文教委員会 第6号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/11/08
会議録
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨七日、杉元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として中村太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(杉山令肇君) 学校教育法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○勝木健司君 おはようございます。質問さしていただきます。 今回の法案は臨教審の第二次答申に基づいて高等学校教育にかかる制度の弾力化を図るとともに、国、地方の役割分担を見直し、教育における地方への権限移譲を促すものと考えております。そこで、まず現在の高等学校、後期中等教育の現状につきましてどういう認識を持っておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 現在我が国の高等学校におきましては、進学率は九四%という非常に高い、世界的にもトップレベルにあるというふうに思っております。と同時に、その水準におきましても比較的世界的に見て高い水準にあるというふうに思っておりますが、ただ現実問題、高等学校を見てみますときに、九四%の子供が入っておりますということは、子供の個性、能力、資質それぞれ非常に多様化いたしております。その多様化いたしております高等学校が、現実にこの子供の個性を引き伸ばすための教育として万全であるかどうかということについてはいささか私たちも検討すべき課題があるというふうに思っておるわけでございまして、そういった多種多様な子供にマッチした高等学校教育を行うために、現在、高等学校教育の個性化に関する調査研究会というものを七月に発足いたしまして、そこでいろいろな角度から御検討願うということで、今後十分検討していかなければならぬというふうに考えております。
○勝木健司君 現在の高等学校の教育というものはどうも画一化、硬直化が目立っているように思われます。特に、近年増大しております中途退学者の問題というのも、この画一的な高等学校教育についていけない若者というものがふえているようなあかしじゃないか、あらわれじゃないかというふうに思います。中途退学者の実態、そしてそれに対応する対策というものをどのように現在行われておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 高等学校の中途退学は大体年間で十一万人ぐらいというのがここ数年間見られる傾向でございます。十一万人の子供が中途退学するというのは、やはりこれについて何らかの対策を考えなきゃならぬということでございまして、臨床的にいえば、そういった中途退学者の出てくるゆえん、そしてそれに対して個々具体的にどういう対処をすればいいかということを、来年の概算要求におきましては中途退学者対策というもので概算要求いたしておりますが、それと同時に抜本的にいえば、やっぱり高等学校を、今おっしゃいましたように硬直化あるいは画一化と言われております点をそれぞれ直して、そういった子供が自分の適性、進路を十分発揮できるような高等学校という高等学校側の体質を改善していくという二つの側面からの検討が必要だろうというふうに考えておるわけであります。
○勝木健司君 そこで、今回の法律案は高等学校の定時制、また通信制課程に関するものでありますけれども、最近定時制とか通信制は生徒数が大幅に減少しているように思われます。また、生徒の多様化が進むなど、この制度発足当初と比べまして実態の著しい変化が見られるというふうに聞いております。現在の定時制、また通信制に通う生徒の実態あるいは彼らの生徒のニーズにつきましてどのように把握をしておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) おっしゃいますように、定時制課程、通信制課程ができまして四十年たつわけでございますが、定時制課程がかなり実態が変わりつつある。といいますのは、昭和二十年代の後半、二十八年をピークにいたしまして、そのときには生徒数が五十六万人おりましたが、それをピークにいたしまして徐々に減ってきた。そして現在十四万人という生徒数を数えております。通信制については大体十四万人程度の生徒数でずっと推移しておりますが、このことは結局いろいろな経済成長によりまして、全日制課程へ子供が向いていった、そういった傾向から定時制の生徒が減っていったという現状に相なるわけでございますが、やはり定時制課程というものが持っておりますのは勤労青少年教育という観点でございます。働きながら学ぶ青少年に対して、やはりそういった教育機会を提供するということで非常に重要な役割を果たしておりますので、そういった点で、今後の定通教育についてもできるだけそういった子供のニーズに合わせた、そういった教育のやり方、内容というものに合わせていくように検討していかにゃならぬというふうに思っておるわけでございます。
○勝木健司君 そこで、実態の変化に対応するために、従来の勤労青少年に対する後期中等教育機関としての役割に加えまして、教育の機会の拡大、また生涯学習の視点にも考慮するなどして、そのあり方を見直す必要があるように思われますので、この法案施行後も含めまして、どのような定時制あるいは通信制課程の改善というものを考えておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 御指摘のとおり、私の方におきましても定時制通信制教育のあり方を検討するということで、昭和五十九年以来、高等学校定時制通信制教育検討会議というものを開催いたしまして検討を進め、昨年十二月に報告が出されたわけでございます。 この報告におきましては、今後の定時制通信制教育について、まず一つは「勤労青少年に対する後期中等教育機関としての役割」を持つ、二番目として「教育の機会の拡大の観点から多様な履修形態を提供する後期中等教育機関としての役割」、三番目として「生涯学習の観点から後期中等教育段階の教育内容を提供する教育機関としての役割」、この三つの役割をあわせ持つというふうに御提言いただきまして、具体的な改善の方向といたしましては、生徒の学習負担の軽減や学習意欲の向上を図る等の観点から、学校の教育内容、教育方法の改善充実、学年制に関する教育課程運用の弾力化、履修形態、授業開設形態の多様化、弾力化、あるいは学校間の連携の拡充など一層促進するように求められております。 そういった点で、いろいろな角度から検討すべき課題があると思いますが、ことしの四月から単位制高等学校というものも発足いたしましたが、これもそういった弾力化、多様化の一つの形態だろうというふうに思っております。今後なお検討していくべき課題は多いというふうに考えております。
○勝木健司君 今回の改正によりまして、定時制とかあるいは通信制課程の修業年限というものは実態としてどのようになるというふうに予想されておられますか、お伺いしたいというふうに思います。ふたをあけてみたら、結局四年制ばかりということになれば、この法改正の意味というものが薄れるように思われます。一つの学校の中で三年と四年の修業年限が併存するということで、そういう多様な形態と選択の可態性というものが生まれてくるようにすべきじゃないかというふうに思います。これらの点につきまして、これらの点というものは生徒やまた生徒のニーズに応じて学校の設置者に任せることが適当だというふうに思います。と同時に、三年制ができるだけ多く設置されるよう積極的は指導をしていく考えがおありかどうか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 今回御提案いたしておりますのは、現在におきましても三年で八十単位というものをとっている、あるいはとり得る可態性のある定時制の高等学校、通信制の高等学校というのがあるわけでございますので、そういったところについてはひとつ三年という道を開いて、三年で修業できるようにということで御提案いたしたわけでございます。 したがいまして、現在そういった無理なく、勤労青少年教育の機関でございますので、勤労青少年の勤労状況と学習との両方の兼ね合いをうまくやれてできる学校というものが三年制になるわけでございますが、現在あります百数十校に加えまして、どれくらいかわかりませんが、これはやはり私は三年制がいい、四年制がいいという形で旗を振るべき問題ではない、これはそういった実態、子供の実態そして社会の実態というものに合わせて、そこが設置者として判断をして三年の方がいいだろう、あるいは四年の方がいいだろうということで決めていくべき問題だろうというふうに思うわけでございます。したがって、一つの学校で三年のコースあるいは四年のコースという二つのものができてくるということも理論的にはあり得ますし、現実問題は、それは設置者の御判断でございますが、そういったこともあり得るだろうというふうに考えておるわけでございます。
○勝木健司君 定時制高校で三年課程を置く場合に、四年課程から三年課程へ、また三年課程から四年課程へと生徒がそれぞれの自分の能力やあるいは学習進度に応じて移行ができるようにするのがいいというふうに思います。これが可能に本当になるのかどうか、なっているのかどうかお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 一つの学校におきまして三年コース、四年コースと二つあったときに、三年コースから四年コースへ、あるいは四年コースから三年コースへとコース間の移動ということについてのお尋ねでございますが、この辺は確かに学校の履修方法の問題でございますから学校の中でお決めになるということになると思います。したがいまして、私たちといたしましては例えば三年に行っていたけれども、やはり学習のやり方とそれから勤労のあり方と二つの兼ね合いでなかなか三年では卒業が難しいということになれば、四年制に移っていくとか、そういったコース間の移動というのは当然あり得るであろうし、そういったことがあった方がよりベターだろうというふうに思うわけでございます。
○勝木健司君 定時制高校で三年課程を終えた場合でありますが、現在の四年課程から一学年分の学級減になるわけでありまして、定時制教職員定数の算定方式をそのまま適用いたしますと、小規模な学校などでは定数減になるところもあるというふうに伝えられております。今回の改正に伴って、教職員の定数配置などについてはどのように進める考えなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(倉地克次君) 現行の高校標準法でございますが、これは定時制の課程につきましては修業年限が四年であることを前提として教員の算定方法を算定している次第でございます。このため、修業年限が三年の定時制課程についてはこの法律をそのまま適用いたしますと必要な教員数が確保できないという事態になる次第でございます。そこで、政令におきまして三年の定時制課程に係る教員の基礎的な定数につきましては全日制課程と同様の定数が確保できるように定数措置を講じたいというふうに考えている次第でございまして、これによりましてこれまでと同様に適切な学校運営が図れるものというふうに考えている次第でございます。
○勝木健司君 次は、技能教育施設の指定についてでありますけれども、元来この制度は学校と産業界との相互の連携を密にして技能教育についての能率を高めていく、そしてその振興を図ることを目的とした制度であるというふうに聞いておりますが、この制度が果たしてきた成果につきましてどのように評価をしておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 御指摘のとおり、この技能連携制度というのは、学校と技能教育施設で同一の教育を重複して受けるという二重負担を軽減するということによりまして、特に働きながら学ぶ青少年の高等学校における学習を効果的に行う、あるいはより多くの青少年に高等学校教育を受ける機会を与えようというもので始まったわけでございます。昭和三十六年に始まりまして現在まで来ておりますが、そういった点で、いわゆる生徒の学習負担の軽減という面では非常に大きな役目を果たしてきただろうというふうに私たちは考えておるわけでございます。
○勝木健司君 今回の改正案は、技能教育施設により近いところにある各都道府県におきまして、施設の実態を踏まえた運用というものがなされるものというふうに期待をいたしておるわけでありますが、この技能教育施設との連携に際しては、地域の産業あるいは就業構造についても十分注意を払っていかなければならないというふうに思うのであります。地域の労働力需給を視野に入れる意味で、労働行政など他の行政との連携の必要はないのかどうか、文部省としてのお考えをお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 今回いわゆる文部省が指定の権限を有しておりましたのを都道府県の教育委員会に移譲いたしましたのは、なるべく身近なところでよく実態が把握できる行政機関において施設を指定した方がいいだろうという観点から、そういった点で移譲いたしましたが、おっしゃいますとおり、技能連携の学校との相手方におきましては、いわゆる職業訓練所でありますとか、そういった労働と結びついたところがございます。そういった点からは、当然個々の生徒の就業の実態というものもよく把握し、そしてその連携の相手方になります技能教育施設の実態というもの、両方がうまくマッチしているということが必要でございますので、そういった点では労働関係を扱います行政機関、その他の行政機関と十分密な連絡をとりながらやっていく方がより効果的な運営になるだろうというふうなことで、私たちとしてもそういったことについて積極的に指導してまいりたいというふうに思うわけでございます。
○勝木健司君 生涯教育を求める現代にありましては、今や文部省だけの縦割り行政だけではもう時代のニーズに合ったものは期待できにくいのじゃないかというふうに思います。関係各省を巻き込んだ大プロジェクトのもとで実施していかなければならない問題も大いにあるんじゃないかというふうに思います。文部省が音頭をとられまして前向きに、積極的にこういう問題について取り組む意思はあるのかどうか、文部省、文部大臣についてもお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(齋藤諦淳君) 生涯学習推進のための施策は、文部省は非常に大きな比重を占めておりますけれども、御指摘いただきましたように、ほかの省庁においてもいろいろな生涯学習の関連施策が実施されているところであります。この点につきましては、臨教審の答申におきましても、文部省と各省庁の施策なり事業の連携調整を図るという、それは文部省が自覚して十分各方面に積極的に対応を行うべきであるという、こういう答申が出されたわけでありますけれども、そういうことで文部省としましてもいろいろな連携、協力を実現して国民の学習需要に的確にこたえてまいりたい、こう思うわけでございます。 なお、中央省庁では各省に組織があるわけでございますが、生涯学習は特に地方での活動が期待されるわけでありまして、これも例えば知事部局と教育委員会とか、あるいは青少年対策行政とかいろいろなものがあるわけでございます。文部省としましては、各県に生涯学習の推進会議というふうなものをつくっていただいて、教育委員会と知事部局で十分連携をとるような組織をつくる、それに対して文部省としても助成事業を行う、こういう施策を講じているわけでございます。 なお都道府県では、その推進会議はすべての都道府県で設置されたわけでありますけれども、市町村におきましてはまだ数が少ない。最終のところ住民のニーズにこたえる市町村の行政が一番重要と考えますので、今後市町村でも円滑に住民のサイドに立ってそういう調整のとれた活動が行われるように、そういう点については施策としても重点を置いてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○国務大臣(中島源太郎君) 政府委員から答弁をいたしましたことと重複するようでございますが、特に高等学校教育というのは社会に果たすべき自分の使命感に自覚を持つ、それからまた自分の個性に応じて進路を決定する、その上で一般的な教養とそれぞれの技能を習得せしめるということが一つございます。また一方で、古村局長が答えましたように、この定通制のあり方については、これはもちろん勤労青少年のための後期中等教育、それから履修の多様化、もう一つは生涯学習の観点からの後期中等教育、こういうことがございますから、それを含めまして、ある部分は地域の教育委員会に技能連携の施設の指定などはそこにおろして、先生がおっしゃいますように、その地域の多様なる産業のあり方あるいはその地域の声を十分に聞いていくということとの反面で、また生涯学習の面からいたしますと、今生涯学習局長がお答えしましたように、各省庁との連携もございますから、これは十分リーダーシップをとるつもりで連携を保ち促進してまいりたい、このように考えております。
○勝木健司君 今回の改正を機会に技能教育施設の制度全般についても見直しをぜひ行っていただきたい。そして、連携可能な教科科目というものを拡大するなどの方策についても検討すべきであるというふうに思います。 また、あわせてこれについてもお伺いいたしますけれども、普通高校と職業高校、また普通高校と技能教育施設、さらには職業高校同士あるいは普通高校同士の連携、いわゆる単位互換についても検討していくべきであるというふうに思いますけれども、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) この法改正を機会にと申しますか、技能教育施設との連携をより活発にあらしめるために、連携措置が可能な科目として、従来は職業に関する科目を連携の可能な科目としておりますが、今後は音楽あるいは美術といった専門科目、専門教科というものに広げて、それに十分な高等学校に劣らないぐらいのそういったことをやっておる各種学校、専修学校もございますから、そういったところとの連携というのは十分考えられるだろうというふうに思っているわけでございます。 なお、それを一歩進めて高等学校同士の連携ということを考えたらどうかというお話でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げました高等学校の教育というものを個性化し、その子供の進路あるいは能力、適性に十分マッチしたような高等学校教育をやっていきたいということから、高等学校教育の個性化に関する研究調査会議を開いておりますが、そこにおきまして学校間の連携というものは一つのやっぱり検討すべき重要な課題であろうというふうに思っているわけでございます。そういったところで十分有識者に意見を聞きながら文部省としてもそれについての判断というものを出していきたいというふうに考えております。
○勝木健司君 近年、国際化や情報化など時代の変化に対応した学校というものが、生徒の多様な選択を可能にした学校も含めまして、いわゆる特色のある学校が次々に生まれておるように思います。いわゆる単位制高校というのも、先ほどありましたように、本年の三月三十一日の省令改正によって既にスタートをしたということであります。国におかれましても、今後とも学習者の希望とか、あるいは生活環境などに応じた高等学校の教育というものが容易に受けられるようにするために、また高等学校の個性化のための制度の弾力化も含めたそういう努力というものをさらにすべきであるというふうに思われますけれども、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 確かに高等学校の生徒九四%の子供に対して個性を伸長させるというのは、多種多様な子供でございますから現在の高等学校教育が十分いってないんじゃないかという御指摘もございますので、これについてはひとつ高等学校自身の個性化というものを図るために研究調査会議も開いておりますので、そこで十分検討していただきたい。そしてそういった御意見、識者の御意見を踏まえて私たちも政策の立案に当たりたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝木健司君 この単位制高校については、今回の法律案ではなく既に省令改正で対応したということでありますけれども、この理由につきましてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 単位制高等学校についてはことしの三月三十一日に省令を改正いたしまして、そして改正いたすと同時に、省令を一つ設けまして発足をさしたわけでございますが、学校制度の基本的事項というのは当然のことでございますけれども、学校教育法で定められているところでございます。今単位制高校という問題は、いわゆる学年制か単位制かということの履修形態の問題であります。したがって、履修形態の問題は従来からも学校教育法の施行規則という省令の段階で処理されておりますので、私たちといたしましては、従来の方式により学校教育法の施行規則の改正という省令改正でやらしていただいたわけでございます。
