税制問題等に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1988/09/14
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 税制問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしましてリクルート問題を追及いたしたいと思いますが、それに先立ちまして、総理に日朝関係についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 大変厳しい国会の状況の中で、社会党の山口書記長が北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国を訪れ、責任者と会談をして帰ってまいったわけでありますが、その報告に基づきまして政府はいち早く朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁解除という方針を打ち出しました。私は、大変その対応の早い処置に対して高く評価をいたしたい、こういうふうに思います。 ただ、今世界は非常に大きく動いております。INFの撤廃を初め、東西ヨーロッパは既に外交関係を結ぶ、ECとコメコンは外交関係を結ぶというところまで参りましたし、ホットスポットと言われるアフガニスタンやカンボジアや、あるいはイラン・イラクや、そういうところも大きく動き始めております。我が国にとって大変関係の深い朝鮮半島というものについては大変厳しい状況が依然として続いておるわけでありまして、私は、今世界の全体を見ますときに、経済の国際化、そういう中で軍事対立、東西の対立というものの壁が崩れつつある、こう思います。 そういう中で日本がどういう役割を果たすべきか、私は、今回の問題がさらに発展をする必要があるのじゃないか。南北の国会代表は既に対話を始めております。そういう意味では、朝鮮半島の緊張緩和、安定、そういうことのために日本政府の果たすべきこれからの役割というのは大変大きの果たすべきこれからの役割というのは大変大きい、こう思います。山口書記長は日中国交回復の方式ということについても触れております。竹下総理として、今回のこの問題をさらに今後日朝関係の正常化、そういう方向に向かって進めていくべきだと思うのでありますが、どうお考えになるか。アジア外交の一番大きな、これからの日本にとってもなかなか難しい選択もありますし、中ソも動いておりますし、アメリカも動こうとしておりますし、そういう中での日本の役割というのは大変大きいと思いますので、そうした総理の基本的なお考えというものをまず伺いたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 今、御指摘がございましたように、INF全廃交渉を初め、地域的問題にいたしましても、アフガン、そうしてイラン・イラク戦争、またカンボジア問題にしても、急速な進展が今見られたとは言えないにしても、いろいろな環境が動きつつあるという認識は私も等しくしておるところであります。 この問題を日朝関係にスポットを当てながら考えてみますと、やはりこのたびの山口書記長を団長とする訪朝団というものは、これは記念すべき日に招待を受けられたという形になっておりますものの、従来からの継続性の上に立って大変有意義なことであったろうと思っておるところでございます。御苦労を多といたしておるところであります。 政府としては、やはり七・七特別宣言、こういう新しい情勢というものを一方に踏まえておりました。したがって、この韓国とそれから中ソの交流というものの均衡というものも私どもの心の底にあったことも事実でございます。したがって日朝関係の改善を積極的に進める、従来からもその気持ちはありますが、時期としてまさに進めるべき時期であるということ、そのように考えておるところであります。そのためにもやはり第十八富士山丸問題を解決したい、この問題については可及的速やかな政府間交渉というものも私どもも希望しておるわけでございますから、そのタイミングが近い将来に得られることを心から期待をしておるところであります。 今般は、やはりソウル・オリンピックに向けて緊張緩和の雰囲気にこういうことが貢献をする、そういう積極的なメッセージとしてこの解除を決断をしたということでございますので、これは朝鮮半島における緊張緩和の動き及び日朝関係全般に好影響を与える結果となるであろうということを期待しておるということは申すまでもないことであります。したがって、北朝鮮側よりも前向きな反応が得られるであろうことを希望をし、期待をしておるというのが現状認識でございます。
○川崎(寛)委員 速やかなそういう政府間の交渉に入り、さらに、今韓国と中国なりソビエトなりとの交流も進んでおるという点について触れられましたが、そうした方向で緊張緩和、安定という方向に向けて日本政府が主体的なこれからの外交を展開されることを期待をいたしたい、こういうふうに思います。 けさ、選挙区の鹿児島のお年寄りから電話がありまして、このリクルートの問題というのはもう本当に腹が立つ、自分たちは本当に汗水流して働いてきた、ところが、新消費税でこれから我々もまた大きな負担をかけられようとしておるし、そいうさなかにこういうリクルート問題というのはもう憤慨にたえない、ぜひ、政府や与党の最高責任者がかかわっておる問題でございますので、この問題については徹底的な追及をしてほしいと切々と訴えられました。私もそのことを非常に、そうした言葉に責任を感ずるところであります。 そこで、リクルートというのは利に狂うともがら、リクルート、利に狂う人あるいは徒輩の徒、むしろ徒ですね。だから利に狂うともがら、こういうことになろうかと思います。だからそれをこのまま放置しておってはいけない。これは私は、もう日本の政治の根本の問題にかかわってくる、政治がどうして信頼を回復するかという大きな課題だと思います。 そこで私は、日本経済新聞というのは、新聞の名前をこういうところで特定して言うのはよくないことなんですが、やむを得ないと思ってしますが、森田前社長がこの江副リクルートの前会長から株をもらった。そのことが明らかになりましたら辞任をいたしました。社長を辞任いたしました。ロイターはこのことについて、インサイダー取引で引責辞任、こういう電報を打っておるわけでございますが、職業倫理というものにやはり従わざるを得なかったし、直ちに従った、私はこう思うのです。 そうしますと、今残念ながら政治家の皆さんというのは、ここに竹下総理それから宮澤大蔵大臣、残念ながら、ここにきょうは加藤さんおるのかな、加藤六月前農林水産大臣というぐあいに、それから安倍自民党幹事長、中曽根前首相、渡辺政調会長、森元文部大臣、そして加藤紘一元防衛庁長官、こういうふうに政府・党の最高責任者、これは最高責任者と言ってそれでおしかりを受けるのかどうかわかりませんが、まあ最高責任者の人たちですね。 そこで、私は竹下総理に率直にお伺いしたいのです。森田さんが職業倫理に従って潔く辞任された。政治家は今非常に大きな責任を持っておるし、あなた方が独立以来の税制改革をしようとするその責任者として作業し、そして国会にまた法律も出してきた。その人たちがリクルートに汚染をされているわけです。竹下首相は、この汚染をどう取り除き国民の皆様に対してリクルート疑惑を解明しようとしておられるのか。衆参の国会の予算委員会の議事録を読み直してみますと、そうした強い決意というのがありません。ただ秘書の問題として、その火の粉を払うことにきゅうきゅうとしておる、非常に残念に思います。でありますから、竹下首相の政府並びに党の最高の責任者としての、国民の怒りを買っております、疑惑のかかっておりますこのリクルート問題についての解明への御決意を伺いたいのであります。
○竹下内閣総理大臣 私個人に関する問題が一つございます。これは、当然のこととして、元秘書がリクルートコスモス株の売買によって利益を得た、こういうことでございます。 やはり政治家として考えてみます場合、私どもは大変に情報等がお互い集まりやすい環境にまずあると思います。したがって、この種のことにつきましては絶えず非常に緊張していなければならない。それが緊張を、よしんばそれが経済行為であったとしても、緊張を欠いておったという責めは私どもが負うべきであるというふうに思っておるところであります。 したがって、当面国会、あるいは一方、告発の問題も出ておりますが、そうした問題は問題として、一方、政治家として、そのような問題がいわゆる証券取引法上の問題等において是正せられるべきものがあるならば、あると思いますが、それらに対してまず適切な対応策をとっていくべきであるというふうに思っておるところでございます。第一義的には今そのように私は考えておるところであります。
○川崎(寛)委員 証取法の範囲内でのお答えですね。しかし、私はそういう証取法の第何条でどうするという問題じゃないと思うのです。これは角谷さんに聞けば、証取法四条違反でした、そういうことを得々と言われると思うのですが、こんな問題じゃないと思うのです。 だから私は、ちょっときざな言い方ですが、亡くなった田中六助さんがよく引用したマックス・ウェーバー、宮澤さんはよく耳にしたと思うのだけれども、マックス・ウェーバーが「職業としての政治」という中で言っておりますのは、政治家には二つあるというのです。つまり、政治のために生きるか、政治によって生きるか。つまり、政治を恒常的な収入源にしようとする者、これが政治によって生きる者なんです。これはもう本当に古今東西を問わず、政治家のあり方というのは問われるわけですよ。私は今このリクルート、利に狂うともがらというのは、政治によって恒常的な収入源にしておる、秘書の問題に全部かぶせておりますけれども、そうした諸君は、後でいろいろ取り上げますが、結局、政治家と一緒になって、政治には金がかかるものだ、こういうことで、政治によって収入を得る、収入源にしておる、そういうのが今非常に目に余るわけです。だから、おたくの党の先輩の中にも、尊敬する人たちは警告を発しておる。 私は、だから今の竹下総理のお答えは、証券取引法の範囲内で、こういうお答えは、つまり今日の構造的な汚職、政治汚職というものに対してこれを解明していくという御決意ではない、証取法の中で何をどういじるという問題ではないと思うのです。もう一度竹下首相の、このリクルート汚染というもの、リクルート疑惑というものを解明することについての最高の責任者としての御決意を伺いたいのです。
○竹下内閣総理大臣 私のお答え申し上げましたのは、第一義的にあるいは行政府の責任者としての感じが表面に出過ぎたというふうなお答えを、今指摘されてみてそういう印象は私もございます。 やはり政治と金という問題につきましては、お互い長い間いろいろ議論をいたしてまいりました。入りの問題のみでなく、出の問題についてもいろいろ議論をしてまいりました。あるいは議院運営委員会等において虚礼廃止の申し合わせ等、これは出の問題についてお互いが自粛しようというようなことも今まで行われてきたわけでございます。議論の中には、先進諸国の一部に見られるように、あるいは政治活動というものそのものには金がかかることであるから、公費負担によってそれをやったらどうか、こういう議論もしたことがございます。しかし、それらの公費負担と今日の庶民生活の感覚との間にはまだ乖離があるというようなことからして、お互いが考えた結論というものは、私はやっぱり倫理綱領であり行為規範というものが私どもの議論の末の最大公約数として出ておるものではなかろうか。したがって、一つ一つの行為に関して、私どもは絶えずその原点というものを振り返りながら対応していくべきものではなかろうかというふうに思っておるところであります。 私個人自身につきましては、これは政治家としても、私は内閣総理大臣という皆さん方に指名をいただいた地位でありますだけに、私に集中してこの問題は御議論をしていただくことが一番好ましいじゃないか、こういうふうにみずから言い聞かしておるところであります。
○川崎(寛)委員 先ほど日経の森田社長が辞任をされたということを言いました。これは日本経済新聞の日曜版でございますけれども、「大国興亡論と日本」というのを、あえて名前を申し上げたいと思いますが、永田論説副主幹が書いておられます。自戒を込めて書いておるわけでありますが、その中で言っておることは、イタリアのナポリのことわざ、つまり「魚は頭から腐る」。つまり、ローマが崩壊をしていったのは、当時支配階級であった指導階級であった貴族階級が、悪徳そして不正、そういうことで腐敗をしていった。それで腐ったわけです。つまり、ローマの興亡というのは大国の歩む歴史であるわけです。そうしますと、今、日本の脅威というのは、高度成長しております、確かに世界から経済大国として大きな期待もあります。しかしこの永田さんが言っておりますことは、日本の脅威は志を失った指導者たちにあるんだ、こう言って、自戒を込めながらこのことを厳しく指摘をしております。 でありますから、私は今日のこのリクルート汚染というものを、今総理は集中的に私にと言われました、それは後ほどリクルート汚染を徹底的に解明していくということが必要だと思います。だから、竹下首相に対してこの点はまた後ほどいたしてまいりたい、こう思います。そのことを私はあえて、非常に嫌なといいますか失礼な言葉だとも思いますけれども、魚は頭から腐る、それは私たち野党も日本の政治に対しては責任があるわけでありますから、そういう立場で私はみずからも省みながら申し上げたい、こう思うわけです。 そこで具体的に入りますが、川崎市の小松前助役の問題につきまして、きのう市側が調査をした結果が発表になりました。テクノピア計画における小松前助役の権限の問題については、参議院でははっきりしていなかったのですね。しかし川崎市の調査では、この小松氏、当時は企画調整局長でございますけれども、川崎市の都心整備のことについては権限は集中的に小松企画調整局長に当時あった、それが明らかになったのです。値上がり確実の株をリクルートからそれゆえに譲渡された、そのことも明らかにしているわけです。 そこで川崎市が結論として言っておりますことは、リクルートから事実関係を明らかにする資料を得られなかったので解明ができなかった、こう言うのですよ。つまり、七十六名のリストあるいはその他の資料がリクルート側からもらえなかった、だから究極の解明ができなかった、それで司直の手にゆだねざるを得ない、こういうふうに報告をしておるわけです。 そこで、これは国家公安委員長ですか警察庁ですか、伺いたいと思いますが、この川崎市の問題、小松前助役の問題は捜査を打ち切ったのではないと思いますね。楢崎代議士が地検に告発をいたしました。地検は動き始めました。そうしますと警察は、この問題をポシャってこのまま中断をするのか、捜査を積極的に進めるのか、今日の現状はどうであるかを伺いたいと思います。
○梶山国務大臣 お答えを申し上げます。 お尋ねの問題については、現在警察としても鋭意事実関係の把握に努めているところであり、その過程で刑罰法令に触れる事実があれば適切に対処をするものと考えております。
○川崎(寛)委員 情報収集中という答弁からすると、少し前に向かったなという感じがいたします。ひとつ地検に負けぬように積極的に頑張ってほしい、こういうふうに思います。 そこで、次に、楢崎代議士が地検ヘリクルートの江副前会長、それから池田社長、松原社長室長いうのを告発をいたしました。私は、楢崎氏が告発しますまでには、いろいろ報道がされておるわけでございますけれども、大変いろいろと本人も苦悩しながらこの問題に取り組んできた、こういうふうに思います。 そこで法務省、これは刑事局長ですか、楢崎議員の告発を受けて検察庁はどのような対応になっておるのか、今の捜査の現状と見通しを伺いたいと思います。
○根來政府委員 ただいま御質問のように、九月八日に楢崎議員が東京地検にお見えになって告発状を提出して、東京地検がこれを受理いたしました。したがいまして、その後東京地検ではこの告発事実を中心に検討を続けているものと承知しております。
○川崎(寛)委員 これは、戦後いろいろと疑獄事件やら何やらございました。ぎりぎりに参りますと、権力の中枢部に参りますと非常にあいまいな形になってくるという、つまり圧力がかかったりしてあるわけですね。 法務大臣に伺いたいのでありますが、今刑事局長からそういう御報告がございました。この問題をいいかげんに、あいまいに、つまりトカゲのしっぽ切りというふうなことで終わらせてはならぬと思うのですね。やはりきちっと進めていかなければいけないと思います。法務大臣として国民の疑惑を晴らすために勇気を持ってやってほしい、こう思います。 それから、これは何といいますか、大変突っ込み過ぎているのかもわかりませんけれども、指揮権発動、そういうふうなことがあってはならない、こう思います。どうですか。
○林田国務大臣 いわゆるリクルート問題につきましては、ただいま刑事局長が申しましたように、九月八日に受理いたしました楢崎議員からの告発も含めまして、検察当局において現在捜査中でございまして、犯罪の嫌疑がありといたしましたならば、これに対して十分対処をしていく所存でございます。
○川崎(寛)委員 後の方は。指揮権。
○林田国務大臣 指揮権発動、これは一般的に申しまして個々のケースについての指揮権発動ということであろうと存じまするが、私といたしましては、そういうことは今のところ考えておりません。
○川崎(寛)委員 法務大臣の今の御答弁を十分承りました。国民の皆さんも司法当局が、つまりこれまで巨悪は眠らせないということを言いながら、随分眠ってきているわけですよ。ですから、そういうことに対して国民の皆さんの疑惑を晴らすために、司法当局の厳正な捜査の進めを期待をいたしたい、こういうふうに思います。 次にはリクルートコスモス社の具体的な問題についてお尋ねをいたしたいのでございますけれども、リクルートコスモスだけでなくリクルートですね、グループの問題ですが、特に江副氏が昭和六十年の九月十日に教育課程審議委員、それから六十二年の九月十八日に大学審議会の委員というのに任命をされております。 文部大臣にお尋ねをいたしますが、これは何を基準にどなたの推薦でお決めになったのか、経過を伺いたいと思います。
○中島国務大臣 今御指摘になりました大学審議会並びに教育課程審、これはそれぞれ国家行政組織法によります第八条機関でございます。したがって、それぞれに関係法令がございますので、関係法令に従いまして適正に選任をいたした、こういうことでございますが、選任の具体の手続につきましては政府委員からお答えさせたいと思います。
○加戸政府委員 江副氏は、六十年九月十日教育課程審議会の委員に、それから六十二年九月十八日大学審議会の委員にそれぞれ任命されております。 これらの委員任命につきましてはそれぞれの関係法令がございまして、教育、文化等に関します識見を有する者の中から選ばれるわけでございますが、それぞれの審議会が抱えておりますテーマがございます。例えば教育課程審議会でございますと、教育内容の改善ということで幼稚園から高等学校にわたります幅広い教育課程の内容、それぞれの必要につきまして委員を選ぶわけでございますし、また大学審議会につきましては、大学のあり方についての審議をテーマといたします。 そういった観点から、これらの問題に関しまして幅広い観点で人選をいたすわけでございますけれども、もちろん学識経験を有する者ということでございますが、と同時に、それぞれの抱えておりますテーマ、プロパーの問題あるいはそれを含めました周辺、広い分野からそれぞれの視点で選ばれるわけでございます。具体的にはそれぞれ担当いたします局において人選を行うわけでございまして、それぞれの人選を経ました後に文部大臣の御判断を仰ぎまして、そして発令をする、このような手続になっておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 このリクルートの事業の基礎というのは、大学生の就職情報誌である「リクルートブック」、それから高校生の進学情報誌である「リクルート進学ブック」というのがこのリクルートの事業の基礎で発展してきたわけですね。 そうしますと、今御答弁がありましたように、教育課程審議会というのは幼稚園から中学校、高校の教育課程というのを審議するわけです。そうしますと、高校生の進学情報誌「リクルート進学ブック」というのは、これは緊密な関係がある。また大学生の就職情報誌である「リクルートブック」というのは、これは後ほど就職という問題について労働省と文部省の関係を私はお尋ねをしますけれども、この大学生の就職情報誌というものは、つまり大学審議会の委員であるということは大変緊密な関係を持っておる。だから学識経験者ということであったと思うのでありますけれども、そういう非常に緊密な幼稚園から中学校、高校、こういうふうに来た教育課程、あるいは大学生の就職という、大学卒業という問題に絡むわけでございますが、そういうリクルートの「リクルートブック」なり「リクルート進学ブック」なり、そういうものと今言う委員の関係というのは大変緊密な関係があるということについては否定ができない、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○中島国務大臣 御指摘のように、一般論といたしましては、少なくとも高校から進路指導あるいは大学から社会人に対します進路情報というもの、これはある意味では必要なことだと思います。また、そういう意味ではそれぞれの審議会が一般論として密接なものだと思いますけれども、先生御指摘のように、だからこそ学識経験者として審議会に入っていただくという意味もあるわけでございまして、そういう進路指導に非常に緊密な分野であるから審議委員に入ることは好ましくないということは一般論では出てこない、こう思うわけでございます。 ただ結果的に、ことしに入りまして、その審議委員に入られておりました方が御自分から御辞退をするという辞任の届け出を私あてにいただきました。これは七月八日のことでございまして、諸手続をいたしまして、七月十一日に願いによりまして辞任の件を発令をいたしました。このように、理由はともあれ、審議会存続中に委員が辞任をされることになるということは大変遺憾なことである、このように考えております。
○川崎(寛)委員 そこで、学識経験者、こういうことで大変進路指導にも深い、こういうことで選任されたわけでございますが、労働省にお尋ねをいたしますが、五十八年の九月三十日、「とらばーゆ」、就職情報誌ですね、このリクルートの「とらば-ゆ」に営業アシスタント、ツアーのコンパニオンを募集する、こういうのが出ました。ある女性が行ってみましたら、それは愛人バンクだった。女性はびっくりして帰ったのでございますけれども、これはつまりそういう就職情報誌というのがはんらんをしておるわけでありますけれども、そういう中で今学識経験者だ、こういうことでございましたが、何の経験者であるかでありますけれども、愛人バンクなどを載せるような就職情報誌、これは衆議院の社会労働委員会で五十九年四月十七日に社会党の池端代議士、それから五月八日には永井代議士がこの問題を取り上げているわけです。労働省も当時これを認めているわけですね。 そこで、こういうものに対して労働省としてはどういう処置をされたのか。 また、全国一般という総評の労働組合の中に中小零細な企業の職場でつくっております組織がございますが、「リクルート一一〇番」というのをやりまして、これはこういうリクルート関係の就職関係というのにどんな問題があるかということをやったわけです。いろいろなのが来たわけです。いろいろな報告が来たわけです。それは労働省にも出し入れをしたし、リクルート社にも申し入れをしたわけです。労働省はこれをどう処置をされたか、明らかにしてほしいと思います。
○岡部政府委員 これまで就職情報誌の求人広告につきましては、募集内容が実際の内容と異なるというふうなトラブルが見られがちであったわけでございます。リクルートの「とらば-ゆ」におきましても、昭和五十八年にお尋ねのようなトラブルがあったことば承知をいたしております。 それで、労働省といたしましては、これにつきまして十分注意をいたしますとともに、このようなことは他の情報誌におきましても起こりがちなことでございますので、業界の自主的な努力を促す、またその適正化を図るということで、昭和五十九年以来審査機構の設立などの研究会発足等をしておりますとともに、さらに六十年には全国求人情報誌協会を設立させるというふうな業界挙げての努力に取り組ませているところでございます。
○川崎(寛)委員 国会でこのリクルート社の愛人バンクの問題が取り上げられた、池端君や永井君が社会労働委員会で取り上げましたら、また、TBSのラジオでも池端君がラジオに出ましていろいろ質問に答えているわけですが、ここに名刺のコピーがございますが、リクルート情報出版専務取締役池田友之、これは今のリクルートコスモスの社長です、これがすぐ飛んできて、菓子折りとお金はなかったようでありますけれども、池端代議士にわびを言いに来たわけです。この問題は、文部省はどういうふうに把握しておったのですか。
○加戸政府委員 文部省といたしましては、当時の事情、報道されました関係等につきましての当然の常識的な範囲におきましては承知いたしておりますが、ただいまお尋ねの仲につきましては、当時の事情を担当者が承知していたかどうかはつまびらかではございません。
○川崎(寛)委員 そうしますと、こういう問題が世間的に問題になっても、文部省は、学識経験者として、しかもリクルート社の事業とは大変関係の深い、そういう教育課程の審議委員にしたり、あるいは大学審議委員に任命をしたりということは、今から振り返ってみますとどうですか。どう思いますか、文部大臣。
○中島国務大臣 それぞれの時期におきましてそれぞれの事情があろうとは思います。しかし、それぞれの選任につきましては、先ほど私が申しましたように、審議会にはそれの関係法令がございますから、関係法令に従って適正に選任されたというふうに私は考えております。 ただ、先ほどつけ加えましたように、適正に当時選任をいたされましても、その審議会の途中におきまして辞任をされるというようなことは、原因の理由を問わず遺憾なことであるということはつけ加えさせていただきました。
