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113回国会衆議院1988/09/06

決算委員会 第4号

発言数
316
登壇者
39
会派数
5
開催日
1988/09/06

会議録

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより会議を開きます。  昭和六十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、農林水産省所管、農林漁業金融公庫及び会計検査院所管について審査を行います。  この際、農林水産大臣及び会計検査院長の概要説明、会計検査院の検査概要説明、農林漁業金融公庫当局の資金計画、事業計画についての概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野中英二自由民主党

○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────    昭和六十年度農林水産省決算概要説明  昭和六十年度の農林水産省の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。  まず、歳入につきましては、収納済歳入額は一般会計において二千七百九十三億七千二百六十九万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において六兆八千百八十七億六千七百八十八万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において六千五百三十七億五千五百十二万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において一千三百三十二億八千三百五十四万円余、漁船再保険及漁業共済保険特別会計各勘定合計、森林保険特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計及び特定土地改良工事特別会計の総合計において二千五百九十一億六十一万円余となっておりまして、一般会計の収納済歳入額の主なものは、中央競馬会法に基づく納付金であります。  次に、歳出につきましては、支出済歳出額は一般会計において三兆三千二百六十一億九千百九十二万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において六兆八千二十五億一千三百十二万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において六千六百二十六億二千百五十九万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において五百八十一億七千六百九十万円余、漁船再保険及漁業共済保険特別会計各勘定合計、森林保険特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計及び特定土地改良工事特別会計の総合計において二千三百四億六千七十六万円余となっております。  次に施策別にその主なものにつきまして、御説明申し上げます。  第一に、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策等の推進に要しました経費は八百十八億七千三百五十三万円余でありまして、地域農業整備総合対策につきましては、農村社会の高齢化、兼業化等の問題に対処しつつ、土地利用型農業の体質強化を図るため、農地等の有効利用、担い手の育成等に資する活動を地域の実情に即して展開するとともに、モデル的な市町村を対象として都市と農村の交流を促進する地域農業整備促進事業に助成いたしました。また、同事業により農地等の有効利用、担い手の育成等が図られているモデル的な市町村の拠点集落を対象として、土地基盤、農業近代化施設等の整備を行う地域農業拠点整備事業に助成いたしました。  農業改良資金制度の再編拡充と自作農創設特別措置特別会計制度の改組につきましては、農業者の自主的な創意工夫に基づく経営規模の拡大、農用地の農業上の利用増進等を促進し、農業経営基盤の強化を図るため、農業改良資金制度に基づく無利子資金のうち技術導入資金を再編拡充して、農業経営の改善に必要な合理的な農業生産方式の導入のための生産方式改善資金を設けるとともに、新たに、土地利用型農業の経営規模を拡大するための農用地経営規模拡大資金を設け規模拡大の意欲が高い中核的な農業者が、借地により農業経営の規模拡大を図るのに必要な賃借権の設定に係る小作料の一括前払のための資金を借り入れられるようにいたしました。また、資金の効率的利用を図るため、特別会計を通じて各都道府県の資金需要に応じた全国的な資金の調整を行える仕組みを整備いたしました。このため、自作農創設特別措置特別会計制度を改組し、同会計において従来行っていた自作農創設のため政府の行う農地等の買収、売渡し等に関する経理のほか、新たに農業改良資金の貸付けに関する経理及び農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成に関する経理を行うこととし、特別会計の名称を、農業経営基盤強化措置特別会計に改めました。  農地保有合理化促進対策につきましては、農業経営の規模拡大、その他農地保有の合理化を促進するため、農地保有合理化法人の土地買入資金に助成いたしました。  農用地高度利用促進事業につきましては、農用地利用増進法による利用権等の集積を中心に農地流動化対策を効率的に推進するため、農地銀行活動、農地の貸し手及び借り手農家等の堀り起こし活動並びに貸し手農家への農地流動化奨励金の交付に助成いたしました。更に、昭和五十九年度に発足した同事業の後期対策を引き続き推進し、中核農家への集積・面的集積に結びつくような形での貸付けや長期の貸付けに誘導するよう措置いたしました。  農村地域農政総合推進事業等につきましては、地域の実態に即して農業及び農村の振興を図るため、地域農業整備促進事業及び農用地高度利用促進事業のほか農業・農村整備計画の策定、農村地域への工業導入等の諸施策を市町村等が総合的かつ機動的に実施するための農村地域農政総合推進事業に助成いたしました。また、農村地域工業導入資金融通促進事業及び農地の利用調整等に必要な経費に助成いたしました。  新農業構造改善事業の推進につきましては、最近の農業を取り巻く諸情勢に対処し、構造政策の新たな展開の一環として、昭和五十八年度から発足させた新農業構造改善事業後期対策において、土地利用型農業の徹底した構造改善を実現することを目的として、地域農業の組織化の促進、土地基盤及び近代化施設の整備、環境整備等農業構造の改善に必要な事業に助成いたしました。また、新農業構造改善事業前期対策の継続事業等につきましても、助成いたしました。  農村青少年対策につきましては、次代の農業を担う優れた農業後継者を育成・確保するため、農村在住青年等が行う将来の農業振興方策の作成等自主的活動を助長し、これを通じて就農意欲の向上を図る農業後継者育成モデル地区設置事業に新たに助成いたしました。  また、農業後継者たる農村青少年に対する実践的研修教育を強化するため、協同農業普及事業の一環として道府県の農民研修教育施設(県農業者大学校)の整備の推進等に対し助成いたしますとともに、農村青年による地域農業推進のための実践活動の助長等を図る農業後継者地域実践活動推進事業及び民間の農村青少年研修教育団体事業に対し助成いたしましたほか、農林水産省農業者大学校において研修教育を実施いたしました。  農業後継者育成資金等の融通につきましては、農業改良資金において、農業後継者育成資金の貸付けを引き続き実施いたしますとともに、農林漁業金融公庫資金の総合施設資金において、計画的、段階的に自立経営に到達しようとする農業後継者等に対し引き続き資金の融通を行いました。  第二に、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開に要しました経費は三千五百九十九億八千二百七十四万円余でありまして、水田利用再編対策につきましては、第三期対策の二年度として、農産物の需要の動向に即した総合的な食料自給力の向上を図るため、米から麦、大豆、飼料作物等への転作等を総合的かつ計画的に推進することとし、転作等を実施した農業者に対して水田利用再編奨励補助金を交付するとともに、転作の推進活動を強化するため、都道府県等に対して水田利用再編推進交付金を交付いたしましたほか、転作条件を整備するため水田利用再編対策推進事業に対して助成いたしました。  また、転作の促進とその定着化を図るため、水田利用再編対策関連事業に助成等を行いました。  新地域農業生産総合振興対策につきましては、生産性の向上等を図りつつ、需要の動向に適切に対応しうる農業生産構造を確立するため、自主性と創意工夫を生かしつつ、市町村等の策定する農業生産の総合的な振興計画等に基づき実施する小規模な土地基盤の整備、生産・流通機械施設の整備、地力増強、生産組織の育成等の諸事業に助成いたしました。  水稲につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、先導的稲作技術改善特別事業及び水田作総合改善モデル地区設置運営事業により稲作技術水準の向上と技術指導の拠点づくりを進めましたほか、水稲の生産性向上等を図るための大規模乾燥調製貯蔵施設等の基幹施設の整備を行う米麦等大規模乾燥施設等整備事業及び米のばら出荷施設等の整備を行う米麦品質向上物流合理化事業に助成いたしました。また、農業新技術実用化促進事業において、直播技術等の新技術の開発に助成いたしました。  麦につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、地域の実情に応じた合理的な作付体系の下に、集団麦作の促進、共同利用施設等の整備、表層排水対策の実施等の簡易な土地基盤の整備等を総合的に推進いたしますとともに、大規模産地及び中小規模産地のそれぞれの実情に即したばら調製保管出荷施設等の整備を行う事業に助成いたしました。また、地域の麦作条件に即した地域麦作改善計画を策定するとともに生産性向上阻害要因の克服による生産の高位安定化を推進するため、新たに地域麦作改善モデル事業に助成いたしました。更に飼料用麦については、引き続き飼料用麦流通促進奨励補助金を交付いたしました。  大豆につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、集団栽培の推進、機械化による省力化、技術の高位平準化による単収及び品質の向上、大豆を組み込んだ輪作体系の確立等に助成いたしました。また、より一層の生産性の向上を図る観点から近年開発された新技術を現地で実証する大豆新技術体系定着化促進事業等に助成いたしました。  てん菜につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、てん菜を基幹とする合理的な輪作体系を確立するための小規模な土地基盤の整備、共同利用施設の整備、省力機械の導入等に助成いたしました。  さとうきびにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、畜産、野菜等との有機的結合に配慮しつつ、さとうきび作農家の経営改善を推進するため、省力機械施設の導入、小規模な土地基盤の整備、高能率収穫機械のモデル的実証展示等に助成いたしますとともに、優良種苗供給のための原稲ほ等の設置事業に助成いたしました。更に、さとうきび生産の基礎となる健全無病な優良種苗の組織的な増殖を図るため、国のさとうきび原原種農場の整備拡充を図りました。  特産農作物につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、地域の実態に即した特産営農集団の育成、簡易な土地基盤の整備、省力機械施設の導入、流通施設の整備、種子馬鈴しょ対策等に助成いたしました。また、こんにゃく、い、茶及びなたねについて、需給の安定等を図る特産農産物生産流通安定対策事業等に助成いたしました。更に、国の馬鈴しょ原原種農場及び茶原種農場の整備を図りました。  そばにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、流通安定化対策及び新たに新品種の普及を図るためのそば総合改善対策事業に助成いたしました。  ハトムギにつきましては、新たに再編整備した農業新技術実用化促進事業において、生産から流通まで一貫した高度の技術開発に助成いたしますとともに、ハトムギに続く新たな作物の探索、調査に助成いたしました。また優良種子を確保するための新作物優良種子確保事業及びハトムギの流通の円滑化に資するための新作物契約確保推進事業に助成いたしました。  養蚕につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、新高能率養蚕地域を対象に、経営基盤の整備、省力新技術の導入等を行う養蚕産地総合整備対策事業に助成いたしますとともに、養蚕の生産性等の向上を早急に実現するため、先導的なモデル地区を設定し、高生産性一貫体系を装備した経営モデルの実証展示等を行う高生産性養蚕経営モデル事業に助成いたしました。  果樹につきましては、新地域農業生産総合振興対策において果樹農業振興方針等に基づき、生産から流通・加工にわたる諸対策を総合的に実施いたしました。うんしゅうみかんについては、需給の均衡を早急に図るため、他作物への転換等に助成いたしますとともに、新たに転換果樹を含むかんきつ産地について、品種・樹令構成の適正化、土地基盤、生産機械施設等の整備に助成いたしました。かんきつ及び落葉果樹について、生産から流通にわたる産地の総合的な条件整備に助成いたしましたほか、生産性及び品質の飛躍的向上を推進するための拠点となるモデル団地の設定に対し助成いたしました。また、地域特産果樹産地の育成を図るため、土地基盤、生産流通施設等の総合的整備に助成いたしました。更に、パインアップルについて、優良系統種苗の供給、生産、出荷施設の導入による産地体制の整備を図りますとともに、りんご等の加工原料用専用の果樹園経営を確立するための実験事業に助成いたしました。このほか、果樹の健全種苗の安定的供給を図るためのウイルス無毒化施設等の整備、原果汁の品質の向上、コストの低減等を進めるための果実加工施設の高度化に助成いたしました。また、缶詰用うんしゅうみかん等の生産者の経営安定等を図るため財団法人中央果実生産出荷安定基金協会を通じ、加工原料用果実価格安定対策事業のうんしゅうみかん計画生産出荷促進事業及びみかん転換農家経営維持安定資金等利子補給事業に要する資金を造成いたしましたほか、果実加工品調整保管事業、果汁消費促進特別対策事業に助成いたしました。また、かんきつ輸入枠の拡大等に対処し、国産果実等の需給調整、需要拡大を図るため、果樹緊急特別対策基金造成事業に助成いたしました。更に、最近における主要果実の供給過剰傾向に対処して、他の果樹への転換後の栽培管理の合理化、高品質果実の生産等の推進により、果樹経営の規模拡大等を志向する中核的な果樹農家の育成を図るため、農業改良資金制度を再編拡充し、果樹栽培合理化資金の貸付けを行いました。  花きにつきましては、新地域農業生産総合振興対策において、花き産地への情報の提供、新品種等の原種苗の導入、栽培技術の指導、消費者に対する栽培知識の普及等を行う拠点的な総合施設の設置に助成いたしましたほか、地域の実態に即して、土地基盤整備、生産・出荷施設の導入等による産地体制の整備等に助成いたしました。  野菜につきましては、野菜指定産地の指定を進めるとともに、新地域農業生産総合振興対策において、野菜産地の特性に応じ、その整備育成を推進し、安定的な野菜生産を確保するため、野菜集団産地育成事業に助成いたしました。また、施設野菜生産における省エネルギー化とコストの低減等を図るため、施設野菜省エネルギーモデル団地設置事業に助成いたしました。更に、気象災害等によって変動しやすい野菜の作柄を可能なかぎり安定させるための野菜作柄安定総合特別対策事業、野菜の品質向上と新野菜の安定供給を図るため、産地の総合的な対策をモデル的に行う野菜需要高度化対応総合モデル対策事業、野菜優良種苗の生産及び供給の安定を図るための野菜優良種苗生産安定対策事業及び加工用トマト等加工原料野菜の安定供給を図るための加工用トマト等緊急生産流通合理化対策事業に助成いたしました。  畜産総合対策につきましては、生産性の向上等経営体質の強化、畜産物需給動向への的確な対応及び大家畜生産の振興合理化に重点を置いて、地域の特性を反映させつつ、整合性のとれた総合的な畜産施策を展開することとし、次の各事業について助成いたしました。  地域畜産総合対策につきましては、畜産経営技術改善活動の推進、公共牧場の効率的利用の促進及び畜産物需給動向に関する情報の普及浸透を図るため、畜産経営技術改善活動推進事業に助成いたしました。また、飼料作物等の生産振興の推進、飼料作物の生産利用の効率化、土地資源の有効利用による地域畜産の振興等の促進を図るため、飼料基盤整備事業、飼料生産利用効率化事業、地域畜産集団牧場整備事業、自給飼料生産振興対策推進事業に助成いたしました。更に、肉用牛の振興等を図る観点から共同利用施設等の整備を行う肉用牛等振興施設整備事業、畜産環境の保全、家畜ふん尿の土壌還元利用等の促進等を図るための畜産環境対策事業並びに基金造成による家畜導入及び肉用牛経営安定対策の機動的かつ安定的な推進を図るための家畜導入事業資金供給事業及び肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に助成いたしました。  広域畜産総合対策につきましては、都道府県段階において、家畜市場、食肉処理施設等の整備を行う広域畜産流通施設整備事業及び家畜改良施設・飼料分析施設・家畜衛生施設の整備を行う畜産技術向上施設整備事業並びに中小乳業組織化促進事業等に助成いたしましたほか、畜産物の需給の円滑な調整及び流通消費の改善を推進するための畜産物需給調整流通消費改善対策事業等に助成いたしました。また、飼料作物優良品種の選定・普及、飼料の生産・利用技術の改善等の推進を図るための飼料作物種子・生産利用技術改善対策事業並びに畜産農家の畜産経営技術に関する畜産関係地域指導機関による指導体制の整備強化等を行う畜産経営技術特別指導事業に助成いたしました。更に、全国段階において、畜産物の消費普及の推進を行う畜産物需給調整特別推進事業に助成いたしましたほか、農業協同組合及び畜産関係団体の組織等を活用して推進指導等を行う広域畜産総合対策推進事業に助成いたしました。  家畜改良増殖事業につきましては、畜産経営の安定及び需要に応じた優れた品質の畜産物の生産に資するため、乳用牛・肉用牛・豚・鶏及び馬について計画交配、能力検定等により優良な種畜・種鶏の作出・選抜等を行う家畜改良増殖対策事業及び家畜改良増殖推進事業に助成いたしました。  家畜衛生対策事業につきましては、病性鑑定等に利活用するための家畜衛生菌株の収集保存を実施する家畜衛生菌株保存事業に助成いたしますとともに、沖縄における牧野ダニ等の清浄化を推進する沖縄家畜衛生特別事業、畜産農家等による家畜の衛生管理の推進等を行う自衛防疫強化総合対策事業に助成いたしました。  畜産高度生産技術実用化促進事業につきましては、近年における畜産生産技術開発の進展に対応して、牛の受精卵移植技術及び豚の凍結精液利用技術の実用化を図る家畜生産新技術実用化促進事業、良質粗飼料を主体として未利用飼料資源を高度に利用したコンプリートフィードの調製利用技術の普及を促進する地域飼料資源高度利用事業並びに家畜排せつ物が有するエネルギーの効率的利用を促進する家畜排せつ物エネルギー実用化促進事業に対して助成いたしましたほか、新たに未利用木材資源の飼料化技術の確立、有効利用を促進する木質系飼料化技術実用化促進事業に助成いたしました。  畜産基盤の整備等につきましては、十六地区の畜産基地建設事業に助成いたしましたほか、五地域について畜産主産地形成基本調査及び七地区について畜産基地建設調査計画を実施いたしますとともに、新たに畜産基地建設等に係る調査・計画における経営計画等の作成指針の取りまとめ等を行う畜産基地建設事業等推進調査を実施いたしました。更に、干拓地の高い生産力を活用し、大規模畜産経営の創設を図るため、干拓地内生産団地整備事業に助成いたしました。また、飼料生産基盤の整備拡充を図り、畜産経営の安定向上に資するため、十九地区の国営草地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営草地開発事業、道営草地整備改良事業及び団体営草地畜産基盤総合整備事業に助成いたしました。更に、畜産主産地の畜産物の生産の合理化を図るため、公社営畜産基地建設事業等に助成いたしました。また、畜産経営をめぐる環境汚染問題に対処するため、都道府県営畜産経営環境整備事業及び団体営畜産経営環境整備事業に助成いたしました。  流通飼料対策につきましては、麦作振興及び飼料自給度の向上を図る観点から、国内産飼料用麦について、その流通を促進するため、飼料用麦流通促進奨励補助金を交付いたしました。また、国際的な飼料穀物需給の動向に対処し、飼料の安定的な供給を確保するため、外国産飼料用麦の買入れ、保管及び売渡し並びに大麦及び輸入飼料穀物(とうもろこし及びこうりゃん)の備蓄を行いました。更に、国際的要因に基づく配合飼料価格の大幅な変動が畜産経営に与える影響を緩和するため、社団法人配合飼料供給安定機構に対し、価格差補てん原資の造成につき助成いたしました。  家畜伝染病予防対策等につきましては、家畜の伝染病の発生を予防し、まん延の防止を図るため、家畜伝染病予防事業を行いましたほか、動物検疫所における動物の検疫及び動物医薬品検査所における動物医薬の検査等を実施いたしました。  種畜牧場等における家畜改良増殖及び畜産生産技術の開発普及につきましては、畜産総合対策と相まって、肉用種雄牛の産肉能力後代検定による選抜、乳用種雄牛の後代検定による選抜、豚の系統造成と造成された系統の維持・増殖、鶏の改良、牛の受精卵移殖の実用技術の開発等を行いましたほか、飼料作物優良品種の増殖用もと種子の生産配布及び各種の畜産技術の研修を行いました。  農業機械対策につきましては、農業機械の適正な導入と効率的かつ安全な利用の指導、農業機械の利用技能者の養成、農業機械の適正な整備の確保等に関する対策を総合的に推進するため、農業機械化対策推進事業に助成いたしました。また、既に導入した農業機械の効率利用及び今後の農業機械導入の適正化を図るための農業機械作業広域調整促進事業並びに中古農業機械の適正な市場形成を促進するための中古農業機械流通促進事業に助成いたしました。更に、農業機械の開発改良及び検査・鑑定を行う農業機械化研究所に追加出資いたしますとともに、研究事業に要する経費を助成いたしました。  肥料及び農薬対策につきましては、肥料及び飼料等の品質を保全し、その公正な取引を確保するため、肥飼料検査所において、検査及び取締りを行いますとともに、同検査所の検査体制の強化を図りました。また、肥料の需給及び価格の安定を図るため、肥料の需要調査、硫安、尿素等の生産費調査等を実施いたしました。  更に、農薬については、生産、流通及び使用の適正化を図るため、農薬検査所において、農薬残留等についての検査及び調査研究を行うとともに、農薬の製造業者等に対する指導取締りを実施いたしました。  農作物の種子対策につきましては、農作物種子対策事業において、優良種子の安定的、効率的生産を図るため広域種子生産団地育成パイロット事業に助成いたしますとともに、大規模、高能率な種子生産団地を計画的に育成するほか、原原種ほ、原種ほ等の設置、都道府県採種管理事業、原原種・原種生産体制整備事業等に助成いたしました。また、農作物生産改善対策推進事業において、広域の種子生産流通体制を整備するための種子需給調整推進事業に助成いたしました。このほかハトムギ等新作物の優良種子を確保するため、原種ほ及び採種ほの設置、種子の検査等を行う新作物優良種子確保事業に助成いたしました。  一方種苗対策につきましては、農林水産植物の育種の振興と種苗の流通の適正化を図ることとし、種苗法に基づく品種登録制度の運営及び指定種苗についての種苗検査、新品種の適正普及促進対策等に助成いたしました。また、育種及び種苗増殖についてバイオテクノロジーの実用化を促進するため、組織培養による種苗の効率的な生産技術の民間部門による共同開発事業に助成いたしました。  植物防疫及び土壌保全対策につきましては、植物防疫事業のうち、病害虫防除所の職員、病害虫防除員等の設置、指定病害虫の発生予察事業の実施及び病害虫防除所の運営に係る基礎的経費について、従来の定率補助金から定額交付金方式に改める等制度及び運営の改善を図りました。  また、植物防疫総合推進事業において、イネミズゾウムシの特別防除、航空機による共同防除、かんきつかいよう病の完全防除技術の実証展示、農薬の残留実態の調査、施設栽培に係る新農薬散布技術の実証展示に助成いたしましたほか、新たに土壌くん蒸剤の安全な使用方法と効率的な防除技術の開発等を図るため、土壌くん蒸安全推進緊急特別対策事業に助成いたしました。  また、的確な農薬毒性評価体制を整備するため、農薬慢性毒性試験事業に助成いたしました。  このほか、生物由来の農薬の実用的な生産に向けて必要とされるバイオテクノロジーの導入、実用化を図るため、新農薬開発のための細胞培養等共通基盤技術開発事業に助成いたしました。  更に、沖縄、奄美群島等に発生しているウリミバエ、ミカンコミバエ等の防除のための特殊病害虫特別防除事業(沖縄)及び奄美群島特殊病害虫特別防除事業に助成いたしますとともに、枝枯細菌病のまん延防止等を図るための特殊病害虫緊急防除事業に助成いたしました。  このほか、引き続き、検疫体制を整備する等植物防疫所の機能の強化を図り、検査及び消毒の安全迅速化のための技術開発等を推進いたしました。  土壌保全対策につきましては、近年の地力の低下傾向及び水田利用再編対策等の推進に伴う土壌条件の大きな変化に対応した適切な土壌管理を行うため、土壌環境対策事業に助成いたしました。また、診断技術の指導と土壌及び作物体の診断を行う地力増進診断指導事業及び土壌改良資材の表示の適正化、農業の自然的生産環境に関する情報システム整備を行う土壌保全対策管理事業に助成いたしました。更に新地域農業生産総合振興対策において、有機物増投対策、耕土改良対策等に加えて地力診断に基づくモデル地区の設置を行う地力培養モデル地区設置事業に助成いたしました。また、土壌汚染の防止のため、農用地土壌汚染対策計画の策定に資するための現地試験等に助成いたしましたほか、小規模公害防除対策事業及びカドミウム汚染米発生防止対策事業に助成いたしました。  第三に農業生産力向上のための農業基盤の整備に要しました経費は八千七百六億八千七百六十九万円余でありまして、土地改良事業の推進につきましては、農業の土地条件の整備と用排水施設の近代化を通じて、生産性の向上を促進し、水田の汎(はん)用化と畑地基盤の整備を図り、農産物の需給の動向に即応した農業生産の再編成を推進するため、一般会計において百七十地区、特定土地改良工事特別会計において三十八地区及び部分特別会計制度の導入による部分振替によって三地区の国営かんがい排水事業を実施いたしましたほか、都道府県営、団体営の各事業に助成いたしました。また、水資源開発公団が行う六地区の事業に助成いたしました。  農用地開発事業等の推進につきましては、農業構造の改善の方向に即して、主産地の形成を図りつつ農業経営の規模拡大を図るため、一般会計において百一地区、特定土地改良工事特別会計において六地区及び部分特別会計による部分振替によって一地区の国営農用地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営、団体営の各事業に助成いたしました。また、畜産を基軸とする大規模な農業開発を推進するため、農用地開発公団が行う十四地区の広域農業開発事業及び十六地区の畜産基地建設事業に助成いたしましたほか、五地域について畜産主産地形成基本調査及び七地区について畜産基地建設調査計画を実施いたしますとともに、新たに畜産基地建設等に係る調査・計画における経営計画等の作成指針の取りまとめ、地域農業動向の変化に対応した事業化の可能性等を調査・検討する畜産基地建設事業等推進調査を実施いたしました。更に、干拓地の高い生産力を活用し、大規模畜産経営の創設を図るため、干拓地内生産団地整備事業に助成いたしました。また、飼料生産基盤の整備拡充を図るため、十九地区の国営草地開発事業を実施いたしましたほか、都道府県営草地開発事業、道営草地整備改良事業及び団体営草地畜産基盤総合整備事業に助成いたしました。更に、畜産主産地の畜産物の生産の合理化を図るため、公社営畜産基地建設事業等に助成いたしました。また、畜産経営をめぐる環境汚染問題に対処するため都道府県営畜産経営環境整備事業及び団体営畜産経営環境整備事業に助成いたしました。  なお、特定土地改良工事特別会計において七地区の直轄干拓事業を実施いたしました。  農村の総合的整備につきましては、農業及び農村の健全な発展を図るため、農業生産基盤の整備と併せて農業集落の整備を図る農村総合整備モデル事業等に助成いたしました。  第四に、バイオテクノロジーをはじめとする技術の開発・普及と情報システムの開発・整備に要しました経費は一千百十七億二千七十七万円余でありまして、農林水産業・食品産業等におけるバイオテクノロジー等の先端技術の開発の推進につきましては、その開発推進体制の整備といたしまして、行政部局、試験研究機関、大学、民間の学識経験者等からなる推進協議会等を開催いたしますとともに、民間の研究者の国の試験研究機関への受入れ等を行ってまいりました。  また、国による先行的、基盤的なバイオテクノロジーの研究開発の強化等といたしまして、細胞融合・核移植等の手法による新たな農業生物資源の作出等を行うための技術開発を推進するとともに、新たに魚介類の雌性発生等による育種技術の開発に着手したほか、次の段階の技術展開を先導するシーズ(萌芽)の培養を図るための基礎的、学際的な研究を推進いたしました。  更に、民間活力の積極的活用によるバイオテクノロジーの開発を促進するため、産・学・官の有機的連携の下に、食品、農薬、動物用医薬品及び種苗生産等民間の研究開発のポテンシャルが高い分野において、バイオテクノロジーの基幹的技術の応用、開発、実用化等に係る民間の共同研究に対し、助成を行いました。  バイオテクノロジー先端技術の発展の基盤となる遺伝資源の確保につきましては、試験研究機関、原原種農場、種畜牧場等の機能・立地条件等を生かし、植物、微生物、動物、水産生物及び林木の農林水産生物全般について国内外から探索・収集し、特性評価、保存等を行うとともに、これらの遺伝資源及び遺伝育種情報をデータベース化して国公立試験研究機関、民間、大学等に提供する総合的な管理利用システムの整備を推進しました。  また、これと併せて既存の種子貯蔵庫に加え、新たに、種子・微生物等の保存と遺伝育種情報の管理を行う施設の建設に着手いたしました。  総合的組織的な研究開発の推進につきましては、長期的展望に立った大型プロジェクト研究の推進といたしまして、バイオマス変換計画、グリーンエナジー計画、マリーンランチング計画を推進いたしました。  また、地域農業振興と土地利用型農業等の生産性向上等のための技術開発といたしまして、超多収稲の品種開発、安定多収栽培法の確立、転換畑の重点作物を基幹とする土地利用高度化のための総合的技術開発等のほか、新たに高度情報型エキスパート農業の展開を目指し、作物・家畜の生体情報あるいは環境情報の的確かつ迅速な把握法を開発し、これらの技術に基づき栽培・飼養管理を支援する情報システムモデル及び作物の生体・環境診断法の開発等に着手いたしました。  更に、国土資源と環境の保全のための技術開発といたしまして、水・土・緑の保全に関する総合的な技術の開発を推進するとともに、長距離移動性害虫の被害を的確に回避するための移動予知技術の開発を推進いたしました。  試験研究用施設及び機械の整備につきましては、研究水準の高度化、専門化等に対応して計画的整備を行いました。また、試験研究機関の経常研究を推進するとともに、研究計算及び研究情報流通の効率的推進を図るため、農林水産研究計算センター等の整備を行いました。  都道府県の試験研究等に対する助成につきましては、農業関係では、普及及び指導奨励に直接役立つ技術の開発を行うため、総合助成試験並びに特定研究開発として地域営農合理化技術開発試験研究、転換畑高度畑作技術確立試験研究及び地域農業開発プロジェクト研究を実施いたしました。  特に地域農業開発プロジェクト研究におきましては、新たに、近畿・中国中山間地における高品位野菜・果実生産と域内出荷管理技術の確立及び、南九州畑作地帯における和牛の自給飼料名給による一貫飼養技術の確立のための試験研究に着手いたしました。  都道府県に委託して行う指定試験事業につきましては、品種改良試験、土壌肥料試験、病害虫試験及び畜産関係試験を引き続き実施いたしました。  林業関係の試験研究に関しましては、総合助成試験研究を実施するとともに、農林水産業用資材等農山漁村地域における国産材の需要開発に関する総合研究等を大型プロジェクト研究として実施いたしました。  水産関係の試験研究に関しましては、指定調査研究及び総合助成試験を引き続き実施するとともに特定研究開発としまして、初期餌料の培養技術開発研究等を引き続き実施いたしました。更に、漁況海況予報事業を引き続き実施いたしました。  民間等の試験研究に対する助成につきましては、大学及び民間の試験研究機関の研究者を対象とした農林水産業特別試験研究(応用研究)並びに細胞融合技術の開発研究を実施いたしますとともに、農林水産技術の開発推進方向に関する調査研究及び技術に関する情報交流活動について助成いたしました。  試験研究に関する国際協力の推進につきましては、研究職員の派遣等により熱帯農業プロジェクト研究等を実施するとともに、先進国等と国際研究交流を引き続き実施いたしました。  農業新技術実用化促進事業につきましては、水田作における複合経営及び低コスト栽培技術体系を確立・定着化させるため、ハトムギ、大豆等高位平準化技術の確立及び作物全体利用並びに地力増進等の技術開発に助成いたしますとともに、新作物導入のための探索、そば高能率生産技術、土壌作物体分析機器及びもみがら等農業副産物の多目的利用技術等の開発に助成いたしました。  協同農業普及事業につきましては、農林水産大臣が定める運営指針を基本とし、都道府県が定める実施方針に従って、事業の効果的、効率的かつ円滑実施を図るため、普及職員の設置、農業改良普及所の運営等の事業の基礎的経費について協同農業普及事業交付金を交付いたしました。  また、新普及システム推進事業に助成し、新たに農業改良普及所における情報管理システムの確立と高度な分析・診断活動の促進を図りました。  更に、転作の大型化等地域農業の動向に即し、高度な技術の実証及び定着化を促進するための活動等を総合的に行う高度営農技術実証普及特別事業に助成いたしました。  また、技術革新時代における普及指導水準の向上を図るため、特定技術緊急導入対策に助成いたしました。  このほか、農村地域生活診断・充実対策事業、農山漁村地域などの生活環境改善対策事業に引き続き助成いたしますとともに、重点作物の普及定着に資するため、新地域農業生産総合振興対策において、先導的農家育成確保対策に助成いたしました。  更に、農業生産に関する総合的な観点からの濃密な指導を行い、中核的な農家の農業経営の改善等農業経営基盤の強化を図る農業経営改善総合指導活動事業に新たに助成いたしました。  また、効率的な普及指導活動に資するため、普及情報センターによる情報活動及び農村生活総合研究センターによる農家・農村生活に関する調査研究活動に対して助成いたしましたほか、農業改良資金においては、技術導入資金及び農家生活改善資金の貸付けを、沿岸漁業改善資金においては、生活改善資金の貸付けを引き続き実施しました。  蚕業技術の普及指導等につきましては、最近における繭生産の地域特化及び蚕業技術等の高度化、多様化に対応した効率的な普及活動を推進するため、蚕業技術指導所及び蚕業改良普及職員の配置の適正化を推進いたしますとともに、蚕業改良普及職員の設置、蚕業技術指導所の運営等の普及事業の基礎的経費について、蚕糸技術改良普及事業交付金を交付したしました。また、蚕作の安定・繭質の向上に関する診断指導、農薬による汚染桑葉等の早期検索を行なうための蚕の薬害予防対策等の実施につき助成いたしました。更に、繭流通の合理化等を推進する観点から、繭検定の集中合理化を進めるための検定施設の整備等に助成いたしました。  畜産経営技術の普及指導につきましては、畜産技術の向上とその普及を図るため、畜産総合対策において、畜産農家の組織化と畜産経営技術の改善向上活動を推進いたしますとともに、畜産関係地域指導機関による指導体制を整備し、濃密かつ重点的な特別指導を実施いたしました。  また、畜産経営技術指導情報を総合的に供給するシステムの整備を行いました。更に、中央畜産研修施設において、各種の畜産技術の研修を実施いたしますとともに、国の種畜牧場において、大規模経営の実験展示等を実施し、畜産新技術の普及を図りました。  農林水産情報システムの開発整備につきましては、農業分野、農村地域等、食品産業等並びに技術普及・研究開発に関する情報システムの開発・整備等を行うとともに、統計情報システムの開発・整備につきましては、統計情報の高度利用を図るため、新データベース管理システムに基づき、統計データの蓄積、プログラムの開発等を行うとともに、統計・行政情報の随時、的確な利用を図るための所在案内情報システムの開発研究を行いました。  また、本省と地方農政局等とを結ぶオンラインネットワークの円滑な運営を通じ、情報処理の効率化、迅速化を図りました。  更に、地方における統計情報業務の効率化を図るため、統計情報事務所等と同出張所における統計情報の作成、提供のシステム化のための設計に着手するとともに、現地におけるデータの入力方法等に関する試行調査を実施いたしました。このほか、農業情報システムの開発研究を行いました。  統計情報の整備につきましては、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、農作物統計調査、農林経済統計調査等各種統計調査を実施し、農林水産業の生産、流通、消費等の各分野の実態を把握いたしました。  また、農業構造の現状と動向を明らかにするために実施した一九八五年農業センサスにつきまして農業事業体調査及び地域農業組織化調査のうち市区町村概況調査の集計・公表等を行うとともに、第七次漁業センサス結果の公表等を実施いたしました。更に、引き続き卸売市場の市況等の情報を迅速に提供する生鮮食料品流通情報サービスを実施いたしました。  このほか、統計調査等における新技術の開発等のため、面積調査の近代化のための開発研究、乳肉複合経営農家の生産費調査方法の開発研究等を行いました。  第五に、活力あるむらづくりと農林漁業者の福祉の向上に要しました経費は二千百九十七億三千五百六万円余でありまして、活力あるむらづくりの推進につきましては、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策を推進するため、農地等の有効利用、担い手の育成等に資する活動を展開するとともに、これらの活動と密接に関連させて、土地基盤、農業近代化施設等の整備や都市と農村の交流の促進等を行う地域農業整備総合対策につき助成いたしました。  国産材主産地形成対策事業の実施につきましては、来るべき国産材時代に備えて森林を適正に管理し林業を活力ある産業として育成していくため、新たに国産材主産地形成対策事業に助成いたしました。  また、地域漁業の振興を図っていくため、適正な操業の実現、水産資源の維持増大、就業機会の増大、生活環境条件の整備等を総合的に推進する沿岸地域活性化緊急対策事業等に助成いたしました。  農業・農村整備計画の策定の推進につきましては、構造政策の推進による農業の体質強化と活力豊かで定住条件の整備された農村地域社会の形成を一体的に進めるため、市町村農業振興地域整備計画を発展させ、農業及び農村の整備を進める上でのより総合的・先進的な地域農業振興計画として、農業・農村整備計画の策定を推進することとし、三百十地域の計画の策定につき助成いたしました。  農山漁村の総合的整備の推進につきましては、農業と農村の安定的な発展を図るため、農村の在住者が豊かな安定感のある生活を享受できるよう生産基盤、生活環境等農村地域の総合的な整備を行う農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業等に助成いたしました。  また、地域林業及び山村の整備育成を図るため、林道網の整備と併せて生活環境の整備を総合的に行う林業地域総合整備事業に助成いたしました。  漁村については、漁港施設の整備と併せて、漁業集落の環境基盤等の整備を行う漁業集落環境整備事業を五十一地区(新規十四地区、継続三十七地区)において助成いたしますとともに、新沿岸漁業構造改善事業の一環として、漁業集落の環境条件を緊急に整備する漁村緊急整備事業を六地区において助成いたしました。  また、山村等の振興につきましては、山村振興法に基づいて指定を受けた振興山村を対象として就業機会の確保、高齢者の生きがい対策、生活環境の整備等を総合的に行う第三期山村振興農林漁業対策事業に助成いたしましたほか、地域改善対策特別措置法に基づく地域改善対策として、農林漁業の振興に必要な農林漁業生産基盤の整備、農林漁業近代化施設の導入並びに畜産団地施設及び食肉流通の近代化施設の整備に必要な事業に助成いたしました。  更に過疎地域等の振興につきましては、農山漁村において、農林漁業の振興、農林漁業関連地場産業の育成、高齢者対策の推進、生活環境の整備等を総合的に行う新農村地域定住促進対策事業に助成いたしましたほか、農村地域定住促進事業の継続事業に助成いたしました。  健康の増進と婦人・高齢者対策につきましては、協同農業普及事業の一環として次の施策に助成いたしました。  地域健康生活対策特別事業及び地域型食生活推進対策事業に引き続き助成いたしますとともに、中堅農家の健康の維持・増進を図るため、中堅農家健康推進対策特別事業に新たに助成いたしました。  また、農山漁村における婦人等の活動を促進し生活改善課題の解決とその関連施策の一層の推進を図るため、農山漁村婦人等活動促進対策事業及び農家生活改善技術等普及推進事業に引き続き助成いたしますとともに、婦人農業従事者の役割の開発と地位の向上等を促進する農村婦人役割開発促進事業に新たに助成いたしました。  このほか、農村の高齢化の急速な進展に対応し、農村高齢者役割向上対策事業に引き続き助成いたしました。  農業者年金制度につきましては、農業経営の近代化及び農地保有の合理化を図るとともに、農業者の老後の安定に資するため、農業者年金基金が行う農業者年金事業、離農給付金支給業務並びに農地等の売買及び農地等の取得に必要な資金の貸付けの業務に助成いたしました。  第六に、農林漁業金融の充実に要しました経費は一千六百六十三億七千五百六十三万円余でありまして、農林漁業金融公庫資金の充実につきましては、農林漁業の経営構造改善、基盤整備等に必要な資金の確保を図りますとともに、各種資金の整理統合、貸付利率等の融資条件の改定、総合施設資金等の融資対象の拡大等を図りました。この結果昭和六十年度の貸付決定の総額は、五千五十二億一千二百二十九万円余となりました。また、農林漁業金融公庫の業務の円滑な運営に資するため、一千三百九十八億四千万円を同公庫に交付いたしました。  農業近代化資金及び農業信用保証保険制度の充実につきましては、農業近代化資金の昭和六十年度の貸付実績は、二千七百七億四百八十五万円余となり、既貸付金を含めその利子補給等に助成いたしました。また、農業者等の農業経営等に必要な資金の融通の円滑化を図るため、都道府県が行う農業信用基金協会に対する出資について助成いたしましたほか、農業信用保険協会に対して融資業務を行うのに要する資金及び保険準備資金に充てるための資金を交付し、保証保険機能の充実強化を図りました。  第七に、健康的で豊かな食生活の定着促進と農産物の価格の安定に要しました経費は五千九百六十億五千三百七十二万円余でありまして、農水産物の消費の拡大につきましては、我が国の風土に適した米食を中心とした日本型食生活の形成、定着を図ることを基本として、米の消費の維持拡大を図るため、食糧管理特別会計において、従来から行っている都道府県及び市町村において行う地域米消費拡大総合対策、学校給食への米飯導入を計画的に推進するための学校給食用米穀の値引売却等を実施いたしました。  また、牛乳の消費の安定的拡大を図り、酪農の振興と児童及び生徒の体位体力の向上に資するため、学校給食用牛乳供給事業の財源として畜産振興事業団に交付金を交付いたしましたほか、畜産総合対策において、飲用牛乳消費普及啓もう事業に助成いたしました。  更に、果実については、うんしゅうみかん果汁の消費の拡大と定着を図るため、財団法人 中央果実生産出荷安定基金協会を通じて行う果汁消費促進特別対策事業に助成いたしました。また、新たに果実の需給事情等に対処し、果樹農業の体質強化を進めることとし、果汁製造新技術の導入、系統果汁工場の経営合理化等を行う果樹緊急特別対策事業に助成いたしました。このほか、原果汁の品質の向上、コストの低減、新製品の開発等により果汁の消費の拡大を図るため、新地域農業生産総合振興対策において、果実加工施設の高度化に助成いたしました。  水産物につきましては、その消費拡大の一層の推進を図るため、テレビ放送やパンフレットの配布等を行う事業のほか、魚食普及関係の資料の展示等のためのシーフードセンターの整備、魚食普及のための共通教材等を全国的に常時提供できる魚食普及ステーションの設置等を行う事業に助成いたしました。また、家庭外消費用水産物流通促進パイロット事業及び水産物鮮度管理流通パイロット事業に引き続き助成いたしました。更に、魚介類に含まれる栄養成分の食用利用化を図るための加工処理及び量産化技術の開発等を行う事業を実施いたしますとともに、最大の未利用たん白質資源であるおきあみの食品化とその普及を図るための事業に助成いたしました。  消費者対策につきましては、農林物資規格表示制度(JAS制度)の運用の充実を図りました。また、地域食品認証制度による地域食品の品質の改善向上及び新食品等の品質表示の適正化を図りました。更に、消費者の啓発と苦情処理体制の整備促進を図るため、食料消費・食生活改善情報提供事業等に助成いたしましたほか、一般消費者の食生活改善を誘導するための啓発事業、消費者、生産者、食品関係事業者との対話機会の確保を図るための事業等を総合的に行う食生活改善実践活動モデル事業に助成いたしました。  米麦管理制度の運営につきましては、食糧管理制度の運営の円滑化を図るため、食糧管理特別会計の調整勘定へ必要な調整資金を、国内米管理勘定へ過剰米処分損失補てん金を繰り入れいたしましたほか、沖縄県産米の売買事業を行う農業協同組合等に、沖縄県産米売買業務損失補てん等交付金を交付いたしました。  畜産物の価格安定につきましては、酪農経営の安定的発展を図るため、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づく加工原料乳生産者補給金交付事業の財源として畜産振興事業団に交付金を交付いたしました。また、牛肉の価格安定を図るため、畜産振興事業団が価格安定制度を実施するのに必要な資金の一部について出資いたしました。更に、肉用子牛価格の変動が繁殖経営等に与える影響を緩和するため、肉用子牛価格安定基金の交付準備金の造成につき助成いたしました。また、鶏卵価格及び養鶏経営の安定を図るため、鶏卵の計画生産の推進等について指導いたしますとともに、卵価安定基金の補てん準備金の造成について助成いたしました。  野菜の価格の安定につきましては、最近の野菜の需給の動向にかんがみ、重要な野菜について生産出荷団体が主体となって作付けから出荷に至る過程を通じ有効に需給調整を行う重要野菜需給調整特別事業に助成いたしました。また、野菜供給安定基金が行う指定野菜の価格補てん事業について、指定消費地域の拡大、交付予約数量の増加等事業の拡充を図りましたほか、指定野菜に準ずる野菜等について都道府県段階の法人が行う価格補てん事業に助成いたしますとともに、対象品目の拡大等事業の拡充を図りました。更に端境期等における野菜価格の高騰に対処するため、野菜供給安定基金が行う野菜売買保管事業に助成いたしますとともに、夏期における野菜の供給安定を図るため、夏期野菜低温流通特別実験事業に助成いたしました。  