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113回国会衆議院1988/08/04

予算委員会 第1号

発言数
187
登壇者
21
会派数
2
開催日
1988/08/04

会議録

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これより会議を開きます。  開会に先立ち、日本社会党・護憲共同及び日本共産党・革新共同所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得られませんので、再度出席を要請いたさせます。しばらくお待ちください。  速記をとめてください。     〔速記中止〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 速記を起こしてください。  出席を要請いたしましたが、日本社会党・護憲共同及び日本共産党・革新共同所属委員の出席を得られません。  この際、さらに理事をして出席要請いたさせます。しばらくお待ちください。  速記をとめてください。     〔速記中止〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 速記を起こしてください。  再度にわたり出席を要請いたしましたが、日本社会党・護憲共同及び日本共産党・革新共同所属委員の出席を得られません。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前九時二十二分休憩      ────◇─────     午後一時五分開議

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  再開に先立ち、理事会におきまして、日本社会党・護憲共同及び日本共産党・革新共同に対し所属委員の委員会出席を要請いたしましたが、出席を得られませんので、やむを得ず議事を進めます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ────◇─────

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺美智雄君。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 では、自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。  まず第一に、お答えづらいかもしれませんが、私は、竹下内閣の評価ということについて話してみたい。竹下内閣ができてまあ八カ月、九カ月になるわけでございますが、竹下総理の人柄は、私がかねて申し上げましたとおり、悪いという人は一人もいない。大変堅実な人で、それは気配りがよくて、大変用心深くて、人との争いを好まない、細かいことによく気がつく、勉強をしておる、大体そういうことだ。しかし、裏と表というのはあるわけですから、結局意志が強いと言えば強情だと言われますし、色が白いと言えば青白いと言われますから、その反面、やはりこれはいいけれども本当に日本の国政をゆだねてきちっとやってくれるんだろうか、本当に実行してくれるんだろうか、本当にこれというときは逃げないでやるんだろうかというふうな考えが、我が自由民主党の党員の中にも私はあったということは率直に申し上げてみたいと思うのです。  この間私はアメリカに参りまして、竹下さんは内政は非常にうまいかもしらぬが外交は大丈夫なのかというような批評も国内にあったことは事実でございます。そこで、私はアメリカの高官と会った際、サミットでいかがでしたか、竹下総理は非常に地味な方で派手嫌いの人でありますが、非常に誠実で約束したことはちゃんとやるというのが我々の長いつき合いなんですと言ったところが、その人はどう言ったかというと、いやいや、地味どころじゃありませんよという話だった。私はちょっと意外に感じたんですがね。何ですかと聞いたら、我々は結局、何を言ったかということよりも、何を世界のために、またアメリカとの上でやってくれたか、それが問題なんだ。最近の状況を見ておると、日本は内需拡大をやると言って国際約束を中曽根内閣以来非常に言ってきた、中曽根さんのときもいろんな市場開放、いろんな参入ですね、そういうようなアクセスの開放等いろんなことをやってくれた。しかし、続けて、内需拡大という点については非常によくやってもらって、日本の経済成長というものも大変順調である、それからおかげさまでアメリカからの輸入、つまりアメリカからすれば輸出、これが特にことしに入ってから三〇%というような、大幅に対日輸出が伸びている、大変ありがたいことだ。  それから、国際協力については、実際びっくりするようなことを言われた。これは宮澤、竹下、両方で言ったらしいですがね。両大臣が言ったらしいが、つまり国際協力について、過去五年間の実績の倍にこれから五年ですると大見えを切ったと言うんだね。大見えを切ったかどうか知らぬけれども、向こうの言う話だから。これは結局二倍にするという話ですから非常なことであるし、円借款でもLLDC等については棒引きにする、このことを余り褒めなかったのは褒めなかったんだ、アメリカの立場がありますから。しかし、そういうことを約束された。  のみならず、内需拡大ばかりでなくて、非常に歴代内閣が責められてできなかった問題が一つある。それは要するに日本の農産物の自由化である。これは、どこの国でも農産物問題はえらい難しい。難しいにかかわらず、ともかくちゃんと十二品目のうち十品目、それからオレンジ及び牛肉、この自由化に踏み切ってくれた、これは高く評価をしなければならぬということでありました。何人かに会ったが、大体似たり寄ったり、異口同音であって、私は、そういう点で日本国民として、外国に行ってちょっとこう、やはり肩身が広いですよ、それは。そういう点で私は、最初彼らが考えていた以上に日本の総理としてよくやってもらった。  内政問題は一体どうなのかということなんです。  この内政の問題については、国会の運営等は、いつもと違って今回は会期の延長というのをやらない。やらずにそれでちゃんと五月には終了した。しょっちゅうとまったりなんかもしたことはあるが、とまった時間は短いらしいんだな、ことしは。いや、そう言っておったよ。そこで法案はしかも九〇%成立をした。いつの間にか後で気がついてみたら法案が成立しておったということですから、まあ国会運営は非常によかったということなんですね。このことは一にどういうせいなのか。  一つは、私は竹下さんという人はついているんだなと思ったですよ。ついている。やはり人間というのは運、不運もあるんだね。運はやはり、自分が開拓したということでしょう。  景気は内需拡大というようなことをやってきたから非常に上昇して、成長率は一—三月の一一%なんて、これは例外中の例外で、こんなことをやったら大変なことになるんですが、非常にいい。それから物価は一方、安定して一%ぐらいしか上らない。まあ土地の値上がりはこれはちょっとひどかったが、株はアメリカのブラックマンデーでアメリカが暴落して、まだ半分ちょっとしか戻っていませんわね。日本の株価というのは、ちょっと戻り過ぎるぐらいに戻っちゃったことは、これも事実であります。結局円も、円高円高と言っておったんですが、余り円高になっちゃっても困るというようなことで、百三十円前後、百三十四、五円行ったり来たりということで、これも非常にいい。したがって、サミットでは何ら非難をされることはないし、日本にも注文はしない、こういうようなことだった。  一体、これは何が原因なのか、ひとつ竹下さんに私は聞いてみたいと思うんですね。もう大体答えはわかっているんですよ、答えは。恐らく聞けばね。まあ聞くだけ聞いてみようか。ひとつ答えてください。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 竹下内閣の九カ月の評価ということについてお触れいただいて、自己評価はどうだ、こういうお尋ねに尽きるかと思うわけでございます。  私は、内需拡大といった問題一つをとらえてみますと、やはり大きなきっかけは、長年の国際的な政策協調の中におきまして、先進各国が協調的な施策をとったということの背景のもとで、やはり中曽根内閣における昨年の経済対策の六兆円、これを踏まえましたところの昨年の秋の補正予算、これが大きなきっかけになって今日に至っておるのではなかろうか。したがいまして、私は、経済運営の問題については、いわば政策の継続性ということが今日今のような御評価をいただける一番大きな要因ではないかというふうに思っておるところでございます。  それから、内政問題の中で国会運営等についてお触れになりましたが、これはいつの世もそうでございますけれども、与野党を問わず国会運営の関係者の皆さん方が汗を流して話し合いを続けられておったその成果、こういうものではなかろうかというふうに思っておるところでございます。  それで、景気、物価、株価あるいは円レートのおおむね安定基調ということがございますが、御指摘の中にもありましたように、鎮静化の傾向が東京都、神奈川等を中心として一部見られるにしても、土地問題、こういうことになりますと、これはまだまだ衆知を集めて対応しなければいけない課題として、現実目の前にどかんと置かれておることではなかろうかというふうに思っております。  外交問題につきましては、これは農産物自由化問題等に見ます問題は、やはり関係者の方のぎりぎりの判断がこの辺にあるということをただ最終的決断として行ったということではなかろうか。したがって、やはりこれはついている、つかないという問題は別といたしまして、総合的ないろいろな要因の積み重ねの中で、たまたまそこに内閣総理大臣が竹下登であったというふうにみずからには言い聞かすべきではなかろうか、このように考えておるところでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 本当に謙虚な御答弁で、やはりかごに乗る人、担ぐ人、そのまたわらじをつくる人でもう十何年やってきたわけですから、私はそういうふうな気持ちが伝わって国会の運営とかそういう点は非常によくいったのじゃないかという点は、率直にそういう気がするのです。  ところで問題は、これから税制国会をやろうというわけですが、これは消費税の導入を図って四十年ぶりの大改革をやる。これは大平さんのときも、し始まって失敗してしまった。中曽根内閣になっても、かなり我々も一生懸命やったのですが、結局成功を見なかった。今度は三度目なわけですね。これは本当に大変な問題ですよ。これは本当に内閣の運命をかけるようなことでないと私は動かぬと思うのです、実際のところ。そこで結局、私は総理とよく会っていますから、総理の気持ちはよくわかっているのです。わかっているけれども、本当に本気になって最後までやるのかねと言う人が時々いるのですよ。それが自民党の中にいるということですから、国民の中にいたっておかしくない。大蔵大臣もこれは同じでして、これは何といったって税制の問題というのは総理大臣と一蓮托生ですな。ですから、御両者からこの税制改革については本当にこれは運命をかけてやるのだ、やり抜くのだというかたい決意を国民の前に、いい機会でございますから、私は披瀝をしていただきたい、そう思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先ほどもちょっとお触れになりましたが、大平内閣のときにちょうだいいたしました政府税調の答申というものが、五十三年の暮れにちょうだいしたと理解しております。そこで、五十四年におきましては、その仕組み等について国民の理解を十分に、得ることができなかったということから、財政再建決議というものが衆参両院でなされたのが五十四年の暮れでありました。しかし、やはり国会の中には、税制を改正しなければならないという底流があったがために、私は五十九年の減税問題等が実際は結実したんではないか。今度は、その流れの上におきまして、いわゆる中曽根内閣に至っての昨年度の売上税問題、こういうことになったと思うわけであります。したがって、それらのすべての反省の上に立ちまして、いろいろ各方面の意見を集約して、そうしてお願いをしたのが、この税制改革をお願いするための臨時国会の召集であったというふうに私は、これは客観的にもそういうふうに思っておるわけでございます。  先ほど来のお話のごとく、経済環境、物価とかインフレとか、あるいは成長率とか、あるいは失業率とか、そういう問題が比較的安定しておればこそ、今がそういう客観的な意味においても税制の改正をやる機会ではなかろうか。なかんずく、今度は、先ほどの御指摘のようにシャウプ勧告以来の改革でございますので、私自身の政治生命は、悠久の歴史の中で言えばしょせん一こまにすぎないものでありましょうとも、みずからに与えられたこれこそ最大の使命である、こういう考え方で今国会を通じて十分な御審議の中に必ず決着を見たい、このように強く考えておるところであります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいま総理大臣から述べられましたとおり、シャウプ勧告以来ほぼ四十年、また十何年いたしますと高齢化社会、二十一世紀が到来する、この時点でこの税制改革をいたしませんと、おまけに三度目の正直でございますから、悔いを千載に残すことになると考えておりまして、何としてもやり抜いていきたいと存じます。  つきましては、政府、与党一体になりませんとこれはできないことでございますので、よろしく今後とも御指導をお願いいたしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 これはもちろん政府、党が一体にならなければできません。できませんが、党が原案を出すんじゃありませんからね。これは政府が原案を出すのですから、党は注文をつけたり承認をしたりということでやりますが、やはり中心になるのは政府である。自民党案じゃないんですから、政府案なわけですから。  私は、今竹下総理と宮澤大蔵大臣から、本当にかたい決意を聞き、また最大の、最高の竹下内閣の使命だということを聞いて非常に安心をし、一層我々も勇気が出たということなんです。実際、これはいつになったって、新しい税制改正なんというのは一長一短ありますから、それはいつならば反対がなくてできるということはないと思うのですね。それはしかしいつならできるんだ。今じゃできない、いつならできる。それは今一番いい時期ですよ。今をおいてない。それはやはり自分が、そういうめぐり合わせですから、おれがやらなければだれがやるんだという、私はそういう信念があっていいと思うのです。やはり自分が信念を持たずに他人を説得してもこれは説得力がないですよ。実際は信念を持って説得する。宗教でも何でも同じで、やはり信念のある人が折伏してみんな入ってくるわけだから、本当の話が。信念がなければだめなわけです。だから、やはり信念を持つということが一番大事じゃないか。  私その一番いい例に、中曽根内閣の行革というのを見て、これは本当に鈴木内閣以来財政再建、行政改革は二つの柱と言って、中曽根さんが鈴木内閣の行政管理庁長官として我慢してやっていただいた。しかし、それで二年間やった結果、やはり行政改革というものをやらなければ日本の将来はだめになる、こういうふうに確信を持ったわけですよ。したがって行革の鬼になった。きょうは土光さんが亡くなって、私は本当にすぐにも自宅へ駆けつけたいところなんですが、行けないので、心からお悔やみを申し上げたいと思っています。心からお悔やみを申し上げます。あの人は本当に私心を忘れて行革のために尽くしてくださった方だ。ああいう人が先に立つから行革がうまくいった、私はそう思うのです。私は、今回も、行政改革をやるという場合はそういう信念を持ってやっていかなければならぬ、そのように思っております。  行政改革に入る前にちょっとお話しますが、この間、税制改正の一環としての六十三年度分減税一兆三千億減税がたった十分間で委員会も本会議も通過しちゃった。これは本当に奇妙きてれつな話、実際国民から見れば。これは史上で第二回目の大型減税なんですね。国会で、ともかく正規の機関があるにかかわらず、そういうところでろくに議論もされないで、それで与野党の話し合いだけで、私らはいいですよ、楽で。あの方が一番楽で、それはいいし、政府も楽だったろう。すっすっすっすっと通してしまった。これは私は、ちょっと国会のあり方という点から考えるといかがなものかと思う、本当のことが。国民はどう思っているか知らぬが、多いかどうかは知らぬが、国民のサイドの判断を私は聞きたい、そう思っているのです。だから、下話はついても、やはり国会での議論、論戦というものはあってしかるべきだったのではないか、そのように思うわけであります。  そこで、行政改革なんですが、やはり国を経営していくのには経費がかかる。その必要なお金は国家は権力で集めているわけですよ。お寺さんなら、心尽くしというか、初穂でも喜捨でも何でも、それはおぼしめしでちょうだいをするわけですが、国家は権力でお金をちょうだいするものですから、そこが違うわけなんです。ですから、やはりむだ遣いをしないということが為政者にとって一番必要なことであるし、国会ができたそもそもの起こりもそこにあったわけですから、だからそういう点で行政改革というのはむだ遣いをさせない、それが一番大事なことだ。そこに力が入らなければならぬ。  実際は非能率で、国鉄なども三十何兆も使って赤字倒産ですよ、三十二兆も赤字累積で倒産。しかしながら、そのときに国鉄の民営・分割を中曽根内閣は提唱した。党内でも民営はほとんど大賛成なんだが、分割という問題になると、果たしてこれは分割してうまくいくのかね、列車がうまくつながるんだろうか、どういうことなんだろうという、我々も余り自信なかったですよ、私なんか実際のところは。しかし、中曽根さんがそう言うし、専門家の人もそう言うから。しかし一方専門家は、磯崎さん初め私の知っている国鉄関係の人は随分みんな反対しておった。民営まではいいけれども分割は絶対だめだ、国鉄はだめになるということだった。どっちをとったらいいかなと思って迷ったのですが、結局、分割の方で行こうということで、我々はそんなに詳細に勉強したわけじゃないが、やはり運輸省、あれは橋本運輸大臣かな、あのとき。それから、中曽根総理とかそういう方の御意向に従った。  ところが、国鉄内部で反乱が起きて、最初は仁杉さんかな、仁杉さんがとてもじゃないがやれないとかいって辞表を出しちゃった。その後に、今の清算事薬団の理事長、杉浦さんが任命されて、国鉄部長とか鉄監局長をやって次官になった人だ、あの人が行った。ところが、重役が十五人いるらしいが、重役がみんな辞表を持ってきたのだね、お殿御乱心はおやめあそばせと。何ということはないんだ、民営はいい、しかしこの段階で国鉄内部がこれだけ反対している中で分割なんかやるんじゃとても我々はついていけない。ついていけないから、みんなでまとめて辞表、やったわけですよ。  普通なら、普通の社長ならここで腰が抜けるのだよ、大体は。これは一種のクーデターだから、重役みんなでやめるというのだから、あしたから重役がいないのだから、そうなれば。そこは、彼は総裁一人じゃできなかったと思うよ、内閣、運輸大臣、運輸省がついていなきゃ。やれ、全部受け取れと言った。びっくりしたね、出した方が。みんなで渡れば怖くないと思って渡ったら、実際はとられちゃったわけだから、辞表を。どうですか、返したのは二人か三人だ、あとは全部やめた。そして、今まで地方に散っておった分割賛成派を全部入れ込んだ、全都国鉄の中へ。それで分割をとうとうやっちゃったわけですな。国会でも随分騒ぎが起きた。起きたけれども、民営・分割をあれだけの手荒いことをやって、その結果はどうだったか。どうですか、総理大臣。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先ほどお触れになりましたが、土光元会長と申しましょう、この臨時行政調査会の会長お亡くなりになりましたが、あの土光臨調というものがやはり私は大きな背景になったんではないか。あの存在で、行革は天の声だ、こういう環境ができたんじゃないかと私は思うわけであります。そうして、その行政改革というものを、今のような経過をたどりながら、国会で最終的に御例示なすった国鉄の民営・分割等ができ上がった。そういう環境というものが当時の責任者にも偉大なる勇気を与えたんではなかろうか、私はこういうふうに考えます。これは決して便乗した言葉じゃございませんが、行革が天の声である、土光さんの存在がそのような各紙の見出しになるようになったように、今こそ財政改革は天の声である、こういうことになることを心から期待をいたしておるところであります。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 私もそう思います。  それで、国鉄は一年前まではいろいろ批判がありましたよ。それは、もう踏ん反り返っておるとか、親切でないとか、昼間からふろへ入っていたとか、いろいろあった、本当の話が。ところが、それから一年、一年たってどうですか。いらっしゃいませ、ありがとうございます、毎度いらっしゃい、お気をつけてとか言ってね。いやいや人間というのは一年たてばこんなに変わるものかな、そんなの前から知っているなら十年くらい前からやってもらいたかった、正直な話が。本当に同じ人がよくも変わったと思うほど変わるものだね、これは。やっぱり組織が変わって人がかわれば変わるのですな。実際変わる。だから、私はこれはよかった。それで赤字の国鉄が、今度はJRが、各社集めて幾らですか、五百億、五百億円か初めて利益を出して、生まれて初めて税金というのを納めてみたというのだね今度は、税金を。今までもらってばかりおったのに。これは結構なことですね。これを大いに生かしてやらなきゃならない。  清算事業団にはしかし二十五兆円という赤字がまだあるのですね。そのうち年金関係のやつが五兆円の負債になるが、政府からの無利息が五兆円、あと十五兆円というのは有利子。七%ぐらいで借りているのが多いそうですな。そうすると、一年に一兆円ぐらいふえちゃうらしいんだな、利息が、一兆円も。それで仕事は何もやっていない。しかも一部にはまだかなりの元気のいいのがいるらしいよ。もとの国鉄に戻せとかいって、民営・分割反対。今ごろ民営・分割反対なんて騒いだってどうしようもない話だ、実際は。だけれども、時々集まっちゃやっているらしいね、これは。三千人ぐらいいると言ったね、どこにいるのか見たことないんだけれども、聞いてはいるよ。だけれども、これはもう本当に困ったものだ。こういうものはやはりもう、三年間なら三年間身分保障だけれども、そういう圧力に押されて、さらに後二年も追加して、また仕事しないで毎日こんなことやっておっても月給だけ一人前にもらって、ベースアップはしているらしいんだ、今でも。仕事なくても就職しなくてもベースアップあるらしいんだ。これは、中には同情すべき人もあるかもしれないが、それはそれとして個別案件で見てやればいいんであって、こういうものは私はちゃんとまた、後まで身分保障で、そんなのまでやっていればほかに就職口を探さなくたって、御身大切ということでは困りますから。これはひとつ運輸大臣、ちょっと眠いかもしらぬけれども、ちょっとこっち向いて。どうですか、御決意のほど。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 事業団は大変今苦境にございまして、持っている土地を売却しようと思っても、片っ方では地価の高騰で売るに売れない、中で非常にみんな苦労し合っているわけでございますが、一方、御指摘のように、JRになりまして、各JRが非常に優良な成績をおさめております。先の話になりますけれども、こういう成績が続いていけば、また株の売却等で、思いがけぬ高値でこれが売れれば、そういったものを補てんして事業団の抱えている赤字を軽減できるんではないか。そのためにも、それぞれ場所を変えているわけでございますけれども、JRの方々も班業団の方々も、究極の目的のために一属努力していただきたい。また、運輸省もそれを精いっぱい助けるつもりでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 せっかくできたJRを傷をつけないようにしていかなければならぬ。  ところが私、今一番困っている問題がありまして、整備新幹線なんですよ。整備新幹線。これは、地区の方々が願望して、ぜひとも引いてくれという気持ちは本当に痛いほどよく私にはわかるのですよ。ある代議士さんなんか私のところへ来て、もう新幹線は着工もするんだよ、駅舎はちゃんとつくって使えるんだ、だから県知事以下みんな集まって花火をドドーンと打ち上げて、それで垂れ幕を垂れて、新幹線駅落成とか竣工式とかをやったそうだ。それでみんなで集まってハトを百羽も借りてきてばばっと飛ばしたりして、それで華やかにやったんだけれども、さっぱり新幹線が来ない。いつ来るんだ、いつ来るんだと言われてえらい困っているんだ。これでは選挙にならない。何が何でも新幹線をやってもらわなければ困る。もう理屈じゃないという話に今片っ方ではなっているわけです、実際は。  だけれども、問題は結局、我々もその気持ちはよくわかるし、地方開発もわかるんだが、しかしJRがまたもとの国鉄に逆戻りしていく、これだけは絶対に認めるわけにはいかない、実際は。だから結局、JRには逆戻りできないし、それからJRには国家はこれから補助はするのですか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この問題は、御承知のように財源問題それから着工順位の検討の委員会でおのおの検討いたしておるところでございますが、財政当局といたしまして経常費の補助ということはできないというふうに考えております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 そこで、何とか知恵を絞って、全部ただで国が引いてJRにくれるということもできないでしょう、実際問題として。民間の会社で株まで売っちゃうというのですから。だけれども、何か地方のことも考えて、いい知恵はないかと思って私も随分やってみたのですがね。こちらを立てればこちらが立たず、優先順位とかいったってなかなか簡単に、これは優先順位を本当はつけなければいかぬのですよ。だけれども、当事者みんな集めて優先順位をつけるといったって、三県も四県もの知事が入って、片方の知事は万歳、片方の知事は涙を流しながらというわけにいかぬね、実際は。だから、これはやはり私はむごいと思うのですね。  これは、関係地区の代議士さんとか何かに優先順位を集まってつけろと言ったって、それはなかなかそう簡単にいかぬですよ。やはりこういうものは行政がやるべきものであって、それはそうですよ。行政というのは、政府は大所高所から見てこれを引くか引かぬか、引くとすればどういう順序で、どういう手だてで、金をかからないようにして、ぎりぎりはどこまでやれるのか。私は、これはやはり党におっつけられたって、党だって多少人気はとらなければならないし、どこの党だって同じだよな、これは実際は。だから、これは公正、中立、厳正、公平な立場から政府がやるというのが筋じゃないかと私は思うのですが、どうですか、総理。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 この問題は、私は長い間政府側に立ちましてこの問題を検討をしてきて、そこで、これこそ大きな政治判断がないことには物事が進まない、こういうことから政府・与党で工夫を重ね、今宮澤大蔵大臣からもお答えがありました着工優先順位専門検討委員会、財源問題等専門検討委員会、それが、渡辺政調会長がお入りになってからにしても七回と六回ですから十三回行われて汗をかいていただいておる。  今の御提言、私なりにそのお気持ちはわかりますが、せっかくここまで汗をかいていただいたのですから、本当に関係者の皆さんにもう一汗かいていただいて、何とか結論を得たいものであるという気持ちでいっぱいでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 これはそう言われても私らも困るんですよ、実際の話。何回やったってぐるぐるぐるぐるもとへ戻ってきてしまうわけだから。金の出場所がないんだからね。だから、政府でこれは我々に、じゃ仕方がないと党で決めれば政府は金を出すよというんだったら、私はあしたというか、一週間以内にすぐ決めてやる。大蔵大臣、出しますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この点につきましては、今朝も実は委員会がございまして、これは財源の方の委員会でございましたが、大体の空気といたしましては、新幹線といっても、今後、従来の新幹線とはおのずから地域の事情も違いますし、いろいろ状況も違うわけでございますので、その規格なりあるいは建設費なり必ずしも同じである必要はないであろうといったような問題。それから在来線というのをどういうふうにするかといったような、つまり運輸行政の立場からのいろいろな問題があるであろう、それらを財源等も考えながら運輸当局において一つの考え方というものを出してもらうことが適当ではないか。それについて、その場合の財源をどうするか、そう進めていくのがいいのではないかというようなことが大体けさの御議論の大勢でございまして、恐らく運輸当局におかれて何らかの考え方を、政府部内で十分調整をし切ったものでないかもしれませんけれども、やがて出していただいて、それについて御検討を願う、こういうことになっていくということかと存じております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 運輸大臣、ところで運輸省だけでまた持ってこられて、その金は党で大蔵省を揺すぶって取ってくれということにあるいはなるのかもわかりませんが、しかし大体のところは話をつけて持ってこられぬと我々もひどい目に遭ってしまいますから、それは大蔵省ともある程度、大体話をつけて案は出してくださいよ。出してくれますね。十一日だとか言ったけれども、それは本当かね。