○川崎(寛)委員 しかもこれは、江副氏と一緒に選任された教育課程審議委員という中には、同じ財界のグループであります諸井虔さん、これは各種政府の審議委員をしております、江副氏など一緒に各種いろいろな審議委員をしている、こいう人も選ばれておるわけでありますが、私はこの委員の選び方というものには大変偏ったものがあったのではないかということを感ずるわけです。 そこで、就職の問題、これは今「とらば-ゆ」の問題についても言いましたけれども、労働省とそれから文部省 というのは就職の問題について大変お互いの垣根があるんですね。労働省は職業安定法によって中学校、高校卒を扱う、こうなっておりますから、大学卒の就職問題は労働省の管轄ではないんですね。そうしますと、その大学卒、つまり、大企業は大学卒を採用するわけでありますけれども、文部省は大学卒の就職を扱う。それから基本調査というのをずっとやっていくわけです。基本調査をずっとやっていく。そうですね。そうしますと、文部省が大学卒の就職関係、こういうものを今所管をしておる。所管をしているというか、まあ所管している、こういうことになりますね。これは教育行政の範疇、こういうことにはなっているわけでありますが、あるいは日経連と学校側との間の対立があったりして就職協定が守られなかったりといろんなこともあります。 そこで、専門学校あるいは高専というのが今できてきているわけですね、特に高専が。コンピューターの教育だなんだという問題についてはそういう問題が出てきているわけです。そして、文部省に生涯教育という課までつくられて生涯の教育をと、こうなってくるわけです。 そうしますと、リクルート社が大学生の就職情報誌あるいは高校生の進学情報誌というものをやっておりますが、つまり文部省に関する限りは教育課程、それから大学卒の就職、さらには一つ谷間にあります高専の問題等、専門学校の問題等、そういうもの全部にリクルート社は事業上かかってくるわけです。文部省というのはかかってくるわけです。だから江副氏が文部省に非常に出入りした。特にそれは、これはまことに申しわけありませんがここで名前を明らかにせざるを得ませんが、森元文部大臣の当時にこの江副氏が文部省への出入りというのを頻繁にやるようになった。 リクルートのいろいろやっておるあれを見ますと、いろいろな「リクルート進学ブック」とか就職ブックですね、「リクルートブック」とかそういうものをやっておるやり方、配本 これは「リクルートの驚異」という、リクルートが非常に驚異的に情報産業から発展をしていく過程というのをよく書いておるのでありますけれども、それを見ますと、「配本は大学事務局経由というのがほとんどだったが、主要な大学に限り、できるだけ学生の自宅へ小包郵便で送った。そのリストを入手するにも、スムーズにいかないケースが多かった。」こういうことも言っております。でありますから、大学事務局経由というものでこういう本を、あのごっついやつを送っておったわけです。私も最近買ってみて、これは本当にごっついやつを三百円とかびっくりするような値段で出しておるわけでありますけれども、それを大学の事務局経由でやっておるわけです。 そうしますと、文部省の後ろ盾があるということは、つまりリクルート産業にとっては非常に大きな商売のメリットがあるわけです。そして、権威を持つわけですね。教育課程審議委員であるとか大学審議委員というのは、これはリクルートにとっては大変大きな権威なんです、文部省が公認するわけですから。だから、リクルートは情報産業として、特に進学から大学卒、そういうものに向けての、文部省すべてにかかわる分野にわたっての商売をやっている。その上で文部省というものの後ろ盾というのは、この江副氏に対する後ろ盾というのは、権威づけというのは大変大きな利益になるわけですね。そういうことを皆さんは、文部大臣は今になってみたらどう思いますか。 つまり、権威者だ、大変新しい時代を見抜いていく経済人だ、こういう見方があったと思います。梶山自治大臣も参議院では率直に江副評をしておられます。だから中島さんも、文部大臣も委員を選ばれたそのときには、経験者だ、すぐれた人だ、こういうことでしたわけですけれども、今になってみたらいかにリクルート発展のために文部省がバックアップしておったかということをおわかりになるでしょう。いかがですか。
○中島国務大臣 御指摘の点は二つに分けてお答えをいたしたいと思います。 おっしゃるように、文部省もこの七月に生涯学習局を設けまして、生涯を通じましていかによき社会人として全うするかということの上で、学校そのものは生涯学習の重要な基本的部分というふうに位置づけたわけでございますので、あくまで社会人として、どのような社会人として大成をしていくかということにつきましては、学生の間から要するに社会への進路指導あるいは進路情報をできるだけ多く提供するということは意義がある、こう思っております。したがいまして、それに携わる方が学識経験者としてある審議委員に加るということは、これは適正な選任の中に入るであろう、私はそう考えるわけでございます。 ただ、今になってどうかとおっしゃられますが、これは、今になってということはいろいろな評価が分かれると思いますが、したがって、私は、原因はともかくといたしまして、その個人が審議会が存続中であるにもかかわらず辞任を申し出られるというような事態になっておるということは遺憾なことである、このように感じておるというふうに申し上げさせていただきます。
○川崎(寛)委員 これは高校に配付するときの問題も書いております。それから大学、高校、大学卒、こういうふうに見ますと、リクルートの市場いうものは何百万という市場になっておったわけですね。でありますから、そういう文部省のバックアップがある、そして特に森元文部大臣のときに頻繁な出入りがあり、そして委員にもなった。それは委員になったのは森さんのおやめになった後でございますけれども、しかし自民党の教育改革に関する基本調査会ですかの会長をしておられると思います。ですから大変大きな教育政策についての影響力を持っておるわけでありますが、その森氏が三万株リクルートコスモス株を江副氏から譲り受けた、しかも金融のファイナンスまでしてもらったということを率直に御自身も語っておられるわけです。そうしますと、文部省とリクルートの事業上の因果関係というのは大変大きいということはもう文部大臣も今お認めになったとおりですね。 法務省にお尋ねしたいのですが、そうしますと、森氏が三万株、一億三千万近い利益を得た。値上がり確実の株はわいろであるということが殖産事件を通しての最高裁の判決です。そうしますと、今緊密な関係があるということをお認めになったわけです、文部省としては。そこにわいろ性といいますか、確実に最高裁判決でいけばわいろ、こう断定をされた一億数千万の利益を与えた。こういうことになりますと、私は非常にこの因果関係というのは大きいと思いますし、でありますからわいろ性というものは否定できない、こういうふうに思いますが、緊密な関係がある、そういう文部省側の答弁というものを背景に、この問題について法務省としてどう考えるか、見解を伺いたいと思います。
○中島国務大臣 前段の、文部省の範囲と緊密な連携がある 関係があるとおっしゃることに私はがえんじたわけではございませんで、要するに文部省が生涯学習を中心として新たな局も設けたという中において、学生といえども将来の社会人への進路指導、進路情報をより多く与えることは意義があることだ、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○根來政府委員 私どもは犯罪の成否を論ずるときには、やはり刑事訴訟法の手続によって証拠に基づいて申し上げるわけでございまして、現在お聞きしたところで犯罪の成否を申し上げる立場でないことを御了承願いたいと思います。
○川崎(寛)委員 そうしますと、もう少し詰めて聞きますと、文部省から情報を得て、そのことがつまりリクルートの事業に大きなプラスをしたということになればわいろ、こういうことで理解できますか。
○根來政府委員 まことに恐縮でございますけれども、具体的な案件について、それが犯罪であるかどうか、あるいはわいろの疑いがあるかどうか申し上げる立場でございませんので、御了解願いたいと思います。
○川崎(寛)委員 そうしますと、これはやはり江副さんに来てもらわなければいかぬ。江副氏にここに来てもらう、証人としてここに来てもらう。それから、済まぬけれども、森さんにもここに来てもらう。そしてやはりこれは解明をしなければ、いけないのじゃないですか。つまり、文部省という教育の一番重要なところです。そこにリクルートが食い込んでおるわけでありますから、私は証人喚問、あるいは私たち要求いたしておりますが、森さんも証人としてここにおいでいただく、そのことが私は大変大事だ、こう思うのです。 委員長、どうですか。これは議運で議論しているという問題じゃないのですよ。こうして詰めていくとだめなんですよ。だから、証人として喚問してもらう、あるいは森さんにも来ていただく、こういうことが私は絶対に必要だ、こう思うのです。
○金丸委員長 委員長に御質問のようでございますが、その問題はただいま議運で、いろいろ与野党理事さんで詰めておるようでありますし、さりとて特別委員会の委員あるいは理事も無関心でいるわけにはいかぬということだけは十分理解をいたします。 この問題については、よく議運とも話を詰めて、できるだけ早い機会に結論を得たい、こう考えております。
○川崎(寛)委員 これは委員長が議運と話す問題じゃないのですよ。この特別委員会としてどうするか。これは憲法六十二条に国政調査権できちっとなっているのですから、それを議院証言法や、そういうもので狭めちゃいけないのですよ。こういうときこそ憲法に戻るべきなんであって、原点に返らなければいかぬです。でありますから、委員長が議運と相談をするという問題じゃなくて、これはひとつぜひ理事会でやってもらうということをお願いします。
○金丸委員長 ただいまのお話は、理事会で十二分に相談します。
○川崎(寛)委員 そこで、これは職業というか就職という問題、非常に大事な問題ですから、そこの問題について少し入っておきたいと思うのですが、先ほどちょっと触れましたが、労働省は職安法に基づいて中学、高校、それから文部省が大学卒、こうなりますね。ところが、大学審議会には労働省は関係していないんです。これは私は手落ちだと思います。 これは総理、いかがですか。ひとつ、余りぐちゃぐちゃ行政組織法がどうだというのじゃなくて、政治家として率直に 今私が職安法に基づいた中学校、高校卒、あるいは大学卒、そういう問題についても言いました。あるいは就職情報誌でいろいろと問題があることも労働省からもお答えがありました。で、大学審議会に労働省が全くタッチしてないということは、私はおかしいと思うのです。特に今、経済構造、社会構造が大きく変化しておりますから、そういう変化に、もっとも江副さんはその変化をうまいぐあいに先取りしてきたんですよ。だから、その行政のおくれているところに江副氏はどんどん食い込んで、それを商売にしてきたわけです。どうですか。大学審議会に労働省も当然参加すべきだという私の提案に対しまして、どうお考えになりますか。
○竹下内閣総理大臣 文部省設置法の中における大学審議会の位置づけというのを正確に今知っておるわけじゃございませんが、いわゆる就職問題と労働省との関係というのの深さは私もわかりますので、素人ながら検討をすべき課題だと思っております。ただ、大学審議会等の法律を読まないままの答弁でございますので、幾らか明確にお答えするのは自信がない、こういうことでございますが、一連の御質問の流れはよく聞いておりましたので、まずは私自身が検討さしていただく課題だと思います。
○川崎(寛)委員 そのように御検討願いたい、こういうふうに思います。 わいろの問題にもう一遍返りますと、これは国税庁。つまり、値上がり直前のやつはわいろだ、こういう最高裁判決がありますね。そうしますと、森氏が受け取った一億三千万というのは、これは私は単なる株の売買による利益というふうなものではなくて、江副氏から贈られた贈与だ、つまり、だから課税の対象になるべきだ。国税庁、どうですか。
○宮澤国務大臣 ちょっとただいま国税庁の者が参っておりませんので、後ほど的確に一般論としてお答え申し上げますが、取得について対価を払っておられるといたしますと、それはやはりキャピタルゲインの範疇に属することではないか。そういたしますと、現行法においてその場合のキャピタルゲインの課税相なし、こういうことになるのではないかと存じますが、国税庁が参りまして、一般論としてお答えを申し上げます。
○川崎(寛)委員 これは贈与あるいは雑所得、そういう当然課税の対象にすべきものだ、こういうふうに思います。だから、これはひとつ、国税はきょうはまだ来ていないというあれですが、このことはこれからさらに詰めなければいかぬ問題だろう、こういうふうに思います。 次には、これは総務庁長官にお尋ねをいたしますが、江副氏が六十二年の八月五日に新行革審の土地対策検討委員会の参与に任命されました。これはだれの推薦で、どういう基準でお選びになったのでしょうか。
○高鳥国務大臣 前山下長官のときのことでありますので、すべてを私つまびらかに存じているわけではありませんが、私が調査いたしました限りにおきましては、そもそも行革審で土地問題を審議をするということになりましたのは、中曽根総理の御指示があって山下長官が行革審に審議をお願いした、こういう経緯がございます。そういう経緯からいたしまして、各方面の御意見等をしんしゃくしながら二十数名の方のリストアップをいたしました。そのリストフップをした中から、大槻会長が審議会の議を経まして二十名の方にお願いしたという経緯であります。
○川崎(寛)委員 これは総評の方からは江田虎臣君が委員として新行革審には出ておるわけでありますが、八月に任命されたわけですから七月ごろから人選が動いて、江田君は江田君で推薦をしているわけですね。だからそういう個別の推薦があったと思うのです。 この新行革審の土地対策検討委員会の委員を見ますと、加藤寛さんとか飯島清さんとか屋山太郎さんとかという、いわゆる中曽根好みの人たちがたくさん並んでいるわけなんです。ですから、長官は前のことでよく知らぬ、大槻会長が、こういうふうに言われましたけれども、これはやはり土地の問題について大変関心をお持ちの前総理が名指しの御指名で、政府税制調査会と同じように任命されたのではないか、私はこういうふうに思います。
○高鳥国務大臣 ただいまお答え申し上げましたように、各方面からいろいろと御推薦があったといういふうに承知をいたしておりますが、官邸筋からも数名の方の御推薦があったようであります。しかし、それはどうしてもこの人を入れろというような強い指示ではなかったというふうに承知いたしております。
○川崎(寛)委員 ところで、この任命をいたしますについて官邸筋からといういや応なしのあれもあったのかもわかりませんが、これは既に予算委員会等で論議になっておりますけれども、リクルートコスモス社は六十一年、法外な手数料を取って宅建業法六十七条違反、こういうことで建設省から処分を受けているのですね。そういう処分を受けている。そしてまた当時の新聞や週刊誌、こういうのには、あくどい地上げ屋、地価高騰の元凶だ、こういう非難までもあったのです。しかしそのことが委員の選任に当たって全く問題にならなかったのかどうか、伺いたいと思います。
○高鳥国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、当時の事情については私必ずしもつまびらかにいたしておりませんが、私が承知いたしております限りでは、大手の不動産関係者あるいは中堅、新進というような観点からそれぞれ選ばれたというふうに承知いたしております。
○川崎(寛)委員 私が伺っておりますのは、具体的に伺っているのです。つまり、宅建業法違反で処分を受けた。それから、当時地価高騰が非常に問題になっているときですね、そのときに、地上げであるとかそういうことで地価高騰の元凶だ、こういうふうにして非常に厳しく非難を受けておったという人をお選びになったのですが、そのことは全く問題にならなかったのかどうか。そうしますと、新行革審の土地対策検討委員会というのはいいかげんなものだ、こういうことになります。いかがですか。問題にならなかったのかどうか。
○高鳥国務大臣 選任の過程において問題になったという話は聞いておりません。
○川崎(寛)委員 総理、審議会の論議というのは、戦後随分いろいろと論議してまいりました。つまり、行政の行き過ぎをチェックするんだということで、戦後アメリカの指導等もあり、審議会というのができたわけですね。しかし、この審議会というのが行政の隠れみのになっているという指摘は、私もこれまで予算委員会等でやってまいりました。今度の場合も、土地問題という、諸悪の根源だとまで言われ、そして今日土地の値上がりというのがニューリッチ、ニュープアという国民の間における格差も生んできておる。そういうときに、地上げ屋である、そして、宅建業法という住宅関係では大変大きな、あるいは土地関係では大変大きな違反というか処分を受けておる人を、学識経験者だ、すぐれた人だということでお選びになったということは、私は大変問題だと思うのです。 でありますから、今日の政府税制調査会にいたしましても、これは隠れみのだ。また、きょうは政府税調の小倉会長にもおいでいただきたいな、こう思いました。しかしお年だ、こう言うし、余り小倉さんをいじめてもいけないなと、こう思いまして、私はきょうは遠慮したんですよ。しかし、小倉さん自身も政府税調についてはいつも非常に御不満を言っておられる。つまり、税金というの政治そのものなんですから、その基本を決めます税調のあり方について小倉さん自身も不満を持ちながら、何でやめぬのだと時には大蔵委員会等でも指摘をされながらよう頑張っておると思いますけれども、この審議会のあり方、委員の選び方、そういうものについて行政の最高の責任者であります総理大臣はどういうふうにこれを御判断になりますか、お考えになりますか。感想を伺いたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 今御指摘がありましたように、確かに審議会というのは、八条機関であれなしにかかわらず、それなりの効果は上げたものであるが、一方、行政の隠れみの的存在であるという批判も随分毎度ちょうだいをしておるところでございますが、これが人選に当たりましては、その時点において最も適切な一人であるという判断でもって任命をしていくわけでございます。したがって、個々の今の土地問題のケースについて宅建業法との関係でどうなっているかというと、私は事実を定かにいたしておりませんが、恐らく当時のリクルートコスモス社の方の業績等からいたしまして、土地問題に対する参与の立場を与えるのが適当だという判断の上にお願いしたものであろうというふうに思っております。 総体的には、あれは内閣官房長官通達でございましたか、各種審議会委員の任命に当たってという通達を二回ぐらい出したことを記憶しておりますが、まさに国民の皆さん方がなるほどだなというふうな人選をすべきものであるという考え方は私も持っております。
○川崎(寛)委員 そこで、土地対策検討委員会で江副氏が発言をしてきたことをいろいろと聞いておりますと、江副氏は規制緩和、これはもう中曽根前首相の大変進めようとしたことなのですが、規制緩和、繰り返し級り返し国公有地の開放ということを江副氏は主張をしておったようであります。それは、ことし六月でしたか、この対策委員会が答申を出した後の土地対策についての江副氏のメモの中にも、例えば国鉄用地の売却であるとか国有林野事業の土地の売却であるとか、こういうことを強調しておるわけなのです。 また、この委員会で、岩手県の安比地区の総合開発の問題については、江副氏は大変誇らしげに、林野庁の国有林をこんなに使って大きな事業をやっている、だからどんどん開放すればいいのだということを土地対策検討委員会で主張しておった、こういうことでございます。その例に岩手県の問題を御自身が述べておった、こういうことでございます。 そこで、林野庁長官に伺いますが、この八幡平の総合森林レクリエーションエリアというものについて説明していただきたいと思います。
○松田(堯)政府委員 八幡平の総合森林レクリエーションエリアにつきましては、近年、森林の中でレクリエーション等を行いまして心身をリフレッシュしたい、こういった国民の要望が多様化してきておりますので、国民の共通財産でございます国有林につきましても、その利活用を現在推進しているところでございます。 八幡平総合森林レクリエーションエリアにつきましては、昭和五十四年に指定をいたしまして、その地域の面積につきましては七千百ヘクタールでございます。その中で四つの地域に分かれておりまして、その一つに安比地区がございます。安比地区につきましては、スキー場、レストハウス等につきまして国有林を利活用しておりまして、毎年毎年訪れる方がふえておりまして、六十二年度の実績におきましては約九十万人の方々がスキー等を楽しむために訪れている、こういう状況でございます。
○川崎(寛)委員 その安比地区の問題については、開発の責任者である、リクルートの責任者である小倉という人の名刺にはこう書いてあった。「林野庁の八幡平地域総合森林レクリエーションエリア計画により、安比高原地区約二千五百ヘクタールを日本でも有数のリゾート地として開発するため、リクルートがメインとなり、国、県、町、村、事業に関連する民間企業の出資による第三セクター方式の会社です」、こういうことで、出資額六億のうちの約四八%をリクルートが出しておった、こういうことでございます。 そこで、これはここに御本人がおられるので大変申しわけないのでございますけれども、加藤前農林水産大臣が六十二年の二月二十八日、安比の高原スキー場にわざわざヘリコプターで__六十二年の二月二十八日。やはり証人で出てきてもらうとすぐやれるのです、一間一答で。今これ実例ですよ。やはり来てもらうと、私が間違ったと思って訂正をしてくれたわけだから。同じだ、間違ってなかった。だから、やはりちゃんと証人で来てもらえると非常にいいんですよ。 そこで、安比の高原スキー場にわざわざヘリコプターで林野庁の職員も含めて八名で視察に行かれた、こういうのですよ。 ところが六十一年の十月三十一日に、江副氏から譲り受けた株を、これは次女の周子さん、秘書の片山君だそうですが、十月三十一日に売却をして、十一月五日に約六千四百万円の利益が口座に入っている。六十一年の暮れにその六千数百万円のリクルートからの利益が入って、六十二年の二月に安比高原地区に現職の農林水産大臣として視察に行かれたわけです。しかもこの江副氏は、土地対策検討委員会でも、国有林の開放あるいは売却、そういうことを絶えず主張しているわけです。 ここに、参加をいたしております安代町の役場が出しております「安比森林レクリェーション・エリアの概要」というものがございますが、その中で「事業開始の頃の問題点とそれを克服した経緯」、こういうふうに言っているわけでありますが、「開発の前提となる開発団地の確保にあたって、この開発地域約二千五百ヘクタール地区には、保安林指定解除、指定施業要件の変更、農業振興地域の解除等開発に伴う許可業務が山積みし、また、土地収得についても一部民有地の取得に当たって、代替地の問題等」非常にあった。「しかし、関係機関、地権者の開発に対する認識」で計画が進んだ、こういうふうになっておるわけであります。 でありますから、現職の農林水産大臣が現地を見られた、そして江副氏は地上げからマンション、そして本格的なリゾート開発、一方、リゾ-ト法が成立する直前である、こういうときでございますから、日帰りをされるまで――安比のゲレンデというのは五十六年の十二月にもう既にオープンしているのですけれども、そこにわざわざ農林水産大臣が行かれた、これは私は、この辺の関連は大変深い、こういうふうに思います。そうしますと、江副氏がよろしく頼む、こういうことになりますと、あるいは緩和の問題、解除の問題、そして値上がり確実な株、この関連はどうしてもぬぐえないわけです。 法務省、ここをめぐっておりますそういう解除の問題であるとか緩和の問題であるとか、あるいはさらには国有林の開放の問題であるとか、そういうことに対する要請があったとしたならば、これは明らかに問題がある、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○根來政府委員 まことに恐縮でございますが、同じことばかり繰り返して申しわけありませんが、私は私どもの立場として犯罪の成否を申し述べる立場でございませんので、御了解いただきたいと思います。
○川崎(寛)委員 これは江副前会長と加藤さんも御出席を証人としてお願いしているのですけれども、これはやはりいただくということを私はぜひ理事会で本当に御検討願いたいということをお願いいたしたい、こういうふうに思います。委員長、いかがですか。
○金丸委員長 先ほどのとおり、理事会に諮って……。
○川崎(寛)委員 そこで、竹下総理、秘書の青木伊平という人は竹下事務所の金庫番、こういうふうに世間では言われておるわけです。あなたは新聞記者会見では、最初、七月六日、本人から釈明があった、それで事実関係を認めた。このときの関係筋が言っていることと国会での答弁というのは食い違ってきているのですね、国会では六十一年の九月。私は日にちのことをあれこれ、もう既に参議院でも非常にしつこくやっていますから、 やりません。 それで、青木さんがある財界人から譲られた、こう言うのですが、青木さんはだれから譲られたのですか。私は、つまり六十一年の九月というのは、六十一年の十月に公開ですから、店頭売買ですから、そうしますと、これはまさに直前でありますから、このだれかと、そしてそれが青木さんなのか竹下さんへのなのか、そのことを明らかにしますためにも、だれかということを明らかにしてもらわなきゃならない。参議院ではもう非常にやりとりしておりますけれども、そこのところを逃げているのですね。だから、冒頭に総理としての一番大きな責任を持っている、こういうふうにおっしゃられたわけでございますから、私は、このことは、この疑惑を解明をする、だから、利に狂うともがらでないということを証明いたしてまいりますためには、あなた自身が、だれから青木伊平氏が譲り受けたのかというポイントのところをここで明らかにしていただきたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 今御指摘がありましたように、参議院におきましてもその御質問を受けました。私の元秘書であります青木伊平氏からは、リクルートコスモスの株の売買につき新聞社の取材を受け報道がされました後、自分に報告がありました。それから、その後当院の本会議における取引内容についての御質問がありまして、青木氏にその報告を求めましたところ、六十一年九月に二千株を取得し、店頭登録後に約一千万円で売却し約四百万円の利益を得た、なお購入先については、個人的な信頼関係もあるので、報道機関に対しても勘弁してほしい、こう言ったら了承を受けたという報告で、私もそのとおり報告を受けたわけでございます。 それで、名前を言え、こういう問題につきましては、私いつも申し上げるわけでございますが、ある経済人であります、こういうことは明らかにしておりますが、人様の名前を申し上げます場合には、それは妻も子もありましょうし、そんなに世間様にいい影響を与えると思いませんので、川崎さん個人が、竹さんどうだったかねとお聞きになれば、それは答えることもあるでございましょうけれども、私は、こういうところで人の名前を出すことは、私の信条として言わない、これが私の生きざまでございます。
○川崎(寛)委員 あなたが総理をおやめになって、私人竹下登というなら私はそれでいいと思うのです。しかし、今はこのリクルート疑惑の頂点にあるわけです。でありますから、頂点にあるだけに、しかも六十一年の九月といいますと、ちょうど六十一年の七月には東京地検が平和相互銀行事件で摘発をしているのですね。青木さんという人はその平和相互銀行の政界工作の窓口だった、こう言われておるのです。事件の裏側で名前が取りざたされておるわけですが、そういうさなかに、つまり九月ですから二カ月もないうちですけれども、株を取得した。隠さなきゃならない問題なのか。安倍幹事長に言わすと、合法だ、何が悪いか、こう言っておられるのですよ。しかし、あなたは、やはり悪い、こう思っておられるから言われないのでしょう。 そうしますと、だれからもらったかということは私は明らかにしていただきたい。そして、国民の皆さんもそのことを、つまり、江副氏からもらったのでない、こう言いたいわけでしょうから、江副氏からもらったのでないということを言いたいのだけれども、財界人だ、しかも値上がり直前だ、となると、これはわいろ性、これは金額の問題じゃありませんよ、わいろ性の問題だ、こうなるわけです。 でありますから、私は、これは生きざまだという個人の感情で済まされない。つまり、あなたが冒頭に、最高の責任者だ、そして自分が一番責任を持っていると言われるならば、そのことを明らかにするということがこの解明のために絶対必要だ、こう思います。でなけれほ、江副さんにやはり来てもらって、そしてここで七十六名のリスト、六十年二月のリスト、六十年四月のリスト、それから直前の株主名簿、あるいは六十一年九月の竹下さんや宮澤さんや言われておる人たちの名前、そういうものが明らかにならなければ、このリクルートの疑惑というものの解明にはならぬわけなんです。だから、この疑惑を解明する最高の責任者だと御自覚になられるなら、あなた自身がここでその財界人のお名前を明らかにしてもらう、私は、もう絶対必要条件だ、こう思います。いかがですか。
