土地問題等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/06/16
会議録
○大塚委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、土地基本法案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 まず野中国土庁長官、大臣に就任をされまして、同県のよしみをもちまして、心からお祝いを申し上げる次第であります。 それにさらに、今日、土地の問題は広く多くの国民が期待をし、またその解決方を要望しているところは大きいものがあります。ここにおられる、言うならエリートと言われる人たちについても、やめられても退職金でこの近辺に家の建つ人は恐らくいないのじゃなかろうか。それは遺産相続でもうんともらえば別として、それ以外の人は、自分の家を取得することは恐らく困難じゃないか、こういうふうに思いますので、大臣もいわゆる首都圏の一環にある埼玉出身でありますので、あの大臣のときには立派にようやり遂げたな、これだけ土地が下がったかというふうに国民に喜ばれるように、長官としての役割を果たしていただきたい。こういうことを要望して、まずその決意のほどをお伺いをいたしたいと思います。
○野中国務大臣 沢田議員さんの激励やら、あるいは抱負をただされましたけれども、東京圏を見ますと、御存じのとおり、昭和六十二年ぐらいまでは所得に対して住宅を取得する割合が四倍ぐらいで推移をしてきたわけでございますが、六十二年ぐらいに入ってまいりましてから、急に七倍、あるいは持ち家については七・五倍というようなぐあいになりました。まことに御迷惑をかけていると思っております。 その要因はいろいろございますでしょうが、土地の高騰が要因の一つになっていることは否定できないものであろうと思っております。したがって、地価の鎮静化あるいは地価の安定化を目指して今後最大の努力をしていきたいと思っております。
○沢田委員 けさ会館へ来まして、三つ新聞をとっておりますが、その中の二つには、一つだけ土地以外のものを除いて全部不動産の広告でございました。ちなみに、お渡ししますからごらんになっていただきたいのですが、土地が三十坪で、今のところは消費税は土地にはかからないということで、土地の価格を高く見積もって建物の価格を低く見積もって売買をしておるのが現状のようであります。ある意味においてはそういう形をとっていることについても問題があるのでありますが、三十坪で建坪は二十何坪で大体六千万とか五千五百万。こういうのを買える人はどういう階層の人だと思いますか。これは、大臣になったばかりですから感覚的なものでいいと思うのですが、大体どういう所得の人が買えると思いますか。場所は秋津、日野、南平、武蔵小金井、こういうところです。
○片桐政府委員 年収に比較しまして住宅の取得し得る価格の限度ということで、一つの考え方として約五倍というのがございます。年収五百万の人であれば、五、五、二十五で二千五百万円ぐらいというのが普通の考え方ではなかろうかということで考えますと、五千万、六千万といいますと、普通のサラリーマンにはなかなか取得が困難である。二次取得者といいますか、今持っている家を売ってそれを買いかえるというような方々は購入し得るのではなかろうかと思いますし、それからまた、ある程度所得の高い、八百万とか一千万近い所得の方々であれば、取得ができるのではなかろうかと思う次第でございます。
○沢田委員 もう一つこの広告の中で申し上げますと、井の頭で、昔は井の頭公園といったら本当に住む人もいなかったようなところでありますが、それでも、九十坪の土地で建坪が四十坪で三億五千万円。それから西荻窪で、同じように三十坪で建物も約三十坪ですが、大体一億三千八百万円。これはどういう人が買うと思っていますか。
○片桐政府委員 先生が挙げられましたような高額物件の場合には、現在住んでいる住宅がかなり高く売れるような人、買いかえの人が大部分ではなかろうかと思います。
○沢田委員 その答弁にも実は問題があるのですね。だから、買いかえであろうとなかろうと、こういう高額なものは社会の常識として通るものではないでしょう。これは皆さん方の中で、だれか手を挙げられる人がおりますか。いないでしょう。それが政治と言えますか。
○野中国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございまして、衣食住のうち住の問題が今緊急の国民の熱望しているところであるというふうに考えておるわけでございますが、その大きな問題が土地問題である、これは否めない事実でございまして、地価を安定させていこうということで、これは緊急な我々の仕事であると考えております。 野党の方でも土地基本法案を提出していただいたのは、やはり同じ願いを込めていると思うのでございます。したがいまして、政府といたしましても手順を踏みまして、今度土地基本法を提出したのも、今の先生の御質円に沿うために提出しておりますので、御理解を願いたいと思っておるわけでございます。
○沢田委員 大臣、非常にいい答弁をされました。部下が果たしてそれに忠実に実行する気持ちと決意があるのかなと思うと、のんべんだらりと自分の任期二年間過ぎればいいななんと思って——皆さんにはいないかもしれませんよ。えてしてそういう人が多いという今日の傾向もありますので、国土庁の官房長は、大臣の今の決意に対して、どういう決意でこれに臨もうとするのか、その決意をひとつ部下の監督の立場も含めて答えてください。
○公文政府委員 国土庁の施策といたしましては、四全総の推進も進めてまいっているわけでありますけれども、それとあわせまして、土地対策の問題は現下の重要な施策の一つだと考えております。国土庁は、そういう意味におきまして、各局を挙げましてこの問題に取り組んでいっているわけでありまして、大臣の御意向を体して、また私どもも懸命の努力をいたしたいと思っております。そういうこともありまして、今度土地基本法案も提出させていただいております。できるだけ早く成立をさせていただきたいというふうに思っております。
○沢田委員 幾つかの質問事項を考えて前にレクチャーいたしておきましたが、今回の法案には野党の提案それから政府提案と二つございます。きのうの委員会においても、本会議におきましても、それぞれその趣旨も述べ、そのあり方も述べ、また期待されるものも今日まで述べてきたところであります。 そこで、この野党の提案のよいところ、あるいは政府側から見てまだまだ足らざるところ、そういうものがあられるとすれば、この機会に一応提案の中身についての長短についてそれぞれ見解を述べていただきたいと思います。
○野中国務大臣 野党四党から提案されました土地基本法案においては、土地の利用についての公共の福祉、計画に基づく土地の有効かつ合理的な利用の原則、あるいは三番目には土地の投機的取引の規制など、土地政策における基本的な考え方が示されておりますが、これらの考え方は政府案の中にかなり取り入れてあるわけでございます。詳細は、土地局長の方から説明させます。
○片桐政府委員 野党案と政府案を対比した場合に、主要な基本的な考え方はほぼ同様であるというふうに考えている次第でございます。 ただ、二、三点違うところがございます。 一つは、野党案で強調しております公的機関による土地の評価制度の一元化という規定がございますけれども、これにつきましては直ちに一元化を図るということがいろいろ困難がございますので、政府案では触れておらないわけでございます。この点につきましては、今後税負担の公平の確保という観点から公的評価の均衡化、適正化というものに努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 それからまた、土地行政の一元化ということが、野党案では触れておりますけれども、これにつきましてもなかなか直ちにこれを実行するという点が非常に困難な面がありますので、政府案では土地政策審議会というものを設けて総合的な土地行政の推進を図っていくという考え方でございます。また、土地対策閣僚会議というようなものを事実上設置いたしまして、政府の土地行政に関する調整を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○沢田委員 その程度ですか。これからまた具体的に私の方は申し上げますが、その中で取り入れられる用意はありますか。直ちにとか時間的な問題は別としまして、考え方としては取り入れられる、こう理解してよろしいですか。
○片桐政府委員 ただいま申し上げました公的評価の一元化それからまた土地行政の一元化という問題につきましては、これを今の政府案の中に法文として取り入れるというのは非常に難しいというふうに考えておりまして、実際的に現行制度の運用によりましていろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○沢田委員 それで、例えば評価、一物四価と言われておりますが、公示価格あるいは売買価格あるいは評価価格、相続価格、こういうふうにそれぞれの場所によってそれぞれ評価が違うということが国民に対して土地の価格そのものに大きな疑惑と混乱を起こしておる、こういうことは否定できないと思うのですね。野中さんのおうちもたくさんの土地持ちでいらっしゃいますから勘定できないのじゃないか。相続の場合幾ら、やれ売ったら幾ら、固定資産税の評価は幾ら、こう一々ただし書きをつけなければ言えない。委員長も恐らくそうだろうと思うのですが、そういう状況を見て、それが混乱を招くと思わないですか、思いますか、どちらですか。
○片桐政府委員 土地の公的評価につきましては、現在国土庁が実施しております公示価格及び都道府県地価調査、それからまた相続税の課税のための相続税路線価、それから固定資産税の課税のための評価額、この三つが主なものであるというふうに思いますけれども、それぞれ制度の目的に応じて評価がなされているというのが現状でございます。国土庁それから国税庁、自治省、それぞれ連絡をいたしまして、これをできるだけ均衡化、適正化を図るように今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○沢田委員 あと、実は土地投機抑制のための今後どうすべきかという提言を含めて聞こうと思いました。それから、土地の売買差益の社会還元であります。これは、例えばゴルフの会員権でいえば、買ったときから五年過ぎれば、新たに買ったものと売ったものとの差額の分を所得として見ていく、こういう税法の取り扱いをしております。土地についても同じ理屈は言えるんじゃないかと思うのでありまして、買ったときと売ったときとの差額に対して社会還元の割合をどう考えていくかということをやはり考えていく必要がある。大臣も縦に首を振っているから、それは認める。パーセンテージの問題だと思うのですが、それではこの機会に、納得されているようですから、どの程度社会還元するべきだと思われておりますか、お聞かせください。
