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113回国会衆議院1988/08/06

予算委員会 第3号

発言数
44
登壇者
9
会派数
2
開催日
1988/08/06

会議録

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、日本社会党・護憲共同所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得られません。やむを得ず議事を進めます。  予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 土曜日でございますがやらせていただきますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。  初めに、一言だけ防衛庁長官に御意見をお伺いをしておきたいと思います。  過日横須賀沖で衝突いたしまして、三十名にも上ります死者を出しました海上自衛隊潜水鑑「なだしお」と遊漁船第一富士丸との衝突事故につきまして、一言だけお聞きをしておきたいと思いますが、衝突事故の原因は現在調査中ということでございますし、またその主な点につきましては、私の方の矢野委員長が先日もここで申し上げたとおりでございます。その結果、たとえ双方に不注意があり、事実関係が例えば五分五分だという結果が出たといたしましても、一方が公の潜水鑑であります以上、やはり七割、八割の責任を感じなければならないのは当然かと思うわけであります。公の公たるゆえんはそこに存在するというふうに私は考える一人であります。自衛官に対する期待が大きければ大きいほど、衝突時の行動に多くの注文がつき、時にはそれが非難にもなることもまた当然のことかと思います。  三十人の亡くなられました皆さん方の御冥福をお祈りをいたしますが、それぞれの御家庭におきましては、かけがえのない父であり、母であり、妻であり、夫であり、息子であり、娘であったと思います。そのお一人お一人のことをお思いになって最も心を痛められたのは、ほかならぬ防衛庁長官、あなたであったと思います。  この責任のとり方、いろいろあろうかと思いますが、この亡くなられた皆さん方の死を無にしない、そのために政府としてなすべきこと、そして我々議会人としてなすべきこと、それはこの再発防止、その一点にあるのではないかと思います。それ以外にこの亡くなられた皆さんに報いる道はないと考える一人です。自衛官の皆さん方に対しても、防衛庁長官は公に言えること、言えないことはあると思いますが、あのときこうしてくれればよかった、ああしてくれればよかったという思いもあろうかと思います。しかし、今回の事故が例外であるとか、あるいはまた偶発であるとか、そういう形でこの事故をおさめることはでき得ない。やはりここで自衛官のあり方、心の置きどころ、そこが問われているわけでありますから、防衛庁長官としてひとつ責任ある態度をここでおとりをいただきまして、そして二度と再びこういうことが起こらないように、どう改革を進めていくのか、その決意を一言だけお聞きをしておきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今回の事故におきまして多数のとうとい人命が失われたという事態の重大性につきまして、十分認識いたしているものでございますし、まことに残念、遺憾な出来事でございました。御遺族の心中をお察ししますときに、深く心を痛めておるものでございます。  また、かような事故が二度と起きないような再発防止策を早急に確立することが大切である、かような御指摘、もっともでございます。  今回の事故の原因につきましては、海上保安庁初め関係機関の調査をも参考にしつつ、何ゆえに今回のような事故が発生するに至ったかをあらゆる角度から徹底的に究明いたしまして、その再発防止策の確立に努めてまいることが私に課せられた重要な責務である、かように考えておりますし、防衛庁全力を挙げて取り組んでまいる決意でもございます。既に事務次官を長といたしまして自衛隊鑑船事故防止対策委員会を設置いたしまして、事故直後海幕副長を中心にいたしまして鑑船事故調査特別委員会を設置いたしまして、事故原因の分析、調査をも独自でまた取り組んでおるわけでございますが、御承知のとおり、先月二十七日に政府の事故対策本部におきまして当面講ずべき対策につきましても御指摘をいただいておりますし、また、これを持ち帰りまして海幕におきましてもこれを解析し、さらに、早急に取り組むべきこと、また今後再発防止のために取り組んでいかなければならない課題、これらを含めて目下鋭意検討を進めておるところでございます。  自衛隊の存立の基盤は、国民の支持とさらに信頼にあることは申すまでもないわけでございますし、この点を十分自覚いたしまして、一層国民から信頼される、さらに精強な自衛隊を育成すべきことである、かように考えておるわけでございます。数々の反省を含めまして、また、本院におきましての数々の御指摘をも踏まえまして、再発防止に全力を挙げることが目下課せられた責務である、かように御答弁さしていただきたいと存じます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ぜひひとつその気持ちを忘れずに、再発防止に最大の努力を払っていただきたいと思います。  さて、リクルート問題に移りたいと思いますが、この問題は、いろいろの方の御意見を伺いますときに、我々が予想をしておりました以上に大きな政治倫理の問題として波紋を広げておるわけでございます。  この一件の背景を見ましたときに、一つは、この有価証券の環境と申しますか、取り巻きます環境が今なお非常に整備をされていない。一例を挙げますと、株の売買というものが架空名義あるいはまた他人名義というものが日常茶飯事になっている、あるいはまた、そのキャピタルゲインに対する課税が非常に甘い、そしてこの税制が確立されていない、また日本の株はその会社の実績やあるいはまた経済環境とかけ離れたところで操作をされることが非常に多い。これらのことに対して国民の皆さんは非常に大きな不満をお持ちであります。一部の者が甘い汁を吸っているのではないかという疑惑もここに存在するわけであります。そこに出てまいりましたのが今回のこのリクルート問題でありまして、それが国民の皆さんの疑いを実証した形になったと言っても過言ではありません。  総理や大蔵大臣は、直接関与はなかったと先日もこの会場で述べられました。しかし、国民の多くの中には、それはやはり架空名義だとか他人名義が使われて行われるものであり、そういうことが常識化している、そういう思いがあるわけであります。それはそうでしょう、そういうことはみんなそうなんですよ、みんな他人の名前なんですよ、そういう雰囲気が既にでき上がっているということであります。私は、総理や大蔵大臣の言葉を信じたいと思いますし、しますが、しかし、それが許されない環境が既に我々の周辺にはでき上がっている、ここに政治倫理の問題が存在すると私は思います。したがいまして、総理や大蔵大臣は、それは直接関与したことではない、元秘書やあるいはまた秘書の友人のかかわったことであるということをここでお述べになればなるほど、やはり疑惑の晴れない構造が存在をする、そのことに対する御認識が非常に甘いのではないかと私は考える一人です。この点につきましての御意見をまず総理からひとついただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 たとえ元秘書の自己責任において行った経済行為であるにいたしましても、長い間一緒に仕事をしておったわけでございますので、その監督責任、なかんずく政治的、道義的問題について私自身が十分に反省すべきことであるというふうに、まず基本的に考えております。  