地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 382 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/03/23
会議録
○西田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。坂野自治大臣。 ――――――――――――― 地方税法の一部を改正する法律案 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○坂野国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 初めに、地方税法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税について所得割の非課税限度額の引き上げ等を行うとともに、法人事業税の分割基準、自動車税の税率構造及び軽油引取税の課税の仕組み等について見直しを行うこととするほか、非課税等特別措置の整理合理化等を行う必要があります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げを行うことといたしております。 また、年齢七十歳以上の障害者である控除対象配偶者または扶養親族を老人控除対象配偶者または扶養親族に含め、あわせて同居老親等に係る扶養控除の適用を認めるとともに、同居特別障害者に係る配偶者控除額及び扶養控除額を七万円引き上げることといたしております。この結果、寝たきり老親を在宅で介護している場合の老人に係る控除額は、現行の七十二万円から九十一万円に引き上げられることになります。 また、扶養親族である子を有する一定の寡婦について、寡婦控除を三十万円とするほか、住所地の都道府県共同募金会に対する寄附金について所得控除を設ける等の措置を講ずることといたしております。 その二は、事業税についての改正であります。事業税につきましては、法人の事業税の分割基準の改正として、資本の金額または出資金額が一億円以上の製造業を行う法人の工場に係る従業者の数については、当該数値にその二分の一に相当する数値を加えて算定するものとするとともに、証券業に係る分割については、課税標準額の二分の一に相当する額を事務所または事業所の数に、二分の一に相当する額を従業者の数に案分して行う等の措置を講ずることといたしております。 その三は、不動産取得税についての改正であります。 不動産取得税につきましては、住宅建設の促進を図るため、住宅及び一定の住宅用土地の取得に係る税率等の特例措置の適用期限を三年延長することといたしております。 また、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入を活用して港湾法または漁港法に基づき第三セクター等が取得する一定の港湾施設等の用に供する土地について、一定の要件のもとに非課税とする等の措置を講ずるとともに、特定船舶製造業経営安定臨時措置法に基づく営業の譲渡により取得する不動産に係る税額の減額措置等の特例措置について整理合理化を行うことといたしております。 その四は、自動車税、軽自動車税及び自動車取得税についての改正であります。 自動車税につきましては、近年における自動車の需要動向及び国際的な観点等を踏まえて、税率構造がよりなだらかなものとなるよう、普通自動車の税率の見直しを行う措置を講ずることといたしております。 また、自動車税、軽自動車税及び自動車取得税について、平成二年十月一日以降に適用される自動車排出ガスに係る保安基準に適合する自動車及び軽自動車に係る税率を軽減する等の措置を講ずることといたしております。 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。 固定資産税及び都市計画税につきましては、石油ガス備蓄施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置を廃止する等特例措置の整理合理化を行うほか、文化財保護法に規定する重要伝統的建造物群保存地区内の一定の家屋について非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 その六は、特別土地保有税についての改正であります。 特別土地保有税につきましては、多極分散型国土形成促進法に規定する一定の中核的民間施設の用に供する土地またはその取得について非課税とする等の措置を講ずることといたしております。 その七は、軽油引取税についての改正であります。 軽油引取税につきましては、課税の適正な執行を確保する等のため、課税客体を軽油の引き取りで納入を伴うものとし、納入地所在の道府県において課するものとするとともに、元売業者及び特約業者の指定に係る制度を整備することとし、さらに、軽油等を混和する場合等においては、道府県知事の承認を受けなければならないこととする等の措置を講ずることといたしております。 その八は、事業所税についての改正であります。 事業所税につきましては、多極分散型国土形成促進法に規定する一定の中核的民間施設に係る新増設に係る事業所税の非課税及び資産割の課税標準の特例を創設する等の措置を講ずることといたしております。 その九は、国民健康保険税についての改正であります。 国民健康保険税につきましては、課税限度額を現行の四十万円から四十二万円に引き上げるとともに、公的年金等に係る所得の種類の変更に伴い、年齢六十五歳以上の被保険者の有する公的年金等に係る所得について所要の調整措置を講ずることといたしております。 次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により、国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきたところでありますが、昭和四十九年度から、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村の消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げる特例措置を講じてきたところであります。昭和五十九年度から昭和六十三年度までの間においては、この特例措置による国庫補助率は、通常の人口急増市町村については、二分の一以内とし、政令で定める人口急増市町村については、七分の三以内としてきたところであります。 しかしながら、平成元年度以降においても、なお相当数の人口急増市町村の存在が予想されますので、これらの市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、国庫補助率の特例措置を延長する必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 入口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、平成元年度から平成五年度まで、引き続き通常の人口急増市町村における消防施設の整備に係る国庫補助率を二分の一以内に引き上げる措置を講ずることといたしておりますが、人口急増市町村のうち、政令で定める市町村に適用される国庫補助率については、十分の四以内とすることといたしております。 次に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。 政府としては空港周辺地域整備計画に基づく整備事業の推進に努めてまいったところでありますが、諸般の事情により、成田用水事業及び一部の公共施設の整備事業が、法律の有効期限内に完了できない見込みであります。 このような状況にかんがみ、空港周辺整備計画に係るこれらの残事業を早期に完了させるため、この法律の有効期限を延長し、引き続き、国の財政上の特別措置を講じてまいる必要があると存ずるのであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 次に法律案の内容について御説明いたします。 まず第一に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年間延長し、平成六年三月三十一日までとすることといたしております。 第二に、この法律の施行期日を公布の日といたしております。 以上が、地方税法の一部を改正する法律案、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案及び新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○西田委員長 以上で各案についての趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○西田委員長 まず、地方税法の一部を改正する法律案について審査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田修三君。
○安田委員 それでは初めに、今自治省の最も大事な施策としておられます、自治省というよりも竹下総理の政策の最も柱になっておりますふるさと創生について若干お聞きしておきたいと思います。 これは地方税財政関係にも大変深い連関を持っておりまして、特にそういう点でお聞きしたいと思うのでありますが、まず、ふるさと創生についていろいろな議論があるわけでありますけれども、意味がわかるとかわからぬとかいろいろな議論がございます。それはともかくとしまして、自治省がこの旗振り役というような格好になっておるのではなかろうかと私は思います。いろいろな施策を見ましても、ふるさとという名前のつくプロジェクトが四十幾つも各省庁から出された、こういうふうになっておりますが、しかし自治省の方が、特にふるさと財団づくり、その他主要政策が集中しておりまして、そういう点では自治省の果たす役割というのはかなり大きいように思っているわけであります。 そこで問題は、このふるさと創生ということについて、これからの施策の展開でありますけれども、大臣はどのように考えておられるのかということをひとつまず初めにお聞きしたいと思います。
○坂野国務大臣 ふるさと創生は、地域の自主性と責任というものを基礎にいたしまして、その知恵と情熱を結集して潤いのある町づくりや活力のある村づくりを進めまして、日本人一人一人がどこに行ってもみずからの住む地域をふるさとと実感できるような充実した生活と活動の基盤をつくって、心の豊かさといいますか、真の豊かさを実現できるような地域社会をつくっていこうという考え方が基本でございます。
○安田委員 極めて抽象的なんでございまして、その程度ではなかなかわからないのです。 といいますのは、私、ふるさと創生ということを一つの柱に掲げた以上は、後ほど触れますが、一億円をあっちこっちやるのもその中の一つだということになるのでしょうが、そういうことで物事が進むのではなくして、やはりそこには哲学的な一つの立派な考え方、それから、それに伴う実行すべき力のある施策、そういうものが当然展開されなければ、これは絵にもならない。それこそ絵にかいたもちということがあるけれども、絵にもならない。 そこで、私はなぜこんなことを聞くかといいますと、実は各大臣、それから省庁の中にもかなり混乱があるのではないだろうか。なぜこうなるかというのは、それは意味がわからない。私もわからないから聞いておるのでありますが、竹下総理だけがおわかりのようであります。 そこで、例えば坂野大臣はある新聞のインタビューで、ふるさと創生ということについて、今いただいたようないろいろなそういう地域づくりをするということを前提にして、「運輸省の整備新幹線、建設省の高速道路等も広い意味ではふるさとづくりの一環と言える。例えば高速道路を敷くことで物資の流動、産業の分散、観光事業の推進が得られるように。各省総動員体制を展開するためのメニューづくりを各市町村で実施していただくことが目的だ。」この人の一億円ばらまきという批判があるがという質問に対して、大臣はこのように答えておられるのです。 大臣のこのインタビューに答えておられる意味、これは私も同感であります。例えば私のように北陸の者にとりましては新幹線、高速道路は今 では全部全通しましたが、これから建設するのがまだ二つばかりあります。高速道路、産業の分散、こういうものを東京から離れれば離れるほど、その地方は待っているわけであります。つけばついたで活気が出たように見える反面、東京の一極集中が分散したり逆に集中というような面もあります。なぜかといいますと、距離的に時間的に非常に短くなるものですから、地方へ持ってこなくても東京に行けば用事が済ませるという面があります。そういう点で、逆に東京に一極集中させるような場面も出てまいります。 そこで、こういう発想であるならば、ふるさと創生ということを言う必要は何もなくて、田中総理時代の日本列島改造論で済んでしまうと私は思うのです。だから私は、今度ふるさと創生と竹下総理が発想された以上は、こういうことはもう既定の、今大臣がおっしゃるようにこれは既定の事実なんで、そうではなくして、一味違ったものを指摘しながらそれを自治省に旗振りをやれ、こうおっしゃっておるのではなかろうかと私は思うのでありますが、どうも出てくるものはこのような形であります。そういう点で、どうも大臣の発想と竹下総理の発想とは違うように私は思うわけです。大臣、そういう点どうでしょうか。
○坂野国務大臣 お答えいたします。 私と総理とは違っていないと思いますが、先ほど御答弁いたしましたように、最近、日本の経済というものは世界有数の経済大国になりましたけれども、翻って私どもの周辺を見渡したときに、東京への一極集中、地方は地方で極端な過疎という中で、私どもは、本当に心の豊かさといいますか、自分の国が本当に潤いのある豊かな国だという実感がなかなか出てこない。外国旅行でもすれば、ああそうかなという感じであることは否めないと思うわけです。そういう中で、列島改造のときは、どちらかといいますと表と裏の過疎の格差是正、両方の格差是正、新幹線あるいはいろいろな交通網を整備するというのがいわば主眼であったように感じておるわけでございますが、竹下総理の場合は、各地域地域に文化であるとかその地域の伝統であるとか、私どもの生活に直接かかわるそういった心の問題というものを非常に重く見て、そして一億の問題にいたしましても、そういったプロジェクト、物理的なハードの問題というよりもむしろソフトの方に重点を置いたふるさとづくりというものを主体に考えていきたい、そういうものを実現するための一億のいわば調査費的なものをお配りして、そういう中でそういったメニューなり、各地域の自発的な自由な発想をひとつつくっていただこうというのが主眼であるわけでございます。 したがって、列島改造の場合は、どちらかというと中央の方から、日本海と太平洋のベルト地帯を考えてこれはこういう鉄道をつくるべきだ、こういう新幹線をつくるべきだ、あるいはこういう高速道路をつくるべきだというのが主体だったと思います。そうじゃなくて、各地域地域の発想に基づいたメニューづくりを行ってそれを育てて、今度は国なり県の方がそれを助成していこうというような立場でございますから、かなりの違いがあるのじゃないかと私は思うわけでございます。 それにいたしましても、私も山陰でございまして、先生も北陸という立場からいいますと、そういった過疎の地域というものは、やはり高速道路なり新幹線というものがなければそれぞれの地域の発展というものはあり得ないので、そういうものの自由な発想を、恐らくまだ発想が出ておりませんが、発想が出てきた場合に、それを実現する手段として、やはり場所によっては高速道路も必要であり、あるいは新幹線というものが有効な手段じゃないか、北海道等を考えますときにそういうことは考えられるのじゃないかということでございますので、別に私と総理の言っていることと食い違っているということはないと思っております。
○安田委員 人の発想を解釈するというのはできるわけじゃないのですけれども、ただ政治の場ですからね、何か文書でたださらっと流してあるというものじゃないですから、そこには施策があり、財政がつき、それが力として流れるわけですから、そういう点ではやはり発想した人以外にも考え方というのは出てくると私は思うのです。 例えば、大臣今そういうぐあいにおっしゃったのですが、そのおっしゃっている中身にそもそもの誤りのあることを私は気づいておるわけですけれども、では、今までふるさとづくりができなかった、今改めて言われるというその隘路は一体何であろうと考えておられますか。できなかった隘路です。
○坂野国務大臣 四全総、御案内のとおりに多極分散というようなことを叫ばれておるわけでございます。先ほど申し上げたように、やはり経済的には我が国は相当世界の一流国になりましたけれども、その反面、一極集中というような問題が言うべくしてなかなか今まで解決できなかった。それから今度は、過疎は極端な過疎ということで、なかなかこれも言うべくして解決できなかった。したがって、ふるさと創生もさっき申し上げたような多極分散というものと調和をしながらやっていくということでなければ、特に私ども、やはり地方というものをまず頭の中に描くものですから、地方だけ考えてみましてもなかなか言うべくしてできなかった。したがって、そういう問題をあわせてふるさと創生の中で考えていく必要があるのじゃないかというような考え方でございます。
○安田委員 そういう議論ではこれは全然議論にならないと私は思うのです。それはどこかの学校、中学か高等学校でお互いに、先生がこれは何でしょうか、これは赤でございましょうか、青でございましょうかという議論をしておるのならそれでいいのですが、政治の場でそんな議論ではこれはてんで話にならないのです。なぜかといったら、それはだれもふるさとを捨てている者はいないのですよ。私、これは同じ自治省の関係の人を引用しますと、大林次官は岡山の御出身ですから、岡山へ行って、ついこの間、これは今月の新聞だったでしょうか、どこかの夕刊だったでしょうか、コラム欄に書いていらっしゃいましたが、その中に、ふるさとというと冒頭が熱くなる、ふるさとが近づくと冒頭が熱くなる、それがふるさとだ、これは感情に訴えた言い方、全く同感であります。 そこで、だれでも思うのだけれども、ではなぜふるさとという問題について改めて提起しなければならなかったかというところに私は原因があると思う。その原因について、きょうはそういうことを言っている場ではございませんが、ただ問題は、提起された以上はそれをやらなければならぬという問題が必ずあると私は思うのです。今大臣のおっしゃっていることであれば抽象論で、それはもう私たちもいつも聞きならされ、またお互いにそういうことは言っているわけで、問題は、なぜ改めてそういうものが提起されなければならないか、また、どういう意味で提起されたかわからぬが、提起された以上は、当然施策の中にそれをどのように浮かび上がらせ、そしてそれを施策として問題を実行できるかということにあるのではないか。 これはどこの議員の方にも来ておるのでありましょうが、「こんな規制いらないってなあに」というパンフレットを日本青年会議所が送ってきております。その中にいろいろな事例があるのですが、これは全部がいいというわけじゃないですよ。ただ、提起していることについては、いろいろな規制があるからもう何もできないじゃないか、だから日本青年会議所がそういう市民運動をやろうというわけですね。日本青年会議所がやられるなら、私はかなり大きい運動になるのじゃないか、何といっても経済界の中堅どころがほとんど入っていらっしゃるので。各地にも会議所があるのですから。その中にこういう事例があります。 「中央集権から地方分権へ」「まちづくりのビジョンをもとう」こういうタイトルでいろいろなことが提起されてありますが、事例として、例えば「浜辺に時計塔ができない!」というM青年会議所の話というのが絵を入れて詳しく出ておるわ けです。日本海に面したこの青年会議所は、地域の活性化と地域色を打ち出す事業として、浜辺に若者が利用できる浜茶屋を計画した。ところが、港湾法の条例によって恒久的な施設を建設できないというわけです。やむなく仮設のテントを建てて事業をしたところが、浜茶屋事業は大成功で、かなりの収益を上げた。そこで、この収益を生かすために、市民に喜ばれるもの、必要性の高いもの、あるいは地元のシンボルとなるという三つを基本方針として地元に還元しようとして、検討の結果、地元を代表する浜辺へ時計塔を建設することにした。水泳中は時計を外す人、あるいはまた子供たちは泳ぎに夢中になって時間を忘れたりするものですから、浜辺でのこの時計塔というのは安全性という点から考えて大変大きい目印になるということで、市に建設をいたしたいからという陳情をしました。ところが、港湾法の条例によって浜辺への建設許可はだめだというわけです。最終的に浜辺の駐車場に建設した。事志とは違ってしまった。それで、こういうことでは自分たちの町づくりというのはできないではないか、住民が必要としてもできないではないか、おかしいではないかと一つの指摘をしておるわけです。 さらに、こういういろいろな事例があるわけですが、例えば「安全のための表示さえも認められない」というN青年会議所の話ですが、この会議所のある近くの川で、潮干狩りをしていて中学生が水死をした。そこで、危険箇所に地元の人たちが警察署と一緒に「危険」という看板を立てようということにした。ところが、その川が一級河川のため建設省の許可が必要だというので交渉したところが、「危険」という看板の表示は管理上よくないからだめだ。これは大臣は特に昔はその関係の御出身でありますから、その関係はよく御存じのはずであります。そこで、結局地元の住民は看板を許可なしで立ててしまった。こういうことでは町づくりはできないではないか。横浜市が長年かかって歴史の町づくり等をやった経過も書いてあります。 こういうところに実は、これにあるのでありますが、いわゆるここに指摘しているのは何か。今は町づくりができないというのは、あれもだめ、これもだめ、がんじがらめになって、何も自分らが発想しても役所のめがねに合わなければできないじゃないか、こういうことなのでしょう。そうすれば、私は、町づくりのまず一番軸というのは、地方への権限移譲を自治省が積極的にやるべきだ。けさも地方権限移譲では新行革審の人がどこかでいろいろな参考意見を聞いておられる場面がテレビに出ておりましたが、もちろん昨年地方制度調査会で総理も発言がありました。当時の梶山大臣も私たちの質問に答えて発言がありました。新行革審が受け皿としていいんじゃなかろうか、各省庁縄張りが強いので、こうありました。しかし、自治省からは必要だというけれども余りビジョンは出ない。むしろこの青年会議所の方は一万件からの許認可事務やその他を小まめに取り上げている。私は、自治省はそういう点では町づくりの障害になるものをこの際国会にもっと大胆に提起すべきである。こういう点で実は町づくりできていないのです、これは自治省は一番わかっているわけなんです。しかし、先ほどの大臣のような抽象的なお話ではこれは全然中身のある論議にはならないと私は思うのです。 そういう点で先ほどからお聞きしているわけですが、その辺、今の規制という問題と絡めて、大臣どうでしょうか。そういう点が実は町づくりの障害になっているのじゃないですか。
○坂野国務大臣 地方への権限移譲問題は、確かにふるさと創生といいますか、一極集中の排除という面からいっても大変重要な問題だと思っております。 御案内のとおりに、地方制度調査会でもかなり具体的に、たしか十六項目に及ぶ具体的な提言を行っておりますし、そういうものを踏まえて、今お話のありましたように昨年の暮れに総理から行革審に対して諮問がなされまして、国と地方との権限問題をどうするか、地方の財政問題も含めて今後検討しようということでございますから、自治省としても行革審等とも十分連絡をとりながら、先生のおっしゃるようなできるだけ具体的な問題も踏まえながらそういう方向に持っていきたいと思っているような次第でございます。
○安田委員 私は、やはりそういうふるさと創生という問題で皆さんが今官庁の中でも主管的な立場にあるのですから、この際そういう点で地方への権限移譲という問題等が一ふるさと創生といっても、従来いわゆる個性ある魅力ある町づくりというのはいろいろな施策が出ているわけですけれども、そういうのができなかった理由はここなんだと大胆に出すべきじゃないだろうかと私は思うのですね。 そこで、この中にも、地方自治経営学会の資料から引用された資料が日本青年会議所の資料に転用されているわけでありますけれども、都道府県、市町村の事務区分ですね。例えば、国庫補助金関係の仕事でとられる区分というのは、都道府県で四四・六%、市町村で二四・九%、そのほかに国からの調査依頼だとか住民対応だとかいろいろなものがあります。そこで、この中に「まち作りを考え、企画し、調査する」、そういう事務の区分というのはどの程度を占めているか。都道府県で一四・九%、市町村で一一・五%。実は全体の一割強しか自分らの町づくりを考え、企画し、調査する時間がないという資料が出ているのです。 実は皆さんのお耳に入っているでありましょうが、一億円いただくところ、それは大きいところはどうということはない。大きいところは大きいところでまた悩んでいるのですけれども、小さいところは一億円という大変とてつもないお金をもらうものですから、これは喜んでおる。ところが、それを考えるスタッフがなかなかいない。村長さんや町長さんが号令をかけているけれども、忙しいのにどう考えるかといって、本当に笑い話みたいな話があるのです。私はなぜかと思ったら、やはり時間がない。これでは幾らみずから考えみずから行えといっても足かせが多過ぎる。まず時間 がない。国庫補助金の仕事をしなければならぬ。国からの調査依頼をしなければならぬ。住民の対応をしなければならぬ。町づくりを自分らで考える時間がない。これをまず解決するにはどうするか。やはり権限移譲とかそういう問題を解決していかなければできないということがここに出ておるわけですね。 そこに財政局長さんがいらっしゃいますが、「地方財政」の一月号の「論評」にまことに高邁なことが書いてあります。その中の「三 ふるさと創生・地域の活性化」というところで、「時代は、補助金行政に見られる中央主導型の行政でなく、」といってずっと書いてあります。そして「抽象的、画一的であり、日本列島どこを切っても金太郎アメ的になり、住民が誇りと愛着のもてる「ふるさと」づくりにはなり得ません。」全くおっしゃるとおり、極めて立派な見識がここに載せられております。そしてさらに一億円の問題についても「その使途は地方団体の判断により、国の制約を受けません。」またずっと後段の方に来まして「無駄であるかどうかの判断基準は、中央官庁や東京の知識人でなく、地域地域の住民の判断基準に照らせば良いのです。」こういうぐあいに述べておられるのです。これもそのとおりであります。 ところが大臣、不思議なことに、一億円の使い方にも、ハードなものはだめだというそのくらいはいいとして、事例としてあれもだめこれもだめ、十二ですか挙がっておるでしょう。これは事例ですよ。ああなりますと、どこを向いても出口を探すのにやはり頭を悩ましますよ。というのは、たった一割強の時間しかない役所の人たちで、さあ探せといっても、あれもだめこれもだめ。見れば例がたくさん書いてある。さてどの入り口を探せばいいのか、まあ金塊あたり買った方がそういう点では一番利口かもしれません。一番簡単明瞭。 そういう点で、私は今財政局長さんの論文から引用しましたが、まさにこのとおり、地域地域の人が判断するんだ、こうなんだけれども、実際は今の皆さんのやっていらっしゃる行政はそうなつ ていないでしょう。大臣、どうでしょうか。
○坂野国務大臣 後でまた事務当局から答弁があると思いますが、私どもの考え方は今先生が局長の弁をおっしゃるとおりでございまして、特にこの一億の問題については一切私どもは干渉しない。自由な発想でどうぞおやりください。しかもおやりになるときは、確かに町当局なり町村長さんは忙しいでしょうから、なるべく地域の皆さんに募集をして発想をできるだけ出していただいて、それをできるだけ集約するような格好で持ってきていただいたらどうかということを言っているわけでございますから、どういう発想が出てくるか、発想によって、その中でこの辺は法律にひっかかるのか、ひっかからぬのかというような場合には県庁の方にまずひとつ相談をしていただいて、これがいいか悪いか、県の方でも推進本部とか個人的な懇談会を知事のもとでつくっていただくようなことにしておりますから、しかし発想そのものは自由な発想ということでお願いしておるわけでございますから、そういう中でひとつ進めてまいりたい。出てきたものを私どもがまた肉づけできるものは肉づけをして、これを育てていくように持っていきたいという考え方でございます。
○小林(実)政府委員 私どものいろいろつくっておりますメニューは四全総に基づいて考えておるものでございまして、御承知のように多極分散型国土の形成を目標にいたしておりますが、開発方式といたしましては「交流ネットワーク構想の推進」というのを挙げています。その中で地域主導による地域づくりを推進することを基本とする、こう書いてございますので、それを基本にいろいろな施策、メニューをつくってきておるわけでございますが、「自ら考え自ら行う地域づくり」につきましての例示も、これもあえて例示すればということでございまして、使い道につきましては今大臣からお話があったとおりでございまして、一切私どもの方からあれこれ指示はいたしておりません。何よりも地域住民の知恵と情熱を結集して政策づくりを考えてほしいということをお願いしておるわけでございます。時間をかけてゆっくり考えてほしいと思っております。
○安田委員 そこで、私はちょっと別の観点から聞くのですが、五十九年度からまちづくり特別対策事業が実は地方財政対策にのってまいったわけです。これはもともと、あのときは単独事業が計画上とそれから実施されるのがどうも乖離が大きいということで削って、それでまちづくり特別対策事業として新たに項目ができたというように私ちょっと記憶しておるのでありますが、さて、その後六十三年度、今年度はふるさとづくり特別対策事業が主要施策として入った。今回は「自ら考え自ら行う地域づくり」事業として各自治体に一億円ずつ配分するんだ。さて、それぞれ事業の性格は説明はあるのでありますが、この事業の連関というのはどういうことなんですか。これはいろんなのがあるのですけれども。
○小林(実)政府委員 基本的には、地方の単独事業につきましてそれを促進するためといいますか、推進するためのメニューをつくってきておるということでございます。 最初のまちづくり特別対策事業は五十九年からでございますけれども、個性的で魅力ある地域づくりを進めるために広域市町村圏の計画がございまして、それに基づきまして広域的な調整を図りつつ公共施設の整備等の地方単独事業を支援するために考え出したシステムでございます。それから、ふるさとづくり特別対策事業は、それに加えまして新たな要請といたしまして多極分散型国土形成の促進ということが言われてまいりました。そういうことで、公共施設の整備等の地方単独事業の中でも特に都道府県単位で見まして緊急度の高い事業につきまして積極的に進めてもらうためのシステムということで考えたものでございます。いずれもハードの事業でございます。そういうことでございますから、ふるさとづくり特別対策事業の方はやや規模の大きいものも想定しておったわけでございます。 次に「自ら考え自ら行う地域づくり」につきましては、やはり地域づくりの原点は市町村でございますので、自分で知恵を出して情報を結集して行ってもらいたい、主にソフト事業を想定しながらひとつ地域づくりにつきましてお考えいただきたいということをお願いしておるわけでございます。 いずれも、最初に申し上げましたように、地域主導の地域づくりのための我々が用意しました地方単独事業につきましての支援のシステムというふうに御理解をいただければ結構かと思います。一億円の事業におきまして、このふるさとづくり特別対策事業を含めて構想を練っていただくのも結構でございますし、まちづくり特別対策事業を含めていろいろお考えになっていただいても結構であるわけであります。それぞれ単独でおやりになっても結構ですし、組み合わせをして行っていただいても結構である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○安田委員 今審議官の説明の中にもそれぞれ区分しておっしゃっているのですが、しかし中身はだれが聞いてもよく似たものでしょう。あれをさらに細かくすれば、それは本当の部分的な点ともうちょっと広いものということになるのでしょうが、確かに例えばふるさとづくり特別対策事業でも、あの当時何といってもちっちゃいものでなくてかなり大規模なもの、それぞれ申請したところを見ますと五十億から何百億という大きい申請が、自治省の今オーケーとされたところも大きいです。しかし、中身はみんな各市町村それぞれ出したものを県単位でまとめてやっておるような格好でしょう。だから何かまちづくり特別対策事業の連合軍、県単位の連合軍みたいな感じがありますね。だから、むしろ結果的に、皆さんの場合はそのときそのときの施策に応じてこういうものを編み出してきたんでしょうが、結果的にはこれはいわゆる中央が地方をコントロールする道具になっていないか、こうなんです。皆さんはそういうつもりでやられたのではないと私は思います。だが、結果的にはそういうことになってきてしまっているんじゃないか。 例えば、この各事業には交付税の措置がそれぞれ違ってくるわけです。特にふるさとづくり特別対策事業の場合にはそうでしょう。事業費の一五%を初めに交付税措置をする、あとは三〇から五五%まで財政力に応じて交付税措置をしてやるという、そして起債は全部認めるということになる。そこで、それぞれたくさんいろいろな事業があるが、いろいろ見ますと交付税の措置の仕方がそれぞれ違う。なるほど私、この妙味を見て、それは皆さんはそれが必要だからやっていらっしゃるんだが、地方の問題だからもうちょっと簡素にできないものだろうかと思うのだけれども、そこにそれぞれの言うなればひもみたいな形になっているような感じを私は受けるわけです。 大体こういう交付税措置にしろ、あるいは起債にしても、中央のめがねにかなったものがオーケーになるわけであって、全く補助金行政と変わらぬものが出ておるのではないか。特に最近の交付税のいわゆるこういうまちづくり特別対策事業、ふるさとづくり特別対策事業あるいは今度の一億円の配分、全部交付税がその役割を担っていくところに結果的にそれがコントロールの重要なひもになっている。自治省は、本来それは地方固有の財源だから何にも縛られぬで自由にお使いください、自主財源です、こう言って、自治省が財界からも注文がつくことに対して、決してそうじゃございませんと言って、最もそれを守る先兵であった自治省が、逆にそれを何か地方行政をコントロールする道具のように陥っていってしまっているのではないか、これは結果論としてですよ。そういう点、局長の言われる、これは先ほどの雑誌の論文からですが、中央主導型の行政はだめだ、それから使途は地方団体の判断だ、むだであるかどうかの判断基準は地域地域の住民の判断基準に照らせばよいという点からすれば、むしろ地方債の今のような許可制をやめていくとか、あるいは今回の一億円の件でも、局長は同じ論文で、今回 は地方交付税の精算増だから臨時財源を経常的な財政需要に充てることは財政運営上好ましくない、経常支出というものは経常財源で賄うのが財政運営の要請だ、こう言っておられるわけですね。 そこで私は、そういう点からすれば、地方交付税は地方固有の財源だから地方に配分して、そして地方が借金の返済に使おうが、ハードも建物もやみ借金なんかにするというのは昔よくはやりましたが、そういうのは財政運営上好ましくないという原則は当然必要ですけれども、しかしこういうように交付税が地方に配分されて、地方が借金の返済に充てようが、あるいはまた地域活性化の投資に充てようが、例えばおくれている下水道だって、市や町だってかなり普及度がばらばらなんです。歴史的な経過もあります。一年、二年でできるわけはないのですから、そういう点では急いでいるところもあり、順次計画どおりやればいいという都市もある。そういう点では下水道の事業や、あるいはまた雪の降るところは克雪の事業、今克雪の事業といいますと、御存じのようにモデル事業をいただいて、そしていろいろなことをやっているが、大規模にやろうと思ってもなかなかやりがたい。単独事業に全部つぎ込むというのは財源が限られるからです。そういう点で、そういうのに充てようが、要はその町の住民が喜んで住めるという、必要とする事業に使えばよい。これが財政局長さんが論文に言った趣旨に合うのではないか、こう思うのです。ところが、一億円の措置といい、あるいは他の交付税、何々対策事業ということの交付税措置といい、小さい金は渡しても、大きい金は渡したら何に使うかわからぬからやっちゃいけないというような疑心を持ったようなやり方が行政にあらわれておるんじゃないだろうか。だから今のような精算増でも地方に渡さないで、一億円ずつ一部は配ってやりますよ、さあ発想しなさい。じゃ交付税ときちっと分けて、さあ皆さん、今度は金がこう出てきておるのだから、この際ふるさとづくりということで一生懸命やりなさい、こうは言えないのでしょう。そこに皆さんの、地方を信頼すると言いながら信頼していない問題があるんじゃないか。 もう一つ、やはりお金はあくまで国の行政のコーントロールに使いたいというものが、皆さんはそう思ってないかもしれないが、結果的にそういうものがどこかに作用してくるんじゃなかろうか。中央主導はだめだとおっしゃりながらも、そういう格好になっていくんじゃなかろうかということを、このふるさとづくり一連の事業を通じて最近は特段明らかに浮かび上がっているような私は感じがするわけです。そういう点、大臣どうでしょうか。大臣でなくても結構です。
○津田政府委員 ふるさとづくりについての基本的考え方は大臣が申されたことでございますが、若干技術的な面も含めまして私から御説明申し上げますと、いわゆるふるさとづくり特別事業あるいはまちづくり特別事業について交付税措置、地方債を通じての場合もございますが、そういうような措置がひもつき的になっておるのではないか、こういうような御指摘が第一点かと思います。 この地方交付税の配分の仕方については、いろいろ考え方もございますが、正直申しまして、経常経費系統というものは今ある人口であるとかそういうようなもので配分が可能なわけでございます。ところが投資的経費の方は、これからつくるもの、今ないものに対してどのように評価をして配分するか、実はこういう技術的な問題が基本的にございまして、いろいろな工夫がされてきたわけでございます。そして、最近行われておりますまちづくりあるいはふるさと特別対策事業、これらにつきましては、地方団体の計画に基づいて配分する、こういうような考え方をとっておるわけでございます。その場合におきましても、先生御指摘のように、交付税も地方の共通財源でございますので、その算定の基礎となります計画づくりというものにおきまして地方の自主性というものを十分私ども考えていかなければならないのではないか、かように考えております。特に、例の「自ら考え自ら行う地域づくり」ということで、地方団体の計画づくり自体においても財政需要として算定する。それもそれぞれの団体まさしく価値があるものとして一団体一律一億円、こういうような措置をとっておるわけでございまして、計画づくり段階におきます地域住民、そして地方団体の自主性というものは、今後も私ども尊重してまいらなければならないのではないかと思います。 それから、地方債の許可制度についての御意見もございました。この許可制度そのものにつきましては、この許可制度がないと、結局はいわゆる金融機関がどの団体のどの事業に貸すかというものは、まさしく金融ベースの判断で行われてしまうわけでございます。ところが、財政力におきましてもかなりの格差があるというような場合には、むしろ財政力のある団体に金融機関が貸したがる、財政力のない団体には金を貸さない、こう いうような事情も出てまいるおそれもございます。また、緊急的な事業に金が回らないで、いわばもうちょっと後でもいいようなものについて、財政力があるあるいは借金返済能力があるという観点で金が貸される、こういう心配があるわけでございますので、許可制度の運用を通じまして、財政力のない団体あるいは緊急性のある事業というものに対して優先的に金融措置が講ぜられるような仕組みというものがこの許可制度を通じて行われておるわけでございます。 いずれにしましても、地方交付税の問題は、私ども地方の共通の財源、このような考え方としまして、今後におきましても配分の方法について工夫をしてまいりたい。 また借金返済ということも、まさしく交付税特会借入金は地方の共通の借金でございます。中長期的な財政の健全化という意味におきまして、あのように剰余金という格好で出てまいったときには積極的に返済しておいて、将来の財政負担を軽減した方が地方団体全体として財政運営、中長期的な健全な運営が図られるのではないか、かように考える次第でございます。
○安田委員 結局、私の言っていることは、個別の問題で分割してしまえば、今おっしゃったように地方債の問題も借金の質の問題からいろいろな問題が出てくるわけです。それはだれでも心配のあるところですが、問題は、私が言っているのは、いわゆる今地方が、皆さんが一生懸命旗振り役でやる、みずから考えなさい、みずから行いなさい、特色ある町づくりをしなさい。中曽根総理時代は個性ある魅力ある町づくりですか、今もそれがあるいはふるさとづくり特別対策事業の前段にそういうのがやはり書いてあります。だから、それと一体どう違うのか。前の内閣もちゃんと個性ある魅力ある町づくりというのを出しているわけですから、皆さんも現にそれはちゃんと文章に入れておるわけですから、問題はそういうものがなかなかできない。できないのはなぜか。今言ったように、いろいろな規制があって地方がやろうと思ってもできないじゃないか。手も足も伸ばしがたいような状態になっているじゃないか。金を見たら、これまた財源は小さい。独立した財源を欲しいと言ってもないじゃないか。では金を借りよう。これまた許可制があって、なかなかうるさくて結局中央のめがねに合うものしかできないじゃないか。そうしたら何が残るか。結局中央主導型ではだめだ、こう自治省はおっしゃるのだけれども、結果的には中央主導型のものしか残らない。そうすると、先ほどの財政局長さんの論文にある、日本列島どこを見ても金太郎あめという、結果的にはそうなってしまうわけですね。だから、その悩みをどういうぐあいにこれから解決していくかというのは自治省の役割ではないかということを先ほどから一貫して私は言っているわけです。 個別に問題を言えば、今財政局長がおっしゃったそういう問題がある。それはわかっている。問題は、全体として今やらなければならぬものを、それらを自治省はどうするのか、これを私は聞いているわけです。ひとつぜひとも、これからまだ財源問題等に入っていきますので、みんな連関しておりますので、そういう意味だということを皆さんの方で受けとめていただきまして、そしてぜ ひ権限移譲、行革審が今審議しておるからということでお任せしていく必要は私はないと思う。自治省が所管の役所として、地方制度調査会は十六項目、あれももちろん事務局が自治省にありますから、いろいろな各省庁の関連を見ながら、この程度はぜひやらせようということで出されたものだろうと思っておりますが、もっと大胆に、本来はこうあるべきだというものを出されていいのじゃないか。そうしなければ、なかなかこれはふるさとづくりといってもできませんよということを、お互いに皆さんもそう思っていらっしゃるのだろうと私は思う。だから、論文にあらわれるのはみんなすばらしい意見が出てくるのですから、思っていらっしゃるのだろうが、なかなか役所の立場になるとそれはできがたい事情になってしまう。そういう点では、しかし今はそういうことをやるチャンスではないかということで申し上げておきます。 さて、高齢化の進展によりまして、福祉の対応、それからふるさと創生という名目による地方の活性化ということが今の政府の大方針であることは先ほどから申し上げておるところでありますが、この裏づけとなる財政ということになりますと、ふるさと創生問題では今いろいろな点でちょっと申し上げましたが、抜本的に財政問題の改革ということでは手つかずではないか、こう私は思っているわけです。むしろさきの税制改革で地方の立場が逆に弱められることになってきたのではないだろうか。 一つは量の問題。本来は地方と国との事務事業に合わせてお金の配分というものはなければならぬ。現在事務的には地方が七〇、国が三〇の割合でありますから、これが一つの基準として量的にお金の量というものは確保されなければならぬということになります。現状は地方は五三・一だったでしょうか、とにかくそのとおりにはなっておりません。ことしは多少そういう点での量的なものは確保された。多少伸びましたが、全体としてまだ足らない。そういう点では、このあたりの改革は必要になってくる。 二つ目は質の問題。地方税の収入の普遍性、応益性、自主性などの原則を尊重して地方の独立税財源というものを拡大していく。そういう点ではことしは、どうもこの方は逆に一・何%でしょうか、少なくなってきた。 三つ目は、自治体間の財政調整機能を適正に行うことが必要でありますから、交付税制度等あるわけでありますが、特に市町村に重点を置いた税源配分というものを考慮すべきではないだろうか。 これらを総体として見た場合、最近の政府の施策というのは残念ながら逆に中央志向型になっていないだろうか。特に、消費税導入によって地方税の体系が変わり、そして地方財政の仕組みも少し変わりました。その中身を見ると、今言いましたように、量的には確保されている面があるが質的には後退している面がある。自治体間の財政調整機能、これは後ほど多少触れますけれども、先ほどふるさと創生論の中の交付税のことで言いましたが、国の方のそうした施策に合わなければ交付税の配分もまかりならぬというような、今一部ですよ、これは全体の大きい交付税の中の主要を占めているわけではないけれども、そういう面が出てくるということは余り好ましいことではないなという感じが私はします。 そういう点で、ここらあたりの地方財政のあり方ということについて、私は今言いましたように、中央志向型であって、こういう高齢化社会の進展あるいはまた地方の活性化ということにどうも合っていない、こう思うのですが、その点どうでしょうか。
○津田政府委員 今回の税制改革は、税体系の見直しということで、国と地方との間の財源配分関係というものまで直接の対象としなかったわけでございます。と申しますのは、何と申しましても今回の税制改革は国・地方を通じまして二兆六千億の減税超過、このような形でやっておるわけでございます。そういう意味において、財源を増強するというような観点というものはなかったわけでございます。特に、地方税財政におきましても、結果的には約九千億程度の減税超過になっております。幸い経済情勢が好況のために、自然増でこの部分は十分埋まる、地方財政の運営に支障が生じないと考えておるわけでございますが、全体的にそのような減税超過という観点の中での税制改革であるということが、この際、地方財源、地方税源をふやすというような形にはならなかったわけでございます。 それから、質的な問題としまして、いわゆる地方の最も自主的な財源でございます地方税というもの、特に地方間接税が、新しい消費税を創設するために廃止あるいは大幅な調整というものを受けたわけでございます。御指摘のとおり、国と地方との税源配分におきましても若干国の方にシフトする結果になったことは残念なわけでございます。私どももこの十年来、一般消費税のとき以来、新税ができる場合それを地方税源に何とかしたい、いわゆる地方の新税ということも考えられないかということも検討してまいったわけでございますが、残念ながら納税者の事務負担あるいは二重課税とか、そういうような問題がございましてできなかった。そのかわり、消費譲与税というものを創設して地方財政の基盤の強化ということをやったわけでございます。 御指摘のとおり、交付税、譲与税を含めました 一般財源ベースの国と地方との配分関係は、従来地方は、六十三年度ベースで五二・四%でございますが、税制改革後では五三・一%と、税源配分では若干国へシフトしましたが、交付税、譲与税を合わせました一般財源ベースでは地方団体へシフトさせて、その意味では自主性というものもある程度向上したのではないか、かように考えておるわけでございます。そして何よりも、これから交付税法等で御審議いただきます地方財政計画等におきましても、一般財源比率が六八%まで向上したということでございますので、地方の自主財源、 一般財源というものの強化は相当進んでおるという状況でございます。 いずれにしましても、国と地方との関係におきまして、補助金の問題、そして権限の問題等いろいろな問題がございますが、今後におきましても、財源関係におきましても地方財政の基盤強化、自主性、自立性につながるような観点で私どもは努力してまいらなければならないかと思います。 それから第三点の地方団体間の財源調整の問題でございます。私ども、交付税の配分等につきまして今までも努力し、また今後も努力するつもりでございますが、先ほど御批判もございましたいわゆるふるさとづくりあるいはまちづくりの交付税の補てんの仕方等でございますが、端的に申しまして、これ自体を目的にしたわけではございませんが、一億円を各市町村に配分するということも、財源調整という面では財政力の弱い町村を重視するという結果になっておりますし、またそのような措置によりまして、でき上がってくる計画に対処して地方交付税を配分することは、計画能力それ自体いろいろ問題があるわけですが、この一億円配分ということを通じまして、財政力の弱い団体におきましても計画づくりの力をつけて、その計画にのっとったまちづくりあるいはふるさとづくりの事業ができてくれば、それに応じて交付税の配分を行ってまいりたい。これが財源の均衡化にも役立つのではないか、かように考えている次第でございます。
