本会議 第20号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1988/11/24
会議録
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。 ────◇───── 会期延長の件
○議長(原健三郎君) 会期延長の件につきお諮りいたします。 本国会の会期を十二月二十八日まで三十四日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。森本晃司君。 〔森本晃司君登壇〕
○森本晃司君 ただいま提案されました臨時国会の会期を再延長する件に関しまして、私は、公明党・国民会議を代表して、絶対に認めがたいという立場から、審議の場であるこの本会議場に出席し、堂々と反対の討論をするものであります。(拍手) 第百十三回臨時国会は、七月十九日に召集され、与野党間の話し合いで合意が得られないまま、自民党は一方的に七十日間の会期を決定いたしました。そして、その会期中に消費税が通らないと見るや、五十九日間という大幅な延長を強行したのであります。 今また、衆議院において税制六法案が通過したものの、参議院における審議期間がないことを理由に、さらに三十四日間の会期延長を行い、強引に消費税法案の成立を図ろうとしていることは、断じて許すわけにはまいりません。 もともと通常国会における与野党合意では、今国会は所得税減税を処理するだけの国会とすべきものであるというものでありました。このようにたび重なる大幅会期延長は、前例がなく、まさに異常であります。国会の会期制を踏みにじる政府・自民党の態度は言語道断だと言わざるを得ません。 消費税については、審議を通して理解を深めていきたいという政府・自民党の思惑とは裏腹に、審議をすればするほど多くの欠陥が露呈するばかりであります。その解決策も明確に示されておりません。総理の示された八つの懸念はますます深まるばかりであります。 国民にとっては問題点が多く、導入の理由も明確でない消費税をなぜそう急がなければならないのか、このような素朴な疑問にさえ、政府・自民党は何ら納得のいく回答を示していないではありませんか。 政府・自民党にとって、再延長は税制改革法案の成否をかけたものでありましょうが、国民生活に最も影響ある重要案件の審議を、国民の合意を得ないまま、臨時国会で、しかも再延長までして成立させようとすることは、国民の意思を全く無視したものであると言わざるを得ません。 もとより、臨時国会は、通常国会の後、予測できなかった事態や緊急の案件に対処するものであります。本来、重要案件は通常国会において慎重に審議すべきものであるという議会運営のあり方から見ても、断じてこのような横暴を許すわけにはまいりません。まさに議会制民主主義を破壊する暴挙と言わざるを得ないのであります。 会期の再延長は、これまで我々が再三指摘してきたように、今回の税制改革が初めに消費税ありきであることを端的に物語るものであります。審議時間を稼いで、その後は数の論理で成立させようという強引な手法が今またまかり通ることを許すわけにはまいりません。 消費税導入のためになりふり構わぬこのような態度で、どうして国民の合意を得られる税制改革を進めることができるのでありましょうか。政府・自民党に対して、私は猛省を促すものであります。 昨日、横綱千代の富士関が五十連勝という快挙をなし遂げました。この中にも、心から応援をしていらっしゃる皆さんがおられます。あの横綱の五十連勝に大拍手喝采を送るのは、決められた一つの土俵の中で闘っているからであります。あの横綱が、追い込まれたからといって、そして土俵を広げたならば一体どうなるのでありましょうか。(拍手)相撲ファンはもとより、日本国民はこの快挙に対してだれ一人として拍手する者はない。今まさに会期の再延長は、私はそのような行為が行われていると思います。 ボクシングの試合は、双方がリングに上がって、決められた時間に、決められた回にやるのです。ゴングの時間を三十秒縮めたりしたらどうなりますか。厳しい審判があるじゃないですか。もし負けそうになったからといってゴングを鳴らすのを延ばしたらどうなりますか。今、自民党の皆 さんがされようとしていることはそのことであります。 さらに私は申し上げたい。