけでございますので、その相続財産の中から相続税をお支払いになるということになれば、当然相続財産は相続税がかけられる都度少なくなっていくということは先生のおっしゃるとおりでございます。
○滝沢委員 そうしますと、国が予算措置の上でこれをお支払いいただけるような道を講ずるのではなくて、あくまでも御相続いただいた財産の中からお払いいただく、繰り返していけば、いずれの日にかゼロに等しくなる、こういうふうに理解していいですね。そうですね。それでいいのですね。宮内庁はそれでいいのですね。
○宮尾政府委員 内廷費は、先生御存じのように皇室経済法の中で日常の御生活その他もろもろの内廷に必要とされる経費を毎年度予算に計上いたしまして、国からちょうだいをして、それを内廷に充てているという性格のものでございます。 相続税というのは、私は所管省庁でございませんのであれでございますが、要するに相続財産の中からお支払いをいただくということになりますので、その分だけ相続財産が減るということは確かでございます。これが相続の都度その中から相続税をお支払いいただくということになりますから、その分だけ減るということは確かでございます。
○滝沢委員 あなた、憲法を読めばわかるとおり、憲法は、いわば世襲制なんですよね。そして、我々の職業と違うわけですから、そんなのだったらやめちゃって、子供にはそんな仕事はさせないというわけにはいかぬわけでありますから、そうしますと今の憲法が今後ずっと世襲でいくということを規定しているわけでありますから、そうなりましたら無一物という立場のいわば貧しき陛下の御出現がいずれの日かはあると想像しているのが今の制度である、それでいいと君は言うんだから、そういうことが日本の皇室を補佐するべき宮内庁の姿勢というふうに理解して遺憾の意を表明しておく。 そして、ここに一つまた伺いますが、皇太子殿下のおきさき、今はおきさき選びのことはこのようなことで一休止となりましたけれども、喪が明けるまでお預けというふうに理解してよろしいか。時間がないですから簡単に願います。
○宮尾政府委員 第一点目でございますが、相続税をお支払いになるということになればそうなるということだけを私は申し上げているわけでございまして、宮内庁としてそれが非常に結構であるというようなことを申し上げているわけではございません。現在の税法というものがあるわけでございますから、それで相続税をお支払いになるということになれば、そういう先生が御指摘になるような、その結果になるということは申し上げておるわけで、価値判断をいたしておるわけではございません。 それから、皇太子殿下の御結婚問題でございますが、これは極めて重要な問題でございます。現在、先帝陛下の喪中でございますが、そういう意味で御結婚問題については、先ほど申し上げましたように、私どもも慎重に対処してまいろうと考えておるわけでございますが、それが御決定になるまでは具体的な事柄を私ども申し上げるわけにはいかないわけでございます。 ただ、ただいま、喪が明けてからか、こういう御質問だったというふうに思いますが、御成婚の儀というようなものが仮に具体化してきた場合に、それは晴れの儀式でございますから喪中はお避けになるということになるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○戸塚委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。河村勝君。
○河村委員 けさの新聞、これは地方紙でありますけれども、もとは共同通信または時事通信であろうと思います。全国的にかなり記事になっていると思いますが、それには、「政府筋は十三日夜、法務省が国会で行ったリクルート事件最終報告の中で指摘したリクルートコスモス未公開株の譲渡を受けた政治家十一人のうち、中曽根元首相のほか、加藤六月元農水相、渡辺秀央元官房副長官、塚本三郎前民社党委員長、田中慶秋同党代議士の五人については「抽象的な職務権限」が認められたことを明らかにした。」政府筋は、こういう記事であります。これが、事柄が事柄ですから写真入りで大々的に出まして、あたかもこの五人が灰色高官の代表者のように新聞に載せられておりまして、これは個々の代議士にとってはゆゆしき大事であります。その中に二人我が党の代議士が入っておりますから、私も非常な強い関心を持っておりますが、政府筋といえば法務省しかないのでしょうが、法務省はかような内容のことをリーク、少なくとも発表はしないでしょうから、リークをしたとしか考えられませんが、一体事実関係はどうなっていますか。
○谷川国務大臣 少なくとも、本委員会を含めまして国会に対して御報告申し上げますことが最も公でありかつまた大事な事柄だと存じまして、私どもは捜査の処理について衆議院並びに参議院の予算委員長からその処理についての報告をするように御指示をいただきましたが、それ以外各委員会でいずれも人名を出して中身について、内容について御報告したことは一度もございません。また、記者会見その他でただいま御指摘のようなことを申し述べた事実はない、こう考えます。
○河村委員 記者会見でおやりになるはずがないでしょう。私は、だからリークした事実があるのではないかということを聞いているのです。刑事局長、いかがです。
