大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 277 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/03/23
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案に関連して質問をいたします。 まず初めに、消費税が一週間後の四月一日に実施されることになっているわけでありますけれども、御承知のとおりに、去年の臨時国会で、税制国会と言われながらも税制そのものについての議論が十分には行われなかったわけですね。民社党としては国会の場で十分に審議をして決めるべきだというふうに強く主張もし、そのように行動してきたわけでありますが、結果は、残念ながら十分に審議はされなかった。そしてそのために、いわば予想どおりに今いろいろなところで混乱が生じているというふうに思うわけであります。そんなことを思いながら本日質問をさせていただきたい、このように思っているわけであります。 最初に、これは大蔵大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、いわば社会の進歩と公平な社会づくり、あるいはそれとの関連において税制の公平さというような問題について、理念というか考え方をお伺いしたいわけであります。 私はこういうふうに思っているのです。地元でもみんなにできるだけわかりやすいようにという意味で、私はよくこんなふうに言っているのですが、それは、資源のない我が国のような国においてはどういうふうにして長きにわたって発展をしていくのだろうかと考えると、その源泉は、あるいはその条件は、私はただ一つだと思うのです。それは、どれだけ国民が、みんなが努力をし続けることができるかどうかという一点に私は集約されると思っているのです。 では、国民が努力を継続することができるというのはどういうときにできるのだろうかと考えると、それはあくまでも自分たちのいわゆる社会制度というのがどれだけ公平であるのだろうかということに帰すると私は思うのです。公平感の持てる社会制度になっているかどうかということだと思うのです。これはかつてあるシンクタンクが世論調査をして、これは有識者だけをとった調査でありましたけれども、そのときに、日本の将来の発展にとってもしも制約になるとすれば何なのだろうかという調査をしたときに、やはりそのときにも、どれだけ社会が公平であるかどうか、そういう結果が出ていたと私は思うのです。そういう意味で、どれだけ国が公平感のある制度を持っているかどうかということが最も重要なことになる。 では、自分たちを取り巻いている社会制度の公平さということを考えたときの最も重要な問題は何かというと、私は税制の問題だと思うのですね。そういう意味で、どれだけ公平な税制度をつくり上げるかということがまさに国の発展にとっての最も重要な視点になる、こう思っているのです。それで、私は、この税制の公平さという問題は、今生きている私たちそれぞれから見ると、それは、それぞれの個々の人間との間での精神的安定というか、そういうものを得るためにも公平ということが必要だし、そして、今申し上げたこれから発展をしていくためのベースとなるものがどれだけ公平であるかという考え方ができる、こう思っているのです。 そういう意味で、公平な税制ということについては私自身も大きな関心を持ち、そのことに取り組んでいきたいと思っているのでありますが、そういう点から見たときの大臣の所見あるいは決意のほどをまずお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、中川(昭)委員長代理着席〕
○村山国務大臣 今、伊藤委員がおっしゃるように、税は何であるかということをよく考えてみますと、やはり一国なら一国の全体の歳出がある、これは一つの社会的な費用として考えねばならぬ、それを一体どういうふうに負担していただくのが一番いいか、その中にはいろいろな理念があると思います。租税体系の組み方の理論になるのだろうと思いますが、何といっても公平というものが一番大事であることはもう疑いを入れないだろうと思います。そのほかに、例えば経済に対して中立的であった方がいいとか、わかりやすいという意味で簡素であった方がいいとか、あるいは徴税費が余りかからない方がいいとか、さらに、今おっしゃったことにつながるのでしょうが、そこの経済社会が発展していくということを考えれば成長を阻害するようなものであってはいかぬとか、そのことは委員のおっしゃった国民が努力を継続する意思を失わないような税制でなければならぬ、こういうような問題があると思います。とりわけ公平という問題は、何にも増して大事な理念であろうと思うのでございます。 ただ、公平というときに、何が公平であるか、それからどういうことが公平なのかということは人によってかなり違うわけでございますし、そのときそのときの社会情勢に応じてかなり変化があるだろうと思うわけでございます。 そして、抜本改正前の問題として考えてみますと、何といいましても、一つの税というものの大きな特色は、長所もありますけれども非常に短所のあることも事実でございます。一つの税でやれば、それがすべて公平の理念に合うということはほとんど求めてもできないことでございまして、中立性とか、簡素であるとか、徴税費が安いとか、そういった目的を全部兼ね備えた税というものは実はないわけでございます。 そして、改正前の所得税というものを考えてみますと、勤労所得と事業所得、仮に置いてみますと、そこにはどうしても水平的な公平という意味で調査に関する限界があるということです。給与所得の方は今全部支払っていますからほとんど一〇〇%基本は把握される、しかし、どんなに事業所得をやってみても、別に事業者がそれを隠すとかなんとかという意味ではなくて、本来一〇〇%の把握というものが極めて困難であることはもう経験が示しておるところでございます。ですから、余りにも所得税というものに重点がありますと水平的な公平が失われる。ですから、よく言われるように、住民税の段階で出てくるのですが、あの人はどうも自分よりは税金が少ないようだがいい暮らしをしている、これが率直に出てくる感じなのでございます。 それがまた今度は累進課税の方にも響いてまいりまして、日本の累進課税というのは世界に冠たるものでございましょう。しかし、今度はそういう水平的な不公平というものを含んだ累進課税でございますから、そこは増幅されてくる。 〔中川(昭)委員長代理退席、委員長着席〕 それからもう一つ申し上げますと、事業所得というものは、青色申告になることにより、あるいは会社をつくることによりまして所得の分割が可能なわけです。これは適法ですね。そうすると、所得税の世界においては、今までは一人の所得であったものが全部に分割される。それぞれの人に基礎控除が働き、控除が働いてくる。そして累進税率は各人について行われますからずっと低くなるわけです。しかも給与所得が全部に働いてくる。さあ勤労所得者は所得を分割できるだろうかということになりますと、それはできないわけでございます。 ですから、調査の限界というものと今の累進課税の租税構造からいいまして、どうしてもその給与所得と事業所得というものには限界がある。余りにも所得課税にウエートがいきますと、アンバランスというものは耐えがたいものになってくるという問題が一つあるだろう、こういう認識でございます。 それからもう一つは、間接税を見ておりますと個別消費税でございます。確かに今の間接税は、酒税とかたばことかというものを除きますれば、ほとんどこの前のシナ事変とか第二次大戦当時につくられたものでございまして、ほとんど個別消費税でございます。これはぜいたく品であるとか便益品であるとか趣味、娯楽のたぐいを押さえておったわけです。しかもその中には、物だけでございまして、サービスに対する課税というものはほとんどないわけでございます。しかし、今は消費といったらもう半分以上がサービス化しているわけでございます。それからまた、ぜいたく品という概念も価値観の変化によって全く違ってしまった。だから、今の物品税をこれでいいんだという権威を持って説明できる人は恐らく日本に一人もいないだろうと思います。 ということは、もう物品税のようなものを改正するめどがなくなっているということでございます。同じようなことは先進国に全部ありますから、すべてのものが広く薄い消費税に移っていったというのは、やはりその限りの問題であろう、このように思っているわけでございます。 片や法人税は、実効税率からいきましても、かつて十年前は先進国の中で最も低かった日本の実効税率が、今や世界で一番高い実効税率になっておる。このことも国際的に不均衡でありましょうし、それから留保に対する課税と配当に対する課税の税率に差を設けていることも今や理由がなくなったのじゃないか。 こういう問題を考えてきますときに、これはどういうことかと言えば、シャウプ以来の四十年の間にこれだけ経済が変化したんだ、しかも所得の平準化が行われておる、こういうことを考えますと、公平という観念は全然別の角度からメスを入れていかなくちゃいけないのじゃないか、こういう考えで今度の抜本改正が行われたのだろうと思います。 ただ、これは、合租税体系上の公平という話をいたしましたが、いわゆる所得課税におけるいわば不公平じゃありませんかというのは、与野党でもってこの前は十ぐらい出されているわけでございます。そのうち手をつけましたのはキャピタルゲインの問題であるとかこういったものに手をつけている。しかしまだ残された問題はあることは承知しております。ただ、あれを全部不公平と言うのかどうか非常に多くの問題を含んでいるだろうと思います。また、医師の優遇税制につきましても、ある種の前進が見られたということでございます。なお与野党の協議の場で残された問題がたくさんある、こう言っておりますけれども、これはもう我々も長年検討してまいりましたが、果たして不公平と言えるのかどうか、それさえ疑問のものがたくさんあるだろうと思っております。しかし、これも断定するわけにはまいりませんので今後検討を進めてまいりますが、これはしかしあくまでも所得課税という場における不公平の問題で、資産とか消費とか所得、そういう体系的なバランスという問題とはまた次元の違う不公平の問題として提起されておる。 いずれにいたしましても、公平というものが最も大事な理念であることは私はもう間違いないものと思っております。
○伊藤(英)委員 今いろいろ述べられた点で、いわゆる間接税制の問題なりあるいは所得税制における諸問題等々話をされました。個々のいわゆる不公平税制と言われる問題については、また別の機会も含めてこれから取り組んでまいりたい、こういうふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、どれだけ公平であるかという話が一番の問題になる。そして、今回の消費税の問題についても、どれだけ多くの人たちが理解し納得し得る形になるかどうかということが今一番問題なわけですね。 そういう意味でちょっとお伺いしたいのですが、最近、いわゆるリクルート問題とかそれに関連して政治不信の問題等が言われるわけであります。そして消費税についての反対も、少なくとも現象的に見れば非常に強いということであります。最近、福岡で参議院の補選がありました。ついこの間は宮城県の知事選あるいは千葉の知事選もありました。そうしたときにああした結果、そういう結果を見られて、この消費税の責任大臣としてあるいは国務大臣としてどういうふうに選挙の結果を見られるか、お伺いをいたします。
○村山国務大臣 選挙の結果は、事実は御案内のとおりでございます。これの解釈をめぐりましていろいろあると思います。我が党では幹事長が代表してお話しになっておりますので、大蔵大臣としてはそれ以上のことは申し上げませんが、消費税につきましては、私はかねて申し上げておるように、非常に残念だ、これが税制改革の一環として行われ、しかも直接家計に関係ある所得税、住民税の減税が三兆三千億行われておる、六十二年には二兆二千億行われたわけでございますから、合わせて五兆五千億行われておるわけでございます。今度の消費税と直接見合うのは三兆三千億でございますし、消費税は、創設による分が五兆四千億、それから吸収される分あるいは廃止になる分合わせて三兆四千億でございますから、消費税としては二兆円の増税になる。差し引き家計にとっては一兆三千億のネット減税になっておる。そういうことを体系としてやっておるということがほとんど理解されていない、極めて残念だと思っているのでございます。 それにはいろいろな原因がありましょうけれども、これが税制改正の一環としてやられているということが余り理解されていないということと、それから実施のときあるいは減税の時期がかなりずれておりますから、なかなか感覚的にもわかりにくかったんじゃないかな、こう思うのでございます。私は、この間、ちょうど確定申告のときでありましたので参りましたら、申告している人は、えらい軽くなりました、安くなりましたねと、申告してみて初めてわかるような状況でございました。やはりマスコミを通しあるいはあらゆるPRを通してはわからなかったということ、これは極めて残念なことだと思っております。 政治不信の問題につきましては、一日も早くこの不信が解消するようにお互いに努力すべき問題であろう、このように考えておるところでございます。
○伊藤(英)委員 私は、消費税の問題については、今の減税の問題についての理解ということだけじゃなくて、今回の消費税の中身についても、欠陥というか不備が余りにも多過ぎるのじゃないか、そしてまた同時に、今回余りにも急ぎ過ぎでいるということだと思うのです。 去年の税制国会のときに、民社党がいろいろ努力をして、いわゆる弾力的運営というのを修正項目として実現させたわけでありますが、この問題についてちょっとお伺いしたいのです。 去年の税制国会のときは、あの本会議採決云々という土壇場の段階で、民社党としては文字どおり議会政治あるいは国民の利益を守るという意味で全力を傾注した。そして半年間の弾力的運営という条項をかち取ったわけであります。そのときに民社党は、当初は、この制度をちゃんと定着士せるためにも一年延期というのを強く主張したわけであります。しかし、自民党はどうしてもそれを譲らなくて、その結果が半年間の弾力的運営ということをしたわけでありますが、そのときの約束した中身は、半年間の実施延期に等しい効果が出るようにするということでありました。 実施延期に等しい効果が出るようにするといつたその措置の状況をかいつまんでまず御説明をお願いしたい。
○尾崎政府委員 弾力的運営と言われておりますものの内容は、七つに分けられるかと思うのでございますが、一つは税務署への提出書類の期限の猶予でございます。これは平成元年三月三十一日までに提出しなくてはならないということになつております各種の届出書につきまして、平成元年九月三十日までその提出期限を延長するというもの、それが第一でございます。これにつきましては政令で既に措置済みでございます。 それから第二に、税務執行の弾力的運営でございまして、広報、相談、指導を中心といたしまして税務を執行するということでございます。これは国税庁の執行指針によって今後行われることでございます。 三番目には、納税者の消費税計算事務についての配慮でございまして、平成元年九月三十日までに支出される経費については、原則として現在の勘定科目のままで消費税の計算を容易にできるような措置を講ずるということで、これも政令で措置済みでございます。 それから四番目には、納税者の記帳事務への特段の配慮でございまして、仕入れ控除を計算する上で、あるいは売り上げの計算をする上で帳簿を用いるわけでございますが、その帳簿に書かなくてはいけない記載事項、それを平成元年九月三十日までの間簡素化するというものでございます。これも政令で措置済みでございます。 五番目には、消費税の導入前の取引への配慮が必要だということでございまして、通信販売でございますとか、あるいは書籍、雑誌等の予約販売などにつきまして政令で所要の措置を講じております。 六番目と七番目は、今回御審議をお願いしております租税特別措置法の中に含まれているものでございますが、一つは、法人につきまして、平成元年九月三十日までに申告期限が到来する事業者につきましてすべて九月三十日まで申告・納付期限を延長するというもの。もう一つは個人でございます。個人の事業者の申告・納付につきましては、法律どおりにいきますと毎年二月末ということになるわけでございますが、所得税の確定申告との関係等も考えまして、納付期限を三月末日まで延ばすということを三年間行いましょうということで今回の租特でお願いしている次第でございます。
○伊藤(英)委員 今説明をされましたそれぞれの項目は、私たちも、多くの事業者からその分については高い評価をいただいている、こういうふうに聞いておりますし、その部分については非常に喜んでおります。 ただし、半年間の実施延期に等しい効果が出るようにするという意味においては、実はそれでは不十分なのじゃないかと思うのです。先ほど言われたのは、実は多くは手続上の問題であるわけです。実質的な意味における消費税をかけるという意味においては、その実施延期に等しい効果というふうな意味ではちょっと不十分だということだと思うのです。 そこで、この弾力的な運営を確固とするために、この半年間については、価格転嫁を事業者ができなかった場合には、その分の消費税については、もしも何らかの証明ということがあるならば、あるいは証明を条件にして、この六カ月間についての納税義務を免除するようにしたらいかがかと思いますが、どうですか。
○尾崎政府委員 この弾力的運営措置につきましては私どももいろいろな説明会で御説明申し上げたりしているわけでございますが、ただいま伊藤委員のお話にもございましたように、多くの事業者から非常に時宜に適した措置であるということで評価を受けている次第でございます。やはり何と申しましてもこれがございますものですから、消費税に関します納税事務手続につきまして事業者が十分な時間的余裕を持てる、それによっていろいろ他の事業者がどのようになさるかというようなことも参考にしながら自分のところのいろいろな手続を進めていきたい、こういうお考えのようでございます。 御質問の、転嫁できない場合の納税免除というお話でございますが、これは、民社党と自民党のお話し合いの際に自民党からもたしか御回答のあった問題であろうかと思いますけれども、その点につきましては、四月一日から新しい税制が始まっているわけでございますので、いわば間接税の本質にかかわってくる問題でございます。したがいまして、そのような措置を講ずることは難しいというように考えております。
○伊藤(英)委員 そもそもこの弾力的運営なる条項ができたその背景は、この消費税というような発想の税というものが事業者にとってもあるいは消費者にとっても極めてなじみの薄いものである、それが法律が成立してからすぐに実施されるというようなことはなかなか難しいじゃないかという意味で、当初は一年の延期を主張し、そしてその結果が六カ月間弾力的運営をしようというふうなことになったわけですね。そういう意味からいたしますと、価格に転嫁することも事業者にとってもなかなか難しい、消費者にとってもなじみの薄いものであるからなかなかそれを消費税込みで買うという話も起こりにくい場面がいっぱい出てくるだろうと思うのです。そういう意味でこういうことを申し上げたわけであります。 私は、現在はいろいろな混乱が起こったりしておりますけれども、それは非常に多くの部分が不信感に基づいている、こう思うのですね。だからぜひ今の問題は真剣に検討をしていただきたいというふうに思います。今の政治だとか行政だとかあるいはいろいろな約束だとか、そういうものにりいての不信感がどんどん大きくなっていくことは、後にもちょっと触れたいと思いますけれども、極めて問題を起こしていくことになる、こういうふうに思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。 次に、消費税の細部について、若干確認も含めて質問をしたいと思います。まず、免税点についてでありますけれども、今回この消費税法の中で免税点が三千万円というふうに定められておりますが、諸外国とも比較をしながら、一体これは妥当な水準なのかどうかということについてお伺いをいたします。
○尾崎政府委員 免税点につきましては、どこの面でもこの種の税を取っているところでは認められているものでございますが、御指摘のとおり、諸外国の例と比べますと我が国の三千万円というのは相当高い水準にあろうかというように存じます。 しかし、この三千万円という水準を決定するに当たりましていろいろ議論があったわけでございますけれども、一つ、売上税の際に一億円という免税点を設けるよう実は提案したわけでございますが、これは非常に高過ぎるのではないかという御指摘をいただきました。かといって、ヨーロッパ諸国と同じようなものを考えるかといいますと、これは各国の実情を見ますと、我が国の場合は中小零細事業者が非常に多くあるという特殊性を抱えているわけでございます。加えまして、なじみのない税というととでもありますので、家族経営的な経営の実態でございますとか事務処理能力等を考えまして、大体夫婦二人、それにパートでお一人雇っている、あるいはお二人ぐらい人がおられるかという程度のところと考えまして、それが売り上げで申しまして大体三千万円ぐらいという水準でございますので、三千万円というところで区切らしていただきました。
○伊藤(英)委員 三千万円以下といいますと、それ以下の免税事業者というのは全部の事業者数のうちのどのくらいを占めるわけでありますか。
○尾崎政府委員 大体三分の二程度と見込んでおります。
○伊藤(英)委員 経済企画庁の方はいらっしゃいますか。――経企庁にお伺いいたしますけれども、免税事業者は本来は消費税の納税義務はないはずであります。したがって、課税の選択をしない限りは、価格には三%上乗せする理由はないわけですね。もしも免税業者が三%を価格に上乗せをしていたときにはこれは便乗値上げになるんだろうと思うのですが、そういうのに対してはどのような対策を経企庁としてはとりますか。
○井坂説明員 私どもの方からお答えするのが必ずしも適当かどうかわかりませんけれども、事業者免税点制度につきましては、制度の精密さを若干犠牲にしている面があることは否定できないけれども、この種の税にほとんどなじみのない我が国の現状にかんがみまして、零細事業者の事務負担については特段の配慮が必要であるという考え方から設けられたものであるというふうに承知をいたしております。 免税事業者でございましても、その仕入れには消費税額が含まれておりますので、その部分は消費者に転嫁をされるべきであることは、これは当然でございます。したがいまして、御質問の趣旨は販売価格に三%を上乗せしたものとの差額の話だと思いますけれども、それは通常それほど大きなものとなるとは考えられませんし、また、免税事業者のような納税事務負担にたえられないような零細な事業者に対しまして、仕入れに含まれる消費税分が幾らであるかといった厳密なコスト計算を求めるということには無理があるのではないかといったいろいろな事情を考慮いたしますと、仮に零細事業者であるこういった免税事業者が課税事業者と同様の上乗せを行ったケースが生じましても、これを絶対に認めないとすることもないのではないかというふうに考えられておりますので、私どもといたしましてもこれを便乗値上げと言うことはできないのじゃないかと考えております。 ただ一般に、個々の商品等の価格は、各事業者が、消費税の導入による税負担を含めまして、御案内のとおり需給動向などもろもろの要因を総合的に勘案いたしまして、自由競争のもとで決定されるものでございますので、免税事業者が採算などを考慮いたしまして値上げ幅を圧縮するということも、これは十分考えられるところかと思うわけでございます。
○伊藤(英)委員 今の問題はもうちょっと後でまたお伺いをしたいと思います。 今ちょっと話の出ました件に関するわけでありますが、経企庁が消費税導入による物価上昇分の影響を一・二%というふうに公表をしておりますけれども、その中では免税事業者の扱いというのはどういうふうになっているのか、あるいは免税事業者はどの程度値上げをすると見込んでいるのかをお伺いします。
○井坂説明員 お答えいたします。 経済企画庁では、消費税の導入等は平成元年度におきまして消費者物価の水準を一・二%程度引き上げるというふうに試算をいたしておりますけれども、この試算の前提といたしましては、一つは、消費税の税額分が価格に完全に転嫁されるという前提を置いております。もう一つは、税負担以外の要因による価格の変化は考慮しないということでございます。さらにもう一つの前提といたしまして、物品税等の既存の間接税の廃止等によります税負担の軽減額は価格に適正に反映される、そういった前提を置きまして理論的に試算をしたものでございます。そこで、免税事業者につきましても、今申しましたような前提、そういった観点から、消費税の導入等によります仕入れコストの上昇分がそのまま価格に転嫁されるということをその試算の前提としておるところでございます。 我々の試算は、そういった消費税の導入等による消費者物価への影響につきましてコスト面から行ったものでございますが、免税事業者が実際にどういった価格決定をするかにつきましては、御案内のとおり、そのときどきの需給動向等によりまして大きく左右されるというふうに思いますので、一種の確率的な予測を交えた試算というのを行うのは非常に困難でございますから、ただいま申し上げましたような前提を置きまして、理論的に、かつ全体の数字として一・二%という試算を申し上げておるということでございます。
○伊藤(英)委員 今の話からいたしますと、実際にはこの一・二%というのは過小に見積もられているんじゃないでしょうか。さらにまた、後ほどちょっと触れたいと思っておりますが、公取の方でいろいろな措置をされております。そうするとさらに今の一・二%は先ほど申し上げたように過小に見積もられている、本当はもっともっと高いということじゃありませんか。
○井坂説明員 繰り返しになりますけれども、現実の問題といたしまして免税事業者がどういった価格決定を行うかというのは、そのときどきの需給動向でありますとか採算などによって左右をされますし、また一方で、転嫁が十分できないのではないかという産業界の危惧等もございますので、免税事業者の価格の上乗せについて私どもがこういう想定を置いて試算をせざるを得なかったという事情、その他総合的に勘案いたしまして、そんなに過小な試算ということにはならないのじゃないかというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 ちょっと大蔵省にお伺いしますけれども、実は免税事業者の値上げの仕方について、所管の官庁によっていろいろな対応が違ったりしておりますね。例えば運輸省なんかですと、よく最近言われることでありますけれども、タクシーの運賃については同一地域同一連賃という建前から、個人タクシーのいわゆる免税業者についても三%の転嫁をさせるんだというような仕方をし、あるいは建設省では、免税点以下の家主についての家賃の問題について、一律三%の家賃値上げというのは適正ではないよという方針を出したりしています。こういうようにそれぞれの役所によって異なったやり方をしているというのでは、消費者の理解というのはますます難しくなると思うのですが、大蔵省としてはどのように考えますか。
○尾崎政府委員 免税事業者が仕入れに含まれている消費税をどのように転嫁していくかということでございますけれども、これは三%の範囲内におさまっていることであればやむを得ないのじゃないかというのが私どもの考え方でございます。 なぜそう言うかといいますと、特別に税の計算をするのも難しいだろうということで免税事業者にしている方々でございますから、その方々に仕入れ分をきちっとコスト計算しろといってもこれは気の毒ではないかということが一つ。それから、先生の御質問にございましたように、数としては三分の二程度あるわけでございますけれども、取引高、売り上げで見ますと三%にも達しない程度のものでございますので、全体の取引に対する影響も非常に小さいのではないかということ。それから、無理にきちんとコスト計算をしろというようなことになりますとかえってその手間が、いろいろ費用がかかって値上げ幅が余計大きくなるのではないか、消費者にとってもプラスではないのではないかという問題もあろうかと思います。そういうこともございますので、決して三%上げなくてはいけないと言っている意味ではございませんで、三%以内にとどまるような値上げであれば、零細免税業者の場合にはあえてこれを便乗値上げと言うこともないのではないかという考え方でございます。 そういう考えでございますから、業種によりましてやや事情が異なってまいります。御指摘の家賃のような場合でございますと、既にもう家が建っている、建物が建っている、そこに借家人がお入りになっているという状況でございまして、家主の方の仕入れというものは何かといいますと、ごく限られたもの、修繕費でございますとかあるいは共益費のようなものが出てくることもあろうかと思いますが、仕入れが非常に少ないということが非常に明らかでございます。そういうようなものについてまであえて三%上げなくてもいいのではないかというのが建設省のお考えであろうかと存じますし、また運輸省の方は全然別の見地から、同一地域を走っておりますタクシーについてはどれに乗っても同一の運賃だという政策をおとりになっているわけでございますので、消費税の話とは全く別の、そういう見地からの政策のいわば反射的効果としてすべて三%引き上げるというようにお考えになっておられると存じます。
○伊藤(英)委員 実はこういういろんなやり方の細かいところが、消費者から見ますと、あるいは事業者にとってもある意味では同じでありますけれども、非常に気になるのですね。そのために制度そのものについての不信感はどんどん高まっていくということじゃないかと私は思うのです。 今、免税事業者の割合のことにちょっと触れられましたけれども、同じような意味で簡易課税制度の方に移りたいのです。 この簡易保税制度は五億円までというふうになっておりますけれども、これは納税計算の簡素化のためにということでこういう措置をしているわけでありますが、その中小事業者の付加価値率の実態等をいろいろ見てみたときに、この適用限度額というのは妥当な水準なのか、あるいは外国の実態等もわかれば、どのような状況なのか教えていただきたいと思います。
○尾崎政府委員 我が国の簡易課税制度にやや似た方式、標準率で計算をしているやり方をとっておりますのは西ドイツでございますが、その西ドイツにおきまして標準税率による簡易課税を選択できるのは年間の売上高が十万マルクというところでございまして、大体七百万をちょっと超えているくらいの感じでございましょうか、そういう例と比べますと、確かに我が国の場合には五億円ということで非常に高いところに簡易課税の限度を設定しているわけでございますけれども、先ほど免税事業者の場合について申し上げましたように、我が国においては非常に中小零細企業の数が多いということ、それから、何といいましてもこの新しい税制に対しましてまだなじみがない、そういう実情を勘案いたしまして五億円ということにしたわけでございます。
○伊藤(英)委員 五億円以下の事業者というと、全事業者のどのくらいのパーセンテージを占めますか。
○尾崎政府委員 九五、六%くらいになろうかと存じます。