石原慎太郎自由民主党運輸大臣

○石原国務大臣 出します。出しますけれども、運輸省と大蔵省が完全に合意した案をつくれといったって、それは大蔵省は、渡辺さんも前に大臣をやられたとおりの役所ですから、なかなか財布もかたい、口もかたくて、つまり両省が合意した成案なんかそうなかなかできっこないので、今それで苦労していますから。ですけれども、できなければできないで、運輸省は運輸省の独自の財源案も備えた案を出しますので、それをひとつ爼上にのっけて、場合によったら運輸省の立場で御援助も願いたいし、要するに八方すべて丸くおさまるというわけにはなかなかいかないと思いますけれども、ひとつ事が一歩前進するようになればと思って、既に成案は持っております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 運輸省も今度はやはり交通行政というのは自分が所管であるということがよくわかってきたようで、それは大変結構なことですわ。それは運輸省の仕事だもの、もともとが。だから、そこであなた方が交通全体の、問題からどうすることがいいかという案を出してもらう。しかし、法外もないことでも困りますからね。  では、その次に、行政改革の中で一番大事なことは歳出カット。財界の人は、五十六兆七千億円もあるのだから、そんなものは一割カットしたって五兆七千億出るじゃないかと、よく国会質問なんかでも出るのですな。行政改革をどんどんやれば金なんか続々出てくるみたいな話を私は時々聞くのだ。それで五十七兆、なるほど、うちの会社も経費がともかく三千万円もかかっておったのだが、みんな倒れそうになって一割切って、もう交際費なんかは使わなくして二千五百万で今やっているのだという話がありますよ。民間では確かにそうなんだ。じゃ、この五十六兆、五十七兆という予算はそんなにぶったるんだ、一割切れる予算かどうかということは意外と知らないですね。  そこで、私はここでお聞きするのだけれども、一番大きなものは約十一兆円余の国債費ですね。これは借金の利息。これ、どうですか、安い金に借りかえちゃうとか支払い停止しちゃうとか、何かうまい手はないですか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 まさに五十六兆七千億のうち十一兆五千億円は国債費でございます。これは過去の債務の利払いでございますので、これを払わなければ国がもう最大の不信を受けるという、信用秩序にも関係いたしますので、これはカットする方法がございません。方法としては今後なるべく新規に発行しない、それから有利なときに発行する、こういうことしか方法がございません。  次は、十兆九千億円、これは地方交付税交付金でございますから、これも法律で定められておって、これをカットすれば地方財政というのはやってまいれません。  したがいまして、一般会計の歳出総額の中でこの大きい二つのものは、これは切りようがございませんからカットの対象にはできないということで、御承知のようなことでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 そうすると、もう二十兆からだめだという話ですな。手がつかない。  自治大臣どうですか、この地方交付税三二%は少しぐらい御遠慮を申し上げるという気はありませんか。

梶山静六自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○梶山国務大臣 まさに法律事項でございますから、国会の決議でそのパーセンテージを変えれば地方はそれに服従しなければならないかもしれませんけれども、今地方振興とかふるさと振興とかいろいろな言葉が出ている中で、そんなことを渡辺委員が言われるなどとは私は夢にも思っておりませんし、ふやせという話はあるかもしれませんが、減らせという話は残念ながら聞くことができませんので、御了承をお願いいたします。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 全くそのとおりだと私も思います、それは。  その次は社会保障費十兆三千億円、これですな。これは多過ぎるのではないか。しかし、国会の議論で社会保障費を充実しろという話は聞いているが、社会保障費を減らしたらどうだという議論は一回も聞いたことがないんだね。どうですか厚生大臣、たまにはこれにメスを入れてみたら。  私はここで社会保障費、何がこれはかかっているのかということですが、一番お金がかかっているのは医療費ですね。医療費が一番お金がかかっている。厚生省の予算を見て、十兆円ぐらいの予算があるのですが、医療費の補助金が四兆五千億円。それから年金が約三兆円、福祉費が一兆六千億だ。その他一兆一千億、全部で厚生省は十兆三千億ということになっているのですが、これは、長寿社会というのは結局長生き社会なんでしょう。これからますます寿命が延びるということで、この医療費というものは、今国民医療費十九兆、その中身は国民健康保険で払われるのが五兆、老人医療で払われるのが五兆それから健保その他で九兆、全部で大体十九兆かかっている。そのうち国の補助金が四兆五千七百億円あるということなんです。これが昭和七十五年ごろになると今のままでも四十兆円ぐらいになるのじゃないかというのです、四十兆円。あと十年、二十一世紀だ。私らはそのころまで生きているかどうかわからぬけれども、四十兆、倍になるというのです、抑えても。それで、国庫補助金はそうすると十兆円になる、自動的にそのままで置けば。とてもこれはそんなに払えぬね。厚生大臣、これは何とかならぬですか。何とか抑える方法、カットの方法ありませんか。

藤本孝雄自由民主党厚生大臣

○藤本国務大臣 元厚生大臣でいらっしゃる渡辺先生でございますからよく内容は御承知のとおりでございまして、ほぼ十兆三千億の予算の中で医療、年金、福祉が約九〇%を占めておりまして、これらすべて国民の皆さん方の生活に深い関係がございますし、御指摘のようにこれから高齢化社会が本格化するわけでございますので、医療、年金につきましてはそれがふえていく、必然的にふえる経費でございます。毎年ほぼ七千億前後の当然増を抱えておるということが厚生省の予算の特殊性でございまして、御指摘のような一割カットという問題につきましては到底困難な問題だと心得ております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 これも質問はもうしませんが、同じ問題が厚生年金であるわけですよ。今厚生年金の掛金というのは一二・四%なんですが、今のままで言うと昭和七十五年にはもう既に一八・七になる。それから、昭和八十五年ごろは二五%ぐらいの負担になる。これも今六十歳支給、実際は五十七蔵ぐらい支給らしい、それを何年かかけて七十歳から支給しよう。五十五歳の恩給開始年齢、それから年金の開始年齢が五十七、五十八、六十ぐらいにしよう、そうしたところが、それではとてもこれは追っつかない。それはそんなことをやっておったら昭和九十五年ごろになると月給の四割、四〇%、それぐらいの労使折半でなければ年金の掛金が出てこない。それぐらいの掛金率になってしまう、四〇%ぐらい。とてもとてもこれはやっていけないということになってしまうので、六十五歳にさらに支給年齢を上げよう、これだけ長生き社会になったんだから六十五まで働いてもらおうという考え方が今あるのですね。それでも約二四%になるというのですよ。したがって、これも国庫補助金を減らすなんということができるはずがない。国庫補助金もやはり非常にふえている。したがって、財政が悪化してしまったらこの制度は大体もう成り立たない。そういう問題がある。  だから、こういうことを私は知ってもらいたいからあえて申し上げておるのです。別に知らずに質問しているわけではないのです、実際は。いや、本当ですよ。  だから、私は行政改革という問題について、これは本当に抑制をするにしても抑制のしようがない、そういうものがたくさんあるのですということを知ってもらいたいし、さらに、その次に大きいのは何だ、その次に大きいのは何といったってそれは公共事業ですよ。公共事業、六兆円、一般会計、ことし公共事業をふやせと言う人はいっぱい押しかけてくるけれども、公共事業は景気がよくなったのだから少し減らしてもいいのじゃないかなどと言う人は一人も聞いたことがないな。私は、アメリカの景気との関係で、日本は内需拡大策というのはあと五、六年はやらなければならないのじゃないかなと思っておる、実際のところが。したがってこれも減らしようがない。  その次は何だ。その次は文教費だ、約五兆円近い文教費。これも一割カットを何からやるんだ。人件費じゃないか、全部。小中学校の先生の月給あるいは私学の補助金、大体人件費補助でしょう、あれは。これをばっさりいけば、入学金の値上げ、入学料の値上げにすぐなってしまう。数を減らすわけにいかない。四十五人学級を四十人学級にすると自民党は約束したそうだから、だから先生の数をばっさり減らすわけにいかない。したがって、これを抑え込むだけで容易じゃない、節約にならない。  その次は何だ。大きいのは防衛費だね。三兆七千億円、防衛費。どうですか防衛庁長官、軍縮時代だから防衛費を少し減らしてもらいますか。いかがですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 主権国家たる我が国の安全を確保してまいるということは、あらゆる政策にも増して重要な政策の一つでございますし、また自由諸国に対しまして我が国の防衛努力はかくあるべし、このことも大切なことでございますので、渡辺先生御指摘のようなこの予算確保につきましては、目下中期防の達成ということで努力をしておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 この間私はテレビを見ておったら、共産党の質問で、渡辺自民党政調会長は五・四%ずつ防衛費を上げることをアメリカで約束した、国民に約束しないでアメリカに約束してどういうわけなんだという質問、衆議院と参議院両方であった。  私はこう言ったのですよ。我々は日米安保条約というものを結んでおって、それがうまく機能するためには中期防衛計画がある、それは十八兆四千億円で決めたんだ、それは政府・与党皆一緒になって決めたんだ、それを達成するためには年率平均で名目五・四%のなにを組んでいかなければならない、だからしたがって、日米安保条約を守って国家というものを安泰にしていくためには必要最小限度のものであると私は言ったのです。何も特別なことを言ったわけじゃない。そんなことわからないのかな、共産党の人は。いや、本当の話が。私はそう言った。したがって、これはなかなかカットといっても、むだ遣いはいけないが、そう簡単にばさっと一割切ればというわけにはいかない。  まして日本人は、案外日本人の方が知らないよ。それは、駐留軍基地に働いておる日本人労務者というものは二万数千人おりますが、それの月給の中で本俸、超過勤務、これはアメリカの納税者負担になっているわけだ。日本の納税者は日本人の月給を払っていないわけですよ。そうでしょう。防衛庁長官、違いますか。——そうですね。間違いないです、ちゃんと首を振っているから。だからこれだって、我々国民感情から見ても、何だ、日本人の月給をアメリカ人に負担させているのかねという話だ、実際のところは。だから、こういうようなものもいずれは私は考えなければならぬ問題じゃないのかという気がしているくらい、くらいですよ、しろとは言わないが、それくらいのことですから、一割カットとなかなかいかぬ。  あとは何が残る。農林予算というものだ。二兆円、農林予算。食管繰り入れ四千何百億とかね。どうですか、農林大臣。農林予算、一割力ットできますか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 あなたの方がよく御存じかと思いますが、できません。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 これも実際、私は多少はできると思うよ。多少はできると思うが、それはなかなか、今度は円高対策もやったけれども自由化対策をしなければならぬ。ミカン畑もある程度、廃園といいますか抜かなければならぬ。切らなければならぬ。これはその人たちにとっては大変なことですよ、当事者にとっては。そいつの対策もしなければならない。それから、ともかく牛肉がたくさん入ってくれば当然子牛の値段が下がる。ということになればその対策もしなければならぬということであって、それはなかなか大幅にばさっというわけにはいかない。食糧検査官の方々は、これは減らしてもいいと思う、僕は。これは検査士制度をつくったんだからね。そのかわり死ぬまで検査士やらせるから。だから検査官はみんなやめてもらう。目が見えればいいんだから、検査士というのは目が見えれば。年をとって耳は遠くなったって米さえわかればいいんだからね、そうでしょう。だからそれは検査士の資格を与えて長くやってもらう、長く。そういうようなことになれば、私は大いにこれはどんどん減らしていって、もう何千人なんかは要らぬから、二、三百人もいればたくさんじゃないか。検査士の検査官をつくればいい。そういう点である程度できますが、一挙にはなかなかできないわね。だから、これは農林予算というのはばさっとはいかないが伸ばさない。せいぜいそんなものだろう。ふえるものもあるんだから、中には。だから、そういうような点でそう簡単に一割切ったら何兆出るなんて話はできないのです、実際は。みんな世間の人はすぐそう思っている。一割切ったら五兆円、そうはいかない。そのことをよく私は知っていただきたいと思っておるわけであります。  ということになると、結局、一方においては何があるかというと、一方においては何といっても税金をまけてくれ、とてもじゃないがサラリーマンも税金が高くて高くて、月給の上がった率より税金の値上がり率の方が高いんだ、とてもじゃないがやっていけない、だから税金を大幅にまけろという大合唱がある。そうすれば、そんなことをやったら、またそれはもう税金が足りなくなってしまう。ある人が私に言った。国が困った困ったと言いながら減税なんかすることないじゃないか、そんなに国が困っているのなら減税なんかやめたらいいじゃないかと言う人もあるが、しかし、一方においては、サラリーマンは、一〇〇%所得が捕捉されておって、特に累進カーブがきついから、もう非常に重税感を感じる、減税をしてくれ、強い要求、我々はこの要求に応じましょうということをしたわけです。  また、国際的に見ても日本の所得税というのは、今度はアメリカが極端に、六〇もあったのをだんだん下げちゃって、レーガン政権は一五と二八の税率しかつくらぬ、何億あったって二八以上取らない。最高税率二八、日本は今最高税率が六〇、そうなっておる。今度改正案で五〇にしよう、地方税は一六だけれども一%下げて一五にしよう、合計で六五なんだね。金持ち優遇とかなにか言われるけれども、アメリカは二八しか取らない。ニューヨーク州は州税ともで三六ですかな、それぐらいしか最高税率を取らないというのに、日本は六五%、二千万円以上の課税所得者、所得のある人、控除額を引いて二千万以上課税の所得がある人、月給取りなら二千七、八百万円というところかな、それ以上の人は、月給が上がれば六五%取られるわけですから、三分の二は取られるんだから、金持ち優遇なんて、何を考えて金持ち優遇を言うのかね。  国際的に比較したら、イギリスは今度は四〇%まで最高税率を下げよう、地方税はあそこはありませんからね、そういうふうにしよう、地方は地方で別なことをやっているらしいですよ、あれは。だから、そういうときにあって当然にサラリーマンの言うのももっとも、最高税率を下げるのももっとも、国際的なバランス論もしなければならぬ。だから私はそういう点で減税はこれはいいだろう、そう思っているのですよ。そうすると、ただ、それをやると財政がもたないということになってきたわけです。財政がもたない、どうしたらいいか、不公正税制があるじゃないか、不公正税制を直せば、がばがば幾らでもお金が出る。大蔵大臣、どうですか、出ますかな。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは御承知のように、今の租税特別措置法はもうぎりぎり切ってまいりまして、中小企業等々関連が多いのでございますから、なかなかそう簡単にまいりませんで、御指摘のように財政の事情は非常に苦しゅうございまして、今どうやって歳入補てん、赤字公債を六十五年度に脱却するかということに四苦八苦しておりまして、その後にもなお建設国債は残らざるを得ない、こういう実情でございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 不公正税制はちょっと時間をかけて少し具体的にやりたいと思うのですが、そうすると、それなら自然増収があるのじゃないか。自然増収がことしは何か三兆七千億もあるという話だな、三兆七千億円。そんなに税金が余分にどんどん入ってくるのなら、何も消費税なんてつくらなくたって自然増収、景気をよくすれば何ぼでも入ってくるから、その自然増収だけでどんどん減税やったらどうだという話があるのですが、大蔵大臣、どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その三兆七千億円でございますが、分析してみますと、やはり土地の値上がり、株の値上がり等が相当御承知のように大きゅうございましたし、また一部に円高差益というようなものがございまして、企業の収益が異常に高くなっておりましたが、それは今申し上げたような一時的な要因に基づくものが、ほとんどとは申しませんが、圧倒的に大きいように見られます。  弾性値は国民総生産に対して三・三三でございますが、これは過去の平均は一・一九でございますので、いかに異常であったかということがここからわかりますので、同じようなことが繰り返されるとは到底考えることができません。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 確かに内需拡大によって、政府の政策よろしきを得て、それで景気がよくなってきた、これは半分私はあると思います。しかし、今大蔵大臣が言ったように、去年からことしにかけての地価の高騰、これは非常に高騰をしておる。特に六十二年から六十三年にかけましては、国土庁の「地価公示のあらまし」という統計を見ましても、これで二一・七%上がった。全国の地価公示のあらまし、統計をとっているでしょう。だからべらぼうな値上がりなんですね。  また、不動産協会でつくっている全国市街地価格指数というものを見ましても、全国の市街地価格でも、昭和五十五年ごろが一〇八ぐらいのものが今一五四という数字に、特にここ三年間ぐらいがウナギ登りに上がってきたということですから、これが譲渡所得としてあらわれる。法人が借金を持っているために売却して、それで利益を得て計上しているとか、そういう問題が一つある、確かにある。  それから、その次は株ですね。株の急騰。これも何が原因か。一つは景気がいいということもありましょうが、一つは金余り現象という問題でしょう。株価がえらいことここのところずっと値上がりをしておる。そのことは、実際問題として非常に法人収益をよくしている。あるいは株の価格が上がって取引が非常に激しいために、大蔵省の有価証券取引税が意外なほど、一兆七千億とか八千億とかいうような意外な数字で大蔵省に転がり込んできておるということが言えるわけですね。  それから、もう一つは円高メリットなんですよ。円高メリット。これは安く外国から買ってくるんだから、安く末端まで売ってくれれば中間でもうけはないのですよ。しかし、安くなったものを安くしないと、だれかがもうけた話になるわけですね。だから電灯料だとか政府の目が光っているところは、こうやって全部下げろ、下げろ、下げろと言って下げさせているんですが、石油化学なんかは赤字だった関係もあって、ともかく円高メリット全部返すよりも、この際はちょっと設備投資に金かけてということになれば、やはりその設備投資に振り向けるのですから、資産の移転にしかすぎないわけですね。金はないけれども利益としては出てきちゃうわけですよ。  そういうようなところから法人税というのは予想外に出た。じゃ、来年もそいつを期待できますかなと。来年ももっと円が、今百三十五円だけれども百十円ぐらいまで上がってもらってもいい、そういうふうに期待をする。株もこれ以上もっと天井ウナギ登りに行っちゃって、もっとあと二、三〇%も上がってもらった方がいいのか。これは上がるどころじゃない。現在の株価は、これ秋まで維持できるのですかね、こんなこと言っちゃしかられるけれどもね。私は、来年までこれを維持できたら大変なものだ。株というのは上がりっ放し、下がったことがないということはないからね、あれは。坂というのは上ったきりでおりたことがない、そんな坂も聞いたこともないしね。山というのは登ればおりるに決まっているのですから。そんなものを、臨時的なものを、来年もそれを期待するということ自体が大間違いなんです。絶対にそういうことは期待はできない。  だから、ことしのこの自然増収というものは、見積もり違いは、今言ったようなものが半分起因する。来年は、しかしながらやはり順調な成長だけはやっていかなければなりませんから、これはいろいろな施策を国はお金を投じてやっていかなければならぬ。ある程度の成長、五、六%か四%か知らぬけれども、政府は四カ三分の二とかなんとか言っておるが、まあ四、五%なんでしょう。そこらの成長は私はやっていかなければならぬと思う。したがって、そういうものは当てにならない。  ただ、ことしのこの三兆七千億円という税収が余分にいずれにせよ転がってきた。また、歳出の不用額も三千六百億円もあった。そこで、公債金、つまり赤字国債を発行しようと思っておったのだが、思った以上に税金が入ってきたのだから発行する必要はないから、そいつはもうやめますよということで、引き算、足し算、両方をやると約三兆円ばかりの剰余金が見込まれるということが六十二年度決算ということになるのでしょう。三兆円余った、さあこれをみんな分けっこしちゃうかどうかという話なんです。  しかし、もともとこれは三兆円余ったといっても、税収がこんなに入ると思えば、ともかく十兆円も借金しなくてよかったはずなんです、最初からわかっていれば。最初からそんなに入ると思わないから、十兆円近い借金をしてしまったわけですよ。ところが余計に金が入ってきたから金が余ったということなんであって、また、借りないで、使い切れなかった金だけ返したということでしょう。一兆円だけは使わずに済んだ。けれども、本来は借金して七兆も八兆も使ってしまっているわけだから、本当は余った金じゃないんだ、実態からいえば余ったものじゃない。  例えば、一般の家庭で三千万円でうちをつくろうと思って銀行から三千万円金を借りた。ところが二千五百万円で上がっちゃった。物価が落ちついた、日曜大工やって手伝った、業者が非常に良心的だった、二千五百万円で上がった。五百万円余ってしまったわけですね。剰余金が出た、五百万円。これは新築祝いを大盤振る舞い、飲めよ歌えの大騒ぎ、そんなことをやるうちはないとは言えまいが、普通健全な家庭ではどうですかね、これはやらぬじゃないですかね。普通はそれは借金、利息のつくところへお返しします。それで利息のつく金は二千五百万円ですから、新築祝いは非常にささやかにやりますというのだけれども、国会になりますとそうじゃないのですね。五百万円余ったら、剰余金が出たのだから、大盤振る舞いでみんな分けてしまって、減税財源、こうなるのですな。おもしろいところだ、ここは。しかし、私は余り賛成しないのだ、こういうのは。賛成しない人もいるということを覚えておいてもらわなければ困るよ。  結局、三兆円が出ましても、このうちから地方交付税の財源にこれは当然にやらなければならないのが一兆一千億円あるわけです。地方交付税交付金、三二%、法人、酒、所得、上がった税金の三二%を口をあいて待っているわけですからね。はいと、ちょっと入れてやるわけだ、梶山大臣の口の中にぽんと。それはもう自治体の代表だから言われたってしようがないのだ。だから、そういうことでちゃんと地方財政に、特別会計に回します。だから、そこでなくなってしまうわけです、一兆一千億が。道路財源は道路財源で道路特会の方に自動的に流れていく、ガソリン税の上がりというものですから、これはなくなってしまう。そうすると、一兆八千億円しか残らぬわけですね、三兆円のうち一兆八千億円。これも純剰余金ではあるが、これは大蔵大臣、どうなっているのですか。本来からいえばこれは借金の方に幾らか回すのじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 法律の規定によりまして、半分は次の次の年までに国債整理基金特別会計に入れるということでございます。仰せのとおりでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 ということになると、九千億しか使えないという話なのですよ。本来からいえば九千億、法律を直さないと。だから、要するに減税財源は九千億しかないということなのです。だけれども、もう既に与野党で一緒になって法案をつくって通してしまったから、一兆三千億の大減税を。しようがないからこれは直してもらうほかないんですね、どうなのですか。これはやはりことしは借金返すために半分積むというのは取りやめという手続をとるほかないのですか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは実は今苦慮しておりまして、先ほどのお話でございますので、やはりできるだけ国債整理基金に入れるのが本筋であると考えておるのでございますけれども、なおこの六十三年度の経済運営をもう少し見ていたいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 結局今大蔵大臣の言ったことは、これは半分は速やかに借金の返済の方に回したい、しかし九千億じゃ減税財源が足らない。しかし経済の状況を見ていると、予算に組んだよりは幾らか余計に税金が入るかなというのを両にらみで検討をしたいということのようです。それはそれでまあいいでしょう。したがって、剰余金剰余金というけれども、そう打ち出の小づちでぞろぞろ出るもんじゃないですよということを知ってもらうために私は申し上げたわけであります。  そこで問題は、そうなってまいりますと、不公正の是正というものをやればもっと財源が出る。消費税なんかやらなくてもいいのじゃないか、不公正の是正をやれば。不公正の是正というのだが、不公正の是正というのは何を言っているかというと、普通言うのはクロヨンだとかみなし法人、医師税制、公益法人、宗教法人、キャピタルゲイン、リクルート、これも入るのだろう、この中に。それから高率外国法人税額控除。外同税額控除、法人税のね。それから法人間配当、貸倒引当金とか、そういうのがいっぱいあるわけです。  しかしながら、クロヨンの四というのは、では農家は四割しか税金を納めてない。では六割脱税している。そんなことはありません、これは。田んぼや畑の隠しようはありませんから。懐へ入れるわけにもいかないし、持っていくわけにもいかないし、全部収穫がわかってしまう。これはもともと所得がないのです。あるいは中小企業六、六しか納めてない。それはそうではなくて、税率が高いから家族で青色申告とかみなし法人とか同族会社とかつくって分散し合うわけですよ。所得の分散。月給取りになってしまうということです、みんなが。だから事業としての所得は少ないということですね。これは抑えようはありませんね。  公益法人。公益法人を無税にしている。これはピンからキリまでね。これは怪しげなものもあるかもしらぬけれども。しかしながら公益法人の、例えば育英会のようなものも実際は利息で運用している。利息からも税金を取るということにすると、さなきだに金利が今非常に安い、運営が困っている、それをさらに少なくしてしまうのかねという話になって、これもなかなか頭が痛い、正直な話が。  宗教法人、これもピンからキリまでいっぱいありますな。だけれども、これは事業をやる部分については課税しますよ、しかし物を買ったりなんかするぐらいは私、これはどうなのかな。公益法人はそんなに物を買わぬけれども、宗教法人の場合は物を買ったり建物を建てたりいっぱいすることがあるから、そこまで消費税を免税にする必要があるかどうか。そこらのところはちょっと要検討だなという感じですわ。  それからその次は、キャピタルゲインですね。キャピタルゲインとは何なんだという話になるわけです。キャピタルゲインというのは元来がどういうものかというと、物的な動産、不動産等の値上がり益、そう言えばいいのでしょう、一言で言えば。値上がり益ですね、それに課税しよう。したがって、土地それから書画骨とう、刀剣類とか株式とかそういうものが入る。だからそれに課税をしましょう。今まで結局これらについては、特に株だけが原則非課税ということになっておった。しかしながら大口取引は課税ですよ、一銘柄十二万株以上売ったら課税ですよ、それから年間に三十回以上売ったり買ったりしたものは全額課税ですよ、法律はそうなっている。なかなかつかまえ切れないなというところに問題がいろいろあるわけです。しかし、今回はそういうようなものに対しまして全額課税にしましょう、全部を原則課税、原則的にみんな課税にする、そういうふうに踏み切ったわけなんですね。それを踏み切ってこれを課税にしようということを、我々は目下政府と一緒に考えてやってきたわけであります。  課税にすると、また課税がなまぬるいという話が一つ出ているわけです。株の売買について、売り上げで一%課税というのは幾ら何でも少な過ぎるのじゃないか、株というのは売ったら五倍にも三倍にもなるんじゃないの、だったら半分以上取ったっていいんじゃないかとか。だけれども、一般の、特殊な場合はあるいはあるかもしらぬが、普通の場合はそんなに、株価全体が上がるというようなときには上がりますが、そんなに上がるわけがない。  ただ、過去十年間は非常に株が上がってきたことは事実で、特に五十七年以降の値上がりが激しいということが言えると思うのです。例えば全国の上場銘柄の総時価というものを考えてみると、昭和五十五年には八十兆だったのですね。五十六年には九十五兆で、一九%上がった。それから五十七年には百一兆ですから六%ぐらい上がった。五十八年の十二月には百三十一兆で、五十八年ごろから三割どんと上がったのですね。財産全体がふえた。五十九年には百六十七兆、二七%、株が全体としてふえた。六十年には百九十六兆ですから一七%またふえた。そして六十一年、ここが問題。六十一年には二百九十三兆になった。株価全体が二百九十三兆に膨れ上がった。したがって、約五〇%上がったのです。一年間としては全く異常な値上がり。土地の値上がり以上に膨らんで上がった。ただ、それで六十二年の十月には三百七十四兆までいったのですが、一遍十月二十何日かに暴落をしまして、それで十二月末には三百四十六兆になったわけです。幾らか落ち込んだ。六十三年には、六十三年六月、つい最近の株価の総額は、時価で四百四十四兆円。たった八年半で五・五倍になったということは事実です。  したがって、これで見る限り今まで急上昇してきたことは事実ですが、いつまで続くのか。アメリカは暴落してまだ、先ほど言ったように半分しか戻っていない、日本は戻しちゃったが。アメリカの景気の動向いかんによっては、非常に私は株価を維持すること自体が大変な問題を、いろいろ複雑な問題を抱えているんじゃないか。金利の動向、アメリカの景気、これはちょっとした引き金でぽんと下がる可能性もある。だからわからない。わからないけれども、この調子でどんどんどんどんウナギ登りにいっちゃうなんということは普通の常識のある者では考えられない。多少なりとも経済のことを知っている人では、そんなにウナギ登りで天井までなんということは考えられない。したがって、やはり常識的な判断に基づいて我らは物を考えなければならぬ。  したがいまして、株の売買については原則的に申告分離で利益の二〇%をいただきますという法律改正を今度政府は出しているわけです。ですから、何かリクルートだか何だかあるけれども、創業者が株を分けてやれば、そのときに二〇%いただき。市場で分けたんじゃない限り、市場じゃないんだから、幾らで分けた、二〇%はいただきということに当然これはなるわけです。個人間で売買して二〇%はいただき、こういうふうになるわけです。市場で売ったものについて、これも利益の二〇%をちょうだいしよう。  しかし、わからぬじゃないか、利益が幾らあるのだか。人によってまちまちだし、きのう買ってきょう売った人は幾らももうからないし、三年も持っている人はもうかるし、一々わからぬじゃないか。そこで大蔵省はみなしたのでしょう。売買すると大体五%平均、純然たる利益があるとみなしちゃった。ということは、売った買ったの手数料がありますからね。それは約一%以上、二%は乗っけなければならぬ。最低は一・二、一・二だから二・四になるけれども、だんだん少なくなるから往復二%乗っける。そうすると七%。金利、それから有取税というのを見ると、株の売買はいつでも粗利益は七・五か八くらいはあるんだという前提で、そこから必要経費を、今言った有取税、金利、それから手数料を引き算すると五%は残る。その五%の二〇%をいただく。だから、売り上げの一%になるわけですよ、売り上げの一%に。だから、一%、いかにも安いように見えるが、それは二〇%の天引きということなんでしょう。  だから、確実に二〇%ずつもうかるのなら、五%ずつ確実にもうかるのなら、それは株の勧めだわな。みんなで株だ、これから株しかない。どんどんどんどん株屋さんに頼んで、三百株も頼んでおいたら、まず三カ月——なくなるかもわからぬよ、それは。もっとふえるかもわからぬし。しかし、そこから先は、そう言ったからといって、これは夫婦別れが起きたとか財産減っちゃったとか、そこまで私は責任は持ちませんよ、それは。ただ大蔵省がそうみなしているというだけの話ですから。だから私はそれは何%に——それじゃ必ず利ざやは一五%あるとすべきなのか、八%程度しかないとすべきなのか、そこらは科学的な根拠というのは何かあったのですか、大蔵大臣。主税局長。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 ただいまおおむね委員からお話のございましたような考え方に沿いまして、五%というものをいわばみなしの所得率として出したものでございます。先ほどお話のございました平均的な市場におきますところの株価の上昇率、それから個人の投資家の方々の回転率というのもまた勘案をいたす必要があるわけでございます。そのほかございました利子、それから手数料等々を積算いたしまして平均五%ということでお願いをいたしたい、このような算出をいたしたわけでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 ですから一概にこれは、それは率が非常に安過ぎる、売り上げの一%というのは安過ぎるということは私も当たらないのじゃないか。だから、むしろそれはやってみて、安過ぎるようだったらまた上げればいいのでしょう、次の年度で訂正するということはきくんでしょうから。いずれにしても、今まで非課税のものを原則課税、二〇%の原則課税にするということは大きな前進である、私はそう見ていいと思うのです。ですから、こういうような面についていろいろ御意見がある方はどんどんおっしゃっていただいて、そうして国会の場で議論をし、そうして、なるほどもっともという点があれば私はその意見を尊重していくということが非常に大切ではなかろうか、そのように思っております。  ところで、時間の関係もございますので、ここでひとつ、リクルート問題というのが今大きな問題になっております。  そこで、今回のリクルートコスモス社の株式譲渡問題の事実関係、どういうふうな事実関係になっているのか、また、証券取引法との関係で違反であるとかないとかいろいろなことを言われておりますが、この事実関係はどうなっているのか、ひとつ事務当局から御説明をいただきたいと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 現在問題とされておりますリクルートコスモス株式の譲渡問題の事実関係についてまず申し上げます。  まず第一に、五十九年十二月の下旬でございますが、株式会社リクルートが同社の決算対策上の都合から、リクルート社が保有しておりますところの環境開発株式会社、これは実は六十年三月に名称変更いたしましてリクルートコスモス社になったわけでございますが、リクルートコスモス社の株式を売却することといたしまして、二回に分けまして、同年中に合計七十六名の者に対しまして、一株五十円額面、当時は五百円だったわけでございますが、五十円額面に換算いたしまして千二百円という価格で売却いたしております。その千二百円という価格でございますが、この内容は、リクルートコスモス社が保有しておりますところの土地とか合併する予定会社の保有する土地などを時価評価いたしまして、これを純財産額方式によりまして一株当たりに換算して算出されたものだということのようでございます。  ちなみに、これに先立ちまして五十九年十一月に行われました、株式会社リクルートコスモス社によります同社の従業員組合に対します第三者割り当て増資は、簿価に基づきますところの純財産方式をとっておりまして、これも五十円額面に換算いたしまして二百六十六円五十銭という価格で実施されておるわけでございます。  リクルートコスモス社は、その後、店頭登録等を控えまして安定株主対策のために六十年二月と四月に合計千五百万株程度を金融機関あるいは事業法人等に第三者割り当てを行っております。この価格は一株二千五百円でございます。この価格は、二千五百円という価格でございますが、将来の会社の収益の増加を見込みまして、類似合社比準方式によって算出しているものでございます。  その後六十年の十月三十日に株式会社リクルートコスモス社が店頭登録を行いまして、これに伴いまして分売を行いました。分売価格は、競争入札の結果五千二百七十円ということで値段がついておるわけでございます。登録前に譲り受けた方の一部の方がこれを売却いたしまして利益を得た模様であるというのが一応の事実関係でございます。  以上申し上げました事実関係と証券取引法上との関係について申し上げますと、まず証券取引法でございますけれども、この法律は、基本的には、一般投資家が参加いたしますところの有価証券売買に対しまして必要な投資家保護の措置を講ずることを目的とする法律でございます。五十九年十二月の株式売却について見ますと、店頭登録前の非公開株式の株式譲渡でございまして、売買それ自身が違法だとかなんとかという特段の制約があるわけでは有価証券取引法上はございません。  ただ、非公開の株式売却でございましても、七十六名というふうなことを相手に実施されたといたしますと、証券取引法第四条におきまして規定されております売り出し行為に該当するかどうか、その場合ディスクロージャーが必要であったかどうかといったことが問題になるわけでございまして、こういった点につきまして現在リクルート社との関係で事実関係を調査中でございます。  それから、証券業協会の規則との関係について申し上げますと、証券業協会の規則におきましては、発行会社の役員あるいは大株主といったふうな特別利害関係人が登録申請日の直前決算期の一年前以降に当該株式の移動を行うといった場合には、これらの関係者間で恣意的な利益配分等を行う余地があるといったふうなことからこれを禁止いたしておりまして、こういったことを行った場合にはそういった会社の株式の店頭登録は行わないといったことを申し合わせているわけでございます。この規則との関係について申し上げますと、五十九年十二月の株式の売却というのは今申し上げました禁止期間より相当前でございますので、そういった面からいいますと、この内規で規定する禁止の期間には当てはまらないといったふうな問題がございます。  以上が大体事実関係と法令の適用についての概要について御説明申し上げたわけでございます。以上でございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 簡単に今のやつをおさらいをすると、リクルート社という同族会社がまず五十九年の中ごろか、従業員に一株二百六十六円で分けました。それから今度はそれよりも少し後になって、株主をふやすために縁故募集で七十六人に——七十六人か七十六社かわかりませんが、千二百円で分けました。これは普通、相続税なんかするときとか同族会社の株を売買するときによくやるのですが、財産が時価で評価して何ぼある、そこから借金を引いて株数で割り算して一株幾ら。純資産方式とよく言っておりますが、それでやって千二百円で分けた。ところが、その後になって今度は、銀行とか、何か取引先なんかでしょう、それに千五百万株を二千五百円、倍の値段で売りました。そのときの評価額は純資産方式によらないで、自分と同じような業種をやっておるようなところで成績のいい会社、自分の方もいいからそのいい会社を見つけて、その会社の株が何ぼであるか、それを横目でにらみながら決めたという御説明だったと思います。  ところで、例えば金融機関が、五十円の額面の株を買って一〇%配当なら五円しかもらえないわけですね。五円しかもらえないのに、二千五百円出せば預金金利は三・七五とか何%かかっておるはずですから、当時なら四%か、四%の預金金利を払いながら〇・二%しか受け取らない。それでは金融機関はこれはどうですか、金融機関に迷惑をかけるのじゃないですか。そんなことばかり金融機関がやっておったら困るわけですね。これはどうなんですか、銀行局長。これはいいのですか、こういうのは。

