予算委員会 第3号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1988/08/23
会議録
○委員長(初村滝一郎君) 予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 ─────────────
○委員長(初村滝一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本調査のため、本日、日本銀行総裁澄田智君及び住宅・都市整備公団総裁丸山良仁君の両名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(初村滝一郎君) この際、竹下内閣総理大臣及び宮澤大蔵大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。竹下内閣総理大臣。
○国務大臣(竹下登君) 私の方から発言を求めさせていただきまして、お答えをさせていただきます。 私の元秘書であります青木伊平氏からは、新聞の取材を受けたときにリクルートコスモス株式の売買について報告がありました。軽率で御迷惑をかけたとの言葉がありました。 政治家であればたくさんの人々に接するわけでありまして、いろいろの話を承る立場にございますから、自分自身だけでなく、周辺において働いてくれておる関係者も同じような状況に立つことが多いと思います。そうした経験を積み重ねていく過程を通じて、職業人としてはもとより、私人としても法律に従い倫理を守るべきことは当然のことであると考えております。 とりわけ、私自身は、長年にわたって政治に携わってきた身でありますし、責任ある立場に置かれた私の周辺において今回の問題に関係した者があったということにつきましては、率直なところ、私自身の常日ごろの接し方に至らぬ点があったと深く反省をいたしておるところであります。 本人からの報告によりますれば、六十一年九月に二千株を取得し、店頭登録後に約一千万円で売却し、約四百万円の利益を得たとのことでありました。 だれから譲り受けたか、こういうことにつきましては、ある経済人の方から購入したものであるが、個人的な信頼関係もあるので、そのことについては新聞の取材にも御勘弁をいただいたという報告を受けております。
○委員長(初村滝一郎君) 宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日お答えいたしましたことが不十分でございましたので、改めまして お答えを申し上げます。 私の秘書、服部恒雄と申します者が、河合という友人でございますが、友人からこの株の取引について、いわば名前を貸して取引をさせてもらいたいということを言われまして、まことに思慮が行き届かなかったと思いますが、よかろうということを申しました。この点は私の監督の不行き届きで申しわけないことと存じますが、したがいまして、その取引につきましてはその河合という人がいたしたということでございますので、このことがいろいろ報道されまして後、服部の方から河合氏に対しましてその取引の内容につきまして確かめまして、私に報告をいたしてまいりました。そのことを私は国会に御報告をいたし、また本会議で不行き届きをおわびいたしたわけでございます。 御報告いたしました中で、だれからその株式を取得したかということが服部の報告では、わからない、判明しないということであったのでそのとおり申し上げたのでございますが、これは、この河合という人が事業を経営しておりまして、事業の関係の深い相手に迷惑をかけたくないということで、この点はひとつ自分の立場を察してくれないかということであったと、こういうふうに聞いております。御理解をお願いいたしたいと存じます。 いろいろ不行き届きなことをまことに申しわけないと存じます。
○委員長(初村滝一郎君) これより久保亘君の残余の質疑を行います。久保亘君。
○久保亘君 言葉が丁寧で長くなったというだけで、私がお尋ねしていることには何もお答えになっておりません。甚だ遺憾であります。 私は、昨日、証人の出席その他この真相解明のために必要なことを要求いたしました。これらの点について、理事会においても合意がない状況にあることを大変遺憾に思っております。しかし、本日また後ほど理事会に与党の方から何らかの御回答があるということでございますので、その回答を受けて私は真相解明に前進ができるものと期待をしながら、なお我が党の矢田部委員、千葉委員、そして各党の皆さん方の御審議を通じて真相が明らかになることを強く願いながら質問を続けたいと思います。 三月二十五日、本委員会におきまして私は、この株式の売買、また特に新規公開の株をめぐって政治資金の調達が行われるようなことは一体どういうことかということについて大蔵大臣に質問をいたしました。その際、宮澤さん、御答弁になりましたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろのうわさを聞くことはございますけれども、その間に不正な取引がある、あるいは価格操作があるというようなことはございませんと思いますし、また税関係で申しますれば、それが一定の回数、一定の株数を超えてキャピタルゲインを生じましたときには課税の対象になっておる、こう考えておりますと申し上げたと思います。
○久保亘君 そうではありません。あなたがそのとき私にお答えになりましたことは、そのようなことはそうないだろうと思うが、お互い政治にある者としてモラルの上から好ましくないことだと思う、こうお答えになったと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまもそのように考えております。
○久保亘君 残念ながら総理も大蔵大臣も、この真相を明らかにして政治の責任、道議的責任も明確にする、また単なる制度上における経済取引であったのかどうか、それはこの譲渡にかかわった人たちを明らかにしてその証言を得ることによって明確になるものだと私は思っているのでありますが、これらの点について全く誠意ある対応に出ておられないことは非常に遺憾であります。 特に大蔵省は、監督官庁でありながらその調査が非常に後ろ向きである。これは、その大蔵省の頂点にある宮澤さんがこのことにかかわっておることが大変な障害ではないかと私は思うのでありますが、この際、大蔵大臣を辞任されて、大蔵省をしてその監督責任を明確に果たすようになさった方がよいのじゃありませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、事件が報道されまして以来、大蔵省といたしましては比較的早い時期から鋭意関係方面に対しまして法律に基づきまして調査等々をいたしまして今日に及んでおります。その点は、決してこの事件をないがしろにする、あるいは見て見ぬふりをするというようなことではございませんので、当然与えられました職務につきまして活発に遂行いたしてまいりました。また、それにつきましては、本委員会におきましても御報告を申し上げてまいったとおりでございます。 なお、全体の結論を得ておりませんが、これの調査を鋭意続けてまいりたい、こういうように考えておりまして、私が先ほど申しましたようなことで、このことでお騒がせをいたしましたことを大変に私としては恐縮に感じておりますが、もとより事務当局に対しては、そういうことについては一切何ら関係なく、また顧慮なく仕事を進める、これは申しませんでも当然でございますが、今日までそのようにやってくれておると思います。
○久保亘君 あなたはそういうふうにおっしゃっても、あなたにかかわる問題での譲渡した人の名前さえ明らかにできないという姿勢の中で、その監督官庁の責任者としてこの公正な調査をあなたの役所にやらせることができますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も政府委員から申し上げておることでございますが、このこと自身は、証券取引法に照らしまして何か過ちが行われたという、つまり違法なことが行われたという、この取引の部分はそういう部分ではないわけでございまして、それは第四条の問題としてただいま調査が行われておることでございますので、それによりまして行政の調査なりあるいは調べというものが左右されるといったようなことにはなっておらない。これは御報告を何度も申し上げておるとおりでございます。
○久保亘君 李下に冠を正さずとか瓜田のくつというのはこういうときの話でありまして、それで私は、国民の政治的不信を大きくしているようなこの問題の調査に当たるべき監督官庁の責任者としては、みずからがその問題に何らかのかかわりを持つ場合には、これは不適任だと思うんです。総理大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 突然のお尋ねでございますが、私は今、宮澤大蔵大臣から答えられた筋でそのとおりであるというふうに感じておりました。
○久保亘君 筋でそのとおりというのは、これは何ら問題はない、大変結構なことだということですか。
○国務大臣(竹下登君) 結構なことであるかどうかという問題につきましては、この問題そのものに対します大蔵大臣のお答えも既にあっておるところでございます。したがって、その問題そのものに対する宮澤大蔵大臣としての考え方は既にお述べになっておりますので、そのとおりであると私も思っております。
○久保亘君 私は、そのような政府の姿勢には納得できません。 それでは、果たして大蔵省は、本日から発効になります証取法改正について、インサイダー取引などを本当に規制できる体制にありますか。
○政府委員(角谷正彦君) インサイダー取引につきましては、現在の証券取引法第五十八条というのは非常に抽象的な規定でございましてなかなか実効を期しがたい、こういった観点から、実は先国会におきまして法律改正をお願いいたしまして、五月に成立いたしました。現在その法令につきまして施行を準備中でございます。 具体的には、罰則にかかわります部分は一年以内ということでございますので、来年の四月ないし五月になろうかと思いますが、その前段階といたしまして、実は本日の段階におきまして、私どもが発行会社あるいは証券取引所に持っております検査、調査権限を強化するための部分、これについては本日施行させていただいたわけでございます。 いずれにいたしましても、実際の本格的施行は一年後ということになるわけでございますけれども、私どもとしては法律で与えられた権限をできるだけ生かしましてこのインサイダー取引につきまして最大限の調査を行い、その実効を期していきたいと考えております。
○久保亘君 このリクルートの問題は、株式公開に介入していろいろと特別な利益を政治家が得るというような問題でありまして、リクルート問題はこれらの多くの問題の氷山の一角にすぎないんじゃないか。私が昨日お配りいたしました資料によりましても、店頭登録が新たに行われる株の値上がりは大変なものであります。これらに政治家が介入していないということについては確信を持ってお答えいただけますか、大蔵大臣でも総理大臣でも。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日、公開の場合の公開価格といわゆる初値との乖離につきまして、資料をちょうだいいたしました。過去におきましてあのようなことはよくございましたし、最近におきましては、また場合によりまして初値の方が公開価格よりもむしろ低かったというようなケースもあるようで、一様ではないようでございますけれども、昨日お示しになりましたような例が過去に幾たびかございます。 これはいわば普通の場合、安定株主をつくるというようなことから行われるわけでございましょうが、それに特に政治家がその場合に介入をする、あるいはそれに関与をするということが事実上あったかなかったかということは、なかなか証券行政の上からは調査のできないことでございまして、明確にお答えすることはできませんけれども、公開値と初値が余り違うということ、これ自身は、公開値は、御承知のように、専門家等々を入れて決めておるわけでございますけれども、やはりその辺にもひとつ検討すべき課題があるかもしれないとは考えております。
○久保亘君 私がそういうことを申し上げておりますのは、ここに昭和五十二年四月十三日、中曽根康弘氏がロッキード問題に関する調査特別委員会に証人としてお立ちになったときの証言がございます。その中にこういうことがございます。 「東郷君は殖産住宅をやっておりましたが」、「あんなに金持ちになって中曽根を応援しないのはひどいじゃないか」と友達が言うので、「おれもやるよ」と、こう言っておりました。「私も」、これは中曽根さんです、「私も、ぜひ頼む、一朝有事の際には頼みますよと真剣に実は頼んだことは事実であります」、そして「応援を頼む、何か上場するというお話だけれども、その際に多少でももうかればおれの方の政治資金を応援してくれよ」、こういうことを「頼んだ記憶があります。その後、ある人が私のところに来まして、殖産の株が上場されるについては利益が出るはずだ、それを自分も買いたい、しかし自分の名前を出すのはまずい、あなたの名前で東郷君に頼んでみてくれないか、そういう話がありまして、じゃ頼んでみてあげましょうというので、東郷君にその話をしまして、どれくらい買うのかと言うから、たしか二十億でも三十億でも多々ますます弁ずだ、そういう話だと言って別れました」。 こういうのが、これは国会で証人としてお立ちになった中曽根さんがお話しになったことであります。 また、上和田秘書に対して東郷さんから頼まれて名義を貸して、その口座を使ったということも証言なさっております。 だから、これまでもとのようなことは、非常に政治家が資金を集めるための常套手段として行われてきたのではないか。私は、そういう点を考えながら、このリクルート問題というものをしっかり決着をつけることによってこの種の問題をきちんとしておかなければ、国民の不信感や不公平感をなくすることはできない、こう思うのであります。この点について竹下さんのお考えをお聞きしたい。
○国務大臣(竹下登君) 今の点は、私は久保委員の御指摘について私なりにも理解できることがございます。 まず、いわゆる所得税法上における所得の種類とは十ございますが、その譲渡所得の中のいわゆる株式における譲渡所得、こういう問題につきましては、私なりにこれは税法上の勉強をしたことがございますけれども、シャウプ勧告の際はそれは一応総合課税として考えるべきだという議論が行われ、結果として、それが正確を期しがたいということから原則非課税、こういうようなことに変化して今日に至って原則課税にすべきであるということでございますので、これについての把握等につきましては、やはり議論の中で改むべきことは改むべきことであるというふうに思っております。 今の公開値と初値の差というものにつきましては、専門的知識を持っておりませんけれども、これはそれぞれこの譲渡所得を得られた方の所得に関する問題であって、政治資金としてそれを把握するということは現実問題としてちょっと私も理解できないところでございますので、いましばらく勉強させていただきたいと思います。
○久保亘君 大変私がお聞きしていることと答弁とはかけ離れているのでありますが。 それじゃ、もっと率直にお聞きいたしますが、この際、政治家が株式の新規公開などによって利益を得ること、その周辺を含めてです、あるいは公共事業にかかわる企業からの政治資金を得ること等を一切禁止するというようなことについて、総理はどうお考えでありますか。
○国務大臣(竹下登君) 株式の新規公開に対して何らかのインフルエンスを与えるということについては、おっしゃる意味は理解できます。 第二番目の、いわゆる公共事業等に参入する企業からの政治献金という問題につきましては、政治資金規正法で今日規制されておる以上に踏み出すという考えは持っておりません。
○久保亘君 わかりました。 私は、今の国民の政治不信とか政治の金権腐敗とかいうものの根源はどこにあるかということになると、いろいろな要素がありましょうけれども、株式と公共事業にかかわる業界、こういうところに非常に多くの問題があると思うのでありまして、今、株式については総理のかなり明快なお答えがございましたけれども、この点について十分御検討いただくことを求めておきたいと思うのであります。 特に今回のリクルートの問題に関しては、民間の報道関係とかそういうところの方々は非常にきつい責任をおとりになっているのに、政治家は一切免れて責めなしということでは私は国民は信頼しないだろう、こう思うのでありまして、重ねてお二人の見解を承りたいのであります。
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申し上げましたように、私自身政治家であり、責任ある立場にある者は常日ごろ、そうした問題について国民の皆さん方から疑惑を受けることのないよう、身を引き締めていなければならない問題であるというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げたことでございますが、まことに思慮の至らない結果になりまして恐縮をしております。今後十分注意をいたします。
○久保亘君 きのう、住宅・都市整備公団の総裁にいろいろとお尋ねしたのでありますが、何かおぐあいも悪そうだったので、私、深くいろいろとお尋ねすることを途中で遠慮いたしました。 建設大臣、監督官庁の建設大臣に聞きたいのだけれども、多摩ニュータウンの選定について果たしてリクルートコスモスが資格が十分であったのかどうかという問題。それから、きのうの総裁のお答えでは、南多摩の局長が選定の権限を持っているということでありましたが、住宅・都市整備公団はそのような仕組みになっているのかどうかですね。それから、公示価格において周辺地価をお話しになりましたけれども、私がいろいろと聞いておりますところでは、とてもそういう値段で取引されている状況ではありません。こういうようなことについて建設大臣としてどうお考えか。 なお、今即答できない面がございますならば、十分御調査になりますかどうか、お尋ねいたしておきます。
○国務大臣(越智伊平君) 多摩ニュータウンの問題につきましては、昨日、都市整備公団の総裁からお答えをいたしました。私なりに判断をいたしておりますのは、やはり国民の立場から見て最もこの計画そのものがうまくいくというところに重点を置かなければならない、かように思う次第であります。その点からいいますと、確かに価格はいろいろございますけれども、これが非常に小さいところ、あるいは道路沿いとか、あるいは日照その他いろいろございますから、必ずしもこの公示価格そのままでいいのか悪いのか、先般売却をしましたのはそういうことを考慮して最も適当であったんでなかろうか、そういうことによって建設省としても認可をした、こういうふうに考えておる次第であります。 なお、詳細についてはよく調査をしてみたい、こういうふうに存じます。
○久保亘君 局長が権限を持っているんですか。
○国務大臣(越智伊平君) その点につきましては、あくまでも総裁が権限を持っておるし、総裁が判断をするし、その上で大臣の認可と、こういうことでありますから、局長とかあるいはその他の職員につきましては、十分調査をさすことは結構でありますけれども、責任は総裁にある、こういうふうに存じております。
○久保亘君 責任の問題じゃなくて、きのうは局長に選定は任せてある、こういう総裁の発言でしたから私お聞きしているんです。
○国務大臣(越智伊平君) 調査とかそういう段階におきましては、局長とかその他にいろいろ検討をさすと思いますけれども、最終的には総裁が責任を持った判断で売却をする、こういうふうに存じます。
○久保亘君 きょうは時間がありませんから、いずれまた私、機会を見てこの問題については究明をしてまいりたいと思っておりますが、今回の事件といいますか、リクルート疑惑全体を見てまいります中で、なぜ江副氏が二日置きに政府の審議会や委員会の委員や特別委員に選ばれたり、短い期間の間に四つもそういう委員に任命されていったのか。そしてその間に、中曽根さんや竹下さんの政治資金団体に入ったり、あるいは財界人の集まりに加わったりしていく。そういう問題と今度のリクルート疑惑の問題が単なる経済取引であったかどうかというようなことについては、これはやはり江副氏自身の証言を得なければ明らかにならない問題であろうと思っているのであります。私は、重ねて江副氏の本委員会への出席を求めたいと思うのであります。 なお、この際、キャピタルゲインの原則課税ということは、大口投資家や機関投資家に実質大幅減税をもたらして、証券業界の意に沿うようなもので、原則課税ということにはならないと私は思うのであります。いろいろ論議されているものの中には、そのような疑問の残ることが多いのでありますが、大蔵大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、政府が御提案いたしました税制改革案によりますと、従来、非課税を原則としておったキャピタルゲインを課税とする、それによって源泉分離あるいは申告分離の道を選べるということにいたしたわけでございますが、御指摘のように、この政府提案そのものは、現在の行政が公平に実行し得るということを前提に考えられておりまして、さらに問題を深く突き詰めていきますならば、いわゆる納税者番号といったような問題をどうするかということ、これを突き詰めてまいりませんと、最終的に完璧な体制にならないということは一応認めざるを得ないところでございます。 ただいま仰せられましたのは、例えば何十回を超える、あるいは何十万株を超えるといったようなものだけが従来、現在でございますが、現行法で課税になっておる、それが今度の制度に置きかわれば、かえってそういう人たちはいわば楽になるのではないかという御指摘かと存じますが、行政の完璧を確保するという意味での納税者番号なりなんなりの結論をまちませんと、最終的にどのような姿が望ましいかということはやはり問題があろうと思います。 ただいま御指摘の点は、私どもも気がついておる点でございますので、いろいろ国会等々の御議論を承りながら、改善の方途があれば考えてまいらなければならないと思っております。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。大木正吾君。