それから、今おっしゃいましたいわば法規等が非常にいまだ整備がされていないということについて、仮名問題でございますとか、あるいはそれとは別に、また、いわゆる株式譲渡益等における税法上の整備の不備でありますとか、あるいは価格操作等がやられる可能性を残しておるではないか、こういうような御質疑でございました。  確かに、私ども古いことを考えてみますと、あそこのおじさんは株に手を出して倒産されたそうだというようなことを言われた時代もありました。しかし、今日の株式市場というのは、まさにあのニューヨークと相並ぶものが東京市場であってみたり、それからロンドン市場なんというのは大阪市場と余り変わりない、他の先進国はもっと市場の取引高等からすれば少ない。すなわち、日本の経済社会の中で、資金調達の方法からしても、あるいは財テクの客体としても、大変に株式そのものが大きな存在になっておるということも私ども考えてみなければならぬじゃないか。そういうところから、このたびの税制改正におきましても、なるほど、原則非課税から原則課税へと考え直されたということも、それは不十分だという議論は十分あろうかと思いますが、やはり一つの現実的な対応としての行為ではないかな、こういうふうにも考えるわけであります。  さらに価格操作の問題でございますとか、あるいは仮名取引の問題でございますとか、私必ずしも証取法等の知識を十分に持っておるわけではございませんけれども、正すべきは正す問題があるのじゃないか。税制調査会の小委員会で背番号問題について検討していただいておるというようなことも、そういう方向への一つの前進しておる状態ではなかろうかなというふうに思うわけであります。  いずれにせよ、御指摘いただいたような事実を踏まえて、今後、各方面の意見を伺いながら正すべきは正していくという性格のものである、このように思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 どうもやはり甘いですね。私が申し上げておりますのはそういうことではございませんで、今申し上げましたように、今回のこのリクルートの問題は、我々の政治の周辺に、やはり清潔にしなければならない、そして疑惑を持たれてはならない、かけられてはならない、そういう環境をつくっていくためにどうしても越えなければならない道であるということでありまして、今総理がお答えになりましたように、正すべきところは正していく、これから先の問題は当然正していかなければなりませんけれども、しかし、過去に起こりましたこのことに対してもけじめをつけなければならないわけであります。これから税制改革、総理が、あるいはまた政府がやろうとしておみえになります内容と我々がやろうとしております内容には違いはありますけれども、税制改革をこれから進めていかなければなりません。その税制改革の路線の前に置かれた大きな石でありまして、この石をのけないことには税制改革の論議には入っていけない。そこに総理のお考えをはっきりさせていただかなければならない理由の一つがあると私は思うわけであります。総理は身命を賭してこの税制改革をやる、こう決意を述べられておりますが、そのためには身命を賭してこのリクルートの問題を解決をしてもらわなければならないと思うわけであります。  そういう意味で、先日来、私の方の矢野委員長からも証人喚問の問題あるいはまた七十六名に及びますこのリストの提出等の問題もここで提起をされたわけであります。しかし、その問題がいまだ前進をしていない、大変に残念に思うわけであります。これは、議長のもとにいろいろとお考えをいただいているようでございますけれども、しかし、我々はこの問題を抜きにして税制改革論議はないのだという決意を持っていることをひとつ御認識をいただきたいと思うし、総理もまた、そういう意味でこの問題にひとつけじめをつけてもらわなければならないと思うわけであります。  証人喚問が人民裁判になってはならない、当然のことであります。あるいはまた、そのリストの提出が個人の秘密あるいはまたそれが守秘義務、そうしたものに関係をすることも私たちも十分に存じておりますけれども、しかし、それでもなおかつ、それを超えて政治倫理のためにはやはりなお明らかにしなければならないこともある、国民はそのてんびんの中で、むしろ政治倫理の重要さということにウエートをかけているという御認識が総理にないのではないか。私はそういう意味で総理に、今後それではこれをどう改革していこうとするのか、今後の制度の改革とあわせてこのリクルート問題にそれではどうけじめをつけようとしておみえになるのか、もう少し御意見を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 基本的に、前提としておっしゃいますいわゆる政治倫理あるいは政治家の道義、そうしたものにかかわる問題であるという認識は私も等しくいたしております。やはり我々がここに議席を持つ限りにおいては、お互いで決めましたいわゆる倫理綱領、こういうものの上に立って一人一人が自戒すべき立場にあるわけでございますので、その点からこの問題に対する反省、そして対応策というようなものを講じていかなければいけない問題である、行政府の立場にあっても、可能な限りの各方面の議論等を踏まえながら対応すべき課題は対応すべきであるというふうに考えるわけでございます。  ただ、国政調査権の問題ということになりますと、私も長い間その問題を、本当を言いますと、議院証言法のときには竹下委員会というものができまして、私が座長で、本当は議院証言法のあり方についてという各党の先生方と勉強会を随分長くやった経験もございます。それはそれとしまして、今行政府の立場でございますので、私の個人的意見を申し上げようとは思いませんが、国政調査権等について可能な限りの協力をしていかなければならないということは行政府としてとるべき立場であるというふうに思っておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 どうも不満でございますけれども、もう少しそれじゃ具体的な問題を加えて御質問をしたいと思います。  まず最初に、このリクルートコスモスが、昭和五十九年十二月に同社の株式を特定人に売却をいたしておりますが、このときは一株千二百円でございました。この算定につきましては、先日のこの委員会で角谷証券局長からこれは純資産価額方式によった、こういう発言があったと記憶をいたします。それから、六十年二月十五日、それから六十年四月二十五日には第三者割り当て増資が、二月には約八百万株、そして四月には七百万株、こう増資がされているわけでありますが、この方は類似業種比準方式によってこの株価は割り出された、こういうことをここで述べられたというふうに思います。  私はそれを聞きまして、昭和五十九年十二月に一株千二百円という価が決められたのは純資産価額方式で、わずか二、三カ月後の六十年二月にはそれが類似業種比準方式になぜ変わったのか、株価の評価の仕方がなぜここで違うのかということを私は非常に疑問に思ったわけであります。これにつきまして、まずひとつ大蔵省からお答えをいただきたいと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 非上場会社といいますか、一般に公開されていない会社につきまして、それは市場性のある価格があるわけではございませんので、そういったところについてどういう形で株価を評価するかといったことは、いろいろ学問的にも実際上も問題になるわけでございますが、その場合に、純資産方式による評価とそれから類似会社比準方式による評価、この二つの方式というのはいずれも典型的な方式として認められている方法でございます。これは御承知のように相続税法でございますとか、税法の上でもいろいろそういう両方の方式が認められておるということでございます。  今御指摘のように、五十九年十二月にリクルート社が、自社が持っておりますリクルートコスモス社の株式を売却するに当たりましては、純資産方式によってこれを評価いたしております。