科学技術委員会 第4号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1989/05/23
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、新技術開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。宮崎国務大臣。 ――――――――――――― 新技術開発事業団法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○宮崎国務大臣 新技術開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 科学技術は、国の社会、経済を支える上で極めて重要な役割を果たしており、我が国のみならず、海外諸国も科学技術の振興発展にそれぞれ努力しているところであります。このような情勢の中、科学技術立国を志向し、社会的、経済的に目覚ましい発展を遂げている我が国に対し、海外諸国の関心、期待は、ますます大きくなっております。我が国としましては、科学技術の成果が人類共通の財産であり、かつ、我が国の経済力に見合った貢献を行う必要があるとの観点から、国際研究交流を一層進めることが、国の重要かつ緊急の課題であると認識しております。この点につき生じては、昭和六十一年三月閣議決定された科学技術政策大綱にも指摘されているところであります。 一方、我が国の国際研究交流の現状を見ますと、特に先進諸国との間の研究者交流について極めて大きな不均衡の存在及びその改善の必要性が指摘されるとともに、国際研究交流を促進するため、我が国のより幅広い情報の提供が強く求められております。しかしながら、このような人材交流、情報交流等を促進するための体制は現状では十分と言える状況にはありません。 このような状況を踏まえますと、我が国として、早急に国際研究交流を促進する必要があるため、今般、新技術開発事業団を改組することにより、国際研究交流の実施体制を整備することといたした次第であります。 本法律案は、新技術開発事業団がこれまで実偏してきた新技術の開発、新技術の創製に資することとなる基礎的研究を行うこと等に加え、新たに国際研究交流業務を付加するとともに所要の改正を行うものであり、以下の事項をその内容としております。 第一は、新たな業務の追加等に伴い新技術開発事業団の名称を新技術事業団に改め、法律の題名を新技術事業団法とすることであります。 第二は、新技術事業団の目的に試験研究に係る国際交流の促進に関する業務を行うことを追加するとともに、業務の範囲に外国の研究者の受け入れに係る支援、外国の研究者のための宿舎の設置・運営、国際研究交流に関する情報の提供等の業務を追加することであります。 第三は、政府は、新技術事業団に土地、建物等を出資できるようにすることであります。 第四は、事業団の理事長の諮問機関である開発審議会の審議事項に、国際研究交流に関する重要事項を追加することとし、これに伴い開発審議会の名称を新技術審議会に改め、委員の定数を五名増員することであります。 第五は、基礎的研究を実施する場合には、現行の規定では例外なく研究者の雇用、総括責任者の指定等を義務づけていますが、外国と共同して基礎的研究を行う場合に限り、柔軟に対処できるようにするため、これらの規定の適用を除外することにいたしております。 以上、この法律案の提案理由及び要旨を御説明申し上げました。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○中川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○中川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井仁君。
○村井委員 私は、自由民主党を代表しまして、新技術開発事業団法の一部改正案についてお伺いをいたしたいと思います。 我が国は、これまで長年にわたりまして欧米先進諸国の科学技術資源をいろいろな形で導入をしてまいりまして、社会、経済の向上発展を図り、ついに今や世界有数の経済大国となった、そうしてまた科学技術の面でも世界有数の水準に達するに至った、このように認識されていると思います。 我が国は、あらゆる分野においてその経済大国としての地位にふさわしい責任を果たすことを求められるに至っておりますが、とりわけて最近の認識としまして、科学技術が経済成長に果たす役割が非常に大きい、こういうことが一般の認識になってまいりまして、海外諸国が我が国の科学技術面での国際的な貢献というものを非常に強く求める、こんなようになってきていると思うわけでございます。 このたび政府から提案されました新技術開発事業団法の一部改正は、このような環境に対応しまして提案されたもの、このように理解はしておりますが、改めて、国際研究交流を必要とする背景についての大臣の御認識と、それから基本的な対処方針につきましてお伺いをいたしたいと思います。
○宮崎国務大臣 村井委員お話しのように、科学技術は国の社会、経済を支える上で極めて重要な役割を果たしておりますし、日本だけではなくて、海外諸国も技術の振興発展にそれぞれ努力をいたしております。 こういったような情勢の中で、資源に乏しい日本でございますので、科学技術の振興を目指しておりますし、社会的、経済的に、またそのことによりまして発展をいたしてまいったわけでございまして、日本に対する諸外国の関心、科学技術に対する関心がますます高まっている、委員のおっしゃるとおりだと思います。 我が国といたしましては、科学技術の成果が人類共通の財産だということ、それからまた経済力に見合った世界的な貢献を行う必要がある、こういう観点から、国際研究交流を促進をしてまいりたい、それがやはり我が国の重要かつ緊急な課題だと考えております。昭和六十一年の三月に閣議決定されました科学技術政策大綱におきましても、国際社会における我が国の果たすべき役割の増大に見合った科学技術面での国際貢献というものが必要だ、こういうふうに書いております。今後我が国は、科学技術の先進国として、開発途上国を含む国際社会に広く貢献をしていくということを目的といたしまして、ほかの先進国とも対等な立場で協力をしながら、世界の国際的な科学技術に貢献し、指導的な役割を果たすことが必要ではないか、かように考えておるわけでございます。
○村井委員 ありがとうございました。 少し細かい問題につきまして、主として政府委員の方にお願いをしたいと思いますが、我が国と欧米先進諸国との間での研究者の交流でございますが、非常に大きな不均衡がある、こういうようなことが言われておるわけでございます。そういうことはよく聞くわけでございますが、彼我の研究者の受け入れにつきましての実態でございますね、これは数字で、イミグレーションの統計でございますとかなかなか難しい点があるのだろうと思いますけれども、おわかりになる限りでちょっと御説明いただけませんか。
○緒方政府委員 我が国と主要先進国との間の研究者交流についての数字の御質問でございますが、御指摘のように相手国、先進国で研究をいたしております日本人研究者の数と日本で研究をしております先進国の研究者の数の間に非常に大きな不均衡があるわけでございます。ただ、正確な、非常に適切な統計がなかなか難しいわけでございますが、昭和六十二年度の実績、これは我が国の国立試験研究機関等を対象に科学技術庁がアンケート方式で調査をした数字がございますので、それを御参考に御披露いたしますと、昭和六十二年度中に我が国の国立試験研究機関が先進国に派遣をした研究者が千二百九十三名、これに対して同じ機関が欧米先進国から受け入れた研究者の数というのは百九十八名、そのアンバランスの比率というのは約七倍ということになってございます。出入国管理統計につきましては、これは定義が研究者だけではなくて非常に拡散しておりますので正確な比較は難しゅうございますが、出入国管理統計の六十二年度を見ますと、数字のオーダーは違いますが、出と入りの比率というものはやはり七・何倍ということになっておりますので、不均衡の比率というのはおよそ一対七というような見当ではないかというふうに私どもは見ておる次第でございます。 研究者の交流は、もちろんバランスのとれた形で発展させていくことが必要なわけでございまして、日本への外国人研究者の受け入れというものを早急に拡大をしていかなければならないというのが私どもの基本的な認識でございます。
○村井委員 大変大きな差だということが今の数字でもはっきり出てきておるわけでございますが、さらに諸外国には、我が国が欧米先進国の研究成果を何の対価も払うことなしに利用しているというようないわゆる基礎研究ただ乗り論、こういうような批判もあるわけでございます。 それで、こういう人の出入り、これは非常にはっきりわかるわけでございますけれども、それ以外の研究成果の分野、これになりますとなかなかつかみにくいということはあると思うのでございますけれども、科学技術分野における国際研究交流の現状、特に研究成果の利用に関して不均衡がある、こういう御認識があるのかどうか。あわせて、法制上の措置を含めて国際研究交流の促進に取り組むための政府の対応策、こういったところを一通りお話を伺いたいと思います。
○緒方政府委員 研究成果の利用に関しまして不均衡がどういうふうにあるかというのは大変難しい問題でございますが、一つの目安としまして、我が国の技術貿易について見てまいりますと、従来よく言われておりますように、技術の導入というものが日本からの技術の輸出額を大きく上回っているということが統計的にあるわけでございます。 したがいまして、そういう点をとらまえますと、我が国が海外に研究成果を提供する以上に海外の研究成果を日本が利用してきたということが言える、そういう面が確かにあるのかもしれない、あるのであろうというふうに考えております。 これに対しまして、我が国は今後基礎研究を大幅に強化をいたしまして、基礎研究の成果というのはいわば人類共通の財産ということでございますから、そういう人類共通の財産、世界的なストックをふやしていくことに日本として積極的に貢献をする、これが科学技術先進国にふさわしい役割ではないかというふうに考えているわけでございます。 従来、国際研究交流につきましては、各省各機関それぞれがそれぞれのニーズに応じまして、人材の交流であるとか情報交換あるいは共同研究というようなことを実施をしてまいったわけでございます。これに対して法制上の措置といたしましては、先ほど大臣もお述べになりましたように、昭和六十一年の五月に研究交流促進法を成立をさせていただきまして、これによりまして国際研究交流を行う上で法制上の隘路を改善したということがあるわけでございます。しかし、今後さらに世界各国との間の交流を一層拡充していくためには、先ほども申し上げましたように外国の研究者を日本の国研等の機関に大幅に受け入れをする必要があるということ、それからそれをやるためにも日本国内の研究開発の状況というもの、その情報を外国にもっと迅速的確に提供してやることが必要であるということ、それから基礎的研究分野を中心にいたしまして、国際貢献をさらに大幅に改善をしていかなくてはならないというようなことが必要であると認識をいたしております。 こういう課題に取り組むためには、それぞれの省庁のそれぞれの研究機関が個々に努力をするだけではなくて、そういう各研究機関が国際研究交流を行うものを、いわば横断的に共通的に支援をしていくような体制を整備することが不可欠でございまして、今回この新技術開発事業団を改組して総合的な施策を講ずるようにお願いをしておりますのも、そういう観点からのものでございます。 今後とも国全体として研究交流が一層活発に行われますように総合的な施策を展開してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしく御指導いただきたいと存じます。
○村井委員 昨日、科学技術庁フェローシップの六十三年度の実績というのが公表されておりますが、さらに平成元年度計画はどんなふうになっておるか。それからさらに、この科学技術庁フェローシップというのは、私は大変すばらしい制度だと思うのでございますが、諸外国でどんなふうに評価されているのだろうか。欧米の今までいろいろお話がございましたような批判に十分こたえるものなのかどうだろうか。それから将来の受け入れ人数の目標でございますが、そういうものが頭の中にございましたらちょっとお漏らしをいただければ、お願いします。
○緒方政府委員 科学技術庁フェローシップ制度、ただいま御指摘のように初年度の分が百名ということで決まったわけでございます。受け入れが確定をしたわけでございますが、この百名という枠を設定するに当たりましては、国内の研究機関の受け入れ能力であるとか諸外国との研究交流の実績を踏まえて、いわば初年度の目安として百名ということでやらせていただいたわけでございます。これは内外大変好評のうちに百名の募集が完了したというのが現時点でございます。欧米を初め諸外国からは、日本がこういう形で受け入れるために大きな積極的な政策を講じたということを大変高く評価をしてくれております。また、国内で受け入れをする研究機関等につきましても、この制度を大変歓迎をして積極的に活用する、多くの省庁、非常にたくさんの機関がこのフェローシップの受け入れに協力をしてくれております。 そういうことを踏まえまして、平成元年度の予算の中では、いわば第二回生といいましょうか、平成元年度中に新たに受け入れるフェローシップの枠を百三十名ということでお願いをしているところでございます。 将来どういうことが頭の中にあるのかという御質問でございますが、今後私ども、この制度については格段の拡充が必要であるというふうに考えておりまして、具体的には諸外国あるいは国内機関の要望等も踏まえまして検討してまいるわけでございますが、何しろ先ほど数字を挙げて御説明しましたように、不均衡が七倍という比率でございます。国研だけとって七倍ということで、絶対数でもその彼我の差は千人を超えているわけでございますので、そういうギャップを埋めていけるように相当大幅な拡充を図っていかなければならない。定まった、オーソライズされた計画があるわけではございませんが、私の頭の中ではそういう認識が非常に強くあるということでございます。
○村井委員 この科学技術庁フェローシップは欧米先進国からの研究者交流不均衡という批判にこたえて創設されたために、どちらかといいますと、昨日発表されました実績といいますか六十三年度の実績を見ましても、西側先進諸国を対象にしているものが圧倒的に多い。しかしながら、日本の国際的地位というものを考えてまいりますと、それだけじゃございませんで、広く発展途上国、さらには社会主義国と言ってはなんでございますが、社会主義国にまで門戸を開放するべきではないか、こういうような声もあるように聞いておりますけれども、このあたり、科学技術庁どんなふうにお考えか。
○緒方政府委員 科学技術庁フェローシップ制度は、外国の研究者に我が国において研究を行う機会を提供いたしまして、科学技術面で国際貢献の要請にこたえるとともに、我が国の研究者と外国の研究者の交流を促進することによりまして我が国自身の研究の活性化にも資する、こういうねらいでやっているわけでございます。本来的には外国との研究者交流の不均衡の是正という観点から創設されたものでございますけれども、今申し上げましたように、この制度の趣旨からいいまして欧米の先進国にのみ対象を限定しているわけではございませんで、開発途上国を含む世界の国々から優秀な研究者を受け入れているところでございます。実績で申し上げましても欧米先進国が四分の三程度、それ以外の国が四分の一程度を占めている実績にございまして、今後とも広く国際社会に貢献するという基本方針のもとで本制度を広く運用していきたいというふうに考えております。
○村井委員 ちょっともう一つだけお伺いしたいのですが、やっぱりそこは相互主義とかなんとかいう感覚というのはあるわけでございますね。その点ちょっと確認をさせていただきたい。
○緒方政府委員 不均衡の是正ということが一つ、それから多くの国と科学技術協力協定のようなものを結んでいるわけでございますが、これらの中で相互主義というようなことがうたわれているものも多数ございます。したがいまして、そういう協定上の考え方、あるいは従来からの日本とその国との間の交流の現状等も十分しんしゃくをして運用していく、こういうことではないかと思っております。
○村井委員 それから科学技術庁フェローシップについてもう一つお伺いしたいのは、これが真に高い評価を受けますためには将来性のある優秀な研究者に来てもらう、これが私は不可欠だと思うのでございますけれども、そのためにどんな努力をしておられるか。できれば、日本で研究をした結果ノーベル賞がとれたとか、そんなようなぐあいになるのが本当はすばらしいことじゃないか、そのぐらいのクラスの研究者にどんどん来てもらうようなことにできないものだろうか、こう思うわけでございますが、そういうところで何か手を打っておられるかどうか、お伺いしたい。
○緒方政府委員 私どもの気持ちも村井先生と全く同じでございまして、せっかく日本に来ていただくわけでありますから、日本で立派な研究をして成果を上げていただきたいということでございます。制度上は若手の研究者でドクター号を持っている者というようなことで運用をしておりますが、そういう資格の中で本当に優秀な人に来てもらうことが大事でございます。そのためにはまず、海外での研究の現場におります第一線の若手の優秀な研究者に、日本がこういう制度をつくって日本に来るチャンスがあるということを知ってもらうことが第一でございます。したがいまして、それぞれの国の担当の窓口になるような機関を通じてそういう周知徹底をお願いをする、それから我が方の受け入れをしている研究機関あるいはそこの研究者もいろいろ国際交流しておりますので、そういうところのさまざまなルートを通じて広報活動をやり、本当に優秀な研究者に実情を知ってもらうというのを展開しております。 それからもう一つは、そうやって優秀な研究者が日本に興味を示したときに本当にそれが受け入れられるように審査されなければなりませんが、この制度では基本的に、日本に来たいという研究者と日本側の受け入れ研究機関との間で事前に接触をして、本当にその研究者が望んでいるような研究が受け入れ研究機関において適切にできるかどうか、またそれだけの能力のある人間かどうかということを研究所の目で判断をすることになっております。したがいまして、そういうチェック機構が働いておりますので、優秀な研究者が入ってくるということでございます。 さらに、そうはいっても、研究者といっても研究だけではありません。日常生活で不便をかけてはいけません。したがいまして、そういう研究者の生活面、日本に滞在をして本当に満足して帰っていただくことができるようにさまざまな生活支援をしていく必要があるわけでございます。今回の事業団法の改正もそういう面で貢献をさしていただこうということでございます。 なお、第一期百名の実際に来日をした研究者を見てまいりますと、研究の分野として遺伝子工学であるとかエレクトロニクスであるとかいうような先端分野の研究者が多数来日をしておりますし、それから出身母体を見ましても、例えばアメリカの場合にはスタンフォードとかコーネル大学というような一流大学、ドイツのマックス・プランク研究所など、そういう国を代表する研究所から多数の研究者が来ておりまして、第一回としては順調な滑り出しを見せているのではないかなというふうに考えております。なお、今後ともこういう傾向が続き、さらに立派な運用が行われますように、私ども広報活動を強化するとともに、制度の拡充強化に今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○村井委員 学者の世界というのは、私もちょっとヨシの髄からのぞいた程度の経験でございますけれども、プロの間では非常にすばらしい横のつながりがありまして、どこの国のだれはどういうすばらしい勉強をしているんだというようなことを手にとるようにわかっている面がございまして、ひとつぜひ、そういうすばらしい人を引っ張り込むために日本の研究者の意見というのも大いに尊重してやっていただきたいと思うわけでございます。 それから今緒方局長からもお触れがございましたが、受け入れた外国研究者には日本語が不自由であるとかあるいは生活習慣の相違であるとか、こういうような問題がございまして、あるいは宿舎の手当てでございますとか語学研修などの生活支援事業というのは大変きめの細かい、血の通った柔軟性に富んだものにしていく必要があるわけでございます。この新技術開発事業団が新技術事業団になりまして、いろいろそういう活動もしていくわけでございますが、あわせて民間の活力もうまく利用していく、こういう配慮が要るのじゃないかと思うのですが、そのあたりちょっと御見解を聞かせていただけませんか。
○緒方政府委員 科技庁フェローシップ制度を円滑に運用し、来た人たちに本当に満足していただくためには、制度の手続、運用を円滑にするだけではなくて、宿舎のお世話であるとか言葉の研修等きめ細かいことをやる必要があるわけでございます。そういうことで、フェローシップ制度そのものは国自体が行っている事業でございますが、そういう支援的な業務を円滑に行うために、この事業団にその役割を果たしていただくわけでございますが、それが今回の改正の基本でありますけれども、改組されました新技術事業団がここで期待をしております生活支援事業を実施する際に、今、先生が御指摘になりましたように、非常にきめ細かい柔軟な対応をしていくことが不可欠でございます。こういう場合に、必要に応じましてさらに事業団の外部の能力、民間の能力も活用しながら実際の生活支援がより効果的になるような、そういうような努力をしていくことが必要になるのではないかというふうに考えております。