○勝木健司君 この単位制高校につきましては単位の切り売りだとか、あるいは高等学校教育の基本を崩すものだという、そういう批判というものもあるようでありますが、フルタイムで学校に年がら年じゅう縛りつけておくことが果たして本当にこれからの高等学校教育にとってよいのかどうかという疑念も一方では持つところであります。そこで、フルタイムで学校に縛りつけることが学校不適応者を生み出す一つの大きな原因となってはいないのかどうか。またその意味で学校教育の弾力化の一環としての単位制高校というものは評価できるというふうにも思うわけでありますけれども、そういった、さきのような批判に対してどのように考えられておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 中途退学者が出る原因というのはいろいろとあろうかと思います。が、いわゆるフルタイムという観点からみますと、一科目でも履修科目を落とせば原級留置、いわゆる留年という措置をとられるわけでございまして、それが学校を嫌になっていくということにもつながるということも言われておりますが、そのためにこの単位制高校というものをやったわけではございませんけれども、単位制高校というのは、そういった学年制というものの枠を越えて単位の集積でもって高等学校を卒業できる。それがいってみれば勤労青少年にとって非常にやりやすい方向ではないかということで、そういったことで始まったわけでございますが、現実問題、単位の切り売りというふうな御批判もございますが、これはそういった形で学年制か単位制かという問題をひとつ克服するためには、単位制という方向をとればそういった御批判が出てくる。しかしながら、その方が社会的に受け入れられるということであればその方をとっていく。しかし、ただそのときに単位の切り売りということではない、もうちょっと学校として生徒に対していろいろな指導といいますか、カウンセリングといいますか、そういったことを十分にやって、単に時間だけ来ているという形ではない、やっぱり高等学校の在籍者として、学校の生徒としての通常の考えられるそういった愛校心とか、そういったものに対して十分持っていくような、そういったカウンセリングというものが非常に必要だろうというふうに思いますので、そういった欠点を補う方法も十分配慮すべきだろうというふうに思っておるわけでございます。
○勝木健司君 今後の高等学校教育につきましては、多様化している生徒に対応すると同時に、また時代の変化に適切に対応する必要があることはさきに述べたとおりでありますけれども、国や都道府県も高等学校の多様化あるいは弾力化の方向を目指して努力されているものというふうに考えますが、その際、ぜひ十分御検討いただきたいのは職業教育の改善についてであります。現在の職業教育の実態についてでありますが、近年、普通科への志向が強い。また、職業高校の生徒が減少してきているということでありますが、高校全体における職業高校の生徒の比率、または学科別の生徒数の推移の状況というのは一体どうなっておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) ことしの五月一日での高等学校の全生徒数は五百五十二万人でございますが、そのうち普通科は四百六万人、職業科は百四十万人ということで、職業学科が二五・五%という比率でございます。この比率は昭和四十年に職業学科の生徒数が二百万を超えましたそのときには四〇・三%という高い比率を示しておったわけでございますが、それが徐々にずっと減ってまいりまして、現在職業高校が二五・五%の比率を占めるということに相なったわけでございます。 そこで、内容的にどういった学科に変動が見られるかといいますと、やはり農業科、それから家庭科というものがかなりずっと減ってきている現状にあるということで、この辺は社会の推移あるいは生徒の嗜好ということがこういった方向をもたらしたのだろうというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしましても職業教育というのは、いわゆる中堅的職業人を養成するということで高等学校の職業学科は成り立っておりますので、十分今後も力を入れていくべき問題であるというふうに思っているわけでございます。
○勝木健司君 今ありましたように、今日ではどんどん生徒数が減っておるということでありますが、これは職業教育がやっぱり軽視されてきているのではないかというふうにも思われるわけであります。そこで、今後は普通高校におきましても必要に応じて適切な職業教育が履修できるように種々の方策を講じる必要があるというふうに思われますが、この点につきまして現在の実態を含めてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 現在全日制の普通科高等学校の約六六%において職業科目を開設しているという現状でございます。そこで、開設をしております科目というのは、大体商業科、家庭科に関するものが大変多いというふうに思っておりまして、その単位数も余り多くない、いわゆる普通高校においで職業科目の占める単位数も余り多くないというのが現状でございますが、先ほどから申し上げておりますように、今後の高等学校教育の個性化を進めるためにいろいろなことをやっていかにゃならぬ、その中でやはり普通高校における職業教育、普通科高校とそれから職業高校との間をどう考えるかといったのはかなり大きな検討すべき課題だろうというふうに思っておりますので、そういったことについて十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 現在の高等学校は偏差値による輪切りの結果、学校間の格差というものが甚だしくなってきておるように思われます。各学校が個性ある教育をやるのではなく、偏差値によって序列化される状況というものは問題じゃないかというふうに思われます。その結果、例えば普通科、商業科、工業料、農業料、普商工農といったそういう序列が生まれてきておるんじゃないか、伝統ある実業高校の地盤沈下というものが著しいというふうに言われております。こういった状況についてどう受けとめておられるのか、また今後の職業科あるいは職業高校のあり方についてどういう所見をお持ちなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) おっしゃいますように、ある程度偏差値による進路指導というものが行われているのではないか、それがゆえに職業高校に対する進路指導が的確に行われていないのではないかという御指摘だろうと思います。現実問題、私たちといたしましては、中学校から高等学校へ行くそのときの進路指導というのは大変重要である、そこのところをしっかりしてもらわないと十一万人に上る中退者が出てくるということを考えておりまして、進路指導主事を対象にいたしましたいろいろな研究協議会、あるいは講座等を開設したり、あるいは進路指導の手引等の指導資料の作成といったものをつくったりしてやっておりますが、今年度は中学校及び高等学校におきます進路指導の総合的な実態調査をやりたい、そして中学校から高等学校への進路指導というのが十分に発揮できるような、そういったことについて調査研究を加えてまいりたいということを考えておりますので、進路指導の問題はそういう形でやっていきたい。 と同時に、今おっしゃいましたように、職業高校をやっぱり育てていくということが必要だろう、私たちもそう思っております。四〇%のシェアを昭和四十年代に占めておりました職業高校が今二五%であるというのは、七五%の子供が普通高校へ行っているのは、やはりある程度今の社会実態から見ておかしいのではないかという感じもいたします。これはもちろん片方には子供の嗜好、子供の行きたいという希望もあるわけでございますが、そういった点について子供の希望も入れながら、進路指導というものを片方でやっていきながら職業高校というものを大事にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝木健司君 今進路指導にもう既に入っておられますので順番が違いますけれども、高校では職業教育も含めて広く社会人になるための教育というものが必要じゃないかというふうに思われます。かつては子供たちの社会体験も豊富であった、そしてまた、いわばほうっておいても大人の社会に入っていけたというふうに思うわけでありますが、現在はそういうわけにはなかなかいかないように思われます。そこで勤労のとうとさを学ぶとか、あるいは実社会でもさまざまな体験を通じて大人や社会人になるための準備教育というものを考えていかなければならないというふうに思うわけであります。これらの問題につきまして、今後の高等学校のカリキュラムの中でどうそういう配慮をしていくのか、またそのための指導能力を持った教師の養成、研修というものをどのように考えていくのかということもあわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 高等学校を卒業して社会人になる、そのための十分な素養、資質というものを養っておかなければならぬということはおっしゃるとおりでございます。そこで、高等学校において勤労を重視するという教育、勤労体験学習の重視ということについては現在も私たちも積極的にこれについて御推奨申し上げておりますが、今後の教育内容の改定の中におきましては、こういったことについて十分検討してまいりたい、そして、それに対応できるだけの先生方のやっぱり意識の改革もしていただきたいし、そういった点について学校の先生方のいわゆる研さんも積んでいただきたいということで、今後の検討課題として検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○勝木健司君 進路指導というものが単なる受験指導、あるいは大学の偏差値による生徒の輪切りにならないような配慮は果たしてなされておるのかどうかということであります。適切なる進路指導を行うためにはやはり教師自身が単なる学校人間、あるいは学校の中だけで通用する価値観を持っているだけではだめじゃないかというふうに思います。教師が幅広い視野と社会体験を持つ機会というものをどのように確保していかれるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(倉地克次君) 私ども教員につきましては教育者としての使命感、人間の成長発達についての深い理解、それから児童生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、それから広く豊かな教養、そしてこうしたものを基盤とした実践的指導力が必要であるというふうに考えておる次第でございます。高等学校教員につきましてもこうした観点から社会の構成員としての視野を広げまして、広く豊かな教養を身につける必要があると考えておる次第でございますが、教職経験などに応じます各種の研修におきまして、学校以外での施設等における体験を得させるようなことを積極的にこうした研修に取り入れていくよう各都道府県を指導してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。 また、今回免許法の改正をお願いしている次第でございますけれども、教育実習の内容の改善を図るということを主眼といたしまして、事前及び事後の指導というのを新たに設けておる次第でございますけれども、その内容として学校外の施設におきます教育的経験を含めることができるようにすることも考えている次第でございます。こうしたことを通じまして御指摘の点について十分留意してまいりたいと思っている次第でございます。
○勝木健司君 高等学校の時代は自我を確立していくという、そういう重要な時期であろうかというふうに思われます。この時期に社会的な責任の意識とかあるいは倫理感というものを養っておく必要があるというふうに確信をいたしております。職業高校ではOAとかバイオとかいった新しい科目の導入が行われておるわけでありますが、それはそれでよいと思うのでありますけれども、社会や企業というものは数年たたないうちに陳腐化してしまうような、そういう学校での職業教育に対してそれほど期待していないのではないかというふうに思われます。むしろ幅広い人間性とか、あるいはどこでも適応できるような幅広い能力というものを求めておるんじゃないかというふうに思うのであります。こういった問題に対してどう配慮していかれるのか、お伺いをしたいというふうに思います。 また、現在の受験偏重の教育とかあるいは硬直的なカリキュラムの中では、このような人間性教育というものは等閑に付される傾向があるように思われます。このような問題につきまして、教育課程改善の中でどう取り扱っていくおつもりなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 職業高校におきましては、いわゆる人間として調和のとれた、そういった生徒をつくりたいと同時に職業人になるための準備教育という二つの側面を持っておるわけでございまして、おっしゃいますようにエレクトロニクスでありますとかバイオテクノロジーといった技術革新に対応するような対応の仕方というものも必要でございます。と同時に、最近のように変化の激しい時代においては主体的に学ぶ意思でありますとか能力でありますとか、あるいは態度というものを育てることが非常に重要でございます。そういった点で実験、実習等の実際的な体験的学習を重視いたしまして、こうした能力、態度の育成に留意いたしたいということでやってまいっております。 と同時に、いわゆる人間性の涵養という教育を高等学校教育においてもっと重視すべきではないかというお話でございますが、おっしゃるとおり高等学校におきましても道徳性の涵養をねらいといたしました高等学校の教育活動全体の中で道徳性の涵養というものを行うものとされております。そして十分な教育課程を編成するようにと求めておりますが、昨年の十二月の教育課程審議会の答申におきましても、広く人間としてのあり方生き方に関する教育というものを進めてほしいということの御提言がございますので、学習指導要領の改訂を現在進めておりますが、その中でこの点は十分配慮してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝木健司君 高校だけではなく、小中学も含めまして現在親の学校に対する不信というものは大きくなってきておるように思います。これは塾の隆盛を生んでいる大きな原因の一つでもないかというふうに思うわけでありますが、そこで通産省は先般、塾を産業として認知していく、そして行政の守備範囲として取り込もうとしているというふうに聞いておりますが、文部省は塾の隆盛につてどう考えられておるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(齋藤諦淳君) 文部省としましては、本来公教育の整備なり充実なり改善を行うことによって教育の正常化を行うことが基本である、そういう立場に立っているわけでありますけれども、同時に現実的な対応といたしまして、当面学習塾の関係者との協議の場を設定するという、そのことによって公教育の理解を得るなり、あるいは過激な競争をあおらないようにしてもらうなり、そういう関係者の自粛を要望してまいりたい、こう思っているわけでございます。なお、通産省が十月に認可をしたこの塾の関係については、文部省としてはこういう競争をあおるようなことになっては結果として困るという、そういうことを申し入れたわけでございますが、通産省としては経営体としてその経営の正常化、それを図る立場で自主的に公益法人をつくりたい、そういう申し出があったので認可をした、こういうことでございまして、私どもとしてはあくまでも過当な競争とか、あるいは公教育に対する阻害のないように、今後とも塾の関係者と十分話し合っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○勝木健司君 学習塾の隆盛をもたらしております原因の一つに、例えば私立中学あるいは国立大学の附属中学などで大人でも解けないような、そういう難問奇問をまだ出題するという傾向が挙げられておるというふうに思います。特に文部省が直接所管されております国立の中学がそのような問題を出しているというのは、義務教育に与える影響から考えますと放置できるものではないというふうに思います。文部省としてどういう理解を持ってどういう指導をされておるのか、どういう指導をされていくつもりなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古村澄一君) 御指摘のとおり、一部の私立学校あるいは国立大学の附属学校におきまして学習指導要領の範囲を超えた出題がなされておることは事実でございます。そこで、昨年の一月にそういった点について十分注意してほしいということで通達をお出しいたしましたが、六十三年度の入試の問題を見てみますと、やはりそれが余り改善されていないという感じがいたしました。そこで私たちといたしましては、やはりこれは積極的に協力をお願いするしかないということで、国立の附属の中学校あるいは高等学校の関係者、それから私学の中学校、高等学校の関係者に対して積極的にこの問題について善処方を既にお願いいたしておりますが、今後も継続的にお願いをいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝木健司君 この学習塾の隆盛というのは、少人数で、そしてきめ細かく指導してくれるということで、あるいはまた選択の自由があるなどの理由で人気があるというふうに思うわけでありますが、しかしやはりそこでは受験指導というものが中心になっておるということで、本来の学校教育にかわり得るものではないというふうに思います。また、子供たちの本来の生活時間を乱すなど心身の健全な発達によくない影響を及ぼすおそれがあるというふうに思うわけであります。学校また教師が活性化を復権しないと、この教育の荒廃というものは克服できないんじゃないかというふうに思われます。学校あるいは教師の復権をどのように図っていかれるのか、文部大臣の基本的なお考えをまずお伺いをいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(中島源太郎君) 御質疑を伺っておりまして、特に高等学校教育、この面で一方では中堅的な技術者養成の面、職業訓練を充実しろという一面で、先生の御指摘では人間性のより充実を図るべきではないか、そして輪切りをなくすためには学校そのものが個性化を進めるべきではないか、こういう御質疑を拝聴いたしておりました。そして最後に、それを支えるものはやはり教員としての質の向上であります。まさに多様化、個性化をしております社会の中で、学生生徒自身が、またその履修の多様化あるいは就労の多様化の中で、それに対応できる教育者としての質の向上を目指すべきであるということは今一番求められておるところでございますので、先ほども政府委員からお答えをいたしておりますように、現職研修の充実、それからこれからお願いを申し上げます免許法の改正によりまして、さらにその研修の意欲を持っていただくということを含めまして教員の質の向上に私どもも積極的に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○勝木健司君 最後に、リクルート問題についてでありますが、十一月三日の文部大臣の記者会見で、前の高石文部次官のこの問題が取り上げられておるわけでありますが、調査をしていく、遺憾であるというふうに言われておりますけれども、その後どういう状況になっておるのか。また、こういう問題はただ単に御本人だけの問題じゃないんじゃないか、文部省全体として考えていかなければいけない問題じゃないかというふうに思うわけでありますが、文部大臣の所見をお伺いして私の質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(中島源太郎君) 高石前文部事務次官の件につきましては、リクルート未公開株の譲渡様の行為によって受けられたということであります。この聴取は去る十一月三日並びに十一月六日にそれぞれ事務次官並びに官房長から聴取せしめております。 ただ、私の考えを申し上げますと、これは夫人であれ本人であれ、まことに慎重さを欠いた行為として残念至極に存じておるところでございます。特に今文教行政、教育改革を誠心誠意進めておりますとき、また与野党の委員の方々にも誠心誠意御熱意を持ってこれに取り組んでいただいておるときに、このような行為は夫人であれ本人であれ、まことに慎重さを欠いておるということでございます。私どもはこの文教行政の信用を確保するためにも一層心して取り組んでいくべきであるということで、省内に対しましてはさらに厳正な職務の遂行を図るために局長会議、あるいは課長連絡会議を開いて徹底をせしめたところでございます。 なお、聴取内容につきましては政府委員からお答えさせます。