○伊藤(英)委員 私は、さっき免税事業者の話もちょっといたしましたし、簡易課税制度についても今の例えば九五、六%の数字というふうに考えますと、この消費税制度のうちのいわば例外措置をするところ、あるいは免税事業者の特例の措置をするところが全体の九五、六%を占める、五%くらいじゃなくて九五、六%を占める、いわば例外部分が九五、六%を占めるというようなやり方というのが本当にいいんだろうかという気がしますね。 例えば売上高でどうのこうのという話はあるのでしょうけれども、一番最初に触れた公平という話は、やはり多くの事業者にとっても多くの消費者にとっても、ああこれは公平な制度だなと思われるようなものでないといかぬと思うのですよ。さっきコストのことをちょっと触れられましたけれども、あるいは大臣も最初にちょっと言われましたが、本当に公平なものをつくろうと思ったら、それは程度はありますけれども、それなりのコストは必要だろうと私は思うのですね。そういうふうに本当は考えなければいけないのだろうと思います。そういう意味では、九五、六%もの事業者が例外措置をしなきゃならぬ制度というのは本当に考え直さなければいかぬという気がいたします。 それから、この簡易課税の問題で、納税という税を納めるサイドから考えたときに、多分この簡易課税制度は納税事務の簡素化ということもあるのでしょうけれども、本則の方を選ぶよりはこの簡易課税を選択するという場合には、それはこの簡易課税制度の方が国に納める税金は少なくて済むということだと思うのですね。その人たちは、結局は、消費者には三%払ってもらいましょう、そのうちの一部を国に納めましょう、一部はしたがって自分のいわば懐に留保されるというふうに思いますが、それはそういう理解でよろしいですか。
○尾崎政府委員 簡易課税は、売り上げにかかっております税額の八割が仕入れにかかっている税額であるというようにみなしているわけでございますが、この仕入れ八割というのは全体の各業種の付加価値の大体平均値と思われるところをとっているわけでございまして、その平均値からマージン率の高い方に振れている業種につきましては、計算上もし三%きちっと値上げをした場合には、二〇%というマージン率との乖離分の三%、計算上差が出てくるということになろうかと思います。
○伊藤(英)委員 その場合は、そこに残るという意味ですね。
○尾崎政府委員 もし三%きちっと値上げをすれば確かにその分だけ業者の手元に残るということになると思いますが、ただ現実には、これだけ転嫁が難しいというようなことをおっしゃっておられますし自由競争の激しい社会でございますから、本当に三%そういう方々が上げるのかどうか、これはまた別問題でございます。
○伊藤(英)委員 今のは、結果的にひょっとしたら自由競争の結果そうなるかもしれないということだと思うのですが、制度上は要するにそのどれだけかが懐に残るということだと私は思います。したがって、それは見方を変えれば何となくそういう事業者に対する補助金のようなものになってしまいます。だから、こういうようなことが消費者から見ると、ああ納得しにくい制度だなというふうになってしまう。したがって、私は、一つは今の八〇%の問題についてももうちょっと業種別に細分化するとかいうようなこともした方がいいでしょうし、あるいはこの制度そのものについての見直しということもした方がいいのだろう、こういうふうに思います。 時間が余りありませんので、先に移ります。 さっきもちょっと触れたことですが、価格の転嫁の問題について伺います。 政府は、価格転嫁のために独禁法を弾力的に運営をして、カルテルを締結をした場合、これは免税事業者についても消費税を消費者に転嫁することが可能だというふうに指導しておりますけれども、まずこれは事実ですね。
○高橋説明員 お答えいたします。 昨年末成立いたしました立法措置によりまして、市場における価格形成力の弱い中小企業者に特に配慮する観点から、中小企業やその団体等に限りまして、公正取引委員会への届け出を要件といたしまして消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為、いわゆる転嫁カルテルが認められているところでございます。 免税事業者の販売する商品につきましても仕入れ段階での消費税は含まれているわけでございまして、これを転嫁する必要性があるわけでございます。したがいまして、免税事業者につきましても消費税のための共同行為に参加することができる、このようにしております。
○伊藤(英)委員 今の話は、そうした場合に免税事業者は消費者からは消費税分を取って、そして国には納めないということですね。
○高橋説明員 免税事業者につきましては、仕入れ段階に含まれる消費税というものはコストの一部でございますから、それを価格に上乗せをするということだというように理解をいたしております。
○伊藤(英)委員 今のは、三%で売っていいという意味じゃないのですか。
○高橋説明員 転嫁カルテルにつきましては、免税事業者につきましては自分の負担している分を上乗せする、そして課税事業者につきましては三%上乗せをする、そういったカルテルももちろん可能であります。 しかしながら、一方におきまして、いろいろな事情から課税事業者も免税事業者も同様の上乗せをした方が好都合だということで一律に三%上乗せをするといったカルテルをしたいという希望をしているところもあるわけでございます。 それにつきましては、先ほどいろいろと御質疑がありましたように、免税事業者につきましても三%上乗せをするということが直ちに便乗値上げとかいったようなことではない、不当な価格引き上げに当たらないということでございますので、転嫁カルテルにつきましても、この点につきましては免税事業者という制度が設けられた趣旨等から見まして、三%上乗せをするというのもやむを得ないのではないかということで考えております。
○伊藤(英)委員 いろいろな事業者のことを考えたりいろいろなことを考えてやられているわけですけれども、各事業者も、消費者との信頼関係とかいろいろなことを考えなければいけません。私は、制度上こういうふうにしなければならぬと、うかそういうやり方をしなければならないようなことというのは、今回のこの制度の中身が十分でないからこういうふうになってしまっているんだなということを痛感するわけです。 時間が余りありませんので次に移りたいのですが、この価格転嫁の問題にも関係するのですけれども、地方自治体で公共料金への税の上乗せの問題についていろいろと議論になっているわけでありますけれども、公共料金への上乗せの見送りの状況について、現状はどうなっているか、まずお伺いします。自治省でしょうか。
○松本説明員 お答えいたします。 各地方公共団体の使用料等の改定は条例等によるものでございます。条例につきましては、各団体の議会におきます審議を経て決定されるものでございます。各団体におきましては二月または三月議会におきまして条例提案を行っているところでございますが、議会が開会中のところもございまして、追加提案の有無、修正の有無等は把握することは困難でございます。 このように、各団体の動向を統一して把握することがなかなか困難でございますが、御参考までに二月末日現在で把握しておりますところを大まかに申し上げますと、普通会計の場合は、四十七都道府県中四十一の団体が四月一日から消費税分の転嫁を行うとしております。ただし、このうち十五団体は一部の使用料等については四月からの実施を見合わせております。ほかの六団体は四月一日からの使用料等の改定を見送っております。こういう状況でございます。 一方、公営企業の会計につきましては、都道府県の代表的な例として上水道事業、それから工業用水道事業について把握してございますが、現在まで私どもが承知している限りにおきましては、上水道の場合は経営をしております二十六団体中二十三団体、工業用水道事業の場合は同じく四十団体中三十九の団体と、ほとんどの団体が消費税の導入に合わせまして消費税の転嫁のための料金改定を行うこととしている、このように承知しております。
○伊藤(英)委員 これから自治省が、自治省もということでしょうか、どういう努力をされようとしているのかお伺いしたいのですが、きのうの朝日新聞の夕刊に出ているのですが、今の地方自治体の公共料金の問題についてるる書いてありまして、そのところの一部に、これは「経済気象台」という欄に出ていたのですが、「お役所が取らない税金を企業は取るのか。きっと、そんな声が集中するに違いない。法によって決められた税の転嫁に何の努力もしない役所が「善玉」で、必死に転嫁方法を考えている企業が「悪玉」になってしまう。」というような書き方がされております。いわばそれこそ冗談じゃないよという感じになってきますよね。 これからこの問題について自治省はどうしようとされるのか、あるいは大蔵省としてはどういうふうに考えられるのか、お伺いをいたします。
○松本説明員 お答えいたします。 御案内のとおり、地方公共団体は、税制改革法によりまして消費税の円滑かつ適正な転嫁を図るべき事業者の立場にあります。また、国とともに今次の税制改革の円滑な推進に資するため環境の整備に配慮すべき立場にも立つものでございます。したがいまして、むしろ民間の方々の模範ともなるように率先して円滑かつ適正な転嫁に努めるべきものである、このように認識しているところでございます。それにもかかわりませず、一部の団体におきまして転嫁をしないなど所要の拾遺を見送ることとしているところがありますことは、私どもといたしましては極めて遺憾であります。 私どもといたしましては、何分にも消費税法は既に昨年の十二月三十日に公布、施行されているものでございますので、こういった事実を前提に、法律の趣旨にもとることのないよう適正な対応方を引き続き地方公共団体に粘り強く指導してまいりたい、かように考えております。
○尾崎政府委員 今自治省から申し上げたとおりに私どもも考えておりまして、今後とも消費税の趣旨の徹底に努力をしてまいりたいと存じております。
○伊藤(英)委員 大臣にお伺いしたいのですが、実は今回の消費税についてのいろんなやられ方、実施のされ方等を見ていて、そしてまた地方自治体の公共料金への問題についてもそういうものを見ていて、ひょっとして、今のような状態は結果的に国民のいわば遵法精神というのでしょうか、というようなところにもいろいろ支障を来してこやせぬかなという気さえ私はするのですね。こういうことを見ていながら、かつて、カリフォルニアだったと思いますが、あれは固定資産税だったと思いますが、それの拒否運動みたいなのが起こったことが十何年前にあったと私は思うのですが、そんなことさえも思い出したりいたしました。日本の国民というのは、本当に日本の現在並びに将来にとってこういうものはどうしても必要だ、そしてその必要なことが本当に適切につくり上げられ、あるいは運用されるというようなことならば、そしてそれを十分に理解すれば受け入れる、私はこう思うのです。いわばそれを認めていくだろう、こういう気がしているのですね。 今のようないろんな状況を見ていると、例えば免税点の問題にしても、あるいは簡易課税の問題にしても、あるいは価格転嫁のさせ方の問題にしても、いろいろな問題が多過ぎるのだと私は思うのですね。だから、これは一刻も早く見直しをした方がいい。先回の税制の国会のときにも、我が民社党は一生懸命で頑張って、見直し条項も入れさせることに成功もしたりした。それを十分に生かして早く見直しをすべきだ、こういうふうに思うのです。そういう意味で大臣の所見をお伺いいたします。
○村山国務大臣 これはもう一長一短でございまして、前回の売上税のとき、これは残念ながら流れたわけでございますが、その大方の批判、これは業種団体、まあ百くらいお集まりいただいたわけで、経済四団体を初めとして百くらいの業種団体が異口同音に、やはり納税義務者、事業者の事務負担を考えないところ、あるいは日本の取引慣行を無視していわば理論に走り過ぎた、これが失敗の原因ではないであろうか、こういうことを異口同音に申したのでございます。 そういう点にかんがみまして、今度は事務負担、日本の取引慣行、こういうものをできるだけ尊重していこうということからいたしまして、一つは税額票発行方式ではなくて帳簿方式にいたしましょう、それから課税期間につきましては、なれております所得税、法人税の課税期間と同一にする、税率はもちろん一本の三%、非課税取引は原則としてなしにする。それでもやはり中小の方々にとりましては、さらに人を一人雇ったとすればコストアップになる、これはもう消費税の比ではないであろう、そういう点を考えまして、さらに免税点制度あるいは簡易課税制度を設けたわけでございます。おっしゃるような点はあります。ありますが、その差は非常に少ない、しかももしそういう点を設けないとすれば、かえってコストアップで値段が上がるんじゃないだろうか、そういう点も考えてやったわけでございます。 ですから、この制度の仕組みとして、一長一短あると思いますが、今度は、税革法の消費税の十条、十一条に書いてあるわけでございますが、十条で事務負担とそれから取引慣行を尊重せい、こういうことからいたしましてこれらの制度を設けたわけでございます。 おっしゃる点は、もうこの問題が出てくるであろうということは当然予測されるところでございます。しかし、全体からいいまして、例えば免税業者にしてみれば三%と二・四%の差の〇・六%というところが便乗値上げになるのかならぬのか、果たしてそんなに全部三%でもってやるであろうかどうか、これも不明の点でございます。また、簡易課税業者にいたしましても、仮にマージン率が三割といたしますれば、その人は、〇・六%でございますから少しいいようでございますが、別途仕入れに係るコストがあるわけでございますから、恐らく両方合わせますとごくわずかの差にしかならぬであろう、しかもその差を完全に利用するかどうか、これも競争社会でございますから不明である。こういうことを考えますと、今度のやり方は前回の失敗にかんがみまして一つの設計でございます。それでひとつやるのが日本で一番定着するんじゃないだろうか、こういうことで入れさせてもらったわけでございます。 しかし、民社党あるいは公明党さんいろいろありまして、こういった精緻さがないじゃないか、こういうお話もありますので、十七条三項に見直し規定を入れて、そして我々は注意深くこれを見ていくという条項を入れたわけでございます。まずはこれをひとつ実施させていただいて、そして条文にもありますように、定着状況を見ながらこの問題を見守りたい、このように考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 先ほど来申し上げてきましたように、いろんな問題を抱えているわけでありますので、十分にその辺は見ながら早急なる対処をお願いをしたい、このように思います。 税制そのものじゃないのですが、国税の職員の問題についてお願いかたがたお伺いしますが、その国税職員も、見ますと過去十年間ほとんど増加もしておりません。しかし、御承知のとおりに経済発展に伴う人口の増加ということもありますし、取引の規模もどんどん大型化する、あるいは広域化する、あるいはその取引の内容もさらに複雑化する、あるいは多様化するというようなことで、どんどんと事務量も増力しているわけですね。今度は消費税導入ということもあります。また、今最初に私が税の不公平の問題について触れましたけれども、こうした問題についても実は税の執行上の問題ということが非常に大きな問題かもしれない等々考えたときに、この国税職員のいわば増強というのでしょうか、そういうことについて格段の努力が必要であろう、こういうふうに思います。ぜひその辺を考えていただいて対処をしていただきたい、このように思います。御意見があれば伺います。
○伊藤(博)政府委員 ただいま先生のお話ございましたように、適正公平な税務行政の実現ということのために、私どもといたしましてもいろいろな努力を払っておるつもりでございます。片や事務量は年々増加しておりますが、執行のあり方といたしましては、いろいろな工夫を凝らしまして、限られた人的資源等々の中でそれを最大限に活用することによって公平な行政に努めてまいっておるつもりでございます。 と同時に、非常に数多くふえております各種の業務量をこなすためには、どんな効率化を図りましてもやはりおのずから限界がございます。それだけに、関係各方面の御理解を得ながら定員の増にもこれまで努めてまいったつもりでございますけれども、今後とも一層その面での努力を重ねてまいりたい、このように考えております。
○伊藤(英)委員 ちょっと関税の問題について次にお伺いいたしますけれども、実はことしの一月にアメリカの財務省が輸入車の関税区分を一方的に変更をしました。そして、いわゆる多目的車について従来乗用車扱いであったのですが、それをトラック扱いにする、したがって関税率も二・五%から二五%というふうに一気に高率関税に移ることを決定をいたしました。その後二月に、すぐまた、EC諸国の非難に遭って、これを今度は二ドアタイプだけを高関税率二五%、それから四ドアタイプを低関税率二・五%にするというような決め方をしました。 極めて恣意的というのでしょうか、そんな感じを抱くわけでありますけれども、こういうのは国際的に、制度というのでしょうか、国際的な整合性というのでしょうか、そういうような目から見ても一体合理的なんだろうかということを思ったりするわけですが、政府の見解をお聞きします。
○長富政府委員 この問題につきましては、先生御指摘のような経緯をたどってまいっております。 御承知のとおり、輸出入貨物の分類につきまして昨年一月から国際統一商品分類の条約、私どもはHS条約と呼んでおりますが、これが発効いたしまして、日本、EC諸国は発効と同時に昨年一月から実施に移っておりますが、アメリカもことしの一月一日にこの条約を批准したところでございます。その移行に伴いまして、御指摘のとおり、一月四日関税庁によります多目的車の関税分類変更の決定が行われましたが、内外からの反響が大きかったということから、財務省がこれの見直しを行いまして、二月十六日、この見直し結果を発表したところでございます。 内容は先生御指摘のとおりでございますが、これに対しまして私どもこれはやはりちょっとおかしいのではないかという感じを持っておりまして、これがHSの単純な分類変更、新しい分類に移行するだけのものなのか、あるいは従来二・五%で譲許してきました関税率を一方的に二五に上げたということはないのかという点に疑問を持ちまして、HS委員会というのがございますが、私どもはこれをそこの議題に登録するかどうかということを考えまして、アメリカの事態を見ていたわけでございますが、二月十六日、財務省の見直し決定が行われましたのを受けまして、やはりこれは問題があるのではないかということで、翌二月十七日、HS委員会の議題に登録したところでございます。この委員会、四月十七日からブラッセルで行われる予定でございまして、この議題登録の期限が二月二十日ということもございまして二月十七日に登録に踏み切ったわけでございますが、まずここで検討してまいりたい、かように考えております。
○伊藤(英)委員 最後に一点またお願いをしたいと思います。 税関の職員の件でありますけれども、税関の職員についてもぜひ増員等を要請したいわけでありますが、今度は平成元年度で百五十五名増員となって、七千八百八十六名でしょうか、そういうふうになりました。しかし、五年前と比較すると減っているのですね。しかも、御承知のとおりに出入国者数も急増しております、あるいは輸出入の件数、これまた大変な拡大をしている、そういうことで、業務の量的拡大もどんどん大きくなっておりますし、それから中身を見ても、これは国際交流の緊密化なりあるいは複雑化、あるいは輸送手段の高速化あるいは大型化というようなことで、どんどんと質的にも一暦複雑になっている、あるいは危険性も高まっているというような状況にあるわけでありますが、そういうことで、税関職員の増強についてもぜひ適切なる措置をお願いをしたいと思います。いかがでございますか。
○長富政府委員 先生御指摘のとおり、関税業務は大変に年々急増いたしております。五年前と比べまして、輸出入申告件数一・五倍、出入国者数一・八倍、社会悪物品の処分件数一・四倍、なかんずく不正商品の差しとめ件数は六・五倍という中にございまして、御指摘のように税関の定員は五年前と比べまして二百十二名の純減となっております。 私ども、定員削減、非常に厳しい状況の中におきまして、一方におきましてコンピューター化を極力推し進めるとともに、要員の確保に努めているところでございまして、今後ともそのように努力していきたいと考えております。
○伊藤(英)委員 どうもありがとうございました。
○中村委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 今、伊藤委員が初登板で非常に筋道立てた議論をしていただいたものでございますから、余りつけ加えるべきことがないわけでございますけれども、冒頭、大臣、今伊藤委員が国税及び税関職員のいわば増員について担当者からの回答を得ましたけれども、御承知のように、国税の場合には消費税導入という非常に大きな問題がある。関税も、私も税関長をしたことがございますけれども、非常に業務が複雑多岐にわたっておる。私はよく、関税というものは皮膚みたいなものだ、外部からものが入って出ていく、皮膚呼吸ができなかったら一遍にだめになるというようなことを言っております。麻薬の密輸なんかもございますし、こういった点、担当官がそれぞれ努力しますと言われましたけれども、大臣からもひとつ御決意をお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 国税の方も、非常に納税者がふえ、そしてまた調査も非常に難しくなっておる。特に、新しい消費税が導入されるというようなこと、本当に幾ら人がおっても足りないくらいなのであろうと思います。関税におきましても、輸入貨物は年々大変ふえておりますし、また旅行者も大変なふえ方でございますし、今度は大麻であるとか覚せい剤とか、こういうものをまた扱わなければならぬ、関税の方も大変忙しくなっておるわけでございます。 したがって、これも本当に多々ますます弁ずということであろうと思いますが、一方我々は定員削減をやっておるところでございます。ことしはぎりぎりいっぱいのところで、国税職員についてはネット七百人、それから税関職員についてはネット百五十五人ふやしていただいたということは、委員初め皆様方の本当に御熱心な御支援があったからこそできた、こう思っているところでございまして、厚く感謝申し上げると同時に、今後ともひとつ御支援、御理解のほどを賜りたい、かように思っておるところでございます。
○安倍(基)委員 消費税問題につきまして、伊藤委員が非常に論理的な分析で、私も税特の委員でございまして、そこでたしか地方公聴会が終わって私の登板のときに強行採決されてしまって、実質上消費税について本当に十分論議がされないままに成立してしまったということは否めないわけでございまして、通ってしまった後は余り内容の論議がされてない、そういう意味で、伊藤君がいろいろ分析してくれたことは非常にいいことだと思います。 私、非常に今懸念していますのは、こういった不十分のまま導入されてきて非常に混乱が起こっている。一つはまだ勉強不足の面もありましょう。ただしかし、またいろいろ欠陥がだんだんと表へ出てきているということも大きな問題だと思います。特に、最近地方自治体が、今お話がございましたように次々と公共料金についての転嫁をやめている。私も党の地方議会対策委員長になりまして、各地区の議員に聞きますと、彼らはやはり議会の対策でどうするかで大論争して、結局なかなか公共料金に転嫁しづらい、やはりできないというような議論が強いわけです。それが一面においては民間の、お上は率先して転嫁しないではないかという強い声になってきている。これは伊藤委員が指摘したとおりでありますけれども、ある意味からいうと地方をそれで間接的に行革できるのかという面もありますが、ただ、導入時に転嫁を見送るということが非常に民間に、我々は苦しい、転嫁をしろと言われているのに、じゃお上はしないでいいのかという動揺を来しているわけですね。 ただ、一面において地方自治という問題もある。さっき粘り強く説得していくというような話がございましたけれども、具体的に自治省は何か新しい措置をとる方針であるのか、その辺をただ抽象的に言っておられるのか。大蔵省、自治省、それぞれ何らかの措置をとるつもりであるのかないのかという点でございますね。地方議会の皆さんは、むしろ地方自治だからこれは国の知ったことではないという議論をされる。反面、この消費税というものの導入に絡んで、民間とそういういわば官庁、自治体との格差が出てきている。自治省、さっき粘り強くと言われましたけれども、何らかのことを考えておられるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○松本説明員 お答えいたします。 先ほど、二月末日現在で私どもがつかんでおります都道府県ベースの状況を申し上げました。一部に転嫁を見送る等の遺憾な事例が見受けられるわけですが、地方公共団体を通じてみますと、多くの団体におきまして法律の趣旨を踏まえて適切な対応が図られつつあるところでもございます。そういったことについても御理解いただきたいと思います。 いずれにいたしましても、こういう遺憾な団体につきましては、より一層今次の税制改革の趣旨ですとか消費税の基本的な性格等について理解を増進していただく必要があると考えております。こういったことも含めまして、今後ともいろいろな機会を通じまして粘り強く指導してまいりたい、このように申し上げたわけでございます。また、今後の動向を踏まえながら、必要に応じまして自治省が直接にあるいは都道府県を通じまして、機会を見つけて適時適切な指導もあわせ講じていきたいというふうに考えております。
○安倍(基)委員 非常にわかりづらいのですけれども、また反面、地方は自治体なんだ、自分たちで決めるんだというような反発もあると思いますね。この辺どうも歯切れが悪いのですけれども、自治省もう一遍その辺の、地方自治体は地方自治体で決めるんだという考え方と、いわば消費税というものをスムーズに導入するんだという、どうもその辺のぴしっとした、いわば非常にあいまいな答えでございますけれども、もう一度その辺はっきりしてください。
○松本説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたが、御案内のとおり、地方公共団体は、税制改革法に基づきまして消費税を円滑にそして適正に転嫁すべき事業者でありますとともに、国とともに今次の税制改革の円滑な推進に資するための環境の整備に配慮しなければならない立場に立つものでございます。したがいまして、国、地方公共団体がこういう法律を遵守し、その施行に当たってはお互いに協力し合って円滑な実施に努めていく、こういうことは当然のことであると考えております。 したがいまして、各地方公共団体におかれましては法律の趣旨にもとることのないよう適正な対応を図るように、これからも粘り強く指導していきたい、このように考えております。
○安倍(基)委員 大臣、いろいろ報道によると、例えば譲与税がちょっぴり予算に入っているから予算そのものを否決したという地方自治体もあろようです。これはきのう報道されておりました。 もともと我々は、率直に言いまして、いろいろこういう問題があるので実質半年いわば延期ということを言ったわけですね。それで弾力的運用〉いう言葉で一応表現されたわけですけれども、我我はむしろ実質的な延期と理解していたわけです。今のあれでは、伊藤委員が、例えば転嫁できないときには面倒見れないのか、免税にできないのかというようなことまで言いましたけれども、基本的に我々はむしろ実質半年延期の中身のある弾力的運用というぐあいに理解しているわけ病す。単に手続を半年おくらすというだけではなくて、実質延期に等しい効果を持つようなものなんだ。 例えば、今地方議会で、公共料金の継続審議という話にして、少し時間をずらすという措置をとっておりますね。こういった面から見ると、私ども地方の業者なんかにいろいろ聞きますと、ともかく半年ぐらいは実質延期できないものかねというのが非常な要望なわけです。でありますから、この法案で単に手続的にこうしたとかああしただけじゃなくて、実態的に本当に延期の意味のあるような弾力的運用ということを図るべきなんじゃないか。 もう一つ、衆議院本会議でこの法案を通過させるときに私は反対質問をしたわけです。そのときに、なぜ施行が参議院選の後であってはならないのかと聞いたが、それに対して竹下さんは答えなかったわけです。さっき伊藤委員が指摘されましたように、本当にいい税法であり国民が納得できる法律であれば、これは選挙を通過さしたら負けそうだというようなことではないと私は思うのですよ。税で選挙を争ったら負げるから、何が何でも実施してしまえというような考え方そのものが非常にひっくり返った考えではないか。私は税特の委員会で、我々の前回の選挙というものは税法改正のマンデートを得てない、少なくとも大型間接税は導入しないという形で選挙を行った、それをひっくり返すのであれば、新たに選挙をするかあるいは次の選挙までじっくり案を練って、それでやはり選挙を通過さすべきだ、これが民主政治の大道であるということを言ったと思うのです。 でありますから、地方自治体のこういった動き、皆の困惑、中身についての問題点、実質的な延期に等しい運用ができるのかどうか、それが第一点でございます。第二点は、私が竹下さんから聞こうと思った返事、なぜ参議院選挙の前にどうしても実施しなければならないのか。その二点についてお答え願いたいと思います。
○村山国務大臣 実質的延期というのは委員のお考えでございましょう。しかし、公党間でこの前いろいろ打ち合わせた結果、最後は十七条第二項という形で来たわけでございます。これがいわゆる弾力的運用の問題でございまして、七項目あるわけでございますので、これはやはり相当なものであろう、私はこう思います。新税をやるときには運用面でできるだけ指導をやるということはもちろんでございますが、制度にわたりましても、各方面で九月までは事実上納期も延ばすとかあるいは手続も全部それまで延ばす、そしてまた運用面でも、本税は別として加算税などは取りません、こういうことをはっきりうたっているわけでございますから、それなりの効果はあるものと考えているところでございます。 なぜ実施を急ぐか。実は私の方は、実施がおくれたとは申しませんけれども、もうこの問題は十年前からの問題でございまして、一般消費税という形でこの問題は早く提案したわけでございます。個別消費税というものがどんなものであるか、そして今の税体系がどんなものであるかというようなことで提案したわけでございますけれども、あのときはネット増税でございましたので、そんなことよりも歳出カットの方を先やりなさい、しかる後に税制改正に踏み込むべきである、こういうことでございますので、そのとおり国会決議に従ってやってきたわけでございます。 しかも、一昨年は売上税という問題もありました。そして、今度の税制改革法案の提案は、既に昨年の七月から提案しているのでございます。そしてそれの一環をなしておりますもろもろの問題、所得税の減税、これは税率については昨年の初めから実行しているところでございます。相続税につきましても、通ったのは二十三日、施行は三十日でございますけれども、さかのぼってやっているわけでございます。それこれ考えたときに、消費税というものの適用時期を四月一日にすることはそんなに無理ではないのじゃないか。そしてまた、この種のなじみの薄い税でございますから、実施のときには必ずある種の摩擦が出てくるということは、新税でございますからいつの時期であろうとも必ず摩擦は出てくる、かように私は思っているところでございまして、参議院選挙があるからどうだとかということは、我々はそうは考えていないわけでございます。