きょうのこの異常な国会、リングに上がってこない人たちがいる。土俵に上がらない人たちがいる。それが何か土俵の外で、あるいはリングの外でやっていることが正しいような誤解を今与えているじゃないですか。(拍手)だれがその根本的原因をつくったのですか。 自民党の皆さん、今盛大なる拍手をいただきました。しかし、そんな場をつくったのも、今の異常なる、強引なる国会運営にあるということを猛省願わなければならないと私は思うものであります。(拍手)このままいくと国民の政治に対する信頼がなくなってしまう、そのことを憂えるがゆえに、私たちは本会議場に出席し、そして堂々と反対討論を行い、政府・自民党の皆さんに猛省を促すものであります。 我々は、国民の生活を守るため、消費税法案の成立を目的とした再延長に断固反対いたします。会期再延長には断固反対であることを表明し、討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) 原田昇左右君。 〔原田昇左右君登壇〕
○原田昇左右君 私は、ただいま議長から発議されました今国会の会期を十二月二十八日まで三十四日間延長する件につきまして、自由民主党を代表して、賛成の討論を行うものであります。(拍手) 御案内のとおり、去る七月十九日に召集されました本臨時国会は、税制改革を実現するに当たり、極めて意義の深い臨時国会であると考えております。我が党としては、会期当初より、国民各層の前に税制論議を明らかにするため、できる限りの審議時間を確保し、論議を尽くし、税制改革の御理解をいただくことを主眼としてまいりました。野党各党と話し合いによる運営に誠心誠意を尽くすことも当然のことでございました。 しかるに、これらの審議に対して、審議を拒否する行動が一部野党にとられたことはまことに遺憾であります。本日も、本会議出席を強く要請したにもかかわらず、社会、共産の両党は欠席をいたしておるのであります。これらは、とりもなおさず議会制民主主義を否定することに通ずるものであり、断固許すわけにはまいらないのであります。(拍手) しかしながら、懸命な努力にもかかわらず、税制改革法を初めとする税制関連六法案は、衆議院において可決し参議院に送付はしたものの、参議院本会議におきまして趣旨説明と質疑が、同税制改革特別委員会におきましては趣旨説明のみが行われたにとどまっております。 このような状況の中で、我が自由民主党といたしましては、国民の前にさらに税制論議を明らかにし、国民各位の御理解を賜るべく審議を尽くさねばならず、あわせて、今国会中に生じましたリクルート問題等、諸問題の解決にも全力を挙げて取り組まねばならないと考えるものであります。 また、防衛二法、学校教育法、長年の懸案であった議院証言法につきましては成立を見たものの、前国会より継続されております教育関連法、刑事施設関連四法等、重要法案が未成立のまま残っておるのであります。 申すまでもなく、国会の役割は、法案等を慎重に審議し、成立させ、国民生活を守り、向上させることにあります。そのことが国会に課せられた最大の責務であります。国会は言論の府なのであります。法案審議に対しましても、諸問題の解決のためにも、論議の場はぜひとも必要なのであります。 したがいまして、自由民主党といたしましては、諸懸案を今国会において処理いたさねば国民の負託にこたえられないと改めて痛感し、このためには、国政を担う責任政党として、十分に論議を尽くすべく、会期の延長に関する議長の提案に対し賛意を表し、賛成の討論といたすものであります。(拍手)
○議長(原健三郎君) 中野寛成君。 〔中野寛成君登壇〕
○中野寛成君 国民の大きな怒りの声の中で、今、自民党の破廉恥とも言える無謀な申し入れで提案された通算百六十三日にも及ぶ空前の三十四日間の会期延長に対し、私は、民社党・民主連合を代表し、反対の討論を行うものであります。(拍手) 最近は、連続する自民党の強引な国会運営や公約違反など、また、これに対する一部野党の国会ボイコット戦術によって、本院の採決は、出席すれば賛成、欠席だけが反対であるかのようなイメージが定着しつつあります。このような状況は、再び左右対決の極端な政治風土を呼び、反対をしようと思えば、それこそ実力、腕力までも使う人が最も熱心な反対者と評価されるような、議会制民主主義を破壊するそういう土壌を生みかねません。