税制問題等に関する調査特別委員会 第10号
- 発言数
- 358 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1988/12/13
会議録
○委員長(梶木又三君) ただいまから税制問題等に関する調査特別委員会を開会いたします。 税制改革法案、所得税法等の一部を改正する法律案、消費税法案、地方税法の一部を改正する法律案、消費譲与税法案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、これより塩出啓典君の質疑を行います。塩出君。
○塩出啓典君 最初に、政治姿勢の問題について総理にお尋ねしたいと思います。 総理も御存じのように、最近の世論調査、朝日、毎日、読売、時事、各紙が調査をしておるわけでございますが、竹下内閣の支持率が急速に低下をしております。もう一八%、二九%、支持率。不支持の方がはるかにふえてきておるわけでありまして、ちょうど中曽根内閣が売上税を強行したときにも同じように支持率が下がった、それよりももっと下がっている面もあるわけでございますが、私は今回消費税法案を国民の反対を押し切って強引にやる、こういうところからこういう結果が出ておるんではないか、そういう意味で本国会の成立をあきらめるべきではないか、総理はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘がありましたように、各紙世論調査等、今、委員御指摘のとおりでございます。挙げて世論調査というのは私自身の不徳のいたすところといつもそのように思っておるところでございますが、世論調査というものはこれに固執するというわけではないにしても、政権を担当しておりますと全く気にかからないものでは断じてございません。 したがいまして、国会でこのようにして整々と議論を積み重ねる中に、国民のお方もまた私どもの政治の姿勢に対しての理解を深めていただけるものと、誠心誠意国会に対して忠実にお務めを果たしたい、このように思っておるところでございます。
○塩出啓典君 だんだん理解が高まって支持がふえるならいいんですけれども、だんだん下がっているわけです。やはり国民が支持しないこともやらねばならない場合もあるかもしれません、増税なんというのはだれも好まないわけですから。しかし、少なくとも大方の人が理解と支持を得られるまで努力をしていかなくちゃいけないと思います。竹下総理はつじ立ちをやってでも理解を求める、このように言いましたけれども、私の見る限り、それは一部業界のトップに対しては根回しをしているかもしれませんけれども、我々地方においてはそういう努力が感ぜられない。総理もわざわざ広島まで来られたわけでありますが、あのときは仲間だけを集めて、そうして本通りというところをちょっと通っただけで街頭演説の一つもしていない。また今回は政府税調が二十回も各地で公聴会をやった、そのように言っておりますが、これはまだ税法が、どういう法案を出すかということが全然決まってない段階にやったわけでありまして、そういう意味で私は国民に対する理解を求める努力が余りされてないんではないか、その点はどのようにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かにつじ立ちという言葉を使いました。これは私どもの先輩がよくお使いになっておった言葉でございますが、私自身ただ節度を考えなきゃなりませんのは、このようにして国会というものが整々と機能しておりますときに、例えば一例として街頭演説というようなことになった場合、ある意味において議会制民主主義が機能しておるにもかかわらず、直接民主主義に訴えてという方法は避けるべきではなかろうかと。今おっしゃいましたように、何だか身内を集めて話ししているのじゃないか、そういう感なきにしもあらずと思っております。しかしながら、皆さん方とお会いしてたびを重ねるごとに、少なくとも最大公約数として税制改革そのものは必要だということは、国民の皆さん方のある種のコンセンサスになりつつあるではなかろうかというふうに私は感じておるところでございます。 したがって、きょうのようにブラウン管を通じて国民の皆様方が一つ一つの税の仕組みとかあるいは基本的な考え方とかを塩出委員との問答の中で理解を深めていただきますならば、私は税法というものへの大方の理解もできて、そしてこれが非常に正常な形で機能していくようになりましたならば、いつも申し上げる言葉でございますが、新税もまたいずれ良税と評価されるであろうということを信じながら、一生懸命お答えをしておるところでございます。
○塩出啓典君 税制改革が必要だということは総理も言われるように世論になりつつあるし、私たち公明党もそのように思います。 問題は内容でございますが、今回の消費税について私も広島県内の商店街の皆さんにいろいろアンケート調査をして、この法案に対する理解をいろいろお聞きしたわけでございますが、よく理解しているという人が七%。けれども、これも恐らく、細かい法案の政令、省令等がまだ決まってない段階ですから、本当にわかっているとも言えないんじゃないか。賛成はわずか二%。恐らくこの法案の内容がわからないために反対している人もいるのじゃないかと思うんです。 私は、竹下さんはどちらかというと、鳴くまで 待とうホトトギスというか、粘り強く世論をつくってそして進めていくのではないか、このように思っておったわけでありますが、どうもあなたは非常に表面はやわらかだがやることは数の暴力ではないか、そのような感じがするわけでございます。なぜそのように急ぐんでしょうか、急がなければならないんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 塩出委員の所属していらっしゃる公明党におかれましても、税制改革そのものは必要だ、しかし問題は内容だとおっしゃっておりましたが、八月五日でございましたか、貴党において税制改革基本法要綱というものについての記者会見をなさいました。三時間ほど、本当はこれを勉強さしていただきました。これを読んでおりますと、いわば私どもの考えておるところとそう大きく離れた結論ではない。ただ大きく距離のありますのは、いわばそれを進めていくに至っての手順の問題だと。したがって、この税制改革基本法というものはある意味において手順法だなと、こういう感じでもって読ませていただいたわけでございます。 そこで、第一次改革、第二次改革というような手順をお示しになっておるわけでございますが、それが貴党の考え方でいきますと事実三、四年かかるというような感じを受けないわけでもございません。そうすると結局、塩出委員と十年間ここで議論したのをもう三、四年延ばすのか、あるいはその十年間議論したのをこの辺で環境が熟したと判断するのかというところが違いの焦点ではないかな、こういう感じを実は受けた次第でございます。 したがって、私が環境が熟しておると申しますのは、このような整々たる議論が行われていきますならば国民の皆様方への理解も深まっていくでございましょうし、同時に今のような経済情勢の中にこそやはり税制というものを実行していくためには一番熟した環境ではなかろうかということを、きのう来議論しながらさらにその意を強くしておるというのが率直な私の気持ちでございます。したがって、濃密な議論を繰り返していただく中に私は理解が深まるものと確信をいたしておりますし、このような姿での議論が継続していくことを心から期待を申し上げておるところでございます。
○塩出啓典君 税制は一度決定をすれば、やっぱり私たちはその税制に従って税金を納めていかなければならないわけであります。今回のこの税法六法案につきましても、細かい点はまだ明らかになっておりません。きょう一部の新聞にそういう記事が載っておりましたけれども、国会には提出されていない。税制というものは、取る側の論理だけではなしに納める側、営々と働いてまじめに税金を納めるのは納税者なんですから、やはり納税者の立場を私は十分考えなければいけないと思います。 何としてもこの国会でもし通すにしても、実際この実施は四月一日からの実施になっているわけですね。今回、昨年の売上税と違いましてかなり消費税の導入にもやむを得ないというムードの業界もあるわけでありますが、そういう業界のトップの人たちすら、特に直接消費者に接する業界は準備期間が最低一年は必要だ、いろいろコンピューターのソフトの改造とかレジの改造とか従業員の訓練とか、そういうことを本当に検討して一年は必要だと。こういうことは政府の方にも要望は出ていると思うんですけれども、そういう点、例えばやるにしても一年間実施を延ばすとか、そういうのを検討する考えはないのかどうか。
○国務大臣(竹下登君) まず、御指摘にもありましたように、税金は取るという側からの発想が一番危険である、あくまでも納める側、すなわちタックスペイヤーの立場に立って考えるべきであるというのは、私自身もみずからに絶えず言い聞かしておるところでございます。なるほど私自身も長い間大蔵大臣という職にありましたが、幸いと申しますか、大蔵省に幼少のころ勤務しておった経験はございませんので税務署長の体験も実はしておりません。したがって、技術的なことになりますといつも助けをかりなければならないというのが現実でございますけれども、しかし時としてみずからいいのかなと思いますのは、いわばそういう徴税事務に携わった経験がないということが、幾ばくかタックスペイヤーの立場に立つみずからのそういう体質があるんじゃないかなと、これは自己満足にすぎませんけれども、そんなことを考えながら、いつでもタックスペイヤーの立場に立つべきだと思っておることは事実でございます。 そこで、ここまで議論してきたならば、だんだん機も熟したからひとつ四月一日の施行日を一年ぐらい延ばしたらどうだと。そのことが、私が七つ目の懸念に挙げましたいわゆる転嫁をするべき税制でございますが、それをお願いする立場にある納税義務者あるいは事業者としては、やはりその方が、いわゆる税を負担される消費者に対して熟知していただくまでにそれぐらいの期間が要るのじゃないか、こういうお考えのあることは私どもも承知しております。したがいましてこそ、啓蒙、宣伝はもとより具体的な広報、指導等につきまして可能な限り早くこれに対応していかなければならないではなかろうかというふうに私どもは思っておるところでございます。 弾力的運用というような御修正もございましたが、それもとにかく徴税側の者に対する心構えをお示しになって、そういう一年ぐらいあったらいいなと思っていらっしゃる方々に対しても、より短い間で広報・宣伝、御指導等ができるようにそのことに努めなさいよという趣旨ではなかろうかと思っておりますがゆえに、これからも一生懸命そうした指導とかに努めることによりまして可能な限り整合性のある時期に、すなわち消費税につきまして申しますならば四月一日という年度的整合性のある時期にこれが実行というものに移していきたいものだというふうに考えておるところでございます。
○塩出啓典君 私は、一年延ばしたらどうか、それを検討すべきだと、こういう質問だったわけで、全然それに対する答弁はないのですけれどもね。 弾力条項というのは、衆議院の修正で半年、内容はよくわからない。きのうの委員会でも、この内容が具体的にどういうものかということは今度の国会の論議を通してそれからつくるということですけれども、私はそういう弾力条項などというような非常にわかりにくい、まじめな納税者から見れば何かいいかげんでもいいんじゃないかという、こういうようなものをやるぐらいなら半年なり一年なりちゃんと延ばすべきだと、もしやるならば。これは今回の国会の審議を見て検討する、これからいろいろ具体的な問題が出てくると思うんですけれども、それぐらいの姿勢でないと何のための国会の審議かわからないと思うんですが、やっぱり時期については検討すると、このようにひとつ答えてもらいたい。
○国務大臣(竹下登君) 我が国の国会は二院制度でございまして、一院で仮に足らざるところを二院でこれを補うとか、いろいろなそういう相互補完の役割があろうかと思うのでございます。したがって、それこそ弾力的という言葉が入りました修正条項などが本院における議論の中でだんだん中身が熟していくではなかろうかというふうに思っておるところでございます。 私自身、この弾力的な運用とはかくかくしかじかな徴税事務を行うのかという御質問をいただいても、直ちにそれに答えるだけの経験もないわけでございますけれども、そうした可能な限りタックスペイヤーの皆さん方に迷惑がかからないようなことをさらに濃密に指導とか広報とかというのをやれという意味にこれを理解しまして、国会のこうした問答の中でだんだんそれが熟していくことを期待いたしながらここに立っておるわけでございます。 何せ初めから私どもは四月と、こういうことに対して相続税はさかのぼるとかいうようなことに整合性をもってお願いしたものでございますから、この点で御審議を賜って御理解がいただける ような努力をこれからも続けていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○塩出啓典君 今回の税制改正はシャウプ税制以来四十年に近い期間を経ての大改正であります。それだけに、税法というものはそう朝令暮改するわけにはいかない。そういう意味で慎重にやらなければいけないと思うんでありますが、なぜこのように急ぐのか。一部には、自由民主党が衆議院で三百議席のある間にやらないとできないというような声も聞くわけでありますが、もしそうであるならば、私は余りにも三百議席を持つ自由民主党としては情けない。そういうことではないと思うんですけれども、三百議席を持つ責任政党であるならば、選挙のときにやらないと言って途中でまた変更するんじゃなしに、堂々とやはり筋を通して私はやってもらいたい。 今回の消費税は、先ほど申しましたように、昨年に比べていろんな情報が各業界から地方に流れてきていない。一部の業界はいろいろ流れてきておりますが、そういう意味で、私たちもわざといろんな情報を地方へ流さないんじゃないか、こういうように勘ぐりたくなるぐらいであります。ある人は、このような国民に細かい点を知らせないままに消費税を通すことは火事場泥棒だ、こういうように言った人がいるわけでありますが、私もそのように思います。そういう意味で、総理としては今度の国会の審議の状況をしかと見詰めて、そうしてひとつ今国会の成立は思いとどまってもらいたい、このことを強く要望しておきます。 それから次に、今回のリクルート問題におきましては特定の人たちが証券市場において税金のかからない多額の利益を得ていることがわかったわけでございまして、これはくしくも氷山の一角があらわれたと言えると思います。わずかの貯金の利子に二〇%の税金を取り、今回の消費税法では子供の買うノート、お年寄りが買うお菓子、きのうの委員会では、孫がおじいさんに出す郵便の六十円の切手にまで二円の税金をかける、こういうように細かいところまで税金を取ろうとしている。そういう一方でこういう不当な利益には税金がかからない。これは額に汗して働いている大半のまじめな納税者から見れば到底私は許せないことではないかと思うんでありますが、そういう庶民の怒りというものを総理はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわば消費税の持つ性格というものは、これは消費の段階で薄く広くちょうだいしようということでございますから、税理論としては消費税というものはそういうものだという御理解をいただければわかっていくのではなかろうかと私は思います。 ただ、今も御指摘がありましたように、切手の問題、封書の問題等々が出てまいりますと、言ってみれば情緒的なそういう不公平感、表現は必ずしも適切な言葉とは思いませんが、そういうものがやはり消費税というものを導入する際には、これはどこの国にも見られますような形で存在することを私も否定するものではございません。にもかかわらず、一方言ってみれば、株式の譲渡所得課税というようなものに対する問題がなおざりにされているんじゃないかという、国民の皆様方の今怒りという言葉をお使いになりましたが、そういう感情は私も否定するものではございません。 これについて私なりに考えてみますと、確かにシャウプ税制で昭和二十五年改正のときにこれは原則課税であったことは事実でございます。恐らく申告の際に雑所得として乗っけるというようなことではなかったかと思うんでございますが、今の株式の発展状態とは大変違うところでございます。が、昭和二十八年にこれが原則非課税になったというところに私は一つの問題があったと思うんであります。 そのとき原則非課税になった理論をひもといてみますと、これはいわゆる株式市場というものを日本経済の資金調達の場として活性化しようという政策的配慮も働いておったと思います。いま一つは、非常に捕捉しがたいという問題からして生じた点もあるであろうと思うんであります。そのうちに今度は、五十回、二十万株以下でございますか、そうした形のことが行われてまいりましたが、いつも申しますように、例えば創業者利益等の議論をしますときには、私どもが若いころはやはり松下幸之助先生とか石橋正二郎先生とか、そういうような方々が土台になって創業者利得等の議論をいたしまして、したがってそういうものの実態より以上の株式市場の発達というものが、いろんな誘惑を生ずる穴をとめることがそれについていけなかったんじゃないか、こんな感じがするわけでございます。 そこで、種々国会等でも御議論をいただいて今度提案をいたしましたのが原則非課税から原則課税にしよう、そういうことで御議論を賜ったわけでございます。さらに、さようしからばそれを将来総合課税というところへ志向する努力をすべきだということももとより修正等の議論の際にあったわけでございますから、今素朴な感情あるいは怒りとしてありますものに対応してそれを改めようという努力が今の段階もなお継続されておるというふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 それで、これは先般、当委員会で同僚議員の和田委員も質問したわけですが、今回のリクルートコスモス株の譲渡は、まあ全部がそうだというわけではありませんけれども、融資のサービスつき、しかも利子も払ってない人もいる、売る時期もお任せ、本人は債券も見たことがない、払い込まれたのは差額の利益のみだと、こういうことは正常な経済取引とは言えない。したがって、これは最高裁の判例等に照らしても、私は贈与とみなして取るべきものは取る、政治資金に当たるものは政治資金とみなしてこれはやはりちゃんと届けさせる、こういうことを大蔵省としても法務省としても厳正にやはりやってもらいたい。 国税庁は、税を取り立てるに当たっては、法律をうんと拡大解釈をして少しでも多く税金を取ろうといつも頑張っておるわけで、それが一概に悪いというわけじゃありませんけれども、やっぱり弱い庶民に対してじゃなしに、もっと社会的地位にある人こそ私はより厳しい倫理が求められるんじゃないか。そういう意味で国税当局あるいは法務当局としても厳正にやっていただきたい。この点はどうでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) 先般来御議論になっておりますリクルートコスモス社の株式の各種の関係で、先生御指摘の、場合によっては贈与税として取るべきではないかという御指摘でございます。一般的な法律関係は先般来申し上げておりますので繰り返しませんけれども、私どもの基本的なスタンスといたしまして常々各種の資料、情報の収集に努めております。そして、そういった資料と提出されております申告書等々との対比において、課税上問題がある場合には必要に応じて調査をするなど、しかるべく適正に対処してきておるつもりでございますが、今後ともそういった方針で対処してまいりたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) 先般来御説明いたしておりますように、東京地検におきましてはいわゆるリクルートコスモスの非公開株の譲渡関係について事実関係の解明に努力しているところでございます。 したがいまして、ただいまお尋ねの点につきまして事実関係に即して申し上げることは困難でございますけれども、全く一般論で申し上げますと、例えばお金を貸したという事実がございましても、よく調べてみますとそれが贈与に当たる場合もございます。したがいまして、そういう御指摘のような場合、例えば株式の譲渡と申しましてもいろいろ客観的な事実あるいは当事者の意思を総合しました場合に、それが贈与に当たる場合もあろうかと思います。これは全く一般論でございますけれども、そういうことも念頭に置きまして検察庁では事実関係の解明に努力するものと考えております。
○塩出啓典君 ぜひ厳正にやっていただきたい、そのことを心から要望いたします。 それから次に、国家公務員の綱紀粛正の問題でございますが、今回の一連の事件から政府は綱紀粛正策をつくり次の閣議で決定をすると。未公開株を国家公務員は取引してはならないとか、あるいはパーティー券のあっせんをやめるとか、このようなことをやるやに聞いておるわけでありますが、どういう内容でやるのか、総理にお尋ねをいたします。
○国務大臣(竹下登君) 実はけさの閣議で私から発言をいたしまして、具体的には次の閣議ということになろうかと思いますが、一連の綱紀粛正の問題についての通達等について作業を始めてもらいたいという趣旨の発言を私から申しました。 発言する私自身の気持ちを素直に申し上げますと、それは例えば総理府の広報関係の問題でございますとか、その他いろいろな一連の問題が起こっております。これが国民の奉仕者たる公務員としてあり得べからざることであるという筋のものでございますが、私自身にとって申しますならば、今も御質問がありましたように、それこそ私を含む政治家あるいは高級公務員等に対する批判の声が大変高まっておるということは私自身が一番よく知っております。したがって、私なりに幾ばくかうつろなものを感じながら公務員の綱紀問題について申し述べますと同時に、私としてはこれは政治改革全体の問題になるだろうと。したがって、各方面とも相談していずれ具体的なことを私も指示いたしたいと思うので各閣僚におかれて御協力を賜りたいという発言を重ねていたしたところでございます。 したがって、公務員の綱紀粛正問題についての具体的な通達案というものを今必ずしもすらすらと申し述べる用意は私にはございませんけれども、従来もたびたび出しております。その中で確かに非公開株式に関するなんという言葉は入っておりません。初めての例でございますからそういうものを入れなきゃいかぬなと思っておりますが、それは公務員に対する綱紀粛正の通達であって、それ以上の問題が政治的道義的責任として我々が対応しなきゃならぬ問題があるということは十分心しておるつもりでございます。
○峯山昭範君 関連。
○委員長(梶木又三君) 関連質疑を許します。峯山君。
○峯山昭範君 リクルート疑惑の問題につきましてはまだまだ解明はこれからではないか、ほんの入り口のところへ差しかかっただけであります。先般、我が委員会におきまして証人の喚問をいたしましたが、特に江副証人の発言の中にはまだまだ偽証とかあるいは証言拒否にわたる部分等がたくさんあります。また、きょうの新聞報道によりましても、コスモス社の役員に還流をいたしました株がさらに政治家関係者のところへ渡っている、そういうふうな報道もあるわけであります。 先ほどからいろいろございましたように、このリクルート疑惑、これをどうしても解明しなきゃならない。また、このリクルート疑惑を契機に、今日ほど政治倫理の確立、そして綱紀粛正等政治改革が特に要請されている時期はないと私は思っております。特に、最近の世論調査の支持率の低下、こういうような問題も全く無関係ではない、こう思います。また、政治改革というのは、もともと私ども政治家自身の自覚、そしてモラルが大前提であろう、私はこういうふうに思っております。総理は、最近政治改革というお言葉をたびたび口にされておられるわけでございますが、政治改革を口にされる意図、これは実はリクルート隠しじゃないのかとか、あるいは政権維持戦略の一つではないか、こういうようなことがささやかれているわけであります。 そういうような中にありまして、このリクルート疑惑を解明することについての総理の決意とそれから政治改革に取り組む決意、この両点を初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 少し話が長くなるかと思いますが、このリクルート問題そのものを私なりに整理整とんをしてみまして、四つの問題から対応すべきだと思っております。 その一つは、いわゆる証取法上の問題でございます。確かに証券市場がこのように発達いたしてまいりまして、それが資本調達の大きな有益な場としての機能をいたしておりますが、その急速な発達にあるいはついていけなかったという感じもないわけではございません。したがいまして、これは証取審等にまずはお願いをいたしまして、専門家の意見を聞いてこれに対して対応していこうということで具体案をつくってまいりたいと思います。 第二番目は税法上の問題でございます。これは先ほど来も議論をいたしておるところでございますが、原則有税であったものが原則無税となり、そしてまた原則有税として国会に提案申し上げ、また御修正等もいただいて今日に至っておるわけでございますが、さらにこれが総合課税への移行というようなところまで行き着くまでにはなお時間がかかろうかと思いますが、これについて直接リクルート問題とは別の問題といたしましても、例えば背番号制をも含めこれも税制調査会で御審議をいただいて、きょう何か小委員会からの御報告が出るというところまで来たようでございますが、そういう問題で対応していこうと思っておるところでございます。 三番目の問題は、これはまさに刑法上の問題でございます。この刑法上の問題につきましては、信頼する検察当局が適切な対応をしておられるというふうに私は確信をいたしておるところでございます。 四番目の問題が、いわゆる私を含む政治家、その周辺のいわば道義的責任の問題であろうと思っております。 これには、政治家でございますからとかく情報の集まりやすい場所にあることも事実でございます。したがいまして、衆参両院ともにあれだけ議論をして決まったいわゆる政治倫理綱領というものを守るための環境を、自浄能力を高めるための環境を一層強めていく必要があろうと思います。そのことがすなわち私は、政治改革という言葉に通ずる出発点ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。 政治改革は、今おっしゃいましたように、基本的には個々のモラルの問題でございます。したがってこの問題につきましては、まず政治資金規正法の問題、公職選挙法の問題等が具体的な法制度の問題としてはございます。あるいは国会内で議論をしていただくならば政治倫理審査会の機能の問題等もございますでしょうが、今峯山委員が御指摘なさいましたように、当面の問題からは、それを法律の中に移していきますと、何か今の問題を隠すつもりじゃないか、こういうようにとられてはならないということをまず第一義に考えて進めるべきだと思います。やれることからやっていかなければならないと思っておるところでございます。 それでまた、いま一つ御指摘のありました政権維持戦略というようなものではございません。それこそ国会の御指名をいただいて、普通の人が普通にこうして指名をいただいたわけでございますから、政権維持に恋々とするなどという考えは、これは生まれてから今日まで待ったことがございません。
○峯山昭範君 総理、いろいろおっしゃっておりますけれども、そういうふうに分類して言われると何となく白けてくるわけでありますけれども、このリクルート問題は、特に資料の要求あるいは証人の喚問あるいは参考人等たくさんの要望が出ておるわけです。ところがその一つ一つがなかなか解決しないわけです。これはやっぱり総理の強烈な指導力によってこの問題を解決する以外にない、そう考えているわけでございますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私は、内閣官房副長官、長官、長いことその仕事をしておりましたが、佐藤榮作先生に、国会で物を言うときには行政府としての立場を逸脱した言葉を言ってはならないということを教わってまいりました。したがって、少し窮屈のように私自身が、これは国会そのもの でお決めになることでございますと、こう申してきておりますが、今の峯山委員の御質問に対して私なりに考えておることを申し上げるといたしますならば、まず一つは、これも白けてしまうといけません、幾ばくか区分してのお話になりますが、国政調査権というものが存在しておる。それに対しては行政当局というのは最大限の協力をしなきゃならぬ、そうなればそこにすぐ守秘義務の問題が生じてくるではないか、事実でございます。その国政調査権と守秘義務の調和をどこでとるかというのは、まさに国会そのもので御議論いただく問題だなというふうに私は考えております。 証人問題というようなことになりますと、昭和二十二年でございますか、占領軍からホイットニーさんがあの当時お見えになりまして、そして、占領政策とは勝者が敗者を治めるものである、されど勝者といえども敗者が飢え死にしないように、また凍え死にしないようにしなきゃならぬ。しかし当時の日本の警察力にも占領軍にも隠退蔵物資摘発等の力はない、したがって国会においてそれを行うべきであるということからいわゆる議院証言法ができまして、そして隠退蔵物資摘発委員会ができまして、あのころはああいう時世でございましたからお二人様が自殺されました。それで独立を回復して、それからまた議論がございまして、その議論をしましたときにはやっぱり一番気をつけなきゃいかぬのは、国会の証人問題というのは、あの当時の議論は多数党が少数党を窮地に追い込むためにこれを利用しちゃいかぬというところから本当は議論がなされておるんでございます。私もつぶさにそのころの事情を承知しておりますが、独立した現在、もうあの法律というものに対してはおのずから良識があるじゃないかというところからあの改正問題が始まりました。ところがそれが途中に至っております。そのときは私も改正の委員の一人でございましたが、国会において適切な改正等がなされております今日でございますので、私はそれに対しては評価を申し上げ、それの決定に従って我々としての身を持していくべきものであるというふうに考えておるところでございます。
○峯山昭範君 総理、資料を出していただきたいとか証人喚問に御協力いただきたいというお話に戦前の話までさかのぼったんじゃこれはなかなかこの話進まぬわけでございまして、もっと端的に御協力をいただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。 具体的な問題といたしまして、高石前文部次官のパーティー券の売りさばきの問題でございます。これは報道機関の調べによりましても、また昨日の当委員会における質疑におきましてもいろいろ出てまいりましたが、文部省やパーティー主催事務局からの券の購入要請を受けた都道府県が全部で三十八都道府県の教育委員会、そのうち二十の教育委員会が券を購入している。またこのうち文部省から直接働きかけがあったのは確認できたものだけでも十の都道府県に上る、こういうふうに報道されているわけでございますが、文部省はこの実態を掌握していらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(加戸守行君) 事実関係でございますので現在調査中でございますが、現段階におきまして約二十の県教委の幹部が個人的に購入されたという状況でございます。そして文部省の職員から県教委の幹部が高石前次官のパーティーがあるという事実を何らかの形で聞いたという県が十県ございます。そのうちの数県は文部省職員からの依頼的なニュアンスあるいは口添え的な意味合いで理解したということでございますので、その辺の事実関係の詳細は判明いたしませんが、このような誤解を受けるような行為があったといたしますれば、私ども大変恐縮に存じておる次第でございます。
○峯山昭範君 これはいろいろと問題があるわけであります。 まず、きょうは人事院総裁お見えになっていただいておりますが、総裁、先ほどの綱紀粛正の案の中にも出てまいりましたが、いわゆる国家公務員がパーティー券のあっせんをすることについては自粛するということでございましたが、と同時に、それだけではなくて、公務員がパーティー券の購入をするということ自体が問題になるのではないかと私は思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(内海倫君) 国家公務員は、パーティー券の問題に限らず、在職しておる限りは厳正な中立の立場を維持しなければならないということが国家公務員法に定められておる趣旨でございます。 今のパーティー券の問題になりますと、私どもの人事院規則では、特定の政党その他の政治的団体を支持し、またはこれに反対する目的を持って賦課金等々、パーティー券を求め、もしくは受領し、またはそういうことを問わず、そういうことに関するような行為をしてはいけないということを定めておるわけでございますから、具体的にパーティー券をあっせんするというふうなこと、そのことを厳しく見ることによって、それが国家公務員法に違反する行為であるかどうかということとも分かれてくると思います。私どもはこういう問題はそれが法令にどう違反するかということともに、やはり国家公務員としての中立を維持し、厳正公平でなければならないという基本的な考え方を正しく守っていくということがさらに必要だろう、それにはそれぞれの各省庁における指揮監督という面からも十分考えてもらいたい、こういうふうに思っております。
○峯山昭範君 国家公務員法上からいきましても、総理、今、総裁からもお話がございましたように、これは委員会での答弁でも正式なあれとしてこういうような答弁があります。「一定の政党あるいは政治的団体を支持する目的を持ちまして金品を求め、あるいは受領し、あるいはこれに関与する行為、これは政治的行為に該当すると思います」という答弁がありますから、自分のプライベートのお金で購入すること自体もやはり政治活動になるという発言が実際あるわけです。そういう点も頭に入れて、これからこの点の綱紀粛正の通達の中できちっと取り扱っていただきたいと思います。 そこで、これはパーティー券をいわゆる官僚機構に乗せてこういうものを売りさばこう、お願いしようと、そういうことをお願いするのは、これはほとんど政治家あるいは政治家になろうとする者であります。そういうように考えてみますと、しょせん政治家が要請しなけりゃそういうことは起きないわけであります。そういう点からいきますと、何といっても政治家自身が自粛をしなければいけない、私はそう思うんですけれども、この点についていかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 端的に申しますと同感でございます。いろいろ議論をいたしますと、公務員といえども思想、表現の自由があって、公務員がみずからパーティー券を購入することを一律に制限するのは問題だ、こんな議論も確かにございました。が、今おっしゃった政治家が、なかんずくその地位を利用して、それに対して指示あるいは依頼ということが一番自粛すべき基本ではなかろうかなというふうに私も同感でございます。
○峯山昭範君 昭和六十二年度の政治資金収支報告書、これを拝見いたしますと、一晩で一億円以上の収入のあったパーティー、これ全部で十八件あります。その筆頭が十一億二千万円の収入があった総理のパーティーであります。本来こういうような資金集めのパーティーというのは、現在のいろんな情勢から見てもやはり全廃する方向でこの問題、パーティー自粛に取り組んだ方がいいんじゃないか、こういうふうに考えているわけでございますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) この各種のパーティーというのは資金集めだけを目的とするものではなく、慶弔とか記念とか、しのぶ会とか、そんなものがあることも事実でございますが、政治家のパーティーの場合、それが過度の資金集めに利用される、これが一番いけないことであろう。党に おかれても、私が全部まだ見たわけじゃございませんが、いわゆる課税問題等が起こるその以前の問題として、その地位にある者の自粛の基準をつくって、それを守ろうじゃないかというので、例えばこれは私自身に関する問題でありますが、私が所属しておりますグループ、政界で俗に言う派閥とでも申しましょうか、これの年次パーティーも延期されたというふうに聞いておるところでございます。私も、そのように自粛が行われようという空気が出たというのは、課税問題とは別に、好ましいことではないかなというふうに思っております。