果実の価格の安定につきましては、中央果実生産出荷安定基金協会を通じて実施する加工原料用果実価格安定対策事業の資金を造成いたしましたほか、うんしゅうみかんの需給調整を図るため、生産、流通、加工及び消費にわたる需給安定対策に助成いたしました。  大豆及びなたねにつきましては、その生産農家の所得の安定を図るため、大豆なたね交付金暫定措置法に基づき販売の数量及び方法を調整して販売事業を行う生産者団体等を通じ生産者に交付金を交付いたしました。  砂糖及び甘味資源作物等の価格の安定につきましては、砂糖の価格安定等に関する法律に基づき、てん菜及びさとうきびの価格支持のための国内産糖の買入れ及び売戻しに伴う売買差額の補てんに充てるため、蚕糸砂糖類価格安定事業団に交付金を交付いたしますとともに、同事業団の業務運営の経費に助成いたしました。また、沖縄本島に比べて生産条件等に格差のある離島の分みつ精製造事業者に助成いたしましたほか、沖縄産含みつ糖の価格差補給事業に助成いたしました。  繭及び生糸の価格安定につきましては、今後の蚕糸業の健全な発展を図る見地から、繭糸価格安定制度を改正し、異常変動防止措置の廃止等の改善を行うとともに、蚕糸砂糖類価格安定事業団に生糸在庫、負債等を整理するための特別の勘定を設け、同勘定における欠損金を補てんするため、蚕糸砂糖類価格安定事業団在庫生糸特別処分損失補てん交付金を交付いたしました。  第八に、食品産業の振興と流通対策の推進に要しました経費は百七十一億三千六百二十九万円余でありまして、食品産業対策につきましては、財団法人食品産業センターが行う、経営の指導等の事業に助成いたしますとともに、食品産業における新技術の開発を推進するため新技術開発事業及び新技術実用化促進事業、民間企業の技術共同開発により基礎的で大型の技術開発を推進する重点技術共同開発推進事業、先端的技術の食品産業への応用を推進する革新技術導入開発事業、食品産業バイオリアクターシステム開発事業、中小の食品製造業における技術者等を対象とする食品産業人材育成促進事業及び食品産業技術情報活動事業に助成いたしました。また、国産農水産物を原料とする新製品の製造設備等のリースによる導入を推進する特定農水産物加工利用増進等事業に助成いたしましたほか、農水産業サイドと食品産業サイドの連携を強化し、地域農水産物の生産、加工、流通の各プロセスを有機的に結びつけることにより、地域農水産物を原料とする新規食品の開発、施設の整備、技術の向上、情報の収集・提供、原材料の安定取引の推進等を行う地域食品振興対策事業に助成いたしました。また、食品工場排水等適正化特別指導事業に助成いたしましたほか、外食産業総合調査研究事業に助成いたしました。  食品流通の効率化につきましては、卸売市場整備基本方針等に基づき、三十三都市の中央卸売市場(五十市場)の施設整備事業及び十二都市の地方卸売市場の施設整備事業に助成いたしました。また、食料品小売業を主体とする商店街区の整備並びに総合食料品小売センター及び食材加工共同施設等の設置を行う食料品商業高度化モデル事業に助成いたしますとともに、食料品卸小売業者の経営診断、教育研修等を行う生鮮食料品等流通改善促進事業に助成いたしましたほか、食品物流の効率化を図るため、食品物流効率化システム開発事業に助成いたしました。更に、食品の品質管理、表示の改善、価格の安定、食品の安全性の確保等を図るため、食糧事務所職員による食品の生産・製造・流通段階における巡回点検指導を実施いたしましたほか、国民金融公庫の生鮮食料品等小売業近代化資金貸付制度を拡充いたしました。  畜産物の流通加工の合理化につきましては、畜産総合対策において、家畜市場の再編整備、産地における食肉センター、食肉高度加工施設等の整備、食鶏産地格付包装流通センターの整備等を内容とすみ広域畜産流通施設整備事業に助成いたしました。また、畜産物の需給の円滑な調整と流通消費の改善を図る観点から、畜産総合対策において、肉畜鶏卵の生産出荷調整、小売店における食肉の適正表示販売の指導、生乳需給調整及び生乳計画生産の推進指導、牛乳販売店の経営指導等の事業に助成いたしました。  野菜の流通加工の合理化につきましては、広域にわたる野菜産地に出荷及び加工の中核となる施設を整備する野菜広域流通加工施設整備事業に助成いたしましたほか、野菜の周年需要の進展に即応して、端境期における野菜の供給の安定化を図るため、野菜端境期平準出荷モデル対策事業に助成いたしました。  果実の流通加工の合理化につきましては、新地域農業生産総合振興対策において、選果施設、長期貯蔵施設等の整備に助成いたしました。また、うんしゅうみかん等の果汁仕向けの増大に対処して、原果汁の品質の向上、コストの低減等の合理化を図るため果実加工施設の高度化に助成いたしました。  第九に、国際協力の推進と食料の安全保障の確保に要しました経費は四十四億八千二十七万円余でありまして、国際協力の推進につきましては、開発途上地域等の農業生産力の向上及びこれを通じる世界の食料需給の安定等に寄与するとともに、海外に依存せざるを得ない農林水産物の我が国への安定供給に結び付けることにも配慮しつつ、海外における農林業開発を促進することとし、国際協力事業団を通じる開発事業及び関連施設の整備事業に対する投融資事業等を実施いたしました。また、アフリカ地域の食糧農業事情に関する緊急実態調査等を実施いたしますとともに、海外派遣専門家の養成研修及び海外からの研修員の受入研修を実施いたしました。更に、国際農業関係機関を通じる協力として、国際連合食糧農業機関(FAO)の準専門家派遣を実施いたしましたほか、食料安全保障調査のための拠出等を行いました。また、国際稲研究所(IRRI)及び国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)に対する拠出を行うほか、新たに国際熱帯木材機関(ITTO)に対して熱帯木材資源の有効利用等に係るプロジェクトの調査等のため拠出を行いました。更に、引き続き社団法人国際食糧農業協会が行う調査普及事業に助成いたしました。また、民間団体が行うアセアン諸国等の中核農民の我が国農家での実地研修に助成いたしましたほか、引き続き海外食糧農業情報の整備、開発途上国の農協指導者等の研修、農用地開発公団の技術情報の収集整備等に助成いたしました。更に、ソヴィエト連邦、大韓民国及び中華人民共和国との間の技術交流を実施いたしましたほか、民間団体が行う中華人民共和国との間の農業分野における技術交流に助成いたしました。  農林水産物の輸入の安定確保につきましては、主要輸出国との間で緊密な情報及び意見の交換を行いましたほか、国際食糧農業情勢に関する情報収集及び調査分析を行いました。  備蓄対策の推進につきましては、大豆、飼料穀物及び木材について、国際需給の動向に対応して、供給及び価格の安定を確保するため、各公益法人が行う備蓄対策事業に助成いたしました。  第十に、来るべき国産材時代に備えた森林・林業施策の充実に要しました経費は三千四百十八億八千百三十七万円余でありまして、国産材主産地の形成と林業担い手の確保につきましては、流域を単位とする広域の林業主産地において、生産基盤の整備、流通加工、展示販売等の施設の整備を総合的に実施するとともに、国産材の生産、流通等に関する情報処理のシステム化のため新たに、国産材主産地形成対策事業に助成いたしましたほか、地域林業の組織化のための活動の推進、林業生産基盤及び林業経営近代化施設の整備、山村地域の環境条件の改善等を総合的に実施する新林業構造改善事業を七百三十七地域について助成いたしますとともに、第二次林業構造改善事業を九十九地域、新沖縄林業振興特別対策事業を八地域及び沖縄林業振興特別対策事業を二地域について助成いたしました。また、林業集落振興対策事業、地域林業整備育成対策事業及び入会林野等高度利用促進対策事業に助成いたしましたほか、林業事業体の経営基盤の強化と雇用体制の整備を推進する林業事業体雇用体制整備振興対策事業に助成いたしました。また、森林組合の育成を図るため森林組合活動強化対策事業等に助成いたしました。間伐対策の推進につきましては、現行の間伐促進総合対策を拡充し間伐の計画的集団的な実施から間伐材の利用開発の促進に至る総合的な施策を実施するための間伐促進対策事業等に助成いたしました。  林業生産基盤の整備充実につきましては、民有林林道の開設・改良に助成いたしますとともに、林道網の整備の推進を図り、併せて林業地域の生活環境の整備を総合的に行う林業地域総合整備事業等に助成いたしましたほか、特に保安林整備臨時措置法の一部改正に伴い指定された特定保安林を緊急に整備するため、新たに特定保安林整備緊急林道事業に助成いたしました。また、森林開発公団が行う大規模林業圏開発林道事業及び特定森林地域開発林道事業に助成いたしましたほか、民有林造林事業として森林総合整備事業等に助成いたしますとともに、新たに特定保安林整備緊急造林事業に助成いたしました。更に、苗木の需給安定を図るため、優良種苗確保対策に助成いたしました。  森林機能の維持増進につきましては、激甚な山地災害が発生した地域を対象として新たに山地災害危険地対策事業に助成いたしますとともに治山事業に要する経費の財源を国有林野事業特別会計治山勘定へ繰り入れいたしました。また、水源林造成の円滑な推進を図るために必要な財源を森林開発公団に出資いたしました。森林整備推進体制の強化では、水源林等整備体制の強化を図るため水源林等整備体制強化事業を新たに実施し都市地域における生活環境の悪化等に対処し保安林の緊急かつ計画的な整備を推進するため、新たな保安林整備計画を樹立するとともに山地災害危険地等において防災保安林等のきめ細かな配備、保安林の機能維持と質的向上を積極的に推進いたしましたほか、森林計画制度及び林地開発許可制度の適正な運用を図り森林保全管理対策に助成いたしました。  また、国土緑化思想の高揚を図り二十一世紀をめざした緑づくりを推進するため全国植樹祭の開催、都市住民の参加によるふれあいの森林づくりの普及、森林浴等森林の多目的な利活用の促進のためのモデル計画の作成、普及を行う森林多目的利活用促進対策事業を新たに実施いたしました。  松くい虫対策等の推進につきましては、引き続き各種防除を実施いたしましたほか、最近顕在化しているスギ・ヒノキせん孔性害虫による被害対策として有力な防除方法を試験的に行う、スギ・ヒノキせん孔性害虫防除パイロット事業を新たに実施いたしました。  木材の需要拡大と流通対策等の充実強化につきましては、木材需要の維持拡大に資するため、間伐材等の高度利用促進など新たに新技術の研究開発及び実用化を促進する木材産業新技術開発促進事業を実施いたしましたほか、国産材の安定供給のため国産材安定供給特別対策事業等に助成いたしますとともに、木材の需給及び価格の安定を図るための木材備蓄対策等に助成いたしました。  林業金融の充実につきましては、適正かつ効率的な間伐の促進、松くい虫等による被害を受けた森林の整備の促進、能率的な技術の導入の促進、林業労働安全衛生対策の推進、林業後継者等の養成確保等に資するため林業経営育成資金の貸付事業に助成いたしましたほか、林業信用基金に対して保証出資を行い、林業金融の円滑化を図りました。  林業技術の高度化につきましては、林業技術の改善と林業経営の合理化を図るため、林業普及指導事業に助成いたしますとともに、試験研究の充実を図りました。海外林業開発協力の推進につきましては、開発途上地域等からの我が国への木材の供給の安定に資するため、東南アジア等における森林の適正な開発方式を確立するための調査及び森林造成を推進するための調査等に助成いたしました。  国有林野事業の改善につきましては、新たに策定された国有林野事業の改善に関する計画に即した国有林野事業の経営改善と併せて、国有林野事業における造林、林道及び林道災害復旧事業に要する資金の一部並びに治山事業に要する資金について、国有林野事業特別会計へ繰り入れいたしますとともに職員の退職手当について資金運用部資金を導入しこれに係る利子に対する繰入れをいたしました。  第十一に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要しました経費は、二千六百二十九億三千五百五十一万円余でありまして、漁業生産基盤の整備につきましては、第七次漁港整備長期計画に基づき、沿岸・沖合漁業の基地を重点として漁港施設を整備いたしますとともに、快適な漁港環境を形成するための漁港環境整備事業及び漁港施設の整備と併せて行う漁業集落環境整備事業に助成いたしました。更に、第二次沿岸漁場整備開発計画に基づき、漁礁の設置事業、増養殖場の造成事業、沿岸漁場の保全事業及び沿岸の広域な海域において漁業生産力の積極的活用を図る海域開発基幹事業に助成いたしました。  我が国周辺水域の漁業振興につきましては、栽培漁業の推進を図るため、国の栽培漁業センターにおける施設整備及び種苗生産等の技術開発を推進いたしますとともに、県が行う栽培漁業センターの施設整備、栽培漁業の技術開発等について助成いたしましたほか、地域栽培養殖推進整備パイロット事業に助成いたしました。また、我が国河川を母川とするさけ・ます資源の計画的な造成を図るため、国営さけ・ますふ化場の放流事業、施設整備をいたしましたほか、民営増殖施設、さけ・ます通路等の整備事業及び本州における放流事業に助成いたしますとともに、さけ・ます資源の質的向上を図るための事業等を実施いたしました。更に、沿岸漁業における適正な漁場利用と漁業経営の改善を図るための沿岸域計画営漁推進事業及び沿岸地域活性化緊急対策事業に助成いたしますとともに、我が国周辺水域における漁業・漁場のより適切な管理による資源の合理的な利用・管理を図るため、漁業管理適正化方式開発調査を実施いたしました。また、沿岸漁業の構造を改善するため、生産条件の改善、漁村環境の整備等を総合的に行う新沿岸漁業構造改善事業に助成いたしますとともに、第二次沿岸漁業構造改善補足整備事業及び新沖縄県水産業構造改善特別対策事業に助成いたしました。また、内水面漁業の総合的な振興を図るため、内水面振興対策事業に助成いたしました。また、漁業と遊漁との漁場利用の調整・適正化を図るため、遊漁者の啓発等の事業に助成いたしました。また、漁場利用協定の締結等の促進、遊漁者及び釣り船業者の組織化の指導、漁場利用調整を行う事業に助成いたしました。更に、漁業関係法令遵守意識の醸成等を図るための研修、啓もう普及事業に助成するとともに、沿岸基幹漁業の操業実態、経営状況等の調査を実施いたしました。また、水産資源保護のため保護水面管理事業に助成いたしました。更に、我が国漁業水域制度の適正な運営、沿岸及び沖合漁業取締体制の整備等を図りました。また、我が国周辺二百海里水域内の漁業資源量を迅速かつ的確に把握するための調査を実施いたしました。また、沿岸漁業等の生産性の向上及び経営の近代化を図るため、普及職員の設置、普及職員に対する研修等水産業改良普及事業の運営に要する基礎的な経費に対して交付するとともに、漁業後継者対策事業等に助成いたしました。  更に、水産業改良普及事業の効率的運営を図るため、水産業に関する中央情報、現地情報等普及活動に必要な情報提供事業を実施いたしました。また、沿岸漁業の振興及び生産性の向上を図るため、沿岸漁業改善資金の造成等について助成いたしました。また、漁業者の老後の生活の安定を図り、漁業の担い手の確保に資するため、漁協系統が自主的に実施する漁業者老齢福祉共済の運営に対し助成いたしました。  資源開発と海外漁場の確保につきましては、海洋水産資源開発センターが行う新漁場、新資源開発事業等に助成いたしましたほか、漁業外交及び海外漁業協力を推進し海外漁場の確保を図るための海外漁場操業対策事業に助成いたしますとともに、海外漁業協力事業に必要な資金の造成等を行いました。また、諸外国との漁業交渉に必要な基礎資料を得るため、各種水産生物の資源調査を実施いたしますとともに、各種条約、協定の遵守並びに安全操業の確保を図るため、遠洋、北洋漁業の指導監督及び取締の実施を図りましたほか、各国との漁業協定を実施するために必要な助成等を行いました。更に、我が国北洋さけ・ます漁業の操業の確保と日ソ間の漁業協力を一体的に推進するため、さけ・ます漁業協力事業に助成いたしました。  水産業経営対策の充実強化につきましては、本格的な二百海里体制の定着に伴う海外漁場の制約の増大、水産物需要の伸び悩み等内外の厳しい諸情勢に対処して、自主的かつ計画的に減船等漁業生産構造の再編整備を図ろうとする中小漁業に対し、特定漁業生産構造再編推進事業に助成いたしますとともに、減船に伴い必要となるとも補償資金等の融資枠の確保を図りました。また、漁業経営の維持が困難となっている中小漁業者等の経営の安定を図るため、漁業経営維持安定資金、漁業用燃油対策特別資金等の利子補給について助成いたしますとともに、漁業近代化資金、農林漁業金融公庫資金等の融資枠の確保を図りました。  更に、中小漁業者等の漁業経営等の改善に必要な資金の融通の円滑化を図るため、都道府県が行う漁業信用基金協会に対する出資について助成いたしますとともに、中央漁業信用基金が保証保険業務の円滑な実施を確保するために必要な資金及び漁業信用基金協会に低利融資を行うために必要な資金について出資いたしました。また、漁業協同組合の育成強化を図るため、都道府県が行う漁協経営指導強化対策事業等に助成いたしますとともに、漁業経営の悪化に伴い経営不振に陥っている漁業協同組合の信用事業の整備強化を図るため、漁協信用事業整備強化対策事業に助成いたしました。更に、漁業経営の体質強化を図り、新たな技術体系を確立するため、漁業技術再開発事業に助成いたしました。  水産物の消費、価格及び流通加工対策につきましては、産地における流通加工体制を整備するため、水産物流通加工拠点総合整備事業に助成いたしますとともに、国際規制の強化、多獲性魚の生産増大等水産加工業をめぐる原料事業の変化に対処して、水産物の加工の促進と安定的供給等を図るため、水産加工施設資金及び水産加工経営改善強化資金の融通を行いました。また、水産物の価格安定を図るため、漁業生産者団体等が主要水産物に対して行う水産物調整保管事業について、財団法人 魚価安定基金の資金造成に助成いたしました。更に、水産物の消費拡大を推進するため、外食向け水産物の潜在的な需要の開拓を図り、水産物素材の安定的供給システムづくりを行う家庭外消費用水産物流通促進パイロット事業、魚食普及のネットワーク化等により魚食の普及・啓発を図る水産物食生活合理化促進事業、水産物鮮度管理流通パイロット事業等に助成いたしますとともに、魚介類有効栄養成分利用技術開発事業を実施いたしました。  先端技術の導入活用と漁況海況情報サービスの拡充につきましては、水産及び海洋科学に関する情報の国際交流を推進し、これらの情報を系統的に整理し検索するシステムの整備促進を図るとともに、漁業資源の合理的利用と漁業操業の効率化を図るため、沿岸・沖合漁業等の漁況海況予報事業に助成いたしました。  漁業災害補償制度及び漁船損害等補償制度につきましては、共済掛金及び保険料の一部に助成いたしますとともに、漁業共済団体の円滑な事業運営を図るために必要な資金の貸付けを行う中央漁業信用基金に対して補給金の交付を行いました。  漁場環境保全対策等につきましては、赤潮対策として、赤潮プランクトンを補食する生物等を用いた生物的赤潮防除技術開発試験等を実施いたしました。また、漁業公害対策として、水銀・PCB等による魚介類汚染状況調査、重要書類の毒化対策調査等を実施いたしましたほか、漁場環境保全総合対策事業等に助成いたしました。  更に、原因者不明の漁場油濁による被害漁業者の救済を図るため、財団法人 漁場油濁被害救済基金に対し助成いたしました。また漁場環境影響対策として、浅海域における大規模開発による漁業影響監視のためのモニタリング手法確立調査及び発電施設の大規模取排水に伴う影響調査を実施いたしましたほか、漁場環境容量等検討事業に助成いたしました。更に、魚病対策として、指導者育成、研究等を行う魚病対策総合センター事業を実施いたしますとともに、魚病対策の強化を図るため、防疫対策の実施、関連の機器等整備及び水産用医薬品の適正使用の指導等を行う魚病対策補助事業等に助成いたしました。また、機能的な漁業無線施設の実現を図るための漁業用無線施設の整備事業に助成いたしました。  また、試験研究の実施につきましては、国の水産研究所等の調査研究の充実を図るとともに、都道府県水産試験場の機器整備・組織的な調査研究の推進等総合的な育成のため助成いたしました。  第十二に、その他の重要施策に要しました経費は三千三百十五億九千二百三万円余でありまして、うち災害対策に要しました経費は二千六百八十四億三千百五十九万円余であり、農業災害補償制度につきましては、農作物共済、蚕繭共済、畑作物共済、家畜共済、果樹共済及び園芸施設共済に係る掛金国庫負担金等として一千二十八億三千三百四十四万円余を農業共済再保険特別会計へ繰り入れいたしましたほか、農業共済団体事務費等として五百四十六億七千七百六十六万円余を支出いたしました。  災害金融の円滑化につきましては、天災融資法に基づく災害営農資金等の利子補給補助及び損失補償補助として、二十八億三百二十五万円余を支出いたしました。  災害対策公共事業につきましては、直轄事業としては、農業用施設の五十九年災に係る災害復旧事業を完了するとともに、六十年災は所定の事業を実施いたしました。また補助事業として、農地、農業用施設、林道施設、海岸保全施設、治山施設及び漁港施設についての五十八年災は完了いたしますとともに、五十九年父及び六十年災は所定の事業を実施いたしました。  その他、海岸事業の推進、エネルギー対策の推進及び農業団体の整備のため、それぞれ所定の事業を行い、それに要しました経費は、六百三十一億六千四十三万円余であります。  最後に、各特別会計の事業につきましては、食糧管理特別会計において、国内産米麦、輸入食糧及び輸入飼料の買入れ、売渡しの事業を実施いたしました。国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定において、国有林野事業の改善に関する計画に即し国有林野事業の経営改善を計画的に推進しているところであり、事業運営の能率化、経営管理の適正化、収入の確保等の自主的努力を基本とし、これと財政援助とによって、国有林野事業の自主的経営の確立を図ることとし、立木及び素材の売払いのほか、造林事業、林道事業等の生産基盤の整備を実施いたしました。  治山勘定において、森林の有する公益的機能の維持増進を図るため荒廃山地の復旧及び防止事業を重点的に推進いたしますとともに、防災林造成事業保安林整備事業、地すべり防止事業等を実施いたしました。国有林野内治山については、その公益性にかんがみ二百五十一億五千四百五万円余を一般会計から繰り入れて実施いたしました。  農業共済再保険特別会計につきましては、農業勘定において、農業共済組合連合会等に対する補助金及び交付金、六十年産水稲・麦等の風水害等異常災害の発生による再保険金により、支出済歳出額は二百四十八億八千九百十三万円余となっております。家畜勘定においては、農業共済組合連合会等に対する交付金、乳用牛、肉用牛等の死廃及び病傷事故による再保険金により、支出済歳出額は二百五十三億八千百八十二万円余となっております。果樹勘定においては、農業共済組合連合会に対する交付金、うんしゅうみかん等の干害等異常災害の発生による再保険金により、支出済歳出額は、四十九億一千百三十八万円余となっております。園芸施設勘定においては、農業共済組合連合会に対する交付金、風水害等異常災害の発生による再保険金により、支出済歳出額は十九億二千七百七十万円余となっております。  その他、漁船再保険及漁業共済保険、森林保険、農業経営基盤強化措置及び特定土地改良工事の各特別会計といたしましては、それぞれ所定の事業を実施いたしました。  以上、昭和六十年度の主な事業の概要につきまして御説明申し上げました。これらの事業の執行に当たりましては、いやしくも不当な支出や非難されるべきことのないよう、常に経理等の適正な運用について、鋭意努力をしてまいりましたが、昭和六十年度決算検査報告におきまして、不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じております。指摘を受けた事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後とも指導監督を一層徹底いたしまして、事業実施の適正化に努める所存であります。  なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。     …………………………………    昭和六十年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明                  会計検査院  昭和六十年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項六件、意見を表示し又は処置を要求した事項三件、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件及び特に掲記を要すると認めた事項一件であります。  まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号二七号から三二号までの六件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、補助の対象とは認められないものに補助金を交付していたり、補助事業の計画が適切でなかったり、補助事業によって設置した施設がその目的を達していなかったりするものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  その一は、地区再編農業構造改善事業の効果に関するものであります。  農林水産省では、農業構造の改善を図る施策の一環として、①農業生産の担い手の育成・確保②農用地の適正な利用・管理③農業生産の再編成などを基本目標とした地区再編農業構造改善事業を国庫補助事業により五十三年度から実施しております。  この事業は、市町村及び農業協同組合等が事業主体となり、二~三集落の範囲を対象として、地区協議会等の開催、土地基盤の整備、農業近代化施設の整備、集会施設等の整備などの各種の補助事業の中から必要なものを組み合わせて三年間にわたって実施して基本目標を達成しようとするものでありまして、一地区当たりの平均事業費は三億円程度となっており、六十年度末までに四十五道府県において八百七十地区(事業費計約二千二百九十四億円、国庫補助金約一千百五十六億円)が完了しております。  そこで、六十一年の検査におきまして、基本目標の達成状況について、二十七道府県の二百四十四地区(事業費計六百三十七億五千百三十九万余円、国庫補助金計三百二十億六千二百五十六万余円)の担い手の育成・確保の目標総戸数八千八百七戸(地区内総農家戸数三万二千五百二十八戸の二七・一%)について調査いたしました。その結果、第一目標の担い手農家の育成・確保の点については、当該市町村では六十年度末時点で七千四百四十九戸の農家を事業目的どおり担い手として育成・確保できた(達成率八四・六%)としておりましたが、実際は二百三十七地区四千八百七十九戸(達成率五五・四%)となっておりました。  第二目標の農用地の適正な利用・管理の点については、二百四十四地区八千八百七戸のうち百九十二地区四千五百八十四戸についてみますと、担い手農家への農用地の利用集積が行われていると認められたのは百九十二地区二千百九十五戸(達成率四七・九%)だけでありました。  第三目標の農業生産の再編成の点については、梨、みかん、茶などの地域特産物を主要作目としていた七十四地区における目標生産量についてみましたところ、六十年度の実績生産量が目標生産量に対し五〇%にも達していない地区が一二地区(全体の一六・二%)、三〇%未満のものが五地区となっておりました。  以上のように、担い手農家の育成・確保等の三目標の達成率はいずれも低率となっておりまして、本件事業効果が十分発現されていない状況になっておりました。  このような事態を生じているのは、担い手農家の概念が明確でなかったこと、市町村及び地域農業者が計画の策定に当たって基本目標に関する話合いを十分行っていなかったため、事業目標に対する認識が十分でなかったことなどによるものと認められました。  したがいまして、農林水産大臣に対し、担い手農家の概念を明確にするとともに、その育成・確保の実状を把握して本事業の効果を的確に評価し、また、市町村、農業協同組合、地域農業者等に対して、本事業の基本目標の重要性に関する認識を深めさせるための話合いを十分行うよう指導することにより、本事業の基本目標を達成させ、その事業効果の発現を確保するよう意見を表示いたしたものであります。  その二は、農業機械の導入に対する補助に関するものであります。  農林水産省では、地域農業生産総合振興事業等の各種事業において、農業機械を導入した営農集団等に対して補助金を交付しておりますが、宮城県ほか十四県において、五百四十八営農集団が五十七年度から六十年度までの間に補助事業により導入した麦用コンバイン七百八十八台(事業費二十九億七百九十六万円、国庫補助金十四億五千三百六十一万円)を対象として、農業機械導入のための補助事業の事業実施計画の策定に当たって、営農集団を構成する農業者の所有する機械の利用を含め既存機械の有効利用を考慮していたかどうかの観点から調査いたしました。  その結果、宮城県ほか十二県の二百六十八営農集団において新規に導入した麦用コンバイン三百五十九台のうち三百四十一台(事業費十一億四千百十七万円、国庫補助金五億七千四十九万円)は、営農集団を構成する農業者からその所有するコンバインの提供を受けてこれらの有効利用を図ることができたとすれば、導入する要がなかった計算となりました。  このような事態を生じましたのは、事業主体の農業機械導入に対する補助事業についての理解が十分でなかったこと、農林水産省の農業機械導入に対する指導が明確でなかったことなどによるものと認められました。  したがいまして、農林水産大臣に対し、補助事業により農業機械を導入するに当たっては、農業者等が所有する機械の有効利用を配慮するよう都道府県及び市町村を指導するとともに、審査体制を整備して適正な審査を行うよう指導・監督するなどの処置を講じ、もって本事業の適正な運用に努めるよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。  その三は、増養殖場造成事業の実施に関するものであります。  水産庁では、沿岸漁業の安定的な発展と水産物の供給の増大に寄与することを目的とする沿岸漁場整備開発事業の一環として増養殖場造成事業を実施しておりますが、今回、五十一年度から五十七年度までの間に二十七道県が造成した九十九地区、事業費二百七十一億四千六百五十二万余円(国庫補助金百五十二億七千七百五十六万余円)の増殖場及び養殖場の管理運営等について調査いたしましたところ、所期の事業効果が発現しておらず適切とは認められない次のような事態が見受けられました。すなわち、  (1) 養殖場の管理運営体制が十分整っていないものが三地区、事業費十六億三千六百八十万余円(国庫補助金八億一千八百四十万余円)  (2) 増殖場への種苗の放流が計画どおり行われていないものが六地区、事業費三億六千五百六十四万余円(国庫補助金二億一千九百三十八万余円)  (3) 当初計画と相違して長期にわたり周年禁漁としているなどのため増殖場としての機能を発揮していないものが七地区、事業費十四億四千三百十六万余円(国庫補助金八億六千五百八十九万余円)  なお、このうち(2)と(3)の事態が重複しているものがございますので、これを純計いたしますと十三地区、事業費三十三億一千二百三十二万余円(国庫補助金十八億二千三百七十一万余円)となります。  このような事態を生じましたのは、増殖場及び養殖場の管理運営についての関係者間の調整や利用状況の把握が十分でなかったことなどによるものと認められました。  したがいまして、水産庁長官に対し、事前の調査検討を十分に行って、適切な事業実施計画を策定するよう都道府県を指導するとともに、事業実施計画の審査を十分に行い、事業完了後の管理運営状況等を的確に把握するなどの処置を講じ、もって増養殖場造成事業の実施の適正を期するよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。  その一は、蚕糸砂糖類価格安定事業団が保有する生糸の保管に要する経費に関するものであります。  農林水産省では、繭及び生糸の価格安定を図るため、生糸の売買業務等を事業団に行わせていて、事業団では、その業務の一環として生糸を保有しており、これを倉庫会社五社に寄託しておりますが、このうちの一会社について生糸の寄託状況を調査いたしましたところ、適切でない事態が見受けられました。  すなわち、この会社が事業団の生糸を保管している倉庫五棟のうちの一棟は、農林水産省が使用許可を行った行政財産でしたが、農林水産省が事業団に行わせている生糸の保有は、繭及び生糸の価格を安定させるという行政の一環として行われるものであることなどから、事業団に対し直接この倉庫の使用を許可し、事業団が保有生糸をこの倉庫に保管して倉庫及び生糸の管理を委託することとしても何ら支障がなく、しかも経済的と認められましたので、この点について当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、六十一年四月に、行政財産である倉庫の使用を事業団に対して許可し、事業団では、その管理を倉庫会社に委託することとする処置を講じたものであります。  その二は、水路トンネル工事における覆工コンクリートの運搬、打設費の積算に関するものであります。  農林水産省では、土地改良事業の一環として、ダム、水路等の建設工事を多数実施しておりますが、このうち、東北農政局ほか四農政局が五十九、六十両年度に実施した水路トンネル等の工事二十六工事について検査を実施いたしましたところ、水路トンネルの覆工コンクリートの運搬、打設費の積算について、適切でない事態が見受けられました。  すなわち、トンネルの覆工コンクリートを運搬し、打設する工事に使用するコンクリートプレーサについてみますと、農林水産省が制定した土地改良事業等請負工事標準歩掛ではバッチ量二立方メートルと三立方メートルとの二機種を定めており、建設するトンネルの内空の高さ及び幅に対応した機種を使用することとして工事費を積算しておりますが、近年この二機種のほかに横断面の寸法が同程度でもコンクリートの積載能力が大きい細長のコンクリートプレーサが普及してきておりまして、検査を実施いたしました二十六工事の作業条件のもとにおきましては、これらの細長のコンクリートプレーサを使用することとしても何ら支障がなく、しかも経済的と認められましたので、当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、六十一年三月に標準歩掛に定める覆工コンクリートの運搬、打設工事に使用するコンクリートプレーサの機種を適正なものに改め、同年四月以降契約を締結する工事から適用することとする処置を講じたものであります。  その三は、治山工事における谷止工等の工事費の積算に関するものであります。  林野庁では、直轄又は補助事業により治山事業を毎年多数実施しておりますが、このうち、六十年度において北海道営林局ほか十営林局が施行している九十五工事及び北海道ほか十県が施行している百九十二工事について検査いたしましたところ、谷止工等の工事費の積算について、適切でない事態が見受けられました。  すなわち、これらの工事は、主として渓流荒廃地において渓岸の侵食防止等のため谷止、えん堤等を設置する渓間工事でありまして、その工事費のうち労務費の積算に当たりましては、林野庁の定めた治山事業設計標準歩掛により、山林砂防工という労務職種を適用して積算しております。  この職種は、治山工事が主として山間の急傾斜地及び狭あいな谷間で人力により施工されるため、一般の土木工事における普通作業員に比べて相当程度の技能及び高度の肉体的条件が必要であるとして設けた職種であります。  しかしながら、これら各工事の施工の実態についてみますと、そのほとんどは、現在の傾斜が緩かったり、林道等が整備されていたり、あるいは、現場における作業は機械施工が主体となっていたりなどしていて、現場条件、作業形態が一般の土木工事と差異のない状況となっており、このような現場における労務職種としては普通作業員を適用するのが適切であり、現行の標準歩掛は施工の実態に適合していないものと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、林野庁では、六十一年十月に、谷止工等渓間工事に適用する労務職種を施工の実態に合わせた適正なものに改め、各営林局及び地方公共団体あて通達を発し、同年十一月以降積算する工事から適用することとする処置を講じたものであります。  次に、特に掲記を要すると認めた事項について御説明いたします。  これは、国有林野事業の経営に関するものであります。国有林野事業の経営につきましては、五十年度以降毎年損失金を生じるようになりましたため、五十三年に国有林野事業の改善に関する計画を策定(五十九年改定)し、当面の目標として六十三年度を目途に自己収入と事業支出の均衡を回復し、七十二年度までに収支の均衡を図るため経営改善に努めているところでありますが、六十年度の経営成績は七百八十六億五百三十万余円の損失金を生じ、この結果、六十年度末における累積欠損金は六千八百二十二億二百三万余円にも達しているなど経営改善の見通しは極めて厳しい状況になってきております。  今回、このような財政事業を踏まえ、国有林野事業の主要な事業につきまして、その実施状況を調査いたしましたところ、以下申し上げるように事業が効率的に実施されていない事態が見受けられました。  まず、製品生産事業についてであります。この事業は立木を素材(丸太)にして販売する事業であって、六十年度においては四百六十一万七千立方メートルの素材を生産し、四百六十万八千立方メートルを販売しております。  この製品生産は国が労務、資材等を直接投じて行う方法、これを直ようと申しますが、これと民間事業体に請け負わせて行う方法とによって実施しておりまして、六十年度については前者が六八・二%、後者が三一・八%となっております。  そこで、直ようによるものと請負によるものとの経済性の比較をいたしますと、売上価から生産原価を差し引いた収益は、素材一立方メートル当たり直ようが六百七十一円の損失であるのに対し、請負は七千五百三十九円の利益となっていて、直ようは請負に比べて劣ったものとなっております。これは、請負の林内生産性が高いことなどによるものと認められます。  また、素材を販売するに当たっては、伐採地付近の林道端で行う山元販売と、より消費地に近い貯木場で行う貯木場販売がありますが、貯木場で販売したものを山元で販売したものとして採算比較してみますと、貯木場販売の採算性が山元販売に比べ不利となっているものが貯木場全体の五六%に相当する百二十一貯木場に上っています。これは、近年、山元販売に対する需要が多くなってきていることなどから貯木場販売価格と山元販売価格の開差が接近してきているのに、他方ではこれら貯木場の運営経費が相対的に多額を要していることなどによるものと認められます。  次に、立木販売事業についてであります。六十年度は、林地九万四千二百七十八ヘクタールの立木六百八十万七千立方メートルを販売しておりますが、このうち、立木を一斉に伐採した皆伐施業によるものは一万七千ヘクタール、三百四十万四千立方メートルとなっておりますが、これら皆伐箇所の選定に当たっては立木竹売払代と跡地への造林に要する経費等を比較検討し、適切な林地を選択することとしております。  しかして、五十五年度から六十年度の間において皆伐し跡地を人工造林したものについて調査いたしましたところ、一ヘクタール当たりの立木竹売払代が五十万円以下と比較的低額で伐採跡地への植栽経費さえ賄えないものが一万九千ヘクタール見受けられ、この立木竹売払代総額が四十億五千三百八十五万余円であるのに対し、植栽経費総額は百八十五億六百七十七万余円に上る状況であります。  最後に、造林事業についてでありますが、新植する森林につきましては、自然的条件、林業技術等からみて人工林の造成が確実な箇所とすることとしているところであります。  しかしながら、今回、四十九年度から六十年度までの間に植栽したものについて調査いたしましたところ、造林地が寒風害などを受け易い箇所であったりしたため、当局の努力にもかかわらず植栽木のおおむね五〇%以上が消滅し、五十五年度以降に損失等の経理処理を余儀なくされたものが四千七百三十一ヘクタールあり、その損害額は四十億六千五百五十九万余円に上っているものであります。  以上申し述べましたとおり各種事業が効率的に実施されていない事態が見受けられ、経費節減の効果に乏しい状況となっております。  国有林野事業の経営に当たっては、①木材価格が長期間下落・低迷していたりして収入の確保に制約がある一方で、②事業規模に見合った要員数への縮減に対応できず、人併費支出が増大し、③また、林業生産基盤の整備を継続的に進めるために必要な資金の大部分を借入金により賄っているため、多額の償還金及び支払利子を必要としていることなど経営改善を進める上での困難な事情を抱えておりますが、現状のまま推移すると、国有林野事業の財政は更に悪化し、経営改善計画で定めた目標の実現も困難となるおそれがあることにかんがみ特に掲記したものであります。  なお、以上のほか、昭和五十九年度決算検査報告に掲記いたしましたように、農用地開発事業によって造成された農地の利用、農業者年金事業における経営移譲年金の支給、農業機械作業広域調整促進事業の運営及び繁殖雌牛導入事業の実施について、それぞれ意見を表示いたし又は処置を要求いたしましたが、これらに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。  以上をもって概要の説明を終わります。     ─────────────    昭和六十年度農林漁業金融公庫業務概況  昭和六十年度における農林漁業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げます。  国においては、生産性の高い農林水産業を実現し、国民の需要に応じた農林水産物の安定供給を図るとともに、活力あるむらづくりを推進することを基本として諸施策が展開されました。  こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。  昭和六十年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は、六千八百五十億円を予定いたしました。  これに対する貸付決定額は、五千五十二億千二百二十九万円余となり、前年度実績と比較して四百六十五億二千三百九十八万円余の減少となりました。  この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと 一、農業部門  三千七百十三億九千四百三十二万円余 二、林業部門  五百七十四億六千百六十四万円余 三、水産業部門 六百六十八億三千四百三十三万円余 四、その他部門 九十五億二千二百万円 となりまして、農業部門が全体の七十三・五%を占めております。  次に昭和六十年度の貸付資金の交付額は四千九百三十三億三千二百万円余となりまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金四千六百十九億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金二百億円並びに、貸付回収金等百十四億三千二百万円余をもって充当いたしました。  この結果、昭和六十年度末における貸付金残高は五兆千五百六十四億七千百六十四万円余となりまして、前年度末残高に比べて千五十七億三千二百八十一万円余、二・一%の増加となりました。  貸付金の延滞状況につきましては、昭和六十年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は三百二十億七千三百三万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百十億二十六万円余となっております。  次に昭和六十年度における収入支出決算の状況について御説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千九百十五億二千八百三十四万円余に対し三千九百二十七億二千八百二十九万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千九百九十三億六千六百三十六万円余に対し三千九百二十億九千百七十一万円余となり、支出に対し収入が六億三千六百五十八万円余、多くなっております。  最後に、昭和六十年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は五千一億九百二十六万円余、借入金利息等の総損失は五千一億九百二十六万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。  これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、昭和六十年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。  以上が、昭和六十年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。     …………………………………    昭和六十年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明                  会計検査院  昭和六十年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項六件であります。  検査報告番号九三号から九八号までの六件は、総合施設資金等の貸付けが不当と認められるものであります。  この資金貸付事業は、農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありまして、総合施設資金等の貸付けに当たり、借入者が事実と相違した内容の報告をしているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付対象とならない事業に貸し付けていたり、貸付金額が過大に算定されていたりなどしているものであります。  以上、簡単でございますが説明を終わります。     ─────────────    昭和六十年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算に関する説明  昭和六十年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を説明申し上げます。  会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千二百九十七万余円に対しまして、収納済歳入額は二千三百三十三万余円であり、差引き三十六万余円の増加となっております。  収納済歳入額の主なものは、公務員宿射貸付料等の国有財産貸付収入二千二百三十八万余円であります。  次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百億二千二百五十二万円から、補正予算額二千七百六万余円を差し引いた予算現額九十九億九千五百四十五万余円に対しまして、支出済歳出額は九十七億八千九百四十九万余円でありますので、その差額二億五百九十六万余円を不用額といたしました。  支出済歳出額のうち主なものは、人件費八十七億四千三百十七万余円、検査旅費五億九千八百十二万余円となっております。  以上、はなはだ簡単でございますが、昭和六十年度における会計検査院関係の決算の説明を終ります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     …………………………………    昭和六十年度決算会計検査院についての検査の概要に関する主管局長の説明                  会計検査院  昭和六十年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。     ─────────────