○大木正吾君 今のキャピタルゲインの問題等々に関して伺いたいんですが、土地問題が大分沸騰しましたときに、短期譲渡問題については大分厳しい課税をやりましたね。しかし、まだこれはリクルート問題が終わったわけじゃありませんけれども、こういった問題について非公開の株に対する税制度がどんどん新しく、何か自民党の税調会長その他大蔵省の方針等で出てきているわけでございますが、いずれにしてもこれですと、土地の場合と比較いたしますと、結果的には二〇%プラス六%、こうなっていますね、非公開株の場合には。土地の場合には、大体十年ぐらい持っていなければとか、あるいは今、特例でもって五年になっていますけれども、こういったものとの整合性というのはどうなるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、あるいは専門家からお答えすべきかと存じますが、土地の場合、短期譲渡を重課する、長期の場合には比較的軽課しておるということの意味合いは、殊に最近におきまして、土地というものがかなり公共的な性格を待っておるので、これを対象にして、決してもうけてはいかぬということを言っているわけではございませんけれども、非常に短期に荒稼ぎをするというようなことは、これはやはり社会的にいろいろ問題が多いのではないか。そういうことから、土地の重課ということがやはり一つ強化されてまいっておると存じます。 株式の場合、そういう意味では多少意味合いを異にするのではないだろうかと。利益を得る、利益を得ないということは、同じように見えましても、株式を非常に上手に立ち回って大変にもうけたといったような場合、長く持っておってもうけたといったような場合、それを土地と同じような形で考えるべきかどうかということにはいろいろ問題もあるのではないか。 これは、なお必要がございましたら専門家からまたお答えを申し上げます。
○大木正吾君 いずれにいたしましてもこの種の問題が起きている。最近の個人投資家の人数が大体一千万ぐらいと新聞等に出ておりますが、金利が安い、そして土地の方は大分厳しくなった。結果的には土地は厳しくなりましたけれども、土地の価格は高値張りつけでもって余り下がらない。金融機関の場合には、これは土地を担保にして株を買ったらどうですかという話は来ているんでしょう、現実の問題として。そういったこととの関連があるから私は伺っているわけなんです。 ですから、土地の方でもって鎮静化したけれども、金利が安い、何とかうまく運用したい、こういった問題との関連でもって物を考えていきますと、結果的には今度は株に金がざあっと流れていく。その根源は、土地の問題でも税金で抑えてみたけれども、あるいは金融で若干抑えてみたけれども、おさまっていないという問題があるから私は今聞いているんです。ですから、もう少し詳しく答えてくれませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一種の経済現象といたしまして、いわば過剰流動性がある。その場合、土地に行っておったものが、土地についてはいろいろ世の中の議論も厳しくなって、そして土地投機というものは鎮静をし始めておる。その場合に、その流動性がどこへ行くかということは、確かに大木委員の言われるような問題が正直申しましてあると思います。 一般的には、我が国の経済はインフレ基調にございませんので、いわば換物といったようなことは起こらないわけでございますけれども、株式についてはそれが起こりやすいということは、私は事実として認めざるを得ないと思います。もちろん金融機関等々につきましては一定のそこに制約を加えてはおりますけれども、どちらかといえば、個人、法人を問わず、株式に対する投資というものは、金利が安い、金融が緩みがちであるというときに起こりやすうございまして、これがまた財テクというようなことと関連をいたしまして、そのようなことがややエスカレートしているような世の中の傾向は本来余り好ましいことではないというふうに考えております。
○大木正吾君 新聞報道ですから、まだはっきりわかりませんが、きのうの証券局長の答弁等々からいたしましても、リクルート問題について、言えば証取法四条だけの形式犯でもっておさめてしまおう、こういうような報道等がなされていますが、私はこういった問題について、例えば当初出した、要するにキャピタルゲイン課税が余りにも低過ぎるから結果的には二〇%云々に持っていったとか、ここから出ている法が違うわけでしょう、結局。リクルート問題が出てきたものだから二〇%まで持っていった、こういう新聞報道ですよね。今度、もし税法の審議に入りますれば、自民党としてはそういうところで言うんでしょう、恐らく。しかし、形式犯とか、こんな二〇%のふたをした状態でもってリクルート問題が逃げられると思っているんですか。NTTの株のときには、一億二千万人の国民全部から申し込みさせたんでしょう。くじ引きをして当せん者が結果的には買ったんでしょう、あれは。 そういったものとこのリクルート問題を考えたときに、株に対する信頼はもちろんですが、とにかく前総理中曽根さん以下から竹下さん、申しわけないけれども、竹下さん、同時に大蔵大臣、自民党幹事長、政調会長、ずらっと並んでいるんですからね。国民の信頼が返ってきますか、こういった状態で。総理、どうお考えですか。何か勉強しているようだけれども、答えてください。
○国務大臣(竹下登君) 先ほどNTT株の公開のときのいわゆる値決めの方式、随分本院でも議論をいたしたことを私も記憶いたしております。 したがって、いわゆる店頭公開の際の値決めという問題については、私は確かに問題、いろいろ工夫する点はあろうかと思います。じゃ、どういうふうな工夫の仕方があるかと言われても、すぐ私に答えるだけの勉強はしておりません。が、そういう間に政治そのものが介入するというようなことがあってはならぬということだけは、私もみずからに常に言い聞かしておるところでございます。
○大木正吾君 とにかく、最近の例えば三協精機問題。リクルート問題が起きてから起きた問題ですよね。どんなにふたをしても、金融市場、株式市場がどんどん膨大になってくれば、どこかからやっぱり穴はあいてきますよね。私は、やっぱりそういったことに対するけじめとして、何としてもリクルート問題については、これは言えば、先ほど名前を申し上げましたけれども、そういった方々の人名、同時に証人の喚問等々、もう少し明確に物を解決しなかったら、税制の改正などはもってのほかだ、こう考えていますから、一言このことを申し上げて終わらしていただきます。
○久保亘君 今、大木委員からお話がありましたことにも関連をして、私は最後に税の問題でもう一つお聞きしたいことがございます。 最近、一部上場の企業であります国際航業の買い占め、そして防戦買い、これが金融機関を絡めて非常に社会的な問題を起こしておりますが、大蔵省、国税庁等がこの問題について御調査になっております結果を御報告いただきたい。
○政府委員(角谷正彦君) 一般に、現在の証取法でございますけれども、特定の者が特定の株式を市場において大量に買い集めたり、あるいは発行会社の関係者がこれに対抗して防戦買いをするといったこと自身が直接規制の対象とはされておりません。したがいまして、この買い占めでございますとか、あるいは防戦買いに対することそれ自体についての調査は行っておりません。 ただ、そういった過程におきまして相場操縦等が行われるといったことは、これは証取法上不正行為とされておりますので、証券取引所におきましては、買い占め銘柄につきましてもそのような観点から監視を行ってきておりますけれども、国際航業の株式につきましては、証券取引所からは相場操縦等の事実があったといったような報告は受けておりません。
○政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 株の譲渡益につきましては、先生御案内のように、一定の場合に限って課税されるという建前になっております。私どもといたしましては、そういった限定された条件のもとではございますけれども、課税になる場合につきましては、各種資料を収集いたしまして課税の適正化に努めてまいっておるということでございまして、今後とも同様の考えでやっていきたいというふうに思っております。 お尋ねの件につきましては、極めて個別の問題に相なりますものですから、答弁につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
○久保亘君 いや、国税庁は国際航業の関係で調査をされたことはあるのかないのか。
○政府委員(伊藤博行君) 一般的に申し上げまして……
○久保亘君 一般的に申し上げてじゃないよ。(「質問に答えなさいよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(伊藤博行君) はい。 先ほど申し上げたとおりでございます。 法人の調査あるいは個人の調査いろいろございますけれども、先生お尋ねの件は株の譲渡に関してということでのお尋ねかと存じます。 その点につきまして、先ほど申し上げましたような一般的な方針のもとで事案に対処しておるということで御理解賜りたいというふうに思います。
○久保亘君 証券局長、防戦買いは違法ではないと言われたが、そのとおりかね。
○政府委員(角谷正彦君) いわゆる防戦買いが自社株取得になるようなケースにつきましては商法上の問題はあろうかと思いますが、証取法上の問題としては特別の規制はございません。
○久保亘君 いや、違法ではないと言ったから。私は、商法であろうと証取法であろうと、違法なものは違法なものなんですよ。そのことを聞いておるんです。
○政府委員(角谷正彦君) 失礼いたしました。 私は、証券取引法の観点から申し上げたつもりでございます。したがいまして、通常、防戦買いという場合には、自社株という形での取得ではなくて、それ以外のところでいろいろお願いしてやっているというふうに聞いております。
○久保亘君 関連会社やダミーを使ってやるのもこれは防戦買いで、これは違法なんですよ。いいんですか、そういうことは。
○政府委員(角谷正彦君) 国際航業の問題につきましては、私具体的なことは存じません。したがいまして、商法違反になるかどうかという問題につきましては、私どもの所管でございませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○久保亘君 ちょっとほかにお尋ねしたい問題もありますので、あとは我が党の同僚議員の御質問になろうかと思いますが、私、最後にどうしても竹下総理大臣にお聞きしたいことがあるんです。 総理大臣は、施政方針演説で石田梅岩の斉家論の一節をお引きになりました。そして、悠久の歴史の一こまにすぎない竹下内閣ということも、この御答弁の中でございました。しかし斉家論は、我が志を述べる者は正直、清潔でなければならぬ。そして、志を述べる者は私欲があってはならぬ。「私欲あらば、其所は常闇」という言葉も斉家論の中にはあるのであります。その面は十分御承知でございますか。
○国務大臣(竹下登君) 私が石田梅岩先生の言葉を引用しましたのは、私どもの大先輩がそのようなことを我々後輩によく教えられたことがあったという意味において引用さしていただいたわけであります。 したがって、その部分以外の点につきまして今おっしゃったことは、まことに私は正しいと思っております。
○久保亘君 悠久の歴史の中で言えば、竹下内閣はその一こまにすぎない、あなたがおっしゃったそのことに私も同感であります。その一こまの命運をおかけになるのであるならば、今は消費税でなく、どうぞ国民の信頼を回復することにぜひ内閣の命運をかけてやっていただきたい。このリクルート疑惑の解明のために、全力を挙げてぜひ誠心誠意取り組んでいただくことを心から期待をいたしておきます。 次に、私は、潜水艦「なだしお」の衝突事件に関して二、三お尋ねしておきたいことがございます。 海上保安庁は「なだしお」の航跡記録、速力記録、航海日誌等の必要な証拠については押収したのかどうか、押収したならば、いつ、どこで「なだしお」から押収したのかお答えいただきたい。
○政府委員(山田隆英君) ただいま先生からお話がございました関係資料につきましては、どういう資料をいつどういうふうにして押収したかということにつきましては、捜査の微妙な点にかかわりますので、この場での発言を差し控えさしていただきたいと存じます。
○久保亘君 そんなことはないでしょう。私、防衛庁からは聞いているんですよ。防衛庁から私のところへ見えた方は、現場で「なだしお」から押収された、こう言われておるんですが、間違いありませんか。
○政府委員(山田隆英君) 潜水艦の事故の調査につきましては、防衛庁から全面的な努力をいただいておりまして、私ども捜査に必要な資料はすべて提出をいただいておりまして、特に押収ということではございません。
○久保亘君 それでは、防衛庁の全面的協力ということでございましたので、続いてお尋ねいたしますが、近藤船長と山下艦長の取り調べは、それぞれどういう条件のもとに海上保安庁はおやりになりましたか。
○政府委員(山田隆英君) 「なだしお」の艦長につきましては、当初「なだしお」が現場において救助活動に従事していたということもございまして、事故の当日、海上で救助活動中の「なだしお」に赴きまして艦長の取り調べを最初にいたしました。その後、「なだしお」の艦艇についての実況見分等の関係もございまして、一時期、横須賀の自衛隊の施設内で取り調べを行いましたけれども、その必要がなくなった時点で海上保安庁の施設内において取り調べを行った次第でございます。 それから、第一富士丸の船長につきましては、当初から海上保安庁の関係の施設内で取り調べを行ってまいりました。
○久保亘君 近藤船長の身柄は拘束されておりましたか。
○政府委員(山田隆英君) 拘束はいたしておりません。
○久保亘君 海上自衛隊に赴いて調べたということでありますが、その必要がなくなったという意味はどういう意味ですか、よくわかりませんでしたが。
○政府委員(山田隆英君) 当初、「なだしお」の実況見分と一緒に事情聴取を行っていたわけでございまして、潜水艦「なだしお」が自衛隊の施設の中にありまして、その艦艇との行き来等の都合上、海上自衛隊の施設内で事情聴取を行ったということでございます。
○久保亘君 防衛庁を軍と呼ぶのは適切かどうか知りませんが、軍に対する海上保安庁の対し方というのは非常に問題があるんじゃありませんか。 その例として、私は、三年近く前に起きました米軍の軍艦、フリゲート艦ロックウッド号とフィリピンの貨物船の衝突事故が同じように浦賀水道で起こっておりますが、この衝突事故について、三年近くたってもいまだにロックウッド号の艦長から事情を聴取することは海上保安庁はできないでいるはずですが、いかがですか。
○政府委員(山田隆英君) 米軍艦ロックウッド号とフィリピンの貨物船の事故につきましては、これは、法律的な面では外務省からの御説明の方が正確かと思いますが、日米地位協定上、その刑事責任に関しましては米側が第一の裁判権を行使することとなっておるわけでございます。 私どもといたしましては、事情聴取ということではやっておりませんが、必要な資料については提供を求めておりまして、一部受け取っておりますし、なお、米海軍法務部において行われた調査結果に基づきまして、米艦の艦長はその職を解かれ、運航に責任を有する関係乗組員が懲戒処分を受けたというふうに聞いております。
○久保亘君 海上保安庁としては、このような事故が同じ浦賀水道で起きても、米軍の艦艇である場合には直接何にもできないわけですか。
○政府委員(山田隆英君) 米艦船でありましても、国内法に違反したかどうかということについての捜査はできるわけでございます。しかしながら、強制的な捜査はできないということで、米側の協力を受けて行わざるを得ないということでございます。
○久保亘君 それじゃ、事情聴取を行うために出頭を求めたことがありますか。
○政府委員(山田隆英君) 事情聴取を求めるための協力を求めたことはございます。
○久保亘君 それは拒否されましたか、受け入れられましたか。
○政府委員(山田隆英君) 現在までのところ、受け入られれておりません。
○久保亘君 竹下さん、こんな話があっていいんでしょうか。日本の水域内というよりはもう日本の陸地続きのところでそういう衝突事故を起こして、そして米艦艇の艦長に対してぜひ出頭してもらいたいと言っても、それを一方的に拒否されたらどうすることもできないんですか。——総理大臣に聞いているんです。総理大臣に聞いておるんだ。
○政府委員(有馬龍夫君) 先ほど海上保安庁長官から申しましたように、この事件は、そもそも当該艦船の米国の軍人が公務の遂行中発生したものでございます。このような事件にかかわる刑事的な責任の第一次的な裁判権は米側にございます。これは地位協定上定められているわけでございます。したがいまして、それに基づく調査が行われて、これまた先ほど海上保安庁長官が言われた結論が出ているわけでございますが、確かにその第一次的裁判権を前提としておりまして、事情聴取に応じませんでしたけれども、他方、艦長及び関係乗組員のいわゆる宣誓供述等の資料は一部提供をされているわけでございまして、さらなる資料等が必要であれば、それを米側に伝えるということには十分外務省としても協力するつもりでございます。
○久保亘君 総理大臣。
○国務大臣(竹下登君) 裁判権の帰属に関する問題でございます。今、北米局長がお答えしたとおりであるというふうに私も考えております。
○久保亘君 それでは、「なだしお」がもしアメリカの潜水艦だった場合には、これはどうすることもできなかったということですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 法律的な枠組みは今申し上げたとおりでございますが、その枠組みの中で何もできないということはないわけでありまして、あらゆることができるということでございます。
○久保亘君 艦長に直接事情聴取を求めることもできなければ、何もできないということになるじゃないですか。何を言っているんだ。
○政府委員(有馬龍夫君) 米側に第一次的な裁判権がございまして、その調査に基づき、さきの事件については米側は一連の調査を行い、行為をとったということでございますが、確かに艦長に対する事情聴取には応じておりません。しかし、い わゆる宣誓に基づく供述書その他の資料は提出してきているわけでございまして、面談には応じておりませんけれども、それを通じてどうしても必要な資料が、情報等があるのであれば、それを要求する道は開かれております。
○久保亘君 私は、そうすると、非常にそのような考え方が海上自衛隊の方にもだんだん強まっているのではないか。軍優先の考え方。 七月二十五日、防衛庁は私の会館までわざわざ出向かれまして、報告書を説明していただきました。衝突の二日後であります。このときいただきました報告書によりますと、「事故発生直後から、海自・海上保安庁により、全力を上げて救助作業を実施」、「十九名を救助(うち一名は死亡)。残る行方不明者二十九名中二十四日までに、数名が遺体で収容されている」、こういう報告書をいただきました。これは適切な報告書でしょうか。防衛庁長官。
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。 それは、二十五日の時点で正確な報告だと思います。
○久保亘君 二十五日には正確な報告で、その後不正確になったんですか。
○政府委員(長谷川宏君) その後、救難活動がさらに進んだわけでございます。お亡くなりになった方等もふえたわけでありますが、その二十五日の時点ではそういうことであった、こういうことでございます。
○久保亘君 私が聞いているのは、あなたの言っているようなことじゃないんだよ。「事故発生直後から、海自・海上保安庁により、全力を上げて救助作業を実施」、「十九名を救助」、こうなっているんですよ。これが正確ですかと言っているんです。
○政府委員(日吉章君) お答え申し上げます。 事故の原因につきましては海上保安庁の方でお調べをいただいておりますので、本件の事故につきましては海上自衛隊は一方の当事者でございますので、私どもは事故の原因につきましては、一方の当事者といたしまして、それを監督いたします上部機関に対する報告を御報告申し上げるということしかでき得ません。そういう意味で、事故の原因そのものにつきましては、第三者機関であります海上保安庁等のお調べによりまして決められるところが政府の見解になろうかと思います。 なお、事故発生後の救助の問題でございますが、これにつきましては、海上自衛隊もその救助の一翼を担って努力いたしておりますので、その限りにおきましては私どもの御報告いたしましたことは間違いがないと考えております。
○久保亘君 私は、海上自衛隊が救助作業をやらなかったと言っているのじゃないんです。何でこんな報告を出されるかというところに、海上自衛隊の今度の事故に関する姿勢がうかがえるのではないかと思うから聞いているんです。何遍も言いますよ。「事故発生直後から、海自・海上保安庁により、全力を上げて救助作業を実施」、そして「十九名を救助」、こうなっているんです。長官、どうですか。
○政府委員(日吉章君) 救難の当面の責任者といいますか、救難の最終的な責任官庁は海上保安庁でございます。それに対しまして、私どもは事故の当事者といたしまして協力をいたしたわけでございますが……
○久保亘君 そんなことは聞いてないんだよ。この報告書は正確ですかと聞いているんです。
○政府委員(日吉章君) 先生のお尋ねは、十九名を救助いたしました中の多数の人たちは第三松和丸という民間の小型タンカーによって救助されておりますから、そのことにつきましての記述がないことをおっしゃっておられるのかと思いますが、私どもといたしましては最終的には海上保安庁の責任におきまして救助作業が完結し、なお、この十九名の方たちは海上自衛隊の病院にお入りいただいたというような事態を踏まえまして、こういう形で書かせていただいたわけでございまして、決して民間の協力が得られなかったという形で書いているわけではございません。