○村井委員 国立の試験研究機関に比べまして民間の研究所の場合、研究こそ企業の生きる道、こういうような観点から相当立派な投資をしているというような面があるわけでございまして、そういうあたりも大いに活用していただければありがたいと思います。 意見として少し申し上げておきたいのですが、日本の研究機関では研究者に対しまして研究補助者の数というのが非常こにりないわけでございますね。そのサービスも大変限られている、こういうところがございます、これは案外日本では気づかれていない点なんでございますけれども。それに対しまして諸外国では研究者に対しまして大変至れり尽くせりの支援体制というのがとられている。こういう実態がございます。 例えば、日本では研究者のジュニアの方と申しますか、そういう方が試験管を洗ったり、いろいろ雑用をしようなんというのは当たり前のことになっているわけでございます。それから、論文をタイプする、これは補助者などは日本の場合全然雇われておりませんから、研究者が自分でタイプをして学術論文を用意する、これも当たり前なことになっている。ところがアメリカの研究所へ参りますと、研究者が試験管を洗うなんということ、これはまず考えられない。それから、ましてタイプをたたくなんて、こんなこともまずあり得ない。こんなような研究を支援する体制の違いというのは、恐らく日本が欧米に比べまして大変平等な社会になっているというようなことですとか、そのほかさまざまな要因が絡んでいると思うのでございますけれども、その欧米の研究環境になじんでいる人の目からしますと、せっかく日本に受け入れてもらったけれども十分な処遇を受けることができなかった、こういうような不満を持って帰られるというような危険が私はあるのではないかと思うわけでございます。 研究者に提供される宿舎ですとかあるいは同伴される家族がどのように待遇されるかとか、考えれば非常に多くの問題があるわけでございますが、直接研究にかかわる問題に限っても、今述べましたような容易ならぬ課題があるわけでございまして、いやでも応でも我々これに直面しなければならないわけでございます。事は文明の問題にも帰着することでございまして、こういう誤解を完全に回避するというのは私は困難なのではないかと思うわけでございますけれども、日本の研究所の習慣ですとかシステムですとか、こういうものにつきまして受け入れ研究者にもよく周知しておいていただくことが大切ではないかと思うわけでございます。 以上は意見でございますけれども、最後に大臣に、今後の科学技術分野における国際協力への取り組みに関しまして御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと存じます。
○宮崎国務大臣 ただいま御議論いただきましたように、科学技術の研究交流というのは非常に難しい問題がありますし、また我が国としても最近取り組んだわけでございますので、息の長い研究もしなければなりませんし、今、委員のおっしゃいましたようないろんな考慮しなければならない問題点がたくさんあろうと思います。しかしながら、何といっても大局的に見て日本が経済的に国際社会において大きな役割を果たさなければならないのと並行いたしまして、科学技術の面でも日本の成果も情報として世界の科学技術の振興に役立つような努力をしなければならない、今後ますます私どものそういった面の努力が必要かと思っております。 そういったような観点のもとで、六十一年度に研究交流促進法を制定をさせていただきまして、外国との交流を含めた研究交流に対する法制的な隘路を改善をしていただきまして、今、各国との間にいろんな科学技術の協力協定ができ上がっております。そういうことで、これからも一層そういった面の拡充に努めてまいりたい。そういった意味からきょうの提案の法律案を提出をいたしたわけでございまして、私の考え方としては、今回の法改正というのは、やはり科学技術の面における第一歩と申しますか、これからひとつやろう、そういったような気持ちでございます。 やはり科学技術の先進国になりつつある日本でございますから、先ほど何か先進国だけじゃなくて云々というような御希望がございました。そのとおりでございますが、今後だんだんと発展途上国の関係にも広げていかなければならないのだろう。今、先進国の間で非常にアンバランスだということになっておりますので、まずその問題を解決して、それからやはり世界人類の幸福のために、一生懸命科学技術の分野で世界的な貢献を果たしてまいりたい、かように考えております。どうぞこれからも御協力、そしてまたいろんな御支援を賜りますようにお願いを申し上げまして、私の答弁にいたします。
○村井委員 ありがとうございました。終わります。
○中川委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 新技術開発事業団法の一部を改正する法律案についての質疑をまず行いたいと思うのです。 いただきました資料の中から重点的にお話を聞いて態度を決めたいと思うのでありますが、我が国の科学技術面におきましては十分な国際貢献を行っていないという海外諸国からの批判が多くあるということを聞いてはおりますけれども、具体的にどのような批判、そしてどのような国から一番厳しい批判があるのか、まず伺っておきたいと思います。
○緒方政府委員 お答えいたします。 我が国と外国との間の研究者の交流につきましては、先ほども御答弁で申し上げましたように、いろんな統計がございますが、日本から外国に行って研究をしている研究者の数と我が国に来ている研究者の数の間で約七倍程度の格差があるわけでございます。諸外国からこれについて、日本としてもっと大幅にそれぞれの国の研究者を受け入れてほしいという要望が折に触れて出てきているわけでございまして、先進国からはそういう交流促進の要望があり、また途上国からは科学技術先進国たる日本に対する大きな期待というものがいろいろ寄せられているということでございます。 今回私ども推進をしようとしておりますフェローシップ制度あるいはそれを支えていくこの事業団法の改正というのは、そういう国々からの御要望にこたえて、日本に外国の研究者を大幅にかつ円滑に受け入れをして国際貢献を果たしていく、こういうことのためにお願いをしているものでございます。
○野坂委員 今、局長のお話では研究者の数の問題をお述べになったわけでありますが、確かに七対一という状況であるということは承知をしておりますが、科学技術面で、国際交流とは別にして、積極的に情報その他を海外に流して貢献度はあるではなかろうかなというふうにも感じておったわけでありますが、それらの点について日本当局としては、技術研究員の交流はよくわかるわけでありますが、科学技術そのものについての情報提供なり世界全体のものとして日本は位置づけてはおらぬのか。日本側はこの批判に対してどう考えておるのか、もう一度伺いたいと思います。
○緒方政府委員 科学技術を何によって見るかという点で、先ほど研究者の数で申し上げたわけでありますが、別の見方として、研究開発の成果のやりとりである技術貿易という観点からとらえることも可能ではないかと思います。技術貿易という観点から見ましても、日本の技術を海外に提供しその受け取る対価と、日本が外国から技術を受け取りその対価として支払う金額との間にはやはり大きな格差がありまして、日本が外国から受けている、導入しているものの方が多いというのが過去の趨勢でございました。これも一つのあらわれでございます。 それから情報というお言葉がございましたが、科学技術情報について私どもは私どもなりに大変努力をしているつもりでございます。また、いわゆる学会、専門家同士の横の連絡というのは大変国際的なものでございますから、研究発表というようなものは国際的な場で行われておりまして、何も日本が非常に閉鎖的にやっておるわけではございませんけれども、一つは日本語という言葉の問題もあり、これは日本側の努力というよりは外国にもっと努力をお願いしなければならぬ点もあるわけでありますが、現に障害として存在をしておるというのは否定できないかと思います。私どもとしては、日本の科学技術情報についてこれを日本語で提供するのはもとより、外国語、特に英語に訳して提供するというような事業もJICSTを中心にしていろいろ努力をしておるところでございますけれども、まだまだ日本の国力の割にと申しましょうか、現状で十分であると胸を張ってお答えするにはちょっと気が引けるような状況になっておるわけでございます。
○野坂委員 海外諸国からの批判は当然である、したがって今回は法律を改正してその批判にこたえるというふうにお答えいただいたと思うのであります。 そこで、長官に伺いたいわけでありますが、今も提案理由の説明もございましたし、所信表明演説の中で、第二に、創造的・基礎的研究の充実強化を図るということを明言されておりますね。いわゆる基礎的研究というのはよくわかりますが、創造的研究というのは予算案に示されておる三つの課題ということだけですか。それとも創造的研究というのはいかなることなのか、所信のほどを承りたいと思います。
○緒方政府委員 創造的な研究開発を促進していくというのは私ども科学技術庁の基本的な施策になっておるわけでございますが、具体的な対策としてヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの実施であるとか国際フロンティア研究システムの充実あるいは創造科学技術推進制度の拡充、それに加えて、科学技術振興調整費の中で実施をしております省際基礎研究あるいは重点基礎研究の拡充というようなものが具体的な施策として予算の中に盛り込まれておるわけでございますが、また平成元年度の新しい予算といたしましては、若手研究者の研究環境が十分ではないという内外からの御批判にこたえて理化学研究所の中に独創性に富む若手の研究者を中心に主体的に研究ができるような場を設けるということで基礎科学特別研究員制度というものを創設いたしまして、創造的・基礎的な研究を推進する一助にしたい、こういうことで努力をしておるところでございます。
○宮崎国務大臣 今、局長から具体的な話を申し上げましたが、なかなか創造的な研究というのは難しいと私は考えております。その人、研究者自身の資質の問題、それからいま一つは環境を整備する、そして余裕を与えていかなければなりませんし、そういった面から今いろいろな具体的な施策を用意しておりまして、今まで理化学研究所というのがそういう創造的な研究の日本におきますところの代表的なところでございますので、一応そこに、今、局長から申し上げましたような力を注いでいこう。本当に委員のおっしゃるように、創造的なというのは言うはやすくして非常に難しい問題、こういうふうに考えておりますが、一生懸命努力をいたしたいと考えております。
○野坂委員 今度の法律改正の中で、いわゆるテーマを決める、研究課題を決める、こういうことになっておるわけですが、この予算書で見れば、位相情報、原子制御表面、ゲノム動態、こういう三つの課題ということになっておるわけですね。大体百三十人に来ていただくということになっておるわけですから、これらを中心にして進めるということですか。この中身はよくわかりませんけれども、大体新しい課題というのは三つなのかということだけお聞きしておきたい。
○緒方政府委員 大変恐縮でございますが、ただいま先生御指摘になりました三つの研究課題というものは、現在の新技術開発事業団が従来からやっております創造科学技術推進制度の中で平成元年度から新たに取り上げたいテーマでございまして、いわば従来からの継続事業の一環でございます。今回の法律改正によってこれを実施するというものではございません。実施機関は御指摘のように新技術開発事業団が取り組むものでございます。 この法律改正によりまして改組をされた新技術事業団が実施をいたします研究、基礎的な研究というものは、国際共同研究ということで予算は計上してございますが、どこの国と共同でどんなテーマでやるかということは、これからの問題でございます。現在はまだ決まっておりません。
○野坂委員 この法案の三十条の二「事業団は、基礎的研究を行うときは、その対象となる主題を定め、当該主題ごとに、その実施に必要な期間を設定するとともに必要な研究者を雇用」する、こうなっておりますね。これは括弧内で外国の取り扱いが書いてありますけれども、いわゆる「当該主題ごとに、」ということになれば、この法案を早く上げてくれと言って局長初め官房長は一生懸命おいでになりまして、その主題をもうやらなければ間に合わぬ、もうテーマを決めなければ、大体外国の研究者を事前に面接して優秀な若手の研究者をということになっておるのに、主題がまだ決まっておりません、法案が通ってからゆっくり考えてやりますわいというようなことでは間に合わぬじゃないですか、この法案の趣旨どおりいくとすれば。
○緒方政府委員 今回の法律改正でお願いをしております新技術開発事業団の改組では、具体的には幾つかの事業を新たにやりたいということでございますが、今、先生お述べになりました国際共同研究というのはそのうちの一つでございますが、実は新技術事業団に実施をさせたい業務はほかにもございます。その一つが先ほど来御説明をしております科学技術庁フェローシップ制度の運用でございまして、これは昭和六十三年度の百人というのは既に受け入れをしておりますが、平成元年度にはこれを百三十人で予算上お願いをしておりまして、これの受け入れを実施したい、これが第一でございます。こちらの方は、予算成立をいたしますと、すぐに外国政府、関係方面に対して日本側がこういう制度で受け入れる用意がある、したがって優秀な研究者を推薦してくれという連絡をいたしますので、その意味でこの改組を早くお願いをしたいということでございました。 それから二番目の点は、そうやってフェローで参りました研究者あるいはその他の方法で来ております外国人の研究者が日本で生活をする上で、例えば宿舎の問題、日本語研修の問題、生活相談の問題、こういうことについてきめ細かい配慮をしていく必要がある、これらのことを改組された新技術事業団に実施をさせたいということでございます。予算上は、宿舎の問題では特に今外国人研究者が多く、かつ地元からの民間のアパートがなかなか借りにくい筑波地区について五十戸程度の外国人専用の宿舎を建設し、でき上がった後はこれを事業団が運営をしていきたいということで予算をお願いしてございます。これらのことは準備をできるだけ早くスタートさせなければなりません。 それから三番目には、外国に対する情報の提供でございますが、これも準備を急がなければならない。 四番目に、国際共同研究ということがあるわけでございまして、これについてももちろん早くやるにこしたことはないわけでありますが、外国からの要望、国内の研究の可能性というようなものを少し慎重にすり合わせる必要があろうかと思っておりますので、これこま若干の時間がかかるかと思っているわけでございます。
○野坂委員 今の局長がお話しになった環境の整備問題ですね。宿舎の建設とか、あるいはここにも書いてありますように生活の相談とかそういうことは一般論として実によくわかるわけです。ただ、外国からおいでになって日本はいいところだった、三DKだった、まあまあだった、こういうことではなしに、研究をしてその成果を上げるのが目的でありますから、おいでなさい、おいでなさいということではなしに、テーマごとに優秀な若手の研究員等をぜひ面接をしながら国際貢献のできる研究の成果を上げるような措置をとりたいというのが今までのやりとりですから、それなればテーマを決めて今からそういう情報を提供しなければ、いわゆる国際貢献ができるような体制にならぬではないか、研究の面だけに絞って。その点は大丈夫なのか。まだ決めていないということでありますから、いつごろお決めになりますか。
○緒方政府委員 大変恐縮でございますが、ちょっと二つの点が入りまじって御議論されているのではないかと存じますが、国際共同研究をする際にテーマを決めてどこかの外国と日本側とで共同して実施をする、そのテーマを決めることについて若干の時間が必要だということを今申し上げたわけでございます。それとは別にフェローシップで参ります人たち、百三十人の人たちというのは、もちろん百三十人の人たちそれぞれが自分のテーマを持っておりますけれども、これは日本側が何かテーマを設定して、そのテーマに合う人を百三十人見つけてくるというのではなくて、優秀な研究者が自分のテーマで来てくださいということでお願いをするわけです。テーマは向こうが持ってまいります。ただ、向こうが持ってきても日本側の研究機関と合わなければ困ります。そんなテーマで来られてもうちの研究所では研究できませんということでは何にもなりませんから、そういう優秀な研究者が、百三十人の方個々別々でございますが、自分はこういうテーマで、どこの研究所に、どれだけの期間行きたいということを言ってまいります。そのときに受け入れを要請されている日本側の研究機関が、なるほどその研究は非常にいい意見、重要な研究であって、自分の研究所でそういうことについて研究する例えば設備であるとか、実際やっている実績とか、共同研究者になるような人がいるとかいないとかいうことを判断いたしまして、それで受け入れができるとかできないとかいう返事を差し上げているわけでございます。したがって、その点については日本側であらかじめテーマを設定するということではございませんので、受け入れの予算と受け入れをお世話する体制ができ上がればそれで御案内をして、向こうから応募していただくということですぐに始められることなんでございます。
○野坂委員 このフェローシップ制度の創設に伴って六十三年度から既にお入りになっておる。これは全部百人おそろいになったのはいつの時点で、一番初めから最後まではどの程度の期間がかかっておりますか。またそれらの方々は、その評価なり成果は現時点で報告ができれば御報告をいただきたい。
○緒方政府委員 最初の百人のフェローシップは、予算的には昭和六十三年度の予算で認めていただきました。外国に対してこういう制度をつくったという案内をし、応募の案内をして、実際最初の候補者が出てまいりましたのは昨年の十月ごろでございました。それで、それ以降何次かに分けて審査をいたしまして、初年度でございますので外国の国の中でこの制度が周知徹底するのに若干時間がかかりまして、応募がしり上がりにふえてくるというような状況でございましたので、実は残念ながら年度を越しまして、百人そろいましたのは最近のことでございます。先週になりまして最終的に百人目の受け入れを決定したというような状況になってございます。
○野坂委員 今度の予算といいますか、この法案が上がれば、百三十人というのがそろい踏みになるのは大体いつごろなのか、随分急がれた法案でありますからいつごろなのかということをまず一点聞いておきますし、この百人の方々の出身の国は、ECを分解すると大体二十四カ国というふうに理解しております。先ほども質疑がありましたように、先進国、発展途上国いずれもお入りになっておりますが、これらは今後の国際貢献という意味で東側も西側も発展途上国も先進国も十分全世界的な考え方、視野の上に立って研究員の受け入れをするという考え方に間違いはないのかどうか。西側だけというような考え方ではなしに全世界的規模でというふうに認識してよろしいか、その点を。
○緒方政府委員 初年度の百人のフェローシップの出身国別でございますが、ただいま先生二十四とおっしゃいましたが、二十三でございます。ECをやめて各国ということで数えますと二十三カ国でございます。 それで私ども、このフェローシップにつきましては、先ほど来大臣もお答えしましたように、科学技術政策大綱にも触れられております国際性豊かな科学技術の振興ということを柱として実施をしている施策の一環でございまして、どこの国ということではなくて全世界の国々と国際交流をすることが重要であるという認識のもとに進めているわけでございます。御指摘の東ヨーロッパあるいは共産圏諸国との協力に当たりましても、現在日本は御案内のとおりソ連、ルーマニア、東ドイツ、ブルガリア、チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリー、ユーゴスラビア及び中国との間で国の間の科学技術協力協定等を締結してございまして、平等互恵という原則のもとで日本の対外的な約束などに配慮しつつ協力を進めていくということで現にやっているわけでございますが、こういう基本姿勢のもとでこれまでも研究交流を進めておりますし、これからもやっていきたいと思っております。 今回のフェローシップ、今申し上げた二十三カ国百名の中で東ヨーロッパの国からは東ドイツ、ブルガリア、チェコスロバキア、ポーランドから各一名ずつ、それから中国からは九名の研究者の受け入れが決まっておりまして、今後も、ただいま申し上げましたような考え方のもとに、全世界的な視野で制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
○野坂委員 海外からおいでになる研究員の皆さんは、大体研究期間というのは一年ないし二年というふうに聞いておりますが、そうかということが一点と、創造的研究をされるのに一年や二年でできるものかなというふうな素人的な考え方がありますが、そんなものでいいのか、継続できるものなのか、一応区切るのか、その点は一体どうなのか。 それから、研究の成果がなければならぬと思うのですが、研究をした果実ですね、その果実というかその取り扱い、言うなれば知的所有権といいますか、知的所有権はどこに帰属するのか。その事業団に帰属をするのかどうか、あるいは外国にお帰りになって、その果実を、研究成果を出身の国で具体的に企業化をし、実用化をするということは許されるものかどうなのか、それらの点を含めてお答えをいただきたい。
○緒方政府委員 三点御質問でございますが、最初の研究期間につきましては、この制度は六カ月から二年までの間ということで研究者の希望により長さを設定することにしてございます。 第二番目の点、創造的な研究をするのに二年で足りるかという御指摘でございますが、ここはフェローシップで、初めて日本で研究を始めるわけではなくて、それぞれの国であるところまで研究をしておった人がさらに研究を進めるために日本に来るというような来方が多いのだろうと思いますので、ある程度の成果は上がるものと思っておりますが、制度としては一応二年で区切りをつけることになってございます。もちろん、例えば研究交流促進法でやっておりますように、日本の研究機関の職員として採用されるとかいうような別の道がまた開かれるケースが具体的にはあろうかと思いますけれども、制度的にこのフェローシップ制度というのは二年で回転をするということになってございます。 三番目の御指摘の研究をした成果、知的所有権の帰属はどうなるのかということでありますが、このフェローシップ制度では、知的所有権の取り扱いにつきましては個別の協力活動ごとに当事者双方で合意をして決めるということになっておりますが、新技術事業団というのは知的所有権を主張する立場には立たないわけでありまして、これは日本側の受け入れ機関が外国の研究者を受け入れることについて共通横断的にお世話をするということでありますので、事業団が当事者になるわけではございません。支援をする立場というふうに御理解をいただきたいと思います。 問題は、受け入れをする日本の研究機関と実際参ります外国人との間でどういう権利関係が生ずるかということでございますが、基本は、この受け入れをする研究機関と来る人間との間の個別の取り決めによって処理をするというのが、このフェローシップ全体の建前になってございます。 それでは現状はどうなっているかということでございますが、私どもが掌握している限り、それぞれの研究所で、受け入れ研究機関でそれぞれの規程でやっているわけでございますが、ほとんどのケースがいわゆる職務発明に準じて知的所有権の帰属を扱うということにしているようでございます。つまり、その研究機関で働いております一般の日本人研究者が研究所で、例えば発明をして何か特許を取ったという場合と同じように処理をするという扱いになっておるようでございます。