(拍手) まず、自民党は、最近の鉄面皮とも思えるような無謀な国会運営と公約違反を即座にやめるとともに、その中でも議会制民主主義を守らんがために切実な願いを込めてこの場に出席し、堂々と討論している政党の怒りこそ、欠席政党よりはるかに大きいことを思い知るべきであります。(拍手) そもそも、さきの五十九日間の会期の延長は、自民党が勝手に決めたものであります。我々野党が注文をつけて決めたものではありません。自民党は、五十九日間の会期となれば、政府の税制法案が十分審議され、その成立を期すことができるものと判断し決定したのではありませんか。その思惑にもかかわらず、かかる事態を迎えたのは、自民党の不誠実さ、とりわけリクルート問題の全容解明、不公平税制の是正に対する真剣な努力、協力姿勢がなかったからではありませんか。まさにこの事態を迎えた責任は、一にかかって自民党の不誠実さにあったことを改めて強調しないわけにはまいりません。しかも、その責任を忘れ、大幅な会期の再延長という強引な手段によってあくまでも我意を押し通そうということは、余りにも横暴なやり方であり、我々はこれを断じて容認するわけにはまいりません。 また、さきにも指摘しましたように、臨時国会は、それを開くに至ったテーマについて十分審議するに必要な時間をあらかじめ想定し、それによって会期を定めるべきであります。会期の延長は、よほど特別の事情により審議を尽くせなかった場合のやむを得ざる場合の措置であり、ましてや会期の再延長ということは、よほどのことがない限り許されるべきではありません。このこと は、戦後の臨時国会の歴史において、会期の再延長期間は最大五日であったという事実を見れば明らかであります。 それを、五十九日間の会期延長に加え、臨時国会史上最大の三十四日間の会期の再延長を図ることによって、国民の大多数が反対する消費税法を強引に成立させようとする自民党の態度は、臨時国会の会期制度を国会対策上の手段として安易に、しかも政治的に逆用するものであり、国会運営の基本原則を踏みにじるものとして、我々はこれを断じて認めるわけにはまいらないのであります。 それにしても、民主政治の基本にかかわる国民の納税の問題、しかもシャウプ税制以来三十六年ぶりの大改革と言われる税制改革法案が、衆議院においてわずか二日半の本格審議しか行われず、委員会での自民党単独採決を経、本会議までの限られた時間での慌ただしい修正交渉をもって衆議院を通過したというのは、私どものやむにやまれぬ苦肉の配慮があったとはいえ、それも、これ以上国民の皆様に損をさせたくないという我が党の切実な願いによってやっとあの衆議院の通過があったことであって、本来まさに異常な出来事であります。 税制改革の前提となる行財政改革も、高齢化社会の福祉ビジョンも、論議は緒についたばかりであり、十分な論議は行われておりません。サラリーマンに偏った現行税制の不公平の是正すら未消化のままであります。消費税法に至っては、問題点の指摘のみ行われ、実質的論議はほとんどなされていないのであります。 民主政治の基本にかかわる国民の納税の問題が、十分に論議されることもなく、与野党の政治闘争上の手段として一部政党に利用され、国会対策上の駆け引きの道具として終始し今日に至ったことを、国民にとってまことに不幸な出来事と言わざるを得ません。 したがって、この際、会期の大幅再延長を図るというこそくな手段をとるのではなく、この臨時国会は、国民の合意となっている所得税、法人税及び相続税の減税法案の成立を図るにとどめ、消費税法等現行税制の根本にかかわる法案については、改めて出直し、次の通常国会において、国民の合意を求め、十分な論議を行い、その是非を問うべきであります。 自民党がここにかかる税制改革論議の王道を改めて歩み直すことを提言し、ここに私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。 会期を十二月二十八日まで三十四日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、会期は三十四日間延長するに決しました。(拍手) ────◇─────
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会