○久保亘君 大変防衛庁の姿勢をはっきりおっしゃっていただいたと思っております。 なお、その際、事故概要図というのもいただきました。この事故概要図では、当時、この富士丸との距離七百メートルのところで面かじいっぱい、エンジン停止、後進いっぱいの措置をとったということに報告されておりますが、これは海上自衛隊並びに防衛庁としてこのことを確認をされて御報告になったものでしょうか。
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。 二十五日のその時点で、そのような報告を受けて、そのような記載をいたしましたけれども、それはその時点でのものであります。
○久保亘君 だれか報告し、だれが確認したんですか。
○政府委員(長谷川宏君) 海上幕僚監部から内局の教育訓練局が報告を受けました。
○久保亘君 事故がありましたその日、防衛庁長官はどこでその報告を受けられ、一番最初に事故の概要について直接報告を受けられたのはいつですか。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。 七月二十三日、石川県で全国自然公園大会が開かれたわけでございまして、それに出席すべく帰ったわけでございますが、行事を終えて、四時四十分ころかと記憶をいたしておりますが、帰路、空港に向かっておる車中で報告を受けたわけであります。全力を挙げて救助に当たらなければならないことでありますし、全力を挙げて捜索活動を展開しなければならぬことでありますので、さように指示をいたしました。 その後、山間部でもありますので連絡不十分な点もございましたが、連絡がとれる地点から逐一報告を受けながら、小松空港におきまして小松基地司令のところへ本庁からファックスが送られてまいっておりまして、基地司令も迎えておりましたから、空港にて概要を承知すると同時に、すぐ本庁へ戻る仕事がございますから、手だてを講ずべく基地司令と協議をいたしまして、民間機で上京することの方が最も早い、かような判断に立ちまして東京へ到着をし、本庁に到着いたしましたのは時刻にいたしまして九時ごろであったと、かように承知をいたしております。よって、本庁におきましてその時点におきます入手し得る情報を収集し、さらに総理に御報告に上がった。 二十三日の状況につきましては、以上でございます。
○久保亘君 竹下総理は、自衛隊三軍の総責任者として、この事件についてどこで報告を聞かれて、どのような処置をおとりになりましたか。
○国務大臣(竹下登君) 最初私が報告を受けましたのは五時二十分だったと記憶しております。三十分でございましたか、五時二十分でございましたか、そのときは必ずしも全貌がつかめられておりませんでした、軽井沢駅到着のときでございますから。したがって、その車中から万座へ参ります途中、頻繁に連絡をとって、その内容について逐次詳しくなりまして、そのまま帰京を——地理的にはその方が私は早いと思っておりましたが、群馬県へ帰っているわけですから。しかし、道路事情等から軽井沢を通って帰った方が早いという判断でございましたので、その間、車中でございましたが、絶えず連絡をとりながら、まずは事実関係の確認と、こういうことが当面の問題でありました。 到着いたしましてからは、瓦防衛庁長官から先ほどのお話しのごとく報告を受けました。そのとき瓦長官は、私はこの職を与えられたときからあるべき責任というものは承知しております、当面は捜索、救難活動に全身を打ち込むことが責任のあるべき姿でありますと、そのような発言がございましたので、私もそのとおりだと申し述べた次第でございます。
○久保亘君 事故発生後二時間近くたたなければ国内にいる首相のもとに報告が届かないというのは、これはどういうところに欠陥がございますか、防衛庁長官。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、防衛庁というよりもむしろ内閣全体の危機管理の問題ではなかろうかと思っております。 危機管理の問題につきましては、内閣の安全保障対策室においてこれをいろいろな角度から検討し、成案を得たものもあり、そして検討中のものもあるというようなことで、常日ごろ整備いたしておるところでございます。 その後、当面どうしておるかということになりますと、絶えずいわゆる自動電話を——車電話でございますと山中等では時にかからないこともございますから、自動電話を携帯して移動をしておるというのが実情でございます。したがって、あのときも、仮に自動電話を私が持っておったらもっと早かったかというふうにも思われます。
○久保亘君 今、総理もこの責任のとり方についてお話もつけ加えてなさいましたけれども、明日合同慰霊式もとり行われると聞いておりますが、遭難者に対する補償はどのようになっておりますでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) まず、私から概括申し上げます。 まず、いわゆる事故の責任がいずれにあれ、一方の当事者が自衛艦であったことは事実でございます。したがって、明日慰霊式を行って深くおわびするという気持ちでいっぱいであるわけでございます。 補償の問題につきましては、今海上保安庁、海難審判庁でございますか等でこの事件の原因究明について調査中でございますので、その段階において適切な対応をすべきであるというふうに考えております。
○国務大臣(瓦力君) ただいま総理からお答えをいただきましたとおりでございまして、海上保安庁、海難審判庁におきましてその原因究明がなされておるわけでございます。誠意を持って適切に対処しなければならない問題と、かように心得ておる次第でございます。
○久保亘君 責任問題について、瓦さん、あなたの責任問題について総理が先ほどお述べになりましたが、どういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(瓦力君) 改めて申し上げますが、今回の事故は、海上自衛隊の潜水艦を一方の当事者といたしまして多数のとうとい人命を失うことになり、まことに遺憾でございますし、なお、極めて重大なことと認識をいたしております。亡くなられた方々の霊に対しまして心から哀悼の意を表しますと同時に、また遺族の方々の悲痛な心中をお察し申し上げますときに、お慰めの言葉もないほどでございます。 よって、私に課せられた責任は、調査結果を踏まえまして、今後いかに対処するかという課題もあるわけでございますが、この事実をまず厳粛に受けとめまして、事故に関して得られた反省、教訓を最大限に生かすとともに、かかる事故が二度と起きないように再発防止に万全を期する、今その方途を求めて早急に再発防止策の取り組みをいたしておるところでございます。 私に対します責任の問題につきましては、私自身その責任の所在を承知いたしておるわけでございますが、今日任にある者といたしまして、今申し上げましたとおり、再発防止を含めまして最善の努力をしてまいることが私に課せられた責任と、かように考えておる次第でございます。
○久保亘君 今の御答弁で結構です。 再発防止のためにどのような対策を進め、いつごろその対策を具体的にお示しになりますか。これは運輸大臣にもお尋ねしたい。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。 防衛庁といたしましては、現在政府の第一富士丸事故対策本部におきまして決定されました船舶航行の安全に関する当面の措置、これに従いまして所要の対策を講ずるとともに、事務次官を長といたしまして自衛隊艦船事故防止対策委員会、これを設置いたしまして、同種の事故の再発防止をするため艦船航行の安全を一層確保するための措置のほか、教育訓練や人事上の施策を含む自衛隊における安全管理施策全般にわたる見直しなど、幅広い対応策につき検討を指示しているところでございます。 具体的に自衛隊の艦艇の航行安全のあり方について講すべき対策といたしまして、東京湾等船舶ふくそう水域等における航行安全対策の強化、不測の事態発生時における情報伝達要領の改善、潜水艦等への救難用装備品の整備等の面に重点を置いて検討するよう指示いたしておるわけでございます。 さらに、今回の事故の重大性にかんがみまして、この際、原点に返って、海上自衛隊のみならず陸上自衛隊、航空自衛隊も含めまして、事故の未然防止のため、安全管理施策や不測の事態に際しての応急対応力について再検討し、その充実強化等を検討するよう指示しているところでございます。 この検討作業につきましては、早急にその成果をまとめるよう努めておるところでございまして、近々防衛庁としての考え方を明らかにするわけでございますが、明日は政府におきましての事故対策本部が開催されるわけでございますので、その折にさらに御報告を申し上げ、またそれを踏まえまして本庁におきましての対応、取り組み、これらにつきまして私から発表できるものと考えております。明日、さように進めたいと考えております。
○国務大臣(石原慎太郎君) 先月の二十七日に申し合わせました当面の措置に加えまして、今月の一日に中長期的な再発防止対策を検討して精力的にこれを推進しようという申し合わせにのっとりまして、運輸省においても現在、東京湾などのふくそう水域における安全航行策の強化を初め所要の具体策を検討中でございますが、これらの対策に関しましては技術的に詰める問題も大変多うございますので、最終的な結論を得るにはなかなか時間もかかる節もございますが、できるだけ早期に成案を得て、事故の再発を防止したいと思っております。
○久保亘君 石原運輸大臣は、今回の「なだしお」の衝突事故が起こります直前に、マスコミを通じてこの浦賀水道の危険性を指摘されたと私は記憶をいたしておりますが、抜本的な解決というものは何だと思われますか。
○国務大臣(石原慎太郎君) ふくそうしている水域では、海上交通安全法と海上衝突予防法という二つの法を遵守すべきでありますが、いろんな方策もあるでしょうけれども、この二つの法律は万国共通でありまして非常に完備されている、また単純な非常に明快なルールでありまして、抜本的にはともかくこれを守る、厳密に守るということがもう対策以前の基本的な問題で、もしそれが遵守されるならば、私はこういう事故はほとんど回避されるのではないかとさえ思います。 要するに、ルールを守る、どんななれた船長でもこれをきちっと守るということが必要だと私は思います。
○久保亘君 法律を守れば大丈夫ですか。しかし、あなたがあのとき言われたのは、あの浦賀水道の船の航行の状況というのは、これはもう事故が起こらないのがおかしいというようなことをおっしゃっていたんじゃありませんか。
○国務大臣(石原慎太郎君) そのとおりでございます。しかし、あそこを航行する船は、いわば皆プロがほとんどでありまして、その人たちがいかにも海になれているということで、航行のルールを守る点で非常にずさんな点も多々ございますし、またもう一つあえてつけ加えますならば、あそこに第一、第二、第三という人工の海堡、障害物がございまして、ハイウェーにだれかが大きな石を三つ据えているような、まあこれがなかなか取り除くべくして漁業権その他の問題で撤去できないということで、ちょっと世界に例を見ないような危険な構造になっていることも否めません。 いずれにしろ、そういう条件の中で、航行する多くの船が、私も海になれている者の一人ですけれども、かなりずさんな航行をしていることは一般的に残念ながら認めざるを得ないという点でございます。
○久保亘君 根本的には、あの船舶の錯綜する航路帯を軍港に向かう艦艇が横切らざるを得ないというところに非常な危険性があるということは、多くの専門家たちも認めているところじゃありませんか。
○国務大臣(石原慎太郎君) 私は、必ずしもそうは思いませんし、繰り返しになりますけれども、いかなるふくそうしたハイウェーでもあるいは道路でも、自動車の場合には左側通行ですから右折をするわけでありますが、信号その他のルールを守れば、そこを横切る形で陸上でも右折する車が事故を起こすわけはないわけでありまして、あの水域でも横断の際に互いにルールを守れば私は危険はあり得ないと思います。
○久保亘君 きょうは残念ながら時間がありませんから、また改めてこの問題については議論をいたしたいと思いますが、明日は遭難者の合同慰霊式も行われることでありますし、私どもも謹んで哀悼の意を表しながら、政府がぜひ誠意に満ちてこれらの方々への補償その他について万全を期せられるように、心からお願いを申し上げておきます。 最後に、二つほど当面の問題について簡単に御質問申し上げます。 今、全国的に新幹線の問題が非常に大きな問題となっておりますが、新幹線はもともとナショナルプロジェクトとして進められてきたという認識については、総理もそうお考えになっておりますか。
○国務大臣(竹下登君) 昭和四十五年の五月十八日でございましたか、全国新幹線鉄道整備法というもの、それからその後の四十八年の整備計画、こういうものは、今、ナショナルプロジェクトとは何ぞやという議論は別といたしまして、感覚的に私もナショナルプロジェクトという認識の上に立っております。
○久保亘君 この国家的な政策として進められてきた新幹線について、今、政府は整備新幹線建設促進検討委員会をつくって、小渕長官のもとで御検討になっておりますが、予定どおり八月の末に結論が出ますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 新幹線の建設問題につきましては、今御指摘になりましたように、促進検討委員会を設置いたしまして、現在その順位を決定いたしますことと、その財源を見出すべく鋭意努力をいたしております。自由民主党とのお約束事でございまして、今月末にその結論を得べく努力をいたしておりますが、現在最終的な段階に来ておりますので、ぜひ今月末結論を得るよう最善の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○久保亘君 この最約的な結論は、十一日に委員会に出されました運輸省案が大体大筋のものとなって御検討になるんですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 順位決定につきましては、この委員会におきまして、第一私案といたしまして三塚顧問の案がございまして、第二私案といたしまして、今御指摘のございました運輸省案が出ておるわけでございます。昨日、早朝開きました会合におきましては、この運輸省案につきましてそれぞれ三線の地元のお考えをお聞きいたしましたところ、北陸新幹線を除きまして他の二線につきましては、地元の代表の知事さんもほぼその運輸省案につきまして賛成の意を表せられておるところでございます。 また、委員各位におかれましても、この直接の地域代表を除きました中立委員をもって六人のメンバーで最終的な結論を得たいと思っておりますが、昨日の段階では、運輸省案を大いに参考にしながら検討いたしていきたいという雰囲気でございました。
○久保亘君 この運輸省案に示されております財源負担について、地元負担等についても大体この考え方で地元は合意したということですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 財源につきましては、これはなかなか難しい問題でございまして、この三線の問題につきましては、それぞれJRの負担が九州新幹線につきましては五%ということになっておりまして、他の二線につきましては二〇%ということでございます。したがいまして、残る八〇%あるいは九五%の割り振りにつきまして、二分の一ずつ国と地方がこれを受け持とうというのがいわゆる第二私案、運輸省案でございまして、この点につきましては、それぞれ三線の代表の皆さんにおかれましては大変困難性が高いということでございまして、この点につきましては今月末結論を得べく努力をいたしておりますが、大変厳しい、また難しい問題であるという認識もいたしております。
○久保亘君 総理、整備新幹線の運輸省案によれば、例えば鹿児島県の場合、県民一人当たり六万八千二百円の負担、合計一千二百三十八億円の地元負担ということになりますが、こういうことはナショナルプロジェクトという立場から考えた場合に適切だとお考えになりますか。これは自治大臣にもお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(梶山静六君) 自治省としては、整備新幹線の建設は、原則として地域負担を求めるべき性格のものではないと考えておりますが、一方地元では、若干の地域負担をしてでも整備新幹線を促進したいという熱意がございますので、いろんな経過を経ながら建設費の一〇%が地域負担の上限と考え、これまでも御意見を申し上げてきたところでございます。 したがって、運輸省案はまだまだ未調整でございますし、仮にとしながら国と地方の負担の割合を一対一として試算をしていることは、これまでの経緯を踏まえておらず、また新幹線整備の国土の基幹的交通体系の構築という性格を無視した考え方と言わざるを得ないのであります。その旨の意見を現在申し述べているところでございます。
○久保亘君 総理、どうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 長い歴史がございます。そもそもあの四十五年のときの全国新幹線鉄道整備法というものを読んでみますと、国の責任として「その建設のため必要な資金についての助成その他必要な措置を講ずるよう配慮しなければならない」、それから「地方公共団体は」、「その建設のため必要な資金についての補助金等の交付その他財政上の措置を講ずることができる」と、こう書いておるわけでございます。これは長い歴史を伴うものでございますが、どちらかと申しますと、私が大蔵大臣をしておった当時は、財政難等においてこれが促進というよりも足踏みという状態であったというふうに私自身もそういうふうに思っております、率直に申しまして。 今日、さらに促進検討委員会ができ、順位決定あるいはその後財源問題等について結論を得ようという段階でございますので、さかのぼればこの法律の国、地方のそれぞれの役割というもので、話し合いの中で調整がつくことを私は期待をしておるという立場でございます。
○久保亘君 後発の地域で財政力の非常に弱いところに、JRの負担に三線に格差をつけて、格差のついた分だけ地元に負担をかぶせる、こういうやり方は適切でないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいますのは、ペイするようなところは、言ってみれば地元負担なしでこれができて、それから、これからは相当な努力をしなければペイしないような地域に対して地元負担を負わすということは、いわば平等の原則に反するじゃないかと、この議論もたくさんある議論でございます。そこのところを私は今どう割り切らなきゃならぬのかなと。あのようにして分割・民営ということになったそれぞれのJRの立場を考えながら、その財源調達については、しかしオールジャパンという立場からもこれは見ていかなきゃならぬだろうし、そういう考え方を突き詰めてみますと、私は調和点は見出せるんじゃないかというふうに期待をしておるところであります。 残念ながら、しかし山陰新幹線などはまだその後のようでございます。
○久保亘君 これは大蔵大臣、財源問題は十分自治省その他の意見を勘案し、地元の意見も聞いて調整が行われるものと、あなたの方もそうお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は、私の考えを申し上げますと長くなりまして、それは決してお求めのことではないと存じますので、官房長官が一応取りまとめ役になられまして、関係者みんなで一生懸命本当に苦労をし努力をいたしてみたいと、それだけを申し上げておきます。
○久保亘君 時間がなくなりましたので、最後に農水大臣にお尋ねしたいことがございます。 今度の牛肉・オレンジの自由化は、認めない、困難である、やむを得ないというこの三つの段階、ずっとアメリカの圧力によって後退をさせられながらついに自由化に踏み切って、その国内対策というのはいまだにきちんとしていない。一体、子牛価格の安定、飼料価格の引き下げ、農家金利の問題、こういう面で今後どういうふうな対策を具体的にお立てになって、いつごろこれを明確にされるんですか。
○国務大臣(佐藤隆君) 前国会以来大変御心配をかけてまいりました。私どもは、さきに十二品目問題これあり、さらに牛・かん問題、さらに本年度米価決定と三重苦、これを何としても乗り切って、そして将来不安のない形をつくり上げていく、そうして農業者もある種の自信を持っていただく、消費者にも理解をいただかねばならぬということで全力を挙げてきたところでございます。 外交交渉が終わらないうちは、国内対策というものはそう簡単にはめどがつけられない、こういうことは御理解をいただけると思いますが、そういう中にあって非常に困難な状況でございました。アメリカの圧力に屈したという御表現もございましたけれども、私自身は外交交渉はそのようなことを委員から言われるほど困難なものであるという認識の上に立って、それでも将来に向けて何とかせねばならぬということで、国内対策に全力を挙げ、外交交渉の結果と国内対策とあわせて評価をしていただけるような形づくりに今全力を挙げておると。 しかし、補正予算の時期が云々という話はまだ出ていないときではございますけれども、補正予算で要求すべきものも我が方から言わせればある。加えて概算要求の時期になりました。これとリンクする形で、どういう詰めが今月末までに行うことができるか。 さらに、子牛の価格安定にも触れられましたが、このこと等につきましても新しい立法措置、このことについて法制局とも検討を進めさしておる段階でございまして、なるべく早くひとつ結論を出したい。 ただ、十二品目問題については、品目ごとに地域特産物等々もこれあり、若干時間のずれるものもあるかと思いますが、できればひとつパッケージにした形で評価をいただけるような形をとりたいものだということで努力をしておる最中でございます。必ず主要作目についてこれが存立をすることができるというお約束は守らねばならぬ、守りますということを申し上げておきたいと思います。