平澤貞昭大蔵省銀行局長

○平澤政府委員 今、委員がおっしゃいましたように、結果的にそういうことになる場合もあるわけでございますが、銀行が株をそのような形で取得する場合にはそのほかいろいろな要素を考えまして取得しておりますので、例えば一つは、企業の成長性等を考えまして引き受けることによって将来いろいろ収益が上がるということもございますでしょうし、それから取引先企業ということでそのほかの取引を勘案しながら株を引き受けるということ等もございますので、問題は銀行法上特にそういう観点からはないということでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 結局これは銀行といえども商売でやっておるわけですから、損することはしないわけですよ。結局値上がりを期待をしているから、二千五百円よりももっと上がるだろう、だから買うのですね。  また、売るのに、安定株主になってください、うちの株を買えば必ず下がりますからどうぞお願いしますと言って歩く人はいないものな。下がります、必ず間違いなく上がらないか下がります、したがってぜひ持ってくださいと言う人はまず皆無でしょう、これは。また受け取る人もないのじゃないですか、普通は。だから、こういうことはやはり値上がり益を見込んで買っているということになるだろう。したがって、これはそういうふうな特殊関係者以外の株が表に流れているという場合もあるわけでございますな。だから、そういうような点でどの株がどこへ流れたかということは私はよく知りませんが、いずれにしてもそういう問題があった。  ところが、結局一般の問題はどういうことかというと、結局そんなに値上がりする株がわかる立場におれたちはないよ、だけれども、特定な人がそういうふうな値上がりすることの可能性をわかっておりながら縁故で譲ってもらったのだな、それならおれもそういうふうなうまいことをしたかったと思うのは人情の常だと私は思うのですね、これは。そこに一つの問題がある。それからもう一つは、二、三年で二倍にもなるのだったら、それは質に入れても、うちを担保に入れても、金を借りてでも買うのだったという人もそれはあって私は不思議はないと思うのですね。  ここで問題は、だから何が一体これは問題なのかということを考えてみますと、やはり株のことですから上がるか下がるかこれはわからぬわけですね、実際は。わからぬわけだけれども、私にも買うチャンスを与えろということなんでしょうな、一つは。それをやったのがNTTなんですね。  NTTはどういうふうなことをやったかというと、これだって最初はやはりNTTの株の売却というのを政府から——これは国有財産ですから、私の財産じゃないのだから、あれにもこれにも分けてやるというわけにはいかないですね。国有財産。だけれども、これは分けようがない。分けようがないから、NTTの株を六十一年に売り出すときにはどうやったのか。私は質疑応答している時間がないものだから自分でしゃべっちゃっているのだが、結局約二億株、五十円に直すと二億株、NTTは一株が五万円ですから、普通は五十円ですから、五十円株に直せば二億株、NTTの株式だと二十万株、これを入札したわけです。入札の仕方は、一人で百株以上ですよ、買う人は百株以上ですよ、最高は要するに二万株まで。普通の株で言うと最低十万株単位ですよ、最高二千万株までですよということですな。そこで入札をやった。そのときには、ともかく三〇%の証拠金といいますか、まず何かそういうものを納めなさい、証拠金というか何か知らぬけれども、手付金かな、三〇%。みんな百万以上と、こう思っていますから、だから最低でも三千万以上を納めなければまず資格がないということです。一番下で入れた人を聞いてみたら、百一万七千円で入れた人が一番下だった。一番上の人が二百四十万円で入れた。ということで、これは約千人くらいの人が入れたのですかね。かなりの多くの人が、二千六百八十八名の人が入札に参加をいたしました。そのうち六百七十九人が、この中に会社も少し入っていますが、その人が取りました。個人が百九十一名、会社が五百二社、これが上位として取りました。それで取ったのですが、これは公式なやり方。しかし、やはりこれだって庶民から言わせれば、おれに一億円なんという金ないじゃないか、せめて五十万とか百万とかというのなら話はわかるけれども、一億円以上出さなければNTTの株の入札に参加できないのか、不公平じゃないか、金持ちだけしか相手にしないのか、こういう議論が出ても不思議はないのですが、これはどなたが、理財局長かな、なぜ十万株単位、つまり一株五万円のものを百株単位にしたのですか。もっと細かくはできなかったのですか。

足立和基大蔵省理財局長

○足立政府委員 NTTの株の売り出しにつきましては、おっしゃるとおり今まで二回いたしてございますが、第一回のときには二十万株について入札をいたしてございます。この株数につきまして、ある程度の大口の株数にいたしましたものは、まず二十万株につきまして競争入札を実施していただき、値決めをするという意味でございました。そこで値が決まりましたところで、平均の落札価格によりまして残余の大部分、百六十五万株につきまして実際には売り出しを行ったわけでございます。したがいまして、まず二十万株について値決めをするという段階で一応の制限を設けたわけでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 けれども、なぜもっと細かく一株単位にしなかったかということでございます。

足立和基大蔵省理財局長

○足立政府委員 これは最初は値決めということで、大部分が後で売り出すわけでございますので、事務の手数、こういったようなものも勘案いたしまして百株以上二万株未満ということにさせていただいたわけでございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 今言ったように、もう事務が大変膨大な事務になって煩雑だ、だから大蔵省としてやりきれないから百株以上を保有資格者にしたということなんです。これはやむを得ないことでしょう。まして個人の私有財産、これを分配するときに、一般公募でそういうふうなことをやるかどうかということは、やれば一番いいのでしょうが、今後の検討課題として検討をしてもらいたい、そう思っております。  それから、その次の不満は何かというと、あの場合も江副さんが百何十万株か売って非課税だったじゃないか、非課税だった。今度はこれは課税になるわけですね、当然。主税局長、今度はもう課税になるわけですね。それで公開前に売ったものは二〇%課税。公開後はやはり今度は売り上げの一%をとるか分離にするか、どちらでもいいが、一%にする場合はその売り値の一%課税、そういうことですか。