○野坂委員 そうすると、この事業団はお世話をする、研究機関に入って研究をした場合、その果実はその研究機関に帰属をするということになるわけですね。その点をもう一度。
○緒方政府委員 ただいま申し上げました職務発明規程によるという場合は、御指摘のように研究者が研究をした結果、特許等の財産権を取得した場合、それは研究所に帰属をする、国の研究機関であれば国有の特許になるということでございます。別途、発明をした、貢献をした人間に対しましては、例えばその特許が使用されて対価が国に入ってきた場合に、一定の補償金のようなものが支払われるというような仕組みになってございます。
○野坂委員 私、この間豪州に行きましたけれども、おっしゃるように、今ごろはそれが実用化をされれば発明者に三割の報酬を出す、こういうことを言っておりました。外国の方がこちらに来て環境整備されたところで研究をする、自分でやったものを、果実を我が祖国に持って帰ってそこで実用化をするということは、向こうの国も期待をしておるのではなかろうかと思うのですが、そういう点はやはり研究機関に帰属をして、パテント等を取った場合には向こうでは出さないということになるわけですか。
○緒方政府委員 特許権等の帰属がどこになるかということと、それが使えるかということとは、ちょっと別の問題になります。 今申し上げましたように、職務発明として処理いたしますと、特許の所有権は受け入れた研究機関のもの、国の研究機関の場合には日本国の国有特許になります。したがいまして、これを利用しようとする人は、日本国民であろうと外国人であろうと、それはその特許の管理という点で一定の手続のもとに認めておりますが、対価をちょうだいするということになってございます。したがいまして、対価を払っていただきますと、それは研究者が母国でお使いいただくということはもちろん可能になるわけでございます。
○野坂委員 わかりました。 初年度百名、平成元年度は百三十名、しかし、海外諸国から批判の強い科学技術の問題について、さらに伸ばすという考え方があるだろうと思います、一年ないし二年で交流していくわけですから。するとへ見通しとして、科学技術は今二十一世紀のことをいろいろ皆様御審議でございますから、長官でも結構ですけれども、百名、百三十名ですけれども、上限としてはどのぐらいを考えて、いわゆる五分と五分といいますか七対一を七対七にでもするという考え方ですか。それとも、上限というのは大体百五十名か二百名までだというふうに、将来はどういうふうに考えておられるのか、お伺いをしたい。
○宮崎国務大臣 今フェローシップの問題は二年目でございます。百三十名でございますが、私の個人的な考え方を申し上げますと、やはり世界に貢献しなければならぬ、そしてまた、科学技術というのは人類共通の財産だ、こういう立場に立ちますと、少なくとも今いろいろ批判のありますようなアンバラと申しますか七対一というものを解消したい、せめて、今、委員のお話のように五、五の比率くらいまでは持っていきたいと考えておりますが、予算の問題、いろいろな問題、研究機関の問題もありましょうし、そういったことで一生懸命努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
○野坂委員 できるだけ同じ比率まで持っていきたい、国際協力をしたいというお話はよくわかりました。 今度審議会は新たなテーマが入ったわけですから、十五名が二十名ということになりますね。法案で決まるわけですね。それで、あなたはまた科学技術庁長官に居座ることになるかと思うのですけれども、余りリクルートと関係がありませんから、留任という可能性も強いと思うのですが、この審議会の委員ですね、民主的に、世界各国から出すわけですから、そういう意味で、自民党なり社会党なり公明党なり民社党なりあるいは共産党なり、審議会の委員に各党が推薦をする人を一人ぐらいずつ入れたらどうかなというふうに思うのですが、留任をする長官としてはどうお考えでしょうか。
○緒方政府委員 やや事務的に御説明をさせていただきますが、御指摘の審議会、開発審議会でございますが、これは理事長の諮問機関として法律上認められているものでございます。現在十五名の学識経験者から成っておりまして、現在やっておりますことは、新技術の開発に関する基本方針、これは新技術開発事業団が現在委託開発で実施をしている事業の基本方針でございます。二番目に、先ほど御説明をした創造科学技術推進制度に関する基本方針、こういうものについて御審議をいただいておるわけでございます。今回、外国の研究者の受け入れあるいはその支援のための宿舎の設置・運営、国際研究交流推進のための情報提供、共同研究というようなことで国際研究交流促進事業が新たに加わりますので、これらの関係もあわせて御審議をいただくべく、国際関係一般に関して造詣の深い学識経験者の方を加えて、審議会の名称も新技術審議会という名前に変えるということで法律改正をお願いしているわけでございます。 手続的に、委員は、内閣総理大臣の認可を得て事業団の理事長が任命するという扱いのものでございます。法律上は「委員は、科学技術に関し学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」と書いてございます。そういうことでございますので、学識経験のある人の間から、各界の御意見を伺いながら、バランスのとれた形で理事長が任命をするということで御理解をいただきたいと存じます。
○野坂委員 この質問はこれで終わろうと思うのですけれども、各政党も科学技術には非常な関心を持って、宇宙開発の時代にまでこれから入るわけですから、みんなそれぞれよく知っておる皆さん、科学技術に堪能な皆さん、才能のある皆さんを推薦をしますので、留任をされましたら、宮崎茂一長官はそれらの意向を十分に体して、官房長官のように直接にすぐ判を押すというわけにもならぬでしょうから、十分それらは考えて、広く人材を求めるということが必要であろうと思いますので、その点については十分御配意をいただきたいと思いますが、これは最後の質問でございますので御答弁を大臣からちょうだいして終わりたいと思うのです。
○宮崎国務大臣 今、局長が手続をお話しいたしましたように、事業団の理事長が内閣総理大臣に申請して決める、こういうことだそうでございます。 今、野坂委員のお話のように、広く有識者の、科学技術に関心を持った方々の御意見を聞いて決めるわけですから、国会の科学技術委員会の方もそういった見識の方ばかりでございます。きょうのこの国会の問答は必ずや野坂委員の発言として議事録に残るわけでございますから、十分に尊重されるだろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
○野坂委員 ありがとうございました。 次に、一九六五年の十二月五日に水爆が沖縄沖に没入をしたという問題についてお聞きをしたいと思います。 政府も御承知のとおりに、一九六五年の十二月五日午後二時五十分、米海軍のA4型スカイホーク攻撃機が空母タィコンデロガの昇降機から滑り落ちて、腹へ抱えておったB43型の水爆もろとも深さ四千八百メーターの海中に沈んだ、こういう点についてであります。 これは午後二時五十分に海中に落ちて、十七時四十五分まで捜索をしたけれども、その時点で打ち切られた、そして二日後の十二月七日に横須賀に入港した、これが当時の状況ではなかろうかと思うのでありますが、外務省の方がおいでになりましたら、その点は間違いないのか、このとおりかということをお聞きしたいと思うのです。
○重家説明員 お答えいたします。 先生先ほど申し上げられました時間的な経緯、そのときにどういう状況であったのかということに関しましては、米軍の運用ということでもありますし、私どもとして承知しておらないところでございます。 それから、横須賀に入ったという点でございますが、この点につきましては現在のところ確認されていない、委員会等でも御答弁申し上げておりますが、現在米側に照会をしておるところでございます。
○野坂委員 外務省の北米局から「事故の概要」というのはもらっておるのですけれども、前段の、あなたが否定をした横須賀入港についてははっきりしない、捜索を打ち切った時間は三時間以上か以内かはよくわからない、しかし落ちたことは、十二月五日に今言ったタイコンデロガの昇降機から滑り落ちたというのは報告書に書いてあるわけですね。そのことだけは認めるわけですね、落ちたということは。
○重家説明員 本件事故が一九六五年に起こったという報道に私ども接しまして、直ちに非常に重大なことであるということで対米照会を行ったわけであります。五月十日でありましたが、米側から、先生のお手元にお渡ししてございますような「事故の概要」というものを受け取ったわけであります。すなわち、一九六五年十二月五日に、一個の核兵器を搭載した海軍のA4という飛行機が米空母タイコンデロガから核兵器心パイロットとともに公海に直ちに沈んだ、回収はされなかったという概要を受けておるわけでございます。したがいまして、先生の申し上げられました概要については政府として米側から説明を受けておるところでございます。
○野坂委員 外務省は一九八九年の五月十日に報告を受けたということでありますが、一九八一年にも受けておりませんか。
○重家説明員 一九八一年に、アメリカの国防省、それからエネルギー省でございますが、これが一九五〇年から一九八〇年までの間の関連の事故につきまして報告書を出しております。これは幾つかの事故が掲載されておるわけでございますが、その中の一つに今回の事故に対する言及がございます。非常に一般的な短いものでございまして、先生御承知かと思いますが、八一年の報告書におきましては、いわゆる太平洋の海上でこういう事故が起きた、具体的な水域等については言及がないわけでございます。また、その場所につきましても陸地から五百海里以上のところであった、こういう記述があるわけでございますが、どこの陸地かということも言及がなかったということでございます。そういう意味で、そういうものとして、八一年には私どももこの報告書を入手しておりましたので、承知しておったわけでございます。
○野坂委員 沈下地点というのは正確にはどういうぐあい、状況ですか。どこに落ちたのですか、本当は。水没地点ですね、明確にしてもらいた い。
○重家説明員 アメリカ側の説明によりまして、私どもは、この事故は北緯二十七度三十五分二秒、東経百三十一度十九分三秒の位置で生じたというふうに承知しております。
○野坂委員 水没の地点は今言われた北緯二十七度三十五分二秒、東経百三十一度十九分三秒、奄美大島の東側、沖縄本島からは大体三百キロ、奄美大島からは百十キロ地点、約八十海里先だ、こういうふうに確認してよろしいですか。
○重家説明員 その位置につきまして、米側からは「沖縄の北東約二百海里、琉球諸島の直近の陸地の東方約八十海里の公海上であった。」というふうに聞いております。
○野坂委員 それでは大体私が言ったとおりですね。そうすると八十海里、二百海里という地点と一九八一年の報告で得た五百海里というのは随分違っていますね。五百海里といえば、ざっと一千キロメートル弱ですね。百十キロと約一千キロというと、相当の懸隔があるわけですね。あなた方はこういう情報に接して、アメリカが間違った報告をしてきた、こういうことが既定の事実としては言われるわけですね。その点、確認してください。
○重家説明員 この点につきましては、五月十日の我が方に対する説明、それから五月九日にアメリカの国防省の報道官が対外的な発表を行っております。その中で述べておるわけでございますが、一九八一年、大陸から五百海里以上のところであったという記述に関しましては、この数字はアジア大陸を起点とすれば正しいが、先ほど申しましたようにその位置は沖縄の北東云々であった、こういうふうに言っておりまして、起点がアジア大陸ということであればそうであるが、沖縄ということであればもっと近い二百海里のところであるという説明をしておるところでございます。
○野坂委員 アジア大陸からは五百海里で、正確なものだ。しかし、我が国にとっては非常に重大な問題ですね。外務大臣も参議院の予算委員会で、極めて重大に受けとめておる、アメリカに照会して判断をしたい、こういうことを述べておりますね。その場合に、外務省としてはなぜ等閑視をするというか、放てきをしておったのか、なぜ具体的にもっと詳細に聞かなかったのか。我が国は国民全体には核アレルギーというものがありますね、だから非常に慎重に対応すべきだったと思うのですが、八年も前に知っておって知らんぷりをしておった、こういうことではなかなか我々は納得と理解ができにくい。何にもしなかったのかどうなのか、その点。
○重家説明員 この点に関しましては先ほども申し上げさせていただきましたが、八一年の時点ではそういう記述でございました。それでかつ、その他の事故等も非常に一般的な形で書いてあったわけでございます。したがいまして、私どもとして、その時点で本件が日本に近いところで起きたのではないかという疑念は持たなかったわけであります。したがいまして何らの措置をとらなかったということでございますが、大臣が述べられましたように、私どもとしても注意を払って見ておくべきものであったかとは存じております。しかしながら、今回報道に出まして極めて重大なことであるということで、私どもは直ちに事実関係の照会を行って今日に至っておるところでございます。
○野坂委員 抜かっておったということですね。極めて重大な手抜かりがあったということをお認めになったというふうに確認しておきます。 この事故に巻き込まれた核装置ですね、あなたのところから五月十五日にもらっておりますが、この水素爆弾は「極めて深い海底において構造的に完全な状態のままであるようには設計されていなかった。従って、一万六千フィートの」、約四千八百メートルですね、「海底に至る前に、構造的な破損が起こり、核物質は海水にさらされた。又、高性能爆薬の成分も同様に、海水腐食効果にさらされた。このような作用は、核爆発或いは高性能爆薬の爆発が、現在の環境下においても、また、将来の環境下においても、決して起こりうるものではない」と思うと書いて、報告をされましたね。これは構造的に破損が起こるようになっている。完璧にそのまま海底に沈んでおるということはない。どの地点で、海上から何メーターぐらいのところで破壊をされて中のプルトニウムあるいはウランが出たのかということについて、お伺いをしたい。 〔委員長退席、村井委員長代理着席〕
○重家説明員 その点に関しましては、五月十五日に対外的な発表をさせていただきましたが、安全性に関する米側の説明の中に書いてあるわけでございます。私どもといたしましても、ここの説明に書いてある以上のことは承知しておらないわけでございます。したがいまして、そこに書いてございますように、一万六千フィートの海底に至る前に構造的な破損、英語ではストラクチュラルフェーリア、こういうことになっておりますが、そういうことが起きた。それから高性能爆薬、これは通常の爆薬であったと思いますが、その成分も腐食効果にさらされた。したがって、現在の環境下あるいは将来においても決してそういう爆発は起こるものではないということをアメリカ側から説明があったということでございます。
○野坂委員 アメリカから説明があった、その内容は、何百メーターぐらいのところで破壊されて、中の物が、書いてあるように「核物質は比較的短時間で溶解することが判明している。」ということがありますね。だからどの程度で落ちたのか。例えば、我々が軍人のころには、爆弾を落とすときには海面に一番厳しい、激しくぶつかる、その辺でやるわけですね。これは落ちて、まあパイロットの足が短かったから落ちたのだとかいろいろ言われておりますけれども、ずるずるつとゆっくり落ちていく。落ちるときには海面にはぶつかる。その辺で破壊をされたのかどうかということを――いわゆる海産物に影響がある、具体的に言えば、そういうような魚介類にも影響があるというふうなことが考えられるから、どの辺で破壊をされたのか、その点が聞きたい、こう言っておるわけです。
○重家説明員 また米側の説明に準拠して恐縮でございますが、環境への影響につきましては、先ほど先生も申しておられましたように、核物質は比較的短時間で溶解する、それは、高い比重のゆえに、溶解物は極めて素早く海底に沈殿するのだ、したがって環境への影響はないというのがアメリカの説明であります。先ほど申し上げましたように、私どもとしてこれ以上の情報を得ているわけではございません。 したがいまして、本件につきましては、私どもとしては、アメリカは事故が起こりました直後にそういう関係の調査を行っております。また、今般私どもが対米に照会いたしましたことを踏まえて、さらに部内で、国立研究所におきまして分析を行っておるわけであります。その結果を踏まえて、我が方にこういうふうに言ってきたわけであります。したがいまして、私どもとしては、それはそれとして非常に重みのあることであるというふうに考えておるわけであります。しかし他方、目下政府の部内におきまして、関係省庁と緊密な連絡をとらせていただきながら、米側の説明について検討しておるという状況でございます。
○野坂委員 説明を聞いておる、それを報告した、国内でも検討する。しかし、私が一番疑問に思うのは、八年前に五百海里だと言って、極めていいかげんなことだった。今になって、民間のグリーンピースとか研究団体とか、そういう皆さんが発表してから事実を認めて日本に通報する。随分と違っておるわけですよ。やはり十分にその真相を解明しなければならぬわけですが、十日に説明を受けて情報に接して、そしてきょうはあれからもう二週間たつわけですね。照会をされておるわけでしょう。まだ照会の回答が届かないのですか。そういうことを聞いても、日本の国民性は核アレルギー、原爆の被害国家だ、そういう意味から外務省も十分慎重に対応してもらわなければならぬと思うのですけれども、それらの点については照会してありますか、また、回答はいつごろ来ますか。
○重家説明員 先ほど申し上げましたように、この報道がなされまして、私どもは、非常に重大なことであるということで直ちにアメリカに対しまして事実関係の照会を行ってきたところであります。それに対して、先ほどお話のございましたような説明あるいは追加説明というものを受けてきておるわけでございます。その他の点につきましては、なお米側に督促をしたところであります。そういうことを踏まえまして、国民の不安を解消するべくちゃんとした対処をしていかなければならないというふうに考えております。
○野坂委員 なかなか納得しにくいのですが、この爆弾というのは長さが約三・八メーター、直径は四十八センチ、重さは九百三十四キロ、大体広島の原爆の五十倍、一メガトンの破壊力を持っておる、こういうふうに我々は聞いておりますが、そのとおりですね。
○重家説明員 国防省、アメリカの国防省でございますが、核兵器の詳細にわたる事項につきましては国家安全保障上の理由により公表しないこととしているというふうに承知しております。した がいまして、今回問題となっております事故に関連する核兵器の種類につきましても、米国防省の対外説明においても明らかにされていないということでございます。他方、私どもといたしましては、報道等にいろいろ出ていることは、それはそれとして承知しておるところでございます。
○野坂委員 わかりました。 プルトニウムというのは耳かき一杯で百万人の人を殺せるというふうに言われておるわけですが、この水素爆弾の起爆剤というのは原爆ですね。そのとおりですね。その核物質というのはプルトニウムですか、ウラニウムですか、あるいはトリチウムですか、そういう中身についてはどうですか。我々は、プルトニウムが出るということになれば、この科学技術委員会でも何回も議論しましたけれども、やはり重大な影響があると見なければならぬ。それらの点についてはどうですか。
○重家説明員 再び同じ御答弁で恐縮でございますが、その点につきましても、アメリカは核兵器の内容にかかわることとして国家安全保障上の理由によって公表しておらないわけでございます。したがって、私どもといたしましては、いろいろな公開情報あるいは報道等で言われていることを十分承知しておりますが、確実な情報は持っておらないということでございます。 それから、蛇足になりますが、そういうことも含めまして、一九六五年、事故が起きた当時は、アメリカはアメリカの判断といたしまして、内部の規則がございます。したがって、それによって、公共の安全が危険にさらされるというような場合には対外的に発表することになっておるわけでありますが、そういう内部の基準に照らしてアメリカは対処したというふうに承知しております。
○野坂委員 ソ連のチェルノブイリの事故が起きましたときに、そういう情報については早く通報するということが決まっておりますね。そういう精神でおらなければならぬわけですから、今そういう状況の中で、外務省にどういう爆弾なのか、プルトニウムかウラニウムかと聞いてもわからぬ、どこで破壊されたのか、これもわからぬ、落ちたところだけがわかった、この程度しかわからぬのでは国民の不安は一層増大をしてくる、不安感は募ってくるということを我々は心配するわけです。 水産庁はおいでですか。――あなたにお尋ねをしたいのは、今御案内のように、当該事故に巻き込まれた核装置は深い海底四千八百メーターの以前に破壊されておるわけですね。アメリカの報告がそうあるわけです。そうすると、海産物といいますか水産物というか、魚その他に重大な影響があったのではないかと沖縄県の漁連の会長が新聞等で不安感を募らせておりますね。そういうものを払拭をするという意味で、水産庁としてはどういう対処の仕方をしたのか。まあ学者等に聞きますと、魚がそういうことで汚染をされた、それを食う人間、だんだん薄くなってくるから人体に影響はないではなかろうかなという、かなという談話が新聞紙上では発表をされておりますけれども、水産庁の対応としてはどのような措置をとり、外務省との連絡をおとりになっておるのか、御説明をいただきたいと思うのです。
○菊池説明員 お答えいたします。 水爆搭載機水没事故による対応についてでございますが、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、さらに事実関係等につきまして情報の収集に努めているところでございます。今後とも、関係省庁と連絡を密にして適切な対応をとってまいりたいと考えております。