○安倍(基)委員 十年前からいろいろ議論をしてとおっしゃいますけれども、この法案そのものが案としてできたのは去年なんですよね。論議も、十一月に入って初めてそこに入った。なるほど、それまでにほかの問題に煩わされて実質審議しなかったではないかと言われればそういう面もあるかもしれませんけれども、しかし、少なくともこの法案の論議を始めたのは十一月初めなんですよ。私自身も議論しようと思って手ぐすね引いていたところ、途端に強行採決に遭ったわけですけれども、今指摘がございますようにいろいろな問題点がある。アメリカの場合には、御承知のように何年間かかけて最終的にいわば最終の消費者から取る現在の州税でいいという結論でおさまった話なんで、十年前からやっていますという話はこの消費税法案に関しては理が立たないと私は思います。 それから、本当にみんなが受け入れる内容にし、本来は選挙を通じて争って初めて導入すべき問題であったと私は思うのです。この点につきましては、私は大蔵出身でございますから大蔵省の諸君のいろいろな気持ちはわかりますけれども、基本的には、国民を説得できないような税制体系であれば、選挙で争えば負けるようなつもりで導入するような税であれば、必ず禍根を残すと私は思っております。 特に、この税のときに、日本はいわゆる二重構造だ、下請生産においても何段階もあり、下請流通においても各段階がある、この中でそれぞれのところにメスを入れていけば必ず血が出る。しかも、アメリカと日本は似ておって、競争社会、バイヤーズマーケットの多い社会です。欧州のように売り手市場が多いというようなところではないことを見ますと、アメリカにおいて、結局州税においていわば最終消費者のところで払うというところでおさめたというのと似た形の方がよかったのではないか。私は今度のEC型付加価値税が本当になじんでいくのかどうか、非常な懸念を持っております。 この論議は長くなりますから今ここで短い時間で論議し切れる問題じゃございませんけれども、少なくともこの見直し規定というか、本当に軟着陸するものかどうか、どうしても日本になじまないのであればこれは早く見直すべきことであると私は思っております。今ここで、見直し規定に日時が定められておりませんけれども、これは大臣、現在地方自治体の反乱というか、そういう問題も非常に起こってきておる。ここで見直しの時期というものをある程度考えておられるのかどうか、これはなかなか難しい問題ですけれども、どの辺までを一つのめどにして見直しをしようとしているのか。 それから、さっきの第二の問題の実質延期の問題ですけれども、私どもは少なくとも公党間の約束のときに、弾力的運用というのは実質的延期に等しいものという考えのもとにこれに合意したつもりでございます。それがその直後に、いや実質的延期というのはただ加算税を課さないとか申告期限を延ばすとかいう程度のものだという回答になって、我々としては非常に不満である要素があるわけです。でございますから、このいろんな各地におけるアクション、特に地方自治体のこういった問題を踏まえて、この運用において実質延期に近い運用を行うということがこれからの一つの方法ではないかな。特に自治体あたりは皆継続審議でやってしまおうという話になってきているわけでございますから、この辺についての大臣の考えをもう一度聞きたいと思います。
○村山国務大臣 今特に地方団体のお話が出たわけでございます。値上げについては条例事項であるために一部の地方団体でまだ四月一日を決めていないということでございますが、先ほど自治省からお話がありましたように、四十七のうちでほとんど大部分のところはしかし四月一日を決めておる、一部のところで公共料金等につきましてまだ四月一日を決定していない、こういう話でございます。これは極めて遺憾なことだと思っております。やはり税というものと公共料金というものはおのずから違うわけでございますので、もしそれを、幸い不交付団体であるというようなことで税で賄おうとすれば、これは言ってみますと利用者の負担であるべきものを一般の納税者が負うという結果になって、今度の消費税の趣旨からいっては全く筋違いの話であろう、こう思っております。 しかし、これも自治省の方でやってこれから指導してまいりますし、いずれにいたしましても、四月一日からの適用でございますので、どんな公共料金であろうともその中に百三分の三はもう税込みになっている、こういう形で税は進行するわけでございます。だから、県会の方々に、一人一人の議員の方々にそういうことになっているということもよく御承知願って、そしてこれに御協力を願いたいと思っているところでございます。いずれにいたしましても、四月一日の適用ということはこれはもう既に法律で決まっておりますので、これをやっていきたいと思っています。 見直し規定につきましては、我々は、事務負担をできるだけ少なくするということ、それから日本の取引慣行を尊重して設計したものでございますけれども、それには確かに一つの問題があることは事実でございます。その点が見直し規定に入っているわけでございますから、我々はこの定着状況を見ながら、絶えずこの法案の趣旨を考えながら、今度のこの税制が果たしてうまくいっているかどうかということを絶えず注視してまいりたい。いっとは言いませんが、絶えず注意してまいりまして、そして必要があればまた御協議を煩わしたい、御審議を煩わしたい、かように思っております。
○安倍(基)委員 もう時間もございませんから、ほかの問題は、お呼びした省庁に対して申しわけないけれども省略しますけれども、今、絶えず見守りながらということ。ということは非常に早い時期もあり得るということでございますね。それは、あるいはその辺がどうしても軟着陸できないならばというような話になるのかどうか。その辺の軟着陸状況を見ながらとおっしゃいますけれども、それは早い時期もあり得るという意味の御発言でいらっしゃいますか。
○村山国務大臣 これだけの大改正でございますので、定着するのには少し時間が要るだろうと思います。そういう意味で慎重に見守っていく、注意深く見守っていく、こういうことでございます。
○安倍(基)委員 ほかの省庁の方、申しわけございませんけれども、またこの次の機会にしたいと思います。どうもありがとうございました。
○中村委員長 正森成二君。
○正森委員 私は、消費税と政党機関紙の問題について、まず質問をさせていただきたいと思います。 私が手元に今持っておりますのは三月四日付の東京新聞のコラム欄でありますが、「『機関紙課税』でしらけムード」という見出しで、こういう記事が載っております。 三日午後の衆院予算委で共産党の工藤晃氏は「廃案になった売上税は政党機関紙を非課税にしていたのに、消費税は赤旗や自由新報、社会新報、公明新聞、週刊民社にもかかる。機関紙収入は政党活動の重要な費用だ」と政府に疑問をぶつけた。各党席が一瞬聞き耳を立てる中、工藤氏は「機関紙は言論の自由に基づき、党見解や政策を国民に知っていただくもの。カネ集めの政治家パーティーに課税せず機関紙活動に税をかけるのは不合理」と論陣をはった。 ところが村山蔵相の答弁は「消費税は所得課税でないから政党の所得にはかけないが、機関紙発行は政党が事業者。事業者には消費税がかかり、すべて消費者が負担する。重要だから課税しないとかは性格が違う税」。この事務的な説明に委員会室はしらけムード。 という内容であります。その後、議事録が出ておりますから、やりとりの細かい点については――もちろんこれは概略の記事でありますが、委員会の雰囲気はよくあらわしていると思うわけであります。 〔委員長退席、大島委員長代理着席〕 そこで伺いたいのですが、政党の機関紙活動というのは、本来、議会制民主主義のもとで政党の政策、見解を国民に広く伝えるためのものであり、言論を重んじる政党の最も重要な活動分野の一つであります。これは政党の側から言えるだけではなしに、国民の側から言いましても、国民が政党機関紙を購読するのは、何よりもその政党の政策や活動、理念を知るためであり、かつ、その機関紙を購入することによって自分の関心のある政党の政治活動を資金面でも支える面を持っているわけであります。これは主権者としての国民の当然の権利であり、重要な政治的活動であり、政治参加であります。 この政党機関紙誌に課税するということは、国民の政治的権利への課税であり、国民の政治活動への課税であり、民主主義への課税と言わなければなりません。これは議会制民主主義と基本的人権の尊重の立場から断じて許されないものではないかというのが私どもの見解であります。 そこで、大蔵大臣に伺う前に、大蔵大臣は事業者が事業として行うとかなんとかいろいろ技術的にお答えになりますが、きょう私がさらにお伺いしたいと思うのは、税制改革の哲学についてであります。税制改革を行う以上は、これまでの考え方や他の法案の規定と首尾一貫したものでなければなりません。 そこで、自治省来ていますか。――持ってまいりましたが、自治省が「シリーズ’80年代の地方自治」という続き物を、自治省主導でと思われますが、つくりまして、その中に「政治資金」というところがあります。これをお書きになりましたのは二人の方であります。一人は松浦正敬、もう一人は大竹邦実で、どちらも自治省選挙部政治資金課課長補佐の地位にあった方がおやめになってすぐ、おやめになってというのは、他の部署に移られてすぐお書きになったものであります。 これを見ますと、「政治団体の非課税の考え方」のところでこう言っているのですね。 政治団体は、その収入のほとんどを寄附収入と事業収入に依存しており、政治団体のこれらの収入については非課税措置が適用されているが、これは、政治団体が政治活動を行うことを目的として設立され、議会制民主主義の下で政治活動の中心的担い手としてその得た収入を政治活動に費消することを前提としたものである。 こういう見解を述べております。 したがって、これに反し、その得た収入を政治活動以外のために費消するような場合については、当然に課税の対象となるし、また、政治団体が得た収入をその構成員で分配するなどした場合については、その受取者において課税されることとなる。 今回のリクルート事件の大部分はそういうことであろうと思いますが、そうでない政治活動に使われているそういう資金については非課税だという考え方をとっているようであります。 そこで、自治省は現在でもこういう考えをとっているのか、あるいはこれは自治省の公権的な解釈と見てよいのか、伺います。
○太田(勝)説明員 今先生が御指摘されました「シリーズ’80年代の地方自治」十三巻の「政治資金」の内容につきましては、著者が当時いろいろ勉強しまして個人の立場で書いたものでございまして、自治省としての公式見解ではございません。 私ども、政治資金に係る課税の問題につきましては、税制の問題であるということから、政治資金規正法を所管しております私どもの方の立場から税制について云々するということはお答えしかねると考えております。
○正森委員 そんなばかな話がありますか。あなた方が管轄しているからこそ見解を言わなければいけないんじゃないですか。あなた方が管轄しているからこそこういう本を書いたんじゃないですか。それを政治資金について考えが言えないなんて、そんなばかなことがありますか。もう一遍答弁しなさい。
○太田(勝)説明員 私ども、政治資金規正法に基づきます政治資金の収支の公開という基本的な制度につきまして担当させていただいているわけでございますが、政治資金一般に対する税制の問題ということにつきましては、私どもの所管ではございませんので公的にお答えしかねるということでございます。
○正森委員 それじゃ、これはどういうことで書いたのですか。これは広く実務家などに参考にされることを望むということで、石原信雄さんなんかが編集委員に入っているじゃないか。しかも、自治省の政治資金担当の者が書いて、全く権威がなくて、これはいいかげんなことを書いたのですか。そういうことを言うたらいかぬですよ。これはともかくとして、あなた方として見解があるでしょうが。見解があるからこそ政治資金規正法の関係があなたの方の一定の所管になっているのでしょうが。――大蔵省と協議しているかもしらぬけれども、きのう、けさと私とこへ報告に来たのと違うじゃないか。
○太田(勝)説明員 私どもは、あくまでもその本に書かれておりますのは個人が政治資金の関連する分野としまして税制について勉強されて書いたということでございまして、自治省としての公式見解、政治資金を担当するセクションとして、税制につきましては私どもとしては申しかねるということでございます。
○正森委員 だから、自治省の見解はどうですかと聞いているのです。この本が個人見解だというのなら、自治省の見解はどうですか。
○太田(勝)説明員 私どもとしては、政治資金関係では税制一般については所管しておりませんので、その立場からお答えはしかねるということでございます。
○正森委員 もうなっとらぬ答え方ですね。きのうからちゃんと丁寧に説明して、おまけにけさ私のところへきのう注文をとりに来た自治省の役人が来て、この内容に書いてあることは、お恥ずかしい話でございますが国税庁の見解をそのまま聞いて書いたのでございます。つまり、これは国税庁の見解でもあり自治省政治資金課の見解でもあるということを言いに来たのですよ。だから、それならそのことを言いなさい、あなた方はあなた方の見解、しかしこれは国税庁にもともと聞いて国税庁がこういう見解だから書きましたと言いなさいと言うたのに、今出てきたのはああいうひきょう未練な答え方でしょう。それなら、こんな本を書くのはやめたらいいですよ。 しかも、この中には、私が言うたような総括的なことじゃないですよ。例えばこう言っているのです。本来なら政治資金というのは贈与税がかかるはずだ、こう言っておりまして、 贈与税についてみれば、相続税法では、人格なき社団は個人とみなして相続税法を適用するとされており(相続税法第六十六条)、寄附収入については贈与税の対象となるが、相続税法第二十一条の三第一項第三号によって、公益を目的とする事業を行う者が贈与により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なものについては非課税措置がとられており、政治団体が受けた政治活動に関する寄附は、一般的にはこれに該当するものとして非課税とされている。 はっきり条文まで挙げて言っているじゃないか。 一方の事業収入についてはこう言っているのです。 政治団体が各種の事業を行い、収入を得る場今の課税関係については、法人税法により収益事業による所得にのみ法人税が課税されることとされている(法人税法第七条)。 こう言いまして、 各種事業のなかで、収益事業に該当する可能性があるものとしては、出版業(法人税法施行令第五条一項十二号)が考えられるが、これについては、「特定の資格を有する者を会員とする法人がその会報その他これに準ずる出版物を主として会員に配布するために行うものおよび学術、慈善その他公益を目的とする法人がその目的を達成するため会報をもっぱらその会員に配布するために行うものを除く」とされており、政党、政治団体が行っている出版事業については、これに該当するものとして課税対象外とされている。 こう書いているじゃないですか。 自治省、単に理念的なことを言っているのじゃないですよ。あなた方は条文まで挙げてそう言っているじゃないですか。けさ私のところに来た注文とりの職員は、これは国税庁の見解をそのまま書いたものです、こう言っているのですよ。それじゃそう答えればいいじゃないですか。注文とりの方がなお正直で、自治省の見解だけでなしに国税庁の見解でもある。だからこそ、今まで政治的な寄附に対しては税金はかからないし、政党の収益活動も機関紙活動や出版活動にはかからなかった。その当然のことが文章になっているから確認を求めるのに、それすらできないというのは一体どういうわけですか。
○尾崎政府委員 ただいま法人税法の解釈の問題でございましたので私から申し上げさせていただきたいと存じますが、政治団体は、法人税法上人格のない社団等に該当するものと考えられております。人格のない社団等は、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課税されるということになっております。政治団体が受ける寄附金でございますとかあるいは事業収入につきましては法人税法上の収益事業に係るものに該当しないということでございますので、そのために課税されないわけでございます。
○正森委員 だから、課税されないという結論についてはこれは国税庁も認めたわけであります。問題は、なぜそういうことになっているか。収益が上がる場合もあり得るのになぜその収益活動とみなされないのかというところが問題で、そこには哲学があるのですね。その哲学を自治省は「政治団体の非課税の考え方」というところで、議会制民主主義の建前からしてこれに対しては課税しないんだ、こう言っているわけです。これが哲学なんですね。 そこで国税庁に伺いたいと思うのですが、あなた方は今度消費税を施行するについて「消費税法解説」というのを出していますね。その中で、「会報、機関紙(誌)の発行」というところがありますね。我々国会議員に配ったものにはそれほど書いてないのですが、あなた方の部内限りにはこう書いてあります。 同業者団体等が対価を得て行う会報又は機関紙(誌)(会報等)の発行は、資産の譲渡等に該当することは言うまでもないのであるが、 資産の譲渡に該当すると言っているのです。 その会報等の発行費用がその構成員の会費によって賄われているときは、その会報等の発行と収受する会費との間には対価性があるのではないかとする疑問が生ずる。当然ですね。 しかしながら、その会報等が同業者団体等の通常の業務運営の一環として発行され、その構成員に配布される場合は、そこに対価性がないから、その構成員に対する会報等の配布は資産の譲渡等に該当しない。したがって、同業者団体等がその構成員から会費等を受け、その構成員に会報等を配布した場合に、その会報等が ここからが大事なんですよ。 書店等において販売されている場合であっても、その会報等がその同業者団体等の業務運営の一環として発行されるものであるときは、その構成員に対する配布は資産の譲渡等に該当しないものとして取り扱われる。(取締通達五の二の三) こういうぐあいに書いているのですよ。 こういう考え方はこれまでの自治省が言っていた見解とほぼ似ているのですね。 そこで、それに基づいて一月にある税理士さんが国税庁に電話をして、機関紙誌の課税についてはどうですかと聞いたのです。そうしたら、ほぼこの見解を言うた上で、それじゃ政党機関紙はどうなりますかと聞いたら、自民党の自由新報にはかからないが赤旗にはかかります、こう答えたのです。とんでもない話です。そこで、けしからぬというので私自身が大蔵省の主税局と国税庁の担当者を呼んで、こういうことを言っているけれども本当かと聞いたのです。さすが私の前で自由新報にはかけないが赤旗にはかけるというようなことを言えないから、先生そんなことはございません、あくまで平等にいたします、あなた方にもかける、自由新報にもかけます、よく聞いておいてくださいよ、という答弁をしたのです。これならこれでまた筋が通っておるですね。 そうしたら大臣、ここに私が聞き取り書きを持ってきましたが、二月二十三日、つまり私のところへ担当官が来てからしばらくして、また我が党の本部の職員が電話番号二一六-六八一一へ電話したのです。そうしたら、この問題についてはこう答えているのです。今私が読みました基本通達五の二の三で述べられているように、機関紙が通常の業務運営の一環として発行され、その構成員に配布される場合は非課税である、こう答えて、例えば会費二千円のほかに機関紙代五百円を取るという場合でも非課税になるのかという質問に対しても、非課税であるという回答であった。さらに、質問者の、会員外に有料で配布した場合はという質問に対しても非課税という回答であった。 以上についてもう一度念押ししたが、要するに労働組合や人格のない社団、政党ですね、などの機関紙は有料でも非課税である、組織内配布、組織外配布を問わずそうだということであった。そしてこちらから聞きもしないのに、例として、例えば自由新報は、赤旗はいずれも非課税でございます、こう答えているのですよ。我々は報告を受けて、二一六-六八一一という電話番号はどこかと調べたら、これは東京国税局の代表番号じゃないですか。違うのですか。 ですから、ごく最近でもこういうぐあいに見解が分かれ、自由新報も赤旗も機関紙については組織内であろうと組織外であろうと税金をかけない、こう言っているのですよ。そうしたらどうなりますか。こういう公権的な解釈を聞いて、しかも通達五の二の三ということまで言われて、五の二の三を見ると、そういう説明を受ければなるほどと思うようなことが書いてある。そうしたら、それに基づいて四月一日から相手方から消費税を上乗せして取らない、そういう会計処理をするのは当然じゃないですか。つまりあなた方の中でもまだ見解が統一していないんじゃないですか。 しかも、理念はどうかといえば、私が自治省に確かめたように、政治資金というのはこれこれこうだから、寄附についても贈与税はかけない、収益活動と思われる収益を上げているものについても、それが政治活動に使われる場合には課税しない、これは民主主義の原則だ、こう言っているじゃないですか。いいですか、大臣。そういう民主主義の原則からいえば、消費税法が消費に着目して消費者から取るんだというような理屈は区々たる技術論であって、国家の税制には一つの理念が首尾一貫してなければならないのです。一方の政治資金関係だとかそういうものでは取らない、こういうぐあいにやっておりながら、最も基本的な政党の政策宣伝活動、国民からいえば政党の見解を知る活動、そのことによってその政党のそういう部門での政治活動を支える資金供与というものに対して課税するなんというのは首尾一貫しないんじゃないですか。どこに哲学があるのですか。 私は最初に東京新聞を引用したのは、大臣というのは技術者じゃないのですからね、政治家なんですから、だから理念をお伺いしたい。その理念に基づけば、あなた方は通達でも言っているのですから、政党機関紙の通常の運営、配布にはかけないというのが当然じゃないですか。大体が内部不統一じゃないですか。
○村山国務大臣 これは税体系の問題でございまして、先ほど主税局長が答えましたように、所得に対する課税につきましては、人的非課税はそれぞれ法律で定めております。また物的非課税についてもそれぞれ定めているところでございます。そして政党につきましては、人格なき社団で、これは法人とみなされますので、収益事業を営んでおればそれには課税するけれども、収益事業でなければ課税しない、こういう法律の規定になっております。収益事業というのは何であるかということは限定列挙されて業種が並んでおります。したがいまして、政党については原則として課税にならない、こういうことになるわけでございます。 今度の消費税というのはそういうことではございませんで、広く薄く消費者に転嫁するかしないか、こういう問題として設計されているわけでございます。そしてこの種の税というものは、できるだけ非課税をなくすということがやはりこの税を円滑に施行する上に非常に大事なポイントであるわけでございます。したがいまして、米が重要でないなんということはだれも言っておりません。日本にとっては最も大事なものでございますけれども、やはり転嫁をしていただきたい、こういうことで課税しておる。課税といっても、これは転嫁をしてくださいと、こういう意味でございます。そういう意味でやっておるわけでございます。 したがいまして、国に対しましても公共団体に対しましても、およそ事業者という立場でサービスをするあるいは物を売っているというような場合には、国にも地方団体にもやはり課税というシステムをとっておるのはそのためでございます。ですから、政党はもとより日本の政治の骨格をなしておる大事なものでございますけれども、それといえども、やはり事業者に該当すればこれは転嫁をしていただきたいということになるわけでございます。 問題は、今機関紙の発行というところでございますが、対価を得ているか得ていないか、ここの解釈にかかるわけでございます。対価を得ておるとすると、それはひとつ転嫁をしてください、こういうことになるわけでございます。したがいまして、そこで会費収入からやっておるようなものは、これは会費とその機関紙の中には対価性がないんじゃないか、こういう常識判断でございますね。これは業務の一端としてやっておるからそうである。しかし、第三者に、一般の方に有料で売っておるということがあれば、やはり対価だからひとつ転嫁してください、こういうことになるわけでございます。この点は、自由新報もあるいは赤旗も、共産党の機関紙であろうがほかの政党の機関紙であろうが変わりはございません。また、仮に公共団体がやったといたしましてもこれまた変わるところはない、こういうことで御理解いただきたいと思います。 〔大島委員長代理退席、委員長着席〕
○正森委員 一向御理解ができないのですね。今の大臣の答弁は、「この事務的な説明に委員会室はしらけムード」という、この東京新聞に載ったのと同じ評価をせざるを得ないと思うのです。 対価性がどうこうと言いますが、今読みました国税庁の内部資料でも、「その会報等の発行と収受する会費との間には対価性があるのではないか」というふうに、明白に、対価性があるのじゃないか、こう言っているのですよ。しかしながら、会報やら機関紙についてはこれは別扱いにする、こう言っておるので、自由新報であれ社会新報であれ赤旗であれ、発行には紙代から何から一定の費用が要るので、対価性が全くないということは言えないのです。政党の今までの収益事業だって、収益であることには間違いがないのです。しかし、それにもかかわらず、政党はこういう目的があるんだから収益事業として課税しないということになっているので、そうなればそういう考え方の根本にある哲学からいって首尾一貫しないんではないか、こう言っているのですよ。 外国ではどうかといえば、あなたたちは付加価値税ということでしばしば外国を引用しますけれども、例えばイギリスは新聞については機関紙を含めてゼロ税率ですね。だから、消費者から金を取らないだけでなしに、紙代とか印刷代だとかいうように、かかった仕入れ経費もこれは全部返してもらうということでゼロ税率であります。最近法案が通りました例えば韓国あるいは台湾というようなところを見ましても、これは政党機関紙を含めて新聞は非課税ということになっているのですね。誤解のないように言っておきますが、私どもは消費税そのものが逆進性があり悪税である、不公平税制であるというように思っております。だから、こんなものをやめればこういう問題はそもそも起こらないのですけれども、しかし、こういうぐあいに、導入したところでもゼロ税率で除外するとかあるいは非課税で除外するとか、そこには一定の哲学があるんですね。 今度の最小限にした消費税についても、あなた方の言い方によれば、本来なじまないものというので保険料だとか利子だとか、これだって考えようによれば、利子というのは銀行の融資という非常に大きなサービスに対する対価だから対価性がある、もうかっている銀行の利子にかけないのはおかしいという議論だってあるんですよ。有名な学者が言っておられます。あるいは学校の一部あるいは福祉の一部だって非課税にしているでしょう。あなた方だって全部が全部広く薄くというようにはやっていないんですね。 ですから、私どもはそこには一貫した哲学がないということを指摘すると同時に、国税庁及び主税局にそういうように私どもが電話をかけて聞いても、あるいは直接会って聞いても、三回聞いたら三回とも違うんですから。両方ともかかるというのがあるし、自由新報はかからぬが赤旗はかかるというのがあるし、両方ともかからぬというのがあるし、こんなことでどうやって四月一日から対応ができますか。私どもは聞いたときに余りおかしいからちゃんとメモをとったのです、二一六-六八一一、二月二十三日午前と。おかしいじゃないですか。 そこで、どうも答弁ができないらしいから次に行きますが、読売新聞に記事が載っているんです。読売新聞の六十二年九月四日号を見ますと、政治資金パーティーのことが載っているんですが、それでどう言っているかというと、これはゼネコン、建設関係の会社です。「年間一兆円以上の売り上げがある「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」「竹中工務店」「大林組」を大手五社という。」この五社のうちのある役員がこう言っているんですね。「私たちは受注産業ですから、パーティー券を頼まれて、むげに断ると、公共事業など受注の邪魔をされるとの思いがどうしてもつきまとう。一種、身の危険を感じて、相応のおつき合いをするわけです」、よく聞いておいてくださいよ、特に私より左の皆さん方は。 そうして、「このA社の場合、昨年一年間で、パーティー券費用として五億五千万円も使ったという。」政治資金の最高は一億ですから、明白な違反なんです。「もちろんこれまでの最高だ。通常の政治献金とは別枠なのは言うまでもない。この費用はいずれも交際費として支出された。当然課税されるわけで、税金も含めると約九億三千万円。本当に冗談じゃないよ、と言いたい。」この人はこう言っているんですよ。我々こそ冗談じゃないよと言いたいです。 これに対してやはり非課税なんですよ。これからも非課税にしようというらしいというのは、私が担当官を呼んで聞いたらそういう意味のことを言っているんです。そういう扱いにしながら、事業者がやるものだから課税は当たり前だというようなことを言って、一体そこに民主主義に対する、政治資金の課税に対する哲学があるんですか。私は、全くないと言っても言い過ぎではないと思うのです。 主税局長はまたこちらを見て技術的な答えをしようと思っているようなんだけれども、今私が聞いているのは政治哲学について聞いているんですから、あなたじゃ、学生時分は哲学できたけれども、今は主税局長としてそれに答える立場ではないのですね。答えられるのは大臣だけなんです。おかしいと思いませんか。大体このゼネコンの「一種、身の危険を感じて」出すような、政治資金規正法をはるかに違反しているような、そんなものは非課税だ。国民がその政党の意見を聞こうとして零細なお金で買い、そしてその政党の正当な機関紙活動を支持するというのは課税だ。どこに一貫した哲学がありますか。あるのは、何でもいいからかき集めようという精神だけじゃないですか。これは哲学じゃないんですよ。
○尾崎政府委員 今度の消費税の哲学は、まさに薄く広く消費そのものに課税をするというところにあるわけでございまして、そのために非課税につきましてもできるだけそういうものがないように配慮してあるわけでございます。 御指摘のございました外国の例、新聞につきまして課税している国もございますし、課税していない国もございます。しかし、それは新聞についてそういう判断をしているということでございまして、政党の機関紙について判断をしているというわけではないようでございます。 それから、パーティーの話でございますが、消費税と政治家のパーティーとの関係でございますけれども、だれが主体としてやるかということでございますが、もしも法人とみなされる人格なき社団のようなものが主催をしてこのパーティーを行うということになりますと、これは先ほども申し上げましたように、法人税でいいますと収益事業であるかどうかということになるわけでございますし、それから、消費税といたしましても対価性の判断の問題が出てこようかと思います。それからまた、個人等が主催をする、あるいは何か大勢の方が集まって一回だけそういうパーティーをやるということになりますと、これはもう事業として行われているものではないと思いますので、消費税の対象にならない、そういう意味で申し上げているわけでございます。 あるいは国税庁の方からお話しした方がよろしいのかもしれませんが、政党の機関紙につきまして解釈が分かれているという御指摘で、まことに申しわけございませんけれども、これはあくまで先ほど大臣から申し上げましたように対価性の有無の問題、単なる会費であるのか、それとも対価性のあるものであるのかということでございますので、御指摘のような政党の機関紙の場合にはやはり対価性があるのではないかというように考えます。