○政府委員(加戸守行君) ただいま大臣申し上げましたように、十一月三日並びに十一月六日に事情聴取しました事柄はおよそ新聞報道等に出てございますけれども、九月の時点で高石氏の御夫人がリクルートコスモス株を一万株購入いたしまして、十一月にうち六千株を売却し借入金の返済に充て、残りの四千株は現在保有しているということでございます。なお、職務との関係につきましては、審議会委員の任命に当たりましてそういった指示等は行っていないということまでは確認させていただいております。
○勝木健司君 終わります。 ─────────────
○委員長(杉山令肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。 ─────────────
○下村泰君 きょうは大変大臣はこれから後お忙しいようで、できるだけむだなくやっていきたいと思います。私は、いつも申し上げますけれども、ほかの委員と違いまして私は別に党に所属しておるわけではございませんので、余り同じことを聞かない主義で、聞かない主義ではございますけれども、きょうはこれは教育の基本に関する問題なので多少重複するところがあると思いますけれどもお許し願いたいと思います。 なお、リクルートなんということに文部省の方が関係したなんてことは本当に情けない。幸いにして私のところにはああいうものは一切来ませんから大して気にもしておりませんけれども、いろいろとお金のかかる方は大変だったろうと思いますけれども、少なくとも教育ということに当たっている衝の方がああいうことになりますると、教育とは一体何なのか、あるいは今非常に国会に対する批判が国民の間にきつうございます、今どこへ行っても。ようまあリクルートがまいたことはまいた、本当によくまきましたな、まきびしみたいに。それで受け取った方も受け取った方です。ですから、一体国会というのは何やっているんだ、銭もうけのために国会に行っているのかという評判も非常に多いんですよ。国民の口は非常に締まりがありませんから、思ったことは何でも言いますから、そんな矢面にできるだけ立たないようにしていただきたいと思います。 まず大臣にお伺いしますが、高校教育というのはどうあるべきものなのか。私はもう教育の専門家じゃありません。とてもじゃないけれども教育なんということは余り任に合いません。教育論争というのをやるつもりもございません。既に衆議院や本委員会でも行われてきておりますので、教育基本法や学校教育法に盛られた理念について論争する、こんなつもりもございません。大臣の率直な御意見を、高校教育に対する大臣のお考えをちょっと聞かせていただきたい。
○国務大臣(中島源太郎君) 高等学校教育は九四%の方々が進学をしておられます。特にこの後期中等教育は心身の発達の面で一番重要なところだと思います。この教育はどうあるべきかということについては、やはり学校教育法に盛られておるところが一番的確ではないかと私は思います。それには、四十二条に書かれておるわけでありますが、「社会において果さなければならない使命の自覚に基き、」と、まず社会に対する使命感の自覚を持っていただく教育の場である、同時に自分の個性に即して自分の進路を見定めていくという場である、同時にその自覚を持って一般の教養あるいは専門的な技術を習熟せしめる教育である、これが私は正しいと思うのでございます。そういう中からやがて社会を担っていく社会人としての人間性の充実に努めていただくべきである、このように考えておるところでございます。
○下村泰君 私は常々当委員会においても大臣にもお話ししておりますように、私自身の経験から教育、特に学校教育の原点として、さまざまな障害やトラブルを持った子供の教育、すなわち障害児教育が存在すると思うんです。この問題を話し合うときには二つの点についてまず大臣のお考えをお聞かせいただきたい。 一つは、障害児は障害児である前に児童であり生徒であるということです。その障害児の心身の状態といわゆる健常の児童との心身の状態に違いはあります。それだけでは不十分だということ、すなわち障害児は健常児よりその発達、成長のスピードがスローモーであるにすぎません。簡単に言えばスローモーションカメラの目で見る必要があるということ。無論障害の種類、程度によってその必要のない者もあります。 二つ目は、いわゆる一般の学校での教育の方法というものについて、それが百年来の歴史があってそういうものなんだとみんなが思ってしまっているということ、どの子も身長一メートル五十センチで卒業しなくちゃいけないと思っている。そんなことはないと専門家や文部省が言われるかもしれませんが、教育課程も教科書もちゃんと決まっていますね。それを消化できないのは、いつも生徒や教師の責任になる。教育課程や教科書は余りこれは問題ではない。一人一人の個性と能力に応じてと教育原理を説く本などには書いてありますけれども、平均からずれた子供はどんどん排除される。障害児は最初から排除される。有無を言わせない。特殊教育に振り向けられて、普通学校の均質化、一斉授業が可能になるというような実態があるということなんですね。ただし、大臣に誤解していただいては困るんですが、私は養護学校や特殊教育を否定しているものではありません。現実に長い歴史の中で多くの子供たちが学んできたんですから、しかも今も学んでいるわけです。私は、ただ子供たちにとっていい状態にすることだけを考えているということを御理解願いたいと思います。 そこで、今言った二つの点について大臣の御感想を伺わせてください。
○国務大臣(中島源太郎君) 障害を持つお子様方にとりまして、どこで学んでいただくのが一番いいかということを考えることは大切なことだと思います。 そこで、まず一番目に申し上げておきたいのは、私どもは単に障害を有することのみをもって、例えば次に受験をするその受験の門を閉ざすことのないように、これは自覚をし、そして各県にも指導いたしておるところでございます。ただ、どこで学ばれるかということにつきまして、入学後教育を履修できるかどうか、履修するのにどういう状態の学校でどのような状態で学ばれるのが一番よろしいかということを見込んだ上で受験を認めておるわけでございます。もちろんその受験そのものではございませんけれども、点字での受験、あるいは補聴器の使用など種々の配慮に努めておるところでございます。 ただ、一般論といたしまして、そういう障害者の方々に対しましてどのように接していくか、これは心身障害児理解推進指導としての資料を作成いたしまして、この面の徹底を図ってまいる、あるいはまた一方で心身障害児理解推進校の指定等を含めまして、このような面での指導徹底も一方で図ってまいっておるところでございます。
○下村泰君 今どうしてこういうことをお尋ねしたかと申しますと、これから私がいろいろ御質問させていただきますけれども、基本的立場として今のお話をまず大臣からお伺いしておきませんと、この後の質問に差しさわりますので今お伺いしたわけです。 この法案にある定時制、通信制の本来の目的、理念は何だったのか、今改革しようとするのはなぜなのかということをお伺いしたい。
○政府委員(古村澄一君) 定時制、通信制高等学校ができましたのは戦後でございますが、これは全日制に行けない、働きながら学ぶ青少年に対する教育機会を与えたいということで定時制、通信制教育をやってまいったというふうに私たちは考えておりますし、現在この法案を提案いたしました理由といたしましては、今までと違いまして定時制、通信制におきましても三年間で高等学校を卒業できる八十単位が取れるという学校がある、そして取り得る学校もかなりあるという現状から見ると、何も定時制、通信制について四年間学校に修業年限で縛っておくということよりも三年以上ということで、その生徒の実態に合わせて修業年限というものを学校の設置者にお決めいただくということで三年以上という形にした方がいいのではないかということで御提案いたしておるわけでございます。
○下村泰君 この改革のあり方として二つあると思うんですよ。一つは、本来の姿とかけ離れた現状がある、だから現状を本来の姿に戻そうとするための改革。もう一つは、本来の姿とは変わってしまった現状を追認するように、現状に合わせるようにということ。この法案はどっちなんですか。
○政府委員(古村澄一君) 端的にいえば後者であろうというふうに思っておりますが、ちょっと御説明いたしますと、いわゆる勤労の形態というものがかなり変わってきたというのは一つございます。それから履修の方法として、定時制と通信制を併修していくとか、あるいは定時制と技能教育施設との間で連携をして、いわゆる技能教育施設の単位をこっち側で認めていくとかというふうなことをやりますと、定時制高校へ来る時間がそんなに要らないということから、ある程度学習負担が軽減される、そういった制度がずっと動いてまいりましたので、実態がかなり変わってまいりました。そのことはひいては定時制の学校であっても三年間で卒業できる現状をつくり出しつつございます。そういった現状を見た上でこの修業年限を変えてまいったということでございますので、先生のおっしゃる後者の方だというふうに考えております。
○下村泰君 そうしますと、現状というか、つまり定通制というものが、どこがなぜそういうふうに変わってしまったのか、それはいいことか悪いことなのか、それともやむを得ないことなのか、どれなんですか。
○政府委員(古村澄一君) これを変えてきた理由というのはいろいろなことがあると思いますが、一つは社会全体がいわゆる就業構造というものが変わってきた、いわゆる労働時間というものが短縮の方向に向かっております。したがって労働時間が短縮されますと、余暇が時間があいてきますから定時制高校へ通いやすくなる。やすくなれば、定時制高校へ来る時間が多くなれば、それは四年で修業できるものを三年間でできるという、端的にいえばそういったことが片方にございます。と同時に、先ほど申し上げました履修形態がいろいろな形で定時制と通信制とを併用していくとか、そういったことを進めてまいりましたので、これについて全国で百を超える学校が大体三年間で卒業できるだけの単位を取らせているという実態がございますので、それならば三年間で卒業させてもいいではないかということに考えたわけでございます。
○下村泰君 その中身も今労働時間が短縮されると言いますけれども、果たして全企業、いわゆる中小全部まぜて、大から零細まで全部まぜて果たしてそういう労働時間が短縮できるかというと、これはちょっと当てになりませんな、実態としては。昔は働きながら学べるという学校が定時制、通信制であったわけです。そして慢性疾患の子どもたちや在宅で学ばざるを得ない障害児にとっても通信制は大変有意義な学習の場であったわけですが、それがまたいろいろ変わりますね。 これは新聞の記事をちょっと引用させていただきますけれども、読売の「よみうり寸評」ですね。これ八八年三月ごろですが、 「あげ出し」といえば、普通は「揚げ出し豆腐」のこと。ところが、筆者はなぜか「高校中退者」のことを思い出す。進級のあぶない生徒に「定時制へ出ていくなら、単位をやる」と担任が、もちかけて中退を求める。上へあげて、外へ出すから「あげ出し」。全国で高校中退者の数が十万人を超えた五十七年ころ一部の高校教師の間でささやかれた言葉だった。 首都圏の通信制高校で、高校中退者の入学が急増している。入学者の半数を超えたところもあり、高校側は専門のクラスを新設したり、スクーリングを増やすなど対応におおわらわ。中学卒業後すぐ通信制に入学するケースも目立ってきており、働きながら勉強する人や主婦層を対象に設けられた通信制の教室風景は、ふつうの高校と変わらなくなりつつあるようだ。 こうした通信制高校の「異変」の背景には、中退者を受け入れてくれるところが他にない、という問題がある。全日制高校は、親の転勤など特別な理由がない限り転編入を認めていないし、定時制も定員いっぱいの状態だ。 高校中退の原因には、登校拒否も多いが、通信制のシステムや雰囲気がプラスに働く場合も少なくない。学習がリポート中心で、学校に足を運ぶのは月数回と少ないほか、髪形や服装が自由など校則も極めてゆるやかだ。学校の「統制色」が薄いことが、高校教育になじめなかった生徒には、通ってきやすいらしい。元の高校で登校拒否だった生徒が、転入後、生徒会活動などに積極的に参加する例も目立つ、という。 こんなようないろいろな記事がございます。このほかにもございます。 そうしますと、何かこれを読んでいると非常に変な気がするんですね。定時制や通信制と全日制の関係とはこういうものなのかという気になります。だから私最初に述べたように、障害を持った生徒は全日制を希望しても排除されてきたわけですね、ころいうのを読んできますと。全日制と定時制、通信制の間には明らかに差別があります。私はまずそこが問題だと思います。次に、全日制の教育放棄、これが問題になっています。多様化は必要だと思いますが、その前にすべきことがあるのではないか、ますます混乱するだけというふうに感ずるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) 今いろいろな各般の問題を御提示されたように思いますが、要は高等学校の教育が本当にこれでいいのかということではないかと思います。といいますのは、やはり先ほどから申し上げておりますように、九四%の子供を一つの高等学校という中で受け入れておりますが、端的に申し上げれば普通科高校と職業高校と二つのパターンに分かれる。そして普通科高校は言ってみれば大学受験準備教育のようなことに中心がいってしまっている。そして職業高校は職業高校として非常にいわゆる職業人育成という形になる。そのことが多様な子供を受け入れる教育機関として果たして十分であるかということになると、私たちとしてはやはり高校中退者が十一万人も出るという現状からいえば、高等学校教育というのはもうちょっと弾力的であってほしい、あるいは多様化があってほしいということを理念的に考えるわけでございます。 したがって、それを具体的にどうすればいいかというのは、私たちはやはりいろいろな方の御意見を聞いてそれを考えなければいかぬわけでございまして、高等学校の教育の個性化の調査研究会議を発足させましたのも、そこでそういった問題について十分検討してもらって、今の高校教育というのを、子供の個性、能力に合わせて高等学校教育というものを発展させるにはどうすればいいか、今の高等学校教育というものはこれでいいのかというものを十分検討してもらいたいということで発足させたのも、その趣旨でございます。
○下村泰君 何か局長は随分個人個人の能力を生かすとか御意見を述べていらっしゃいますけれども、実は鋳型にはまっているんじゃないですか、みんな内容は。というような私は気がしますけれども。 私が一番伺いたい問題に入りますが、障害児、生徒の高校における実態、状況についてお伺いいたします。まず教えていただきたいのですが、特殊学校、普通学校の各中学卒業者全体の中の肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、知恵おくれ、病虚弱のおのおのの障害を持った生徒の高等学校での在学者数、ことしの進学者数、進学率ですね。全日制、定時制、通信制別に教えていただきたいと思います。 もう一つは、高等部と高校との間の単位の互換ですね。これはどうなっていますか教えてください。
○政府委員(古村澄一君) まず進学状況について申し上げますと、ことしの三月、六十三年の三月の中学校を卒業いたしました者の高等学校への進学状況でございます。盲学校の中学部の卒業者が四百十六人でございます。そのうち全日制の高等学校へ行きましたのが九人、定時制の高等学校へ行きましたのが一人、それから高等学校の別科へ参りましたのが五人、それから高等専門学校はゼロでございます。それから盲学校の高等部へ参りましたのが三百八十人ということで、いわゆる高等学校に十五人、盲学校の高等部が三百八十人ということになりまして、合計で三百九十五人ということに相なるわけでございます。 それから聾学校を申し上げますと、聾学校の中学部の卒業生が五百五十五人。それから全日制高校へ行きましたのが十四人、それからいわゆる聾学校の高等部へ参りましたのが五百二十八人、合わせまして五百四十二人の者が進学いたしております。 それから、養護学校の精薄の学校を卒業いたしました者が五千七百七十一人でございます。そのうち全日制の高等学校へ参りましたのが一人、定時制高校四人、通信制が三人、それからいわゆる養護学校の高等部へ参りましたのが三千五百八十一人ということになります。合わせまして三千五百八十九人が進学をいたしております。 肢体不自由の養護学校の中等部の卒業生が千八百九十六人で、そのうち全日制へ参りましたのが三十七人、定時制が三人、通信制が七人、合わせまして四十七人でございますが、いわゆる養護学校の高等部へ参りましたのが千三百七十九人、合計千四百二十六人でございます。 それから、病弱の卒業者が千八十人。全日制の高等学校へ参りましたのが三百七十八人、定時制が五十二人、通信制が二十五人、高等専門学校が二人、いわゆる養護学校の高等部へ参りましたのが二百八十二人、合わせて七百三十九人ということでございます。 それから、いわゆる特殊学級、中学校の特殊学級の生徒でございますが、これが卒業生が一万一千三百六十四人。高等学校、高専合わせてしか持っておりませんが、合わせて行きましたのが二千百九十五人、それからいわゆる特殊学校の高等部へ参りましたのが三千九百四十五人でございますので、合わせまして六千百四十人の者が進学をいたしております。 こういう結果でございます。 ─────────────
○委員長(杉山令肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中村太郎君が委員を辞任され、その補欠として田辺哲夫君が選任されました。 ─────────────
○下村泰君 昨年二月、厚生省の在宅身体障害児、十八歳未満の実態調査でも、一般学校への就学率が五四・九%、三万六千九百人となっておるわけですけれども、この子供たちの進路について何かデータがございますか。
○政府委員(古村澄一君) その子供についての進路についてのデータは持っておりません。
○下村泰君 ないというのはどういうことなんでしょうか。全然調査してないんですか、それとも調べる必要がないということなんでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) 実は厚生省の調査そのものは抽出調査で比率を出しておりますので、私どもはいわゆる生徒の進路そのものを特定して一つずついきますので、そことの整合性を持った調査というのはしにくい、できないという感じがいたします。