○安田委員 さて、この国庫補助負担率の処理というのは、結局約束ほごのまま地方が国に押し切られたというような結果になったと私は思うのです。皆さんの方は、これも財政的にはいろいろ処理ができたからということになるのでしょうが、私は、初めの約束があったのだから、本来復元して――復元すると言っておったのですから、事務事業あるいは機能分担というものを本格的に見直して、そしてその上できちっと移すものは移す、財源の裏づけするものはするということが必要だったのじゃないだろうか。ばたばたと片づけて、そして一部復元、大方はそのままで固定してしま う。そうして、ざらに暫定になおかつ残っておるという。 財源の裏づけは、たばこ税を交付税に回す。交付税もえらい複雑になりました。国税三税の三二%が、今では消費税の二四%が入り、たばこ税の二五%が入り、消費税の二四%だって譲与税の五分の一を抜いた後ですから、素人が見てはこれは全然わからぬ。初めはまだわかりやすかった。だんだんわからぬ。国会議員でも、それはそれをいつも見ておる者でなければわからぬ。これでは私は、ますます地方の問題が複雑――複雑というよりも地方はやりにくくなっていくんじゃないだろうかと思うのです。だれでも、やはり住民が見てわかるような仕組みになっていなければ私はだめだろうと思うのです。 だから今度の場合でも、補助金問題で財源等がもし処理されるなら、これはできるかどうかは別として、例えばたばこ税だって地方たばこ税、国たばこ税とあるものを地方が全部いただいたってどうということはないのですからね。技術的に可能かどうかということは、技術的に不可能とは言えない。ですから、やはり自治省はもう少し元気よく私はやっていただきたい。元気よくやっていらっしゃるだろうけれども、もう少し元気を出してやってもらわないと、先ほど局長もおっしゃったように、何かだんだん地方単独の税というのはもう小さくなった。三七%から今度は三五・四%になるわけですから縮まっていく。このことは、消費譲与税等が譲与財源でついておるとはいうものの、しかし配分基準等の基礎ベースは政令によってまた変更もできるのですから、地方にとってはどちらかというと不安定な要素を持つことには変わりはないです。 そういう点で、やはり地方単独の税財源を強めるというのが本来の趣旨でありますから、そういう点では、この国庫補助負担率の処理の結末として、まず一つは完全復元というものをやはり自治省は強くやってもらいたい。それから、事務事業を見直してその財源の裏づけをするのなら、きっちりとそれの裏づけのできるものを地方が単独でもらってくる。電気税その他放したんだから、ちゃんと別のものをとる。昔から大臣、転んでもただ起きぬという言葉があるのですから、やはり転ばされるのなら何かつかんでくるというものが私は必要なんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○坂野国務大臣 激励の言葉をいただいてまことにありがたいわけでございますが、私は、補助率の復元問題はいろいろな考え方があると思います。いろいろな今までの経過で補助率というものができ上がって補助事業というものが行われているのですが、これは考えようで、先ほどからおっしゃるように、本当に地方が自主的に、国からのひもつきというものを排除するためには、私は補助事業というものをある程度整理した方がいい。そのかわり、直轄事業とか国がナショナルプロジェクトでやるものは地方の分担金なんてけちなことを言わぬで全部国が出す。補助金はできるだけ整理をして、そのかわり地方の自主的な財源を考えて地方でもって自由に、そんなものは少々の事業は地元だけでできるんだというような体制が、あるべき姿だと思います。 しかし、せっかくの補助率というものは長い間の経過の中でできたものですから、私ども最後まで補助率の復元に頑張りました。頑張りましたけれども、考えてみますと、地方財源の自主的な財源をふやして、そして地方の力をつけるということからいうと、補助率の完全復元ということも大事かもしれぬけれども、それにかわる地方の自主的な財源というものを見つけるのも一つの考え方じゃないかという総合的な立場に立っての解決を、実は今度図ったわけでございます。その結果、たばこの税も入ってまいりましたし、それから一部の補助率の問題が、暫定じゃなくて恒久化ということもいたしました。ただ、公共事業についてはいろんな議論がございまして、当面事業量が下がっちゃ困るという希望も考え方も各省に、担当省にあるわけでございます。そういうものを踏まえて、これは暫定的な問題として二年送りしよう、そして二年たったらこれは復元する、そのかわりその間は地方に迷惑をかけないように面倒を交付税で見させようということでもって決着をつけたわけでございます。したがって、地方の皆さんからすれば、六団体等の皆さんはまあまあこの辺の落ちつきでやむを得ぬじゃないかという評価をいただいたと私は思っておるわけでございます。 そういうことで、私も記者クラブの発言のときに九十五点だということを言ったのはそういう意味で言ったわけでございまして、私は将来、本当にこれから検討すべき、もちろん財政当局も補助率問題については基本的に勉強したいと言っておりますから、これはこれで私どもは受けて、それならばおっしゃるように地方財源をぴっちり、補助率なんかでもってひもつきでやるよりは、むしろきちっとナショナルプロジェクトは全部国が持つ、そのかわり補助金はある程度整理をして、そしてむしろ地方の財源を恒久財源というものをはっきり見つけてやる、私は方向としてはそういう方向がやはり一つの考え方じゃないかというぐあいに考えておる次第でございます。
○安田委員 それから交付税の暫定加算八千四百四十億円の半額が切り捨てられるということになるわけですが、その根拠はどこから来ておるのですか。
○津田政府委員 今回暫定期間が終了することに伴いまして、いわゆる御指摘の暫定加算の取り扱いにつきまして大蔵省と調整をしたわけでございます。そして二分の一というもので決着を見たわけでございますが、全般的な補助率の見直しというようなものの中におきまして恒久化されたものの財源措置について見ますと、影響額で四分の三というものを恒久措置として決めたわけでございます。これとの均衡上、今までの暫定加算の処理に当たりまして法定加算で二分の一を既にとっておるわけでございますので、残りの二分の一の半分をやりますと今回の補助率の見直しにおきます四分の三という措置と均衡がとれる、このような観点で暫定加算については二分の一加算ということにしたわけでございます。
○安田委員 しかし、これは累積で八千四百四十億円なんですけれども、もともとはこれは全部もらえるという金だったんじゃないですか。かねがね議論のときには今おっしゃったような根拠というのは一つも出なかったのですが、どうなんでしょう。
○津田政府委員 暫定加算の扱いにつきましては、御承知のとおりその取り扱いについては暫定期間終了後両省の間で調整するものとするということになっておるわけでございます。その調整のやり方につきましては、要するに補助率の扱いをどうするかというような観点で臨まなければならないわけでございます。もちろん私どもとしては全部欲しいのは、これは心の底では持っておったわけでございますが、今回のいわゆるこれからの補助率の見直しに当たっての恒久的な措置として、全体として四分の三を確保するというようなバランス上、大蔵省との話し合いにおきまして二分の一を確保すれば法定加算を合わせまして四分の三の財源措置ができた、このように考えておるわけでございます。
○安田委員 とにかく我々の議論してきた思いとは違っております。これは全部いただけるもの、そう思って、なくなるんじゃないか、なくなるんじゃないかということをかねがね皆さん方に申し上げていたことでありまして、将来四分の三だけ確保ということならいいのですが、暫定措置として加算してあげますよ、こう言ってきながら今またばっさり切られる。だから、今に地方の方が金ができたら切られるんじゃなかろうかと心配しておったことが現実になったと私たちは思っておるわけであります。 さて、次に消費税の転嫁についてお聞きしますが、地方団体の転嫁の状況はどうかというのは、いつも皆さんからいただくのは二月末の資料しか出てまいりません。一日から実施を見送る団体六都府県、それから一部実施を見送る団体が十五道 府県、これだけの資料しかいつも出ません。これだけしかないんですか。わかっていないのですか。
○津田政府委員 消費税の転嫁についての地方団体の状況でございますが、御承知のとおり毎日のように新聞に出ておりますように、執行部が議会にどういうふうに提案するか、提案したものを議会でどのように取り扱うか、現在まさしくその詰めというものが行われている状況でございます。これは非常に微妙な問題でございますし、自治省がある程度の聞き取りをしておいてこれは必ずいけるとかいけないとかいうのも僭越な話でございますし、まさしくこれはじっくりと執行部と議会あるいは議会内部で御議論いただかなければならない問題かと思います。そういう意味におきまして、私ども先般来申し上げておりますように、今後情勢変化ということもあるわけでございますが、二月末現在におきまして四十七都道府県のうち四十一団体が四月一日からやる、ただし、そのうち十五団体は一部の使用料等について実施時期が四月以降となる、こういうようなことを申し上げておるわけでございます。 この二月末時点でというものは、もちろん個々の団体によって違いますが、大方執行部が議会に提案したというような状況におきまして私ども御報告を申し上げたわけでございます。その後提案されたものがどのように処理されるか、現在それぞれの団体におきまして重要な課題とされておるわけでございまして、これを一方的にそういうような議論の中のものを、これは通るはすだとかいうことを私ども申し上げるのも失礼な話かということで、現在どのような状況かを私どもの口から申すわけにはいかないものではないか、議会が終わってきっちりと整理されたところでは私ども調査ができると考えております。
○安田委員 これは大臣に聞くのですけれども、東京都知事と自民党政調会長との会談の合意事項、合意内容ですね、これはどういうぐあいに考えておられますか。
○坂野国務大臣 私も政調会長にちょっと会ってはおりますけれども、どういう話をしたんだということを実は確かめてはおりません。報道されているところによると、渡辺さんも企業努力できるものがあったら企業努力どうだというようなことをあるいはおっしゃったかもしれませんけれども、直接どういうことをお話しになったかということを知事さんにも政調会長にも聞いておりませんので、ひとつその辺のコメントは差し控えたいと思います。
○安田委員 報道されている点からしますと、東京都が行政努力でコストダウンした分に対して消費税を上乗せすればいいじゃないかということになっているし、事実横浜市長も、与党の政調会長がそういうことであるならそれは筋は違うのじゃないか、こういうことを公式にもこれまた言っていらっしゃるし、内容からすればそれに反発がないところを見ればそれは事実なんでございましょう。また東京都はそれによってそれぞれ消費税の上乗せについて見送っていくわけでありますから事実なんでございましょう。 そこで、先ほど全国的な情勢について財政局長から今議会中だからという話がありました。それぞれの報道も毎日出ておりまして、それぞれ変わっておりますからよくわかりませんけれども、例えば中には上乗せしないと言っておってしたところから、すると言っておってしなくなったところからいろいろございますのでよくわかりませんが、それぞれ新聞報道で出ておるところ、例えば最近ではNHKが二十二日に完全実施は十六府県というのを報道したのを聞きました。それからまた、さきに新聞で六百四十五市のうち二百四十七、三八・三%、これだけが転嫁をするというのが出たり、こう見ますと大勢としてはかなり見送りが多いということだけははっきりしていて、半分以上の自治体になるのじゃなかろうかなと推定できるものはあります。 そうした中で、今民間ではこの消費税をどう吸収するかということで知恵を絞って民間ベースでいろいろやっておりますし、それに合わせて地方自治体も、住民からの反対も激しい、住民にどのようにしたら負担増にならないかということで工夫を凝らしておる。それをどうも不合理だ、不適切だということで、三月十四日、自治省は改めて大臣談話を出されて、それをまたつけて通達を出しておられる。ここらあたり、例えば宮城、千葉の知事選の結果からしても、住民の反応というものはやはりリクルート問題と合わせてばちっと出ておるわけでしょう。自治体は自治体なりで今言ったようにそれぞれの工夫をしておる。皆さんの方でそれは不合理だ、不適切だ、こういう締めつけというのは、自治体のこの意欲というのを失わせるのじゃないですか。それは自治体がそれぞれ結果的に財政的にどうなるかわかりませんけれども、皆さんはそれは恒常的な財源を食っていってしまう、こうおっしゃるのだけれども、しかし実際は今一生懸命議会で論議しながらやっていることに皆さんがこれほどまで強圧的な枠を締める必要はないと私は思うのです。ましてや、この通達に即した措置をとらないなら、これは閣議で出たそうでありますが、交付税の配分を左右しろというようなことまで言われておるという。私は自治省にはそういうばかげた話はないと思いますけれども、そこら辺を含めてひとつお聞きしたいと思います。
○津田政府委員 国民あるいは地方団体の住民においていろいろな意見があることはもちろん私ども承知はしておるわけでございますが、やはり厳然たる事実として昨年の十二月三十日に法律が公布され、そしていよいよこの四月一日から課税される、こういう厳然たる事実があるわけでございまして、しかも税制改革法によりましては、消費税を円滑かつ適正に転嫁すべき事業者ということが書かれておりますし、環境を整備しなければならない、こういう責務があるわけでございます。昨年の国会の議論におきましても、転嫁については、転嫁に努めるべきものであるというのが政府原案でございましたが、それを国会修正にして転嫁すべきである、これまでの修正が行われた。このような国会の合意を受けて、私ども行政を預かる者としましては、地方団体に適切な転嫁というものを指導しなければならない私ども自身の責務もあるかと思います。 強圧的な指導かどうかという判断でございますが、私どもはあくまでこういうような厳然たる事実というものを地方団体に十分御理解をいただく、そして議会審議等におきましてもそのような判断材料というものを執行部として十分提供していただいて、その上で議決処理をお願いしたい、このような考え方でございます。 地方交付税等の問題につきましては、閣議で公式発言ではなく、若干コメントがあったようでございますが、私どもとしましても、地方団体がまさしく自律的な判断によりまして、厳然たる事実でございます消費税が四月一日から課税されるよう適切な対応をされることを通じまして地方団体の信頼が増すのではないか、このように考えておるわけでございまして、今後も粘り強く指導してまいらなければならない、このように考えております。
○安田委員 それは粘り強く指導と言うけれども、地方団体は子供じゃないのですから、皆さんの通達とか内簡とかというものは、それが出たらびりびりしておるのですから、それにもかかわらず地方団体は今できがたい状況になっている。だから、子供やわからない人になら何遍も言えばわかるでしょうし、するということはありますけれども、もうそれは皆さんが通達一本出せば、地方自治体はちゃんと今まで右向けと言ったら右向く、左向けと言ったら左向く。いや、向かなくてもいいものでさえ通達があったらちゃんと従っているのですから。にもかかわらず、今回はそうしがたい事情が出ておるということを皆さんは認識しなきゃならぬ。ましてや、ここにも与党の方がいらっしゃるけれども、地方議会では、国では与党であるところの下部の議員団の人も、ちゃんとこれは反対だと言ったところがあるのだから、これはあなた、地方自治体だって混乱しますよ。 だから、その事態に即して、皆さんは、今局長がおっしゃったように責務があるから当然それは通達は出されるでしょう。だが、これだけしつこくああだこうだとやる必要はないのですよ。これはやはり、通達みたいなものは一遍出したらそれはわかり切っていること。それから、まして今交付税の話、そういう話がほかで出ておるので、皆さんの省の中で出たわけじゃないが、一体自治省はそういう考えはあるのかないのか、聞かせてください。
○津田政府委員 先ほど申しましたように、私どもは粘り強く指導してまいらなければならない、この厳然たる事実というのはあるわけでございますから、それに即応して地方団体において適切な対処をお願いするわけでございます。それで、交付税の減額等ということが言われておりますが、私どもそれは検討しておるような状況ではございません。 ただ、制度的に申しますと、御承知のとおり、地方財政法の二十六条によりまして、法令の規定に違反し、著しく多額の経費を支出したり、また確保すべき収入の徴収を怠った場合には、減額できる、あるいは返還を命ずることができる、こういうような規定がございます。ですから、制度的問題としてはその問題は確かにございます。ただ、私どもその運用に当たりましては、憲法に、地方団体の組織、運営については地方自治の本旨に基いて、こういうような規定があるわけでございまして、やはり運用面というものは、よく言われますように、地方財政法の交付税の減額の発動の運用としてはそういうような観点で考えなければならない問題かと思います。 私どもは、地方団体が自律的にこの四月一日の消費税が円滑に実行されますように期待しておるわけでございます。
○安田委員 地方団体が消費税を国に納めなければ、それは明らかに法令違反になるけれども、内部で消化吸収したものは法令違反になるかどうかとなると、これはまた大議論です。だから、そこらあたりになると、それはもう皆さん感情論でやってしまうということになるので、万々自治省としてはそういうばかげたことはないと思いますけれども、しかし今おっしゃった局長の後段の発言の中にそれがあらわれているだろう、地方自治ということがあらわれているだろう。まあ、責務ということがありますから、そういうこともおっしゃらなければならぬことだろうとは思いますが、自治省はやはり地方団体の動きに十分留意されて、皆さんが適切と言うと私はすぐ枠をつけるんだけれども、それこそ地方団体のその意を十分酌み取った適切な対処ということが必要であろう、こう思います。 さて、税の方にちょっと入っておきますが、不公平税制を是正するということが税改革の最も大切な課題であったわけであります。ところが、個別の税の問題を見ますと、不公平の拡大になっているものが出てまいっております。 そこでいま一つお聞きしたいのは、国税の租税特別措置によって影響を受けない、いわゆる遮断と言われておりますが、その点。それから、みなし法人課税の見直し、こういう点等はどのように検討されたかということをお伺いしたいと思います。
○湯浅政府委員 国の租税特別措置の中には、地方税におきましても同じように軽減を行うことが適当であるというものがかなりございます。これはいろんな政策的な配慮から、地方税においても同じようにやる必要があるだろうということであろうかと思います。それからもう一つは、国の租税特別措置を地方税で回避するということが課税技術上非常に難しいという問題もございまして、私どもは国税の租税特別措置と地方税への影響というものを直接的に受けさせるという点については、これは問題があるということで基本的には考えているわけでございますが、今申しましたような政策的な課題について国も地方も同じように配慮していかなければならない問題、あるいは課税技術上の問題というようなこともございまして、正直申しまして、なかなかこの遮断というものが難しいということでございます。 今回におきましても、国税との遮断ということを考える前に、国税、地方税を通じてこの租税特別措置のあり方というものを見直すということで、いろいろとこの政策目的の緊急性というものを吟味いたしながら、一部は整理合理化をさせていただいたものでございます。そういう観点から今後ともできる限り整理合理化を行ってまいりたいと思うわけでございます。 それから二番目のみなし法人課税の問題でございますけれども、みなし法人課税につきましては、既に所得税におきまして事業主報酬を実質的に制限を加えるということで、昨年の税制改正、昭和六十三年の三月の税制改正におきまして、その適用期間を五年間延長したわけでございます。住民税につきましてもこれに合わせまして、今回の地方税法の改正におきまして、とりあえず五年間の延長はさせていただくということにしたわけでございます。 ただ、このみなし法人課税につきましては、先般の抜本改革の審議の際にも、不公平是正の各党の御協議の中の一つの項目として挙げられている問題でございまして、このみなし法人課税について今後どうするかという大きな問題がございます。この点につきましては、各党間の御協議というものの内容を十分踏まえまして、また所得税の今後の扱いというものも考えながら、この次の期限までに適切な結論を出したいというふうに考えておるところでございます。
○安田委員 そこで時間がいよいよ、これで終わりになってまいりますので全部飛ばしまして、住民税の件、一つだけ最後に聞いておきます。 住民税減税が行われるわけでありますけれども、どうも大変不十分で、特に昨年の税改革で、この辺になるとかえってひずみが出たんではないだろうか、私たちはこう思っておるわけです。 そこで、特に配偶者特別控除の引き上げで総体約二千億円、それから特定扶養親族に対する扶養控除の増額、これは教育適齢期の子供のおるところ、二百二十億円、こういう措置がなされた。これはまあこれを含んでおるわけですけれども、そこで勤労者世帯の三五%を占める共働き世帯にはこういう関係の恩恵、低減されていくものですから恩恵がないということで、ここら辺がまたひずみが出てしまう。したがいまして、住民税減税おおよそ八千億円、これは明年実施でありますけれども、八千億円の中でこういう者たちを、特定なものを引いていきますと、全体としての減税というのは極めて少なくなっていってしまうという点で、依然として住民税の重さは軽くならない、こういう不満が充満しておりますし、また各方面からも住民税減税をさらに進めろ、こういう声が非常に強いし、私たちもまたそういうことで、今度の予算に向かってもそのような組み替え、もしくは修正ということが出されると思います。 さてそこで、非課税限度額の引き上げという点。私たちは給与控除約三万五千円、人約三控除それぞれ二万円、こういう点の引き上げ等をぜひ実現してバランスをとらなければならぬというぐあいに思っておる一人ですが、まずこの住民税減税をさらに進めていただきたい、この点どうでしょうか。
○湯浅政府委員 個人住民税の問題につきましては、所得課税の一環といたしまして、所得税とあわせまして前回の昨年十二月の税制改革におきましても、平年度で九千四百億円の減税を行ったわけでございます。また、その前の六十二年の九月におきましても、住民税におきましては独自の減税ということで、平年度六千六百億円の減税をするということで、住民税の立場からはできる限り皆さん方の御負担を減らしていこうという努力をしているわけでございます。 今回の改正におきましては、非課税限度額の引き上げという点に絞りまして改正をお願いしているわけでございますが、この点は御案内のとおり均等割、所得割の非課税限度額はそれぞれ生活扶助額とかあるいは生活保護基準額との関連で定め ているという経過もございますので、この点についての手直しは今回やらせていただいたところでございます。 所得税に対する負担感の非常な累増感と申しますか、そういう点につきましては、前回のいろいろな個人所得の減税などでかなり緩和されたというふうに私どもも考えているところでございまして、今後の財政事情等も勘案しながら慎重に考えていくべき問題ではないかというふうに考えております。
○安田委員 それでは終わります。
○西田委員長 中沢健次君。
○中沢委員 私の持ち時間は一時間三十分でございますので、論点を絞りまして具体的にお尋ねを申し上げたいと思います。 まず一番最初に、先ほども議論があったのでありますが、各地方自治体の三%の転嫁問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。 まず第一には、全国の都道府県の状況について自治省側の調査の内容がございました。そのことについては改めて指摘をいたしません。私は北海道の夕張の出身でありまして、今北海道的に言いますと、道議会、それから二百十二の市町村の議会、ほとんど開会中でございます。私なりにかなり綿密に調べている最中でありますが、例えば北海道の道議会は、住宅料は別にして三%を転嫁して議会に出している。見通しとしては恐らくこれで決定になるのではないか。北海道には三十二の都市がありますけれども、国の方針どおり四月一日から完全転嫁をしたというのは一市だけであります。完全に見送るというのが二市でございます。大部分は実施時期を七月ぐらいに先送りをする、あるいは部分的にはやるけれども主として公営住宅料等々については完全に見送る。私なりに感想を申し上げますと、新聞論調ではそういう現象について地方の反乱、こういう表現でありますが、私は、地方が反乱をしているのではなくて、地方の方が健在である、地方の良識のあらわれ、こういうふうに感想として持っております。 そこで、まず大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、大臣は鳥取の御出身でございます。鳥取県あるいは管内の市町村がどういう状況になっているか、情報としてお持ちであればお聞かせをいただきたいと思います。
○坂野国務大臣 正式に報告を受けておるわけじゃございませんが、報道によりますと、鳥取の全市町村はルールに従って上乗せをして転嫁する、完全転嫁ということのようでございます。
○中沢委員 それについてあえて論評は失礼だと思いますので控えたいと思います。 二つ目にお尋ねをしたいのは、きょうは自民党の委員の先生、たくさんお見えでありますけれども、自民党の税制調査会で「消費税ハンドブック」というのがかなり以前に作成をされておるわけです。別に自民党の宣伝をするつもりはないのでありますけれども、その中で、六十八項目と六十九項目に「公共料金と転嫁」あるいは「公共料金の改定時期」ということについていろいろ書かれております。 この内容を見ていきますと、例えば「公共料金と転嫁」の部分でいいますと、いろいろ書いてありますが、一番後段の部分でいうと「その改定幅は、当該料金等によって異なってくるものであり、一律三%の引き上げとはならないものと考えられます。」極めて現実的な受けとめ方をされていると思うのですね。あるいは六十九番目に出ております「改定時期」、これも一番最後に「公共料金等が必ずしも同時一斉に改定されるとは限らないものと考えられます。」このように自民党の税調発行のハンドブックに書いてあるわけであります。もちろん党と政府というのは立場も違うし、しかも今月の十四日に自治省の方で発行いたしました都道府県あての指示文書、内容についておのずから違っても、そういう点では悪くはないと思うのでありますけれども、そこのところについて、担当大臣としてどのようにお考えですか。
○津田政府委員 自民党のパンフレットの内容と私どもの取り扱い方針との点でございます。自民党のパンフレットの中では「経営の徹底した合理化を前提とし、」とか、そういうような文句がございます。私どもは、地方公共団体の料金については、通常各地方公共団体においてはその適正化のために定期的な見直しが行われていると承知しており、現行の料金水準も適正なものとして設定されている、このような認識でございます。したがいまして、これを前提とする限り、消費税の転嫁に当たっては、基本的には現行の料金等に消費税相当分を単純に上乗せせざるを得ないものであると考えております。 既存間接税の廃止等によりますコストの変動ということもございます。ただ、先生御承知のとおり、地方団体の手数料あるいは料金等につきましては、大体三年ぐらいが通常でございますが定期的にそのような見直しを行う、その定期的見直しの中でそれまでの間のコストの動向等も勘案して決定する、こういうことでやられておるわけでございます。したがいまして、そのような要因は定期的な見直しの中で料金に反映する、このような考え方でございます。 もちろん私どもも合理化努力というものは必要と考えておりまして、それについて地方団体としても今後も努力していただかなければならないかと思いますが、その問題と切り離してこの消費税の取り扱いは行うことが、かねてからのそのような定期的な料金の見直しあるいは経営努力というものとマッチしたことになるのではないか、かように考えております。 それから、時期の問題でございます。諸般の手続、あるいは正直申しまして例えばバスの料金の表示の機械等の変更とか、そういうものがございます。そういう意味におきまして、実態的に必要な措置を講じていかなければならないということは当然でございます。ただ、地方団体に対しましては、私ども十二月三十日に法律が公布される時点ですぐ消費税の取り扱いにつきまして連絡をしておるわけでございまして、四月一日課税される、このようなスケジュールに合わせまして諸般の手続あるいはそういうような機械の改良等を進めていくのが筋である、このように考えております。
○中沢委員 自治省としてはそういう御答弁しか恐らくできないんだと思うのですね。しかし、きょうの委員会でも、あるいはついこの間の委員会でも、いずれにしても今地方では大変な苦労をしながら例えば理事者としては原案をまとめた、しかし議会に出して議会で逆に修正をされる、もっと言いますと、私の夕張の市議会では消費税の廃案を求める議会決議というのを自民党関係の先生方を含めて全会一致で決めているわけですね。これは夕張に限らずそういうケースというのは全国的にいろいろあると思うのですよ。つまり、それが地方自治の原点だというふうに私は考えるわけです。ですから、そういう基本的な問題について議論をしますと際限がありませんから、また別な機会にやりたいと思います。 もう一つ具体的な事実を含めてお尋ねをしておきたいのは、一月三十一日付で建設省の住宅局長が各都道府県知事に「消費税の導入に伴う公営住宅法及び公営住宅法施行令の一部改正について」、内容としては、消費税の導入に当たっては、写しを持ってきておりますけれども、こういうふうに具体的に書いてあるわけです。「公営住宅の家賃についても消費税の円滑かつ適正な転嫁がなされる必要があるが、公営住宅の家賃決定に当たっては、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で供給するという公営住宅法の趣旨を十分考慮すること。」端的に言えば三%の転嫁を慎重にやってもらいたい、こういうことだと思うのです。 そこで、これはひとつ大臣にちょっとお答えをいただきたいのでありますが、大臣はかつて建設省の事務次官もされておったわけであります。今は自治大臣でありますけれども、この建設省の住宅局長のこういう一種の指導文書、もっと言えばそれが一つの各自治体の良識を誘発をさせる。僕の調べた範囲で言うと、三十二都市のうち公営住宅料の転嫁というのはほとんどされていない、されているのは一市だけ、こういう状況も現実的に あるわけです。したがって、自治大臣としての感想でも結構ですし、かつて建設省に御縁のあった大臣としてこの問題についてどのように見解をお持ちであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○坂野国務大臣 建設省の通達を私も読んでみたわけですが、適正な転嫁が必要であるということは認めておりますし、ただ建設省としては、特に低所得者に対して低廉な家賃で供給するということからして、別途に、個別に家賃の減免等の措置を講じていることは、これは承知いたしております。そういうことで、慎重にやれとは言っておりますけれども、転嫁について何も否定しているわけじゃありません。ただ私も、文書を読んでみるとそういうことだけれども、建設省もそういう通達を出すに当たってもう少し自治省とよく相談をして、まあ公営住宅については例外的に価格の転嫁をしなくてもいいというような誤解を招くような通達は好ましくないということは住宅局長にも言っておいた次第でございますが、そういうことで、転嫁はしなくてもいいということを言っていることではないわけでございます。文書を見てもそういうことは特にここに出ておりませんので、公営住宅についても自治省は自治省としての所定の方針に従って、できるだけ協力をお願いしたいということでいきたいと思います。 〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
○中沢委員 今大臣の方から、建設省がやや行き過ぎているというお話でありましたけれども、私から言わせれば、これは建設省の方が非常に現実的な行政指導をされている、このように評価をしておきたいと思うのです。 この種の原局がいろいろ、地方のいわゆる公共料金的なものに関連をする原局がたくさんあると思うのですね、例えば水道料金の問題等々。こういう部分でいいますと、今この通達については自治省と特別な相談がなかったというお答えでありますけれども、これ以外の、これに準じた通達みたいなものが各関係省庁から出されているのかいないのか、自治省としては具体的な事実を把握されているのかいないのか、そこをひとつお答えいただきたいと思います。
○小島政府委員 お答え申し上げます。 例えば水道ですと厚生省でありますとか、工業用水ですと通産省でありますとか、所管省庁からそれぞれ自治体なりあるいはそれぞれの業界団体の方へ通知は出されております。
○中沢委員 いずれにしても、この種の問題でいいますと、くどいようでありますが、やはり地方自治の自主性、しかも地方の議会における自律性というのは自治省としても十分尊重すべきだ、このことだけはひとつ申し上げておきたいと思います。 関連をしてあと一つ、二つお尋ねをしたいと思います。 消費税の転嫁問題では、全国紙あるいは私の出身の北海道でいうと北海道新聞に連日のようにいろいろ出ておりまして、三月十七日の北海道新聞の記事によりますと、これは十七日の閣議の模様についてかなり克明に報道があるわけであります。その中で通産大臣の発言として、地方が転嫁を見送る、国の方針に反する、結論的に、地方の財政が非常に裕福だからそういうことをやったのではないか、したがって特別交付税その他でいろいろやるべきだという発言があったというふうに報道をされております一いま一つは十九日の朝日新聞、これは囲み記事で、自治大臣自身のいろいろな閣議あるいはその後の事務方に対する指示あるいはその後の談話、一連の記事が出されているわけであります。 これは新聞報道を見る限りということが私の前提でありますけれども、十七日の閣議でこういう議論が事実問題として存在をしていたのかどうか、これが一つ。それから、自治大臣自身が朝日新聞で報道されているような具体的ないろいろな指示あるいは談話というのをそういう内容で正確にされていたのかどうか。この二つにつきましてそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○坂野国務大臣 閣議で発言があったことは事実でございますが、その発言はこういう発言でございます。地方交付税をどうとかすべきだという発言じゃなくて、今の状況を見ると各地方団体非常に厳しい状況にあって、一部でなかなか転嫁が実現できないところもあるじゃないか、そういう状態ならば、地方の財源が余裕があるからということでもって、余裕があるのならば三二%の交付税についてもこれを見直すべきじゃないかという議論が出るおそれがある、これは我々としては心しなければならぬ問題だということをおっしゃったのは事実でございます。それに対して私は、いや交付税というものは別の観点で、大変重要な問題でもあるし、全部が全部交付されているわけじゃない、不交付団体も多数あるんだ、そういうことを考えてみると交付税の率三二%を見直すというようなことについては納得できないということをすぐに私も発言したわけでございます。 そういうことと、私の耳に入ってきますのは、地方に権限移譲、権限移譲と言っておるけれども、こういった消費税等を例としても、なかなか中央の考え方が地方、地方で受け入れられないというようなことが再々あるということになると、今は地方分権、分権と言っているけれども、この辺についても考え直すべきじゃないかという議論を言う人が現実にあります。それは与党の中でもあります。そういうことを踏まえて、だから私は、そういうことになったら困る問題で、自治省としては、そうじゃなくてむしろ権限移譲してできるだけ地方に任すべき、地方を守っていく立場でございますから、そういうことじゃ困るんだということを消費税の問題に関連して発言したことは事実でございます。
○中沢委員 新聞報道の正確さは別にいたしまして、ほぼ同じような意見があった、こういうお答えでございます。それぞれ見識を持っていらっしゃる大臣が集まって閣議をされる。いろいろな発言をされることは自由だと思いますけれども、大変な影響力を持ちますので、しかも自治大臣というのはやはり地方自治の方に目を向けて、ある意味で地方自治をかばうといいましょうか、そういう立場の大臣だと私は思うのです。ですから、これからまたいろいろな議論があると思いますが、ひとつ閣議の中でもそういう立場をしっかり踏まえていただいて、ぜひまた頑張っていただきたいと思うのです。 そこで、この問題についての最後になりますけれども、先ほどもお答えがありました今度の転嫁問題で、つまり国の方針に沿わない形で四月の議会をずっとクリアをする、そうすると特別交付税あるいは起債、自治省に関係するいろいろな権限の中で、つまりそういう都道府県や市町村に対して、いじめられはしないか、僕も随分地方の市長さん方と会う機会が多いのでありますけれども、結局そういう思いも一方では持っているわけですね。事実、交付税をペナルティーということで減額したケースが過去に幾つかある。今でも続いている。そういうことから考えますと、先ほどお答えがありましたけれども、この種の問題について言うと、もっと歯切れよく、交付税について制裁措置は断じてとりません、あるいは起債その他についても特別差別扱いはしません、これをひとつ明確にお答えしてほしいと思うのでありますが、これは局長で結構です。
○津田政府委員 現在私どもは、この四月一日から消費税が課税される、こういうような現実的な事態というものに対応しまして、地方団体が自律的に十分御判断をいただきまして対応していただきたい、このような立場で指導してまいっておる、またまいる方針でございます。制裁等につきましては現段階において考えておるわけではございません。ただし、制度的にはそういうものもある。しかし、そういうものはやはり憲法の地方自治の趣旨とかいうような観点で運用は慎重でなければならない、このように考えております。ですから、後段はこれはあくまで制度の解説ということでございまして、現在の方針というものをお話ししたわけではございません。
○中沢委員 先ほどの答弁と同じような答弁でありますが、後段の方は説明だということでありますから、私は説明だというふうに受けとめて、自治省の大方針としてはこの件について各自治体にそういう意味での制裁を加える意図が全くない、このように受けとめておきたいと思います。 さて、具体的な問題につきましてこれから幾つかお尋ねをしたいと思いますが、まず地方税制のあり方につきまして幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。 端的にお尋ねをいたしますけれども、かねて私もこの委員会で、国と地方の財源配分の問題、同時に地方間の財源の大変な格差の問題について指摘をしてまいりました。そのことを一つのベースにいたしまして端的にお尋ねをしたいのは、地方間の財源のアンバランスが今日どういう状況になっているのか。特にお答えをいただきたいのは、全国平均の数字と、一極集中の典型と言われております東京と私の出身の北海道、大臣の出身の鳥取、この四つについてお答えをいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 都道府県におきましていろいろと税源が偏在をしているという事実があるわけでございますけれども、これが一番端的に出るのはやはり事業税の関係ではないかと思います。 この事業税につきまして、府県税に占める事業税の割合をただいま御指摘の府県につきまして眺めてみますと、東京都におきましては昭和六十二年度では府県税収入に占める事業税の割合が五二・三%、北海道が二九・〇%、鳥取県は三〇・四%、全国平均で三九・四%、こういうような計数が出ております。こういうことが最終的に各府県の税源の偏在という問題に大きく影響しているのじゃないかなというふうに考えるところでございます。
○中沢委員 私の質問した中身と違うお答えがあったのですが、それはそれでこの後の質問にも使いたいと思います。 全体の地方の収入のうちの地方税の占める割合ということでいいますと、こういう数字が明らかになっております。全国が三八%、東京都が七五、北海道が二一、鳥取が一四。つまり、全体的に税構造からいいまして一極集中、あるいは過疎が地方税の占める割合が非常に少ない、端的に出ていると思うのです。 もう一つお尋ねをしたいのは、そのデータの中で地方税が収入の五%以下、これは市はないようでありますが、そういう町村の数は幾らありますか。
○湯浅政府委員 昭和六十二年度の地方歳入に占める税収でございますが、市町村で五%未満しかない団体が、全体の市町村の数が東京都の特別区を入れた数字で三千二百六十八団体でございますが、そのうち六十三団体が五%未満でございます。
○中沢委員 これは後ほどの議論に結びつけていきたいと思いますが、ここで指摘をしておきたいのは、いずれにしても国と地方の財源配分ということにも問題があるけれども、地方間では大変な格差が生じている、これはやはり非常に大きな問題だ。もう一つは、六十三の町村がいわゆる地方税収入が全体の五%未満である、財政論を別にやるつもりはありませんけれども、これは地方自治体の存立そのものが問われているのではないか。やはりもっと税制改正のメスをこういう部分に入れて、私の結論として申し上げておきたいのは、地方税の相当徹底的な議論をやって、今国の税になっているものを地方税に持ってくるだとか、新税を検討する際に地方税にもっと手厚くするだとか、そうしなければ、五%のような町村が六十三もあるなどというのは極めて異常な状態だ、そこのところを脱却するためにも、これからの議論というのはそういう視点に立ってやるべきだと私は思うのです。これは後ほどまた具体的に申し上げたいと思います。 そこで、いま一つお尋ねをしたいのは、国税でも不公平税制がずっと残っている、別な意味でいうと地方税にも不公平税制が存在をしている、しばしば指摘をされております。きょう取り上げたいのは、その中で非課税措置の見直しを今度の税法の中でやっております。ただ、これは財政的な効果からいうと余り大きな効果はないと思いますが、見直しをやったということについては私としては一定程度評価をしたいと思うのでありますが、問題を項目について言いますと、六十二年度で百八十項目が六十三年度は二百項目になった、新年度で若干の手直しをするのでありますが、例えば非課税措置について期限が全く明示をされていないようなものもあるわけですね。これはやはり非常に問題があるのではないか。ですから、年度年度でこの問題について検討するのではなくて、もっと中長期にわたって改めて抜本的な見直しをすべきではないかと私は考えるのですが、この辺はいかがでしょうか。
○湯浅政府委員 地方税におきます非課税等特別措置につきましては、税というのはもともと公平な負担ということで成り立っているものでございますから、この公平の原則を覆すあるいは犠牲にしてまで政策目的を実現する必要性があるものに限るべきであるという基本的な考え方で運用はされているわけでございます。しかし、実際問題といたしまして、中小企業対策でございますとか住民福祉の問題あるいは住宅取得対策だとか地域政策といういろいろな政策目的におきまして、負担の公平を犠牲にしてまでいろいろな特別措置を講ずる必要性があるという考え方で今まできているわけでございます。 そして、今御指摘のように、この政策目的に基づいてできました特別措置というものは未来永劫続くというようなものにすべきではなくて、そのときどきの政策にマッチするようなものでやっていかなければいけないはずでございます。そういう意味でできるだけ期限をつけて、毎年度期限の到来したものにつきましてはよく吟味をいたしまして、存続あるいは縮減合理化というようなことを検討していかなければならない、こういう立場で私どもはいるわけでございます。 仰せのとおり、中には恒久的なものもございます。こういうものにつきましては、今回の場合もそうでございますが極力期限を付して、その間で今後の取り扱いを決めていくというようなこともやってまいりたいと思いますし、既に目的を果たしたものにつきましては廃止していくということもやっていかなければならないと思いますが、やはり税に期待するいろいろな政策効果もたくさんございます。こういうものも全く無視をして税制だけで運用するということもなかなか難しゅうございますので、この辺の兼ね合いを十分考えながらこの問題については検討してまいらなければならないと考えております。
○中沢委員 今お答えがあったのですけれども、無期限ということについて言うと大変基本的な矛盾だと思いますね。あるいはそういう意味でのお答えもありました。ですから、最低でもその辺のところはきちっと見直しをして、この次の税制改正の中ではそういう問題も含めてぜひまた提案ができますように準備を急いでもらいたいと思います。 さて、次の問題に移りますが、今後の地方間接税のあり方ということと関連をいたしまして、一つには消費税導入に伴って電気税が廃止になった、これを取り上げて少しくお尋ねを申し上げたいと思います。 まず一番最初に、地方の間接税としてはかなりの財源でありました電気税、六十二年度の決算見込みでいうと何千億円ぐらいあったのかというのが一つ。それから、電気税の場合は月額三千六百円以下免税点、つまりこれは低所得者対策を制度として持っておりました。したがって、免税点の政策的な効果が金額にしてどの程度あって、世帯数にしてどの程度あったのか、まずこの三つを簡単にお答えいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 昭和六十二年度の電気税の決算見込み額は約四千八百億円でございます。仰せのようにこの電気税につきましては、一月三千六百円以下のものにつきましては免税点が適用されますので課税されないということで、この免税点が 適用される世帯数、これは契約口数で、定額電灯、従量電灯契約分だけでしか数字がございませんけれども千九百九十四万口、これによる減収額は推計で約二百二十七億円ということになっております。
○中沢委員 本来であれば大蔵省を呼んでこういう問題についてもいろいろ議論をしたいのでありますが、きょうは呼んでおりませんから、あえて自治省側について、自治省側の見解ということを含めてお尋ねをしておきたいと思います。 今ありましたように電気税というのは地方の間接税としては非常に貴重なものであった、この事実はもうだれも否定ができないと思います。いま一つは、免税点の政策的な効果を含めて所得の低い世帯に対するある意味での思いやり的な効果があった、これも否定ができないと思うのですが、今度消費税が導入されますと、結果的に、税率は三%、全体としては安くなりましたけれども、免税点などという制度は一切なくなったのでありまして、僕らはよく言うのでありますが、今度の消費税導入は、金持ち優遇、弱い者いじめの一つの典型としてこの電気税の廃止、消費税導入があるのではないか。かつてこの税金について自治省が所管をしていたわけでありますが、今度は消費税でありますから大蔵省に行きましたけれども、自治省としてどういう見解あるいは感想をお持ちか。いかがですか。
○湯浅政府委員 今回の税制改革は、所得、消費、資産にバランスのとれた税制を構築するというごとででき上がった税制改革というふうに理解をしているわけでございます。そういう意味で、所得課税については大幅な減税を行うと同時に、消費課税につきましても、従来個別の消費税、個別の間接税というものにいろいろな限界、問題点があったものについて、これを是正するという意味で消費に広く薄く課税をする消費税というものが導入されたというふうに理解をするわけでございます。 その税制改革の前におきましての電気税というものを考えますと、この電気税というのは、私どもの理解は所得課税を補完するという一面を持つ税だということで、小規模の利用者の税負担に配慮いたしまして免税点制度というものを持っていたわけでございますけれども、今回の税制改革におきまして、このような広く薄く消費一般に課税をするということを税制改革の一つの柱とした。しかし、これは消費課税と同時にもう一つの柱でございます所得課税につきまして大幅な減税措置を講ずる、あるいはその他の歳出面におきましていろいろな配慮をしていくということで、全体の整合性をとりながら税制改革が行われたというふうに理解をするわけでございます。 そういう中で、消費税が導入されたことによって地方の貴重な税源でございました電気税、ガス税、木材引取税というものが廃止され、あるいは料理飲食等消費税なり娯楽施設利用税というものが大幅な改正を加えられたという点につきましては、先ほど来もお話がございましたとおり、質的な面で地方の自主財源が縮小されたという点につきましては私どもはまことに残念だということでございますが、国民全体の立場で税負担というものを考えた場合に、どういうふうに公平に税を負担していただくかという立場で今回の税制改革というものが行われたとすれば、この点について、地方税についてこういう改革が加えられたものもある意味ではやむを得ないのかなという感じもするわけでございます。 そういうことで、電気税と消費税という両方を対比した形でこの問題を議論するといろいろな問題が出るかと思いますけれども、やはり全体の税制改革の中のそれぞれの取り扱いだという形で、全体の中での物の見方と申しますか、そういう形で見ていただくことによりまして今回の電気税等の廃止も御理解をいただけるのではないかというふうに考えるところでございます。