○正森委員 時間の関係でこればかりやっておれませんが、しかし、少なくとも今の説明を聞いても、純枠な技術論であって、一貫した政治資金あるいは政治活動資金についての哲学がないと言わざるを得ないと思いますし、特に実施部隊である国税庁の意思不統一といいますか、そういう混乱という点で、まだ十分に実施上の体制もあるいは意思統一もできていないというようにみなさざるを得ないという点を指摘して、次の問題に移りたいと思います。 最近、国税庁が国税庁職員に対して思想調査を行い、あるいは組合所属を調べ、それをもとに特に全国税労働組合に対して言語道断の人事差別を行っていたことが明らかになりました。全国税の組合も国税庁長官と交渉を行ったということが報道されており、ここに全国税の機関紙である「全国税」という新聞を持ってまいりましたが、その二月二十八日号には、国税庁の犯罪的労務政策徹底糾弾ということで、ほとんど新聞を全部使いましてその内容が載っております。 これを拝見しますと、組合差別というよりは、その根本に思想差別があり、その中で特に日本共産党を徹底的に敵視しているという問題があります。したがって、これは単なる組合の問題ではなく、我々政党自身の問題としてこういう事実についてお伺いしなければならないというように考えるわけであります。 そこで伺っていきたいと思うのですが、毎年八月の中旬ごろに全国国税局総二担当官研修会議というのを国税庁本庁で行っているようであります。我々はその関係の資料を入手いたしました。この中には極秘と書いてある資料もありますが、入手したのですが、例えば一番近い六十三年は、この資料によりますと八月十八日と十九日に国税庁の第二会議室で行われております。ここに座席表の一覧表もついておる。これは毎年だれがどこへ、どこの管内がどこへ座るかということまで決まっておるのです。本庁側の真っ正面には、やはり大きいんだな、東京、大阪がだあんと威張って座るようになっておる。一番端は福岡だとか高松だとか沖縄だとか、そういうところが座る。ということで、出席した者の名前もわかっております。 ところが、あなた方は全国税の労働組合の交渉において、長官も出席したようでありますが、総二担当者の研修会で公式なものではないとか、会議の通達はない、公式には確認できないとか、慣例的に集まることになっているとか、だれが招集した会議かは知らないとか、調査をしたがそういう会議を開いたという記録はないとか、言い逃れに終始しておるのです。記録がないところか、現に正森成二が持っているじゃないか。ここにあるじゃないか。それをそういうようなことを言って逃げようとしたって、それはだめなんだ。 こういう会議を開いたか、それはだれが招集したか、その会議の費用、十一の国税局管内と沖縄出張所から、総二担当の課長補佐と係長が二名ずつ出ておりますね、だから全部で二十四名。そんな金、ポケットマネーで出せるわけがない。その出張旅費、宿泊費等はどうしたか、まずそこから答えてください。
○水野(勝)政府委員 会議という点につきましては、記録がございません。ただ、例年この時期には、定期異動後でございますので、こうした事務につきまして各局関係者が集まって研修をするということはやっておったようでございます。これは研修でございますから、当然出張命令が出て、その出張旅費は各国税局におきまして支給がされておるというふうに考えております。
○正森委員 ややあいまいでありますが、研修を毎年行っておるということと、その旅費は出張命令が出て各所属国税局が出しておるということは認めました。 そうすると、これは公の会議ですね。趣味で集まって何かしゃべっておるんじゃないですね。
○水野(勝)政府委員 会議開催計画に基づきまして長官が招集をするという意味での会議ではございません。ただ、研修でございますから、これはその担当者が仕事の一環としてやっていることでございますから、私的にやっているというものではございません。
○正森委員 そうすると、私的にやっているものではない、担当者がその仕事の一環としてやっているということになりますと、総務課長が例年出席してあいさつをしておりますが、総務課限りの公の会議だ、こういうことですか。
○水野(勝)政府委員 このような事務に限らず、それぞれ担当者におきましては、その関係の庁の関係者が音頭をとって研修をやるために集まることもございますし、それは関係の局だけで集まることもございますし、また関係の国税局から単独で庁に来るということも、もろもろございます。
○正森委員 仮にそうだとして、総務課というのは官房の一番中枢ですけれども、そういうところでやる会議が長官に報告されない、次長にも報告されないというようなことがあり得るんですか。 ここに私は総務課長あいさつというのを持ってきました。毎年同じようなあいさつをしているのですね。その状況によって、消費税の導入があるとそこだけが変わる。同じような部分を読んでみましょうか。いつでもこう言うんですね。 暑い中、きょう、あすの研修会議にお集まりいただき御苦労さまです。 今回の会議は、全局の総二担当者が一堂に会し、職員団体に係る問題について各局の実情や問題意識を踏まえて論議できる唯一の機会です。活発な発言をされこの会議を有意義なものにしていただきたいと思います。唯一の機会だ、こう言っているのですよ。 そして、全国税を敵視して、 全国税の本質は、過激な行動により職場を混乱に陥れた昭和三十年代と全く変わっていないので、日常の平穏さに安住することなく、職場秩序を維持するための適切かつ的確な対応がとれるよう、日ごろから庁との連絡を密にするとともに、署の指導についてもよろしくお願いします。 こう言っている。これが第一です。 第二がまたけしからぬことを言っておる。 第二に、国税部内の秘密資料を共産党等の議員に提供し、国会の場で取り上げさせるとかまたは庁局幹部への要請行動を行わせ、当局側の税務行政、人事行政を牽制する戦術をとっていることであります。 この際、機密文書の作成、保管等その取り扱いについては従前にも増して的確化が図られるよう一層の配慮をお願いします。 こう言っているじゃないですか。何ぼやっても、悪いことをやったら天網かいかい疎にして漏らさずで、その共産党議員にこういうぐあいに手に入っているのです。我々は、我々の判断として政党の立場から追及しているのです。それに対して、国会の場で取り上げさせるとか要請行動等を行わせるとか、何事だ。こういうことを、研修か何か知らぬが、もってのほかじゃないか。我々は、全国税から言われようが言われまいが、こんな内容が書いてあるのを独自に国会議員として取り上げるのは当然であって、あなた方に抗議するのは当然であって、それを国会議員が行わされておるとか行わせとか、総務課長、ここにおるか。答弁しなさい。
○水野(勝)政府委員 さきに申し上げましたような研修でございますので、私どもとしてそうした資料は残っておりませんし、確認もできていないところでございます。
○正森委員 残ってないなどということがありますか。何年か前の資料が私どものところにちゃんと手に入って、しかもこの内容を見ますと、「職員団体組織現況調査について」という項目があり、 イ 職員団体組織現況調査については、四十八年八月六日付官総秘二-九「職員団体の現況調査」(通達)により報告していただくことになっているが、本日、お手元に配付した様式により例年のとおり六十二年十一月一日現在で調査し、十一月十五日までに庁総務二係に報告していただきたい。 こう書いているじゃないですか。あなた方に組織がなくてどうしてこんなことができますか。四十八年八月六日付官総秘二-九、そこまでちゃんと書いているじゃないですか。 しかも、あなた方のこの書類を見ると、けしからぬことには歴然たる思想調査を行って、マル特調査表、マル特職員等の名簿及びその調理要領等、総二個別カード、こういうものをつくっているじゃないですか。 ここに総二個別カードを持ってきました。極秘と書いてある。昭和三十八年から始まっています。個人の名誉の関係から、本当はここに写真があり、ここに名前やら住所が書いてあるけれども、その部分は消してきた。全部調べて、しかも外部団体との関係のところでは、例えば四十九年、㊨共、これは公安調査庁の調べでは共産党だということです。五十三年、局P、これは国税局が党員だとみなしたということです。六十年三月、警察P、つまり警察やら公安調査庁と連絡をとって思想、信条を調べて、それに対してさらに当局が判定を加えておるということを示しているじゃないですか。こういうものがちゃんと出てきているのですよ。資料がないなんて言えますか。
○水野(勝)政府委員 御指摘のような点につきましては、組合との交渉の場におきましても指摘のあったところでございます。しかし、国税庁といたしましては、職員につきましての思想、信条の調査をするというようなことはいたしてきておりませんし、また、御指摘のような、今摘示されましたようなもろもろの書類等につきましても、国税庁として確認はできておりません。心当たりのないところでございます。
○正森委員 確認のしようがないのですよ、余りにもやっていることが、憲法にも国公法にも違反するから。だからああいうぐあいに、まだ主税局長をやっているときは多少本当のことを言っていたけれども、真っ赤なうそをつくよりしようがないような立場に追い込まれているのですよ。 私、あなたに対する同情心から言わなかったけれども、あなた自身この会議に参加しているのですよ。昭和四十七年に国税庁の参事官だったでしょうが。参事官はこの会議に参加することになっているのですよ。だからあなた自身知らないというようなことはないはずなんです。本当は、この間かわったばかりで前任者の責任をかぶせられたら気の毒だと思って多少手かげんしようかと思ったけれども、四十七年、自分が庁参事官で参加しているのです。百も承知なのです。それがぬけぬけとうそをつく。こんな国税庁を国民が消費税で信用できますか。 思想、信条を調査し、国税庁の職員に対して、特に全国税に対して徹底的に差別する。我々がいったら、そういう誤解を招かないために、だれがどの組合に入っているかというようなことは存じておりません、調べもしておりません、それぞれの仕事ぶりなどに基づいて評価して人事を行っている、こういうぐあいに言っておった。今度出てきた書類を見ると、何と言われてもそういうように答えろという答弁のマニュアルまでついているじゃないか。それで我々に答弁している。そうして一方では、ここに持ってきているけれども、組織状況ということで、全国税の組合について、その加入状況から年齢別の構成から事務系統別から、それを男と女に分け、採用年度を分け、加入脱退状況まで事細かに調べているじゃないですか。そういうことをやっておいて、そんな資料がないというようなことが言えますか。長官でも次長でも総務課長でもいいから、良心の一片でもあればここに出てきて答えなさい。
○水野(勝)政府委員 御指摘のように私も参事官をやっていたことはございますが、私のときにそうした研修と申しますか、そうしたものが行われたというふうには私も覚えておりません。 それから、御指摘のようなもろもろの事柄につきましては、いろいろのところから話もあったところでございますけれども、それが国税庁の資料であるといったことにつきましての確認はできてございません。
○正森委員 今やっと確認はできておりませんというように、余りうそをついてばかりおると思われてもいかぬから、確認ができておりませんというように言いましたが、例えばこのマル特調査表を見ますと、T、M、S、Hというような記号がついておって、 本表は、職員のうち日共党員、民青同盟員、 日共シンパもしくは反戦青年委員会等の新左翼 団体員について、(特)職員等の名簿に基づき作成 する。 (特)区分欄のTMSHはそれぞれ次による。 T 日共党員と思われる者 M 民青同盟員と思われる者 S シンパと思われる者 H 反戦青年委員会等の新左翼団体員と思われる者 というようになっておりますし、そしてささまざまなことが決められているのですね。例えば、消費税についての講師活動や講師活動のための学習会についても詳細に調べさせていますが、重大なことは、この情報は司法情報あるいは公安情報で、公にできないので対処しにくいというようなことまで書いてあるのです。つまり、単に局の情報だけでなく、公安調査庁や、司法警察だから警察、そういうところから情報をもらって知った、だからそのことを言えないから対処がしにくいということまで書いているのです。もってのほかじゃないですか。 そこで公安調査庁に伺いますが、この資料の一部を見ますと、ほぼ毎年、公安調査庁の一係から出かけていって講演をしておるようであります。昭和六十三年の八月のときには公安調査庁調査一部の畑中補佐が行って「日共の全商連に対する指導」、こういうことで二時間にわたって講演をしておりますが、こういう事実がありますか。あるとすれば、だれの要請により、だれの指示により行ったか、それはまた破壊活動防止法何条の規定において行ったか。
○中津川説明員 お答えいたします。 一般論といたしまして、他の行政機関から研修等の講師ということで派遣要請がありますれば、それに応じて当面の治安情勢等、講師として話をすることもあるということでございます。 この関係の根拠でございますけれども、これは行政組織法の第二条ということによっております。 以上でございます。
○正森委員 あなた、行政組織法の二条なんて言って、行政組織法の二条で何でもできると思っているのですか。公務員には守秘義務があるのですよ。 あなた方は日本共産党の中に協力者というスパイを送り込み、いろいろ調べているんじゃないですか。「日共の全商運に対する指導」についてなんというのは、そういうものだとかあるいはひそかに入手した資料とか、そういうものがなければ言えないじゃないですか。あなた方は、破防法によれば、ある事件についてはそれは警察と情報交換しなければならぬ、こうなっている。もし規制措置をとれば国会に報告しなければならぬとなっている。それ以外に、あなた方が職務上知り得たことについて、たとえ相手が官庁とはいえ、そういうことを話をしに行くなんということはもってのほかのことじゃないですか。それとも、一般的に、言われれば行くというなら、ここに書いてある講演した内容は、秘密でも何でもなく、我々日本共産党国会議員団が出てきて話をしろと言えば、逐一同じ話ができるのですか。そういう性質のものですか。いささかも秘密はないということであれば、我々が要請してもやるのか。 特に公安調査庁というのは人権上重大な問題があるからというので、二条三条で重大な制限が加えられているじゃないですか。それなのに、あなた方が職務上知り得たことについて、たとえ相手が官庁とはいえ、職務上知り得たことについて二時間にわたって講演する。題名を見ただけでも「日共の全商運に対する指導」、こうなっているじゃないですか。そんなことが国家行政組織法の二条でやってもいいということになれば、国家公務員法の職務上の秘密だとか破防法の各種制限規定などというのは空文に帰するのじゃないですか。
○中津川説明員 今大きな法律的な枠組みといたしまして行政組織法の二条ということを話したわけでござ要すけれども、そのほかに、具体的には公安調査庁設置法の第四条、それから法務省組織令の第八十一条、これに基づいてやっているわけでございます。
○正森委員 そういう根拠でそういうことができるというなら、我々の方でもまたそれに基づいて、さらに公安調査庁、特に国税庁とは分離して話をしていきたいと思います。 時間の関係できょうの午前中の時間はほぼ終わりますので、もし若干超過しましたら午後の分から引いてください。 そういうことによって組合員の昇任について明白な差別が行われております。ここに全国税労働組合が一九八九年一月に調べた「組合所属による八級以上のポスト・昇任差別の突先調査」というのがあります。これを見ると、とにもかくにも十期から十四期まで、昭和二十五年採用から昭和二十九年採用については全国税組合員も八級ポストに若干ついておりますが、その比率は全国税組合員以外に比べるとはるかに少ない。例えば十四期については、それ以外の在職率は九七・一%なのに全国税組合員はわずか一七・六%であります。さらに十五期の昭和三十年採用以後に至っては、全国税組合員は今に至るまでゼロ%であります。一人もなっていない。ところが、全国税組合員以外は、例えば昭和三十年採用は九五・九%、翌年は九六・二%、その次が九六・九%というように、非常に高いポスト在職率を示しております。また、税務署の最も中心的ポストである統括官には全国税組合員は全く発令しておりません。 これらは、最高裁の判例にもありますが、大量に観察した場合に余りにも差があるという場合は、それは通常の人事行政上の差別ではなく、一党への思想的な、あるいは組合による差別と推認できる場合が多いというのが最近の最高裁の考え方であります。 今まで、全国税組合員であるかどうかは全く知らない、能力等々の評価によってやったと言っていたけれども、それがこれらの入手された総二担当官会議によって明白にうそであるということがわかった以上、あなた方のこの昇任あるいはその他の差別について、何と言い開きするのですか。こういうものは速やかに是正すべきじゃないですか。あなた方は国税庁長官交渉でいつでも、そういうことはやっていない、こう言っていたじゃないですか。消費税も導入された現在、国会も承認して人員を九百名も増員することにしました。それは税務署その他の職員が過労の中で一生懸命働かなければならないから、そうしなければ税務行政を行えないからというので認めたのじゃないですか。それなのに、千名を超える一方の組合に対してはこういうあからさまな差別をやって、憲法にも違反する差別をやって、結果として労働意欲に悪影響を与えるのは当たり前じゃないか。それで国税庁の、税務署の任務が果たせますか。 こういう明白な差別について、少なくとも具体的な実態について承知しているはずです、等級別の人員まで調べているのだから。答弁。
○水野(勝)政府委員 委員御指摘のように、人事配置はまさに職場の効率が最高度に発揮されるように適正公平な人事を行うというのが基本原則でございます。その場合におきましては職員個々の適性、能力、勤務実績等を総合勘案して行ってきているところでございまして、御指摘のような職員団体の加入の有無あるいはどの団体に加入しているかによってそうした人事差別を行ってきているということはないわけでございます。なお、大事に当たりましては、そうした観点からの適正公平な人事が確保されているかどうか、また確保されるよう絶えず見直しを行ってきておるところでございますし、今後ともそのような方向で適切な人事を行ってまいりたいと考えてございます。
○正森委員 時間が超過しましたので、午後の時間から引いてはいただくことになっておりますが、昼食もございますのでこれで一応終わらせていただきますが、今まではそういう答弁は白々しいなと思いながらも、そう答弁せざるを得ないかなという感じもありましたが、こういう資料を組合だけでなしに我々も入手した今となっては、白白しいでは済まないですな。厚顔というかな、普通は厚顔の下にもう二字、何とかつくんですな。しかし、それをつけると多少気の毒だからあえて言わないけれども、我々は今のような答弁には断じて納得しない。恐らくこの席におられる委員諸兄も、自由民主党も含めて、建前てしようがないから言っているのだなという印象を持たれたに違いないと思います。 さらに我々は、大蔵委員会だけでなしに、その他の可能な場でこの問題をやはり明らかにしていきたい。ぜひこういう点について反省をして、資料があるかどうかを調べ、そして速やかにそういう不当な人事行政を是正することを強く要望して、午前の部はこれで終わらせていただきます。 ―――――――――――――
○中村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。正森成二君。
○正森委員 それでは、午後は関税定率法の改正案について質問をさせていただきます。 まず第一に、牛肉・オレンジの自由化につきまして昨年六月十九日に決着をいたしましたが、農水省からその内容について簡潔に説明してください。
○太田(道)説明員 日米、日豪の牛肉の合意内容の概況について御説明申し上げますと、まず牛肉につきましては、輸入枠の撤廃時期が一九九一年の四月一日、いわゆる移行期間が三年間でございます。それから、移行期間におきますアクセスの改善といたしまして、輸入枠の拡大を毎年六万トンずつ拡大していくということがございます。そのほかに、特別枠でございますホテル枠について、八八年度一万トン、八九年度一万三千トン、一九九〇年度一万六千トンという形で拡大していく等の内容がございますし、それから事業団の同時売買の運用改善ということで、その比率を八八年度三〇%、八九年度四五%、九〇年度六〇%という形で拡大していくということがございます。 それと自由化後の措置といたしまして、国境措置につきまして九一年度七〇%、九二年度六〇%、九三年度五〇%、九四年度以降につきましてはウルグアイ・ラウンドの関税交渉に任せるということでございます。 それから緊急調整措置といたしまして、発動基準が前年度の輸入実績または輸入可能量、いずれか高い方の一二〇%に立ち至った場合に輸出国と協議いたしまして、協議が調った場合には数量制限、数量調整を行いますし、調整が調わない場合である期間を過ぎた場合には、関税を九一年度は九五%、九二年度は八五%、九三年度は七五%に引き上げるというような内容になっておるわけでございます。 おおむね概要はそういう感じでございます。
○正森委員 つづめて言いますと、牛肉・オレンジ等について三年後に自由化する、そのかわりに一定の関税措置をとるということのようでありますが、毎年約六万トン牛肉の枠をふやすというのは、我々の承知しているところによれば、一九八四年から八七年の輸入枠拡大の六倍のスピードじゃないですか。 それからまた、関税を固定関税で一定の措置を本改正案でもとるのですけれども、当初農水省はガット上も認められている課徴金、名前が角が立ったらいかぬというので調整金という呼び方をしたこともあるようですが、その課徴金制度をとるというようにしていたのに、なぜこういうように譲歩したのですか。
○太田(道)説明員 日米の牛肉交渉の経過につきましては、事柄の性格上つまびらかにできない部分もあるわけでございますけれども、牛肉の国境措置について、日本側が当初牛肉の価格安定制度とリンクいたしました課徴金制度を提案したことは事実でございます。これに対しましてアメリカ側が受け入れ不可能としたということでございまして、日本側は日本側の提案の正当性につきまして理解を得るべく最善の努力を傾注したわけでございますが、ついに理解を得ることができなかったという経過になっておるわけでございます。 しかし、その後の協議を通じまして、関税と組み合わせました緊急調整措置の枠組みにつきまして、アメリカ、豪州の理解を得ることができたということがございますし、我が国といたしましては、輸入数量制限をめぐります厳しい国際世論、それから我が国の置かれている国際的立場の重要性を考慮いたしまして、また新たな国境措置の導入と国内対策により、現行の輸入数量制限に代替し得る可能性をも探求した結果といたしまして、一応この決着であれば国内牛肉生産の存立を守り得るぎりぎりの線であるということで、こういう形で決着をしたというふうに判断しておるところでございます。
○正森委員 あなたの答弁は、交渉経緯は事柄の性質上つまびらかにできない点がある、こういう点がありましたが、それは交渉の経緯を報道した新聞をトレースすれば全部出てくるのですね。それからまた、日本農業を守るぎりぎりの線は守れると思うと言っているけれども、これはあなた方の今回の決着前の言明に全く反しているのですね。あなた方の最高首脳もそんな見解はとってなかったのですね。 例えば一部の新聞を読み上げますと、五月十二日の毎日新聞では、農水省は、「課徴金はドル安などに伴う輸入価格の低下に弾力的に対応し、国内生産者を有効に保護できるが、関税では守り切れない」こう同省幹部が言っている。また、自民党内には課徴金新設を絶対条件ということにして自由化反対論を下火にしたということがあるので、課徴金というのはある意味では非常に生命線的な条件だったのですね。例えば五月十三日の日経ではこう書いております。「固定した関税では国際価格の変動に対応できず、(国内生産維持に必要な)安定価格制を維持できない」ということで、畜産振興事業団関係あるいは農水省もそういうぐあいに言っておる。あるいは五月十五日の日経では、「国内生産を維持するため、安定価格制度と連動した変動性のある国境措置は不可欠」これは課徴金のことですね。「自民党農林族には「サミットで首相がいい格好をするのと、日本農業の将来とどちらが大事か」と、首相官邸主導の早期決着論に反発する動きが出ている。」ということで、六月のサミット前の首相官邸の動きに対する批判が自民党内で非常に強かったということが認められております。 あるいは自民党農林族の間では、農林族がどういう方か私は一々名前を挙げませんが、「ガットでも認められた課徴金を放棄すれば、わが国畜産は崩壊する」という考えが自民党農林族には非常に強い。それがなぜこういうような全面的な譲歩になったのかということで、例えば「二月の畜産振興審議会の答申を受けて、生産者は、七十年までに生産コストを二-三割下げるよう懸命な努力を始めている。その間に為替の急激な変動、資材価格の高騰、国際需給の変化など、生産者の手の届かないところで大きな変化があったら努力は水の泡になってしまう。それを防ぐためにも変動課徴金でなければならない」これは五月十八日の毎日新聞。農水省は官邸側の固定関税でいいではないかという意見に対して「素人の議論だ。価格安定制度と連動した変動性のある調整金でないと、国内の畜産は大打撃を受ける」、これは五月十九日の日経新聞。断っておきますが、赤旗じゃないですよ。大企業が一番バックアップしている日経の中でこういうことを書いているんですね。 ところがあなた方は、日本の畜産を守ることができないとか、壊滅してしまうというように言っていたことに同意したんでしょう。それで本当に日本の畜産やみんな守れるんですか。ほかに資料もありますが、とても守れないと言っているのが実情じゃないんですか。
○太田(道)説明員 肉用牛の生産の近代化を図るための方針といたしまして、酪肉基本方針というのを私ども策定しておるわけでございますが、この中でいわゆるコストの低減努力ということを標榜しております。当然私どもといたしましては、そのコストの低減努力ということで二、三割下げるということを言明しておるわけでございますけれども、そういう生産性の向上努力というものを行うことによって、その生産の条件との絡みで、関税率七〇%、六〇%、五〇%ということで設定したという経緯があるわけでございます。 もちろんこの条件が非常に変わってきた場合に、非常に問題であるということの措置として、相手国との合意があれば数量規制もとり得るし、プラス二五%の関税上乗せをするという措置も含めた要するに緊急調整措置ということを講じたということでございますし、さらには、私どもとしては国内対策の充実を図ることによって、やはり国内の肉用牛生産の基盤というものの確立を図っていく努力をしていくということでございます。
○正森委員 今あなたの話に出ましたが、緊急調整措置というのは緊急輸入制限のことでしょう。ところが、報道を見ますと農水省自身が、緊急輸入制限というのは、今まで反対反対と言っていた自民党農水族などのメンツを多少立てるにはいいかもしれないけれども、実効性はないと言っているじゃないですか。ここに幾らでも新聞があるよ。その発動の条件が非常に厳しいから実際上はほとんど発動できない、発動しても変動性のある課徴金なんかとは違うから、緊急輸入制限では日本の農業、特に畜産を守るには不十分であるということを農水省は終始言っていたじゃないですか。それなのにそういうことで大譲歩をする。韓国やインドネシアの国会でも、国内の畜産だとか農業を守るために、断固として輸入自由化には反対であるという国会決議をしているじゃないですか。ECでは日本の何倍というような補助金を出しているけれども、それで生産を保護して、輸出でアメリカと競争して、ある意味ではアメリカを撃破するということをやった上に、断固として自由化なんかは拒否しているじゃないですか。それでなくてもアメリカの総輸出量の八割を輸入している日本が、なぜ譲歩の上に譲歩を重ねなきゃならないのですか。経済主権を放棄したものだという声が出ているのも当然であり、最近農村地帯で自民党が選挙で大きな打撃を受けているのも、リクルートや消費税だけではない、農産物自由化についてのふがいない態度、日本の農業を守ろうとする姿勢がないということが一つの大きな要素だと言われているじゃないですか。なぜこんなに譲歩に譲歩を重ねるのですか。
○長富政府委員 今先生のお尋ねで、農水省からお答えいただく前に、事実についてもう少し御理解いただいた方がいいのではないかと思う点が若干ございますので、御説明申し上げます。 今先生が緊急避難の措置は輸入制限措置ではないか、こういうふうにおっしゃいましたが、部分的にはそうでございますけれども、これは、輸入量が二〇%程度を上回る場合に、先方と話し合いまして数量的に制限する。この限りにおいて先生の御指摘でございますが、さらに話し合いがつかない場合には緊急関税措置を講じる、二五%を乗せるという形にしておりますので、その点弾力的な発動が可能になっているのではないかと思いますので、補足いたしておきます。
○太田(道)説明員 牛肉の自由化対策につきましては、国境措置も私ども非常に大事なことだというふうに考えておりますけれども、国内の対策ということも非常に大事であるというふうに考えておるわけでございまして、肉用子牛の価格低落時におきまして、肉用子牛の生産者に補給金を交付する等を内容といたします新制度を平成二年度から発足させることにしておるわけでございます。この財源といたしましては、牛肉等の関税収入を相当額充当するということで、前国会におきまして畜産二法が制定されておりまして、既に所要の立法措置が講じられておるということでございます。 また、私どもといたしましては、この価格変動に対応する緊急措置といたしまして、現行の肉用子牛価格安定制度の拡充強化、肥育経営等の安定対策の拡充強化、低コスト生産の推進対策、それから流通の合理化等、六十三年度の補正予算あるいは元年度予算、それから畜産振興事業団の指定助成事業等を通じまして所要の財源を確保して、きめの細かい対策を実施していくということを考えておるところでございます。
○正森委員 今いろいろ答弁しましたけれども、大体、農水省関係の研究所が輸入自由化以後の状況についてシミュレーションで計算したら、我が国の和牛は十分の一に激減するという結果が出たんでしょう。今あなたがいろいろお金を出すと言いましたけれども、それは結局こういうことを前提として、今後は国内の畜産を守るというのじゃなしに、つぶれていく畜産に対して補助金政策で国が千五百六十億円とかなんとか緊急対策で金を出して、そして苦痛を和らげるという政策をやるだけじゃないですか。ECなどのように、真っ向から自分のところの農業や畜産を守るという姿勢とはほど遠いんじゃないですか。 しかも報道によりますと、消費者にとっても必ずしもメリットだけではない。「現在、世界の牛肉貿易量は、全生産量の八%(約百八十万トン)程度にすぎず、わが国はその一二%を輸入している。また、アメリカが輸出している牛肉の八〇%はわが国が買っている。このため、海外の生産、気候、経済変動などで輸入価格が変動した場合、国内価格にストレートにはねかえる。」「自由化の影響で国内生産が不安定になったり、一時的な国内需要の急増や過剰な買い付けで、国内市場が混乱することも予想される。」これは去年の六月二十日の読売新聞であります。こういうように、一たび我が国の和牛の生産なんというのが壊滅的打撃を与えられれば、あとは世界的な価格の変動にゆだねられてしまうのですよ。それは必ずしも今安くなるからいいじゃないかと思っている消費者にとってもメリットだけとは言い切れない、こういう点があるんじゃないですか。 あなた方はニクソン内閣時代のフラニガン報告でどう言っているか知っていますか。
○副島説明員 フラニガン報告につきましては、東京ラウンドが始まりますころ、一九七三年でございますが、アメリカの総合的な農産物交渉戦略を取りまとめるという趣旨で、時の大統領補佐官のフラニガン氏の発議で取りまとめられたというふうに承知をしております。この当時のアメリカ農業のいわば比較優位を利して、どういうふうな攻め方ができるのかということで、品目的にはいろいろアメリカ国内でも問題があるけれども、一応完全自由化を東京ラウンドの交渉の戦略として進めていってはどうかというような提言がなされているというふうに承知しております。