○峯山昭範君 関連でございますから、もう一点で終わります。 総理、もう一つは、かねがねから問題になっております高級公務員の退職後一定期間のいわゆる立候補制限という問題であります。 これは憲法上いろいろな問題があると思いますけれども、私どもいろいろ研究したわけでありますが、一定期間の立候補の制限は許されるんじゃないか。公務員のモラルの低下とかいろんな問題がいっぱいありまして、これから議論をしなきゃなりませんけれども、これは重要な問題であると思いますし、高級公務員の皆さん方が選挙に立候補するためにその地位を利用しているんなことをする。今回の場合もそうであります。そういうような意味で、こ乙ら辺のところにやっぱりきちっとした対応をしていかなければこの問題は解決しないと思うんですが、総理のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、御指摘のございましたような憲法上の問題が一つ、これは議論するときにその壁を越きなきゃいかぬ問題が確かに存在いたしますので、それを含めてお互い検討するにはやぶさかでございません。
○塩出啓典君 次に、今回の税制改正につきまして、総理は消費税に七つの懸念あるいは八つの懸念と申しますか、いろいろな懸念を表明されておるわけであります。そこで、きのうも総理は不公平感と不公平と使い分けていらっしゃるようでありますが、特に政府は、今日まで不公平を是正するのではなしに不公平感を是正する、重税感を是正する、こういうことを言ってきておるわけでございます。これは御存じのように消費税というのはいわゆる痛税感、税金を取られているという痛みが余りない。先般、総理も、だから導入するときは反対であったが、なれてしまうともうそれまでだと、こういうようなことをおっしゃったわけでございますが、そういう意味で消費税を導入することが重税感、不公平感をなくしてしまう。これは言うなれば麻薬注射ではないか、このように言われておるわけでございますが、総理は、やはり消費税導入の一番大きな目的がそこにあるのかどうか、これをお伺いしておきます。
○国務大臣(竹下登君) いいところで聞いていただきました。私よく大蔵大臣会議等で税制の議論をして、ヨーロッパの大蔵大臣諸君と議論しますと、確かに、税制はなれてしまえばそれまでよという表現は適切じゃございませんが、なれということによって税制というものは機能するということをよく言われます。それは当然のこととして消費税というのを念頭に置いたヨーロッパの諸君の考え方であったと思います。それに対して私は、そのなれというものは、制度そのものになれていくというのは非常にいいことだけれども、とかく間接税の持つ欠陥の一つとして言われる痛税感が伴わない、物の値段の中に入っておりますからそのことがイージーになりがちだと。ちょうど塩出委員がおっしゃったようなことを私はヨーロッパの大蔵大臣に反駁をしておったわけでございます。 したがって、反駁しておったぐらいでございますから、そのなれということが、いわば痛税感がないようにしてしまうというようなつもりでないということは立証していただけるんじゃなかろうかなというふうに思うわけでございます。やはり私は、納税の義務というものがある、それを所得の段階で果たすのか、消費の段階で果たすのか、そこの選択とそれのいわゆるシェアリングの問題ではないかと、こんな感じがいつもいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 やはり税金を取られているという痛税感というか、それがあるからこそ納税者は安易に政府には増税をさせないと。そして、それだからこそ政府も国民の目を感じながら税金のむだ遣いもやらないように努力する、また行政改革も努力すると。そういう意味で、租税民主主義の立場から考えても私は痛税感は必要であると。 今、竹下さんは、大体それには賛成の意を示されたわけでございますが、中曽根前総理は、これは昭和六十年二月二十日の予算委員会で、コルベールという、これはルイ十四世時代のフランスの政治家の言葉でございますが、これを引用して、羊が鳴かないようにして毛をむしる、これが税の極意である、こういうことを言われたわけでございますが、竹下総理は、この羊が鳴かないようにして毛をむしる、それが税の極意であるという、この言葉には反対ですね。
○国務大臣(竹下登君) 賛成か反対かと言われれば反対でございます。
○塩出啓典君 賛成ならば竹下さんを見損なったと思うつもりでございましたが、反対ということで理解をいたします。私は、やっぱり最高権力者が余り強い権力を持ってはいけない、安易に増税できる体制を持ってはいけない、そういう意味でこの消費税には反対をするわけでございますが、特に今回この税制改正でたくさんの手紙や電話を私もいただいたわけで、そういう中には本当に切々と国の将来を思う、そういう立場から今度の税制改正に対しているんな意見がございました。きのうもいただいたあるお手紙、それは繊維関係の社長さんでございますが、総理の地元の島根県にもたくさんの工場を持っているそういう方でございますけれども、その人は消費税には反対でございますが、そういう中で特に消費税の導入が安易な増税につながり、それがやはり行政改革を粗末にするんじゃないか、今日まで自由民主党とのいろいろな会合で行政改革をどうするんだということをいろいろ言っているけれども自民党から返事がない、そのように非常に怒っておりました。私はその気持ちはよくわかると思います。そういう意味で、ここでこの行政改革等を断じておろそかにしてはならない。これは自由民主党だけではない、与野党あわせての責任だと思うんでありますが、これをひとつ今後さらに努力していく、こういう総理の御決意を承っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 行財政改革、なかんずく行政改革がなおざりになってはいけない、これは私が絶えず申し上げておるところでございます。私は、総定員法、それから行政組織法というようなものに若いころ大変な興味を持っておりました。これは行政改革の基本になるからでございます。しかし、それはなかなか勉強しても実行に移すことは難しい課題でありました。しかしながら、国会でそういう環境が熟してまいりまして、それらが基本としてまず四十年代にできてきたと思うのであります。さらに大平行革というものが始まりました。そうして、鈴木・中曽根行革というものが始まって、それでやっぱり土光先生という方がこの衝につかれたがゆえに、行革は天の声である、こういう言葉が、これは産業経済新聞だけでなく全部の新聞に載るようになりました。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 残念ながら税制改革は天の声であるというところまで、まあもう少しでいかせていただけるかもしれませんが、いっておるとは思いませんけれども、あの行革は天の声という背景があったから国鉄の分割・民営にしても、NTTの民営にいたしましても、専売の民営にいたしましても、私はできたんじゃないかと思っております。 そこで、これで何となく済んだというような印象を今国民の皆様方に与えるのが一番危険なことである、いま一度原点に返って行政組織法なり総定員法なり、そういうところから考えて、そして行革審等から絶えずちょうだいしておりますとこ ろの答申に基づいて、気を緩めることなくこれを行っていかなければ、実際せっかく押し上げた荷車がまた坂をガラガラと音を立てて下ってくるようになってはならぬということをみずからの心に毎日言い聞かせておるところでございます。
○塩出啓典君 そこで、今回の消費税は三%物価に上乗せをして、これを払うのは最終消費者である。そうしてこれを税務署へ納めるのは事業者でございます。ところが、ごらんのように大変な過当競争の厳しい業界においては、果たしてその三%を値上げできるのかどうか、そういうことを非常に心配しているわけでございます。もしこの三%を値上げできなかった場合は消費税は払わなくていいんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 消費税の性格からいたしまして、いわゆる最終消費者が負担をするわけでございますから、それは当然消費税の仕組みそのものがそうなっておりますし、したがって、事業者のお方がそれを納税されるということもまた仕組み上当然のことであると申し上げるべきであろうと思います。
○塩出啓典君 値上げができなかった場合には、仕入れは三%上がってくるわけですから、結局、事業者が払わなければならない。そうするとこれが第二の事業税になるんではないかという、こういうことが一番大きな問題であります。したがって、非常に強いところは便乗値上げができる、弱いところは値上げができないという、こういう不公平が出てくる、そういう点を私たちは一番問題にしておるわけでございます。 そこで、今回の法律は、この消費税三%分値上げをしやすいように独占禁止法の適用除外、こういうことが明記をされておるわけでございますが、ちゃんとこの適用除外によってそういう適正な値上げができるのかどうか、この点お伺いをいたします。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま御指摘がございましたように、今、政府から提案されております消費税法案の附則に、一定の期間を限定いたしまして、消費税の適正円滑な転嫁が行われるための共同行為として二つのタイプのものが認められておるわけでございます。一つは、市場における価格形成力の弱い中小事業者のいわば市場における転嫁の力を補強するという観点からの共同行為と、もう一つは、これは全部の事業者に認められるわけでございますけれども、いわば我が国における初めての経験でございますので、消費税込みの取引に慣熟するという意味で、売り手の側も買い手の側もそういった取引の情報というもの、これは表示と言っておりますけれども、それを統一するという形での共同行為が認められておるわけでございます。これは基本的には消費者にもその共同行為の仕組みを十分理解していただきますとともに、事業者の方もどういう行為が許されるのかということをよく御理解願って、国会で通りますれば、せっかくの制度でございますので、これを御活用になれば、共同行為に関する限りにおいてそれなりの効果が期待できるであろうというふうに考えております。
○塩出啓典君 それから、やはり消費者の側から見ますと、そういう価格競争力の強い業界において便乗値上げをされるんではないかという、こういう心配も非常にあるわけでございます。経企庁はこの監視を強めると言っておりますが、そういうことができるのかどうか、その内容をお尋ねしたいと思います。しかし、結論のところは、やっぱりどういう品物が増税になり、どういうものが減税になるかという、消費者の皆さんに対する消費者教育というか、そういうものをやっていかないと、ただモニターをふやして一軒一軒店を歩いていっても、今は公定価格の時代じゃございませんから、それは余り効果はないんじゃないか、格好だけになるんじゃないかと、そのように心配するわけですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) 御指摘のとおりでございまして、一番やはり大きな問題は、消費税導入に伴いますいわゆる便乗値上げと申しましょうか、この問題が発生することが国民生活に対しましては好ましくない影響を与えるのではないか、この点が私どもが常日ごろ一番腐心をしておる問題でございます。これを防止して、そして何といいましょうか、消費税に対する消費者の理解を深めるためにはどうしたらいいのか、余り小手先だけでなく、もうちょっと細かくやるべきことではないかという御指摘でございますが、そのとおりでございまして、何はともあれ、消費税の円滑かつ適正な転嫁のために必要な条件というものを私どもは解決していかなければならぬことは申すまでもございません。そういう中で、消費税の導入に当たりまして便乗値上げが起こることのないように、また物品税などの廃止などがございますし、調整に見合った分だけ、これと関連する価格の引き下げというものが適切に行われるようにするためには、消費者等への積極的な情報提供が必要なことは、先ほど先生の申されたとおりだと私どもは考えております。 そのためには、既存のモニターをふやしても余り意味がないのではないかと言いますが、やはりこれをどうしても的確に把握するのには、私どもが今考えておりますのは、モニターだけでも二千人ほど、あるいはまた既存の現在地方公共団体を通じました価格の動向調査、監視体制、これは予算が伴うことでございますから、現在の総理兼大蔵大臣、竹下総理にも御依頼しなければならぬことでございますが、大体これを含めまして六万人種度を私どもは考えておるのでございますが、このような中で、緻密に、非常に深くこの問題点を監視し続けていくという態度が必要ではないか。 先生の御指摘の意味はよくわかりますけれども、この対応においてしかるべく抜かりのないようにやっていくことが私どもの務めではないかなと、このように考えておる次第であることも申し添えておきたいと思います。
○塩出啓典君 それから、非課税業者であっても三%程度までの値上げは認めると。そうしますと、これは細かいようでありますが、消費者から見れば、我々は三%分払ったのに税務署に行かないんじゃないかと、極端に言えばそういう意見もあるわけでありますが、そのあたりの理論構成というか、これをどのように考えていますか。
○政府委員(水野勝君) 免税業者でございますと、その業者の方には納税義務はないわけでございます。しかし、免税業者でございましても仕入れにつきましては仕入れ税額が含まれてくるわけでございます。したがいまして、免税業者の場合におきましても、免税になる部分は厳密に言えばその方のいわばマージン部分でございますので、価格の中の三%そのものよりはかなり小さいものでございます。また、小さい業者でございますと、その部分を転嫁をいたすためのいろいろな御努力やコストもかかるわけでございます。価格を最終的に三%お上げになるのか、仕入れ税額分だけをお上げになるのか、それはその事業者の価格政策でございますが、そういった事情を考えますと、そうした方が三%課税業者並みに価格引き上げを行われたとしても、それはあながち不当なことではないと私どもは考えているわけでございます。
○塩出啓典君 それから、特に今回の税制改正で石油税に関係して大変不公平があるんじゃないか。全国五万九千店の石油スタンド業界というのは、御存じのように値引き競争が大変激しくて、なかなか価格アップが難しい、こういう業界でございます。それに対しては通産省としていろいろ努力もされておることはよく承知しているんですけれども、ところが今回の税制改正で、今度の改正は御存じのように自動車とか宝石とか、いろいろそういう高い物品税、そういうものも全部廃止をして広く薄く三%の消費税をかける、こういうのが今回の税制改正の方向でございます。また、お酒やたばこのように高い税率を負担している、こういう国家財政に寄与しているところは、逆に酒税とかたばこ消費税、そういうものを安くして、そして三%の消費税をかけても、今までよりは少なくとも増税にならないような配慮がなされておるわけでございます。 ところが、石油のみは、現在既に五〇%近い税を払っておるわけでありますが、この税も、また石油の元の値段も含めて両方に三%の税金をかけている。こういうことは、大変価格を上げにくい今の状況にある中において、油だけが非常に過酷ではないかと思うのであります。そういう点で、この油の本体にかけるのは仕方がないにしても、石油諸税にかかっている三%、これはタックス・オン・タックスと言われているわけでありますが、これが約一千億でございますが、このタックスにまたタックスをかける、せめてこれはやはり除くようにすべきではないか。筋が通らない。どうお考えでしょうか。
○政府委員(水野勝君) タックスにタックスがかかるという関係は、個別消費税でございますと、今御指摘のお酒、たばこ、それぞれかなり高率な、たばこでございますと六割ぐらいの税がかかってございますが、その部分を含めたコストとしてのそうした価格、税金分を含めた売り値に対して税率をお願いをしているということについてはほかの酒、たばこ等と一緒でございますし、また、ヨーロッパ諸国の立法例でもそうしたことは一般的な仕組みになっているわけでございます。 ただ問題は、今御指摘がございました、たばこでは売り値が変わらないように調整をした、酒でございますとむしろ減税をしたという御指摘でございます。もっともしょうちゅうにつきましては、これは七割五分程度増税をお願いした税率の上にまた三%お願いしたという例もございますけれども、一般的に申し上げて、酒税全体としては減税になっております。 ただ、石油の場合は、これがその税収の使途が道路財源、エネルギー対策等ということで特定されておる。したがいまして、その税率を調整いたしますと、特定財源としての方に響いてまいる。そういうことから、この夏にセットいたされまして、そして現在御提案申し上げておる法制におきましては、まさにその分だけがネットの負担増になっておるわけでございます。このように、特定財源ということに密接に絡んでいるところからの特殊な問題としていわば未解決になっておるわけでございまして、全体をセットいたしました夏のころにおきましても、この点は、次の予算編成、次の税制改正のときまでに何らか検討をするといういわば宿題として残されておるわけでございます。この点につきましては、衆議院の段階でもいろいろ御議論をいただいたところでございます。そして、その際、関係者、与野党いろいろなお話し合いの中で、これは六十四年度税制改正、六十四年度予算編成の中で、ただいまお話のございましたような規模のものを念頭に置いて適切に対処するというふうなお約束がされておるところでございます。私どもといたしましても、この趣旨に沿いまして積極的にその点の検討をいたしたい、予算編成、税制改正の中で結論を出したい、このように考えているところでございます。
○国務大臣(田村元君) ただいま主税局長が申しましたように、通産省と大蔵省の間で鋭意詰めておるところでございます。
○塩出啓典君 これは大変不合理である。これはもう宮澤前大蔵大臣も、また衆議院においても政府は認めておるわけでありますが、けれどもそれがやはりほかの理由である。これはやはり私は、来年度予算編成というのではなしに税制改正の結果出てきた問題ですから、今度の税制改正の中においてこれを解決するように努力をしてもらいたい。それは総理、検討していただけますか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆるタックス・オン・タックス問題でございます。この問題についてはは、今、水野局長からも田村大臣からもお答えがありましたが、やはりこの今度の税制改正の中で解決しようというのには余りにも時間がなさ過ぎる。幸い税制の面は年度改正というものがあるわけでございますから、その六十四年度改正の中でやるか、あるいは一千億の問題でございますから歳出の方でやるかについては、それこそ両省が精力的に詰めろということで今日までお答えしておるところでございますので、おっしゃる意味は本当にこれは十分わかりますが、その努力の結果をいま少し見てやってくださいますようにお願いをいたします。
○塩出啓典君 次に、今回の税制改正は、消費税の導入によりまして広く薄くすべての物品に三%課税をする、そして一方、高額の物品税を廃止をする。こういうことで、そちらの方は物価は下がるわけでございますが、大蔵省は物価上昇を約一・二%と計算をしております。四年目以降は一・一%。ところが、日本経済新聞のNEEDSの試算では一・八%、また政策構想フォーラムの提言によりますと、いろいろな仮定がありますが、大体一・二九から一・九五%と、このように見ておるわけでございます。 私は、いろいろ内容を検討するときに、大蔵省の、あるいは経済企画庁の一・一あるいは一・二%の見通しは非常に故意に低められたデータではないか、このように思うわけでございますが、この違いはどこにあるのか、お考えをお聞きします。
○国務大臣(中尾栄一君) 私どもの一・一%という、既に打ち出しておりまする問題点は、御案内のとおり消費税の導入そのものが消費者の物価の水準というものに与える影響について、まず第一に、消費税の税額分が価格に完全に転嫁されるということが条件でございます。第二点は、税負担以外の要因による価格の変化はもう考慮しないことという前提条件に基づきまして、コスト面から計算をしまして消費者物価の水準を一・一%という程度に引き上げるということが大体想定として見込まれるのではないか、こう言っておるわけでございますが、先生も御案内のように民間機関やその他においては、八八年度の税制改革のシミュレーションの分析であるとか日本経済研究センターの消費者物価であるとか日本経済研究センターで打ち出している問題とか、多々違いがあると思います。 この点につきましては、私より担当の物価局長から答弁させた方がよろしいかと思いますから、物価局長に願います。
○塩出啓典君 いろいろ答弁いただくようですが、時間もございませんので結構です。いずれにしても、経済企画庁の物価の見通しについてはいろいろ異論がございます。 そこで、今回の改正で、政策構想フォーラムは、六割の世帯は減税になるが四割の世帯は増税である、そうして特に増税になるのはいわゆる所得の低い人、特に年金生活者に非常に打撃がある、このような提言をしておりますが、これは認めますか、大蔵省は。
○政府委員(水野勝君) フォーラムがそのような報告をお出しになったということは承知いたしておりますが、ただ、その詳細につきましては必ずしも私どもも確認はしているわけではございませんが、いろいろ検討、勉強さしていただいている点におきましては、今御指摘のございました物価の見方がまず一つございます。今御指摘のように一・三%あるいは一・九%ともろもろの試算をされておる。これは政府としての上昇率一・一%とかなり異なるところがございます。また、世帯の割合をとる際には五十九年の実態調査をもとにいたしております。その後収入の伸びがございますので、計算がそのとおりになるのかどうか、この点もやや私ども疑問を感じておるところでございます。 また、そういう前提の違いがいろいろございますが、結論とされては、いわば逆の話ではございますが、四割が増税となると言っているわけではなくて、六割以上の方が減税になるということを言っておられる。そしてまた、その点につきましては、これは静態的に見ればそういうことでございますけれども、例えば独身時期、その方が壮年期に達する、そういう際にはそれは減税になる。そういう意味では、ライフサイクル的な視点に立てばそうした点が出てくるということも言われておりますので、これでもって四割の方々が全部増税になるというふうに言っておられるわけでもないように受け取られるわけでございます。 しかし、この数字の前提につきましては、私どもいろいろ議論はあることは先ほど申し上げたところでございます。
○塩出啓典君 総理、今回はトータルで二兆四千億、衆議院の修正を加えれば二兆六千億減税であります。ということは、国民一人当たり平均すれば二万円の減税ですね。四人家族ならば八万減税があって、これは平均なんですよ、ところが、今大蔵省のお話しのように、それは六割は減税だと、半分以上ですね。四割は増税だと。この見方は一・三%という物価上昇が大蔵省の一・一と違うと言うけれども、すべての物価が三%上がって、例えば自動車とか宝石とか、そういうものが一部下がってもやっぱり一・一というのは余りにも低いというのは、これは庶民の感覚だと思うんですよ。けれども、まあそれはそれとして、いずれにしても平均一人当たり二万円の減税であっても、かなりの世帯がやはり実質的には増税になる。 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 中間所得層というのは今回かなり減税になるわけですけれども、第一、税金を払っていない世帯というのは、減税の恩恵がないわけですから全部増税一本ですわね。そういうようにかなりの人が増税になる。特に所得の低い人が増税になる。その点はお認めになりますか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる最終税負担者である消費者の持つ懸念というものが私は五つあると思いましたが、まさに今そのことを御指摘なさっておることであろう。その五つの中で、中堅所得者の問題とそれから便乗値上げの問題、これは別として外しますと、低額所得者の人、税金を少し払っている人あるいは全く払わない人というようなところの懸念というものを、まさにそのものずばりおつきになったということであります。 そこで、どうそれを中和するか、こういうことであろうと思うのであります。それが歳出の面で、在宅福祉でございますとか、真に手を差し伸べなければならない方々に対する歳出の面での中和措置と、いま一つは独身とでも申しましょうか、そういう方々のいわゆる課税最低限の引き上げというようなところでこれらを中和していこうということに、その懸念の解消のために御説明を申し上げておるところでございます。
○塩出啓典君 だから、総理はかなりの世帯が増税になることはお認めになったわけですけれどもね。 このパンフレットは見られましたですか、このパンフレット。大蔵省が出しているパンフレットですけれども、これ見られましたですか。
○国務大臣(竹下登君) 見たことございます。
○塩出啓典君 このパンフレットを見ますと、これ大蔵大臣によく見ていただきたいと思うのですけれども、これ見るだけでいいんだけれどもね。(資料を手渡す) これは日経新聞にもこういう大きな広告をして、各紙に載っておったわけでございますが、この表を見ますと、いわゆる二十四歳以下が負担増であって、ほかはもう全部負担が軽くなる。そういう表になっておるわけでありまして、大蔵省というのは何か今度の税制改正のいい面ばっかりをPRして、そういう低所得者に非常に税がかかるということは全然PRしていない。これはまさに悪徳商法によく似ているんじゃないか、こう言わざるを得ない。そのパンフレットを私は訂正すべきだと思うのですけれども、その点どうですか、総理大臣兼大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) これは今度若い人の場合の考え方というのはやっぱりライフサイクル全体で考えてあげたがいいと思うのでございます。なるほど、たまたま日本は年齢給になっておりますが、年齢給でないのは国会議員、これは三十歳も九十歳も一緒でございます。が、職能給なんかもありますが、今は大体年齢給になっております。 そういうことを考えますと、本当はこれがメリットペイ、すなわち職能給などであったら非常にわかりやすいことは、むしろ生涯設計をした場合には若いときにある種のものを余計納めて、そうして子供さんができてそれが控除されていって、そして働き盛りになるときにはなおその控除が効いて、そして最終的には我々みんな完全消費者になってしまうわけですから、稼得能力がなくなってしまうわけですから、そういうふうな生涯設計から考えますと、私はこれはよくできた資料だなと思っておるのでございます。決して悪徳商法ではなくして、ひとつ考えられた資料だなと。やはりきのうも議論がありましたが、それはライフサイクルだけで税制議論するのが私は適切だと思いませんが、今度の税制はまさにライフサイクルの中で説明した方が一番わかりやすい税制の構築になっておるなということを感じておるわけでございます。 したがって、また別の議論として、もっと所得税の拡大をして、いわゆる橋の下のこじきも税は納めるべきだという税理論というのがございますが、そういうところまで広げれば別として、大体これの資料は現状におけるライフサイクルを中心とする議論からすると、悪徳商法じゃなく、国民の皆様方によくわかっていただける資料の一つじゃないかなと、少し手前みそでございますが、以上お答えいたします。
○塩出啓典君 少しどころじゃない、全く大きな手前みそでございまして、これはまた別の機会に論議したいと思うんです。 だから、総理が言うように、一つのサイクルで、若いときには苦労して年とってから豊かになる、やっぱり若いときの苦労はできても年とってからの苦労はみじめですからね、それはわかるんですよ。けれども、私が今問題にしているのは、やっぱり低所得者というのは若い人だけじゃない。お年寄りにも低所得者、年金生活者はお年寄りなんですから、そういう点の対応がない。 私は島根県もよく参りますが、総理の地元の島根県というのは全国で一番お年寄りが多いんですね。お年寄りの方々も、竹下さんが総理になったということを非常に皆誇りに思っていますよ、島根の方は。けれども、この法律の内容は、そういうお年寄りに、あるいは年金生活者に対して非常に厳しい。お年寄りの人がこの内容を知れば、やっぱりがっかりするんじゃないかと思うと、本当に僕は残念なんですけれどもね。 今回そういうことで、衆議院の修正におきまして老後のためにという退職金減税、退職金は今まで一千万以上税金がかかっておりました。これを千五百万まで税金をかけないようにしたわけですけれども、考えてみれば、一千万というのはリクルートコスモスの株のように一晩でもうけた一千万や二千万じゃないんです。二十年、三十年、営々として、そうして最後にもらったのが一千万。そうしてそういう人たちは、華麗なる転身で次の職のある人はいいですよ。そういう高級官僚のように次の職のある人はいいかもしれませんけれども、もう今はなかなかお年寄りは仕事がない。そうなると、この退職金一千万、一千五百万、この退職金が今度は老後の足しになるわけですからぬ。そういう点で一千万から一千五百万、これも大きな改革、成果だと思いますけれども、やっぱりちょっと考えて、本当はもうちょっとさらに優遇してもいいんじゃないかなという、私はそういう感じがするんですが、総理の感じはどうですか。
○国務大臣(竹下登君) 塩出委員の議論は、今退職金に及びました。私は、今度原案を出した側からしますれば修正されたということになりますが、それで大変自尊心を傷つけられたなどとは思っておりません。やっぱり国会というところはいいところだな、ああして相談をされてちゃんとした修正をなさると。退職金については本当にそう思っております。 が、おのずから退職金の問題、所得税法上における所得の何番目に書いてありますか、六番目に書いてありますか、退職所得というものに対する基準からいえば、私は適切なことだな、だが塩出委員のもう一つおっしゃっている退職金というよりも、そうでなく、そういう華麗な転身の先もない純粋な消費者になっておる年金生活者というよ うなところに本当はもっと日を当てることは事実でございます。しかし、年金というものも御案内のとおり物価スライド、翌年ではございますけれども物価スライドがなされていくという仕組みになっておりますので、私はそれなりに今度の全体の消費税、税制構造の中では御理解いただけるんじゃないかなと、こう思っておるところでございます。
○塩出啓典君 一千万が一千五百万になったというのは、これは画期的な成果であり、衆議院における修正に私たちも敬意を表するわけであります。また、寝たきり老人の扶養控除額の引き上げ九十万から百二十万、そういう意味で寝たきり老人を抱えた家族への配慮、さらにはホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス、そういうようなものを三カ年間に緊急倍増計画をする、これは今後厚生省において予算措置をとってもらわなければならない問題でありますが、これはぜひやっていただきたい、このことをお願いする次第でございます。 それから、特にただいま総理のお話にありました年金生活者ですね、これは私も広島県の厚生年金受給者協会が調査をしたアンケートを見せていただいたわけでございますが、半数近くは年収三千万円以下、七七%が主なる収入を年金に頼っておる、そして六四%の人がもし消費税を実施されたならば生活費を切り詰めなければいけないというんですね。そういう人でございました。二兆六千億円の減税をするんですから、全体では。そういう人たちに、減税がないんならまだいいんだけれども、増税になるような結果は、戦前戦後を生き抜いてきて今静かに老後を迎えてつつましやかな生活をしている人にとっても、非常に私は大変な問題じゃないかと思います。 それから、これは広島県の調査ですが、去年の七月一日の調査では、全老人世帯のうち四五%が所得税を払っていないんですね。これは、先ほどの政策構想フォーラム、この結果も大体お年寄り世帯の半数は税金を払っていないというその結果と一致するわけですけれども、広島県の場合は、ひとり暮らしが一一・三、夫婦二人が二九・三と、四〇%がひとりまたは二人暮らしでいる、これが今どんどんふえているんですね。それからさらに、母子家庭、寡婦世帯、これは広島市の民生局の調査によりますと、これは今年の四月一日ですけれども、母子家庭の平均収入は百八十五万円なんですね。それから寡婦世帯の平均収入が百七十二万円であります、これは平均収入でありますが。 こういうような人たちはやはり大変所得が低くて、今回の一連の税制改革の結果においてもかなり生活に厳しく食い込んでいくわけでありますが、それに対して今総理は予算の面で配慮をしていくという、これはどういうことを考えていらっしゃるんでしょうか。これは厚生大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(藤本孝雄君) 消費税の導入に伴いまして、これの持つ逆進性の中和であるとか、所得税のかからない人たちに対しましてその負担が過重なものにならないようにする、このことは極めて重要な課題であると思うわけでございまして、御承知のように、税制の面では、一定の医療、福祉のサービスには非課税であるとか、課税最低限度額の引き上げであるとか、それから老人、障害者の方々に対する所得控除の引き上げというような税制面での配慮もございます。しかし、歳出面におきまして、いろいろ先ほど来の御議論を拝聴いたしておるわけでありますが、特に生活保護世帯の方々、また年金生活者の方々、さらには措置入所、住宅、福祉のサービスを受けておられる方々、児童福祉手当等の手当を受けておられる方々、これらの方々に対しましては、来年度の予算編成の過程におきまして十分に適切な配慮を行っていかなければならないと思うわけでございます。 特に年金生活者のことについて御言及がございましたが、現在四割の方が年金だけで生活をしていらっしゃる、こういう時代でございますし、また年金額につきましても、確かに今回の減税による減税効果でプラスになる方もいらっしゃるし、また増税になる方もいらっしゃるわけでございまして、そういう分岐点があることは事実でございます。したがって、消費税の導入に伴って負担がふえるという年金受給者につきましては、来年度の予算編成の過程でこれまた検討をしていかなければならない、これは極めて重大な課題であると私は考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 先ほど私が厚生年金受給者の半数近くが三千万と言ったのは三百万の間違いですので。 そこで、今厚生大臣から、年金受給者には厚生年金、国民年金、共済年金いろいろあるわけですけれども、そういう者はすべてにわたって配慮をすると、この内容が問題だと思うんですけれども、それは別として、あるいは生活保護を受けている方には生活保護基準を上げればいいと。しかし、今私申しましたように、やっぱりそういう年金も受けていないお年寄りもいるわけですね。また、政府が考えているのは、年金を上げるといってもこれは物価の上昇分をスライドするだけでしょう、今考えているのは物価上昇だけ。だから、生活費のすべてを賄うだけの年金があればその年金分が物価スライドしただけで生活は賄えるかもしれませんけれども、しかし年金というのは生活費の一部ですから、それだけをふやしてもやっぱり生活は苦しくなる、あるいはまたそういうものの及ばない層というのがあるわけですけれども、そういうところに予算の面で措置をするというのは一体どういうことができるのか。ただ言葉で予算の面で措置すると言うことは非常に簡単なんですけれども、実際にどういう方法があるか、これは具体的にお尋ねをいたします。