これは先日御説明申し上げましたように、リクルートコスモス社が持っておりますところの土地を時価評価し、さらにはその翌年の四月に合併する予定の日環建物という会社でございますが、そういった合併予定会社の土地につきましても時価評価するという形で純資産方式をとっておりますけれども、バランスシート上の純資産方式でずっとやったというよりは、むしろやや時価評価をすることによって膨らました形での時価評価をして千二百円という価格を得たものでございます。この方式につきましてはやはり税法上も実務上も認められている方式でございます。  それから次に、六十年二月及び四月にリクルートコスモス社が、主体が違うわけでございます、リクルート社じゃなくてリクルートコスモス社が第三者割り当て増資をしたわけでございますが、これは類似会社比準方式によってやっております。これにつきましても、通常はその時点におけるバランスシートで類似の会社と比較しまして、配当率とか純資産とかそういうものを算定しながら計算するわけでございますが、どちらかといいますと、この六十年の二月あるいは四月の価格算定に当たりましては、むしろ当時不動産ブームでございましたので、リクルートコスモス社は将来非常に収益が好転するであろうという意味で、将来の予想業績というものを見込みました形で類似会社比準方式の算定のベースに置いているということで、そういった意味ではやや高目の算定をしている、その結果が二千五百円という値段になったわけでございます。  そういった意味で、いずれにいたしましても、それぞれの価格というのはそれぞれの会社の判断によりまして純資産方式あるいは類似会社比準方式によって算定されたものでございまして、これはそれぞれの立場で行われたということでございまして、行政の立場としましてそれが適当であるか適当でないかということを申し上げるような事柄ではないというふうに考えているわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 私がお聞きをいたしておりますのは、この五十九年の十二月には純資産価額方式を用い、そして六十年二月には類似業種比準方式という違った基準を用いたのはなぜか。将来の会社が好転をするかどうかということを考えて、そして六十年二月には類似業種比準方式をとったというふうなお話でありましたけれども、それは五十九年十二月においてもわかっていることでありまして、それを、この五十九年十二月においては純資産価額方式、そして六十年二月には類似業種比準方式という違った方式をなぜとったか、これがわからないわけですね。  これを別な見方をいたしますと、六十年の二月、四月の第三者割り当ては公開株に非常に近づいた時期の評価ですね。そしてその二、三カ月前がこの五十九年十二月に当たるわけです。それでここに、この差を見ますと、千二百円と、それから二千五百円との差があるわけです。それで、国税庁の方から財産評価の仕方につきましてのパンフレットをいただきまして、これを拝見しますと、「取引相場のない株式」、こうしたものに対します評価をします方法としましては、今話がありましたように、大きい大会社でありますと類似業種比準方式というのを用いる、それから小さい会社の場合には、小会社のときにはこの純資産価額方式を用いる、中会社のときにはその双方を併用を行う、こういうふうになっているわけです。  このリクルートコスモス社は、これは大きい小さいは別に十二月もそれからその次の六十年の二月、四月も変わっていないわけでありまして、評価をされるのならば当然同じ方法でされるべきである。そこを変えられたのは、この五十九年十二月においては低い評価、そして六十年二月、四月においては高い評価をしたかったからこの基準をお変えになったのではないか、こう疑わざるを得ないわけであります。そうでなければ同じこの基準で評価をされていかれるであろう、私はこう思うのですね。そこがこれはちょっと理解できない。どうですか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 一般に株式を上場あるいは店頭登録いたします場合は類似会社比準方式によって算定することを原則としております。そういう意味では、六十年の二月あるいは四月の第三者割り当てでございますが、これは恐らくそういうことを頭に置いてやったのであろうというふうに推定しているわけでございます。  ただ、このときの算定は、これは証券会社等にも若干意見を聞いてみたわけでございますが、通常はその時点におけるバランスシートにおける利益率あるいは純資産価額といったものをベースにしてやるのが通常でございますけれども、このケースにおきましては、翌年非常に収益が上がるだろうということを前提にしてやっているわけでございますので、通常の類似会社比準方式と申しましてもかなり高目の価格に実際上算定されている。これは恐らくはリクルートコスモス社がやはり自己資本をなるたけふやしたい、増資あたりで自己資本をなるたけふやしたい、安定株主工作の中でそういうことをやりたいということで、可能な限り高くできるような引受価格を設定したものであろうというふうに一応私どもは推認しているわけでございます。  これはリクルートコスモス社の方が算定したわけでございますが、一方、五十九年十二月、これはリクルート社が自分の持っておりますリクルートコスモス社の株式を第三者に譲渡したわけでございまして、まずは算定した主体が違うわけでございます。第三者割り当て増資のときには、リクルートコスモス社が自分のものとして第三者割り当てをした。それに対して五十九年十二月は、リクルート社が自分が持っておりますリクルートコスモス社の株式を第三者に譲渡するに当たりまして価格を算定した。これはやはり決算対策としてやったわけでございますし、その場合におきまして類似会社比準価額方式をとることも不可能ではありませんし、純資産方式をとることも不可能ではなかったと思いますけれども、通常純資産方式をとり、それをしかも簿価方式ではなく、実は五十九年十一月におきまして従業員組合に対して第三者割り当てをしたときの価格は二百六十六円五十銭ということで、簿価を基準とする純資産方式だったわけでございますけれども、五十九年十二月の場合にはそれを時価評価することによって千二百円と若干高目にいたしまして第三者に転売し得る価格として、リクルート社が判断した価格を算定したものであろうというふうに思っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、親子会社とはいいながらも、一方におきましてリクルート社が算定した価格とリクルートコスモス社が算定した価格ということで、算定の主体が違っているということでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それはおかしいですね。リクルートコスモス社の資産についてやっているわけですから、それは確かに五十九年十二月に試算をしたのはリクルート会社であったかもしれないけれども、それはリクルート。コスモス社のことをやっているわけです。六十年の二月、四月におきましても、これはリクルートコスモス社のことをやっているわけです。どこを評価しておるか、評価しておる場所は同じなんですね、これは。五十九年十二月にそれを試算をした、計算をした人は確かにリクルート社であったかもしれません。しかし、リクルートコスモス社の資産を評価をしておるわけなんです。だから、今おっしゃるのは、試算をした者が違うから別の価が出てきたのだ、こうおっしゃるのだけれども、しかし、試算をする相手は同じなんですよ。だから、そこは今の説明ではちょっと理解できないのです。  だから、我々といたしましては、六十年の二月に一株二千五百円という価をつけたのは、五十九年十二月の時点で既にもう来年の二月あるいは四月には二千五百円ぐらいでいこう、こういうことを考えていたのではないか。五十九年十二月に千二百円ということを決定をしたときには、来年の二月あるいは四月になるか、その時点でもう一度第三者割り当て増資を行うときには、この二千五百円ぐらいの価というのを計算に入れて、ここで千二百円というのを、この計算をしていたのではないか。