物価問題等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/15
会議録
○嶋崎委員長 これより会議を開きます。 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事伊吹文明君及び臼井日出男君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○嶋崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 ただいまの理事の辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○嶋崎委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に 青木 正久君 木村 義雄君 穂積 良行君 を指名いたします。 ————◇—————
○嶋崎委員長 この際、越智経済企画庁長官及び平林経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。越智経済企画庁長官。
○越智国務大臣 このたび経済企画庁長官を拝命いたしました越智通雄でございます。 内外ともに大切なこの時期に経済運営のかじ取りを担うこととなり、その重責に身の引き締まる思いがいたしております。 我が国経済は総じて順調な状況にありますが、こうした状況を息長く持続させるとともに、豊かさを実感できる国民生活の向上を目指して、経済運営に誤りなきを期していく決意であります。 特に、物価につきましては、持続的な成長と国民生活の安定向上を図る観点から、今後とも原油価格、為替レートの動向などにも注意を払いながら、物価の安定に最善の努力を尽くすとともに、内外価格差縮小の問題についても積極的に取り組んでまいる所存であります。 さらに、消費生活が複雑かつ多様化している中で、消費者保護施策の推進や消費者教育の充実に努めてまいる所存であります。 中長期的な経済運営としては、内需主導型経済構造の定着を目指し、経済計画「世界とともに生きる日本」に示された基本的方向に沿いつつ、構造調整のための各般の施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 今後とも嶋崎委員長初め委員各位の御支援、御鞭撻を切にお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私のごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
○嶋崎委員長 次に、平林経済企画政務次官。
○平林(鴻)政府委員 平林鴻三でございます。 このたび経済企画政務次官を拝命いたしました。嶋崎委員長初め委員各位の御指導を仰ぎながら、越智大臣を助けまして職務に万全を期してまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ————◇—————
○嶋崎委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村義雄君。
○木村(義)委員 おはようございます。 ただいまは越智長官から大変すばらしいごあいさつをいただいたわけでございます。そこに福田先生の絵がありますけれども、長官は大蔵省出身で調査課長までされたということで、この道のスペシャリストでございまして、大変張り切っておられるところではないかと思うわけでございますが、何といっても物価の問題は国民の皆さんひとしく一番の関心事でございますので、大いにその実力を発揮して御活躍をいただきたい、かように思うわけでございます。 ところで、その国民の皆さんが今大変に懸念を持っておりますのは、四月一日に消費税が導入されまして、その税額を払うと同時に、この導入による物価に与える影響、これがきっかけとなってインフレ等へ進んでいくのではないかという懸念をたくさんの方がお持ちでございます。中には例えば県庁とか、ここに平林政務次官がおられるのですけれども、地方公共団体によりましては転嫁したところもあればしないところもある。よくよく考えるとこれもおかしな話でありまして、このアンバランスも一体どうなっているのだろうかと思うわけでございますけれども、この消費税の問題、そのインフレに与える影響、ないのかあるのか。それから、三%値上がりと同時に物品税を引き下げました。今度は引き下げが下の方まで十分に浸透していっているのだろうか、この辺の長官の御見解等をお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、小野委員長代理着席〕
○越智国務大臣 木村委員から早速に、今一番心配されております消費税と物価の問題についての御質問がございました。 委員よく御存じのように、ここ二年ほど日本の物価は大変に落ちついておりまして、世界各国に比べましても、また日本の戦後経済の中におきましても最も安定していた時代ではないかと思います。昨年の九月までは前年同期比〇・何%というぐらいの上昇でございました。これは全国ベースでございますが、ことしの三月までの六カ月間が、ちょうど一・〇ないし一・二ぐらいの前年同期比の上昇で推移してまいりました。ことしの四月、消費税導入に伴いましてこれが二・四になりました。 その数字で見る限りでは、かねて政府が平成元年度の経済運営に対し、消費者物価上昇二%、うち一・二が消費税にかかわる分であろうと予測したものと大差はございませんで、物価には平静に反映されてきたのではないかと見ておりますが、委員御指摘のように、四月に直ちにすべての方が消費税の転嫁をされたかどうか。されずじまいにずっといらっしゃる方もいるでしょうし、月おくれぐらいでされてくる方もいるでしょうし、そこらは五月の物価の水準を特に注意して見なければいけない、こう思っております。 目下のところ、私どもの見ている数字では、東京都区部三・三%という数字がございますが、御高承のとおり、東京の数字はいつも全国より概して高く水準が出ますし、また変動するときも割と幅が大き目に出ますものですから、これをもって直ちに全国の分を類推するわけにいきませんが、私の全く個人的な勘としましては、四月の二・四よりは幾らか高目、しかし東京の三・三まではいかないというところではあるまいかと思っております。あと半月足らず、今月下旬には全国ベースの数字が出ると思いますが、そこらもよくにらみまして消費税導入後の物価の動向を見きわめ、また必要な対策を機動的に考えていきたい。 なお、そうした中で御指摘の物品税の大幅な減税というよりは、やめて消費税に取り込んだわけでございますので、物によりまして税率が大変大きく変動いたしております。それらが適正に物価に反映したかにつきましては、個々の物品について調査いたしましたところ、経企庁としましては適正に反映されているものと認識いたしております。 個々の数字につきましては、御必要であれば事務当局からお答えさせていただきたいと思っております。
○木村(義)委員 確かに四月から始まったばかりでございますので、もう少し長い目で見なければわからないわけですけれども、やはり便乗値上げの問題等もおさまるような気配も見せておりますし、もう少し長い目で見ていこうと私も思っておるわけでございます。長官におかれましても監視を怠ることがないように、今後も十分にこの方面においては、やはり国民の最大の関心事でございますし、新税の導入というのはひいては政局を左右する大変な問題でございますので、ひとつその点くれぐれも御活躍を御期待申し上げる次第でございます。 それでは次に、今何といっても経済の一番の問題点は円安でございます。六十年九月のプラザ合意以来、ドルと円の関係は一貫して円高基調が続いてきたわけでございますけれども、昨今急激に円安ということに相なったわけでございます。この原因はいろいろと考えられるわけでございます。中国の情勢なんかも言われておるわけでございますけれども、国内的な要因として、リクルート問題等が政局に与えた影響ということもなきにしもあらずでございまして、特にこの一、二カ月は恐らく多大な影響を与えたのではないか。これは野党の皆さんにも、与党の足を引っ張るのは結構でございますけれども、ひとつ経済の運営という点から見て、国家的な見地に立って、そういう経済運営に支障を来さないような範囲にとどめていただきたいと思うわけでございまして、余り長くし過ぎたばかりに影響が出たのではないかなという気がいたします。この辺は長官としても答えにくいでしょうけれども、円安をどのように見ておられるのか。これはやはり日本経済の今後を左右する大変な問題であろうとも思います。 そういう中で、今度はもう一つ原油高というような話も出ております。円安と原油高というとダブルパンチになるわけでございます。OPECの増産の話も出ておりますので、そんなに懸念を持つ必要はないのではないかなという気もいたすわけでございます。中国の情勢を見ましても、中国からの輸入がどの程度日本国内に影響力を持っておるのか、私も細かい数字は知りませんけれども、そういう面での不安もある。また、春闘の賃上げ、しかも需給が非常に逼迫をいたしておるわけでございますので、こういう観点から今後の物価というのをどのように見ておられるのか、長官の御見解をちょっとお聞きしたいと思います。
○越智国務大臣 木村委員から三つないし四つのポイントについての御質問がございました。 まず第一に、為替の動向についてどういうふうに見ているかという御質問でございました。委員御高承のとおり、六十年九月のプラザ合意のときは一ドルが二百四十二円でございました。三年三カ月たちました昨年の暮れに約半分、百二十円を割れるかというところまでいきまして、しかし結果的にはそれがターニングポイントになりまして、そこから当時は円安というよりは一種のドル高基調になりました。と申しますのは、対円のみならず対マルクに関してもドルが強くなりまして、四月に百三十円台まで十円ちょっと強くなっております。 これは一つには、アメリカの経済がブッシュ政権のもとでも結構しっかりやれるのではないかというアメリカ経済に対する信頼の回復と、デタント、緊張緩和が定着いたしまして、そうしたことがこれからのアメリカ経済にとっては防衛負担の軽減という格好でいい方に向くだろうということから、むしろドルの訂正高というような感じで来たのではないかと思います。四月二日でございましたが、初旬に行われましたいわゆるG7におきましては、かなりドルが戻ってきたので、ここらがいいところではないか、したがって、これ以上高くても安くても、ドルの値打ちの急激な変化は世界経済にとって好ましくないというのが、当時のG7の各国蔵相の共通した認識だったように伺っております。 その後におきまして、けさの寄りつきが百五十円になってしまったわけでございますが、今日、四月当時から見ますと十数円かち二十円近く上がりましたのは、一つの円安という傾向もございまして、日本の政治経済に対する先行き不透明感もあったかもしれません。また、近くは天安門事件というものによりまして、緊急な事態になってくると、世界通貨としてはドルが一番安心だということでドル買いが起こった。それから、ヨーロッパあたりから見ていますと、北京と東京は大変近く感じられるようでございまして、やはり円に対する不安感が増す。さらには、日中の経済関係がかなりダメージを受けるのではないかという意味で円売りの原因にもなりまして、そこにかなり投機筋が拍車をかけて今日の事態ができたのではないか、こう思っております。 〔小野委員長代理退席、委員長着席〕 けさ方テレビ等に報道されました国際金融情報センターの行いました調査によりましても、ディーリングルームの各銀行ディーラー四十四名からの報告では、一月先の一番の円安値が百五十六円か七円というような数字が出ておりましたが、私どもは一日も早くこれを安定したところに戻したい。今日の状態が為替としては好ましくない状態だということは日本銀行の澄田総裁も昨日言明されておりまして、各国の協調のもとにもうちょっと安定したところ、要するに円高の方へ引っ張っていかなければいけないんじゃないかな、こう思っておるところでございますが、直接の御担当は日本銀行であり、大蔵省だものですから、私どもそうした方向に理解を示しながら、できるだけの協力をしていきたいと思っております。 油に関しましては、六月に行われましたOPECの総会で、千九百五十万バレル・パー・デーの生産量という協定と、バレル十八ドルの価格維持ということが割ともめずに決定されましたが、そのバレル十八ドルが本当に守れるかどうかは、またしかとした説がございません。ただ、石油だけは御高承のとおり一本調子に動いておりません。年によりバレル十二ドルまでいったこともありますし、途中でバレル十八ドルまで戻ったこともございまして、いろいろな要因で上下いたしております。私どもといたしましてはできるだけ安定した数字、予算をつくりましたころはたしかバレル十五ドルぐらいを頭に置いていたかと思いますけれども、余り高値に移行しない方が望ましい格好だと思っております。OPEC国の動向ももちろん問題でありますが、御存じのとおり、OPEC生産量が全世界の生産量に占めるシェアが落ちてきておるものですから、非OPEC国の動きもかなり影響を与えますので慎重に見守っていきたい、こう思っておるところでございます。 なお、賃金の問題につきましては、ことしの春闘も五・一一%ぐらいのアップ率かと理解いたしております。従来、従来というのはここ二、三年でございますが、大体四%前後の数字で来たように思っておりますが、そうした賃上げ自身が直ちに物価に大きな影響を与えるというふうには認識いたしておりませんので、こうした賃上げによってむしろ国民生活がより安定し豊かになる、そういう意味で、これを物価対策としてはスムーズに受けとめていくというか受け入れていくということで持っていきたい。 物価そのものに対してどう考えているかというお話でございましたが、現在の状態では物価はまだ安定基調の中にある、このように認識いたしておりまして、今日の動向をもって直ちに警戒信号を発せねばならないというところまでは来てない。ただ、十分注意して見ていかなければいかぬ。殊に四月、五月、六月、この三カ月の動向をしっかり見詰めまして、先ほどの御質問にございました消費税の受けとめ方、為替あるいは石油、そうしたものの動向を見定めて、その上で物価対策についてのまた一段の判断を下していかなければなるまいか、このように思っておるところでございます。
○木村(義)委員 非常に急激な円安なのです。今、長官は十分に認識しておられるので、私も安心したわけでございます。しかしながら、百二十円からせいぜい百三十円ぐらいの基調が一気に百五十円ということは、日本経済は悪い方への影響がすぐ出てきて、アメリカがくしゃみをしたら日本が風邪を引くとか、肺炎になるとかという感じでございまして、その言葉が当てはまるかどうかはともかくとして、円安というのはすぐ経済に影響が出てくると思うわけでございますが、長官としては百二十円水準が今百五十円になったということで、具体的にどの程度例えばCPIか何かにこの振れが出てくるのか。また、安定したところへ戻したいというお話でございましたので、どの程度の水準をいわゆる安定的なところというふうにお考えなのか。これはもう私見で結構でございますので、ちょっと長官のエコノミストとしての御見解を承りたいな、かように思うわけでございます。
○越智国務大臣 立場上なかなかお答えしにくいお話でございますが、その前に一つだけつけ加えさせていただきます。 為替の変動が物価に影響するまでには多少のタイムラグがございます。製品輸入などは割と早く影響しましょうし、卸にもその次ぐらいのスピードかと思っておりますが、CPIまで来るにはある程度のタイムラグがございます。それからまた、一時的な為替のアップダウンはそれほど影響力が大きくはございませんが、水準がちょっとでも持続的に上がってまいりますと物価には効いてくるものですから、そこら辺も非常に注意していかなければならないと思っております。 なお、先ほど申しました四月のG7のときのことでは、別に数字は書いてなかったと思いますが、あのころの水準を頭に置いて、余りドル高になってもドル安になっても困るよというのが当時の七カ国の蔵相の合意だったと思っております。あの当時は大体百三十円台で動いていたと思いますし、また日銀その他の協調出動も百四十円を超えたところから始まっていると思いますので、大体そこら辺が私個人というよりは世界的な一つの認識になっているのではあるまいかと推測しているところでございます。
○木村(義)委員 今までは物価の中でもどちらかというと限界的な中身についての質問をしていたわけでございますけれども、今度はちょっと構造的な面でお話をお伺いしたいわけでございます。 最初の長官のお話の中にありましたように、相当長い期間物価水準が安定をしていたわけでございます。ところが、国民の一般の方々の生活水準というふうな、いわゆる感覚的なものでございますけれども、物価は安定し、景気はよくなっているのだけれども、どうしても豊かさが感じられない、何か生活がきゅうきゅうし、また将来も不安だというような感覚がどうしても日本の中から抜け切らなかったのじゃないか、かように思うわけでございます。これはやはりどうしても限界的な問題じゃなくて、物価の構造的な問題ではないかな、こういう感覚がするわけでございます。特に日本は食料品と住宅、土地も含めて住宅が高い。いわゆる衣食住のうちの特に食庄が諸外国と比べて非常に高いというふうに言われているわけでございまして、この構造的な問題に関しましてひとつ長官の御見解等をお伺いし、これは何か根本的な治療法があるのか、この辺もお伺いをいたしたいわけでございます。
○越智国務大臣 委員の御指摘のとおりでございまして、国民の生活の中で日本が一番飛び抜けて高いのは住居関係でございまして、その次に、日本国内の地域によって違いがあるかと思いますが、食料が国際比較で割と高く出ます。背広のお値段などは、本当に衣の方は、よその国とは全くというかほとんど差のないレベルでございます。 まず、住でございますが、これは基本的には土地の値段でございますし、また同時にそれが集約的に東京周辺にあらわれているわけでありまして、先ほど東京都区部の数字はレベルが高いと申しました、また変動幅が大きいと申し上げましたのは、この中に家賃等が入っておりますものですからどうしても高く出てくるわけでございまして、この住の問題は基本的には土地対策だと思います。土地基本法の制定の努力も今一生懸命いたしておりますが、関係各省、政府を挙げて東京周辺における地価の安定に努めたい。そのためにできる各種の施策につきましては、例えば行政官庁を外へ出すとか、国有地をもっと開放するとか、建築の仕方をもっと規制を緩和するとか、土地の税制を変えるとか、そうした問題については一連の土地施策の中で一生懸命努力をさせていただきたい、このように思っております。 また、食に関しましては、正直な話、国際比較をした場合に、殊に都会においてやや高目に出ておりますものですから、今のところ輸入食料品なども大変ふえておるようでございますが、これはやはり日本国内における供給のあり方そのものについても今後とも、なかなか難しい問題ではございますが、慎重に、しかし入念に検討いたしまして食生活の安定、この問題についても努力をさせていただきたい、このように思っているところでございます。
○木村(義)委員 時間ももうそろそろなくなってきたものですから、ひとつまとめに入っていきたいのですけれども、これからの問題というのは円安が一つには大きな問題でございます。この円安によってすぐに価格が上昇するとか、あるいは公共料金がまたぞろ値上げたとか、よくこう言われるのは、円高差益の還元の問題があるわけでございます。累積的に見ると八割から九割近くまで円高差益を還元したというようなことでございますけれども、あれはよくよく数字を見てみますと、六十年の九月から始まって、実際にまあ取り組んだなと思えるのは一年ぐらい経過してからなわけですね。六十年からですから、約四年ぐらいかかってやっと八割そこそこの段階まで至ったということは、まあ随分のんびりしていたなという感じもしますし、また輸入品の中には、あれだけドルが安くなったにもかかわりませず、値下げが十分に行われないうちにまた円安というような事態にもなっております。そういう点を今後どのようにしていくのか。 それから、さっき長官がお話しいただいたわけでございますけれども、ここに「世界とともに生きる日本−経済運営五カ年計画−」というのがあります。この数字を見ておりますと、実質経済成長率三・七五%程度というのが大体理想ということですけれども、消費者物価が一・五%、卸売物価〇%ということでございます。これは今の基調から見ると、せっかく経済運営五カ年計画をつくっていただいたのですが、何か消費税のことを考えても、この目標はなかなか難しいような気もいたします。まだ六十三年の五月から始まったばかりと言えばそれまでなんですけれども、これは消費税を織り込んでいるのかなとか、また変更しないでこのままやっていけるのかなとちょっと心配のような気もいたしますので、そういう点も含めまして物価担当大臣としての越智経済企画庁長官の今後の決意のほどをひとつお伺いしたい、かように思うわけでございます。
○越智国務大臣 まず第一に、昨年までの円高の中でその差益が十分還元されているか、こういう御趣旨かと思いますが、確かにそういうお声もございます。私も長官に就任しましてから事務当局にもよくその説明を求めたのでございますが、経企庁の計算としましては八、九割方還元はできているという調べでございまして、なお一層この円高メリットがより多く国民に還元されるよう努力を続けさせていきたい。ただ、関係各省の窓口もございますものですから、かなり手間のかかる仕事だと思いますが、努力は続けたいと思っております。 なお、円安が直ちに公共料金に響くか、こういう御趣旨が次にございましたが、経企庁として約五十種類ぐらい協議を受ける公共料金もございますけれども、それぞれの公共料金のときにはその事業主体の生産性と申しますか、効率などもよく検討しまして、まことにやむを得ざるものだけにとどめたい。目下のところ、直ちに為替とか石油のために公共料金の改定を行わねばならないというような話は聞いておりませんし、またそういう格好にさせたくないと思っておりますので、物価の安定に努めていきたいと思っております。 なお、五カ年経済計画につきまして、卸売物価が上昇率ゼロで、小売物価が一%ちょっとというので大丈夫かという第三の御質問と申しますが御指摘でございまして、そう言われますと、その経済計画をつくりましたころのような非常に安定した物価水準が続けられるかどうか不安がないわけではございませんけれども、経済計画は、御高承のとおり一九八八年から九二年までの五カ年ということになっておりまして、策定してやっと一年たったという状態でございますし、また、その数字はあくまでも五年間の平均という格好になっておりますものですから、今の状態で直ちにこれの訂正作業に入るという考え方は持っておりません。 しかし、最後の御質問というが御指摘がございましたように、経済政策の中で物価は最も大事だぞという点につきましては、私も心に銘じておりまして、成長と物価、成長と国際収支、さらには経済と財政のバランス、そうしたものを全部視野に入れながら、しかし、物価は体で言えば血圧みたいなものでございますので、これが上がり出すと諸病併発する危険が多いものですから、最も注意をしながらその運営に当たっていきたい、こう思っているところでございます。よろしく御指導いただきたいと思います。
○木村(義)委員 通産省なんかにも今度は個別のことでいろいろ聞きたかったのですけれども、時間がないので……。 長官の決意のほど大変よくわかりました。これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○嶋崎委員長 次に、伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 伊藤でございます。私は本委員会に所属しますのが初めてでございまして、至らぬ点が多々あると思いますが、委員長にはひとつ御指導をいただきたいと思います。 また、越智長官におかれましては、このたびの大臣御就任おめでとうございます。国民生活の安定と発展、さらに国家の繁栄に向けまして一層の御活躍をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 私は一時間、時間をいただいたわけでございますが、本来ならば物価対策特別委員会という性格でございますから、物価なり経済問題を中心に質問をさせていただくべきところなんでございますが、実はさまざま生活に関する問題もございますので、大臣にはまず最初に公定歩合の再引き上げの問題について質問をさせていただきたい、かように思います。 御案内のとおり、これは日銀でございますが、我が国の公定歩合は五月三十一日から〇・七五%引き上げられまして、現在三・二五%、こういうことになっております。これは一九八〇年の三月以来実に九年ぶりの引き上げということになるわけでして、我が国の経済は内需拡大景気ということで非常に繁栄をしているわけです。したがって、経済活動も非常に積極的でございます。そういう状況の中に円安傾向、さらに消費税の導入が重なりまして、物価への警戒感が非常に高まっているというのは御承知のとおりでございます。このまま放置しておけばインフレということが懸念をされる。それの予防措置として公定歩合の引き上げに踏み切られたものだ、このように判断されるところでございます。 しかし、その後の動向を見ておりますと、公定歩合は引き上げましたけれども、その効果があらわれているのかどうかということになりますと、今日の動きを見ておりますと非常に疑問でございます。特にこの為替相場の問題については、私はそのように思うわけでございます。ということになれば、近いうちに再度公定歩合を引き上げて対処しなければいけない、こういう判断をしなければいけないというところに迫られるのじゃないか、私はそういうふうに思うのですが、その点について大臣御自身の見解をいただきたい、かように思います。