○野坂委員 ちょっとよくわからぬな、適切な対応をする。後でもう一度お尋ねをしますから勉強しておいてください。 外務省、タイコンデロガという航空母艦は一九六四年、佐世保に入港していますね。あるいは六六年にも入港していますね。これらの点について、五月十六日に沖縄を初め舞鶴、横須賀、呉という方々が外務省や政府に対して事実関係の確認と非核三原則の遵守について申し入れをされたと思いますが、それらについてはどのように対応されておりますか。また、きのうは沖縄県の県議会で、自民党も含めて満場一致で抗議の決議がされておるということも御承知だと思いますが、それに伴う調査の徹底を要求されておりますけれども、それらについての対応、考え方についてお伺いをしたいと思います。
○重家説明員 本件事故に関しましては、いろいろな方々から私どもの方に大変な申し入れ、御叱責をいただいておるわけであります。それにつきましては私どもといたしまして、従来私どもがとってきた対応あるいはこれからどうしようとしているのかということをるる御説明させていただいておるところであります。また、核持ち込みの問題につきましても、政府の考えを御連絡、御説明させていただいているところでございます。 核持ち込みの件に関しましては、日米安保条約上、艦船によるものを含めまして核兵器の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象になるわけでございます。また、核の持ち込みについての事前協議が行われた場合には、政府としては常にこれを拒否するということを従来より申し述べておるところでございます。また米国政府は、核持ち込み問題に対する我が国の立場及び関心を最高首脳レベルを含めまして十二分に理解しておるところであります。政府としましては、核持ち込みの事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないことについては何らの疑いも有していないということでございます。 なお、この点に関しまして、五月九日でございましたが、アメリカの国防省報道官の対外説明におきましても、米国は核兵器に関する日本国民の特別な感情を承知しており、日米安保条約及び関連取り決めのもとでの義務を誠実に遵守してきており、今後も引き続き遵守する旨明言しておるところでございます。
○野坂委員 アメリカ全面信頼もいいですけれども、八年前の状況と今日的な状況は随分違っておるということ、あるいは秘密として水素爆弾の中身についても言えない、核物質の内容も知らされていないということから見れば、信頼しておるのは重家さんを含めて外務省なり政府だけであって、国民全体はリクルート以上に不安感と不信感を持っておるというのが現状としては言えるのじゃないかと思うのです。 そこで、いわゆる非核三原則、つくらず、持たず、持ち込ませずという非核三原則との関連もございますけれども、十二月五日の午後二時五十分にいわゆる水素爆弾が海中に没入をして、五時四十五分まで捜索をして、パイロットの大尉もそのまま海中に沈んだまま現在放棄しておる。たまたまベトナム戦争の時期であった。そして、兵士は疲れ切って入港を期待しておったというのが現状のようですね。そして、五日の事故の二日後の十二月七日、横須賀港に入港、これについては、重家さんは今否定をされたのですが、タイコンデロガの航海日誌に明確に明記されておるのですね。これは御承知かと思うのです。明記されておる。その裏づけとして、ここにもいらっしゃるかもしれませんが、読売新聞は、当時乗艦をしておった、今四十三歳になりますがウィリアム・レーンという人に直接お会いになっておりますね。あるいはアメリカのトリビューンという地元新聞社もお会いして証言を聞いておる。その内容について詳しく述べておるわけですけれども、あなた方のアメリカからの報告は、水素爆弾は一個しか積んでなかったと書いてありますね。「一九六五年十二月五日、一個の核兵器を搭載した海軍のA-4型機が米空母タイコンデロガの昇降機から滑り」落ちたと書いてありますけれども、この人は、この飛行機は三十機程度積んでおった、だからみんな水素爆弾を積んでおった、ベトナムからの帰りなんだ、だから航海日誌を見ると、十二月七日に入港して、私たちは横須賀に上陸をして電車で私は東京に行った、こう言っておるのですね。非常にはっきりしておるわけです。横須賀に入港したという事実は、航海日誌なり、乗艦をしておった 当時の爆弾手ですね、この人は。これから言えば、その裏づけと信憑性はあるじゃなかろうか、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○重家説明員 先生の申されました航海日誌につきましては、私どももそういうことが報道に流されているということは十分承知しております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、それを公的に確認するには至っていないということでございます。先ほど申し上げましたように、目下米側に対して照会していることでございます。 それから、元乗組員の人々の御発言についても報道等で詳細に出ておることは私どもとして十分承知しておるところでございますが、これらの私人の方々の御発言については、政府として一々コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、核持ち込み問題につきましては、先ほど来先生に御説明申し上げておることで、私どもは、日米安保条約上ちゃんと確立したアメリカの義務となっているそういう制度である、事前協議がない以上そういうものがないということについて寸毫の疑いも有していないということでございます。
○野坂委員 外務省としては、私人の証言だから全くそういうことは信頼していない、公的な情報のみを信頼する、そういうふうに断定をしますか。 この人はこう言っています。船からおりるときに「艦長が偶発事故だったと艦員たちに説明、この件について家族への手紙には書かないよう」にということを当時指示しておるのです。一切言うなと。あなたは、こういう人が言っておることは信用できぬ、アメリカの公的な、国務省から報告のあったものしか信用しない、だから大丈夫なんだ、一個しかなかったのだと。国民の皆さんは、普通の良識のある人たちは絶対に、三十機もあったこのA4型機が、滑り落ちたこの一個しかなかったということはみんな考えていないと思うのですね。その点についてはどうか。 それから、よその港に入ってはいないのですね。持ち込まずということで、フィリピンとかそういうところの港にはこの爆弾は全然おろしてない、積んだまま入っておるということだけは間違いないですよ。その点については、寄港したということも認めませんか。航海日誌には寄港したと書いてあるのですが、日本の外務省はそれらについてはノータッチ、何にも知らぬ、これで押し通しますか。どうですか。
○重家説明員 我が国に寄港したかどうかという点に関しましては、私どもの立場で確認することができない、こういうことでございます。日米安保条約上、施設、区域として提供しております。そういう港に入る場合は、地位協定の第五条の規定によりまして、米側から一々出入港について許可を求めることにはなっていないわけでございます。もちろん他方で、一般の港に入る場合には港湾管理者に通告することになっておるわけでありますが、そういうこともございまして、政府として、報道にございますように横須賀に入ったのか入っていないのかということについては確認できない状態にあるということでございます。したがいまして、私どもとしましては、それを運用しておるところのアメリカ政府に対してその点について照会を行っておるということでございます。
○野坂委員 アメリカ政府に今照会中ですって。照会中でありますが、これが事実であった場合、これは安保条約からいって違反行為である、こういうことに言わなければならぬだろうと思うのです。アメリカの報道官は新聞記者の質問についてぼかしていますね。非常にはっきりしない。これは、もし入っておったということになれば、入港しておったということになれば、非核三原則は我が国の国是でありますから重大な問題であるというふうに認識しないわけにはいかぬと思うのですが、その点については外務省の見解はいかがですか。
○重家説明員 先ほど来申し上げさせていただいておりますが、その点については確認されていないわけでございますので、それ以上のことはこの場で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。 しかし他方、いずれにいたしましても、米国の艦船の我が国領域への立ち入り等につきましては安保条約が律しておるところであります。艦船によるものを含めて核の持ち込みについては事前協議をアメリカはしてこなければいけないというのは、安保条約及びその関連取り決めに基づく条約上の義務になっておるわけであります。また同時にアメリカは、累次誠実に履行してきておるのだということも言っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、核持ち込みの事前協議が行われない以上、安保条約の体制もございます、米国による核持ち込みがないことについては何らの疑いも有していないということは先ほど来申し述べさせていただいておるところでございます。
○野坂委員 ちょっと外務省はおきまして、気象庁の方にお尋ねをしますが、もし地震その他があれば、例えば溶解をしてプルトニウムが余り動かぬ、海底にそのままおっておる、海底は大きな潮流が、流れが弱いからそのまま固まって余り被害はないだろうということですが、地震等がそのあたりでよく起きますが、起きた場合にはずっと大きな影響をもたらすのじゃなかろうかというふうに思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○山川説明員 御説明申し上げます。 沖縄近海はかなり地震の発生の見られる地域でございますが、たまたまと申しますか水没したと伝えられます北緯二十七度三十五分、東経百三十一度十九分付近は地震活動が少ないところでございまして、私どもの調査では、その地点から半径百キロ以内には、昭和になりましてからもう六十何年になるわけでございますが、今は平成にかわっておりますが、この六十何年の間にマグニチュード六程度、中地震程度が六個起こっている程度でございます。そういう意味で地震によって云々という可能性は少ないのではないかと思いますが、先生が今御指摘になりました海底付近の海流の問題その他につきましては、海洋課長が参っておりますので、そちらから御説明させていただきたいと存じます。
○荒川説明員 海洋の立場からお答えいたします。 当海域というのは黒潮の南方に当たりまして、当海域では海面における海流の速さは大体最大でも一ノット以下でございます。流れの方向は東向きが卓越しているけれども、当海域では黒潮海流は大きく変動しております。もう一つ、深海流のことにつきましてですけれども、当海域付近における深海流につきましては観測したことがございませんで、ここでは何とも申し上げられない状況でございます。
○野坂委員 余り時間がありませんから、そろそろ結論に入らなければならぬと思うのですが、今も気象庁あるいは水産庁からもお話がありましたけれども、海流その他の動き、不明確な点はありますが、現地の沖縄では非常に反発が強まっておるということは、きのうの県議会の決議でもよくわかるとおりであります。漁連の総務部長は「核装置が海底に沈む前に破損し核物質が海水にさらされているというなら、海は既に放射能で汚染されているのではないか。となれば近海で捕れる魚も汚染されていることになる。大変、疑問の残る説明だ」、こう言って水爆搭載機の水没事故問題については見解を述べておりますね。単に沖縄だけではなしに、全国民が注視をしておる問題であります。専門家の中では、海流によっては動き、長い間に影響が出てくる可能性もあるというふうに断じておるわけですね。だから、我々としてはこれらのことについて日本独自でもやはり調査をしていかなければならぬではないか、国民の不安を解消してもらわなければならぬじゃないか、これはどうなのかということが一点。それはどこでも結構ですが……。 二点目は、落としたのはアメリカなんだから、 これはアメリカが悪いわけですね。被害があるというふうに不安があるなら、それを解消してもらうように説明なり、その水素爆弾を引き揚げてもらわなければならぬじゃないか。日本でも六千メーター下に入る船ができておるわけですから、四千八百メートルぐらいのところはできるのではないか、こういうふうに思うのですが、そういう点を挙げて安全を確認してもらいたい、こういうふうに思うわけですけれども、いかがなものでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 本件事故の安全性の問題につきましては、先ほど来外務省の方から御説明のあったとおり、米側としては、この事件がこういうことになりまして以来、アメリカのいわゆる専門機関の再調査によって報告をしてきているわけでございますが、その中で、先ほど来御説明ございましたように、核物質は溶解、沈殿して環境への影響はないという説明がございまして、政府としてもこの説明を重みのある説明と認識しているという御答弁が予算委員会等でもあったわけでございます。 しかしながら、私どもといたしましては、これと同様に日本の沖縄、鹿児島、いわゆる近いと言われておりますところの御懸念についても非常に重大に認識しておりまして、私どもといたしましては、専門家の意見を聞きつつ、何せ兵器のことでございますので、不明な点が多々あるわけでございますけれども、私どもも何十年平和利用の観点からの研究調査もやっておりますので、こういう知見も踏まえつつ、関係省庁とも緊密に連絡をとりながら、所要の対応をして、前向きに対応してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○野坂委員 ありがとうございました。まともな御答弁を初めていただきました。 外務省は入港についても不明確、核物質を含んでいるものについても不明確、あるいはどこで破壊されたか、損壊されたかということも不明確。すべてを照会をして、国民の不安を除去するために明確にしてもらいたいということをまず申し上げておきたいと思いますが、その点についての約束をしてください。
○重家説明員 先ほど申し上げましたように、政府としては大変に重大な事故であるというふうに考えておるわけであります。したがいまして、そういう立場に立って先ほど来御説明させていただいておりますような措置をとってきておるわけであります。米側といたしましても、事故のとき行った分析あるいは日本側からのそういう今回の申し入れを踏まえて新たにまた分析を行って、米側としても誠意を持って事に当たっているということは私どもとして認識しておるわけでありますが、そういう立場に立って、安全性の面については、国民の皆さんの不安等も配慮した上で、ぎりぎりのところを日本側に伝えてきたというのが、五月十五日に発表さしていただきました安全性の側面に関する米側の説明であったというふうに考えておるわけであります。したがって、それはそれとして重みのあることであるというふうに考えておりますが、なお関係省庁の間で緊密な連絡をとらしていただきながら検討しておりますので、その作業を進めてまいりたいと思いますし、その中で適切に対処していきたいというふうに考えております。
○野坂委員 適切に対処するということは、今何点か私が申し上げました疑問点については明快にするということですね。
○重家説明員 幾つかの点につきましては既に対米照会を行っているところであります。かつ、先ほども申し上げましたように、督促も行っているところであります。したがいまして、私どもはそれをしっかりやっていきたいと思います。しかしながら、予断をするわけではございませんが、米側の国防上の問題もあると思いますが、しかしそれはそれとして対米照会等はちゃんとやっていきたい、それを踏まえまして、関係省庁とも相談しながら日本側の対応を判断すべきことではないかというふうに考えておるわけであります。
○野坂委員 まだまだ納得、すとんと落ちるところまでいきませんが、最後に長官に、あなたは竹下内閣の閣僚でありますから意見を聞きたいと思うのです。 これほど、今論議をしたように重大な事故を起こしながらアメリカは、民間の研究機関や環境保護団体、グリーンピース等が問題にするまで発表しなかったということは、私は無責任だと思うのですね、日本はこれだけ心配をしておるのに。そう思うのです。日米は友好関係にあるわけです。我々は被爆国として核問題についてはアレルギーを持つ日本国民です。十分な説明を行って疑惑を解明をしてもらわなければならぬというのは当然であります。今までその内容について不明確な点が何ら明確に答えられていないことについては納得しません。 三番目に、日本への核持ち込みの疑いが濃厚になってきた。横須賀には入港しておるのです。水爆を積んだままなんだ。ということになれば、七日に入って、七日から四日間停泊をしております。それらについては、非核三原則の立場からいって極めて重大である。外務省は、事前協議の申し入れがない以上持ち込みがなかったのだと言ってうそぶいておるだけでは済まぬではなかろうか、こういうふうに私は思います。 長官は科学技術庁の長として、あるいは竹下内閣の閣僚の一人として、今私が申し上げました疑問点その他を明快にして、国民の皆さん方に不安のないような説明ができるようにアメリカとも折衝し、国民の皆さんの期待にこたえてもらわなければならぬ、こういうふうに思いますが、長官の所信を聞いて、質問を終わります。
○宮崎国務大臣 この問題につきましては予算委員会でもいろいろ質疑がございました。また外務大臣も、国民の不安のないように、ただすべきはただしていきたい、こういうような御答弁がございました。 科学技術庁といたしまして、私どもといたしましては、御承知のように今まで原子力艦船が出入する日本近海、あるいはまた灰の問題ですね、チェルノブイルとかあるいは死の灰とか言われました空から降ってくるもの、この二つに対しましては、水産庁、気象庁あるいは海上保安庁にお願いをいたしまして定期的な検査をいたしております。その限りにおきましては、結果的には異常値は出てまいらないのですが、今回の分は初めての経験でございまして、核物質が海中にあって海水にさらされているところに問題がございます。そしてまた、それがしかも五千メーターぐらいのところにある。今お話しのように、水爆がどの辺でぺしゃんこになったのか、どういう状態なのか、私ども技術者でいろいろ検討しておるようですけれども、残念ながら水爆の研究は全然してなく、そういった兵器については、これは平和利用のための研究だけやっておりますので皆目見当がつきません。 しかし最後の一点の、ウランなのかプルトニウムなのか、それが海水にさらされてどの程度の影響があるのか。先ほど出ましたように「しんかい六五〇〇」を私ども持っております。これは来年の四月に業者から引き受けますが、その後訓練をして平成三年度には使えると思うのですね。ですから、そういった科学技術の面から、先ほど局長が申し上げましたように、あらゆる我々としてできることは一生懸命努力してみたい。また外務省に対しては、内閣として、宇野外務大臣も、国民の不安のないようにひとつ努力したいという話でございますので、しばらく時をかしていただきたい、かように考えております。
○野坂委員 これで終わりますが、長官からもお話がありましたとおり、どういう状態でどういうことになっておるのかということはさっぱりわからぬ。しかし、それがゆえに日本の国民の不安は増幅しつつあるというのが現状であります。外務省も科学技術庁の方におかれましても、これらの解明を急ぎ、日本国民の生活に影響のないように、不安のないように、除去のために一層努力されることを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○村井委員長代理 以上で野坂浩賢君の質疑は終わりました。 引き続いて、近江巳記夫君。
○近江委員 今、野坂委員の方から水爆の御質問があったわけでございますが、一、二点お聞きしておきたいと思います。 長期的に見まして、海洋汚染の危険性の有無、これは国民が非常に不安に感じるわけでございます。御承知のように科学技術庁には原子力安全局防災環境対策室、これがあるわけでございます。先ほどまた外務省は、関係省庁とよく連携をとって十分対処したい、こういうお話でございました。こういう特に汚染の問題、こういう点になってきますと、やはり関係省庁といいましても、今までの蓄積いたしましたそうした知識、いろんな点からいきまして、私は科学技術庁の果たす役割というものは非常に大きいと思うのです。そういう点で、国民がこれだけの大きな不安を持っております今日のこの問題でございます。十分何とか対処していきたいと長官のお話も先ほどあったわけでございますが、具体的にこれからどうされるのですか、その点をお聞きしたいと思います。
○村上政府委員 お答えいたします。 先ほども御説明申し上げましたけれども、当庁としても何せ初めて経験する問題でございますので、いろいろわからないところが多いわけでございますが、これまでの平和利用を遂行する上で得られてきました知見を活用して対応してまいりたい。 それで、具体的な点につきましては、とりあえず既に始めたわけでございますけれども、これまで長年関係省庁の御協力を得てやってまいりました調査の結果を、今回のいわゆる水爆取り落としとの関係でどういうふうにデータが使えるかどうか。今回の取り落としはわからない点が多うございますので、非常に重ね合わせていく作業が必要になってまいるわけでございますけれども、特にフォールアウト等を中心とする調査を進めてまいりましたときに得られていますデータを見直して、この結果不安の解消に御説明ができるようなことができるのじゃないかというような作業を着手したところでございます。
○近江委員 確かに困難は十分よくわかるわけでございますが、さりとて他の省庁におきましてそういう知識があるか。ないわけでございます。そういう点で、今御答弁ございましたように、科学技術庁といたしましてはひとつ専門的な中心省として国民の不安解消に全力を挙げていただきたい。強く要望したいと思います。長官から一言その辺につきまして。
○宮崎国務大臣 ただいま局長から答弁いたしましたように、今まで放射能、原子力の安全問題について十分いろんな経験をいたしておりますので、その経験を生かしながら、今回の事件は全然初めての事件ではございますけれども、しかしながらこれからひとつ全力を振るって調査をいたしまして、国民の不安の解消に努めたいと考えております。
