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113回国会衆議院1988/08/05

予算委員会 第2号

発言数
214
登壇者
23
会派数
3
開催日
1988/08/05

会議録

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、日本社会党・護憲共同所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得られませんので、やむを得ず議事を進めます。  予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米沢隆君。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、目下政治問題に発展いたしておりますリクルート疑惑問題の真相究明の問題、株式買い占めの規制に関する問題、それに、さきに民社党が示しました塚本三条件に対する政府の対応の問題、竹下税制改革の問題並びに農政問題等につきまして政府の見解をただし、真摯な御答弁を求めたいと存じます。  まず、冒頭、昨日質問通告を行っておりませんが、大変そういう意味では恐縮なんでございますが、我が国に重大な影響が及ぶことが懸念されておりますアメリカのいわゆる修正通商法が昨日アメリカの議会を通過し、成立の見込みであるという件に関しまして、緊急に総理の見解を求めておきたいと存じます。  既に昨日の夕刊等で報道のとおり、スーパー三〇一条条項とか知的所有権の保護強化条項とか金融報復条項とか、あるいは東芝制裁条項など、不条理とも言えるような極めて保護色の強い対日強硬条項を含む八八年包括通商・競争力強化に関する法律の修正案がアメリカの上院を通過し、レーガン大統領もこれに署名する意向が表明されたと伝えられました。  我が国のさまざまな外交努力にもかかわらずこのような法案が成立ということになりますと、我が国にとりましては極めて遺憾な事態に立ち至るわけでありまして、総理は、日本政府としてどのような決意とどのような対処方針を持ってこれに処せられるのか、まずお聞かせいただきたいと存じます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今御指摘なさいましたような事実につきましては、私どもも承知をいたしておるところであります。  これまでいわゆる貿易包括法案というものが米国の国内でもろもろの議論を呼んでおりましたのは、いわば工場閉鎖に関する条項等が国内問題としてはむしろ大きくて、我々がいろいろな外交努力をいたしましても、いわゆる我々の方から見た議論というのが国会の方でどちらかといえば影が薄かった、こういう感じがございました。しかし、その後の状況の変化からいたしまして、この大統領が拒否権を発動されたということからして、それが分離された議論の方へ進行していきましただけに、今おっしゃいましたようなあらゆる角度からいろいろな外交努力を行ってきたことは事実でございます。したがって、今表現をそのままおかりいたしますならば、極めて保護色の強いこうしたものが今日の状態に至ったということは、まことに遺憾であるという一語に尽きるというふうに考えておるところであります。したがって、今後とも折に触れ、臨み、この保護貿易の台頭というのを抑えていくという自由貿易そのものの考え方に立って、世論の喚起、そしてそれの執行に当たってどのようなことになっていくかということに関心を持って当たりたいと思います。  ただ、見通しとしておっしゃいましたが、私に今の見解を申し述べろとおっしゃいますならば、最終的に成立しないことを望むということが一応の公式な見解でございましょうが、その可能性ということになりますと、米沢委員おっしゃったように、私もその可能性を否定する気持ちにはなれない環境にございますので、今後ともこれについては実効が私どもの関係に出てこないことを期待して働きかけていこう、こういうことでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 次は、リクルート疑惑の真相究明に関連し、質問をいたします。  御案内のとおり、税制改革国会を前にいたしまして、明電工の中瀬古事件だとか、あるいはリクルートコスモス社の非公開株譲渡事件など、株取引に関連する政治家やその関係者のぬれ手にアワの商法が国民の厳しい批判を呼んでおることは御案内のとおりであります。既に中瀬古事件は司直の手が入り、司法の判断を待つことになりましょうが、リクルート事件は、今のところ法に触れない道義的責任の問題だとはいえ、いまだ事件の全容は明らかにされておりません。全容の解明いかんによりましては、新たな疑惑が生まれてくるやもしれないということであります。  私どもは、ここまで大きく国民の不信が高まり、真相の究明を求められておる以上、今日の庶民のいら立ちこそ法律である、そのような感覚に立って、そのような意識に立って政府は事件の全容を明らかにし、法律上の是非、道義的、政治的責任の是非等につき、税制改革の議論に入る前に国民にわかるように説明してあげることが政治の責任ではなかろうかと民社党は考えておるわけであります。  この際、まず第一に、リクルートコスモス社の非公開株譲渡に関する件につき、今日までわかっております事実関係と、もし問題点ありとすれば何が問題になっておるのか、大蔵大臣、法務大臣の御答弁を求めたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいままでの調査の結果につきまして、政府委員からお答えをさせていただきます。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 私ども大蔵省といたしましては、今回のリクルートコスモス問題につきまして、証券取引法等の法律違反との関連におきましていろいろ調査を進めているところでございます。そこで、現在までに問題とされました事実関係につきましては、昨日渡辺委員にお答えしたところでございますが、若干重複になりますが改めてお答えさせていただきたいと思います。  まず、五十九年十二月の下旬でございますが、株式会社リクルートが、リクルート社が持っておりますところの子会社でございますリクルートコスモス社、その当時におきましては環境開発株式会社と言っておりましたが、その後名称を変更してリクルートコスモス社となっておりますが、その株式をリクルート社の方の決算対策上の都合から売却するということにいたしまして、二回に分けまして、全体として七十六名の者に対しまして、一株五十円に換算いたしまして千二百円の価格でこれを売却いたしております。それによりまして、売却した利益をもって決算対策に充てている、こういう状況にございました。  なお、この問題につきまして、後から申しますように、証券取引法上届出書を提出すべきであったかどうかという点については現在事実を調査中でございます。  この価格につきましては、昨日申し上げましたけれども、同社が持っておりますところの土地とかあるいは合併予定会社の土地の価格を時価評価するといった形におきまして、一株当たりの純資産額を計算いたしまして千二百円という価格を算出した模様でございます。  それから、その後同社は上場といいますか店頭登録をいたすことを予定いたしまして、安定株主工作といたしまして六十年二月及び四月に、合わせまして千五百万株の第三者割り当て増資をいたしておりますが、この引受先は金融機関あるいは事業会社等でございます。このときの価格は一株二千五百円でございますけれども、この価格につきましては、リクルートコスモス社の将来における業績の上昇といったものを見込みました上で類似会社比準方式によって算定いたしております。  その後、証券業協会に対する所要の手続等を経まして、六十一年の十月三十日、リクルートコスモス社が店頭登録されました。このとき、江副さんが持っておりますところの株二百八十万株を公開いたしまして、これを分売したわけでございますが、この分売価格につきましては、競争入札の結果といたしまして五千二百七十円という値段がついたわけでございます。この際に、店頭登録前に取得しておられた方々の一部にはこれらの値段で売り抜けたといいますか、売却されて利益を得られた方があるといったことでございます。  この問題につきましては、証券取引法上の位置づけにつきましてどうかといいますと、非公開会社の株式につきまして、売買それ自体が特に違法である、こういった問題はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、非公開会社の株式でございましても、不特定多数、つまり私どもの基準でいいますと、五十人を超える者につきまして均一の条件でこれを売り出すといったことになりますと、証券取引法第四条に規定する有価証券届出書によりますディスクロージャーを行うべき必要があったのではないか、こういった観点から現在事実関係を調査しているといったことでございます。  なお、証券業協会の規則におきましては、会社の役員あるいは主要株主といった特別利害関係人が店頭登録前一定期間以前に株式の移動を行うといったことを認めますと、これによって特定の者が不当な利益を、利益配分を行う余地がある、こういったことからこれを禁止いたしております。この期間との関係につきまして、五十九年十二月はその禁止期間の前でございますので、こういった証券業協会の規則との関係において特に抵触する点は認められないというのがこれまでの事実関係でございます。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○林田国務大臣 いわゆるリクルート問題の違法性の有無についての御質問でございまするが、刑罰法令に触れる事実がありましたならば、捜査当局におきまして厳正に対処するものと存じております。現時点において、違法性の有無あるいは具体的犯罪の成否という観点から意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今大蔵当局におかれましていろいろと解則を急いでおられるそうでございますが、そのいわゆる全容についてはいつごろまでに解明が終わる予定でございますか。  また、今法務大臣の御答弁によりますと、今の場合にはお答えする段階ではないというお話でございますが、何か疑惑の事実関係があるならばとおっしゃいましたが、あるかどうかはどういう格好で決めるのでしょうか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 先ほど述べましたように、私どもといたしましては、リクルートコスモス社による五十九年十二月のリクルートコスモス社の株式売却が証券取引法第四条違反に該当するかどうかといった観点から必要な調査を進めているところでございます。現在事情聴取中でございまして、なるだけ早く結論を得たいと思っておりますけれども、現段階においてはまだその最終的な結論に至っておりません。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 ただいま大臣が答弁いたしましたように、検察当局を含めた捜査機関におきましては、こういう国会の御議論等を踏まえまして適切な処置をとると思います。しかし、その適切な処置については現在お答えすることを差し控えたいと思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今証券取引法の第四条の嫌疑で関係者からの取り調べが行われているとのことでありますが、それがもし終わったとしても、今の御答弁等を聞いておりまして、全容の一部しかわからないということではないかと思います。それでちょんということになりますと、国民がどこまで求めておるかの議論はありましょうけれども、いわゆる疑惑を解明をし、そして国民の皆さんこういうことでございましたということにはならない。そこの乖離が非常に私は難しい問題だろうと思うのでございます。  今国民が求めているものは、法的にこれは可能かどうかは別にいたしまして、非公開株を譲渡した者、譲渡を受けた者につき違法性が問われているかどうか。店頭登録に至るまでの間、不公正な値決め、不公正な取引、不公正な株価操作が行われた事実があるのか、その違法性はどうなのか。そのほか、この事件に関連し、民法上、商法上、刑法上問題があるのかないのか。証券取引法四条の範囲内で調査をするというのでは全容の一部しかわかりませんので、できれば証券取引法の第二十六条という格好で調査の対象を広げていくことが必要ではないか。そのあたりをはっきりしてもらいたいというのが、私は疑惑を解明する際の大きなポイントではなかろうかと思います。そして、できるならば、全七十六名のリストを明らかにしてもらいたい。加えて、そこまでの話を終わらない限り、この事件はかなり後を引く問題ではないかなと思うのでございますが、その件に関しまして、大蔵大臣、法務大臣、再度お答えいただきたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 まず第四条関連のことにつきましては、政府委員がただいま御説明を申し上げまして、調査をいたしつつございますが、適当な時期に調査の結果は法令の許す範囲で御報告を申し上げたいと存じております。  もちろん、中には国家公務員法上の守秘義務等々の関連もございますので、その許します範囲で御報告を申し上げるということにいたしたいと考えております。  次に、二十六条との関連についてお尋ねがございました。これは昨日もお尋ねがございましてお答えを申し上げたわけでございますけれども、法制局長官もお答えになられましたように、二十六条そのものはいわゆる企業内容の開示義務、ディスクロージャーによって投資家を保護するという趣旨の規定でございます。「投資者保護のため」と書いてございまして、そういう範囲でこの二十六条は発動をすべき規定、罰則によって担保されておる規定でございますので、個々のケースをこれによって調べるというようなことはこの二十六条の目的ではないというふうに私ども考えております。

林田悠紀夫自由民主党法務大臣

○林田国務大臣 ただいま大蔵大臣から答弁されましたように、現在大蔵省において証券取引法その他の問題として調査中でございまして、法務当局におきましては、国会の論議とかあるいはいろいろな報道その他を注目をしておるところでありまして、法令に違反するところがありましたならば厳正に対処をするという態度でございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今大蔵大臣の方から、全容がわかり次第法令の許す範囲内で明らかにする、しかし守秘義務との関係があって難しい点もある、こういう御答弁をいただいたわけでございますが、先ほどから申しておりますように、第四条の範囲の調査である限り、まあそう全容は明らかにならない。そのあたりが我々としては、もう少し拡大された格好での全容が明らかにされない限り非常にこれは尾を引く問題ではないのかなということを申し上げておるわけでございまして、できれば第二十六条を適用しての調査ということがベターであろうと思います。  今御説明がありましたように、第二十六条は「大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、」というふうに、公益または投資者保護という観点からの規定がなされておるのでございますが、今大蔵大臣がおっしゃいましたのは、投資者保護の方にウエートが置かれて公益というものが余り表に出ていない。昨日の法制局長官の答弁によりましても、公益というのはいわゆる証券取引の範囲内の公益だというふうにかなり限定的に解釈されての答弁であったと思いますが、例えばこの事件がいわゆるわいろ事件だとか贈収賄事件とかというものに発展するというようなものになったときには、逆にこの公益というのは、第二十六条はもっと広がるという話のものではないのでしょうか。法制局長官の御答弁を求めます。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 証券取引法第二十六条の解釈につきまして、昨日私は矢野委員に申し上げたとおりでございまして、同条に「公益又は投資者保護のため」と、こうございまして、公益というのはこの場合には証券取引法の目的に即して解釈すべきであろう。そういたしますと、証券取引法では、非常に概括的に申し上げますと、有価証券の発行なり流通市場の公正を確保するということが証券取引法の目的であるので、そういう意味から公益を解釈すべきであるというふうに申し上げたわけでございます。  そういう意味で、証券取引に関しまして何らかの刑事上の問題があるのじゃないか、刑罰法規に触れる、これは刑法に触れるという意味におとりいただきたいと思うのですが、証券取引法違反ということではなくて刑法に触れる問題があるのではないかというようなことになりますと、それにつきましては、証券取引、その刑法違反かどうかということを調べるということは、証券取引それだけでは証券取引法第二十六条の規定による職権を発動するわけにはいかないだろう。その場合には、刑事訴訟法にいろいろ捜査上の必要な権限が規定してございますので、刑事訴訟法上の権限によりまして捜査をする、こういうことに相なるのではなかろうかと存ずる次第でございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今法制局長官が御答弁なさいましたが、いわゆる刑事上の問題になれば確かに刑訴法の問題であろう。今第四条で議論されておるように、証券取引法の範囲内の中でもかなり、例えば不公正取引みたいなものがあったのかもしれない、あるいは不公正な株価の操作があったのかもしれない、あるいはいわゆる流通過程において不公正な何かがある、こういう段階では証券取引だけに限定した公益ではなくて、ちょうど刑訴と、刑事法と証券取引法のグレーゾーン、そこらを解明するためには、この公益という解釈は、第二十六条の公益の解釈はもっと拡大して検討されてもしかるべきではないのかな、そういうことは全然だめなのかどうかというそのあたりは一体どうなんでしょうか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 確かに、御質問は大変難しい御質問でございますが、証券取引法違反ということが刑事問題になるということはあるわけでございます。その場合には、証券取引法に違反しているかどうかを行政上の観点からいろいろ調べるという場合には、これは証券取引法に規定しております大蔵大臣の権限によりましていろいろ御調査になるということはあるわけでございます。しかし、これを刑事法の、刑事罰という観点から捜査をするということになりますれば、これはまた刑事訴訟法上の捜査機関に与えられておる権限によって捜査をするということになるわけでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 こんな問答を繰り返しておりましても、国民の皆さんにはわかろうはずがございません。  やはり結論的には、いろいろと御解明に努力をされて、その一部については公開をする気持ちはあるけれども、それは法令の範囲内であるということから、範囲を超えておりませんので、我々といたしましては、今申し上げましたように刑訴法の問題、証券取引法の問題、その瀬戸際のグレーゾーンについて解明が行われない限り国民の疑惑はおさまらないということでございましょうから、やはり我々民社党といたしましても、この際、せめて江副前社長あたりを証人喚問をして調査を進めるべきである、こういう御要請をいたしたいと思います。同時に、いわゆるこの件に関する資料要求、国会法に基づきまして資料を提出いただくような処置を委員長におかれまして善処されますようにお願いしたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 昨日も矢野委員からの御指摘もございましてお答えしたところでございますけれども、ただいま米沢委員御指摘の証人喚問あるいは公的なリスト請求等につきましては、委員会運営の上で極めて重要な問題であるという認識を表明いたしました。したがって、先般来理事会で慎重に各党協議してまいっておるところでございます。なお引き続き協議中でございますし、今米沢委員の御提案を受けて、私としては各党意見をよく承って対処申し上げたいと思っております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 ここで、それに関連して法制局長官にお尋ねしたいと思うのでありますが、私どもが国会法に基づきまして資料の提出をお願いし、それが院の決議あるいは委員会の決議がなされて請求がなされた場合、行政府としてどうしてもお示しできないという部分がありますよね。あらゆるものが提出の義務になるのか、守秘義務という形である程度のものは皆さんの判断で隠すことができるのかどうか、そのあたりはどうなんでしょうか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 恐縮でございますが、先ほどの件、もうちょっと整理をして申し上げます。その前の御質問でございますね。  証券取引法違反かどうかということを証券取引法の行政を担当いたします行政官庁として大蔵省が調べる、こういう場合には証券取引法に規定しております大蔵大臣の調査権限によって調査をする、それはあくまで証券取引法の目的を達成するための調査であるということでございます。一方、これについて刑事罰を適用するということになりますれば、刑事罰を適用するための捜査というのはこれは司法官憲が行うわけでございますが、それは刑事訴訟法に規定しております捜査のための権限によって行うというふうに整理をさしていただきたいと存じます。  それから、ただいま御質問の国政調査と守秘義務の関係でございますが、これは昭和四十九年の十二月二十三日の参議院の予算委員会におきまして政府統一見解をお出しいたしてございます。これをちょっと読み上げさしていただきたいと思いますが、   いわゆる国政調査権は、憲法第六二条に由来するものであり、国政の全般にわたってその適正な行使が保障されなければならないことはいうまでもないところである。   一方、憲法第六五条によって内閣に属することとされている行政権に属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されている。   そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずるが、両者の関係は、常に一方が他方に優先をするというようなものではなく、国政調査権の要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によってまもられるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定されるべきものと考える。   個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきであろう、 こういう見解になっております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 そういう解釈だそうですが、例えば竹下総理のもとにリストあたりが出てきたときにはどちらをとられますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 ちょっと私の手元にリストが出てくるということを想定して考えたことがございませんので、その考えにずばりお答えする準備をいたしておりません。が、今法制局長官が読み上げられましたのはたしか昭和四十九年で、私が内閣官房長官のときに一生懸命相談してつくったものが、私がやめた後の井出官房長官のときだったと思いますが、参議院で公表された。書いてあるとおりのことは私も大体整理をいたしておりますが、国政調査権に最大限協力すべきものとその限界、そのときどきの公益の問題についてさてだれが判断するかというと、やはり判断するその人に帰属してくるのかな、こんな疑問を持って勉強したことを思い出しました。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今の御答弁は、ますます証人喚問という形での審議を進めないと事態の真相はわからないという結論になるのではないかと思います。  さて次は、政治的、道義的責任につきまして、当事者でございます総理、大蔵大臣に聞いても、これは本会議でも聞きましたし昨日の予算委員会でも聞きましたが、ほとんど答えは同一でございますから繰り返して聞こうとは思いませんが、しかし、こういうような事件が発生するたびごとにいつも出てくる文句は、竹下さんのお得意な、李下に冠を正さず、こういうことですね。漢語でございますから何かまさに恐れ入るという感じは出てこないわけではありませんけれども、簡単に言うたら君子危うきに近寄らずというだけの話でございまして、こういう政治的な感覚あるいは道義的感覚というのはやはり問題ではないのかなという気が私はするわけでございまして、結果的には、それが本人自身の再発ではないにせよ、政界全体としては同じような事件が次から次に起こってくるという土壌をその言葉自体があらわしておるのではないか、そんな感じがしてならないわけでございます。  特に株取引に関する不祥事が起こるたびごとにいつでも出てくる政治家の名前がありますね。ということは、株取引でもうけるもうけないという問題と政治資金との関係が今やもう構造的に定着し切っておるのではないか。膨大な政治資金を集めるためにはみんな株を操作する。株で国民の皆さん方が買うこともできないようなものを買わせていただく。転換社債でもしかり、あるいは増資でもしかり。すべて国民の皆さんの前では明らかにならない。いわゆるそこの部分において権力を行使してとまでは言いませんけれども、そのような権力にある立場を利用して、あるいは相手側がそれに取り入ることを利用して株取引をやり、結果的にはそこで政治資金をつくり上げていくという、これは政界の常識になりつつあるのではないかというそのことが今問われておるのではないかな、こう私たちは思うわけでございまして、この点、総理はいかがですか、どういう御感想をお持ちですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私は、株式あるいは転換社債をも含めまして、私自身が安定株主になるために取得したことは随分若いときに一回ございます。それは依然として今も持ち続けておるものでございますが、元来、株式の取引というものの経験がございませんので、その株式の操作の中で政治資金が生まれてくるという性格はちょっと違うのじゃないかな、こんな感じを持っております。しかし、株とはもとよりキャピタルゲインもあればロスもありますが、最近の傾向から見て、昨日来も数字でもって御指摘になっておりますように、我が国のGNP全体をはるかに超すような状態の増加傾向をたどっておるときに、ロスというものはないもので、ゲインというもの自身だけが存在しておるという一種の神話のような中に、今おっしゃったような風潮が言われるようになっておって、現実問題として株式の取引の中に政治資金を取得していらっしゃる方ということは、私は大変これはあり得るということを断定できない問題じゃないかというふうに本当のところは自分なりには考えておるところでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 そういうような答弁しかできないのかもしれませんけれども、いろいろな事件が発生して、いろいろな裁判の判決等が最終的に流れてまいりますと、必ずと言っていいぐらいに政治家の名前が出てくるというそのことは、常習犯ではないにせよ、やはり一部の者にとりましては逆に常習的に株の世界で政治資金を蓄える、こういうものが常識になっておるのでございまして、今総理のお話を聞いても国民の皆さんは納得しないだろう。これは逆にいわゆるダーティーな部分には必ず政治家が出てくるという、株の取引のダーティーな部分に関しては政治家が出てくるというこの疑惑は、国民の目からは払拭できないであろうということを申し添えておかねばならぬと思います。  そういう意味では、最終的には政治に金がかかるというところに大きな問題があるのでございまして、この際やはり謙虚な気持ちで政治倫理という観点から政治資金規正法を一回見直してみるとか、あるいはまた、この際政党法をつくって対処するとか、そういうところまで物事が発展していかないと、私はこのリクルート事件の教訓が生かされたということにならないのではないかと思っておりますが、総理、またできれば自治大臣の御答弁をいただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 国会で種々議論をされて倫理綱領というものができております。したがって、その倫理綱領のもとに我々自身、一人一人身を律していかなければならぬということは当然のことでございます。その倫理綱領そのものがなるほどと認められるように政治資金規正法の改正、さらに踏み込んで政党法の問題にまでお触れになりましたが、私はこれこそ国会の問題であると思っております。ただ、私もそういう衝にありましたときに随分やってみましたが、政党法というものにはたびたび壁に突き当たりました。しかし、私自身その意欲は持っております。が、それこそまさに国会そのもので御議論いただく問題ではないかな、こういうことを常日ごろ感じておるところでございます。