○越智国務大臣 伊藤委員から早速に公定歩合についてのお問い合わせがございました。 公定歩合は、本来日銀のいわば専管事項でございますが、私なりに感じておりますところを申し上げますと、まず第一に、日本の公定歩合は引き上げ前二・五%でございまして、これが約二年三カ月ぐらい続いていたと思いますが、世界的に見ても、また日本の公定歩合の歴史からいっても、著しく低い段階でございまして、二・五%が二年何カ月か続いたということはまずなかったんじゃないか。ちなみに、今日におきましては、イギリスは公定歩合で一四%でございます。アメリカが七%でございまして、国際的に見ても異常に低い。これをいつの日にか訂正しなければいけない、このように、私の類推でございますが、日銀は思っていたのではないか。だからこそ、この二年間の間に何遍か公定歩合をいじるのではないかという情報が流れたわけでございます。 殊に昭和六十二年、三年と二年続けて経済はかなり好調でございまして、六十二年が五・二%の成長で、六十三年が四・九%の成長でございましたので、本来でございますと、そういう成長が続きましたときには金利が上がってくる可能性がございまして、現実に公定歩合が動かされないにもかかわらず、民間市中金利は上がっておりました。公定歩合と市中金利の間がかなり開いたのも事実でございまして、なぜそれができなかったか。これまた私の勝手な類推でございますが、やはり円高基調が続いている中で、日銀としては踏み切れなかった理由があったのではあるまいかと思っておりますが、この五月には経済の実体もまだまだ成長しておりますし、またインフレの多少の懸念もございますし、そして対外的には為替がこういう状況になりましたので日銀としては踏み切った、こう思うわけでございまして、日銀総裁も当時から予防的ということを言っております。 委員御指摘の今後の見通しにつきましては、これはまさに日銀の方の御判断でございまして、私から申し上げるわけにはいかないと思います。ただ、一般的に申しますと、公定歩合は、もちろん為替はにらまなければいけませんけれども、基本的には日本の経済そのものの成長というものが判断のまず第一義的な基準かと思います。今申し上げました五・二、四・九と来た成長が、何とか四%いきたいというときに、公定歩合を今引き上げることが日本経済の今後の成長にどういう影響になるかという点も非常に大きな判断要素かと思われますので、私どもとしては今のところ公定歩合をどうこうされるというお話は全く聞いておりませんで、昨日の日銀総裁の記者会見でございましょうか、きっぱりと否定されているというふうに伺っているところでございます。
○伊藤(忠)委員 最終的には日銀あるいは内閣全体の判断なんでございましょうが、今も大臣から御答弁いただきましたとおり、我が国の経済の現状と申しますのは、ある意味では理想的に来ているわけであろうと思います。もちろん西ドイツの動きだとか日米の経済摩擦の問題だとか、先進国全体の世界経済をリードする立場に立っての政策というのが必要だと思います。ですから、そういう意味で、我が国だけがというスタンスだけでは乗り切れない問題でもあろうかと思いますが、やはりベースはそこに置いて、世界の経済を調和をさせながら、我が国がそういう面ではリードをしていくような姿勢といいますか対応というのが望まれるところではないのか、かように思うわけでございます。 しかし、七月にはサミットがございまして、サミットへ行ったら、何か諸外国とのそれこそ意見交換なり議論を踏まえて、急激に態度が変わるなんてことはまずなかろうとは思うのでございますが、今日の我が国の政府の置かれております立場も非常に微妙な政治的条件もございまして、その点はひとつ言うべきことはしっかり言いながら、とりわけ日米経済摩擦では日本につけ込んだような格好で迫られているという問題も種々ございますので、その辺はモンロー主義に陥った相手国の対応というのは許してはいけませんし、きちっと主体性を踏まえて今後の経済政策あるいは経済の運営に当たっていただきたい、このように私は要望を申し上げたいと思うわけでございます。 次の問題に移らせていただきます。厚生省、お見えいただいていると思うのですが、実は産業廃棄物の処理問題と水道水源の保全問題について残りの時間を質問をさせていただきたい、かように考えております。 水道水源の保全に関する諸法令の仕組みなどを私もそれなりに勉強させていただきましたけれども、我が国は公害対策基本法というのがありまして、それに関連する個別立法がなされているわけでございます。特徴的なものを拾いますと、水道水源の保全を図るために発生源対策、こういう対策法とでも言うべき関係法律というのが幾つかございまして、時間の関係で詳しくは申し上げるわけにいきませんが、水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、下水道法、河川法、鉱山保安法、さらに水道事業の事業立法とも言うべう水道法というような格好で法的には関連をしていくのではないか、かように考えているわけでございます。 実は、水道水源の保全問題については、とりわけ最近では経済活動が非常に活発になっておりまして、産業廃棄物の処理問題をめぐって各地域で住民との合意形成ができずに、トラブルが起こるというようなケーヌが非常にふえている昨今でございます。私が住んでおります地元もそうなのでございますが、水道水源の上流、取水口の極めて近いところに産廃業者が進出計画を明らかにいたしまして、これが発端になって当該の市と上流に位置します村、こういう行政当局と住民が業者の進出に対して大変反対の態度を強めているという昨今でございます。簡単に申し上げますけれども、非常に大きな業者でございまして、敷地面積が何と、山林を買収をして切り開くわけですが、七万六千平方メートルという規模でございます。廃棄物の総量トンが五十一万トンでございまして、一時間の処理能力が二・五トン、大体そういう規模で最終処理場を運営をしていこうということでございます。 御案内のとおり、廃棄物の内容といいますのは、汚泥から始まりまして燃えがらがあったり鉱滓があったり、廃プラスチック類が扱われたり、建材の廃材、ゴムくず、金属くず、こういうものになるわけでございます。処理をしますと、当然汚水が放流水として近くにあります水道の水源、河川に向けて流される、こういうことになりますので、その水で生活をします当該市町村の住民にしてみれば、命にかかわる問題だというので非常に危険視をし、心配をし、反対運動が起こるのはある意味では当然かと私は思うわけでございます。 そこで厚生省にお伺いをいたしますが、産業廃棄物の処理を行う業者がこのような形で進出をしてまいりまして、どういう問題が起こるかということです。起こっているかということにもなりますが、まず第一点は、土地買収は全く秘密裏に行われまして、そういう特定の業者に広大な土地、山林が買い占められていたということは事前に全然わからない。土地買収が行われてから地元の市に対して事業計画の説明が行われる。何が何でももうここで処理場をやっていくという確固たる事業計画がそこに座るわけでありますから、事業者の決意も大変かたい、こういうことになるわけであります。その計画が市議会で明らかになって議会で質問が行われる。それで初めて市民にわかって、大変だ大変だという反対運動が広がる、そういう経過を持っておりました。五十八年十月に県会で反対の請願書が採択をされて、県下的にもこれは大変大きな問題だということになったわけでございます。 こういう秘密裏に土地が買収をされて、その上で事業計画がつくられてから当該の行政が初めてわかるという一連の経過を見てみますときに、こういう廃棄物の最終処理業者がどこに進出するに当たっても、当該の行政あるいは当該の住民との合意がやはり一番大切なのではないか、それが事業進出に当たっての常識ではないか、私はこう思うわけでございます。それがなければ、とてもじゃないけれどもこういう事業というのは、日本じゅうどこへ行ってもなかなか円満な格好で進出は不可能であろう、私はこう思っております。別にこれは廃棄物処理業者だけに特定して言える問題ではございませんで、どんな企業でもまさにそうでございます。当該の自治体とか住民の皆さんの理解がなければ、企業というのはなかなか進出できないものであります。まして最近あちらこちらに不法投棄が問題になるという世の中ですから、余計そのことは関心が強いわけであります。 ところが、廃棄物処理に関する法律、産廃処理法と私は略して申し上げるわけですが、目的や基準や手続などは明記をされておりますが、前提条件となるべき土地取得の段階におきます当該行政の対応やそれのチェックの方法、さらに住民合意が前提とならなければ企業進出はかなわないわけでありまして、問題解決にはならぬわけであります。こういうような諸点について現行法は不備である、私はこう考えておるわけですが、厚生省の見解を伺ってみたい、かように思います。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 廃棄物処理法につきましては先生御案内のとおりでございまして、廃棄物が出てくるのは、生活あるいは産業活動を営んでいく上でいわば必然でございまして、それを適正に処理をするということが極めて大事なことでございます。そういう意味で廃棄物処理法は、廃棄物を適正に処理し、そして生活環境を清潔にすることによりまして、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図るということを目的にしております。 先生今お話にございましたように、この法律とは別にといいましょうか、前提として地域の住民の皆さんの理解を得る、あるいは各都道府県知事との事前の協議をしていくというようなことは、これは地域地域それぞれにおいて行われているところでございますが、法律におきまして制度としてそういうものを仕組むというようなことは、実は他の公害法等との関係もございまして、廃棄物処理法においてはそのような定めはないわけでございます。 ただ廃棄物処理法は、今御案内申し上げましたように、生活環境の保全あるいは公衆衛生の向上を図るという観点から所定の手続を定めているところでございます。それは都道府県知事が廃棄物処理法の規定に基づきまして届け出を受理し、その際に廃棄物処理法で定めております技術上の基準、あるいはその施設ができました後に管理をするとか管理のための基準とか、そういうものを守らせるというようなことを通じて、生活環境への保全上支障が生じないような法律の手続を定めておりまして、現在までのところ、私どもといたしましては、生活環境の保全あるいは衛生を守るという意味におきましてこのような手続で適切に行われている、このように考えているところでございます。
○伊藤(忠)委員 御答弁ありましたことを申し上げれば、こういうことですね。そういうことはこの法律では実は決められていないので、具体的な手続というのは当該自治体、とりわけ県がやるということになっているわけです。だから、手続を何ぼ決めましても、手続がクリアできればそういう企業というのはどこにでも進出できるわけです。 問題は、そのことによってどういう弊害とか悪影響をもたらすか。因果関係というのがある程度推定できても、手続的に合法であればそういう業者はどこにでも入れる。住民や当該公共団体との間の合意の形成という問題とはこれまた別だと私は思っております。そこのところが法的には合法なのだからやれるのだという格好で、言うならば進出がどんどんとやられてくるということになると、結局住民との間には合意形成が存在をしていないわけですから、その後事業所の作業が開始をされる段階でさまざまの問題が起こってくるということで果たしていいのかどうか、国としてはそこにきちっと思いをいたした法律の整備というのをされるべきではないのか。現にその点は不足をしているわけです。法的には非常に不備でありますから、基本法でやるということはともかくとして、個別法でその点はきちっと押さえていくべきではないのか、このように考えております。時間の関係がありまして、何ぼ議論をやってもすれ違いになってはいけませんから、私たちとしてはそのことを引き続き要求したい、主張したいということを念のために申し添えたいと思っております。 次の問題ですけれども、処理場から汚水が放流水として流されます。それが取水口の上流であります水道水源の河川に排水されるわけですね。これも法的には合法なわけです。問題なのは、この放流水の水質基準であります。水源河川の現況の水質の値、これは現に流れておる水の水質です。これを上回るということになれば、つまり、法的にはクリアをしていましても、現在の水源水質よりももっと悪い水にこれは汚染されるということになるわけですね。御理解いただけると思います。言うならば、処理場が作業を開始いたしますと、そういう状態が三百六十五日続いていくわけですから、今の水がだんだん悪くなっていくということになります。これは大変問題だと私は思っているわけです。 とりわけ住民の心情を申し上げますと、私は今、三重県の県庁所在地の津に住んでおるわけですが、この津の水源ということになるわけです。この水は名水百選に選ばれておりまして、非常に私たちの水はきれいなんだというので、それを市民も誇りにしているわけですね。現在の水源の水質というのは非常にすぐれた内容なんです。それだけに非常に汚されるんじゃないかという気持ちが強い。 このことを前提にしまして次の質問をしたいと思うのですが、水質保障の処理方法が担保されるのは当然だ、このようにまず考えます。この点について厚生省としてはどのようにお考えなのかというのがまず第一点。二点目は、遮水シートが古し破損するなどの事故が起きますと、それは地下水を汚染することになります。水源の上流に位置しているだけに影響は極めて重大であります。したがって、産業廃棄物処理法に水道水源付近にこういう業者の設置は認めないというような除外をする地域を法的にきちっと明定すべきではないか、このように考えますが、以上二点の質問についてお答えをいただきたいと思います。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 まず、産業廃棄物処理施設を設置する前段階といたしまして、通常その周辺への環境影響、例えば水質への影響あるいは大気への影響、そういったことをその前提として随分調べ上げまして、その上でそれぞれの、例えば利水に対する影響がありゃなしやということをチェックした上でその施設がつくられているわけでございます。 さらに、法的には、その施設が設置される際に、廃棄物処理法で、周辺の環境に問題を起こさないよういろいろな規制基準が定められております。例えば、飛散をしたりしてはならない、あろいは周辺の水域への汚濁が利水上著しい被害を与えるようなことがあってはならないとか、そういったいろいろな基準が実はございます。それらの基準に従ってその施設がつくられるかどうか、かなり慎重なチェックをした上で認めているわけでございますし、さらには、それらの施設ができ生じた後、先生御指摘のとおりその施設が稼働していくわけでございますが、その際にも施設の維持管理基準というのがございます。これにつきましても、今私申し上げましたようないろいろな水質への影響が生じないような基準がございます。こういう基準を守らせるということで、制度的にはそれが担保されているわけでございます。そういう面で、その後の生活環境への問題あるいは利水への問題が生じないよう、制度的には担保しているどころでございます。 遮水シートの問題につきましても、地下水の汚染があってはならないわけでございますので、それらのシートが施工される段階、設置の段階でかなり厳密なチェックがなされております。そういうことをチェックした上で施設の設置が認められ、施設が稼働していく、このような状況でございます。したがいまして、現在の制度の問題におきまして適切にこれらがクリアされるならば、特段問題があるというふうなことは現在のところ聞いてはおらないわけでございますので、これらの基準を徹底させる、遵守させるということで今後も指導を強めていかなければならないと考えているわけでございます。 第二点目の、水道水源の地域にそういうような廃棄物の処分場をつくるのを制限したらいかがなものかという御指摘でございますが、実は廃棄物処理法の基本の考え方は、先ほど申し上げましたように、生活活動あるいは産業活動から必然的に出てくるものでございまして、それらをいわば環境に問題を生じさせないように、適切な処理施設で適切に処理をさせていくというのが基本でございます。したがいまして、どの地域におきましてもそのような問題が生じないような基準をつくり、規制をしていくということで現在の制度が仕組まれておりますので、現在の制度を徹底させることによりましてより問題が生じないように、私どもも運用には十分な注意を払ってまいりたい、このように思っております。
○伊藤(忠)委員 どうしても議論がすれ違いなんです。私が質問していることと全然次元の違うことを答えてもらうものですから、かみ合わないわけですが、一点目、私が言っているのは、法的に決められております水質基準は、これは私も皆知っておるわけです。それは公害対策基本法で決められているわけですよ、環境庁の勧告で。そうですね。それは、この処理に関する法律もそうだし、それから水質汚濁防止法の場合も、みんな基準としては適用されているわけですよ。それは標準なんでしょう。全国統一の基準なんですよ。その水質をこの程度までは保障したいという基準を国が全国で統一基準で決めているわけです。それ以上にきれいな水を確保するということは、これは悪いことですか、いいことですか。いいに決まっておるでしょう。あなたのところが決めている、国が決めている統一基準よりも現に流れている水は、水源の水質はもっといいわけですよ。だからあなたのところの基準を満たせば、満たすためにはもちろん処理方法から何かみんなチェックが要りますが、そういうものを万全に満たして、あなたのところの統一基準を、そういう水質を守ればいいと言われても、それよりも現に流れている水の方がきれいなわけですから、汚すことになるでしょう。 あなたのところの基準というのは最低の基準でありまして、労働基準法と一緒です。これよりも悪い水は絶対流してはいけませんとなっておるわけですから。それよりも現にきれいな水が流れているのを、おたくの水質の水を流せばきれいな水が汚れるわけですから、これをもっとシビアな基準に、言うならば県の指導なりあるいは市の対応の中でその業者に、現に流れている水源の水質ときちっと合わせるようなものを保障しなさいということは言えるじゃないですか。これはあって当然じゃないですか。そのことを僕は言っているんです。その考え方を否定されたらきれいな水を汚していくことになりますが、もしそれが正しいと言われるんだったら答弁してください。記録に残ります。 だから、私が言っているのは無理言ってないんです。地元の水源の水質は、おたくが担保している統一水質基準よりもきれいな水が流れているんですから、それに合わせるように処理業者はきちっとその水質を保障しなさい。だから、排水の基準は厳しくなりますが、処理業者はそのように処理施設もつくって、またそれが担保できるように日常の管理、点検もきちっとやるということは当然じゃないですか。そのことを聞いておるわけです。 その次に私が言っておるのは、もちろん産業廃棄物ですから、これは自分たちが生み出した廃棄物であるかもわかりませんね。だから、それを処理するところを認めない、そういうことを言ってないのです。水源の上流の一番水を汚染しやすいそういうところには設置を遠慮していただこう、そこはやはり除外地域をつくりましょうということぐらいあっていいじゃないですか。僕はそれ以外のところを言っているわけじゃないのです。飲み水にこれが影響しますと、一般的な環境保全の問題じゃないのです、人の命にかかわりますから、特例的にでもそういう地域では産業廃棄物の処理業者は業を営むことができませんよという除外地域を決めたっていいじゃないか、こういうことを言っているわけですから、そこに焦点を当てて御答弁をいただきたいと思います。
○三本木説明員 先生御指摘の排出段階での処理施設、汚水を排出する排水口における水質の濃度と、それから一キロなり二キロなり先の水道水源として取水する地域における水質の濃度との関係というふうに伺ったわけでございます。その点については、水質汚濁防止法等他の公害諸法におきましてもそうでございますが、利水の水質基準、例えば環境基準というのがございますが、その環境基準と工場から排水する排水口の基準とは、通常これは一けたほど違っているのが一般でございます。 まず、これはどうしてそう違っているのかと申し上げますと、自然に流下していく過程で、河川のバクテリアなり細菌、そういったものによりまして自然の浄化を期待しているという部分が実はあるわけでございます。そういう意味におきまして、基準が異なっているというのは御理解いただけるかと思うわけでございます。その点につきまして、より水道水源への影響を少なくするという意味におきまして、通常、地域との話し合いの中でよりレベルの低いといいましょうか、厳しい排水基準でいこうというようなことは一般的に行われているわけでございますが、実はその点につきましては、地域地域においていろいろと関係者との話し合いのもとでそういう基準が定まっていく、あるいは目標を定めていくというふうなことが行われているわけでございます。その点につきましては私どもも認めているところでございます。 それから、廃棄物処理法におきまして、水道水源の地域だけに限定をしていわば立地規制をするような考えがないか、そういう御指摘でございます。確かに、その利水の状況等によりましては望ましくないという地域もないとは言えないわけでございますが、それを法的な制度として立地規制をかけるということは、かなり難しい状況があるわけでございます。その上に立ちまして、制度を仕組む上では、どの地域におきましても、いわば問題のないような施設をつくらせるということと、それから、地域地域におきまして、関係者の話し合いのもとで、その地域の特性によってよりレベルを厳しくしていくというようなことは現に行われておりまして、関係者との理解が進んでいく上で施設の立地が適切に行われるということは、実は私どもも期待しているところでございます。そういう意味で、制度としてこの立地規制を仕組むということはなかなか難しいという状況があるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 だからトラブルが起こっているわけでありまして、トラブルを解決していくための手だてというものを政府の方ももっと真剣に考えていただかないと、一般的な対策だけではどうしてもこういう問題が起こるのですよ。ですから、上流につくらなくたって下流だったらいいわけですよ。なぜ上流につくるかといいますと、上流というのは非常に山間僻地でもございますし、土地を買収するにも地価が安いでしょう。また、周辺には自然はいっぱいですけれども住居はございませんから、どうしたって進出しやすいわけですよ。というと、結局それがたまたま水源の上流だったというので、水を汚染する危険性があるじゃないかということでこういうトラブルになる。下流だったら問題にならぬわけですよ。 ですから、そう幾つものケースはございませんから、こういうことはこの地域はだめよということを法律で明定するか、それともほかの方法でやるかはともかくとしても、きちっと国としても一定の指導方針といいますか態度を明らかにしないと、それは県でやりなさい、県でできなければ市でやりなさいと言われたって、何もかも難しい問題が下部におろされたんじゃ、余計住民と企業の合意形成について苦労が多くなるんじゃないか、こう思いますから、私たちの考え方はきちっと申し述べて、ぜひとも政府の方においてもそういう考え方によって今後問題解決に向けて検討いただきたいということを申し上げたいと思います。 次に、水道法の問題について伺いますが、水道法というのは、住民の飲み水を給水するために水道事業者の管理運営を規定しました、言い方は正しくないかもわかりませんが、いわゆる事業法ではないか、私はこう思っております。したがって、産業廃棄物処理法だとか水質汚濁防止法などのような水源汚染を防止するなどの対策法とは性格が違うんじゃないか。いわば水道法というのは、水源に依存をして水道事業者が給水のための事業を行っていくわけですから、受け身の立場にあるわけですね。 今回のケースで明らかになりましたとおり、浄水場におきます水質基準というのは、環境庁の告示第五十九号で明らかにされているわけです。しかし、水道法第二条では水道事業者の果たさなければならない責務がうたわれておりますが、抽象的な表現でございまして、これを守っていくための具体的な規定がありません。私はそのように理解をしているわけであります。具体的に言えば、水源の原水、取水口のことですが、これに対する保護措置がなければ、結局、市民に水を送ります浄水場の給水の水質は維持できないわけであります。したがって、取水口に危険をもたらす事業所の設置、産廃最終処理場がそれに当たりますが、その設置は認めないということを水道法第二条を具体化する規制措置の一つとしてうたわれてしかるべきじゃないか、私はこう思います。 これは現行法の二条を具体化したような格好では法律には明記されていないわけですが、現行法体系下においても、水源や取水施設の監視体制の強化については、たしか厚生省としても規則というのですか、そういうサイドで規定をされていまして、監視体制とかあるいは情報を早く収集して処置ができるような対策を全国的にはやられているところも多いと聞いておりますが、しかし、それはやるのは当たり前でありまして、そのことでは解決しない。つまり、取水口に危険をもたらすような処理業者なんかはその地域では業を営んじゃいかぬということをきちっと決めないと、事業法第二条で何ぼ責務を抽象的にうたっても、結局受け身の立場ですから、上流でいろいろなことがやられて水が汚されたら、それに依存して水道事業者というのは仕事をしているわけですから、どうにもならぬということになるわけです。それをここはこうですよ、ここはこうですよ、ここに処理場ができてはいけません、それはつくってもらっては困るというような、水道事業者が積極的にそういう行動を起こす、規制措置を要請をしていくというようなことが——責務は抽象的に二条でうたわれていても、具体的な規定がないということは非常に不備じゃないかという私の意見でございまして、そのことについて御答弁をいただきたいと思います。