○下村泰君 厚生省が調査してできて文部省ができないと。ちょっとおかしいじゃないですか、これ。まあ、別にこれを今差し迫ってそれがないから審議をとめるなんてばかなことは申しませんけれども、この厚生省の方のは一般の学校の方へ五四・九%、三万六千九百人行っているんですから、この内容をちょっともしできることならば調べておいてください。お願いします。 そこで、多様化という点から見た場合、障害を持った生徒は本当にその多様化からほど遠い、限られた世界にいるわけです。地域によっては普通高校、全日制に入るとこれは大変なニュースになるわけですよね、これこれこういう子供がこういう状態でこういう学校に入ったと。大学へ入ったらもっと大騒ぎになる。いろいろなコースがあるというのはこれはいいことだと思いますけれども、問題はそれが本当にその人の意思によって選択されているか、また、できる状態になっているかということ。 例えば、訪問教育というのがありますね。これは高校ではないんですけれども、本当に最重度で学校に通うことができない生徒にとっては外との交わりを持つ数少ない機会ということになります、訪問教育は。全国に五千ないし六千人の児童生徒が義務教育課程の中で受けています。養護学校の中でも実施しているのは四百五十五校だけ。それで、ある訪問教師が、以前受け持った小学一年の女の子のことが今も忘れられない。心臓が悪く寝たきりでしたが、自宅を訪ねるといつも笑顔を見せ、人形みたいな子でした。抱いたり絵本を見せるとにこにこ笑うんです。でも、昨年、六十二年六月亡くなってしまいました。大部分の生徒が高校に進学している中で、なぜ心身障害児だけが差別されなければならないのですかと言われていた。奈良県の重度の脳性麻痺の生徒は作詩までできるようになったのに、中学を卒業後は外の世界との接触もなくなり、心身ともに退行したと聞きます。これはよくあることなんですね。 これ、いつも私は申し上げますけれども、大臣、いつかここで申し上げましたけれども、アメリカから来たエアロビクスの女子の先生がおる。このエアロビクスの女子のコーチがたまたま私の部屋へ来てくれました。それで、脳性麻痺とか障害者とか、そういうふうに体の動かない方たちの前でエアロビクスダンスを踊るんだと。そのとき私質問したんです。全然体の動かない、けいれんも起こさない、じっとしている障害者がおるんですよ。車いすがありますね。あの車いすが斜めになっている。だから、ベッドと同じですよ。板と同じ。そこへ寝たまま縛帯、いわゆる縛られておる。何にも動かない、目も動かない。そういう子供の前でエアロビクスをやって何の効果があるんですかと聞いたんです。そうしますと、その子供たちの前で動いて、例えば目がちょっとでも動いている物体を追う、目がちょろっとでも、あるいは自分も何とかしてその動きについていこう、あるいはリズムに乗っていこうとするような気配、本当に気配がちょっとでも起きればそれはそれで成功なんだ、この障害者に対するエアロビクスというのは。ですから、あなたのおっしゃっていることは私にはわかりませんと逆に言われまして、えらい恥をかきました。 その方がとにかく障害者のみを集めてエアロビクスダンスを見せますと、本当に中には、脳性の子は自分で思わない声を出しますからね、狂声みたいになります。そういう奇声を発する子もおる。それから、動かない体を動かすように意識して動作をする子もいるそうです。子供ばかりじゃありません。大人の方もおります。そういうことを伺いますと、なおのこと普通の状態、健常者の間へ入れておいてやりたいんですね。隔離するとどんどん退化していくんですよ。ですから、心身ともに退行していくというのはよくわかるんですよ。 こういうことを申し上げまして、私、この間実は名古屋の岩倉市へ行ってきまして、問題になっておりましたあの円ちゃんですね。その件について岩倉市まで行って教育委員長とお話もしてきました。何とかひとつその接点を見つけたいと申しましたら私のしゃべった記事を愛知教育大学のある先生が見て、接点なんかあり得ないと、その先生が。親は親として自分の子供が知恵おくれなんだということを認めるべきだ、知恵おくれと認めて、障害を認めて、その子にそれ以上の負担をかけるなというような言い方の先生でした。これは愛知教育大学の先生です。教授ですわ。人間にはそれぞれの意見があります。それぞれの持っている持論というのもあります。ただ、私もこういう「あゆみの箱」というようなものの運動に関係して今日まで来まして、こういう障害者の方々とお話をし、おつき合いをしていて感ずることは、どんな障害の子でも、ある程度こっちが裸でぶつかっていきますと、何か反応があるんですよ。何か反応がある。決してないことはない。ですから、先ほどスローモーションカメラだと申し上げましたけれども、知恵おくれの子供というのはまさにスローモーションカメラなんですね。 けさほどちょっとニュースを見ておりましたら、そのスローモーションカメラの対象になる知恵おくれのお子さんたちが、すばらしいつむぎ織りですかね。つむぎ織りだと思いましたが、けさニュースでやっておりましたが、織物を一生懸命やっている。しかもそれが商品価値のあるぐらいのできばえなんですね。これからもその子供たちのリハビリをさせながら、そういったものを、手仕事を身につけさせるというようなことを言っておりましたけれども。文部大臣もそういう小児麻痺のお子さんとかにお会いになったことがあると思いますけれども、この方たちと会話するのは物すごく疲れるんですよ。普通の方で三分で済む話を聞いているのに一時間かかりますからね。ちょっと例を挙げれば、わあおうええと、こういう感じですね。それでも本人はしゃべっておるんですよ。これ、長くおつき合いするとわかる。ある程度わかりますよ。一〇〇%までいかなくても八〇%わかるんです。そういうふうになれるんですね。ですから、そういう退化させない、前へ少しでも進めていくためには、こういうことが必要だと私は思うのです。 週二回、二時間ずつでは、義務教育九年間合わせても全日教育の一年余り。そのために授業時間の不足を理由に留年させている例もあるわけです。わずかな自治体では、独自にいろいろやっています。極めて少ないです。長期欠席、長期入院者の実態もきちんと把握できていません。訪問教育についてはいろいろ意見もあります。それされも選択できず放置されている。こういった実態を大臣はどうお考えになりますか。また、文部省当局はどうお考えになりますか。わずか数千人の子供のために努力はできませんとおっしゃるのか。ただ、くれぐれも誤解のないように願いたいのは、基本は通学教育であって、訪問教育ではありません。できればそうするように教育行政が、可能なことを可能な限りにすべきであるというふうに私は願うんですがいかがでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) おっしゃいますとおり、かなり重度のお子さんについては、学校へ通えないということで、訪問教育というものを実施している。ただ、いろいろな都道府県の学校を見てみますと、バスを工夫したりいろいろなことをして、なるべく学校へ連れてこようということで、かなり重度のお子さんも学校へ来ているという現状もございます。そういった努力というのは当然必要でございますが、それでもなお学校へ来れないという子供さんに対しては、やはり教師が出向いていく、学校から出向いていくということが必要でございまして、それは義務教育段階においては、やはりそういったことをしてでも子供さんに対して教育をしてあげたいということで、訪問教育というものをやってまいった次第でございます。 これについてはいろいろな難しい問題もございます。したがって、私の方でも「訪問教育の指導の実際」といったものを今年度つくりましたので、そういったもので現実問題、訪問教育に当たります先生方、いろいろな苦労があって、どうやればいいかということで迷っておられる方が多いと思いますので、そういった何らかの一助にしたいということで、そういった指導書もつくり、学校に配付いたしておりますので、こういったものが活用されて、よりよく進むようにということを願っておるわけでございます。
○国務大臣(中島源太郎君) 先生のお話を伺っておりまして、心身にそれぞれ障害のある方々はその重度の差はあると思います。その中で、今伺っておりまして、健常者とのかかわりを絶てば絶つほど退行なさるということは確かにあるのではなかろうか。この機会をどのように持つかということが私どもの一つの使命でございますが、一つの方法としては、交流教育をより充実させるということが必要ではなかろうかと思うんです。それ、もちろん今の訪問教育に対する指導書もつくっておりますが、訪問教育を受ける方々ばかりではないんだろうと思います。普通の健常者と一緒に学べる方もあれば、あるいは特殊学級で学ばれる方もありますし、いろいろありましょうけれども、できるだけ健常者との交流教育の場を多くしていくことは必要であろうなというふうに、今伺っておりまして率直に感じたところでございます。
○下村泰君 ありがとうございます。またこういう問題はじっくりやらせていただきます。 これで、実は三度目になるんですけれども、点字教育書の保障の問題です。普通学校の小中学校でも文部省は難色を示されておるようで、高校だと一層無理かと思うんですけれども、一方、通信制などは広域ですからスケールメリットもあるわけです。その意味では逆に可能性も高いのではないかと思うわけです。私の知る限りでは、公立高校で、都や神奈川では、方法は違いますけれども一応保障されております。また大阪府では国語や英語は保障されていると聞いております。要点のみの点訳でも十万もかかったという話も聞いています。大学では、いいパソコンもできているということですけれども、実はここにけさです、これ、こういう記事があるんです。 点訳ボランティアの技術とコンピューターの情報処理・保存能力を組み合わせた、新しい点字図書館のネットワークが七日完成した。日本IBM、会社の名前はどうでもいいでしょうけれども、ここが開発したわけですね。 そして、 開発されたシステムでは、約二百人の点訳ボランティアが点字用ソフトを組み込んだパソコンを使ってフロッピーディスクに点字情報を打ち込む。このディスクを全国十二か所の端末拠点に持ち込み、そこからオンラインで東京・大手町のホストコンピューターに点字情報を蓄積、専用プリンターさえ用意すればこの端末機からワンタッチで点字が打ち出される仕組み。 点字タイプライターを使って一冊ずつ作られたこれまでの点訳本。新方式では、スピードアップが図られる上、ボランティア団体同士で点訳本の共通利用も可能。おまけに利用料は点字用紙代だけとあって、約三十万人の目の不自由な人には朗報となりそうだ。 こういうふうになっています。そうしますと、あとはもう面倒がらずに、文部省が工夫してやってくださればこういうことは解決していくような気がするんですね。ノートティカーとか、あるいは手話通訳あるいは教員配置などの受け入れ実態についても強力に進めていただきたい。普通学校でも学べるチャンスをきちんと保障して初めて私は多様化ということになるんではないかと思うんですけれども、このことについてひとつこういう方たちにとってすばらしい何か御返答ございませんか。その御返答を聞いて、すばらしいなと思ったらやめます。
○政府委員(古村澄一君) 三回お尋ねでということでございますが、前とまた同じようなお答えになるかと思いますのであれですが、結局、今先生お読みになった新聞、これ私もちょっと知りませんで、そこのところはひとつ十分私どもでも何かそういったことが活用できる道があるのかどうかというのは検討してみたいと思いますが、まあ子供さんが普通の学校へ入る、いわゆる障害のある子供さんが普通の学校へ入るということはかなりの、まあ本人自身も負担があるだろうと思いますが、それを乗り切っていくということと、それからそれを受け入れるための学校側の態勢というものが必要だろうと。やはりそういったことを十分配慮して、とにかく一番先に大臣が申し上げましたように、高等学校の入学の入り口で門を閉じちゃいけませんよと。とにかくその子供がその学校で教育がいけるかいけぬかというような、真剣に考えてください、そして門戸をあけてくださいということをお願いいたしておりますので、ひとつそういった点でも都道府県になお一層の努力をしていっていただきたいということを御指導申し上げたいと思っております。
○下村泰君 この一言でおしまいにしますから。 何か局長も今言い悩んでいらっしゃるような感じ。本当は腹の中では、してあげたいなとは思っているんでしょうけれども、局長の立場でそんなこと言っちゃって後でひどい目に遭わないとも限らないからと遠慮しているんだろうと思いますが、おなかの中は読めております、私も。腹芸として承っておきます。 それで、今お読みしたのは、これはけさの新聞ですから局長もおわかりにならないと思いますけれども、民間の方でも一生懸命こういうことができているんですから、これは文部省としても私は利用すべきだと思うんですね、できる限りこういったことを。それで、大臣に一言だけ後プッシュしていただきたいですね。今後こういったことをやるかやらないかということだけで結構でございます。
○国務大臣(中島源太郎君) 今点字のフロッピーのお話を伺いまして、いい機械ができたな、こう思います。これは目の御不自由な方が点字からあるいは書物、あるいはその他をお知りになるということは、少なくとも外の社会との、また健常な社会との重要なかかわりになるであろうと思いますので、せっかくこういうできた機械をどのように利活用するか最大限の知恵を絞ってみたい、こう思っております。
○委員長(杉山令肇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議あり」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) それでは、質疑終局に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、質疑は終局することに決定いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○粕谷照美君 私は日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま提案されました学校教育法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 今から三十八年前、一九五〇年の学校教育法改正で高等学校の定時制課程の修業年限はそれまでの三年以上を四年以上と改めました。その理由について、当時文部省は、初等中等教育局長通達で、定時制の課程は勤労青年を対象とする課程で、通常の課程の三年分の教育をこれと全く同等の程度内容をもって行うには最低四年を要し、強いて三年にすれば教育上、保健上勤労青年のために憂うべき事態を生じ、かえって勤労青年に対して思わしくない結果を招き、ひいてはこの課程から勤労青年を締め出されることをも考慮され、定時制の課程の修業年限を一律に四年以上とすることになったのであると述べています。四年という修業年限は学校の定める教育課程のすべてを終了するのに必要だからこそ決めているのであります。 今、急激な社会経済の変化の中で中学校卒業生の就職率は激減し、高等学校の全日制への進学率の上昇に相反して定時制、通信課程はかつてのような勤労青年の学習の場でなくなりつつあるのも現実の姿であります。定時制教育の所期の理念が実態の上では崩れていると言っても、依然として経済的な事情で働きながら学ぶ青年が存在しているのです。また、全日制に入れずやむを得ず定時制に入学した場合も何らかの仕事に従事している青年が多いのです。こうした勤労青年にとって一年間の修業年限短縮は学習上物理的な負担となり、教育上、保健上思わしくない結果を惹起しないという保障はありません。 法律は一年間の修業年限の短縮を可能にする措置の一つとして技能連携の拡充を挙げています。このことは勤労青年にとって意義のあることとは考えられても働いていない生徒に対しては同じ意義を持つものではありません。高等学校で学ぶ生徒を高等学校以外の教育訓練機関に追いやることであり、高等学校教育の変質とも言えるものであります。また、同一の学校で三年で卒業できる者、四年かかって卒業する者というようなコース分けが教育的であるかどうかも疑問であります。 以上申し上げましたように、企業優先となりがちで高等学校の主体制が失われ生徒の進路の多様性を阻むおそれのある本法律案に対して反対の意見を表明し、討論を終わります。
○林寛子君 私は、自由民主党を代表して、学校教育法の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行います。 高等学校における定時制、通信制教育は、これまで、勤労青少年に対し高等学校教育の機会を確保するものとして、極めて重要な役割を果たしてきており、高く評価されるべきものと考えます。 しかし、一方、近年における全日制課程への進学率の上昇に伴い、特に定時制の生徒が減少するとともに、通信制を含め、生徒の入学動機や学習歴などが多様化してきております。また、全日制を初め高等学校全体について、極めて多様化している生徒の実態に必ずしも適合していないという問題が見られます。 このような状況にかんがみ、今後、高等学校教育の多様化、弾力化を図ることが極めて重要であり、特に、定時制、通信制教育については、生徒の実態を踏まえ、その学習負担の軽減や学習意欲の向上を図る等の観点から、さまざまな改善を図る必要があります。今回の改正案は、その一つの方策として極めて重要なものと考えます。 まず、修業年限の弾力化については、修業年限が四年以上と定められているために、三年間で卒業に必要な単位を修得していながら、卒業できずにいるという実態が今日においても既に生じており、このことが定時制高校、通信制高校を敬遠させている面があるのではないかと思われます。その意味で修業年限の弾力化は一日も速やかに措置すべきものであります。 なお、この修業年限の弾力化について、勤労青少年が学習することが困難となるのではないかと懸念する意見もありますが、今回の改正は、今日の生徒の実態等にかんがみ、特段の支障がないと認められる者については、三年でも卒業し得る道を開くところにその趣旨があるのであり、そのような問題は生じないものと考えます。 また、技能連携制度については、定時制、通信制の課程に学ぶ勤労青少年の学習負担の軽減と、それら生徒の職業教育分野における実践的な技術、技能の修得の二点において制度発足以来、成果を上げたものとして評価するものであります。 今回の改正案は、指定の基準は従来どおり国が定めることとしてその水準を担保しつつ、技能教育施設により近いところにある各都道府県において施設の実態を踏まえた運用がなされるものと期待されるので、国と地方の役割分担の見地からも極めて妥当な案であると考えます。 以上の理由で本案に賛成するものでありますが、最後に、高等学校における定時制通信制教育の振興が図られるとともに、学校教育が一層発展充実していくことを期待して討論を終わります。
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、学校教育法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。 まず、反対理由に先立って指摘しなければならないのは、本法案もその一環として進められている臨教審、教育改革が中曽根内閣のもとでリクルート疑惑など金権、腐敗にまみれたものとして推進されてきたことであります。現に、この疑惑の中心人物である江副氏は教育課程審議会委員、大学審議会委員等に任命され、また当時の森文相や高石文部次官などは未公開株の譲渡で莫大な利益を得ている事実があります。子どもに真実を教えることを旨とする教育にかかわっての汚職の疑惑であり「真理と正義」をうたう教育基本法の基本理念からも、父母、教師、国民に対して事の真相を明らかにすべきであります。 今次国会の中心任務であるこの疑惑の解明も十分にされないまま、しかも、本法案を参考人の意見聴取もせず極めて短時間の審議で採決することに対して、まず我が党は強く抗議するものであります。 次に、本法案の内容でありますが、第一の反対理由は、全日制高校と定時制、通信制高校は同等の教育内容、水準を保障するとした戦後の高校教育の基本理念、制度を根底から崩し、定時制、通信制高校に新たに単位制高校も結びつけて全日制高校より低い教育水準を押しつけようとしている点であります。 定時制、通信制高校の三年間でも卒業できる道とは、専修学校、各種学校での履修を初め、社会体育活動や家事労働まで体育や家庭一般の単位の履修として認め、特別教育活動については自主参加を認めるという技能連携や実務代替を拡大しようとするものであります。 それは、教師と生徒、生徒同士の対話、触れ合いを通じての人格の向上という教育の営み、科学的で系統性を持った教科の学習を放棄させるものであります。同時に、三年間コースの生徒は、勤労と過密な学校スケジュールのために、健康の破壊さえ危惧されるのであります。 第二に、後期中等教育の多様化、能力と適性の名によって高校の複線化をさらに押し進め、一層受験地獄の教育荒廃をもたらすことは明らかであるからです。 勤労青少年、全日制高校に希望しながら進学できなかった子供たちや高校中退者に三年で卒業できる安上がり高卒コースを推奨しつつ、もう一方でエリートのための六年制中等学校、全日制高校の無学年制、そして修業年限の弾力化と称して一部高校の専門教育強化の四、五年制を進めょうとしています。 希望するすべての子供に国民的教養の基礎を身につけさせるという戦後の高校教育の基本理念をかなぐり捨てて、政府、財界の産業構造転換の政策に見合った多様な労働力の養成を目指す政略的なものであり、教育荒廃をもたらした高度経済成長期の高校多様化政策の誤りを再び繰り返すものであります。 最後に、本法案は勤労青少年の新たな勤務の実態に合わせるとか、高校中退者の救済策、また生涯教育の一環などと提案説明していますが、この高校教育改革は、定時制高校の施設設備の改善、働きつつ学ぶ権利の具体的保障、全日制を希望しながら定時制に来る子供たちをなくすための高校増設、中退者等を出さないための詰め込み学級定数の改善など、基本的な教育条件の整備充実には何らこたえるものでないことを指摘して討論を終わります。