○竹下内閣総理大臣 青木君のことについての御批判がございましたが、確かに参議院で何か金びょうぶの話で平和相互銀行と関係があるというような話がありまして、その種の怪文書と申しましょうか文書が私のところへも参りました。その差出人から今度はその後で、私はそういう文書を出したことはございません、こういうまた内容証明つきの書類が参りましたので、やはりこのような問題はそれ以上追及してみても結局何にもならぬことだ。といううわさがあると書かれても名誉棄損の訴えをすることもできない、やはりこれはそういう場合には我慢するしかないなというふうに私は当時感じたわけでございます。 したがって、青木君の名誉のためにあえてその問題に付言したわけでございますが、さて、だれから譲渡を受けたか、こういう問題になりますと、私自身も、それが経済行為に反する違法性のある問題でないならは申し上げても結構だろうと思ってみたこともございます。しかし、やはり第三者の名前を出すというところは、時には、それはその人が善意の第三者であれ何であれ、やはりそれは人間関係として、いかに総理大臣であるとはいえ、慎重であらなければならぬというふうに私は思っております。 総理大臣でございまして、私の周辺関係者がリクルートコスモスの株式の譲渡に関して関連しておったということは事実でございますから、それに対する究明はどうぞ私を中心にしてください、いろいろな経文書らしきものが飛んでおりますが、そんなものはよそに置いて、私を中心に御解明を願いたい、その中で改めるべきものは改めていきましょうということをいつも申し上げておるところでございます。
○川崎(寛)委員 あなたを中心にしてくれというからあなたに聞いているわけなんです。それは大変つらいことだと思いますけれども、それはあなたが財界人の了解をちゃんととって、そしてここで明らかにする。せざるを得ない。でなければ証人喚問をして、そして秘書の青木氏も来てもらって明らかにする以外にないんじゃないでしょうか。 竹下さんは、私を私をとこう言われるけれども、一番肝心のところを逃げたらどうにもならぬじゃないですか。一番肝心のところなんですよ、この問題の。これは、あなたがそこのところを明らかにしない限り、この問題は進まぬわけです。進まぬものをとめているのはあなたなんですよ。 これを進めるためにはどうしたらいいか。私を責めてくれと言う。私はその一番肝心のところを伺っているのですけれども、あなたは、だめだ、こう言う。それなら証人においでいただいて、江副氏や青木氏や、そういう人たちをここにおいでいただいてやる以外にもう解明できないのです。あなたではできないのですよ。もうあなたではできないと断定せざるを得ないのです。そうでしょう。どうですか、あなた、解明できるのですか。あなたは最高の責任者だと言われるのですよ。だから、最高の責任者である私を、こう言うのなら、あなたがそこを踏み切るという以外にないんじゃないのでしょうかね。 だから、そこをひとつ、つまり、魚は頭から腐る、こう私は失礼なことを言った。失礼なことを言いましたけれども、これがつまり政治によって収入を得るという今日の状況、つまり、そのことが政治家に対する不信、政治と金の問題、そういうものの非常に大きな問題としてこれはあるわけなんです。それを解明をしていく一つの突破口なんです。その突破口をあなたがふさいでいるんですよ。あなたは生きざまだと言う。このままふさぎ通すつもりですか、最高の責任者として解明するつもりなんですか。はっきりしてください。
○竹下内閣総理大臣 私はこの事実関係をみずから解明するのにいささかもやぶさかではございません。しかし、それはおのずから私自身が解明すべきものであって、そして、ここで人様の名前を出すということについてはやはり慎重であらなければならぬ。そうしませんと、国会の場が別の意味の政治不信を生むようになるんじゃないか。したがって、あくまでも私自身に対してのことについては私は協力をいたしますが、この公の場において人様の名前を出すということについては慎重たらざるを得ない。生きざまという言葉は取り消すといたしまして、私の政治観はそういうものであるというふうに思います。
○川崎(寛)委員 竹下人生観というのをここでるる言われました。しかし、それは公の場ではと言う。公の場で明らかにしなければだめなんですよ。これは何ぼやっても水かけ論になる。 でありますから、特別委員長、これは先ほど来申し上げておりますように、ここで解明できないのです。残念ながらできないのです。そうすれば、江副前会長、青木伊平氏においでいただいて解明をするということが絶対必要だということを私は委員長にお願いをしておきます。 そこで、次には宮澤大蔵大臣にお尋ねをしたいと思います。 宮澤さんは、一歩踏み込まれた。つまり、服部君は私も知っております。彼は、我々が非常に忙しい大臣に会いたいというときにも、服部君は非常に苦労してそのスケジュールもつくります。そういう意味では、私は宮澤さんと一体になって活躍をしてきた服部君という者を評価をします。しかしこの問題については、大蔵大臣でありますだけに、つまり証券行政の最高の責任者でありますだけに、宮澤さんには竹下総理以上に厳しい要求をせざるを得ないのです。だから、あなたは一歩踏み込んで、つまり服部君の名前を河合という人がかりてやった、こう言うのです。 そこで、問題は、あなたはやはり参議院でお答えになっているのですが、六十一年の九月、その日にちはもう議論しません。六十一年の九月は既に大蔵大臣です。大蔵大臣宮澤喜一の名前が必要だったということをお認めになりました。そのとおりですね。
○宮澤国務大臣 私が三十年以上信頼して仕事をしてまいりました服部でございますので、それが私の秘書であるということは皆さん御存じでございます。私の名前がそこに連想されたということは当然想像し得るところで、大変にそういう意味で恐縮をいたしております。
○川崎(寛)委員 河合氏は、河合という名前じゃだめだ、やはり政治家の名前が必要だ、こういうことで服部君の名前をかりた、こういうことですが、服部君なのか宮澤なのか、それはわかりません、その名前は。明らかにならぬわけですからわかりませんが、しかしここで明らかになったことは、竹下首相、中曽根前首相、宮澤大蔵大臣そして安倍幹事長、渡辺政調会長、加藤前農林水産大臣あるいは森元文部大臣、加藤元防衛庁長官、こういう人たちは、本人を除けば秘書の名前だ、あるいはお嬢さんの名前だ、長男の名前だ。しかし、それはつまり後ろにあります政府の最高幹部、与党の最高幹部というものを背景にその名前が使われているわけですね。でありますから、それは本人なのか、秘書だ、お嬢さんだ、こうなっておりますが、それは明らかでないのですよ。そうしますと、政治家は安い公開前の株をもらって、あるいは第三者割り当て等で非常に利益の大きいそういう株にありつく、ありつくという言葉は悪いですね、株を受けるという状況にあるということを宮澤大蔵大臣はお認めになったわけです、今日の状況を。そう私は言わざるを得ないのでありますけれども、そうですね。
○宮澤国務大臣 先ほど、政治家は政治のために生きなければならないので、政治によって生きることがあってはならないという言葉を御引用になりましたが、私ども政治におりますから、今のような連想等々から政治によって生きるといったような印象を世の中に与える、そういうことは極力避けなければならないことであります。このたび、私どもの事務所の判断がそういう意味で極めて軽率であって、そういう印象を世の中に与えたであろう。事実私どもは一切金銭の利益を受けておりませんけれども、しかし外から見ればそういう印象を受ける、与えるということば御指摘のとおり極めてありやすいことだと私は思いますので、軽率なことをいたしたと残念に思っております。
○川崎(寛)委員 軽率な個人の行動ではなくて、今日の状況がそうなっている、そこのところが問題なんです。そこをどう改めていくか。その改めていく方向、つまり総理は生きざまだ、こう言われた。御訂正にはなられましたが生きざまだと言われたけれども、その汚名を、リクルート疑惑の汚名をあなたは背負い続けるのです、これを明らかにしない限り。内閣総理大臣でありながらその汚名を背負い続けなげれはならない。しかも宮澤さんは税制改革の最高責任者です。その税制改革の最高責任者が後ろ暗い汚名を背負ったまま、独立以来、これは竹下さんのお言葉ですが、新税の導入は独立以来の税制改革だ、こう言う。その税制改革ができますか。国民はそこを怒っているんですよ、国民皆さんはそこのところを怒っている。だから私は、河合さんまで来た、それならもう一つ先、そのことを明らかにすることが証券行政の最高責任者としてのあなたが汚名を晴らす道だ、いかがですか。
○宮澤国務大臣 ただいまのは取得先についてのお尋ねと存じますが、服部の私に対する報告によりますと、河合氏自身が実業をやっております。建築、不動産等々をやっておりまして、自分の商売、事業人としての立場から関係の深い相手に迷惑をかけることができないということからであろうと推測いたしますが、それについてはぜひ言わせないでほしいということを申しておる由でございます。
○川崎(寛)委員 これは竹下総理も宮澤大蔵大臣もともに、宮澤さんは一歩踏み込んだんだけれども、友人のところでとまっちゃった。その先が出ないのですね。そうすると、竹下首相の場合には財界人という、経済人というところまでは来ましたが、それから出ない。これは証人喚問以外にないということを私はもう国民の皆さんは本当にわかったと思うのですね。ですから、議院運営委員会でこの問題をつぶしてしまうというこであってはならぬと思うのです。これは国会の責任です。ですから、この点については委員長に特にお願いをいたします。 ところで、ニューヨーク・タイムズは、日本でタテホだとかあるいは三協精機だとかあるいはリクルートだとか、その前には殖産もあるし、ずっといろいろありました。ところが、逮捕者が一人も出ない、全く不思議だ、こう言っておりますね。つまり日本の市場はダーティーだ。金融は国際化をし自由化をしていく。そういう中で日本の市場は今やニューヨークを超しているわけです。そのニューヨークを超しておる東京市場がそういうダーティーなものだ、こういうふうに今指摘をされているわけです。これから証券摩擦が出るだろうなんということも言われております。 そこで、総理や大蔵大臣は「ウォール・ストリート」という映画はごらんになりましたか。__ごらんになっておらぬようですが、私はここに「ウォール街」というケネス・リッパーの小説を持ってきておりますので、ちょっと読ませていただきます。バド・フォックスというのがジャクソン・アンド・スタイネム社の証券ブローカーです。これがインサイダーでやるわけです。航空会社の株の価上げをやるわけですね。そして、敵対している間で非常にインサイダーをやるわけですが、最後のところです。 バドのオフィスには、彼をずっと追っていたSECの若い調査員がいた。フォックス の書類に、せわしなく政府の封印を貼っている。上着の胸ポケットから垂れ下がったフ ラップに銀バッジをとめた二人目の男は、バドの椅子に坐って電話をかけていた。そし て三番目の、司法局から来た弁護士ふうの男は、つまらなさそうな顔をして窓から外を 見ていた。ハイ・リンチが、突き放したような冷淡な態度でオフィスの隅に立っている。 バドが部屋に入ってくると、彼はひえびえとした目でにらみつけた。「ご到着だ。また後 で」。パターソンがそう言って電話を置いた。 三人は、そろって身分証明書をちらつかせた。あらたまった態度でホーキンスが話す。 「ミスター・フォックス、州間通商における証券詐欺謀議ならびにインサイダー取引禁 止法違反の容疑で逮捕します」 と言って、この証券会社から現場で逮捕して連れていくのですね。 日本の証券取引法は戦後、つまりアメリカの証券取引法を下敷きにつくってまいりました。かつて、SECの問題と日本の大蔵省証券局の問題を、ダグラス・グラマンのときに私はなりたての竹下大蔵大臣と論争したことがあります。これは大平総理の時代です。十年たちました。そのときに、この大蔵省の証券局じゃだめだ、機構を変えなさい、独立の調査機関をつくりなさいという議論もしました。やってきませんでした。 では、今読み上げたこれと、日本では昭和二十三年証券取引法制定以来五十八条による摘発なし、こういう今日の状況がなぜ続いておるのか。そして、必要な書類、必要なリスト、そういうものをなぜ提出できないのか、提出させられないのか。不正を究明しようにも、不正を防止しようにもできないという今日の状況はどこから生まれておるのか。私は、証券取引法の個々の条文を今問いません。一番基本的なそこを、一番最高の責任者であります大蔵大臣に伺います。
○宮澤国務大臣 ただいまの「ウォール・ストリート」を私見ませんでしたが、粗筋は聞いておりおりました。結局アメリカにおける、現実にあったボウスキーのような事件でございますが、いわゆるインサイダー取引についての厳しいSECの処置を話にしたものと承知しております。 我が国の場合、御承知のように、最近になりましてこのインサイダー取引というものの反社会性を強く認識するに至りまして、証券取引法の改正を今年お願いをいたしたところでございます。そのうち、罰則部分は明年から発効するということでございますが、やはりインサイダー取引というものに対する我々の考え方が、何といいますか甘かったと申し上げるべきかと思います。 一つは、証券業を日本は免許制にしておりますので、アメリカほど野方図でないという一つの考え方があったわけでございます。それからもう一つは、我が国の社会はこういう社会でございますものですから、いろいろな話が自然にお互いにわかり合っているといったような風土もあったかと思います。しかし、外国から見ますと、それはよその人から見ればいわゆるインサイダー、日本全体がインサイダーのようなことになりまして、これは国際的な基準にたえるところでないと考えまして、法律の改正をお願いいたしまして今後厳しくインサイダーというものを取り締まり、また罰則を設けたわけでこざいますが、従来の五十八条は、どうもこの法の成り立ちからいいまして、専門家からいいますと適用がしにくい、犯罪構成要件の挙証が非常に難しい条文であるそうでございまして、その点も直していただきまして、今後はいわば摘発がしやすいような体制にいたしました。 問題は、今度はアメリカのSECのような大きな仕組みを持っていないということ、それは一つの問題であろうと私は思いますが、当面、大蔵省にも財務局にもそういう取り締まりに当たるものを持っておりますので、SECほどではございませんが、改正証券取引法を厳格に適用してまいりますならば、我が国のそういうインサイダー取引の従来の弊風もおのずから法によって規制されていくものと考えております。
○川崎(寛)委員 証券取引法の二十六条あるいは五十五条、七十六条、百五十四条、これは資料の提出命令椎や検査椎を持っているのですね。つまり、五十八条もインサイダーの明記はないのですよ。そこは新しい証券取引法にもないわけです。だから、実際には骨抜きだろうと言ってあざ笑っている人もおるわけですね。しかし、現行法の二十六条でも五十五条でも七十六条でも百五十四条でも資料の提出命令椎や検査権があるのですよ。だから、そういうものを、本当に不正を防止する、そしてこういう国民に疑惑を与えたというものに対して大蔵省が本当にやろうと思うならば、今言う二十六条なり五十五条、七十六条、百五十四条というこうした資料の提出命令権や検査権というものを使うべきだ。ところが、これを使わないように使わないようにというふうにやってきているのが運用なんです。 あるいは、これは大平さんと論争したときに、アメリカのSECには規則制定権があるのだ、こういうふうな議論をしておりましたが、日本のこの証券取引法にも規則制定権というのはあるのですよ。大蔵省令にと、こうあるわけですから、大蔵省令を変えればいいわけです。つまり五条や二十四条や二十四条の二項や二十七条の二や三十条というところは規則制定権を書いているわけです。しかし、そういうものが生かされていない。だから問題は、そのSECのような独立の調査機関をつくるということに逃げるんじゃなくて、つまり、現行法でもやれることをやっていない、そこが問題だと思うのです。 三国さんという人が書いておられるものを読むと、この人はかつて証券会社におられて、アメリカにも行かれて、大変企業財務の分析のコンサルティングをされておる方のようでございますが、サッカーのゲームで言えば、日本には公正なレフェリーがいない、こう言っておるのですよ。つまり、それは独立の調査機関がない、こういうことですね。それは、かつて私が竹下大蔵大臣と論争しましたように、この日本の大蔵省の証券局というのは、つまり戦後アメリカの占領下にあったときには、証券取引委員会という第三者機関だったのです。しかし、昭和二十七年の独立と同時に、資本蓄積、輸出促進ということがすべての政策の基本になった。そのために、つまりこの第三者機関を廃止をして大蔵省の内局にしてしまう。そして規制緩和をしてしまう。で、資本蓄積、資本蓄積で来たわけです。 だから、金融市場の問題も、これはこれから日本でも非常に大きな問題になると思いますが、つまりアメリカは証券市場を通して金が流れるのですね。日本は大蔵省や通産省が銀行を通して配分をしていく。これは予算の化組みとも絡みますけれども、そういう中で日本には公正なレフェリーがいない、こう言われているんです。ですから、証券取引法の今度の幾つかの改正ということによっては済まないわけなんです。だから、それはつまり業界保護育成のために行政がやってきた、こういう指摘があるわけでありますが、その資本市場の変化に適応できるようなレフェリー機能を持つ公正な機関が必要だ、こう言っておるのです。 それからもう一つは、つまり結局は納税者番号、これは不公平税制の各党協議の中で議論になっております。でありますから、そういう両方相またなければ私はいけないと思うのです。でありますから、公正な規制のできる行政組織というものに脱皮すべきだ、こういう指摘があるわけでありますが、このことについてどうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 前段の問題につきましては、川崎委員が以前から御指摘になっておられることを私どもよく承っております。我が国もかつては取引、株式市場というものは一部の玄人の場というふうに考えられておりましたが、最近のように大衆がこれだけ証券取引に関与をしてまいりますと、やはり大衆を保護するということがどうしても必要でございまして、その一つはディスクロージャーでございます。この開示制度はかなり進んでまいりました。 しかし他方で、今のレフェリーがないという問題は、アメリカのような大きなSECを欠いておりますので、従来から川崎委員が御指摘になっておられますことは私どももよく承っております。今度の改正によりまして、そういうインサイダー取引についても大蔵省あるいは財務局、行政においてそれを取り締まっていきたいと考えております。人数は少のうございますが、できるだけ効率を上げましてこの新しい法に沿ってまいりたいと考えております。SECのような機関を欠きますことは御指摘のとおりでございますが、それにかわるだけの効率を上げてまいりたい。 なお、後段の税制の問題は、今度キャピタルゲインを原則課税にいたしましたが、納税者番号等等につきましてなお検討の余地を残しておりますので、現実に可能な範囲で原則課税にしたということでございますが、それでもなお不十分だということが各党から御指摘がございまして、ただいま各党で御協議をなすっていらっしゃるということでございます。私ども、その点は、各党の御意思がまとまりましたならば、率直に謙虚にその御結論に従ってまいらなければならないと考えております。
○川崎(寛)委員 国税庁の次長が見えておるそうですので、先ほどの残っておるやつを答弁してください。
○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。 個別具体的な問題については答弁を差し控えさせていただきますけれども、一般的な形で申し上げますと、株式を有償で取得いたしましてその後譲渡し、その結果利益が生じたという場合には、先ほども大臣から御答弁申し上げましたように、一般的にキャピタルゲインの世界での議論に相なろうかと思います。 先生がおっしゃいます贈与云々というのは、むしろ取得時点での取得価格が適正価格よりも下回っているのじゃないか、もしそういう場合には何がしかの課税が発生するのじゃないかという御趣旨かと思います。 おっしゃるとおり、もし取得時点における取得価格が適正価格を下回っておるということに相なりますならば、場合によっては一時所得あるいは場合によっては贈与というケースがあり得ると思います。ただ、上場してない株式の評価の適正価格は何をもって見るかという点でございますけれども、これは一般的に非常に難しゅうございます。上場してございますならば市場価格がそれを示しますけれども、そうでない場合の取得時点の価格というのはなかなか難しい。したがいまして、私ども実務といたしましては、他によるべきものがない場合には一般的に相続税の評価額等を基準にして判定しております。
○川崎(寛)委員 時間になっておりますから今これは質疑しません、また村山理事等が後でやりますから。 ただ最後に。そこで私はロッキード調査のときのことを思い起こすのです。社会党の大出国対委員長や参議院の矢田部君や、私たち一緒にアメリカに調査にも行きました。そしてこのときは、国政調査権の行使というものと、先ほども言いましたような検察司法の進めという両方が相まったのです。つまり、車の両輪が動いたから進んだのです。 今、竹下首相も宮澤証券行政なり税制なりの最高責任者も、命を張って防ぐ、こう言っているのですから、これではあなた方には何ぼ__私を私をとこう言ってみてもだめなんです。そうしますとそれは、先ほど来繰り返しておりますように、江副前会長初め、要求しております関係のこの特別委員会への証人喚問、それから、先ほども言いましたが七十六名のリスト、六十年二月、四月のリスト、さらには公開直前の株式名簿、あるいは六十一年九月のあなた方お二人の関係のお名前、そういうものをとにかくここに明らかにしていただく以外には先に進まぬということを残念ながら最後に指摘をし、金丸特別委員長には、この問題について理事会でよく諮って、ぜひ国民の皆さんの御期待にこたえるような委員会の運営ということをお願いをして、終わります。ありがとうございました。
○金丸委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五分休憩 午後一時一分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村正三郎君。