○正森委員 同僚議員からもっと大きな声でというような不規則発言がありましたが、幾ら声を大きくしても、今の発言では意味不明でわからぬですね。それはなぜかというと、一番肝心な点を隠しておるから意味不明でわからないのです。したがって、以下私が声も大きく、与党にもおわかりになるように、フラニガン報告というのはどういうものかということを念のために御説明したいと思うのですね。 このフラニガン報告というのは、一九七二年に当時のニクソン大統領の補佐官のピーター・フラニガンという人が専門家チームにまとめさせた報告なのですね。そして七三年四月に米上院の農林委員会で暴露されて、我々が承知することができるようになったという内容であります。 その内容の根本はどこにあるかというと、これは仮定Ⅰ、仮定Ⅱというように仮定を置きまして将来のことを予測しているのですが、「同文書は穀物・飼料・畜産で完全自由化すれば米国にとって国際収支で八十億ドルの大幅な黒字効果、財政では農産物が売れるため政府として農業支出を削減でき四十億ドルの負担軽減になる」こういう状況を予測して報告し、同時に、その場合日本はどうなるかということも書いてあるのです。その日本はどうなるかという部分を読みますと、この結果「日本は国際収支で百四十億ドルのマイナス、財政では農民保護のため四十~四十五億ドルの負担増。でなければ農民が四十億ドルも所得を減らす」こういうように明記してあるのです。今国内で財政措置をとっていろいろやるというのは、今農水省の役人が言いましたが、まさにフラニガン報告にあるとおりのことを補助金という格好でやろう、こうしているのです。 それで、さらに結論としてこういうように言っているのです。「日本を納得させて牛肉を自由化させられれば、供給が急増しても日本が安全弁になる」こう言っているのです。つまり、アメリカで供給がふえた場合に、日本を掃きだめとして安全弁として使うということを言い、それによって日本が国際収支でも財政でも、あるいは農民の所得で大きな打撃を受けるということを言っているのです。その肝心のことを農水省、あなた言わないじゃないですか。初めは小さい声で、次いで大きい声で言ったが、肝心のことは言わない。それではこの大蔵委員会で関税関係の審議をするのに、国民の前に真実を明らかにすることにはならないと思うのですね。 そして「相手が応じてこなければ(米国の)工業品関税をむしろ引き上げるというアメとムチの方式が必要」つまり向こうも、日本が自動車だとか電気製品をどんどん輸出してくるから、ある意味ではこれを人質にとって、この輸入を保証してほしければ農業で譲歩しろ、こういうことで、日本を米国にとっての安全弁にするというのがこの農業交渉なんですね。そして、それに全面的に屈服して、韓国や台湾よりもまだ弱い態度をとっておるというのが現在の農政の状況であり、本日提案されている関税定率法等はそれの後始末、仕上げのための法案にすぎないということは明白であると言わなければならないですね。私たちはこういう点については重大な問題があると思っております。 さらに、もう一つ言っておきましょうか。 向こうが非常に強硬だった背景の一つには、日本の経営者団体の態度があると言われています。「日本の輸出産業が自由貿易で大きな恩恵を受けている以上、農業などが犠牲になってもやむを得ない」という態度を経営者諸団体がとっていることが、米国が自由化要求をエスカレートさせた大きな理由の一つである、これは去年の五月一日の朝日新聞に載っております。こういう状況ですね。 そしておまけに、最近ボーカス上院議員がどう言っているか、あなた方は情報を持っていますか。なければないと言ってください。
○副島説明員 特段承知しておりません。
○正森委員 これは十二月十六日の朝日新聞に載っていることですが、ボーカス上院議員が経済法案の提出のときにいろいろ意見を表明しているが、その中で、決着した牛肉・オレンジについて、「枠がなくなれば問題はなくなる。米国とオーストラリアとの競争になるが、両国が公平に競争できるような市場開放に取り組んでほしい。」ここまではまだいいのです。「ただ、最近、日本の企業が私の地元で牧場を買収した。投資はもちろん歓迎するが、日本の企業が米国内で牛肉を生産、それを日本に輸出する結果、米国の牛肉業者が犠牲になるようだと問題だ。十分に注意してほしい」こう言っています。 これはどういうことかというと、牛肉について自由化すると、いいですか、日本の資本がアメリカへ進出して、そこで牧場を経営して牛肉の生産をふやして、日本の企業が日本に輸出してくる、こういうことを言っているのです。そして、そんなことをやられるとアメリカの本当の目的が遂げられなくなるから困ると言っているのです。これこそまさに人の不幸は我が幸せで、日本の工業資本は、日本の農民を犠牲にしておいて逆に自分は資本輸出をアメリカにやって、牛肉を生産して、それを自由化されたことをよいことに日本へ持ってこよう。これを結局援護するのがこの今出ている法案じゃないですか。こんなことであなた方は米の自由化についても本当に日本農業を守れるのですか。守る守ると言っているけれども、今度は米だとアメリカは言っているのでしょう。 米について伺おうと思いましたが、時間が参りましたので、厚生省、来ていますか。――それでは、厚生省について簡単に伺って私の質問を終わりますが、今度の消費税の問題で、主税局長、物品税は廃止されますね。そのかわりに自動車は三年間の暫定で六%になりますね。だから、例えば二千cc未満のものではメーカー出荷額に一八・究%の物品税がかかっていた。二百九十余万円の乗用車価格には三十四万七千円の物品税が含まれていた。四月以降はこれがなくなって、六%で消費税十六万円がかかるが、差し引き十八万円安くたる。これが主税局が物価が下がるといって繰り仮し繰り返し言っている自慢なんです。ところが、身障者はどうなるかといえば、もともと物品税は免税になっていたんでしょう。だから消費税分の十六万円だけが丸々値段が上がるわけじゃないですか。今、身障者向けの自動車税等の減免車は幾らありますか、厚生省。
○戸口田説明員 厚生省といたしましてその数を調査したことはございませんが、朝日新聞にかつて報道されました自治省の数字という形で、四十数万台という記事が載ったことを承知いたしております。
○正森委員 自治省によると、身障者向けの自動車税等の減免車は大体四十六万七千台ですね。それで、厚生省は大体こんな数字をつかんでいないというのもおかしいんですけれども、これが今後は全部消費税だけが上乗せされるということになれば、午前中の哲学の問題ではありませんが、主税局は何を考えておるのですか。物品税のときには免税にしておったのに、消費税のときには免税にしない。これはやはり広く薄くが哲学で、対価を得て買う以上はたとえ何が何であろうと全部課税する、こういう哲学ですか。それじゃ今までは哲学が間違っていたのですか。改宗したのですね。
○尾崎政府委員 物品税の場合は、奢侈品でございますとか趣味、娯楽用品等々特定の物品につきまして、その消費に示される特別の担税力がある、そこに着目して負担をお願いしていたわけでございます。しかしながら、ただいま委員の御質問のように、特定の者が一定の用途のために購入する物品について、必ずしもそのような課税の趣旨に合わないということもあるわけでございまして、そのような見地から、御指摘の身障者のようなケースは特別に免税としていたところでございます。 今回の消費税は、そういう特定の物品やサービスに着目している個別消費税とは異なりまして、消費一般を原則的に課税対象にする、物品やサービス等につきましてその消費に薄く広く公平な負担を求めようというものでございますので、用途による免税制度にはなじまないというように考えております。その点ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○正森委員 御理解できませんね。 もう一つ聞きますが、身障者の授産施設があります。これは今回政策的配慮から非課税事業者ということになっているのですが、そのために逆に非常に困るという問題が起こっております。例えば授産施設は、社会福祉施設で全国に約九百九十施設があり、四万二千人が働いておる。ところが、非課税ということになったために、一方では施設が仕入れる原材料には当然消費税が含まれている。その分値上げしなければ薄い利益がさらに減少する。ところが、同時に取引先の事業者は、この施設が非課税業者ですから、仕入れた場合に仕入れ控除ができないということになって、この授産施設が取引から排除される。既にもうそういう問い合わせが来ておるということが三月十六日の読売新聞に載っております。この二点について、もうこれで時間が参りましたので終わりますが、厚生省はこれに対してどうしようと思っているのか、また大蔵省はそれでいいと思っているのか、お伺いしたいと思います。 特に大臣については、最後にこういう点についての政治家としてのお考えを承って、私の質問を終わります。
○和田説明員 授産施設でございますが、授産施設が行います取引につきましては、これらを非課税取引といたしますと、授産施設を経営する者が一般に免税事業者になるということから、税務手続の負担を免れられるとか、あるいは最終消費者に対して物を販売する授産施設というものも多くあるわけでございます。サービスなり物を売るケースもあるわけでございますが、そういった場合には非課税取引の方が有利である。あるいはまた事業者に対して物を販売する場合やサービスを提供する場合においても、相手方が免税業者や簡易課税制度を利用した事業者である場合には、やはり非課税取引の方が有利であるといったようなことなどを勘案いたしまして、授産施設全体として見ると非課税取引とする方がメリットが多いということなどを踏まえまして、関係者の御意見も伺いながら、非課税対象に含まれるというようにされたものと考えておるところでございます。 お話しのように、授産施設が事業者と取引を行う場合に、その取引や取引先の事業者の対応によっては御指摘のような問題も生じ得ると思いますが、これにつきましては授産施設の関係者とも協議をいたしまして、例えば取引形態を委託加工や直販の形態に改めることなどの施策を講ずる等によりまして、事業面に著しい支障の出ないように私どもとしても努めてまいりたいと考えております。
○尾崎政府委員 ただいま厚生省から御説明がございましたように、委員御指摘の点静めまして私どもも厚生省と御相談したのでございますけれども、全体として考えた場合には非課税にした方がメリットが多いという御判断でございまして、現在のような結論に至っているわけでございます。
○村山国務大臣 何しろ四十年来の税制体系の変更でございますので、いろいろなことがあると思います。しかし、激変緩和の措置とか代替措置とか、弱者につきましては可能な限りの措置を講じているつもりでございます。ですから、この改正というものを御理解いただいて、何とかひとつ定着させたいものだと望んでいるところでございます。
○中村委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 日本銀行いらっしゃつていますね。日銀は、最近総裁が何回かインフレ懸念がある、インフレ懸念があると、こういうことを発表いたしておりますが、どういう根拠でどういう状況でインフレ懸念があるのか、そこを明らかにしてください。
○三重野参考人 先生御案内のとおり、ただいまの日本経済というのは、物価の安定のもとに内需中心の非常に望ましい景気拡大を続けておりますが、今後とも物価の安定が維持できる限り、この望ましい拡大が続くというふうに考えております。 そこで、物価でございますが、昨年中は非常に落ちついた動きをいたしておりまして、ごく最近やや円安に振れたことと原油の値段が上がったことからやや上昇を見ておりますが、私どもはまだ物価の安定の基調は損なわれていない、そういうふうに判断をいたしております。ただ、物価をめぐる情勢につきますと、例えば去年と比較しますといろいろ変わった情勢があるのじゃないか。 例えば、第一に円レートでございます。去年は、そのもう一つ前の年のクラッシュのときに百四十円であった円レートが、百二十円台まで上がりました。これだけ円高になりますと、物価に関する限りかなりの物価鎮静効果があったということができると思いますが、ことしに入っては、年初百二十五円が今百三十円台でございまして、そういうふうにやや円安に振れております。これは例えば昨年は縫い代がたっぷりあったのが、ことしは縫い代がほとんどなくなったというようなことかと思います。 次に原油でございますが、原油の値段も日本の物価に非常に大きな影響を持っておりますが、昨年は年初北海ブレントで一バレル十七ドルであったものが、一時十二ドル台まで下がっております。ただし、それが昨年年末のOPECの減産枠の合意ということから若干上昇に転じまして、現在は十ハドル台までになっております。したがって、原油の値段に関しても、昨年はたっぷり縫い代があったのが、ことしは縫い代がなくなったということが言えるかと思います。 そういった情勢のもとに、日本経済は順調に拡大してきたわけでございますが、その結果として物の需給、人の需給、これがかなり窮屈になっています。これは例えば私どもが二月に徴収しました短観、いわゆる短期経済観測によりましても、物の需給というのは昭和四十年代の一番逼迫した時期にほとんど近いようになってきております。もちろん需給が窮屈になったからといいまして、輸入もあることでございますし、直ちに物価が上がるわけではございません。しかし、輸入そのものにつきましても、例えばNIES諸国は今空前の内需景気でございまして、輸出意欲がなくなってきておりますし、物の値段も上がってきております。したがいまして、輸入の物価鎮静効果というのは引き続き期待はできますけれども、昨年のように過大な期待は難しいのではないかというふうに考えております。 そういうことで、ただいますぐに物価安定の基調が崩れるとは考えておりませんが、引き続きそういう情勢のもとにおいて今後とも注意深く見てまいりたい、かように考えております。
○武藤(山)委員 注意深く動向を観察しているのはいいのでありますが、総裁は、こういう動向だからという理由だと思うのでありますが、春闘の賃上げを自粛すべきだ、こういうことが二度ぐらい新聞に出ていますね。なぜ春闘が始まったときに、全く政治にも中立的、通貨の番人である日銀総裁が賃上げを自粛すべきだと言わねばならないのか。もし自粛せよと言うならば、日銀としてある程度のガイドラインを持っているのか、どの程度の賃上げならば許容量としていいと考えるのか、その辺もちょっと見解を述べてください。 〔委員長退席、大島委員長代理着席〕
○三重野参考人 私どもといたしましては、賃金は、これは当然のことでございますが、そのときの経済情勢、企業経営の実態に即して労使双方が自主的に決めるものだ、そういうふうに承知いたしておりまして、総裁がいろいろ講演のときにも、必ずこのことははっきり申し上げているはずでございます。 先生も御案内のように、今景気が非常にいいわけでございますが、その一つは、消費が非常に強いということがございます。これはやはり物価安定のもとで名目賃金の上昇、雇用の増大、こういったものが実質所得をふやして、それがまた消費の拡大につながるという極めて好循環であることが大きな原因の一つだと思います。したがいまして、総裁が話をいたしますときに、さっきの原則論は別にいたしまして、物価安定のことについて触れますときに、このような賃金と物価の好循環が今後とも維持されることが望ましい、そういった趣旨でお話し申し上げているわけでありまして、春闘に介入するというようなあれは全くないというふうに私どもは思っております。
○武藤(山)委員 物価と賃金が好循環をすることが望ましい、同感ですが、その好循環をするためには、現在の経済動向から見てどの程度の水準ならば好循環だと日銀は考えるのですか。
○三重野参考人 具体的な賃上げにつきまして中央銀行がいろいろ申し上げるのは適当でないと思いますので、それは申し上げることはできませんが、ただいまの労使双方の交渉が恐らく賢明なる解決を見出すものと期待したいと思います。
○武藤(山)委員 日銀総裁に伝えておいてもらいたいのですが、大蔵省は平成元年の経済動向あれやこれやを勘案して、給与総額は前年比六%伸びる、こういう積算を根拠にして税収をはかっているわけですね。恐らくこれは経済見通しを参考にしながら、しかも過去の長い経過を踏まえて主税局は積算をしたと思うのですね。もし六%が総額として伸びるためには、春闘のトップランナーはこれよりもかなり高いところを行かぬと、平均全体で全給与総額六%にはならない。 そこへ水を差すように、日経連は三%賃上げなんて言っているわけですね。政府は公式には六%総所得がふえると見て、日経連は三%、日銀はインフレの懸念があるから賃上げ自粛というようなことを言ったら、これは水を差すつもりはなくとも、やはり労働組合の幹部にしてみれば日銀けしからぬな、我々労使の間で一生懸命詰めて、決算書も見ながら今は参加と介入の労働運動ですね、そういう状態で良識的にやっているときに何を言うのか、こういう疑問を投げかけるのは当たり前でしょう。ぜひひとつ政府が見ているこの六%という数字を日銀もしかと認識しておいていただきたいのですが、総裁に報告してくださいよ。
○三重野参考人 武藤先生のお言葉をお伝えいたします。
○武藤(山)委員 それともう一つ、マネーサプライの伸びをずっと見ますと、六十二年の十月から十二月期は一一・八、六十三年一-三月が一二・一とかなりマネーサプライが激増していますね。こういうのからどうも二けた台がずっと続いている。まだ二月の段階でも.一〇・四くらいでしょう。経済成長率が四%か五%なのになぜマネーサプライが倍の率になっているのか。そういう点は何か原因がある刀 私なりにいろいろ原因を調べてみると、例えば六十二年の七-九月期、その前の四-六を見ても、不動産貸し出しがべらぼうにふえているのですね。前年比一-三が三六・二、四-六が三五・一、七-九が二八・六%不動産貸し付けがふえた。それの反映が六十二年の十-十二月の二・八、一-三の一二・一という高い数字になっているのじゃないのかな。 もちろんこれ以外に証券投資、これはちょっと調べようがないのでありますが、マネーサプライがずっと高くなったのは、不動産投資と証券投資にかなり資金需要があった。それの後始末が日銀のマネーサプライになるわけですから、そういう結果ふえておる部分が非常に多い。もちろん円高メリットや何かでかなり内部留保が緩やかになったりしていたのですけれども、やはりこういう傾向からマネーサプライがふえたので、労働者の賃金が先行しているんじゃないんだ。だから日銀は銀行に対する個別指導にもう少し力を入れる。一般大衆には物価安定が維持されて、やはり個別の指導というものが大変重要な時期にあるのじゃないのかな、こういう感じがしてなりません。その辺はどういう見解ですか。
○三重野参考人 マネーサプライM2プラスCDの平残の推移につきましては、今先生が御指摘のとおりでございます。ただ、もう少しつけ加えますならば、昨年の一-三月がピークでございまして、その後漸次減ってまいりまして、一-三月は恐らく一〇%ちょっと超えたところになると思いますが、いずれにしろ、名目成長率が五%程度なのに非常に高い水準にあるということは、そのとおりだと思います。 このようにマネーサプライがふえてまいりましたのは、いろいろな理由がございますが、基本的には金融を緩和して金利を低くした、このことがマネーサプライを押し上げたということだと思います。なぜ金融を緩和し金利を低めたかということは、先生御案内のとおりでございますけれども、プラザ合意以降の急速な円高に対して、その円高のスピードを緩めるためと、円高によるデフレショックを緩和するために金融緩和を行ったわけでございまして、現在の経済の繁栄の一つはそこにあったわけでございますが、反面、その結果として、このマネーサプライの高さが残るということになったんだと思います。 それで、資金需要につきまして、先生が全国銀行の貸し出しについてお述べになりましたのはそのとおりでございますが、一昨年から昨年の初めまでの不動産投資というのは非常に高かったが、その後次第に落ちつきを見せていることも事実でございまして、最近の資金需要の伸びは主として住宅ローン等の個人融資、それから非製造業の設備投資が非常に高うございまして、ごく最近は興造業の設備投資もふえてきたということだと思いますが、いずれにしましても、金融機関の指導につきましては、今後とも十分先生の御意を体しまして気をつけてまいりたいと思っております。
○武藤(山)委員 副総裁、おとといアメリカが二月の物価指数を発表いたしましたね。それを見ると、卸売物価が前年同月比で五・三%も上がっています。消費者物価も二月前年回月比で四・八%の上昇である。特に昨年十二月、それからことしの一、二の三カ月間で、年率換算すると五・四以上昇している。これはかなり世界経済にも影響を与えるし、日本にもかなりの影響を与えると思いますが、こういう傾向が上昇気流に乗らないで、横ばいからダウンさせられる方法というのはアメリカにはあるんだろうか。 これは大蔵大臣にも聞いておきたいのでありますが、四月二日の日にIMFの蔵相・中央銀行総裁会議が開かれるようですね。そのときに、恐らくこのアメリカの物価動向というのが議題のかたり強い中心部分になるのじゃないのかな、こう思うのでありますが、こういうアメリカの二月の指数から見て、日本はこういうものを遮断できるかどうか、日本も同じような方向にだんだん行ってしまってインフレの方向に行かざるを得なくなるのか、通貨の番人としては一体どういう手をこれから考えたらいいのか、その辺の見解をちょっと聞かせてください。
○三重野参考人 アメリカの物価騰貴は今先生がおっしゃったとおりでございますが、現在世界経済の一つの特色は、どの国もややインフレぎみになってきていることでございます。したがいまして、特にアメリカはこのインフレを何とか抑えようと思いまして、いわゆる連銀当局が既に引き締めを始めているわけでございますが、まだその効果が出ていない。本当の意味でアメリカがさらにインフレを抑えて望ましい経済発展にするためには、アメリカの財政の赤字がもっとカットされなければいけない。それと今の連銀の金融引き締めと両々相まって、アメリカの物価が鎮静することを期待しております。 日本経済に対する影響といたしましては、当面は、向こうがインフレを抑えるために金融引き締めをやって、金利を高くします。高くすることは当面はドル高に響きます。しかし、それをもし政府としてできなければ、結局ドルは安くなるわけでございます。日本経済にとっては円レートを通じて影響があるというふうに思っておりますが、今のところこの程度のドルの動き方では、まだ日本の物価は大きな影響を受けるわけではありませんので、日本としては、引き続き先ほども申し上げましたように物価の動向に深く注意をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○武藤(山)委員 時間に制限がありますから、日本銀行、結構でございます。ありがとうございました。 村山大蔵大臣にお尋ねをいたします。 大蔵大臣、四月二日のIMFのこの会議に出席をするんですか。出席するとすれば、今のようなアメリカの物価動向、それから累積債務問題、いろいろな課題があると思うのですが、今の日銀副総裁の答弁を聞きながら、インフレ懸念については大蔵大臣としてはどんな認識をお持ちですか。
○村山国務大臣 四月の初めにIMFの臨時総会が開かれることになっておりますが、恐らくその一日ぐらい前にG7が行なわれるんじゃないか、こう思っております。 アメリカの物価あるいは為替レートの関係の日本に及ぼす影響については、今、日銀の三重野副総裁が言ったことと同じような認識を持っております。 そして、日本の問題としては二つありまして、一つは物価の騰貴がコストプッシュの方から来る要因と、言ってみますと今度はデマンドプルの方から来る問題、二つあるだろうと思います。デマンドプルの方は、景気が過熱しないということ、これが一番大事なことであろう、こう思っております。コストプッシュの方の問題は、今為替相場のお話がありましたが、これは海外要因の問題あるいは原油価格のドル建ての引き上げの問題、あるいは要素といたしましてはもちろん賃上げの問題もあると思います。 賃上げの問題については、私はいつもそう思っておりますが、今の景気の拡大、それはやはり企業収益と家庭の所得というものの好循環が行われておる、これを崩したくないものだというふうに考えておるわけでございます。これが続くかどうかという一つのメルクマールというのが賃金コストではないかな。賃金コストがその結果としてどうなるんだろうか、長続きするかしないか、もちろん労使交渉によって決まることはもう当然のことでございますけれども、この辺を一つの目安にしながら、循環が可能であるかどうかという、経済的な論理から申しますとこの辺が一つの問題じゃないかと考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、全体として言いますと日銀と同じようなことでございまして、物価についてはやはり注意深く見ていかなくちゃならぬことは当然でございますが、今さしあたって危険信号にあるというふうには考えていないわけでございます。
○武藤(山)委員 物価の問題がこういう国際的に上昇の懸念があるときに、消費税の導入、三%また物価にオンされる。やがてはその金はまた国民に還元するんだから、差し引き勘定では減税の影響の方が大きいんだというのは再々大蔵大臣ここで答えてるのですが、その間の時間的差ですね。ですからいっとき、こういう情勢のときに消費税の三%がオンされることによって、短期間かもしらぬが物価がかなり上がる、こう見るべきだろうと思うのですが、その辺はどう見ているのですか。二%でいけるんですか。
○村山国務大臣 経企庁の試算によりますと、初年度一・二%上がる、そしてそれ以外の要因で大体〇・八上がるから大体二%の上昇で落ちつくんじゃないか、こう言っておるわけでございます。物価の点から申しますと、おっしゃるように上がる要因でございますが、これはしかし一時の、一年限りの物価上昇でおさまることはもう御案内のとおりでございます。 今度は逆の意味で申しますと、今まで非常にやりにくかったということは、売上税のときを考えてみますと、円高不況ということ、これはまた最も転嫁しにくい、こういうときでございますので、その面からいえば今は最も好況のときでございますから、今が一番適当である、こういうことも言えるかと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、この今度の消費税というものは、もう繰り返す必要もありませんけれども、税制改革の一つの骨格をなしておるわけでございますので、それらの経済に及ぼすもろもろの要因を考えながら定着させていきたいものだ、このように考えているところでございます。 〔大島委員長代理退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○武藤(山)委員 きのうから大蔵委員会でいろいろ消費税の問題が議論されているのですが、あちこちの都道府県あるいは特別市、普通の市議会で大変反対が多くて条例が通らぬ、こういう事態のところもあるようでありますが、大臣としてはそういう都市、地方自治団体は九月までの臨時県議会なり市議会で政府の方針どおり取り扱えば不都合はない、こう思って、それをやむを得ないものと受けとめているのか、それともどうにも我慢ならぬということで自治省を通じて何か制裁をしようと考えるのか、その辺はどのようなお考えなんですか。
○村山国務大臣 自治省の財政局の方から詳細な報告はあるわけでございますが、大勢としてはやはり四月一日に上げようというのでございますが、一部の市町村で条例の改正を見送っておる、こういうところがあるということでございまして、これはまことに遺憾なことだと思っております。自治省の方で、消費税というものはこういう性質のものだから、何とかひとつ考え直してくれという指導をいたしておるわけでございますので、その方を強力にやって、一日も早くこれが是正されることを念願している、こういうことでございます。
○武藤(山)委員 自治団体がこれはとてもやれないという議会の空気は、唐突で時間がないからやれないということなのか、それとも地方自治団体の例えば市営住宅とか公共的な低所得者向けの施設の料金とか図書館、そういうところの使用料、そういうものに元来税金をかけるべきでないという根本的な反対から議会が反対をしていると見ているのか、主税局長はその辺はどういう認識に立っているのですか。
○尾崎政府委員 私から申し上げるのもちょっと申し上げにくいのでございます。 と申しますのは、個々の事情を完全に把握しているということでもございませんので、やや推測を交えて申し上げますが、それぞれの地方団体におきまして、何か特段の事情があってそういうことになっているのだろうと思います。基本的にそういうものに課税をするのがどうかという点について、それはいろいろお考えはあろうかと思いますけれども、今回の消費税、広く薄く地方公共団体、国の特別会計、その他公益法人に至るまで課税するということになっているものでございますから、その点は御運解いただいているものと存じております。
○武藤(山)委員 きのう二階堂さんや河本さん、それぞれ安倍幹事長が相談に歩いたという記事がきょうの新聞に出ていますね。その中で安倍幹事長は、消費税に不都合な部分があれば次の国会で手直しをしてもいい、こういう新聞記事ですね。もう一つは、河本さんは平成元年度にさらに所得減税をすべしという意見を幹事長に具申しているのですね。幹事長は、税の問題、その点については総理大臣・総裁と相談をしてみたいと答えている。新聞はみんなそういうことが出ていますから、これはうそでないと思うのですね。この二つの幹事長の見解と意思表明について、大蔵大臣としては好ましいと思うか困ったものだと思うか、まあ検討してみようと考えるのか、その辺ちょっと明快に答えてみてください。
○村山国務大臣 幹事長に直接聞いたわけじゃございませんが、不都合な点があれば次の国会でもというようなお話は、恐らく十七条第三項の見直し規定があるからというようなお考えを率直に言ったことではないかな、あれに関連してのお話ではないかな、こう思っております。まあ我々は言うまでもなくこの問題は注意深く見守っていきたい、こういうこと、これを幹事長は端的に幹事長らしく言った発言じゃないかな、これは私の推測でございます。 それから、河本先生がことしも減税、こういう話でございますが、どういうことでおっしゃったのかよくわかりません。ただ、我々といたしましては四十年ぶりの税制改正ということ、ネット減税で六十二年の九月の減税、それから今度の減税、これは所得税、住民税を合わせますと、実に二回の減税で五兆五千億やっているわけでございます。したがいまして、なかなかそのような財源はないし、また条件としては難しいのではなかろうか、これが私の感想でございます。
○武藤(山)委員 消費税を導入する前に所得税の減税をやった。大分所得税率の刻みを圧縮して五段階にした。最高税率七〇が五〇になった。したがって、庶民から見ると、七〇%取られた人が五〇になるというのは大変だ、二〇%も税金が安くなる、表を見たときにサラリーマン、多くの国民は直感的に皆そう思うと思うのです。サッチャー内閣もあるいはアメリカ政府も、段階の刻みを少なくして大減税をやったことは当然理解しているのでありますが、しかし、日本の場合には総合課税を同時にやるべきなのにやらないんですね。主税局長、この税の刻みをごくごく少なくした先進国で総合課税をやっていない国はどこですか。
○尾崎政府委員 イギリス、アメリカが大幅に所得税率の簡素化をしたわけでございますが、この両方の国とも総合課税をとっております。
○武藤(山)委員 そうなんです。アメリカもイギリスも西ドイツも、利子も株のキャピタルゲインも先進国は大体総合課税しているのですね。日本だけがなぜ消費税でこんなに多額を徴収し、所得税を減税したのに総合課税だけは手抜かりをしたのか、その積極的な理由は何かあるのか、その辺をちょっと説明してください。
○尾崎政府委員 個人所得課税におきまして、個人のすべての所得を総合してこれに累進税率を適用する、それで負担能力に応じた負担を求めるということが総合課税の基本であるわけでございます。しかしながら、所得によりましては、その性格にかんがみまして、実質的な課税の公平を実現するあるいは政策的な要請に応じた課税を行うということから、例外的に総合課税によらない課税方式を採用するということも必要であろうかと存じます。 現在我が国におきましては、例えば利子につきまして、それからキャピタルゲイン課税を今回行いますが、そのキャピタルゲイン課税あるいは土地の譲渡所得等につきまして分離課税制度をとっておりますけれども、いろいろな理由、一つは総合をするだけの基礎的な要件が整っていないということでございますとか、あるいは所得の性格でございますとか、そういうようなことを勘案いたしまして、実質的な公平を図るために分離課税を一部採用しているというものでございます。