○久保亘君 この牛肉・オレンジの自由化が決定をいたしました段階から、アメリカでは米の自由化を求める声が非常に高まっているという報道にしばしば接するのでありますが、米の自由化ということに対して農林水産省としてあるいは政府として、今このことに対してお約束できるお考えを述べていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(佐藤隆君) 米の問題につきましても、アメリカから今日までいろんな機会を通じて、いろんな団体を通じていろんな声が上がってきたことは事実でございます。そして牛・かん交渉が終わりました後にも、最近に至っても、また報ぜられるところ、その動きが伝えられておるところでございます。しかし、政府対政府の間において、まないたの上にはのっていない。また同時に、ニューラウンドに向けて、これはあらゆる国々が農産物あるいは制度等について俎上にのせてそして議論をしようと、こういうことに対応するために昨年末ニューラウンドに対する考え方も既に発表したところでございますし、その線に沿って議論をしていかなければならない。 そういう中にあって、米というものは一口で言えばどうするのかと言われれば、しばしば国会で竹下総理からもお答え申し上げておるとおりでございますし、また私もしばしば答えておるとおりでございまして、日本の主食である米についてはこれは譲れない、自由化はしない、食管制度の根幹は堅持をすると。あわせて農業者自身のまた今日における対応、すなわちコストの削減等々、担い手の育成に至るまで幅広く稲作対策については検討を進めなければならぬということで検討を進めさしていただいておると、こういうことでございます。
○久保亘君 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(初村滝一郎君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(初村滝一郎君) 次に、田沢智治君の質疑を行います。田沢智治君。
○田沢智治君 去る七月二十三日、第一富士丸と潜水艦「なだしお」が衝突事故を起こしまして三十名のとうとい人命を失ったことは、まことに悲しみにたえないのでございます。ここに謹んで犠牲者の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に衷心より哀悼の意を表したいと思います。 事故発生以来、ちょうどきょうで一月になりますが、その原因解明についてはかなり進んでいるのではないかと存じます。一体いつその結果が出るのか、防衛庁、運輸省より具体的にお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(山田隆英君) 海上保安庁におきましては、衝突事故の発生以来、「なだしお」の艦長あるいは第一富士丸の船長初め関係乗組員、その他の関係者から原因についての事情聴取を行いまして、連日のように捜査を続けておるところでございます。 さらに、「なだしお」の艦体についての損傷のぐあいであるとか、あるいは第一富士丸の船体の損傷のぐあいであるとか、また先般は「なだしお」の運航性能の検証、こういうものも行ってきたところでございます。 〔委員長退席、理事遠藤要君着席〕 できるだけ早期に原因究明を行いたいというふうに考えておりますが、現在のところ、いつごろそれが終了するかということについてはまだはっきり申し上げられる段階にないということを御理解願いたいと存じます。
○田沢智治君 運輸大臣にお伺い申し上げますが、浦賀水道というのは狭く、かつ一日七百隻を超える過密なルートで航行しておると聞いておるのでございます。そういうことがわかっておってこういうような事態を起こしたということを考えたときに、これは偶発的な事故ということよりも、人為的な措置が徹底しなくて起きたような事故ではないかという声もございます。漁業補償等の問題のお話もありましたけれども、私は、具体的に物理的な障害がある物があれば、政府として、そういうものを除去して安全な航行を保障するという、国民の生命、財産を守るという物の考え方に徹して対応しますよとあすの慰霊式に御報告ができるような、そういう具体的なお考えを持たれておられるか、ひとつお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(石原慎太郎君) 先般の第一富士丸の事故は、今、委員が御指摘の、あそこにあります第一、第二、第三の障害物であります海堡には直接関係はございませんけれども、それは非常に陰に陽にいろんな心理的な圧迫をあそこを通航する船の人たちに与えていると思います。私は、むしろこういうものをきっかけに速やかにああいった障害物が撤去されることで、日本にやってくる外国のシーマンの方々にも少しは安心いただけるということになるべきだと思います。 また、今回の事故に関しましては、先ほども久保委員にもお答えいたしましたが、やはり最低限のルールというものをきちっと遵守するということをまず心がけていただきたい。さらに、それから先の処置に関しましては、今、当面中長期の技術を伴う問題もございますので、一生懸命やっておりますけれども、さらに原因の究明をはっきりいたしまして、それが究明された段階で、そういったことが起こらないような具体的な措置を講じていきたいと思っております。
○田沢智治君 運輸大臣、恐縮ですが、そうしますと、そういうような障害物を近い将来において撤去を含む安全航行の整理整とんをしてみたいというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(石原慎太郎君) 過去にも海堡を取り除こうという動向があったようですけれども、例によって漁業権ということで非常にそれが妨げになって実現いたしませんでした。 今回、あそこの水道がいかに難所であるかということが痛ましい事故で立証されまして、そういったものを多角的に防ぐためにも私はああいった障害物は当然除かれるべきだと思います。ハイウェーに大きな石が三つも四つも落ちているのと全く同じでございますから、よくあそこにひっかからずに航行できるものだと思うぐらい、外国から来るシーマンに言わせますと、本当に非常識な条件があそこに構えられているということは否めません。
○田沢智治君 私も神奈川県の出身でございますので、その実態をよく承知しております。速やかにそういう具体的な施策を遂行してくださいますことを御希望申し上げます。 次に、災害問題でございますが、きょうのニュースでございますと、鹿児島で水害等の犠牲で死者一名、けが人が七名出ている。先般においても西日本水害の中で島根、広島、五年前の大災害と同じような地域で災害が繰り返されてとうとい生命が失われている。こういう実態を見ますと、現在の災害対策では、河川等の対策は進んでおるのでございますが、土石流や地すべり、急傾斜地の危険箇所、こういうものに対する対策がおくれているように私は思うんです。私の資料によりますと、全国約十五万七千カ所ある、こう言われておりますが、その整備率を見てみますと一七%程度になっておる。こういうような実情を考えたときに、大雨が降ったり、何らかの障害が生じた場合必ずそういう地域に災害が起きて、生命、財産が失われるという現実が私は続くんじゃないだろうか。 国というものは、国民の生命、財産を守るというところに国家があり、政府があるとするならば、やはりこういうものに対する整備計画を具体的に国民に提起して、国民を安心さしていくという仕事もこれは政府の仕事であり、我々立法府にかかわっている人間が具体的に政策化していく努力をしなければならぬと思うのですが、建設大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(越智伊平君) ただいま先生からお話しのとおり、ことしも大変集中豪雨に見舞われましてとうとい生命を失いましたし、また多くの財産を失ったわけであります。この方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、心からお見舞いを申し上げる次第であります。 先生のお話しのとおり、急傾斜地あるいは砂防事業、いろいろございますが、非常におくれております。十数万カ所という大変な箇所でございますが、建設省といたしましては重点的にやっておりますけれども、率直に言って間に合わないというような状態であります。でありますから、できるだけ今後とも重点的に危険箇所の防止策を講じていく。それから、災害が起きてからは後手に回っておるわけでございますけれども、同時に、関連するものは二度と災害が起こらないように進めてまいりたい、かように思います。また、復旧とかあるいは予防もいろいろやりますけれども、それと同時に、警報等の周知徹底、危険なときには避難をする、こういうことにも努めてまいりたい、かように思います。 先生のお説で、確かに急傾斜地とか土石流の流出箇所は多いわけでございますが、河川の方も決して進んでおるわけではございません。河川の危険箇所を見ますと二八%、さらに土石流の方が一七%でございますが、どちらもまだ今後大いに進めてまいらなければならない。この点については政府として重点的に今後進めてまいりたい、かように思う次第であります。
○田沢智治君 ぜひ建設大臣、そのような具体的な施策を進めて国民を安心さしていただきたいと思うのでございます。 次に、竹下総理にお伺い申し上げます。 総理は、昨年十一月政権を担当されまして、六十三年度の予算編成、訪米、トロント・サミット等に見られる首脳外交、そして税制改革を積極果敢に行い、内外の諸問題に大変一生懸命努力なされている姿に接しまして、私も敬意を表しておる一人でございます。 特に、税制改革については、たとえつじ説法をしても我が意を述べんという大変強い決意を示されておるのでございますが、竹下内閣の九カ月を振り返って、今後の政治に取り組む所信について総理の決意をまずもってお伺い申し上げたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 昨年十一月六日、本院の指名をいただきました後、内閣総理大臣を拝命いたしました。それから今日まで振り返ってみますと、いろんなことがあったと思います。しかし、一連の外遊というものを、サミットを中心とし、最終的に、またお許しをいただいて明後日出発いたします中国訪問ということになりますが、私どもの過去を振り返りながら、今の国力、国情に応じた国際的に果たさなければならない役割、「世界に貢献する日本」という考え方でこれからも進めていきたいと思っております。 内にありましては、御指摘のように税制の抜本改革を推進しますと同時に、いま一つやっぱり一極集中から多極分散による、私がよく申します「ふるさと創生」というものの一歩をしるしたい、このようにも考えておるところでございます。 今後とも、調和と活力ということを言っておりますが、とにかく国権の最高機関たる国会等における議論を通じながら、そこに調和点を見つけて活力を生み出していきたいという考え方でございます。
○田沢智治君 私は教育者の一人でもございますし、偉大な教育者孔子は、人を教えてうまずと述懐しております。そして仁の徳を説かれて、仁は人なり、仁とは人を愛することである、こう申されておるのでございます。仁徳のある方が仁愛の政治をすると必ず世の中に平和が訪れる、民衆は喜びを持つ、そういう世の中になるんだ、こう説かれておるのでございます。それゆえ政治家は、常に政治倫理を体して、国民に疑惑を持たれるようなことをしないように努力するとということが政治家にとって一番大事な要点ではないかと私は思うのでございます。 最近、国民が疑惑を抱いて強い批判をしておるものの中に明電工事件とリクルートコスモス社の問題があるわけでございますが、明電工脱税事件捜査の結論が出て、関係者はそれぞれ起訴されたとマスコミで報道されておりますが、明電工事件に関連したと言われる一部の政治家についても、時効や職務権限が立証できず捜査は終わった、こういうような報道がされております。法務大臣、事実の経過について御報告をいただければと思います。
○国務大臣(林田悠紀夫君) 明電工事件の経過について御説明を申し上げます。 中瀬古功明電工相談役に対しまする所得税法違反事件につきましては、東京地検におきまして六月二十七日及び七月十六日の二回にわたり東京国税局から告発を受けて捜査を行いました。去る七月十八日に中瀬古相談役を、有価証券売買を他人名義で行う等の方法により所得を秘匿した上、虚偽、過少の所得税確定申告書を提出して昭和五十九年分の所得税二億千八百万円余、同六十年分の所得税六億一千二百万円余をそれぞれ免れたという脱税の事実で起訴いたしまして、さらに八月八日、中瀬古相談役及び同社の石田篤取締役を、同様の方法により所得を秘匿した上、虚偽、過少の所得税確定申告書を提出し、中瀬古相談役の昭和六十一年分の所得税十二億四百万円余を免れたという脱税の事実で起訴したところであります。 なお、現在までのところ、中瀬古に係る所得税法違反の事実以外に立件、起訴すべき犯罪事実が認められたとの報告は受けておりません。
○田沢智治君 立件できなかったということだと思いますけれども、やはり政治というものは国民自身が我々に信託しているものでございますので、信託した人たちからとやかく言われないような私はやはり姿勢をとっていくということが大事ではないか、こう思うのでございます。 次に、リクルートコスモスに関する疑惑、これはずっといろいろな方々が指摘されておりますが、現在まで解明をしておる大蔵省、どういうふうになっているのか、概要を簡単に御説明ください。
○政府委員(角谷正彦君) リクルートコスモス社の問題につきましては、特に昭和五十九年十二月におきますリクルート社によるリクルートコスモス社の株式の売却、これが第一回と第二回に分かれておりますけれども、合わせて七十六名ということで、五十名を超えますところから、いわゆる証券取引法第四条にいう売り出し行為に該当して有価証券届出書を提出すべきケースであったのではないかという観点から事実を調査中でございます。 この概要につきましては久保委員に申し上げたところでございますけれども、ごく簡単に申し上げますと、株式会社リクルートは、当時税引き前利益の伸び二けたを目指していたわけでございますけれども、減益になるといったことのために、決算対策上の利益補てんの観点から、同社保有の環境開発株式会社、後にリクルートコスモス社と社名変更いたしておりますが、この株式を売却することといたしまして、二回に分けまして約七十六名の者に対しまして、一株五十円額面に換算いたしまして千二百円で売却したと。その売却額が約十五億円であったということでございます。 〔理事遠藤要君退席、委員長着席〕 この「売出し」に該当するかどうかといった問題につきましては現在調査中でございますけれども、この点につきましても久保委員に御説明申し上げたとおりでございます。現在、私どもその可能性が強いのではないかということで調査しておりますけれども、なおまだ四条違反の問題について最終的な結論を得るに至っておりません。なおしばらく事実関係等を調査した上で、今後所要の結論を出したいというふうに考えております。
○田沢智治君 もう少し時間をいただきながら結論を出したいということでございますので、本来こういうような問題は政治の場でこれを究明するということも必要な面もあるかと存じますけれども、行政府がこの程度のものならきちっと自分たちで責任を持ってやりますよというような姿勢を持っていくということと、こういうような問題点が多様化し進展する社会の中で足らなくなっているから、そういうようなものを補完する立法措置をしたとすれば、こういうような問題もある意味におきまして制御できたのではないかと私は思うんです。立法府の責任もそれなりにあるのではないかと私は思うのでございますが、大蔵省の方も調査するんだするんだというだけじゃなくて、やはりきちっとした姿勢で、国民がなるほど行政に任しておけばこういう問題もちゃんとしてもらえるんだなと言えるような姿勢で対応してもらいたいということを要望しておくものでございます。 総理と大蔵大臣にお聞き申し上げますが、リクルートコスモス社の上場により、創業者江副前会長さんが創業者として百四十七億円の利益を享受して全く無税である。一般の国民から見れば大変驚いておると思うんです。創業者なるがゆえに百四十七億円を無税でいただけるという。 私は、民主社会というものは国民合意の社会であると思うんです。生産性本部からの資料を見ますと、二十二歳で大学を卒業して、定年まで生涯賃金として二億三千万円程度をもらうということを見てみますと、これは十倍か二十倍かわかりませんけれども、創業者として大変御苦労なさって上場できるような会社をつくり、そして何千人、何万人という方々がそれを基盤に生活をしているということになると、公共性の高い事業をなさった方だろうと私は思うんですけれども、果たして創業者だからといって天井知らずの創業者利益というものをそのまま放置していいものかどうか。やはり民主社会でございますので、その辺のところをけじめをつける税制改革の中の位置づけというものが必要ではないか、こう思うんですが、この辺のところをどうお考えになられるか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のような意味で、自由社会、市場経済社会におきまして、創業者のいわゆる創業の努力あるいは工夫に報いるということは決して意味のないことではないということでございますが、従来、したがってそういう制度をとっておりましたけれども、このたび御提案いたしました税制改正におきまして、とは申しても、それはそれなりのやはり税負担をしていただくべきではないかということから課税の対象にいたした次第でございます。
○田沢智治君 課税というと、どのくらいの課税になるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは一般のいわゆる申告分離あるいは源泉分離の課税でございます。
○田沢智治君 そうしますと、地方税、国税入れて二六%、あるいは選択によっては一%ぐらいというようなことで果たしていいのか。総理、その辺のところどうですか。私はやはりある程度の合理的な基準が必要であろうかと存じますけれども、創業者なるがゆえに何百億というものが個人の利益になっていいものであるかどうか。この辺のところを私はそうあってはならない、民主社会というものはそういうものじゃない、こう思うんですが、いかがお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 市場経済、いわゆる自由主義経済下において創業者利得というものはこれは認めるということで今日現存しておる、それが無制限であってはならない、例えば株の譲渡益の際においてということから、原則非課税から原則課税になったと。そして、それのいわゆる税率そのものが社会通念上低過ぎるじゃないかとか、あるいはそういう議論は私もあり得ると思うわけでございますので、その辺、国会において御議論をいただく問題ではなかろうかというふうに考えております。
○田沢智治君 この問題については、また税制の特別委員会等があるかと思いますので、その中で議論をしたいと思います。 次に、国際政治、国際経済等について二、三御質問をいたしたいと思います。 近時、国際政治の中で最大のものはINF全廃条約の締結と八年間にわたるイラン・イラク戦争の停戦の実施ができたということだと思うんです。特に昨年の十二月八日、ワシントンにおいて、米ソ両国の首脳が中距離核戦力(INF)全廃条約に調印をし、戦略核の半減交渉も前進したということは、世界の平和実現のために大変喜ばしいことであると私は思うのでございます。軍縮の達成なくして正義なく、正義の確立なくして真の世界平和なしと私は思っております。 特に、我が国は広島、長崎に人類史上二回にわたる言語に絶する悲惨な被爆を体験した唯一の国でございますし、また国連軍縮総会におきましても、核兵器の廃絶と軍縮の実現をたびたび宗教界の代表を含む国民代表者が世界の政治家に対して、危険を冒してまで武装するよりもむしろ平和のために危険を冒すべきであると訴え続けております。さらに、平和を願う青年が軍縮に向けて三千七百万人の署名を集めまして国連事務総長に提出するなど、平和国家日本の印象を内外に示しているということに私は大変感激を持っておる一人でございます。 総理、今日我が国発展の主たる要因を考えるとき、私は、平和憲法のもとに自由を愛し平和に徹し、国是が基礎となって、国民の勤勉にして旺盛なる創造力が相まって、産業技術立国を形成し経済大国日本を構築したと思うのでございます。今後、経済大国日本が平和主義のもとで、世界の平和と人類福祉の増進に大きく貢献しなければならない時代であると思いますが、総理の所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) INF全廃、そして今おっしゃいましたイラン・イラク紛争の終結、あるいはアフガニスタンからの撤兵、今後の問題としてカンボジアの問題等々がございますが、それぞれ言ってみれば、従来から見れば大変好ましいことであるという認識はもとより私も等しくいたしておるところであります。 それについて、今日の日本の繁栄というものは、やはり私は平和という中に構築された、非常にそういう環境に幸いされたことが多かったと思います。もとより日本人の英知と勤勉ということ、これは否定するべくもない大事なことでございますけれども、やはり日本が今日の経済大国あるいは平和国家として胸が張れるようになっておるという事実は、そうした平和という恵まれた環境にあったことであるというふうに思うわけであります。 したがって、今日の国際社会における我が国として果たさなければならない役割というのは、まずは平和に対する貢献ということ、あるいは経済協力の拡充ということ、そして物から心へという意味において文化交流の推進、そういうことにありはしないかということで常日ごろ申し上げておるところでございます。