○委員長(杉山令肇君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 学校教育法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 学校教育法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、高等学校教育の重要性にかんがみ、次の事項について、特段の配慮をすべきである。 一 定時制・通信制課程の修業年限の弾力化に当たっては、勤労青少年の負担の過重や教育水準の低下をもたらさないよう、特に健康保持に留意すること。 二 技能連携制度については、学校教育法に規定する高等学校の目的に即した適正な運用に努めること。 三 定時制・通信制課程の教育の充実を図るため、単位制高等学校等の教職員定数、施設・設備などその条件整備について、所要の財政措置を速やかに講ずること。 四 定時制・通信制課程の制度創設の趣旨にかんがみ、今後とも勤労青少年の修学奨励策の充実に努めること。 五 第四次公立高等学校等の学級編制及び教職員定数の改善計画について、その計画期間内達成を図るとともに、その後の改善計画について検討を進めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(杉山令肇君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山令肇君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、中島文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中島文部大臣。
○国務大臣(中島源太郎君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(杉山令肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時二十分まで休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化及び学術に関する調査のため、本日の委員会に日本放送協会営業総局副総局長大森誉皓君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(杉山令肇君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安永英雄君 リクルート疑惑は今やもう疑獄と、こういった様相を呈しておりますし、国民のこの問題についての政治不信、あるいは言いかえると私は教育不信と、こういうふうな風潮がもう今や全国の国民の皆さんの胸の中にわいてきておるという状態であります。私は、時間もありませんから、特に文部省に関する、いわゆる前文部事務次官の高石邦男氏が現職時代に本人名義でリクルートコスモスの未公開株を一万株譲渡を受けていたことを明らかに本人もいたしました。六千株を六十一年十月の店頭登録直後売却をしておる。残り四千株は現在も保有をしておる。本人は名義だけを、本人名義になっているわけですけれども、これは家内がやったことだということで、記者会見等もやっておるということを報じられている。まず、こういった問題について、午前中もちょっとお触れになりましたけれども、こういう事態についての文部大臣の所信といいますか、所見をお伺いしたい。
○国務大臣(中島源太郎君) 安永委員御指摘のリクルート非公開株の譲渡を文部省の前事務次官高石邦男氏名義で奥さんが購入をされておったという事実につきまして、私はそれが本人であれ夫人であれ、大変慎重さを欠いた行為としてまことに残念に考えております。特に文教行政を誠心誠意進める上におきまして、各委員の皆様方にも大変な御熱意を持って取り組んでいただいておる、こういう時期であればこそ、なおこの慎重さを欠いた行為は残念至極と言わざるを得ないわけでございます。私としては、さらに御当人から事情聴取をいたしますとともに、省内に対しまして厳正な職務の遂行をいたしますように、事務次官、官房長に指示をいたしました。去る四日に、省内におきましては課長連絡会、それから局長会議を相次いで開きまして、その旨を徹底せしめたところでございます。
○安永英雄君 これ、現在のリクルートを見る目からいけば、大臣が残念でございますでこれは済まない問題だと私は思う。あくまでもこれは解明しなければならない、徹底解明をしなければ、これは国民も納得しないし、子供たちも納得しないというふうに思います。 そこで、川崎市の助役がリクルートコスモスの株を受けた、譲渡されたということ、これが発端になって出てきたわけでございますけれども、それが六月ですね。このころからもう既に森元文部大臣の株の譲渡ということも明らかになって表に出てきた。当時から大体江副氏の身辺をめぐる文部省との関係、問題というのはもう既にささやかれておったわけです。我々は、既にこの川崎のこの問題からもう今四カ月以上たちますけれども、もう既にこれは終始この文部省との関係、これがささやかれておったわけですけれども、この点についての文部省の実情調査といいますか、内部の調査、こういったものについてはどういう形でやられましたか、この間、長い間。
○政府委員(加戸守行君) 問題となっております江副氏が教育課程審議会の委員、あるいは大学審議会の委員に発令をされているということが一つの関係ではあろうかと思います。この事柄につきましては、文部省内におきましてそのような江副氏選任についての特別な指示等はなかったということは、高石前次官から再度にわたって確認をさしていただいているところでございます。それから、文部省部内の幹部、あるいは既に退職された方等につきまして、リクルートコスモス株を購入していないかどうかという調査はさしていただいております。 それから、リクルートが、文部省との関係におきまして、いろいろな活動という点での御意見もあるわけでございますが、現実に教育界におきまして例えば「リクルートブック」の配布とか、あるいはいろいろな情報提供活動が現場との関係あることは事実でございますけれども、文部省の行政自体と結びつく事柄ではございません。そういった点は特別な調査というわけではございませんけれども、その認識は把握をさしていただいたという状況でございます。
○安永英雄君 そういった調査をやって、そういう事実はない、行政上の問題はないと、こう言いながら、はっきり今度出てきたわけですね。特に森元文部大臣、それから今度の高石前次官、そしてしかもそれははっきりと、当時文部大臣も次官もこれは三万の株、あるいは一万の株というのをはっきり譲渡を受けたと。本人とか秘書とかいろいろなことを言っておりますけれども、他のものに加えてこれは本人の名義上どうなっておるのか、そういうことがわかったとすれば、今までの文部省の省内における事実調査というものは、これは実にずさんだったと私は思うんです。そういった関係で、事実上文部省の方でそういったことがわかった、いろいろな調査をしておったけれどもわかったというのはいつですか。
○政府委員(加戸守行君) 高石前次官の奥様が高石前次官名義でリクルートコスモス株を購入されたという事実を文部省が知りましたのは、十一月三日の一部新聞報道を拝見してからでございまして、直ちに連絡をとらしていただきました。そのときに高石前次官の方からは奥さんがやった行為であるとはいえ、このような結果になって、結果的には文部省をだましたことになった、大変申しわけないというお話ございました。いずれにいたしましても、高石前次官のお話によれば、株の運用その他は奥様が一切行っていられたようでございまして、それを承知することができなかったという点につきまして文部省には釈明があった次第でございます。
○安永英雄君 非常にあずのきれないあれですね。先ほどは大臣は省内において局長その他で厳重にとにかく自粛するようにとか、あるいは内部を固める、こういったことをしたとおっしゃるけれども、事実調査の問題になってくると実にあいまいなんですね。 例えば、新聞報道を見ますと、これは退官された方でもあり、こちらから呼び出す立場ではない、東京においでになる機会があればお会いして調べましょうとか、また高石氏個人は福岡で選挙の盛んに今準備運動をやっておるわけですけれども、本人が記者発表したところでは、文部省としては事務的に実態を知りたいので報告してほしいと言うてきておるけれどもという、軽く、文部省の庁内の事実調査についてはなめ切った態度ですね、これ。とにかく文部省に、官房長に電話かけて話をしたところが、文部省としては事務的に実態を知りたい、報告してほしいと、こういうふうに言うてきたぐらいだと、こういうふうに言っているところを見ますと、実に文部省内における、起こったその場所の事実についての調査、こういったものについては非常にまどろっこしいという感じがしますが、今後、まあその前に聞きましょう。そうすると、今日まで一万株が渡されたという、二日ですか、新聞に報道されたのは。それから今日までのこの事実調査について、本人に対する事実調査どうなされましたか。
○政府委員(加戸守行君) 報道を拝見しました十一月三日早朝は、電話で事実関係、ある意味では簡単な事実関係の確認をさしていただいたということでございますが、その後、大臣等の御指示もございますし、私どもとしましても高石前次官にできる限り早く東京へおいでいただく機会があれば事情聴取したい、御都合をつけていただくようにお願いしておったわけでございますけれども、十一月六日の日曜日の夜でございますが、急遽御都合をつけていただきまして東京へおいでいただきましたので、阿部事務次官と私とで本人から直接二時間程度事情をお聞かせいただいたということでございます。 なお、その際におきます確認といたしましては、既に三日の早朝、電話で確認しました事項とほぼ同様でございますが、内容的に変わりましたのは、残り四千株を生涯学習振興財団へ寄附したいとおっしゃっていましたことにつきましては、法令上の問題等もあるのでこれは取りやめて、他の公益目的のために使いたいという点が、三日と六日の事情が変更、異なっておる一つでございます。
○安永英雄君 六日夜、どこでだれとだれと会って、場所もどこでやったんだ、そして、その内容をもう少し整理してください。前のこととか前のこととか言ったって、これ、新聞読みなさいという意味ですか。もう少し整理して話してください。
○政府委員(加戸守行君) 本人から直接事情をお聞かせいただきましたのは、十一月六日、日曜日の夜七時二十分から九時二十分まで約二時間にわたりまして都内の某所で話を聞かしていただきました。その場合、お聞きしましたのは阿部次官と私、官房長でございますが、そのほか数名の記録係といいますか、整理係で陪席させていただいております。 確認さしていただきました内容は、リクルートコスモス株の購入をした時期が昭和六十一年の九月ごろであるということと、購入した株は一万株で、一株三千円で購入をした、その場合の紹介者はリクルートの関係者で、奥様はだれかを覚えていないということでございます。なお、江副氏より直接話があったということは全くないということでございました。 購入しました動機は、御夫人の方が以前から株をやって興味を持っていられたということが動機のようでございますけれども、それから六十一年の十一月ごろ、株が値上がりいたしまして、六千株を一株五千円強で売却をされまして、融資を受けておりました借入金の元利相当分はその際返却、返済したということでございまして、残り四千株は現在保有中である、またその株券につきましては奥様が保管をされている、こういったような状況でございます。 それからなお、審議会委員発令関係につきましてもお聞きいたしましたが、江副氏を選任するようというような一切の指示は行っていない、下から積み上がってきたものについての了承を与えたと、そのような状況でございます。
○安永英雄君 依然として、家内が私名義でやったことで、私は知らないと言う。ほかにも秘書名義でやったことだから私は知らないと言う。今はそういう方向で皆すり抜けようとしておるわけですけれども、しかし普通の社会生活ではこういうことは通らないですよ。これはもう一般の国民の皆さんは責任転嫁だとはっきり受け取っておるわけです。普通の人間の感覚ということでは、常識外であります。こういった点について官房長、どう思いますか。お会いになって、依然としてやはり妻名義なんだ、妻が私名義で勝手にやったことなんだということについての調査といいますか、立ち会ったときのあなたの考え方、印象はどうですか。
○政府委員(加戸守行君) これは高石家の財産運用につきましては、すべて奥様がなさっていたようでございまして、もちろん印鑑等も全部奥様にお預けになっておられるわけでございまして、そういった以前から奥様が株をなさっていらっしゃった。そして、どのような株を買ったり売ったりされていたのかは御主人自体も御存じないような状況でございまして、そういう意味では高石家の家庭状況としては当然あり得ることであろうというような感じで私どもはお話を承ったわけでございます。
○安永英雄君 そういう感覚で立ち会って本人調べたって、そしてそんな印象を受けましたなんて、そんなことでは文部省内におけるこの調査なり今後の自粛、立て直し、できませんよ。 そこで、高石前文部次官は中曽根内閣当時の初中局長、あるいは森文部大臣の当時の初中局長とか次官をしておったというわけであります。江副氏との関係も昔からということで、十年という活字もちょっと載ったこともありますけれども、知っておる、こういうことでありますが、資金の面倒をすべて見てもらって、そして店頭登録直後に、値上がり時に売却する、手元なしのこれは大もうけであります。これはもう通常の経済行為というふうには思えないんであります。株式の形をとっておるけれども、現金をこれは贈与した、こう見るのが当然と思うんですけれども、この点について官房長、会ったとき、この問題に触れましたか。
○政府委員(加戸守行君) 奥様のお話を高石前次官からお伺いをしたところによりますと、購入の時点で、店頭公開されれば値上がりするであろうという予測を持たれたわけでもございますけれども、そういったことを期待されたことは奥様としてもあったのではないかと思いますが、いずれにいたしましてもその時点で購入されましたものを二月後に売却したことは事実でございますが、残りのいわゆる元利償還したあとの株につきましては、それはその時点でも売却できたはずでございますが、奥様のお話によれば安定した株主としてなお四千株は持っていたいということで、保管をなさっていらっしゃるというぐあいにお話を承ったわけでございまして、決してこの株によって一もうけをしようというような意図ではなかったようにお話を聞いております。
○安永英雄君 本人が言ったことをそのまま伝えろと私は言っていない。官房長がどう受け取ったかということなんですよ。官房長は全く高石氏の発言をそのまま受け取って、そのとおりだろうと思うという印象を受けたというふうに私はとるんですが、どうですか、それ。
○政府委員(加戸守行君) ここでは簡単に御報告申し上げておりますが、事情聴取に際しましては、私どもなりに疑問を持っていた点は疑問としてお聞きさしていただいたわけでございます。それはやはりそのときの、奥様がどのような心境、考え方でこういった株を購入されるようになったのか、あるいはその運用をどのようにお考えになっていたのかというのは、それぞれその方々の個性によって違うであろうと思いますし、私が株を売買するという感覚と高石前次官の奥様が株を売買されるという感覚とには若干の違いはあるのかなと、そういう感じはいたしました。
○安永英雄君 私の質問は多少あれかもしれませんし、これは司法当局が最後は結論を出すだろうとは思いますけれども、しかし、やっぱりもう少し突っ込んで本当にあなたの感じといいますか、検事になれとは私は言わないけれども、少なくともそういうところは明確にとって判断、指示をやらないと、大臣も狂いますよ、どこでやったか知らないけれども。そんな報告をあなた恐らくしたんだろうと思うんだけれども、そんなことを重ねていきよったらまた出ますよ、これ。この点は私は、まあ今のは聞かないことにしておきます。あなたの個人の感覚を聞いたのが間違いだったかもしれぬ。 そこで、問題はそれが職務権限という問題にどう触れていくかというのが、これが私ども自身も別に捜査権を持っておるわけじゃないけれども、国会の調査権において私どもは明らかにその範囲でやらなきゃならぬというふうに私は思うんです。その点でもう明らかなのは、何といっても江副氏が教育課程審議会の委員、そうして大学審議会委員に、この高石氏がそれぞれ局長あるいは次官、この時期になっておるということなんです。 そこで、私はお聞きしたいんだけれども、高石氏は下から上がってきたもので、私はただ判こを押せば済むんだというふうな言い方を盛んにやっているようですけれども、そもそもこの審議会の委員というものについての選考といいますか、法規上は文部大臣が決める、そして内閣の承認を得るというふうになっていますけれども、大臣が決定されていくまでの間のいわゆる操作といいますか手順というか、これはどうなっていますか。
○政府委員(加戸守行君) 審議会の委員の選任につきましてはそれぞれ審議会ごとに根拠法令がございます。その法令の規定に従いまして選任をするわけでございますが、事務的な手続から申し上げますれば、一般的にそれぞれ担当します原局におきましてリストを設け、そして候補を絞りまして、絞り切った候補を次官、大臣と上げていきまして了解を得る手続をとられるわけでございます。その段階におきまして、一般的には局の中でそれぞれ担当課が作業するわけでございますが、その積み上げによりまして局としての意思が固まったものが次官、大臣に上がっていくという形でございますので、大学審議会委員のケースにつきましては、原局から上がってきました案につきまして、江副氏がもちろん当然入っているわけでございますが、それに決裁をしたという形でございます。 一方、教育課程審議会の委員のケースにつきましては、次官、大臣に上げる前段階で初等中等局内での作業があったわけでございますけれども、高石前次官のお話によりますれば、教育界だけではなくて財界、文化人など幅広い観点から人選するという局の方針を局議等であったと思いますが立てられまして、その基本的な考え方に基づきまして事務的に人選が進められてリストアップがなされたということでございまして、この際江副氏を入れるようにというような指示等は行っていないというぐあいにお聞きしているところでございます。
○安永英雄君 審議会の、特に大学審議会あたりの選考というのは、これはその課長とか局長とかそれを経ていくわけでしょうけれども、今もちょっとお触れになりましたけれども、例えば大学審議会であれば、私学の例えば私学協会とか私学連とか、あるいは国立大学であれば国大協、ここらあたり非常に教育関係では多いですが、一つのブロックを指定して、そして産業界もありましょう、あるいは近いところの関係官庁というぐあいもあるかもしれない。まああるかもしれないと私が言っているのは、今まで大体私の知っているところを言っているわけです。そういう形にしておって、そして例えば私大協に、あなたのところから委員を二名出してくださいと、こうなれば、その二名を私大協が受けて、そして私大協の中でまた話し合いをしてどこそこという形をとって、末端の大学ではその委員を出すときには、その大学では選挙しているところがある。推挙というところもありますが、ほとんど選挙をしてこの人を審議会委員に推薦するという形をとって、それがあなたのところの手元に来るわけです。そういった場合に、この際江副氏はどのグループなんですか。範囲はどこですか。