○武藤(山)委員 基礎的要件が整っていない、そんなばかな話ないよ。もう既に堀昌雄さんが前に大蔵委員会で提起して、グリーンカード制だって法律まで一たんできたんだ。それでとにかくキャピタルゲインがきちっとキャッチできるように、預貯金利子もきちっと把握できるように、大蔵省は入れ物までつくって、機械の設置さえすればいいところまで全部準備を一回やったんでしょう。だから、そういう基礎的条件や要件が整わないからできないなんという理由にはならないのだ。当然法律は同時につくっておいて、来年からは総合課税、ことし無理なら来年の四月一日からやります、やる気さえあればできるはずですね。やはり高額所得者優遇だと言われるゆえんはこういうところにあるのですよ、分離を認めているというところに。 だから、アメリカやイギリスがやったから税の刻みを少なくするのはいいことだ、これは我々も賛成だったのです。サラリーマンが激変緩和されて、一生の間に二回くらいの税率で済む、非常にいいことなのです。しかし、七〇だったのを五〇にしつ放しで、そこだけを褒めるわけにいかない。今大蔵大臣は、見直し規定があるから見直しのときに消費税も見直す、そして所得税の方も四年後には見直しをする、こう言っているのです。書いてあるのです。だから四年後まで総合課税をやらないつもりなのか、それとも不都合だと我々野党がみんな言えば、四年たたない間でも、きのう幹事長が言うように、消費税は次の通常国会でもと言っているのですから、次の通常国会にでもそういう検討は野党が強く要望すればやりますか、大蔵大臣。消費税も、さらに総合課税化の問題も、野党がこぞって要求したら、当然四年待たぬうちにやりますか。
○村山国務大臣 前回、少額貯蓄の総合をやろうとしたわけでございますが、あのときは郵便貯金の方は初めから手つかずであったわけでございます。そのときに資金シフトが起きまして、これは大変だということで廃案になったわけでございます。 今度考えております預貯金の総合課税の見直しあるいはキャピタルゲインのあれというのは、もちろん一つの納税者番号のようなものを置いて、それで実効のある体制、それを執行したら公平にやれるという執行体制を整えてから、こういうことでございます。政府の税調からこの納税者番号についてはもちろん積極的な面が出ておりますけれども、今度はこれの持つマイナス面についても十分考えて慎重にやれということが出ております。したがいまして、今各役所間、きのう主税局長の話を聞きますと十二省庁で協議を始めたところでございますが、恐らくそんなに簡単にはできないのではないか、私はこのように思っております。しかもまたこの問題は拙速を急ぐべきではない、そういう考えを持っております。 それから、各国の利子の総合課税を見ておりますが、アメリカは納税者番号を持っております。そうでない国、人の国のことを言うのはなんでございますが、これは法律の建前は総合であっても、恐らくなかなか難しかろう。隣国には資本も、資金の移動も自由でございますし、隣あたりは預貯金になれば絶対にどこの国にも資料を渡さないという国もあるわけでございますから、実効があるかどうかは疑わしいものだ。これは私の個人的見解でございます。 それからもう一つ申し上げたいことは、今度大口所得者については五〇に引き下げではないか、こういうお話でございますが、むしろ下げる率としましては、これは累進税率でございますから、そこの税率だけでいくわけではございません。下からずっと積み重ねた実効税率が負担としてどれだけ率として下がったか、そしてまた中小のところでは実効税率としてどれだけ負担が下がったか。したがって、第一分位の負担割合に対して第五分位がどれぐらい割合が上がっているかと申しますと、この間もお話し申しましたように、改正前は大体六・五倍でございましたが、今度は負担率で見る限り二十五倍になっているということも御記憶願いたいと思います。それから地方税が一五%、もちろん住民税があるわけでございますから、最高税率は六五%、これは今でも先進国でも最高の税率だと心得ております。 私は、大体むやみやたらに下げることは必ずしも賢明ではない。あるところでは一五、二八、あるところでは六段階税率を思い切って二五と四〇の二本立てにするというようなことはありますが、日本の場合を考えてみますと、やはりある程度税引き所得が平準化していく、あるいは中産階級というものが、中所得階級というものが非常に層が厚い方が全体の経済がうまくいくのじゃなかろうか、これは私見でございますけれども、そういう考えを持っておるものでございます。その方が多分経済の循環はいいのではなかろうか、こんなふうに考えております。
○武藤(山)委員 大蔵大臣は総合課税化に熱意がないという結論だけわかった。簡単にできない。アメリカは納税番号があるが、ほかの国はない。捕捉が難しいから脱税しているだろうという推測だ。これはなっておらぬね。あなたが主税局長をやった当時、池田さんが大蔵大臣当時、池田さんは総合課税をきちっと守ることが税の公平、応能原則、これに最もかなった制度であると言って、総合課税をきちっと守ろうという発言を再々やっていた。佐藤内閣になってからがたがたと崩れるのですよ。その池田さんの最もかわいがった主税局長の一人じゃないですか、あなたは。その人が総合課税に熱意がない。この答弁はちょっとがっかりしたですね。池田先生、草葉の陰で悲しんでおると思いますよ。 あれだけ野党からも要求をされ、税制協議会でも総合課税化が最も重要な課題だとやってきたのに、ここまできて簡単にできない、拙速に急ぐべきでない、アメリカだけが何とかうまくいっているというのは全然うそですよ。ほかの国もちゃんとやっています。例えばイギリスやドイツの場合は、廃業届とか事業開始届というのをしなかったら体刑があるのですよ。それから個人の申告でも、日本のように所得があれば申告するというようなルーズな制度じゃない。収入があったら申告しなければならぬという収入基準申告になっている。そういうようなことでいろいろなうまみも事業所得というのはあるんだよ。 そういうところでまたさらにこの五つの段階で総合化しないと言ったら、これは大衆から見れば、村山大蔵大臣、一体何を考えているんだと非難を受けますよ。今の総背番号がいいのか悪いのかの検討をしているようですが、やろうと思えば、ほかの国がやっていることを何で先進国、これだけコンピューターが普及した日本、これだけ優秀な官吏のいる官僚国家日本でそんな工夫ができないはずない。やろうとするかしないかの決断の問題なんです、大蔵大臣。したがって大蔵大臣は、やはり総合課税が最も税としては正しいんだという認識に立ってもらわぬとなかなか承服できませんね。いかがですか。
○村山国務大臣 私の今の発言が総合課税に消極的であるととらえたら、それは私の発言がまずかつたか受け取り方がまずかったか、どちらかだと思います。 税は、言うまでもございません、個人課税においては総合課税というのは、税だけの観点から申しますと、それが実効性のあるものであればそれに越したことはございません。実効性のない場合には、またこれほど不公平なものはないということも御案内のとおりでございます。そういう意味で今慎重にやっているということでございます。 これを納税者番号にするのか、福祉番号のようなものにして納税者番号で同時に使わせていただくのか、あるいは北欧のような形で持っていくのか、それぞれ番号制については非常に多くの利点もありましょうし、それから、言ってみますと今度は人間管理というような問題もありますから、この辺を慎重にやって実効性のある、そして弊害のないものにしたい。そういうことで、一番大事な機会でありますから慎重にやっておるということでございまして、税に関する限り総合課税が最も理想的であるということは言うまでもございません。 〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
○武藤(山)委員 そういうわけですから、ぜひ総合課税化の方向に前向きに取り組んでいただきたいことを要望しておきます。 それから、主税局長に資料をちょっと要求しておきますが、今回の消費税の課税対象額を推計いたしましたね。国内付加価値総額が二百四十九兆円、純輸出でマイナス十二兆円、純投資二十六兆円を引く、そして二百十一兆円という数字が出ております。それから非課税取引が十六兆円ある。それから中小事業者に対する特例で十六兆円免税、あるべき収入がなくなる、こういう数字が報告されております。そして課税対象額百七十九兆円と、ただここには簡単に輸入を加算し輸出を控除、中小企業の免税点以下の事業者に対してはこうだということだけで、積算のもっと細かい積み上げの数字の根拠がわからない。経済の動向いかんによってはこの数字全体が大きく狂う。多くなる場合もあるし減る場合もある。多くなれば税収はうんとふえる。したがって、この数字がもとでありますから、この中身を細かく資料としていただきたい。いかがですか。
○尾崎政府委員 整理をいたしましてお届けいたしたいと存じます。
○武藤(山)委員 次に、これも関税定率法や租税特別措置法にもかかわり合いがあるのですが、ガソリンの問題、油の問題ですね。どうもガソリンや油にかかわる税金というのが、いつも余りにも安易に取り扱われているのじゃないのかなという気がしてなりません。今、油の基本税率はどうなっていますか、主税局長。
○尾崎政府委員 揮発油税法それから地方道路税法で定められておりますいわゆる基本税率は、揮発油税がキロリットル当たり二万四千三百円でございます。地方道路税法がキロリットル当たり四千四百円、両方合わせまして二万八千七百円でございます。
○武藤(山)委員 基本税率は今おっしゃるとおりの数字でありますが、今のは昭和三十九年四月一日が基準になって揮発油税二万四千三百円。それが現在は四万五千六百円ですね。しかも、昭和四十九年から三回にわたって短期間に暫定税率でどんどんガソリン税を引き上げているのですね。ガソリンばかり何でこんなに税を負担させるのか。しかも、今回消費税導入の際に、物品税を廃止したりいろいろな間接税は手直しをして軽減するのに、油関係だけは間接税でありながらさっぱりそういう手直しをしない。なぜですか、その物の考え方は。
○尾崎政府委員 石油関係の諸税、それからたばこ税、酒税につきましては消費税が併課されているわけでございますけれども、その際、併課するに当たりまして、たばこ税、酒税につきましては消費者の負担が上がらないように、そこで調整をさせていただきました。それぞれ酒税、たばこ税の方で調整をさせていただいたわけでございます。同じことが石油関係諸税についても論じられたわけでございますが、御承知のとおり石油関係諸税は目的税になっておりまして、それぞれ道路財源のためとか特定の目的に充てられております。そちらの歳出上の御要望などがございまして、これは単純に併課をするということにいたしました。
○武藤(山)委員 通産省来ていますね。ガソリン価格の国際比較をした場合に、一体日本のガソリン小売価格、消費者が使う値段は世界の幾つかの先進国と比較したらどういう金額、状態になっていますか、比較してください。
○大村説明員 我が国のガソリンの小売価格でございますが、本年一月時点でリットル当たり百十三円でございます。 これを諸外国と比較いたしました場合でございますが、まずアメリカは税体系が異なるということ、あるいはガソリンの需要構成が高い、こういった事情から、日本の約三分の一程度でございます。またヨーロッパを見ますと、一部署高な国は確かにございますが、例えばイギリスとか西ドイツは米国同様にガソリンの需要構成が高い、こういった事情を反映いたしまして、日本に比べて二、三割程度の割安となっております。こういった国際比較につきましては、先ほど申しましたような税体系が違うとか需要構成が違うとか、あるいは給油所のサービスに違いがあるといったいろいろな国別の事情がございます。したがって、一概に比較することはできませんが、我が国の価格が相対的に高水準であるということは否定できないものと思います。
○武藤(山)委員 通産省、そういう油の値段よりも、さらに税金の方が原油代よりも高くなる。そういうことで新聞をちょっと見ましたら大変こぼしているのですね。例えば、今までは従価税だったのが今度は石油税は従量税化されてしまった。さらに消費税が導入されて、それの見合いに何か一千億円ぐらいのことでお茶を濁されて、業界としてはなかなか大変だ。そうして最後に、平成元年度の税負担は為替レートードル百三十円としてバレル二十ドルに相当する、原油代が十五ドル程度なのに二十ドルの計算になる、原油代より税金の方が大きい、約四兆円の巨額に業界は泣いている、こういう新聞記事であります。 そこで、業界の特に小さなスタンドがいろいろなことをやらなければやっていけない、赤字で倒産、廃業、そういう状態が続いている、こういう新聞報道であります。そこで粗悪ガソリンなどが出回る、ガソリンに軽油をまぜて値段を安くして売る、それでエンジントラブルが起こる、そういうようなことまで新聞に出ているわけであります。日本の今の給油所の数の推移あるいは廃業件数、できればその利益率の動向、そういう問題についてひとつ通産省から実情を報告してください。
○大村説明員 給油所の実態でございますが、私どもの調査によりますと、五十八年度末で五万九千三百二十九カ所ございましたが、これが六十二年度末で五万八千六百七十軒、四年間で六百五十九カ所の減少となっております。また、これを販売業から撤退した業者数で見た場合には、五十八年度の七百三十四業者に対しまして六十二年度で千三百九十二業者と増加しておりまして、こういった撤退業者の増加は、貸しビル業への転業とかあるいは倒産等によるものと推定しております。 また、お尋ねの営業利益率の点でございますが、黒字幅が一%以下の給油所は全体の二一・九%、それから赤字になっている給油所は四一・八%に上っているところでございます。これは御案内のとおりでございますが、石油製品は非常に商品差別化しにくいというような性格から、どうしても安値拡販に頼りがちであるということで、過当競争体質が強いということが言えると思います。
○武藤(山)委員 過当競争の結果全スタンドの四一・八%が赤字経営だ、しかも小さい。家族経営的な有限会社が大部分だと思うのでありますが、そういうような状態のスタンドが、ほとんど四兆円近い税金を小売価格の中に転嫁して集めているわけであります。もちろん元売が納税者になっているわけでありましょうが、こういうガソリンスタンドに対して大蔵省は、税当局は全く面倒を見ない。納税貯蓄組合とかいろいろ補助をする制度があったり、あるいは軽油の場合には、軽油引取税については各県は幾らか奨励金をくれているんですね。徴税費用をくれている。ところが国税だけは全然そういう面倒を見ない。これは面倒を見てもいいんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうか。
○尾崎政府委員 今お話ございました軽油引取税につきましては、御承知のように特別徴収義務者ということで、特約業者等に対しまして交付金が交付されているわけでございます。特別徴収制度であるということに加えまして、免税証の受け取り義務等、いろいろと特別の業務がそれに伴っていることも勘案されているというように伺っておりますが、国税の方では、納税のために要する費用を国が負担するという例はございません。仮に奨励金の支払いなどを行うことといたしますと、ほかの間接税あるいは源泉所得税等へ波及をいたしまして、かえって一般の納税者の負担を過重にするというようにも考えられますので、適当ではないのではないかというように考えております。
○武藤(山)委員 もう一つ、ガソリンスタンドが小さな建設会社、土建屋あるいは出稼ぎの下請建設会社など、そういうところへ油を売った、しかし倒産をしたり夜逃げしちゃったりして貸し倒れになってしまう、そういう場合に、会社の事業の方は、貸し倒れ証明がちゃんともらえれば税務署は控除するんでしょうが、税金部分も全部持ち逃げされちゃっている、こういう場合に、ガソリンスタンドに対して税金部分が含まれた貸し倒れ金に何らかの控除を特別に見てやる必要があるんじゃないか。そういうような配慮がガソリンスタンドには全くない。 とにかく四兆円からの税金を徴収してやっているのに、四一%が赤字経営で、年に千軒近いものが廃業しなければならぬ。そういう実情というものを単に過当競争だからと片づけていいのか。もう少々制度としても細かく調査をしてみて、貸し倒れの場合くらいは何らかの形で控除できる方法を考え出していいのじゃないか、私はそう思うのです。主税局も今後そういう問題について何か手だてができるかどうかの検討をすべきだと思うが、いかがでしょうか。
○尾崎政府委員 揮発油税などの場合、納税をしておられますのが揮発油の製造者でございまして、そこの段階で税金が納められているわけでございます。今武藤委員のお話のようにガソリンスタンドということになりますと、仮に貸し倒れで還付するということになれば、それは納税義務者でない方に税金が返るということになるわけでございまして、やはり制度上非常に難しい問題であろうと思います。
○武藤(山)委員 その場合に、軽油引取税と同じような規定にしてみなすことができるのじゃないですか、法律をちょっと手直しをすれば。それはどうなんですか。軽油引取税の場合は、補助金じゃないけれども交付金を出してやっているでしょう、そういう方法は法律をちょっといじればできるのじゃないですか。
○尾崎政府委員 軽油引取税の場合は、納税義務者はその軽油を買う方、トラック業者でございますとかそういう方々でございまして、軽油を販売している方はその方から特別徴収義務者として税をお預かりしているという形になっておりますが、御承知のとおりガソリン税は製造業者が納税義務者でございますので、そこの取り扱いが違ってくるわけでございます。
○武藤(山)委員 よく、納税貯蓄組合をつくったりすれば少し奨励金をくれるとか、いろいろありますね。ガソリンは、実際には元売は何もやらぬわけですよ。元売は全然苦労しないで、販売だけが、ガソリンスタンドが一生懸命やっている。その人たちには何らそういう手当てがない。元売には何か補助をしておるのでしょうか。
○尾崎政府委員 税制上ございません。
○武藤(山)委員 しかし、元売には別な名目で補助金を通産省は出しているのですか。
○大村説明員 元売には、そういった点につきましていろいろな助成等はやっておりません。
○武藤(山)委員 きょうはどうしても次の予定があって、四十分に失礼をしなければならないので、通告をしておいた方には恐縮ですが、時間がありませんので、以上で失礼いたします。ありがとうございました。
○中村委員長 矢追秀彦君。
○矢追委員 最初に関税の方から質問したいと思います。 まず初めに、いよいよ牛肉が自由化になるわけでございますが、国内の繁殖農家の不安はなかなか解消されておらないわけでございます。具体的な財源措置あるいは対策につきまして、まず農林水産省から御説明をいただきたいと思います。
○中村委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○中村委員長 速記を始めてください。 矢追君。
○矢追委員 それでは大蔵省にお伺いをいたしますが、平成六年度以降の牛肉等の関税率は五〇%より引き下げず、五〇%の関税率をウルグアイ・ラウンドの関税交渉のベースとされておりますが、ウルグアイ・ラウンドにおきまして五〇%の水準を確保できるのかどうか、その点の見通しはいかがですか。
○長富政府委員 現在ウルグアイ・ラウンドにおきましては、さまざまな問題を十五のグループに分かれて交渉いたしております。御指摘の問題は農産物関連グループの検討対象となっております。御指摘のとおり、平成五年度に五〇%になった後はウルグアイ・ラウンドで協議していくということになっておりますが、この関税率、今後私ども鋭意努力はいたしますが、現時点でどのようになるか、確たる見通しを申し上げる段階に至っておりません。
○矢追委員 本法律案では、平成三年度から五年度の間に輸入される牛肉について、輸入が急増した場合の緊急調整措置といたしまして、各年度におきまして牛肉の輸入数量や輸入基準数量を超えた場合には、さらに二五%の関税を上乗せできるとされております。この制度とガットに規定されておりますセーフガード、緊急輸入制限との関係について問題が出てくるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○長富政府委員 ただいま御指摘の二つの制度の問題でございますが、いずれも御指摘のとおり、輸入急増時の措置という点におきましては似た制度ではございますけれども、その中身は、発動要件、措置内容等基本的な部分において異なっておりますので、別個の制度であると私どもは考えております。 なお、ガットにおきまして関税率を譲許しております場合には、ガットがとります一定の手続を経なければ関税率の引き上げはできないことになっておりますけれども、日本の場合、牛肉の関税率につきましてはガット上譲許しておりませんので、本措置がガット上問題になることはないと考えております。
○矢追委員 二五%の関税の上乗せが牛肉輸入急増の抑制にどの程度の効果があると考えておられますのか。この二五%という数字の根拠、また緊急調整措置の発動基準を対前年度比一二〇%、こうされた理由について伺いたいと思います。
○長富政府委員 農水省が参りましたので、私どもの発言についてまた補足が必要であれば農水省から説明していただきますが、私どもの理解しておる限りにおきましては、現在の牛肉の内外価格差から計算いたしました必要関税率、大体どのくらいの関税をかけると競争力が相整うかということでございますが、非常に大ざっぱに計算しまして、大体九五%というふうに考えております。 三年間にさまざまな、先生お尋ねの肉用子牛の再生産の確保等を図るための国内措置を行いつつ、生産コストの低減に努めていただくわけでございますが、その結果、大体七〇%あれば見合うのではないかというふうに考えております。ただ、これが一二〇%、二〇%増というような状況になりました場合には、これに二五%をかけますと九五%ということで、現時点におきます内外価格差からはじきました必要関税率にほぼ見合いますので、十分に対応できるのではないかというふうに考えております。 以上が計算根拠でございます。
○太田(道)説明員 一二〇%のレベルの問題でございますけれども、この問題につきましては、六十一年、六十二年の輸入の実績が対前年で一九%でございます。それから六十三、六十四、六十五年度の枠の設定につきましては、対前年、六十三年度が二八%、それから六十四年度が二一・九%、六十五年度が一八%ということになっておりまして、おおむねこの五年間の推移を大体想定いたしますと、二〇%内外での輸入増加であるということを踏まえまして、要するに増加量ベースにつきましては一二〇%に設定したということでございます。
○矢追委員 ウルグアイ・ラウンドにつきまして、昨年十二月のウルグアイ・ラウンドの中間見直しては、ECと米国の対立で農業面での大きな進展は見られなかったようでございます。本年四月の高級事務レベル協議に向けて何らかの合意の可能性が出てきているという報道がされているわけでございますが、これに対しまして我が国としては今後どのような見通しを持っておられるのか、また、ウルグアイ・ラウンドにおきまして日本の主張を反映させるためにどういう態度で交渉に臨もうとされておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○長富政府委員 お尋ねの後半の部分につきましては、農水省からお答えいただきたいと思います。 前半の現時点におきます状況でございますが、アメリカが恒久措置を要求しておりましたのに対しまして、目前の短期的措置でも譲歩をするのではないかというような見通し、これもまたかなり譲歩をするような形になりましたり、また途中でそれがどうもだめになったようだとか、今のところいろいろ動いておりますが、何らかの米・EC間の歩み寄りは、十二月段階よりは行われつつあるのではないかというふうに私どもは考えております。
○永田説明員 お答えをいたします。 ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の米の問題でございますが、米問題につきましては、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみまして、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するという基本的な方針で対処をしてまいりたいと考えているところであります。 米の貿易問題についての我が国の立場につきましては、現在進行中のウルグアイ・ラウンドの場で各国が抱える困難な農業問題及び制度について議論を行う段階になりますれば、米の問題を含むあらゆる農業問題を討議することを回避するということはせず、その討議の中で我が国の米の重要性について理解を求めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○矢追委員 今、米の問題にお触れになりましたが、米というのは日本民族にとりまして一番大事な食糧でございますし、これだけは何としても自由化は阻止しなければならぬ。私も都市の議員でございますから、安い米でおいしいのがあればいいという消費者の声も随分聞こえてまいりますけれども、やはり農業、また日本の一番の基は米作にあるということで、これだけは譲ることはできない、このように私自身も思っておる次第でございます。 ただ、アメリカを初めといたしまして、日本がこのような経済大国、かなりの大国になっておりますので、これから相当いろいろ出てまいることは必至でございます。大蔵大臣、農水大臣ではございませんけれども、自由化の問題等につきまして、今の関税をこうやって相当時間をかけで高い関税でやっていこうというのですけれども、これも早晩相当やられてくるんじゃないか、こう思うのです。先ほど質問しましたように、最終的に五〇%はどうしても守らなければならぬと思うのでございますけれども、その点はいかがですか。
○村山国務大臣 米の問題につきましては二度にわたる国会決議もありますし、ただいま農水省の方も、その問題は譲ることはできない、しかし論議は回避しない、こういうことでございます。私は米の産地の新潟県で生まれたものでございます。これはひとり食糧上の問題でなくて、あるいは農村環境の問題であってみたり、いろいろな点に関係しておることもよく承知しております。この件はぜひ頑張っていきたいものだ、やはり確固たる自信を持って交渉すべきである、このように考えておるところでございます。
○矢追委員 次に、今回関税率が変わってまいりますけれども、これによりまして各年度、平成三年七〇、四年六〇、五年五〇、こういうことで大体どれくらい関税収入を見積もっておられますか。
○長富政府委員 お尋ねの点につきましては、平成三年度以降、現実の牛肉の輸入量あるいはそのときの輸入価格がどうなるかによっておのずと異なるわけでございますが、一応平成二年度の輸入割り当て量と同水準、四十万トンと見まして大ざっぱに計算いたしまして、各年度とも一千億円を相当上回る額に達するというふうに見込んでおります。
○矢追委員 この関税収入は、昨年の百十三臨時国会で成立をいたしました肉用子牛生産安定等特別措置法によりまして、国内のしわ寄せを受ける繁殖農家へ支給する生産者補給金の財源となって充てられているわけでございますが、もし仮に輸入牛肉価格の値段が下がる、こういうようなことで関税収入が減少した場合は、その手当てはどうされる予定ですか。
○長富政府委員 現時点におきましてその後のことを余りはっきり申し上げることもできませんが、先ほどの計算は一応四十万トンを前提といたしておりますが、実際には二〇%ずつぐらい輸入量がふえてまいります。仮に五〇%がキープされる場合、あるいはその後、それについてもはっきりしたことは言えませんけれども、一千億円を下回ることはあるまいというふうに見込んでおりますので、関税収入が不足するという事態は現時点では想定いたしておりません。
○矢追委員 農水省はいかがですか、今の質問について。
○太田(道)説明員 ただいま関税局長から御答弁ありましたとおりでございまして、私どもの方も、輸入量、それから輸入価格の変動ということは当然あり得るわけでございますけれども、少な目に見積もっても、やはり一千億円以上の財政収入は当然あり得ると見込んでおります。それから、いろいろ仮定を置きまして、子牛の生産者補給金がどの程度になるかということでいろいろ仮定を置いた計算でございますけれども、そういうことをやってみましても大体一千億未満ではないかというような感じを持っておりますから、そういう意味で、私どもといたしまして、現在のところ財源的に特段問題が出てくるということにはならないというふうに考えております。
○矢追委員 最初お見えになってなかったのにちょっと質問いたしましたが、緊急措置、三年間でございますが、今後牛肉・オレンジだけではなくて、だんだん自由化が進んでまいります。それによるいろいろな、特に牛肉の場合の繁殖農家の不安というのは、なかなか解消されていないわけでございます。 今、少し財源措置にも触れましたが、ただこういうお金を渡して、それで終わりというふうなのではなくて、やはり日本の農業、特に畜産農業の体質改善といいますか、そういったものにはもっと力を入れていかなければならない。ただ補助金をつければそれでいい、それで関税を引き上げてやっていくんだ、その税収で賄う、そういうことだけでは私はだめなんじゃないか、こう思いますので、今申し上げた繁殖農家の不安に対する財源措置対策並びに今後自由化にさらされてくる農業対策全般について、ひとつ今後の方針をお伺いしたいと思います。
○太田(道)説明員 牛肉の輸入自由化に伴う関連対策につきましては、私どもといたしましては畜産の存立を守ると同時に、その体質強化を図るという基本的考え方にのっとりまして諸対策を展開していく考えでございます。 中長期的な対策といたしましては、平成三年度からの牛肉の輸入割り当て制度の撤廃に備えまして、肉用子牛の価格低落時における肉用子牛の生産者に対する補給金を交付すること等を内容とする新制度を平成二年度から発足させることにしております。このための要するに財源確保といたしまして、牛肉等の関税収入相当額を充当するということにしておるわけでございまして、前国会で畜産二法の制定によりまして所要の立法措置が講ぜられたということでございます。 それから、当面の価格変動に対する緊急対策といたしまして、現行の肉用子牛価格安定制度の拡充強化、それから肉が下がると肥育農家に影響がございますので、肥育経営等の安定対策の拡充強化、それから今先生から御指摘がございましたように低コストの生産の推進という面、それから流通の合理化対策というきめ細かい対策を講ずることといたしまして、六十三年度の補正予算、平成元年度の予算、それから畜産振興事業団の指定助成事業等を通じまして所要の対策を講じていきたい、こういうように考えておるところでございます。
○矢追委員 次に、税関職員の問題について、昨日も議論されておりましたが、改めてお伺いをしたいと思います。 昨年の本委員会におきましても、これは毎年やっておりますが、税関職員の特殊な業務を考慮して、処遇改善はもとより、中長期に基づく要員の確保に努力すること、こういった附帯決議をしておりますが、昨年以降今日までどのような配慮をされたのか、初めにお伺いしたいと思います。
○長富政府委員 国会の附帯決議につきましては私ども十分に承知いたしておりまして、鋭意、意に沿うように努力いたしておるところでございます。 お尋ねの件、定員について申し上げますと、六十三年度におきまして九年ぶりに五名のネット増という形になっております。また、平成元年度につきましては、私どもネットで百五十五人の増員になるようにお願いしているところでございます。
○矢追委員 昭和六十三年の出入国者数は全国で約二千万人、十年前の二倍という伸びになっております。このことは商業貨物も同様でありますが、税関職員は昭和五十三年の八千七十七人をピークに年々減少し、昭和六十三年度は七千七百三十一名と逆に少なくなっております。今六十三年はネット五名増、平成元年は百五十五名増を目標としておる、こうおっしゃっておりますが、時代逆行といいますか、こういうのが甚しいと思うわけですよね。これだけどんどん急増しておるのに非常に人数が少ない。 では、人数が少ないなら、それなりに何らかの形でそれを補う例えば機械化、あるいはその他の事務処理のOA化も含めましていろいろな手だてがあると私は思うのですが、それよりもやはり人間がやらなければならぬ仕事が大変多うございます。そういう意味で職員の負担も多くなるし、また事故の発生にもつながっていく、こう思うわけでございますが、この百五十五名は間違いなく確保できるのかどうか、これでどの程度さばけていくのか、その点はいかがですか。