水野勝大蔵省主税局長

○水野(勝)政府委員 ただいま御提案しておりますものでは、すべてとにかく課税でございます。今お話のございますように、公開前のものでございましたらば、その差益の二〇%を分離課税で申告していただく、それから公開後のものでございますと、そこは御選択でございます。二〇%の申告分離方式を御採用になるか、あるいは先ほどお話のございました、売却価格の五%が利益であるとしてその二〇%、結果として売却価格の一%の源泉徴収でもって完結される方法をお選びになるか、どちらかを御選択になる。しかし、いずれの場合におきましても、とにかく原則課税でございます。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 ですから、これからはそういう非課税問題というのは起きないんですよ、この法案が通れば。ただ、そういうふうに、自分の、創始者が持っている株はコストがわかっているんだから、そういうものをコストがわからないものと同じ扱いをするのはいかがなものかという議論は、それは私はあって差し支えないんじゃないか。  しかしながら、それに二〇%課税ということは、結局六%の地方税が乗りますから二六%課税ということになります。だけど、二六%くらいなら他人様に放出してもいいと思うか、あるいは十年がかりでともかく相対売買で何か売るか、あるいは何かうまい方法を考えるかというようなことで、少しでも楽なことを考えるというのはあるいは人の常かもしれない。問題は、その株式を皆同族支配で、全部同族で持って他人様は入れない、自分らだけでやる。有名な会社、いっぱいありますよね。お得意さんだとか何か、名前は言いませんが、何十社と、かなり有名な会社でも株は公開しないというのがいっぱいありますが、やはりこれはどうなんですか、日本の将来の考え方とすれば、同族支配ばかりよりも、たくさん他人様も入れてガラス張りの経営にやらした方がいいということの方が国の証券行政上いいのか、どちらですかね。これは大蔵大臣にお尋ねします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 基本的には自由だということになるわけでございますけれども、証券取引法等々が考えておりますのは、やはり公開ということが企業のためにもまた取引所のためにも好ましいということで、なるべく公開を助けるような、例えば安定株主などもそうでございますけれども、あるいは創業者利益もそうでございますが、そういう考え方に立っておるものと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 そこで、いずれにせよやはりもやもやしたのを取らなきゃいかぬと私は思うのですよ。だから、最大限理にもかない、世の中の人がまあまあしようがないだろうなというようなことで、もうすっきりした形のもので、しかも日本の証券の育成、民主化の妨げにもならないし、外国へ持ち出して外国で売るというようなことにもならないというようなことでいい案があったらひとつ御検討願いたいし、野党の皆さんにも、いい案があったらぜひともこういうところへ出してお互いに大いにディスカッションをしていただきたい、そう思います。  いずれにせよ、我々は不公正の是正ということについては今後とも一生懸命やっていきますが、直ちにそこから何兆円なんという金は出ない、これだけは、私はそう思っているのですが、大蔵大臣、どうですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 先ほども申しましたように、租税特別措置法等々によるいわゆる不公正と呼ばれますが、それはそれなりの政策目的なりなんなりがいろいろございまして、国会でお許しを得て法律になっておるものでございますので、だれが見てもおかしいといったようなものはないはずでございます。ただ、その場合、どれだけ政策目的を加味するかということと税制の公平感というものとのバランスがございますので、そういう点では今後とも改善を進めてまいりたいと思いますが、突然大きな金がそこから降ってくるというようなことは、これは考えられないことだと思います。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 我々も不公正の是正ということについては今後も努力をしていかなきゃなりませんが、そこから宝の箱をひっくり返したように、宝石箱をひっくり返したように大金が出てくるということはなかなかないということも知ってもらえればありがたい、そう思っております。  その次に、いよいよ時間がなくなっちゃったのですが、本命の消費税の話に入らなきゃならぬわけですが、いずれにせよ、我々はそういうことを直しながら一方で減税をする。費用は先ほど言ったようになかなか切れない。かかるものはかかる。むだはなくす。しながらも数兆円の金をひとつ何とかしなければならぬということになれば、減税財源が主たる目的ではございますが、当然それについてはまあ間接税でひとつ賄うということは考えられるのは当たり前のことだと私は思うのです。  ヨーロッパはどこの国でも、直接税、所得税と法人税にだけおぶさって国の財政を守り、そして内需拡大もそれでやり、それから社会保障も教育も全部所得税でみんなそれをやるんだ、直接税でやるんだといっても、理屈はそういってもなかなか現実は、社会主義大統領のフランスでさえできない。したがって、フランスでも半分は間接税でやっておる。消費税だ。イギリスもドイツも四割ぐらいは消費税だ。日本も昭和三十年から四十五年ごろまでは四割ぐらいは間接税、消費税でやってきているわけですから、だから今のように消費税が二割しかないというようなことなら、やはり直間比率を直すという自民党の選挙公約、これは党の選挙公約なんですよ。直間比率を直す、その直し方については学者先生方、税調の意見を聞いて決める、これが本当の公約。総務会決定しているわけですから、その公約に従って今回は政府が案を出された、私はそう考えておるわけであります。  そこで、ビール一本飲んでも百五十一円取られる。ビール一本飲んでも。マイクでも一〇%か一五%かかるのでしょう、これ。腕時計にしたって二〇%か幾らかかかる。カメラも一〇か一五はかかる。フィルムもかかる。まして電気冷蔵庫、洗濯機、ルームクーラー、こういうものは二〇%ぐらいの、大型二〇とか小型一五とかいう物品税がかかる。しかしながら、私の着ている洋服、こういう洋服は、きょうは余り高いの着てこなかったけれども、これはやはりそれでも十万円はしますから、八万円しますから、これだって、一円もこれは税金はかからない。じゅうたんも一〇%税金がかかる。机は、安い机は八万七千円以下はかからないが八万七千円以上の机は二〇%かかる。応接セットも十三万円以下はいいけれども十三万円以上は二〇%かかる。自動車は、小型自動車が一八・五で大型が三〇%。しかしながら特別措置法で二三%におまけしてありますがね、本則は三〇%ですよ、あれ。そうすると、今どき自動車とかルームクーラーとか冷蔵庫とか、そういうものはぜいたく品か、テープレコーダーとかテレビとかはぜいたく品なのか。みんな持っているのじゃないか、子供まで持っているのじゃないかということになるのですね、これ。そうすると物品税間のアンバランスもあるから、これはひとつこの際はみんな一律に三%ぐらいにしたらどうだ。前のときは五%にしたけれども、高い高いと言われたから、だから今度は三%にしたらどうだということだろうと思うのですね。  今度消費税が出てみると、いや不正確でないかとかいう議論があるのですが、この前は税額票というのをこしらえて取引のたびにどんどんくっついてくる。正確なんですよ、物すごく正確。正確なんだけれども、それじゃ手数がかかってしようがない、手間暇が大変だ、コンピューターが大変だ、やめてくれという話だから、それじゃ今度は手数がかからないように売り上げと仕入れと計算して、それで引き算して差額で三%納めればいい、こうしたのじゃないですか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 御指摘のとおりでございまして、帳簿であるとか簡易課税であるとかいうようなことは、厳密に申せばそれは幾らか正確さを犠牲にしておるかもしれませんが、やはり中小企業の方々を考えますと、余り厳しく申しましたらそれは大変なお手数もかけるということを思いましてさようにいたしました。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 それからもう一つは、売上税のとき非課税品目が多い。非課税品目が多くて、それは非常に、デパートで売っているもの、食料品だからこれは非課税だ、こっちの別のものは課税だ、みんなそういうことがあって仕分けが大変だ、とてもじゃないが容易じゃないという騒ぎがあったから、今度は非課税をなくそうとしたわけですね。私も討論会か何かへ行ったら、漫才をやる人にしかられましてね。何で漫才とか落語が課税になって歌舞伎とかなんかが何で非課税なんだ。あれは昔から文化芸能で伝統的なものだと言ったら、落語だって何だって日本にだけしかないのじゃないか、これは、ばかにするなと私はしかられたことがありますよ。それから、お産が非課税なのに何で葬儀は課税されるんだ。好きこのんで死ぬ人はいないじゃないか、どこに行ったって。お産は優遇されて、死んだ人は粗末にされる、罰当たりと私言われたことがあるんですよ。  今度はそれがなくなったわけですね、全部。それは公平にするということになると、全部なるべくそういうものはない方がいいということで、そのかわり全部薄くしよう。ところが、三%じゃ転嫁できないと今度言い出したのですね。この前は五%じゃ重過ぎる、もっと下げろ。それで三%にしたのですよ。一%にしたらなお転嫁できなくなるのですね。だから三%あたりが転嫁の限界。したがって、これは転嫁をさせるように法律、指導その他できちっとやる必要がある、そう思っているわけであります。  いずれにいたしましても、これは逆進性がある、そういうことを言われますが、実際逆進性国家なのか。じゃ、ヨーロッパはみんな逆進性国家だな、先進国はみんな逆進性国家、そういうことになるわけですなそれはそういうわけがない。やはりだれもが少しずつ払うが、しかし社会保障その他のそういうものを受ける人については、それは社会保障、生活保護費を上げるとか老齢福祉年金に配慮するとか、総理大臣、もう最後ですからね、これはちゃんと配慮するんでしょう。法律に書いてあるわけですが、どうですか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まさに私が前国会で六つの懸念というものを申し上げたその最初の三つが、税金を納めていない人、それから低所得者の人、中堅所得者の人、それらについては、税制全体で措置すべきものと、今御指摘のような社会保障政策、財政歳出の出動と相まって措置するものとがあって懸念は中和できる、このように申し上げており、そのような法律を提出しておるわけであります。

渡辺美智雄自由民主党

○渡辺(美)委員 いずれにいたしましても、これはまだ初めてのことですから、我々が頭の中で考えても、大蔵省幾ら頭がよくても思いがけないような話があると私は思うのですね。ですから、やはり公聴会とかあるいは野党の皆さんからの御意見とか謙虚に承って、これは全くそうだなと思うところは私は直したらいい。したがって私は、簡易税率〇・六%適用、これは五億円にするなんというのはちょっとこれは間違いじゃないか、もっと引き下げるべきだ、もっとやり方、方法、工夫が要るな、不公正拡大じゃないかというような点は技術的にあります。したがって、これは技術の問題ですから、今後の議論を通じて御検討をいただきたい、そのように考えております。  いずれにしても、みんなが薄く広く払うことによって勤労者が、特に四十五から五十五くらいの人が十五万、十六万、所得税と住民税が二十万以上も減税になる、そして消費税を差し引いても十五万程度の減税になる、そこらを厚くしたという税制は、私は大体実情にかなっている税制である。  それで、独身者がメリットがないと言うけれども、いつまでも独身なわけじゃないし、いつまでも二十五なわけじゃないし、五年たったら二十五は三十になる、三十は三十五になるわけだから、そういうことで一時的にメリットの少ない人もあるかもしらぬが、しかしそれによって社会保障が守られ、それによって年金が配られ、医療費が維持されるというなら、私は国家の医療補助が行われて老人医療が守られていくのならばその方がいいじゃないか。それがもしどうしても財政が足りなければ歳出カットせざるを得ないわけですから、一部負担を上げるとか年金をもっとアップ率を少なくするとか、ないものはどうしようもないんだ。借金政策だけでやればインフレになるんだから、インフレになったときにだれが一番困るんだ、インフレになったとき一番困るのは、それはやはり弱者が一番困るのですよ。それは預金で貯蓄したまじめな人が一番困るのですよ。インフレ懸念が全くない、そんなことはありません。インフレ懸念はいっぱいあります。やり方なんです。だから、これは五年も十年も放漫財政をやればインフレになる。やはり限界であると私は思います。  どうぞそういうことでひとつ慎重に検討しながら、ぜひともこの税制改革はなし遂げるように総理及び閣僚皆さんにお願いをいたしまして、私の演説を終わります。ありがとうございました。——質問を終わります。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。  矢野絢也君。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、当面の重要課題について、総理を初め関係閣僚の皆さん方に御質問をしたいと思います。  潜水艦の衝突事故であるとかリクルート問題であるとか、あるいは政府が今提案されようとしておる消費税の問題等々、極めて重要な問題が本臨時国会のテーマにのっておるわけでございます。したがいまして、私は、演説ではなくして質問を冷静かつ真剣に申し上げたいと存じております。総理を初め閣僚各位の具体的な、また誠意のある御答弁をまず最初にお願い申し上げたいと思います。  最初に、過日の横須賀沖で衝突をし、三十名の方々の死者を出した海上自衛隊潜水艦「なだしお」、遊漁船第一富士丸との衝突事故についてお尋ねをします。  最初に、今回の事故で犠牲となられました多くの方々の御冥福を心からお祈りを申し上げますとともに、御遺族の方々に対して謹んでお悔やみを申し上げたいと存じます。  この問題をお尋ねするに当たりまして、私並びに我が党は、反自衛隊という立場で質問をするつもりはございません。公明党は、憲法で許されておる領土、領空、領海、この領域を保全するための能力は必要である、このような認識に立った政策を主張しておる政党でございます。とともに、過剰な攻撃力を持って他国に脅威を与えるようなことがあっては万々相ならない、このような立場もとっております。なかんずく、こういった憲法で許されておる領域保全能力というものを持つためには一にも二にも国民の信頼というものが根本である、とともにシビリアンコントロールということが極めて重要である、このような前提に私たちは、当然皆様方も同様だと思いますが、立っておるわけでございます。  そこで、今回の事故の問題につきまして、そういう前提でお尋ねをしたいと存じますが、防衛庁は当初、海上自衛隊には責任はない、こういった意味の態度をおとりになっておったようでございます。しかし、その後、海上保安庁の調査、関係者の話あるいはマスコミの報道等によりますと、やはり大きなウエートで潜水艦側に責任があるのではないか、こういった見方が強まってきておるわけでございます。あれからかなりの日数がもう経過いたしまして、政府も鋭意原因の調査に御努力であろうかと存じますけれども、今日までの調査で、どちらに責任があったのか、この辺についてまず総論的にお答え願いたいと存じます。これは、防衛庁と運輸省、海上保安庁にお願い申し上げたいと存じます。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 事故発生以来、海上保安庁といたしましては、衝突事故の原因について究明をいたしておりまして、ただいま御質問ございましたように、防衛庁の潜水艦とそれから第一富士丸、双方の艦長及び船長について、法令違反のおそれがあるということで取り調べを行っているところでございます。  現在まで、まだその責任の度合い等については確定いたしておりませんので、詳細は申し上げられませんが、双方に責任のおそれがあるということで捜査中であるということで御理解を願いたいと存じます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 双方に責任のおそれがあるというのじゃ、これは聞いている方がさっぱりわからないわけでございます。  ですから、具体的にお尋ねをしたいと思いますけれども、私どもの党の調査あるいはマスコミ等の情報によりますと、具体的に次の八点が当面の問題ではなかろうかと私は思います。過日、連合審査において、各党委員から真剣な質疑があったわけでございますので、そういったことはもう重複を避けて、その後の問題として私は八点あるのではないか、こういうふうに思います。  第一点は、潜水艦「なだしお」は初め、右舷前方二千五百メートル離れた地点で第一富士丸を確認。  第二点は、「なだしお」は航路帯を横切る際、左舷前方にヨットを発見した、警笛を鳴らすのみで、回避動作をとらずにそのまま直進した。  第三点は、ヨットが遠ざかった後、直進することにためらいを感じ減速をした。  第四点は、その際、潜水艦の右舷の見張りをしていたのは艦長自身であった。  第五点。その後再び直進の意思を固め、全速前進を行った。  第六点。第一富士丸との距離が二百メートルに接近したところで右かじをとるよう指示したが、その時点で既に衝突は避けられない状態であった。  第七点。しかも、実際に回転したのは、富士丸との距離が百メートルしか離れていない地点であり、瞬く間に衝突ということになった。  第八点。第一富士丸が左かじをとったのは、潜水艦が右かじをとったときよりも先であった。  以上八点、これが事実であるかどうかは、私には確認する方法がございません。  そこで、まず、自衛隊並びに調査に当たっておられる保安庁にお尋ねをしたいわけでございますが、一遍に聞いてもあれでございますから、第一点の、潜水艦「なだしお」は初め、右舷前方二千五百メートル離れた地点で第一富士丸を確認した、第二点、「なだしお」は航路帯を横切る際、左舷前方にヨットを発見したが、警笛を鳴らすのみで、回避動作をとらずそのまま直進した、以上二点についてまずお答えを願いたいと思います。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 まず、あらかじめお断りさせていただきたいと存じますが、先ほども申し上げましたように、私ども、現在事実関係について調査中でございます。必ずしもすべての点についてまだ調査が完了してないということ。今、関係者の供述等をとっておるわけでございますけれども、当事者それぞれ供述内容が一致してない点が幾つかございます。また、船の実況見分等の結果の検討についてもまだ済んでおらない点もございます。さらに、海上交通センターのレーダーの航跡等からの分析も行うこととしておりまして、それもまた完了していないわけでございまして、そういったまだこれから調査を要する作業がいろいろございまして、ただいま先生が御指摘のありました諸問題につきましても必ずしも十分解明されたわけではございませんし、また今後、調査について事実が一部、次第に解明されてくるとは思いますが、私どもがどの程度まで事実を解明したかということは、捜査の段階におきましては、場合によっては当事者間に今後その供述を自分の方に有利に変えようという動きも出てまいりますので、解明された事実につきましても、それをその都度申し上げるということは、捜査の途中の段階では差し控えさせていただきたいというふうに考えております。  ただ、ただいま御指摘のございました二点について申し上げますと、私ども、「なだしお」艦長から事情聴取を行っておりますが、当初の艦長の供述では二千五百ヤードのところで視認したということを言っておりまして、私ども今まで、前回の合同審査委員会では私から二千数百メートルというふうに申し上げましたが、その程度の距離であるというふうに御理解願いたいと思います。  それから、ヨットについての回避操作につきましては、これもいろいろ供述が違っておる点もございますし、この辺も捜査の核心に触れる点でございますので、これ以上の詳細についてはお答えを避けさせていただきたいと存じます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 お立場、また、おっしゃっている理由は決して私どもわからないわけではございません。しかし、今国民の関心は非常にこの問題に集中しておるわけであります。ですから、例えば艦長側はこういうふうに言っておる、漁船側はこういうふうに言っておる、事実はこれからの解明である、真相はこれからだ、こういった言い方はやはり本委員会においてなさるべきではなかろうかと私は思います。  そういう意味で、今、第一点はお答えいただきましたが、第二点、警笛を鳴らすのみで、回避動作をとらずにそのまま直進したという点、これについて重ねてお伺いをしたいとともに、第三点の、ヨットが遠ざかった後、直進することにためらいを感じ減速をした、第四点、その際、これは私、艦長自身を責めるつもりはございませんが、潜水艦の右舷の見張りをしておったのは艦長自身であった、そして第五点、その後再び直進の意思を固め、全速前進を行った、この点はいかがでございますか。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 第三点の、「なだしお」が、ヨットが去った後、直進することをためらい、減速したという点でございますが、その点につきましては、第五点の、「なだしお」艦長は再び直進の意思を固め、全速前進を指示した、これとあわせてお答えいたしたいと存じますが、「なだしお」は当初十一ノットで航行しておりましたが、ヨットを発見した前後において十ノットに減速され、後ほど十一ノットにまた戻しているということでございます。  それから、見張りの状況につきましては、右舷の見張りは艦長が行っていたというふうに聞いております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 自衛隊に伺った方がいいのかもわかりませんが、潜水艦の最大速力は大体十二ノットぐらいである、このように私は聞いておりますが、間違いございませんか。

長谷川宏防衛庁教育訓練局長

○長谷川(宏)政府委員 そのとおりでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 でありますと、十一ノットというのは、あの横須賀沖において、潜水艦の最大の能力と言われる十二ノットに近い十一ノット、全速前進をしておった、このように言わざるを得ません。  それから第六点。第一宮士丸との距離が二百メートルに接近したところで右かじを切るよう指示したが、この時点で衝突は避けられない状態であった。  第七点。しかも、実際に回転したのは二百メートルじゃなくして、富士丸との距離が百メートルしか離れてない地点であった。  第八点。第一富士丸が左かじをとったのは、潜水艦が左かじをとったときよりも先であった。  この三点についていかがでございますか。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 まず初めに、先ほど私が御答弁申し上げた点で訂正させていただきたい部分がございます。  それは、第四点に関して、右舷の見張りは艦長が行っていたというふうに申し上げましたけれども、艦長が右舷にいたということは確かでございますが、見張りの状況等については、どのようにして、だれが行っていたかということについては、現在調査中でございまして、御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。  それから、第六点、第七点、第八点のただいまの御質問につきましては、この衝突事故の責任関係を明らかにする上で極めて重要な点でございまして、非常にまた微妙な問題でもございますので、大変恐縮でございますが、この席で申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私は、冒頭に申し上げたとおり、決して私は、反自衛隊とか理屈抜きで自衛隊けしからぬとか、そんなことで申し上げておるわけではございません。国民の信頼を回復するという意味におきましても、この際、明快にただすべき点はただすことこそ国民の信頼にこたえることでもありますし、また、被災された方々、遺族の方々に対する最大の誠意であると私は思うから伺っておるわけでございまして、確かにお立場として言いにくいことであろうかと思いますが、本当の意味の真相はこれからいろいろな公式の場で争われるわけでございます。ただいまの状況における海上保安庁としての御認識をぜひお話をしていただきたい、そういった前提条件、保留条件つきでもいいから、ただいまの認識をお答えなさるのが国民の期待にこたえることではないかと思いますので、重ねてお尋ねをいたします。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 最初に申し上げましたように、捜査の途中の段階で事実関係について詳細に御報告申し上げることは、供述の内容が当事者間でそごしているような場合には、それぞれを明確に言いますと、その当事者がその相手の供述を見て、自分の方にそれをどう有利に言ったらいいかというようなことを、使う、考える材料にもなるわけでございまして、大変ただいまの点、微妙な点でございますので、まことに恐縮でございますが、この点については御勘弁を願いたいと思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 あんまりくどくは言うつもりはございません。  では、例えば潜水艦が右かじを切るよう指示し、右回転を始めたのは千メートル以上距離があった段階でしょうか、あるいは五百メートルぐらいだったのでしょうか、あるいはそれ以下だったのでしょうか。別に二百とか二百十に私はこだわりはしませんから。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 どの時点で右へ旋回したかということは、潜水艦の航行の性能とも関係いたしまして、私ども現在、潜水艦の性能につきまして防衛庁側から資料をいただきまして、それの分析を行っておるところでございまして、正確なことをまだ把握もしておりませんので、これ以上のお答えを申し上げる段階にございませんということを御理解願いたいと存じます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 少なくとも右かじを切るよう指示したのが二百メートルぐらいのところだ、実際回転できたのが百メートルぐらいのところだということについては真っ向から否定されなかったと、私はそのように受けとめておきたいと思います、これ以上あなたに聞くのもいささかお気の毒という惑じがいたしますから。ただ、今私が八点に分けてお尋ねしておることは、まさにこの事件の真相そのものに迫るポイントだという意味でお尋ねをいたしました。ぜひ今後の捜査におきましても、これらの点について明確な報告を国会でされますことを強く要請をいたしまして、次に行きましょう。  決めつけるわけではございませんが、我が党はそういった認識を持っておるわけでございます。ですから、これは仮定ということになってしまうのかもわかりませんが、私はこれはほぼ真相に近い状況であると認識をいたしております。したがって、私は真相だと思っておりますが、政府側は仮定だということでも結構でございます。これを事実として仮定いたしますと、仮に第一富士丸に多少の過失があったといたしましても、自衛艦は海上衝突予防法五条の見張り義務、六条の安全な速力義務、これは最大速力は十二ノットだ。十一ノットで航行しておったというわけでございますから。あるいは十五条の避航船の回避義務等に違反しておるのではないか、このような認識を持ちます。さらにまた船員法に定める十三条、救助義務、これは私、質問いたしておりませんが、連合審査で明らかになっておるところでございますが、こういった救助義務さえ果たしてない、こういった疑いが持たれるわけでございますが、この点いかがでございましょうか。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 私から最初に、現在の捜査についての法律関係の適用問題について御説明いたしますと、ただいま御質問のございました海上衝突予防法第五条、第六条、第十五条あるいは船員法第十三条に違反したかどうかということについて、現在調査を行っているところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 そういった違反をしたのではなかろうかという容疑をお持ちであるからお調べになっておる、このように私は理解いたしますが、それでよろしゅうございますか。

山田隆英海上保安庁長官

○山田(隆)政府委員 そういうおそれもあり得るということで現在調査をしております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 総理、お聞きのようなわけでございまして、私も決して、裁判官じゃございませんのでここで断定的に事柄を決めつける、そういった言い方をするつもりはございませんが、やはりそういった疑いが持たれる状況であるということは、最低限今までの御答弁でも明らかでございますし、またマスコミの情報あるいは私どもの調査によりましても、私が指摘したこの八点はほぼ正確に事実を反映しているのではなかろうか、こんな判断を持っておるわけでございます。  そこで、総理、本会議で、潜水艦側もそのときどきの最善の措置を講じてきたという報告も受けており、それなりに理解できる、このように仰せになっておるわけでございます。総理のお立場として、そういう言い方をなさりたいお気持ちもわかります。しかし事柄は、総理は自衛隊の最高責任者であるとともに、シビリアンコントロールの最高責任者でもいらっしゃるわけでございます。でありますから、そのときどきの最善の措置を講じてきたという報告も受けており、それなりに理解できる、だけでは、ちょっと亡くなられた方々やあるいは遺族の方々に対して礼儀的にも済む話ではないという気がいたしますし、今申し上げたような八つのポイントについての重大な容疑という前提に立つならば、やはり明確にこの際謝罪をされるということが、むしろ自衛隊の信頼を高めるためにもいいんではないかという気がするのでございますが、総理、いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今回の事件が起きまして、私も、今矢野委員長から適切な御指摘をいただきましたが、率直に申しまして、たとえ不規則発言のある中とはいえ、私なりにいかなる表現でもって自分の真情をあらわすかということで、実は言葉を選び、一生懸命文言も探しました。したがって、私が、今回の事故が海上自衛隊を一方の当事者とするということである限りにおいて、多くのとうとい生命が失われたことは痛快のきわみであり、まことに遺憾この上もないことでありますという言葉を実は選んだわけでございます。  しかし、こうした非常に静かな問答をいたしますときに、私もその真情を申しますならば、その事故責任がいずれにあれ、自衛艦そのものが一方の当事者でありましたから、素直に御迷惑をかけましたと申し上げるのが至当である。きょうその機会をお与えいただいたとすれば、私自身にとっても気持ちの幾ばくかでも整理のできる機会であったというふうに意識をいたしております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 総理が真情あふれる御答弁をなさったものと、私も感銘深く拝聴いたしました。先ほど申し上げた八つのポイントその他いろいろ問題があろうかと思いますが、真剣に解明に当たっていただき、この責任を明確にし、今後の再発防止に総力を挙げていただきたいことをぜひお願いしたいと思います。  そういった立場から、ちょっと昔にさかのぼるのでありますけれども、昭和三十年以降、自衛艦が絡む海難事故というのは十五件あったと聞いております。自衛艦側に主な原因が、その一因があるというのは九件だと言われております。二人が死亡されておる大変気の毒なことだと思います。  特に五十三年九月二十日の「うみたか」の事故、五十九年五月十二日の潜水艦「ゆうしお」の事故は、今回の事故と非常に似ておるケースでございました。この過去における潜水艦の二件の事故後、自衛隊は再発防止のためにどのような対策をおとりになったのか、参考のためお聞かせいただきたいと存じます。