○中沢委員 今のお答えは一般論でありまして、私から言わせれば、やはり三千六百円の免税点がなくなった、しかも口数でいうと一千九百九十四万口の大変な当事者が直接的な被害を受けるということはもう間違いがないと思うのですよ、今度の税制改革によって。であれば、自治省というのは地方税のいわゆる税金のプロですね。大蔵省は国税の税金のプロだというふうに私は思うのですよ。そうすると、地方税としてそういう低所得者に対する一定の配慮のあった電気税が、今度は消費税導入によってそれが全然されない。自治省の税金のプロとして、あるいは一人の人間として、そういう人たちに対してお気の毒だな、これからの税制改革、私ども消費税は容認していませんよ、これから先の税制改革でその辺は問題として取り上げて、直接自治省はもうできないと思いますから、問題意識を持って取り上げて大蔵省にいろいろ提言をする、そのぐらいの積極姿勢があってしかるべきだと思うのですけれども、いかがでしょう。
○湯浅政府委員 ただいま申しましたとおり、今回の税制改革に基づいてできました消費税というのは、全体の所得課税なり法人課税なりあるいは個別間接税というもの、それぞれのバランスのとれた税制というものをつくるということを前提にしてでき上がったものでございます。したがいまして、個々の税制というものを考えた場合に、今まであった税制というものが百八十度変わるという部分があるわけでございますから、そこにどうしても摩擦と申しますか、今もお取り上げのような免税点というものが従来あったものが、今回はそういうものが廃止されるというようないろいろな問題点が出てくると思うのでございますが、これは全体の税制改革の中で吸収をして、そして整合性のとれた税制に持っていくというための一つの過程の問題になるわけでございまして、そういう犠牲の、免税点の適用のあった方々に対して全体としてどういう形で救済できるかということで今回の税制改革は行われたというふうに理解をいたします。 そういう意味で、地方税にとりましても貴重な間接税というものが幾つかなくなったというようなことについては、地方だけの立場からすれば確かにこれは問題でございますが、税を負担される国民の皆さんは国税とか地方税とかというものに一応関係なしに負担をするという立場が一つあるわけでございますから、そういう中で国民がどういうふうに税を負担したら公平かということから最終的に導き出された結論だというふうに理解をいたしまして、こういう摩擦と申しますか、制度改革に伴う今後のいろいろな問題点につきましては、私どもも国税当局に対して申し上げることは申し上げていきたいというふうに考えております。
○中沢委員 今のお答えでいいますと、私自身は全く納得ができません。消費税の議論を改めてやるつもりはありませんが、少なくともこれは、ガス税にも同じような免税点の問題なんか存在したわけでありまして、やはり当事者にとってみれば二重三重の打撃を受けるわけですよ。そういう問題意識を自治省としては本当にしっかり持っているのかいないのか。問題意識を持っていれば、今度の税制改革でやれとは僕は言っていないわけです。これから先の税制改革議論にそういう問題意識を持って何とかしなければならぬ。したがって、大蔵省といろいろ話をするときにそれを持ち出す意思があるのかないのか、こうやって聞いているわけですよ。意思があるようでないようで、さっぱりわけのわからぬお答えでありまして、納得ができません。 さて、問題を先に進めたいと思いますが、個人住民税について改めてお伺いをしたいと思います。 今度、内容はいろいろありますが、非課税限度額、三十一万から三十二万に引き上げた。引き上げたいろいろな理由は改めて聞かなくてもいいのでありますが、私がお尋ねをしたいのは、今度の消費税の導入によりまして小売物価にどの程度はね返ってくるか。経済企画庁の公表されたパーセンテージは一・二%、それから極めて権威のある民間団体がいろいろその数字を発表しております けれども、大体二%に近い数字になっているわけですね。今電気税についていろいろ低所得者に関連する私なりの意見を申し上げましたけれども、今度のこの個人住民税の非課税限度額、わずか一万円しか上げない。これは全体的な効果からいうと平年度の減税額が六億でありますから、国民一人当たり五円ちょっと、スズメの涙なんという代物でもないと思うのですよ。 少なくともこの個人住民税をどうするかというのは、自治省の権限で企画をしてまとめ上げて国会に出せる権限を持っているわけでありますから、私流に言わせれば、やはりこの際非課税限度額は、いろいろ技術的な問題はあったにしても、そういう消費税導入という問題、今まで持っておりました地方の間接税の低所得者対策ということ等について十二分に配慮をすれば、一万円程度の引き上げという原案にはならぬと僕は思うのです。どういう議論をしてこういう原案になったのか、今私が指摘をしたようなことも含めて真剣に議論をされたのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 個人住民税につきましては、さきの税制改革におきまして平年度ベースで九千四百億円の減税を行いました。またさらに、六十二年の九月の税制改正でも平年度六千六百億円の減税を行うということで、課税最低限の引き上げあるいは税率構造の改正という点ではかなり負担の軽減が行われたというふうに私どもは理解をしているわけでございます。 そういう中で、平成元年度の税制改革としてそのほかに特に見直しておかなければならない点は何かという観点から、今度の非課税限度額の問題を検討したところでございます。この非課税限度額の水準の決め方というのは、従来から国民生活水準等との関連で、均等割の場合には例えば前年の生活扶助額、所得割につきましては前年の生活保護基準額というものを一つの基準にいたしまして、夫婦子供二人の標準世帯でそれぞれの額を下回らないような額で設定をしていくということに私どもとしては考えておりますので、この点について、この基準をまずクリアをしておかなければいけないのではないかということで今回は改正案をお願いをしているところでございます。 今仰せのように、消費税等の導入によりまして諸物価が上がるという点につきましては、恐らくこれは生活保護基準なり生活扶助額そのものが平成元年度については基準が上がると思います。この点についてはまだ私どもはどのくらい上がるかという点がわかりませんので、とりあえず前年の生活保護基準額というものを基準にいたしまして平成元年度の非課税限度額を決めさせていただいたところでございます。 今後の点につきましては、消費税の導入による生活保護水準の動向というものを配慮しながら、今後とも必要に応じて適切に対処していくべき問題ではないかというふうに考えております。
○中沢委員 普通の年であればそういうお答えで私自身もそうでしょうかということになると思うのですが、やはり消費税が四月一日導入という非常に大変動があるわけですよ。その要素が今度の個人住民税の非課税限度額引き上げの中に全く入っていない。非常に不満であります。そのことだけは指摘をしておきたいと思います。 それから関連をしまして寄附金控除、共同募金十万円以上というのが創設をされる。僕自身はこのこと自体特別異議ありということではありませんけれども、しかし市町村民税の性格から考えまして、こういう寄附金控除、共同募金に限ってということがどうもおかしいんじゃないかなと思うのですけれども、どうなんでしょう。 〔平林委員長代理退席、委員長着席〕
○湯浅政府委員 寄附金控除につきましては、従来は所得税だけで認められておりまして、住民税にはこの制度はなかったわけでございます。その一番大きな理由は、寄附をされる方とそれからその寄附をされた団体の受益関係と申しますかそういうものが、国の場合には一つでございますからはっきりするわけでございますが、この点がはっきりしない、あるいは寄附金控除をする団体と寄附をした方との関係で受益関係がないというようなことがございまして寄附金控除という制度を住民税では導入してなかったわけでございます。 ただ実際問題といたしまして、今回のような共同募金会というようなものを考えますと、これはそれぞれの府県に設立されているものでございますし、共同募金ですから当然寄附というものを前提にして運営をされているという点から考えますと、寄附金控除で住民税を軽減する団体との間でやはり受益関係があるのではないかということを考慮いたしまして、今回共同募金会についてのみこういう寄附金控除の制度を設けたところでございます。そういう意味で、従来から申しております寄附金控除の考え方というものを基本的に変えたということではなく、やはり受益関係が比較的はっきりしているという点で今回の所得控除を特別な措置として考えたということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○中沢委員 時間が余りありませんので、この問題はその程度にしたいと思います。 次に、事業税につきまして幾つかお尋ねをしたいと思います。 先ほど事業税のそれぞれ四地点の数字についてはお答えがございました。改めて聞きたいのは、法人数と赤字法人の現状が一体今日どうなっているか端的にお答えをいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 昭和六十二年度の計数で全法人が百七十九万九千でございますが、それに対して赤字法人が八十九万九千という数字でございます。
○中沢委員 先ほど全国、東京、北海道、鳥取と事業税の割合のお答えがありまして、今法人関係では全国の数字がありました。さっと見ていきますと、例えば五十五年度と六十二年度を比べますと法人数にしても赤字法人数にしても全体的にふえている、傾向としては赤字法人数が少しふえてきている、こういうふうに私は押さえているわけです。 そこでお尋ねをいたしますが、今度の法改正で分割基準、これは四十五年の改正以降ずっと手がつかない、私も昨年の質問の中でも問題を提起いたしまして、当時は梶山自治大臣でありましたが、自治大臣の在任中にこの問題については結論を出して来年の税法で提案をしてもらいたいと。形はそういう提案になったと思うのであります。 ただ問題は、分割基準の今度の提案からいうと、つまりは一極集中をもっと地方に分散しようということが一つのねらいだと思うのでありますが、今度の法改正によって東京がどの程度事業税が減るのか、あるいは北海道がどの程度ふえるのか減るのか、あるいは鳥取あたりがどうなるのか、この辺はそれなりの推測というか推計をされていると思うのでありますが、その数字はどうでしょうか。
○湯浅政府委員 法人事業税の分割基準は、基本的には事業税の性格、地方の行政サービスと企業活動との受益関係を的確に反映させるには二つ以上の都道府県にまたがる企業がどういう形で税をそれぞれの府県に納めてもらうのが一番いいのかという考え方で決められるものでございますから、今問題になっております東京一極集中の地方税の税収をこの分割基準で変えていくというような、こういう発想では私どもはないわけでございます。やはり税制として考える場合には、今申しましたように、二つ以上の都道府県にまたがる企業というものの事業税の税源をいかに適正に帰属させるか、この観点から議論をしたところでございます。 そういうことから見まして、最近におきます製造業については、工場部門において非常にFA化というようなものが進展してきて工場従業者数というものが減っている、減っているにもかかわらずそこでは従来以上に生産活動が行われている、やはりここは税源の帰属が適正に行われていなかったのではないかという反省から今回の改正案をお願いしているところでございます。 そういう趣旨で、基本的には税源帰属の適正化 のための改正でございますが、結果的に、この改正を行うことによりまして今御指摘のように東京都の事業税につきましては減少する、それから、その他の府県におきましてはおおむね増額になるのではないかというような感じでございますが、何せ相当数の多い企業のものでございますから、これをきちっと計算をして、どこが幾ら、どこが幾らというような形ではなかなか難しいと思います。 大体傾向的に申し上げますと、東京都と大阪府、この二つは相当減ります。それから、これは最終的にやった場合どうなるかわかりませんが、北海道と宮城県におきまして多少減るのではないか。そのほかの府県は大体ふえるというふうに傾向的には見ております。
○中沢委員 どうしても北海道出身というのは北海道のことをいろいろ考えますので、政治的な効果からというふうに僕は言ってもいいと思いますが、やはり一極集中を税源的にも是正をする。北海道が何で減るのかな、やはりこれは北海道に企業の張りつきが非常に少ないのかという感じを率直に持っています。またいろいろな角度で別な機会にも取り上げたいと思います。 次に、軽油引取税で具体的にお尋ねをいたしますが、今度の法改正、内容的にはもう承知をしております。俗に言う脱税行為がかなり防止ができる、小売の段階で税金を取る、これは結構だと思うのです。 今度は愛知県の例を参考にして質問をしてみたいと思いますが、愛知県の新年度の予算編成では、今度の法改正によりまして軽油引取税でいうと実に平年度百二十九億円の県税が減収になる。全国的にはそれがプラスになったりマイナスになったりしてトータルではとんとんということだと思うのでありますが、やはり県の自主財源として愛知で百二十九億減るというのは大変だと思うのです。これは、恐らく地方交付税のいろいろな制度の中でいろいろな手当てはされると思いますけれども、極論を言えば、財政が豊かであれば交付税は配分にならぬ。そうなってくると、自主財源も なくなるわ、結果的に交付税でも補てんもされいわ、こういうケースが幾つか出てるのではないかというふうに思うのです。これは、自治省としてもいろいろそういうことも検討の上で提案されたと思うのでありますが、今私の言うようなそういうケースが財政力の豊かなところで出てくるのではないかと思うのですが、どうでしょう。
○湯浅政府委員 今回の軽油引取税の改正につきましては、御指摘のように一つは脱税防止という観点から制度改正を行いたいということと、もう一つは、軽油引取税というのは道路目的財源であるということから、消費地にできるだけ的確に税源が行くようにすべきではないかという考え方で今回の改正案を検討したわけでございます。 税源を的確に帰属させるという点につきましては、現在の軽油引取税は特約業者の営業所の所在地ということでございましたので、必ずしも実際の消費地とは結びついてなかったという点があったこ思います。一部には、これは実際にそうかどうかわかりませんけれども、特約業者をお互いに誘致し合って、そしてそれを誘致することによって軽油引取税の税収をふやしていこう、こういうような考え方もあったというふうに言われているわけでございまして、こういうことはなるべくなくしていこう、そして実際の消費された府県にこの軽油引取税が帰属されるということが適切なのではないかということで今回の改正案の一つができ上がっているわけでございます。 そういう点から見まして、仰せのように愛知県の場合には大きな特約業者がございましたから、そこからの税収が相当あったことは事実でございましょう。それが実際にその県内で消費されたというよりも、そこを通して全国に流通していたということを考えますと、むしろ今回の改正で実際の消費地に税源が行くような形に改正する方がいいということに私ども結論はなったわけでございます。その結果かなりの減収が出るということについて、例えば愛知県の場合には交付税の不交付団体でございますから交付税でこれを措置するということは不可能でございましょうが、かなりの財政力のある団体でもございますので、今後の財政運営にこの点がどのように支障を生ずるかということを県の御当局からもよく聞きながら対応してまいらなければいけないと思いますけれども、基本的には、軽油の消費に対応した税収が各府県に帰属するという点では今回の改正案は各府県で理解をしていただけるものというふうに考えているところでございます。
○中沢委員 今お答えありましたけれども、自主財源が巨額にわたって減収になる、そうかといって不交付団体へ交付税を出すわけにいかない、これはやはり今の制度からいったらやむを得ないのでしょうけれども、当該の府県でいうとやはり頭の痛い問題だと思いますよ。 それで、どうしたらいいかということは僕自身特別に今整理したものを持っておりませんけれども、ひとつ自治省側としても、具体的な問題がある、これはやはり何らかの措置が必要でないかということについて私なりに指摘をしておきたいと思います。 次に、固定資産税の関係につきましてお尋ねをしたいと思います。 これは昨年評価がえをやりました。三年後また新しい評価がえをやる。問題は、ことしの七月一日で評価がえの基準日を設定をして、さかのぼって三年間の地価の動向によって三年後の評価がえをやる、こういう仕組みなわけです。国土庁の資料を自治省を経由していただきましたけれども、例えば全国でいうと六十一年、六十二年、六十三年トータルで三四・五%公示価格が値上がりをした。東京はこの三年間で一六九・二%、これは議論の余地がない事実だと思います。そうしますど、三年後の評価がえというのは、大都市部では大変な負担増になってくるのではないでしょうか。そのことを前提にまずお尋ねをしたいのは、東京の場合は昨年評価がえの際に、都市計画税につきましては小規模宅地二分の一特例を都条例で可決をして、できるだけ都民が急速に固定資産税あるいは都市計画税の負担増にならない、こういう配慮をしたというふうに聞いておりますが、これは事実かどうか、あるいは自治省としてそういう東京都のやりました減免措置についてどういう見解をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 まず、地価公示の動向の問題でございますけれども、これは全国平均でお話がございましたが、仰せのとおりの率になっております。ただ、今回の地価の動向というものが、前回の評価がえのときには大体同じような傾向が全府県で出ていたわけでございますけれども、今私どもが入手しております地価公示の変動状況というものが府県によって非常にばらつきが出てきている、府県によりましてはむしろマイナスになっているというところがあるという反面、今御指摘のような東京については非常に大きなアップ率になっている、こういうことでございます。 この状態をどういうふうに固定資産税の場合に理解をしていったらいいのだろうかという問題が、実は私どもも正直言って頭の痛い問題でございます。実勢価格というものを一つの基準として地価公示というものがあるとするならば、土地の需給関係の非常に逼迫している地域は地価が上がる、そうでないところはそれほどでないというふうに考えた場合に、土地の需給関係の逼迫しているというものをどの程度まで正常なものとして考えるか、これによって固定資産税の評価額というのは違ってくるのではないかと思うわけでございます。この点につきましては、これからの大きな問題として十分検討していかなきゃならない問題だというふうに理解しております。 それから、東京都の特別区におきまして、昨年の評価がえにおきまして都市計画税につきまして御指摘のような措置を講じたことは事実でございます。それで、この点につきましては、東京都の説明では、これはやはり不均一課税の一形態として理解しているということでございますが、私どもは不均一課税というものは特定の公益上の目的に 基づいて行うということが前提になっているというふうに考えますと、今回の都市計画税の場合には全体の問題としてこういう措置を講じたということで、また都市計画税というものの性格が目的税でございまして、それぞれの地域の土地、家屋に一律に税負担を求めるという考え方からいきますと、こういう不均一な課税というものはやはり適当ではないのではないかというふうに私どもは理解をいたしているわけでございます。
○中沢委員 いずれにしても、三年後の評価がえのときというのは、本当に今の公示価格がもろにはね返ってくると地域的に大変な問題が出てくる。これは専門家の皆さんですからもう十二分に承知をされていると思うのですよ。ですから、直ちに手をつけるかどうかは別にしまして、やはり今のうちから自治省内部でこの問題について、固定資産税の評価がえに当たってという研究会でもつくって全国的な正確な情報、あるいは余り格差が出ないようにするにはどうしたらいいか、そういう具体的な手法についても検討すべきだと思うのですよ。ぜひそのことは一つ希望として申し上げておきたいと思います。 時間がだんだんなくなってきましたので問題を先に移しますが、次に国保税につきましてお尋ねをしたい思います。 今度の法改正では、限度額を二万円引き上げる、こういう内容でありますが、そのよしあしは別にいたしまして、まず第一にお伺いをしたいのは、現状の国保の会計の内容あるいは国保税の内容がどうなっているか、できれば全国と北海道くらい抽出をしてその現状についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
○大塚説明員 国民健康保険のまず国保税の状況でございますけれども、全国的な平均を一人当たりでお示しをいたしますと、昭和六十二年度の数字でございますが、五万三千百十八円という数字になっております。地域的な状況で北海道の例で申しますと、北海道全体で申しますと、同じ時点での数字が五万九千二百十円でございます。 それから、国保会計の全体の状況のあらましてございますけれども、これも六十二年度の決算で申しますと、三千三百程度の市町村の合計ということになりますが、実質収支の過不足がプラスの千二百十億という数字でございます。ちなみに、いわゆる赤字、黒字というふうに分けて見ますと、全国的に見ますと、赤字保険者が二百余り、その余は六十二年度では一応黒字の収支、こういう状況でございます。
○中沢委員 今のお答えを前提としてあと一つ二つお尋ねをしたいと思いますが、一般会計からの繰り入れの問題でいうと、これはこの委員会でもしばしば議論になっております。私がいただいた資料によりますと、時間がありませんから逆に申し上げますが、六十二年度の一般会計からの繰り入れ、全国で二千三百三十九億、北海道で百三十六億、政令札幌市が七十億、出身の我が夕張市が二千万。それで、これは六十二年度なのでありますが、実は新年度の予算についていろいろ資料を集めていた最中ですが、例えば夕張の場合は、今申し上げましたように、六十二年度で二千万の繰り入れで済んでおりましたけれども、新年度は五千六百万の繰り入れの予算を組んでおります。 そこで、厚生省にお尋ねをしたいのは、まだ新しい全国的な数字はなかなか集めていないと思いますけれども、新年度の一般会計からの繰り入れというのは全国的に六十二年に比べて相当大幅にふえるのじゃないかと思いますが、そういう傾向についてはいかがでしょうか。
○大塚説明員 六十二年度の市町村の一般会計からの繰り入れが六十一年度に比べまして若干ふえております。これが六十三年度ないし元年度どういう形になってまいりますかといいますと、私どもまだ集計をいたしておりません。ただ、全般的に申し上げられますことは、三千余の保険者でそれぞれの国民健康保険の運営状況に相当の差がございます。したがいまして、それぞれの事情に応じましてということでございまして、トータルとしての状況は遺憾ながら現時点では承知をいたしておりません。
○中沢委員 最近の正確な数字についてはまだ把握をされていない、こういうお答えでありますから、それはやむを得ないと思いますが、先ほど申し上げましたように、私の出身の夕張だけの傾向ではないのではないか。それだけやはり国保の会計というのが体質的に、低所得者でありますから、なかなか思うように収入が入ってこない。構造的に老人が多いわけですから医療費がどんどんかかる。ですから、ほかのこの種の団体と違いまして、体質的なハンディも極端に二つも持っているわけですから、それはいろいろ国が手当てをしても自治体が手当てをしても、結果的には国保会計は実態としてはどんどん赤字がふえて繰り入れをしていかなければならないということになってくると思うのです。 そこで、関連してお尋ねをしたいのは、今、社会保障制度審議会でいろいろ議論をされておりますけれども、医療制度の抜本改革、それから国保制度の見直し、いろいろ議論をされていると思うのです。聞くところによりますと、八九年、ことしの秋答申をめどにして作業を進めているということでありますが、そういうスケジュール的なめどについてはそういうことで進んでいるのか、あるいは内容として、全体的なことはともかくとして、国保に関係して今どういう議論をされているのか、御紹介いただきたいと思うのです。
○大塚説明員 国民健康保険の運営を安定化させるという観点から、御承知のようにこれまでもさまざまな改革が行われてきたわけでございますが、昭和六十三年度におきましても、国保法の改正によりまして、国と地方が協力し合って国保の安定のために所定の措置を講ずるという改革が行われたわけでございます。ただ、昭和六十三年度の法改正はかなりの部分が二年間の暫定的な措置という取り扱いになっておりますので、そういった事情もございますし、国民健康保険を今後長期的に安定をさせていくためにはどのような方策を講ずべきかという観点から、現在御指摘の社会保障制度審議会におきまして御検討をいただいておるわけでございます。 現状は、これまで国民健康保険に関する審議を五回ほど行っていただきました。私どもといたしましては、二年間の暫定措置という状況もございますので、本年の秋ごろを目途に社会保障制度審議会の御意見をお取りまとめいただければありがたいということをお願いをいたしておりまして、社会保障制度審議会の方でも私どもからの依頼を受けとめていただいておると思っております。 現在、社会保障制度審議会の審議状況は、主として国民健康保険の実情を正確に把握をするという観点から、所定の資料を御提出して御認識をいただいておる段階でございまして、今後、国民健康保険制度の今後の方向につきまして議論が行われていくものと考えております。
○中沢委員 きょうのところはそういうお答えしかないとは思いますが、いずれにしても、また機会をとらえまして、これは自治体にも非常に重要な問題でもありますので、やらせていただきたいと思います。 さて、あと二つ残っておりますが、臨時行政改革推進審議会、つまり行革審の内容につきまして、先ほどもありましたけれども具体的にお尋ねをしたいと思います。 私自身は地方制度調査会の委員に任命されておりまして、既に二回の総会にも出席をして総理大臣あるいは自治大臣のあいさつも聞いております。 さて、三月十六日の読売新聞あるいは東京新聞に、俗に言うべた記事でありまして余り大きな扱いではありませんが、行革審の国と地方の関係等に関する小委員会のアンケート問題が記事になっておりました。この事務局は総務庁だということは十二分に承知をしております。総務庁は呼んでおりませんので、あえて自治省にお尋ねをしたいのは、この小委員会にいわゆる自治省のOBの花岡さんが参加をされているわけです。ですから、現役ではありませんが花岡さんを通じましてさま ざまな意見等についてあるいはいろいろな対策を、そういうルートを通じて自治省としても恐らくやっていらっしゃると思うのであります。 一つお尋ねをしたいのは、この三月十五日の小委員会のアンケート調査の結果について、新聞報道によりますと二千七百七十の意見が集約されている。資料そのものでいえば大変膨大な資料だと思いますけれども、自治省側として当然入手をされていると思います。時期は別にして、私どももぜひ欲しいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○木村政府委員 お答えいたします。 三月十五日のアンケート調査の報告につきましては、私どもも委員が入手されましたものを拝見はいたしておりますが、御承知のように小委員会の活動は非公開とされておりますので、私どもからそういった資料を御提出することは差し控えさせていただきたいと思います。
○中沢委員 恐らくそういうお答えだとは思いました。そこで、この小委員会には俗に言うところの労働組合側の関係者も出席をしております。メンバーは御承知だと思います。私どももいろいろな連携はとっております。 一つお尋ねをしておきたいのは、アンケートの中身がどうであるかは別にいたしまして、これからもこの行革審が何回となく開かれてくると思うのです。そうすると、地方と国の権限移譲の問題俗に言う、別な意味で言うと、地方行革ということも含めてこれから随分議論になって具体的にまとまってくると思うのです。自治省として、一つは地方制度調査会との関連でどういうふうにやろうとするのか。もう一つは、OBの委員を通じまして、自治省としては地方自治を守る、地方自治にもっと権限をおろせ、当然これからもこういう立場で臨まれると思うのでありますけれども、行革審の小委員会に対する自治省の背景の問題として、基本的に対応をどのように考えていらっしゃるのか、この二つをお聞かせいただきたいと思います。
○木村政府委員 自治省といたしましては、今次行革審の国と地方との関係に関する審議、調査と申しますものは、総理の諮問の言葉にもございましたように、地方の自主性、自律性を強化するという方向で国・地方の関係を見直すというのが基本的な立場であろうと考えております。したがいまして、地方制度調査会との関係におきましては、昨年五月の地方制度調査会第二十一次の権限移譲に関する答申を基本といたしまして、できるだけ権限移譲が進むように努力をしてまいりたいと考えております。 また、権限移譲の問題につきましては、今後さらに、地方制度調査会の答申を中心として、地方の意見等も入れながら、実質的な権限移譲が行われるよう努力してまいる所存でございます。
○中沢委員 時間がありませんからまた別な機会にやらせていただきたいと思うのですが、最後に簡単にお尋ねをいたします。 人口急減市町村への財政対策問題。六十二年度から始まりまして六十三年と、制度としては年々充実をしている、このように考えております。内容的には解説の必要がないと思いますが、六十二年が七団体で、財政対策措置として、これは交付税の関係でありますが三億円、六十三年は三十三団体で十三億円。この種の措置をいただいております市町村にとりまして、新年度一体どうなるんだろうかと期待と不安があるわけですね。 そこでお尋ねをしたいのは、新年度も引き続き、最低でも六十三年度の制度は延長する、このよう にひとつ私は理解をしたいのでありますけれども、いかがでしょうか。
○津田政府委員 炭鉱の閉山あるいは企業の工場閉鎖等、経済社会環境の急激な変動に対処する対策といたしまして、御指摘の短期急減補正というものが六十二年度行われ、そして六十三年度充実されたわけでございますが、新年度の扱いにつきましては、交付税法案の成立後、算定作業を通じて決定していきたい、かように考えております。財政動向等を踏まえまして、人口急減団体の財政運営の実態等をにらみまして、重大な支障が生じないようこの問題は考えていきたい、これから検討する課題と心得ております。
○中沢委員 時間が参りました。終わります。
○西田委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○西田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉井光照君。
○吉井委員 私は、まず最初に、地方税の不公平税制の是正について大臣のお考えなりまた御決意をお伺いしておきたいと思うのです。 昨年、高齢化社会への財源的対応や直間比率の見直し等を口実に、シャウプ勧告以来約四十年ぶりの税制改革が行われたわけでございます。しかし、土地税制の見直しや、また社会保険診療報酬課税の適正化、いわゆるクロヨンであるとかトーゴーサンと言われる徴税上の所得捕捉にかかわる納税環境の整備、法人の土地、株式に対する再評価の問題等々、国民が最も期待をしておりました不公平税制の是正は、国税、地方税とも新たな負担増を生じこれらは消費税制の成立にとって大きな障害となるとして、そのほとんどが手がつけられておりません。また、平成元年度税制改革におきましても、消費税法の施行を控えてこれらの是正にはまだ手がつけられていない状況でございます。いずれにいたしましても、消費税導入が最優先された結果であります。 そこで、税制調査会の答申でもたびたび指摘をされてきたわけですが、事業税の社会保険診療報酬の非課税措置や株式等の譲渡益の住民税非課税問題、今後こうした多くの課題が山積をしておりますが、地方税におけるこうした不公平税制の是正に対する大臣のお考えなり御決意をお伺いをしておきたいと思います。
○坂野国務大臣 御指摘のとおり、税負担の公平という問題は非常に重要な問題でございますし、納税者の信頼の基礎となるものでございます。したがって、従来から政府としては努力を重ねているところでございますけれども、まだ十分じゃないじゃないかという御指摘ももっともかと思われますが、地方税におきましては改革の一環として住民税の大幅減税を行うとともに、有価証券譲渡益に対する個人住民税の課税制度の見直しであるとか、社会保険診療報酬にかかわる概算経費率についての見直し等、できる範囲内においての是正は行っておるわけでございます。キャピタルゲインの問題等まだ問題は残っておりますが、不公平税制の是正については今後とも引き続き努力を払ってまいりたいと思う次第でございます。
○吉井委員 そこで、固定資産税の強化について若干お尋ねをしておきたいのです。 評価額と取引価格との比較ですが、三年ごとに行われる固定資産税の評価がえは六十三年度に行われたわけですが、土地の評価がえに伴う評価額は前回に比べてどの程度増加をしておるのか、また固定資産税の評価額の上昇率は実際の土地価格の上昇率と比べてどうなのか、この点をお尋ねいたします。
○湯浅政府委員 昭和六十三年におきます固定資産税の評価がえにつきましては、大都市におきます買い急ぎとかあるいは将来における期待価格というようなもの、そういう特異な要素を排除いたしまして、地価公示あるいは相続税の評価額というものを参考にしながら評価を全国的な観点から行ったわけでございます。その結果、宅地全体で平均の上昇割合は一一%となっております。今回の結果に対しまして、地価公示価格の評価がえに対応する三年間の変動率を全用途で見ますと、五十八年から六十一年までにちょうど当たるわけでございますが、この間の三年間では八・二%の上昇ということになっておりまして、若干固定資産税の方が高いというような格好になっております。
○吉井委員 そこで、評価額と宅地の供給との関 係ですが、固定資産税の評価額の低いことが遊休地化を増長させて宅地の供給を妨げておる、このような考えも非常に強いわけですが、これについてはどうお考えですか。
○湯浅政府委員 仰せのとおり、土地対策の中で特に土地の有効利用を促進するためには保有課税を強化すべきではないかという御意見があることは十分承知しているわけでございますが、まず土地保有課税のうちの固定資産税というものを考えてみます場合に、この固定資産税というのは、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在いたします受益関係というものに着目いたしまして、土地と家屋と償却資産それぞれにつきまして、その保有の継続というものを前提にして資産価値に応じて毎年課税をするということでございまして、この税は御案内のとおり市町村の基幹的な税であるわけでございます。そういう意味で、安定的な税収を確保するという観点から考えますと、この固定資産税というものは市町村にとりましては大変貴重な税源ということになっているわけでございまして、こういう一般的な税制でございます固定資産税というものを土地政策上の観点から重課するというようなことになりますと、これはなかなか大きい問題があるというふうに考えているところでございます。 むしろ、土地の有効利用促進という観点から考えるとすれば、やはり遊休地制度の創設というような土地利用計画上の諸制度の整備というものを前提とするわけでございますが、そういう整備とあわせまして、特別土地保有税の活用というようなことでこの有効利用の促進というものを図っていく方が適切なのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。そういう意味で、昨年六月に閣議決定されました「総合土地対策要綱」におきましても、遊休地の特定に係る制度の創設というものとあわせまして、低・未利用地に対する特別土地保有税の見直しというものを検討していったらいいではないか、こういうような指摘がなされているところでございまして、私どもといたしましては、今後こういう点を踏まえて検討していった方がいいのではないかなというふうに考えているところでございます。
○吉井委員 そこで、土地の評価方法と実勢価格との比較なんですが、現在土地の公的評価額につきましては、大きく分けて、土地の公示価格、それから相続税の路線価、それから固定資産税の評価額、この三種類があるわけですが、これはおのおのどのような評価方法となっておるのか。また土地公示価格は土地の実勢価格に対して何割くらいになっているのか。さらに相続税の路線価と固定資産税の評価額は土地公示価格に対してどのくらいの水準にあるのか。国土庁と大蔵省と自治省、この三省にお答えを願いたいと思います。
○吉野説明員 地価公示、それから都道府県地価調査における価格の判定でございますが、それぞれ土地鑑定委員会、都道府県知事が不動産鑑定士または不動産鑑定士補の鑑定評価を求めまして、その結果を審査いたしまして、必要な調整を行って調査地点の単位面積当たりの正常な価格を判定いたしております。そして、その価格の算定を行う際の鑑定評価の基準といたしましては、いわゆる取引事例比較法によります近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、二つ目に収益還元法によります近傍類地の地代等から算出される推定の価格、三つ目に原価法によります同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額、こういったものを勘案いたしまして算出をしているところでございます。 特に取引事例比較法に採用されます取引事例につきましては、不動産鑑定士等が組織的に、かつ豊富に収集し、事例についての大量観察を行うことによりまして取引価格水準の異常性を分析いたしまして、投機または過大な値上がり期待で異常な高値で取引されたもの等につきましては採用しないようにいたしまして、価格の的確な判定に努めておるところでございます。 それから、おただしの地価公示と土地の実勢価格との差の問題でございますが、地価公示価格につきましては、買い進みあるいはまた売り急ぎ等の事情のない自由な取引におきまして通常成立すると認められる価格を示しておりまして、その判定におきましては、現実の市場における取引事例や賃貸事例を豊富に収集いたしまして、買い進み等の特殊な要素を含まない標準的な事例を適切に選択して判定を行っているところでございまして、現実の土地取引市場における価格水準を十分反映したものとなっております。実際の土地取引等におきまして成立する価格につきましては、買い進み等取引当事者の特殊な事情等に左右されます場合とか、あるいはまた投機的取引によって高価格が発生する場合もございまして、このような事例につきましては公示価格と乖離する場合もございます。それから、不動産業者の店頭表示価格につきましても、売り希望価格としての性格から公示価格を上回ることが多いわけでございます。こうした特殊な事情等を含みます取引価格あるいはまた不動産業者の店頭表示価格につきましては、地価公示価格とある程度の乖離を生ずるケースがあると思われるところでございます。
○品川説明員 お答えいたします。 相続税におきます財産の価額は、先生御案内のように相続税法第二十二条によりまして時価によって評価することになっております。この場合、相続財産のうち土地につきましては、先ほど国土庁の方から御説明がありました地価公示価格と近辺の売買実例価額、それから不動産鑑定士等の地価の精通者の意見価格をもととして評価しているわけでございますが、土地というものはその性格上非常に値幅のあるものでありまして、また相続という特別な事情に対して課税をするわけでありますので、その辺のことを考慮いたしまして、地価公示価格と同水準の七〇%程度をめどといたしましてかた目の評価を行っているわけでございます。 先生の御指摘の地価公示価格との水準差の問題でございますが、私どもの相続税の評価は毎年改定しているわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように七〇%の適正評価水準を一つの目標にいたしまして、それに近づけるべく毎年の地価動向を考慮しながら評価がえをしているわけであります。これにつきまして、相続税における土地評価の柱となっております各都市の最高路線価、その中でも都道府県庁所在都市四十七都市の平成元年分の平均値でまいりますと、公示価格と同水準の六二%の水準に現在のところ至っております。土地の相続税上の評価の改定につきましては、今後とも地価動向を配慮しつつ、公示価格との均衡を十分考慮しながら慎重に対処してまいりたいと思っております。 以上です。
○湯浅政府委員 固定資産税の評価の方法につきましても、ただいまお話があったような売買実例価額というものを基準といたしまして評価をするということが基本になっているわけでございます。ただ、この場合の売買価額というのは、現実の売買実例価額から不正常な要素、買い急ぎでございますとか売り急ぎでございますとかいうような不正常な要素を価額から除去して得られますいわゆる正常売買価額というものを一つの評価の基準にするという考え方で評価が行われているところでございます。 この評価の問題につきましては、ただいま御指摘のように地価公示の評価あるいは相続税の評価というものと公的評価で三つあるわけでございますが、その三つがそれぞれの評価額が違うという点について、私どももこの点の公的評価のそれぞれの間の均衡というものを常に考えながら評価しているところでございますけれども、例えば地価公示というものを考えますと、地価公示は全国の都市計画区域内で約一万七千点の地点の評価というふうに聞いております。固定資産税は土地が一億六千万筆ということで、けたが全然違うということがございます。ですから、これを単純に地価公示と固定資産税の評価というものを合わせていくということはなかなか難しい問題があろうかと思います。 また、この都市計画区域の地価公示を行っている地点だけを考えましても、比較的売り手と買い手が均衝している、余り需給関係の逼迫していない地域につきましては、地価公示と固定資産の評価額との間の乖離が小さいわけでございますが、これが最近の特に大都市におきますような需給関係が非常に逼迫している地域におきましては、この地価公示の価格と固定資産税の評価額との間には相当の開差が出てきているわけでございます。 そういうことで地域的にかなりばらつきがございますけれども、全国平均で単純に見てまいりますと、昭和六十三年度の評価がえの結果では地価公示に対して大体五分の一ぐらいの水準になっているわけでございます。しかし、その点については先ほど申しましたようにかなりのばらつきがございますし、相当需給関係の逼迫している地域を含んでの計数であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○吉井委員 それで、今ちょっとお話が出ました土地評価の一元化ということでございますが、これは昨年の八月十七日に社、公、民、社民連の四野党が政府に対して不公平税制是正の共同提案を提出したわけです。その中で、「土地税制については固定資産税及び相続税についての土地の課税評価額を公示価格水準に一本化し、資産の格差が拡大しないよう土地税制を新たに再構築する。その際、個人・法人の居住権・営業権を阻害しないよう税率及び減免措置等について配慮する。」こうなっておるわけです。また、土地臨調答申に基づく総合土地対策要綱でも、「公的土地評価の適正化等を推進するため、国土庁、大蔵省及び自治省による連携体制を整備する。」と決めているわけです。 この三種の土地評価の一元化は現在までどのように検討されてきておるのか、また今後の一元化のスケジュールはどうなっておるのか、またこの一元化についての大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○湯浅政府委員 それでは、私からまず事務的に申し上げますと、土地の公的評価につきましては、地価公示価格と相続税の評価と固定資産税の評価という三つの評価がございまして、仰せのとおりこれを公的評価だから評価の一元化をすべきだという御議論のあるのは十分承知しているわけでございますが、地価公示というのはともかく一定の区域内のしかも非常に地点が限られているという問題、約一万七千点ぐらいしかないという点、それに対して固定資産税は一億六千万筆と非常に数が多いという問題がございますし、評価の目的が片方は正常な土地取引をしてもらうための一つの指標という形でこの評価額が決められるということに対しまして、固定資産税というのはあくまでも毎年度課税される土地の評価ということでございますので、この目的からいたしまして、これを直ちに合わせるということは、これは税負担の激変を生ずるというようなこともございますので、なかなか難しい問題がございます。そういうことで、昨年の土地対策要綱におきましても、この三者について一元化するということについてはなかなか困難でございますが、よく三者の関係を調整しながら評価をしていくように努力していくべきだと私どもは理解をいたしているわけでございまして、そういう観点で、地価公示の動向あるいは相続税の評価の動向というものを十分考えながら固定資産税の評価額を決めていかなければならないと思うわけでございます。 ただ、冒頭にも申しましたように、固定資産税というのはその土地の保有の継続を前提にして毎年度課税をする税でございますので、その税負担をされる方々の負担能力というものを考えながらやっていきませんとやはり問題が出てくる。また、固定資産税というのは土地所有と市町村の行政サービスとの間に一定の受益関係があるということを前提にして課税するものでございますから、これに過重な税負担をお願いすることについてもまた問題が出てくるというようなこともございまして、固定資産税の評価額をこれから三年に一回の評価の都度適正なものにするように努力をしていくわけでございますけれども、この三つの評価を短期間に一元的に行うということはやはり相当な無理があると私どもは考えているところでございます。そういう点を踏まえまして、よく関係省庁ともお話し合いをしながら、この問題については適正な評価というものを目指しまして努力してまいりたいと今考えております。
○坂野国務大臣 今局長から答弁したとおりでございますが、公示価格の方はまだ年数がたっておりませんから、どんどん数をふやしていただいてできるだけ普及するように持っていかなければなりません。とりあえず固定資産税の方は、いろいろ議論が出ております、自民党の中でもここ数年出ておる問題でございますから、この問題についてはまたその都度検討して、基本的にはおっしゃるような趣旨は私どもわからぬわけではございませんが、一挙に三つを一元化するというのは今の段階ではなかなか難しいと思いますが、私もやはり方向性としてはそういう方向にいくべきじゃないかと思っております。
○吉井委員 次に、法人の保有土地に対するところの再評価の問題でございます。 現在の社会的不公正の最大のものは土地をめぐる利益の偏在である、このようにも言われておりますが、個人の死亡による相続と異なって、法人では倒産でもない限り保有土地の再評価が行われませんし、また消費もないから消費税も課税されない。また、土地の多くは法人によって所有をされているわけですが、帳簿上の価格は取得時の価格であるために、現在の時価に比べて著しく低いままにとどまっているわけです。この差がいわゆる含み資産と言われるものでありますが、最近の地価上昇によって都市圏での法人の含み資産は巨大なものになっておる。百億を超える企業数も何百社に達しておるし、中には一兆円以上の企業も見られるようになっております。この含み資産は株価に反映をし、株式の上昇とキャピタルゲイン増大を生み出しているわけですが、この含み資産を利益計上せずに、借入金等を利用してさらに土地を取得し、ますます含み資産を巨大化させて、そして株式利得につなげているのが実態ではないかと思われます。このことは最近諸外国からもかなり指摘をされているわけですが、その一方で、個人の住宅取得難、それから住宅費負担の拡大や社会資本整備のおくれという形で所得分配のゆがみをもたらして、社会的不公平を拡大させていることは言うまでもないわけでございます。 こうした不公平を是正するために、例えば我が党では土地増価税の創設というようなものもうたっているわけですが、大企業の保有土地に対する何らかの再評価の税制が必要であると思うわけですけれども、これに対しての御意見はどうか、これは大蔵省にお聞きしたいと思います。 また、土地の有効利用の面から固定資産税のあり方も広く検討していくべきだと思いますけれども、これは自治省の方にお伺いをしておきたいと思います。
○大武説明員 ただいまの土地の含み益に対します課税につきましては、所得課税として考えますと未実現のキャピタルゲインに対する課税となるという問題、また、保有課税として考えますと現行の固定資産税や特別土地保有税との関係を整理する必要があるという問題、それからまた、企業の生産活動に供されております土地への課税というのは資本集約的な装置産業を中心としまして企業活動に大きな打撃を与えるという問題もあり得るということ等の問題がありまして、現時点でこれを実施することはいかがなものかなと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、土地に対する適切な課税という問題につきましては、現在政府部内で行っております土地基本法制定に関します作業等を踏まえまして土地対策全般との中で対応していきたいと思っておるところでございます。
