内閣委員会 第7号
- 発言数
- 292 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1988/10/20
会議録
○委員長(大城眞順君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十九日、鳩山威一郎君及び桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君及び上杉光弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大城眞順君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久保田真苗君 初めに、警察庁、防衛施設庁、そして外務省に伺いたいことがございます。 先般、沖縄本島の北部の沖縄自動車道伊芸サービスエリアでライフル弾と思われるものが見つかったわけでございます。その後、次々と報道がございまして、また五発目も発見されたというような報道、あるいは沖縄米軍最高指揮官であるスミス軍事調整官が事実上米軍演習場内から発射した弾丸であることを認めたというような報道もございます。 これについては政府の方で調査をするということになっておりましたけれども、調査結果について御報告をお願いいたします。
○説明員(兼元俊徳君) お答えいたします。 お尋ねの米軍演習に伴う流れ弾と思われる事案につきましては、十月十五日の午前十一時二十分から十月十八日午後六時二十八分までの間に六件確認をしております。 警察が認知をした順番で申し上げますと、第一が伊芸の給油所で、十月十五日の午前十一時二十分ごろ、これは高速道路の沖縄管理事務所からの通報で認知をしております。第二の事案は、崎山の酒造所で、同じ日の午後二時五分ごろ、伊芸の区長からの通報で認知をしております。第三番目は、伊芸のレストランの男子用の公衆トイレで、十六日の午前十時ごろ、これも同じく公団の沖縄管理事務所からの通報で認知をしております。さらに、第四の事案でございますが、同じ伊芸地区の玉城幸信さんという方の自宅の屋上で、十月の十七日午後四時ごろ、伊芸の区長からの通報で認知をしております。第五の事案でございますが、金武の農協伊芸支所で、十月十八日の午前九時ごろ、伊芸の区長からの通報で認知をしております。そして第六の事案が、伊芸地区の仲里全孝さんという方の門扉の前で、十月の十八日午後六時二十八分ごろ、伊芸の公民館からの通報で認知をしております。 いずれも、発見された銃弾はM16ライフル用の弾と考えております。 なお、第四の事案でございますが、これは玉城幸信さんという方の屋上で発見されたケースですが、弾が少し古いものでございますので、この一連の事件との関係についてはやや薄いものかと現在考えております。 さらに、この六件の事案については、いずれも、認知後直ちに警察本部の捜査と鑑識の幹部と所轄の石川警察署の幹部等が現場に行っておりまして、関係者からの事情聴取、それから現場の実地検分等の所要の調査を行うとともに、米軍当局に対しても所要の照会を行っております。
○政府委員(弘法堂忠君) 防衛施設庁といたしましても、ただいま警察庁の方から概略御説明がありましたとおり、六カ所の現場につきまして私どもの金武の防衛施設事務所、それから那覇防衛施設局の関係官、さらには本庁から派遣しました幹部の調停官が現場に赴きまして、それぞれの現場を確認しております。
○委員長(大城眞順君) 外務省は。
○政府委員(有馬龍夫君) 外務省は調査そのものには直接携わっておりません、それと並行して一連の措置はとっておりますが。
○久保田真苗君 外務省がとっていらっしゃる一連の行動はどういうことですか。
○政府委員(有馬龍夫君) これにつきまして十月の十八日、北米局の時野谷参事官が在京米大使館のデミング公使に対して、今般の沖縄の民間地域におけるM16ライフルの銃弾数発が発見された事故について、これが米軍の訓練によるものであるかどうかについては現在沖縄県警及び米軍において調査中と承知はしているけれども、もし米軍演習に起因するものであるとすればまことに遺憾であることを伝えますとともに、本件は地元及び関係者間で大きな不安を呼んでおり政府としても深刻に受けとめている、米側として本件事実関係を早急に究明し必要に応じしかるべき対応をとられたいということを要請いたしております。これに対して米側は、本件については現在事実関係を調査中であるが、結果が判明次第日本政府に連絡する、米軍は調査が終了するまではM16ライフルの射撃訓練を実施していたキャンプ・ハンセン・レンジ6における射撃訓練を中止するとの回答を得ております。 また、本二十日、日米合同委員会において日本側より米側に対して右と同様の申し入れを行う予定にしております。
○久保田真苗君 報道によりますと、沖縄県知事に対して謝罪の電話があったとありますが、これは、既に究明して報告してもらうという以前に米側がこれを認めているという意味だと思うんですが、この点外務省はどういうふうに関連しておいでですか。
○政府委員(有馬龍夫君) その報道は私読んでおりますけれども、そのような事実があったということを直接確認してはおりません。 しかしながら、先ほど警察庁から答弁がございましたように、現在、この原因が実際どこにあるのかということは究明中でございます。
○久保田真苗君 警察の方では事実の確認はもうしておられるわけですけれども。 平和に屋内で作業をしているところへも弾が飛んでくる、公衆便所の窓を打ち抜いてくるというようなことになりますと、これは、地元の住民にとってはもちろんのこと、ここへ訪れる旅行者にとっても大変なことでございますから徹底的に究明していただかなきゃならないんですけれども、一体どうしてこんなに次々に何発も弾が、これはそれてきているというふうに見てよろしいのか、一体演習に当たってはどういうマニュアルで訓練をしているのか、その辺について関係の省庁から伺っておきたいと思います。
○政府委員(弘法堂忠君) 仰せのとおり、この実弾射撃、弾が外にそれますことは非常に危険でございます。そこで、米軍は、このキャンプ・ハンセンのレンジ6での射撃につきましては、恩納岳という山があるんですけれども、山側に向かって射撃をするというようなマニュアルになっておると承知しております。
○久保田真苗君 例えば、射撃場から山側に向かってといいますと、射撃する角度というものについてどの程度の角度でやるというようなことが決まっているわけですか。
○政府委員(弘法堂忠君) 米側は、射撃をすべき範囲の左の線と右の線にマーカーを置きまして、その範囲で山側に向かって撃つというふうに決めております。
○久保田真苗君 それが非常に大きくそれる、それたからこういうことになったという御認識ですか。
○政府委員(弘法堂忠君) 確かにそのとおりでございます。通常撃つべき角度よりも、九十度とまでいかなくても、六十度から九十度くらいの割でそれているんじゃないかと思っております。
○久保田真苗君 通常撃つべき角度の限界があってそれからまだ九十度も出ているということになりますと、これは、こういう場所で射撃をするにふさわしくないような極めて初歩的な、恐らく銃を持ったこともないようなそういう人がいきなりここへ出て撃っているんじゃないでしょうか。 そういう点はお調べになりましたでしょうか。
○政府委員(弘法堂忠君) 米側はどの程度の練度を持った隊員がいるか、部隊のいろいろな編成もありますのでいろいろな練度の方がおると思います。しかし、そういう隊員を訓練するに際しまして、その射場の規則を設けまして十分安全管理を図りながらやっていると承知しておりますけれども、今回のこういう事故が発生したということから考えますと、やはりどこかに至らないところがあるんじゃないか、原因があるんじゃないかというふうに考えます。 しかし、現在、米軍が、いかにしてこういう事故が起こったか事実関係を調査しておりますし、原因究明にかかっておりますので、その結果を待ちたいと思います。
○久保田真苗君 それでは、そういう未熟な人が一体どれだけあるのか、そういう可能性のある人がどのくらいいるのか、実際にそういう人たちがそこで射撃訓練をしないで別の方法で十分に熟達してからやるとか、そういうこともいい方法だというふうにはお考えになりませんか。
○政府委員(池田久克君) 今回の事件につきましては、現在、米側も非常に深刻に受けとめまして、訓練の状況とかについて本格的に調査するということを申しております。射場で実際にどういうふうに撃ったのか、できればだれがどういうふうにして撃ったのか、そういうところを詰めていくわけでございます。 ただいま未熟云々の話がございましたけれども、若干誇張でございまして、果たしてそういう練度の問題もあったのかどうか、米側はそういうことも含めて本格的に調査すると先般私どもが即刻派遣いたしました当庁の幹部に対して指揮官自身がその場所に案内いたしまして申しておりますので、どういうふうな形で訓練をしたのか、果たして技量の問題があるのかどうなのか、そういうことをそこで研究しておりますので、調査の結果を待った上で判断する必要がある、そう考えております。
○久保田真苗君 これはたった一発だけ流れてきたというのと違うんですね。次々、次々なんです。ですから、第一には、今おっしゃいましたけれども、一体どういう訓練の仕方をしていて、だれが、いつ、どんなふうな撃ち方をしたのか、その点納得のいくまで徹底的に問い詰めていただきたいと思います。 それから、外務省ですけれども、このことがはっきりするまではその方法で訓練は中止するということが決まっているわけですね。それでしたら、訓練を中止する、中止させるということと、それからこういった訓練の初年兵教育といいますか、そういうことも含んでぜひこういうことが今後二度と起こらないように、きょうお開きになる日米合同委員会等で徹底的に申し入れをしていただいて、不安のあるうちは一切こういう訓練はやらないようにしていただきたい、こう思いますけれども施設庁、それから外務省、いかがでしょうか。
○政府委員(有馬龍夫君) 先ほど施設庁長官が申されたように、米側もこれを大変深刻に受けとめております。それで、先ほど施設庁長官が申しましたことを含んでの趣旨を、それから先生が表明されました御懸念、これは米側もわかっておりますが、それを踏まえてきょうの合同委員会で発言することになります。
○政府委員(池田久克君) 日本政府を代表して外務省が適切な措置を講じていただくものでございますが、我々もいろんな角度で積極的にサポートいたしまして、また現地に私どもの局や事務所もございますし、現に米軍がそこにいるわけでございますので、米側ともよく連携をとりながら、やっぱり安全第一だと考えておりますので、調査の結果をしかと待ち受けたいと考えております。
○久保田真苗君 こういった事故の問題に関連してなんですが、これは大分前にさかのぼるお話で、米軍のミサイルの落下問題なんです。 広島県で昨年四月三日に起こった事件なんですが、米軍のF4ファントムのミサイル落下事故があったんですね。この件について施設庁の方に米軍から原因と対策が報告されたということですが、ひとつここで詳しくその内容を報告していただきたいと思います。
○政府委員(弘法堂忠君) お答え申し上げます。 日米合同委員会におきまして米側からこの原因と対策についての説明があったということで、外務省から私どもの方に口頭で連絡をいただいたものでございます。 その内容を申し上げますと、事故原因は、乗員の技量とかあるいは整備ないしは気象条件に起因したものではなくて機械の故障、つまりミサイルのランチャー内のカートリッジ作動装置というものが誤動作しまして、射出カートリッジ、ミサイルをランチャーから切り離すための射出カートリッジでございます、これが作動してミサイルを支えているレバーが外れて落下したというのが原因だというふうに説明を受けております。 この再発防止措置につきましては、米側としては、そのミサイルに関しまして事故を起こしたその機のミサイルランチャーと同種のものにつきましてはカートリッジ作動装置と同種類の装置を回収、交換しまして必要な措置をとったということでございます。 なお、この事故を起こしたF4ファントム、これはS型でございますけれども、この機種は既に岩国から移動して再配備されることはないというふうに承知しております。
○久保田真苗君 実は、この事件は昨年四月三日に起こっているはずなんですが、このときにも米軍からの連絡というのは非常におくれ、かつ乏しかったというふうに記憶しているんですね。ところが、そんなランチャーのカートリッジの誤動作だというようなことを調べるのに一年六カ月以上もかかるというようなことがあるんでしょうか。なぜこんなにおくれたのか。米軍は、現地がどれだけの騒ぎに陥ったかということをもっと考えてもらったら、もう少しこれは何とか早く報告ができたんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
○政府委員(弘法堂忠君) この事故につきましても米軍は非常に重大視いたしまして原因の調査に当たったと承知しておりますけれども、こういう機械の誤動作によるものかあるいはどこに原因があるのか、原因究明というのはいろんな角度からやらなきゃいけないものですから非常に困難をきわめたんじゃないかと推測しております。 いずれにしましても、米軍は真剣にこの原因究明に当たった結果、その結果を日本側に通報してきているということで、そこらのところをどうか御了解いただきたいと思います。
○久保田真苗君 なぜおくれたかということを米軍に聞いたんでしょうか。そして米軍はその理由をどういうふうに挙げているのでしょうか。
○政府委員(弘法堂忠君) 米軍に対しては、原因究明を急いで、その結果を早くこちらに通報してほしいということはたびたび申し述べておるわけでございます。米軍としましても真剣にその本当の原因を追及するためにはいろんな角度から検討いたしますので時間を経過したというふうに理解しております。
○久保田真苗君 私ども日本人は人がいいといいますのか、何というか、どうも非常に忘れっぽい傾向があるんですね。一年六カ月もたって今ごろこういう報告があるということについて、果たしてどんなものだろうか、こういうことでほとぼりがうんと冷めたころにやっと答えが出てくるというような状況をこのままにしておきますと、むしろ時さえたてば何とかなるんだという安易な気持ちが生ずるんじゃないかと私は思うんです。 事は、社会的な責任が複雑に入り組んでいるというような事件と違いまして、米軍の決まった飛行機がおっことしたということは判明しているわけですから、こんなものに一年六カ月以上もかかるというようなことは外務省としても警告をしていただかないといけない。やっぱり、すぐに原因がわかってみんなが安心できるようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(池田久克君) 米側の原因究明の問題でございますけれども、この事故が判明いたしましたのは昨年の五月の初めでございまして、物が発見されまして、そして本年の九月二十二日の合同委員会でございましょうか、確かにかなり時間がかかっておるのでございます。 この話をいろいろ聞いてみますと、通常このミサイルそのものはランチャーに載っかって適切に作動して今までずっとやってきておったわけでありますが、たまたまこの事件が予想もしない形で起こったわけでございます。したがって、原因がどこにあるのか、いろんな角度から各構成部位について検討したようであります。その操作にミスはないのか、あるいは装備品に問題が仮にあるとしてもどの部位にあるのか、あるいはいろんな温度の変化とかそういうことがどう影響したのか、そういうことを多角的に検討いたしまして一つ一つつぶしていって、どうも最後はこのカートリッジの問題じゃないだろうか、こういう検討をして、それも検証してそして連絡してくるわけでありますから、これは米軍に限らず、この手のものについては技術的にも非常に詳細な検討を通常するわけでございまして、必ずしもこれが著しくおくれているというようなふうにはなかなか断定しがたいものがあろうと思います。 我々としては、この原因につきましては、先ほど来申し上げておりますように、再三にわたって督促をしてまいっております。したがいまして、米側としても最大の努力をしてこういう報告を出したものと、そう了解しております。
○久保田真苗君 重大な事故に結びつかなかったからのんきなことを言っていられるわけですけれども、カートリッジの誤動作というふうなのは非常にわかりにくく、一体責任がどこにあるのかそれすらもはっきりしない、こういうまやかしの原因究明で終わらないことを希望しておきたいと思います。 ところで、自衛隊もF4あるいはF15にミサイル発射装置があるわけですね。それで、自衛隊の立場から見ますと、こういうランチャーのカートリッジの誤動作というようなことでミサイルが落下するというような可能性があるんでしょうか。
○政府委員(山本雅司君) 自衛隊におきましても、確かに、今先生御指摘のように、F4EJという航空機を今運用しているところでございます。ただ、F4EJという同じようなF4の系統ではございますけれども、ミサイルの支持機構とかあるいはカートリッジの内容につきましてはやや違ったものを使っております。 したがいまして、アメリカが今回事故を起こしたものが具体的にどういうものであるか、それから自衛隊の場合にはそれと違っておりますから事故は起こる可能性はないと考えておりますけれども、アメリカのものがどういう誤りの作動をしたかというのは私どもとしては詳しく承知していないのが実情でございます。
○久保田真苗君 自衛隊について言えばそんな落下の可能性はない、こうおっしゃられるわけですね。
○政府委員(山本雅司君) 自衛隊の現在使っているものを点検いたしましたけれども、そういう可能性は現在のところ見当たらないというのが実情でございます。
○久保田真苗君 けさの新聞で拝見したんですけれども、池子の問題なんですが、施設庁の方で文化財の試掘調査を含む一部の工事の変更を決定したらしいんですけれども、変更工事の概要を説明していただきたいと思います。
○政府委員(田原敬造君) 現在、事業地内の文化財の試掘調査を神奈川県の文化財センターに依頼いたしまして六十四年の三月末を目標にいたしまして実施しておりまして、防衛施設庁といたしましてもその試掘調査に必要な支援工事を実施しているところでございます。 この調査区域の西側の部分がまだ残ってございましてこれから着手することになっているわけでございますが、この西側の調査区域の北側に非常に急ながけが迫っておりまして、現状のままで支援工事あるいは調査を実施するということになりますと、落石の危険であるとかあるいは調査を行うための通路あるいは足場といったものが確保できないような状態でございますので、この調査に従事いたします作業員などの安全確保ということとそれから調査の効率化といったことを考えましてこのがけを切る計画を立てたわけでございまして、神奈川県と調整の上、所定の手続を経まして実施することとしたものでございます。 工事概要でございますけれども、樹木の移植を行いまして伐採をし、それから表土除去を行いまして斜面の切り土作業を行うものでございます。切り土量は約七千立米、それから切り土面積は約三千五百平米でございます。
○久保田真苗君 今、この工事の変更の目的は何だというふうにおっしゃいましたですか。
○政府委員(田原敬造君) 今行っております文化財の試掘調査を支援しているわけでございますが、それの効率化、効率的に実施をしたいということとそれから作業員等の安全を確保するという二点でございます。
○久保田真苗君 県と調整の上と言われましたが、それはつまりアセスの変更になるわけですね。
○政府委員(田原敬造君) 先ほど申し上げましたように、神奈川県と調整の上行うこととしたものでございますけれども、我々といたしましては環境影響評価書の一部変更に当たるんではないかと考えまして、神奈川県環境影響評価条例第二十二条に基づきまして十月の十一日に横浜防衛施設局長から神奈川県知事に対しまして変更届を出しております。それに対しまして、十月十五日に県知事から、同条例二十二条第二項の規定に基づく手続を行う必要はない、つまり軽微な変更であるから影響評価書の変更をする必要はないという通知を受けて工事に着手したものでございます。
○久保田真苗君 そうしますと、これは神奈川県と協議をした上ということになるんですが、つまり協議した上で変更届を提出された、そしてそれを県が受理したということになるわけですか。
○政府委員(田原敬造君) おっしゃるとおりでございます。
○久保田真苗君 逗子市とは協議をされましたか。
○政府委員(田原敬造君) 文化財の調査に関しましてはずっと県の方と調整をしてまいっておりますので、今回の工事も文化財の調査の関連性ということから県と調整いたしまして、逗子市とは調整いたしておりません。
○久保田真苗君 いわゆる知計の調停案、これは逗子市も含めた三者協議で成り立っているんだというふうにこの前質問しましたときに施設庁が再三主張なさったと記憶しているんです。 そうなりますと、これからは、逗子市を除いて、県と施設庁の二者協議の案となるというふうに理解してよろしいわけですね。
○政府委員(池田久克君) 知事の調停案につきましては先般来御説明申し上げまして、逗子市長を交えて、逗子市長も自主的に参加されて、そして誠実に行動されるということを言われてやったものでございまして、国側も当然のことこれは守ることでございまして、その方針は全く変わっておりません。 今回の問題は、先ほどからるる申し上げましたように、文化財を調査するためには必要やむを得ないことでございまして、したがいまして工程のプロセスの一部変更でございまして、調停案の変更では全然ないと考えております。
○久保田真苗君 ただ、一定のポイントに絞って考えますと、これは軽微な変更かどうかわからないと思うんですね。文化財の問題だから県とやったんで逗子市には協議しなかったということなんですが、この場所というのが池子川の流域になるわけです。そういたしますと、今言われましたように、がけを崩す、あるいは木を伐採するまたはどっかに移植する、こういうことになりますと池子川の水量に相当の影響を与えるのかもしれないということなんです。 ですから、河川管理者である逗子市長とは当然協議が必要だと私は思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(田原敬造君) 確かに伐採いたしましたり切り土いたしますと大雨が降った場合に出る水の量はふえるわけでございまして、我々といたしましては、その対策といたしまして河川区域外に仮設の調整池を設置いたしましてそれに対応することにいたしております。流出する雨水につきましては、現在池子川につないでございます私どもの排水管につないで、かつ排水管から流れ出る水は従来以上のものにはしない、こういうことにしておりますので河川協議は必要ないというふうに考えておるところでございます。