○中村(正三郎)委員 本日、税制に関する調査特別委員会が開かれまして、朝から審議が始まっているわけでございますが、今国会、去る七月の十九日に召集されましてから、抜本的税制改正を行うためという目的で召集され、私ども自民党といたしましては、税制改革法案の審議を一刻も早くするようにということで与野党協議その他で働きかけてまいりましたが、いろいろな経緯がございまして、六十三年分の所得減税について異例の冒頭処理ということをするようになりまして、六十三年の減税が今国会冒頭に処理されたわけでございます。 七十日という会期が決まり、その後総理の所信表明演説が七月二十九日に行われ、総理はその中で税制改革の必要性を説かれたのでございます。そして八月に入りまして、この総理の所信に対する質疑が行われ、そしてその後に、補正予算が出てない国会といたしましては異例の予算委員会を衆議院五日、参議院四日という予定でこなしまして、主にリクルート問題の審議を行ったわけでございます。その後、先日この税制に関する調査特別委員会が設置されまして、そしてきょう九月十四日から初めて税制に関する調査が始められるということになったわけでございます。 この間大変長い時間がかかりまして、五十八日間という期間をかけてきたわけでございまして、これも民主主義の手続きということからかもしれませんが、私どもといたしましては、国民注視の課題であり喫緊の課題である税制改革について、早急な審議入りが望まれたと考えるわけでございます。何はともあれ審議が始まるということは大変好ましいことでございまして、この国会審議を通じて、国会の中の税制に関する調査特別委員会において税制に関する論議が深められますことを心から切望しているものでございます。 そういう観点から、私は、ただいま国会に提出されております政府提出になる税制改革関連六法案、また、今大変国民注視の的になっております不公平税制の問題、こうしたことにつきまして質疑を進めてまいりたいと思うわけでございます。 戦後の日本の税制はシャウプ税制に始まったと言っても過言ではないと思うわけでございます。そうして、シャウプ税制が決めた税制のストラクチャーを今までずっと守り続けて、その中のいろいろな変化はございますが、シャウプ税制の決めた形を守りながら今まで来たというのが日本の税制の形だと思います。 そして、そのシャウプ税制を行いますときに、占領下におきまして、シャウプ博士がアメリカの專門家四名の博士クラスの方を連れてきて、日本の隅々まで調査をされて大変立派な税制をつくられた。確かにこれは日本の戦後の経済運営を支える上で大変大きな働きをし、それなりの役目は果たしてきたわけでございますが、今、大変時間がたって、社会経済情勢の変化のもとで考え直されるべきではないかという時期に来たのではないかと思うわけでございます。 シャウプ博士が大変熱心に日本の実情を調査したという話がございますが、当時の新聞を見ますと、シャウプ博士は大蔵省の提出した資料は大体無視すると言っていいぐらい見ないで、自分で調べるんだといって、この四人の部下の方たちと日本国じゅう歩き回ったそうでございます。 そのときの記録によりますと、シャウプ氏がある日、銀座の喫茶店にあらわれて、一杯のコーヒー、六十円だったそうでございますが、飲みながら、そこの妙齢のマダムに税制のことを聞いた。博士が、一番困っていることは何ですかと聞いたら、マダムは、税率が高くてきちきち持っていかれると何にもなくなりますという話をされたそうです。博士は、帳簿を見せてください。そうしたら、帳簿などつけておりません、つけても仕方がない。それは困りましたね、あなた方がきちんと帳簿をつけるようにしてください、税務署には帳簿を信用するように言いましょう。それから、何か不満はございませんか、不公平に考えることはございませんかと言ったら、日本人でありながら第三国人の看板をかけて税を免れている店がある、これは非常にしゃくにさわるということを言ったそうでありまして、博士も、そう、それは悪いことですね、早速調査しよう。このような末端の調査から博士はいろいろ酌み取られて日本の税制に対して答申をしたということだそうでございます。 また、あるときは千葉県の農家に行ったそうでありますが、農家に行って、申告書は自分で書きますかと言ったら、半分は自分で書き、残り三割は役場が、あとは農業組合の人が書きますと答えた。所得の帳簿をつけることがどこまでできますか、また、課税標準はどんなふうに伝えられていますか。農家の方は、自分の所得がどれくらいになるかわかりません。税が高いことは全く高い高いと言うのだけれども、それがどれくらいだかわからない、幾ら納めたかわからないという返事だった。全く税について国民の理解も薄いし、大変な戦後の経済の混乱期にこうした調査を行ってつくり上げたのがシャウプ税制であったわけでございます。 しかしながら、それから今まで約三十八年たちまして、いろいろな変化が起こってまいりました。シャウプ税制が昭和二十五年でございますから、そのときの日本のGNPが三兆九千億円、今三百三十一兆円、そして産業構造も非常に変化いたしてまいりまして、第一次産業が二十五年当時は二六%のシェアであったのが、今は第一次産業はたったの二・八%のシェアしかない。第三次産業は当時四二%あったのが今六一%のシェアになっている。そして、そういうところに就労する人口も、当時第三次産業に就労する人口は二六・六%だった。今第三次産業に従事する方が五八・一%。一人当たりの可処分所得は、当時アメリカの十四分の一で四万一千円、今は二百十七万二千円、これは六十一年の統計でございますが、アメリカの三分の二、為替レートによってはアメリカをしのぐというようなふうになってまいりました。 そして、よく言われることですが、この所得構造を見ますときに五分位で比較する方法がございます。第一分位の所得と第五分位の所得の比較が当時は日本で五・八倍、一番下の人と上の人で五・八倍であったそうでございます。それが今は二・九倍になっている。アメリカは当時第一分位、第五分位のお金持ちとお金の稼ぎの悪い人との差が九・五倍だった。今も九・五倍で変わっていない。そして、ユーゴスラビアに行ったとき聞いたきのでございますが、社会主義国ですがどうですかと言ったら、やはり労働者の平均給与の六倍の給与を社長はもらうのだということをユーゴスラビアの人から聞きました。それらの外国に比べて日本は極めて所得の平準化された国になってきたということが言えると思うのでございます。 また、消費の面についても大変な変化がございました。当時、シャウプ税制時代には三種の神器と言われた白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫、それが昭和四十年には今度は三種の神器は力ラーテレビ、カー、クーラー等に変わってきた。現在はカラーテレビの普及率が九九%、電気洗濯機の普及率が九九%、電気冷蔵庫九八・三、ルームエアコン五九・三、乗用車七一・九の普及率に変わってまいりました。この変わってきた消費の内容にもかかわらず、シャウプ税制の時代に大変嗜好品、ぜいたく品、奢侈品と考えられたものに課せられた高額の物品税が、いまだにこうしたものにかけられているというひずみも起こっているわけでございます。 家計支出に対するエンゲル係数も、当時の五一・七から二四になった。そして、家計支出の中のサービスに対する支出の割合が、当時は統計がないぐらい少なかった。昭和四十二年には支出の中の四二・四%がサービスに対する支出であった。それが現在は五二・九%もがサービスに対する支出であるというふうに変わってきたわけでございます。 そして、財政の支出の構造も大変変わってまいりました。例えば社会保障関係費でございますが、一般会計歳出に占める割合が昭和三十年には社会保障関係費は一〇・五%にすぎなかった。千四十三億円であった。それが六十三年には一八・三%、十兆三千八百四十五億円というように、社会保障関係費が非常にふえてきた。これは我が国が高齢化社会に急速に進みつつあるということも反映されているわけでございますが、また社会保障関係のいろいろな事業が充実されてきたということによるものだと思われるわけでございます。 また、その間に人口構成も大変変わってまいりました。昔は二十歳から六十四歳までの人が十人ぐらいで六十五歳以上の高齢者一人を支えていたのが、現在は約六人で一人。二十一世紀には二、三人で一人を支えなければならなくなる。よく言われることでございますが、こうした大変な変化が起こってきたわけでございます。 そして、当時のこうした支出だとか消費性向だとか所得の状態からいたしまして、シャウプ税制がつくられたときにおきましても、直接税、間接税の比率というのは直接税五五に対して間接税四五であったわけでございます。そのシャウプ税制のストラクチャーを守りながら来た今現在、直間比率は七二対二八というふうに、極端に直接税に負担がかかっているというのが現状でございます。シャウプ税制をつくったときの最高税率、所得税の最高税率が五五%、法人税は三五%。所得税はその後上がって七五%の最高税率になり、今は前回の改正で六〇%となり、法人税は今四二%まで上がり、政府の御提出になった案では三七・五を目指しておられるということでございます。 事ほどさように、こうした経済の変化、経済の大きさの変化のみでなく構造的変化、質的変化、そう言ったものを当時の経済に合わせたシャウプ税制の骨格において何とかやってきたというのが今までの税制の状態でありまして、いろいろやってきたけれども、そこにいろいろな無理が出てきた。この変化に対応しなければいけない。このままでいくと、今現在起こっていることでありますが、大変いろいろな不満が起きてくる。 所得の非常に確実に把握される給与所得者、そういう方たちがだんだん給与所得が上がってくる。上がっていくと、シャウプ税制のころは垂直的公平ということでお金をいっぱい稼いでいる方から取ろうという税制でありますから、累進構造があった。今でもあるわけでございますが、それがたんだんきつくされてきた。それで、自分がちょっと余計な給与をもらうと上の税率区分に入りますから、急激に税で取られるお金が多くなっていくという不満もございます。今まで消費支出の中では主に物品にのみ税をかけていたのだけれども、今はサービスに対する支出が非常にふえていますが、そのサービスに対する支出にはシャウプ税制のシステムでは税金がかかっておりませんから、そこでもってカラーテレビだとか自動車だとか、今ぜいたく品でなくなっているものに高率の税金をかけなければならない、しかも十分な税収が上がらない。さまざまなひずみが出てきていると思うわけでございます。 そうした今の社会経済情勢に合わない基本的なストラクチャーのもとにやってきた税制だから、不平不満、不公正感が出てくる、重税感を感じる方がいるわけでありまして、その税制を抜本的に改正することこそが私は不公平税制の是正であると思うわけでございます。 そういう意味で今度政府の御提出になっている法律案について伺いたいわけでございますが、このような不公平税制の是正というものは、いろいろな今言われている不公平税制の個々の問題を追及することも大切でございましょうが、やはり根本的には抜本的な税制改革をやらなければなし得ないものだと考えますが、総理のお考えと伺いたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 シャウプ税制以来の歴史をひもといての御意見を交えてのお尋ねでございます。 私どもいつも税制を議論いたしますときには、まず最初は昭和九年から十一年まで、すなわち十二年に戦争が始まったという意味においてそのときのことをよく分析をいたしますが、非常に大ざっぱな記憶でございますけれども、所得税が全税収に占める割合が一一%、今四〇%弱でございますが。それから法人税がたしか七・何%だったと思います、今三〇%強。驚くべきものは、たばこの専売納付金も税に換算してやりますと、酒、たばこでおよそ三五%、それから古い人は覚えていらっしゃいますが、砂糖消費税が一〇%ぐらいございます。等々、第一種所得税と第三種所得税というのが法人税といわゆる今の勤労所得税であったと思うのでございますが、そういう状態の中で直間比率が、六五%が間接税で三五%が直接税、これが大体の戦前のティピカルな一つの姿かな。 それで戦後まず昭和二十一年、このときは財政法が古い財政法でございますけれども、二十二年から新しい財政法でございますが、総予算が決算ベースで一千億、昭和二十八年に一兆円を超して昭和四十七年に十兆円を超して、そういう歴史があるわけでございますけれども、シャウプ税制前にやはり民主化の波の中でできたのが、賦課するというような言葉がいわゆる申告制度ということに民主的に改まったのがシャウプ税制までの一つの改革であったのかなというふうな感じがします。 それから、シャウプ税制になりまして総合所得とそれからやはり所得税と法人税というものの位置づけができて、しかしその中でも例えば株式のキャピタルゲイン課税の問題は、最初出発のときは総合所得で原則課税で、それが途中で原則非課税になって有取税が入りましたのと、それから富裕税が途中で廃止されたのと、それからもう一つはたしか勧告にはございます付加価値税、といっても今の付加価値税とはちょっと違います、最終所得といわゆる仕入れとの間のものを全部付加価値とみなしてそれにかけるというような、ちょっと事業税みたいな感じのものでございますが、これは実施されないままにやってきた。 そこで、シャウプ税制というものをその都度改正しながらも今日に及んできて、しかし昭和四十九年でございますか、これは高度経済成長の中で昭和二十六年以来は毎年それなりの所得減税は行われておったのが、五十年から行われなくなって、ただ、国会で戻し税でございますとかいろいろな部分的な改正は行われて今日に至っておる、大ざっぱにそんな変化じゃないかなと思います。 その中で、いろいろな変化がございました構造的な変化の問題、今御指摘のあったとおりでございます。 したがって、昭和五十三年に税制調査会からいわゆる一般消費税(仮称)というものの準備に入るべきだという答申をいただいて、それから五十四年の選挙で国民に構造、仕組み等について理解を求められなかったということから、これを五十九年ぐらいまでにいろいろ議論しようということで国会決議ができまして、それから五十五年に、これは本院で日本共産党を除く全部賛成していただきましてできたのがグリーンカードでございます。五十五年の三月三十一日に議了をいたしております。それが途中で政令で延期され、そして最終的には適用されるまでに廃止される。しかしその間いろいろな苦悩をしながらやってきたことは事実でございます。 そこで、昨年改めて、いわゆるグリーンカードの反省からくるマル優の問題とそれからもう一つは売上税の問題。で、マル優問題については臨時国会で処理していただいた。それで、売上税の反省に基づいて今度はいわゆる消費税というものを、今御指摘の構造の変化に対応してあるべき税制の姿として法案を提出して御審議をいただくというくだりに相至った、こういうことになろうかと思います。 したがって私は、最初御指摘なさいましたように、この国会はまさに税制改革でもってお願いした国会でございます。経済情勢等からいうと比較的落ちついた環境にある今日こそ、本当に感情、感傷に走ることなく、冷静なこの環境の中で実りある専門家の皆さんの御議論がちょうだいできるときではなかろうか。これに誠心誠意こたえてお答えをし、また疑点の解明に積極的に努めなければならないのが我々の立場である、このように考えております。
○中村(正三郎)委員 そこで、今総理のお言葉にもございましたように、この場で税制の論議を深めていくということがやはり議会制民主主義にとって一番大切なことであり、また、この場の議論を通じて国民に理解をいただき、また野党の方のいろいろな御意見も承りながらこの税制の審議を進めていくというのがまさに議会制民主主義の機能であろうというふうに思うわけでございます。 そこで、まだ委員会には付託はされておりませんが、既に国会に提出されております政府の法律案について若干お伺いをしたいと思うわけでございます。 今国会の政府の税制改正法案は六法案になっていると伺っております。その中で、先ほど申し上げましたようないろいろな経済構造の変化によって来るいろいろなひずみに対応する施策が織り込まれていると伺っております。そして、その中の中心的になるものはやはり所得税、法人税、直接税に非常に負荷のかかった構造をかえていこうということもあると伺っております。今まで垂直的公平が非常に言われていたのを、それを水平的公平にもやはり所得の平準化という中で目を向けていかなければいけない、また中間所得層、重税感の一番重いところにいろいろな対策をしていかなければいけない、そういったことをなし遂げるために課税ベースの広い間接税、消費税を導入するという骨子になっていると伺っておりますが、この委員会初めての質問でございますので、大蔵大臣から、その目指すところ、その骨子について御説明をいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほど中村委員が、シャウプ税制当時の我が国と現在の我が国との比較についてまことに適切な御言及がございまして、やはり一番この中で変わっておりますのは、当時一次産業の所得がGNPの二六%、それが現在は二・八%になった。当時農業国であった我が国がこれだけ変わったということ。そして一人当たりGNPが、まさにアメリカの十四分の一でありましたものが今は勘定のしようによってはもうほとんど同額かなというようなこと。そして、当時第一分位と第五分位の所得格差が五・八であったものが二・九になったと仰せられました。この格差の二・九というのは、我が国が最も世界に誇れる、いわば上と下の所得格差の小さい、それも所得水準が低くては何もなりませんが、世界で最も高い水準で格差が小さいということが大変大事なことであると存じます。そのことは、やはり一つには社会の共通の費用というのは広く薄くみんなで分担し得るような社会になったということ。 またその半面、直間比率が七二対二八と仰せられましたが、それはそれだけの重いものが中堅所得層にかかっておる。したがって、社会に出ましても、会社に入りましても、ちょっと昇給すればすぐ高い税率にいくという、そういうことで勤労意欲がそがれる、重税感が大きい。それはやはり何とか直す方法はないか。アメリカのように一五%と二八%二つになれば申し分ございませんが、我が国は課税最低限が高うございますからそうもいかないかもしれない。しかし、ライフステージでまあせいぜい一つの税率、ちょっと余計出世されても二つの税率というぐらいなものにすれば重税感が少ない、そういうこともできるようになった。で、先ほど仰せられますように、二十一世紀になれば、今六・六人で一人の老人を背負っておるが、四人に一人、三人に一人になる。これは健全な社会保障制度を維持するためには大変に若い人の負担が大きい。しかもそれを直接税で負担するということになれば大変なことになるということも仰せられました。 そういう状況の中で__もう一つ仰せられました。今まで個別の物品税というものがあった、現在ございますが、それは非常に説明のしにくいものになっている。奢侈品というのに物品税がかかるとすれば、なぜスキーが非課税でサーフボードは課税なのか、なぜ紅茶は非課税でウーロンティーは課税なのか、ほとんど説明ができないような状況になってしまって、自動車と家庭電器で七割近いものをしょってもらっている、これもおかしいだろう。サービスも入っていない。仰せられましたようなすべてのことが、やはり四十年近いシャウプ税制の骨格を変えなければならないということになってまいったと思います。 それを、御指摘のように所得と消費と資産の間でバランスのとれたものにいたしまして、四十年近い我が国の変わりように合わせるとともに、十何年で迫ります二十一世紀に向かってこの際きちんといたしておきたい。 これにつきましては、しかし、やはり売上税というものが一つの、先ほど申しましたように皆さんに広く薄く負担をしていただく社会の共通費用という考えに基づいておりますから、なるべく国民の皆さんにわかりやすく簡単で、理屈を言えばいろいろな難しい理屈がございましょうけれども、それは前回、昨年の試みでどうも国民の理解を得ることができなかった、これはいろいろ話が難しくなりましたのでそうであったと思いますが、今回はできるだけわかりやすいように簡易に、多少の理屈上の細かいところは踏み切りましても、そういう形でお願いをいたしたいと考えましたのが、このたびの政府の行革案の骨子でございます。
○中村(正三郎)委員 この行革案の骨子、そのよって来る理由、そのもたらす効果、そういったものについては政府のお考えと私どもとこれは一致を見ているわけでございますが、およそ新税を導入するということになりますと、やはり新税はすべて悪税であると言われるように、必ず不安と申しますか抵抗感が生まれてくる。そこで、今大臣も言われましたように、国民の理解をいかに得るかということが一番重要なことになってくるわけでございます。いかにいい税であっても、理解を得られなければいろいろな問題を起こしてこの前のようなことにもなろうかということだと思うわけでございます。 そこで、今度、私が国民の立場に立ちまして、政府で用意され提出されましたこの消費税につきまして、若干質問させていただきたいと思うわけでございます。 私も、自分の選挙区におきまして、また、いろいろな機会を得まして、消費税に関する説明会また討論会等に多数出たわけでございますが、その際に、いろいろな意見が出て、誤解に基づくものもあり、戸惑うこともございましたし、また私ども、こういうところは政府はどう考えておられるかなというところもございました。 例えばの話でございますが、消費者の方から、消費税は生活の隅々までかかってくるので生活が非常に圧迫されることになるのではないかという質問がありました。これはよく伺ってみますと、今回の税制改正が減税とのパックで行われているということを考えていない方に多く見られる質問であったわけでございます。前回の売上税は、レベニュー・ニュートラルということで増減税チャラということでございました。しかし今回は、この良好な経済環境に支えられて大幅な減税の超過となっているということでございます。また地方税等においてもいろいろな軽減措置がとられている。また物品税、電気税など八つの既存の間接税が廃止されている。飲食税、酒税などが減税されている。そういった大きな改革が行われているわけでございます。 そこで大蔵大臣にお尋ねいたしますが、この増減税、これはどうなっているのだ、そして実質的な減税、これは去年のレべニュー・ニュートラルの、片方は増税して片方は減税したけれどもチャラよでなくて、実質的にどれだけの減税になるのか、そこいらを詳しく御説明をいただきたいと思うわけでございます。
○宮澤国務大臣 昨年売上税をご提案いたしましたときには、いろいろ財政の事情等々考えまして、おっしゃいましたレベニュー・ニュートラルと申しますか、いわゆる増減税なしということでお願いをいたしたわけでございます。このたびは思い切りまして、差し引きますと二兆四千億円の減税ということでお願いをいたしました。これは決して財政が楽になったという意味ではございませんで、先を考えますといろいろ心配な点もございますけれども、しかし、やはりいろいろ国民の御心配あるいはこれについての御関心を考えますと、この際思い切って行政の節約もする、それから租税措置法等々でもまだ幾らか収入は図れるかもしれないというようなことから、思い切って二兆四千億円の減税ということにいたしました。 減税の規模をまず申しますと、所得税、法人税、相続税などの直接税の減収が五兆六千億円でございます。それから、先ほど御指摘のように、物品税を初め既存の間接税の廃止などがございますので、これが三兆四千億円の減になります。したがいまして、合わせまして減税の規模は九兆円でございます。 これに対しまして、消費税の創設により増収が五兆四千億円。これは今物品税等々の廃止分を廃止として減税に立てましたので、差し引きでなく申しますと五兆四千億円、それから租税の負担の公平などで一兆二千億円、合わせまして六兆六千億円でございますので、差し引き二兆九千億円という減税になるわけでこざいます。 しかも、先ほど御指摘になられましたように、昭和六十三年分の減税は、国会の御意思によりまして既に法律が成立いたしまして施行されることになっておりますので、ただネットの減税になるばかりでなく、時間的にも減税が先行するという形になっております。 なお念のため申し上げますが、先ほど消費税は五兆四千億円と申しましたが、他方で三兆四千億円という物品税等々の減税がございますものですから、差し引きでは二兆円ということになるわけでございます。
○中村(正三郎)委員 大臣の御説明で増減税の仕組みがよくわかったわけでございますが、そのほかにも、いろいろな質問の中に、売り上げが三千万円に届かない業者の方から納税事務が心配であるという御質問が出たり、また、すべての事業者がその三%を負担するそうだが、その三%もうちは利益がない、それじゃこれは納税できないのじゃないかとか、私は大変誤解に基づく質問が多かったのにびっくりしておるわけでございます。また、仕入れにかかった税額を控除するといっても、売り上げた商品の仕入れを過去にさかのぼって一々管理するのは大変だというような御質問もよく聞いたわけでございます。 これは当委員会に出ていらっしゃるベテランの方々はもうよく御存じのことだと思いますが、誤解を解くために、これらの誤解は幾ら説明しても説明し過ぎということはないと思いますので、大蔵大臣から御説明をいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 いい機会を与えていただきましてありがとうございます。 先ほど、九兆円引く六兆六千億円を私、二兆九千億円と申し上げたそうでございますが、これは二兆四千億円でございますので、訂正させていただきます。 それで、御指摘のように、三千万円に届かない方々はこれは当然、これは事業者でございましてもこの税は払われる必要がない、消費税の納税義務は免除されておるわけでございます。ちなみに、三千万円に届かない事業所は我が国の全部の事業所の七割、ほとんど七割ございますので、自分は納税者だと思っておられる方が実はかなり納税義務者でない、事実上納税義務者でないということになっておりまして、この七割という数字は皆様が割にお気づきにならないかと思いますが、意外に多くの方々が納税義務者では事実上ないということでございます。 それからもう一つ、何か売り上げの三%が税金になるのかというふうに思っておられる方が時々おられますが、もちろん売り上げの三%、その前に仕入れの三%引きますものですから、したがいましてその三%は売り上げと仕入れの差額、まあ付加価値と申せば付加価値と申せましょう、それにかかるわけでございます。しかし大抵のお方、五億円以下の売り上げのお方でしたら、もう帳簿で一〇〇売り上げがあったら仕入れは八〇ある、つまりネットは二〇だというふうにおやりになって結構です。帳簿で一々なさらぬでも、実は仕入れの粗利益と申しますかは売り上げの二割だ、こう考えていただいて、それに三%でございますから、実は売り上げから言えば〇・六%になるわけでございまして、そういうのが税率でございます。しかし、それは何か自腹を切ってというお気持ちがやはりところどころございますが、本来これは転嫁を原則としておりますものでございますから、最終的には消費者に負担をしていただく。 そうすると消費者は大変な負担をされるかということになりますと、先ほどの話もございました物品税等々の免税が片っ方でございますものですから、経済企画庁の試算では、消費者物価で一・一%ないし一・二%、それももとより毎年ではございません、一遍実施いたしましたときに一つそういう踏み上げがあしまして、後はもう毎年おなじことでございますから、その程度のものであるということ。 それからもう一つ、中村委員が言われました、商売をしていらっしゃる方が仕入れたものを売り上げから引くといっても、古くから仕入れたものもあるだろうし、ことし仕入れたものがそのままことしの売り上げにならない、そうするとそれは大変難しい計算になるではないか、そういう心配をしていらっしゃる方がおられて、理屈はそうでしょうが、そんなことを言いましたらとてもこれは国民の皆様に御迷惑をかけますから、そんな難しいことでなく、ことしお仕入れになったものは、ことしお使いにならなくても、ことし売り上げたものから全部引いていただいて結構だ、機械を買われても何を買われてもそうなすっていいということに決めてございますので、その点も大変に簡単になってまいったと思っております。 〔委員長退席、海部委員長代理着席〕
○中村(正三郎)委員 このようないろいろな誤解が生まれているわけでございますけれども、それは我が国がいわゆる消費税というようなものになじみがなかったということに起因しているのではないかと思うわけであります。 欧米では、もう皆さん御案内のとおりに、この課税ベースの広い間接税を採用していない国はないと言っていいぐらいこの税は普及しているわけでございます。また、アメリカが直接税中心で、この課税ベースの広い消費税はないんだというようなことを言う方もいらっしゃいますが、実は州段階では大体八%ぐらいの売上税というのが各州で取られていて、そこに間接税の収入というものが入っている。実はアメリカの政府でもこの幅の広い間接税というのを入れたいんだというような話も私ちょっと伺ったことがあるのでございますが、各国それぞれにこうした税体系を持っている。しかしながら日本では、今までの物品税がほとんど庫出税であったために、こうした税の方式になれていないということからくる誤解だと思うわけでございます。しかしながら、この誤解を解くことがやはりこの税を成功させる最も重要なことだと思うわけでございまして、そうしたことの御説明に政府といたされましてもまだまだ力を割かれるように私はお願いしたいと思うわけでございます。 消費税の本質は、まさに読んで字のごとく消費に負担を求めるわけでございますから、このように消費者に負担を求める具体的な方法として、商品やサービスが消費者にたどり着くまでの各段階の事業者に税を納入してもらうけれども、前段階の税は控除していくということで、送り送って最後は消費者に三%の税率で税を負担していただくという方式なわけでございます。これが消費税の基本的仕組みであると私は理解しているわけでございます。しかし、さきに述べましたように、欧米と違って我が国はこの種の税制になじみがないという事情があって、事業者の方から納税事務の負担が大変ではないだろうか、税の転嫁ができるだろうかというような疑問も出されるわけでございます。 そこで私は、大変これはよく整理されたものだなと思っているのでございますが、総理が前国会とハワイにおかれまして七つの懸念、後から一つつけ加えられまして、最初は六つの懸念だったと思いますが、七つの懸念ということを言われました。これは、新しい税の導入によって事業者の事務負担が極端に重くなるのではないだろうか、物価を引き上げてインフレが避けられないのではないだろうか、転嫁がうまくできるだろうか、逆進的な税になって所得再配分機能を弱めはしないか、結局中堅所得層に税の不公平感を加重するのではないか、所得税のかからない人たちに過重な負担を求めるようになるのではないかという七つの懸念だったと思うのでございますが、これが一番よく整理されたこの消費税に対する国民の質問したいところであろうかと思うわけでございます。 そして、これに沿って私は質問させていただきたいと思うわけでございますが、まず事業者の納税事務負担についてお伺いしたいと思います。 昨年の売上税に対する批判の一つには、この問題をめぐるものが大変多くありました。例えば、税額票の作成には手間がかかり、保存も大変だ。年に四回も申告し、納税しなければならず、それでは代金回収の前に税金を納めなければならなくなるようなこともある。中小零細企業者にとっては納付税額の計算が苦痛であるといった厳しい批判がございました。今回の消費税では、これらの批判を受けとめて納税事務負担の軽減が図られているというふうに伺っておるわけでございます。この点どういうふうな工夫がされたのか、前の案とどう違うのかということを大蔵大臣に御説明いただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 まず、先ほどもちょっと申し上げましたが、売り上げが三千万円以下でございますと、これはもう納税者ではない。これは事実上免税店制度と同じことでございますので、事業所を持っていらっしゃる方の、商売をしていらっしゃる方の七割というものが実は納税者ではないということで、まずそういう方々の御不安を除いておこうと思います。 ただ、この前と違いますのは、この前は税額票というちょっと難しいものを考えましたものですから、免税業者になるのはいいが、今度は税額票がないから、次の納入する先が税額票をもらえなければ今度は引けないわけでございますので、泣く泣く納税者にならなければならぬという、そういうふうに心配をされた方が多うございましたが、今度はもう税額票をやめてしまいました。したがいまして、免税業者であろうとなかろうと、納入するときに不利になることはございません。そして、税額票のかわりに帳簿で、先ほど申しましたように一〇〇売り上げがあったら、売り上げが五億円以下でございますと大体二〇がいわばネットの仕入れと売り上げの差である、それについて三%納めていただけばいいという簡単なことにいたしました。 それから、前回非課税の費目をかなり多くいたしました。これはできるだけそういう意味での課税対象を少なくしようとしたのでございましたが、どうもこれがかえって事柄を複雑にしてしまったという反省もございましたものですから、今度は非課税の範囲を医療、社会福祉、教育の一部に限定をしてしまいましたので、その点は大変に納税者としても事務負担は楽になられたと思います。 納付のことでこざいますが、大体中間一遍、最終的に一遍と年二回納めていただけばいい。ただし納税額が三十万円に満たない方、そういう方も随分おられると思いますが、これは一回でいいということでございますから、いわば帳簿でもっておやりになって、大変簡単に申せばその売り上げの二割だな、その三%か、それを年に一回か二回だな、そういうふうに考えていただきますと、税額票というものもなくなりましたし、かなり理解をしていただきやすいものになっておるかと存じます。