○永瀬説明員 お答えします。 先生お話しのとおり、確かに水道法、我々としても水道事業法というふうな位置づけで考えておりまして、水道原水を受けましてそれを浄水場において浄水する、そして清浄な水を供給するというふうなことで、各事業体を含めまして日夜努力しているというふうなことでございます。確かに先生お話しのように、第二条で、清浄な水を供給するために、国・地方公共団体におきまして、水源なりあるいはその周辺の清潔保持ということで、必要な措置を講じなければいかぬという責務の規定がございます。 これは一般的な責務の規定でございまして、それを具体化する規定につきましては特に大きなものはございませんけれども、その一つといたしましては、法律におきましては四十三条というところで、事業者等におきまして必要がある場合におきましては、関係行政機関に対しまして措置を要請することができるというふうな規定があるわけでございます。いずれにいたしましても、我々水道の立場としましては、従前、水道水源というものを所与のものとしまして、それを水質基準に合うように浄水化するというふうなことでやってきたわけでございます。そのために、清浄な水を供給するということで、水質の検査も定期的にあるいは臨時的にやっておりますし、また先生お話しのとおり、水道原水につきましても定期的に検査をするというふうなことで、国民の健康の保持という面におきまして遺漏のないようにはしておるわけでございます。 さらに一歩進めてということにつきましては、いろいろ法律の全体系といいますか、そういうようなものを考えまして法規制というのができるのかどうなのか、これは今直ちにお答えできる問題ではなかろうというふうに思うわけでございますが、何らかそういうふうな方法がとれるかどうなのか、法規制ではなしにそのほかの方法で何かできるかどうか、そういうようなことについては今後さらに勉強していかなければならぬ問題かなというふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 何かわかったようなわからぬような答弁なんですが、こういうことですよ。あなた今いみじくも言われましたけれども、水道法第四十三条は、水源の汚濁防止のための要請等ができるという項目ですね。要請はできるけれども、そういう水を汚すところへ行ってどういうことを言う権利が水道事業者に与えられておりますか。法的に担保されていないです。 例えば工場が水域の周辺のところに存在しておりまして、工場から排水される。そういうのは一応の基準がございまして、その基準を満たしておれば工場は操業できるわけでしょう。何の違法でもないのですよ。ところが、どんどんいろいろなものができてきて川に皆流されてくるわけですから、それが結局まとまって取水口へ来るわけでしょう。特に処理場ができれば平和な村に、あるいは農道を縫うように、そういうところまでは舗装がされておりませんから、もうもうと煙を上げて一日に何十台も何十トントラックが行き来するわけでしょう。そういうのが何か事故を起こして川へ転落すると、これは大変ですよ、そのことによってかなり水質が汚濁されますから。でも、それをチェックするのはだれがするのですか。今のところではそれはだれもできないのです。気がついた者がやれやというような程度です。 結局、私は水道事業者は受け身の立場と言いましたけれども、まさにそうなんです。水道事業者は、上の方でだれが汚そうとそのことは関係ない。汚れた水をきれいにして市民の命を守る。そういうきれいな水を供給しなければいけないという責務は負わされているわけですよ。これの関係が全然規定されていない。極めて事業法的な性格なものですから、アクティブにできていないわけですよ。規制するために事業者がどのような行動を起こせるかといったら、そんな権限は何もないのです。こういうことが実は問題なんですね、いろいろ考えてみますと。 だから、そういうふうな立場に立ってこの水道法そのもののあり方を一遍洗い直してもらわないと、特にこれからは産業廃棄物の処理だとか、経済活動が活発になれば水が汚されるというケース はふえてくるでしょう。新たな事態に経済が発展しておるのに、法律は旧態依然たるというような格好で仕組まれておったのでは、トラブルこそ起これ問題の解決には全然ならぬ、こういうことなんです、私が言いたいのは。だから、あなたは検討するのかしないのか微妙な言い方をされましたけれども、その点はもっと積極的に、そういう御指摘の問題点については省としても検討したいということをお答えになったらどうですか。 次に私は申し上げますが、取水口の水質を保障しなければいけない基準というのは設けられていますか。浄水場の水質保障の基準はありますけれども、取水口ではこういう水質を保障しなければいけないという基準はなかったと私は思います。問題なのは、これは水道事業者であれば常識なんですが、浄水場で幾らきれいな水を保障しようと思っても、取水口で汚れた水ががんと入ってきたら大変なんですよ。給水をとめてやり直さなければいかぬ。物すごく金がかかる。そうするとこれは給水ストップであります。その受ける影響というのは市民生活に重大なものがあるでしょう。そういう問題なんですよ、水というのは。ですから、取水口でどれだけいい水を担保するかという法的な規制なりそれの対策というのがうたわれてなかったら、浄水場で何ぼいい水をろ過してやりましょうといったって、これはなかなか難しいのですね。それも現法ではないのです。だから私は声高に言っておるわけですが、その点について、あります、伊藤さん心配せぬでいい、こういうの、があるなんというのがございましたら説明してください。私はないと思っていますから。
○永瀬説明員 水道の原水についての基準ということについて、水道の立場でその基準があるかということにつきましては、これはございません。それは水質汚濁防止法だとかそのほかの公害諸立法の体系の中で、環境基準あるいは排出基準というようなものを守っていただくという体系の中でやっていくというのが現在の法体系の仕組みになっている。水道事業体の方におきましては、それを前提にいたしまして水質基準に合うように浄水する。非常に汚染されている場合には、最近におきましては高度浄水とかいろいろな方法をとっておりますけれども、そういった努力をして、水質基準に合わせて清浄な水を供給するというようなことになっているのが実態でございます。
○伊藤(忠)委員 非常にそっけない答弁なんですが、そうすると、大変汚染をされたいわゆる汚水ですね、それがまじることによって水質の非常に悪いものが取水口へ入ってきたということをチェックする何物も法的には保障されてないのですから、大変でございます。にもかかわらず、浄水場では決められております水質を保障しなければいかぬ。そのためには、そういうケースが起こったら随分金がかかります。お金がかかれば当該自治体の負担になります。だれも払ってくれません。水道料にはね返ってまいります。そのときには一たん給水をストップして、事態が重大であればストップの時間だって長くなると思いますが、そういう一つの被害といいますか、不便は受忍しなければいかぬということになるわけですね。そのときに問題なのは、水道事業者がその責任をとらされるということはよもやないのでしょうね。そこのところをはっきり聞いておきます。
○永瀬説明員 水道の原水につきまして、水道事業体の立場といたしましてどういうふうにするかということにつきましては、我々常に関心を持っているわけでございまして、古い通知になりますけれども、昭和四十九年の水道環境部長の通知に基づきまして、水質について適正な管理が行われるよう指導を行っているわけでございます。 具体的には、魚類の飼育だとか、あるいは自動水質監視機器の導入等によりましての汚染の早期発見、あるいは水源の汚染が発見された場合におきましての連絡通報体制の整備を図るように、そういう点につきまして指導をしておるわけでございます。また、原水の水質検査につきましては、水質が最も悪化していると考える時期を選んで少なくとも年一回行う、また、水質の悪化のおそれがある場合においては、随時適切に水質の検査を行うように指導も行っているわけでございます。そういうことで原水についての検査、水質の状況というようなものを的確に把握し、それに応じた適切な処理を行う、また必要に応じて連絡通報を行うというふうな体制をとって、事業体としての努力を行ってもらうようにしていただいているというような状況でございます。
○伊藤(忠)委員 もうそれじゃいかぬわけです。だから私は端的に二つ再度質問いたしますので、あなた、検討する気持ちがあるのかないのかということをはっきりしてください。 一つは、取水口、これの上流でそういう処理業者が操業するというケースは一定の範囲で除外をしていただきたい。これを水道法二条の責務の具体化の一つの規制措置として私は言っているわけですから、そのことの検討ができるのかできないのかというのが第一点。第二点は、取水口の水質を保障する水質基準を、この法改正によってきちっと法的に明記することについて検討する気持ちがあるのかないのか、この二点について再度伺いますから、端的にお答えいただきたいと思います。
○永瀬説明員 まず第一点でございますが、水道法で上流に設置されます処理場等につきましての立地規制ができるかどうかということでございますが、現在の水道法なりあるいは全体の法体系というふうなものを考えた場合におきまして、それを水道法におきまして法規制をするというふうなことまでなかなか立ち至らないのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。なかなか難しいのではないかと思っております。
○伊藤(忠)委員 難しいかどうかは別に、検討するんですか。
○永瀬説明員 これは現在の法体系、二番の問題にもかかわるわけでございますが、水質の基準というものにつきましては、水質汚濁防止法だとかあるいはそのほかの環境諸立法におきまして対応するというふうな全体の法体系になっておるわけでございまして、その中で水道法がどう絡んでいくのかというふうなことになるわけでございまして、今直ちにそういうようなことについて、水道法におきまして法規制ができるかどうかということについて申し上げるわけにはいかないというふうなことでございます。ただ、水道水源の水質につきまして、我々としては十分その水質が保全される必要があるということについては十分認識をしておるわけでございまして、我々としてもとのようなことができるかこれから十分勉強し、また検討していかなくちゃいかぬ問題であろうと思っているわけでございます。
○伊藤(忠)委員 時間の関係がありますので、今の答弁が厚生省としての最終的な答弁だということで理解をしますが、そういう答弁では私としては納得できないのです。 こういう方法はどうなんですか。水質汚濁に係る環境基準について、環境庁告示第五十九号、これが言うならば統一の基準になっているわけでしょう。水道事業者も浄水場の水質を最低この水質に保障しなきゃいかぬということになっておるわけでしょう。これを取水口の水質基準に当てはめたらどうですか。現状よりはうんと改善されるんじゃないですか。皆さんは専門家ですから、私の言っていることはわかると思いますよ。別に難しい話じゃないでしょう、あなた。どうです。
○永瀬説明員 先生おっしゃいました基準といいますのは環境庁で設けられております環境基準でございまして、これは環境の保全のために目標としましょうというふうな基準でございます。そういうようなことで、それを目標にしまして、個別具体的な規制といたしましては、排出基準だとかというふうなものがいろいろと設けられておる体系になっておるわけでございます。そういうふうなことで、現在の法律の体系からいたしますと、その環境基準に向かって個々の各施設につきまして排出規制等で対応するというふうなことではなかろうかと思っておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 だから、その考え方を水道法の取水口に生かしていけるように検討してください。
○永瀬説明員 環境基準そのものを取水する際の基準とする、それは一つの考え方であろうかと思うわけでございます。具体的に、ではそれを達成するためにどうするのかというところがまさしく問題になるわけでございまして、そういうようなことを含めまして十分検討させていただきます。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、積極的な立場で検討いただきたいと思います。期待をいたしております。 最後に一言でございますが、ことほどさように現行の水道法には不備欠陥がございます。ということで、やむにやまれず当該の津市では、水道水源保護条例をつくりまして対応しているわけでございます。現行法を実態に即してフォローしている、こう言っても過言ではないと思うのです。この動きが他地域の自治体にも広がっているわけですね。ということは政府としてもゆゆしき問題だと思いますよ。こういうふうな動きがどんどん広がっていくわ、現行法の矛盾が顕在化するわということでは、決して事態の解決にならぬわけでございます。 しかし、こういう保護条例が積極的な立場で地域では自治体の間で広がってきておるわけですが、こういう条例を制定するまでの地元の自治体あるいは住民の苦労や努力というものは相当あったわけでありまして、こういう条例は法に照らしてどうもおかしい、だからこれは違法だというような見解に国が立つことはよもやないと思うのです。むしろ国としては、言うならば実態を見たときに、そういう自治体や住民の苦労と努力は理解ができるという立場で考えられてしかるべきだと思うのですが、この点についての厚生省としての心情ですか、それをひとつ承りたい、かように思います。最後でございます。
○永瀬説明員 水源保護条例のお話が出ましたけれども、私どもにとりましても水源の水質の保全は極めて重要な問題と認識しておりまして、それぞれの地域で地域の実情に応じましてさまざまな取り組みあるいは手法、施策がとられているということで、いろいろ御努力いただいているというふうに思っておるわけでございまして、その点につきましては十分承知をしておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 いずれにしましても、今の答弁は何か他人ごとのような、いや御苦労さん、こういう感じにしか聞こえないわけでございますが、私、具体的に問題提起をさせていただきましたので、どうかひとつ厚生省の方も、問題の解決が図られなければ法律は生きないわけでございますから、そういう立場に立って問題提起の諸点について早急に検討をいただいて、いい結論を出していただきますように心から要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○嶋崎委員長 次に、奥野一雄君。
○奥野(一)委員 きょうは「平成元年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、これは二月八日に閣議決定をされているわけであります。私もほぼ毎年経済見通しについては商工委員会で質疑を行わせていただいているのですが、去年とことしは余り質疑する時間がなくて、まだ取り上げさせていただいてきておりません。 そのときに私はいつでも申し上げてきているのですけれども、政府のつくっているこの経済見通しというのは民間の経済見通しとは違う。民間の方は単なる見通しというふうに私は思っておりますが、政府の場合にはそうではなくて、一年間を通して経済の動向なんかを見きわめて、もしそれが政府の見通しと異なった方向に、いい方向に進む場合は別でありますけれども、マイナスの方向に進むというような場合には、やはり経済なり財政政策を通してできるだけマイナス面を除去するような努力をすべきではないだろうか、こういうことを実は今までも申し上げてまいりました。ここ一、二回、若干途中で大型の補正などを組んだりして、景気の調整というような形のものをやられてきたこともございますけれども、この平成元年度の経済運営につきましてもそういう面についてのお考えを持っているかどうか、これが一つでございます。 それからもう一つは、最近景気が上昇機運にあるということで、平成元年度の経済見通しなんかにつきましても名目では五・二ですが実質では四・〇、こういう成長率というものを見込んでいるわけでありますけれども、この達成の可能性ということについての御見解をまずお聞きをしておきたいと思います。
○越智国務大臣 ただいま奥野委員からの御指摘がございました。 まず第一に、政府の経済見通しは民間機関の行う経済見通しとは違って、それを一つの目標として、達成可能なようにその年度中に種々の方策をとるべきであるという御趣旨かと思いますが、まことにそのとおりでございまして、私どもは毎年予算編成をいたしますときに、同時にあわせて翌年度のと申しますか、その年度の経済運営の方針を立て、同時にそれによってどういう経済になるだろうかという見通しを申し上げているわけでございますので、その達成を図るべく今後も最大の努力を重ねていきたい、このように思っておるわけでございます。 ところで、平成元年度の分につきましては、しからば四・〇という経済成長は達成できるかという御趣旨でございますが、委員御高承のとおり、内需の寄与度が四・七、外需がマイナス〇・七というふうに見ておるわけでございますが、基本になります内需に関しましてはまことに堅調でございまして、牽引車となっております設備投資並びに個人消費とも目下のところ順調に推移していると認識いたしておりますので、四・〇の経済成長は何とか達成できるであろう、またぜひそのようにさせたい、こう思っておるところでございます。
○奥野(一)委員 これは後の方の問題にもつながっていくわけでありますが、それは後にいたしまして、本年度の見通し達成はほぼ可能、こう言われておるのですが、若干心配をされる点がある、こう実は思っているわけでございます。 例えば民間消費支出、これはGNPの中では最大の要因になっているわけでありますけれども、本年度の見通しでは六・一%増、こういうことになっていますが、過去の実績というものを見ますというと、見通しより実績の方が落ち込んできているというのが今までの経過になっています。それからまた消費税の問題もありましょうし、あるいは次の問題として円安、原油高の問題についてもお尋ねをしてまいりますが、物価の動向なんかを考えてみると、二月八日の閣議決定、これは去年のうちから作業を進められているわけでありますが、そのころの状況から判断して、これは果たしてそのとおりいくのだろうか、それから企業の設備投資とかあるいはまた民間住宅、これも少しずつ下がるような傾向になっていくのではないだろうか、こういうようなことが考えられるわけであります。 原油高のことなんかはまた後で触れますけれども、月例経済報告の中でも、一月、二月、三月、四月、原油はどんどん高くなってきております。それから輸出や輸入の関係を見ましても、必ずしもいい方向にいってないのではないだろうか。それから輸入物価を見ましても、これも余りいいような状況になってないのではないだろうか。今生での年間の経済見通しをずっと比べてみますと、やはり当初の見通しよりは実績の方がほぼ落ち込んできているというのが今までの経過のような感じがするわけであります。 そういう面から判断をして、なおかつこれは大丈夫だ、こういうことであれば、そうすると今申し上げましたような民間消費支出なりあるいは生だ消費税、あるいはこれから後でお尋ねする円安とか原油高、物価の関係あるいは民間企業の設備投資なり民間住宅、そういうようなものが回復をしていくという可能性がなければ、この見通しを達成するということには計算上はならないということになるわけですね。この計画、見通しを立てられた当時の状況とは今は少し違ってきている。そうすれば、どこかで何らかの手を打たなければ、このままの推移だったら四・〇というものに到達するのかどうか、こういう疑問を持っているわけなので、その辺のところはどうでしょう。
○星野政府委員 ただいまの御質問、需要項目等数字に及ぶ御質問でございますので、私の方から御参考に少し御答弁申し上げたいと思います。 ただいま消費支出について、それから住宅投資その他の需要項目につきまして御質問がございました。消費支出につきましては、家計調査あるいは百貨店販売、それから自動車登録台数あるいは海外旅行その他のいろいろな消費指標がございますが、現在のところ相変わらずかなり強いのではないだろうかというふうに思っております。それから設備投資につきましても、各種予測調査、それから機械受注統計等ございますが、それらを勘案いたしましても、前年度二けたの設備投資増に対しまして、本年度、平成元年度におきましても多分一割近い、あるいは一割前後の増が見込めるのではないかというのが現在の実態でございます。 それからさらに、住宅投資にも御言及いただきましたが、住宅投資も、私ども当初思っておりましたよりも、戸数の推移などを見ておりますと、もちろん増加は減っておりますが、依然としてまだなかなか高い水準にあるといったような状況でございます。それからさらに、これは余りいいことではないのでございますが、輸出入の動向を見ましても、世界が大変投資ブームを控えておりまして、むしろ輸出が伸びぎみでございます。そういうようなことも考えますと、いわゆる最終需要で見ました経済の運行というのは現在のところ割合と強い。 したがいまして、現在判断をしてみろと言われれば、平成元年度の実質成長率で四・〇ということを申し上げまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたようなことで多分達成可能ではないだろうか。ただ、一つ外的条件として、いわゆる原油の動向でございますとか、それからついここ数旬にわたって上がっておりますいわゆるドルの問題でございますとか、ここいらにつきましては、私ども昨年末いわゆる経済見通しを立てようとしたときより若干情勢は変わっているのかなということは感じておりますが、現在のところ実体指標、つまり、物価その他の需要項目に関する指標に対してまだ顕著な変化が起こっていないというのが現状でございます。
○奥野(一)委員 時間があれば本当はこの項目一つ一つについて詳細にお尋ねをしておきたいと思っておるのですが、時間がありませんから……。 なぜ私が今そういうことを申し上げましたかというと、今までの主要経済指標の動きをずっと見ておりますと、例えば民間消費支出の場合でも、六十一年度に見通しを立てるときには、五十九年度の実績、六十年度の実績と見込み、それと六十一年度の見通しと三段階で立てられるわけです。例えば民間消費支出の場合に、六十一年度の見通しを立てたときの六十年度の実績見込みというのは百八十七兆四千億、こうなっております。ところが、次の年になるとこれが実績で出てくるわけです。その実績を見るとそれよりダウンしている。やはりその次に六十二年度に実績と実績見込みと見通しを立てる。ところが、それが実績の段階になるとダウンしている、こういう傾向がある程度続いてきているのですね。 これは物によって多少違うものもあります。今言った企業設備や住宅などの場合は、六十二年度あるいは六十三年度あたりがピークだ、こう言われているような傾向になっているわけです。六十二年度から六十三年度がピークで、頭打ちだろうと一時言われておったりして、そういう傾向があるので果たしてどうかな、こういう心配をしたわけですが、きょうは時間的な関係もありますから、その中身についてまでは詳しくやろうとは思っておりません。 そこで、次にお尋ねしたいのは、これは先ほどからも若干触れられておりますが、円安と原油高の状況でございます。 五月二十四日の商工委員会で、これも時間がなくて、当時の三塚通産大臣と愛野経企庁長官にちょっとお尋ねいたしました。そのときの通産大臣の御答弁は、これは一時的な現象だ、心配はない。経企庁長官の方は、これは短期的な現象であって長期的なものではない、こういうお答えがそのときあったわけであります。そのとき若干私はやりとりはいたしました。そのときには要因は二つあって、アメリカの経済、もう一つは日本国内の政治不信というようなことも言われておって、日本国内の政情不安は確かに一時的、短期的かもしれませんけれども、アメリカ経済や何かは違うのではないか、これは長期的にいくのではないかというやりとりを若干いたしました。 しかし、それは別にいたしまして、この一時的というのは一体期間であるのかあるいは円の価格というものを言ったのか、それは明らかでなかったのであります。あれから三週間ぐらい経過したわけでありますが、そのときには百四十二円から百四十三円、三週間たった今日は約百五十円という状況になってきておる。現在でもこういう状況というのは一時的な現象として認識しておられるのかどうか。もしこれが一時的なものだというなら、こういう理由で一時的だという根拠を示していただきたいと思っておるわけです。それから、長期的だという認識であれば、当然景気や物価についてはマイナスの影響になると思うわけであります。 先日も経済問題の報道を見ておりますと、十五円円安になりますと物価が一・五%上昇するのだ、こう言われているわけでございます。 また、こういうことも言われておるわけです。一つは米国の経済改善というものがある。もう一つは米国政府の姿勢、これはドル高を容認するというような形のものだ。それから政治要因ということで、今度は日本の政情ではなくて中国の政情が入ってきているわけですが、こういうようなものから今の円安が続いているのではないかという見通しを立てられているようでございます。 そうなりますと、これは果たして短期的なものなのかということになると、どうもそうではないような気がする。もし長期的だということになればいつまで続くかということにもなりますけれども、その影響とかいうものは一体どういうふうになっていくのだ、そういう点もあるわけでありまして、そういう面の御見解についてお伺いをしたいと思うわけであります。 〔委員長退席、小野委員長代理着席〕