○久保田真苗君 仮設調整池をおつくりになるということなんですが、そしてその水は池子川へ流すというふうに今伺ったんですが、池子川へ流すのであれば、それは河川管理者と協議が必要なんじゃありませんか。協議しないでやるというのは法律違反じゃございませんか。
○政府委員(田原敬造君) 池子の提供施設の中からは従来からずっと雨が降れば水は池子川に流れ込んでいるわけでございまして、その流れ出る量に変更がないわけでございますので、あるいは従来よりももっと少なくなるような調整池を設けておりますので、河川協議をする必要はないというふうに判断をしております。
○久保田真苗君 それはおかしいと思うんですね。池子川へ流すということであれば、仮設調整池をつくってその水が池子川へ行くということであれば、それは水量に変更がないのかあるいは水量がもっと減るのであるか、そこのところはやっぱり逗子市長と協議をしその了解が要るというふうに考えるのが当然だと思うんです。一方的に排水管で流して、水量はむしろ減るくらいなんだから協議の必要がないというのは、これはちょっと問題じゃないかと私は思いますね。
○政府委員(田原敬造君) 繰り返す御答弁になるわけでございますけれども、提供施設の水は雨が降ればそれに応じまして流れているわけでございまして、その流量に変更がない、かつあったとしても下流に及ぼす影響はずっとよくなるということでございますので、私どもといたしましては河川協議をする必要はないというふうに考えておるところでございます。
○久保田真苗君 必要がないというふうに考えていらっしゃるんだけれども、これはそちらの方で一方的に決められる問題でもないんじゃないか。そういう御判断だということは今伺いましたけれども、仮設調整池をつくってその水を流す。当然に逗子市長に協議すべき問題だと私は思います。 次に、実は、逗子市の市長選挙が迫っているわけです。それが十月二十三日に告示になりますね。そして三十日に選挙、そういう状態になっているわけです。この直前にこういう工事を急に抜き打ちのようにお始めになるというのは、やはり、逗子市民の反対をしている人たちが非常に怒っておりますように、選挙に重大な影響を与えるんじゃないか。この前も、前市長と今市長との選挙が争われましたときにも、施設庁はいろいろな影響を与えるような宣伝を事前にたくさんおやりになったというふうに伺うんです。こういうことをおやりになるということは私は大変遺憾だと思います。選挙が公正に行われるように施設庁にもその点は協力していただかなければならないと思います。
○政府委員(池田久克君) この文化財調査、ここの部分の調査は十一月からやることになっておりまして、我々といたしましてはこの文化財調査に協力する立場にございます。現に、今までもよその場所では積極的に協力してまいりました。十一月から文化財調査をするということになりますと、やっぱり、安全措置を講ずる必要もございますし、通路もつけてやらなければいけない。こういう状況でこういうタイムスケジュールになっておるわけでございます。 防衛施設庁が選挙に関連しているやのようなお話があったと存じますけれども、我々はそういうことは決してございませんで、選挙は整々と行われるわけでございまして、決してそういう趣旨でないことを繰り返し申し上げてお答えさせていただきたいと思います。
○久保田真苗君 次に、攻撃型空母というものについて伺いたいと思います。 これはことしの防衛白書に初めて出てきているわけなんですが、自衛隊の有する「個々の兵器のうちでも、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、これにより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるから、いかなる場合にも許されず、したがって、例えば、ICBM、長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母」というふうに出てくるわけです。「保有することは許されない。」、こんなふうな記述がありますね。 そのうち、攻撃型空母についてはこの白書で初めて書いていただいている。そして参議院予算委員会でもそういった趣旨の答弁があるんですけれども、一つお伺いしておきたいのは、攻撃型空母とは何なのか、その定義を伺いたいのです。
○政府委員(日吉章君) この概念を非常に確定的に申し上げるということは極めて軍事技術等が流動的でございますので難しいわけでございますが、あえて一般論として申し上げますと、先生がただいまおっしゃられましたように、それ自体直ちに憲法上保有することが許されない攻撃型空母というものは、今日の軍事常識から考えますと、例えば極めて大きな破壊力を有する爆弾を積めるなど大きな攻撃能力を持つ多数の対地攻撃機を主力といたしましてさらにそれに援護戦闘機や警戒管制機等を搭載いたしまして、これらの全航空機を含めましてそれらが全体となって一つのシステムとして機能するような大型の艦艇、そうなりますとその性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のために用いられるようなものになり得るのではないかと考えられますので、私が今申し上げましたようなものが現在の軍事常識から考えますと該当するのではないかと思います。
○久保田真苗君 空母は海上を働いていけるわけですね。攻撃型でない空母というものがあるんでしょうか。今世界の空母でもって攻撃型でない空母というものがあるのなら、名前を挙げて言ってみていただけますか。
○政府委員(日吉章君) まず一般的な考え方を申し上げまして、その後、世界各国において攻撃型でない空母のようなものが具体的にあるのかどうかは参事官の方からお答えを申し上げたいと思います。 一つの典型的な例といたしましては、例えば対潜水艦哨戒を主たる目的といたしまして対潜水艦哨戒機としての対港ヘリコプター、そういうようなものを搭載いたしまして海上を哨戒するのを主たる目的といたします艦船、艦艇、これを例えば航空機搭載の空母というふうに言うといたしますと、私が今申し上げましたようなものは攻撃型でない、言うなれば哨戒型空母というんでしょうか、潜水艦哨戒型空母とかいうようなことになるのではないかと思います。
○政府委員(小野寺龍二君) ただいま防衛局長から一般論として御説明申し上げました攻撃型空母でない空母の例といたしまして、例えば現在イタリアが保有いたしておりますジュセッペ・ガリバルディという空母がございます。これは排水トン数が基準で一万トンと比較的小さなものでございます。シーキングヘリコプターを十六機搭載いたしております。ですから、これは専ら対潜水艦の哨戒を目的とするものでございます。 似たようなものといたしましては、例えばフランスのジャンヌ・ダルクといったような空母がございます。
○久保田真苗君 対潜ヘリコプター、それからミサイル搭載ヘリコプター、それだけを積んだものはいわゆるヘリコプター空母、それだけのものが攻撃型空母ではないというふうに言えるわけですか。
○政府委員(日吉章君) 対港ヘリコプターのみを搭載するという艦艇でございますれば、これは明らかに攻撃型空母とは言えないと思います。 それにミサイル搭載航空機を搭載した場合ということでございますが、そのミサイル搭載航空機というものがどういうようなものでありそれらが対潜ヘリコプターと機能的にどういうふうに結びついているか、かつまたそれをどういうふうに運用することを目的としているか等によって判断をせざるを得ないと思いますが、もし、そのミサイル搭載航空機が極めて大きな破壊力を有します爆弾等も積みましてそれによって相手国に壊滅的打撃を与え得るような対地攻撃ができ得る爆撃機的性格を有するあるいは爆撃機であるというようなものでありますれば攻撃型空母的色彩を持ってくる場合もあろうかと思いますが、なかなか一義的には申し上げかねることではないかと思います。
○久保田真苗君 対地攻撃ができる兵器を持った空母は攻撃的な性格になるというふうに言っておられると思うんですけれども、例えばソ連のキエフ級空母というようなものは攻撃型空母だというふうにお考えですか。
○政府委員(日吉章君) 私どもは、諸外国の装備、特に空母というものにつきましては、憲法上保有が許されていると私どもが解釈いたしております防御型空母につきましても現時点におきまして保有の意図を有しておりませんので、実はそれほど詳しい検討をいたしておりません。 さらに、一般論として申しますと、ソ連の装備につきましては、キエフ級空母に限らず、なかなかその装備の性能あるいは運用構想等々、定かでない点がございます。したがいまして、キエフ級空母が我々の言います攻撃型空母に該当するかどうかという点は直ちには判断がいたしかねるところでございます。ただ、ソ連は、これは空母ではなく巡洋艦的性格があるというようなことも言っているというふうに理解いたしておりますが、私どもでは正確な内容は承知し得ないところでございます。
○久保田真苗君 それじゃ、例えばミッドウェーはどうですか。攻撃型空母になりますか。
○政府委員(日吉章君) 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、憲法上許されます空母も現時点におきまして保有する意図を有しておりませんので十分なる検討をいたしておりませんけれども、一般論を先ほど申し上げましたのでそこから類推して解釈いたしますと、なおかつミッドウェー級の空母につきましても私どもそれほど深く正確なる知識を有しているわけではありませんが、私どもが常識的に知り得ている限りにおきましては、ミッドウェー級の空母はこれに該当するのではないかという感じがいたしております。
○久保田真苗君 済みません。語尾がはっきりしなかったんです。これに該当するものではないのですか、これに該当するものではないかというふうにおっしゃっているんですか。
○政府委員(日吉章君) 明確に申し上げます。 これというのは攻撃型空母のことでございまして、この攻撃型空母に当たるのではないかと思われます。
○久保田真苗君 この問題は次に続けるとしまして、外務省が地位協定課を新設されることを要求されているんですけれども、安全保障課と別に地位協定課をつくる妥当性が果たしてあるんでしょうか。 どういう職務内容、規模、具体的に言えばどういう仕事をしようとしておられるのか、お答え願います。
○政府委員(有馬龍夫君) 外務省といたしましては、昭和六十四年度機構要求の一環として、これは仮称でございますけれども日米地位協定課の新設について、総務庁に対して要求を行っております。 これは、我が国にとって大切な日米安全保障体制の根幹をなします在日米軍の駐留を円滑かつ効果的なものとするためには、現在安全保障課において所掌いたしております在日米軍関係事務を専門的に所掌する課を新設する必要があるとの認識からその新設要求を行っているところでございます。 しかし、今、要求を行っているところでございまして、その構成でございますとかあるいはその他詳細をまだ詰め切っているというところではございません。
○久保田真苗君 それはおかしいんじゃないですか。予算要求もされるわけでしょう、もうなすったわけでしょう。そのときに具体的な内容をこれから詰めるというような状態でどうしてこういうものが新設できるんでしょうか、行政改革で非常に厳しい時代なのだと思いますけれども。
○政府委員(有馬龍夫君) 現在、安全保障課は、課長以下総務班、地位協定班、防衛援助協定班、調査連絡班、会計文書庶務班と計十八名から成っております。 そして、私ども今考えておりますのは、御承知のとおり、安保課の地位協定班と申しますのは、現在所掌事務とされておりますところの日米「相互安全保障及び相互防衛援助に関する政務の処理」となっております安保課の組織令の中から在日米軍関連の事務を取り出しまして、これに在日米軍にかかわる職務をさせよう、こう考えているところでございます。 これは、さまざまな状況のもとで在日米軍にかかわります職務が著増していることがあって、それを適切に処理する必要があってこれを要求しているところでございます。
○久保田真苗君 そうすると、安保課の人員をそっちへ持っていくわけですか。そのところの人数の差し引きはどういうふうになりますか。
○政府委員(有馬龍夫君) 現在のところ定員をどのようにするかということまでは決定していないところでございます。
○久保田真苗君 でも概算要求に出ているわけでしょう。そうしたら、それを答えてくださればよろしいわけです。
○政府委員(有馬龍夫君) 先ほど申し上げました地位協定班に現在五名ついております。これに他課からの振りかえ四名と新規の定員の純増一名、合計五名を要求しておりますが、先ほどお話しいたしました現存の安全保障課の定員は十八名でございますが、これから五名抜きますと安全保障課が十三人となって、もし新体制が許されるのであれば、繰り返しになりますが、日米地位協定課は現在の地位協定班から五名を新しい課に振りかえまして、そしてほかの課からも振りかえを要請して、新規の定員純増一名、計十名ということになります。
○久保田真苗君 そうしますと、地位協定課の方が十名、そして安保課の方が十八引く五プラス一ですか、十四ということですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 現在安全保障課は十八名おりますが、そこから五名を地位協定課(仮称)に移しますと、安全保障課に残りますのは新しい体制が認められれば十三名ということになります。
○久保田真苗君 安全保障条約と地位協定というのは、これは一つのもので、二つに分けるということは極めて難しいんじゃないかというふうに思いますけれども。 そこで、前回の委員会でも各党の委員からいろいろな御質問が出ました。思いやり予算の増額あるいはフィリピンの米軍基地についての肩がわり要求というような質問が出ております。外務省としましてはこれについて現在そういうような申し入れはないというふうな答えで終始しておられるわけですけれども、地位協定課をつくるについては、やはり日米地位協定の改定というような作業が必要だということを予測してやっておられるのではありませんか。
○政府委員(有馬龍夫君) そのようなことはございません。
○久保田真苗君 そうしますと、こういう地位協定課というものをおつくりになって対応していかれるのは、主たる業務はいろいろふくそうするとおっしゃるけれども、具体的に言うと、どういう事態が発生して新しい課まで新設するということになるわけですか。
○政府委員(有馬龍夫君) これは、地位協定に関連する仕事も増大いたしておりますし、それから日米安保条約の運用そのものにかかわるものも増大いたしておりますし、日米相互防衛援助協定の実施にかかわる作業も増大していることでございますが、地位協定について申しますれば、私どもは、大前提として施設、区域の円滑な運用を確保するに当たりましては周辺の住民の方々の御理解が必須であると考えておりまして、例えば都市化現象等に伴って数多くの仕事が出てきております。これにつきましては施設庁と外務省が協力しながら仕事を進めているわけでございますけれども、例えば、先般来協議されておりますNLPの代替飛行場の問題等々があるわけでございます。
○久保田真苗君 エネルギーの代替飛行場の問題といいますと、具体的に言いますとどういうことですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 失礼いたしました。 私が申し上げましたのはNLPでございまして夜間着艦訓練のことでございます。これが象徴いたしますように、例えば都市化と申しますか、それにまつわるような問題が安保課の一方における仕事の増大に加えてございまして、そのためにお願いしている、こういうことでございます。
○久保田真苗君 NLPにつきましては、かねてから夜間飛行の中止をお願いしているところでございますから、ひとつ強力な折衝力をもって日本国民の受けている被害をなくしていただくようにお願いしておきたいと思います。 次に、プルトニウムの海上輸送についてです。 十八日の閣議でもってこの件が決定されたということなんですが、交換公文の中身について御説明をお願いします。
○説明員(遠藤哲也君) 今先生が御指摘のとおり、十月十八日に日米原子力協定の附属書につきましての交換公文を交換したわけでございますけれども、中身につきましてごく簡単に御説明を申し上げます。 実は、去る七月十七日に現行の日米原子力協定が締結されたわけでございます。その日米原子力協定ではいろいろなことが書いてございます。プルトニウムのイギリスあるいはフランスからの返還につきましては、航空輸送を行う場合にはある一定の条件を満たす限り、附属書五に書いてございますけれども、これは包括同意化される、他方、プルトニウムを船で返還してくる場合にはこれは個別同意の対象になっておる、こういうふうな日米原子力協定の概要でございます。その航空輸送につきましてはいろいろな問題が出てまいりまして、日米双方でそれでは航空輸送に加えて船で輸送するものにつきましても包括同意になるかどうかならないかどうか検討してみようということになりまして、日米の間で三回ばかり交渉を行ったわけでございます。その結果、船の輸送につきましても航空輸送と同じように包括同意化しよう、こういうことが決まったわけでございます。 それで、しからばどういうふうな条件というか状況のもとで船の輸送が包括同意化されるのかという点につきまして、交換公文は幾つかの指針を書いてあるわけでございます。例えば、ヨーロッパから日本に船で運んできます経路は安全なところでなくちゃいけないとか、あるいは船は専用輸送船でなくてはいけないとか、輸送は緊急のときを除きましては無寄港で帰ってくるとか、あるいは輸送計画につきましては武装護衛者の同乗であるとかあるいは武装護衛船の同行、オペレーションセンターの設置等々の幾つかの条件というか指針が書かれておるわけでございます。 この指針は、大体におきまして航空輸送とはさほど差かないのでございますけれども、やはり船舶での輸送という特殊事情を反映いたしまして今申し上げましたような武装護衛船の同行であるとか、あるいは輸送船のクレーン等々あるいはハッチなんかが勝手に動かないようにそれを作動不可能にするとか、そういったような若干の条件がございますけれども、大まかな点におきましては船と航空輸送の点は同じであるわけでございます。 以上が大体概要でございます。
○久保田真苗君 プルトニウムの輸送は、これは政府の本当に大変な頭痛の種になっていると思うんですね。これは再処理の仕事を英仏任せにしてきたというその当時の、あんまりそういう先を考えずに踏み切ったそのことが今こういう形でたたってきているんじゃないかと思うんです。この協定は、決して私どもが、ああ、こういうふうになってよかったよかったと喜べるようなものではございませんよね。 例えば、原則として途中の寄港なしと言われますけれども、これはなかなか大変なことなんじゃないかと思うんですが、その点は技術的に可能だという前提があるわけですか。
○説明員(遠藤哲也君) ヨーロッパから日本に帰ってまいりますいわゆる輸送経路につきましては、これは今後の検討になるわけでございますけれども、私の承知します限り理論的には大別しまして四つぐらいのルートがあるのかなと思います。一つはスエズ運河経由のものもございますし、もう一つはパナマ運河経由、もう一つは南アメリカ大陸を回ってくる経路、あるいはアフリカ大陸の南端の喜望峰を回ってくる経路、それぞれの経路につきましては幾つかのバリエーションがあると思いますけれども、大まかに言いまして四つあるわけです。 私は技術的には素人でございますけれども、一九八四年の晴新丸の件を考えれば、輸送船につきましては技術的に十分可能であろうと思っております。
○久保田真苗君 パナマ運河、それからスエズ運河ですか、通航の可能性もあるやに私は今聞いたんですけれども、もしそういう場合、今後の問題ではあるけれどもそういったものについて、今の交換公文上に問題はあるのかないのか、その辺はどう見ていらっしゃるんでしょう。
○説明員(遠藤哲也君) 私が申し上げましたのは全く理論的可能性でございまして、どういう経路を具体的に選ぶかはこの交換公文には次のように書いてございます。「自然の災害又は社会の騒乱の生じている地域を避けるように、かつ、積荷及び輸送船の安全を確保するように選定された経路で、」ということで、こういうふうな条件にどの経路が当たるかということは今後の輸送計画を練る段階での問題であろうかと思います。したがいまして、私が先ほど申しました四つというのは全く理論的な可能性にすぎないわけでございます。
○久保田真苗君 そうしますと、運河を通るという可能性は余りないと事実上おっしゃっているわけでございますね。
○説明員(遠藤哲也君) 私は、先ほど申した交換公文の趣旨に沿うルートがどのルートであるかということはその時点の判断によるものであろうと思いますし、現在において今先生の御指摘の二つが排除されておるということは私自身ちょっと何とも申し上げかねる、その時点での判断であろうと思います。問題は、輸送計画をつくる時点におきまして特定の経路、パナマにしろあるいはスエズにしろ、そういうものが海上輸送の経路の指針に合致しているかどうか、こういうことの判断にかかっているかと思います。
○久保田真苗君 ここまでやってこられた日米の間で、包括的同意について日米それぞれ主張があったと思うんですけれども、どういう主張があったのか。アメリカ側からはどういう点を特に求めているのか、それについて一応伺いたいと思います。
○説明員(遠藤哲也君) これは、アメリカ側というか、日米双方ともと申したらいいかと思いますけれども、やはりプルトニウムが日本にフランスあるいはイギリスから返還されてくる場合に、核不拡散あるいは核ジャックというものを防止するためにどのような方法をとれば最も安全に運搬されてくるか、こういう点が議論の最大の対象であったわけでございます。
○久保田真苗君 核ジャックあるいは核不拡散、これについてアメリカの側からは常時護衛を求められたということですか。