○片桐政府委員 土地の売買差益の社会還元につきましては、提案しております基本法の中でも土地の増価、土地の価値が増加する場合には、その価値の増加に伴う利益に応じて適切な負担が求められるという条文は置いておりますし、それを具体的に実施するための条文といたしまして、十四条におきまして社会資本の整備に関連する利益に応じて適切な負担を課するという条文が置いてあるわけでございます。それからまた、十五条におきましては土地についての基本理念にのっとり、適正な税制上の措置を講ずるという規定も置いておるわけでございます。 これらの規定を受けまして、特に受益者負担といいますか、そういう考え方で、都市計画法等に基づきます受益者負担金制度とか、それからまた東京の臨海部等におきましては大街区方式の土地区画整理事業制度等、現行制度の活用や改善によりまして、そういう開発利益の社会還元ということを努力してまいりたいというふうに考えております。 また、税制におきましても、譲渡益課税また保有課税、こういうものを通じまして適切な負担を求めていくということで、これは税務当局等と十分協議しながら努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○沢田委員 これは法案を提出されましたら、今のような程度の質問については、これはこういうことで政令なら政令でこうするんだと、それから法律のない部分についてはこれはこうやるんだ、やはりこれは大分国会が空転しておりましたか ら、うんと勉強できたはずなんですよね。本当ならもっと早く審議に入っていたんですが、今日になったということは、それだけ勉強時間が多かったあるいはたるんでやらなかったのかどっちかなんですが、結果的にはこういう程度の質問は当然予期できた想定問答の一つですよ。ですから、想定問答の一つだったら、これは今後こうやるんです、社会還元については何割はこういう税制の改正を考えながら考えたいと思っているんです、やはり私にじゃなくて国民に向けて、国民の土地の価格に対する監視に対して忠実にこたえてもらう、これがまた全体の奉仕者としての役割ですよね。今のような、私への答弁ではないのですから、その辺はきちんとわきまえて、いわゆる国民に対してこの土地についてはこういう考え方で進めていくんですということを、展望を明らかにする必要があると思うのです。今の答弁ではちょっとお粗末じゃないかと思うのですね。ですから、もう一回言いますから、土地の投機の抑制をどういうふうにしていくか、それから土地の売買差益の社会還元はどう考えていくか、特に土地税制の今後の方向をどう考えるか、さらに監視区域の総合的な拡大をして目が届くようにしていく、あるいは地方行政においても白地をなるべくなくしながらリゾートとか今日いろいろ広がっているわけですから、そういうものを含めてどう国民に不安を与えないか、こういうことについて総括的にひとつ決意のほどを、時間がないですから説明は要らない。こうしますと、結論だけ言ってください。
○片桐政府委員 まず土地の投機的取引の抑制ということにつきましては、従来から監視区域制度の積極的な活用とか金融機関に対する指導、それからまた、税制上では超短期重課制度の実施等を通じてその抑制に努めてまいった次第でございます。さらに今回監視区域における投機的取引を抑制する観点から、国土利用計画法の一部改正を提案しているわけでございますけれども、これもできるだけ早期に成立をお願いできればと考えている次第でございます。それから、監視区域の今後の展開の考え方でございますけれども、これは地価の上昇に先駆けてできるだけ前向に監視区域を拡大する、それからまた指定をしているところでも必要に応じてその強化を図る、届け出取引面積の引き下げ等の強化を図るということで、今後とも投機的な土地取引の抑制に努めてまいりたいというふうに考えております。
○沢田委員 白書から見たのでありますが、八五年に対して、東京圏では六五%値上がり、三大都市圏で四五%、それから全国的に見ても一七%、これはやはり異常な値上がりを来しているということなんですよね。政府の見解は、東京は鎮静化したけれどもなんて言っているけれども、実態は相当大きく伸びているんですね。 さらに金融の問題で一つつけ加えておきますが、これは予算委員会に配られた資料で、不動産業に出ているだけの金融機関、都市銀行、地方銀行、長期信用銀行、政府から出る、例えば日本開発銀行は三百億ぐらい出ていますが、そういうものは一応別にしまして、信託、相互、信用金庫合わせて三十六兆ですね。総貸出金額の三百四十兆円出ている中の大体一割強、これが大体六十二年度末の、六十二年度は割合少なかった方だと思うのですが、貸出残高なんであります。さらに主要国の値上がりの状況を、これも資料から見れば日本は二百倍、これは八五年でです。だから、さっき言った一番低いところで二百倍、こういうことで、アメリカの百四十なり西ドイツの百四十二、イギリスはちょっと高いですけれども、異常に日本が高くなっておるということを考えて、この五年間の平均だけで見てもやはり強力な政治力を発揮しなければならぬ、こういうふうに、これは要望しておきます、時間の関係で。後、またいずれ改めます。 それで、最後に、これは大蔵からお聞かせいただきますが、今言ったような、地方でやるにしても、不動産業等そういう土地の売買に対する金融報告を特別にやらせるという方法はできないかどうか。金融機関で土地の売買を扱う場合には特別に報告をして、それを一応把握をしていく、こういう取り扱いは、まずイエスかノーか、考えられるかどうか、それだけひとつお答えください。
○鏡味説明員 先生御指摘の金融機関の土地関連融資につきましては、かねてから通達の発出それから特別ヒアリングの実施等を通じまして、投機的土地取引等にかかわります不適正な融資を排除すべく厳正な指導を行っているところでございます。 御指摘の金融機関による土地融資の報告につきましては、従来から個別の融資案件まで踏み込みました特別ヒアリングを実施することによりまして、状況に応じ必要な報告を求める等、的確な実態把握を期しているところでございます。特に先生御指摘の監視区域内の届け出対象土地取引にかかわる融資につきましては、その監視区域内におきます不勧告通知の確認を行った上で実行することを求める等、投機的な土地取引等にかかわる融資の排除に万全を期しているところでございます。 以上のような指導を通じまして、金融機関におきます融資の状況を見ますと、土地関連融資の伸びは、特別ヒアリング実施後、基調としては大幅に減少していると認識しておるところでございまして、今後ともこのような特別ヒアリング等の機動的な実施によりまして、投機的な土地取引が行われないように厳正に指導してまいりたいと思っております。
○沢田委員 株なんかでは売り買いの総額が六百兆程度になります。土地の年間の行って帰った総額は、大体何回ぐらい回転するのか。例えば、ここで言う三十六兆が何回転ぐらいするとつかんでおられますか。
○鏡味説明員 一般的に融資の回転数のようなものは統計的には把握してございませんけれども、ただ、短期的な土地投機につながるような土地取引については厳正に資金、使途等をチェックするように指導しておりますので、それほど短期的に回転するような融資が指導実施後は減少している、あるいはなくなってきているというふうに認識しております。
○沢田委員 最上恒産の問題も、四回ぐらいですか、移動していますね。ですから、これも何億、何百億という金額が五回ぐらい回転をしていったわけです、細かい内容の説明は省略しますが。ですから、パチンコと同じなんでありますが、回転というものが、同じ元手であっても百回動くものと一回しか動かない森林のようなものとは利益率がうんと違ってくるわけですし、また社会に与える影響も違ってくるわけであります。ですからもう少しそれは大蔵としては、出ている金額の総額だけではなくて、どういう回転の形態をしているかということを次回までには大体調べて報告できるようにしていただきたい、こういうように思います。これは要望しておきます。 そこで、これは一つの例ですが、この間の場合は、監視価格で知事が三十六億なら三十六億という指示をした。ところがそれに従わないで、これは言ってもいいのでしょうが、森下とリクルートがぐるになってと言っていいと思うのでありますが、裁判所に、大阪へ持っていって、埼玉のものを大阪へ持っていったのですからさっぱりわからない。それで八十何億の示談にして、そして実質上監視価格の二倍も大きな金額で銭高組とリクルートで取引をした。こういうことを考えると、一つは、こういう抜け穴があってはよくないから、知事の権限もまた何ともお粗末になってしまう。なめられちゃった、こういうことにもなる。だから、これはもう、法務の方は法務の方である程度やらなくちゃ、国土の方は国土の方で厳重に、何か行政に冷や水をかけるような、あるいは行政の失敗を招くような手法は迷惑だというふうに、やはりきちんと物を申さなくちゃならぬ、これが一つなんです。それはどうですか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、国土利用計画法では、司法と行政の調整を図るという観点から、民事調停とか即決和解とか、こういうもの を届け出義務の適用除外としているわけでございますけれども、しかし一昨年来、こういう適用除外の一つである即決和解とか民事調停を悪用している事例も見受けられるということから、国土庁といたしましては、このような悪用を防止するために、一昨年の七月に最高裁判所に対しましていろいろお話をいたしまして、こういう土地取引についてのいろいろな情報を裁判所の方に提供する、それで悪影響されないようにということを裁判所の方と話をいたしまして、最高裁判所の方では、このような趣旨を下級裁判所に周知をしているというふうに聞いているわけでございます。私どもとしては、このような情報提供を裁判所の方にいたしまして、悪用されないように、今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○沢田委員 そこで、やはり知事の権限なり市町村の権限を強め、しかしまた公正も期さなければならない。といって、今のような脱法、抜け穴を認めるわけにはいかないという立場で、異議の申し立て機関、余りこれも監視区域だからといって、知事もぐずぐずして一年もほっとかれたら、業者はかなわぬでしょう。だから、そこは公正であらねばならないというので、私は特に異議の申し立て機関をつくって、知事も迷うところは迷っていいと思うのですが、やはり住民代表、学識経験者、そういうものを加えた——一カ月だか二カ月たっても結論が出ないということをしていれば、片方は金利がかさむわけですから、そういう意味においては、異議の申し立て機関をつくって、そこで審査ができる仕組みを考えて、調停なんかに持っていかれる以前の行政の範囲内において解決をするという方途は講じられませんか、どうですか。
○片桐政府委員 国土利用計画法の届け出の審査に当たりましては、これは国民に対する曲権の制限ということでございますので、その適正迅速な処理が必要であるというふうに思っております。その審査期間は現在最大六週間というふうになっておりますけれども、私どもいろいろ通達を出しまして、特に問題のないものにつきましては、迅速に処理するようにということを指導いたしておりまして、実態としては、価格に余り問題のないものについては三週間ないし四週間程度で処理がされているという実態でございます。 それからまた、問題がありまして勧告をする必要があるというものにつきましては、その判断の公正さを担保するために、勧告を行うに当たって、専門的な知識を有する者から構成する土地利用審査会の意見を聞くという手続を経て勧告するということになっておるわけでございます。このような措置を通じまして、できるだけ迅速かつ公平な処理がなされるようにというふうに努力してまいりたいと思います。