○越智国務大臣 奥野委員御指摘のように、こご三週間ばかり円対ドルの為替が非常に円安方向に振れております。ただ、長期的に見てみますと、昨年の暮れが円高の一番ピークといいますかボトムでございまして、百二十円すれすれまでいきましてからターンをいたしております。 しかし、私どもはこの四月の初めに行われました先進七カ国蔵相会議、いわゆるG7におきまして、当時これ以上のドル高もドル安も世界の経済にとって望ましくないという一つのコンセンサスができたと伺っておりまして、当時はまだ百三十円台でございましたが、ドル高になってまいりました。ドル高とあえて申しますのは、円に対してのみならず、マルクその他に対してもドルが強くなっていたわけでございますので、円安よりもドル高と言うべきかと思っておりますが、この状態のもとでは、委員も御指摘になりましたように、アメリカの経済に対する信認が増してきた。平たく言えばブッシュ政権なかなかしっかりやるぞということでございますし、もっとその奥には、米ソの緊張緩和によりましてアメリカのいろいろな意味での負担、経済負担が軽くなってきている、そういうことが認識されていたのじゃないかと思います。 しかし、例えば三カ月かかって十円変わったものがこの三週間で十円動いているわけでございますので、これは明らかに円安傾向と申しますか、円が売られているということでございまして、確かに一つは日本の政治経済に対する不透明感もあるかもしれませんし、また同時に、六月の三日でございますか四日でございますかに起こりました天安門事件のときには、向こうの国民の、心理といたしましてはドル買いに走った。あるいはヨーロッパから見れば北京と東京というのは大変近く思われていて、日本に対する不安感が募った、ないしは日中経済についての不安が出てきた、こういうことから円が売られているのではないか、このように思っているわけでございます。 こうした傾向は、もしこれが七月十四日に予定されております先進七カ国のいわゆるサミットまで続くような状態になりますれば、当然のこととしてサミットの中の非常に大きな課題になるであろう。国際的な為替の調整、それぞれの国における貿易障害の問題等と一緒に議論されるべきものでございまして、私どもはできる限り早い時期にこれを穏やかな水準にまで戻していきたい。どのくらいかと言われるとはっきりは申し上げにくいわけですが、先ほど申し上げましたG7のときのころの水準、百三十円台ぐらいのところへ戻したいなという気持ちは持っておるわけでございます。 〔小野委員長代理退席、委員長着席〕
○奥野(一)委員 私、五月二十四日の商工委員会でお尋ねしたときには、前の経企庁長官は、これは一時的なものだ、心配はない、こういう御発言であった。ただ、その一時的とかなんとかいうのは人為的に、例えば日銀なんかが大分介入したりしてドル売りを一生懸命やる、あるいはそういうものである程度カバーできる場合もあるかもしれない。しかし、それもいつまで続くかということになりますので、私は今の状況というのは一体どこまで続いていくのか、この心配が一つあるわけなのです。前の経企庁長官のときには、いやこれは一時的な現象なんだからそう心配しなくてもいいよ、こう言われた。そして先ほど言ったように百四十二円から百四十三円台、十五、六円からのまた円安という状況に今日なっている。 だから、先ほど経済の報道で言われておったように、この要因というのは考えられるのは三つだ、こう言われた。一つは、米国の経済の改善がドル高の要因になっている。もう一つは、アメリカ政府がドル高を容認するような姿勢をとった。これもドル高の影響になっている。それから最後に政治の状況。最近は中国の要因というのが非常に強く言われているわけですが、この三つの要因のうち何が一番、これ以外にあるならそれはまた教えていただければと思うのですが、もしこの三つが今日の状況をつくっている要因とするならば、それじゃ一体そのうちのどれが強く働いているのだろう。それによってまた対応が違ってくるだろうと思うし、それがまた長期か短期かという判断の材料になっていくと思うのですが、それはどういうふうにお考えになっていますか。
○越智国務大臣 どれが強いかと言われてもなかなかお答えしにくいところでございますが、先ほど来申し上げましたように、年初来四月ごろまでに上がってきたときには、アメリカの経済に対する信認が回復したという要素が非常に強かったのでございましょう。殊に今おっしゃいました五月二十四日以降の百四十二円から、けさの寄りつきが百五十円でございましたが、この上げ幅等についてはかなり一時的な要因であり、大蔵省筋でもかなり投機筋の動きを見ておりますものですから、そういうような分析の方がよろしいかと思っております。
○奥野(一)委員 今お答えいただいたことで、当初はアメリカの経済関係ということがドル高の一つの要因になっていた。最近は少し投機的なもので、これは一時的だというようなことなんですが、そうすると、これは予測は非常に難しいと思うのですけれども、どの程度の期間でもとに戻るかということですね。そういう面での御見解か何かはお持ちになっていますか。
○越智国務大臣 このまま置いておきましてどうなるかと言われても、ちょっとお答えしにくいのでございますけれども、先ほど申し上げましたのは、七月十四日からサミットが行われます。このサミットにおいて、その時点での水準等を見ましてもし現状のような為替でございましたら、当然各国の間でこの調整についての論議が行われるのではないか、こう考えております。
○奥野(一)委員 これは、きっちりとした見通しを立てるのはなかなか難しいということは、私もよく承知をしております。 ただ、先ほどから申し上げておりますように、こういう問題が出てきたときに、私どもはそういう面では全く素人でありますから、余り大きなことも言えないのでありますけれども、専門家の方々であれば、なぜこういうふうになってきたかという分析はもう相当されているだろうと思うのですね。これは本当に一時的であるとか、あるいはまたこれは多少長期化する可能性があるとか、そういうものについてある程度見きわめをつけなければ次の対策を打てないのではないか。私は円高になったときも、いつも後手後手に対策をやっているのではないかということを言ったこともあるのですよ。専門家の皆さん方がどうしてある程度の長期的な展望ができないのか。そうすればある程度の予測をしながら打てるのではないか。しかし、それは政府としては難しいんだという話はよく聞いております。 次に、そのことに関連して電気・ガス料金に与える影響もちょっとお尋ねしておきたいのですが、昨年の電気料金の改定のときの根拠というのは、円レートは百二十四円、原油価格は一バレル当たり十六・五ドルということで今日の電気料金の改定が行われたわけです。このときは円高差益ということもあって、料金の引き下げなどをやっているわけであります。今日円は約百五十円になりましたし、原油価格は十九・五ドルと思ったら、けさはもう二十ドルをちょっと超えている、こういうことになっておるわけであります。 それから、先ほどほかの委員の方の質問のとき、経企庁長官の方でちょっと御答弁されましたが、六月七日のOPECの総会では生産量は日量百万バレルの引き上げを決めた、それから目標価格の十八ドルというものを守るようにというふうに私聞き取ったのですけれども、これはそうでなくて、この目標価格というのは廃止するということで合意をしたという新聞報道になっているわけなんです。そういうことで、サウジ主導の高値追求型となっていると報道されているわけです。これは二カ月や三カ月こんな状況が続いたからといって、すぐ電気料金、ガス料金なんかに影響を与えるということにはならないとは思うわけでありますけれども、これがもし長期化していくといろことになった場合に、留保資金もありますから一年や二年くらい大丈夫ということになるかもしれませんが、円高のときは差益還元が遅いとか不十分だと言われておるわけです。円安になったからといってすぐ値上げなんということになったら因るのでありまして、そういう面は今どういうふうにお考えになっておりますか。
○越智国務大臣 先に一言お答えさせていただきます。 OPECの会議で生産量、価格が通例決まつでくるわけでございますが、このたびのバレル十八ドルというのを一つのめどと申しますか、参考価格として決定した。それに対して先ほど私が申しましたのは、そういう決定があったからそのとおりになるかどうかわからないけれどもと、こういうふうに申し上げたわけでございます。 なお、電気・ガス料金につきまして事務当局からお答えをさせていただきたいと思います。
○勝村政府委員 お答え申し上げます。 後ほど通産省の方からも意見の開陳があろうかと思いますが、経済企画庁といたしましては、電気・ガス料金が今後どうなるかということにつきましては、先ほどから御議論になっておりますような為替レートあるいは原油価格がいつまでこういう水準で続くのかということを見きわめながら考えなければなりませんし、現在の段階でどう対応するかということを直ちに結論づける段階ではないというふうに考えております。 電気・ガス業界につきましては、この五月にそれぞれ六十三年度の決算が出ております。六十三年度につきましては、電力九社及びガス大手三社でございますが、いずれも前年度に比べれば減益にはなっております。これは、昨年の初めに差益還元ということでかなり料金を引き下げた結果でございます。ただ、減益にはなっておりますが、利益の水準というものを見ますと、配当をいたしました後なお余裕が残っているというような水準でございまして、これにつきましてはいわゆる原価変動調整積立金というのがございますが、こちらに振りかえられる予定になっている。六十三年度の決算は大体そういう状況でございます。 平成元年度の決算がどのようになるか、まだまとまった推計というものは出ておりませんけれども、各社の状況などを見ますと、この四月に電気料金を二・九六%、ガス料金を四・一七%引き下げましたので、その結果といたしまして減益になるのは当然でございます。ただ、この四月の引き下げを行いましたときの諸元、先ほど先生が御指摘になったものでございますが、それでいけば配当して大体とんとんぐらいの水準になるか、あるいは最近非常に需要がふえておりまして、固定費が相対的に減少しておりますから、それは元年度につきましても好条件として作用するであろうというふうに考えられるわけであります。仮に現在のような為替水準、それから原油の水準は、ただいま大臣が答えられましたように、いわゆるレファレンスプライスを十八ドルと決めておるわけでありますけれども、原油の価格は十五、六ドルというところまで戻るかどうか、これはちょっとわかりかねますが、いずれにいたしましても、現在のような水準が続いた場合どの程度コスト高になるかということは、機械的な計算はできるわけでございます。 ただ、その結果といたしまして、ごく機械的な推定をいたしますと、あるいは配当するのにやや不十分な利益水準になるおそれもあろうかとは思いますけれども、それほど大幅な利益の減少ということは考えにくいわけでございます。先ほど御指摘になりました原価変動調整積立金、これは電力の場合で一兆三千三百億、ガスの場合で二千七百五十億ほど既に積み立てておりますが、こういう場合に使うために積み立てているということもございまして、直ちに料金の改定が必須になるというような状況ではないだろうというふうに考えております。
○稲川説明員 通産省の方からお答え申し上げます。 ことしの四月に、電気・ガス料金について、消費税の導入に伴い、料金本体を引き下げた上で消費税を転嫁することを内容とする改定を実施いたしましたが、この改定に際します諸元は、先生御指摘のとおり為替レートにつきまして一ドル百二十四円、一バレルにつき十六・五ドルという数字を採用して料金を設定いたしてございます。 この円安、原油高の影響でございますが、機械的に計算をいたしますと、一ドル為替レートが一円動きますと、かつこれが一年間長期に継続いたしますと、電力会社収支では八十億、都市ガス大手三社の収支では約十億の影響があると計算されております。また、原油価格の方は一バレル当たり一ドル、これも一年続いたといたしますと、電力会社収支では五百五十億、都市ガス大手三社の収支では約八十億円という影響になります。したがいまして、仮に最近のようなレベルで為替レート、原油価格が推移いたしますと、電力・ガス会社の収支に対する影響はかなり大きなものがあることが予想されます。しかしながら、通産省といたしましては、為替、油が変動する中で可能な限り長期安定をするというのが趣旨でございまして、この趣旨に沿いまして、電力・ガス各社が先ほど来御指摘のございます内部留保の活用、あるいは企業合理化努力などを積み重ねまして、長期安定の趣旨に即した対応をすることを期待している次第でございます。
○奥野(一)委員 余り時間がありませんので、これはなかなかお答えいただけないのじゃないか、こう思ったりしているのですが、我々は円高のときに、電気料金はやはり見直すべきじゃないか、価格を下げるべきではないかということを随分申し上げてきたのですが、そういうことというのはなかなかおやりにならないわけです。例えば円高であろうが円安であろうが、電気料金とかガス料金などの改定の場合には、こういういろいろな事態が起きてきたときなど特にそうだろうと思うのですが、大体どのぐらいの期間を経過したら料金改定の見直しをやろうという、そのような基準というのはあるのですか。
○稲川説明員 お答え申し上げます。 明確に何カ月過ぎたらとか、そういう期間は事の性格上極めて決めにくいものでございまして、世の中の流れを見ながらということでございます。短期的な油、為替の動きに一喜一憂することなく、長期趨勢を見ながらという前提でございまして、そういう対応でケース・バイ・ケースで対応させていただいております。
○奥野(一)委員 本来時間があれば、私は「経済運営の基本的態度」の中身、消費税の問題あるいは海外援助、住宅とか土地とか行政改革、こういうものも実はお聞きをしたいと思っておったのですが、きょうはとても不可能でございます。 そこで、一つだけ聞いておきたいのですが、これは大蔵省の方からおいでになっていると思うのですが、NTT株の売り払い収入というのですか、この活用の問題についてちょっと聞きたいと思うのです。この活用基準というのがまずあるかどうか、それから現在総額はどのくらいになっているのか、あるいは活用の状況はどうなっているのか。本当は事前に資料をいただければと思ったのですが、きのうも一日商工委員会をやっておったので資料をいただく暇がなかったので、それについてお尋ねしたいと思います。
○伏屋説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問はNTTの株式売却収入の活用ということかと思います。私どもNTT株式売り払い収入につきましては、国民共有の大切な資産であるという考え方に立ちまして、国債の償還に充てるといういわば基本的な考え方が制度的に確立されているわけでございますが、当面、国債整理基金の円滑な運営に支障を生じない範囲内におきまして、売り払い収入実績の一部を活用いたしまして社会資本整備の促進を図るというぐあいにしております。具体的には、収益回収型公共事業とか補助金型公共事業とか民活事業についての無利子貸付制度で運用しているわけでございます。 その活用の実績といいますか、これは六十二年度の段階では四千五百八十億円の貸し付け、それから六十三年度予算におきましては一兆三千億円の貸付枠、それから平成元年度におきましてはこれら三つの事業を合わせまして合計一兆三千億円の予算を計上しておるところでございます。
○奥野(一)委員 これは「経済運営の基本的態度」の中にも入っているわけでありますけれども、例えば公共事業なんかについても「日本電信電話株式会社の株式売払収入の活用等により、事業費の確保を図る」こういうふうになっているわけなんです。これは私はいつでも思っているのですが、今NTT株の収益金というのは国民の共有財産だ、私も全くそのとおりだと思うのですよ。 そして、こういうことはできないのかと思う点があるのですね。これは事前にもお知らせしてありますけれども、例えば国有林野事業、これは六十二年度末の借金では一兆六千九百八十億、六十三年度では恐らく一兆八千億ぐらいの赤字になっている。そういうふうに林野会計が赤字になっているために、林野の方では改善事業などというものをやらなければならなくなって、現場で造林とかそういう森林機能の大切な仕事をしている人方が合理化という形の中でどんどん減らされていっている。その合理化の最大の目的は何かといったら、赤字を減らすことが最大の目的になっているのですね。 今、地球規模の環境汚染とかでもって、森林機能の持つ重要性というものは世界各国からも非常に注目をされてきているという状況下なんですね。だから、もしNTT株の売り払い収益金というものが、もちろん目標は国債償還ということになるわけでありますけれども、国民の共有財産ということになったら、なぜそういうものに対して国は金を貸さないのか。くれろということではないのです。貸すだけでも林野会計では大変大きな救いになるわけですね。 今の林野会計の方の利子を調べてみますというと、最高の金利というのは、これは使っているのは資金運用部の資金、いわゆる財投ですから、それだって年八・五%、これは最高の部分ですね。最低の部分で四・六%、四・八五というのが現在の段階だ、こう言っているわけですね。例えばこの利子分を補給するだけでも相当な違いになる。今のような状況であれば、私は林野事業会計の赤字はそう簡単には減っていかない、返すだけでどんどん追われていくと思うのですね。これがもし仮に全額林野事業の方に無利子融資をして切りかえるということになれば、利子部分だけでも今度は元金返済していくことができるわけですから、そうすれば日本の山林、緑を守るということが非常にやりやすくなっていくだろうと私は思うんですね。そういうことはできないんですか。これはどうなんでしょうか。
○伏屋説明員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、NTTの株式の売り払い収入がいわば国民共有の大切な資産であるということから、基本的には国債の償還財源に充てるという原則、制度に立っておるわけでございますが、まさに今申し上げました事業の方の活用につきましては、当面の仕組みといたしまして、国債整理基金の円滑な運営に支障を来さないという条件、範囲内でやっておるわけでございます。したがいまして、例えば収益回収型公共事業ということになりますと、いずれ収益で償還するという前提に立っておるわけでございます。 そういうことで、無利子貸付制度の対象は現在法定されておるわけでございますが、この無利子貸付制度の趣旨から考えますと、国有林野特会の持っている現在の債務は異質なものではないだろうか。したがって、国有林野特会の債務補てんに充てることは適当でないというぐあいに考えておるわけでございます。 なお、先生がおっしゃるような国有林野事業の大きな債務を抱えている問題はどうするのかというお話が一方にございます。私どもは国有林野事業の重要性はもちろん認識しておるつもりでございます。しかしながら、独立採算という基本的な考え方にも立たざるを得ません。国有林野事業の使命の円滑な達成のためということで、現在臨時的な措置といたしまして、例えば保安林に必要な費用とか、退職手当などの財源に充てるための財投資金の借り入れにつきましては、その利子補給等の一部を一般会計から繰り入れているということでやっておるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○奥野(一)委員 私は、これは国全体ということを考えてみたら大変不思議だと思うんですね。民間に対しては無利子で金を貸している。確かに民間活力を活用するということは、これは日本の経済なんかにとっても決して悪いことだとは私は思わないのですよ。しかし、民間の方には無利子で貸して、国の方でやっている事業はどんどん赤字がふえていって、結果、そのことによって合理化というものが生まれてきて働いている人方に迷惑をかける。 私は国鉄のときも調べてみたら、国鉄だってあの当時は、旅客輸送とか運送関係の収益は黒字なんですよ。最大の赤字は新幹線関係であったのですね。だから、そういうものを放置しておいて、最終的にはJRにして、いや今はよくなったなんて言ったって、それは十万人も人を減らしたり、ローカル線を切ってしまって、その当時さえ旅客なり貨物運送というのは黒字だったのだから、本当は何も問題なかったんだ、今はそのことではないんだけれども。 民間の方に対してはそういう無利子の融資をしておきながら、国の事業だといったって、これは先ほど言ったように環境保全上非常に重要な分野を占めていることだし、この林野会計は独立採算ということ自体がおかしいと私は思うのだ。歴代の農水大臣だって私と同じ意見だということを何回も言っておるのですよ。五十年なり百年たたなければ収支がわからないものを、一年ごとの会計やなんかでもってやっていったって、そんなものは黒字になるはずがないのだ。だから先ほど言ったように、仮に今六十二年度末で約一兆七千億、恐らく六十三年度は一兆八千億で、その一兆八千億を全部無利子融資ということになると——林野自体だって毎年返済しておるわけですよ。六十二年度末の償還金額だって二千四百五十五億円返済しておるわけですね。これは利子も入っている。いろいろな合理化とかなんか苦しいことをやって、職員に迷惑をかげながらもこれだけ返済していっておるわけですよ。 これが無利子だったら、このぐらい努力をするということであれば元金はどんどん減っていく。三千億ずつ減っていけば、六年あったら一兆八千億なんか全部なくなっていくわけですよ。そういうことだって考えられないわけではないので、何かいや法律で出せるものはこう決まっていますとか、そんなようなことを言ったら、国有事業だけはどんどんつぶれていくということになって、これもまたおかしな話ではないか、こう思うのですね。 そういう面から見たら、私は特に今この林野事業というのは、単にそういう合理化ということだけの観点から言っているのでなくて、国全体が日本の国土を守るとか、そういう環境というものを守っていくということになった場合には、やはり真剣に日本が考えているんだということから示さないと、日本の政府は環境保全に協力しますなんて言ったって、外材はどんどん買ってきて、熱帯雨林だとかそういうものを向こうの方で伐採して、おかしくしてしまって批判を受けたり、そんなことをするよりは、日本自体が環境保全ということにはこれだけ大きな努力をしているのだということを世界に示すことも必要だろう。林野事業というのは、国有林だけでなくて、民間も含めてそういう体制のもとで努力をしていってやらなければ、結果的にはまたこっちもおかしくなっていくのじゃないか。 そうすると、何か国のやっている事業がおかしくなるから、全部それは民間にやればいいのだということになったら、官庁自体民間にすればもっともっと人間なんて少なくて済むだろうとまで言いたくなる。私はそう思わざるを得ないわけですね。こういう面については、私は大蔵省の方の気持ちもわからないわけではないのですよ、今のこういう財政状況の中ですから。しかし、そういう努力をしているということが目に見えるようにならなければ、世界的にも日本は経済大国だなんて何ぼ言ったって、ほかの方は全部すっぽかしになっているというようなことでは困るのではないだろうか、私はこう思っておりまして、将来こういうことについて大蔵省としては何か考えていこうとか、そういうような気持ちというのは全くございませんか。何か関係当局の方からでも話があれば、そういう面は真剣に考えるというような気持ちは持っておられるか。今すぐやれとは私は言っていませんから、そういう気持ちだけでもあるかないか、最後にちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。