○中村(正三郎)委員 次に転嫁の問題でございますが、この転嫁がスムーズにできるかどうかという議論は既に国会で随分なされてまいりました。私も同僚議員の議論をよく聞いておりましたが、商売の競争という場面にこの三%が持ち込まれた場合に、これがうまく転嫁できるかどうかということが、特に商売の立場で弱い企業にとって大変重要な問題になるのではないかという御指摘が随分あったように承知しているわけでございます。 そういった転嫁をスムーズに行わせることがこの税金を成功に導く一つのまた大きな要素だなと思うわけでございますが、この転嫁をスムーズに行わせるためにいろいろな施策を考えておられるというふうに伺っております。この転嫁のための環境整備の一つとして独占禁止法関係の規定が設けられていると伺っているわけでございます。消費税法の附則において、消費税導入当初の一定期間、消費税の転嫁の方法及び表示方法に係る共同行為を認めることとされております。この措置は事業者の有する転嫁に対する懸念を軽減する上で大きな役割を果たすものと思われるわけでございますが、この点に関連をしてお伺いをいたします。 今回の暫定的な立法措置によって、今の消費税法の附則でございますが、現行法に比べて具体的にどのようなことができるようになるのか、それによってどう転嫁がスムーズに行われるのか、他方、これらの措置により便乗値上げが誘発されるのではないか、カルテル的行為が定着してしまうのではないか、そうした体質が温存されてしまうのではないかというような懸念がされているわけでございますが、これらの点について、きょうは公正取引委員長お見えだと思いますが、公正取引委員長の御見解を伺いたいと思います。
○梅澤政府委員 お答えを申し上げます。 ただいまおっしゃいましたように、政府から今回提案されております消費税法の附則に、ただいま御指摘がございました独占禁止法に対する特別の措置の規定が盛り込まれてございます。 私ども公正取引委員会といたしましては、今回の政府提案の趣旨は、一つは、新しい消費税の施行に当たりまして、事業者の間に法律が予定しております転嫁というものが果たして十分にできるのかという不安があるということ、一方、商品を買う消費者の側には、これによって便乗値上げというような行為が行われるのではないか、そういった二つの不安がございまして、この二つの不安を解消するといいますか、制度が円滑に定着するように、この二つの要請を二つなからに満たすものとして提案されたものであろうというふうに理解をしておるわけでございます。 具体的な中身は、ただいま中村委員がおっしゃいましたように二つございまして、一つは、いわば価格形成力の弱い中小事業者あるいはその団体が消費税の転嫁の方法を決定する共同行為。これは、消費税は当然転嫁が予定されておるわけでございまして、その消費税相当額を、例えば価格に上乗せするなどいろいろな転嫁の方法があるわけでございますが、それを業界の中で情報交換をされて一つの方法をお決めになる、これがまあ転嫁の方法に対する共同行為ということでございます。 もう一つは、表示の方法というのは、当然新しい税が施行されますと、税の転嫁ということで価格の改定が行われることが予想されるわけであります。そういたしますと、その新しい価格を表示する場合に、その新しい価格に移行するに当たって、その税額相当分が幾らかということについてはいろいろな表示の方法があるわけであります。端的に言ってしまえば、外書きにするとかあるいは内書きにするとか、場合によっては従来の値札は全然変更いたしませんで、お客さんが買い上げを終わりましてレジの段階でまとめて一定率の税額を転嫁するやり方、いろいろあるわけでございます。これも、同じ商品を売っている店でいろんな表示が行われますと消費者にも混乱を起こしますし、商売にも新しい税でございますから混乱が起こるだろう。そういった場合に業界の中で一つのやり方を決める、これが表示の方法の決定ということの、例示ではございますが内容になるわけでございます。 これらの共同行為というのはいわゆるカルテルでございますので、現行の独禁法では禁止されておるわけでございます。したがいまして、ある一定期間これを政策的に認めるとするならば、やはりその法的措置が必要でございまして、それが今回の特別措置になっておるわけでございます。 ただ、これも野方図に行われるということがございませんように、こういう共同行為をされる場合には、今回の特別措置の内容を見ますと、あらかじめ公正取引委員会に届け出をしていただく。届け出をしていただいた共同行為が初めて今回の特別措置の対象として独禁法がある期間適用が停止される。その共同行為につきましても、この条文には、例えば便乗値上げに係るような共同行為と認定されます場合には、本来の独禁法違反として問題にされるという構成になっておるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、法律が施行になります段階までには各産業界のいろいろな実情なり御不安になっている点を十分に聞きまして、もちろん関係省庁とも十分連絡をとりながら、事業者にとってどこまでの行為が許されるのかという具体的ないわばガイドラインのようなものを世の中に明らかにしていきたい。これは同時に消費者にもわかりやすいということが大切でございますので、事業者にも消費者にもわかりやすい共同行為の内容について公表をするということで、公正でしかも透明な運用を図っていかなければならないと考えておるわけでございます。
○中村(正三郎)委員 そのほかにも総理が挙げられました七つの懸念、逆進的な税体系となるのではないか、低所得者に過重な負担を強いるのではないか、中堅所得層の税の不公平感を加重するのではないか、また三%の税率がどんどこ歯どめなく引き上げられるのではないか、こういったものがあるわけでございます。私はこれを一々質問を申し上げようかと思っていたのでございますが、これは総理が大変よく整理をされて、みずからおっしゃられたことでございますので、この後残りました懸念について、差し支えなければ総理から、一つ一つこの懸念が払拭できるような御説明をいただければと思うわけでございます。
○竹下内閣総理大臣 私が最初六つの懸念というものを申し上げましたのは、本院における予算委員会の際に、大型という呼称についての定義づけがないか、こんな議論がございまして、大型、中型、小型というのはなかなか基準を見つけることは難しい、強いて申しますならば大型間接税というものからくる懸念が六つあるんじゃなかろうか、こういうことを申し上げました。その後やはり考えてみまして、転嫁問題というのは、これは七つの懸念あるいは六プラス一の懸念とでも申した方がいいかな、乏しい頭の中で整理した言葉でございます。 そのうちで、特に直接納税される事業者の方の懸念が二つあって、それが転嫁問題と、いわゆる手続が面倒ではないかという問題だと思うのであります。したがって、あとの残る五つの懸念というのは、言ってみれば消費者サイドからの懸念というふうに整理されるではなかろうかなというふうに思います。 これは議論を積み重ねることによって和らぐもの、それから税制全体の中で考えていくもの、こういうことがあろうかと思うわけでございますが、逆進的な税体系となって所得再配分機能を弱めるではないか、こういう問題につきましては、やはり税制とは別の歳出の方で、例えば生活保護基準の問題でございますとかあるいは在宅福祉の問題でございますとか、そういうところで中和すべきものではなかろうか。したがって税金がかからない人、実際はいろんな間接税等お払いになっておりますれども、所得税を納めていない人に対する措置として、いわばそういう在宅福祉とか生活保護基準とか、そうした歳出で懸念が中和できるではないか、こういうふうに一つは整理しております。 それから、低所得者の若い人ということに対する懸念がありまして、ライフサイクル全体から申しますならば、若いときにそこそこの税を負担をしておって、むしろ徐々に、扶養家族ができ、子供ができ、そういうときにいわば重税感が薄らいでくるような税収の方がいいじゃないか、この議論もございますけれども、今度の場合、課税最低限の引き上げの問題でございますとかいうことでこれは中和できるではないか。 それから三つ目の、中堅所得者は一向メリットがないじゃないか、こんな議論でありまして、一番よく耳ざわりのいい言葉としては、教育減税ということを何回も何回もお互いこの場所で議論したわけでございますけれども、私は大正生まれでございますので、明治、大正的発想からいいますと、せっかく義務教育を終えて僕は就職し、幾ばくかでも所得税を納めておる、ところが僕よりもできの悪いおやじきんが何で減税の対象になるだろうか。こういう教育減税の持つ本質的な問題というのがいつも、特に明治、大正には余計ありますけれども、そんな感じがありまして、しかし、さすが皆さん方知恵者だなと思いまして、今度は十六歳から二十二歳でございますか、そういう方方の特別控除というようなことをお考えいただいた。なるほどな、これこそまさに育ち盛り減税でもあるし、大飯食らい減税と言う人がおりましたが、その言葉はちょっと適当でございませんけれども、ちょうど学齢期の方々に当たるものですから、その辺が中和されたというのはこれはすばらしいな。こう三つ思いました。 あとの二つは、インフレの問題は大蔵大大臣からお答えになりました。 それからもう一つの問題は、税率が容易に上がるのじゃないか、こういう懸念でございますが、これほど議論して三%というものを決めていただいて、国会という、租税法定主義のもと、まさに強烈なチェック機関があるわけでございますから、そんなに安易にそんなことはできるわけがない。まあしかし、ヨーロッパを見れば、まずは必ず所得減税をしながら税率が上がっていったという傾向そのものはございますから、私なりにやはり未来永劫そのときの国民の選択をも縛ってしまうわけにはいかぬなと思いますが、そういうチェック機関がある限りにおいて、容易にこの税率アップなどというものはでき得べくもないものではなかろうか。 こんなようなことを平素私の乏しい知識の中でお答え申し上げておるというのが現状の私の考え方でございます。
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。 まず、この税制改革を考えるときに忘れてならないのは、今後の税制改革の趣旨である所得、消費、資産の間のバランスのとれた税制の構築ということがあると思うのでございます。そのような中で、直接税に過重な負担をされていたものを直間比率の見直しを含めて是正していこうということでございますから、そのこと自体については国民の方々の賛同も得られるんじゃないかと私は思うわけでございますが、その中に今総理が御説明されましたようないろいろな懸念が出てくる。それを一つ一つ総理からそうして懸念を払拭する御説明をしていただいている、私はこれは大変すばらしいことではないかと思うわけでございます。 また、こうした税金を考えますときに、所得税の負担が重過ぎるというととかく問題を起こすものでございます。シャウプ税制の当時、大変所得格差が開いておった。そこで垂直的公平を求めなければいけないために累進税率の非常にきつい税制であった。それが今、所得構造も変わり、消費構造も変わって、この時代になって水平的な公平に目を向けなければならなくなったということだと思うわけでございまして、その中に生まれてくるいろいろな問題は、今総理がおっしゃられましたようなことで対応していくべきであろうと私どもも考えているわけでございます。 所得税の最高税率が非常に高いというのは日本の過去の特徴でありまして、シャウプ税制のときは五五%が最高でありましたが、それから七五までいった。地方税を入れての実効税率は九三までいった。そういうふうになってまいりますと、お金を嫁いだ人はこれは何とかならないだろうかということで、悪いことを、考えなくてもいいことを考える傾向に押しやられる。また国際化社会の中で、やはり税を納めるなら安いところの方がいいよということで税の外国への逃避が行われる。税が逸走するというような現象も起こるわけでございます。また勤労意欲の減退等も招くわけでございまして、この時代に、これだけ所得が平準化した時代にこそ、この水平的公平を求めて、垂直的公平を少し弱めて、そして幅の広い間接税を入れて、所得と資産と消費のバランスのとれた税を構築していくということが必要であろうというふうに考えるわけでございます。 そうした中で、今のような一つ一つの懸念が払拭されてまいると思いますが、国民が抱く懸念の中で一番大きなものは、こうした税を導入すると、その税収があるんだということにあぐらをかくと申しますか、ぬるま湯につかって行財政改革の推進が怠られるんではないだろうか、決してこんなことはないと私は思うわけでございますが、そういった懸念が実は国民の心の中にあるんではないかと思うわけでございます。 確かに、これから高齢化社会の進展に伴う将来の財政需要というのは大変大きくて、国民の負担はどんなことを行っても上昇せざるを得ないというふうに思うわけでございますが、しかし、その中で負担をどう求めるか、そういったことを考える中でどうすれば負担が少なくなるか、どうすればいろいろなコストを安く抑えて、国民の負担が少ないままに健全な福祉社会をつくれるかということが一番重要なことになってくると思うわけでございます。国民の負担の上昇を抑える努力、行財政の効率化の努力はこれから絶えず行わなければ、やはりこの税制改正というものは理解をされないものと私は思うわけでございますが、その点についての総理の御決意を承りたいと思うわけでございます。
○竹下内閣総理大臣 私先日、私どもお互いそうでございますけれども、マルクス経済学、一方はアダム・スミスの国富論、こういうところからみんな入ってきたと思います。そういうことを考えてみまして、最近のケインズ理論に対するいろいろな批判という本を読んでみましたら、ケインズ理論というのはやはり大変な良識ある一部の人で構築する論理ではないか、大衆民主主義あるいは議会制民主主義の中ではどうもそれは崩れがちなものである。なぜならば、選挙を受ける者は選挙民の支持を受けなければならない。選挙民は少数の構築した意見よりも自分の利害関係がどうしても伴うものだというような指摘がありまして、もっともだなと思いました。ところが、我が国の国会はそうじゃないのです。昭和五十五年から皆さん方の御協力で大変な行政改革も財政改革もやってきた、だからやはり日本はすばらしい国だな、こういう感じを持ってきたわけでございます。 ただ、幾分赤字財政問題になりますと、赤字財政を結局負担するのは後の世の納税者である。後の世の納税者は現在の有権者ではないということから、その問題が比較的なおざりになりがちだ、こんなことも書いてありまして、なるほどなと思いながら進めてまいりました昭和五十五年の予算は、いわゆるシーリング一〇%でございます。それから五十六年が七・五%、それから〇%になりマイナスシーリング、こういうことで今日続けておりますが、当然、仮定計算でございますけれども、当時の現行の施策、制度をそのままにして積み上げておったら、今の歳出の十三兆一千億くらい私は余計になるのじゃないかと思います。それからもう一つは、やはり二万六千人くらいの純減というものも達成できなかったのじゃないかな、こんな感じがいたすわけであります。その上に、目玉として国鉄の分割・民営でございますとかNTTの民営化、何分二十六あった総裁が五人総裁がなくなったわけでこざいますから今二十一人になっておりますが、そういう民営化の実がNTTの売却益などで上がってきた、こういうようなことがあるわけでございます。 したがって、今一番大事なのは、行財政改革はこれで済んだという感じを持つことは絶対にいけない。やはり行政改革あるいは財政改革につきましては、今まで我々がある意味において退路を断ちながら努力してきた問題を引き続き強力に進めていかなければならぬ、それをまた許容してもらえる国会だというふうに私は信じておるところでございます。
○中村(正三郎)委員 時間が大分経過してまいりましたので端的にお答えをいただきたいと思うのでございますが、大蔵省に数字について二点お伺いしたいと思います。 今この政府案につきまして、減税になる階層が一体どこからどこまでなのか、所得が幾らぐらいの人が幾らの減税になるんだというようなことが巷間よく言われておりますが、大蔵省の試算に対していろいろな試算が出ております。新聞でも我我多くの種類の試算を見るわけでございますが、その数字が大変ばらついております。そのばらつきの原因を見てまいりますと、恐らく所得税の減税の部分は、これは単純に計算できるものでございますから、減税部分については大体同じなんだと思うわけでございます。ところが、消費税がどういうふうに物価に影響して、それが家計支出に影響してくるかというところの試算が違っているかと思うわけでございます。しかし、こういう数字がいっぱい出ますと、国民はそれを全部読むわけでございますから、一体どれが正しいかわからない。一体大蔵省の言っていることは本当なのだろうか、しかしこっちじゃこんな減税にならないと言っているぞというようなことがあります。この点について国民にわかるように、納得できるように、その試算の根拠と、そしてこれぐらいのところはこれぐらい減税になるんだということを自信を持ってひとつ御説明を賜りたいと思うわけでございます。 もう一つ、また数字に関する問題でございますが、この消費税でどれくらいの税収が上がるかということについての試算もいろいろ取りざたされております。この課税ベースがどれくらいであるからどれくらいの税金が出てくるであろうか、大蔵省はそれを非常に控え目に出しているんだというようなこともございますが、これは私はやはり国民に疑念を抱かせる一つの原因になると思います。そういったことをきちっと大蔵省が御説明をされて理解を得ることが、やはりこの税金を成功させる一つの要因であろうかと思いますので、はっきりとわかりやすくここで御説明をいただきたいと思うわけでございます。
○水野(勝)政府委員 二つお尋ねをいただきました。 第一点は、税制改革によりますところの負担の軽減状況でございます。 この点につきましては、極力私どもといたしましてもその負担の変化が具体的に明らかになりますような試算を出しておるところでございますが、その前提といたしましては、極力標準的な事例につきまして客観的な試算に努めておるところでございます。こうした試算につきましてはいろいろな方面からまた御試算をいただいてございますけれども、だんだん議論をいたしたりしてまいるうちに、おおむね共通したものになってきておるところでございます。 ただ、共稼ぎ世帯につきましては、共稼ぎ世帯におきますところの御夫婦の収入の割合等をどのようにとるか、これによりまして結果がかなり違ってまいりますが、その前提をそれぞれ明らかにしてまいりますと、これも大きな差はなくなってございます。したがいまして、その共稼ぎ世帯の収入の前提のとり方ですから、前提によりましては違ってまいりますが、余り違った議論はだんだんとなくなってきてございます。 また、先ほどお話のございました割り増しの扶養控除の適用の問題、この問題につきましても、どのような年齢階層の世帯をとるかによりまして結果は違ってまいりますけれども、これも前提のとり方でございますので、だんだん議論は集約してきているところでございます。 それから消費税の負担の計算に当たりまして、既存の物品税等の間接税の整理状況等をどのように勘案するか、それによりましても計算の結果は違った部分は出てまいりますけれども、これもいろいろな試算を比べてみますと、だんだん集約してきてございます。 いろいろ御試算はいただいていますが、結論といたしまして、私ども標準的な世帯をとり、一定の前提を――この前提は極力客観的なものといたすようにいたしてございますけれども、そうしたものを集約いたしますと、普通のサラリーマンの生涯の収支モデル、これはどの年齢階層をとりましても、標準世帯でございますれば減税になるところでございます。それから共稼ぎの世帯につきましては、その収入の比率のとり方によって若干の違いはございますが、この点につきましても大方の共稼ぎ世帯もまた減税になるということを明確に申し上げているところでございます。 それから二つ目のお尋ねの消費税の税収の計算方法でございます。 この点につきましては、結論的には百八十一兆円と見込み、これに三%の税率を乗じまして五兆四千億円といたしておるところでございます。その積算根拠は、法人企業統計、それから事業所統計、税務統計、こういったものを活用いたしまして客観的に算出いたしておるところでございますので、過小なものではないというふうに考えてございます。 この点のチェックの方法の一つといたしまして、国民経済計算からのアプローチもございます。このアプローチにつきましては、これは二次推計でございまして、マクロ的に把握している数字もございますので、必ずしも私どもの積み上げのものとは比較しがたい点もございます。ございますが、ある段階までの部分につきましては比較が可能でございます。そうした点からこのGNP統計との計算もいたしてみましたところ、私どもの百八十一兆円に対しまして、六十三年度ベースでは五、六兆円はやはり私どもの積み上げ計算が小さいという結果も出てございますけれども、個別の積み上げの統計と二次的な推計でございます国民経済計算とでは、この程度の差は御容認いただけるものではないかということで、私ども税制改正の前提となるこの試算につきましても、おおむね客観的なものとして御了解をいただける水準であると考えているところでございます。
○中村(正三郎)委員 次に、政治姿勢の面で二つばかりただしておきたいことがあるわけでございます。 それは、昭和五十四年の財政再建に関する決議に関してでございます。当時のあの例の、財政再建は、一般消費税(仮称)によらず、行政改革による経費の削減、歳出の節減合理化等によって財政再建を図るべきという決議でございます。この決議があったわけでございますが、その後において、政府においてはこの趣旨に沿って歳入歳出両面で大変な改革を図ってきたと私は思っているわけでございます。 予算面においても、五十八年からシーリングのやり方を変えてゼロシーリソグ、そしてマイナスシーリソグということをやってきた。そして五十八年から六十三年の間でも、その間のお役人の人員削減数は二万四千二百九十五人ということを聞いております。また今回の税制改革は、現行の各税制項目のゆがみを是正する、そして現在の社会経済情勢に合ったものにして、所得、消費、資産の間で均衡のとれた安定ある税制を構築しようというものでございますから、先ほど伺いましたように、改革案は全体として二兆四千億円の減税超過となっているわけでございます。しかもその間に、政府におかれましては赤字国債の発行を漸次減らしてきているわけでございます。このように行政財政改革の努力をしながらその中で税の構造的なひずみを直していこうということでございますから、これが五十四年のあの決議に反するものではないと私は考えるわけでございます。その点について総理の見解をお伺いしたいと思うわけでございます。 もう一つ、いわゆる前総理の御発言にありました多段階、包括的、また国民が反対し党員も反対するようなものはやりませんという例の話でございますが、これは矢野委員と総理との御議論を私も拝聴いたしました。しかしながら、この二点は極めて政治姿勢の上で重要なことでございますので、再度総理の御説明をいただきたいと思うわけでございます。