梶山静六自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○梶山国務大臣 リクルート問題と政治資金規正法の関係でございますが、政治活動に関する寄附は別といたしまして、政治家個人の収入について、私的経済に属する部分と政治資金の部分とを明確に区分する具体的基準を設けることは立法技術上も困難でございますし、また我々の常識的な感覚から言っても、その境目を截然と分けることはなかなか困難でございます。ですから、御指摘されようとしている、多分その政治資金規正法を厳格に何らかの見直しをすべきではないかということでございますが、その境目を截然と区分できないという範囲内においては、この問題は慎重に検討しなければならない、かように考えている次第であります。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 次は、再発防止の件に関して質問したいのでありますが、いつもこういうものがそこで中途半端にけりがついて、同じようなものが常に起こる、そういうことだけは避けるべきであろうというのがもう大方の皆さん方の御意見だろうと私は思うのです。そういう意味で、この事件を教訓にいたしまして、もう二度とこういうものが起こらないようにしよう、そのためには、いわゆる政治的、道義的責任をまさにまじめに遂行してもらうということは大事でありましょうが、同時にまた、結局こういう事件が起こる裏にはそこに甘いみつがある、あるいは証券取引法が範囲が及ばない部分があるというところに問題があるとすれば、法的な規制なりあるいは規則というものをもっと充実するという方向に向かわねばならぬでありましょうし、余りこのあたりに規制を強化しますと、資本調達という意味でまた別の意味での問題点が出てくるであろう、その兼ね合いは確かに難しいのでありましょうけれども、少なくともこの事件に関連し教訓があるとすれば、やはりこのあたりに法規制をかぶせるとかあるいは規制を強化するとかいうような具体的な作業が行われなくてはならないと私は思います。  そういう意味で、証券取引審議会ですか、いろいろな議論があるのだそうでございますが、どういう中身が議論されておるのですか。そこらを明らかにされ、そして法的な整備の必要性の有無について大蔵大臣か総理大臣に御答弁をいただければと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 証券取引審議会に不公正取引特別部会というものを実は設けていただきまして、先般ディスクロージャーの問題について御審議をいただいたわけでございますが、今後も引き続きその特別部会でいろいろ御審議をいただいてはどうかというふうに考えております。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 今回のケースは、非公開会社の株式につきまして、公開前に一部の方が手に入れまして、それを安定株主としてずっと持っているというならそれはそれでいいのでしょうけれども、それを短期に、公開に当たりまして売り抜けて利益を得たというところに、いわゆる国民的に見ても割り切れない問題があるのじゃないかというように考えているわけでございます。そういった意味で、証券業協会におきましては、先ほど申しましたように、公開前の一定期間、特別利害関係人等による株の移動は禁止しておるわけでございますけれども、この禁止のあり方がいいかどうかといったことが一つ問題として取り上げられるべきだと思います。禁止期間その他を含めましてどうあるべきか。  ただ、店頭登録に際しましては、あるいは公開に際しましては、一般に公開した場合に伴いますところの株を買い占められることによって経営権を脅かされるといったふうな事態に備えまして、株主安定工作といったふうなことが行われるといったことが通例でございまして、そういった意味で公開前の株式移動をもうすべて禁止してしまうということは、先ほど米沢委員も御指摘のように、逆に公開意欲を阻害したり、ひいては資本調達の円滑化を妨げるといった問題になりますものですからそういったことはなかなか難しいわけで、その兼ね合いが大変でございますけれども、やはりこういった取引が一部不公平を招くといったこと自身が証券市場に対する信頼を損なうといった点に重点を置きまして、どういった改善策があるかといったことにつきまして、幅広く公開に関連するルールのあり方といったことで証券取引審議会の不公正取引部会におきまして今後審議を進めてまいりたいというふうに思っております。  審議につきましてはこれから開始するわけでございますので、あらかじめ予断を持ってどういう改善策があるということをここで具体的に申し上げられる状況ではございませんけれども、店頭あるいは公開の株式の値決めのあり方、あるいはその公開に至るまでの過程におきまして必要な規制ができれば、資本市場の目的等阻害することなくそれが達成できるか、そうした点について学識経験者などを含めまして幅広く検討していきたいと考えておる次第でございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 この事件は、特に今不公平税制の是正という観点から議論になっておりますキャピタルゲイン課税をどうするかという件に関しては、大きな教訓を与えてくれたと私は思うのですね。今法案等で出されておりますキャピタルゲインの課税の考え方は、申告納税か源泉みなし分離課税がどちらかを選択する、こういうことで一応難を乗り切ろうということなのでございますけれども、こういうような疑惑に係る巨額な利益というものにもし相当な税金がかかっておったならば、国民の皆さん方もまだ怒りはおさまっておるのではないか。ところが残念ながら、この巨額な金であるにもかかわらず、今原則非課税の中の課税という部分は、金額の多寡ではありませんで取引回数とか取引の株の単位だということでございますので、どうしても千株とか二千株とか、たった一回だけだなんてことになりますと、これが億のお金になろうとも税金は一銭もかからないという、そのあたりに大きな矛盾があるわけで、このリクルート事件によって得られた巨大な利益というものにも、いろいろと新聞等で眺めておりますと相当のものがありますが、残念ながらほとんどかかっていない。しかし実際は、買った人が継続的な取引をされたり別で大口な取引をされておる場合にはこの部分は申告しなければならぬということになっておるのでございますが、そこらは国税庁としては関心を持って調べたことがおありですか。それともだれも関係ないのですか。