○根來政府委員 少し長くなりますが、私どもの立場について申し上げます。 六十一年九月に国会議員十一人に対して未公開株が譲渡されたという事実は最終報告で申し上げたとおりでございます。その国会議員、国会議員というか国会議員の周辺を含むわけでございますが、その名前について開示せよというお話が再々委員会でもございました。それから、抽象的な職務権限のある者はだれかというお話も委員会でございました。それに対して最初は全部申し上げないという建前を貫いておったわけでございますが、国会でお話のあった件についてはやむを得ないという判断で、その十一名の中には中曽根元総理、この方は国会で証人として自分の周辺に未公開株が来たということを申されております。それから竹下前総理、竹下前総理も委員会で同様のことを申されております。それから宮澤元大蔵大臣、大蔵大臣当時やはり同じことを申されております。それから塚本議員でございますが、塚本議員もことしの二月十四日に国務大臣の演説に対する質疑ということで申されております。そういうことで四人の方は国会で自分の周辺に未公開株が来たということを申されているわけでございますから、それは私どもは否定することはできませんと申し上げているわけでございます。 そこで、その職務権限の問題でございますが、職務権限につきましては、まず中曽根元総理でございますが、中曽根元総理は証人に出られた際に、スーパーコンピューターの件に関してはこういうように自分がかかわっておるということを申されておるわけでございます。そういうふうな証言からいたしまして、やはりそういう問題については総理として抽象的な職務権限があったということも、証言から私どもはそういうふうに言わざるを得ないわけでございます。 ところが、竹下前総理あるいは宮澤元大蔵大臣はそういう職務権限のことについては一切申されておりません。したがいまして、私は、このお二人について職務権限の有無については申し上げるつもりは毛頭ないわけでございます。 最後に塚本議員でございますが、塚本議員は、先ほどの国務大臣の演説に対する質疑の中で、自分は「リクルートコスモス社株取得に対し、秘書を通じてのこととはいえ、私がかかわったことであります。」こう言われているわけでございます。そうしてその中に「その会社に対する職務権限ももちろんありませんでした。」リクルート社からの請託もなければ職務権限ももちろんありませんでした、こういうふうに申されているわけでございます。したがいまして、塚本議員は職務権限について国会でみずから触れられているわけでございます。この触れられている部分について、私どもは否定する材料も何もございません。そのとおりというふうに受け取っていただいても結構だと思います。 したがいまして、以上申し上げました四万につきましては、お二人につきまして職務権限について私どもの立場は申せると思います。お二人については、御本人は何も言ってませんから申し上げない。その他の十一人から四人を除く方については一切申し上げないという立場でございます。そういう立場をずっと貫いておりますので、その辺御理解をいただきたいと思います。
○河村委員 貫いておりますというのはわかりましたが、だから私は、ただリークした疑いがあるが、それが一体どうかということを聞いたのであって、長い説明を伺っているのではありません。
○根來政府委員 この件は、先ほど午前中に坂上委員からお尋ねがあったときに、具体的にはお名前が出ました。これはいろいろ巷間そういうお名前が流布されているわけでございます。そういう根拠に基づいて、いろいろ報道されていることと考えております。これは、私どもと全く関係のないことでございますし、そういうことについて、朝の御質疑で申し上げましたように、一切お答えしないということにしておるわけでございます。
○河村委員 私は、この最終報告読んでみまして、非常に気になることがあるのです。それは「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められる」けれども「当該職務と株式譲渡との間に対価関係が認められない」というのはよろしいけれども、職務権限のなかったものについては、ただ職務権限がなかったというだけで済ましてあるんですね。職務権限があったけれども、株式譲渡との間に対価関係はないというものがあると同時に、逆に、対価関係はあるけれども、認められるけれども、職務権限がない、だから犯罪を構成しないというのもあるはずですね。そっちの方に全然触れないで、ただ職務権限内の、職務権限は持っていると認められるものについてのみここには書いてあって、逆の場合は書いてないんですね。だから、ここには書いてないけれども、当然職務権限はないけれども、事実関係は、対価関係はあったというのも十一人の中には含まれる、そう考えていいわけですね。
○根來政府委員 それはちょっと、お言葉ではございますが、違うと思います。といいますのは、大体贈収賄を検討するときに、まず公務員の抽象的な職務というのは何であるかということを研究するわけでございます。したがいまして、それをまず研究いたしまして、具体的事案について、それではその職務権限の中からどれを引き出して、具体的職務権限というふうになるのか、それと金品でございますが、それと対価関係があるかということを研究するわけでございますから、職務権限がなくて対価関係だけがあるということは、職務に対する対価関係があるということは、あり得ない話だと思います。
○河村委員 それは、実態として、贈収賄の事実がありながら、例えば一般に議論されているように、与党の重要な職務にある人たちは、権限としては本当はあるのですよね。法律的には全く権限がない、そういうものはありますね。ですから、きょうは時間がないので十分お聞きできないので残念ですが、あのロッキード事件のときの、いわゆる灰色高官公表問題、あれは私が当事者として扱ったものでありますが、贈収賄の事実が実態的にある、あるけれども職務権限がないために立件できないもの、それから贈収賄の事実と職務権限もあるけれども時効で成立しなかったもの、これを政治的道義的責任を明らかにするために公表する、こういう約束であったんですよね。ですから、今のお話だと、職務権限がなければ初めから手をつけないというようなお言葉であったけれども、それはおかしいんじゃないですか。
○根來政府委員 ロッキードのときと今回の場合は大分違うと思います。ロッキードのときは、ロッキードの飛行機の売り込みに関してアメリカからお金が流れてきたわけでございます。そのお金が流れてきた行き先ほどこかということを調べましたら、要するに職務権限があって、そして売り込みに関してお金をもらった方が、一つのグループがおります。それから、そういう職務権限はございませんけれども、その売り込みに関してお金をもらった国会議員がいらっしゃいますというふうなことになって、一つの束といいますか流れがあるわけでございます。今度の場合はそれがないわけでございますから、ロッキードの場合とちょっと違うと私は考えております。