○説明員(遠藤哲也君) 先生のおっしゃいます常時護衛という意味、定義なんでございますけれども、この交換公文にございますように、例えば輸送船には、この点では全く常時でございますが、常時武装護衛者が同行してほしいということが書いてございますけれども、こういう点はまさにそのとおりでございます。これは輸送船に同乗します武装護衛者という点でございます。
○久保田真苗君 そうすると、護衛船の方については特にどういうお話になっていますか。
○説明員(遠藤哲也君) 一般的に申し上げますと、輸送船を護衛しますいわゆる護衛船は、一般的には常時同行して護衛してくるということになっております。 しかしながら、非常に特殊な場合にはいわゆる代替措置をとることの可能な道も開かれてございます。
○久保田真苗君 そうしますと、代替措置というとどういうようなことを考えておられるわけですか。
○説明員(遠藤哲也君) 若干技術的なことになって申しわけございませんけれども、一般的に、返還されますプルトニウムの形態は酸化プルトニウムという形で持ってくることが多いわけでございますけれども、別の形態もあり得るわけでございます。これはMOXにする、酸化プルトニウムとウランを混合します形態もあり得るわけで、形状の変更等によりましては核物質の防護性という観点から護衛船を同行させなくても適切な防護措置の確保が可能となる場合もあるということで、この可能性というのは今後どういう形でプルトニウムを持って帰ってくるかという今申し上げましたようなプルトニウムの形状いかんによっては、必ずしも護衛船の常時護衛が絶対要るということにはなっていないわけでございます。
○久保田真苗君 例えばフランスの方から出ています、現地でもって燃料体の形に加工してから輸送するというような方法、そういうことを含んでいますか。
○説明員(遠藤哲也君) 私が先ほど申し上げました酸化プルトニウムとウランの混合体のMOXというのがまさにそういうことでございまして、その場合には、もちろんこれは今後の日米の間での協議対象でございますけれども、それが今申し上げました代替措置ということの可能性に入ろうかと思います。
○久保田真苗君 今回の包括協定について保安庁は、もちろん外務省から相談を受けたわけですね。
○説明員(児玉毅君) 外務省及び科学技術庁より海上保安庁の巡視船による護衛の可能性について協議を受けました。
○久保田真苗君 そのときに保安庁としてはどういう回答をされましたか。
○説明員(児玉毅君) プルトニウムの輸送方法につきましては、いまだ海上輸送に決まったわけではございません。今後、仮に我が国輸送船を使用して英仏から回収プルトニウムの海上輸送を行うことになりまして護衛船が必要とされる場合、海上保安庁の巡視船を派遣する可能性につきまして、現在、関係省庁であります外務省、科学技術庁及び海上保安庁を中心としまして政府部内で検討が進められているところでございます。
○久保田真苗君 防衛庁の方はいかがですか、この包括同意について相談を受けておられますか。
○政府委員(日吉章君) ただいまお尋ねのプルトニウムの海上輸送の護衛の件でございますが、防衛庁には外務省等から御相談はいただいておりません。
○久保田真苗君 そういたしますと、護衛者が輸送船に乗るとかいう問題は、これはだれを乗せるというふうに考えておいででしょうか。
○説明員(遠藤哲也君) まず、輸送船の方の常時護衛でございますけれども、これはまだだれがということは決まっておるわけではございませんけれども、想定しますに、海上保安官かあるいは警察官ではなかろうかと思っております。 ちなみに、一九八四年の晴新丸のときには、晴新丸に同乗しましたのは海上保安官であると承知しております。
○久保田真苗君 護衛に関する責任というのは、そうしますと保安庁の責任になるというふうに考えてよろしいわけですか。
○説明員(遠藤哲也君) 責任という点ではこの協定を遵守します日本国政府全体であろうかと思いますけれども、海上輸送という観点からいえば第一義的には海上保安庁ではないかと思っております。
○久保田真苗君 そうしますと、海上保安庁法では一万キロ以上もの場合というものは予想していないんじゃないかと思うんですが、保安庁、こういう点について問題はないんでしょうか。
○説明員(児玉毅君) 仮に海上保安庁がプルトニウムの海上輸送の護衛を行うとした場合、海上保安庁法第二条におきまして、海上保安庁の任務といたしまして、海上における犯罪の予防及び鎮圧、その他海上の安全の確保ということを定めておりますので、問題はないというふうに考えています。
○久保田真苗君 保安庁の巡視船というんですか、それでも三十五ミリあるいは四十ミリ砲を持っているし、ヘリコプターを搭載している船もあるわけです。ですから、これは無制限の派遣には問題があると考えるのが当然だと思うんですが、こういったことに何らかの歯どめが必要だというふうに考えますけれども、この点については保安庁並びに外務省はどういうふうにお考えでしょうか。
○説明員(児玉毅君) 先ほども御説明申し上げましたが、海上保安庁法第二条では、海上における犯罪の予防及び鎮圧、その他海上の安全の確保にかかわる事務ということで任務を定めておりますので、海域については我が国の領海あるいは我が国の付近、公海に限るというような制限はないというふうに承知しております。
○説明員(遠藤哲也君) 今、海上保安庁の方から御説明申し上げましたとおりだと承知しております。
○久保田真苗君 しかし、これに要求される武装というものの程度等を考えますと、今後やはり問題が出てきて、一体どの程度の歯どめが必要なのかという議論が当然に出てくると思うんですね。 ちなみに、一部の報道でもって、護衛に自衛艦を同行させることもあり得るとアメリカに対して表明したという報道が一時なされましたけれども、この点はいかがなんでしょうか。そういう表明をされたのかどうか。
○説明員(遠藤哲也君) 結論から先に申し上げますと、本件交渉は私自身関係していたものでございますけれども、全くございません。
○久保田真苗君 それでは外務省の方で、例えば巡視船の新型のものを建造するとかいうそういう約束は具体的にされていますか。
○説明員(遠藤哲也君) アメリカとの間で話し合いが行われましたのは、この護衛というものは海上護衛でございますね、海上の安全の確保とかあるいは沿岸警備のための船舶で十分起こり得るような危険性に対応できるんではないかと日米間で認識の一致があったにとどまりまして、今先生のおっしゃいました点については全くございません。
○久保田真苗君 全くないというふうに一応伺いますけれども、自衛艦の海外派遣ということは海外派兵につながるものですから、これはもう当然認められないと思います。また、巡視船の派遣につきましても、今後一定の歯どめといいますか、そういったものも必要ではないか、こういうふうに申し上げておきます。 予備自衛官の問題なんですが、防衛庁長官、この予備自衛官の問題では、予備自衛官の規模なり将来どういう形で持っていくのか、毎年お伺いしてもこれについての明確なお答えは全くないんですね。 防衛庁長官は予備自衛官というものをどういうふうに考え、今後どうあるべきとお考えになっていらっしゃるのか、まずそれからお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 予備自衛官については、もう既に先生御案内のように、有事の折に自衛隊の実力が急速かつ計画的に確保できるためのいわゆる要員として予備自衛官を必要とする。したがいまして、その規模はどの程度なんだということについてはこれまで鋭意検討してきているところでございまして、まだその結論を得ておりません。
○久保田真苗君 予備自衛官も、自衛官同様、なし崩しに増員が続いているわけですね。まだ結論を得ていないということであっては困るんですね。昭和二十九年に一万五千人だったんですね。今回の増員の結果ですと四万七千九百人になる。三・二倍と毎年毎年ふえていっているわけです。自衛官の場合は非常に不満足なものではあっても政府側とすれば大綱と別表というような形で一応の大枠を出しておられる。ところが、この予備自衛官については全く何にもないんです。こういうことでよろしいんでしょうか。検討といってもこれは長過ぎる検討なんでして、一体どういうふうになるんですか。例えば、ひところ民間人の予備自衛官を採用するなんという構想もあったというふうに聞いているんです。私は、防衛庁は、こういうふうに要求なさる以上は姿がどういうふうなものになっていくのかその将来の形を明示すべきじゃないかと思うんです。もちろん私どもはこういう構想に賛成はできないかもしれませんけれども、何も出さないでずっとやっていらっしゃるということについて、私はひとつここで抗議をしておきたいと思うんですが、長官、御所見を伺います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 本来、国の節度ある防衛力の整備というのは自衛隊が積極的に進めてまいらなけりゃなりませんけれども、同時に、国の防衛を支えていただくのは、国民の自衛に対するいわゆる意識というものがそれを支援していかなければならないと思うんです。したがいまして、自分の国は自分の手で守るというこの意識が国民の中に大きく台頭してまいりますとそれなりに大きな自衛力になると私は思うのでございます。 したがいまして、そういうような意味を考えますというと、数でこれだけのものが必要だというよりも、有事の折に現在の自衛隊の数に即応してそれを支えてくれる、いわゆる有事の折に、先ほど申し上げました緊急あるいは計画的に有効に活用するためには、国民全体がそういう意識を持っていただければよろしいけれども、同時に予備自衛官も数できちっと決めるよりも、そのときの状況に応じてそれを整備して進んでいくというようにしていかなければならないのじゃないだろうかと思います。 先生御指摘のようにきちっとこう決めなさいということも一つの考え方でございますけれども、将来に向かって自衛力の整備、それからもう一方は国民の自衛意識、同時に予備自衛官というものをきちっと枠で決めないで、むしろそういう全体で国を守ろうという意識を高めた方がよろしいのじゃないだろうか、こう思います。先生御指摘のようにきちっと決めなさいということも一つの考え方でございますけれども、その研究も進めておりますけれども、ただいまの時点で私は、いわゆる自衛力整備というのはそういう形で進んだ方がよろしいのじゃないだろうかとも考えているわけでございます。
○久保田真苗君 そうしますと、予備自衛官の場合はかなり精神的なものだというふうになるんじゃなかろうかと思うんです。 そうなりますと、例えばGNP一%枠の問題とか、これは大した金額ではないとも思いますけれども、そういう場合に、必要に応じてというよりは精神的な意味合いでおふやしになっているということでございますから、必要な場合にそこのところを考慮するということもできるんじゃないか、減らすということも可能なんじゃなかろうかと、私は今のお説だとそういうふうに拝聴するわけです。 この際、予備自衛官の陸海空別の人数、これはよろしいです、時間がないから。 予備自衛官の任用期間が三年でございますね。現在、予備自衛官の平均年齢というものが一体何歳ぐらいになっているのか教えていただけますでしょうか。
○政府委員(児玉良雄君) 六十三年三月三十一日現在でございますが、陸海空の予備自衛官の平均年齢は三十六・二歳になっております。
○久保田真苗君 これを陸海空別、階級別に教えていただけますか。
○政府委員(児玉良雄君) 予備自衛官の階級を幹部、准尉、曹、士と分けまして申し上げますと、陸上自衛隊は、幹部が五十四・八、准尉五十六・三、曹四十三・〇、士二十五・六、平均三十六・一でございます。海上自衛隊は、幹部五十一・二、准尉五十四・八、曹四十・一、士二十五・三、平均三十七・九でございます。航空自衛隊は、幹部五十二・三、准尉五十三・九、曹四十五・四、士二十四・〇、平均いたしまして三十七・九となっております。
○久保田真苗君 そうしますと、幹部とか准尉とかいったような階級ではかなり年齢が高年齢になっているんですね。平均がこれですと、一番高い方というのは何歳ぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(児玉良雄君) 年齢の最高は六十歳になっております。
○久保田真苗君 そうしますと、ふやした予備自衛官は六十歳までずっと継続していく、こういうことになりますのでしょうか。
○政府委員(児玉良雄君) 予備自衛官には特段に定年の定めはございませんが、予備自衛官の任務から考えまして、現在は六十歳以下の元自衛官を予備自衛官に採用しております。
○久保田真苗君 長官が精神的なもののようにおっしゃるのと相まって、相当高年齢者をずっとそのまま継続していらっしゃるというような事態があるんですが、どこかの時点で、予備自衛官というものが本当に必要なのかどうか、あるいはどういうふうな将来構想を防衛庁としてはお持ちなのか、そういうことを一遍聞かしていただきたいと思います。ただOBとしてずっとふやし、またやめる方があるとそれもふやしていくというような同窓会みたいな組織ができていくのかどうか、私はその辺一遍伺いたいと思いますので、また次のときによろしくお願いいたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) 実は、この前、河野洋平先生と懇談をいたしましたら、私の運転手に主として防衛庁OBを採用しているんだと。毎年いわゆる予備自衛官に当然登録されるわけでございますから、たまたま私がちょうど防衛庁長官になったものですからその話題になりまして、今度予備自衛官をやめょうと思っている、こういう話が最近私の運転手から出てきたと言うんです。それで、これは一体どうなるのだろうねというようなことを河野洋平先生も私に問いかけておりましたが、私も、今先生の御指摘の点はやはりもっと深く検討していかなければならない課題だと、こう思います。やっぱり、やった以上は役に立つような予備自衛官でなければなりません。それでまた、私は精神的な面で自衛意識というものを高めていただかなければならないと思いますので、そういう点は今後いろいろ検討さしていただきたいと、こう思います。
○久保田真苗君 次期中期防についてお伺いしたいんです。 現在の中期防は六十五年度までなんですが、あと二年五カ月で終わります。次期中期防は内々検討に入っているようなんですけれども、次期中期防作成の基本的な整備方針、これについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(日吉章君) 中期防後、六十六年度以降の防衛力の整備のあり方でございますが、これにつきましては、昨年一月の閣議決定におきまして、中期防の終了するまでの間に、改めて国際情勢や経済財政事情等を勘案いたしまして、専守防衛等の我が国の基本方針のもとで決定を行うべきものとされております。したがいまして、先生お尋ねの基本的考え方でございますが、その点は、引き続き専守防衛等の我が国の基本方針のもとで決定を行うということは言うまでもないことでございます。 ただ、それに基づきます具体的な内容でございますが、これにつきましては、そもそも六十六年度以降、現在の中期防のような中期的な計画を政府計画として定めることがよろしいのかどうか、政府レベルではまだ意思決定を見ていない段階でございますので、それ以上の具体的な内容の検討にまでは入っておりませんし、お話を申し上げることもできない状況でございます。 ただ、一言申し添えさしていただきますと、防衛庁といたしましては、六十六年度以降も、やはり中長期的な視点に立って防衛力の整備ができますように、現在と同じような中期的な計画を政府計画としてお決めいただきたいという希望は持ってございます。
○久保田真苗君 現行の中期防について、整備方針として、「「防衛計画の大綱」の基本的枠組みの下、」でやる、あるいは「国際軍事情勢及び諸外国の技術的水準の動向を考慮し、」というふうなことがうたわれているわけです。 これは、長官、変更するというおつもりがあるんでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 防衛大綱に従って、国際情勢等を勘案しながらという、そういう線を進めてまいりたいと、こう思います。
○久保田真苗君 先般も小野委員から申し上げておりますが、先般の国民世論調査によりましても、小野委員も指摘しましたように、大多数の国民はこれ以上防衛費がふえるあるいは自衛隊が増強されるということを希望していないんです。また、近隣諸国についても日本の脅威といったようなことが非常に敏感に受けとめられるわけです。私も本会議でこの質問をいたしましたんですが、防衛庁は、何か国民世論というものを、今の整備計画で逐次ふやしていくということが受け入れられたかのごとき解釈をしておいでになるんですが、田澤長官の御認識はどうなんでしょうか。 私は、総理府の世論調査は、文字どおり、ただこれ以上軍事大国になっては困るんだ、防衛費もそんなにたくさんふやさないでいいじゃないか、自衛隊ももうこれ以上ふやさないでいいじゃないか、そういう答えを出しているんだと思いますけれども、長官のこの辺の御認識はいかがでございますか。
○国務大臣(田澤吉郎君) これは私の見方でございますが、戦後四十年、日本がこんなに平和になったその大きい原因は、他国から侵略を受けない、そのために日本の経済また日本の政治が非常に安定してきている、そのことが日本の今日の大きな成果であるということが国民の中ではかなり理解されてきているんじゃないだろうかと思うんです。 したがいまして、最初は何か国民の努力、英知によってあるいは政局の安定によってそれができたんだと言うが、その根本はやはり国の安全、自衛力の整備、日米安保体制によって確立されてきているんだということが国民の中でかなり理解されているのじゃないだろうか、こう思われますものですから、今御質問を受けました点は、自衛力に対してあるいはまた防衛費に対してかなり理解を得ているんだというように私は理解しているんです。
○久保田真苗君 長官のお立場としてはそうおっしゃることは当然だと思いますけれども、政府自身がやった世論調査でもって、ともかくもっとこれ以上ふやしなさいという人は二割そこそこぐらいの数なんですね。現状でもういいじゃないか、あるいは、もっと減らしていいじゃないかという声が圧倒的に強いということを背景にして私は考えていただきたいと思うわけです。小野委員も言いましたとおり、GNPの一%枠の問題、これも一%枠をぜひ守っていただきたいということをお願いしたいと思います。 それから、一%枠に関連しては、八八年版のミリタリー・バランスでもって、日本の防衛費というものをNATO並みの試算でしますと、二つあって、恩給等を含めますと、既に一つは一・二%になるあるいは一・五%になるというような数字が出ております。一・二%の枠で計算した場合もその後半になると世界第三位に位置づけているあるいは第三位のグループに入っているという状況だというふうに伺うわけです。 長官は、こういうふうに米ソに次いで世界第三位あるいは第三位グループに列しているということが、平和憲法のもとで平和主義に徹している日本の軍事費として自衛、専守防衛に必要な範囲を当然超えているものだというふうには認識なさいませんでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 統計が世界第二位、第三位だとかあるいは世界第五位だとかいろいろ言われておりますが、実際に軍事費というものあるいはまた防衛費というものはどういう形、どういう観点から調査されるかということによってそれぞれ違うのじゃないだろうかと思うのでございます。したがって、私たちは、防衛大綱に従って限定的な、それから必要最小限度の防衛について原則的に日本が独自独力でそれに対応するための防衛力なんだということの認識をしょっちゅう繰り返し繰り返し訴えながら防衛費に立ち向かう必要があると思うんです。 実は、私、きのう防衛医科大学校へ行ってまいったんです。防衛医科大学校の病院を見まして、医科大学校はあそこの市には非常に喜ばれておるんですけれども、あの設備をレントゲン等は五年ごとにかえていかなきゃいかぬという要望が随分出ているわけでございますが、その更新をした場合にこれは防衛費に属するのかといったら、病院のそういうことのすべてがやっぱり防衛費の中に含まれるということでもあります。 そういうふうなことをいろいろ考えますと、日本の防衛費というのはじゃ本当にあの統計のように大きくて強力なのかといいますと、一つ一つ見てまいりますと必ずしも私はそういう感じを受けないわけでございまして、ひとつ防衛庁も先生の目で一回見ていただきたい。私は陸海空を、今学校を見ています。これからまた地方の自衛隊も見たいと思っておりますが、これで本当に自衛ができるのかということも一面考える場合があるんです。したがいまして、どうぞ先生も自衛隊においでいただいてこの状況を一回見ていただきたい。ああいう統計も反省の材料になりますが、同時に、現実に私たちの自衛力というものを目の当たりに見ていただきたいというのが私のお願いでございます。
○久保田真苗君 私も自衛隊には幾つか伺っておりまして、確かに自衛官の方が二段ベッドに寝ているとかそういった状況と、私が今ここで問題にしている防衛費の正面装備をどんどんふやしていく話というのは、これはむしろ目に見えないところで起こっているということですから、私はそれを非常に警戒せざるを得ないわけなんですね。特に後年度負担を大変にふやしていっていらっしゃる。今に軍事予算そのものに追いついてしまうんじゃないか。後年度負担がそのくらいふえていっているんです。そうすると、実際にはツケでもって倍の買い物をするということになります。そういう状態は許されないことじゃないでしょうか。私どもが教育費、福祉費、そういったものを相変わらず圧縮節減という方式でもって抑えられてきておる中で、そういうツケ買いをたくさんしていらっしゃるということは、ますます私どもの予算に負担を及ぼす、子、孫の時代まで負担を及ぼすとよく財政圧縮の面で政府は言われるんですが、それを一番先立ちになってやっていらっしゃるのが防衛庁なんじゃないでしょうか。後年度負担というものを減らしていただくということ、あるいはイージス艦、この問題はどうお考えなんでしょうか。 既に例のアメリカの会計検査院からも指摘されているようなイージス艦、性能上非常に問題があると私どもは素人考えでそう思わざるを得ない、こういうものを巨額のお金を使って買い込むことにしていらっしゃる、この防衛予算は見直していただくわけにまいりませんでしょうか。