○田沢智治君 ぜひとも総理、そういう姿勢で平和国家日本という姿を海外に示しつつ、世界の平和と人類の福祉に貢献でき得る日本の姿勢を堅持していただきたいと存じます。 外務大臣、パキスタン大統領の御逝去に弔意を表しに出かけられ、大変お疲れさまでございます。 イラン・イラク戦争終結への道を通りつつあることは私たちも大変うれしく思っておるんですが、国連の停戦監視団に日本も参画しているというようなお話でございますが、日本はとかくお金は出すけれども人を送らぬというような批判を私も海外へ行きますとよく聞かされます。民生の安定のために今後大変いろいろな角度の中で物も送り人も送ってその国々の民衆に幸せを施していく、そういう日本がこれからの平和国家日本の姿であろうかと思うのでございますが、イラン、イラク両国の復興措置について具体的に御相談があるかと思いますけれども、そういうようなときに外務大臣としてどのような姿勢で臨まれるのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
○国務大臣(宇野宗佑君) イラン・イラク紛争が二十日Dデーそして停戦になりましたことは、まことに我々としても祝福すべきことだと考えております。なお、来る二十五日になりますと、デクエヤル事務総長のもとにおきまして両国が直接交渉するという幕を迎えたことも、私は非常に歓迎すべきことであろうと考えております。 今後は、もちろん停戦、撤兵、さらに捕虜の交換、五九八号の中に含まれた実施と、幾つもの重大な段階がございます。それまでに国連といたしましては当然監視団を送ったわけでございますが、三百五十名という非常に大きな規模の監視団が送られました。その三百五十名以外に五名の言うならば政務官が送られておりますが、我が国といたしましては、その中に外務省一名、国連から日本人一名、五名のうちに二名日本人だということは、今日までもなかったことが実現できたわけでございます。 我々といたしましては、今、委員が申されましたとおり、単にお金を出すだけで事成れりというのではなくして、やはり汗をかかなくちゃいけない。総理はいつも、平和に貢献する日本、汗をかく外交と、こう言っておるわけでございますが、さような意味で、今後五九八の内容が着実に実施されるよう、我々といたしましてもできる限りの国連事務総長に対する協力をしていこう、これが今日の姿勢でございます。 なおかつ、当然復興という事態もやってまいりましょうが、そのときには、国際的な枠組みにおける復興に対する協力もございましょうし、あるいはまた二国間におけるいろんな要請についての協力もあろうかと思われますが、極力やはり、両国の傷んでおる国土に対しまして、戦後復興に対しましては日本は全力を挙げてこれを御支援申し上げたいと、かように考えております。
○田沢智治君 そこで、私が御質問を重ねてしたいのは、政府の開発援助(ODA)は第四次中期目標を策定されている、財投も含めて昭和六十三年度の予算ベースでは一兆三千四百億円に達しておる、円高でもあり事業予算ベースでは百億ドルを超えるということでは米国を上回ると言われるにもかかわらず評判が余りよくない。一体何だろうかと、こう思うのでございますが、それはODAの五割以上が借款であるという、アメリカの場合はこれは贈与的なものが多いというところに、日本の援助の質の内容に問題があるのじゃないだろうかと、こう言われておるのでございますが、財政事情等もあるけれども、今後こういう点を改善しながら、やはりこれを必要とする民衆を幸せにしてあげるという意味においては、前向きに対応をすべきであると私は思うのでございますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) ODAに関しましては、量質ともに今日までいろいろと言われてまいりました。しかし、本年度予算を通じましても日本が世界におきまして最大のODAの実施国であるということに相なっておりますが、先般、サミットを控えまして、過去五年の総額よりもさらに倍額、今後五年私たちはODAという対象を大きくしようと、そういうような決定をいたしまして、これは竹下総理みずからが首脳会談で発表なさいました。このことは、非常に大きく国際的に評価された次第でございます。 今、田沢さん御指摘のとおりに、その内容はどうなんだということになりますから、質的面におきましてもやはり無償化を進めるということは必要だろうと思います。特にLLDCに対しましては、既に今日までの累積債務、これは五十五億ドルでございますが、ひとつ全部棒引きしましょうという大胆な政策もとったわけでございますが、単にLLDCだけではなくして、やはり円借款に関しましてはできるだけアンタイドの方がいいのではなかろうかと、かように思います。したがいまして、途上国についてもまた先進国についても、アンタイドで日本はそうした内容を進めていきたいと、かように考えております。 この問題は、非常に大切な問題でございますから、御指摘の線に沿いまして鋭意その内容充実に努めたいと思っておるところであります。
○田沢智治君 ぜひそういうような質のいい援助にしてやっていただきたいと、こう思っております。 そこで、税制改革等について二、三お尋ねを申し上げます。 政府は、やがて来る高齢化社会の将来を踏まえ、現在の税制そのものがやはり給与所得者に重税感というものを大変多く感じさしておって、これを解消していかなければならぬというような中で、高齢化への対応と、重税感というものを感ずるサラリーマンの人たちに減税をしていきたいというような二本柱で税制改革を出したと、こう思うのでございます。多くの国民の中には、税制改革をする前に不公平税制というものを正して、特定の人が特定の理由で正当な課税から免れるということ、果たしてそういうものでいいのかというような大変大きな不満というものがあるのではないだろうか、そういうふうに私は思っておるのでございますが、不公平税制というようなものの中の租税特別措置を最近どのように是正してきたのか、ひとつ現状を大蔵大臣からお話をいただければと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる国民が不公平と感じられるような税制、それなりに租税特別措置法等、政策目的でやってまいったつもりでございますけれども、しかし、不公平税制として言われるものにつきましては、やはり租税をきちんと納めていただくために公平感というのが何より大事でございますので、このたびの改正におきましても、先ほどから御議論のあります有価証券譲渡益、キャピタルゲインというものは原則として課税をする、あるいは社会保険の診療報酬につきましても、これも意味なしとしませんが、やはり御批判のある部分は直した方がいい、あるいは法人が土地を取得する場合に、値上がりを期待して借入金だけを経費にするというのはいかにも話がうま過ぎるではないか。相続税につきましても、実はある程度土地を買い込んでおくというようなこと等々、それらのことはやはり直した方がいいということから、このたびの改正におきまして改めさしていただきたいと考えておるところでございます。 間接税につきましても、やはり自動車とかあるいは家庭電器製品がほとんどの物品税の負担をしょっておるという感じは、いかにもその他の物品から見ますと、比較してみますと不公平感がございましょうし、所得税につきましても、御指摘のようにちょっと昇給をするとすぐ高い税率に変わるというのは重税感、それはやはり不公平感に通じるんだと思いますが、こういうことも直してまいりたい、といったようなことをこのたびの抜本改正で改めさせていただきたいと考えております。
○田沢智治君 そういうような意味では大分改善されたと思っております。キャピタルゲインについても、これもひとつ徹底した形の中で位置づけして国民に理解を求めていただきたいと思います。医師税制についても僻地の医師を対象に、収入五千万以下の人に適用することになったということではかなり改善したのではないかと私は思っておるのでございます。 そういうような意味から、いろいろ不公平税制の中に言われておるのがございます。例えば世間一般では宗教法人はすべて無税ではないか、こういうように受け取られておるのでございますが、宗教法人に対する税制の概要についてひとつ御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 宗教法人も法人の一種でございますから、法人税の課税対象になるわけでございますが、宗教法人を含みますところの公益法人につきましては、特定の項目の収益事業を行う場合に限りましてこれを課税対象にいたしておるところでございます。 したがいまして、宗教法人の場合におきましても、そうした一定の範囲の収益事業を行います際には、ほかの公益法人と同様に二七%の法人税が課税になるわけでございます。この収益事業の範囲につきましては、それぞれのそのときの社会経済情勢の変化に応じまして適正なものとなるよう見直しをいたしておるところでございまして、私ども、公益法人の中で、宗教法人であるがゆえに特別の軽減をし、あるいは免税をしておるということはないと考えておるわけでございます。
○田沢智治君 そこで、今回野党の不公平税制の是正についての共同案がまとめられたと新聞に報道されておりますが、その中で宗教法人に対する課税のあり方が言われております。憲法で保障されておる信教の自由を侵すような課税は私は絶対してはならぬ、こう思うのでございますが、大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる心に税金をかけるというようなことは、これはあってならないことだと思います。
○田沢智治君 やはりその原則をきちっと守っていただきたいと思うのでございます。私も、現行の宗教法人に対する税制にはそれぞれそれなりの理由があると理解しております。 最近、一部とはいえ、宗教と緑の薄い人々が大仏や観音像など観光施設をつくって宗教をビジネス化しようとする遺憾な動きがあると聞いておりますが、これらについてどのように対処しようとしているのかお伺いいたしたいと存じます。
○政府委員(横瀬庄次君) ただいま田沢委員の仰せのとおり、一部とはいえ宗教法人において不祥事が生じておりまして、国民の強い批判を招いておりますことは極めて遺憾であると考えております。 私ども文化庁といたしましても、宗教界に重大な反省を求めておりますとともに、本年三月三十一日付をもちまして、全国の十八万余の法人の大半を所管いたします都道府県知事に対しまして「宗教法人に対する認証事務等の取扱いについて」という通達を出したところでございまして、この通達は、とかくその実体と相違のある認証が問題の発生の原因になることが多いということ、それから収益事業についてよく問題が指摘されるというようなことにかんがみまして、認証事務を中心にいたしまして適正化を図ることを期待したものでございまして、今後ともこの通達の趣旨を徹底することによりましてこうした事態が生じないように努めてまいりたいと思います。 それから、本年度と明年度の二カ年にわたりまして、宗教法人の行っておる事業につきまして調査を実施することとしておりますが、こうした事業調査を把握することによりまして、最近の宗教法人の収益事業をめぐって主に起きている問題に対応してまいりたいと考えております。
○田沢智治君 大蔵大臣に私お伺いしたいんですが、教育は原則として非課税にしようと、その中で授業料と入学検定料だけが非課税となって、親の負担というものが大変大きい入学金や施設整備費等が課税されておるのでございます。十六歳から二十二歳までの割り増し控除制度を設けた意義がそういう意味ではやや薄れておるのでございます。 また、特に三歳児を幼稚園に入れている二十三万人の年若い親には就園奨励費というのは恩恵がないわけです。減税の対象にされていない。非常に残念だと思うんです。三歳児の就園率を高めて情操豊かな人間というものをつくる。やはり人間教育の基本は小さいときにきちっとした教育を施すということ、美しいものを見て美しいなと、真実なるものを見てより真実に生きてみようという人間的な欲求というものを育てるということは、もうそのころの子供たちが一番適しているんじゃないだろうか。大いに三歳児を幼稚園に上げて、親に孝行し、友達と仲よくして、我はやはり世のため人のために尽くす人間になるんだという、そういう心の情操を養わなきゃならぬと思うんです。世界先進諸国はほとんど非課税になっておるんです。 実質的には私学の財政というものは、御承知のとおり、授業料、入学金、施設整備費の三本柱で賄っておって、実質的な次元ではこれが二つ課税対象になりますと、親の負担というものが当然ふえてくるのではないかと思うんです。そういうような次元で私立大学連盟九十六校が六十一年度の私学白書をつくったんですが、その中で累積赤字が二千四十一億、しかも人件費が六〇%である、こうなっておるので、この辺のところについてひとつ御検討をいただかなければならないんじゃないだろうか。せっかく父兄負担を軽減するということになっているが、そういうものを課税したとすれば結局父兄にまた転嫁するということになりますので、そういうような点を含めてひとつ御検討いただきたいということを私はお願い申し上げたいんですが、大蔵大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは二つございまして、一つは、このたびいわゆる割り増し扶養控除制度というものをやった。これは御承知のように、中堅サラリーマンの負担がいかにも重い、そのための税率を一本あるいは二本でライフステージが終われるようにという工夫はいたしましたが、それでもなお十六歳から二十二歳までの扶養家族を持つ親御さんは非常にその負担が大きい、それは主として教育等々に関するものであるということで割り増し控除制度をさせていただきました。 委員の御指摘は、そうであれば、しかしそれは幼稚園児等にも同じような問題があるのではないかということでございます。この点はいろいろ議論もいたしましたが、そこまで及ばずに今度の制度で一応区切らせていただきましたが、将来の検討課題にさせていただきたいと思います。 もう一つの問題は消費税の関連でございまして、このたび授業料あるいは入学検定料を非課税としたけれども、入学金等々はどうしたのかということは、これはいかにも私どもの党内でも御承知のようにいろいろ議論をいたしたところでございました。一応それらのものは、教育の最も基本的な対価であると考えられる授業料そのものとはやや性格を異にするのではないかということからこのたびのような立法を考えさせていただきましたわけでございますが、御指摘の点もまた十分理由のある御指摘かと思います。将来検討させていただきたいと思います。
○田沢智治君 大蔵大臣、授業料だけでは教職員の人件費は払えない、私も経営していますからよくわかるんです。そういう三要素を含めて、私学は苦労しながら、特に日本の高等教育の八〇%を私学が担っているんですから、その辺のところをぜひ真剣に考えてくださって、やはり大蔵大臣、愛ある政治をひとつやっていただきたいということを要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。(拍手)
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。 以上で田沢智治君の質疑は終了いたしました。 それでは、十分間休憩をいたします。 午後三時四十分休憩 ─────・───── 午後四時開会
○委員長(初村滝一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 及川順郎君の質疑を行います。及川君。
○及川順郎君 公明党・国民会議を代表いたしまして、今回の事案につきましての質疑をさせていただきたいと思います。 まず、本論に入る前に若干時局に関する問題を伺いたいと思っております。 明日、総理は、潜水艦「なだしお」の事件、この犠牲者の合同慰霊式に参列をする、このことを承っておるわけでございますけれども、先ほど来からこの問題に関しての事実関係、事故の原因その他の問題等につきましては同僚委員の方から質疑が出ましたので、私の方からその関連につきまして、現在海上保安庁や海難審判庁で捜査をしている、取り調べをしているという状況でございますが、この点の結論が出るのがいつごろの見通しを持っておられるか。一説によりますと、普通は一年ぐらいだけれども今回は三カ月ぐらいで終わるだとか、諸説いろいろございますので、この点を明確に承っておきたいことと、先ほど、どうも防衛庁長官の責任問題だけがきょうのニュースでも若干取りざたされているようでございますが、海上自衛隊を含めた責任のとり方はどうなるのか。 あわせまして、私は、今回の事故を通しまして海上自衛隊に対する日本国民の信頼感というのはまことに失墜したんではないか、こういう感じがするわけでございます。犠牲者の霊の前に立たれる総理といたしまして、その心境をお述べいただければと思うわけでございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(竹下登君) 明日、慰霊式を行うことになっております。お許しを得て私も出席したいと思っておるところであります。 今回の事故は、海上自衛隊を一方の当事者として多くのとうとい生命を失うことになったことでございますから、本会議等でも言葉を選んで申し上げましたが、まことに痛恨のきわみであり、まことに遺憾だと思います。同時に、この事故の原因がいかなるものでありましょうとも、一方が自衛艦であるということについて率直に私は申しわけなく思うというのが慰霊式に臨みますところの私の心境でございます。 お述べになりましたように、今回の事故に関連しまして自衛隊にさまざまな御批判があることは私も承知しております。今後ともこの事故の貴重な教訓を生かして再発防止に努めていかなきゃならぬ。御指摘なさったとおり、国民の信頼あってこその自衛隊であるということを私自身も十分肝に銘じておるところでございます。 それから、海難審判庁の結論等につきましては、いわば刑事犯的なものに属することでございますので、私から申し上げますよりもやはり当局からお答えした方が私は適切であろうかと思います。 なお、落としましたいわば制服の責任等の問題につきましては、その原因究明の結果に当たりまして十分対応すべきものであると心得ております。
○政府委員(山田隆英君) 海上保安庁といたしましては、現在潜水艦の事故に関連いたしまして原因究明並びに責任の所在についての捜査を行っておるところでございまして、ただいま先生からお尋ねのいつごろ結論が出るかということでございますが、私どもとしてはこの事件の重大さにかんがみまして、できるだけ早く結論を出したいということで現在鋭意調査を実施中でございます。 ただ、具体的な時期につきましては、他方、海上の特殊性からなかなか現場の事実等を確認することが難しいというようなこともございまして、またこの事件の重大性からいえばやはり慎重を期すべき点もございますので、現段階ではっきりした時期についてはまだ申し上げる段階にないということを御理解願いたいと存じます。
○及川順郎君 私は、事故直後に現場へ行ってまいりました。高い荒れ狂う波の海原を見つめながら本当に涙する思いでございました。改めて亡くなられた方々に心から哀悼の意を表したいと思いますし、どうか関係者におかれましては少しでも御遺族の方々の心が慰められるように心を尽くしていただきたい、このことを申し添えておきたいと思います。 次は、けさのテレビの放映で、沖縄の石垣島新空港の建設問題をめぐりまして、一つは、この新空港建設を促進する当局とアオサンゴ礁の保存を求める人たちの意見が非常に対立をしまして、なかなか問題点を残しているというような放映がなされております。 この沖縄の石垣島新空港をめぐりましての許認可の今日までの状況、さらにはこの問題に対する現在までの認識等を関係当局からお伺いしたいと思います。
○政府委員(林淳司君) 新石垣空港でございますが、これは沖縄県が設置、管理をいたしますところのいわゆる第三種空港でございます。 それで、当初大型ジェット機が発着できるようにということで、二千五百メートルの滑走路を持つ空港ということで昭和五十七年の三月に航空法に基づく設置許可を受けたわけでございます。その後、空港予定地の南側に存在いたしますアオサンゴ、この群生の保全という問題が生じましたために、沖縄県といたしましてはこれについてのいろんな調査をいたしまして、昨年の八月に当初計画を変更いたしまして、そしてその滑走路を五百メートル縮めるということで、いわゆる中型ジェット機の発着空港ということで二千メートルの滑走路に計画変更をしたいということを昨年の八月に県としては決定をされたという経緯がございます。 そこで、沖縄県といたしましては変更されましたこの計画に基づきまして、現在公有水面埋め立てにかかわりますところのいわゆる環境アセスメント、これを実施しているところでございまして、既に環境影響評価準備書、これの縦覧を終えまして、知事意見あるいは住民意見というものを既に出されまして、それに基づいて事業実施者である沖縄県として環境影響評価書を現在作成中であるというふうに聞いております。 したがいまして、許認可の関係から申しますと、この変更計画に基づくいわゆる航空法上の施設変更の許可申請というのは、まだこのアセスメントをやっている段階でございますので、その申請が行われる段階にはまだ来ておりません。したがいまして、私ども運輸省といたしましては県の環境アセスメント、その推移を見守ってまいりたい、その上で適切に対処したいというふうに考えております。
○及川順郎君 白保のアオサンゴにつきましては、やはり少なくとも形成には千五百年ぐらい経過して、国際的にも学術的にも非常に貴重な価値があるということが指摘されておるわけでございますが、この保存に対する環境庁としての見解と、あわせまして、新石垣島空港の建設そのものについての運輸大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(堀内俊夫君) 現在、石垣島の環境アセスメントの過程にある段階でございますので、私の方からこの問題について意見を述べることは適当でないと思います。