長谷川宏防衛庁教育訓練局長

○長谷川(宏)政府委員 御説明いたします。  五十三年に我が方の駆潜艇「うみたか」が津軽海峡の西口で、訓練の終了後、錨地に向けて航行中、漁場に向かっていた漁船と衝突いたしまして、相手船が転覆し、一名の方が亡くなられました。これは我が方の判断及び処置の不適切ということが主要原因になっております。  それから五十九年の潜水艦「ゆうしお」、室戸岬南方におきまして、潜望鏡が水面に出るあるいは出ないぐらいの深度におきまして、左の艦首方向から接近してきました五万トンの一般船舶に気づかずにこれと衝突いたしまして、艦首部分に損傷を受けました。また相手船にも損傷を与えたわけであります。これは艦長の潜望鏡観測の不適切ということが原因でございました。  で、五十三年の駆潜艇「うみたか」の事故につきましては、回避義務のありました「うみたか」の判断及び処置の不適切が主要原因でありましたので、事故後「うみたか」の乗員に対しまして、海事法規、見張り等についての教育、それから操艦についての訓練をやりますとともに、これは大湊地方隊の所属でございましたので、大湊地方隊の艦艇運航幹部に対しまして、海事法規及び艦船の安全について講習を実施いたしました。  昭和五十九年の潜水艦「ゆうしお」の事故は、艦長の潜望鏡観測の不適切が主要原因でありましたので、第一潜水隊群隷下の各潜水艦乗員に対しまして、潜望鏡観測技量の向上、艦長補佐体制の確立について教育訓練を徹底いたしますとともに、自衛艦隊司令官から隷下の部隊等に対し、基本操作の確実な実施、それから戦術運動中の判断力の涵養、それから艦長補佐体制の確立につき注意喚起を行ったわけであります。  以上でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 つまり、総理、今の御答弁をお聞きのとおり、駆潜艇「うみたか」の乗員に対して教育や操作法、操艦についての訓練を実施した。「うみたか」が所属する大湊地方隊の艦艇運航幹部に対して講習を実施した。あるいは潜水艦「ゆうしお」につきましては、この「ゆうしお」が所属する第一潜水隊群司令官から指揮下の各潜水艦乗員に対して教育訓練を徹底した、あるいは自衛艦隊司令官から注意を喚起した。つまり、事故を起こした当事者に対しての訓練はおやりになったようでありますが、事故を起こした——まあ二度とやることはないと思いますよ、あるかもわかりませんけれどもね。むしろそれを他山の石として、全海上自衛隊あるいは陸海空三軍に対して、徹底した注意と訓練を与えるというのが本来とるべきことであったと私は思いますが、極めて部分的あるいは局部的な対応に終わっておられるということが過去の事例であったということを、総理、ひとつ御記憶にとどめておいていただきたい。でないと、今度の本当の意味の再発防止の対策にはならないということを御注意申し上げたいと存じます。  さて、次に伺いたいことは、この東京湾、特にこの浦賀水道付近はわずか四キロメートル、一日七百隻と言われておるわけでございます。最も危険なところである。しかも信号もない航路帯を自衛艦が次々と横切るという形で航海をしておられます。一般的に見て、この付近は最大の注意をして航行をすべきところでありまして、海上自衛隊は、具体的なこの水域における航行方法について今まで指示しておられたのかどうか、指示しておられたとすれば、その内容についてお知らせをいただきたいと思います。

日吉章防衛庁防衛局長

○日吉政府委員 お答え申し上げます。  私どもは、従来から東京湾のように民間船舶の多い航路の横断につきましては十分の注意をいたすようにいたしておりまして、例えば周辺航行船舶の状況をレーダーや見張りで把握するとか、あるいは水上艦艇の場合には海上交通センターからの情報を入手しまして、船舶を十分安全にかわすことができる地点を横断するとかそういうことを指導いたしておりますが、これは、運輸省の方でお決めいただいております東京湾における航行の安全に関します留意事項を踏まえまして、私どもの方でも独自に、例えば「編隊航行の制限」とか、あるいは「航海保安の励行」とか、「航行安全指導事項の遵守」とか、あるいは「訓練海面及び訓練項目」を制限するとか、こういうふうな措置を講じてきております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 つまり、法律とかそういったものではないけれども、自衛隊として、第一点は「編隊航行の制限」。あの東京湾の先の方から北の方の海域においては編隊行動の実施を制服する。第二点は「浦賀水道航路における航海保安の励行」ということで、同水域の航行に際しては十分な余裕を持って航行の安全を確保する。その他いろいろとあるわけですね。しかし、先ほども言いましたように潜水艦の最大スピードは十二ノットである。なぜそうなったのか。これは艦隊で行動しますと、例えば護衛艦は二十ノット以上であるというような、もっとスピードの速い船がたくさんあるわけです。それと一緒に、俗な言葉で言って、行列をつくって艦隊行動をとれば、いやでも応でも潜水艦は最大スピードを出さざるを得なくなるわけです、無理して。潜水艦だけ五ノットぐらいで行きまして、あとの護衛艦が二十ノットじゃ、これは艦隊航行にならぬ。だから艦隊航行をやっちゃいかぬ、こういう意味の内規をお出しになっているわけでございますが、どうも当日は艦隊行動をおとりになっておったように私は承っておりますが、その点はどうなんですか。

日吉章防衛庁防衛局長

○日吉政府委員 当日は、委員御案内のように、大島沖におきまして展示訓練という訓練を艦艇十隻ばかりが参加いたしまして行ったわけでございますが、その帰航時にこの不幸な事故が発生したわけでございます。私どもは訓練海域におきます訓練の態様といたしましては、例えば間隔、速度を一定に保つというような編隊航行を訓練いたしておりますけれども、訓練海域を離れまして狭い意味の訓練が終えた後は、一般の安全航行基準に基づいて、各艦の独自の判断で、適時適切な判断で航行するようにさせております。したがいまして、何隻かの艦艇が訓練に参加いたします場合に、訓練海域に向かいます途中あるいは帰ります途中におきましては、現象的には、外から見ますと一見行列をつくっているように見えますけれども、それは隊列を組んでおりませんで、その艦のスピードあるいは間隔、これはまちまちになってございます。当日も、前後の艦艇の間隔はそれぞれ三千メートルとか千メートルとか差がございまして、それはその艦、その艦が置かれておりますその水路におきます状況に応じて艦長の判断で航行をいたしております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 このことは余りくどく申しませんが、申し上げたいことは、スピードの速い護衛艦と水上において最大十二ノットしか出ない潜水艦が行列をすれば、どうしても潜水艦の方は最高スピードの状況で航行せざるを得ないでしょう。そうすると非常に安全性に問題が出てくるでしょうということを私は申し上げておるわけなんです。そこのところを今後十分ひとつ教訓にしていただきたい。  私は、今回の件につきまして大変心配しましたことは、こういう事故を起こした、えらいことだということで、私は横須賀の総監部へ伺って、救助活動が十分でなかったという話だが、どうなんですかということを伺いましたら、だれが言ったとは言いませんけれども、動転しておりましたというようなお話もございました。それは動転するのも当たり前だと思います。しかし、そういう、動転したから救助できなかった、これも大変国民から非難される、私たちもこれは許せないと思います。とともに、動転しておったら今度は過剰反応。それこそ敵でもないのに敵と見間違って先制攻撃をしてしまう。そういう何もしなかったという意味の今回のケースも大変よくないことであります。とともに、動転して、やっちゃいかぬことまでやってしまうという心配も、また別の面においてあるわけなんです。  コンピューターが非常に今いろいろな機器に取り入れられておる。コンピューターに任しておけばいいんだみたいな面もないわけでもない。やはり、コンピューターは確かなのかどうなのか知りませんけれども、過日のペルシャ湾におけるイージス艦のイランの民間機に対する誤射ですか発射ですか、あの事故も、その後のペンタゴンの発表によれば、あれはやはり人為ミスであるというような発表もございました。それが事実なのかどうか私は確認はできませんが、コンピューターというものがますます精密になればなるほど、そういった事故、あるいは、まさに起こっちゃいかぬことでありますけれども、急迫不正の事態において人間の的確な判断力あるいは命令系統、そのための本当に人間らしい行動、慎重な判断が求められると私は思うわけでございますが、総理、この点についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず最初に、御忠告いただいたことに対して簡単にお答えいたします。  ちょうど十七年前の七月三十日に自衛隊機と全日空機の衝突のありました雫石事件がございました。そのときは私は内閣官房長官でございました。それから、いろいろな立場こそ違いますが、いろいろな事故に遭遇しますと、再発防止に万全を期しますという言葉を使うごとにそのうつろなものを感じておった、これは人間としてそういう感じを持っておりましただけに、今回の、今の御指摘によりますところの再発防止に万全を期すということに対しては、まさに心魂を傾けなければならないというふうに感じました。  それからただいまの問題でございますが、人間いろいろ極限とか限界とかというものはあろうかと思います。が、平素の訓練によりまして、その訓練の中で極限とか限界に対しても正確な判断が持てるような心構えと同時に、訓練をこれからも厳正に行っていかなければならない問題である、このように考えております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 昭和四十六年の雫石事故の前例もございますが、ただいま事故原因の調査、途中であるという御答弁でございますけれども、最終的な結論をまつまでもなく、国家賠償法に基づく補償金の支払いを早急に行うべきではないか。遺族の方々、亡くなられた方々の気持ちを思えば、賠償金を出せば済むという問題ではございません。やはり、そういった方々に対する最大のおわびの姿は、事故原因の徹底的な解明であり、徹底的な再発防止であると私は思いますが、とともに、今申し上げた国家賠償法に基づく補償金についていかがお考えでございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 事故原因の徹底的な究明、再発防止に対する徹底的な対応と同時に、今調査中のことではございますものの、その状況を見きわめながらこれは適切な対応を必ずいたしますということをお答えしたいと思っておりました。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 それでは次の問題に移らせていただきます。  先般、広島、島根など西日本を中心に集中豪雨がございまして、多数の犠牲者、負傷者を初め、家屋の流失、損壊、道路や橋の破損などの広範囲にわたったまことに多大な被害が出たわけでございます。これらの罹災された方々や関係の方々に衷心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。  とともに、政府は災害復旧対策に万全を期しておられるとは思いますけれども、特に今回の被害が広範囲にわたっておる、かつ被害額が巨額に上っておることにかんがみまして、これらの一連集中豪雨災害に対しまして激甚災害の指定を行い、復旧対策を速やかに、また強力に行うべきではないか、このように思います。  とともに、ずっとここしばらく冷夏、要するに冷たい夏が続いておるわけでございまして、各地に冷害が発生いたしております。特に農作物につきましては、野菜等が値上がりする等、農家の方々にとりましても、また消費者にとりましても重大な影響が今出てきておりますし、ことしの米作につきましても重大な懸念が今出始めつつある、こういう冷害対策につきましても、先ほどお尋ねした集中豪雨災害とあわせて、関連の大臣並びに総理から御答弁をお願いしたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 先般の西日本における災害でございますが、政府調査団を派遣いたしましてその実態の把握を進めておることはもとよりでありますが、両院からも災害対策特別委員会の方々が現地調査に赴かれる由、それらとも十分な連絡をとりながら災害対策につきましては万全を期していきたい、このように考えております。  それから、冷害が起こるではないかという懸念、これは私も等しくしておりまして、まず一つの問題として、おっしゃいましたように、生鮮野菜等の値上がり等からいたします、全体に、冷えたときは消費も冷え景気も冷えるなどということを昔から言われたこともございますので、それも大蔵大臣とも先日話し合っておったところでございますけれども、これらの問題については十分注意深くこれを見守りながら万全の対策を行っていく考え方でございます。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 農作物の関係でお尋ねがございましたので、簡潔に御報告申し上げます。  一連の長期梅雨前線の問題で、冷害というような形で野菜が値上がりするのではないか、こういうことが一都報道にも出た場合もございます。私ども、そういうことについてとかく手の打ち方が遅いという一部の批判も過去にあったことも事実でございますので、先々週、既に担当課をして関東近県、特に関東農政局等々、本省も含めまして係官を産地に派遣をいたしまして、順調な出荷体制、これを組むことを指示いたし、それを実行中でございます。  なお、米につきましては、これからの気象条件によってどのようになるかということであって、ただいま現在これを冷害対策云々ということにここで言及する状況にはございません。

越智伊平自由民主党建設大臣

○越智国務大臣 西日本一帯の冷害につきましては、災害復旧に万全を期したいと思っております。既にもうこの予算の配分いろいろやっておりまして、災害のみならず、災害関連を含めまして万全を期してまいりたいと考えておる次第であります。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 ぜひ、関係各省庁におかれては、今申し上げた点について総力を尽くして対策に当たっていただきますよう、強く御要望を申し上げておきます。  リクルート問題についてお尋ねをしたいと存じます。  リクルートコスモスの非公開株譲渡をめぐりまして、マスコミの報道するところによりますと、政治家あるいは一部の秘書あるいは一部の経済人等が関与しておる、こういったことが報道されておるわけでございます。  今、政府は税制改革を行おうとしておられます。そしてその実態は、消費税という形で、消費にかかわるいろいろな販売、購入について三%の税金をかけようというお考えでありまして、我が党はこれに賛成はできないわけでございますが、どうあれ、税制改革というのは国民の理解がなければ成り立つものではございません。これは、竹下総理大臣がリーダーシップがある、あるいはまたこれに対して身命を賭し、政治生命を賭する、なかなか勇ましいことをおっしゃっておるわけでございますが、身命を賭し、生命を賭されましても、国民が理解しなければ、これは実現できるものではありません。であるならば、このリクルート問題、こういった税制改革の論議、私は消費税では反対でありますが、税制改革の論議は大いにやってよいと思っております。そういう立場から、税制改革の論議の入り口の問題として、このリクルート問題については、やはり国民に疑惑があるとするならば、それを解明するのが院の責任であり、また行政府の責任であると私は思います。  特に、非公開株の譲渡を受けて、またその購入代金まで融資を受けておって、公開と同時に売却をして利益を多額に得た、このように報道されておるわけでございますが、まず、このリクルート問題につきましての総理の御所見を承りたいわけでございます。  せんだっての本会議における所信表明におきましては、リクルートのリという字もなかったように私は記憶しておるわけでございまして、この機会に、ぜひ総理のこの問題全般についての御所見をまず承りたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今御指摘のリクルートコスモスの株式取引、この問題でございますが、その取引に当たった本人のみずからの責任において行われたものであるということにいたしましても、また個々の取引はたとえ許された経済取引であったにいたしましても、国民感情として割り切れないものがあるという批判については、これをしっかりと受けとめなければならない問題である、このことは、私自身の問題をも含めそのように受けとめておるところであります。  したがって、この問題、私は道義的責任の問題と別に、法制上の問題とかいろいろな問題につきましても、御議論を通じながら改めるべきものは改めていくべき問題である。なかんずく、税制の議論がこれからまさに、今おっしゃいますように税制改革議論を国会においてお互いが知恵の限りを尽くして議論し合おうというような環境の前に、この事件が——事件ではございません、こういうことが出てまいりましたということについて、私は私なりに心を痛め、そして私個人とし、また反省すべきは反省をいたしておるところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 総理も率直に、御自分の問題も含めてと、このように反省の弁をお述べになったわけでございます。  大変失礼だとは存じますけれども、マスコミの報道によれば、竹下総理あるいは宮澤大蔵大臣のお名前と申しましょうか秘書の方のお名前と申しましょうか、お二人の秘書もしくは秘書の絡みでこのリクルートコスモスの株を取得された、このような報道があるわけでございます。ざっくばらんに言えば、李下に冠を正さずと総理もよくおっしゃるようでございますが、ちょっと冠がもう傾いておるわけでございますので、この際、冠を真っすぐにされた方がいいという意味で、さらにまた、お二人はこの消費税を提出された最高の責任者でもいらっしゃるわけでございます。  昨日、我が党の黒柳参議院議員が本会議で御質問申し上げたときに総理は、まだ詳細に事情を調べていないというような御所見だったように聞いておりますが、あれから時間も大分たっておりますので、そのような、まだ事情を調べてないということでは国民は納得しないと私は思います。重大な認識をお持ちになり、かつ反省の弁をお述べになったわけでございますので、この際、お二方にこの間の事情についてぜひお聞かせをいただきたい。非があれば非をお認めいただきたいし、非がないのであれば、ここで率直にお立場を説明された方がいいのではないかと私は思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 昨日の参議院本会議におきまして、貴党の黒柳議員からの質問に対しまして、私は、本人が自己責任においてやったことであるが軽率のそしりは免れないということを聞きましたが、お尋ねの具体的なことにつきましては、きょう時点において十分なお答えをいたす準備をしておりません、このように申し上げたところでございます。したがって、きょうこの場をかりて、その後、調査と申しますか、私が聞いたところで申し上げます。  本人からの報告によりますれば、昭和六十一年九月に二千株を取得し、店頭登録後に約一千万で売却し、約四百万円の利益を得た、こういう報告でございます。私にとっては、元秘書の問題でございます。が、長年にわたって一緒に仕事をしてきた関係でありますので、まことに残念なことであったと本人が申しております、軽率であったということを素直に認めるべきものであると思っております。  せんじ詰めて申しますと、私自身の指導監督といった面で不行き届きの点があったと深く反省しておるところでありますし、今後十全の注意を払わなければならないというふうに考えております。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 私の秘書の報告によりますと、依頼を受けて、深く考えずに一友人、これは確認をいたしてございますが、に名前を貸し、その結果、その友人は昭和六十一年に株式を購入し、同年十月末売却、二千万円余りの差益を得た由であります。  私の監督不行き届きで、まことに申しわけなく存じます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 率直にその間の事情についての御説明をされたことにつきましては敬意を表したいと存じます。  ただ、このような公式の場における御答弁でございますから、それが事実と違うとか、うそやろとか、そんな失礼なことは私は言いたくはありませんけれども、これは前提です、しかし、江副さんはマスコミのインタビューに対して、秘書とは直接そんなつき合いがないとか、家族ともそんなにつき合いがあるわけではない、そういった意味の御発言をされておるわけでございまして、意味することは、つまり、秘書さんとかなんとかと言われておるけれども、やはり政治家御本人に利益を得てもらうためにそういったことがあったのだというふうに受け取れる発言、つまり秘書とはおつき合いがなかったのだ、こうおっしゃっておるわけでございます。  したがいまして、この場における公式の御発言ですからそのとおり受けとめたいわけでございますけれども、くどいようでございますが、そういった株式売買は事前にお二方が御相談を受けておられたのかどうなのか、あるいは途中においても承知をされておったのかどうなのか。もう一つ、失礼でございますが、その利益はお二方の所得になったのかどうなのか。これはやはり国民が非常に注目しておる問題でございますので、お答えをいただければよかろうかと思いますので、あえて私は疑問を呈したいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まず第一の点におきましては、私は、新聞記者の取材を私の元秘書が受けましてその受けたという事実、翌朝の新聞に出ておりましたが、受けたということの状況でそういう事実があったことを初めて知りました。すなわち、率直に申しまして、リクルートコスモスという会社の株が幾らするのかとかいうことは、私の知識の全く外にございました。  それから、先ほど申しました利益を受けたもの、これは私個人の所得でもございませんし、また政治団体等にこれを入れたという事実はないというふうに調査をいたしました。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 報道がございますまで私は全く存じませんで、その後秘書から報告を受けたわけでございます。所得はその友人、つまり第三者の所得でございまして、私の秘書はそれについては報酬等々全く受けておりません。私も同様でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 一部でこのリクルートコスモス株売買につきまして、言うてみれば一般的な商取引の一種である、株式取引というのは商取引なんだから、連法とかそんなことを言われる筋合いはないんだ、こういった意味の御意見を発言されておる方もおるわけでございます。私も頭からこれは違法だと決めつけて言うつもりはございませんけれども、総理はやはりこの七十六名とも何名とも言われている、特に政治家に関係するこの株の売買、これには違法性がある、このように御認識でございましょうか。いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 七十六名と言われておる方々に違法性があるかどうかということについては、私自身が完全な知識を持っておるわけではございません。いろいろなきょうの議論も聞いておりましても、仮に安定株主を取得するための譲渡であったとすれば、それはそれとしていわゆる証取法とかいう違法性はないではなかろうか。しかし、法律の専門家でございませんので、この点は私個人の印象とでも申しましょうか、そういうところで踏まえておっていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまの点でございますが、大蔵省でただいま調査いたしておりますのは証券取引法第四条との関連でございます。すなわち、非公開の株式売却でございますから、それ自身は証券取引法に抵触しているわけではないわけでございますけれども、多数の人を相手に実施されておりますので、この証券取引法第四条第一項におきましては、それが売り出し行為に該当するかどうかということが規定をされておりまして、果たしてこの第四条に言う売り出し行為であるかどうかということを、これは具体的に調査をいたしませんとわかりませんで、ただいま大蔵省はこの点に関しまして調査を続けておるところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 違法であるかどうかは事実関係が解明されなければ判断できない、そういうようにおっしゃっておるとおりであります。事情がわからないから判断できない、これは当たり前のことでございまして、しかしこれは冒頭に申し上げたように、国民がこの税制改革論議に当たり、重大な疑惑と、言ってみれば憤りすら感じておるというわけですから、違法であるかどうかの議論はその実態が解明されてこそ判断ができることである、これは総理も私も同じ見方だと思うのです。私も法律の素人でありますからそんなに詳しくわかるわけではありませんが、例えば違法であるかどうかにつきまして私なりに考えてみれば、三つぐらい視点があるのじゃなかろうかという気がするわけです。  第一点は、証券取引法による第四条あるいは二十六条、二十六条は検査ということでありますけれども、証券取引法に違反するのじゃないか。第二点は、これは江副さんを初め関係の方々に大変失礼な言い方になるかもわかりませんが、そんなことはないと思いますけれども、一般論で申し上げれば、会社が保有し、かつ確実に値上がりする株を他人に分け与えた場合、会社の財産を経営者が勝手に贈与することになり、特別背任という問題も一般論としては成り立ち得ると言う法律専門家もおるわけでございます。私は、このリクルートの方々がそれに該当すみと断定しておるわけじゃございませんが、法律的に違法であるかどうかという問題を論ずるならばこういった角度の見方も必要である。あるいは第三点で申し上げれば、政治家との関連が取りざたされておるわけでありますけれども、これは先般も殖産住宅の判決が出まして、お金でなくて値上がり確実な株式もわいろの一つの客体になり得るという認識が示されておるわけでございまして、したがって、政治家の関係におきましては、株を買ったか売ったかという問題とあわせてどういう立場の方が株をお持ちになり、まあそんなことはないと言いたいのですが、職務権限を行使する立場であったかどうか、あるいは職務権限を行使なさったかどうかということが的確に解明されてこそ違法性があるかないかということが国民の前に明らかになるわけでございます。  以上三点につきまして、私は法務当局の御見解をこの件について承りたいと思うわけでございますが、まずこの件に御関心をお持ちであるかどうか。さらにまた、もし御関心をお持ちであれば、どういう角度での御関心をお持ちであるか。さらに、私が素人話として申し上げたこの三点は全く荒唐無稽なことなのかどうなのか、あるいは関心をお持ちになって、こういったことについて今後お調べをなさるお気持ちがあるのかどうか。こういったことについて法務当局の御見解を承りたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 ただいまお話のあった件につきまして、一般的にこのような問題が提起されますと、事実関係あるいはその法律評価等につきましていろいろ報道をされます。また、この国会においても御議論になるわけでございますが、それが所管する事項に関係すると言われれば、検察等の捜査機関もその成り行きを注目するのは当然のことと考えております。  このリクルートコスモスの問題につきましても、ただいま委員が御指摘になったようなお話があれば、その例外でもなく、その上で犯罪の嫌疑が認められれば、厳正、適切に対処するものと考えております。ただ、現時点におきましてどのようなことを検討しているか、あるいは検討しているかどうかということを含めまして答弁は差し控えたい、こういうふうに考えております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 まあそういう御答弁だろうと思いますけれども。  そこで、これが政治的、道義的責任云々という問題、これは総理も大蔵大臣も御所信を率直にお述べになったわけでございますけれども、やはり全貌につきまして、これが違法性があるのかないのか、あるいは政治的、道義的責任があるのかないのかということを解明するためには、やはりリクルートの譲渡先リストというものがぜひ必要であると私は思うわけでございます。  まず、大蔵省において、証券取引法に基づく事情聴取をしておられると聞いておりますが、今どういう状況であるのかを伺いたいと存じます。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 御答弁いたす前に、先ほど渡辺委員の質問に関連いたしまして、リクルートコスモス社の店頭登録日について、六十年十月二十日というふうに申し上げたようでございますが、六十一年の間違いでございますので、おわびかたがた訂正させていただきたいというふうに思います。  そこで、今お尋ねの私どもの方の調査につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、証券取引法第四条に関連いたしました調査をいたしております。証券取引法は、投資家保護を図る観点から、非公開の株式でございましても、総額一億円以上の有価証券の不特定かつ多数の者に対する募集または売り出しにつきましては、有価証券届出書を大蔵大臣に提出すべきということを義務づけているわけでございます。これは非公開の株式でございましても、不特定かつ多数の者に対しまして売却等が行われる場合には、募集あるいは売り出しの要項とか株式発行会社の財務内容、そういったものを開示いたしまして、投資家に適切な判断ができるように情報を提供する、こういった趣旨からできている法律でございます。そこで、不特定多数といいますのは、証券局長通達によりますと、従来から「五十名程度以上」というふうになっているわけでございます。  そこで、リクルートコスモスの件につきましては、伝えられますように、七十六名といった者に五十九年十二月の段階におきまして譲渡が行われたといたしますと、この証券取引法第四条に言う売り出し行為に該当するかどうかといったことが問題になるわけでございまして、この点を中心に事情聴取をいたしております。  これによりますと、先ほど渡辺委員への答弁でも申し上げましたけれども、リクルートコスモス社は、五十九営業年度の決算対策といたしましてリクルートコスモス社の株式の売却を行ったわけでございますけれども、売却価格は一株当たり五百円額面で一万二千円、五十円額面で千二百円でございます。それから、買い受け人は全体で七十六名であるといったふうな事実を確認いたしておりますけれども、ただ売却が、ごく短期間の期間ではございますが、二回に分かれているということもございまして、これが法律に言うところの売り出し行為に該当するかどうかといった点につきましては、現在なお事情を念査中でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 証券取引法第二条で「有価証券の売出」ということが定義され、「不特定且つ多数の者に対し均一の条件で、既に発行された有価証券の売付の申込をし、又はその買付の申込を勧誘することをいう。」そして、証券局長通達でしょうか、有価証券の募集又は売出しの届出等に関する取扱通達というのによりますと、「売出しに該当する有価証券の売付け」として、「法第二条第四項に規定する「売出」については、取扱通達二—一に準じて取扱う」。その「二—一」とは何か。それは、五十名程度以上の場合には法第二条第三項に規定する「募集」あるいは「売出」に当たるということですね。  要するに大蔵省の認識として、この通達あるいは証取法に基づく不特定かつ多数の者に対する売り出し、こういうことに該当するという認識をお持ちであるかどうか。五十名程度以上でございます七十六名だから該当するのだろうと思うのですけれども、そこの事情をもうちょっとお聞かせいただきたいと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 実はこの売り出しというのは、五十九年十二月下旬の段階におきまして、リクルート社の行為としては二回に分けてこれを行っているわけでございまして、両方を足しますと七十六名ということでございますので、五十名を超えるわけでございます。ただ、リクルート社の行為が二回に行われているということが、まず一回の売り出し行為として見た場合にはそれぞれ五十名を割るといったふうな向こうの説明もございまして、その点の事情等についてはなお調査中でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 二回って、一年ぐらいあいた二回ですか。一月ぐらいあいた二回ですか。三日ぐらいあいた二回ですか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 十二月の下旬の、先ほどごく短期間と申しましたけれども、約十日なり二週間程度の間の二回でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 それなら一回ということだろうと思いますが、どうなんですか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 まさにその点が、向こうの事情等につきまして、二回に分ける合理的な理由があったかどうか、そこら辺はさらに私どもとして念査する必要があるだろうということでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 別に嫌みを言うわけじゃありませんけれども、証取法第四条の売り出しの届け出に違反した過去の事例、この十年間で二件あります。会社の名前は会社の名誉にかかわりますから私は言いません。明らかに第四条に違反したというのが二件ある。しかも、証取法にはそれに対する罰則、百九十八条「届出義務違反」「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」明らかに違反した事例が二件あり、大蔵省、それに対して百九十八条による罰則を適用されましたか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 今御指摘のように、証券取引法第四条違反といったことにつきまして、昭和五十年以降私どもが調べた範囲では二件ございます。これはいずれも発行会社におきまして従業員あるいは取引先といったところに五十名を超えて割り当てたわけでございますけれども、これは不特定多数の不特定という概念をいわば特定性があるというふうに誤認してそういうことを行ったものでございます。そういった事情、故意に積極的にやったというよりは過失であったといったふうなことから罰則の適用は行っておりません。なお、リクルートとの関連では、今の二社について申しますと、いずれもこれは一回の行為として行われているといったことがございます。  なお、リクルートコスモス社の件につきましては、実はこの罰則の時効期間が三年でございますので、残念ながらこの罰則の適用期間は今経過しているという状況でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 言いたいことは、過去において大蔵省、ちょっと甘かったのと違うかということを私は申し上げておるわけでありまして、だからこんなことになるんじゃということを言っておる。だから、今度はしっかりやらないかぬなと言うて質問しておるわけでございます。  そこで、証取法第二十六条によりますと、結局大蔵大臣は必要という御認識をお持ちになれば命令を発することができるという条文になっておるわけでございます。いきなりで恐縮なんですけれども、法制局長官いらっしゃると思いますが、いわゆる政治倫理あるいは政治道徳、特にこのように国民の関心の高まっておる政治倫理問題というものは、これを解明することは公益にかなうことであるかどうか、私は公益にかなうことであると思っておりますが、長官の御見解を承りたいと思います。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 証券取引法第二十六条におきましては「大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、有価証券届出書の届出者、有価証券報告書の提出者若しくは有価証券の引受人その他の関係者に対し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員をしてその者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」こうなっているわけでございまして、委員のお尋ねはまさしくその同条の公益に該当するかという御質問でございます。  ところで、この証券取引法の公益という言葉は、これは証券取引法の枠内での公益ということでございまして、そうなりますと、証券取引法は何を目的としているかということが問題になるわけでございます。証券取引法の目的は、第一条に「この法律は、国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有価証券の発行及び売買その他の取引を公正ならしめ、且つ、有価証券の流通を円滑ならしめることを目的とする。」ということでございまして、つづめて申し上げますと、有価証券市場と申しますかそういうところの、有価証券の発行なり流通なりの市場の公正さを保護するということにあろうかと思うわけでございます。そういう証券取引法の目的から考えますというと、証券取引法第二十六条の公益というのも、この証券取引法一条の目的から理解をしなければならないというように考えるわけでございまして、したがいまして、私が申し上げましたように証券市場、証券の発行なり流通なりの市場、これの公正さを確保するというための利益ということになりますと公益ということになるわけでございます。一般的に公益と申しますれば、これは社会一般の利益というわけでございますが、この条文を解釈いたします場合には、その証券取引法の目的に即した公益というふうに解釈しなければならないかと思うわけでございます。  そこで、先ほどお尋ねの政治上、道義上の公正さを担保するためにこの証券取引法の二十六条を適用すべきでないか、こういう御質問につきましては、政治上、道義上の公正さということはこれは証券取引法上の目的ではございませんので、この証券取引法二十六条の規定による職権の発動はいたしかねるものであろうというふうに思うわけでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私が余りフェアプレーの質問し過ぎて、何も私、第二十六条の公益という言葉を聞いたわけじゃないのですよ。一般論として公益いう言葉は、政治倫理の解明は公益にかなうことでしょうと聞いたのですよ。ところが二十六条なんて余計なことを先に言っちゃったもんだから、あなたは、この二十六条の公益の解釈をなさったわけだけれども、一般論としてどうなんですか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 一般論として申し上げますれば、公益というのは社会一般の利益ということでございます。そういう意味で政治的な公正さを確保するということももちろん公益に該当するわけでございます。ただ、条文、先走って申しわけないのですが、個々の条文を解釈いたしますときには、それぞれその個々の条文の趣旨ということを念頭に置いて解釈しなければなりませんので、申しわけたいのですが、先ほど二十六条が問題になっておりましたので、それについて申し上げた次第でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 ただ、長官、まさに一般論としての公益、これは政治倫理はかかわり合いがあると思いますね、この解明は。そして、条文解釈の上では株式の公正な発行あるいは投資家の利益等々一定の証取法の目的に限定された公益性である。決して間違ってないと思いますよ、あなたの言い方は。しかし、ケースはまさにこの証券の発行あるいは売り出しに関して、別に証券に関係ないわけじゃない、株式の売り出しに関して、それと密接な関連性を持って政治家の問題が出てきておるというわけですから、広義で言う公益の解釈、広義というのは一般論としての解釈、あるいはこの法律上の、証取法で言う狭義での公益の解釈。今申し上げたように株の売り出し自体が政治家の関係において取りざたされておるというわけでございますから、広義、狭義両面において第二十六条における公益というものは大蔵大臣が職権を発動するにふさわしい、またやらねばならない状況であると私は思いますけれども、長官、それから大蔵大臣、御見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この条文につきましては、私どもこれを考えますときに、当然のことでございますが、法制局の御意見も伺いました。つまり、この条文の精神は、一般に申します開示制度と申しますか、ディスクロージャーが徹底しておりませんと投資者が思わぬ損をする。そういうわけで、開示制度というものをきちんとやることが大事で、それを担保するという趣旨の規定であるというふうに解釈をいたしておりまして、それはただいま法制局長官が言われましたこの法律の持っております第一条に掲げる目的から出ているものだ、そういうふうに承知をいたしております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 というわけで、大蔵大臣は、第二十六条による大蔵大臣の職権を行使なさる御意思はないということでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 一般的な目的のためにこの二十六条を発動させることは問題がある、それは法律上無理であろう、そういう法制局の御見解に従っておるわけでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 まさに公益という言葉は微妙な意味を持っておるわけでありまして、むしろ今税制改革を進めようというお立場の大蔵省としてはやっちゃいかぬというわけじゃないでしょう、法制局長官。むしろやるべきじゃないでしょうか。