野中英二自由民主党

○野中委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 最初に、大臣、八月二十四日から二十七日にかけて、北海道では大雨の被害が大変なものなんです。さらにまた、八月二十八日から三十一日までは今度は東北、関東方面ですね。一道八県にわたっての大雨の被害なんです。  関係省庁に聞きますと、まだ被害総額等はまとまってないということで、今鋭意現地に行ったりあるいは調査中であるというのでありますけれども、これだけ大きな被害でありますから、国としてもそれなりの万全の対策を措置してもらいたいと思うのですけれども、現況での被害の状況、さらには農林省の対応状況をお知らせいただければと思います。

鶴岡俊彦農林水産大臣官房総務審議官

○鶴岡政府委員 北海道、東北地方を中心としました大雨による被害につきまして御説明したいと思います。  八月下旬の北海道の大雨による被害につきましては、道からの報告によりますと、九月五日現在で、農地・農業用施設が約八十六億円、林地荒廃等約三十七億円、国有林野二十五億円等、総額約百五十億円となっております。  それから内地の県につきましては、岩手県で七十億円、その他関東・東北七県で四十億円、合わせまして百十億円、北海道と合計しますと、道県報告によりますと二百六十億円というふうになっております。  これに対しまして、農林水産省といたしまして担当課長を北海道に派遣いたしまして、応急工事の着手とか復旧工事の方法等について指導をしてきているところでございます。  今後とも被害状況の的確な把握に努めまして、被害の状況に応じまして各種の災害復旧事業あるいは農業共済関係の補償制度の活用あるいは融資制度の有効な活用によりまして、災害対策に万全を期していきたいというふうに考えております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 収穫を目前にしての災害ですから、農家の皆さん方は大変落胆していると思うのですね。この点、特に緊急融資なりあるいは天災融資法等が適用になるならば速やかにしてもらうとか、再度万全の対策をとってもらうようお願いしておきます。  大臣、私は、国際化に対応した農業政策の基本的な問題について若干御質問したいと思っています。  御承知のように、我が国の経済社会は急速に国際化してきていまして、今や世界の中の日本から世界に貢献する日本、こういう位置づけをされるに至りました。その中で、農業につきましても、牛肉だとかあるいはかんきつ、さらには十二品目問題など自由化問題が出てきたわけです。  こういった中にありまして、今農民が一番不安に思っておりますことは、果たしてこのまま営農ができるであろうかあるいは国際競争力に勝てるだろうかとか、大変不安感に陥っているわけなのです。私はそういった不安感を払拭するにはもう政治しかないと思っているのです。その政治も思い切った政策を推進していく、これしかないと私は思うのですけれども、大臣は特に今回の日米農産物交渉、牛肉・かんきつにつきましても大変な御苦労をしてまとめ上げました。さらにまた二月には十二品目の問題も決着がつきまして、その後事務当局が日米交渉等で相当な努力をして、当初考えておったよりは、日本の国益というか農民の立場は守られる決着を得たと思うのでありますけれども、私は内外の厳しい農業情勢を見るとき、あくまでも今農民は政治に頼っているといいますかあるいは農林省に頼っている、こう言っても言い過ぎでないと思うのです。その点、農林省の考え方あるいは農林大臣の考え方をお聞きしたい、こう思っております。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先ほどの自然災害対策につきましては、調査の結果を受け、万全を期してまいりたいと存じております。  なお、今御質問の国際化が進んでいる中で自信の持てる農業、それを育て上げるためにその基本的な考え方を言え、こういうことでございます。  国際競争のもとに非常に困難な道行きをたどってきたことは事実でございます。この上もまたそういう道行きをたどらざるを得ないであろう。しかし、その中にあっても、農業の持つ多様な役割を十分に発揮していくためには、農業の競争力を高めていかなければならない、産業として自立し得る農業の確立を図っていかなければならない。そういう認識の上に立って、国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めることを基本に、与えられた国土条件のもとで最大限の生産性向上を図るとの考え方、これが必要だろうと思っております。  そういう意味で構造政策、このことも大事であります。また、中核的担い手となる農業者の経営規模の拡大や小規模な農家を含めた生産組織の育成などのために、積極的な取り運びをしてまいりたい。また、消費者のニーズに即応した豊かな食生活を確保するための高付加価値農業の展開の措置を講じてまいりましたけれども、このような施策の展開もあって、国際化に対応した農業の競争力を一層高めて、内外価格差の縮小等に努めていく必要性については、私どもも含めまして農業者も意識革命が相当でき上がってきたと私は信じております。そういう意味で、私どもといたしましては、この基本の上に立って努力をしていかなければならない。  今般の牛肉・かんきつ、農産物十二品目の交渉結果や価格政策の抑制的運用等を背景に、農産物需給や価格、農業構造等の先行きが不透明であって将来を不安視する農業者の方々の声も確かにございます。そういう声がなくなるように農山漁村の活性化を一層強力に推進するために、農業生産の誘導指針としての長期展望の確立等具体的施策を検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、重ねて申し上げますが、私を初め今日の困難な状況の中で意識革命はまずまずのところへ来たのではないか。そういう意味では、農業たたきの中にあって積極的な展開を図るべきときが来たと心得ながら鋭意努力を続けておるところでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 今大臣は、意識革命はそこそこのところまで来たというお話がありましたけれども、現場を歩きまして私もそういう認識を持っております。ただ、意識革命はしてきておるけれども、それに伴う行政措置といいますか政策がついていっているかといいますと、若干伴ってないんではないかと私は思うのです。そういった意味でも、今、後継者なんかは相当やる気も持っている、勉強もしている、しっかりした考えも持っている、あとはやはり農林省が現実をきちんと把握して後継者あるいは担い手のニーズに即応した対応をしっかりとってもらいたい、私はこのことだけは強くお願いをしておきたいと思います。  それで、今またいみじくも大臣から農政批判のお話がありました。そういった声にも対応しなければいけないというお話もありましたけれども、私も農政批判に関して若干伺っておきたいと思うのであります。  今、何か経済界からは、食料品価格が割高なのは保護農政のせいであるとか、あるいは諸外国に比べ我が国農業が保護され過ぎているだとか、あるいは大幅な規制緩和により農業に一層の競争原理を導入すべきだとか、食管制度や農地制度は抜本的見直しをすべきだとか、こういった効率性を追求した、あくまでも経営者的な発想の農政批判が多いのですね。これはこれで一理がありますから耳は傾けてもいいと私は思うのですよ。しかし、やはり農業は農業の特殊性あるいは歴史だとかそれなりの伝統があるわけですね。そういったことも経済界なり批判する側の人は考えてもらいたいと思っているんです。批判をするなということではなくて、批判には耳は傾けるけれども、逆に間違った議論をされては困る。そのこと自身が後継者の皆さん方にやる気をなくさしたりあるいは落胆感を与えてしまったり、そもそも日本農業を守ることにならぬわけでありますから、この点農林省としても、今農業の置かれている現況はこうですというわかりやすい、きちっとした指針みたいなものを内外に明らかにすべきではないかと僕は思うんですけれども、いかがでしょうか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 今おっしゃいますように、国際的に見ましても輸入国の声が小さくて輸出国の声が大きい、わかりやすい表現でいえばそういうこともございます。そして農政について、国民の一部の組織、一部の方々に、これをただたたき、鍛えればいいんだというような側面的なあるいは短絡した、経済合理主義のみに偏り過ぎているではないかと思われるような発言もございます。私、先ほど私を含め意識革命がと申し上げましたのは、経済界においてもそれぞれの団体においてもある種の意識革命が行われつつあると私は認識しております。  そういうことで、この上は我が省の施策というものが後手後手に回らないようにさらに努力をしてまいりたい、こう思っております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 大臣、農家の皆さん方は、我々は国の言うとおりやってきた、農林水産省の言うとおりやってきた、にもかかわらずうまくいかないのはどういうわけかなという、まさに愚直な疑問といいますか不安を持っておるものですから、その点特に農林省からは、経済界に向けてもあるいは消費者に向けてもさらには生産者に向けても、的確な指導理念というものは打ち出していただきたいと再度私はお願いをしておきます。  そして、今農家の皆さん方も組織に対する不満というものを持っているんですね。農協批判という言葉もこのごろあるわけですけれども、やはり農協という組織自体も考えなくてはいけない時期に今来ているんではないか、私はこう思うのです。  組合員を守るためにあるいは組合員の営農をよくするためにつくられたのが農協組織なんですけれども、今ややもすれば、農業者への奉仕というよりは組織を守るために組織があるみたいな感じがします。例えば信用事業だとか共済事業なんかの経済活動が今非常にウエートが高まっていますね。金融事業もそうです。私は、これでは営農指導がおろそかになって、農民本位の農協組織でないと思うのです。さきに総務庁の行政監察があったのも、いろいろ指摘があったのもここらに立脚しているのではないかと思うのです。ですから私は、この際、農協みずからがこんな批判は批判としてきちっと受けとめて、農協組織のあるべき姿あるいは農業を守るためにはどうしたらいいかということを親身に考えるべきではないかと思うのです。また、そのためには農林省も的確な指導をしなければいけないと思っているのです。農林省の中に農協課というものもあるわけです。一つの課を置いておきながらその指導がなされていないということは筋が通らぬと私は思うのです。そういう意味で、この農協問題について農林大臣はどういうふうに考えているかお聞きしたい。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 お答え申し上げます。  農協の農政に対する、あるいは組合員の経営面に対する指導について先生から大変厳しい御指摘がありました。私どもも、現下の大変厳しい農業あるいは農協を取り巻く状況の中で、農協が今後各組合員を指導する立場からいろいろ改善をしていただきたい点があることは十分認識をいたしておるわけでございます。また、今お話がございましたようにいろいろな方面から農協に対する大変厳しい注文が出ているわけでございます。その中には必ずしも農協の実態に対する的確な理解に立った批判と言えないものもございますけれども、私どもは、現在の農業の活性化のために農協に求められる役割はやはり極めて重大なものがあると認識をいたしております。農協の方でもそういった点につきまして自覚が高まってきておりまして、来月に、全国農協大会におきまして、農業の活性化のための二十一世紀を展望する農協の基本戦略について方針を決定するという動きになってきているわけでございます。そういった動きを私どもも受けとめつつ、省として独自に農協の機能発揮のための指導を強化していきたい。組合員農家のニーズに一層こたえた事業運営あるいは農家の負担の軽減のための組織事業の運営の効率化について、これまでも事業面あるいは組織面を通じまして各種の指導をやってきているわけでございますけれども、ここで心を新たにいたしまして指導を強化していきたいと考えているわけでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 局長、僕が言っているのは、末端農民、組合員が、組織は果たしてこれでいいのかなと今疑問を持っているわけなんですよ。例えば生産資材一つ見ても、組織よりも商系のものが安いという厳粛な事実もあるのです。いいですか。流通問題一つ見たって、物を買う場合でも逆に組織が縛っている面がある。そういったものを農林省はどういう指導をするかということを僕は聞いているわけなんですよ。僕は机上論の答弁を聞いているのではない。局長だって何が問題だということはわかっているはずだ。流通だとか生産資材をどうするかという、行政指導によってすぐ解決できる問題もあるわけだ。その点をきちっと答えないといけないということを私は言っているのです。もう一回答弁してください。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 御指摘のように、現在の大変厳しい状況の中で特に内外価格差の縮小が大きな課題になってきているわけでございます。その中で農業資材の供給に農協が非常に大きなウエートを占めているわけでございますので、機械あるいは肥料、農薬、そういった生産資材のコストの引き下げあるいは安定的な供給というものに農協が果たす役割、また果たさねばならない使命というものは大変大きいものがございます。  御指摘がございました点を十分踏まえまして、的確な指導が到達できるように、私どもといたしましても一層努力をしてまいりたいと考えております。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 大臣、この問題は大変なんです。なぜ大変かというと、またここで農協問題の質問をしたら、何か鈴木宗男は組織に対して反発しているのじゃないかみたいなとらえ方もするのですね。私はそうじゃないのです。組織を守るために私は言っているのです。しかも、組織を守るということはすなわち農民を守ることなんです。その点の基本認識をしっかり持ってやってもらいたいと私は思うのです。大臣はどう考えていますか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 私もあなたの考えと同じように、従来とも、この立場にある前からも小委員会の責任者を務めたこともありますし、世間一般の活字から言わせれば「聖域」と言われてきた農協分野にメスを入れたつもりはございませんが、相当な強い指摘をした経緯も承知をいたしております。そういう中にあって、農協自身がみずからどのように自覚をするか、まずそれが先である。最近は自覚症状顕著なりとしばしば私も申し上げてまいりました。自覚をした上はではどうするのか、みずからの組織論は組織論として、特に地域農政というものがいよいよ活発になっていかなければならぬときに、いよいよもってその地域その地域の組織というものを十分議論をしながらみずから改革をしていくという気概は徐々に出始めてきておる、こう思っておりますので、先ほど経済局長が言いました十月半ばにおける組織討議の結果、政策転換と言っては、あるいは今私がこの時点で申し上げるのはいかがかと思いますけれども、国際化に対応し、消費者のニーズに即応した、そしてみずからの組織というものはかくあるべきだということについても触れられることを私は期待をし、また私もそのように、ただ憎まれ口をきくだけではなくて、農協組織は必要だから私も言っておる、その点は全くあなたと同様でございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 私が特に大臣に期待したいのは、歴代農林大臣、しっかりした人が来ていますよ。しかし、佐藤隆農林水産大臣は近来まれに見る、農政に熟知している、またしっかりした大臣だと思っているのです。最近では昭和五十二年の中川大臣以来の名大臣ではないかと私は思っているものですから、あえて私は大臣にこういった農協問題、さらには農政の基本の問題等の一つの方向づけなんかを出してもらったら、二十一世紀に向けた農政というものの明るい展望も開けるのじゃないかと思っているものですから、再度この点私は大臣にお願いしておきます。  次に、負債対策についてお伺いをいたします。  酪農にしろ畑作にしろ、特に北海道なんかは専業農家でありますから、年々負債がふえていっているのですね。本州の方でも負債がふえていっている。これはもう数字を見れば明らかでありますけれども、この負債対策、これがこれからの農政を推進する上でも大きなウエートを持つ。やはり構造政策の一環としてこの負債対策だけはしっかりやってもらいたいと思うのです。特にここ三年間、畜産物価格あるいは麦価、さらには水もそうでありますけれども、あと畑作三品等全部値段は引き下げであります。サラリーマンのベースアップは何がしかされておる。農家にとっては、この政府保証価格なんというのはこれは認識として基本給なわけですよ。その基本給が下げられるのはなぜだろうかという、これまた本当に言うに言えない情けなさといいますか、落胆感を持っているのですね。そういった意味でも、価格はこうですよ、例えば資材の関係はこうです、金利も下がりましたとか、あるいはコストダウンもしていますね、しかし、その施設だとかあるいは農地を買った負債なんというのはできるだけのことはしてあげますよ、こういう働きかけをしていけば、あるいは政策を持っていけば、農家も納得してくれると思うのですね。そういった意味で、私はこの負債対策を抜本的に農林水産省は取り上げてもらいたいと思っているのですけれども、いかがでしょうか。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 農家の負債対策につきましては、先生御案内のように、公庫資金等を中心にいたしまして、従来からその負債の軽減のための対策を、種々な努力を私どももやってきているわけでございます。昨年度、特に予算編成に際しまして、先生方の御支援を得ながら、例えば自作農資金につきましても一人当たりの限度枠の拡大でございますとか、あるいは土地改良事業の負担金の償還が大変大きな問題になってきておりますので、その償還の円滑化を図るための対策でございますとか、あるいは家畜経営体質強化資金の発足といったような幾つかの負債の軽減のための対策につきまして、昨年度予算編成の際にそれなりの対策を拡充したわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、その後の自由化の非常に急速な進展あるいは連年の農産物価格の引き下げなどによりまして、農業の情勢が大変厳しくなってきており、農家の抱えております負債の重圧というものが非常に大きな問題になってきているということは私どもも十分認識をいたしておるわけでございます。このため、従来の対策の一層の効率的な活用が図られるように、その改善を工夫するということはもちろんでございますけれども、新たな見地から、農家負債の実情等を十分踏まえまして、経営の安定化を図るためのさらに一歩前進した対策がとれないかということで、真剣に検討してまいる所存でございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 局長、確かにいろいろな制度はつくってくれたのです。例えば去年の予算の際も、農地取得資金なんかは一遍に三倍まで持っていってくれた。千七百万から五千万ですか、そうやって制度もつくってくれている。ところが、実態は借りられない仕組みになっているのですよ。なぜ借りられないかというと、負債が何ぼあるだとか後継者がいるだとかいないとかいろいろな縛りがあって、実際はその制度が借りられない仕組みになっているのですよ。私はこの負債整理なんかの場合でも、負債は思い切って書きかえてやるだとか、今までの負債をまとめてですよ、ただ単品単品じゃなく、まとめてやるというような思い切った施策もまた講じてもらいたいと思っているのです。  それと、いい制度をせっかくつくっても、生かしてくれなければこれは何にもならないですね。だから、生かすようにまたこれは指導もしてもらいたいのです。例えば公庫資金にしろあるいはいろいろな融資制度にしろ、農林省がつくっても、後は今度都道府県あるいは農協中央会におろしてしまうわけです。そこで実務の基準をつくるものですから、農民の考えとはかけ離れた基準になってしまうのですね。この点は私はきちっと農林省もチェックをしてもらいたい。  特に、農業改良資金という制度がありますね。これは昭和六十年の予算で実現したのですか、これなんか無利子の制度ですよ。無利子などというのは後にも先にもこれしかないのですね。これなんかも、例えば酪農だとか畜産ならば十年間無利子で、畑作ならば七年間無利子だということで非常にいい制度ですよ。だれしもが借りたいと思っているのですが、実際はどうかというと、縛りが強くてなかなか借りられる仕組みじゃないのです。そこらの実態もきちっと把握をして農林省は対応してもらいたいと思うのです。何か農林省は机上論で、こうやって制度はつくりましたと言っても、実際その制度が生かされていなければ、これは絵にかいたもちみたいな話なんですよ。ですから、そこらをもう少しきちっと、この農業改良資金にしろ――自創資金なんかはうまく運用しているかと思いますけれどもね。あるいは農地取得資金、これなんかも実際何件かしか借りていないわけですから、そこら辺は、なぜこれがたくさん借りられないかということをもっと農林省なりに研究したり調べてもらって対応してもらいたいと私は思うのですが、どうでしょうか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 今おっしゃるように、こっちが役所で考えて、最前線にその趣旨が徹底して、そして活用されるようにするのが当然である。しかし、その当然であることがどうもそういうふうにはなっていない、こういう御指摘だろうと思うわけでございます。役所仕事というのはそんなものだと私は言うつもりは毛頭ございません。ただ、会計検査院の責任者もおられますけれども、会計検査院に国民のお金を間違って使ったという指摘もまた受けないようにしなければならぬ、いささか窮屈な部分もそういう場合には当然のことながら出てくるでしょう。そういう中にあって、当初考えたことがそのとおりやられているかどうかということをもうちょっとフォローアップして事を運んでいけ、こういう御指摘だろうと思います。十分注意してまいりたいと思います。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 特に農民の中には、もうこれからは補助から融資の時代だという意識革命も実際あるわけなんです。じゃあ、そのための補助から融資に移行する場合、ああ、これはいい制度だと言われる制度にしなければいけないと思うのです。例えば、私は従来から二世代資金というのを言っています。例えば農地取得だとか施設をつくる場合、親子二代で返せる四十年くらいの、いわゆるロングランの償還期間にしなさい、金利は三分五厘だ、枠は一億くらいのものをつくってくれと言っていますけれども、農林省にしろ大蔵省にしろなかなかこれをやってくれません。これなんかも農林省は果敢に大蔵省に言うべきことなんです。役所同士の信義がありますからことしは遠慮しますなんという話がよく聞かれますけれども、これでは僕は政治でもなければ農民を守る農林省でもないと思っているのです。  ですから大臣、これからこの負債整理のためには新しい融資制度もつくる、そのためには長期の、あるいは枠は拡大する、金利は三分五厘だ、一番低い金利にするのだというくらいの発想が必要だと私は思うのです。特に来年度予算の中でこの親子二代、二世代資金といいますか、こういったものを構造改善局なんかに提唱しているのですけれども、この点はっきりと大蔵省にお願いに行っているのかどうか、この場できちっと私は答弁をいただきたい、こう思います。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 二世代ローンの点について先生からお話がございましたが、この問題は鈴木先生御存じのように、昨年度の予算編成あるいは農林水産省の政策の検討の過程では大変大きな問題になった経緯がございます。そういう経緯を踏まえまして、当初の持ち出しあるいは要求から見まして必ずしも十分ではないという御批判はございますけれども、そのうちの相当部分は六十三年度の予算編成を通じまして実現をできたというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。まだまだ不十分であるという御批判はございますけれども、この点につきましては今後農林省全体といたしまして、特に土地利用型農業の構造政策の展開の検討を深める中で、さらに私どもとしては留意をしながら取り組んでいきたいと考えるわけでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 局長、そんなまどろっこしい話はいいのですよ。僕は、六十四年度できちっとやる、要求するのかしないのかという話を聞いているし、これは去年からの経緯もある。去年の経緯では、六十四年度は要求しますということになっているわけだ、検討するということを。その姿勢を僕は聞いているのです。それをまどろっこしく、こうだ、ああだとか言っているのじゃなく、実際の話を明確に言ってくださいよ。要求するなら要求する、しないのならしない。しないのならこっちもまた別の展開があるわけだから。

塩飽二郎農林水産省経済局長

○塩飽政府委員 ただいま大蔵省に要求している六十四年度の当初の要求内容には、ずばり先生の御指摘のような内容で私どもは要求をしてないことは事実でございますが、今後の構造政策の検討の過程におきましてさらにどういった可能性があり得るのかにつきまして、御指摘のようなことを念頭に置きましてさらに検討させていただきたいというふうに考えるわけでございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 大臣、農政審の答申でも、農地の流動化を図りなさい、適正規模も設けなさいと言っておる。適正規模や農地の流動化を図るにはやはりお金が必要ですよね。農政審の答申に沿ったことをこっちは言っているのに、逆に行動を起こさないということ自体、じゃあ何のための農政審かと私はお伺いしたいのです。そうでしょう。だから、ことしは要求してませんなんという話も陳腐な話だ。構造改善局長に言わせれば、これから十二月まで時間がありますから大蔵省と折衝しますというのは、大臣、おたくの部下の局長の答弁ですよ。それを塩飽さんは、どういう関係か知らぬけれども全然違うことを言っているけれども、これも時間がないからもうこれ以上追及せぬが、そういう省内の取り組みの不一致なんというのは、僕に言わせたらけしからぬ。これはまた党の部会で私はやりますからいいですけれども、その点大臣、きちっと心してください。  最後に大臣にお願いしますけれども、日本の約五分の一強を占めています北海道、二十一世紀は北海道の時代だ、こう言われております。特に農林省等からは日本の食糧基地という位置づけもされている。しからば、私は大臣にお伺いしたいのだけれども、これからの北海道、やはり専業農家ばかりですから専業農家を守ってもらいたい。そのために農林省としては例えばどんな施策なり展望を持っているか、大臣の見解だけはお聞きしておきたい、こう思います。

浜口義曠農林水産大臣官房長

○浜口政府委員 先生御指摘の専業農家の育成の問題でございます。この点につきましては、今先生が御指摘のとおり、我が国農業に占める北海道の位置づけを十分に認識をしております。そういう意味の中で、まずいろいろの御議論の一番大きな点といたしまして、将来の展望といったようなものを重要視していこうということから、大臣の御指示により、新たな農産物の需給と生産の長期見通しの策定ということに早急に取りかかろうというふうに考えております。  また、先ほど御指摘の関連でございますけれども、構造改善局におきまして市町村レベルで地域の経営指標を自発的につくっていこうという施策をやっておりますが、そういった問題に関連いたしまして、六十四年度予算におきまして一年前倒しにこれも早急に経営指標をつくり上げ、地域地域の実情に即しまして、農家の方々が将来の見通しを持ちながら農業に従事していただくということを考えているところでございます。  いずれにいたしましても、地域の農業の実態に即しまして北海道の農業、基地としての北海道農業の発展のために、農林水産省は各般の努力を傾けていく所存でございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 最後に大臣、これから地域農業、これをきちっと守るべきだ、北海道は北海道、東北は東北、九州は九州というふうに。そのことが農業を守る基本にもなるし、また専業農家を守っていくことにもなると私は思うのです。その点について私は地域農業をきちっと確立をしてもらいたい、こう思うのですけれども、大臣のお考えを聞いて、終わりたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 おっしゃるように、私も最近地方にあちこち回ったときにはそういうことにも触れているわけでございます。農業たたきの中で耐えて耐えて、そして外交交渉をまとめ、国内対策を進めながら、農業というものが魅力のあるものになるように、なぜ魅力のあるようなものにしなければならぬかといえば、その地域の活性化につながるのは農業がどうなっているかにあるということで、我々は責任を持たなければならぬ。そういう意味において、先ほど北海道農業の位置づけも触れられたのでございますけれども、北海道農業は一つのリーダーとして、あるべき姿が浮き彫りにされなければならない、かよう心得ておる次第でございます。

鈴木宗男自由民主党

○鈴木(宗)委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 谷津義男君。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 私は、まず最初に大臣にお聞きいたしますけれども、最近新聞紙上で畜産振興事業団の疑惑問題が大きく取り上げられております。牛肉の自由化等につきましては身を切られるような思いでこれに対処して決断をしたわけでありますが、そういうやさきに、こういった畜産事業団の輸入牛肉の談合疑惑が出てくるということは、国民に対しましても大変まずい問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでありますけれども、この問題に対しまして、まず大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 ただいまの御質問につきましては冒頭一言申し上げておきますが、報道されておるそのことについては、私は世間をお騒がせしておることにつきまことに申しわけない、こう思っております。  畜産振興事業団が行う輸入冷凍牛肉の買い入れの入札について、指定輸入商社が数量や価格を調整した上で入札したとの疑いがあるとの報道がされたことについては、私も承知をしておるのであります。このことの真偽のほどは不明でありますが、私としましては、事業団において報道の真偽について調査をすること、さらにこのような報道がされたことに関し、疑惑を招くことのないよう改めて事業団から指定商社に対し注意を喚起すること、三番目には、本件に関し公正取引委員会による調査が開始された場合には事業団はこれに協力すること、これを畜産局長を通じて指示したところでございます。  いずれにしても、畜産振興事業団の輸入牛肉の買い入れについては、先ほど冒頭に申し上げましたように、疑惑を持たれること自体が残念なことであり申しわけないと思っておりますだけに、そういうことのないように対処してまいりたい、こう思っております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 この問題につきましてはぜひきちっと決着をつけておいてほしいと思うわけであります。  そこで、畜産振興事業団の入札において高値牛肉を支えるために談合が行われているというふうな報道をされているわけでありますが、牛肉の価格について、局長にこれはお伺いいたしますけれども、どのような考えをお持ちでございますか、その見解を示していただきたいと思います。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 今回御指摘を受けておる問題につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたような指示を私ども受けまして、畜産振興事業団に対しまして諸般の対応を指示をいたしまして、事業団の方でこれに対応しているところでございます。  いずれにいたしましても、今回問題にされておりますのは買い入れ価格、買い入れ業務をめぐる問題でございまして、御承知のとおり、事業団から国内に放出する価格は別途国内の国産牛肉価格安定制度のリンケージのもとで国内放出価格が決められておるわけでございまして、今回の問題自体が高値牛肉の維持というふうな見方は必ずしも当たらないのではないかというふうに考えております。  いずれにしましても、国内に流通します牛肉の価格の問題についてでございますが、御承知のとおり、牛肉は物によりまして品質格差が大変大きい商品でございまして、高い安いを一概に、非常に言いにくい面がございます。  最近の状況につきまして私どもの認識しているところを申し上げますと、国産牛肉の国内価格につきましては大体横ばいの状況でございますけれども、国内の供給量が資源的な制約もございまして大変制約をされておるという状況でございますので、特に品質のいい和牛肉等々はやや強含みで推移をしておるという状況でございます。  それから輸入牛肉につきましては、御承知のとおり円高差益還元等々というふうなことで、最近二年ほどの間に国内での放出価格を下げてきております。そしてまた、国内での流通改善策も私どもなりに努力をしておりまして、傾向としては、総理府の小売物価調査を見ますと、この二年ほどで二五%前後の引き下げという状況に相なっております。  いずれにしましても、ただいま申し上げました国産牛肉につきましても、国内の生産なり流通についてさらにコスト低減努力をしまして価格の安定、引き下げに努力をする、さらにまた、輸入牛肉につきましても、先般決定をしました国際間合意の線に沿って、輸入量の増加あるいはその他諸般の流通改善努力を続けまして、消費者の皆さん方にも御了解いただき、また、生産者の生産意欲ともよくバランスをするような価格形成というものを図っていくように努力したいというふうに考えておるわけでございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 こういう報道がなされますと、これは消費者から見てもあるいはまた生産者側から見ても、そういった方たちに与える影響というのは余りいいというふうには考えられません。農林省もこの問題については指導機関として徹底的に調査すべきである。先ほど大臣の答弁の中にありましたけれども、これは非常に大事なことだろうというふうに思うのです。  そこで、局長は指示された立場から、この問題については徹底的に調査をするという姿勢をお持ちですかどうですか、この辺ははっきりとお答えいただきたいと思うのです。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 先生から御指摘いただきました今回のような報道がされること自体につきまして、大臣からもお答え申し上げましたとおり、大変残念な事態であるというふうに考えております。また、先生御指摘のように、こういった報道が行われること自体が生産農家なり消費者に対して決してよいことではないという考えを私ども持っておりまして、こういった事態を招かないように、先ほど大臣かちお答え申し上げました指示をちょうだいいたしまして、私どもも、事実の解明なりあるいはその他必要な措置を的確に講じていくように、畜産振興事業団を通じた各般の指導措置をしてまいりたいというふうに考えております。  ただ、真偽のほど、現在実は事業団の方でも過去の記録等々に即しまして調査をしておりますけれども、現在のところ、報道されたような事実があったということを断定するに足るような実態把握というものはまだ私どもも報告を受けておりません。調査については私どもにも一定の限界がございますけれども、先生の御指摘の御趣旨を十分踏まえまして私どもも指導に当たってまいりたいというふうに考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 そこで、公正取引委員会にちょっとお聞きしたいのですけれども、今回の畜産振興事業団の冷凍輸入牛肉の買い入れに対する競争入札の指定三十六社ですか、売り渡し量あるいは価格について各社が談合したというふうな疑惑に対して、公取としてはどのようにこの問題に対処していくのか、その辺お聞かせいただきたいと思います。

佐藤一雄公正取引委員会審査部第一審査長

○佐藤説明員 お答えいたします。  本件につきましては、私ども公正取引委員会といたしまして実態把握の作業に着手いたしております。その結果、独禁法違反として調査する必要があると認められた場合には、適切に調査を進めるべく対処してまいりたい、そのように考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 これは、先ほど申し上げましたとおり、ちょうど日本も輸入ということに踏み切ったそういう大切な時期だけに、この問題はしっかりとやっておかないと今後農林省としてもやりづらくなる可能性がありますから、この辺のところについてはもう一度お尋ねいたしますけれども、その辺は早く今後的確に調査していただきたいと思いますが、その辺のところをもう一度確認をしておきたい。