○沢田委員 それで、さっきの抜け穴が出たんですね、だって、あなたがそう言っていても、結果的にはそうでしょう。だから、今の制度では、それは結果的には抜け穴は防げないんですね。だから、その次の機関をひとつつくって、それまでやってもなおかつだめな場合、それは行政指導でやっているわけですから、なかなかそうはいかない場合もあるわけですね。ですから、そのときにそれは両方の、異議の申し立て機関を、調停機関をつくって、それはどっちになるか別として、やはり決着をつけてやる。便々と引き延ばされるのも、これは困る。これは、土地収用法と同じなんですね。土地収用法がどうにもならないで、動きがつかないという現状もそのことなんです。土地収用法をつけても十年もかかってしまうから、結果的にはどうにもならないから、なるべく話し合いでということで、どんどんまた上がっていくということなんですね。ですから、そういう意味においては、異議の申し立て機関というものを業者にも与えてやって、そこで調停が最終的にできるように、行政の範囲内で決着をつけるように方法を考えていく。これは、異議の申し立てという名称等は別ですよ、考え方としてそういう制度を取り入れられないかどうか、ひとつ考えながら、そのかわり監視能力は強める、こういう方法がこれから必要だ、こういうふうに思いますが、一応建言をしてくれますか、政府の内部で、大臣やその他関係機関と。あなた単独で答えられなければ、それぞれ検討してみてくれませんか。
○片桐政府委員 現在特に大規模な土地取引等につきましては、届け出前から事前に相談を対応するとか、そういうような対応もしておるわけでございますけれども、先生御提案の趣旨を体しまして、いろいろ関係方面とも検討してまいりたいというふうに思っております。
○沢田委員 では、それは御検討願って、土地保有税の問題ですが、これはいわゆる開発、それから適地適合の、適正な合理的な都市づくり、こういうことを想定しながら、特別の面積のものを土地保有税として固定資産税等を免除しているわけですね。これは自治省の管轄でありますが、ただ、今日のような土地が値上がりをしていれば、これは現実は値上がり待ち以外の何物でもないのですね。それが倉庫であるとか資材置き場であるとかという名称のために国民をごまかして、まじめに固定資産税を納め、あるいはまじめに売買の適用を受けている一般の庶民、本当の小さな土地の保有者、それに比べて、のうのうと土地を買い占めて、そして土地保有税の免税を受けながら、そして値上がりを待って、いろいろと工作をしながら大もうけをする、こういうことは、この保有税の適用に間違いを生じておるというふうに思いますが、自治省としても、今日のこの状況を見て、これはやはり一時中止なら中止をして、そしてある程度、宅地も不足しているのですから、そういう意味においては放出をさせるように対応していくことが今日の段階として必要なんじゃないか。これ以上悪もうけをさせるようなこの税法をそのままに据え置くことは極めて危険である、こういうふうに思いますが、この前皆さんの方から御報告をいただきました。膨大なものですね。ですから、そういうような形で土地保有税については減免額を下げるとか、あるいは原則徴収をするとか、そして十分に心ある市民の納得のいくところで、還元するなら改めて支出で還元する。一たんは取る。そして歳出に盛り込んで、森下なら森下、リクルートにこれだけの税金をまけたから返します。やはりそういう審議を経て、返すのなら返す。それを何となしにごまかして、税金は公表しないからといって適当に保有税をつくって免税しているというのは言語道断であります。 ですから、一たん取って、そして出したかったら支出で出せばいい。これは還元します、そういうふうに国民の前に明らかにして、保有税の税金は還元することが今日必要だと私は思います。これは委員長からも特に後でしてもらいたいのですが、ひとつ自治省を含めて回答してください。
○湯浅政府委員 土地の保有に関しましては、御案内のとおり固定資産税と、それから一定の要件の場合には特別土地保有税が課税されるわけでございます。固定資産税につきましては、いろいろな公共の目的のための非保税というものがございますが、一般的には、これは固定資産税は課税するというのは当然の問題でございます。 問題は、ちょうど四十八年ごろでございましたけれども、土地の高騰あるいは買い占めという問題が非常に大きく出たときに、今御指摘のような土地の投機取引とかというものを抑制するために特別土地保有税という制度ができたわけでございます。 この制度は、固定資産税のほかに、特に買い占めなどで適当でないものに対して保有税を強化するという趣旨でできたものでございますから、有効に利用しようとするものに対しましてはこの税は免除をすべきであるという考え方で、この特別土地保有税の税制はできているわけでございます。そういう有効に土地を利用している状態というもの、あるいは土地を有効に利用しようとしている状態というものを認定いたしまして、それが適切なものである場合には、これは課税を免除するという措置をとっているわけです。 その場合の認定は、市が独自に認定をするとい うのでは独断的な措置が講じられるおそれもありますので、各市町村において特別土地保有税審議会という審議会を設けまして、有識者にそこに集まってもらって、そういう審議会にかげながら、これは免除したら適当かどうかというものを認定しながらやっているわけでございます。その認定の適正という問題については、これからも私どもよく指導をしていきまして、不適当なものがないようにしてまいりたいと思うわけでございます。
○沢田委員 いや、そういう説明を聞いているんじゃない。それはもう十分わかっておる。しかし、税だから個人のことは発表しないという一つの盲点がある。だから、どこの土地についてはそういう特例を使っているということを発表しない、守秘義務を生かす、そういう悪いところはやめて、取るものは取って、さもなければ公表する。不均一課税はやらないとか不公平課税はやらない、こう法律にもあるわけですから、その点についてはきちんと報告するぐらいのことはやってくださいよ。さらに私は一歩進めて、取るものは取って、もし出すのなら歳出で組みなさい。その方が公明正大でしょう。内緒でこちょこちょっと審議会のなにを得て免税してしまってしらばっくれているよりはずっと公明正大じゃないですか。だから、せめて取るものは取って歳出に組みなさい、そのぐらいやりなさいよ。悪いことでなかったらできるはずです。
○湯浅政府委員 税制全般につきまして、課税の内容というものは個人のプライバシーに非常に大きな影響を及ぼすということで、それぞれの税法におきまして守秘義務というものを課されているわけでございます。ですから、具体的な課税関係というものを公表するということにつきましては、これは税法全体の問題として検討しなければならない問題でございますので、特別土地保有税だけを公表するということは、これはなかなか難しいのではないかと思うわけであります。
○沢田委員 時間ですから、残念ですが、ただそういう方向で検討して、このいわゆる土地の問題がそれだけ関心が高いのだという位置づけをまだ自治省はしらばっくれている。守秘義務なんというところを利用するものじゃない、もっと違うところへ利用すべきなんだ。ですから、そういう立場に立って、今後は明快な方法をとっていくという努力をしてもらう。私も提言しますが、時間ですから、残念ですが、以上で終わります。 大臣、今度は同県のよしみでぜひそれを生かしていただくようにひとつお願いして、終わりたいと思います。
○大塚委員長 薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、ただいま議題となっております土地基本法案、それから国土利用計画法の一部を改正する法律案、政府案に関連して、野党案の立場から何点か御質問させていただきたいと思うのです。 私も初めて国土庁長官に質問をさせていただくわけでございまして、長官御就任おめでとうございます。と同時に、私は国民の一人として、国民の国土庁長官に対する期待は非常に大きなものがある。長官によって、今の日本の国の政治が最も緊急に解決しなければならない課題、特筆されるものはこの土地の問題である。土地をどう国会が国民に対して回答を出してくれるのだろう、これは多くの国民が今最も注目をしておる事柄であろうと思うのでございます。今国会においてもいろいろ法案が出されているわけでございますが、今国会の法案の中でも重要な、国民が最も期待している法案であることは間違いがございません。でありますので、この法案については徹底した審議が行われ、なおかつ早急に的確な、具体的な土地の施策が国民の前に示されることを国民は毎日の審議を目を大きくして見ているわけでございますので、どうかこの法案の国民が期待したものに沿うような機能を発揮できるような審議の中からの成立を私は期待しつつ、まず冒頭に大臣に、国民の一人として、率直に言って何を国民が期待しているかということをお話ししたいと思うのでございます。 今国民が我々政治に何を望んでいるか、土地神話を崩壊してくれ、これだと思うのです。土地を持っていれば必ずもうかる、地価は必ず上がる、こういうことはあり得ない、こういうことはないんだということを、今度のこの土地基本法の成立と同時に社会生活の中にきちんと出してきてほしいと私は思うのです。 私も国会に籍を置いて、建設委員会、あるいは災害、あるいは国土審議会委員としてずっと四全総もやってまいりました。国土の均衡ある発展の中で何が一番阻害要因かと言えば、地価の問題です。均衡ある発展のためにも、快適な生活環境をつくるためにも地価を抑制する。そのために大臣に期待する国民の声は、土地神話はこの法案によって破壊された、これが一つだと思うのです。と同時に、国民の合意の中でこれは成立しなければなりませんけれども、土地の売買で金をもうけるというのは社会悪なんだ、反国民的な行為だ、そのような合意が国民の中にひたひたと押し寄せて、土地でもうけよう、土地を金融資産として活用、運用しようということはやめよう、これは公共の福祉のために利用されるべき大事な限りある資産なんだ、国民がそういう気持ちで土地でもうけることはやめなければならぬ、許されない行為だということが定着するような法案の審議と成立を望むわけでございますが、冒頭大臣のこの土地に対する御決意をお伺いしたいのです。