味村治内閣法制局長官

○味村政府委員 この証券取引法二十六条は罰則をもって相手方を強制するわけでございます。そういった強制をいたしますのには法律上の根拠が必要なことは、これは法治国家である以上当然でございます。  そこで、二十六条の解釈いかんということになるわけでございますが、その二十六条の解釈としては先ほど私が申し上げましたとおりでございまして、したがって、政治倫理の確立ということのみを目的といたしましてこの二十六条による報告を求めるということはできないというふうに考えている次第でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 総理、やはりこの問題を解明するのは、行政の側における、例えば証取法二十六条の援用による大蔵省の調査あるいは立法府、衆議院、参議院における国政調査権、こういったことが考えられるわけでございますが、私はあえてまだ院の国政調査権の発動についての御質問はしておらない。むしろ行政府において、大変失礼でございますが先ほどもお尋ねしたような話題があったわけでございますから、むしろ積極的にこの問題解明を行政府がなさるべきだ、これは私が言うというよりも国民がそう思うと思うのですね。だのに大蔵大臣は、むしろやる気がないと受けとめられるような御答弁でございますが、総理の御所見を一遍承りたいと思います。これじゃ税制改革論議に対する国民の理解は得られませんぞ。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 証取法の関係で私も今問答を聞いておりましたが、それによっての調査ということには法解釈上なるほど聞いておっても問題があるんじゃないかという感じを私も受けました。私がこれをとらえておりますのは、やはり政治倫理の確立は議会政治の根幹である、いやしくも国民の信頼にもとることがないよう努めなければならないという倫理綱領をお互いに一緒になってつくりました、そうしたところで自分の身は律していくべき課題ではないかというふうに考えております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 国税庁長官がもしいらっしゃればお尋ねしたいと思いますが、マルサの男ということでいろいろな活躍が評価されておるわけでございますが、この問題について国税庁は事情解明に対する御関心と何らかの御意見をお持ちであるかどうか。  さらにもう一つ、法務省当局に伺いたいわけでございますが、殖産住宅汚職事件、この上告審で七月の十八日最高裁は、上場後の値上がりが確実なる公開前の株式を公開価格で取得できる利益もわいろに当たるとの判断を示しておるわけでございますが、リクルート問題どこの殖産住宅判決、まあ事件になったかならなかったかという違いはあろうかと存じますが、この殖産住宅判決からごらんになってこのリクルート問題はどういう位置づけになるのか。先ほど申し上げたように、であるかないかは調べてみなければわからぬわけでございまして、調べもせぬと違法でないなんて言ってみたってこれは始まらぬわけでございます。少なくとも法務当局がこれについて、これだけの国民の疑惑があるわけでございますから、強い関心をお持ちであろうかと存じますが、このような判決が出ておる、この判決との関連において法務当局の御見解。国税庁の方からお願いしたいと思います。

伊藤博行国税庁次長

○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては、各種報道等が行われておりまして、私どもといたしましても関心を持っております。ただ、一般論でしか申し上げられない点は御承知おきいただきたいと思いますけれども、国税当局といたしましては、従来から課税上有効な資料、情報の収集に努めておりまして、もし課税上問題があるということでありますならば必要な税務調査等を行う等適切に対処していく心づもりでおりますけれども、ただ本件に即していいますと、個別問題でございますので、その点についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

根來泰周法務省刑事局長

○根來政府委員 この間、代表質問の際に法務大臣がお答えいたしましたように、ただいま御指摘の殖産住宅事件についての最高裁判所の決定は直ちにリクルートコスモスの問題に当てはめるということは難しいのじゃないか、こういうふうにお答えいたしました。  その詳細について申し上げますと、最高裁判所の決定というのは、刑法第百九十八条等に規定されているわいろという内容に関しまして、間近に予定されている上場時に、このときは本当に一カ月以内に上場されるという予定であったようでございますけれども、そのときにその価格が確実に公開価格を上回る見込みであり、公開価格で取得することは一般人にとって極めて困難な状況であったという状況のもとでは、株式を公開価格で取得できる利益もわいろに当たるというふうに最高裁の決定で申しているわけでございます。御承知のとおり、贈収賄事件というのは、そのわいろというのはどういう意味であるかというほかに職務権限の問題がございます。いろいろ難しい問題がありまして、なかなかこの殖産住宅の決定がリクルートコスモスの問題に当てはめてこうだというわけにはいかぬ問題だと考えております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 大蔵大臣、大蔵省に。どうも公益上の立場から職権を発動しての調査をなさる気持ちがなさそうでございますので、一つ一つここで聞かなくちゃしょうがない。私がここで、あなたに、具体的なことを。  例えばあるマスコミの報道によりますと、五十九年の十二月にリクルート社から一株千二百円、これは換算した金額ですけれども、七十六人の会社、個人に譲渡された。もう一つは、リクルートコスモス社が六十年四月に第三者割り当てをなさった、一株二千五百円。それから三十七の会社、一つの個人。そしてその三十七の会社、一つの個人から、つまり第三者割り当てを受けた会社、個人から、六十一年の夏から秋にかけて、このマスコミによれば政界関係者と書いてありますけれども、私にはわかりません、いろいろな方々に一株二千五百円から三千円で譲渡された。今法務省が殖産住宅のケースで間近な、一カ月前とか二カ月前という間近な時点でのことを御指摘があったわけでございますが、第二のコースで申し上げると、六十一年十月に公開でございますので六十一年の夏、秋というのはまことに間近なことになるかと思うのです。こういった事情、これはマスコミの報道でございますが、こういう別ルートもあったのかどうか、あるいはあったとすればその関係、つまり第三省割り当てを受けた三十七の会社、一つの個人と言われている一つのグループからさらに六十一年の夏、秋に譲渡された方々は何名ぐらいいらっしゃるのか、その辺を御報告願いたいと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 私どものこれまでの事情聴取は、先ほど申しました証券取引法第四条第一項の届け出書の関係を中心とするものでございまして、御指摘の新聞記事等で触れられておりました個々の政治家あるいはその関係者の方々がいつ、いかなる形で株を入手されたかといったことについては承知いたしておりません。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私は、だれが受けたかと聞いているわけじゃない。そういうリクルートからの五十九年十二月、一株千二百円、七十六人の個人、こういうルートがあったが、リクルートコスモス社から第三者割り当てで三十七あるいは一つの個人、六十一年夏、秋、また個人、こういうルートが存在したかどうかを聞いている。