○政府委員(藤井一夫君) まず私から後年度負担の問題についてお答えをさしていただきたいと思います。 防衛庁の装備品といいますのは、先生御承知のように、どうしても発注いたしましてからでき上がりますのに時間のかかる装備品が多いわけでございます。四年五年とかかるものがございますので、どうしても防衛力整備をやっていきます上から後年度負担というものを計上していかないと円滑に進まない、こういう事情がございます。ただ、先生、今おっしゃいますように無制限に後年度負担を計上いたしますと、これは後年度の歳出予算を圧迫するという要素があることも事実でございます。そこで、私ども、毎年の予算におきましては後年度負担を幾らにするかというところをぎりぎり調整をさしていただいております。現在のところ、大体歳出予算に対しまして七割ぐらいの後年度負担になっておりますが、この程度の後年度負担であれば後年度の歳出額を大幅に引き上げるというようなことがないというふうに判断しております。 予算をつくります場合には、後年度負担の額を幾らにするのか、この辺に絶えず注目をしながら編成をさしていただいている、こういう状況でございます。
○政府委員(日吉章君) イージス艦につきましての御指摘がございましたので、それについてお答えを申し上げたいと思います。 イージス艦は、私ども、最近におきます経空脅威が非常に増大してまいりましたのに有効に対応するためには従来のシステムでは不十分でございますので、それに有効に対応するため、特に我が国におきましては海上交通の安全ということが非常に重要な問題でございますので、海上交通の安全を確保するという観点からイージス艦の購入を決定いたしましてお認めをいただいたわけでございます。 なお、先生の方からただいま米国会計検査院の御指摘のお話がございましたが、私は必ずしもその方面の担当ではございませんが、私が承知いたしておりますのは、米国会計検査院の指摘は、その性能を検査する検査体制が必ずしも十分でなかったのではないかということを指摘しているのでありまして、イージス艦の性能そのものに問題があるというふうな指摘にはなっていなかったと理解いたしております。
○久保田真苗君 これは、アメリカの会計検査院が指摘するまでもなく、現に民間機を戦闘機と見誤って撃ち落としているわけです。それが検査体制に問題があるのか性能そのものに問題があるのか、そこのところは、ただアメリカ側の会計検査院がこう言ったああ言った、それだけじゃなしに、千二百億円ですか、そういう巨額の買い物なんですから、そこのところはもっとはっきりしていただかないと、とてもこんなものの購入に国民としては賛成なんかできないんじゃないでしょうか。誤って民間機を落とすような高性能艦というようなものの購入を国民は歓迎しないと思います。ぜひ長官にその辺のことを一考していただきたいとお願いして終わりたいと思います。
○政府委員(日吉章君) 長官からお答えいただきます前に、事実関係について申し上げたいと思いますが、米国のイージス艦ピンセンスでございますか、これがイランの民間航空機を撃墜した件でございますが、これは米国海軍の詳細なる調査結果が発表されております。 それによりますと、イージスシステムは正確に稼働したというふうになってございまして、ああいうふうな混乱の戦闘状態の中におきます、私、正確に文言を覚えておりませんが、私の理解するところでは、むしろその操作上、判断上の人的な問題だというふうに調査結果は出ていたと思います。イージスシステムそのものには民間機を撃墜したことについての過ちはなかったというふうに理解いたしております。
○国務大臣(田澤吉郎君) 今、防衛局長から答弁されたとおり、イージス艦に対する不安というものはないと思われますけれども、久保田先生の御指摘の点は十分私たちも心してこれから対応してまいりたい、かように考えております。よろしくお願いします。
○委員長(大城眞順君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(大城眞順君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、亀長友義君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大城眞順君) 休憩前に引き続き、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○飯田忠雄君 まず最初に、統帥権の問題についてお尋ねをいたします。 自衛隊法の第七条では、自衛隊の最高指揮監督権は内閣総理大臣にあるというふうに規定されております。防衛庁長官の指揮権の上に内閣総理大臣が最高指揮権をお持ちになっておるという構造でございますが、ここで自衛隊の本質は一体何であるかをお尋ねいたしたいと思います。 まず、自衛隊は行政機関であるのか、自衛権の行使機関であるのかという問題が出てまいると思います。これは後ほどに主権の問題について関連が出てまいりますので、まずこの問題についてお尋ねをいたします。これは防衛庁ですか。
○政府委員(依田智治君) 自衛隊は自衛権の行使機関かということでございますが、憲法九条で我が国は主権国として持つ固有の自衛権を認められておるという建前になっているわけでございまして、この自衛権を行使する裏づけとしての自衛のための必要最小限の実力組織として設けられておるわけでございます。そういう実力を行使するということは、現行憲法体系下では当然行政権の一部をなしておるというように考えております。
○飯田忠雄君 自衛権と申しますのは、御承知のように、国際間において発生してくる問題だと思います。この自衛権を行使するというそのこと自体、つまり外国から攻められて戦うということ自体は一体行政なのかという問題ですが、行政ということは国会で決めました法律を執行することでしょう。外国から攻められてそれと戦うということは、どういう戦い方をするかという問題を含めまして、実体が法律の執行と言い得るかという問題があります。形式的には自衛隊法の執行だ、直接侵略に対する防衛だと。形式論ではそうですが、しかし内容そのものは国民の権利義務保護行為なのか、それとも敵をやっつける行為なのか。敵をやっつける行為は一体行政かという問題ですが、これは旧憲法でも問題になった点です。 どのようにお考えですか。
○政府委員(味村治君) 国の統治権と申しますものは、御承知のように司法、行政、立法、この三権に分かれるわけでございまして、行政というのは国の統治権のうちで立法と司法を除いたものというのが定義されているわけでございます。 そういう意味で、ただいま自衛権の行使というものは、これは行政に属するということは疑いのないところでございます。
○飯田忠雄君 旧憲法を持ち出して申しわけございませんけれども、旧憲法下において統帥権ということが言われました。天皇が統帥権を持っておられた。「陸海軍ヲ統帥ス」と書いてあるんだが、「帥」の字をどういうわけか軍では「スイ」と読みまして、統帥権、統帥権と言っていますが、これは、実は行政とは別だとされていたんですね。ですから、内閣総理大臣の権限下にはなかったわけですね。そういう思想が昔はございましたが、その考え方は、結局、戦うという問題、外国と戦うということは行政と本質的に違うんだという考え方ですね。司法、立法、行政のほかに統帥がある、こういう考え方が大変はびこっておりまして、それを根拠にして軍の独裁という方向へ持っていった歴史がございますね。 この問題についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(味村治君) 旧憲法におきましては第十一条に「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」、それから十二条に「天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム」という規定がございました。 この「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」というのは、旧憲法の慣行といたしましてこれを統帥大権と言っていたわけでございますが、統帥大権について天皇を輔弼するのは国務大臣の職務には属しないで軍令部なり参謀本部なりの輔弼に属しておったということでございます。これは明文の規定はなかったわけでございますが、憲法制定前より実際の慣習と官制の定めとにより確定した制度だと、こういうふうに解釈されていたわけでございます。それに対して、十二条のただいま申し上げました「陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム」ということは、これは内閣の輔弼に属する、こういうふうになっていたわけでございます。 しかし、このように天皇に統帥権が直属するという、普通の行政と区別いたしまして天皇に統帥権が属するという規定は、現行憲法にはございません。 その意味で、現在、ほかの行政と同じように、自衛権の行使ということも行政の一部に属しているということでございます。したがって、内閣はその最終的な責任に任ずるというわけであります。
○飯田忠雄君 その点はよくわかりました。 それで、なぜこういう御質問を申し上げるかといいますと、自衛隊の最高指揮権は今日は内閣総理大臣にある、こうなっておりまして、しかも防衛計画の大綱だとか国防の基本方針については安全保障会議の審議にかけるということになっております。やはりその安全保障会議の長は内閣総理大臣でございます。すべて防衛に関する権力が内閣総理大臣に集中しておるわけなんです。 そして、いろいろ秘密事項が多いと思いますが、そのために国会の審議にかけるということが余り十分じゃない場合もございますね。例えば防衛計画の大綱、これをまず安全保障会議で御審議なさる、これは結構ですよ。結構なんですが、大綱ですから別に秘密でも何でもないので、これは国会において最初に審議すべき内容ではないか。それをさらに詳しく安全保障会議で審議して実行策を講ずるというのが今日の憲法上の精神からいきますと当然のことではないかと思われるわけですが、今日までそういう考え方がどうもなかったように思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(日吉章君) この点は防衛庁の方からお答え申し上げるのが果たして妥当なのかどうかわかりませんが、場合によりますと安保室なのかもしれませんが、お越しになっておられませんので私の方から申し上げたいと思います。 まさに先生が今御指摘になられた点に答えがあるいは尽きるのではないかと思いますが、旧防衛庁設置法の中の国防会議、六十二条のところに国防の基本方針は「国防会議にはからなければならない。」と。その後、改正されまして安全保障会議設置法というのが設けられましたが、その第二条に国防の基本方針なり防衛計画の大綱は内閣総理大臣が「会議に諮らなければならない。」事項として列記されているわけでございまして、まさに国会で御審議をいただきまして、国会の御決定によりまして法律で内閣総理大臣の所掌事務として掲げられたということではないかと思います。 これ以上は私の立場といたしましてはちょっとお答えがいたしかねるんでございますが、そういう仕組みになっているのではないかと思います。
○飯田忠雄君 この点につきまして、法律解釈としては法制局長官はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(味村治君) 現在の防衛庁設置法第七条を制定いたしました際の政府委員の説明によりますと、第七条の規定は、憲法第七十二条の内閣総理大臣が内閣の首班といたしまして内閣を代表して行政を指揮監督するという規定を自衛隊法第七条のような表現にしたものでありまして、これによりまして統帥的な権能を与えたという趣旨ではないのでありますと。つまり、現在の憲法の七十二条の内閣総理大臣の権限を確認的に規定した、こういうことでございます。 先ほど申し上げましたように、自衛権の行使というのは行政に属します。そうすると、「行政権は、内閣に属する。」ということが憲法第六十五条に規定がしてあるわけでございます。そして、内閣のもとに各省各庁が置かれておりまして、防衛庁は総理府の外周ということに相なっているわけでございます。したがいまして、内閣といたしまして自衛権の行使について責任を負うというのが現在の憲法の建前であるというふうに考えるわけでございます。 したがって、先ほどの行政権に属する限りにおきましては、特に国会の方で立法なりされればこれはまた別のことでございますが、内閣の責任において自衛権の行使をするということに相なりますので、それに必要な防衛計画の大綱とかそういったものを内閣の責任において行うというのが憲法上の建前であろうかと存じます。
○飯田忠雄君 憲法によりますと、国権の最高機関は国会だと、こう決めてございます。国の政治の最終的責任は、やはり内閣の根本、もっと奥底にあるところの国会ではないかというふうに考えますが、内閣というのは、御承知のとおり、昔の王室の宰相が政治をとった場所でございまして、王室が主権である当時の中にあるところの役所である、こういう意味で王様の家来が政治をやる場所、こういうわけなんですが、今日の内閣というのはそれじゃだれの内閣なんだということが問題になります。最高機関は国会でありまして、その国会の中の内閣ではないのか。国会の中の内閣であるからこそ、内閣総理大臣は国会議員の中から国会が選任するのではないかというふうに考えることもできるわけです。 そういう考え方から申しますと、内閣はいろいろなことを国会に諮ることを準備いたしまして、閣議で決定したことを国会に提出して審議してもらう、こういうのが本筋ではないかと思われます。防衛計画の大綱だとか国防の基本方針といいますのは政治の非常に重要な部分ではないかと思われます。殊に国民の生命財産を保護する仕事の基本を決めていくことになりますから、そういう重大なる問題を国会の審議を経ないで内閣だけでお決めになるということが果たして妥当であるかどうかという点が問題になります。防衛計画の大綱ですから秘密のことを述べるわけじゃありませんし、国防の基本方針というのは基本方針だけなんですから防衛機密を漏らすといったようなことにもならないのではないかと思われます。 そこで、むしろこういうものは国会で十分討論をお願いするのがいいのではないかと思われますが、こういう点につきまして重ねて防衛庁及び法制局長官の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(日吉章君) 先生おっしゃられますように、国権の最高機関は国会でございますが、法制局長官からもお話がございましたように、我が国は議院内閣制をとっているわけでございまして、国会の議員の中から選ばれた者が内閣総理大臣になり一般行政を行っているというわけでございます。それで、先ほど長官からもお答えがございましたように、自衛権と防衛庁の業務というものも一種の行政行為、行政機関としての行為だというふうなお話を申し上げたわけでございますから、防衛庁の所掌事務の中の基本的な事柄を防衛庁長官並びに最高指揮官としての内閣総理大臣にゆだねられているということは、それはそれなりに立法論としても成り立ち得るのではないかと思います。 ただ、先生も御指摘のように、防衛庁・自衛隊というものが他の行政機関と異なる点があるといたしますれば、これは必ずしも法律的に正しい用語かどうかは私ちょっと自信がございませんが、俗に言う一種の実力集団、実力組織であるという点であろうかと思います。したがいまして、その実力の行使にかかわります典型的なものが防衛出動でございますが、これは自衛隊法上国会の承認にかからしめられている、先生御案内のとおりでございますが、こういう点に防衛庁・自衛隊の他の行政機関と若干異なりました特色が出ているのではないかと思います。 そういうふうな意味で、国会が国権の最高機関であり、なおかつ議院内閣制をとり、防衛庁・自衛隊の特殊性等がすべて勘案された上での整合性のとれた法体系になっているのではないかと思います。
○飯田忠雄君 いろいろ御議論があると思いますが、防衛問題というものは私どもは国の最も重要な問題だと考えております。防衛はいわゆる有事における行政になるわけですが、現在が平和だから有事のことは防衛庁に任しておけばいいという考え方が正しいかどうかという問題、また一方から言えば、国会の外に防衛問題を置くということが正しいかどうかという問題もございます。防衛計画の大綱を決める、国防の基本方針を決めるということを一切内閣に委任してしまって国会は知らないということで済むかどうか大変問題であろうと思います。殊に国会は、先ほどもありましたように国権の最高機関である。しかし、国会というところは立法をするだけじゃないんです。国の権力の最高機関であるわけです。いわゆる主権者である国民の代表、国民の代表ということは主権者そのものの代表でございますからその地位は決して低くない。我が国の主権者、国民の行為というものは、御承知のように、政治は国会がこれを代表して行う。それから、儀式は天皇が行われる。天皇は主権者のシンボルとして国民にかわって儀式を行われるわけですね。ですから、天皇も国会も主権者の地位にあると言ってもいいほどの高い地位にあるものであります。いわば我が国の統治権は国会にあると言うべきであると思います。そういう最高の地位にある国会が防衛計画の大綱も国防の基本方針も全部国会の委任した執行機関の内閣に任してしまっているというようなことで済むかどうか、これは非常に問題があろうと思います。 この点につきまして、内閣の基本方針について御参画になる防衛庁長官並びに法制局長官の御意見を、本来はこれは官房長官にお聞きすることなんですが、おいでになりませんので承りたいと思います。
○政府委員(味村治君) 我が国では、御承知のように、三権分立をとっておりまして、その中で国会は全国民を代表される議員から構成されますわけでございますので、主権者たる国民と非常に直接の関係を有しておられますので国権の最高機関だというふうに憲法で規定されているわけでございます。 しかし、三権分立ということはやはりあるわけでございまして、国会は主として立法、内閣は行政、司法は裁判ということをそれぞれが独立して行うということになっておるわけでございまして、行政権は内閣に属するということは内閣はその責任において行政を行うということに、これは現行憲法がそういうふうに規定をしているわけでございます。もとより、内閣は行政権の行使につきまして国会に対し連帯して責任を負うということでございまして、国会に対して責任を負っているわけでございます。しかも、その責任を問う方法といたしまして、いわゆる国政調査権も憲法に規定されております。そういうような意味で、国会が内閣に対して行政権の行使についていろいろ御監督になるということ、コントロールされるということは、これはもう当然のことでございます。 したがいまして、先ほどの防衛計画の大綱であるとか国防の基本方針ということについて国会の方でいろいろ内閣、政府側に対しまして御質疑なりいろいろされるということは、これは国会の監督権の行使として当然のことでありますが、その基本方針をつくるとかそういうことはやはり憲法の建前といたしましては内閣の責任において行うということになっているということを申し上げたいと存じます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 今法制局長官のお話のとおりでございますが、国会は国権の最高でございますので、しかも三権分立の中で行政権の行使は内閣で行うわけでございますので、その責任においていわゆる防衛大綱あるいは防衛計画の大綱等をつくりまたそれを行使しようとするわけでございますので、そういう意味では閣議で決定してそうして国会に諮りいろいろ御意見を承るというような形で、あくまでもこれらの行政権については内閣が責任を持つという体制で進んでよろしいのじゃないだろうか、こう思います。
○飯田忠雄君 先ほどから三権分立ということがよく言われますが、これは学者が学者の思想で述べたことでございまして、我が国の憲法の条文を詳細に見ますと三権分立ではないのです。国会が最高機関であって、その最高機関である国会が立法権を掌握するということは憲法に書いてありますが、行政権は内閣だと。行政権ということはどういうことかという本質を見ますと国会で決めたことを執行することなんですね。法律を執行したり国会で決めた議決を執行したりその執行機関であると思われます。それから、司法権は何かといいますと、司法権も国会で決めた法律を執行しているのが任務でございます。 ただ、法律の性格が、行政の場合には動的であり、司法の場合は静的である。法律に反しておるか反しないかを決めるのが司法、行政は法律に反しておるか反しないかを決めるんじゃなくて法律そのものを実行して実現するというものが行政でございますね。それで、そのもとは国会にあって、国会が最高機関で、だから行政府の一番上の内閣総理大臣は国会が決める、国会が指名をする、こうなります。 それから、最高裁長官も、これも国会で指名された内閣総理大臣がお決めになる。天皇が任命されますが、実体を決めるのはそういうことになっておりまして、人事からいきましても、例えば裁判官の人事は内閣が握る。これは決して分立じゃないんです。明らかに人事権を握られて独立しておるとは言い得ない。ただ司法が独立しておると言われるのは裁判においてだけなんです。裁判においては裁判官は憲法と法律だけに従う、こうなっておるのでありまして、それ以外のことについて独立はしていない。日本の場合は憲法の条文ではいわゆる厳密な意味のアメリカ式の三権分立ではないわけです。むしろ相互関連をしておりまして、議院内閣制というものは元来そういう厳密な意味の三権分立にはふさわしくない制度であると思われます。ですから、総合的な最高の責任は、私は、総理大臣は国会議員であられますから国会議員として責任は負わねばならぬと思います。総理大臣の責任と国会議員の責任とは違うと思いますよ。総理大臣は行政機関の長としての責任を負うだけですが、国会議員は国民の代表としての責任を負わねばならぬと私は考えるわけですね。そういう意味におきまして国会のいわゆる地位というものは形式的に高いのではなくて、実質的に高くなければならないと私どもは思うております。だから、国会議員がいわゆる汚職をするなどということはとんでもないことだというふうに私は考えます。 これは少し政府の考えと違うようですがいかがでしょうか、お尋ねします。