佐藤一雄公正取引委員会審査部第一審査長

○佐藤説明員 私どもといたしましては、本件につきまして可及的速やかに、できるだけ早く調査すべく努力いたしたい、さように考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 それでは、次に移らせていただきます。  時間がありませんので端的なお答えをいただきたいと思うわけでありますが、農村の活性化を図るために今日まで農林省は大臣初め皆様方大変な御努力をいただきまして、いろいろな施策を打っているところであります。先ほど鈴木委員の方からもその問題についてのお話がありましたけれども、環境のますます厳しさを増している農林水産省としましても、これは大きな政策の転換が必要じゃなかろうかなというふうな感じを持って、また、そのようにいろいろと手を打っておられる非常に大事な時期に至っているというふうに考えるわけであります。  そこで、農地転用の規制の問題は前からいろいろと議論がされておりまして、休耕田あるいはまた、今度特にオレンジ等の廃園というのも出てまいりますれば、その問題というのはまた大きく議論の対象になってくるだろうと思うのですが、そこで、農地転用を緩和するというふうな話は前々から何回も聞いておるのでありますけれども、この基本的な考えについてお聞かせいただきたいと思うわけです。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 農地転用許可制度につきましては、御案内のように情勢の変化を見きわめながら、これまでも数次にわたりましてその規制の緩和なり事務処理の円滑化ということに努めてきたところでございますけれども、今先生御指摘ございましたようになかなか農業をめぐる状況厳しゅうございますし、それの情勢の変化もあるわけでございます。そういう状況の中で、農村地域の活性化と農地転用のあり方について各般の御意見をいただいておるところでありまして、私どもといたしましては、そういった御意見を踏まえながら、優良農地の確保あるいは農地のスプロール化の防止といったような点に配慮しながら、かつ、真に必要な農村の活性化につながるような農地転用についての円滑化を図っていくにはどうすればいいか、こういう観点から今ケーススタディーも含めて検討を急いでおるところでございます。できるだけ早く取りまとめをいたしたい、このように考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 この転用の問題につきましてもいろいろなやり方、手法というのがあるだろうというふうに考えるわけであります。そこで、私はこういう考えを持っておるのです。転用するときに建物をつくってしまうとかあるいは後で動かし得ないような状況にする前に、一つの考えとして、いずれこの農業問題についてはまた農地が必要になる時代が来るだろうというふうに私は考えておるのです。いつまでもこういう状況が続いているとは思わない。そのときにもう一回農地に還元できるような転用の仕方、言うならば運動場とか一つの方法としてはゴルフ場もあるかもしれません。そういうふうな物の考え方でやってみたらどうかな、その辺のところにメスを入れてみたらどうかなという感じを持っているのですが、農林省にはそういうお考えはありませんか。どんなものでしようか。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 転用の具体的な実需がどういう形のものであろうかということにもかかわるのではなかろうかと思うわけでございます。今先生の御指摘のございましたゴルフ場などにつきましては、御指摘のように一たん緩急あれば戻せるという考え方もあり得る。先般も、特に山林等に介在いたします農地の扱いにつきましてある程度の弾力化の措置を実は講じたところでございますけれども、要は私ども、現場での転用の実需がどういう形のものであるかということに即して、先ほど申しましたような基本的な考え方で対応していきたい、このように考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 これは非常にいろいろ議論を呼んでいるところでありますから、しっかりと早く対応策を出していただいてこの問題についての決着をつけていただきたいというふうに考えております。何せ長い間の議論でありますから、これは非常に難しいと思いますけれども、ぜひお願いしたいと思います。  そこで、最後に農産物の自由化についてお尋ねをしたいと思います。  まず大臣にお尋ねいたしますが、農産物自由化については本当にいろいろとお骨折りいただきまして、私ども敬意を表しておるところであります。世界の中の日本の農産物というものが、この位置づけといいますか、品質がいいとかあるいは値が高いとかいろいろあろうかと思いますけれども、そういう面について農林省の基本的な考え方というのをまずお聞かせいただきたい。大臣のお考えをひとつ聞かせていただきたい。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 自由化ということについてのお尋ねでございますけれども、これから申し上げることは米は別であるという前提で申し上げるわけでございますので、誤解のないようにしていただきたいと思います。  農産物の輸出ということも考えていいのではないか、こういうことでございます。従来ともパリやケルン、そういうところで国際食品見本市において我が国の農産品が非常に高い評価を受けておるわけでございますし、バイヤー等からも好評で大きな反響を呼んだ経緯もございます。また伝統的な輸出品であるカナダ向け温州ミカンのほかにも、最近では香港、シンガポール等向けのリンゴ、ナシ等の生鮮果実、香港向けの牛肉など、既に我が国農産物が外国へ輸出され好評を得ているものも少なからずあります。今後は、我が国の農産物も品質のよさなどからその輸出が拡大をする可能性は十分あると考えております。そのためには、やはりまずみずからが足腰を強くしなければならない、先ほど鈴木委員にもお答えをしたとおりでございます。その基本線に沿ってやっていかなければならぬ、こう心得ておるところでございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 大臣、そこでちょっとお聞きするのですが、ガットの場におきましても、またこれからウルグアイ・ラウンドとかいろいろなそういう場所が出てくるわけですけれども、どうも今までの様子を見ていると相手国にやられっ放しというふうな感じを私は持っているわけです。それなりにまた努力もなさってきているのだろうと思うのですが。そこで、ヤイター代表との話し合いに大臣が行ったときに、日本からも輸出するぞ、輸出を受け入れないかという話は出さなかったのですか、どうなんですか。一点ちょっとお聞きしておきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 結論から申し上げておきますが、出しておりません。その理由はということになりますれば、昭和四十年代前半早々に始まったケネディ・ラウンド、関税問題から始まって二十年余にわたる議論の集積が今日に集まって、そして結論を出さなければならない、その二国間の話し合いでございますので、過去の問題をまず片づけた上でということになるわけでございまして、日米農産物交渉、とりわけ牛肉・かんきつ交渉において、ヤイターとそのことについて話し合ってはおりません。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 そこでもう一つお聞きしたいのですけれども、これからまた幾つか出てくるわけですね。後でまた米の問題も聞こうかと思うのですけれども、そういうときに、こっちからも輸出するんだぞというふうな姿勢を出すと農民に与える影響というのはかなり大きなものがあるだろう。積極的に前向きになるということは非常に大事です。先ほど大臣のお話を聞いておりまして私も非常に心強く思ったわけでありますが、むしろ輸出の方向に転換するためにもっともっと農水省は力を入れていい。六十四年度の予算の概算要求の中にもそういった予算が組まれておりますけれども、あのくらいじゃまだ少ないと思う。もっとこの予算を組んで積極的にそういったあらゆる展開をすべきと思うのですけれども、もう一つ大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。     〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 まず、私どもの今日まで出していなかった姿勢を明確に打ち出す必要があろうか、こう考えまして、六十四年度概算要求において、金額はわずかでございますけれども輸出について項目を上げた次第でございます。  そういう中にあって私どもは、先ほど申し上げるように、まずみずからが足腰の強い、生産性の高いそうした農業、こういうものをつくり上げていかなければならない、そういうことをこなしながら、そして、内外価格差の問題もございますけれども、多少高くてもそれだけの値打ちがあるというものが今現にリンゴだ、ナシだ、いろいろあるわけでございますから、そういう意味で私どもはおっしゃるような線に沿って進めてまいらなければならない。ただ、これを余り声を大きくしますと、それじゃ米もまた自由化するのかということですぐまた世間に誤解を与えますので、私も、あなたの質問の冒頭にお答えしましたのは、米は別である、こう申し上げておるのでございます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 最後にお尋ねしますが、その米の問題ですけれども、RMAでは対日米提訴の動きがあるというふうな報道もなされ、私どもそれを耳にしているのであります。これからこの問題が大きく取り上げられて我が国に対しましてアメリカ側からまた言ってくるのではなかろうかと思うのですが、米についての基本的な考え方、これは大事な問題でありますから、大臣の考えを披瀝していただきたいと思うのです。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 しばしば前国会から申し上げておりますように、米は自由化はいたしません。主食である米は自由化をしないと同時に食管の根幹は堅持をする、みずから自給をしていく、この方針に変わりはございません、こう申し上げておるのでございます。その理由はといえばいろいろございます。特に衆議院、参議院における決議等も考えながら当然のことだと私は承知をいたしております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 前にも、牛肉・オレンジの問題のときにも自由化反対ということでいろいろ対策を打ち、またそれなりの努力をしてきましたが、そういった流れの中において自由化というふうな方向になってきた。米もそうなるんじゃなかろうかというふうな農民のかなりの不安があるということも事実なんですね。ですからこの問題については、これはもうオレンジ・牛肉とは全く異質の、日本にとってはまさに聖域というふうに言ってもいいんではなかろうかと思うのです。ですから、今からこの問題についてはしっかりとしたとらえ方をしてやっていかないと、これはもう大変なことになるんではなかろうかというふうに考えるわけです。  ですから、佐藤大臣としましては、もう農政を一番よく知っている大臣なんですから、この米の問題についてはこの際もうはっきりとした線を打ち出していった方がいいというふうに私は考えているわけですが、もう一度大臣のその辺のところの決意をお聞かせいただきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 しばしば申し上げておりますが、私も従来からの線に沿って、特に最近はRMAの動きも私なりにその動き自体は承知をいたしております。おりますけれども、政府間におけるまないたの上に乗っている議論ではございません。米を含めたあらゆる非自由化品目、制度等について、ウルグアイラウンドにおいて二国間ではなくて改めての議論をしようというこの筋立ではもう去年から言われていることでございますので、その線に沿って議論はされるべきでございましょう。しかし、米は何としても我が国で自給をしていくという方針には変わりございません。私、農林水産大臣だけではなくて、竹下内閣としてそのようなことはございません。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、大臣には体に十分留意をなされましてひとつ頑張ってくださいますようお願いをいたしまして、終わります。

魚住汎英自由民主党

○魚住委員長代理 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 最初に会計検査院長にお伺いをしますが、国の財政あるいは国政運営の上において、一方では予算編成、あるいはその中核をなすものは税制であると思いますが、一方の対極にあって、資金の有効な活用、適正な運営を監視をし指導するのは、会計検査院であります。しかも、会計検査院は内閣から独立をして、地位を保障されて、極めて重要な任務を遂行されているわけであります。  そこで、二つの点についてお伺いいたしますけれども、一つは、これはかつてのロッキード事件の反省から発した議論でありますが、現在の会計検査院法では十分な監視、指導をするには不十分であるということで、会計検査院法の改正が議論をされたことがございます。このことについては福田内閣以来の懸案の問題でありますけれども、当時の福田総理は、この問題については積極的に前向きに対処をする、こういうことをしばしば本会議あるいは委員会等においても述べられたわけであります。しかし、この問題は、内閣がその後かわるごとに常に我々が総理あるいは会計検査院にも強く要求あるいは要望しておるわけでありますが、これが次第に前向きの姿勢が横向きになり、後ろ向きになってしまった、こういう経過があるわけであります。  そこで、この問題についてはその必要性は依然としてなくなっていない、むしろこの必要性は増しているのではないかというふうに我々は考えるわけでありますけれども、この問題について院長はどうお考えであるのか。この改正の主眼は、具体的には国が融資をする先についても監査をする権限を持つべきである、こういうことであったわけでございますけれども、それのみにとどまらず、現在の会計検査院法を一層強化をするという方向でこれから対処をすべきである。これは税制改革の問題と裏腹をなす問題でありますし、国民に対する国政を担当する政府あるいは国会としても責任を持っておる問題であると思いますけれども、まずその問題について院長の基本的なお考えを伺いたいと思います。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 この問題につきましては、たびたび御議論をいただいているところでございます。  御承知のように、昭和五十四年に、会計検査院といたしまして、会計検査院法改正法案の要綱をつくりまして内閣に送ったところでございます。その後、内閣とされては二回にわたりまして官房副長官通達というのを出されまして、いわゆる肩越し検査、実行上の検査でございますが、これに協力するような方針を明らかにされたわけでございます。特に二度目の官房副長官通達、いわゆる藤森通達と申しておりますが、それが出されまして以後、従来必ずしも肩越し検査に協力をいただいておりませんでした三機関につきましても検査の協力が得られるようになりまして、最近では検査の実績も上がっているところでございます。したがいまして、当面この肩越し検査の方法によりまして検査の実効を上げてまいりたい、かように考えているところでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 肩越し検査、これは制度的な権限ではないわけでありますから、あくまで相手の理解と協力を期待するということですから、大変弱いわけであります。そして、かつては検査院みずからが政府に対して意見を述べられた、申し入れをされたという経過もあるくらいに、検査院としてはどうしても必要だということで信念を持ってそういう行動をされたわけでありますから、この問題については決して風化させることなく、依然として必要な大きな問題であるということを常に念頭に置かれてこれからも行動をされるようにお願いをしたいわけであります。現在、肩越し検査で相当の成果を上げておるということでありますから、その点についてはこれから関係の筋に協力を求めてやっていかれるわけでありましょうけれども、この検査院法の改正という基本的な問題が依然として残っているという認識をひとつぜひお忘れのないようにお願いをしたいわけであります。  そこで、佐藤大臣にお伺いしますが所管ではありませんけれども、大臣、この問題はやはり政治の基本の問題として、内閣に列する大臣として基本的にはどうお考えですか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 会計検査院の持つ機能、これは十全に発揮されてしかるべきものである。また、私はただいま農林水産省を担当しておりますが、農林水産省、我が省におきましてもそのことを念頭に置きながら適正な執行、これに留意しなければなりませんし、よもや指摘があるようなことがあってはならない、かように考えておるところでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 大臣におかれましても、行政の執行は国民に対する最高の責任でありますから、ぜひ今の御答弁の御趣旨、それからまた、院法改正という問題が依然として残っているということについても御認識をいただきたいと思います。  それからもう一つでありますが、院長にお伺いしますけれども、いわゆる対外援助の問題について、マルコス問題あるいはマルコス疑惑、適当な言葉であるかどうかわかりませんけれども、あの問題のときに問題になりました対外援助に対する監査をどうするのかということであります。ODAについては、これから世界の日本としてますます規模、範囲が拡大していくと思います。こういう将来の展望に立って、ODAに対する監査、これはやはり国民に対する責任、あるいは国民の理解を得るためにも、相手国の主権との関係がありますけれども、そういったものとの関係を踏まえながら適正な監査というか、目的に沿った資金の有効な使用がされておるかどうかということについての会計検査が必要であると思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。  このマルコス問題が起こったときに、それはもっともである、将来ODAについてもしかるべき監査の方法を考えたい、こういう答弁があったわけでありますけれども、どういう改善をされておりますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 ただいま御指摘がございましたように、海外援助の経費は増加しつつございますので、私どもも検査体制を整備いたしまして、海外援助の検査の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  六十一年の十二月に機構改正を行いました。海外援助は、御承知のように無償でありますと外務省、技術協力でありますと国際協力事業団、有償でありますと海外経済協力基金、三つの機関でやっているわけでございますが、それは従来私どもの方で別の所管でやっておりました。そこで、これを一つの課で総合的に見るようにいたしまして機構改正をいたしたわけでございます。また同時に、外国検査旅費も増額いたしまして、昨年度からいわば本格的な海外援助の調査を実施いたしているところでございます。  今後とも、海外援助の調査につきます経験を蓄積しながらさらに充実を図ってまいりたい、かように考えているところでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 次に、東京湾の問題、土砂の投棄の問題であります。この問題については前回の委員会、建設省のときもお伺いしましたけれども、そのときには状況が全くわからないというようなことで具体的な答弁がなかったわけであります。その後この問題について調査をなさったと思いますが、その結果についてまず伺いたい。

細野嘉昭海上保安庁警備救難部航行安全課長

○細野説明員 お答えいたします。  木更津沖土砂等不法投棄の調査状況でございますが、千葉海上保安部は昭和六十三年八月三十日、本件につきまして船橋漁業協同組合から連絡を受けました。直ちに関係の漁業協同組合とかあるいは関係者の方々から種々情報の収集を開始いたしました。  九月一日以降、自航式水中ビデオカメラ等を装備し、また潜水チームを乗せております大型巡視船「のじま」を現場海域に出動させ、投棄物の海底調査を実施しております。現場は、ヘドロが底の方に堆積しておりまして水中での透明度が非常に悪いというふうなことから、現在まで有力な手がかりについては得られておりませんが、今後とも調査を継続するという状況でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 この問題については、私も実は船橋漁協に行きましていろいろお話を伺ったり、また近所に土砂が揚げてありましたのでその土砂の実態も見たわけであります。あれがどの程度に、どのくらいの量が存在するかということはまだわからないと思いますけれども、とにかくその土砂あるいは揚げられたものの実態は大変ひどいものでありまして、土砂あるいは岩石、それからコンクリートの破片、中には空き缶等もある、あるいはタイヤの古いのもあるということで、これは相当長期にわたって廃棄物が投棄をされたということを裏書きしていると思います。そして、今カレイの漁の最中だそうでありますけれども、底びきあるいはまき網、いずれにしてもそれがひっかかってどうにもならない。前からそういうことが言われていたそうでありますが、最近その投棄物がますますふえて、もう漁民としては忍耐の限度を超えた、こういうことを言っておるわけですね。  そこで、これがどういう経路で、だれが投棄したのかということが問題でありますけれども、一説によりますと、この投棄をされておる海面というのは、千葉県の袖ケ浦町、君津郡の沖、それから木更津の沖、その地点と対岸の地点を結んだ三角状の地域が主としてその場所になっているということであります。この近所に長浦という港があるのですが、この長浦港、長浦港だけではありませんけれども、主として長浦港から、千葉県の土砂を対岸に向かって相当長期にわたって搬出をしたという経過があるわけです。その行き先は羽田空港の埋め立てあるいは神奈川県側の埋立地に行った、こういう経過があるわけで、その土砂を搬出する途中で、あるいは帰りの船がその近所で船の掃除をして残っている土砂を海中に捨てた、そういうことを見た者がある、目撃をした者があるという話もあるわけです。  それらから判断してまいりますと、千葉県からの泥運搬船のやったことではないかというようなこともあるわけでありますが、それにしてはコンクリートの破片が入っているとか空き缶がまじっているというようなことはちょっと理解ができないというようなことであります。ですから、そういうことがあるいはあったかもしれませんし、同時にまた、今陸上に投棄をすることが大分監視が厳しくなって住人から厳しい抗議を受けておりますので、陸上に捨てることのできない投棄物を海中に捨てたのではないか、そういう想像もされるわけでありますが、千葉県から搬出された土量あるいはその経路、そういう点についてはどんな経路でどのくらい搬出をされたか、建設省おわかりであればお伺いしたいと思います。

松延正義建設省道路局有料道路課長

○松延説明員 建設省では現在のところ調査をいたしておりません。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 かつて千葉県の鬼泪山を中心とする一帯の大量の土砂を長浦から搬出した、こういう経過がありますね。その辺の事情はおわかりですか。

松田堯林野庁長官

○松田(堯)政府委員 四十一年から五十四年度まで、鬼泪山の国有林におきまして砂利採取をいたしております。五十一年度から五十四年度までの数量をここに持っておりますので申し上げますと、五十一年度におきましては三十七万立方、五十二年度は四十二万立方、五十三年度は四十三万立方、五十四年度は二十万立方、五十五年度で砂利採取はやめております。そういう状況でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 その土砂の搬出あるいは運搬の経路と土砂の投棄等の関係はどうなっておりますか。

松田堯林野庁長官

○松田(堯)政府委員 今申し上げましたように五十四年度で砂利採取はやめておりますので、その後の状況につきましては把握しておらないところでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 保安庁ではこの泥運搬の経路、土量と投棄との関係について、何か情報あるいは調査の結果等はお持ちですか。     〔魚住委員長代理退席、委員長着席〕

細野嘉昭海上保安庁警備救難部航行安全課長

○細野説明員 お答えします。  先ほど先生が羽田沖とか横浜とかいうふうなことをおっしゃいましたけれども、現在私どもの方では、東京湾内でどういうプロジェクトがあるか、埋め立てとかいうものがあるかといいますと、やはり一番大きいのが羽田沖展開の埋め立てという部分と承知しております。  それで本件、袖ケ浦あるいは木更津沖の海底に捨てられた建設廃材、土石、こういったものにつきましてどういう経路で来たかということについては、関係方面の保安部を動員いたしまして調査中でございまして、まだ経路は判然としておりません。現在調査中でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 まだ、この泥の量あるいは範囲、そういった点については十分な把握がなされていないようでありますが、これはなるべく早くその全貌を明らかにしていただきたいと思います。  それで、とにかく現在カレイ漁の最中でありますけれども、漁獲に非常な支障を来しているということであります。これについては、漁獲量の減少のために相当な損害が出るのではないかと思いますけれども、どこに責任があるのか、あるいはまたその損害の持っていきどころがどこであるのかということもこれは疑問に思われるわけであります。しかし、東京湾というのは内湾であるし、いろいろの法令によって海上に投棄をすることについては厳禁されているはずでありますから、その禁を破ってこういった事態になった、そのために漁民が被害を受けたということについての損害の補償なり、漁民が苦情を申し立てる対象はどういうことになりますか。

田中宏尚水産庁長官

○田中(宏尚)政府委員 ただいまの木更津沖海域では、現在でも小型の底びき網の漁船だけでも約三百そうが操業しておりまして、今もお話がありましたようにカレイ等の非常に良好な漁場になっているわけでございます。ここにつきまして今回のような事件があったということで、我々水産関係者といたしましてはいわば被害者ということでございまして、非常に困った局面に遭遇しているわけでございます。  我々といたしましては、その道の専門家でございます海上保安部、ここにおきましてただいまも答弁のありましたように原因の究明というものに努めていただいておりますので、一日も早く加害者が特定できる、そしてそれに従いまして損害の整理ということができることをこいねがっている次第でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 加害者がわかれば、それはしゅんせつをするなり原状の回復をする、同時にまた、漁民に与えた被害についても加害者が補償するということも考えられますけれども、果たしてそれが明らかになるかどうか、これは難しい問題だと思います。そういった場合に、国としてはどういうお考えですか。特に東京湾内の漁民は今まで沿岸の埋め立てによっていろいろの影響を受けているわけですね。沿岸の埋め立てが進めば湾の面積が少なくなる、湾内の水量が少なくなる、したがって湾内の水流も違ってくるわけですね。水流も違ってくるし、水質も悪化をする。また、魚族の死滅というようなこともありまして魚種がだんだんと少なくなっていくというようなことで、湾内の漁業はそういう面から大変な被害を今まで受けている、損害が累積しているわけです。  さらに、今までのことはいろいろな関係もあるし、埋め立てという問題は社会的な一つのプラスの面もあるという評価もありますが、しかし、そのプラスの面が漁民にはもろにマイナスの要因となってはね返ってきているわけでありますから、今までも内湾の漁業というのは大変な被害を受けたわけであります。今回は、政策的あるいは社会的な要請ではなくて人為的な行為によって、むしろこれは違法に投棄されたという事態によって起こされた被害、これについては国としても傍観できないのではないかと思いますけれども、大臣はどうお考えですか。

田中宏尚水産庁長官

○田中(宏尚)政府委員 通常の被害者の特定しない、いわばちりが積もって山となる式の長い間蓄積してきました公害につきましては、被害者が特定できませんので、例えば国の補助金で漁場を再整備するとか漁場クリーンアップ事業というようなことで漁場をきれいにするという仕事をしているわけでございますけれども、今回のように非常に大量の投棄物ということだけは少なくともはっきりしているわけでございまして、こういうものにつきましては、お言葉ではございますけれども、安易に国や何かが清掃に加わるということがございましてはこれからの投棄というものもまた安易にされる危険もございますので、何とか現在のところは加害者がだれであるかということをきちんと特定して、その加害者に復旧をさせるという方向で現時点では取り組んでみたいというふうに考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 これは自然に蓄積してきた、あるいは自然に累積された被害ということではないのですよね。これは明らかに違法行為によって引き起こされる漁民の被害でありますから、これについての責任、これはやはり明快にしなければいけないし、違法行為を許すということについてもこれは政治責任があるわけでありますから、そういった点についてひとつ十分検討をされて、漁民の被害を何らかの形で救済する、そして将来はそういうことのないようにするという努力をぜひお願いしたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 私は、実は内容を余り不勉強で存じておりませんけれども、今の御質問を率直に答えるとするならば、まず加害者、これを一日も早くだれであるかということを明確にしなければならない、そういうことにおいて、農林水産省といたしましては、水産庁あるいは海上保安庁等々関係省庁と連絡をとりながら、調査を速やかに進める、当然のことだと思っております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 加害者を一日も早く特定をする、発見をするということ、これは必要だと思います。いずれにしても、最終的に被害を受けている漁民の立場をぜひ理解をされて、一日も早くこの問題の解決をお願いをしたいと思います。  次は、次もやはり漁業に対する被害の問題でありますが、TBTO、トリブチルすず化合物というのがあるそうでありますが、この物質については既に早くから有毒性が認められて、関係各省庁においても努力をされておるようであります。  まず厚生省にお伺いしますけれども、トリブチルすず化合物については指定化学物質とする結論を得たとしておりますが、ということは、有毒物質ということで、これはそれ相当の取り締まりをしなければいけないということになったわけですね。それで、生活衛生局の企画課の生活化学安全対策室の結論、文書によりましても、TBTO、トリブチルすず化合物、これは八つの物質があるそうでありますが、これについては「指定化学物質として指定することが適当であるとの結論が得られた。」こういう文書もありますけれども、それで間違いありませんか。

土井脩厚生省生活衛生局生活化学安全対策室長

○土井説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおりでございまして、私ども厚生省が行いました亜急性毒性試験の結果に基づきまして、それと通商産業省が行いました分解性、蓄積性のデータに基づきまして、四月十五日付でTBTを除きますTBT関連の八種類の化合物につきまして、指定化学物質に指定したところでございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 運輸省にお伺いしますけれども、運輸省においても、やはりこの物質について、トリブチルすず化合物の毒性に対する対策として、環境への放出を抑制するようにという通達が出されているわけであります。運輸省の国際運輸・観光局外航課長から日本船主協会に対して、この物質を船舶に塗装することをできるだけ抑制するようにという指示が出されております。ただ、この場合には、この通知があいまいというと失礼でありますけれども、はっきりしないわけでありまして、「トリブチルスズ化合物の含有率の低い船底塗料の使用に努める」という指導であって、これは絶対に使ってはいけないという強い禁止ではないようでありますが、とにかく抑制を指導しておられますけれども、この抑制の内容でありますが、その船種、船の種類について、大型はいいとか小型はだめだとかいうそういう区別があるのかどうか、その指導の内容はどうなっておりますか。

篠原保運輸省海上技術安全局舶用工業課長

○篠原説明員 お答え申し上げます。  先生おっしゃいましたとおり、四月十五日から四月二十五日にかけまして、運輸省におきましては、指定化学物質に指定されましたTBT化合物を使いました船底塗料の使用につきまして、その抑制に極力配慮することが必要であるということで、おっしゃるとおり通達を出しております、それで、先生が船種、それから船の大きさ別と申しましたけれども、私どもの方が出しております通達と申しますのは、外航課長が出しております日本船主協会の会長あて、すなわち大きな船についてでございます。それから、貨流局の海上貨物課長が日本内航海運組合総連合会会長あてに出しております。これも、先生が先ほど申しましたように、なるべく船底塗料中のTBT化合物の含有率の低減されたものの使用に努めることという、そういう趣旨でございます。それから地支局の海上交通課長が日本旅客船協会の会長あてにも出しております。それから、港湾局の技術課長が都道府県その他関係の地方港湾建設局、その辺に先ほどと同じような趣旨の通達を出しております。以上でございます。  それからまた、我々の具体的な対策としまして、今申しましたのは船の利用者といいますか、所有者関係の団体でございますが、造船関係団体に対しましても、海上技術安全局の造船課長から日本造船工業会の会長、その他日本中型造船工業会、それから私どもの舶用工業課から日本舟艇工業会会長あてに、TBT系の船底塗料の使用とか管理、廃棄等に関するマニュアルを作成しなさい、それからまた船底塗料の取り扱いに関しまして注意表示の徹底を図るようにしなさい、そういう趣旨の通達を出しております。それから研究機関に対しましてと申しますか、私どもの船舶技術研究所がございますけれども、ここにおきましても、TBT系化合物の溶出速度の抑制等に関します研究を実施するように、その指導をしているところでございます。  以上でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 環境庁にお伺いしますけれども、環境庁はこのTBTOを初め有毒物質の調査をされているわけでありますが、特にTBTOが東京湾、大阪湾あるいは瀬戸内海、そういう地域でかなり検出をされておる、こういう調査結果があるようでありますが、その概要について伺いたいと思います。

牧野利孝環境庁企画調整局環境保健部保健調査室長

○牧野説明員 トリブチルすず化合物は、環境庁が昭和五十八年度に実施いたしました調査の結果、環境中から検出されたため、五十九年度には全国的な規模での調査を行いまして、広く環境中から検出されたことから、六十年度からは、魚類などの生物を用いまして環境中濃度を経年的に監視をしております。  今日までの測定結果によりますと、一般環境中におきます魚介類中のトリブチルすず化合物は内湾、内海域を中心に検出されておりまして、その濃度はおおむね横ばいでございます。  トリブチルすず化合物による環境汚染状況につきましては、本年の八月でございますけれども、中央公害対策審議会化学物質専門委員会によりまして、トリブチルすず化合物による環境汚染は、「現在の汚染レベルが直ちに危険な状況にあるとは考えられないが、」「今後とも環境汚染の状況を監視していくことが必要である」、このように評価されております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 この問題については、数年前にハマチの大量へい死というようなことがありまして、それから問題になったと思いますが、そのときの直接の原因、影響は、漁網にTBTOを塗る、これからの影響であろうということで、漁網に塗ることについては関係業者の自粛があってハマチの被害というようなことはなくなったし、環境における被害も今お話しのように横ばいということになったと思うのですが、依然としてTBTOがある程度使われているわけですね。年間に量にするとどのくらいですか、千数百トンぐらい使われているというような資料もありますけれども、依然として一定量が使われているということで、横ばいということは依然として被害があるわけでありますから、これを完全にその被害をとめるためには、TBTOを完全に禁止をしてしまわなければいけないわけであります。  しかし、TBTOは防腐あるいは防錆等に効果があるということで、これに対する代替物質もまだ有効なものは余りできていないというようなことでありますが、TBTOを完全に使用禁止にすることができないのかどうか、またTBTOの代替物質がまだ有効なものが開発をされていないのかどうか、その開発の状況等はどうなっておりますか。

土井脩厚生省生活衛生局生活化学安全対策室長

○土井説明員 まず、代替品の問題につきましては、関係省庁に対しましても、汚染をできるだけ低くするという観点から、代替品の開発等も含めて御協力をお願いしているところでございます。  それから、先ほど先生から御指摘のございましたTBT関連の化合物につきましても、現在厚生省が進めております慢性毒性試験の結果等によりましては、さらに厳しい規制でございますTBTOにつきましては第一種特定化学物質、それからそのほかのTBT関連の八化合物につきましては第二種特定化学物質といったような指定についても、今後の環境汚染の状況あるいは先ほど申しました毒性試験の結果等を見ながら、今後検討の対象にはなり得るというふうに考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 TBTO族八種類は分解が非常に遅い、分解しない、したがって蓄積をされる危険があるということなんですね。ですから、どうしてもこれは全面禁止をしなければいけないと思うのですけれども、漁業を守る立場の大臣としては、この問題はどうお考えですか。

田中宏尚水産庁長官

○田中(宏尚)政府委員 ただいまお話がありましたように、TBT化合物につきましては、漁網の防汚剤と船底塗料、こういう二つに大口として従来から使われてきているわけでございます。  漁網につきましては、今お話がありましたように、当方の指導もございまして、団体が自発的に六十二年から全面禁止ということをやりまして、それで、代替品を選定・登録するという事業に現在着手しておりまして、現時点で全体で十八品目ほど、残留毒性のない防汚剤というものが登録されてきているわけでございます。したがいまして、今後はこういうものの使用というものが定着していくというふうに考えていただいて結構かと思っております。  それから船底塗料につきましては、現在のところ、残念ながらまだTBT化合物に代替し得るような有効な薬品というものはできていないわけでございますけれども、当方といたしましては、使用をできるだけ少なくするということと並行いたしまして、新しい薬品の開発というものにいろいろな試験研究機関で今鋭意検討を進めておりますが、経過的には、若干効果は落ちるけれども毒性のないものを使う、その場合にどうしても船底にいろいろなものが付着いたしますので、こういうものを排除する装置というものも経過的には開発したいということで、来年度の概算要求におきまして、そういう新しい試験研究につきまして要求しているというのが現状でございます。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 小川国彦君。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 最初に委員長にお伺いしたいのでございますが、きょう私が、参考人として首都高速道路公団の理事長の出席を要求したのでありますが、これについては理事会において否決されて、参考人の招致ができなかったということであります。  聞くところによりますと、きょうは農水省と会計検査院の審査であって、そこに道路公団の理事長を呼ぶことはなじまない、こういう理由で自民党が多数でこれを拒否した、こういうことでございますが、これまで例えば省庁の違う公団の責任者を呼ぶということが前例としてなかったのかどうか、そういう点は御調査なすったのかどうか。それから、今後はこのように、例えば農水省の所管のときに建設省関係の公団の総裁というのは一切呼べなくなる、こういう前例にもなると私は思うのですが、そういうことも勘案なすっておやりになったのかどうか。  私は、この議員の審議権というものは民主主義の中で非常に大切なもので、それに対して多数で参考人の招致を否決するというのは、議会がみずから自分の手足を縛るものだ、こういうふうに考えるわけで、きょうの理事会における参考人の否決は極めて不満だし、それから、こういうことでは議会の審査というものを今後あらゆるところで議会がみずから自分の手足を縛っていくことになりはしないか、こういう意味でこれは議会の自殺行為になる、こういうふうに考えるもので、これは厳重に抗議をしたいと思いますし、その点について委員長の釈明を求めたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 今の小川委員の御質問にお答え申し上げますけれども、衆議院規則第八十五条の二項の規定によって、委員会の決定があれば、審査または調査のため参考人を呼ぶことができるということは小川さんのおっしゃられるとおりでございます。そして、委員会に諮る前に理事会において協議決定するということになっております。  おっしゃられるとおり、本日の理事会においては、参考人をお諮りいたしましたところ、理事会において呼ばないということに決定いたしたわけでございまして、後段の、小川先生のおっしゃられる参考人の基準を明確にしてくれということは、決算委員会の理事会においても各党から要求のあったところでございます。今後、この件について理事会において各党の意見を十分聞いて協議をしていきたい、かように考えております。御了承願いたいと思います。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 了承は全くできませんね。  それから、私は委員長に要求したいのですが、この決算委員会の理事会において、過去それぞれの委員会で他省庁の一つの、例えば農水省を所管するときに他の省庁に所属する公団の総裁、理事長、これを呼んだ事例は全くなかったのか。それから、今後、他省庁にわたる公団の総裁、理事長は所管の違う委員会においては参考人として呼ぶことができなくなるのか。例えば農地開発機械公団というのがあって、これが建設省との関連があって、建設省の所管のときに農林省所管の農用地開発公団を呼びたい、こういうことになっても、これも呼べないことになる。今度のように農水省と会計検査院の検査というものがあるんだから当然その検査は各省庁全般に及ぶわけであるし、当然建設省の道路公団にも及んでいるんであるし、会計検査院の検査に関する質疑をする中で、当然その検査が道路公団の審査に及んでいるかどうかを聞くのは当然の権利なんで、これを否決するというのは私は絶対許せないと思っているのです。今後これを決算委員会は前例とされるのかどうか、この点を理事会において私はしかとした方針で示してもらいたいと思う。今回のことは私は絶対承知できませんのでね。しかも、前回質問したからもう今回はよいというような議論もあったそうですが、人の議論が、国会の議論が一回質問したら終わりなんてだれが判断するのですか。僣越きわまりない決定だと私は思いまして、これは絶対承知できませんので、このことについては、今申し上げた二点について、前例はなかったのか、今後こういうようなことを全部慣例とするのか、その点について明確な指針をひとつ答弁を願いたい。これは次回にお願いしたい。

野中英二自由民主党

○野中委員長 次回でいいのですか。今ですか。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 もう時間がありませんから、次回にもらいましよう。

野中英二自由民主党

○野中委員長 それでは、今の小川さんの委員長に対する質問につきましては、理事会に諮り、後刻報告申し上げます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 もう一点、参考人を否決した理由を文書でいただきたいと思うのです。どういうわけで参考人を呼ぶことを否決したのか、その理由を示していただきたいと思います。  そういうことで、私は、首都高速道路公団を管理しているのは建設省でございますから、きょうは建設省の皆さん方が、そういう事情を十分管理監督していらっしゃる方々がおいでいただいていますから、その方々にこの内容についてさらにただしていきたい、こういうふうに思います。  無料券の調査の問題でございますが、先般の私の質疑の中で、首都高速道路公団の政府、官公庁に対する四方六千枚の送付先について、この氏名を委員長を通じて私どもに報告書をいただきたいということを要請しておりまして、先週の二日のことでございますから、もう当然これらの名簿については、極めて簡単なものでございますから既に既存の名簿ができているわけでございましょうから、これについては本日御提出を願いたい、私はこういうふうに思います。  それから第二点は、日本道路公団におきまして特別通行券というものを四万枚発行されて、このほか無料通行証が一万枚出されてきておりましたが、特に特別通行券の通用範囲というものはどの程度の範囲であったのか、それからその性格、発行目的、それから配付先、それはどのようなところであったのか、これをちょっと御答弁願いたいと思います。

木内啓介建設省都市局長

○木内政府委員 前回、先週の金曜日の先生の御質問で、そういう無料通行券に関する資料を提出するようにという御要請を受けたのは承知しております。それで、早速これらの、先生も御承知のように公団は首都高、阪神高の道路公団等もございますし、また地方にありますので、いろいろ関係者を集めまして、どういう形でどういうふうにするかということの協議に入ったわけでございます。  甚だ申しわけございませんけれども、できるだけ早急に、提出させていただく資料でございますからしっかりとしたものでなければいけないと思いますので、早急に作業を終えまして、委員長と御相談の上に提させていただきたいと思うわけでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 名簿は保存されておりますか。

木内啓介建設省都市局長

○木内政府委員 建設省、というよりは公団の方で早速整理しまして、統一的な形で名前が書いてあるかどうか私存じませんけれども、整理して提出させていただきたいと思います。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 委員長の方ではこの提出時期を、私どもは常識的には一週間以内ぐらいに当然提出されるべきだ、先週の二日でございますから、一週間以内にはこういうものが提出されて次の審査には間に合うというぐらいでなければならぬと思いますが、議会審査の立場からもこの提出についてはいつまでというめどをお持ちかどうか。