○河村委員 ロッキードの場合でも、もとに金があって、それがどういう趣旨で流れたかというところに問題があったのであって、今回だって株の譲渡によって利益を得た。それと、具体的に言うのは少しはばかりがあるかもしれませんが、この五人の抽象的職務権限があったと言われておる中にも、安比高原であるとかあるいはスーパーコンピューターの導入というものにかかわりがある。これは国会の審議の中でも少なくとも相当大きな疑惑があることが表に出ているわけでしょう。ですから、当然私はそういうものが特別に扱われるべきであって、単なる、ここでもって一律に職務権限、ロッキードのときと全然違うということは、私は成り立たないと思います。ここで議論している暇はございませんが。 それと、ここでもって抽象的職務権限とお書きになったのは、リクルートの仕事と、議員であれば当該所属する委員会の所掌、これは公務員であれば所属する官庁の所掌事項、これとが形式的につながっている。それだけの意味で抽象的職務権限という言葉を使われたのですか。
○根來政府委員 大体そういうことでございます。
○河村委員 官庁の所掌事項というのは許認可あるいは行政指導等非常に明確な、業者に対する力を持ち得ることがはっきりしている。しかし、国会の委員会の場合はちょっと違いましょう。もともとが立法府です。国政調査権はあるけれども、通常常識的に業界に及ぼす力というのはなくて、例えば野党の場合で言えば、質問等を通じて何かやったということが犯罪事実として取り上げられているだけであって、官庁の場合の職務権限と国会の委員会の職務権限とは質的に違うと言っていいくらいの大きな開きがあるはずだ。 現実に塚本前委員長のごときは、単に委員長であるから形式的にどこかの常任委員会に籍を置かなければならぬから置いてあるというだけのことであるし、田中議員の場合でも同様、何にもそれにかかわっていないで委員会に所属しているだけであって、そういう所掌事務を扱っているというような実態的な中身はないでしょう。ですから、役所の場合と国会の委員会の場合を一緒くたに職務権限ありと認定するのは間違いではないですか。
○根來政府委員 でありますから、私は先ほど申しましたように、塚本委員長の場合は、御本人が代表質問で言われているように、自分は職務権限がなかったということについて、私どもは否定もしません、こう申し上げているわけであります。 後者に出てこられた方については、私どもはお名前も職務権限についても、何とも申し上げていないところでございます。
○河村委員 もう一つ伺っておきましょう。 この政治献金の関係ですね。リクルート関係の政治献金については、パーティー券等も含めて「株式の譲渡に関係する国会議員に係るものを中心に、政治資金規正法違反の嫌疑の有無について所要の捜査を行い、」ですから、対象は株の譲渡を受けた人間、議員。それで、その嫌疑の有無は政治資金規正法だけを対象にして、それで贈収賄事件、贈収賄の対象としては扱っていない。政治献金だからといって単純なる政治資金としてすべてが扱われるものではないはずだ。それがただ届け出をしているか、していないかというだけでもってけじめをつけられるというのはおかしいのであって、これは当然これも含めて、これだけの事件なんですから、一連の贈収賄事件の対象として扱うのが本当でしょう。それが行われていないというのはいかなる理由によりますか。
○根來政府委員 その件についても報告書の書き方が悪いのか、その辺はよくわかりませんけれども、要するに全体的に贈収賄罪の成立はどうかということについて慎重に捜査をいたしました。しかしながら、政治家の場合は贈収賄のみならず政治資金規正法の問題も出てきます。したがいまして、仮に贈収賄罪が成立しなくても、それでは政治資金規正法のいろいろ定める規定にのっとりて、いろいろ届け出なりそういう処理がされているかということを調べたということを書いておるわけでございまして、お説のように、贈収賄罪を全く念頭に置かずに政治資金規正法を念頭に置いて調べたということはございません。
○戸塚委員長 河村君、時間が参りました。
○河村委員 やめますが、リークをしたかと言えばリークしないという返事があるに決まっておるのですけれども、特に政治家本人にとってはこういう記事になることは非常に重大なことですから、くれぐれも注意をされることを希望します。 終わります。
○戸塚委員長 次に、安藤巖君。
○安藤委員 私はまず大臣に、宇野総理のスキャンダルの問題についてお尋ねをしたいと思います。 御案内のように、サンデー毎日の報道以来、この国会でも衆参両院において再三再四にわたってこの問題が取り上げられましたし、それから一般の新聞にも報道され、あるいは外国の有力新聞にもこのことが報道される、世界じゅうにこのスキャンダルが駆け回っておるという状態にあります。日本の国内でも多くの国民から非難、批判、これが渦巻いているという状況にあることは^大臣御承知のとおりだと思います。 そこでお尋ねしたいのは、こういう報道がされ、いろいろ問題になっている人が内閣総理大臣になっている、この内閣に法務大臣としておられてどういうふうに今感じておられるか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○谷川国務大臣 私は事実関係をよく存じ上げませんので、この場ではただいまの御質問に対する答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○安藤委員 何か根來刑事局長みたいな答弁であれですが、好ましいことだとは思っておられぬと思うのです。しかし、困ったことだとかどうとかいろいろ何かおありになっていいと思うのです。私がせっかくお尋ね申し上げておるのですが、この場では答えることは差し控えるというのでは、問題になっている内閣総理大臣の組閣しているこの内閣の大臣として、何かやはり機会を見つけては一言あってしかるべきだと私思うのです。ですからお尋ねしているのです。どうですか。
○谷川国務大臣 今のところ一言もございません。