○政府委員(味村治君) 三権分立は、それはいろいろな国によっていろいろなあり方があるわけでございます。アメリカ流の三権分立もございますればイギリス流の三権分立もあるわけでございまして、我が国の統治組織というものが立法、行政、司法と分立いたしましたこの三権によってそれぞれ担われているということは、これは間違いのない事実でございます。 ただ、先生の御指摘のように、その間がまるっきり没交渉というわけではございません。これはその間に相互に牽制をするという一種の牽制作用というのがあるわけでございます。先生も言われましたように、立法を実行するのが行政であったり、あるいは立法について法律の解釈について判断をするのが司法であったり、あるいは裁判官は内閣の指名によったり、あるいは逆に裁判所は違憲立法審査権というものを持っていて国会の御制定になった法律が違憲であるかどうかを審査する権限も持っているというようにお互いに牽制し合っているわけでございますが、これは三権分立ということを前提といたしましてその上でいろいろな牽制組織があるということでございまして、決して現在の憲法の統一組織が三権分立ではないということは言えないかと思います。
○飯田忠雄君 ここで念のためにお尋ねをしておきますが、自衛隊の最高の指揮監督権は内閣総理大臣にございます。ということは、自衛隊そのものの組織から、行動から、それからまた自衛権の行使のやり方から、行使の発端から、すべてこれは内閣総理大臣にその権限がある、こういうことになると思います。これは自衛隊法でそのように決めてございますが、こうした規定の内容そのものを見ますと、旧憲法における天皇の統帥権の内容と余り変わらないぐらい強い権力でございますね。 そこで、内閣総理大臣が一々国会の審議を経ないで自衛官増ができる現在の体制からいきますと、いわゆる統帥権思想がまだ残っておるかあるいはそれが芽生える余地が十分あるのではないかということが心配されますが、この点につきましてはどのような御見解でございましょうか。
○政府委員(味村治君) 過去の、旧憲法当時の統帥大権は、先ほど御説明申し上げましたように、内閣と別個の補佐機関を持っていたわけでございます。参謀本部とか軍令部というような内閣と別個の補佐機関を持っておりました。また、内閣の方は、御承知のように、これは天皇が任命されるという建前になっていたわけでございますが、しかし、内閣に対してはもとより当時の帝国議会においていろいろなコントロールが加えられていたわけでございます。しかし、この統帥大権は参謀本部なり軍令部の補佐に属するということで、これにつきましては全く内閣の管轄が及ばなかったがために参謀本部なり軍令部が独走したんではないかという非難を旧憲法に対してする方も多いわけでございます。 現在の憲法におきましては、すべてこの自衛権の行使は内閣の責任において行う、その具体的な行使はもとより自衛隊において行うわけでございますが、これはすべて先ほど申し上げましたように国会に対して責任を負うというこの体制のもとにおきまして、主権者たる国民の代表者である国会議員から成ります国会に対して責任を負うという建前、そういうもとにおきまして自衛権の行使をするということになっているわけでございまして、自衛権の行使のために必要なもろもろの準備も当然国会の監督のコントロールを受けるわけでございますから、これは全く旧憲法とは違うということを申し上げたいと思います。
○飯田忠雄君 もう一つ、念のためにお伺いしますが、先ほどの法制局長官の御意見によりますと、立法と司法を除いたそのほかの国家業務は全部行政という説が有力であってそういうものだと、こういうお話でございました。もちろん、こういう説が支配的にあることは私も存じておりますが、しかし、立法権はどういうものか、司法権はどういうものかと言うておきながら、行政権というものについては正面から取り組まないでそれ以外のものだ、こういう言い方になりますと立法権というものは行政、司法を除いた権力だと、こうなる。司法権は、行政権と立法権を除いたものが司法権だと、こういうことになってしまうわけでありまして、その境界がどうも明確でございません。 行政というものは、政は政治の政ですが、行う、実行するという意味でありまして、これは国会が決めた政治の根本的なものを具体的に実行するのが行政だということになります。根本的なものというものは法律でございますが、同時に、法律だけじゃなくて、法律に該当する程度の高い例えば条約だとか防衛計画だとか防衛の基本方針といったようなものは当然国会が中心となっていくべきものであるわけですが、条約の場合は国会に一々審議をかけている暇がないから内閣でおやりになって後で報告されるということが憲法で決めてありますからそれでもいいわけですが、防衛についてはどうもはっきり憲法にも決めていないわけです。 憲法九条を見ますと、御承知のように、まことにわからない規定であるわけですね。憲法九条を正面から読んでわかる人は珍しいと私は思います。これは、憲法が国家の前にあるのか後にあるのかによって解釈が変わってくるわけですね。私どもは、国家が先にあってその国家に憲法ができた、こう理解をしております。したがって、憲法というものは国家を規制するものであるという考え方であります。憲法が先にあって国家が後からできたという考え方の人は、憲法によって国家ができたんですから憲法どおり国家というものはある、こういうことになりますが、それは擬制であって、本当の姿は国家が先にあって後から憲法ができて、その後憲法が全面改正されたものだと解するのが私は正しいと思うわけです。そういう考えからいけば、国家とは何ぞやから始まって法律論はなさざるを得ない。国家というものは権力機構である、人間の集団の権力機構を持った集団だということになりますが、権力機構というものは一体何だと言えば武力を背景にしたものだと言わざるを得ないわけです。 したがいまして、我が日本の国は、大日本帝国になる前の時代から国家というものは存在したわけでございまして、日本国には国家としての武力は最初から備わっておったわけですが、その後最初から備わっておった武力の用い方が大日本帝国憲法による場合と日本国憲法による場合では違うわけです。大日本帝国憲法による場合は、富国強兵ですから、武力を発揮してどんどん外国を侵略するという考え方でありました。だからそういう方へ武力を使ったわけですが、今日の日本国憲法では第九条で武力の使い方を制限しておることは御承知のとおりです。私どもは、第九条は国家の武力を制限する規定である、そう読みます。あの文章を読んだ場合にそうとしか読めないわけですね。 そこで、我が国の持ち得る武力というものは憲法九条によって規制された武力であるわけです。我が国の武力は戦力ではない武力であるわけですね。戦力というのは、憲法の規定からいきますと外国をこちらから政策的に攻めていく、そういうことをやることのできる武力だと、こうなっておるようですね。 憲法の規定を読みますと「国権の発動たる戦争」を放棄すると、こう書いてあるんです。「国権の発動たる戦争」といいますのは国家権力によるところの継続的な武力行使、戦力行使でありますから、そういうものは放棄しておる。しかし、それ以外のもともとから持っておる武力でだめなものを切り捨てたあとの残りの武力については放棄していないということになります。 だから、私は、その部分が自衛隊だ、こう理解をいたしますが、こういう理解は政府ではどのようにお考えになるのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(味村治君) 政府は、従来から、憲法第九条は個別的な自衛権まで否定したものではないというふうに解釈いたしているわけでございます。 したがいまして、憲法第九条の第二項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」、こう書いてございますが、これは自衛のために最小限必要な実力、これを保持することまでは禁止していないのである、したがって憲法第九条第二項で言う「戦力」というのは、自衛のために必要な最小限の実力を超えるものをここで言う「戦力」と言っているんだ、このように解釈しておるところでございます。
○飯田忠雄君 法制局長官の御意見はわかりました。 そこで私どもが実は大変気にかかることは、そういう自衛隊というものがどうも国会から浮いておる。本来国会に密着していなきゃならぬのに、浮いておるような気がしてならない行政の運営があるように思いますが、この点につきまして、国会は結局予算の面だけで防衛庁のあり方あるいは自衛権の行使のあり方を規制できるだけだといったような風潮が今日ありますが、そういうことについてもう少し国会に緊密になるような方法はないか、そういうことはお考えにならないかという点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 今法制局長官から御説明がありましたように、我が国の主権国としての固有のいわゆる自衛力というものは憲法九条が否定していないということ、そしてそれを行使するための必要最小限度の自衛力を保持するということ、それもまた憲法では認めている、否定していないという立場から防衛庁が発足しているわけでございます。 したがいまして、国会の中で何回かこの問題は議論されてきて、そうして国民もその議論の中で自衛力というものに対する、何といいますか、憲法九条との関係というものをしっかり認識するまでの時間というのは随分かかったと思うんです。二十九年に防衛庁ができて自衛隊が発足したわけでございますが、今やっと三十年の間にこれまで国会で議論されてきたことがずっと積み上げられて自衛隊、自衛力の行使というものがやや認識されておるものの、今先生御指摘のように、国会の中でもっと自衛力というもののあり方あるいはまたそれが国の安全を確保するというそういう考え方を、もうちょっとみんなで国全体で一本になった一つの考え方をまとめていく必要がありはしないかということを私は今日考えております。十分それは考えております。
○飯田忠雄君 はい、わかりました。この問題はまた後日にいたしたいと思います。 それで、きょうは別の問題にひとつ入らせていただきます。 これは、十月十五日に沖縄で起こりました銃弾被弾事故に対する抗議申し入れを外務大臣に対しまして公明党中央委員の玉城栄一衆議院議員が出しておられます。 その抗議文全部を読むといいのですが、前書きは省きまして、要求しておることを読んでみます。 早急に被弾事故の原因を究明し、県民の前に明らかにすること。 提供施設外に危険を及ぼす演習は、地位協定三条三項に違反するとともに、憲法にうたわれた「基本的人権」を守る上からも絶対にあってはならない。 我が党の調査でも明らかにした通り、キャンプ・ハンセン内の実弾演習は不適である。そして、警告した通りに数多くの事故が頻発してきた。これ以上の被害は許されない。抜本的な解決は急務である。 そして次に、お願いを挙げております。 今回の被災者に対しては、十分な補償を図るべきである。 よって、同基地内における一切の実弾演習を即時中止すること。 こういう申し入れ書が出されておりますのでお伺いいたしますが、ここにも述べておるように、被害者に対する補償の問題、それから基地におけるところの一切の実弾演習をすぐに中止するということ、このことにつきまして御見解を承りたいと思います。
○政府委員(池田久克君) 玉城先生の抗議申し入れは外務大臣あてに出されておるわけでございまして私からお答えするのはいささか僣越かと存じますけれども、今の問題につきましては我々の関係でございますので私から申し上げたいと思います。 今回のトラブルにつきましては、米側も真剣に検討を約束しておりますし、したがって米側の訓練の内容とか今後の対応についていずれ明確にされるものと思っております。演習場外にこういう弾丸が行くということについては、それはもう認めるべきことではありませんし、またそれによって損害が生じるということにつきましては、これは明確に規定が決まっておりまして、私どもの役所が国家賠償の方針に従いまして実施をしてまいりますので被害者の皆様に御迷惑をかけないように丁重に対応してまいりたいと存じます。
○政府委員(有馬龍夫君) 御質問が処理の実態に及びましたので施設庁から御答弁をお願いいたしましたけれども、外務大臣への抗議申し入れは外務大臣が篤と御承知でございまして、けさほど御紹介いたしましたような処置を外務省としてもとったわけでございます。
○飯田忠雄君 外務省の方で御処置をくださるということで了解をいたします。 では、次の問題に移ります。 先ほどの問題に関連をいたしますが、天皇の憲法上の地位につきまして、元首であるか元首でないかということが従来から論争されてきております。この問題は憲法の第七条の国事行為と内閣の助言、承認の関係の問題にも関連してくると思います。 そこで、まずお伺いいたしますが、憲法第七条の国事行為、その国事行為に対する内閣の助言承認権というものの性質でございますが、内閣の助言、承認をする権限は国事行為についてだけ存在するのでありまして、国政行為についてはあり得ないと言わなければならないのであります。といいますのは、天皇の国政行為は禁止されております。禁止された国政行為に対して内閣が助言、承認をするということはあり得ない。もしあるとするならば、それは天皇に禁止された国政行為を行わせることになるのでありますから、そういうことはない。だから、内閣の助言と承認というものは国事行為についてだけだ。つまり、どういう国事行為をしていただくかということについての決定権である。その国事行為は、例えば外国の大公使に面会してくださいという国事行為なのか、あるいは法律を公布するという国事行為なのか、あるいは衆議院の解散の詔書を出してもらうという国事行為なのか、いろいろあると思いますが、それは全部国事行為でありまして、国政に関する内容は含まないと私どもは理解をするわけであります。 また、天皇は国の象徴であり国民統合の象徴ですから、国民が主権者であります。我が国の憲法は、国民の主権——主権というのはソブリン、最高という意味でありまして、我が国における最高者は国民だという意味でございますが、その最高者のシンボルが天皇である。ということになりますと、最高者のシンボルですから、そのシンボルもまた最高の色彩を持っていなきゃならぬということになります。国旗がシンボルの場合は、国旗を侮辱すればその国家を侮辱したことになる。シンボルである天皇を侮辱することは、日本国民を侮辱することである。こういう法律の論法になると思います。 第一点の、国事行為というものは国政行為を含まない、助言承認権には国政行為を含まないという点について法制局長官もしくは官房長官からお答え願って、また天皇のシンボルとしてのその地位というものにつきましてこれもまた法制局長官、官房長官の御意見を承りたいと思います。お願いいたします。
○政府委員(味村治君) 天皇の国事行為につきましては憲法の第三条から第七条まで規定がされているところでございます。そして、この天皇の国事に関するすべての行為には内閣の助言と承認を必要といたしまして、内閣はその責任を負うということは憲法第三条の明記するところでございます。 そこで、天皇の国事行為といたしまして憲法に列挙されたところを見ますというと、非常に形式的な行為もございますが、例えば国会の召集でございますとか衆議院の解散でございますとかいうように政治的なものもあるわけでございます。したがいまして、国政に関する事項もこの天皇の国事行為の中に含まれている、こういうことになるわけでございます。 そうしますと、憲法第四条第一項の「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。」、この規定との関係がどうなるのか、こういう問題になるわけでございまして、御質問は恐らくそうだと思うのでございます。ここで天皇の国事に関するすべての行為には内閣の助言と承認を必要とするということは、内閣が実質的に決定をすることでございまして、そして天皇はそれに形式的名目的に参加されるということが通説でもあり政府の解釈でもあるわけでございます。したがいまして、国会を召集するとかあるいは衆議院を解散するということは、これは内閣が実質的に決めているわけでございまして、天皇はそれに形式的名目的に御参加になるということであります。したがって、憲法第四条で国政に関する権能を天皇は有しないとされておりますが、これは国政に実質的な影響を与えるような行為をすることはできませんよ、こういう意味でございますので、内閣が実質的に決定したところに天皇が形式的名目的に参加されるということは、これは国政に関する権能を有しないということには決して違反していないというのが私どもの政府の解釈でございます。 もう一つは、天皇の地位でございますが、我が国の憲法が国民主権をとっていることは憲法第一条に「主権の存する日本国民」、こういう言葉がございますように、これはもう明らかなことでございます。ここで主権と申しますのは、これは政治のあり方を最終的に決定する力とでもいうようなことでございまして、そういう意味の主権が日本国民に属する、こういうことになっているわけでございます。そして、天皇は、第一条に規定してございますように、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である。そしてさらに、先ほど申し上げましたように、内閣の助言と承認によりまして憲法の定める国事に関する行為を行う、こういうことになっておりまして、その中で外国の大使、公使の接受というような儀礼的に対外的に日本国を代表するような行為もなさいますので、一説にそういうような地位にかんがみて天皇を元首と言ってもいいではないかという説がございまして、元首という言葉につきましては法律上の規定はございませんので、そういう説に立ちますというと天皇は元首というふうに言っても差し支えがないということでございます。
○飯田忠雄君 官房長官、どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいまの内閣法制局長官の答弁が一貫した政府の考え方でございます。
○飯田忠雄君 ただいまの御答弁で少しわからなかった点があるわけです。 それは、憲法の第七条は天皇の国事行為に関する規定でございまして、天皇が国事行為を国民のために行われる、こう書いてありまして、その場合には内閣の助言と承認が必要だ、こういうわけであります。憲法の第七条に列挙してありますことは、これは全部国事行為なのであって、あそこに掲げてあることが国政行為を含むという解釈は憲法の第四条に反すると思います。天皇は国政をおやりにならないのですから、おやりにならないのに天皇の権限として国政行為が掲げてあるということはこれは筋が通らないと思います。 この点はいかがですか。
○政府委員(味村治君) これは飯田委員前々からの御主張でございまして、私どももよく存じ上げております。 ただ、私どもの考えは先ほど申し上げましたとおりでございまして、第七条に列挙してある事項の中には政治的な事項も入っている、国会を召集するとか衆議院を解散するということが入っている、しかしそれは内閣の助言と承認という行為によりまして実質的には内閣が決めることで、天皇はそれに対して形式的名目的な行為をなさるということにすぎないので天皇は国政に関する権能を行使したことにはならないのだ、こういうのが私どもの一貫した考え方でございます。
○飯田忠雄君 これは大変すれ違った議論になっておりますが、私が申し上げますのは、国事行為についてだけ内閣は助言と承認の権限を持つのだから助言、承認の中身は国事行為に関するものでなければならぬ。 例えば、先ほど国政行為の性格を持つと言われた衆議院解散の問題を挙げてみますと、衆議院の解散をするかどうかを決定することは、これは国政の問題であります。国政は憲法上どこが行うか、憲法の権限に基づいて決めるべき問題だと私は思います。憲法に基づいて国政を行う機関が衆議院を解散するという議決をいたしましたときに内閣はそれに基づきまして天皇に対して国事行為を助言するわけでありまして、その国事行為はどういう国事行為をしていただくかを決定するのが内閣の仕事であると思います。例えば解散詔書を出すという方式もあるでしょうし、あるいはそれをやめて天皇が国会においでになって演説をなさる方式もあるであろうし、いろいろあるわけです。今までは解散詔書を発してもらうということを内閣がお決めになったんですからそれはそれでいいと思いますが、そのもとになる衆議院の解散をやるかやらぬかの問題は国政行為ですから、憲法のもとに戻るならば、国権の最高機関である国会が決めるべきものではないか。元来、もっと純粋に申しますならば、主権者たる国民が決めることです。その主権者たる国民が決めるに当たりまして国民は代表を先に選んでありますから、国民の代表である国会議員が決めるわけでありますが、その決めるに当たりまして、国会議員は国会を構成いたしております。したがって、国会において審議して解散をするということが議決されたときに、内閣は天皇に対して国事行為をお願いする、こう行くのが今日の日本国憲法の本質であろうと私は理解をいたすわけです。従来は、内閣におかれましてはそういうお考えをおとりにならないで、国事行為の助言権を根拠にして国政行為を決める権限がある、こういう御見解のようですが、国事行為の助言権なら、国事行為を決定するということなら話はわかりますが、国事行為の助言権から国政行為の決定権まで引き出すということはやはり憲法の逸脱ではないかと私は理解するわけでございます。 この点につきまして、私は、今内閣法制局長官の御意見はお亡くなりになった東大の偉い先生の御意見であるから、その説をおとりになっておるということは理解をいたしますけれども、憲法論としてまいりますならばそれはおかしい、こう考えます。 それから、一つ心配になるのは、もし憲法違反ということになると無効になってしまっては大変なことになるというふうにお考えかもしれませんが、私は、解散そのものが憲法違反でありましても、その後に行われたところの総選挙は合憲ですから少しも混乱は起こらないと思います。憲法には、解散という事実が生じた場合には総選挙を行うとなっているんです。ですから、その事実を起こした起こし方が違憲であろうと合憲であろうとそれほど問題にする必要はないと私は思います。 そういうわけですから、この点につきまして私は法制局長官と意見が食い違う点は大変恐縮に存じますが、これは憲法をないがしろにするかどうかの問題でございますのでぜひ御検討をお加えくださって、正しい憲法の運用という方向に進んでいただきたいと考えるわけでございます。 これは、私は、本来、内閣総理大臣に申し上げるべきことでございますが、総理大臣の代理は官房長官でございますので、官房長官の御意見を承ります。