野中英二自由民主党

○野中委員長 私の方からは、早急に出すように、小川委員の要求にこたえるようにと、こう申しつけてあります。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 再度要請をいただいて、早急にお願いしたいと思います。  次に、日本道路公団の特別通行券のことでございますが、これはどういうような性格のもので、発行目的、通用範囲、これはどういうようなものであったのか、建設省の当該局長から御答弁願いたいと思います。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 お答えいたします。  先般もお答えいたしましたが、道路公団で出しております通行券には二種類ございまして、特別通行券と業務用通行証。業務用通行証というのは、全国のモニターに道路の状況等をいろいろモニターしてもらうために配付するものでございます。それから特別通行券は、この前も申し上げましたが、地方のものと全国のものとございます。  それで、その配付先、それからどういうところで、どうしたかということについては先ほど都市局長が御答弁したとおりでございまして、現在公団に指示をしまして、至急その内容あるいは配付先等について調べさせておりますので、まとまり次第、早急に委員長にまた報告させていただきたい、かように考えております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 私が先週の二日に局長さんにこのことをお伺いしたわけで、しかも日本道路公団はおたくの道路局が所管で、監理官まで設けて日常業務を全部監督指導する責任を持っている、予算の決定権まで持っているわけですから、予算に対する指導監督権まで全部持っていらっしゃるので、当然この性格、範囲はわかると思うのですが、この特別通行券というのは、四万枚渡されるものというのは地方に限定されたものですか、それとも一枚持てば全国を通行できるものですか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 特別通行券は二種類ございまして、地方のもの、それから全国ベースのものがございますが、いずれも有料道路の制度の趣旨にかんがみまして必要最小限の範囲で出しておるわけでございます。公団は、業務の円滑かつ適正な運営に資するために、識者の意見等及び関係機関の指導を得ているわけでございまして、非常に限定をした出し方をしております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 限定しているのはわかっているのですが、使える範囲ですね、この通行券を持つと、全国の分として一万枚出ているその一枚は、通用する範囲はどの範囲になっておりますか、こういうことなんです。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 地方の三万枚につきましては、その管内、いわゆる道路管理者とかあるいは地方公共団体等、その実際の業務に必要となる範囲ということで絞っております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 全国のはどういううことでございますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 全国につきましては全国の道路、こういうものが対象になります。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 そうすると、これは定期券みたいに、全国の特別通行券を一枚持てば日本全国どこでもそれが通用する、こういうものでございますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 そのとおりでございますけれども、ちょっと誤解を招くといけませんので――これは一回限りでございます。定期券のようにとおっしゃいましたが、定期券のようなものではございません。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 そうすると、それを一枚もらいますと、例えばここから有料道路の今通じている南の方の果てなり北の方の果てなり、日本道路公団の道路の通じているところは南北の果てまでも行ける、北から南まで全部乗ってもともかく一回は通用できる、こういうことですか。降りるところでそれは渡す、そういう一回きりの、ただし距離については無制限、有料道路の続く限りは乗って回れるということですか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 そのとおりでございます。実際の使われ方は果てから果てまでというものではないと思いますけれども、そのとおりでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 そうすると、これは何か特殊目的を持たないと――仙台まで行く方とか、青森まで行く方とか、大阪まで行く方とか、いろいろありますね。そうすると、この一万枚の使われ方というのは、もらった人が使用先についてはどういうふうに使ってもいい、こういうふうになりますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 先ほども申しましたように、特別通行券の発行の趣旨、非常に限定をして発行しておる趣旨は、業務の円滑かつ適正な運営ということに資しようということで、識者等にいろいろ指導、そういうことで出しておりますので、その趣旨をよく御説明をしてあるはずだと思いますので、いわゆる高速道路の運営に非常に資するような使い方、具体的にはいろいろ御批判を仰いだり、あるいはいろいろな意見をいただいたり、こういう目的で発行しているというふうに伺っております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 何か伺うと、どうも行き先は自由でいい、こういうことになると、計画性はないように思うのですね。識者の御意見を聞く、そして業務の運営に資するということなのですが、この識者の選定というのは官庁、団体、個人、それぞれあるのでございますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 先ほど申し上げましたように、内容等正確に御報告するために現在調べておりますので、早急に、その結果がわかりましたときにまた提出させていただきたい、こう思っております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 局長は先週の二日に私から質問を受けて、建設大臣は、一カ月前からこの無料券のことは問題になったのでこれについては枚数を減らすように是正の指導措置をした、そういうふうに皆さん一括して御答弁なすっておるのですね。そうすると、もう一カ月前からこのことについては大臣の耳まで届いている、是正の措置も講じようというふうになっているわけなんで、それをあなたは、どういうところにこれが配られていたか概要も知らぬということでございますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 ただいま正確を期するために調べておりますので、早急に出させていただきますので、その結果で御報告させていただきたい、かように考えております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 もう一つ伺いますが、モニターの一万枚というのは、これは行き先とか、通用する範囲は限定されているのですか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 モニターにつきましては、約でございますけれども全国で三百四十名の方にお願いをしております。したがいまして、もちろん全国ベースという方もおられるわけでございますが、地方の方に、ある範囲につきましてこのモニターの通行証で通っていただいて報告をいただく、こういう仕組みになっております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 この三百四十名のモニターの方の選出方法、それからまたモニターの調査報告、そういうのは建設省で保有されておりますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 モニターの方々は道路公団の方で適正に選んでいると思います。  なお、定期的にモニターの方にお集まりを願って、例えばいろいろな意見等について開陳をしていただいて改善に資するというふうに伺っております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 その報告書なり会議録なりそういうものは建設省にございますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 公団の方にその議事録等は保管してございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 それは公表されておりますか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 議事録そのものを公表しておるわけではございません。これはいろいろな意見を言っていただくときに、だれがどういう意見を言ったかということが目的ではございませんで、その内容ですね、例えば道路管理の向上に資するものがあればそれを採用するわけでございますから、当然、こういういろいろな意見がありました、あるいはこういうことについてこういう検討をしてかくかくしかじかと、こういうことについては私ども報告を受けております。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 当然そういう報告がなければならぬと思いますが、先ほど伺った特別通行券の方の四万枚の配付先というのは、官庁、団体、個人、こう分けまして、それぞれ官庁にも配付されている、団体にもある、個人にもある、こういうことですか。

三谷浩建設省道路局長

○三谷政府委員 今その詳細につきまして、先ほど申し上げたとおりでございますが、まとめましてまた報告させていただきます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 建設省の道路局は日本道路公団を、それから都市局は阪神と首都高速を、それぞれ監理官室まで置いて監督指導をやっている。ましてや、こういうものの使途が、どういう目的でどういうふうに使われているかなんてことは、一カ月も前に大臣が指示したものを、きょうは局長さん以下、関係の無料券を担当している皆さんがいらっしゃっていて、それで、それがどういうところに配付されているのか、団体なのか官庁なのか個人なのか、それすらここで答弁できないのですか。その概要はある程度こういうところにそれぞれありますという形でも結構なのですが、官庁とか団体とか個人とかでそれぞれおありになるのか、それとも個人なら個人に絞っておられるのか、そこのところを伺いたいということなのです。

木内啓介建設省都市局長

○木内政府委員 先生からの御要望もございますし、大臣からの指示もございますので、私どもも、確定版とまでいかないけれども、どういうところへどういう形で配付されているということを今把握しておるところでございます。  ところが、無料交通券なるものの配付でございますけれども、前回の質疑のときにもございましたように、私どもは、道路の管理業務用のために、あるいはその管理業務用という中身でございますけれども、一つは工事とか維持管理用の連絡事務といったもの、もう一つはいわゆるそれ相応の立場にある方に公的なモニター的な感じてお出ししているというふうなことでございます。そうなってまいりますと、こういったものの配付というふうなのは、私どもの方である一定の量をお届けして必要な場合に使っていただくというふうなものでございまして、またお届けしたものの中でその券が使われたかどうかというふうな問題もありまして、場合によったら必要なければお使いにならない場合もあるというふうなことが一つございます。それからお届けの態様も、一般的にはいろいろありますけれども、いろいろお届け先によって異なっていることもございます。それからまた、使用者の個人名と申しましても、私どもの方でモニター的な立場でお使いください、御用がありましたらお使いくださいというふうなことでございますから、なかなか相手方のお名前をにわかにこちらから一方的にお話しすべき筋合いのものかどうかというふうな点もございます。  そういった点からいろいろ検討させていただきまして、先生御承知のように、先ほど都市局関係としまして、政府関係とか関係官庁関係とかモニター関係とかということで、大ざっぱな分類で資料を御提出させていただいたわけでございますけれども、さらにその正確な内訳となりますと、いろいろな点に配慮すべき、正確を期さなければならぬ点もございますので、もう少し時間をかしていただきたいというのが実情でございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 あなた方の方で相手に届けたのだから、にわかに一方的にお話しすべきものかどうかというようなことを言っておられるのですが、これは金券ですよね。「管理事務用」と書いであるけれども、使えば六百円になるし、それから道路公団の三谷局長の方が答弁しているものにしても、使えばすべてこれは金券なのですよね。皆さんはその金券を配っている。いわばそれだけ公団にそれぞれ損失を与えているわけですね。これは、そういうものを配っている公団の総裁なり理事長は、公的な目的以外にそういうものを配付しているということは横領罪になるのじゃないかというふうに私は思ったのですが、それについてはいろいろ議論があるけれども、背任罪は構成する、こういうふうに言われているわけですね。しかも、もらった人は、それを私用に使えば背任罪の共犯になり得る、こういうふうに言われているのです。  法務省の方がお見えになっていると思いますが、この点について前回と今回とこの無料券問題を取り上げているわけですが、無料券とは言いながら、実質上六百円なりあるいは数千円なり数万円の金券になる、そういうものが公務以外のところに恣意的に配られて使用される。これは、配った方が恣意的に配ったものであれば、損失を与えた意味では背任罪を構成する、こういうふうに私ども伺っているわけでありますが、いかがでございましょうか。

東條伸一郎法務大臣官房審議官

○東條政府委員 ある一つの行為が何らかの犯罪を構成するかどうかということにつきましては、先生御承知のように、私ども非常に慎重な手続で事実関係を確定した上で、証拠に基づき判断をするわけでございまして、今お伺いした範囲内ですと、無料通行券を発行する法的根拠あるいはその使用用途、それから管理の状況等細かいことがいまだはっきりしておりませんので、当該行為が何らかの犯罪を構成するかどうかということについてここでお答えを申し上げるわけにはちょっとまいらない状況であるということでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 国政を担当する一端を担っている法務省として、にわかに結論を出せないとしましても、少なくも数万枚、数十万枚、こういう金券ともいうべきものが配付されている。私ども検討の中では、それの法的根拠も明らかではない、それから配付方法、配付先についても公用であるのか私用であるのかその点も極めて疑問がある、しかも官公庁に配っているものについてはそれぞれ官公庁がこれを購入する予算を組んでいる、公的な目的については公的な予算を組んでいる、そうすると、それ以外に配ったものは公的な目的を構成しないのではないか、極めて私的なものに使用されたということになるのではないか、それから今モニター制度というようなことを答弁されているが、そういった公的なモニター制度は私ども伺ったことがない、こういう問題点があるわけですね。そういう点について、私はやはり法務省としても関心を持って積極的に検討いただかなければならぬ問題だというふうに思いますが、いかがでございますか。

東條伸一郎法務大臣官房審議官

○東條政府委員 法務省というところは、先生御承知のように犯罪捜査の権限を直接持っている役所ではございませんので、具体的に申し上げれば今の御指摘は検察当局ということになろうかと思います。検察当局がどういう事態に対してどのように対処するか、これはそれぞれ検察が判断することでございまして、ここで一概に申し上げるわけにはいかないと思いますが、ごく一般論的に申し上げますと、検察当局としては、国会での御審議の状況を含めていろいろなことに関心を持ってそれぞれ適切に今まで対処してきたところでございます。  そういうことで、今回の事柄についても何らかの犯罪なり犯罪の疑いがあるということであればそれなりに対処することと思いますが、先ほど申し上げましたように今までの御議論、今までの事柄自体では必ずしもその点まだはっきりしてないな、これは私、法律家として考えているところでございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 この点については今後法務省の方でもさらに御検討をいただきたい、こういうふうに思います。  それで、私は、きょうは首都高速道路公団のいろいろなずさんな経営といいますか運営の中で問題点を二、三挙げてみたいと思っているのですが、一つは首都高速道路公団が運営している駐車場でございます。これは三つの会社で都内に五カ所、道路公団直営の駐車場を持っていらっしゃるのですが、十八億五千万の収入に対して十三億六千万円の管理費用がかかっている。これは収入に対して七三・八%というとてつもなく莫大な管理費用がかかっているわけであります。こういうことは結局、公団が経営する有料道路の通行料金の値上げにはね返ってくる問題だというふうに私ども考えておるわけであります。  どうも実態を見てみると、首都高速道路公団は三社によって五カ所の駐車場経営をやっているのですが、費用が余りにも多過ぎる。土地代の入手がかからないような駐車場経営の中で七三・八%の管理費用というのは余りにも経費がかかり過ぎているのじゃないか、利益を少なくしているというふうに思うわけです。それからもう一つ、人員の配置にも非常にむだが多い。どうも公団は収益を上げないようにわざわざこういう経営をしているのじゃないか、こういうふうに思えるわけなんです。  私、その中のニカ所をきのう調べさせていただきましたけれども、第一に駐車場料金が非常に安過ぎると思うのです。駐車場料金は、五カ所のうち千駄ケ谷駐車場が一番安いのですが、一カ月の全日定期、一日じゅう二十四時間置ける定期で三万八千円、三カ月の全日定期で十一万円。ところが、私がここ数日都内の主要な駐車場料金を調べてみますと、最低で一カ月五万円から八万円。しかも敷金や権利金を一カ月とか、高いところは六カ月も取っているのです。しかも普通料金、時間で置くものも、公団のは三十分間で百八十円、都内の主要駐車場では一時間四百円から五百円ということで、これも非常に割安になっている。全日定期券というのも駐車場の七割を占めていて、これはもはや既得権というか利権化した権利になってしまっているのじゃないか、こういうふうに思うわけです。  駐車場委託会社、東京駐車場株式会社、日本ハイウェイサービス株式会社、都市ロードサービス株式会社という三社に対する委託料が、昭和六十一年で駐車場収入十八億四千八百万円に対して七億一千五百十二万円と、約三九%、四割近い委託金額になっているのです。  その中で人件費があるのですが、その大半を占める収受員、料金を受け取る人、これは六十歳を超える高齢者であって、いずれも給与は聞いてみると平均十五、六万円。ボーナスを支払ったにしても人件費は委託料の半分にも満たないという状況なのです。施設は公団によって供与されているというふうに考えますと、どうも管理費が過大に見積もられているのじゃないか。  例えば、駐車台数百七十台の駐車場に事務職員が四名、料金の収受員十九名、保全要員二名、二十五名の要員が認められているのです。そうすると、これは七台に一人の割合で人間が置かれているということです。  それから、兜町駐車場という一番大きい駐車場、日本橋の証券街の真ん中にあるのですが、九百八十三台の駐車台数に対して四十一名もの要員が配置されているのです。びっくりしたのは、そのうち放送係が四名も配置されている。わずか千台足らずの駐車場に、車の呼び出しをする係の職員を四人も委託会社に認めているというのは多過ぎるのじゃないか。  それから、白魚橋駐車場というのも、二百三十台の収容台数に対して二十五名の職員がいて、十台に一人以上いるということです。また、放送係が三名置かれている。  こうして見ますと、一人で済む業務に三人も四人も配置している。そうすると、委託会社に対する経費はむだな支出がかなり多いのじゃないかと思うのです。三社にはいずれも公団出身者が天下っていたり、兜町駐車場を管理している都市ロードサービスの社長は、歴代建設省と公団のOBがそのポストを占めている、こういうことになっています。  安い駐車料金と払い過ぎている委託料、それに加えて、公団の要員がまた多数駐車場部門に配置されている。この構成は、駐車場委託会社の構成と全く同じ二重構造になっているのです。  公団では、駐車場部門を担当するのに、公団本社の管理部営業課長の下に調査役が一名、駐車場班三名の要員がいて、駐車場全体の掌握がされている。ここが委託会社三社を直接統括すればもう十分じゃないかと思われるのです。ところが、さらに、本社の下に駐車場管理部という出先機関が兜町に設けられていて、ここには部長一名、営業課長一名、営業課員十名、保全課長一名、保全課員四名、さらに運転手一名、兼務者一名と、十八名の職員がいるのですね。ところが、料金収入の総体の把握は本社管理部営業課とダブっているし、総務関係三名の職員の業務というのはすべて本社の総務課で処理できるものじゃないかと思われるし、保全課長以下四名の業務については、既に五カ所の駐車場において二十一名の保全要員が委託会社に要員として認められているので、これは全く二重の保全要員システムじゃないかというふうに思うわけです。  昭和六十一年度の駐車場直接管理費十三億六千万の内訳明細を見ていくと、業務委託費で七億一千五百万を民間の委託三社に払っているのですが、ほとんど同じ業務内容のために庁費一億六千九百万、職員諸給与一億三千六百万、こういう駐車場管理部の支出がある。わずか五つの駐車場を管理するのに委託会社が三社あって、その上にまた二十名近い出先の事務所があって、上にまた本社があって、課長以下班が構成されている。三重、四重もの構造になっているのですね。  これについては、六十一年七月に行政監察で勧告が出されているということなんですね。そういうことでむだが多過ぎる。  それからもう一つは、料金徴収委託会社が首都高速道路公団の営業管理所とこれも二重構造になっているのです。まず本社の管理部営業課があって、その下にまた営業管理所というのがあって、十九カ所、三十七人いる。こっちにまた委託を受けた料金徴収会社があって、料金計算所が十八カ所あって、その下に委託料金所というのがある。委託した会社の組織でもって大体すべての管理体制は事足れりと思うのに、それと全く対応した組織が公団のシステムとしてある。全く二重の料金徴収システムになっている。  これも行政監察局が、営業管理所の十九カ所、三十七人いるのは不要じゃないかという勧告を昭和六十一年にしているわけですね。こういうものを見ていくと、いずれも非常なむだ使いじゃないかというふうに思うのです。  最後に、料金徴収会社がまた回数券の販売をやっているのですね。各徴収所にいる会社が回数券の販売もやっていますから、自分の会社で請け負ってきた回数券をその料金徴収所で売っているというような事例も見られるのです。建前としては、二十四回券までは料金徴収所で買ってもらうということになっているのですが、七十三回券とか二百五十回券というのは回数券の販売所。ところが、料金徴収会社が回数券の販売委託も受けているから、そこで受けたものを持っていってお得意に徴収所で渡すというようなことが行われているというのですね。それでまた、場合によっては二十四回券もそこで渡すというようなことをやっている。そうすると、料金徴収をする会社が、自分のところでも回数券を取り扱っているのだから、公団が支給した券を徴収所で売らないで自分の会社のものを持ってくると、そこでまた三%の手数料を稼げるということになってしまうのですね。  これはいずれも正さなければならない問題じゃないかと思うのですが、建設省の方はこういう実態をどういうふうに把握されて対処されているか、伺いたいと思います。

木内啓介建設省都市局長

○木内政府委員 たくさんの点の御指摘でございますので、概略お答えさせていただいて、追加があればまた質問をお受けしたいと思います。  まず最初に駐車場の関係で、駐車場事業と高速道路事業との会計でございますけれども、これは区分がはっきりしておりまして、例えば駐車場経営の益金を高速道路の方の料金の低減に使うとか、逆に、駐車場経営がマイナスだから高速道路料金で埋め合うということは、先生御承知のようにできない仕組みになっているわけでございます。  それから、駐車場に関しまして委託先、委託会社とかいうことは先生の御指摘のとおりでございますけれども、その中で千駄ケ谷の駐車場の料金が非常に安いという御指摘がございましたけれども、この駐車場は他の駐車場に比較しまして構造上大変簡易でございます。したがって減価償却費が低い、それから近傍の駐車場料金との均衡上もこれあり、他の駐車場より料金は安くなっている次第でございます。  また、公団の経営しております駐車場は、先生御承知のように都市計画駐車場でございまして、公共目的でございます。そういうふうなこともございまして、やはりその性格上から余り高い駐車料金でない方が性格に合うというふうな問題もございます。  それから、駐車場の管理とか料金徴収について公団業務との間にダブリ等があるのではないかという御指摘でございます。私どもの方は、公団業務がますます複雑多岐になり、多大な費用をかけ、また道路料金の値上げもお願いするということでございますので、公団業務の簡素化と効率化ということは常に心がけねばならないことだと考えている次第でございます。  現時点におきまして、私どもの方ではその運営については適正だと判断しているわけでございますけれども、先生からまたダブリとか重複等があるというふうな御指摘でございましたので、今後ともその点については十分監督指導してまいりたいと考えている次第でございます。  それから、料金徴収所のダブリ業務につきましては、これはちょっと長くなりますけれども、公団から報告を受けたところを申しますと、公団は、業務委託を監督する公団職員を委託ブロック、平均六料金所ごとに設置した営業管理所十九カ所に勤務させまして、同時にその一部を料金・徴収会社に料金計算所として使用させている。同時に重複使用させているというところに若干複雑、こんがらがりが出てくると思いますけれども、二つの機能を持たせているわけでございます。  料金収受員等委託会社の職員は、まず料金計算所に出勤した後、収受業務の準備を整えまして、百二十三カ所ございます各料金所に車で配置されるわけでございます。収受員は、一勤務の収受業務を当該料金所で行った後に、交代要員と交代して料金計算所に戻りまして、収受した現金、回数券等を精算しまして、日報を作成して提出する。会社の事務員は、これら精算業務を集約しまして、全体の日報を作成して営業管理所に必要書類とともに提出するわけでございます。営業管理所に勤務する公団職員は、トラフィックカウンターで記録した通行台数と書類を照合しまして料金収受の正確性を点検した後、各管理部に収入報告をする。なお、収受料金は別に銀行に預金するわけでございます。  したがいまして、公団の業務と料金収受会社の業務はそれぞれ一応別の業務でございまして、場所は同じところを使ったりしますけれども別の業務でございまして、これは二重構造ではないと私たちは理解している次第でございます。  その他、数多くの指摘がございましたけれども、公団業務全般につきましては、その効率性、適正化につきましては今後とも努力してまいりたいと考えている次第でございます。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 最後に会計検査院に、こうした道路公団の無料券の問題、駐車場の問題あるいは料金徴収所の運営の問題、私どもから見ると、大変なむだ遣いと思われるところがある。しかも駐車場などは都心の非常に地価の高いところで駐車場難のところにあって、特定の人が定期券を買って八割ぐらい押さえてしまって、特定の会社が押さえてしまって、一つの利権化している。そういうところでどんどん収益を上げていけば有料道路の料金を上げなくても済む、それができないような仕組みになっているというところにこそ私は問題があるのではないかと思います。  いずれにしても、こうした問題について会計検査院にも国の支出のあり方として検討を願わなければならぬと思いますが、会計検査院の御意見を承りたいと思います。

大沼嘉章会計検査院第三局長

○大沼会計検査院説明員 お答えを申し上げます。  私ども会計検査院の検査におきましては、先生御承知のとおり、公団の事業と申しますものの大宗が建設事業費、それから維持修繕等の工事関係、そういうことになりますものですから、従来からこうした点を重点に置きまして検査を実施してまいったところでございます。  今先生、無料通行券と業務委託についてのお話がございましたけれども、まず無料通行券の問題でございます。  この問題につきましては、そういう制度が存在しているということは私ども承知をいたしておったわけでございますが、ただいま冒頭に申し上げましたような事情から検査は十分実施しておらなかったというのが実情でございます。ただ、この種の制度と申しますのは、その運用がルーズに流れますと種々の疑惑を招くことにもつながりかねない、こういう側面がありますことは先生御指摘のとおりじゃないかと考えております。  この無料通行券の問題につきましては、先ほどもお話がございましたけれども、先般の当委員会におきまして、監督の衝に当たります主務省の方から、実態の調査、それから改善策の検討を行う、そういう御答弁があったわけでございますが、本院といたしましても、こうした対応状況を十分見きわめながら、その取り扱いの是非等につきまして今後十分調査検討をいたしてまいりたいと考えております。  それから、駐車場関係を含めまして業務委託のお話でございますけれども、こうした委託業務の受託先に対します検査権限というものは、これは私ども検査権限を持っておらないわけでございますけれども、委託の内容、仕様、それから積算等につきましては、公団検査の一環といたしまして従来から検査を実施してまいっているところでございますけれども、ただいま先生御指摘のありましたような点を踏まえまして、今後とも十分な関心を持って取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。  以上です。

小川国彦日本社会党・護憲共同

○小川(国)委員 時間が参りましたので、これで終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十八分休憩      ────◇─────     午後一時三十分開議

野中英二自由民主党

○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 まず大臣にお伺いいたします。  過般の農産物自由化に関する交渉で大変御苦労なさったことについては、心から敬意を表します。そこで、その交渉過程の中で、これは問題だ、ここはちょっと不公平じゃないか、そういうことを感じられたこと、またガットが果たす役割と今後の方向性についてはどういうふうに受け取られているのか、その辺の感じ取ったことを率直に明らかにしていただきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先般の日米農産物交渉につきましては長い歴史的経緯がございまして、昭和四十年代冒頭、ケネディ・ラウンド、関税問題のときからの経緯がございまして、二十年余にわたる問題でございました。それだけにいろいろな交渉の経過はございますけれども、今日の段階になるとアメリカ側のいら立ちもわかる。一方で、国際化という現実の中でそうしたいら立ちが加速されてくる。しかし、我が方には我が方の言い分がございまして、我が国の食糧政策に全きを期さなければならない、こういうことで交渉してきた経緯にございます。  そういう意味では、今感想を申し述べよというような意味の御質問でございますけれども、新たな局面を切り開くためには胸襟を開いた話し合いが必要である。譲るべきものは譲り、守るべきは守るという姿勢を貫きながらも話し合いを進め決着を見た。しかし、我が国の方針がこれで完全だということにはなりません。したがって、当初から外交交渉と国内政策とあわせて我が国の食糧政策を進めていかなければならぬのである、こういうことを常に申しておったわけでございまして、一山、二山越えましたけれども、三山は越えたかと言われると、まだこれからでございます。さらに、来るべき時期、いつの日かと簡単に想定するわけにはまいりませんけれども、本年度中の予算措置、すなわち補正予算の時期には十二分な財政当局の理解を得ながら、その始末に全きを期さなければならぬ、かように考えております。  一方、ウルグアイ・ラウンドについては昨年末既に方針を出したことは委員も御承知のとおりでございまして、今後これらについて十二月行われる中間レビューを受けてさらに詰めが進められていくものと理解いたしております。その際にはいろいろなものがまたテーブルにのるわけでございますから、真剣に慎重に対応して我が国の主張を貫かなければならない、かように考えておるところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 この農産物の自由化は、実を言うと日本の財界では十年も前から叫んでおったのですね、早く自由化すべきである。それが今になってみると、まさに財界の要請にこたえたような感じがしてならないのですよ。だから、そういう点で一つは非常に問題に感じるわけですが、もう一つは、経過の中でもアメリカにはウエーバー、つまり自由化義務免除というものが認められていて、一方ではより農業が弱い国々には輸入制限が認められない、こういう不公平についてはどういうふうにお考えでしょうか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 経過としては、私いつも言っているのですが、輸入国の声が小さくて輸出国の声が大きいという状況の中で、先般のトロント・サミットにおいても竹下発言等もございましたことは報道で御案内のとおりでございます。  そういうわけでございますから、何か財界の一部がと、こういう話もまた今ございましたけれども、私が農林政務次官をやっておりましたのが十七年前でございます。それにさかのぼる何年か前からというと二十年以上も前から、実は農業を経済合理主義で割り切ろう、国際分業論、これもございました。しかしこれには頑としてこたえない、我々はそういうことにくみしないという方針は一貫して守ってきたわけでございます。そういうことも、今御質問を聞きながら思い出したところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 竹下さんがレーガン大統領に約束された、つまりこの対米約束というものは、今農林大臣が一生懸命に骨を折って顔色を変えてアメリカと対決しておったそのさなかに、しかも農林大臣が日米交渉に臨む前に既にこういう約束をしたということは、今まで一生懸命苦労した農林大臣の立場を全く考えないではないか、我々から見るとそういうふうに映るのですね。こういうものは、早々と行って向こうの大統領に御機嫌を取る気で言ったのかどうか知らぬけれども、日本の主権とガットとの関係をもう少しきちっとして、それから交渉に当たっている農水大臣を通して慎重にこたえていくべきではないか、私はこういうふうに思うのですが、その点はどういうふうに受け取っておりますか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 今申し上げましたように長い経過がございます。そしてこの一九八八年四月から、どうするかということについて話し合いのテーブルができないままに推移をいたしてまいりました。しかし、一月の竹下訪米によって、友好国としても何とか話し合いはしなければならぬではないか、そうだということで合意を見たということであって、内容について合意をされたわけではございません。  それは私が任せられ、そして私の責任において交渉をした。しかし、いろいろな方々からいろいろな御意見を聞きながら、もちろんこの国会での議論も踏まえながら私としては交渉に当たったわけでございまして、竹下総理が勝手に私が決める前に決めておったというようなものとはちょっと違うのではないかな、私そう思っておるわけでございます。  ただ、時期が時期だけに、もう今度は決着をしなければならない、ウルグアイ・ラウンドを前にして二国間での交渉というものは妥結をしなければならない。それにしても国内対策も必要である。というのは、国際化の中で孤立はしてはならぬと同時に、我が国の食糧政策は毅然とした態度で進めなければならない。この両面から私が苦労をしたということでございまして、繰り返して申し上げますが、竹下総理が勝手に決めておって、そしてあとはおまえ行ってこいと言われたわけではございません。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 私は、これで余りやりとりはしたくないのですが、竹下総理が決めたわけではないと農水大臣は言っておられますけれども、この新聞等の受け取り方を見ますと、「一月十三日、ホワイトハウスでの日米首脳会談のやりとりでの竹下首相の応答が、対米約束を形づくり、」云々とあるわけですね。  しかし、あれまで佐藤農林大臣も頑張って、顔色を変えてテレビに映って、よく頑張ってるわいと思っているときに、ばっと上の最高首脳者がアメリカに行って約束したということは、細かいことはわかりませんよ、とにかくやりますからというようなことを言ったからこういうふうに出ていると思うのですが、そういうこと自体が、一般の人の発言と総理の発言というのはその影響力において違うということですよ。だから、あなたはこのことを余り弁解しない方がいいと思うのです。  その次に、今度こういうことでどんどんと農産物の自由化は進められ、オレンジ・牛肉の自由化も決められた。そしてまた今度は、米の環境が非常におかしくなってきているわけです。これは九月四日の日経新聞ですが、「日本のコメ市場開放を求め、米包括通商法三〇一条」、この括弧の中は略しますが、「三〇一条に基づく対日提訴を準備している全米精米業者協会(RMA)は、九月中旬に、コメ輸出協議会と連名で、米通商代表部(USTR)に申し立てる。」今後、USTRが訴えを受理するかどうか、ここに焦点があるという趣旨のことが書かれておりますが、これは一体、米についてはどういうお考えなんですか。こういうものが提訴される実現性はあるんですか。その辺に対する見通しについてお伺いいたします。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 御質問があれば、私の考えを率直に申し上げる立場にございますし、申し上げた以上は責任も持つのが当然でございますので、そういうつもりで答弁をいたしておりますので、これが損だとか得だとか計算をしてやっておるわけではございません。真実は真実としてお答えを申し上げておるわけでございますから、先ほど余り言わない方がいいと言われますけれども、聞かれるままに私は、そういう具体的な約束を総理がしたわけではない、こう申し上げておるわけでございます。何とかまとめようじゃないか、そうだそうだと両方で決まった話、その中身を私が任せられた、こういうことでございます。  米の問題についても、私なりに正直言って、かんにさわるような部分もあります。しかし、それは報道されておるそのある部分でございまして、日米政府間におきまして俎上に上っておる問題ではございません。  RMAの問題につきましては、二年前にもいろいろそういうことがございました。それは却下された経緯がございます。今度また包括貿易法が成立をしたということにちなみまして、ある報道によれば、大きな見出しで「包括貿易法成立」、サブタイトルで相当大きな活字で「コメが焦点」、こういう報道も私自身見ております。見ておりますけれども、中身を見ると、何も米だけのために包括貿易法ができたわけではございません。  米については、先ほど申し上げるように、ウルグアイ・ラウンドにおいていろいろな非自由化の品目について、あるいは制度について議論されるでありましょう。その際、私どもの主張を通すべく全力を挙げなければならぬと思っておりますし、私どもは、と申し上げますよりも、竹下総理を初め私自身もたび重ねて、米の自由化はしない、米は自給をする、こういうことを申し上げておるわけでございまずし、国会の決議もありということもつけ加えて申し上げておるわけでございますから、それを信じていただければ幸せである、こう思います。     〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、こういう新聞等に書かれておる情勢としては、これは事実ですか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 それは報道機関にお聞きをいただきたいと思います。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 大臣、何か頭にきておるようですが、ここは報道機関に聞くべき場所じゃないですよ。あなた、最高責任者として報道機関以上の情報を集めているくらいの誠意がなくちゃだめじゃないですか。今アメリカでは米をめぐってどういうふうに動いて、それが日本にどういう影響を及ぼそうとしておるか、そういう問題を新聞記者に任せてだけおけないでしょう。出た以上は、ある程度それに対するいろいろな調査なりが必要じゃないですか。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 ですから、先ほども申し上げておりますように、その動きは承知しつつも、政府問の議題とはなっておりません、しかしそういう動きはあることは承知をいたしております、二年前にもそういう動きがございます、こう申し上げておるわけでございます。  そして、報道によればと、こうおっしゃるから、その報道は真実かと言われると、私は報道機関に対してそれが間違いだとかなんとかということをここで申し上げる立場にはない、こういうことを申し上げておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これは揚げ足を取るわけじゃないけれども、報道が真実かどうかというのは、あなたの立場でどうなのかということを聞いているので、新聞記者にこれが本当かどうかということじゃないのですよ。我々が大臣に聞くときには、大臣の立場から見てこういう事実は本当にあるのかないのかというその真偽のほどを聞いているのであって、これは新聞記者に聞いたらいいだろうというようなことはちょっと私、納得しかねるわけです。  そこで米は、ことしはどうも天候不順で、これが平年並みになるのか凶作になるのか、その辺の農林省の見通しについてお伺いいたします。

甕滋食糧庁長官

○甕政府委員 ことしの米の作柄につきましては、統計情報部におきまして八月十五日現在の作柄予報ということで、先般九九の平年作、こういう発表を行っております。これは、先生十分御承知のように、八月十五日現在で今後の天候が順調であればこの秋九九になるであろう、こういうことでございまして、今後の天候の推移等、これからいろいろまだ見きわめる必要が当然あるわけでございます。したがいまして、現時点でどうかといった確定的なことは私どもとしても申し上げる段階にはないという状況でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、今議論されていることは、米生産に対して、今までは一律減反でやってきたわけですが、これは今後減反の選択制というものに移行すべきじゃないか、見直すべきじゃないか、こういう議論もされておるわけですが、この点に対する農林省の考え方を明らかにしていただきたいと思います。

甕滋食糧庁長官

○甕政府委員 現在、水田農業確立対策ということで、転作の問題に農家挙げて熱心に取り組んでいただいております。ことしの状況は、六月一日の計画ベースで一〇二と申しますか、協力が得られまして計画どおりの取り組みが進められておると承知しておるわけでございます。ただ、その中におきましても、今御指摘ございましたように、いろいろ問題が出ているではないか、配分方法等についてももっと工夫する余地があるのではないかといったような御意見があることも承知しております。ただ、これは現在農家が大変苦労されて取り組んでおる大きな問題でございまして、今後どうするかということにつきましては、例えばことしの成果を踏まえまして来年どうするか、こういうようなこともこの秋にかけて検討をいたしていくわけでございますけれども、いろいろ慎重に検討の上、来年度の方法等については決めていかなければならないということでございまして、ただいま御質問のような事柄につきまして現時点で私どもが考えておるわけではございません。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 次に、畜産関係の自由化関連対策についてお伺いいたします。  いよいよ自由化が本格的になるわけですが、それに伴って今後どういう対策を考えておられるのか、その辺についての御答弁をお願いします。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 御承知のとおり、先般の日米、日豪間の合意によりまして、三年後に現在行っております牛肉輸入についての輸入数量制限を撤廃することになるわけでございます。そういう状況に備えまして、大変厳しい状況下ではございますが、国内の肉用牛生産の存立を守り体質強化を図っていくという基本的な考え方に沿いまして、対策の具体化の検討をしておるところでございます。  御承知のとおり、去る八月二十六日に、政府と与党の間で設置されております農産物自由化等対策会議におきましてその骨子が了承をされ、今後引き続き具体化を図っていこうと考えておるわけでございます。  この骨子の内容を若干申し上げますと、一つには、中長期対策としまして、国内の肉用牛生産の振興、合理化を推進する一つのてこといたしまして、国内で生産されます肉用子牛の生産者補給金等に関する立法措置等所要の法制の整備について検討を進めていく。特に、この中におきまして、これらの対策の財源として牛肉等の関税収入額を充当するといったような規定を織り込むということで、現在検討を進めておるわけでございます。  それから第二には、当面懸念されます価格変動等に対処するための緊急対策といたしまして、現行の肉用子牛価格安定対策につきましてこれの拡充強化を図る、さらに肥育経営等の安定対策のための措置を拡充強化をしていく、さらに低コストの国内生産を推進するための措置をいろいろ考えていく、さらにまた流通の合理化等を図るというふうな内容につきまして具体策を検討いたしまして、これらの措置に必要な助成策を確保していきたいというふうに考えておるところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これから流通の合理化とかいろいろ法の新設あるいは改正等があると思いますが、その中で、最近問題になっている畜産事業団についてはどういう位置づけで考えておられますか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 御承知のとおり、現在の畜産物価格安定法によりまして、畜産振興事業団は、牛肉、豚肉等の食肉につきまして国内生産物の価格安定のための一連の価格調整措置、さらに牛乳、乳製品についての需給安定措置、また加工原料乳の不足払いに関する暫定措置法に基づきまして加工原料乳に対する生産者補給金の交付業務等々広範な業務を行っておりますが、それに加えまして、輸入牛肉の割り当て制度のもとで一元的な輸入主体としての機能を持たされておるわけでございます。  これらの機能のうちで最後に申し上げました輸入牛肉の一元的な輸入主体としての機能は、先ほどお答えしました牛肉輸入の自由化に伴いまして当然廃止されるものと考えております。したがいまして、自由化が実行されます際にはこの輸入牛肉に関する業務は廃止されますが、その他残余の業務、さらにまた、先ほど私が御答弁申し上げました国内産の肉用子牛に対する生産者補給金交付制度、これの具体化につきまして検討しておりますが、この制度の運用におきまして畜産振興事業団の機能を活用していくということも検討しておりまして、これらの業務をあわせまして畜産振興事業団の業務を再整備した上でこれを活用してまいりたいというふうに現在考えておるところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで大臣、今の畜産事業団の談合疑惑問題をめぐって、「佐藤農林水産相は、事業団に対して、公取委の調査があれば協力するように指示した。」こういうふうにあるのですが、それはどのような指示であったのか、お伺いします。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 私がそういうことが話が出てきておるということを承知した直後、私は畜産局長に対しまして、しかるべき調査を進めるべきである、自由化を決め国内対策を実行しなければならない、その中に流通の改善等もあるときに、その真偽のほどはいかがであれ疑惑を持たれることは極めて残念なことである、消費者の皆さんにも申しわけないことでありますしそういうことのないようにしなければならぬが、いずれにしても、事実の調査を早くするように伝えてもらいたいということを指示しました。あわせて、談合云々ということでございますから、公取委員会の調査というようなことも話としては言われておりましたので、そういうことになるとするならばそれにはちゃんと協力をしていかなければなりませんよ、こう申し上げておったところでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、その調査の結果が出ているかどうかわかりませんが、調査されていると思いますが、今日の時点ではどういう点に問題があったか、その点があれば明らかにしていただきたいと思います。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 この問題につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、大臣からの御指示をいただきまして、直ちに私どもとしても畜産振興事業団側に所要の調査の実行、さらに、事業団の取引先でありますこれらの指定商社に対しまして注意を喚起すること、さらにまた、これは私どもとしては仮定の問題でございますけれども、公正取引委員会の調査がもし開始された場合には、当然のことながらこれに協力をしていくということを畜産振興事業団に対して指示をしたところでございます。  現在、畜産振興事業団におきましては、これらの指示に基づきまして、過去の入札の状況につきまして記録、資料をもとにいろいろな角度から鋭意調査、分析をしておるところでございまして、最終的な結果報告をまだ聞いておりませんけれども、指摘されておるような事実を確認するような報告はまだ私ども聞いておりません。なお調査は継続しているというふうに聞いております。  また、関係商社に対する注意喚起につきましては、八月三十一日に関係商社の担当部長を集めまして、畜産振興事業団の方から、こういった報道がなされているというようなこと自体大変遺憾であり、改めて注意を喚起したところでございます。  なお、公正取引委員会の調査活動については、現在のところ私どもは特段の連絡は受けておらない、こういう状況でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 これは、通産省から指定を受けておる三十六の輸入商社が結局、事業団に冷凍輸入牛肉を二十七品目売りつけておる。その際に、入札価格を数%から十数%割高にした上で事業団に売り渡していた。結局、事業団がその商社から買う場合に割高で買っているということになるわけですが、そういう事実はあるわけですか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 御承知のとおり、畜産振興事業団が輸入牛肉の一元的な取り扱い機関としましてこれを輸入する場合には、国際市況等を勘案いたしまして内部において予定買い入れ価格を設定いたします。その予定買い入れ価格を基準にいたしまして、それ以下の範囲で御指摘の指定商社の入札行為によって買い入れ価格が事実上決まっていくわけでございますが、少なくとも調査した結果で、事業団が入札の前提として予定しております買い入れ予定価格水準を超えて買い入れをしたという事実はないと私どもは報告を受けております。  また、御指摘のような価格についての事前調整があったかどうかということについては、先ほども申し上げましたとおり、現実の入札書類、記録等に当たりまして、現在その疑いがあるかどうかについて確認を急がせているわけでございますが、そういった疑いが資料の上から具体的に読み取れるというふうな報告は現在のところまだ聞いておらない状況でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 そこで、公正取引委員会の佐藤第一審査長にお伺いしますが、八月三十日の朝日の夕刊で「三十六商社の冷凍輸入牛肉の落札シェア」というのが出ておるわけです。確かに一つ一つ見ればばらばらに見えるけれども、それが半期分ということで合計してみると大体特定の割合におさまっている、こういうことも指摘されておるわけです。この辺については、今までこれだけいろいろな報道関係あるいはその他の本によっても問題の中身が出ておるわけですが、どのような調査と、この一つの資料を見ただけでどういうお感じをされておられるのか、その辺についてお伺いします。