○湯浅政府委員 土地の有効利用を促進するために固定資産税を活用すべきではないかという御議論でございますが、先ほども申し上げましたとおり、固定資産税というのは市町村の基幹的な税といたしまして、土地の保有というものを前提にい たしまして毎年課税をする非常に安定的な、市町村の税源として非常に有用な財源であるということで、しかも一般的にどの土地にも課税されるという一般的な税でございます。こういう税制に土地の有効利用の活用のためのいろいろな施策を重ねていくということになりますと、これは税を負担する方々の御理解はなかなか得にくいのではないか。もちろん適正に評価されたものが高くなってくるということを前提にして課税をするということであれば別なんでございますが、それ以上の要素をこの固定資産税の中に入れて課税をしていくということになりますと、これはなかなか住民の皆さん方の御理解が得られないという問題になろうかと思います。同じ保有課税の強化という中でも、そういう意味で固定資産税をそういう土地政策に直接結びつけるような税制として利用することはいかがなものかなということを考えているわけでございます。 ただ、先ほども申しましたとおり、特別土地保有税というような税はもともと政策税制としてでき上がっているわけでございまして、土地の有効利用あるいは投機的な土地取引の防止というような観点からでき上がった税でございますから、こういう税制をこれから土地の有効利用のためにどういう形で使えるかということは検討に値する問題であろうかと思います。そういう観点で私どもとしては特別土地保有税というようなものを何か活用できないかなという感じがするわけでございますが、ただその場合であっても、特別土地保有税だけを活用するといってもなかなか難しゅうございまして、土地の利用制度、いろいろな土地利用計画、こういう計画の制度というものが整備されて、その整備に裏打ちされた税制というものがあって初めて十分な活用ができるのではないか、税制だけでこの有効利用の活用をするということはどうしても難しいのではないか、こういうような感じがするわけでございます。
○吉井委員 では、次にJRの固定資産課税上の問題点について若干お尋ねをしておきたいと思います。 昭和六十一年の国鉄改革に伴って地方税制も改正されたわけですが、その中で日本国有鉄道有資産所在市町村納付金制度というものが廃止をされまして、昭和六十四年度から固定資産税体系に移行することになったわけでございます。したがって、各市町村ではこの二年間その移行の準備を進めてきたようですが、山口県下の状況をちょっと聞いてみますと、まず、調査に当たってJRからの資産一覧表や図面等の基礎資料というものが非常に不十分であった。また、そのため、JRの担当者に問い合わせますと、工事区それから事務所等々の所管に分かれて、その確認が非常に複雑であった。また、県下の市町村間で、例えば同じように老朽化している駅舎、それからプラットホーム等の家屋については課税の不均衡が生じないような、せめて県下統一的な評価基準が欲しかった、このような声が担当者からは出てくるわけです。 このような事態はあらかじめ予想ができたことであると思いますが、政府はこの固定資産税へのスムーズな移行のためにJRと市町村に対してどのような指導というかアドバイスをされてきたのか。また、納付金の場合と比較をいたしますと固定資産税の方が低い税収となるケースの市町村もあるようですが、こうした税収減となる団体は全体でどのくらいの数となるのか。現時点でわからなければ、大体いつごろこうした点についてわかるのか。当然税の減収については交付税あたりで補てんをされると思いますけれども、ここらの関係についてお尋ねをしたいと思います。
○湯浅政府委員 日本国有鉄道が民営化されまして一般の株式会社になったわけでございますが、この株式会社に移行するに当たりまして、本来でございますと国有資産所在納付金の制度が直ちに固定資産税に切りかわるということになるわけでございます。しかしながら、非常に膨大な資産をそれぞれのJR各社が持っているというようなこともございますし、それからその財産の評価のやり方というものも、納付金時代と固定資産税の評価ではやり方が大分違うというようなこともございまして、民営化されてから一定の猶予期間を置いて固定資産税を課税していこう、こういう考え方で、平成元年度からこの納付金から固定資産税に移行されることになるわけでございます。 そういうことで、かなり切りかえの準備期間というものもとりまして、この間に固定資産税に移行するためのいろいろな手続というものができるようにということで猶予期間をとったわけでございますが、その間には、ただいま御指摘のようないろいろな資料が十分にそろわなかったとか、あるいは財産の確認という問題でいろいろ難しい手続があったというような話も聞いているわけでございますが、こういう点もございましたので、それなりに準備期間も置いて固定資産税への円滑な移行というものを私どもは考え、市町村にも御指導を申し上げたところでございます。またJR各社に対しましても、この円滑な固定資産税の移行につきましては十分御協力いただくようなお願い、要請もしているところでございます。 そういうことで、平成元年度からの固定資産税の課税というものはおおむね円滑にできるのではないかという心証を私どもは得ているところでございますけれども、なお、近々もう平成元年度の課税が始まるわけでございますので、そういう点のないよう、遺漏のないように私どもも注意をしてまいりたいと思います。 ただ、移行することによって従来の納付金の額よりも固定資産税収入が減る場合があるのではないかという点でございますが、この点につきましては、土地、家屋の評価の方法が多少違うとか、あるいは課税標準の特例のやり方が固定資産税の場合と納付金の場合とでは多少違うということがございますから、個々の市町村ごとにどうなるかというのは現段階ではなかなかつかめない状況でございます。この点は、個々の市町村につきましては四月に課税をするということでございますから、その段階でそれぞれの市町村がわかると思います。この計数を踏まえた上で平成元年度の地方交付税というものも計算されるということになるわけでございますので、この増減というものは最終的には地方交付税できちんと財源が措置されるというふうに考えますが、現段階で減少する市町村がどのくらいあるかという点につきましては私どもはつかんでおりません。また、事業主体ごとの市町村別の減収額ということになりますと、いろいろと税の守秘義務の関係もございますので、各市町村から幾らずつ出るかということを調査するということもこれはちょっといかがかなという感じもいたしております。 しかし、いずれにしても最終的にそれぞれの市町村の財政運営に支障が生じないように、それだけは私どももよく注意をしてまいりたいと思っているところでございます。
○吉井委員 今御答弁をいただいたわけですが、いずれにしろ、JR所有の固定資産については原則として民間法人と同様に固定資産税及び都市計画税が課税されるわけです。負担の急増が経営に与える影響を考えて、当分の間、今おっしゃったように納付金の負担と同程度となるように経過的な負担軽減措置、そして課税標準の特例措置が講ぜられたわけでございますが、しかし、最近のJR東海であるとかJR東日本、こういったところの経営状況というのは非常にいい、このように伝えられているわけですが、こうした非常にいい経営状態がずっと続いた場合、この特例期間を見直すということもやはり考えられるのじゃないかと思いますけれども、いわゆるJR当局の自助努力といいますか、こうしたものが今問題になっておりますところの国鉄共済、こういったものにも若干でも影響を及ぼすのじゃないかというような気がするわけですけれども、その点いかがですか。
○湯浅政府委員 御指摘のように、納付金時代は固定資産税で言えば標準額の二分の一という特例措置がございました。そういうことで固定資産税の価額に比べるとかなり低い基準で全体としては納付金が納められたということもございます。 そういうことがございまして、国鉄から株式会 社に移行する際に、やはり一定期間は経過措置として二分の一の特例措置というものは残しておかなければいけないのじゃないかというような議論が当時あったわけでございます。そういうこともございまして、特例措置につきましては経過的なものでもございますので、私どもとしては特に国鉄から承継した事業用資産、これについては二分の一ということでお願いしているところでございます。 おっしゃるように、それぞれの会社の中にはかなりの利益を出したというようなところもあるわけでございますけれども、私ども今の段階ではそれぞれの年度の収益というものだけで判断するということじゃなくて、もう少し長期的に、それぞれ民営化された企業の企業基盤というものを安定化させるというためにも、現段階では当初決めました特例措置というものをそのままやっていったらいかがかなという感じがしております。 また、国鉄再建監理委員会の意見におきましても、当時経過的な負担軽減というものをぜひやってほしいというような御意見もございまして、こういうことで講じられたものが最終的には各JRの鉄道事業の経営基盤というものを強化して、それ以後において各地域の地域開発なりあるいはそれぞれの地域におきます住民の皆さん方の利便に供されるということになるわけでございますので、ここのところは当初決めました十年間というものを一応今の段階では見直そうということはまだちょっと考えていないところでございます。
○吉井委員 そこで問題になるのが、いわゆる未登記資産の対策でございます。 これは運輸省にお尋ねをしておきたいと思うのですが、固定資産税には固定資産課税台帳、これに所有者、評価額、それから所在地等必要事項が記載をされて、そして固定資産の把握がなされているわけです。そして台帳作成の基礎資料となるのかいわゆる登記簿でございます。 旧国鉄時代の未登記用地が三百三十ヘクタール、二万筆、そのうち個人が占有、所有しているものが六千五百件、四十五ヘクタールにも及んでいる、このように言われておりますが、実際のところどのぐらいあるのか。 また、このほか境界線の問題等も含めて多くの問題点があります。しかし、これを解決するためには相当な時間それから労力、費用等を要すると思われるわけですが、これらの用地の権利義務関係をやはり当然のことながらはっきりさせておく必要があります。そのために政府は、二年前の民営化に際してどのような計画のもとにどのような手順で未登記対策を進めてこられたのか、お聞か せを願いたいと思います。
○伊藤説明員 お尋ねの件でございますけれども、ただいま先生の方から御指摘いただきました件数は、国鉄改革の直前でございます六十一年九月末段階で国鉄が調査して未登記の物件として把握していた件数でございます。その後国鉄改革が実施されまして、六十二年四月一日、これらの未登記物件のうちの相当数のものも各JR会社の方に引き継がれたわけでございますが、それに加えましてJR各社が現在抱えております登記関係の事務について申し上げますと、国鉄改革によりまして国鉄から会社へ名義が変更になるような新たな登記というものがまた出てまいりますし、また国鉄の用地が清算事業団やJR各社等に分かれて承継されていくということによりまして、新たに境界画定でございますとか分筆登記等の事務が膨大な量で発生しているというのが実情でございます。そういうことを踏まえまして、また今御指摘ございましたように資産管理の一環といたしまして登記事務等を適切に処理していくということは、これはまた会社経営の観点から申しましても非常に重要な問題でございますので、JR各社におきましては会社発足以来組織体制を整備しながらその処理に鋭意取り組んでいるところでございます。 その状況を例えばということで例として申しますと、東日本会社の場合でございますけれども、用地関係の事務を扱っておりますのが関連事業本部資産管理部というところでございまして、また各出先機関にもそれぞれ必要な職員を配置いたしておりまして、現在五百名くらいの職員がこういう登記関係の事務に携わっておるということでございます。しかしながら、そういう中でございますけれども、先ほど申し上げましたように国鉄時代にあったそういう未登記の問題以外にも、さらに新たに改革によって相当膨大な量の登記事務を生じてきておりますので、今後とも会社としても緊急度等も勘案しながら計画的に粘り強く取り組んでいくというふうに私ども報告を受けております。また運輸省といたしましても、引き続きましてこうした登記関係の事務、そういうものが円滑に進められていくように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○吉井委員 今御答弁をいただきましたが、いずれにいたしましても民間企業である以上は、土地家屋の不動産の管理、それから運用、これは経営上極めて重要な要素となってくるわけです。しかるに未登記用地が多数あるということは、それだけ資産管理が不十分である、こういうことでございますし、経営基盤の安定を旨とする民営化改革に反することにもなりますし、ひいては固定資産税へのスムーズな移行にも支障を来してくることにもなります。したがってJR各社の資産を明確にする必要は当然だと思いますけれども、今御答弁いただきましたように今後とも運輸省の強い、適切な御指導を要望しておきたいと思います。 それから次は、国際交流減税についてちょっとお尋ねをしておきたいのです。 二十一世紀に向かって進む国際化時代の大きな特徴は、国際交流主体の拡大、多様化であります。各個人、グループ、団体、自治体による草の根的な交流を活発化する必要があるわけですが、その条件整備については我が党がさきに発表いたしました二十一世紀トータルプランの中で幾つか提案をしておりますが、国際交流減税の拡充もその一つであります。 そこで、所得税、法人税の寄附金控除制度創設の趣旨についてお尋ねしておきたいのですが、昭和六十三年度の税制改正で国際交流団体への寄附金に対する所得税及び法人税の寄附金控除制度が設けられましたが、この趣旨について御説明願いたいと思います。
○大武説明員 御指摘のとおり、国際交流団体に対します寄附金につきましては、さきの六十三年度の税制改正におきまして措置をさせていただいたわけでございますが、これは、経済摩擦などが深刻化している現状にありまして、諸外国に対する我が国の理解増進を図るための国際交流の必要性が増大しているということで、政府ベースだけでなく民間ベースでの国際交流を促進するという必要を痛感して、特定公益増進法人の範囲に新たに追加させていただいたということでございます。
○吉井委員 そこで、その特定の地域交流の除外理由と「その他の業務」の内容でございますが、寄附金控除の対象となる団体は、所得税法施行令の第二百十七条や、また法人税法施行令の第七十七条で定められておりますが、それによりますと、「海外における我が国についての理解の増進を図るため、我が国の政治、経済、文化その他の我が国の事情の紹介その他の業務」を行う法人とされているわけですが、なぜ「我が国の特定の地域のみに係るものを除く。」としたのか、また「その他の業務」とは具体的に何を指すのか御説明をいただきたいと思います。
○大武説明員 二点御質問があったように思いますが、まず今回の改正、国際交流団体は地域の国際交流団体を何で対象外にするのかという点につきましては、さきに御説明いたしましたとおり、経済摩擦の防止などの観点から今回の改正を行ったわけでございますが、他方、国際交流という概念が大変漠然としておりまして、例えばプロのスポーツ選手や芸能人を海外に派遣する事業といった経済ベースに乗ります事業も広義においては国際交流と考えられるという問題もございますので、まずは日本の国全体の理解増進を図る法人に 限定して対象とすることとしたという経緯がございます。 次に、地域レベルの国際交流につきましては、本来の目的に加えまして特定地域の利害に絡む可能性もございますし、国税の減税ということで国レベルの措置で対応することが適当かどうかという点が一点。それから次に、第二点目には、地域ごとに多数の団体が指定されますと窓口が増加するというような問題もあり、民間資金が分散してしまって結局効果の上でいかがなものかという観点もございます。それからかつ、六十三年度改正で本制度が発足したばかりでございますので、やはり全国レベルでの対象法人の実態を見きわめる必要もあるということがございますので、とりあえずは慎重に対処すべきではないかと思っております。 それから次に、第二点目の御質問でございます「その他の業務」でございますが、「その他の業務」につきましては、一応、我が国についての理解の増進を図るために行われますシンポジウムの開催ですとか、日本についての共同研究業務というようなものが含まれると考えております。 以上でございます。
○吉井委員 今御答弁をいただきましたが、我が国の事情を外国に紹介するという場合、わざわざ特定の地域の事情を除外するというのは、国際交流推進の観点からちょっとおかしいのではないかというような気もいたします。 昨年一月に、小渕内閣官房長官の提唱に基づいて、地域レベルの国際化の一層の推進を目的に、地域レベルの国際交流を考える会、これは私的機関でありますが、これが発足をいたしまして、同年六月に報告書がまとめられたわけですが、そこでも、従来からの政府レベルの国際交流に加えて、地方自治体や民間団体を核とする地域レベル、草の根レベルの国際交流が求められているわけでございます。現在、国際化の進展を反映して各地で地域の国際交流団体が増加をしておりますが、そこでは各地域の文化、国土、経済等の紹介がやはり重要な業務となっております。 このような地域の国際交流に対する熱意を考慮した場合、私はやはり特定の地域事情を除外するのはおかしいと思うのですが、どうして除外されたのか、これはひとつ外務省、よろしくお願いします。
○中島説明員 お答え申し上げます。 国際交流減税制度につきましては、その趣旨につきまして先ほど大蔵省の方から御説明がございましたように、近年における諸外国との摩擦を緩和するための国際交流の必要性、そういったものが増大しているということにかんがみまして、国際交流を主たる目的とする公益法人の活動といったものを推進する、そういった観点から税制面での優遇措置の実現を図るということを趣旨といたしまして実現したものでございます。 しからば、その中で、全国レベルのもの、地域レベルのもの、いずれもあるのに何ゆえに地域レベルのものが除外されているのか、そういうお尋ねでございますが、これも先ほど大蔵省の方からお話がございましたように、まず全国レベルの交流、そういったものから手をつけ、その実施を図りながら徐々にそれ以外のものについても考えていきたい、そういう考えに基づくものでございます。
○吉井委員 寄附金控除の対象団体の再検討でございますが、国際交流推進の趣旨、目的からすれば、それが全国的なものの紹介であれ、また地域的なものの紹介であれ、我が国の理解促進に資するものであるという点では全く同じであります。むしろ全国的、抽象的なものよりも地方的、具体的なものの紹介の積み重ねの方が国際的理解の促進に役立つという面もあるのではないかと思います。所得税、法人税の寄附金控除の対象団体に地方事情を紹介するのも入れるように再検討すべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○中島説明員 近年、地域レベルすなわち地方公共団体のレベルあるいは民間レベルにおいて国際交流に対する関心が高まる、それとともにさまざまな活動が実施されているということは先生御指摘のとおりだと思います。外務省では、こうした活動が我が国の国際化の推進の上で重要な意義を有する、そういうものであるということは認識しておりまして、今後どのような方策を講じていく必要があるか、そういう問題につきまして各方面からの意見も伺いながらいろいろ勉強してまいりたい、そのように思っております。
○吉井委員 時間が追ってまいりましたので、いわゆる地方税の寄附金控除制度不創設の趣旨と共同募金会に対するところの寄附金控除制度新設の趣旨についてお尋ねをしたいと思います。 地方税の個人住民税では、所得税と異なって、従来から寄附金控除制度が設けられていなかったわけですが、これはどういうわけなのか。また、平成元年度の税制改正では、個人住民税で都道府県共同募金会に対する十万円超の寄附金について、その超える額を控除するという寄附金控除を新設しておりますが、これは従来の寄附金控除を設けないという趣旨を変更されたのかどうか。この点はいかがでしょう。
○湯浅政府委員 個人住民税におきまして従来寄附金控除の制度がなかったというのは、寄附を受ける団体と、それからその寄附金控除を行う地方団体との間に直接的な関係がない場合が多いのではないか、必ずしも両者がきちっと対応していないというような理由で寄附金控除という制度が設けられていなかったわけでございます。 今回の改正で、都道府県の共同募金会に対する寄附につきまして新たに寄附金控除の創設をお願いしているわけでございますが、この点につきましては、都道府県の共同募金会というものが、その府県の中のいろいろな福祉活動、特に本格的な高齢化社会の到来を迎えて、みずからの地域社会の福祉の増進ということを住民みずからの手で行うという必要性がこれからはより一層重要になってくるということを踏まえまして、その住民の所在する都道府県の共同募金会に対して寄附をした場合には、これは従来の考え方を変更しなくとも寄附金控除の制度を導入することができるのではないか、こういう考え方から今回共同募金会に対する寄附金控除の制度を創設したものでございます。したがいまして、基本的な考え方は従来と変えていないわけでございますが、その地方団体とこの団体との関係が、対応関係が非常に明確であるということに着目いたしまして、今回この制度の創設をお願いをしているものでございます。
○吉井委員 では最後に、昨年八月に自治省が発表されました「昭和六十四年度地方行財政重点施策」によりますと一地域レベルの国際交流の推進、これが一つの重要な柱となっておりまして、国際交流のまち推進プロジェクトのほか、自治体が作成する地域国際交流推進大綱に基づく諸施策の支援、地域の中核的民間国際交流組織の創設、育成、また外国青年招致事業の拡大、また財団法人自治体国際化協会の強化、また自治大学校での国際交流研修の拡大などを行うとしているわけですが、その中の中核的民間国際交流組織を地域国際化協会として、外国人在住者に対する生活情報提供などの支援事業、また外国との交流の場の設置、文化、スポーツ等の国際交流の企画、推進、またホームステイ、ホームビジットの連絡、地域の文化、国土等の海外紹介などの業務を行う協会に対し、地方自治体が出資または助成を行った場合には、地方債、交付税で財政措置することとしているようでありますが、これによれば、地域の国際化協会の地域レベル、草の根レベルでの国際化に果たす役割は非常に大きいわけですが、今回設けられている寄附金控除をこの地域国際化協会に対する寄附にまで拡大することはできないのかどうか、ちょっと大臣のお考えをお伺いして終わりたいと思います。
○湯浅政府委員 ちょっとその前に私から申し上げたいと思うわけでございますが、今御指摘のとおり、自治省の重点施策として地域国際化協会というものを各府県に設置をしていこうという考え方で各府県にお願いをしているところでございます。その援助の支援のやり方につきましては、御指摘のように、都道府県あるいは市町村が出資を するというやり方もございます。それから、運営費等につきまして地方自治体が助成金を交付するというやり方もあろうかと思います。また、今御指摘のような寄附が行われた場合の寄附金控除というような問題もあろうかと思いますが、当面、実は昨年つくられた重点施策の中では、この出資とかあるいは地方自治体による助成というものを通じてこの地域国際化協会に対する活動というものを援助していこうという考え方だったものでございますので、寄附金控除の問題までは検討の対象にはなっていなかったわけでございます。これからの問題といたしまして、県なり市町村という立場でどういう形でこの国際化協会に対して支援ができるのかという観点から検討をしてまいりたいと思うわけでございます。現時点では、ちょっとその中身につきまして、それぞれの団体の内容が必ずしもつまびらかでないものでございますので、将来の検討課題ということでひとつ検討をさせていただきたいと思うわけでございます。
○坂野国務大臣 今局長から答弁したとおりでございますが、地域国際化協会、まことに重要な役目を持っておると私は思いますので、まだできたばかりでございますし、今後の活動の状況を見守りながらこれをさらに充実する方向の中で検討してまいりたいと思っております。
○吉井委員 終わります。
○西田委員長 小谷輝二君。
○小谷委員 緊急の問題につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。 過日来より、新聞報道によりますと、かなり権威のある世論調査におきましても、竹下内閣の支持率が一三%とか一六%とか、このように報道されておるわけでございますが、これは議会制民主主義の原則からいいましても、もはや政権担当能力がなくなったものであるという声もあるわけでございまして、大臣とされまして、閣僚の一人として、その原因、これは何なのか、またこのような状況をどのように判断し認識しておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○坂野国務大臣 御指摘の問題でございますが、私も閣僚の一人といたしまして、竹下内閣の支持率の低下等につきましては厳粛に受けとめておる一人でございます。政治に対する信頼の回復、国民のための政策遂行につきましては一層の努力をする必要がある、こういうぐあいに考えております。
○小谷委員 今世間を騒がせておりますリクルートの疑惑問題もさることながら、消費税のような大型間接税の導入に対して国民大衆の大半が反対し、署名運動やまた反対陳情、またそれぞれ地方議会におきましては反対の意見書、決議等がなされてきたわけでございまして、そのような中で、審議も十分行われないまま消費税が導入され四月一日からいよいよ実施される運びとなっておるわけでございますが、この消費税導入が竹下内閣の支持率の低下の大きな原因の一つであり、また地方で行われました知事選挙等にもその結果があらわれておるのではないか、このように思うわけでございますが、大臣いかがでしょうか。
○坂野国務大臣 なかなか難しい問題でございますが、答えにくいわけでございますが、消費税の転嫁問題につきましては厳しい情勢に立ち至っているということはよく承知いたしております。しかし、内閣としては、閣議あるいは税制の協議会等におきましても、既定方針に従って四月からできるだけひとつ転嫁、消費税の実行に移していきたい。もう御案内のとおりに、十二月から既に施行されておりますし、四月一日からいよいよ具体的な措置が講じられるわけでわけでございます。法律の制定の過程でいろいろなこともございましたけれども、既に法律として実施段階に移っているわけでございますから、これは国民の皆さんのできるだけの協力を得て実行に移すように持っていこうというのが今内閣の基本的な方向でございますので、自治省といたしましても、いろいろな問題もはらみながら、何とか自治体の皆さんの協力を得て実行に移していきたいと思っておる次第でございます。
○小谷委員 このような情勢の中で、今地方自治体におきましては、新聞報道でありますように、特に私の地元である大阪府下におきましてもほとんどの市町村で、今議会で論議されておりますが、消費税が導入された予算については否決される状況にあるところが多いわけでございます。このような中で自治大臣は、三月の十四日ですか、自治体で公共料金の消費税転嫁を見送る動きがあることは極めて遺憾である、こういう意味の閣議での発言を含めた内容を都道府県また指定都市に通達ということで、消費税転嫁を促進する、こういうものが出された、このように承っておるわけですが、この内容はどんなものですか。
○津田政府委員 御指摘の点は三月十四日に大臣から談話が出されまして、また私どもとしましても、消費税問題についての考え方を地方団体の方に改めて通達したわけでございます。 要点を申しますと、消費税法は既に昨年十二月三十日公布と同時に施行され、本年四月一日から適用される、こういう現実問題というもので対処してほしいということ。それから第二点としまして、消費税は今回の税制の抜本改革の一環として創設されたものであり、国税、地方税合わせまして相当大幅な減税超過をやっておる、地方財政におきましても約九千億円程度の減収超過をやっておる、この事実も十分判断をしてほしいということ。それから、この消費税の導入に伴い、地方公共団体の財貨サービスの提供の対価としての料金等については、一部のものを除き三%の消費税が課税をされるということ。そして四月一日から地方団体も納税義務者となる、このような点。そして、前から申し上げている点でございますが、地方団体もいわゆる事業者の一環である。そしてまた、環境について整備する責務を持っているというようなこと。さらに、仮に適正な転嫁を行えない場合には、住民生活に不可欠な上下水道等のサービスの安定的供給に支障が生ずるということ。あるいは、この補てんのために住民税等を使うことになれば、受益者負担を一般の住民に負担転嫁することになってしまう、このような結果についても十分考えてほしいということ。そして、地方行財政運営の改善合理化のための内部努力は、消費税導入問題とは別途のものとしてこれは十分今後とも努めていってもらいたい。 このような趣旨の通達を出した次第でございます。
○小谷委員 自治体はそれなりに、何とか住民に公共料金をできるだけ安く、サービスを低下させないように努力するということで、例えば大阪府の府営水道等は、御承知のように回送式貯水池を持っておりまして、電気の料金の安くなったのを、さらに夜中の一番料金の安い時間に揚水をして、そしてコストを下げていく、こういうふうな努力を重ねながら転嫁をしないように努力しておる。 これは、円高不況等で輸出関連企業等が非常に苦しい中を企業努力で何とか耐え忍んできた。同じように、これを契機にそのように努力している。そうして実質上一般国民には転嫁をしないような状況に持っていきたい、こういう努力をしておるところもかなりあるわけでございます。これに対する評価は大臣、どうですか。
○坂野国務大臣 各地方公営企業がふだんから努力していただいて、できるだけ料金を引き下げていただく、これはまことに願わしいことでございまして、それはそれで大いに進めていただきたいと思うわけでございます。 ただ、転嫁の方は転嫁の方で、もう既定の法律のルールでございますからやっていただく。そういう過程の中で本当に恒久財源でも見つけていただいて、料金が安くできるというのはこれは結構でございますので、そのとおりいければその企業努力は確かに評価すべきものだと思いますけれども、見かけだけで、努力というものが実際に伴わないで、そうして転嫁をしないということになってまいりますと、その企業、例えば水道にしても住宅にしても何にしても、関係のない人も一緒になってもし一般財源で補てんするということになってきますと、これこそまことに不公平なこと と言わざるを得ないということでございます。 その辺をよく御賢察いただいて、しかも税制の仕組みが減税と組み合わせてやっている。そして、一般消費税は韓国もどこも含めて諸外国で既にやっているのだ、むしろ日本が一番おくれているのだというような実情が、政府のPRも下手かもしれませんが、その辺の御理解がいまだに不十分だということは非常に残念でございます。その辺を含めて、私どもはさらに努力しなければならぬと思っております。
○小谷委員 いろいろな自治体の考え方によりまして、議会構成等々もあるわけでございますけれども、自治体が住民の意思を尊重して行政執行を行っていく、これは当然のことでございます。ただし、法律で許される範囲内の自主権また裁量権は当然あるはずであります。それを指導とか通達とかいう形で、あたかもこの紋どころが目に入らぬかというふうな、頭が高い、こういう形で、国の方から指導という名目で押さえつけていく。水戸黄門は悪代官を懲らしめるという意味で非常にいいわけですけれども、地方自治体にとりましたら、国という存在は偉大な存在でありますし、非常に権威もあり、許認可等においては常に指導を受け、常に国の言い分に従っていかなければならぬ立場にあるわけでございます。したがって、私が思いますのは、裁量権の問題の中で地方自治体が転嫁しなかった場合、これは先ほどの質問にもあったかと思いますけれども、国の指導に従わずに消費税を転嫁しなかった場合、国として、国の権限である交付税また起債等の許認可に制裁処置を加えていくのかいかないのか、この点お答えいただきたいと思います。
○津田政府委員 私どもは、地方団体が今回の抜本税制改革の趣旨というものを十分考えていただく、また適正に転嫁することで住民間の、先ほど大臣もおっしゃられましたように不公平を招くというような事態にならないように、こういう意味で指導しておるわけでございまして、地方団体がこの点を十分御判断されて適切な対応をしていただきたい、かように思うわけでございます。 端的に申しますと、何か法律の趣旨に沿って転嫁するのが悪くて転嫁しない方がいいんだ、こういうようなことでは困るわけでございまして、私どもとしましては、あくまで成立しました法律の規定に基づきまして適切に消費税が課税されるという事態に対応してもらいたいものだ、このように指導してまいってきておるわけでございますし、今後も指導するつもりでございます。御指摘のような制裁ということを現段階では考えておるわけではございません。
○小谷委員 では、今地方自治体でそれぞれ個々いろいろなケースがあるわけでございますけれども、法律上の解釈として二、三確認をしておきたいと思います。 自治体は、地方財政法三条二項ですか、これに基づいて「地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、」云々、そうして「これを予算に計上しなければならない。」このように定められてあるわけであります。そこで、この消費税にかかわるものをもし地方公共団体が予算に計上しなかった場合、法律的な解釈としてこれは法律違反になりますか、どうですか。
○津田政府委員 先生は地方財政法第三条第二項を御引用されましたが、第一項自体の規定におきましても、「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない。」そして第二項が続いてあるわけでございます。したがいまして、地方団体の執行部あるいは議会の処理におきまして、この四月一日から現実に課税されるというような消費税部分を除くような予算を編成した場合、あるいはそういうような議決をした場合には、この地方財政法第三条の趣旨に反するものであると考えます。
○小谷委員 それでは、仮に消費譲与税が含まれた予算を議会がそれを理由に反対するということは、これは議会の会議の否決ということになりますか。
○津田政府委員 議会の審議の場合におきましても、この第三条の考え方に反するような結果になることと存じます。
○小谷委員 では、消費税を導入した予算を、それを理由に、例えば地方自治体の裁量権の範囲内で、基本的な消費譲与税等は当然含まれたものとしてこの予算を否決した場合、地方自治法百七十六条、この「長の処置」というところにこれは該当するわけですか、しないのですか。どうですか。
○木村政府委員 当初予算を丸ごと否決するという事態は極めて例外的な事象でございまして、地方自治法第百七十六条はそういった事態を当然のこととして書かれていないような感じがございます。したがいまして、丸ごと否決した場合の取り扱いについて地方公共団体は大変苦慮するだろうと存じますが、あえて御質問でございますので第百七十六条の適用関係について申しますと、第一項の一般的な再議、つまり長が意見を異にするから再議に付するという第一項の再議につきましては、否決の案件について適用ございませんので、再議の対象となりません。 それから、第四項の「普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、」理由を付して再議に付するわけでございますが、この意味での違法になるかどうかということは極めて微妙な問題でございまして、通常はこの規定を適用するということにはならないと考えられます。 したがいまして、むしろ、さらに続けて申し上げますならば、第百七十七条の「法令により負担する経費」等のいわゆる義務費を削除した場合、及び「非常の災害に因る応急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は伝染病予防のために必要な経費」、そういう緊急の経費を削減、否決した場合に当たるかどうかということでございますが、当初予算には通常はそういうものが含まれているでありましょうから、そういったものに該当して再議に付するということになろうかと思います。 しかしながら、いずれにしても大変例外的な事象でございまして、議会としては削減するべきところは修正して議決をする、そういった努力を続けるべきであろうというふうに考えております。
○小谷委員 百七十七条の二項の二号ですか、これは当初予算ですから当然災害復旧、また伝染病の予防等の予算が含まれておりますし、義務費等が含まれておるわけでございますが、これは地方の一般会計予算として含まれておる場合には、これはもう消費税が税収の面にもまた支出の面にも含まれておれば、それを理由にして、一本になりますから、これは予算一括ですから、これは否決ということがあり得るわけです。今、既に当初予算否決という議会があるのです。その場合、純然たる法律的な解釈として、再議に付して、さらに三分の二の反対があればこれは不信任とみなす、したがって議会を解散することができる、こういうような判断もあるわけですが、この点はどうなんですか。
○木村政府委員 くどいようでありますが、繰り返し申し上げます。 否決というようなことがないように調整を尽くすべきであろうと思いますが、否決され、そして百七十七条第二項第二号に該当する経費が含まれております場合には、これを再議に付し、さらに否決されました場合にはこれを不信任とみなして議会の解散ということもあり得るわけでございます。
○小谷委員 「十日以内に議会を解散することができる。」こういうふうになっておりますね。だから、今こういうふうな大変な事態に地方議会においては追い込まれている。これはただ一つの町だけではございません。かなりの市町村がそのような状況の中にあるということは、これは大臣も十分認識しておいていただきたい。私たち、地方でこの問題を抱えてそれぞれの議会から問い合わせがあり、いろいろな面で今大変な労力を費やしておるわけであります。したがって、地方議会がこういうふうな状況にあるということも認識してもらうと同時に、これに対する自治省からの対応も 的確にやっていただきたいと思いますし、また、地域の議会で混乱をして、地域住民がそれに基づくところの被害を受けることのないように、これは自治省としても対応を誤らずに行っていただきたいと思うわけでありまして、同時に、消費税がそれほど地方議会で大きな論議の的になり、転嫁が大変な状況にあるということをよく知っていただきたい、このように思うわけであります。 大臣、この点についての対応についてお考えをお示しいただきたいと思います。
○坂野国務大臣 法律の解釈は今局長が言ったとおりでございますから、こういう法律の解釈というこういうことがあるということが、皆さんあるいは御存じない方もあるかもしれませんので、その辺はむしろ逆に、もし最悪の場合にこうなればこういうことがあり得る、そういうことがないように、ひとつ皆さんの御協力をお願いしたいという立場で、法律がある以上は法律を曲げるわけにいきませんから、これは我が国は御案内のとおりに法定国家でございますから、ひとつその辺を踏まえてよろしくお願いいたしたいと思います。
○小谷委員 終わります。
○西田委員長 草野威君。
○草野委員 私は軽油の引取税の問題についてお尋ねをしたいと思います。 今回の改正は、軽油の取引にありまして脱税防止にその主眼があろうかと思います。しかしこの脱税というのは、自治省も認めておられるように、その制度を悪用し税の逋脱を行っている、こういうところにその原因が一つはあろうかと思います。今回の改正で果たしてその点が是正され、そして脱税が防止されるのかどうか、こういう点が若干疑問に思われるわけでございます。 脱税の手口でございますが、未課税の軽油を取り扱い得る立場に立っている、これは主として特約業者であろうと思いますが、これが未課税のままその軽油を販売して倒産をしてしまう、こういうようなケース。さらに軽油以外のものを混和する、そうすることによって水増しといいますか油増しといいますか、増量する、こういうような事例等を自治省は挙げていらっしゃいますけれども、今回のこの法改正によりましてこうしたものの脱税防止が果たしてどこまで期待ができるのかどうか、まずこういう点についてお尋ねをいたします。
○湯浅政府委員 今回の軽油引取税の改正は、御指摘のとおり、一つは脱税の防止、それからもう一つは、軽油は消費地において適正に課税をされるべきだという二点を踏まえまして改正を考えたところでございます。 この脱税の問題に関して見ますと、従来の脱税事案の一つの類型と申しますか、型として見ますと、今御指摘のように未課税軽油を取り扱い得る特約業者が未課税のまま軽油を販売した上で例えば倒産をしてしまう、それで税額を納めない、こういうようないわゆるペーパーカンパニーの会社を創設するというようなこと、あるいは未課税軽油を転々と流通させて、そして課税庁の捕捉を非常に困難にさせるというような中で脱税の事案が発生するというようなこと、あるいは本来の軽油に他の炭化水素油をまぜるとか、あるいは軽油以外の炭化水素油だけで自動車を運転する、こういうような事案が出てきたわけでございます。 そういうことを踏まえまして、今回の脱税防止のためには、まず一つはペーパーカンパニーというものを容易に創設できないようにすべきじゃないかというような観点から、例えば特約業者を指定するに当たりまして、従来は比較的自由に認めていたものを今回は指定を厳しくする。最初の間は仮特約業者というようなことで、いわば仮免制度みたいなものをつくるというようなこととか、あるいはこの軽油の流通につきましていろいろな報告義務を課しまして、それをチェックしていくというような手段によりましてこの軽油の流れというものを捕捉していくというようなこと、あるいは炭化水素油を混和していくというような場合にそれに対する対応策を講ずるというようなことで、私どもが現段階で考え得る制度という形で今回は改正をお願いしているところでございます。そういう意味で、従来起こりました脱税事案の多くはこの改正によりまして防止ができるのじゃないかなというような考え方に立っております。
○草野委員 改正の中身につきましてお話ございましたけれども、この脱税の事案につきましてひとつ御報告をいただきたいと思います。 それは、昨年の三月二十九日付の朝日新聞はこういう報道をしております。これは熊本県の合志石油、ここが軽油を洗浄剤として偽って売ったわけでございます。約一万八千キロリットル。この合志石油の関係者は、熊本のほかに鹿児島とか長崎、北海道、そういうところでも同様の脱税事件を起こしている旨が報じられておりました。この脱税事件についての調査結果は現在どうなっておりますか。
○湯浅政府委員 熊本県におきます脱税事案でございますが、御指摘のとおり三和石油という株式会社の熊本支店、それから有限会社の合志石油という会社の軽油引取税の脱税事件が熊本県におきまして摘発されたわけでございます。 この事案につきましては、現在熊本地裁におきまして公判中でございますが、その概要は、この二つの業者が特約業者の資格を得た上で軽油に他の物質、この場合にはトリクロロエチレンというものを混和いたしまして、洗浄剤、車の燃料ではなくて洗浄剤として販売したというふうに偽ってこの軽油のまま実は販売をして税の逋脱を行ったというような事例でございます。脱税額は株式会社三和石油につきまして五億二千百万円、それから有限会社合志石油につきましては一億七百万円というふうに承知をしているわけでございます。 これらの事件につきましては熊本県におきましてかねてから調査をしていたわけでございますが、昭和六十三年の一月から国税犯則取締法に基づく犯則調査に移行いたしまして、同年十月、この二つの会社と二つの会社の関係者を熊本地検と熊本県警に告発をしたわけでございます。その後、地検と県警で捜査が進められまして、三和石油株式会社関係で八人、それから有限会社の合志石油関係で四人が逮捕されて起訴されております。昭和六十三年十二月二十三日に第一回公判が開かれまして、現在公判中であるというふうに承知をいたしておるところでございます。
○草野委員 先ほどもお話ございましたけれども、特別徴収義務者になっている特約業者、こういう業者が価格に軽油引取税を上乗せしないで軽油を安売りして、そのうちに経営不振で倒産する、こういう例。中にはペーパーカンパニーをつくって、そしてその未課税軽油を大量に売りさばいた後、計画的に倒産をする、こういうような事例が全国的に多発をしておる。こういうような実態について自治省としてどこら辺まで把握をしているか、こういう点と、さらに、こういうような脱税の件数、金額、これは現在どのくらいになっておりますか。
○湯浅政府委員 脱税の事案の典型的な事例としましては、先ほど申しましたようなペーパーカンパニーをつくるとか、あるいは軽油の流通経路を転々と複雑にさせて、その中で税を通脱するとか、あるいは炭化水素油等の混和を行うというような事案であろうかと思います。この逋脱によって各県が摘発をした事案といたしまして、昭和六十一年度、昭和六十二年度の二カ年におきまして六件、税の犯則額として約二十九億円の脱税事件が現在摘発されているところでございます。
○草野委員 六件二十九億円ということでございますけれども、果たしてこれが全部なのかどうか、こういうような疑問がしてならないわけです。恐らく全体のうちのごく一部じゃないか、こういうような気がしてならないわけでございますけれども、こういう問題についてはやはりきちっとひとつ把握をしていただきたい、このように思います。 それから、元売業者、また特約業者、こういう方々は、未課税軽油を取り扱い得る、そういう立場といいますか、地位を利用することによっていろいろなことができるわけでございますけれども、今回は脱税防止のために、今回の改正により ますと、課税団体を、元売業者または特約業者から軽油の引き取りを行う販売業者等の所在する都道府県とする、こういうような改正を行う内容になっております。こういうような改正で果たして脱税がきちっと防止できるかどうかという点なんです。自治省も既に認めていらっしゃるように、特約業者が未課税軽油を取り扱いできる点に問題が一つあるわけでございます。だから、元売業者に対して軽油の製造段階で課税する、いわゆる蔵出し課税方式といいますか、このようにしてやったらどうかという点でございますけれども、特約業者は課税済みの軽油を購入して販売する、こういう形にしないと、やはりきちんと脱税は防止できないのじゃないか、こういうことも考えられるわけですが、こういう点はいかがでしょうか。
○湯浅政府委員 軽油引取税の改正のもう一つの観点は、最初に申しましたとおり、実際に軽油を消費した地域で課税をするという意味で、実際に油が流れた地域の県を課税団体にするという改正をしたわけでございますが、これはある意味では脱税防止とはやや観点の違う問題でございまして、むしろ消費地と税源とをきちっと帰属させるという意味でこの改正を行ったというふうに私どもは考えているところでございます。 そういう意味で、この点では脱税の問題とは直接関係はしないと思うわけでございますが、御指摘のように、こういう非常に複雑な流通が行われる物資というものは一番根っこで課税するというのが脱税防止のためには一番いいではないかという御議論は、確かに今回改正する際にも議論の一つとしてあったわけでございます。 ただ問題は、地方税で構成する以上は、その軽油引取税をいかに各府県に適正に帰属させるかという問題がもう一つあるわけでございます。これが根っこで課税をしてしまえば、これは全国一本で取るならそれはそれでいいのでございますが、それぞれの県に適正に課税するという場合に、果たして蔵出し段階での課税でたえ得るだろうかという点がもう一つの問題でございました。その点につきましては、油の、実際に取り扱っている業者の方々の御意見もございました。また、関係省庁の御意見もございまして、基本的に特約段階の課税というものを今回は維持しながら、その上で脱税防止ということを手段として考えられないかということでやったわけでございます。 蔵出しにいたしましても、混和の問題はいずれにしても解決しないわけでございます。蔵出しでいたしましても、混和はその後の段階で発生する問題でございますから、混和につきましては別の観点からの脱税防止が必要でございますので、一つの流通を複雑化させるという点につきましては、各種の報告義務を課するとか、元売業者、特約業者というものの資格を今以上に厳格にすることによって、また報告義務を厳重に課するということによってそれを抑えていくという方がむしろ現実に合うんじゃないか、こういうような御議論もございまして、基本的には特約業者または元売業者の段階で課税をするという形にしたものでございます。いろいろな報告義務等の改正によりまして、現在の制度に比べるとかなり脱税防止には役立つのではないかというふうに考えているところでございます。
○草野委員 混和の問題につきましてはまた後でお尋ねするといたしまして、税収の地域的な偏在といいますか、こういう問題でございますけれども、現在の制度でいえば、極端に言いますと特約業者、こういう方々の書類操作一つでその納税地を決めることができる、こういうことで偏在する、このように言われております。この蔵出し課税といいますか、こういう場合は、その元売業者が全国各地の軽油の流通量に応じて納税することになるわけでございますので、販売量に見合った納税が期待できると思うのです。そうしますと、その地域格差というものはおのずからなくすことができる、こういう点では現行制度よりもすぐれているんではないか、私はそのように思うわけでございます。 そこで関連して一つ伺っておきますけれども、昭和六十一年度の軽油引取税の人口一人当たりの税額を見ますと、滋賀県が物すごく飛び抜けて高いのですね。一人当たり一万六千五百九十九円、二位が愛知県の七千二百十三円、全国平均が四千八百四十八円。滋賀県の場合は飛び抜けて高い金額となっているわけです。一番低いのが奈良県の千九百四十九円。したがって、この一番高いところと低いところの格差というものは八・五倍もある、こんなふうに言われております。またトラック、バスの一台当たりの台数で見ても、人口比ほどではないにしてもかなり格差が大きいわけでございますけれども、こういうような格差が生じているわけでございまして、どうしてもこういう問題の解決に当たらなければならないわけでございますけれども、そういう点からも今回の蔵出し課税、これはぜひともひとつ検討すべきじゃないかと思うのです。 先ほどの局長の御答弁の中にもございましたけれども、業界の方のいろんな御意向もあろうかと思いますけれども、やはり現在の制度から見ておりますと、何と言っても税務の調査体制の手薄な都道府県といいますか、こういうところ、それから税収確保に躍起になっていて、それで交付金の交付率が高かったり、またこういうことがあるかどうかわかりませんけれども、調査に手心を加えてくれそうな自治体、そういうところを中心に集中するのではないか、こんなことも言われているわけでございます。 そういうことから、例えば交付金率の問題でございますけれども、交付金率、現在は最低が一・五%から最高が二・四%と聞いております。総額で百二十億円程度と聞いておりますけれども、こういう交付金率の全国一律、こういう方向に向かって自治省として指導するお考えはございますか。