○国務大臣(小渕恵三君) 衆議院の解散につきましては、かねて来、憲法七条によるか、憲法六十九条によるかということにつきましては、長い御論議が国会においてもなされておることも承知をいたしております。また、先生のような御主張もかねてお聞きをいたしているところもございます。 しかしながら、従来、政府といたしましては従前とってまいりました考え方によりまして対応してきたことであろうかと存じておりまして、本件につきましては、法制局長官が申されておりますとおりに、政府としては一貫して従来の考え方を踏襲いたしておるところでございます。
○飯田忠雄君 これは後ほどまた議論することにしまして、きょうはやめます。 先ほどお尋ねしました点で、天皇の地位につきましてどうも明確な御答弁がなかったように思いますが、私が質問しましたのは、天皇は主権者である国民、つまり我が国における最高の地位にある国民の象徴として存在するから、その天皇を侮辱すれば主権者たる国民を侮辱することに当たる、そう理解できるのではないかということをお尋ねしたんであって、元首の問題をお尋ねしたのではないのです。 元首という言葉は、これは国家主権の国家において存在する問題ではないかと思います。国家が最高であるという考え方の国家におきましては国の元首が大事になりますが、我が国は国民主権ですから、国家は主権ではないのです。国家が最高ではない。国家の上に国民が存在するわけです。国民が主人であって国家は従だ、これが我が国の憲法の建前でございます。アメリカあたりに行きますと、国家が主権を持っておる、こう言います。国家主権説の国でございますから、だから元首が存在します。大統領が元首であります。我が国は元首というものはない。最高機関はあります。国会が最高機関です。ですから、外国流に元首を強いて言えといえば、国会が元首であると言わねばならぬのです。国会が元首である。これは主権者の代表ですから。と同時に、天皇が主権者のシンボルである。主権者そのものを形にあらわしたものが天皇だ、こういうことになります。したがいまして、国会を侮辱したり天皇を侮辱すれば、我が国の主権者を侮辱する、こういうことになるのではないか、こういう御質問を申し上げたんです。 お答えを願います。これは外務大臣。
○政府委員(松田慶文君) 飯田委員の御質問が先般の英国の新聞の記事に対する私どもの抗議のあり方についてのお尋ねでございますれば、私から一応お答え申し上げたいと存じます。 九月二十一日付の英国の二つの新聞の天皇陛下を著しく誹謗する記事は、個人としての天皇陛下を誹謗中傷するものでございました。したがいまして、その点に着目いたしまして私どもは、このような侮辱、誹謗中傷が著しく妥当でないことを挙げて申し入れをしたわけでありますが、千葉大使の名前でいたしましたその申し入れの文中におきましても、天皇陛下は日本国及び日本国民統合の象徴である、そのような陛下に対する侮辱について強く遺憾の意を表明するとしておりまして、間接的ながら飯田委員の御指摘の点も含まれているかと理解する次第であります。
○飯田忠雄君 それでは、次の問題に入ります。 有事来援問題でございます。 有事来援ということは具体的に何を言うのかという点について、私ども実は不思議に思っておるわけです。有事というのは一体何のことか、有事の事というのは一体何を指すのかという点で大変疑問を持つわけでございますが、防衛庁長官、外務大臣、法制局長官におかれてはこれをどのように理解をされておりますか、お尋ねいたします。
○政府委員(日吉章君) 私どもの方で有事来援につぎまして米側と研究をするということになっておりますので、それに関連してのお尋ねかと思いますので私の方からまずお答え申し上げたいと思います。 その場合の有事来援といいますのは、今飯田委員が厳密に法律的な文言といたしましてとらえておられますような事柄ではございませんで、我が国に対しまして武力攻撃がなされた場合に、日米安保体制下にあります日米両国が我が国防衛のために共同対処行動をとることになるわけでございます。このために、現に日本に駐留いたします米軍、さらにこれに加えまして必要に応じて米軍が我が国に来援することになるわけでございますが、この来援を有事来援と申しているわけでございます。 検討いたします内容としましては、その場合に、米軍部隊の具体的な来援の規模あるいは時期、手段等について研究をしていこうということでございます。
○飯田忠雄君 実は、この有事来援という問題に関連しまして、事前集積の問題とか戦時受け入れ国支援の問題とかあるいは有事立法の問題とかいろんなものが言われております。 そこで、我が国の現段階におきまして今述べました事前集積あるいは戦時受け入れ国支援、有事立法、こういうものにつきましてどのような御見解をお持ちか、こういう点をお尋ねいたします。
○政府委員(日吉章君) 有事来援の研究の意味につきましてはただいまお答え申し上げましたが、その過程あるいはその結果の中で事前集積の問題も検討の対象になり得るかと思いますが、有事来援研究が即事前集積の研究ということにはならない点を御理解いただきたいと思います。 しからば、事前集積というものをどういうふうに考えているかということでございますが、来援に参りますのは米軍でございますが、御案内のように、米国は我が日本との間に地理的に大きな隔たりがございますので、有事におきまして米軍の増援部隊が円滑に展開等ができるためには場合によりますと重装備等を平時からあらかじめ来援いたします国の指定された地点に集積しておくということが効率的だというようなことが考えられるわけでございまして、有事来援を有効に行い得るためにはこういう事前集積というようなものを考えなければいけないのかどうか、集積するとすればどういう方法あるいはどういうものがあるのかというようなことは有事来援研究の中で検討の対象になろうかとは思いますが、事前集積とはそのようなものと理解いたしております。 それから、戦時受け入れ国支援との関係でございますが、これは有事来援研究と事前集積との関係とは違いまして、有事来援研究とはそれほど密接に関係してくるものではないと考えております。といいますのは、戦時受け入れ国支援といいますのは、来援いたします部隊とは直接的な関係はなく、事柄の性質上でございますが、そもそも平時から我が国に駐留いたしております米軍が有事の場合に我が自衛隊と共同対処行動をとりますときに我が国が米側に対しましてどのような支援を行えばいいか、そのときに行う支援がどういうものであるかということが戦時受け入れ国支援の問題でございまして、当然そのときに来援いたします米軍に対しましての支援も同じことではございますけれども、有事来援研究から論理必然的にあるいは有事来援研究に専ら付随する問題として出てくるものではありませんで、これは別途の研究課題になろうかと、かように考えております。
○飯田忠雄君 ただいまの問題につきまして具体的に自衛隊で行われておりますことはどういうことでございましょう。
○政府委員(日吉章君) まず有事来援研究でございますが、これは本年春の瓦前防衛庁長官とカールッチ米国防長官との間で今後日米間で研究していこうという約束がなされたという段階でございまして、どういう手順で研究をしていくかという点を現在考えているところでございまして、具体的な着手にはまだ至っておりません。 なお、戦時受け入れ国支援の問題でございますが、これにつきましてはいわゆるガイドラインの中の検討項目にも入ってございますけれども、これはただいま私が申し上げました性格からもおわかりいただけると思いますが、共同作戦計画の研究とか各種の研究が日米間でなされていきますが、その研究をしていく過程におきましていろいろと後方支援に関する詰めるべき問題が浮き彫りになってくると思います。そういうふうなものがその他もろもろの研究の過程で問題点が出てまいりますと、それらが出そろったところで別途戦時受け入れ国支援の問題として研究をしてはどうかと、かように考えております。
○飯田忠雄君 有事立法の問題では、内容はどういうふうにお考えでしょうか。これはまだお聞きしていませんが。
○政府委員(日吉章君) 有事来援研究との関係においてのお尋ねということでございますと、有事立法とは直接関係はないということになろうかと思います。 来援いたしました米軍に対しましてどのような有事法制の適用がいいかということでございますが、私どもは有事来援研究から即その研究をしようというふうには考えておりません。 ただ、先ほども申し上げましたように、有事に来援いたしました米軍の行動は我が自衛隊との共同対処行動になろうと思いますから、それまでの間に有事におきます際の自衛隊の行動にかかわります法制の研究がなされているとしますと、それが参考になるだろうということは想像がつきます。
○飯田忠雄君 私は戦時におきまして問題になるのは国民の権利義務関係だと思います。それが乱れる。それで権利義務関係が乱れる場合に、例えば例を言いますと、個人の住宅を明け渡していろいろな人を収容しなければならぬことが生ずるでしょう。この場合に、戦争が終わりましてから借地借家法を盾にとって頑張られたのでは困るわけですね。ですから、戦時におけるいろいろの国民に対する便宜供与上行ったことから生じた権利というものについては平和になったらどうするか、やめてもとに戻すかどうかという問題。これは実際には起こる問題でございまして、戦争が起こらなければありませんよ。 戦争になった場合は、私は第二次大戦末期の満州における状態を想起すればわかると思います。法律はなかったんですが、全部日本人が集まりまして日本人会をつくって、家を全部提供して難民を収容したということは実際に行ったわけですが、そういうことを行わなければならない。そうしますと、その家屋に対する権利、土地に対する権利というものはくっつくんですよ、入っている人に。自分が出て好意で貸してあげたら後までとられてしまったんじゃ、これは貸してくれる人はおりません。この戦時権利義務関係を調整する法律というものは、もし戦争になれば必要です。そのほかの、権利義務関係以外のことについては余り重要ではないと思いますがね。 そこで、これを昔の特高警察のやったようなそういう法律だというふうに誤解をされておりますと、戦時立法というものの意味が大変変なものになると思います。その点についてはどのように御理解になっていますか。
○政府委員(依田智治君) まさに、先生今御指摘いただきましたように、有事、いざという場合には自衛隊なり米軍等が行動せにゃいかぬ。一方、憲法等に基づいて国民の権利等は最大に尊重する。この両面から、やはり公共の福祉との関係で大変重要な問題だと思います。 そんなことで、私ども、まず手始めとして自衛隊の行動に係る有事の立法、こういうときにこそ立法を前提とするのではなくてどういう点に問題があるか詰めようということで、実は、自衛隊の所管事項、それから他省庁所管事項、あとはその他の所管ということで現在やっておるところでございます。さらに、先ほど防衛局長の話にありました米軍の行動等に係る法制とか、さらに米軍、自衛隊にかかわりなく国民の権利保護という面から考えにゃならぬいろんな法制があるわけでございまして、そういう問題についてはこういう平和時にこそ問題点を詰めておく、できるだけ早期に詰めて国民の理解を得るということが重要であるというように私どもは認識しておるところでございます。
○飯田忠雄君 時間ですからこれでやめますが、この問題は防衛庁だけでお考えにならないで内閣自体で考えるべきものだと思います。 では時間でございますので、これで私の質問を終了します。
○吉川春子君 まず、山口県にあります航空自衛隊防府北基地の練習機による騒音公害問題について伺います。 防府市民は自衛隊の訓練機T3による騒音のために日夜大変な迷惑をこうむっています。日本共産党の防府市議団が行ったアンケートの回答によりますと、電話やテレビの音も聞こえない。話もできないこともある。また、病気で休んでいる人、夜勤明けの人は爆音で眠れない。さらに、絶え間なく爆音が続くので発狂しそうになる。また、学校では二重窓にしてもクーラーがなく暑い日はたまらない。防音工事をやってあるところでも電気料がかかる。年配の方からは、クーラーではなくて体のためにも自然の風に当たりたいなど、さまざまな声が寄せられています。 先月九日には、この基地で昨年訓練を終えたばかりの芦屋基地所属の自衛隊員の操縦する練習機が海上に墜落したという事件も起きています。もしこの防府市で事故が起これば、市街地なので被害は一層大きくなることは明白です。住民はそのことも心配しているわけです。 自衛隊は一体どんな訓練をやっているんでしょうか。
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。 航空自衛隊防府北基地におきましては、航空自衛隊の操縦士にとりまして最初の操縦教育、第一初級操縦課程を行っております。 飛行教育の主な内容といたしましては、離着陸空中操作、計器飛行、航法訓練等があります。空港周辺の場周経路での飛行高度、これは約一千フィートでありまして、主要機種はプロペラ機であるT3型機であります。 飛行教育の時間帯等についても御説明いたしますと、月曜日から金曜日までの間でありまして、日曜日には実施しておりません。なお、天候の状況によりまして変わることがありますが、土曜日における実施を行いますことが月に一回程度ございます。 飛行教育はおおむね午前八時から午後五時まで実施しておりますが、月に四、五回は夜間飛行の訓練のためにおおむね午後八時ごろまで実施しているというのが状況でございます。
○吉川春子君 この防府北基地が発足した当初は人口は九万五千人足らずでした。しかし、基地周辺は今日では都市化が進み住宅密集地になっています。現在十一万七百人を超える人口ですけれども、騒音公害は全市民の上に及んでいます。 そもそもこういうところで飛行訓練は行うべきではないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(長谷川宏君) この飛行訓練そのものは日本海側の訓練空域でも行っておるんですが、その出発あるいは帰投時に、ここでは初歩的な離着陸訓練といいますか、一定の場周経路を数機が回りながら飛行場に正確におりるというそういう最も初歩的な訓練を行っておるわけでございまして、この離着陸空中操作という訓練が市民の方々に騒音の面で大変御迷感をおかけしているということは否めないとは思いますが、そういう状況になっております。
○吉川春子君 市民からの通報によりますと、このT3機はパイロットの顔が見えるほど低空で飛んでいるそうで、今一千フィートというお話がありましたけれども、航空法あるいは航空法施行規則、それすれすれの高度で飛んで、それより低い高度で飛ぶこともあるようです。その下で多くの市民が生活を現にしているわけですから、市民としてはたまったものじゃないわけですね。だから三百メートルぎりぎりだからいいということにもならないと思うんです。 山口県知事とか防府市長からは繰り返し基地周辺における航空騒音の対策についての要望が出ておりますけれども、これに対して政府は誠意を持って解決のために努力していますか。
○政府委員(長谷川宏君) 今の最低安全高度をもちろん守っておるわけですが、これは四十九年の十月にそれまで九百だったものを一千フィートに上げたというふうな経緯がございます。 また、五十七年以降、県の方からもいろいろお話がございまして、基地の方では、いろいろ検討いたしましたけれどもうまくいかない、揚周経路をほかに振ることができないという旨を御回答申し上げてきておるわけであります。ことしも一月に県及び市の方から御要望がございまして、四月末に防衛庁、航空幕僚監部みんなで検討いたしました結果、やはりその飛行コースを南の方の山のあるところあるいは海上に振ることができないということで、御要望に沿いかねるという趣旨をお答えしたばかりであります。 非常に難しい問題がありまして何年もの間解決していないということを御理解いただきたいと思います。
○吉川春子君 防衛庁長官にお伺いいたします。 県知事とか市長とかからのたび重なる要望に対して、基地司令の名前でどういう回答が来ているかというと、検討を重ねたけれども航空騒音をさらに軽減してかつ当基地の基本任務を全うする方策がないとの結論に達した、だから今のままで我慢してくれ、こういう回答を出しているんですね。 私は、これは全く誠意がないし、第一こういうところで訓練などやるべきではない、まして改善の対策がないのであればここでは訓練は中止すべきだと思いますけれども、長官はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 私は、演習地だとかあるいはまた基地等においていろいろ行事を行う場合はできるだけ防衛庁はその地方公共団体あるいは県へ出向いて、これからの演習はこういう形になります、また、今、現に演習している基地の状況はこうでございます、何とぞ御協力を願いたいということを、まずこっちから行って説明してお願いをする。そして、今までのようにこういう事故が起きたり騒音の問題等が起きた場合は、私たちはできるだけその実態を調査して丁寧に教えてさしあげるということが我々の務めだと思うんです。 いずれにしても、いわゆる装備が近代化しますというとそれに伴う練習をしなければいけない、それから自衛隊も強化していかなければならないという仕事はどうしてもしていかなければならないわけでございますから、そういう意味では、国民のあるいはまた地域住民の理解を得るために、私たちは、できるだけ地域住民のお話を聞きながらその対策を地域住民にお話しして、互いに連携、連絡をとりながらしていかなければならない、こう思います。今御説明いたしましたように、できるだけ地域住民の声は聞いてそうして対策を進めているようでございますが、今後も地域住民の声は十分間きながらそれに対する対応をしてまいりたい、こう考えています。
○吉川春子君 文部省と施設庁にお伺いしたいんですけれども、この区域に小学校が五校、中学校三校、高校三校があるんです。窓をあげての授業はしばしば騒音のために中断されて、授業にもいろいろな支障が出てきています。騒音防止対策のとられていない学校もあるわけです。防府西高校、防府商業高校では防音装置も取りつけられていない状態です。 子供たちの教育にこのように支障を来しているということについて、教育の責任のお役所である文部省、そして防音装置等の責任の役所である施設庁に改善を要求したいと思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(鈴木杲君) 防府飛行場の周辺の学校でございますけれども、この学校に対する防音工事としましては、昭和三十四年度から実施しているところでありまして、昨年度までに小中学校におきましては十三施設、高校は一施設、幼稚園は二施設既に実施しているわけでございます。 周辺で防音工事がまだなされていない高校があるということは承知しております。これは学校の設置者から申請がございましたら、騒音調査を実施の上、騒音による障害が認められれば補助の対象として防音工事を実施してまいりたいと考えております。
○説明員(伊田和身君) 今御説明がありましたとおりでございますが、文部省といたしましては、騒音等によって学校が教育環境上不適当なものとなる場合におきましては防音対策、例えば二重窓とか換気装置等、そういうことで一般的に公害防止工事の補助予算を計上いたしまして助成する、そういう対応をしている次第でございます。 それで、防衛施設周辺の学校につきましては、ただいま御説明がありましたように、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律という法律がありまして、その法律に基づきまして施設庁の方で対応していただいている、そういうぐあいに承知している次第でございます。
○吉川春子君 文部省もよく調査なさって施設庁等と協力してぜひやっていただきたい、そのことをお願いしておきます。 それから、もう一つお伺いしますが、U36A、電子戦訓練支援ジェット機の徳島移駐問題について伺います。 岩国基地の滑走路の改修を理由に突然徳島空港に移駐し訓練をしていたU36Aについて、県民から、徳島空港が、自衛隊のジェット基地になるんじゃないか、こういう強い懸念が表明されています。U36Aは現在は一応去っておりますけれども、滑走路の延長工事をした際に、自衛隊のジェット機は使用しない、こういう約束もあったはずです。ジェット機の訓練に二度と使うようなことはやってほしくない、これが県民の強い要望ですが、そのことをはっきりと約束していただきたいと思います。
○政府委員(日吉章君) 先生がただいま御指摘になられましたU36Aの問題でございますが、先生の方からもただいまおっしゃられましたように、これは、岩国に配備しておりました航空機が、岩国飛行場滑走路が補修のために閉鎖をいたしました関係で、ことしの四月三十日から十月一日までの間、臨時的に海上自衛隊の徳島飛行場に移動していたものでございます。 今後のことでございますけれども、U36Aが必要に応じまして徳島飛行場に飛来することも十分あろうかと思いますけれども、現在のところ、防衛庁といたしましては同機を徳島に配備するという計画は有しておりません。
○吉川春子君 必要に応じて飛来するということですけれども、これはジェット機には使わせない、こういう約束があるわけですから、そのことを厳しく守るように私は要求します。 続きまして、ASWの問題についてお伺いいたします。 私は、去年の内閣委員会で沖縄の海洋観測所について質問いたしました。今回はASWセンター、音響測定艦問題についてお伺いします。 昨年の東芝機械事件を契機にして、その後、特に昨年の十月、栗原・ワインバーガー会談において、ソ連潜水艦の静粛化に対応し日米共同で対潜戦能力強化を図る、こういう合意に達し、対潜戦作戦戦力の著しい強化が進められようとしています。八八年版の防衛白書でも百二十一ページに出ておりますけれども、まずそもそもASW、対潜戦とはどういうことなんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(日吉章君) 潜水艦に対します作戦のことでございまして、潜水艦は、もう先生が御案内のように、深く海中に潜航いたしまして作戦行動をとるわけでございますが、それに対処するためには潜水艦の行動を把握するということが非常に重要でございますので、その行動を把握することがASWの主たる目的といいますか、主たる対応の一つになると思われます。
○吉川春子君 主たる対応ということでしたけれども、つまり敵潜水艦の捜索、そして敵潜水艦であることの識別、認識、位置を正確につかみホーミング魚雷、対港ロケットで攻撃する、これがASWの意味ですね。