○長富政府委員 百五十五人につきましては、平成元年度の予算審議をお願いいたしているところでございまして、先生方の御理解、御協力をいただきましてぜひ確保さしていただきたい、かように私どもは考えているところでございます。 これにつきましても、現在の定員削減の非常に厳しい状況の中で、大変な各方面の御理解をいただいてふやしていただいているところでございますが、四月一日から消費税も入るわけでございますし、現在、先生もおっしゃいましたようにいろいろなコンピューター化を各方面に進めております。また航空貨物につきましても、今NACCSといいますコンピューターシステムを採用いたしておりますが、これにつきましても大体プログラム組みかえの作業を終わったところでございます。さらにそれ以外に、収納事務とかあるいは外郵関係につきましてもコンピューターの導入をしたいというふうに考えております。 さらに人間の配置でございますが、百五十五人のネット増になりましても、実情を申しますと、彼らは最初九カ月の研修期間がございませんと直ちに現場に張りつけるというわけにはまいらないわけでございまして、当面の緊急措置といたし生じて、輸入部門を中心に人員再配置を行っているところでございます。
○矢追委員 今後成田空港の拡張も予定されておりますし、関西新空港の新設もできるわけで、特に関西新空港は二十四時間営業する空港でございますから、大変な人も来るし、荷物も来る、このように思うわけでございますが、これに対しては将来展望として十分検討はされておるわけですね。
○長富政府委員 ただいま御指摘のとおり、平成二年度中を目途としまして成田空港の概成が進められております。さらに平成五年の三月を目途にしまして、関西新空港の開港が進められているところでございます。 これに対しましては、私ども先ほど申し上げましたようにコンピューターを各方面に導入するということを考えておりますが、基本的に、現在海上貨物が大変な事務量として航空貨物のほかにございます。これにつきまして、大体三年前後を目途といたしまして東京、横浜をコンピューター化する、さらに一年後ぐらいに神戸、大阪、名古屋三港をこのコンピューターシステムに入れるというようなことも考えておりまして、それによりましてかなり省力化を進めてまいりたいと考えております。その中でさらに要員確保につきましては、各方面の御理解、御協力をいただきながら努めていきたいと考えている次第でございます。
○矢追委員 待遇改善の問題ですけれども、税関の職員というのは、普通の職場も大変なところはいろいろございますが、今数の問題ばかり申し上げましたけれども、国際交流が非常に緊密化し、また徴税事務、法令の確認の複雑化あるいはコンテナ輸送の大型化、特に麻薬とかそういう密輸品、そういったものを調べるのもなかなか大変な作業でございます。私も何回か税関等は視察に行かしていただきましたが、あのコンテナ全部調べるのも大変ですし、これこそ機械でやらなきゃならぬのかなと思いますが、そういう大型化、あるいはまたココム物資、ワシントン条約あるいは無体財産権に対する専門化、そのほかけん銃、麻薬、またいろいろな爆発物もテロによって来る可能性もゼロではございません。そういう意味では複雑であり、専門化それから大型化、さらにそういう危険性、そういったことがあるわけでございまして、そういう意味では普通の職場以上に何らかの形での待遇改善が必要ではないか。 こういったことで、税関職の俸給表実現というふうなものも職員の中からいろいろ言われているわけでございますが、そういう特別な俸給体系というのは検討はされておりますか。
○長富政府委員 御指摘の点、さまざまな難しい問題に対処いたしております税関職員の処遇改善につきましては、関係当局にいろいろ要望を伝えているところでございます。 税関の職員の特別俸給表につきましても、私ども人事院の方には要望として強く伝えているところでございますが、各省庁のバランスの問題もございまして、なかなか実現は難しい状況でございます。
○矢追委員 難しいとおっしゃいますけれども、ひとつぜひ御検討いただきたいわけでございます。 それからもう一つは、これは十二月二十七日の日経新聞のコラム欄「春秋」に出ておりましたのですが、税関職員の現職死亡が非常に多いわけでございまして、普通の公務員の職場の平均死亡より税関の現職の死亡は倍以上というデータが出ております。この原因は、数が少ないからというようなことが言われております。それもあると思いますが、もっときちんと原因を調べていただいて、それなりに健康管理をやらなければ、これは人命の問題でございますから、大変な問題だと私は思います。そういった意味で、こういった問題については検討されておるのかどうか、どのように事情を調べて今後の対策を講じておられるのか、その点はいかがですか。
○長富政府委員 税関職員の現職死亡の数が財務、国税あるいは他の行政機関の現職死亡の数ないしは比率を上回っていたことは事実でございます。大変に驚きまして、いろいろとその原因、要因分析とか対応を進めておるところでございます。 その後幸いに、こういう表現がいいかどうかわかりませんが、一時ほど多い状況ではなくなってきているというふうに考えておりますけれども、昨年その記事が出た後だと思いますが、鋭意その現職死亡の原因あるいは長期病休者の発生状況を調べて対応しておりました現職の厚生課長が、通勤途上で事故死により死去するという大変ショックを受けるような事件もございまして、その後もさらに検討を進め、対策を講じているところでございます。 細かい一々の対策については省略させていただきます。
○矢追委員 本年一月から四週六休の土曜閉庁が実施されたわけでございますが、全国の税関における実施状況はどうなっておりますか。税関は海空の取り締まり官庁として緊急性もあり、なかなかやむを得ない点もあろうかと思いますが、他の方と比べましてこれに対してどういうふうな対策を講じておられるのか、その点お伺いしたいと思います。
○長富政府委員 土曜閉庁方式が導入されまして、税関も原則として閉庁といたしたわけでございますが、行政サービスを低下させないという観点から、主要な空港及び海港につきましては、周辺出張所の業務も本関に集中管理するということから、本関を中心に全部で三十八官署開庁をいたしているところでございます。 なお、この出勤状況でございますが、当直体制をとっております監視取り締まり職員を除きまして、輸出入通関部門では現人員の二、三割程度、外郵官署におきましては五割程度の出勤となっております。
○矢追委員 次に、先ほどもちょっと触れましたけん銃、麻薬あるいは覚せい剤、こういったことの摘発にも大変苦労されておりますが、機械それから麻薬を摘発する犬、こういったものもまだまだ少ないのじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○長富政府委員 現在、覚せい剤につきましては、一般家庭にまで入り込みつつあるというような点が憂慮されております。その密輸状況が大変にひどいということで、これの摘発を進め、あるいは裁判所におきましても無期懲役というような判決を下した中で、一つには、暴力団が薬物の扱いの中身を、どうも覚せい剤からヘロインの方に変えてきているのではないかという点がございます。さらに、アメリカ、カナダ等がそれの大きな消費地であるということで、当局も大変に憂慮しているところでございますが、そこに対します日本からの麻薬の密輸がないということから、一たん日本で上陸させた後、中継基地として使って輸出するという傾向がふえておりまして、国際的な情報交換にも力を入れているところでございます。 もう一つは、従来のパターンで麻薬、覚せい剤の取り締まりを行っておりますと、相手はやはり専門家というか、いろいろ手口を変えてまいります。最近その手口がますます複雑化し、小口貨物、商業貨物に搬入というような事件も見られておりまして、その対応にも職員が大変に苦慮しているところでございます。それに対する対応といたしまして、機械につきましてもコンドルを導入いたしましたり、あるいは大喪の儀のときには銃剣専用の犬を入れるとか、いろいろな対応もいたしているところでございます。
○矢追委員 この麻薬探知犬は、現在東京十三頭、大阪四頭でございますが、平成元年度は少しはふえるのですか。
○長富政府委員 ふやすべく予算措置はとられておりますが、ちょっと何とも数字の手持ちがございませんので、後でまた述べさせていただきます。
○矢追委員 麻薬犬の訓練、それからまた指示を与えるハンドラーという職員の方、非常に特殊な技術が要るわけでございます。相手が犬でございますから、そういった意味でこういう人たちに対する特別の待遇、特殊の勤務手当、そういったものについては何らかのお考えはございますか。
○長富政府委員 麻薬犬を取り扱っている職員につきましては、真に寝食をともにするという言葉がございますが、そういう感じで犬と接しておりまして、においが体にしみついて、家に帰ってから奥様とかお嬢様方から何とかならないのかというような苦情も出ていると聞いております。私どもそれにつきまして特別な手当を要求いたしております。これもきょうの午前中でしたか人事院の方からお答えがありましたが、要望いたしておりますが、なかなか困難な状況にあるのが実情でございます。
○矢追委員 ぜひ職員の健康の立場に立って、また考えていただきたいと思います。そういうことだから先ほど言ったように死亡率が倍以上、こういうことになるわけでございます。 次に、加工再輸入減税制度につきまして、今回新たにワイシャツ、ズボン等が指定されておりますが、これによって中小零細の多い我が国の繊維業界に打撃を与えることにはならないかどうか、その点はいかがですか。
○長富政府委員 御指摘のとおり、今回、加工再輸入減税制度につきまして、繊維製品のうちニット製品等を除きました比較的国際的競争力のある織物、繊維類を追加することを御提案した次第でございます。 これにつきましては、一つは昨年の十一月三十日の繊維工業審議会の答申にもございますように、我が国の繊維製品は今後一層高級品化を進めていくということで、この分野につきましては比較的競争力があるというふうに言われている分野でございます。さらにその中におきましても、やはり我が国織物業界の影響を最小限のものといたしたいということから、原材料加工工程に限定を加えるということを考えております。その限定と申しますのは、日本から輸出されます原材料は裁断済みの織物に限る。相手国ではこの原材料をさらに裁断してはならない。さらに染色、刺しゅう、レース加工等を行ってはならないし、レースまたは刺しゅうしたものを取りつけてはならないというような限定をつけておりますので、御心配の、御指摘の点はかなり少ないというふうに判断しているところでございます。
○矢追委員 一応この問題のまとめとしてひとつ大臣にお伺いしたいのですが、今の税関職員の要員確保、それから待遇改善、健康の増進、さらに今度消費税が導入されますので、税関職員とあわせて国税の職員も、間接税の部門がなくなるのでその部門から人を回されたり、いろいろ苦労されておりますけれども、今後は相当事務量もふえてくることは間違いありませんし、特にこの四月一日以降の導入に伴う混乱によりまして、相当税務署の方は大変だと思います。そういう意味で、ひとつ大臣の統括されておる職員の生活といいますか生命、そういったものについて所見をお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 今厳しい定員の削減を実行中でございますけれども、委員のお話のように国税庁の職員、税関の職員、事務量が大変ふえておるわけでございますし、その内容も非常に難しくなつておりますので、人員の確保についてはこの上とも努力してまいりたいと思っておりますので、どうぞまたひとつ御支援のほど、御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。 税関職員の待遇の改善の問題あるいは健康の問題、本当に最近における税関職員の業務の変化と申しますか、非常に目覚ましいものがございますので、この点も本当に力を尽くしてそれぞれの関係省庁にお願いし、我々自身もこの点を十分気をつけてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○矢追委員 税関職員もそうでございますが、特に国税職員は国の収入を預かる大事な部門でございます。言葉は悪いですけれども、稼いでいる部門ですね、役所の中でも。そういうところが困っておったのでは何にもならぬわけでございますから、その点ひとつ十分御配慮をいただきたいと思います。 それから次に、輸入食品の安全性についてこの際伺っておきたいと思います。 食料品の輸入は年々増加をいたしまして、一九八八年の貿易統計によりますと二百九十一億ドルで、対前年比三〇%の伸び率を示しております。輸入額全体に対するシェアも一五・五%と大きな比重を占めております。いつも指摘をされておりますが、この食品の安全性に対する対策、これは万全であるのかどうか、その点を伺いたいと思います。特に最近チリ産ブドウの毒物混入事件が大きな社会問題となっておりますが、どうも現状の輸入食品の安全性に対する体制、制度が整っていない。そういうところから出てきたのではないか、こう思われるわけでございます。 輸入食品の検査に携わる厚生省の食品衛生監視員はわずか七十八名、年間約五十五万件の輸入申請を処理しております。実際に検査できるのは民間の指定検査機関も含めて一五%程度という報告を聞いておるわけでございますが、これも国民の健康と安全に直接結びつく重要な立場でございまして、この検査機能が現状では十分に発揮できているとは思えません。今後、自由化の波の中でますます輸入量がふえてくるわけでございますが、この検査体制の充実強化、こういったものについてどのような見解を持っておられるのか。 参考といたしまして、輸入植物を検査する植物防疫官は六百五十名、こういうことになっておりまして、まだまだ私は不備であると思いますが、この点厚生省、いかがですか。
○松田説明員 お答えいたします。 輸入食品の安全対策、まず現状でございますが、先生御指摘のように輸入食品の輸入量は年々増加しておりまして、六十二年の数字で見ますと、件数にしますと五十五万件、重量にいたしますと二千二百万トンに達しているわけでございます。これを安全チェックするために、全国二十の海空港におきまして、現在七十八名の食品衛生監視員が専門に監視に当たっているわけでございます。 この検疫所で現在とっている措置は幾つかございますが、その主なものといたしましては、まず事前に輸入業者に対しましていろいろ相談に応じまして、違反食品等を輸入しないように事前にいろいろと知識を普及する、そういう相談事業をしております。それから輸入食品の安全性の問題につきましても、いろいろ一般的な研修等をしたりしながら相談、指導をしておる。それから三番目でございますが、実際に輸入食品が来た場合に、全部を検査に回すというのは大変でございますので、書類にいたしましてまず事前にチェックをする。書類審査でございます。書類審査をしまして、長年の経験あるいはチェックポイントによりまして、必要があると思うものに対しまして検疫所で検査をする、あるいは高度の検査は国立の衛生試験所へ回す、さらに業務量に対応するために厚生省が指定しております指定検査機関にも検査を委託する、こういうような形でやっているわけでございます。 したがいまして、安全対策は万全かという御質問に対しましては、今の体制、やり方でとにかく精いっぱい万全になるように努力をしているということでございまして、そのために検疫所の職員に大変な負担がかかっているというのが現状でございます。したがいまして、今後の食品検査体制につきましては、やはりさらに一層の充実が必至だということでございます。 今年度はそのために、マンパワーの補強のみならず、検査のための測定機器、これの高度なものを業務量、輸入量の多い検疫所、例えば横浜検疫所だとか神戸検疫所に配置する、こういう整備をしております。また平成元年度の予算におきましては、特に輸入食品対策というのは非常に重要だと厚生省でも位置づけまして、食品衛生監視員の増員を九名図ったところでございます。平年度ペースでは二、三名の増員であったものを何とか九名増員にした。それから、監視窓口といたしまして現在二十カ所の食品の監視窓口が検疫所にあるわけでございますが、一カ所広島に監視の窓口をふやした。また、この輸入食品を日本の検疫所で水際でチェックする、これはもちろん大事でございますが、物によりましては、事前に外国の情報を察知いたしましてあらかじめ手を打つためには、海外からの輸入食品に対する情報をいろいろ入手する必要があるということで、コンピューターを用いた輸入食品の監視情報システムをこれから整備していこうということで、そういうための予算も平成元年度予算には盛り込まれているわけでございます。 以上のような考え方で、今後とも引き続き体制の強化に当たってまいりたいと思うわけでございます。 それから、御質問の中にチリ産ブドウの問題がございました。普通、輸入食品の安全の場合は、農薬の汚染だとか牛肉等に含まれてはいけない抗菌性物質が入るとか、そういうものをチェックするわけでございますが、今回の事件はまさに犯罪行為でございまして、チリ政府からの情報によりますと、犯人は特定しておりませんけれども、いずれにしても故意に輸出用のブドウにシアン系の毒を混入した。方法はどうも注射で注入したというようなことでございますが、こういう特殊な事件であったわけでございます。 これに対しまして厚生省といたしましては、在チリの日本大使館あるいは在日のチリ大使館を通じまして詳細な情報を入手しまして、あるいはアメリカも同じような事件に巻き込まれておりますので、アメリカのとった対応措置も勘案しながら、従来とは違った対応の仕方でこれに措置をしてきたわけでございます。現時点におきましては、既に日本に輸入されたものについては廃棄処分、それから現在倉庫等にあるものにつきましては、特定の処理をして加工用のジュースには使用できる等の措置をとっておりますし、これからチリを出発して日本に向かうものにつきましては、まだ輸入の禁止をしている状態でございます。 以上でございます。
○矢追委員 次に、租税特別措置法案に関連して一、二お伺いをいたします。 今回、不動産登記に係る登録免許税が廃止になりました。これは御承知のように、首都圏における地価の高騰を配慮して、二年前に課税標準を五〇%引き上げたものでありますが、今回廃止される理由はどこにございますか。
○尾崎政府委員 先生のお話にございましたように、平成元年三月三十一日までの特別措置といたしまして、昭和六十二年九月に制度が定められたわけでございますけれども、その当時、東京都心部に端を発しました地価高騰によりまして、課税標準であります固定資産税の評価額と実勢価格との差が非常に拡大しておりました。そこで、実質的に登録免許税の負担が低下しているのではないかということでとられた特別措置でございました。 しかしその後、昭和六十三年度に登録免許税の課税標準である固定資産税の評価がえが行われまして、全国基準地ベースで宅地の評価額が一六%程度上昇しております。それから、最近地価が特に東京都で鎮静してまいりまして、若干下落傾向を示しているというようなこともございます。そういう状況を勘案いたしまして、特例の期限到来とともにこれを廃止して、本則に戻るということにしたわけでございます。
○矢追委員 私は、廃止することを悪いと言っているわけではないのです。今言われたように、固定資産税の評価額が変わった、あるいはまた地価が鎮静してきたと言われますが、東京の中心の現象でありまして、私のおります大阪なんかは今むしろ逆に相当上がりつつある。また近郊も相当上がっておる状況でございまして、そういうことを考えてみますと、何かこういう政策税制というものをやってすぐ二年たったらやめてしまう、しかもそれがどれだけの効果があったのかどうか、これが大変私は疑問であると思うわけでございます。 土地の価格を抑える対策は、こういうこと以外にもっと重要なものがあるのではないか。融資の規制なんか一番効果があったと思いますが、なかなか現実はそれが実行されていなくて、結局先ほども武藤先生が触れておられましたいわゆるマネーサプライの上昇、金余り現象、こういったことで相当土地と株の投資に行ってしまった。こういうことがありますので、こういういわゆる政策税制をやる場合はよほど将来展望、長期的な見通しに立った上でないと、やはりつけ焼き刃でやったという感を免れないわけでございまして、そういった意味で土地対策上として果たしてどうなのか。特に東京はある程度今申し上げたような理屈で合うかもしれませんが、ほかはどうなのか、その点についてはいかがですか。
○尾崎政府委員 確かにこの措置は、当時の東京を中心とする地価上昇等、異常な上昇に対しましてとられました臨時の措置でございます。したがいまして、長期的見地に立ってのものとは申し上げにくい措置でございまして、そこでこの際期限到来とともに廃止することとしたわけでございますが、この土地の問題等につきましての課税のあり方につきましては、先生御指摘のように、長期的な目で見ていかなくてはいけない面が非常に強いわけでございます。 政府で目下土地基本法等も検討されているような事情にございますし、そのような広い観点に立って、また他の政策との整合性にも十分注意しながら、今後ともこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
○矢追委員 次に、土地譲渡に係る収用等の特別控除額を今年一年限りの臨時措置として三千万から五千万にしておられますが、こういう措置は他の譲渡所得に係る均衡上、不公平ということにはならないのかどうか、その点はいかがですか。
○尾崎政府委員 土地の譲渡所得課税につきましては、特別控除でございますとかあるいは買いかえ特例等がございまして、土地譲渡益のかなりの部分が課税ベースから脱落しているという問題を実は抱えているわけでございます。 そういうことを念頭に置いてのことでございますが、一つには、各種の特別控除が昭和五十年以来据え置かれてきている。その中で最近におきます公共事業用地の確保の困難性ということが問題にされております。それからもう一つは、農産物の自由化の進展に伴いまして、我が国の農業経営の体質強化、これが緊急の問題となっているわけでございます。そこで、先ほど申しましたように土地基本法策定の準備なども進められている状況下ではございますが、各種の特別控除のうちこのように緊要性のあるものに限りまして、一年限りの措置として控除額の引き上げを行ったものでございます。
○矢追委員 次に、寡婦控除でございますが、扶養親族に八万円の特別加算を行う特例制度を設けることになっております。その場合、合計所得金額三百万円以下という制限が設けられておりますが、この三百万を決められた理屈といいますか、この水準は妥当であるのかどうか、八万円というのはどういうところから出てきたのか、その点をお伺いしたい。
○尾崎政府委員 寡婦控除につきましては、先般の税制改革に含まれます所得税減税におきまして、実は控除額を二十五万円から二十七万円に引き上げ、それによりまして寡婦の負担軽減を図ったところでございます。 今回それに加えまして、特に女手一つで子供を抱えながら家庭を支えている母子家庭につきまして、しかも所得の少ない方を対象といたしまして八万円の特別加算ということを考えたわけでございますが、寡婦控除制度の中に実はこの三百万円という所得制限がございまして、例えば御婦人の方の寡婦の方でも係累のないような方につきましては、年所得が三百万円以下であることが一つの条件となっておりますし、それから夫の方の寡夫の場合には、所得三百万円以下という条件がついているわけでございます。そのようなものを勘案しながら、今回の措置は特別の加算でございますので、年所得三百万円以下の方ということで認めたわけでございます。
○矢追委員 次に、消費税について少しお伺いをしておきたいと思います。消費税は消費者が負担する税、こういうことできておりまして、いわゆる業者の方は負担をしない。あくまでも消費税であり、間接税である、こういうことできておりますが、現実問題として業者の方たち、特に中小関係の方で免税業者の中には、どうしてもこれは第二事業税である、こういう主張を非常にされておるわけでございまして、結局業者が負担しなければならぬ。特に価格転嫁のできないもの、やりにくい、そういう声が非常に聞こえてくるわけでございますが、その点について事業税ではないというしっかりした理論構築といいますか、それはどうなっておりますか。
○尾崎政府委員 この税は消費税でございますから、御指摘のように、事業者が負担をして企業課税のようなことになってはいけないわけでございます。そのためには、一番大切なことは税相当額を転嫁していくということでございまして、御承知のようにそのための特別の措置、例えば転嫁のカルテル等も特別に認めていただいておりますし、また、政府全体といたしまして、この制度の趣旨であります消費に対して課税するものである、納税義務者は事業者でございますが、負担をしていただくのは消費者の方々に負担をしていただく、そういう制度であるということにつきまして、各方面の御理解をいただくべく努力をしているところでございます。
○矢追委員 なかなか現実は理解をしておらないわけでございまして、特に四月一日実施ということで、消費者もそうでございますし、業者の方も大変な困難でございます。大蔵大臣、しばしば導入に伴う摩擦熱のようなものだとおっしゃっておりますが、そういうふうな一言で片づけられるようなものではないと私は思います。 そこでお伺いしたいのは、これは経企庁でも結構ですが、一物二価という問題についてはどうお考えですか。これは憲法違反と言っていいのですか、どうですか。
○井坂説明員 お答えいたします。 御案内のとおり、一般に個々の商品とかサービスの価格は、各事業者ごとに需給動向など種々の要因を総合的に勘案いたしまして、自由競争のもとで決定されるものでございます。このために個別の商品等の価格は、現在でも必ずしも一つの価格とはなっておらないということでございます。したがいまして、消費税の導入後、消費税が上乗せされた後の価格がいろいろあるということも、自由競争のもとではあり得るのじゃないかというふうに思っております。 先生の御指摘がもし端数処理の話でございますれば、また別途御答弁したいと思います。
○矢追委員 一つはそうでございます。一つの実例をちょっと私も考えてみたのでございますが、大蔵大臣、よく聞いておいてください。スーパーはレジですべて三%上乗せするやり方でやるわけですね。だから同じ商品を買っても値段が違う、こういうことがあるわけです。 実例を申し上げますと、例えば一個九十円の即席ラーメンを十個買う場合、十個まとめていくと、九十円掛ける十個掛ける三%で二十七円、締めて九百二十七円払う、こうなるわけです。ところが、面倒くさいですが一個ずつレジに持っていきますと、その都度払う消費税というのは九十円に三%で二・七円。一円未満切り捨てになるから二円。手間はかかりますが、一個ずつ持っていって十回繰り返せば消費税は二十円で済み、合計九百二十円。だが、十個まとめて買うと九百二十七円、一つずつばらばらで買うと九百二十円。七円安い。これが一物二価。 もう一つは、キヨスクとスーパーと比べた場合でございますが、JR駅のキヨスクの場合は、朝夕のラッシュ時に殺到するお客さんに一円単位のやりとりをやっていたのではさばき切れない、こういうことで百四十円以下の商品価格を据え置いて、その分を消費税を上乗せした百五十円以上の商品の端数切り上げでカバーすることに決めたようでございます。取り扱い商品は八百種類と言われております。 問題は、その定価の表示でございますが、スーパーなどでは定価にレジで消費税三%上乗せする方式ですから、定価二百円のお菓子は二百六円になりますが、JRのキヨスクで買いますと、これは端数切り上げでございますから二百十円。これは一物二価でございます。これはいかがですか。
○尾崎政府委員 端数処理の関係がございまして、御指摘のようなことが生じ得ることは確かでございます。しかしながら、実際の取引におきまして、その事業の特性に応じまして端数処理が行われる、それが合理的でないということも言えないわけでございまして、そのような端数処理の方法をとりましても、それは許されるものであろうというように考えております。
○矢追委員 経企庁はいかがですか。私が一物二価は憲法違反だというのは、消費税が導入されることによってこういうことになるわけです。自由経済で、確かに同じ商品でA商店とB商店が違うのは、これは当たり前の話ですけれども、同じ商店の中、同じ品物で、同じようなスーパーとキヨスクでこういう変わりが出てくるというのは、消費税があるから一物二価になっておるわけでして、だから憲法違反の疑いがあるのではないかと聞いておるのです。それに対する答弁をお願いしたい。
○井坂説明員 ただいま主税局長に御答弁していただいたとおりかと思うのですが、消費税は確かに商品、サービスの種類にかかわりなく一律に三%課税されるものでございまして、価格の上昇を通じて最終的に消費者が負担する間接税でございますので、消費税の価格への上乗せも、原則としては確かに一律三%ということが望ましいということだと思います。しかし、現実の取引において、従来十円単位で取引をしていた、販売をしていたという商品等で、事務負担でありますとか取引慣行等を考慮いたしますと、消費税の転嫁を一円単位で行うということが事実上困難なものにつきまして、税の上乗せ分を事業全体として三%の範囲内ということで調整しながら、十円単位で端数処理をするということもやむを得ないといいますか、現実的な一つの方法だというふうに考えざるを得ないと考えております。
○矢追委員 いや、私の質問に答えてください。消費税が導入される。いわゆる法律によって一物二価が起こるわけですから、憲法違反にはならないのですかと聞いている。この答弁をお願いしたい。
○尾崎政府委員 現在の商品の価格を考えてみましても、確かに理屈の上では一物一価ということが言われるわけでございますが、例えば外の日動販売機で買うと、ウーロン茶ならウーロン茶が百円、そばのスーパーマーケットに行けば、それが八十八円で売っているというようなことが現実にあるわけでございますから、そういう現実の上に消費税が適用される。消費税独自の問題としては、端数処理などで差が出てくるということも生じ得るわけでございますが、その根っこになります物価そのものが現実には必ずしも一物一価になっていないということから、御理解をいただきたいと存じます。
○矢追委員 次に、これは昨日同僚議員の柴田委員からも質問がございましたし、先ほどもあったようでございますが、消費税導入で自動車の購入は一般的に安くなるわけでございますが、身障者の方が自動車を購入する場合、今まで物品税が免除になっておったのが、物品税の廃止によって逆に六%の消費税がかかる。この問題、処理をされるとおっしゃっておりますが、どのようにされるのか。もともとハンディキャップの方の商品は全部高いのですよ。 私もこの間、大阪に福祉のデパートというのがございまして、そこに行って見てきました。いろいろな身障者用の、ハンディキャップを背負った人の自動車あるいは車いす、トイレとかいっぱいあるわけでございますが、押しなべて高い。これは数が少ないですから、生産コストが高くなるのはやむを得ないと思います。しかし、身障者の方に対してはどういうことでこういったものをやっていくのか。税でやるのか、あるいはまた、そういったものをつくっておる企業に対するそれこそ租税特別措置法の特別償却というようなことを考えてやるのがいいのか。どのような方法でもよろしいのですが、今回特に目の前の四月一日から身障者の方が買われる自動車等のものについてどうするのか、具体的に示してあげないと私はかわいそうだと思います。 そうでなくてもこの消費税は弱い者いじめと言われておる税でございますから、余計こういったハンディキャップを持った方に対しては手厚い保護、施策が必要だ。これは政治の問題だと私は思います。ただやむを得ません、変えられません、こういうことではなくて、じゃ、そのほかに方法があるのか。秤さん、今は高いので買っていただくけれども、それは税の方であるいは所得税の控除の対象にきちんとするとか、あるいはコストを下げるような行政指導をする。ただ行政指導だけでは、今度はつくっておる方もたまったものじゃありませんから、それに対して何らかの税の問題等も含めて、あるいは補助金のこともあるでしょうし、いろいろ考えられると思うのですけれども、大臣、いかがですか。