○伏屋説明員 お答え申し上げます。 国有林野事業が先生が御指摘になられたようないろいろな役割、大事な機能を果たしているということは、私どもも認識、承知しておるつもりでございます。ただ、私どもといたしましては、国有林野事業の場合にまず第一に大事なことは、徹底した自主的な改善努力というものが必要ではないかと考えておりますし、その経営の健全性確立に必要な基本的な条件の整備を図る必要があるというぐあいに考えております。 先ほど出ました、NTTの売り払い収入を活用しております収益でいずれ償還するというものと国有林野事業とは、やはり性質を異にしているのではないかと考えております。国有林野事業の方は基本的には独立採算制、しかしながら膨大ないわば債務を抱えておりますから、それらの一部につきましては、厳しい財政事情のもとではございますが、臨時的に現在一般会計からの繰り入れで対応しているということでございますので、その点の御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○奥野(一)委員 それはいずれまた何かの機会にじっくりやりましょう。 最後に、これはちょっと予定に入っていませんが、ひとつ経企庁長官、経済企画庁の任務というのは経済の計画、それから経済の総合調整というのですか、これが入っているわけですね。この「経済見通しと経済運営の基本的態度」、これは各省庁にわたるものも当然入っているわけです。しかし、これは各省庁のものだからわしは知らぬよ、こういうことにはならないと思うんですね、経済企画庁の任務としては。やはり必要なものについては各省庁にもそれなりの対応をしていかないと、この書かれている経済全体の運営というのはうまくいかないということになるわけです。ですから、そういう問題について経済企画庁長官といたしましては、ここに書かれていることについて完全実施をしていくためには、もし各省庁の対応が手ぬるいということになれば、当然それなりの指導というと怒られるのかな、それはわかりませんけれども、そういう調整はやらなければいかぬと思うのですが、その辺の御決意のほどはどうでしょうか。それだけをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○越智国務大臣 奥野委員からいろいろと企画庁長官としての心構えについてお諭しをいただきまして、大変恐縮いたしております。 一方的に意見を言うだけの官庁であってはならない。政府全体に対し、事経済の運営に関しそは各官庁に、大変ほかの大臣に失礼な言い方でございますが、監督も指導もしなければいかぬ、督励もしなければならぬ。英語を使うのは余りよろしくないかと思いますが、一種のコーディネーター、こういう格好で私どもは動かなければいけない。 個人的なことでございますが、私、経済企画庁になりまして三十六代目でございますが、約半数の先輩は副総理でございました。そういう意味で皆様がおやりになったと思いますので、大変非力、微力でございますけれども、力いっぱいお務めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○奥野(一)委員 ありがとうございました。終わります。
○嶋崎委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後二時二十九分開議
○嶋崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。森本晃司君。
○森本委員 まず、新長官、非常に経済の動向が厳しいときに御就任いただきまして、大変御苦労さまですと申し上げたい。と同時に、先日も長官がテレビで木村さんといろいろ対談をされておられるニュースを私も拝聴させていただきましたし、また、けさほどからいろいろと長官の御答弁等々拝聴しながら、さすがになというふうな思いで聞かせていただきましたが、それだけの力ある長官がおつきいただきましたので、今国民の最大の課題でございます物価問題については、どうかその力量を大いに発揮していただきたいと思うところでございます。 あさからの御意見の中にも質問の中にもありましたけれども、やはり物価の安定というのは、何といっても国民生活や国民経済の根源であります。そういう意味で、ここ数年間消費者物価の上昇率が非常に低く推移してきたということについては私たちも大変に結構なことだと喜んでおったところでございます。ところが、消費税導入の四月に入りますと、急速に物価が上がり始めました。前年同月比で三月までの一%の上昇率が一気に二・四%に上昇した。さらにまた、東京都区部での調査によりますと、五月に入って物価上昇率三・三%、前年同月比、これは五年三カ月ぶりの大幅な上昇であるというところでございます。 人のうわさも七十五日といいまして、四月一日から実施された消費税がきのうで七十五日たったわけでございますけれども、当初は、定着するであろう、あるいは今、政府高官がそれぞれさも定着したようにおっしゃっておりますけれども、現状はそうじゃない。あるいはまた、四月一日から実施される、物価が値上がりするんじゃないだろうかと大変な国民の心配がありましたけれども、そのときに、物価値上がりは一回きりだからその後続かないであろうというふうなお話が何人かの政府高官の皆さんからあったように私も記憶しております。ところが、四月一回きりではなしに、また五月になって大きく物価が上昇したというところでありますので、私はこれは消費税が物価を押し上げる原因になっているのではないだろうかというふうにも思いますし、今三・三%、東京区部の結果ですけれども、これは物価の相当大きな上昇率ではないかと私は考えておりますが、いかがでございましょうか。
○越智国務大臣 最初に、森本委員からお励ましいただきまして、本当にどうもありがとうございました。皆様のお気持ちを体して、一生懸命物価の安定を初め国民生活のために頑張らしていただきたいと思っております。 四月から五月にかけての物価上昇についての御懸念がございました。まことにお気持ちはよくわかるわけでございます。昨年十月から三月までの一・〇ないし一・二という対前年同月比のアップ率でございましたものが、四月に二・四になりました。これはしかし、政府が考えておりました、消費税導入に伴っておおむね一・二%ぐらい上がるであろうという感じとそう離れたものではなかったと思います。 その後の五月の動向はまだしっかりつかめておりませんが、今引用されました三・三というのは東京都区部の問題でございまして、東京都区部の四月の分は実は二・七だったと私記憶いたしておりますが、もともと東京の物価水準はどうしても全国よりやや高目に出ます。家賃その他入っておりますと、大変地方と東京で差があるものでございますからどうしても高目に出ますし、また、殊にことしの五月の分は、生鮮野菜とかあるいは切り花等が、四月、五月の天候が逆にいいますとよ過ぎちゃって、早く出てしまって品がすれになったというような一時的なこともございまして三・三に響いているのじゃないかと思っておりますが、全国の数字は六月の末に出ますものですから、その数字でしっかりと見定めていきたい。四月の全国の対前年同月比の二・四よりは残念ながらいささか高くなるであろう。ただ、今引用されました五月の東京都区部の速報値三・三に至ることはないものというふうに見通しているわけでございます。 なお、消費税が根本的にずっと今後も物価の押し上げ要因になるとは私ども考えておりませんので、消費税と為替、そして原油、そうした問題が複合して今物価の引き上げ要因になっているのじゃないか、これを非常に神経を使って注目しているということでございますので、その点の御理解を賜りたいと思います。
○森本委員 東京区部の値上がり、あるいは東京都心部は従来から高かった、東京区部の上昇も生鮮食料品の関係がある、あるいは切り花の関係があるというふうに御答弁いただきましたが、確かに値上げの目立った主な品目の中に、カーネーション、これは前年同月比で四七・九%あるいは前月比で五四・五%、季節の問題もあったでありましょうけれども、それだけじゃなしに、同時に、例えばワイシャツ半そでが昨年と比べて一七・二%、前月と比べて一九・三%。それから、四月のときに大変高いともう既に言われておりました豆腐も前年比一〇・九%、前月比四・七%。そのほかに理髪料、ワイシャツのクリーニング代あるいはヘアカット代等々が前年と比べてあるいは前月と比べて大きく数字が伸びていっているわけでございます。 そういった視点から考えていくと、私は、一つは、政府の見通し、なぜそういう一・二%という見通しをされたのかということも伺いたいし、同時に、長官は今、二%だから余り大したことじゃないじゃないかというふうなお考え方を発表されましたけれども、二%の上昇率といえば六十三年度の上昇率〇・七%の約二倍になってしまう。こういう状況等々を考えてみたときに、私はやはり消費税導入の影響と、それから消費税導入を契機にした便乗値上げの影響があるのではないかと思うわけですけれども、いかがでしょう。
○勝村政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま二、三の品目をお挙げになりまして、特にそういうところに物価の上昇圧力が出ているのではないかという御意見でございました。確かに繊維製品、衣料関係のものはここのところかなり上昇が目立っております。 これは幾つかの要因があろうかと思いますけれども、一部には多少、綿糸、綿花あるいは生糸でございますね、こういう原料部分の上昇が影響しておることもございますし、それから縫製代その他手間代が上がっておるということもあろうかと思いますが、どうも業界の方々のお話を聞いてみますと、もう一つ、最近の全般に消費需要がいいということも反映していると思いますが、衣料品の水準が非常に高級化あるいはファッション化いたしておりまして、あの消費者物価指数をとりますときは極端なファッション製品は外してとっているわけでございますけれども、それにいたしましても、中級品をとりました場合でも従来に比べますとかなり物が高級化あるいはファッション化している。特に婦人服の値上げが目立っておりますけれども、これなどはそういう影響がどうしても避けられないのではないだろうかということを業界の方々からも伺っているわけでございます。 それから豆腐の例でございますが、これは一部につきましては値上げの共同行為があったということで公正取引委員会の方からも警告を発した例がございますが、もちろん、共同行為というようなことは許せない行動でございます。ただ、これも業界の話を聞きますと、原料の大豆の値上げ、これはコストとしてはごく小さなものでございますけれども、それから、おからの処理代が非常に上がっているというような話もございまして、ある程度のコスト要因が出ていることは否めないのではないだろうかという感じはございます。 これらのものが全部便乗値上げと言えるかどうか。もちろん共同行為で行った場合は、いかなる理由があったにせよ避けてもらわなければならないことでございますけれども、やはりサービス関係の業界で特に三%を超えた値上げが目立っているという裏には、多少労働需給の影響も出ている可能性もあるというふうには考えております。ただ、この四月の消費税導入という段階で、それを一つのきっかけにして値上げをした、これは便乗値上げと呼ばれてもやむを得ない面がございますので、御承知のとおり、経済企画庁を中心といたしまして、もう関係各省全部に非常に強く協力を要請いたしまして、業界に対する指導等を強く行ってまいりましたし、また、共同行為等につきましては公正取引委員会の方で適正に対処をしてきている、こういう状況であろうかと思います。 今さっき大臣も申されましたが、特に東京都の場合ですと、家賃でありますとか、それから一部のサービス料金でありますとか、そういうところにやや従来の土地価格の上昇の余波が出てきているというようなこともございましょうし、先ほどお話ありましたように昨年度中は一・〇ないし一・一%の基調で参りまして、それと比べますと、五月の東京都区部の数字は、特殊性もございますけれども、ほんの心持ちですがやや強目になっているのかなという感じは我々も感じております。ただ、その場合でも、その基調としての消費者物価の上昇というのは、あくまでまだ一%台前半の中にとどまっているわけでございまして、これがインフレを加速化するような状況、そういう状況では全くないというふうに考えているところでございます。
○森本委員 私は、今物価動向に赤信号が点滅し始めたのではないかな、この後でまたいろいろ円高や原油の問題も議論させていただきたいわけでございますが、そういうふうに認識しているのです。 赤信号が点滅したという私の認識は間違っているのか、いや、まだ青信号なのだ、あるいは黄色なのだというぐあいにお考えなのですか。信号で考えてみて、今日の物価の判断はいかがに考えておられるのでしょうか。
○越智国務大臣 比喩でございますので大変難しいのですが、私流に申しますと、青信号と、アンバーと言うのですか黄色い信号の間に黄色い信号が点滅しているような感じじゃないかな、こう思っております。
○森本委員 この議論はどこをとるかによって随分変わってくるわけでございますけれども、どうもこの辺で物価の動向というのを経企庁が慎重に取り組んでいただかないと大変なことになる。 四月一日に実施されまして、四月十日の日に、委員長のお計らいで私たちは築地市場を初めとし各商店街を視察させていただきましたが、非常に生の声を聞かしていただいてより勉強になったわけでございます。 そのときに、築地市場でマグロのそのままのもののところへ行って、何か二百万円ほどするマグロらしいですが、一匹二百万円ぐらいするから三%かかったら大変きついなという声がありました。外へ出てから、場外でちょうどウナギのかば焼きとかそういうのをやっておられる店があったので、私はその店で三月と四月十日の値段を聞いたんです。くしに刺したものは百五十円で、三月もそのままでした、これは全部内税でやりますということでした。ところが下のかば焼きを見ましたときに、これは千百円となっていました。三月は幾らだったですかと聞いたら、千円だったと言う。僕は思わずそこで、これがまさにウナギ登りだな、こういう状況になっていくんじゃないだろうかというふうに、半分ジョークのような形でそのとき申し上げたわけです。 ことしに入っての動向を見ますと、先ほど生鮮食品の影響があるとおっしゃいますが、もう一つのデータで、東京都の生鮮食品を除く総合指数の動きを見ますと、これは六十年を一〇〇としてずっととっている数字ですが、やはり三・二%。六十三年度の場合には先ほどの御答弁のようにほとんど一%前後です。一月に入って一・二、二月に入って一・三、三月に入って一・七、四月に入って二・八、五月に入って三・二。この表で比べてみますと、六十二年、六十三年ともう大きく違っている。これは私がつくった表ではありません、東京都がつくった表です。 この状況を見て、私たちはやはり物価動向に赤信号が点滅し始めた、消費税導入がその大きな要因になっていると判断しておるわけです。だから、この辺については我々も非常に慎重に考えていかなければならないし、便乗値上げがあると思うのです。 ちょうど大臣の番組が終わりました後、その前だったですかね、ほかのニュースで物価問題がテレビで取り上げられておりまして、これは12チャンネルでやっていましたけれども、そのとき宇野政権に対する期待は何だったかというと、六二%が消費税の見直しを考えろというふうなデータが出てました。土地対策が四九・一、政治改革が四〇・九。それから、消費者物価が東京都が二・六%、これは東京都の前の表で二・六%ですが、そのときにテレビに出てきた生活評論家の青木さんの「グループいどばた」ですか、それは三・四%だと。政府のものと私たちの生活実感との物価の受けとめ方が違うけれども、やはり随分上がってきているじゃないか。そのときの言葉に、日本の物価は世界一高い、その上にまだ三%といろことはどういうことなんだというふうな御意見も出ておりました。 私はここでこういった消費税による影響が大であるというふうに申し上げたい。先ほどは関係ないとおっしゃっていましたが、もう一度御意見を賜りたい。
○越智国務大臣 消費税につきましては、しばしば本会議あるいは予算委員会におきまして総理並びに大蔵大臣からお答え申し上げているように、必要な見直し等は行います。ただ、税制改革法の建前と申しますか、ありまして、定着を見定めてということでございますので、まず勉強を始めてもらうという意味で、税制調査会、いつになりますか、早ければ六月中、遅くても七月ぐらいから勉強がスタートするものと思っておりますが、これはあくまで制度の、何と申しますか、うまくいってない点でございますね、そういう点を中心に考えるわけでございまして、消費税が物価を押し上げているから見直すという意味ではないと理解をいたしております。 また、今の日本の物価が世界に比べて高いというのは、品物によりまして、また日本の地域によりましてなるほどそういうところも確かにあるわけでございまして、私ども東京にずっとおります者、生まれ育った者から言えば、東京ではそういう例が多いかと思われますが、品物によりましては、あるいは地域によりましては決してそうでないものもございますので、ひとつそれもまた御理解いただきたいと思います。 それから、昨今の値上がりでは、値上がりしたなというものもございますが、値下がりしたものもあるのでございますけれども、そこは余り意識に上ってこない面もあるものですから、おっしゃるような生活実感と発表される数字とがどうも何かぴったりしてないような感じも生まれているのではないか、このように考えております。
○森本委員 それから、先ほど政府の見通し一・二%のことをお尋ね申し上げましたが、そのときと今とでは随分条件が変わってきているのじゃないかというふうに思うのです。もう既に、わずか一カ月で政府見通しの一・二%を超えて二%を超えている、これはこれから本年度下がるということは考えられないのじゃないかと思うのですが、その見通しについて、今発表したばかりで見直せと言ってもそうはいかないわけですけれども、客観情勢がまた変わってきている、その辺をどのように考えていらっしゃいますか。
○勝村政府委員 ただいまおっしゃいました一・二%というのは、消費税導入の影響として政府が試算した数字でございますが、政府経済見通しといたしましては、平成元年の消費者物価上昇率を、消費税の影響を含めまして二・〇%というふうに見ているわけでございます。したがいまして、消費税の影響を一・二%と考えますと、実際の基調としての消費者物価上昇率は〇・八と見込んでいるわけでございます。 ただ、たまたま昨年度も平均いたしますと〇・八の上昇でございました。この中には、昨年秋に生鮮食品がかなり上昇いたしまして、その影響で〇・一ないし〇・二ぐらい持ち上がっている要因があったわけでございます。したがいまして、ことしの天候がどうなるかはちょっと予測しがたいのですが、平年の気候のような動きをするというふうな前提を置いておりますので、基調としての消費者物価上昇率は六十三年度よりは元年の方がやや強目になるという前提の数字で、合計いたしまして二・〇という数字になっているわけでございます。 その背景は、率直に申しまして現在のような円安になるということは想定しておりませんでしたけれども、これまでに比べますと円高のテンポは当然鈍る、それから原油価格低下のテンポも当然鈍る、場合によっては昨年よりも上昇する可能性があるということを前提にいたしまして、基調としての消費者物価上昇率は昨年度よりやや強目になるだろう。ただ、生鮮食品が昨年特に高かったということを割り引きますと〇・八という数字になる、これが基調の見方でございます。 先ほどちょっと御答弁を漏らして恐縮でございましたが、消費税の影響の一・二自体の根拠、あるいはその根拠が現在に至って変わっているかという御質問でございましたけれども、一・二というのは、一般の商品、サービスは当然のことながら三%価格が上昇いたしますけれども、一部に非課税品目がございますのと、物品税の廃止に伴いますものが適正に価格の低下に反映すれば、これはかなりの引き下げ要因になるであろうというようなことを考慮いたしまして、差し引き一・二%、平均では一・二%ぐらいの影響というふうに見ていたわけでございます。 委員御質問の趣旨は、あるいは消費税導入に伴ってインフレ機運が少し広がった、あるいは便乗値上げが予想以上に広がったということを御指摘になっているのかと思いますが、たびたび申し上げておりますように、確かに一部の特定サービス業種、しかもそのうちの一部の業者だと思いますが、便乗値上げがあったことは否定できません。ただ、全体としてどれだけ物価水準を便乗値上げで押し上げたか、これは、はかり方は非常に難しいというか、むしろ不可能に近いわけでございますが、四月の段階であえて三%以上上がっているものを挙げてその寄与度というのを見ますと、〇・二ちょっとぐらいでございます。そのうち〇・一は、毎度申しますが、新聞代の値上げによる分でございます。ですから、その他のいわゆる便乗値上げによる影響というのがあるいは〇・一九ぐらいあったかもしれないというふうに考えております。 ただ、一方で、免税業者の方などが中心と思いますが、三%までは値上げされていないというのも幾つかの調査で出てきているわけでございますし、それから、物品税廃止に際しましてどれぐらい末端の消費者価格が下がるかという試算を政府が昨年から発表いたしましてPRをしてまいったわけですが、四月、五月の数字を見ますと、どうも物によってはそれ以上に下がっているものがかなり目立っております。 そういうことで、一・二というのはあくまで税負担額を物価に影響させた場合の数字でございますけれども、それが見通しが非常に狂って、便乗値上げとかそういうものまで入れれば一・二どころじゃないじゃないかというふうな状況にはなっていないと思うのです。ですから、いずれにしましても東京都区部の五月が三%を超えた、これは大臣も何度か御説明になっているように特殊要因がございますが、基調がほんの少し強目になっているということは否めないだろう、消費税の影響で三%上がってしまったということではあくまでもないというふうに理解をいたしているところでございます。
○森本委員 三%上がった要因は消費税は全く関係ないと思われているようでありますけれども、決してそうではないと私は思うのです。 それで、お尋ねしたいのですが、四月、五月の円安、それから原油の価格の問題、これはこの数字の中に響いてきておるでしょうか、どうでしょうか。私は、むしろそれは響いてなくて、これからその円安の影響は出てくるのではないかと思うのですが、どうですか。
○勝村政府委員 輸入価格の上昇が卸売物価には比較的早く反映いたしますが、消費者物価に反映いたしますのはある程度ラグがあることは御指摘のとおりでございます。ただ、為替レートの方はことしの初めからやや円安の方向に動いてまいりまして、たしか三月の平均で百三十円台に乗ったかと思いますが、これは当然かなりのラグを持って響いてくるのですけれども、最近は製品輸入等の比率がかなり上がっておりまして、輸入価格が消費者物価に影響するスピードというのは以前に比べますとやや早くなっている可能性はございます。 それにいたしましても、計量的に計測をいたしますと、第一・四半期での影響というのは微々たるものだと思いますが、第二・四半期目になりますとある程度の影響が出てまいります。つまり、現在四−六月期ですので、一−三月期のある程度の円安というのは多少の影響は出ているかもしれ ないというふうに考えております。 それから、原油の方は四月までは入着価格がバレル十六ドル台でございまして、まだ日本の国内物価に影響するという状況にはございませんでした。ただ、五月の中旬の数字を見ますと、十七・九八と入着価格で大体十八ドルぐらいになってきておりますので、これも多少のラグはあるかと思いますが、末端価格に割合響き始めている部分もあろうかというふうに考えております。 ただ、この円安それから原油価格の影響、これにつきましては、けさからいろいろお答えしておりますように、長く続くものではないはずである、特に為替の場合はそう長く続くはずはない、かなり一時的な要因が入っているというふうに考えておりますけれども、とにかく百五十円台まで円安になってきた影響というのは、やはり夏から秋にかけまして、その後円高の方向に振れたといたしましても、ややラグを持って影響してくることは否めないだろうというふうに考えております。 先ほど御質問の、じゃ四月、五月の物価にはそれはどの程度影響しているのか、これは幾らという数字で申し上げるのは非常に難しいのですが、先ほどから御説明しておりますように、ほんの少し影響している可能性はあるということだろうと思います。やはり消費者物価にやや強目の感じがあると申し上げましたのは、一つは家賃等でございます。特に東京都の場合、家賃の上昇それから一部サービスコストの上昇というようなものが、労働需給等を反映いたしまして少し強目になっている可能性はあるのではないだろうかと考えているところでございます。
○森本委員 私は、四月、五月の場合にはまだ円安あるいは原油高というのは数字の上でそんなにあらわれていない、それはむしろこれから本格化してくる。長官と木村さんの対談の中でも話が出ておりましたように、電話が外からかかってきましたけれども、そういうものは上がったときはすぐに値段が上がる、円高になったときはなかなか値段が下がらないというふうな声が、ちょうど電話が対談の最中にかかってきた中にあったわけでございますけれども、まだそれは出ていない、むしろこれからだと私は思っています。 そこで、東京都の五月の商品価格動向調査、これは調査対象九十八品目で三月と五月を比較されました。下がったものがあるとおっしゃいましたが、これは確かに下がったものもあると思います。九十八品目の調査の結果、値上がりしたもの六十九品目、このうち三%以上値上がりしたもの三十三品目、値下がりしたもの二十品目、これは物品税の関係等々があって値下がりしたものであります。それから、このうち季節関連商品である生鮮食品を除くと、五%以上値上げのものは、豆腐一一・一、ノート九・〇、シャープペンシル八・九%、これは新学期の関係があったかもわかりません。そのほかに洗濯洗剤八・四%、半そでシャツ七・四%等々、五%以上のものが八品目あります。 それから、一概に言えないようですが、消費税が必ずしもまだ全部転嫁されているわけではない。免税店の場合には今まだいろいろと状況を見ておられるところがある。それが今度またぞろこういう流れの中でいよいよ本格化し始めてくるんじゃないか。 こういった五%以上の値上げをしたものですが、これはやはり便乗値上げと言えるんじゃないかなと私は思うのですけれども、その辺はどうですか。