○竹下内閣総理大臣 ただ一つだけ、国会決議の問題につきましては、これの有権解釈は国会そのものでなさるという筋合いのものでございますので、それに断定的なものを行政府の長たる私が申し上げることは差し控えるべきだと思っております。しかし中村委員のこの御解釈について、私は同感するところが多いということを申し上げるにとどめておくわけでございます。 昭和五十四年の十二月、当時私も大蔵大臣でございました。大蔵委員会の皆様あるいは議院運営委員会の皆様、名前も全部覚えております。一生懸命でこの国会決議をつくりました。当時の背景にはやはり幾ばくかの、昭和五十九年には税制改革を何とかしたいという、お互い底辺にそういう感じはあったじゃないか。これは私の主観だと思われても結構でございます。それで、国民福祉充実のためには安定した財源が必要であるというところから始まりまして、その構造、仕組み等において国民の理解を得るに至らなかった、よって、というところから、今おっしゃいました歳入歳出にわたる努力をして行革を進め、そして税の不公平等を是正しながら、抜本的な税改革等によって財政再建に充てるべきである、こういう決議でございましたので、素直にそのことを、いろんな紆余曲折はございましたけれどもやってきて、国民の皆様方の御協力がありまして、赤字公債脱却という第一目標も不可能ではないというところまでは来たではないかというふうに思っておるわけであります。 それから次が、いわゆる多段階、網羅的でございますが、多段階というのは、だれしも説明しなくても言葉は読んで字のごとくでありますが、網羅とか普遍とかいうような言業は、字引を引いてみますと、全部例外なく、こう書いてあります。したがって、多段階でしかも例外のないものはいけない、それだけ読んで事が済むとは私は思いません。そこでいろいろな例外をつくりました。したがって、例外をつくってあの趣旨に沿ったものを出した。そうしたら、これはそれこそ仕組み、構造等が余りにも複雑だからというので、国民の理解を、少なくとも国会で御理解をいただける状態になくて廃案になった、こういうわけでございます。 その後、十分その反省に基づいて協議をいたしまして、例外というのはやはり極力縮めていこう、しかしこれを全くなくしてはならぬという物の考え方、手続の煩雑さについてもこれも考慮していこうというので、先ほど来の簡易納税方式を含めいろんな構築をして、今度お出ししたものが今回の六法案の中身であるというふうに思っております。したがって、やはり前総理の発言は時の内閣の総理としての御発言でございますから、これを十分認識して、その延長線上で物を考えたものでございますが、しかしそうはいっても、じゃあの売上税のときの案よりも例外が少なくなったというのは、網羅、包括の方へ少し近づいたじゃないか、こういう批判はこれはあるだろうと思っております。しかし、流れとしてごらんになりますと、まさにこの前総理の発言は重いものとして、種々工夫をし、国会の皆さん方のお話をよくききながらよくぞここまで来たな、こういう率直な感じでございます。
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。 次に、今巷間いろいろ話題になっている不公平税制について、時間も少なくなりましたが、若干お伺いをしたいと思うわけでございます。 私は、不公平税制、税の不公平感を語るときに、どうしても忘れてはいけないことがあると思うのでございます。だれかある人が、私は税が不公平だと感じる、自分に対する税が重過ぎるのではないかと感じるということは、だれか他に私より税が軽過ぎるのではないかと思われる人がいるわけでございまして、税収が一定のもので、ある階層、ある職業なり、ある行為をした人の税を軽くしようとすれば、どこかで、その人から見れば税の負担が軽過ぎるのではないかと思われている人の税負担を重くしなければならないという、税の不公平感というのは極めて相対的なところがあるということを考えなければいけないと思うわけでございます。 〔海部委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、今まさに政府が御提出になっているこの税制改正案におきましては、今の良好な経済情勢、先ほど大蔵大臣からお話ございましたように、これをもって余り安易に、いい経済情勢であるということにあぐらをかいてはいけないというお話がございましたが、その中で、減税超過ができるという現実の中で、この不公平の是正というのは今やりいい時期ではないかというふうに思うわけでございます。 そこで私は、今よく不公平税制のやり玉に上げられ、不公平税制の象徴のようにとらえられているキャピタルゲイン課税についてお尋ねしたいと思うわけでございます。 ただ、私これをお尋ねする前に、大変びっくりした自分の経験をお話しさせていただきたいのでございますが、テレビで新聞で、私は、論説委員だとかいろんな人が討論しているところ、また論説等を読みまして、このキャピタルゲイン、株の売買による利益に対してあたかも法人には税金が課せられていないというような前提に立ってしゃべっておられるのを何回も聞いたことがあるわけでございます。やはりこれがテレビを通じて新聞を通じて流されますと、たとえ間違った判断であっても、それを活字として見、またテレビから耳に入った人にとっては、こういうこともあるのかなと思ってしまう危険があるのではないかと思うわけでございます。 御案内のとおり、法人において株の売買をして利益を得た場合は、これは完全に一〇〇%法人税に入るわけでございまして、法人税が課税されます。そして個人においても原則非課税ということにはなっておりますが、ある回数を限度として、株数を限度として、その範囲内なら課税をされないということでありまして、それを超えた株数なり回数なりを取引した人は、そしてそこで利益を得た人には、完全に総合課税として税金が課せられてるということも事実でございます。そういった事業が完全に認識されないままに、株を売買して得た利益については全部非課税かのような議論がなされるということは非常に残念なことでございまして、そういうところをはっきりと認識してからこの問題については議論をしなければいけないと思うわけでございます。 それでしかも、この法人に課税されているという部分が実は株式の取引の中の大宗を占めるわけでございまして、今個人取引は全部の株式取引の中のたったの二六%ぐらいであったと思いますが、数年前は四四%ぐらいの取引があった。だんだんこれが減ってきて二六%になった。やはりこれは類推してみますと、個人がこういうところで取引しても、それほどもうからないから減っていくのではないかと私は思うわけでございます。やはり利益を得ているのは機関投資家ではないか。しかし、機関投資家が利益を得れば、それは法人税が課税されるということで、税として完全に把握をされているということを認識していかなければならないと思うわけでございます。 そして、私は証券会社の人に聞いたのでございますが、個人取引のうちでもってもうかっている人というのは大変少ない。そして信用取引においてはほとんどゼロでしょう、もしくは手数料を払うとマイナスになるでしょう。しかし、こういうことを余りはっきり言うと、株を売買してくれる個人の人がいなくなってしまうといけないから、余り本当のことは言わない方がいいのかもしれませんというような話を聞いたことがあるぐらい、なかなか株というものはもうかるものではございません。利益のないところに幾ら高い税率で税金を課しても、税収は上がらないわけでございます。そういうこともまたひとつはっきりと認識してかからなければならない問題だと思うわけでございます。 そしてシャウプ税制のころに、昭和二十二年から二十八年までは、実はキャピタルゲイン課税はあったわけでございます。あったけれども、キャピタルゲイン課税というのは把握が難しくてなかなか税収も上がらぬということで、これを二十八年に廃止をしております。廃止をしたときに、その代替措置とするかどうかというところが議論の分かれるところでありましょうが、有価証券取引税が導入され、これが株を取引する人たち全体にかかって、これが利益を得たものに対する課税の代替措置としてとられたものか流通税かという議論はあろうかと思いますが、そこから今現実には大変大きな税収が上げられ、今年度でも一兆七千億程度の税収となっていると思うわけでございます。そういう経緯を考えますと、株の売買に課税するということは、非常に慎重に考えていかなければならない問題だと思うわけでございます。 今度の政府の案では、売買利益が五%だろうということで、それに二〇%の課税ということで、特別な二〇%という税率でもって分離して申告課税するということ。五%の利益ということの二〇%、株の売買においては五%の利益が出るであろう、それの二〇%をということで、この五%の二〇%、すなわち一%を株を売った金額に掛けて、五%を一つのみなし所得として、売った金額の一%のみなし課税をするという方法をとっておられるわけでございます。現実的な処理としては私はここらかなと思うわけでございますが、そこにやはり一つ問題があると思うわけでございます。 それは、上場された場で買って場で売った人は、二〇%の課税で申告課税にいくか一%の分離課税でいくか、その選択をすればいいわけでございます。また、上場された場以外で売買した人は、買って売れば、その二〇%の税率で課税をされるということでございます。ところが、場以外で買ってその株が上場された後に上場された市場で売るということになりますと、その人は選択でもって、二〇%でも売上高の一%でも、どちらの税でも選択されるようになります。そうすると、そのときに得た利益というものが、今大蔵省が試算された株の売買で得られるであろう利益五%と外れたものであるのではないか、大きな利益が出るのではないか。それが一%の税率でいいのかねという問題が起こってくると思うわけでございます。 私は、このキャピタルゲイン課税のいろいろなことを考えますときに、やはり分けて考えなければいけないことがあると思います。 それは、まず法律違反をして、そしてインサイダー取引をして過当な利益を得た、これがいかぬというのは、インサイダー取引、法律違反の範疇の問題であります。それから上場されていない株を買っていて、それを上場してから売って大きな利益が出た、これは法律的には間違ってないわけでありまして、過去において創業者利益としてそういった利益を得た人はいっぱいあるわけであります。そういう話は私の周りにも幾らでも転がっております。これは法律違反でないけれども、そこには課税を求めたらいいのではないかということは、これが法律違反であるかどうかということと別問題。法律違反でないものの利益であるから、これに対して課税をするというのは別問題。今までは課税をされないということだったから課税をされなかった。課税をする必要があるなら、これから考えてそういうシステムをつくればいいと思うわけでございます。悪いことをしてもうけたものと、いいことをしてもうけたけれども、その利益が大きいからこいつは悪いやつで、これに重加算税というのは、法律違反をしていないのに大きな利益を得たものに重加算税という考えは、これはいかがなものかと思うわけでございます。 ひとつそこらを整理して大蔵大臣からお答えをいただきたいのでございますが、場以外で買って場で上場した場合、それが大蔵省が試算した五%の利益率と外れたものになるであろう。そこに何らかの課税というものを設けなきゃならないと私は考えるのでございますが、その点についていかがでございましょう。また大蔵省として、ほかにこういったところの適正な課税を求める方法のお考えがあったらお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○宮澤国務大臣 確かに御指摘のようにこの一、二年株価が上がっておりますから、株は買えばもうかるものだというふうにごく最近この世の中のお話はなっているのかもしれませんが、おっしゃいますように、ちょっと長い期間をとりましたら、株というものは余り手を出していいものかどうかと言われるぐらい、それはやればもうかるというものではございません。したがいまして、少し長い目で見まして、一般の場合に五%であろう、その五%に対する課税ということは、これは決して私は甘い課税ではないだろうと原則として考えておりますので、御提案をいたしておるわけでございます。 ただそこで、おっしゃいますように、例えば非公開のものが公開になった、あるいは創業者利益というように、短期で非常に大きな利益があり得る場合がございます。その場合にも、おっしゃいますように、不正に行われたものはこれは不正として処理されるべきでありますし、それからもう一つ、公開価格というものをもう少し合理的に決定できるかどうかということも、これは証券取引法の系統で問題があろうかと思いますが、さてしかし、それにしても、例えば創業者利益のように、あるいは公開をした場合に大きな価格差が生まれた、そういう短期でかなり大きいといったような場合に、なお五%というみなしが適当であるか、現実にはそれよりもっと大きい場合が随分あるではないかということは、事実そういうことがございます。 私は、創業者利益を大事にするということは大切なことだとは思っておりますけれども、五%の範疇をいかにも外れる場合があるということは、御指摘のようなケースが確かにあると存じますので、幸いにして各党におかれまして、いわゆる不公平税制の問題としてこれについても御議論が行われておると承っておりますので、各党のそういうこれが至当であるという御協議の結果、結論が出ますれば、政府といたしましてももとよりそれは尊重すべきものである。私どもにも実は問題意識はないわけではございませんので、そういう御議論につきましては十分にこれを傾聴してまいりたいと考えておるところでございます。
○中村(正三郎)委員 長いこと質問さしていただきましてありがとうございました。 きょうの質問を通じても、日本の国家国民将来のために今こそ税制改革をなし遂げるべき時期という感を深くしているわけでございまして、どうか政府におかれましても、なお一層の御努力をするようにお願いを申し上げる次第でございます。そうして、野党の皆様方もどうかこの議論に参加をされまして、一刻も早くこの委員会に法案が付託されることを望みまして、最後に総理の税制改革に取り組む決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 御鞭撻いただいてありがとうございます。 一番最初申されましたように、あれはカナールの租税法則でございます。「旧税はすべてよく、新税はすべて悪い。しかし、その租税の本調子が出てくるなら、どんな租税も良税となる。」これは、カナールの租税理論を最初お引きになりました。しかし、そういう安易感の中にあってはならぬ。国民の理解と協力を得るためには、国会でこのように一生懸命乏しい知識で御答弁申し上げているのですから、そういう実りある議論がこの国会で行われて、我々も誠心誠意それにこたえてお答えしながら、実りある結論が出ることを心から期待をいたしております。ありがとうございました。
○金丸委員長 中村君の質疑はこれにて終わりました。 次に、坂井弘一君。
○坂井委員 リクルート問題のポイントは三つあると思います。その一つは、権力の中枢にある政治家の政治的、道義的責任。それから二つ目には、いわゆる非公開株の譲渡を受けて、そして何百万あるいは何千万あるいは億を超えるような多額の利得を得ながら全く課税がされない、つまりぬれ手でアワというのでしょうか、この問題。それから三つ目には、政治家が株に関係をいたしまして資金を調達するその行為と、それからそういう行為は時には刑事事件に問われるおそれがある。この問題を要約しますと、私はその三つだろうと思います。 そこで、それを踏まえまして竹下総理にお伺いしたいと思いますが、このような三つの問題が起こるその一つには、現行の制度あるいは税制に欠陥があるのではないか。ですから、そうした不公平、不正、不公正、特に証券市場の不公正を正す。そして公正な証券市場ルール、これをつくり上げていく。そのことのためには、やはり証券取引法の改正を含めて必要な立法措置というのは急がなければならぬと私は思いますが、総理はどういうお考えをお持ちでしょうか。
○宮澤国務大臣 お許しを得まして、私から最初にお答えを申し上げます。 証券取引法につきましては、インサイダー取引等について国会でお許しを得て改正させていただきましたが、なおただいま御指摘のような問題が今回も指摘をされております。したがいまして、証券取引審議会に不公正取引部会というものを実は設けていただいておりますが、その間に生じてまいりました問題につきまして、九月九日、つい最近でございますが、第一回の会合を開いていただきまして、どのように制度上の、あるいは運用上の改正をすればよろしいかということについて御審議を願っております。したがいまして、その御結論いかんによりましては証券取引法についてさらに改正をお願いすることがあるかもしれない、そういうことで今御審議を願っておるところでございます。 それから税法につきましては、今回キャピタルゲインは原則課税ということで大きな踏み切りをいたしましたものの、なお行政上非常に難しいところがございますので今回のような御提案をいたしましたが、それでは不充分だというご批判がございます。したがいまして、これは各党におきまして御協議が調いましたならば、その御協議の結果について私どもも十分それを考えさせていただきまして、不十分なところを改めていくにやぶさかでないと、御協議の結果を見守っておるというのが政府のただいまの態度でございます。
○竹下内閣総理大臣 いわゆる証取法の改正問題、大蔵大臣お答えのとおりであります。 それから税法上の問題は、これもお答えのとおりでございますが、たまたま今度の十項目の中で与野党で議論もちょうだいできる、こういうことでございますので、この改むべきもの、合意に達すれば改むべきであるというふうに私自身も考えて、そいうふうな考えであります。 第一番目の、おっしゃいましたいわゆる政治家の道義責任あるいは倫理観とでも申しましょうか、この点については私は御指摘のとおりであろうと思っております。あるいは情報も非常に得やすい立場にあるかもしれません、率直に申しまして。で、自分のみならず周辺が、たとえそれが経済行為として現行法上において合法であるといたしましても、やはり李下に冠を正さずということで政治倫理というものに徹して、これらに対しては反省をすべきものであると、私自身もその関係者の一人としてそのように考えております。
○坂井委員 証券市場が政治家らのといいますか、非常に不明朗、不透明、かつまた反道徳的な資金づくりの場になっているというこういう実態が一つある。権力を握る側がみずからを省みないで、それで幾ら立派な法律をつくってみても、これはしょせん意味がないのではないか。そこのところをまずしっかり踏まえなければいかぬだろう。 元来、証券市場というのは市場原理、そしてその一方では自己責任の原則、つまり自由な競争と自己責任、本来的にはこういう筋を通す、したがって法による規制というのは最小限度にとどめるべきであろう、こういう一つの筋論があります。我が国の場合はいわゆるインサイダー取引、インサイダー体質、ここのところをやはり変えなければいかぬだろう。つまりディスクロージャー、企業内容の公開、公開の原則の方向を大胆に徹底的に目指すべきではないか。そういたしませんと企業の対外的な信用力を高めることにはならぬだろう。同時にまた適正な株価の形成ということについても、ここをインサイダー体質からディスクロージャーへと、こういう方向が好ましいのではないか。実はこういう基本的な考えを持つものでございまして、以下、後ほど具体的に触れてまいりたいと思いますが、順序を立てまして、リクルート問題の衆参予算委員会におきまして議論されたことを踏まえまして、若干具体的にお尋ねをしてまいりたいと思います。 いわゆる七十六人、五十九年の十二月段階で非公開株の譲渡を受けた人ですね、この七十六人の方々については、大蔵省はリクルート社の取締役会の議事録によって七十六人というのを確認をした、こういうことのようでございますが、さて、一体七十六人というのはどういう人々なのかという問いに対しては、それは調べていないし調べようとも思わない、こういうことでございましょうか。ちょっと事態が変わりまして、七十六人については、特定はしておる、しかしここでは発表するわけにはいかぬ、こういうことでしょうか。
○角谷政府委員 私どもは、今回のリクルート問題につきまして、証券取引法の適正な執行を確保する、こういう観点から調査したわけでございます。その場合におきまして問題となりますのは、リクルート社が五十九年十二月に行いましたリクルートコスモス社に対する株式の譲渡といったものがいわゆる五十名を越えているといいますか、不特定多数の者に対し均一の条件で売り出し行為を行った、この場合におきましては本来有価証券届出書というものを出していただく必要があるわけでございまして、そういった意味での調査をしたわけでございます。そのために私どもリクルート社からいろいろ事情を聴取したわけでございますけれども、その過程におきまして、リクルート社からも、二回に分けたわけでございますけれども、第一回目は三十九名、第二回目は三十七名、合わせて七十六名の者について譲渡が行われたというふうな事情を聴取いたしましたし、あわせまして、そういうことにつきましてはリクルートコスモス社の取締役会議事録においてその人数は確認いたしました。 このディスクロージャー制度というのは、本来投資家保護のために届出書を出すといったことのために行うものでございまして、そういった意味では、その七十六名の固有名詞までを一々確認するという必要はないといった観点から、私どもといたしましては、これらの事情聴取の結果を踏まえまして、先般の参議院の予算委員会において申しましたように、このリクルート社が行った行為が本来届出書の提出を必要とする売り出し行為に該当するという事実を認定したわけでございます。
○坂井委員 七十六人がどなたなのかということで、随分国会に資料を出してください。総理は先ほど、余り人様のことをとやかく言うのはと。確かにそれはそうだと思いますね。ただ、この問題はちょっと違う。私の手元にもこんなにあるのですね。出回っているのです、この七十六人であろうと目される人々の資料が。あれやこれやといっぱい取りざたされておりますので、この人たちの人権の問題もあります。ですから、この際は特定した方がいいのではないか、公表した方がいいのではないかと私は個人的にそういう感じを実は持っておるわけであります。 そこで、大蔵省は今の御答弁でございますので、法務省と警察にちょっとお伺いしたいと思いますが、ここで発表してくださいとは申しません。七十六人については資料収集、特定されておりますか。
○中門政府委員 警察といたしましては情報収集に努めておるところでございますけれども、具体的事実に関しまして、警察がその情報収集の過程でどのような情報を入手したか、あるいは入手していないかということにつきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○根來政府委員 検察官が所持しております証拠あるいは情報については、従来から秘匿しておりますので、答弁は差し控えたいと存じます。
○坂井委員 収集しているかいないかについても答弁できないと言う。 では、大蔵省に振り返ってもう一回お尋ねしたいと思います。この七十六人の方々の中には政府税調委員はいらっしゃいますか、いらっしゃいませんか。
○角谷政府委員 私ども七十六名の固有のリストを持っているわけではございませんし、そういった意味で政府税調の方がおられるかおられないかということについて、私どもがその真偽を確認するような状況にはございません。
○坂井委員 法務、警察の方は、これは内容はつかんでいらっしゃるのでしょうけれども、それは何とも言えないと言う。大蔵省は法務省、警察庁にちょっとお尋ねになったらいかがでしょうか。照会されたらば、今私が申し上げた一点だけについて。つまり政府税調委員が入っているか入っていないか。その意思はおありでしょうか、どうでしょうか。
○角谷政府委員 私どもが行っております調査は、証券行政の適正を確保する観点から有価証券届出書を提出すべきケースであったかどうか、具体的には不特定多数、行政慣例で言いますと五十名を超える者に対しまして売り出し行為が行われたかどうかといったことでございます。そういった意味では、むしろその届け出を怠ったという行為は、投資家保護のために、リクルートコスモス社が必要な届出書を提出しないことによりまして投資家保護に欠けるような点があったという意味で、是正のための諸措置を講じているわけでございまして、むしろその場合におきまして、証券行政の立場からいいますと、買った人そのものが問題にされるわけではございません。そういった意味では、証券行政の立場から、その買った人それぞれの名前を明らかにするといったふうな立場にはございません。
○坂井委員 それじゃ総理にお願いをいたします。政府税調委員が入っているか入っていないか、総理は法務あるいは警察に照会をされたらいかがでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 確かに私は内閣総理大臣でいろんな権限がございますが、いわば調査中の事犯とか、そういうものの内容に立ち入るようなものを私から特定して聞くというようなことは、立場にもありませんし、避けるべきであろうと思っております。
○坂井委員 私は断定して申し上げているわけでは決してありませんが、ただ、税制改革論議をやろうというんですね。江副さんが政府税調委員であった。おやめになった。その江副さんから非公開株の譲渡を受けたような人が七十六人の中の一人として政府税調委員として存在するならば、これはやはりゆゆしきことでしょう。だから総理にひとつ御確認いただきたい、こうお願いをしたわけです。直ちにここで発表してくださいということも私は今申し上げているわけではない。それはやはり総理、お聞きになった方がいいんじゃないでしょうか。総理大臣として、あるいは税制改革をやろうとされる総理・総裁として。いかがでしょう。
○竹下内閣総理大臣 私も、国会での問答の中で私なりに理解しておるところは、リクルートの決算対策として昭和五十九年でございますかに譲渡された方が七十六、こういう数字を聞いておりますので、そこに私が何らかの違法性を持ってこの調査を、仮にもし興味があっても、私は調査する立場にはないではないかなというふうに思います。
○坂井委員 私は、政府税調委員がおられたら、やはりおやめになっていたたかにゃいかぬだろうと思いますから申し上げたわけです。 では法務大臣にお伺いします。法務大臣はこの七十六人については報告をお受けになったと思いますが、少なくとも政治家、国会議員が関与するという問題でありますので、当然のことながら法務大臣に対する要報告事案である、私はそう思います。法務大臣は報告をお受けになっていらっしゃいますか。
○林田国務大臣 警察庁が具体的事案に対しまして捜査を続けておるというその過程におきまして、法務大臣がどうこうということはございません。
○坂井委員 今の私の質問に真っすぐにお答えをいただきたいのです。つまり、七十六人のことについて報告をお受けになったかなっていないか。もしなっていなければ、これはやはり法務大臣は報告を求められたらよろしいんじゃないか。求めるに足る事案である。あるいは法務大臣の責任上からもそうあるべきではないか、もしお聞きになっていないならば。私は、お聞きになっていると思うから、お聞きになっていらっしゃいますかとこうお尋ねしているわけです。
○根來政府委員 大臣がお答えする前に、一般的に法務省の組織あるいは運営について申し上げますけれども、およそ事件になっていることについては節目節目に大臣に御報告をしておりますけれども、検察庁がいろいろの捜査等の過程におきまして取得したいろいろの社会的な背景がございます。あるいはそういう背景事実がございますが、それを一々大臣にお耳に入れるということはございません。したがいまして、今回告発のあった事件等についてはその都度正確に御報告しておりますけれども、それに関連するいろいろの事実については全く御報告しておりませんし、そういうことは従来からも慣例としてやっておりません。
○林田国務大臣 今刑事局長から答弁させていただいたとおりでございまして、具体的な事件が捜査中であるという場合におきまして、その内容について一々法務大臣が聞くということは、いろいろ予断を与えるおそれもありまするし、差し控えさせていただきたい、かように存じておるところです。
○坂井委員 どうもこれは押し問答になりそうですから……。 総理、自民党総裁として、江副さんの国会招致については、総裁はもちろん賛成でしょうね。