○政府委員(日吉章君) 広い意味では先生ただいまおっしゃられたような意味だと思います。 私は、先生はASWセンターについて本日御質問をなさるというふうに理解いたしておりましたので、ASWセンターにおきましては、先生が最後におっしゃられました、相手方の潜水艦の行動を探知いたしましてそれに対して対処行動、攻撃行動等をとるようなことまでも研究することを考えておりませんので、ASWという概念の一部を申し上げたわけでございます。
○吉川春子君 私は防衛白書に基づいて今言ったんですが、要するに、ASWというのは敵潜水艦を撃沈するというところまで含むわけですね。イエス、ノーでいいです。
○政府委員(日吉章君) アンチ・サブマリン・ウオーフェアの訳でございますから、そのとおりでございます。
○吉川春子君 次に、ASWセンターについてお伺いしたいと思いますが、今説明がありました。それで、ASWセンターには海洋情報、対潜音響情報をすべて集中する、こういうことですか。
○政府委員(日吉章君) 基礎的な情報をできるだけ集中させたい、かように考えております。
○吉川春子君 その基礎的なデータというのは、要するに海洋情報、対潜音響情報、こういうことですか。
○政府委員(日吉章君) それで結構でございます。
○吉川春子君 高度な分析、評価、総合的蓄積、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(日吉章君) 先生が先ほどもおっしゃられましたように、各国の潜求艦の性能が向上いたしておりますものですから、極めて静粛化の度合いが高くなっております。したがいまして、そういうふうに静粛化の度合いが高くなりました潜水艦の特性をあらわす音響、そういうふうなものの情報、これが高度な情報というふうに申し上げているわけでございます。これらの情報を集めましてそれを分析しようというのが今回私たちが予算要求をいたそうと考えておりますASWセンターでございます。
○吉川春子君 分析と評価というのがありますね。評価というのはどういうことなんですか。
○政府委員(日吉章君) 潜水艦が発します音の性格等を分析いたしまして、それがどのような種類の潜水艦がどのような行動をとっているかというところまでわかればよろしいわけでございますが、そういうふうなところまで評価できれば非常によろしいのではないかと思います。
○吉川春子君 高度な分析、評価、そして総合的蓄積、これはどういうことなんですか。
○政府委員(日吉章君) そもそも潜水艦は泡の中を潜航し航行しているわけでございますが、海そのものが場所によりまして非常に特殊な潮流、それから水温その他がございます。さらに、同一地点の海でございましても、時間によりまして、季節によりまして、天候によりましてそれぞれの特性がございます。それにさらに潜水艦の発する音が複合されて伝搬していくわけでございますので、それらのデータを総合的に分析する必要がございますので、これに関連いたします多くの情報をできるだけ一カ所に集めまして総合的に研究するのが分析、評価に役立とうかと考えております。
○吉川春子君 先ほどASWの定義のところで、撃沈までやる、こういうふうにおっしゃったわけですけれども、有事になった場合でもデータを集めたり分析、評価だけしかやらないということではないですよね。敵潜水艦を撃沈する作戦まで立てるのではありませんか。
○政府委員(日吉章君) 私が先ほど基礎的なという説明を申し上げたと思いますが、このセンターにおきましては基礎的な研究をいたしたい、かように考えております。 したがいまして、その基礎的な研究成果をもちまして実際の作戦行動のときにそれをどのようにアプライするかという問題はまた次の別の問題でございますし、多分この組織そのものからそういう指令を発するというようなことにはならない、そういうことにはならないと考えております。
○吉川春子君 そうすると、指令を発することにはならないかもしれないなるかもしれないという答弁でしたが、作戦は立てるんですか。
○政府委員(日吉章君) 分析、研究、評価のセンターでございますから、そういうようなことは考えておりません。
○吉川春子君 そうすると、これは、ASWというよりは、ごく平和的に言うと原子力潜水艦の研究所、こういうことですか。
○政府委員(日吉章君) 原子力潜水艦に限定して研究するわけではございませんし、潜水艦そのものではございませんで、その発する音の性格を分析するということでございますから、そこからどのような性格のものかをお考えいただければと思います。
○吉川春子君 じゃ、確認いたしますけれども、とにかく有事になっても作戦を立てたり指令をしたりということはやらない、それが日本のASWセンターだ、こういうことでいいですか。
○政府委員(日吉章君) その結果をどのように運用して対港戦に活用するかという問題はございますけれども、今私どもがASWセンターで考えておりますのは、情報、資料の収集、分析、評価でございます。
○吉川春子君 防衛白書のページは違いますけれども、それぞれASW、ASWセンターという記述が載っていますけれども、そこにはっきりASWとは潜水艦の撃沈まで含める定義になっているわけですね。だから、分析したり評価したり、そういうことしかやらないんだ、そういう答弁は私は納得できないんです。 このASWセンターがなぜ横須賀の米軍基地内に設置されるんですか。
○政府委員(日吉章君) まず、先ほどの質問に補足させていただきたいと思いますが、我が自衛隊の行動といいますものは、その性格上、侵攻してまいります相手を撃破することでございますので、それぞれの目的は撃破あるいは撃退にあるわけでございますけれども、そのための資料の分析、収集、評価をするというのがASWセンターだということを重ねてお答え申し上げさせていただきたいと思います。 それではASWセンターをなぜ横須賀に置くのかということでございますが、これは、その運用に関しましては海洋業務群だとか音響業務支援隊というようなものと密接な過絡が必要になってございます。これは横須賀に海洋業務群というものがございますので、そういう関係で横須賀が適当ではないかというふうに考えたのが一つの理由でございます。 それからもう一つは、このセンターは、先生が先ほどもお触れになられましたように、ワインバーガー米国防長官と当方の防衛庁長官との間によりまして日米双方で研究をしていこうということになったものでございますから、そこに装備いたします機材のうち主要なものは米国から導入する、それには高度の防衛上の機密事項も含まれておりますのでそういう観点から米国からの技術的支援を受けることも必要かと思われます。 そういうこと等々を考え合わせますと横須賀地区に建設することが最も適当ではないかと考えた次第でございます。
○吉川春子君 この日本のASWセンターには米軍人も出入りするんですか、またその目的は何ですか。
○政府委員(日吉章君) 今も申し上げましたように、米国から機材の導入をいたします関係で、それの整備等につきまして米側からの技術的援助を受ける必要があろうかと思います。そういう関係で技術的援助を受けるために米人が来所することもあろうかと思います。
○吉川春子君 米人というのは、これは軍人ではない、そういう意味ですか。 それから、出入りすることもあるということであれば、常駐することはないということですね。
○政府委員(日吉章君) これは六十三年度から着手いたしておりまして、三年計画でもってつくり上げたい、稼働させるようにしたい、こういうふうに考えておりますのでそこまで詳しいことは具体的に検討しておりませんけれども、私どもといたしましては、米海軍に雇用された民間人、米国では軍属というようなことになるのでありましょうか、そういう方々が技術者として技術的支援のために来所するというようなことになろうかと思います。
○吉川春子君 このASWセンターに集中した情報は米軍に渡すことになると思いますけれども、どうですか。 そして、今度はその米軍が収集した情報もこのASWセンターに入ってくるんですか。
○政府委員(日吉章君) そもそもこのセンターをつくることになりました契機は先生も御案内のとおりでございますので、必要に応じまして日米双方情報の交換ということはあろうかと思います。しかしながら、このセンターは日本の自衛隊のセンターでございますから、どのような資料を米側に提供するかは私たちの判断に任されているところでございます。
○吉川春子君 米軍の収集した資料はどうですか、ここへ入るんですか。
○政府委員(日吉章君) ASWセンターに限りませんで、米側からは軍事的な資料と技術等はいろいろと支援を受けることが多うございますから、私どもといたしましてはいろいろな意味での米側からの支援は期待いたしたいと、かように考えております。
○吉川春子君 ASWセンターの情報交換、それからその技術支援のために特別に配置された米軍属ですかが常時出入りする、こういうことになるとこのセンターは平時から対ソ対潜戦の作戦をアメリカの主導のもとに行うのではないか、こういう疑問が出てくるんですけれども、それはきっぱり否定することができますか。
○政府委員(日吉章君) 私どもは、有事に備えまして平時からいろいろな情報を集めておくということは私たちに課せられた使命だと考えております。 なおかつ、日米安保体制のもとにおきまして、軍事技術面で非常にすぐれたものを米国が持っておるという事実にかんがみますれば、日米双方で必要に応じまして相談をしながらやっていくというようなことが十分考えられるところでもございますし、特に問題ではないと考えております。
○吉川春子君 アメリカの主導のもとで対ソ対潜戦作戦を行うということは極めて重大だということを私は指摘しておきます。 次に、音響測定艦についてお伺いしたいんですけれども、これはどういうものなんでしょうか。それから、何隻ぐらい導入するのか。そして、この艦船にも米軍人あるいは米技術者が乗り込むんでしょうか。
○政府委員(日吉章君) 音響測定艦といいますものは、これもASWセンターと同じように、逐年静粛化が進みまして発生音も変化します潜水艦の音響情報をより広範にわたって把握するために潜水艦の音響を測定する船でございまして、高性能な聴音装置、SURTASSというふうに俗に中しておりますが、これを曳航いたしまして潜水艦等の音響情報の収集に当たる艦艇でございます。 現在のところ、私どもは一隻の建造を予定いたしておりまして、六十四年の概算要求をいたしているところでございます。 これも、ただいま申しましたように、これに搭載いたします高性能な聴音装置、SURTASSというものは米側からの支援を受けざるを得ないと思いますので、必要に応じまして米人の乗艦によります支援を受ける必要があろうかと、かように考えております。
○吉川春子君 米軍人が乗り込むということですね。
○政府委員(日吉章君) さようでございます。
○吉川春子君 幾ら私たちがよく指摘するアメリカに従属した自衛隊であっても、今のところ米軍が常時乗り組んでいるという艦艇はないんですね。 これは、結局、米軍主導の運用になっていくのではないか、こういう心配がありますけれども、この点はどうですか。
○政府委員(日吉章君) これは私ども日本国防衛庁自衛隊の船でございますので、私たちの主体性のもとに運用してまいることをお約束いたしたいと思います。
○吉川春子君 また、この船で集めた情報は衛星を利用してASWセンターに送信すると説明されています。衛星は何を利用するんですか。
○政府委員(日吉章君) これは自衛隊一般に現在通信網として考えておりますIDDNのスーパーバードを予定いたしておりまして、特殊なものではございません。
○吉川春子君 この送信は日本のASWセンターだけですか。米国本土にあるASWセンターにも送られるんじゃないですか。そこでデータが集中的に処理される、こういうことじゃないんですか。
○政府委員(日吉章君) そういうことは考えておりません。
○吉川春子君 今考えていなくてもそういうふうになる危険があると思うんですね。 防衛庁長官、お伺いいたします。 今の日本の自衛隊は大変重要なことをやろうとしているわけですが、衛星の利用を一つとりましても、衆議院の本会議の決議がありまして、これは昭和四十四年の五月九日ですけれども、宇宙開発、利用は平和目的、国際協力に資する、そのために行うんだ、こういうふうにきちっと決議がされているわけなんですね。今のお話をずっとお聞きいただいて、これはソ連の原子力潜水艦の探知ということを日常的にやる、そういうことで国際協調にも当たらないし、宇宙開発の平和利用ということにも反するし、衛星利用の問題だけではありませんがとんでもないものだと思うんですけれども、長官のお考えはいかがですか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 我が国の防衛力の整備は自主的に行うということでございますので、もちろん衛星の利用等についてはただいまの先生御指摘のようなことにはならない、こう思います。
○吉川春子君 一九八八年度のアメリカ国防報告、ASW監視システムの項には「この分野で我々が進めている最も重要な計画の一つは、TAGOS監視用曳航アレー・ソナー・システムである。これらの艦船は、固定システムによって日常的に監視されていない海域への監視範囲の拡大にも、また、固定システムが無力化した際の予備監視能力をもたらすためにも用いられる。TAGOS艦十九隻が一九八七年度までに認可され、十隻が既に艦隊に加わっている。」と、こういうふうに書かれています。TAGOS艦をASW監視システムの中で「最も重要な計画の一つ」と、こういうふうに位置づけて「これらの艦船は、固定システムによって日常的に監視されていない海域への監視範囲の拡大にも、また、固定システムが無力化した際の予備監視能力をもたらすためにも用いられる」と、こういうふうに述べています。こういう装備を自衛隊が持つことが政府の言われる専守防衛の立場からいって許されるんでしょうか。 しかも、常時米軍が操作にかかわると、自衛隊の自主性ということを強調されておりましたけれども、米海軍の戦略的対ソ原潜監視システムの一環に日本の自衛隊が組み込まれていくことになるんではないか。その点についてはいかがですか。
○政府委員(日吉章君) 長官からもお答え申し上げましたように、すべては我が自衛隊日本国の自衛隊として自主的に運用していくものでございます。 なお、一般論として申し上げますと、専守防衛に徹すれば徹するほど情報というものの重要性は増してくるものだと思います。したがいまして、私どもは、専守防衛に徹すれば徹するほど情報の収集に全力を尽くさなければならないと考えております。
○吉川春子君 その専守防衛に徹すれば徹するほど軍備拡大をやり最新鋭のいろいろな装備を身につける、これが今の自衛隊の姿ではないですか。そして、自主的にと言われましたけれども、一隻百億ぐらいの船だそうですけれども、SURTASSは米国が半額負担する、こういうふうにも新聞報道で見ましたけれども、このことによってアメリカが自由に日本の収集した情報を利用する権利を持つんじゃないか、こういう心配もあるんです。 時間が間もなくなくなりますので私はもうこれ以上の質問を続けることはできませんけれども、最後に、石井統幕会議議長が去る五月二十四日、就任後初めての講演で「北海道はオホーツク海にクサビを打つような形で入っており、ソ連にとって目の上のコブ。北海道を含む北日本が非常に重要になってきている」「宗谷海峡をしっかり確保すればオホーック海は袋になる。また、太平洋への航路を妨害するためには対馬、津軽の両海峡がある」、こういうふうに述べて、有事の場合には三海峡封鎖を検討していることを明らかにしました。東山海幕長は、雑誌「園防」の八八年一月号の防衛対談で次のように言っています。海上自衛隊は発足以来、重点を対港戦に置いてきた。そして、しかも第七艦隊の足らざるところを補い合う形で一体的にやってきたと、既にこういうことを述べているわけです。 これらは、いずれも対ソ連潜水艦戦能力向上のための方針です。ソ連を仮想敵とするものであることは明白ではないでしょうか。憲法上仮想敵を持てない、こういう政府の御答弁が繰り返しありますけれども、その答弁からも逸脱であると思うんです。そういう意味で、私は、ASWセンターの建設、それからターター船の導入、こういうものは絶対にやめるべきだ、そのことを主張して質問を終わりたいと思います。
○柳澤錬造君 最初に防衛庁の方にお聞きするのは、防衛大学校の学生が卒業するまでの間に幾らの経費がかかるんですかということ。
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。 防衛大学校におきます学生の養成に直接必要な維持的な経費、人件費、庁費、被服費、医療費等並びに教育訓練等のいわゆる活動的経費、教育訓練費、弾薬購入費、諸器材購入費等でありますが、この両者を対象にことしの三月に卒業いたしました学生について算出いたしますと、四年間で一人当たり約一千七百万円であります。
○柳澤錬造君 今の一千七百万円というのは直接の経費だけであって、そのほかに防衛大学校を運営する経費も含めれば相当な金額になると思うんです。 それで、防衛庁長官、この間も質問したんですけれども、過去三年間に防衛大学校を卒業して任官しない者が九十九名、任官したものの一年以内に退職してしまう者が八十四名、合計百八十三名この三年間だけでいる。大変な金額になると思うんですが、私が言いたいのは、これは税金のむだ遣いになるんじゃないですかということ。 ですから、そういう点に立ちまして、やはりせっかく勉強してそれだけの資格を得て卒業してその任務につかないのならばそれ相応なことを、ざっくばらんに言うならば、かけたお金をお返しいただきたい、これは税金を使ってやったことなんですよということを私はきちんとやらないといけないと思います。 この前もその対策をお考えいただきたいと言いましたが、きょうすぐ御返事をと言っても少し無理があると思うんですけれども、きょう時点でどうお考えになっているか、それから今後対策を立てていただけるか、御返事をお聞きしたいんです。
○国務大臣(田澤吉郎君) この前の委員会でもその点承ったのでございますが、防衛大学校を出ても資格というものは今与えられていないんですよ。ですから、学位を与えるように私は今文部大臣に直接お願いをしているのでございまして、少なくとも大学校を出たら学士号を与えるとか修士課程を終えたら修士の学位を与えるとか博士課程を終えたら博士号を与えるような防大にしていかなければいかぬ。今、防衛医科大学校は国家試験という制度の中にあるものでございますからお医者さんとしての資格を得ているわけでございます。したがいまして、九年間はお勤めしなきゃいけませんよ、お勤めしなかったら三千数百万というものをお返し願いますという制度になっているわけでございます。私は、そういう意味で防大にも何か学位その他の資格をこれから与えて、そうして税金のむだ遣いのような形にならぬような形をこれから整えていかなければならないのじゃないだろうか、こう思っておりまして、文部省ともそういう点の話を進め、さらにそれを基礎にしてどうしたらいいかということを防衛庁内で検討してまいりたい、こう考えております。
○柳澤錬造君 この機会にぜひそういう問題について御検討いただきたいと思います。 次には、官房長官にお聞きをしていくんですが、日本は世界で一番治安のいい国だということは、これはだれもが認めていることだと思うんです。警察白書なんかを見ると、殺人なんか世界の国々と違ってけた違いに少ない。 そういう中でもって、大臣だけじゃなくて野党の幹部にもついているわけだけれどもあのSP、あれが果たして必要なのかどうなのか。この国会の中を歩くのですらもあのSPの人たちを引き連れて歩いているんだけれども、あれを見てよく私は思うんだ。一応おさまったけれどもあのペルシャ湾、あそこへ油をとりに行くタンカーの人たちというものは本当に命がけで、現実にミサイル攻撃も受けている。あのペルシャ湾に油を運びに行くタンカーについては、あれだけ命がけで行っても何にも政府はこれを守ってやらなかった。それで自分たちが、これだけ治安の安定している、ましてや国会の中を歩くのですらも、SPに守られている。私はそういう点についていかがなものか。そういう人たちに守っていただかなくても私は結構だとだれか言い出して、そういうことをやらないかと思う。これもある意味においては、税金のむだ遣いなんという言い方をするとよくないんだけれども、それに若干通じるところがある。 それから、SPのあの人たちの御苦労というものは、私は大変なものだと思うんですよ。よく演説会場なんかへ行くと、あの形相でもってじっと立ったままでしょう。私はあるときあるSPの人に、あなた方はそれだけ朝早くから夜遅くまでやって幾ら手当をもらうんですかと聞いたら、今はもう忘れましたけれども、その余りにも少ないのにびっくりしたくらいなんです。 ですから、そういう点でSPに関してどういうふうにお考えになり、何らかの対策をおとりになるお考えがないかどうか。
○説明員(田口朔君) ただいまSPにつきましてありがたいお言葉をいただきました。その前に、警護ということについてちょっと御説明いたしたいと思います。 警護は、御承知のように、内閣総理大臣、国費その他その身辺に危害が加わることが国の公安にかかわるおそれがあるという方々に対しまして、そのときの情勢とかその方の地位、身分というものを勘案して実施しているものでございます。それで、公安にかかわるというのは、その人の身辺に危害が加わることによって政治的に国内外に大きな影響を及ぼしてそうして外交問題に発展するあるいは社会が混乱する、こういうような事態を避けたいというものでございます。そういう意味におきまして、私どもとしては常に情勢というものを勘案いたしまして、現在の情勢下ではどのような方々が危害に遭われたら国の公安にかかわるのかということを真剣に検討してそして警護を実施しているわけでございます。 公安にかかわることになりますのでこの警護対象者の方々については常にその身辺の警戒が必要でございまして、そういう意味からこの国会内におきましても必要によっては警護員を配置するあるいは常に連絡がとれる態勢をとるということで警護を実施しております。 警護員の苦労に対してありがたいお言葉をいただきましたが、そういうお言葉を警護員に伝えまして、今後とも身辺の安全を確保して、そしてこの社会を守るために努力してまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(小渕恵三君) 私自身、今、警護いただいておる立場でございますが、私個人としてはそれに値するかどうか、みずからそう思うておるわけでございますが、ただ与えられた官房長官という職責を全うしていくに寸毫の瑕疵もあってはならぬ、こう考えますと、やはり警護の方々がいろんな形で対処していただけるということについては職責の遂行上ありがたいことだと思いますし、やむを得ないことだという感じもいたしておるわけでございます。 確かに日本は世界にまれに見るような治安状況が確立されておる国ではありますが、体験的に申し上げれば、公的な立場、私的な立場も含めて、常に公の立場でこの職責を全うしているということになりますと、警護官が必ず身辺におっていかなる緊急事態にも情報その他を伝達していただけるということは職責の遂行上大変ありがたいというふうに考えております。