伊藤博行国税庁次長

○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては各紙報道等が行われておりまして、私どもとしても関心を持っておるところでございます。また、一般論で申し上げますと、国税当局といたしましては従来から課税上有効な資料、情報の収集に努めておりまして、もし課税上問題がある場合には税務調査を行うなど適正な課税に努めてきておるところでございます。今後ともそうした観点で適切に対処してまいりたいというふうに考えております。  ただ、いずれにいたしましても、本件に関しましては個別にわたる事柄でございますので、その点に関する答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 昨日も、そういう意味でキャピタルゲインの物の考え方を、こういうようなときには申告に義務づけたらどうかとか、高率の申告分離課税にさせたらどうかとかいろいろな御議論がありましたが、問題は、もうキャピタルゲイン課税については原則総合課税にする、その原則をまず決めて、当分の間その捕捉の体制が整うまでは分離でいくという、そういう位置づけでもうはっきりとされた方が私はいいのではないかと思うのですね。キャピタルゲイン課税については総合課税でいく、しかし当分の間いろいろまた高率分離課税等を考えるという、そういう位置づけの発想の方がこの際いい教訓になっていくのではないでしょうか、総理。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 我が国の所得税が本来的には総合課税を原則としておりますことは御指摘のとおりでございます。ただ、これも御承知のようなことで、この問題については今までああいう経緯がございまして、キャピタルゲインというものは原則としては課税をしないということで、回数、株数の多い場合の課税をいたしておったわけでございますが、このたび原則として課税に踏み切ったということは、従来から新しいこれは方針でございます。  その場合、おっしゃいますようなことをいたしますためには、これも御存じのような納税者番号等々の問題がございまして、その点をいかにするかということで、これも税制調査会に特別部会をつくっていただきまして検討をしていただいている。で、それがある程度のめどが立ちますといわば行政として不公平のない行政ができるということになると考えておりますが、それを今待っておるところでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 次は、株の買い占め規制の問題について触れたいのでございますが、この件に関しましては、昨日も公明党の矢野委員長の方からほぼ同趣旨の問題提起がございました。我々も全く同感でございます。  今御案内のとおり、今まで活躍した地上げ屋の資金が株の上げの方に資金としてシフトしておると言われておりまして、まあ株の世界でございますから、MアンドAで見られますように、いわゆる経営参加とかあるいは買収とか、それは当然やられてもおかしくないという行為はたくさんあるのでございますが、この際問題なのは、経営参加も目的ではない、企業の再活性化という意味でのいわゆる企業合併をねらった株の買い占めでもない、結果的にはまさに株をつり上げてそれを相手の会社に買わせたり等々の不当な利益を得ることに関して、やはり健全な証券市場という観点からもある程度の規制の網がかぶせられるべきであるし、あるいはまた、個人投資家を保護するという観点からもそこらにはある程度の手が働いてしかるべきではないかという発想の中で、アメリカの五%ルールみたいなものを参考にされて検討なさってはどうかという御提案であったと思いますし、我々も全くそれは同感でございます。  同時にまた株のキャピタルゲイン等の問題につきましても、こういうようなものにつきましては、大口で例えば発行株数の一%ぐらいを所有して売り抜けで稼ぐ、そういうものについては、この前の臨時国会で土地の重課税をつくりましたね、そういうたちのものを大口に限り土地短期譲渡の重課税制度みたいなものを私は当てはめるようなことも考えてしかるべきではないのかなということを申し上げたいわけでございます。一言御答弁いただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 一般に株式を大量に購入すること自身は違法性を持つとは考えませんし、殊に米沢委員が言われましたようにマージャー・アンド・アクイジションでございます、MアンドAでございますか、そういうこと自身はこれも違法性を持っておるものとは考えない。ただ、その間といいますか、株式を大量に取引することによって価格の不公正な形成を図るといったようなことは、これは違法性を持つものであるというふうに考えております。  五%ルールでございますが、昨日も申し上げましたが、これが我が国の取引の実態にすぐ合うかどうかという問題もございますけれども、これは検討させていただきたいと思っております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 次は、今度の臨時国会の最大の争点であります税制改革につきまして、まだ細かな議論には入れませんので、あらかた総括的にいろいろと質疑を重ねてみたいと思います。  いわゆる竹下税制改革の大要が、法案が出されることによりまして大方全貌が明らかになってまいりました。しかし、私たちは依然として、竹下税制改革の底に流れるいわゆる理念や本改革法案が追求した目標みたいなものが定かにわかりません。果たして結果は公平なことになったのか、経済に中立なのか、簡素なのか、果たして国民が公平感を持って納税し得る税体系が構築されたと言えるのか、また、果たして国及び地方公共団体の財政運営に基本的に影響を与えることのないよう配慮されたのか、この点について私は国民にもっとわかりやすく説明してほしいと思います。  少なくとも公平につきましては、まだ不公平の声は相当なものがあります。経済の中立といいましても、消費税につきましては、転嫁等に絡んでは産業においてはこういう税金が逆に経済の発展を阻害するという声もある。果たしてこんなのは中立なのかどうか。国及び地方公共団体の財政運営、もう既に大蔵大臣や自治省の皆さん方が悲鳴を上げておる。一体これはどういうことなんだ。どうか竹下総理、あなたの理念と目標は成功したのかどうか、お答えいただきたい。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 率直に申しまして、昭和五十三年は税制調査会から答申をいただいて、いわゆる一般消費税(仮称)の問題を五十五年に行うべく準備すべきである、こういう御答申をいただいて、それが御案内のような結果になりまして、五十四年暮れ財政再建に関する決議案、こういうものが衆参両院同じ文言でつくられたわけでございます。したがって、あの財政再建決議案に見られますように、当時やはり税制に対しましては、もちろんシャウプ勧告以来の改正ということがお互い念頭にありつつも、やっぱり財政再建ということに大きなウエートが置かれておったのではないかというふうに思うわけであります。  しかし、その後国会でいろいろな議論、模索がなされまして、私は、五十九年というものが一つの税制改革の、お互いが衆知を集めたものを実らせる時期ではないかというような御意向が底辺には存在しておったような気がいたしております。そのときの思想というのは、財政再建よりもやはり過去の税制に対する反省から来て、将来、二十一世紀に可能な限り公平感を持って迎えられる税制の構築というものを意図しておられたのではないかというふうに思います。  しかしながら、それが十全な形で物が進まないうちに、今度は当然のことといたしましていわゆる給与所得者の重税感というもの、あるいは不公平感というものが正面へ出てまいりまして、そこでレベニュー・ニュートラルという形で、減税財源と将来への構想というような角度で、若干考え方が変化しながら売上税の段階に突入してきたんではなかろうか。で、その売上税が挫折した結果に基づいて、今度はみんなで考えたことがやはり、もとよりその重圧感からする減税は、これはネット減税というものをやりましょう、が、しかし、税制そのものが、二十一世紀に目指して可能な限りの公平感を持ってお納めいただけるような構築をしようじゃないですか、こういうことからいろいろな模索がなされて、それを私ども、政府税調とかさまざまなところで御議論をいただいて構築してきたものがこのたびの税制ではないかな、こういうふうに思っております。  これは不磨の大典になろうなどということは私も考えておりません。したがって、きょういろいろな御議論をいただくような問答を重ねた中で国民の理解を求めながら、絶対というものを私は求めるのは非常に困難だと思っております。したがって、可能な限りの公平感、重圧感を払拭していく議論が積み重ねられて結論に到達するものではなかろうか、このように考えておるところでございます。  少し話が長くなりましたことをお許しください。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 第一の問題は、中曽根税革と竹下税革を比較して顕著に見えるものは、中曽根さんのときには、その中曽根税革においては、いわゆる税制のゆがみ、ひずみの是正をして直間比率を第一義的に是正することが大事だと言われながら、高齢化社会に備えて売上税を将来の増収措置の仕組みとして考えるというところまではっきり私はおっしゃったと思うのですね。ところが竹下さんになりますと、いわゆる高齢化社会を展望しつつというきれいごとはおっしゃいますが、消費、所得、資産の間で均衡がとれた安定的税体系を構築するという、バランスをとることが大事なんだ、大事なんだ、それだけを言って、結果的には将来の増収意図をできるだけ見破られないように、できるだけそこが問題にならないようにということで隠ぺいしておるという、そこが私は一番大きなあなたのずるさだと思うのです。もしそれが本当ならば、ただ単にバランスをとりさえすればいいというのであれば、教えてほしいのは、直間比率を是正すればなぜ高齢化社会に対応することができるのか、増収措置もかけずに、今度の税制改革で直間比率が是正されるならばそれは高齢化社会や国際化社会にすべて対応できるという、そのトリックについて説明をしてもらわなければなりません。いかがですか。     〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 昭和五十四年の国会決議をつくりましたとき、たまたま私も大蔵大臣でございましたが、各党の専門家の皆さんお集まりいただいたときの感覚から申しますならば、私は、もとよりずばりそういう結論に達したものではございませんが、書き出しにございますように、福祉充実のため安定した財源が必要であるということから、福祉目的税とは申しませんが、そうした将来の高齢化社会への展望の中に安定財源として、すなわち景気等に大きく左右されることのない安定財源としての問題というのが根底にあって議論したというふうに、私も議論の仲間に入らしてちょうだいいたしましたので、そういう感じを持ってきたことは事実でございます。  確かに、申すまでもなく、高齢化社会というものを迎えたときに、ここのところ、先般来の永末委員からの御質問でございます高齢化社会のビジョンの問題、しばらく横に置くといたしまして、現行制度、施策そのままでいろんな推計をしてみましたときに、まさに大変な財政上の重圧になってくる、したがって安定財源が必要だという考え方が、今日もなお直接税に偏ったいわば財源を求 めるよりも幅の広い安定した財源という考え方が存在しておることは事実でございます。したがいまして、私は高齢化社会というものを意識しておることは事実でございますが、中曽根内閣のときにも私は直接、税の担当をしておりましたので、その考え方の中に五十四年以来のいわゆる国民福祉の充実のためには安定した財源が必要であるという各党合意の物の考え方の延長線上にあったことは事実でございます。  しかし、それを具体化したら結果としてどうなるかというと、今直接税、なかんずく給与所得者の方々の不公平感、重税感ということを考えた場合に、おのずから消費、所得、資産に対してそれぞれの均衡のとれた税体系の構築が二十一世紀に向かっては好ましいものではないか、こういう結論に達して議論をお願いをしておるところでございます。  ずるいかずるくないかというのは、これは人様それぞれで御批判を賜ることでございますので、それはそれとして十分反省の糧とするように心得させていただきます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 私は、総理の今の答弁を国民が聞いてよくわかるなんてだれも思わないと思いますね。やはり今度の税制改革というのは、確かに着地点におきましては増減税とんとんとかあるいは減税超過型だとか言われても、将来に向かっては、高齢化社会や国際化社会に対応するためにはある程度増収は必要になることがあるかもしれません、そのときは消費税が動き出すんですという。それならもっと勇気を持って本当のことを言ったらどうなんでしょうかね。それがないから、いかにも歯どめ論がありそうなことを言うたり、何しろ消費税が入りさえすればいいというだけにすぎないように我々見えて仕方がないのですね。  私はもっと政府としては——考えてごらんなさい。例えば消費税だって、これは貧しい者から税金をいただこうというのですよ、少なくとも本当のことは。あるいはまた、その税金を取るために、事業者に手間暇かけてもうかりもせぬのに計算をしてちょうだいとお願いにいかないかぬわけですね、それも納税コストは自分で払って。ひょっとしたら転嫁できないかもしれないという、第二法人税になるかもしれないという、お願いせざるを得ないようなそういう事態のものを新税として入れるのですから、それなりに高齢化社会のビジョンを書いたり、あるいはまた、これからの高齢化は金が要るんだということを説明したり、そのためにはみんな参加してもらいたいんだということを言うたり、もっとまじめに勇気を持って国民に堂々と言う。  そういう物の考え方が何となく隠れておるからみんな悶々としておるのです。話したら僕はわかると思いますよ。そういう意味で、増収措置を隠ぺいして、結果的にはそんなことをしたいんだから、するんだから、ならばこの時点で本当のことをおっしゃったらどうだ。そのことを私は政府の姿勢としてちょっと物足りない、あるいはどうも国民に不信がわくのはそのあたりに問題があるのではないか、堂々とその賛否を議論したらいいではないか、そのことを私は申し上げたかったわけでございます。  ところで、今度の税制改革案を、皆さんが一番好きな直間比率はどう是正されたのか計算をしてみますと、これは試算でございますからそちらの方にはまた別の試算があるかもしれませんが、少なくとも六十三年度予算におきまして直接税が七七・三%、間接税が二二・七%というものが、今度の改革案によりまして直接税が七三・六%、間接税が二六・四%、三・七ポイント上がっていますね。これは、直間比率がそちらの立場からいけば是正されたということでしょうか。これも消費税が一〇〇%転嫁できたとしての話でございます。我々から言わせますと、今の直間比率と今度改革の直間比率は、そう変わらないという意見を持たざるを得ないのですね。直間比率を是正しなければならないと言った割には、直間比率はほとんど是正されていない。  こういう状況であれば、例えば所得税等についてもインデクセーションでも入れていただければそれは別ですよ。入れていかないとするならば、すぐまたもとに返りますね、これは。そして、イコールそれは直間比率が余りにも直接税に傾いておるからということで、また間接税を税率アップしましょうという口実になるような数字でしかないと私は思うのですね。もしそれを否定されるならば、直接税のいわゆる所得税等につきましても物価が上がったらちゃんと調整して必ずインデクセーションで減税します、そういうことを約束してくれないと、この数字はあなた方が今まで言うておった直間比率を是正しなければならないということに関しては余りにも中途半端だし、あなたが言うておる直間比率が是正されれば不公平が是正されるなんて、これを見ただけでも不公平が是正されていないという結論になるのじゃないですか。そのあたりが、おっしゃることと結果が全然別だ。どう説明されるのですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 もう一つの不公平という問題は、私は、現行物品税を中心とする間接税間における不公平、これもやはり是正すべきであるという基本的な考え方があることも、あえてこの際申し上げておくところでございます。  それから、今御意見として申されました将来の国際化の場合はこれだけの歳出がふえていくんだ、あるいは将来の高齢化社会が来た場合はこれだけの歳出がふえていくんだ、あるいはよくおっしゃいます、まだまだ行政改革というものに対する熱意の示しどころとしてきちんとした見通しなり計画を持って国民に理解を得て初めて新税をお願いすることができるのじゃないか、こんなような意見につきましては、それこそ国会の問答を通じながら私どもなりに精いっぱいお答えをしていくべき問題じゃないかなというふうに思うわけでございます。  したがって、やはり今の場合、私は、現在の問題につきましては確かにネット減税ということになるわけでございますが、そのネット減税というところはやはり大切なことじゃないか、今の一番の重圧感を除去する一つの一番大きな問題ではないかな、こういうふうに考えております。決して今度の税制が不磨の大典であると私自身も思いませんけれども、しかし、この税率が安易に変えられるじゃないかというようなことも懸念の中で申しましたし、最近七つほどの懸念を申しておりますけれども、転嫁ができないじゃないかとか、こういう問題については一つ一つ御議論をちょうだいする中で国民の皆様方におわかりいただける問題ではなかろうか、こういうふうに考えておるところでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 第二に指摘しなければなりませんのは、今ちょっとお触れになりましたが、中曽根さんのときには増減税とんとん、レベニュー・ニュートラル、今回はいわゆる二兆七千億円の減税超過型、こういうふうになっています。これは確かにいいことだと思いますね。そのために、例えば家計に与える影響等を調べましても、中曽根税革のときには七百万ぐらいが増減税の分岐点でございましたが、今回は標準世帯では三百万ぐらいが分岐点になる。そういう意味では、増税になる皆さん方を減らして減税になる方を多くして、間接税導入の環境を良好なものにしようという意図があったのかもしれませんが、しかし我々は、この二兆七千億が減税超過だということだけで喜んでおれない。というのは、この減税超過分が、財源がいつごろこれは埋められるのか、どういう手段でどういう方法で調達されるのか、それいかんによってはまやかしになるからでございます。  例えば、単に計算をしただけでございますが、二兆七千億円の不足につきまして今後どう調達されていくのか、このことがまさに関心事でありますね。国におきまして一兆六千六百億円のいわゆる資金不足、収支不足ですね。地方税におきまして一兆三百億円の収支不足ですね。まあ地方交付税等の調整でトータルでは七千九百億円のマイナスになるということだそうでございますが、問題は、皆さんがつくった消費税が国にも地方自治体にもかかりますから、これプラス消費税の分ということになりますから、これは相当の支出不足、資金不足になる、それをどう調達するのか。今我々に問うたときには二兆七千億円の減税額でありながら、ことしの年度末の改正ではがあっとこれがふえてくるとすれば、これはまさにまやかしと言わねばなりませんね。しかし、年度改正あたりで何とか調達しなきゃならぬという増税の部分が既に考えられておるのでしょう。このあたり、どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 二兆四千億と実は考えておるわけでございますが、それは確かに減税超過でございます。財政としては、したがいまして、これを将来にわたってどうしていくかということは大きな問題なんでございますが、総理からも言われましたように、私ども、この上の増税ということを考えておりません。  そういう立場で申しますと、これはもう申し上げるまでもないことでございますが、経済運営のよろしきを得ますれば、ある程度の経済成長というものは、これは当然あるわけでございまして、そういう中で、増税によらない、いわば税の自然増と申しますか、そういうものは過去においてもございましたし、今後もまた経済運営はそういうふうにやっていきたいと考えております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 自治大臣、この地方における収支不足ですね、一体これはどういうふうに調達されるのか、増税はないと思っていいのか、これが一つですね。それから、今大蔵大臣は増税はしないとおっしゃった。これは年度改正、つまり六十四年度予算編成に関する年度改正でも増税はないと思っていいですね。これは確認しておきます。  それからもう一つは、今大蔵大臣は、経済運営のよろしきを得て、ということは自然増収等を当てにしてということでございますね。ちょっとおかしいのは、我々が六十三年の減税の議論をするときには、自然増収は恒久財源ではないんだ、したがって、恒久財源をつくらにゃだめなんだとあれだけ言いながら、便利のいいときには私は自然増収をやらしてもらいますというような話は、どうもおかしいんじゃありませんか。  それならそれでいいのですよ。これから議論するときは、自然増収も恒久財源の一つである、こう言えばいいのですから、我々にいい物の言い方を教えてくださるようなものでございますから。しかし、我々が六十三年減税をするときに、自然増収も将来ある程度続くではないか、そういう議論に関してあれだけ抵抗された大蔵省が今や、まあこれは二兆七千億のいわゆる増税をして調達するのではなくて、経済の運営のよろしきを得てやるのでございますから、これは喜ばしいことでございますからそう頭にきたいとは思いませんが、ちょっと便法がときどきによって余りにも変わり過ぎることを指摘しなきゃならぬと思いますが、大蔵大臣の御意見を聞かせてもらいたいと思います。  それから、今二兆四千億と言われましたね。よく計算したら二兆七千億のマイナスですね、これをみんな計算しますと。ところが、二兆四千億と常に書いてあるのでございますが、これは三千億は何ですか、ちょっと意味がわからぬ。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 増税をしない云々と申し上げましたのは、ただいま御提案をいたしておりますこの税制改革、これ以上これを将来に向かって増税するということを考えておりません、こういうことを今申し上げたわけでございます。  それで、将来の問題は、もちろんまだ歳出にも節約合理化の余地がございますし、それから歳入の方でも、租税特別措置法等々まだ何かやれるものはあるかもしれない。そういう努力はもちろん最善の努力をいたしますが、私が申し上げようとしましたのは、現実に昨年度これだけの自然増収が出ました、そういうことを申し上げているのではなくて、租税の弾性値というのは、御承知のように経験的に、まあ過去十年間でございますと一・一とか一・二、今度は大変大きくなりましたが、そんなことはないと思いますが、その程度の弾性値はあるわけでございますから、これは経験的にあるわけでございますし、経済成長率がマイナスでない限りは、したがって、そういう経済が大きくなるに従っての税収の増加というものは、これは過去にもございましたし、今後もあるだろうということをその範囲で申し上げたわけでございます。  今の二兆四千億のことは、政府委員がちょっと申し上げます。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 今回御提案申し上げております税制改正によりますところの積み上げた増減収額は、おおむね委員御指摘の二兆七千億でございます。二兆四千億と一方私ども御説明をしておりますのは、この税制改革の大筋が決まりましたときに、税制改革の骨格として一時御説明をしたものがございます。その点におきましての増減収額は、二兆四千億円程度となってございます。  その差は、課税の適正化措置、これは特に企業課税中心でございますけれども、大きな方向として税制調査会もその方針を打ち出しておられる。ただ、その課税の適正化の分につきましての約三千億、これは今回の税制改革におきましては、具体的な内容までは詰められてございません。したがいまして、法案の関係におきますところの計算には出てまいりませんが、今回の改革の中ではこうしたものはなお税制改革全体の進展の中で努力すべき目標として心得でございますので、そうしたものを含めて計算いたしますと、二兆四千億の減収になる、そうしたものの性質の差でございます。改革案に具体的に入っておりますのは、御指摘の二兆七千億でございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今いみじくも主税局長が告白されたようなものだと私は思いますが、二兆七千億と二兆四千億の差額の三千億については、もう既に年度改正へ取り込む予定になっておるわけですね。例えば賞与引当金だとか退職金引当金とか、それはもう取るものとしてカウントされて今二兆四千億になっているのじゃないですか。大蔵大臣の御意見と今主税局長がおっしゃったこととは、ちょっと乖離が激し過ぎますね。これは本当はそういうことでしょう。積み上げ計算したら二兆七千億不足するのですよ。ところが、皆さんの答弁の中では、二兆四千億しか不足しない、適正化措置で三千億はもう当然踏み込んで隠してあるということだから、まさにこれはごまかしですよ。年度改正でそれこそ本当に何も増税はしないのですね、今度の税制改革に関連して。はっきりしてもらわなければ困りますよ、主税局長。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 決して隠しておるわけではございませんので、税制改革の骨格の中でそうした金額も申し上げていたところでございます。  ただ、これはまさに企業課税の課税ベースの適正化ということでございますので、それが増税という意味での改革と申しますか、改正として申し上げられるものであるかどうか、そこらは今後具体的にこの税制改革全体の完成されていく中で、いろいろな御意見、御議論を承りながら今後検討してまいる、そういう性格のものであろうかと思うわけでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 増減税の骨格をつくったときには、いわゆる例えば三千億に当たる部分が既に入るであろうと見込まれて、骨格は二兆四千億足りませんだったのだな、これは。ところが、途中においてその分がだめといって消されたものだから空間ができた、これはこういうことなんですね、本当のことは。私が一番本当のことを言うておる。しかし今大蔵大臣は、年度改正でも今から埋める話はしませんとおっしゃったから、それを信じていきたいと思います。いいですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 と同時に、先ほども申し上げましたように、租税特別措置法等の、いろいろ苦労はございますが、工夫はいたしてまいりたいということはこれは申し上げましたので、お聞きいただいたと思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 次は、資産課税の問題について総論的にお尋ねしてみたいと思うのでありますが、今不公平税制と言われたときに、何となくちぐはぐだなと思っておるのは、資産課税についてどうもおかしいぞという声が圧倒的だと思いますね。今度税制改革についていろいろと努力をされましたけれども、この改革案が出された後も依然として不公平感が強いというのは、少なくとも資産課税に対する問題が一つ。それから、既存のよく言われます課税について切り込みが足りないという、二つの分野があるような気がしてなりません。特に、その一方であります資産課税について、やっぱりこの際もっと抜本的にメスを入れることが本当に大事なんじゃないかなという気がしてならぬのでございます。  特に問題は、先ほどから申しておりますように、政府はバランス論を一生懸命言われる。消費税については一生懸命バランス論の中から入れねばならぬ、入れねばならぬだけれども、資産の方はどう考えてくださいますか、言葉としては資産の適正化とあるけれども、いかにも冷たいですね、そういう感じで人は見ておるわけですね。所得の上昇と平準化ができたので、結局消費税あたりも結構じゃありませんかという水平的公平の名目で消費税を入れながら、しかし実際は、所得は確かにそうかもしらぬ。事実はいろいろ難しい問題がありますがね、逆のものが。しかし、資産はここまで格差が拡大しながらこっちの方は全然見てくれない。所得は上がったから消費税と言いながら、資産の格差がこんなに広がっておるにもかかわらず、全然知らぬ顔しておる、適正化という名前で逃げておるという、そこらの不満が私は不公平税制の根底にあるような気がしてならぬわけですよね。ましてや、汗水たらして働いた勤労所得よりも、資産というのは、お金持ちの人が持っておるものの方が多いだろうから、資産性所得に対する課税はもっと重課であった方がいい。しかし、現在はそれは逆転しておる部分がたくさんあるのだから、そのあたりがトータルとして私は不公平感をもたらしておる最大のものではないかなと思うのでございます。  その意味で、この際竹下税革は資産課税について中途半端な形に終わっておりますが、もっと切り込んで、資産課税等については抜本的に議論し直すという、土地税制についてもしかり、そういうような姿勢が出てこないと私は不公平感の一部はほとんど解消されないであろう、こう思うのですが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この問題は、確かに私どもも非常に難しい問題だというふうに考えておりまして、一つは先国会でもさようでございましたけれども、大都市における土地の上昇によって、本当に親からもらった猫の額ほどの土地を相続するときに大変な課税になる、それをどうかしなければならないという、これはもう皆様が言われましたし、私どももそう思うわけでございます。そういう問題が片一方にございます。しかし他方で、今おっしゃいましたような三つの課税の間のバランスという問題もございまして、結局、私ども御提案いたしましたのは、相続税等々今の、現行の制度は昭和五十年にほぼ決めておりますので、その後十年間の物価変動、そこにはやはり最近の土地の上昇もある程度加味せざるを得なかったわけでございますが、そういうものをいわば中立化しよう、こう考えたわけでございます。  したがいまして、結果としては、直接税、間接税、その中にもう一つ資産税というジャンルを分類をいたすといたしますと、資産課税の比率は大体今までと変わらないところに置こう、こういう考え方を基本にいたしたと存じております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 まあ説明されればそういう説明をせざるを得ないのかもしれませんけれども、国民感情からしてそんな議論はどうもわかってもらえないということは、一言でわかるんじゃないかと私は思いますね。  シャウプ税制だって、御案内のとおり、かなりあれはバランス論としてはいい税制だったと思いますね。しかし、所得の捕捉の仕方が難しいだとか日本の土壌に合わないとかいうことで、資産性所得あるいは富裕税等みんなつぶれていきましたね。そのかわり所得税の累進税率を高めたという経緯があるのですよ。  今回は、確かに金持ちの優遇といういろんな批判を受けながらも、ある程度累進税率を下げねばならぬとこうなった。ならば、一方では資産というものについてもちょっと照射をし直してもらいたいという、そういうものに全然こたえてないということなんですね。土地税制だって最初から、昨年の臨時国会で決めた以上はもう土地税制については議論を余りしてもらわぬで結構だというところから始まっておるのでしょう、政府税調なんというのは。私、そう思うのですよ。それで、何だか税制のことを言ったら、今は新行革審で土地政策が問題になっておりますからそちらの方で議論してもらいたい。いいですね。新行革審はどう言うかというと、これは今政府税調でやっていますから、税金の話はそっちでやってもらいたいと言って、投げやりなんですよ、土地税制等の問題については。たらい回しでやっておるわけですよ、本当に。  したがって、全然メスが入らない。これから二十一世紀を展望するとおっしゃるならば、特に土地問題というのは一番大事な問題でしょう。土地を持ったらもうかるなんという土地の神話を崩さない限り、二十一世紀なんかないのですよ、本当言ったら。どうして有効に使わせるかという観点からの土地税制の見方も考えねばなりませんよね。持っておったらもうかるあたりもある程度削っていかねばなりませんよね、これは。そういう意味では、土地税制等ももっと根本的に、それこそ皆さんが抜本税制改革の必要性を感じられたように、土地税制だっていろいろな矛盾があるのだから、この際ガラガラポンして新しくつくりかえるというぐらいの発想での土地税制の取り組みがあってしかるべきであると私は思うものでございます。どうなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私どももそれは同様に考えてまいりました。すなわち、前国会でもお願いしたことでございますけれども、土地について二つの考え方を導入いたしました。一つは、長期に持っておるものについてはなるべくそれをいわば出してもらいたいわけでございますから、課税を余りきつくしないということ、しかし短期のものについては、そういう短期取得はできるだけこれは重課するということでいたしました。  その上に、今回御提案をいたしておりますことは、例えば法人等々で土地を買うために、これは転売するためということを考えておるわけですが、借金をする、その利子についてはそんなに簡単にこれを経費に計上することはできない。あるいは相続の場合に、相続が起こる前、仮に三年なら三年よりこっちで取得した土地は、これは時価で評価するといったようなことは、すべてそういう考え方を法案でお願いをいたしたいと思っておるところでございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 今おっしゃったことは法案に載っておりますからよくわかるのでございますが、基本的な議論をしたいと思うのですね。基本的に考えてもらいたい。  今まで土地税制も土地政策の一環としていろいろ改正がありましたよ。ありました。まけてみたり、強化してみたり。しかし、一時的にはそれは効果があったかもしれませんけれども、トータルで見ますと、土地の価格とそういう税制をいじったものとが全然パラレルでない、これは一回検証してもらいたいと思うな。結果的には、土地の譲渡益そのものについて逆にいろいろ改正を加えることが、ループホールをつくるだけで実際は新たな別の問題を提起しておるという、そのことは検証してもらえばわかると私は思うのですね。ですから、そういう意味で、資産課税とともに特に土地税制等について基本的にまた見直すということをぜひ約束をしてもらいたいと私は思います。  それから次は、消費税の問題についてちょっと触れたいのでありますが、御案内のとおり、売上税というものは中曽根前首相の饒舌と大型間接税ではないことを証明するために完全に複雑怪奇なものになりました。そういう反省に基づいて今度はかなり簡素化を図ろうという意欲が見えております。税率も下げました、名前も変えました、非課税取引の範囲もかなり縮減をいたしました、事 業所の免税点も下げました。簡易課税制度は逆に上げましたね。これを見ますと結局、事業主の皆さん方が受け入れられやすいような消費税、これが大変な一つの目標だった、私はこう思いますね。しかし、事業主の皆さんが受け入れられやすいような消費税をつくりながら、産業界はこぞって転嫁ができないと今悲鳴を上げておられる。一体これはどういうことだろうかと私は思うのでございます。  逆にまた、簡素と公平は両立しないですね、大部分の場合。簡素にすれば公平が達せられない。公平を期そうと思えばかなり複雑な仕組みをつくらねばならぬ。これは世の中の大体の自然な道理です。かなり今度は簡素化されました、事業主の皆さんが受け入れてくださるようなものにされましたけれども、今度は消費税という、付加価値税という意味がほとんどなくなりつつありますね。何か外形課税みたいな感じになってきましたね、この税金は。消費税が一体どこでどうなるのか、消費者にもわからぬし事業主にもわからぬ。ましてや転嫁となるとますます難しくなる。こういう、まさに堕落型とだれか言っておりましたが、この前、欧州に付加価値税をつくられたローレさんというところに行きまして話を聞きましたが、日本のこの消費税なんというのは全然問題にならないですね。これはむちゃくちゃだと言っておられました。しかし、それを皆さんは日本型付加価値税と呼ばれるのだそうでございますが、これは付加価値税じゃないですね。付加価値税に似て非なるものだなと私は思うのですよ。そして結果的には逆に、公平を期するどころか新たな不公平の税制をつくろうと今されておるのですね、これは。どうなんですか、総括的にちょっと答えていただきたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 付加価値という考え方が日本語として実は熟さないといったようなこともございますけれども、実態的にここにございますのは、やはり付加価値に課税をするということであることは明らかで、この前のように税額票のようなものはいかにもこれは煩瑣であるし、また中小企業の方にはわかりにくいということがございましたので、今度はその辺のことも、帳簿でよろしいとか、あるいは簡易課税方式で、売り上げの二割なら二割がいわば付加価値と申しますか課税対象であるといったようなこと、そういうようなことは、米沢委員の言われますように、非常に厳密な意味からいえば、公平中立ということよりも簡素を大変に重んじたろうとおっしゃれば、私はそうだと思うのでございます。しかしそれは、中小企業の人々を考えますと、やはり大筋さえ外れていなければなるべく簡素にしておく方がいいのではないか、こういう判断をいたしました。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 先ほど申しましたように、今度の消費税の構造的な問題からいたしまして、例えば税額票がないんですから、転嫁していく手段はないんですね。アバウトでアバウトでやろうということですね。ある程度転嫁する人もおれば、おらぬ人もおる。逆にもらってもうかる人もおるということをこれは意味しますね。あるいはまた、五億円以下の事業者に簡易課税制度を認められましたので、まさにそういう意味では、消費税というよりも第二法人事業税的なものにこれは堕しましたね。ますます転嫁は不透明、不確実なものになるわけですね。我々はどれだけ税金を払っているのか、どれだけこれが税金の分だのか何にもわからない。ただ何となく大蔵省に金が出てくればいいんですわ、こういう感じにしかこれは見えないですよね。簡易課税制度だって、平均みなし比率でやりましたから確かに簡素になりましたし、便利になりましたけれども、その仕入れ額いかんによってはもうかったり。今度の消費税で、うまくやるともうかるという、こんな仕組みはおかしいですね、これは。どこでこんなのを消費税と呼ぶのですか。企業がもうかるのが消費税ですか。  そういう構造的な問題からして、特に転嫁につきましては不透明になった、不確実になった、やりにくくなったというのは、これはもうどう考えたって本当ですね。この消費税は、構造上の問題もありますし、産業によりましても特に競争の激しいところ、例えば運送業とか繊維とか石油、特に再販制度をやっている本屋さんとかあるいは化粧品屋さんとか、本当にこれは悲鳴を上げていますよ。一体転嫁はうまくいくんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この点につきましては私どもが最も心を砕いておるところでございまして、税制改革法案におきましても、この転嫁について、国等がそれを容易ならしめるような措置をいろいろしなければならないということも書いてございます。また、独禁法等の関連におきまして、中小企業の方々がある程度転嫁を可能ならしめるような協議をする、あるいは若干の独禁法における一定期間の特例を設けるということもやらせていただいておることは、御承知のとおりでございます。そして今回の場合には、何となくだんだんに転嫁が行われるというのではありませんで、この法律が施行せられますと一度だけいっときにこれが転嫁していくわけでございますから、そういう意味では転嫁が比較的容易であろうというふうに私は考えております。  問題は、我が国の経済は非常な競争社会でございますから、たださえ利潤というものは競争の中で切られていく、そういう現実があるものでございますから、それでつまり競争の中で転嫁がなくなってしまうのではないか、そういうおそれを持っておられる方があるんだと思いますが、これは受け取り方でございます。こういう税法があるのでみんな一斉にこれは転嫁をするものだと考えていただくかどうかということだろうと私は思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 税金をつくる方からは、当然転嫁されてしかるべきもの、いろいろ心配されたって適当にうまくいきますよ、こういうことでございますが、事業者にとってこれは死活問題なんですね。  昨日、渡辺政調会長はこの場で、売上税を五%から三%にしたら、今度はそれが転嫁できるとかできないとか問題になっているなんと言って簡単に考えておりますけれども、今、産業や企業の中で利益率が三%を超えるところがどれだけあると思いますか、本当に。一%か二%ぐらいなんですよ。本当にこれが転嫁できないとすれば、もう利益ゼロになるのですよ。つぶれろということなんですよ、これは。あなた方は税金をつくって、事業者は転嫁しなければならぬとか、事業者は、消費に広く薄く負担を求めるという性格にかんがみ、消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われるよう努力するものとするとか、そんなことで実際の現場で転嫁ができると思いますか、本当に。  公正取引委員会が除外例を決められた。これは法律に書いてあります。しかしながら、それでどれだけの効果があると本当に思っていらっしゃるのですか。余りにも現場を知らぬ議論だと私は思います、本当に。どうですか、効果がありますか、公正取引委員会、除外をしましたけれども、価格転嫁について。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 今回の消費税の転嫁に当たりましては、先ほど大蔵大臣の御答弁にもございましたけれども、独占禁止法との関係では期限を切りまして臨時の措置が講じられているところでございます。  二つございまして、一つは事業者とか事業者団体が表示の方法を決定する共同行為、いま一つは中小企業あるいは中小企業の一定の組合に対象を限定いたしまして、そこで行われます転嫁の方法の決定に関する共同行為、これらを、いずれも公正取引委員会へ事前に届けていただくということを要件といたしまして、独占禁止法の適用に当たりまして特例措置が講じられておるわけであります。  この制度の政策効果といいますか転嫁の効果についての御質問でございますけれども、言うまでもございませんけれども、価格と申しますものは、公定価格料金のようなものを除きまして、これは市場メカニズムの中で形成されるものでございます。さらにつけ加えますと、これも言うまでもないことでありますけれども、市場価格といいますものは需要と供給のいわば均衡点で成立すると、こういうことでございます。で、今回の特例措置を講じておられます共同行為に限定して申し上げますと、一つは、表示の方法の決定といいますのは、これは需要者と申しますか消費者に対する情報の提供という意味での効果を期待しておるものでございますし、いま一つ、中小企業に限定をいたしておりますのは、やはり市場価格メカニズムの動きの中で価格形成力の弱い中小企業者に着目をいたしまして、今回共同行為を認めようということでございます。もとより、価格の形成は先ほど申し上げましたとおりでございますが、したがいまして、この共同行為によってカバーされる部分というものはそれなりの限度があるわけでございます。すべてが共同行為によって価格が形成されるわけではございません。ただ、今申し上げましたような意味におきまして、共同行為が行われる範囲においてはやはり今回の特別の制度がねらいとしておる効果は私は期待できるだろう、期待してよいだろうというふうに考えております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 確かにその除外例によって救われる部分がある程度あるかもしれませんが、実際転嫁できるかできないかというのは、その業界における需給がタイトであるか緩んでおるかということ、力関係が強いものか弱いものかという、それでほぼ決まるのであって、カルテルでもし値上げをしたとしても、打ち破るものがたくさん出てくる、出てこざるを得ない。それが生きた経済の姿であるということを私は篤と考えてほしいと思うのでございます。  例えば消費税、まあ主税当局としてもそんなに難しい計算の積み上げはできないとおっしゃるかもしれませんけれども、もしそのあたりに配慮があるならば、今度の消費税の額だって五兆四千億、百八十兆掛ける三%と簡単に書いておられますね。確かに百八十兆が出てくるまでにはいろんな数字のあれがあったのかもしれません。しかし、それは詳細に教えてくれと言っても教えてくれませんね、大蔵省は。物によっては二百兆あるかもしらぬ、二百五十兆あるかもしれないという話もある。そうしますと、税収そのものも物すごく違ってくるわけですね、これ。わずか五兆四千億の税収だとおっしゃっても、ちょっとうまく間違えば物すごく上がるかもしれないのだ、これは。そういう意味で、百八十兆という計算の仕方もおかしいし、おかしくないというなら資料くらい提供してもらいたいのだ、本当に。そして、掛け算をして五兆四千億と出ているけれども、私は本当にこの消費税が産業に受け入れられてうまくいくものかどうかを考えるならば、産業別に私は積み上げなければいかぬと思いますね。産業連関図に基づいて、産業ごとにどれだけその業界にとっては仕入れがあり、売り上げがあり、輸入がどうなのかという積み上げ方式でやらねばならぬ。そうなると全然違ってくるはずですよ、数字は。一回、産業連関図でそれぞれの業界別に私は納税額を出してもらいたい。その資料を本当に要求したいと思いますね、委員長。  何となく百八十兆で三%掛けたら五兆四千億でございます、そしてこんなものは何しろ転嫁できるものです、しなきゃならぬものですと幾ら法律に書いて、皆さんが幾らそういう答弁されたって、生きておる社会はそんなこと通じないのです、本当に。そういう意味では、もっと配慮をきかせるならば税率についても物の考え方があっただろうと言うのです。これは消費税ですから、どうしても消費税として次の段階に転嫁できなかった場合には、それは消費税じゃないですね。企業が払う税金ですから、それはもう払わぬでいいんですね。いいですよ、それなら。転嫁できないものは払わぬで結構だと決めてくれればすっといくかもしれませんね。転嫁できないものをおまえの責任で払えと言うから困っておるんだから、冗談じゃないと言っておるんだから。転嫁する努力はするけれども、結果的に転嫁できないやつは、企業税なんですから、これは消費税じゃありませんね。消費税というのは個人が出すやつだから、最終末端の消費者が。企業が出さねばならぬ税金は、これは消費税じゃありませんから、これは納税の義務はありませんね、総理。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 今の点は大事な点でございますのでお聞き取りをいただきたいと思うのでございますが、業界によりまして非常な競争がある、あるいは過当競争と言ってもよろしいような競争があるところも私はあると思うのでございます。しかし、ここでこういう消費税が設けられたということは、これは本来転嫁をお願いしたいと言っている。その中で、あるいは非常に強い人が、おれはもう自分でのみ込んでしまうと言えば、それは、周りの人はじゃ自分ものみ込むかということになるかもしれぬじゃないかとおっしゃっているわけですけれども、そういう状態は私は長続きしないと思いますね。たださえマージンが小さいのでございますから、そんなことは長続きしないはずであって、だから皆さんそういうことをなさってくださる必要はないというか、そういうものじゃございませんということを申し上げようとしておるのであります。初めから、もうこれはあの人は自分でのみ込むだろうと思えば周りの人もおれもおれもということになるだろうとおっしゃれば、しかし、そういう状態がどれだけ長続きしますかということをやはりお聞きしたいような気がいたします。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 長続きするまでに本当につぶれますよ、これは。つぶれてから転嫁がどうだこうだと言われても何もならぬ、こんなのは。話にならぬ。長続きすればするほどどんどんどんどん体力がおかしくなるわけ。最終的にはおかしくなるわけ、これは。長続きするはずがないというその発想が大体おかしいんだ。長続きするかもしれないということを前提にしなければならぬ。そうしたらその産業はどうなっていくだろうかと考えねばならぬ。そういう配慮がないから、単純に、はい、標準税率なんですよ、これは。そうでしょう。上もあっていいじゃないですか、下もあっていいじゃないですか。転嫁ができない場合には経過措置も考えてあげたらどうなんでしょうか。本当に転嫁ができない、これが実施された後どんどんどんどんそういう産業界が出てごらんなさい。これは見直ししなければいけませんよ。できればこんなのは本当は少なくとも練習期間を置かなければいかぬ、経過措置として。納めてもらわぬでもいいから二年ぐらいやってみましょう、うまくやってみてください、それぐらいのことを考えなければだめなんです、こんなのは。  欧州にありますから結構じゃありませんか。冗談じゃありませんよ。欧州なんか、取引税や営業税があってこれは大変だ、累積する、堆積していくじゃないか、もっと簡素合理化にしようじゃないかといってEC型の付加価値税ができてきた。簡素合理化だという形で受け入れる態勢もあった。日本においてはほとんど初めてなんですからね、これは。そして、流通過程は完全に複雑なんですからね。付加価値税があって流通過程ができたのではなくて、複雑になった流通の中に新しい異物を入れようとしておるのだ。そしてその転嫁ができないと騒いでおるところに、長続きしないからいいじゃありませんかなんて冗談じゃない、そんなのは。そう思いませんか。転嫁できないやつは払わぬでもいいと言ってください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ここは非常に大事なところでございますので。要するに、今おっしゃっていらっしゃることは、ある業界ならある業界で非常に過当競争があって、ということは、いわばプライスリーダーというものがあって、それがどんどん値を下げていけばほかがみんなつぶれてしまう、そういうことをおっしゃっていらっしゃるのと余り変わらぬと私は思うのでございます。それは、そういう業界に問題がきっとあると言っては失礼、あるのかもしれない、それはこの消費税のこととは関係がない、私はこう考えます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 なかったら何にもないところが、入ったばかりにおかしくなったらどうしますか。あなた、責任とりますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 これは、皆さんが転嫁をしようとお考えになれば転嫁できるはずのことであって、のみ込もうという、そういうプライスリーダーがいるかいないかというのは、私はその業界のあり方の問題だと思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 それは、そんな簡単に生きた経済がいくと思うていらっしゃること自体が頭でっかちで、いかにも経済を知らない。経済を知らなくて税金なんかつくれますか、本当言うて。  私はそういう意味で、もっと当局も、大蔵省だって政府だって、生きた経済があるのですから、その産業というものがあって初めて経済があるのですから、それが活性化して初めて税収というのがあるのですから、そのことを考えたら、ただ単純に、これであった方がいい、そんなのは当然するべきだ、長続きしないはずだ、うまくいくはずだという、はずだ、はずだの積み重ねでやってこられたらかなわぬということを言うておるのです。そういう意味では、税率あたりももっと検討してもらいたい。そうでしょう。  例えば今度は、担税力みたいな力のあるところ、そのあたりでがばっと税金が減るところがありますよね。しかし、担税力が余りない、競争が激しい、力もないというところにやはり三%加わるんだから、かなり有効需要もシフトすると考えなければいけませんよ、それは。あなた方、流通に対するインパクトみたいなことを考えたことありますか。完全にうまく転嫁されるから、そんなのシフトが起こるはずがないと思っておるのでしょう。そのあたりはみんな後手後手の対策になっていくのじゃありませんか。そのあたりの対策まで含めてお願いしますと言わなければいかぬですよ、こんなのは。やってみなければわからぬ、後から考えます、そんな議論をするから反発が起こるのは当たり前じゃありませんか、こんなのは。そう思いませんか、総理。わかっておるでしょう、こんなことは。総理。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私は、本委員会におきまして六つの懸念ということを言ったことがございます。その六つのうちの三つというのは、これはまさに消費者そのものの問題でございます。すなわち、今まで税金を払っていない者、本当は個別物品税等はお払いになっておりますけれども、所得税等を払っていない者がどうなるか、あるいは低所得者がどうなるか、中堅所得者がどうなるか、こういう問題。それから次の懸念が、インフレになりはしないか、あるいは税率が上げやすくなりはしないか。だが、七つ目の懸念というのが、まさに転嫁ができるかどうかということで、私はこれは消費者そのものよりも、その納税義務者に当たられる事業者の方の持たれる懸念であるというふうに思えましたので、少し時間をずらして七つ目の懸念ということを言ったわけであります。     〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕  それに対してもろもろの環境づくりをしていこう、公取等の御答弁もありましたが、そういう努力をしていくというのが自由主義経済の流れの中で政府が行っていく仕事であろうというふうに思っておりますが、基本的に問題として、いわゆるこれは消費者自身が、最終消費者が三%という納税をしておるわけですから、その納税義務者の方は、それぞれの段階においてその消費者の負担したものを納税する義務を負うという立場にある。その納税義務者の懸念というのが、最近になって大変議論が大きくなってきておるというのは、私はこの消費税の持つ本質からして、そういう順番でやはり懸念が議論されてくるようになるというのは自然のことであって、これに対してきょうのような問答を行っていくということが国民の理解を得るにも一番いい機会ではないかというふうに考えておりますので、消費税というものはそもそもが消費者自身が負担をし、それをいわば納税義務者、事業者の方がどのようにしてその義務に応じられるかというところに簡素の問題と、転嫁ができるかできないかという問題が出てきて、そしてそれはみんなが転嫁されるべきものということが消費税そのものでございますから、私は、最終的にはこれは需要、供給の間に物の値段は決まるといたしましても、こうした議論の中でまさに中和されていく問題点ではないかというふうにいつもこれは考えております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 私が申し上げたいのは、むちゃくちゃ言ってぼろくそ言うてぐちゃぐちゃにしようという、そんな悪い人間じゃありませんよ。本当に受け入れてもらうならば、もっと産業にも配意し、産業政策的なものにも配意し、もっと変えるものは変えたらいいじゃないか、そういう議論を積み重ねてもっとやってもらいたいということを言っておるわけですよ、やってもらいたいと。これがすべてでございますなんという議論をされたらかなわぬ。そんなことを言うたら、冗談じゃないと言いたくなるのです、これは。やはり税率につきましても、経過措置につきましても、見直ししなければならぬという規定につきましても、あるいはどういう姿がいいのか、やはりすっきりした方がいいでしょう、それは。事業者が受け入れられやすい、ただそれだけの簡素だけを選ぶのか、本当に入ったときに、ああすがすがしいなと思ってもらうものを選択するのか、そのあたりもっと議論が足りないのじゃありませんかと私は言いたいのです、これは。そういう意味ではまだ消費税についてはいろいろ議論をしたいことはあります。  特に産業政策の面から問題なのは石油税併課ですよ、これは皆さん。おかしいよ。石油税、この前増税したばかりですよ。石油なんか産業の米みたいなものだよ。ほかのやつはみんな税率をがばっと廃止する。今までの物品税を廃止する。三%に統一した。また調整して併課する。なぜ石油税だけが単純に併課なんですか。そこらにも産業政策が全然わかっていない政府の姿勢が私は出ておると思いますよ。今既にもう三千億ぐらいの国税、地方税にわたって税金を上げておるのでしょう、差し上げておるのでしょう。かなりの負担率ですよ、これは。半分近い負担率ですよ。その上石油税についてまた単純に併課するという、その発想がいかにも官僚的でお役人的で冷たいと言いたい。どうなんですか。大蔵省と通産大臣に聞きたいですね。こんなの許した通産大臣、おかしいよ。何と言ったの、この税金ができたときに。文句言われましたか、本当に。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 定義上非課税となるもの、これを除きまして非課税品目を設けないという大原則がございます。でありますから、そういう点から石油につきましても単純併課とすべきもの、これは仕方がなかったと思うのであります。  ただ、石油につきましては既に三兆円余の石油諸税というものがかかっております。これは大変なことなんで、我々としても単純に、形としては単純併課という形をとっても、三兆円を上回るような石油諸税というものを見逃すわけにはいかないということから、さらに消費税が併課されることでの負担増ということを考えますと、これは円滑な転嫁が可能か、私は率直に言って懸念しております。けれども、御指摘の単純併課による税負担につきましては、いろいろな施策を講じなければなるまい。今ここで具体的に申し上げることははばかりますけれども、原油関税問題を初めとして引き続き総合的に検討して、負担増をできるだけ軽減するという方途をとりたいということで、今真剣に取り組んでおる次第でございます。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 この際、先ほど申しましたように、税制改革にも産業政策的な視点があってしかるべきだという観点から、私は、産業連関図に基づく産業別の納税額というものを試算して、ここに資料を提出していただきますようにお願いいたします。委員長においてお取り計らいいただきまして、主税局長に御答弁いただきたいと思います。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 御指摘の課税ベースにつきましては、中心としては、法人企業統計、それから個人等もございますので事業所統計調査報告、こうしたものを使いまして適正に算出したものでございます。したがいまして、税収を計算する際におきましては、それは業種別というものには必ずしも分解はされてございませんが、全体としてのそうした数字があるわけでございますから、どこまで業種別、ただ納税額と申しますと、それは転嫁されないというふうな感じが出る点もございますので、物の言い方は難しいところでございますが、業種別に納付額といったものがどこまで算定してお出しできるか、検討してみたいと思います。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 時間もかなり迫っておりますが、最後に、私ども民社党は、特に新税の導入を前提にする限り、もっとその環境整備としてしなければならぬものがあるではないか。それは、一つは行政改革の五カ年計画ぐらいをつくって行革を断行するという姿勢を示すべきである。もう一つは、先ほどから議論しておりますように、この税制改革は最終的には高齢化社会に対応する話なんだから、少なくとも今から十年先、二十一世紀に立った時点で一体どういう福祉が保障されるのか、年金や医療保険や、あるいは福祉のサービス等は一体どうなっておるんだ、そのためには一体どれくらいの金が要るんだ、今からどれぐらいふえるんだ、それは国庫と社会保険でどういう分担をしていくのか、そしてそれが間接税等の議論の中でどういう関連づけがあるのかという、そのあたりぐらいのデザインは示してから、国民の皆さん、こういうことです、そういう説明があってしかるべきだと私どもは思っておりますから、高齢化社会のビジョンも示してほしい、こう言っておるわけですね。  ましてや財政再建のまだ途上にありますから、財政再建が一体これからどうなっていくんだ、膨大な国債をどう解消していくのかというそのあたりについても、政府としてただ税だけではありませんよね。国有地の売却だとか、いろんな民間株式会社の株の放出とか、あるいは今ある公社公団でもできれば民営化して、結果的にはそれを株にしていくとか、いろんな計画の中で将来の絵をかいていこうという、せめてそれぐらいは説明されないと、先ほどから何回も言っておりますように、貧乏人から取るのですから、事業者はつまらぬことさせられるのですから、そして国家国民のためわかったとおっしゃってもらわないとこの消費税は根づかぬのですから、そういう意味で我々はそれを条件にして議論をしてほしいということを申し上げてまいりました。  余り時間もありません。どうか行政改革の断行について総務庁か総理大臣、あるいは高齢化社会ビジョンについていつごろまで出すのか、話を聞いてもこれは出ないのですよ。なぜ出さぬのか、いつごろまで出すのか、どの項目ぐらいまで出せるのかということを簡単にお答えいただきまして、残余の質問につきましては楢崎議員の方にお譲りしたいと思います。よろしくお願いします。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今おっしゃいましたことについて、まとめて簡潔にお答えをいたします。  行政改革、これは私どもはやはり新行革審というものの答申に沿って対応していくべきものである、こう考えます。そうなると、当然のこととして行財政改革、すなわち今のところは御案内のように、六十五年まずは赤字公債依存体質からの脱却をいたします、その後はGNP比等可能な限り減すべく努力をしております、そこまでしか申し上げていないわけでございます。したがって、この問題については、当面まずは六十五年脱却ということを申し上げることになろうかと思います。  それから高齢化社会のビジョン、これは永末委員に対しまして、六十一年の六月の長寿社会対策大綱、これは閣議決定しておるが、これは確かにビジョンとして論ずるには不足しておる。こういうことで、工夫したものを本委員会にお出しいたしましたが、現行の制度、施策の前提の上に立ったものであるということはそのとおりなんです。したがって、先に向かって制度がどういうふうに変更しながらこれに対応していくかということになりますと、まず途端に来るのが六十五年からの国鉄共済の赤字問題であり、ひいては、七十年ということを言っておりますが、年金の統一問題、こういうことになってくる。これらをいきなり出すということは、永末委員に出したもの以上のものをお出しするということは非常に難しいが、今大蔵、厚生両当局におきまして、よし、これは可能な限りの問答の中で工夫をしてお出ししようじゃないか、こういうことを申し上げておるところでございます。  それから、もう一つの問題につきましては、例の三条件にもございましたが、不公平是正の与野党協議の問題、これは結構なことでございます、こう自由民主党の方から申しておるようでございますが、それをどういう場所でやるかは行政府の立場としては申し上げることを差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますので、精いっぱいの御要求に応ずる努力をするということはお約束を申し上げるべきであると思っております。