だから、五十九年十二月においては純資産価額方式という方式をとり、そして六十年の二月から四月におきましては類似業種比準方式というものをとらなければこれが同じ価になってしまう。だから、この差をつくり出すためには、その基準、物差しを変えなければならない、こういうことで、これはこの両方を違えたのではないか、こう私は思わざるを得ないわけであります。  大臣、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほどから政府委員が申し上げておるとおり、これはかなり評価の方法、いずれをとることもよろしいという問題もございますし、それから公開を考えている場合に、やや将来の問題も考えて、いわゆる比準方式をとるということもしばしばあり得ることである。しかも、片一方はリクルートのやったことであり、片一方はリクルートコスモスのやったことである、主体が違うといったようなことをるる政府委員から御説明を申し上げました。そこらが比較的素直な解釈であるのではないかというふうにただいま聞いております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 大臣、それは違います。今申しましたように、やりました相手は、それはリクルート社でありあるいはリクルートコスモス社であったかもしれませんけれども、しかし、その評価はリクルートコスモス社のことなんです。リクルートコスモス社の評価をするのに、十二月の段階のところと、そして次の年の二月、四月のところの基準のとり方というものを変えている。これはやはりおっしゃるように、大会社あるいは小会社によって類似業種比準方式を用いたりあるいは純資産価額方式ですか、こういう方式を用いるということは、それはどれを用いてもいいことになっているのだろうと思うのです。ただしかし、分け方としては、大きい会社では類似業種の方を使いますよ、小さいのは純資産の方を使いますよということに国税庁の方ではなっている。そういうことになっているのですけれども、同じ会社のことを評価するのになぜこう違うようにされたかということに私は疑問を持っている。  だから、私が先ほど申しましたように、五十九年の十二月に千二百円という評価をされたときに、翌年の二月なり四月なりに第三者に対する割り当て増資をするときには、やはりそれより高い価にしていこう、そうしなければ一年後に公開をしましたときの値段が上がらない。ちょうどこの六十年二月、四月の第三者割り当てから、その後、六十一年十月三十日の店頭登録のときには五千二百七十円というふうに約倍になっているわけですね。こうしたことを引き出すためには、やはりこの真ん中でそれだけの、二千五百円という価が必要であった、そのために基準をお変えになったのではないか。これは重大な問題を含んでいるわけです。  と申しますのは、これは大臣も御存じのように、相続税法の第七条におきましては、著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、対価と時価との差額を贈与されたものとみなす、いわゆる低廉譲渡なる条項がございます。そして、法人から個人にそれが譲渡されました場合には一時所得になるわけですね。一時所得になります。一時所得になればこれは課税の対象になり、五十万円控除の二分の一課税ということになるわけであります。この低廉譲渡というのは一体どんなものかということは所得税法の五十九条の中にございまして、さらにそれの施行令の百六十九条には、価額の二分の一に満たないもの、時価の価額の二分の一に満たない金額の場合には低廉譲渡の範囲に入る、こういうことになっているわけであります。ですから私はここを実は問題にするわけでありまして、もしもこの純資産価額方式と類似業種比準方式というものを変えたその原因が、この五十九年十二月の時点のときに六十年二月十五日を想定をしてやられたとするならば、これは二千五百円と千二百円、これは二分の一以下になるわけでありまして、まさしく低廉譲渡の項に該当をするのではないか、こう私は言いたいわけであります。いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 これは専門家からお答えをしてもらいたいと思いますが、その場合、一時所得になるという規定はございますことはそのとおりと存じます。  ただ、その際、適正価格とは何であるかということであろうと思いますので、その辺につきましては政府委員からお答えいたします。

伊藤博行国税庁次長

○伊藤(博)政府委員 お答えを申し上げます。  議員の御質問の中で税との関係での部分は、実際に譲渡された価額がその譲渡時における時価を相当下回るという場合には何がしかのみなし所得課税が発生するのではないかという御質問かと思います。  税法上の規定は先生おっしゃるとおりの規定になっておりますけれども、しからばその譲渡時における価額とは何ぞや、時価とは何ぞやという点につきましては非常に認定が難しい部分がございます。既に上場されております株式の場合には、御案内のようにかなり一義的な認定ができるわけでございますけれども、本件のように上場されていないその段階での評価をどうするかということでございますので、なかなか技術的にも難しい。いろいろな要素を勘案しながらケース、ケースに即して考えていく必要があるということでございます。一般的に申し上げますならば、先ほど先生からもお話がございましたように、相続税法の評価の規定を一つの目安にしながらその他もろもろの要素を勘案してということに相なろうかと思います。  そういう意味で、先般来証券局長が答弁しておりますような五十九年の十二月時点の純資産、時価ベースの純資産価額で評価されておるということでありますならば、やはりそれは一つの目安になる数字であって、そのことが直ちに課税上おかしいということにはならないかと思います。ただし、私どもとしても十分詳細な事実関係を承知しておりませんので、本件に即してということになりますと答弁は差し控えさせていただきますけれども、一般論を中心にして申し上げれば以上のように言えるかと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 上場されておりますときには、そのときの経済状態その他で株価等も動きますから、これはわかりにくい。しかし、上場されてない場合であるから、私はむしろわかりやすいと言っているわけです、この場合には。上場されてないから、言うならばこの価は固定されているわけです。千二百円とかあるいは二千五百円というのは固定された額であります。決定された額であります。だから私は、上場されている場合よりも、むしろこの方が決定は定かではないかというふうに思うわけです。そういう意味で私はこう指摘をしているわけであります。  そして、もう一度国税庁にお聞きしたいのは、五十九年のこの十二月の時点で、その翌年度の二月ないし四月のときのこの一株二千五百円ということを既に想定をしてこの五十九年の十二月に一株千二百円というものが決定されているということにしたならば、これは私は、この低廉譲渡に入るのではないかと思いますが、いかがですか。

伊藤博行国税庁次長