○柳澤錬造君 これ以上言うと何か嫌みのようにとられるといけないから申し上げませんけれども、そういう声もあったということはやっぱり心しておいていただきたいと思うんです。 それから次には、これも前に言ったことですけれども、政府委員の数です。私も議運を何年かやっていましたわけですけれども、いつも大体三百六、七十人ぐらいいるわけなんです。世界じゅうにこんな国はどこにもない。大臣以外は答弁のできない国もあるんですよ。ですから、前の中曽根総理にも私は言ったんですけれども、そうはいったって専門的なこともあるから全部大臣にということはできないし、せめて一人の大臣に五人ずつそういう政府委員をつけたって百人で足りるんだから、それだったらあとの人たちはお役所に行って仕事をしてもらった方が国家のためにも役に立つんではないですかと、こう申し上げたことがある。 その辺について、官房長官、これもすぐどうこうというわけにいかない。しかし、検討してそういうことについても少しは改めようというお気持ちをお持ちになっておられるかどうか、その辺をお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(小渕恵三君) これも、柳澤委員、かねがね年来の御主張のあるところでございまして、政府といたしましても、また現竹下内閣といたしましても、政府委員のその数につきましてはできる限り少数精鋭で臨まなければならないという気持ちは一貫しておるだろうと思います。 しかしながら、国会におきまして各種委員会が精力的に活動いたしておる現状におきましては、やはり大臣一人でこれに対応することは甚だ物理的にも時間的にも困難性が高いわけであります。したがって、それにかわりましてそれぞれの政府委員が御質問にお答えをしていかなければならぬという立場もありますので、この点も御承知のところでありますが御理解願わなければならぬ点があるかと思います。 それから、前回もお答えをいたしましたが、政府委員はそれぞれ役所に本拠を構えておるわけでございますが、ある意味では時に国会に臨んでじかに国民の代表たる国会議員の質問を通じての意見を拝するということもこれまた必要なことではないかということも私も長らく議会におって感ずるわけでございます。万般考えまして、それぞれしかるべき立場の者が政府の考え方を適切に国会において明らかにするためには、ある程度の政府委員はこれは御容赦いただかなければならぬかと思います。しかし、単に政府委員の指名だけいただきましても実際にその必要が起こらないというようなことであるとすれば、その点につきましては十分精査して院の方の御了解を得たい、こういうふうに思っております。
○柳澤錬造君 官房長官、名前は申し上げない方がいいから申し上げませんけれども、私が予算委員をやっているときに、ある大臣は、これは大変重要な問題ですから政府委員に答弁させます、こう答えた。途端に予算委員のみんなが笑い出して、とうとう怒る気にもなれなくて大笑いしたことがある。それは何でもかんでも全部細かいことを覚えておるなんといったってこれだけの大きな国の政治ですから無理なことで、それはある程度の専門的なことは政府委員にやってもらわなきゃとてもじゃないけれどもなんですけれども、余りにも政府委員に頼り過ぎているがゆえに今のような、これは重要な問題ですから政府委員をして答弁させますなんという大臣が出てきちゃうわけです。だから、これは時間がかかるだろうけれども、減らす方向でぜひ御努力をいただきたいと思うんです。 同時に、官房長官、これも簡単に結論が出る問題ではないしむしろ総理にでも言わなくちゃいけないことですけれども、国際化時代だとか、竹下総理は世界に貢献する日本だとかと言って世界の中の舞台で我が日本はというふうなことがいつも言われているわけなんですけれども、政治も、そういう意味では国際化というか、世界の先進国レベルのような政治をやるように少しずつでも前進さしていただきたいと思う。毎年毎年内閣改造をやってそうして大臣の交代をさしていく国なんて、これも世界じゅうどこにもない。私は、過去二度ぐらい総理がかわるたびに予算委員会で、少なくともあなたが内閣総理大臣になって大臣に任命したんだから自分が総理をやっている任期中ぐらいその人にきちんと大臣をやっていただいたらどうですかと言ったら、総理自体が、いろいろ党内事情があってと、こういうように言うんです。一国の総理が、党内事情があってなんというのは情けない。だから、大臣は大臣でもって適任な人にやっていただく。 それからもう一つ、この国会の中もそうなんです。毎年、常任委員長が交代でしょう。あれもやめて、適材適所で常任委員長を配置をしたら何年かはその仕事についてやっていって、そしてその常任委員長を中心にして議員立法で法律をつくって、それで逆にこっちから政府に向かってこれはもう立法化したからやれよと。それが私はこの国会の権威を高めることにも通じると思う。 即刻ここは改正しますなんてできることではないんだけれども、そういうことについても官房長官は耳を傾けていただいて、折があったら総理にもそういう方向に進むように言っていただきたいと思うんですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 直接竹下総理に言っていただけることを望むことでございますが、私の方からも、先生からそのような御忠言のございましたことを必ずお伝えをいたします。
○柳澤錬造君 官房長官、お忙しいところだからもう結構です。 自治省はおいでになっていますか。——最初にお聞きをしたいのは、神奈川県の逗子の市長選についてのことなんです。 これは、名前を挙げなくてもわかるけれども挙げますが、富野市長さん。昨年は八月二十一日に辞職をして、そして再立候補して十月の十一日の投票でまた市長に再選されたわけなんです。ことしも一年もたたないうちに任期満了になってまた立候補して、十月二十三日告示で選挙が始まるわけなんです。 私は、これは市長でも知事でもそうだけれども、任期の途中でもって辞職をするということは、自分がその職責を果たすことができませんということを住民に意思表示をしたことだと思う。市長としての職責を果たすことができませんといって住民に意思表示をして辞職をしておきながら選挙にまた再度立候補する、一年したらまた今度も同じことをやる。一同選挙をやることによってどれだけの費用をその選挙にかけるか、私は、これは大変な金額だと思うんです。 それで、そういうことについて選挙を所管しておる甘治省が黙っていらっしゃるんですか、何らかの御指導をなさっているんですかという点です。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいま御指摘のございました逗子市につきましては、御指摘のとおり、昨年選挙がありまして、またことしも選挙がある、こういう状況に相なっています。 この点についてはよく御承知のとおりでございますけれども、市長が、これは知事の場合も町村長の場合も同じでございますけれども、任期の途中で辞任いたしましてそれで選挙で再び当選いたしましたならば、次は残りの任期だけやって次また選挙になる、こういう仕組みをとっておるわけでございます。それでかなり頻繁に選挙が行われるということになるわけでございますが、それではこういう事態を解決するために方法としてはどういうことがあり得るかということでございます。 一つは、もう途中でやめたような人は立候補をさせない、こういうやり方もあるいはあるかもしれません。それからまた、途中でやめた場合であっても、ともかく再び選挙をしてそれで多数の支持を得たんだから、次の任期はいわば残任期じゃなくて四年なら四年フルにやる、こういうやり方もあるいはあるかと思います。 実は公職選挙法が制定されましたのが昭和二十五年でございますが、この当時は特段の規定がございませんでした。したがって、市長、知事もそうですが、そういう首長さん方が任期の途中で辞任をいたしますとそこで選挙をやりまして、再び当選すれば以後四年間務める、こういうことになっておったわけでございます。そういう制度のもとでどういうことが起こったかと申しますと、自分の当選を有利にするためということだと思いますが、わざと任期の途中でやめていわば相手が準備できないうちに選挙しちゃう、こういうようなことが実際に起こったようでございます。そこで、たしか昭和三十一年であったかと思いますが法律改正を行いまして、途中退職者はもう立候補できない、こういう制度に改めたわけでございます。ところが、そういう制度になりますとなったでいろいろ問題もあったようでございまして、首長といえどもどうしても任期の途中に信を問わなきゃいかぬ場合だってあるんじゃないかというような議論があったようでございまして、それで昭和三十七年にはまた法律改正をやりまして現在のような制度になったという経緯がございます。 御指摘のように、かなりの選挙の執行経費を使ってたびたび選挙を行うことについてどう考えるかという点も確かにあるかと思うのでございますが、今までのような経緯を振り返りますと、やはり、当面、選挙制度としてはどうも現在の仕組みにならざるを得ないのかなという感じを持っておるところでございます。
○柳澤錬造君 数カ月前に早目に対抗の候補者が準備のできないうちにやめちゃってすぐやろうという点もあって、それは後で聞こうと思っている中の一つですが、いわゆる統一地方選挙と言われるけれども、今、統一地方選挙でやられるのは約五五%ぐらい、四五%はもう年から年じゅうばらばらそういうことをやっているわけです。後、尾を引いて。だから、それをもう一回統一にするわけにはいかないけれども、ことしならことしやる選挙はいつならいつといって一年のをまとめて一回にやるくらいな形の、これはもちろん法改正が必要だけれども、そういうことをお考えになるお気持ちはございませんか。 それから、先ほどの逗子の市長選の場合には、これは私からしたら悪質だと思うんですよ。今言うとおり、一回選挙をやる、そうしてまた一年でやる、どれだけの金をかけるんですか。そんな余裕のある金があるならば、その金で何か社会事業のところへでも寄附した方がよっぽど役に立つし、またそのようなことを考えるような人だったら私はこういうばかげた選挙のやり方はせぬと思う。 だから、その辺は法的にどうこうというよりかも道義的にこういうふうな選挙は許されちゃならないことで、私はそれを所管している自治省としてはきちんと指導していただきたいと思います。
○政府委員(浅野大三郎君) それでは、最初に地方選挙の統一の方のことをお答えさせていただきたいと思います。 実は、この地方選挙の期日の統一の問題につきましては、大分前でございますが、第十六次の地方制度調査会から、これは自治意識の向上に資するということで提言がなされたところでございます。昭和五十一年のことでございます。そのこと自体非常にいい面もあるわけでございますが、一方におきまして、これまで長い間定着しております仕組みを変えることになる。つまり、実は、今、四割弱が統一されておるわけでございますが、それ以外の選挙は統一されておりませんから、そういうものについて定着しておった選挙の仕組みを変えるということにもなろう。それから、そういうふうに変えます場合にはどうしても経過措置として首長なり議長なりの任期の特例ということが恐らく必要になると思います。そういうことがいいかどうかというような問題点もあるし、いろいろ議論されて今日までそういうふうに踏み出してはおらないわけでございます。 しかし、最近の地方選挙、特に今投票率が非常に低下してきておるというような問題もございます。選挙を統一すれば投票率が上がるかどうか、簡単にはいきません。そういうこともございまして、現在、関係方面の意見も聞きながらいろいろ研究をしておるところでございます。 それから、逗子の市長選挙の点でございますが、お話の点もわかるんでございますが、事は辞職することがいいかどうかという判断にもかかわることでございまして、ちょっと私ども選挙を担当する立場から何とも申しかねる点があることを御理解いただきたいと思います。
○柳澤錬造君 ですから、皆さん方はただ法律的な解釈だけしておるからそういう形になるので、船員の選挙権なんかも何年も昔から私は言っておって、いや外国にもこんなに行っているんですと言うから、外国に住んでいる人たちはその国に税金を納めているんですよ、船に乗って走って回っている人たちはみんな税金は日本の政府に納めているんですよ、じゃこの人たちも全部税金を免除してくれますかと言ったこともあるくらいです。その後もう十年ぐらいになるんだけれども、まだ決まらない。もちろんそれはいろいろ法改正が伴うからね。 そういう中でもう一つ、やはり折を見て考えてほしいと思うのは、死ぬとすぐ補欠選挙をやらにゃいかぬ。その日にちが決まっているからね。年末年始に衆議院議員の補欠選挙をやった。私も応援に行ったんですが、幾ら何でも年の暮れ、それで、年が明けて正月三が日も何もないわけだ。ですから、せめて日本人の慣習として年末年始ぐらい選挙はやらないで済むような、そういうことについてもう少し幅のある補欠選挙のそういうことを決めるようなことを、今すぐというわけにはいかないけれどもお考えいただきたいと思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 簡単に申し上げますが、昨日質問の御通知をいただきましたのでいろいろ私どもも考えてみたわけでございますが、年のある時期をとらえてその時期については他の時期とは違う特別の措置をとるということができるのかどうかという問題もあるような気がします。もう少し勉強させていただきたいと思います。
○柳澤錬造君 もう結構です。 あと防衛庁の方、若干まだ。 陸上、海上、航空の各自衛隊の訓練。従来は国際的なレベルからいうならば訓練時間というものがかなり少なかったんだけれども、そろそろ国際水準並みに戻ってきたのかどうか。特に航空自衛隊なんというのは、従来のような少ない時間の訓練しかやっていなかったらいかに技術的な質が低下するかということはおわかりだと思うんだけれども、その辺は回復してきたんですか、どうですか。
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。 諸外国の軍隊の訓練につきましては、その内容とか訓練時間等の詳細は明らかでないわけであります。したがいまして、自衛隊の訓練水準との比較というのは必ずしも容易ではありませんけれども、例えば戦闘機のパイロットの年間飛行時間について申し上げれば、米国が二百四十時間、それからその他のNATO諸国では例えばフランスが百八十時間などというふうになっております。 航空自衛隊の場合に、ちょうど三年前ですが、まだ百四十数時間というふうな時代でございました。これは諸外国の水準を相当下回っておりましたから、飛行時間の増加に努力いたしました結果、六十二年度予算におきまして驚くべき飛躍を遂げたわけであります。F15あるいはF4につきまして十四時間も増加いたしまして、百六十・五時間というふうなところまで来ておるわけであります。三年前には五年間で三・五時間ずつふやしていこうというふうなことを当時の政府委員が答弁しておりますけれども、それが一挙に満たされまして私ども大変ありがたいことだと考えております。六十三年度予算においてもこの水準は維持しております。 以上です。
○柳澤錬造君 大臣、アメリカは今二百四十時間、そのほかの国が百八十時間ぐらいで日本がやっと百六十・五時間になったという御答弁なんですが、それじゃアメリカに対して二百四十分の百六十の質的な能力が身につくかとえば、これはそうじゃないんです。それはお聞きいただくとわかる。その点について、今までいろいろ制限があったからなんだけれども、年間三・五時間ずつふやすことができるようになりましたなんてそんな悠長なことを言っておって、これははるかに格差がつくんです。ですから、そういう点でパイロットとしての国際的なレベルの技術水準を身につけるにはどうしたらいいかということをぜひ検討させてください。そんな二百四十分の百六十じゃないんですよ。それはお願いをしておきます。 次には、これは官房長の方に。 自衛隊の食事が少しお粗末過ぎませんか。昔はそれは国民全体がそんなに豊かじゃないから自衛隊の隊員だけがというわけにはいかなかったけれども、今は一般的に質が大分上がってきている。最近自衛隊の食事を見たときに、若い人たちなんだからもう少し質のいいものを食べさせてやったらどうかなと思ったんだけれども、どうなんですか。
○政府委員(山本雅司君) 自衛隊の食事につきましては、先生御指摘のように、朝、昼、夜、それぞれによって違いますし、また職種によってもやや違った形になっております。ただ、全般的に見ますと、自衛隊の中では、カロリー計算とかあるいは必要な栄養補給とかは一応計算上は満たされる形になっております。また、具体的な献立の作成に当たりましても栄養士等の資格を持っている者が当たっておりますし、さらには給食委員会等を設けてやっておるわけでございます。 ただ、そうは申しましてもいろいろ制約があるところも事実でございますから、私どもは現在の状態が非常にひどいという感じは必ずしも持ってはおりませんけれども、その中でできるだけ充実した給食ができるようにこれからも努力は続けていきたい、こういうように考えております。
○柳澤錬造君 カロリー計算なんて、よく恥ずかしくもないそんな答弁をするよ。 それは、カロリーだけでやったのなら、牛肉でなにしようがそれこそその辺のウサギの肉であろうが、同じカロリーが出てくる。しかし、質が上がってきているでしょう。だから、そういう意味で少しはごちそうを食べさせてあげなさいよと言っているんだ。予算を見ているとどうも人件、糧食費がどんどん下がっていくわけだよ。毎年毎年、今度もそんなにたくさんじゃないけれどもそうだ。数百人隊員はふやしていくというのに年々下がっていくからおかしいなと思って見てみると、予算がふえるとここで怒られるものだから、自衛隊の食事を少しピンはねして削れば予算は随分助かるからな。だから、そんなみみっちいことをしないで、一生懸命やっぱり訓練もしてもらうかわりにそれ相応な食事を食べてもらってやるように、これはぜひそうしてください。 それからもう一つ。 これは、この間答弁を聞いておってもどう考えたってわからないんですけれども、大臣、防衛費といったら、一般歳出の予算の一割を超えるほど、今、三兆七千億円から使っている。この防衛庁の予算程度のところといったら、ほかにあと二つ三つの官庁があるくらい。自治省なんていうところは、地方交付税があるから金額が大きいだけだ。それほどの防衛費を使い、そして安全保障が国家にとっていかに大事かということはこの防衛白書にも書いてあるし折に触れて皆さん方が言っているわけだ。それでいて肝心な国家の安全保障を担当する官庁が総理府の外局の防衛庁だ。こんなつじつまの合わないおかしなことはないじゃないですかといってこの間から質問して、蚊の鳴くような声でもってぼそぼそぼそぼそと答弁を聞かされたんだけれども、何を言っているんだかわかりゃせぬ。だから、もうちょっとつじつまが合って、ああなるほどそういうことかという答弁を聞かしてもらわぬと、少なくともこれだけの軍事力を持ち、しかもサミットにまで総理が出ていくほどの国家なんだ。その日本の国が、事防衛となったら総理府の外局の防衛庁だ。そんな国、官房長、世界のどこにもないはずですよ。そこのところを改める気がないのかどうなのか。 この間のあの答弁では私は納得せぬのだから、もう一回その点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(依田智治君) 蚊の鳴くような声ということで、ちょっと大きくさせていただきます。 この間は、現状においてそのために現在防衛庁がとっている防衛力整備等の面で特にふぐあいというのはないという面からお答えしたんですが、今先生外国の例を引いて言われておるわけでございますが、日本の防衛を推進する組織がどういう形が一番いいのかという問題ですが、現在は国家行政組織法とかそれに基づく防衛庁設置法で先生の言われたように今のような位置づけになっておるわけでございます。 ただ、日本の場合には、例えば、防衛庁を国防省、こういうように現時点でやったという場合には、恐らく国際的な反響とかその他いろんな問題があるんじゃないか。そういうことで、私どもとしては、これは国会等でも十分御論議いただく問題だと思いますが、国民世論の動向、防衛という問題に対する本当に国民の意識とかそういうものと並行し、諸外国等のいろんな反応とかそういうものを見ながら、国防に関する組織とかそういうものは慎重に対応していく必要があるんじゃないか。 ただ、先生の御意見は非常に敬意を持って拝聴さしていただいておるという状況でございまして、今後、御指摘いただいた点は我が国としても検討すべき課題であろうというように考えておる次第でございます。
○柳澤錬造君 時間が来ましたから、もうやめます。そうして、この続きはまた持ち越さなければおさまらない。
○国務大臣(田澤吉郎君) 私から一言言ってよろしゅうございますか。 大変ありがたい御質問でございまして、国会の御援助をひとついただきたいと私は思うんです。それは、ちょうど私が国会対策委員長時代だったかと思いますが、安全保障については与野党、国会でやはり議論し合おうじゃないか、防衛庁はこっちに置いて国会で話し合いをして一つの結論を得ようじゃないかというのが安全保障特別委員会だったんです。
○柳澤錬造君 それをやったのも私。
○国務大臣(田澤吉郎君) そうでしょう。 したがいまして、国会の中で与野党で国の安全はかくなければならない、防衛庁の存在はかくなければならないという一つのまとめをしていただいて私たちを激励していただければ非常に幸いだと思うので、特につけ加えて申し上げたいと思います。
○委員長(大城眞順君) 本案に対する本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会