○国務大臣(藤本孝雄君) 整理をいたしますと、百九十八万円までの方々は生活保護世帯でございますから、この方々については消費税の導入による影響は、生活保護の基準を改定する、適切に反映するということでこれは対応できるわけであります。それから、二百六十二万円以上は課税最低限度額によって対応できるわけでございますから、整理して言えば、百九十八万から二百六十二万までの所得の方ということになろうかと思います。 厚生省の対応といたしましては、これらの方々に対しては福祉政策、特に各種手当をいただかれていらっしゃる方々に対して、この手当を増額していくというようなことで対応できるのではないかなというふうに考えております。
○塩出啓典君 総理、私はこのような逆進性の問題というものはこれはどうしようもないと思うんですね。幾ら予算をつけるといっても、やっぱり一人一人の家庭にお金を配るわけにはいきませんし、どうしてもこの消費税というものは逆進性が非常に強い。私は三%ならまだいいと思うんですよ。いいとしても、これがヨーロッパのように、世界で一〇%以下の付加価値税の国はございません、将来我が国もそういう税率アップが懸念をされておる。我々は、もうこういう税率アップをしてはならない、そのように思っておりますけれども、そうなった場合にはますます逆進性が強くなってくるわけであります。 そういう意味で、この消費税を導入するという点は、どうしても逆進性を消すことができないから、だから私たちはこの消費税の導入には断じて賛成するわけにいかない、そういう考えでございますが、そういう意味で、総理もその点再考の考えはないかどうか、お伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 基本的な議論になってきたわけでございますが、私どもが消費税の導入ということを考えました。そのことは、租税はだれもが受けている公共サービスを支える財源であって、この社会共通の費用を広く薄く公平に分かち合っていくことが二十一世紀に向けてより豊かな経済社会を築く上で重要であるというような考え方が基本にあったわけであります。そして、我が国の課税最低限は国際的に見て一番高い水準にあります。それをさらに引き上げるわけでございま すから、少なくとも所得税の分野、給与所得の分野においては課税ベースを広げるという考え方ではないわけでございます。 そうなると、いつも言われますように、消費税そのものの持つ所得に対する逆進性、それこそどなたがたばこをお買いになってもたばこは一緒であるわけでございますから、したがってそういうことに対する逆進性があることを否定する考え方はありませんから、その問題は、今の塩出委員の中心的な議題として申し上げますならば、真に手を差し伸べるべき人たちについては保護基準の適切な設定など財政面で配慮をやっていく。すなわち今度は課税最低限と生活保護の間の人はどうするかということについても、今厚生大臣からお答えがあったわけでございます。 しかし、それはそれとして、政府原案ではなおということがございましたので、この高齢者についての政府提案に老人配偶者、老人扶養親族の控除額引き上げを盛り込んでおりますが、さらに法案修正によって七十歳以上のいわゆる寝たきり老人等に係る扶養控除額等の引き上げ、退職所得控除の引き上げと、こういうことで貴党の発案によって修正が行われたわけでございます。 したがって、まださらに心配していらっしゃる問題は、その退職金にしても、退職金をもらえる者が対象になるわけです。そして各種控除はみずから、あるいは他に稼得者がおるということが前提にあるわけですが、そうでない者がおるのではないかという発案でございますが、これがやっぱりこの介護手当の将来にわたっての構想などというものがいわゆる福祉の究極の原点とでも申しましょうか、ノーマライゼーションというものを将来に描いた構想として存在をしておるのではなかろうかなと、こういう感じを深くいたしたわけでございますので、それらのことを総合しながら、これを延期するという考え方はございません。
○塩出啓典君 ひとつぜひそういう今回の税制改正で打撃を受ける弱い立場におる人たちに手を伸べる、これが私は政治の責任ではあると思います。自由民主党に政治献金をする大企業やそういう高額所得者のことも考えてはいかぬとは言いませんけれども、それ以上にそういう人たちのことをより真剣に細かく考えていただきたい。どうも消費税を通すことばっかりに真剣で、それ以外のことには余り真剣でない、そういうことではいけないと思います。 そのことを強く要望いたしまして、午前中の質問を終わりたいと思います。
○委員長(梶木又三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(梶木又三君) 税制問題等に関する調査特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、各案について質疑を行います。塩出君。
○塩出啓典君 それでは、午前中に引き続いて、税制六法案について質問をいたします。 政府は、先進国がすべて付加価値税を導入していることを理由に今回消費税を導入したわけでございますが、例えばヨーロッパ各国の付加価値税というものは、生活必需品、あるいはぜいたく品と、こういうように税率を変えております。例えばベルギーは一九%と六%、フランスは一八・六と七と五・五、西ドイツは一四と七。イギリスは一五%ですけれども、食糧、燃料、書籍など生活必需品はゼロ税率。これはやはり低所得者層に相対的に重くなる逆進性を少しでも緩和するという、こういうために税率を変えておるわけでございますが、こういう逆進性への配慮は考えないのか、この点はどうでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 確かに、特にヨーロッパ諸国におきましては複数税率ということが見られるわけでございますが、基本的な違いといたしましては、例えばフランスでございますと標準税率が一八・六%、ドイツでございますと一四%、イギリスは一五%というようなことでございまして、おおむね一五%から二〇%の間に分布いたしておるわけでございます。それに対しまして、今回御提案を申し上げておりますのは三%という極めて低い税率のものでございます。例えばフランスは軽減税率がございますけれども、軽減税率と申しましても四%とか五・五%とかという水準でございます。そうしたところからいきますと、三%というのはヨーロッパ諸国に比べて極めて低い税率でございます。こうした低い税率でございますので、さらにこれを区分いたしまして、これに軽減税率を設ける、複数税率を設けるということはかえって仕組みを複雑にするだけではないかというふうに考えられるわけでございまして、薄く広くお願いをしております今回の消費税におきましては、簡素化という点も含めまして一律のものを規定させていただいているわけでございます。
○塩出啓典君 政府はあくまでも四月一日ということを先ほどの御答弁でも強行しようとしているわけでございますが、通産大臣は、各業界、特に小売業界等においては十分な対応がとれるのかどうか、まだ法律も決定はしていないわけでありますが、もし決定した場合とれるのかどうか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 御提案しておりますのは税率も三%という低いものでございます。また、その納付税額の計算方法も税率は一律であるとともに、また税額控除の方も帳簿方式ということで極めて簡単なものといたしております。税額票云々ということも御提案をしておりませんので、その納付方法等につきましては極めて簡素でございます。四月一日に今お話しの一律の三%で転嫁をいただき、納付していただくということでございます。 また、その納付時期は、個人につきましては暦年をベースにいたしまして翌年の二月でございますので、納付いただくのは六十五年の二月ということになります。また、法人の場合圧倒的に多い十二月決算なり三月決算法人でございますと、六十五年二月あるいは六十五年の五月ということでございますので、私ども何とか対応をお願いできる中身ではないかと思っておるところでございます。
○国務大臣(田村元君) 今般のこの消費税法案におきましては、売上税をめぐります議論、我が国の生産、流通の実態等を十分に踏まえまして、記帳方式、簡易課税制度等の採用、免税点の設定、非課税取引の再検討を通じまして、消費税の仕組みの簡素化が図られておりまして、事業者の納税事務負担は相当程度軽減されるものと考えております。 しかしながら、産業界におきましては、消費税の四月一日導入に伴いまして混乱が生じるのではないかという懸念があることは確かでございます。今後、消費税法案の修正によりまして明示されました消費税の弾力的運営が検討されております中で、このような産業界の懸念に対しまして十分配慮をいたしながら、何とか万遺憾なきを期したいと考えまして、目下大蔵省と折衝中でございます。双方の意見は必ず一致するものと確信をいたしておる次第でございます。
○塩出啓典君 例えば内税か外税かという、品物の表示を税金を込みで表示するのか、あるいは税金を外に表示するのか。例えばレジのところへ行って一〇三%掛けて計算をするようにするのか。そういう点は今回の法律ではどちらでもいいと、こういうことになっておるわけでありますが、ある店は外税で、ある店は内税という、そういうことでは非常に消費者も戸惑うし、また、いろいろな業界の縦の系列においても非常に混乱があると思うんですが、そういう点の話し合いというのはまだできないわけでしょう。
○国務大臣(田村元君) 大方の御意見は外税志向のようでございますけれども、御承知のように中小小売業者の中にはなお両論があるようでございます。何とかこれを調整していただくようにこれ からも努力をしなければならないと思っておりますが、大勢は外税というようなことのように我々は受けとめております。
○塩出啓典君 こういう問題について、午前中の質疑で、独禁法の適用を除外して、そういう業界において表示方法を、あるいは価格の転嫁の方法を話し合いをすることは独禁法の適用除外とする、こういうお話もあったわけでございますが、しかし、いずれにしても、法律がもし通ったとしても、この話し合いができるのは年が明けてからと。そういうことになると、実際に四月までに相談ができるのかどうか。例えば表示方法等についてはやはりある程度大まかな原則を示すとか、そういう点は公正取引委員会としては考えていないのかどうか、この点をお伺いをいたします。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま仰せになりましたように、その表示の方法、内書きにするか、あるいは外書きにするか、あるいは店頭に買い上げの時点でレジで消費税相当分を価格に上乗せするという表示をするか、これはもとより事業者相互の話し合いで共同行為が行われるわけであります。もちろん、公正取引委員会にお届けをいただかなきゃならぬわけでありますが、そのほかに、そういう共同行為に至らなくても事業者団体がその業界で内書きにするのか、あるいは外書きにするのかといったようないわば標準をつくりまして団体に示す。ただし、それが拘束力を持ってまいりますと、共同行為としての届け出をいただかなきゃなりませんけれども、むしろひな形を見せて、もちろんそれに従うかどうかは構成員の自由に任せるということなら、そういった事業者団体の行為についてあえて独禁法上問擬されることはない。そういったいろんな方法をその業界に適した方法で対応していただくということになろうかと思います。
○塩出啓典君 特に、これは通産大臣にお尋ねをいたしますが、例えば外税の課税業者の場合、レジのところで加算をする。そういう場合にこのレジもPOSレジとかメカレジとかいろいろ新しいものから古いものがございまして、非常に古いレジなどは、ともかく百円プラス百円プラス百円でないと計算できない、そういうところは買いかえをしなくちゃならない。けれども、最近のレジはそれぞれ商売によって違いがあり、ある意味では注文生産のような状況である。だからそう簡単にはいかない。さらには、非常に進んでおるPOSレジの場合等はソフトを変えなくちゃいかぬ。自分の会社にソフトの専門家がいる場合は少ないわけでありまして、それぞれ専門家に頼む。そうするとやはり専門家の数は限られていますし、そういう場合には物理的にも半年やそれ以上はかかる、こういう意見もあるわけでありますが、通産省はそういう実態はお調べになっておるんでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 詳しいことは事務方から御説明いたさせますが、私が受けております報告によりますと、小売店舗等の電子レジスター買いかえ需要と現行電子レジの生産規模とをあわせ考えますと、少なくとも初めての納税時点までには買いかえは行えるものと考えておると、こういうことでございます。 通産省で推計いたしたものを申し上げますと、小売業のうち大型小売店舗におきましては電子レジが三十万台程度導入されております。また、全国で四十四万店程度存在する売上高三千万円超の中小小売店舗の電子レジスターの普及状況は約五〇%程度と思考されております。これらの小売店舗の電子レジスターの買いかえ需要が予想されるところでございますが、そういうことを考えましても、仮に中小小売店舗で一店舗一レジスターとすると二十二万台程度、一店舗で二つ要るとして四十四万台程度というのならば、少なくとも初めての納税時点までには買いかえは行えるものというふうに推定をいたしております。
○塩出啓典君 これ納税は年末締め切って二カ月以内ですから六十五年の二月が納期になるわけですけれども、これはもう四月一日が始まれば毎日それをつけなくちゃいけないわけですから、そういう点で非常に見方が甘い。やっぱり業界の人の意見は、大蔵省は現場を知らない、そういう声が非常にあるということを私は申し上げておきたいと思います。そういう意味で、総理、よくまじめな納税者の声も聞いて、そして物事を進めてもらいたい、このことを要望しておきます。 それで、例えば具体的な問題でございますが、タクシー料金の場合は、個人タクシーは非課税、法人タクシーでも大きいところは課税業者になるわけで、そういう場合はどうなのか。あるいは書店等もこれは店によって値段が変わるということは、現在の再販問題がどうなるのかということが非常に心配されるわけでありますが、それについてはどのような方針で臨まれるのか。
○政府委員(阿部雅昭君) タクシー運賃の件についてお答えいたします。 現在のタクシー運賃は、事業者間でコストにそれぞれ若干の差はありますが、利用者の利便を考慮いたしまして、同一地域同一運賃という原則を適用してきております。このような考え方は、消費税の導入に当たっても変更する必要はないものと私ども考えておりまして、課税業者あるいは免税事業者も同一の運賃を認めるということを今後も考えてまいりたい。そのような取り扱いも便乗値上げと言うには当たらないものと、そのように考えております。
○政府委員(梅澤節男君) 独禁法で限定的に認められております再販商品、ただいま委員がおっしゃいましたように書籍、新聞、雑誌等の著作物のほかに医薬品、一般医薬品でございますが、それから一定額以下の化粧品、それぞれ品目が限定されております。これらのものにつきましては、メーカーなど、著作物でございますと出版社、新聞社ということになるかと思いますが、どのような再販価格を設定するかは、もとより事業者の価格政策と申しますか、自由な判断ということになるわけでございます。 公正取引委員会が問題にいたしますのは、そういった価格づけが消費者の利益を不当に害していないかどうか、今の消費税の転嫁に即して申し上げれば、その再販価格の改定が消費税の相当額を上回った価格設定がされて、それに合理的な理由がない場合にはこれは認められないわけでありますが、そうでない限りは再販価格をどういうふうに設定するかということは事業者の自由でございます。 また、その末端の小売業者が、ある小売店は免税業者であり、ある小売店は課税業者であるということであった場合に、それじゃ、それぞれ別々に再販価格を決めなきゃいかぬのかということがあるわけでありますけれども、これは現在でもそれぞれの小売店のマージン率は違うわけでございますが、それぞれに、それでも統一の再販価格を認めておるというのがこの再販制度でございますので、先ほど申しましたように、消費者の利益を害するような不当な値上げでない限りは、これは統一の価格を設定するということは問題がないということになると思います。
○塩出啓典君 農水大臣にお尋ねをいたしますが、今農業は大変御存じのように厳しい状況にあります。牛肉・オレンジの自由化、あるいは米の自由化圧力、そういう中で今回消費税が導入されますと、農機具、肥料、そういう農家あるいは漁民が購入するものはすべて三%アップするわけでありますが、一方、農産物の価格というものは、あるものは市場で決まる、またあるものは政府が決める。そういうわけで、農家みずからが三%アップをするわけにはいかない。価格の決定権は農家以外にあるわけでありまして、そういう点で今回の消費税がただでさえ厳しい農業経営に非常な影響を及ぼすのではないか、そういう点を憂慮するわけでありますが、農水省としてはどのような御見解か、お伺いをしておきます。
○国務大臣(佐藤隆君) 農林水産にかかわるものについての影響をお尋ねでございますが、冒頭ちょっと免税事業者の占める割合、このことを先に申し上げておきたいと思います。数字はそう新しいものではございませんけれども、農家四百三十 万戸のうち九九・六%が免税である。森林所有者二百八十万人のうち九九・九%は免税である。漁業経営については、二百二十万七千経営体について九四・七%免税であるということになっております。 またさらに、お尋ねの消費税は、先ほど来お話が出ておりますように、基本的には消費者に転嫁することを予定した税であることから、消費税額の円滑な転嫁が行われれば農林水産業者がその負担をすることにはならないものと考えております。 しかし、おっしゃいますように、農産物には行政価格やあるいは卸売市場における競り取引の対象となるものが多いこと等の事情もございますので、その円滑な転嫁を図るために行政価格については、その対象となるものについて消費税の導入に伴う影響を織り込んで算定をするということにしなければならぬわけであります。また、競り取引につきましては、競り価格に税額三%分を上乗せする方法を採用すること、これを考えておるところでございます。そういうことで円滑な転嫁のための環境整備について適切に対処してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○塩出啓典君 特に市場関係は、前回は非課税でございましたから、売上税のときには。そういう意味で大変いろいろな中央からの指導、情報も届いていないようで、そういう点適切に対応するように努力をしていただきたいと思います。 それから、今回の消費税の導入に伴い国税庁の仕事量もふえるんではないか。昨年の売上税のときには、六百名増員を計画しておりました。今回は、将来にわたってどの程度の税務職員の増加が必要なのか、そういう点は大蔵省は全く明らかにしていない。全然ふやさなくても今の体制でいけるのかどうか。課税業者、消費税を納めるのは、三千万以上の業者は全部納めなければいけないわけですから、そういう点どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(伊藤博行君) 消費税の執行に当たりましては、先生御案内のように既存の個別消費税が廃止されます。したがいまして、そういった廃止に伴う要員の活用あるいは税務事務全般にわたりまして効率化を図る。さらには電算処理を一層推進してまいるというようなことで、可能な限り簡素また効率的な執行体制で臨んでまいりたいというふうに考えております。ただ、そうは申しましても、消費税の導入に伴いまして事務量がかなりの程度増加することも見込まれます。これに要する人員も相当程度になろうかと思いますので、先ほど申し上げましたような効率化を十分図っても、なお必要となります増員につきましては、その確保に努めてまいりたいというふうに考えております。 具体的な計数等につきましては、現在、私ども部内で所要事務量あるいは執行方法あるいは執行体制等鋭意検討中でございますが、細部について、その辺が固まりませんと積算がしにくい部分もございます。そういう意味で、現段階において具体的な計数を申し上げるのは困難であるという点は御理解を賜りたいと思いますが、今後、細部が詰まりました段階で、関係方面の御理解を得ながら所要の増員の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
○塩出啓典君 総理も御存じのように、米国は一九八四年に付加価値税導入を検討した際、最終的には二万人の税務職員の増員が必要との理由で採用を取りやめたわけでございます。また先般のレーガン税制改革の最終報告書もそのことは書いておるようでございますが、やはり税制の改正は、ただ税法だけではなしに、税法の及ぼす影響、税務職員をふやさなければならないか、減らすことはできるのか、あるいは事業者の事務負担の問題、これも全然データはありません。そういう点をやはり含めて、総合的に検討して進むべきものであると思います。 レーガンの税制改革は、御存じのように、八四年一月二十五日に一般教書で方針を述べ、八四年十一月に財務省案、八五年五月二十八日に大統領案、第二のアメリカ革命を目指してキャンペーンをして、そしてそういうすべてにわたって検討して、その結果、八七年一月から発効の税制が出ておるわけでありまして、私は、いやしくも税制の改革においては小さな部分だけを見るのではなしに、総合的に検討していくべきであると思うのでございますが、その点、総理のお考えをお伺いしておきます。
○国務大臣(竹下登君) レーガン税制改正のこれまた手順についてお話がございました。確かに、あれの進め方につきましては私どもも参考になることがあったとも思っておりますし、あるとも思っておるところでございます。 ただ、このたびのこの新鋭であります消費税の問題については、何分十年間の議論がなされておりますので、これが手順につきましては、私は率直に言って、先ほども話がありましたが、三%の単一税率というようなこと、またこれは理論的にいろいろな議論がございますけれども、いわゆる簡易納税方式とか帳簿方式とかというものの事業者に対する御説明、広報宣伝活動というのは、私は十分にこの期間でやり得るものであるという前提の上に立っておるわけでございます。 〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕 一方、今度は徴税事務が事業量が多くなってまいります。このことにつきましては、これは塩出委員、いわゆる税務職員全般の問題にも実際はなるわけでございます。不公正の問題について、よく言われる徴税上の問題から、かかる不公正などというのはむしろ増員することによって実調率等を上げていけばいいじゃないかというようなこともたびたび本院等でも御議論をいただいたわけでございますが、何分、行政改革というものから人員削減というものをやっておりますと、確かにその任に当たった場合そこに悩みがございます。人員削減、行政改革ということを言いながら、自分の所管、私も大蔵大臣でありましただけに、そこの増員ということになりますと、本当に機械化等をしながらも、なお必ず必要なところでやっと国会の議決等に基づいて二けたになりましたといっても、それが十一人であったりした例もあるわけでございますが、必要なこの体制というものは、機械化、人員の確保等を含めてこれは確実なものにしていかなきゃならぬというふうに基本的に考えておるわけでございます。そういう点については、また行革、人員削減とは若干反する傾向にございますけれども、御声援のほどをお願いいたします。
○塩出啓典君 今回は法人税一兆八千億の減税、それから所得税、住民税の三兆三千億の減税、その財源として広く薄く消費税になったわけでございます。私は今回の改正で中堅所得層の減税、これは評価できると思うのでありますが、高額所得者の大幅減税、また法人税を減税するということにはいささか異論があります。 政府は、今日までたびたび、日本の法人税は実効税率を比較して西ドイツの次に高い、そういう意味で高過ぎる、また所得税も税率は高い、これでは優秀な企業とか高額所得者が外国へ逃げてしまう、だから、国際化時代を迎えてそれを低くしなきゃならないという、そういうことを言ってきておるわけでございますが、実際に外国へ税金が高いために逃げたような例はあるんでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 法人税率につきましては、昭和五〇年代半ばぐらいまではほとんどの水準が五〇%前後の実効税率でございました。それがこの数年に急速に下がってまいりまして、アメリカでは三四%になる、イギリスが三五%になる。これはこの一両年と申しますか、両三年のことでございます。これだけの差が出てまいりますと当然そういうことは考えられるところでございますが、最近におきまして急激に下がってきたという点を考慮いたしますと、今までこうした件数が何件あったかということもさることながら、これからの点につきましては、この点は十分配慮する必要があるわけでございます。現実にも、最近の海外直接投資の動向、それから経営者の考え方につきましてのアンケート調査等々によります と、そうした兆候は十分うかがえるところでございます。
○塩出啓典君 答弁になっていないということのないようにひとつやっていただきたいと思います。 今、主税局長はアメリカが法人税を下げたと。けれども、私が聞いているのは、法人税率は下がったけれども、法人税全体としては課税ベースを広げて増税である、このように聞いておりますが、主税局長どうなんでしょうか。
○政府委員(水野勝君) おっしゃる事実はございます。法人税率を五二%から三五%に下げておりますが、増減収計算では一年間で平均二百億ドルぐらいの増収となっております。そうした数字を見ると御指摘のとおりでございますが、その大半は投資税額控除、これの廃止によるものでございまして、これがアメリカ経済にむしろかなり産業別にも偏った効果を与えておったということからこうした措置がとられたものと聞いております。したがいまして、こうした適用を受けている会社、法人につきましては、むしろそうした措置の廃止によりまして増収といいますか増税になっておりますが、一般的な会社につきましては、とにかく五二%が三五%に下げられたということは大きな変化であろうかと思うわけでございます。
○塩出啓典君 これは大事な国会の答弁ですから、主税局長も正確に、非常に大蔵省にとって有利な点だけを強調する答弁は改めてもらいたい。このことを要望しておきます。 総理、そういう海外へ逃げる危険性も、それはあるかもしれませんけれども、日本の国のよさは、貧富の差が少ない、そして工場へ行っても、工場長も社員も同じ食堂で飯を食っている。そういう差がないということが日本企業の強さじゃないかと言われておるわけであります。そういう意味で、今回の税制改革はさらに貧富の差を拡大するのではないか。海外へ逃げる心配のある人も考えなくちゃいけないけれども、海外へ逃げるにも逃げられない日本の産業を支えてきたやはり大衆というものを考えていかなければならないということを強く申し上げたいわけでございます。 さらに、法人税が非常に高い、そのように言われますが、確かに実効税率だけ見ますとそれは西ドイツに次いで高いかもしれませんが、日本は御存じのように土地の含み益、株の含み益、先般問題になっておりますリクルートコスモス株においても八百四万株は金融機関等のところへ行っておるわけでありまして、そういうのも売却しない限りは含み益になって税金はかからない。日本証券研究所の試算によりますと、昭和六十年度東証一部上場企業の土地含みは二百兆円である。そういう含み益を計算すると我が国の法人税は、税率はむしろ二四%という試算もあるわけでありますが、そういう意味で法人税も、やはりただ税率だけではない、全体を見て比較をしていかなければならないんではないか。今、金融機関の世界ベストテンを見ましても、我が国の金融機関がもうベストテンの五位、六位まで並んでいる。ベストテンの七つか八つまでは日本の金融機関だ。こういう状況を見ると、法人税が高いと言っても私は国民は理解しないと思うんですね。 それからまた個人の所得税も、いわゆる我が国はキャピタルゲインというものが全然非課税である。アメリカ等はもう全部課税、そして証券取引も仮名や借名は禁止されておる。我が国はそういうものはまだきちっとしていない。そういうことで、ただ税制改革に都合のいい面のみを強調するのではなしに、そういう全体で見ていかなくちゃいかぬ。高額所得者の税率を下げるならば、やっぱりキャピタルゲイン課税も総合課税にする。そういうように総合課税にするならもっと下げてもいいんじゃないか。国際化時代と言うけれども、都合のいいところだけ国際化で、都合の悪いところは、日本は全然外国と違うと、これでは話にならないと思うんですね。 そういう意味で、今回の改正案は撤回をして、最初からもう一回そういう点も含めて出直すべきである、このように考えるわけでありますが、竹下総理の御見解を承っておきます。
○国務大臣(竹下登君) 都合のいいところだけ取り上げてこれを喧伝する、これは政治家として最も慎むべきことだと私も思っております。したがいまして、今同感と私が言いたかったことの一つは、いわゆる企業が逃げていく、そういうことのないような国をつくるというのが私は本来あるべきことであると思います。その意味においては同感であります。 それ以上にもっと指摘されなきゃならぬ問題は、むしろタックスヘーブンというような問題における税の逃避地というようなものの調整というようなことが、やっぱりこの国会等で議論されて逐次是正されていく方向にあるということは、むしろ現実的な対応ではなかろうかというふうに思うわけでございます。 我が国にはいっぱいいいところがございます。今法人の問題についてお触れになりましたが、法人が経営者もそしてまた勤労者の方も一体となって努力されるから、それが国の経済全体に裨益しておるわけでございますし、また、金融機関の所得等が確かに日本の金融機関が高いということは、それだけ世界に冠たる貯蓄意欲のある国民の貯蓄を有利に運用しておるというその努力とも受けとめられると思うわけであります。 そうした高次元のお話を聞きながら、そういうものを背景に、今次の税制が立派に今後機能していくように私も努力をいたしてまいりますので、御協力のほどを心からお願いを申し上げる次第であります。
○理事(斎藤十朗君) 次に、近藤忠孝君の質疑を行います。近藤君。
○近藤忠孝君 総理、今、国民が強く求めておりますことはリクルート疑惑の全容解明とその責任を明らかにすることだと思います。そして、公約違反、国会決議違反の消費税法案の審議はもってのほかだということであります。ところが、政府・自民党はこれを無視いたしまして、衆議院において強行採決を繰り返しました。参議院においては、梶木委員長みずから参議院らしい審議をすると、こういう言明をしておったんですが、当委員会でもこういう国会のルールを踏みにじって、十二月九日でありますが、公聴会開催を強行決定してしまったわけであります。これは、法案の各党の質疑が一巡した上で決めるべき公聴会を、法案の審議日程の協議さえまだ確定していなかったのです、あの時期は。その段階で我々の強い反対を押し切って強行をしたことは、これは議会制民主主義に対する侵害であります。これは強く抗議をいたします。公聴会決定を白紙に戻すことを私は強く要求するものであります。これは委員長の方です。 それで、宮澤辞任問題であります。 この強行決定は、宮澤大蔵大臣の辞任と引きかえに六法案強行成立の条件を固めよう、こうしたものでありますが、みずからの名義によるリクルートコスモス株疑惑と、たび重なるうその答弁で引責辞任に追い込まれた宮澤さんの辞任をリクルート疑惑隠しと公約違反の消費税導入のために利用することは断じて許せない、これが私は国民の声だと思います。リクルート株でぼろもうけをした政治家には税制改革を語る資格がないと思います。我が党は、リクルート全容徹底解明のために従来からこの委員会及び理事会におきまして要求してきた証人の喚問、そして議院証言法による資料の提出を断固求めるものでありますが、まず委員長の見解をお願いしたいと思います。
○理事(斎藤十朗君) 先ほどの委員会の運営につきましては、各党代表の理事で協議の上行っておるものであります。それらの経緯については近藤委員十分御承知のとおりでありますので、御了解をいただきたいと思います。 それから、今の協議の点については理事会において協議中でございますから、引き続き協議をいたします。
○近藤忠孝君 この議院証言法による資料の提出とか証人喚問問題、理事会でうまく進んでいないから私この場で言ったんですよ。 まず、総理、宮澤問題につきましては、昨日の答弁によりますと、宮澤さん辞任の理由は、一つは秘書がリクルート事件に関係し、国会における説明が適切でなかった。もう一つは、税制法案成立の障害になってはならない。これが理由だと答弁されました。税制法案成立の障害になってはならないと言うんですが、ここで障害というのはあるいは邪魔だということ、これはリクルート疑惑追及のことだと私は思うんです。いつまでもこれをここで追及されておったんじゃ審議が停滞して法案成立の邪魔になるということなんですね。要するにリクルート疑惑徹底解明という国民世論が消費税の前には邪魔者扱いされたということだと思うんです。 そこで総理、リクルート疑惑解明が本当に消費税成立のために邪魔なんですか。まずその見解をお聞きしたい。
○国務大臣(竹下登君) リクルート問題の解明が消費税の邪魔になるという断定の仕方を私もしたことはございません。今の近藤委員はそういう断定の上に思って私の所見を求められたわけでございますが、私はそのように断定をいたしておりません。
○近藤忠孝君 しかし、国民はどうもそうとっているのが私は実際のところだと思うんです。 それから、国会における説明が的確でなかったと言うんですが、問題は、現職の大蔵大臣宮澤喜一名義のインサイダー的株取引があったことが問題じゃないんですか。それから、宮澤さんが国会の場でうそをついたということこそが辞任の理由だったんじゃないんでしょうか、どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) まず一つ、インサイダー取引的なものがあったというふうには私は思っておりません。正確に申し上げましたように、国会での説明が的確でなかったということは私申し上げましたが、インサイダー取引的云々ということは申しておりません。 それからもう一つは……
○近藤忠孝君 国会の場でうそをついた。
○国務大臣(竹下登君) 国会の場では、信頼する宮澤さんがお話しなさったこと、それは結果としてその訂正があったにしても、うそをつかれたというふうには私は思っておりません。
○近藤忠孝君 河合氏を取引の当事者にした、十三回ノーコメント繰り返して。 〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕 あのときに大体あれはうそだ、作り事だという、これはもうぴんときましたよ。あれがぴんとこないんじゃ、これはとても困るんですね。そしてさらに、最後の釈明が矛盾に満ちたもの。それが次々に崩れて、さらに証拠の提出さえできなかった。この責任を問われたんじゃないのですか。
○国務大臣(竹下登君) だれもが間違いを訂正することはございます。最初からうそをつこうと思って言うということとはおのずから別であるというふうに思っておるところでございます。参議院での税制審議に当たってその責任をおとりになったということで、私も信頼する宮澤さんの申し出でございますから、それを了と、受け取ったと、こういうことが事実でございます。
○近藤忠孝君 随分これは弱い弁明だと思うんですね。 総理、宮澤さんの答弁がくるくる変わる、これどういう感じでお聞きになっておりましたか。大体、閣僚が国会の場で事実と明らかに違ったこと、もう結果的に明らかになったことですね、これ。その責任をどうとらえておるんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 自己の調査で過ちがあったことに対して、これを正直に訂正をされたというふうに私は思っておるところでございます。