○近江委員 今回のこの法案でございますが、この新技術開発事業団、これまでいろんな業務を展開されておられるわけでございますが、この法律で追加されます国際研究交流業務、この関連性というもの、これが本当に強いのかどうかということです。いわゆる今で言うフェローシップ制度、科学技術庁がずっとそれをやってこられたわけでございますが、この事業団にこの業務をつけられた必然性ですね、これにつきましてひとつ基本的なことをお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 今回の法改正のねらいでございますが、日本と外国との間の研究交流の非常に大きなギャップを解消するために外国の研究者を日本にもっと大勢来てもらおう、それを円滑に実施をする、そういうことを支援をするために新技術開発事業団を改組いたしましてそういう新しい役割を担ってもらおうということが中心でございます。 先生の御質問、それではなぜ新技術開発事業団なのかという点かと存じますが、新技術開発事業団の従来やっております業務が、新技術開発の委託、あっせんというような業務を通じまして複数の機関の間の技術移転を促進するということを手がけております。それからまた、もう一つの業務として従来から創造科学技術推進制度というものを担当しておりまして、これは多数の研究機関から研究者を集めまして、研究プロジェクトを組織をして実施をする。国際的な広がりも持っているわけでございまして、研究者、研究機関の間の交流を促進するということについていささか経験と能力があるということでございまして、全く新しく組織をつくるということではなくて、そういう潜在的な能力を持っている既存の法人を改組をして新しい役割を付与した方が全体として効率的ではないかという観点から改正をお願いしている次第でございます。
○近江委員 従来は財団法人日本科学技術連盟、ここが実際のそういう仕事を委託を受け、やっておられた、こういうことでございます。この業務を今回法改正で新技術事業団が展開するということになるわけでございますが、そうしますと、この日本科学技術連盟との関係はどうなるのですか。
○緒方政府委員 御指摘のように現在研究者の受け入れ、当初の百名の受け入れの実務につきまして、民間のアパートのあっせんであるとか身の回りの支援的な業務を日本科学技術連盟に一部委託をして実施をしているわけでございますが、法改正が成立をいたしまして新技術事業団が成立をいたしますと、これらの業務も含めフェローシップ関係及びその支援関係の業務一切は、新技術事業団の方に実施をお願いするという形で一元化されることになるわけでございます。
○近江委員 じゃ、現在この開発事業団というのは何人いらっしゃるのですか。今回この法案が通過をいたしまして新業務を展開されるということになりまして、何名増員されるか、その辺の業務の展開につきまして、中身についてお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 新技術開発事業団の昭和六十三年度末の定員は八十一名でございまして、これを平成元年度予算で五名増員をしていただきまして、元年度末の定員を八十六名とすることで予算をお願いしているところでございます。
○近江委員 そうすると、言うならばこの業務は五名でされるわけですか。もちろんただ五名という限定ではないでしょうけれども、しかしこの新技術開発事業団というのは、いわゆる委託開発、開発あっせん、創造科学技術推進事業、先端的研究成果の展開事業等々、八十何名でやっておられるわけですね。実際にそういうことはできますか、五名の業務で。生活の基盤から言葉の問題から教育の問題から、あらゆるそういうあっせん、そういう非常に広範にわたると思うのですが、どうなんですか。
○緒方政府委員 私どももちろん増員はもっと大幅にやりたかったわけでございますが、定員管理が大変厳しい中でこのための増員ということで五名お認めをいただいて、とりあえずこの八十六名の枠の中で新技術事業団としては処理していかなければならないわけでございます。予算、法律が成立した後に、事業団といたしましては部内で国際研究交流室というものを設置をして、そこで担当をさせようということで計画をいたしてございます。中のやりくりをして五名を上回る定員を回すことになるのかどうか、ここは今検討しているところでございますが、いずれにしても限られた定員の中でやるわけでございます。1そこで御懸念の向きは、仮に中でやりくりして五人が六人になったところでそんな人数でできるのかという御懸念であろうかと存じます。ごもっともな点でございますが、事業団で実施をいたします業務というのはこの支援業務の中心、中核部分になるわけでございまして、宿舎の建設をする際の建設主体になるというのはこの事業団がなりますし、フェローシップについての資金の配分その他お世話の中心になる機関は、この事業団が処理をいたしますが、現実非常に手間のかかります、例えば宿舎ができ上がった後の宿舎の管理でございますとか身の回りのお世話をする具体的な人たち、人間という点につきましては、この事業団の職員で足りない部分についてはさらに外部の民間の力というものも適宜活用しながら、総合的な体制でこの事業の円滑な推進というものを図っていかなければならないのではないかと思っております。ただ、この場合でも全体の事業の法的な意味での実施主体、実施主体といいましょうか実施をしている中心というものは、この事業団に一元化されるという形で御理解いただければ大変幸いでございます。
○近江委員 それはあくまで主体ということでありまして、実際の運用という点からいけば、これはいろいろなノーハウにしろ何にしろ日本科学技術連盟等もやっているわけですね。そういう点のいわゆる本当に研究者の立場に立ったきめ細かいサービスを展開する、こういう点になれば、あらゆる皆さんの協力を仰がなければならぬ、このように思うのです。そういう点、最初の答弁はここだけでやりますというような木で鼻をくくったような答弁であった、そこに私がもう一歩入ったような次第でございます。その点、大臣どうですか。
○宮崎国務大臣 新しい機構ができましてわずかの人間でやれるかどうかという話でございます。今までのやった実績のある機構を少し活用したらというような意味にも受け取られましたけれども、局長が説明いたしましたように、この法案が通りますれば主体が新技術事業団に移るわけでございまして、それから外縁的な事業全体をスムーズに遂行しなければなりませんので、外縁的にいろいろな方々に、今までの経験のある方々に御協力をいただくということは、そういうふうになるかもしれないな、こういうふうに考えております。要はこの事業を円滑に推進することにある、こういうふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 先ほどから皆さんの論議をお聞きしておりましたけれども、我が国の場合、欧米先進国に比較いたしまして外国人の研究者の受け入れ態勢、これは著しくおくれておるわけでございます。先ほども答弁がございましたが、我が国が派遣しておるのは千二百九十三名、受け入れが百九十八名、その差千九十五名ですね。今年度の計画では百三十名ということになっているのですね。そうしますと、少なくとも千九十五名という、単純計算で百三十で割りましても八・四年かかるわけですね。今これだけ、例えば日米間を見ましても貿易摩擦を初め技術摩擦、いろいろな摩擦が起きてきておる、そういう中で研究者の非常に大きな差というものは、本当に今までのいわゆる基礎研究ただ乗り論といいますか、あらゆるところにそういう問題が言われておるわけでございます。確かに政府のこういう努力は非常に多といたしますが、今諸外国の、大きな摩擦現象が起きておる、厳しい批判が起きておる中で、こういうペースでいいのかどうかということでございます。その点についてはどうお考えですか。 〔村井委員長代理退席、委員長着席〕
○緒方政府委員 この科技庁フェローシップ制度を創設するに当たりまして、初年度百人ということでまずスタートをさせたわけでございますが、これは国内の研究機関の受け入れ能力であるとか諸外国との研究者交流の実績を踏まえまして、当初の目安としてとりあえず百人ということで始めさせていただいたものでございます。始めましたところ、諸外国からの非常に高い評価あるいはこれを受け入れをしております国内の研究機関からもこれを非常に高く評価するということでございますので、これらの反応を踏まえまして、二年度目でございます平成元年度は予算上百三十人でお願いをしている、こういうことでございます。 それで、将来その先ほどうなるのかという御指摘かと存じますが、私どもとしてはもちろん国際研究交流を一層推進することが必要であると考えているわけでございますし、その前提として今、先生がお挙げになりました一対七というような研究交流の不均衡があるわけでございますので、こういう状態を解消できるようにいささかなりともこの制度が役に立つように、私どもとしては精いっぱい将来、拡大に努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○近江委員 念のために聞いておきたいと思いますが、国立の研究機関等、研究員は今何名いらっしゃるのですか。
○緒方政府委員 国立の試験研究機関は約八十ございますが、職員の研究者の数はおよそ一万人でございます。
○近江委員 約一方、そういう中で外国の研究者、将来像として何名ぐらいを考えておられるのですか。ただ努力します、努力しますという漠然としたことではないのでしょう。どういう理想像を描いているのですか。一万人に対してどのぐらいの外国人を受け入れようとしておるのか、それについてお聞きします。
○緒方政府委員 この制度は昭和六十三年度に始めてまだ緒についたばかりのところでございまして、私どもは将来これを大いに拡充強化していかなければならぬという意識は持っているわけでございますが、関係方面とすり合わせをして将来展望としてこういう姿にしたいという年次計画のようなものまではまだ持っていないわけでございます。 ただ、研究機関は八十余りあり、国の研究公務員はおよそ一万人、特殊法人等も含めますと二万人近い研究者がおるわけでございますので、そういう中で相当の数が入っても日本側としての受け入ればそれほど大きな支障はないのではないか。他方、一対七、科技庁のアンケート調査ではございますが、千三百弱と二百弱というようなギャップがあるわけでございますので、そういうものを解消していくようなことを目安として今後毎年着実にこの制度の拡充を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。
○近江委員 予算の措置をするにしましても、ただ推進するという漠然としたことではなかなか進まないと思うのですよ。したがいまして、少なくとも年次計画といいますか、これだけ諸外国から強い批判を浴びておるわけでございますから、少なくとも政府は毎年このぐらいの計画で進めていきたい、それに対して大蔵省としても最大の努力をすべきである、そういうような計画をするのは当たり前ですよ。ただふやしていきたいと思っております、そういうあやふやなことではなかなか推進できませんよ。今これだけの問題が起きておる、これだけ差が出てきておるわけでしょう。 それではもう一遍聞きますけれども、この立ちおくれた原因は何ですか。なぜこんなに大きな差があいてきたと思いますか。
○緒方政府委員 なかなか難しい御質問でございますけれども、いろいろな要素が複合して今日の結果ができているのだろうと思います。 一つには、日本全体の国際化のおくれといいましょうか、国際化ということが最近になってようやく本格的に行われるようになった。研究者の分野でもそれは例外ではなかったということもございますでしょうし、政府の側で研究者が来ることについて支援する政策、施策というものがこれまで必ずしも十分ではなかったというようなことも言えるかと思います。また、非常に古い時代までさかのぼりますと、日本の研究の水準というものが必すしも欧米諸国に比べて、欧米の研究者を引きつけるだけの魅力がなかったと申しましょうか、そういうものではなかったというようなことがあった時代もあるのかもしれません。それやこれやの要因が重なって大きなギャップが生じた現状になっているのではないかと思っております。 私どもとしては、実態面ではもう今や日本の研究の水準というものは欧米に伍し、物によってはそれをしのぐところまで来ているわけでございますし、国際化ということは社会全体、非常に大きな動きで展開をしているわけでありますし、あと必要なことは、政府がそこに一つの助成措置、支援措置を差し伸べて、欧米からの研究者を受け入れやすい環境をつくってやるということにあるのではないかというふうに考えているわけでございます。 先生の御指摘、私どもに対する非常に温かいお励ましの言葉としてありがたく受けとめておりまして、今後財政当局に対しても着実な展開をお願いするように予算の段階でそれぞれ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 私の質問は本会議の後と両方に分かれておりますのでしにくいわけですが、それではあと一問だけ聞いておきたいと思います。 大蔵省さんも来ていただき、また午後もお聞きしたいと思いますが、今回この予算措置を、昨年と今年度このようにつけていただいたわけでございますが、政府の方では、この年次計画といいますか、そこまでの骨格はまだ決まってないという御答弁でございましたが、大蔵省としてはこの制度自体、将来さらに力を入れていかれるのかどうか、その辺の心構えにつきましてお伺いしたいと思います。
○福田説明員 お答えいたします。 科学技術庁の施策は大変幅広いわけでございまして、今質疑のちょうど問題になっておりますような分野について、近年大変科学技術庁も力を入れておられるということでございます。したがいまして、毎年度の予算編成、財政事情、いろいろ勘案しながら科学技術庁とよく相談してまいりたいということで、この数年もこの分野につきましては大変力点を置いているというふうに私どもも考えております。
○近江委員 ここ数年力点を置いている、それは非常に結構なんですが、その結果こういう制度も発足したわけでございますが、今後のことを聞いているんですよ、これだけの大きな差があるわけでございますから。今後の行き方ですね、この数年とってこられたその努力をさらに強力に前向きに発展させるのかどうか、その心構えについてお伺いしたいと思います。
○福田説明員 お尋ねでございますが、科学技術庁の基本的な方針については私ども十分理解しているつもりでございまして、ただ各年度の予算編成については、そのときどき御要求いただいた上で十分に検討させていただくということでおります。
○近江委員 それでは、午前中は一応これで終わります。
○中川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十二分開議
○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
○近江委員 今後そのように外国人の研究者というものが増大してくるわけでございます。これにつきましては、科学技術庁といたしましては計画性を持って国際的な非難に対応できる見事な結果をひとつ今後出していただきたい、このように思います。 そうしますと、研究者を受け入れるということになってまいりますと、今までは日本人社会の中で日本人だけのマネジメントということになるわけでございますが、外国人がそれだけふえてくるということになってきますと国際的なマネジメントをどうするかということが非常に大事な問題になってくると思うのです。この点に関しましてどういう対策といいますか、どういう基本的な考え方で対処されていくか、お伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 研究所のマネジメントにつきましては、日本人であるか外国人であるかということより前に、独創性のある研究者がその個性を生かして自由に研究できるかどうかということの方が優先的になるのではないかと思っております。そういう意味では日本人の研究者も含めまして、国際的に通用するような、そういう自由闊達な研究管理が行われるように私どもは研究管理者に期待をしているわけでございます。同時に、外国人であるがゆえのハンディキャップ、言葉の問題、住宅の問題、その他もろもろの問題、いわゆる研究のマネジメントとは違いますけれども、こういう点についてはきめ細かいお世話をして、そういうマイナスのハンディキャップを穴埋めをしてやらなければいけない、このように考えている次第でございます。
○近江委員 そういう外国人の方々がふえてくる、自由闊達な研究ができる、そういう雰囲気といいますか環境づくり、これは当然一番大事なことだと思います。 今回の事業団法の改正、それからまたさきに研究交流促進法、こういうものが整備されてきておるわけでございますが、そういうことだけでいいかどうかですね。あと特に何かさらに充実さしていくためにお考えなさることがあれば、お答えいただきたいと思います。
○緒方政府委員 欧米の先進国を初め世界の研究者にとりまして日本が非常に魅力のある研究の場を提供できるようにするためには、先ほど申し上げましたように基礎的、独創的な研究に取り組む、国際的に開かれた研究環境をつくっていくことが基本的に大事なわけでありますが、同時に、基礎的、創造的研究について国際共同研究のようなものを推進していくということも大事でございます。例えば、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムであるとか、もろもろの国際的なプロジェクトを共同で推進をしていくというようなことが一つ、それからもう一つは、国際的に評価されるような基礎的、先端的な共同利用施設といいましょうか、大型の研究施設を整備していくということがまた大事ではないかと思っております。現在私どもが計画をしております大型放射光施設の建設というようなものも、こういう点で大いに貢献できるのではないかというふうに考えております。
○近江委員 確かに大型といいますか、いわゆる国際的にも日本しかないという、そのぐらいの施設をやはりつくるべきだと私は思うのです。そこで、本当に日本へ行かなければということで、おのずから日本で研究したい、そういう点で、今経済大国と言われておるわけでございますし、十分にそれに対応するだけのものは、バックグラウンドは私はあると思うのです。そういう点で大型の共同利用施設をしたい、これは非常に結構だと思いますし、さらに、ただ単なる大型ということでなくして、国際社会の中で、言うならば世界のナンバーワン、中身におきましてもそのぐらいのものをつくっていく必要がある、このように思うのです。 その点に関しまして具体的に何か特にこういうような施設、それはまだ確定はしておらないと思いますけれども、幾つか頭の中にあると思うのです。希望でよろしいですから、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
○緒方政府委員 先ほど申し上げました大型放射光施設がその代表的なものでございますが、これは現在私ども検討しておりますのは、出力が八GeVと申しまして八十億電子ボルトの規模のものになります。これは完成いたしますと世界最大のもの、最新鋭の設備ということになります。現在、立地地点の確定それから建設計画の詳細を詰めているところでございます。 それ以外の大型あるいは先端的な施設、いろいろ構想はあるわけでございますけれども、まだ具体的に固まったものとして今ここで御披露できるような段階にはございませんので、御容赦いただきたいと存じております。
○近江委員 構想は固まってなくてもいいのですよ。今私が申し上げたように、夢というか希望というか、やはり技術立国として日本はこれからさらに前進しなければならぬわけでしょう。ですから、それはあくまで希望でよろしいですから、こういうこともできればなという描いているものがあったら、ひとつお答えいただきたい。
○緒方政府委員 日本に科技庁を初め各省庁、いろいろなタイプの研究機関がございまして、それぞれがそれぞれの専門領域で世界最先端を目指してしのぎ合っているわけでございます。ちょっと突然の御質問で、私手持ちの資料を持ち合わせておりませんので、具体的にそれぞれの夢をここで語ることができないのは大変残念なんでございますが、例えばライフサイエンスあるいは材料関係、極限技術、地球科学等々、それぞれの分野においてそれぞれの研究者が世界の最先端を切って研究してやろうということで、それに必要な施設設備についていろいろな構想を持っている。私どもとしてもそれを、実現できるものを着実に応援していきたい、こういうことであるということで御理解をいただければ幸いでございます。
○近江委員 大臣は技術士をお持ちの方でございますし、科学に生きてこられた人でもございますから、大臣はこういうことをやりたいというものがあれば御答弁いただきたいし、また、関係各省庁のそういう希望もまとめて、そして、ぜひ科学技術庁がやはり柱となって今後それを具体化していく、そういう立場にあると思うのですよ。 ですから、二点目に申し上げたいのは、各省庁のそういう夢を吸い上げてそれを具体化できるようにひとつ強力に推進してもらいたいということです。 以上二点について御答弁いただきたいと思います。
○宮崎国務大臣 お答えいたします。 科学技術が経済発展の基盤になりますし、そしてまた、大型な研究、非常に世界最高の研究というものをどこの国でも目指しておりますが、例えば宇宙について言いますと、米ソが非常に先に立っておりまして、日本はまだ足元に追いついた程度だと思いますが、しかしながら、御承知のように、宇宙ステーションを共同で開発しよう、あるいはまた種子島におきましてはHⅡロケット、これは非常に大きなロケットでございますが、これをぜひここ両三年のうちに成功させたいと思っております。そうなりますと、後にHOPE計画でありますとか、あるいはまた宇宙往還機と称するスペースプレーンというのを今研究をいたしておりますが、そういう宇宙から地球を探査しよう、そしてもって、今地球の温暖化の問題とかあるいはフロンガスの問題がございますが、そういった地球のいろんな問題を解決できるのじゃないか。あるいはまた原子力におきましても、今よりももっと安全な、ことしの予算から高温ガス炉の試験炉をつくることになっておりますから、そういった問題でありますとか、今、局長がお話ししました大型の、これは兵庫県に立地をしようかどうしようか検討しておりますが、そういう問題でありますとか、いろんな夢は膨らむばかりでございまして、これからも人類のために研究開発を進めてまいりたいと思っております。 それから、文部省を初め他のいろんな研究機関がたくさんございます。これにつきましてはひとつ十分連絡をとりながら、おのおのの長所を生かして、科学技術振興調整費を科学技術庁が持っておりますから、なるべくそういった立派な研究者のいるところ、そういったところはひとつ伸ばしていきたい。原研あたりでも核融合の問題を今大きな実験室、実験機関をつくってやっておりますが、これは世界最高の水準じゃないかと言われております。 そういったやりたいことは実はたくさん、山ほどあるわけでございますが、なかなか研究者の問題と、そしてまた研究の過程というものは非常に難しい。いつまでにでき上がる、こういった問題でもございませんし、あるいはある日突如としてひらめきによって解決する問題があるかもしれませんし、また、基礎的に細かいデータを積み上げてやらなければならぬ問題もあろうかと思います。 いずれにいたしましても、やはり科学技術に専念をして、人類のいろんな希望を膨らませながら、これからも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○近江委員 大臣のお考えの一端を御披露していただいたわけでございますけれども、私が特にこれを申し上げておりますのは、日本は確かに経済大国に成長してまいりました。やはりその根本には科学技術の応用といいますか、それに非常に力を入れてきた。そういう点で欧米先進諸国からは基礎研究のただ乗りだとかいろいろなことを言われておるわけでございます。 そこで、実際の研究投資というのを見てきますと、もう大臣もよくおわかりのように、我が国は民間にほとんど負っておる。八割が民間なんですね。実際に政府の投資というのは二割という、こういう弱体ですよ。これは諸外国と比べましても全然違うわけですね。やはり政府がうんと研究投資に力を入れていく、これが一番大事な問題だと思うのです。 したがいまして、現状の問題と、これだけ諸外国からも日本の政府の研究投資が非常に弱い、これでいいのかという非常に強い批判が起きている。この批判に対して科学技術庁、大蔵省はどう反省して今後取り組むのか、これについてお伺いしたいと思います。