○安藤委員 一言もございませんというのは、何も申し上げるものはないものというふうにもとれますけれども、そうですが、そうすると何の感慨も持っておられないということになりますか。
○谷川国務大臣 みずからのことに関することなので公の席では発言を差し控えさせていただきますという御発言でございますので、私は一言もございません。
○安藤委員 これ以上お尋ねしても同じことだろうと思いますけれども、やはり何らか一言あってしかるべきだということを改めて申し上げておきます。 そこで、これは日本の政府が批准しております条約なのですが、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、これは発効が昭和六十年七月二十五日になっておりますね。この第六条に、「締約国は、あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置をとる。」こういうふうになっております。ですから、この「適当な措置をとる。」ことについて日本の政府は義務づけられていると思うのですが、この義務に対してどういうような措置を今日本の政府はとっておるということが言えますか。
○谷川国務大臣 その条約と全く軌を一つにいたすのでありますが、売春防止法なる法律がございまして、この法律の目的は、売春そのものが人としての尊厳を害する、それから、性道徳のことは別にいたしまして、社会の善良の風俗を乱すものであるということから、助長する行為を罰するということになっております。そして、その法律第三条では「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない。」これが日本の国内にございまする現在の法律でございます。
○安藤委員 宇野総理大臣に対するスキャンダルの内容は、報道の内容からすれば、置き屋のおかみに周旋を依頼して、そして置き屋のおかみの周旋によって特定の女性と関係を結ぶに至った、こういうふうになっておるわけですよ。こうなりますと、今大臣がおっしゃった「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない。」というこの売春防止法の趣旨にこれは抵触するのじゃないですか。
○谷川国務大臣 法律の中身の問題については担当の者から御説明いたさせますが、この第三条の売春禁止規定は実は罰則がついてございませんで、この法の主たる目的は、第一条の「助長する行為」を罰するということでございます。もう一遍申し上げさせていただきますが、第三条は罰則規定が担保されておるわけじゃございませんで、この法は「売春を助長する行為等を処罰する」ことを目的といたしております。
○安藤委員 そうしますと、三条には罰則の規定がないから、書いてあるけれども守らなくたっていい、こういうことにはならぬと思うのですが。
○谷川国務大臣 先ほど私が読み上げさせていただきました法律の第一条の目的の中で、あえて私は「性道徳に反し、」というところを除いて流れを御報告申し上げたわけでございます。当然我々は社会の構成の一員として人倫にもとる行為というものは許さるべきでない、それは一人一人のおのずからなる判断だ、私はこう考えております。
○安藤委員 おのずからなる判断で結構かもしれませんが、罰則の適用がないからいいんだということには決してならぬと思うのですね。そして、この三条の趣旨が売春防止法の趣旨を一番直截にあらわしていると思うのです。だから、これはやはりお金で買ったことになるわけですから、宇野総理大臣の行為は、総理大臣になる前ですけれども、まさにこの三条が「ならない。」と言っているその行為を行ったことになるのじゃないですか。
○谷川国務大臣 最初に申し述べさせていただきましたように、宇野総理大臣個人の行為そのものについて事実関係が明らかでございませんので、私はつまびらかにいたしておりませんので、その件につきましての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○安藤委員 まあ、あそこに報道されている事実が私はうそだとは思いません。そして宇野総理大臣も、公の場で私的な問題についての答弁は差し控えるというふうに言っておられるわけです。ないならないとはっきり否定されるべきじゃないのかなと思うのですが、今申し上げたような趣旨の答弁を繰り返しておられるわけです。やはりこれは事実なんだな、普通、素直に思えばそうなると思うのです。だからそういうことからすれば、このスキャンダルそのものは、現在内閣総理大臣をやっておられる宇野さんが総理大臣になられる以前に、もちろん国会議員であった当時、売春防止法に抵触する行為をしておられた、こういうふうに言わざるを得ぬと思うのですよ。 だから、最初に申し上げましたように、やはり世界じゅうにこのスキャンダルのニュースが駆け回る、こういうことになるし、日本の国民、特に婦人層の間からも非常に強い、手厳しい指弾の声が上がっている、これは当然だと思うのです。それを、いや、それは個人の問題だから、罰則がないからというようなことで、全く売春防止法の趣旨に外れた行為ではないのかという疑念さえ抱かれないというのはおかしいと思うのですが、そういう疑念も抱かれないのですか。
○谷川国務大臣 私が前段において答弁させていただきましたのは、日本の国内法において、批准をした条約にかかわるような法律はないのかという御質問がございましたので売春防止法を挙げさせていただいたわけでございまして、売春防止法の事柄で御答弁させていただきましたことと現在話題になっておる問題、現実的な問題とは、これはまた別のことであると私は判断をいたしております。したがいまして、宇野総理大臣にかかわる話題の周辺の問題につきましては、私つまびらかにいたしておりませんのでこの席でコメントさせていただくことは差し控えさせていただきたいと存じます。