○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。  委員の御質問は相当いろいろな仮定を置いての御質問でございますので、私どもとしてもなかなか一義的な答えはしにくいなというふうに思いますが、ただ一点だけ申し得ることは、一時所得云々というのはあくまでもみなし所得として課税するかどうか、いわば課税上の観点に立ったときにどういうものを基準にするかということでございますので、先ほど来の議論とはちょっと私どもの課税上から見る立場があるいは違うのかもしれませんけれども、課税という観点からいたしますならば、譲渡のときにおける時価、それがあくまでも基準であるというふうに考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 譲渡のときの時価といいましても、この場合には上場されていないのですから、この時価というのは五十九年十二月では一株千二百円、そして六十年の二月、四月におきましてはこれは二千五百円と思わざるを得ない。それ以外の価というのはないのですね、これは上場されてないのですから。そうでしょう。だから、ここを中心に考えれば私が言っておりますことを御理解をいただけると思うのです。だから、今ここでどうだという結論を言えと言っているわけじゃない。私はこういう疑念があるということを言っているわけで、もしもこの疑念があり、そして、これはやはりその低廉譲渡に匹敵をするということになれば、これはやはりその七十六名の皆さん方に再申告をしてもらわなければならないことになる、こう私は言っているわけです。だから、いかがですか、これに対して何ら考えるところはないということなのか、これはやはり一つの観点からこれから検討するということですか、もう一度ちょっと御答弁ください。

伊藤博行国税庁次長

○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。  課税上の問題につきましては、先般来申し上げておりますように、私ども常にあらゆる情報を収集しながら、もし課税上問題があればしかるべく適正に対処してまいりたいというふうに申し上げております。  本件につきまして、委員御指摘のような評価の問題につきまして、私どもとしては従来から課税上の慣行といいましょうかで、いろいろ検討しておりますけれども、本件に即してということに相なりますと、私ども、必ずしも全部、あらゆる事実を熟知しておるわけではございません。その意味では今後ともなお検討さしていただく必要があろうかと思いますが、一般的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 じゃ、検討するということでございますから、ひとつ検討の結果を待ちたいというふうに思います。  総理並びに大蔵大臣、こういう株価を決定をいたしますときに、五十九年や六十年のこの例は、これは直接大蔵省が担当して中をお調べになったものではないと思います。これは東京証券取引所あたりがこの中身を検討して決定をしているんだろう。しかし、その東京証券取引所を監督をしているのは大蔵省でありますから、関係は十分にあるわけであります。わずか二、三カ月しかたたないのに倍の価格に、倍を上回る価格にするということは、しかも、多くの人が参加をしてその額を決めるというのではなくて、特定の一部の人たちがそれこそ密室の中でこの株価を決定をしていく、ここに問題があるわけでありまして、いわゆるインサイダー取引なるものの問題点というのはここにあるのだろうと思うのです。  ですから、国際的な立場に立ちますこれからの日本が本当にオープンな株式市場を形成をしていきますためには、これはどうしても改革をしなければならない点でありまして、東京市場の今後の動きというものに密接に関係をしてくると考えております。したがって、今後こうした、正式の株価までは至りません、その以前の問題でありますけれども、しかし、こうした第三者の割り当て増資であろうと、その前の特定人に対する売却の時点であろうと、その格差が余りにも個々に大き過ぎる、これらの点については十分な配慮があってしかるべきだというふうに思うわけです。今後の日本における市場の育成のために、私は反省にしなければならない点であるというふうに思いますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 証券取引法が申しますように、企業の内容についてこれを開示して、正しく投資者に理解をせしむべきであるといういわゆる企業内容の開示制度、これはおっしゃいますように、取引の信頼を高めます上に、あるいは投資者を保護いたします上で極めて大事なものでございまして、この精神の普及拡充に努めるべきものと考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 総理、今申しましたような問題も実は含んでおりまして、この問題はかなり根の深い問題でございます。政治倫理の問題、そして今後の日本における株式のあり方、こうしたものも十分に含んだ問題でございます。それだけに国民の皆さん方はこの行方を注目をしているわけであります。ですから、先ほど総理に私はお尋ねをいたしましたが、これからの問題は問題として、いろいろ株式市場等に対する問題の改革はしていかなければならないと思いますが、あわせて、今までに起こりました方の政治倫理の問題、これに対するけじめということも明確にしなければならない。先ほど総理がおっしゃいましたその言葉の中に、端々に一部はございますけれども、しかし、今までに既に起こった部分をどうけじめをつけて、そして前進をするかというところが何ら聞かせてもらえなかった。大変私にとりましては残念でございます。しかし、この問題ばかりやっておりますと、もうあと半時間になってしまいまして、もう時間がございませんので、このリクルートの問題はこれだけにさせていただきたいと思います。何か御所見がありましたら伺っておきます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 株式市場が先ほども申し上げましたように我が国の経済社会の大きな分野を占めるに至った。そうなれば、今御指摘なすったいろいろな問題等につきましても、証取法のそもそも開示義務等を義務づけておりますことはまさに投資家保護であり、市場の健全な育成ということでございますから、その点については宮澤大蔵大臣から答えられたとおりであるというふうに思います。政治道義、倫理の問題は、重ねて申し上げますように、その以前の問題として、まさに私を含む一人一人がこれを契機にしてさらに深い反省を行い、将来に処するべきであるというふうに考えます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それでは次の課題に移りたいと思いますが、高齢化社会の問題につきましてきょうはひとつ議論をしたいというふうに思っておりましたが、厚生大臣もきょうはお見えでございませんしいたしますので、簡単に終わらせていただきたいと思います。  税制が今改革を叫ばれているところでありますけれども、ならばどんな日本の将来像を描くのかということが今明確ではないわけでありまして、社会保障の質は現状を維持するのか、それとも現在よりも向上せしめるのか、あるいはまた後退をせしめるのか、その辺も今のところ明確でありません。また、もしも現状を維持するというようなことでありましたならば、現状を維持しなければならないのは、それは財政上の問題でそうせざるを得ないのか、それとも高齢化社会における政策上現状維持をせざるを得ないという結論なのか、こういうことにつきましても意見はいろいろあるわけでございまして、そうしたことを政府がどうお考えになっているかということが今のところはっきりしていない。それによって将来どれだけの税負担が必要かということにもかかわってくるわけであります。政府が現在お出しになっておりますものを拝見しますと、これは現状の延長線上において大体どれだけの財源が必要かということだけでありまして、将来どういう設計図を描こうとしておみえになるかということがそこでは明確になっていないわけであります。この辺につきまして、簡単で結構ですが、一言伺っておきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今おっしゃいましたように、本院に対して提出いたしました資料は、おっしゃいますとおりいわゆる現状における制度、施策をそのままに置いたらどうなるか、こういう資料を提示しておるわけでございます。  