○野中国務大臣 確かに国民の土地に対する関心、あるいは地価の安定をぜひやってもらいたいのだ、この熱望は先生のおっしゃるとおりでございます。 国土庁といたしましても現在まで諸施策を行ってきたところでございますけれども、このたび御提案申し上げました土地基本法におきまして、土地に対する公共性という認識を確立していただくということが一つ。それから、国民が再生産のきかない土地、国民生活の基盤となる土地に対する共通の認識というものをぜひこの基本法において確立していただきまして、その上に立って強力な施策を執行していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 したがって、この基本法を支えといたしまして、そして土地利用計画であるとか、あるいは土地取引の強化であるとか、あるいは土地税制の強化であるとか、そうしたものを総合的に組み合わせまして、土地対策を強力に推進することによって、今先生のおっしゃる土地神話というものを打破していきたい、こういう決意で臨んでおるわけでございます。
○薮仲委員 大臣の力強い御発言があったわけでございますが、大臣は非常に土地にお詳しいといいますか御専門でございますので、我々もこの審議の中で非常に期待をいたしておりますし、我々も同じ責任に立って、今大臣がおっしゃられたような方向で国民の期待にこたえていきたいと思っております。 きょうは非常に時間が限られておりますので、基本的な問題だけ何点か確認の意味でお伺いしますので、これはどうか要点を簡潔に、明快に、わけのわからないというようなことではなくて、国民の皆さんが聞いてもこれはよくわかったというように御答弁をいただきたいと思います。 まず第一に、今度の基本法の中で何が問題になるかといいますと、今大臣の御答弁にもございましたように、公共の福祉。その裏腹にひっかかっておりますのは、憲法の二十九条で、我々の許されております私有財産でございます。いわゆる所有権というのですね。私有財産を認めているというのが今日の経済原則の根っこにあるわけでございますから、今御発言のように、公共の福祉とどういう関係にするか。憲法の二十九条では、確かに「財産権は、これを侵してはならない。」とうたってあります。しかし、御承知のように、第二項には、その「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」法律で規制されるということを憲法二十九条二項でうたっているわけでございます。しかも第三項には、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために 用ひることができる。」とうたわれているわけでございます。 ここで私たちがこの基本法を論議するときに、野党案と政府案の違いは何かというと、私有権をどこまで踏み込んで制限できるか。公共の福祉が優先するのか、所有権が優先するのか、これは非常に微妙な問題ではございますけれども、ある意味では私権の制限ということにある程度踏み込んでいかなければ、国民の納得するような合意形成のための地価の状態というのは得られないのじゃないか。冒頭お伺いしたいのは、所有権と公共の福祉という問題をどう整理なさるのか、簡単にお答えください。
○片桐政府委員 先生御指摘の点は憲法二十九条二項の解釈の問題であるというふうに思うわけでございますけれども、これは、土地は一般の財と異なるということをこの法案では明らかにしているわけでございます。土地については、公共の利害に関係する特性を有していることから、やはりその特性に応じた公共的制約が課されるものであるということを明らかにいたしているわけでございます。現在既に、土地の利用とか取引、保有等につきまして、国土利用計画法を初めとして各種の制限が課されているわけでございますけれども、今後ともこの基本法の基本理念にのっとりまして、適切な開発規制とかそれからまた取引規制とか、そういうような個別具体の法律の活用、改善について努力してまいりたいというふうに思っている次第でございます。現実に、今回このような考え方に立ちまして、土地の投機的取引を抑制するという観点から私権制限に一歩踏み込むというような形で国土利用計画法の一部を改正する法律案も提案しているわけでございます。
○薮仲委員 今何点か申されましたけれども、もう少し具体的に、公共の福祉と言いますけれども、公共の福祉として今地価を抑制するために国土庁としてどういうことを、私権制限させるぐらいの公共性のある、公共の福祉のための必要性といいますか、そういう土地政策等考えていらっしゃるか、それを具体的におっしゃっていただきたいのですが。
○片桐政府委員 公共の福祉という抽象的な概念につきましてこれを土地政策に当てはめますと、私どもといたしましてはこれをもう少しブレークダウンして表現いたしますと、適正かつ合理的な土地利用を確保するとか、それからまた適正な地価の形成を図る、こういうことではなかろうかというふうに思っております。 そういう適正かつ合理的な土地利用の確保を図るためには、良好な都市環境とか住環境を実現する、そのために必要な道路とか公園とかいう社会資本を整備していく必要があるとか、自然環境や国土の保全が必要であるとか、そういうことではなかろうかと思います。また、適正な地価の形成という観点からは、やはり投機的な土地取引を抑制するためのいろいろな土地取引規制、こういうことが考えられるものと思っております。
○薮仲委員 今の御答弁は、どちらかというと既存の法律、法体系の中で規制を強化しよう、こういうお考えであることは理解できるわけでございますが、土地の問題は、我々が知っているだけで、も三回くらいあったのじゃないかな、土地のいわゆる高騰した経過が。そのときいろいろな形で既存の法制を何とかしようといって今日まで来て、現実は、先ほど来質問にもございましたように、ひどい土地の高騰を招いた。ということは、ある意味ではもう一歩踏み込んで、この基本法の審議の中で、必要であるならば新たに、法律の改正はもちろんのこと、新法も必要かな、新しい法体系の中で土地というものの体系をつくっていかないとこれは無理なのかなという考えも私は一面持っているわけでございますけれども、新しい法体糸の中で規制するというようなこと、修正とか改善するということ以上にやらなければならないのじゃないかと私は思いますが、これは基本的な概念としていかがでしょう。
○野中国務大臣 今うちの土地局長の方からお話がありましたけれども、私権制限というものは公園とか公共のためとかということではなくて、そればかりではなくてもう一歩踏み込んでいるのですよ。とにかく私有財産である低・末利用地をいつまでも遊ばしては困りますよということも、これは私権に一歩踏み込んでおるわけでございます。そういうふうにしてこの基本理念というもの、土地基本法の基本方針というものあるいは基本の考え方というものを各省庁が受け取っていただいて、そしてそれぞれの法律をその方向に是正をしてもらう、こういうことがこの基本法でございますから、ぜひ御期待を願いたいと思っております。
○薮仲委員 大臣が私権の制限へ許される範囲内で踏み込もうというお考え、よくわかりました。これは今後の論議の中で詰めさせていただきます。 もう一つお伺いしたいのは、今大臣もお答えになりましたけれども、土地の所有権、もう少しこの基本法の中ではっきり立て分けて理解しておかないと、土地というと茫漠とした概念になってまいります。もっと突っ込んでいかないと法体系の中で間違えると私は思うのです。 それはどういうことかといいますと、やはり土地というものは財産としての面があるわけです。これはいわゆる土地を所有しているという価値ですね。財産面で運用しようという面があると思うのです。しかしもう一面は、憲法で保障された、我々は憲法の前文で生存権をうたわれております。声高々にうたっているわけでございますが、やはり土地というものは人間の生存というものの最も基盤ですね。生存の基盤である。その両面ですね、財産面といわゆる生活の基盤であるというこの両面はしっかりと立て分けて、どっちを規制するか。私が生活するためあるいは国民お一人お一人が生活するための生活基盤の土地に、そこまで私権にずかずかと入っていくことについては、これは相当慎重であり緩やかであってしかるべきかなと私は思っているのです。ただし、先ほど申し上げましたように、私は大臣に、土地神話をなくしてくれ、資産運用として、財産面での運用について、生存権を越えた部分の財産権についてはきちんとした規制をかけていいだろう。だから、ある面では、私有財産、所有権というものについても法体系の中ではっきりそれを区分して、規制はここははっきりやる、生存の方はしっかり守ってやるべきだ、緩やかでなければならない、こういう点のきちんとした立て分けをやってしかるべしと思うのでございますが、いかがでしょう。
○片桐政府委員 先生の御指摘のとおり、土地基本法案では、土地の資産の面ではなくして土地の利用の点を強調するという観点から、第二条におきましても、土地は、現在及び将来における国民のための貴重な資源であるとか、また国民活動にとって不可欠な基盤である、こういうことを虫調いたしまして、そういう観点から公共的な制約が課されるということを宣言しているわけでございます。私どもといたしましては、こういう観点から各種の個別具体的な法律を改善強化して土地政策を展開してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 いわゆる資産運用、財産面での部分についてはきちんとした規制をする、こういう認識でよろしいのですね。 時間がないですから、次のことを、大事なことを聞いておきたいのです。先ほど大臣に御答弁いただいた、土地によって不当な利益を得ようとするのは反社会的な行為であるというような国民合意ができていくということが大事だなと私は思っているのです。土地でもうけようというようなことはやめよう、公共の福祉に反するからやめなければいけないな、国民がおのずと自制するような方向でいくべきだ。大臣も共通の御認識で見ていただいておるわけでございますけれども、そのために今も未利用地については厳しい規制をするとお話がございました。国土利用計画法の中で未利用地を何とか社会の利用のために還元していただくということはよくわかるわけでございます。ただ、国土法改正だけで十 分かなと私は疑問があるのですね。これだけではなくて、もう少しやってもいいかなと思うわけでございますが、これで十分だとお考えですか。
○片桐政府委員 遊休地制度につきましては、今回国土利用計画法の改正でその強化を提案しているわけでございますけれども、国土利用計画法の対象となっています遊休地は取引の届け出の対象となったものだけを対象としておりますので、これでは確かに不十分な面があるというふうに考えている次第でございます。 今後の検討課題といたしまして、そういう取引の対象とならないものにつきましてもいろいろな積極的な有効活用方策を検討してまいりたいというふうに考えております。
○薮仲委員 その問題はちょっともう一度重ねてお伺いいたしますが、その前にちょっと角度を変えてお伺いしたいのは、昨日の本会議で、社会党、公明党から総理、大臣に対して質疑があったわけでございますが、その御答弁の中で、いずれの場合もこのような御発言がございました。いわゆる地価に対しては、地価というものは需要と供給の関係においてという御発言がたびたび出てまいったわけでございます。この認識は非常に重要でございますので確認の意味でお伺いいたしますけれども、確かに地価は、おっしゃるような需要供給の経済原則によって決定される、これはその通りなのです。しかし、需要と供給の経済原則に任せておくということ、私はこれはいかがなものか、むしろ今度の土地臨調の答申、これを尊重なさるという立場で言うならば、土地臨調では、経済原則ではなく土地というものの特性をきちんとそこでうたわれて、需要供給以外のところへも突っ込んでいく、極端に言うならば需要に対して供給が間に合わなくても地価は抑制されてしかるべし、こう土地臨調答申がうたっていると私は思うのです。 きのうの本会議の御答弁、私の聞き間違いかなと思って、まだ会議録を読んでおりませんが、私はあのような姿勢でこの基本法に取り組まれたのでは非常に遺憾だなと聞きながら思っておりまして、誤解があればここで訂正をしていただきたい。