○国務大臣(石原慎太郎君) 運輸省の姿勢は先ほど航空局長が申し上げたとおりでございますが、私、さきに衆議院の予算委員会でちょっとコメントいたしまして、いろいろ御批判も賜りましたが、幸いか不幸か、ともかくほとんど同じ工法で奄美に新しい空港ができました。あそこにもすばらしいサンゴ礁がございましたが、それがその後どうなったかということを正確にやはり察知することも、私は沖縄が行うアセスメントの有力な手がかりになると思っております。
○及川順郎君 外相にお伺いします。 メキシコからパキスタン、帰国、どうも御苦労さまでございます。大統領の国葬へ参列されまして、私たち国内におりましても、ハク大統領の突然の逝去は国際的にも大変大きい痛ましい事故でございます。心から哀悼の意を表したいと思います。 両国を回りまして、公式日程からこの国葬へ、それぞれの国で外相もいろいろと意見を交換されてきておると思うのでございますが、特に経済的な援助、それからもう一つはアフガン撤兵をめぐっての具体的な援助等についても言及されたということが報道されておりますけれども、今回回りましての御所見がございましたら承っておきたいと思います。
○国務大臣(宇野宗佑君) メキシコとはちょうど修好通商条約締結百周年に当たりまして、日本でも先般記念行事をやったんですが、そういう記念行事で参った次第でございます。 特に、明治政府が頭を痛めました不平等条約、これをぜひとも日本の当時の政府は改正したいというときに、先駆けてメキシコが平等条約を締結してくれた。これは非常に大きな意味がありまして、我が国の近代化に大いに貢献をしていただいた。そういう感謝の意味も込めております。 現在、御承知のとおり、中南米は政治的には極めていろいろな事件が起こっております。しかしながら、そうした事件を通じましても、日本と友好を保っているグループは何とかやはりお互いに平和を求めたいという考え方がございますので、来る九月の国連総会では、メキシコを中心といたしましたリオ・グループというグループがございますが、参加国が七カ国ぐらいだろうと思いますが、そうした国々がやはりこぞって日本との経済協力、そうしたものを今後一層強化したい、こういう希望を持っておられます。 特にメキシコは、御承知の累積債務国でございます。これは途上国ではなくして——途上国でありますが、中所得国の累積債務問題。しかしながら、メキシコ政府は御承知のとおり債券化をして、そして国際的なそうした機能の中においてこれを解決したい、こういう意欲を持っておられますから、これに対しましては当然我が国といたしましても評価をいたしております。しかし、非常に難しい問題でございますが、国際的な枠組みの中においてやはり中所得国が累積債務から抜け出してもらって、そして今後世界の経済の繁栄に寄与してもらうことは大切なことである、そうした趣旨の意見の交換をしてまいりました。結果といたしましては、ますます中南米と日本の関係はその面におきましても非常に親善が深まるのではないだろうか、かように思っております。 パキスタンは、御承知のように、ハク大統領の不慮の死というふうな不幸な事態が起こりましたので、総理から特使として行けという御命令を賜りましたので、早速回った次第でございます。途中飛行機の事故がございまして、その公式なお葬式には参列できずに残念だったのでございますが、翌日、献花いたしました。日本国を代表して弔花をささげた次第でございます。そのかわりに大統領代行また外務大臣とゆっくりと会談をするという機会を得たわけでございます。 特に、やはりアフガンが既に整々として今進んでおりますから、パキスタンはこのアフガンに関しましては大変な関与国であります。したがいまして、ジュネーブの合意が着実に実現できるように、やはりパキスタンの政治が安定するということが大切なことであるということを申し上げました。なおかつ、そのためには、いっぱいパキスタンにもアフガンの難民がおられるわけでございますから、その方々が帰られる初期においてどういうニーズがあるか、あるいはまたアフガニスタンの中におられる難民に対してもどういうふうなことができるか。さらには地雷が相当まかれております。まかれておるという表現の方がいいんじゃないか。私も何万個ぐらいの頭であったのでございますが、アメリカ政府等々の推測によりますと一千万個、それ以上ということでございます。これは普通の鉄製の地雷だとあるいは探知器が利用できるかもしれませんが、そうしたものでございませんので、しかも飛行機からまかれておりますから、したがいましてこれをまず撤去する、そうでなければ安心して難民の方々も帰れない、こういうことでございます。 したがいまして、そういう面におきましても、やはり一日も早く平和がよみがえりまするように、日本としてはどういうふうなことができるかということにつきましてもお話をいたしました。もちろん、医療、食糧さらには水の供給、こうした面に関しましての専門家の派遣、こうしたことも必要に応じまして我が国は貢献をいたしたいと思っておりますから、ひとつ関与国としてパキスタンも何とぞ政治の安定を図られつつ、この問題の解決になお一層の御努力のほどをお願いする、これが私の会見のざっとした内容でございます。大統領代行また外務大臣もそのことに対しまして非常に感謝をされました。 以上であります。
○及川順郎君 どうもありがとうございました。 総理になられまして初めて中国訪問ということになるわけでございますが、我が公明党といたしましても、日中国交にはそれなりの役割を果たした経緯もございまして、日中関係のよりよき進展に対しましては私どもも強い関心を持っておるわけでございます。 今回の訪中に対する基本的な総理の姿勢をまず承りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 昭和四十七年の国交正常化、そのときに竹入・周会談というものが数回持たれ、それが日中国交正常化に大いに寄与したという歴史は私もよく承知をいたして、感謝を申し上げておるところでございます。 さて今度は、昭和五十三年の日中平和友好条約締結、その後目をみはる友好関係の増進というものがございますが、まさにその十周年、こういうことに当たりますので、私といたしましては、この日中関係の基盤を強化して、まさに不滅のものにしたい、こういう気持ちで、せっかくの政府からの御招請をいただきましたのでお許しをいただいて参りたい、そしてまた政府首脳と忌憚のない意見交換をしたい、このように考えております。
○及川順郎君 中国の孫平化中日友好協会会長並びに首脳陣の中に、日中関係を前進させるものを阻害しているのに三つの問題点があるということを指摘しておるわけでございますが、この障害となるべき三つの問題、一つ一つこれを指摘する必要もないと思いますけれども、この問題につきまして、総理として歯にきぬ着せずに率直な意見を交わして理解を深める御努力をされた方がよろしいのではないか、こういうことを強く感ずるわけでございますが、この点についての御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) このたびの訪中につきまして、孫平化先生は、これは私事にわたりますが、早稲田大学の名誉博士号もいただかれた古い友人でございます。孫平化先生がいろいろなことをその都度私どもにも友人としての注意を賜っておりますが、まず歴史上の認識としては、やっぱり昭和四十七年の国交正常化共同声明の原点に立つべきであろうというふうに思っております。 そして、いわゆるこれだけの交流が深まりますといろんな問題が起きてきております。その都度双方の努力によって解決をしておるわけでありますが、光華寮問題等につきましても、私といたしましては、我が国におけるいわゆる司法の独立というようなことに対して十分な理解を得ながらも、双方で納得のいく解決の方法について今後とも努力していく姿勢を私なりに示さなければならぬというふうに思っておるわけであります。 さらには、いわゆる台湾問題、最近、両岸問題とこう言われておりますが、これがいろんな面で促進されておるということは私は喜ばしいことだと思っておりますので、そうした問題に対することを評価いたしますと同時に、そしてまた我が国の経済協力問題等につきましても、政府のやれることはおのずから限界がございます。投資保護協定がせっかく締結されるこの年でございますので、民間ベースで、お互いのために益するような状態が醸成されますように意見交換を行ってまいりたい、このように考えております。
○及川順郎君 今、御答弁の中にもありました経済問題等にかんがみまして、第三次円借款、これの具体的なテーマになるわけでございますが、この基本的な考え方とあわせまして、現地における日本国企業の企業活動が非常にやりにくいという状況がございますが、この辺の環境改善にどういうぐあいに取り組まれるのか。 あわせまして、ココム違反等に見られました共産圏に対する輸出規制というものが、対中国の関係におきましては、ほかの国々と比べまして特段の配慮をされるお考えかどうか、この点につきましてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申しましたように、何としても対中投資問題ということになりますと、これは一定の進展をもたらしておりますけれども、法制上の不備でございますとか、体制の違う国でございますので、今、御指摘なすった環境の整備ということが何よりも大事であることは私も全く同感でございます。したがって、日中投資保護協定、これの法的枠組みをまず整備して調印するわけでございますから、そこで両国の投資交流の促進が一層期待されるきっかけとしたい。で、私どもの後、また投資ミッション等の予定ももう既に立っておる状態でございますので、一つ一つ具体的に、これらの環境整備のための我が方の希望も申し上げて、忌憚のない意見交換をしたいというふうに考えておるところでございます。 貿易問題については、実に国交正常化当時と比べますと十四倍ということでございます。そうしてココムの問題につきましても、確かに御指摘ありましたいろんなトラブルと申しましょうか、お互いにとって不利益な問題があったと思いますが、これは担当省の努力によって逐次それらが解消あるいは緩和されてきております。そうして、今度は国際的な場所におきましても中国というものが、私どもが考えておる中国という範疇の中でそれぞれ融和されていく方向で今後も努力していくべきものであるというふうに考えております。
○及川順郎君 今回の訪中で、総理は、敦煌遺跡の保存修復事業への協力、これを表明するというぐあいに伝えられておりますが、人的交流という観点から考えますと、日中間の青少年交流の拡充、あるいはまた中国からの留学生に対する就学援助金の拡充、あるいはまた中国における日本語教育への援助、これが非常に文教関係としては大事な観点になってくると思いますけれども、この点についての文部省のお考えがあれば承りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 文部省から具体的にお答えすると思っております。 まずは、日中間の青年交流、これが大変活発になってまいりました。それから留学生、これも大変な増加、急激な増加とでも申せると思います。国費留学生の場合、それから私費留学生の場合、それぞれの対応の仕方はございますが、宿舎の整備あるいは関連施設を総合的に推進していく等、また最近は、民間にもお世話になりまして、企業の独身寮の開放というようなことをやっと五百室でございますか、この間提供を受けることができまして、それらを今度はお世話する財団等をつくるというところまで進んでまいっております。 それから日本語教育も、こちらから協力隊の方等が行かれての日本語教育、それから向こうから留学生がいらっしゃるその前の事前教育等についても、逐年、これは予算的にも、そうしてまた人数の点につきましてもふえてきておるということでございますが、引き続きこの問題に努力をしたいというふうに思います。 それから敦煌の問題につきましては、これはシルクロードというものがございまして、言ってみれば東西文明の砂漠の中のギャラリーというような印象を私自身は持っておりまして、全体に史跡等はたくさんある国であると思いますが、それのモデル的なもの、あるいは基礎的なものがそこに実現されていく、そういう形での協力がどのような形でできるものかというようなものも御相談申し上げてみようと思っておるところでございます。
○国務大臣(中島源太郎君) 中国からの留学生問題についてお答えをいたします。 ほとんど総理がお答えになりましたけれども、六十二年現在で二万二千人の留学生のうち、中国からは約五千七百名おいでいただいておりまして約二五%でございます。また、そのうち中国の政府派遣の留学生という方々がいらっしゃいまして、約六百名弱来ておられます。この方々につきましては現地で日本語教育を既にしておりまして、日本人の教員を約十九名、長春に九名、大連に十名ということで、約六カ月間でおのおの百名ずつ、日本語並びに数学を初め基礎教科を教える、こういうことをいたしておるわけでございます。 一般論で申しますと、総理おっしゃいましたように、私費留学生対策、あるいは国費留学生の拡充、あるいは日本語教育、それから宿舎の整備、こういう四点につきましてそれぞれ拡充をしていく途上にございますが、特に中国関係の方々にも一層充実を期してまいりたい、このように考えております。
○及川順郎君 日中関係の最後の設問でまことに恐縮ですが、高知学芸高校の修学旅行生が大変痛ましい事故に遭ったということで、慰謝料等を含めた補償問題、今、折衝中でございますが、どうも事務レベルでは隔たりがあり過ぎて限界であるというこういう状況でございまして、今回の総理の訪中の期間にこの問題等について言及されるお気持ちはございますでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 政府としては、本件の補償交渉は日中双方の当事者間で話し合われるべき問題ではあるが、この話し合いが円滑に進められるようにできる限りの親身になったお手伝いを行うことが適当だ、これもまたそういう親身になって環境の整備を行うことが必要だという基本的な考え方に立っております。この問題につきましては、第三回会合が延期されたというような報道がなされておりますが、双方当事者の歩み寄りというのは引き続き努力されていくであろう。その間にあって政府として親身なお手伝いをするのは当然のことである。 今おっしゃいましたように、高知県の御遺族の方等から私が訪中する際に話し合いをしてほしいという要望が寄せられております。本日も石原運輸大臣から閣議終了後、この問題の経過についてのお話を私も伺ったところでございます。したがって、この問題についてどういう形でお話し合いをした方が最も効果的であろうかということを念頭に置きながら対応していきたいというふうに考えております。
○及川順郎君 金融政策に移りたいと思いますが、まず大蔵省に伺います。 株式市場における時価総額の推移につきまして昭和五十八年度から本年まで、本年は推計という状況もあろうかと思いますけれども、株式市場の時価総額の推移を年別に明示していただきたいと思います。 あわせまして、最新年のGNPでGNPの約何倍ぐらいになっておるか、この推計もあわせてお示しいただきたいと思います。
○政府委員(角谷正彦君) 株式の時価総額でございますが、ちょっと手元には五十九年からの資料しか持っておりませんのでお許しいただきたいと思いますが、株式の時価総額でございますが、五十九年度末で百八十三兆、六十年度末で二百三十六兆、六十一年度末が三百五十五兆、六十二年度末が四百三十二兆でございます。また、六十三年六月末の時価総額は四百四十四兆円でございます。それから、六十三年度の見通しにつきましては、今後の株価の動向いかんでございますので、ちょっとその見通しを申し上げる状況にはございません。 それから、六十三年度の時価総額の見通しがGNPのどのぐらいになっているかということでございますが、六十二年度について見ますと、GNPの速報値は三百五十一兆円でございます。それに対しまして株式の時価総額が四百三十二兆円でございますので、その倍率は一・二倍となっております。なお、最近時点におきます六十三年度六月末の時価総額は四百四十四兆でございます。それに対して六十三年度のGNP政府見通しは三百六十五兆円でございますので、やはり倍率は一・二倍と、こういうことになっております。
○及川順郎君 日銀総裁、きょうは参考人でありがとうございます。 同点か総裁に伺いたいと思いますけれども、アクトン社の分析によりますと、日本の不動産時価総額は千兆円に達し、米国の二倍、株式の時価総額もGNPの一・二倍と、日本経済は株と不動産で異様なインフレを現出しているということを指摘しておるわけでございますが、低金利の時代で、よりもうかるところに金が集まるというのは、これが世の常とは申しますけれども、株式という特定市場に巨額な資本が偏るという現在の日本の金融状況を日銀総裁はどのように認識しておられますでしょうか。
○参考人(澄田智君) お答えを申し上げます。 株価がかなり大幅に上昇し、また株式市場の規模が急速に拡大しているという現象が近年見られることは事実でございますが、ただいまおっしゃられましたように、株式市場に巨額な資本が偏在しているという状態は、経済全体を見た場合には必ずしもそうではないのではないかというふうに思っております。 すなわち、まず資金の調達面から申しますと、近ごろ大企業を中心に銀行借り入れのウエートま低下しているという傾向はあるとは申しながら、なお資金調達において銀行からの借り入れの占める割合というものは、これは八割近い割合を占めている、こういうことでございますし、また有価証券の形でもって企業が資金を調達するという中においては、社債等の方がそのウエートが高い、こういう状態でございます。 一方、個人の投資家の資金運用面というような点で見ましても、銀行預金もあり、公社債もあり、株式はもちろんあるわけでありますが、信託、保険等さまざまなものがあって、株式のウエートは特段に高いというわけではないわけであります。 いずれにいたしましても、言うまでもなく株式市場は、経済の発展に必要な自己資本を企業に供給するという重要な役割を担う一方、投資家サイドから見ますると、他の金融商品に比べて価格変動のリスクが大きい、こういうような特性を持っているものでありまして、したがいまして、私どもといたしましては、金融機関や個人あるいは企業それぞれ資金の調達、運用の場合に、その特性を十分に正確に理解した上でそれぞれの自己責任において資金の調達、運用の形態を選択することが重要であるというふうに考えているわけであります。 そういう意味におきまして、最近の株価の動き等が目立つわけではございますが、我が国の金融資本市場全体を見た場合には、それぞれの商品がその特性に応じて相互に競争したりあるいは補完をしたり、そういう形であるというふうに、そうして全体として機能しているというふうに理解をいたしているものでございます。
○及川順郎君 もう一、二点お伺いしたいんですが、一つは、マネーサプライが非常に高進をしておるわけでございまして、俗に言われるM2プラスCD、日銀券、いずれも昨年春以来一〇%以上の伸び率を示しておるわけですね。この原因には、やはり史上最低の公定歩合、もう一つは為替市場に対するドル買い介入を指摘する、特に昨年一年間で五兆四千億を超える為替市場へ介入したドル買い、円の散超が原因ではないかと指摘する声が多いわけでございますが、このマネーサプライを絞り込む政策という、すぐインフレにならないにしても、これを懸念する声というものは国際的にもあるわけでございまして、この点に対するお考えを次に伺いたいと思います。
○参考人(澄田智君) 御指摘のとおり、マネーサプライは引き続き高目の伸びを続けております。M2プラスCDに見ますると、七月も前年比一一・一%という二けた台の伸びを続けておるわけでございます。 こういったマネーサプライの高目の伸びの背景といたしましては、金融自由化の進展のもとに、CDとかあるいは大口定期預金等マネーサプライの対象になる資金にシフトをしたという、そういう技術的な要因も影響いたしておりますが、やはり基本的には長期にわたる金融緩和、この間の金利の低下によるところが大きいというふうに考えられるわけであります。 先ほど、ドル買い介入による資金の散布ということを挙げられましたが、この点につきまして申し上げれば、それがマネーサプライの増加につながるという点には、しかし、銀行の資金ポジションあるいは金融市場全体に過度に介入の結果、引き緩みが生じているというような場合には、私どもの金融調節という手段があるわけでありまして、売りオペやあるいは貸し出しの回収等によって適宜資金の吸収を図って、介入のために散布された資金を中和するように努めてきたところでございます。 基本的には、やはり金融緩和、金利の低下ということによるものでございますが、しかしながら、この点は、私どもがこれまで金融緩和政策をとってまいりましたのは、我が国経済の課題であります対外不均衡の是正のためには金融緩和による内需拡大が必要である、そういう判断に立ってきたものでございます。 ただ、マネーサプライの管理といたしましては、金融機関に対しては常に節度ある融資態度を維持するように要請してきたところでございまして、こういうこともありまして、マネーサプライの増勢もここ数カ月幾分鈍化をしてきている。本年二月の一二・四%というのがピークでございました。現在それが、先ほど申しましたように、一一・一ということになっていると、こういうことでございます。 いずれにいたしましても、金融緩和の政策を維持することが今日までできておりますのは、やはり最近に至るまで卸売物価、消費者物価ともに落ちついた状態であるということが背景にあるわけでございまして、こういう点から申しまして、マネーサプライが今後さらに増加をするというようなことになりますと、これは必ず将来のインフレ懸念に結びつく、そういう要因を持っているものでございます。したがいまして、今後ともマネーサプライの動向が万が一にも物価安定の基礎を損なうということのないように、私どもといたしましては、金融政策の運営に当たって、マネーサプライの動向を含めまして、内外の諸情勢を注視しつつ、適切かつ機動的に対応を図ってまいるという所存でございます。 なお、付言いたしますると、マネーサプライを絞り込むためには公定歩合を引き上げるとかあるいは窓口指導を行う、こういうことになるわけでございますが、現在の物価の状況等を見て、我々は十分注意をしながらも、しかしまだそういうようなことを必要とする段階には至っていないと、かように考えているところでございます。