したがって、やはり基本的にはいわゆる公的部門が的確に対応することを基本としながら、給付と負担がどうなって、この点は公的部門で最後までやるべきものである、この点はお互いの自主努力等においてやられるものであるというような問題について、一番近いところからいえば国鉄共済年金、それから七十年と言っております年金政策の統合の問題ということについて今検討をしておる最中でございますが、政府として申し上げておるのは、先を予測して給付と負担のあり方についてのこれですというビジョンはなかなか出すことは難しい、しかし、こうした御議論の中で可能な限りの努力をしてみましょう、そこまで申し上げているところでございますので、この問題はやはり、昭和七十年などとは申しませんが、議論しながらそういうおのずからの将来への青写真が浮き彫りにされ、明らかになっていくような努力をすべきものであるというふうに考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 議論をしながら一方におきましては青写真を決定していく、そして、片やその負担の財源になります税制の方はことしの秋決着を、こうおっしゃる。そこにアンバランスなところがあるわけでありまして、一方においてこう必要だということをじっくりと時間をかけて、そして、その青写真を形成をしていくというふうにおっしゃるのならば、それに合わせてこちらの方の財源の方についても、これは時間をかけて、そして、それに合わせた税体系というものをつくり上げていく必要があるのではないか。そこが私は非常に一方的な御意見だというふうに思うわけです。  それで、税制改革をどうしても急ぐというふうにおっしゃいますが、私は、もしもその辺急ぐとおっしゃるのならばこちらの方も急がなければならない、こう思うわけですね。どうですか、きょうは厚生大臣お見えになりませんけれども、こちらの方の社会保障の方も急がれる御予定はございますか。

水田努厚生省年金局長

○水田政府委員 ただいま総理から年金の点についてお答えがございましたので、年金についてお答えをさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、五十九年の閣議決定で、七十年を目途に公的年金の改革、一元化を進めるという方針が決まっておりまして、この方針に即しまして六十年に大きな年金改革を第一弾としてやったところでございます。  その内容は、御案内のとおり基礎年金を導入した。それから二階部分の被用者年金につきましては、いわゆる共済組合が厚生年金に給付レベルをそろえる、いわゆる官民格差を解消する、こういう形で整合性を図ったわけでございまして、今後残されております問題というのは、五つに分かれております被用者年金の負担の不均衡の是正を図っていく、こういう問題でございます。  この負担の不均衡は大別して二つの理由から生じているわけでございまして、その一つは官民格差にゆえんするものと、それからいわゆる産業の変革によって被保険者数が非常に減ったために年金を付与する付与率に非常なアンバラが生じているということでございますので、私ども、個々のそれぞれの対策を仕分けして講ずる必要がございますので、昨年の九月に公的年金の閣僚会議を開きまして、その中間地点でいわば棚卸しという形でそこの交通整理をし、地ならしできるものを地ならしするということで、一元化へ向けての、完成に向けての地ならし作業をやるということで、政府としましては七十年の目標を達成できるように現在中間地点の六十四年の再計算で最大限の地ならし作業を行っているところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 いや私はそんなことを聞いているわけではなくて、片方において財源の方のことをお急ぎになるのであれば、この社会保障の方の整備についてもお急ぎになるのですかということを聞いておるのです。その七十年の話はもう私も聞いていますから知っていますよ。それをさらにお急ぎになるのですか、こう聞いておるわけです。例えば年金だけではなくて医療保険の一元化、統合化、これはどちらかよくわかりませんが、とにかく一本化にいたしましても一元化にいたしましても、この医療保険の一元化というような問題もあるわけですね、社会保障の問題としては。だけれども、これは医療保険の場合には六十年代後半早い時期にということになっておるだけでありまして、そうした計画は前々から聞いておりますけれども、財源の問題をお急ぎになるのならば、こちらの方の計画もさらにお急ぎになるのですかということを私は聞いておるわけです。

末次彬厚生大臣官房総務審議官

○末次政府委員 社会保障の給付あるいは負担のあり方につきましては、究極的には国民の合意、選択による問題であるというふうに理解いたしております。この具体的な内容につきましては、ただいまも申し上げました年金の問題あるいは医療保険の問題、老人保健の一部負担の問題等々、個別具体的な内容につきましては国民が今後合意、選択していかなければならない点もございまして、現時点で将来ビジョンをかっちり固めまして、それに基づいて計算するということはなかなか難しいわけでございますが、何とか御審議の参考として部分的にでも将来的な姿が描けないものかどうか、これにつきましては所管省庁、関係省庁とも相談しながら検討させていただきたいというふうに考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 いやいや、もうよろしいです。片や一方はそういう状態にある、これからの改革というものに対する青写真は一方そういう状態にある。それなのになぜ片方の方だけお急ぎになるのですか、こういうことに対する答弁にはならないわけで、私はそういうことを一つ今実はお聞きしているわけなのです。医療は医療の中で、あるいは年金は年金の中でいろいろおやりになっていることはよく存じております。一生懸命やっていただいていることもわかっておりますが、しかし全体の計画として立てにくいもの、できにくいものだけれども、これは早くやらなければいかぬというのならばわかるのですよ。だけれども片方、税金の方だけは急ぐけれどもこちらはゆっくりだというのでは、これは合わないじゃないですかというふうに言っているわけなのですよ。だから、もしもその財源の方を急がれるのならば、こちらの方も、今までは六十年後半あるいは昭和七十年と言っていたけれども、もう少しこの青写真だけは急ぐのだ、こうおっしゃるのならば私は話のつじつまは合う、こう言っているわけです。その辺、おやりになるのかどうかだけ聞いて、次にいきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 だから、坂口委員の考え方を整理いたしますと、平素おっしゃっていることでございますから、総合課税の再構築をやったりいろいろな不公平を是正したり等々結構である、しかし、少なくとも将来のいわゆる高齢化社会等を念頭に置いた場合は、やはりその青写真があって初めて国民に負担を求めることもできるではないか、したがって、まず急ぐのはいわゆる高齢化社会への対応等、高齢化社会ビジョンを示すべきだ、こういうのがかねての御持論である、長い間大蔵委員会で一緒にやりましたから、そう思っております。そのことをお述べになっておって、まことに結構だと思うのであります。  私どもが申しておりますのは、税体系は、今度はこれを財源とするという物の考え方で構築したものではございませんが、あなたのおっしゃることはよくよく理解できますので、したがって、我々も可能な限りの福祉ビジョンというものを現在の施策、制度そのままにというものに踏み込んで精いっぱい努力してまいりますから、ひとつそれともどもに御審議を賜れば幸いこれに過ぐるものはない、こう私どもは今までも申してきたわけですが、重ねて申し上げるわけでございます。その基本的な考え方は私もわかりながらお答えしたところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 私の考え方を整理をしていただきましたところはよくわかりました、私個人でございますから。しかし、どうもその後の総理のおっしゃることがよくわからない。