米沢隆民社党・民主連合

○米沢委員 もう時間がありません。我々は、不公平税制を徹底的に議論することが税制改革を推し進める上の大前提である、そして行政改革、高齢化社会のビジョン、財政再建の道筋、そのあたりについてしかとした政府の姿勢が見えない限り、いいかげんなものだという感じでしか議論できないということを申し上げておきたいと思います。  あとは譲ります。ありがとうございました。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ────◇─────     午後一時二分開議

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  再開に先立ち、日本社会党・護憲共同所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得られません。やむを得ず議事を進めます。  質疑を続行いたします。  この際、楢崎弥之助君から関連質疑の申し出があります。米沢君の持ち時間の範囲内でこれを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 私は、主としてリクルートコスモス株譲渡に関する問題に絞って関連質問をいたしたいと存じます。  私が調べたところでは、かつてのロッキード事件のように、このコスモスの株譲渡に絡む疑惑というのは非常に構造性を持った疑惑である、そのように思わざるを得ません。いろいろと各党、資料の要求あるいは証人喚問等を要求されておりますが、庶民感覚で言うならば、難しいこと言わないでもわかっているんですよ。要するに、もうもうかるという株を、自分で銭出した人もありますけれども、銭も出さぬで、リクルートのグループのファーストファイナンスという金融会社から銭まで出してもらって、そしてその売却益をせしめる、ぬれ手にアワというのはそういう現象をいうんですよ。  しかも私はきのう驚いたことに、直接のかかわりはないかもしれませんが、竹下総理もあるいは宮澤蔵相も、それぞれの秘書さんたちが株の譲渡を受けられたその時期がまさに、このコスモスが店頭登録をしたのが六十一年の十月三十日、その一カ月前ぐらいでしょう。これはきんちゃく切りのすることですよ、こんなことは。本当ですよ、言葉は悪いけれども。そしてあなた、つむじ風のように売り抜けていったのでしょう、たった一カ月か二カ月で。そんなことを国民が見ておったら、やはり何をやっておるんだ。今、国会の議事堂はほろをかぶって修繕しておりますけれども、あれは私から見ると、もうある面ではほおかむり、ある面では国民に対して気の毒で会わせる顔がない、国会は。そういうふうに私は受け取る。それが私は国民感情ではなかろうかと思うのです。  それで私はこの際、お互いに衆議院で議決をいたしました、参議院もそうですけれども、六十年の六月に決めましたあの政治倫理綱領、これの第四項にこうあります。「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」まさにこの項目です。みずから明らかにしなくちゃいけない、そうしてその責任を明確にしなさいというのがこの第四項目です。そういう点で我々は国会の責任において、あるいは国政調査権の名において、現行の制度で許される限りの国政調査権を駆使してこの疑惑の解明に努める責任が国民の皆さん方に対してあると私は思うのです。  それでまず私は、質問予定に入っておりませんでしたが、きのうの総理の御答弁あるいは大蔵大臣の御答弁を聞きまして、秘書さんが株の譲渡、六十一年九月だと総理の場合にはおっしゃいました。大蔵大臣の場合はただ六十一年とおっしゃいました。どっちも大した変わりはないと思います。そこで、これに対して証券局長は、五十九年十二月以降の株の移動については証券業協会を通じて調査したが、協会の禁止するような形の特別利害関係人の株移動はなかった、だからその内規に反してない、こう証券局長はおっしゃったんだと思います。  証券局長にお伺いしますけれども、あなたが指摘したものはこの証券業協会、日本証券業協会というのは証券会社が集まって自主規制をするためにつくった協会ですね。したがってその自主規制をするために協会がつくった内規というのは、大蔵大臣、あなたはクリアしているわけでしょう。承認しているわけでしょう。それだけの重みを持っているはずです。これは単なる部内法規じゃないのです。したがって証券局長がおっしゃった、私がただいま申し上げた内規というのは、証券業協会の中に業務委員会というのがありますけれども、その業務委員会の内規のうち「登録申請前の第三者割当増資等の取扱いについて」昭和五十五年六月十二日決定、これの第三というところにあります「発行会社の特別利害関係者等が、登録申請日の直前決算期日の一年前の日以降に、当該会社の株集め又はこれに類する行為を行ったと認められるときは、登録申請を受理しないこととする。」ここにある特別利審関係者のことをおっしゃっていると私は思うのです。時間がたいから、もうこれは間違いない。  そこで問題は、コスモスの場合にこれを当てはめてみますと、リクルートコスモスが店頭登録をしたのが六十一年の十月三十日、それの直前の決算日、これはコスモスの場合は四月三十日です。だから六十一年四月三十日からさかのぼって一年ですから六十年四月三十日、その期間は売ってはいけませんよ、株を移動してはいけませんよ、こういうことですね。そこでまずそれに当てはめてみると、六十年四月三十日以前はいいことになりますね、リクルート関係会社が売っても。だから、五十九年十二月に七十六人に放出している、これはこの項目には触れませんね。それはおっしゃるとおりです。それ以降、つまり私が言っている六十年四月三十日以降は触れる。  そこで問題は、もう一つ条件がある。その場合でも特別利害関係者でなかったらいい、これが局長のきのうの言い分です。それは、局長の言い分では日本証券業協会を調べたらそうだ。それだけですね。それだけでは、我々国会としては自分でそれを確かめなくてはいけませんよ。いいですか。  そこで問題は、お手元に資料を配っておると思いますけれども、「昭和六十一年十月 株式分売のための説明書 株式会社リクルートコスモス」、この中にあります「資本金の推移」。それでこの六十年四月二十五日までの発行の分は、これは売っていいです。四月二十九日までが期限ですから、その前ですから。だから恐らくあれでしょう、総理なり蔵相の秘書さんが六十一年に譲渡されたと言っているのは、この六十年四月二十五日の第三者割り当て分から譲渡されたに違いない。したがって、この内規に言う特別利害関係があるかどうか我々は判定しなければならない。  そこで、この六十年四月二十五日の第三者割り当て分をいわゆるばらまいているわけですから、この割り当て先は「事業会社等三十八社」となっています、この資料では。だから事業会社等三十八社の名簿を出してください。そうしたらいわゆる特別関係がある会社かどうか、それは我々が判定しますよ。ただ証券業協会が言ったからというので信用するわけにいかない。我々はみずからの国政調査権において、果たしてその特別利害関係があるかないかは我々が判定するから、その判定の材料として六十年四月二十五日第三者割り当てをした専業会社等三十八社の名簿を出してください。いかがでしょうか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 まず特別利害関係人等の範囲でございますが、これは協会の内規に決められております。協会の内規というのは協会の自主ルールでございますので、大蔵省としては承知しておりますけれども、これは承認とかなんとかということではございません。この内規におきましては、御承知のように当該会社の役員、その配偶者及び二親等内の血族並びに主要株主、関係会社及びその役員、申請協会員、つまり証券会社でございますが、及びその役員を言うということで概念ははっきりいたしております。  その場合におきましてリクルートに当てはめてみますと、株式会社リクルートコスモス社の役員、これは江副さんも入ります、及びその配偶者、二親等内の眷族、主要株主というのは一割以上の持ち株を持っておる主要株主でございます。それから関係会社及びその役員あるいは申請協会員、主幹事証券会社、これは大和証券でございますが、その役員、この範囲におきましては、昨日申し上げましたように五十九年十二月以降公開に至るまでの間、協会の規則に触れるような形での株の移動はございませんでした。例えば従業員持ち株会に対する株の移動というふうなルールで認められているものはございましたが、それに触れるようなものはございませんでした。  それからなお、第三者割り当ての分を公表せよというお話でございますが、第三者割り当てにつきましては、これにつきましては会社の中で五十人以内といったことでやっている行為でございまして、この辺については性格上公表することを差し控えさしていただきたいと思います。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 また守秘義務ですか、企業秘密ですか。我々はかつてロッキード事件解明のときに、失礼ですが、その解明を阻む第一の壁は、客観的に見て与党の多数というその議席でありました。そうしてその次にこの解明を阻んだのは、今いうところの公務員の守秘義務、企業の企業秘密、これによって解明が阻まれたのですよ。権威ある国民の代表で構成しておるこの国会の、国会議員の国政調査権が、そのようなことで阻まれていいのでしょうか。私はこれは重大なところだと思うのですよ。それで後ほど私はこの点について、まだ出てくると思うから委員長の御見解を聞くことになろうと思いますけれども、引き続いて質問をいたします。——委員長、雑音を消してください。  それから、私はこのことを厳しく言うのは、総理、これはもう既に登録されているのです。登録前にわかっておればいろいろ審査していると思うのですよ、証券業協会も。そこで、これの内容いかんによっては登録を取り消さなければならない事態が起こるかもしれない。だから非常に重要なところですから、我々も正確な判断を持ちたいから、この第三者割り当ての六十年四月二十五日の割り当て先が出せないならば別の要求をいたしましょう。六十年の初頭から六十一年十月三十日までの間に株を譲渡した相手、これの会社名を出してください。あるいは個人名を出してください。この点はどうですか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 六十年四月の取引先を中心といたしますところの第三者割り当ては、三十七社と一個人でございます。ただ、個人といいましても、これは政治家ではございません。  それから、その割り当て先につきましては、これは主要株主に該当するほど大きなものはありません。そういう意味では第三者割り当ての中をごらんいただきましても、主要株主など特別利害関係人等に該当するものでないということは私がここではっきり申し上げていいかと思います。  それから、個別の売買の内容等を相手を出せというお話でございますけれども、この点につきましては、私ども証券取引法上に基づきまして、例えば第四条違反というふうな形で、五十人を超えて不特定多数の者に起因する条件で募集する、そういった行為についてディスクロージャー制度の建前からいろいろ審査しあるいは調査しているわけでございますけれども、五十九年十二月以降若干の株式の移動はございましても、そういった証券取引法に規定する募集ないし売り出しに該当するような形でのものはございませんので、そういった個別の取引内容に立ち至って私どもは調査するわけにはいかない、こういうことでございます。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 私はそれでは納得しません。我々がじかに見てみないと納得できません。  それで、それは要求をいたして、後は理事会にその御判断を任せたいと思いますが、次に、先ほど米沢委員が問題提起をしました。先ほどもありましたけれども、証券取引法四条の問題ですね。これ、十二月分は、五十九年十二月二十日から三十一日までの間二回に分けているという御答弁でしたね。それで、五十が分割されているから四条に当てはまらないかもしれない、それを調査中だ。私は、これはまことに技巧があると思う。それは一括して考える必要はありますよ、たった十日間の問題ですから。もしそれを言い張るなら、私は、証券取引法の五十八条、禁止される不正取引行為「一 有価証券の売買その他の取引について、不正の手段、計画又は技巧をなすこと」これに当てはまる可能性がある、だから調査する気になったらこの五十八条で厳しく対処する必要がある、私はそのように思います。これだけ指摘をしておきたいと思います。  それから次に、江副浩正さんの公職就任と贈収賄疑惑について私は納得いく答弁をいただきたいと思っておるのです。ほかにも公職についていらっしゃいますが、今度は政府側は税制国会とおっしゃっていますから、主として政府税調特別委員に江副さんが就任をされておる、それが六十年の九月十二日であった。まさに五十九年十二月に政治家を含めて七十六人に株がばらまかれた。そこで私は、税調委員、特別委員に選ばれるにはどういう手続が要るかをまず明らかにしておきたい。  これは税制調査会令という政令がある。その三条で、総理大臣が任命することになっております。このときの総理大臣は中曽根康弘前総理であります。それで御案内のとおり、中曽根さんのお二人の秘書さんが株の譲渡を受けられておる。報道でございますけれども、上和田義彦さん、筑比地康夫さんというのですか、この両秘書に合計二万六千株譲渡されて、売却益は約一億二、三千万、このように報道をされております。総理大臣が任命するようになっておりますが、実際はどのようにされるかというと、それが八条にあるとおり、「庶務」というところに「調査会の庶務は、内閣総理大臣官房内政審議室において大蔵省主税局及び自治省税務局の協力を得て処理する。」つまり大蔵省の主税局と自治省の税務局は協力をして、そして推薦人を決めて、そして今言った内閣総理大臣官房内政審議室を通じて総理に上げる。ここでもしこの推薦の仕方いかんによっては、職務権限と絡んでこの株譲渡の問題が非常に贈収賄疑惑に結びつく。  この際、はっきりしてもらいたいのですけれども、一体だれが税調の特別委員に江副さんを推薦したのですか。私も田舎の大学出ですから学識経験者じゃないかもしれませんが、私も江副さんという方を知らなかったですね、二十五年間国会におって。知っている人は知っているのでしょうけれども。だれが推薦したのですか。だれがどこで推薦したのですか。それいかんによっては重要な疑惑に発展していきますから、はっきりしてください。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 御指摘のように、特別委員は学識経験のあるお方の中から内閣総理大臣が任命をするということでございまして、私どももその庶務につきましてはお手伝いはいたしますが、そうした任命行為はすべて内閣総理大臣の行為でございます。したがいまして、個別的にどのような推薦と申しますか、選出の過程と申しますか、そういったことは承知いたしておりませんし、また個別のことでございますので、事情等につきましてはお許しをいただきたいと思うわけでございます。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 はっきりしておることは、竹下現総理はそのとき大蔵大臣でありましたが、当時の竹下大蔵大臣はこれに関係していらっしゃいません。それは私調べております。結局総理周辺だったでしょうが。間違いないのですよ。つまり中曽根さん周辺ですよ。そうしたら、これは職務権限がある、許認可の。そして献金と同じ性質を持った、これはもう殖産住宅の判決でわかっておるが、献金をもらっておる。献金と同じですから。許認可権に関して職務権限を持っておる人がそれを行使したらどうなります。法務大臣、どうなりますか。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 ただいまのお尋ねでございますけれども、私ども法務、検察の立場といたしましては、疑いというだけではいろいろ物を申し上げかねるわけでございます。御承知のように、刑法の百九十七条には、公務員等がその職務に関しわいろを収受、要求したときには五年以下の懲役というふうに規定されておるわけでございまして、この要件に厳密に当たるかどうかということは、捜査を待たないと何とも言えない話でございます。  しかし、その捜査をするかどうかについては、これは捜査当局が犯罪の嫌疑があるかどうかということを前提といたまして検察権を発動するかどうかということを考えるわけでございまして、ここでは軽々にそれが犯罪に当たる、あるいは当たらないということは申し上げかねるわけでございます。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 私は、その疑問を呈しておるのです、疑問を。  そこで、もし中曽根さん周辺から、あるいは本人かもしれない、そういう推薦があったとすれば、これは当然贈収賄罪に結びつく。  そこで、この中曽根さんの秘書、先ほど申し上げた二人の秘書さんが、そのリクルートコスモスの株を譲り受けた時期、それはいつですか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 承知いたしておりません。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 これじゃ疑問を呈しても全然何もしないということじゃないですか。重大な、限りなくクロに近い問題を今私は提起している。それじゃ調べてくださいよ、いつ授受されたか。これいかんによってはいわゆる刑法に触れる問題が出てくるんですから。どうですか、それは。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 昨日来申し上げていますとおり、株式の売買それ自身が証取法その他に触れるということではございません。発行会社にディスクロージャーの義務があるのに、それを怠ったかどうかという点が問題になっているわけでございます。そういった意味では、それをだれが、いつ、いかなる形で買ったということは、証取法違反ではない以上は、それは証券局として調べるだけの権限、立場にございません。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 そうしたら捜査当局が内偵をすべきです、それだったら。これをこのままうやむやにするつもりですか。それじゃ国民の皆さんは承知しませんよ、私がこれだけ言っているんだから。しかも重大な、もし中曽根前総理がそれを推薦しておれば、もう立派な、典型的な贈収賄罪が成立する。だから、これは明確にしてもらいたい。これも残しておきます。  次に、時間がありませんけれども、もう一件だけ。  この先ほど配りました資料の中に、「資本金の推移」のところを見ていただきたいのですけれども、五十九年十一月十日に第三者割り当てをしておる。これは社員にサービスしているわけですね。そして六十年二月十五日に二千五百円で第三者割り当てをしています。五十九年十二月というのは、ちょうどこの三カ月の間の真ん中に位置しているのですね。そしてこれは五十円株ですが、千二百円で放出している、七十六人に。したがって、問題は何か。きのう来の答弁を聞いておりますと、千二百円は時価ですか。そして二千五百円は類似会社。しかし五十九年十二月段階で千二百円で放出。一カ月半で二千五百円に上がるのですか。私は、五十九年十二月段階で既に二千五百円という、そういう価格は暗にでき上がっておったのではないか、その疑いを持ちます。したがって、もしそうであれば、その時点で千二百円で株を買った人は、五十九年十二月二十日以降三十一日までの間に千二百円で買った人は、その時点で一カ月半後にはもう二千五百円、わかっているのだから、その差額の千三百円は、私は、これは当然課税の対象になる、そう思います。  どういう課税の対象になるかといいますと、まず第一番に、やった方ともらった方とあります。  その千三百円の差額は、やった方、リクルート側は寄附行為になるはずです。したがって、寄附行為は法人税でリミットが設けられておりますけれども、そのリミットは低く抑えてあるから当然オーバーしているから、だからそのオーバー分については法人税で納税しなければなりません。これは一体どうなっておるのか。もし納税しておれば、それを証明する資料を出してください。  それからもう一つ、やった側には有価証券取引税法がかぶさってくる。これは納税されているかどうか。納税されておれば、納税された税務署の領収書を資料として出してください。  今度はもらった方。もらった方は、その差額は、これは法人からもらっているのですから、個人の場合は贈与になるけれども、法人からもらっておるから、これは所得税法の三十四条による一時所得になるはずであります。だから、これは申告の上所得税を納めなくてはいけない。これははっきりいたしております。  そういう一連の納税義務を怠っておるとすれば、これは脱税行為になる。したがって、国税はどうなっておるかを調べなくてはいけない。調べるためにはその七十六人を特定しなければならない。そうでしょう。そうすると、当然七十六人のリストは出てくる。特定しないで脱税かどうかを判定することはできない。  したがって私は、この際、委員長に要求をしたいが、先ほど申し上げました国政調査権の尊重をどう考えられるか、この予算委員会の運営の責任者として。そして必要があらば、国政調査権の名のもとに、委員長からいろいろな要求をした資料を当委員会に出してもらいたいし、私は、重ねて七十六人のリストをこの際出してもらわないと真相解明にはならない。どうでしょうか。委員長の見解を聞いておきます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 リクルート問題の解明という形は、国民的な関心事にもなっておることは事実でございます。その意味において、リスト提出は一つのかぎかなという認識は持っております。しかし、社会的公正、そしてまた人権を確保するという見地に立って考えるわけですが、委員御指摘のとおり、憲法で定められた国政調査権の行使によって得られる公益、そして今また先ほど来の政府側答弁に見られますように、守秘義務によって守られるべき公益ということの兼ね合いを踏まえて考えておるわけですが、理事会でこれは協議中でございますし、委員長といたしましては、各党の御意見を慎重に踏まえまして対処したいと申し上げているところでございます。