○竹下内閣総理大臣 坂井委員にお答えいたしますが、従来の長い慣例からいたしまして、やはりここへ立って答弁する場合は、これは行政府の長でございます。自由民主党総裁としてどう考えるか、こう言われましても、そのことについては私からお答えするわけにはまいりません。やはり国会のことは国会でお決めになるべきものである。定食を食べるように同じ答弁を繰り返しますが、これが長い間の慣例として定着しておることではないか。お許しいただきたいと思います。
○坂井委員 今日に至るも総理の態度、お考えは変わってはいらっしゃらない、そのことはわかりました。 江副さんを政府税調委員に任命されたのは前総理の中曽根総理であります。どなたを推薦するかしないか、そんなことは大蔵省が決めたわけではない。まあ事務的ないろいろな手続はあったのでしょうが。そこで端的に伺いますけれども、江副さんを政府税調委員にと推薦されたのは、あるいはリストアップされたのはどなたですか。それは言えませんか。
○竹下内閣総理大臣 大蔵省ということがございましたが、その当時の大蔵大臣は私でございますので、あるいは私がお答えした方が適切かと思って立ったわけでございます。 この特別委員というものの名簿が私の方へ上がってまいりまして、結構だろう、こう言った記憶だけが私の記憶にございます。私も宮澤大臣も長いこと官房長官をしておりましたが、総理任命の人事等については、いろいろな事務的な、こういう人がいいじゃないかとか、そういうふうな話は私どももしたことがございます、これは官房長官当時。また現在もそういう審議会等そういうことがございますが、そのときだれがどういう場所で推薦したかなどということについては、私は存じておりません。
○坂井委員 恐らく、当時大蔵大臣をお務めでありました竹下現総理、存じておりませんということですから、どなたが存じておるのだろうかな。だれかが推薦し、だれかがリストアップしなけれは、中曽根前総理が江副さんを政府税調委員に任命することはできないはずです。これは自明のことでありますね。大変失礼ですけれども、中曽根前総理と江副さんは随分親交の深い関係にあったようですね。ゴルフも一緒になさる、軽井沢の別荘でお会いになる、あるいは官邸にも江副さんが訪ねていらっしゃる等々。ですからこの辺の江副さんを政府税調委員に任命したその経緯というものは、だれがリストアップしたのか、だれが推薦してきたのかということがはっきりしなければ、だれが言ってきたのかどうもよくわからぬという話では、これはますます国民の皆さんからごらんになって、何を国会は審議しているのだというまた不信を買うもとにもなると思いますから、その辺は一度整理されまして、ぜひ改めてひとつ報告をしていただきたい。これはお願いを委員長にしておきたいと思います。 株式の公開制度のあり方についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 公募、公に募るというのですが、これはもう名前だけですね、実際に新規上場株の場合。それは証券会社の常日ごろからのおつき合いのある大口の投資家あるいは上場する企業の得意先、それから政治家、こうなるようですね。そういう特権のある人々、そういう人たちだけが新規公開株を手に入れる。まあ最高裁の新規上場株の取得もわいろになり得るという警告もございました。でありますから、ここで新規上場株、株の公開のあり方について、特に今私が申しましたようなこういう実態にかんがみて改善をすべきである。新規公開株が証券会社の営業政策に利用されておって、今言いました特定の人々にだけ配分される。公平性でありますとか透明性というものは全くない。大きな障害になっておる。 そこで、一つ思い出しますのは、NTTの株の公開に当たりまして抽せん制がとられましたね。あれで随分株を持つ人の層が厚くなり、広がった。一般の国民の方々も随分参加できた。こういうことを一つの教訓にしまして、新規公開株も一般の投資家が手に入りやすいような、そういう方法を考えたらどうだろうかと思いますけれども、どうでしょうか。
○宮澤国務大臣 NTTの株式を公開いたしましたときに、確かに最初にある数の株式をいわば競争入札をしてみまして、そのときは百十九万円であったかと存じますが、それで値を決めまして、それで抽せんをやらせていただいたということがございます。しかし、これは政府の負担と責任におきましていたしましたことで、かなりの行政的な手続とそれから費用も必要でございました。これは一つのケースでございますが、ただ、それを一般の公開のときに適用することにつきましては、幾つか問題があろうと思います。 それは、ただいま委員が仰せになりましたように、まず安定株主の問題、会社として安定株主をつくりたい、これは決して間違った考えではなかろうと思います。それからお得意さんにお分けをしたい、これも私的な会社から申せば無理からぬことであると考えなければならないかと存じます。その次に、政治家とおっしゃいましたときにいろいろモラルの問題が出てくるのでございますが、その前の二つは無理からぬところであって、そこでNTTのやり方をなさいましと申すことは、費用も手間もかかりますが、本来私企業がそうしなければならない、そうすることが過当かどうかという判断は、やはり私企業側においてすることが本来なのではないかということもございますものですから、御指摘の点は、要するにそういう私企業の考えも尊重しながら、しかし弊害が起こらないような方法がもう少しないものかとおっしゃっていらっしゃることになりますので、それは証取審議会の不公正取引特別部会においてまさに御検討していただきたいと考えておる事柄でございます。
○坂井委員 総理にお尋ねをしたいと思いますが、非公開株、これはもう受けてはならないというのは法律上は決まっておりませんけれども、政治家ですね、国会議員は非公開株はもう買わない、譲り受けない、とりわけ隗より始めよで総理以下閣僚の皆さんは非公開株なんかはもう手をつけない。これは決めたらどうでしょうか、我々のモラルの問題として。
○竹下内閣総理大臣 一般に事業が拡大していきます過程で株式を引き受けてくれる範囲というのは、親戚、友人、縁故者、今得意先とかいうお言葉もありましたが、それから一般投資家等に提供していくという過程を通るわけでございますので、その縁故者とか友人とか親族とか、あるいは自分の家業の場合は、まさに何と申しますか親族というもっと濃い存在もあるわけでございましょう。したがって、一般論として政治家が非公開株を持ってはならぬということは当たらないというふうに思います。が、少なくとも閣僚が、私とて総理大臣になった際にあるいは閣僚になった際に、ささやかな竹下酒造有限会社の株主をやめたりするわけでございますから、そういう点についての倫理の問題ということについては私にもよく理解できますし、そうしたことをだれもやっていらっしゃらないと思いますが、決めるという考え方も、一つの考え方として勉強させていただきます。
○坂井委員 閣僚の皆さんで申し合わせをされて、そういう非公開株等には手をつけない、それから国会の方も私はそうした方がいいんじゃないかな。 なぜこんなことを申し上げるかというと、まさにこのリクルート問題で、政治家が関与したということでもってこれだけ大きな疑惑と不信というものを招いているわけですね。ですから、政治家の倫理、モラルということから考えましても、ここはひとつ厳しくみずからを律するということがこの事態を見て何としても必要であろう。そうでありませんと、本当に善良なといいますか、まじめなといいましょうか、一般市民、国民の皆さんの目からごらんになって、株の利得に巣食っておる政治家、ぬくぬくとしておる政治家、しかも見えないところで悪いことをしておる政治家、こういう印象、イメージというものが本当に強烈に焼きつきましたね。ですから私は、リクルート問題の一つの教訓、反省としては、少なくとも国会議員はこの種の株には手をつけない、かさない、こういうことを決めたいものだ、そう思いまして、今総理に、まず閣僚の皆さん方、隗よりひとつ始めていただきたいと御提案を申し上げたわけであります。 楢崎代議士が告発をされました。あの告発状のとおりでありますれば、これは金と職務行為、対価関係がはっきりとある、認められる。最高裁の昭和電工事件の上告審判決、昭和三十七年、ここで、相手がわいろと認識できる事情のもとに金品の収受を促す意思表示をすれば足りる、こういう解釈、これがもう出ておりますね。したがって私は、あの告発状のとおりであれば罪の成立は間違いない。私なりの解釈でありますが、そう思っております。 そこで、検察にお伺いをしたいと思います。 告発状を受けまして、告発状の内容等については随分吟味されたと思います。既に捜査には具体的に着手されておりますか。
○根來政府委員 九月八日に告発状を受理して、検察庁はその日から捜査をする立場にございます。したがいまして、広い意味では、告発状を受け取ったときから捜査を開始しているというふうに理解しております。
○坂井委員 わかりました。 松原前室長がある友人に、楢崎さんに五百万円というのは、政治家にパーティー券を買うようなつもりで贈ったんだ、こう言われたとかいうことが、これは報道であります。金さえ渡せば人は動くんだというこのリクルートの金権体質といいますかこういう物の考え方、これはまさに非公開株を政治家に譲渡した、これと全く根は同じだろうと私は思います。 警察の方にお伺いしたいと思いますけれども、この楢崎代議士の告発から、川崎市の小松前助役に対する警察の今までの、情報収集をされてきておると思いますけれども、情報収集からもう一歩進んだ事態の変化といいますか、それはありますか、ありませんか。
○中門政府委員 警察といたしましては、神奈川県警におきまして御指摘の事案の情報収集に努めているところでございますが、今後とも継続して鋭意事実関係の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
○坂井委員 今までとちょっと私自身は事態は変わってきた。当然、情報収集されてきました警察はもっと専門的にこの事態を把握して、そしてこれからどういう進展になるのかということについてはもう十分検討されていると私は思いまして、実はお尋ねをしたわけでありますけれども、それはそれとします。後ほど、やはりこれも根は一つかなと思われるような事例を一つ挙げましてお尋ねしたいと思いますから、この件は後に譲りたいと思います。 そこで、証券取引法四条違反の問題です。 随分衆参国会、予算委員会で議論がされまして、結論は証取法四条違反である、こういう決定を大蔵省はされました。しかしもう時効であるし罰則も適用できない。そこで、せめて改めて届け出をしなさいということをリクルート側に言ったわけですけれども、リクルートは、いやそれはできません、私の方は違反していると思っておりません、ですからお断りいたしますということで、大蔵省の指導といいますか、それには全く応じようとしない、こういうことのようですね。 そういうことになりますと、公募によるところの資金調達を三年程度できないような制裁措置を大蔵省はやろう、こういうお考えのようですけれども、今金余り現象でありまして、痛くもかゆくもないですね、これは。つまり実効性かない。一体このままでよろしいのかどうなのか。いい方法といいますか、何か知恵がおありでしょうか。
○角谷政府委員 ただいま坂井委員御指摘のように、私どもこの問題につきまして、証取法第四条違反に該当するんではないか、売り出しに該当するんではないか、したがいまして、事後的ではございますけれども有価証券届出書を提出してもらうことが望ましい、こういう判断に立ったわけでございます。しかしながら、今御指摘のように、実は公訴時効三年というのが経過しております。と同時に、有価証券届出書を提出させるだけの法律上の権限というのが実は法令に書いてないといった問題がございまして、そこは行政指導によらざるを得ないというのが実態でございます。 それに対しましてリクルートコスモス社の方は、売り出しという行為が二回に分けて行われたので自分たちは法律に違反したとは思っていないということで、行政指導に従っていないというのが現状でございまして、そのため私どもといたしましては、今御指摘ございましたように、今後とも有価証券届出書の提出をいろいろ指導するつもりではございますけれども、同社が届出書の提出を行わない場合には、これに対するペナルティーといたしまして、今後当分の間、今お話があったように三年間、公募による資金調達を自粛するよう証券会社等を指導しているという状況でございます。 これ以上何か知恵があるかということでございますけれども、法令上届出書を提出させるだけの規定その他もございませんし、時効も完成していることでございますので、それにかわりました措置として今申し上げたような措置をとっているわけでございます。これは軽いのではないかという御指摘もあるようでございますが、しかしながらこれはかなりの意味で、公募による資金調達というのが現在証券市場の中でかなり主流を占めているといった実態からしますと、必ずしも私は軽い措置ではないというふうに考えているわけでございます。
○坂井委員 我が党矢野委員長がさきの予算委員会で指摘をいたしました特別背任罪の問題、会社が保有する値上がり確実な株を勝手に売却をした、つまり言い直せば、会社に損害を与えた江副前会長は特別背任罪に当たるのではありませんか、こういう趣旨の質問でございました。刑事局長は、指摘のようなことがあれば厳正に対処する、現時点で検討しているかどうかを含めて答弁は差し控えたいということでございましたけれども、どうなんでしょうか。これはその後いろいろ検討されたと思いまずけれども、今変化はございますか。
○根來政府委員 従来から申し上げておりますように、検察庁といたしましても、国会の御議論に十分耳を傾けて拝聴しているところでございます。したがいまして、八月四日の衆議院予算委員会で矢野委員から本件について御示唆がございました。それ以後、検察庁ではそういう御示唆をも視野に入れて十分検討しているものと考えております。
○坂井委員 これは非常にはっきりしていますね。贈収賄事件に比べまして立証しやすい問題だろうと私は思っているのです。つまり、五十九年の十二月の段階で千二百円ですね。年が明けまして二月と四月、ここで二千五百円ですから倍以上になっている。ですから、この考え方は、二千五百円で買った人というのか買わされた人というのですか、それは千二百円で譲り受けた人から見れば千三百円高く買っているわけですから、高く買わされた、その分は返してください、これは訴訟を起こし得る問題ですね。これはアメリカでしたらば一体どうなるかなと思って調べてみたのですけれども、特別背任罪という形になる性格の問題である、そう思います。 そこで、実は千二百円で五十九年十二月段階限定販売といいますか、この価格はどこで決めたのかといえば、リクルート社が他の類似会社を比較して、税法上これぐらいのところだというので千二百円。そしてその後の年が明けて二千五百円第三者割り当て、この二千五百円は、幹事証券の大和証券が二千五百円の算定のお手伝いをした、このようなことのようですね。幹事証券会社の大和証券はこの場合は全く責任はないのでしょうか。
○角谷政府委員 ただいま御指摘ございましたように、六十年の二月あるいは四月の第三者割り当て増資につきましては、これはリクルートコスモス社が行ったものでございますけれども、大和証券におきましても、株価の算定とかあるいは有価証券通知書の作成とか、そういった事務手続については相談を受け、これを指導したようでございます。ただ、割り当て先の決定その他についてはリクルートコスモス社が行ったので、これについては一切関知していない。 一方、昭和五十九年十二月の七十六名に対する譲渡でございますが、これはリクルート社が自分の決算対策として行ったものでございまして、この点については、私どもが事情聴取したところによりますと、大和証券はその実態について全く関与していないということでございまして、そういった意味での責任はないものと考えております。
○坂井委員 ディスクロージャーの問題で少しお尋ねをしていきたいと思いますけれども、アメリカでは未公開時の株主名の公開、つまりディスクロージャーが非常に徹底されておるようですね。SECの窓口に行きますとだれでも閲覧ができるという。 そこで、田淵日本証券業協会会長、この方が、店頭登録をすることを決めた企業が未公開株式を譲渡する場合、株主名や株数を大蔵省に届け出することを義務づける、そういう提案をされているようでございます。譲渡の内容を公にするということは、ある意味では政界関係者らのといいますか、不明朗な動きを抑制するというそういう一つの効果があるであろう。しかし、実際ディスクロージャーを徹底するとすれば、これはどうしても証取法の改正が伴う問題が一つある。それからプライバシーをどうするかという問題もあるでしょう。基本的な考え方は、大蔵省はどういうお考えでしょうか。
○角谷政府委員 現在の証券取引法のもとにおきましても、株式を取引所に上場するあるいは店頭登録をするといった場合には、大蔵大臣に対しまして有価証券報告書ということの提出を義務づけております。その報告書におきましては、企業経営に影響力を持つ上位十名程度の株主の名前とか、株式の所有者別あるいは所有数別の分布とか、その他企業内容の必要な開示について規定し、これを公衆に縦覧しているといったところでこざいます。あるいは店頭登録に際しましては、同じようなものを取引所あるいは証券業協会に提出するということになっているわけでございます。 ただいま坂井委員御指摘の証券業協会長田淵さんのお話は、今回の問題にかんがみまして、株式の公開前にいろいろな取引が行われる、第三者割り当てが行われたりあるいは非公開株の譲渡が行われる。これらの行為はそれぞれの経済的な実態を持って行われるということからしますと、全部これを一律に規制するわけにいかないだろう。ただ、そういったことについては一定のルールのもとにディスクローズさせるといったことによって、いわばそういった取引の必要性というものと市場の透明性というものを両立させたらどうであろうかという御提案ではなかろうかというふうに私は理解しているわけでございます。 確かに、私どもとしては傾聴に値する一つの御意見であると思いますが、こういった問題につきましてはいろいろな問題もまたあろうかと思いますので、先ほど大蔵大臣も申し上げましたところの証券取引審議会の不公正取引部会、ここでは株式公開制度のあり方についていろいろこれから議論していただくということになっておりますので、そういった場に広く提言していただきまして、その場で検討してまいりたい、必要があればそういった意見を踏まえまして改善策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○坂井委員 今アメリカでも、インサイダー取引の規制強化とかあるいは株式の公開買い付け、この制度改善の論議というのが米議会でも大変活発に行われておる。そういう状況の中で、アメリカ議会あるいはSECは不公正な取引に対するそういう国際的な捜査協力の整備、ここに一つ焦点を当てているようですね。ですから、このことはやがて日本にも波及してくるであろうと思います。何しろ金融、経済の国際化、そういう中でありますから、当然のことながら不公正取引に対する各国の調整が今後大きな課題になってくるであろう。そういうアメリカからの要請とかもあるであろうと思われますが、我が方はどう対応するかというようなことについては検討を進められておりますか。
○角谷政府委員 現在でもそういった問題につきまして、私どもと例えばアメリカのSECとの間での情報交換等は行っているわけでございます。これは非公式に行っておるわけでございます。坂井委員御指摘の例えば条約を結んでというふうな話があるかどうか、ここら辺まではまだどうなるかということについては予見ができませんけれども、いずれにいたしましても、こういった問題について各国間の情報交換あるいは協力といったことは、私どもとしても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 以上が基本的な考え方でございます。
○坂井委員 それから一方、ディスクロージャーに関するインサイダー取引規制の問題でございますけれども、このポイントの一つは、重要事実の公表の原則と方法について一つの方針を大蔵省でもお決めになったようですね。そこで年末までに政省令で決めるということのようでございますが、企業の対応の仕方あるいは大蔵省の運用のいかんによっては、ちょっと心配されますのは、報道、取材の自由、これを制約することにならないか、こういう心配があるようでございますけれども、このことについてはどうお考えでしょうか。
○角谷政府委員 いわゆる内部者規制といいますかインサイダー取引規制は、要するに会社の役職員等の内部者が、その立場上知り得た自社の重要な内部情報、これを利用いたしまして、その情報が公開される前に、そのような内部情報を知らない一般投資家を相手に株式の取引を行うといったことが著しく不公平であるといったことから、罰則をもってその内部者等の取引を禁止しているといったものでございます。 会社による重要事実の公表といった行為は、このような内部者の取引制限をいわば解除するというふうな効果を持つものでございまして、何をもって公表とするかということは、ただいま委員御指摘のように、現在政省令を作成する段階で具体的に明らかにすることにしているわけでございます。ただ、以上のような内部者取引規制の性格からかんがみますと、公表というのは、やはり会社が正式の意思として、広く一般大衆投資家にも周知できるような方法でこれが行われるといったことが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。 そういった意味で、報道機関の中では、いわゆる特だねといいますか、特だね報道をもって公表とすべきではないか、そうじゃないとなかなか報道の自由が制約されるんではないかといったふうな御意見があるといったことも内々私は聞いております。ただ、いわゆる特だね情報といいますと、一般にその出所がはっきりしない場合が多く、会社の正式の意思としてそれが公表されたかどうかということが判然としませんし、またその内容自身も、全部事実の場合もあるでしょうし、一部当たっているけれども一部推察という場合もあるでしょうし、場合によっては全くの誤報ということもありますので、会社によって正式にこれが公表されたというふうにはなかなか言いがたい面もございます。 あるいはまた、報道機関といいましても全国紙あり地方紙あり業界紙あり、あるいはマスコミありミニコミありといろいろなものがございまして、例えば全国紙ならいいけれども業界紙ならいかぬといったことも、これは行政によって一種の公表の方法を規制するということになって望ましくない。さりとて、ではどこかのマスコミに一つ出れば全部公表だとみなすといいましても、そうなりますと、これはそれを利用いたしましたインサイダーのしり抜けといった問題が起こりかねないといったふうなことから、一般的に申しますと、特だねを持って直ちに公表であるということはなかなか難しい。やはり正式に会社の意思として、一般大衆投資家が知るような状況で知らせていただく必要があるんだろうというふうに考えているわけでございます。 ただ、このことが特だねを制約するかどうかということになりますと、私どもは決してこのことを制約だとは考えていないわけでございます。といいますのは、特だねを含め、いかなる報道を行うかということは全く自由でございます。問題は、それが会社の正式の意思として公表されるまでの間は内部者が取引を行ってはいけないということでございまして、特だねを出してはいけないということではございません。 あるいはまた、いついかなる機会に会社がその事実を公表するかということは会社の自由でございまして、これを私どもが特段の方法で規制するというつもりもございません。むしろ証券取引の立場からいいますと、そういった情報というものは積極的にタイムリーにディスクロージャーされるということが望ましいわけでございまして、そういったことについて私どもが公に規制するということは考えていないわけでございます。 そういった意味で、今回のインサイダー取引規制というものが報道の自由に抵触するといった見方は、私は当たらないんではないかというふうに考えておるわけでございます。
○坂井委員 十分運用には慎重を期して、報道の自由を阻害するようなことのないような一つの御配慮だけはぜひいただきたい。 去る八月の四日の予算委員会で、これまた我が党矢野委員長が、アメリカ証券取引所法第十三条に規定されていますところのいわゆる五%ルール、条項のことについて、我が方も取り入れたらどうか、こういう提案をいたしました。しましたところ、去る八月二十四日でございますか、日経連の経営トップ・セミナーがありまして、ここで、同一企業の株式を五%以上取得する場合は本人の届け出を義務づける、それから二つ目、株式の大口取引には本人確認を要件とするなど具体策がまとめられたようでございまして、この具体案は既に大蔵省に提案されていると思いますけれども、大蔵省はどう対応されますか。
○角谷政府委員 いわゆる買い占めに係りますところのアメリカで言います五%ルールの問題につきましては、たしか先月の予算委員会の矢野委員の質問に対しまして、大蔵大臣の方から、これを前向きに検討するというふうなことを申し上げたことを私承知しております。今お話しのように、日経連におきましても同様な申し出がありまして、私どものところにも検討をしてくれということで提言をお持ちいただきました。 この問題につきましては、現在不公正取引部会におきまして、まずとりあえずの問題としましては、先ほど申しましたように株式公開のあり方といったものをいろいろ勉強しておりますけれども、その後の段階におきまして、そういった株の買い占めというものが我が国においてもいろいろ問題になっておるといった実情から、アメリカの五%ルールの適用あるいはヨーロッパ各国のいろいろな例といったものを参考にしながら、どういった対応があり得るかといったことについて、その不公正取引部会の場で前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
○坂井委員 ぜひ前向きに、そしてこれは実現、実行を期していただきたいと思います。 実は、短期大口の株式売却益というものが、価格操作、株価操縦、法律違反の結果得られるというケースが非常に多いですね、実態的には。先ほどの質問では、そういう事実は余りないであろう。しかし、私の見る目ではかなりある。これは買い占め、買い集め、実質的な相場の操縦、それが現実に行われているのですね、短期大口の株式の売買において。 そこで、証券取引法百二十五条一項及び二項、これは相場操縦の禁止という規定でございますけれども、これでは不備ですね。今まで訴訟に持ち込まれた事例というのはただの一件もない、実際現実に具体的な事例は幾つもありながら。ここで一つ一つの個々の事例については申し上げません。もう御案内のとおりと思います。 そこで、こういう短期大口の株式売却益、証券取引法に違反して、そして莫大な売却益を得る、こういう悪質な違法行為に対してはやはり少し証取法を強化した方がいいんじゃないかな、そういうように思うのですけれども、そういう検討、研究はなされていますか。
○角谷政府委員 証取法百二十五条の相場操縦の禁止の問題でございますが、現実に立件が行われ、有罪の判決が行われたものといたしましては、先般たしか高等裁判所の控訴審判決が出たと思いますけれども、協同飼料事件というのがございまして、これにつきましては有罪の判決が出ておるわけでございます。ただ、この相場操縦というのは、やはりいろいろな意味で法律の規定のしぶりあるいはその実行に当たりましてなかなか難しい問題がございます。そういった意味で、現在のところさっき申し上げた協同飼料事件にとどまっているわけでございます。 何が相場操縦に該当するかしないかといった問題については、いろいろな意味でなお十分勉強する必要があると考えておりますので、できれば不公正取引部会におきましてもこういった問題について幅広い御議論をいただきたいというふうに考えているわけでございます。