○村山国務大臣 今度の税は奢侈品とか便益品とかそういう物品税のような形でないものですから、用途免税にはなじまないということで転嫁を求めておるわけでございます。 しかし、それに対する方法としてはいろいろなことが行われておるわけでございまして、一つは補正予算で臨時給付金を出しますとか、あるいはそれがもし保護世帯であれば、来年度は物価は二%ぐらいしか上がりませんけれども給付の方は四・二%上げるとか、あるいはその人がもし福祉対象の人であるならば来年の十月以降三・五%上げるとか、こういうことをやっておりますし、自動車につきましては直接は歳出措置でやるようでございまして、障害者の特殊な自動車については金利を引き下げていこう、そのことによって製造コストそのものを下げていこう、こういう措置を講じておるところでございます。
○矢追委員 ぜひ四月一日実施前にきちんとしたことを政府としてやっていただきたい。これは大蔵大臣、一番大事なことだと思うのです。いろいろな消費税の宣伝をされておりますけれども、こういうことからきちんとやらないと国民の理解は得られない、私はこのように思うわけでございます。 次に、問題となっておりますタクシーの値上げ問題でございますが、これは独自転嫁を主張したり現行運賃を押し通すところもあり、また個人タクシーの問題もございます。こういった面で運輸省はどう指導されておりますか。現状はどうなっておりますか。
○山下説明員 消費税の導入に伴います運賃の改定申請につきましては、それを見合わせるということを現在のところ表明しておるタクシー事業者が大阪や熊本などで見られるということは確かでございます。 運輸省といたしましては、従来からタクシー運賃につきましては、同一地域同一連賃の原則を適用してきておるところでございます。これは利用者によりますタクシーの選択が非常にやりやすくなるということ、それから運賃の支払いにつきまして運転者とのトラブルが防げるというようなこと等々によることで、現在まで採用してきたものでございまして、この方針につきましては今後とも維持していく必要があるというふうに考えておるところでございます。未申請の事業者に対しましては、さらにこういったタクシー運賃の仕組み、その持ちます意味について理解を深めていきたい、このように考えております。
○矢追委員 細かいことで恐縮ですけれども、個人タクシーの場合、三千万以下は非課税ですが、チケットは組合で発行していますね。この部分は課税対象になるわけですか。そうしますと経理上大変ややこしくならないかどうか、その点はいかがですか。
○尾崎政府委員 物品切手と同様に考えられますので、課税にならないと思います。
○矢追委員 次に、公取にお伺いをいたしますけれども、表示の問題でございます。 表示の問題で、きょうもテレビで報道されておりましたが、家電業界は外税にするということでございましたが、表示の方法、特に不当表示の場合非常に問題が出てくるのではないかと思います。公正取引委員会のパンフレットを見ましても、例えば「当商店街は、消費税を転嫁しません。」「消費税はおまけしています。」「消費税はサービスしています。」「当店は消費税額分を値引きします。」「消費税は当店が負担しています。」「消費税は転嫁していません。」こういうようなことはよくないわけですよね。これはいいですね。 それで、私の方にある業者の方から通知が参りまして、名前を言うとまたここが怒られたらかわいそうですから、名前はちょっと差し控えさしていただきたいと思いますが、途中を読みますと、「御承知のとおり昨年十二月三十日公布施行されました消費税法は来る四月一日より実施され転嫁されることになっていますが当事業協同組合では組合設立の趣旨である『経済社会に奉仕する』の精神に基き消費税は当組合で負担することにいたしました」だから「消費税がかゝりません」「宜敷しくお願いします」こういう御案内が来たわけです。ここで不当表示のことでいきますと、消費税は当組合で負担することといたしました、したがって料金には消費税はかかりません、だからよろしく。これは不当表示ですね。どうですか。
○山田説明員 御質問の事例で、組合として事業を行っているのかどうか、その事業の内容など具体的な状況が不明ではございますが、一般に、先生先ほどパンフレットをお示しのように、当委員会では昨年十二月三十日に消費税の転嫁と独占禁止法の手引を公表いたしまして、景品表示法上問題となるおそれのある例を示しておるところでございます。 消費税がかかりませんなど、事業者が消費税を負担している旨をその根拠があいまいなままに殊さら強調いたしまして表示することは、当該事業者の販売価格等が他の競争者の販売価格等よりも有利であるかのように一般消費者に誤認されるおそれがございますので、景品表示法上不当な表示に該当するおそれがあるという考え方を示しております。
○矢追委員 ようわからぬのです。中身といったって、私が今読んだのは実際は物の販売ではないものなんですけれども、どんな商売でもいいわけでしなう、要するに非課税じゃないのですから。名前はちょっと差し控えさせてください。 今言われたのだと、これでも不当表示にならぬ場合もあるというわけですか。ちょっとはっきりしないのじゃないですか。ここに書いてあるのは、「当商店街は、消費税を転嫁しません。」これと同じじゃないですか。これは不当表示になるのかならぬのかと聞いておるわけです。どういう場合ならならぬのですか、同じように負担すると言った場合に。 例えば私がある商店をやっておりまして、お客さんが来られた。ちょっとまけてやと。大阪というのは値切ることのうまいところでございますから、はっきり言って大体みんな値切ります。私だって百貨店で値切ったこともある。だから値切られる方は、消費税は転嫁していませんよと言いたくなりますよ。もし私が消費税を転嫁していないと言ったら、それは不当表示なんですか。看板に出したらますいけれども口で言ったらいいのか、その辺どうなんですか。
○山田説明員 消費税は取引の各段階に課税されておりますので、一般には事業者の仕入れには消費税が含まれております。そういう仕入れ価格をベースに販売価格を決めておりますので、消費税を負担していないというような表示を行いますことは、これは不当表示に該当するおそれがございます。
○矢追委員 おそれなんて言われると余計皆さん困るわけですよ。表示カルテルの方は大体こういうことでいいと思いますよ。しかし不当表示のところは、商売ですから、商売をやっている方はもうけなければいかぬ、消費者の方はできるだけ安く買いたい、こういう中で価格というのは形成されていくのです。さっき経企庁言われましたよ。それを転嫁しなければならぬ転嫁しなければならぬ、そればかり考えていくから、結局こういう矛盾が出てくるのじゃないかと私は思うのですよ、考え方が間違っているのかもわかりませんが。だからこの不当表示のあり方はもうちょっときちんとしてもらいたい。 これは小さな組合なんですよ。かわいそうな組合ですよ。このパンフレットを見ていたらこういう文章にならなかったかもしれません。本当は、消費税は上乗せしますがうちは今までと同じくやります、私は営業努力をします、例えば人員十名を営業努力で一人減らして、それで消費税は上乗せして今までと同じ百円なら百円で売ります、こういうことを書かなければいかぬわけでしょう。こんなのじゃどうしようもないですよ。こんな面倒くさい表示なんか大体現実問題としてできますか。 それと、八百屋さんだって、全部値段がちゃんとついているかどうか疑問でしょう。それはスーパーなんかはちゃんと書いていますよ。百貨店も書いているが、大体値段のない店が多いですよ。おすし屋さんなんかないですよ。おすしなんか値段が各お店によって非常に違いますからね。そういうことになりますと、じゃ全部表示しろ、こういうふうに非常に官僚主義といいますか、言葉は悪いですけれどもファッショ的になる。この辺は自由経済なら自由経済らしくもうちょっと競争の原理が反映できるような、ただカルテルを組んで値上げさえずればいいんだという――もちろん業界の方は値上げして何とかしたいと思うでしょう。しかし現実は、事業者は今大変な状況にあるわけでして、そこでいろいろな交渉が行われていくわけです。だから先ほども言ったように、消費税じゃなくて第二事業税だという批判も特に非課税業者から出てくるわけです。 もう時間が余りありませんし、ほかの問題もございますが、この経企庁の不当表示は余りにも厳し過ぎるんじゃないか。もしこれが不当表示だとなったらどうするのですか。ただ指導するだけですか。罰則はあるのですか。いかがですか。
○山田説明員 景品表示法上では、不当表示に該当いたしますと排除命令という権限が付されます。しかし、先ほどお示しの手引、私ども今これを事業者あるいは消費者に十分周知徹底を図っておるところでございますので、個別事例等におきましては、よく調べまして十分な指導をしてまいりたいと思っております。
○矢追委員 時間がございません。消費税の問題、あと山ほど問題点がございますので、また改めてやらせていただきます。 大蔵大臣、事ほどさように、今のようにこの表示けしからぬ、やめなさいと言ったら、この業界はまた印刷し直して、文書を書き直してまた配らなければ、ならぬ。送り賃と印刷代とでまた損するわけですね。これは一つの例ですけれども、四月一日を前に不安もある、それから混乱もある、消費者の反発もある。 しかももう一つ、地方自治体は消費税は転嫁しませんということでやっているところがあるでしょう。公共料金を値上げしない。あれなんか下手したら不当表示になるんじゃないですか。だからその辺も非常に矛盾だらけといいますか、地方自治体が転嫁しなかったのは結構ですけれども、転嫁しないということを堂々と言っている。まだ私の方なんか、大阪は決まっておりませんけれども、そういう通知がもし来た場合、料金は据え置きです、消費税は転嫁していませんともし大阪市とか大阪府が出したら、これは不当表示になるわけですね。お役人さんは頭がいいからそういう文書を出さぬと思いますけれども。 だからその辺で、本当に消費税を吸収したり営業努力によってやっているのですから。ただ、うちは消費税を転嫁しておりませんと言ったら、これは商店街は困りますけれども、消費者にとってはええことやないですか。皆さんは一生懸命転嫁しよう、転嫁しようと思って努力をされて、営業努力をされ、また企業努力をされておる。消費者もそうやって今度はなるべく安いところを探す。先ほど言ったように、まとめて買ったら高い、ばらばらで買ったら安い、こういうことをやる人があるかないかわかりませんけれども、理屈で言えばこういう現象が出てくるわけです。それほどこの消費税は大変な現場での混乱、ただ大蔵大臣が摩擦熱だということで済ましておるようなものではない、こう思いますので、ひとつそういうことも含めてきちんとした対策を講じてもらいたいじゃなくて、だからやめてほしい、こう言いたいわけでございます。 以上です。大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 今一番早くやらなければならぬのは値づけの問題でございます。あとの納付の話はずっと後の話になるわけでございます。まず値づけから決めていただく。適正転嫁を望んでいるわけでございますし、過剰転嫁は困る、こう言っているわけでございます。また、弱者をこの機会にいじめるなんというのは、これはもってのほかだ、こういうことでございます。 消費税の目的としているところは、当然のことでございますが、これはいろいろなことで多少の摩擦はあると思いますけれども、だんだん今落ちついておる。我々が見ておりますと、だんだんそれぞれ値決めの態度を決めつつある、こう思っております。この問題が一日も早く定着することを望んでいるわけでございまして、廃止するとかあるいは延期するとかということは考えておりません。
○矢追委員 ちょっと一言。時間超過して恐縮ですが、大臣、落ちついてきておる、そうじゃないです。逆ですよ、それは。 それから経企庁、ちょっと時間がなくて質問できなくて済みませんでした。 以上で終わります。
○中村委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○中村委員長 これより討論に入ります。 関税定率法等の一部を改正する法律案については、討論の申し出がありませんので、租税特別措置法の一部を改正する法律案について討論を行います。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。井上喜一君。
○井上(喜)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につき、賛成の意見を表明するものであります。 今後における高齢化社会の到来及び経済社会の国際化に対応し、また、さまざまな税制のゆがみ、ひずみを是正するための税制改革六法は昨年末に成立し、所得税等の大幅減税を行い、税制改革全体でも二兆六千億円にも達する大幅なネット減税を実現しつつ、二十一世紀を展望した税体系の構築がなされたところであります。 本法律案は、このような抜本的な税制改革の円滑な実施に配慮しつつ、当面の政策的要請に対応するとの観点から早急に実施すべき措置を講ずるとともに、租税特別措置の整理合理化等を行おうとするものであり、私は、このような政府の努力を極めて高く評価するものであります。 以下、具体的に申し上げますと、第一に、土地税制につきましては、譲渡所得の特別控除を、収用等の場合にあっては現行三千万円を五千万円に、農地保有合理化等の場合にあっては現行五百万円を八百万円に、それぞれ一年限りの措置として引き上げることとするほか、不動産登記に係る登録免許税の課税の特例を廃止する等の措置を講ずることとしております。これらの措置は、公共事業用地の確保が困難な現状等に対応するための極めて有意義な措置であります。 第二に、多極分散型国土形成促進法に基づいて整備される一定の施設について新たに特別償却を認めることとする等の措置を講ずることとしておりますが、これらは地域活性化のための税制上の措置として、まことに時宜を得た措置であります。 第三に、一定の寡婦に対する寡婦控除の特別加算措置、中小企業等の事務処理円滑化のための税制上の特例措置及び農業の国際化に対応するための必要な措置等を講ずるとともに、消費税の弾力的運営の一環として消費税に係る個人事業者の確定申告期限を時限的に延長する等、所要の措置を講ずることとしております。これらの措置は、それぞれ社会政策上の配慮、中小企業対策及び農業の国際化対策等の観点から最大限の努力が払われているものであり、極めて有意義な措置と認められます。 第四に、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成元年度におきましても政策目的と政策効果の見直しを行い、石油ガス貯蔵施設の割り増し償却制度等を廃止するほか、その縮減合理化を行うとともに、交際費の損金不算入制度の適用期限の延長を行うこととしております。 その他、中小企業者の機械等の特別償却制度等、適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることとしております。 これらの措置は、いずれも最近における社会経済情勢にかんがみ、まことに当を得た適切なものと考えます。 以上申し上げた理由により、本法律案に対し全面的に賛成の意見を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○中村委員長 中村正男君。
○中村(正男)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行うものであります。 昨年末、政府と自民党が一体となって強行成立させた消費税が四月一日より実施されようとしています。既に消費税が課税される以前から経済社会の広範囲にわたってさまざまな悪影響が出てきており、消費税反対の声が一層大きくなってきているのであります。このまま消費税課税が実施された場合、大きな混乱が生ずるのは火を見るより明らかです。 こうした現状に立ち、本法案に対する具体的な反対理由を申し上げます。 第一の理由は、本法案が、国民の大多数が反対し、問題の多い消費税の実施を前提にしていることであります。 今回の改正には、抜本的な税制改革の円滑な実施に配慮することを第一の目的として、繊維事業、農業対策、消費税の申告・納付期間の特例など消費税関連の種々の対策を含んでおりますが、いずれも焼け石に水の感は否定できないのであります。 竹下総理は、消費税に対する九つの懸念を表明しておりますが、この懸念は消費税の根本的な欠陥と言わなければならないものばかりで、今回の改正のような小手先の対策では解消できないものであります。 逆進性に対する懸念、便乗値上げに対する消費者の不安には深刻なものがあります。また、直接の納税者である事業者の納税にかかわる実際手続、価格転嫁、経済取引の変化など、悩みも深刻です。 消費税の課税対象、課税対象外、非課税、輸出、設備投資などの帳簿づけ事務、また、非課税、簡易課税、限界控除による企業分割や合併、統合などの経済取引の変動など、消費税は経済に対して中立てもなければ公平な税金でもなく、政府や自民党の説明ほど単純で扱いやすいものでも決してないのであります。 また、昨今の好景気による好調な税収状況は、消費税導入の政府の理由づけをも否定しているのであります。財政危機への対応というのはもはや理由にはなりませんし、直接税中心では財源確保が困難というのも、それほど説得力を持ち得ません。今、竹下内閣が英断をもって実行しなければならないことは、欠陥の大きい消費税の円滑な実施のために小手先の対策を講じることではなく、消費税導入を中止することであります。 第二の理由としては、本法案が不公平税制の是正に反している点が多いことを挙げなければなりません。 租税特別措置の整理合理化と言いつつ、合理化されるどころか、かえってその効果の不明な特別措置がふやされており、税制が複雑化し、ひずみが拡大しているのであります。 経済社会はまさに国際化を深めておりますが、それを理由に法人税の基本税率の引き下げが実施されようとしております。しかし、基本税率を引き下げるのであれば、諸外国並みに特別措置を整理し、課税ベースを拡大することが不可欠であります。税制改革法案の審議の際、政府は、各種の引当金や特別償却など圧縮し、三千億円程度の増収を見込んでいたのでありますが、実施が見送られたばかりか、何をいつどのように整理合理化するのかいまだに明らかにされておらず、今回の改正は全く不十分と言わざるを得ません。 第三の理由としては、土地税制改革の不十分性を指摘しなければなりません。 税制改正の柱として土地税制が挙げられ、本法案には、登録免許税の課税標準の特例の廃止や、収用等の場合は譲渡所得の特別控除が三千万円から五千万円に、農地保有合理化等の場合は五百万円が八百万円に引き上げられるなどの改正が行われますが、土地対策としては全く不十分であると言わざるを得ません。東京を初めとした大都市の地価の高値維持、地方都市への地価上昇の波及によって、勤労者は持ち家をあきらめざるを得ないばかりか、家賃の大幅値上げに直面しているのであります。抜本的な土地制度の改革と、それに合わせて土地税制の根本的な改革が急務です。今回のような一年限りの改正で何ができるのか、疑問を持たざるを得ないのであります。 以上、本法案に対する反対理由を述べましたが、最後に、再度消費税の実施の中止を強く求めまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中村委員長 森田景一君。
○森田(景)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、本案が消費税を四月一日から導入するための整備法だからであります。 消費税については、竹下首相みずから九つの懸念があると表明し、その懸念が解消できないままに成立した欠陥法律であります。すなわち、逆進性により低所得者などへ過重な負担が強いられることや、税率の歯どめ措置が講じられていない、さらには価格転嫁の問題や地方公共団体の混乱など、総理の懸念が現実の問題となっております。我々は欠陥消費税は撤回すべきであると強く主張しているにもかかわらず、政府は四月一日から強引に実施しようとすることは、断じて容認できるものではありません。 反対の第二の理由は、土地税制の改革が不十分であるということであります。 土地問題が国民生活をゆがめているにもかかわらず、さきの税制国会では土地税制に全く手がつけられませんでした。本改正案の譲渡所得の特別控除引き上げは小手先の改革であり、土地の含み益にメスを入れるなど、土地税制について抜本的な改革が必要であります。 反対の第三の理由は、不公平税制の是正が不十分であるからであります。 寡婦控除の引き上げや通勤手当の非課税限度額の引き上げ(政令事項)など、我々の主張が実ったものもありますが、総合課税の実現を初め土地税制、政治家のパーティー課税、各種引当金、準備金などの特別措置、公益法人、赤字法人課税、みなし法人課税などの不公平税制の是正は積み残されたままであります。不公平税制は徹底して是正されなければなりません。 さて、本年各地における各級選挙の結果を見れば、国民の声は、消費税の撤回とリクルート疑惑の徹底解明を求めていることが明らかであります。このことは、新聞、テレビの世論調査でも、竹下内閣支持率が一五%とか一三%という結果にもあらわれております。 この際、国民の政治不信を解消し、信頼される政治を回復するためにも、欠陥消費税の撤回と、リクルート疑惑の徹底解明を行うべきであると強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中村委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となっております租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、消費税の扱いに問題がある点であります。 我々は、シャウプ勧告以来の抜本税制改革を生活先進国づくりの柱として位置づけ、国民の合意を得て、正しい手順に従って改革を進めるよう求めてまいりました。しかるに、竹下内閣は、我々の強い反対にもかかわらず、また十分な審議を経ずして、消費税導入を柱とした税制改革関連法案の成立を強行しました。我々は、これら法案の原案どおりの成立という最悪の事態を回避するため審議に加わり、消費税の半年間の弾力的運営や見直し規定の創設等の修正を政府をして行わしめました。 しかし、十分の審議を経ていない消費税は、実施を前にさまざまな欠陥や矛盾を示しております。国民は四月一日からの実施に大きな不安を抱いており、また中小企業者の間から、これが第二事業税としてみずから負担しなければならないとの不安の声が高まっております。また、地方自治体の中には、税の上乗せを拒否するものも続出しております。 この法案では、消費税について申告期限の延期など小手先の規定を設けておりますが、我が党が自民党と合意した弾力的運用による半年の実質上の延期とは隔たること甚だしく、また現在、消費税そのものの見直しを行うべしという声が上がりつつあります。政府は、この声に真剣に耳を傾けるべきであります。こうした消費税の取り扱いについて、この法案は甚だ不十分のものと言わざるを得ません。 反対の第二の理由は、土地税制について手がつけられておらず、また、不公平税制の抜本的是正が行われていないことであります。 近年の株や土地の異常な高騰は、持てる者と持たざる者との格差を増大させております。土地税制の抜本的洗い直し、納税者番号制度の導入と総合課税体制の整備を早急に図るべきでありますが、竹下内閣はこれに誠実に取り組もうとしておりません。 第三に、税制改革の前提として我々が要求している行政改革の長期計画や福祉ビジョンの提示が行われておらず、逆に他方で、年金支給開始年齢の六十歳から六十五歳への引き上げさえ法案として提出されようとしております。 以上の理由から、我々は本法案に反対せざるを得ないことを表明して、討論といたします。(拍手)
○中村委員長 正森成二君。
○正森委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、租税特別措置法改正案に対する反対討論を行います。 まず第一に、消費税の円滑実施等の諸措置よりは、消費税の廃止こそ緊急課題だという点であります。 政府は、補正予算案と本予算案で消費税関連経費を計上し、また本案で、消費税円滑実施のためと称し、納税時期の延長等の弾力的運用、通勤手当の非課税限度額引き上げ、寡婦控除の特別加算等の措置をとろうとしております。これらは、消費税導入に対する国民各層の強い反対をかわそうとしたあめとしての措置であり、国会で一部野党の要求にこたえたものでありますが、これらの経緯から見て、それ自体問題があるものです。 しかもこれらの措置は、国民に押しつけられた、政府平年度消費税五兆九千四百億円もの莫大な負担、中小業者の取引上の負担、さらに低所得者に対する重税感等々、その害悪と比較するなら、極めて微々たるものでしかなく、これで消費税の持つ本質的な懸念は全く解消されるものではありません。圧倒的多数の国民の声にこたえ、消費税廃止こそ緊急の課題であります。 第二に、大企業優遇の特別措置の温存、拡大であります。 まず、海外投資等損失準備金における途上国向け産業開発等に著しく寄与する投資に係る積立制度新設は、海外進出大企業に対する優遇措置の拡大以外の何物でもありません。また、地域活性化・内需拡大税制という名の新たな特別償却制度の創設は、大企業本位の民活型大規模開発の税制面からの推進策であり、到底認めることはできません。 一方、適正課税すべき金融先物課税は、財界、金融界の反対に屈して、さきの抜本改正での見送りに続き、今回再び九〇年度税制改正に先送りされたのであります。 第三に、土地税制の緩和は、税の公平の原則を犠牲にして、民活型都市開発を推進しようとするものであります。なお、不動産登記に係る登録免許税の特例の廃止は、当然の措置であります。 第四に、牛肉・オレンジ輸入自由化対策税制についてであります。 今日、国民の厳しい批判は、リクルート疑惑、消費税導入に向けられているだけではなく、牛肉・オレンジ輸入自由化など農業つぶしを進める自民党農政に対する深い憤りにもあらわれています。国民の声を厳粛に受けとめるというならば、今回の小手先の措置ではなく、農産物自由化推進政策そのものの根本的転換を図るべきであります。 なお、本案にも関係ある関税定率法等の一部を改正する法律案について一言申し述べます。 この法案は、アメリカの要求に全面的に屈服し、我が国の経済主権を放棄して農業を破壊に追い込む牛肉・オレンジ自由化の日米合意に基づき、当初は政府自身これでは十分な農家保護はできないと主張してきた固定方式の関税措置と、農水省幹部もイチジクの葉のようなものと語っている緊急調整措置等を定めたものであり、到底容認できません。また、グレープフルーツの季節関税廃止、皮革・革靴の一次税率枠大幅拡大等、我が国農業と中小零細企業に深刻な影響を及ぼす措置を盛り込んでおります。したがって我が党は、ごく一部に賛成できる内容もあるものの、全体としては断固反対するものであります。 最後に、日本共産党・革新共同は、公約違反で最悪の大衆課税、消費税廃止のためにあくまで奮闘し、同時に、増税なしの三兆円所得税減税、大企業、大金持ち優遇の不公平税制是正のために国民運動の先頭に立って全力を尽くすことを表明し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中村委員長 これにて討論は終局いたしました。
○中村委員長 これより両案について順次採決に入ります。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○中村委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、中西啓介君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の共同提案により、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から、順次趣旨の説明を求めます。中村正男君。
○中村(正男)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について所要の措置を構ずべきである。 一 税制に対する国民の理解と信頼を確保するため、今後とも税制全般について不断の見直しを行い、とりわけ不公平税制の是正、資産に対する課税の一層の適正化について引き続き最大限の努力をすること。 一 土地税制については、土地基本法をも踏まえ、土地の取得、保有、譲渡等に対する課税の在り方につき更に検討を行うこと。 一 特別償却・準備金・税額控除等の租税特別措置については、一層の整理合理化を推進すること。 一 納税者番号制度については、国民の合意形成の状況を見守りつつ、引き続き検討を進めること。 一 変動する納税環境、財政再建・財源確保の緊急性及び業務の複雑化・国際化にかんがみ、高度の専門的知識を要する職務に従事する国税職員については、年齢構成の特殊性等従来の経緯及び税務執行面における負担の公平確保の見地等から、今後とも処遇の改善はもとより、職務をめぐる環境の充実、中長期的見通しに基づく定員の一層の増加等につき格段の努力をすること。 ………………………………… 関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、左記事項について配慮すべきである。 一 世界経済における我が国の立場を踏まえ、国際的協調特にガット・ウルグアイ・ラウンドの積極的推進等を通じ、保護主義の台頭を防ぎ、世界経済の安定的成長に引き続き貢献し得るよう努めること。 一 関税率の改正に当たっては、国内産業への影響を十分考慮し、農産物輸入自由化等の貿易を巡る諸情勢の変動に対処するため、特に農林水産業及び中小企業の体質の改善を併せ考えつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定に寄与するよう努めること。 一 輸出入貿易量及び出入国者数の伸長並びに税制改革に伴う税関業務量の増大に加え、覚醒剤、銃砲、不正商品等の水際における取締りの一層の強化が社会的要請になっていることにかんがみ、業務処理体制等の一層の見直しを行うことにより税関業務の効率的、重点的運用に努めるとともに、税関職員の特殊な職務を考慮して処遇改善はもとより、中長期的展望に基づく定員の確保等に格段の努力を行うこと。 以上であります。 何とぞ御賛成を賜りますようによろしくお願い申し上げます。(拍手)
○中村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 両案に対し、それぞれ附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中村委員長 起立多数。よって、そのように決しました。 この際、両附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。村山大蔵大臣。
○村山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○中村委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕
○中村委員長 次回は、明二十四日金曜日午前九時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十九分散会