楢崎弥之助民社党・民主連合

○楢崎委員 もう私は時間が来ましたから、残念ながら、こよいはこれまでにいたしとうございますというようなことになるかもしれません、残念ですが。しかし、私が提起した問題は、国政調査権上重要だから、直ちに理事会を開いてこの問題を処理してください。お願いをいたします。そうしないと、後だれが質問しても同じ問題が起きますよ。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて米沢君、楢崎君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後一時三十六分休憩      ────◇─────     午後三時十八分開議

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  再開に先立ち、日本社会党・護憲共同所属委員の出席を要請いたしました。出席を得られませんので、やむを得ず議事を進めます。  この際、委員長より申し上げます。  日本共産党・革新共同から、本日に至り、委員会出席の上質疑を行いたいとの申し出がありますが、同党所属委員の昨日の理事会における全会一致の開会でなければ委員会には出席できないとの主張、また昨日の委員会開会直前における同党所属議員の言動及び委員会欠席を考え合わせますと、極めて遺憾であると存じます。今後このようなことがないよう猛省を促すものであります。  質疑を続行いたします。松本善明君の質疑を許します。松本君。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 これまで我が党は、この予算委員会の開会に当たりまして、リクルート疑惑など一連の重大な金権腐敗事件の全容解明とそのための証人喚問、リクルート株譲渡先リストの提出並びに全会一致の委員会運営を繰り返し要求して、その実現にこそ尽力すべきであることを主張してまいりました。この証人喚問要求を自民党が受け入れない。そうした中で、昨日、予算委員会理事会で十分協議が調わないまま、しかも証人喚問をあいまいにして、全会一致の原則を無視し、予算委員会が開会をされました。我が党はそれに強く抗議したものであります。といいますのは、予算委員会開会を一部の党派だけで決めてやるというのは前代未聞であります。いろいろな途中で一部の党でやるということはありましたけれども、開会を一部の党だけでやるということは、全く私も一度も経験しておりません。そういう事態でありますから、我が党は強く抗議をしたのであります。にもかかわらず委員会の開会が強行されましたことは極めて遺憾であります。我が党はこの事態を引き続いて正し、証人喚問と資料提出の実現のために党を代表して質問をするものであります。  全会一致でなければ出席できないとかあるいはというようなことを言ったことはありません。我が党は、昨日は抗議の意思を表明をしたものであります。開会前の言動についていろいろ言われましたけれども、その後、自民党あるいは委員長の方から出席が要請をされまして、私どもはきょうそういう意味で質問に入るものであります。  証人喚問の要求といいますのは、言うまでもなく憲法六十二条に明記をされておりまして、国政調査権発動の柱であります。このことが実現をできないということは、これは憲法が行われないということでありますので、極めて重視をしておりますし、委員長においてこの実現のために計らっていただきたいと要請をした上で、質問に入りたいと思います。  まず、リクルート事件でありますけれども、これは竹下総理から宮澤大蔵大臣、中曽根前総理大臣、自民党安倍幹事長、渡辺政調会長、加藤六月政調副会長、加藤紘一元防衛庁長官、森喜朗元文部大臣などの関係者や本人がかかわっているだけに、重大なものであります。皆、自民党政権の中枢部の人たちであります。それぞれ二千万前後から一億数千万の売却利益を得ているというふうに報道をされております。非公開株の譲渡を受けた七十六人の売却益総額は約五十一億円、ロッキード事件の十倍以上であります。政府税調の小倉会長も、大きな声では言えないが、株で稼いで政治資金にしている人が困っちゃうんじゃないかというふうに言っているぐらいであります。総理は先ほど午前中の委員会で、そういうことがあり得るとは断定できないというふうに言われましたが、政府税調の会長でさえこういうふうに言っています。  参議院本会議で内藤議員が紹介をいたしました投書でありますけれども、私はもう少し詳しく、これについての庶民の感覚を御紹介をしたいと思います。  ちょっと首をタテに振るだけで何千万円、名前を貸すだけで何千万円、何の苦労もなく、私などが一生かかっても目にすることも出来ない金額がザブザブところがりこんで、それに税金がかからない!どう考えても不思議です。   でも考えたら、私も一円だって税金払うのがバッカらしくなってきます。   けれど、エライ人が”ぬれ手でアワ”で何千万、何億もうけても税金がかからないのはどうしてなんでしょう。私はコロサレたって税金払いたくたい気持ちにだんだんなりました。 これは七十蔵の洋服仕立て業を営んでおられる老婦人の投書であります。  私は——いや、これは赤旗ではございません、この新聞に投書をされているものでございますが、こういうことで、株を利用して政治資金づくりをやっているというのは公然の秘密なんですね。税制改革どころか、やはりこういう金権政治の改革こそが今政治に課せられている最大の課題だというふうに私は思います。  そこで、法務省に聞きたいのですが、最高裁は、殖産住宅贈収賄事件で、一般投資家が取得困難で値上がりが見込まれる非公開株式を取得する機会を与えること自体がわいろに当たるというふうに判示をいたしました。リクルートの非公開株も同様であることはマスコミも例外なく指摘しておるところであります。法務大臣は、参議院本会議でもここでも、直ちにリクルートに当てはまらないというふうに答弁をいたしました。しかし、法律論といたしましては、新規店頭公開株、リクルートの場合もそうでありますが、の取得が収賄罪に認定された判例がもちろんあります。昭和三十九年の十二月二十一日の大阪高裁のものであります。  法務省に聞きたいのは、リクルートのような非公開株の譲渡も、職務に関して提供されるということになればわいろになることは明白だと思いますが、その法律論を伺いたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 先ほど御指摘のありました殖産住宅の事件でございますけれども、これは先日最高裁判所で決定がございました。その決定の中でどう言っているかと申しますと、株式を公開価格で取得できる利益が贈収賄罪のわいろに当たる、こういうふうに言っているわけでございますが、その中で、間近に予定されている上場時にはその価格が確実に公開価格を上回ると見込まれるものであり、公開価格で取得することはこれらの株式会社ないしは上場事務に関与する証券会社と特別の関係にない一般人にとって極めて困難であったという二つの要件を前提といたしまして、先ほど申しました利益が刑法の百九十七条のわいろに当たる、こういうふうに言っているわけでございます。     〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕  これは、問題の事件はこれを詳しく申し上げる時間はございませんけれども、要するに、職務権限がはっきりした人物が、四十七年の十月二日に東京証券取引所に上場される予定の殖産住宅の株式を九月十八日に一万株取得した、そして利益を得たという事件に対して判断があったわけでございまして、このリクルートの問題とはその点で——リクルートの問題はさておきまして、この殖産住宅の問題について判決があったわけでございまして、それがすなわちリクルートの問題にイコールにならないという意味で先日来大臣が答弁しているところでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 さらに聞きますけれども、私の聞いたのは、法律論として、この非公開株の譲渡も職務に関して提供されるということになればわいろになるという、その法律論はこれは間違いありませんね。もちろん事案は違いますよ、殖産住宅とリクルートは事案が違いますから、そのまま当てはまるというわけにはいかないでしょう。法律論として私は聞いておるわけです。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 そういうお尋ねに対してお答えしますと、リクルートの事件が、事件といいますか問題が、贈収賄に当たるということを当てはめられて考えられる可能性があるわけでございますけれども、それはともかくといたしまして、先ほどるる申し上げましたように、法律論として、非公開株を取得したことがすなわちわいろ罪、わいろの利益に当たる、こう言っているのじゃなくて、間近に予定されている上場時に価格が確実に上がります、そして公開価格を上回る見込みである、それから一般人がなかなか取得しがたい、この二つの要件があるときに利益があるのじゃないか、それがわいろ罪の利益だ、こういうふうに言っているわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 この委員会で、たまたまですが、竹下総理とそれから宮澤大蔵大臣が、秘書が取得をしたあるいは秘書の関係者が取得をした時期について言われました。それは直前なのです。今法務省が言った、直前だったらわいろの危険性があるというふうに言った直前に変わってきているのです。先ほどのこの委員会ではきんちゃく切りだという言い方で言われましたけれども、そういうことになってきているのです。私はリクルート事件について何もここであなたに解明しろというふうに言っているのではないのです。そのほか、今直前にリクルート、今言われているのは五十九年十二月というのは一般ですけれども、直前にも政治家が買っている、名前も挙げられて報道されている方もあります。  それから、リクルートコスモス以後の店頭公開株は、初値で売ればもうけ百中だ。それから以降、四十件の非公開株の譲渡は全部値上がりしているのですよ。これは間違いなく非公開株というのは値上がりするのですよ、実際上。  そのことは別として、法律論として、非公開株の譲渡が、やはり利益の供与だから状況によってわいろ罪の対象になると、そんなことも言えないのですか。法律論として聞いているだけですよ。だから、あなたがそういうふうに答えたからといって、じゃすぐリクルート事件はわいろ罪だと言うつもりはさらさらないです。はっきり答えてください。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 何か繰り返して申し上げて恐縮でございますけれども、非公開株を取得することすなわち利益というわけではございませんで、先ほど申しましたように、価格が確実に公開価格を上回るという見込みがあるということと、それから一般人が取得しがたい、極めて困難であったという事情の二つを含めまして、その場合にはわいろ罪のわいろに当たるということでございまして、これは職務権限その他については何ら触れるところはないところでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 結局、繰り返しにはなりましたが、二つの条件のもとでは非公開株の譲渡もわいろ罪の対象になり得るんだ、こういう答弁であったというふうに思います。  そこでお聞きしますが、リクルートコスモス株譲渡をめぐる今度の事件の最大の問題は、リクルートと江副前会長がなぜ七十六人に株をばらまいたかというその目的、動機、理由であります。  株式会社リクルートと江副会長は、当初、減益を防ぐための決算対策と安定株主づくりだというふうに言っていたのです。しかし、決算対策で収益を上げるというのに、資金もない多くの人に対して逆に子会社のファーストファイナンスが融資までして譲渡をしている、こんな決算対策だとか安定株主づくりはないですね。  それから、譲渡した株価は千二百円で、その二カ月後に会社自身が行った第三者割り当ての評価額二千五百円のさらに二分の一以下であります。到底決算で多くの利益を計上するためとは言えません。この委員会で証券局長が、社員持ち株会に譲渡すると二百六十六円で安いときもあるんだというふうに言いましたけれども、これは自由に譲渡できないのですから、もう全然関係のない別の話なんですね。  それから、今回の事件で譲渡を受けた関係者は、店頭登録日の直後に巨額の利益を得て売却する、いわゆる売り抜け、証券局長もそういう言葉を使いましたが、売り抜けて株主でなくなっておって、安定株主どころじゃないのですね。もちろん、購入時に株の保有を義務づけられた形跡も全くありません。  そうすると、リクルート側の言い分というのは全くでたらめではありませんか。証券局長、調べた結果、そう思えませんか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 まず第一点の五十九年十二月の株式の譲渡というものが決算対策ではなかったのではないかという御指摘でございますけれども、これはリクルート側から私どもが事情聴取した結果を若干詳しく申し上げますと、リクルートといたしましては、そのときまでずっと業績が上がっておりまして、毎年、経常利益で二けたの伸びを示していた。五十九年の十二月期、一月から十二月、十二月決算の会社でございますけれども、その期におきましては、たまたまリクルート側の方が非常に借入金が大きくなったその他のことによりまして、二けたの利益はどうも期末になるに従って確保できない、こういう見通しになってきた。ついては、それを何とか株式の売却益で補いたいという発想から、子会社でありますところのリクルートコスモスの株を売却するということを決めたわけでございまして、現実問題といたしまして、売却した価格の総額が大体十五億円ぐらいでございまして、実際にそれによって得た利益が十三億くらいになっておりますので、その十三億円の利益をもって二けたの利益を上げている。もしそれがなければ二けたの利益は上げられなかっただろうということが容易に推認できますので、そのリクルート側の五十九年十二月の売却が決算対策ではなかったというふうに言うことは困難である、ある程度言い分は認めてもいいのではないだろうかというふうに私は考えております。  第二点の株価の点でございます。株価の点について申しますと、五十九年十二月の株式の売却は、これはリクルート社が持っております子会社のリクルートコスモスの株を売却したわけでございまして、その価格の算定は、まず第一にリクルート社が行ったものでございます。それに対しまして、六十年の二月あるいは四月における第三者割り当て、これはリクルートコスモス社が発行したわけでございまして、価格の算定はリクルートコスモス社が行ったものでございまして、まず算定した主体が違うという要素がございます。  それから価格の内容でございますが、これも先日渡辺委員の質問に対しましてお答えしたところでございますけれども、五十九年十二月期の、五百円額面で一万二千円、五十円額面に換算して千二百円という価格、これはそのときも御説明申し上げたわけでございますけれども、その時点におきますところの会社の純資産につきまして、自分の持っておりますところの土地を時価評価するあるいはその後合併予定の会社の土地も時価評価するという形で、時価をいわば膨らました形におきましてそれを一株当たりに換算いたしまして千二百円という価格を算定した。それを簿価に近い価格で算定した場合が、五十九年十一月におきますところの従業員持ち株会に対する価格、これが一株当たり二百六十六円五十銭、これは五十円額面でございますが、そういったことでございまして、そういった価格で算定したわけでございます。純資産方式によりますところの株価算定というのは、これはいろいろ各方面に広く認められておる方式の一つでございますので、この価格の算定が特に間違っていたという形は、これは私どもが判断する話ではございませんけれども、それはそういうふうには認められたいところでございます。  他方、六十年二月及び四月におきます二千五百円という価格、これは、先ほど申しましたように、リクルートコスモス社が第三者割り当てとして算定したものでございますが、これを見てみますと、実はそのときのバランスシートにおきますところの類似会社比準方式、これは、ほかの不動産会社等の価格、株価等の算定においてこれまた広く用いられておる方式の一つでございますが、それを用いているわけでございますけれども、その類似会社比準方式の算定をするに当たりまして、リクルートコスモス社としましては、六十年におけるその当時のバランスシートをもとにしてやったというよりは、むしろ六十一年、将来におきますところの期待収益率といいますか、予想収益といいますか、そういったものを用いまして、ある意味ではやや高目な形の算定をしているという事実も認められているわけでございます。  いずれにいたしましても、純資産方式による評価あるいは類似会社比準方式による評価、これはそれぞれいわば認められている方式でございまして、これが一概に高い安いということは、こういった事情を御説明してもおわかりのように、一概に言えないものであろうというふうに考えているわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それはだれでも庶民はわからぬですよ。売り抜けているとか、それからファーストファイナンスから融資までしているとか、だれでもわかることを言っているのに何にもそれは答えないで、それから、社員持ち株会といったって、これは譲渡できないのですよ、こんなものと比べたってだめだということをわざわざ言っているのにそういうことを言っておるというのでは、もう話にならないのですよ。  私は、さらにもう一つ重大なのは、これは、株式会社リクルート所有の株だけではなくて、江副会長自身の持ち株を譲渡しておる疑いがあるという問題であります。  きょう、私はここにリクルートの有価証券報告書それから営業報告書を持ってきておりますけれども、それによりますと、江副氏は五十円換算で四百九十五万株所有をしていて、それが今回の譲渡事件のあった五十九年五月一日から六十年四月三十日の営業報告書では、四百七十五万三千株に約二十万株減少しておる、六十年五月一日から六十一年四月三十日の営業報告書では、この間に四百五十五万八千株とさらに約二十万株減少しておる、計四十万株減少をしております。政治家周辺に配られたものは約十一万株であります。と見ますと、江副会長の持ち株が七十六人に売却された可能性も極めて高いのです。そうだとしますと、減益を防ぐための決算対策と安定株主づくりだというリクルート側の言い分はますます怪しくなる。  大蔵省は、この七十六人に配られたものが一体何であったか、江副氏のものであったか、リクルートの会社のものであったか、そういうような株の移動の実態、経緯を調べましたか、調べたならばそれを報告してください。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 まず最初に、ファイナンスまでつけてやったということはおかしいではないか——よろしゅうございますか。それでは今の御質問についてお答え申し上げます。  五十九年十二月の七十六人に対する株式の譲渡、これはリクルート社そのものでございます。今御指摘の江副さんの株は確かに減っております。これは私ども調査した結果では、従業員持ち株会に対する譲与でございまして、その減った分だけ従業員持ち株会の株がふえている、こういう状況でございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 証券局長、あなたがリクルート社の株だと言ったということは、七十六人については全部調べたということですね。証券局は全部知っているということですね、七十六人は。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 大株主の名簿の異動を見てみますと、五十九年十二月のものがリクルート社のものであったことは明らかでございます。同時に、江副さんの分につきましても、これは株式の動きを見てみますと、江副さんが減った分だけいわば従業員持ち株会はふえているということでございまして、また現実にそういう説明をリクルート社から受けております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 一つ一つ調べたかと言っているんですよ。七十六人について調べたのかと言っているんですよ。あなたは絶対にそういうことはないと言っているんだから。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 七十六人の固有名詞としては存じておりません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それごらんなさい。全部調べておらぬじゃないですか。それでそういうようなことを言うというのは私は問題だと思う。やはりこれはどうしても解明をしなければならぬのですよ。この問答をしていたっていいかげんなんですよ。そして、これはもう報道されているんだけれども、リクルートコスモスは既に五十九年一月に店頭登録の方針を決めて、同年夏にその準備を本格化したと言っているんですよ。報道されているんです。それはコスモスの今春発行した資料によるものです。弁解は全部うそなんです。これはもうリクルートコスモスそのものが言っているんですから。  それで大蔵省に聞きますが、店頭登録には一千株以上所有の株主二百名以上の存在が必要なんじゃありませんか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 御指摘のとおりでございます。ただ、その二百名以上というのは、公開といいますか店頭登録する時点において発行される株式においてその株主数が充足されればそれで結構である、こういうことになっております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 リクルートコスモスは五十九年四月三十日当時に十七名の株主しかいなかったのであります。それで、これを二百名以上にする必要があって譲渡をしました。その機会に、業績を有利にするために政界、官界、言論界それから銀行等に破格の有利な条件で株をばらまいた。店頭登録の時期には、日本経済新聞の社長が辞任しましたけれども、その当時の社長の時期ですけれども、日本経済新聞にリクルート持ち上げ記事がずっと出るわけですね。そしてみずからも利益を得、そして株をばらまいた政治家や政治家周辺にも利益を与える、これが真相だと私は思うのですね。そして江副氏は約百五十億の利益を出した。そして創業者利得ということで一銭も税金を納めないのですよ。先ほどお読みしました七十歳の老婦人の投書のとおりですよ。これを解明しないで絶対に政治は前へ進めませんよ。私は、これだけでも重大な解明をする必要があると思いますけれども、さらに、じゃ、もらった方の問題について伺おうというふうに思うのです。  まず、中曽根総理の関係なのですが、江副氏は中曽根内閣の任命で政府税制調査会特別委員、大学審議会委員、文部省教育課程審議会委員になって、それから直接の任命ではありませんけれども、中曽根内閣のときに新行革審土地対策検討委員会委員にたっております。リクルートというのは学校関係の情報が重要な仕事でありまして、リクルートコスモスは有名な地上げ屋であります。宅建業法違反で行政処分をされたり、新聞で摘発されたりしている会社であります。こういう会社の会長がどうして政府の重要な委員に四つも任命されるのか、それだけでも疑問であります。中曽根前総理の場合には、二人の秘書がリクルートコスモスの非公開株計一億四千万に上る売却をして、一億一千万近い利益を上げていると報道をされています。非公開株の譲渡という形をとった贈与がわいろの性質を持っていないか、政治資金の性質を持っていないか、これは事実関係を明らかにしなければならぬのではないかというふうに私は思いますが、総理、いかがでしょうか。政府としても国会としても、この事実関係というのは明らかにしなければならぬ問題ではないかと思いますが、いかがでしょう。どうお考えです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 一般論として申し上げますならば、いわゆる国政調査権に対して行政府は最大隈の協力をすべきものであるということに尽きると思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それはもうようわかっておるのです。ようわかっていますが、政治家として日本の政治を語る上で、こういう事実関係というのはやはり何らかの形で明らかにしなければならぬ性質のものではないか、こう総理の見識を伺っているわけでございます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 おっしゃっている意味は、いわゆる刑法上の問題としてではなく、政治倫理とかあるいは道義の問題とかということで明らかにすべきことではないかという趣旨に私自身は受けとめますが、確かに人それぞれ私はいろいろ事情は違うと思います。違うと思いますが、やはり例示いたして申しますならば、私の場合、元秘書とはいえい長い間一緒にやっておったわけでございますから、それらのいわゆる監督責任というものは十分に反省の糧とすべきものであるというふうに考えております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 政治倫理、道義の問題としてではあるが、何らかの形でやはり事実は明らかにすべきだという趣旨に受け取ってよろしいでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 その明らかにするという内容自身が私につまびらかにわかりません。したがいまして、その事実解明というのは国政調査権に対する行政府の協力の問題を申し上げたわけでございますが、私自身の問題についての考え方は今申し述べたとおりでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理がこういう問題についてはっきり歯切れのいい答弁をしないということ自体が日本の政治の重大な問題だというふうに私は思いますけれども、さらに解明をしていこうと思います。  江副氏は八五年九月十二日、中曽根総理によって政府税調特別委員に任命をされています。この政府税調特別委員といいますのは、中曽根首相の独自の発想で暴れ馬を入れる必要があるということで、この人選自身が首相の指示で進められたというふうに新聞で報道をされております。江副氏がこの委員に選任されたのは八五年の九月でありますけれども、これは非公開株譲渡の翌年であります。江副氏が総理と親しくなって、この年の三月二日にも総理官邸を訪れているということが「首相日々」に報道をされております。この委員の任命権は総理にありますけれども、これを大蔵大臣であります竹下総理が、江副氏とは面識の間柄だったと思いますけれども、これは総理の意向を聞いておられたのか、いかがか伺いたいのです。江副氏が税調委員になるということについて、当時は総理は大蔵大臣でありました、中曽根総理の御意向を聞いておられたかどうか、お聞きしたいのであります。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 税制調査会の委員が率直に申しまして総理任命になっておるというのは、地方税と国税と両方あるからということで総理府が所管しておるわけでございます。したがって、その庶務は大蔵省の主税局と自治省の税務局で担当をしておるわけでございます。したがって、正確に記憶いたしておりませんが、特別委員を任命して拡充強化したいというお話があって、そのリストが私のところに上がってまいりまして、結構だろうと、こう言った記憶はございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そうすると、この任命についても竹下総理はかかわっておられた、こういうことになるかと思います。  江副氏の方は、これは大変有力な若手財界人になろうとして、その地位を築こうとしていたというようなところにいたようですね。アイウエモという言葉が財界に定着をしかけた。総理のよく御存じの青木建設の社長もその一人というようなことで、そういう若手財界人の一人として、政府関係の委員になるとか、政界や政府機関に近づいて社会的地位や財界での地位を確立することをねらっていたというふうにも報道をされています。そうすると、税調特別委員になるということは江副氏の要求にも非常にかなっていることなので、中曽根前総理と、竹下総理自身もそうですけれども、江副氏とこのお二人の政治家はどういう関係にあったか、やはりこれは明らかにしなければならぬではないかというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私の勉強会のメンバー、木鶏舎という会がございまして、そのメンバーの一人であることは事実でございます。したがって、それと税調委員との関係はございませんし、従来、そうおっしゃいますけれども、各種委員にお願いしますときには、本当は忙しい方にお願いするのでございますから、これは容易な努力じゃございません。したがって、本当は自分の職業を持っていらっしゃる方が委員に就任していただくことについては心を砕いてお願いするというのが普通のケースであるというふうに私は思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 木鶏会の一員だということは存じ上げておりますし、それから中曽根総理との関係でもそういうような関係だということは報道もされていますけれども、しかし、やはりここまで来ますとそれだけでは済まないのですね。私は、国民は納得をしないと思います。  中曽根総理の場合はもっと直接的なのですね。任命権者なのです。そうすると、やはり中曽根総理の周辺に一億四千万での売却高の非公開株が行っている、税調委員に任命をされている、そういうことになりますと、これは職務権限は明白に中曽根前総理にあるわけですけれども、そういう関係はどういうことだったのだろうかということを国民の前に何らかの形で明らかにしなければ国民は納得しないのではないですか、こういうことを伺っているのです。総理のことはもう結構ですけれども、中曽根総理との関係で、もう直接的ですから伺いたいのですよ。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 それは私自身の口からお答えすべき性格のものではなかろうというふうに思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そうすると今のお話は、私からは言えないというと、やはり中曽根さんから聞かなきゃならぬ性質のものだということになるんじゃないかと私は思うんですよ。  それで、これは中曽根さんも秘書だということで言っておられますけれども、ここでは何遍も問題になっていますが、江副氏は政治家の家族、秘書とのつき合いはございませんと断言をしているし、それから筑比地康夫という一億二千万円以上の売却をした秘書さんは、中曽根氏の政治団体である中曽根会の代表者であり、会計責任者なんですよ。売却額は千六百五十万の上和田義彦秘書は、殖産住宅事件では東郷民安氏が証人として証言をした際に、中曽根さんの方が先に証言をしているのですが、中曽根証言を否定する形で、中曽根氏に五億円を上和田秘書の名前で預金しておいてくれと言われたという、当の上和田秘書なんですよ。いずれも中曽根氏の金庫番の秘書ですよ。これは秘書が勝手にやったのだということで通らないと私は思いますね、客観的に見て。ロッキード事件では、田中角榮、橋本登美三郎各氏の秘書が金をもらっているそのこと自身が問題になって、刑事事件になっているんですよ。池田元首相の秘書官を務めた政治評論家の伊藤昌哉氏は、秘書は全部報告している、そうでなければ秘書でないんだ、明智光秀、そんな人にはお金を預けないんだと。政治家はみんな秘書のやったことだと言うけれども、そんなことは通らないですよ。絶対通らないです。  私はさらに解明をしようと思いますが、江副氏は八七年八月五日新行革審土地対策検討委員になっております。その三日後には軽井沢の別荘で中曽根総理と会っているのですね。これも「中曽根さんの一日」というのに出ていますね。新行革審土地対策検討委員も中曽根首相の強力な指導があって実現をいたしました。土地対策検討委員会の設置そのものが中曽根氏のお声がかりで実現したのですね。審議会のリストアップについては人数が多過ぎると言って手直しも命ずる、そういうことでした。  リクルートコスモスというのは、さっき申しましたように地上げなど強引な商法で、六十年にマンション供給戸数で第二位だった三井不動産を抜いて大京観光に次ぐ地位にのし上がったマンション業者です。中曽根前首相の新行革審土地対策検討委員への江副氏の起用がリクルート関連株譲渡問題と全く無縁だというふうに総理、何も調べないでそんなこと言えますか。総理の見解をお聞きしたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 松本委員は松本委員の主観をもとに私の見解を求められておるわけでございますが、私はそうした関係があろうとも思っておりません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それは立場も主張も竹下総理と私は違います。違いますが、ここで一堂に会して議論をするというのは、やはり客観的な事実を示してこれは調べなくちゃいかぬのじゃないかということについてお互いの意思統一をするというためにやっているわけですね。私は関係がないというふうに思うというふうにおっしゃったけれども、やはり調べなければそれはわからないのじゃないのですか。私は竹下総理に、これは関係があると思うというふうに言えと言っているわけではないのですよ調べたければだれだってこれが関係があるかないかはわからないのじゃないですか、それは当たり前のことでしょうということを総理に、だれに聞いたらいいかといえばやはり内閣の一番中心ですから総理に聞いているのです。その点なんですが、いかがでしょう。調べたいでもわかりますか、これは関係ないということは。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 お互いの常識の中で理解できることではないかというふうに私は思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それは国民には通用しないですよ。それは全然通用しないです。  では、さらに解明しますが、江副氏は教育課程審議会委員、大学審議会委員になっている。いずれも中曽根内閣のときであります。教育課程審議会委員は八五年九月十日の松永文部大臣の任命であります。江副氏は高校教育分科委員になりました。一億六千万近くの売却をして一億二千万以上の利益を得たと報道されております森喜朗氏は、八三年十二月二十七日から八四年十一月一日まで文部大臣でありました。大臣辞任後一カ月後の八四年十二月に江副氏は森氏に非公開株を譲渡いたしました。森氏はもともと自民党の文教族と言われる議員でありまして、文教関係に強い発言力を持っている人であります。非公開株の譲渡を受けたときも江副氏の教育課程審議会委員任命のときも、党教育改革調査会長であり、自民党副幹事長の要職にありました。江副氏は、八七年九月十八日塩川文部大臣によって大学審議会委員に任命されました。森氏は、当時総務会長代理とともに党の教育問題に関する調査会長でもありました。  江副氏が教育課程審議会委員、大学審議会委員になったこととリクルートの営業との関係でありますけれども、リクルートは大学や就職関係の情報誌「リクルートブック」などを発行していて、学生の就職問題を初め教育関係の情報収集はリクルートの営業とは密接不可分である上、コンピューター事業の発展でも教育界にもシェアを広げる意図を持っておりました。江副民は六十年九月に教育課程審議会委員になっておりますが、六十一年十月二十日の高等学校教育課程分科審議会の第一回総会議事録によりますと、自由討議の議題で早速中等教育におけるコンピューターの活用が議論をされております。これは事実かどうか、文部省。