○近藤忠孝君 国民はそういうぐあいには受け取っていないんで、もともと作り事、宮澤さんが実際かんだかもしれぬ作り事、かんだとしか考えられない。こういう経過がこの委員会で明らかになってきたと思うんです。これを信頼するということでかばい続け、しかも副総理・大蔵大臣という要職に据えてきた総理自身の責任も私は重大だと思うんです。うそをついた御本人がやめるのはこれはもう当然です。しかし、私は、総理自身のかばってきた責任も大きいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 信頼したということは今でも変わりません。その信頼したことがけしからぬとおっしゃれば、それは私はそれなりに受けとめて結構だと思います、人それぞれ考え方の自由はあろうかと思いますから。
○近藤忠孝君 じゃ、まだ信頼しているんでしょうか。私は、税制六法案の主管大臣が責任をとって辞任した以上この法案はもうやめにしまして、改めて国民の信を問うべきだと思うんですが、また、これは国民も求めている点です、どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 確かに信頼し任命した宮澤大臣が、正確に言えば閣議請議大臣でございます、自治大臣ともどもに。そしてそれを閣議決定して政府案になるわけであります。その政府案を今度は国会提出の閣議決定をするわけであります。それは内閣一体の責任であります。その主宰者は私でございます。したがって、その責任を私が、行政組織法第五条でございますか、によってみずからその職に当たるということでもって私なりに皆様方に姿勢を示そうと思っておるところでございます。
○近藤忠孝君 大蔵大臣を竹下さんみずからが兼務をしたということですが、私はあなたもそういうことを言える立場にないんだということを申し上げたいんです。ということは、総理自身もこれはリクルート疑惑の重要な一人であります。秘書青木伊平氏の二千株、縁戚関係の福田勝之氏名義の一万株で、これは宮澤さんよりも多いんです。総理、なぜこの株が総理関係者のところに来たと思いますか。
○国務大臣(竹下登君) これは、もって取り次がれた第三者の意思ということを推しはかることはなかなか難しいことだと思います。よしんば私なりに一つの想像を立てたといたしましても、それは個人に関する問題でございますから非礼にも当たりますので、想像をたくましくした上の議論は差し控えるのが妥当だと思っております。
○近藤忠孝君 これ合理的な推定は、竹下さんが大蔵大臣時代に江副氏を政府税調特別委員に任命したことに対する謝礼、これは大変合理的な推定です。それから、贈られた時期が六十一年九月というのはまた重大なことです。これは、ことし七月十八日の最高裁決定で、こういう内容ですね。間近に予定されている上場時にはその価格が確実に値上がりが見込まれるもの、第二に、これを取得することがこれらの会社と特別の関係にない一般人にとっては極めて困難であることという事実関係を認定いたしました。こういうものはわいろだと判断したわけでありますが、総理の一万二千株にもこれはずばりと当てはまるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 言論の自由は大切にいたしますので、近藤さんが近藤さんの合理的推察として言われることにけしからぬなどという非礼なことを申し上げようとは私は思いませんが、私自身がかかわった問題ではございませんので、その前提となります、あるいは委員への任命でございますとか、あるいは株式上場の時期でございますとかということを私自身のケースとして適用するという考え方にはノーと申し上げるべきであろうと思います。
○近藤忠孝君 私の推定は合理的であります。そして、これは国民のまた推測でもあります。そうである以上、総理みずからこの一万二千株について全容を明らかにする必要があると思います。 まず、青木伊平氏への二千株について聞きます。 総理は、この青木関係二千株について約定書を見たと答弁しておりますね。実際見ているんですから、この内容をひとつ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 約定書は約定書でございまして、ちゃんと約定書と書いてあって、内容が書いてあって、譲り渡し人と譲り受け人というも のが約定書でございます。それ以外何か特別に申し上げることはございません。
○近藤忠孝君 そういうのをおとぼけ答弁というんですね。それはもう一般にそんなのはわかっておるんで、問題はその具体的内容、同月何日とか当事者の名前、これが必要なんです。これ国会に提出すべきですよ。提出できませんか。
○国務大臣(竹下登君) 国会へ提出すべきだということを御決定なさるのは国会であるといつも申しておるわけでございます。ただ、私が申しますのは、いつでも人の名前が公の場所に出ましたり、そういうことをまあ徳とすべきものじゃないなという私自身の一つの考え方があるものでございますから、どうぞ国会でその辺も御勘案の上御相談いただければというふうに謹んで申し上げておるわけでございます。
○近藤忠孝君 これ当委員会に出てきた三人の証人も質問に対して、自分の関係の資料を出しますと答弁しています。民間人でさえ出すんですから、出せない理由はない。委員会で決めるとおっしゃるんだけれども、委員会、先ほど言ったとおり、竹下さんかばうかどうかわかりませんが、なかなかこれ進まないんですよ。 しかし委員長、きのう総理は、委員会が決めれば出すとおっしゃったんですから、これぜひお決めいただきたいと思います。
○委員長(梶木又三君) 理事会で協議をいたします。
○橋本敦君 関連。
○委員長(梶木又三君) 関連質疑を許します。橋本君。
○橋本敦君 総理が今のような態度をとられるから、国民の世論は竹下総理及び竹下内閣にはこのリクルート疑惑の徹底解明の真剣な誠意はない、こう見ているんじゃありませんか。 例えば、先日の朝日新聞ごらんになったでしょう。この世論調査では、「これまでの国会審議で、リクルート疑惑はほぼ解明された」と、こう考えているのはわずか三%ですよ。圧倒的多数の八六%が疑惑は未解明だと、こう答えている。そしてそのコメントを見ますと、「「未解明」とみる人は、社会、共産支持層でともに九三%と高く」、次が大事です、「竹下内閣を支持する層や自民支持層でも、それぞれ八三%、八五%」だと、こう厳しく批判しているんです。私は当然だと思います。この国民の真剣な声、本当に総理みずからは責任を持って真剣に受けとめられておられるのですか、まずこのことを聞きます。
○国務大臣(竹下登君) 世論調査は、私はいつの場合でもこれを真剣に受けとめておるところでございます。 橋本委員の考え方それ自身はそれとして、私の考えと違っておりましても、それは素直に受けとめるべきものであるといつもそのように思っております。
○橋本敦君 それならば、みずからの責任で積極的に疑惑を進んで解明されるべきであります。 宮澤前蔵相の答弁がくるくる変わったということで国会証言として大問題になりました。実は総理、あなたの国会での答弁もよく検討してみると変わっておるんです。 我が党が十月十一日に初めて、いわゆるドゥ・ベストという会社、ここに第三者割り当てで割り当てられた株式のこのドゥ・ベスト名義の株が青木伊平さんのところにも行っているという事実を公表しました。それまでこの青木伊平氏の問題については、どこから買い受けたのかという問題については触れない、ある経済人だ、こう言っていました。我が党がこれを公表すると答弁が変わって、これはドゥ・ベスト名義の株を譲り受けたということに変わりました。そして、そのある経済人はリクルート関係者からだ、こう変わりました。この事実は間違いないですね。
○国務大臣(竹下登君) 事実の経過は否定いたしませんが、一つ申しますならば、私は約定書を持ってまいりましたので、貴党が御調査なさったので、それを後追いをして申し上げたというつもりはございません。 それから、ある経済人がリクルート社の関係者ということも、経済人であることは事実でございますから、うそをついたという考えは持っておりません。
○橋本敦君 何か底が見えているような答弁に思いますね。 そこで、総理、まだあるんです。このある経済人とはだれか明らかにすべきだと言ったことに対して、総理は、それは迷惑がかかるから言えない、時にはそれを言わないのが私の生きざまだとまであなたはおっしゃった。しかしその後、生きざまという答弁は訂正された。そして、それがだれかということは言えないということから変わって、慎重にしなきゃならぬというように変わりました。 我が党の松本議員の質問に対してあなたはどう答えられたかといいますと、その問題については、これは慎重に間違いないように答えなきゃならぬので、青木に対してよく記憶を思い出すようにと言っておるのでございますと、こうなりました。明らかに変わっておるんです。そして、変わった結果、いいですか、次から次へと事実が明らかになったら変わってくるわけですが、その結果、青木氏によく思い出すようにと指示されたんですから、リクルート関係者というのはだれなのか、思い出したかどうか明確にお答えください。
○国務大臣(竹下登君) 私は生きざまということを訂正したわけじゃございませんが、人様の名誉に関することを国会の場で人様の名前を出すなどということは私の生きざまには合いませんと、こう申したことはございます。 くるくる変わったとおっしゃっておりますが、別に私は変わったとは思っておりません。第三者の名前を出すときには確かに迷惑のかかることでございますから、それは慎重であらねばならぬと今でも思っております。そうして、率直に言って、だれであったかということになりました場合、複数の人が連想されますが、もしその人が間違っておったというような場合にこそ大変な御迷惑がかかることになるというので、確定するというところにまでいっていないという報告を受けております。
○橋本敦君 記憶を呼び起こしても確定しないということは何人かが思い浮かぶということでしょう。江副氏は証人としてここに出席をして、宮澤前蔵相の服部秘書官のところへ江副氏の指示で人をやった。それは間宮常務かまたは小野室長だと、こうはっきり証言しました。隠していないんです、贈った側が。いいですか。だから、間宮常務か小野室長か、こういう名前まで出ているんですから、そういう名前も含めて今思い出しつつあると、こういう意味ですか。
○国務大臣(竹下登君) それは今のお二方のうちであったといたしましても、だったと思いますなどということは、やはり私は国会議員として申し上げるべきことではないと思っております。確定できないというのが現在の状況でございます。
○橋本敦君 それなら、もう一度江副氏あるいは青木氏を証人喚問するしかないです。それがはっきりしないなどということは常識に反する。 そこで総理、あなたの関係について言うなら、この二千株にとどまらず、あなたの御親戚の株式会社福田組の関係者である福田勝之さんのところにビッグウェイという会社名義の株が一万株行っている事実が明らかになりました。これもこの事実が公にされてから初めてこのことを認められるということになったんですが、公になるまでにあなたは知っていたのじゃありませんか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は先ほどの問題とは違います。
○橋本敦君 違ったかどうか。
○国務大臣(竹下登君) いや、私にも少し発言をさせていただきたいと思いますが、この問題は日本社会党の資料の発表がございまして、それを見て、その後青木者から私のところへ報告があった、こういう事実でございます。それまでは存じておりませんでした。
○橋本敦君 そうですか。こういう新聞記事があ りますよ。十一月十日の夕刊です。あなたが朝私邸を出て官邸に向かわれるときに、新聞記者がこの問題を聞きましたね。そのときにこの問題について、青木元秘書から報告は前に受けていなかったんですかという質問が飛び出して、いや聞いておったと、こう一言言って車に乗り込んだという記事がある。これは私は非常に重大な記事だと思う。どうですか、こう言われたんですか。
○国務大臣(竹下登君) 一つ一つ覚えておりません。
○橋本敦君 覚えていらっしゃらないこともあり得るでしょうが、この記述は重大なことです。 私はきのう、この株の名義人である福田勝之氏本人に電話で聞きました。そうすると福田氏は、全く私は関係ありません、知りませんでした、新聞に出るまで全然知らなかったんです、こう言いました。ところが、あなたは、これが公になってから会社をお休みになっているので不審に思われる節があるんですが、どうですかと聞きますと、それは予定どおり休暇をとって、その休暇をもらって予定どおり四日間か五日間の休暇が終わって、またもとへ勤務していますから、特にくらましたとかなんとかいうことではないんですと、こう言いました。本当に知らないということがわかりました。 それでは、この株は一体だれが買ったかということになるのですが、その前に小沢官房副長官、お越しいただいておりますので、官房副長官にも聞きたいのでありますが、官房副長官はこの青木氏の義理のお兄さんに当たられる。この事実は聞いて知っておられたのですか。
○政府委員(小沢一郎君) 青木氏とはそういう関係にありません。
○橋本敦君 失礼しました。福田勝之氏です。
○政府委員(小沢一郎君) 福田勝之は私の愚妻の弟であります。
○橋本敦君 ですから、この事実は以前から知っていらっしゃいましたかという質問です。
○政府委員(小沢一郎君) 十一月九日の夕方に、社会党がビッグウェイ関連のということでリストが発表になりました。その晩に私そのリストを見まして福田勝之という名前がありましたものですから、私は全くそれまで関知しないことだったものですから、どういうことだと驚いて連絡をとっておったわけであります。そこへちょうど青木伊平氏が相談したいということで来まして、そこで初めて、先生も御存じのように、青木さんから説明を聞きました。そういう時点で初めて知ったということであります。
○橋本敦君 官房副長官の今の答弁が疑わしいんです。 手元に十日、まさにその日の新潟日報の夕刊がございます。この夕刊で福田組の社長の福田正氏は、十日の朝慌ただしく記者会見をされてこう言っていますよ。「同社長は「私は経済人。政治にはノータッチ」としながらも」、株譲渡のことはこれが昨日、つまり九日「午後二時ごろ、小沢さん(官房副長官)からの電話で知った」と、こうはっきり言っているという記事があるんです。社会党が発表したのは九日の夕方でしょう。福田社長の午後二時ごろあなたから電話を受けたという事実が間違いないならば、あなたは社会党の発表以前に知っていると、こうなります。こういう疑問があるから聞いているんです。福田社長の発言は、事実に反してうそを言われる必要はないでしょう。
○政府委員(小沢一郎君) 多分、それは夜中の二時の話だと思います。
○橋本敦君 えらい大きく変わってきました。 そうしますと、あなたと青木氏がこれは大変だというので、竹下総理の私邸に急遽駆けつけたのが十日の午前零時過ぎ、真夜中であった。そこでいろいろ話をして、そしてその後午前二時ごろ福田氏に相談の結果電話を入れたと、こういう趣旨でおっしゃるのですか。はっきりここには「午後二時」と書いてあるのですよ。
○政府委員(小沢一郎君) 先ほどの話、もう少し総理のところへ行くまでのことをちょっとつけ加えて申し上げます。
○橋本敦君 短く。
○政府委員(小沢一郎君) はい。 青木伊平氏からこうこうこういうことだという話が私にありました。現在リクルートの問題については世間でも国会でもいろいろと議論になっておる、そして青木伊平氏ということになりますと竹下総理との関連で議論されがちである、そういう立場からしてもこれは総理に事実を報告しておくべきである、そういうふうに私、青木さんに申し上げました。そして、一緒に来てくれということであったので、その晩に行ったということであります。 それから、その福田社長の、多分午前二時だと思いますけれども、それはまず第一義的には勝之に連絡をとったりいたしましたし、そしてまた、福田社長に対しましてもその前にも連絡を何度かとっております。そういう中で本人は、そのごろの時間ということで申したのだろうと思います。先生御指摘のような経過であったわけではございません。
○橋本敦君 あなた方はすべて否定をされるということなんですが、疑問は消え去りません。 そこで、総理、この福田勝之氏というのは、わかりやすく言いますと、総理の弟さんで秘書でいらっしゃる竹下亘さんの奥さんの御兄弟、間違いございませんね。そして、実際に勝之氏は知らないということですが、この株を青木氏からの話で譲り受けたというのはお父さんの福田正氏だというように福田氏は言うんですが、本当にそのとおりですか。
○国務大臣(竹下登君) 青木君の報告で、これは幹事長に取り次ぐような話ではないというので、信頼関係のある福田さんの方へお取り次ぎしたというふうに承っております。
○橋本敦君 それでは、もう一つ疑問があるんです。 青木氏が、竹下幹事長に来た株なんだが、幹事長に取り次ぐ話じゃないというので親しい福田社長に取り次いだ、こう言うんですけれども、なぜ息子さんの名義にしなきゃならないのか、本人の名義で譲り受けたらいいじゃないですか、株の取引や売買するのに、住所が新潟であれ東京であれ関係ありませんからぬ。なぜ福田正氏の名前にしなかったのか、お聞きになっていますか。
○国務大臣(竹下登君) これは御家族内の問題でございますし、私からお答えする筋合いのものではなかろうと思います。ただ、私自身が今でも感じておりますのは、若い青年でございます。その名前がこうして議論されることになったということは、やはり申しわけないことをしたなという気持ちでいっぱいでございます。
○橋本敦君 総理は十二月一日の答弁で、「福田さんを御紹介申し上げたという事実を私自身も承知いたしておるわけでございます。ただ、その福田さんの御子息の名前になっておったというようなところまでは率直に言って私の調査が及んでいなかった」、こう述べていますね。だから、息子さんの名前だということがわかるまでに、福田さんのところへ紹介したということは知っておったという意味じゃないんですか。今言ったように言っていますよ。
○国務大臣(竹下登君) 青木秘書が参りまして、これは社会党の資料発表を見てからのことでございますが、この福田勝之さんは福田さんの御子息であるということをそのときに知りました。
○橋本敦君 そうすると、また答弁の趣旨が変わってくることになるんですよね。 それでは具体的に聞きますけれども、約定書はどこで、だれとだれとの間にこの一万株については交わしていますか。そしてまた、金の払い込みがいつで、どこから振り込んだのか。そして、福田社長の言明によりますと、店頭公開直後に売って約二千二百万円の利益があったということも言っておられますが、それはどこに入金されたのか、調べられておりますか。
○国務大臣(竹下登君) 他人様のことを調べる考えはございません。
○橋本敦君 他人様の問題ではないから私は聞いているんです。もともとあなたのところへ来た一万株でしょうが。だから青木元秘書は、本当ならあなたに取り次ぐべきだけれども、取り次ぐ話ではないと、こう思ったので、親しい福田さんに回した、こう言うんでしょう。あなたの御親戚でしょう。しかもあなたの弟さんの亘さんは、この福田組の監査役までしておられる。親戚である。要するに、あなたの身近なところです。そこへリクルートの疑惑の株が一万株行って、総理であるあなた自身が解明の責任を負っているときに、他人様のことだから調べるつもりはないなどという態度をとることは、私は絶対に許されぬと思う。はっきり調べて、私が指摘した事実はきちっと報告すべきです。どうですか。
○国務大臣(竹下登君) そのことは、しかし橋本委員、考えてみましょう。私にも私なりの考え方がございます。私なりに調査すべきもの等の限界も、みずからの果たすべき役割も知っております。しかし、きょうここで、あたかもあなたの御質問に対して、一々その証拠の裏づけをするような御質問に対して私がお答えをする場としてここを考えるというのは、お互い国民の代表として考えるべきことではなかろうかという私なりの印象を持ったわけでございます。(発言する者多し)
○橋本敦君 納得できません。
○委員長(梶木又三君) 静粛にしてください。
○橋本敦君 納得できません。 総理自身が十二月一日、当委員会でどうおっしゃっていますか。矢田部委員の質問に対して、「何月何日どういうふうにしたかということについてはここでお答えすべき問題であるかどうかわかりませんが」と言った上で、結論としてこうおっしゃっています。「私なりに、話を聞けない間柄じゃございませんから、聞いてみるべきなのかなと、こういう今感じを持ってお話を承っておったところでございます」、そのとおりです。 あなたの親しい御親戚で、そしてあなたが聞けば聞けない人でないんですから、まさに国会を挙げてこの解明をやろうとしておるときに、聞いて、そしてきちっと国会に報告する、当然じゃありませんか。もう一遍答えてください。あなた自身の答弁と矛盾するんですよ。
○国務大臣(竹下登君) いや、決して矛盾しているとは思いません。
○橋本敦君 どうしてですか。
○国務大臣(竹下登君) また今、矢田部さんにもいつもちゃんとしたお答えをしておりますし、また上田さんに対しましても、あなたはこの人からもらったではないですかという質問を受けたときも、私はそれに対して、そんなところで人様の名前を出すものではないなどとは申しませんでした。その人々の言論の自由は十分保障したいと思います。しかし、おのずから節度があると思いますので、私は私の考える節度の中で誠心誠意物事は明らかにしていきたいと、このように思っておるということをいつも申し上げておるところでございます。
○橋本敦君 答弁をすりかえては困ります。 私は、この約定書について、あるいはいつどこでどういう契約と代金の払い込みがどうされたかについて改めて第三者の名前を出しては言っていませんよ。福田社長みずから記者会見をして、自分が買ったと言っておられる。ただ、問題の約定書とか正式の証拠書類が一切出されていないから、本当に事実はどうかという疑問があるので、まさに総理の身辺の重大な疑惑にかかわる問題ですから、あなたは話を聞けば聞けない間柄じゃありませんとまで国会で言っていますから、これについて調べるのは当たり前じゃないですか、こう言っているんですよ。絶対にこれはあなたは調べられるし、調べるべきです。調べて国会に報告してください。どうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは私は、私にも関係ないし、そして福田さんにも何ら刑法に触れるようなことはございませんということならいつでも申し上げます。しかし、今のようなことを国会でお尋ねになって、それに対して答えるのが良識か、あるいはたしなめるのが良識かと私は思うんです、いつでも。不規則発言がございましても、私いつでもそれに対して抗議しないように言っております。しかし……
○橋本敦君 もういいです。
○国務大臣(竹下登君) いや、もういいなんて言うものじゃありません。あなただけが自分の時間を独占するという考え方は持たないで……
○橋本敦君 時間は限られているし……。
○国務大臣(竹下登君) それはよくわかっておりますが、こういう問題につきましては静かに話せば、私なりにお話しできることは幾らでもございますし、その点についてここでとやかく議論をしようというふうには思っておりませんが、お互いの節度というものだけは大事にしたいものだという私なりの御要望を申し上げたと、このように理解していただければ結構でございます。
○橋本敦君 冗談じゃありませんよ。節度がないのはあなたの方です。つまり、徹底解明するという政治家の責任と節度がないのはあなたの方ですよ。あなたはこの問題が出たときに新聞記者に対してどう言ったか。これは十一月十日の朝日新聞の記事ですが、「善意から取り次いだことであっても、最終的には自分の責任に帰する。不徳のいたすところだ」とはっきり言ったでしょう。——うなずいていらっしゃる。だから、これを明らかにするのは、あなたの国会と国民に対する責務じゃないですか。絶対納得できません、明らかにしてください。
○国務大臣(竹下登君) 人様に迷惑をかけてはいけない。私自身がどのような批判を受けても、これはいつでも結構だと思っております。したがって、結果として善意の行為であったとしても、それが人様に迷惑をかけたということは私の不徳である。だから私に関することは、やはり私の考え方の範囲の中でいつでもはっきりしていこうというのが私の考え方でございます。
○橋本敦君 絶対納得できません。 青木民は、あなたのところへ来た株、あなたは幹事長をしているから取り次ぐべきでない、こう言っているんですよね。いいですか。そしてまた最高裁の決定によれば、特別の者しか譲り受けることのできない値上がり確実の非公開株というのは、それ自体は職務権限いかんによってはわいろ性を持つ、こう言っているでしょう。まさに九月三十日というのは、江副氏みずからが十月に入って早々、店頭公開直前にこの株を最低価格、つまり公開価格四千六十円とみずからが決める直前なんです、値上がり確実なんです。それがあなたの身辺に行った、こういうことですよ。 だから、この疑惑をあなたが徹底解明するのは総理としても政治家としても当然のことじゃありませんか。それをやらないというのは、まさに先ほど国民の世論には真剣にこたえるとおっしゃった言葉が、言葉だけで真実ではないということを天下に明らかにすることになりますよ。約定書その他出してください。宮澤大蔵大臣が辞任せざるを得なかったのは、売買約定書だとかあるいは株式の売買計算書だとか、具体的な自分の主張を証明する資料が出せなかったからでしょう。あなたがこれを出さない、出す意思もないというなら、宮澤大蔵大臣と同じ過ちを犯すことになりませんか、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 人様のことを申し上げようとは私は思いません。宮澤さんは宮澤さん、私は私でございます。 したがって、私は、いつも申しておりますのは、国会の国政調査権の中で議論していただいて、良識を持って議論していただいて、こういうものは公のところへ出すべきものだとか、あるいは上田さんや矢田部さんに時々申したことがありますが、あなたと私の個人関係なら出せるものもあるよとかというようなことを、これは多少冗談も含めて申し上げたことがございますけれども、おのずから節度のあるものでございまして、売買約定書でございますとかそうしたものを青木君はたまたま保管をしておりました。率直に申しまして、法人側の保管はあり得ますが、個人側の保管とい うのはままないことが多うございますが、きちょうめんでございますのでそれらを保管しておりまして、それから通帳の出と入りとかそんなことは全部わかっておりますものの、それらに対する国政調査権に対する対応の仕方というのは、どうか良識の中で相談してやってください、こう申しておるわけでございます。私自身は決して逃げようと思っておりません。 それからもう一つ、幹事長の私のところへ持ってきたという意味ではございません。だれか適当な人はいないかということで、これは別に私に相談することではないから、したがって信頼関係のある方にお取り次ぎをしたということでございますので、私なりに少し時間をとったようでこざいますが、それでも気を使いながら時間をとらないようにお答えしたところでございます。
○橋本敦君 随分と回り道で時間をとられましたよ、大変にとられた。いいですか、青木元秘書は幹事長に取り次ぐ話ではない、こう言っている意味は重大ですよ、そんな弁解聞けません。 そして、青木氏の約定書を見たと言うんだから、青木氏の約定書も出してください。福田氏の売買契約約定書も出す、計算書も出す、当然です。 委員長、出させてください。国会の議決によってじゃなくて、みずから進んで出すのが当然だ、どうですか委員長、出すように指示してください。
○委員長(梶木又三君) 先ほど近藤君のときに申し上げました。理事会で協議すると申し上げました。
○橋本敦君 じゃ、理事会で協議するということで承っておきます。 私どもは議院証言法によって国会の議決で提出するということを明白に主張しておりますが、それと同時に委員長もお聞きのように、青木氏が言っていることと首相の答弁とは食い違いだって出てきておる、真相はまだまだ解明されない。そしてまたこれを福田さんの方に紹介したその趣旨について、実際売買約定書、どこでやったのか、福田社長は、竹下事務所を訪れたときに青木氏からこの話があって、竹下事務所で直ちに承諾をしたと、こう言っておる。この事実も明らかにしなきゃいけません。竹下首相が答弁されたように、あなたと無縁なことじゃないんだ、あなたの事務所でできた話だと福田さんは言っておるんです。こういう関係で青木氏を証人喚問するのは私は絶対当然であり必要だと思います。委員長、お取り計らいよろしく願います。
○委員長(梶木又三君) 前々からこの要求は出ております。理事会で協議中でございます。
○橋本敦君 いつも協議中ということで委員会の場では済まされるんですが、本当に解明するために呼ばなけりゃなりません。 最後に、私は総理に、国民の世論を真剣に受けとめると、こうおっしゃったわけですが、こういうようなリクルート解明の姿勢がないことが天下に明らかですから、あなたの内閣の支持率はどんどん下がって、不支持率がどんどん上がって今や逆転した。こういうことになったのは新聞でごらんのとおりです。 具体的に言いますならば、不支持がふえて四七%、支持は二九%、こうなっているのは当然です。私どもはリクルート疑惑徹底解明をやろうとしない竹下内閣は総辞職すべきだと、こう言っておりますが、まさにそれは国民の声になってきておる。近々、新聞報道によりますとあなたは内閣改造をされる、そしてリクルート関係議員は排除するなどとこう新聞に書いてありますが、私どもは改造などもちろん賛成しませんが、リクルート議員を排除するというなら私はあなたみずからも排除するのが当たり前だ、こういう話になるのじゃないかと思いますよ。私は、この責任をきっぱりとってリクルート疑惑の徹底解明、それを本当にやらないような内閣は総辞職すべきだということを重ねて主張して、関連ですからこの辺で終わりたいと思います。 以上です。
○国務大臣(竹下登君) 発言を求めるべきかどうかちょっとちゅうちょいたしましたが、はっきり申し上げておかなきゃいかぬことがございます。直ちに総辞職をする考えはございません。
○近藤忠孝君 今の橋本議員とのやりとりで、総理がリクルート解明に極めて消極的だということが浮き彫りになったと思います。 そこで、リクルート関係最後の質問ですが、今の青木秘書関係、福田氏関係ですね、それ以外に竹下総理関係身辺でほかにリクルート関連の株を譲り受けていないと断言できますか。あなたの身内関係でこの二人以外にリクルート関係株を譲り受けている人がいないと断言できるかどうか。もしこれ出てきましたら宮澤さんじゃないけれども総理をやめる、そういうぐらいの責任を持ってそれを答弁できますか。
○国務大臣(竹下登君) いつもわかったことはわかったようにちゃんと報告しておるわけでございます。
○近藤忠孝君 もし出たらばやめるかということに対してはお答えにならなかったけれども、私はやめるべきだと思いますね。 それで、税制問題に入ります。 この税制関係法案、もうこれは、これを提案した政府とそして自民党の中枢がリクルート疑惑の中心におるということ。それだけじゃなくて、政府税調の方もいわゆる暴れ馬ということで当時の中曽根総理大臣が政府税調に送り込んだその者がリクルートに汚染されているわけであります。これが次々と明らかになっています。 まず江副氏は、税の痛みを感じている側の代表として積極的に発言していく、こう言いました。その後リクルート株を譲り受けたことがはっきりしました飯島清氏、評論家でありますが、暴れ馬とは国民の不幸、不満を敏感に感じているということだと、大変厚かましい発言をして政府税調特別委員に就任したわけであります。 江副氏は、これエコノミスト誌上で、一億総高額所得者、こう言っているんですね、一億総高額所得者。そして、こういうリクルート関連株がぬれ手でアワで、不労所得で入っても株の売買だということで税金を払わない。私はこういう意味ではこの税調も汚染されている。こういう人々の合作、政府もそうですし税調もそうですから、もうこの法案も汚染されているんです。内容が大変ひどいものです。 昨年の売上税のときには国民の反発を恐れまして食料、医療、教育、これは原則非課税でありました。ですから、家計の消費支出に対する課税割合は四割程度でありましたが、今度の消費税はこれは大変ひどく、原則非課税なし、要するにオール課税です。これは我が党の工藤議員の衆議院における追及で政府が認めた点ですが、家計の消費支出に対する課税割合は九割、ですから売上税のときの二倍なんですね。 まず質問です。人間の命を維持する上で欠くことのできない水、食料、こういうものに対してこれは非課税にするとか、あるいはせめて軽減税率にするのが世界の常識であります。イギリスはゼロ税率、フランス、西ドイツは軽減税率、韓国でも水や未加工の農林水産物は非課税であります。ところが、この消費税は生きるための水、食料にも一律課税であります。大蔵大臣、今度大蔵大臣です。世界で大型間接税を導入しているのは六十数カ国ありますけれども、食料、水にも一律課税なんというこんな国はほかにありますか。
○政府委員(水野勝君) この種の税を世界におきまして一番最近に導入いたしました中の一つの国としてニュージーランド、これは標準税率一〇%でございますが、このニュージーランドの立法例におきましては、こうした御指摘のようなものも含めましてすべて一〇%といたしておると聞いておるところでございます。それから、フランス、ドイツは軽減税率ではございますが、フランスでございますと水、食料品五・五%、西ドイツ七%となってございます。
○近藤忠孝君 軽減税率は何も聞いていませんよ。一律課税と言ったんだから。一律課税が、六十数カ国ある中でニュージーランド、余り経済力 も大きくないその国たった一つです。スウェーデンでは水、これは非課税ですね。大体どこにも一律課税なんて国はないんです。 人間が生活することに金がかかるだけじゃないんです。今、婦人が怒っておるのは、赤ちゃんを産むお産の費用に税金がかかるんですね。ヨーロッパでは命の出発点であるお産は社会保険医療の対象でありまして、当然これは非課税であります。ところが日本は、お産は医療にあらずということで社会保険医療から外されているだけじゃなくて、消費税がかかることになります。お産のどこが消費なのか。お産に課税している国はありますか。どうですか大蔵大臣、お産に課税している国。
○政府委員(水野勝君) ヨーロッパ諸国ではおおむね医療は非課税といたしているようでございます。それから出産につきましても、これは家計の消費支出の一費目でございますので、その他の消費項目と同等に扱わきしていただきまして、三%ということで御提案しているところでございます。
○近藤忠孝君 私の質問は、こんな国はほかにあるかと聞いたんだけれど、ないから今のような答弁なんです。だから婦人が本当に怒っている。 それから次に、精神の米とも言うべき新聞、雑誌、書籍、ここに一律課税している国がありますか。新聞などはイギリスはゼロ税率、フランス、西ドイツは軽減税率、韓国では非課税。答弁、一律課税の国があるか。軽減はいいですよ。
○政府委員(水野勝君) ただいま申し上げましたニュージーランドでございます。
○近藤忠孝君 今ニュージーランドだけなんですね、六十幾つある中で。 要するに、生計費丸々課税です。世界に例を見ないこれはもう最悪の大型間接税だと私は言うべきだと思います。生まれる、命を維持するための食事、要するに人間が人間として成り立つすべてに税金をかけて、さらに葬式費用も課税ですから、あの世に行っても税金をかけてくる、こういうものであります。 幾つか比較してみますと、何カラットものダイヤモンドなどは今まで一五%の物品税、これが一挙に三%で済みますね。五分の一なんです。逆に、子供のおもちゃにも同じ三%の税金ですね。これが公平なのか。それからベンツ、キャデラック、リンカーン、これも三年後には乳母車と同じ三%。こんなことが本当に公平なんですか。これは大蔵大臣、ひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 税の議論をいたしますときにはできるだけ情緒的感情的議論はしないというのが私は税の静かな議論のあり方だというふうにいつも思っておるところでございます。したがって、声が大きくなりますと、先ほど聞いておりましてもお産に税がかかると、お産にはかかりません、お産の費用にかかる、こういうことだと思っておりますので、お互いやっぱりその辺は静かな対応が好ましいんじゃないかな、こんな感じで聞いておりました。 やっぱり三%というのは大変な低い税率でございます。それを広く薄くお互いが生存をするための社会共通の経費をその段階で負担しよう、こういう論理でございますから、それはそれとしての公平性がある。いわゆる消費の多寡によって比例的な公平のある税制、これがいわゆる一律の消費税率の定め方でございますから、そこから議論をしていくべきではないかな、こんな感じで聞いておりました。