私はその後のことを聞きたかった。私の考えておることは、自分でございますから、よくわかっているわけでございます。  これは総理、どうなんですか、年金にしましても医療にしましても、きちっとしなければいかぬですよ。これは文部大臣にも聞こうと思っておりましたが、もう時間がございませんからお聞きしませんが、例えば、片方におきましては医師の数は八千人から次々出てくるわけですね。これはもうだんだんふえてきている。これを一割、七十年までにカットしていこう、こう思っておみえになるわけですよ。だけれども、片方で医師の数をカットしようというふうにおっしゃいましても、これは多少、一割カットしようといったって、この効果が出てくるのは十年先なり二十年先なんですよ。現在既に、今はベッド数をうんと制限をしている。そして病院が新しく出るのも厚生省は抑えている。片方でたくさんの医師を養成しながら片方では病院をつくるのもベッドも抑えている。そういうアンバランスもあるわけですね。だからきちっとけじめをつけて、将来の構想を明確にしなければならない。そうしなければどれだけの財源が必要かということもはっきりしてこないわけですね。高齢化社会、高齢化社会といいましてもそこは明確でない。高齢化社会だって要らないようにだってできるのですから。これは高齢化社会をどうするかということによって決まるのですから。だからそこを私は言っているわけで、それじゃ、こちらの方を急がれぬのだったら税制の方も急がれませんね、こう言っているのです。どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 整理したのはまことに失礼でございましたが、私がお答えするために私の心の中で整理したわけでございますから、これはお許しいただきたいと思います。だから、かねての御持論でございますが、そうした青写真というのをつくりなさいよ、このことはよくわかるのです。したがって、先のことに対して国民の負担を可能な限り減らしていかなければならぬということでありますが、先ほど来の御意見の中にも多少感じられますように、いわゆる国の責任において、財政出動においてどこまでやるのか、自主努力等においてどこまでやるのか、こういう問題についてはまだまだ議論しなければならぬ問題がございますので、いわゆる税制の改革理念に基づく改革、そして、そうしたもの等の議論、これは可能な限りの資料を出しますから、したがって、それに基づいて一層深い御議論をお願いしたい、こう言っているわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 もう時間が少なくなってまいりました。もう税制の問題をやる時間がなくなってまいりました。  昨日、矢野委員長が税制改革基本法なるものを発表いたしまして、我々の税制改革に対する取り組みを発表をしたわけでございます。それは、一口で申しますと、税制改革の必要なこと、そして我々も今その税制改革に着手をしなければならないこと、そのことはよくわきまえているけれども、しかし、それには手順があります、手順を追って税制改革を進めていきましょう、こういうことでございます。政府の方も税制改革基本法なるものをお出しになるわけでありまして、中で共通点もあれば全く相対立する点もあるわけであります。私は、今そういう税制改革の入り口に立って、そして手順よく、手際よく進めていくためにどうしたらいいというふうに総理がお考えになっているのか。我々の出しました税制改革基本法なるものをあるいは御一読いただいたかもしれませんが、それに対してひとつお考えをお聞かせをいただいて、税制問題に入っていきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 昨日に発表されましたものをメモって整理した段階の勉強でございますから、十分とはいえないと思います。私も昨晩勉強をさしていただきました。  一つには、政府が申しております税制改革法案、それから税制改革基本法案、違うのは、政府は十七条で、聖徳太子の憲法十七条とたまたま一致するわけでございますけれども、これはたまたまの一致でございます。その十六条といいますのか、十六項目に分けていらっしゃる中で基本的に考え方を等しくする問題がございます。  それで、違うところはどこかというと、先ほど来の坂口委員と私の問答の中にもありますように、いわばもろもろの税制の整備をするための努力を三年ぐらいやって、それでなおかつというならばそれを三年後とか四年後ぐらいにやったらどうだというような考え方のもとに整理してみますと、第一次改革と第二次改革というふうな二段にお分けになっておって、第五項目から第十三項目ぐらいが第一次で、そして第十四、第十五項目、今おっしゃいました高齢化社会ビジョン等を含め、これらの問題が第二次改革として、直間比率を含め議論すべきだ、こういう趣旨に、本当に大ざっぱな勉強でございますので、私承らしていただいたわけでございます。  したがって、私の方は基本法とは申しておりませんが、改革法案と対比して御審議していただいたところで、お互いの問答の中で調和点と申しますか、そういうこともあり得るのじゃないかな。詳しく中を勉強したわけじゃございませんので、三時間しか勉強しておりませんが、私が感じたことだけを申し上げます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 十六条と十七条とどちらが聖徳太子に近いかと言えば、一つ少ない十六条の方が聖徳太子に近いことはこれはもう明々白々でございます。少ないのですから、聖徳太子よりも少なくまとめているのですからこちらの方がまさっている。  こうした中で一つだけ私は指摘しておきたいと思いますが、今回政府の方はこの所得税改革あるいは資産税改革というようなものは余り手をつけずに、そしてそこに消費税という新しい税制を導入しよう、こういうふうになさっているわけでありますが、私はこの国民所得に対する所得税の負担割合というものを見ました場合に、国際比較で見ますと日本は所得税が非常に高い、こういうふうに言いますけれども、しかし個人所得に対する所得税の負担割合は、平均いたしまして六十一年度で五・四%なんですね。アメリカはうんと所得税を下げたといいますけれども、これは九・六%あるわけです。イギリスは一一・九%、ドイツが八・六%、フランスは日本より低くて五・〇%でございます。フランスと日本は非常に低いわけです。日本がなぜ低いかということを大蔵省に聞けば、必ず課税最低限が日本は高いから五・四%になるんだと、これは水野主税局長お答えになることは決まっていますからもうお聞きいたしませんけれども、そういうことになる。  それで調査室にお願いをしまして、アメリカと同じ課税最低限、百七十五万円ぐらいが課税最低限でございますから、ここに日本もアメリカ並みに課税最低限を下げたとしたらこの日本の五・四という数字はどれだけになりますかということをいろいろやってもらった。これはなかなか計算の仕方難しゅうございますし、そしてまたやり方もいろいろあるわけでありますが、いろいろなやり方をやっていただきましたが、大体六・〇から六・四、一番高いので六・四%ぐらいになる。低いのは六%ぐらい。課税最低限をアメリカ並みに日本でも下げた場合にですよ、そうしましたときに。ほかの制度が違いますから、なかなか比較ということは難しいですけれども、その制度の違いはそのままにしておいて、そして日本の課税最低限だけをアメリカ並みに下げたとしたらどのぐらいになるかというと、大体六・〇から六・四ぐらい。そういたしますと、アメリカは九・六でありまして、なおかつそこに三ポイントぐらいの差がある。  これは日本の所得税が課税最低限がある程度の高さを保っているから、全体に占める割合が低いだけではなくて、これはいわゆるタックスエロージョンなるものがあるからこの数字が出てきている、こう言わざるを得ないわけです。この辺の部分についても、これは検討を加えていかなければならない。