○政府委員(國分正明君) 大学審議会委員の任命手続の問題でございますが、先生お話しのように、時によっては幾つかの団体に推薦を求め、その推薦を参考にして委員にお願いするというケースはございます。例えば、現在なくなっておりますが私立大学審議会というのがございますが、これにつきましては、これは法令上私学団体の推薦に基づいて任命する、こういう手続もございますし、それから、これも従来ございました大学設置審議会というのがございますが、これについては法令上規定はございませんけれども、それぞれの私学団体等からの推薦というものを参考にして任命する、こういうのがございます。 しかし、大学審議会につきましては、私学団体あるいは国立その他の大学団体等からの推薦という手続は一切やっておりませんで、文部省内部で、特にたしか本委員会における附帯決議の中にも、大学審議会の人選に当たっては広く社会人も考慮しろというような附帯意見もちょうだいしていたというふうに記憶しておりますが、大学人それからいわゆる社会人半々くらいということをめどに任命した次第でございます。
○安永英雄君 それはわかっているんですよ。しかし動かないグループから出てくる仕掛けに大体なっているんです。あなたが今言ったようなのもあるんですよ。これは新聞関係を代表してとか、あるいは法務関係を代表してとか、こういうふうにして大学以外の人も入っている。入っているのに江副氏はそういった形で入ってきている。だから、上がってきたときに整理をし、特に注目すべきは、こういったところの人が審議しなきゃならぬところです。あとはもう任したんだから、そこから確実に上がってきているんだから、そう問題がない。ところが、江副氏みたいな形でリクルート社というところから出てきている。これは理由はお聞きしたいんですけれども時間がありませんが、例えば教育課程審議会では、中学校の職業指導というふうに関係しているからというふうな理由をつけて出てきているけれども、特に取りまとめをして局長から次官へ上がるとき、ここらのところで一番気をつけなきゃならぬ。 判こを押すにしても、大体決まったコースで上がってくる人はこれはもう一任しているんだから間違いはない。こういった外部から来た人、これは十分に判こを押すときには見るはずです。これは話に聞くと、この江副氏が入ってきたことによって、大学の学長が委員に当然ならなきゃならぬのがはねのけられたという私は話も聞くんだけれども、これは相当江副氏を入れるときには無理して入れていますよ。これは入れているんですよ。そういった形で上がってきたものを局長がつくって、まとめて次官に持っていって、次官が判こを押すときにそれを見ないことはないし、それから、この次官そのものが十年も前から江副氏はよく知っているんだ、これが上がってくるというものを、ここのところで全然そういうものは知らないで判こを押して、下から上がってきたものをそのまま私は上に持っていった、大臣に持っていったんですと、こういう言いわけはきかない。ここには作用があるんですよ、何か。この点はどうですか。
○政府委員(國分正明君) 先ほどもお答え申し上げましたように、大学審議会の委員につきましては団体から推薦を受けたりというようなことをやっておりません。したがって、江副氏についてリクルートから上がってきたとかそういうようなことはないわけでございます。
○安永英雄君 ここが一番問題なんですけれども、しかし少なくとも総理大臣、これは中曽根さん、リクルートからもらっている。森さん、これ三万株ももらっておる。次官、これが一万株もらっておる。役者はそろっているじゃないですか。次官から大臣へ、大臣から総理に、これは相談しなきゃならぬというその過程にも、これだけそろっておるんですね。私はこの委員の任命については、どうあなたが今みたいな答弁であろうとも、少なくともそのルート、職務上のルートにおる者の手を渡っていったという事実はこれは否定しませんでしょう。次官のところを飛び越して、次官と関係ないんですじゃなく、この流れの中で起こったものだということを私は是認されるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(國分正明君) 先ほど官房長からお答え申し上げましたように、局で原案をつくりましてそれを次官、大臣という形で決裁を経て御了承をいただくという意味において、高石当時次官も決裁していることは事実でございます。
○安永英雄君 だから、私はいわゆる汚職とかなんとかいうことじゃなくて、一般論としてこういったはっきりした中曽根、それから森、それから今度の高石、こういう役職それぞれにその関係する任命という行為、その中に確実にこれは高石君は入っている、これは逃れられないんですね、今おっしゃったとおり。ルールですから。私はそのときにおらなかったじゃないんだ、十分にこれは疑いは持たれると思う、先ほども言ったように。当然予定されて上がってきた、グループの中から上がってきた人までもはねのけて一名入れたというふうなことも私は聞くんだけれども、これは相当な無理をしているか情実が入っているか、そこに、その上に私はリクルート株が流れている。 こういう関連は、これは子供でもわかるような、まあ他の方はなかなか疑惑の解明は難しいと思うけれども、高石君の問題については、文部省関係の問題については、職務権限と委員に任命したという、これは一番ひっついている。この点について疑いを持つというのは、間違いないというふうに私は思うんです。そこらあたりを私は文部省としてしっかり、今みたいな答弁じゃなくて、しっかりそこを据えて私は部内の調査をやらなければこれは解決できない。これは司直の手も入りましょうけれども、私ども国会の、議院の調査権というものを発動して私は徹底的にやるつもりで思っています。 そこで、ここで一つお聞きしたいのは、一つはリクルート社の文教分野の業務とかかわりのあるところというのも今さっき調査をされたとかなんとかいう話をちょっとされましたが、これはどういうことになっていますか。
○政府委員(國分正明君) 高等教育局関係で申しますと、リクルート社、各社の情報を扱い、特に学生の就職等に関しまして、例えば「リクルートブック」というような就職広報誌を出しているわけでございますが、文部省がリクルート社に対しまして許認可権を持つとか、あるいは当該会社を監督するとか、そういう立場にはないわけでございます。ただ、学生の就職ということでございますので、リクルート社が大学に対して就職情報を提供するという限りにおいては関係はある、こういうことは言えるかと思います。
○安永英雄君 先ほど言われた、提供するというところが問題なんだけれども、このリクルート社の三十二年の創業当時から、この新卒大学生向けの企業の新採募集広告誌、これをまず出した。今日では「リクルートブック」というのが出ていて、一般大学生向け、有名大学生向け、高校生向け、高専生向け、各種学校向け、これが今あるわけです。これは企業から広告をとって学生、生徒に無料で配付、一般には学校を通じて配本するが、一部有名校の学生には無料で送付する。その名簿つくるときに、今提供と言われたけれども、これは大学当局から入手しているんですよ。この点について文部省としてどう思いますか。
○政府委員(國分正明君) リクルート社に限りませず、就職情報誌約三十社くらいあるというふうに聞いておるわけでございますが、それぞれの大学生への配付につきましては、基本的には配付を希望する学生が当該出版社に申し込んで、そしてその出版社から学生に直接送付するというのが原則であるわけでございます。ただ、その送付するに当たりましての学生の氏名あるいは住所というものを出版社として把握する必要があるわけでございますが、それにつきましてはさまざまな方法がとられておるというふうに承知しております。例えば一般的な広告という形もございましょうし、あるいは学内にそういう掲示をするという場合もありましょうし、あるいは就職ガイダンスというようなときに申込書が配付されるという場合もありましょうし、あるいは大学によっては学校に申込書を置いておくというようなケースもございますし、それはさまざま各大学の判断によって行われておるというふうに承知しております。
○安永英雄君 今の答弁聞いていますと、文部省はこれについては関係ない、各大学がやられることだ、御自由にという話ですが、これはやっぱり就職広告雑誌とか、それから進学広告誌、これを学校を通じて配本する、これは学校がやられることでございますから私ども知りませんというわけにはいかない、指導方針がなけりゃならぬのではないですか、これは。大学だからこれはもう大学がやられることというふうに文部省がみなすならば、これは便宜供与ですよ、もうはっきり言って。消極的に自由にと、こう言ったらこれは便宜供与です。既にそういう芽はここにあるんですよ。 これはかつてリクルート社が学生名簿を転売するという事故を起こして問題になったことがありましょうが。問題になって、文部省はどういう見解かと聞かれたときには、それは各学校のおやりになることで私ども知りませんということにはいかなかったでしょうが。文部省の態度を出さなきゃならぬ。初めてそういうことが出てきたときに、文部省はそういうことはやっぱり教育上いけません、そういったのを常に指導しなきゃならぬのに、今言ったように大学のおやりになることだと言えば、リクルート社の方はこれは商売ですから、徹底的に自由に大学の中に入ってくる。文部省は何もそれについては示さないということになれば、それは文部省は常にとにかくリクルートの売り込み、これは便宜供与を図っておると言わざるを得ないんであります。 もう私は余り時間がありませんから、もう少し進めてみたいと思うんですが、スーパーコンピューター研究所の構想について文部省は知っていますか。
○政府委員(川村恒明君) お尋ねの件は、リクルートが社内の組織として持っておりますスーパーコンピューター研究所のことであろうかと思いますけれども、リクルートが会社の内部組織としてスーパーコンピューター研究所というものを昭和六十二年の四月に設立をされたということは承知をしております。これはスーパーコンピューターに関する基礎的な研究でございますとか、その利用技術の向上とか、そんなことで社内の組織としてそういうものをつくられたと、こういうふうに承っております。
○安永英雄君 スーパー研究所の内容は、日米の大学と企業の研究所をネットする共同利用研究機関するというふうに構想を練ってどんどん進めているわけです。この点が私は非常に問題だと思うんです。江副氏は大学審でどういう発言をしていったのか、民間の研究機関というものについて。はっきり言えば、民間の共同利用研究機関、スーパーコンピューター研究所というこの共同研究機関と総合研究大学院大学の将来展望とは非常にかかわりがあるというふうに私は思う。これは、さきの国会でこの大学院大学の問題、ここで審議して、私ども反対をいたしましたけれども、押し切られて、これが通過をして成立しておるという状態なんです。そこで私は、その当時から、この大学院大学というものの中で、民間の共同研究機関というものとこれとの連携というものが常に出てくるし、後で私は言いますけれども、これに江副さんが大学審で関係をしておるというふうに私はにらんでいるわけです。 なぜ江副氏がほかの大臣と違って三万株もやったのか。労働省の加藤事務次官は、一千株と言っていたけれどもあと二千株出て三千株ということを言っている。高石氏は初めから一万株。一万株というのをちょっと私は調べてみましたが、一万株もらっておるのは大体政界でも大物ですよ。これは大物ですよ。ちょっと言ってみましょうか。一万株クラスは、これは宮澤大蔵大臣、加藤六月前農林水産大臣、渡辺前官房副長官、これに肩を並べて高石邦男と、こうなっている。これは次官クラスに対策したとすれば、これはちょっと労働省とけたが違うんです、加藤君とはけたが違うんです。それだけに何かを目的として私はリクルートの株を譲渡したというふうに思うし、何をねらってそれをやったのかというところに、ここに問題があって、ごく最近私ども押し切られて通過したこの総合研究大学院大学というものの中に、彼の意向が十分入っているんじゃないか、ここらの関係を私はそう見るが、どうですか。
○政府委員(國分正明君) 江副氏が、先般御創設をお認めいただきました総合研究大学院大学に何らかのかかわりがあったというようなことは、私ども一回も聞いたことはございません。
○安永英雄君 ないと言っても、あの審議の中で我々は何回もその点を指摘したんです。時間がありませんから、かいつまんで言いましょうか。 この大学の共同研究機関の国際交流について、これまでの実績を生かして、広い視野に立って諸外国の大学、研究機関その他いろいろな研究機関と民間の研究機関ともつながりを持って研究をしていくというふうなことも、あのときに論議になっておる。私は江副さんの影を見るんです、ここに。笑える話じゃないですよ。何であの人が文部省をねらったのか。どこをねらったのか、私はここだと思うんですよ。私はここだと思うんです。 例えば、この中で、私どもいぶかしくて何回も聞いたけれども、「管理運営」の中に「大学の運営について広く学外の有識者の意見を反映できるよう「参与」若干名置く」と。これは問題にしたところですよ。民間の者が国立の大学院大学の運営について民間から入ってくる。あのときも質問したけれども、それと一緒に資金も入ってくる、そしてとにかく最高クラスの大学院大学をつくろうと。だから、あなた方も調べたと思うんだけれども、これが法律で通って、各産業、企業というもののこの大学院大学に目を向けるのは異常なものがありますよ。この大学院大学に対していわゆる援助をし、研究をそこでやってもらおうというもの、あるいは研究者の優秀な者をもらおうという、そういった形でウの目タカの目、とにかくどういう研究の成果が出るのか。これは育てなきゃいかぬと、こういうことで民間がとにかく最高の大学院大学の研究についてウの目タカの目で見ておるところです。これはもうあの当時も言って、あなた方も否定しなかった、民間の関与ということ。ここらあたりに、私は江副さんがあれほど力を文部省に入れているのはここだと思うんです。 例えば統計科学、構造分子科学、機能分子科学、ここらあたりは、現在江副さんが構想しているこの何といいますか、リクルートの将来展望の中にはっきり入れて彼は大いばりで、先ほど言ったようにこの民間のスーパーコンピューター研究所、こういったものをつくっておるんです。そして、ここにアメリカの海軍大学の大学院を出たラウル・メンデスという助教授を所長に招聘しておる。そして日米の大学及び企業の研究所という共同研究機関の構築を今一生懸命にやっているんです。これはあの江副という人の自分の職業というか情報産業というのか、これにかけた情熱というのはここに入っているんですよ。これと私は非常に関係がある。何のためにあれだけのものを他と違って多くつぎ込んでいったのか。無理して人をはねのけてでも、あるいはいろいろな知り合いをつくって委員の推薦という行為の中に自分が入るように一生懸命に努力をした。言ってみればここに私は目的があったと。少なくとも文部省におけるこのリクルート問題の私は根源はここにあるんじゃないか。 私は後でも時間があれば言いますけれども、消極的な今さっきのような学校の中で学生の名簿をつくっても見て見ぬふりする、あるいは学校の名簿というものをどんどんリクルート社がとっていくことは問題なんだけれども、わかったときにはそれはけしからぬと言うけれども、平気でリクルート社がつくるあの就職その他の仕事の上の資料というものはどんどん出ていく。一企業のためにですよ。そしてリクルート社の方は、他の企業はほとんどぶっつぶして、ほとんど学校との接触はリクルート一社になっているんですよ。私は、そういう目の前の利潤追求といいますか、それも一つはあったであろうけれども、私どもが残念ながら審議して成立させた、ここに私は江副さんの最大の力点を置いた潜り方じゃなかったのかというふうに私は考えるんです。どうですか。
○政府委員(加戸守行君) 高石前次官から事情をお聞きしました中におきまして、リクルートに関します一切の働きかけはなかったということを高石前次官も申しているわけでございます。また今回の件につきましても、奥様が株を購入されました件、御本人はもとより文部省関係者はだれも十一月三日まで知らなかったわけでございますから、今のような先生の御議論で結びつけられるのはいかがかと考えます。
○安永英雄君 そういう答弁をされるなら、私はぜひ大学審のこの記録、速記録、これをぜひひとつ提出していただきたい。当委員会において文教らしい、しかも我々のこの調査権に基づく調査をやろうとすれば、どうしてもこの大学審の記録が要るんです。あなた方にいつも請求すると出さないと言うけれども、今度は目的がはっきりしているんですよ。そこらが疑われるとするならば出してもらいたい。委員に出してもらいたい。これはもうはっきりここで約束をしてもらいたい、こういうふうに思います。きょう大学審と、それから彼が属しておった教育課程審議会、この二つの議事録、速記録、これを見なければこの問題は解決しませんよ。 ねらいは先ほど言ったところの当面の利潤を得ようという、大学あたりに潜り込んでも文句言われないようにどんどんやれるようないわゆる体制というものをつくるというために入り込んだというかどうかは別として、一番根本は私はこの文部省関係における科学の研究、その頂点にある大学院大学、ここらあたりの構想の中に大学審の委員として入っておった江副さんの発言、物の考え方、これがはっきりしない限り、あなた方に聞いたところで今みたいな答弁だから、関係ありませんと言うけれども私は大ありだと。高石君のこの問題について解明するとするならばそこしかないと私は見ている。そういった点でぜひひとつ出してもらいたい。どうですか。
○政府委員(國分正明君) 大学審議会に関しましては速記録はとってございません。なお、ただいま先生御指摘のような発言は江副氏からはなかったというふうに承知いたしております。
○安永英雄君 あなた方から見てそう言うたけの話で、この大学院大学ができる過程における大学審における委員として、実際に速記録を見なきゃ私どもとしては判断できませんよ。ありませんなんと言ったって、いつもそう言うんでしょう。そして隠して絶対出さない。今度だけは出さなきゃおかしいですよ。出してください。 委員長にひとつお願いしたいんですが、今の二つの委員会の速記録が詳細この委員会に提出できるようにぜひひとつお取り計らいを願いたいと思います。
○委員長(杉山令肇君) ただいまの安永君の要求に対しては理事会で検討させていただきます。
○安永英雄君 それから私はもう一つ、この委員会でこの問題を審議するということであれば、どうしても高石前事務次官にこの委員会に出席をしてもらわないと、これはなかなか解けません。記録だけでは解けません。 これはまた委員長にお願いしたいと思うんですけれども、税特の方でもそういう話がありますけれども、事教育問題のことでありますから当委員会に高石君を証人として出席できるようにぜひひとつお取り計らいを願いたいと思います。
○委員長(杉山令肇君) ただいまの安永君の要求に対しても理事会で検討することにいたします。
○安永英雄君 区切りがいいですから、これで。
○委員長(杉山令肇君) ここで関連質疑を許します。本岡君。
○本岡昭次君 今の安永委員の質問に関連して若干時間をいただきます。 今も安永委員の方から、森元文部大臣に続いて高石前文部事務次官がこのリクルートコスモス株を譲渡されていたということに絡んで、文部省がリクルート疑惑に汚染されてしまったということの憤りの中から追及をされました。私も大変残念であるわけなんです。中曽根政権当時、行政改革というものが戦後政治総決算とかいう路線の目玉として進められて、教育改革もその中の一つになった。しかし、その教育改革がこうしたリクルート汚染というものを内部に持ちながら進められていたのかと思うと本当に腹立たしくなってくるんです。 そこで、私は文部省と江副氏との関係ですね、これを若干ただしてみたいと思います。今まで江副氏と文部省の関係で明らかになっているのは、教育課程審議会、大学審議会の委員であったということです。それ以外に、それでは文部省関係の会議、あるいは文部省関連のさまざまな組織、そういうところに江副氏が委員として活動していたという事実があるのかないのか、この公式の場で私は明らかにしておいていただきたいと思います。
○政府委員(加戸守行君) 江副氏は教育課程審議会の委員並びに大学審議会の委員を務められたわけでございますが、正式の審議会以外の部内の協力者会議といったような形で御参画いただきましたものとしては、大学入学者選抜方法の改善に関する会議の委員のようなケースがございます。
○本岡昭次君 私が文部省を通して調べたのにはもう一つあって、第二国立劇場設立準備協議会の委員にもなっておられるんです。だから、あなたのおっしゃった大学入学者選抜方法の改善に関する会議と第二国立劇場設立準備協議会、この二つの委員であったという事実ですね。それ以外に文部省は三十八の協力者会議というのがあるようですが、一切かかわりがないということを、ここでないならないと言っていただきたいんです、この二つ以外に。