○近藤忠孝君 全然情緒的じゃなくて、私は具体的な事実をここで指摘をしております。お産費用の問題、時間がなくて費用をちょっと抜かしたところが若干ありましたけれども、比較をしますと、何百万円もする高級毛皮と赤ちゃんのおむつも同じです。これが本当に公平かという、これに対して全然答弁がないということは——答弁なかったじゃないですか、情緒的な云々で、全然答弁ありませんよ。じゃ、これ答えてください。今度は高級毛皮と赤ちゃんのおむつです。
○国務大臣(竹下登君) 二百万する物にも三%、二万円する物にも三%、二千円する物にも三%、これが比例的な公平ということでございますので、一つ一つの問題についての問題は比例的公平ということで先ほども御説明を申し上げましたわけでございます。
○近藤忠孝君 おむつにまで税金かけるというので、これは今全国の婦人が本当に怒っているということは指摘をしておきます。 これまで税金を払いたくても払えない課税最低限以下の低所得者世帯、それから生活保護世帯、年金世帯、母子世帯、多少重複するところがありますけれども、しかしこういう層には減税の恩恵はほとんど、特に課税最低限以下は絶対及ばないですね。しかし、この階層に新たに消費税が課税されるわけであります。生活必需品には選択の余地はなくて、これは消費税は最大の不公平税制だと指摘もしてまいりました。減税の恩恵を全く受けることなく、最低生活費そのものに新しく課税される者が大変ふえるんですが、およそどのくらいの数になると総理お考えでしょう。これは主税局長じゃなくて、総理の大体の感じでいいです。
○国務大臣(竹下登君) 正確なことを申し上げたいから向こうの方から。
○近藤忠孝君 局長だったらよろしいわ、私の方で言っちゃいます。 正確に言いますと、給与所得者、これは課税最低限以下、六百五十一万人です。事業所得者三百九十八万人。これだけで一千万人超えるんです。これに対して年金受給者、税金払う場合もありますけれども、しかし二千二百四十六万人、さらに生活保護世帯七十万九千世帯、母子世帯五十二万世帯。ですから、はっきりしているものが約一千万を超えて、さらに足しますと干数百万の人、みんなぎりぎりの生活です。この人々は、ともかく今回の減税の効果全くなし、そして消費税がかかる、要するに新しく税金がかかる、こんなに多くの層に、こんなしかも生活ぎりぎりのところへかける、こんなの本当に公平なのか、公正なのか、お答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 基本的に、いわゆる社会共通の経費を広く薄く負担するということを否定した前提のもとに立って私は議論をいただこうとは思っておりません。社会共通の経費を広く薄くちょうだいしようということからして、今度の消費税導入の意義の一つがそこにあるわけでございます。しかし、それに伴って今、近藤委員からお話のありましたようなことも懸念の一つの表明でございます。これについては歳出で中和できるもの、あるいは他の税制との組み合わせの中で中和できるもの等々、きょうもいろんな議論がございましたが、いわゆる生活保護、そして課税最低限、その中間対策をいかにするかというところまで今きめ細かく議論していただいておるわけでございますから、その辺への議論をいただくことをお願い申し上げたいところでございます。
○近藤忠孝君 歳出で措置をすると答弁がありましたが、これはとんでもないごまかしです。というのは、所得はあるけれども課税最低限以下の低所得者、これは歳出で措置しようがないじゃないですか。どういう措置をするんですか。わかりませんか。所得はあるけれども課税最低限以下、さっき私が挙げた約一千万の人々ですね、これは所得があるんですから生活保護対象じゃないですよ。歳出でどういう措置をなさいますか。措置しようがないじゃないですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる各種手当等で中和できるところがございます。課税最低限と生活保護の中間の層に対しても、歳出で手当てのできる分もあるというところで検討をいたしておるところでございます。
○近藤忠孝君 そんなものないですよ。あったら具体的に挙げてほしいですね。 歳出措置の話になりますが、現に生活保護は切り捨てて、しかも窓口で締め出している、受給者は一年間で二万六千人減らされています。生活保護予算は六百億円も余しています。こういう政府のやっていることを見れば、福祉のためとか高齢 化社会のためとかいうのはまさしくごまかしです。政府は、福祉ビジョンで年金支給年齢を六十五歳に改悪しようとしております。現在の厚生年金の新規平均支給額はモデルで年二百二十二万。支給年齢を六十五歳に引き上げますと、五年間で一人当たり一千万以上も早く言えばお年寄りから取り上げるということになりますね。これが私は、歳出歳出と言いますけれども、まさしく政府の高齢化社会対策の実態だと思います。 高齢化社会への対応のために消費税が必要だというんですが、宮澤前大蔵大臣はその根拠をこう述べていました。これは総理もそばでお聞きになっておったけれども、今度いよいよ大蔵大臣ですからこの議論をしてみたいと思うんですが、現在六十五歳以上の老人と生産年齢人口、十五歳から六十四歳までの比率は一対六、それが二〇〇〇年には一対四になり、二〇一〇年には一対三ということになりますと、それだけの費用を若い人が直接税の形で負担できるものなんだろうか。所得税という形で今六・六人がしょっているものを三人にしょわせることが可能なのか、みんなで薄く広くという消費税が必要になると思いますと、こういうことで私も議論してきましたけれども、これは竹下大蔵大臣も同じ考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは福祉対策と限定をした場合に、目的税議論等を誘発してもなりませんから、社会共通の経費とでも申しましょうか、それを広く薄くというのは一つの基本的な考え方でございます。
○近藤忠孝君 今言った一対六が一対三になる。要するに、倍ないし三倍も働き手の負担がふえるから消費税が必要だというこの理屈、理由ですね、これについては同じ考えかと聞いておるのです。
○国務大臣(竹下登君) 将来の歳出を現行の福祉政策を前提にそのまま置いた場合に、今のような数値が出てくるということは一つの歳出例としてとった場合はそれで結構だと思います。
○近藤忠孝君 この点は宮澤さん、むきになって主張していましたね。若干遠慮しいしい自信なげに言われましたけれども、六人で一人を支えるのが将来三人あるいは二人で一人となると、いかにも大変のように聞こえますが、この計算は私と宮澤さんで何度も議論して、これはもう決着済みです。宮澤さんの負けなんです。もうここの予算委員会でもやりましたよ。働く人、つまり生産年齢人口は、これは全人口を支えているわけですから、問題は生産年齢人口と全人口の関係が問題だと思います。 そこで厚生省、生産年齢人口は今も二〇二五年も七千三百万人台だと思います。総人口は二〇二五年には今より約一一%ふえるぐらいになるんだと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(末次彬君) ただいまお尋ねのございました二〇二五年でございますが、二〇二五年と申しますと年金、医療等の社会的経費を要します六十五歳以上人口が今と比較いたしまして一千九百万人増加いたしまして現在の二・五倍、三千百四十七万人になるわけでございまして、まさに本格的な高齢化社会の中にあるわけでございますが……
○近藤忠孝君 そんなことを聞いてない。総人口。
○政府委員(末次彬君) その際の我が国の総人口は、現在に比べまして千三百五十九万人増加いたしまして、一億三千四百六十四万人、約一一・二%の伸びになるということでございます。
○近藤忠孝君 最後の部分だけ言ってもらえればよかったんです。要するに、将来重荷が二倍から三倍になるかのように言うんですが、わずか一一%ふえるにすぎないんです、人口としては。そしてそれだけじゃなくて、全人口を実際に支えているのは生産年齢人口ではなくて実際に仕事についている就業者人口です。就業者数は現在五千八百七万人、これは働き手は自分も含めてやるわけですから、一人で養うわけですから、一人当たり二・〇八人を支えることになるんです。 労働省、二〇一〇年にはこの就業者人口はどれほどになりますか。結論だけで結構です。
○政府委員(甘粕啓介君) 二〇一〇年の就業者数は六千四百八十万人程度というふうに推定しております。
○近藤忠孝君 これで計算しますと、就業者、実際仕事をする人は一人当たり二・一人、現在とほとんど変わらないんですね、それを支えることになります。それで二〇二五年も就業者の数が同じだとしますと、就業者、実際働く人一人当たり二・〇八人、大体二・一という線で、一人で二人を支えるという点では現在も将来も変わりがないわけであります。それで婦人の社会進出、それから労働時間の短縮による失業者の吸収によって就業者はもっとふえると思いますね。六人で一人を支えるのが二人で一人になり負担が三倍になるという、これは誤った宣伝ですよ。こういう宣伝は総理、やめるべきじゃありませんか。こういうのを情緒的宣伝と言うんですよ。
○国務大臣(竹下登君) 今の質問にお答えいたします。 近藤委員の御質問はユーモアもありますし、しかし宮澤さんの負けだとか、おまえはごまかしだとか断定的な言葉は私は余り使わないようにしておるということをまず申し上げておきます。 そこで、今の問題は近藤委員のかねての持論でございまして、私もそれは承知しております。だから情緒的ではないが、現状の仕組み、制度、経済状態をそのままに置いた計算をした場合、宮澤さんのおっしゃったことはあり得るわけでございます、三対一が六対一というのは。また、子供が減っていくということ、それから稼得人口というのを、婦人の職場への進出とか、あるいは雇用の機会を大いに拡大したりすることによってふやすということは政策上私どもも努めなきゃいかぬことだと思っております。しかし、その議論じゃけしからぬとおっしゃることが多いからいろんな将来にわたるビジョンを出しますけれども、間々議論をしますのは、現状の施策、制度をそのままに置いた形の将来展望というものを見た議論をいたします場合、宮澤さんのおっしゃっておるあの理屈というのは成り立ち得る理屈だ、ごまかしではない、そして、あなたと宮澤さんの議論が勝った負けたではないというふうに、私はそのお話は大蔵大臣時代にも何回か聞いたことがありますが、持論とでも申しましょうか、勝ち負けの問題じゃない。一つの議論のアプローチの仕方だなと思ってそれは評価しております。
○近藤忠孝君 宮澤さんも私の考え、そういう考え方もあると認めざるを得なくなったんですね。お年寄りがふえますと、おっしゃるとおり金が余分にかかるのは当然です。しかし三倍になるかのようなこういう誇大宣伝、これはやっぱりはっきりしましたよね。しかも、これが日本の経済力からすればわずかの経済成長で十分賄える費用ですよ。高齢化社会のためということで国民をだまして、そして消費税を通して、今度、通した途端にさっき言ったように年金の大改革、どうもこれが竹下手法だと見ざるを得ません。こういう数字や実態をごまかしてまでなぜ高齢化社会、高齢化社会と言うのか。本当の内容は私は二つあると思うんです。 第一は、消費税導入の本当の目的は、これは大軍拡と大企業奉仕の財源である、その目的を隠すこと。現に、皆さん笑っておるけれどとんでもない。ブッシュ・アメリカ次期政権は、軍事費と戦略援助合わせてGNP三%にせよと公然と要求をしておりますね。 第二は、近い将来税率を引き上げていくためだと思うんです。消費税の税率の歯どめはどこにあるのかという質問は何度もありました。これに対して総理は、国会が決めること、竹下内閣の間は引き上げない、こういう答弁でありました。そうしますと、竹下内閣が一体いつまで続くのか、これがどうも引き上げの時期と関係しますね。そして、先ほど橋本委員の方から世論調査の結果がありましたね。もう不支持の方がずっと支持の倍以上になっている。となりますと、竹下内閣は国民から完全に見放されているんじゃないか。ですか ら、竹下内閣の間は税率は引き上げないというのは、次の内閣では引き上げるかもしれない。こういうことになりませんか。
○国務大臣(竹下登君) まず、竹下内閣のときは引き上げない、こう申しました。私が提案する資格がないとでも申しましょうか、あるいはしないということも含めて申し上げておるわけでありますが、私、いつも思うのでございますけれども、やはりだんだん近藤さんや私どもよりもっともっと知能指数の高い国民が日本にたくさんふえてくると思うんです、率直に、将来。その際にいろいろなことをお考えになる、その考え方を未来永劫に縛ってしまうというのは、一こまに生きる我々としてやっぱり考えなきゃいかぬかな、いつもそういうことを思っておるのです。だから竹下内閣のときは上げないというのは、未来永劫に縛ってはならないという私のむしろ良心からして申し上げておるのでございます、率直なところが。考え方の基礎が一つそこにあるのじゃないかなと思います。 それから、軍拡云々という御意見もございましたが、私にも幾ばくかここでお話しする時間をお与えいただくとすれば、今まで確かに昭和五十四年暮れの決議のときなどは、いろいろプロ同士で話ししたときには福祉目的税的な考えがあったかもしれません。あるいは財政再建税的な考え方もあったと思います。あるいはまた海外協力税というような考え方の議論もしてまいりましたが、防衛費目的税という議論は私どもはしたことがございません。したがって、私の考えのはるか外にあるということでございます。あるいは近藤さんの頭の中にはあるかもしれませんが、私どもの考えの全く外に存在しておる考え方でございます。
○近藤忠孝君 私も総理もそんな知能指数の低い話はしてないと私は思っています。 総理は、もう一つの理由として国会が決めることだと言うんですね。しかしこれは本当に当てにならぬです。大体今まで自民党政府がやってきた具体的事実がはっきり証明しています。まさしく圧倒的多数の声を無視して強行採決で衆議院を通過させてしまった。当委員会でも公聴会強行、多数なら何をしてもいい、こういうことでは、国会が決めるという従来の答弁もこれは何ら歯どめにもならないということを申し上げておきたいと思います。 大体、総理自身、約束を守ったためしないですよ。これは一九八六年の衆参ダブル選挙で大型間接税は導入しないと自民党は公約した。これを公然と踏みにじった。さらに一般消費税導入せずとした国会決議、時の大蔵大臣でありながらこれも踏みにじった。しゃにむに消費税を導入しようとしているわけであります。私はこういうことではなく、やはり公約違反の消費税は断念すべきだということを申し上げて次に進みたいと思います。 物価への影響です。ちょっと資料を配付してください。
○委員長(梶木又三君) 近藤君の資料の配付を許します。 〔資料配付〕
○近藤忠孝君 公約や国会決議を無残に踏みにじる点から出発しておりますから、この消費税の中身も問題だらけであります。 まず、物価への影響です。EC諸国で大型間接税である付加価値税を導入したときに物価が上昇いたしました。デンマーク、ノルウェー、オランダでは導入の前後一年間で六から一〇%物価上昇がありました。これらの国は新たな導入ではなくて、既にあった取引高税などの合理化としての大型間接税であって、物価上昇はあり得ないという前提だったけれど、実際は上昇したわけですね。私、ここに資料を持っていますけれども、特にオランダは一九六九年にEC型付加価値税を導入したときに、オランダ政府の方はこれによる物価上昇率を一・四%と見込んでおったところが、実際は七・五%も上昇してその後ずっと上がったという事実を国民に正直に知らせるべきだと思う。しかしそれを知らせずに進もうとしているわけですが、こういう世界で起きている状況は、総理、国民に知らせるべきじゃありませんか。
○国務大臣(竹下登君) 議会制民主主義というのは、一つの見方からすると知る権利というものと知らす義務というものがあるわけでございますから、いろんなことを啓蒙するということは大いに必要なことだと思っております。ただ、消費税導入の際の消費者物価の議論というのはこれからあるのでございましょうが、今までお答えいたしておりますように、一度だけ上がるというのはこれは転嫁すべき税でございますからそうなることは当然でありますが、これが便乗値上げを誘発するというようなことのないように、これからもいろんな角度から注意をしていかなきゃならぬというふうな考え方に立っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 今も言われたとおり、間接税は価格の一部として負担するので、その分、物価が上昇します。これは政府の書物にもありますね。問題はこの消費税導入によってどの程度の率で物価が上がるのか、これについては先ほど一・一%という答弁がありました。一・一%、そんな低いのかなというのがこれは国民の実際の感覚です。何しろ原則非課税なし、ほとんどのものに税金がかかる、しかも三%ですからね、こんな低いことは考えられないんですよ。 そこで、これは総務庁統計局作成の昭和六十年基準指数用品目情報一覧をもとに詳細な計算をいたしました。お手元に資料が行っておりますけれども、要するに全体の品目のウエートを一万としますね。そして課税品目、非課税品目、調整品目というのは物品税などの関係で下がるというそういう関係の部分なんです。そして、この三つに分類してそれぞれがどの程度上がるかを検討してみました。 各品目、今言った一万点ですが、まず大部分の品目はこれは課税品目六千五百六十二点です。ほとんどですね。これが大半です。それに三%上乗せになることは当然ですので、それは六千七百五十九、これですね。この分、物価が上がります。 そして今度は非課税品目ですが、非課税だから全然上がらぬかというと、そうじゃないんです。非課税も上がることはこれは大蔵省も認めております。非課税のウエートは千五百七ですが、例えば診察料にしましても薬や医療機器が上がります。それから学校の授業料にしましても、物件費が上がりますからこれに伴って引き上げざるを得ない。お手元に行っているこの資料で計算してみました。この資料は全部これは大蔵省からきちっととったもので、何度も突き合わせたものですから間違いないです。そうしますと、これが千五百七、現在ウエートが。そういうもので上がりますので千五百三十九、若干物価が上がりますね。 それじゃ調整品目はどうなのか。これにつきましては、物品税や電気税が消費税に吸収されて値段が下がるというわけですが、しかしこれは大蔵省が発表しておりますように大して下がるわけじゃありません。特に今まで免税点があったガス税、それから寝具類の物品税にしましても、大体庶民の買う物は今までほとんど課税されていなかったわけですから、逆にこれは三%丸々上がるという、こういうことにもなります。そして全部計算をしてみますと、この調整品目は千九百三十一であったものが千九百十一、若干下がるということであります。 そこで、以上三つの分類ごとの計算を合計しますと、トータル一万点のウエートが消費税導入によって一万二百九、要するに物価は二・〇九%上がることになります。仮に免税業者が丸々三%値上げしないなどの要素を最大限これは政府の言うとおり考慮しましても、物価は一・八八%は上がると、横に書いてあります。 〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕 そこで大蔵省に聞きます。単純に課税対象になる品目については、消費税導入によって基本的に三%物価が上昇すると思う。今言ったとおりですね。免税業者などの中小企業特例の影響を入れても三%近く上がるんじゃありませんか。間違いないか答弁いただきたい。
○政府委員(勝村坦郎君) ただいまお示しいただきました資料と我々の計算との比較につきましてちょっと申し上げたいと思います。 まず、私たちの計算の原則でございますが、これは何度か御説明をいたしておりますように、消費税については完全に転嫁をされるということを原則にいたしまして、それでこれは共産党の御計算と同じでありますが、物品税並びに非課税品目につきましてはコストの上昇分以上の上昇はないと、こういう前提が一つございます。 それからもう一つ、税負担額がふえる以外の転嫁ということはないという原則で計算をいたしておりまして、これは言葉をかえて申しますと、免税事業者等は自己の事業の付加価値、マージンにかかります税率を価格には転嫁をしないという前提で計算をしてございます。この前提につきましては、午前中にもいろいろ御議論もございましたところでありますが、この共産党の御計算に関する限りは免税業者等は転嫁をしないというふうに御考慮なさっているようでございますので、そこは原則は共通しているかと思います。 もう一つ、私たちの計算方法といたしましては、例えばこういう物品税の引き下げあるいは免税業者の存在ということを、間接的な効果というものを考慮いたしまして、産業連関表という手法を用いましてそれがそれだけ三%よりも低い価格で先に販売される、それがさらにほかの産業に波及をしていくという計算をいたしているわけでございます。 それで、実は、この資料をいただきまして検討させていただいたのでございますけれども、個々の品目につきましてそれぞれが何%、我々の計算は何%で共産党の計算は何%という比較を一々することが非常に困難でございます。それで、ちょっと目についたと申しますか、一般的な、恐らく違うのではないかということを申し上げることにとどまらざるを得ないわけでございますけれども、一つは、さっき第三の前提として申しました間接的効果というのをこれは御計算になっていないのかなというふうに感じましたが、そこはあるいは私が誤っているかもしれません。ただ、間接効果を入れますと我々の計算はもっと低くなる、結論は初年度一・二%、平年度は一・一%という計算になっております。間接効果がどうかという点が一点ございます。 それからもう一つ、一番最初の単純課税対象で家賃・間代とその他にお分けになっておりまして、その他の内訳がどういうことになっているのか、これは前回衆議院で議論いたしましたとき三%が二・九二%に下がっておりますが、この内容がちょっといま一つつまびらかにならないわけでありますが、明らかになっておりますのは家賃・間代の一・九一%の上昇であります。それから、それをそのまま移した非課税品目の第一の持ち家の帰属家賃の一・九一という数字でございますが、ちょっと時間の関係もございますので余り細かいことを申し上げるのは避けますけれども、家賃というのは実はごく一部の新築家屋の負担分が消費税によって影響を受けるわけでございまして、私たちの計算ではとても家賃が一・九一%上がることにはならないと思います。また、上の家賃はこれは公営家賃を含んでおりまして、それがそのまま民間家賃の上昇率に移行するということもないのではないだろうかというふうに思います。 それから、もう一点だけ申し上げておきますと、免税業者が転嫁をしないという前提で計算をしておりますが、消費者物価ということでいいますと、例えば小売でありますとか、サービスでありますとか、それから農業もそうでありますし、ただいま申しました家賃もそうでありますが、非常に産業全般よりも免税業者の比率がかなり高うございます。そのために免税業者は自己が負担をしない税額分を転嫁しないという前提にいたしますと、消費者物価にはかなりの抑制効果が出てくるということでございまして、それ以上ちょっと現段階で申し上げる材料はございません。申しわけございませんけれども、そういうふうに考えます。
○近藤忠孝君 大分長く説明されましたけれども、指摘した点以外は全部同じだということですね。 それで、家賃・間代にしましても、ウエートは一万分の二百七十三ですからそんなに大きなものではないんです。ただ一つ違うと思うのは、間接効果について言われました。間接効果、これは例えば電気税が下がったとしますね、電気税が下がったからといってその分、企業が製品価格を下げますか。そんなことないんですよ。それを除けば全部一緒と。これは今まで経企庁あるいは大蔵省とも議論をしてきましたけれども、向こうの説明はともかくこの産業連関表、それをコンピューターに入れてカタカタっと出てきた結果だというだけで、それを信用しろというんです。結果は全然、一・一%と二・一%、倍ですよね。こういう結論が出てくるけれども、これに対しては具体的には何も指摘できない。仮に幾つか指摘したものを入れたとしましても、もうほんのわずか〇・何%程度の動きでありまして、だから大体どんなに低く見積もっても、もうこれは一・八ないし九から二・一と、一%上がる。これはやっぱり三%ほとんど課税というんですから、私はこれは実態に合ったものだと思うんです。 そしてそれだけじゃないと思うんです。物価はこの試算以上にもっと上がります。便乗値上げを取り締まる対策は何もない。独禁法改悪で逆にどんどん上げる対策ですね。鉄道運賃、これは百円を百十円に上げましたら三%どころか一〇%の値上げになります。物品税が廃止になると言いますが、その分自動車メーカーが値下げしないという便乗値上げもあると思うんです。メーカーがいろいろ口実を設けて物品税分を値下げしない場合にこれをとめる方法はない。上げる方法はありますが、値下げさせる方法はまずないんです。 こう考えますと、消費税導入による物価への影響は二%以上になること間違いない。どうです、私、長々と議論したけれども、結局認めざるを得ないんですからね。総理、こんなに倍も物価上昇への影響が違ってきちゃったら、これはもう消費税導入の基本的論拠がなくなるじゃありませんか。だから一緒に撤回すべきですよ。どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 何でもかんでも一つの事象を出して、だから撤回すべきであると、こういう短絡的な議論に私も巻き込まれるほど愚か者ではないと思っております。 近藤さん、私もこの議論を聞いておりまして、いわゆる衆議院において試算を出されたものの一部補正と書いてありますが、かなり政府サイドの資料をもとに勉強しておられるということは私も認めますが、やっぱり基本的には私自身間接効果の点について強制力がないから予測できないという点の違いが大きいんじゃないかなという印象を持っていつも聞いておるところでございます。 したがって、やっぱりこの税がいわば新税はすべて悪税なりではなくして、新税も理解が深まることによってまた良税になる、こういうカナールの鉄則、こういうものがございまして、それの方向で進んでいくことを私は期待しておりますから撤回する考えはございません。
○近藤忠孝君 先ほど経企庁は産業連関表というのを使いましたけれども、これはこういう計算には使えないということは宮沢健一さん、これは経企庁のOBですよ、その人がこう言っています。産業連関表では需給関係による変動はとらえられないということを言っておって、これはだめなんです、政府の計算は。やっぱり私のような計算をしなきゃ、これは正確な物価上昇は出てこないんですから、よくお聞きいただきたいと思います。 それで次は、またこれは政府の大変な過大な宣伝として、ほとんどの世帯が減税になり家計が楽になるオール家計減税論なんですね。この計算の根拠は、今議論してきた消費税の家計への負担を消費支出の一・一%で計算をして、要するに今言った物価への影響をそのまま使っている。しかし実際は倍なんですから、二・一。だからここでま ず消費税の支出が倍違ってきちゃうんですよ。となりますと、例えば政府計算では片働き年収四百万の世帯の消費税負担は三万円となっていますが、これは倍以上に改めるべきじゃないんですか、どうです。
○政府委員(水野勝君) 私どもが御提出申し上げております試算、これは物価が一・一%上昇するということも念頭に置いておるわけでございますが、その計算方式といたしましては、消費支出に占める課税支出の割合、これは先ほど委員の御指摘にもございました大体〇・九%程度、それから現在の間接税がございます三兆四千億円が廃止になり、あるいは減税になる、一方、五兆四千億円の消費税が導入される、その割合をもちまして、これを消費支出〇・九%という課税支出割合とその課税の改正によりますところの比率、これを掛け合わせますと三%が一・一%となる、こういう計算でございますので、その点は私ども物価の点ももちろん念頭に置いてございますが、この税制改正による増減収試算の関係から一・一と、これが私どもの計算根拠でございますので、物価の上昇はこれは政府として私ども一・一と考えておるわけでございますが、それとともに、そうした計算方式でございますので、御指摘のような物価上昇率云々ということは私どもちょっと用いて計算することはできないわけでございます。 ただ、減税がとにかく全体として二兆四千億、先般の衆議院の改正を入れますと二兆六千億のネット減税という減税の幅でございますので、一・一%が御指摘のような一・九とか二%になりましても大半の家計におきましてはこれは減税になるというその姿はそれほど大きくは変わらないというふうな計算もいたしてはおりますけれども、根本的には私ども家計の消費支出に一・一を掛けることによって負担の増減の変動を示し得るというふうに考えてございますし、またその結果はおおむねこの増減収試算、階層別の結果のございますように全体として減税になるという結果を御提案していることでございます。
○近藤忠孝君 いろいろ言いましたけれども、私が指摘した一番基本的なやつですね、要するに消費税導入による増税の効果が政府計算は半分しかないじゃないかと。それに対してはいろいろ言ったけれども、まともな答弁にならない。やっぱりこの点が大事なんです。政府の計算は増税部分は小さく見積もり、そして今度は減税の効果を大きく見ますから、どうしたってオール世帯減税になっちゃいますよ、差し引き。 それでは、所得税、住民税の減税の方、これは大きく見せている点ですが、大蔵省の家計モデルでは、四人世帯で奥さんが無職、要するに専業主婦ですね、子供二人のうち一人は高校生か大学生となっている。こういうモデルにしたのは、これは奥さんに三十五万の配偶者控除、さらに三十五万の配偶者特別控除丸々受けられるというごく限られたそんなにたくさん多くない場合が一つ。それから子供一人については三十五万プラス十万円の教育加算控除をつけられる。要するに、減税が最大となる世帯を選び出してそれで計算しますから、みんなオール減税になってしまうわけです。 そこで大蔵省、配偶者控除、配偶者特別控除、教育加算控除を丸々受けられる世帯は全世帯の何%になりますか。
○政府委員(水野勝君) 配偶者特別控除につきましては六十二年から適用を申し上げてございますが、この実績ベースで見ますと千百十五万人が配偶者特別控除を適用いたしております。これは配偶者控除そのものの適用人員、これは千二百二十万人となっておりますので、ほとんどの配偶者の方が配偶者特別控除も適用を受けておるということでございます。 それから、扶養割り増しはこれから御提案を申し上げているところでございますので実績はございませんが、この適用対象者としては八百五十万人程度かと見込まれておるところでございます。
○近藤忠孝君 問題は、それ全部込みにして、今言ったその三つの控除が丸々受けられる世帯、これは正確な試算をしてみますと勤労世帯の四%にしか満たない。こんな少ない例であたかも全部がこれは差し引き減税になる、こういう過大計算です。ですから、随所に過大計算がもうたくさんあるんです。過大計算をせずに、消費税の家計負担は二%以上で計算して、片働き四人世帯、中学生以下の子供二人で計算しますと、年収五百五十万以下の世帯は全部差し引き増税になります。 そこで大蔵省、年収五百五十万を上回るサラリーマンは全体の何%ぐらいありますか。——時間がないからこちらで言いますと、これは一五%です。年収五百五十万を上回るのは全体の一五%。だから要するに八割以上がそれ以下。サラリーマンの八割以上の世帯は差し引き増税になるという、これが大事な点ですね。三人世帯や共働き世帯などになりますと差し引きほとんどが増税になります。今回の税制改革によって、国民は増税になるのか減税になるのか、これが最重要問題です、判断の場合の。そういう一番根本的な点にこういうごまかしがある、これは大変大事なことだと思います。答弁を求めると時間がないんで、あと次の大事な問題に移りたいと思います。 〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕 まず、転嫁の問題。 零細業者は、これは過大な納税事務の負担が新しく押しつけられる。多くの中小業者が労働者とともに反対運動に立ち上がったのは当然だと思うんです。ところが、政府の宣伝によりますと、売り上げ三千万円以下の業者は免税業者で消費税は関係ないかのように宣伝しています。しかし、仕入れが八割だとすればそれにも三%消費税はかかりますからぬ。そうすると、免税業者であっても二・四%値上げしなければやっていけない。どうですか、大蔵大臣。
○政府委員(水野勝君) 仕入れ割合が八割だといたしますと、御指摘のような二・四%は上がるという計算になります。
○近藤忠孝君 ところが、これは自民党のリーフレットに、「消費税その計算方法」にはこう書いてあるんですね。年間売り上げ三千万円以下の小規模な御商売の方は消費税は忘れてくださって結構ですと。忘れろというんだから関係ないということなんですね。要するに、三千万円以下は免税業者だから関係ないと思わせようとしているけれども、とんでもないことです。三千万円以下でも仕入れにはがっちり消費税がかかります。零細業者にとって最大の問題は転嫁、売り値に上乗せが困難だということはもう当然のことですね。ですから、仕入れに含まれている税金分を自分で負担しなければならない、こういうことになります。設備投資にかかった消費税もこれも控除できない。 総理、自民党のリーフレットにあるように、これは三千万円以下の人は消費税を忘れちゃっていいんでしょうか、どうですか。
○政府委員(水野勝君) 三千万円以下の方々はそういう計算になるわけでございますが、三千万円以下の方々は全体の付加価値のウエートからいたしますと三、四%でございます。したがいまして、圧倒的な取引の多数は課税取引でございますから、隣のお店の方は皆さん三%上げられる。したがいまして、その全体の中の三、四%のウエートの方は、それは大勢に従って三%むしろ上げやすいのではないかと思うわけでございますので、やはりそれは転嫁につきましては御苦労はいただくわけでございますが、圧倒的な多数の取引の中でのそうした方々は全体に従って取引をされて上げられる環境はむしろできるのではないか。ただ、それはよく御指摘がございます消費者との関係ではどうかということはございますが、全体の経済の大勢からいけばそういうことが、むしろ上げやすいということが言えるのではないかと思うわけでございます。
○近藤忠孝君 上げやすいということは上げなさいということじゃないですか。ということは、忘れるどころか、上げるんだから要するに税金分を払わなきゃいかぬ。とてもこれは忘れるわけにいきませんね。 次に、簡易課税制度であります。 これは売り上げの〇・六%納めればいいというんですが、根拠は粗利益、すなわち付加価値率を二〇%、卸は一〇%とみなして、これに三%の税率を掛けるとちょうど〇・六%になるので、〇・六%売り上げに掛けりゃよろしいということですが、要するにこれは付加価値率の高い業種は有利、低い業種は不利、低い業種はこの簡易課税制度を選択すれば損をするということになる、そういうことですな。
○政府委員(水野勝君) おっしゃるとおりでございます。
○近藤忠孝君 いつもそういうぐあいに素直に答弁してくれるとありがたいですね。 卸売業の付加価値率は六・六%、建設業は一八・八%、小売業は一七・八%、これらの業者は簡易課税制度を選択したら損することになりませんか。素直に答えてください、素直に。
○政府委員(水野勝君) この簡易課税制度は、御承知のように損得と申しますか、そういう観点もございますが、とにかく零細小規模事業者の方につきましては税額控除を簡便にしていただくということで、そういった点から割りきったところでございます。 したがいまして、業種によりましてマージン率が二〇%なり一〇%を上下するところの業種の間では若干そこにアンバランスがございますし、また同じ業種でもその規模によりまして、むしろ小さい方が付加価値率が高いということが一般的でございますけれども、同じ業種の中でもそうした問題があるということは承知いたしておりますが、何分にもこうした税制になじみの薄い我が国でございますので、こうした納付方法の簡便化ということで御提案を申し上げているところでございます。