古村澄一文部省初等中等教育局長

○古村政府委員 六十一年十月二十日に高等学校教育課程分科審議会第一回の会議を開きました。そのときは、ちょうどその午前中に、その日の午前中でございますが、総会を開きまして、教育課程の改定についての「中間まとめ」という案を総会でまとめたわけでございます。したがって、その「中間まとめ」について、その日の後から開かれました高等学校教育課程分科審議会の一回の総会において自由討議が行われ、そのときにコンピューター教育についての議論がなされましたということでございます。(松本(善)委員「結構です、いいですよ」と呼ぶ)

宮下創平自由民主党

○宮下委員長代理 委員長の許可を求めて発言してください。  松本善明君。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 どうも失礼しました。  この委員の任命も非公開株譲渡の後でありまして、江副氏が中曽根氏と近づいて総理官邸に出入りするようになってからのことであります。  それより以前に、五十九年四月十五日には、茅ケ崎のゴルフ場で当時の森文部大臣を交えまして江副氏が中曽根氏と懇談をしているのですね。これも「中曽根さんの一日」に出ております。江副氏と森元文部大臣との親しい関係というのはいろいろ報道されております。  江副氏の教育課程審議会委員、大学審議会委員の任命について中曽根氏と森氏の意向が働いていないかどうか、これらの事実とリクルート非公開株の譲渡問題が無関係がどうか、これを調べたいで関係はありませんと言えますか、竹下総理、伺いたいのです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 松本委員の主観に基づいていろいろな論理が構築されておるわけでございます。だから、私は私なりにそれならば論理構築をしてお答えしなければならぬのかなと今思っておったところでございますが、私は松本委員の提言に対してそのとおりでありますという心境にはございません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 私は何も私のとおりだと言えというふうに、言ってほしいということは言ってないのですよ。これだけの事実を私は調べて皆さんの前に明らかにしたわけだ。そうすると、これを調べないであなたの言うことは間違っているというふうに言うわけにいかぬでしょう、やはり調べる必要があるのじゃないですかということを聞いているだけなんですよ。あなたは私の言うとおりだというふうには言えないと言うけれども、私の聞いているのはそうじゃないのですよ。やはりここまで来たら調べなくてはしょうがないじゃないかということを聞いているのですけれども、いかがでしょう。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 国政調査権における調査であるのか、あるいは証券取引法による調査であるかとかいうことを整理整とんする必要があるのじゃないか。したがって、証券取引法等については既にお答えがそれぞれあっておりますので、したがって、松本委員の御提言に対して、それぞれの法律に照らしての問題はそれぞれお答えすることでございましょうし、私自身は、松本さんの主観に基づく論理に対して、そのとおりいたしますというお答えをする心境にないということを申し上げたわけでございます。自分だけのやっていることが正しくて、他の人がやっていることは間違っておるというようなことで受けとめておるわけじゃございませんから、その点は申し上げておきます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 やはり、この証券取引法の問題はその対象外だということは再々答弁ありました。ただ、政治的、道義的な責任ということなら国会で問題を解明しなければいかぬ。私は、政治的、道義的責任にとどまらないということもあり得ると思っているのですよ。だから、その場合は、やはり検察庁、法務省、捜査当局も事実を解明しなければいかぬ。それもひっくるめてこの関係は解明しなくてはいかぬじゃないだろうか。それが政治的、道義的な問題にとどまるか、あるいは法的な問題に発展するか、それは調べてみなければわかりませんよ。だけれども、やはり明らかにしなければならぬということではないかということの問題提起、それは総理、答えないわけにはいかないはずなんですよ。だけれども、私は押し問答してもしょうがないから、今度は悪いけれども総理自身の問題に行きます。——悪くないか、悪くないけれども総理の質問をします。  この江副氏は中曽根氏以外の場合にも有力政治家とその秘書に現金を渡すと同じようなことをやっているわけですね。江副氏自身百五十億の利益を得た非公開株の譲渡問題ですけれども、竹下総理の秘書を含めて非公開株の譲渡をされたときは竹下総理が監督責任のある大蔵大臣のとき、それから株の公開時は宮澤大蔵大臣が大蔵大臣なんですね、当時の。大蔵省というのは証券取引法違反で調査をしているということをさっきから言っておりますけれども、これは非公開株の譲渡とか店頭登録とか、これは当然に大蔵大臣の職務権限だと思うのですね。それから、リクルートコスモスは、先ほど来、土地地上げ屋だったと言いましたけれども、うんと融資を受けて、それで土地をどんどん買うわけですよ。この融資ということに、そういうところへ融資するかどうか、これもやはり監督責任は大蔵大臣にあるんじゃないか。そうすると、竹下総理にせよ、それから宮澤大蔵大臣にせよ、私は無関係というわけにいかないんじゃないか。この職務権限の問題についてどう考えるかということを法務省と大蔵省証券局にまず聞こうと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 取引所に上場される有価証券につきましては大蔵大臣が承認いたしますけれども、店頭登録につきましては——店頭登録というのは、やや、何といいますか、取引所に比べて緩やかなマーケットであるといったことも考えまして、これは証券業協会において店頭登録するか否かを決めて大蔵省に通知してくるだけでございまして、大蔵大臣には承認権限はございません。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 この職務権限という点については非常に難しい問題がございますし、ただいま証券局長がお答えになったように権限のないところもあるようでございますし、ここで仰せのような点を含めて検討しましても確たることを申し上げかねる状況にあります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それじゃ御本人に聞きましょう。  私はやはり大きな意味で大蔵大臣の権限内だろうと思いますよ。これは権限外だと言ったら大蔵大臣務まらぬ問題だというふうに私は思いますが。まず、順序からいって宮澤大蔵大臣、それから竹下総理と、この順で、いかがお考えか、お聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまお尋ねにたりましたのは、第一は店頭登録の問題でございましたが、これは証券業協会の中で行われていることでございまして、大蔵大臣が認可をするという種類のことではございません。  それから、銀行が融資をしておったろうということは、そうであろうと思いますが、銀行の融資が銀行法等に定める趣旨に違反をしているということであれば、これは大蔵大臣として調査をいたさなければなりませんが、普通、銀行が金を貸すということが大蔵大臣の責任に属するかといえば、それはちょっとそうは私は申しにくかろうと常識的に考えます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 広範な意味において金融行政全体の管理監督の責任者ではないか、あるいは財政運営もそうかもしれません、そういう面においては私はそういう気構えでその職に当たるというのは当然のことと思いますが、具体的事例につきましては今、宮澤大蔵大臣からお答えなすったとおりだというふうに私も思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 店頭登録の承認はそれは大蔵大臣の権限じゃないけれども、やはり今ちゃんと証券取引法の改正問題その他議論しているのですから、大きく言えば竹下総理の言うとおり大蔵大臣の権限の範囲ですよ。  そこで押し問答してもしょうがないので次さらに解明しますけれども、総理の秘書の青木伊平氏が関与しているわけですね。それについてはこの委員会で、どういうことかということを言われました。六十一年の九月に四百万の利益を得たということを言われました。それはもう前提で、私承知しておるのでありますが、それを前提にお聞きするわけであります。  これは青木秘書が新聞社に聞かれたので、時期は違うのですね、時期はやはり彼は五十九年末に買ったということを、新聞報道ではそういうふうに出ているのです。違うと同時に、この六百万で買ったということが、その時期に引き直しますとちょうど千七百万ぐらいの利得なんで、これは一体どういうことかなどいうふうに思っておるわけでありますけれども、先ほど申しましたように、直前に買ったということは、極めて値上がりが明白だというときに買ったということなんだ。私はこのことが本当かどうかということも疑っておりますけれども、一体この青木秘書はだれから買ったのですか。リクルートはこの時期には売れないのですよ。だれから買ったのか、これは重大なことです。だれから買ったかお調べになっていますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 新聞報道のことでございますが、新聞社の記者の取材を受けました時点で私にも報告がございました。その際は、ある経済人に譲ってもらったが、この氏名等は第三者に迷惑を及ぼしてはならないので申し上げるわけにはまいりません、このように申したというふうに聞いております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 第三者に迷惑を及ぼすといっても、国民が今迷惑を受けるかどうかというときにたっているのですから、やはりこれは明らかにしなければならぬ。それから、新聞記者に語ったのと竹下総理に今報告しているのが本当かどうかということも、これまた明らかにしなければならぬと私は思うのですね。  総理にさらにお聞きしたいのですが、この青木秘書もやはり総理の金庫番と言われる人ですよ、平和相銀事件でも名前が出てきた。こういう点ではかなり有名な人ですよね。青木氏は、江副氏については総理の首相就任以来できた木鶏会の会員で、面識はありますが、会えばあいさつする程度です、まあ位が違いますからね、知らないと言っているのです、直接知らないと。江副氏自身も秘書と交際はないと言っているのですよ。あなたは、秘書が買ったんだ、私は関係ないと言っていますけれどもね。  何でその面識も、会えばあいさつする程度で、位も違うと、どっちもそう言っているのですよ。青木氏もそれから江副氏もそう言っているのですよ。やっぱり竹下総理の秘書だからこそ渡したんじゃないですか。普通で考えればそれ以外ないですよ。あなたはそれでも私は関係ないと言いますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 江副さんが青木元秘書に対してリクルートコスモスの株式を分けるというようなことは、これは考えられないことでございますから、今おっしゃったことで結構だと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 要するに私の言ったとおりでいいというのは、やはり竹下総理に渡すつもりで渡した、こういうことですか。ちょっと私、よくわからなかった。もう一回言ってください。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 いや、江副氏がリクルートコスモス株式会社の株式を青木元秘書に譲渡するというようなことはおよそ考えられないことだ、こう申したわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そうすると、ここで言われた、要するにリクルート以外の者からもらったんじゃないかということを言いたいわけですね、リクルートの江副氏。そういうこと。私はちょっとそれは、その当時、この問題になったころに青木秘書が言ったこととは違うし、それから江副氏が、これだけのことが問題になっていながら、マスコミからインタビューを受けたときにも一切そういうことは否定をしていませんからね、竹下総理には関係ないというようなことも一切言っていませんからね。私はそのまま受け取れないということだけ申し上げておきましょう。  それで、宮澤大蔵大臣。宮澤大蔵大臣の服部恒雄秘書官も関与をしています。これはあなたの政治団体の備後会、みどり会の会計責任者だ、代表者が服部恒雄さんでありますが、そのとおりですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 さように思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 宮澤大蔵大臣はこの問題で報道陣から質問を受けて十三回ノーコメントを繰り返された、宮澤さんなかなかユーモアのある方だと思いますが、これは自信のあらわれかと聞かれて、これもノーコメントだと言われだそうですね。そして、八日後に記者会見をして、秘書が親友から株を購入するので頼まれた、深く考えずに名前を貸したという趣旨の記者会見をされました。この秘書の親友という人物は、SE総合設計社長の河合康文氏。その説明によれば、簡単に言えば服部秘書官に言わないで服部名を使って非公開株を入手して利益を得たということのようなんです。これがもし事実でありましたら、宮澤大蔵大臣、この河合康文なる人物は、あなたの名前を利用するために、普通だったら手に入らないその非公開株を入手をするためあなたの名前を利用した、服部秘書官をだましてこのリクルートコスモスから株をだまし取った。二千万という御報告でありましたが、その当時は四千万というふうに言われていますが、これは完全な詐欺罪の犯人じゃないですか。名前をかたって金をだまし取ったのですよ。あなたは、もしこれが本当に事実であるならば、このあなた方が考えている税制改革の大事な時期に、これは大蔵大臣として重大な名誉棄損をされたと同じことになるわけですよ。この河合という人間はもう絶対に許せないという人間であるはずですよ。あなたはこれを告発する意思がありますか。公務員は刑事訴訟法二百三十九条で、こういう場合は告発する義務を負っています。告発する意思がありますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 多少おっしゃいました事実関係が違っておると思います。その河合という人は、ちなみに服部という秘書は私がもう三十年ほどでございましょう信頼をして仕事を一緒にしております人間でございますが、河合という人は服部の同郷であり同窓の後輩でございますか、これは大変に親しくしておるようでございます、私は直接に存じませんけれども。  それで、その河合氏が、リクルートコスモスでございますか、この会社が株式をいわば有力者のところへ分けているということを知りまして、御本人は仕事が設計とかそういうようなことに関係しているものでございますから、それで服部に対して、ひとつ名前を貸してくれないか、使わしてくれないかということを言った。これはだましたのじゃございませんで、服部は実は深く考えずに、そこは大変申しわけないのですけれども、どうぞと言った。これは、なんでございますけれども、三十年も秘書をやっておりますと、法律を破るということは別でございますが、やはりなるべく人にできれば便宜を計らってあげたいというのが習い性にたるというのは私はありそうなことに思いますが、うっかりしてどうぞと言ったという、そういうことなのでございます。したがいまして、その河合氏にいたしますと、だましたとかなんとかという気持ちは私はなかったであろうと思うのでございます。一切の取引は河合氏が自分がやったわけでございますけれども、だましたという感じのものではなかったのだろう、私は全く存じないことではございましたが。したがって、詐欺とか告発とかいう感じがその間にあったというふうには私は秘書から報告を受けておりません。以上は秘書の報告によるものでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 江副さんは秘書にやったつもりはないということを言っているわけですね。そうすると、江副さんは少なくともだまされているのですよ。渡した方は、これはだれから買ったのか、それも後で明らかにしてほしいと思いますけれども、売った人はとにかく大蔵大臣の秘書官だということで、渡し主だと思ってやっているのですよ。その人は完全にだまされているのですよ。それは服部秘書官じゃないですよ。相手の方からだまし取ったのですよ。それは明白ですよ。  私はついでに聞きますが、だれから買ったのですか、その河合というのは。これも重大ですよ、先ほど竹下総理に言ったとおりです。それはおわかりですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 したがいまして、その取引については全く服部もわからない、私もわからないわけでございますけれども、河合氏について聞きますと、六十一年の九月ごろと思う、そして一万株であって五千万円余りで処分をし二千万円余りの純益があった。だれというようなことはわかっておりません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 私は、告発もしないということは、河合氏はその服部秘書官の身がわりで、なれ合いで、したがって、宮澤大蔵大臣ともたれ合いでこういうふうに実は話をつくったんじゃなかろうかというふうに国民に思われても仕方がないのじゃないかと思うのですよ。実際河合氏はそう言っているのですよ。実はそう思っていただいた方が助かるとぬけぬけと言っているのですよ。実はそう思っていただいた方が助かるのです、もし私の話が事実だとすると、取引先の幹部はリクルートをだましていたことが明るみに出て私の事業にも支障を来す、それよりは身がわりになっていると見てもらっている方がありがたいのですと。どうです、身がわりになっているというふうに思われていいのですか。告発もしないということはそういうことだと思うのですよ。だれも私はそれは信用できないですよ。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 河合氏がどういうふうに言っておりますか、私存じませんが、何かそこで人をだますというようなつもりでやったのではないだろう、これは想像でございますが、そう思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 あなたが一週間以上かかった弁解が簡単に信用されると思ったら、それは国民をなめた話だと思います。告発もしない。これはだましていること明白ですよ。何でこんな簡単なことに一週間もかかったのですか。ノーコメントと言ったのを、いつから調べる気になったのですか。本当は、服部氏の親友だったら、あなたの名前が出た途端にびっくりして飛んで来てすぐ言わなければおかしいですよ。そんなことも何もやっていないのですよ。  しかも、あなたがここで言われたことは、河合氏などが新聞にしゃべったことといろいろな点で食い違います。身がわり問題もそうです。それから時期も違います。六十年の初めだと言っている。利益は四千万だと言っている。だれから買ったかも明らかになりません。こういうことを宮澤大蔵大臣、国民の前に明らかにしないで、あいまいなままでいいんだというふうにあなたは思いますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いろいろ雑誌等に河合氏が言ったこと云々とお話がございますけれども、私が国会で申し上げておりますことが、少なくとも秘書から受けました報告をそのままに申し上げておりますので、御信用いただきたいと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そのほかきょうは田村通産大臣、その他各大臣、これについて発言されている方にお聞きしたいと思ったのですが、だんだん時間がなくなってきたのでこれは省略をしたいというふうに思うのですが、私は総理とそれから——そうですか、それでは聞きましょうか。せっかくですからそれではお聞きしましょう。せっかくの御要望でありますから……。  田村通産大臣。これは七月の十六日の高知の記者会見ですが、江副前会長に思惑があったとすれば実質的な汚職と思う、この際衆議院予算委員会の審議で徹底的にうみを出すべきだ、こういうふうに言われたということが報道されています。これは最高裁の判決の前ですよ。最高裁の判決になったらますますそうではないかと思いますが、いかがですか。今どうお考えですか。