佐藤一雄公正取引委員会審査部第一審査長

○佐藤説明員 私ども公正取引委員会といたしましては、新聞報道に接して以来、その新聞報道が連日のように続いておったような状況でございましたので、その新聞に出る内容をフォローすることをやっておったわけでございますが、現在ただいまのところ実態把握の作業に着手したというところでございまして、先生お尋ねのような点につきましてもこれからよく内容を分析、検討する、実態把握に努めるということをいたしまして、その結果として独禁法違反として調査する必要があると認められる場合には適切に対処していく、そういうことでございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 答弁漏れている。新聞報道についてはどういうふうに思うのか。

佐藤一雄公正取引委員会審査部第一審査長

○佐藤説明員 その点につきましては、まだ感想を述べることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 何ともこれは、答えないことぐらい始末の悪いことないですよね。自分が、専門家としてこれを見たらどういう感じがするかぐらいのことは答えられないのでしょうか。感じでいいから答えられませんか。こういうことはあり得るのですか、半期ごとに大体シェアが決まっているということが、普通の入札では。

佐藤一雄公正取引委員会審査部第一審査長

○佐藤説明員 一般論として申しまして、シェアをその業者間で分けることを話し合って決めておったというようなことであれば、あくまで一般論でございますけれども、これは独禁法上問題となってくるおそれがございますけれども、新聞に出ております先生御指摘の表につきましては、その表だけを見て、私今申しましたような点から見て問題がある、なし、それはこれから次第に私どもが調査を進め、その段階でその実態を明らかにした上でないと、そのことについては何とも申し上げられないというふうに考えます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 時間がありませんから、先に進みます。  現在、土地改良事業がどんどん進められているわけですが、この土地改良事業というのは余りにも時間がかかって所期の目的が達成されないのじゃないかというおそれも出てきておるわけです。例えば六角川の河口ぜきの問題にいたしましても、それから白石地区の改良にいたしましても非常に時間がかかり過ぎておる。それから福島県の会津北部の開発、土地改良、これなんかは日中ダムと塩川の頭首工、本来は五十五年に工期が終わるわけなんです。四十九年に着工して五十五年に終わるわけだったのが、今度は六十六年にまた延期されておる。こういうふうにしてどんどんおくれていけば、農民負担は大きくなるし、あるいは用地買収も容易でなくなるでしょうし、財政負担ということでもだんだんかさんでいくのではないか。非常に農民に迷惑をかけるというふうに考えるのですが、この辺についてはどうお考えでしょうか。     〔杉山委員長代理退席、委員長着席〕

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 土地改良事業の問題でございます。  今具体的な地区の御指摘の問題もございましたが、それぞれの事情があるわけでございますが、概して申し上げますれば、過去の物価上昇でございますとかあるいは社会経済情勢の変化に伴います整備水準の上昇の問題でございますとか、その他もろもろの事情がございまして、御指摘もございましたように当初よりも事業の実施期間が長くなっておるといった事例が間々見られますこと、大変私どもとしても遺憾に存じておるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ早く事業効果の発現を期し得るように事業の進捗を図ってまいる、それが農家の負担の軽減にも資する道である、このように考えてございまして、制度的にも事業費の確保を図りやすくするような特別会計制度の拡充でございますとか、あるいは計画的な新地区の採択でございますとか、そういったことに努めておるわけでございます。  その結果、工期、例えば国営のかんがい排水事業で申しますと、内地の場合で昭和五十九年度、十七年近く平均でかかっておりましたものが、その後平均工期が減少の方に転じておりまして、六十三年度で十三・五年というふうな状況に相なっております。まだ長いとおっしゃられればそれまででございますけれども、私どもといたしましては、引き続き事業の計画的、効率的な実施を通じまして、事業の早期完了、事業効果の早期発現に格段の努力をいたしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 ぜひこれはもっと本気になって進めていただきたいと思います。  最後に、最近国有農地が不法に占拠されたりあるいはほかの使い方がされて宅地やその他に使用されて、それが非常にルーズで問題になっているわけです。  総務庁神奈川行政監察事務所の監察結果を受けて、農水省は十日までに、国有農地の旧地主やその承継人に認められている「買い受け請求権」に一定の制限を加えるなど、農地法の改正を含めた改善策の検討を始めた。」このように具体的に監察の問題として指摘してあるわけです。監察期間は昭和六十三年の四月から六月まで、そして国有農地等の一筆カードの整備、あるいは貸付地あるいは未貸付地、それからそのほかにこの処置の仕方について具体的に指摘がされておるわけですが、これについては一体どのような法改正を考え、この国有農地の完全な、完全までいかなくても最もよい管理のあり方としては今後どういうふうにしていこうとしておるのかお伺いして、私の質問を終わります。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 先般、神奈川県の行政監察事務所から神奈川県に対しまして国有農地の管理問題についての行政監察の結果のお示しがあったわけでございますが、実はこの問題は、私どもも前から重要な問題と考えておるわけでございまして、いろいろと国会におきましても御指導いただいたこともございます。それを踏まえて五十九年度には私どもの方で調査会もつくりまして、その結論を踏まえて、いろいろと売り払いの促進とそれから適正管理の問題について、管理を委託しておりますのが都道府県でございますので、推進方を努力をしてきておるところでございます。ただ、一部になお適正を欠くものがあるということを私どもも意識をいたしまして、これは非常に遺憾に存じております。  そこで、今回におきましても、神奈川県に対しましては、一筆調査を全体について行い、不適正事例の早期解消に頑張ってほしいという指示もいたしておる次第でございます。  なお、法律改正というお話がございましたが、本件の扱いの難しさは、売り払いをいたしますときに旧所有者ないしはその一般承継人に売り払うのを原則といたしておるわけでございますが、長年月のうちにその辺の関係がなかなかわかりにくくなっておるという事情があるわけでございます。そこで、相続をし得る人を限定するかどうかという議論もあろうかとは思いますけれども、これは権利関係の問題もございますので、私どもなかなかわかりにくいときには別途公告制度をもって対応し得るという道もございますので、それの有効活用も含めまして、今後とも売り払いの促進と適正管理の問題に取り組んでまいりたい、このように考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党・護憲共同

○渡部(行)委員 終わります。どうもありがとうございました。

野中英二自由民主党

○野中委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 最初に豚肉の輸入の問題についてお尋ねします。今世間は牛肉のことに注目が集まっております。牛だ牛だとやっておりますが、豚肉のこともひとつ大臣お忘れなくお考えいただきたい。  豚肉の場合は牛肉と違って輸入量に制限はございません。これは昭和四十六年、今から十七年前、輸入制限が取り払われた見返りに差額関税制度という輸入障壁が設けられていることは御存じのとおりでございます。この差額関税輸入制度とはどういうものなのかと申しますと、これはそちらで御説明していただければいいのですが、何せ時間がございませんからこちらから申しますので、間違っていたら間違っていると言ってください。  豚肉にはあらかじめ日本の相場や生産コストから計算した安定価格帯が設けてあり、その価格帯の中間を基準輸入価格と決め、税関に申告した輸入価格がそれより安ければ全部関税として徴収されるか、あるいは輸入価格の五%分か、いずれか多い方を徴収する。これは国内養豚業の保護が目的でございますが、今お話を聞いておりますと、この安定価格帯の中間基準を決めるのは畜産事業団、こう理解してよろしいですか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 差額関税制度の沿革なりその内容については、ただいま先生御指摘のとおりでございますが、そのもとになります国産豚肉の国内価格安定帯を決める権限は農林水産大臣が持っておりまして、その決めた安定価格帯の水準に応じまして差額関税制度運用上の基準価格は農林大臣が決めるということになっております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 農林大臣、その決め方はそのときどきによって違うと思いますが、この二、三年、中間価格帯は動いているのですか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 この差額関税制度の運用のもとになります国産豚肉の価格安定帯、これは原則的に毎年度単位で決定をすることになっておりますが、御承知のとおり、豚肉の生産コストの大宗を占めます飼料価格が大変低下をしてきておる、あるいはまた経営規模が大規模化しておるということがございまして、生産コストが最近低下をしております。したがいまして、最近二、三年の状況を申しますと、相当大幅に毎年度の安定帯価格水準を引き下げてきておるという実情にございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 価格帯は引き下げておるというけれども、さらにこの取引のもとである外国の産地の値段というのが下がっておりまして、特に台湾などは非常に安い。この差額関税制度を悪用した非合法取引を行っているのではないかという疑惑が今ささやかれております。こういうものが、農水省としては実態を掌握しているのかどうか。  差額関税制度を悪用した非合法取引というのは、積み荷の豚肉はもっと安いのに、税関には一キログラム六百二十八円前後のすれすれの価格として、虚偽の申告をする手口であります。実際はかなりの安値で輸入しているのに、差額関税をほとんど払わず、しかも差額関税で支えられた日本の高い相場に合わせて売られるから莫大な利益を得る、こういうことが一体合法なのか非合法なのか違法なのか、一種の脱税しているという見方も強いのでございますが、これは実態を掌握なさっておりますか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 先生御指摘のような問題につきましては、私どももいろいろな議論で話題に供されることで承知をいたしておりますけれども、このような差額関税の脱税に類するような行為は、私どもの保持をしております国産豚肉の価格安定制度の効果を無にすることで、許容しがたいことであるという見解を持っております。  ただ、この差額関税の具体的な運用につきましては、税関当局が運営をしておりますので、私どもとしましては、関税当局とも密接な連携をとりながら、私どもで可能な業界指導はそれなりにやっておるつもりでございますけれども、関税の徴収そのものの業務は税関当局の方にお願いをして運用をしていただいておるという実情でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 税関への申告書と輸入物資の中身を照らし合わせて一々調べたり、その中身が輸出国で今幾らになっているかなどとその都度その都度確認するようなことは、税関職員に聞いてみたところできないと言っておる。どうやってこれは税関職員がキャッチできるのですか。これこそ農水省の職員の専門的な知識とその働きでなくてはならないと私は思うのでございますが、これは大きな問題ですから、大臣そういう問題をどうお考えになっておるのか。簡単でようございますから、要領よくお答えいただきたい。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 関税問題に見識を持っておられる委員からの御指摘でございます。  この関税制度、これを悪用しておるとは私は信じがたいのでございますけれども、しかし、御指摘のようなことについて農林水産省と関税当局との間で検討をする必要はある、こう感じておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 アメリカではそういう日本の差額関税制度の撤廃を繰り返し求めてきておるわけですが、間違いございませんか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 先生御指摘のとおり、日本の国内市場に対してアメリカその他ヨーロッパの一部の国が豚肉の輸出関心を大変強く持っておるということは事実でございます。またマーケットアクセスの拡大のために、この差額関税制度についていろいろな交渉の場面で先方から話題に供された経過もございます。その都度、私どもこの制度の必要性を主張、説明をいたしまして、それなりの理解を得ておるつもりでございますが、今後の関税交渉いろいろな局面があるわけでございますが、先方から従来から言われておりますような主張があることを予測はしておりますけれども、この制度の国内対策としての必要性を私どもとしては説明をいたしまして、引き続き相手側の理解を求めるように努力をしたいというふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは関税障壁一般に対する一つの豚肉の問題点として提起されておるわけですが、こういう不正行為が台湾輸出の豚肉の中で今非常に多く散見されるということであります。これは後ほど私の方でデータを差し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても、そちらでも厳重にチェックをし調査をしていただきたい。  そこで牛肉に及びますが、牛肉も自由になりますと、今牛肉は自由化の方向でございますが、将来豚肉と同じように開放された場合は、今の豚肉と同じような差額関税制度というものを取り入れるお考えがあるのですか、大臣。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 御承知のとおり本年三月から、大臣のお出ましもいただきまして対米、対豪交渉、牛肉の自由化問題についてやってきたわけでございます。  その中で、自由化後の国境調整措置について大変大きい話題になりましていろんな論議をしたわけでございますが、先般合意を見ました内容の中で、牛肉自由化後の国境調整措置といたしましては、高率の定率関税をしいていくということで、自由化されます昭和六十六年度については定率関税、従価関税でございますが七〇%、それから二年目につきましては六〇%、それから三年目以降については五〇%という従価の定率関税を課するということで合意を見ております。なお四年目以降のレベルについては、ウルグアイ・ラウンドの関税交渉においてまた交渉をやっていく場合の対象にするということで合意を見ておりまして、豚肉に見られるような差額関税を現在私どもとしては考えておらないという状況でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いずれにいたしましても、この問題につきましてはよくよく御検討いただきたいと思っております。  次は、見沼田んぼの件についてお尋ねします。  見沼田んぼは、首都圏の約二十キロから三十キロメートル圏に位置する千二百六十ヘクタールの大規模緑地であります。江戸時代の中ごろ、一七二七年ごろ、見沼代用水の開削による新田開発によって開かれた区域であり、私の住んでおります埼玉県の中核になっております。昭和四十年には、芝川の遊水機能を確保するために見沼三原則、見沼田んぼ農地転用方針が制定され、昭和四十五年には都市計画法によって全域が市街化調整区域に位置づけられております。  この見沼の三原則につきましてはここでは御説明いたしませんが、皆様方よく御存じのとおりでございますが、ここ数年の間、この見沼の開発か保全かの論議が続けられておりますことは、首都圏の一番いい、埼玉県の中核の土地に、真ん中にこのような広大な緑地帯があることが、都市計画法上の開発の問題、農地保全の立場、環境保全の立場、いずれも重要な、私ども県民、国民にとって必要な見沼の開発か保全か、この問題が県議会やその他の市町村、また国においても議論されてきた次第でありますが、この方針が一体どうなのかということであります。  昭和六十年三月に、国土庁、環境庁、農水省、林野庁、建設省の五省庁が共同で取りまとめた、首都圏における緑地環境の整備保全計画調査において、見沼田んぼを首都圏の拠点的な緑地保全ゾーンとしての位置づけがなされておりますが、その後関係五省庁での話し合いはどのようになったのか、これが一つであります。  さらに、建設省の考え方と農水省の考え方はおのずと違っておりますが、農水大臣はこの問題についての方針はどうなのか、これが二点目であります。  そして、私の考えておりますことは、周辺の斜面林と一体となった見沼田んぼ地域を対象に、見沼田んぼ保全・活用の考え方を踏まえ、農用地を含む形で、地域性公園と施設公園とを複合した、新しい形での大規模な国営公園の創設と導入についても検討する必要があるのではないかということを政策として訴えているわけでございます。この問題についてはいかがなものか、これについてお答えをいただきます。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 見沼田んぼの問題につきましては、今先生御指摘のような経過をたどっておるわけでございます。特に、お話のございました私どもも含めました関係五省庁におきまして五十八年度と五十九年度に調査を行いまして、国土庁が取りまとめましたのが御指摘の計画調査でございまして、その中で首都圏の拠点的な緑地保全ゾーン、こういう位置づけがなされているのは御指摘のとおりでございます。この調査の実施後、そのことの取り扱い自体をめぐって特段の話し合いが行われたわけではございませんけれども、その後首都圏の整備計画が御案内のようにつくられておりまして、その策定に当たりましてこの調査結果の趣旨が反映されているものと私どもとしては承知をいたしておる次第でございます。  当該地域のこれからの取り扱いの問題でございますが、今先生から御指摘がございましたような経過の中で、私ども埼玉県の考え方を具体的に承知しておるわけではございませんけれども、考え方としては緑地としての、特に遊水機能を備えた緑地としての重要性を認識しながら、一定の開発、有効利用といいましょうか、そういう方向で県内の意見の調整に当たっておるという事情にあることは承知をいたしているわけでございます。  私どもの基本的な立場といたしましては、この地域の緑地としての機能の重要性は十分頭に置いておるわけでございますけれども、この地域をどのように扱っていくのかということにつきましては、まずは地域住民の意思統一といいましょうか、コンセンサスづくりが第一なのではなかろうかというふうに考える次第でございます。残念ながらいろいろな御意見があって意見がまとまっておらないように承知いたしておりますが、そういう意味では、今先生から御提案もあったわけでございますけれども、やはり県内におきます合意形成といいますか、そういうものの成り行きを見ながら、また県からも恐らく具体的な御相談もあろうかと思いますので、その段階で私どもの立場といたしましては農業上の利用の問題ということも十分に頭に置きながらよく相談していきたい、このように考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、この問題はこういう答弁では、それは確かに一番模範的答弁でございますけれども、これが悪いと言っているのではございませんが、これでは非常に困るのです。だから、農水省の考えは基本的にはこういうものがあるんだ、だけれども、こうこうこうなんで、このことも検討に値するという、何かあなた方が指導していく主導型の指導というものがなされないで、非常に当たりさわりの少ない御答弁、お考えでは困るのです。いかがなものでしょう、これは、大臣。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 私も今やりとりを聞いておりまして、住民サイドの意向というものを十分見きわめながら計画を立てている。しかし一方では、委員御指摘のように緑地公園としてという言葉もございました。どのようにやっていくのか、その中にあって、私どもの所管であります農地ということについての緑地保全と結びつけた物の考え方も当然のことながら持っていなければならない。私どもは、地域農政それ自体を考える上においてそれぞれ持っておるわけではございますけれども、しかし、それがまた先んずれば建設省との競合の問題が出てくる。しかし、縦割り行政の時代は終わったという認識も必要でございますし、終わっていなければ終わらせるようにしなければならぬことも今日の時代では必要であるという認識を持っておりますので、建設省ともさらに実務的に相談をさせながら慎重な検討を進めてまいりたい、こう思っております。もちろん県当局におかれても適切な御連絡がそのうちにあるのではないかと私も想像をいたしておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 では最後に、水産行政について一言だけお尋ねします。  二百海里専管水域の規制が始まって十年余りになりますが、アメリカの対日漁獲割り当ては昭和五十三年が百二十五万トン、昭和六十三年からはゼロ、ソ連の対日漁獲割り当ては昭和五十三年八十五万トン、昭和六十三年二十一万トン、このような厳しい国際環境の中で水産行政としてはそれなりの手を打っていると思いますが、今密漁がたくさんこの北転船によって出ているということが報道されております。しかも、取り締まりの対象になっているこれらの方々は、生きるためにやむを得ない行為である、残されたぎりぎりの線での選択をおのれの生命、財産をかけて挑戦しているわけであります。ただし、沿岸漁業や育てる漁業、いろいろと模索はされているでしょうけれども、どうしてこういう事態が出、こうやって対外的な信用を損なうような問題まで惹起しなければならないような、今の追い詰められた北転船を中心とする沿岸北洋漁業、二百海里水域で締め出されたこれからの行く先、大臣の御決意、そしてこれらの漁民に対する激励、ただしかるだけではなくきちっとした生活設計を与えるのが政治であると思いますから、それをお願い申して、私の質問を終わります。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 二百海里時代とはいいながら、国際的に特に日米、日ソ漁業関係は極めて厳しい環境にあることは私も承知をいたしております。であればこそまた第三次沿整、第八次漁港長期計画、これを本年度から実行することにいたしましたのもそこにゆえんがあるわけでございまして、そういう中にあって需要にこたえ得る、また漁業者が漁業者として食べていけるような施策は何であるかということを私どもは常に考えていかなければならない。そういうことも考えながら、違反操業というようなせっぱ詰まった物の考え方を、決してただ単に同情するだけではございませんけれども、そういう立場も頭に置いて指導していかなければならぬと心得ておるつもりでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 古川雅司君。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 わずかな質問時間でございますので、まとめて二問、まことに恐縮でございますが、農林水産大臣に限って御答弁をいただきたい、このように思います。いずれも大臣は熟知していらっしゃることでございますので、御見識と御確信をお示しいただきたいと思います。  まず第一問でございますが、農水省は有機農業技術実用化事業、この新規事業をお進めになります。事業内容としては、一つは検討会の設置、二つ目に技術体系の確立、三番目に実証地区の設置、この事業の実施主体を財団法人農産業振興奨励会に置いておられるわけでございます。このことで、有機農業について農水省はやっと重い腰を上げて、有機農業を積極的に振興していくという姿勢をおとりになったのかということをまず伺いたいと思うのであります。  ことしの農業白書にも初めて自然農業の事例を取り上げられました。有機野菜とか有機米、有機の表示をした農産物が大量に市場に出回っているわけでございます。これは消費者と生産者を結ぶいわゆる産直形式をとっているほか、最近ではスーパー、小売店などによりますと商品の三割から四割ぐらいを占めている場合もあるわけでございまして、非常な伸びを示しております。これは農水省としてはどうお考えになっているのかということをぜひ伺いたいところでありますが、私どもやはり農薬の使用量という原点から考えなければならない。全国で年間六十三万トンに達していると言われておりますし、国民一人当たり五・三キロに当たるということが消費者にとっては食品の安全性という面で非常な問題点になっている、また不安、懸念を抱いている、そういうことになるわけでございます。  先般、公正取引委員会が、有機農産物の有機についての定義あるいは基準が明確でないという指摘をいたしておりました。これはやはり安全な食糧、農産物を提供していく最高の責任の立場にある農水省が、この問題についてもっとシビアに取り組んでいかなければならないのではないか。現にアメリカ各州にいたしましても、あるいはヨーロッパ、フランスや西ドイツあたりにいたしましても、こうした基準は明確になっておりますし、また、これは報道でございますが、有機農業団体の国際組織IFOAM、国際有機農業運動連盟ですか、そこあたりでも明確に示しているわけでございます。こうしたことによりまして、これまで有機農業についてはいろいろ問題点は指摘されておりましたけれども、消費者と生産者のため、また勇気を持って有機農業に取り組んでいる生産者の皆さんに対する対策ということも含めまして、今回のこの新規の事業を評価するとともに、今後この政策をどう展開していくのか、お伺いをしておきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 冒頭に、実は私、何でも知っているわけではございませんので、足らざるところは実務者から補足をさせる場合もあり得べしということでひとつ御理解賜りたいと思います。  ただいま有機農業について、安全問題との関連で特にまたお話がございました。かつて予算委員会等で、おまえは食糧の安全をどう考えるかと言われたときに、安全でないものは食糧と言わない、この一言をお答えした経緯がございます。私も安全問題に敏感なつもりでおります。そういう意味からも、高品質な手づくり有機農業ということで、私も大きな関心を持っております。  今消費者ニーズにどう対応するかということも、もちろん生産、流通、消費各般にわたって私どもが食糧について考えていかなければならぬ大事な点でございますし、特に本年度から有機農業技術実態調査を実施してその実態の把握をしてまいりたい、こういうことで取り組みを強化いたしておるところでございます。今お言葉によりますれば、公取が、基準すらできていない、明確でないではないかということをどのように言われたか、申しわけありませんが、私自身承知をいたしておりません。しかし、公取がどうおっしゃられようと、もしそう言われたとするならば、まさにそれこそ実態の把握に努めなければらぬ、こういうことで、しかしそのテンポがちょっと遅過ぎたではないかと言われれば、その御指摘は甘んじて受けます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 この定義の問題もさることながらという感じでございますけれども、冒頭に申し上げましたとおり、既に消費者の間にかなり普及をいたしてきております。問題は、有機といっても、例えば鶏ふんを少し使用したというだけで有機と言ってしまう、あるいは消費者には選別のしようもないというようないら立ちもあるわけでございまして、有機農業をこれから推進していくというお立場をとっていただけるのであれば、そうした消費者のため、そしてまたそうした有機農業に携わる生産者のためにも、この新規事業を中心にしてさらにこれを発展させていくという方向でぜひ今後とも力強くお取り組みをいただきたいと思うのでございます。  つけ加えますと、これはさっき申し上げたとおり、各国でそうした有機そのものに対する明確な基準を持っているところでございますから、これをいつまでもあいまいにしていきますと、いわゆる非関税障壁の一つとして今後障害も生じてくるということを心配している次第でございます。  大変慌ただしいのでございますが、第二問に移らせていただきます。  けさほど来たくさんの指摘がございましたけれども、農産物の輸入の自由化、それに対する国内対策、特に牛肉・オレンジ、米問題、この対策とあわせて補助金のあり方につきまして、これも大臣の御見解をこの際さらに明確に伺っておきたいと思います。  日米間の牛肉・オレンジ交渉の決着に至る大臣の御苦心は非常に記憶に新しいところでございます。国際化に対応した牛肉政策の確立あるいはミカンに対する対策、それぞれ講じてこられておりますが、いずれにいたしましても、いかに国際化が進展いたしましても牛肉の国内生産はどうしても必要である、しかも消費者におきましては牛肉の値下げを望む声も依然として強い。そういう中で、どうすればそれにこたえられるか、非常に難しい問題があると思いますけれども、少なくとも肉牛の肥育に対しましては、まだまだ合理化の余地があるということも一面の事実ではないかと思います。ミカンにつきましても減園対策と先般補助金の決定をしたいきさつも見てまいりましたけれども、輸入の自由化というこうしたかつてない事態を迎えたわけでございますから、補助金を出していくということもある程度やむを得ないと認識せざるを得ません。  そこで、これは広島県の農政部の試算でございますけれども、自由化による県内の農家への影響を試算をいたしました。それによりますと、かんきつ類は豊作で暴落をしました六十二年度の価格水準に下落をするのではないか、また畜産につきましても肉牛を中心にして大体三〇%ないし五〇%の価格の低下を予測をしているわけでございます。これは広島県農政部の試算でございますけれども、大臣としてはやはりそういう予測をお考えになっていらっしゃるのかどうか。これは数値的なことになりますけれども、当然こうした農家への影響、打撃ということが今深刻に懸念されているわけでございます。こういうことをどう受けとめていくのか。  今回は補助金という問題で緊急対策をされたわけでございますが、ここで消費者側からもいろいろな御意見があるのは御承知のとおりでございます。そうした言い方をいたしますと、補助金を道具にして農家を動かす、農家もまたその補助金に頼って次の営農を考える、この繰り返しであって、そうした体質を今回もまた温存したままではないか、今回のこの非常に厳しい自由化を受け入れざるを得なかったという事態に対しては余りにも学ぶものがなかったのじゃないか、旧態依然としているのじゃないかという指摘もあるわけでございまして、その辺に対する御感想もひとつお触れいただきたいと思うところでございます。  米については、これはもう議論がたくさんございますけれども、最近の問題点といたしましては、ヤイター米通商代表部が、二年前にRMAが提訴をいたしました、これを却下したとき以来日本としては米政策を変えていないじゃないかという、いわゆる米政策の転換を再び迫ってきているわけでございます。これは心配をされますのは、殊に新包括通商法が去る二十三日発効いたしました。この三〇一条を適用してアメリカが何らかの措置をしてくるのではないかという心配が一つあるわけでございますけれども、この点につきましても農水大臣としてはどうお考えになっていらっしゃるのか。  いろいろ申し上げてまいりましたけれども、いずれにいたしましても、農村部を回ってまいりますと、米につきましても、先日来青刈りをしたりあるいはまた圃場整備がどんどん進む一方では、減反に心を暗くしたりしているのが実態でございます。一体これからどうなっていくのであろうか。  例えば、話があちらこちらになりまして恐縮でございますけれども、グレードアップというようなこともこれからの一つの生きる道であろうか。牛乳などがグレードアップによって消費をふやした、そういうことも一つ学ぶべき点であろうか。あるいはまた先ほどのオレンジの問題でありますけれども、これも輸入の自由化によるミカンの不安というよりも国内のイチゴの生産が品種改良をして非常に消費が伸びた、これがミカンの消費を圧迫した、そうしたことを考えてみると、ただ輸入の自由化による不安だけをあおるのじゃなくて、果実全体の消費のバランス、需要のバランスというものもこれから綿密に考えていかなければならないのじゃないか。  米につきましても、これはいろいろ言われておりますけれども、先日は九州地方でササニシキ、コシヒカリが大量に売れた、その結果現地の産地米が売れなくて非常に滞貨をふやしていったということが報道によって伝えられております。  現に私のおります広島の方でも、あるいはスーパーでこうした銘柄米が売られておりますし、また、これはスーパーあたりに山と積まれて消費者がそれに手を出していく。また食堂あたりでも、当店はコシヒカリを使っております、ササニシキを使っておりますということが客寄せの一つの手段にもなっております。  こうしたことで、米づくり一つにいたしましても、ではどこでもコシヒカリ、ササニシキをつくればいいかというと、これは御承知のとおり土づくりから取り組んでいかなければならない。まして、その土地、気候と大きなかかわりがあるわけでございますから、そう早々と転換はできない。そういったことを含めまして米政策の転換、これは対外的にもまた国内的にも急を要するのではないか、このように考えるわけでございます。  非常にまとめまして恐縮でございますけれども、大臣にお伺いをいたします。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 極めて広範多岐にわたる御質問でございまして、それをわずか三、四分で答えろということになろうかと思いますが、なかなか面倒でございます。  しかし、率直に申し上げますけれども、まず長きにわたる日米農産物交渉、これにどうしても決着をつけ、そして将来不安に備えて不安がないようにするのが私の務めである、こういうことから歩み寄りもいたしました。また国内対策につきましても、財政当局にそれなりの理解を仰ぎながら関係八閣僚署名のもとにおいて実行いたしました。関係する方々に対しては厳しい試練であったと私はつくづく思っておるのでございますけれども、将来に備えてということで、足腰の強い農業を進めていくためにはということで、これを基本にしながら対応してきたつもりでございます。  特に主要農産物であります牛肉・かんきつにつきましても、その存立を確保する、守るということで、これまた基本的な考え方で進めてまいりました。  去る八月二十六日、政府・与党農産物自由化関連対策会議、ここにおきましてその骨子が了承された経緯は御案内のとおりでございます。私はここで与党のことだけを宣伝するのではございません。与党もまた政府と一体で責任があるという立場において、そういう会議を持って、あのようなことを了承したところでございます。  具体的に牛肉・かんきつそれぞれについて申し上げたいのでございますけれども、牛肉は先ほど来既に畜産局長から大体のことを説明しておりますし、かんきつにつきましても非常に厳しい側面がございます。そういう意味では、もうあなたがかんきつをやめるというならばこうするよというような、本当に、あるいはやってはならない、やりにくい問題でございましたけれども、そのような方針も出して、財政当局とすり合わせをしながら、あのような新しい助成措置もしたわけでございます。転換するにも転換できないところをどうするのか、一番つらいところをまず救っていかなければならぬという、心通うやり方をどうしても考えようということでやってきたわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもは、この牛肉・かんきつの存立を守るということで、厳しい国際情勢の中で、孤立をせずに、しかも歩み寄りながら、国内措置でもって、消費者の理解も得ながら、ここまで進めることができました。その点は国会、当委員会における御支援も感謝しなければならぬと思っております。  なお、米の問題でございますけれども、米は我々国民の主食でありますし、我が国農業の基幹をなすものであることその他重要性等々につきましては、この場における決議等も重ねていろいろございました。そういうことを頭に置きながら、米の需給安定、安定供給体制に全きを期す。米は自給するという方針には変わりございません。自由化はいたしません。そして食管の根幹は堅持をします。そして、その運用は時の流れとともに常時考えていくのはこれは責任ある立場としては当然のことでございまして、実務者を督励いたしておるところでございます。  そのようなことで、農政審報告に基づいて今日まで新たな観点から農政を進めてきたわけでございますけれども、新しい需給の見通し、やはりこれも考えなければならない。また、特にことしは十二品目問題、牛・かん問題、あるいは政府買い入れの米価、その際の議論、これも考えますと、先行きということについてより具体的な指針等も何とか考えなければならぬと心組んでおる次第でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 まず会計検査院にお伺いをいたします。  現在、検査院においては新しい検査方式の導入を検討しておみえになりますようで、会計検査問題研究会、これがあるやに聞いております。いろいろなプロジェクトがそれぞれ予算執行されるわけでありますけれども、大規模な公共事業等それが完成後に事業効果というのを数値で計算し、当初の計画の数値と対比をする費用便益分析をこの研究会が提言をしておるようでございますけれども、その目的と現在までの活動状況についてお伺いをしたい、こう思います。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 会計検査院といたしまして、最近、事業が本当に経済的、効率的に行われているかどうか、あるいは事業が本来の目的を達しているかどうかという点にも重点を置いて検査を進めているところでございます。このようないわゆる業績検査を進めるに当たりまして、新しい検査手法を開発することが必要になってまいります。そこで、ただいま委員の御指摘になりましたような研究会を設けまして、学識経験者十名の方の御参加をいただいて業績評価手法の研究を進めているところでございます。既に総論の段階を終わりまして、ただいま各論の段階の検討をいたしております。  今後とも、公共事業あるいはいろいろなプロジェクトの検査に当たりまして、この研究の成果を活用して、検査の一層の充実を図っていきたいと考えているところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 今御答弁がありましたけれども、問題は、民間企業でもフォローアップということをよく言うわけでございますが、まさしくフォローアップが必要だ。そういう意味で問題は、生産物を、一般の工事の流れだとか予算をただ点検するということではなくて、当初各省庁がいろんな起案をして持ってくる、そのとおりにできたかできないのか、その効果を見る物差しというのが、これは言うはやすし、簡単にはいかないと思うのですが、いわゆる基準を確立することについてどういう見通しを持ってみえるのか、あるいはその決意があるかどうか、お伺いしたいと思います。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 評価の基準がなかなか難しいということはただいま委員の御指摘のとおりでございます。従来、私どもが、公共事業を初めといたしますいろいろなプロジェクトにつきまして事業効果を問題にいたしましたのは、主として当初の計画に比べて非常に実行がおくれているとか、あるいはせっかくつくったのに一部または全部が未利用の場合になっているというようなケースでございます。こういう場合には客観的に割合明らかでございますが、問題なのは、事業が完了いたしましてそれなりに利用され稼働しているという場合でございます。このような場合には、今御指摘のございましたように費用と効果とを計量的に突き合わして見るということが必要でございますので、いわゆる費用効果分析あるいは費用便益分析ということを先ほどの研究会を通じまして研究しておるところでございます。いわば物差しを開発するという意味で努力をしているところでございます。  検査手法といたしましては、このほかにコンピューターを利用する検査もいたしております。いろいろなデータをコンピューターを使って突合する、こういう検査は年金とか保険とか租税の検査には有効でございますので、既にその検査いたしました結果を検査報告に掲げた例もあるわけでございます。  今後とも、検査手法の開発に一層努力いたしまして、決算の御審議の重要な参考になるような報告を取りまとめるように、さらに努力をしてまいりたいと思っているところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 決算委員会の性格として、検査院の報告あるいは役割は非常に大切だと思います。ぜひ客観的な評価というものができるよう、データの利用等については十分検討していただいて頑張っていただきたい。一言激励の質問をしておく次第でございます。  では農水省の方にお伺いいたしますが、競馬法改正について質問したいと思うのです。  私は、ことしの予算委員会あるいはまた質問主意書等におきましても、競馬法の改正が必要だ。特に、競馬法というのは昭和二十三年、戦後にできたわけでありますが、当時は国の財源確保の沈めに制定する。その後、地方競馬等の問題で抜本改正が三十七年にありましたが、その流れというのはほとんど変わっておりません。しかし、競馬ファンの数はもう一千万人を超えてきたわけですし、それこそお年寄りからOL、若い女性まで大変な人気を今呼んできておるわけで、年間の売り上げが二兆円を超える、さらに国庫納付金も二千三百億を超える、こういう国としても巨大な事業になっておるわけでありまして、私はファンの声をもっと競馬会は反映をすべきだ、あるいは農水省はそのように指導すべきだ、こういう立場を持っておるわけです。  ファンの声というのは、もう何といいましても世界で一番高いのではないかと言われる控除率二五%、これは世界でも最高じゃないか、こう言っておるわけでありますし、百億円に上るというつり銭、いわゆる端数切り捨てですね、これが国庫に納付をされてしまい、ファンの懐からその金が消えている。あるいは馬房制限、あるいはわずか一万円という登録料の問題など、緊急に解決をしなければいけない問題が山積をしております。しかし、中でも同枠取り消し、これはファンからも非常に強い不満があるわけでありますし、一歩過ちますと騒擾化するおそれもあるわけです。事実、昨年の十月でございましたか、中山競馬で行われましたクイーンステークスの出走予定が取り消される。「クリロータリー」でございますけれども、一時間前で出走取り消し、既に馬券を購入していたファンは非常に強い憤りを持ち、場外馬券売り場等では大変なにらみ合いが行われたという事実もあるわけであります。  その後の予算委員会等で私ども取り上げまして、佐藤農林大臣はそのときにも、ファンの方々の意見も十分聞いていこうじゃないか、こういう積極的な御答弁がありまして、私、それは非常に高く評価をしておるわけですが、これが一体今どのように進行しているのか、その進行状況についてお伺いをしたい、こう思います。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のございました競馬法改正問題をめぐる諸問題につきまして、私どもも御意見を体しまして慎重に検討しておるところでありますが、その中でも特に同枠取り消し問題について、具体的にファンはもちろん各界各層の方々から幅広く意見を聞いてはどうかというサゼスチョンがあったわけでございまして、それも踏まえまして、私ども、中央競馬会とも相談をいたしまして、いろいろな形でございますけれども、この同枠取り消し問題について関係者の意見を集約する作業に着手しているところでございます。  その一環といたしまして、ただいまお話のございました一般ファンのアンケート調査という形で、六月から七月にかけまして関東、関西の競馬場と場外馬券売り場それぞれ一カ所、合計四カ所におきまして、一カ所当たり平均で百名程度、全体として四百名の一般ファンの方々に直接面談調査をいたしましたアンケート調査を実施したところでございます。この同枠取り消し問題に関連をしていろいろな設問を設けて行ったわけでございますが、現在その集計・分析中でございまして、最終的な結果はまだ報告を聞いておりませんけれども、現在その作業を急いでおるところでございますので、意見集約の一つの形としてそのような一般ファンのアンケート調査を行っておる、そして現在集計・分析作業をしておるという状況を御報告する次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 一カ所百人の面接調査だと言いますが、ファンの人はこう言うのです。競馬場というのは大体八万人から十万人近い人が入るわけです。同枠取り消しの問題というのは非常に専門的な話なんです。ファンは競馬に来ているわけですから馬券を早く買いたい。それなのに、入り口で、あなたはこれはどう思いますか、デメリットがありますか、どういうメリットがありますかと聞いてマルを書くというのは、ええっという感じ、面倒くさいからあなたに任したよ、こういう感じです。一千万人の人がいるのですから、四百人の集計だけではその声は反映しない。しかも調べ方に今言ったような問題があるわけです。だから、スポーツ新聞に中央競馬会が、こういうアンケートをファンの方々に行いますと堂々とまず広告をする、そして中身について専門家が解説をする。今度もしあなたが競馬場あるいは場外馬券場に行ったときにはこういう質問があるかもわかりませんよと予告をして調べるというのが、本当のファンの声を求める方法ではないだろうかと私は思うのです。  これは非常に不十分だと私は思うのですが、もう一回やり直していく。あるいは、今著名な評論家の方々の意見を聞いていないという現状だそうですが、競馬場に毎日出入りをするファンでない学者、文化人の声よりも、スポーツ新聞等に毎日原稿を書くような人々だとか著名な評論家の方々の声も聞く、それをスポーツ新聞ならスポーツ新聞にも堂々と発表していく、そこで関心が沸き上がる、こういう世論調査をやるべきだと私は思うのですが、どうか。そして、そのまとめを、今私が聞いておる範囲内では九月だと言っておりますが、私のこの提案を受け入れて、九月にまとめるのではなくて、もっと時間をかけてまとめるようにしてもらいたいと思うのですが、どうですか。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 私がただいま御報告申し上げました一般ファンを対象にしましたアンケート調査、これはただいま先生からまたいろいろな御注意があったわけでございますが、これらと並行いたしまして、中央競馬会の方で委嘱しております競馬モニターの方々に同枠取り消し問題に対する意見をお聞きするというふうな作業、さらにまた競馬問題について造詣の深いマスコミ関係者、評論家の方々と懇談していろいろな御意見を伺うというふうなこともやっております。まだ全部を聞き終わっておらないという状況でございまして、今後さらに継続して実施されるものが残っております。また、直接競馬に関係しております馬主あるいは厩舎関係者等の意見も聞かなければいけないだろうということで、そういった方々を対象にした懇談等を通ずる意見聴取というようなことも企画しておるようでございまして、そういったいろいろな手法を通じまして、御指摘の同枠取り消し問題に対する意見聴取の作業を進めておるという状況でございます。  ともかく、今予定しております意見聴取作業につきましては、それなりの意見集約作業を進めて、私どもとしてもその状況を競馬会からよく聴取してまいりたいと思っておりますけれども、ただいま先生からお話のございました調査の方法なりその範囲についてさらに検討を加えて、最終結論を得るために必要な調査等について、他の手段も必要であるとすればまたそれらも含めてよく検討してまいりたいと私ども考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 これは私見でありますけれども、現行八枠制の馬券上の友引、つまり取り消し馬の出た馬券は無効にして元返しをする、この考え方と、もう一つは、一頭一枠制の新型馬券の併売が理想的ではないだろうか、そのことが今競馬会がアンケート調査をやっております同枠取り消し問題の解決方法ではないだろうか、こう思うわけであります。一頭一枠制の新しい馬券をファンサービスのために、今アメリカだとかヨーロッパで行っておると同じように併売するという考え方について農水省はどう考えるのか、あるいはもしこれを実現することになるとするならば法律は改正する必要があるのか、あるいは法律を改正しなくて省令改正でこの問題に対処することができるのかどうかお伺いをしたい、こう思います。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 懸案になっております同枠取り消し問題についての一つの解決方策として、現行の限定一枠一頭方式と一枠一頭方式の併用方式というアイデアが考えられるということは、私どもとしても観念論として一つの選択肢としてあり得ることであると考えておりますけれども、この一枠一頭制をとった場合に、これは前々から先生も御承知のとおりでございますが、選択幅が非常に広くなるということもございまして、的中率が低下し、また的中した場合の額が大変高額なものになるというふうなことで、賭博性が高まるというふうな問題もございます。また、選択幅が非常に広くなるということもございまして、馬券の販売システムについて相当大幅な拡充をしなければいけないというふうな問題もございまして、いろいろ検討すべき課題もあろうかと思います。  仕組みとしてこういうふうな併用方式を考えた場合に法律改正がどうだということでございますが、もとになります現行の限定一枠一頭システムについて元返しというシステムを導入することになりますと法律改正問題が出てくると思いますが、これは現状どおりの状態のままで一頭一枠方式を併用するという単純組み合わせで考える限りにおいては、必ずしも法律改正は必要ではないのではないかと私ども考えておるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 法律改正が必要でないという答弁は非常に重要な、私ども今初めて聞いたわけでありますけれども、単純なとおっしゃいましたけれども、これができるなら同枠取り消し問題は恐らく相当ファンの不満を解消することになると思うのです。これはもっと早く言っていただけるなら、いろいろなアイデアが出るわけでありますし、もしその考え方がおみえになるなら、アンケート対策のやり方もそういうことを含めてやっていただくとするならば、私はファンの方々は非常に喜ぶというのですか積極的な提案ができるのではないか、参加ができるのではないかと思うのです。  なぜ今までこれをやらなかったのか。元返しの問題はそれで結構です、法律改正が必要だというなら、これは返すことになりますから。しかし、新しいニーズというのですか、新商品を提供することは私は非常に積極的に歓迎したいと思うのです。  ただ、デメリットとして場所の問題だとか投機性の問題だとを言いますけれども、私は、馬券の種類がふえることは、難しいことになるわけですから、難しくなるということはそんなに大量の馬券を購入するという目立った行動は起きない、かえって非常に難しくなればなるほどファンは勉強しながら馬券購入をするのではないかと思うわけであります。ですから私は、今局長が答弁されたようなデメリットというのはほとんど技術的に解決できることだと思うのであります。  もう一度念を押しますけれども、一頭一枠の馬券は、政令、省令の改正で今でもやろうと思えばやれるのですね。もう一回答弁してください。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 一頭一枠方式は、形式論として申しますと確かに法律改正を要せずして実施可能であると考えております。ただ、先生の御意見を拝聴いたしましたけれども、私どもの懸念している問題が、私どもとして十分検討していく必要があるのではないかという実態問題があることをつけ加えさせていただきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いわゆる外形的な、先ほど来申し上げておりますように場所の問題とか選択の問題とかいうようなことは、あくまでも併売ですから、好きな人は今までどおりの方法で買う、それに対して同枠取り消しのような不満のおそれがある場合には、現在のような単枠指定というこそくな手段をいつまでも続けることなく併売方法を採用すれば解決する、こういうことになるわけです。  単枠指定という問題は、この日曜日、新潟で行われたのでも大分不満が出ておるようであります。経験の浅い三歳馬を単枠指定してしまった。単枠指定というのは、中央競馬会がこれは強いよということを証明する裏返しでありますから、ファンの人はそれにつられて馬券を買う。事実三十数%まで支持率がいったわけですが、残念ながら五着になってしまって、ファンは大変強い不満を持った。中央競馬会の方もそのために新聞記者会見までやる。そのことについては、きょうのスポーツ新聞、我々もスポーツ新聞を読んでいるのですが、各紙とも、この単枠指定はこそくな手段だ、もう抜本改正をしろ、こういうことを言っておるのですが、単枠指定については当分の間続けられますか、お伺いをしたいと思うのです。