○及川順郎君 最後に、総裁、もう一点伺いたいわけでございますが、今回リクルート問題が大変なテーマになっておるわけでございますけれども、この長期にわたる金余りが、消費に結びつかないで一般物価を押し上げなかったけれども、それが土地や株に偏って資産インフレを起こしたということは、これは事実でございます。今回のリクルート事件などは、こうした金融市場の構造的な土壌の上に政治家が関与した典型的な構造汚職であるという指摘があるわけでございます。この指摘に対しまして、このリクルート疑惑を金融政策の面から総裁はどのように認識をされておられるか、承りたいと思います。
○参考人(澄田智君) いわゆるリクルート問題につきましては、現在もなお関係当局において調査が行われている段階であると承っております。また、私どもとしてこの問題の詳細を承知いたしているわけでもございませんので、現在の時点におきまして私の立場からコメントを申し上げるということはいかにも適切でないと、こういうふうに思うわけでございまして、したがいましてお答えは差し控えさせていただきたい、かように思うわけでございます。 なお、今回の問題を契機に、大蔵省の証券取引審議会の不公正取引特別部会において、新規の公開株の株価の形成等の問題を含めまして審議をする予定であるというふうに承っておりますが、これは、株式市場に対する投資家の信任を確保する上で時宜を得た措置である、かように思っておる次第でございます。
○及川順郎君 澄田参考人、どうぞ結構でございます。ありがとうございました。 リクルート問題に入りたいと思いますが、本来私は、余りこういう問題をテーマにするのは性に合わないことでございますが、避けて通るわけにはまいりませんので、多少御無礼な発言があるかもしれませんが、これはお許しをちょうだいしたいと思います。 まず最初に、金融的な面から大蔵省にお伺いしたいわけでございますが、リクルートと取引関係にある金融関係の中には住友信託銀行、三井信託銀行のように、銀行の役員がリクルート関連の金融会社から融資を受けてリクルートコスモスの株を購入し、その中には売買差益を手にしている人もいるわけでございますが、金融機関を監督する立場から、大蔵省としてはこの問題をどのように認識しておられるでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 御存じのように、金融機関はその公共性にかんがみまして、個々の役職員の業務遂行の適正を期するとともに、役職員が万が一にも金融機関の信用を傷つけるようなことがあってはならないということでございます。したがって、今申し上げたような考え方のもとに業務の運営に当たるべきものというふうに考えるわけでございます。 そこで、今、委員が御指摘のような事実が仮にあるといたしました場合に、まず金融機関におきまして、今申し上げましたような観点からこの問題にどう対応するかということが一つあるわけでございます。したがいまして、行政当局としては、まず金融機関の自主的な対応を見守ってまいりたいということでございます。
○及川順郎君 見守るということで、大変消極的な印象を強くするわけでございますが、では、リクルートコスモスに対する金融機関からの融資がここ一、二年で非常に急増しているということは事実でございます。その関連を見ますと、リクルートの借入金内訳三千六百六十億、リクルートコスモス五千二百五十億、ファーストファイナンス六千五十億、ざっと見ましても一兆五千億近い融資がなされておるんですが、この事実に対してはどのように認識されておりますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今、御指摘の点のうち、リクルートコスモスにつきましては有価証券報告書に具体的な数字が出ております。ただ、それ以外のファーストファイナンス等につきましては、大蔵省としてはそれを知り得る立場にございませんので、したがって、申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、リクルートコスモス社に対する融資につきましては、有価証券報告書によりますと、六十一年四月末で千八百八十二億円、それから六十二年四月末で三千七百二十二億円、六十三年四月末では五千百九十九億円というふうに、このところかなりの増加を示しているということはおっしゃるとおりでございます。
○及川順郎君 では、融資されている銀行の主な銀行を二十ほど挙げていただきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど申し上げましたリクルートコスモス社に対する融資でございまして、これは有価証券報告書に載っておりますが、そこに出ております銀行名を大きい順から申し上げますと、東洋信託、住友信託、興銀、三井銀行、三和銀行、太陽神戸銀行、日本債券信用銀行、三菱信託銀行、第一勧銀それから三菱銀行。二十位までは現在手元に資料を持っておりませんので、今申し上げました十行についての数字でございます。
○及川順郎君 金額を申し上げますと時間がかかりますので申し上げませんけれども、大変な額の融資をしているわけですね。昨年夏に投機的土地取引に対する融資を自粛するように申し合わせておりまして、さらに大蔵省も何度も自粛通達を出しているけれども、こうした実態というものは明らかに異常である。この事実に対して、通達の趣旨に対してどのように認識をされておられるんでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 御存じのように、昨年からたびたび通達を発出いたしまして、いわゆる実需に基づかない投機的な土地取引、これに対する融資は厳に抑制するようにということで厳しく指導してきているところでございます。特に、昨年七月からは特別ヒアリングを実施いたしまして、個別に指導を実施してきております。 したがいまして、そういう指導の中で、各金融機関あるいは融資を受けました関連会社でございますけれども、こういうところはその通達の趣旨に従って、その後適正に対応しているものと考えているわけでございます。
○及川順郎君 適正に対応しているという状況には、私どもとしては理解はできない、こういうことを私は強く指摘しておきます。 自治大臣にお伺いしたいんですが、今回のリクルート疑惑の発端は、川崎市の小松前助役がリクルートコスモス株の譲渡を受けた、これが発端になっておるわけでございますが、川崎市長は、本件に対して助役は辞表を出されましたけれども、それを受理せずに解職処分にした。この解職処分については、自治大臣としてその立場からごらんになって妥当なものとお考えになっておられますか。
○国務大臣(梶山静六君) 市長は、公務員倫理の観点から助役の解職を行ったものと聞いております。自治法によれば、市長は必要と認めるときはいつでも助役を解任することができるとされておりまして、法的には問題がないというふうに考えております。
○及川順郎君 では、少なくともこれだけの事件になっておるわけですから、同類の事故を未然に防止しなければならない、それの監督指導というものはやはり国にあると思いますが、その措置をどのようにとられましたでしょうか。
○国務大臣(梶山静六君) 原則的な問題でございますが、地方公務員の綱紀については、これまでもこれを厳正に確保するように指導してきたところでございます。 さきの全国総務部局長会議において、これは八月の十九日に行ったものでございますが、特に地方公共団体の重要な地位にある者は、その地位に伴って高い倫理意識が求められており、公務員としての自覚を促すとともに、綱紀の厳正な保持について努力するよう指導してまいってきたところであります。
○及川順郎君 なお一層、同類の事故が起きないように、ひとつ指導監督をお願いしたいと思います。 警察庁に伺いたいと思うんですが、今回の川崎の事案につきまして県警は捜査を打ち切ったと、その理由としまして、報道によりますと、リクルートの進出は市の施策であり、小松氏個人には進出を決める権限がなく、収賄構成要件の職務権限に関して問題が残ると、このようなことから捜査を打ち切ったというぐあいに報道されておりますが、今、継続中なのか、捜査を打ち切っているのか、この点の確認をさしていただきたいと思います。
○政府委員(中門弘君) 現在、情報収集に努めているところでございます。
○及川順郎君 継続していると理解していいんですか。
○政府委員(中門弘君) 情報収集を継続しているところでございます。
○及川順郎君 今の答弁は、捜査を継続していると理解してよろしいですか。
○政府委員(中門弘君) 情報収集に努めているところでございまして、その過程におきまして、その結果刑罰法令に触れる事実を把握いたしましたならば、適切に対処してまいる所存でございます。
○及川順郎君 それでは、論点を変えまして住宅公団、大変どうもきょうはありがとうございます。 参考人にお伺いしたいわけでございますが、このテクノピア計画の経緯、若干今まで質問も出ておりますけれども、五十五年の三月、明治製糖が跡地化をいたしましてこれを取得いたしましたね。それから公団の一部をリクルートへ、そしてまた東芝へ六十年の四月に譲渡している。これまでの経緯を概括お願いしたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 川崎駅の西口の土地につきましては、今お話のございましたように、昭和五十五年の三月に明治製糖から公団が取得したわけでございます。この土地の利用につきましては、川崎市の意向もございまして、川崎駅周辺における市の整備計画に合わせて利用することとしておったところでございます。 川崎市におきましては、昭和五十八年の十月に川崎駅西口地区都心整備構想を発表いたしまして、この用地が商業業務施設及び住宅により構成される総合市街地として位置づけられたのでございます。その後、川崎市は公団に対しまして、五十九年の八月には東芝につきまして、また同年の十二月にはリクルートにつきまして、それぞれ業務施設の導入に協力してほしい旨の要請をしてまいったのでございます。公団といたしましては、さきの土地取得等の経緯及び地元公共団体でございます川崎市からの要請があるとともに、公団の利用地として隣の土地の興和不動産の所有地の一部も譲り受けられることとなりましたことから、市の要請にこたえて川崎駅西口地区の整備の推進に協力することといたしまして、今お話のございましたように、昭和六十年四月、東芝、リクルート両社に対しましてこの土地を譲渡したものでございます。
○及川順郎君 建設省に伺いたいわけでございますが、特定街区の容積率指定につきましては、建設基準におさまっているということは、これまでの委員会における答弁で理解できるわけでございますが、リクルートの土地につきましては、平均の六四〇をさらに上回りまして七〇〇になっておるわけですね。 そこでお伺いしたいわけですが、商業地容積で五〇〇%、これで最高認可されるビルの高さはどのぐらいでしょうか。それともう一つは、七〇〇%で認可されるビルの最高階数は何階まででしょうか、お伺いしたい。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。 先生がおっしゃいました仮説のほかに幾つかの仮説がありませんと計算ができませんが、一つは、各階の床面積が同じだということで、ようかん型のビルを建てる。それから地階がない。それから全部の床面積が容積率に算入される。つまり不算入のものとか、それから緩和された容積率とか、そういうものはない、全部容積率に算入される。こうしまして最高容積率五〇〇、こうしますと建ぺい率が五〇%で十階ということになります。七〇〇%ということで計算しますと十四階になります。
○及川順郎君 現在、川崎で建てておりますリクルートのビルの階数は何階ですか。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。 地上二十階でございます。
○及川順郎君 大分違いがありますけれども、この理由を説明してください。
○政府委員(伊藤茂史君) 先ほど申しましたように、先ほどの計算はいわばようかん型で計算をしております。リクルートの場合には、下の階が、地上の一階でございますが、広くなっておりまして、その上にようかん型が乗っておる、こういうふうに御理解いただきたいと思いますが、これでまいりますと、容積率が六九九・七ということで、建ぺい率が六三ございますので、二十階きちっと七〇〇%の中に入っております。
○及川順郎君 最大のサービスをしているということだけはこの点については指摘しておきます。 次に、私は伺いたいんですが、公団さんで五十五年の三月に明治製糖跡地を取得されました価格は先日の御答弁でございました。このときの総裁、副総裁、担当理事、担当部局長、責任者のお名前を明示していただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 五十五年三月の担当者につきましては、ただいま手元に資料を持ち合わせておりません。
○及川順郎君 この点につきましては、通告をしておりますので、資料を持ち合わせていないということは私はお受けするわけにはまいりません。出してください。
○参考人(丸山良仁君) 私どもの誤解であったかもしれませんが、通告を受けましたのは、リクルートに土地を譲渡したときの関係者という通告を受けたわけでございまして、その資料は持っておりますが、五十五年に用地を買収したときの関係者の資料は持っておらない、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○及川順郎君 それでは、売買したときのでも結構ですから、どうぞ述べてください。
○参考人(丸山良仁君) 当時の総裁は大塩洋一郎さんでございます。それから、当時の担当副総裁は私でございます。それから、当時の担当理事は救仁郷でございます。それから、都市再開発部長が谷口清彦でございます。なお、当時の関東支社長は川原井一郎でございます。
○及川順郎君 それでは、五十五年三月に明治製糖跡地を取得した後、六十年四月にこの公団取得用地をリクルートへ譲渡したまでの経緯を御説明いただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) これは先ほども申し上げたところでございますが、五十五年の三月に用地を取得いたしまして、その後、川崎市が川崎駅西口地区の都心整備構想をつくりまして、それに基づいてこれを利用する、こういうことになったわけでございまして、昭和五十九年の八月に東芝、それから同年の十二月にリクルートについて、その協力を願いたいということを川崎市長から当公団に言ってまいったわけでございます。それに対しまして、町づくりに協力するのが当公団の使命でもございますので、リクルート及び東芝に必要な土地を譲渡した、こういうことでございます。
○及川順郎君 土地譲渡に関しまして、五十八年に市と公団、興和の三者覚書が交わされておりますけれども、これは現実に交わされましたでしょうか。その内容を明らかにしていただきたいことと、あわせまして、五十九年十二月、これは小松助役のところにリクルートコスモスの株が移動した、流れた、この時期にまさに該当するわけですけれども、このときに市、公団、東芝、それから市、公団、リクルート、それぞれ覚書を交わしておりますけれども、この内容を示していただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 五十九年の八月に川崎市と当公団と興和不動産の三者で覚書を取り交わしておりますが、その覚書の要点を申し上げますと、一つは、公団及び興和不動産は、市の川崎駅西口都心整備構想に沿って開発を行う。二番目といたしまして、市は、都市計画変更の努力をする。三といたしまして、興和不動産は、公団住宅等を建てるため、土地の一部を公団に譲渡するということになっております。 それから、昭和五十九年の十二月二十八日でございますが、同日付で公団は、川崎市及びリクルート、並びに川崎市及び東芝とおおむね同様の内容の覚書を交換いたしておりますが、リクルート分について申し上げますと、一つは、川崎市駅西口地区都心整備構想を実現するため三者がお互いに協力すること。二つは、公団がリクルートに公団所有地の一部を譲渡すること。三番目は、川崎市は跡地にかかわる都市計画変更の努力をすること。四番目といたしまして、リクルートはその取得地に都市計画に適合した建物を建て、特定街区にふさわしい環境水準を保持すること、こういうことになっておりまして、東芝につきましても大体同様でございます。
○及川順郎君 私は、現地からいただいた資料を持っておりますけれども、念のために伺います。 五十九年の十二月に覚書を交わして六十年の四月に譲渡されました東芝とリクルートに対する譲渡面積、譲渡価格、リクルートの方は出ておりますけれども、もう一回念のために両方申していただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) リクルートに対しまして六十年四月二日に譲渡契約をいたしました面積は五千六百六十八・二三平米。金額は総額三十五億五千三百九十八万円でございます。 それから、東芝に対しましても同日付で契約をいたしておりまして、面積は八千六百十五・二〇平米でございまして、金額は総額で五十六億一千七百十一万円になっております。
○及川順郎君 このときの買い入れ価格と譲渡したときの価格というものは、わずかの期間に三倍もの値上がりになっておる。これは既に指摘されたとおりでございまして、私はいろんな諸条件を考えますと、ちょうどコーナーのところで場所が違うという説明で恐らく解説されると思いますが、リクルートへ譲渡した価格と東芝へ譲渡した価格、隣接地であって明らかにリクルートの方が安い。容積率も片万は七〇〇、片方は六〇〇と違うんです。明らかにこれはリクルートに対しての大変なサービスがあるな、こういう感じがするわけです。 私は、周辺で先日伺いました。現在、この土地が坪単価にして大体どのぐらいになっているかというと、一千五百万前後になっている。平米にすると五百万近い単価ですね。いかにこの数年の間に土地が上がったか。一般の方々から見るならば、あの周辺の方々ですらも、市とそれから公団と関係者で結託されて手も足も出ない、大変な批判が出ておるわけです。 私は、そういう話をずっと聞いていく中で、聞き捨てならない問題を各所で伺いました。それは、五十九年の十二月、小松助役のところに株が譲渡されました問題の時期、これと同じ時期に、公団の上層幹部に同じようにリクルートコスモスの株が譲渡されている、こういうことでございます。私は、もしそういう事実がなければ、これは公団の名誉にかけても公の席で明らかにしなければならない、こういう思いをして帰ってまいりました。 これを明らかにするにはどうするか。やはりその意味からも七十六名の名簿の公開は必要ですし、そして突き合わせをしてみなきゃならない。それからもう一つは、証人喚問をして、直接譲渡した当時の江副会長に聞いてみるという点もある。ここにもこの二つの条件を出す主張の必要性があるということを私は申し上げたい。 さらにもう一点申し上げたいことは、少なくとも私は、いろんなところで私も耳に入っている。現地では、そういうことは恐らく公団の耳にも入っているでしょう。総裁として、リクルートコスモスの株を我が社で譲渡を受けた者がいるかいないか、これを調査なさっておられますかどうか。そして調査していないならばしていない、調査したけれどもいないならばいない、これを明確に答えていただきたい。これは、公団の方は当事者ですから、もう一つ第三者の立場でこれを調べる必要がある。このことは後ほど大蔵省にも同じ質問をしたいと思いますけれども、まず公団の立場からお答えいただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 私は、職員あるいは役員の中に株の譲渡を受けた者は一人もいないと確信いたしております。したがいまして調べてもおりませんが、せっかくの御意見でございますから、早急に関係者に当たってみたいと思います。
○及川順郎君 調べていなくて確信は生まれません。私は、調べた結果をきちっと提出していただきたい、この確約をこの場でお願いしたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 先ほど申し上げました関係者の中には退職している人もおりますが、できるだけ調べまして申し上げたいと存じます。
○及川順郎君 退職している人も生きているわけですから、追跡調査をしてきちっと調べていただきたい、このことを申し添えておきます。
○委員長(初村滝一郎君) 関連質疑を許します。和田教美君。
○和田教美君 まず、大蔵省の証券局長にお聞きいたします。 証券局長はきのうの答弁で、リクルート社が五十九年十二月に合計七十六人に対して譲渡したリクルートコスモス株、この問題について、手続上証券取引法第四条に違反するかどうかの問題を調べているけれども、まだ結論が出ていないという答弁でございました。今日の段階でもなお調査継続中ということかどうか、あるいは四条違反の疑いが極めて濃厚という判断にはなっておるのかどうか、その点をお答え願いたい。