田村元自由民主党通商産業大臣

○田村国務大臣 もう大分前のことでございますから、文言を一つ一つ正確に覚えておるわけではありませんけれども、私が言いました趣旨は、もし仮に——その前提として、私はこの問題は何も知らぬから一般論として物を言えばという程度に物を言ったはずでありますが、もし仮に江副さんですか、その方に相当な思惑があって、そして職務権限のある者に具体的に請託をしたというようなことであれば汚職みたいたものだな、こう言ったわけです。そういう事実があれば、それは国会で徹底的に、うみを出すと言ったかどうかはちょっと覚えがありませんけれども。ただ、さっきから聞いておりますと、どうも私がそのことを言ったときとは大分事情が変わってきたようで、具体的な請託というものがあったかどうかということも私にはしっかりわかりませんし、ですから何とも言えませんけれども、内容を知らない者がしゃべったわけですから、だからあくまでも庶民感情の上に立ってという程度で物を言ったということで御了解を願いたいと思います。  簡単に人の名前を出しておいて省略すると言われたら私は妙に泥をかぶることになりますから、これは迷惑な話ですけれども、そういう庶民感情的に物を言った、こういうことです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 請託がなくてもわいろ罪というのは成立しますけれども、請託があったかどうかはわからぬと言っておるが、やはりこれも調べなきゃならぬなというふうに私は思うわけであります。  石原運輸大臣。七月八日の閣議後の記者会見で、まさに今通産大臣が言われたとおりの、「庶民感情からすれば濡れ手でアワ。政治家がうまいことやっている、となる。まして元本まで借りて、となるともちつもたれつの勘ぐりも出てくる。李下に冠を正さず、だ。」と言ったということが報道をされております。これもやはり最高裁判決の前なんですね。この「もちつもたれつ」ということは、要するに対価だしにこういうことは渋いんじゃないか、元本まで借りた場合にはという趣旨じゃないかと思いますが、今いかがお考えですか。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 その時点で私も出来事の詳細をよく存じないままにいきなり質問されまして、その印象を率直に述べただけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それで、別に否定はされませんでしたね。  中村労働大臣。やはり同じ八日の閣議後の記者会見で、「法律に違反していないからといって、すまされる問題でない。政治家やマスコミのモラルにかかわっている。」ということを言われたそうであります。これもやはり最高裁判決の前であります。これについていかがお考えですか。

中村太郎自由民主党労働大臣

○中村国務大臣 私は、みずから省みてこういうことを申し上げたのです。感想はどうかということでありましたから、もし仮に私自身があの時点で株を買わないかという申し込みを受けたならば、その時点で政治的道義まで考えて私はこれを断ったであろうか、みずから省みて自信はない、しかし、それだけに政治家というものは一層十分慎重な配慮をすべきだなということを感じ取りました、こういうことを申し上げたのです。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 今までお聞きしたことによりまして、やはり調べなければわからぬということがいっぱいあるということは、委員の諸君、皆さんもうおわかりいただいたのではないかと私は思うのですが、こういう事情はやはり江副氏とか青木氏とか服部氏とかあるいは河合氏なんかに聞かなければならぬですよ。特に江副氏の証人喚問と非公開株の譲渡先のリストの提出というのはどうしても必要です。  ロッキード事件の当時の法務省の刑事局長で、後に検事総長を務めました安原氏も、七月十五日のある新聞の紙上で、「江副さんを国会で証人喚問すべきでしょう。カネの趣旨を解明し、国会自らが政治的・道義的責任を明らかにしなければ、社会の公正なルールやモラルは確保できません。何の見返りも期待しないで、あれだけのカネを動かすなんてことはあり得ません」と言っているのですね。江副氏は、「家族の方は存じ上げていない」「秘書とも付き合いはない」と明言した上で、証人喚問されたらもちろん出ていきます、答える立場にありますと公に述べている。  総理は李下に冠を正さずということを言いますけれども、李下に冠を正さずどころじゃなくて、スモモをとって食ったんじゃないか、スモモを冠の中にいっぱい入れたんじゃないかという疑惑がかかっているわけですよ。私はそういう点で、理事会でも私どもは既に証人喚問や書類の提出を要求していますけれども、政治家としては中曽根康弘氏の証人喚問がやはり必要なんじゃないか、これを要求をいたします。  なぜならば、中曽根氏はかつてロッキード事件のときにも証人に出られました。これは中曽根氏自身がみずから申し出たものであります。「国会議員であるがゆえに何か特別の保護を受けているというような印象を与えることは私の本意でございません。潔しとしたいところであります。」というふうに証言もしておられます。もっともこのときは、今回限りにしてほしいということも言われたのですけれども、今度もやはり証言したければ潔しとしないというふうに中曽根氏ならば思われるんじゃないかというふうに思います。  これは憲法上の要求であることは先ほども述べたとおりであります。そういう憲法上の要求だということは、国民がこういう問題については真実を知る権利があるということなんですね。中曽根氏はロッキード事件との関係で証人喚問されましたけれども、その後コーチャン氏の嘱託尋問調書というのが出てきますと、コーチャン氏の宣誓証言で明らかになったことは、コーチャン氏が日記に基づいてコーチャン氏の依頼が児玉から中曽根氏、中曽根氏から田中角榮氏に伝わったことまで証言しているのですね。どっちかがうそをついている。証人喚問をするということは、やはり歴史の中で一体何が本当だったかということを、現在あるいは将来の国民、主権者である国民にそのことを保障しているんですよ。そういう意味では、ぜひこの証人喚問は何としても実現をしなければならぬと思います。  そういう点でいいますならば、私はこの問題については中曽根康弘氏、竹下総理の秘書の青木伊平氏、宮澤大蔵大臣の秘書官の服部恒雄氏、それからその友人の河合康文氏、中曽根康弘氏の秘書の筑比地康夫氏、上和田義彦氏、それから安倍幹事長の秘書の清水二三夫氏、渡辺政調会長の秘書の、長男でもあります渡辺喜美氏ですかの証人喚問、それからリクルートの江副浩正前会長、これは江副氏が抜けていましたけれども、江副氏も証人喚問をもちろん要求します。  それから、その江副会長が一九八四年十二月、関連会社リクルートコスモスの非公開株を譲渡した先の氏名、住所及び株数を記載した書類、リクルートコスモスの第三者割り当て増資を受けた全株主名と株主数、それから、一九八六年十月三十日現在でのリクルートコスモスの全株主名簿の提出を要求いたします。  なお、今ちょっと不規則発言がありましたが、治安維持法被告事件というのは戦後判決がなかったものとされ、言うなれば国家が判決したことを謝ったようなものであります。法的にも歴史的にも解決済みのものでありまして、こういうことを言い出すのは、戦前の侵略戦争、暗黒政治肯定の特高体質をみずから暴露をするものだというふうに私は思いますし、それから、みずからの金権腐敗に対する批判をかわすために党利党略でこういうものを扱っては絶対にいかぬ。殺人というようなことは、戦前の暗黒裁判でもそんなことは言わなかったのです。そういうことは見識のある政治家は絶対言うべきことではないということをつけ加えて、そしてこの証人喚問と書類の提出を図られるよう要求をいたします。

宮下創平自由民主党

○宮下委員長代理 証人喚問につきましては、さきに矢野委員からの質問がございまして奥田委員長から御答弁を申し上げましたけれども、この問題は委員会の運営の上で極めて重要な問題であるという認識を持っておりまして、したがって、理事会で本件につきまして慎重に各党協議してまいりました、今なお引き続き理事会において各党の意見をよく承って、協議中でございます、委員長といたしましては、これらの結果を踏まえて、権威のある委員会の名誉のためにも対処したいと思っております、このように奥田委員長は述べておりまして、そのとおりでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それでは、竹下総理みずからが監督責任のあります総理府の汚職問題をちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。  これは総理自身が責任がある問題なので聞きたいわけでありますが、この事件は、総理府におりました橋本哲曙という人間に対する三百四万の贈収賄事件でありますけれども、新聞報道によりますとこれは氷山の一角だ、五千三百万のマンションの転売益を含めて一億円ぐらい受け取っている。それから、総理府の首脳級幹部も、業者と食事をするのは仕事の潤滑油だというようなことを言っているということも報道されている。いわば構造汚職ですね。そして、贈賄業者の一人は遠山三郎という広研の会長です。これは自民党の有力代議士の関係する政治団体の政経文化研究会の代表でもあります。政経文化研究会が五十九年に二千万、六十一年に一千万を木曜クラブの政治団体二日会に寄附をしているということ、これはこういう事実がありますか、自治省。

浅野大三郎自治省行政局選挙部長

○浅野(大)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、遠山三郎という人が代表しております政経文化研究会から提出されました収支報告書によりますと、二日会に対し昭和五十九年に二千万円、昭和六十一年に一千万円の寄附を行ったとの記載がございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理、お聞きしたいのですが、この広研というのは、交通安全PRだと総理府の仕事をトップで、年商の三割を官公庁が占めているということなんです。そういうところがこういう形で政治献金しているということは非常に不透明でして、こういうようなことは一体どうなんだ。李下に冠を正さずという点からいって、こういう関係が総理府の中にある、広報室の中にあるということ自体をやはり変えなければならぬのじゃないか、それは総理の責任じゃないか、こういうようなことを放置をしておいたら、刑事事件だけの問題ではないのではなかろうか、こう思いますけれども、総理、どう思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 いわゆる私の立場で申しますならば、公務員全体に関する綱紀粛正の問題であろうと思っております。したがって、この問題については厳正に対処して、その後、総理府におきまして広報事業に対する相互チェック機能等について改善が行われているというふうに承知をいたしております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それから、この福沢被告は、七六年前後に総理府の安全対策室の参事官補であった原田室長に数回にわたって約百五十万円を渡して交通安全運動ポスターの受注に便宜を図ってもらっていた。原田室長が警察庁へ戻った後、打ち切りをにおわした。そこで問題なんですが、当時の山田警察庁長官がこの原田室長に電話をしているということが報道されているのですね。警察仲間だというようなことでこういうことが起こり、そしてその後ずっとやはりこの福沢は総理府の仕事を受けるということになるのです。こういうようなことを警察のトップがやっておるようでは、刑事事件になるかどうかということは別問題です、こんなことがやられているようだと、警察の不祥事件というのは上が上なら下も下ということになるんじゃないか。これはもう本当に徹底的な綱紀の粛正をしなければならぬ事態になってきているのだと思いますけれども、総理の御見解を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 具体的な事例について申し上げるつもりはございません。綱紀の厳正ということは今後とも一属努めていかなければならない、このように考えております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 この問題はまた引き続き追及をいたしますし、これはそんな簡単なものでは決してないということを申し上げておきましょう。  海上自衛隊の潜水艦衝突事故問題でありますが、この潜水艦「なだしお」と大型釣り船の第一富士丸の衝突事故で亡くなられた方とその家族の方に心から哀悼の意を表して質問をいたしたいと思います。  これについては、調査が進むにつれて自衛隊の潜水艦「なだしお」に過失があったことはもうほとんど明白になってきています。私は総理に聞きたいのは、本院の本会議でこの責任を追及いたしました不破議員に対しまして、あなたは、調査中なので答弁を差し控えたいという答弁をされたのですね。ところが、七月二十八日の連合審査のときには、我が党の中略議員の質問に対しては、いや、この問題についてはそのつかさ、つかさにあって海上自衛隊の皆さんがとられた措置は法規則に基づいて正確に行われたと確信している、こう答弁している。現時点では調査を待たなければ断定できないということになってきたのですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 この問題につきましては、確かに事実の経過におきまして若干のお答えが違ってきておるかとも私自身思います。きょうは非常に静かな状態でお尋ねいただいておりますし、率直に申しまして本会議の場合のいわば員外発言とでも申しましょうか、そうしたこともございませんので、私なりの心境を率直に申し上げますが、この事故がいかにあれ、一方が自衛艦であったという事実において、私は言葉を選んで、まさに痛恨のきわみであり、そして遺憾にたえません、こういうことを私なりにぎりぎりの表現をしたわけでございます。が、昨日矢野委員に対して、その際申しわけありませんという心境を有しておったことは事実であります、矢野委員の質問で私自身の胸の内が整理されました、このように申し上げたわけでございます。  そこで、今日の時点でございますが、当然、こうなりますと、私は一方確かに自衛隊の最高指揮監督者であり、一方また大きな意味におきまして、海上保安庁等が今事故調査を徹底的に行って おるさなかであるという際に、予見を与えるような発言はできない、しかし調査の進展を待って、すべての問題について適切な措置を行います、こういうことを申し上げておるわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 今はどういう報告を受けておられますか。その中身は言えますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 調査の段階において詳しい報告は、本委員会において松本委員の質問に対してお答えするような報告は受けておりません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 明白に連合審査のときとは違うのですね。連合審査のときには、海上自衛隊の皆さんがとられた措置は法規に基づいて正確に行われたと。今は到底そういうことは言えない状態になってきたのですよ。  衝突直前の状況ですけれども、海上保安庁の資料では「なだしお」は衝突直前に十一ノットのスピードで直進しておる。「なだしお」は第一富士丸の前を横切れると判断していたからではないか。艦長は富士丸が避けると思ったという見込み航行を認める重大供述も報道されておるのです。「なだしお」に回避義務があって、「なだしお」側に法違反があったことは明白だと思うのです。私は、総理がやはり国会で答弁されたことですから、法規則に基づいて正確に行われたと確信している、この答弁は取り消されるべきだと思うのです、今の時点で。いかがです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 その都度のいわゆる潜水艦側がとった措置について報告が上へ上がっておるわけですから、それを私はその時点で判断し、正確なものである、それそのものは正確なものであるというふうに言うのが筋だと今でも思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それはやはり違うのですよね。海上自衛隊は今被疑者の立場にもあるのですよ。逮捕状までとられたということも報道されていますよね。そのことをうのみにして答弁している。そういうことを最初はやっておきながら、だんだんだんだん海上自衛隊が責任があるということがずっと明らかになっても、それを取り消さない、私は、そういう態度で海上自衛隊を弁護する、防衛庁を弁護するという態度でいたのでは、絶対にこういう事故はまた起こるのじゃないかという心配をいたします。  総理は、人命軽視とか軍事優先の考えはないというふうに答弁をしましたけれども、これも随分ひどい答弁だと私は思いますよ。海上保安庁への連絡が二十一分後だった。それから遭難信号ですが、遭難信号の緊急無線を使うとか発煙筒を使うとか、汽笛を鳴らすだけでももっとたくさんの人が助かっていたと思うのですよ。最後に発見をされた湯原真美さんなんというのは泳ぎができたというのだから、間違いなく助かっていましたよ。潜水艦の上に救命着をつけて救助もしないで並んでいるだけというのはビデオでいっぱい放映されていますから、みんな国民は見ていますよ。「なだしお」はゴムボート二隻、救命胴衣二百十六、浮き輪四つ積まれている、ほとんど使われていない。海上保安庁も船員法違反で捜査の対象にしている。これはまさに人命軽視そのものじゃないですか。これはなぜ生まれてくるのかと言えば、軍事行動を中心に考えていて、国民の命を守るということが中心なんだということを考えていないからそういうことになるのでしょう。それを人命軽視、軍事優先と言って何で悪いのです。私はやはりそこから根本的に反省しなければだめだと思うのですよ。何が悪いですか、これを人命軽視、軍事優先だと言って、今の時代。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 ただいまの御質問に対しまして防衛庁長官の私からお答えをいたしますが、事故の通報につきまして、今回のような民間船舶にかかわる重大な事故に際しまして、上部機関に連絡することと同時に海上保安庁に速報すべきであった、かようなことも含めまして反省点も多いところでございます。また救助活動につきまして、潜水艦は機動力のある救命艇を備えていたい、その性能上、潜水艦は極めて限られた制約の中でございますのでそれなりの最善の努力をいたした、かようなことも考えますが、しかし反省いたすところが多いわけでございます。  いずれにいたしましても、とうとい人命が犠牲になったという事実を厳粛に受けとめてまいらなければならぬわけでありますし、またこれらの諸点につきまして反省あるいは教訓を最大限に生かして、事故の再発防止に万全を尽くしていく、このことが課せられた最大の責務である、かように考えておるわけでございます。  なお、委員から軍事優先、かようなお言葉もございますが、決してさようなことはございませんし、また国民軽視、かような態度がある、かようなことは考えられないわけでございます。私どもはすべて人命を大切にしていかなければならぬ、そういうようなことを中心にして考えてまいらなければならぬというぐあいに考えておるわけでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理、今の答弁を聞いて空疎に聞こえませんか。事実はずっともう明白ですよ、人命軽視、軍事優先というのは。総理はそれでもう根拠なしに否定しているけれども、私は総理はそこのところを根本的に考え直さなければいかぬということでやらなければいかぬのじゃないか。いや人命尊重でやっていますと幾ら言ったって、国民は絶対に納得しませんよ。そこを総理に開いているのですよ。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今防衛庁長官からもお答え申し上げましたように、この事故に際して大きな反省をしなければならぬということも私どもは思っております。しかし、いやしくも国民の信頼の上に成り立っておる自衛隊が人命軽視でありあるいは軍事優先であるという考えはあろうはずがない、私自身にいつも言い聞かせておることであります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それは国民が判断するでしょう。  次の問題は、こういう事故を絶対繰り返してはならぬということですよ。この最大の原因は、浦賀水道を南下する船に対して横須賀基地に入港する自衛艦が横切ることになるのですね。このパネルを使わせていただきたいと思いますが、総理、これが航路ですね。ここを自衛艦がずっと横切っていくわけですよ。これは衝突三分前の状態を海上自衛隊からの資料をいただいて私どもが推測をしてつくったものですけれども、大体こういう形で入ってきているわけです。「なだしお」が入ってくる。こういう状況がずっと続く限りは、航路をずっと、海の銀座と言われる航路でしょう、これを横切ってたら、これは事故が起こるのは当たり前ですよ。この根本原因に対処しなければ、もう一回また起こるということなんですよ。  私はお聞きしたいのでありますが、今度の場合も護衛艦八隻、潜水艦二隻の編隊でやってきた。そして伊豆大島沖での展示訓練をした帰りですが、横須賀港に帰るまで、時間では十七時二十分までが訓練だったのですよ。この横切るときも訓練なのですよ。自由行動じゃないのです、訓練なのです。それで「なだしお」の艦長は十一ノットの速度、これは最高速度に近いですね。第一富士丸が避けるだろうという見込みで航行しようとした。だから、横須賀基地の存在そのものが問題なんだと思うのです。  これはしかし後の問題といたしまして、こういうような少なくとも艦隊行動をもうやめること、それから南下する航路を横切らないような出入港の仕方をやはり研究する、検討するということが何としてもこの再発防止のために必要だと思うのですが、これは防衛庁、検討していますか。