○坂井委員 大口取引というのは、現行基準を見直しまして、売却益では一億円、それから売買株数では百万株、これを軸にして調整するというようなことが言われておりますけれども、そういうお考えでしょうか。当然重課ということになりますが、それを含めてひとつ大蔵省の方針といいますか、大体の検討されている方向だけはお示しをいただきたい。
○水野(勝)政府委員 株式譲渡益課税につきましては一応の案を、現時点で私どもとして最適と考えられるものをまとめてお出ししているわけでございます。この問題につきましては、ただいま御指摘のような問題がいろいろ出てまいっているということは承知いたしてございます。 税制の問題もございますし、証券取引に係る制度的な問題等もございます。この問題につきましては与野党協議のテーマともなっているところでございますので、今後この問題についてどのように私どもとしても対応を図っていくべきか、これは国会を初め各方面の御議論を踏まえて検討してまいりたいと思っているわけでございまして、御指摘のような具体的な考え方を私ども現在持っているということではございません。
○坂井委員 創業者利得の問題で、総理は参議院でしたか、御答弁で、これは無制限であっていいとは思わないというお答えがあったように思うのですが、どうなんでしょうか。申告分離課税で二〇%ぐらいとかというようなことが出ているようですけれども、総理はどんなお考えですか。
○宮澤国務大臣 いわゆるリクルート問題が起こりましてから、こういう問題につきまして世間の目はなかなか厳しい。国会の御議論もそうでございますが、他方で、創業者が苦労をして一つの事業をつくって、そしてそれを公開をしていくということは、やはり自由主義社会では大変に大事なことである。それが悪であるといったようなふうに考えてはならない種類のことだと片っ方で思っております。したがいまして、それはそれなりに報いられてよろしいことだと存じておりますが、ただ、そういたしましても、片っ方で株式の売買の利ざやが五%であるというような推定でいろいろ課税の方法を考えているということと比較いたしますと、いかにも創業者利益が大きい、同じようなことでいいのかということは国会でも御議論になっておりますし、また各党の御協議でも問題になっておると承知しておりまして、私どももそこに問題がないというふうには必ずしも考えておりません。 したがいまして、どういう方法がいいのか、これはこれからの御協議の方向にもよることでございますし、私どももまた考えさせていただきたいと思いますが、ただいまおっしゃいましたようなことで私どもが案を考えておるということはございませんで、むしろ御協議の方向を注視をしておる、御結論を傾聴したいというような気持ちでただいまおるところでございます。
○竹下内閣総理大臣 今大蔵大臣からお答えになったと同じような問題意識を持って、参議院でもお答えしたところでございます。
○坂井委員 創業者の功績とか御苦労に報いる、当然だと思うのですね。ただ、今度の江副さんが、御自身の株だけれども、売却益百四十七億円ごっそり入ってそれに税金が一銭もかからぬ、こう聞きますとそれはやっぱりこれでいいのかということに相なるわけでありまして、莫大な売却益が創業者に入ってくる。やっぱりそれは公平なといいますか公正な、どこに基準を置くかは非常に難しいと思いますが、いずれにしろ今大蔵大臣、総理も御答弁のように、一円も税金をかけなくていいということではこれは相済まされないことであろう。したがって、前向きにこれもぜひ早く、どれぐらいの税率にするのか、どういう方法でもってちょうだいするかということについては合意を見たいものだと思います。 さて、我々野党が証券取引カードということの提案を実はしているわけでございますけれども、譲渡益を捕捉するためにはどうしてもやっぱり必要だ、こういう認識からでございまして、分離課税を行う場合に――ただ、これが証券市場だけに限定していいのかどうか、一部には証券取引カード制を適用したときには証券市場から資金が逃げ出すぞ、こういう心配があるというような意見もあるようでございます。金融市場というのは非常に巨大なものでありますから、株式という一部にだけ納税者番号を採用するということは、現実的なようだけれどもかえって非現実的ではないかという意見もあることもまた事実のようでございます。 さて、そういうことになりますと、まあ税制上の所得の捕捉という面からだけカード制を採用するということではなくて、社会的な視野、そういう面からもこのカード制については検討を加えるべきではなかろうか、こういう意見もあるようでございます。しかしながら、では証券市場だけではなくて視野を社会的に広げて、それでは年金にも入れましょう、あるいは土地取引等にも適用いたしましょう、社会保険も加えましょう、全部一元化しましょう、そこで納税者番号だということになると、これは国民総背番号ということで、とてもとても国民には受け入れられないという問題がまた出てくる。 しかし、シャウプ税制の基本精神は総合課税だ。将来においてはそうした金融、土地の資産あるいは所得、あるいは政府はもうすぐにこれで消費とこう言いたいのでしょうけれども、いずれにしろ総合課税ということを展望して、それで公正、公平な所得を把握するためには、目標としてはやっぱり納税者カードということを考えなきゃいかぬでしょう。そこにうまく着地できるかどうか、その一歩を踏み出すための証券取引カードである、そういう位置づけにして、当面は証券取引カードによって所得、売却益を正確に把握をして公平な課税はできないものであろうか、こういうことでございますが、総理はどんな感触をお持ちでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 今、シャウプ税制が基本として打ち立てたものは、まあ中に訂正したものがございましても、要は総合課税制度ではないかというお考え、それからかねて、貴党と言った方がいい、公明党の方で総合課税というものをいつも御主張なすっておる。しかし、坂井委員もおっしゃったように、総背番号制に対しては、直ちに国民に受け入れられるかどうかということには懸念がある。そのとき私個人として感じますのは、やっぱり昭和五十五年の三月三十一日に、あのときは賛成で成立さしていただいたグリーンカード問題というのが、その後の経過を得て、最終的には昭和六十一年でございましたか、あの法律を改正して廃止した、延期しながら廃止した、そのイメージといいますか、それは依然として私に残っております。 しかし、税論理としての、いつもおっしゃる総合課税制度というのはやはり絶えず努力していくべき問題ではなかろうかなと。しかし、総合課税になじまないものも、所得税法上における十の所得でございますか、利子所得、配当所得、不動産所得、譲渡所得、事業所得、給与所得、それから退職所得、山林所得、雑所得、一時所得のたしか十種類だと思いますが、そういうふうに分かれておることも、いわゆる総合課税の難しさの中で分かれた点も私はあるんじゃないかな。だから、その掲げていらっしゃる考え方は私はいつも傾聴しながら、それにたどり着く道というものはこうした議論の中で逐次積み上げられていくべき問題じゃないかな、そういう感じで、いつも公明党のおっしゃる総合課税論というのには、そういう感じを持っておるということを率直に申し上げます。
○坂井委員 この議論はまた今後具体的にに掘り下げていきたいと思っております。 問題を変えます。 このリクルート社の企業戦略というのでしょうか、情報ネットワーク、この事業をひとつ柱にしようということであったのだろうと思います。二つありまして、データ通信のサービスを行いますところのINS、インフォメーション・ネットワーク・システムですね。これといま一つはスーパーコンピューター、これを各企業に安い価格といいますか、安いといったって、一時間このコンピューターを貸すのが六十万円から百二十万というのですから安くはないですね。それでも企業にとっては安い。そういうコンピューターの時間貸し事業ですね、これを称してRCS、こう言っております。つまり、リモート・コンピューティング・サービス。 さて、今世界で稼働しておりますところの、これはスーパーコンピューターを使うんですが、大変性能の高いコンピューターで、原子力あるいは軍事にも活用されます気象情報、石油の探査、それから新しいソフトの開発等々、実にすばらしい機能を備えたスーパーコンピューターですね。価格も随分高うございまして、一基二十億とか三十億とか言われておりますが、重いんですね。しかも三トンもあるというんですね、一基が。大変なものですが、今世界で稼働しておりますこのスーパーコンピューター、約二百七十台とか言われておりますが、その七〇%がアメリカのクレイ社製であります。つまり圧倒的であります。最近、日本におきましても富士通あるいは日立製作所、日本電気、この三社が参入しているようでございます。 さて、そこで問題はさかのぼりますが、六十年の一月の二日に日米首脳会談がロサンゼルスにおいて行われますが、レーガン大統領みずから中曽根総理に、通信機器とエレクトロニクス、それから木材、医療機器、この四項目に言及しまして、ぜひ日米貿易摩擦解消のために輸入の促進を願いたい。総理はそれを受けまして、電電公社の民営化に伴う内外無差別、透明性の確保では私自身がチェックをしましょうというところまで強い約束をされた。これはアメリカから実は随分高い評価を得たと当時の新聞は大々的に報道いたしてございます。 下りまして六十年四月の五日、当時の左藤郵政相がNTTの真藤社長に対しまして中曽根総理の意向を伝えました。真藤さんはその方針に従って調達額をふやすことを約束をされた。さらに下りまして、四月の九日には対外経済対策が決定をいたしました。日本電信電話株式会社の資材調達の項では、参入機会を増大する、こういうことでございます。 そういう経緯を受けまして、このクレイ社のスーパーコンピューターが我が方にアメリカから入ってくる。これを受けたところはNTTでありまして、六十一年の四月のNTTの常務会ではスーパーコンピューター購入を決めました。翌五月にはクレイ社と契約をいたしました。そして六十一年の十二月に、うち一台、これがリクルート社に転売されるわけです。さらに一年後、六十二年の十二月にまた一台、これもリクルート社に転売。つまり、NTTがクレイ社のこのスーパーコンピューターを購入いたしまして直ちにリクルートに転売、こういうことでございます。これはNTTとリクルートの持ちつ持たれつの関係でありましょう。NTTが購入するということで、それをリクルートさんに転売しましても、これはNTTの実績にカウントされるわけですから、我が方からすれば、アメリカに対しますNTTの資材調達はこのようにきちんといたしました、こうなるわけですから、これは一挙両得というのですか、持ちつ持たれつというのでしょうか、そういうことだったのでしょう。 ちょっとここでお尋ねしたいのです。これは外務省でしょうか通産省でしょうか、このクレイ社のスーパーコンピューターという機種にお決めになったのは、これはどなたなのでしょう。
○塩谷政府委員 お尋ねのスーパーコンピューターの件でございますが、NTTは現在会社でございますけれども、公社時代から政府調達の定めにのっとりまして電気通信機器類を内外無差別に調達しているわけでございまして、お尋ねのスーパーコンピューター、これは大体今委員おっしゃったような時間的な経過を踏みましてNTTが調達いたしたわけでございます。 ちょっと繰り返しになるようで恐縮でございますが、NTTとしましては、今おっしゃいましたように、五十九年から六十二年にかけまして全部で四台スーパーコンピューターを入れておりまして、そのうち二台、これは会社の内部の研究所の科学技術計算用コンピューターとして使っておりまして、残る二台、これが今委員おっしゃったようなRCS事業の建設設計委託契約に基づいて引き渡しているということでございまして、決めたその当時のいきさつといたしましては、まず武蔵野で科学技術計算用に使用しております一台目につきまして、これはクレイ社ほか四社、全部で五社に提案を依頼しまして、その五社から行われた提案につきまして総合的に審査して、これに限るということで決めたわけでございます。その後の二台目、リクルートへ引き渡されたもの、これは今委員のおっしゃるとおりですと、買ったものを直ちにそのままの状態で売り渡しているような感じでございますけれども、時間貸しということをやるためには、やはりいろいろな附帯的な設備ですとか、回線をくっつけてとか、そういう工事をした上でそれを御使用くださいということで引き渡すわけでございますけれども、これもリクルート社の要望する仕様に合致しているものだということで決定したというふうに承っております。
○坂井委員 名前を申し上げて大変恐縮なんですが、NTTの元役員でありました長谷川寿彦氏、この方はNTTのデータ通信事業本部長をされました。今私が申し上げておりますRCS、スーパーコンピューターに関する直接の最高の責任者であります。この長谷川さんは昨年の五月にNTTを退任をいたしました。そしてことしの一月には、リクルートの米国現地法人リクルートUSAの顧問に就任をされました。江副さんがスカウトされた、こういうことのようでございます。 この長谷川さんは、昨年の初めにNTTの契約先の会社からリベートを受け取ったということで、特別背任罪で警察庁に告発をされた方ですね。この告発は今どうなっておりますか。
○中門政府委員 お尋ねの件につきましては、昭和六十一年十一月に警視庁に対しまして商法第四百八十六条第一項、これは特別背任罪でございますが、これの告発が行われておりまして、現在警視庁におきまして捜査中でございます。
○坂井委員 現在なお捜査中ということですね。そうしますと、捜査中の立場の方がリクルートの顧問に迎えられた。ちょっと世間常識からしましてこれは非常に不可解なんです。この長谷川氏は、リクルートコスモス株約二万株、売却益五千万あるいは五千数百万、公開直前に譲渡されて今申しましたような利益を上げておるということが関係者の証言で、関係者というか、これははっきりしたのです。責任のある方の証言によって、今申しましたリクルートコスモス株を得ておるということを承知されておりますか。これはどこなんでしょうね。警察……。
○塩谷政府委員 これは私どもの方の立場からお答えしますと、現段階におきまして、NTTからそういった事実は把握していないという報告を受けているところでございます。
○坂井委員 リクルート側に問い合わせをいたしましたらば、余り話したくないということのようでございます。つまり肯定も否定もなさらない、こういうことであります。ただ言えることは、七十六人の中にはありませんと、これははっきりリクルートさんの方はおっしゃっているということですから、かなり念の入った話であります。 ただ、もう一つおかしいのです。実はここに謄本があります。この人は今どういう立場であろうかと思って、捜査中の身ですね、この方は。先ほど申しました米国法人リクルートUSAの顧問に迎えられている。もう一方でリクルート国際バン株式会社、これは六十二年九月の十八日の設立であります。本店は東京都千代田区丸の内一丁目一番二号、この中でこの長谷川さんが登場いたします。代表取締役長谷川寿彦、六十三年三月二十四日の登記であります。どうも実態はアメリカと日本を行き来しておる。情報通信の、データ通信のその衝に当たる、つまり先ほど申しましたRCS、スーパーコンピューター、NTTが購入をして、それからリクルートが転売を受けましたこのスーパーコンピューターを使って行うところの事業の言うなれば第一人者というのですか、最高の責任者と申し上げていいんでしょうと思いますが、そういう立場にいらっしゃる。特別背任罪で告発を受けましてまた捜査中である。捜査中の人が今そういう立場におる。これは奇異に感じない方がおかしい。しかも、この方にリクルートコスモスの株が譲渡されておるということになりますと、これはまさに贈収賄事件という可能性大ですね。職務に関してというところが非常に気にかかる。なぜこのような人と言っては大変失礼ですけれども、この長谷川さんなる人物にリクルート社が非公開株を譲渡しなければならなかったのか、この背景が今度のリクルート問題の解明に大変大きな意味があると私は見ております。 幾つかの具体的なことを申し上げますまでもなく、今の御答弁ですけれども、恐らく相当この長谷川さんの捜査については、今私が申し上げましたようなことを意識して警察は捜査されているんだろうと私は思っておるのですけれども、今申しましたようなことからどうでしょうか、検察の方は関心をお持ちになりますか。
○根來政府委員 ただいま御指摘の点は、八月三十日の衆議院決算委員会でも同様の御指摘がございました。したがいまして、先ほど申し述べた特別背任と同様に、検察庁におきましてもその視野の中に入れて検討しているものと考えております。
○坂井委員 視野の中に人れて検討をされている、当然そうでしょうね。事実関係というのは相当はっきりした証言者もおるようでありますので、ぜひ一連の疑惑の解明の一つの大きなポイントとして、ここに焦点を当てた解明をお願いをいたしたい。 ただ、これは刑事事件という範疇の話に相なりますので、これはここでの問題とすべき事項ではなかろうと私は思います。したがって、捜査に対して私は督励する意味において申し上げたのでは決してございません。捜査は捜査の立場があるでしょうから、それはしっかりおやりなさい。言われるようなある種の政治的な圧力があって捜査がとんざするというようなことは断じてないように、そのことだけは厳重に申し上げておきたい。国会のこの場は、リクルート疑惑を解明する、真相解明する中でどこにどういう欠点があったのか、どこをどう正せばいいのか、立法上この委員会の審議というものが生かされて、そうして再発防止、そのことがひいては国民の信頼を呼び戻すということに国会は懸命に汗を流さなければいかぬ、こういう場所である。両者というのはおのおのがやはり車の両輪だとけさほども言われたと思いますが、まさにそうだと思います。 そういうことで、私はぜひ委員長にお願いを申し上げたいと思いますが、どうしても今申しまたような趣旨におけるこの事件の解明のためには、江副前リクルート会長を当委員会に証人としておいでをいただきたい。いろんな方々がいっぱい並びますけれども、一つの焦点というか事件の一番の中心的な方でございますので、江副さんはぜひ当委員会に証人としてお越しをいただきたい。そういうお取り計らいをぜひお願いしたい。委員長にお願いを申し上げたいと思います。
○金丸委員長 この問題につきましては、先ほど来からもその要請がありました。理事会にかけて理事会と十二分に話し合って結果を得たい、こう思っております。また、昼間理事会をやりまして、理事会でもその話はいたしたわけであります。十分各党理事も了承しておるので、そういうように御承知願いたいと思います。
○坂井委員 よろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。 私は、このリクルート疑惑の解明とそれからキャピタルゲイン課税等不公平税制の是正、これは表裏の関係だろうと思う。したがって、解明を進める中で不公平税制の中のある意味では最たる資産課税、株の取引の実態における税制上の不備、不正あるいは不公平、これをやはり徹底的にただして必要な立法措置、冒頭に総理に証券取引法の改正も含めてあらゆる必要な立法的な措置は急がなければならぬということを申し上げたわけでありますけれども、ぜひそういう方向に向かうように当委員会が徹底審議を進めていかなければならぬ、こう考えているところでございます。 株の贈与の問題が政治資金規正法との関係において、参議院の予算委員会での自治省の御答弁は、どうも寄附に当たらぬというような趣旨での御答弁であったように思うのですけれども、実はそれには私は見解を異にいたします。私は、株の贈与というのは政治資金規正法上の寄附に明確に該当すると思う。株は、政治資金規正法四条三項の「財産上の利益」、十九条の三、一項及び施行令六条の「有価証券」に含まれる。二番目、株をその正当な価格より安く購入した場合、その差額は政治資金規正法上は寄附を受けたことになる。安くという意味が、ここのところは解釈上ちょっと問題がある。ただ、明らかに安く購入した場合、その差額は政治資金規正法上の寄附であるというが私の考えであります。 ただし、政治資金規正法の適用を受けるのは政治活動に関する寄附ということに限られるわけでありますので、政治団体に対する寄附は一切政治活動に関する寄附ということでありますけれども、政治家個人に対します寄附は、その政治活動に関してされる寄附だけが政治活動に関する寄附ということでありまして、ここに一つ非常に難しい解釈が個人に対しては出てくる。先ほど言いました何をもって廉価と言うかという問題は一つございますけれども、仮に寄附があったとしても、それが政治家個人に対するものであったならばこの寄附の性格が問題になりまして、政治活動に関するものでなければ政治資金規正法の対象とはならない、こういうことだろうと思いますね、自治大臣。 随分回りくどい性格論を申し上げました。何でこんなことを言うかといいますと、実態的には、実質的にはこの非公開株等を受けて、そしてその売却益を得た。これはもう本当は贈与に等しい。もう明らかに安い株をもらった。もらったというか、もらったんでしょうな、今度のリクルートの場合には。それでもうけを得た。これは政治家が、受ける側には政治資金という観念もやはりあるのでしょうな。そういうことからすれば、実態的には政治資金とみなされてもやむを得ないというような要素もある。だから、ここのところはこれからまた議論があるのでしょうが、一回よく検討、研究はしていただきたい。政治資金規正法上問題がないんだといって、単なる経済行為であるというような考え方で、法律上の建前論だけでこの問題をごらんになりますと、総理、どうも国民の見る実感からは離れたものになってしまう。政治家が株に手を出してそれを政治資金に、資金調達をやっているんじゃないか、こういう見方がありますので、ここら辺は政治資金規正法上からも峻別してもらいたいというのが私の一つの考えであります。 そこで、政治資金規正法の問題、政治献金、政治資金の問題に触れましたので総理にお伺いしおきたいと思いますが、政治家の金集めパーティーに課税するかどうかについては、憲法上の議論が随分あることは私も百も承知をいたしております。しかし、今の実情、実態を見ますと、だれが見てもやはりちょっとひどい、そういう状況がある。じゃ、ひどいから税金を取ればそれでいいのじゃないかという議論もまたいただけないですね。じゃ、何でもかんでも、少しずる賢く金を集めても、税金さえ払えばいいのじゃないかというような考え方がまた横行したならば、これはゆゆしきことだと私は思いますね。むしろこれではもう全くモラルの放棄ですね。ですからそういう乱暴なことを私は言うつもりはありませんが、ただ金集めのためにのみ会を開いてパーティー券をたくさん売って、そしてお金がうんと入る、無税である、これはやはり国民感情から見てもおかしいぞ。ですからそこを踏んまえてみて、他にまで広げよと私は言いません。そういう無謀なことをやってはだめですよ、これは。政治家の金集めパーティーについてはやはり課税の対象にすべしと思いますが、これは総理は決断をしていただきたいと思いますね。向こうでやっているからという話ではなくて、これは政治家の一つのモラルということも踏まえていかがでしょうか。
○竹下内閣総理大臣 過去におけるいろいろな議論を全部承知の上での御議論であるというふうに私は承りました。 私自身が決断をすべしだ、こういうことでございましたが、せっかく各党でこの問題話をしよう、しかも現実問題として過去何回となく議論したのを、何とか結論を出そうということで御相談いただいておるさなかでございますので、私から申し上げることは、十項目の中のその部分における我が党幹事長の返答文書までが限界であろうというふうに思います。
○坂井委員 この機会でありますので、総理に一つ御提案申し上げたい。 閣僚の皆さんはそれぞれが所管する指導監督下にある企業、団体からの政治献金は受けない、みずからの指導監督下にあるといいますか、所管するそういう企業、団体からの政治献金はいただかない、こういうようにお決めになったらどうでしょうか。かつて私はそのことを大平総理、あるいは鈴木総理のときもそうでした、これはやはり重要な問題だ、考えなきゃいかぬ、こういうことで前向きに検討だ、真剣にこれは検討しましょう。まあ検討、検討でどうも終わっているようであります。 私はなぜこんなことを申し上げるかというと、政治献金とわいろというのは、これはもう裏腹ですよ、実態的には。別の概念じゃないのですね。政治献金も時にはわいろになり得る、わいろも時には献金である、こういうことであります。ですから、強力な職務権限をお持ちのまず閣僚の皆さんは、相手はこんな悪い相手じゃないのだけれどもと思っていただいても、時にはそれがわいろに化けてしまう心配がある。 あのロッキードのときに、私は今思い出すのですけれども、福永一臣さんが、田中伊三次委員長からそばまんじゅうを送ってくれた、惻隠の情と思って私はありがたくいただいた、しかし私が丸紅からいただいたまんじゅうには毒が入っておった、知らなかった、食べて今その毒が全身に回っておる、半死半生ですというくだりがあります。全くそうだろうと思う。転ばぬ先のつえというような意味でもありませんが、少なくとも閣僚の皆さんが、まず自分が関係する企業や団体からの献金は受けませんというのが、私はリクルート問題から得た一つの大きな教訓であり反省だろうと思うのです。そういうモラルが政治家にあって初めて国民の皆さんも税制改革論議、不公平税制の是正だ、真剣に耳を傾けてくれるであろうと思います。それがなくて、そしてみずからを省みないで他を責める。いや法律が悪い、制度に欠陥がある、そこをこうすればいいんだということだけでは、これは到底納得できないことである。みずからの襟を正すということ、まずその姿勢が現実のものとして国民の皆さんの目に映って、初めて理解あるいは協力ということが生まれるだろうと私は思うのです。この下地というのは一番大事だろうと思います。思いますがゆえに、あえて竹下総理に一つの御提案として、今申しましたような企業、団体からの献金はいただかない、あるいは前段申しました非公開株等は閣僚はこれから一切関与しない、明確にお決めになった方がよろしいという御提案を申し上げまして、総理の御決意、決断を伺って、質問を終わりたいと思います。
○竹下内閣総理大臣 この政治献金の問題も、随分専門的に御議論をなすった上のお話であることは私も十分承知しております。 一般論として申しますならば、企業や法人もこれは社会を構成する一員でございますので、企業からあるいは法人からの献金はすべて悪だという片づけ方は、私は従来とも今日もとっておりません。が、今の職務の権限というものの存在からしての御提言に対しましては、私も十分勉強させていただく課題であるというふうに思います。
○坂井委員 終わります。
○金丸委員長 坂井弘一君の質疑はこれで終わりました。 次回は、来る十六日金曜日午後一時委員会、午後四時理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十三分散会