○政府委員(角谷正彦君) 昨日も御答弁申し上げましたけれども、五十九年十二月にリクルート社が行いました環境開発株式会社の株式譲渡につきましては、昨日もお話し申し上げましたように、総数で七十六名に譲渡されていること。それから、価格は五十円額面に換算いたしまして千二百円であること。それから、払い込み期日が大体十二月二十日から三十一日までの間であること。こういった事実が確認されたわけでございます。 それでは、そういうことで早く結論を出したらいいじゃないか、こういうふうなお尋ねかと思います。この株式の売却でございますが、五十九年十二月中旬の決算見通しに基づきまして第一回の売却を意思決定した後に、もう一回十二月下旬の決算見通しの最終額に基づきまして二回目の売却をするという意思決定を行ったといったことになっております。また、第一回目と第二回目の売却価格は同一でございますが、払い込み期日は十二月二十日から三十一日というふうに幅があるのが特色でございます。 これまで、証券取引法第四条一項との関係で、その届け出を行わないで売却を行い、売り出しと認定したケースが過去に幾つかあるわけでございますけれども、いずれも意思決定は同一でございましたし、同一の価格、同一の払い込み期日ということで、また同一の条件ではございませんけれども、均一の条件に該当するものとして取り扱いましたNTT株の入札による売却は、価格は同一じゃございませんでしたが、払い込み期日は同一であったということでございます。 端的に申しまして、今回は意思決定が二回行われているということと、それから払い込み日が複数であるということで、初めてのケースでございます。そういう意味で、二回に分けて売却されましたことの状況といったものを十分に把握する一方におきまして、証取法第四条第一項の解釈適用問題についてなお十分検討を行う必要があるといったことでございますので、現段階では「売出し」に該当する可能性が強いという状況でございまして、なお引き続き事情及び法令解釈の問題につきままして検討さしていただいているという状況でございます。
○和田教美君 「売出し」の項目に該当する疑いが強いということは認められるわけですね。
○政府委員(角谷正彦君) 現時点での判断では、その可能性が強いというふうに私どもは今のところ考えております。
○和田教美君 次に、大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、この証取法四条違反の問題というのはそもそも非常に簡単なことなんですね。つまり、株を譲渡するに当たって届け出が行われているかどうかという、リクルート疑惑の全体像から見れば極めてささいな手続上の問題なんですね。そういう問題について頭のいい大蔵省のお役人が何十日もかけて、ああだこうだといまだに小田原評定をしているというのは、世間から見れば全く驚きだというふうに僕は思わざるを得ないんですね。今も話が出ましたけれども、川崎市の元助役だけでなくて、政界にもリクルートコスモス株が流れたという報道があってから既に二カ月近くになっている。衆議院の予算委員会で、大蔵大臣自身がこの調査結果はいずれ報告しますというふうに答弁をされた。それから既に二十日間になっているわけですね。それでまだ結論が出ないというのはどう見てもおかしいと私は思います。 要するに、世間では、どうもこの予算委員会が終わるまではわざと政府・自民党の幹部の圧力によって結論を引き延ばしているんじゃないかというふうな見方がだんだん強くなってきている。もしそうだとすれば、我々としてもこのまま予算委員会の幕を引くわけにはいかないわけでございますが、大蔵大臣はひとつ証券局に命令をして、この予算委員会中に結論を報告するというふうに取り計らうお考えがあるかどうかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま政府委員が申し上げましたとおり、証券取引法第四条の規定をめぐりまして調査を行っておるわけでございますが、今、政府委員が申し上げましたように、過去においてこういう例はなかったわけではない。ただ今度の場合には、株式の売却の意思決定が、御説明いたしましたように、一回ではなくて二回である、払い込みの日も別々であるということは、会社側の立場からいえば、これは第四条を回避しようとして意図的にやったものではない、決算の状況が悪いということがわかりましてもう一遍いたしましたというのが会社側の主張であろうと思われます。それに対しまして証券局といたしましては、そうは言っても、この意思決定が二回あるが、その期間は非常に近いではないか、払い込み日も近いではないかというようなことから、ただいま申し上げましたような心証を強く持っておるということでございます。 したがいまして、この点につきましてはもう少し詰めて調べをしていきまして、少なくともその疑惑がかなり強い、そういう心証を持っているということを今申し上げましたが、もう少し明確なことが申し上げられますかどうか、さらに調査を詰めさせていきたいと思います。
○和田教美君 五十九年十二月にリクルート株を譲渡した相手七十六人、これについて大蔵省証券局は確認をしている、こう言っておりました。ところが、その確認を何でやったかというと、このリクルートコスモス社の取締役会、ここで株式譲渡を承認した際の議事録があるからそれを見たんだと、こういう答弁でございました。しかし私は、非常に疑えば、その議事録に粉飾がないかどうかというふうなことも疑ってかからなければいけないことだと思うんですね。やっぱり一番確実な方法は、七十六人のリストをとるということ、あるいはまた、一人一人確認をしていくという方法をとるべきだと思うし、これが常識だと思うんですが、なぜそういうことを大蔵省はやらないで確認できたと胸を張るのか、なぜそういうふうにリストについて逃げ回るのか、その辺を明確にしていただきたい。
○政府委員(角谷正彦君) 証券取引法第四条第一項の「売出し」に該当するための要件といたしましては、不特定かつ多数の者に対しまして均一の条件でこれを売却するということが要件になっているわけでございまして、不特定かつ多数ということにつきましては、従来から行政上の指針といたしまして、対象者が五十名程度以上であるということを言っているわけでございます。 そこで、不特定多数に該当するかどうかといったことにつきまして、これを認定するためには五十名程度以上の者について売却されたということを確認する必要があるわけでございます。そこで、売却先の人数につきましては、先ほど委員からも御指摘がございましたように、当時、環境開発株式会社、リクルートコスモス社でございますが、これが定款によりましてその株式の譲渡につきまして取締役会の承認を要するというふうに制限を課していたわけでございまして、そこで昭和五十九年十二月に株式会社リクルートが行いましたところのリクルートコスモス社、当時の環境開発株式会社の株式の売却につきまして二回に分けまして譲渡承認を行った。第一回目が三十九名、第二回目が三十七名ということで、これは同社の取締役会議事録で確認しているわけでございます。これはまた、同時に関係者からの事情聴取によっても確認されているわけでございまして、そこで七十六名ということで、五十名を超えるといったことについては認識の食い違いはないわけでございます。 そこで私どもは、一回目と二回目を通算するかどうかという問題はございますけれども、五十名を超えるということについてはこれは十分確認できたというふうに考えているわけでございまして、あえて固有名詞についてこれを提出してもらう必要は必ずしもないと、こういうことでございます。
○和田教美君 今の答弁は非常におかしいんですね。 というのは、大蔵省はあるケースでは固有名詞の確認をやっているわけです。リクルートコスモス社が六十年の二月、金融機関二十六社に対し、また六十年四月に関連企業などの三十七社と一個人にそれぞれ第三者割り当て増資をしているわけです。ところが証券局長は、この三十七社、一個人、六十年四月の第三者割り当てですが、この一個人は政治家ではないと衆議院で明言されたわけですね。ということは、第三者割り当て分については具体的に個々の名前を調べておるということになる。それでまたそういうことを大蔵省は認めておるわけです。ところが、そのわずか一カ月半ぐらい前の七十六人については、だれがかかわったかさっぱり名前はわからない、つかむ意思もないというふうなことをいまだに言っているわけですが、全くおかしいと思うんですね。 なぜ、そういうふうに行政上の食い違いが出てくるのか明確にしていただきたいと思います。売り出し、募集というのと第三者割り当て増資というのは、基本的には株を譲渡するという点においては同じですからね。
○政府委員(角谷正彦君) 第三者割り当ての問題についてのお話でございますが、非公開会社、つまり有価証券届出書、報告書の提出義務を負わないいわば非公開会社が五十名程度に達しない者に対しまして第三者割り当てで増資を行う場合、この場合には届出書というものを提出する義務はないわけでございますけれども、この場合におきましても、株式の発行総数が一億円以上である場合には、募集行為類似の株式発行、つまり五十名以上になるかどうかといったふうなことを、五十名程度以上でないということを確認する、つまり五十名以下であることを確認するといったふうな意味で、従来から補助的資料といたしましてその増資の際に報告を求めているわけでございます。それには固有名詞等が書いてあるわけでございまして、そういう意味で、そういった報告によりまして、昭和六十年二月あるいは四月の第三者割り当て増資の内容について、割り当てを受けました個人が政治家ではないということを申し上げたわけでございます。 一方、五十九年十二月にリクルート社によりまして環境開発株式会社の株式の売却を行ったわけでございますが、これは新株発行ではなくて、既存の株式の単なる売却でございますので、このような報告は制度的にも求められていないわけでございます。 ただ、現在大蔵省としましては、その売却が二回に分かれているとはいえ、合計で七十六名ということでございますので、これが有価証券届出書を提出する必要があるかどうか、提出すべきケースであったかどうかといったことについて調査しているわけでございます。そういった意味で、先ほど申しましたように、この場合におきましては売却先人数がそもそも七十六名ということで、五十名程度以上であるということが確認されれば足りるわけでございまして、あえて個々の個人名についてまで把握する必要はない、現に把握していない、こういうことでございます。
○和田教美君 第三者割り当ての場合には制度的に名前を出すことが義務づけられておるというのは、具体的には何の根拠法規によっておるんですか。
○政府委員(角谷正彦君) これは、証券取引法に根拠を置きます届出省令というのがございます。届出省令におきまして有価証券通知書といったものを出すということが実施省令として義務づけられているわけでございます。 この有価証券通知書といいますのは、これは単に、証券取引法に根拠は持ちますけれども、それによって委任されているわけではなくて、いわば施行省令という形でございまして、これは何のための規定かといいますと、五十名以上の場合には届出書を提出する必要があるわけでございますが、五十名以下の場合には届出書を提出する必要がない。したがって、五十名を下回るということを確認するための補助資料として、実際の実行上の措置としてこれをとっているということでございます。
○和田教美君 今の説明は、素人が聞いていると全くわからぬですね。とにかく片一方の株を売る場合には届け出が必要であって、片一方は、要するにそういうことは必要ない。これは大蔵省のいわゆる手続規定の完全なミスじゃないかと思うんですね。 これだけリクルート株の問題が騒がれておる状況の中で、そういう単なる省内の手続上の不備ということであれば、五十九年十二月の問題についても改めて考え直して届け出をさせるということをなぜやらぬのですか。そして、もしそれがリクルートの方が断るというんであれば、なぜ強制的にでもとにかく強権発動をやらないんですか。それが全くわからないと思います。この点は大蔵大臣にひとつお聞きしたいと思うんですが。
○政府委員(角谷正彦君) 有価証券通知書は、ただいま申し上げましたように、不特定多数の者に対する売り出しではないということを確認する、すなわち五十名程度以上でないということを確認する必要がございますので、これは単に五十名程度以下と書かれているんでは何のことだかわからないわけですので、全部個人個人の名前を書きまして、こういうことで五十名以下であるということについて取締役会の内容も含めましてそういったことを出してもらう。固有名詞がございませんと、これ五十名以上になるのかないのかわかりませんので固有名詞がついているということでございます。 一方、五十名を超える募集ないし売り出しにつきましては、これは本来不特定多数の者に売る。したがって、だれに売るかということについてあらかじめ届け出しようがないというケースでございますから、これについては五十名程度以上の者に対してどういう条件で売るのか、あるいはその場合の企業の財務内容あるいは企業の営業内容はどういうものであるかといったことを、公認会計士の監査証明を受けまして、これ届出書として出してもらって、投資家に対しまして企業内容の開示をし、投資情報を与える、こういった制度の違いに起因するものでございます。 それから届出書につきまして、これが仮に出されなかった場合に、これを強制的にでも出させろというお尋ねでございますけれども、そういった法令上の根拠はございません。したがいまして、過去のケースにおきましても、届出書を提出されなかったケースにつきまして、仮にこれが届出書を提出すべきであったと認定した場合におきましても、行政指導によりまして事後的に補完していただいている、これが実際の行政上の限界である、法令上そういう規定かないということでございます。
○和田教美君 私の関連質問の時間が大分過ぎましたので、こういう問題についてはさらに後に私の質問が予定されておりますので、それに譲ります。 最後に、総理大臣にお聞きしたいんですけれども、お聞きのように、この二日間の予算委員会の論議、政府答弁を聞いておりまして、少なくともリクルート疑惑の問題については、すべて政府側はブラックボックスの中にこの疑惑を封じ込めて、事実関係について何ら新しい答弁が出てこないですね。これは、テレビを見ていらっしゃる国民の皆様方は、全くいらいらがとにかく高じてきているだけではないかと思うんです。 そこで、総理大臣にひとつお聞きしたいんですけれども、こういうケースについての政治の最高責任者としての政治責任あるいは道義的責任という問題について、一体どうお考えなのかという問題なんですね。私は、非常に遺憾に思うのは、政治責任、道義責任という問題、政治家の責任という問題は、一般の社会の経済人などの社会的責任とか職業倫理とかというふうなものよりはるかに重いものだと思うんですね。ところが、現実は全く逆になっている。リクルートの江副さんは既にお騒がせしたといって会長をやめられた。森田日経社長も社長をやめられた。一応最低限の職業倫理というものをわきまえているという見方もできるわけですが、政治家に関する限りは、全くその反省の色が実質的には見られないというふうに言わざるを得ないわけですね。 そこで、私は、先ほども話が出ておりましたけれども、やはり七十六人のリストを出すということについて積極的に取り組むということ、少なくとも関与した政治家及び政治家に関係する人たちの問題についてはこの事実関係を明らかにして、そして国民の批判にまつと、こういう態度をとることが今の政治責任のとり方ではないかというふうに思うんですが、総理の見解をお聞きして、私の関連質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 私ども政治家として心得べきこと、これはやっぱり書いたものの中で一番参考になるとしますならば、いわゆる政治倫理規程、あるいは私どもがいつも申しております、規程上で言えばそういうものが存在するなということは、いつも自分なりに言い聞かせておるところでございます。 今回の問題は、私は、政治家である、なかんずく私どものように責任ある地位にある者は、いかにこういうことが法に触れないものであるといたしましても、李下に冠を正さずということでいつも心していなければならない問題を指摘いただいておる一つの重要なケースではないかというふうに私自身考えておるところでございます。 したがって、国会の議論なりあるいは証取審等での御議論を通じて、改めるべきはきちんとやっぱり改めることもまた私どもに課せられた責任のとり方ではなかろうかというふうに考えております。
○及川順郎君 大蔵省に伺いますけれども、先ほど後段に、上層幹部に五十九年十二月に、小松助役の同じ時期にリクルートコスモス社の株譲渡があった人がいるかどうか、社内的にも調べてほしい、調べますと。その内容は報告していただきたい、このように申し上げました。これは七十六人の中の一人なんですね。もしあるとしても一人か二人、もしあったとしても。なければないでゼロなんです。そうしますと、七十六人の名簿をきちっと掌握していただいて、そしてその突き合わせを大蔵省当局にやってもらわなければ、第三者としての確証はできない。 先ほど来から、する必要がないからやらないと、こういうぐあいに言っておりますけれども、これだけ社会問題に発展しているんですから、やってはならないという、名前を聞いてはならないという法律はないわけでしょう。ですから、これをやっていただきたいと私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、お言葉ではございますけれども、やはり大蔵省、この問題についての行政は証券取引法に基づく行政をやっておるわけで乙ざいます。ただいま委員の御指摘は、何かその間に疑わしい行為、あるいはひょっとしたら不正行為があるのではないか、そのためにということを含んでのお尋ねであろうかと存じますが、証券行政には証券行政としてのやはり節度がございまして、そのようなものを求める権限がございませんし、仮に求めましても、それを今度は公にするということは行政の守秘義務というものに関係をしてまいるであろうと思います。 したがいまして、お求めになっておられますことは、私は決して理解いたさないわけではございませんが、それを証券行政の、証券取引法の範囲内で満たせとおっしゃいますことは、やはり行政の節度というものとの関連ではないかと、お言葉を返すようでございますが、考えております。
○及川順郎君 私は、今の答弁では納得できません。やはりこれだけ私たちが真剣に事態の内容を検討して、そして疑惑を明確にして、ないんならないではっきりする、こういう方向でこれだけ真剣に審議しているわけですよ。今の答弁は全く私は納得できないです。 これは、この問題に対して、少なくとも七十六人の名簿をきちっと掌握するか、それともその中において調べたものを突き合わせをするか、この点に対してやるかやらないか、この前向きの姿勢がない限り、私はこれ以上質問しても、これは意味ないです。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、私どもいろいろに検討いたしまして、例えば証券取引法第二十六条によりますと、「投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは」報告等々を得ることができると書いてあるのでございますけれども、この条文そのものも、これは政府部内でも随分検討いたしましたが、これはやはり証券取引法の目的を達するための条文であって、おのずからこの法律の持つ法益の範囲内であるということを政府部内でもいろいろに検討いたしまして、そういう結論になっておりますことを申し添えさせていただきたいと思います。
○及川順郎君 私は納得できないですね。公益の解釈につきまして、私も衆議院、そしてこれまでの委員会の答弁を聞いております。しかし、それは七十六人の譲渡に対する投資家保護という解釈の立場に立っての答弁であるという印象が非常に強いわけです。 具体的に言いますと、店頭公開当時、五千二百七十円から、それじゃ今まで、株が下がって今は三千円台になってきている、その間に投資をして損した人はどうなるんですか。その人たちだって投資家としてきちっと守られる立場にあるでしょう。そういうことが明確に、投資家保護というのはそういう人たちも含めて、少なくともほかの人たちも、一般の七十六名のほかの、当時、投資をしていたその立場の人たちも含めて保護ということは考えるべきじゃないですか。そういうことを考えますときに、私は、その事態をきちっと調査するということが投資家保護という立場からも法の道理にかなっていると思うんですよ。全く納得できないです、私は。
○政府委員(角谷正彦君) 五十九年十二月の売却につきまして届出書を提出すべきであったかどうかという点は、確かに委員御指摘のように、七十六名に対するものが直接の法益を持っているということでございます。 ただ、リクルートコスモス社につきましては、六十一年十月に店頭登録がされました。その段階におきまして有価証券届出書が提出されております。その後、リクルートコスモス社はいわゆる公開会社になったわけでございますので、その後の毎年の決算におきまして有価証券報告書というものを出しております。それから、半年ことに半期報告書というものを出しております。そういうことにおきまして、これはそれぞれ公認会計士の監査証明等がきちんとついているものでございまして、そういったものによりまして、その後におきましては会社内容の情報は十分に公開されているわけでございまして、そういう意味では現在の株主その他の投資家に対しましては、そういった意味での担保が既に行われているということでございます。
○及川順郎君 わからない。
○委員長(初村滝一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。 ただいまの件につきましては、理事会において協議いたします。 及川君の残余の質疑は、明日に譲ることといたします。 明日は午前九時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十二分散会