○湯浅政府委員 御指摘のとおり、現在の制度でございますと、特約業者の所在する都道府県で課税ができるということで、大きな特約業者を自分の県に誘致をいたしまして、そして税収をそこで上げるというようなことが行われたと聞いているわけでございます。その点につきましては、今回の改正では、特約業者の所在の都道府県ではなしに、現実に油が流れたところで課税をするように改めましたので、特約業者を誘致するだけでは今度は税収にははね返ってこない。こういう点で、先生御指摘の蔵出し課税に非常に近いやり方で課税ができるようになったというふうに私どもは考えているところでございます。 そういう意味で、この制度を導入した以上は、もう各県で特約業者を引っ張り合うという意味がございませんから、交付金の関係につきましても他の府県に比べて高くしようというような意欲も恐らくなくなってくるのではないかと思うわけでございますが、現在私どもとしては、税務局長の通達で、二・二%というものを一つの基準にしてほしいという御通知を申し上げているところでございます。そして、ほとんどの府県はその率に従っていただいているところでございますが、一、二の府県で多少それに合っていないというようなところがございます。その点につきましては、むしろ二・二に合わせてほしいということを強くこれからお願いするよりも、制度的にそれをやっても意味がないというような形に今回することによりまして、おのずとこの交付金率は一つのところに収れんしてくるのではないか、こういう感じがしているわけでございます。
○草野委員 一つだけ伺っておきたいと思います。元売業者だけを納税義務者とするということについていろいろな販売団体から反対が強くあった。どういう理由で反対があったのか。その点はいかがでしょうか。
○湯浅政府委員 この軽油引取税は、たしか昭和三十一年度に地方の道路財源の創設ということで道府県税に導入されたわけでございまして、それ以来一貫して特約業者の方々に特別徴収義務者としてお願いをしているということでございます。これを今回は元売業者の段階で課税をしたらという案も一時はあったわけでございますが、今まで これだけ特約業者として御協力をいただき、しかもそれを一挙に蔵出し段階で課税するということになりますと、どうも特約業者がみんな悪かった、みんな悪いからこういう形になったのだろうというようなことで、特約業者の方々は非常にまじめにやっておられる方々がほとんどなのに、いかにも適正でなかったようなことになるのではないか、こういう考え方が特約業者の方々に非常に強くあったようでございます。 そういう意味で、今回は特約段階の課税を継続いたしますが、しかし、従来とは違った形できちっとした納税ができるような改正を私どももやりたいということで申し上げたところ、それはぜひやってほしいということで、今回の改正案の作成になったわけでございます。
○草野委員 特約業者が全部悪いとかいいとかいう問題ではなくて私は申し上げているつもりなんですけれども、ただ、今のお話の中でちょっと気がついたのですが、いわゆる特別徴収義務者、こういうものになるかならないかということなんですけれども、例えば交付金というものの特例措置、これがございます。それから軽油引取税、こういう税金を販売先から預かって、そしてそれを県税事務所まで納める。納期まで預かっていることができるという資金繰り上のメリット、そういうものまで配慮をしているのかどうか。そういうことで現在の制度を残しておいた方がいいということなんですか。
○湯浅政府委員 特約業者の方々が特別徴収義務者になることによる今御指摘のようなメリットの面もあるのかもしれません。しかし、基本的に私どもにお話のあったのは、先ほど申し上げましたとおり、従来から軽油引取税を取り扱っていたのにかかわらず、今回課税の適正化ということだけでその特別徴収義務者を一方的に取り上げるというのは、今まで非常に適正にやってきた業者の方々にとっては耐えられない、こういう御意向が非常に強かったというふうに私は理解しております。
○草野委員 今後の問題として御検討いただきたいと思います。 次の問題でございますけれども、軽油の価格の問題でございますが、トラック業界やバス業界の軽油のいわゆる大口需要者は市場よりもかなり安い価格で引き取っている、まずこのように言われておりますけれども、こういうことは事実でございましょうか。また、地方公営企業のバス事業の軽油の引き取り価格は現在どのくらいになっておりますでしょうか。 こういうことに関連いたしまして、例の混和の問題に移りたいと思いますけれども、通産省にお尋ねをしたいと思います。この混合軽油のチェックのために識別剤、いわゆるマーカーの使用、これは現在外国でも一部使用されているように聞いておりますけれども、例えば灯油にはクマリン、軽油にはキニザリンというのが有効と言われておりますけれども、こういうようなマーカーをどうして使用しないのか、こういう声も上がっております。こういう点についてまずお伺いしたいと思います。 この点で、例えばこういうマーカーを軽油の中に混入した場合、エンジンの性能に問題はないのかどうか、また人体の安全性には問題がないのかどうか、こういうこともあわせてお答えをいただきたいと思います。
○岡本説明員 先生お尋ねの第一点について、私からお答え申します。 ことしの三月現在、一般のサービスステーションでは軽油がリッター当たり六十七円ぐらいで販売されておりますが、地域によりましてはリッター当たり六円から七円ぐらいのばらつきが現に生じております。 それからまた、サービスステーションを通さないでトラック業者あるいは大手のバス業者、そういう大口の需要家のタンクに直接納入される、インタンク取引と申しておりますが、そういうケースにおいては、リッター当たり四十五円ぐらいで取引されているケースが多うございます。 残余の点については、同僚の精製課長からお答えさせていただきます。
○田村説明員 ただいま御質問の添加剤の性質に関するもの、それからそれがどのくらい有効に脱税防止に役立つかという点に関してちょっと御説明申し上げます。 私どもは、現在、違った油種がまざったときに、それがまざったということが簡単に判明できる方法はないだろうかということで、かなりいろいろな面からの検討をしております。現実に今回の軽油の異物混入防止対策に関係いたしましては、検討委員会というのを昨年三月に設置いたしまして、学識経験者、それからユーザーの方、さらに消費者も含めまして、非常に幅広い面からの技術的な検討をしております。 その問題点といたしましては、一つには実使用上に害がないだろうかというような点、それからさらにもっと慎重に検討いたしましたのが安全性に関してどうだろうかという、主にこの二つの点から慎重な検討をいたしました。 今御質問にありましたように、例えばエンジンに対する影響はどうかというような点に関しましても十分な検討をいたしましたし、さらに家庭内で灯油、まあ二種類当初検討する項目がありましたが、軽油に入れる場合と灯油に入れる場合という形でそれぞれ油種の用途が違うものですから、例えば軽油に入れる場合にはエンジンに対する悪影響はないかというような点、それから灯油に入れる場合には、家庭で、特に室内で使うという非常に厳しい条件が課せられているものですから、そういう点で完全に安全性上の問題がないかということを非常に細かく検討いたしました。そういう面で、例えば特に灯油の場合には家庭用のストーブを全機種選んで実試験をしたというようなこと、さらに穀物乾燥機として農業的に使われている場合もあるというようなこと、それからハウスの加温機だとか、いろいろな海藻類の乾燥機にも使われているということで、現在使われているほとんどの分野に関しての安全性を現実にやってみてチェックしてみたというようなことがございます。各種の添加剤というものを選びまして、そういう安全性の面、それから実使用上の問題点という点から検討いたしまして、非常に心配のないというものが灯油においてはクマリンというものが挙がっております。 先生御質問のようにクマリン自身は海外ではかなり昔から灯油に入れて軽油への混合を防止するということで、既に現実に二十年ほどの実使用上の実績がございますが、我が国においては、それだけでは日本の特殊な使い方に対してどうかというものが不安だったものですから、そういう点もきっちり試験をして安全性の実証をさせていただきました。さらにそういう点で、クマリン自身がたまたま植物の葉、特に桜の葉っぱに入っているような香りの高い成分と一致しているということもありまして、天然に従来からあったものであるということ、さらに現実に化粧品、石けん等の香料とか湿度を保つ材料としてかなり使われているということ、それから国際的にも安全であるというような形で食品添加剤に使われている場合もあるというようなことから、クマリンというものを灯油に入れていくということ、灯油及びA重油ということになりますが、そういう形で添加していくのが一番安全性上問題なく実効が上がるであろうということで現在調査委員会の結論を得ております。 これは、検査するときには、ほんの一ppmという非常に微量な量が入っているだけでまぜられたときにすぐに検出できるということですので、従来のように成分を一々分析しないとわからなかったということに関しますと、非常に早く混合されたかどうかということがわかるというようなことで、技術的なバックアップができるかと思っております。
○草野委員 時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、もう一点だけ。 今の通産省のお話によりますと、識別剤の問題に対しては非常に積極的な姿勢がうかがわれるわ けでございますけれども、今回の改正によりますと、自治省の意見といいますか、態度は、識別剤添加の問題については引き続き検討、こういうようなことになっているわけでございますけれども、自治省としてはこの問題についてはどういうお考えなのか、簡単にひとつお示しをいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 ただいま通産省から御説明のとおり、識別剤というものが安全に活用できるということであれば、これは混和脱税に対する非常に有力な武器であるということで、私どももこれを導入することはそういう意味では非常に有効なやり方だと思うわけでございます。 ただ、私どもがこの問題について一年間の猶予をいただきたいということを申し入れたのは、一つは、今もお話のございました周辺油種、灯油だとかA重油にこの識別剤を添加いたしました場合に、特に灯油などの場合には御家庭の暖房施設などで生だきをするというような場合に、果たしてそれが安全上問題がないのかどうかという点につきまして、地方団体の皆さん方にそれを確認してもらわなければこれはなかなか難しいのではないか。理屈、理論的にはわかったとしても、果たしてこれが本当に安全かということについて地方団体の皆さん方が納得をしない以上は、税法上それを義務づけるということはなかなか難しいのじゃないかというような観点から、この問題につきましては安全性あるいは環境的に問題はないかという点についてそれぞれの都道府県でひとつよく調べてほしいということで、実は先般の会議でもこの問題については十分説明をいたしまして、それで納得がいただければこの問題については私どもも導入することについてやぶさかではないわけでございます。
○草野委員 以上で終わります。
○西田委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 大臣、いや何と六番バッターというのは情けないですね。これを見てください。七枚だめになりました、質問を用意しておったのが。同じことを聞いたのでは、あいつばかかと言われますので、これはもう全部捨てなければいけません。そういう惨めな環境にある質問と思って、大臣、心を平静にしてひとつお答えいただきたいのですが、どこかよその国の話だと思って聞いてください。 一昨晩の日本のテレビで「代議士の妻たち」というドラマが終わりました。ごらんになりましたか。
○坂野国務大臣 ずっと前に一回だけ見ましたけれども、最近見ておりません。
○岡田(正)委員 それはまことに残念です。一昨晩はクライマックスでございまして、新人議員で、新人議員と言ってはおかしいのですが、初めての閣僚になった、通産大臣に登用された立派な代議士が、実は本人が全く知らぬのに、秘書と奥さんが株の譲渡に関与しておったのですね。そのことが検察にばれまして、非常に潔癖な大臣でありますから、妻のやったことも秘書のやったこともおれの責任だ、おれはやめると、実に立派な態度を表明しました。周りの皆さんや幹事長はしきりにとめておりましたね。こういう劇的なシーンがあったのでありますが、これはやはり何かを示唆しているんだと思うのです。日本のことじゃないと思います。よその国のことだと思って御判断いただきたいと思いますが、先生も参議院を三期連続当選という栄誉に輝く人であります。しかも元建設省の事務次官、最高峰に立たれた人であります。今や自治大臣、昔で言うならば内務大臣ですよね。内務大臣といったら、これは総理大臣の次です。副総理と言って間違いのない立場の人であります。そういうお立場に立っておる方でありますから、しかも全国三千三百有余の地方自治団体の指導的立場にも立っていらっしゃるお方でございますから、楽な気持ちで、社会科の教室で子供を教えるようなつもりで、自分の偽らぬ気持ちを表明していただきたいと思うのですが、今私が申し上げた、秘書がやったこと、妻がやったことといえどもおれは責任をとる、こういうすばらしい態度について大臣はどのようにお考えになりますか。ええこっちゃ、悪いこっちゃ、どう思いますか。
○坂野国務大臣 大変政治家として倫理感の強い人だと思います。
○岡田(正)委員 さすが立派ですね。非常に気持ちのいいお答えであります。 さてそこで、今こういう問題を日本の国会が抱えておるときに、私どもが考えなければならぬことは、何といっても国民の要望にこたえてリクルート疑惑の解明を何としてもやり抜かねばいかぬ、これは我々国会議員に与えられた責務であるというふうに考えておられますか。竹下内閣の一員であることを忘れて、一国会議員としてお答えください。
○坂野国務大臣 そのとおりだと思います。
○岡田(正)委員 まことにいいお答えで、本当に満足であります。 ということになりますと、事がここまで低迷をして、世論の支持率もこれほど低下してという状態に相なってきましたならば、大臣には何の関係もありませんけれども、もはや内閣の総辞職、解散こそ今急がなければならぬときであると思いますが、先生は参議院ですから関係はありません、そのままいらっしゃるのでありますが、そういうことを抜きにして、いかがでございますか。
○坂野国務大臣 これは最終的には総理みずからの御判断によることでございますから、私がとやかく言うべきことではないと思います。
○岡田(正)委員 そういうお答えになると思いました。 というところで、ふるさと創生、一億円ばらまき問題に入らせていただきます。 さて、これはきのうの晩のテレビで見まして、私もさわったことございませんけれども、兵庫県の淡路島の津名という町で一億円の六十二キログラムの純金の塊を購入しまして、そして町の人たちにもみんななでさせる。ただガラスのケースに入れて見させるだけじゃだめですね。あれは全然人気はありません。あの町長は実に頭がいいと思う。さわれば純金は減るそうですね、私は知りませんでしたが。減るそうですが、減ることよりは、町を創生するのにどうすればいいか。そのためには、じかにさわらせることが一番いい。ガラスのケースを取ってしまって、みんなにさわらせておるそうです。それを聞きつけて、遠くから観光バスで海を越えて見物に来るそうです。たった十五日間で何と二万四千人来たといいますよ。町長いわく、テレビで言っていましたが、ありがたいことです、この来られたお客さんが我が町に一人千円落としてくれればそれだけでも二千四百万円地元に金が落ちることになります、このことがずっと続いてくれるといいと思うと言って、小学校にまで持っていってさわらせているそうです。なかなか頭のいい町長だと思いますね。ふるさと創生の中ではこれは、ほかにまだいろいろ出てくるでしょうが、まず一番最初に紹介された問題としては私はすばらしい問題だなと思って感心をしておりますが、大臣はどのように思われますか。
○津田政府委員 一つのアイデアかと思います。ただし三千の町村が全部ああいう金塊を持っていたら、あれほどマスコミに取り上げられることもないし、またその二万人のお客が来るとも思えないわけでございまして、あそこはあそこの事例ということでそのアイデアは尊重すべきですが、またほかの団体はほかの団体の地域の実情に即した計画を考えるべきだと思います。
○岡田(正)委員 局長が今四角四面のお答えをされましたので、それではひとつまた追いかけてこの質問をさせていただきます。 しからば、ううん、うまいことやりやがったというので、おらが町でもやってやろうというので同じようなアイデア、いわゆる金塊を購入するというような町が出てきたら、局長はちょっと待てというふうにおとめになりますか、何とも言いませんか。いかがですか。
○津田政府委員 みずから考えみずから行う町づくりということでございますので、これは地方団 体の自主性にゆだねるということでございます。ただし、柳の下にドジョウは二匹はいないのじゃないかと思います。
○岡田(正)委員 では大臣にお尋ねしますが、税金というものは、同じものについて二重払いをする、二重課税をするということはいいことですか、悪いことでしょうか、教えてください。
○湯浅政府委員 税制をどう仕組むかということにもよると思うわけでございますけれども、例えばさきの国会で成立いたしました税制改革におきましても、一つのものに対して二つの税がかかる。例えば、たばこというものを一つの例にとりますと、たばこは国のたばこ税と地方のたばこ税のほかに消費税もかかる。そのかわりその間の税率は調整をして負担が高くならないような措置を講ずるということにはしましたけれども、そういう形の税は現実にあるわけでございます。
○岡田(正)委員 今私が言いたかったたばこの問題が、私はよくたばこを吸いますのでその問題を聞きたかったのでありますが、たばこはたばこ消費税というのがかかっておりましたね。それで、そのたばこの元値がある。それにたばこ消費税が足されて、これだけあるとしますね。すると今度またそれに消費税がオンされるので、今までの消費税というのはたばこ消費税、ややこしいのですが、たばこ消費税を抑えてそれに消費税をプラスして、プラス・マイナス・ゼロ、値段は一緒。二百円のたばこは二百円、二百二十円のたばこは二百二十円というサービスを今度しましたね。そうなると、先ほど先輩諸公がいろいろと質問をしておられました地方自治体における、手っ取り早く言うならば東京都ならば東京都において自分の力でいろいろと合理化をし、節約するものは節約して、下水道料金、上水道料金の値段を下げて、それに消費税をオンするということなら何にも問題はないではないかということに直結してよろしいですな。
○津田政府委員 消費税の転嫁問題に際して、内部的な合理化努力をして料金を下げて、結果的に消費税分を乗せても従前の料金よりも同じあるいは下がる、これは一つの考え方かと思います。その場合、問題点としましては、じゃ何で今合理化をするのか。合理化というのは、やはり住民負担を考えて、上水道、下水道と安定的な供給をしつつ経営の合理化というのは常にやるべきものである、こういうような点で別の次元の話ではないか。ですから、合理化がけしからぬとかいうことではないのですが、消費税の転嫁問題と一体として考えるところにまず一つ問題がありますということでございます。それがたまたま時期が一致したのだといえばそれまでの話ですが、合理化の問題と転嫁の問題は別次元の話であるということでございます。 それから合理化努力というものがいわゆる中身がどうかということでございまして、東京都の場合には定数削減、定数の合理化等をやる。これは確かに恒久的な財源が生まれてくるということでございます。したがいまして、恒久的な歳入確保あるいは恒久的なコスト低減、これは一つの考え方でございます。ところが、企業用の財産を売るとかいうようなことで臨時的な財源で消費税負担という恒久的な問題に対処するのは、これは筋が違う話ではないか。私ども一番恐れることは、一般の民間の方々でも、例えば駐車場が十台分ある。ところが、実際に使っているのは五台程度だ。この際五台分の駐車場を売って、消費税負担を含めた値段は今までどおり、あるいは今まで以下とする。そういうような話につながる危険性がある。ですから、経常的なコストの低減ならいいわけでございますが、それは臨時的なもの、あるいは一番あれなのは名目的だけで合理化したというようなことであってはならない、このように考えておるわけでございます。
○岡田(正)委員 それでは改めてお尋ねをしますが、各地方自治体の消費税の転嫁の今の進展状況、これはどのような状況になっておりますか、都道府県と市町村に分けて教えてください。
○津田政府委員 消費税転嫁問題に対する地方団体の対処の状況でございますが、多くの使用料等の改定は条例等によるものでございまして、議会審議を経て決定される、このような性格のものがほとんどでございます。各団体においては二月または三月議会において条例提案を行っているところでございます。 そこで、私ども調査という場合に、最終的な決着がどういうふうになるか。この団体は否決される、この団体は可決されるということまでを言うこと自体がいろいろ問題がある。また、正直申しまして、それでは知事の判断で今どうなるのか、総務部長の判断でどうなるのか、財政課長の判断でどうなるのか、これ自体も実は異なるぐらい議会との折衝に各執行部も苦慮しておるような状況でございます。そういう意味におきまして、私どもは、現段階あるいは全地方団体を把握する、また把握方法自体問題もございますし、またその結果を申すことも問題があるのではないか、かように考えております。 そういう意味で、客観的な事実として私どもの方から言えることは、二月末現在、これは大体執行部が議会に条例案等を提案した状況、これは一つの客観的な事実として把握できますし、また対外的にも私どもとして公表できるものでございます。その時点で状況を申しますと、普通会計につきましては、四十七都道府県中四十一団体が四月一日から使用料等の改定等により消費税分の転嫁を行う、このような案で対処しております。ただし、うち十五団体は一部の使用料等について実施時期が四月以降となる、こういうような条例案でございます。他の六団体は四月一日からの使用料等の改定を見送っておる。これが二月末で客観的に言えるような状況かと存じております。 三千何百団体市町村があるわけでございますが、そこいらの実情の把握というのはなかなか困難、しかし、当初県会あるいは当初市町村議会等が終わった結果の事実は確認できるのではないか、このように考えるわけです。ただ、この問題は、正直申しまして地方団体の特別会計の数だけでもたしか三万ぐらいあるわけでございます。この把握ということは数からしてなかなか大変な問題でございまして、市町村につきましてはやはり都道府県で把握していただく、私どもは都道府県中心に把握するのではないか、かように考えております。
○岡田(正)委員 局長さんはもう本当に失点のないように用心深くお答えになりますが、何と日本のテレビは便利でして、今の局長答弁よりもはるかに進んだことをどんどん報道しておるのですよ。これはきのうの晩私がテレビを見ながら書いた、汚い字なんですけれども、これを見ますと、公共料金等の問題でいわゆる転嫁を見送ったところは、四十七都道府県のうち十八、十政令都市のうち八、これだけは見送りにした。それで十六都道府県が転嫁を決めた。こういうことを報道し、さらに、その中において家賃の見送りが十三、入場料が十、使用料が七、分娩費が七というふうに非常に細かく出ているのですね。これはなるほどおっしゃるとおり三万件からあるわけですし、しかも自治体は三千三百からあるのですから調査が大変だということはお察し申し上げますけれども、いやしくもこの問題を提案されておる国会における答弁が、民間のテレビよりもその報告される材料が非常に古い。二月末といえば一カ月前の話ですね、これは執行部が提案したときの話ですからね。それが、もう今どんどん新聞に出、テレビにも出ておるのにその状況を把握しておらぬというのは一体どういうことなのか、と言ったら怒りますか。もう一遍言ってください。
○津田政府委員 実は昨日の晩のテレビ、私も拝見していました。これはあえて申すのもなんでございますが、あの把握におきましても、例えば高校の入学金を出していない団体ということを言っておりましたが、高校の入学金の消費税問題は平成二年度からの話でございまして、そこいらでも把握方法につきまして実はなかなか難しい点もあるわけでございます。実態の把握につきましては先ほど申したことで尽きるわけでございますし、 また、議会でまさしくつばぜり合いでそれぞれ団体が苦労しているときに、私どもがこれはどうなるということを言うのも問題があるのではないか、このような考え方でございます。
○岡田(正)委員 先ほど私が昨晩のテレビの報道の数を申し上げましたが、こういうふうに消費税を転嫁しなさいということを政府の方から法律によって指示しておるのにかかわらず、それが地方自治体において通らない、実施をしないという状況を称して、これは反乱と言うのですか、正常であると言うのですか、どう言うのでしょうか。
○津田政府委員 前の先生の質問で、これは反乱じゃなくてむしろ健全なんだとおっしゃる先生もおられましたが、私どもからしますと、法律が昨年の十二月に成立し、そしてその国会審議の経過におきましても、当初政府提出案では転嫁に「努めるものとして、」としておるのを国会修正で「転嫁するものとする。」これまで国会での御審議をいただいた法律がまさしくこの四月一日から課税される、こういうような事実の中で、やはり異常と言わなければならないのではないかと思います。
○岡田(正)委員 そこを言われるとまた余分なことを言わなければいかぬのですね。「転嫁するものとする。」と国会でわざわざお定めになったのでございますからと今おっしゃいましたね。これはいわゆる親メーカーの下にたくさんおる中小企業の関係者の諸君が転嫁ができない、転嫁ができないために第二法人税になる、それを防ぐためには実施するのなら転嫁をしなければどうにもならないよというのがその意思だったのです。それで、今私が言っているのは、地方公共団体にもその転嫁をしなさいということを我々が言ったとは私は露ほども感じていないのですよ。そこは議論が相打ちになりますから、これ以上言うと時間がどんどんなくなるから申し上げません。 さて、次の問題として、転嫁をしなさいと言っているのに転嫁をしないところが現実に出ておるわけですね。転嫁をしないところが出たところについてはどういう指導をなさっていくのでありましょうか。
○津田政府委員 前段のことは議論するのはもうこれでやめるということでございますので、あえて私どもからも申し上げません。 ただ、言葉をもうちょっと厳密に申しますと、東京都の場合でも料金を下げても転嫁はしておるわけです。前の料金で転嫁しておるのではなくて下げた料金で転嫁している。転嫁していることに間違いないわけでございますし、また転嫁しないというものではない、これは東京都の執行部もそのような考え方でおります。 それから、私どもといたしましてはかねてからも指導しておるとおりでございますが、やはり第に考えなければならないことは、四月一日から地方団体の提供する財貨サービスに対しては一部の例外を除き課税されるという事実があるわけでございます。これは今後いわゆる見直しとかいう議論はあるかと思いますが、それは別といたしまして、ともかく四月一日から現実に課税という事態に入ってくる。この現実を地方団体の方々も当然のことながら十分頭に置いておられると思いますが、そのことを置いていただきたい。 それから、消費税の問題は一つの新しい税という問題だけではなくて、抜本的な税制改革の中におきまして、直接税、所得税、住民税、法人税等も含めてこれの大幅な減税をやって、かつ現在ある個別間接税のむしろ不公平という問題を是正する、こういうような新税が設けられた趣旨というものも十分御理解いただきたいということ。 それから、消費税の転嫁ということをやらないで結局どうするんだ、上水道、下水道の供給を不安定にするのか。一番悪いのは、一般の税金で埋めて、要するに上水道なり下水道を使う方が納めないで、使わない方が払った税金で埋めるということは住民間の不公平になるのではないか、そういうような趣旨。これはもう地方団体の方は十分御承知とは思いますが、私どもとしては、今後におきましても執行部の原案作成あるいは議会における審議の材料として、その内容というものを十分徹底していかなければならないのではないか、かように考えております。
○岡田(正)委員 さて、その地方自治体の方が転嫁をしなかった場合、条例を変えなかった場合、こういうときには三%の消費税は取れませんから納税をしませんね。さあ、そこ、首を振りよるところを声を出して言ってください。これをしなかったら、納税しなかったらどうなる、そして徴税の方法はどうする、取らなかった場合ですよ。転嫁をしない自治体の場合、これはどうしますか。
○津田政府委員 個別的な内容を詰めますと、いわゆる一般会計の場合には、いわゆる売り上げに係る税額と仕入れに係る税額が同額とする、こういう規定がございますので、この問題は別といたしまして、特別会計、公営企業会計につきましては、ともかく地方団体が提供した財貨サービスについては消費税がかかるわけでございます。ですからこれは国税当局によって課税される。納税しなければ滞納処分等の問題は法律的には出てまいるわけでございます。
○岡田(正)委員 そこらをもうちょっと詰めて聞きたかったのですが、条例を変えなかったところはもう現実に出てきているのですよ。現実にその団体があるのですよ。そうなってくると、条例を変えませんから消費税は取れない。取れないけれども水道の水は市民に飲ませなければいかぬ、下水の処理もしなければいかぬというような状態があります場合に、国税当局は、税金を定められた期間に納めなければ当然納めろといってそれを請求するようになる。それでも納めなかったら、最後には差し押さえですわな。ということは、いわゆる市民の命にかかわるような上水あるいは下水、そういうふうな問題についても差し押さえというようなことはあり得る、当然あり得る、当たり前のことだ、法律は厳正である、こうおっしゃいますか。
○津田政府委員 料金の改定を行わなくても、これは税法の関係から申しますと、今までの料金が税込み価格、こういうことになるわけであります。したがって何%、三%じゃなくてもうちょっと端数がつくわけでしょうが、それが財貨サービスの提供、それの三%ということは国税当局に納めなければならない。そして最終的には滞納処分という事態というのは考えられる。ただし、滞納処分をする財産というものはまた限定されることは当然のことながらあるわけでございまして、まさしく市民に供給している水道の栓をとめるまでは、これは滞納処分でもなかなか難しい問題であると思います。
○岡田(正)委員 余り際どい話はせぬことにいたしまして、さて、いわゆるそういう転嫁をしないような団体が出てくるおそれはもう現在多分にあるわけでありますが、そういうことが出た場合には、それは地方自治体において首長さんが予算を提案し、そして条例は議会が決め、予算をお決めになる、それが地方自治体の自主性でありますから、そこまでは文句を言われぬでしょうが、その出てきた姿が政府にとって気に入らない場合、このときにどういう制裁をおとりになりますか。
○津田政府委員 私どもはもう四月一日まで、間近に迫っておるわけでございますが、やはり徹底的な指導というものをやっていきたい。この段階におきまして、交付税の減額とか、そういうものは考えておりません。ただ、制度的に申しますと、先ほど来申し上げますように、地方財政法二十六条におきましては、「地方公共団体が法令の規定に違背して著しく多額の経費を支出し、又は確保すべき収入の徴収等を怠った場合においては、」国は、当該地方団体に対して交付すべき地方交付税の減額あるいは返還という制度はあるわけでございます。ただし、私どもといたしましては、やはり地方団体の自主性、自律性というものを信頼して、その基本に立って今後も指導を続けてまいりたいと思います。
○岡田(正)委員 わかりました。最後には閣議で、あれは三月十七日でしたか、あのときに三塚さんも言われましたね。それで、自治大臣も大体それ に似通ったようなことを、うん、そうだなというような感じのことは――言ってない。ああ、さすがですね。ちょっと答えてください。
○坂野国務大臣 いや、それはとんでもない話です。三塚さんの言ったのは、先ほど答弁しましたけれども、地方に対してカットするということではなくて、さっき話があったように、そういうことを一般会計から、仮に転嫁しない場合に、税金は払わなければいかぬのですよ、どんなことがあっても三%。これは地方公共団体から税務署に払ってもらわなければいかぬ、それは厳然たる事実でございますから。その払うのに、一般会計とかなんかで払える余地のあるというのは東京都等ですね。これはやはり交付税の余裕があるからではないか。そうなれば、結局、今国税三税から三二%交付税をずっと払ってきたわけです。だから、その率を変えるべきじゃないかという議論が前々からないでもない。そういう議論が再燃するおそれが出てきやしないかということを三塚氏が心配で言ったわけです。だから、ひとつみんなで協力してそういうことがないように持っていこうという質問が、質問というのか御意見があったものだから、いや、むしろそういうところは、交付税を交付していない団体の方が割合からいうとそういう転嫁されないところが多いこともあり、そう交付税の率を軽々に三二%を変えるというようなことはできません、こういうことを私は言ったわけです。そうしたら三塚氏もうなずいていましたから、わかったと思います。
○岡田(正)委員 わかりました。そうなりますと、私どもと政府・自民党との間で合意をいたしました半年間の弾力的運用、なかなか転嫁しよう思っても転嫁できない、努力はしている。努力はしているけれども、なかなか転嫁できないという場合には、半年間の弾力的運用を行うということを約束をしておりますが、地方自治団体の問題についてはこれは別という御理解でありますか。 先ほどの答弁を聞いておると、法律で決まったんだから取るべき税金は取るんだ、それは納めてもらわなければいかぬのだ、納めなければ、それは交付税を減額したりというようなことは現在の法律によってもできるのです、こういうようなことでありまして、聞いておる地方自治体の方は随分腹にこたえるような話だろうと思うのですが、どうですか。
○津田政府委員 消費税の弾力的運営の諸措置につきましては、私ども大蔵省からいただいております資料では六項目ございまして、「税務署への提出書類の期限猶予」あるいは「税務執行の弾力的運営」、要するに計算誤り等を生ずることを十分に考慮しなさいとかいうようなことを聞いてございます。この地方団体も一つの事業者でございますから、このような考え方はまず一般論として当てはまる。別に地方団体を除外しているわけではございません。 ただし一諸手続の中では地方団体の納税時期等については特例をつくっております。普通よりもおくらしている。それは地方団体の今までの決算のやり方を変えないで、大体今までどおりの決算でやれば納税手続もそのままスムーズに移行できる、こういうような考え方をやっておりますので、消費税導入という難しい計算だとかそういうことはない。今までの決算をきちっとやっていただければすぐ納税額等が確定する。こういう仕組みでございますので、一般論としてはこの弾力的運営にかかりますけれども、個別具体の問題になりますと、今申しました従来の決算手続あるいは財務、会計手続というものを変えないで済むようなことを国税と話しておりますので、そういう意味では個別具体的には余り弾力的運営という問題には当たらないのではないか。しかし、一般論として別に地方団体を除外しておるわけではございません。
○岡田(正)委員 この問題はそこから先を突っ込まぬことにします。 さて、地方交付税法の関係では地方交付税のいわゆる制裁規定というのがあるけれども、それ以外の特交、そして起債、これについては自治省は別に制裁をしようとは考えてはいない、いや考えておる、どっちですか。
○津田政府委員 法律の制度論としましては、制度自体はありますが、現在のところ、それの適用はまだ考えておりません。
○岡田(正)委員 さて、先ほど先輩議員の方から大変貴重な質問がありました。公営住宅の問題等でございますが、低廉な家賃で環境のよい住宅を提供するということでつくられております。その公営住宅の家賃についても一律三%の消費税がかかる、このことについて低所得者の人は困るじゃないかということを言いましたけれども、それはやむを得ないというお話でございました。 御存じのとおり、現在の市町村における公営住宅の条例の中にはいわゆる減免措置も含まれております。それで、低所得者という人たちは、先ほど来から大きな減税をしたのですから当たり前じゃないですかというような意味のお話が随分ありましたけれども、低所得者というのは減税の恩恵はさらさらない、ただ消費税がオンされるだけの話であるという状況でありますので、いわゆる公営住宅というものについては減免措置をとっておるのでありますから、同じくその公営住宅については消費税について減免するというようなことは、これはむちゃくちゃですか。話になりませんか。
○津田政府委員 税法の法律関係から申しますと、公営住宅も地方団体の提供する財貨サービスになるわけでございますので、消費税はあくまで課税される、こういうような問題でございます。それでは、その家賃自体が原価が最高限度としておるわけでございますが、それプラスこの消費税負担というものが公営住宅入居者に対する負担能力とどういう関係になるか、こういう点はあるかと思います。先生も若干お話にございましたように、直接税関係の減税、それだけでは足らない部分について、実は生活保護費の扶助基準の見直しあるいは年金等の改定もあわせ行っておるわけでございます。そこらとの関係で、実際に入居しておる方々の負担能力がどうなるのか。それが不十分ならば個別的に家賃減免という措置も各団体としては持っておるわけでございますので、そこらの運用というものは考えることができるのではないか。しかし、一番最初に申しましたように、公営住宅自体におきましても消費税についてはまさしく財貨サービスの提供として課税が生じておるという事実は疑いないわけでございます。
○岡田(正)委員 くどいようでありますが、もう一度聞きます。 今の公営住宅の関係なんかは本当に身につまされる問題です。だから、一般の人で払える人の家賃がこうあるとしますね。それで、非常に低所得者の人についてはこれだけでいいですよと減免措置がありますね。これが今のこの線とします。そうすると、局長の考えるのはこのラインにすべて三%をオンしなさい。この低所得者の人の減免措置をとっておる分については三%をオンしなくてもいいよということになるのか。その低所得者の人の減免措置をしておる分も三%はオンしなさいよ、生活保護法でさえアップをしておるのですからということなんですか。そこをはっきりしてください。
○津田政府委員 例えば四万円の家賃があったとすると、その三%について課税されるわけでございますので、四万円プラス三%というものになるわけでございます。 それでは、その金額が果たして年金あるいは生活保護費等の扶助基準の見直しで十分賄えているかどうか、これはいろいろな判断があるかと思います。しかし、政府全体としてはそういうような意味で年金あるいは生活扶助基準の見直しということに取り組んでおるのは事実でございます。そういたしますと、それではそういう制度改正も行いながら、なお個別的に負担能力があるかどうか、ない場合にはこれは家賃を軽減する、こういう話でございます。ただし、これは繰り返し申し上げますが、例えばそれは四万円を三万円に下げたところで、三万円の三%の消費税負担は生ずることは間違いないわけでございます。 それから、これはむしろ先生方の御判断と思いますが、やはり考える必要があることは、公営住宅に入れない方、東京あたりはかなりの倍率になっておるし、恐らく広島だって全部の方が入れてないのだと思います。公営住宅に入っておられる方の何倍という方々がおられるわけでございまして、そういう方々はむしろ公営住宅よりも高い家賃の、また条件としては木賃住宅とか言われるような条件の中で生活しておられる。それらの方については消費税の転嫁というものが行われている。こういうような事態を全般的にお考えいただいて対処すべきものではないか。ですから、個別的な事情というものは十分考えてもいいわけでございますが、そういうような全般的な問題も頭に置いて御判断いただきたいと思うわけでございます。
○岡田(正)委員 政府の御答弁を聞いておりますと、大抵こういう難しい問題で落ちをつけるのはどこで落ちをつけるかというと、そうはおっしゃいますが公営住宅に入りたいと希望しておる人が全員入っておるわけではありませんよ、ごく特定の人しか入っておりませんよ、その人にだけ恩恵を与えるのですかなんということにすぐひっくり返ってくるのです。あれは意地が悪い答弁ですね。私はそういうのは余り好かぬのであります。 そうすると、もう一度確認しますが、減免措置を講じておる家賃もやはりサービスの提供であるから当然三%オンしてアップした家賃を払ってもらわなければいかぬ、こういうわけですね。うなずいていらっしゃる。そのとおり。しからば、生活保護費をもちっておる人でも生活保護を上げたのですから、アップしたのですから、だから家賃も払えないはずはないですよ、それから食料費で食料が買えないはずはないですよ、こうおっしゃるのですね。生活保護費が一体何%上がったのか、その何%と金額、標準でいいから。これは厚生省がおらぬのに聞いたら困るよということになりますか、いかがですか。
○津田政府委員 残念ながら私の手元で生活保護費の改定内容、十分な資料を持っておりません。しかし、政府全体としてはその点、いわゆる直接税の負担軽減はしたけれども、それに該当しない方々に対してどのように対処するかという配慮は行っておるわけでございます。ただ、それを行ったからといって全部の人が例外なく平気かどうかという点は、これは私はそうは申し上げておるわけではございませんで、個別的な状況というものを判断する必要はあるということでございます。
○岡田(正)委員 その資料、何か書いておるのじゃないの、出し惜しみせぬと……
○津田政府委員 税務局の方の課税最低費やなんか検討する資料で、たまたまありましたので申し上げますと、生活扶助基準の改定で標準三人世帯で四・二%でございまして、金額で申しますと昭和六十三年度当初月十三万九百四十四円を十三万六千四百四十四円に、これは予算の単価でございますが、改定しております。
○岡田(正)委員 そういたしますと、月に約六千円上げておるんだから、家賃の方も食料費の方もいわゆる生活費を含めた全部が大体月六千も上げておればいいだろう、こういうことでありますね。率にいたしましたら四・二%、こういうことですね。 ところが、物価の上昇というのがあります。物価の上昇がゼロ%なら確かに四・二%丸ごと上がったことになる。物価の値上げというものは、今回は消費税が四月一日から実施される年なんですよ。政府の方が、いわゆる所得の中から消費する金額は約七割しか使わないというような計算で今まで新聞に発表してきておりますけれども、我々の世帯から考えたら、これはもう普通の人で大体もらった金の八割は消費しておりますよ。そして低所得者になればなるほど、一〇〇もらったうち九割、九割五分は恐らく消費してしまうでありましょう。そういうことを考えてみると、いわゆる物価の値上がりというものは、消費税が三%上がったということになれば、これは物品税も下がるし、高いお酒も下がるし、電気製品も下がるし、下がる分が随分あるんだから、平均で押しなべてしまったら一・二%しか上がらぬよ、こう政府はおっしゃるが、本当に底辺をはって生活をしておる人たちというのはもろに上がってしまいますよ。一・二%の上がりどころではない。三%ぶっかけられたら三%は上がるに違いない。そうなると残りは一・二しかない。そうするとこれが物価上昇分、こういうことになるので、それが物価上昇が一・二でおさまるかどうかということですね。 こういうことを考えると、私は本当にお気の毒なような感じがしてなりません。今の上水道、下水道についても全く同じであります。さらに、先ほど先輩からお話がありました電気税の関係、これは自主財源でありましたが、五%が三%に下がって消費税になった。これは地方自主財源ではなくなった。そのことについて一体何万一只今まで月三千六百円以下の消費なら税金を納めなくてもよかったかという戸数を聞いたら、千九百九十四万戸というふうにお答えがありましたね。これはいわゆる低所得者、低消費者ですね。低消費者の方々を保護するために月三千六百円までの電気の消費量なら税金をかけなかった。それが今度はいきなり三%の税金がずっと押しなべてかかってくる。これは大変なことですよ。同じくガス税についても言えるわけですね。ガス税は税率は今までたしか二%でしたね。それが今度三%に変わって自主財源から外れてしまう、こうなるのですが、これは月一万二千円まで使用しても無税でしたね。それが今度はその無税の一万二千円の枠は取っ払ってしまって、いきなり三%来るのですから、ほとんどもろにかかってしまう。全国の世帯で言ったら恐らく半分ぐらいは引っかかるのじゃないですか。というようなことを考えてみますと、今度の政府のこのやり方は余りにも血も涙もないやり方ではないのか。電気税とガス税だけを取り上げてみてもそういうことが言えると思うのでありますが、それについて何か確たる御信念がありますか。
○湯浅政府委員 電気税、ガス税を廃止した点につきましては、全体の税制改革の中で消費に薄く広く課税をするという中で、どうしても調整をしなければいけないという考え方で既存の間接税の調整が行われたわけでございます。この点だけの観点から見ると、仰せのとおり電気税の課税されてなかった部分があるわけでございますが、税制改革全体として所得課税の減税あるいは歳出予算しにおけるいろいろな対策というもの全体を踏まえまして、そういう方々に過重な負担にならないような、そういう施策を総合的にとったというふうに理解をしているところでございます。
○岡田(正)委員 私は当然今回の税制改革に当たりましては自治省は大蔵省と本当に血の出るような折衝を続けておいでになったと思います。思いますが、非常に遺憾だと思うのは、こういういわゆる公営住宅の減免措置をとらなければならぬような人たち、そして電気を月三千六百円以下しかよう使わない人たち、いわゆる無税であった人たち、ガスを月に一万二千円以下しかよう使っていなかった人たち、そういう人たちに対して、全部地方の財源から取り上げていくのですから、取り上げていくについてはこの条件は守ってくれということをなぜ自治省は徹底的に突っ張らなかったのか、これが私は、坂野大臣も非常に懸命な努力をされた、局長さんたちも懸命に努力をされたと思うが、画竜点睛を欠いておるのではないかという感じがいたしますが、いかがですか。後悔していませんか。
○湯浅政府委員 さきの税制改革の検討に当たりましては、特に消費に広く薄く課税をするという段階で、低所得者に対する対策というものが非常に大きな問題であったわけでございます。 その対応策といたしまして、一つは所得税、住民税を課税される方々に対しましてはこれは減税を大幅に行う。それから、生活保護世帯の方々には生活保護基準の引き上げというもので対応する。問題は、生活保護世帯でもないあるいは住民税も課税されていない、この中間の方々をどうす るのだというような御議論がございまして、この点につきましては歳出予算で国として配慮をしていかなければならないということで、たしか今年度の補正予算におきまして一部そういう交付金というような制度も行われたというふうに伺っているところでございます。そういう意味で、低所得者に対する対策というものにつきまして、我々としてもできるだけ負担の増加にならないような、そういう配慮ということにつきましては各省間でお互いに議論をしたところでございます。
○岡田(正)委員 今まで御丁寧な答弁がございまして、ありがとうございました。これをもって質問を終わるのでありますが、大臣、今回のこの地方税法の一部を改正する法律案につきまして、なぜ私が非常に反対をするか、その一番大きな原因というものは、消費税の導入を拙速に行っておるということが一つと、いま一つの問題は、こういう今私が申し上げたいわゆる本当に低所得の人ですね、人並みに家賃を払うことのできない人たちに対して何ら考慮を払っていない。そして電気代を月三千六百円以下しかよう払わなかった人たち、税金がなかった者に対しても遠慮会釈なく消費税はぶっかけていく。そしてガスにいたしましても月一万二千円以下の人は無税であった者に三%をもろにかけていく。法律で決まったんだから出せ、こういう本当に、言い方がきついかもわかりませんが、血も涙もないようなことをやるから国民の反撃が今出てきているのですよ。そのことを考えて、この地方税法の改正につきましては一考も二考もしてもらわなければいかぬ、このままで通すことは相ならぬというのが私の意思であります。そのことを表明いたしまして、質問を終わります。
○西田委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 最初に、公金の支出問題についてお尋ねをしたいと思っておりますが、法務省の方、来ていらっしゃいますか。 刑法百五十六条、虚偽公文書作成罪というのがございますが、これはどういう場合に適用されることになるわけですか。