○片桐政府委員 土地につきましても、土地の利用、処分、価格形成、こういうものは一般の財と同様に市場メカニズムを通じて行われているわけでございまして、やはり資本主義社会といいますか、市場経済の中では、できる限りこの市場メカニズムというものの活用が図られるべきであるというふうに考えているわけでございます。しかし、土地については、市場メカニズムが土地の有する特性にかんがみまして他の財と比べて健全に機能しないという面が非常に多いわけでございます。それで、私どもといたしましては、公共の福祉の観点から種々の制約を課した上で、より健全に機能するという方にいろいろ努力をしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○薮仲委員 今まで私が建設委員会等でいつも聞かされた言葉に、需要と供給で地価が決定するということを、もう会議録を読んだら恐らく歴代の国土庁の土地局長が必ず一回は言っているのです。もうこれはおやめになった方がいいと思います。今度の土地臨調の答申の中にも、「利用と処分も基本的には個人の自由な意思にゆだねられ、また、その取引は、市場において行われ、価格は需給を反映して形成される。しかしながら、土地は、他の財とは大きく異なる特性を有している。」「土地は、国民生活や社会経済活動の基盤として欠くことができない。しかも、量的に限りのある資源であり、」「また、需要の変動に応じて、その供給量を速やかに変動させることが困難なことはいうまでもない。」「土地の保有や利用をすべて自由な市場メカニズムにゆだねたままでは、経済的、社会的に最適な結果を得ることを不可能にしている。土地は、特にその利用面で、他の財に比べ公共的、社会的制約を大きく受けざるを得ないものであり、公的な意思に基づく強制や公的主体による制限、介入、誘導等を欠くことができない。この意味で、土地は公共性、社会性をもった財である。」ここではっきりうたってあります。ああいう本会議等で,多くの方が聞いているわけです。需要供給ということによって、市場メカニズムによってということをここで否定されているわけですから、そこへもう少し介入しなさい。これはこれからも委員会でやりますけれども、こういう御発言を長官等がなさるのでしたら、今申されたような前段階をおつけにならないと、聞いている者は、またか、嫌な感じが私はしたわけでございまして、これはもっと今後しっかり詰めてまいりたいと思います。 次の問題に移らせていただきますけれども、土地税制についてお伺いいたします。 これは先ほどの遊休地にかかわってまいりますけれども、私は、遊休地、いわゆる未利用地を社会に提供してもらう、提出していただくためには新しい税制があってしかるべしという考えを持っておるのです。というのは、先ほども何か自治省の方がいろいろ言っておりましたけれども、現在の特別土地保有税というのは、御承知のように土地が動かなければ効いてこないのですよ。土地の価値が顕在化しない限り、あの特別土地保有税というのは効いてこないのです。だからだめなんです。社会、公明四党のあれは、顕在化しない価値に対して土地の増価税という形で考えているわけでございますけれども、保有という部分についてきちんとした法体系というか認識、キャピタルゲインの部分、これが社会に還元されてしかるべきじゃないか。先ほど申し上げました生存の部分と所有の部分をはっきり立て分け、あるいはその所有している土地の面積、居住用の資産である、生活の基盤である、そういうところまでということではなくして、先ほどの御答弁のように、遊休地ということでわかりますけれども、私は保有に対して新しい税体系があってしかるべしと思っておるのです。今までの特別土地保有税、あんなものは効いたためしがない。あんなもので出てくるというのは錯覚ですよ。おやめになった方がいい。 それで、固定資産税を強化しろという御意見があります。これはこの次にやりますが、私はある意味では固定資産税の強化については反対論者です。ある意味では理解できますけれども、ある意味では反対だ。その反対の理由は後で申し上げますが、まず保有に対してきちんとした新しい税体系があってしかるべしと思いますが、いかがですか。
○片桐政府委員 現在行われております特別土地保有税につきましては、取得後放置しているものということで行われていることは先生御指摘のとおりでございます。従来から長年持っている土地について、遊休地、未利用地というものがあった場合にこれに特別の保有課税をかけたらどうか、こういう議論だと思いますけれども、私どもといたしましては、どれが未利用地か、どれが遊休地かという、それをいかにして確定するかということが最大の問題点であると考えておりまして、その辺のことにつきまして現在いろいろ検討を進めているということでございます。土地利用計画といいますか、そういうものに照らして遊休地であるという認定がなされた場合に特別の保有税を課する、そういうようなものにつきましても今後検討してまいりたいと思っております。
○薮仲委員 きょうお帰りになったら国土庁がかつて私にくださった資料をお読みいただきたいと思うのですが、大都市圏の地主の数を出しているわけですね。地主がどの程度の面積を保有しているかというのをランク別に出しているわけです。私は今まで、短い時間ですから基本的な原則だけ言ってきたわけです。所有権のうちの生存権に係る部分については緩やかで、財産、資産形成というような部分についてはもう少し立ち入ってもいいと思うよということを申し上げました。それから居住用資産、いわゆる生存権を確保するような部分の面積については緩やかであってしかるべしだな、私はこう考えております。 なぜ私が今の局長の答弁に納得しないかというと、まず一つは、はっきり言って個人と法人は立て分けるべきだと思うのです。個人というのは、 先ほど来論議がありましたように、相続税あるいはいろいろな形で固定資産税とかそういうのがマイナスとしてかかってくるわけですね。しかし、法人の場合は全部経費なんです。これはもう局長がよく御存じのように、法人はすべて経費でそれを計算できるわけです。個人の場合はそれが全部まともに、もろに支出として出てくるわけです。ですから、立て分けの一つは、まず法人と個人を立て分けなさい、これは御理解いただけると思うのです。 それからいいことを言っているのは、国土庁長官の私的諮問機関、国土政策懇談会が一九八七年三月に出した報告書があるのです。お読みいただいていると思いますけれども、そこの中でこう書いてあるのです。特に「キャピタル・ゲイン動機と関係ない古くからの地域定住者など一定の合理的土地利用を行っている者に対しては、課税上特例措置を講ずべきである」という提言があるのです。私はこれに納得できるのですよ。というのは、ごく簡単なことを言うと、地上げ屋さんや何かでどんどん地価が高騰をしてくる、お年をとられた方とかあるいはお体の不自由な方とか追い出しというような、固定資産税を払えなくて出ていかなければならないケースが出てくるのです。ですから、いろいろな意味で合理的に土地を利用していらっしゃる方については特例措置があってしかるべしというこの長官の私的諮問機関の提言は、私非常によく理解できるのです。 と同時に、面積要件を言いました。これは時間がありませんからごく簡単に言いますけれども、東京の場合二千平米以上の土地を持っている人がどのくらいあるか、お帰りになったら調べてみてください。私、ちょっと手持ちの資料が古いので申しわけないのですが、一九八六年の資料で、地主さんは四万二千人、その中で二千平米以上持っていらっしゃる方は大体三%いらっしゃる。その持っている土地は東京都の中の何と四〇%です。地主さんは大宗は小さいわけです。仮に二千平米以上、この方はパーセントでいけば都民の〇・三五%、都民のごくわずかの一握りの方です。この方に先ほど来私が限定した条件をかけて、法人等を含めて新たなきちんとした土地保有税をかけても、私は国民合意が得られると思うのです。私は、これが正しい土地税制の一つのあり方だと思うのでございますが、いかがでございますか。
○片桐政府委員 従来から、そういう大土地保有につきまして特別の土地保有税をかけたらどうかという議論があることは承知いたしております。 私どもといたしましては、現在検討しておりますのは、土地利用計画というものを詳細にいたしまして、それに照らして、遊休であるとか未利用であるとか、そういうような認定をいたしまして、それでそれを間接的に有効利用を促進するための土地保有課税ということを検討しているわけでございまして、現在そういう大土地保有についての特別の土地保有課税ということについてはいろいろ議論があるのではなかろうかと存じております。
○薮仲委員 では、この次の委員会で局長さんと激論をいたしましょう。この問題はきょうやるともう時間がありませんから、やめておきます。 国土法改正で一番問題になります土地の投機的取引ということが与野党間で非常に意見の一致を見ない。国土法十二条に、いわゆる監視区域ではなくて土地を規制するということがうたわれているのですが、国土庁の土地局の方々は、これは伝家の宝刀だ、抜けば玉散ると言うけれども、もうさびついて全然役に立っていないのじゃないかと私が思うほど、これは動かない。これは知事さんに権限が任されていますから知事さんに抜けということも大変なのかなと思いますが、それは今後論議いたしますけれども、この投機的取引とは一体どういうことですか。
○片桐政府委員 この土地の投機的取引という言葉は、都市計画法の第八十五条とか現在の国土利用計画法の十一条、そういうところでも既に用いられている言葉でございまして、従来からこの言葉の解釈といたしましては、将来他に転売してその間における地価の上昇による価格差益を享受することを目的として行われる土地取引というふうに解されておるわけでございます。しかし、これを具体的に規制しようという場合には、それぞれ個別法においてその規制の対象範囲が定められると考えられます。私どもが現在国会に提案しております国土利用計画法の一部改正案におきましては、特に悪質な短期転売につきましてその契約の中止等の勧告ができるというような案を提案しておる次第でございます。