日吉章防衛庁防衛局長

○日吉政府委員 ただいま委員から御指摘がございました訓練の定義でございますけれども、自衛艦、自衛隊機、こういうものを運航いたしますものはすべて訓練といたしまして行っております。そういう広い意味におきましては、港に着くまでが訓練でございますけれども、その訓練の中で、例えば編隊といいますか陣形を組みまして、これは距離を一定に保つあるいは方位を一定に保つ、こういうような形での狭い意味の陣形あるいは編隊を組みます訓練は定められた訓練海域の中でしかいたしておりません。したがいまして、事故が起こりました日、大島沖で展示訓練をいたしまして帰港いたします場合のそれぞれの自衛艦の行動は、定められました一般の艦船、船舶の交通の規則に従って帰ってきているわけでございます。  なお、浦賀水道のように非常に一般の船舶等の交通の多い水路等につきましてどのような方法がいいかにつきましては、これは運輸省さん等も含めまして今後なお検討すべき点はあろうかと思いますが、これまでも十分の検討をいたしまして、これらのところにつきましては特段の注意を払った上での行動をしているつもりでございますが、なお一層研究はしてみたいと思います。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 松本委員も海軍におられたそうでございますけれども、海上では右側通航になっております。ですから、左手に基地があれば当然煩雑な航路といえども横切らなくてはなりません。しかし、混雑している道路でも、陸上では左側通行で右折をいたしまして信号に従いルールに従えば事故は起こってないわけでありまして、いかなる煩雑な航路であろうと、それを横切るときに、よくできております海上交通安全法あるいは衝突予防法というものを両方が遵守するならば事故は起こり得ないわけであります。両方の船長がどれほどの技量だったか知りませんけれども、私ぐらいの船乗りがいればぶつかるわけはないのですが、そういうことでひとつ御念頭に置いていただきたいと思います。  まして、確かに交通の激しい航路でありますけれども、その近くに軍港があることがけしからぬなどという論がもしあるとすれば、これはまことに荒唐無稽な話だと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 なお、横須賀港に対します御質問がございましたが、横須賀における自衛隊の施設並びに在日米軍の施設、区域は、我が国の平和と安全の確保には欠くことのできない必要不可欠のものであるということは言うまでもございません。これらを撤去する考えはないわけでございます。しかし、今ほど政府委員並びに運輸大臣からも御答弁をいただいておりますが、再発防止、さらに安全なる運航につきましては、今後十分取り組んでまいらなければならぬ重要な問題、かように認識しておるところであります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 先ほど防衛局長は、今までもやっていたんだという認識を述べられましたが、それでは私は解決をしないというふうに思います。既に専門家が、ここをこういうふうな形じゃなくて北上してやればいいとかいろいろ提案はしているのですね。いまだに根本的な対策がここで答弁をされないというのは本当に遺憾だというふうに思います。  その基地の撤去問題、私がまだ質問しないのに防衛庁長官先回りして、随分気になっているのでしょう、答弁されたのですけれども、総理に聞きたいのですが、一日平均この浦賀水道は七百二十隻の船が通るのですよ。タンカーは八七年の場合百二十隻です。原子力潜水艦も年四十回寄港しています。こういう過密なところを軍艦が航路を横切るというようなところは世界にありません。カリフォルニア大学のジャクソン・デービス教授の調査報告によりますと、もし原子力潜水艦なとが事故を起こしますと被害は半径百ないし百十キロメートル、東京はもちろん大宮、千葉から土浦まで及ぶ、横須賀では七万七千人死者が出る、東京を中心とする経済活動は一時停止する。私は、事故が起こってからでは遅いのだと思うのですよ。日米軍事同盟があるから基地の撤去など考えられないと言いますけれども、私どもは日米軍事同盟から離脱すべきだという主張ですけれども、少なくも世界で有数な過密地帯に軍事基地を持っているということ自体が問題なんです。横須賀基地は撤去すべきだと思いますけれども、総理は考えてないという答弁を再々繰り返しております。事故が起こったら取り返しがつかないというふうには思わないのかどうか、この点だけ総理にお聞きしておきたいと思うのですが。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 一度答弁したことがございますけれども、昭和四十六年の七月三十日、の事故がありましたときに私は内閣官房長官でございました。その後何度かそうしたときに、再発防止のために全力を挙げます、こういうことを言うたびに、その発言だけで、犠牲になられた方々の遺族なりの心情を思うときにうつろなものを感じ続けてきたということを申し上げたことがございます。が、今回の問題につきましては、まさに私どもそれをうつろな感じで言った自分自身を反省しながら、この再発防止のためにあらゆる知恵を絞って当たらなきゃならぬというふうに考えております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 まともに御答弁がなかったですね。しかし、やはりこれは日本の将来のために非常に重要なことだと思います。  日米軍事同盟の利益を国民の上に置くということでいいますと、農産物の自由化問題もそうですね。総理が六月十九日にトロント・サミットで、新聞では、天国にいるような気分だ、こういうことを言われたというのが報道されていました。ところがその前日に岩手の肉牛生産農民が、牛肉の自由化に体を張って抗議するという遺書を残して自殺しているのですよ。我が党はずっと全国的な調査をいたしました。この方は三十頭の和牛を飼っている方で、農協関係者からも非常に立派な人だというふうに言われていた。この人の自殺というのは、多くの肉牛生産者が身につまされるという感じを持ったのですね。あなたはこれをどう思いますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私は、平素慎重に言葉を選ぶ習癖がございますので、天国におるなどというようなことを申し上げた記憶はございません。記事があったとしたら、これは訂正していただきたいという心境でございます。  さて、その肉牛生産者のこの原因、理由はいかにあれ、そうしたことに対しては、大変痛ましいことであると思っております。したがって、ぎりぎりの決断をいたしました今次の決定に際し、なかんずく国境政策、国内対策を含め適切な対応をすることが我々に課せられた責任である、このように感じております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 この自由化を撤回しないと、これは第二、第三の岩手の事件が起こりますよ。総理に聞きたいのは、これは撤回すべきじゃないか。今からでも私はやはりそうすべきじゃないか。サミット参加国でも、食糧自給率を低下をさせて食糧の外国依存を強めているという国はないですよ。日本は年々食糧自給率が下がって、穀物に至っては三一%というもう危機的な事態に陥っている。これを自由化を認めていったらますます外国依存を強める、米の輸入自由化の突破口になる、これはもう必至です。  私は、自由化の撤回ということを考えるべきだということと、今後の農業発展と食糧自給率向上の展望をここで総理として簡単でもいいですから言ってください。一体日本の農民にどうしろというんだ。それはみんな切実な声ですよ。どうするつもりです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今、貿易自由化という大原則のもとに今日の我が国が存在しておる限りにおいて、自由化を撤回するという考えは持っておりません。したがって、国際的に調和のとれた農政というものを確立していくために、私はいろいろ読んでみましたが、一昨年の暮れでございましたか、やはりあの農政審議会の方向というのが一番妥当ではなかろうかということで対応をしていきたい、このように考えております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それでいけば、私は日本の農民はますます犠牲になっていくと思います。そういう政策に強く抗議をして、食糧の対米依存、外国依存の政策を撤回するということを強く要求をいたします。  それで、これからちょっと税問題を聞こうと思います。

宮下創平自由民主党

○宮下委員長代理 ちょっと松本委員に申し上げますが、農林水産大臣から発言を求められております。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 人命にかかわる自由化関連で申されたわけでございますけれども、いかなる理由があってもいろいろな施策が人命に及ぼすような ことがあっては絶対ならない、人命はとうといものであるという意味のことでかつて農林水産委員会においてお答えした経緯がございます。今これをまたさらに詳しく言う気持ちはございませんけれども、そういう気持ちで御答弁した経緯があるということを率直に申し上げておきたいと思います。  なお、今、総理から御答弁がございましたが、補足して申し上げまするならば、まさに総理の言われたとおり、さきの農政審議会、ここにおきましての報告は、それを基盤といたしまして各般の施策を練りに練っていこう、そして一口で申し上げれば、安全な食糧をひとつ提供していく、そして主要食糧はある程度自給をしていく、そういう中にあって足らざるところは安定的な輸入体制をしいていく。人間生活の一番大事な食糧に価格の乱高下があってはならない、そういうことを心しながら、また国際化の中でございますから、何もアメリカに一辺倒で追随をしているわけではございません。日本共産党からはたび重ねてそういう御指摘を委員会等におきましても受けておりますが、そういうことを私ども考えておるわけではございません。外交交渉を重ねながら、そして歩み寄って、さらに、我が国の食糧政策推進のためにはやはり国内対策においてまた万全を期す、そういうことにおいて生産者にも流通関係者にもまた消費者のお考えにも理解をいただけるような方策をとってまいりたい。今日におきましては、牛肉・かんきつにつきましては国内対策に万全を期するために最後の詰めを行っておるところでございます。それには立法措置の必要な部分もございます。  お急ぎのようでございますから、これ以上詳しく——もっとやりますか、まあいいですか。それじゃこの程度にしたいと思いますが、いずれにしてもそれぞれの国における食糧政策があるわけでございますから、国際的に国際化の現象にあるとはいいながら、孤立はしてはならぬと同時に、我が国には我が国の食糧政策がある。その調和をどう図っていくかということに全力を尽くしておる結果が、具体的に言うと先ほど申し上げた国内措置に今万全を期しつつある、こういうことでございます。大体わかっていただけたと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 はしなくも輸入ということを言われましたが、やはりそれは日本の農民から厳しい反撃を受けるだろうということだけ申し上げておきます。  税問題ですが、これは政府の出しております「タックスナウ」というパンフレットです。これで、さっき総理府の広報室の汚職の問題を言いましたけれども、国民の税金を使って政府の、まだ国会でも決まってないことをこうやって宣伝をするというのは、私は基本的に間違いだと思うのですよ。決まったことを政府が国民に知らせるなら、これはいいですよ。だけれども、国民が大反対をしている、国会でも与野党の争点になっている、そういうものを国民の税金を使ってこういうふうにやるということは根本的な間違いだ。そこのところが、しかも汚職を起こしている。だから大問題だ。  私ちょっと申し上げたいのは、これでさっきから問題になっているキャピタルゲインは原則課税だと書いてありますけれども、税制改革の最大のポイントは公平だというのですよ。しかし、このキャピタルゲイン課税の政府案は、どんなにもうけても申告分離だったら二六%。それだけじゃなくて、売却代金の一%源泉分離でもいい。例えば江副氏の場合は、もうけは約百五十億ですよね。これは本来なら約百億円以上が税金なんですよ。それが一億数千万、この税金で済んじゃうというのが源泉分離でしょう。これは一体公平ですか。しかも、本人確認、支払い調書の提出を要しない。この金がどこから出たのか、だれが幾らもうけたか、一切問題にしないでいる、そういうことが一体公平なんですか。こんなことを公平だと言って、こういうようなパンフレットでやることが正しいですか。総理のお考えを聞きたいですよ。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 従来は株式の売却によるキャピタルゲインは原則非課税であったわけでございますけれども、このたび原則課税ということでやらせていただきたい。納税者番号というような問題もございますので、それはそれで御検討願うといたしまして、ともかく原則課税ということにさせていただきたいということで、これは私は前進であると思っております。  パンフレットのことでございますが、政府が考えております施策を国民に見てもらいまして、いろいろ正しくそれを批判してもらうための材料を提供することは、これは間違ったことではないだろうと思います。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それでは済まないですよ。この間、自民党の衆議院議員の元大蔵事務次官の相沢英之氏、二億円の脱税で摘発されましたね。株で幾らもうけたって二六%か、あるいは源泉分離なら売却の一%、これが公平だとは到底国民は納得しないですよ。  それで、さっきは背番号のことを言われましたけれども、そんなものは証券会社に正直に報償させたら済む話なんですよ。架空名義の口座を認めているような証券会社の体質を改めるべきなんです。こんなものはイギリスでもフランスでもやっていますよ。  私はあなた方がそう言うからもう一つ聞きたいけれども、この「タックスナウ」では、このページなんですが、お持ちいただいているかどうかわかりませんが、片働きでも共働きでも三百万の収入の場合は減税だ、共働きの場合は四百万ですけれども、その場合の大蔵省の計算は、夫の収入は三百七万。どっちも夫の収入が三百万ぐらいのときは減税になるというのです、奥さんが百万円ぐらいの収入があっても。これは、こっちが片働き、こっちが共働きの場合ですよ。  それで、総理でも大蔵大臣でもどっちでもいいですが、年収三百万ぐらいのサラリーマンというのは、大体年齢は幾つぐらいですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 収入階層別を年齢で分けたというものは、私ども持ち合わせておりません。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 驚いた答弁ですが、このパンフレットにちゃんと書いてあるのですよ、総理。グラフがずっとありまして、三百万は二十歳の後半ですよ。このグラフでいきますと二十歳後半です。そこをやはり総理に知ってもらわなければいかぬからね。しかも、この計算は全部高校生以上の子供がいるという前提です。そうでなければこうならないのですからね。  総理、二十歳の後半で高校生の子供を持つには、一体幾つで結婚しなければならないのですか。これはもう単純計算です。どう思います。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 私どものお示ししているモデル計算では、二十蔵代はまだ独身という前提を置きまして算定をいたしてございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 ところが、これは子供がいるという前提でつくられているんだ。これはもう本当に、このページがうそか、それともこっちのページがうそ、どっちかうそですよ。こういううその宣伝をやっているのですよ。これを国民の税金で、消費税は公平でございます、公平でございますとやっているのです。こんなことが許せますか。これはやはり回収すべきですよ。この問題について総理も大蔵大臣も答えられないでこういうものが発行されているというのは、もうけしからぬ話ですよ。回収すべきですよ。いかがです。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 モデルとしてもろもろの家計の負担の増減をお示ししているわけでございますので、そこは前提の置き方でございます。世の中で一番議論をされておるところに焦点を当てて、もろもろの前提を置かせていただいて算定をいたしておるところでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理、これはもうその設定と言ったってどっちかがうそですよ、どっちかのページがうそですよ。あんな官僚答弁では絶対だめですよ。私は、これでも反省しないというのなら、やはりそれは国民の本当に厳しい批判を受けると思いますよ。それから、もう本当に国民に謝罪すべきだと思いますよ。     〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕  消費税の問題をちょっと聞きますが、税の公平問題、これを盛んに言うのですけれども、公平が大事なのは当たり前ですけれども、問題は中身なんですね。最低生活費には税金をかけない、所得が低い人々の負担は軽くする、大金持ちには重くする、これが公平だと思うのです。戦後税制の原則であります生計費非課税、総合累進制、まさにこの精神に立つものです。  宮澤大蔵大臣、前に我が党の質問に対して、総合制、累進制、生計費非課税といったような考え方は今日でも有効でありますと答えられました。このとおりですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 そう思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 そのとおりですね。  総理もそうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 そのとおりであります。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 ここが、これが非常に大事、今の答弁は非常に大事なんですが、それじゃ、なぜこの考え方を貫かないのか。消費税は食料品にも水道料金にもお産にも、生計費非課税どころか生計費丸々課税じゃないですか。これが何で公平ですか、何でその精神を尊重していることになりますか。いかがです、総理。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは所得税のことを、直接税のことを申し上げているのであって、それならば電気に税がかかっているじゃないかなんということだって、これは御存じのようにだれでも知っていることでございます。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 それはあなたそう言うけれども、私は消費税そのものが公平なのかどうか、あなた方は、公平のために消費税を創設すると税制改革法案に書いてあるのですよ、消費税そのものが公平かどうかということを議論したいのですよ。直接税はどうこうということじゃない。  総理、失礼ながらあなたの申告税額千六百二十九万円、そうすると、推計しますと大体年収四千万から五千万ぐらいじゃないかと思う。庶民の十倍ですよ。あなた、お米を庶民の十倍食べますか、茶わんは十個使いますか、ふろに一日十回入りますか、テレビ十合置いていますか。この十倍消費しないと庶民と一緒にならないのですよ。だから私どもは、消費税そのものが不公平なんだと。大金持ちは軽くなる、庶民は重くなる。この事実はお認めになりますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 私、一遍、ちょうどきょう後ろにいらっしゃいますが、参議院で上田委員と議論したことがございます。大体、原則的な社会主義社会というのはすべて消費税から始まるわけでございます。で、その消費税というのは、いわば自己の選択というものがあるという意味においてはある種の公平があると思います。しかしそれが、だんだん所得税が入ってまいりまして、今日のいろいろな税制が構築されておりますから、一つ一つをとらえて、これをどう思うか、あなたは十回、十倍ふろへ入るか、これは庶民感覚に訴えた質問であるというのかどうか、私は質問には答えなければなりません、あなたの質問を批評しようとは思いませんが、まさか、はい、私は十回ふろに入りますというようなことを私が答えるわけはないじゃございませんでしょうか。素直に私もそのことは言わせていただきたいと思うわけでございます。松本さんは非常に静かに御質問なさいますから、私も静かにお答えしようと思いますが、今のような御質問に対して、おまえ十回、十倍ふろへ入るか、はい、入りますとか入りませんとか、それはやはりお互いの節度の中で御容赦いただける問題じゃないかなというふうに思っております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理、私の質問は、消費税そのものが公平なのかという質問なんですよ。それを、あなた十倍食べるかなんて、そんなことを聞くわけがないですよ。それは文脈の中でおわかりだと思って私は質問をしておるのです。  今の答弁で大変重大なのは、それは選択的だと言われるけれども、食べないということはできますか。選択制、自民党の参議院議員も本会議でそれを盛んに質問しておられました。選択制があるなんて言ったって、食べないということはできないですよ。だから、生活必需品にかけているから問題だと言っているのですよ。選択制などではありませんよ。自動車を買うかどうかはあるいは選択だ。たばこを吸うかどうかも選択かもしれない。食わないということはできませんよ。そういうものに課税をしているからこれは不公平なんです。消費税そのものが不公平なんだということを言っているわけであります。  それで、これは総理が事実上それを否定する答弁をされませんでした。ですから、私は、消費税はやはりそのものが不公平なんです、だから、不公平税制の是正と言っていますけれども、一番不公平な税制を導入しようとしているからこれは絶対許されない、こういうことを私は言いたいわけであります。  それで、だんだんと私の時間が迫ってきていますので、これは質問ではないですが、渡辺政調会長が「ジス イズ」というのに書いている。軍拡のためだということを私たちの党の議員が本会議で質問したのに対して、私はそんなことを言っていないなんて、本当に私はテレビで聞いていまして、これはひどいと。もうここに全部あります、「ジス イズ」というこの雑誌に。ちゃんと渡辺政調会長は、「昭和六十五年までは年々五・四%ずつ、実質的に防衛費を伸ばすというお約束がございます」とはっきり言っているのですよ。これは、文脈からすればアメリカです。それは中期防のことだとちょっと言われましたね、恐らくそのことだと思いますけれどもね。それはそういうふうに言っているんだ。私は、これはもう時間が迫ってきていますので、指摘するだけで質問にはいたしませんが。  それで、消費税というのは国会決議にも違反をしている。これは一般消費税と仕組み、構造も完全に同じですよ。私は、これも総理と一論戦をしたいところですけれども、時間も迫ってきていますので、公約違反の問題をお聞きしようと思います。  この消費税というのは紛れもない大型間接税です。多段階、包括的、網羅的、普遍的で投網をかけるような大規模な消費税ということを中曽根総理が言って、そして大型間接税やらないと。もうこの定義というのは、あなたが定義はないとかなんとか言ったって、これは動かせないですよ。そして、そういうふうに総理が言って、その後解散ですからね。もうこの定義は動かせない。これはもう公約違反であることは明白であります。  山中税調会長が自民党の税制調査会で、公約問題は中曽根内閣から竹下内閣にかわったから済んだことだ、あれは中曽根内閣の公約で竹下内閣の公約ではない、こういうふうに言われた。そうしたら、自民党の委員に、私の選挙公報には大型間接税反対と書いた、中曽根内閣の間だとは書いてない、竹下内閣になっても公約は生きていると追及されて、山中氏は、それじゃ解散しろというのか、解散すれば自民党は必ず負ける、そういうふうに言ったというように報道されていますよ。さすがに山中氏も、やっぱり八六年の選挙で大型間接税反対が自民党の公約になっていたということは認めざるを得なかったんだと思うのです。  総理も中小企業団体に対して文書で公約していた。これはたびたび委員会で私も問題にしました。これはだれかがやったと言うのは政治家は通用しないのですよ、それを信用してみんな投票しているのですから。この竹下内閣の閣僚では十五名の方がそういう形で、何らかの形で公約をされています。しかし、やっぱり一番わかりやすいのは選挙公報ですからね。私がかつて問題にもしましたけれども、粕谷国務大臣、石原運輸大臣、伊藤科学技術庁長官、林田法務大臣の選挙公報を持ってきました。子細に検討しましたけれども、「大型間接税導入反対!」と、粕谷さんなんてこんな大きいよ。こんな大きな字で書いていますよ。自分の名前の次に大きな字。それから石原さんも「大型間接税反対」です。それから伊藤宗一郎長官もそうです。林田さんもそうです。大型間接税反対ですとはっきり書いています。中曽根内閣のときだけなんて書いていませんよ。書いていません。  これは総理、こういうことで選挙をやった閣僚は、消費税をどうしてもやるということなら、私は閣僚を辞任しなければならぬと思いますよ。それだけじゃない。この国会そのものが、大部分の自民党議員はこういう公約で当選してきているのですよ。消費税を導入するということを審議する権限がないのですよ。それを認めなかったら、もう民主主義は成り立たないですよ。選挙のときは何を言ってもよろしい、当選したら何をやってもよろしいということになったら、もう選挙をやる意味がないでしょう。国会で議論をする意味がないでしょう。中曽根総理が多段階、包括的、網羅的、普遍的で投網をかけるようなということを言われたので、一生懸命質疑をしたですよ、それはどういう意味だと。それを選挙が終わったら、そんなものは関係ないよ、大型間接税の定義はないよ、こういうことになったら、これは国民は何を信用したらいいのだ。私はこれは単に消費税反対というだけじゃなくて、日本の民主主義の問題だと思うのですよ。これは絶対に許されないと思います。総理、何と考えますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず一つだけ、直接の税制の問題とは離れますが、選挙で松本委員も私も含め、当選をしてきております。それは私はイデオロギーだけで当選したとは思わない。やはりお互いの人柄とかそういうことがすべて総合的に勘案されて、投票をちょうだいして議席を得て、きょうこうして問答しておるんじゃないかということをいつも、今の種類の質問を受けるたびに感じたことを素直にまず申し上げておきます。  さて、その次の問題でございますが、中曽根内閣においてとりませんと、こう申されたのは、本院において、当時の公明党矢野書記長との問答の中で、多段階、網羅的、普遍的ということがあるわけでございます。そうして、しかしヨーロッパ型付加価値税とはいえいろいろな対応もございますということがございまして、これが今日もいろいろ議論になっておる。その字句そのものの中でいろいろ検討して、苦悩して成案を得て提案申し上げたのがいわゆる売上税だったわけであります。ところが、これは審議を待たずして廃案になったとでも申しましょうか。したがいましてその反省の上に立って、やはりそれには、網羅的、普遍的ということはこれはまさに例外なしということでございますから、そういうところから構造、仕組みについてより複雑なものになってきたという反省の上に立って、衆知を絞って今次この成案をつくったわけでございますから、これは一連したことであると思います。  そこで、今度は選挙公約。中曽根総理が当時申しましたのは、自由民主党が反対し、国民が反対するような大型間接税はやらない、こういうことでございます。自由民主党の諸手続はクリアして政府提案として今日御提案申し上げておるわけでございますから、いわばその線には沿っておるというふうに私は思っております。  それから、いつも申し上げますが、大型間接税の定義というのは、これは私ずっと申し上げておるのです、大蔵大臣時代から、これは大変難しい問題でございます。したがって、これを説明するにはどうしたらいいかということから、本院において、いわゆる大型間接税というものからイメージする六つの懸念ということで御議論をちょうだいしようという立場で対応しておるわけでございますので、その辺を整理、整とんをしてみますと、議会制民主主義の原点の問題とは言えないではなかろうか、私はこのように考えております。

松本善明日本共産党・革新共同

○松本(善)委員 総理、さっきの公報だって、そんな原点何にもないです。大型間接税反対ですよ。これは粕谷さんのを見れば一番よくわかる。中曽根総理もそうでしょう。選挙演説でそんな原点なしにしゃべっています。私の顔がうそつく顔がと言って演説をやっていますよ。それを信頼して投票するのですよ。専門家は、それは私どもは多段階、網羅的、やりますけれども、選挙民は要するに大型間接税はやらないのだ。あなたは答弁のたびごとに売上税の反省に基づいてと言う。売上税の反省に基づいてまさに多段階、包括的、網羅的な、売上税よりもっと悪いものが消費税として出てきているのですよ。まさに公約違反なんですよ。あの売上税の反省の上につくったからといって、それじゃ公約違反がなくなるか、そんなことは全然ないですよ。  それから、国民と自民党が反対をするようなという、それも演説では一、二回中曽根総理が言われたことがあるけれども、ほとんど言われないです。国民が反対するというのはみんな反対しています。言葉で言えない人もいますけれども、世論調査を見たら本当にわかるでしょう。自民党が反対するということは、これは私、自民党員で反対だという人を何人も知っていますよ。知っていますけれども、言えないでいるんですよ。それで、自民党が決定したから自民党は反対しているんじゃないんだという言い方は、もう公約として意味をなさないですよ。自民党が決める限りは何でもやりますよということになりますから、私はそういうことは絶対受けられない。これをどうしてもやろうとするならば、やはり解散をして信を問うべきだということを強く主張して、質問を終わりたいと思います。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十一分散会

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