角谷正彦大蔵省証券局長

○角谷政府委員 先ほど渡辺委員への答弁におきまして、証券業協会におきまして上場直前一定期間の間の主要な特別利害関係人等による株移動は禁止している、そういう場合には店頭登録させないという扱いになっているということを申しました。その関係におきまして、実は五十九年十二月以降もそういった主要な特別利害関係人からの株移動があったかどうかという事実に1つきましては、証券業協会等を通じまして調査いたしました。その結果、証券業協会が禁止するような形での株移動はないという事実は確認いたしておるわけでございます。そういたしますと、一般的に特別利害関係人とかかわりのない相互間で相対による株移動が行われたかどうかといった問題に恐らくなろうかと思うわけでございますが、そういうものにつきましては、特段協会のルールに触れるわけでもございませんし、また証券取引上特に違法な行為ということでもないこともございまして、このような取引について大蔵省として調査するというのはなかなか困難な状況にあるわけでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 これは、自民党総裁としての竹下総裁並びに予算委員長に、予算委員長に御答弁願うのは恐縮でございますから意見として申し上げる、総裁にはお答えをいただきたいわけでございますが、憲法では第六十二条で、「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」衆議院規則におきましては、五十三条、「委員会は、議長を経由して審査又は調査のため、証人の出頭を求めることができる。」議院における証人、参考人の問題で二百五十七条、「議院において審査又は調査のため、証人又は参考人の出頭を求める議決があつたときは、議長がその旨を証人又は参考人に通知する。」等々の規定があるわけでございます。行政府において、これだけの国民の関心を集中させておるリクルート問題、ましてやこの臨時国会、税制改革の論議を政府としては期待しておられる。つまり行政府として、消費税のことをおっしゃる前に、こういった疑惑を解明なさる努力をすべきだということを先ほど私としては一いろいろな角度からその可能性をただしたわけでございますが、今のところ、将来は別として、余り熱意を感ずることができなかったことは大変残念でございます。もっとも、熱意はあるんだけれども法的に力がないんだということなのかもわかりませんが、しかし私は、もっと真剣な取り組みというものが行政においてあるべきだということを強く指摘をしておかなければならないと思います。  とともに、院におきまして、自民党総裁としての竹下総裁に伺いたいわけでございますが、憲法第六十二条では証人の出頭あるいは記録の提出を求めることができる、あるいは衆議院規則五十三条で、議長を経由して証人の出頭を求めることができる。各党が協議をし、これだけの国民的関心事でありますので、院としてそういう手続をとることについて自民党総裁としての竹下総裁のぜひ前向きの御見解を承りたいと存ずるわけでございますが、いかがでございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今、矢野委員長、自由民主党総裁として、こういう御指摘でございますが、私は今日までやはりこの立場に立ってお答えするときには行政府の長としてという立場を貫かせていただいておりますので、私なりのお答えを申し上げますならば、私自身も、かつて証人喚問を行いました昭和五十四年の予算委員長であった事実もございます。その後いろいろな議論のあったところでございますが、やはりいずれにせよこの問題は国会において話し合っていただく問題であって、私のいわば見解を申し述べるのはそれを限度とさせていただきたいというふうに思っております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 委員長にぜひ御要請を申し上げたいわけでございます。  本日、ごらんのとおり、社会党、共産党の諸君は出席をされておりません。まことにこれは残念なことでございます。しかし、ここに出席しておる私ども政党は、論議を通じ審議を通じて冷静かつ真剣にいろいろな問題の解明に当たり、かつ誠意ある御答弁を期待して一生懸命論議をしておるわけでございます。お聞きのとおり、行政側には余り熱意は残念ながら感じられません。ぜひ委員長におかれまして、予算委員会として、今申し上げた憲法、衆議院規則の趣旨に沿ったリストの提出あるいは証人喚問、証人喚問に、つきましては人権問題があるという御指摘も十分私は承知いたしております。そういったことにつきましては、お互いがよく話し合いをし、お互いがルールをつくって行えば、決してひんしゅくを買うような事態には相ならないと私は信じております。また、そういった措置をとるべきであると私は思います。そういった前提におきまして、ぜひ委員長におかれて予算委員会の意思としてリストの提出、公表並びに証人喚問、今申し上げた人権を尊重するという前提においての証人の喚問の実現を強く要請を申し上げたいと思いますが、御見解を一言承りたいと存じます。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 ただいま矢野委員御指摘の作につきましては、御指摘のとおり、憲法並びに国会法の定めるところでございますが、証人喚問あるいは公的なリスト請求等々につきましては、委員会運営の上で極めて重要な問題であるという認識を持っております。したがって、先般来理事会で本件につきまして慎重に各党協議いたしてまいりました。今なお引き続き理事会において各党の意見をよく承って、協議中でございます。委員長といたしましては、それらの結果を踏まえて、権威のある委員会の名誉のためにも対処いたしたいと思っておるところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 重ねてで御無礼でございますが、一部では、絶対にそれには応じないという御意見もあるやに仄聞をしておるわけでございますが、委員長の御認識として、絶対そういうことはしないと、そういう御認識はないと私は信じたいのでありますが、この問題、前向きに取り扱っていただけると私は信じてよろしゅうございますか。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 極めて重要な問題、御指摘であるという認識に立って、各党の御意見をよく承って、対処いたしたいと思っております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私は我が党の意見として、この予算委員会が三日間という限られた日程である、物理的に、本来ならばこの予算委員会にそういったことが実現することを強く要望するわけでございますが、状況によりましてはこのリクルート問題の調査特別委員会というものを設置して、お盆その他いろいろなことがありますけれども、そういった場において引き続きこの問題の解明に当たるべきである。この予算委員会がもっと私どもが要望する長期で実現しておればこの場における解明も可能であろうかもわかりませんが、三日ということでございますので、ぜひ予算委員長におかれましても私の意見を取り入れていただきまして、こういった問題の解決のため、リクルート問題の特別委員会設置について予算委員長としてぜひ議長に意見を強くお述べいただきたいことを御要請したいと思いますが、この点いかがでございますか。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 御趣旨の点を踏まえて、また協議して、議長にも御意見を申し上げたいと思っております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 それでは、次の問題に移ります。  こういった問題とあわせまして、新聞報道によりますと、例えば株の大口の買い占め等によりまして、これは新聞報道でありますが、上場されている企業十四社が上場の基準に満たなくなってきて上場されなくなってしまうというような事態も今や報道されておるというわけで、もしそういうことになりますと、それこそ多数の株主にとりましては大変な不利益を受けることになるわけでございます。  リクルート問題は、私のこれからの質問には関係ございませんが、竹下総理に、前の党首会談におきまして私は、アメリカの証券取引所法第十三条のdで規定されておるいわゆる五%ルール、条項というのがあるわけでございまして、この五%ルールを導入することによって不公正な株式売買を規制すべきであるという意味の提言を申し上げました。アメリカのこのSECあるいは証取法の第十三条dに規定されておる五%条項というものは、簡単に言えば次の四点でありまして、総発行株式の五%以上の実質的(直接、間接を問わず)所有者(グループ含む)となった者は取得の日から十日以内に「名前(身分証明)、住所、資金の出どころ、買う目的」を証券発行者(会社)あるいはSEC(証券取引委員会)、取引所に報告する義務がある。これは不正な手段を用いた買い占めや株価操作を防ぐために設けられたことでございまして、今言いました昨今の株式市場において、仕手グループと言われるグループによる株式の買い占めが行われておる。株式公開制度をとる以上、私は株式市場を通ずる企業買収を悪だと決めつけるつもりはございません。しかし、そういったことが余りにも横行するために、上場基準に抵触する事態に企業が追い込まれる。現に十四社がそういったうわさの対象になっておる。あるいは企業は、もう本当の企業活動どころか、その対応に追われて本来の業務ができなくなってしまうというような現象もあるわけでございます。  今我が国は国際化社会という段階を迎えまして、株式市場におきましても当然、国際的なルールというものが公正に確立される必要があると私は信ずるわけでございますが、こういう五%ルールについて、大蔵大臣並びに総理、ぜひ前向きに検討し法制化されるべきではないかと党首会談でも申し上げたわけでございますが、重ねて御見解を承りたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 この点につきましては、かねて矢野委員長から御指摘のあるところでございますが、我が国におきまして、一般的には市場におきまして大量の株を買うこと自身は規制の対象ではございません。ただ、その間に相場の操縦等、株価の形成に不公正な影響を与えるような行為がございますと、これは証取法上の規制の対象になる。今までこれで監視をやってきたところでございます。米国の制度は非常にいろいろ参考になるのでございますけれども、我が国の場合、それが直ちに我が国の証券市場の慣行にうまく当たるものであるかどうかということについて十分な検討がなお必要であると考えておりまして、証券取引審議会等の場において、この点は全体の問題の一つとして検討をお願いいたしたいと考えております。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 党首会談の際承りまして、詳細は今大蔵大臣からお答えしたのが実情でございますが、私なりに関心を持って調べてみましたところ、たしか私が一九二四年生まれでございますから、一九三四年の法律でございまして、それがどういうふうに機能しておるかということには幾ばくか私自身疑問を感じながら、しかし、あの党首会談で承りましたので大蔵省の方でいろいろ御議論願い、今宮澤大蔵大臣からお答えがあったというのが現状でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 先ほどリクルート問題について、証取法四条あるいは二十六条によりましてちょっとしっかりやってくださいなということを申し上げたら、なかなかできません、こうおっしゃっておるわけでございます。ですから、やはり法改正というものが、こういった実際の問題の教訓としても必要でもございます。ましてや、今私が問題提起しました大口、短期のいわゆる仕手戦的な形における各種の弊害、これも恐らく詰めていけば今の証取法では何もできませんということになりかねないわけでございますから、ぜひこれは今後の株式売買の公正ということを確保する立場からも、また先ほど強調しておられた投資家保護という立場からも、この五%ルールあるいはそれに準ずる法制化を強く要求をしたいと思いますが、御決意を、簡単で結構でございますから承りたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 投資家保護、それからもう一つは資金調達の手段として株式市場というのは存在しておるわけでございますが、そうした角度から、私は合いろいろ御議論をなすった問題等を踏まえて十分検討さしていただきたい。改めるべきものは改めて結構だといつも思っておるところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 先ほどリクルートの問題でいろいろなことをお尋ねしましたが、もう一つ大きな視点があるわけでございまして、結局そういった、総理は四百万とおっしゃっていましたけれども、いずれにしてもそういう売買、これはかなりある種の縁故といいましょうかなじみといいましょうかあるいは御親戚といいましょうか、それはわかりませんが、特定の方がそういう割り当てを受けて、そして売買によって利益を得た、それが税金がかからぬというところに最大の納税者の不満、いら立ちというものがあると私は思うのです。  そこで、今度の政府の消費税の法案、関連法案を見ますと、源泉分離課税を株式売買につきまして選択をした場合には、売却額の一%、利益を五%と見て、これに二〇%課税するんだ、だから、つまり五%掛ける二〇%、一%、これを払うんじゃ、こうなっておるわけでございますが、逆に言えば、今まで何十回、何万株という制限がなくなってしまうことによって一種のこれは入場税みたいなものだ、一%払えば、また国税庁からもだれからもうるさいことを言われなくてむしろせいせいするわなんというようなことを言う方もおるやに私は聞くわけでございますが、こんな手ぬるいやり方でこのリクルート問題の教訓が税制改革に生かされるとは私はとても思えない。  そこで、二つの提案があるわけでございますが、私は、株式売買全般につきましては、プライバシー保護ということを大前提にして納税者番号制度の導入による総合課税制度の再構築をまずやるべきではないか。一遍にはいかない。これはもう利子も配当もその他事業所得も、あるいは株式売買利益も土地の売買利益も全部総合だなんというと、とてもとても一遍にはできない、こうおっしゃるかもわかりません。これはやはり、私は多少時間がかかっても総合課税制度の再構築はやるべきだと思いますが、それは時間がかかるというのであれば、せめて株式の売買についてカード制を導入することによって総合課税を実現するという方法をぜひお考えいただきたい。  ただし、それをやるとまた株が大暴落するかもわからぬなんてまた恐ろしいことを言う人もおるわけでございまして、アンダーマネーがどこかへ行ってしまってえらいことになると言う方もおります。私は、そういった株式売買についてカード制を導入することによって総合課税、いわゆる名寄せを実現するとともに、一方におきましては分離課税を選ぶ、おれは名寄せ嫌なんだという方には高率分離という選択を一方に残すことによって、例えば一%なんてそんな入場税みたいな安い税金ではなしに、例えば五%お支払いなさるのなら、株の売買で五%以上の利益を上げた方はそれを選ぶかもわかりません。五%以下の方はやはりカードで、名寄せで総合でいった方が得だと思われるかもわかりません。そういう選択のきく形で、私は株式売買についてカード制を実現なさった方が、今回の教訓を生かすことにもなりますし、また、税制改革そのものの趣旨にもかなうのではないかと思いますが、まず第一点、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点は先般の税制調査会におきましても何度か繰り返して議論をされたところでございまして、矢野委員長の言われますように、少なくとも課税という面に関します限り、納税者番号というものは、非常にある意味で課税を間違いなく担保できるということは皆さんの御意見が一致しておるところでございますけれども、中には、さて、それが税を超えていろいろな分野へそういうカード、番号というものはひとり歩きをするであろうということを心配される方々も少なからずおられまして、プライバシーの問題もあるというようなことでございますが、そこで、結局これはしかし大事な問題でございますので特別の小委員会をつくりまして、その問題を今日現在がなり詰めて検討していただいておるところでございます。これは小倉会長も非常に関心を持っておられまして、何らかの結論が出てまいることと考えております。  第二の問題は、先ほど主税局長が渡辺委員にお答え申し上げましたが、このいわゆる推定利益五%というのは、申し上げるまでもなく、株は常に上がっていくわけでもございませんし、キャピタルゲインがあればキャピタルロスもあるといったようなこと、あるいは有価証券取引税その他等々公租公課あるいは金利等々から五%というのが平均的な利益であろうかということで今回御提案をいたしておるところでございまして、これは決して甘くというふうな感覚ではございませんで、平均的に簡易にやるとすれば、選択をするとすれば、源泉でやるとすればそこらではないかという考えでいたしたわけでございます。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 いわゆる総合課税問題というのは貴党の変わらざる一つの税に対する基本的な考え方でございます。その考え方は今後曲げていこうなどという考え方はございません。そういう理念の中で、今おっしゃったのは、現実的措置として選択分離をも含めながら併用制を考えたらどうだ、こういう意見でございます。そういう意見がまさに私が大蔵省におりますときから税制調査会でいろいろ議論され、今宮澤大臣からお答えがありましたように、今度は小委員会をつくって専門的な議論もしてみよう、こういうことになりました。したがって、国会でもまさにそういう御議論をいろいろ闘わしていただければ、よりそういう環境が成熟していくのじゃないか、こういう印象を持った次第でございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 私は、法人、個人を問わず、短期、大口の株式売買について何らかの形でキャピタルゲインに対して重課する制度ということはぜひ検討に値することではないか。先ほどの五%ルールの問題と関連いたしまして、法人、個人を問わず短期、大口の株式売買については、キャピタルゲインに対して重課するという制度をお考えなさるべきであるということ。それから、私が今提案しましたカード制による納税者番号、とりわけ、さしあたりは株式売買について云々ということを申し上げたわけでございますが、私は、今申し上げたように、キャピタルロスもそれはあるでしょう、いつも上がっておるとは限らない、だから今言いましたように選択制をとろうじゃないかと申し上げているわけなのです。名寄せを嫌がる人は分離による高率課税の道を開く、下がっている場合は総合になさったらいいわけなんですから。こういうカード制導入によるキャピタルゲイン、株式売買益の総合課税、これをメインとしながら、一方で重課する分離の道も開く、こうすれば今大蔵大臣がおっしゃった弊害もなくなると思って、わざわざ選択という形で申し上げておるわけでございます。  ぜひ、今申し上げた短期、大口の問題についての重課の問題、さらに、今問題になっているいわゆる未公開株の公開後の売却益の問題でありますけれども、伝えられるところによりますと、源泉分離課税も認めるかわりに、未公開株の売却後利益の税率は二〇%を上回る重課税としたいという政府の考えがあるやに伝えられておるわけでございます。公開前二年以内に取得し、公開後一年以内に売却した場合など、対象を明確にした上で税率を詰め、この国会に特別法の形で提案なさる、こういうお考えがあるやに伝えられておりますが、先ほど言いました大口、短期という問題と、今申し上げたいわゆる未公開株の特別な扱いという問題、二点についてお尋ねしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 その点も私どもの役所の中で、関係局の間でいろいろに実は検討いたしておるところでございまして、実は成案を政府提案といたしまして先般御提案をいたした直後でございますので、今度のような問題をどう考えるべきかということは、いろいろにただいま議論をいたしております。まだ実は結論というものに達しておりませんで、せんだってのような報道がございましたことは確かでございますけれども、それは私どもの中でまだそういう結論に至っておりませんで、もう少し時間を拝借したいと思っておるところで、ございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 大蔵大臣、それは慎重にお答えなさるのはわかりますけれども、まさかこのまま未公開株の売却益について法制上何もせぬ、そんな無責任なお考えでいらっしゃるとは思いませんけれども、これはどうなんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは現実に起こっておりますことを考えますと、いかにも一般投資家に不信感を与えるあるいは市場というものについての信頼を損なうようなことではないかと言われますことは、私どもも同じ感じを持っておるのでございますが、さりとて、税制はかなり長く将来に向かっていろいろな場合も考えておかなければならないということもございまして、実は中で議論をいたしつつございます。  先ほど総理大臣が言われましたように、今のことと直接に関係するというよりは一般論として申し上げますが、いわゆる不公平税制全般につきまして政府は最善と信じますところを国会に御提案を申し上げておるわけでございますが、国会のお立場から、この不公平税制の是正が十分でないという御見解がいろいろな問題について出されるということは、これは十分あり得ることでございまして、そういう御意見に対しては政府は謙虚に伺っていかなければならない、一般論としてはさように考えております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 一般論じゃだめですね。これはまた改めて御質問したいと思います。  総理、税制の問題でお尋ねしたいと思うのです。また古い話を持ち出すようで恐縮なんですけれども、余り古くもたいので、六十年二月六日、政府統一見解。私がここで質問をいたしまして、当時中曽根総理大臣でございまして竹下大蔵大臣でいらっしゃったわけでございますが、中曽根総理は私の質問に対して、当時の竹下大蔵大臣と相談の上、大型間接税の導入を否定した政府統一見解というものをお示しになったわけでございます。  この中身は「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方はとらない」というふうになっておるわけでございます。多段階、生産段階、卸段階あるいは小売段階というような諸点、こういう各段階にわたって多段階にかけることはしません、包括的にかけることもしません、網羅的にも、そして普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方はしませんと、六十年の二月六日の予算委員会において、何か一日審議が中断したようでありましたけれども政府で十分御相談なさって、しかもその前日、竹下大蔵大臣は私の党の国対の部屋で個人的に、あのとき橋本代議士でしたかも御一諸でございまして、この見解についての御説明があり、私もいろいろ意見を述べ、注文もつけまして、そして政府で御相談なさってそういう政府統一見解なるものが翌日中曽根総理から発表されたわけなんです。これは今さらくどくど言わなくたって、当時の大蔵大臣、現竹下総理はもうよく御記憶であろうと思います。  そこで総理、嫌みな言い方で恐縮でございますが、今度の消費税は多段階でございましょうか、包括的でございましょうか、網羅的でございましょうか、投網をかけるようなやり方でございましょうか、ひとつこの政府統一見解からごらんになって今度の消費税の特徴を御説明いただきたいと思います。多段階的ですか、包括的ですか、網羅的ですか、投網ですか。いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今御指摘がありましたように、まさに六十年の二月六日でございます。私自身が国対の部屋へ参りまして協議をいたしまして、その翌日——五日に参ったのでございましょう、で、六日に中曽根総理が答弁をされたということで、よく覚えております。  そこで、その後の私の答弁もいろいろございますけれども、今度消費税につきましては、私はこれは多段階の性格であるというふうに言わなければならぬと思います。それから、網羅、包括、普遍というのはどうしても定義ができなくて、結局国語辞典なんか引いてみまして、例外なくということしかないじゃなかろうかという意味においては、まあ例外はあるという意味にとりますならば例外は、この前の売上税のときの非課税品目とは違いますけれども、例外は存在をしておるというふうに思われます。  それから、投網というのはどうしても定義は私も感覚的にしか今もつかんでおりません。底びき網とか投網とかございますけれども、これは表現上の問題ではなかったか。やはり「多段階、包括的、網羅的、普遍的で」というようなところまでが精いっぱい整理整とんすれば説明のできる言葉なのかなというふうに考えております。     〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 つまり、六十年の政府統一見解についての現段階における内閣の認識は別にいたしまして、この六十年二月六日の政府統一見解から見れば、この今御提出されておる消費税は完全に違反するものである、こういう認識で受けとめてよろしゅうございますか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 まあ、あのときにも議論したことを私覚えておりますが、多段階で、しかも包括的で、しかも網羅的で、しかも普遍的でということになりますと全部を整えていなきゃならぬから、幾ばくかの例外があるとすれば、もうそれはこの定義の意味からいって違反にならぬというような私なりの議論をしたこともございますけれども、それはまさにここで党首とする議論じゃございません。  だから私は、こういう問題に基づいて、昨年売上税を提出いたしまして、そして審議に至らずして廃案になったという反省から、もう一度、さて国民の皆さん方に理解と協力、先ほども理解と協力というお言葉をお使いになりましたが、を得るための税制はどうであろうかといって、衆知を絞って御提案申し上げたのが今度の税制であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 要するに話は極めて単純なんです。二つに一つなんです。つまり、六十年の政府統一見解から見て消費税は違反してないという立場をおとりになるか、あるいはあの六十年二月の政府統一見解は、あれはもうなくなったんじゃ、あんなもの関係ないんじゃというお立場をとるか、二つに一つしかないはずなんです。どっちなんですか、これは。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 やっぱり時の総理大臣の発言は重いものであるというふうに今でも思っております。その重い発言に基づいて工夫をして売上税法案というものをつくって、これが結果として廃案になった。その反省に基づいて、今度は国民の理解と協力を得られるような税制を構築しようということで考えて出したものが、すなわち今次の税制改革案である。したがって、やはりそれはそれなりの延長線上に存在するものだというふうに思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 中曽根内閣が提出されて、結果的に廃案になりましたが、昨年の売上税は、大型間接税であるという意味では国民の欠きた反発を受け、反対を受け、廃案になったわけでありますけれども、少なくともこの政府統一見解に対しては、中曽根内閣あるいは中曽根前総理はできるだけ、つじつま合わせと言うと失礼ですけれども、この政府統一見解を何とか生かそうという苦労はあったと私は思いますよ。  例えば、一億円というすそ払い、すそ切りをやりました。納税義務者が課税売上高一億円を超える事業者である、それ以下は違う、あるいは食料品や医療や教育や住宅など国民生活に密接に関係する分野が、そのほとんどが非課税とされる。つまりすそ切りをやることによって、多段階なり包括的なりという政府統一見解違反も、違反は違反なんだけれども、できるだけそれを少なくしようというそれなりの努力は中曽根内閣のときにはあった。ただ、大前提である政府統一見解の大規模な消費税をやらぬというこれには違反しておりましたから、私たちは反対をしたわけでありますけれども、まだ、失礼ながらいじらしいぐらいそこのところを、統一見解を守ろうという姿勢があった。それがかえって逆に複雑になってしまった、  わけわからなくなってしまったというふうなことになってしまって、だから私は六十年二月に1、これをやったらややこしゅうなりまっせと初めから申し上げて、竹下さんもそうやななんておっしゃっていましたけれども、うまいこと我々からいえばあれを守ったらややこしいたったということになったわけでございます、変な言い方で恐縮ですけれども。今度は憶面もなく政府統一見解をもう無視して、消費税でございますと。  御答弁によると、昨年の売上税国会において廃案になった、この事実を厳粛に受けとめ、それを反省の材料にし教訓にして今度の消費税になったんだと、こうおっしゃるわけでございますが、教訓にしなくちゃならぬことは、ああいう大型間接税をやったらいかぬという国民の声を教訓にしていただきたいのでありまして、多段階や包括的やというあの政府統一見解を守ることがよくないというようなことを教訓にしてもらったら困る。まさにこれは論理のすりかえであると私は思うのです。あの売上税国会の出来事を教訓になさるのならば、むしろ零細企業やあるいは消費に関係するようなものを非課税にする、弱い者は課税しない、できるだけ多段階にしないようにしましょう、包括的にならないようにしましょう、投網はやめましょうというこの発想は生かしながら、ああいう売上税や大型間接税はやっぱりだめなんだという教訓を、総理、得られるのが議会人としてのまともな判断だろうと僕は思うのですけれども、総理は逆の方の教訓を得ておられるんじゃないかと思うのですが、この点いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 確かに重いものであるという観点に立ちまして、率直に申しまして字義そのものから申しますならば、あのときにもすべてを整えていなければ、まずこのいわゆる統一見解の範疇の中にあるという考え方に基づいて、先ほどもお話がございましたように可能な限りと申しますか、複雑にしました、率直に言いまして、複雑という言葉を使わせていただきますならば。だからその点がむしろその仕組み、構造等について国民の理解を得るに至らなかった。したがって、普遍的、網羅的という言葉を例外なくという言葉に整理させていただきますならば、前回より例外というものが少なくなったということは言えると思います。したがって、一つ一つの字句に対しての議論をしようとは私も思いませんけれども、例外が少なくなったということは事実であると言わなければならないと思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 例外をおつくりにならないということは普遍的ということですから、例外があれば、何というか、一般的というのでしょうか。  だから、要するに今あなたがお答えになっているのは、例外はできるだけつくらぬように今度は消費税にしたんですとおっしゃっていることは、言葉をかえてみれば、包括的、網羅的、普遍的な税制をつくるようにしましたということでしょう、結局、例外をなくしましたということは。日本語はそういうことになるのですけれども、いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 普遍的、網羅的、羅列的というのは、確かにいろいろ字引を引いてみると、例外なく、こう書いてあります。例外があったらいかぬというので、すべてがそういう考え方であったわけではございませんが、可能な限り例外をつくりました。しかし、結果としてそれは国民の理解と協力が、仕組み、構造において全く認められるに至らなかった。したがって、今度は例外を非常に整理してきたということでございますので、網羅的、羅列的、すなわち例外はないんだということではないというふうに御理解をいただきたい。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 わかりました。何だか頭がおかしくなってくる話でございますけれども、いずれにしても、冒頭に申し上げたとおり二つに一つしかないのですよ、わかりやすく言えば。あの政府統一見解では制約されない、束縛されないという態度を内閣としてはとっているんだと言えば、これは論理は通るのですよ。それはそれで一つの考え方でしょう。いつの間に政府統一見解はほごにされた、ここから、そうなるとまた怒らないかぬことになるわけで、怒るのは後の話でございまして、ああいう難しい政府統一見解は去年の税制国会においてもいろいろな業者、いろいろな方々から難しいと言われたからあれはやはりだめなんだ、だからあれはもうやめましたんだと言うなら、これは一つの論理ですよ。あるいは、あの政府統一見解は生きているんですけれども、生きていることは承知の上で今度の消費税はそれに違反するものをつくったんです、違反なら違反とはっきりおっしゃったらいいのですよ。これはどっちでしょう、二つに一つですけれども。何ぼ難しいことをおっしゃっても、国語辞典の関係はないのです、これは。二つに一つでしょう。あの政府統一見解は今でも生きておりますかということです。