○薮仲委員 投機的取引で、今の局長の答弁を聞いても全く言語明瞭意味不明瞭で、私もこの土地問題は何年となくやっているのですが、申しわけないのですけれども今の御答弁で、私は、ああそうかなと納得はいたしかねるのです。そういう意味不明瞭な法律用語を残さずに、野党の提案のように「急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり」と一つなら一つの条件を加えておくことが必要だと私は思うのです。あれはこの二つの要件を満たさなければ発動できない。私みたいなちょっとひねくれた言い方をすると、逃げ口上かなというような感じがしてなりません。ですから、この辺はもう少し整理していただきたいし、これはこの次にまたしっかりと論議をさせていただきます。 時間がございませんので簡単にお伺いいたしますけれども、先ほども御指摘ございましたが、地価に対して一物四価というような表現もございます。私も、地価というものは統一されてしかるべしだと基本的に考えております。ということは、例えば地価公示価格のポイント、あれをもっとふやしたらどうなのだろうか、あるいは建設省の建設経済局がおやりになっていらっしゃる実際の価格、不動産にかかわる方々の本当の情報、全くどなたが出されたかわからないけれども、それを情報として提供していただく。そうすると、北海道のどこどこはこれぐらいが適正な値段なのかなということ。今国民に一番いけないのは、北海道のあの地域はどのくらいなのだろう、例えば埼玉県のあの土地はどのくらいなのだろう、これに対して何ら的確な情報、判断資料がないところで地価が狂乱するのです。これはやはり逃げていないで、国民があそこの土地はどのくらいなのだろうといったときに、少なくとも適正な価格が指示できるようにすることが国土庁の重要な行政の責任である、こう私は認識しております。 これとあと固定資産を聞きたいのですが、今の問題だけちょっと局長にお答えいただいて、最後に大臣に、今までるる何点かの問題点、時間が非常に限られておりますので雑駁な指摘ではございましたけれども、我々が願っておりますのは、こういう一つ一つのことを国民が本当によかったなという結果をつくっていただきたいということでありますので、この論議を通じまして御意見などがございましたら重ねてお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
○片桐政府委員 公的評価の一元化の問題でございますけれども、私どもがやっております地価公示それから都道府県地価調査、これの地点合わせて五万地点弱というような状況でございまして、やはりこの地点をふやしていくということで、私どもとしましては当面十万地点ぐらいを目標にふやしていきたいということで今後努力をしていきたいと思っております。こういう現在の国土庁の地価調査を充実させることによりまして、相続税の路線価それから固定資産税の評価、こういうものもできるだけ適正化、均衡化を図るように努力をしてまいりたいと思っております。
○野中国務大臣 薮仲先生の大変示唆に富んだ造詣深い御意見を賜りまして、今後検討すべきものは検討していきたいと思いますが、ひとえに先生も私もともに願っておる地価の安定、そして国民の期待に沿うように努力してまいりたい、かように思っております。
○薮仲委員 終わります。
○大塚委員長 青山丘君。
○青山委員 このたびは大臣御就任おめでとうございます。年来御指導いただいてきた大臣になお 御指導いただいて、またぜひひとつお役を全うしていただきたいと思います。 しかし、まず冒頭、今回こういう形で土地基本法案なるものが出てまいりました。実は私どもは、既に昨年の今ごろは相当詰めた段階で、土地基本法の制定を急がなければならないということで野党四党で考え方をまとめるために努力をしておりました。御承知のように土地の価格は物すごく上がってきて、経済は豊かになってきても、一般のサラリーマン層にとっては都市を中心にして土地を買って家を建てるなどというのはもう夢のまた夢、これでは我々の生活は少しもよくなっていかない、相当切実な声が私どもに何回も寄せられてきました。日本の土地の価格がアメリカの土地の価格のおよそ四倍だと言われておる。二十五分の一の広さで資源もほとんどないこの国がどうしてこんな異常なことになってしまったのか。これは政治が極めて急いで取り組まなければならない重要な課題になってきた。数年前から私どもはこういう危機的な意識のもとに、昨年野党で土地基本法なる考え方をまとめてきたわけです。この特別委員会が設置されたのがまだ二年前ですか、それからようやく審議会で考え方がまとまってきたというような背景はあったかもしれませんが、この基本法なる法案が出てくるのが少し遅かった、私は率直に申し上げてそう思う。大臣、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 御存じのとおり、土地基本法をつくるのが遅過ぎたのではないかと言われますけれども、これは私権制限の問題等大変ございまして、国土庁としては供手傍観をしていたわけではないわけでございまして、昭和六十三年の十月に内海前長官が土地基本法に関する懇談会というのをつくりまして、御意見を聞いたり、これは五回ほど開催をいたしておりますが、そのほかにまた、自由民主党の方も、六十二年の十月に緊急土地対策というものを公表しまして、国民のコンセンサスを得るようにということを言っておられますし、昭和六十二年の十二月には、衆参の土地問題等に関する特別委員会において、土地の公共性の観点からこういうものは制限しなさい、例えば、土地保有であるとか処分であるとか利用に関する制限、こういうものはやりなさいよ、こういう激励を賜りまして、こういうものをすべてまとめて参考にし、そして練りに練って提案してきたのが実は今度の基本法でございます。さらに言うなれば、昭和六十三年の六月に臨時行政改革推進審議会の御意見も聞いております。そういうことで、時期を失したと言われますけれども、これは慎重に進めていかなければならぬのだな、特に、私権を制限していく局面が非常に多いものですから、そういうことで、おくれたことはひとつお許しを願いたいと思います。
○青山委員 そういう意味で、この基本法を早く制定してくれというのがきっと大臣が言いたい本音であろうと思うのです。しかし、出てきてついでにというわけにはなかなかいきませんから。特に、今おっしゃられたような私権の制限に対する認識が、日本人の認識の中にまだ確立しておりません。 先ほどからずっと議論があったこのやりとりの根底に流れていくものは一体何か。それは、欧米社会に比べて、やはり日本人の認識の中に、土地は公共の利益を優先させるものであって、限られた資源を有効利用することによってひとしく国民全体がこの土地を享受することができるのだというような認識は、残念ながら日本はまだまだそんなに確立されておらない。そうなってきますと、この基本認識ができていかなければ、土地対策、地価対策というのは本当にできないものかどうか。実はこれは総合的な施策の中の一つであろう。 まず一つは、基本認識が非常に必要であるけれども、いろいろな施策をこれからとっていくのであろうが、その中の原理原則をこの際打ち出していこう。この際、国民の皆さん方に一つの大きな宣言をしていかなければいけない。先ほど土地の神話というのは崩すべきだ、崩さなければならないというやりとりがありましたのもそういうことが根底にあってであろうと私は思うのです。ただし、国民の認識を確立していくためにも、この基本法の中の取り組みがどういう役割を果たしていくのか。具体的には、土地というものは公共の福祉が優先されるものだ、その有効利用については国民共有のものであるというような基本的な認識を定着させる、確立していくためにどういう取り組みがこれから必要になってくるのか、そのあたりをひとつ総合的に、さらに土地神話というのはこの土地基本法で打ち破ることができると考えておられるのかどうか、そのあたりは、大臣、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 前段の日本人の不動産に対する考え方というのは、不動産、文字どおり不動産でございまして、動かない、財産的価値が不動であるということでしょう。同時にまた、産ということからいえば、これから利益を生み出していくというのは、そうでないのですよという否定形がついているわけです。それを、何となれば投機的不動産の売買によって利益を生もうなどという考え方を持っているわけですから、そういう方もいらっしゃったわけですから。ですから、土地というものは本当に公共性を持っているのだ、こういう共通の認識をまず確立をしていきたい。そういうコンセンサスが得られるであろうか、また得られなければならない、こういうことでこの土地基本法を提出しているわけですけれども、これを受けていろいろな諸施策をしていくわけです。土地利用計画であるとか、各省庁との連絡をとりつつその方向に持っていく。まず方向を決めるということでして、これが基本法なんですよ。この方向が決まれば歩いていく方向が決まるわけですから、それで明確に各省庁とも力を合わせてやっていこう。こういうわけですから、御理解を願いたいと思っております。
○青山委員 土地についての国民の意識について、これは大きく改革をしていかなければいけないのではないか。国民の意識というのは西欧先進国に比べてまだ確立されてはおらない、すなわち、公共の福祉が優先するのだという意識がまだ確立されてはおらない。このために具体的な施策をこれから進めていかなければいけない。基本法はそのためのスタートであるという位置づけなのかどうか。そうだろうと思いますけれども、その具体的な施策をどのように考えておられるのかということです。これが第一点。 と申し上げますのは、最近の地価の高騰をどのように見ておられるかわかりませんが、かつて昭和四十七、八年、地価が非常に大きく高騰をいたしました。それから少し鎮静化してきておりましたが、ここ三年ほど前からまた急速な地価の高騰を見せてきた。これは政府の見解では、最近は東京圏においては地価は鎮静化してきておる。果たして、本当に地価は鎮静化してきておるのかが一点。 それから最近は、一つ顕著な点では、地方も地方経済を活性化していかなければいけない。地方の開発が求められてくる。リゾート開発が今いろいろな地域で求められてきておる。となってくると、地方の土地の価格もまた相当大きく伸びてきておる、こういう顕著な例も出てきております。そうなってくると、国土利用計画法によって地価の監視区域が相当幅広く全国的に覆ってきてはおりますが、そういう認識からすると、国民の例えば住宅用地の確保というのは非常に難しくなりつつある。これが今、ちょっと話は横へそれるかもしれませんけれども、政府がこれから取り組んでいこうという大きな政治課題の中で一番大きなネックになっていく。例えば、経済は力をつけてきておる、けれども国民生活の質は高まっておらない。数字の上では日本人国民一人当たりの所得というのは非常に高いものだということが新聞等で伝えられる。その中では、例えば物価が高い、あるいは労働時間も長い、実質生活の質は高くない。とりわけ住宅環境が日本は非常に劣悪である。さりとてしかし、土地対策がおくれてきているばかりか急速な上昇を見せてきておる。これでは国民が望んでいる方向と実際に経済の趨勢というのは逆方向に動いてきてしまっておるのではないかという、これも一つ政治不信につながっては大変だと思って、私はこの土地対策こそ急がなければならない問題だと思っているのです。 そういう認識の中で、今回の土地基本法の位置づけというものをどういうふうに見ておるのか。また、土地神話というものを崩壊させていく手だて、国民の土地に対する認識の変革をこれからどういうふうに進めていこうとしておられるのか。