○安藤委員 そこで大臣、最初に女子に対するあらゆる形態の差別の云々という条約を申し上げて第六条を読み上げたのですが、この報道されている事実は、その置き屋のおかみあるいはもう一人だれかにそういうあっせんをしてもらったお礼ということでお金を出したということも報道されているのです。となると、「女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置をとる。」何かそれは決まりみたいになっておるみたいな話なんですが、となると、これはそういう売春から得たお金から決まりによって取る、差し出させる、あるいは差し出さなければならないようなことになってしまう、やはりこれは搾取だと思うのですが、何らかこういうようなことをこの条約の趣旨にのっとってきちっと規制する、制限する、禁止をする、そういうような法改正、売春防止法の法改正でもいいですが、あるいは立法をするようなことは考えてもいいのじゃないかなという気がするのですが、その点はどうでしょうか。
○谷川国務大臣 売春防止法制定の経緯を必ずしもつまびらかにいたしておるわけではございませんが、少なくともこの法の一条にございまする法の目的からいたしますと「売春を助長する行為等を処罰する」ことを目的といたしておる。行為を助長することを処罰すると売春そのものを抑え込むことができる、こういう判断でこの法はつくられておる、この法の立法趣旨はそういう判断であったのだろうと思います。したがいまして、この法が厳として存在いたしておりまする今日、この日本社会において売春あるいはそれに類似したような行為が行われることはまことにゆゆしき問題だ、こういうふうに考えております。
○安藤委員 今私がお尋ねしたことにどうも明快にはあるいは直接的にはお答えいただいていない気がするのですが、厳然としたこういう法律があるのだという御趣旨はわかります。しかし、現に宇野総理大臣に関するスキャンダルのごとく、置き屋のおかみの周旋によってこうこうこういうようなことが大っぴらに行われているということになれば、この条約の趣旨からしてもやはりおかしいのじゃないかと思うのです。それを野放しにしておいて、あるいは下世話に言いますけれども、男のかい性みたいなことで済まされていくというようなことは許せないと思うのですよ。だから何らかの手当てをきちっとすべきではないか、こういうことで申し上げておるのです。
○谷川国務大臣 具体的な事例には全く立ち入るわけにはまいりません。したがって、具体的な事例を一切外しまして一つだけ申し上げたいのは、法律が意図しておりますことは、一つには、売春というものが助長されることによってこの社会に存在し続けることを何とかして打ち切りたい、もう一つは、不幸にしてそういう、昔の言葉で苦界という言葉がございましたが、身を沈めてしまうような人がおる場合にはそれを救い上げたい、この二つがあっただろうと私は思います。 それで、その問題以外にそれ以上の問題、要するに不特定の相手と対価を得てあるいは得せしめて行為を起こすわけではないような問題、非常に回りくどい表現をいたしましたが、ある特定の事実が動いておることについてはこの法律の範囲の中には入っていない、そういうふうに判断を私はいたしております。したがって、この売春防止法というのは、あくまでも日本の国内において売春なる行為が続けられていくことを何とかしてどこかで打ち切りたいということから、その当時随分多くの方々の御議論でつくり上げられた法律だと私は理解をいたしておるところでございます。
○安藤委員 不特定云々というお話も出ましたが、確かに定義としてそういうような文言があります。しかし、今回のような場合は不特定ではないということになると売春防止法の適用ないのか。しかし、第三条の売春し、その相手方になってはならぬ、それから、こういう売春行為そのものを禁止していく、なくしていくというのがこの法の趣旨だと思うのですね。だから、そういう法の趣旨を逸脱するというようなことがまかり通ることになっておるのじゃないかと思うのです。 そういう不特定というようなことをも含めて、このときにいろいろ議論があったことは私もおぼろげながら覚えておるのですけれども、あの当時からもざる法だとかいうような非難も一部にあったことも知っておりますが、何かそういうざる法云々の非難も含めて、そういう非難をなくするというような意味でもう一遍きちっとした法体系をつくり上げることも必要じゃないかなと今思っているのです。だから、そういうようなことも一遍お考えいただくことは必要なんじゃないのかなと思ってお尋ねしておるのです。それはやはり先ほどと同じようなお答えになりますか。
○谷川国務大臣 私は、現行の売春防止法をこの日本の社会においてそれこそ十二分に定着せしめること、今、売春防止法が制定された当時から考えまして、この法の目的というのは社会的には随分理解され定着しつつある、またしている、こういうふうに判断をいたしておりまして、直ちにこの時点でどこをどういうふうに改めるべきだというふうには考えてはおりません。まずこの法の趣旨、目的というものを定着させていくことが先決であるというふうに考えております。
○安藤委員 きょうはそういうふうにお伺いしておきます。 引き続きまして、リクルート疑惑の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。 その前にちょっと確かめておきたいと思うのです。午前中のこの問題についての質疑そして答弁の中で、お気の毒に亡くなられた青木元秘書の件について、青木元秘書から事情を聴取したのかどうかというくだりで、事情は聴取をした、リクルートコスモス株の譲り受け人の名義人になっている人だから、青木元秘書がそうだからということも含めてそういう人たちから事情を聞いたというふうに答弁があったと思うのです。そうすると、リクルートコスモス株のいわゆる未公開株の譲り受けの名義人になっている人たちからはずっと全部事情をお聞きになったというふうに理解していいのですか。
○根來政府委員 未公開株の譲り受け名義人というのは国会議員御自身の場合もございますし、秘書の場合もございますし、御親戚の場合もございますし、親子関係の方もいらっしゃいます。そういう点について関係の方は十分に調べました。ただ国会議員について調べたかどうかということについては、従来から申し上げておりますように、これを申し上げますと、先ほど御質問がありましたようにやはりその国会議員に後ろ暗いことがあったのではないかというふうな推測をされるものですから、国会議員についての分はどういうふうに調べたかということについては申し上げないということでお許しをいただきたい、そういうふうに思います。