○政府委員(加戸守行君) 先ほどの大学入学者選抜方法の改善に関する会議は委員という名称ではなくて協力者という名称でございます。なお、そのほかに第二国立劇場設立準備協議会の委員として御就任されたことがございます。それから、先生今お話ございました文部省省内での私的諮問機関あるいはそれに準ずるような協力者会議という形で三十八ございますが、残りの三十六につきましては、いずれもこういった委員あるいは協力者という形での参画はいたしておりません。
○本岡昭次君 念を押すようですが、そうした文部省省内じゃなくて、文部省の関連する、影響力を持つさまざまな組織とか会議等に江副さんがかかわったということ、これを調査されたことがありますか、ありませんか。
○政府委員(加戸守行君) 私ども部内の、例えば大臣裁定あるいは次官裁定、局長裁定等で省内に設けられましたこういった協力者会議等のようなものを調査さしていただきましたが、これ以外に、例えばある問題について御意見を拝聴したいからといって、ある特定の日だけお集まりいただいて意見を聞くというようなケースが幾つかございます。そのようなものにつきましてはちょっと調べる方法、現在のところ調べておりません。
○本岡昭次君 ぜひとも文部省みずからこの江副氏とのかかわりを、ある意味では自浄作用というのですか、みずから清めていくために関連するところを徹底的に調べて事実を明らかにしていただきたいということを要望しておきます。 そこで、今ありました大学入学者選抜方法の改善に関する会議、これは一九八四年の四月十三日から一九八六年三月三十一日、二年間、二期にわたって協力者会議の委員を務めておられます。それで、私はその委員の名簿を、これは昭和二十三年ごろからですか、ずっとこの会議が省内に設けられていたようでありますが、それを全部とるのはなんですので、中曽根内閣当時から一体どういう委員がその中に名を連ねたかという名簿を、これは昭和五十八年度、昭和六十二年度をとりました。そうしたらその中に江副氏があるわけであります。 そこでお尋ねしますが、大学入学者選抜方法の改善に関する会議というこの会議は、私的諮問機関というふうなことで次官が決裁をするという中身だと思うんですが、一体この会議に、大学の教授とかあるいは教育関係者がほとんどですが、なぜこの二年間の時期だけに江副氏をこの委員としてここに迎えなければならなかったのか。また、今までもこうしたある一つの企業の社長という肩書を持った人が、三十年来、四十年近く続けられたこの委員の中に連ねたことがあるのかないのか、この点はいかがですか。
○政府委員(國分正明君) 御指摘のとおり、江副氏は大学入学者選抜方法の改善に関する会議、私ども入試改善会議と略称しておりますけれども、これにつきまして五十九年度と昭和六十年度につきまして協力者として局長名で委嘱しているわけでございます。当時江副氏、今日もそうかもしれませんが、大学とかあるいは高校とかあるいはまた学生、生徒の事情にお詳しい立場にあったということからお願いしたというふうに承知しております。なお、それ以外私も今この場でぱっと言えませんが、例えば財界人としては諸井虔氏なども入っていたというふうに記憶しております。
○本岡昭次君 秩父セメントの会長の諸井さんはどういう立場で入られたんですか。
○政府委員(國分正明君) 諸井氏は財界人ではございますが、かねてから教育問題についていろいろな御発言もあり、いわゆる大学人あるいは高校の関係者が中心になっている会議ではございますけれども、そういういわば部外者と申しますか、大学、高校以外の方に入っていただいて、そういう立場から御発言いただくのが適当であろうということからお願いしたというふうに承知しております。
○本岡昭次君 私の聞いているところは、諸井さんは財界の方の団体の中で教育問題に対しての主査というんですか、何か代表する立場であるようで、お父さんの名前の代からずっと出てくるんですね。 そういうふうに一つの組織とか団体の中でその人が専門的に活躍されている方をというのはわかるんだけれども、江副さんは全然根拠がわかりませんね。その第二国立劇場設立準備協議会に委員を連ねられたのは、これは根拠がはっきりしているんですね。これは日本オペラ振興会理事長という肩書で交替をされているんですよ、ちゃんとした肩書をつけて。だけれども、この二年間だけというのはまことにこれは不自然なんですよ、幾ら考えても。また、文部省内における江副さんの関係なんて、私さっき言いましたように私たちが言わなければあなた方は明らかにしないんですよ。だから私は、ないと言われたけれども、探してみたらもっとほかにあるんじゃないかという疑問を持ちます。 それで、今あなたのおっしゃったようなことでは私は了解できないわけで、なぜこの二年間だけに江副氏が必要であったのか。この二年間だけなぜ江副氏が必要であったのかという問題はどうしても解明をしてもらわなければなりません。もう一度、なぜ江副さんが必要であったのか、この二年。そして翌年なぜ江副さんが必要でなくなったのかという問題をはっきりさしていただきたい。
○政府委員(國分正明君) 江副氏を二年度にわたりまして協力者にお願いしましたのは、先ほど申しましたように、大学、高校あるいは大学生あるいは高校生のいろいろな事情に詳しいということでお願いしたわけでございますが、六十一年度以降につきまして引き続きお願いしなかったということの事情についてはただいま私つまびらかにいたしておりませんけれども、多分当時から受験機会の複数化であるとか、かなり専門的な技術にわたるようなことがあったかとは思いますが、現在ちょっとつまびらかにいたしておりません。
○本岡昭次君 ぜひともそれをつまびらかにしていただきたいと思いますし、私は、五十八年度から資料をいただきましたけれども、いわゆる一つの企業の、財界人の日経連とかいうふうな形の財界の組織を代表する方が出てこられるというのは、それはそれなりに意味はわかりますが、一企業が全く私的な意味においてこうなった方、過去に例があるのかどうか。ずっとひとつ四十年代ぐらいまでにさかのぼって資料をいただきたいとこれは思うんです。その上でまた機会を見て改めてこの質問をさしていただきたいと思います。 そこで、大学入学者選抜方法の改善に関する会議なんですが、これは年間どの程度会議を開いて、そして具体的にどういうことを諮問というんですか、答申というんですか、報告というんですか、やるんですか。
○政府委員(國分正明君) 入試改善会議でございますが、年によって若干は違いますけれども、原則として年一回開いております。主たるテーマは、毎年度大学に対しまして毎年度の大学入学者選抜実施要綱というものを定めて各大学に通知するわけでございますが、この通知に先立ちましてこの会議で御意見を賜って通知をする、こういうことを長年やってきておりまして、したがって年に原則一回会議を開いていただくということになっております。ただ例外的に、例えば臨教審から大学入試について改革の一つの答申があったというようなときにおきましては、その御報告をするということも兼ねまして会議を開くことがございますが、原則として一回開いております。
○本岡昭次君 時間がありませんから、きょうの結論を私は言っておきますが、私は大学審議会の委員になぜ突如江副さんがなったのかということに疑問を持ったんです。必ず何か伏線があるに違いないと思って調べるとこれが出てきた。その時期は江副さんが株を政界、官界にばらまいた、そのちょうど時期なんです。くしくも時期はばらまいた時期なんですよ。そしてその当時に、森文部大臣はそのときには大臣を交代されておったという時期でありますけれども、高石前文部次官は初中局長からずっと要職にあったという状況を見るときに、やはり文部省の高官と大臣とか言われる人々が江副氏とかなり深い関係を持ちながら、リクルートという会社の将来性の問題なり、現在のリクルート社の営業収益を上げていくとか、さまざまな問題に文部省が利用された、あるいはまた利用さしていただいたお礼としてのわいろ的な意味を持ってさまざまなものがやはり文部省の周辺に分け与えられたであろうということを私は推察をせざるを得ない。このことをどうかとお尋ねしても意味ありませんから、私は私なりにそういう考えを持っておるということをここで申し上げておきたいのであります。 あと一点、参考までにお聞きしておきたいんですが、文部大臣が私的な意味で講演を依頼されたときに、それはお受けになって全国的にかなりなところへそういう講演に行かれるものなのかどうなのか。いかがですか。
○国務大臣(中島源太郎君) 私のところに講演依頼は幾つかございました。ちょうど教育改革本格実施の一年目ということもございますし、また文部省の考え方を聞かしてくれということの御要請も多かったように記憶をしております。そういう点では私ども文部省の考え方、それから教育改革をどのように進めていくか、こういうのを知っていただくにはいい機会だということで、私自身も許せる範囲であればできるだけそういうところにそういう機会を活用さしていただきたい、このように考えたことは事実でございます。 また、その中に一回だけ、多分主催がリクルート社だったと思いますが、しかしその会はもちろん第三者的なたしかホテルだったと思いますが、教育者の方々のお集まりでございまして、まことに釈迦に説法だとは思いましたけれども、教育改革に関するやはり話をしてくれということが一回ございました。私のことでありますから余り話ほうまくは言えませんけれども、誠心誠意お話ししたという記憶がございます。
○本岡昭次君 リクルート社の権威づけのためだと思うんですが、文部大臣を再々自分の関係するところへお呼びしてやっている。それも森文部大臣以前もあったのかどうかということわからぬのですが、森文部大臣もリクルートシンポジウムというふうなものがリクルート新大阪第一ビルで五十九年の十月十九日にあったときにやっぱり講演をされているんですね。それから、今おっしゃったように、歴代の大臣がリクルートに頼まれて行く。私は、文部大臣が私的な意味において講演されるというのはそう年に何回もあるというふうなことは考えられないし、文部省もそう簡単にどうぞどうぞというわけにこれはいかぬと思うんですね。かなり制約された、制限された中で文部大臣が講演する。しかしその中にリクルートというのがずっとやってきているということは、一体文部省とリクルートと相当密接ないろいろなつながりがあって、やっぱりそういうことにもあらわれているんではないか、こう思わざるを得ぬのですよ。だから、行ったから問題だとは言ってないですよ。たくさんのところへ行かれているうちの一つだというならいいんですけれども、恐らくずっと調べてみたら、一つか二つの中でリクルートに対するというのが出てくるはずなんです。一体なぜそういうふうなことになるのか、ぜひともこれは文部省で一遍みずから解明をしていただかなければならぬと思うんです。 私は、きょうはそこまでにしておきます。
○国務大臣(中島源太郎君) 歴代の文部大臣のことはよく存じませんけれども、そこで私のお答えでよろしいかと思ったんですが、少なくとも私に関します限りは、たまたまそういう教育改革の本格実施の時期に当たっておったからであらうと思いますが、私に対しましては幸いにと申しますか、そういう機会は割に多うございました。そして、できればそういう機会をできるだけ活用さしていただきたいと思ったことも事実でございまして、今日程を申し上げるほどの手帳を持っておりませんけれども、少なくとも相当許される範囲では多い機会があったと思います。その中の一回はそういう時期があったということでございまして、特に意識した記憶は全くございません。
○本岡昭次君 終わります。
○粕谷照美君 先ほどから我が党の議員のリクルート関連に関するいろいろな追及が続いておりますけれども、私も一言だけやっぱり言っておかなければならないというふうに思いますのは、加戸官房長の事情聴取がどうも先輩に対して遠慮っぽいのではないだろうかと、こういう感じがしてならないんです。その理由の第一は、高石さんは最初の新聞に、私の家内が家内がって、妻という言葉を使わないで家内が家内がと、こういう言葉を使っておりました。家内だというふうに言う方が、三千万円もファーストファイナンスから借金をして、そして売ったならばお返ししますよと、こういう借金を夫に黙っているものなんだろうか、そういう夫婦関係なんだろうかという、その気持ちがまずびっくりいたしました。十万、二十万というならいざ知らず、三千万円を超える借金をして株を買うということについて相談もしないのだろうかという、その辺のところが一つですね。 それと同時に、一番の問題点は、その株が一体だれから何の目的で譲り渡されたか、このことをきちんと把握しなければならないのが私は文部省だというふうに思うわけであります。だれだかわからないと、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、全然だれだかわからないような人から三千万円もする一万株の株を、必ずもうかりますよということを信じて、その譲渡を受けたということ自体も私にはわかりません。それは知らないわけないんですから、知ってなきゃそういうことができないわけですから、その辺のところもきちんとやっぱり事情聴取をすべきであったのではないかというふうに思います。 そして最後に、なぜ私たちがこのようにうるさく言うかということは、本年の七月に最高裁の殖産住宅事件の判決がありましたね。その中で最高裁は、こういう必ず上がるという株、私どもはおいしい株と、こういうふうに言っていますけれども、おいしい株の譲渡は、実際の株価が上がったか下がったかに関係なく、その株の取得自体が利益の供与であり、利益を供与されているわけであります。それに職務権限が絡めば贈収賄になるんですから、職務権限が絡んだか絡まないかということも一つ絡まっておりますけれども、しかしやっぱり利益の供与を得たということ自体は、官僚としてはまことにいけないことではないか。もし小中学校、高等学校、大学の校長がこんなことをしたなんといったらただごとでは終わらないわけでありますから、その辺はきちんと姿勢を改めて調査をしていただきたいという要望と同時に、もう一つ、東大の公文俊平教授が九月三十日付でおやめになりましたね。これは一体どういう理由なんでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) まず、前段階の事情聴取の件でございますが、私ども直接お聞きいたしますときには、大変恐縮でございますが、ちょっと検事調書のような格好になって申しわけございませんがという前置きをさして、私どもとしては先輩に対してきついお言葉を使わしていただいたと思います。 それで、なぜこういうことを知らなかったのかという点、当然私ども強い関心を持っておったわけでございますから、お尋ねをさしていただきました。お答えによりますと、奥様が数年前から株の売買を、そんなに手広くではないでしょうけれどもなさっておりまして、特に知人の方に株関係の方、いろいろのお話を聞いてよく御存じであったようでございますし、またそれから当時のリクルートコスモス株というのが優良株だということを奥様も御存じだったようでございまして、そういった点で、お話があった段階でそれを購入されたんだと思います。それから、株の話はリクルート関連の会社の方でありますが、だれであるかは覚えてないということが奥様の話として入っております。 それから、次に公文俊平氏の件でございますが、これはちょっと実情は、御本人からは単に一身上の都合によりということで、文部大臣あての辞職願が提出されたわけでございますが、新聞報道等によりますれば、東大教養学部の中におきます教官選任問題でいろいろな御意見がおありのようでございまして、既にことしの春の段階でマスコミに対して辞意の表明をなさったという経緯もございまして、私どもそれは推測の域でございますが、東大の教授会におきましての承認を受けて上申が出てまいりましたわけでございますから、通例、こういった場合の辞表につきましては一身上の都合ということで、それ以上はせんさくをしないのが普通でございますし、私ども形式的に辞職承認をさしていただいたと、これが事情でございます。
○粕谷照美君 その点については了解をいたしましたけれども、この公文俊平さんという方は臨教審の専門委員でございます。そして、臨教審の正メンバーのほかに専門委員が選ばれた。あれは文部大臣の推薦を得て総理が任命をすることになっていたんでしょうか。何か文部省の用意をいたしました二十九人の中から二十人を選んでくれと、こういうふうに官邸と折衝したところが、官邸側といいますか首相、中曽根当時の首相好みのこの八人が押しつけられて、いわゆる文部省推薦は十二人だったと。こういう中に、この公文さんが入っていらした。その公文さんが一万株をやっぱり譲り受けているわけですね。私は、このことがあったからおやめになったのかなと思っておりましたら、そういう理由が四月ごろからあったというのであれば、それは御本人の名誉のためにもそういうことで受けとめておきます。 続きまして、文部大臣に、まず八九年度の教育予算概算要求についてお伺いをいたします。 最近、教育予算が年々国家予算の一般会計に占める割合が下がっておりますね。まだ概算要求の段階ですから、きちんとしたパーセンテージというものは言えないと思いますけれども、私の計算によれば七・一六%台、もう史上最低なんですね。これ、間違っておりませんでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) 国の一般会計の中に占めます文部省予算のシェアは、昭和六十三年度で八・一%でございますが、今回の昭和六十四年度の概算要求におきましては、四捨五入してあるとは思いますが七・二%で、ほぼ先生のおっしゃったような数字になるかと思います。
○粕谷照美君 この国の予算に占める教育費の割合が年々下がっていって、教育改革というのは本当にできるんだろうか、本当に教育改革をやろうとしていったならば、こんな予算でできるんだろうか、そういう危惧を持つ私は予算額だというふうに思います。 そういう中に、人件費の比率というのが異常に高いわけでありますけれども、ことしの人件費の比率というのは一体どのくらいになっていますでしょう。
○政府委員(加戸守行君) 昭和六十三年度の予算におきましては、人件費の占める比率が七六・五%でございました。昭和六十四年度要求におきましては、現在想定されております二・三五%のベースアップ分を要求いたしておりませんから、要求段階におきましては前年度とそう大差はございませんが、多分七六%台の後半、七六・六か、その前後ではなかったかと思います。ちょっと今、正確な数字は持ち合わせておりません。
○粕谷照美君 人事院勧告は完全に実施をする、そういたしますと、この給与費にはね返る額というのは非常に大きいというふうに思いますね。それは大体どのくらいの総額になりますか。
○政府委員(加戸守行君) 人件費の大きなものは、義務教育費国庫負担金でございますが、そのほかに国立学校教官教職員の給与費等もございますので、それらを総計いたしますと、現在の二・三五%を完全実施いたしますれば、昭和六十四年度予算においては、約七百五十億円を追加計上する必要があると見込んでおります。
○粕谷照美君 大臣、シーリングで予算そのものが狭められている。七百五十億円、人勧完全実施でふやさなきゃいけない。そうしますと、その分はふえるんじゃないんですね。どこか削られるんですね。その削られることに対する、文部大臣の教育予算要求の態度というのか、決意というのか、それはどのようなものですか。
○国務大臣(中島源太郎君) 教育費そのものは、教育改革を進めていく上にぜひとも必要でありまして、二つお答えしたいんですが、片方では人事院勧告を完全実施していく、こういう義務がございます。一方におきまして、進めたいことがいろいろある。本心を言えと言われれば、これはもうシーリング枠外で見てもらいたいというのが、これは本心であります。どこを枠外でというよりも、教育費全体をひとつ別枠でというのが本心であります。しかし概算要求時点でのやはりシーリング枠というものを、我が文部省だけがそれをがえんじないというわけにもまいりません。そこで、できる限りの知恵を出して、これを推進していくということに相なると思います。 また、今申したように、六十四年の概算要求ではこの約七百五十億の人勧実施部分は要求してございませんので、これまた非常に厳しいことはもう重々、心に痛いほどわかるんですが、その分を何とかいろいろ知恵を出してやりくりをいたしていかなければならぬなと。ちょっとつらい立場で、本心を申し上げさしていただきました。