○近藤忠孝君 問題は、卸、建設、小売、この中の課税対象企業のうちに簡易課税制度を選択できる五億円以下の企業の比率はどれだけかということであります。わかりますか。
○政府委員(水野勝君) 五億円以下の事業者の割合でございますと、卸売業でございますと約八割強でございます。それから小売はおおむね一〇〇%、それから建設でございますが、建設は九割五分程度となってございます。
○近藤忠孝君 要するに、この業種にとっては、これを適用される業者は圧倒的な比率であります。この三つの業種の三千万円から五億円未満の業者の数は、これは納税者全体の五四%、要するに過半数を超えるんです。そして、これが先ほど来答弁のように、簡易課税制度を選択すると損をするんですから、日本の多くの業者にとっては決して有利な制度ではない。 例えば小売業者の場合、本来ならば一七・八%掛ける三%、〇・五三%払えばいい。一七・八%というのはその利益率ですね、それで済むところを簡易課税制度を選択すると〇・六%納税。要するに、その分、身銭を切らなければならない、これがこの簡易課税制度の実態じゃないのでしょうか、圧倒的多数の人が。
○政府委員(水野勝君) これはあくまで御選択でございますので、その企業の御計算によりまして得な方、損な方、御判断いただいて御適用をいただければと思うわけでございます。
○近藤忠孝君 だから、損をする人が過半数以上あるということですね。選択しない方がいいんです。いいというのが過半数あるということが明らかになりました。 そうしますと、しかし政府広報ではこう言うんです。「いっしょに考えませんか。これからの日本とこれからの税」というあのパンフありますね。そこで消費税って何でしょうと出していますが、こう書いています。「事業者の便宜に配慮し、できるだけ簡素なものとなるよう工夫されています」、例えば「中小事業者には、売上げだけから税額を計算できる簡易課税方式などが幅広く採用されています」と書かれているんですが、今のやりとりではっきりしたとおり、簡易だけれども、簡単だけれども、これを選択すると損をしますよ、それが過半数もおる。 これが実態だから、政府はやっぱり正直でなければいけませんから、この広報にもちゃんと損をする場合がこんなにもたくさんあるということを書くべきじゃないんでしょうか。適用対象者の五四%もの業者が損をする、これには一言も触れずに、総理、あたかも業者に有利になる、こういう宣伝をしているのは、これは不親切を取り越して欺瞞的宣伝。もうさっきから過大宣伝とか欺瞞宣伝はたくさんありますけれども、こういう状況であります。 そうなりますと、政府の宣伝を信用してこれを選択して損をした、こういう業者に対して政府はどんな責任をとるのか。どうですか。
○政府委員(水野勝君) その点は十分PRをして御適用願うわけでございますから、それによって御損、お得という、そもそもは本来の計算方式でもって御適用いただくのが本来の姿でございますので、御損ということはなかろうと思うわけでございます。
○近藤忠孝君 これはもう半分以上損することははっきりしているんですからね。 あと、帳簿は簡単でそんな負担になりませんよと言うんですが、これは大変ですよ。帳簿は次のことを書かなきゃいかぬ。「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」、「課税仕入れを行つた年月日」、「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」、「第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額」。町の魚屋さんが中央市場に行って、十数軒も駆け回って毎日毎日どこから何をどう、今言ったことを記帳しなければならない。こんな大変な負担がかかるんですが、決してこれは簡単じゃないでしょう、どうです。
○政府委員(水野勝君) 売上税の場合でございますと、課税、非課税が非常に分かれておった。それからまた、仕入れ税額控除につきましても税額票を必要としたということでございましたが、今回は個別の税額票のやりとりでもって控除することではございませんで、全く帳簿上の仕入れでもって控除をするわけでございます。そのための記帳の中身というのは、現在法人税なり所得税でお願いしているものとほとんど共通でございますし、またその範囲にとどめるのが適当ではないかと思いますので、記帳の問題におきまして新たなお手数をお煩わせするということはほとんどないのではないか、またそのように仕組む必要があるのではないかと考えているところでございます。
○近藤忠孝君 主税局長は現場の末端のことはわからぬからそういう安心して平気なことを言うんだけれども、実際は大変です。 時間も参りましたので終わりますが、今私が指摘したとおり、消費税導入の理由がみんなこれは過大宣伝であったりうそだったり、これはもう崩れ去っています。衆議院でも所得の平準化もうそである、また逆進性の中和度もうそである。私が指摘したように減税超過もうそ、消費税の増減税規模、これもうそ、物価上昇一・一%もうそ、家計オール減税もうそ。事実は、真実は何もない。私はこういうものはやめるべきだということを申し上げ、最後に答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) きょうの御質疑のうちの最初の情緒的感情的な問題は別といたしまして、議会制民主主義というものは多数横暴ということがございましたが、勝った方が四年間勝手なことをやればいいなどという考えは全くないからこうしてきょうも一生懸命御議論を申し上げておるわけでございます。その中を通じまして、近藤さんの資料と我が方の資料の若干の差異はございます。が、しかしながら低所得者問題、それから中堅の控除等を入れた場合における姿でございますとか、あるいはインフレ、いわゆる物価上昇率の問題、それから税率の歯どめの問題、そうして帳簿あるいは簡易課税方式の問題、転嫁の問題、これが私が言った七つの懸念というものが全部議論されて、それに対して正確な答弁があって理解は一層深まるであろうということを感じた次第でございます。
○委員長(梶木又三君) 次に、栗林卓司君の質疑を行います。栗林君。
○栗林卓司君 私は、民社党・国民連合を代表して、以下、政府御提案の税制改革の問題を中心にしてお尋ねをいたします。 税制改革の基本理念について税制改革法の第四条には、「国民が公平感をもつて納税し得る税体系の構築を目指して行われるものとする」と書いてございます。 ところで、今回のいわゆる税制改革の核心をなすものは言うまでもなく消費税でありまして、この消費税は法案の中身を拝見しますと、国民が公平感を持って納税し得るような税金では全くないと思えてならないのであります。 以下、例を挙げてお尋ねをいたします。 申すまでもないことでありますが、間接税というものは税金を負担する者と納める者が違っている税金のことであります。例えば消費税の場合は、税金を負担するのは消費者でありますし、税金を納める者は商品を売ったりサービスを提供する事業者であります。したがって、この意味でも消費税は間接税だということになるわけでありますが、ところでこの間接税がきちんと働くためには、消費者が負担をした税金が事業者によって税務署にきちんと納められるという信頼感がなければならないはずであります。もしこの信頼感が失われたら、すなわち消費者にとってみては負担をした税金が一体どこへ行ってしまうのかわからないということになりましたら、大体もともとこの税金は税制としては成り立たないわけであります。 ところで、課税売上高三千万円以下の事業者の場合を例に挙げて申し上げますが、御提案の法律によりますと課税売上高三千万円以下の事業者は免税であり、したがって消費税の納税義務はありません。しかし、この事業者も商品の販売やサービスの提供に消費税の転嫁を求められておりますし、転嫁しようとすまいと、それは御自分の御自由ということになれば、マーケットはめちゃめちゃになりますから、三%の税率を上乗せして、例えば千円の商品であれば三%分三十円でありますから、千三十円としてお客様に販売をすることが当然求められるわけであります。ところで、この三十円の消費税見合い分でありますが、実はこの事業者は納税の義務がないわけでありますから、一体どこへ行ってしまうのかというと、それは事の当然の結果として、この免税事業者の懐に入るということになるわけでありますが、懐に入るという言葉は表現として余りよろしくありませんので、どこかへ消えてしまうという表現をこの際は使った方がいいと思いますので、とにかくこの三十円はどこかへ消えてしまうわけであります。 では、課税売上高三千万円以上はどうかといいますと、六千万円以下であれば、限界控除制度という納税方法が認められておりまして、消費者からお預かりをした税金のうち、丸々納税義務がないということにはなりませんけれども、相当部分やはり納税義務がない。したがって、これも途中で消えてしまうことになります。 では、もう少し大きくなった場合はどうかといいますと、課税売上高五億円以下の場合、今度は簡易課税方式という納税方法が認められておりまして、細かい計算はこの際省きますけれども、要するに結論から言いますと、これはもうお客様からいただいた税金分を丸々とは言いませんけれども、その一部がやはり消えてしまうんであります。 したがって、今回の消費税体系というのは、お客様からお預かりをした税金分が途中で消えてしまう税体系だと言わざるを得ません。このような税体系は一体消費者から見て公平に感じられるとお考えなのでありましょうか。まず、この点に関して総理の御所見を伺います。
○国務大臣(竹下登君) 今の問題がまさに税制理論から言えば、私どもが一番問題にする点でございます。 御指摘の免税点、それから限界控除、簡易課税制度、これは制度の精緻さを損なう面もあると。今どこかに消えてしまうという御表現でございましたが、私どもから申し上げますならば、国庫に入らないと、こういうことがあるいは一つの表現ではなかろうかというふうに思うわけでございます。したがって、これについて随分議論を積み重ねてきたことは事実であります。これは本院においてもかつて行われた議論でございます。 しかし、この種の税になじみの薄い我が国におきましては、中小零細事業者の納税事務負担に配慮することが重要でございますので、まさに政策的な観点から設定したものでありまして、その意味においては、今も消費者という問題がございました。それと納税義務者、すなわち事業者、負担者と納税者とのとことんの調和の点がここに存在するのだなという感じを持っておるところでございます。 したがいまして、御議論になりました点は私もよくわかりますし、そこで衆議院本会議におきまして議院修正が追加された。すなわち公平の確保の必要性等を踏まえ、消費税の仕組みの定着状況等を勘案しつつ、その見直しを行うものとする旨の規定が加えられたというのもむべなるかなという感じで承っておるところでございます。
○栗林卓司君 この私の質問は全国の国民の皆さんが聞いておられますので、あえて消えてしまうという平たい表現で注意して申し上げているんでありますが、かたい表現を使うことをお許しいただければ、実は中間搾取をされているという言葉の方がぴったりくるんですね。さあこれに対して消費者が、消費者というのは年金生活者の方もおいでになります。失業保険で暮らしておいでの方もおいでになります。母子家庭もあります。高齢者の乏しい家計のやりくりで消費税を御負担になるであろう方々もおいでになります。その税金の中間搾取があるということを聞いたときに、一体消費者はどう思うとお考えになりますかという意味であります。 私は総理がつじ立ちを全国各地でなさっていると伺っておるんですが、そのつじ立ちの場所で、皆さん、これは皆さんからいただいている税金を中間搾取して業者のところに運ぶんだよ、この税制に我が国はなれていないからしようがないんだよということを率直におっしゃったんでありましょうか。そのときに、いやそれはわかった、それはそれなら結構だとだれが言いましょうか。三千万円といいますと中小企業の事業者ということになりますが、この中小企業といいますのは、例のいろいろ物議を醸しておりますみなし法人課税の対象になる事業者であります。税制の面で恩典を受けていながら、さらにまたその恩典をなぜ与えなければいけないんだろうか。しかも、税金というのは喜んで払う者はおりません。それは皆さん国のためなんだから自分で負担しろといったって、それは皆さん首つりの縄は自分で買って準備しろよと言っていると同じでありまして、こんな冷酷な政治姿勢は私はないと思うんですよ、率直に言って。どういう御所見でございますか。
○国務大臣(竹下登君) つじ立ちと申しましょうか、私の説明会とでも申しましょうか、それに各地で参加していただく方の中からも必ずと言っていいほどこの問題は出てまいる問題でございます。全段階控除方式あるいはインボイス方式ということについても、私なりにわかりやすい言葉で説明をいたしておりますが、それについてはまさになじみの低い税制であるので、結果として国庫に入らないという面があり得るが、しかしまた、免税点以下の方々は仕入れに関する場合、大量仕入れの場合と少量仕入れの場合、おのずから違ってくることもあるでございましょうし、それらのことを種々勘案したら現状においては、税負担者の皆様方と納税をなさる事業者の皆様方との調和点がこの辺にあるというふうに御理解をいただきたいというふうな形で私もお答えを申し上げてきておるところでございます。しかし、確かにどこの会場でもこの問題が必ず質問に出ておることは事実でございます。
○栗林卓司君 これは全国の消費者の皆さんの心 とかかわりがある問題でございまして、したがって、ある大所高所に立ってこれはこうであるべきであるなどということで決めつけられる問題ではございませんので、消費者の皆さんがこの問題についてどうお感じになっているのか、どう決めていけば正しいのか、これをどういう手続で我々は確認をしながら前進をしていったらいいんだろうか、これが一つ大きな問題になるわけでございますね。 大平内閣の一般消費税以来、実に長い時間をかけて間接税の議論をしてきたことは、これは総理のおっしゃるとおりです。そうは言っても、今私が申し上げたこの部分が実はもう一番基礎になる部分でございまして、そのために何年必要なのか、そのために我々は労をいとってはいかぬと思うんですよ。国会であれば、もう何十カ所公聴会を開いてもいい。そこで、その方々が、ならわかった、であれば徴税費用だって社会の共通経費の一部ではないか、そうおっしゃっていただけるところまでいかなかったら、到底これは納得いきませんわね。なぜかといいますと、わしが負担をした税金はどこへともなく消えていくんだ、山のあなたの空遠くとなりましたら、そのときにその消費者に向かって、さあ三%の税金が課されているんだから転嫁するよ、負担をしてくれよと言ったときに、わかったと言ってくれるでしょうか。そのときに消費者は、当然民主国家ですから、自由市場なんですから嫌と言うに決まっているじゃないですか。そのときに転嫁できない。この消費税についてなぜ転嫁という問題が常に問題になるかというと、ここで問題なんです。 もう一つは、消費者と事業者の間の信頼関係、これがなければ間接税というのはもうワークしないわけですから、この信頼関係というのは、言い直すと社会の連帯感でございますよね。社会の連帯感を大きく切り崩すような役割をこの消費税というのは今や果たしているんではあるまいか。となりますと、これは軽々に我々は考えて取り組むわけにはいかぬ気がするんですね。 そこで、カレンダーを見れば年の暮れも迫っておるわけでありますし、とはいえ今抱えている問題を見ますと、これは時間を急いで我々が結論を見出すべき問題では絶対にないと思うんですが、この点に関する御所見をまず伺います。
○国務大臣(竹下登君) 税というものが信頼関係の上に立つということは私も同感でございます。その信頼関係の基本をなすものは公平感であると思っております。 一方、所得税の中でも、率直に申しまして、この利子課税、配当課税から始まった十種類の所得税の中、なかんずく給与所得と事業所得の中に今度は相互に関する不公平感というものが存在しておると思います。それらを直さなければならないという考え方、それがここに消費税の導入というものの中にあらわれておるわけでありますが、その消費税そのものについて、今おっしゃいました免税点問題と簡易課税問題等につきまして別な意味においてどちらが大きいかというと、事業所得とあるいは給与所得における水平的不公平感の方が大きいと私は思いますが、この税制の中でぎりぎり詰めた場合におけるインボイス方式等々を整備した状態と今日の問題とにおいては、それなりの不公平感というものが、なじみの少ない税であるからという意味において御理解をいただかなければ、それ以上の説明はなかなか難しいというふうに私自身も感じております。
○栗林卓司君 先日、同僚の志苫議員が申されましたけれども、私も大型間接税を導入して税の公平の実現を図るという、その総理のおっしゃり方は素直には受け取れませんので、実は我々にとって非常になじみが深い直接税の改革がもはやできないものという絶望感に立ったお話としてしか受け取れないんですね。それは直接税を直す、じゃ間接税はといえば、これはいろんな方法があるのでして、楽な道を選べば問題が出るに決まっているので、だったら諸外国の例も比べながらいかなる間接税がよろしいかということを、これはこれでみんな知恵を絞って議論をしていけばいいんであります。 私がこれから申し上げたいと思っておりますことは、先ほどもおっしゃいましたが、実は帳簿方式がいいのかインボイス方式がいいのか、どっちがいいのかということであって、私の主張を先に申し上げておきますと、どんなに手間暇がかかっても結局はインボイス方式が弊害が少ないのではあるまいか、そう思えてならぬものですから、そういった前提に立って先ほどの私の主張を込めた質問になっているわけであります。 関連してあと一、二伺いたいわけですが、転嫁の問題についてひとつ主張をしておかなければいけないわけであります。今は転嫁ができない状況があることはもう疑いを入れませんし、しかも今政府が御提案になっているこの税体系は疑いに満ちた摩訶不可思議な伏魔殿でありますから、したがって転嫁ができるということはとても期待ができないと私も思います。転嫁ができなかった場合、そのときになおかつ税の徴収をなさいますか。 伺っている意味をもう少し申し上げますと、なおかつ税の徴収をするということになりますと、これは間接税じゃないんですね。付加価値に対する直接税なんです、それは。しかし、御提案になっているものは、広く消費に税負担を求めてとなっておるんでありまして、この御提案の税体系の中から付加価値に対する直接税というのは出てこないのでありまして、したがって転嫁ができなかったらそれは税の徴収はできない。さらに言えば、もしかしたら還付もしなきゃいかぬかもしらぬ、そんな筋立ての理屈になるのではあるまいかと思いますので、御所見を伺います。
○国務大臣(竹下登君) 今度は、いわゆる納税義務者たる事業者の方の一番の懸念というのは、私もおっしゃるとおり転嫁そのものであろうと思っております。 私どもがこの税制をお願いするに当たって、栗林委員百も御承知のとおりでございますが、転嫁を前提にした税であるということは申すまでもないことでございます。ただ、私自身、私的なことを申し上げてはなりませんが、長い間ヨーロッパの大蔵大臣等とたびたび議論をいたしておりますときに、実は転嫁の議論をする私に対してあの人たちは、この税は転嫁を前提にしたものだからその議論があり得ようはずがない、こういう攻め方を、攻められたと申しましょうか、そういう議論をしてきたことは事実でございます。しかし、私なりに探りまして、その当時のいわゆる一事務官であった人、そういう人が苦労された話も聞いてまいりました。 したがって、それこそなじみが浅いということになるわけでございますが、それだけの深い経験をしておるヨーロッパの皆さん方の意見も聞きながら、私はそれこそまさに広報、相談、指導、こういうことがこの税が機能していくためには大前提となることであろう。これに対しましては、内閣一体となってこの広報・宣伝、相談、指導等に取り組んで、転嫁そのものが実現できるという前提に立って物事を進めてまいりたい、このように考えておるところであります。 心の一隅の中に、私もいわば転嫁ができなかった場合であるとか、あるいは棚卸しの場合にどうしたらいいだろうとか、あるいは還付の問題はどうだろうかということを勉強、頭の運動程度でございますが勉強したこともございます。しかし、まずは転嫁すべき税であるという広報・宣伝、相談、指導ということに内閣一体を挙げてやっていかなければならない課題だと、このように思っておるところでございます。
○栗林卓司君 衆議院で本案が通過の際、弾力的運営の修正が付されました。その内容は、消費税というのは確かに新しい税でありますから、経過措置としてのいろんな配慮をしろということが抽象的に書いてあるわけでありますけれども、これについて実質的に半年間延長に等しい効果が出るものとして運営するという趣旨の安倍自民党幹事長の御言明もございましたりして、よく内容がわからないのでありますが、今の総理のお話を伺い ながら、この弾力的運営も積極的にしかも前広に考えて、周りの環境が整備されるまでの特例措置なんでありますから、時に転嫁ができない場合には還付という手段で応ずることもあり得る。いろんな特例手段を講じていかなければ、それはこれだけの大新税に取り組むんですから出口には行かぬわねというような、そういう具体的な取り組みをお気持ちに踏まえての弾力的運営だと、そう理解してよろしゅうございましょうか。
○政府委員(水野勝君) その前提といたしましては、四月一日から適用されるということでございますので、納付税額が発生するということはこれははっきりいたしておるところでございます。その点があいまいになりますと納税者にも消費者にも御迷惑をかけるところでございますので、その点は明確にさしていただきたいと思うわけでございますが、発生しております税額につきましてのその税額の計算方法、それから納付の方法、納付の時期、それからこれに対しますところの国税当局からのいろいろな御指導、そういった点すべてを含めましてこの規定の趣旨が生かされるように、この規定の趣旨が実のあるものとして適用されるように鋭意検討をいたしておるところでございますが、参議院におきましてはきのうから御審議をいただいておりますその御審議をも十分踏まえまして適切な対処をいたしたいと思っておるところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 今、水野局長の方から先に答えましたゆえんのものも、いわば徴税上の問題ということが大きなウエートを占める課題であると思ったからでございます。徴税そのものの事務に関与したこともない私でございますが、この問題につきましてはまさに衆議院で足らざるところを補う、非礼な言い方でございますが、本院における議論等を中心といたしまして具体的なことが私は浮かび上がってくる性格のものであろうというふうに考えております。
○栗林卓司君 重ねてお尋ねをするわけでありますけれども、確かに四月一日から納税の義務と徴税の義務は厳然として発効するわけでありまして、これはもう微動だにするものではございません。とはいえ、転嫁を前提にした消費税が事実上作用しなかった場合、それはもう過渡期ですからございますね。その場合には、それはそれとして認めていくことも必要なのではあるまいかという意見を踏まえての御質問でありまして、そのときに機能しているかどうかということが判定できるかということがございますね。 ただ、さあ三%上乗せするのが当り前だという目で見ますと、売上価格が横並びで見て、三%上昇しているのかどうかこれは見て見れないわけではございませんし、しかも転嫁できるに足りる状況があったか否かということは、その業界、産業に関する御検討ともあわせて整理をしていけば結論が出ることでありますし、これはひとつ意見として申し上げて、ぜひ前向きの御検討をお願いしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先ほども申し上げました本院における問答等を通じながら検討を十分にすべきものである、このように私自身も考えております。
○栗林卓司君 それから、改革法にもございます経済に対する中立性でございます。この問題についてお尋ねをしてまいりたいわけでありますが、簡易課税方式というのは、その形だけを見ますと累積的取引高税と言って大きな間違いは私はないと思うんですね。それは売り上げに対して場合によっては〇・六%、〇・三%と数字はやや小さい数字だという面はあろうかもしれませんけれども、売り上げの都度ということは、取引のたびにそのパーセントが掛けられていくということそのこと自体をとってみればこれは取引高税に酷似しているんでありまして、しかも取引の実態が累積的に働いているとすると、疑いもなく累積型の取引高税であります。 累積型取引高税がいかなる経済効果をもたらしたかは、これはヨーロッパの例を見ればもう特に明らかでありまして、そうすると日本の場合でもこれは恐らく取引経路を短縮する、垂直合同を進めるなどなどの経済的な影響を及ぼしていかざるを得ないんではあるまいか。その意味で、少なくも簡易課税方式について言えば著しく中立性を欠いたものと言えるのではあるまいか、こう思いますので、この点御所見を伺います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、売上高に一定割合を乗ずるだけで納付税額が計算できるという点におきましては取引高税の計算方式に類似しておるということは私もお認めすべきであると思っております。 これについて限られた業者のみに認められる制度であること、これが一つ。それから、あくまでも選択制でありまして、経常的に仕入れが売り上げの八〇%を超える場合には実額計算を選択することが想定されますこと。それから三つ目には、取引高税との根本的な違いでございます前段階控除につきましては、取引の相手方は支払い対価に含まれる税額を控除できるという点で実額計算の場合と全く同じでありますから課税の累積は生じないということを考えますならば、税の性格を丸々変えるようなものではない。したがって、その制度によって消費税の持つ中立性というものが完全に壊れてしまうものではないというふうに思います。 しかし、選択する業種によりまして一つ一 つを具体的に考えた場合、おっしゃる疑念が出てくることは私も議論の段階で十分感じたことでございます。
○栗林卓司君 西ドイツで取引高税が猛威を振るった時期がございますが、そのときの税率は三%でございました。今、我々は消費税三%という条件のもとで議論しているわけでありますから、到底そんな状況が現出するものとは思いはしませんけれども、ただ、消費税率がいつまでも現状のままにいると思うほどみんなそれぞれ楽観的ではございませんし、したがって警戒して見ておいていい問題であるし、また見なければいけない問題ではなかろうかと思うので申し上げた次第であります。 あともう一つ申し上げますと、やや特定業種の話で恐縮でありますけれども、取引に消費税が付加されてまいりますと、それまで店を通して転々流通をしていた品物が今度は店を通さないで消費者の間で直接取引で事が済む、こうなってくることは容易に想像できるわけでございますね。ヨーロッパではどうだったかといいますと、結果として中古車販売店は激減いたしました。今、中古車版売店の諸君はいわば将来への不安感でまさに胸を痛めているわけでありまして、何もこれは中古車販売店のことだけを言っているんじゃなくて、そういったケース・バイ・ケースによってこれは非課税という場合がまさに必要だと思うんですね。 また、品物にしましても、非課税品目を今度みたいに頭から受け付けないというのはまことに異常でありまして、生活必需品に対しては非課税品目をさらに広げながらして消費税を社会にソフトランディングさせる努力をしていかなければいかぬと思うんですが、もし仮にそうするとすると、今の簡易課税方式ではとても絶望的でありますし、帳簿方式でも難しい。やっぱりこれはインボイス方式でいかないといかぬし、いわんや複数税率になりますとこれはインボイスじゃないと処理ができない。それこれ考えますと、衆議院の修正で中小零細業者の納税負担を考えながらして講じた諸措置については後で見直すとなっておりますけれども、それだけではなくて、見ておりましていろんな不自然な税体系になっているものでありますから、したがってなるべく早く、でき得ればたった今でも換骨奪胎して直した方がいいんではないか、私はそう思うんです。 ひとつ外務大臣に伺いますけれども、輸出品には仕向け地国主義というのがございまして、輸出品に対して国内で課した税は輸出するときには還付するという戻し税方式があって、向こうの国では輸入品に税をかける、これをお互いにやっているものだからうまく回るわけですが、これがガッ トの取り決めになっておりましてね。ところが、輸出品は国内である税額を負担した、したがって輸出の場合には還付する、戻し税をするという場合に、戻す額が正確に負担した税額に見合っておりませんと結果として輸出補助金になる、そう理解される場合が多いと見なければいけないんですね。これはフランスとドイツの大げんかの種でありまして、これをきっかけにしてついにECではEC型付加価値税を導入するに至ったという歴史的経緯もあったんだそうです。 それを考えますと、これから先、貿易摩擦はふえることこそあれ減ることはありませんし、我々は細心の注意を持って諸制度を整備しなければいかぬ。それこれ考えますと、衆議院でせっかくおつけになった修正ではございますけれども、あの部分だけではなくてこの消費税税体系全部について徹底的な見直しをすべきではないかと思うんでありますが、この点について小西委員が関連質問いたします。
○委員長(梶木又三君) 関連質疑を許します。小西君。
○小西博行君 私は、衆議院段階で具体的な見直しについて条項として上がっておりますので、その点について二、三点お尋ねを申し上げたいと思います。 まず私は、どう考えましても、この見直しをしなければいけないという一つの条項を非常に重く考えているわけであります。これはもう既に皆さん御存じだと思いますけれども、具体的に十七条の中でうたっております。 それは、「消費税の中小事業者の事務負担等に配慮した」云々とあるわけです。果たして中小事業者だけが問題なのかどうか、実は私はもう少しこれは拡大をして考えていかなきゃならないんじゃないか、そのように心配をしているわけでありますが、その点に対して総理のお考え方をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 衆議院でいただきました十七条三項は、「中小事業者の事務負担等に配慮した諸措置」となっているところでございます。 端的に中小事業者の事務負担に配慮をした措置としては、今御議論のございます簡易課税制度、免税点の問題、それから限界控除、こういった措置がただいま御指摘のございましたような点でございますが、「事務負担等に配慮した諸措置」というふうな条文をいただいておりますので、中小事業者に専ら配慮したと言えるものは今申し上げた三点でございますけれども、「負担等に配慮した諸措置」という、この文字どおりに読ましていただきますと、中小事業者を中心に事務負担に配慮した措置としては、例えば帳簿方式を採用さしていただきましたとか、それから免税業者から仕入れた場合でも税額控除ができるとか、こういった措置も、中小事業者だけではございませんで全体としての事務負担に配慮した措置と言えるかと思いますので、その事務負担の軽減を考えました主たる対象は中小事業者でございますが、全体としての事務負担に配慮申し上げているということからいたしますと、この案文からいたしますと、先ほど申し上げた端的な三措置、それにつけ加えましたような帳簿方式等々につきましても、これはこの条文の精神からいたしますと、見直しの対象となるのではないか、このように読ましていただいているところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 私からも一言つけ加えます。 先ほどの栗林委員のいわゆる国境税との調整の問題、これは大切なことでございます。国際化した今日、これは絶えず念頭に置いておかなきゃならぬと思います。 栗林さんのお話を聞いておりますと、私自身も税額票制度ということについて若干固執しておった時代があったものですからそういう方向に参るわけでございますが、私が端的に申し上げます一つとして、やはり私には売上税の際の反省というものも率直にございます。しかし、この方式を採用したことにつきまして、六月十五日の税制調査会の答申におきまして、今後の消費税の定着とともに、将来は税額別記の書類により累積課税を排除する方法としていくことが望ましいとされているという実は答申もちょうだいしておりますので、そういうことを思っておるところへ今回の修正ということで今専門的な御議論があるようでございますが、私自身の素直な感じだけを答弁の形でとりあえずお話しさせていただいた次第でございます。
○小西博行君 今の答弁で私理解をさしていただいたわけですが、中小業者だけではないと、これからの消費税導入に対していろんな問題が出てまいりますと必ず見直しを行うと、そういうことを確認さしていただいたというふうに理解さしていただいていいんじゃないかと思います。 それからもう一点は、具体的にその中身なんですけれども、先ほど栗林先生の方からお話がありましたように転嫁というお話がありました。果たして転嫁がうまくいっているのかいっていないのか、これは売り上げを全体見てどうだという非常に単純な比較もあると思うんですが、もっと具体的な、数字であるいは業界ごとにちゃんとした数字を出して、そして一つの一定の基準によってうまく転嫁がいっているあるいはいっていないとか、半ばだと、こういうような一つの基準が私は要るのではないかというように思うんですが、そういう点について既に検討されておりますか。
○政府委員(水野勝君) 転嫁は消費税のいわば中心的な課題でございます。 ただ、少なくとも財貨・サービスの中の財貨につきましてはこれはもう非課税品目がないということでございまして、現在の経済取引の中で成立いたしております価格、これは一律三%をお願いするということでございますので、これは個別の財貨だけの話ではございませんので、また個別の業者だけの話ではございませんので、これは何とか円滑に転嫁をしていただければと思っているところでございます。 この円滑、適正な転嫁につきましては、総理からも申し上げておりますように、政府を挙げていろいろ施策を講じるように準備をいたしておるところでございますので、ゆめゆめ転嫁が不十分である、あるいは行き過ぎるという現象のないようにいたしたいと考えておるところでございます。その点の転嫁の方法、転嫁の表示方法等につきましては、独禁法の適用除外をいただくようにお願いをいたしておりますので、それぞれの業種業態につきまして関係省庁にお願いして、転嫁はこのくらいの程度あるいはこういうような方法でというふうにお願いを具体的に申し上げるように、現在政府部内で検討を進めているところでございます。