○安藤委員 どういうふうにというのか、どういうような嫌疑を持ってというのか、あるいはどういうような被疑事実についての参考人というのか、中身はともかくとして、今の答弁ですと名義人、だからそれは秘書の方であったり親戚の方であったり本人であったりいろいろありますね。そういう関係については事情を聞いた、今確かにそういうふうにおしゃったと思うのですが、そうしますと刑事局長の方からは、あれこれ名前をお聞きをしてもこれまでの経過からすると断じて言わない、口が裂けても言わないみたいな姿勢でありますので、その点については私の方から言えということは申しません。だから私の方から言います。 本人名義であればだれから事情を聴取したかということがすぐわかっちゃうから、国会議員の関係については言えないのだというふうにおっしゃった。リクルートコスモス株の未公開株の譲渡を受けた人、これは一九八六年、昭和六十一年九月の関係の分です。本人名義で株の譲り渡しを受けた人、十一人の先ほどおっしゃった以外の人では宮澤喜一前大蔵大臣がおられるわけです。名前が出ている四人の人も含めて言わないとおかしいですね。それから渡辺秀央元官房副長官それから加藤紘一元防衛庁長官そして塚本三郎民社党前委員長、田中慶秋民社党衆議院議員。この人たちが一九八六年九月の末公開株の譲り受け人の名義人になっているわけなんです。となると、先ほどの答弁の内容からすれば当然この人たちからも事情を聞いたというふうに、極めてすぐれて常識的な判断としては出てくる結論なんですね。どうですか。
○根來政府委員 先ほど申し上げましたように、この未公開株譲り受け名義人というのは秘書の方もいますし親戚の方もいらっしゃるわけでございます。そういう方はきちっと調べました。ただ国会議員について調べたかどうかということについては、申し上げないというふうに申し上げているわけでございますので、御理解賜りたいと思います。
○安藤委員 いや、ですから私は極めて常識的な話として私の方から申し上げたわけです。そしてその前の昭和五十九年、一九八四年十二月のコスモス株の譲り受けの関係では森喜朗元文部大臣、それから浜田卓二郎元外務政務次官、それから伊吹文明、衆議院社会労働委員をやっておった人ですね、この人たちがやはり本人名義になっています。となると、やはりこの人たちからも事情を聞いたんだなと我々は素直な常識からして思うのです。これについても同じですか。
○根來政府委員 申しわけありませんが、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○安藤委員 そこで大臣、今度のリクルート事件の捜査終結に関する報告というのを大臣もおやりになって、根來刑事局長の方からもおやりになった。この最終報告を、私もそうですが一般の国民が聞きまして、何だあれでしまいか、あれでけじめがついたのか、巨悪は眠っておるのではないか、また眠らせたのではないかというような手厳しい批判が国民の間から出ている。だからそれを反映して一般のマスコミもそのことをいろいろ報道し評論もしているという状況にあるのですが、こういうような一般の国民がこの最終報告、正確には「捜査終結に関する報告」に対して持っている感情に対して、法務大臣としてはどういうふうに受けとめておられますか。
○谷川国務大臣 検察当局の行っておりまする仕事は、法令違反の刑事責任を追及する、そして証拠をそろえて裁判所へ移す、そこで裁判の、公判の維持をするということであろうかと存じます。その仕事は終わらせていただきましたという終結宣言という形を出させていただきました。で、今回それが出たならば一遍捜査処置について国会に報告しろということでございまして、両院の予算委員会委員長からそういう御要請がございましたので、私どもといたしましてできるだけの、法令の許す限りの判断を行って報告をさせていただいたわけでございます。 ここで刑事責任についての問題はひとまず打ちどめになった形でございまして、あとは裁判所の問題なんでございますが、国会の方がそれとは別に、政治的に道義的に責任のあるなし、それをはっきりする方がいいのじゃないかという御判断がおありになって国政調査権に基づいての御要請がございましたら、私どもといたしましては、再々答弁させていただいておりますように、法令の許すところのできるだけの御協力はさせていただきたい、今こういう立場でおるわけでございます。
○安藤委員 刑事責任の追及の問題についても、国民の圧倒的多数は手ぬるいのではないかという意見、批判、不満を持っていると思うのです。政治的な道義的な責任の追及の問題は別にして、持っていると思うのです。だから、その辺のところをお伺いしたのですが、次に移っていきたいと思うのです。 そこで、捜査終結に関する報告、これまでも午前中にもいろいろあったのですが、中曽根元内閣総理大臣の職務権限については抽象的にはあったというふうに検察当局も認定をしたということは、きょうの午前中の答弁でもありますし、それからきのうの参議院の予算委員会における答弁でも、その点は出ていると思うのです。そうしますと、この報告のまさに一番の目玉のところなのですが、午前中からいろいろ問題になったのですが、「関係の国会議員又は国務大臣の職務権限外の事項であることが明らかであるか、あるいは、抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、」いわゆる対価関係が認められないというくだりがあります。となりますと、中曽根元内閣総理大臣に関する関係は、この「抽象的にはその職務権限内の事項であると認められるものの、」というくだりのところに該当することになりますか。
