土地問題等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1989/06/15
会議録
○大塚委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、土地基本法案及び国土利用計画法の一部を改正する法律案並びに第百十二回国会、伊藤茂君外三名提出、土地基本法案及び第百十一回国会、大出俊君外八名提出、国土利用計画法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。野中国務大臣。 ————————————— 土地基本法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○野中国務大臣 ただいま議題となりました土地基本法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 東京都心部に端を発した今回の地価高騰は、国民の住宅取得を困難とし、社会資本の整備に支障を及ぼすとともに、土地を持つ者と持たざる者との資産格差を拡大し、社会的不公平感を増大させる等、我が国社会経済に重大な問題を引き起こしているところであります。 政府としても、これまで各般の土地対策を講じてきているところでございますが、これらの諸問題により適切に対処するためには、昨年六月の臨時行政改革推進審議会答申に示されたとおり、国及び地方公共団体が一体となって需給両面にわたる各般の土地対策を総合的に推進するとともに、その前提として、国民各層にわたって土地についての共通認識を確立することが不可欠であります。 本法案は、このような考え方に基づき、土地についての基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、土地に関する施策の基本となる事項を定めることによって、適正な土地利用の確保を図りつつ、適正な需給関係のもとでの地価形成に資する見地から、土地対策を総合的に推進し、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。 次に、この法案の概要について御説明申し上げます。 第一に、土地については、公共の利害に関係する特性を有していることにかんがみ、公共の福祉のため、その特性に応じた公共的制約が課されるものである等の土地についての基本理念を定めるとともに、国及び地方公共団体は基本理念にのっとり、土地に関する施策を策定し、これを実施する責務を有する等、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明確化するなど所要の規定を定めております。 第二に、土地利用計画の策定、土地取引の規制等に関する措置、社会資本の整備に関連する利益に応じた適切な負担など、土地に関する施策のうち基本となる事項を定めております。 第三に、内閣総理大臣の諮問機関として国土庁に土地政策審議会を置き、土地に関する総合的かつ基本的な施策に関する事項及び国土の利用に関する基本的な事項を調査審議するものとするなど、土地政策審議会に関する規定を定めております。 以上が、この法案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決下さいますようにお願い申し上げます。
○大塚委員長 次に、提出者中村茂君。 ————————————— 土地基本法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○中村(茂)議員 ただいま議題となりました土地基本法案について、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表して、提案理由を御説明申し上げます。 我が国の地価は、自民党政権とともに限りなく高騰をつづけてきました。特に、東京一極集中に端を発したここ数年の異常な地価の高騰は、住宅価格、家賃、固定資産税等の上昇をもたらし、国民の住宅取得を困難にし、公共投資においてもその 費用の増大を招くなど、国民経済全般に多大な悪影響を与えています。その上、土地を持つ者と持たざる者との資産格差が拡大しています。 このような富の偏在は、働かずして得た不労の富のために、それが利権や汚職等にもつながり、多くの悲劇を生み、社会をゆがめ、経済を退廃させる要因となっています。 このような事態に対処するため、我々社会党、公明党、民社党、社民連の四党は土地基本法策定の共同作業を行い、野党連合政権確立の統一政策第一号として、この土地基本法案を提案する次第であります。 およそすべての人間の営みは土地の上で行われています。人間は土地なしには生存することができないのであります。とりわけ国土の狭隘な我が国にあっては、土地は現在及び将来における国民のための限られた貴重な資源であるとともに、国民の生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であり、土地はその本来の性格から公共性を有するものであります。 したがって、土地に関する権利は財産権として保護されるものの、その利用については、公共の福祉を優先させなければならないものであります。これは、すべての国民が健康で文化的な生活を営む上で欠くことのできない原則でもあります。本法案は、以上のような基本的考え方に基づいて、土地についての政策目標、国及び地方公共団体の責務、特に計画に基づく土地の有効かつ合理的な利用の原則を確立するとともに、土地の投機的取引を規制すると同時に、適正な地価の形成を図るとともに、良好な宅地の供給を促進することにより、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展を図ろうとするものであります。 次に、この法案の概要について御説明申し上げます。 第一に、土地の利用は公共の福祉を優先させなければならないことにしています。 第二に、土地を投機的取引の対象としてはならないものとしています。 第三に、土地利用計画は、関係住民の意見が十分反映され、かつ自然環境の保全等に十分留意されたものでなければならないものとしています。 第四に、国及び地方公共団体は、居住環境の良好な宅地の供給を促進するため必要な施策を講ずるものとしています。 第五に、国は、地価の形成及び課税の適正化に資するため、一物四価と言われている土地評価制度の一元化を図ることにしています。 第六に、地方公共団体は、良好な都市環境の計画的な整備を促進するため、公有地の拡大を推進することにしています。 