きょうは時間がありませんから総括的な話ばかりになって、各論はまた取り組まさせていただこうと思いますが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 土地についての国民意識の点でございますけれども、今年度公表いたしました国土利用白書でも明らかにしておりますが、日本人の意識は必ずしも公共福祉優先という点が徹底していないということは事実でございます。こういうような状況に対応いたしまして、こういう状況の中で土地政策を進めていくというためには、やはり国民意識を公共福祉優先という方向で改革をしていく必要性があるということで、現在この土地基本法案の審議をしていただいている次第でございます。この法案を国会審議を経て成立させていただくということが、まず国民意識の改革のために極めて重要なワンステップであるというふうに思っている次第でございます。 さらに、この法律が成立した暁には、この法律に基づきます個別具体的な土地に関する施策をいろいろ展開していきたい。先ほど来申し上げておりますように、土地利用計画制度の整備充実ということ、それからまたそういう土地利用計画に従っていろいろな取引規制とか開発規制とかそういうものもやっていく。それからまた、計画に従った利用を誘導していくための措置もやっていく。そういうようないろいろな施策を総合的に展開して国民の理解を深めていただくということではなかろうかというふうに考えております。 また、この土地基本法案の中でも、六条二項で「土地についての基本理念に関する国民の理解を深める」ような努力をしなさい、こういう条文も置いておりまして、この条文に基づきまして広報活動、教育活動を通じて理解を深めていただくように努めてまいりたいというふうに思っております。 また、この土地基本法でもって具体的に地価の抑制なり宅地の供給をどう図っていくのか、こういう点でございますが、この十一条、十二条におきまして、土地利用計画の整備充実それからまた計画に基づく土地の高度利用、土地の利用の適正な転換の促進、こういうような施策を通じまして宅地の供給に努めてまいる。それからまた価格の抑制という観点では、やはり投機的な土地取引の抑制ということが非常に重要であると思っておりますので、これも国土利用計画法に基づきます土地取引の規制とか金融機関の指導等、こういうようなものも努力をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○青山委員 例えば啓蒙活動や教育宣伝等では国民の意識はなかなか徹底しない。私権の制限という問題がこれから相当いろいろな分野で出てきて、係争事案も出てくるかもしれませんが‘具体的な施策を講じることによって、しかしそれでも時間をかけて、国民の意識を公共の福祉が優先するという認識で一致するような形に持っていくという努力がこれから必要になってくると私は思います。 それからもう一つは、土地の有効利用によって開発をされていく利益を受けてくる、その社会的な還元が必要だという考え方が日本人の意識の中にはやはりまだ決して確立されたものではない。しかしこれは、これから土地対策に我々が取り組んでいく上で随分参考になるのは西欧先進国の各種施策であろうと思うんですね。そして西欧先進国では、そのあたりの開発をすることによって利益を得るもの、それに対する還元がなされるべきものであるという認識は我が国に比べていささか定着しておる。我が国はまだこれはこれからの問題。その点では、少し今回の土地基本法の中では後退しておるのではないかというようなことが言われております。そのあたりは局長、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 開発利益の還元につきましては、本法案の五条におきまして、土地の価値が増加する場合には「その価値の増加に伴う利益に応じて適切な負担が求められる」こういうことを明らかにしておりますし、また十四条におきましては、社会資本の整備に関連する利益に応じて適切な負担を課する、それからまた十五条におきましては、そういう土地についての基本理念にのっとって「適正な税制上の措置を講ずる」こういうような考え方で基本法は明らかにしているわけでございます。こういう条文を受けまして、いわゆる受益者負担制度とか土地税制の改正、こういうようないろいろな手段を通じて開発利益の還元という理念につきまして実現に努めていきたいというふうに考えている次第でございます。 西欧諸国でも開発利益の還元という考え方は非常に確立しているわけでございますけれども、ただこれを現実に実行する場合にはいろいろな難しい問題があるということは、西欧諸国のいろいろな事情を調べました段階でもわかってきているわけでございます。しかし、そういう難しい問題があるからといってこの問題を避けて通れないということで、私どもといたしましても難しい問題をいろいろ乗り越えながら努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○青山委員 もう一点、きょうは総括的なことだけでもう時間が来ていますからあれですが、一つは、この基本法は基本法としてまだ論議を深めていかなければなりませんが、基本的な認識として、先ほどのやりとりと私はまた意見がちょっと違うのですけれども、日本がこういう異常な地価の高騰を招いてきてしまったのにはやはりそれなりの政策的な欠陥というか、取り組み方の後手に回ってきた面であるとか、政治的な問題が率直に申し上げて幾つかあると私は思う。あると思うが、その中で基本的な認識の整理が、例えば白書あたりでは、こういう影響が出てきておる、こういう原因から地価がうんと上がってきたのだというような整理されたものは、いろいろわかりやすく書いてはあるのですが、さて国民からは、なるほどと思いながらさわやかに理解してない。すっきりときちっと理解してない。それは何かというと、なかなか整理がされておらないからだと思うんですよ。私は、そのあたりはもう少し整理をされて、その結果どういう影響が出てきておるのかということも、こういう悪い影響、悪い影響だけではなくて、こういうよい影響と言えるのかどうかわかりませんが、日本全体の資産の価値がこういう形で上がってきておるからこういうことになってきたんだというような、だけれどもそれを正していくのならこういう制限も必要になってくるというような整理された取り組みがなされておらなかったような反省を私は率直に申し上げたいと思うのです。そのあたりはまだこれからも、私はけさほど国土庁にお願いしておいたのですが、そのあたりをもう少し整理して私の方に箇条書きで一遍出しておいてくれとお願いしたのですが、こういうことが必要だと思います。 それから、もう時間が来ましたから最後に一点だけ基本的な認識でお尋ねしておきたいのは、日本は保有重課にしていくとなかなか抵抗が多くて大変であろうと思うのですが、しかし、それは合理的な理由がある場合とそうでない場合がありまして、おおむね我が国の進むべき方向としては、一体保有重課になっていくのか保有軽課になっていくのか、譲渡軽課になっていくのか譲渡重課になっていくのか。私はやはりこれからは、先ほどの意見とは違うが、保有重課、譲渡軽課の方向にいかざるを得ないのではないかと思います。そのあたりはいかがでしょうか。
○片桐政府委員 土地税制につきましては、この基本法を受けましていろいろ検討を進めてまいりたいということで、現在、大蔵省、自治省等の方でもいろいろと準備を進めておるというふうに聞 いております。今後どういう方向で検討がなされるのかということでございますけれども、私どもといたしましては、土地政策の観点から、土地の合理的な利用とか計画的な利用とか、また投機的な土地取引の抑制とか、そういうようないろいろな観点を踏まえて土地税制の改革に取り組んでいただきたいというふうに考えている次第でございます。 先生御指摘の保有重課か譲渡軽課か、こういうような議論でございますけれども、こういう問題につきましても、いろいろ総合的に判断してバランスをとって改革を進めていくべきではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○青山委員 時間が来ましたので、終わります。また改めて各論について触れたいと思います。
○大塚委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 短い時間にたくさんお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 四月一日に公示価格、公示地価が発表されましたが、東京圏は超高値の安定といいましょうか、そして大阪圏や名古屋圏など大都市圏、大変な地価の高騰であります。私どもの奈良県でも奈良市の学園前の住宅地で上昇率全国一、八八・九%というようなことになっているわけでございます。事態は深刻でございます。住宅難はもちろんのこと、長時間の通勤、そしてマイホームはまさに絶望と東京などでは言われている状況でございます。相続税を払えずにみずからの生活に必要な土地を手放す方までふえているという状況でございます。また、家賃や地代の値上げということであります。とりわけ深刻なのは低家賃住宅からの住民の追い出しといいましょうか、そういう状況ですね、東京で八十歳の夫婦の方がアパートを建てかえるので立ち退いてくれ、このように通告されましたが、どの不動産屋さんにも空き部屋があったが老人に貸してくれる空き部屋はなかった、このようなお話も聞いているわけでございます。行き場がなくて苦悩されているお年寄りがたくさんあります。また、中小零細業者では、地価に見合った地代家賃を払えと言われても、都心にいるというだけでラーメンの値段を二千円、三千円に上げられるはずがない、こういうような悲鳴を上げておられる方もあるわけでございます。ここで、この地価狂乱から国民生活を防衛するための緊急対策というものが切実に求められているわけでございます。 そこで、土地の税制でありますが、固定資産税は現行評価額を据え置く、また‘勤労者の生活と営業に欠かせない一定面積以下の土地にかかる保有税は非課税とする、また、相続税は相続人の居住と生業の継続を困難にするものであってはならない、私どもはこのように考えるわけでございます。 さて、土地基本法案にある「税制上の措置」、第十五条を具体化すれば、勤労者の過大な税負担を解決させることができるのかということであります。いかがですか。
○片桐政府委員 土地基本法案の税制上の措置といたしまして、「土地についての基本理念にのっとり、土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りつつ、土地に関し、適正な税制上の措置を講ずる」、こういう考え方でございまして、あくまでも土地の計画的な利用とか、それから投機的な取引を抑制するとか、それからまた適切な負担とか、そういう考え方で土地税制を適正にしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○辻(第)委員 私は、今のこの税制上の措置の具体化ではまともなことができないというふうに思うわけであります。 次に、本法案にある土地の「価値の増加に伴う利益に応じた適切な負担」という基本理念に基づいて実施をされる施策で本当に家賃や地代の高騰を防ぐことができるのか、勤労者の生活と営業を脅かすことのない地代や家賃を保障することができるのか、いかがですか。