○根來政府委員 この点については、先ほど来御説明いたしておりますように、中曽根証人が国会に出られまして、株の譲渡問題あるいは自分が例えばスーパーコンピューターにどういうかかわり合いをしておったかということをおっしゃっているわけでございます。したがいまして、おっしゃる以上、それは総理大臣の職務関係の中に入っておったということを私どもは否定する立場ではございません。そのとおりだろうと思います。ですから、中曽根総理に関しては、そういうふうなもろもろの件については、総理大臣として抽象的な職務関係、職務権限を持っておられたものと考えております。 しかしながら、委員がおっしゃいました後段のところにございますように、その具体的な職務とか対価関係にない、あるいは便宜を図ったことがないとか、請託を受けたことがないとか、陳情を受けたことがないとか、そういういろいろの要素がございまして、それは犯罪として認められなかったということを御説明しているわけでございます。
○安藤委員 今スーパーコンピューターの関係についてはお話しになったのですが、この抽象的な職務権限は、就職協定の存続とか遵守の問題、この関係についてはあったのかなかったのかという点はどうですか。
○根來政府委員 これは、既に公判請求されております関係人の職務についていろいろ起訴状に書いてあります。その中に就職協定の問題等が入っております。それが一つの役所の問題ということで役人が起訴されておるわけでございますが、そういうことになりますと、当然その上に座っておられる総理が抽象的な権限を持っておられるのではないか。これは午前中、内閣法制局の方からそういうお話がございましたが、そういうことだろうと思います。
○安藤委員 それから、政府の税制調査会の委員の任命の関係については、午前中の刑事局長の答弁によりますと、この報告の中には書いてないということ、現に書いてないわけです。書いてないのだけれども、掲げなかったけれども何とかというふうにおっしゃった記憶があるのですが、これは一応ここに並べてあるのですが、捜査収集した証拠に基づいて検討を加えた結果としてずっと並べてあります。その検討を加えた結果、政府税制調査会の委員の任命についても、いろいろ検討を加えた結果の中にこれは入るのですか。
○根來政府委員 当時、リクルート社が懸案として持っておったのが、大まかに言って、そこに書いてある安比の問題とかスーパーコンピューターの問題でございます。税調の問題は、リクルート社の懸案事項というよりもむしろ政府の問題であろうというふうに思うわけでございますが、これも中曽根証人が国会で証言されております。したがいまして、それはやはり抽象的権限の中に入るものだと考えております。
○安藤委員 そうしますと、そういうようなことでいろいろおっしゃったように、請託があったとか対価関係があったとかというような関係については認められなかったというのが結論になっておるわけですが、この対価関係にあったのかどうかという関係からすれば、これはまさに本人から事情を聞かなかったらわからぬ話だと思うのです。だから私は、本人から事情は聞いておられるに違いない。これも普通の常識から判断して言っておるのですが、事情を聞いたかどうかという点については、これは口が裂けても絶対に言わないというようなことなので、これ以上聞きませんけれども、聞かなかったらおかしいですよ、どう考えても。それを聞かないでおいて、どうして対価関係になかったと結論を下せるのか。これはおかしくてしようがないですよ。だから、常識的に判断すれば、これは聞いたに違いない。それも言えない。聞いてないとすれば、そんなずさんなことでこんな最終報告をやられてたまるかということで、先ほども申し上げましたように刑事責任の追及の点についても、国民は非常に不満、いら立ち、批判をしている、そういうことにつながると思うのです。 それは、二月二十七日に中曽根元総理が記者会見をしてあれこれ言われた。また、五月二十五日の証人喚問のときに、三月の二日に江副リクルート前会長が来たときは、二十七日の記者会見のときは、教育の問題なんか全然なかった、土地の問題だった。二十五日の証人喚問のときには、いや文化と教育の問題も入っておったような気もするというふうに、ちょっと軌道修正をしたわけですね。そうすると、やはり教育の問題も入っている。そうして、これは午前中も問題になったのですが、藤波孝生被告に対する起訴状でも、昭和六十年三月上旬ごろ、この日にちが特定してないのはおかしいという指摘が同僚議員からありまして、まさにそのとおりだと私も思ったのですが、その三月上旬ごろ、藤波孝生被告は請託を受けておるわけなんです。 だから、そういうような関連からすると、まさにこれは中曽根元内閣総理大臣から直接事情を聞いておらなければならぬ事案だ、これははっきりしておるのですね。だから、その関係について何も言わないというのは、先ほど法務大臣がおっしゃったように、刑事責任はこれでしまい、これからは国会の方でしっかりやっていただけたら、それに対しては法の許す範囲で協力はするんだとおっしゃった。だから、そういう問題で今ここでそれを行っているわけなんです。それに対して、そういう合理的な理由を述べてお尋ねをしても、そんなことは言えないの一点張りでは、国会がそういう政治的な道義的な責任を追及することをやっても、あるいはやろうとしても、これからもやりますけれども、何かそれに水を差すような否定的な態度をとる。もうこれでしまい、しまいと抑え込もうという態度を法務当局、検察当局がとっておる。検察当局とは言いません、法務当局が、政府の方がとっておるとしか言いようがないんですよね。だから、こういうようなことだと余計国民の批判、いら立ち、反発は強まると思うのですが、こういうような答弁の態度、これは大臣、どう思われますか。