○古川説明員 刑法百五十六条にその規定があるわけでございますけれども、それによりますと、「公務員其職務ニ関シ行使ノ目的ヲ以テ虚偽ノ文書若クハ図画ヲ作リ又ハ文書若クハ図画ヲ変造シタルトキ」、こういうふうになってございます。 これを簡単に申し上げますと、四つの要件に分解できるわけでありまして、一つは、公務員であること、二番目に、職務上当該文書等を作成する権限を有すること、三番目に、作成した文書等を真正な公文書のように見せかけてその用途に従ってみずからが使用するか他人に使用させる意思を有すること、四番目に、真実に反する記載内容の文書等を作成するかまたは一たん真正に成立した文書等の内容を虚偽のものに改変すること、要するにこういうふうな要件になろうかと思います。
○経塚委員 その場合に、虚偽の公文書を作成をして公金を支出した場合に、市に実損を与えなければこの法は適用にならないのですか。
○古川説明員 この犯罪につきましては、そのような点は要件になっておりません。
○経塚委員 市に実損を与えるか与えないか、それは犯罪の構成要件ではない、こういうことですね。 具体に例を挙げてお尋ねをしたいわけでありますが、これは近畿はもちろんのこと、全国でも大変問題になりましたが、いわゆる尼崎の競艇問題であります。 私はここに一通の文書を持っておりますが、明らかに百五十六条に反するような行為が行われており、しかもその違法行為については市当局も公式の場においてこれを認めております。例えば、支出費目として、六十一年度特別会計競艇事業費に四十万九千五百円、それから同上費目で事業費二十一万六千円、さらに事業費二十万円、そしてさらに十六万五千円、それから六万八千円、九万六千八百円、三千二百円等々が支出費目で出ております。ところが、本来なら、その支出費目の名目から申し上げるならば競艇場の修繕等々に使われなければならないはずであります。事実は使われておらない。どこへ使われたのか。件名を見ますと、西警察署署長公舎西側道路の雨水排水用側溝工事四十万九千五百円、署長公舎クーラー二台四十一万六千円、西警察署内応接セットの購入十一万一千円、あと仕切りカーテンとか記念品用ネクタイピン、金杯等々に使われておるわけであります。 この件については、文書を改ざんしたことについては、三月三日の尼崎市議会総務委員長報告でこう述べております。「とりわけ職員が業者に書類を作成させ、不正に経費を支出したことが、公務員にあるまじき重大な問題点であり、重視すべきことである。」そして「職員が虚偽の書類を作成したことは事実としてあるが、その動機が西署からの強い要請があったという点を勘案し、今回の処分とした」こういうふうに議会の総務委員会で調査をした結果の委員長報告として明らかに公文書を改ざんしたことを認める報告がされておるわけであります。 この調査をやらなければならないというので、議会の中で公営事業所問題調査特別委員会が開かれました。この委員長報告がなされております。この委員長報告を見ましても、不正な経理の支出に関するものとしては、ネクタイピン、金杯にかかわるもののほか、六十一年度における西署署長公舎クーラー設置云々と、今申し上げましたようなことを書いてあるわけであります。これは明らかに支出目的と反し、そして支出を証するとしておる相手方とも反し、そしていわゆる文書を改ざんしたということで、これは明確に百五十六条に該当すると考えますが、その点の見解はいかがですか。
○古川説明員 まことに恐縮でございますけれども、ただいま御指摘のような具体的な案件につきまして、いかなる犯罪が成立するかあるいはしないのかということにつきましては、検察当局がみずから収集いたしました証拠等に基づきまして判断いたすべき事柄でございますので、私どもの方としての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○経塚委員 それでは、検察の方では関連の書類は入手はされておるわけですか。
○古川説明員 具体的な検察当局の対応内容につきましては、これも恐縮でございますけれども、具体的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○経塚委員 具体的に述べることは差し控えたいということでありますが、これは市側がいわゆる虚偽の公文書を作成したことは認めておるけれどもなぜ刑事事件として取り上げなかったのか、こういうことにつきましては、これは相手方も刑事事件として処理をしておらない、つまり警察側もそういう処理をしておらない、こういうことを唯一の口実にしておるわけですね。こうなってまいりますと、本来ならば百五十六条のいわゆる虚偽の公文書作成罪にかかわるにもかかわらず警察は刑事事件としない。それで市側に言わせますと、警察側もそういう取り上げ方をしておらないから市側もしないのだ。私は、これはもう全く市役所という公的機関、つまり公金を、国民の税金を公正に執行すべき責任を持つ公的機関と、違法行為があれば取り締まらなければならない警察とが組織ぐるみで癒着をした結果そういう扱いになってきたのではないか、こう疑わざるを得ないわけであります。 私がいろいろ現地で調査をしてまいりますと、これはきのうきよう始まったことじゃないわけですね。五十六年から始まっているのです。これは公安委員長もよく聞いておいてほしいわけでありますが、備品の購入などと称して五十六年は四十五万六千三百円、五十七年、五十八年、五十九年――五十九年は単なる備品の購入にとどまらず、接待、飲食が派手にやられ始めている。これに使われました金が二百六万一千五百二十七円であります。六十年から六十二年の三年間に実に二千九百二十四万円の巨額に上っております。五十九年から市が警察を接待、招待、宴会をした回数は三 十八回、金額にして九百七十万円。備品は百二十五件、二百九十二万円。どういう理由で役所がこんなものを出さなければならぬのか知りませんが、祝儀と称して毎年三十万円ずつ競艇の警備に当たる警察に現金を持っていっておる。ビール券、買い上げただけでも六十五万八千円、弁当代八百八十六万六千円。弁当代が警察予算にないのですか。記念品三百二十七万円。酒、ビールにとどまらず、たばこまで五百十万円ですよ。市役所が警察官に持ってやっておるのですよ。 そうして、先ほど申し上げましたような署長公舎の側溝の整備あるいはクーラーの設置等々、支出費目を偽って、競艇場の修繕をやるんだと称しながら警察の公舎にこれを備えつけておるわけですよ。宴会に参加したのは三年間延べ四百四十九人、このうち警察官が二百四十八人で五五%。ほとんど二次、三次会に行っておる。最高使った飲み食い費が三万八千百七十八円。 これは市民が激怒するのは当たり前ですよ。しかも警察はこの担当者であった湯舟という警部を懲戒免にして、市の側は停職だとか減給だけで幕を閉じた。だから住民が激怒して監査請求を行ったわけであります。この経緯を考えてみますと、これは明らかに百五十六条に該当することはもとより、贈収賄事件の疑いさえ市民が持ってくるのは当然だと思います。 私は今なぜ法務省の側にこのことを強く要望しておるかと申し上げますと、率直に言ってもう警察に対する信頼感を持っておりません、刑事事件にせずにトカゲのしっぽ切りをやっただけで事終われりとしておるのでありますから。それですから、監査請求の中で神戸地検に対して告訴するようにという監査請求を出すに至ったわけであります。ここで検察が厳正な態度でもってこの解決の処理に臨まなければ、今国政に対してはリクルート問題の疑惑などに対する不信が高まっておるのに加えて、尼崎市、警察署に対する不信がさらに加速されるわけでありますから、私は検察の責任は極めて重大であると思いますが、どういうふうにお考えですか。
○古川説明員 これも繰り返しのようになりますけれども、具体的事案につきまして検察が捜査を開始するかどうかというようなことにつきましては、やはり検察当局がみずから判断すべき事柄でございまして、私どもの方からとやかく申し上げかねる次第でございます。 ただ、一般的に申し上げれば、検察はいかなる事案につきましてもその性質あるいは軽重等に応じまして従来から適切に対応してきているところでございますので、そのような点から御理解いただきたいと思います。
○経塚委員 これが刑事事件になることは明白になっておるのに警察がそういう扱いをしない。これは厳正に対処していると言えますか、こういう状況で。だから市民から監査請求が出てきたのですよ。警察が厳正に対処しておるなら、私もここでわざわざ法務省に質問はいたしません。 私は改めて要求いたしますが、これは検察が独自に捜査に入るべきだと思います。神戸地検が担当地検になるだろうと思いますけれども、お互いに連絡をとって、市民の前に事の真相を明らかにする断固たる姿勢を示すべきだ、かように考えますが、重ねてお尋ねをいたします。
○古川説明員 繰り返しになりますけれども、法務当局の立場といたしまして、あえていろいろ申し上げることはできかねるわけでございますけれども、委員御指摘のような点につきましては、そのような御議論があったということにつきましては検察当局も拝聴することとなると思います。
○経塚委員 私の申し上げたことについて配慮するという御答弁をいただきましたので、これは速やかに法のもとに厳正な対処を期待したいと思います。 そこで、公安委員長にお尋ねをしたいと思っております。 今御説明を申し上げましたように、これは市当局も不正支出それから虚偽の公文書、こういうことを認めておるわけです。私は重大な問題だと思いますのは、この飲み食い、接待、宴会もこれは社会通念上の見解を超える。普通は一万五千円だ、これは特別委員会で市が答弁をしておりますから、社会通念上の判断を超えたものになるわけです。 もっと重大なことは、警察側が要求をしたということが随所に出てきております。この署長公舎の側溝の問題、クーラーの設置問題などはリアルに報告されておりますけれども、市の答弁によりますと、警察に要求をされて、そして事業費目を後で変えて支出をして警察の要望にこたえたと、こうなっておりますね。したがって私は、ここでなぜ警察が内部において刑事事件として扱わなかったのかという理由について、うがち過ぎかもわかりませんけれども一このいわゆる虚偽公文書の作成に当たって警察官も関与しておったのではないかとの批判が市民の中から出てきております。具体に警察が接待を要求した、あるいはこういう虚偽公文書の作成をしてまで公金の不正支出をさせたということについての事例は委員長報告の中にたくさんありますが、時間の関係で省略をいたします。 しかし、こういうようなことが起きるのは、大阪府警に地方行政委員会が視察に行きました。兵庫県も行ったらどうかという話もございましたが、こういうことが相次いで兵庫県警で起こってくる原因について一体どうお考えですか。ゴルフセットを万引きして海の中に捨てたとかいうような事件もありますし、もう大体警察の不祥事件といえば大阪とか兵庫県とかが多いわけでありますが、前大臣は、それは土地柄ですか、こう言えば、土地柄ではない。土地柄と言ったら我々も大阪出身だから承知ならぬ、こういうことになるわけでありますが、これは私はやはり身内に甘い体質だと思います。 この問題を警察みずからの手によって公にされたのじゃないんでしょう。NHKの報道によって俄然事件が表に出てきて、市議会が特別委員会を設置するというところまで至った。しかし至ったけれども、その結末は、一体だれがこの委員会に参加したのか氏名も公表しなければ、行った料亭の名前も公表しない。そして、買ったこの何十件というたくさんの物件については寄附行為として備品台帳に記載をして、そうして済ませる、こういう処理の仕方をしようとしておるわけですね。私は、この監査請求でも出されておりますが、氏名公表はもとより、事の真相を警察みずからが進んで市民の前に明らかにして、そして今後絶対このような腐敗の温床の根を断つような態度を警察を管理される公安委員長としてはとられるべきである、かように考えておりますが、御見解を承りたいと思います。
○坂野国務大臣 警察当局の報告に基づきまして、私の見解を申し上げます。 本件は、尼崎市の競艇場警備をめぐり、当時の尼崎西警察署の警ら課長が、競艇施行者側である市当局に応接セットやビール券等の提供を受けたり懇親会に出席したりというものであり、一部に社会的妥当性を欠くものがあったため、同人については昨年十二月に懲戒免職にし、あわせて厳重に監督責任も問うたところであると承知しています。また、署長公舎の側溝工事費等については、兵庫県と尼崎市との間で既に会計上の処理が終わっていると承知しています。いずれにいたしましても、再びこのような事案を引き起こし世間の批判を受けることのないよう、規律の振粛を図っていくべきであると考えます。 以上でございます。
○経塚委員 重ねて申し上げておきますが、処分をした、こうおっしゃるけれども、処分をされたのは湯舟警部なんです。彼はこういう事件を起こす前に二回も重大な女性問題を起こしております。この内容につきましてはプライバシーにわたることでありますからこの場では申し上げませんけれども、刑法に抵触する女性問題であります。それで辞職を勧告されたときに、署長もやっておるじゃないかと開き直った男であります。問題は、この処分をされた湯舟警部が就任をする以前にも 宴会、接待が行われておったということであります。それで、いつも署長が同道しておったということであります。この署長は退職をして、これもプライバシーにわたることでありますから、いずれ機会があれば申し上げるときも来ようかと思いますけれども、ある重要なところへ就職をあっせんをされておる。警察署ぐるみでこういうことに加わっておったにもかかわらず、たった一人の警部の処分だけで事が済まされておるから、私は何回も申し上げておりますように問題を重視しておるわけであります。 それですから、これは公安委員長に要望しておきますが、単に警察当局の報告を受けてそれをうのみにするのではなく、一体どこに原因があったのか、わざわざ監察制度を設けてまでやったけれどもこういう不祥事件が絶えないわけでありますから、原因を徹底的に究明をされて、再度かかることが引き起こされないように、この際重ねて要望を申し上げておきたいと思います。 公金の不正支出問題についてはこれで終わりまして、次の問題に移りたいと思います。法務省の方、御苦労さんでした。 税制問題についてお尋ねいたしますが、まず最初に、今回の税制改正で自主財源比率がどう変わるのか。それから、消費税実施によるいわゆる歳入歳出について地方には差し引きしてどれくらいの金額が増額することになるのか。それから、地方自治体の消費税導入に伴う歳出増、負担増は一般会計、企業会計それぞれ幾らになるのか。それから、減税による減収は総額で幾らになるのか。そして、これらを相殺いたしますと差し引き合計していわゆるどれくらいの金額が地方の負担増になるのか、まとめてお答えをいただきたいと思います。
○津田政府委員 今回の税制改革に伴います地方財政への影響額でございますが、地方税関係、これは昭和六十三年度ベースの計算でやっております。地方税で二兆八百三十二億円、うち現行間接税だけ申し上げますと一兆九百九十四億円。それから地方交付税の減収も出てまいりまして、この金額が九千三百三十八億円ということでございまして、地方財政への影響額は三兆百七十億円、こういうような状況でございます。これにつきましては消費譲与税の創設、そして地方交付税の対象税目の拡大ということで対処しておるわけでございますが、そのような補てんを除きましても約八千八百三十五億円減収超過額が生じておる、このような状況でございます。 それから消費税導入に伴います歳出増でございますが、これは平成元年度、私ども地方財政計画の策定作業の中で積み上げていったものでございます。地方財政計画ベースで六千三十四億円、このように見込んでおります。それから同じく地方財政計画の方で、収入面でも歳入増というのが出てまいります。この金額が国庫支出金等を中心といたしまして二千六百五十四億円でございまして、差し引き地方財政計画上三千三百八十億円というものが収支の数字でございます。それから公営企業会計でございますが、公営企業会計につきましては地方財政計画のような統計的な数字というものがございませんで、実績ということでやっていかなければならない。また、事業内容というものも種類が多く、規模がさまざまであります。また、課税関係が複雑でございますし、支出の内容は多種多様ということで、全体として確度ある試算を行うことは難しいわけでございますが、六十二年度決算を基礎として消費税の導入による支出への直接的な影響額、大まかな試算でございますが、平成元年度ベースでおおむね二千六百億円程度と見込まれるわけでございます。これは公営企業関係の歳出増の大まかな数字でございますが、こちらの方は料金の問題というようなことになるわけでございます。 そういうことで、あわせて申しますと、税制改革におきます減収が約九千億円、それから歳出あるいは歳入差っ引きの数字で、歳出増としては三千三百八十億円があるということでございます。なお、税制改革後の交付税、譲与税も含めました一般財源におきます国と地方との割合でございますが、税制改革前の数字で申しますと五二・四%でございますが、譲与税あるいは交付税での措置というものを考えてみますと五三・一%、地方の取り分が五三二%ということで、若干地方の取り分が一般財源ベースで多くなっております。しかし税源配分、税だけの配分におきましては若干地方の配分比率が落ちておるわけでございます。
○経塚委員 これは大臣にちょっとお尋ねをしたいのですが、地方自治のいわゆる財政的な担保としては自主課税権、自主財政権ですね、これが地方自治の重要な柱でなければならない、こう考えておりますが、この点は大臣、どういうようにお考えですか。
○坂野国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
○経塚委員 おっしゃるとおりでございますという御答弁をいただきましたが、結果はおっしゃるとおりにはなっておらないわけなのですね。いわゆる自主財源比率が五三・三%が今度の税制改正で五〇・四%に下がるわけでしょう。これは明らかに後退じゃないですか。 石川県は、これは非常に温泉の多いところですね。だから料飲税の収入が多いところでありますが、八八年度料飲税は百十一億九千八百万、何と地方税収の一一・三%なんですね。これがいわゆる今回の改正によって三十四億二千万ですから、三・三%に率が減るわけですよ。これはもう明らかに後退なんです。もともと付加価値税というのは、シャウプ税制のときに地方の財源確保の問題として課税すべきだという論が始まった。つまり、これは石川などの場合を例にとってみると、消防だとか防災対策とかいろいろな問題がありますけれども、密集しておる温泉の旅館街が、自分たちが納めた税金でもってそういう消防、防災対策などをとってもらえる、だから納税の値打ちがある、地方も身近にそうして収納した税金は大事に使わなければならない、ここに私は地方自治の根幹があると思うのです。これが国へ持っていかれてしまうということになると、これは単に自主財源比率が後退をするというにとどまらず、私は地方自治の財政的担保そのものの後退であるから、地方自治の侵害にかかわってくると思います。 前の自治省の税務局長が、おやめになって、地方税制詳解、昭和六十三年、こう書いていますね。「地方税である既存の個別間接税は地方団体にとってきわめて重要な独立財源である。これが吸収廃止されて、代わり財源が国から付与されさえすればよいという問題ではない。」こう書いて、「住民から、いわばあずかったお金をもつて地方団体が行政を行うというところに自律性の担保があることを思えば、地方独立税源の確保は、どれだけ強く主張してもしすぎるということはないのである。」「今回の抜本改革案の成立過程を振り返ると、一部の地方自治関係者を除いて、」「地方独立税を確保すべきであるという声は、残念ながら少なかったといわざるを得ないのである。」これは当の本人が書いておるのですな。このとおりなんですか。
○坂野国務大臣 後でまた事務当局が説明いたしますけれども、いろいろな経過を経て、今先生のおっしゃるような原則論は私どももよくわかっておるわけでございますが、全体的な税を検討する中で、所得、消費、資産、そういう中での消費税の導入があったわけですし、その結果、今おっしゃったように若干下がっておりますけれども、これを国と地方に配分をする場合にいろいろな操作をやりまして、一つは消費譲与税の問題、一つは交付税においての比率を考えるというようなことで、結果的には、逆に、地方の分を何も国が援助するというのではなくて、その配分を同時に決めることにしたわけでございますから、そういう中で地方の方のウエートを大きくした結果を出したということだと私は思っておるわけでございます。それによって地方の権限をどうとかこうとか、あるいは地方を軽く見るとか、私はそういうことではないと考えておるわけでございます。
○経塚委員 前の渡辺税務局長が指摘しておるのはまさにそのことだと私は思うのです。消費税の 中から地方に譲与税をやろうじゃないか、地方交付税もふやしてやろうじゃないか、実損はそんなにないはずだ、こうおっしゃいますが、これはあくまで依存財源でしょう。依存財源ですよ、言ってみれば。自主財源じゃないわけですよ。そして、十分賄うと言いますけれども、前提としては既設間接税、たばこなどですね、この分はいわゆる消費譲与税で賄う、こう言っておったはずでありますが、例えば大阪府の場合をとってみると、地方間接税の減が四百二十億円、消費譲与税で来る分が三百八十億円、四十億足りません。こういう状況が随所に出てきますよ。兵庫県の場合は、地方間接税の減が二百十六億円、消費譲与税が百九十八億円、これも補いがつきませんね。だからここは、大臣が消費譲与税が来るじゃないか、地方交付税も上積みされてくるじゃないか、そんなことでいわゆる自主財源比率が低下する、後退することの弁明をなさろうとするとは、これはちょっとふさわしくないと思いますよ。声を大にしていわゆる自治省の側が主張したのかどうなのか。渡辺さんのお話だと残念ながらそういう声は少なかった、聞けなかった、当の担当者がこうおっしゃっているから、ここはやはり地方の側としてはどうして自主財源比率をふやすか、このことをやはり重点的に考えるべきだ、このことを申し上げておきます。 それから、その減税による減収分でありますが、これはどうなんですか。この財源補てんはどうされるのですか。
○湯浅政府委員 減税に関しましては、一つは個人住民税、それから法人関係税についても国税との関連で多少出てくるわけでございます。それと既設間接税を調整するという減収が出るわけでございますが、既設の間接税の減収につきましては先ほど財政局長から御答弁のとおりでございますが、個人住民税の減税につきましては、これは基本的にはみずからの税源につきましてその地域の住民の方々の税負担を減らすということでございますから、基本的にはやはりこれは地方団体の負担でこの問題は処理をしなければならぬ問題ではないかというふうに考えるわけでございます。 幸い昨年来自然増収もかなりございますので、そういうものによりましてこの既設間接税以外の減収につきましては対応し得るのではないかと思っているわけでございますが、このギャップにつきましても、すべて自然増収ということではなく、自然増収の少ない団体を考慮いたしまして、地方交付税の増収の中にも一部その分も考慮して交付税の率を決めていただいているという状況でございます。
○経塚委員 減税の分は地方でひとつ努力して頑張りなさいということですが、今回の税制改正を見ますと、率直に申し上げまして、地方の立場に立った行財政改革の理念がどこにもないですよ。そうでしょう。自主財源比率は後退はするわ、地方の負担増になるわ、減税の減収の完全な補てん策は地方で頑張って努力しなさい。一体税財政改革に当たって方自治、自治省としてどんな理念を持っておったのか。私はここが一番根本問題だと思いますよ。 第一、減税による減収の補てんについても、減税は長期の制度化をされるわけでしょう、そうでしょう。長期の制度化でしょう。そうすると、その財源は安定的に補てんをされる財源でなければならぬわけでしょう。これを自然増収などに頼るというようなことは、政府が従来言っておったこと自体を覆すことになるのじゃないですか。いっとき減税問題を論議されたときに、NTTの株を売却して云々があったときに、減税は長期の制度であるから、その財源についても長期の安定的財源によらなければ減税などの制度改革はやるべきでないということをおっしゃった時代もあったじゃございませんか。そうしてこれは国の税制改正によるものでありますから、私は当然国の責任において補てんすべきものだ、こう考えますが、いかがですか。
○湯浅政府委員 さきの税制改革につきましては、まず第一に考えられましたのは、国民の税負担をどのような形で公平に負担をしてもらうのかという問題が一番大きな問題ではなかったかと思うわけでございます。そういう中で国民の税負担を公平に負担してもらうためには、所得に偏っている税制を、所得だけでなしに、消費あるいは資産にバランスのとれた税制として負担をしていただく方が公平の原則にのっとるのではないか、こういう考え方に基づいて所得課税の大幅減税、それから消費課税につきましては広く薄く消費に課税をするという消費税を導入し、それに関連いたします個別の間接税につきましては、二重課税あるいは税負担の重複というものを避けるためにいろいろな調整を行う、こういう形で税制改革ができ上がったわけでございます。国税を負担する方も地方税を負担する方も同じ国民でございますから、まず国民の立場でこの税制というものが公平に負担されるということがまず第一条件で、今回の税制改革はある意味ではその観点からの税制改革だと言っていいのではないかと思うわけでございます。 そこで、国と地方との関係の財源配分、税源配分という問題につきましては、これは一応国民の税負担というものを片づけた後で、例えば権限の問題あるいは国と地方の全体の財源の配分というような問題の中で改めて議論をすればいいのではないか、こういう考え方で昨年の税制改革が行われたわけでございます。そういう意味からいきますと、仰せのとおり地方関係の税というものは大幅に縮減されたという点につきましては地方税にとっては非常に残念なことではございますが、これも一つには国民の税負担というものを公平にしていただくという観点からやむを得ないものだというふうに考えられるわけでございます。その上で今後どのような国・地方の税源配分を行うか、この問題につきまして、今後我々も十分検討し議論していかなければならないと思うわけでございます。 また、減税財源につきましては原則として恒久財源で賄うという点、これは仰せのとおりでございましょう。しかし、昨今の自然増収というものを考えました場合に、この自然増収で税負担を軽減していくという選択もまた一つあるのではないかと思うわけでございまして、減税が常に恒久財源でなければできないというようなことにはならないのではないか。自然増収の大きいときに、これを財源にいたしまして減税をするということも、また一つのやり方ではないかというふうに考えるわけでございます。
○経塚委員 税制改正のときにはシャウプ以来の税制改正、制度改正だと言っていて、それで、さて地方の行財政制度の問題になってくると、これから今後検討していく、そんなことを言って先送りばかりです。いつも自治省の答弁はそうでしょう。今回限り、あとの問題はこの次に。その次になりますと、この問題はその次にという先送りばかりで、抜本的な税財源の再配分についての改正が行われてこない。今度シャウプ税制以来の大改革といって、国の税制改革に地方が追随をさせられておるわけです。それで追随をしたものだから、地方は反発して受け入れないとなると、今度は先頭切って抑えにかかるというようなことは、自治省の看板は返上しなければいかぬと私は思っております。 公営企業についてお尋ねをいたしますが、二つ問題があります。 大体二千何億かのいわゆる負担増ということでございますが、一つは例えば水道料金です。水道料金を構成する要素というのは全部非課税でしょう。維持管理費、人件費です。私は、大阪府を調べてみました。今原水が一トン当たり五十七円二十銭、これを市町村へ六十三円十二銭で卸している。不足五円十銭は一般会計の繰り入れで賄っておる。これは水道料金に入るのです。維持管理費、人件費二十二円五十五銭、減価償却費十三円八銭、支払い利息が二十三円四十三銭、これは本来は全部不課税、非課税です。不課税、非課税で構成された料金に三%課税するのです。こんなあほな話がありますか。水に税金をかけるということ自体、 天下の悪税と言われておるわけでありますが、その水の水道料金を構成しておる構成要件がみんな不課税か非課税要件で構成されている。これに三%課税するというのでしょう。理屈が通りますか。通るとすれば、こういうものはへ理屈ということになると思います。 それで、上下水道の料金を見てごらんなさい。随分滞納がふえているでしょう、年々値上げをせざるを得ませんから。大阪市の場合を例にとってみますと、五十八年と六十二年、下水道滞納件数は千四百八十二件から千七百三十一件、額にいたしますと四百三十三万三千円から何と九百二十一万七千円、二・一二倍ですね。東大阪市の場合は、上水道は件数にしますと四・一九倍、滞納額が五・五六倍、下水道は件数二・五倍、額が三・六一倍。堺市の場合は、上水道は件数で二・九倍、額四・一六倍、下水道は件数で一・九倍、額にしまして一・八倍。これはもう全国どこでもこういう共通した条件がある。 だから地方自治体は、家賃の構成要件も、せんだって質問いたしましたように、構成要件自体の中にいわゆる不課税、非課税のものが大半含まれておる。水道料金になりますとさらにそれが強くなってくる。こういうようなことですから、こういう内容と相まって、そして言いましたように、負担がふえるということと関連をしてなかなか転嫁が決定しにくいということで、家賃だとか上下水道の料金の転嫁についてはちゅうちょするところがふえてきている。私は、ここを見なければ、実際の地方自治体の住民との対応がどんな関係になっているのか自治省はわからないと思いますよ。これは転嫁すべきでないと考えますが、どうですか。
○小島政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 おっしゃるとおり、水道あるいは下水道の原価の構成要素はそういうことかもわかりませんけれども、御案内のとおり、消費税というのは要するに財貨サービスの提供の対価に対して三%という課税がされるわけでございます。その原価構成の身が不課税のものであるならば結局コストが安くなっておる、それに三%オンされるということでございまして、消費税の性格上、当然私どもは転嫁をされなければならないものではないかと思うわけでございます。 特に下水道でありますとか上水道でありますとかいうものにつきましては、御案内のとおり、多く使えば料金が余計かかるということでございまして、それを転嫁いたしませんと、先ほどもどなたかの先生の御質問に財政局長からお答えを申し上げましたけれども、結果として余計に使った人ほど得をするというようなことにもなりかねません。そうなりますと、かえって住民の間に不公平、不公正が生じてくるのではないかということからいたしますと、むしろこういうものは合理的な転嫁がなされることがかえって公平の観点からも必要ではないかというように考えるわけでございます。
○経塚委員 了解できませんが、時間の関係で、今NTTが随分問題になっておりますが、民営化の際にいわゆる固定資産税二分の一という措置をしばらく続ける、こういうことになったわけでありますが、八七年度四千九百六十七億円、これだけ経常利益が出ておるわけであります。今回の税制改正によって百七十八億円の減税になるわけであります。 民営化四年間の経過を見ますと、電話工事の料金は引き上げるわ、公衆電話は学校、病院、老人ホームなどを含めまして廃止、撤去する、電報の夜間配達は取りやめる、五万九千人の人員は削減する、それに今回のようなリクルート事件であります。 こういう大きな経常利益を上げておるNTTなどの特権的ないわゆる減免についてはこの際廃止すべきだ、こう思いますが、どうですか。
○湯浅政府委員 NTTにつきましては、電電公社時代から承継した基幹的な設備につきまして、民営化から五年間に限りまして、課税標準の価格の二分の一の特例措置を講じております。これが平成二年まで続くわけでございますが、この点につきましては、御案内のとおり電電公社時代は、直接その本来の事業の用に供する固定資産につきましては、固定資産税はもちろん非課税でございましたし、固定資産税にかわる市町村納付金につきましては価格の二分の一という特例が講じられていたわけでございまして、NTTへの経営形態め変更に伴いましてこれを一気に全面課税するということになりますと、負担の急増という問題もございますので、この措置を経過的な激変緩和という考え方で五年間だけ、特に電電公社から承継をしたものに限りまして激変緩和措置が講じられたものでございます。 そういう意味からいきまして、この措置は平成二年度までの措置であるということ。それから、この対象施設というものが非常に限定されておりまして、これらの措置は、承継されたものでございますから、この償却資産は減価償却によりまして設備の価格も年々減少してきているというようなこともございますし、土地、家屋、それから新しく取得したものにつきましては、これはすべて特例措置はないわけでございます。こういう経過的な激変緩和につきましては、これは民営化に伴う経営基盤の強化という見地から当初お約束したものでございますので、この点につきましては経過措置ということで御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○経塚委員 数千億の経常利益を上げておるわけでありますから、これは幾ら経過措置だといっても、片一方でこれだけ巨額の利潤を上げておるわけでありますから、こういう特例は速やかに廃止すべきだということを改めて申し上げておきます。 建設省、郵政省、いらっしゃいますか。ちょっとお尋ねしますが、NTTのいわゆる工事請負契約等について政府の方は指名停止をやっておるのですか。
○風岡説明員 建設省の直轄工事におきましては、指名停止要領というものを定めております。それに該当する業者につきましては指名停止を行うということになるわけでございますが、NTTにつきましては、今回の事件がその指名停止の基準に該当するかどうかということを、事件の推移も見きわめながら、現在慎重に検討しているという段階でございます。
○磯井説明員 指名競争の指名を停止するということにつきましては、郵政省で定めました指名停止要件に該当する場合に、指名競争参加の資格ある者に対して行っているというものでございますけれども、NTTに対しまして指名競争の指名を停止するか否か、これにつきましては慎重に検討すべきことであると考えておりまして、このたびの事件の事態の推移を見ながら判断してまいりたいと考えております。
○経塚委員 えらい手ぬるいじゃないですか、政府の態度は。建設省は該当するかどうか、それから郵政省の方もまだ慎重に検討。地方を見てごらんなさいな。新聞でも御承知だと思いますけれども、大阪府はNTTに申し入れを行いました。営業行為を排除する。それから富田林、豊中市は一年六カ月の指名停止。高槻、泉佐野、羽曳野市等々もそれぞれ指名停止六カ月、一年等々。 これはいつやったかといいますと、それぞれの要綱では、業務に関し、贈賄、暴力行為その他不正行為で逮捕された場合は、知った日から不起訴決定の日までの期間は停止する。だから、式場などの逮捕が新聞で報道されたのが二月十四日でしょう。地方は知った日からみんなやっているじゃないですか。ところが、いまだに国は検討中というのはどういうことなんですか。姿勢がぬるいじゃないですか。地方はもう二月十四日からやっているのですよ、長いのは一年六カ月の指名停止を。まだ検討中というのはどういうことなんですか。早急に結論を出されるのですか。
○風岡説明員 私ども先ほど申し上げましたような建設省としての指名停止基準というのを持っておりまして、それに適合するかどうかにつきまし ては、事件の推移等も見きわめながら検討しているということでございます。
○経塚委員 事件の推移も見きわめながらって、いつまで見きわめるんですか。逮捕されて起訴されてもうはっきりしてきています。逮捕された時点から地方は指名停止だ、こう言っているんですよ。保釈して出てきてからしたってしようがないじゃないですか。
○風岡説明員 先ほど申し上げましたような指名停止要領に該当するかどうかということでございまして、これにつきましては一応捜査の推移等も見きわめて全体として検討していくということでございますので、まだ結論を得ていないということでございます。
○経塚委員 レコードみたいに同じようなことばかり言ってはりますけれども、もう逮捕されて起訴されているんだ。だからあなた、今が時期なんですよ。早く結論を出しなさい。あなたとやりとりをしていたら時間がなくなるばかりだから、それは強く要望しておきます。 最後に、国民健康保険についてお尋ねをいたしたいと思います。 これは、保険料の負担がもう限界に来ている、いや限界を超えておる。既に前回質問いたしましたときに、厚生大臣は限界に近いと御答弁になった。一世帯当たり、五十八年と六十二年を比較をいたしますと、保険料が三三・六%、所得の伸びは一五・五%しか伸びておらない。だから、何と滞納額が一千九億から一千三百五十三億ですよ。所得のない者が一六・一%から一九・三%ですよ。 これは私の地元の東大阪市の事例を申し上げますが、平成元年の改定を見ますと、六十三年度は六十二年度に比べまして大体三、四〇%の引き上げを行ったわけでありますが、今回また新たに、所得七十万円で対前年比四七・九一%の引き上げ率であります。負担率を見ますと、所得に対する負担が何と二一%にもなるんですよ。だから滞納額がどんどんふえてくるのは当然のことなんです。そこでお尋ねしたいのは、これはもう所得に対する負担の限界を超えておる。したがってこれは引き上げるべきではない。 それからもう一つの問題でありますが、保険証のいわゆる取り上げの問題であります。これは徳島県などでは随分とひどい状況が起きておりますが、これも私が質問をいたしましたとき厚生大臣は、納められるのに納めないという者は悪質者とみなしてこれは制裁措置を講ずる、しかし納めたくとも納められないという人は悪質と見ない。これがだんだん拡大をされまして、六カ月滞納しますと直ちに保険証を不交付にして証明書の発行に切りかえる。このために医療が受けられないというような状況が続いておりますが、これは前々斎藤厚生大臣の御答弁のように、真に悪質というのは納められるのに納めない者のみを指すという、この姿勢は変わったのか変わらないのか、これをお尋ねしておきます。 最後に、私は、これはもう根本的に解決をする道は国庫負担をふやす以外に道がないと考えております。国庫支出金の構成比を見ますと、五十八年度が五六・一%、これは六十二年度の決算では四二・四%と下がってきております。これを五十八年当時に戻すとするならば、額にして七千四百八十億円、保険料の三四・七%の引き下げが可能になるわけであります。国庫負担をもとに戻すべきである、こう考えますが、この点についていかがですか。
○大塚説明員 三点にわたって御質問がございました。 最初に国保税あるいは国保料の負担は限界を超えているというふうに考えるがどうかという趣旨の御質問でございましたが、確かに国民健康保険税あるいは国民健康保険料がここ数年かなりの引き上げになってきておるという事実はございます。そういう意味で相当厳しい状況にあるということは認識をいたしておりますが、しかし保険料、保険税は医療保険事業運営の基本でございますので、被保険者の方々の御理解を得られるように私どもも引き続き努力をいたしてまいりたいと考えております。 二点目の御質問でございますが、いわゆる悪質滞納者に対する対策でございます。国保事業は医療保険でございますから、すべての被保険者に保険料を納めていただきましてそれで運営をするというのが基本でございます。したがいまして、特別な事情がございませんのに保険料をお納めいただけないという方々は、負担の公平という観点からも、私どもはぜひお納めいただくようにしなければならないわけでございまして、徳島県の例を御指摘でございましたが、六カ月滞納すれば直ちに資格証明書を交付するというような手段でございませんで、その間には、納付相談を何回か行う、あるいは御連絡をする、通知もする、御案内もするというような手段をとった上で、なおかつ御相談にお見えいただけないという方々を対象に資格証明書の交付等を行っておるというふうに承知をいたしております。 最後の国庫負担率の問題でございますが、国保の国庫負担率につきましては、これまで御承知のように老人保健制度でございますとか、もろもろの改革の中で全体としての財政負担のあり方も変わってまいってきております。そういう全体の改革の中で国庫負担の見直しを行ってきておるわけでございまして、また一方、国保も社会保険の一つでございますので、現在国庫負担は給付費の二分の一ということでございますが、これが一つの限度ではなかろうかというふうに考えておりまして、国庫負担率をもとに戻すということは考えておらないところでございます。
○経塚委員 負担が限界に来ておるというのなら、これはもう上げる必要がないわけですよ。当然撤回をすべきですよ。第一、こんなもの日切れじゃないのです。日切れじゃないものを日切れと称して、審議時間もろくろく与えないでやるというのはけしからぬと思っておる。 最後に、自治省の御答弁がありましたけれども、負担転嫁をやっておらないところの数は真剣に調べたのかどうなのか。三月十二日の時点の調査で六百四十五市、読売が三月十三日付で発表しておりますが、六百四十五市のうち一律転嫁は三八・三%だけじゃありませんか。すべて見送りが一八・八%でしょう。東京、千葉、神奈川、岐阜などはほとんど転嫁していない。私の地元の大阪府というのはすべて転嫁をしないというのが四十四市町村すべてですよ。それだけみんなこれに怒っているんですよ。消費税は支持しないが七一%ですよ。これもあわせて撤回すべきであるということを申し上げまして、終わります。
○西田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○西田委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。平林鴻三君。
○平林委員 私は、自由民主党を代表して、地方税法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。 長年の課題であった税制改革につきましては、昨年の第百十三回国会において関連法が成立し、その実現を見たところであります。当面はこの新税制の円滑な実施を推進することが肝要であると存じます。 明年度の地方税制改正についてでありますが、社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置を講じていく必要があると考えます。 このような観点に立って政府提出の本法律案を見ますと、個人住民税について非課税限度額の引き上げ等の減税を行うこととしているほか、税源帰属の適正化を図るための法人事業税の分割基準の改正、近年における自動車の需要動向及び国際的な観点等を踏まえた自動車税の税率構造の見直し、課税の適正な執行を確保するための軽油引取税の仕組みの見直し等を行うこととしております。また、地方税負担の適正合理化のため非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。 これらの改正は、最近における地方税負担の現 状及び地方財政の状況から見て、いずれも適切妥当なものと考える次第であります。 以上をもって私の賛成の討論といたします。(拍手)
○西田委員長 安田修三君。
○安田委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行うものであります。 昨年、消費税法が強引に成立させられ、国民には、かつてないほど我が国の税制全体に対して関心が高まっているのであります。特に企業課税と勤労国民の租税負担の不均衝、所得把握の不公正、行政サービス水準を超えた勤労国民に対する租税の負担増は、消費税の導入によって一層不公平を拡大し、一挙に不満の爆発を招き、リクルート疑獄に対する政治不信とあわせて、今や竹下内閣の支持率は史上最低を記録するのではないかと言われる状況を呈しているのであります。 まして、地方税制は、消費税の導入による改革によって地方の主要な独立税財源を失い、地方財政の質的低下を招き、国の財政コントロールを強める結果となったのであります。また、勤労国民の待望する住民税の大幅な軽減は図られず、社会保険診療報酬非課税の適正化、移転価格税制の改善、みなし法人の見直し、固定資産税、事業税の改革などが見送られました。不公平税制の是正は依然として手つかずであります。 本案には、住民税の非課税限度額の引き上げ、法人事業税の分割基準の見直しなどが含まれておりますが、その改正は不十分であります。逆に、生活協同組合への課税強化が行われ、営利を目的としない生協を消費税の犠牲にしようとしております。 このように、国と地方との税財源の適正な配分及び住民が公平に負担できる地方税制にほど遠く、消費税導入への陰に、地方税制改革が放置される結果となっております。 政府は、地方自治体の自主活性化のために、権限移譲、地方独立税財源の確保を軸とした地方税制の改革に着手されるよう求め、本案に反対を表明して討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 吉井光照君。
○吉井委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、反対討論を行います。 以下、反対の主な理由を申し述べます。 まず初めに、住民税についてであります。 今回、生活保護基準額の引き上げにより、現行制度では生活保護世帯にも課税されることから、住民税の非課税限度額を二百十九万二千円に引き上げることとしております。この額は、生活保護基準額を一万円上回るにすぎず、生活保護世帯に住民税が課税されることを回避すればよいという小手先の対策にすぎません。住民税負担の軽減を図るには課税最低限の引き上げ等により行うべきでありますが、政府案はこうした改革が行われておりません。これが反対の第一であります。 次に、税源配分についてであります。 今日の国・地方間の税源配分は、国二に対し地方は一と、国に偏重しております。特に、昨年の税制改正により、地方税の比重は一層低下し、国の依存財源が増加する結果となりました。今、均衝ある国土の発展、特色ある地域づくりや活性化が求められておりますが、そのためには恒常的な財源、それも自主財源である地方税の確保こそが最も重要であります。しかしながら、今回の改正案では自主財源の充実が全く図られておりません。 これが反対理由の第二であります。 次に、不公平税制の是正についてであります。 税負担の不公平は、政治、行政に対する国民の不信を招く重大な問題であります。しかし、現行の税制は、社会保険診療報酬制度に係る事業税の特例措置を初め、不公平税制の是正が一向に解消されず存続したままであります。また、国税の租税特別措置の地方財政に及ぼす影響の遮断についても、従来より強く主張しているところでありますが、解消の兆しすら見られません。その他、納税者番号制の導入、みなし法人課税問題等の税の不公平についても解消されないことはまことに遺憾であります。これが反対理由の第三であります。 次に、国民健康保険制度についてであります。 近年、老人保健、退職者医療制度の創設等の改革が行われたものの、国民健康保険は依然財政基盤は脆弱で、経営は安定するに至っておりません。このため、国保加入者の保険料負担は依然大きくなっており、また、他の医療保険との格差が大きくなっているとともに、国保の保険者間においても保険料負担に著しい格差が生じており、不公平感を増長させています。 今、国保を取り巻く問題は、保険料負担の軽減措置と平準化、そして、給付水準を他の医療保険制度並みに改善することでありますが、この点についての改革が行われておりません。これが反対理由の第四であります。 最後に、消費税について一言申し上げておきたい。 昨年、我が党を初め野党の強い反対にもかかわらず、消費税法が成立しました。 消費税は逆進性が著しく、税率の引き上げの歯どめもなく、また価格転嫁が困難であること等、総理が示した九つの懸念が一層顕著になり、国民の反対の声はますます高まっております。また、地方自治体においても公共料金への負担転嫁等をめぐって混乱が続いております。このような状態で実施に踏み切るならば、国民の政治不信は深まり、行政にも重大な支障を来すことは必至であります。したがって、この際、消費税は撤回すべきであります。 以上、主な理由を申し述べ、反対討論といたします。(拍手)
○西田委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行うものであります。 我が党の強い反対にもかかわらず導入をされました消費税によって、国民の間には強い不満と不安が渦巻いております。消費税を転嫁することが難しい下請業者や末端小売業者の経営の深刻化、便乗値上げを心配する消費者、公共料金引き上げに関する地方自治体の対応の相違などさまざまな矛盾と混乱を引き起こしており、その原因は一にかかって税制六法を強行して成立させた政府・自民党にあると言わなければなりません。 今回の地方税法の改正に当たっても、政府はさきの国会において我が党が主張した資産課税の強化、租税特別措置の整理合理化、公益法人への課税強化など不公平税制の是正、行政改革の徹底した推進と大幅減税の断行などの諸施策について抜本的な改革を行うことを全く考慮することなく法案を提出したのであり、我が党は断じてこれを容認することはできないのであります。 民社党は、働く喜びが感じられ、個々人の努力が正当に報われるような公平公正な税体系をつくり上げていくため、今後とも努力してまいることを申し添えて、反対の討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 寺前巖君。