これはこの次、私の方の政審の事務局で、ならば現在どれぐらい課税ベースがあり、そしてそこから漏れているものがどのぐらいあるのか、分離課税がされているものがどれぐらいあるのか、あるいは分離課税だけではなくて、あるいは租税特別措置等を含めましてどれだけあるかということを見てみたのですが、分離課税をもう全部取っ払う、それから租税特別措置を三分の一に圧縮するということをいたしますと、大体十兆円ぐらいにはなってくる。平均の税率を一三%というふうにいたしますと、一兆二、三千億の税収になるということになりますが、これは非常に大ざっぱな話でございますから、細かな問題は抜きにいたしまして、そのぐらいの勘定に大体なると思うわけです。  私は、この税の問題に踏み込んでいきます場合に、そこに不公平是正という言葉もありますが、消費税等の問題に入ります前にこれらの点はやはり整理をしておかねばならない、そのことについての整理というものを不十分なままにして消費税に入っていくわけにはいかない、こう思いますが、大蔵大臣いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまの御指摘は大変に大切な御指摘で、賛成、反対というよりは客観的に学問的な立場から御提起になられたと思いますので、私どもそのように承って申し上げなければなりませんが、確かに我が国の五・四%、アメリカの九・六%、我が国は一番低いわけでございますが、これはわかっているとはおっしゃいますものの、課税最低限が大変高いことと、それから最初の税率が比較的低い、その両方によることであろうと思われます。それで、仮にアメリカの百七十五万円程度に日本の二百六十一万円をしたとして、その仮定はいろいろある、確かにそうでございますが、私どもの事務当局は六%ぐらいとはじいておりますので、坂口委員の言われましたこととそんなに違わないかと思います。  それで、だからもっと課税ベースを広くすればよろしいのではないかということについては、私どもの試算によりますと、例えば租税特別措置法でございますが、所得税におきまして六十三年度の租税特別措置法による減収見込みは一兆一千五百億円程度だそうでございます。したがいまして、所得税収十七兆のこれはほぼ六%程度であって、そんなに大きい数字ではない。しかも、それは老人のマル優制度であるとか住宅取得促進税制等によるものが多い、こういうのが一応の私どもの試算でございますけれども、仰せになりましたのはそういうことの議論ではなくて、もう一遍そういう基本を考えてみるべきではないかと言われるのが御主張の主点でございますので、それは私どももまことにそのとおりに考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そうしますと、こうした問題もひとつこれからいろいろと議論をして、そして税制改革を考えていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。  ことしの秋にすべてを結論を出すというようなことは、こういうことをやっておりましてはこれはできないわけでありまして、ここはやはり議論を積み重ねていく、そしてその中で基本をつくり上げていく、先ほど社会保障の中でおっしゃったのと同じことが言えるわけでありまして、だから何が何でも最後はここですよというような議論をされては、これはやはり審議拒否はいけない、いけない、こういうふうに言われますけれども、時にはそうせざるを得ない状態に追い込まれていくこともあるわけであります。だから、これはやはり審議を尽くしますという限りは、最後のところのおしりのところを決められてはこれは議論できないわけです。そこを我々は、これから大いに議論はいたしましょう、議論をするのをおくらそうと言っているのじゃない、議論をするのも、もう即座に議論を始めましょう、こう言っているわけです。ただ、最後いつまでということだけは、それは少し延ばしていただかざるを得ない、これは今すぐというわけにはまいりませんよ、いろいろやらなければならないことが多いですよ、こういうことを言っているわけです。おわかりいただけますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いわゆる租税特別措置法によるいろいろな政策減税、あるいは何を総合し何を源泉にするかといったようなことはおのおの理由のあることだと私どもは考えておりますけれども、しかし、それらを含めていわゆる不公平感を呼ぶ不公平税制というものの問題があるのだ、そういう御指摘あるいはそういうふうに呼ばれることにつきましては、これは私ども別段に特に異議を申し立てようとは存じておりません。そのような、いわゆる不公平感を呼ぶところの税制全般について検討すべきである、それを急いで検討すべきであるというお立場は、私ども十分に国会のお立場としてはごもっともなことと存じます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それから最後にもう一つ。きょうの新聞を拝見をいたしますと、渡辺政調会長が、ことし与野党で合意をいたしました減税法、この刻みが一〇%から六〇%になっておりますが、これは一年こっきりで、来年からは一〇から五〇に戻すんだということを言っておみえになるそうでありますけれども、もしそれが事実であるといたしましたら、我々が合意したこととは全く違うわけでありまして、そして、この法律は臨時立法でことしだけでございますけれども、しかし、これは来年までです、あるいはその後にもこれは継続をするものというふうに我々は理解をしておるわけでありまして、大変残念な発言でございますので、決して我々はそれを容認することはでき得ないということだけ一言申し添えておきたいと思います。  また、財源につきまして最後にもう一つだけ大蔵大臣にお聞きをしておきたいと思います。経企庁長官にもお話を伺いたいと思っておりましたけれども、時間がなくなってしまいました。  ことしも、六十三年も非常に好調な経済状態が続いておりまして、昨年は第二次補正以後も三兆七千億という剰余金が出たわけでございますが、ことしもこの状態でいきますとかなりな自然増収があるものと思わざるを得ません。したがいまして、そうした来年度の減税の財源等につきましても、私はこれは心配をする必要はないというふうに考えておりますが、ひとつ大蔵大臣のお考えをお聞きをしまして、終わりにしたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 六十二年度の税収が、租税弾性値としては三・三三というまことにまことに異常な数値であったことは、もう坂口委員がよく御承知のとおりでございます。同じことが再度繰り返すとは思えませんが、ただ、こうやって減税が先行いたしておりますので、財政当局としてはどのようにこれに対処するかということは大変に苦慮いたしておりまして、願わくは経済運営よろしきを得て、また節約すべき経費は節約をいたしまして、これを何とか賄わなければならないといろいろ苦慮をいたしておるところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 減税先行は政府の案も減税先行になっているわけでありまして、それは両方とも同じでございます。  あっという間に時間が過ぎてしまいまして、非常に言い足りないことばかり多かったような気がいたしますが、これをもちまして終わらせていただきます。ありがとうございました。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて坂口君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後二時二十三分休憩      ────◇─────     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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