○勝村政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘ございました東京都の五月段階での調査で、今おっしゃいました豆腐が一一・一とかノート、シャープペンシルというのは、実は消費者物価指数の方に対象品目がございませんものですからちょっと比較できないのですが、文房具が比較的値上がりが大きいということは統計上も確かにそういう状況が出ております。ワイシャツなどもお挙げになっておりますが、これは確かに先ほど申しました繊維品が一般に上昇率が高くなっている、その一部であろうかと考えます。しょうちゅうが上がりましたのは酒税改正の影響でございますが、大体消費者物価指数の方も、大ざっぱに突き合わせてみますとこういうものについては値上がりが目立っております。例えば豆腐などは、前年同月で見ますとやはり一一%ぐらいの上昇になっております。 そういうことで、確かに値上がりの目立つ品目が一部にございますが、これらにつきましては、かなり企画庁が直接業界あるいは業者の方に接触いたしたものもございますし、それから通産省、農林省、厚生省等を通じまして業界の方にいろいろ事情を問いただした、必要な場合は指導してもらったということもあるわけでございます。 それぞれ聞きますと、先ほどからいろいろ御説明しておりますように、個別のものにつきまして確かにコストアップ要因がないとは言えない、ある意味ではなるほどと思うようなコストアップ要因がある場合もございます。ですから、全部が非常に悪質な便乗値上げであるということは言えない状況かと思いますが、それにいたしましても、先ほど申しましたように、三月から四月、五月にかけましての消費税の導入という時期を一つのきっかけとして値上げをしたということは、消費税自体に対する消費者の信頼感を失わせることにもなりますし、やはり時期の選び方としては非常に安易な値上げであった。仮にコスト要因から正当化される場合でありましても、この時期を選んで値上げをしたということは、やはり安易な値上げ、便乗値上げと呼ばれても仕方がないものも確かにあっただろうと考えております。 それに対しましては、先ほど申しましたように、政府全体といたしまして全力を挙げまして取り組んだわけでございます。その効果もある程度あったというふうに我々は自負しておりますが、とにかく、最初から言われておりましたような特定業種からほかに広がるということは今のところ起こっていない。それから、そういうところでも、全部の業者が全部値上げをされたということではなくて、少なくとも現在までのところ、一部の業者の方がそういう安易な値上げをなすっているという結果となって数字が出ているんだろうと思います。 したがいまして、今後確かにコスト要因というものは物によっていろいろ違ってまいりましょうけれども、とにかく便乗値上げ的な動きというものがこれ以上絶対に広がらないようにというのが我々の最大の政策的な眼目でございまして、そのために、この四月以降も従来の調査・監視体制というものを全く緩めることなく、これ以上こういうものが広がるということを絶対に防止をしていく、そういう姿勢で臨んでいるところでございます。
○森本委員 こういうときに便乗しようというのが非常に多いわけでございます。 そこで、これは長官にちょっとお尋ねしたいのですが、私たちは消費税は撤廃せよと申し上げているところでございますが、総理のこの間の演説の中でも、ぼつぼつ見直しを考えなければならないかなということがあります。 最近永田町かいわいで聞こえてくるのは、外税にしていると痛税感がある、だから内税にしようじゃないかという話がぼつぼつ起き上がってきているように我々は聞くわけです。これはまだ先の議論でございますけれども、長官にお尋ねしたいのですが、外税の税の痛みがあればこそ税に対して真剣になっていくわけでありまして、これを内税でやろうというのは大変なごまかしの理論ではないかなと私は思うのです。もしそんなことをやってしまえば、物価を便乗値上げがさらに大きな力を加えて押し上げていくのではないかな。内税方式にすると確かに痛税感はないけれども、便乗値上げが出てくるのではないかなと考えるわけですが、長官はその辺はどのように今考えていらっしゃいますか。
○越智国務大臣 消費税を内税でするか外税でするか大変難しいところでございますが、現行の法律ではどちらにしろとは決めてございません。また、行政官庁は各業界に対してどちらにしろという指導もしないことになっております。現状では、コンビニエンスストアみたいなところは、キャッシュレジスターの都合もございまして全部外税でございます。業界でも、例えば肉屋さんは全部外税でございます。どちらかというとサービス業のお店が割と内税が現状においては多いようでございますが、政府といたしましては、どちらに統一するという議論は今のところ起こっておりません。 なお、委員御高承のとおり、アメリカではステートタックスでございますが、これは全部外税でございまして、ヨーロッパでは卸のところでは外税が多く、小売のところでは内税が多い、こういう格好になっているわけでございます。
○森本委員 内税にすると痛税感はないけれども、これは便乗値上げになってくるんじゃないかなという私の質問に対しては。
○越智国務大臣 失礼いたしました。 最後のくだりは、基本的には、大変今、何と申しますか、商売の競争の激しい状態でございますので、よほど特定の業種でないとなかなかそういうことにはならないんじゃないか。それを、横に連携をとりまして一斉に値上げをすることを今厳重に調べているわけでございまして、競争条件が働く限りは、外税ならば厳格にいき、内税ならばみんなが一斉に便乗になるということは、そこまでは言い切れないんじゃないか、このように思っております。
○森本委員 円安それから原油価格の今後の動向、先ほどは一時的なものだという御回答をいただきましたが、長官の考え方、これからの見通しはいかがでございましょう。
○越智国務大臣 為替のお話でございますが、けさ方の寄りつきが百五十円三十銭で始まりまして、今調べさせましたところ、午前中は百五十円台、要するに百五十一円までいかない手前でもみ合っておりまして、後場の寄りつきも百五十円七十五銭で始まっております。今必死になって、その大台は変わりましたけれども、そこで食いとめているんじゃないかという感じでございます。 私が予測を申し上げるわけにまいりませんが、けさ方報道されました国際金融情報センターの調査、四十四名のディーリングルームの第一線の方々に聞いた一カ月後の予測では、一番の円安が百五十七円か六円だったと記憶いたしておりまして、かなり現場の方々の中にも見通しにくいという状況になっていると思います。 いずれにいたしましても、四月のG7のときの状態、百三十円台でございますが、それよりも余りドルが強くなっても、またドルが弱くなっても、世界経済のためによくないだろうと先進七カ国の蔵相はおおむね合意したというか共通の認識を持ったと理解いたしておりますので、百五十円のところに達している現状に対しては、各国ともこれの安定のために努力をするはずでございますし、また遠からず百四十円台に戻ってもらえるのではないか、こう期待いたしております。
○森本委員 それでは、次に参りたいと思います。 「世界とともに生きる日本−経済運営五カ年計画−」が昨年発表されましたが、その推進状況についてお尋ね申し上げたいと思います。
○海野政府委員 お答えいたします。 先般、経済審議会から「世界とともに生きる日本」のフォローアップ報告が出されました。これは、この報告の中に、「毎年、経済審議会は、内外経済情勢及び施策の実施状況を点検し、その後の政策運営の在り方につき、政府に報告する」、こういうことが規定されておりまして、それに基づきまして、先般経済審議会よりフォローアップ報告が出たわけでございます。 このフォローアップ報告におきましては、一応経済の現状、これまでの姿は計画の想定した線を基本的に進んでいるというような認識と、それから施策につきましても、おおむね実施の方向で推進が図られているというような内容の報告がございました。 ただ、その中に指摘されておりましたけれども、まだ政策効果の上がってない分野も幾つかあるということでございまして、そういった分野につきましては、特に「豊かさを実感できる多様な国民生活の実現」という目標に向かっての施策の面で、施策自体としては実施に向けておおむね努力が払われていることを認めながらも、効果がまだ十分上がってない分野がその面であるという御指摘が出されましたので、政府といたしましては、それを踏まえて十分今後その実施にさらに進み、そして実効ある成果を上げていきたい、私ども、こう考えておるわけでございます。
○森本委員 豊かを実感できる生活を実現するために国がとるべき方策として、土地、住宅対策、それから労働時間の短縮、それから物価水準の引き下げ、この三つがやはり大きな柱であると思うのです。また、それに取り組んでおられますが、この審議会の報告を見ますと、今も御答弁の中で、一部できていないものがあるとおっしゃいました。その中で、「今後の留意事項」の中に出てくるわけですけれども、「土地・住宅対策については、」「施策を強力かつ速やかに推進していくことである。」というふうに書かれております。「他方、労働時間短縮、物価構造の是正については、各般の施策が逐次進められてきているが、未だ現実の成果が十分に現れていないこと等に鑑み、」というふうに書いております。 特に物価構造の是正については効果があらわれていないというふうにここで述べられておりまして、この問題については、言うならば具体的な政策がないことを指摘しているのではないかというふうに思うのですが、それはどうですか。
○海野政府委員 内外価格差の縮小を目指した物価構造の是正という面については効果がまだ十分あらわれてない分野がある。これまでのいわば施策の実施状況を点検した部分におきましては、審議会としては、これまでこの施策の実施を通じて一部の分野でその進展が見られるということも言っておりますが、しかし、まだ多くの分野におきましてその施策の効果が十分あらわれてない分野がある、こういう言い方をしておりまして、その中に、いわば流通分野における規制の緩和あるいは市場アクセスの改善といったような面、それから消費者のいわば輸入商品に対しますアクセスの面での効果が十分上がっていない、もう少し多様な流通経路あるいは販売経路といったようなものを見出すべきであるし、あるいは消費者に対してもっと情報を提供すべきであるというような具体的な施策について審議会として指摘をいたしております。 全然あらわれてないというわけではございません。審議会といたしましても、一部の分野ではそういった面で努力の効果があらわれでいるけれども、多くの分野でまだ残されている、こういう言い方をされております。
○森本委員 そこで、この豊かさが実感できないというのは、先ほどの三点の問題とあわせて、物価水準のところで見るとやはり我が国の物価が世界で一番高い。 これは長官にお尋ねしたいわけでございますが、我が国の物価が先進諸国中一番高いということ、これは長官はお認めになりますか。また、どのように判断されますか。
○越智国務大臣 なかなか言い方が難しいと思います。日本におきましても、どこにお住まいになっているかで比較がかなり違います。私は実は東京生まれ、東京育ちでございますが、東京という場で見ますと、やはり世界各国に比べまして生活水準から見るとなかなかに物価が高いなという実感はするのじゃないかと思っておりますが、ただ、物皆押しなべて全部高いというわけでもございませんし、どこの国と比べて高いかということも差がございまして、為替の変動の前、要するにプラザ合意の前でございますと、かなりいい線、要するにほかの国とほぼとんとんみたいないい線をいっている物品も多かったのでございますが、この昭和六十年九月以来の約四年近くの間に為替が今日までになりましたものですから、一番差が感じられるのは、アメリカに対して差が大きい。ヨーロッパの国に対してはそれほどの差はまだないし、物によっては日本の方がお安いものもある。ニューヨークとかハンブルクとかいろいろ町をとって事務局の方でも検討いたしておりますが、ばらつきがあることもまた事実じゃないかと思っております。
○森本委員 おとといのテレビに大変こだわっているようですけれども、西ドイツは余り感じないのじゃないですかという大臣のお話もあの中であって、アメリカにいくと確かにそれは感じるなというお話があったと思います。 経済企画庁は五百品目の消費者物価について、ニューヨークとハンブルクで内外価格差の調査を行いましたね。ニューヨークとハンブルクの二都市と東京を比較すると平均で一・四倍物価が高い。また、EC委員会の調べでも日本の物価はアメリカの一・五倍、フランスの一・三倍、西ドイツの一・二倍。それから、国連職員の生計費調査というところでいきますと、一九八八年十二月のニューヨークを一〇〇とした場合に、東京は一五四、西ドイツは一一六、パリ一〇七であるとしている。東京は実にニューヨークの一・五倍の生計費がかかるということになっている。さらにまた、購買力平価で比べてみますと、OECDが六十二年の我が国とアメリカとを比較したものによりますと、一ドル百四十五円のときにアメリカで一ドルで購入できるものが日本では二百十四円出さなければ買えない等々、いろいろと物価を豚肉の例で見たりしておるわけですけれども、内外格差というのは非常に大きいと思うのです。 この原因は何なのか、それから、格差の縮小をどのようにして推進していくお考えか、お尋ねしたいと思います。
○勝村政府委員 お答え申し上げます。 ただいまいろいろな調査を御引用なさいましたけれども、大体我々も、平均してみますとそういう状況であろう、東京とニューヨークと比べますと大体五割方東京の方が為替レートと比較しまして高い。それから、ヨーロッパの場合は今一一六というような、あるいはフランスで一〇七というような数字がございましたが、一〇%から二〇%くらいの差があるのかなというふうに考えているわけでございます。 それで、この基本的な原因が何かということでありますが、これは実は学者の間にもいろいろ説がございまして、先ほど大臣が申されましたように、この円高になる前の一九八五年、昭和六十年の段階でOECDが調査したもので見ますと、為替レートがたしか二百三十九円で購買力平価が二百二十二円ぐらいだったかと思いますが、むしろ日本の国内物価は、平均いたしますとやや割安だったという状況にございました。その後、円高が急速に進む過程でこの内外価格差というのが目立ってきたわけでございます。これが、為替レートが急激に変動したせいであるのか、それとも八五年当時の為替レートというのがかなりドル高の方にぶれておりましたために日本の内外価格差というのが表面化していなかったのか、そこは理論的になおよく詰めてみませんと簡単には結論を申し上げられない要因がございますが、しかし、やはりその後の為替レート、八五年以降の為替レートの方が国際的な相対比価というものをむしろ反映した、いわゆるファンダメンタル相場ということであっただろうということを考えますと、やはり現在の内外価格差というのは否定できないものであろうというふうに思います。 それは平均の話でございますけれども、それじゃ何が日本は特に目立って高いのかということを考えてみますと、個別品目の中を見ますと、やはり食料品の中にかなり高いものがある。特に何らかの形の輸入規制あるいは支持価格制度等があるものがどうも高いということは否定できないのではないだろうかというふうに一つ申すことができようかと思います。 それから、一般の工業製品、電機、機械とか衣料品とかあるいは自動車、これらは国によって多少の差はございますが、中には日本の方がむしろ安いというものもございまして、大観いたしますと、工業製品の価格差は統計的に見ますとそれほどあらわれていないであろう。ただこれに一部問題がございますのは、よく日本製の物を海外に行って買うと安いというお話がございまして、これはお話は聞くのですが、データとしてはっきりしたものはございませんので何とも申しかねますが、少なくとも国内の販売価格同士を比較いたしますと、工業製品部分ではそれほど大きな格差はないということかと思います。 それから、サービス料金ではどうかということでありますが、これがややまちまちでございまして、私どもも理論的に整理をするのにやや困難を感じている面がございますけれども、やはり外食などはどうも日本といいますより東京の方が高い。これはいろいろな要因もございましょうが、あるいは土地価格の高さが反映している部分もあるかもしれないと思いますし、また、業界の競争条件によりまして日本の方が割高になっているもの、割安になっているもの、多少そういうばらつきはございます。 それから、公共料金につきまして、これも基本的にはサービス価格の一部でございますが、公共料金につきまして比較をいたしますと、これも物によって違います。例えば郵便料金などは、はがきなどで比べましてもほとんど差がない。アメリカの場合、特殊な割引制度と申しますか、日本で申しますいわゆる第三種郵便的なものがあるためか、やや低目になっているものがございますが、それほど大きな差はない。それから、電話料金は、市内料金で比べますとほとんど変わりませんが、遠距離で見ますと確かに日本の国内料金の方が高いようである。あるいは国内航空運賃同士、これはなかなか比較が難しい面がございますが、ヨーロッパとはほとんど同水準である。ただ、アメリカに比べますと、もちろんアメリカは規制緩和ということでそもそも航空業界の体制が違いますが、アメリカに比べますと割高であることは否めません。 まあそういうふうに公共料金でもいろいろ物によりましてあるいはその特殊な性格によりまして日本の方が割高なもの、ほぼ同等なもの、分かれておりますけれども、大体大ざっぱに申しまして、何が日本の方が高いのかというところで見生すと、目立ちますものは今申しましたようなものが主なものでございます。結果として、平均数字で、特にアメリカに対しましては五〇%前後の割高という状況があることは否めない、こういうふうに考えているわけでございます。 それで、じゃどうやったらそれを是正できるのかということでありますが、これは何と申しましても、第一には今後ともできる限り規制緩和を准めていくあるいは公共料金のようなものでもできるだけ競争条件を充実していくというようなことが一つございましょうし、それからもう一つ、これはデータ的には非常に難しいのですが、やはり流通コストの問題があろうかと思います。個々の場合でも、政府の対策といたしましては、やはり規制の緩和あるいは、何と申しますかより効率的な流通システムの確立というようなことが政策としては主要な問題になってこようかというふうに考えているところでございます。
○森本委員 日本の方が安いものもあるというお話もありましたけれども、実感としてやはり高いと思うのですね。日本を一〇〇とした各都市の小売価格指数を比べてみますと、イギリスのロンドンは八四・六、フランスのパリはこれは一〇三・四で日本と変わらない。それから西ドイツのフランクフルトは八九・二、ジュッセルドルフにいくと七四・六という非常に低い数字になっている。カナダのトロントは七一・一、アメリカでもニューヨークは八三・三、ロサンゼルスは六二・〇という状況でありますから、こういった七都市の平均を考えても日本を一〇〇として八一・二。確かに一部に安いものもありますが、やはり数字の上から見ると日本の物価は高いと言える。それから、公共料金の方で郵便のはがきの話をされましたけれども、公共料金もやはり日本の方が随分高い。 これは経済企画庁の雑誌でございますけれども、ESP六月号を見ますと、これは物価局の人で河野さんという方が書いていらっしゃる論文の中に、「公共料金の内外価格差について」ということで、冒頭に、「わが国がGNP大国でありながら、生活大国となれないでいる主要な原因のひとつとして、わが国の物価水準が諸外国に比べて一般的に高いことが挙げられており、」云々。文章の半ばで、確かに今答弁がありましたようにたばこやそれから国内航空運賃では価格差がほとんどないとおっしゃってますが、電気料金では、日本を一〇〇といたしますとアメリカが七三・三、イギリスが六八・九、西ドイツが八〇・三、フランスが五九・六。ガスに至りますと、日本が一〇〇、アメリカが五〇・一、イギリスが三八・一、西ドイツ四三・〇、フランス六二・〇。これはそれぞれ資本費の割高であるかどうかということによってもいろいろと変わってくるわけでございますけれども、やはり公共料金も日本の場合は非常に高いというのが実感です、諸外国と比べて。公共料金というのは政府が価格に介入してその抑制を図ってきたのですが、高くなっている。 そこでまたおとついの電話の話で恐縮でございますが、長官と木村さんとの対談のときに電話がかかってきまして、円安になっていった場合に電気代が上がるのではないでしょうかという電話がその晩にありました。やはりその点は非常にみんなも気にしているところでございまして、この数日間、私の耳に入ってくるのは、せっかく値下げした電気代がまた上がるのではないだろうかというのが頻繁に私の耳に入ってまいります。 この公共料金の内外格差をどのようにして是正していくのか。やはり競争条件を導入していく必要があるのではないだろうか。それから、ここ数年は値上げしない、抑制していく、確かに原油と円安の影響が電気代あるいはガス代に影響してきますが、ここ数年値上げしないという方針を出していくことが大事ではないかと思うのですが、これはどうですか。これは長官に。
○勝村政府委員 二点につきましてお答えいたしたいと思います。 特に電気料金、ガス料金が日本は料金水準がほかの国より高いのではないかということでございまして、これは確かに、はかり方にもよりますが、標準的なケースを想定してみますと日本の方が割高になっていることは否定はできません。 ただ、その内訳を見ますと、やはり一つは燃料費でございますね、この部分がどうしても日本の方が高くなっているということと、それから、ただいま御指摘になりました資本費、これは特に日本は相対的にアメリカあるいはヨーロッパ——ヨーロッパと申しますよりも、アメリカ、イギリスなどに比べますと原子力の燃料構成としての比率が高うございまして、そのために資本費を要する、それで減価償却費、利払い費がかなりかさんでいるというような点がございます。 ガスにつきましても、やはり日本の場合は、特にLNG、御承知のように高圧の特殊な船舶で運んでまいりまして、また国内でもそれをガス化しますのに特殊な設備を要しまして、それが相当高価なものにつく。外国のように天然ガスを引いてきてすぐ使うというわけにはまいらないというような点がございます。 そういうような燃料構成の違い、資本費コストの相違というようなものが、これにつきましてももちろんできるだけの合理化、コスト削減努力は必要なわけでございますが、そういう面で、日本の国際的な地位、地理的な条件あるいは経済的な条件から申しましてやむを得ない部分はかなりの程度あるのではないだろうかというふうには考えるわけでございます。水準につきましては、一応そういう事情はあるということを答えさせていただきたいと思います。 もう一つ、今後料金水準をどうするか、特に円安、原油高という中でどうするのか、据え置くということはできるのかという御質問でございましたが、これはけさほど奥野委員の御質問につきましてもお答えしたわけでございますけれども、確かにことしの四月から電気料金、ガス料金を引き下げましたが、そのとき前提といたしました諸元、つまり為替レートそれから原油価格の水準でございますね、これに比べますと、最近、条件が相当変わってきている、あるいは今後とも当初想定した諸元の水準までに戻るのはなかなか容易ではないかもしれないというようなことはあるわけでございますが、けさほどもお答えいたしましたとおり、電力会社あるいはガスの大手の会社等の収支条件その他から考えまして、これぐらいの前提条件の変化で直ちに料金をどうするかということを検討しなければならないような状況ではないだろう。また、あるいはおしかりを受けるかもしれませんが、特に為替レートにつきましてはこういう水準がいつまでも続くというふうには考えておりませんし、電力・ガス会社の会計年度も始まったばかりでございますので、もちろん条件の変化ということには注意深く対応していかなければなりませんけれども、料金の変更を云々するような段階では全くないというふうに考えております。