○粕谷照美君 毎年、文部省予算がそういうふうに人事院勧告でふえていくと、一番ねらわれる部分というのが義務教育費国庫負担金なんです。特に、今回も学校事務職員の、あるいは栄養職員の義務教育費国庫負担、これを外そうというアドバルーンがもう既に大蔵省から上がっておりますね。この点についてもしっかりと守ってもらわなきゃならないわけですけれども、中島文部大臣に、学校事務職員や栄養職員が学校の中でどういう地位を占めているかということについての御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(中島源太郎君) おっしゃいます事務職員の方々、栄養職員の方々は学校教育の基幹的な職員である、このように考えております。したがって、今後とも国庫負担の対象にぜひともしていくべきである、またその考えにのっとりまして六十四年度概算要求におきましても要求をさしていただいておるところでございます。
○粕谷照美君 事務職員や栄養職員は、大臣がこういう方々は学校の基幹職員だとおっしゃったことに大変な喜びを感じると思うんです。本当にこういう人たちがいないと、きちんとした学校運営ができていかないわけですから、しっかりと守っていただきたいわけですが、もう毎年毎年胸の痛い思いをしてくるわけなんです。ぜひ先頭に立って頑張っていただきたい。しかし、ことし補助金一括法との絡まりで、自治省が大分この辺については抵抗もあったりして厳しい状況の中に文部省は置かれるのではないか。この状況はどういうふうに見ていられますか。
○政府委員(加戸守行君) 補助金一括法等に基づきまして高率補助のカット、あるいは義務教育費国庫負担金の中でも共済費につきましては二分の一から三分の一へのダウンというようなことが六十三年度まで措置されておりまして、自動的に申し上げれば、六十四年度にこれが原則に復帰いたしますとすれば文部省の予算だけでも約千五百億円の追加需要が出てくるわけでございまして、到底文部省予算の枠内では措置できる金額ではないわけでございます。現在、この取り扱いにつきましては要求段階におきます閣議了解におきまして、今後の予算編成過程の中において適切に対処するということとされておりますが、今後政府全体の方針の中で各関係省庁と協議をしながら対応してまいりたい。大変苦しい状況の中で活路を見出していきたいということでございますけれども、政府全体の方針がどのような形になるのか。地方財源のあり方、あるいは国、地方の役割分担等諸般の要素の中で、それぞれ考え方が詰めていかれるものと思っております。
○粕谷照美君 教科書無償の問題だとか、大学の授業料の値上げだとか、入学金などの値上げ、それに絡まる消費税の問題などいろいろありますけれども、きょうはちょっと日程を狂わせましたので、次、一つだけ予算の内容について伺っておきたいのは、管理職手当、これ上乗せ要求しているんですね。校長について一二%、一部一四%を一六%に、それから教頭について一〇%、一部一二%、これを一二%に、校長と教頭の管理職手当が、この差がまた大きくなっているわけですけれども、どうしてこんな管理職手当なんというのを大きく伸ばしていこうとしているのですか。
○政府委員(倉地克次君) 今、先生御指摘のとおりに、そのような増額の要求をしているわけでございます。私ども、学校の現場におきまして校長先生初め教頭先生非常に御苦労されておやりになっているわけでございますので、ぜひ他の職とのバランスも考えて、この程度の管理職手当を支給したいということで、このような要求をしている次第でございます。
○粕谷照美君 学校の運営で苦労しているのは校長と教頭だけですか。校長と教頭が、おれたちだけが苦労しているんだから上げなさいなんといって陳情を文部省に持ってきたんですか。私はそういう認識というのはおかしいと思うんですけれども。
○政府委員(倉地克次君) 学校におきましては、校長先生初め教頭先生、それからそのほかの先生方も大変御苦労されているのは十分承知している次第でございます。ただ私ども、学校におきます校長先生初め教頭先生、他の職とのバランスも考えまして、さらに管理職手当を引き上げたいということで、そのような要求をしている次第でございます。
○粕谷照美君 局長、おかしいですね。大体校長の給与というのと教頭の給与というのは一般の教員の給与とは違って高いんです。それに管理職手当がついていて、しかもその管理職手当だけを伸ばそうというのはおかしいということを私は言っているんですが、いずれ本格的に決まったときにお話をしましょう。大蔵省がこれを認めるかどうかということがこれから出てくるわけでありますから。 それで、文部省が予算の中に入れておかなかったNHKの小中学校におきます受信料を払ってもらいたいという動きがあるということを先日官庁速報で見ましたけれども、きょうはNHKの大森さんにおいでいただいております。御苦労さまでございますが、ひとつ受信料の免除措置から外すということ、どういうふうな経過でどういうことを今NHKは考えていらっしゃるのか、お伺いします。
○参考人(大森誉皓君) 先生御承知のとおりNHKの受信料というものは、NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置された方すべてから公平にいただくというのが受信料の大原則でございます。例外的に郵政大臣の認可を得ました免除基準に合致した方だけが受信料を免除するというのが御承知のとおり放送法三十二条に規定しておるところでございます。この受信料の免除措置は、放送の普及という見地から社会福祉、教育等の分野において多年行われてきたわけでありますが、昭和四十年代の後半にテレビの普及というものが限界に達しまして、と同時に協会の財政状況が非常に窮迫したという状況の中で、国会等における五十年度から昭和五十四年度の協会予算を御審議いただいた際に、延べ八回逓信委員会において附帯決議が付されました。その附帯決議の内容というのは、やはりこういう状態になったならば本来の受信料制度の本旨に立ち返って受信料の免除措置というのは抜本的に見直すべきではないかという附帯決議がございました。そのことを受けまして、我々としましても昭和五十三年度以降、刑務所、大学、高等学校等逐次免除措置については廃止をしてまいったわけでございます。 現在、学校それから社会福祉施設等に対する免除が残っておりますが、ちなみに昭和六十三年度の協会の財政状況で申し上げますならば、収支が債務償還等含めますと実質的に二百二十七億の赤字となっております。この状態が今後続きますならば、協会としては効率化等厳しい経営努力を払っても、なお今後とも実質的な財政窮迫状態が続くのではないかというふうに我々憂慮しております。そういう状況の中で、公共放送としての基本的な使命は質の高い放送を出すということが第一義の使命でございますが、これにも支障を与えかねない、こういう状況がございますので、昭和六十四年度から、現在免除で残っています中学校、小学校等の学校に対する免除は、これは廃止さしていただきたいと考えて、現在関係方面の理解と協力を得るために協会としては各地の放送局長が先頭に立って設置者に対して御理解の努力を払っている、こういう状況でございます。
○粕谷照美君 学校の免除規定が外されている中に、高等学校と大学がもう既に外されて支払いをしているわけですね。文部省は、高等学校や大学はこのNHKの受信料は一体どこからお金を持ち出して支払っているというふうにお考えですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 昭和五十五年度から大学、高専、並びに五十八年度から高等学校の受信料の免除が廃止されたわけであります。全般の運営経費の中からこれを捻出してそれに充当しているところでございます。
○粕谷照美君 小中学校も、校長室にあるのとか応接間にあるのとか、そういうのは受信料を払っているんじゃないでしょうか。
○参考人(大森誉皓君) 現在の受信料の免除基準は、設置者が、設置した学校の当局者でありますが、当局者が設置された受信機で教育の専用に供されるものというのが免除基準になってございまして、我々としましては、今先生がおっしゃったように教室や、その他教育の専用に供される場所に設置してあり、かつそれが教育の専用に供されるということであるならばそれは免除していますし、それから娯楽室等、必ずしも教育の専用に供されないという部分は、それは免除にはしていないという取り扱いをしてございます。
○粕谷照美君 文部省、設置者が払うんですね。設置した人が払うんですね。今でも払っているというのですが、文部省としてはそのお金は一体どこからどういうふうにして支払われているというふうに理解していらっしゃいますか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 文部省といたしましては放送の受信料の免除につきましては、特に義務教育という立場から幼少の間に学校放送の持つ意味というものが非常に公共的であるという、そういう立場で従来から長年の間免除されている、こういうふうに考えているわけでありまして、そういう立場からはぜひ今後とも免除措置を継続するように、この趣旨に照らして継続するようにお願いをしたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○粕谷照美君 どこで費用を払っているんですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 費用は、いずれにしても最終的に支払う者は設置者がこれは払う、こういうことに相なるわけでございますが、そういう点で私どもの立場としてはひとつぜひ免除をお願いしたいと、設置者にかわりまして教育上の立場からそういう点をお願いするところでございます。
○粕谷照美君 NHKに伺いますけれども、NHKの赤字が二百二十七億円ほどあると。この二百二十七億円というのも大変な金額でございますけれども、小中学校から受信料をもらうことによってその赤字は一体どのくらい埋まるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○参考人(大森誉皓君) 現在、私どもの手元に学校で設置された場合には契約を出していただき、かつその免除申請書を出していただくということでございますから、それを通じて我々はそれぞれの学校の免除の件数というものを掌握してございますが、全国で今学校で免除しています件数は四十九万件、約四十九万件というのは私どもで受理している免除の件数でございます。これを受信料の年額に換算いたしますと約五十七億円ということになりますから、有料化した場合にはこの受信料が協会の収入になるかと、かように推測してございます。
○粕谷照美君 私はよくわからないんですけれども、ホテルなんか例えば千室あるとか、七百室あるとか、そういうのは七百の部屋にみんなありますね。そして、応接間とかグリルなどにもありますけれども、そういうものは全部数えて、そして受信料を払っているものなんでしょうか、どうでしょうか。
○参考人(大森誉皓君) 今、先生お尋ねの件は事業所の契約ということでございまして、私どもは例えばホテルでございますと設置してある部屋ごとに契約をいただくということになっていますから、その旨たびたび勧奨して契約をできるだけ完全にいただくように努めていますが、何分御承知のとおりNHKには立入調査権というものがございませんものですから、世の中に言われるようにそれが一〇〇%行われているかどうかということについては我々は絶えず努力しなければならぬものだと、こういうふうに思っております。
○粕谷照美君 一〇〇%納まっていないと、こういうことを認めていらっしゃるわけですね。学校の先生というのはくそまじめでして、本当に物置なんかにあってもそれは一台と、こう計算して申告するんじゃないだろうか、こういうふうに私は思っているわけですけれども。 私は、NHKの教育放送なんというのは本当にすばらしいと思うのですね。そして、それだからこそ皆さんが時間帯に合わないときはビデオを撮っておいて、そして子供たちに自分の学校の時間に合わせてビデオを使って見せるとか、こういうことをやると思うんです。今までNHKとしても放送というものを理解してもらうために、今学校にたくさん受像機を置いてほしい、あるいは昔だったらラジオを置いてほしい、こういうふうに思って免除措置をとってこられたんだと思うのですね。学校にしてもまたそれが非常に役に立つからこそすべての教室に置いたりするわけですね。 例えば教室が三十なんという学校がありますよね、大規模校になるともっと大きいですけれども。そうしますと、あれを自動振り込みの形式にしますと、一台につき千四十円ですね。十台あれば一カ月に一万四百円払わなければいけない。十二カ月掛ければ大変な額になるわけですね。三十教室もあったらもうこれ大変だと思うのですね。そういうものを、市町村は今度は幾つかの学校を持っているわけです、中学校、小学校。幼稚園も持っている市町村があるわけですね。設置者なんですから市町村が払わなきゃいけないわけですよ。これは大変な額になると思うんですけれども、それでも五十七億円。これは大きい額ですけれども、でもまだ二百二十七億という赤字を埋めるにはほど遠い額でありますね。この辺のところで関係者と内々的にお話をしているところだとおっしゃいましたけれども、地方局は一体どういう関係者とお話をなさるんですか。これは払ってくれる人とするわけですね。学校じゃありませんですね。
○参考人(大森誉皓君) 今私どもが行っています御理解いただくための努力と申しますのは、率直に言って、一番当初はこの七月ごろから始めたわけでございますけれども、文部省に対して要望書を提出して御理解を賜るようお願いしましたし、それから地方における関係各団体、それから地方に及びましては各都道府県、それから知事、それから教育の行政担当者、それから各市町村に至るまで設置者に対して我々は放送局長を中心に、今の協会の置かれている状況と、それから学校の免除を廃止せざるを得ない協会の考え方を御説明して御理解を賜るようお話をしている、そしてこの努力をしているということでございます。
○粕谷照美君 市町村がこの受信料を払うということになりますと文部省の予算に関係しますか、最終的には。どの部分になるんでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) これは学校の運営に関する経費でございまして、国が負担金等あるいは補助金等は支給しておりませんので、すべて地方交付税の中で措置される経費の範囲内におきまして各自治体が措置されることになろうかと思います。
○粕谷照美君 NHKはそうしますとそろそろ次年度の予算を立てなければいけない。これも見込んで予算を立てるのですか。いつからこの受信料は徴収しようと考えていらっしゃるんですか。
○参考人(大森誉皓君) 協会は昭和六十四年度の事業計画をどうするかということを今考えているところでございますが、この学校の免除につきましては、昭和六十四年度から有料化といいますか免除を廃止するということで考えたいというふうに考えております。
○粕谷照美君 そうしますと、この免除規定から外すというのは逓信委員会でこれを承認するということになるんでしょうか。——郵政省来ておられますか。
○説明員(團宏明君) お答えをいたします。 受信料の免除の規定でございますが、先ほどNHKから申しましたとおり、放送法によりまして免除の基準というものをNHKでつくりまして、それを郵政大臣が認可をするということでございます。したがいまして、免除基準を改正するという認可申請があれば、それを郵政大臣が認可するということで決定できるということでございます。
○粕谷照美君 すると、免除規定を解消するというのは一体どこで、どのような機関でやるのですか。
○説明員(團宏明君) 受信規約というものをNHKがつくっておりまして、その一環として免除につきましてもNHKがつくるわけでございます。そのことは郵政大臣が認可することによって実行されるということになるわけでございます。
○粕谷照美君 要するにNHKが免除規定から外しますよということを決めて郵政省に出す、郵政大臣がそれを認可する、こういう形式をとるわけですか。
○説明員(團宏明君) そのとおりでございます。
○粕谷照美君 そういたしますと、とても我が町村は払えない、こういうことで設置者がだめだと言っても、これはNHKが、いや、いただきますよと言えば払わなきゃならないという性質のものですね。
○説明員(團宏明君) 放送法三十二条という規定がございまして、受信機、まあラジオ、テレビの受信機でございますけれども、これを設置している者は必ず受信料を払わなくちゃならないという規定がございまして、その例外として、あらかじめ認可を受けた基準によりました場合のみ免除ができるという規定でございます。したがいまして、規定上は、放送法上原則として受信機の設置者が支払わなくちゃならないということが原則でございます。
○粕谷照美君 いや、よくわかるんですよ。だから、要はNHKの財政が非常に厳しくなってきたから、この免除規定を外しますということは一方的にNHKが決めることができるということになっているわけですね。そのことを確かめているわけです。
○説明員(團宏明君) 制度の仕組みとしてはそのとおりでございますが、ただ、一方的なやり方でもどうかということで、夏以来御理解を得るべくNHKとしてもいろいろな働きかけをしているということでございます。
○粕谷照美君 設置者がそれは大変だなんということになりまして、そして今度は学校でテレビを取り外すなんというようなことが起きたら、これは私は大変なことになるというふうに思うんですね。何台かということはこれは申請するわけですから、その辺のところは、またホテル並みに考えていけばよろしいのかもしれませんけれども、設置者がこれは支払わなきゃならないわけなんですから、もしPTA費で払いなさいなんということはこれは法律違反ですね。文部省はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(齋藤諦淳君) それぞれの受像機を設置者が教育の一環として備える以上は設置者でこれを負担すべきものである、私どもはそのように考えているわけでございます。
○粕谷照美君 私はそういうわかったようなわからぬような答弁じゃ困ると思っているんですよ。要はこれをPTA費にのせられるというおそれが非常に強いんですよ。最近の教材費の国庫負担外しから見ても父母負担が急激にふえてきているわけです。市町村の教材費なんというのはもう上がりましたというところは幾つもない。裕福な市町村しかない。そういうことを考えてみますと、これは絶対にPTA費に、父母負担に任せないということが大事であろうかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 物事の性格上ほかに転嫁することができない経費である、このように考えているわけでございますが、そうしますと、結果、先生もおっしゃいましたように、受像機の数を減らさなければならないという、こういう事態にも相なるわけでありまして、そういうことになりますれば、先ほども申し上げましたように、本来、義務教育の間に放送を聞かせるということは教育上も並びに公共的な放送の立場からも非常に意味のあることである、ぜひ私どもとしてはそういうことにならないようにしていただきたい、そういうことで今NHKにお願いしているところでございます。
○粕谷照美君 私はNHKに要望したいと思いますね。NHKの窮状もよくわかります。しかし、これは一方的に取り上げるなんというものではないというふうに思います。そういう意味で十分な手配をやるようにお願いをしたい。 考えてみますと、逓信委員会で七回も八回も、そこをだんだんに外していきなさいということを満場一致で決めているというんですからね。社会党から共産党まで含めて、自民党からずらっと、これ外してよろしいよということを決めているというんですから、その辺もまた文教委員会としては納得のいかないところでありますが、この辺のところはNHKとしても十分に配慮をしていただきたいということを要望しておきます。 では、参考人、御苦労さまでございました。 先ほどから不規則発言で、文教委員会としては満場一致でこれはだめだということを言おうなどと言っておりますけれども、文部省としてもきちんとこの辺の対応をしてもらいたいというふうに思いますね。要望しておきます。 それでは、時間が中途半端になりますので、あとの問題はまたこの次に残して終わります。
○委員長(杉山令肇君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時十六分散会