国民生活に関する調査会 第4号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1988/12/14
会議録
○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 去る十月三十一日から十一月一日まで当調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山口哲夫君。
○山口哲夫君 御報告申し上げます。 去る十月三十一日と十一月一日の二日間にわたって、長田会長、岩本理事、大塚理事、斎藤理事、小野委員、中曽根委員、刈田委員、平野委員と私、山口は、国民生活に関する調査会の委員派遣として北海道十勝方面に出向き、調査をしてまいりました。 今回の調査目的は、国民生活一般、特に当調査会のテーマでもある労働と余暇の現状について調査するとともに、その一環としてリゾート開発の現状について現地視察を行ったものであります。以下、その概要を御報告申し上げます。 まず、北海道の現状についてであります。北海道は、全国土の二〇%を占める広大な面積と、人口五百七十万という数字が示すように、豊かな天然資源、自然環境に恵まれた限りない将来性を有するところであります。しかし、同時に近代的開発の歴史がわずか百年余にすぎないこともあり、まだまだ社会資本整備が十分とは言えない状況にあります。また、昨今のいわゆる重厚長大産業の停滞、農産物貿易摩擦、領海二百海里問題を初めとする国際化の影響等により、鉱工業、農漁業等の主要産業は低迷を続け、雇用状況は有効求人倍率〇・五程度で推移しているなど極めて厳しい状況にあります。道の行財政についても、地方税等自主財源の伸び悩みと財政硬直化により年々苦しい対応を迫られております。 このような厳しい諸情勢の中にあって、北海道は二十一世紀に向け飛躍的な地域発展を実現していくため、新長期総合計画に基づき今年度よりハイテクゾーン・ネットワークシステム・プロジェクトなど十五にわたる産業・技術開発、生活基盤整備プロジェクトや、道南、道央、道北など六つの地域生活経済圏を単位とした三十九の地域振興プロジェクトを積極的に推進していくこととしております。 次に、北海道民の労働と余暇の現状について申し上げますと、まず道民の労働事情では、大都市圏を抱える他の都府県に比べ、一人当たり年間総労働時間がかなり多く、週休二日制の普及率も徐々に増加はしているものの依然低い水準にあります。道民の余暇についても、例えば、五十九年三月の余暇に関する道民の意識調査を見ますと、地方より札幌等都市部で、男性より女性で、自営業者より被用者で余暇に対する強い志向が見られるとは言えますが、時系列的には、さきに触れましたような厳しい経済情勢を反映して余暇需要が必ずしも高まっているとは言えない結果となっております。 一方、国民の余暇・リゾート需要に対応したリゾート供給地としての北海道を見ると、例えばキャンプ場百七十カ所、スキー場百二十カ所など、規模、キャパシティーの点で相当なものがあります。宿泊施設についても、道全体で二十六万人に上る収容能力を備えており、特にホテルの収容能力は、ここ数年来前年比一〇%以上の伸びを示しております。 以上が北海道の道政、労働と余暇に関する概要でありますが、このほかにも視察先において上川支庁、十勝支庁のほか、新得町、占冠村等地元自治体から産業、地域振興、民生対策等について詳しい御説明をいただきました。 なお、北海道庁からリゾート地域整備構想の早期承認等、道政全般にわたる十九項目の要望がなされました。 次に、視察目的地トマムリゾート、サホロリゾートについて概要を申し上げます。 我が国の飛躍的な経済発展を背景として、国民生活における量の豊かさから質の豊かさへの転換が叫ばれている今日、余暇活動に対する国民のニーズは年々高まっております。北海道は、このような国民の余暇、特にリゾート需要にこたえ得る供給地として無限の可能性を秘めております。トマムリゾート、サホロリゾートは現在国への承認申請を検討中のいわゆるリゾート法に係る総合保養地域の中核地で、北海道の豊かな自然環境を活用した今までにない長期滞在型の本格的大型リゾート開発として内外から注目を集めているものであります。 まず、トマムリゾートでありますが、占冠村等地元関係自治体と旧国鉄、現在は国鉄にかわってホテルアルファ株式会社(本社札幌)とによる第三セクターが開発を推進しているリゾートであります。同リゾートは、大雪山系トマム山東南部一帯、開発面積五千ヘクタール、総投資額二千億円を見込む壮大な開発事業であり、現在までにホテル、コンドミニアム等宿泊施設、スキー場、ゴルフ場、その他各種スポーツ施設、催し物会場など一千ヘクタール、総額四百四十億円の投資が行われております。