京谷昭夫農林水産省畜産局長

○京谷政府委員 先日の新潟競馬におきまして先生御指摘のような問題がありましたことは、私どもも承知をいたしております。  ただ、いろいろ御議論はございますけれども、やはり今日の競馬を支えている状況をいろいろ考えますと、現在の限定一枠一頭方式という形が最もなじんでおるシステムであるということで、先生からかねて提案されております改善策を具体化するためには、関係者の意見をもう少し私どもとしても集約し、その改善策の実現可能性、妥当性について慎重な論議を得た上で結論を出すことが適当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 慎重審議はいいのですよ。やってもらいたいのです。  ここで大臣にもお伺いをしますが、実は競馬法というのは農水省としては抜本改正の時期が来ていると私は思うのです。改正をするという意思があれば一挙に問題が解決します。ところが、当局の考え方は、法律改正にはまだ踏み切りたくない、とりあえずの、小手先というのですかね、それで解決しようとしているやに私は伺うわけです。だから私は、同枠取り消しの問題で新しい馬券を発行するということは省令改正でできるならばすぐおやりなさい、抜本改正に早く踏み込んでもらいたい。なぜならば、現在開催をされていない、オープンをしていない横浜あるいは九州の宮崎、これがあたかも開催をしておるがごとき考え方、体裁をとって全体の開催日というのは決められているわけであります。これは正確に言うならば、行政監察にもし適合するならばおかしい。これは、きょうは行監を呼んでおりませんけれども、筋を通すならば、そんな小手先をいつまでも続けるべきじゃないですよ。変えるなら変える。そして開催日はどうあるべきか、そして二五%の不満の問題があるならば、これは大蔵と話しをして一つの結論を出す、あるいは他の省庁との協議とも関係するわけでありますが、対応を立てる、あるいは端数切り捨ての問題、こういうようなことも抜本改正に踏み切らなければだめだと私は思うのです。  抜本改正を頭に描きながら農水はとりあえずの当面するスケジュールを立てる。これでないと、小手先、小手先、小手先でいきますと、一千万のファンの期待を裏切ることになるし、このファンの期待を裏切るだけでなしに、もし事故があった場合に大変なことになりますので、ひとつ私は競馬法改正についての大臣の見解を承っておきたいと思うのです。  今のままで全くいいと思うのか、あるいは将来は考えなければいけないのか。とりあえず当面はこうすべきなのか、こういう横浜、宮崎の大変不合理な、現在の法律というのを無視した開催日が現実にあるわけでありますから、そのことも含めて大臣の見解を問いたい、こう思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 率直な委員の御指摘、先ほども、今アンケート調査云々の部分から始まりまして、九月に結論を出すようなふうにも聞いているけれども、むしろ先に延びてもひとつもっと工夫を凝らして調査をする、その調査の方法も広範にわたる知恵をひとつ出してやれという、非常に御理解ある御提案をいただきました。  私は、先刻来実態を調べよということを指示しておるわけでございますけれども、さらに、本日の意見を関係者に指示をいたしまして、そういうことも含めた上での競馬法の改正、これがどうなるか、そういうこともあわせて考えるということを、私自身は実は委員より専門家でないどころか全く素人でございまして、言われる意味もところどころわからない部分もございます。しかし大筋において一千万のファンがいて、そして、であればこそこの競馬というものがあるんだ、そのファンを抜きにして進められるはずはない、そういうことは原則である、こう思っておりますので、それだけに今の御意見はしかと拝聴いたした次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 最後に大臣から、ファンの声を大切にしたい、全くそのとおりだと思うのです。ですから、ファンの声を大切にするとするならば、いずれ競馬法改正への道へ踏み込まざるを得ない。だから、当面する糊塗策だけではなくて、ひとつ基本的な将来展望を立てて運営をしていただきたいということを強く要望して、この競馬問題については終わりたい、こう思います。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  では、第二番目の問題は蚕糸事業団、蚕糸砂糖類価格安定事業団でございますか、この問題についてお伺いしたいと思うのでございますが、事業団は大量の在庫があった、このことについて私ども繰り返しこの席上で問題を提議いたしました。ところが、現実にはこの一般の売り渡しが毎回毎回ずっと続いておりまして、二十八次の放出、事業団の一般売り渡しが行われております。しかし、どうしたことか蚕糸砂糖類価格安定事業団が考えているいわゆる上限価格を上回りまして、糸価の値段というのは一万五千五百円、先物でも一万六千円というように、大変な暴騰をしているわけであります。これは一体どういうことなんだろう、大変強い関心を私ども持っておるわけであります。これはどちらかというと無政府状況だ、六月の糸価の経緯というのは無政府状況ではないだろうかと言われているわけです。  糸の値段が上がるということは、最終の着物、和装の需要が増大をしておれば当然糸の値段というのは上がってしかるべきなんですけれども、実際は着物が売れないわけですね。しかも外国の絹製品というものの値段は下がっている、こういう状況なので、私ども幾ら当局の方のお話を聞いてもわかりません。強いて言うならば、この糸をめぐる蚕糸行政というのはばくち場に提供されているのではないだろうか、こういう不満があるわけであります。  そこで、時間が大分たっておりますので、とりあえず通産省にお伺いをしたいと思うのでございます。最近の絹製品の価格、特に外国からの輸入の価格というものがどういう状況になっているのか、これをとりあえずお伺いをしたいと思うのですが、その担当の通産省、来ておりますか。――お願いします。

棚橋滋雄通商産業省生活産業局通商課長

○棚橋説明員 中国から輸入されております白生地の絹織物の平均単価でございますが、これが大宗を占めておるわけでございますが、本年一―七月で見ますと、前年同期と比べまして一四%下がっておるという状況でございます。ただ、全世界的に見ましても、白生地の絹織物の輸入平均単価は、前年同期に対して横ばいという状況になっております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 今度は農水省の方にお伺いをしますけれども、蚕糸砂糖類価格安定事業団が生糸在庫を二十九次にわたって放出をしておりますけれども、これは絹織物の業者は大変困っていると聞いております。これは農水省ではなくて通産省にお伺いをしますが、業者はどういう考え方を持っておみえになるのか。中国からは一―七月では一四%下がっておる、こういう背景の中でどういう対応あるいは要望をしておるのか、お伺いします。

棚橋滋雄通商産業省生活産業局通商課長

○棚橋説明員 産地の絹織物業者から聞きますと、最近の生糸価格の推移に対しまして不安を抱いておる、そういうふうに聞いております。したがいまして、絹織物業界の発展安定のためには、生糸の価格、量とも、両面で安定的に入手できることが望ましい、こういう面から需給両面を注意深く見守ってまいる、そういう状況でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 そこで今度は農水省にお伺いしますが、農水省は最近の糸価の状況についてはどのような行政的な反省を持っているのか。無政府状況だということを先ほども言いましたけれども、今回の暴騰をするという理由、外国からの製品輸入は安い、そして川下の機屋さんは先行きが非常に不安だ、しかし在庫はどんどん流れて放出をされている、一体その品物はどこへ行って滞留をしているのか。値段は一万六千円以上にもなってしまっておる、事業団の安定価格帯というものを飛び越えてしまった、こういうものは私はやはり農水省の見通しの甘さがあったのではないか、農水省は反省があるのかどうか、無政府状況とさえ言われるのは一体どこに原因があるのか、まあ一つは相場に問題があるのではないかと思うのですけれども、その点どのようにお考えになられるのか、お伺いします。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 生糸価格の相場が、ただいま御指摘のように昨年の十月から現在の安定上位価格でございます一キロ一万六百円を超える状態があらわれてまいりました。その後、先生ただいまお話しございましたように、二十九次の売り渡しを通じまして六万俵の生糸の売り渡しを事業団から行ったところでございます。この間いろいろ浮き沈みがございまして、昨年の末には一たん鎮静化したとかあるいは一月から二月にかけて比較的落ちついた水準であったというようなこともあったわけでございますが、ことしの四月以降急速な上昇に転じて、その後も激しい波動がございますけれども、全体として見れば相当高い水準で推移をしているという実情にございます。  私ども、こういった取引所価格の上昇の背景といたしましては、幾つかの材料が重なっておりまして、そのために強気の相場展開が支配的になっているというふうに認識をいたしておるところでございます。一つの要因としては、国内の繭の減産あるいは製糸の生産縮小が昨年に引き続きましてなお一層続いているというような状況がございます。また、海外の主要産地であります中国におきまして生糸価格がかなりのテンポで上昇に転じてきているというような状況が一方でございます。また需要面でも、国内物の絹織物の生産量が最近、昨年が落ち込んだわけでございますけれども、かなり回復傾向になってまいりました。こういった状況の中で、絹織物業者の生糸引き取り数量が、在庫投資分も入っておるというふうに私ども見ておりますけれども、かなり増加をしているというようなことがございます。また、生糸の国内生産の減少ということの一つの結果でもございますけれども、生糸取引所におきます流入資金に比較いたしまして、受け渡し供用品の比率が低下したというような事情もあったかというふうに考えておるところでございます。  こういった状況に対処しまして、先ほど申し上げましたような事業団の売り渡し数量を大幅に増加する、また、生糸取引所におきます受け渡し数量の増加を図って抑制効果を期待するということから、事業団の在庫生糸につきまして再検査を実施したものを売り渡しの中に含めて実施をするというようなことも七月から実施をいたしてまいりまして、七月にはこれが価格抑制面でかなり効果を出したというふうに思っているところでございます。またさらに、取引所の運営といたしましても、受け渡しの供用品の拡大を来年一月限のものから行うというようなことも決めてスタートしておるところでございます。  こういったことで、私ども、市場の実況というものを注視しながら価格安定に今後もなお努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、売り渡したものが民間在庫に行っているのではないかという御指摘がございましたが、私どももいろいろな調査から民間在庫が少しふえてきているというふうに見ております。これは流通段階、それから機屋さんの段階にも恐らく若干の在庫が出ているのではないかというふうに見ておりまして、そういった面から、今後の市場が逆の方向に向かって非常に振れが大きい変動を示すということがないように注意をしながら、適切な売り渡し等による安定に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 時間がないので簡単に言いますけれども、農水省としての本当の責任があるかないか、極めて重要な時期に来ておると思うのです。事業団そのもののあり方が問われている、ここまで来ておると思うのですね。  それで、例えば糸の放出をそれぞれ引き受ける糸商というのがありますけれども、我々が調べてみると、特定の糸商が全体の四割を超える落札をしておるという事実があります。そこの在庫というものが本当に円滑に流れていくとするならば、私は価格が下がるべきだと思うのです。しかし、そういうところがリードをしている以上は糸価は下がらない、こういう不満があります。一部再検査したものが市場に出ているから水をかけておるというお話でありますが、私どもが聞いておる範囲は、それは的確な対応になっていない、こういうように思います。また、事業団の一般の売り渡しの推移を見てまいりますと、大体一つのリズムによって、公示をする、入札をする、最終的な引き取りをする、そしてまた相場を見ながら次の放出をするということで、二十八回ずっと昨年の十月から繰り返されておるのですけれども、このリズムを調べていくと、ところどころリズムが狂うところがあるのですね。放出をするという期間が本来ならば当然あるべき時期にわざとそれを抑えている、ワンテンポ外す、ワンテンポ外すことによって価格がまた上がる、こういうことが私どもが調べますと二十七次から二十八次の間にもあります。リズムが狂っておるのですね。だから、ここで放出があるだろうと思って見ていると放出がないから値段が上がるという、この事業団のやり方は逆に市場を上げるような一つの役割を果たしておるのではないか、こういうのが少なくとも二十七と二十八の間にあります。調べてみると、いろいろと事業団に対して出すなという圧力があった、そういう勢力があったというのがここでわかるわけですよ。これは私ども少し時間をかけてやりたいところでございますが、時間がないのでこれは問題提起だけにしておきます。  そこで、最後になりますけれども、商品取引員の相場という問題が出てくると私は思うのです。この相場というものが現実に合っていない、いわゆるばくち場になっておるものですから、どこをどう考えても相場を急騰しておる、こういうことになるのではないか。  そこで、これは農水省が、ごく最近でございますけれども、六十二年六月からことしまでずっと商品取引員の立入検査をやっております。これはすべての立入検査をやっておると思うのですけれども、例えばことしの三月まで六十二年度で見ると八件違反があった。それぞれ戒告一社、始末書五社、そして文書注意二社、この八社があるのでございますけれども、その八社の名簿を見ていきますと、通産省の工業品取引、通産省はいわゆる誘導基準というのを三年前からやっておりまして、取引業者を非常に厳しく指導しておるわけです。誘導基準に適合し優良とされている商品取引員というのを通産省は指定をしておるわけでございますけれども、この指定をしている商社の中に、農水省が去年立入検査をしたところによると、処分を受けているところがあるわけでありますけれども、かかる問題をどのように受けとめられるのか。通産省のいわゆる誘導基準というのは社会的な信用を失墜させないような一つの基準なのですけれども、その基準を損なうようなことになっておるわけでありますが、どういう対応をとるのか、通産省にお伺いしたいと思います。

大隅正憲通商産業省産業政策局商政課商務室長

○大隅説明員 今先生から御指摘ございましたけれども、商品先物市場といいますのは、当事者のリスクのヘッジの場あるいは公正な価格形成の場を提供するということで大きな経済的機能を有しておりますけれども、この機能を十分に果たし健全な発展をしていくためにも、商品取引員の財務体質の強化であるとかあるいは社会的信用の確立を図ることが不可欠でございます。  このため、通産省といたしましては、貴金属市場におきまして商品取引員の財務、営業姿勢に対応した措置をとるいわゆる誘導政策を一昨年の七月以降実施してきておりますが、この誘導基準に適合している商品取引員につきましては、社会的信用の向上に一層の努力を払うことが期待されていると考えております。したがいまして、これらの取引員が万一社会的信用を失墜させる行為を行った場合には、一定の緩和措置の適用の停止を含め厳正に対処していくことが必要ではないかというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 では、時間が来ましたので、もう一問、通産省と農水省にお伺いしますが、今通産省の態度は、一定の緩和措置の適用の停止を含めて厳正に対処する、この考え方の中には、認定の取り消し、誘導基準に適合した優良商品取引員という認定基準の取り消しもあるのか、その答弁。  それから農水省。通産省が三年前に誘導基準というのをつくっておる。ところが農水省の場合は、早期警戒システムというような言葉で、六月から業界の人々とどうしたらいいかという相談をしている。対応が非常に遅いわけですね。でございますから、言っては悪いのですけれども、業界になめられてしまう、いわゆるばくち場の相場になってしまう、だから国際経済に全然連動しない生糸の高値の相場が張りついてしまう、そのために機屋さんは迷惑をする、着物も売れないという悪循環になる。私は、相場によってひっかき回されておる限りこの業界の発展はないと思うのです。だから、金融先物の時代でもお呼びの声がかからない。本来ならば、農水省関係の商品取引というのは先輩なのですよ。お呼びの声もかからずに孤立化してしまう、小さな範囲内に押し込められてしまう、こういうことになると私は思うのです。この点について最後に大臣の見解と通産省の答弁を聞いて終わりたい、こう思います。

大隅正憲通商産業省産業政策局商政課商務室長

○大隅説明員 先ほど御質問のございました一定の緩和措置の適用を停止するということは、当然いわゆる誘導基準に適合する商品取引員とは認めないということでございまして、先ほど先生が用いられた表現をおかりいたしますれば認定を取り消すとの趣旨でございます。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 委員御案内のように、生糸の問題については、当分の間とは言いながらも長きにわたる一元輸入の問題がございます。私自身も、この立場にあります前から実は蚕糸絹業一体、こういう観点からいろいろな意見を通産、農林両省に申し上げてきた経緯もございます。生糸の需給及び価格の安定、こうしたことは生糸の生産、流通、消費のあらゆる分野にわたって重要な課題であるという認識は変わりございません。今後とも関係業界、団体の理解や協力を得ながら生糸の需給、価格の安定に努めてまいりたいと思っております。そして、いやしくも相場によって政策が振り回されるようなことがないように知恵を出すべきである、こういうことを私は考えておるということだけを率直に申し上げておきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 終わります。

野中英二自由民主党

○野中委員長 大矢卓史君。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 まず会計検査院の辻院長にお尋ねいたしておきますが、会計検査院の歴代院長になられました方、大変な御苦労だと思います。そして、新しい院長に就任されますと抱負も述べられますし、先ほどの草川委員の質問に対しましても院長としての御意見があったわけでありますけれども、私は、やはり会計検査院は内閣から独立した憲法上の機関として十二分な機能を発揮をしていただきたいし、今までも当然発揮をしていらっしゃったでありましょう。  先ほど考えの一端がございましたが、今までの検査とは違った意味で、行政効果等あらゆる面でもっと発揮していきたいという御意見でございますけれども、もう少し具体的にこの問題についてお述べを願いたいと思います。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 会計検査も新しい社会経済情勢に対応いたしまして新しい展開を図っていかなければならないわけでございます。今私どもは三つの面から考えているわけでございます。  第一は、新しい検査の観点の重視ということでございまして、先ほども御議論がございましたが、事業が本当に経済的、効率的に行われているだろうか、あるいは事業が本来の目的を達成しているだろうかという点にも重点を置いて検査を進めているところでございます。  第二は、新しい検査領域の開拓ということでございます。例えば、最近高齢化ということになってまいりまして、社会保障、特に年金とか医療の経費がふえてきております。従来私どものこの面に対する検査は必ずしも十分でない、若干手薄なところがあったわけでございますけれども、三年ほど前から年金あるいは昨年度から医療の検査を充実してきておりまして、既に検査報告に挙げて指摘をいたしました例もふえているわけでございます。  第三は、新しい検査手法の開発ということでございまして、コンピューターを使いました検査手法でありますとかあるいは先ほど申し上げましたような費用対効果分析と申しますか、そういう新しい計量的な評価方法の開発に努めているところでございます。  このような三つの面から新しい展開を図ってまいりまして、一層検査の充実を期してまいりたいと考えているところでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういう今おっしゃいましたようなことが果たして従来当然そういうことが行われるのが行われていなかったのか、それとも今の会計検査院法上そういうことはスムーズに行われるのかどうか、その点をお教え願いたいと思います。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 今私が申し上げました新しい観点からの検査あるいは新しい検査領域の開拓、あるいはまた新しい検査手法の開発ということは、現在の法律のもとで当然できることでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そうしますと、経済性だとかそういうことについても、ただ単に、どういう予算が盛られて、それが執行されるに当たって不正はなかったかというようなことでなくして、あらゆる観点から予算の執行に当たっての検査がされるという今のお話でございますが、従来はそういうことをしていらっしゃらなかったように思うのですけれども、それはやはり今の会計検査院の予算的な人員の問題なんですか、それともほかに問題があったわけですか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 会計検査は、会計経理が予算あるいは法律に従って適正に行われているかという点の検査が何と申しましても原点でございます。合規性の検査と申しますか、それが原点でございますが、先ほど申しましたように、それに加えまして、経済性、効率性の検査あるいは有効性の検査を充実していくということでございます。これは何も急に始めたというわけではございませんで従来からやっていたわけでございますが、さらにそういう面にも重点を置いて検査をしてまいるということでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういうことになりますと、当然国が出しております地方自治体への補助金の検査もその範疇に入ると思いますけれども、それでよろしゅうございますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 御承知のように、国が地方団体に補助金を出しております場合にはその補助金については当然検査をいたしますが、申すまでもございませんけれども、地方団体固有の経理につきましては検査の手が及ばないわけでございまして、これは別途、都道府県なりあるいは市町村なりに監査委員の制度が設けられておりまして、その方々が監査に当たるということになっております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 少なくとも、この決算委員会なり各委員会等でいろいろな問題が指摘されますし、また報道関係で、地方紙とはいいながらいろいろな問題が指摘されますときには、そのことを十二分に掌握していただいた中で、今おっしゃいますような経済性とかそういうものについても常に把握をしていただく。そのためにはやはり予算上の非常な制約があるのかなとも思うわけでありますけれども、これはこの間から、私の知っております関西が特殊なのか日本全国的にそうなのか知りませんが、非常な談合体質があるわけであります。一説には、この談合体質をなくしますと九%くらいの支出減で済むのではないかということも言われておるわけであります。九%というところまでいきませんまでも、この談合体質が少しでも改まりますと経済的にもそれだけの予算が浮くわけであります。院長おっしゃいますように、行政改革の徹底、また高齢者社会に向けてのいろいろなビジョンをつくりますためにも、今の予算の執行状況が果たしていいのかどうかということを経済性も含めて考えていただいた中で、次の予算にそれを生かしていくということでなければならぬと私は思うのです。その点いかがでございますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 会計検査の使命は、申すまでもございませんけれども、予算が適正にまた有効に使われることでございますので、先ほど来申しておりますように私どもも一生懸命に努力をしているわけでございます。また、その検査の結果が予算に反映するという問題も重要な問題でございます。予算にどういうふうに反映されるかということ自体は政府の問題ではございますが、その点につきましては私どもも関心を持って見守っておるところでございまして、最近は検査の結果が予算編成に反映するケースが多くなっているというふうに承知をいたしております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そこで、公共事業、建設省の直轄事業も含めて各地建の事業、そして補助金事業、それらにつきましても、どういう予定価格の中でどういう落札をしているのかということを、コンピューター化ということをおっしゃいましたので、当然そういうことはコンピューターの中で、毎年の資料の中でそれが分析されていくということは私は必要だろうと思います。当然今までなされておりましたのか知りませんけれども、コンピューターがあろうがなかろうがある程度はそういう資料もおとりだろうと思いますけれども、その点はいかがでございますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 契約の価格が適正であるかどうか、また経済的であるかどうかということはもちろん検査の重要な項目でございますので、従来から十分注意して検査に当たっているところでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 それでは、いろいろとお調べてございますので、お聞きをいたしたいのです。  今の決算の年度は六十年でありますけれども、六十年、六十一年、六十二年でございますか、これらの国の方の直轄の事業、各地建の事業を含めてどれだけの工事があったのか、そしてその中でどれだけの請負業者が途中でその仕事を覆行することができなくなったのか、そしてその後どういうぐあいになったのかということについて、資料がございましたらお答えを願いたいと思います。

風岡典之建設大臣官房地方厚生課長

○風岡説明員 御説明いたします。  建設省の直轄工事におきまして、昭和六十年から六十二年までの三カ年間ということで見ますと、全発注件数が七万五百十九件でございます。そのうち工事完成保証人によって事業が継続されたケースが四十四件でございます。このものにつきましては、それぞれ工事完成保証人によって工事は完了しているというものでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 今お答え願ったのは建設省の課長でございますか。――私は会計検査院にお聞きをいたしておるのです。会計検査院は当然そういう資料をお持ちだろうと思いますけれども、いかがですか。

秋本勝彦会計検査院事務総局次長

○秋本会計検査院説明員 お答えいたします。  会計検査院といたしましては、個々の契約、そしてその予定価格が適正なものであるかどうかという観点の検査はあらゆる所管の検査課において実施しておるわけでございますけれども、先生が今言われましたような形でのデータの集積なりあるいは分類なり、そういうようなことはやっておりません。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 院長、どうなんですか。そういうことも今までやっておらなかったけれども、これからは必要だということですか。それともただ、経済的にいろいろなことを考えるのだということを言われましたけれども、それはコンピューターも導入しているけれども、そういうことが予算的に無理なのか、それともそこまでする必要はないんだというお考えなのですか、いかがですか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 ただいま委員のお示しになりましたようなデータは、むしろ建設省を初め公共事業を担当されます各省において集められて把握しておられるものだと思いますので、私どもといたしましては、必要に応じまして各省からデータをとりましてチェックするということはいたすつもりでございますが、検査院として別にデータをとるところまでは今のところは必ずしも考えておりません。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そうすると、またもとへ戻りますけれども、院長のおっしゃいます経済的な効果等を図ってやるということは、一体どういうことを指していらっしゃるのですか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 これはいろいろあるわけでございますけれども、例えば工事でございますと、最近技術革新がございまして、いろいろな新しい工法でありますとかあるいは大型の機械でありますとか、あるいはまた新しい材料というのが開発されて普及しております。それを積算なり設計なりに反映すればよろしいわけでございますが、その反映状況がおくれておる、そのために工事が割高になるというようなケースがかなりございまして、これは検査報告でも数多くの指摘をしておるわけでございます。あるいはまた、最近御承知のような円高になってまいりまして、外国製の機械を購入いたします場合には当然円高の要素を考えなければなりませんのに、必ずしもそれを考えないで契約していたというようなケースもございます。そういう点は、仮にその契約自体は適正でありましても、経済的、効率的でないという点がございますので、検査に当たっては特に注意してそういう点を調べておるわけでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういうことは数字合わせと余り変わらないことだと思います。円高になりますと、円に換算しますと安くなるのが当たり前であって、これは数字のごまかしだけあって、当然そういうことが経済性云々ということではないと思います。それよりも私が申しますように、これは事業費の一%がもし安くなるといたしましたら幾らになるのだ、そのためには――資料要求したらいいんだとおっしゃいますけれども、建設省が常に持っていらっしゃると言いますが、これは私が要求したからきのうからきょうにかけてつくっていただいた。非常に無理を言ってつくっていただきましたけれども、会計検査院にもなければ建設省にもなかった。それが問い合わせをして出てきたものがこういう数字であります。まして、私が申しますように、幾らの予算を組んで、それがどの形で落札をされた、それによって幾ら、落札ですからそれは百万円のものが百万円である場合もありましょうけれども、俗に言われていますように、これが完全に談合体質が抜け切ったら九%は安くなるだろうと言われている。しかしその中で、現在何%なら何%安くなっておるのだというような経済的なことも含めて調査をしていただいて、そのために資料を持っていらっしゃることの方が――コンピューターに何をインプットしていくのか私はわからないわけでありますが、毎年毎年そういうものをやっていくことによって次の予算にそれをどう生かしていくか、そのために会計検査院の今の予算が少ないというなら、やはり私どももその予算をふやしてもらう努力をしなければならぬ、そういうことについて私はお聞きしておるのであって、今おっしゃるようなことでしたら、コンピューターを使ってやらなければいかぬようなことは何にもないと思います。その点いかがですか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 会計検査院でも数年前から大型コンピューターを導入しておるわけでございますが、これは三つ目的がございます。  一つは、会計検査自体の事務の合理化、効率化でございます。例えば決算の確認という仕事がございます。決算の金額が正確であるかどうかチェックするわけでございますが、これは従来手作業でやっておりましたのをコンピューターでやるようになりまして、大変事務の能率が上がってきたわけでございます。そういうような会計検査院内部の事務の合理化ということがございます。  それからもう一つは、コンピューターを使って検査をする。先ほどもちょっと触れましたように、年金でありますとか保険でありますとか租税でありますとか、そういういわば大量定型的な検査につきましては、今コンピューターで資料を突合するという検査をやっておりまして、成果を上げつつあると考えております。  第三番目は、コンピューターシステムに対する検査のいわばノーハウと申しますか、経験を蓄積することでございます。御承知のように、各省でいろいろな大型コンピューターが導入されてきておりますが、それに対する検査はなかなか難しい点がございますが、自分のところのコンピューターを持つことによりまして、そういうコンピューターの検査のノーハウをひとつ蓄積していきたいということで、ただいま鋭意進めておるところでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 院長にお聞きいたしますけれども、 この談合体質というものですね、もしこれがなくなって、非常にオープンな形で入札をした場合に、今九%と言われておりますけれども、僕はそんなにも下がらないと思いますが、やはりいろいろな企業努力で下がる場合もあると思います。  私も過日、二億ほどの仕事でございますけれども、非常に少ない、四社ほどに入札をしてもらうところを、三社は恐らく談合するであろうということをわかっておりましたが、どうしても一社だけが頑張って入札をしたようである。そうしますと、やはり一〇%ほど安く入札をしてまいりました。そんなところに仕事をさせて大丈夫だろうかと思いましたけれども、完全にその仕事が完成をいたしました。しかしこれは特殊な例かもわかりませんので、九%なり一〇%と言われておりますことを、そこまで私は国の予算を切り込んで発注されることはないと思いますけれども、やはりおのおのが努力をして入札をしていくということになりますと、組んでおります予算からどの程度下回っていくのかわかりませんけれども、少しは予算の節約になろうかと思いますけれども、その点いかがでございますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 先ほど申し上げましたように、契約価格が適正であるかどうか、あるいは経済的であるかどうかといいますことは検査の重要な項目でございまして、従来から力を入れて調べているところでございます。  談合そのものの有無を究明いたしますことは会計検査の直接の使命ではないと考えておりますけれども、談合の疑いが提起されているような場合には、そういう契約価格の不経済に結びつくものであるかどうか、今後とも十分注意して検査に当たってまいりたいと思っております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 数字を握っていらっしゃらないからわかりませんでしょうけれども、一般的に言われております九%というのはどういうぐあいですか。

秋本勝彦会計検査院事務総局次長

○秋本会計検査院説明員 お答えいたします。  予定価格がございまして入札いたしまして、そして入札価格と予定価格の間に何がしかの差額がある、予定価格より低い価格で入れば入るほどそれだけ経済的にできるという話にもなろうかとも思いますけれども、しかしまたそういう余りに安いものにつきましては、これまた工事の方が確実に履行されているかどうかというような観点もあるわけでございまして、私どもの方といたしましてはいわゆる予定価格が適正であるかどうかという点と、それからまた工事の面からそれが完全に履行されているかどうかという両面からの検査をしているわけでございまして、今の九%云々というような話はちょっと私どもわかりかねているのでございますが……。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういうことも含めてやはりわかるようにしていただけることの方がいいのじゃないかと思います。  そこで、入札価格の中で最低制限価格でございますか、そういう制度があるようであります。地方自治体でそれを使っているところがあるかどうか私もわかりませんけれども、そういう制度があることはあると思います。それは国のところで、今おっしゃるように、余りにも価格を切りますと仕事の手抜き等ができましても困りますし、その設定された価格が私は正しいものだと信じた上での話として、その最低制限価格というものを設けていくということについてはいかがでございますか。

秋本勝彦会計検査院事務総局次長

○秋本会計検査院説明員 いわゆる最低価格制限の話でございますけれども、よく地方公共団体の補助事業等におきまして事業主体が最低価格制限を設けておりまして、それが常識的に考えても非常に高いといいますか、九割を超えているようなところで線を引いているというようなものもございまして、そういうものはより安く入っている札を排除する理由はないのじゃないか、十分より安く入っている札の方でも完全な工事ができたはずであるというようなケースもございまして、そういうものは過去の検査報告にも何件か私ども掲記しているところでございまして、先生御指摘のような観点からの検査は従来からやってきております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 九割というのはどういうことなんですか。その九割が非常に高いなどといいますと、私が言っております先ほどの九%、九割ではなしに九一%だったら九割よりもまだ上だ。それは無理だなと言っているのに、あなた、九〇%でももっと下がるのだという今おっしゃり方ですけれども、そういうことでいいのですか。

秋本勝彦会計検査院事務総局次長

○秋本会計検査院説明員 私申し上げましたのは、例えば一億の予定価格の工事がございましてそれのリミットを九千百万というような高いところで設定いたしますと、そうしますと九千百万以上九千二百万とかいうような札が入らないと落札できないわけでございますけれども、そうではなくして仮に九千万の札があった場合には九千万の札でも十分その工事はでき上がる、完全にでき上がるということでございまして、そういうものの場合はそんな高いところで線を引くのはおかしいのじゃないかという指摘でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 現実はそうなんですか。そうすると予算が必ず一〇%以上余っているということなんですか。今次長のおっしゃることを聞いていると一割減でもまだいけない。制限する場合にはもっと下の方でやりなさいということなんですか。それだけ今の組んでいる予算から執行が下回っているのですか。そこらの現状をだれかつかんでいる人、いらっしゃるのですか。今みたいな言葉であっさり言われたら、そういう九一%ではいかぬ、九〇%以下でないといかぬということになったら、実際そういう形で今までが落札されているのですか。

秋本勝彦会計検査院事務総局次長

○秋本会計検査院説明員 私申し上げましたのは、過去において指摘いたしました検査報告の一事例としてそういうものがあったということでございまして、一般的にそういう状況にあるということではないのでございます。むしろそういうものは非常に数少のうございまして、過去に何件かそういうケースの場合に指摘したことがあるのですよ、そういうふうに御説明しているわけでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 やはりそれだけ、一〇%以上も下がってもいいのだということになってまいりますと、その積算に問題があると思います。もともとのあれに問題があると思います。そういういろいろなことをおっしゃいますけれども、結果的には会計検査院というのは今までそういうものをつかんでいなかった。それは私はつかんでいただきたい。いただいた上で、そういう今後の応札制度についていろいろな改善すべきところは改善していただきたい、そういう意見を申し上げておきます。  そこで先ほどの資料でございますけれども、これによりますと、六十年度は契約件数が二万二千九十八件のうちで十一件、不履行の業者があった。そして六十一年度は二万三千百六十五件、この契約件数について二十四件であった。それから六十二年度には二万五千二百五十六件のうち九件であった。ですから六十年度は〇・〇四九%、そして六十一年度は〇・一〇三%、六十二年度は〇・〇三五%であっということであります。ただ、言われておりますように二年に一回の更新ですから、更新の途中ではやはり事故率が多いのかなということで、ほかが〇・〇四なり〇・〇三くらいであるにもかかわらず〇・一だということでありますけれども、内容をお聞きいたしますと、その二十四社の中で七件を同じ業者が請け負っておりまして、実質は十七社だそうであります。そうなりますと〇・〇七%ということで、ただいつもの年からは二年に一回の更新で多いということでございますけれども、それにいたしましても〇・〇七%であります。そうなってまいりますと、この原因が発注側に責任があるのかどうか、どういう判断でございましょうか。