○寺前委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 主な理由は三つございますが、まず第一に、新たに大企業優遇措置を拡大している点であります。 多極分散型国土形成促進法や民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法等に規定する土地及び施設について、固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税、事業所税の非課税措置や課税標準の特例を講じようとしている問題であります。これらの法律は、民活の名のもとに一部大企業の利益追求を容認するものであり、税制改革で自主財源比率の低下が問題になっている中で、担税力のある大企業への増税こそ必要であり、非課税措置の新設までして大企業を優遇する必要はないという点であります。 反対の第二の理由は、国民健康保険税の課税限 度額の引き上げであります。 課税限度額の引き上げは今回で四年連続です。既に国保税が低所得者の多い被保険者の負担の限界を超え、憲法で保障された最低限の生活を侵すものとなっております。今必要なことは、引き上げではなくして引き下げであります。 国民健康保険制度の危機の原因は、国庫負担の大幅削減であります。国保財政の収入に占める保険料の割合は八三年度で三六%。それが八七年度になると三九・七%と大幅に増加している反面、国庫負担の方は五六・一%から四二・四%と年々減る一方であります。もとは医療費の四五%を持っていたものを、今では給付費の五〇%ということで、実質的には三八%ないし三九%ということになっています。国庫補助率をもとに戻すということが当面重要な課題だと言えます。 反対の第三の理由は、一部の生活協同組合に事業所税の課税を強化することであります。 消費生活協同組合は、同法第九条で「営利を目的としてその事業を行ってはならない。」とされ、非営利法人の性格を原則にしています。消費生活協同組合への課税強化は非営利法人という性格を否定するものであり、自主的な社会活動への規制をするものと言わざるを得ません。 なお、住民税の非課税限度額の引き上げは、住民負担の軽減につながるものですが、制度を温存せざるを得ないということは課税最低限の引き上げが十分でないことを実証しているものであります。また、地方税法の中には国民健康保険税の課税限度額の引き上げ、大企業に対する新たな非課税措置の導入など、いわゆる日切れ扱いをしなくともよいものもあり、本来これらの審議については十分時間をとって審議すべきものだと考えます。 最後に、政府・自民党は昨年末、消費税導入を柱とした税制改革関連六法案を国民の強い反対を押し切って成立させました。この税制改革は、地方にとって、住民税減税による減収と料飲税等の減収、電気ガス税の廃止など、地方の自主財源が大幅に減収する反面、この補てん策が依存財源である消費譲与税と地方交付税への消費税算入であり、地方の自主性確保の保障となる自主財源の強化に逆行するものであります。しかも、税制改革は国の都合で行われたにもかかわらず、約九千億円が地方負担を押しつけられ、さらに消費税導入による歳出増の補てんもされず、地方にとって百害あって一利なしど言えます。 さらに、消費税導入は、転嫁に当たって多くの自治体にトラブルを引き起こし、導入決定後の最近のマスコミの世論調査を見ても七一%が反対しているのであります。いかに国民の声を無視したものであるかがはっきりしています。 消費税は廃止するしかないことを述べて、討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○西田委員長 これより採決に入ります。 地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○西田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○西田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、渡海紀三朗君外三名より、四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。渡海紀三朗君。
○渡海委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四党を代表し、地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨の説明にかえさせていただきます。 地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、税制改革による地方公共団体への財政構造の変化と高齢化社会等に対応する行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況を踏まえ、国と地方及び都道府県と市町村の税源再配分の検討を含め、地方税源の拡充を図るとともに、次の諸項についてその実現に努めること。 一 個人住民税については、中低所得者の負担軽減のため、常に国民生活水準の動向、中低所得者の税負担感に配慮し、適正な負担水準を検討すること。 二 税負担の公平を推進するため、事業税その他の地方税における非課税等特別措置の整理合理化を図ること。 三 地方税収の安定確保等を図るため、法人事業税の外形標準課税の導入について引き続き検討すること。 また、移転価格税制の適用により地方財政の運営に支障を来すことのないよう配慮すること。 四 固定資産税について、最近の地価高騰の状況にかんがみ、小規模住宅用地等に係る負担軽減措置の更なる改善などを検討すること。 五 都市税源の充実を図るため、事業所税の課税団体の範囲の拡大について引き続き検討を図ること。 六 地方譲与税については、各地方公共団体の財政構造の変化等を見守りつつ、必要に応じてその譲与基準等について適切な見直しを行うこと。 七 総合課税への移行を展望し、住民のプライバシー保護に留意した納税者番号制度の導入を検討すること。 八 今後の税制改革に関しては、地方公共団体及び議会の意見等を十分に尊重するとともに、地方自治の本旨にのっとり自主性を損ねることのないよう十分留意すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
○西田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○西田委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂野自治大臣。
○坂野国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○西田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西田委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○西田委員長 次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について審査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中沢健次君。
○中沢委員 この委員会に提案をされました消防施設強化促進法の改正につきまして幾つかお尋ねをしたいと思います。 一つは、消防関係の補助金の動向につきまして、昭和五十六年度以降、毎年ということでなくて結構でございますから、昭和五十六年度、六十年度、六十二年度そして平成元年度、消防関係の補助金の動向がどういう推移をしているのか、まずそのことをお尋ね申し上げたいと思います。
○矢野政府委員 お尋ねの昭和五十六年度以降の 消防関係補助金の予算額でございますが、昭和五十六年度におきましては二百五億四千六百万円、昭和六十年度におきましては百六十億一千六百万円、昭和六十二年度におきましては百三十六億一千万円でございまして、平成元年度予算案におきましては百三十七億円となっておるところでございます。
○中沢委員 今具体的な補助金の推移についてお答えがございました。五十六年度の二百五億を一〇〇といたしますと、予算のマイナスシーリング等々の要素が背景にあったと思うのでありますが、残念ながら毎年毎年その伸びは鈍化をしている、こういう具体的な事実が明確だと思います。六十年度は七八、六十二年度は六六に落ちる、そして元年度は若干でありますが六七%、後でもいろいろ具体的にお尋ねをしたいと思うのでありますが、そういう私の指摘に対しまして、私自身はこの際もっと消防関係の補助金を思い切って増額すべきではないかという立場に立つのでありますけれども、消防庁の長官としてのその辺についての基本的な決意といいましょうか、あるいはこれからの中長期にわたるこの問題についての見解、これをひとつお示しいただきたいと思います。
○矢野政府委員 御指摘のとおり、消防関係の補助金予算につきましては、昭和五十六年度をピークといたしましてその後長期的に低落の傾向をたどり、年によりましては前年よりも十数億も減じたという例も幾つかあるわけでございます。 こういった状況は、いわゆるマイナスシーリングという一般歳出抑制の方針のもとにおいて、消防補助金も長期的な低落傾向をまた免れなかったところでございますが、しかし私ども消防といたしましては、消防の施設関係の補助金、これは国民の生命、身体、財産を守るための最も基本的なものであるという考え方を持っておりまして、そのために、一方では昭和六十一年度に、いわば消防補助金の減をカバーする、補完するためのものとして、地方債プラス交付税による元利補給方式をとる防災まちづくり事業を創設して消防施設の充実に努める一方、さらに補助金予算につきましても、マイナスシーリングの状況のもとではございますが、ぜひともこの低落に歯どめをかけたいということで、昭和六十三年度予算におきましては前年度に対し一・二%程度、ほぼ歯どめがかかるという状況にまで持っていったつもりでございます。また平成元年度におきましては、これは消費税相当額を加えるという点はもちろんございますけれども、それを含めてではございますが、前年度に対して一・九%の増加になる、数字の上では五十六年度以来八年ぶりに増額が見られるということになったわけでございます。 もとより、今後とも消防力の充実強化のために必要な消防関係の補助金の確保に最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますし、また、防災まちづくり事業等につきましても十分力を入れてまいりまして、消防関係施設の充実に努めてまいる覚悟でございます。
○中沢委員 そこで、関連をいたしまして二つ目の問題についてお尋ねをしたい思います。 消防施設などの整備状況につきまして、昭和五十六年、昭和五十九年、そして六十二年と三年に一回全国的な実態の把握をされているようでありますけれども、消防施設別にどういう整備状況になっているのか、これをまずお聞かせいただきたいと思います。
○矢野政府委員 お尋ねの消防施設の整備状況でございますが、これは消防活動を行うに当たって基本的なものとなる消防ポンプ自動車、水槽つきの消防ポンプ自動車、救急自動車等の車両についてはこれまで充実が図られてきておるところでございます。また最近は、災害の多様化に対応して、はしご自動車とか化学消防自動車等についても鋭意整備を進めているところでございます。 そこで、今お尋ねのように、三年に一度消防施設の整備の充足状況を調査いたしておるところでございますが、まず消防ポンプ自動車につきましては、昭和五十六年四月一日現在におきましては八七・九%の充足率、五十九年四月一日現在では八八・一%、そして昭和六十二年四月一日現在では九〇・三%という数字と相なっております。はしご自動車でございますが、これは昭和五十六年におきましては五七・七%、五十九年におきましては六〇・五%、そして昭和六十二年には六一・一%でございます。化学消防自動車は、五十六年の時点で五四%、五十九年が五五・四%、六十二年が五六・八%でございます。救急自動車につきましては、五十六年時点で九九・五%、五十九年が九九・六%、六十二年が同じく九九・六%でございます。また、いわゆる消防水利でございますけれども、これは五十六年が六五・九%、五十九年が六九・〇%、六十二年は七二・三%。各主要な施設別に見てまいりますと、ただいま申し上げたような姿に相なっております。
○中沢委員 今五十六年から六十二年にかけまして施設別の充足率のお答えをいただきました。全体的な傾向としてはそれなりの努力の跡がある、このように見ていいと思うのでありますが、実は消防庁告示の消防力の基準というのがございまして、それを資料として全文いただきましたけれども、この消防力の基準の総則の第一条に「この基準は、市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行なっために必要な最少限度の施設及び人員について定めるものとする。」このように明記されているわけですね。つまり、一つの標準ではなくて最低基準である、ここに私は非常に問題を感ずるわけです。その最低の基準に対して、毎年毎年努力をして、補助金も若干ずつ上がったり下がったりしておりますけれども努力をしているが、充足率は依然として一〇〇%ということにはなっていない。最低基準の一〇〇%にもなっていない。ここのところに大きな問題があるのではないかと思いますが、長官としてはどういう認識をお持ちなのか、私と同じような認識なのか、あるいは最低とは言いながらこれは標準なのだと逆に受けとめていらっしゃるのかいらっしゃらないのか、その辺も含めてお答えいただきたいと思います。
○矢野政府委員 消防力の基準は「市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行なっために必要な最少限度の施設及び人員について定める」ということでございますので、まさにただいまの御指摘のとおりに私どもももちろん考えておるところでございます。 現在のこれに対しての整備状況を先ほどお答え申し上げたところでございますが、その最低の基準にまだ達していないという状況はあるわけでございます。一方、消防力の基準そのものにつきましても、これはこういった率を計算いたします場合には各市町村ごとに積み上げて計算をいたします。各市町村の状況は、人口あるいは市街地の状況、建築物の増加、その状況がいろいろ変わってまいりますので、それに伴って消防力の基準そのものもどちらかというと上がってくるということが言えようかと思います。 その中で市町村がそれぞれ頑張っておるわけでございますけれども、例えば一番基礎となります消防ポンプ自動車、この辺についてはさすがにかなりの率に達しておりますし、また国民のニーズが一番強いと今日考えられております救急関係につきましてはほとんど一〇〇%に近い。やはりそういうニーズに対応して市町村はどうしても優先的に充実をしていこうという傾向があることも否定できないとことでございます。したがいまして、一方、いわば最新の科学消防の粋とも申すべきはしご車とか化学消防自動車ということになりますと、これは財政的にも単価も高いというようなこともありまして、整備のテンポがどうしてもおくれておるという状況にあるわけでございますが、しかし私ども、もちろんこういった状況でやむを難いと考えておるわけではございません。災害複雑多様化ということもございますので、これに即応した消防施設の科学化等について今後とも計画的に整備をするよう市町村の指導に努めるとともに、補助金の確保、それから先ほど申し上げました防災まちづくり事業についての、これは昭和六十三年度に交付税による元利償還の補給率を も引き上げるというような措置を講じておりますが、そういった財政的な支援措置の面につきましても努力を重ねておるところでございます。 今後ともこの消防力基準との関係における消防設備の充実には大いに力を注いでまいりたいというつもりでございます。
○中沢委員 さてそこで、今度の法改正の具体的な内容について幾つかお尋ねをしたいと思います。 今度出されました内容は、補助金でいいますと、全国ベースで補助率三分の一、人口急増地帯は二分の一。ただ、二分の一の中で幾つかの枠組みをしておりまして、その中で今まで七分の三のかさ上げをしていたのを今度は十分の四にする。つまり、七分の三というのはパーセンテージに直しますと四二・八%、これを四〇%にする。パーセンテージでいえば二・八%の補助率の削減、これは大したことはないじゃないかという、恐らくそういう自治省側の判断があったと思うのでありますが、全体の補助金の金額として二・八%、これが金額に置き直しをするとどの程度の削減の金額になるのか、これをまず聞いておきたいと思います。
○矢野政府委員 御指摘の人口急増団体の中でも三カ年間の財政力指数が一を超えるもの並びに政令指定都市につきましては、これまで七分の三でございましたものを十分の四ということで若干切り下げまして御提案申し上げておるわけでございますが、ただいまお示しにありました二・八%に相当するものを具体に昭和六十三年度ベースで当てはめてみますと、これによる影響額は五百六十六万円でございます。
○中沢委員 また関連をいたしましてお尋ねをしたいと思いますが、人口急増市町村というのは数にして現在幾らあるのか、そして補助率が二・八%削減の対象になるのは、今基準が明らかになっておりますけれども、政令市も含めてという内容のようでありますが、どの程度の市が対象になるのか、この二つをまず聞いておきたいと思います。
○矢野政府委員 人口急増指定団体は、昭和六十三年度ベースで見て八十市町村でございます。年度末における人口の状況によって平成元年度においては若干の異動があろうかと思いますが、数町村の出入りがあろうかと思いますが、おおむね平成元年度においても昭和六十三年度とほぼ同数ないしはそれに近い数と考えております。 なお、不交付団体、財政力指数が一を超える市町村、政令指定都市等でございますが、これは十六でございます。なお、政令指定都市は現実にはこの人口急増団体に該当するものがないと見込まれます。
○中沢委員 そこでもう一つ、極めて単純な問題についてお尋ねしたいと思います。 先ほど消防力の充足率についてお答えがございました。例えば昭和六十二年度、消防ポンプ車の充足率が九〇・三%である。さて、それじゃ人口急増地区の消防ポンプ車の充足率は一体どうなっておるか、最近の数字で結構でありますが、明らかにしてもらいたいと思います。
○矢野政府委員 昭和六十二年度の全国九〇・三%に見合う人口急増地域での充足率は七三・四%でございます。
○中沢委員 今までいろいろ数字的な質問をしてお答えをいただきました。 そこで、今お答えいただきましたように消防ポンプ車の例を一応引き合いに出しておきたいと思うのでありますが、全国的な充足率は九割台をキープしておる、ところが人口急増というのは都市部あるいは都市周辺の町村、そこのところの消防自動車の充足率が七三・四%、正直言いまして、これはちょっと意外な感じを私は持ちました。といいますのは、人口が急速にどんどんふえる、確かに財政的ないろいろな問題があったとしても、消防についての住民の不安というのは非常に高いと思うのです。そうすると、勢い全国平均よりもこの種の充足率が高くてもしかるべきではないか、そのように私は考えておるわけです。 関連してもう一つ申し上げておきたいのは、これから申し上げることすべてが原因だとは言いませんけれども、人口急増地区に対して一定の補助率のかさ上げをしておる、それは結構なことだと思うのです。しかし、五十九年に財政力指数を持ってきてかさ上げの部分を七分の三に引き下げておるわけです。今度はそれをさらに十分の四に引き下げようとしておる。やはり先立つものが先立ってきませんと、消防力をいろいろ充実したいという各自治体としては、どうしてもそこのところがおろそかになってしまつで、結果的に今申し上げました数字が示しておりますが、私なりの意見で言うと、そういうところには特別、削減の補正をしないで、二分の一のかさ上げを人口急増地区については全体的に及ぼす、政令都市を含めるかどうかということは別な意見があるかと思いますが、私はそういうふうに考えるのですけれども、いかがですか。
○矢野政府委員 人口急増地域におきましては、現在の消防力基準から考えますと、例えばポンプ自動車の場合、市街地と密集地の人口等により配備台数が算定されるわけでございますが、その場合、人口急増地域においては、これは人口が動態的にどんどん増加してきておるわけでございますから、したがいまして、どうしても消防力基準そのもの、すなわちポンプ自動車の基準数そのものも増大するわけでございます。したがって、人口増加に見合った車両の増強を直ちに行っていかないと充足率はどうしても下がってしまう、こういう関係になるわけでございます。したがいまして、人口急増地域におきましては、御指摘のように、住民の火災等の事故、災害に対する不安を解消するために一層の整備努力をしなければ、基準に対しての率が低くなるという結果になるわけでございますので、人口急増市町村における消防施設の緊急な整備というのは大変大事なことだと思っております。 もちろん、人口急増市町村でございますから、消防以外にもいろいろやはり施設の整備をやらなければならない事情もあろうかと思いますけれども、やはり消防は住民の安全を守るために一番基本的なものでございますので、それなりの努力をすべきだと考えております。 御指摘のように、昭和五十九年度におきまして、いわゆる政令指定団体と一般の団体との間に補助率に若干の差を設けた、すなわち七分の三にした。それを今回の見直しに当たりましてさらに十分の四でお願いをしておるということでございますが、この点につきましては政府内でもいろいろ議論はございました。が、現在の我が国の財政の状況、特に一般歳出そのものを抑制するという状況のもとにおきまして、私どもとしてはこういった不交付団体、財政力指数一以上の市町村あるいは政令指定都市等につきましては、他の市町村に比べますとやはり財政の弾力性がより高い、機動的な財政運営もできるということを勘案をして、このような措置をもってお願いをしておるわけでございます。 ただ、その場合におきましても、今申し上げましたように人口急増市町村の消防施設の整備が極めて緊急性が高いということを考えまして、見直しは行いますが、消防施設の緊急整備の必要性を考慮して、財政負担に大きな影響を生じさせない範囲において、かさ上げ率の見直しをいわば最小限度にとどめることにいたした次第でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○中沢委員 その辺は見解がかなり違うと思います。ただ、いずれにしても都市周辺、大都市も含めてでありますけれども、やはり急速に人口がふえる。しかし、行政需要がいろいろあってなかなか消防力のところまで回らないという現実問題はやはりあると思うのです。あるから消防自動車の充足率がこれだけの開きがあると思うのですよ。そのことを承知の上で、あえてわずか五百数十万円という金額、取り上げて言うことがどうかなという感じもしないわけではありませんけれども、しかし、これは金額の問題ではなしに、少なくともこの財政力指数を物差しに持ってくるということ自体これは非常におかしいと僕は思うのですよ。 例えば、消防力の充足率を一つの物差しにしまして、この程度の水準に行っているから補助金を若干でもカットするということであれば議論としてはまた別にできると思いますけれども、財政力指数を一つの物差しにするということ自体極めて論理的にも矛盾をしているのではないか。昭和五十九年にそういう制度を導入をした。私自身はそのときは国会におりませんでしたのでよく事実関係はわかりませんけれども、私としてはそういう問題意識を持っておりますので、見解はかなり相違をする、このことだけを申し上げておきたいと思います。 さて、そこで、ことしに入りましてからもそうでありますが、全国的にはいろいろな火災が発生をしておりまして、犠牲者も出ているわけであります。特に、ことしの二月十六日に横浜の港で起こりましたインド船籍のジャグ・ドゥート号の船舶火災、あの船舶火災では貴重な人命が損なわれる、十名を超える死亡者を出す、大変な大惨事であったと思うのです。きょうもたまたまNHKのテレビでその後のいろいろな追跡のニュースなんか出ておりましたけれども、先ほど消防庁の長官は、例えばはしご自動車あるいは化学消防ポンプ車について言うと購入単価が非常に高い、ほかに比べて充足率が低いのだ、こういう話もございました。 まず、そこでお尋ねをしたいのは、あの横浜の船舶火災について地元の消防隊としてどういう出動態勢をとって対策をされたのか。その内容について、ごく簡単で結構でありますからお答えをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 本年二月十六日に横浜市で発生いたしましたインド船籍のジャグ・ドゥート号の火災における消防隊の出動状況でございますが、簡潔に申し上げますと、この火災に際しましては、横浜市消防局から普通消防車、水槽つきのポンプ車、化学車等の車両三十一台、ヘリコプター一機、消防艇二隻、人員百二十四名が出動をし、また同市の消防団からは車両、これは可搬式動力ポンプ積載車でございますが三台、人員二十名が出動をいたしまして、消火、救助等の消防活動を行ったところでございます。 〔委員長退席、川崎(二〉委員長代理着席〕
○中沢委員 私は夕張の人間でありますから、田舎の町でありまして、普通のポンプ自動車ぐらいしかないと思うのでありますけれども、今お話がありましたように、この船舶火災に当たりましては車両が三十一台、しかもそれは化学車あるいははしご車も含めて出動をされている。これからますます、都市火災でありますとか船舶火災、これは近代的に装備をされました自動車の必要性というのは急速に高まってくると思うのです。そうなりますと、勢い購入する単価が高くなって、買いたいけれどもなかなか買えない。施設の補助金についても、先ほどちょっと議論しましたけれども、いろいろあってなかなかかさ上げも思うようにされていない。これは片方では非常に必要だ、買いたい、何とかしたいという気持ち、片方ではそうは言いながら補助金がこういう状態ということでは相矛盾すると思うのです。 大臣、どうでしょうかね。まだ短時間のやりとりでありますけれども、所管の大臣として、これは非常に重要な問題だと思うのです。ですから、補助金問題について今の法案を直ちに手直しをしろとは言いません。本来はそういうふうに言いたいのでありますけれども、これから先の問題として、大都市、人口急増地帯を含めて急速に必要な消防力の充足をやるべきだ、そのためにはやはり補助金制度についてもこの際抜本的に中長期にわたって見直しをする、そういう御見解を私はぜひ期待をしたいのでありますけれども、いかがでしょうか。
○矢野政府委員 特に科学消防力の充実を大いに図るべきではないか、こういう御趣旨の御指摘だと考えます。私どももこういった財政の厳しい制約された予算の状況の中ではございますけれども、補助金予算を通じましては、やはり消防の科学分、これにつきましては常に力を入れてきております。 先ほど申し上げましたように、防災まちづくり事業との併用ということで、そちらの防災まちづくり事業で可能な、例えば防火水槽であるとかあるいは同報系の防災無線であるとか、そういったものにつきましては防災まちづくり事業の方にかなり移しました。しかし、一方、はしご車であるとか化学消防車であるとか、あるいは緊急情報システムであるとか、こういったようなより一層消防の科学化を図らなければならないものにつきましては、例えば昭和六十三年度予算におきましても、あるいは平成元年度予算におきましても、いずれも対象の増加、予算の増加を図ってきておるところでございます。特に、御指摘のように都市部、人口急増地域等におきましては、そういった必要性は極めて高いわけでございますので、私どもとしましても、補助金の重点的な配分を通じて、より必要度の高い地域における消防の科学力の増強に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○坂野国務大臣 今消防庁長官が答弁したとおりでございます。いずれにしても人口急増の地域の消防力を実態的に近代化を図っていく、これは重要なことでございますから、補助率の問題と補助対象の問題とあわせて、どうすれば一番整備ができやすいかという点で研究してみたいと思います。
○中沢委員 今大臣の方から積極的な姿勢を含めてお答えがございました。緊急性の問題もございますので、ぜひひとつ努力をお願いをしたいと思うのです。 それで、先ほどちょっと週刊誌を買いましたら、例のリベリア船籍でもう既に太平洋沖で沈没をした記事が出ておりました。ケミカルタンカーということで、しかも東京湾の中の横浜に入港予定であった。事件の概要はもう改めて申し上げません。恐らく生存者は全くゼロだと思います。しかも、これは大変な爆発を繰り返して、もう手のつけようがない、こういう状態で沈没したと思うのですね。これが仮に東京湾に入ってきて横浜付近でああいう大惨事が起きたら、本当に手のつけようがない、僕はそう思うのですよ。ですから、あえてそのことを先に言わないで今申し上げるわけでありますけれども、この種の不測の事態というのはだれも予測できない。そんなことはあり得ないと思っているけれども、やはりこの種の大惨事というのは発生するわけですね、飛行機が落ちるということも含めて。ですから、先ほど申し上げましたように、大都市、人口急増地区あるいは船舶火災を念頭に置いたそういう近代装備の消防力の充足にぜひひとつ早急に積極的に取り組んでいただきたい。このことを特にお願いをしておきたいと思います。 さてそこで、直接今度の法案とは関係がありませんけれども、せっかくの機会でありますから消防職員の団結権問題につきまして幾つかお尋ねをしたいと思います。 私の記憶によりますと、昨年の五月にこの委員会で団結権問題につきましていろいろ議論をいたしました。さて、まず第一にお尋ねをしたいのは、ことしの六月、ILOの総会がございまして、政府としては余り好んではいないのでありましょうけれども、結果的には日本の消防職員の団結権問題が改めて議論の俎上に上る、これはもう間違いがないと思います。かねてから申し上げておりますように、この問題でいうと、もう十八年、十九年、およそ二十年越しの国内問題として未解決のままずっと来ている。しかも、ILOという国際舞台でいうと、日本の政府側が孤立無援の状態、非常に国際的に批判を受けている。 ついこの間、労働時間の短縮につきまして労働基準法の改正がありました。日本の労働者は働き過ぎである、こういう国際的な批判を何とか乗り越えようということでああいう国内法を出して、今制度としてずっと進んでいると思うのですよ。次元は違いますけれども、私はやはり消防職員の団結権問題は、同じような、国際的にいうと日本政府が孤立をしている、ことしも同じような状態 でずっと推移をしていくということ自体は、日本という国にとって極めて問題のあるテーマでないかというふうに考えるわけです。 そこで、第一点、六月のILO総会に向けて担当の自治省としてどういう具体的な動きをされてきたのか、特に昨年来、ことしにかけて。あるいは六月に向けてどういうことをやろうとしているのか。国内問題の解決ということを前提にしてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○芦尾政府委員 お答えいたします。 ILOの消防職員の団結権の問題は、我が国がILOの八十七号条約を批准いたしまして、その批准に当たりましては、消防職員がILOの八十七号条約に言うところの警察の範囲に入るということで、その団結権を制限していいということを前提にいたしまして批准をいたしました。それがILOの方で見解が変わりまして、一九七三年にその問題が起こってまいりまして、以来、ただいま委員おっしゃいましたように、そういう見解を異にする状況が続いておるわけでございます。この六月のILOの総会でございますけれども、その議題につきましては正式には五月の上旬に判明するというふうに聞いてはおります。 しかし、いずれにいたしましてもこの消防職員の団結権問題につきましては、国内問題といたしまして長期的視野に立って慎重に検討を今までもしてきておるところでございまして、今現在、公務員問題連絡会議におきましてこの問題の検討を行っておりますが、その中で関係者の意見も引き続きお聞きをいたしておるところでございます。私どもといたしましては、そういうなかなか難しい問題であるということを前提にして今回のILOの総会にも臨む必要があるだろうというふうに考えております。
○中沢委員 国内問題として解決をするというその努力の跡が具体的には何も示されていない。率直に言って大変遺憾なことだと思います。 しかも、自治省の方にも正式に連絡が入っていると思いますけれども、今月の二十八日から四月四日にかけましてILOの国際労働基準局長シディベさんが来日をされる。これは総評の招きでおいでになる。私の聞いておりますのは、三月三十日にそれぞれ関係省庁を訪問をされる、自治省にも三月三十日に訪問をされる、こういうふうに聞いておるわけです。 この方は、例の八十七号条約でいいますと条約勧告適用委員会の事務局長も兼務をされておりまして、事実上ILOの消防職員の団結権問題の責任者だ、このように受けとめてこれは間違いがないと思うんですよ。そういう方が六月のILOの総会を控えまして日本に来て、そして自治省や労働省や総務庁を訪問をする。僕は単なる表敬訪問では終わらないと思いますね。もっと言いますと、新しい情報が入っているかどうかは別にして、シディベ氏が来る直前に例のILOの消防職員の専門家会議を開いて、ILO総会等々の事前の意思統一を行う。それを行った後、来日をされるというふうにも聞いているわけです。ですから、くどいようですが単なる表敬訪問には終わらない。いろいろな意見交換がされるのではないかと思うんですよ。 そうしますと、今部長がおっしゃったように、昨年の私が質問をした時点を一つ前提にしますと、それ以降国内的な努力の跡が一切ない、六月に向けて具体的にどういう努力をしようかということも一切ない。白紙のまま臨むということは国際的に極めて無礼な話でないか、私はそのように考えるのですが、この事務局長と会うときにどういうふうに対応をされようとしているのか。白紙のままということにはならぬと思いますけれども、もっと具体的な対応の仕方あるいは自治省としての今日的な見解、これからの具体的な努力目標、いつどういうことをやると具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
○芦尾政府委員 専門家委員会の結論は五月上旬に出るといったようなことも聞いておるわけでございますけれども、それはそれといたしまして、ただいまお話ございましたように、ILOのシディベ国際労働基準局長が総評の招待で御来日されまして、この三十日に当省にも御訪問していただく予定になっております。 同氏は従来からこの問題には非常に御造詣が深いということは御承知のとおりでございますが、それで私どもといたしましてもこの機会をつかまえまして、もう一遍我が国の消防職員の団結権問題に関しまして、一つはILO八十七号条約をこうして批准した経緯というものもよく御説明を申し上げてみたいと思っておりますし、さらにはまた、現在国内問題として長期的視野のもとで慎重に検討をしておりますこの状況というものにつきましてもお話を申し上げたいと思っております。また、日本におきます消防の歴史的な沿革でございますとか法制上の業務内容でございますとか活動の実態、また最近の状況といったようなことにつきましても説明を申し上げまして、我が国の消防の実態というものを御理解をいただきたいというふうに存じておるところでございます。
○中沢委員 そこで、もう余り時間がありませんから、もう一つ申し上げておきたいと思いますが、今部長のような、つまり消防職員の国内的な団結問題についての故事来歴、僕からいえばそれはもう古証文の問題でありまして、シディベ氏にとってみればそんなのはもう昔の話、今一体日本政府は何をやるか、こういうことに恐らくなると思うのですよ。 そこで、僕の方から一つ提言というか提案をしてみたいと思うのですけれども、どういう結論になるかということはこれからやらないとわからないと思いますが、総務庁が事務局になっているあの種の懇談会というのは、正直言ってもう形骸化もいいところだと思うのですよ。そういうものがあっても、具体的に労使が集まって、関係団体が集まって最近話を一切していない。だから、あれはあれとして置いておいて、少なくとも自治省サイドで広い意味で関係の団体の定期協議の場というのをつくってはどうか。広い意味というのは、単に労使の定期協議ということではなしに、関係団体の定期協議、こういう場をつくってはどうか。もちろんその中には政府側、あるいは使用者側でいえば地方六団体の代表、労働組合側でいえば総評ですとかあるいは自治労だとか、場合によっては私は消防職員協議会の代表の方も入ってもいいのではないかと思いますけれども、いずれにしても、そういうメンバーで自治省がいい意味でのリーダーシップをとって、団体間の定期協議の場をつくって、そしてやはり新しい時代に対応したこの問題の早期解決に向かって知恵を出す。できるだけ六月の総会までに一定の結論を出していただければ大変結構だと思いますけれども、そういう場をぜひつくってやるべきではないか。しかもシディベ氏と会ったときに、日本政府、とりわけ自治省の誠意の問題として、具体的にそういうことを考えている、そのぐらいのことをぜひお話をして、小さいお土産であっても持って帰っていただく、このぐらいのことはぜひやるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○芦尾政府委員 今先生の方からるるお話がございましたが、この問題は公務部門の労使関係の基本にかかわることでございまして、長い間意見の集約を見ることができないできておるところでありまして、そういう状況の中でなかなか諸条件が変わってきていない、そういう中で検討を続ける。そういう意味で長期的な視野のもとで慎重に検討すべき問題であるということを申し上げておるわけでございまして、現在公務員の労働関係にかかわります基本問題について検討することになっております公務員問題連絡会議におきまして検討を進めておるところでございまして、これまでも労働側の意見聴取も行ってきてはおるところでございます。ただ、現段階でその会議の結論が近くまとまるという状況にはなってきておりませんで、引き続き検討を重ねなければならないというふうに考えるわけでございます。 当省といたしましては、ただいまお話もございましたが、そういう状況の中での話でございまして、なかなか一つの展望を持ちにくいということ は御理解をいただきたいわけでございます。私どもにおきましても、そういう意味では自治労等労働団体との意見交換ということは随時行っておるわけでございまして、そういうものはこれからも引き続きやってまいりたいというふうに思っておるところではございますけれども、公的な定期協議の場を設けるということにつきましては、なかなか難しいのではないかというふうに考えております。
○中沢委員 もう時間が来ておりますから、いま一つ簡単に申し上げておきたいと思います。 大臣も御承知かとは思うのでありますけれども、大体ヨーロッパやアメリカ、先進諸国というのはもう消防職員に団結権は法的にもきちっと保障している。先進諸国の中で日本だけなんですよ、消防職員に団結権を認めていない。国内的ないろいろな事情については、時間がありませんし、また改めてやりたいと思いますけれども、そういう極めて異常な、国際的に見て日本が孤立をするようなこの問題でありますから一大臣もひとつ在任期間中にこの問題についていろいろ担当の方ともお話をしていただきまして、一歩でも二歩でも国内問題の解決に向けてぜひ努力をしてもらいたいと思うのです。 同時に、現在ILOには日本の労働者代表理事として、かつて自治労の委員長をされておりました丸山さんも出ているわけでありますから、公式、非公式に自治省はそういうところとも十分連携をとって、国際的な視野でこの問題についてひとつ早期に解決をする、こういう努力を特に希望いたしまして、大臣の方から御所見があればお聞かせいただいて終わりたいと思います。
○坂野国務大臣 この間も自治労の皆さんがおいでになって、大臣、時々会いたいということですから、じゃ結構ですよ。これは別にこの問題に限ったことではございませんが、聞いてみますといろいろいきさつがあるようでございますし、外国の例は私もよく知りませんが、日本の消防庁、消防団というのはまさにこれは警察と同じ性格のもので、これは相当ふだんから、私が言うまでもなく世界に冠たる、そういった意味の規律というものができ上がっている、そういう特殊事情があるのではないかと私は思います。そういう中で、やはりこれは自治省だけの問題ではございませんから、総務庁あたりとも相談をいたしまして、一歩でも二歩でも前進するように持っていきたいと思いますけれども、三月に局長がおいでになるのに間に合わすというのはちょっと難しいのではないかと思っております。
○中沢委員 終わります。
○川崎(二)委員長代理 草野威君。
○草野委員 消防施設の整備状況の問題でございますけれども、ただいまの長官の御答弁にもございましたけれども、確かに消防力の基準数、充足率というものを拝見いたしますと、現時点におきまして、化学消防ポンプ自動車が五六・八%だとか、現有車両に対する消防職員が七四・八%だとか、かなり目立って低いものもあるわけでございます。しかし、その中で救急自動車の場合は九九・六%、いわゆる一〇〇%近いわけでございます。こういうものにつきましては確かにすばらしいと思いますけれども、現在我が国における救急自動車に対する需要を見ましても、年間で約二百五十万回程度の出動の要請もある。そういう中で当然のことだろうと思います。 こういう現状に対しまして、これからも補助金の確保だとか、また財政的な支援措置について努力をしてまいります、先ほど長官のこういうお話もございました。しかし、やはりこの消防力の基準数、先ほども最低の基準だというようなお話がございましたけれども、この基準数に対しましていつまでに目標を達成させるのか、これだけはある程度きちっとしておかなければならないのではないか、このように思いますけれども、長官のお考えを承りたいと思います。
○矢野政府委員 消防力基準に対しての達成のめど、目標を示すべきではないか、こういう御指摘でございますが、この消防力基準そのものは、先ほども委員御指摘のとおりの性格を備えたものでございます。これらの数値につきましては、これは、それぞれの市町村ごとに設定をした基準数をもとに算定をしたものでございます。したがって、市町村の実情というものはもちろん加味されておるわけでございまして、決して消防力基準を画一的に適用して計算をしたものではないわけでございます。 消防庁といたしましては、消防施設の計画的な整備を進めるために、三年ごとに市町村ごとの消防力の基準を参考に地域の実情を踏まえた消防施設の整備目標を設定してもらいまして、そして消防施設についての大体計画期間五年間の整備計画の策定を行うように指導をしておるところでございます。自治体消防でございますから、消防庁で画一的な目標をつくってそれに対して達成をさせていくという考え方をとることはできませんけれども、しかし、少なくともそういった消防力基準との関係を見ながら常に整備目標を立てて計画的に整備をしていく、そういう努力をするように指導をしておるわけでございます。 消防力の基準そのものは、これはもちろん静態的なものでなくて、市町村の状況が変わりますと動いてまいりますから、人口増加等の要素がございまして動いていく場合には、それに従って消防力基準というものを算定をし直して、それに対して新たな整備目標を立てていく、こういう形になるわけでございまして、常時不断の努力がこれは必要であり、しかも全体としてこの整備目標にどんどん近づいていく、率を高めていくという努力も必要だと思います。そのように指導してまいりたいと考えております。
○草野委員 目標に向かってどんどん近づけていきたい、こういう長官のお話でございますけれども、消防関係の補助金というのがございますね。これを拝見いたしますと、昭和五十六年度合計で二百五億円、これを指数一〇〇にいたしますと、昭和六十年度が七八、六十一年度が六九、六十二年度が六六、六十三年度が六六、平成元年度が六七、こういう状況です。確かに平成元年度になって若干歯どめがかかったかなという感じがするわけでございますけれども、ともかくこういう状況でございます。 今の長官の御答弁を伺っておりますと、こういう補助金の関係から見てもどうかなというふうに首をかしげざるを得ないような感じもするわけでございますけれども、この点については長官はどのように受けとめていらっしゃいますか。
○矢野政府委員 御指摘のとおり、昭和五十年代後半からの国の非常に厳しい財政事情のもとでいわゆるマイナスシーリングが設定をされ、その影響を非常に大きく消防の補助金がこうむってきたということは事実でございます。それに対しまして、一方におきましては、補助金そのもののそういった状況下にあってもなおかつこれを確保していく、少なくとも低落傾向に歯どめをかけていくという努力はここ数年行ってきたつもりでございますし、また、その中におきましても、特に目標に対する達成率の低いような科学消防の面、これにつきましてはやはり補助金をふやしていく、一方で防火水槽であるとかあるいは同報系の防災無線であるとか、こういったものにつきましては防災まちづくり事業で地方債とその元利償還を地方交付税で措置をしていくという方式にかなり移しかえるという形で、全体としての補助金とそれから防災まちづくり事業と両方の財政措置を活用いたしまして努力を続けてきておるところであり、私どもも必ずしも力十分ではございませんけれども、そういった両面からの財政的な面の努力もある程度功を奏してきておると考えておるところでございます。 補助金そのものが確かに減ってきておるという事実は否定できませんけれども、私ども、この補助金につきましても、特にその内容の重点化に努めますと同時に、やはり総額を今後とも確保する努力を続けてまいりたいと考えております。 〔川崎(二)委員長代理退席、委員長着席〕
○草野委員 やはり全国の自治体の消防の士気に もかかわることだと思いますので、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思うのです。補助金の漸減傾向に歯どめがかかったとはいえ、今回の改正によりまして十分の四に引き下げ、こういうことではやはりならないと思うのです。大臣もひとつぜひ努力をしていただきたい、このように要望したいと思います。 法案と直接関係ございませんが、若干、一、二の問題につきまして質問させていただきたいと思います。 まず初めに、二十日にヘリコプターの活用につきまして消防審議会の答申が出たようでございます。このヘリの問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。 まず、大規模災害に対する広域応援体制の整備、こういう問題につきまして、現在大規模災害を初め林野火災、集団救急事故等に際しましてヘリコプターによる活動が極めて有効とされております。消防庁はこの消防ヘリを活用した消防救急ネットワークを全国的に整備する方針である、このように伺っているわけでございます。 現在、消防ヘリは十七機ほど配備されている、このように聞いておりますが、このヘリの主な活動は、消防車が入っていけないような山林地帯の火災だとか、病院から遠く離れた離島からの急病人の搬送などに従事しておる、こんなことを伺っておるわけでございます。今回答申が出たわけでございますけれども、この消防ヘリの活用、また整備の基本方針のようなものにつきまして承りたいと思います。
○矢野政府委員 社会経済の変化によります災害の複雑多様化に的確に対応をしていく、また離島や山村等からの迅速な救急患者の搬送を実現する、あるいは大規模な災害に対しての機動的、広域的な応援体制をとっていく、こういうことのために、その目的を果たしていくために、現在消防施設、いろいろな面で充実を図っておりますが、特にヘリコプターの機動力というものがそういった面ではまことに有効である、このように私ども考えておりますし、また近年ヘリコプターがそういう役割を果たしてきておるその度合いというのがますます高まってきておると思います。 先年、そういったヘリの特殊な機能にかんがみまして、ヘリコプターによる広域応援体制というものをつくりまして、現在大都市を中心にしてございますヘリコプターを広域的に活用していくという方途を講じたところでございますが、ただ残念ながら、御指摘のように現在消防用のヘリコプターとしては八つの大都市にしかございません。消防用のヘリコプターでございますからもちろん消防活動ができるということ、それから救急・救助等の必要な装備も備える、あるいはヘリテレビの電送装置等も備える、さまざまな機能が付与されるわけでございますが、そういった機能を備えたヘリコプターが現在大都市八都市十七機という体制では、今の社会経済の、あるいはこれからの社会経済の変化にいかにも対応できない、こういうことでぜひその充実を図りたいと考えまして、昨年二月、消防審議会に今後のヘリコプターの整備及びその活用のあり方につきまして諮問を申し上げ、ただいま御指摘のように三月二十日に答申をいただいたわけでございます。 この答申におきまして示されておりますことは、一つは全国的なネットワークをつくっていくということで、二十一世紀初頭を目標、あと十数年後でございますけれども、少なくとも県を単位に考えてみて、県単位の区域に少なくとも一機以上の消防ヘリコプターを整備していく必要があるということを目標とする。それからさらに、その場合において広域航空消防体制の整備を図る方式として、現在ありますのは大都市を中心としてこれが広域運用をされるわけでございますけれども、それ以外のところにおいても、つまり大都市がない地域においても、市町村の共同による整備運用方式、これを整備すべきではないか。また、そういった中核となる市町村がなかなかできにくいというようなところについては、新たに都道府県がそういうものを装備をして市町村の消防、救急等活動の応援をしていく、そういう新しい考え方も取り入れられた答申の内容となっておるわけでございます。 消防庁といたしましては、この答申をいただいたばかりでございますが、この答申に示された基本方針に基づきまして、ただいま申し上げましたような消防ヘリコプターの全国ネットワークの整備促進、それから同時にそれがスムーズに活用、運用されていくための必要な施策を今後着実に進めていきたいと考えておる次第でございます。