○石塚政府委員 お答え申し上げます。 創造性豊かな我が国の科学技術振興、これを図る上におきまして政府の果たすべき役割は非常に大きなものがございます。そこで、政府といたしましても、これまで、非常に厳しい財政状況の中ではございますけれども、科学技術関係予算につきましては、その重要性にかんがみ、その拡充に努めてまいったところでございます。 そこで、我が国の研究開発投資総額、これは昭和六十二年度に官民合わせまして約九兆円というところまで伸びておりまして、これは自由世界では米国に次いで第二位ということになっております。また、このうち政府負担額について見ましても約一兆八千億円ございまして、この額も西独、フランス、英国等ヨーロッパの先進国とほぼ同等あるいはそれを上回っているという数字にまでなっておるわけでございます。 しかしながら、資源の乏しい我が国が二十一世紀に向けてさらに発展するためにはどうしても科学技術の振興が重要であるということで、政府として果たす役割というものは非常に大きいというふうに認識をいたしておりまして、今後とも科学技術振興の重要性にかんがみまして、科学技術政策大綱に示されております基礎的な研究の推進あるいは科学技術面での国際貢献、そういったものに科学技術振興の基本を据えまして、今後とも研究開発の投資の充実というものにこれまでよりより一層の拡充、そういったものについて努力をしてまいる所存でございます。
○近江委員 大蔵省。――来たら答弁してもらって……。 そこで、六十三年度は百名、今年度は百三十名。私が調査したところ、いわゆる筑波で六割、東京都内で三割、全国はあと一割ですよ。御承知のように大阪、東京というのは双眼構造です。言うならば大都市圏でしょう。例えば、大阪で言うならば今京阪奈学研都市の建設もあり、あるいはまたバイオの研究所を初め各大学の研究所も非常に多い。そういう筑波や東京だげに九割以上も集中しておる、この現状についてはどう考えているのですか。少なくとも四全総におきましても均衡ある国土の発展ということで、すべてをそういうようにしていこう。全国を見ましても、非常に優秀な研究所がたくさんある。そういう中でなぜ東京ばかりに、これは九割以上ですよ、集中さすような形をとるのか、それについてお答えいただきたい。
○緒方政府委員 今回のフェローシップ制度は国の研究機関が受け入れの中心になっておりますので、勢い筑波がその中心になっておるわけでございますが、もとより私ども東京圏一極集中というものが望ましいことだと考えているわけではございません。また、研究機関は今、先生御指摘の関西学研都市初め関西、その他全国に展開しているわけでございまして、私どもといたしましては、外国からの研究者というものが筑波あるいは東京に集中することなく、各地それぞれの研究のニーズに合いました最もふさわしい研究所に所属をし、入っていただき、その結果として、全国的に外国人のフェローが行くということが大変望ましいことではないかというふうに考えているわけでございます。 大阪はまだ割合少ないわけではございますが、それでも幾つかの機関に何人かのフェローが既に入り始めておりますので、そういう傾向は今後続いていくのではないかというふうに期待をしているわけでございます。
○近江委員 私が大阪だから大阪を特に言ったんじゃないのです。要するに、全国に国際的にも評価されるそういう研究所をやはりつくるべきです。そうでしょう。また、充実さすべきです。それを、こういう一点集中というか、それは現状やむを得ないというだけの姿勢でいったのでは、いつまでもそれは本当に是正することはできないと思うのです。そういう点で、今後大いにその点につきましては、もう一度全国のいわゆる国立あるいはまたその周辺のそういうところの研究所につきましてもっと深く検討して、外国人のそういう研究者の受け入れ態勢といいますか、それを充実さしてもらう。ぜひそれをやっていただきたいということを強く要望しておきます。これについて、ひとつ大臣。
○宮崎国務大臣 ただいま局長からお話がございましたが、私も資料を見ておったのですが、大阪にも何人か行っているようでございます。しかしながら、何も一極集中で、今までそういう理念のもとにやってきたわけでもないでしょうし、東京は非常に住みにくいという話もありますから、住みやすいところ、あるいはまた今のお話のように京阪奈の学研都市、これから造成されるわけでございます。先生の今のお話は、十分意を体して今後そういったような方向でひとつ努力してみたいと思っております。
○近江委員 それで、外国人が来ましたときに一番問題になるのは、やはり住宅、それからまた子供たちの教育問題、それからまた言葉のハンディ、こういうのが一番大きな問題だと思います。それなりの対応はしておられるわけでございますが、外国の場合、先進国の場合は、例えば家具一つでも、作りつけの家具でありますから、本当にトランク一つでも生活できる。日本の場合は、家具なんかも設置しておらない。したがいまして、今回の事業団のこれにおきましては住宅等は建設することになっておるわけでございますが、少なくともやはり外人用につくるわけでございますので、非常にきめ細かなそういう配慮をする必要がある、このように思うのです。 教育の問題につきましても、小学校くらいなんかはすぐ溶け込んで、言葉も早く覚える。しかし中学、高校となってきた場合に、インターナショナルのそういう学校なども筑波なんかにも必要が多いわけでございますが、そういうような体制が果たしてできておるのかどうか。やはり日常のそういう点からかんがみて、本当に真剣に取り組んでいかないと、日本は非常に物価も高いし、住みにくい。しかもいろいろな点で考えてくれてない、こういう不満がまたまき散らされることになってしまう。こういう点につきまして御答弁いただきたいと思います。
○緒方政府委員 大変重要な点を御指摘いただいたわけでございますが、まず最初の宿舎の件でございますが、日本の契約慣行として、民間の家を借りる場合、敷金、礼金であるとか、それから家具なしが多いというのが実情でございます。それで、フェローで参りました人たちに対しましては民間の宿舎をあっせんするというのが基本、それで対応するのが基本でございますけれども、特に筑波のように需給関係が非常に難しいところで、かつ、外国人が集中しているところは、事業団が直営でみずからの外国人用の宿舎を持とうという計画でございますが、そういう場合に家具の問題があるわけでございます。私ども、今既に始めておりますけれども、大きな家具についてはなるべくこちら側で用意をしてやって、参りました研究者が自分で手当てをしなくても済むようにしてやろうということでいろいろ工夫をしているところでございます。今計画中の自前の宿舎についてももちろん家具つきでやる計画にしてございます。 また、東京、筑波以外で民間の宿舎をあっせんする場合にも、何らかの方法で家具がプールできるような方法がないかなということで、今予算の実行上工夫をしているところでございます。 それから子供の教育の問題を御指摘いただきました。これは、日本人で外国に行っている場合も、子供の教育が最大の問題でございますが、日本に来ます外国人にとってもやはり大きな問題でございます。ただ、幸いなことに、このフェローシップの制度は若手の研究者を中心にしておりますので、勢い子供がいないか、非常に年が小さいというのが実情のようでございます。現在まで筑波地区でそれでも何人か子供連れが入っておりまして、小学生が三人、中学生が一人筑波に参っておるようでございます。これらの子供たちは現在地元の学校に入っておりまして、地元の先生の御協力によるものと思いますけれども、特段大きな問題はないというふうに聞いておりますけれども、これから数がどんどんふえてき、あるいは筑波以外、先生御指摘のように、全国あちこちに参ることになりますので、そうなってまいりますと、受け入れがなかなか大変な問題になってくるものと思います。 私どもといたしましては、こういう子女教育の我が国の受け入れ環境の改善というものについて、関係各省と相談をしながら真剣に検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。 そのほか、日本語教育の問題その他、外国人が入り込むことに伴います非常にきめ細かい対策を一つずつ丁寧に解決をしていかなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
○近江委員 国立研究所には研究員が一万人、そうしてまたいわゆる外郭団体といいますか、そこに約一方、二万の研究者がいる。今外国の方を交流でいろいろお呼びするということをやっているのですけれども、国内の研究者に対するそういう処遇だとか、そういうことが本当に国際的にできておるのかどうか。例えば研究のサポートをする人にしても、本当に諸外国に比べれば、アメリカなんか、一研究者に対して大体少なくとも五、六人いるのです。我が国は一体何人いるのですか。しかも国内で相当いろいろな研究集会等もたくさんあるのです。そういう学会の旅費あるいは経常研究費、これは何年据え置きですか。これだけ物価がどんどん上がってきている。十何年据え置きです。みんな自費で行っておる人がたくさんおる。こういう現状で、幾ら国際的に評価される基礎研究をやりますとか、それじゃ、情熱も沸きません。あの研究、行きたいと言ったって、旅費にしたって何にしたって、十数年間据え置きである。やはり研究者のそういう意欲を本当にもっと燃やすためには、できる限りのことをしてあげなければいけません。何かと言えば予算がないとか、だから私がさっきからこういう研究のことについて、すべての投資についてもっと力を入れなさいと言うのは、そこにある。これについてはどう反省しておりますか。
○緒方政府委員 日本国内の研究者の処遇でございますが、先生御指摘のように、いろいろ私どもとして努力すべき点、多々残されているものと思います。 第一の研究補助者の問題でございますが、確かに、先ほども御質問の中で出ておりましたけれども、欧米の研究所の場合には、研究者一人に複数の補助者がつく。若手の研究者に試験管を洗わせるようなことは決してしないという御指摘もございましたけれども、日本の場合には、いわゆる研究補助職、研究技術系の職員というものが厳しい定員削減の中でどうしても削減の対象になってきておりまして、実勢としてそういう職員を確保することが非常に困難な実情になってきております。したがいまして、研究者みずからがいろいろなことをやらなければならないというのが定員上の実態でございます。 そこで、反省をし、どういうことをしているのかということでございますが、総定員を規制するというのはもう国の大方針でやられているわけでございますので、その枠内で少しでも改善しようと思いますと、やはりそういう支援的な業務を非常勤職員、平たく言うとアルバイトでございますが、そういう非常勤職員の形でやっていただくか、あるいは外注化するということで、お金はかかりますけれども定員外で調達をしていく、こういうことをやらなければならないわけでございます。現にそういう方向で、予算のやりくりその他である程度の穴埋めはさせていただいているというのが状況でございます。 それから学会出席旅費、御指摘のとおり、これはかなり昔からのいろいろな懸案でございますが、現在予算制度上は、国内の学会に出席するための旅費が、積算上は一人の研究者が二年に一回はそういう学会に出席をする、それに必要な経費を計上するという計算根拠で全体の学会出席旅費が計上されているわけでございます。それはもちろん運用によりましてやりくりをしているわけでありますけれども、必ずしも十分ではありませんので、昭和六十年度に科学技術振興調整費の中で重点基礎研究という制度をつくっておりまして、この重点基礎研究と申しますのは、今申し上げましたように経常研究費の中でのやりくりがいろいろ苦しいものについて、それを補完する形で各研究所長の裁量でやっていただくようにある程度重点配分をし、足らざるを運用上補っていけるような、運用ができるような制度として計上しているところでございます。
○近江委員 学会旅費につきましては昭和五十一年から、また経常研究費につきましては昭和五十六年以降据え置かれたままですよ。一九八七年度に開催されました学会について、旅費の予算不足のために二五%の人が私費で出席しておる。さらに二五%の人が学会出席そのものを断念している。こういう中で、研究を充実します、やりますと幾ら言ったって、そこへ行くことすらできない。そんなことで世界に胸を張って、研究に力を注ぎますということが言えますか。現実は全然合っていませんよ。ですから政府としては、もう時間がありませんから終わりますけれども、真剣にこういう実態を調査されて、本当に研究者が喜びを持って、やはりここまで国も力を入れてくれるのか、そういうバックアップを私はすべきだと思う。 最後に、科学技術庁、そして大蔵省、そして大臣にこの件について御答弁をいただいて、終わります。
○緒方政府委員 ただいま先生から御指摘のありました問題点、私どもとして改善について大いに今後努力をしてまいりたいと考えております。
○福田説明員 先生御案内のとおり、現在政府といたしましては、平成二年度に何とか特例債依存体質から脱却したいということでございまして、そういう意味で経常経費を中心に大変厳しい財政運営をやってまいったわけでございます。その辺はぜひ御理解を賜りたいと存じておりますが、ただ、午前中にも申し上げましたように、科学技術の振興につきましては、資源の乏しい我が国といたしましても着実な推進を図る必要がございまして、従来から相当ウエートを置いた配慮をしてまいったわけでございまして、御案内のとおり平成元年度の科学技術振興費も総額四千四百八十億円、対前年度比七・四%の伸びということでございまして、財政事情は依然として厳しい状況でございますが、今後とも関係省庁とは十分相談しながら予算編成に当たってまいりたいというふうに考えております。
○宮崎国務大臣 委員の科学技術の研究者に対する温かい思い、私も十分わかります。そしてまた、私ども科学技術庁に対して非常な御叱正をいただきまして、これは本当にありがたい御叱正だと考えております。これからもひとつ、本当に委員のおっしゃるような、世界に胸を張って科学技術の研究をやりますという科学技術政府でございますから、いろいろ今までのことを調査して、十分ひとつ御期待に沿うように努力いたしたいと考えております。
○近江委員 終わります。
○中川委員長 近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 引き続き、和田一仁君。
○和田委員 長官に早速お尋ねしたいのですけれども、我が国は資源小国でございまして、海外との貿易によって立っているということが立国の要件として大変大事だと思います。そのためには、やはりどうしても世界の平和ということが維持されていなければいけないという、これはもう当然でございます。 私どもは平和のために最大の努力を払っているわけでございますけれども、平和裏の貿易とはいいながらも、やはり国際間の競争はなかなか激しいものがございまして、その貿易を支えている一つの大きな力の中に、我が国の科学技術の進展というものは、これは見逃すことのできない大事な面であろうと思うわけですね。こういう非常に資源の乏しい国がそうやって世界の中で、国際社会の中で大きな力を持ち、また貢献ができるということを考えますと、これからもまた科学技術の進展ということがないがしろにされてはならない、こう思うわけです。 ところが、この科学技術の面においても、貿易と同じようにやはり国際間の摩擦ということが相当言われておりますし、何かとまた日本の今の科学技術政策に対する批判の声も聞こえてくるわけでございまして、大臣は二十一世紀を展望いたしまして我が国の科学技術の重要性を十分認識されていると思いますけれども、どのようにとらえて、そして今後いかなる方向で発展させていこうとお考えになっているか、基本的なことからお考えをまず伺いたいと思います。
○宮崎国務大臣 お答えいたします。 科学技術の振興発展ということは平和でなければならぬ、仰せのとおりだと思っております。戦争になりますというと、とてもそういったような暇もございませんし、また若い人方も科学技術の研究に没頭することもできないような状態になりますので、やはりまず平和ということが前提になるということは仰せのとおりだと思っております。 そこで、我が国はこの前の大戦以来もう四十数年になりますが、幸いに平和が続いておりまして、経済大国として成長してまいったわけでございますが、これもやはり科学技術の振興がその基礎にあるんだろうと思っております。これからも資源に乏しい日本でございますから、科学技術の振興に努めなければならないと考えております。 それには、今まで先進諸国の間で言われておりましたいわゆる技術ただ乗り論ということがございまして、もっと基礎研究を日本はやるべきじゃないか、応用研究だけやって、もっともっとひとつ基礎研究をやらぬといかぬじゃないかという批判がございます。したがいまして、今後の問題としては、そういった基礎研究にまず重点を置く。 それから、語学の問題とか居住の問題とか、いろいろな関係で国際社会の中で協力と申しますか、貢献する度合いが少なかった日本であろうと思います。昨年ぐらいからやっと科学技術の面におきましても、国際協調と申しますか、国際協力と申しますか、貢献をできる日本、こういうことで国際間の会議あるいはまた今提案いたしております法律、こういったもので国際研究交流を進めていく。 第三は、私は、やはりこの科学技術というものは私どもの生存とか生命とか、そういったものに無関係であってはならない。私どもの現在の社会環境と申しますか、こういったものとマッチしていかなければならぬ。いわゆる私どもの生活環境にいろいろな害が出てくるということではぐあいが悪いわけでございますので、どうしてもそういったような問題を除去していく、あるいはまた私どもの生活環境とマッチして、そして私どもの生活をより豊かにする科学技術でなければならぬ、こういうように考えておりますので、大体以上の三点をこれから二十一世紀を展望する科学技術の発展の方向、こういうふうに考えてやっていきたい。多分これも科学技術政策大綱で書いてあると思いますが、表現が違うかもしれませんけれども、私なりにそういうことを考えているわけでございます。
○和田委員 そういう中で、昨年のトロント・サミットの成果として日米科学技術協力協定というものができましたけれども、その後のアメリカとの関係というものはうまくいっているのでしょうか。その辺についてちょっとお尋ねしたいと思います。
○緒方政府委員 ただいま御指摘のように、昨年の六月に日本とアメリカとの間で新しい日米科学技術協力協定をつくったわけでございます。これは申すまでもなく、最近の日米関係を反映させて、そういう環境の変化というものを反映させて新しい時代の新しい枠組みをつくろうということで、この新しい協定ができたわけでございます。 六月にできまして、早速昨年の十月に東京でこの協定に基づきます第一回の閣僚レベルの合同高級委員会というのを開催いたしました。続きまして、年が明けてことしの一月でございますが、やはり東京でございますが、この協定に基づきます賢人会議と言っていいと思いますが、合同高級諮問協議会というのがございます。これの第一回が開催をされております。またこの間、政府レベルの、実務家レベルの会合というものがワシントン、東京でそれぞれ開かれておりまして、このようにさまざまなレベルの合同会合を通じまして両国間の協力関係強化のための具体的な協議というものは着実に進められておるわけでございまして、緊密な協力関係というものが構築されていると考えております。 私どもといたしましては、こういう新しい枠組みのもとでこういう場ができたわけでございますので、これらを十分活用いたしまして、摩擦と言われる前に問題を解決するように努力をしてまいりたいと思いますし、そのための順調なスタートは切られているものというふうに認識をしているわけでございます。
○和田委員 それでは、米国との間ではなくてヨーロッパ、英国やフランスやドイツ、こういった欧州諸国と日本との科学技術の交流、これもまた不均衡の一つに挙げられて言われているわけですけれども、これが現状はどうなのか。 それから九二年にはECの統合があるわけですけれども、その後の関係が一体どういう見通しを持っていたらいいのか、この点についてもお考えを聞かせていただきたいのですが。
○緒方政府委員 ヨーロッパ各国と日本との間の研究交流というものも従来から盛んに行われているわけでございますが、ここでもアメリカの場合と同様に、日本から向こうに行っている研究者の数と、向こうからこちらに来ている研究者の数との間で相当大きな不均衡がありまして、これの是正というものが求められておったわけでございます。この点につきましては、今回のフェローシップ制度の導入あるいは今回の法律改正による受け入れ態勢の強化というようなことで、相当程度改善をされていくものと考えております。 九二年のEC統合と日本との関係、科学技術面でどういう影響があるかというのを予測するのは、正直言ってなかなか難しい問題でございますけれども、私どもといたしましては、ECが統合されましても、欧州といたしまして、欧州以外の国、日本を含む域外の国との科学技術面での協力をしていくという姿勢に変わりはないと判断しておりますし、また、日本の立場から申しましても、日本にとってヨーロッパ各国との科学技術面での交流を続けていくということは大変意義の深いことでございますので、基本的な協力関係を維持するという枠組みに大きな変化はないというふうに考えているところでございます。