風岡典之建設大臣官房地方厚生課長

○風岡説明員 御説明いたします。  私ども建設省の直轄工事におきましては、業者の指名に当たりましては、現在、省内で要綱を定めておりまして、その指名基準に基づいて指名を行っております。  その内容といたしましては、当然業者の経営の状況だとかあるいは今までの工事の成績だとかあるいは技術的な問題だとか、そういったものを総合的に勘案をして選定をしているということでございます。  御指摘のように請け負ったものについて倒産をしているというケースでございますが、基本的には経営の状況の悪化、倒産というのが原因でございます。私どもは二年に一回の登録の時点で経営に関するデータというのを持っております。それと指名時点におけるいろいろな情報を勘案して業者を選定するということでございまして、必ずしも指名時点の情報が十分にないというようなケースがありますと、例外的にこういった形に発生するというふうに考えております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 仕事をしておる最中に倒産される会社もあるわけですけれども、六十年度では仕事が全然、出来高がゼロという会社が二社あるわけであります。そして、六十一年には工事数にいたしますと七件ゼロがあるわけであります。仕事を全然しないうちにつぶれておったというのがあるわけであります。そのうち、先ほど申しましたように、会社が倒れますのが四件ほどあるようであります。ですから、一社が仕事を四件もとりまして、そして、仕事に全然かからずにつぶれてしまったというような会社もあるようであります。こうなってまいりますと、やはりある程度の責任が発注側にはあるのではなかろうか。そのほかはそのほかなりで一生懸命仕事をいたしておりましたけれども、何らかの都合でこれが倒産をしたということでありますけれども、これまた六十二年度は九件のうち六件が仕事に全然かからずに倒産をしておるというようなことがあるわけであります。そうなってまいりますと、その経営者の責任と申しますかそういうことでなしに、発注時に問題があったのではないか。経営者そのものが――これはいずれも保証人があるからということでございましょうけれども、やはりまあまあ、そこそこ、その納期には完成をいたしておるわけであります。  しかし、こういうデータを見ますときに、先日の建設省の決算で私が申しましたように、今言われました一〇%というのは高いんだ、もっと安くなるんだというような考え方がもしあるとするなら、やはり談合体質というものを少しでもなくしていったらもっと国の予算の節約になるのではないか。  その一つとして私は、工事保証人制度、これに業者自身が非常な問題があると指摘をいたしております。これがなければ自由な形で自分たちが落札をしている、それができるにもかかわらず、そういう保証人制度が、今申しましたように全体的に見ましても〇・〇何ぼという数でありますから、全体からいけば非常に少ない数でありますし、また、その工事そのものがよほどむちゃくちゃをして安い落札をいたしておるなら別でありますけれども、そこらの点、非常に無理に仕事をとられて非常に安い価格でもって落札をされたのかどうか、この点もお聞きしたいと思います。

風岡典之建設大臣官房地方厚生課長

○風岡説明員 先ほど御紹介をいたしました四十四件の個々の内容については、この場では予定価格と落札価格の数字を持ち合わせておりませんけれども、私ども当然のことながら、予定価格は適正に組んでその節団で落札した業者であるというふうに考えております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 合言われましたように、これが予定価格と落札価格に非常に差があって、無理をして全然安い値段で入れておりましたらやはり後の仕事をされるには非常に困難であると思いますけれども、決してそういう状態ではないだろう、むちゃくちゃな値段で安く入れておるわけではないだろう。そうなりますと、この〇・〇何ぼの事故率のためにどうしても業者保証が要るのだということは論理的に成り立たないし、それが少しでも、次長が言われたようなああいう形での一〇%を切るということは私はどうかと思いますけれども、そういうことまでも会計検査院で考えていらっしゃるなら、ましてそういうことはもっとオープンな形で入札ができるように、この業者の保証制度を考え直していただかなければならぬと思いますけれども、いかがでございましょう。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 先ほど来先生、談合的体質の中で九%程度の本来安く上がるべきものという御指摘でございますが、私ども率直に申しまして、その九%云々の数値は全く見当がつかないお話でございます。  それはそれとして、今お話しの工事完成保証人制度でございますけれども、これは先般二日にも当委員会で私ども御答弁をさせていただきましたが、公共事業というのは所期の目的を目的どおり達成するように工事をしていただかなければならぬという意味で、単に金銭的損失を救済するというだけでなくて、事業を予定どおり竣工する、こういったことが大命題でございます。そういった中で、私ども、いろいろ先生の御意見ございますけれども、現行の制度としてはやはり工事完成保証人という制度はそれなりに大きな意義がある、こういう考え方に立って運用させていただいている次第でございますので、御理解いただきたいと思います。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 そういうことが価格を下げない談合の体質を維持するために使われておるのだという業者の指摘があるわけであります。それについて、結果的には因果関係ゼロだと言い切るだけのものがおありなんですか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 先般来先生からそういう業界の声というお話を私ども伺っております。私自身これを一〇〇%否定するというほど実態を掌握いたしておりませんけれども、ただ申し上げられることは、公共事業の設計から発注に至りまして関係発注者はそれぞれ誠実に事務の執行に当たっている、これはもう間違いないところでございます。その間において、巷間時々伝えられるようないわゆる談合問題というものも後を絶たないことは事実でございまして、そういった中で私ども常々、建設業界におきます談合というものがいささかもあってはならぬということを指導してまいっておる次第でございますし、今後ともそういった指導は厳正にしてまいりたい、かように考えている次第でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 工期の問題にしても、全部が全部その工期内に上がってないじゃないですか。

風岡典之建設大臣官房地方厚生課長

○風岡説明員 直轄の発注関係でございますので、私の方からお許しを得て御説明させていただきたいと思います。  確かに、工事完成保証人によって工事が継続された場合に、本来の工期を超えて完成をしているというケースも御指摘のようにございます。これにつきまして私ども概要を調べてみましたところ、それぞれその後の事情変更によりまして設計変更等が行われるケースでございまして、そのこと自身は一般的に行われていることでございますので、工事完成保証人が事業を引き継いだがゆえにおくれたものではないというふうに考えております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 局長、どうなんですか。そういうことだけで、あなた、全然因果関係ゼロだというような発言をされましたけれども、今でもそういうふうに思っていらっしゃるのですか

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 いささかこだわった御答弁で恐縮でございますけれども、工事完成保証人制度が直ちに談合的体質を醸成している、こういったことについて私ども、本来これは分けて考えるべきものであるということを申し上げておる次第でございます。工事完成保証人制度があるなしにかかわらず、不幸にして談合的話が先生御指摘のようにある、こういう面につきましては、私は必ずしも工事完成保証人制度と直結した、それが直ちに原因のものというふうに言うことについてはいささかのためらいがある、こういうことでございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 局長、問題は、今あなた談合のやつを、あるということを認められたですね。それならそれで談合のそういう証拠を出しなさいよ。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 私の御答弁が誤解を招いたかもしれませんが、私、先ほど来あるいは先般来、先生が談合的体質のことをおっしゃっていらっしゃるものですからそのことについて申し上げたわけでございまして、私自身が前提として談合的体質があるということを認めて御答弁しているわけではございませんので、御理解いただきたいと思います。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 だから、そういうことにならないように一つの、そういうものを外すことによって少しでも談合体質が直るのではないか。これは私は全部が全部、それが一〇〇%だとは思いませんし、ただ、そこでやはり業界業界で情報交換等いろいろなことをやらなければなりませんし、ある程度のことは目をつぶるとしても、最終的にそれで縛られることによってそこから抜け出せない。それは逆に局長がその立場に立って、もしその十五社、二十社の中でこれが入札、応札しなければならぬ、その場合、そこから一人、私はこれをやりますということになってきた場合に、全体的に、この間も御説明したように全部が五割増しを入れたり全部が入札を辞退したり、そういうようなことをやれる体質のところですから、もし落札をしても保証人になる業者を全部でとめられてしまったら、結局は自分が幾ら落札をしても工事人になれないということがあるから、そういうものをやめていただいたら少なくとももう少しフェアにやれるのではないかということを言っておるわけであります。それについて、前向きでもう少し謙虚に聞いてそれを取り組んでみるという姿勢はありませんか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 先般来の先生の御発言、ずっと拝聴させていただいております。そういった中で、私ども改めて戒めなければならぬあるいは戒めてまいりたいと思っておりますのは、あくまでも建設工事の発注に当たりまして談合的なものが今後とも出ないように、あってはならない、こういうことでございまして、このことは先生の御指摘を痛いほど受けとめておる次第でございます。  先ほど来ずっと申しておりますのは、それとこのいわゆる工事完成保証人制度というものをストレートに結びつけたことについて、私どもも直ちにそうでございますと言うほど確証を持った気持ちになっていないものですから、それでちょっとこだわった御答弁をしましたけれども、いずれにしましても談合的体質あるいは談合的行為というものが今後この業界にあってはならないし、今後ともないように厳しく指導してまいりたい、かように思っておる次第でございます。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 因果関係がゼロだということについてはどうですか。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 このことについてはちょっと私も確信を持っては申し上げにくいのですけれども、申し上げる力はありませんけれども、ただ、工事完成保証人というのは、あくまでも当該工事を物理的に予定どおり完成するという本来の制度、趣旨に踏まえて考えますと、このこと自体はやはり合理性を持っておると私ども思っておりまして、そういった意味で、その因果関係がクロであるとかいうことについてはちょっと私ども即断できるほど確信を持っておりません。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 確信を持っておらない人が何でゼロと言うんだ。

望月薫雄建設省建設経済局長

○望月政府委員 私、先般来御答弁しておる中で関係はゼロだというふうには申し上げた記憶ちょっとないのですけれども、いずれにしてもそれとこれとが直ちに結びつくものとは考えていないということを申し上げている次第でございますので、御理解をお願いしたいと思います。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 今の局長答弁ですけれども、建設省所管のときの速記録を調べていただいて、そういう今言うたような趣旨と違うのならこの訂正を求めたいと思います。よろしゅうございますか。

野中英二自由民主党

○野中委員長 はい。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 それでは、そういうことで少しでも談合体質というものをなくしていこうということであるなら、そういう一つの業者間で言われております、どうしても談合せざるを得ぬ状態をつくられておるその一つの原因に、こういう保証人制度もあるんだということの業者からの指摘がございましたので、これについても会計検査院としても十分調査をされまして、やはりそういう談合体質をなくしていくために努力をしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。

辻敬一会計検査院院長

○辻会計検査院長 先ほども御答弁申し上げましたように、契約の価格が適正であるかどうか、あるいは不経済であるかどうかというのは従来から注意して調べていたつもりでございますけれども、ただいまの御指摘の点も十分留意いたしまして今後とも適正な検査の実施に努めてまいりたいと考えております。

大矢卓史民社党・民主連合

○大矢委員 時間が参りましたので、農林大臣まことに申しわけございませんでした。やはりそういうことでございますので、先ほどからいろいろな蚕糸事業団の問題でありますとか畜産事業団の問題、各委員からも御指摘でございましたけれども、これらもユーザーなり生産者、それらのために、本当にみんなが納得するような形でこれからも十分に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上で終わらせていただきます。

野中英二自由民主党

○野中委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 御苦労さまです。検査院長、私はお尋ねする準備がございませんので御退席いただいて結構でございます。  ミカン問題についてまずお聞きをしたいと思います。  私の地元和歌山は有数のミカン産地でありまして、これは農水大臣もつとに御承知のとおりです。振り返ってみますと、昭和三十六年だったと思いますが農業基本法ができまして、選択的拡大ということで酪農とかんきつ、こういうようなことで政策としてうんと伸ばしてまいりました。  昭和四十七年産だと思います、ミカンについて、「かねや太鼓で踊らされつくったミカンがこのとおり」、まさに戦後の四十七年が、初めてミカン農家が価格の暴落による危機突破を迎えたその年であったと思います。農家は懸命に努力をいたしました。そして、規模の拡大等々あるいは合理化等々非常に努力をしてまいりました。ところがこれはなかなかうまくいかない。自由化につきましても、私も自民党の代表の人とよく一緒になりましていろいろな農民の団体の中で自由化反対、これはもう自民党代表も異口同音に皆言っておりましたけれども、残念ながらこれが自由化に踏み切る、こういうことになりまして、大変遺憾であります。  これは談話でありますが、大臣は、我が国の牛肉・かんきつ生産の存立の基礎を守るための観点に立って自由化を決断したこと、また事後対策について今回の結果が関係農家等に大きな不安を与えることのないようなそういう措置をとると述べられております。これは六月二十日ですね。  そこで、具体的に国内対策について若干見てみたいと思うのです。いろいろと農水省からも聞き取りをいたしました。まず、「みかん園等の再編整備の推進」のうち、園地の再編計画についてであります。いろいろと書かれておりますが、この園地の再編計画について、一体だれがどのように具体的に計画するのか、その拘束力は一体どうなのかということをまずお答えいただきたいと思います。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 園地の再編計画につきまして、私ども、全国的に生産者団体また地方公共団体の一致協力した取り組みによりまして、かんきつ農業の体質強化に全体として役立つような進め方をしてまいりたいというふうに考えております。  私ども、この事業の進め方といたしまして、やはり関係農家の皆様の御理解に立って自主的な取り組みをしていただくという方向で物事が運んでいくことを期待をいたしておるところでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 自主的にという今答弁がありました。ミカン園の転換について可及的速やかに推進する、こういうふうにあります。いろいろ調べてみますと、ミカンについては今十万三千ヘクタール、これが八万一千ヘクタールに減らす、二〇%の減ですね。中晩かんについて見ますと三万八千ヘクタールから三万四千ヘクタールに減らす、これは一〇%の減反率。こういう目標を持って、そして昭和六十三年からスタートして六十五年までに完成する、こういうふうに私は聞いておりますが、それは間違いございませんか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 おおむねお話のあったとおりでございます。  要転換面積につきまして、ミカンにつきましては、私ども二万二千ヘクタール減らしたいというふうに考えておりまして、転換率でいえば二割を若干上回る状況になると思っております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 その転換の中身ですけれども、ミカンについて言えば「廃園又は植林」。廃園というのはミカンの木を切って、そして根を掘り起こして、ほかには何も使わない、これが廃園ですね。それから植林、これは恐らく杉檜を植えると思いますが、廃園または植林等。それから「他作物、他果樹への転換」。中晩かんについて言いますと、他の作物、他果樹への転換、これだけであります。  そこで、こういうのを前提にしてまず助成措置について中身をお聞きしたいと思うのでありますが、廃園あるいは植林の場合、この助成が平均単価、これは十アール当たり、一反ですが三十万円、こういうことになっております。しかもこれがすべて一回きり、こういうことですね。私は、この三十万というのはどこから出てきた数字か全く納得ができないわけですが、廃園するのには今申し上げたようにさまざまな手数がかかりますが、この費用をどのぐらい見ておるのか、お答えいただきたい。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 お話がございましたように、園地再編についての助成といたしましては、私どもはできるだけ他作物、他果樹へ転換ができるところは進めていただくということでまず考えたいわけでございますが、土地条件等からしまして他の作物がつくれないというケースも予想されますので、お話のございました廃園する場合あるいは植林する場合、これにつきまして、特にお気の毒なケースであるという考え方から平均単価を三十万円ということで決定をさせていただいたわけでございます。  この中で経費的なものがどの程度入っているかというお尋ねでございますが、私ども、一般的には廃園ないし植林をする場合に抜根というようなことをやるというケースは通常予想されないのじゃないかというふうに思っております。どれだけということを明確にしておるというものではございませんけれども、御参考までに、従来の伐採経費に対する助成の額といたしましては十アール当たり四万七千円というのがございましたけれども、そういったこともひとつ勘案しながら、また、全体として、三十万円という単価につきましては、私ども、こういった日米の間での自由化問題というような異常な環境のもとで、全国の生産者の方々の協力を得ながら一定の園地再編についての誘導効果を持たせていくために必要な額ということで設定をさせていただいた次第でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 伐採、ミカンの木を切るというのは本当に我が子の首を絞めるような思いをするわけですよ。しかもこれは伐採だけじゃだめなんです。伐採してそのままにほっておきますと、これは防災上非常に危ないんですよ。私も現地に入りまして、専門農家からいろいろ聞きました。やはり抜根せざるを得ない。それで業者を連れていきまして、どのくらいかがるかいろいろ調べてみたんです。地理的な条件の非常によいところ、これはパワーショベル、ユンボを使ってやれるわけですが、この場合にはパワーショベルの使用料、それからオペレーター料、それからチェーンソーでまず伐採する、こういうのを合わせますと、十アール当たり約十万円かかる。それから問題は、地形上パワーショベルの使えないところ、そういうところがたくさんあるんです。恐らくもし万が一これをやられた場合には、転換というか減反を余儀なくされる場合に廃園等々かなり多く出てくるのじゃないかと思いますが、そういう地形的に非常に悪くてパワーショベル等々が使えない場合、チェーンブロック等を使いながら根を引き抜いていく。日当あるいは諸経費等々、これを計算しますと約二十三万円かかる、こういうことになるわけですね。しかも伐採、抜根して後、植林をする。植林も転換の一つの対象になっていますね。これは植栽する苗木あるいは維持管理費は全然見てないわけですね。どこからも出てこないでしょう。いかがですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 今回の助成単価の決定に当たりましての基本的な考え方は、これはいわゆる補償的な観点から損失を補てんするというような性格で決めたものではございませんで、基本的には、先ほども申し上げましたが、需給に応じた体質の強いかんきつ農業に転換をしていくという意味で、全国的に誘導効果を持ち得るような助成体系としたいということで考えたわけでございます。  伐採の経費、やりようによってはそういったケースもあろうかというふうには思っておりますが、従来の助成単価に比べまして大幅な改善をこの際行うこととして円滑に進めたいというように考えている次第でございます。  また、この決定の過程ではいろいろな御意見がございまして、先生も御承知であろうかと思いますが、このミカン園の所得を考慮すべきではないかとか、あるいは既にいろいろな形で投資を行った経費の未回収分があるとか、そういった御議論も経費の問題のほかにいろいろとございました。そういった御意見を考慮しつつ、関係団体とも調整を行いながら各方面の御意見を承って調整、決定をしたという経過になっておる次第でございます。  なお、植林の場合の経費でございますが、植林につきましては、御承知と思いますが、造林補助というものがかなり小規模の、たしか十アール程度まとまれば造林の補助が林野庁の方から出るというようなシステムもございますので、もちろんこういった条件を満たす場合にはそういった助成の道もこれに加わるということがあり得ると考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 今言われたけれども、植林の場合の助成措置ですね。十アール以上でなければその助成措置がないわけですよ。これは実際そんなにたくさんとられたんでは全く上がったりですから、そんなことはできようがないと思います。実際ないわけですね。  それから、今いみじくも補償費的な性格はない、こう言われましたね。だから涙金的なものもないわけで、結局経費で全部食われてしまう。しかも一回きりですね。そういうことになるわけで、これは非常に大変だと思うのですね。  それからもう一つ聞きますと、他作物あるいは他果樹への転換の場合ですが、これは十アール当たり十万円、こういうふうになっていますね。これも今申し上げたように整地するのに非常に金がかかる。機械使っても十万円、あるいは手作業の場合には二十三万円ぐらいかかる。しかるに他作物あるいは他果樹への転換についてはこれだけですよ、結局十アール当たり十万円、これならばやむを得ず廃園にせざるを得ないということで、廃園の選択をせざるを得ないところまで追い込む、こういうことにならざるを得ないというふうに私は思うわけですね。  それから、しかも先ほど申し上げたように、規模拡大ということでさまざまな助成措置を受けながらどんどん規模を拡大していって、借金が大変たまっているわけですね。  私、ある農家に聞いたわけです。経営の規模拡大のために他の二人の農民と共同で山を開墾し、中晩かんを植栽した。当時は中晩かんを植えると融資の対象となり、一千万円ほどの資金を借りた。償還期間は十五年で、現在八年目を迎えている。また、昭和五十九年には融資資金を使い薬剤散布施設をつくった。両方の融資資金の返済金額を合わせると、元利計で年間九十万から百万ぐらいになる。年間このぐらい返さなければならぬ。ですから、一方では平均十アール当たり三十万とおっしゃいますけれども、これは実際費用に行ってしまう。それだけではなしに、借金借金でこれの返還をする元手というか原資がなくなるわけですね。こういう深刻な状況に、温州では全体の二割、それから中晩かんでは一割、これがこういう状況に置かれる。聞きましたら、結局これはやめるにもやめられない、残るにも残れない、こういう非常に深刻な声がたくさん寄せられておりますが、こういう農民の声、こういうものを農水大臣、どのように考えておられるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

佐藤隆自由民主党農林水産大臣

○佐藤国務大臣 今回の日米交渉の結果は、非常に厳しい局面を乗り越え、そして国内対策によって相補い、そしてその存立を守る、こういうことで一汗かいたことは事実でございます。そういう中でこれから一体どうするかということで、まあこの程度はひとつはっきりしておいた方がいいのではないか、いつまでも甘いことを言うこと自体が果たして親切であろうかというような考え方から、廃園助成についても実は相当深刻な議論をいたしました。そして、もとより生産者の声が集約されておる団体の意見等々も承りながら御承知のような決定をいたしたわけでございますので、御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 交渉前には農水大臣も、自由化はもう絶対反対という非常に強い声、トーンで言っておられましたけれども、今の話を聞きますと結果を合理化する弁解にしか聞こえないわけで、それでは今申し上げた具体的な実態の中へ置かれて、生きるも死ぬもどうしたらいいのか進退きわまるというような農民の切実悲鳴にこたえられていない、こう私は言わざるを得ないと思うのです。  次に、果汁原料用かんきつの価格安定対策についてお伺いしたいと思うのです。この国内対策のもう一つの問題がこれであります。  これを見まして私またびっくりしたのですが、当面八年間は自由化ショックによる価格暴落対策として特別補てんを行う、こう言います。しかしその中身を見てみますと、一つは、その特別補てんの財源についてでありますが、これは全額が国費負担かといいますと、そうではない。国が四分の三、県、生産者が四分の一、こういう負担割合になっていますね。二つ目は、その保証基準価格ですが、現在全国平均、これはたしかキロ当たり三十八円だと思うのです。間違いであれば後でまた訂正していただきたいと思いますが、和歌山では三十三円〇七銭。それで、じゃ一体八年間三十八円を維持するのかというと、そうじゃない。年々ずっと下げていって、六十七年の四月、つまり四年後には目標取引価格まで落とす、こういうことになっていますね。その際の目標取引価格とは幾らかといいますと、これは十五円を想定しておる、こういうことであります。それから三つ目は、八年後には今申し上げたように通常補てん、これだけになるわけですね。その補てん価格を見てみますと、これは今申し上げたように十五円以下の十分の九、こういうことになる。そうじゃありませんか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 考えております対策の概要は、今先生のおっしゃったようなことでございます。  基本的な物の考え方といたしまして、私ども、ミカンジュースはいわば生果の需給調整を図る上で非常に大事な役割を果たしているものであるという位置づけをいたしているところでございまして、農家の採算は現在でもそうでございますが生果でとられている。言ってみれば、生果が需給状況に応じまして市場にラッシュするということによって値崩れすることを防止するために、全国の団体で協力をして需給調整的な見地からジュースへの仕向けを決定し、これをきちんとやっていただく、これを支えるものとして現在の価格安定制度が設けられているというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。  それで、御指摘ございましたように八年間、この自由化なり、あるいはそれまでにも輸入数量の増大がございますのでジュース向けの価格が下落するということが予想されるわけでございまして、この部分につきましては十分の十の補てん率、国の負担割合は四分の三でございますけれども、そういうもので特別補てんを続けていく。それで八年間の間にお話のございましたように保証基準価格を国際競争に耐え得る価格のところへさや寄せをしていくという考え方でございます。  なお、季節変動的な変動がその下にさらに落ち込むということが考えられますので、その部分につきましては現在行っております価格安定制度をそのまま継続するという形で続けていくということで、二本立てで考えてまいりたいという趣旨でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 大体ジュース用は全体の消費の二割ですね。しかもこれが農家にとっては本当に下支えと申しますか、農家経営を安定させる一番のとりで、よりどころになっているわけですよ、この安定価格政策はね。これが八年先には、今の答弁でも明らかなようにもう十五円以下になるわけですからね。見ますと、現在のミカンの生産費ですが、これはキロ当たり百八円七十四銭。これは百キロ単位で農水省はカウントしていますが、一万八百七十四円、こういうことでしょう。和歌山県が果樹農業振興計画というものを六十一年の十月に立てておりますが、これを見ますと、将来の単価についてはキロ当たり百十五円、こういうふうにしております。ところが実際には八年たちますとジュース用については十五円以下、こういうことになるわけで、これではとても、こういうような政策では、生産の存立を守る政策とかあるいは農家に不安を与えることのないようにということとはおよそほど遠い、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。  しかも、この減反の面積ですが、今数量は二百四十万トン体制ですね。これを六十万トン減らして百八十万トンにする。今ずっと輸入の量を見てみますと、結局その分がそっくりそのまま輸入の拡大分、これに相当するというふうになると思うのですね。  ちなみに、一九九〇年自由化前年の生鮮オレンジの輸入が十九万二千トン。それから濃縮果汁、これは四年先ですね。一九九一年自由化の前年四十万トン、これは生果換算。それからストレート果汁、これは一九九〇年生果換算で五万四千トン、これを足しますと六十四万六千トン、これは大体合うわけで、片方では日本の国内の生産をそれだけ落として、落とした分を結局アメリカから入れてくる。  ですから、農民の声を言いますと、結局これはミカン処分じゃないか、何で我々だけがこんな犠牲を負わされなければならぬのか、こういう強い怒りがあちこちで出ております。ある農民は私にこう言いました。これまで輸入枠拡大などの危機の都度生き残り対策をとってきた、今後は後ろに何もない、がけっ縁に立たされている、今後どうなるかもう見当もつかぬ、だから今仕事も手につかない、こういうことを皆が異口同音に述べておられるわけであります。今からでも遅くないわけで、圧力による自由化というものは撤廃すべきだ、このことを今の時点でも強く要求していきたいと私は思うのです。  関連して、ちょっとジュースの問題についてお聞きしたいと思うのです。  和歌山県に紀ノ川農協というのがあります。事業目的は、ミカンなど農産物を組合員が生産したものを販売する、それから物資の共同購入ということであります。ところが、同じ農協でありながらジュースなどの加工用ミカン、これが和歌山にありますジュースの加工工場、桃山工場、ここに引き取ってくれないわけですね。一定の価格安定対策がありながら、ここからこの効果を全く受けていない。なぜ引き取れないか。農水省はこういう紀ノ川農協等についても引き取りができるように指導すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 紀ノ川農協の問題につきまして先生からお尋ねがございまして若干事情を聞いてみたわけでございますが、まだ詳しい状況がわかっているわけではございませんけれども、この紀ノ川農協は県の農協連合会に未加入であると承知をいたしております。こういった状況で、果汁工場の方の経営の立場からいたしますと、員外利用を認めるということには問題があると考えているようでございます。  私ども、先ほど申しましたジュースによる需給調整というような見地から、基本的には当事者間の話し合いが一番望ましいと思っておりますが、必要に応じまして適切な指導を県とも相談をして行ってまいりたいと思っております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ぜひひとつ指導をよろしくお願いしたいと思います。  次に、紀ノ川用水の受益者負担の軽減についてお聞きしたいと思います。  私もこの国会でも何度も問題提起をして要求もしましたし、また政府交渉も、地域の受益者、農民と一緒に何度もやりましたので、松山さんもつとに御承知のとおりであります。この農民の強い要求ですが、結局戦後の増産政策の中で用水の水を使用して食糧増産を図る、こういうことで進められたわけですが、当初より計画がうんと延びておるし事業費もうんとふえておるわけですね。しかも、片っ方では農村が米の減反とかミカンの価格の低迷、こういうことで非常に深刻な状態であります。この負担の軽減というのは非常に強い要求であるわけでね。  そこでお聞きしたいのは、今この負担について、水田は一体どうなっておるのか、あるいは畑作についてはどうなっているのか、まずその点を聞かしていただきたい。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 紀ノ川用水については、負担問題に入る前に現状をちょっと申し上げた方がよろしいかと思いますけれども、水田約二千四百ヘクタール、樹園地約二千百ヘクタールというのを対象にした事業でございまして、御案内のように国営事業は既に完了いたしております。末端への配水を行います関連事業、これは県営と団体営で実施をいたしておるわけでございますが、そのうち水田に関係いたします部分につきましては昨年度ほぼ完了したという状況にあるわけでございますけれども、樹園地にかかわる部分につきましては、昨今の情勢も踏まえながら県等におきましても受益農家の希望の非常に強いところを実施していくという方針をとっておるようでございまして、今後ともそういう方針でやっていくと承知をいたしております。そういう意味では、水田に比べまして畑地関係の事業の方は予定よりも相当おくれておる、まずこういう状態にあるということでございます。  そこで、お尋ねの負担の関係でございますけれども、御案内のように国営につきましては国の補助率が六割、通常の場合、その補助残を県と地元とが半分ずつ持つという話になるわけでございますけれども、この紀ノ川用水地区の場合には、県、それに関係市町が農家負担の軽減という観点からかなり努力をいただいておるようでございまして、県につきましては六十年度から一〇%さらに上乗せ助成をする、それから六十三年度からは関係の市町が五%を助成する、こういうことに相なってございます。この結果、国営事業につきましての農家負担、水田に関係する部分につきましては約五%ということで、償還額にいたしまして年三千円弱になると承知をいたしております。なお、畑にかかわります国営事業の負担金は、ほとんどといいましょうか余り事業がされていないという実態もあるわけでございますけれども、県と市町が肩がわりするという予定だと聞いております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 今、局長のお答えをよく聞きましたけれども、畑作については負担がわりを県と町がやるんだ、こういう話ですね。そうすると、国の負担部分は六割でちっとも変えない、結局しわ寄せが県が負担の一〇%増、それから、橋本市もありますから各市町ですか、市町が五%新たに負担をするということですね。要するに県と市町が肩がわりするということで、これについては国は全く負担をふやさない。国の責任でいろいろ工事がおくれ負担がふえておりながら、しかも政策はうんと変わっております。それにもかかわらず国はそういう点での面倒をちっとも見ないということは、私は大変遺憾だということを指摘せざるを得ないと思うわけであります。これは時間の関係でこの程度にしておきます。  次に、果汁、ジュースの問題に関連して缶代。ジュース缶、これらについては値下げをしろと、非常に高いと。日本農業新聞のことしの八月九日の報道を見ましても、果汁が一〇〇%として国産と輸入、このコストの内訳が書いてあります。原果汁代が輸入が十三、国産が二十。それから缶についていいますと、輸入が十の割合に対して国産の場合には二十七、三倍弱と非常に高い。今、日本の食品メーカーが、これはカゴメもそうだし、いろいろな企業がアメリカや東南アジアにどんどん進出をする。この原因をいろいろ調べてみますと、原料が安いということのほかに、やはり国内の缶の代金が非常に高い。だから、このコストを削減するためにはどうしても外へ出ざるを得ない、こういうような声もたくさん聞くわけであります。  そうしますと、これは系統農協もたくさんジュース缶をつくっておりますので、どんどん外へ逃げていくということは大変深刻になりますから、国会でも論議になりましたが、缶の代金、これは大体ブリキ缶が多いと思うのですね、ジュースの場合には。新日鉄が大体最大のメーカーで、そして製缶メーカー、これは東洋、大和、北海、この三社だけで九七%のシェアを占めておりますが、値下げをさせる。これは農水省もいろんなそういうお願いをしておると思いますが、農水省とそれから通産省、両方にお答えいただきたいと思います。

吉國隆農林水産省農蚕園芸局長

○吉國政府委員 空缶問題につきましては、いろいろな食品工業に関係をいたしておりますので、農林水産省としても非常な関心を持っているところでございます。私ども、ミカンジュースを担当している立場で申し上げたいと思いますが、空缶の価格につきましては、円レートの高騰の結果、国際的に見て割高な現象というものが出てきているというふうに思っております。  ちなみに、私どもの理解では、先ほど先生おっしゃいましたように、ジュースによく使われております二百五十ミリリットルのブリキ缶、これで日本が建て値で二十七円程度というふうに把握をいたしております。アメリカのものが十三円、先ほど先生十円というふうにおっしゃった、そういう記事もあったかと思いますが、十三円程度かというふうに把握をいたしております。ただ、この空缶の価格につきましては、企業間におきまして個別の取引ごとに詳細が定まっているというような状況もございまして、私ども正確に全貌を把握するということはなかなか困難な点がございます。  いずれにいたしましても、空缶問題につきましては、お話のございましたような食品工業の空洞化というようなこととも関連をしてまいろうかというふうに思うわけでございまして、ことしの一月に関係の団体、果汁業界も参加をいたしておるわけでございますが、食品産業センターが事務局を務めまして、空缶問題研究会というものが幾つかの業界の参加のもとに組織をされております。こういったところで取引実態等についての検討を進めておりますが、私どもそういった推移も見ながら、また通産省とも御連絡をとりながら、問題点の把握なり対応の仕方につきまして研究を深めつつ対応を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

足立芳寛通商産業省基礎産業局製鉄課長

○足立説明員 御質問の飲料缶の価格の問題でございますが、ただいまも農林省の方から御答弁申し上げましたように、我が国の飲料缶につきましては、最近の急激なる円高によりまして諸外国に比べて割高になっておるということも事実でございます。他方、御指摘ございますように、製缶メーカーにとりましても、この問題は国内での製缶業が存立していくために非常に大変な問題ということでございます。この円高の克服、また、その他の紙やプラスチックといったような他の容器素材との競合の問題もございます。このような競争の激化を解消するために、コスト削減のための合理化努力をやっておるというふうに聞いております。  最近におきましても、若干の価格の引き下げが行われたというふうに聞いているところでございますが、いずれにいたしましても、今後ともこれら合理化努力によりまして飲料缶価格の是正が図られるということを強く期待しているところでございまして、ただいま御指摘の点も踏まえまして、その動向につきまして十分注意をしてまいる所存でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ぜひ強力な、これは農水省、両方非常に大事な問題だし、通産大臣も国会でも、これは政府としても取り組んでいく、こういう答弁をしておりますので、農水省もぜひよろしくお願いしたいと思います。  時間がありません。最後に二問だけまとめてお聞きして、お答えいただきたいと思います。  一つは、ため池の問題です。ため池は今減反の中で受益面積が非常に減っておる。農家戸数あるいは農家人口も減っておる。なかなか維持管理ができないという状況ですよね。しかも、ため地そのものは百年以上も経過して非常に老朽化して、防災上も非常に危ないのがたくさん出ておるわけですね。ところが、なかなかこういうのが解消できない、こういう状況であります。ですから、単にため池というのは農家の受益だけの役割を果たすということでなくて、防災上の問題とか、あるいはその他もろもろの問題がありますので、ため池に対する対策を根本的に考える必要があるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。この点についてのコメントと同時に、実は和歌山市ですが、これは米の減反が目標どおりいってないということの中でそれに関連するいろんな国の補助事業がカットされておる、こういうようなこともあるようです。これはとんでもないことだと思うのですね。特にため池についても、きょう申し上げますけれども、いろんな補助事業でやりたいけれども減反目標を達成してないからこれはできないのだ、補助はできない、こんなことになっておるようですけれども、これは農水省の方針とも違うと思うのです。その点についての見解をぜひ聞かしていただきたい、これが一点です。  それからもう一点は、和歌山県粉河の荒見地区の畑地帯の総合土地改良事業です。この事業の概要についてはもう結構ですが、現在もこの地区の住民が四億五千五百万、実際まだ借金がある。これをずっとこれから継続して昭和八十一年まで返還していかなければならぬ。これは農林公庫から粉河の農協が借りて、農協がさらに農民との間で貸し借りの契約をしておる、こういうことのようですね。公庫からの借り出しの金利が六・五%で非常に高い。これはもうるる申し上げておりますように、農家は今非常に大変ですよね。なかなか返済が困難だ。皆頭を抱えているわけです。これについて何か抜本的な対応、対策が必要だと思うのです。  この二点についてお答えいただきたいと思います。

松山光治農林水産省構造改善局長

○松山政府委員 ため池整備の問題でございますけれども、老朽化いたしましたため池を整備することによりまして農業生産力の維持なり農家経営の安定を図る、あわせて国土の保全に資する、こういう目的で実施しておることでございますし、私どもといたしましても、事柄の重要性にかんがみまして、従来から事業内容の追加等制度の見直し、あるいは事業費の確保といったような点に随分と配慮してきているつもりでございますし、今後ともそういう観点で事業の推進に努めていきたい、このように考えておるわけであります。  今御指摘のございました農家負担との関係でございますけれども、本事業、その緊急性なり重要性といったようなことにかんがみまして、一般的にはほかの土地改良事業に比べまして比較的高い国庫補助率を適用をいたしております。かつまた、これはどの県でもそうでありますが、一種の公的性格といいましょうか、そういうことも勘案いたしましてある程度の県なり市町村の負担が行われておる。農家負担率にいたしまして、これは地区によって区々だと思いますが、一〇%程度というところが多いんじゃないかというふうに考えております。逆に申し上げますれば、ため池の整備によりまして当然のことながら受益農家、一定の受益があるわけでございまして、農家としてもいろいろと苦しい事情はあろうかと思いますけれども、事業全体を円滑に進めていくという観点からは、ひとつその点の負担については格別の御理解を賜りたいものだ、このように考えておる次第でございます。  それから、米の転作とのかかわりの問題でございますが、御案内のように、転作と申しましょうか、水田農業の確立という形で今呼んでおりますが、この問題、全国の農家が挙げて需要に見合った農業生産の確立、農業生産性の向上といったような観点から取り組んでいただく必要のある事業でございますし、そういう観点から、これは土地改良事業だけではございませんで、農林省の事業全体につきまして、全体として事業の推進に資するような配慮をしておるというのがこれまでの経過でございます。土地改良事業の世界におきましても、これは時期により若干の違いはあるわけでございますが、現段階では、事業の性格に応じて目標達成を要件としているものもございますし、あるいはそういった目標の達成状況を優先的な配慮事項にしておるといったような事情もあるわけでありますが、今御指摘のため池自体につきましては、事柄の性格にもかんがみまして、そういう意味での特段の条件づけは行っておらないわけであります。ただ、私どもも、ため池の事業にいたしましても、やはり転作問題との関連をよく考えてやっていただきたいものだとは思っております。  それから、もう一つ御指摘のございました荒見地区の問題でございますが、荒見地区では五十六年度までに御指摘のように四億五千五百万の公庫融資を受けております。その後返しておりますので、現在の償還残高は六十二年度末で三億六百万というふうに承知をいたしておる次第でございます。  これも含めました負担の軽減問題についてのお尋ねでございますけれども、御案内のように、土地改良事業が国の一定の補助のもとに行われているという事情に加えまして、公庫からの融資自体が実は低利の融資だということをひとつ御勘案いただきたいわけでありますが、加えてこの地区につきましては、昭和五十六年でございましたか、干害のために被害を受けたという事情もございまして、公庫の特別の配慮で、たしか五年間、二十年の償還期限を二十五年に延長するという、そういう措置もとられているように聞いております。そういう意味では、この地区について何らかの特別の対応をしていくということは困難であるというふうに私は考える次第でございます。  ただ、農家の負債問題というふうな観点からいたしますれば、御案内のように、国の制度といたしましても自作農維持創設資金があるわけであります。かつまた、その他の経営対策資金もあるわけでありますし、かつ、聞くところによりますれば、県では、昨年のミカンの暴落問題もございまして、県単で特別の低利の経営安定資金をことしから準備しておるようにも聞いでございます。そういったことの活用も含めましてひとつ対応をお願いしたいものだ、このように考えておる次第でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、今の御答弁でもまだ納得できませんので、さらに引き続いて要求していくということを加えまして終わりたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十三分散会

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