○小西博行君 そういう意味で、私はこういう法案を提案するときには万全を期して詳細なことについてちゃんと準備するのが本当じゃないか、何もこの消費税だけの問題じゃありませんが、割合そういう点が抜けていることが多いわけですね。 もう既に、繊維業界あたりではかなり詳しいそういう中身の検討もされておりますし、私どももそれを勉強さしていただいておりますが、そういう業界もあるわけでありますから、政府は一丸となってそういう準備ぐらいのことは十分私対応できているというように本当は認識していたわけですが、今からそういう準備をされるということでありますので、ぜひともそういう問題をむしろ中身から出していただいて、そして国民全体が安心できるような雰囲気をとにかくつくってもらわないと、という気がしてならないわけであります。 そして私、最後にちょっとお聞きしたいんですが、具体的にはどのような産業、業種、いろんな意味があると思うんですが、転嫁しにくい業種なんだろうか。逆に非常に転嫁しやすい業種というのはどういうものなのか。政府ではどのように把握しておられるのか。その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(水野勝君) ただいま申し上げましたように、財貨につきましては、これは例外なくお願いをするということでございますので、現在の経済関係におきまして成立しておりますものにつ きまして一律に三%をお願いするわけでございますから、この点は中立的に業種、業態を問わず同じような性質の問題ではないかと思うわけでございます。しかし、各業種によりましてはそれぞれの事情等もございますと思います。そうした事情に応じまして、これを内書きにするか外税にするか、その業態の実情に応じたお話し合いがされるのではないかと考えておるところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘がありました法案を出したときには、少なくともこのような大法案でございますよね。そうすると、今の問題は政省令あるいはそれ以外の行政指導の範囲にも入る問題でございます。これらを十分に部内で整えておくべきであるという意見はよくわかりますが、幾ばくか我々が弱気になりますのは、すべてそれを前提にしてあらゆる準備を行っておると、準備のし過ぎではないか、あるいは国会軽視ではないかという御批判を受けたことも今までに幾ばくかございます。しかしながら、このたびの問題、私個人の感覚だけで申し上げさせていただくならば、繊維業界の問題等多種多様にわたりますだけに、私個人もいろいろ御意見なり御案を聞かしていただくような努力をいたしておるところでございますが、この問題等につきましては、通商産業省、また運輸省、農林水産省、それぞれ関係がございますので、何か例えば委員に御質問を受けましても、直ちにこの問題はここまで今議論しているというようなことになるように、少なくともこの法案が執行されるまでには十全の態勢をとろうということを折々関係大臣とも話しておるところでございます。
○栗林卓司君 消費税については、賛否は別といたしまして、いずれ国会で成立をするのではなかろうかと外の社会の人たちは思っておられる方もおいでだと思うんですね。そこで、消費税が創設をされると、相当政府の懐も豊かになるだろう。そうなれば、今まで我々は巨額の税金を納めてきたけれども、この機会に少しはまけてくれるんだろうな、そうしてくれなきゃおかしいわね、こう思ったとしたって私は当たり前だと思うんですね。 先ほど出た議論でありますが、重ねて申し上げるのは、従来十兆円からの税額を負担をしていた石油産業が、今回単純併課、こうなりました。既存の間接税は、すべてこれは消費税に整理統合するというのが政府・自民党の大方針であったはずであります。ところが、もともと何とかなるわなと思っていたところに、それは単純併課だと言っているのは、従来同様しっかり税金を持ってこいよと言われたに等しいわけでありますね。これは是非の問題ではなくて、まさに政治の問題として、これ以上の不公平はあるかと受け取られても、ちょっと一言半句も答えようがない。そんな気がするんですね。 そこで、この問題は議論するのも困るということではなくて、これは御検討は続けられておいでだと先ほど伺いましたけれども、料理飲食税の前例もあるわけでありますから、課税標準の特例を設けて税抜き価格にすべきではないか、こう思うのでありますが、御見解を求めます。
○国務大臣(竹下登君) いろいろ議論を詰めてみますと、大蔵省部内で申しますと、主計局で特定財源あるいは一千億こういうような議論もございます。それから、消費税の持つ一般性という議論もございます。したがって、ぎりぎり衆議院で申し上げました限界というのが、いわゆる税制における年度改正、あるいは予算編成の段階で対応をいたしますというところまでをお答え申し上げ、今関係両省で、私に一つ一つ議論する能力の持ち合わせはございませんが、具体的な詰めを行っておるというのが実情でございます。
○国務大臣(田村元君) 今、もう既に御承知と思いますけれども、大蔵省の主税、主計、そうして時に大蔵の官房長にも仲介の労をとってもらって、通産省、特にエネルギー庁との間で非常に激しい詰めをいたしております。私も、もちろん物事には条理というものはございますから、また現実もございますから、だれが見てもやぼということは言えませんけれども、しかしこの問題は軽々に退くことのできない問題でございますので、あらゆる角度からの検討をいたしておる最中でございます。
○栗林卓司君 総理がお述べになりましたように、これは税の立場から考える問題と予算の立場から考える問題と二つあるわけです。 そこで、昔は一般財源で道路をつくったこともないわけではなかったと私は記憶しておるんですが、最近は道路目的財源で道路をつくっておるということがもう恒例化してしまいまして、いわば役所の世界では既得権益のような格好で取り扱われたりもするものですから、今私が御質問申し上げたこういう単純併課の問題にも結局は発展していく、こういう気がするんです。諸外国では一体道路をどこから財源を持ってきてつくっておるのかなと調べてみますと、もともとはこれは受益者負担なんだという主張もあるわけなんですが、道路の受益者といったら、平たく言えば地方の住民じゃないか。道路がないことには住民生活は上がったりですからね。自動車が上を通るから自動車が受益者ではなくて、自動車が運んでおるものがそもそもの受益商品でありまして、あれが住民生活の必需品なんでありますから、そこで、むしろ地方自治体が一般財源で出そうといっております国がフランス、イギリス。西ドイツですと鉱油税という日本に似た制度があって、それはやや目的財源的でありますけれども、一般財源で道路をつくろうという点は、押しなべてヨーロッパ諸国でやっているようでありまして、その辺でこれまでのように目的財源で道路をつくるのだと、いわば頭の中をかちかちのコンクリートにしてしまうというのは、この際大いに反省の余地があるのではないかと思います。これだけの税制改正をやるわけです。あっちにもこっちにも目的財源が転がっておるわけです。あれをあのままにしておくわけにはいかぬと思うんです。 例えば自動車取得税、あれもそうです。あれもできたいきさつは随分前でして、さあこれだけの税制改正をやるとなれば、あれをどうするのだ、いや、これをどうするのだという問題が出てきて整理をしていかなければいかぬ。 そこで出発点は、道路は一体どこの財源でつくるんだと。私、一つの言い方をしますと、道路をつくりますと土地の評価が上がるのは一般的でありまして、そうすると評価額が上がった分、これは未実現の利益でありますからなかなか難しいのでありますけれども、未実現の利益をいわば評価をして、これは土地増価税としてそれに課税をしよう、これを財源にして道路の建設並びに都市開発を進めようではないか。これはヨーロッパではイタリー、イギリスを初めとして実に例の多い制度であります。日本は例かないものですから、しかし、これから我々はこういったやり方になれていかなきゃいかぬと思うんですね。 そこで、ではどうお考えですかと自治大臣にお尋ねしたいんですが、おれのところ嫌だよという顔をなさっていますけれども、これはやっぱり前向きに取り組まなければいかぬのじゃないでしょうか。
○国務大臣(梶山静六君) 既に顔を見て答弁の内容がおわかりのようでございますから詳しくは申し上げませんけれども、やはり地方の道路目的税は受益者負担的または原因者負担的なものでございますし、一般財源も入れているわけでございます。そしてなおかつ足らざるところを、今民生の安定あるいは産業の発展のために道路交通網が大変重要だという、そのためにこの道路目的税によって道路の建設がなされ、それによって受益がふえる、そういう因果関係があるわけでございますから、今これを直ちにそれじゃやめることができるかといいますと、例えば油なら油だけで三兆円の税金をしょっている。あるいはそういうことを考えますと、逆にこういう消費税をつくるときだからこそ直すべきだといいますと、これは当然もう三%などという税率でやれるはずがございません。現行のままでこの税体系をどう組み立てるかということでやっているわけでございますので、 この分にまで立ち入って税制改正の問題で入りますと目的がまた複雑になってしまいます。現在地方の道路はまだまだ不完全でございますし、それが目的税で行われるか一般税で行われるかは別として、道路の改良の需要というのは大変強いわけであります。ただ、これは油だけに目的税を求めるのがいいのかどうなのか。ちまたには車にも応分に持ってもらえと、こういう議論すらあるわけでございますので、御了解を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今、目的税議論に入りましたので、私の方からもお答えをいたします。 特定財源——揮発油税、自動車重量税、石油税、あるいは航空機燃料税もそうでございましたか、がございます。それから、今次の議論をいたしますときに、いわゆる消費税を福祉目的にしたらどうだとかいう議論もございましたが、そもそも論として見ますときに、おっしゃいますように、税というのは可能な限り色のつかないものが入ってきて、政策の優先選択によって配分されていくというのも税理論としては私も十分理解しておるところでございます。 道路整備を安定的に進めようという、高度経済成長期のときにいわゆる揮発油税等を道路整備の財源にしました。それを十分活用したから、ある意味においてここまで来たのかもしれません。しかし、これを議論しますときに、中には、自動車が走るための揮発油税である、因果関係がはっきりしておる、しかし結果としては地下鉄なんかがうんとついたならば上がすいていくんだから、結果としては自動車が走るためにより便利になるから、むしろ全体の交通体系の目的財源に膨らましたらいいじゃないかと、こういう議論もございました。 それから、自動車重量税の問題もございます。これは法律で目的税としては書かれておりませんが、たしか福田大蔵大臣答弁か何かで目的税的な性格を持って今日に至っておるわけでございます。ここまでガラガラポンにしてやるかということになりますと、これは今度の税制の中で消化するだけの、私自身にそこまでの勇気はございませんでした。が、NTT株売却益の活用とかその他一般財源とか今投入しておりますが、そこのところまで踏み込むというだけの自信はなかったということを素直にお答えさしていただきます。
○栗林卓司君 では次に、消費税の歯どめの問題について御所見を承りたいと思います。 歯どめというのは、国会そのものが歯どめであるとよくおっしゃいます。それに対してそんなことができるわけがないと言いますと、これは国会議員としての自己否定でありまして、とてもそんなことは言えた義理はないだろうという総理のほくそ笑みが裏にあるというような気がするんですが、ただ、過去を振り返って考えてみますと、例えば赤字公債の借換債を発行しない、定率繰り入れは毎年いたします、この二つとも政府が国民に対してあるいは国会に対して行った重大な誓約でございました。これはもう総理、当時大蔵大臣としてよく御存じのことであります。 では、この二つの誓約が守られたかというと、物の見事に破られたわけであります。なぜ破られたかといいますと、理由は私は二つあったと思います。一つはオイルショックという環境の変化でありました。もう一つは歳出の削減が思うに任せなかったという、いわば行政府みずからの努力不足によるものであります。 さあ、これから周りの環境の変化と行政自身の努力不足と加わってくれば、それは過去がそうであったように、消費税は青天井で上り続けるに違いない。ここまではだれもが想像できることですね。それでは困るのでありまして、そこで、そうはさせないという歯どめをどうするか、これが工夫のしどころだと思うんです。 それをどうしたらいいのか、これはぜひとも総理にもお考え願いたいし、もちろんこれは我々も考えなきゃいかぬ問題でありますし、そこで単に将来の世代に余計な桎梏を与えるわけにいかぬと言っていただけでは済まない気がするんですが、この点御所見を改めて伺います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、昭和四十年に二千億円でございましたか、公債を発行いたしまして、それから十年の間が九兆七千億で、昭和五十年にいわゆる赤字公債の発行という補正予算でございました。それから、そのときにやっぱり約束、歯どめとは何ぞやと言われましたときにお答えしておりますのは、定率繰り入れは断じていたします、それから赤字国債については少なくとも借りかえはいたしませんと。しかし、これも私の時代に二つとも率直なところを申しまして御容赦をいただいたわけでございます。それはいい意味においての御質問、御激励の意味においての御質問でございましたが、それはオイルショックがあったから仕方がないとは本当は私は言いたくないわけでございますが、オイルショックというものに追っかけられておるときでございました。 一方、しかし歳出削減はそれなりに精いっぱいやってきたつもりでございます。国会議員というのは、むしろ歳出削減圧力よりも歳出増加圧力を受けがちな立場にございます。一方で歳出削減は、これはいけないじゃないかと言いながら、この分では出すべきだという、お互いがそういう体質を持っております。 そういう意味において今後とも努力していかなきゃならぬと思いますが、さて、そこで歯どめということになりますと、これ以上の議論をどういうふうにしてやった方がいいのかなと。やっぱり私は、一つは国民負担率の問題あるいは租税負担率の問題というのがすぐプロ同士の議論になりますと浮かんでまいりますけれども、じゃ国民負担率とは何ぞやと、こう言われたときに、これもまた後世の納税者が結果としては判断する問題だなというところになりますと、そこまで出るのはおこがましいという感じもいたします。 したがって、竹下流の答弁になりまして、なるほど言っていることは、その都度はわかったが結論がなかったというようなことにもなり得るのかなと思いながら、やはり問答を重ねながら、国民負担率とか租税負担率とか目的税としてこれをとらないという立場に立てば、そういうところから歯どめ問題をこれからも引き続き議論をしていくべき問題であろうというふうに客観的には私も思っておるところでございます。 長くなりまして申しわけありません。
○栗林卓司君 竹下さんの長い御答弁を伺ってもう何年にもなるのでありまして、大分こちらも忍耐強くはなっておるのでありますが、そうはいっても、そう時間をかけてばかりもいられない問題が幾つかあるものですから、一つ二つお尋ねをいたします。 これは事務当局の方でも結構でありますが、実は消費税問題をおくとして、何兆という規模に上る自然増収が現にあるわけであります。自然増収というのは税金の取り過ぎでありますから、そうすると所得税の減税に思い切って回していいし、また回すだけの客観条件は十二分にある。ことしだけじゃないですからね、去年からですから。 そこで、まず伺いたい第一は物価調整減税でありますけれども、それを軌道に乗せて定期的にやるという道を開くことは十分やっていいことではないか、この点についてまず政府の御見解を伺います。
○政府委員(水野勝君) 物価調整減税、いわゆるインデクセーション制度でございますが、これはやはりこういったものを制度として仕組むということはいろいろな問題点が少なくないわけでございまして、税制調査会の答申におきましても、やはりこれを制度化するということにつきましては慎重であるべきであるというふうな考え方をまとめておられるところでございます。 しかしながら、やはり所得税につきましては、そこは経済社会情勢の推移に即応しまして適宜見直しを行うというのが適当であるということで、所得税の負担を随時見直すという必要性は税制調査会も明言をいたしておるところでございますけれども、御指摘のような、制度として物価調整減税ということはいかにも慎重を期すべき問題であ るというのが答申の言い方でございます。
○栗林卓司君 みんな竹下総理と答え方がそっくりになっている。さっぱり結論なしのイントロダクションだけで時間を使って、おしまい。 今度は、それじゃ困るので、じゃ一つ聞きます。 状況の変化の中には、新幹線で通勤するサラリーマンがふえてきたというのは、これは昔は想像できませんでした。最近は新幹線で、土地の事情もありますけれども、通勤なさる方がふえてきた。となると、交通費の負担もこれはもちろんばかにならないわけでありまして、したがって交通費の減税についてこれは急いで処置をとるべきでありますし、これは何も新幹線だけじゃなくて、中古車を転がしながら通っている皆さんがたくさんおいでになるのでありまして、そのガソリン代あるいは車の減価償却費、それもやはり控除をしなければいけません。こういった改正を至急やっていただきたいと思うのでありますが、当局の御所見を求めます。
○政府委員(水野勝君) 御承知のように、通勤手当の非課税限度につきましては現在最高二万六千円となってございます。これは毎年人事院勧告によりまして、公務員への支給金額の勧告がございますとそれに合わせて見直しをしているところでございますが、ことしの勧告にはその点の記載がございませんので今回は見送っておるわけでございます。しかし、委員御指摘のような最近の経済社会情勢の変化はございます。ただ、通勤手当の非課税限度という問題を離れまして、通勤費を所得税の必要経費としての関連においてどう考えるかということになりますと、これはやはり税制のいわばある意味では基本にさかのぼる収入と経費の問題ということになるわけでございます。 そういたしますと、いろいろ近来問題になっております実額控除制度、その一環としての、いわば一つの形としての特定支出控除制度、非常に大きな問題になります。大きな問題になりますとなかなか早急には解決はできないかもしれませんが、しかし御指摘の通勤手当の非課税限度の問題については、これは人事院勧告にことしなかったということではございましても、明年度の税制改正の機会にこれは見直すべき問題ではないかと考えてございます。
○栗林卓司君 重ねてもう一点伺います。 生命保険料控除、関連して損害保険料控除、これはいずれも十数年間ほったらかしになっているんですね。物価もその間たしか倍に近かったのではなかったかと記憶しておりますが、したがってこの控除額を見直す御予定はございませんか。
○政府委員(水野勝君) これはなかなか難しい問題でございまして、生命保険料控除、損害保険料控除、これもいわば貯蓄の一つの形態であろうかと思います。貯蓄につきましては、昨年一般的なマル優制度は廃止させていただきまして、お年寄りへの貯蓄優遇制度に変えさせていただいたところでございます。 そうした中にございまして、やっぱり貯蓄の一つの形態でありますところの生命保険料控除といったものにつきましてこれを見直すというのは、どうも現在の貯蓄課税制度、資産課税制度への見直しの方向とはやや方向が異なることにならないかということから、むしろこの控除制度そのものの意義、あり方、こういったものにつきまして検討をすべきではないかという気もするわけでございますが、いずれにいたしましても、年度改正の問題としてはいずれ検討はされるべき課題であろうと思ってございます。
○栗林卓司君 総理と長いことこれも議論してまいりました問題なんでありますが、実は国税職員、関税職員の勤務体制問題、定員問題でありまして、その都度これはなかなか竹下大蔵大臣としては空振りでございまして、今回は総理兼大蔵大臣なものですから期待も実は大きいものですから、ぜひそういった観点からの御所見をいただきたいと思います。 関税職員も、先ほどのお話のように、入ってくる品物には全部消費税がつくわけでありまして、この消費税が——もちろん通ればの話ですよ、加えて国税職員もこれはどのような会計制度でやるかはきょう伺った限りではまだはっきりしていない面があるようでありまして、そうすると、第一線の徴税業務を担当している国税職員の苦労も大変なものがあろうかと思います。それぞれ一人一人が全部日本の国をしょっていちずにやっている連中であるわけでありまして、物心両面の御支援を心からお願い申し上げて、この点についての御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず国税職員、関税職員もとよりでございますが、これの増員問題につきましては、毎度本院において附帯決議の中で前向きに取り組むべきであるという決議をちょうだいしております。したがって、大蔵大臣でありました当時、私にとっては大きな支えでございました。空振りという言葉がございましたが、確かに全体から見れば空振りに近い数字でございますが、二けたになりました、こう言って胸を張りましたら、その二けたとは十一人であった、こういう過去も私は体験してきております。 したがって、このたびは消費税というまさに新税が導入されるわけでございますから、これからまさにコンピューター等、機械化等によってどれだけのものが消化されるか、したところでやはり人員の定員の問題等が当然起こってくるであろうと思っております。これは確かに行財政改革を主張しておる立場の大蔵大臣として増員問題に触れることは非常に私もちゅうちょしながら今日まで来たわけでございますが、今御指摘がありましたように、今は二つの看板をしょっておりますので、ある意味において大所高所に立ちまして、これが立派に機能するように、定員問題についても十分検討すべき課題であると私自身も思っております。 それから待遇改善等の問題につきましては、その都度人事院総裁の方へ電話等によってお願いしてまいっておりましたが、今後ともそのような努力が重ねられるべき問題であろうというふうに考えておるところでございます。
○委員長(梶木又三君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 消費税を中心に、きょうは特に基本の部分を質問していきたいと思いますが、消費税は、大ざっぱに言うと、三つの立場があるようですね。つまりお客様、消費者ですね、消費者は値上げを恐れる。それから業者は転嫁に不安を抱いている。それから専門家はアバウトな仕組みに関して批判をしている。それぞれの立場で反対とか疑問を出しますので、非常にこれはふくそうしているんですね、錯綜しているといいますか。そこでまず、この消費税の基本というものをきちっとしておきたいと思うんです。 先ほどから議論が出ておりますが、消費税になりますと、物価上昇ですべてのものが三%値上げされる。恐れている人が少なくありませんし、理屈はそのとおりになりますから。ところで、実際はどのくらいの物価上昇になるか。経企庁は、政府は大蔵省も一・一という数字を挙げましたが、三%なら一・一でおさまるというその辺の根拠をまずちょっと説明してください。
○政府委員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 御指摘になりましたとおり、消費税というものが例外なく三%すべての消費にかかるということでございますと、これは当然消費者物価も三%上がるということになるのは言うまでもございません。 それに対しまして、一つは物品税の引き下げというものがございます。これは大体消費者物価のウエートで申しまして一万分の千四百、ちょっと細かい数字まで覚えておりませんが、千四百幾らというようなウエートでございます。それから非課税品目がございまして、これはやはり一万分の五百八十ぐらいのウエート、両方合わせますと大体一万分の二千、二〇%ぐらいのものになりますけれども、これらにつきましても、もちろん前段階からかかってまいりますコストの上昇は当然転嫁されることになりますけれども、その最終的な事業者のマージンにかかります消費税のコストは、我々の計算では価格には転嫁をしないという前提で計算をいたしているわけでございます。この前提がどこまで現実的かということは毎度申し上げていますが、いろいろ議論はあろうかと思いますが、計算の前提はそういうことでございます。 それからもう一つは、やはりそれらの引き下げ効果の間接効果というものがどれぐらいあるか。これを産業連関表で計算いたしまして、その結果といたしまして、三%よりかなり低い、初年度一・二%、平年度一・一%という数字になっているわけでございます。
○野末陳平君 これは、消費税は導入されてみないとわからない部分がたくさんありますから、一・一でおさまるかどうか、それ以上かもしれないし以下かもしれないし、ただ一つ、幾つかの根拠の不確定部分をちょっと除いて、物品税の引き下げによる値下げを織り込んだ数字だというお答えでしたけれども、これは大蔵省に聞いてもいいんですけれども、車とか大型の冷蔵庫や大型テレビ、そういうものの物品税が低くなります。その結果、値下げはどのくらいの額になるのか、その辺を、大きな例を幾つか額でちょっと示してくれますか。
○政府委員(水野勝君) この引き下げと申しますか、減額部分の計算方法いろいろあるわけでございますが、一応一つの仮定計算を立てまして、現在の小売価格に含まれる物品税を推計し、それを外したところの価格に三%を乗ずるという計算方式でございますと、例えば大きなものでございますと、乗用車百五十万程度のものは十万円程度値下げになる。カラーテレビ十万円程度のもの、これは五千円程度引き下げになる。カメラ八万円程度のものは五千円程度引き下げになる。ピアノ五十万円程度のものは三万円程度の引き下げが行われる。湯沸かし器八万円程度のものは四千円程度下がる。炭酸飲料、これはいわゆるコーラ、サイダー等でございますが、百円程度のものは二十銭程度下がる。このような例がございます。
○野末陳平君 今の二十銭はちょっとね、まるで引き下げのうちに入らないけれども。ただ、車とか家電製品とかそういうものを買いたいという人たちにとっては、今の部分はうれしいことだと思いますね。ただし、消費税が導入されたその日から、今のいろいろ例示されたものが確実に値下がりして買いやすくなるかどうかという保証は一体どこにありますか。
○政府委員(水野勝君) これは、従来間接税を引き下げたとき、例えばそれは物品税でございますとか入場税でございますとか、その際はその都度その分の価格引き下げが行われるよう関係業界とお話しし、御指導を申し上げてきたところでございます。 ただ、最近は間接税はむしろ増税の方向だけでございましたので、その分の転嫁をむしろしていただくように上げていただく、しかし過剰転嫁とならないような御指導を申し上げてきているということでございますが、いずれにいたしましても、こうした引き下げが可能になる部分につきましては、関係業界とお話しいたしまして引き下げていただくようにお願いをする、指導をいたします。それは、私どもそれから経済企画庁、公正取引委員会等関係者とも十分お話をいたしまして、その方向で指導を申し上げたいと思ってございます。
○野末陳平君 まあ今のお答えをきちっと総理兼大蔵大臣に担保していただかないと、やはりこれはかけ声だけで、最終的にはそんなに値下がりしないものも出ちゃったというのでは意味がありませんから、そもそも政府のはじき出した一・一という数字にだって狂いが出てくるということになりますでしょう。そこで、お願いします。
○国務大臣(竹下登君) 今、最初三つのことをおっしゃいました。三番目の、いわばやや専門家筋から言えば簡易課税とかいうものは非論理的ではないかという論理は別といたしまして、一と二について、なかんずく一の問題について今おっしゃっているわけですが、どういう体制がいいかということを折々相談しておることは事実でございます、転嫁の問題とそれから今度は値下げの指導の問題とをどうしていくかということについて。これは今水野局長からお答えいたしましたが、しっかりとこれに対しては対応して、どういう体制がいいのかというのを、私の考え方に全くないわけじゃございませんけれども、いましばらく検討をさせていただきたい。為替の差益が還元されるまでにいろいろな意味で一年何カ月かかったというようなことになってはならぬというふうに私も身にしみて思っております。
○野末陳平君 これはもう速やかに当日に引き下げてもらうというぐらいのことがないと、取る方については当日からやろうと言っているんですから。 そこで、今言ったような車とか大型テレビ、大型冷蔵庫とか、そういうものが欲しい人にとっては、今の値下げは、これはうれしい。しかし、そういうものを買わなくて済む人あるいは買えない人、買えないといえば、これは年金で暮らすお年寄りとか生活保護世帯とかいろいろあるでしょうが、そういう人たちにとっては決してプラスとは言えませんですからね。 そうなりますと、僕が感じるところ、この消費税による負担増は、一・一%という数字はやっぱり忘れなきゃならない、人によって違いますから。そうすると、いわゆる社会的弱者と言われる人は、どうしても二%、三%ぐらいの負担増にはなるような気がするんですね。だから、十万円の消費だったらば、やはり二千円から三千円の負担増になるであろう、なるかもしれない。そこまで社会的弱者の立場をやはり考えておくべきで、全部ひっくるめて一・一で済むというのは、僕は乱暴だと思うんですよ。 そこで、年金生活者の例をとりますが、年金で暮らすお年寄りについては年金スライド制があるからある程度の救済ができると、こういうような意見もあったり、答弁もあったりするんだけれども、この国民年金、厚生年金それぞれ年金スライドによって、今の消費税導入による物価上昇一・一、一体幾らスライド部分で額がふえるのか、ちょっとそれを答えてください。
○政府委員(土井豊君) 昭和六十二年度末現在における国民年金の平均支給額でございますが、月額約二万九千二百円、それから厚生年金の場合は約十三万一千六百円ということに相なっております。それで、物価スライドがどうなるかという点は、非常に受給者の出入り等も激しゅうございまして、なかなか推計が困難であるというふうに考えておりますけれども、今お話しのごく単純な形で仮定計算をいたしますと、昭和六十三年度〇・一%既に物価スライドを実施しておりますので、それにさらに一・一%を単純に掛けた場合の額は、今申しましたのが二万九千六百円、厚年の場合は十三万三千二百円という結果に相なります。
○野末陳平君 幾らふえた、幾ら。
○政府委員(土井豊君) 前者の場合が四百円、それから後者の場合が千六百円という形に相なっております。
○野末陳平君 年金スライドによる増額分は、今言ったように、これも平均ですから全部をひっくるめて論じられませんが、やっぱり少ないんですね。ですから、やはり消費に二、三%の負担増はあり得ると、そういうふうに見ておいた方が僕はいいと思うんですね。そうでないと、そういうお年寄りなどは非常に不安感が増しますからね。 〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕 そこで、今の数字でも、年金スライドだけではちょっと救済にならない、やはりそれ以上の何かが要るであろうと、そういうふうに考えざるを得ないのでとりあえず、先ほどからのお答えでは、真に福祉の手を差し伸べるべき弱者というところにはいろいろな歳出面の配慮をするというお答えで、具体的なことはありませんでしたが、今の年金生活者、なかんずく割と平均以上にもらっている人はいいんですけれども、そうでない以下のそういう人、今回の減税でも余りプラスのない人と いうような年金生活者には、どんなような具体的な救済の案が考えられますかね。今当然お考えだと思うんだよね、いろんなことを。
○国務大臣(藤本孝雄君) 先生言われましたように、年金受給者の中で分岐点があるわけでございまして、減税効果のある方々もいらっしゃる、それからその減税効果がなくて消費税の導入の影響を受ける方々もいらっしゃるわけでございまして、御質問は、その消費税導入の影響を受ける年金受給者の対策ということになるわけでございますが、これは確かに今の制度上からいいますと、スライド制というものが一つございます。しかし、御指摘の点も十分念頭に置きながら、今後年末の予算編成の中で対応していくべき問題であると、そういうふうに考えておるわけでございます。
○野末陳平君 少し遅いような気がするのね、いわゆる救済する部分が。だって、予算編成の中で考えるといったってもう差し迫っているし、しかもそちらが考えている導入の四月一日だってもう幾ばくもない。そのときに救済の方の、どんな手当をどのぐらい上げられるとか、金額はいいけれども、あるいはこういう案もあるとか、予算編成の中でいろいろ検討しているということを具体的に言っていただかないと、低所得者対策と口で言うけれども、あるいは歳出の面でカバーすると言うけれども、なかなかそれが目に見えてこない。その辺は弱点だと思うんですよ。早くこれを、この委員会が続いている今週中でもいいですから、もうちょっと具体的なお答えができるように督促してもらえませんか。
○国務大臣(竹下登君) 課税最低限の引き上げによりましてそこのところは一つ答えが出ている、それから、生活保護基準の引き上げによってそこのところはまた答えが出ている、その真ん中ということにいろんな複雑な問題があると思うんです。 それで、例えば私の島根県は大変老人世帯が多うございますけれども、包まれた老人世帯なんですね、私の県は。比較的いわゆる稼得者がおるところの老人の数が多い。したがって、そこは老人控除とかそういうものにおいて救われる。ただ、孤立した老人世帯の多い地域、これもあるわけです。それらをきめ細かな対応をしようじゃないかということで、今一生懸命で議論しておりますので、可及的速やかに、これはかくかく、これはかくかくとはなかなか言えません。予算のシーリング等複雑な問題もございますが、何かこの御議論に供するようなものを私なりに御提供申し上げるように督促をしようという感じを受けました。
○野末陳平君 税制改革全体の中から見ると、いわゆる社会的弱者に対してだっていろんな点でカバーができるというような、今のお答えにもありましたけれども、それはわかるんですけれども、やはり個人で皆さん消費税に不安と恐怖を抱いちゃう。そうすると、やっぱり個人に対して何をするかということまでした方が僕はわかりがいいと思うんです。そうしないと、消費税の理解を求めるといってもなかなか難しい。もちろんそれはお金だけじゃありませんよ。お金だけじゃなくて、もう一つ言っておきたかったんですよ、気持ちの上でもやっぱり不安に感じている人たちをほっとさせてあげなきゃだめでね。 年金ですね、厚生省、大臣でもいいんですが、今、年金受給の方に対してどういうようなお知らせをしているか、どんな形で年に何回ぐらいとか、その辺の事情をちょっと答えてください。
○政府委員(土井豊君) 年金の支払い関係でございますけれども、年金の種類によって年四回または年六回の支払いを行っておりますが、支払いの都度、受給者に対しまして振り込み先、それから支払い金額、これをお知らせをしておるところでございます。
○野末陳平君 これが実は問題でして、その金額をむき出しでもってはがきで来るんだよね、はがきで。そうすると、僕らにとってはそれほどの問題じゃないようなんですけれども、年金をもらうお年寄り、特におばあちゃんというか女性はですね、この金額がむき出しではがきで年に何回か来る、家族のだれかに見られちゃう、そういうことをすごく嫌がっているんですね。それで、一種のプライバシーだから、なぜはがきで出すのか、封書でもいいじゃないかと、こういう意見もあるわけなんだけれども、これについて、はがきで出さなきゃならない理由を言ってください。
○政府委員(土井豊君) 一回の件数が、将来年六回払いになりますと、約二千万件ぐらいの件数になります。それを約十日足らずで実務処理をするということになりますと、どうしても時間的な制約等がございますので、今後ともはがきによる通知ということによらざるを得ないというふうに考えておる次第でございます。
○野末陳平君 そこで、はがきの方がいろんな点で事務当局は当然なんですけれども、もらう方から見ると、やはり知られたくない、年金額がむき出しで届くということはまずいんですね。まずいというのは、気持ちとして非常に嫌なんでしょうね。そういうところに何か金額を隠して知らせてあげるというようなきめ細かい配慮なんというものも、消費税と直接関係ないようだけれども必要なんですね。そういうところが欠けているんだね。これだって結局金額で、何というの、けりがつくと思うんだけれどもね。 東京都でも都税事務所だけだけれどもこういうのをやっているわけね、こういうのを、これ。これはシークレットラベルと言って、要するに金額がはがきに印刷されているけれども、それをラベルでもって隠している。これはもう御存じだと思いますよ。それで、これをぴいっと引っ張ってみると金額が出るので、人は絶対にあけられないんです。つまり、これも東京都が全部にやっているわけじゃないですよ。振りかえ済みだけですから、それはまだコスト的にもそれほどのものじゃないけれども、あるんだよね、こういうものが。あるということは、お金さえ出せばできるということにもなる。 となりますと、どうなんでしょうね。結局、お金を惜しんで年寄りの気持ちを何となく冷たく扱うよりも、ここは張り込んでこういうことやってもいいんじゃないか、検討しなきゃおかしい、検討した結果やらなきゃおかしい、僕はこういうふうに思うんです。厚生大臣。