○和田委員 それではもう一つ、そういった国際関係、欧米ばかりではございませんで開発途上国にとりましても、やはり同じような思いがあるのではないかと思いますし、また、こういう国々にとって日本の科学技術というものに対する関心も非常に高い、こういうふうに思いますときに、今度のこのフェローシップの制度そのものは、こういう開発途上国に対してはどのようなアプローチがあるのか、そしてまた、途上国にとってどれだけ魅力のあるものになるか、この辺がどういう見通しを持ったらいいのかをお聞かせいただきたい。
○緒方政府委員 御指摘のように、今や経済大国、科学技術先進国と言われております我が国にとりまして、科学技術分野におきましても発展途上国と積極的に協力していくということが極めて重要なわけでございまして、その中でも特に、御指摘のように、我が国と歴史的にも地理的にも深い関係のありますアジアの国々との協力を重点的に行っていくということが大変重要であると私どもも考えてございます。 その場合、もう釈迦に説法で恐縮でございますけれども、途上国に対して科学技術面で協力をしていくという場合に、その国のニーズに合致した科学技術を振興し得るようにすることが極めて重要でございまして、でき上がった、完成された技術を移転するという従来型の技術協力だけではなくて、途上国みずからが新しい科学技術を生み出せるようにするための、いわば基盤を強化することの手伝いをする、これが大事なことではないかと思っております。そのために人材交流を含む幅広い国際研究交流を進めまして、途上国の人材の養成、研究開発能力の向上に協力をするという姿勢でやってまいっているわけでございます。 具体的には、日本の国立試験研究機関と途上国の研究機関との間の人材の交流でありますとか、アジアにはアジア科学協力連合、ASCAと言っておりますが、そういう組織ができておりますので、それらの国の研究者を日本に招聘してセミナーを開催するとか、あるいは宇宙の開発利用に関する協力の一環として協力活動を行うとか、原子力研究交流制度による人材交流を行うなどさまざまなことをやっているわけでございます。 また、御案内のとおり科技庁以外でも、例えば、農林水産省では熱帯農業研究センターというようなものを設け国際研究交流事業を推進しておられますし、通産省では国際産業技術研究事業というものを展開されております。文部省の日本学術振興会においても途上国との協力というものをいろいろやっているわけでございます。 それで、科学技術庁の今度のフェローシップの中ではどういうことになっているかということでありますが、第一次の百人の中でいわゆる途上国の人が既に二十三名受け入れを決定しております。私ども、このフェローシップというのは、科学技術面での国際貢献を図り、日本の科学技術の振興も同時に図っていくという趣旨でございますので、先進国だけではなくて開発途上国も対象に、優秀な研究者であれば同じように受け入れをしていくというふうに考えているところでございます。
○和田委員 押しなべて我が国の科学技術に対する見方というのは、基礎の研究あるいは創造的な研究に力が入らなくて、そういう基礎研究はお金もかかるし、なかなか実用化までは大変な努力をしなければならないが、そういうところには余り力を入れないで、よその国でそういうところに力が入っている、それを出かけていってその成果をとって、今度は応用の面で非常に上手にこれを応用化し実用化し、そしていろいろな商品にそれを生かし、産業に生かし、そして貿易で稼ぎまくっている、こういうような見方がされているわけなんですね。 そこで、こういう批判に対して、じゃ、応用ではなくて基礎や創造的な研究に対してどうして今まで日本の研究環境というものがそういう環境になってなかったのか、この辺がきちっとおわかりであって、それに対応できるようなことになっているかどうか、この辺をひとつお答えいただきたいのです。
○緒方政府委員 今の御指摘の点、いわゆる外国からの基礎研究ただ乗り論と称されるものでございますけれども、六十三年度の科学技術白書で日米欧の比較調査をやっておりまして、これを見ますと、日本の基礎研究というのは全般的にアメリカとの間で非常に大きな格差があって、またヨーロッパにもリードされているというような指摘がなされております。 これの原因の分析としては、これはこれまで日本が、今、先生がお述べになりましたように応用・開発研究に重点を置いてきたこと、それから基礎研究の環境の整備が進んでいなかったためというように考えられているわけでございます。また、一般論として申し上げますならば、欧米諸国の基礎研究というのは我が国と比べますと個人の発想を非常に尊重するという伝統がありまして、この個人の発想を十分に発揮させる自由な研究環境によって進められているということが指摘をされているわけでございます。 それでは、そういうものに対してどういう改善策を講ずるかということでありますけれども、私ども応用・開発研究だけではなくて創造的な基礎研究の推進を大いにやっていかなければならないという判断から、科学技術庁として御案内の国際フロンティア研究制度、それから新技術開発事業団が現在担当しております創造科学技術推進制度などを創設いたしまして、これまで実施をしてきたわけでございます。また、本年度、平成元年度からはさらに、創造性豊かな人材の育成確保、研究環境の整備が重要だという認識から、独創的で優秀な若手の研究者に自由な研究環境を与えようということで基礎科学特別研究員制度というものを設けて、この基礎研究の振興に努力をしているところでございます。 私どもこれで十分と考えているわけではございませんで、今後さらにどういう施策を講じていくべきか、現在学識経験者を集めましていろいろ意見を聞いているところでございます。この検討・結果を踏まえて、平成二年度以降の施策にこれらを具体的に反映させるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○和田委員 今お答えの中にありました基礎科学特別研究員制度、大変ユニークな発想だと思うのですね。これが動き出しているということは大変結構だと思うのですが、こういう今までにないような非常に弾力的な考え方で対応していくことは非常に大事だと思います。 もう一つ、このことだけちょっと聞きたいのは、この特別研究員の制度は国内だけですか。これを門戸開放して、やはり同じようによその国からも受け入れる姿勢があるのかどうか、その点一つだけ。
○緒方政府委員 外国の優秀な研究者を日本に受け入れる制度としては、先ほど来出てまいりました科技庁フェローシップ制度が既に先行して開かれているわけでございます。したがって、私どもとしては専らそちらを御活用いただくことを期待しております。基礎科学特別研究員制度は、これも国内の一種のテスト事業でございまして、国内の若手の研究者に対して自由な研究環境を与えることにしたいというのが発想の根本でございますので、主として国内を念頭に置いた制度になっているわけでございます。
○和田委員 さっき大臣は、科学技術というものは平和のために非常に役立つものであり、大事であるし、特に社会環境とマッチしていかなければいけない、こういうようなお話もございました。 それで、ちょっと方向は違うのですけれども、例の米軍空母のタイコンデロガが水爆機を落としてしまった、このことについて長官の談話を新聞で拝見いたしました。この新聞によりますと、十六日の閣議の後のようですけれども、長官は、核装置が壊れ、核物質が流出したというこの事故について「米国の発表を聞いて驚いた。専門家で調査する必要がある」、このようにお話しになっているわけですね。この「専門家で調査する必要がある」という談話についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思うのです。 〔委員長退席、佐藤(敬夫)委員長代理着席〕
○宮崎国務大臣 この水爆機が落ちたということは、この前の五月十五日に外務省から説明を聞きました。御承知のように、今まで私ども科学技術庁としては、原子力を推進力とする艦船が日本近海におりますし、また死の灰とかそういったことで、チェルノブイルの灰もそうですが、空から降ってくる放射能がございますので、こういったものを目的といたしまして、それが日本近海、海の方でどのくらいの放射能が残存しているかということを中心にして研究をしてまいりました。これは海上保安庁でありますとか、あるいは水産庁、気象庁、こういうところに委託と申しますか、予算の組み替えによりまして恒常的に調査をしてまいったわけでございます。 したがいまして、今回の事件は非常に異質な事件で、私どもは初めて遭遇する事件でございます。しかも水爆がどういう格好になっているのか。これは核融合で爆発するという話を新聞でも書いておりますし、そしてまた米軍の調査によりますと、相当な水圧で、五千メーターのところにあるわけですから、その中間において海水の水圧が加わりますね、それでもう破壊をしている、ですから爆発はしない、こういうようなことでございまして、私ども常識的に考えて、それではばらばらになってぺしゃんこになったのだったら爆発はしないだろう。それはわかるのですが、その間に核物質、これは何であるかちょっとわからないのですが、プルトニウムなのか、あるいはそのほかの物質であるかわかりませんけれども、それが溶解をして、そして沈んだ、だからもうそういう放射能の危険はない、こういうふうに断定をしておられるわけで、私ども米国の科学技術が大分進んでいるのかなとは思いますけれども、しかしながらプルトニウムにいたしましても鉄以上に重いものですね。そして私どもの研究者に言わせると難溶解だ、そんなに簡単に溶けるものではない、難溶解か溶けないかだ、だから下の方に落ちていったのでしょうが、どの程度に溶解してそれが水産物とか魚とかに溶解しておるのか、それが実はわからないわけですね。 それからいま一つ、五千メーターの海中で海水に暴露されている、それはその後どうなるのだろうか。物すごい水の量ですからうんと希釈されて影響はないのかどうなのか。それは全然ないというよりは何とかあるだろう、こういう意見もございますし、その辺のことがやはり専門家の意見を聞いてみないとわからぬのじゃないか、あるいは聞いてもわからぬかもしれない。日本ではそういった兵器の水爆の研究をしている人がいないので、その辺がわからぬのじゃないか。あるいはまた五千メーターといいますから、私ども「しんかい六五〇〇」という調査船は持っております。ですから、それを引き揚げたらどうかという意見もございますが、調査をしても六千五百メーターぐらいに行きますと真っ暗だろうと思うのです。私は港湾土木をやっておりましたけれども、大体四、五十メーターまでは何とか引き揚げの可能性がある。船にいたしましても五百メーターから八百メーターくらいまでじゃないかと思うのです、船自体を全部引き揚げるのは。ですから、その辺のことが非常にわからぬところもあるな。ですから直観的に、これはやはり専門家にもう少し集まっていただいて、アメリカ政府に技術的にいろいろ問い合わせることもあるだろう。今後どうしたらいいのか、あるいはどういうふうな見解を持っておられるのか、いろいろ専門家の方で集まって、私が浅薄な考え方で考えるのもなんだから、専門家の方々に集まっていただいてよく意見を聞いて、各省庁とも、外務省で何か議論しておられますから、よく意見を聞いてやってください、そう部下に言ってございます。
○和田委員 長官、専門家に意見を聞くだけでなくて、国民が見ているのは、そういう事故があった、事実がはっきりしてきた、それで一体それがどう環境に影響してくるのか、自分たちにどういう害があるのか、これを知りたいのですね。それを知るために外務省は一生懸命アメリカに聞いているというだけなんです。日本の政府自体がそういう影響がどうあるかをみずから調べようとしているのか、していないのか。大臣は専門家で調査する必要がある、こうおっしゃったというので私は伺っているので、大臣が内閣の中で、これは大変だから、ひとつ自主的に日本の科学技術の粋を集めて、そして調査をしようというのか、ただ専門家を集めて意見を聞こうとしているのか、その辺をもうちょっとはっきり大臣のお考えを聞かせていただきたいのです。どこかがイニシアをとってやるのかやらないのか。これは外務省がよそへ行って聞いてくるだけで国民にこうでございましたから多分大丈夫でしようというだけではだめだ。日本の政府がちゃんと自分の手で最大の努力をし、調査をした結果がこうだ、危なければこういう対策を立てよう、安全なら大丈夫だという自信を持った発表を政府がしてほしい。そのことについてどういうお考えがあるかを聞きたいのです。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 大臣のそのようなお考えもございまして、私どもといたしましては、当庁の関係機関の専門家でございますけれどもお集まりいただきまして、米国から既にいただいております回答についての検討、それからさらにこれ以上に問い合わせるものがどういうものがあるかということの検討等を、これまで数十年間の間に平和利用の過程で得られましたいろいろな知見に基づいて照らし合わせるというところから今スタートしたところでございまして、必要がありますれば過去に採取、分析しておりますようなサンプル等もまだ残っておりますので、そういうものを再度分析して今回のことと照らし合わせて考えてみるといったようなことを含めて専門家の検討を始めたところでございます。
○宮崎国務大臣 ただいまの問題につきましては非常に重大な関心を私も持っておりますし、そういった専門家の会議とか各省庁と連絡しながら、要は委員がおっしゃったように国民の不安を除去するための所要の措置をとらなければならぬだろう、それにはやはり専門家に集まってもらって、どういう調査をしたらいいのか、ただ、今までのような日本近海の放射能の検出だけでいいのか、あるいはその沈んだと思われるところの何か調査をしなければならぬのか、あるいは魚類とかそういったものにまでやらなければならぬのか、その辺の調査方法というのがはっきりするだろう、そういった意味で申し上げているので、要はやはり国民の不安を取り除くということにあると思います。
○和田委員 ぜひひとつ大臣の発言どおり、国民の安心がいくようなそういう努力をしていただきたいと思います。 外務省にちょっと来ていただいているのでもう一つ伺いたいのですが、こういう事故が起きたのは、これはこれだけではないのですね。このほかにも、いわゆる最初に発表されたときのたくさんの事故の中の一つがたまたまこれであった、こういうふうに聞いておるのですが、そのとおりでしょうか。
○重家説明員 八一年にアメリカの国防省、エネルギー省の報告書が出されまして、その中で一九五〇年から一九八〇年の間に起こりました関係の事故について計三十二件報告が記載してございます。今回問題になりましたのもその中の一件でございます。
○和田委員 その三十二件のうちの一件がたまたま初めその発表されたのを見たときまわからなかったけれども、それが後になってわかったということですね。だとすると、ほかの三十一件についても、あいまいとした表現で出ていればわからないという心配が出てくるわけですね。たまたまわかったからいいけれども、わからないのじゃないか。これを厳重にチェックしていただいているかどうか。例えばスペインにB52が核兵器を載せたまま墜落した、こういうようなはっきりしているのはいいですが、そうでないものは時と場合によっては大陸から五百マイルと言いながら実は沖縄の近くであったというようなケースがほかにもあったらこれはいかぬと思いますが、全部チェックしてあるのでしょうか、どうでしょうか。
○重家説明員 八一年の報告書に関しましては先ほど来御説明させていただいておりますが、一般的な記述で、日本の近海、日本の近くで起こったということは八一年には知り得なかったということで、私どもも何らの措置もとらなかったということでございます。もちろん、他方エネルギー省の八一年の報告書の中に記述されておりますが、何らかの公共への危険あるいは警報の必要性というものが現に存在する場合は、アメリカは核兵器の存在を肯定も否定もしないという政策があるわけでございますが、それにもかかわらず公表しておるというわけでありまして、八一年の当時、安全性、汚染の問題につき特段の危険性があるということも必ずしも認識されなかったのが実情でございます。 先ほどの先生の三十二件の中で大丈夫か、こういう御質問でございますが、今回こういう報道がございましたこともございまして、八一年に公表されました報告書の中に、我が国及びその周辺に関係する事故が含まれているのかいないのか、事実関係、関連情報を現在米側に照会中でございます。
○和田委員 時間が来たのでもう一問だけで終わらせていただきます。 この前の委員会でも私ちょっと申し上げたのですが、やはり国民がそういう不安を、知りたくてもなかなか知り得ない、そういう意味で政府は積極的にその努力をしてほしいということが一つ。 それから、同じように原発の事故についても、事故の報道があっても、国民はなかなかどのくらいの危険度の事故であるか判定ができない、そういう意味でスケールをつくったらどうかというようなことをこの前質問しながら申し上げたわけですけれども、新聞等によりますとそのことがだんだん作業が進んでいるように聞いておりますので、その辺がどの辺までいっているのか、できるとすればいつごろになるのか、そういった見通しをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○三角説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のいわゆる原子力発電所で起こってございます事象につきまして、それが安全上どのような意味があるのかということにつきまして、我々も情報をできるだけ公開をし、国民の御理解をいただくとともに、それが安全上どんな意味があるのかということをできるだけ簡明に表明できるような尺度のごときものを、先生御指摘のように今研究、検討中でございます。 先般来御報告してございますように、この尺度の策定につきましては旧年来、最初に技術専門家から成りますところの研究会、これは東京大学の近藤先生あたりと一緒に勉強したわけでございますが、自来研究、検討を続けてございます。現在のところ尺度としていろいろな要素があろうかと思うのですが、一つには事象として、放射性物質が一般公衆にどのような影響を与えたかといったようなこと、外に出たかどうかみたいなこと、それから従事者の被曝の程度はどうかというようなこと、それからもう一つはもちろん原子炉施設の状況がどのようなぐあいに侵されたかと申しましょうか、なったのかといったようなことで、三つぐらいの視点を念頭に置きながら勉強を進めてございます。なお若干の時間は必要かと思いますが、むしろこれは関係の各方面の意見も踏まえながら、有効な評価尺度を策定するようになお努力中であるということで御理解願いたいと思います。 以上でございます。
○和田委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤(敬夫)委員長代理 矢島恒夫君。
○矢島委員 本日の委員会、大臣所信について質疑をするようにと私要求したのでございますが、理事会で法案審議が先ということになりましたので、そのことはまた後日大臣にお伺いすることにいたしまして、法案の三十条の二のところにあります共同して行う基礎研究、いわゆる国際共同研究のことで質問したいと思うのです。 今回のこの法改正によりまして、国際共同研究を行う場合に、研究の契約の問題、それから研究成果についての帰属と公表の問題、それから特許出願のやり方、これがどうなるのか、ひとつお答えいただきたいと思います。 〔佐藤(敬夫)委員長代理退席、若林委員長代理着席〕
○緒方政府委員 お答え申し上げます。 法律の三十条の二は、事業団が従来から実施しております創造科学技術推進制度について規定した条項でございまして、従来この創造科学技術推進制度、日本の国内制度として実施しておりますので、この研究に従事する研究者は事業団が全員雇用して研究をするという建前になっております。今回、それに国際共同研究をやる場合の特例を加えたものでございまして、国際共同研究をやる場合にはこれの例外として別の扱いができるということでございます。 さて、その国際共同研究をやります場合に、改組後の新技術事業団と相手側の外国の機関との間で共同研究をするための契約を締結するわけでございます。その契約の中身といたしましては、もちろん、どういう研究をやるのか、どういう分担でやるのか、どれだけの期間でやるのか、費用の分担をどうするのか、研究成果の帰属をどう扱うのかというようなことを決めることになろうかと思っております。これらは、先ほども申し上げましたように、研究相手先あるいは研究テーマがまだ決まっておりませんので、これから具体的な案件に即して協議するわけでございまして、ケース・バイ・ケースで決めていくわけであります。 それから、工業所有権の問題について御指摘でございましたが、今申し上げましたように、この工業所有権の帰属、知的財産権の帰属につきましては、契約によってケース・バイ・ケースで決めるというのが原則でございます。 それから、成果については、その特許申請の過程で一定期間公表を差し控えることがあるというのは国内の場合と同じでございますけれども、そういうことを除きますと、成果は研究発表会等を通じましてすべて公表するという原則でやらしていただく予定でございます。
○矢島委員 その場合、相手国がアメリカである場合、日米科学技術協力協定の枠内での基礎的共同研究が行われた場合も今のお話と同じだ、こう理解してよろしいですか。
○緒方政府委員 御指摘のとおりでございまして、相手国がアメリカで日米科学技術協力協定の枠内で行われるというケースも、今御説明した中には含まれると考えております。
○矢島委員 そうしますと、日米科学技術協力協定の枠内での共同研究の場合の成果の公表の問題なんですけれども、この科技協定の第一条の一項のDにはいわゆる安全保障条項があるわけですが、これとの関係はどういうふうになっておりますか。
○緒方政府委員 日米科学技術協力協定の一条の一項Dには「適用可能な国内法令(安全保障に関連するものを含む。)に合致した、情報の可能な限り広範な普及」という規定になってございます。この日米科学技術協力協定上も、情報については可能な限り広範に普及をするということで、それについて関連の国内法規があれば、安全保障に関連するものをも含め国内法令に準処してやるということでございまして、そこは特段の変化はございません。 なお、新技術開発事業団法の改正でお願いしております国際共同研究、さらには新技術事業団の行います国際研究交流活動全般と言ってよろしいかと思いますが、これは安全保障に関連するようなものが入ってくる余地はございませんで、専ら平和の目的といいましょうか、武器技術に関連するようなものは対象として考えておりませんので、今の問題については特段の問題を生ずることはないと考えております。