規模の壮大さばかりでなく質的な面においても充実を図っており、同リゾートのシンボル的存在とも言える地上三十六階建てのタワーマンションを初め、中世西欧風のホテル、コンドミニアム、近代芸術的趣向を凝らした催し物会場等国際的にも受け入れられるようなさまざまな建築デザイン上の工夫がなされております。また、開発に当たっては周囲の自然をできるだけ生かすようにすることとしているほか、地元占冠村が制定した道内初の景観条例によって、施設を全 体的に濃いれんが色に統一するなど、自然環境と調和したリゾート開発を確保するよう努めているとのことであります。 次に、サホロリゾートでありますが、これは地元新得町と熊谷組等の共同出資による第三セクターの開発を西洋環境開発株式会社を主体とする西武セゾングループが引き継いで行っているものであります。同リゾートは、トマムリゾートの東部、大雪山系・日高山脈と十勝平野の分岐点に位置する狩勝高原、サホロ岳一帯に展開されており、開発総面積三千五百ヘクタール、総投資額三百六十億円を見込む、これまた壮大な事業であります。現在、ホテル、スキー場、ゴルフ場、その他各種スポーツ・レクリエーション施設、観光牧場など六百ヘクタール、百億円の投資が行われております。 サホロリゾートは、さきのトマムリゾートが落ちついた雰囲気を有し、比較的高級志向なのに対し、若年層、家族連れが主要な利用層となることが見込まれています。特に、同リゾートの目玉商品とも言うべきものがバカンス村クラブメッド・サホロで、フランスに本社を持つ地中海クラブから派遣されたジェントル・オーガナイザー、通称G・Oと呼ばれるバカンス専門スタッフが、利用客とコミュニケーションを図りつつスキー講習、語学研修、ダンスパーティー等多種多彩な催し物を企画し、かつ一緒になって楽しむというリゾートサービスを展開しており、昨年末にオープンして以来、若年層、家族連れの間で好評を博しているとのことであります。ソフトサービス面での充実を売り物にした地中海クラブのリゾート事業は、既にフランスを初め多くの海外諸国で圧倒的な好評を博しているところでありますが、我が国では初めて、世界では百七番目のこのバカンス村が今後新しい型のリゾート事業としてどこまで定着するものか、大変興味のあるところであります。 以上、リゾート開発の視察概要を申し上げましたが、開発に伴う地域への社会経済的波及効果、課題等を申し上げますと、第一に、波及効果については雇用の促進、観光収入の増加がもたらす地域活性化、人口定着、自治体の税収入増、行政サービスの充実が指摘できようかと思います。ちなみに、税収では占冠村が過去五年間で固定資産税六・四四倍、電気税四・四七倍、法人住民税一八・九倍、新得町が税収全体で過去二年で二倍増となっております。 第二に、リゾート開発に伴う課題としては、道路、鉄道、空港等交通アクセスの充実改善、上下水道の整備、自然環境の保全、リゾート地における緊急医療体制の確立等が指摘できようかと思います。そのうち交通アクセスについては、両リゾート地が千歳、旭川、帯広空港、JR石勝線等の利用により東京から三ないし四時間程度、さらに将来的には、コミューター等による一層の時間短縮が可能となる点で相当程度課題は克服されようとしておりますが、むしろ今後問題となるのは、上下水道の整備、自然環境の保全、地域と密着した開発の確保、大衆的利用料金の実現をどう図っていくかにあると思われます。 先ほども触れましたように、両リゾートは、いわゆるリゾート法に基づく基本構想の中核として、現在国への承認申請を検討中でありますが、国政レベルでも労働と余暇の問題はもちろん、その受け皿としてのリゾート地域を整備する上でのこれら諸課題に真剣に取り組んでいく必要があると言えましょう。 なお、両リゾートに係る地元関係九市町村からも同構想の早期承認について要望がなされました。 最後に、今回の派遣において北海道庁を初め関係各方面の皆様方から多大な御協力をいただきましたことに対し深く謝意を表するとともに、各方面から提出されました要望書の会議録末尾掲載方を会長においてお取り計らいいただきますようお願い申し上げまして御報告を終わります。 ありがとうございました。
○会長(長田裕二君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告のうちにありました北海道庁及びトマム、サホロ両リゾートに係る地元関係九市町村の要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十四分散会