第七に、適正な地価の形成及び社会的公平を確保するため、土地の増価益は社会に還元されなければならないものとしています。 以上が、この法案の提案理由及び内容の概要であります。 ところで、さきに提案された政府の土地基本法案と比較検討していただければおわかりのとおり、よりすぐれた土地基本法案となっています。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○大塚委員長 中村茂君。 ————————————— 国土利用計画法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○中村(茂)議員 ただいま議題となりました国土利用計画法の一部を改正する法律案について、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表して、提案理由を御説明申し上げます。 今日の土地取引は、監視区域の設定による介入、指導が行われ、一定の成果が見られますが、全般的にはまだ規制が不十分だと申さなければなりません。 それは、一昨年から異常に暴騰した東京圏の地価が、単に監視区域設定などの行政指導では一向に下落することがないばかりか、今やその地価動向は全国的に上昇しており、とりわけ大阪圏においては著しく高騰しているからであります。 したがって、投機的土地取引を極力抑制するには、土地取引の規制を強化する以外に方法はないのであります。また、地価高騰の要因として、金融機関の過剰融資を初め大規模土地所有者の値上がり待ちの保有、すなわち遊休地問題に対する厳しい指導の必要性がありますが、今回の改正案は、そうした点も改善しようというものであります。 次に、この改正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、規制区域指定の強化についてであります。 これは指定要件が二重三重になっているので、具体的には「投機的取引」とか、「集中して」とか、また「投機的おそれのある」とかなどの要件を削除し、単に「急騰と、そのおそれ」がある、または「合理的な土地利用が困難となる」という要件だけで指定できるようにするものであります。 第二は、野方図な土地融資の抑制についてであります。 さきの土地問題等特別委員会でも焦点となった最上恒産等の土地融資に見られましたように、銀行法や銀行局通達という行政指導等々の無力さを補完し、加えて過剰流動性、いわゆる金余り現象と土地投機を遮断するため、土地取引に伴う届け出項目に、新たに資金計画も追加させ、融資元を明らかにさせようとすることによって一連の不当な行為を抑制しようというものであります。 第三は、国公有地の処分にかかわる手続上の規制強化についてであります。 国公有地を払い下げ、処分する場合、現行法では国は都道府県等に届け出る必要がないため、土地利用を合理的に進めようとする当該自治体からその不備が指摘されていたものを、この改正案ではそれを届け出させることにするものであります。また、その届け出は、当該都道府県にその旨を通知し、都道府県側も国に対し、適正な地価や利用計画等について協議することができることにしたものであります。 第四は、値上がり待ちの反社会的遊休地の有効利用についてであります。 現行法の「遊休地の旨の通知」は、市街地内または市街地外の区分などでの一定の面積基準を自由に引き下げ、都心等の反社会的遊休地の市民的、国民的有効利用を促進させようとするものであります。 以上が、この改正案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○大塚委員長 次に、野中国土庁長官。 ————————————— 国土利用計画法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○野中国務大臣 ただいま議題となりました国土利用計画法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 現在、地価は東京圏においては下落する地域が拡大する等沈静化傾向が顕著となってきておりますが、大阪圏におきましては著しい上昇が見られるほか、名古屋圏、一部の地方主要都市等においてもかなりの上昇が見られております。 このような地価高騰下において、投機的土地取引は、需給逼迫状況を促進するとともに、結果的に土地が現実の利用に結びつかないといった状況を生じさせております。こうした地価高騰及び投機的土地取引が国民生活に及ぼす弊害を除去するなど現下の土地問題に適切に対処するためには、本国会において御審議をお願いしております土地基本法で定める土地に関する基本理念にのっとり、土地対策を総合的に推進する必要があり、こうした施策の一環として土地取引規制の充実を図る必要があります。 本法律案は、こうした最近における土地取引の状況等にかんがみ、地価の高騰に対処し、適正かつ合理的な土地利用の確保等を図るため、監視区 域における投機的取引の抑制、遊休土地の制度の改善を行おうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、都道府県知事は、監視区域に所在する土地についてその取引に係る届け出があった場合において、当該届け出に係る土地が短期間内にみずからの利用に供されることなく実需者以外の者に転売され、適正な地価の形成を図る上で著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、この届け出をした者に対し、当該土地売買等の契約の締結の中止その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができることといたしております。 第二に、都道府県知事が遊休土地である旨の通知を行う場合の要件に関して、監視区域等に所在する土地についての面積要件を現行の二分の一程度を下限として届け出対象面積等に連動して引き下げることとするとともに、遊休土地の期間要件を現行の三年から二年に短縮することといたしております。 第三に、罰金の額について経済実勢に合わせて所要の引き上げを行うことといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○大塚委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、明十六日金曜日午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時一分散会 ————◇—————