○草野委員 二十一世紀までに各都道府県に一機ぐらいずつは配備したい、こういうような方針というお話でございます。ヘリの配置は非常に結構なことなんですけれども、最近一つ問題になっていることとして、高層ビルのヘリポート、この問題についてお尋ねをしたいと思うのです。 たしか去年の今ごろでしたでしょうか、アメリカのロスで六十二階建てのビルの大火災がありまして、ちょうど映画の「タワーリング・インフェルノ」ですか、あれをまざまざと思い出させたわけでございますけれども、あのときも高層ビルのヘリポート、これが非常に大きな活躍をしたわけでございます。我が国の場合、こういう高層ビルのヘリポートについて一体どういうような現状にあるのか、それから今後の方針はどういうような方向に向かっているのか、航空法との絡みとかいろいろあると思います。聞くところによりますと、アメリカの場合には一定の高さ以上のビルには全部義務づけられている、こういうことも伺っておりますけれども、我が国の場合は今後どういう方向で整備をされていくのか、お尋ねをいたします。
○矢野政府委員 ヘリポートの整備の問題は、消防の立場だけからでなくて、日本における航空輸送体制全般の観点からもちろん今後進められていくことになろうかと思いますが、御指摘のとおり我が国におけるヘリコプターそのものの活用がまだ欧米の主要国に比べますとはるかにおくれておると申しますか、少ない状況にございます。したがいまして、ヘリポートそのものの整備もかなりおくれておる、土地その他の事情もございましょうけれども、かなりおくれておるということが言えようかと思います。 ヘリポートの整備そのものにつきましては運輸省の方で計画を進め、また、これに対する補助制度等を数年前にたしか設けられたはずでございますが、それとあわせて、特に消防の立場から申しますと、やはり緊急の場合に必要なところにおりられるということが一番大事なことでございます。特に御指摘のような高層ビルの屋上にヘリポートをつくることによりまして万一の場合に備えていくということは、これからの都市の高層化の状況を考えますとぜひ必要だと考えられます。この辺は、我が国におきましては率直に申しまして高層ビルの屋上におけるヘリポートの利用というのはほとんどこれが行われていない、と申しますか、屋上にさまざまな工作物をつくりますので結局ヘリポートをつくる余地がない、こういうのが現状でございます。全国の消防長会議でもこの点を非常に重視いたしまして、昨年のロサンゼルスの高層ビルの火災以来この点についての決議をし、関係省庁に強く要請をしておるところでございます。 私どももそういったヘリポートの整備につきましては、これから消防用のヘリの整備を進めていこうという時期でもございますので、答申にもヘリポートの点も触れられておりますが、そういう点を踏まえて今後関係各省庁方面に働きかけてまいりたいと考えております。
○草野委員 このヘリの財源措置の問題でございますけれども、現有機数に加えてさらに四十ないし五十機はふやしていきたい、こういうことでございますが、現在我が国における国庫補助、いわゆる財源措置、こういう制度はどのようになっておりますか。
○矢野政府委員 消防用ヘリコプターにつきましては法律補助ではございません、予算補助でございますけれども、三分の一の補助を現在行っております。ただ、消防用のヘリ、これは物によってい ろいろ単価等も違いますので、一定の標準的なものを考えて、それをもとにいたしまして三分の一を補助をするという、システムにいたしております。例えば平成元年度予算におきましては、そのためのヘリコプターの補助、三機を予算に計上をいたしておるところでございます。 なお、補助金とあわせまして必要な地方負担分につきましては地方債上の措置が講じられますし、また、補助金なしに地方債のみで単独に整備するところもございます。
○草野委員 大臣にお尋ねをしたいと思いますが、いろいろと今長官の方からヘリの整備の今後の方向についてお話がございました。それで、これからやはり我が国の消防活動におけるヘリの役割というものは非常に大きいのではないか、このように私ども考えております。 そこで、我々が一番今心配しているのはやはり大地震で、大地震におけるヘリの有効な活動、これが期待されるわけでございますが、さしあたっては東海大地震でございます。これが発生しますと、東京、神奈川、静岡、恐らく大混乱に陥ることが予想されるわけでございます。そういうときに数多くのヘリが救助活動に参加する、また情報の面、食糧の面、あらゆる面でヘリの活動分野はかなり広いんではないか、このように思われるわけでございます。しかし、現在の機数は全国合わせても十七機程度しかない、こういうような現状でございまして、二十一世紀までに各県一台ずつの配備、これでは全然間に合わないわけでございます。 また予算措置にいたしましても、現在のところは大変低い。価格の面では恐らく一機当たりが六億から七億というふうに聞いております。購入先もフランスとかアメリカが大体主である、こういうようなことを伺っておるわけでございますけれども、この際、もっと思い切った予算措置というものをやはり講じなければならないんじゃないか。また、せっかく地方自治体がこれを購入したとしても、操縦士の問題、維持管理費の問題、大変な費用がかかってくる、こういう財政的な支援問題があります。それからまた、現在のドルの保有状況から見ても、フランスやアメリカから購入するということは国際的にもこれは非常にいいことではないか、こんなようなこともあわせて考えられるわけでございます。 したがって、この答申にもありましたけれども、こういうような計画はもう少し積極的に進めていくべきじゃないかな、私はこのように考えているわけでございますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
○坂野国務大臣 草野委員と全く同感でございまして、関東大震災というようなことを考えますと、だんだん建物が高層化してまいりますし、また恐らく交通も、道路も鉄道もストップするというようなことを考えますときに、ヘリに頼るしかないということが想定できるわけでございます。せっかく審議会の答申も出ていることでございますし、自治省としては、ひとつこれは重点的に、何とか早く整備できるようにこれから精いっぱい努力してまいりたいと思う次第でございます。
○草野委員 このヘリの問題に関連いたしますけれども、職員の災害に遭った場合の問題でございます。 消防ヘリに従事する技術吏員等、消防吏員以外の消防職員が搭乗して消火活動に従事していろいろな災害に遭った場合のことなんですけれども、こういう場合に、「このような職務に従事する技術吏員等についても、地方公務員災害補償法の特殊公務災害の対象となるよう所要の措置について検討する必要がある。」このように答申に述べられているわけでございます。この中に書いてある消防のヘリの技術吏員というのは、恐らく操縦士だとか整備士だとか、こういう者を指しているのではないかと思うのです。そうしますと、こういう操縦士、整備士というのは、災害に遭った場合に特殊公務災害の対象外と現在はなっているのかどうか、そして今後はこういう点につきましては、このように特殊公務災害の対象にしていく方針なのか、こういう点についてお尋ねをしたいと思います。
○矢野政府委員 消防審議会の答申を踏まえてのお尋ねでございますが、現在、例えばパイロットは消防吏員としての資格を持っておりますので、消防吏員としての公務災害補償の対象にもちろんなるわけでございます。すべての場合ではないかと思いますけれども、そういった消防吏員でない職員が乗っております場合には、もしそれが負傷等の事故がございますれば、消防吏員としての災害補償ではなくて通常の公務災害補償、こういうことになるわけでございます。ただ、それではやはりヘリコプターの一体的な活用という面から考えて問題があるということで、これは全国の消防長会の方からもそういった点についての制度的な改善を図ってほしいという意見もございます。 また今後、これからヘリコプターをだんだんふやしていこうという場合には、そういうケースがかなりふえてくるということもございますので、この点につきましては、ヘリの新しい整備に関する必要な法制度の改正とあわせて、この答申を実現していく場合には当然に考える必要があるわけでございます。 公務災害補償につきまして必要な措置を講ずるということは、消防活動に従事する職員の士気の上からも大変大事なことでございます。また、生活の面から見ても大変大事なことでありますので、そういった面でも法改正を考えてまいりたいと思っております。
○草野委員 最後に、救急隊のことにつきまして一問お尋ねをいたしたいと思います。 この救急隊の整備拡充、それから医師法との問題などでございますけれども、現在、火災の発生は年間約五万数千件と言われております。しかし救急車の出動回数は二百五十万回、したがって消防の仕事は救急業務の方が中心、このようになっているわけでございます。 そこで、現在、医師並みの救急隊員の養成ということが一つの課題ではないかと思います。しかし、現在、救急隊員の応急処置はごく一部に限られているわけでございまして、しかもその研修につきましてもわずか百三十五時間というように伺っております。しかし、この救急車につきましては、数においてもそうでございますけれども、日本ほど普及している国はないと言われておりますし、また日本の医療技術も世界最高の水準だと言われております。その最高の医療技術を病院の前の段階で生かせないということになってしまったら何とももったいない話ではないかな、このように思うわけでございます。 例えば点滴を受けながら搬送中の病人、またそういう人たちに対して、救急車の中で点滴の管が外れても、点滴の針が抜けても救急隊員は現在は何の応急処置も施しができない、こんなようなことになっているようでございます。そうしますと、中にはみすみす命を失ってしまう、こういうことにもなりかねないわけでございます。救急車の出動件数を見ましても、急病人に対する出動件数は百十八万回とか、交通事故は五十六万回とか非常に多いわけでございまして、九割以上がともかくこういう急病人に類する人たちの搬送というふうに聞いております。 そこで、二点ばかりお尋ねをいたします。 この救急車で病人を搬送する際、例えば点滴中だとか、または酸素吸入中だとか、その他何らかの治療中の人を搬送しなければならない、こういう事例は年間どのくらいあるものなのでしょうか。 それからもう一点は、現在アメリカの各州で行っておりますパラメディック制度といいますか、こういう制度につきまして、我が国においてもこういう制度を導入するようなお考えがありますかどうか、この二点についてお尋ねをしたいと思います。
○矢野政府委員 前段の御質問でございますが、そのような事例があるということは聞いておりますが、これは統計的に私の方でそのような事例を実はまだ調査したことがございませんので、残念 ながらお答えをいたしかねるわけでございます。 それから後段の問題でございますが、いわゆるパラメディカルのお話かと思います。我が国の救急隊、これは少なくとも数の面におきましては恐らく世界でも有数かと思いますけれども、今後考えなければならないのは質の問題であろうかと思います。もともと救急隊は搬送のみから始まりまして、しかし搬送のみではやはり人の命を十分に救っていけない、救命率を高めることができないという意味から、昭和五十七年に百三十五時間という講習制度を受けなければ救急隊員の資格が得られないということにしたわけでございます。しかし、その百三十五時間の講習でも、その範囲につきましては例えば止血であるとか、あるいは人工呼吸であるとか、あるいは心臓マッサージであるとか、そういったものに限定をされておるわけでございます。今後私どもとしては、医療法、医師法との関係などもございますので、そういった救急隊員の行う医療的な行為と申しますか、命を助けるための応急的な行為につきまして、より質を高めていく必要がある、そういう観点から、この百三十五時間の上に、救急隊の隊長クラスをまず対象といたしまして、さらに講習の内容を充実強化してまいります。全体としての救急隊員の質を高めていくということを着実にまず積み上げていきたい、それによって救急隊員の行うことのできる救命のための措置の範囲というものができるだけ広がっていくことになるように努力をしてまいりたいということを当面の目標として検討をいたしておるところでございます。
○草野委員 確かに、医師法との関係等において難しい面も多々あると思いますけれども、やはりこれからこの救急隊員の養成制度のあり方、また応急処置の新たな基準づくり、こういうものにつきまして、一刻も早くきちっとした体制をつくり上げていただきたい、このことを要望いたしまして質問を終わります。
○西田委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 まず宿題からお尋ねをいたします。 昨年の質問のときに、ある町で、ある町といっても市です。ある市で火事が起きた。そこでそれを見た通行人の人が早速一一九番をした。ところが話し中である。何回かけても話し中である。したがって、ははあ、だれかが先に電話をしてくれたなと善意に解釈をいたしまして、そのまま電話を置いてしまった。その燃えた場所は消防署との間が直線距離にいたしましてわずか三百メーターぐらいしか離れていない。道路を迂回してきましてもせいぜい四百メーターぐらい、そういう短距離のところにありながら消防車が到着したときは既に屋根は焼け落ちてしまった。しかもこれは四世帯、二階建てであります。こういうような状態が起きた。 なぜかということを調べてみたら、近所の人がびっくりしたのでありますが、しばらく見ておると、消防署が見えるのですから、消防署の玄関を見ておったら、救急車が一番先へ飛び出た。それで、救急車はもちろんその火事の現場には来ませんでした。二番目に消防車が飛んで出て、それが現場へ来た。こういうことで、そのときには既に事終われり、こういう状態であった。それでよく調べてみたら、一一九番は一本しかございませんので、救急車に病人が出てぜひ出動をお願いしたいという電話をくどくどとかけておった。もちろん救急車が出動するときには、あなたの住所はどこですか、どこを目当てに行けばいいのですか、どこをどうやって回っていったらいいのですか、どういう病状ですかというようなことなんかをしこたま聞いてからでないとなかなか出ていかぬ。そういうためにこの一一九番の火事の方の通報が全く手おくれになってしまった。消防署の方は、屋根を抜けて炎が炎上するのを見て駆けつけてきておるのですね。まことに悲しむべき状況である。したがって、一一九番一本体制というのはこれは早急に練り直してもらわなければならぬ課題であるということをお願いをしました。まじめに検討いたします、こういう返事でありましたね。まじめに検討した結果を教えてください。
○矢野政府委員 先般御質問の際には、具体の団体の名は明らかにせず、しかし、それは一つのまさに重視すべき非常に大きな例としてお示しになられた。その原因たるや、回線の不足によって一一九番を救急と火災の両方で使おうとする場合にその機能が果たせなかった、こういうことであると認識をいたしました。 この点につきまして、消防とそれから一一九番との関係につきまして、消防本部の側で一一九番の回線の増加についてその必要性があって改善の要望があれば協議の上で措置する旨の回答をNTTから得まして、そしてその内容を関係消防機関の方に通知をいたしまして、それぞれの地域の段階で消防機関からその地域のNTTに相談をして回線をふやしてほしい、こういうことをお願いをすれば、それに対して相談に応じてもらえる、こういう指導と申しますか仕組みをつくりました。 この結果を調べておりますが、これは全国消防長会を通じてそのような通知を流したわけでございますが、その後、通知をいたしましてその状況を昨年九月に調べましたところ、増回線、回線の増を必要とすると答えました消防本部が全国で百八十八ございました。そのうち、増回線についてNTTと折衝中の本部が現在九十六でございます。約半数がもう具体的に交渉しておる。また、既にNTTと折衝の結果改善済み、つまり回線をふやしてもらったというところが六十七、こうなっております。こういう点を踏まえまして、御指摘のような例を十分私ども踏まえまして、必要な回線の確保について今後とも積極的に努めてまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。早速手を打っていただいて大変感謝をしておりますが、いまだ折衝中のものが九十何カ所あるということですね。こういうのは、みやすい話なので、NTTがちょっとサービスしてくれればいいわけですからね。これはもう速やかにやってもらわぬと、百八十八も希望があって、そして六十七しか済んでいないというのは私はちょっと遅過ぎると思うのです。ですから、NTTの方に、あそこもちょっと今リクルートで忙しいから大変だと思うけれども、ぜひひとつ、これは大事な問題ですから強く強く要請をしていただきたいと思います。 それから、いま一つ。これも私の親戚が実は体験をしたことでありますが、つい先月、隣の家が火事を起こしたのですよ。その親戚の家は隣なのです。隣の家の大工場から火が出た。それをよそへ使いに行っておって、それから戻るときに、海を隔てて反対側の道端の方からその火事を見つけた。それでだれも気がついていないのですな。それでその人が慌てて、もう既に七十のおばあさんですけれども、慌てて電話をしました。電話をしたら一一〇番かけたのですね。おかしいもので一一九というのがなかなか頭にこぬらしいですね。一一〇番というのはテレビでおなじみですからね。それで一一〇番にかけた。そういうことがあるのですよ。それで、こういうことで万が一対応がおくれたのでは話にならぬ。それで、一一九番と一一〇番とのいわゆる連携はどういうふうになっておるのか。隣の家は全焼いたしましたが、そのおばさんの家は軒先とそれから片面の壁が全部やられてしまったという状態で、むちゃくちゃにはなりましたが、その消火用水でむちゃくちゃにはなったが幸い焼けずには済んだのです。ということがありますので、一一〇番と一一九番とのいわゆる連携というのはどういうふうになっておりますか。
○矢野政府委員 御指摘のような事例がやはり間々あるようでございます。 たしか、先般の、昨年の大阪港におけるソ連客船の火災、このときも最初は一一〇番の方にまず連絡をしてきて、警察の方で直ちにすぐ消防に連絡をしたというような例があったように思います。今申し上げましたように、もし一一〇番にかかりますれば、一一〇番の方から、警察の方から直ちに消防機関の方に連絡をする、逆の場合も同じでございます。一一九番にかかってまいりまし て、それが救急あるいは火災でない場合には一一〇番の方に連絡をする、こういう仕組みになっております。
○岡田(正)委員 それじゃ、話をごろっと変えまして、何せ質問が根こそぎいかれてしまっていますから、ちょっとお粗末になるかわかりませんが、日本の全建物の中で木造家屋というのは今何割ぐらいを占めておりますか。――それじゃ、それは後で答えてください。その次の質問にいたします。これは全然予告していないのですからごめんなさいね。 それで、その次は、その木造家屋が出火をしたら平均どのくらいの時間で炎上するものですか。
○矢野政府委員 木造の家屋と申しましてもいろいろな形があろうかと思いますし、最近は木造と申しましても単純な木造だけではなくて十分な防火設備等も整えたものもございます。その炎上に至るまでどれだけかかるかということでございますが、普通、消防自動車が火災を覚知して駆けつけるまでに、七、八分の間に駆けつけないと火事が大きくなるということを目標といたしておりますので、一般的な場合にはそれ以上の時間はかかるかと思います。その燃え方にもよる、火災の原因等にもよるかと思いますので一概にはお答えできませんけれども、不十分でございますがお答えさせていただきます。
○岡田(正)委員 まことに愉快な答弁でありがとうございました。今のお話を聞きますと、大体通知を受けて七、八分で駆けつけないと大きな火事になるということでございますが、さてそうすると、いわゆる消防と救急車のテリトリーの半径はどのくらいに考えていらっしゃるのですか。
○矢野政府委員 これは都市部の場合とそれから農村地域の場合で当然異なってくると思います。都市部の場合には今申し上げましたような時間内に着けるように大体配置をしておるというぐあいに考えます。農村部になりますと、道路の状況等にもよりますが、それ以上の時間がかかるかと思います。特に火災の場合におきましては、農村部におきましては、常備消防とあわせて消防団の初期消火ということが大きな機能を果たしますので、まず消防団が初期消火に努めていく、それに常備消防が出動してくる、こういう体制は常にとっておるかと思います。 救急の場合でございますが、救急は現在全国三千三百のうちの三千市町村が既に救急隊を持つという大変な普及の状況でございますが、山村僻地になりますとどうしても時間がかかります。場合によりましては、病院に搬送するまで一時間あるいはそれ以上かかるということもございます。そういった観点もあってヘリコプターの活用ということも今後積極的に考えていかなければならぬというぐあいに私ども考えておるところでございます。
○岡田(正)委員 今、農村部の山間僻地で下手をすると一時間以上はかかりますという事例を挙げられましたが、これは面積にして何十%ぐらい、それから人口にしたらどのくらいの人口を占めるものですか、その一時間かかるという山間僻地の部類は。
○矢野政府委員 面積の点について具体的に調査をいたしたことはございません。ただ、救急を要する事案に要したところの時間を時間帯別に調査をしたものがあったと記憶いたします。これは時間帯別の調査をいたしております。急病、交通事故、一般負傷その他とございますが、百二十分以上かかった、つまり二時間以上でございます。二時間以上かかったものが、全救急対象約二百三十四万件ございますが、そのうちの〇・二%、四千八百件でございます。それから六十分以上百二十分未満、つまり一時間以上二時間未満というのが五万二千件、全体の二・二%。したがいまして、一時間以上かかったというのは、両者合わせますと二・四%程度の数字になろうかと考えます。
○岡田(正)委員 両方合わせて何件ですか。
○矢野政府委員 両方合わせますと、六十分以上を要したものが五万六千九百件、比率にいたしまして全体の二・四%でございます。
○岡田(正)委員 わかりました。 それでは、日本で最高の建物は何階建てですか。それから、日本で最高のはしご車というのは何階まで届くのですか。
○矢野政府委員 建物の最高の高さは、現在たしか池袋のサンシャインビルであったと記憶いたしますが、約六十階でございますから二百四、五十メートルぐらいかと思います。正確には、まことに申しわけございません、記憶いたしておりません。 それから、はしご車の最高は四十八メートルでございます。
○岡田(正)委員 四十八メートルだと何階にいきますか。
○矢野政府委員 四十八メートルですと十二階ぐらいまで届きましょうか。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 さて、十二階建てといったらざらにありますね。それで、日本の最高のはしご車でも十二階なんですから、それより高いところはヘリに頼らなければいかぬということになりますね。そうすると、そのヘリはまことに少なくて、全国で十七機しかおらぬと言っていましたね。それで、これをせめて各都道府県に一機ずつくらいは配備しなければいかぬ。それはいつやるのですかと先ほど先輩が問いましたら、二十一世紀の初めである、こう言うのですね。私は数字に弱いのですよ。それで、各都道府県に最低一機は配備するのは何年かと言ってくれませんか、二十一世紀といってもいささか長うございますので。
○矢野政府委員 確かに御指摘のように、はしご車が届く以上の階層について、これを救助する場合にははしご車では無理でございます。したがいまして、ビルに関しましては、どのようなビルでも十一階以上は必ず延焼防止のためにスプリンクラーをつけるということがまず一つあるわけでございます。しかしその場合においても、やはり救出をしなければならない、救助をしなければならぬ案件はもちろん出てまいると思いますが、そのためにヘリは必要でございます。御質問の二十一世紀初頭ということでございますが、これは消防審議会の方において、少なくともそれを目標に、一県を単位に一機ぐらいの配備をすべきだ、こういうことでございます。この答申を受けまして私どもこれから努力をするところでございますので、二十一世紀の初めごろにぜひそのような体制になるべく努力をしてまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 答えられないことは余り問い詰めないことにいたします。 時間が参りましたので、これをもってやめさせていただきますが、長官、それから大臣もお聞きになっておっていただきたいのですが、今回補助率を下げているのですね。まことに残念。この補助率を下げないでもとの補助率のままにしておったら一体幾ら金が要るのか、今年度の予算でですよ。あと幾ら金が足らぬのかといったら、私の試算では千九百七十九万円足らぬわけです。これだけのものを足せば補助率を無理に下げる必要はなかったはずです。約二千万円の金がないのかな、えらいまたみみっちいなという感じがするのは私だけではないと思うのです。そして、さらに今の消防力の基準、これは最低限を決めたもの、これは一体いつごろ決めたのかということになると、昭和三十八年ぐらいでしょう。昭和三十八年といったら今から何年前ですか、二十六年前。二十六年たってもなおかつ一〇〇%にいかないのですね。一〇〇%というのはどこにもないわけです。よくいったところで九〇%を超えているのですね。化学車とかはしご車になったら皆五六%、六〇%でしょう。こんな状態で今おるのに、何で今補助率を下げなければならぬのか。こんなことをするから賛成はできません。終わり。
○西田委員長 寺前巖君。
○寺前委員 今もお話がございましたが、生命と財産を守る上において消防の果たしている分野というのは非常に大きなものがあります。それをまた発展させるためにこの法律が役立つものでなけ ればならないということでみんなが期待をしていると思います。ところが、今のお話にございましたように、それが低まる方向にしか法案がなっていないというのは非常に残念なことであるわけですね。何で前進させる方向にならないのだろうか、私もそう思うわけです。 そこで、実態に見合った補助基準額の引き上げについて改善をしてもらう必要があるのじゃないだろうかということで、二、三の点について御質問を申し上げたいと思います。 人口急増市町村に対する補助実績は、五十九年度と比較して適用団体数、数量、補助金額とも急激な減少になっております。昭和五十九年百八十一自治体であったものが、六十三年になると八十自治体に減っています。金額にしても二十一億から八億に減ってくる。あるいは台数にしても五百五十七台から百八十六台に減ってくる。減ってきておって、それでは充足率が高まっていっているのだろうか、高まっていっているから減って済むのだろうか。どこから考えても実態は充足率が高まっているというふうにはなっていないというふうに思うわけです。昭和六十二年度でしたら八十六市町村が対象になっています。その八十六市町村の充足率というのは全国平均と比べて高まったのか、平均並みにいったのか、果たしてどういう結果になっておったのだろうかということについて、数字をもって説明をしていただきたいと思うのです。
○矢野政府委員 従来かさ上げ補助をしてまいりましたものについての個別の実績でございますが、これは手元に調査したものを持ち合わせておりませんので残念ながらお答えいたしかねますが、人口急増団体の場合は一般的に通常の団体に比べますと人口増加のテンポがございますために基準が上がります。したがって、その基準に追いつかずに、どうしても低目に出てくるということだけは言えようかと思います。
○寺前委員 私、この間部屋の方で調べさせていただいたら、全国的充足率というのは消防ポンプ自動車だったら九〇・三%だ。ところが、八十六市町村の実態をと言っておたくの方に聞いたところが、その八十六市町村では資料はございません、そのうちの単独消防本部がある四十四市町村について調べたところ七三・四%ですというお話でした。単独消防本部を持たないところは入っていないとなると、もっともっと低い率ということになってしまうわけです。決して前回の法律の執行によって充足率を高めたものじゃないのだから、逆に言うならば今度の法改正によって低めるというやり方では、何のために法律をわざわざ審議しているのかわからぬ。私はこれは改善しなければならない問題点だということをつくづくまずは指摘をしておきたいと思うのです。 次に、最近の火災や災害が複雑多様化してきて近代化していることに対して、補助対象施設が今のままでいいのだろうかという問題があると思うのです。例えば消防無線ですが、山間部や高層ビル街で無線が届かない不感地帯ができて役に立たない、周波数が大きいというところから電波も拾いやすい無線電話に設置がずっと変わってきているでしょう。それから高速自動車道の通っている市町村では救助工作車というのが必要になってくる。あるいは山間市町村では山林工作車というのが必要になってくる。こういうふうに新しい発展に応じた新しいものを要求するように変わってきているのです。ところが現実的には、夜間の火災や災害時には電源照明車なども必要になっているけれども、これらのものが補助対象施設になっていないという問題がある。補助対象施設を見直すということが今日の複雑化し発展してきている段階における一つの問題点だろう。私はこの点についてどういうふうにお考えになっているか聞きたいと思うのです。
○矢野政府委員 御指摘のように、社会経済の進歩に伴いまして、消防施設についてもより一層の近代化、科学化を図るために補助対象を見直すべきであるという御意見、ごもっともでございます。そういう意味で、従来は消防ポンプ自動車が中心でございましたものが、はしごつき消防ポンプ自動車が対象になり、化学消防車が対象になり、救助工作車、あるいは火災や救急などの事案を一元的に処理するための消防緊急情報システム、いわゆる指令センター、指令台システムでございますがそういったもの、あるいはヘリコプターのテレビ電送システムなどを新しく対象にして拡大を図ってきたところでございます。 最後にお示しいただきました照明車あるいは電源車、これは一般の消防施設では対象になっておりません。御指摘のとおりでございます。ただ、大震火災、震災関係の方の補助では電源車、照明車というふうなものを対象にいたしております。全面的にはまだ対象にしていないこと、御指摘のとおりでございます。
○寺前委員 指摘したとおりだとおっしゃって、それで対象の見直しをやってくれるのですか。やはり時代に即応したように発展させてもらうということが大切だと思いますけれども、そこはいかがなんですか。
○矢野政府委員 時代に即応した見直しを引き続き図るべく努力をいたしてまいります。
○寺前委員 見直しを言えば、今度は補助基準額について差が生まれているわけですね。京都市が消防ポンプ自動車CD-Ⅱ型を購入した場合に、超過負担が五十八年は三百四万六千円だったのが、六十二年になると五百七十万六千円と、どんどん差がついていくのですね。値段が上がっていっているからですよ。そうすると、そういうふうにたまっていく分野が自治体の消防にとっては非常に大きな金額になっていくわけですね。 この間、京都市の実態を聞かせいと言って調べてみましたら、京都市では、五十八年にはそういう差額というのが千二百三万九千円あった。五十九年になると二千百八十三万五千円になった。六十年、六十一年、六十二年とずっと五年間を足してみると、八千三百三十四万九千円の差になった。大きな金額になっていくわけです。どこの自治体だって消防力を高めるためにいろいろ施策をすればするほど差がついていっている。国が面倒見ているというけれども、実際は財政的に非常に困難な問題を伴ってくるという問題があるわけですね。これはもう御存じのとおりだと思うのです。 そこで、五十九年当時のままに据え置かれておるならば、この超過負担が多くてどうにもならない、何とかしてくれというのが自治体の積極的な要望なんですね。これについてはどういうふうにお考えになっているか聞かしてほしい。
○矢野政府委員 補助単価につきましては、これが適正なものとなるような努力を常に重ねておるところでございますし、補助単価の見直しも随時行っておるところでございます。ただ、実際に調べてみますと、やはり実績単価の方が補助単価を上回っている事例が多いこと、御指摘のとおりでございます。できるだけそういうのをなくすように努力をしてまいりたいと思います。 しかし、例えば消防ポンプ自動車のような場合に、私どもいろいろ実情を調べてまいりますと、各消防機関いろいろ工夫をするわけでございます。そして、その消防自動車にほかのとは違った新たな施設、装備その他をつけるための特別のオーダーをしていくというようなケースもございまして、そのためにどうしても単価が下がりにくいという点があるようでございます。もう少しそういった点の標準化ができないかというような議論などもございます。 単価の問題、あるいはできるだけ低廉な価格で同じ機能のものが手に入るような努力を続けていく必要があろうかと考えております。
○寺前委員 それはあなた、要らぬことをしているから高くついているんだというような認識だったら、それは私は違うと思いますよ。本当にそれは全面的にお調べになったらわかると思いますよ。ここが要らぬことをやっているさかいにこういう金がかかるというのだったら、具体的に示してもらいたいと思いますよ。どこの事例がこんな事例があってこれがけしからぬ、これが普遍性を持っているという指摘が何かあるならば私は聞か してほしいと思うけれども、全般的に見てもうみんな超過負担になっている。私ここに、この間調べた京都市の購入実績額の状況という資料を持っていますが、どれもむだのある資科じゃないと思いましたよ、実際に見て。要らぬことをしているとおっしゃるんだったら、こういう要らぬことがあるんだということを示してほしいと私は思う。どこかありますか、具体的に。
○矢野政府委員 不必要なことをしていると御答弁申し上げた記憶はございません。消防機関におきましては、現場の実践的経験にかんがみましていろいろな新しい装備の工夫をいたしてまいります。それは消防ポンプ自動車を発注する場合等において、あるいは例えばはしご車等を発注する場合等においてそういう特別なオーダーをつけ加えてくる、そういう意味で、消防自動車というのはある意味では画一大量生産型のように見えて実は必ずしもそうでもないという点がある。そういう点を我々として補助単価を考える場合にどういうぐあいに判断をしていったらいいのか、そういうものの中で一定のすぐれた機能を持つものをもう少し標準化できないのかどうか、そういうこともあわせて考えていきながら、適正な補助単価というものを、実情に対して超過負担が出ないような単価というものを考えていく必要がある、このように申し上げておるところでございます。
○寺前委員 やはり第一線で苦労している諸君たちの身になって判断をしてやるということが非常に大切な態度だというふうに私は思いますので、改めてこれは検討してもらうようにお願いをしたいと思います。 それから、この前からリゾート法ができたりして全国的にリゾート地域というのがいろいろ出てきます。今度はふるさと創生などといってまたこのリゾート問題に農村地域において火がついています。そういうリゾート地域において随分高い高さのいろんな施設ができできますね。ところが、そこが農村地帯であるために財政力が非常に弱いという問題が生まれます。 例えば新潟県の湯沢町というところ、御存じのとおりですが、この間見てみると、完成されているところのリゾートマンションというのが二十五棟で四千五百九十七戸ある。その半数が六十年以降の棟ですが、二十五棟中二十二棟が六階以上の高さになるのです。それから、西武ビラ九号館というのは十六階、ライオンズ一号館は十五階、随分高い建物がずっと林立してくるわけですね。そして、今建設予定されている二十九棟のうち、越後湯沢は三十二階、ファミールビラ云々というのが三十一階建てということで、次々と高い建物がこういう観光地などにおいてつくられていくわけです。 ところが、そこへ行ってみると、湯沢の消防分署というところには消防ポンプ自動車が一台ある。それから救急車が一台分署にある。その地域は四つの町で組合の消防の体制ができているわけですけれども、全体を見ても一台はしご車があるだけだ。こういうようにどんどん建物をつくるのはいいけれども、火事があったときにはどういうことになってくるんだろうかと逆に心配になってくるわけです。体制が伴わないという問題がある。そこにあるところのはしご自動車を見ても、十五メートル級の屈折はしご車なんです。十五メートル級の屈折はしご車ということになると、マンションの五階までしか届かない。ところが、現実にあるのは六階以上の高いのがどんどんできるわけでしょう。そこへ持ってきて、三十一メートル以上の場合にはスプリンクラーをつけるということになっているけれども、片一方は十五メートルはしご車、五階までだ。そうすると、五階から十階までの間のところは全然何の施策もないままに放置されていっている。これではえらいこつちゃなと正直思いますよ。 それでは、こういう地域が今度のような法律の対象地域になるんだろうか。調べてみると、人口増は三百九人で増加率は三・四%、全然対象にもならない。今、国家的にリゾート法をつくって、さあやりなさい、激励を与えている。与える一方で、起こってくるものは、不安の材料が広がってくる。そうすると、こういう現実に見合ったやり方というのは一体どうしたらいいんだろうか、こういう問題が新しい問題として課せられておると私は思うのです。そういう点についてはどういうお考えなのか聞かしてほしいと思います。
○矢野政府委員 御指摘のような事例は、一つの従来にない新しい地域社会というものが出現しつつあるということを端的に示すものかと思います。建物はふえても人口そのものがふえるわけではないというような状況でございます。 したがいまして、それに伴って必要とするところの財政需要、幾つかあろうかと思いますが、その中でも御指摘のような消防関係の設備については、万一に備えてぜひとも必要になってくるということは考えられるわけでございます。そういった中高層の建物がふえてまいります地域については、消防力基準そのものももちろん上がってまいるわけでございます。 湯沢町の場合、消防力基準も、あるいは現有の設備も、先ほど御指摘をいただいたような通常の農村都市的な状況にとどまっておりますが、これを一気にふやしていかなければならないとするならば、例えば国庫補助金等の重点配分、起債の重点配分等もかなり図っていかなければなりませんでしょうが、さらに、それ以上に全体として何らかの財政措置の仕組みを考えていかなければならないのかな。これは、必ずしも消防に限らず、それ以外のことも含めて何らかの措置を考えていかなければならないのか、こういう気がいたしております。そういった点につきましては、今後関係方面とも十分協議をいたしまして、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
○寺前委員 それでは最後に大臣に、今私が問題提起しましたけれども、全体として消防力を充実するというよりも、実際上この法案によって下がっているし、それから違う形の姿があらわれてきている。そういうところにこそもう一度視点を当ててもらって、消防力充実のために活動してもらわなければいかぬと思うのですが、大臣の見解を聞いて終わりとしたいと思います。
○坂野国務大臣 今長官が言ったとおりでございまして、いろんなバラエティーもございますし、その辺よく踏まえて検討してまいりたいと思います。
○寺前委員 終わります。
○西田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○西田委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。平林鴻三君。
○平林委員 私は、自由民主党を代表して、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。 人口急増市町村の消防施設につきましては、これら市町村の財政負担を軽減し、施設の整備を促進する必要から、昭和四十九年度以降、消防施設に係る国庫補助率を引き上げる特例措置を講じてきたところでありますが、今後もなお相当数の人口急増市町村があるものと予想され、これら市町村における市街地の拡大等により、消防施設の整備を早急に行う必要があると思われます。 本法律案は、人口急増市町村の消防施設に係る国庫補助率引き上げの特例措置をさらに五年間延長するものであり、人口急増市町村において、住民の生命、身体及び財産の保護に欠かせない消防施設の整備の緊急性にかんがみて、妥当なものと考える次第であります。 以上をもって、私の賛成の討論といたします。(拍手)
○西田委員長 中沢健次君。
○中沢委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。 以下、簡潔に反対理由を述べます。 第一に、本案においては、政令で定める人口急 増市町村に係る補助率を現行の七分の三以内から十分の四以内に引き下げる措置が盛り込まれており、政令で定める市町村とは過去三年間の平均財政力指数が一・〇〇を超える市町村及び政令指定都市とされております。こうした市町村、とりわけ人口急増市町村に対して国の補助率に格差をつけることは極めて遺憾であります。 一つには、国の補助負担事業はその事務事業の性格に基づき行われるものであり、財政力で格差をつける合理性がありません。 二つには、財政力指数は反面、その自治体の経営努力をもあらわすものであり、財政力で格差をつけるということは自治体の努力を無にすることともなりかねません。 三つには、現行制度自体、財政再建のため八四年度に設けられたものであり、今日の順調な税の自然増収及び財政再建など国の財政状況を勘案すれば廃止して当然の措置であり、これを拡大するなどは言語道断であります。国は、補助負担金のカットにおいても不交付団体についてはその大半を借金で賄うよう負担転嫁を行っており、極めて問題であります。 四つ目に、将来、政令指定都市が人口急増市町村に指定された場合、財政力にかかわらず不当な差別を受けることとなり、極めて整合性を欠いた措置と言わざるを得ません。 五つとして、最近、地方財政裕福論がまことしやかにささやかれ、地方財政への負担転嫁がさまざまな形で行われようとしており、地方自治の基盤たる地方財政は極めて深刻な状況となっております。したがって、かかる傾向を助長しかねない今回の措置には断固として反対であります。 第二に、消防力の整備基準が定められておりますが、この基準が極めて低く、また、その充足率も低率であることは承知のとおりであり、これ自体大きな問題であります。加えて、このような状態においていたずらに格差をつけることは、ますます消防力の整備をおくらせることとなり、国民の安全に大きな不安を与えることとなります。 最後に、消防職員の問題があります。その労働条件は極めて劣悪であり、その改善が急務でありますが、定員補充も不十分な状態となっております。また年金支給開始年齢の繰り延べに係り人事計画を策定することが約束されておりますが、これもなかなか進んでおりません。したがって、政府はこれらの問題について本腰を入れて対処すべきでありますが、現時点における政府の姿勢は怠慢のそしりを免れないものがあります。 以上、反対理由と政府の不十分な姿勢を指摘しまして、私の討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 小谷輝二君。
○小谷委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、反対討論を行います。 以下、反対の主な理由を申し述べます。 消防は、言うまでもなく、住民の生命、身体及び財産の安全、保護を図るという地方行政の中においても重要な役割を担っております。近年、都市化の進展が著しくなり、建築物の高層化、地下街の建設が急増しておりますが、これらの場所で一たん火災が発生すると、多大な犠牲と損害を生じます。このため、消防施設の高度化、消防力の増強が求められております。 現在の消防力は、設置基準に対し、小型消防ポンプ七〇%、はしご自動車六一%、化学消防車五七%等、大きく立ちおくれているのが実態であります。 前回の本法案の審議の際には、本委員会の附帯決議でこれまでも「近年の災害の実態にかんがみ、消防施設及び人員の充足率の向上を図るため、市町村の消防力整備年次計画の作成等により「消防力の基準」ができる限り速やかに達成されるよう指導すること。」と消防力の増強を図るべく政府に申し入れてきたところであります。しかし、消防力増強に必要な国庫補助金は五十六年を頂点に、以後低下を続けており、平成元年度はわずかに上昇しているものの、五十六年度の補助金に比べると六七%にすぎないのであります。このように、政府の消防施設充実に対する姿勢は真剣さが見られないのであります。 この際、国庫補助金の増額を図り、消防施設の充実に努めるべきであります。 さて、今回、延長に伴う法改正によって、財政力が一・○○以上市町村と政令指定都市については、前回の延長に引き続き、再度補助率を引き下げようとしております。昭和三十年代以降の高度経済成長により、三大都市圏を中心に急激な人口集中に見舞われたこれらの人口急増市町村は、生活関連施設整備に多大な財政負担を強いられてきました。消防施設の整備は、計画的に行い、有事に備えるべきでありますが、これらの地域は、日常の生活関連施設整備に追われ、消防施設は後回しにされてきたのが実情であります。 こうした実情から、たとえ財政力の豊かな市町村といえども、補助率の引き下げは、消防施設整備に重大な支障を及ぼすものであり、補助率は引き下げるべきではありません。 以上、反対理由を申し述べまして、討論といたします。(拍手)
○西田委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となりました消防施設退化促進法、ではない、強化促進法の一部を改正する法律案に反対の討論を行うものであります。 昭和三十年代後半から始まった高度成長は、人口急増都市という新たな問題を生み出し、大都市周辺での人口の膨張ぶりは余りに激しく急激であり、一自治体の力だけで対応できるものではなく、国の立場からの特別の対策が必要との趣旨から、財政の特例措置が講じられたのであります。 しかし、現在もなお、我が国の地域社会の置かれた状況は、情報化の進展、円高やソフト化による産業構造の変化などにより、東京圏への人口や業務機能の集中、地価高騰、地方経済の地盤沈下、地方中小都市の疲弊といった多くのゆがみが生じているのであります。 これは、基本的に政府・自民党が、地方の自主的な地域開発の重要性を認識せず、逆に国の財政再建のツケ回しを補助金のカットという手法で地方へ押しつけ、権限の移譲への取り組みにも不十分なことにその原因があるのであります。 今回の本法案の延長に際し、人口急増地域における消防施設整備の重要性、緊急性にかんがみれば、補助の充実こそが必要であるのにもかかわらず、一部補助率を引き下げるという措置が行われることに対し、我が党は反対を表明するとともに、均衡ある国土の発展に関する施策の必要性を政府に強く求め、反対討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、臨調の第一次答申における「補助負担率の地域特例については、終期到来時には廃止を含め抜本的な見直しを行うとともに、財政再建期間中現行の嵩上げ率を引き下げる。」を忠実に実行したものであり、将来、かさ上げそのものを廃止する布石となるもので到底容認し得ないところであります。 人口急増市町村の消防施設に対する国庫補助率の特例措置の適用期限の延長は当然としても、一都市町村に対する補助率を五十九年の引き下げに続いて、今回もさらに引き下げており、地域特例の廃止に一歩進めようとしていることであります。 反対理由の第二は、質疑の中でも明らかにされましたように、国民の生命と財産を火災などから守る消防施設の整備の現状は、最小限度の基準を定めた消防力の基準さえも満たしていません。臨調、行革のもとで、消防施設等整備費は、昭和五十六年度をピークに年々減らされており、来年度予算は最高時と比べて三割以上の大幅な削減をされているのであります。五十六年から六十二年までの六年間の充足率の伸びは、消防ポンプ自動車で二・四%、はしご自動車で三・四%、化学消防ポン プ自動車で二・八%であり、いつになれば基準に達するのか見通しさえ立たない現状であります。 特に、補助率が引き下げられる市町村の消防施設整備の状況は、他の市町村に比べて進んでいるとは言えず、補助率を引き下げるような状況にはありません。 反対理由の第三は、補助の適用団体数が五十九年度比で四四・二%に激減しているにもかかわらず、今回の措置が指定要件の改善もなく適用団体がさらに減ることになることであります。人口急増市町村の財政負担を軽減し、消防施設整備を促進するという特例措置の趣旨に照らしても、一都市町村の補助率の引き下げをやめ、二分の一に戻してこそ人口急増市町村の要望にかなうものであります。 以上で、法律案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
○西田委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○西田委員長 これより採決に入ります。 消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○西田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西田委員長 御異議ないものど認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○西田委員長 次回は、明二十四日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時十五分散会