○国務大臣(藤本孝雄君) この問題はことしの参議院の予算委員会で実は議論になりまして、それで私は、個人のプライバシーの問題と正確、迅速というこの三つが非常に大事である。今の東京都の例を出されましたわけですが、これは一日に二万件、我が方は一日に二百万件でございまして、この量の問題で、果たしてシールを張るそういう機械のシステムが今関発されているかどうか、その点が実は問題でございまして、お金の問題ではないわけでございます。 だんだんとこの技術的な開発が進んでまいっておりますので、恐らく来年度の後半には実現できる、そのように今考えておる次第でございます。
○野末陳平君 だから、やればできる、早くやる、そうすればお金は大したことないと結果的にはなるんですが、何しろ、そういう部分についてこうしますから、お年寄りの皆さんは安心しなさいというようなことをしないと、やっぱり置き去りにされたというような感じが強く持たれるようなんですよ。そこで、私、この消費税の理解を、いわゆる弱い者いじめと言われているぐらいですから、お年寄りの方非常に不安に思っている、いろんな角度から、何というか、理解を求めていかなきゃならない。まだまだアプローチの仕方が足りないと思うんですね。 これはこの次またやります。まだこういうのたくさんあるんです。こればかりやっちゃうと消費税の中身に入れませんから、きめの細かい配慮を社会的弱者と言われる人たちにもっともっとすることがあるからしてほしいということだけ強調して、そこでこの消費税の基本認識ですけれども、これがまた驚くことに税率三%ということだけが頭にあって、業者の中には、売り上げの三%をそのまま納めて、利益がないのに持ち出しだよ、そ う思い込んでいる業者が多い。こういう基本的なことすら徹底していない。ですから、売り上げ一億円の業者が、おい、三%だ、三百万円納めなきゃならないのかと、こういうふうに思い込んじゃうという、まだこのレベル。これはまだ理解を求める以前に、基本知識が知られていないということになります。今の一億円の売り上げで納めるべき消費税は幾らですか。小売業者にしよう、小売業者。
○政府委員(水野勝君) 一億円でございますと、その方の小売業者、マージン率と申しますか、仮に付加価値率二〇%といたしますと、売価としては三%で三百万円になりますけれども、納付税額としては〇・六%で六十万円ということに相なるわけでございます。
○野末陳平君 まず、これは業者の立場ですが、こういうようにこれが簡易課税方式のまた欠点でもあるから、先ほど栗林委員からも議論がありましたから、この仕組みについては次回に譲りますけれども、まず誤解を解いていかないと消費税はとても理解してもらえないんです。 さてそこで、一億円売る業者が、六十万円は納税だから自分がその額をきちっと把握して納めればいいんですが、これをお客に転嫁するわけですな、この六十万円分を。そういう場合に、消費税というのはそういうものですから、どうなんですか、導入の日から一斉に全商品が三%値上げされる、理屈ではそうなんですけれども、実際の予想としてはこういうわけにはなかなかいかないですよ。 そこで、具体的に聞きながら一般の業者に参考にしてもらいたいと思うんですが、まずスーパーはどういうような対応をするようになりそうですか。
○政府委員(水野勝君) 現在各業種に、それぞれの業種につきましてその転嫁の方法をどのようにいたすかということが相談はなされているようでございます。法案成立を待って、恐らくそうした方向をそれぞれの業態によって決めてこられると思います。 スーパー等につきましては、私どもまだ最終的なものをお聞きしてございませんけれども、いろいろたくさんのお買い物を一つの店でされて、最後にレジで全体を合計されたところで三%を外税として上乗せをされるという方式をおとりになるのではないかということをお聞きしてございますが、まだどのような方向で決定したかということにつきまして確定的なものはお聞きはいたしておりません。
○野末陳平君 今のスーパーの場合だったら、要するに合計金額をレジのところで出して、それプラス三%、税金が外に見えるからお買い物をする人にとっては税負担ということはわかりますし、外枠表示だからこれはいいんですね。 お菓子屋さんだったらどうなりますか。お菓子屋さんというのは、扱っている一個一個のケーキとか大福とか袋詰めのキャンディーとかあるとしますね。そうすると合計に三%掛けるの、それとも一個一個の品物に、二百円だったら三%で二百六円という表示をするようになるの、これはどんなふうに考えますか。
○政府委員(水野勝君) それは、それぞれの業種あるいは一つの地域での商店街ということで転嫁の方法、表示の方法を御相談されるのではないかと思うわけでございます。例えば御指摘のようなケーキ、そういったところでもし税込みで計算をされるということでございましたならば、それはその店の品物それぞれにつきまして全部三%ずつ機械的にという方法もございますかと思いますし、それぞれを合理的な範囲で四捨五入あるいは端数切り捨て、切り上げといった方法で一つ一つの値決めをされる。あるいはその中におきまして、全体を合計したところでお店で三%を上乗せ、合計でされる。それはその店の御方針だろうと思います。 具体的にケーキ業界と申しますか、食品業界と申しますか、お菓子業界がどのような方式で御相談をされるか、これはまだ具体的にお聞きはしていないところでございますが、この法案の成立を待って、それぞれの業界におきまして適切な、便利な、簡便なものがおまとめになられるのではないかと思うわけでございます。
○野末陳平君 主税局長の答弁も何かよくわからないということなんだよね。 〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕 つまりそのお店の人が、経営者の人がどういうふうにやるかわからないんだ。事実、合計額に三%乗せるという方式でやりたいと思えばそれもいい。それから品物一個一個値上げ、三%分の値上げするもよし。あるいはその中に込みの値段を設定する、あるいは量目調整、何をやるもよし。業者が最終的にはいろいろな方法と工夫でもって新しい税金に対応するんですが、業者サイドから見るといいんですよ、今の答えもあったけれども、事業全体の中で負担すべき、一億円の業者だったら六十万円をどこかに転嫁すれば。お客の立場から見るとそれは困っちゃうのだね。買い上げ金額の合計に三%乗せてもらえば、ああ、これが税金だ、私が負担したんだ、払ったんだ、こうわかる。ところが、税金が、消費税が品物の中に潜っちゃったり、あるいは幾らの負担だかさっぱりわからない、何か前と全く同じで値段も同じだと、こういうものもある。 そういうふうな、お客から見るとすごいばらつきがあって、結果的に税を負担しているかどうかの実体の見えない、何かつかみどころのないものになるお店とはっきりしたお店と二つ出てくるんだけれども、そういう点をきちっと調整しないと問題が出てきませんか。
○政府委員(水野勝君) 端的には財貨につきましては原則として例外なく三%お願いをいたしておるところでございますので、お客さんがお払いになる金額、その三%、軽減税率とかいうような複数税率もございませんし、非課税品目もございませんので、お客さんのお払いになった金額の三%が税金であるというふうに基本的にはお考えをいただけるのではないかと思うわけでございます。 それぞれにつきましての表示の方法につきましては、ただいまも申し上げてまいりましたようないろいろな方法がある。税込みで幾らでございます、うち消費税は何円でございますという表示、税抜きは幾らで、それに消費税額を別途幾ら幾ら何円お払いをいただきますという表示、当店は税込み価格で〇〇円という表示、これはその三%を税金としてお考えいただければいいわけでございます。それから、当店は税抜き価格で〇〇円という表示をされる、これは税抜きでございますから、お客様としてはその三%を上乗せしてお払いをいただくという表示になろうかと思います。さらに親切には、税抜き価格は幾らでございまして、税込みで幾らになりますといういろいろな表示の方法がございますかと思います。こうした中からそれぞれの業種、その地域での商店街、あるいは個々の事業者の御判断、あるいは御相談、ということになろうかと思うわけでございます。
○野末陳平君 いや、しかしそれはなれるまで時間がかかるというか、わかりにくいね。 あのね、こうですよ。皆さんね、買った金額に合計して三%乗せるというふうに全部統一されれば、それはそれでいいんですが、品物によってはいろいろなものが出てくるというところで、今の価格表示の仕方も業者に任せていろんなのがあるんですね。それはすっきりしていていいかもしれないけれども、わかりにくい。 ましてや大事なことは、もう既に僕自身が心配しているんですが、メーカーの方がやっぱり税込みの新しい商品つくってきますよ、恐らく。値上げするのか、あるいは量目をふやすのか、いろんなこと。そうすると、今度スーパーで扱っている品物にもメーカーの時点から既に税込みのものも送り込まれてくることは当然あり得る。それがないとは言えないわけです。となると、すごく困っちゃうのが、スーパーは全部レジで三%乗せるんだといったって、一々の品物にはひょっとして税込みの新しい商品があるかもしれない、税抜きのものもあるかもしれない、そういう混乱も出てく るんです。それは総理、想像はできるでしょう。
○政府委員(水野勝君) 確かにすべての業種、業態につきまして別額表示ということが望ましいという御意見はあるわけでございますが、しかし、業種、業態によりましては別額表示を一律的にお願いをする、強制をするということが適当でない場合、あるいはそれが非常なお手間をかける場合もあるわけでございます。したがいまして、税制改革法案におきましては、必要と考えるときはそれを分けてくださいということまででとどめておるところでございます。考え方としては別額表示で統一されることが望ましいということは考えられますが、そのような事情もございます。 また、例えば委員御指摘のように、再販価格製品でございますと、もうメーカーからそれが、価格が指定されてくるわけでございます。スーパー等におきまして、先ほど申し上げましたように、レジで一括という場合におきましても、そうした再販価格製品につきましては、これはやはり別計算でお願いをせざるを得ない、そういった問題はあることは御指摘のとおりでございますが、できるだけ消費者の御理解を得られるような、しかし手間のかからないような方法、表示の方法を御相談を願えればと思うわけでございます。
○野末陳平君 いろいろと業者もわからないんですけれども、消費者も自分が税負担したかどうかということがはっきりわかる形というのは難しいかなと、今の提案されている消費税の中身ではそう思いますよ。もちろん次回にその消費税の仕組みの欠陥について幾つか指摘したいんですけれども、ただ、今のようなやり方で業者に任せる、事業全体の中で消費税をこなしてお客に転嫁する、これはこれで実務的だと思うものの、お客から見るとただの値上げにしか映らない場合もあるんだね。つまり、税負担の実感がない、単なる値上げと映る場合もある。 例えば、どうかな、はがきは四十一円、封書は六十二円と。これは一円、二円はそれほど痛いものではないけれども、やっぱりこれははがきと封書両方の中で三%を見たと、こういう考え方なんだね、郵政省は。そうすると、今度JRとか私鉄とかそういう電車なんかになってくるとどうなっちゃうんだろう。それから電話料金なんかもどうなるんだろう。公衆電話十円、これどうなるんだろう。初乗りは百二十円、一体これ百二十円に三%乗せるのかどうか、いろいろ考えるでしょう。 じゃ、例えば公共性のある料金についてちょっと今聞いてみましょう。税金がはっきり見えるかどうかと、見えなきゃ見えないで割り切って納得できればいいんですけれども。JRね、運輸大臣だ、JR、あるいは私鉄などの運賃の消費税導入後の運賃の表示、どういうことになりそうですか。
○国務大臣(石原慎太郎君) 昨日ですか、郵政大臣が切手、はがきのことでお答えになりましたが、ああいうふうにはなかなか鉄道料金はいきませんで、端数をいただきますと自動販売機を大改造しなくちゃいけませんので、結局初乗りで、何というんでしょうか、端数の出る料金は抑えまして、企業全体にそれで欠損が出ないように他の回数券であるとか定期の方でバランスをとっていくというのが今のところの考えでございます。
○野末陳平君 いや、そこなんだね、また。つまり、初乗りが百二十円だとするでしょう、初乗りで三つ乗れたところが、端数のいたずらによって二つしか乗れなくなるわけだ。三つ目の駅は値上げになるわけだ。あるいは、それができなければ今度は定期は三%乗せると、こういうことになるかもしれないね。いずれにしても、それはもう当局が——当局とは言わないね、事業者側がいろんな工夫をするんでしょうけれども、お客さんにとっては一律三%の負担にはならなくて、しかも税負担が見えなくてという、そういう非常にいろんな問題があるんですね。 時間がなくなっちゃったから、僕はこの税込み、税抜きというこの表示が一体どういうふうに徹底していくか知りませんが、やはり消費者に見えない税金というのが問題かなと。それから、栗林委員が指摘したように、払ったつもりでも業者が果たしてそれを国庫へ入れてくれたかどうかという、今度は不信感というものもあると思うし、もういろんな問題が消費者の側から言える。ですから、この仕組みにそれは欠陥があるんですけれども、きょうは時間がなくて十分できませんでしたけれども、そう簡単に、総理、あと数カ月で大丈夫だと、学習しながらすぐ定着するだろうというのは無理があるような気がします。ですから、再三のお答えで、絶対に四月からとおっしゃるが、導入しながら、今も言った、ちょっと聞いただけでもすごくあいまいな、わかりにくいところがあるんだけれども、それすら乗り越えてやれると、すぐに定着してわかってもらえるとお思いですか。最後これ聞いて……。
○国務大臣(竹下登君) 私のところへも個々の問題でいろんなお話を承ることが多うございます。しかし、それらを今のような議論をしながら整理整とんいたしまして、今度はどういう仕組みでやるか今考え中でございますけれども、各業種別にこの十分な指導をしていけば、私はこれは間に合うものであるというふうな考え方の上に立っております。
○委員長(梶木又三君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。
○下村泰君 この税制改革というのは大変な問題だろうと思います。私は、やはり不公平税制という感覚が国民の間に根強くあって、それをまず解決しないことには国民の側も余り納得しないんじゃないか、快く税金を納めるという気持ちにならないんじゃないかなというような気がするんですけれども、今度の税制改革ですが、まず確認をしておきたいんですが、この税制改革を促した大きな理由というのはやはり高齢化社会に備えるということがあったと思いますが、これは間違いのないことでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは私は、高齢化社会に備えるというのもワン・オブ・ゼム、その一つだと思うわけでございます。すべてではない。やはり公平の原則から来る給与所得者に対する重税感というようなものがいま一つ前提にあったのではないか、こう思っております。
○下村泰君 多分そういうお答えになると思っておりました。今も総理がおっしゃったように、不公平感をなくさなきゃいかぬ。その不公平感をなくさなきゃいかぬということの不公平がまだ残っていながら税制改革が進んでいる、こういうふうに私は国民の側は思っていると思いますよ。そのことについてはむしろ総理の方がよく御存じだろうと思います。不公平税制というものはどんなものか、そしてそれをなくすことがなかなかやりにくいということも総理自身がよく御存じのことだと思います。 さて、高齢社会に備えなければならない、これも一つの理由だとおっしゃいましたけれども、その具体的に意味するものですけれども、まず年金受給者の増大による給付の増加、これはもう当然のことだと思います。それから、お年を加えていきます、つまり加齢に伴う身体機能の低下などによる医療費の増加、三つ目がその他社会保障、社会福祉面での支出の増加、こういう認識でよろしいのでしょうか。厚生大臣にお伺いします。
○国務大臣(藤本孝雄君) そのとおりでございまして、本格的な高齢化社会を迎えまして、社会保障制度を維持していくためには安定的な財源の確保というものが一番大きな問題だと思っております。
○下村泰君 これは総理に伺いたいんですけれども、今回は減税が先行するということなんですけれども、高齢化が進むにつれて当然また枠が足りなくなる、すべてが足りなくなるというようなことになれば、当然また増税ということが考えられますけれども、国民が一番心配するのはそこじゃないかと思うんですが、どうなんでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 高齢化が進むので今安定した財源が必要であるというお話があったところでございますが、負担するのも国民、受益者もま た国民でございますから、したがってどの辺が妥当かというのは最終的には国民が決めることだと思うのでございます。したがって、長期のビジョンというのがいろいろ考えられながら具体的に立ちにくいというのは、その時点の国民の選択肢まで縛っちゃいかぬという気持ちがあるからでございます。しかし片方、給付を多くすればそれに対する負担が上がっていくという原則はそのとおりでございます。
○下村泰君 大変わかりやすいお話なんですけれども、ゾーッとしますね、内容は。つまり受ける側が国民であって、そして納税をするのもやはり国民だと。ですから、国民が納得すれば増税もしかりだと、こういう御意見でしょう。聞いているとゾーッとしますね。 それで、九月の十五日に時事通信が行いました老後の生活という世論調査があるんですけれども、これによりますると、国や地方自治体に求める施策のトップが年金増額なんですね。九項目の中から三つまで選んでもらったとしてありますけれども、厚生年金や国民年金などの年金増額が五五・九%で、これが一番多いんですね。つまり、言いかえますと、年金増額をしてくださいと、所得保障を何とかしろと、こういうことになるんだと思います。 それで、経済企画庁「物価レポート88」というんですか、これによりますると、物価上昇率が一%、利回りが三%の場合は約五百四十一万円の貯蓄で済む。これは老後ですね、退職後の。これがもし物価の上昇率が五%に高まると八百四十三万円の貯蓄が必要になる。これは夫婦二人の計算でやっています。 こっちが労働省の研究会の発表なんです。これによりますると、「勤労者の老後所得の中心である厚生年金(老齢年金)の現在の平均受給額は月額約十四万円であるから、必要所得月額二十五万円として」これは大分余計に読んでいます、「二十五万円として十一万円不足となる。この額を六十五歳受給開始の終身年金(十年保証)として受給するためには、六十五歳時に現価額約千五百万円」この貯金がないとあかんと、こういうふうにしているんです。 そうすると、経済企画庁の方のと労働省の方のとではこれだけの差が出てきているわけですね。先日の年金審議会の福祉ビジョンでは、男子一九九八年昭和七十三年、女子が二〇〇三年昭和七十八年にそれぞれ六十一歳支給として、その後三年ごとに一歳ずつ引き上げる。ですから、六十二、六十三、六十四、六十五といくわけですね。これは人間なんというのはもう本当に早くこういうものはもらいたい、これは人情ですわね、だれでもが。しかし、財政的に本当に無理ならば、その根拠を示してほしいんです。 それで、年金のあり方を議論するために使う資料が必要になります。予算編成まで不確定なことが多いというので出せないのもわかりまするが、結論を出す前に国会で十分に議論できる時間と資料が必要だと思います。厚生省が試算として使った数字、例えば物価上昇率、国民所得の伸び、GNP、利回りなどを出して当然議論すべきことだと私は思うんです。無論そうした数字も不確定なものが多いわけですが、現時点でみんなが納得できるように努力すべきだ。六十五歳まで支給開始年齢の段階的引き上げだということしか見えないのでは、これはちょっと困るんですね。ですから、もっとオープンに議論しないと国民は皆さんも納得もいかないし、わからないと思うんですが、厚生大臣いかがでしょうか。
○政府委員(水田努君) お答え申し上げます。 国民年金、厚生年金ともに五年に一回ずつ再計算をいたしているわけでございます。両方とも来年が再計算期に当たっておりますが、これらの両制度は再計算に先立ちまして、給付水準のあり方、支給要件のあり方等についてできるだけ事前に関係者のコンセンサスを得て政府が作業に取りかかるということで、おおむね一年から一年半、関係審議会で事前に御勉強いただきまして御提言をいただく、こういう慣例になっております。 今回も年金審議会で、昨年の九月から一年三カ月にわたりまして慎重かつ精力的に御審議をいただきまして、先ほど御提言をいただいたところでございまして、私どもこれを踏まえまして明年度の予算編成の際に政府の案を固め、法律改正という形で国会に法案を出すわけでございますが、その際には当然、今、先生が御指摘になりましたように、関係の資料というものを十分先生方の前にお出しをし、審議を尽くしていただく、こういうことに相なろうかと思います。
○下村泰君 とにかく一般の国民の方というのは、こういったことをなかなか納得できないんですね。例えば税務署の申告に参りましてもあの書類を見ているだけで頭が痛くなりますから、我々は。一般の方というのはそういうものですから。目の詰まったハスなんていうものはハスじゃありませんからね。やっぱり穴があいて向こうが見えなきゃいけないんですから、見えるようにひとつしていただきたいと思います。 この年金審議会での議論ですけれども、大蔵省の方は承知しているんでしょうか。あるいはまた、年金審議会のこれは妥当だとお思いになりますか、大蔵省。
○政府委員(篠沢恭助君) 年金制度につきまして、今年金局長からお話がございましたような形で五年に一度の財政再計算、その段階でいろいろと制度改革が進められるわけでございます。これに関しましては政府の部内に公的年金制度に関します閣僚懇談会もございまして、大蔵大臣がそれのメンバーになっております。また、財政当局といたしまして常々厚生省からいろいろな御連絡も受けておるところでございますので、当然年金審議会におきます御審議につきましては私ども十分御連絡を受けて、中身といいますより、その手続等につきましては十分承知をしておるところでございます。 また、今回の御報告の中身につきましてはこれを拝聴しておるところでございますけれども、これから予算編成の時期でもございますので、その中におきましてその一つ一つの項目につきまして厚生省側と十分詰めを行って結論を得たい、政府案としての結論を得たい、そういうふうに考えております。
○下村泰君 国民の今知りたいと思っていることは、将来に向けて自分たちは何をすればいいのかということ、つまり私的年金や企業年金、それから貯蓄は幾らあればいいのか、みんな必死に考えていると思いますよ。そして、公的年金が核になっているのは事実です。 ところが、私の知り合いの若い連中の中には、国民年金を掛けたがらない者がおります。何かそんなことをまた勧誘している会社があるそうですよ。国民年金を掛けない。どうするか、自分で貯金をする。そして、それは自分の老後を保護するための貯金であって、別に国民年金を掛けないからといって罰せられるわけじゃありませんわね。ですから、国民年金は掛ける必要ない。そういう若い者が今ふえていますね。ですから、その辺を十分にお考えいただかないと、この年金制度というのはあってなきがごとし、魂が抜けていると、こういうことになりかねませんので、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、来年度の年金額のスライド分に消費税分が入らないという報道がなされておりますけれども、これは事実なんでしょうか、厚生省。
○国務大臣(藤本孝雄君) たびたびお答えをいたしておるわけでございますが、年金受給者で消費税が導入されましても片方で減税がございますので、所得税、圧民税の減税によって消費税の導入の影響を十分カバーできる層もある。しかし、そうでない方々もいらっしゃるわけでございまして、制度といたしましてはスライドによりまして年金の実質価値を維持していくということでございますが、同時に消費税の導入による影響についてもこれは念頭に置きながら、年末までの予算編成の中で検討すべき課題であるというふうに承知をいたしております。
○下村泰君 次に、一雇用について伺います。 労働省に伺いますが、六十歳定年の現状はどうなっておりましょうか。
○政府委員(竹村毅君) 定年制の現状を労働省の雇用管理調査、これはことしの一月一日現在でございますけれども、これで見ますと、一律定年制を定める企業のうち五八・八%が六十歳以上の定年を定めております。これに改定を決定しているものを含めますと六二・二%、さらに改定を予定しているものまで含めますと七六・七%と着実に増加しつつございます。 労働省では、このような法律に基づきまして六十歳定年が企業の努力義務と規定されておりますので、一連の行政措置を講じておりますけれども、今後とも引き続き六十歳定年の定着を図っていきたいというふうに思っております。
○下村泰君 将来の就業構造についてどういう見通しを持っているのかちょっと伺いますけれども、これは単に高齢者のみならず、障害者の雇用のあり方、それから女性労働者、外国人労働者、またワークシェアリングとか在宅勤務など、いろんな角度から考えなければならない問題だと思います。その上で六十五歳定年制の導入をいかに果たすか。私は、今具体的な方策を示せとは申し上げませんけれども、労働白書を初めいろんなところで六十五歳までの継続雇用の必要性がさんざん言われております。どういう手順でいつをめどに具体案をまとめるのかをまず示すべきだと思います。 ここに、総務庁行政監察局の出している「高齢者対策の現状と課題」という中に、労働省が高年齢者労働能力活用事業、それから厚生省が高齢者能力開発情報センター運営助成事業、それから労働省が高年齢者職業相談室、それから同じく労働省が人材銀行、同じく労働省がパートバンクだと、こういうのがあるんです。 厚生省がこういうことをおやりになるんでしたらば、これをいっそのこと労働省と一括してまとめた方がかえっていいんじゃないかというような気がするんだけれども、どうですか。
○政府委員(竹村毅君) ただいま先生いろいろ高齢者関係の組織についてお話がございましたけれども、確かにいろいろ厚生省サイド、労働省サイド両省にわたりましてございまして、今お話がございました中ではいろいろと重なり合いのあるというのも事実でございます。ただ、労働省サイドといたしましてはあくまでも、例えばシルバー人材センターを取り上げてみましても、臨時、短期的な就業でございましても就労の機会を増大するということが目的でございます。そして、六十歳を中心にやっておりまして、一方、厚生省の例えばお話しのございました高齢者能力開発情報センターということになりますと、おおむね六十五歳以上の高齢者に対しまして老人の社会参加に関する情報というものを中心にやっておるということでございます。 いずれにいたしましても、多方面からいろいろと対策を講じておる次第でございますけれども、いろいろ厚生省ともまた労働省といたしましてもお互いに連携しながら高齢者のいろいろな施策に努めてまいりたいというふうに思っております。
○下村泰君 お話を聞いているともっともらしく聞こえるんですけれども、内容はまるっきり同じなんですよ。ただ片方が六十で片方が六十五というだけの違いなんで、やってることは同じなんです、これ。 総理、こういうのを各省庁にわたってやる——やることは同じなんですからね。だったら、高齢者の雇用問題といったら労働省に一元化させた方がいいんじゃないですかね。どうですか総理は、総理のお答えをちょっと聞かしてください。
○国務大臣(竹下登君) いわゆるこういう行政組織法というものがございまして、縦割り行政組織であるからこれを改革すべきだ、こういう庶民的なニーズというのは私にもよくわかります。しかし、従来ともいろいろ検討しながら今日来ておりますので、したがって今後ともそれをさらに総合調整するところも必要でございますだけに、複雑になりますけれども可能な限り、この行政組織法そのものに能率を上げるとちゃんと書いてありますから、そういう方向に行くようにこれからも努力させていただきます。
○下村泰君 隣の斎藤十朗先生が総務庁長官にも聞いた方がいいよと言っていますから、総務庁長官。
○国務大臣(高鳥修君) 突然のお尋ねでございますし、かつ手元にその資料も持ち合わせておりませんで大変恐縮に存じます。 役所の仕事の中には、随分何と申しましょうか、各省庁でそれぞれ似たような仕事をたくさんやっておるところがございますので、それらについて私ども行政監察の立場から今後ともしっかり目を光らせてできるだけ整理するものは整理するということで進めてまいりたいと存じますので、そういうお気づきの点がございましたらどしどし御鞭撻を賜りますようにお願いします。
○下村泰君 突然鉄砲の筒先をそっちに向けてまことに申しわけないと思います。先ほどもエレベーターの中で大臣の方がお一人どなたかおっしゃいました。いつ流れ弾がこっちに飛んでくるかわからないので、とおっしゃっていましたけれども、大変失礼しました。 次は、医療費の問題を伺いますけれども、きのうの新聞なんですけれども、老人医療に定額制を導入する方針を決めたというふうに書かれておりますけれども、これは本当でしょうか、厚生省。
○政府委員(多田宏君) 老人保健は六十五年度に制度を見直すというスケジュールになっておりまして、現在、老人保健審議会でいろいろな角度から勉強を始めていただいているという状況でございまして、方向がどうなるというようなことは特にまだ出ておりません。それは全く観測記事といいますか何といいますか、そういったたぐいのものだと考えております。
○下村泰君 観測記事には違いないかもしれませんが、「早ければ、六十五年度施行を目指して」と、こう書いてあるんですよ。これはやっぱりその感覚ですか、「六十五年度施行」となっている。
○国務大臣(藤本孝雄君) まだ決めておりません。
○下村泰君 それならそれで結構でございますけれども、いわゆる水増しですよね。これ出来高の支払いというんですか。これは私もいつかここでやったことがありますけれども、もう大分前になりますが、本当にお医者さんの中にはひどい方がおりまして、たしか予算委員会でも扱ったと思いますけれども、水虫の治療に行ったら脳波をとったというんですね。それで厚生省の方に伺ったら、いや、それはその医者の判断ですから、白癬菌が血管の中に入っていって脳に上がらないとも限らないと、だからそういうふうに医者が判断すれば水虫でも脳波はとる、けれどもそれは常識的に考えてどうだと言ったら、常識的にはそんなことはしないのが当たり前と。だれが考えたって当たり前だと思うんですよね。そういうことをして診療費を水増ししている。こういう医者が大阪の方におったんです。大体私は老人を病院から追い出したり負担増しを強いるというのは——その前に四つの視点から私は伺いたいと思います。 まず、診療報酬及び医療機関のあり方ですね。今申し上げましたように、過剰診療だとか、それから不正請求なんというのも始終あります。だから、そういうことをまずなくさなくちゃいけないですね。それから、在宅ケアを進めたいのならばそれに見合う体系をつくるべきだ、こういうふうに私は考えております。診療報酬という視点で見直されましたけれども、もっと抜本的に、本当に根本的にこういうことを見直さなければならないと思いますけれども、厚生大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(藤本孝雄君) その前に、この間のお礼を申し上げるのがございます。 全国で二千数カ所、福祉工場、小規模作業所、これは身体障害者や精薄の方々が物をつくり販売をいたしておりまして、社会参加をいたしておるわけでございますが、最近の特別の事情によりまして仕事が少なくなった。私ども心配いたしまし て、随分各方面にお願いをいたしまして仕事をあっせんしておったわけでございますが、下村先生のおかげで仕事のごあっせんをいただきまして、九カ所の作業所が仕事をいただきました。全国の福祉作業所を代表いたしまして厚くお礼を申し上げたいと思います。 それから、今の医療費の問題でございますが、確かに人口の高齢化、医療の高度化その他の理由によりまして医療費がふえておることは事実でありますけれども、これはだれかが負担をしなければならぬわけでございますので、必要な医療の給付は確保しなければなりませんが、同時に過重な負担は防いでいかなければならぬ。こういう意味から、御指摘のように医療費の合理化を進めておるわけでございまして、これからもそういう考え方に立ちまして、医療費の適正化、合理化ということについては十分に力を入れていかなければならぬというふうに思います。特に、高齢化社会がこれから本格化するわけでございますから、そういう高齢化社会にふさわしい効率的医療を提供するように、この点につきましても、高齢者にふさわしい医療はどうあるべきかということにつきましても十分これから考えてまいらなければならぬというふうに考えております。
○下村泰君 私の質問時間はあと十二分ございますけれども、何ですか放送の関係がありまして、六時過ぎたらこれはもう夜は放送しないのだそうで、残った八分は打ち切られるそうですから、私は今テレビが中継している間のみでやめさせていただきます。何となく小会派がいびられているようですが……。 それで、たくさん質問をしたいことがあるのでございますけれども、時間の都合で中抜きでまいります。 高齢者になりまして生きがいという面から私ちょっと伺いたいと思うのですけれども、現在、国がやっている高齢者に対する施策がいろいろとございます。これに対して文句を言う筋合いは私は持っておりません。もっとどんどんやってほしいと思っております。それで、ことに各民間企業がまとめたアンケートがあるんです。 これは大阪の方にある、あるガス会社ですが、余生はのんびり旅行や趣味を楽しみながら、これが一番多いんですね。理想の老後の生活をより具体的に聞いてみると、旅行をしたり趣味にいそしむ生活、この願望派が五六%、友人知人と行き来する交際の多い生活希望者が二五・七%、それから子供や孫に囲まれた生活、これの願望が二〇%、それから、まだ仕事を続けたい、これは男の方が多いですね。 それから、これはある銀行だと思いました。これが男女とも趣味の充実、旅行をし見聞を広めるが一位、二位です。男性の三位が仕事を持ち続ける、これもやっぱりそうですね。それから、有効な蓄財に力を注ぐ、これは老後への認識。 それからもう一つ、こちらにありますが、これはある生命保険会社です。老後のライフプランに関する調査、これもやはり旅行が六二・八%、友人との交際が五一%、趣味に専念が四一%、これがベストスリー、こういうことになっております。 こういうふうに老後の生活というものをいかに楽しく生活したいか、これはもう当然だと思いますね。ところが現在の、先ほども申し上げました年金制度その他ではなかなかこういう楽しみができないというところに難点があるわけですから、こういう方々の希望に対するこれからのビジョンといいましょうか、それを総理に伺って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 結局、究極の福祉というのは、お年寄りもあるいは身体障害者等、恵まれない方々もその地域社会の中にいらっしゃるというのが普通の状態である、これが私、最近おっしゃっておるノーマライゼーションというものじゃないかなというふうに思っております。そういう社会をつくるために、こういう有益な問答をしながら一生懸命でお互いが研さんすることが大事なことじゃなかろうかなと、極めて素朴な考え方を申し上げたわけでございます。
○委員長(梶木又三君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明日は午前十時に委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後六時散会