○片桐政府委員 家賃の安定のためには、やはり何といっても地価の安定が必要であるというふうに思っております。との地価の安定を図るためには、まず、東京等、大都市に集中しております土地需要を分散する、こういう対策がぜひ必要であるということだと思います。昨年成立させていただきました多極分散型国土形成促進法に基づきますいろいろな施策を実施してまいりたい、また、需要に応じて適切な供給を行うということも重要であると思っております。 このため、この基本法にのっとりまして、土地利用計画の整備充実、土地利用計画に基づく土地の高度利用、それからまた土地利用の適正な転換、こういうものを促進いたしまして宅地の供給に努めてまいりたい、それからまた、地価の抑制のためには投機的取引の抑制ということも重要であると思いますので、このための施策も充実してまいりたい、こういうように考えております。
○辻(第)委員 次に、地価対策の問題でお尋ねをいたします。 八八年度の建設白書によりますと、東京都中央区銀座では現在の実質賃料が一万二千円に対して、現在の高地価を前提にした賃料は一万六千円、港区六本木、麻布では八千円に対し一万七千八百円、新宿区市ケ谷では六千円に対し一万五千百円と、現実の賃料を大幅に上回っているとして、現在の地価は投機的な取引活動により異常な高水準にあるということを認めているわけでございます。現在の地価で土地を購入しても賃貸ビルの経営が成り立たないということは政府もお認めになっているということだと思うわけであります。 さらに政府は、旺盛なオフィス需要の存在が地価暴騰の要因であると言ってこられました。オフィスビルの採算性さえ上回る今日の異常な水準の高地価は投機によって引き起こされたことを国土庁は認識をしておられるのかどうか、認識をしておられるのなら、なぜ土地基本法に現在の地価が異常な水準にあることを明らかにしないのか。そうなれば当然引き下げの目標も明らかになるはずだというふうに思うわけでありますが、いかがですか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、確かに東京の都心部の異常な地価上昇ということだと思います。この地価上昇の要因といたしましては、都心部等における事務所ビル需要の急激な増大とか、それからまた、都心部等の業務地化に伴う住宅地の買いかえ需要の増大、こういうような実態的な要因のほかに、こういう需要増大を見込んだ投機的取引等が金融の緩和状況等を背景として複合的に影響して生じたものであるというふうに考えている次第でございます。
○辻(第)委員 異常な水準の地価ということであります。ということになれば、それはやはり引き下げるべきです。引き下げる具体的な目標というものを私は明示をすべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○片桐政府委員 現在、監視区域制度でもって土地取引の価格についていろいろ行政指導をやっている次第でございます。東京、神奈川県等につきましては、現在、価格が下落傾向にあるわけでございますけれども、こういうような傾向を受けまして、価格審査の基準につきましてもマイナス時点修正というようなことをいたしまして、価格の引き下げに努めている次第でございます。
○辻(第)委員 実態は下がっているというような状況じゃないですね。それどころか地方では、先ほど申しましたようにどんどん上がっているわけであります。 国土庁長官の所信表明では、引き続き地価の抑制に努めていく必要がある、そして、その対策として挙げられているのは、監視区域制度の機動的運用に努める、また不動産業者、金融機関等に対する指導を継続する、このようなものでございました。これは一年前に言っておられることとほとんど変わりがない。この内容では、実際に全国的な波及あるいは東京の高値での安定、そういうことから見てまいりますと、効果をあらわしていないということだと思うのですね。そういうことは、先ほど申しました地価公示の中でも全国的に広がっている姿で明らかであろうと思うのです ね。 本当にここで地価を引き下げていく、高騰の波及を抑えていく、こういうことをやられようとするなら、規制区域への指定をぜひやられるべきだと思うのですね。政府の地価対策が本気かどうか、問われていると思うのですが、大臣いかがですか。
○野中国務大臣 先生にお言葉を返すようでございますけれども、監視区域というものは、今までも各大臣がおっしゃられたと思いますけれども、その成果は上がってきていると思っておるわけでございます。 それでさらに我々は、今まで五百平米であったものは百平米にするとか、引き上げることによって、いわゆる監視区域を強化することにおいて上がってきているものであるという認識を持っているわけでございます。
○辻(第)委員 伝家の宝刀を抜かれるべきだと私は再度強調して、次に移ります。 地上げ資金の供給源であり、地価狂乱の元凶として国民の厳しい批判を浴びておりました金融機関の土地融資、これが自粛されておったのが再び増勢に転じている、急増しているということだと思います。昨年十二月末現在で約三十六兆八千億に上って、前年同月比で一二・五%も増加しているということであります。こういうような問題。地価の高騰は、後でも述べたいと思いますが、民活政策が投機の状況をつくり出した最大の原因だと思うのですが、この投機を支えたのがいわゆる金融機関での土地融資ですね。八八年度の国土白書でも、地価暴騰の最大要因は土地投機だ、こういうように書かれているのです。 ところが、本法案には、この投機を支えてきた土地融資、この言葉が出てこないのですね。この行き過ぎた土地融資を行政指導で解決できないことは、さきの自粛の実態が示していると思うのです。土地に対する公共的制約、私権制限を言われるのなら、土地投機の最大の元凶の一つである土地融資の規制、制限をなぜ明確にうたわれないのか、お尋ねをいたします。
○片桐政府委員 この土地基本法案の第七条に「事業者は、土地の利用及び取引(これを支援する行為を含む。)に当たっては、土地についての基本理念に従わなければならない。」こういう条文を置いておるわけでございます。この取引を支援する行為という中には、土地取引に対しまして資金を融通する行為も含まれているわけでございます。こういうものを含みまして、事業者に対して基本理念に従うように、投機的な土地取引を抑制するという観点で、基本理念に従うようにという責務を規定している次第でございます。 それからまた、十三条の「土地取引の規制等に関する措置」というところでも「投機的取引が国民生活に及ぼす弊害を除去するため、土地取引の規制に関する措置その他必要な措置を講ずる」ということで、「その他必要な措置」の中に金融機関に対する行政指導等も含まれているものでございます。
○辻(第)委員 十分ではありませんね。次に行きます。 次に、土地の適正な利用の問題でございますが、この基本法案や土地基本法に関する懇談会の報告には、土地の高度利用という言葉がやたらに目につくわけであります。政府の土地対策の目標も、この高度利用が重要な柱になっていることは否定されないと思います。それで、この土地の高度利用のための公共的制約、私権制限を行うという仕組みになっております。 ところで、地価狂乱の際、最も問題になったのは地上げでありますが、この高度利用のために積極的に私権に制限をかけるということになれば、住民追い出しの地上げはますます激しくなろうと思います。この点、いかがですか。
○片桐政府委員 土地基本法案の第十一条におきまして、適正かつ合理的な土地利用を図るため、必要な土地利用計画を策定する、それからまた、土地の高度利用を図るため、特に必要があるときは土地利用計画を詳細に策定する、こういうふうに規定しているわけでございます。 具体的に土地の高度利用を促進するに当たりましては、関係の個別法に基づきまして、公共の福祉の観点から土地利用計画が策定されるものというふうに考えられます。したがいまして、その策定過程におきまして関係住民の合意形成も図られるというふうに考えております。したがって、本法の制定は決して御指摘のような地上げとか住民追い出しというものを促進するものではないというふうに考えております。
○辻(第)委員 法案の第八条が「国民は、土地の利用及び取引に当たっては、土地についての基本理念を尊重しなければならない。」としているのですね。その重要な内容の一つが、この土地の高度利用を推進するための土地利用計画を尊重せよ、国や自治体が実施する施策に協力せよ、こういうふうに言っているわけでありますけれども、私はやはりここのところは結局地上げにつながるということではないかと思います。 最後に、中曽根元内閣は、八四年三月、周辺地価の四倍以上で、坪当たり七百二十万円という超高価で払い下げられた国鉄品川貨物駅跡地、あるいは八五年八月の大京観光が公示価格の三倍近い高値で落札した東京紀尾井町の旧司法研修所跡地を皮切りに、国公有地の払い下げを次々と強行しました。この超高値払い下げは周辺地価に次々と飛び火し、都心部で一挙に五〇%を超える地価暴騰となりました。 また、中曽根元首相は、八三年三月、山手線の内側はすべて五階建て以上の建物が建てられるようにしなければならない、こんな発言をしました。これを受けて大企業や金融機関は、土地を買っておけばいずれ規制緩和で土地の値段が二倍、三倍に上がるという期待感で、土地投機に狂奔をしました。 用途や建築規制の緩和、国公有地の払い下げなど、土地の有効利用の名で進められた民活政策が地価狂乱の引き金となり、土地投機に拍車をかけたことは、既に本委員会でも厳しく指摘されているところであります。政府は、この高度利用と有効利用はほとんど同じ意味で使用していると思うのです。このような地価狂乱を引き起こした政府の責任と反省を長官はどのように受けとめておられるのか、お尋ねをいたします。
○野中国務大臣 御存じのとおり、東京の地価上昇あるいは都心部における事務所ビルの需要の急増、これは経済構造の変化があったわけでございますが、同時に需要を見込んだ仮需要、いわゆる投機的取引というものもあったでしょう。さらに、金融の緩和というような問題がありまして、この複合的な影響によって地価高騰を招いてきたと思っておるわけでございます。 そういう意味におきまして、国土庁といたしましては、金融機関あるいは不動産業者に対して指導を継続いたしてきているわけでございますし、また税制上の措置もとったわけでございます。 また、御指摘のありました国有地の一般競争入札による民間への売却については、地価高騰を招くおそれがあるとの指摘もあったために、国土利用計画法の改正による適正な地価の形成についての配慮規定の創設について、関係行政機関と緊密な連絡、情報の交換をいたしました。 今後とも、この総合土地対策要綱に基づいて、引き続いて監視区域の制度を積極的に活用する、あるいは諸官庁の地方都市に対する移転、こういうことで、住宅宅地供給促進に伴う各般の政策を推進しながら地価の安定を図っていきたいと思っておるわけでございます。
○辻(第)委員 終わります。
○大塚委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十四分散会