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 あのときにお答えいたしました総理大臣の発言というのは重いもの、それを基礎に置いていろいろな工夫を加えて構築したものが、結果として仕組みと構造について理解を得られなかった。したがって、それを今度は例外を少なくして、できるだけ簡素にしたもので御審議を賜ろう、こういうことでございますので、見方によっては網羅的、羅列的の方へむしろ近づいてきたというふうな表現はあってもいいのでありますが、原点はあの発言で問答したところから工夫をして今日に来たのでございますから、これは御理解をいただきたいという表現を用いても理解できるとおっしゃってはいただけないにいたしましても、そういう苦心の作品で、今こそこれ行うべき問題であるということで、臨時国会をお願いして御審議を賜ううというのでございますから、出発点はそこにあったことは間違いございません。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 聞いていらっしゃる視聴者の方々はこんがらがってくると思うのですけれども、要するに中曽根総理は、あの時点において、日本における流通システムというのが非常に複雑であってヨーロッパとはちょっと違うんだ、ヨーロッパは非常にある意味では単純だ、日本における流通システムというのは卵もあり小売もあり小さな店もありということで、だからそういう意味では、ヨーロッパ型のああいう付加価値税的なやり方をすると弱い者いじめになるから多段階はしない方一がいいと思う、あるいはお年寄りとか病気の方とか一般の消費者の立場を考えればそういうものも税金をかけない方がそういう市民、大衆を守ることになる、そこが原点になっておるわけでございまして、私は何も、自分がこの委員会で申し上げてお答えをいただいた政府統一見解が破られたから怒っているとか、そんなメンツで言っているわけじゃないんです。この政府統一見解の原点というものは、日本の複雑な流通機構、小売店、卸商あるいはそういう零細な唐を守るためには多段階や包括的はだめなんだ、中曽根総理は予算委員会でそう答えておるのですよ。あるいは消費者を守らなくちゃならぬ、あるいは病人も年寄りも守らなならぬ、だから多段階、包括的、網羅的な投網をかけるやり方はしないんです、そこが政治の、この税制の原点なんですよ、この政府統一見解の。ですから、単に言葉の辞典の上での解釈でかわせる問題ではないということを私は申し上げたいわけなんです。  この点もう一度、あの中曽根内閣のときの大蔵大臣として、あの内閣がなぜあの政府統一見解をここでお述べになり、しかも、評判が悪くってつぶれたけれどもあの売上税において、いろいろ文句は言われながらもあの統一見解を守ろうとしたかというこの精神を考えてもらいたい。弱い者を守ろうというところにあったのじゃありませんか。ここのところをお答えいただきたい。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今の弱い者を守ろうという基本的な考え方というのは、やはり私は、いわゆる利子所得に関するマル優制度の法案をつくる際の一番の基本になった問題ではないかというふうに思います。  それから、流通機構が複雑であるという認識のもとに、合理的である、いわゆるヨーロッパ型付加価値税というのはそれなりの合理性はある、その合理性のあるものをいかにして適用していくかということで、制度や仕組みをいろいろ工夫してごらんに供した。ところが、それはあかん、こういうことになりましたから、あかんと言われないようなものに、もう一度精査して直してきたということであるわけでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 まだ臨時国会は始まったばかりでございますから、私どもはこの立場を変えることなく、いろいろな機会で問題を指摘していきたいと思うわけでございます。  ただ私は、消費税の問題で、大ざっぱに申し上げて三つの理由で、これはどう見ても反対せざるを得ぬな、こう思っておるわけでございます。  一つは、シャウプ勧告以来の税制改革、抜本改革だと意気込んでいらっしゃるわけでございますから、今度の税制改革ができれば、今度十年か二十年後もう一遍税制改革ということはなかなかそう簡単にないだろう、こう思うのですね、ですから、このままの消費税を通してしまいますと不公平税制なるものが温存されてしまう、こういう心配を私はまず第一点として持っております。ですから、いわゆる直間比率の是正とかあるいは政府の消費税などを議論する前に、徹底的に不公平税制の是正というものを、一遍与野党汗を流して議論しようじゃないかという立場を我が党はとっているわけです。  第二点の反対の理由は、まあ一%上げれば、大体課税ベースが二宮兆だと言われているわけですから、二兆円ぐらい消費税の税収があると聞いているわけなんですね、二兆円弱。だから、三%なんてやめておいて五%にして、現に大蔵省は五%に大分固執しておられた。つまり税率を上げることによって税収がもう二兆、三兆、四兆とふえる。失礼ながら打ち出の小づちみたいな税制である。そんなことになりますと、本来行わねばならない行政改革がなおざりになるのではないか。行政改革というのは、それは行政当局も努力しておられるが、本質的に好むことじゃないですよ、これはやはり行政当局としては。やはり失礼ながら糧道を断つという格好で、行政改革は、余りいい表現ではありませんけれども、何とかしなければいかぬということで進むものなんです。打ち出の小づちのような税制を認めると行革がなおざりになりはせぬか。これが第二番目の理由。  第三番目は、総理も御懸念を示しておられましたが、まず一方で減税がある、減税があるとおっしゃいますけれども、税金を納めてない方は減税の恩恵に浴さない。例えば年金で暮らしている方々、その他いろいろな方々がいらっしゃいます。寝たきりの方々もいらっしゃる。それらの方々にはもろに消費税がかかる。つまり逆累進性の強い、弱い者いじめの税金になるんじゃないかという重大な心配がある。  以上、この三点で、私たちはちょっと今の政府提案の消費税は賛成できぬな、こう申し上げておるわけでございます。  さて、それを各論的に申し上げれば、不公平税制の是正につきましても、大まかに言えば、先ほどもちょっと触れましたが、やはり総合課税の再構築ということが必要だろうと思うのです。先ほど渡辺委員も、日本では最高税率六〇%、アメリカでは二十数%、アメリカは低いんだという御指摘がありました。確かにレートの上はそうなのかもわかりませんが、問題は課税ベースがアメリカの方が広いんです。日本がシャウプ勧告のときに、確かに総合課税ということを基本精神としてあのシャウプ勧告はスタートしたのですけれども、戦後の日本の経済の復興、資本の蓄積等々の事情があって、いろいろな優遇措置がとられてきた。結局所得、直接税の対象になる所得はいろいろありますけれども、その所得のうち利子配当はこれはまた優遇しましょう、あるいは株式売買益もこうしましょう、いろいろと特例、分離、軽減、免税というような格好で、所得全般の課税ベースがぐんぐん狭められまして、勤労所得というところに重課されるという制度に今や変化してきておる。だから勤労者は非常に重い税金で悩むという、苦しむということになるわけですから、単に六〇%だ、二三%だという税率の比較じゃなしに、アメリカはやはり原則総合課税になっているわけです。やはり課税ベースが広くなっている。だから税率を低くしたって税収は確保できるわけです。  私はまず、先ほど言いましたプライバシー尊重、保護を大前提にした、やはり納税者番号制の導入、総合課税の再構築をぜひおやりいただきたいということが第一点。ぜひこれはお答えいただきたい。  第二点は、やはり資産課税ということもお考えいただく必要があるのではないか。別にひがんで言うわけじゃありませんけれども、法人と個人の格差というものは、個人は死亡ということがありますから、相続という格好でいや応なしに再評価されてしまうという問題があります。相続税を払う。法人の場合はそういうことがありませんから、安い簿価で資産勘定がされておりますから、いわゆる含み益なるものが発生しておる、それは未実現利益だから課税の対象にならないという意見もわかりますが、何らかの形でこういう、特に先発企業と後発企業の格差もあるし、これから外国から日本に進出される企業も高い家賃で悩むという問題も出てくるわけでございますから、そういう法人が持つ土地、株式の含み益に対して何らかの課税を、十年、二十年という長い時間で結構でございます、あるいは中小零細企業を守るという意味で、評価額を大きくするが、基礎控除的な部分を大きくすることによって弱い人を守るという手も一つの方法だろうと思うのですけれども、そういう資産課税、こういったこともひとつ御研究いただきたい。  さらに、各種の不公平税制というのがあるわけで、例えば医師優遇税制度について若干の改善が行われたようでありますが、この優遇税制度そのものを根本的に見直すということがあってしかるべきじゃないか。あるいは事業税の問題も医師の場合はあるわけです。あるいはみなし法人の問題もある。あえて私は申し上げますが、公益法人に対する不公平税制ではないかという批判もあるわけでございまして、学校法人とか宗教法人に対するこれはちょっと不公平じゃないかという議論もあることは私は知っております。この議論、私は決してタブー視するつもりはございません。ただし、こういった問題につきましては、憲法で保障されておる学問の自由とか信教の自由とかそういった面を十分尊重しながら、税という行政の一部門の判断だけで、憲法で保障されておるそういった各種の人権、学問とか言論とか信教の自由を損なうことがあってはならないということはこれは断じて申し上げておかなくてはならぬことでございますが、そういったことを前提にした私は公益法人に対する課税の見直しも公明党としては十分受けて立つ気持ちでおります。  さらにまた、その他いろいろありますけれどもそういった各種総合課税の再構築とか各種不公平税制の見直しとか資産課税の適正化、こういったことをまずやった上で、それは税収が多いか少ないかいろいろな議論があるかもわかりませんが、やはり国民がこの消費税を受けとめるためには、やれるだけやる、まずこういったことを。私たち公明党もその論議に積極的に参加してなすべきことをなしたいと思っております。それをまずやった上で国民の理解を求める、こういう作業が前提条件として欠けていらっしゃるのではないかという点が、第一番目に反対する、不公平税制是正が不徹底だ、このままじゃ温存される、こういう私の考えなんですけれども、随分長くしゃべってしまいましたけれども、御意見を伺いたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 あるいは大蔵大臣から補足していただくこともあるかもしれません。  まず、今おっしゃいました総合課税制度ということに対する基本的な考え方というのは、私も、貴党のかねてからの理念でございますが、これは否定する考えはございません。この総合課税制度についてはそう思っております。  そこで今度は、この問題につきまして、まずシャウプ以来いろいろな、シャウプ勧告はそれなりの意義があった、しかしいろいろなことで特別措置ができたりして変化してきておる、こういう不公平の問題についてメスを入れろということであります。だからこそ、今度の場合、不公平是正として、今もおっしゃいましたように医師課税の問題あるいは譲渡所得、キャピタルゲイン等の問題についての若干の進歩があったと、私どもは現状においてはこうではないかと言っておる、が、さらにそれを議論してやろうとおっしゃる、これはまことに私は結構なことだというふうに思っておるわけであります。  公益法人問題にもお触れになりましたが、私は、今もおっしゃったように、宗教とかいわゆる教育とか、心に課税すべきものではないと思っております。したがって、それの事業活動等についてこれは行政上の措置等で私はある程度行えるものではないかというふうに考えておりますが、一層議論すべき対象であろうというふうに御指摘なされば、私どももそのようであるというふうに思えます。  それから、何としてもそういうことをやらないと、打ち出の小づちを持った財源で、税率の問題がすぐ引き上げられるようになって、いわゆる行革等がなおざりになるじゃないか。土光会長、きょうお亡くなりになったわけですが、あの人が私どもに行革のときにおっしゃったのは、まず糧道を断って初めて物事が進むのだ、それがありましたから、あの当時の矢野書記長にたびたび提出しろと言われて出しました仮定計算、あの当時のものをずっと計算しますと、十二兆一千億ぐらいやはり削減合理化をしたごとになるのです。これはやはりそういう糧道を断ったという緊迫感の上に立っておったと思いますので、そうした考え方は今後とも引き続き持たなければいかぬ。しかし、このたびの問題というのは、税制の構築全体に対して改革しようというわけでございますから、その安易な増税というもの、糧道を断たれた「増税なき財政再建」、すなわちヨーロッパのそれには及ばないが、いずれにしても総合して国民負担率を上げちゃならぬぞよ、こういうお諭しというようなことを当時言っておりましたが、そういう背景があったことは私も認めますし、やはり今度の税制がネット二兆円以上の減税そのものになるという意味において、増税というものを安易に考えておるところではないというふうにお考えいただきたい。  それから、税率問題を詳しくさらに突っ込んで申し上げますと、これは、中曽根前総理が今おっしゃった統一見解のときに、このような税制は中曽根内閣においてはとりません、最後そうおっしゃっております。もとより竹下内閣において私が進んで税率アップを提案しようなどという考え方はございませんが、ただ、いわゆる受益と負担というのは国民全体で選択すべき問題ですから、永久に固定するということをあえて申し上げることは、あるいは将来にわたってはそこまでも拘束するのはいかがかなと思いますが、少なくとも私どもは、これをつくり上げていきますまでの経過、それから国会というものがありますから、租税法定主義の国会においてそんなに税率をさあ上げてやろうというようなことになるわけがない、ましてや国会至上主義者でございますから、そういうことをいつも思うのでございます。  それから、次の問題につきましては、税を納めない者に対する懸念の問題でございます。これこそ、私どもがいつも申しますように、今少なくとも所得税は納めていらっしゃらない。間接税は、たばこをお吸いになれば、あるいはお酒をお召しになればというようなことで若干お納めになっている方も多いと思います、いろいろな物に物品税がかかっておりますから。しかし、総じて消費税というものがかかればその税金を納めていない者は増税になるじゃないかという議論については、税制だけでなく歳出の方で考えようじゃございませんか。すなわち、生活保護水準の引き上げでございますとか在宅福祉の問題でございますとか、そういうものは当然のこととして財政の枠内で、税制と全体の枠内で考えてその懸念は中和してちょうだいしようじゃございませんか、こういうようなことを申し上げておるところでございます。  ちょっと長くなりましたが、なおいわゆる、これは全部承知の上で、かねておっしゃいます資産課税の中の土地増価税の問題についてお触れになりました。未実現の利益に対してどうか、こういう私の答弁を先取りしていらっしゃいます。それからまた、この問題については、今日あります保有税の問題とそうしてまた固定資産税の問題と総合的に考える必要のある問題でございますので、そのいわゆる土地増価税の考え方というものは、確かに前からの持論でございますが、未実現の譲渡益であるということと、いま一つは、そのそうした固定資産税、特別保有税、そういう問題とどうやっていくかということこそ、これからますます議論をしていけばいい課題じゃないかなというふうに思っておるところでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 国会があるから歯どめがあるじゃないかとおっしゃったわけで、確かに形式論理としてはそのとおりなんですけれども、国会があっても消費税を無理やり通そうとなっておるわけでございまして、先ほどの渡辺政調会長の質問に対して、今度は三度目の正直だと大蔵大臣、大分ハッスルしておられましたけれども、二度あることは三度あるとも申しまして、廃案が二度なったわけでございますから、今度も廃案になるんじゃないかと、縁起でもないことを申し上げて恐縮でございますけれども、私たちはその決意でおるわけです。ただ私は、やはりこういった税制は国民の理解というものを踏まえながら改革すべきところは改革するという立場をとっておりますので、このように質問をさせていただいて総理がお答えをなさる、こっちの方がええな、去年のパターンやめて、質問した方がますます政府の矛盾がはっきりして、なるほどこれはあかん税金じゃということが皆さんにも御納得いただける。あなた、弱い者にも配慮するなんておっしゃっていますけれども、ホームヘルパー代だって今度消費税の対象になるじゃありませんか。そんなことをしておいて弱い者の味方だなんて言っても、余り説得力がないような気がいたしますよ。  大分いろいろな問題をお尋ねしましたもので、いろいろ御答弁いただいたわけですが、整理して申し上げて補足しますと、私は、やはり資産課税の問題は、例えば六十一年という年度をとりますと、土地と株式だけでその一年間で値上がりしたのが三百七十九兆円あると言われていますね。六十一年、三百七十九兆円。一年間で値上がりした土地、株式の評価額、つまり値上がり分。そのときの、年度になりますけれどもGNPは三百二十三兆円です。つまり、国民が汗を出して働くGNPよりも、国民総生産高よりも、その一年間の土地と株式の値上がりの方が大きいのです。三百七十九兆円。その三百七十九兆円の内訳は、二百四十六兆円が土地です。百三十三兆円が株式です。それで株式は今まで原則非課税であった。わけです。土地は売ったときには税金がかかります。かなり重い税金がかかりますが、しかし、例えば大きな企業とかそういったところはお売りになるわけじゃない。ただ土地の時価が上がることによってその企業の持つ担保能力、信用創造能力というものがふえて、そしていろいろな新しいビジネスをなさる体力になっておる。これは間違いのない事実ですよ。そういう土地を持っている企業と、持っていない、これから新しく出発する企業とはえらい不公平があります。  これはしようがないといえばしょうがないけれども、このこと自体やはり是正するのが、社会正義実現、公平とおっしゃる税制改革の大きなポイントになるのではないかということを申し上げておる。それを単に技術上の問題で未実現利益には課税できない、あるいはまた、答弁を先取りするようですけれども、装置産業を、資産再評価するとその装置産業は工場を半分売らなければいかぬとかおっしゃいますけれども、我々もそんな乱暴なことを替っているわけじゃないのです。そこはよく話し合って、社会正義という立場からも、そういう含み資産に対する課税というのは考えていいんじゃないか。これは法人と個人の格差、東京と地方、失礼ながら島根県じゃそんなに上がっているわけじゃないでしょう、総理。前も私は島根に行きまして、二百四十六兆土地が値上がり、そんなのうそだと島根県の人は言っていましたですよ。というふうに東京と地方の格差もある。     〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕特に世代間の格差もあるのです。これから若い方々は、東京で御自分で家をつくることはなかなか困難です。というような世代間の不公平、東京と地方の不公平、あるいは法人と個人の不公平、こういったことを考えれば、やはり国民感情から見て、決して私は無理を言うつもりはないが、資産課税の適正化ということはぜひ真剣に御検討いただくべきじゃないか、こう思います。  ともに公益法人についても私は申し上げましたけれども、公益法人については三十三品目が収益会計として認められておる。それは税金が二七%ですか。私は施行令のこの三十三品目をもっと拡大することは検討していいと思います。あるいはまた、公益法人の名において公益法人でないようなことをなさっている場合には、これは徴税の執行上きちっとなさるべきだと私は思います。そういったことを含めて、ぜひそういうことを先にやることによって国民の理解を深めるというお考えを総理はお持ちになりませんか。もう細かいことじゃない。税制改革の手順という立場から必要なことを先にやりなさいということを申し上げているのですが、いかがでございましょうか。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 今御指摘なすった問題をこうして話し合う中で、今御指摘された不公平税制に対する国民のいわば改正すべきであるという本当の理解、そうしてまた、私どもが二十一世紀に向かって、先ほどおっしゃったようにシャウプ以来四十年、その二十一世紀までの間にたびたび変わるものじゃございません。したがって、二十一世紀へ向かっての活力を維持した税制の構築というものが、両方が並行して理解されていくんじゃなかろうか。こういう議論をしておることこそ最も大率なことである。今委員長がおっしゃいましたのは、こういう議論をすることによって政府側の言っていることがますます国民に対して疑念を多くするんじゃないかとおっしゃる。私どもの方は、こういう議論をすることによって国民の皆さん方の理解がますます深まっていくんじゃないか、議論しつつ理解を深め、理解をしつつ議論をする。そういうことは大変ありがとうございました。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 違うのですよ、総理。政府の立場から見ておいしいものを先に食べるというやり方を変えてください。政府にとっておいしいものというと言い方は適当でないかもわかりませんが、消費税を先におやりになりたい。これも、この臨時国会でもし皆さん方がお通しになりますと、もう抜本的税改革がこれで終わったというようなことになりかねないから、そのおいしいものは後にしなさい、三年か四年先の後にしなさい。その前に、まず国民から見て納得のできる税改革を、議論をしつつ何とかという、そんなしつつじゃなしに、今申し上げた総合課税の再構築とかあるいは行政改革の推進とか高齢化社会におけるビジョンの構築とか国際社会における日本の役割とか、そういったきちっとした展望を立てながら、できることを、あるいは難しくても無理すればできることをまずやりましょう、今すぐ技術的にできないものは、やるという政治約束をここでしましょう、こういうことの方が先決じゃありませんかということを言っているのです。議論しつつ何だかかんだかでこの臨時国会で消費税を通すのじゃだめですよということを言っているのですけれども、これはどうなんでしょうか皆さん。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 おいしいものとかおいしくないものとかという議論を別といたしまして、消費税というものをお願いしておることは事実です。しかし一方、いわゆる勤労所得者を中心とするところの減税をお願いしておることも事実なんでございます。しかも、それがかつてのレベニュー・ニュートラルではなくして、ネット二兆円以上の減税というものをお願いしておるという意味におきましては、私は、おいしいものとおいしくないものとを区別するのではなくして、まさに二十一世紀に向かってあるべき税制の姿を構築していこう、これが私の言わんと欲するところであります。  もう一つおっしゃいました。確かにこれで済んだなどというようなことになっては、これは大変でございます。したがって、できる、実現可能なものから、あるいは事務的に煩雑を要するものはある種の時間を置いて、政治約束をしながら、なかんずく資産課税に着目した不公平税制というようなものを是正する努力を続けていく、話し合いしていく、これも私は全くそのとおりだと思いますので、それらを総合的にきょうのような御議論をちょうだいすることがまさに私どもに対してもありがたい立場であるというふうに思っております。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 今の御答弁では全然私はありがたくないのですよ。私は先ほどるる、例えばキャピタルゲイン課税についての納税者番号制度あるいは名寄せのやり方あるいは高率の分離のやり方あるいは未公開株式の場合における特別の扱い等々、具体的な提案をさんざんぱらしてきているのですよ。しかし、失礼でございますが、はかばかしい御返事をいただいてないわけです。私たちは何も頭から反対だとか何でも反対だという無責任な立場をとっておるわけじゃない。建設的な提案を申し上げながら、国民感情から見て、やっぱり不公平税制は是正されていないという答弁がマスコミの世論調査では七割もいらっしゃるのじゃありませんか。七割もいらっしゃるのですよ。まず、そういうこの国民の声にこたえて、そっちの方を先にやりましょう。そっちの方を先にやりましょうということは、消費税はちょっとこの国会だめですよ。もう一つ言わしてもらうと来年もちょっと無理ですよ。なぜかなら、この作業にはかなり時間がかかる、総合課税の再構築とか資産課税とか行革とか。だから、同時並行じゃなしに、私は順序を申し上げているのですけれども、総理、どうでしょう、私も税制改革で前向きに真剣に国民の声に沿った角度で御議論申し上げたい。まだまだそれは勉強が足らぬ面もあるかもわかりません。しかし、少なくとも庶民感覚で質問を申し上げることはできると思います。そういった声をぜひ尊重していただいて、この臨時国会においてはもう消費税はこだわらない、公明党が提案するようなもろもろの建設的なことについてまず取り組みましょう、こういう御決意をお示しいただけませんか。それによって我々も大いにこれから建設提案をしていきたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 いや、決していわゆる庶民感覚だけのお尋ねだなどとは思っておりません。もう装置産業の問題等も、これは答弁の先取りをいただいたわけでございますから。したがいまして、また今おっしゃった信一用創造能力というような問題からするいわば法人の所有する土地資産課税等についての見識も、私は見識として承っておるわけでございます。だから、そういうものをとにかく一生懸命で議論をいたしましょう、それについて我々も真剣に答えます。しかしまた、私どもが二十一世紀に向かって構築いたしましたぎりぎりの選択でもってお目にかけております税制改革法についても、関連六法についても、皆さん方も議論の対象にのせて大いに議論をしていただきたいということをひたすらお願いする次第であります。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 もう時間もあと十分というわけでございますので、この問題はまだまだ議論をしたいと思うのですが、私はかねてから税制改革について公開の党首討論会をやってはどうか、そして我々の勉強が足らない未熟な点があるならば大いに論破していただいて結構でございます、私たちの意見に聞くべきものがあればぜひそれは取り上げていただく、そういったことで公開の党首討論会をやろうではないかということを御提案申し上げておりますので、この続きはぜひそういう場を実現してやらしていただきたいと思っております。  そこで、残された時間、私は二月にアメリカを訪問しましたときに国防総省へ行きましたら、ペンタゴンの方々、例の夜間訓練基地、艦載機の問題で、三宅島のことはどうなっておりますかというような質問がありまして、私の判断といたしまして、三宅島の島民の方々は反対である、せんだって行われた選挙においても反対の意思は極めて明確である、日本政府いろいろやるとおっしゃっているようだけれども、まず無理だと思います、やはり島民の意思というものも尊重しなくちゃなりませんぞというようなことがありまして、公明党として別の代替案というものをぜひ考えたい。やはり厚木であのような訓練をやっていらっしゃる。艦載機が着陸したら離陸する、着陸したら離陸、あれを繰り返しやっているわけですから、もうそれは物すごい音ですわな。万が一事故が起こったら大変だ、超過密地域における基地でございますから。というわけで、私は、そういった基地周辺の方々の騒音や災害、これは起こっちゃいけませんが、防ぐ意味においても、やはり夜間訓練基地というものはつくるべきだ、しかし、三宅島はとってもこれは無理ですよという判断を持っているわけでございます。  我が党の鈴切委員がかねてから一生懸命勉強いたしまして、いわゆる浮体滑走路方式というものを何回となく提案をしておりますし、私も今度勉強いたしまして、日本の海洋開発の関係者、アメリカの研究所や企業ともいろいろ相談をして、いろいろなレポートが出ております。例えば私の入手したレポートによりますと、六十年間の耐用年数があって、三千メートルの長さで、幅百五十メートルで、波にも風にも強くて、風に向かって一点係留という立場から方向転換もできるというようなさまざまな条件を満たして、技術的に可能である、こういうレポートがあります。また、横浜国立大学の宝田教授のレポートも拝見しましたが、これも技術的に可能である。見方によってコストはいろいろありますけれども、大体二千億から三千億、こういう積算も出ておるやに私は聞いておりますが、この二千億というのはイージス艦一隻分ですわ、総理。ちょっとイージス艦、余り信用なりませんぞ、最近のペルシャ湾のあれじゃ。それよりか、私はカールーチ長官にそういう提案をしたら、長官は、日本政府が防衛庁長官がかわるたびに必ずやります、やりますと言うから、頼みますと、こう言っているのであって、もう十年になるかな、もう何人言うて、まあという感じでした。スタッフの方々、要するに日本政府はうそばかりついていると明確に言っておりました。  もういいかげんにこの問題見きわめをつけて、また、日本政府としてもいきなりあれはもうだめですから浮体工法にしますと言いにくいから、私が言うているのだから。これはぜひひとつどうでしょう、前向きに検討されて、これはまた国際入札にすればアメリカだって大変喜ぶかもわかりませんよ、これだけのビッグプロジェクト。イージス艦一隻やめろとは言いませんけれども、それとほぼ同じ値段で浮体工法の滑走路というものができるのだ。これは防衛庁長官、総理、もう時間がありませんから簡潔にお答えいただきたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 総理の先にお答えをさせていただきますが、委員には大変NLPの問題につきまして御心配を賜り、ありがとうございます。  日米安保体制の効果的運用、こうしたことを考えますと、私どもも一日も早くこの問題を解決したい、かように考えておるわけでございまして、三宅島は立地の上で非常にすぐれておる、さらに努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  なお、浮体工法につきましてただいま御質問がございましたが、未来の技術開発の方向として否定するものではございませんが、一つは、米軍の方が希望をしていないということが一つございますし、また、従来から基礎的な研究は行われているわけでありますが、世界に実用例がない、実用性を十分評価し得る技術的実証がなされていない、こういうようなことを考えてみますと、現段階で採用することはできない、かように考えておるわけでございます。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 総理、一言補足します。  まず、技術的に可能であるということが一点と、カールーチ国防長官も、三宅島の基地について公明党が意見を述べてくれたことはうれしく思う、東京の近くでぜひよい施設を見つけてもらいたいと明確におっしゃっているわけです。あるいは軍の首脳も、海上施設であっても揺れが少なく米海軍が受け入れられるものなら構わない、こういう意見も公式にはあるわけです。ですから、確かに防衛庁としては今のお立場は無理からぬことだと思いますが、実際問題無理じゃありませんか三宅島、何ぼそこで力んでみたところで。毎年、防衛庁長官がかわったら、いや、私の代でやります、こう言っては、もう早いことかわりますななんてペンタゴンの方おっしゃっていましたよ、これはもう本当に失礼ですけれども。いや、そういう印象なんです。これはやはり日米不信感の一つの原因になる。  私は、安保条約を一定の前提のもとで制約をつけた上で認めておる。しかし厚木では危険だ。騒音が激し過ぎる。しかし三宅島はだめなんだ。ならば、この辺で勇気を持って何らかのひとつ大胆な発想をお持ちになるべきだという裏づけを持って申し上げておるわけでございますので、最後に御答弁をいただいて終わりたいと思います。

竹下登自由民主党内閣総理大臣

○竹下内閣総理大臣 三宅島に訓練場が設置できるまでの間、こういう考え方の上に立って硫黄島を使用するなどをやることによって厚木飛行場の騒音を軽減するための暫定措置を検討しよう、こういうことを米側に申し入れておるということは事実でございます。したがって、まずは今、暫定的な使用のことを申し入れておるわけでございますが、私も今まで私なりに勉強をさせていただいたところで、浮体工法について技術的に完全であると言うだけの自信が私にはございませんが、なお私なりに勉強はさせてもらいたい、このように思います。

矢野絢也公明党・国民会議

○矢野委員 どうも長時間ありがとうございました。  先ほど大変僣越でございましたが委員長に御要請申し上げました件につきましては、国民の強い願いでもあり、我が党としてもかたい決心で御要望申し上げたことでございますので、何とぞ実現できますよう最大の御努力をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

奥田敬和自由民主党

○奥田委員長 これにて矢野君の質疑は終了いたしました。  次回は、明五日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時一分散会

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