○谷川国務大臣 国会には国政万般について調査をしなければならないという大変大きなお仕事がおありになると思います。したがって、国政調査権というものをお持ちであって、いろいろ調査をなさるということだと思うのです。また、行政府としては、国会から国政調査に基づいて資料提出を求められたときにも、あらゆる努力をしてこれに応じなければならぬと思うのです。 ただ、訴訟に関する書類というものがございまして、起訴をしなかった記録もこの部類に入るわけですが、これはまた裁判が始まって公開されるまでは出してはいけないという、公にすることは許されないという非常に厳しい法律がございます。これはもういろいろな目的ででき上がっている法律でございますが、当然この法律は法務大臣を拘束しますし、法務当局も当然これに拘束されます。したがって、国会の方でいろいろ国政調査権に基づいて調査をされるということに相なりましたときには、その手続を踏んでいただいて、そして御要請が出てまいりましたら、法の許すところでできるだけの御協力をさしていただきたいということをずっと言い続けてまいっておるところでございます。この二つの問題があるんだということをぜひ御了解をいただきたい、こう考えておる次第でございます。
○安藤委員 できるだけ協力をさしていただきたい、国会でしっかりやっていただきたい、おっしゃる割には答弁がおかしいというふうに申し上げざるを得ないわけであります。 それでは続いて、ほかのことに移りたいと思うのです。竹下前内閣総理大臣の、いわゆるこれは竹下さんがみずから説明をなさった、ことしの四月十一日の予算委員会での発言の中に出てくるのですが、昭和六十二年五月三十日の盛岡で開かれたいわゆる岩手長期政策懇話会のパーティーの関係ですね。この関係につきましては、自治省の関係でお答えいただくのですか、三千万円パーティー券が売れて、そのうちの二千万円は預けてあるんだとか預かっておるんだとかということで、だから政治資金報告に別に記載しなくてもいいんだとか、だから現にそれは記載してないんだとかというような議論があったんですが、これはどうなんですか。竹下さんみずからも私の後援団体がやったんだというようなことも言っておられるのですけれども、そうなると、そういう団体が主催をして行ったそのパーティーの収入というのは、きちっと正式の報告書に記載をして報告しなければならないんじゃないですか。
○太田説明員 お答えいたします。 御指摘の岩手長期政策懇話会でございますが、これは自治大臣または岩手県選挙管理委員会に対して政治団体としての届け出はされておりませんので、政治団体以外の団体が主催するパーティーにつきましては政治資金規正法上特段の規定はないということでございます。
○安藤委員 そうしますと、政治資金規正法の関係はないとすると、これは事業をやってそれだけの収入があったわけですから、そういう国税の関係、これはその何とか懇話会というのは恐らく法人の登記はしておられないと思うのですが、いわゆる人格なき社団としてのその収入を捕捉して課税の対象にするというようなことは考えられるのですかられないのですか。
○買手屋説明員 お答えいたします。 いわゆる政治団体の届け出がない任意の団体が行ったパーティー収入の課税関係はいかがかということでございますが、人格なき社団等でございます。そういった任意の団体がパーティーをやった場合には、御案内のように人格のない社団等につきましては、法人税法の施行令において収益事業として特掲された三十三の事業を営む場合に限りまして、その収益事業から生ずる所得について法人税が課税されるというふうになっておるところでございます。したがいまして、お尋ねのようにパーティーを開催してそこから上がってきた収益につきましては、それは収益事業には当たらないということでございますので、法人税の課税関係は生じないというのが一つでございます。 それから、そのパーティーの収益金が政治家個人に配分されたような場合でございますけれども、この場合は、配分されたそのパーティーの収入はその政治家にとりましては雑所得に係る収入金額となりまして、通常政治活動のためにいろいろ使われるわけでございますが、そういった形で使われた後、まだ残っておるものがあればそれは所得税の課税対象になるということでございます。
○安藤委員 今回のこの場合、預かったということで政治資金報告書による報告もしてないし使ってもいないから関係ないんだというような言い分のようですが、これは何ともならぬのですか。二千万円と言われておるんですね。これは何ともならぬのですか。その政治資金規正法で規制する対象にもならぬ。だったら、使われなければ、今おっしゃったように政治家の懐に入ってそれから政治活動に使われる、それから、その経費として使われた残りがあれば所得税の対象ですか、おっしゃったですね、使われないで預かっておるということになったら、何ともならぬのですか。
○買手屋説明員 お答えいたします。 ただいま申し上げましたように、人格なき社団でございます任意の団体がパーティーをやった場合には収益事業に当たりませんので、法人税の課税関係は生じないということでございます。
○戸塚委員長 安藤君、時間が参りました。
○安藤委員 はい。 最後に、だから政治資金報告の対象にもならないということになったら、まるっきりそのままで、二千万円が眠っておるのかどうか知りませんけれども、政治家あるいは政治家の政治資金団体が預かるという格好で保管して、名目は預かっているんだけれども実際はどうなっているのかわからないというようなことは、これは完全に捕捉されないということになってしまうのですよね。だから、そういう点については、政治家あるいは政治家の政治資金団体にそのお金が、たとえ預かるという形にしろ入ったということになれば、その段階できちっと預かり金なら預かり金ということで政治資金報告をさせるというようなことを一遍考えてみるべきじゃないかと思うのですが、自治省、どうですか、一遍そういうことを考えてみる余地はあるのかないのか、それをお尋ねして終わります。
○太田説明員 御指摘の事案は、私ども事情をつまびらかに承知しているわけではございませんが、預かっている方が個人なのかあるいは政治団体なのかということでも変わってくると思いますし、それから、政治団体が預かるという場合につきまして、現行政治資金規正法上特段規定がないものですから、現行法ではどうしようもないということかと存じます。なお、その点につきまして、どういう問題があるのか研究してみたいと思いますが、現行法ではそういう状態でございます。
○安藤委員 終わります。
○戸塚委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十分散会