○矢島委員 いわゆる軍事的な研究じゃなくて基礎的研究というわけですが、いわゆる基礎的な研究というものの研究過程の中で軍事的に利用することが可能な知識や技能が発見、発明される、こういうことは十分に予測されるわけでありますけれども、このような場合でも公開するということでよろしいのでしょうか。
○緒方政府委員 事業団が行います国際共同研究というのは応用開発目的が特定をされておりません基礎段階の研究でございまして、したがいまして、防衛関係の技術の研究が行われるあるいはそういう成果が生じてくるというようなことは基本的に想定されないわけでございます。
○矢島委員 科技協定の附属書Ⅰに七つの分野が挙げられております。もちろんその中の超電導の研究にいたしましてもあるいはレーザーの研究にいたしましても、基礎的研究の中において軍事的に利用できる成果が上がるということは十分に考えられることであって、想定いたしませんという言い切り方というのが極めて問題ではないか。この共同研究の中で、やっているうちにアメリカが軍事的に使いたいというような結果が出た場合はどう取り扱うのか。このことについて実は宇野外務大臣とシュルツ国務長官の例の科技協定のときの往復書簡というのがあります。この往復書簡の中で「もしもこの協定にもとづく協力活動の過程で国防上の理由で秘密にすべき情報や機材がつくり出された場合は、適用しうる法規の許すかぎり非公開にされる」、こういう書簡になっているわけですけれども、これとの関係、つまり研究成果というのが秘密にされてしまうのではないか、こういう危惧についていかがでしょう。
○緒方政府委員 日米科学技術協力協定の体系の中でちょっと先に御説明をいたしますと、日米科学技術協力協定上日米の共同研究をやっていく。研究は、もちろん先生もう御指摘のように最初は一般的なものであって、結果として出てきた場合という御指摘であろうと思いますが、そういう場合でございましても、この日米共同の研究といいますものは、結果を公表するというのが前提で走っておりますので、私どもそういう事態は想定しておりませんけれども、協定上、仮に全く汎用の技術あるいは全然民生の目的で研究開発しておったところ、途中で軍事技術である、防衛関係の技術で使えるということが判明をし、そこの段階で取り扱いが問題になったときには、私どもとしてはそれまでの研究成果はすべて公表して、その段階で共同研究を打ち切るということにならざるを得ないというふうに考えてございます。それが日米協定上の実際の運用になろうかと思います。事態を想定しているわけではございませんが、論理の問題としてそうなります。 他方、今回法律改正をお願いしております事業団法の方でございますが、これは、この事業団と申しますのは科技庁の所掌事務の範囲内でやるわけでございますから、専ら防衛のための技術を共同研究する道理もございませんし、法律上も科学技術庁の所掌にかかわるものに限るという限定も入っておりますし、「新技術の創製に資する」というような事業団法の目的の縛りもありますので、およそ専ら防衛のための技術というものが研究の対象になるということは想定をされないというわけでございます。 それでも、その汎用技術が将来結果として何か防衛関係の技術に使われることがあるかどうかという点をさらに御議論されておるのかと存じますけれども、いわゆる汎用技術につきましては、これは本当の汎用技術なんでありまして、科学技術の進歩の上からも汎用技術がある目的に使われてはいけないということで縛ることはできないものではないかと思っておりまして、その限りで、汎用技術がいろいろな方面で利用されるという可能性は理論的には否定できないのだろうと思っております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、私どもとしてはそういう事態はこの体系では想定しない、されないというふうに考えております。
○矢島委員 研究成果の公開ということはぜひ、科学技術の発展のためにも重要なことですから。 ただ、私が今まで申し上げたような危惧を感じるというのを別の角度でちょっと質問したいので すが、国際共同研究を実施する場合、相手側の団体ですが、アメリカとの場合ですが、国立研究機関であればいわゆる例外を設けないでどの機関とも実施することになるというふうに理解してよろしいですか。
○緒方政府委員 アメリカの場合、合衆国政府あるいはローカルな州政府あるいは公共団体、それから基礎的研究を行うことを目的とする研究機関というようなものを想定しているわけでございまして、その限りで特定のものを排除しているわけではございませんけれども、くどいようでございますが、専ら防衛のための技術というものはこの事業団の所掌事務ではございませんから、仮に専ら防衛のための技術開発を目的としている米国の団体、組織があるとすれば、それは我が方として共同研究の相手としては考えていない、対象にならないということでございます。
○矢島委員 先にお答えいただいたような形ですが、そうすると、例えばアメリカのNASAやあるいはロスアラモス研究所、こういうようなところとも共同研究を実施する、いわゆるこういう団体も対象となるのかどうか、その辺をお聞きしたいのです。
○緒方政府委員 NASAにつきましては宇宙開発の実施機関、研究機関でございますし、ロスアラモスはエネルギー省所属の研究機関でございますので、それらは当然共同研究の相手方にテーマによってはなるということでございます。
○矢島委員 ロスアラモスについては、エネルギー、つまり核問題も中心にやりながら核兵器の研究の中心だ、それからSDIの研究を受注する団体でもあります。NASAは、歴史的な経過を見てみますと、これは一九五八年十月に海軍の傘下のNRCというのや陸軍の傘下であったフォン・ブラウンというそれぞれを合流して設立したものであるということは事実であります。ですから、軍と密接な関係を持ち、軍と共同での研究も行っているということは、これは決して珍しくないことであります。もちろんNASAはSDIにも参加しております。こういうアメリカの国防関連予算で科学技術を研究している国立研究機関、こういうところとも共同研究をやる、こういうふうな御答弁だと思いますが、確認したい。
○緒方政府委員 専ら防衛のための技術研究をやっているものではなくていろいろな研究をやっている団体につきまして、NASAあるいはロスアラモス研究所というのはそういうものであると私どもは理解をしているわけでありますけれども、そういう機関との間で国際共同研究をやることを否定はしていない。やると決めているわけではございませんが、相手方の候補としては理論的には可能性があるということを申し上げているわけでございます。
○矢島委員 四月に引退したNASAのフレッチャー長官が、引退直前に最後の議会の公聴会で証言をしているわけですが、その証言の中で、NASAの研究成果の海外移転を制限する立法の必要性というのを強調しているわけです。そしてその中で、制限の対象となると見られるものはというところで、いわゆる機密ではないけれども利用価値が高く、取得するのに大きな費用を要した貴重な情報、そういうものもやはり制限を加えていく必要がある、こういう内容の証言なのですけれども、四月五日の日経新聞ですけれども、技術移転問題についてFSX共同開発問題と共通する考え方が強まっているというような報道をしております。こういうような状況の中で、共同研究成果の公開というものに非常に重大な影響を及ぼす事態が起こるのではないかという点を非常に危惧するわけです。NASAなどを除外する考えはないという先ほどの御答弁であったわけですが、すべて公開していくということについては間違いございませんね。
○緒方政府委員 間違いございません。したがいまして、そういう前提で先方がそれなりの判断をされる場合があるのかもしれません。
○矢島委員 長官、科学技術の開発研究というのが自主的、民主的、そして公開、自主、民主、公開という原則であるべきだということはかねがね長官もおっしゃっているとおりでありますが、この三つの原則について長官のお考えをもう一度お聞きしたい。 〔若林委員長代理退席、委員長着席〕
○宮崎国務大臣 ただいまのお話でございますが、私どもの科学技術庁はいろいろな研究をしております。一般の民主的なと申しますか、軍事に関係のない研究をしているわけですが、それが両方、汎用技術の研究になりましてもその成果は公表する、しかしそれ以上、汎用技術から、ある特定の軍事目的のためにその汎用技術を利用しようということになれば、そこで私どもの方は研究は打ち切る、そういうことでございまして今最後にお話しの自主、民主、公開という原則は守っていきたい。民主というのは、御存じのように国会で承認された委員の方々が、原子力委員にいたしましてもあるいはまた宇宙開発委員にいたしましても国会で任命された委員の方がなっておられますし、そしてまた自主的な開発、そしてこれはもう技術全体の問題でございますが、人類共通の財産でございますので、なるべく公開をするということが原則だというふうに考えております。
○矢島委員 次の質問に入ります。 今度提案されております一部改正案、これは科学技術協定の附属書Ⅱで「全般的科学技術関係の強化のための措置」というのがございますけれども、それの具体化ということで出てきている形になっているのですが、それでよろしいですか。
○緒方政府委員 日米科学技術協力協定と今回の法律改正は直接の関係はございません。ただ、日米科学技術協力協定が改定をされた背後には、研究交流の促進、それから不均衡の是正というような考え方があり、今回の法改正でねらっているのはそういう実態面を解消していくための手段を決めているわけでございますから、いわば背景として日米科学技術協力協定を改定に至らしめたものと今回の法律改正とでは何らかの共通性があろうかということは言えようかと思いますが、日米科学技術協力協定を締結したからこの法律案が必要である、こういう関係ではございません。現にアメリカとの関係だけではなくて、私どもはヨーロッパあるいは発展途上諸国、さらには東側の諸国に対しても研究交流を進めていくということで、それについては今回の法改正の中に含めて私どもは考えているわけでございます。
○矢島委員 けさ配っていただいた資料集の第一ページにはその背景というところが一番最初にあるわけですが、「日米科学技術協力協定」という文字もその中に入っているということでございますので、それも指摘しておきたいと思います。 要するに、この内容を見ますと、大変至れり尽くせりの生活支援というものを国際貢献という名のもとでアメリカにやるという点が指摘できると思うのですが、この問題については先ほど来当委員会で同僚委員も質問している内容ですが、国内の基礎研究の保護はどうなっているか、こういう点であります。 私、研究員当積算庁費の単価の年次推移の資料をいただいたわけですが、これによりましても昭和五十六年から今年度まで九年間も据え置かれている、こういう実態であります。私、一昨年の九月一日、この委員会におきまして、当時三ツ林長官であったわけでございますが、先ほど来出ておりますが、国立試験研究機関の研究者が学会に参加するときの旅費問題であります。当時一人一万円でなかなか学会にも参加できないという状況にあることですから旅費の大幅増額をすべきではないかということを当時の三ツ林長官にお尋ねいたしましたところ、長官も予算を充実したいという答弁をされたわけです。先ほどお答えもあったようですが、現在、旅費の変化の状況はどういう状況でしょうか。
○緒方政府委員 国内の基礎研究につきまして、先生御指摘のいわゆる人当研究費というものがあるわけでございますが、ただ、人当研究費だけが基礎研究の財源になっているわけではございませんで、先ほど来御説明しています国際フロンティア研究システムであるとか創造科学技術推進制度であるとか基礎科学特別研究員制度であるとか、基礎研究でありながらそれを推進していく別の制度がいろいろできておりますので、そういう点もぜひお酌み取りいただきたいと思います。 それから学会出席旅費でございますが、先ほども御説明しましたように、計算上は一人の研究者が二年に一回の割合で単価二万二千円の学会出席旅費が得られるという積算根拠になってございます。確かに長らく据え置き状態にあるのは事実でございますが、本年度、消費税導入に伴います若干の修正は行われております。 なお、これに関連して昭和六十年度から科学技術振興調整費の中に重点基礎研究制度というのが設けられておりまして、いわば別枠で、人当研究費の別枠として試験研究費が十二億円、それから国内の学会出席旅費に今申し上げたものとは別に合計で一億円、それから国際研究集会出席旅費ということで外国旅費が別枠で五千万円、科学技術庁に一括計上されておりまして、これはそれぞれの研究機関に重点研究テーマに応じて配分をし、それぞれの機関の所長さんの裁量によって弾力的にお使いいただくというような制度がとられていることをあわせて報告させていただきます。
○矢島委員 ここに「深刻な学会旅費の実態」という、研究職に属している研究員の方々五千八百三十三人を対象にいたしまして、国公労連と学研労協のやった世論調査結果がありますが、この中に、先ほど局長が答弁された、十三年間旅費単価は据え置かれている。その積算の仕方として、二年に一遍というのがいわゆる二分の一係数制というのと同じなのでしょうか、それとも別なんですか。――同じですね。 そこで、旅費の他、科学技術の研究をしていくのに現場の研究者が非常に困っている状況など、これは日本化学会から「日本の化学をとりまく研究環境」という報告書が出ております。この中にも大変驚くべき実態が書かれているわけですが、その中の問題について清水科学部長が毎日新聞で、「化学者の訴え」というので、「狭い、きたない、ちらかっている。日本の大学の化学研究室はおしなべてこんな状態だ。」という書き始めから、研究費などが大変不足しているという状況で、この辺を基礎研究の助成という面でも、あるいは基礎研究ただ乗り論が言われる中でぜひそういう面に力を入れてもらいたいというのが十月十二日の毎日に載っておりますけれども、こういう問題であるとか、あるいは長官も御存じだと思いますけれども、先日、四月二十日だったと思いますけれども、日本学術会議の第百七回の総会が行われまして、その中で「大学等における学術研究の推進について――研究設備等の高度化に関する緊急提言――」というのが採択されているわけですね。 時間の関係でこの緊急提言の内容まで一々御紹介できないわけですが、そういう状況にある中で、先ほど来同僚委員からの質問にもありましたとおり、科学技術の振興のためにそれに見合う予算的な措置というのが今極めて緊急に重要になってきているのではないかという点について、それからもう一つ、先ほど振興調整費の重点基礎研究費ですか、これを増額されるというお気持ちはございませんでしょうか。
○緒方政府委員 科学技術振興調整費全体で百一億円というのが平成元年度の予算でお願いしている額でありますが、限られた予算の中でいろいろなお願いをしているものでございますから、枠という点でなかなか厳しいというのが現状のようでございます。
○矢島委員 最後に一つ、長官、今の国の科学技術振興のために予算の面でも大いに奮闘していく必要があるのではないか、それについてのお考えをちょっとお聞きして終わりにしたいと思います。
○宮崎国務大臣 午前中に多分大蔵省の主計官から何か話がございまして、平成元年度の予算は科学技術庁については六%か七%ぐらい伸ばしました、こういう話がございました。今、政府委員とのやりとりを聞いておりますと、何か人頭割の方は非常に厳しいようでございますが、各研究項目ごとに予算も大分あるようでございますし、今御提案のいろいろな点は十分検討いたしまして、とにかく研究をひとつゆっくりやっていただくという方に力を注いでまいりたいと思っております。
○矢島委員 終わります。
○中川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○中川委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、新技術開発事業団法の一部を改正する法律案について賛成の討論をいたします。 科学技術の振興は二十一世紀の豊かな社会及び国民生活の創造に向け極めて重要であり、海外諸国においても科学技術の振興に努力しているところであります。このような中、我が国は、従来から科学技術立国を目指し、科学技術の振興に努め、これを基盤として社会的、経済的に目覚ましい発展を遂げてまいりました。今や我が国に対し、海外各国から、我が国の経済力、科学技術の水準に見合った国際協力、国際貢献を行うことが強く要請されております。 一方、近年、科学技術が高度化、複雑化し、その対象が広範多岐にわたっている反面、研究者の専門分野の細分化が進んでいる状況を踏まえると、基礎研究を中心とする科学技術の振興を図るに当たりましては、研究背景の異なる研究者間の交流による知的触発が極めて有効であり、従来以上に国際研究交流を行うことが緊急の課題となっております。 しかし、我が国の国際研究交流の現状を見ますと、特に先進諸国との間の研究者交流について極めて大きな不均衡があり、また、我が国が一方的に先進諸国の基礎研究の成果を利用している等の批判があります。また、開発途上国は、科学技術の振興に対し、我が国のより積極的な貢献を期待しております。 このような状況を踏まえると、外国の研究者の受け入れ、受け入れ環境の整備等国際研究交流の促進は、我が国の科学技術の振興を図るとともに、国際的要請にこたえる上で喫緊の課題であると思われます。 本法律案は、こうした現下の要請にこたえるものであり、我々は、この法律の成立により、東西を問わず国際研究交流を促進するための実施体制の整備が図られ、我が国の国際研究交流がより一層促進されるものと期待するところであります。 以上の点から、本案に賛成の意を表明し、討論を終わります。(拍手)
○中川委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま提案されました新技術開発事業団法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 私は、本法律案に反対する理由を述べる前に、竹下首相は去る四月二十五日、退陣を表明したが、やめると決めた内閣が提出した本年度予算を、予算委員会での強行採決に続いて、国会史上初めて本会議での単独強行採決を行うなど、議会制民主主義を踏みにじる許されない暴挙を重ねた。本法律案はその予算に関連するものとして提案されたものであるが、今、国会がやるべきことは、原議長の引責辞任とリクルート疑惑の徹底解明である。 しかも、予算にかかわる法案の取り扱いという国会の全会派にかかわる問題を、またもや共産党を排除した密室協議で決め、これを国会に押しつけ、十分な審議時間も確保せず法案の成立を図るということは、これ自体、議会制民主主義を踏みにじるものであり、断じて許されないことを強く指摘し、以下、反対する理由を述べたいと思います。 反対の理由は、今回の改正法案は、日米科学技術協力協定の体制づくりの一環としての法改正であり、アメリカの理不尽な要求にこたえてアメリカ人研究者への生活支援や、実施される国際共同研究についても科学技術の軍事利用、軍事研究を排しておらず、研究開発の自主、民主、公開の原則を真っ向から踏みにじるものであり、我が国の科学技術の発展をゆがめるものだからである。 政府は昨年六月、日本の科学技術者の広範な反対世論を無視して、米国の要求を全面的に受け入れた日米科学技術協力協定を締結した。この協定第一条を見ても、「全般的科学技術関係」「を強化するため、」の原則の一つとして、「適用可能な国内法令(安全保障に関連するものを含む。)に合致した、情報の可能な限り広範な普及」を掲げているように、我が国の科学技術をアメリカの軍事秘密保護の網で厳しく規制し、我が国の科学技術研究の成果、情報の公開を、すべてアメリカの安全保障のために規制することになっている。また、第二条五項では、「すべての分野における研究機関(大学、国立研究所及び民間部門を含む。)の研究者及び組織の参加を認めることができる。」としている。これは、我が国で行われる科学技術の研究開発は、最初の段階からアメリカの事実上の監視のもとに置くものであり、アメリカの利益のために動員される条件がつくられている。 協定で実施される国際共同研究についても、通産省の超LSIなど次世代産業基盤技術研究開発や第五世代コンピューター開発プロジェクト、科学技術庁の新技術開発事業団の各種プロジェクト、バイオテクノロジーを含むライフサイエンス研究開発プロジェクト、超電導、光電子素子などの先端応用技術についてであり、SDI兵器など、ハイテク兵器を生み出すような基礎的研究、汎用基盤技術分野である。こうした分野が日米科学技術協力協定によってアメリカの安全保障の規制の枠内となれば、秘密扱いになることは明確である。 今回の改正法案は、こうした日米科学技術協力協定を受けて、我が国の科学技術分野におけるプロジェクトに、半年以上の長期にわたるアメリカ人研究者の直接参画を受け入れるための宿舎、滞在費用、奨学金などの生活支援や、国際共同研究に関する情報提供などを日本の負担で行おうというもので、この業務を新技術開発事業団に行わせるというものである。 我が党は、新技術開発事業団について、これまでも大企業の技術開発を支援する機関であると指摘してきたが、今回の改正案によれば、それにつけ加えて、日米科学技術協力協定の実施機関とするものである。 本来、科学技術分野における国際協力・交流は、すべての国々と相互に主権を尊重し合う、自主、平等、互恵の立場に立った協力・交流や科学者、技術者の自主的、創造性の尊重が科学技術の発展を促すものである。 今回の新技術開発事業団法の一部改正によって実施される国際共同研究やその支援業務の内容は、科学技術の研究開発のこうした重大な原則を踏みにじるものであり、我が国の科学技術の発展をゆがめるものである。したがって、今回の改正法案には反対である。 最後に、現在、国立試験研究機関における基礎的研究や創造的研究の充実に必要な人当研究費、学会参加旅費等の大幅な予算措置こそ、政府が行うべき急務であることを強く指摘し、反対討論を終わります。
○中川委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○中川委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、新技術開発事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○中川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十二分散会 ――――◇―――――