○森本委員 それから、時間が余りなくなってまいりましたが、輸入品に対する問題です。 経企庁の輸入と物価に関する研究会で、輸入がふえ、輸入物価が値下がりしているが、国内価格は下がっていないということが問題として上がっていました。チーズ、ウイスキー、ビール、ワイシャツ、スポーツシャツ等々が上がっています。 そこでお尋ねしたいのですが、輸入総代理店というのは独禁法上問題がないとしているが、競争政策上問題も非常に多いということです。それから、先般出されました通商白書でも、輸入総代理店経由のものは入手の困難性を指摘する小売店も多い。そこで、並行輸入の拡大は流通ルートの複数化に云々ということで、輸入を拡大させるというような働きを持つ点で評価できよう。こういうことで、やはりこの輸入総代理店という問題を見直す時期に来ているんではないかと思うのです。中でも国内の市場が寡占的である商品の場合、例えばお酒の場合、その総代理店が自分のところの国内で生産しているものとの競合を防ぐために価格調整をしているということも考えられるわけですよ、影響があるということで。そういった点で、この辺で公取として輸入総代理店政策を見直すべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○柴田(章)政府委員 今御質問にありましたように、輸入総代理店も競争政策上それなりに見直すべき点がないとは言えないと私ども思っておりますが、ただ、先生御承知のように、輸入品が国内に進出してまいりますときに輸入総代理店というのは一つの大きな役割を担っておりまして、したがってそれなりの役割は評価してやらなければいけない。国際的にも、輸入総代理店というのは各国ともそういう制度と申しましょうか慣行と申しましょうか、流通経路が確立いたしておりまして、それなりの役割を果たしているという評価はなされているわけでございます。 ただ、総代理店という名前にありますように、独占権を与えておりますので、確かにそういう意味では競争制限的に機能するという危険性も常にあるわけであります。 そこで、公正取引委員会としては、そういったデメリットを抑えながらメリットを生かしていくように対応していかなければならないと基本的には考えております。したがって、競争制限的な手段によって高価格が維持されることがないように、輸入総代理店契約の審査あるいは行為については常に関心を払ってきているわけでございます。 昭和六十一年にも、並行輸入の問題も含めまして、今輸入総代理店の取り扱っているような商品、皆さんの御関心のあるような商品については我々調査をいたしました。並行輸入品というのがそれなりに非常に価格競争を促す一つの要素になっているなという印象を私ども持っておりまして、そのときに、並行輸入を阻害するような行為は特にやめてくれということでガイドラインをつくりました。こういう行為は不公正な取引方法に該当しますよということで、輸入総代理店によくおわかりいただくようなガイドラインもつくったわけであります。そのような経緯もございました。 その後、確かに先生を含め国民の皆さんからいろいろ問題も提起されておりますので、私どもといたしましては輸入総代理店が取り扱っておりますようなこういった商品について現在再度調査をしようと思っておりまして、もう一度私どもなりにこの問題点の存在を意識して見直しをしていきたい、こういうふうに考えております。
○森本委員 あと一問だけお答え願いたいと思います。 竹やぶから出てきたお金から非常に話題になりましたけれども、封筒のあて名書き商法ですね。これが非常に被害者が多い。あて名書き内職に関する相談件数が、経済企画庁に寄せられているだけでも、これは関心が高まったということもありますけれども、六十年が二百件、六十一年が三百十件、六十二年が三百六十件、六十三年は九百二十件となっていて、この被害が非常に多くなっている。相変わらずこの内職商法で多い。それから、五月の新聞で、ある弁護士さんが一一〇番を設置したら二日間で相談が三百八十五件に及んだという状況です。 時間がございませんので、この内職商法で今大変多くの人に被害が出てトラブルが発生しておりますが、この状況をどのように認識し、今後その被害が及ばないようにどのようにされようとしているのかということを伺いたいのと、同時に、国民へのPRをもっともっと一生懸命やっていただきたい。 訪問販売等々によるいろいろな被害があります。国民生活センターは、こういうパンフレットをお出しでございますが、これは非常に結構なことだと私も思います。例えばこのパンフレットの最後のところに「企画・編集 国民生活センター この印刷物の無断転載はご遠慮ください。」こういうことを転載するのを御遠慮くださいと書かなければならないほどのものでもない。むしろこれをコピーしてどんどん消費者を啓蒙されることの方がはるかに大事なことであって、なぜこんなことまで書かれているのか。国民生活センターの電話番号も極めて小さい。もっと啓蒙の仕方があるのではないだろうか。「国民生活」の五月号には非常にすばらしいことが書いてある。消費者センター多摩東支所では、学生の落語家を通じてお年寄りなどにいろいろな啓蒙をやっている。こういうすばらしいこともやっておられるのですから、どうぞ一生懸命啓蒙、啓発をやっていただきたいと思います。一言御答弁いただきたい。
○末木政府委員 先ほど来、豊かな生活ということの御議論がございますけれども、消費者の方が悪い企業にだまされない、安心して取引ができるということは豊かな生活の基礎の基礎だと思っております。 先月も、たまたま消費者月間でございましたので、消費者関係の省庁十八ございますけれども、それぞれ持ち腸持ち場といいますか、分担に応じていろいろな行政の重点的な実施を行ったところでございます。偶然でございますが、本日、月例の消費者担当課長会議を私どもの担当課長が主宰して今開いておりまして、この問題もおっしゃるように最近件数がふえておりますものですから、どういうふうな打つ手があるか、幾つかの省庁が関係してまいりますので、ちょうど今相談しておるところでございます。 詳しく申し上げる時間がございませんけれども、法律的には、単純に商品、サービスを売るという形じゃないものですから、通常の消費者保護立法のタイプとちょっと違う相手でございますので、今具体的にこうというふうに申し上げるのは控えさせていただきまして、勉強させております。 要は、すぐできることはPRでございます。私どものいわば実動部隊である国民生活センターが、五月の十日だったと思いますけれども、全国の状況を分析しまして、用心すべきポイント、どこに危険性があるかというようなことを全国二百八十余りの消費生活センターを通じて広く消費者の方に呼びかけて注意を喚起しまして、幸い大きな新聞の御協力によりまして記事にもしていただきましたものですから、かなり警告の効果はあったと思います。 御指摘の転載云々ということは、早速私も調べてみまして善処いたしますけれども、今後とも消費者に対する啓発、PRについては、これはすぐできることですから、できるだけ努力してまいります。
○森本委員 以上で終わります。
○嶋崎委員長 次に、岩佐恵美君。
○岩佐委員 本日は、時間面で御配慮いただきまして大変ありがとうございます。 農薬問題について伺っていきたいと思います。 輸入食品の拡大、有機野菜への消費者の関心の高まりに見られるように、今日農薬の安全対策が大きな社会問題となっています。食品中の残留農薬については、食品衛生法に基づいて二十六農薬、五十三農作物に残留基準が設けられています。しかし、我が国では農薬として登録されているものが四百種類程度あります。このことから見ると規制は微々たるものであると言わざるを得ません。しかも、我が国では禁止されているものが海外では使用され、それが輸入されるときに、我が国の基準がないということでチェックされないでフリーパスで入ってきているというのが実態であります。 このような現状をどう考え、どう対策をとられるのか、そのことについてまず厚生省に伺いたいと思います。
○内山説明員 お答えいたします。 食品中の残留農薬につきましては、現在食品衛生法に基づきまして五十三農産物についての二十六農薬の残留農薬基準が設定されておりますことについては先生おっしゃるとおりでございます。 厚生省といたしましては、昭和六十年から平成元年度までの五カ年計画に基づきまして、残留農薬基準のための農産物の残留農薬実態調査、食品中の残留農薬の分析法の検討を行ってきておりまして、今後とも、農林水産省等関係省庁の協力を得ながら残留農薬基準の整備拡充に努めてまいりたいと考えております。
○岩佐委員 農水省に伺いますが、今、五十九年度を境にすると思いますけれども、四十八年から五十九年、それから六十年から六十二年というふうに分けますと、農薬の数は幾つになるのか、ちょっと言っていただけますか。
○関口説明員 お答えいたします。 先生のただいまおっしゃいました四十八年から五十九年までで申しますと百三十二、六十年から六十二年の間に五十二ということで、百八十四農薬が新たに登録されております。 ただ、これは私どもの通常使っております農薬年度、前年の十月から当年の九月までということで、予算年次あるいは通常の年次とは多少ずれておりますので、統計のとり方によって数字の動きがあろうかと思います。
○岩佐委員 厚生省に伺いますけれども、今の農水省の数え方でいきますと厚生省の作業は数字的にどういうふうに当てはまっていくのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○内山説明員 昭和五十九年までに登録されました農薬につきましては、平成元年度までに予算をいただきまして、これについて今残留農薬基準設定の準備を進めているということでございます。それ以降のものにつきましては、新たに平成二年度で予算要求をいたしまして、残留農薬基準の整備拡充のための予算をいただいてその整備を考えているという状況でございます。
○岩佐委員 残留農薬基準の設定についてですけれども、農薬登録保留基準の格上げで実施をしていく、そういう報道がされておりますけれども、その点については事実なんでしょうか。
○内山説明員 お答えいたします。 正確に申し上げますと必ずしも正しい報道ではございませんで、私どもの基本的な考え方といたしましては、新たな残留農薬基準の設定におきましては、登録保留基準を基本としつつ、厚生省としての新たな調査による残留実態の的確な把握に努めまして、現在の科学的な評価の上で残留基準を設定していきたいという方針でございます。
○岩佐委員 登録保留基準というのは、農薬の登録をするかどうかの基準をつくっていくもので、個々の食品の安全性をチェックするための基準をつくっているわけではない、これは環境庁が国会で答弁をしてきた立場であります。厚生省が従来農薬を食品添加物と同様にチェックしてきていることと、この農薬の登録保留基準というのは基本的に異なると思います。ですから、もしこのことで作業をしていくということになると、これは大変重大な問題であるというふうに理解をしているわけです。 我が国では一般的に農薬の使用方法として行われていないポストハーベスト・アプリケーション、これが輸入食品の安全性の面から大きな問題となっています。ポスト八一ベスト・アプリケーションとはどういうことなのか、改めて伺いたいと思います。
○関口説明員 お答えいたします。 先生おっしゃいますように、確かに我が国での具体的な定義はないわけでございますが、一般的に考えまして、収穫後の農作物あるいは農産物に農薬を使用するというふうに考えればよろしいと理解しております。
○岩佐委員 我が国では収穫後に使用が認められている農薬というのは幾つあるのでしょうか。それはどういう目的で使用されているのでしょうか。
○関口説明員 現在我が国におきまして、収穫後の農産物を対象といたしまして登録さらには使用されているという農薬の数は五種類でございます。一般的に、穀類、穀物等の薫蒸剤として使われているものが多いと考えております。
○岩佐委員 海外ではどういう目的で使用されているのでしょうか。海外でも薫蒸剤だけに認められているのか、それとも、海外では国内流通のために使用しているのかどうか。それから、海外でも、外国向けに長期輸送の場合にかびたりとか腐ったりとかということがあるので、それを防ぐために使用するということもあるのではないかと想像されるわけですけれども、そういうことが行われているのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○関口説明員 お答えいたします。 外国におきます農薬の使用につきましては、いわゆるポストハーベストも含めまして、それぞれの国の法制度で適正に安全性の確保が図られているというふうに私ども承知しているわけでございますが、私ども日本の国内を担当しているところといたしまして、諸外国の詳しい内容について十分承知しているというふうなことではございませんが、例えば、アメリカにおきまして五十八品目のポスト八一ベスト用の登録があるということでございます。その中で事例的に申しますと、例えばリンゴの処理にベノミルを使うといったことがあるやに聞いております。
○岩佐委員 アメリカでは、秋作のジャガイモを貯蔵する際に発芽抑制剤としてIPCが広く使われていると聞いています。IPCの食品への残留基準は五〇ppmと言われているわけですけれども、我が国ではどういう規制が行われているのでしょうか。
○吉池説明員 作物の登録保留基準は環境庁長官が定めるということになっておりますけれども、ただいま先生からIPCについてどうなっているかという御質問でございました。 IPCにつきましては、果実、野菜、芋類、豆類及びてん菜でございますけれども、それぞれ〇・〇五ppmということになっております。
○岩佐委員 そうしますと、一千倍の格差になるわけですね。 そもそも我が国で基準をつくる前提となるADIで、IPC五〇ppmというものが果たしてカバーできるのかどうかということが問題になってくるわけですが、その点どうなんでしょうか。
○内山説明員 お答えいたします。 IPCは我が国では収穫前に除草剤としての使用が認められておりまして、米国ではジャガイモの発芽防止のためにポストハーベスト使用が認められております。 残留基準値の違いも、農薬の使用方法の違いが一つの要因と考えられます。収穫後に農薬を使用した場合、その残留レベルは収穫前に使用した場合よりも高くなることが想定されることから、私どもとしましては、ポストハーベスト農薬につきましては従前の残留農薬対策とは異なった取り組みが必要と考えております。したがいまして、平成元年度より認められました予算によりまして、輸入農産物の残留実態を的確に把握の上、国際基準等も念頭に置きながら残留基準値を定めていきたいと考えております。
○岩佐委員 一九七七年、OPPの問題の際、政府は、アメリカあたりでは農産物に用いたものは収穫の前後を問わず農薬として扱うという仕組みになっている、ところが我が国の考え方では、収穫後に使用したものは食品添加物という扱いにするという仕組みになっている、つまりアメリカと我が国は違う、そういう答弁をしているわけです。 アメリカのポストハーベストをそのまま認めるということになりますと、これは日本の方針の変更ということになるわけですね。その点はそうなんでしょうか。
○内山説明員 防カビ、防虫の目的で農産物それ自体に使用されるものは、収穫の前後を問わずほとんどの欧米諸国及び国際的に農薬として扱われております。したがいまして、我が国におきましても、国際的動向から見まして農薬として取り扱うことが適当であると考えております。
○岩佐委員 農協中央会の委託調査報告によりますと、「アメリカで使用されているポストハーべストは五十八品目、」今農水省もそういう答弁でしたけれども、「うち十五品目は天然物、食品添加物とされている。残りのもののうち、わが国では農薬に指定されていないものもある。」というわけです。基準があるものについても、当然ポストハーベストの基準値の方がはるかに高いということになります。 ですから、結局その農薬の規制基準の見直しということは、既にある日本の規制基準については外国の基準に合わせて緩和する。日本に基準のない農薬については、外国のポストハーベストなどの考え方による緩い基準に合わせるということで、残留農薬規制の大幅緩和、こういうことになってしまうのじゃないかと思うのです。この点はどうなのでしょうか。
○内山説明員 農産物の輸入が増大するにつれまして、輸入農産物に、貯蔵、輸送中の目的としまして、収穫後使用されるポストハーベスト農薬の残留が大きな問題になっていることについては、私どもよく承知しております。 こうしたことにつきましては、先ほど答弁がありましたように我が国ではそのような使用方法はほとんどございません。したがいまして、収穫後に農薬を使用した場合にその残留レベルは収穫前に使用した場合よりもどうしても高くなることが想定されますから、ポストハーベスト農薬につきましては従前の残留対策とは異なった取り組みが必要と考えております。
○岩佐委員 先ほどお話がありましたように、ポストハーベストの残留農薬規制基準の見直し作業については三年間で行うということでありましたけれども、日本の農薬規制、特に食品衛生法に基づく残留基準と、欧米など諸外国の規制の仕方は当然違うはずですね。海外の情報収集の作業、これは当然厚生省が行うと思いますけれども、その点確認をしておきたいと思います。
○内山説明員 欧米諸国あるいは国際機関でどのような基準値が定められているかということにつきましては、私どもも十分に情報をとりまして、そういう情報をもとに、それから国内の残留実態をもとにポストハーベストに対しての基準設定を行っていきたいと考えております。
○岩佐委員 アメリカ国内でも農薬使用、残留農薬問題について大きな不安が高まって、アメリカの環境保護庁が、食品中の農薬に関する規制、デラニーパラドックスに対する見解を昨年十月十九日に告示しております。このことについて厚生省は知っているでしょうか。また、これについてどう考えておられるでしょうか。
○内山説明員 昨年EPAの見解が出されたことにつきましては、私どもも承知しております。それでは、それはどういうことかと申しますと、催腫瘍性物質の取り扱い方につきましては最近さまざまな考え方が言われておりまして、EPAの見解もその一つというように理解しております。
○岩佐委員 もう一つちょっと伺っておきます。 アメリカで箱入りコーンフレークやオートミールなどの加工食品の薫蒸が行われている、こういうふうに聞いているのですけれども、この実態について御存じかどうか。もし事実とすれば、それにどう対応するかということについて伺いたいと思います。
○内山説明員 新聞紙上でそのような報道がなされたことは記憶しておりますが、この事実関係については把握しておりません。 もし仮にコーンフレークのような加工食品に農薬が薫蒸されているようなことが判明すれば、私どもとしましては、それは食品衛生法違反として取り扱っていく考えでございます。
○岩佐委員 大臣、今各省庁にまたがってやりとりをしてきたところですけれども、輸入食品の安全については消費者の間で非常に大きな不安があるわけですね。特に農薬については、国内の農薬の問題に対する不安というのも消えていない、そういう中で今度は輸入がまた大きな問題になってきている。 ポストハーベストというのは、今まで私たちが全く考えてこなかった、日本の法律ではカバーしていない新しい考え方を外国でとっているからということで、我が国がこれを取り入れるというような準備がされているわけですね。先ほども申し上げましたように、除草剤等については、IPCの例ですが、一千倍の格差があるということですね。従来食品添加物として農薬を考え、非常に厳しく対応してきたものが、農薬という形で非常に緩い基準になっていくということ自体、これは本当にとんでもないことだということで納得できない、そういう声が消費者から上がっています。 規制緩和、規制緩和ということで、外国の基準に合わせて私たちの食生活の安全を考えていく、これは軽々にやるべきことではないというふうに私は思います。やはり私たちの考え方を貫いていくということが非常に重要であると思います。その点、本会議質問でも言いましたけれども、大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○越智国務大臣 岩佐委員とは同じ東京都選出の議員として、日ごろ御見識を大変尊敬申し上げておりましたが、今のやりとりを伺っておりまして、大変よく御勉強されていると言ったら失礼な言い方かもしれませんが、感心して伺っておりました。 私も、自民党内の有機農法促進議員連盟の一人でございますが、過度の無機肥料、過度の農薬、過度の添加物、いずれも大変危険である、これは内地産であれ外国産であれ、そのように考えておりまして、国内におきましてはできる限り有機農法の方針を進めていきたいと思っておりますが、これは私、議員個人としての今日までの考えでございます。 今御指摘の農薬について、殊に輸入食料品、私ども前から大変心配しているところでございまして、御説のように、外国と日本にかなり基準の差がございます、そのようには聞いておりましたが、今のやりとりを聞いて、ああそういうどこら辺にいろいろあるんだなということもよくわかりました。 ただ、率直に申しまして、今外国からは、いわゆる市場アクセスとして、日本に輸出してもなかなか国内に入らないじゃないかと、空港といいますか港と申しますか、そういうところでかなりの日数をとられるということについての不満と申しますか苦情と申しますか、出ていることも事実でございます。 そうした市場アクセスの問題はもちろんこれから解決していかなければなりませんが、そうしたことのために国民がより危険な食品を知らず知らずのうちにとってしまうことは最も避けるべきことでございますので、相手国に対しましても、そういうことを、ある意味では認識していない可能性もあるものですから、よく認識してもらうように厳重に申し入れると申しますか、話もしなければなるまいなというふうに感じたところでございまして、御趣旨を体しまして、国民の食生活の安全を第一に考えながらそうした問題の解決に当たらせていただきたいと思っております。
○岩佐委員 ぜひそういう観点でお願いしたいと思います。 日本人が食べている輸入食品は四カ月分に当たるということですね。三分の一を輸入に頼っているということで、島国でそういうことというのは本当に異常な事態だというふうに思います。ヨーロッパ諸国みたいに、地続きだとか、そういうこととは違うわけですから、その点ぜひ繰り返し指摘をしておきたいと思います。 最後に、原産国の表示問題について伺いたいと思います。 チェルノブイリの原子力発電所の事故による食品の放射能汚染問題をきっかけに、改めて原産国表示制度が消費者の間で非常に関心が高まっています。 現在、公正取引委員会は、原産国について、製品の内容について実質的変更をもたらす行為が行われた国と定義をしています。農水省のJASでは製品を包装した国となっていて、いずれも原材料の産地国表示、これは必要ないというふうにされているわけですね。ですから、例えばカナダ産のそばが国内産のどこどこ県のそばというような名前でもって出回る。それからワラビなども、大体今もうほとんど外国からの輸入が多いんですけれども、うちの裏山でとれたワラビとか山菜とかというような表示がされています。 それから、私は成田空港を何回か視察したんですけれども、アスパラガスとかオクラとかインゲンとか、そういうものが海外からかなり入ってくるわけですが、冬場の二月ぐらいのアスパラガス、グリーンアスパラですが、あれ、こんなの日本産ないのになと思ったのですが、表示がないわけですね。成田へ行って初めて、ああメキシコ産なんだなということがよくわかったわけですけれども、そういうふうに、消費者は一体どこから入ってきた商品なのかということをやはり知りたいという気があるんですが、それが知らされていないというのが現状です。 農水省は、本年度から品質表示制度の中でこの原産国表示についても検討を行うということで作業を進めておられるというふうに伺っていますが、具体的にこの検討をいつまでに行うのか、どういう内容で行うのか、今私が指摘したような問題についてどういう方向で取り組んでおられるのか、伺いたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。 生鮮食料品の原産国表示という話になりますと、一般的に言いますと、包装されていないものが多いとか、それから販売単位が非常に少量であるとかいうことで、技術的に言いますと加工食品なんかの場合に比べて非常に難しいという問題がございます。 先生前からおっしゃっておりますように、いろいろな食品の輸入が増大してまいりまして、消費者の関心が高まっているということは我々も十分承知しております。先ほど先生がおっしゃいました品質表示ガイドラインという事業をことしから始めるということで、実は私どもの予算が通りましたのはつい先日でございまして、つい先日ぐらいから、どうやっていくかという検討を始めたところでございます。したがって、申しわけございませんが、いつまでとか内容とかまだ申し上げるほど検討が進んでおりませんので、その辺で御勘弁いただきたいと思います。
○岩佐委員 大臣、表示の問題というのは経済企画庁にもかかわるんですね。ぜひこの点についても、経済企画庁としても、国民生活、そういうことにかかわる問題ですので、監視というか一緒に作業をするぐらいのことでやっていっていただきたい、このことを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○嶋崎委員長 次に、塚田延充君。
○塚田委員 現在は産業界が全般的に好景気と言われておりますけれども、そんな中での不安材料としては、やはりインフレ懸念があるというふうに専門家から指摘されつつあるところでございます。当委員会においても、先ほどまでに各委員から再三にわたって指摘されておりましたけれども、五月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比で三・三%アップした。前月比でも〇・六%だ。しかも、気をつけなければいけないのは、卸売物価が、五月上旬の数値でございますけれども、前年同期比で三・一%上昇しておる。普通、卸売物価のアップがあれば追随するような形で消費者物価も引きずられることは歴史が示すとおりでございます。 また、五月二十三日付日経のNEEDSエコノミーの予測によりますと、為替レートが百三十円の場合には年間二・九%のアップ、百四十円ならば三・五%のアップが理論上計算されるということですけれども、この日経ですら予測していなかった、現在百五十円台ですから、理論的には四%近くまで消費者物価がはね上がる危険性があるわけでございます。 そんな中で、平成元年度の経済企画庁によります物価上昇率というのは二%、そのうちの消費税に絡むものとして一・二%ということが公表されているわけでございますけれども、どうもこの二%、年度が始まって二カ月ではございますけれども、こんな調子だと守り切れないんじゃないか、消費税によるいろいろなアップがどのくらいあるか、先ほどもいろいろ議論がございましたけれども、問題があると思います。 ここで企画庁にお尋ねいたしますけれども、現時点で、政府予想の二%、これを修正しないでまだ頑張るつもりなのか、やはり機に敏感に対応してある程度修正する必要性を認めるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○越智国務大臣 基本的な姿勢の問題でございますので、私から一言お答えさせていただきます。 おっしゃいますように、大変物価が気になる状態になってまいりました。でも、私どもは物価が非常な危険な状態に入ったとはまだ思っておりませんで、安定基調の中でいる、ただ、大変注意深く見守らねばならないと思っております。 おっしゃいましたように、平成元年度の二%がそれじゃ守れるのかというのに対しましては、大変心配な点はございますけれども、何分にもまだ始まって二カ月というところでもございますし、また極端な言い方をしますと、一番物価に影響を与えているであろう為替に関しましては、三カ月、四カ月前にはこういう状態が全く予測されなかった、逆に言うと、これから三カ月、四カ月先も本当の意味でなかなか見通しがつかないという状態でございますので、何とか二%の物価上昇にとどまるよう経済運営に努力するという覚悟で今後やらさせていただきたいと思っておりますので、御了承を賜りたいと思っております。
○塚田委員 消費税が四月一日から実施されまして、これに関して便乗値上げがあるの、いやいや大したことないとかと、いろいろ観察が行われております。ある団体の「消費税一一〇番」への苦情によりますと、これも有名な例示でございますけれども、豆腐であるとか理髪店であるとか、そば、うどんであるとか美容室とか、これに対する苦情が多いそうでございます。 これらのことに関しまして、公取としても警告するとか注意するとかいろいろ処置をとっておられること、マスコミ報道などで承知はいたしておりますけれども、結局警告しただけで相手が聞かないからしようがないのだということで終わってしまうのか、すなわち、かけ声だけなのか、本音としては、公取の仕事はあくまでも警告までなのだから、よほどの法律違反がない限りは手の打ちようがないから黙認ということに終わってしまうのか、不退転の決意でもとに戻させるような措置をとるのかどうか、公取の御回答をお願いいたします。
○植木政府委員 お答えいたします。 やみカルテルによって値上げをするということについて取り締まっていますのは、先生今御指摘のとおりでございます。先生おっしゃいましたように、私どもこれに対して警告の措置をとっているわけでございますが、その警告をいたしますときには、ただ警告するということだけじゃございませんで、疑わしい行為があったら、そういうような行為をやめるようにあるいはそういうようなことはしてはいけないというようなことを、例えば団体でしたら会員の人々に周知徹底するように、そしてそんな行為は今後繰り返さないということを約束するようにというようなことをやっているわけでございます。 それでもう一つ、私どもが、便乗値上げといいますか先取り値上げといいますか、その点について注意いたしましたことは、価格というものは市場の動向によって決まるのは公式論でございますが、市場の状況によりますと一たん値上がりしたものはなかなか動かないというようなことが起こる場合がありますから、こういう事態がございますときにまできるだけ早く調べてできるだけ早く措置をするというような方針で進んできたわけでございます。今後ともこういう点を十分注意いたしまして先生の御要望にこたえられますような措置を図っていきたい、かように考えている次第でございます。
○塚田委員 為替レートが百五十円を突破してしまった。平成元年度の予算を組むに当たっての基本的な為替レートは百二十三円ということで組んだわけでございます。これには原油情勢であるとかいろいろな要因が絡んでいるわけでございますが、ずばり越智長官にお尋ねしたいのですけれども、これについてはリクルートなどに絡んでの日本の国内政情不安みたいなものが影響しているかどうか、閣僚の一人として端的に見解をいただきたいと思います。
○越智国務大臣 しばしお時間をちょうだいして、ちょっとバックグラウンドから御説明させていただきたいと思います。 塚田委員御指摘のとおり、百二十円台で予算を組みました。昨年の暮れでございます。その後、四月までの間は十何円か上がりまして、百三十円台で新年度を迎えました。この上がってきた勢いというのは、やはり米国経済に対する信頼が回復した、さらには米ソのデタントが昨年確定をいたしまして、そうした軍事負担の軽減ということで米国経済に対する力が増した、こういう認識のもとに行われたのだと思います。 その後、四月からこの五月の終わりにかけまして、また約十円からみ上がってまいりました。この間に多少日本の経済、政治に対する不安感も相場としては影響した面がないとは言えないかもしれないなと思っておりましたけれども、百四十円の声を聞きましてから、各国協調で為替レートの安定のために動きました。これは四月の初めのG7の蔵相会議で、大体当時の四月初めの為替相場が望ましい、それ以上ドル高でもドル安でも世界経済にはよくないというコンセンサスがあったからだと思います。 その後、六月に入りましてから今日までの、きょうは百五十円飛び幾らという水準で結局終わったようでございますけれども、この状況までの間には、もう一つ天安門事件等を含めましての投機筋の円売りが浴びせかけられたところじゃないかと思いますので、御趣旨のような政治不安は、仮にあったとしても大変小さな要素ではないか、このように思っているところでございます。
○塚田委員 それでは通産省にお尋ねいたします。 OPECが減産するとか非OPECの輸出削減が決まるとか、また油田事故が相次ぐとか、さらに中国情勢がどうなるかなど、原油の供給及びこれに絡んでの価格状況が非常に心配されますけれども、通産省としての原油情勢について、簡単に解説をお願いしたいと思います。
○斉藤説明員 お答えいたします。 最近の原油価格の動向につきましては、アラスカ及び北海油田の事故の影響がございまして、スポット市場では四月の後半に原油価格が一時的に上昇したわけでございますが、最近では落ちついた水準で推移をしております。 中国につきましては、これまでのところ我が国の中国からの原油輸入には何ら支障は生じていないものと承知しております。また、ホメイニ師の死去等の中東情勢等が国際石油情勢に特に影響を与えているとは考えられない状況にございます。 この六月のOPECの通常総会では、本年下半期のOPECの生産上限を日量千九百五十万バレルとする旨の合意がなされたところでございますが、今後の原油価格の見通しにつきましては、当面現在の基調に急激な変化はないと考えられるというところでございます。 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、従来より石油市場の安定が重要と考えておりまして、引き続き市場の動向を注意してまいりたいと考えております。
○塚田委員 次に、中国関連事項でございますけれども、中国の政情不安は国際的に見ても大変気にかかるところでございます。そして、日本の消費者の立場から見た場合、日中貿易パイプは大変太くなってきておりまして、特に一次産品など中国からの供給が途絶えたりなどした場合、すぐ困ってしまうというような局面が多々予想されるわけでございます。 しかしながら、中国問題につきましては、外交上、人権問題だということもございまして西側諸国がかなり強硬な手段もとらざるを得ないし、我が国の外交としても、どのような措置をとるのか、大変苦しい選択を迫られつつあると思います。 そんな中で、外務省にお尋ねいたしますけれども、余りにも我が国が厳しい西側と同じような措置をとった場合、日中貿易のパイプということで問題が起きた場合、我が国の消費生活に与える影響が強いと思うのですけれども、その辺も勘案して、対中政策について御説明いただきたいと思います。
○鈴木(勝)説明員 お答え申し上げます。 学生、市民等、多くの人命が失われるという中国の今次の痛ましい事態でございますが、政府といたしましては、既に、人道上容認できないことである、まことに遺憾であるということは表明いたしております。 今般の中国の一連の事態につきましては、十年間の改革と開放の努力によって高まってまいりました中国の国際的な信用というものは、やはり相当落ちることになると認識いたしております。中国の対外経済関係についてもやはりマイナスの影響が及ぶことは避けられないのではないだろうかというふうにも考えておりまして、そのことはひいては日中間の経済関係につきましてもやはりその影響がないわけにはいかない、既に一定の影響というものはあらわれてきているのではないだろうか、かように考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、日中の貿易関係を含む今後の日中経済関係一般につきましては、政府としては、いかに対応していくかにつきまして、中国の情勢の落ちつき先というものをまず見きわめていく必要がある、同時に、国際的な動向をも見きわめつつ慎重に検討していく、こういうことで対応したいと存じております。 なお、現時点で申し上げれば、西側諸国のとりました措置につきましても、中国に対する経済面での制裁というようなことを発動している国はもちろんございません。
○塚田委員 我が国の絹織物工業におきましては、中国産の生糸が非常に大きなシェアを占めております。八八年度の輸入枠としては二万俵あったわけでございますが、これらがきちんと入ってくるのかどうか。さらに、今生糸価格が暴騰しておりますので追加輸入枠も設定すべきであるということで農水省の方に大変な御努力をいただいておるわけでございますが、今回の中国の状況の変化によってこの八八年度の輸入枠もしくは追加分までどのようになるのか、絹織物工業が不安におののいておりますので、その見通しについて、確たる見通しをここで御表明いただきたいと思います。
○加藤説明員 お答えいたします。 中国からの二万俵の輸入というのが大丈夫か、そのようなお尋ねでございます。 先般、五月中旬に日中の非公式の生糸の協議を行いまして、その際に、二万俵につきましてはことしの八月に船積みをいたしまして年内にきちっと輸出する、そのような表明を私ども受けております。その後、中国情勢が変化いたしまして、私ども、中国のシルクの実務責任者の方とコンタクトをとりました。こういう情勢変化の中ではありますけれども、中国側の責任者は、輸送体制に万全を期しつつ約束どおりの輸出の実行に努力する旨表明を受けております。こういうことから、生糸の輸入については円滑に行われるもの、そのように考えております。 また、これからの追加の問題につきましては、中国の春繭の状況というものが具体的にわかり次第、中国と密接な連絡をとり協議いたしましてその実現に努力したい、このように考えております。
○塚田委員 中国からの第一次産品の輸入品の中では、例えば我が国のゴマの輸入量の八〇%が中国からである、同様に、中華料理の材料だと思いますが、ウミクラゲが七〇%、これこそ日本食の典型的なものと言われているそばも六〇%という比重でございます。この輸入が途絶えるようなことになると、国内の消費市場において大変な混乱が予想されますけれども、これらの問題につきまして農水省としてどのような対応を考えておられるのか、お聞きしたいと存じます。
○副島説明員 お答え申し上げます。 昨年で申しますと、我が国の農林水産物の輸入に占める中国のシェアと申しますと約六・四%、金額にいたしまして三十億ドルに達しております。輸入先の国としましては、アメリカ、オーストラリア、カナダに次ぎまして第四位の位置を占めておるわけでございます。そして、今先生御指摘のように、品目別に見ますと大変シェアの高いものがございまして、例えば大豆油かす八四%、クワ九五%、ゴマ七六%、小豆九八%といったようなものがございます。 こういった状況でございますので、私ども中国の情勢の推移を大変関心を持って見守っているわけでございます。最近の情報では若干鎮静化しつつあるということでございますけれども、ああいった事態が再発したり長期化するといったようなことになりますと、船積みあるいは内陸部の輸送といった面に影響が出てこないとも限らないということで、いろいろ関係業界とも連絡を密にしながら情報の収集に努めて、注意深く見守っていくというのが現在の段階でございます。
○塚田委員 テーマを変えます。 いわゆるブランド品の国内販売価格が依然として超高値を維持しているものが数多く指摘されているわけでございます。例えば、ある有名ブランドのジーンズですと、アメリカ国内の価格が三十二ドルなのに日本だと六十二ドルに換算される。ある鍋ですと、米国内価格十八ドルが日本では六十五ドル、エトセトラというようなことでございます。これについては、総代理店制度で独占的な形でやられておるという弊害があらわれておったり、また、それについての総代理店側の言いわけとしては、日本では事務所を構えるについても土地代が高いとか、日本の消費者の品質要求水準が口やかましくてアフターサービスなどに非常に 経費がかかるとか、このような言いわけをされておるわけでございます。しかし、幾ら言いわけでも、二割高、五割高というならばわかるけれども、倍とかなんとかいうのは明らかにおかしい。 これらのことについて企画庁長官の御感想を、消費者の立場に立ってお聞かせいただきたいと思います。
○越智国務大臣 段々のお話をよく伺っておりましたが、さすがその方面のかねてからの御経験も豊富な委員の御発言でございました。 確かに、そうした面で日本の価格が理解しがたい面もございます。ただ、それはそれなりに今日までの経緯もございましょうし、いろいろな事情もあろうかと思いますが、関係各省とよく協議いたしまして、経済企画庁としても積極的に内外格差を是正するために一生懸命努力をさせていただきたい、このように思っているところでございます。
○塚田委員 経緯、事情があるということでございますけれども、そういう言いわけのもとにいつまでたってもこういうことが残っておることが、国内の消費者にとっては納得いかないということでございます。そして、これについて行政当局が手をこまねいているとは申しません。例えば、これにつきましては公取の方で「並行輸入の不当阻害に関する独占禁止法上の考え方」というものを作成、公表しているわけでございます。非常に結構なことだと思うのです。ところが、これについては類型を示しただけであり、気をつけろよというだけに終わっておって、結局私が例示したような典型的な例が納得いかないまま残ってしまっておる。 そこで、公取にお伺いいたしますけれども、このような措置によって具体的に、こういう形で並行輸入が認められて、こういう値段がこういうふうに下がった例があるとかいうような改善例、きちんとしたものがたくさんございますか、御説明いただきたいと思います。
○柴田(章)政府委員 今先生から御指摘いただきましたように、六十二年の四月にガイドラインを作成、公表いたしまして、私どもこのPRに努めてきたわけでございますけれども、その内容は関係者に十分広く理解をされるようになったというふうには考えておるわけでございます。 データを私ども詳細にはつかんでおりませんけれども、かなり並行輸入品も多く行われて市場で見られるようになったというふうに考えております。したがって、そういったガイドラインの不当阻害の抑止効果がかなり出てきているんじゃないかというふうに考えております。それで、私どもの方の窓口にも、こういったガイドラインを頭に置きながら、いろいろこういうことは大丈夫でしょうか、こういう契約をしていいんでしょうかというふうな事前相談も数多くなってきておりますし、私どもはそれなりに効果があったのかなというふうに、そういう意味では自負をいたしておるわけでございます。 ただ、やはり、今先生御指摘のような御不満あるいは問題の指摘というのも私ども十分に承知をいたしておりますので、先ほどもお答え申し上げましたけれども、実は近々、消費財を対象といたしました欧米ブランド品の価格数量動向の実態調査をやってみたいというふうに考えておりまして、その結果を見ながらさらに我々の対応を考えていかなければいけない、こういうふうに考えております。
○塚田委員 要は実行でございます。ぜひしっかりとやっていただきたいと思います。 次に、これまた言い古されたことでございますけれども、いわゆる逆輸入品のことについて質疑をしてみたいと思います。 日本からアメリカなどへの観光客の場合、一時は牛肉などを買い込むということで有名になりましたけれども、昨年の春ぐらいからは、何と日本製のカメラであるとか、ゴルフ用品に群がっておるという有名な話がございました。それに対しましては、昨年の春は一時的に円高がががあっとなりましたので、いわゆる輸出価格の調整が、タイムラグが出てしまってそがれたとか、また輸出品の場合には、規格が違って、機能のちょっと少ないものを輸出しておるから、だから海外で買っても安いんだとかいうような説明が行われておったようでございます。しかしながら、有名な例としては、コードレスの電話機が、どんな理屈をつけたって、日本の国内販売品の八分の一の価格で逆輸入された、これはメーカーが大慌てになった事実がございますけれども、事ほどさように、この逆輸入品というのは日本国内の消費者にとってはどうしてもおかしいと感ぜざるを得ないわけでございます。 この仕組みといいましょうか、那辺に原因があるのか、御解説いただきたいと思います。
○鈴木(孝)説明員 御説明申し上げます。 先生今御指摘のように、逆輸入品が国内で販売されている例がございましたんですが、一般的には、ただいまおっしゃられましたように急激な為替レートの変動というものが原因でございました。一ドル二百五十円で売られているときは国内それから国外、海外の卸価格が同じであっても、円高で三割、四割と海外の円換算価格が高くなりますと、それから運賃、保険等をかけて輸入してきても国内で販売できるという状況が生じまして、逆輸入品という現象を生じたわけでございますが、こういった現象に対して、日本のメーカー側も内外価格差を縮小するように努力いたしまして、為替レートの安定に伴いましてこうした現象も減ってきております。 ただ、一部のディスカウントストアなどで、人気商品というものを客寄せのために扱うために、僅少のマージン、あるいは赤字を若干覚悟して逆輸入品を扱うという場合もその後ございましたが、そういったことも恒常的に可能になっているものとは考えておりません。
○塚田委員 ぜひ有力メーカーに対して、世界どこでも運賃とかいうような妥当な価格差を加味した範囲内で同一価格になるように指導すべきだと思います。 そして、今のようにいわゆる海外から逆流してもなおかつ安いというのは、言うなればメーカーというのは国内への出荷価格よりも海外への出荷価格を思い切り下げておる、これは海外からよく言われるダンピングそのものになってしまうと思うのです。しかし、これは私も日本国民として日本メーカーに対してそんなこと告発するつもりは全然ございません。しかしながら、考えてみれば、日本の消費者の犠牲において、イコール日本人はみずからの生活水準を犠牲にして海外の皆さんの生活水準を引き上げることのお先棒を担がせられているということになると思うのです。すなわち、国の富を犠牲にしておるというような形になると思うのです。ですから、力があるから安くできるんだからといって海外へ安く売るのは結構、買ってもらうのは結構、しかし、その分を日本の消費者にしわ寄せしているんじゃないかという疑問がどうしても解くことができないわけでございます。 ちなみに、そのように安い値段でもって、逆輸入まで可能な値段で輸出しておる業種をちょっと調べてみますと、典型的な業種としては電気機器産業ですね。これは八八年三月期の対前期比経常利益の伸び率は四六・七%です。八九年三月期では対前期比五六・二%も経常利益を伸ばしておる。精密機器ですと、同様に八八年は対前期比二一・八%だけれども、八九年には五七・七%も利益を伸ばしておる。ということは、やはり国内の消費者に高いものを売りつけているとしか言えないと私は思います。 そこで、なぜこんなことが行われるか、一つのからくりに近いようなことになるかもしれないと私は踏んでおるわけでございますが、これらの業界において定常化されておりますいわゆるメーカー希望小売価格というところに何かかぎがありそうだと見ておりますので、これについて質疑をさせていただきたいと思います。 公取では六十三年三月に「メーカー希望小売価格に関する調査報告書」をまとめておられますけれども、これに基づいてどのような具体的指導をされたのか、御説明いただきたいと思います。
○土原政府委員 今委員からお話ございましたように、メーカーの希望小売価格についていろいろ検討、勉強したわけでございますが、希望小売価格は、これが適切に設定され、用いられますと、消費者にとって一つの価格情報として役立つだろうと思われます。ですが、一方、希望小売価格といいますのは、一たん設定されますとなかなか変更されにくいというようなそういう硬直性がございますし、それから、物によっては市場で決まるであろう価格よりも相当高く設定されているんじゃないかと思われるものもあります。あるいはまた、希望小売価格がありますと、実際の価格の方にメーカーが関与していこうというような動きもなきにしもあらずでございますし、また、希望小売価格を用いた不当な二重価格表示というのも行われかねないというようなことが明らかになったわけでございます。 したがいまして、公正取引委員会といたしましては、こういう希望小売価格を用いて違法な再販売価格維持行為が行われないように、また、表示が適正に行われるように、あるいはまた、こういう希望小売価格の性格等についての実態というものをできるだけ今後も明らかにして消費者に情報として流していくというようなことをやっていかなければならないと思っておるわけでございまして、関係の業界には、その辺を十分に注意するようにということで指導したところでございます。
○塚田委員 このメーカー希望小売価格については、消費者に対して情報を与えるというようなプラス面の意味がある、こういう御説明をいただきました。私もそれはそのとおりだなとは思っていたけれども、大体こういう価格を出しているのは、どこに行ったって全部二重表示ばかりです。二重表示がない例があったならば教えてください、いわゆる電気屋さんとかカメラ屋さんですね。 そこでお伺いします。海外先進国において、このメーカー希望小売価格は今ではほとんど姿を消しているといいましょうか、実質的にあるかもしらぬけれども、日本のように、それを消費者に知らしめるような二重表示のような形でやっているのはない。あくまでも内々の業界内部での、日本流に言えば建て値みたいなことでやっておるのだ。その理由はなぜかというと、こういう二重表示になり、消費者を欺瞞する危険性が強いという認識が進んでいるからこそ、禁止している国もあるかもしらぬけれども、禁止までせずとも実質的には姿を消しておるというような状況ですが、海外の事情をちょっと説明してください。
○土原政府委員 御指摘いただきましたとおりでございまして、アメリカとか西ドイツあるいはイギリス、フランスなどにおいても、日本ほどではないけれども、一応メーカー希望小売価格というのが設定されているというふうに承知しております。しかしながら、一部の国を除きまして、広告等において一般消費者に幅広くこれを示すということは余りないようでございまして、これには小売業者のメーカーに対する対抗力が強いというような理由もあるかと思いますけれども、そんなことで、希望小売価格というのが海外先進諸国においては価格形成の中で果たしている役割というのは大きくないというふうに見ております。そんなことですので、二重価格表示に希望小売価格を用いるということも余り行われていないという状況だと思います。 ただ、法制面におきましては、いずれの国におきましても二重価格表示そのものを禁止しているわけではなくて、やはり不当な場合にはいけないというような考え方で、これは我が国と同じ考え方だと思います。
○塚田委員 海外においては、このメーカー希望小売価格がいわゆる二重表示には実質的にはほとんど行われていないということをよく認識していただきたいと思うのです。ということは、このメーカー希望小売価格というのは、意味があったようだけれども、今はいわゆる消費者を迷わせるもとにのみなっているんだというような観点から再検討をお願いしたいと思いますし、もしもこれを一この価格制度をやめろと私は申しません。あったとしても、絶対二重表示はすべきでないというような法整備などについて御検討いただきたいと思いますけれども、この点につきまして企画庁長官の所見をお尋ねいたします。
○越智国務大臣 再度、大変見識のある御質問を承りながら、問題の難しさを今感じたところでございまして、おっしゃいますように、それぞれの業種、それぞれの企業において、これまた今日までいろいろな経緯をもってそういう状態になっております。なかなか一刀両断にというわけにいかないような気もいたしますが、問題の重要性にかんがみまして、真剣に検討させていただきたいと思っております。
○塚田委員 終わります。
○嶋崎委員長 次回は、来る二十日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会